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マイナー・レーベル
2022年5月新譜情報


・国内盤マイナー・レーベル
・輸入盤マイナー・レーベル
・輸入盤 歴史的アイテム
・映像アイテム
・高音質アイテム


輸入盤の新譜は、基本的には御紹介月の翌月〜翌々月中にリリースされますが、 極端に発売日が遅れることや、初回生産が少なく次回プレスにまわされることがあり、入手に時間がかかるものもございます。 また、発売より時間の経ってからご注文の場合、 中には廃盤や入手不能の商品が出ている場合がありますので、その節は何卒御了承下さい。



輸入マイナー・レーベル




OLYMPIA RUSSIA  [Mezhdunarodnaya Kniga/MK]  1CDあたり¥2530(税抜¥2300)

 旧譜はこちらから
MKM-344
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(2CD)
[注目盤]
エフゲニー・ムラヴィンスキー
 モーツァルト(1756-1791):歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
 ブルックナー(1824-1896):交響曲第7番 ホ長調 WAB 107 (1883年版)(*)
 ハイドン(1732-1809):交響曲第88番 ト長調 Hob.I: 88
 チャイコフスキー(1840-1893):交響的幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」 Op.32 (+)
 グラズノフ(1865-1936):交響曲第5番 変ロ長調 Op.55
  エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラードpo.
 録音:1967年(*) /1968年(無印) /1983年(+) 。
カラヤン& BPO 〜ベートーヴェン(1770-1827):
 交響曲第〔集5番 ハ短調 Op.67 /第7番 イ長調 Op.92 〕
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
BPO
 録音:1962年3月、イエス・キリスト教会、ベルリン、(西)ドイツ、 ADD 、おそらくセッション|原盤:おそらく DG 。
MKM-346
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(2CD)
ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ〜
 ラフマニノフ
(1873-1943):ピアノ協奏曲全集
  〔第1番 嬰ヘ短調 Op.1 (*) /第4番 ト短調 Op.40 (+) /
   第2番 ハ短調 Op.18 (+) /第3番 ニ短調 Op.30 (*) 〕
セルゲイ・ラフマニノフ(P)
ユージン・オーマンディ指揮(*)
レオポルド・
 ストコフスキー指揮(+)
フィラデルフィアo.
 録音:1929年、1939年-1941年、モノラル、 ADD |原盤: Victor/Victrola 。
MKM-349
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(2CD)
モーツァルト(1756-1791):ピアノ協奏曲集
 〔第20番 ニ短調 K.466
   [クララ・ハスキル(P) イーゴリ・マルケヴィチ指揮コンセール・ラムルーo.|原盤: Philips ]/
  第21番 ハ長調 K.467[ヴィルヘルム・ケンプ(P) ベルンハルト・クレー指揮ハイエルン放送so.|原盤: DG ]/
  第23番 イ長調 K.488[ロベール・カザドシュ(P) ジョージ・セル指揮コロムビアso.|原盤: Columbia/CBS ]/
  第27番 変ロ長調 K.595 [エミール・ギレリス(P) カール・ベーム指揮 VPO |原盤: DG ]〕
 録音:データ記載なし、セッション、ステレオ、 ADD 。

MV CREMONA (伊) 1CDあたり¥2970(税抜¥2700)

 ヴァイオリン製作で名高いイタリアの都市クレモナで活躍する弦楽器製作家にしてヴァイオリニスト、マルチェッロ・ヴィッラが1999年に創設しプロデューサーを務める古楽系レーベル。知られざる作品を多く取り上げながら、その選曲は確実に古楽愛好家を中心としたリスナーの心をつかみ、各タイトルとも、このようなアルバムとしては異例のヒットとなっている。旧譜はこちらから
MVC-022-059
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[注目盤]
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ルスト(1739-1796):チェンバロ・ソナタ集
 チェンバロ独奏のためのソナタ ハ長調(ベルリン国立図書館 写本 CzaR 10 所収)/
 チェンバロのためのソナタ 変ホ長調(ベルリン国立図書館 写本 CzaR 14所収)/
 チェンバロのための(ソナタ?) ト短調(ベルリン国立図書館 写本 CzaR 24 所収)/
 チェンバロまたはフォルテピアノのためのソナタ 嬰ニ長調(ベルリン国立図書館 写本 CzaR 11 所収)

  ダヴィデ・ポッツィ(Cemb)
 録音:2021年6月22日-24日、サン・ロレンツォ・モンディナーリ教会、チェッラ・ダーティ、クレモナ県、イタリア|すべて世界初録音。
 フリードリヒ・ヴィルヘルム・ルストはドイツのヴァイオリン&鍵盤楽器奏者・作曲家。デッサウ近郊に生まれ、J.S.バッハ(1685-1750)が組織したライピツィヒ・トーマス学校のオーケストラのヴァイオリニストであった兄から音楽の初期教育を受け、W.F.バッハ(1710-1784)、C.P.E.バッハ(1714-1788)、F.ベンダ(1709-1786)に師事。勉強を終えデッサウに帰り、音楽教育者・音楽興行主として活躍、オペラ劇場を創立した。J.S.バッハの手稿譜のコレクターでもあり、「無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ」の手稿譜も所有、そのコレクションは後に孫のヴィルヘルム・ルスト(1822-1892)がバッハの楽譜 (Bach-Gesellscaftクリティカル・エディション)を校訂する際に大きな助けとなった。ヴィルヘルム・ルストはバッハと同じように死後忘れ去られていた祖父の作品の再評価にも尽力した。
MVC-022-056
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[注目盤]
バーニー氏の素敵な旅
 チャールズ・バーニー [Charles Burney] (1726-1814): Sonata VI ["Sei sonate op. I, London (S. D.)]
 クリストファロ・カレザーナ [Cristofaro Caresana] (1640頃-1709): Tarantella ["Duo opera II", Napoli 1963]
 ジュゼッペ・アヴィトラーノ [Giuseppe Avitorano] (1670-1756): Sonata I ["Sonata a tre, op. I", Roma 1685]
 ピエトロ・フランキ [Pietro Franchi] (1651頃-1731): Sonata I ["La cetra sonora", Napoli 1697]
 アンドレア・キアレッリ [Andrea Chiarelli] (1675-1699): Sonata XII ["Suonate musicali", Napoli 1699]
 アレッサンドロ・スカルラッティ(1660-1725): Sonata [Ms. Biblioteca privata - Turi (BA)]
 レオナルド・レーオ(1694-1744): Sonata [Ms. - Dresden, Sächsische Landesbibliothek] /
                 Toccata [Ms. - Napoli, Biblioteca del Conservatorio]
 ジャコモ・インサングイネ [Giacomo Insanguine] (1728-1795):
   Toccata [Ms. - Napoli, Biblioteca del Conservatorio]
 チャールズ・バーニー: Sonata I ["Sei sonate op. IV, London (s.d.)]
  以上 [使用楽譜が含まれる曲集]

 バリアンティクァ
  [ダリオ・パルミザーノ、ミケーレ・サラチーノ(Vn) エドワルド・ショスト(テオルボ)
   ディエゴ・カンタルーピ(アーチリュート) ダヴィデ・ポッツィ(Org)]
 録音:2020年11月7日-9日、サン・アンドレア教会、ジョイア・デル・コッレ、バーリ県、イタリア。
 チャールズ・バーニーはイギリスのオルガン奏者・作曲家・音楽学者。1770年、取材のためにイタリア各地を旅し、たくさんの音楽資料を収集して旅行記や音楽史書を出版した。当盤のプログラムはバーニーが旅の終盤に訪れた南イタリアの当時の音楽と彼自身の作品で構成されている。
 バリアンティクァ [BariAntiqua] はディエゴ・カンタルーピが2016年イタリアのバーリに創立したピリオド楽器アンサンブル。ヴァイオリンのダリオ・パルミザーノ、ミケーレ・サラチーノは共にフェデリーコ・グリエルモ門下の若手。
MVC-020-055
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[注目盤]
バロックの熱狂〜 1679年アントニオ・ストラディヴァリ作の
  ヴァイオリンとギターで聴く、イギリスにおけるコレッリとその周辺の音楽

 ミシェル・ファリネル [Michel Farinel] (1649-1726):
   La Folia ["The Division Violin", London 1684] (V/G)
 トマス・バルツァー [Thomas Baltzer] (1631頃-1663):
   A Prelude for the Violin by Sen'r Balshar a Germaine ["The Division Violin", London 1684] (V)
 ガスパル・サンス [Gaspar Sanz] (1640-1710):
   Canario ["Instruccion de Musica sobre la guitarra espanola", Zaragoza, 1674] (G)
 ニコラ・マッテイス [Nicola Matteis] (1650-1714):
   Diverse Bizzarrie sopra la vecchia Sarabanda o pur Ciaccona
    ["Ayrs for the Violin, The First Part", (London?) 1676] (V/G) /
   Passaggio rotto - Andamento veloce
    ["Other Ayrs for the Violin, The Second Part", (London?) 1676] (V)
 ガスパル・サンス: Preludio o capricho arpeado por la +
    ["Instruccion de Musica sobre la guitarra espanola", Zaragoza, 1674] (G)
 ニコラ・マッテイス: Un poco di maniera Italiana / Aria Ridicola
    ["Ayrs for the Violin, The First Part", (London?) 1676] (V/G)
 ガスパロ・ヴィスコンティ [Gasparo Visconti] (1683-1713): Prelude by Sign'r Gasperini
    ["Select Preludes or Volentarys for the Violin", London 1705] (V)
 レリオ・コリスタ [Lelio Colista] (1629-1680): Passacaille dite Mariona
    ["Recueil des pieces de guitare composees par Mr Francois Le Cocq", Gend 1730] (G)
 トマス・バルツァー: Sen'r Balshar's Division on John come kiss me now
    ["The Division Violin", London 1684] (V/G)
 カルロ・アンブロジオ・ロナーティ [Carlo Ambrosio Lonati] (1645頃-1712頃): Prelude by Sign'r Ambrogio Lonati
    ["Select Preludes or Volentarys for the Violin", London 1705] (V)
 ガスパル・サンス: Maricapalos [Libro segundo, de cifras sobre la guitarra espanola, Zaragoza1675] (G)
 作曲者不詳: The Duke of Norfolk or Paul's Steeple / A Division to a Ground
    ["The Division Violin", London1684] (V/G)
 ジョヴァンニ・ボノンチーニ [Giovanni Bononcini] (1670-1747): Prelude by Sign'r Bononcini
    ["Select Preludes or Volentarys for the Violin", London 1705] (V)
 サンティアゴ・デ・ムルシア [Santiago de Murcia] (1673-1739): Grabe ["Saldivar Codex n.4", 1732] (G)
 アルカンジェロ・コレッリ [Arcangelo Corelli] (1653-1713): Prelude by Arcangelo Corelli
    ["Select Preludes or Volentarys for the Violin", London 1705] (V)
 サンティアゴ・デ・ムルシア: Preludio Grave & Giga (da Arcangelo Corelli, Sonata op. V n.3)
    ["Saldivar Codex n.4", 1732] (G)
 アルカンジェロ・コレッリ: Sonata op. V n.10
    ["Sonate a violino e violone o cimbalo, opera quinta", Roma 1700] (V/G)
   Preludio. Adagio (ornamenti: Manchester Public Library, Ms. 130)
   Allamanda. Allegro (ornamenti di Mattewh Dubourg)
   Sarabanda. Largo (ornamenti di William McGibbon)
   Gavotta. Allegro, e quattro variazioni (ornamenti di Charles McLean)
   Giga. Allegro (ornamenti di Johan Helmich Roman)
 以上 [使用楽譜が含まれる曲集]

 フェデリーコ・グリエルモ(Vn "Hellier" ;V )
 ディエゴ・カンタルーピ(G "Sabionari" ;G )
 録音:2019年11月、 Auditorium Giovanni Arvedi 、ヴィオリン博物館、クレモナ、イタリア|使用楽器:1679年、アントニオ・ストラディヴァリ。
 「完璧」「現代における古典」と称賛されたイタリアのヴァイオリニスト・作曲家、アルカンジェロ・コレッリのイギリスにおけるカルト的人気をテーマとした興味深いプログラム。ロンドンで出版された楽譜集から多くの曲が採られている。
 ローマのリュート&ギター奏者で作曲家のレリオ・コリスタはコレッリとイギリスの作曲家ヘンリー・パーセル(1659-1695)に大きな影響を与えた。コリスタはスペインのリュート&ギター奏者・作曲家ガスパル・サンスの師でもあり、サンスはコレッリの様式をスペインに持ち帰ることになった。
 フェデリーコ・グリエルモ(1968年生まれ)はジュリアーノ・カルミニョーラ、サルヴァトーレ・アッカルドに師事したイタリアのヴァイオリニスト・指揮者。 Dymamic 、 Brilliant Classics といったレーベルにヴィヴァルディ、タルティーニ等の大量の録音がある。ディエゴ・カンタルーピ(1968年生まれ)はアンドレア・ダミアーニ、ティツィアーノ・バニャーティ、ポール・バイアーに師事したイタリアのリュート&ギター奏者。イタリアの様々な古楽アンサンブルに参加し、やはり数多くの録音がある。
 当録音にはクレモナのヴァイオリン博物館が所蔵する、アントニオ・ストラディヴァリ(ストラディヴァリウス)が1679年に製作したヴァイオリンとギターの銘器が使用されている。

BARYTON (伊) 1枚あたり¥3300(税抜¥3000)

 イタリアのサン・ジュリアーノ・デル・サンニオに本拠を置く Studio GLM が所有するレーベル。ご案内済旧譜はこちらから
BARYTON-2022/01
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[注目盤]
ミケーレ・マシッティ(1664-1760):
  ヴァイオリンと通奏低音のための12のソナタ Op.5 から
 〔第1番(*) /第3番(#) /第5番(+) /第7番/第9番/第11番(*) 〕

 フェデリーコ・マリア・ヴァレーリオ(Vn)
 ジャンニ・ラ・マルカ(ヴィオラ・ダ・ガンバ7弦;* |ヴィオラ・ダ・ガンバ6弦;+ |
            Vc;# |ピッコロVc;無印)
 アントニオ・ヴァリアーノ(スピネット)
 録音:時期記載なし、スタジオ GLM 、サン・ジュリアーノ・デル・サンニオ、イタリア。
 ミケーレ・マシッティ(マスチッティとも表記)はイタリアのヴァイオリニスト・作曲家。1704年パリに移住、1739年フランスに帰化した。コレッリ以来のイタリアの作風とルベル、クープラン、ルクレールといったフランスの作曲家たちの作風を融合させたヴァイオリン・ソナタがよく知られている。
 フェデリーコ・マリア・ヴァレーリオはローマのサンタ・チェチーリア音楽院でルイージ・マンジョカヴァッロにバロック・ヴァイオリンを師事したイタリアのヴァイオリニスト。
DL-001/21
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[注目盤]
〔高価格帯品〕
1.1CD価格
ジョスカン・デ・プレ(1450/1455頃-1521):イン・プリンツィピオ〔初めに〕
  Liber generationis Jesu Christi / Missis est Gabriel / O Virgo virginum /
  In principio erat Verbum / Praeter rerum seriem / O admirabile commercium / Quando natus es /
  Rubum quem viderat Moyses / Germinavit radix Jesse / Ecce Maria genuit / Factum est autem

 ワルター・テストリン指揮デ・ラビリント
  [ナディア・カリスティ、ラウラ・ファブリス、アリアンナ・ミチェーリ、
   フェデリーコ・フィオーリオ(カントゥス) マッテオ・ピガート(カントゥス、アルトゥス)
   アンドレス・モンティジャ=アクレロ、レナート・グロット(アルトゥス)
   マッシモ・アルティエーリ(アルトゥス、テノール) リッカルド・ピザーニ、マルコ・スカヴァッツァ、
   ラッファエーレ・ジョルダーニ、ジャコモ・スキアーヴォ(テノール)
   グリエルモ・ブオノサンティ、アルベルト・スパダロット、
   エンリコ・バーヴァ、マルコ・サッカルディン(バッスス)
   エレーナ・ベルッツィ、ジャンルーカ・フェラリーニ、ヴィンチェンツォ・ディ・ドナート、
   エンリーコ・インバルツァーノ、マッテオ・ベッロット(歌唱声部記載なし)]
 録音:2020年7月15日-18日、サンタ・マリア&サン・ゼノーネ教会、ズリアーノ、イタリア。上記、歌手名の後の(カントゥス) 等は声域ではなく歌唱声部を示す。デ・ラビリントの自主制作盤が Baryton からディストビュートされている形態で、やや高価。
 ルネサンス教会合唱音楽を専門とするイタリアの声楽アンサンブル、デ・ラビリント。ラッスス、パレストリーナ、ジェズアルド等の録音もあるが、彼らが本領を発揮するのはやはりジョスカン・デプレ。ほどよく厚みのある声で明快・流麗に歌われていく。

URANIA (伊)
 価格帯記載無し:1CDあたり¥2750(税抜¥2500) / 価格帯B:1CDあたり¥3300(税抜¥3000)

 旧譜(価格が異なります)はこちらから
ティボール・ヴァルガ〜協奏曲録音集〔おそらくデータ詐称あり〕
 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 Op.61 (*)
  [ハンス・ヴェルナー・リヒター指揮ベルリン・プロ・ムジカso./データ不明]
 ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 Op.26 (#)
  [ウォルター・ジュスキント指揮フィルハーモニアo./1953年、ロンドン]
 モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番 K.207 (+)
  [ウォルター・ジュスキント指揮フィルハーモニアo./1953年、ロンドン]
 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 Op.35 (#)
  [ジャン=マリー・オーベルソン指揮ウィーン祝祭o./1966年、ウィーン]

 ティボール・ヴァルガ(Vn)
 録音:[/内]、モノラル&ステレオ〔曲別の記載無し〕|発売:2017年。
 上記が正しければベートーヴェンは Peerless/ORYX や Basic Record Library というレーベルから LP で出ていたもの、ブルッフとモーツァルトは Columbia UK 音源で Forgotten Records が板起こし復刻している(fr-661)もの、チャイコフスキーは Concert Hall 原盤・・・のはずだが、ネット上の情報によると (*):ヴァルガ財団がリリースしていた CD, Tibor Varga Collection [Collection Tibor Varga ] の No.12 (TV-12) に含まれていたミラン・ホルヴァート指揮ザグレブpo.の1961年ハンブルク録音( LP では別レーベルからのリリースあり)、(#): Claves レーベルから出ていた CD, The Tibor Varga Collection Vol.3 (50-9313) のジャン=マリー・オーベルソン指揮(ティボール・ヴァルガ?)祝祭管 伴奏による1965年録音(チャイコフスキーも上記の Concert Hall 原盤とは別録音のはず)、(+):板起こしでスクラッチ・ノイズ多数、とクレジット通りなのは(+)のみの可能性がある。ネット上情報通りならば(*/#)は他盤は2022年現在入手できない貴重音源ではあるものの、倫理的に問題があるリリース。
 #当店では演奏家に関して保証をすることができません。ご了承の上ご注文ください。

ACCENT (白→独) 特記以外 1CDあたり¥3300(税抜¥3000)

 旧譜はこちらから
ACC-26416
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(3CD)
ヘンデル:歌劇「ロデリンダ」 HWV.19 (全3幕)
 アンナ・デニス(S;ロデリンダ) クリストファー・ローリー(CT;ベルタリード)
 トーマス・クーリー(T;グリモアルド) フランツィスカ・ゴットヴァルト(Ms;エドゥイジェ)
 ジュリアン・ヴァン・メレールツ(CT;ガリバルド) オウエン・ウィレッツ(CT;ウヌルフォ)

 ローレンス・カミングス指揮ゲッティンゲン祝祭o.
 録音:2021年9月9日、ゲッティンゲン劇場、ドイツ、ライヴ。1920年から行われているゲッティンゲン国際ヘンデル音楽祭。毎年ヘンデルのオペラを中心に様々な作品が演奏される大規模な催しが続いていたが、100周年となる2020年はコロナの影響でやむなく開催を断念。そして2021年に開催された音楽祭で上演されたのがこの「ロデリンダ」。1920年第1回の音楽祭で取り上げられた演目であり、特別な思いが込められた選曲と言えるだろう。2012年から音楽祭の音楽監督を務めてきたカミングスにとって、音楽監督最後の年でもあった。残されたライヴ録音からも充実した演奏の空気感がビリビリと伝わって来る。愛と情熱、嫉妬と陰謀、王位をめぐる人間関係に複雑に絡み合う恋愛事情…実にバロックオペラ的な筋書きに、ヘンデルならではの変化に富んだ感情豊かな音楽が炸裂する名作「ロデリンダ」。1720年代のロンドンで一流の歌手とo. に恵まれたヘンデルが完成させた作品だけに、出演者に対する要求も高いものとなっている。ローレンス・カミングスはイギリス古楽界の名匠として名を馳せる指揮者・チェンバリスト。1999年からロンドン・ヘンデル音楽祭の音楽監督、2012年からゲッティンゲン国際ヘンデル音楽祭の音楽監督を務めた、紛れもないヘンデルのスペシャリスト。
ドメニコ・マッツォッキ(1592-1665):
 5声のマドリガーレ「まずは言葉」(1638)
エティエンヌ・メイヤー指揮
レ・トラヴェルセ・バロック
 録音:2021年9月28日-10月1日。ドメニコ・マッツォッキはモンテヴェルディに続くイタリアの重要作曲家。残された作品は声楽曲に特化しており、伝統的な手法からモンテヴェルディが開拓した新しい語法まで駆使したハイレベルな物。5声で美しく絡み合う歌を中心としながらも、弦や管に加えバラエティ豊かな通奏低音がさり気なくセンス良く立ち回る、耳に楽しい演奏でお楽しみ頂きたい。
ビーバーとヴェイヴァノフスキー〜クロムニェジーシュ宮殿のトランペット音楽
 ハインリヒ・ビーバー(1644-17104):
  喇叭と音楽による食卓のもてなし(4声)/5声のソナタ〔第4番/第10番〕/6声のソナタ
 アントニオ・ベルターリ(1605-1669):5声のソナタ / 作曲者不詳:3声のソナタ/4声のソナタ
 作曲者不詳(ヴェイヴァノフスキー?):ホルンを伴う狩りのソナタ
 パヴェル・ヨセフ・ヴェイヴァノフスキー(1633-1693):4声のソナタ「 Be mollis 」
 ヨハン・ヤコブ・フローベルガー:リチェルカーレ第2番 FbWV 408

 ジャン=フランソワ・マドゥフ(Tp/Hr) ロゼッティ・プレイヤーズ
 録音:2018年。パヴェル・ヨセフ・ヴェイヴァノフスキーはチェコ生まれのトランペット奏者。イエズス会系神学校でビーバーと出会い、のちにクロムニェジーシュ宮殿の楽団に在籍し、ビーバーの指揮のもとでも演奏した。ビーバーはこの奏者と出会ったことでトランペット作品を生み出す。自身が得意とするヴァイオリンに拮抗する存在感を放つ音楽からはヴェイヴァノフスキーが相当な名手であったことがうかがえる。当時と同じナチュラル・トランペットを吹きこなすマドゥフによる演奏。
ドレスデンの晩鐘〜ハイニヒェン
 主は言われた ヘ長調 SeiH 44 /われは告白する ト長調 SeiH 32 /幸いなるかな 変ホ長調 SeiH 28 /
 ほめたたえよ ヘ長調 SeiH 84 /主をたたえよ ヘ長調 SeiH 83 /汝らの証聖者 ト短調 SeiH 58a /
 我が心、主を崇め 変ロ長調 SeiH 93 /救い主のうるわしき母 変ホ長調 SeiH 23 /聖ザビエルの連祷 ハ短調 SeiH 87

 ヤロスワフ・ティエル指揮ヴロツワフ・バロックo. 、アンサンブル・ポリハルモニーク
 録音:2021年7月、ルトスワフスキ音楽フォーラム、ポーランド。ザクセン選帝侯アウグスト1世・2世のもと芸術文化の栄えたドレスデン。そこで宮廷楽長を務めていたのがハイニヒェン。選帝侯はカトリックに改宗しましたが、宮廷生活はプロテスタントの性格が強いものだった。しかしアウグスト2世が厳格なカトリックのマリア・ヨーゼファと結婚すると状況が一変し、カトリックの宗教曲を作る必要が出てきた。そうして書かれたのがこれらの収録曲。「聖ザビエルの連祷」は初録音とされている。

ANTARCTICA (ベルギー) 1CDあたり¥3300(税抜¥3000)

ホフマイスター:6つのクラリネット四重奏曲集
 〔第6番 ニ長調/第4番 変ロ長調/第5番 変ホ長調/第1番 変ロ長調/第2番 変ホ長調/第3番 イ長調〕

 エディ・ヴァノオーストハーゼ(Cl) ツェムリンスキーSQ
 録音:2021年2月9日。クラリネット奏者のエディ・ヴァノオーストハーゼによって再発見された楽曲を含む、はじめて6曲セットの形で録音されたホフマイスターのクラリネット四重奏曲集。フルート音楽を多く書いたホフマイスター、クラリネットにおいても軽やかで美しい筆致が冴えわたり、なかなかの佳品と言える。
MISIA
 セヴラック:12のメロディ より〔 Temps de neige / Un Reve 〕 / オーリック:6つの詩
 サティ:梨の形をした3つの小品 より〔 Maniere de commencement / En plus 〕
 ルイ・デュレ:マラルメの詩による6つのマドリガル / ラヴェル:ソナチネ
 セヴラック:12のメロディ より〔 Les Hiboux /不実者〕 / カゼッラ:さらば人生 / デュパルク:恍惚

 ルヴュ・ブランシュ[ローレ・バイノン(S) キャロライン・ピータース(Fl)
            クリス・ヘレマンス(Va) アヌーク・スタートワーゲン(Hp)]
 録音:2020年9月。フォーレにピアノを習ったこともある芸術家のパトロン、ミシア・セールを導き手として編まれたアルバム。人と人をつなぐことに力を注いだ偉大な女性に思いを馳せながら自由な編曲を通して紡がれていく、世紀の変わり目のパリ音楽集。歌、フルート、ヴィオラ、ハープという編成がこれほどぴったりな世界もないだろう。
ディルク・ブロッセ(1960-):作品集
  UGent? Me2! 〜大学祝典序曲と讃美歌/キープ・ムーヴィング/音楽の DNA / In Motu /死/
  アヴィーチーの追憶に/ショスタコーヴィチの追憶に/喜びのパルス/神秘の子羊の秘密

 ディルク・ブロッセ指揮ブリュッセルpo.
 録音:11月9日-13日(代理店アナウンスに年記載無し)。ベルギーの作曲家・指揮者ディルク・ブロッセの自作自演集。どれも世界初録音。リズムや和声を持った映画音楽的サウンドで、生命力に満ちた力強い音楽が、同時に死を思う側面を持ちながら展開される。トレーラー動 画httpS; /www.youtube.com/Watch?v=53zqeSOqSjE絶妙のアレンジ翳りのある美しさに酔うフランス音楽集
物語〜チェロとピアノのための作品集
 ギヨーム・コネソン(1970-):アガルタの唄
 ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 Op.19
 ヤナーチェク:おとぎ話
アステローペ・アンサンブル
[エマヌエレ・トンドゥス(Vc)
 ダミアン・ボッシー(P)]
 録音:2020年5月26日-28日。一見まったく異なる音楽性を持つ3人の作曲家の、チェロとピアノのための作品をまとめたアルバム。並べて聴いてみるとどれも想像力を刺激する物語性のある音楽で統一感すらある内容。デュオとして活動するふたりの演奏なだけに緊密なアンサンブルと遠慮のない技巧が交錯する熱演。フランスの作曲家ギヨーム・コネソンの「アガルタの唄」は神話にヒントを得たもので、聴きやすくカッコよい楽曲。
狼の時 〜現代ピアノ作品集
 ジョージ・バリント:古い曲(2014) / チャールズ・ハルカ:ミニアチュール(2007)
 ヴァンサン・ポーレ:雲の上(2009) / ステファーヌ・ヴァンデ・ギンステ:夜を聴く(2015)
 ロベルト・ナスヴェルト:凍てついたブルース(2002) / マックス・E.ケラー:始まるとき(2018)
 マーク・マーダー:4つのインヴェンション(2017) / カリオペ・ツパキ:おちあう場所(2020)
 バート・ヴァン・ケルコフ:誰もが違法ではない(2017) / クルト・シュヴァーエン:沈黙(1940) /憂鬱なノクターン(1992)

 ティナ・レイナート(P)
 録音:2020年8月29日-31日。あまり顧みられない現代のピアノ曲を集めたアルバム。ピアニストのティナ・レイナートが数年前から曲を集めてきた企画で、彼女に捧げられた新作も収録。無調、音列、トータルセリエル、スペクトル、特殊奏法といった20世紀のイディオムが、今日においてどのように使われ定着しているのか、21世紀における「現代音楽」とは何なのか、という疑問に答えるべく組み立てられたアルバム。アルバムタイトルの「The Hour of the Wolf」には、オオカミが子を生み、幽霊や悪魔が最も力を発揮し、人間にとっても眠れぬ苦悩にや悪夢に襲われたり、時には命を落とす「夜明け」の意がこめられている。20世紀の音楽を夜とすれば、どのような朝が来るのか、というイメージが感じられる。

COVIELLO (独) 1枚あたり¥3300(税抜¥3000)

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フォルクレ&ウェーリング:ヴィオラ・ダ・ガンバ作品集
 アントワーヌ・フォルクレ(1671-1745):レジェンテ/マンドリン/デュブリュイユ/ルクレール/
                    シャコンヌ「ビュイソン」/フォルクレ/デュヴォセル
 ピーター・ウェーリング(1970-):無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバ組曲「白に白」第3番/
                 チェンバロとヴィオラ・ダ・ガンバための小品第1番

 サラ・パール(ヴィオラ・ダ・ガンバ) ピーター・ウェーリング(Cemb)
 録音:2019年。フランス・バロックの巨匠アントワーヌ・フォルクレと現代の指揮者・鍵盤奏者ピーター・ウェーリングには、ヴィオラ・ダ・ガンバをこよなく愛するという共通点がある。二人の書いた作品は楽器の可能性を極限まで追求した、最高難度の技術を要求する物。サラ・パールの巧みな演奏で引き出される、ガンバの無限の表現力に打たれる1枚。
COV-92203
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(2CD)
ラインハルト・カイザー(1674-1739):歌劇「ユリシーズ」(全3幕)
 ボーニャ・ベルナギエヴィチ、フランチスカ・プルデンチョ(S) ジェラルド・トンプソン(CT)
 マルクス・ブリュッヒャー、ゲッツ・フィリップ・ケーナー(T) ヤンノ・シェラー(Br)
 ユルゲン・オレリー(B) アントニウス・アダムスク指揮ゲッティンゲン・バロックo.&cho.
 録音:2021年10月14日、ニーンブルク劇場、ライヴ。生前の評価が大変高く、テレマンが「当代随一の頭脳」と讃え、バッハを酷評したマッテゾンも「世界最高の作曲家」と称賛を惜しまなかったラインハルト・カイザー(1674-1739)。「ユリシーズ」はハンブルクとコペンハーゲンを行き来していた時期、1722年にコペンハーゲンで初演された作品。管弦楽の規模も大きく、ドラマティックで壮麗な響きが楽しめる。
出発〜モーツァルト:作品集
 歌劇「ルーチョ・シッラ」 序曲 K.135
 ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調「ジュナミ」 K.271 (*)
 交響曲第34番 ハ長調 K.338
ヴァスコ・ダンタス(P;*)
ダグラス・ボストック指揮
プフォルツハイム南西ドイツ室内o.
 録音:2021年。「出発」と題されたモーツァルトの作品集。父と共に3度イタリアを訪れ音楽修行を重ねたモーツァルト、最後の旅行中にミラノで発表した「ルーチョ・シッラ」はイタリア体験に一区切りつけた作品。また「ジュナミ」と交響曲第34番は、モーツァルトが生涯かけて書き連ねたふたつの重要ジャンルにおける、故郷ザルツブルク時代の最後の作品で、この後モーツァルトはウィーンに定住し、最後の10年間を過ごする。このように関連付けて聴いてみると、明るく希望に満ちた3曲の中に、新しい地平へ進みゆく予感まで香ってくるから不思議。イギリスの名指揮者ボストックのあたたかくもきびきびした指揮ぶりが音楽の魅力をより高めている。ポルトガルの俊英ピアニスト、ヴァスコ・ダンタスのみずみずしく煌びやかな音色にも注目。
ロックダウン〜打楽器アンサンブル作品集
 マーティン・ヘネケ:前奏曲第1番 / ネボイシャ・ヨハン・ジヴコヴィッチ:トリオ・フォー・ワン
 フランク・ザッパ:ブラック・ページ #1(ステイホームVer.) / タン・ドゥン:祈りと祝福
 フランク・ザッパ:ブラック・ページ #1, #2(コンサートVer.)
 スコーピオンズ:ハリケーン( feat. ハーマン・ラレベル) / マーティン・ヘネケ: L.A.

 パーカッション・アンダー・コンストラクション
 ノンジャンルのパーカッション・アンサンブル集団「パーカッション・アンダー・コンストラクション」。彼らの記念すべき最初のレコーディングはコロナによるロックダウンで中断を余儀なくされた。しかし逆境を糧に創作は続けられ、エネルギーに満ちたアルバムが完成。アルバムの両端にはグループのメンバーであるマーティン・ヘネケの作品が置かれている。最後の「 L.A. 」はシンセも採り入れた楽曲で、現代社会の不安感をあおるサウンド。フランク・ザッパの「ブラック・ページ」は真っ黒になるほど音符が敷き詰められた楽譜からその名が来ているという作品。クラシックのアルバムではまずお目にかかれないスコーピオンズの「ハリケーン」(Rock You Like a Hurricane)では、本家ドラマーのハーマン・ラレベルがゲスト参加! マニア垂涎!
クリスマスの詩と音楽
 クリスマスの詩(#)
   Theodor Fontane:Alles still / Noch ist der Herbst nicht ganz entflohn / An Emilie
   Matthias Claudius :Ein Lied hinterm Ofen zu singen /  Oskar Dähnhardt:Vom Schnee u. v. Schneeglöckchen
   Rainer Maria Rilke:Es gibt so Wunderweisse Nächte / Advent /  Hermann Claudius:Lied im Advent
   Theodor Storm:Knecht Ruprecht / Weihnachtslied / Weihnachtsabend /  Eduard Mörike:Die Heilige Nacht
   Joseph Von Eichendorff:Weihnachten /  Jacob und Wilhelm Grimm:Der goldene Schlüssel
   Johann Wolfgang Von Goethe:Epiphanias /  Heinrich Heine:Die Heilgen drei Könige
 クリスマスの音楽(*)
   Marc Delmas: Prière /  Willi März:Improvisation 〔 II / I 〕/ Hymne / Prélude / Notturno
   Traditional; Willi März: Altes Menuett / Was soll das bedeuten / Wer klopfet an? / Kommet ihr Hirten /
                Still, still, weil's Kindlein schlafen will / Gloria – Die Engel auf dem Felde
   Richard Wagner; Willi März:Lied an den Abendstern aus "Tannhäuser"  / Franz Gruber; Willi März:Stille Nacht
   Max Reger; Willi März:Mariä Wiegenlied  /  Wilhelm Busch:Der Stern

 ウヴェ・シェーンベック(語り;#) ヴィリー・フーバー(チター;*)
 クリスマスをテーマとして、詩の朗読とチターの演奏を交互に並べたアルバム。
西風満紀子(1968-):多重クラヴィコードと多重チェンバロのための作品集
  clavics-more 3-5(2018-20) 〜クラヴィコードのための / carta marina more 1-4 (2018-20)〜チェンバロのための

 西風満紀子(演奏/録音/ミックス)
 ドイツで活躍する作曲家・西風満紀子による、独自の語法で構築された遊び心のある音楽。クラヴィコード、チェンバロそれぞれの多重録音を駆使して、緻密に設計された音の有機体が呼吸しながら変容・進化していく音世界を描いている。どこまでも細かく複雑に重ねられた鍵盤楽器のパッセージは時に打楽器、ハープ、バンジョー、ギター、歪んだ電子音などさまざまな姿に変容し、疑似的なオーケストラ・サウンドを形成。生楽器による電子音楽といった不思議な感覚。ミックスされ音源化されたものが作品であり、左右への音の振り分けや音の移動するさままで考え抜かれているので、それをしっかりと楽しむならヘッドホンがおすすめ。
ボーデンシャッツ編纂による17世紀のモテット集
 アスプリリオ・パチェッリ(1570-1623): Cantate Domino a 8
 ランドグラフ・モーリッツ・フォン・ヘッセン(1572-1632): Hosianna filio David a 8
 フランチェスコ・ビアンカルディ(1572-1607): Ave gratia plena a 6
 タルクイニオ・メールラ(1595-1665): Ciaconna a 6
 ヤコブス・ガルス(1550-1591): Ecce quomodo moritur a 4 / Jerusalem gaude / Media vita in morte sumus
 マルコ・アントニオ・インジェニェーリ(1535-1592): Duo seraphim a 8
 アンドレア・ガブリエーリ(1532-1585): Exsultate justi a 8
 ハインリヒ・ハルトマン(1555-1616): Ist nicht Ephraim dein Teurer
 ヨハン・カスパール・ケルル(1627-16936): Intrada Battaglia
 ヒエロニムス・プレトリウス(1560-1629):
  Tulerunt Dominum meum a 8 / Fuit homo missus a Deus a 5 / Gloria tibi a 7
 オルランドゥス・ラッスス(1532-1594): Tristis est anima mea a 5 / Deus in adiutorium a 6
 ジョヴァンニ・バッティスタ・ステッファーニ(1574-1630): Christus resurgens
 ジョヴァンニ・ガブリエーリ(1557-1612): Jubilate Deo a 8  ハンス・レーオ・ハスラー(1564-1612): Pater noster / アレッサンドロ・オロロージョ(1551-1633): Intrada

 コールヴェルク・ルール、カペラ・デ・ラ・トーレ
 録音:2021年。音楽史上で特別な存在として君臨しているJ.S.バッハ。若いころには100年ほど前の音楽を積極的に学び、伝統的な音楽の研究に余念が無かった。またライプツィヒ時代には、エアハルト・ボーデンシャッツが17世紀初頭に編纂したモテット集を手に入れている。このディスクはそのボーデンシャッツのモテット集からの音楽が収録されており、まさにバッハが学んだであろうドイツやイタリアの音楽を聴くことが出来る。
"9/11:20"
 カレン・ウォルウィン:リフレクションズ・オン・9/11 より〔第3曲 苦悩/第6曲 埋葬〕
 ヘンリー・カウエル:3つのアイルランドの伝説〜第1曲 マノノーンの潮流/ファブリック/エオリアン・ハープ
 ケヴィン・マローン:突然の追悼〔第1部/第2部〕 / スコット・ジョプリン:慰め
 デイヴィッド・デル・トレディチ:ゴッサム・グローリー〜第3曲 失われた塔

 アダム・スウェイン(P)
 録音:2021年。アフリカ系アメリカ人の作曲家カレン・ウォルウィン、ニューヨークの作曲家デイヴィッド・デル・トレディチ、そしてケヴィン・マローンなど、さまざまなアメリカ現代作品を収録。アダム・スウェインにとって「"(speak to me)"」(COV-91818)に続くCovielloレーベル2枚目のアルバム。
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調 Op.1 No.3
ラフマニノフ:悲しみの三重奏曲 ト短調 / バーンスタイン:ピアノ三重奏曲(1937)
 シルバー・トリオ
 録音:2020年。出自も時代も異なる3人の作曲家によるピアノ三重奏曲集。どれも若き日の作品であることが特徴。ピアニストとして世に出たベートーヴェンが20代前半に作品1として生み出した、3つの楽器が対等にやりとりする野心的な作品。モスクワ音楽院で学ぶ19歳のラフマニノフが書いた才能あふれる「悲しみの三重奏曲」。そしてこちらも19歳のバーンスタインによる才気煥発な作品。3人の個性が刻印された魅力的な音楽を聴き比べ出来る。
モーツァルト:ピアノ・ソナタ集
 〔第7番 ハ長調 K.309 /第15番 ヘ長調 K.533 /第18番 ニ長調 K.576 〕

 エイミー・リン(P)
 録音:2021年。エイミー・リンは台湾出身のピアニスト。5歳からピアノを始め10代で家族とアメリカに移住、ピーボディ音楽院に入学でレオン・フライシャーに10年間師事し、その後ミュンヘン音楽大学でゲルハルト・オピッツに師事した。ウィーンの伝統的なレパートリーを軸に演奏活動を展開、またストラスブール音楽院で後進の育成にも力を注いでいる。モーツァルトのピアノ・ソナタにはその時々の音楽的特徴が表れている。 K.309にはマンハイム楽派の管弦楽書法が、 K.533と K.576にはバロック的な対位法書法が取り入れられ、素朴な旋律に深みを与えている。
アルフォンソ・フェッラボスコ親子のパヴァーヌとアルマンド
 アルフォンソ・フェッラボスコ II (1575-1628):
  アルマンド〔第1番/第2番/第3番/第4番/第9番/第10番〕/イン・ノミネ第1番/
  パヴァーヌ〔第1番 On Four Notes /第2番 On Seven Notes /
        第3番 Dovehouse /第4番/第5番/第7番 Sharp Pavan /第8番〕
 アルフォンソ・フェッラボスコ I (1543-1588):
  プレリュード/パヴァーヌ〔第9b番 in c /第6番 in f 〕/
  イン・ノミネ〔第24番/第25番/第26b番〕/アルマンド/ファンタジア第4番/ガイヤルド第11番

 ビー・ファイヴ・リコーダー・コンソート ソフィー・ヴァンデン・エインデ(Fl)
 2003年にバルセロナで結成されたリコーダー・アンサンブル「ビー・ファイヴ・リコーダー・コンソート」はルネサンス時代のコンソート音楽を得意とし、また、現代の様々な作曲家とのコラボレーションも行うグループ。このアルバムではイタリア・ルネサンスの作曲家で同姓同名のアルフォンソ・フェッラボスコ親子の作品を収録している。のどかなリコーダーの音色が対位法的に絡み合う、かそけき美の愉しみ。

LA DOLCE VOLTA (仏) 1枚あたり¥3300(税抜¥3000)

 2011年3月に立ち上げられたフランスのレーベル。年間に5つの新録音をリリース、他に2010年 惜しまれつつ幕を閉じたカリオペ・レーベルの音源も再リリースが開始されたが、別の会社が「カリオペ」の名とロゴを使用して旧譜を含むリリースを再開、さらに別のもう一社が CALLIOPE 音源のリリースを開始しており、どのような分担になっているのかは不明。  旧譜はこちらから
Revolutions 〔革命〕
 ドビュッシー:映像第1集〜水の反映
 ミュライユ(1947-):水の中の小石(2018) /恋するうぐいす(2019) /メモリアル(2020) /
           再湧出、あるいはフォンテーヌ・ド・ヴォクリューズのソルグ川(2021) /
           人間嫌い〜リストとモリエールによる(2021) /印象、日の出(2021)
 ドビュッシー:前奏曲集第2巻(全曲)

 フランソワ=フレデリック・ギィ(P)
 録音:2021年10月21日-25日、シテ・ド・ラ・ミュジーク・エ・ド・ラ・ダンス・ド・ソワソン。フランスの名手ギィによるドビュッシーとミュライユ。ベートーヴェン演奏での活躍が多いギィだが、ミュライユの最初のピアノ協奏曲2作の初演をいくつか手がけており、さらにここに収録されている≪メモリアル≫と≪再湧出≫を初演しているなど、ミュライユのスペシャリストでもある。そしてミュライユはドビュッシーに多大な影響を受けており、さらに、ベートーヴェン、ミュライユ、ドビュッシーらはすべて音楽書法に革命をもたらしたという点で共通している。ドビュッシー作品では、刻一刻とうつろう色彩がもらさずとらえられており、見事。夢のような美しさでありながら、どこかに冷静なまなざしも感じる不思議な演奏。ミュライユの≪メモリアル≫はミュライユがホロコースト博物館を訪れた後に書いたもので、冷徹な和音群が強烈な作品。≪再湧出≫はリストのエステ荘の噴水をモデルとした、「流動性」に焦点をあてた作品、ということだが、リストのエステ荘の世界とはだいぶ異なる。全体をとおして、ギィの超絶技巧が織りなす「流動性」が実に美しい演奏となっている。
ユーゲントシュティル
 マーラー/ベリュ編曲:交響曲第5番 嬰ハ短調〜アダージェット/
            交響曲第3番 ニ短調〜第2楽章 テンポ・ディ・メヌエット/
            交響曲第6番 イ短調〜第3楽章 アンダンテ・モデラート
 シェーンベルク/ベリュ編曲:「浄夜」にもとづくパラフレーズ

 ベアトリス・ベリュ(P)
 録音:2021年7月月24日-26日、スタジオ4、ベルギー。ユーゲントシュティル。19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを席巻した芸術の様式で、曲線や植物文様を多様した装飾性にもとんだ建築や絵画、彫刻などが知られているが、ここに収録されているマーラーやシェーンベルク(特に初期)の作品も、ちょうどユーゲントシュティルの時期に生まれている。ここでは、この時代の音楽を愛してやまないピアニスト、ベアトリス・ベリュが、込み入ったハーモニーと、人間の様々な感情までもが生々しく盛り込まれた作品を、自身でピアノ独奏用に編曲して演奏している。マーラーでの繊細な編曲は説得力充分。「浄夜」でも、その世界の雰囲気はそのままに、そこにベリュの思いものって、実に濃密な世界となっている。ピアノの倍音豊かな響きをあまさずとらえた録音も秀逸。聴く前からディスクの世界を予感させる、ユーゲントシュティルをほうふつとさせる美しいジャケットまで、すべてに行き届いた1枚。ベアトリス・ベリュ・・・1985年スイスのヴァレー州生まれ。文字通り野山を駆け回る幼少時代を経て、8歳よりピアノをはじめる。16歳でエステル・イェリンに師事、その後ネイガウスの弟子であったガリーナ・イワンゾワ、さらにW. ケンプの弟子であったジョン・オコナーに師事。これまでに協奏曲のソリストとして、そしてソロ・リサイタルで世界的なホールで演奏を行っている。リスト作品のCD2枚ほか、CDリリース多数。
インスピレーションズ〜リスト:他編曲を含むオルガン作品集
 バッハの名による幻想曲とフーガ(ジャン・ギユー編曲)/愛の夢第3番(オリヴィエ・ラトリー編曲)/
 バッハのカンタータ「泣き、嘆き、憂い、おののき」による変奏曲(マルセル・デュプレ編曲)/
 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ(カミーユ・サン=サーンス編曲)/
 コラール「アド・ノス、アド・サルタレム・ウンダム」による幻想曲とフーガ

 オリヴィエ・ラトリー(Org|使用楽器:リーガー
 録音:2020年12月27日-29日、グランド・サル「ピエール・ブーレーズ」、フィルハルモニー・ド・パリ。世界的に活躍するフランスの天才オルガニスト、オリヴィエ・ラトリーがリストの作品を録音した。当アルバムではサン=サーンス、ギュー、デュプレそしてラトリーが編曲した作品が収録されている。「バッハの名による前奏曲とフーガ」はリストの代表作で、1855年の初稿とヴァイマールでの演奏用に大幅に改訂された1870年の改訂稿が存在する。またリストは同曲をピアノ版にも編曲している。この作品をオルガニスト、ジャン・ギユー(1930-2019)が編み直したのが「バッハの名による幻想曲とフーガ」[モデラート+アンダンテ+フーガ+マエストーソ]で、初稿、改訂稿、ピアノ版の3つのバージョンを融合させ、音を加えることせず、リストの豊かな響きを作り上げた。天才オルガニスト、ギューがまるでオーケストラを思わせるオルガンの特性を最大限生かした形で編曲したこの版は、言わずもがなの超絶技巧作品。この他、デュプレ編のバッハのカンタータ「泣き、嘆き、憂い、おののき」による変奏曲、サン=サーンス編の「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」、オリヴィエ・ラトリー自ら編曲した愛の夢第3番と、リストの作品にフランスの香りが加わった編曲でお楽しみ頂ける。また、最後にはマイアベーアの歌劇「預言者」の主題によるコラール「アド・ノス、アド・サルタレム・ウンダム」(「私達へ、魂の救いを求める人々へ」)による幻想曲とフーガを収録。リストらしい技巧と色彩感あふれる旋律を用いたこの作品には新ロマン主義と呼ばれた独特の和声が散りばめられており、演奏時間30分の大曲。演奏のラトリーは23歳の若さでパリ・ノートルダム大聖堂に据え付けられた大オルガンの正オルガニストに就任し、以後コンサート・オルガニストとして活躍する世界屈指の卓越した演奏家。レパートリーはバロックから現代まで網羅し、さらに即興演奏も得意とする圧倒的な存在として知られる。2019年4月、世界に衝撃を与えたノートルダム大聖堂の火災。同年1月に収録された「バッハ・トゥ・ザ・フューチー」(LDV-69)は災害前の聖堂内でのオルガンの響きを収めた貴重な録音となり、現在も大ベストセラーとして注目されている。
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15 (*)
バッハ/ブラームス編曲:左手のためのシャコンヌ(#)
 (原曲:ヴァイオリン・パルティータ第2番
      ニ短調 BWV.1004 〜「シャコンヌ」)
ジョフロワ・クトー(P)
ダヴィド・レイラン指揮(*)
メス国立o.(*)
 録音:2020年12月2日-5日(*)、2021年1月2日-3日(#) 。ブラームス愛に生きるピアニスト、ジョフロワ・クトー。独奏曲全曲、そしてピアノを伴う室内楽の全曲録音につづき、協奏曲プロジェクトも始動。独奏曲、そして室内楽も完全に手中におさめたクトーによる協奏曲は、作品のもつ雄大さを、オーケストラに負けることなく描ききっている。さらに、カップリングはブラームス編曲によるシャコンヌ。バッハを崇拝していたブラームスが、バッハと心を通わせ、さらに自身にとって近い存在であったクララ・シューマン、そして当時の大ヴァイオリン奏者であるヨーゼフ・ヨアヒムらを思いながら編曲したこのシャコンヌを、クトーは熱き音色で弾ききっている。メス国立o. (旧称:フランス国立ロレーヌo. )は、ラ・ドルチェ・ヴォルタ・レーベルがレコーディングの拠点としているアルスナル・ホールのレジデントo. で、2018年よりダヴィド・レイランが音楽監督兼芸術監督を務め、その存在感をさらに大きなものとしている。
シューベルト:ピアノ・ソナタ集
 〔第15番 ハ長調 D.840「レリーク」/
  第21番 変ロ長調 D.960 〕
ジャン=マルク・ルイサダ(P)
 録音:2021年2月26日-3月1日、アルセナル大ホール、メス音楽都市。ルイサダがLA DOLCE VOLTAレーベルより登場。ルイサダの完ぺきなコントロールのタッチと深い歌に満ちた、超充実のシューベルト。ルイサダがシューベルトに初めてふれたのは、5歳か7歳のとき、「未完成」交響曲を聴いて衝撃を受けたのをおぼえているそう。また、ピアーズとブリテンによる「美しき水車小屋の娘」の演奏に感銘をうけ、また、その二人の前で演奏したこともあり、シューベルトはルイサダの中でずっと特別な存在だったという。ルイサダのピアニズムの精緻で完璧であることは世界が認めるところだが、このシューベルトを聴いて、ルイサダがますます研ぎ澄まされたところに到達していることを感じる。
リャプノフ:12の超絶技巧練習曲 フロリアン・ノアック(P)
 録音:2020年6月2日-5日、ドイツ放送室内楽ザール、ケルン。1990年生まれのベルギーのピアニスト、フロリアン・ノアックは超絶技巧作品に積極的で2018年の初来日以来日本でもファンを増やしている。ノアックはリャプノフのピアノ曲に特別な興味と愛着を感じていて、これまでもArs Productionレーベルから2枚のアルバムをリリースしていた。今回はla dolce voltaレーベルからリャプノフの最高傑作にして最重要作品「12の超絶技巧練習曲」のリリースとなる。リストの同名作で使わなかった12のシャープ系調性を用い、リストの華麗さにバラキレフのボルテージのさを加味した難易度の異常な高さで恐れられている。ノアックは14歳の時にこの作品を知り、これほど緻密に書かれた傑作が不当に無視されていることに驚きと怒りを感じたと記している。これまで数枚のディスクはあるが、リャプノフの音楽を知り尽くしたノアックの理解の深さで圧倒される。ノアック自身による解説(日本語訳)付。
シャンソン・ボエーム
 ユベール・ジロー:巴里の空の下 / ブラームス:ワルツ「愛の歌」 Op.52 〜第6番
 チャイコフスキー:感傷的なワルツ Op.51 No.6 / ドヴォルジャーク:母の教えたまいし歌
 フランク・ブリッジ:セレナード / ハンス・ジット:色とりどりの小品 Op.39 (全6曲)
 サティ:あなたが好き / プーランク:愛の小径 / マスネ:スペインの夜 / ピアソラ:オブリビオン
 カントルーブ:「オーヴェルニュの歌」より〔かわいい羊飼い/向こうの谷間に〕
 ナディア・ブーランジェ:ルクス・エテルナ / フィリップ・グラス:ミシマ(弦楽四重奏曲第3番より)
 ヤン・ティルセン:テンペルホーフ / ブリュノ・クレ:凧 / アズナヴール:ラ・ボエーム

 アドリアン・ラ・マルカ(Va) ダナエ・デルケン(P)
 録音:2021年5月5日-7日、アンドレアス教会、ベルリン=ヴァンゼー。1989年生まれのフランス・ヴィオラ界の期待の星ラ・マルカと1991年ドイツ生まれのダナエ・デルケンによる新時代のヴィオラ・アルバム。ラ・マルカのla dolce voltaレーベルのディスクはイギリス作品のイメージがあるが、今回は母国フランスの、それもシャンソンや民謡などメロディをたっぷり歌う作品が中心に集められている。冒頭いきなりエディット・ピアフやジュリエット・グレコでおなじみのシャンソン「巴里の空の下」が歌われるが、明らかにヴァイオリンではないシックな秋色の音色にしびれる。サティの「あなたが好き」もプーランクの「愛の小径」もオシャレの極み。フランス作品ではないが、チャイコフスキーの「感傷的なワルツ」やドヴォルジャークの「母の教えたまいし歌」も泣ける。ヴィオラの魅力と表現力を最大に生かしながら親しみやすい作品ばかり集めた、まさに21世紀的ヴィオラ・ワールド。
メレディス・モンク(1942-): Ellis Island(エリス島)
バーンスタイン(1918-1990)/ジョン・マスト編曲:シンフォニック・ダンス(ウェストサイド物語より)
フィリップ・グラス(1937-):2台ピアノのための4つの楽章
ジョン・アダムズ(1947-):ハレルヤ・ジャンクション

 ヴァネッサ・ワーグナー、ウィレム・ラチュウミア(P)
 録音:2020年7月。ふたりのフランスのピアニストが奏でる「アメリカ」。1973年レンヌ生まれ、クラシックのみならず電子音楽など多彩な活躍で魅せるヴァネッサ・ワーグナー、そして1974年リヨン生まれ、ハイドシェックにも薫陶を受け、独自のプログラムを追求するラチュウミア。二人の最初の接点は、ラチュウミアのヴィラ=ロボスの録音を聴いて衝撃を受けたワーグナーがラチュウミアにコンタクトをとり、ヴァレーズのアメリカを演奏するツアーで共演しないか、と誘ったことだという。それからコラボレーションを重ね、今回のアルバムの登場となった。選曲は、昔のヨーロッパの人々がアメリカにわたるときに必ず通過したエリス島に始まり、ニューヨーク(ウェストサイド物語)を冒険し、グラスのミニマル風音楽、そして奏者には極めて緻密なリズム感覚を要求しながらも、爆発的なエネルギーを秘めたジョン・アダムズと、アメリカ音楽の世界を堪能できるプログラムとなっている。
バブル〜ダナ・チョカルリエと友人たち
 プーランク:「パリの風物」〜3人の貴婦人(pk) / リュシアン・ブラガ:踊りたい(jd)
 コンスタンティネスク:トッカータ「ジョク・ドブロジェン」 / アルチュニアン:即興曲(as)
 ドビュッシー:ゴリウォーグのケークウォーク / ピアソラ:フラカナーパ(pc)
 スタネスク:シャンソン(jd) / サティ:あなたが好き / ヴァイル:あなたを愛していないわ(jd)
 シューベルト:軍隊行進曲 ニ長調(aq) / アイヴァジアン:アルメニア舞曲(as)
 パスカル・コンテ/フレッド・ハリンガー編曲:スパークリング・ガール(pc) / モーツァルト:ロンド ニ長調 K.485
 プーランク:モンパルナス(pk) / コミタス:私は踊れない(as) / カナダ伝承曲:ハングマンのリール(ga)
 フィリップ・グラス:モダーン・ラヴ・ワルツ / ジャン=ピエール・アルマネ:これがアメリカだ
 ジルベール・ベコー/シリル・レーン編曲:ワルシャワのピアニスト(ig)
 ショパン:華麗なワルツ Op.34 No.3 / リュシアン・ブラガ:3つの顔(jd)

 ダナ・チョカルリエ(P|使用楽器: Fazioli
 フィリップ・カトリーヌ(歌;pk) ジュリー・ドパルデュー(語り;jd)
 アストリグ・シラノシアン(Vc;as) パスカル・コンテ(アコーディオン;pc)
 アンヌ・ケフェレック(P;aq) ジル・アパップ(Vn;ga) イザベル・ジョルジュ(歌;ig)
 録音:2020年2月、6月、9月、音楽・舞踊館、バニュー。1968年ルーマニア生まれのピアニスト、ダナ・チョカルリエ。la dolce voltaレーベルからシューマンのピアノ独奏曲全集(13枚組)をリリースして注目されました。陽気でオープンな人柄の彼女は交友も多く、このアルバムではその友人たちが彼女のもとを訪れ、さらりと小品を楽しむさまが収録されている。とにかく豪華な面々。奇才フィリップ・カトリーヌ、名優ジェラール・ドパルデューの愛娘ジュリー、チェロのシラノシアン、アコーディオンのパスカル・コンテらとさまざまな地域のさまざまなジャンルの曲を楽しみ、人気ピアニスト、アンヌ・ケフェレックとシューベルトの名曲「軍隊行進曲」を連弾する。演奏はいずれも超一級。余興のようでありながらさずが一流芸術家たちの天才芸を味わえる。
シューベルト:弦楽四重奏曲集
 〔第13番 イ短調 D.804「ロザムンデ」/第14番 ニ短調 D.810「死と乙女」〕

 エルメスSQ[オメール・ブシェーズ(Vn1) エリーゼ・リュウ(Vn2)
        ユン=シン・ロウ・チャン(Va)ヤン・ルヴィオノワ(Vc)]
 録音:2020年7月15日-18日。リヨン国立高等音楽院内で2008年に結成されたエルメス弦楽四重奏団。ラヴェル四重奏団をはじめ、イザイ、アルテミスなどの指導で研鑽を積んだ。さらに、アルフレッド・ブレンデルにも影響を受け、今日も定期的に氏のもとで学んでいる。そんな彼らは、シューベルト演奏はブレンデルに多大なる影響を受けている、と語る。ジュネーヴ国際コンクール優勝をはじめ、世界で輝かしい成績を収めているカルテットの、現時点での深みと、今後のさらやなる飛躍に大きく期待させられる内容。
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲全集〔第1番 ハ短調 Op.8 /第2番 ホ短調 Op.67 〕
ワインベルク:ピアノ三重奏曲 イ短調 Op.24
 トリオ・メトラル
  [ジョゼフ・メトラル(Vn) ジュスティーヌ・メトラル(Vc) ヴィクトル・メトラル(P)]
 録音:2019年10月31日-11月2日、大ホール、アルセナル、メス。2019年3月にリリースしたメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲アルバム(AP-198)が好評のフランスの若い兄弟によるピアノ三重奏団トリオ・メトラル。今回は旧ソ連のピアノ三重奏曲3篇に挑戦。ショスタコーヴィチは友人ソレルチンスキー追悼のために書かれた名作第2番と初期の急進的な第1番両方を収録。またショスタコーヴィチの薫陶を受け親しかったワインベルク初期の作品も収録。ワインベルクはピアノの名手だったため、この曲のピアノ・パートはダイナミックに書かれているが、ヴァイオリンとチェロも同様に難曲で、腕利きのトリオ・メトラルも苦労したと語っている。物凄いエネルギーが放出されるような演奏。トリオ・メトラルはフランスの若い兄弟によるピアノ三重奏団。長兄ジョゼフはパリ音楽院でオリヴィエ・シャルリエに師事。妹ジュスティーヌは同院でチェロをラファエル・ピドゥー、ラファエル・メルランに、弟ヴィクトルも同院でピアノをケフェレック、ダルベルトに学び、さらにチッコリーニ、プレスラー、ペヌティエの教えも受けた実力派。
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集
 〔第1番 ト長調 Op.78 「雨の歌」/
  第2番 イ長調 Op.100 /第3番 ニ短調 Op.108 /
   F. A. E. ソナタ〜スケルツォ ハ短調 WoO.2 〕
ジョフロワ・クトー(P)
アモリ・コエトー(Vn)
 録音:2019年2月。ブラームス愛に生きるピアニスト、ジョフロワ・クトーによる、ヴァイオリン・ソナタ集。ヴァイオリニストにはアモリ・コエトーを迎えた。コエトーは2016年よりモディリアーニ弦楽四重奏団の第1ヴァイオリン奏者としても活躍。2008年-2012年までオーヴェルニュ室内o. のソロ・コンサートマスターを、2012-2017年までフランス放送フィルのソロ・コンサートマスターを務めた。使用楽器は1773年製のガダニーニ。心地よい明るさを備えたヴァイオリンの音色とクトーのピアノが紡ぐ歌が胸をうつ。
ブラームス:チェロ・ソナタ全集
 〔第1番 ホ短調 Op.38 /第2番 ヘ長調 Op.99 〕
ラファエル・ペロー(Vc)
ジョフロワ・クトー(P)
 録音:2017年10月。ブラームスへの愛に生きるフランスのピアニスト、ジョフロワ・クトー。ブラームスによるピアノ作品(ピアノが含まれる室内楽作品含む)を全曲録音するプロジェクトが進行中。本巻では、フランスで活躍するラファエル・ペローを迎えてのチェロ・ソナタ集。言葉はないけれど、歌曲以上の切実な何かを感じさせるブラームスのチェロ・ソナタだが、クトーとペローはひとつひとつの音符の裏に込められたブラームスの声を自然に響かせている。ペローの渋くも切れ味よいチェロの音色と、クトーの抑制感のあるピアノが耳と心に残る。
LDV-62
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(2CD)
ブラームス:室内楽作品集〜ピアノ四重奏曲全集
 〔第2番 イ長調 Op.26 /第1番 ト短調 Op.25 /第3番 ハ短調 Op.60 (*) 〕

 ジョフロワ・クトー(P) エルメスSQ団員
  [オメール・ブシェーズ(Vn;*以外) エリーゼ・リュウ(Vn;*)
   ユン=シン・チャン(Va)、アンソニー・コンドウ(Vc)]
 録音:2018年3月、5月、10月。ブラームスへの愛に生きるフランスのピアニスト、ジョフロワ・クトー。ブラームスによるピアノ作品(ピアノが含まれる室内楽作品含む)を全曲録音するプロジェクトが進行中。ピアノ四重奏曲全曲を収録した本巻では、フランスで活躍するエルメス弦楽四重奏団との抜群に息の合ったアンサンブルと、熱さとみずみずしい音色で聴かせる。第3番の第1楽章冒頭はともすると悲痛な重みばかりが目立ちがちだが、この演奏はコントロールが行き届き、節度ある表現に好感がもてる。適度な抑制感に裏打ちされた熱きブラームス。

EDA RECORDS 〔EDITION ABSEITS〕 (独) 1CDあたり¥4400(税抜¥4000)

クロスロード〜 20世紀の無伴奏チェロ作品集
 シャーンドル・ヴェレシュ(1907-1992):無伴奏チェロ・ソナタ(1967)
 ウルスラ・マムロック(1923-2016):無伴奏チェロのための幻想変奏曲(1982)
 マルセル・ミハロヴィチ(1898-1985):無伴奏チェロ・ソナタ Op.60 (1949)
 アフメト・アドナン・サイグン(1907-1991):パルティータ「シラーの追憶に」 Op.31 (1955)
 アルベルト・ヒナステラ(1916-1983):プネーニャ第2番「パウル・ザッハーへのオマージュ」 Op.45 (1976)

 アデル・ビッター(Vc)
 録音:2020年、エミール・ベルリナー・スタジオ、ベルリン。20世紀後半のチェロ作品集。ひとつの地で生活を続けることの出来なかった作曲家が選ばれており、人生と文化が交わるイメージから「クロスロード」と題されている。故郷を離れることを余儀なくされた音楽家たちが自らの心に準じた音楽語法を確立することは、新しい何かをまといつつ故郷に戻るということとも言えるだろう。チェロの表現力をたっぷりと生かして奏でられる、各作曲家の心の声をお聴き頂きたい。
EDA-45
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(2CD)
シモン・ラクス:声とピアノのための作品全集
 ユリアン・トゥヴィムの詩による5つの詩/夢想家ディジョ/ほら吹きグジェシュについて/宿なし/老いぼれ/天使の顔/
 涙が流れる/将軍(*) /幸せの福音/幼きイエス/おお母さん/わが心の病/愛する者へのキス/古いフランスのバラード/
 小ワルツ/8つのユダヤ民謡/パサカイユ(ヴォカリーズ)/ユダヤ人村への悲歌/葬送/通り/雨/存在しない鳥の肖像/
 ヴァンダ・マヤ・ベレゾフスカの3つの詩/タデウシュ・シリヴィアクの4つの詩/誰の罪でもない/別れ/もしもお前が
 ■ボーナス・トラック アルコール中毒(#)

 アニア・ヴェグリー(S;#以外) カタジナ・ヴァシアク(P;#以外)
 ドミニク・ホルヴィッツ(語り;*) ミェチスワフ・フォッグ(Vo;#) シレーナレコーズo.(#)
 録音:2019年4月29日-30日、8月13日-14日、16日、2020年2月10日-13日、2月28日、イエス・キリスト教会、ベルリン(#以外) /1934年(#) 。 シモン・ラクス(1901-1983)はユダヤ系ポーランド人作曲家。生地ワルシャワで学んだ後、パリ音楽院でポール・ヴィダルとアンリ・ラボーに学び同地で活動、パリにいた同胞のタンスマンやシマノフスキ、詩人のトゥヴィムらと活動するものの、1941年にナチスに捕えられ、アウシュヴィッツさらにダッハウの強制収容所へ入れられた。そこで楽団の作曲・編曲担当となったため命こそ保てたものの、一族はすべて殺された。ラスカは後年フランスで文筆家としても有名となり、収容所での思い出を「死の国の音楽隊」に記し、それは音楽之友社刊の日本語版で読むことが出来る。ラクスより一世代後輩で、同様な経験をしたワインベルクの人生と音楽が近年注目されているが、コンドラシンやフェドセーエフのような献身的な音楽家のいなかったラクスの作品はこれまで演奏、録音で聴く機会がほとんど無かった。それゆえ待望の録音登場。ラクスにはいろいろな作品を手掛けましたが、本人は歌曲に自信があったとされる。しかし大半がポーランド語によることもあり、期待ほど広まらないでした。多くが友人のユリアン・トゥヴィムの詩により、深い抒情性とユーモアが魅力。戦後の作品はどれもユダヤ人犠牲者への追悼の念が感じられる。彼は戦前のポーランド映画のためにポップス調の歌も作曲した。楽譜は失われているものの、当時の人気歌手ミェチスワフ・フォッグの録音が残っていたためボーナストラックとして追加。また反戦メロドラマ「将軍」では映画俳優ドミニク・ホルヴィッツがフランス語の語りで参加しているのも注目。最高の演奏陣によるラクス歌曲の決定盤。オペラ歌手として活躍するロンドン生まれのドイツのソプラノ、アニア・ヴェグリーが数奇でつらい人生を送ったラクスの世界を見事に表現している。

EVIL PENGUIN CLASSIC [EPR-CLASSIC]  特記以外 1枚あたり¥3300(税抜¥3000)

 ベルギーの EVIL PENGUIN RECORDS 傘下のクラシック・レーベル。 旧譜はこちらから
人間的なレクイエム〜子供の情景&ドイツ・レクイエム
 ブラームス/フィリップ・モル編曲:ドイツ・レクイエム Op.45 (4手ピアノ伴奏版)
 シューマン:子供の情景 Op.15 より Nos.1, 4, 7-8, 10, 12-13 (上記曲内に挿入)
  ヤン・ミヒールス、イング・スピネット(P)
  サラー・ヴェゲナー(S) トーマス・オリーマンス(Br)
  バルト・ファン・レイン指揮フラマン放送cho.
 録音:2021年1月26日、28日、29日、ベルギー。4手ピアノ伴奏版による「ドイツ・レクイエム」。ブラームスは「ドイツ・レクイエム」を非常に人間的なレクイエムとして書いた。その発端は親交のあったシューマンの死であったと言われている。結果的にこの作品は壮麗な広がりを持った大作となったが、管弦楽パートをピアノで奏でると、一音一音に心からにじみ出るような親密な感情が感じられる。このアルバムはシューマンのピアノ曲「子供の情景」を挟み込んだ構成が特徴。美しい思い出をたどりながらゆっくりとレクイエムを進めていく、夢のような時間が作り出されている。
モイセイ〔ミェチスワフ〕
  ワインベルク
(1919-1996):
 チェロ・コンチェルティーノ Op.43bis (*) /
 チェロと管弦楽のための幻想曲 Op.52 (*) /
 室内交響曲第4番 Op.153 (#)
ピーター・
 ウィスペルウェイ(Vc;*)
ジャン=ミシェル・
 シャルリエ(Cl;#)
ラファエル・ファイユ指揮
レ・メタモルフォーゼス
 録音:2021年6月28日-7月1日、ベルギー。ポーランドのユダヤ人家庭に生まれ、波乱の人生の大半をソビエト・ロシアで過ごし、多くの作品を残したワインベルク。生前に国際的な名声を得ることはなかったものの、近年一気に評価が高まっている作曲家。このアルバムには協奏的作品を3曲収録。チェロ独奏で参加しているピーター・ウィスペルウェイの名技に注目。「チェロ・コンチェルティーノ」はチェロ協奏曲 Op.43の基となった作品で近年再発見された。1948年に僅か4日間で書かれた、緻密な構成力で聴かせる音楽。「チェロと管弦楽のための幻想曲」は1953年、表現の自由を制限された時代に書かれた作品。親しみやすい民謡風の楽想を用いつつも洗練された巧みな書法が光る。「室内交響曲第4番」はワインベルク最後の作品。1992年4月から5月にかけて、死の病に侵されながら作曲された。編成はとクラリネット独奏と弦楽オーケストラ、トライアングル。自作の引用が多く含まれ、これが遺作になることを当人も意識していたのではと思わせる内容。ワインベルクの友人であり作曲家のグレゴリー・フリードはこの作品を聴いて「ワインベルクの音楽は長調が悲しく、短調が明るい。この不安定な世界のすべては悲しみと幸福、恐れと希望から織り成されているのだ」と語った。「『コンチェルティーノ』の両端楽章のアダージョは、感傷に流されない真に抑制された表現が求められ、荒涼とした雰囲気さえ漂っている。中間楽章はいじらしいナイーヴさと力強いエネルギーが感じられる。演奏してみると実に素晴らしい」(ピーター・ウィスペルウェイ)
暗闇の中の光〜ワインベルク
 ピアノ三重奏曲 Op.24 (*/#) /2つのヴァイオリンのためのソナタ Op.69 (#) /
 2つの無言歌(1947) (*) /ソナタ断章(ラルゴ)II WoO. (*)
  リナス・ロス(Vn) ホセ・ガジャルド(P)
  石坂団十郎(Vc;*) ヤヌシュ・ヴァフロフスキ(Vn;#)
 録音:2020年9月25日-26日、2021年5月7日-8日、オクセンハウゼン、ドイツ。ワインベルク作品に情熱を注ぐヴァイオリニスト、リナス・ロスの最新盤。レオニード・コーガン夫妻のために書いた「2本のヴァイオリンのためのソナタ」以外は初期作品が集められている。「2つの無言歌」と「ソナタ断章(ラルゴ)」は2017年と2019年にリナス・ロスがドイツのゴーリッシュで開催された国際ショスタコーヴィチ・デイで世界初演した未発表作品というのも注目。どちらも抒情的でメロディアス、マーラーやショスタコーヴィチの影響を感じさせながらもワインベルクの特徴満点。「ソナタ断章(ラルゴ)」の真摯な祈りは世の終わりかのようにさえ感じられ心打たれる。ピアノ三重奏曲は、ピアノの名手でもあったワインベルクが務めた作品で、非常に高度な技巧が要求される。リナス・ロスの相方ホセ・ガジャルドが見事な演奏を披露、さらに石坂団十郎がチェロを受け持っているのも魅力。
EPRC-0041
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[LP]
1.5枚価格
ヴィラールト:ミサ曲「聖処女を送る」 トーレ・トム・デニス指揮
ディオニュソス・ナウ
 #2022年4月現在、CDリリース無し。トーレ・トム・デニス率いる7名の男声アンサンブル「ディオニュソス・ナウ」。ウィーンを本拠に正統的古楽唱法で絶美の世界を作り上げる。曲はルネサンス期の作曲家エイドリアン・ヴィーラルトのミサ。フランドル出身でヴェネツィア楽派の開祖とみなされている。指揮のトーレ・トム・デニスはヴィーラルトと同じベルギーのルーセラーレの出身で、同郷の偉大な先人の作品普及に使命感を抱いている。心洗われるような清涼な合唱の響きがLPならではのぬくもりで伝わって来る。
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ集
 〔第1番 ロ短調 BWV.1002 /第2番 ニ短調 BWV.1004 /第3番 ホ長調 BWV.1006 〕

 リナス・ロス(Vn|使用楽器:ストラディヴァリウス「 Dancla 」、1703年
 録音:2021年9月22日-25日、12月20日-21日、ライブラリー・ホール、オクセンハウゼン。先に発売された無伴奏ソナタ3曲(EPRC-0039)を補完する、無伴奏パルティータ3曲が発売される。リナス・ロスは12歳でソナタ第1番のフーガを、15歳で「シャコンヌ」を弾き、17歳で全6曲を演奏した。それ以来、バッハの無伴奏は彼にとって常に音楽家として成長し続けるための重要な存在となっている。バッハ自身がタイトルにイタリア語で「Sei Solo」と綴ったこの無伴奏作品には、「6つのソロ曲」であると同時に「あなたは一人である」という意が込められている。音楽上の、あるいは楽典的なものを超えたあらゆる要素が一人の演奏家に求められるこの作品に、リナス・ロスが正面から向かい合い録音に踏み切ったのはコロナ禍の自粛期間と無関係ではない。偉大な先人の解釈や原典、作曲当時の湾曲弓などの研究で培った経験を活かし、現代の弓と楽器に応用することによって、手垢のついていない透き通った光の筋のような演奏を展開。長大なシャコンヌを含む第2番や ホ長調の華やかな音響による第3番から、音楽そのもの本来の美しさを見事に引き出している。
モーツァルト:ピアノと木管のための五重奏曲 変ホ長調 K.452 (*)
ベートーヴェン:グレトリの歌劇「獅子心王リチャード」のロマンス「燃える情熱」の主題による8つの変奏曲 WoO.72 /
        ピアノと木管のための五重奏曲 変ホ長調 Op.16 (*)

 アンソニー・ロマニウク(P) ヴォルフ・アンサンブル(*)
 録音:2020年8月24日-27日|ピリオド楽器使用。ピアノ、クラリネット、オーボエ、ファゴット、ホルンという珍しい楽器編成で書かれたモーツァルトの五重奏曲K452は、「これまでに書いた中で最高の作品だと思っている」と作曲家自身が語ったという名品。若きベートーヴェンにも大きな影響を与え、同じ編成と調性による Op.16が生まれた。このアルバムは古楽器による演奏で、編成からにじみ出る色彩の彩がおおいな魅力となっている。

FIRST HAND RECORDS 特記以外 1CDあたり¥3080(税抜¥2800)

 旧譜はこちらから
初期ステレオ録音集 Vol.5
 ヴィヴァルディ:オーボエ協奏曲 イ短調 RV.461
 チマローザ/アーサー・ベンジャミン編曲:オーボエ協奏曲 ハ長調
  [レナート・ザンフィーニ(Ob) レナート・ファザーノ指揮ローマ合奏団/録音:1956年10月3日-4日]
 ハイドン:チェロ協奏曲第2番 ニ長調 Hob.VIIb: 2, Op.101 (*)
  [アメデオ・バルドヴィーノ(Vc)
   フェルナンド・プレヴィターリ指揮プロ・アルテo./録音:1956年10月17日、19日、25日]
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番 ハ長調 K.453
  [ジーナ・バッカウアー(P) アレック・シャーマン指揮ザ・ロンドンo./録音:1956年5月9日-10日]
  (*):初ステレオ・リリース| (*以外):ディジタル・フォーマットにおける初ステレオ・リリース(ステレオ初期のテープ・リリースあり)。ARS(Archive of Recorded Sound)との共同制作によるEMIの初期ステレオ録音集第5弾。EMIがステレオ録音を開始したのは1954年で、最初期のステレオ音源が聴ける注目のシリーズとなっている。今作は地中海文化の暖かさとしなやかさを演奏にもたらした3人の素晴らしいヴィルトゥオーゾたちによる協奏曲集。いずれもステレオでは初めて世に出る音源。丁寧なリマスタリングがなされており、貴重な名演奏を存分に堪能頂ける。ジーナ・バッカウアーとアレック・シャーマンの夫婦共演によるモーツァルトは特に絶品。
驚異の棚 Vol.2
 マルティーノ・ビッティ(1660-1743):ヴァイオリンと通奏低音のためのドレスデン・ソナタ より
  〔第4番 イ長調 TalB SV12 /第1番 ハ長調 TalB SV9 /第5番 変ロ長調 TalB SV13 〕
 作曲者不詳(ジローラモ・ニコロ・ラウレンティ(1678-1751)?):ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ イ短調
 ヘンリクス・アルビカストロ(1660頃?1730):ヴァイオリンと通奏低音のためのいソナタ ヘ短調
 作曲者不詳(アントニオ・モンタナーリ(1676-1737)):ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ヘ短調
 カルロ・フィオレッリ(1673頃-?):ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト短調

 キンガ・ウイスザスジ(Vn) トム・フォスター(Cemb)
 録音:2021年5月12日-14日、ロンドン|全曲世界初録音。未知の世界を開く驚異の書棚に迫る注目企画、ドレスデンのシュランク2世のコレクションをもとにしたシリーズの第2弾。シュランク2世はピゼンデルの所有していた楽譜や、ヨーロッパ中を旅し自ら筆写した譜面などを数多く所蔵していた人物。イングリッシュ・コンサートのメンバーとしても活躍する名手による演奏。大変貴重な手稿譜による演奏で、全曲世界初録音!第1集は FHR-89。
リコーダー、ヴィオラ・ダモーレ、ヴィオラ・ダ・ガンバによるバッハ〜J.S.バッハ
 2声のインヴェンション(抜粋)/3声のシンフォニア(抜粋)/愛する御神にすべてを委ね BWV.691 /
 ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 〜アリア/トリオ・ソナタ第3番 ニ短調 BWV.527 /
 トリオ・ソナタ第6番 ト長調 BWV.530 〜第2楽章レント/
 主イエス・キリスト、われらを顧みたまえ BWV.655 /いと高きところにいる神にのみ栄光あれ BWV.716

 インカンターティ[エマ・マーフィー(リコーダー)
   レイチェル・ストット(ヴィオラ・ダモーレ) 森川麻子(ヴィオラ・ダ・ガンバ)]
 録音:2021年5月19日-21日、アセンション教会、プラムステッド、ロンドン。バロック時代ならではの3楽器のためにアレンジされたバッハ作品集。牧歌的な情景を思わすリコーダー、幽玄かつ情感豊かなヴィオラ・ダモーレ、そしてたとえば受難曲ではキリストが世を去っていく様子を描くヴィオラ・ダ・ガンバ。それぞれの楽器が明確に区別されながらも、お互いに補完し合うことで魅力的なサウンドが生み出されている。フレットワークのメンバーとしても知られる森川麻子らによる素晴らしい演奏。
モーティマー・ウィルソン(1876-1932):映画音楽「バグダッドの盗賊」(1924)
 マルク・フィッツ=ジェラルド指揮フランクフルト放送so.
 録音:2019年。1924年に発表されたアメリカのサイレント映画「バグダッドの盗賊」。主演ダグラス・フェアバンクスの依頼でアメリカの作曲家モーティマー・ウィルソンが音楽を担当した。ウィルソンはクラシック音楽の作曲家であり、プッチーニやワーグナーのオペラからの影響や、ベルク、レーガー、チャイコフスキーといった先人たちの管弦楽語法を聴くことが出来る。これまでに録音がなかったのが不思議なくらい良い曲。映画音楽を得意とするフィッツ=ジェラルドとフランクフルト放送so.による録音。
Arc Vol.1
 グラナドス:ゴイェスカス Op.11 (1911) / ヤナーチェク:霧の中で(1912)
 スクリャービン:ピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」 Op.68 (1913)

 オリオン・ワイス(P)
 録音:2014年5月、舞台芸術センター、ニューヨーク。「ブリリアント・ピアニスト」(ニューヨーク・タイムズ紙)、「力強い技術と並外れた洞察力」(ワシントン・ポスト紙)と評されるアメリカのピアニスト、オリオン・ワイスによる3巻からなる「Arc(弧)」シリーズの第1作。第1次世界大戦直前の作品を収録している。ワイスはこのプロジェクトについて、全体が弧を描き、第1巻は絶望へと下る坂、第2巻が地の底、第3巻が再生と未来を描くものとしている。このアルバムの最後に置かれた「黒ミサ」が異形の和声と旋律による音楽が加速度的に終末に向かっていく曲想を持っていることからも、そのイメージが読み取れる。
未来は女性にあり Vol.1 〜自然の中で
 アンナ・ボン(1739/40-1767以降):鍵盤楽器のためのソナタ ロ短調 Op.2 No.5 (1757)
 ファニー・メンデルスゾーン(1805-1847):4つの歌曲 Op.8 (1846) より〔第1曲/第3曲〕
 テレサ・カレーニョ(1853-1917):瞑想的練習曲「海で見る夢」(1868)
 レオカディヤ・カシュペロヴァ(1872-1940):自然の中で(1910) 〜第3曲 小麦のささやき
 ファニー・チャールズ・ディロン(1881-1947):夜明けの鳥たち Op.20 No.2 (1917)
 ヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァー(1915-1940):4月の前奏曲 Op.13 (1937) より〔第1曲/第3曲〕
 アギ・ヤンボル(1909-1997):ピアノ・ソナタ「アウシュヴィッツの犠牲者たちへ」(1949)
 イヴ・ベグラリアン(1958-):炉端(2001) (*)
 ディアドラ・グリビン(1967-):視えない(2017) / メアリー・ワトキンス(1939-):夏の日々(2020)

 サラ・ケイヒル(P/声;*)
 録音:2021年8月15-28日、聖シュテファン教会、ベルヴェディア、カリフォルニア。17世紀から現代までの女性作曲家に光を当てたシリーズ「THE FUTURE is FEMALE」の第1弾。全3巻予定で、世界各国の女性作曲家による70曲以上の作品を紹介、初録音も多数含まれる注目シリーズ。サラ・ケイヒルは現代音楽を積極的に紹介する稀有なアメリカのピアニスト。ニューヨーク・タイムズ紙やキーボード・マガジン誌でその功績が紹介され、2018年にはアメリカ作曲家フォーラムの「Champion of New Music」に選ばれた気鋭の音楽家。

INITIALE (仏) 1枚あたり¥3300(税抜¥3000)

 1795年に創設され世界で最も歴史が深く権威ある芸術校の一つパリ国立高等音楽院(CNSMDP)。これまでにも多くの著名な音楽家を輩出している。そのパリ国立高等音楽院が未来の偉大なる音楽家たちのために有能な卒業生や在校生による録音をリリースする自主レーベルを立ち上げた。
ハンス・アイスラー(1898-1962):
 パルムシュトレム(1924) /自殺について(1939) /クレーンを"カルル"と呼びかけることについて(1929) /
 働く母親のための4つの子守歌/格言/監獄カンタータ/ドイツの母の歌/パラグラフ218によるバラード/
 ユダヤの娼婦マリー・ザンデルスのバラード/ Mutter Beimlein /マリーよ泣くな
グラシアーヌ・フィンジ(1945-):クーナー氏の物語

 マリー・スーベストル(S) フィオナ・モンベ指揮 マキシム・ジロー(Fl)
 ジョセフィーヌ・ブザンソン(Cl/バスCl) アントワーヌ・コンブルッツィ(Cl)
 ロザルタ・ルカ(Vn) クレマン・バトレル=ジュナン(Va)
 ゴーティエ・ブルタン(Vc) ロマン・ルヴォー、クレマン・ダルル(P)
 録音:2020年1月13日-17日。マリー・スーベストルはパリ音楽院で声楽を学んだ逸材。20世紀および21世紀の音楽を中心に演奏活動を行っている。とりわけアイスラーの作品には愛着が強く、研究している。アイスラーはシェーンベルクのもとで学んだが、師とは訣別。労働運動や共産主義に系統し、詩人にして劇作家のベルトルト・ブレヒト(1898-1956)と政治的にも芸術的に友情を結ぶ。1924年のパルムシュトレムは師に命じられて書き始めた「月につかれたピエロ」のような作品(パロディ)だが、どこかにただようユーモアや気楽さは、すでに師とは違うことを示している。続く作品も、詩のタイトルだけを見ていると不安になるようだが、その楽曲は映画音楽のような雰囲気のものあり、たいへん聴きやすいもので、アイスラーが師とは異なる道を歩んだことをあらためて感じる1枚。さらに1作品、このディスクのために委嘱作曲された、現代フランス作曲家(やはりアイスラーを敬愛している)グラシアヌ・フィンジによる作品も収録。こちらもシュプレヒシュティンメ的要素もある作品だが、独特の魅力を放つ。アイスラーの魅力再発見の1枚。
パリ音楽院でのエネスク 1895-99
 エネスク:ヴァイオリン・ソナタ〔第1番 Op.2 /第2番 Op.6 〕
 アンドレ・ジュダルジュ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 Op.12
 マルタン・ピエール・マルシック:ヴァイオリンとピアノのための「夏の詩」 Op.24 〜第3曲 Attenete

 ジュリアン・スツルマン(Vn) ピエール=イヴ・オディク(P)
 2004年ジュネーヴ国際コンクール、2005年ロン・ティボー国際コンクールで入賞など輝かしいコンクール経歴を持つヴァイオリン奏者ジュリアン・スツルマンによるエネスクの初期のヴァイオリン・ソナタ2作を録音したアルバム。ルーマニア出身の名ヴァイオリニスト、ジョルジュ・エネスクは、7才でウィーン音楽院に、14才からはパリ音楽院で学んだ。パリでは、ヴァイオリンをマルタン・ピエール・マルシックに、そして和声とフーガをアンドレ・ジュダルジュに師事している。このアルバムは、そのエネスクのパリ音楽院時代の焦点を当てている。1897年と1899年に書かれたエネスク最初の2つのソナタ、そしてエネスクに捧げられたジュダルジュのヴァイオリン・ソナタ第1番とマルシックの小品を収録。エネスクの強烈な個性と19世紀末のパリ音楽院の音楽環境を感じ取れる1枚。
フランス・オルガン室内楽曲集
 フォーレ:チェロとオルガンのためのアンダンテ(ロマンス Op.69 初版)
 ヴィドール:ゴシック交響曲〜アンダンテ・ソステヌート(チェロ、フルートとオルガンのための)
 デュプレ:チェロとオルガンのためのソナタ
 ダニエル・ロート:「アイン・カリム」〜フルートとオルガンのためのファンタジー
 ロラン・ファルシネリ:チェロとオルガンのためのケノーシス
 マテュー・ギュー:フルートとオルガンのための間奏曲 / ジャン=バティスト・ロバン:時の歯車

 カンタン・ゲリヨ(Org)
 ティボー・レズニチェク(Vc) フリスティナ・サルクシヤン(Fl)
 録音:2019年5月21日、6月26日。当盤演奏者の3人は、この3つの楽器の響きの親和性に心を奪われ、この編成のレパートリーに関する研究を数年にわたって進めてきた。このCDは、そのような彼らの取り組みの中から、フランスの作曲家によるオルガン、チェロ、フルートの作品を収録している。19世紀後半のサロンで演奏されていたフォーレ、ヴィドールの作品、20世紀の偉大なオルガン奏者マルセル・デュプレ、そしてその系譜を引くマテュー・ギューやロラン・ファルシネリ、さらにはダニエル・ロートやジャン=バティスト・ロバンのような現代作曲家に至るまでの、作品を体系的に収録することによって、室内楽器としてオルガンの可能性を示している。
セレナーデ
 フォーレ:セレナード Op.98 / ヴィエルヌ:チェロ・ソナタ 変ロ短調 Op.27
 ブーランジェ:チェロとピアノのための3つの小品
 ドビュッシー:チェロ・ソナタ / フォーレ:チェロ・ソナタ第2番 Op.117

 ラファエル・ジュアン(Vc) フローレ・マーリン(P|使用楽器:エラール、1903年製
 トリオ・エリオスのチェロ奏者としても活動するラファエル・ジュアンによるフランスのチェロ作品集。2020年は、ノートルダム大聖堂のオルガニストを務めていたルイ・ヴィエルヌの生誕150年でもあり、ヴィエルヌのチェロ・ソナタを核に、ヴィエルヌの弟子でもあったナディア・ブーランジェのチェロ作品、そして19世紀後半から20世紀初頭にかけてフランスで最も影響力をもっていた作曲家であるドビュッシーとフォーレのチェロ・ソナタを収録。伴奏のフローレ・マーリンは1903年のエラールを弾き、当時のフランスの芸術性を浮き彫りにしたプログラムと演奏となっている。
INL-05
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(2CD)
オン=オフ〜アコーディオンの新しいサウンド
  〔Disc 1: Transaural 3D audio / Disc 2: Binaural 3D audio 〕
 ファニー・ヴィセンス、ジャン=エティエンヌ・ソッティ:玉遊び/ジューチューブ
 フアン・アロヨ:中断 / バスティアン・ダヴィド:オン=オフ
 ジュリアン・マロセナ:携帯アトリエ / ビクトル・イバッラ:線画のお稽古
 ダヴォール・ヴィンチェ:コピペ / レジス・カンポ:光を!〜ジェラール・グリゼイを讃えて

 デュオ・ザムプ
  [ファニー・ヴィセンス、ジャン=エティエンヌ・ソッティ(微分音アコーディオン)]
 録音:2018年1月。 Paratyレーベルからアコーディオンによる「ゴルトベルク変奏曲」をリリースしたファニー・ヴィセンスがジャン=エティエンヌ・ソッティと組むデュオ・ザムプで興味深いアルバムに挑戦した。いずれもコンピューター世代の若手作曲家たちが彼らのために書き下ろしたオリジナル作品で、微分音アコーディオン2台の音響効果を追求している。作曲家たちの出自もインターナショナルで、フアン・アロヨはペルー、ビクトル・イバッラはメキシコ、ダヴォール・ヴィンチェがクロアチア出身でワールド・ミュージック的要素もあり聴き応え満点。当INITIALEはパリ音楽院のレーベルで、録音も実験的なことに積極的。このアルバムは2枚組だが演奏は全く同じ。Disc 1 はスピーカー対応のトランスオーラル 3D 、Disc 2 はヘッドホン対応のバイノーラル 3D録音というこだわりぶり。オーディオ・ファン注目の音質。

PAN CLASSICS (瑞) 1CDあたり¥3080(税抜¥2800)

 
アンニバーレ・ファブリのためのアリア集
 ヴィヴァルディ:「ポントの女王アルシルダ」、アレッサンドロ・スカルラッティ:「テレーマコ」、
 ヘンデル:「パルテノーペ」「シピオーネ」「リナルド」「シピオーネ」「ロタリオ」「インド王ポーロ」、
 サッロ:「捨てられたディドーネ」、カルダーラ:「シリアのアドリアーノ」からのアリア、二重唱など

  マルコ・アンジョローニ(T) ステファーヌ・フュジェ指揮イル・グロヴィリオ
 録音:2021年1月、サンタ・フェリチタ教会、イタリア。18世紀はカストラートが声楽界の花形だったが、次第にテノールも脚光を浴びるようになる。その発展に大きく貢献したのがイタリアのテノール歌手アンニバーレ・ファブリ(1696-1760)。その抒情的で美しい声はヨーロッパ中で話題となり、ヘンデルをはじめ多くの作曲家が彼に役を与えてオペラを作曲した。当アルバムはそれらを集めた企画。パリ在住のイタリア人テノール歌手マルコ・アンジョローニが、新しい角度からバロックのテノール芸術に光を当てる。
シュメルツァー:ヴァイオリン・ソナタ集
 Sonatae unarum fidium 〔 I-VI 〕/ Baletto di Ninfe / Baletto di Trittone / Ciaccona in A major

 グナール・レツボール〔グナー・レツボア〕(Vn)アルス・アンティクヮ・アウストリア
 録音:2020年12月13日-16日、聖フローリアン修道院。ヨハン・ハインリヒ・シュメルツァー(1623-1680)は革新的なヴァイオリン音楽の創始者として、オーストリア、そしてヨーロッパ音楽界に多大な影響を与えた作曲家。ウィーンで宮廷楽長に上り詰め、ヴァイオリンの他、コルネットも演奏した。ヴァイオリン演奏においては新しいタイプの弓の奏法を発明し、指板を押さえる左手は当時最も高い位置にまで上っていった。1664年にニュルンベルクで出版された「Sonatae unarum fidium」(1つのヴァイオリンのためのソナタ)はシュメルツァーの名声を確固たるものとした曲集。ヴァイオリンと通奏低音のために書かれた6つのソナタから、それまでのヴァイオリンの常識を打ち破る、限界を超えた音楽が展開される。なかでも大胆な和声と深く胸を締め付けるような表現力が特徴的。レツボールは感覚を研ぎ澄まし、巧みな技術を駆使して、舞台作品かの如く幅広い表情を持つこの音楽を華麗に具現化している。
バッハ再考〜無伴奏ヴァイオリンによるゴルトベルク
 J.S.バッハ/ホルヘ・ヒメネス編曲:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 (ヴァイオリン独奏版)

 ホルヘ・ヒメネス(Vn
 録音:2019年11月24日-26日、エドゥアルド・トルドラ公会堂、ビラノバ・イ・ラ・ヘルトル、バルセロナ|使用楽器:フランチェスコ・ルッジェーリ、1680年製(カデンツァ注:下記代理店コメント最後の記載と異なるが、代理店演奏家表記部記載ママ)。1996年にグレン・グールドの弾く「ゴルトベルク」を聴いて以来、その音楽が心をとらえて離さないというホルヘ・ヒメネス。ヴァイオリニストとして6曲の無伴奏作品などに対峙するうちに、このバロック時代の最も複雑な鍵盤作品のひとつを無伴奏ヴァイオリンのために編曲することを決意。「ヴェルサイユ宮殿の家具をすべて小さな部屋に収めようとするような物。ベストなものを選び、小さな部屋に大きな部屋の雰囲気を残すようにしなければならない」と語るヒメネス。曲を熟知し、楽器の可能性をすべて出し切って実現された、大きな夢。実に挑戦的な1枚に仕上がった。[ホルヘ・ヒメネスプロフィール]スぺインのアンサンブル「Tercia Realidad」の創設者・指揮者であり、古楽を中心に21世紀までのさまざまなスタイルの音楽をエキサイティングに演奏するスペインの奇才ヴァイオリニスト。ラルペッジャータ、ハノーヴァー・バンド、ラ・リゾナンツァ、イ・ファジョリーニ、カペラ・クラコヴィエンシスなどの名だたる古楽アンサンブルでコンサートマスターを務め、ロンドンのシェイクスピアズ・グローブ座にも音楽監督・ソリストとして定期的に出演、マックス・リヒターの「四季」などを取り上げた。またソリストとしても世界各地で公演、多彩なプログラムを披露している。使用楽器は「1680年フランチェスコ・ルッジェーリ製」と「1780年ミケランジェロ・ベルゴンツィ製」。
ベートーヴェン:歌曲集
 君を愛す WoO.123 /アデラーイデ Op.46 /女暴君(カンツォネッタ) WoO.125 /祈り Op.48 No.1 /
 懺悔の歌 Op.48 No.6 /5月の歌 Op.52 No.4 /人生の幸せ Op.88 /ウズラの鳴き声 WoO.129 /
 恋人が別れようとするとき WoO.132 /この暗い墓で WoO.133 /追想 WoO.136 /遠くからの歌 WoO.137 /
 新しい愛、新しい命 Op.75 No.2 /蚤の歌 Op.75 No.3 /満ち足りたもの Op.75 No.6 /
 愛しい人よ、愛するものを教えて Op.82 No.1 /私の心はあなたを知ってる Op.82 No.2 /
 彩られたリボン Op.83 No.3 /希望に寄せて Op.94 /遥かなる恋人に Op.98 /
 アリエッテ(口づけ) Op.128 /愛されない男の溜息に応える愛 WoO.118

 ダニエル・ベーレ(T) ヤン・シュルツ(P|使用楽器: Carl Strobel, Wien, 1824/25
 録音:2020年8月31日-9月2日。フォルテピアノ伴奏によるベートーヴェンの歌曲集。シューベルトやシューマンの影に隠れているが、ベートーヴェンは100曲近い歌曲を残している作曲家で、なかでも「遥かなる恋人に」(1815/1816)が有名。歌手であり作曲家でもあるダニエル・ベーレは古楽から現代まで幅広いレパートリーを持ち方々で活躍、2020年に名誉あるOPUS Klassikの「シンガーズ・オブ・ジ・イヤー」を受賞した。
イタリア狂詩曲〜初期バロックのスティルス・ファンタスティクス
 マルコ・ウッチェリーニ(1603-1680):ソナタ第2番「 La Luciminia contenta 」 Op.47
 ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643):
  スピネッティーナとヴァイオリンのためのトッカータ
  カンツォン第5番「La Tromboncina」/パッサカリアによる100のパルティータ
 ジョヴァンニ・バッサーノ(1551-1617):ヴァイオリン独奏のためのリチェルカーレ
 ジョヴァンニ・バッティスタ・フォンタナ(1571-1630):ソナタ第5番
 ヴィンチェンツォ・ボニッツィ(1580-1630):「 La bella netta ignuda e bianca mano 」によるディミニューション
 ピエトロ・アントニオ・マリアーニ(1596-1640):2声のバスタルダ風カンツォン
 アレッサンドロ・ストラデッラ(1639-1682):ヴァイオリンとオブリガート・バスのためのソナタ
 ジョヴァンニ・アントニオ・パンドルフィ・メアッリ(1624-1687):ソナタ〔 La Stella Op.3 No.1 / La Castella 〕
 リッカルド・ロニョーニ・タエッジョ(1545-1620):「 Anchor che col partire 」によるディミニューション
 ダリオ・カステッロ(1600-1658):ソナタ〔第6番/第2番〕
 バルトロメオ・モンタルバーノ(1598-1651):シンフォニア第4番「 Geloso 」
 ジョヴァンニ・レグレンツィ(1626-1690):ラ・フォスカリ
 ジョヴァンニ・サルヴァトーレ(1622-1688):トッカータ第2番「 del nono tuono naturale 」
 ヨハン・バール〔マリアヌス・バール修道士〕(1657-1701):イ調のソナタ

 アンサンブル・コルダルテ
  [ダニエル・ドイター(Vn) ヘイケ・ヨハナ・リンドナー(ヴィオラ・ダ・ガンバ/リローネ)
   マルクス・メルクル(Cemb/Org)]
 録音:2020年。1650年、「普遍音楽」で知られる学者アタナシウス・キルヒャーは、音楽家のほとばしる霊感が技巧を推し進め作曲理論上の規則をはみ出た表現に至ることについて触れ、「スティルス・ファンタスティクスstylus phantasticus」と呼んだ。これはイタリアでヴァイオリン音楽の隆盛が始まった1600年頃から見られていた傾向であり、一般的な表現のひとつとして既に定着しているものだった。ヴァイオリンが大いに活躍する音楽が並び、華麗な技巧がまばゆい1枚。
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(3CD)
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フェドセーエフの名盤、復活〜チャイコフスキー:歌劇「スペードの女王」 Op.68
 ■ボーナス:チャイコフスキーのオペラに合わせて朗読されるプーシキン「スペードの女王」抜粋(#)

 ヴィターリ・タラシチェンコ(T;ゲルマン) グリゴリー・グリチュク(Br;トムスキー伯爵)
 ドミトリー・ホロストフスキー(Br;エレツキー公爵) アレクサンドル・ディアチェンコ(T;チェカリンスキー)
 アレクサンドル・ヴェデルニコフ(B;スリン) ウラディーミル・グリシュコ(T;チャプリツキー)
 オレグ・クレノフ(Br;ナルモフ) イリーナ・アルヒーポワ(Ms;伯爵夫人)
 ナターリャ・タツコー(S;リーザ) ニーナ・ロマノヴァ(A;ポリーナ)
 タチアナ・クズミノヴァ(Ms;女家庭教師) リディア・チェルニク(S;マーシャ)

 ウラディーミル・フェドセーエフ指揮モスクワ放送so.、
 ユルロフ記念国立アカデミー・ロシア共和国cho.、ヴェスナ児童cho.

 アーラ・デミドワ(朗読;#) アナウンスに演奏者未記載(#)
 録音:1989年12月25日(無印)、1999年5月24日(#)、モスクワ音楽院大ホール、ライヴ(無印/#)、演奏会形式(無印)、プーシュキン生誕200年記念コンサート(#) |既出CD: MCA, AED3-68023 (無印) 〔廃盤、入手不能〕/ Relief, CR-991067 (無印/#) 〔廃盤〕。2002年にReliefレーベルから発売されたものの流通が途絶えていた、フェドセーエフの「スペードの女王」ライヴ録音が嬉しい再発売!今やオペラ解釈においても第一人者と目されるフェドセーエフの残した聴き応えある名盤。これはドミトリー・ホロストフスキー(1962-2017)が27歳でモスクワ・デビューを飾った公演でもあり、エレツキー公爵は後のキャリアにおいて極めて重要な位置を占めるものとなった。伯爵夫人を初めて演じたイリーナ・アルヒーポワ(1925-2010)や、長年ロシアのオペラ界に君臨したアレクサンドル・ヴェデルニコフ(1927-2018)等々、共演者も素晴らしい顔ぶれ。オペラ全曲録音に加えて、ボーナス音源としてロシアの名女優アーラ・デミドワによる「スペードの女王」原作の朗読も。

PASSACAILLE (白) 1枚あたり¥3080(税抜¥2800)

 旧譜はこちらから
PAS-1118
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(2CD)
前奏曲・間奏曲・後奏曲〜ショパン、ドビュッシー、リゲティ、クルターク:ピアノ作品集
  〔以下の作品を独自曲順かつ同作曲家が2曲続かないよう織り交ぜて配置〕
 ショパン:24の前奏曲集 Op.28 全曲(*) (アルフレッド・コルトーによる標題を記載)
 ドビュッシー:前奏曲集 全曲(*) 〔第1巻/第2巻〕
 リゲティ:練習曲集より(#) 〔第1巻より[第2曲 開放弦/第5曲 虹]/第2巻より
   [第8曲 金属/第9曲 眩暈/第10曲 魔法使いの弟子/第11曲 不安定なままに〜クルタークのために]〕

 クルターク:ヤーテーコク(遊び)より(#)
  〔第5集 より[前奏曲/亜麻色の髪の激怒した乙女/コラール]/第9集〜枯葉〕

 ヤン・ミヒールス(P|使用楽器: Erard 1894 (*) / Steinway 1876 (#)
 録音:2022年2月、メルデルト・スタジオ、ベルギー。ショパンの24の前奏曲には、そのスペシャリストというべき巨匠ピアニストのアルフレッド・コルトーによる、各曲の印象をもとにした標題めいたものが残されている。1991年ブリュッセル・エリザベート王妃国際音楽コンクール優勝の経歴を持つベルギーの敏腕ピアニスト、ヤン・ミヒールスはそこからさらにイマジネーションを膨らませ、音楽的にも密接な関係を持つドビュッシーの前奏曲を組み合わせ、さらにリゲティとクルタークを織り交ぜた、凝りに凝ったプログラムを作り上げた。誌的なイメージの連関が紡ぐ無二の世界をお楽しみ頂きたい。楽器の音色の違いにも注目。
ヨハン・ヒュイス(1942-):チェンバロ作品集
 これはパッサカリアではない/種々の形式による4つのエチュード/ブレワイス氏のトンボー/
 チェンバロのための3つの小品/月並みな風景禁断音程上のファンタジア

 ギ・ペンソン(Cemb)
 録音:2021年。フランドルの作曲家・チェンバロ奏者のヨハン・ヒュイスは、ブルージュ古楽音楽祭のコンクールで約40年間会長を務め、コンクールのためにいくつかのチェンバロ作品を作曲した。弟子でのひとりであるギ・ペンソンがその音楽を録音。珍しい現代のチェンバロ作品集。
C.P.E.バッハ:オラトリオ「イエスの復活と昇天」 Wq.240
 ローレ・バイノン(S) キーラン・キャレル(T) アンドレアス・ヴォルフ(Br)
 バルト・ファン・レイン指揮イル・ガルデリーノ、フラマン放送cho.
 録音:2021年6月15日-18日。父J.S.バッハの受難曲をバロック時代の頂点とすれば、C.P.E.バッハは全く新しい道でオラトリオを創作したと言える。それは新しい音楽を求めるハンブルクの聴衆に向けたもので、教会ではなくコンサートホールで演奏されることで聴衆の反応を見ながら音楽を進めていくような効果が見えてくるようになる。この「イエスの復活と昇天」はハイドンのオラトリオや、モーツァルトの「魔笛」のパミーナのアリアにも影響を及ぼしたとされる作品で、C.P.E.バッハ自身も、出版社のブライトコプフに宛てて「これは私が書いた中で最高の作品だ」と語っている。
ビウエラのビートで
 アタウアルパ・ユパンキ(1908-1992): Huajra / Paisano errante / Lloran las ramas del viento
 作曲者不詳: La siete de Abril / Zamba da Vargas / フアン・デ・ディオス・フィリベルト(1885-1964): Caminito
 エルネスト・タリアフェッリ(1889-1973): Passione / ビセンテ・グレコ(1886-1924): Ojos negros
 アベル・フレウリ(1903-1958): Ausencia / Trinos y alas / Estiole pampeano / Tonada
 ルイス・アルベルト・フェルナンデス(1987-): El pollo Ricardo / アニバル・トロイロ(1914-1975): Maria
 ルイス・デ・ナルバエス(1500頃-1555/60頃): Diferencias sobre Guardame las vacas / Cancion del Emperador
 エルネスト・ポンツィオ(1885-1934): Don Juan / アルベルト・カステヤノス(1892-1959): Ausencia
 ルイス・デ・ミラン(1500頃): Pavana / ホアキン・マウリシオ・モラ(1905-1979): Margarita Gauthier
 オスバルド・フレセド(1897-1984): Via mia / ジョン・ダウランド(1563-1626): Melancholy Galliard

 アレホ・デ・ロス・レイエス(G)
 録音:2017年6月29日-7月2日。アレホ・デ・ロス・レイエスはアルゼンチンのギター奏者。タンゴ好きの祖父や、クラシックギター奏者で教師であった両親のもとアルゼンチンの民族音楽に親しみ育ちました。クラシックやタンゴのみならずピリオド楽器についても本格的に学び、ヨーロッパで演奏活動を展開している。このアルバムは、長い時間軸の中で構成されたギタープログラム。「アーティキュレーション、リズム、ルバートといった概念が、古楽とアルゼンチンタンゴにおいて同様に重要であることに気付いたことは、私にとって驚きだった」と語るアレホ・デ・ロス・レイエスの特質が感じられる1枚となっている。
アドニア〜16世紀、堕ちた神へのラメント
 フランチェスコ・ベンドゥージ(?-1553頃):
   Io chiamo te per cui si volge e move (Se tu sapesti) / Il ben ti venga - Bandura - La Falilela
 作曲者不詳:
   Viva viva li galanti li amorosi tucti quanti che non / La nella region ricca e felice (Se per fedel) /
   In una parte del superbo e bello uscio (Sine nomine) / Co I bianchi cigni (Poiche la lingua mia) /
 フィリップ・ヴェルドロ(1480頃-1531頃): O dolce notte / Se lieta e grata morte
 ジャック・アルカデルト(1504/05-1568): Donna, quando pietosa / Il bianco e dolce cigno
 ヨアン・アンブロシオ・ダルツァ(活躍:1508頃): Calata di Strambotti - Saltarello - Piva
 ボル・ズリアン(1987-): Lute improvisation on "Se lieta"
 ジョヴァンニ・ジャコモ・ガストルディ(1554-1609): Caccia d'Amore
 アレッサンドロ・デモフォン(活躍:15世紀): O del mondo Tiranno (Vidi hor cogliendo rose)
 チプリアーノ・デ・ローレ(?-1565): Mia benigna fortuna
 アドリアン・ウィラールト(1490頃-1562): Questa anima gentil
 バルトロメオ・トロンボンチーノ(1470頃-1535頃): Non val acquav
 ジョルジョ・マイネリオ(1530/40頃-1582)): Tedescha / Son due fiaccole ardenti (Schiarazula marazula)

 マーラ・ウインター(トラヴェルソ)指揮パイドロス
 録音:2021年。ギリシャ神話「ヴィーナスとアドニス」と、アドニスの死への嘆きをあわらにする儀式的な「アドニア祭」は長きにわたって語り継がれ、イタリア・ルネサンス期においても多くの人々を魅了し、創作の原動力にもした。「アドニア祭」は、運命に奪われた愛の嘆きであると同時に、束の間の快楽と欲望に酔いしれる舞踏であり、美学と愛、不道徳、恍惚の死といったテーマがないまぜになっている。アンサンブル「パイドロス」は歌とトラヴェルソ・コンソート、リュート、打楽器からなるグループ。CDには器楽のみの曲も含まれ、全体で一つの物語を聴くような大きな構成となっている。
誇り高き鷲〜初期鍵盤作品集
 ヤコポ・ダ・ボローニャ: Non na el so amante / O ciecho mondo / Aquila altera
 アンドレア・アンティーコ:
   Per dolor mi bagno el viso / Occhi miei lassi / Animoso mio desire / Le non vuol esser piu mia
 フランチェスコ・ランバルディ: Toccata / 作曲者不詳(ファエンツァ手稿): Ave Maris Stella
 ジローラモ・カヴァッツォーニ: Inno Ave Maris Stella / アントニオ・ヴァレンテ: Chi la dirra disminuita
 パオロ・クアリアーティ: Toccata dell'ottavo tono / アンドレア・ガブリエーリ: Anchor che col partire
 フランチェスコ・ランディーニ: Che pena e Questa / エルコーレ・パスクィーニ: Anchor che col partire

 フェデリカ・ビアンキ(クラヴィツィンバロム/Cemb)
 録音:2021年、聖ドメニコ教会、プラート、イタリア。15世紀初頭からバロック時代の幕開けまでに書かれた、最初期の鍵盤音楽集。ここで聴ける最古の作品は、ヤコポ・ダ・ボローニャやギヨーム・ド・マショーの世俗歌曲を鍵盤楽器用に編曲した「ファエンツァ写本」(1400年〜1420年頃)による物。また、鍵盤楽器のためのオリジナル作品を集めた最古の印刷譜(1517年)なども参照、鍵盤音楽の発展をたどる。タイトルの「誇り高き鷲 Aquila altera」はこのアルバムに収録されているヤコポ・ダ・ボローニャのマドリガーレ。
愛の季節〜イタリア・マドリガーレ集
 ビアージョ・マリーニ:
  エルミニアの涙 Op.6 〜Senza Tancredi viva /バレット第2番/ Augelino volante /
   Ridon le piagge / Donna mi chiami / Tu pur partisti / Torna l 'inverno frigido / Tirinto mio
 ジョヴァンニ・ロヴェッタ: Venga dal ciel migliore / Voi partite crudele? / Tutto lieto cantai
 ジョヴァンニ・ヴァレンティーニ: Ecco maggio seren / Fra bianchi gigli

 ハナ・ブラジーコヴァー(S) フリッツ・クレーマー指揮ベルンヴォーカル
 録音:2019年6月28日-7月1日。マリーニ、ロヴェッタ、ヴァレンティーニのマドリガーレ集。前奏曲としてアンサンブルのメンバーである名ソプラノのハナ・ブラシコヴァが美しくも悲痛な「エルミニアの嘆き」を歌い、器楽曲(バレット)を挟み4つの歌のセクションで構成されている。四季が巡るように展開されていく珠玉の声楽曲をお楽しみ頂きたい。
ルーベン・シャンソニエ Vol.2
 オケゲム: Les desloyaux ont la saison / バルビニャン: Esperant que mon bien viendra
 作曲者不詳: Ou beau chastel / Ce que ma bouche / Donnez l'aumosne /
        Par malle bouche / Helas mon cueur tu m 'occiras
 ビュノワあるいはオケゲム: Quant ce vendra / ロバート・モートン: Le souvenir de vous me tue
 オケゲム: Ma maitresse / フィルミヌス・キャロン: Helas que pourra / ウォルター・フライ: Ave Regina

 アンナ・ダニレフスカヤ(ビウエラ・デ・アルコ)指揮ソッラッツォ・アンサンブル
 録音:2021年、 AMUZ 、アントワープ、ベルギー。オケゲム、ビュノワ、フィルミヌス・キャロンといったフランドル楽派の有名な作曲家の作品が50曲、さらに現在では知られていない新発見の作品が12曲収録されている写本「ルーベン・シャンソニエ(1470-75)」を演奏するシリーズ第2集。第1集はPAS-1054で発売中。
PAS-1108
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(2CD)
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 マイケル・キーナー(Cemb)
 録音:2017年6月26日-30日、 Moulin En Clarens 、スイス|使用楽器: William Dowd (1978), after Blanchet (1730) 。マイケル・キーナーは1950年生まれのスイスのチェンバロ奏者。ジュネーヴ音楽院でピアノとチェンバロを学んだのちアムステルダムでグスタフ・レオンハルトに師事。ブルージュ国際チェンバロコンクールで優勝。クリストフ・コワン、クイケン兄弟、寺神戸亮、イル・ジャルディーノ・アルモニコ、イル・ガルデリーノなどと共演している。2019年録音の「平均律」(PAS-1078)でも存在感ある力演を聴かせてくれたベテランがこのたび「ゴルトベルク」を録音。名曲中の名曲に正面から向き合ったみごとな演奏。1730年にN. ブランシェが製作した楽器をモデルに、1978年にパリのウィリアム・ダウドが製作したチェンバロを使用。力強い低音が魅力のチェンバロで、表現豊かなゴルトベルクが展開される。
フレデリク・ネイリンク(1985-):イ・ソリスティのための作品集 Vol.2
  Landru Suite / WILD Suite / De oude woorden van een tijd die komen gaat

 イ・ソリスティ
 録音:2021年。室内アンサンブル「イ・ソリスティ」による、コンポーザー・イン・レジデンスであるフレデリク・ネイリンクの作品を収録した2枚目のアルバム。有名な連続殺人犯の物語である「Landru」組曲、おとぎ話である「WILD」組曲など収録。第1集はPAS-1102。
ハイドン:ドイツ歌曲集
 ティルシスに/ごくありふれた話/ファースト・キス/怠惰の賛美/不幸な恋の慰め/誰もが考える、自分の選んだ人と/
 無関心/おお熱い涙よ、溢れよ/父の墓で/宗教歌/見捨てられた少女/私は大いに恋している/功労者シルヴィウス/
 編み物をする少女/人生は夢/私を忘れないで(少女の問いへの答え)/愛の歌/この心臓をえぐる苦痛で/満足/別れの歌

 アリス・フォクルール(S) ピエール・ガロン(Cemb/Fp)
 録音:2021年1月25日-28日。ハイドンのドイツ語による歌曲集。アリス・フォクルールとピエール・ガロンはバロック音楽をレパートリーの中心としてきた人物で、ロマン派のリートから遡った目線とは異なる解釈でこれらの歌曲を歌っている。バロックと古典の狭間でささやかに聴かせるラブソングや哲学的・宗教的な歌。家庭的な雰囲気のなか、優しく、時に激しく、ユーモアを交えながら歌われていく。伴奏はチェンバロとピリオド楽器ピアノを使い分けている。
PAS-1087
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(2CD)
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
 ソナタ(ソナチネ)
  〔第1番 ニ長調 D.384, Op.137 No.1 /第3番 ト短調 D.408, Op.137 No.3 /第2番 イ長調 D.385, Op.137 No.2 〕/

 幻想曲 ハ長調 D.934, Op.posth.159 /華麗なるロンド ロ短調 D.895, Op.70 /
 ソナタ イ長調「デュオ」 D.574, Op.posth.162

  ナーマン・スルシン(Vn|使用楽器: Carlo Antonio Tononi, 1725
  ピート・クイケン(Fp|使用楽器: Joseph Schantz, Vienna, c.1828, restored by Edwin Beunk
 録音:2019年12月23日-29日、ブリュッセル/2020年3月11日-12日、ヘント。多作家シューベルト、ヴァイオリンとピアノのための作品はちょうどCD2枚分ということもあり、競合盤ひしめく人気ジャンル。おそらくアマチュア音楽家にアピールするために「ソナチネ」と名付けられた3曲は、大胆な調性の扱いがモーツァルト讃的音楽に深みを与えた、初期作品にして完成度の高い作品。そして晩年に書かれた「デュオ」や「幻想曲」は豊かな名人芸が特徴で、時にピアノがオーケストラのように響く。ピート・クイケンとナーマン・スルシンは、ピリオド楽器演奏者の立場から10年以上にわたりこれらの作品の研究を重ね、シューベルトの精神を正しく表現することに心血を注ぎた。「シューベルトはあらゆる技巧のトリックを駆使し、常に形式を発明し、これ以上ないシンプルさから無限の多様性を引き出している」と語る彼らの、説得力あふれる演奏をご堪能頂きたい。[ナーマン・スルシン]バーゼル・スコラ・カントルムでバロック・ヴァイオリンを専攻。7年間ディオティマ弦楽四重奏団のメンバーを務めた。クリヴィヌの指揮するラ・ションブル・フィルハーモニックでもソリストとして参 加 。[ピート・クイケン]ヴィーラント・クイケンを父に持つ。ブリュッセル王立音楽院で学び、ピアノと室内楽のクラスを最優秀の成績で卒業。その後メナヘム・プレスラーに師事。ソリストおよびアンサンブル奏者として多彩な活動を展開。
NESHIMA 〜リュート&テオルボ作品集 〔 *:〕
 オリ・ハーメリン(1981-): Ricercar / Ballo del granduca / Passacaglia / Fancy / La Monica
 チプリアーノ・デ・ローレ(1515/16-1565) /オリ・ハーメリン編曲:
   Amor ben mi credevo / Ancor che col partire / Sictu cervus desiderat
 トマス・タリス(1558頃-1618)/オリ・ハーメリン編曲: O sacrum convivum
 ジョスカン・デ・プレ(c1450/55-1521)/オリ・ハーメリン編曲: Mille regretz
 サイモン・マクヘイル(1981-)/オリ・ハーメリン編曲: Simon's Piece

 オリ・ハーメリン(リュート/テオルボ)
 録音:2020年9月。リュート、テオルボ奏者オリ・ハーメリンのソロ・デビュー・アルバム。チプリアーノ・デ・ローレ、ジョスカン・デ・プレ、トマス・タリスのマドリガル、モテット、シャンソンからの編曲と自らのオリジナル曲を収録しており、最後はオリと同じ歳の作曲家サイモン・マクヘイルがオリのために書いたテオルボのための曲で締めくくられる。タイトルの「NESHIMA」はヘブライ語で「息」の意。

PREISER 1枚あたり¥2640(税抜¥2400)

旧譜はこちらから
不思議な角笛とシェイクスピア
 マーラー: Urlicht / Der Tamboursg'sell / Trost im Ungluck / Ablosung im Sommer
 グントルフ・パルテン(1927-): Wenn ich des Morgens / Nach meiner Lieb' / Wer sehen will / Armes Kauzlein /
                Ach, Fraulein zart / Een Frauken / Ach, war' mein Lieb / Ver, der Fruhling /
                Klagt, Madchen, nicht / Hiems, der Winter / O schwore nicht / Bleibt ferne
 R.シュトラウス: Wie erkenn' ich mein Treulieb / Guten Morgen, 's ist St /
           Valentinstag / Sie trugen ihn auf der Bahre blos
 クィルター: Come away, death / O mistress mine / Blow, blow, thou winter wind
 コルンゴルト: Desdemona's song / Under the greenwood tree / When birds do sing
 ペーター・コルネリウス: Komm herbei, Tod!

  シモーナ・エイシンガー(S) ライナー・トロスト(T) マンフレート・シーベル(P)
 録音:2021年8月。オーストリアのソプラノ歌手シモーナ・エイジンガーと、ドイツのテノール歌手ライナー・トロストによる独唱・重唱集。マーラーの「角笛」と、シェイクスピアのテキストを用いた他の作曲家の歌曲で構成されている。1927年生まれのオーストリアの作曲家グントルフ・パルテンの歌曲もロマン派的な響き。

PROFIL 特記以外 1枚あたり¥3080(税抜¥2800)

 ご案内済旧譜はこちらから
ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調
 「ロマンティック」(1874年第1稿)
ゲルト・シャラー指揮
フィルハーモニー・フェスティヴァ
 録音:2021年7月25日、旧エーブラハ大修道院付属教会。ブルックナーの交響曲全バージョン録音を刊行中のゲルト・シャラーとフィルハーモニア・フェスティヴァは交響曲第4番の1878/80年版を2007年に、1878年「村の祭りフィナーレ」版を2013年に録音しているが、今回1874年第1稿に挑戦した。1873年の大みそかに交響曲第3番を完成されたブルックナーは、新年2日、から新作に着手し、11か月で完成させたのが第4番第1稿となった。しかし4年後に第3楽章を「狩りのスケルツォ」に書き換え、さらにフィナーレを「村の祭り」と差し替えた。さらに1880年にフィナーレを改めたものが現在多く演奏される版のもととなっている。1874年第1稿は近年録音も増えてきたが、決定稿とは非常に異なる印象を与える。和声もリズムも様式化した後年の作より大胆で複雑、全体にごつごつしていてベートーヴェンを思わせさえする。シャラーはそれを強調して作品の先進性を示していて聴き応え満点。実際シャラー自身、交響曲第4番の諸版のなかで個人的に気に入っているとしている。ゲルト・シャラーは1965年バンベルク生まれ。1993年にハノーファー州立歌劇場で指揮者としてのキャリアをスタートさせ、1998年にブラウンシュヴァイク州立歌劇場、2003年から2006年までマグデブルク劇場の総音楽監督を務めた。2024年9月のブルックナー生誕200年祭に向けて交響曲の全バージョン録音を刊行中。
PH-22007
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(20CD)
5CD価格
ブルックナー:交響曲全集
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  ゲルト・シャラー(Org)指揮フィルハーモニー・フェスティヴァ
 ブルックナーに献身するゲルト・シャラーとフィルハーモニー・フェスティヴァは2024年9月の生誕200周年に向け、各版を網羅した全集を鋭意制作中。シャラーは2007年から2020年までにブルックナーの全9曲の交響曲のみならず、第00番や第0番、第4番の「村の祭り」フィナーレ版、第9番のシャラーによる補筆完成版とオルガン用編曲を収録した。もちろんまだ完結していないが、今回20枚組特別価格でパイロットBoxを発売する。またオルガニストとして現存するオルガン曲をすべて録音しているのも貴重。さらにミサ曲第3番と詩篇146という宗教声楽作品も大歓迎。オーケストラはフィルハーモニー・フェスティヴァ、フランコニアにあるエーブラハ大修道院附属教会でのコンサートのライヴ録音が主となっている。教会の響きはブルックナーの音楽にぴったりで、あたかも巨大なオルガンのような壮麗さに圧倒される。通常これだけの作品を揃えるのは困難なうえ、驚きの価格なため、ぜひとも1セット揃えておきたい魅力のBoxとなっている。今回のブックレットはマヌエラ・ノイマンによる独・英計29ページの楽曲解説付き。
PH-22006
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(12CD)
3CD価格
スクリャービン生誕150周年記念 Box
 #収録内容詳細はリンク先 PDF ファイル(要・閲覧ソフト)をご覧ください
 2022年はロシアの生んだ奇才スクリャービンの生誕150周年にあたる。そこで彼の作品番号付ピアノ独奏曲をほぼ網羅したファン狂喜のBoxが驚きの価格で登場する。スクリャービンは自身がピアノの名手だったこともあり作品の大半がピアノ独奏曲だが、独特なピアニズムによる難曲揃いなうえ、アヴァンギャルドの源泉となった神秘主義的な作風から、演奏者を選ぶ音楽とされている。ここではスクリャービンの娘婿にして「稀代のスクリャービン弾き」と称されたウラジーミル・ソフロニツキーの貴重な音源を中心に、リヒテル、ネイガウス、ギレリス、フェインベルク、ゴリデンヴェイゼルといった伝説的な名手たちが、誰にも真似のできないスクリャービン像を作り上げている。ソフロニツキーの柔らかく移ろいやすい詩情、リヒテルやギレリスの曖昧さのない力強さ、ネイガウスやフェインベルク独特な語り口など、同曲異演も含まれながら全然違った印象を与えてくれて驚きの連続。最後にボーナスとしてスクリャービン自身がピアノロールに残した演奏も収められている。これがまた誰とも異なる軽みと揮発性に満ちていて聴き物。これだけの音源を集めるのはほとんど不可能。お買い逃しなく!
PH-22004
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(CD + DVD)
2枚価格
君はわが心のすべて〜レハール絶美の世界
 CD:ワルツ「金と銀」/
   「メリー・ウィドウ」より〔マキシムへ行こう/ヴィリアの歌/二重唱 唇は黙っていても/
                シレーヌの舞踏会(メリー・ウィドウのワルツ)〕/
   「ルクセンブルクの伯爵」〜今日私は人妻となる/音詩「熱」/
   「フリーデリケ」〜なぜキスで私を目覚めさせるの/「ロシアの皇太子」〜ヴォルガの歌/
   「ほほえみの国」より
     〔君はわが心のすべて/私たちの心に誰が恋を沈めたか(二重唱)/いつもほほえみをたたえて〕/
   「ジュディッタ」より〔私の唇はあなたに熱い口づけをした/友よ、人生は生きる価値がある〕
 DVD: ドキュメンタリー「フランツ・レハール、ほほえみの人」(2020年トーマス・マホ監督作品|
  レハール:ヴォルフガング・ヒュープシュ、エルザ・ヘルツ:アグライア・シシュコヴィチ)

 カミッラ・ニールンド(S) ピョートル・ベチャワ、ミヒャエル・シャーデ(T)
 マンフレート・ホーネック指揮ウィーンso.
 録音(CD):2020年6月、アン・デア・ウィーン劇場、ライヴ、 73'00" |DVD仕様: NTSC / 16:9 / PCM Stereo /リージョンコード:0 /言語:独/字幕:独英/ 53'00" 。2020年はレハールの生誕150年にあたり、彼と縁の深いウィーンso. とアン・デア・ウィーン劇場で記念コンサートが行われた。当代きっての人気者ベチャワとニールンド、シャーデが代表作を披露する豪華きわまりない内容をライヴ収録。まさにウィンナ・オペレッタ銀の時代といわれる20世紀初頭の雰囲気と魅力を満喫出来る。レハールといえば誰もが知るワルツ「金と銀」に始まり、「メリー・ウィドウ」「ほほえみの国」「ジュディッタ」のアリアや二重唱を甘く謳いあげる。ベチャワが歌う「メリー・ウィドウ」のダニーロのアリア「マキシムへ行こう」も聴き物。このメロディをショスタコーヴィチが交響曲第7番「レニングラード」の第1楽章の素材に使用しているとされ、曲の説明で現れるが、ベチャワの歌唱で再確認出来る。DVDはオーストリア放送協会が2020年にテレビ用に制作したドキュメンタリー。名優ヴォルフガング・ヒュープシュがレハールに扮し、アグライア・シシュコヴィチ演じるウィーンのジャーナリスト、エルザ・ヘルツが1945年夏の第2次世界大戦終戦直後に行った架空のインタビューとなっている。レハール自身は戦争に協力してはいないものの、「メリー・ウィドウ」がヒトラーお気に入りの作品で、その作者ということで優遇されたことを中心に、人生、作品などについて語る。いずれもフィクションではなく、実際レハールが語ったり、書いたりしたものを忠実に用いているとのこと。ドイツ語で日本語字幕はない。深刻なドキュメンタリーに対し、ベチャワとニールンドがド派手な衣装と舞台で、甘く美しいレハールの曲を歌うことで不条理さが際立つ。
PH-22003
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(10CD)
3CD価格
ジャン・フルニエ名演集
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 ジャン・フルニエ(1911-2003)は往年のヴァオリニスト。名チェロ奏者ピエール・フルニエの実弟だが、ヨーロッパでは兄と同じく巨匠として人気を誇った。ジャン・フルニエの妻はピアニストのジネット・ドワイヤンで、両者共演によるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集やフォーレ、ドビュッシーのソナタ、またピアノのバドゥラ=スコダ、チェロのヤニグロによるピアノ三重奏による録音もあった。それらをまとめ10枚組とした好企画が登場。さらにホルヴァートと共演したモーツァルトの協奏曲、シェルヘンと共演したブラームスの二重協奏曲も典雅極まりない美演。またクライスラーの小品集も絶品だが、作曲者存命中にこれだけ凝った選曲をしているのも興味津々。古き美しきフランス風ヴァイオリン芸術を堪能出来る。
PH-21184
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(10CD)
3CD価格
クラシック・ギターの芸術〜フリーデマン・ヴットケ(G)
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 ドイツのベテラン・ギタリスト、フリーデマン・ヴットケは2004年以来 Haenssler / Profilレーベルの専属音楽家として多くのディスクをリリース、いずれも高い評価を受けた。今回そこから10枚を厳選してBox化、衝撃の価格でのご提供となる。ヴットケはシュトゥットガルト高等音楽学校でギターを学んだ後、ジョン・ウィリアムズ、マヌエル・バルエコ、ペペ・ロメロ、デイヴィッド・ラッセル、エドゥアルド・フェルナンデスらのマスタークラスに参加して研鑽を積んだ。有名音楽家たちと強い人脈を持ち、ロドリーゴとも親しく、いろいろ助言を受けるだけでなく、ヴットケの演奏する「ある貴紳のための幻想曲」を激賞されたといわれる。またロシアの名ピアニストで指揮者のイーゴリ・ジューコフからも教えを受け、数多く共演もしている。古典レパートリーでの妥協のない演奏に加え、常に新しいアイディアを追求してやまない点も興味津々。ダウランドなどの古楽からハイドン、モーツァルトなどギターと無縁な作曲家たちの編曲、ピアソラのタンゴまで、ヴットケの幅広い芸風を堪能出来る。
PH-21055
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(2CD)
1CD価格
含・初出、クナ1955年の「パルジファル」第2幕〜
  1955年バイロイト音楽祭のマルタ・メードル

 ワーグナー:「ジークフリート」〜第3幕(*)
  [マルタ・メードル(S;ブリュンヒルデ) ヴォルフガング・ヴィントガッセン(T;ジークフリート)
   ハンス・ホッター(B−Br;さすらい人) マリア・フォン・イロシュヴァイ(A;エルダ)
   ヨーゼフ・カイルベルト指揮バイロイト祝祭o.|演出:ヴィーラント・ワーグナー]
 ワーグナー:「パルジファル」〜第2幕(#)
  [マルタ・メードル(S;クンドリー) ラモン・ヴィナイ(T;パルジファル)
   グスタフ・ナイトリンガー(Br;クリングソル) イルゼ・ヘルヴィヒ、
   フリードル・ペルティンガー、パウラ・レンヒナー、ドロテア・ジーベルト、
   ユッタ・ヴィルピウス(S;花の乙女) エリーザベト・シュルテル(Ms;花の乙女)
   ハンス・クナッパーツブッシュ指揮バイロイト祝祭o.&cho.|演出:ヴィーラント・ワーグナー]
 録音:1955年8月12日(*)、1955年8月16日(#)、バイロイト祝祭劇場、ライヴ| (#):初出音源。ドイツを代表するソプラノで、ヴァルナイ、ニルソンと並び戦後の3大ワーグナー・プリマドンナと称されたマルタ・メードル(1912-2001)が出演した1955年のバイロイト・フェスティヴァルのライヴ2種。これがとんでもないお宝音源なのに驚かされる。Disc2にはクナッパーツブッシュ指揮の「パルジファル」から第2幕全曲が収められているが、この1955年の公演のみディスクの存在しない幻の音源としてファンの間で伝説となっていた物。クナッパーツブッシュは1951、52、54〜64年まで毎年バイロイト音楽祭で「パルジファル」を指揮した。このうち55年の回だけは何故か世に出ず、世界中のワーグナー・ファン、クナッパーツブッシュ・ファンの謎と垂涎の的となっていた。バイエルン放送所蔵の音源をProfil社が交渉、今回日の目を見ることとなった。BISのフルトヴェングラーの第9に続き、バイロイト音楽祭のお宝がついに明るみになる。残念ながら第2幕のみだが、メードルの美声はもちろん、ヴィナイのパルジファル、ナイトリンガーのクリングソルと最盛期のクナッパーツブッシュの神業に唸らされる。すべてのクナッパーツブッシュ・ファン必携のアルバム。Disc1はカイルベルト指揮の「ジークフリート」第3幕。こちらは全曲盤がTestamentからリリースされている名演。両方入ってこの価格は大歓迎。
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.82
イワン・ポチェーキン(Vn)
ミハイル・プレトニョフ指揮
ロシア・ナショナルo.
 録音:2020年8月29日-30日、チャイコフスキー・コンサートホール、モスクワ。1987年モスクワ生まれのヴァイオリニスト、イワン・ポチェーキン。父はヴァイオリン職人、母がヴァイオリン教師、弟ミハイルもヴァイオリニストというサラブレッド。彼がチャイコフスキーとグラズノフというロシアの2大ヴァイオリン協奏曲に挑戦した。両作品も大家レポルド・アウアーのために書かれ、献呈と初演を拒否された前者と快諾された後者というユニークなカップリングなのも興味津々。どちらもヴァイオリンは高度な技巧が要求されるのみならず、オーケストラも交響曲のように充実しているのが特徴。プレトニョフとロシア・ナショナルo. がバックを務めているのも魅力。彼らはチャイコフスキーをデイヴィッド・ギャレットとユーチン・ツェン、グラズノフをギル・シャハムと名盤をすでにリリースしていて、まさに手の内に入った見事なサポートを聴かせてくれる。
PH-21041
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(5CD)
2CD価格
イヴォンヌ・ルフェビュール名演集
 #収録内容詳細はリンク先 PDF ファイル(要・閲覧ソフト)をご覧ください
 イヴォンヌ・ルフェビュール(1898/1900-1986)はフランスの女性ピアニスト。日本ではフルトヴェングラー&BPOとモーツァルトのピアノ協奏曲第20番の録音を残していることで知られている。ルフェビュールは早くから教育に専念してリパッティ、フランソワ、イモジェン・クーパーらを育てました。演奏家としては明快でテンポも速い古き良き時代のフランス・ピアニズムの持ち主だった。彼女は同時代の名ピアニストに比べ録音があまり多くなく、貴重な5枚組セットの登場。多くは1950年代の録音だが、古いものは1935年11月のデュカの「ラモーの主題による変奏曲、間奏曲とフーガ」に注目。デュカが亡くなった年というのも興味深い限り。
PH-21039
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(2CD)
グリーグとエネスク
 グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16 (*) / エネスク:ピアノ協奏曲 ニ短調(未完)(*)
 グリーグ:叙情小曲集 より
  〔アリエッタ Op.12 No.1 /ノルウェーの旋律 Op.12 No.6 /民謡 Op.38 No.2 /蝶々 Op.43 No.1 /
   愛の歌 Op.43 No.5 /ハリング Op.47 No.4 /跳びはね踊り Op.47 No.6 /ノルウェーの農民行進曲 Op.54 No.2 /
   トロールの行進 Op.54 No.3 /夜想曲 Op.54 No.4 (#) /過ぎ去った日々 Op.57 No.1 /
   郷愁 Op.57 No.6 /サロン Op.65 No.4 /トロルドハウゲンの婚礼の日 Op.65 No.6 /
   あなたのおそばで Op.68 No.3 /小妖精 Op.71 No.3 /ハリング Op.71 No.5 〕
 エネスク:ピアノ・ソナタ第3番 ニ長調 Op.24 No.3 /即興小品集 Op.18 (+) 〜コラール/カリヨン・ノクチュルヌ

 ルイザ・ボラク(P) ニコラエ・モルドヴェアヌ指揮ブカレスト国立放送o.
 録音:2019年6月25日-27日、ブカレスト放送(*) /2007年1月11日、6月29日、ブレーメン放送、ライヴ(無印) /2003年6月1日、ヴァイセナウ修道院広間、ライヴ(+) /2004年10月25日、シュタットシアター・リンダウ、ライヴ(#) 。ルーマニア出身の女性ピアニスト、ルイザ・ボラクは高度な技巧で意欲的なレパートリーに挑戦し、ピアノ音楽マニアの好奇心を満足させている。最新アルバムはグリーグとエネスク。約40年違いで活動したふたりの作曲家に焦点を当てている。ボラクは何よりリズム感抜群で民俗的な作品に輝きを見せるため、グリーグとエネスクはうってつけのレパートリー。エネスクはボラクにとり最も大切な作曲家ですが、2002年にグリーグ国際ピアノ・コンクールで優勝したこともあり、グリーグも得意な作曲家のひとり。2019年6月にニコラエ・モルドヴェアヌ指揮ブカレスト国立放送o. とグリーグの名作協奏曲と、彼女が復活蘇演させたエネスクの協奏曲を披露。どちらも鮮烈な演奏を繰り広げている。さらにグリーグの「叙情小曲集」から17篇を選びしっとりと聴かせてくれる。有名な「蝶々」「夜想曲」「トロルドハウゲンの婚礼の日」も収録。エネスクのピアノ曲中もっとも知られるピアノ・ソナタ第3番も充実の演奏。
PH-21036
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(15CD)
3CD価格
ラフマニノフ:オペラ、声楽、協奏曲大集成
 #収録内容詳細はリンク先 PDF ファイル(要・閲覧ソフト)をご覧ください
 ラフマニノフといえば自身が大ピアニストだったこともあり、なんといってもピアノ曲のイメージが強いが、若い頃ボリショイ劇場等で指揮者としても働きオペラにも精通していた。またラフマニノフ独特の流れるようなメロディはまさに歌向きで、魅力的な歌曲を多数残している。このBoxは断片も含む彼のオペラ全曲にはじまり、宗教曲や合唱付きのもの、そしてほぼすべての歌曲を網羅している。加えてリヒテル、ギレリス、ザーク、メルジャーノフら旧ソ連の巨匠によるピアノ協奏曲もすべて収められているのが凄すぎ。さらにさらに、ラフマニノフ最後の大作「交響的舞曲」を献呈され初演したユージン・オーマンディとフィラデルフィアo. の演奏で聴くことができる大盤振舞い。オペラもゴロワノフをはじめラビノヴィチ、メリク=パシャーエフ、ハイキンらボリショイ黄金時代の演奏を堪能出来る。声楽陣もペトロフ、レメシェフ、コズロフスキー、レイゼンら錚々たる面々が神業的解釈を聴かせてくれる。ラフマニノフの歌曲はピアノ・パートが凝っているが、オボーリン、ゴリデンヴェイゼルら伝説の名手が担っているのも聴くことができ貴重。そのほかにもスヴェトラーノフ、ロジェストヴェンスキー、ザンデルリング、コンドラシンとオールスターキャストの相を呈している。いずれも貴重な音源だが、ピアニストとしても有名な当企画のプロデューサー、アンドレイ・ホテーエフ(1946-2021)の個人コレクションで未発表も多数含まれるお宝品。大半が古い録音ながら、細心の注意でマスタリングが施されている。
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 Op.73 ゲルト・シャラー指揮
フィルハーモニー・フェスティヴァ
 録音:2016年1月11日、マックス・リットマン・ザール、バート・キッシンゲン。ゲルト・シャーラーとフィルハーモニー・フェスティヴァといえば、ブルックナー作品の意欲的なシリーズのイメージがあるが、今回ブラームスの交響曲第2番に挑戦。しかしさすが才気煥発でこだわりの強いシャラー、ブラームスでも普通の演奏に甘んじることはない。ブラームスの交響曲は重厚な演奏が主流だが、第2番はオーストリア南部ヴェルター湖畔で避暑休暇中に作曲されたもので、牧歌的で明るい色彩に満ちている。それゆえ総勢53名の小編成なフィルハーモニー・フェスティヴァの響きは合っている。ブラームスは弦が木管を上回らない小さなオーケストラを好んだとされ、ここではピリオド楽器やその奏法によることなく、彼の意図再現を試みた。聴き馴染んだ音ではないもののとても爽快で、新鮮きわまりない世界が広がる。バートキッシンゲンの歴史的なマックス・リットマン・ホールの音響にも注目。桜材パネルで強化された柔らかい響きが素晴らしい効果を生んでいる。
PH-21031
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(6CD)
2CD価格
ジャック・ティボー名演集
 フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調[アルフレッド・コルトー(P)/1929年5月28日、パリ]
 ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ[アルフレッド・コルトー(P)/1929年6月7日、パリ]
 フォーレ:ピアノ四重奏曲第2番 ト短調 Op.45 [マルグリット・ロン(P)
   モーリス・ヴィユー(Va) ピエール・フルニエ(Vc)/1940年5月10日、パリ]
 ショーソン:ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏のためのコンセール Op.21
  [アルフレッド・コルトー(P) ルイ・イスナール、ヴラディーミル・ヴルフマン(Vn)
   ジョルジュ・プランパン(Va) モーリス・アイゼンベルク(Vc)/1931年7月1日-2日、パリ]/
       詩曲 Op.25 [ウジェーヌ・ビゴー指揮コンセール・ラムルーo./録音:1947年11月、パリ]
 サン=サーンス:ハバネラ Op.83 [タッソ・ヤノプーロ(P)/1933年7月2日、ロンドン]
 ドビュッシー/ハルトマン編曲:ミンストレル[アルフレッド・コルトー(P)/1929年6月7日、ロンドン]/
                亜麻色の髪の乙女[ハロルド・クラクストン(P)/1927年2月14日、ロンドン]
 ドビュッシー/ショワネル編曲:ゴリウォーグのケークウォーク[ハロルド・クラクストン(P)/1925年11月25日、ヘイズ]
 フォーレ:子守歌 Op.16 [アルフレッド・コルトー(P)/1931年7月1日-2日、パリ]
 サン=サーンス:ノアの洪水 Op.45 〜前奏曲[ジョルジュ・ド・ロスネ(P)/1929年5月29日、パリ]
 マルシック:スケルツァンド[タッソ・ヤノプーロ(P)/1933年7月1日、ロンドン]
 シマノフスキ:アレトゥーサの泉[タッソ・ヤノプーロ(P)/1933年7月1日、ロンドン]
 ドゥシュキン/伝・パラディス:シチリアーノ[タッソ・ヤノプーロ(P)/1930年4月23日、ミドルセックス]
 アルベニス/クライスラー編曲:マラゲニャ Op.165 No.3 /タンゴ Op.165 No.2
  [タッソ・ヤノプーロ(P)/1933年7月1日、ロンドン]
 デプラーヌ:イントラーダ[タッソ・ヤノプーロ(P)/1933年7月2日、ロンドン]
 ファリャ/コハニスキ編曲:ホタ[タッソ・ヤノプーロ(P)/1930年4月23日、ミドルセックス]
 ファリャ/クライスラー編曲:「はかなき人生」〜スペイン舞曲第1番[ジョルジュ・ド・ロスネ(P)/1929年5月29日、パリ]
 ラヴェル/シャトリーヌ編曲:ハバネラ形式による小品[タッソ・ヤノプーロ(P)/1944年5月28日、パリ]
 クライスラー:ルクレールの様式によるタンブーラン[ハロルド・クラクストン(P)/1925年11月25日、ヘイズ]
 グラナドス/クライスラー編曲:アンダルサ / グラナドス/ティボー編曲:ロンデリャ・アラゴネサ
  [ハロルド・クラクストン(P)/1927年10月21日、ロンドン]
 グラナドス/ティボー編曲:悲しき舞曲[タッソ・ヤノプーロ(P)/1930年4月23日、ミドルセックス]
 モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219「トルコ風」
  [シャルル・ミュンシュ指揮パリ音楽院o./1941年6月1日、パリ]/
        ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216[ポール・パレー指揮ラムルーo./録音:1947年、パリ]/
        セレナード第7番 K.250「ハフナー」〜ロンド(クライスラー編曲)
  [タッソ・ヤノプーロ(P)/1936年3月21日、パリ]
 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 Op.47「クロイツェル」
  [アルフレッド・コルトー(P)/1929年5月27日-28日、パリ]/
         ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 Op.97「大公」
  [アルフレッド・コルトー(P) パブロ・カザルス(Vc)/1928年11月19日、12月3日、ロンドン]
 シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番 変ロ長調 D.898
  [アルフレッド・コルトー(P) パブロ・カザルス(Vc)/1926年7月5日-6日、ロンドン]
 シューマン:ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.63
  [アルフレッド・コルトー(P) パブロ・カザルス(Vc)/1928年11月5日、18日、12月3日、ロンドン]

 ジャック・ティボー(Vn)
 飛行機事故で急逝してから70年近く経つが、ジャック・ティボーの人気は根強い。ことに日本では元祖盤鬼・西条卓夫氏が熱烈に惚れ込んで紹介したこともあり、神格化された感もある。Profil社がティボーの名盤からCD6枚のBoxを発売する。コルトーとのフランクやドビュッシー、ベートーヴェンの「クロイツェル」やショーソンのコンセール、カザルスも加えた「大公トリオ」などはEMIの名盤中の名盤だが、このBoxに収められた多くの音源が現在入手困難なため大歓迎。古き良きフランスのヴァイオリン芸術をお買い得価格で存分に堪能出来る。
PH-21025
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(4CD)
2CD価格
歴史的録音によるシューマン歌曲集
 #収録内容詳細はリンク先 PDF ファイル(要・閲覧ソフト)をご覧ください
 マニア垂涎のBox登場。シューマンの歌曲を4枚にまとめているが、内容は仰天のお宝集。すぐれた音源調査能力を持つProfilレーベルならではの選曲。最初の3枚は歴史的録音集。古くはニコライ・フィグネルによる1901年のロシア語歌唱など100年以上前の録音が目白押し。いずれもシューマンと直接かかわった演奏家を聴いている世代で、その解釈を聴くことができるのは奇跡。4枚目はゲルハルト・ヒュッシュやロッテ・レーマンが「詩人の恋」と「女の愛と生涯」全曲を歌った貴重な記録。彼らの神業ぶりは今聴いても鳥肌ものの凄さです。シューマンでならした歌手はほぼ網羅。シャリヤピンやヘンシェルからスレザーク、クルプ、パンゼラ、ホッター、フィッシャー=ディースカウ、シュヴァルツコップなどの美声に酔いしれるだけでなく、アルトゥール・シュナーベル、パウル・バウムガルトナー、ジェラルド・ムーアの味わい深いピアノも堪能出来る。いずれもSP原盤によるが、これだけの盤を集めるのは経済的にも手間の点でも不可能。驚きの価格でのご提供。お買い逃がしなく!
PH-21024
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(2CD)
エディション・シュターツカペレ・ドレスデン Vol.51
  〜1945年2月13日、ドレスデン爆撃の追悼に、ヘレヴェッヘ/他

 ■ Disc 1 - J.S.バッハ:カンタータより
  〔第21番「私の心は思い煩いで一杯だった」 BWV.21 〜シンフォニア/第82番「私は満ち足りた」 BWV.82(バス版)/
   第12番「泣くこと、嘆くこと、案ずること」 BWV.12 〜シンフォニア/
   第199番「私の心は血の中で泳ぐ」 BWV.199 〕

   [クレシミル・ストラジャナッツ(B−Br) ドロテー・ミールズ(S)
    フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮シュターツカペレ・ドレスデン/
    録音:2021年2月12日、ゼンパーオーパー、ドレスデン]
 ■ Disc 2 - インタヴュー、過去の「ドレスデン爆撃追悼」演奏会より
  ヘレヴェッヘのインタヴュー
  ヴェルディ:レクィエム より〔レクィエム/怒りの日/奇しきラッパの響き〕
    [独唱者たち クリスティアン・ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデン/録音:2014年2月13日]
  ベルリオーズ:レクィエム Op.5 〜第2曲 怒りの日
    [キース・イカイア=パーディ(T) コリン・デイヴィス指揮シュターツカペレ・ドレスデン/録音:1994年2月14日]
  マーラー:交響曲第2番 ハ短調「復活」〜第5楽章
    [独唱者たち ベルナルド・ハイティンク指揮シュターツカペレ・ドレスデン/録音:1995年2月13日]
  シュテファン・ラングによるアンドレアス・シュライバーへのインタヴュー
  Disc 2 は本体に「ボーナスCD」と記載されているが2枚分の価格、こちらに収録された音源は既出。第2次世界大戦中の1945年2月13日、から15日にかけ、連合軍はドレスデンに無差別爆撃を行った。これにより同市は灰燼に帰し、2万5千人とも6万人ともいわれる一般市民が犠牲となった。この犠牲者を悼む式典が毎年行われるが、同市を代表するオーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデンが追悼演奏を務める。2021年はヘレヴェッヘがバッハの教会カンタータを披露した。コロナ禍ゆえ無観客で行われたが、全世界を覆うパンデミックの恐怖も加わり、2021年のコンサートはひときわ印象的。というのは、とりあげられているカンタータ第82番と第199番は、どちらもソロ・カンタータで合唱が入っていない。これもソーシャルディスタンスゆえとも思われるが、声楽アンサンブルからキャリアを始めたヘレヴェッヘがあえてこの形態の作品を選んでいるのが意味深長。その抑えた情感と真摯な祈りがドレスデンの罪なき犠牲者とコロナで苦しめられている世界中の人々を救おうとしているかのようだ。 Disc2はヘレヴェッヘのインタビューのほか、2014年、1994年、1995年の同コンサートの一部が披露されているクリスティアン・ティーレマン、コリン・デイヴィスベルナルド・ハイティンクらそれぞれの祈りに満ちた世界を堪能出来る。
PH-21014
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(4CD)
2CD価格
シューマン:歌曲全集 Vol.1
 リーダークライス Op.24(全9曲)(*) /ユリウス・ケルナーの12の詩 Op.35 (#)
  [アンドレアス・シュミット(Br;*/#) ウルフ・ベストライン(Br;#) ルドルフ・ヤンセン(P;*)
   シュテファン・ラウクス(P;#)|1997年9月、ベルリン(*) /2003年7月、カールスルーエ(#) ]/
 リーダークライス Op.39(全12曲)[クリストフ・プレガルディエン(T) ミヒャエル・ゲース(P)|2005年4月、ケルン]/
 詩人の恋 Op.48(全16曲)/哀れなペーターは Op.53 No.3
  [ベンヤミン・ブルンス(T) カローラ・タイル(P)|2015年10月]/
 恋の曙 Op.37 より〔春の祭りの美しさ/太陽の輝くように〕/私が鳥になれたら Op.43 No.1 /4つの二重唱曲 Op.78 /
 5月の歌 Op.79 No.9 /恋のたわむれ Op.101 より〔私はあなたの木/千回の挨拶〕/4つの二重唱曲 Op.34 /夜に Op.74 No.4
  [ユリア・ヴァラディ(S) ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
   ハルトムート・ヘル(P)|1989年11月、デュッセルドルフ]/
 女の愛と生涯 Op.42(全8曲)[エルナ・ベルガー(S) エルンスト=ギュンター・シェルツァー(P)|1956年、ベルリン]/
 ベルシャザル Op.57 /私の馬車はゆっくりと Op.142 No.4
  [アンドレアス・シュミット(Br) ルドルフ・ヤンセン(P)|1997年9月、ベルリン]/
 あなたの顔は Op.127 No.2 [ウルフ・ベストライン(Br) シュテファン・ラウクス(P)|2003年7月、カールスルーエ]/
 ミルテの花 Op.25(シューマン夫妻の手紙朗読入り)
  [ディアナ・ダムラウ(S) イヴァーン・パレイ(Br) シュテファン・マティアス・ラーデマン(P)
   マルティナ・ゲデック、セバスティアン・コッホ(朗読)|2006年2月、フロイスドルフ]
 ドイツの由緒あるレーベル、Profilならではの魅力的で貴重なアルバム。シューマンの歌曲すべてを超豪華な歌手陣で集めた。エルナ・ベルガーやユリア・ヴァラディ、フィッシャー=ディースカウからクリストフ・プレガルディエン、ディアナ・ダムラウといずれも主役級がとびきりの名匠で名匠で名歌を聴かせてくれる。いずれも現在入手困難な音源ながら、お買い得価格でご提供。歌曲作曲家としてのシューマン、ドイツ語の美しさを存分に堪能出来る。
PH-20074
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(7CD)
2CD価格
フィッシャー=ディースカウ初期録音集
 #収録内容詳細はリンク先 PDF ファイル(要・閲覧ソフト)をご覧ください
 『★「世界で最も偉大なリート歌手」とも称された不世出のバリトン、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ (1925-2012)。彼は録音の多さでも有名ですが、ここでは彼が 20 代から30 代にかけての若き日の記録を集めています。★フィッシャー=ディースカウの記念すべき録音第1号にあたる1949年9月のブラームス「4つの厳粛な歌」からドイツ歌曲、古典からオペラまで美声と表現を堪能できます。初 CD 化も多く、共演もフルトヴェングラーやベーム、フリッチャイ、歌手陣もヴィントガッセンやグラインドル、ゼーフリートらドイツ・オペラ史に残る大物が目白押し。★多くは現在入手困難で、7枚組この価格はまさに夢のよう。お買い逃がしなく!』
PH-20045
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(3CD)
2CD価格
白夜〜ペテルブルクのヴィオラ音楽
 ショスタコーヴィチ/ストラホフ編曲:前奏曲 Op.34 より Nos.10, 14-18, 24
 グリンカ/ボリソフスキー補完:ヴィオラ・ソナタ ニ短調 / グラズノフ:エレジー Op.44
 ストラヴィンスキー:エレジー / ストラヴィンスキー/オズノビシェフ編曲:歌劇「マヴラ」〜ロシアの歌
 リムスキー=コルサコフ/ボリソフスキー編曲:歌劇「サトコ」〜インドの歌
 リムスキー=コルサコフ/ストラホフ編曲:歌劇「雪娘」〜大道芸人の踊り
 チャイコフスキー/ボリソフスキー編曲:感傷的なワルツ Op.51 No.6
 プロコフィエフ/ボリソフスキー編曲:ロメオとジュリエット より
  〔前奏曲/街の目覚め/少女ジュリエット/バルコニーの情景/モンタギュー家とキャピュレット家/ジュリエットの死〕
 バンシチコフ:ヴィオラ・ソナタ / ショスタコーヴィチ:ヴィオラ・ソナタ Op.147
 アントン・ルビンシテイン/ヴィエニャフスキ、マスレンコ編曲:ロマンス「夜」
 グリンカ/ボリソフスキー編曲:アリャビエフ「ナイチンゲール」による変奏曲
 アントン・ルビンシテイン/クロス、マスレンコ編曲:へ調のメロディ/ヴィオラ・ソナタ Op.49
 ストラヴィンスキー/ボリソフスキー編曲:パストラール / グラズノフ:瞑想曲 Op.32
 チャイコフスキー/ボリソフスキー編曲:熱い告白
 ボーナス・トラック ショスタコーヴィチ:即興曲

 タチヤナ・マスレンコ(Va) ログリット・イシャイ(P)
 録音:2010年2月16日-19日、2012年10月3日-7日、2020年8月22日-25日、ドイツ放送カンマーザール、ケルン。旧レニングラード出身、同音楽院で学んだ後、1991年にドイツへ移り、キム・カシュカシアン、今井信子にも師事した実力派マスレンコ。ロシアのヴィオラ音楽を網羅するシリーズは第1、2弾ともに好評だったが、お待たせの第3弾が登場。なんと過去2タイトルと組み合わせてお買い得価格でお届する。第1、2弾は貴重なオリジナル作品グリンカとショスタコーヴィチのソナタから、ストラヴィンスキーやリムスキー=コルサコフのオペラのアリア、さらにショスタコーヴィチの前奏曲とプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」のヴィオラ編曲まで独特な音色と語り口を存分に堪能させてくれた。注目の第3弾はアントン・ルビンシテインの秘曲「ヴィオラ・ソナタ」をメインに、彼の歌曲をヴィエニャフスキがヴァイオリン用に編曲したものにマスレンコが手を加えた「夜」、さらにグラズノフのヴァイオリン曲「瞑想曲」をヴィオラでじっくり聴かせてくれる。ボーナストラックとして、近年日の目を見たショスタコーヴィチ若書きのオリジナル作品「即興曲」が入っているのも大歓迎。いずれもロシア人ならではの作品理解の深さと説得力で感動させられる。イシャイのピアノも絶妙。
KKC-4290
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[PH-20042]
1.1CD価格
Cantabile 〜渡辺克也
 アウフスト・ドゥ・ブック:リート / マルティン・グラーベルト:オーボエ・ソナタ ト短調 Op.52
 ジョヴァンニ・ボルツォーニ:ファンタジア
 レインゴリト・グリエール:小品集 Op.35 より〔アレグロ/アダージョ〕
 シューマン:アダージョとアレグロ / ビル・ダグラス:オーボエ・ソナタ

 渡辺克也(Ob) 小林有沙(P)
 録音:2020年1月20日-22日、イエス・キリスト教会、ベルリン。#国内品番品のみの取り扱いとなります。渡辺克也 Profilレーベル第7弾は「カンタービレ」と題し、ドイツ、オランダ、ベルギー、イタリア、ロシア、カナダの作品に挑戦。ドイツを愛しフルトヴェングラーを敬愛する渡辺らしく、練りに練られた巨大な音楽が魅力。シンプルな小品でさえオペラのような姿となり隙のない真摯な表現が感動的。小林有沙のとろける極上ピアニズムも聴きもので、ベルリンのイエス・キリスト教会の極上の響きを堪能出来る。
エディション・シュターツカペレ・ドレスデン Vol.52 〜
 ブルックナー
:交響曲第1番 ハ短調(1877年リンツ稿)
  クリスティアン・ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデン
 録音:2017年9月1日、ゼンパーオーパー、ドレスデン、ライヴ。ティーレマンとシュターツカペレ・ドレスデン2017年のブルックナー:交響曲第1番といえば、9月6日にミュンヘンのフィルハーモニーで行われたライヴ映像がC Majorからリリースされた全集に収録され、このBOXは、「レコード芸術」誌2021年9月号にて特選として絶賛された。こちらはその5日前にドレスデンのゼンパーオーパーで行われたコンサートのライヴCDクリスティアン・ティーレマンは2012年のシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者就任以来、ブルックナーの交響曲プロジェクトを続け、その8回目にとりあげられたのが第1番だった。ブルックナーの交響曲第1番は1868年の作だが、1877年、84年に改訂が行われ、さらに1890年に行われたのがここで用いられている「リンツ版」。ブルックナーの若々しい野性味が晩年の円熟の書法で磨かれた逸品となっているクリスティアン・ティーレマンの解釈はミュンヘン・ライヴと基本的には共通してやや遅めのテンポによる堂々としたが、ドレスデンのゼンパーオーパーの深い響きもあいまり充実した感動を与えてくれる。
PH-16076
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(3CD)
2CD価格
ゼンパーオーパー・エディション Vol.12 〜ベームの「カルメン」他
 ビゼー:歌劇「カルメン」(ドイツ語歌唱)
  [エリーザベト・ヘンゲン(Ms;カルメン) トルステン・ラルフ(T;ドン・ホセ)
   ヨーゼフ・ヘルマン(Br;エスカミーリョ) エルフリーデ・ヴァイトリッヒ(S;ミカエラ)
   ハインリヒ・テッスマー(T;レメンダード) カール・ヴェッセリー(T;ダンカイロ)
   クルト・ベーメ(B;ズニーガ) ヤン・リッテル(Br;モラレス)
   エルフリーデ・トレッチェル(S;フラスキータ) ヘレナ・ロット(A;メルセデス)他
   カール・ベーム指揮シュターツカペレ・ドレスデン/録音:1942年12月4日-5日、ドレスデン]

 ■ボーナス ▼「カルメン」シリンダー録音集
   第1幕〜ハバネラ[エーファ・フォン・デア・オステン(S) スタジオo./
            録音:1905年、パラストホテル・ウェーバー、ドレスデン]/
   第1幕〜セギディリャ[エーファ・フォン・デア・オステン(S) ブルーノ・ザイトラー=ヴィンクラー指揮
              スタジオo./録音:1909年、パラストホテル・ウェーバー、ドレスデン]

       ▼「カルメン」初期ラッパ吹込み
   第1幕〜ミカエラとドン・ホセの二重唱「母の便りは」(ドイツ語歌唱)
    [エーファ・フォン・デア・オステン(S) リヒャルト・タウバー(T)
     ブルーノ・ザイトラー=ヴィンクラー指揮スタジオo./録音:1921年4月8日、ベルリン]/
   第2幕〜闘牛士の歌[ローベルト・ブルク(Br) スタジオo. /録音:1920年、ベルリン]/
   第2幕〜花の歌(ドイツ語歌唱)
    [リヒャルト・タウバー(T) カール・ベスル指揮スタジオo./録音:1923年3月9日、ベルリン]/
   第3幕への前奏曲[フリッツ・ブッシュ指揮シュターツカペレ・ドレスデン/録音:1923年6月8日-9日、ドレスデン]/
   第3幕〜ミカエラのアリア「何を恐れることがありましょう」(ドイツ語歌唱)[エリーザベト・レートベルク(S)
     フリーダー・ヴァイスマン指揮ベルリン国立歌劇場団員/録音:1921年5月21日、ベルリン]

       ▼「カルメン」電気録音
   第3幕フィナーレ[ティーノ・パッティエーラ(T) バルバラ・ケンプ(S)
     フリーダー・ヴァイスマン指揮ベルリン国立歌劇場団員/録音:1930年2月28日、ベルリン]/
   第3幕〜ミカエラのアリア「何を恐れることがありましょう」[マリア・チェボターリ(S)
     ゲルハルト・シュテーガー指揮ベルリン・ドイツ・オペラo./録音:1941年、ベルリン]

       ▼「カルメン」テープ録音(すべてドイツ語歌唱)
   第1幕〜ミカエラとドン・ホセの二重唱「母の便りは」(ドイツ語歌唱)/
   第2幕〜花の歌(ドイツ語歌唱)/第3幕〜ミカエラのアリア「何を恐れることがありましょう」
    [エルフリーデ・トレッチェル(S) ハインツ・ザウアーバウム(T)
     ハンス・レーヴライン指揮シュターツカペレ・ドレスデン/録音:1949年5月27日、ドレスデン]
  Profilレーベルのゼンパーオーパー・シリーズの第12弾はベームの「カルメン」全曲。この音源は過去にもPreiserレーベルなどからもリリースされ話題となったが、当Profil盤は本家本元シュターツカペレ・ドレスデン監修のオーセンティックなもののため、計り知れぬ価値がある。ザクセン時代、第2次世界大戦中1942年の放送用録音。当時のドイツの技術の粋を極めた録音の良さも驚愕。当時の慣習でドイツ語歌唱により、エリザベート・ヘンゲンのカルメン、トルステン・ラルフのドン・ホセ、ヨーゼフ・ヘルマンのエスカミーリョ、エルフレーデ・ヴァイトリヒのミカエラという、まるでワーグナーの楽劇と見紛う豪華オールスターキャスト。若きベームのパワーは物凄く、重量感とよどみない流れに満ちた素晴らしい音楽作りで最後まで釘付けになる。それが違和感どころか、ビゼーの音楽がウェーバーやリヒャルト・シュトラウスと通じる世界であることを気づかせてくれる。このアルバムならではの特典が秘蔵カルメン録音集ボーナスディスク。古くは1905年のエーファ・フォン・デア・オステンのシリンダー録音やレートベルクとタウバーのラッパ吹込みから戦後1945年の磁気テープ録音までたっぷり1時間。オペラ・ファンや専門家必携のお宝。それに加えて、同シリーズの魅力のひとつの豪華解説書もぬかりなく収められている。今回はなんとベーム演奏とボーナスディスクが別刷りとなっていて、独・英2か国語で前者が84ページ、後者が46ページ。貴重写真満載の愛蔵資料。お買い逃がしなく!

PROSPERO CLASSICAL (スイス) 特記以外 1枚あたり¥3300(税抜¥3000)

 ソニーや EMI で長年エグゼクティブ・プロデューサーを務めたマーティン・コーン氏と、デザイナーでありソーシャルメディアの専門家でもあるクリスティーネ・シュバイツァー氏によって2019年に設立されたスイスのレーベル。レーベル名はシェイクスピア「テンペスト」の登場人物、プロスペローから。
 
アパッショナルト〜情熱のヴィオラ
 シューマン:おとぎの絵本 Op.133
 ヴュータン:エレジー Op.30
 ブリッジ:ヴィオラとピアノのための2つの小品
 ファリャ/マーク・サッバ編曲:7つのスペイン民謡
マーク・サッバ(Va)
イリアーヌ・レイエズ(P)
 録音:2021年。ヴィオラのレパートリーを探求するマーク・サッバによる、「ロマン派のヴィオラ音楽」をテーマにしたアルバム。ヴィオラのくぐもった響きで歌われる、情熱を秘めた音楽たち。ファリャは自らの編曲版。[マーク・サッバ]1988年、ニューヨーク生まれのヴィオラ奏者。3歳でヴァイオリンを始め11歳でヴィオラに転向。姉の弾くチェロにも魅了されたという。今井信子らに師事し、アムステルダム音楽院を優秀な成績で卒業。マンハッタン国際音楽コンクール1位等を受賞。ベルギー国立o. ソリスト。ズービン・メータから激賞され、イスラエル・フィルハーモニックの客演首席ヴィオリストに招かれたことも。2011年にはスイスのヴェルビエ音楽祭でイヴリー・ギトリスと共演し、ギトリスに「ヴィオラのパガニーニ」と評された。2016年にベルギー人ピアニストのイリアーヌ・レイエズとデュオを結成、ヴィオラとピアノのためのレパートリーを果敢に探求している。2017年よりベルギーのモンス王立音楽院ヴィオラ科教授を務める。
風の戯れ〜木管楽器のための編曲集
 フォーレ:3つの無言歌 Op.17 / ドビュッシー:子供の領分
 レイナルド・アーン:5つのメロディ〔クロリスに/極上の時/5月/ティンダリス/レナムール〕
 ラヴェル:古風なメヌエット / サティ:冷たい小品〜3つの歪んだ踊り / プーランク:村人たち

 リーズ・イン・モーション
 録音:2021年4月16日-19日、ZKO ハウス、チューリヒ。オーボエ、サックス、クラリネット、バスクラリネット、ファゴットというちょっぴりめずらしい編成による木管五重奏団「リーズ・イン・モーション」。バーゼル音楽院で出会い2017年に結成された若いクインテットで、すべてリード楽器なため均質かつ自由な変化の利く音響が特徴。メンバーはいずれもソリスト、室内楽奏者、オーケストラ奏者として活躍する名手であり、五重奏団としての活動も音楽祭への参加など多岐にわたっている。このアルバムはフランス音楽のアレンジ集となっており、潤いのある美しい旋律がこの編成にぴったり。とろけるような和声と伸びやかな歌に彩られたすてきなアルバム。アーンの「クロリスに」はG 線上のアリアを思わせる印象的なバスが涙を誘う逸品!
境界を越えて
 フレスコバルディ/レスピーギ編曲:パッサカリア / フレスコバルディ:カンツォーナ第1番
 リゲティ:フレスコバルディへのオマージュ
 フローベルガー:リチェルカーレ ニ短調 FbWV.411 /カプリッチョ FbWV.508
 フレスコバルディ:カプリッチョ・パストラーレ / ゲオルク・ベーム:コラール「ああ、いかにはかなく空しき」
 ペルト:アリヌーシュカの癒しに基づく変奏曲 / J.S.バッハ:コラール「来たれ、異教徒の救い主よ」 BWV.659
 パッヘルベル:チャコーナ ヘ短調 T.206 / マルチェッロ/J.S.バッハ編曲:オーボエ協奏曲〜アダージョ
 J.S.バッハ:キリストは死の縄目につながれたり BWV.695
 J.S.バッハ/ブラームス編曲:シャコンヌ ニ短調 BWV.1004

 アレクサンドラ・ソストマン(P)
 録音:2021年。巧みなプログラミングでバロックと現代を繋ぐピアノ・アルバム。鍵盤音楽の始まりと現代との鮮やかな交錯に耳を奪われる。生死を思う、はかない美しさに満ちたサウンドが魅力的。「バロックから現代へ、音楽から宗教へ、世俗から神へ。このアルバムの中で私は境界を越えることができる。だからこそ、バッハが最初の妻マリア・バルバラ・バッハを偲んで書いた「シャコンヌ」のように、生と死、復活、悟り、そして追憶をテーマにしている」(アレクサンドラ・ソストマン)
シューベルト「第7」新補筆完成版〜シューベルト
 歌劇「フィエラブラス」 D.796 序曲/
 交響曲(第7番) ホ長調 D.729 (2020年リヒャルト・デュンサー補筆完成版)
  〔アダージョ - アレグロ[ D.729 (1821) 第1楽章]/アンダンテ[ D.936A (1828) 第2楽章]/
   スケルツォ、アレグロ[ D.708A (1820/21) 第3楽章]/アレグロ・ジュスト[ D.729 (1821) 第4楽章]/
   スケルツォ、アレグロ・モデラート[ D.936A (1828) 第3楽章|マリオ・ヴェンツァーゴ補筆完成版(2021)]〕

 マリオ・ヴェンツァーゴ指揮ベルンso.
 録音:2021年6月1日-5日、カジノ・ベルン、スイス。旧全集では完成品と見做され、第7番とナンバリングされたシューベルト未完の ホ長調交響曲(D.729)。オーストリアの作曲家リヒャルト・デュンサーの手による2020年補筆完成版を収録している。D.729は ロ短調交響曲「未完成」D.759の前年、1821年にスコア譜の状態で筆が進められた。荘重な序奏をもつ第1楽章は冒頭から100小節以上もオーケストレーションまで完成されていて、以降は主旋律などの核となる部分が書かれるのみだが全4楽章にわたり小節線がきちんと引かれ、最後の終止線までの骨格が残されている。これを基にした補完版は、ブライアン・ニューボールド版(1982年)がネヴィル・マリナーの録音などで比較的知られているだろう。このCDでは、中間楽章に別の未完成交響曲の楽章(D.708A 、D.936A)を採用するという少し変わった手法が取られている。D.708AはD.729の直前に書かれていた交響曲。またD.936Aは「第10番」とも言われる死の直前に書かれていた交響曲で、ベリオの「レンダリング」の素材にもなった名品。あえて別の断章を組み合わせることで、音楽的完成度の高い楽章が続く充実した交響曲として書き上げるという試みがなされている。指揮は「未完成」D.759の補完版を自ら書き録音もしているヴェンツァーゴ。今回も補筆段階から関り、アイデアを出し共に進めてきた企画となっている。また、ヴェンツァーゴによるスケルツォ楽章の「第2案」も収録。これは未来を志向した音楽であるD936Aのスケルツォに基づいたもので、シューベルトが見ていたかもしれない前衛的で大胆な世界へと果敢に切り込んでいく音楽となっている。歌劇「フィエラブラス」は1823年に書かれたシューベルト最後のオペラ。序曲も大変充実した音楽で、同時期に書かれた作品としてこれ以上ないカップリング。
ピアソラ100
 ピアソラ:ル・グラン・タンゴ/天使のミロンガ/ロコへのバラード/フーガと神秘/タングアーノ/
      忘却/リベルタンゴ/レのミロンガ/アディオス・ノニーノ/アヴェ・マリア
 カレル・クラーエンホフ:当惑

  ルーデンス・トゥルク&フレンズ、ヴュルテンベルク室内o.
 録音:2021年。ピアソラ生誕100周年記念盤。ヴァイオリンとピアノのデュオから、独奏楽器と管弦楽のための編曲まで、ピアソラの作品を幅広く網羅したアルバム。ヴァイオリニストのルーデンス・トゥルクにとって重要な作品は、1982年にパリで書かれた「ル・グラン・タンゴ」。元々はチェロとピアノのための曲だが、ここではヴァイオリン、チェロ、ピアノのための編曲で聴くことが出来る。演奏にも参加しているオランダの有名なアコーディオン奏者、カレル・クラーエンホフの作品も1曲収録。
ホリガー、ビショフ、シュープバッハ「歌う葦」〜
  2つのオーボエとコーラングレのための作品集

 ベートーヴェン(1770-1827):「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲 ハ長調 WoO.28
 アントニーン・ヴラニツキー(1761-1820):三重奏曲 ハ長調
 ルドルフ・ガンツ(1877-1972)/ハインツ・ホリガー編曲:2つのピアノ小品 Op.31 (編曲:2020)
  〔小さなスフィンクス/小さなエルフ〕
 ベートーヴェン:三重奏曲 ハ長調 Op.87
 ハインツ・ホリガー(1939-):小三重奏曲「 En c(h)oeur – encore 」(2020)

 ハインツ・ホリガー、アンドレア・ビショフ(Ob)
 マリー=リーゼ・シュープバッハ(コーラングレ)
 録音:2021年2月21日-23日、 SRF スタジオ、チューリヒ。現代クラシック界における巨匠の一人として、80歳を超えてもなおエネルギーと好奇心、音楽への欲求に満ちあふれた活動を展開しているスイスのオーボエ奏者・指揮者・作曲家ハインツ・ホリガー(1939-)。その根幹部分と言えるオーボエ奏者としての今が刻まれた大注目アルバム。2本のオーボエとコーラングレという稀少なダブルリード三重奏作品を、この上なく見事な演奏で堪能頂ける。近年、指揮者としての名声が上がっているホリガーだが、やはりオーボエの巧さも凄まじい。ベートーヴェンがモーツァルトの主題を用いた変奏曲 WoO.28は生涯をかけて完成させた変奏曲技法の神髄の一端を示す鮮やかな初期作品。また三重奏曲 Op.87はほとんど交響的な性格を帯びており、3つの均質な声部からシンフォニックな広がりが発現する。ベートーヴェンの友人であるブラニツキーのトリオも、おおらかで独創的な形式と高い作曲技術が印象的な充実作。ルドルフ・ガンツは1877年にチューリヒで生まれ、1972年にシカゴで亡くなった音楽家。チェロを学び、ピアノの腕前はホロヴィッツやルービンシュタインと比較されるほどで、ラヴェルの「夜のガスパール」の「スカルボ」や、ブゾーニの第2ソナチネの献呈者でもある。ホリガー自らピアノ曲をオーボエ・トリオに編曲して演奏。ホリガー自作の「En c(h)oeur - encore」は、コーラングレ奏者のマリー=リーゼ・シュープバッハへの誕生日プレゼントとして書かれた物。「一度でいいから、 ハ長調で、半音階や四分音、複雑なリズムの無いものを書いてほしい」という彼女の願いから生まれた作品で、彼女の名前(Schupbach)からとった音名SCHに基づく、3つの長調による多調で書かれている。タイトルも「En coeur(心で)/ En choeur(コーラスで)/ Encore(アンコール)」と三重の意味があり、短くもセンスあふれる爽やかな佳品。[共演者プロフィール]アンドレア・ビショフ…ホリガーに師事。1997年からルツェルンso. の首席オーボエ奏者。ソリスト、室内楽奏者としても活躍、歴史的楽器による演奏にも積極的。マリー=リーゼ・シュープバッハ…ホリガーに師事。バイエルン放送so. で38年間コーラングレのソリストを務める。ホリガー、細川俊夫、ケルターボーンなどの作品を初演。ECMやOrfeoに録音がある。
孤独を離れて〜無伴奏ヴィオラ作品集
 ビーバー:パッサカリア ト短調 C.105 / J.S.バッハ:シャコンヌ ニ短調 BWV.1004
 ハラール・ハウゴー: Peder Gyes(デンマーク民謡) / デンマーク民謡: Dronningens Contillion / Rumlekvadrillen
 スイス民謡: Vor der Alphutte/Zwei Zauerli / Schottisch / ノルディ・アルダー:ポルカ「 Nicht ganz allein! 」
 フランツ・アントン・ホフマイスター:練習曲第5番 ト長調「変奏曲」 / ルーマニア民謡: A Frunzei/Doina
 ペンデレツキ::ダンス(2011) / マリウス・ウングレアヌ: Cantec de Dor / Brau / Doina(ルーマニア民謡)(1995)
 アルミン・シブラー:小協奏曲 Op.9

 ウルスラ・サーンテイン(Va|使用楽器:ストラディヴァリウス「 Gibson 」、1734年
 録音:2020年9月8日、12月3日、2021年3月12日、4月9日。チューリヒ・トーンハレo. のヴィオラ奏者、ウルスラ・サーンテインによるヴィオラ・ソロのためのアルバム。バッハ、ペンデレツキ、民族音楽、現代スイスの作曲家シブラーなど多彩な響きが一挺のヴィオラから次々と紡ぎ出されていく。一見すると古典的な調和から離れた世界のようだが、実際にはそれぞれの音楽に明らかな対照性とともに強いつながりをも発見することができるだろう。1734年製ストラディヴァリウス「ギブソン」での演奏。
フリッツ・ブルン(1878-1959):初期室内楽作品集
 弦楽四重奏曲第1番 変ホ長調(1900) (*) /
 ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ短調(#)
マヌエルSQ (*)
ステファン・マイアー(Vn;#)
アレクサンダー・ルーフ(P;#)
 世界初録音。フリッツ・ブルン(1878-1959)は30年以上にわたってベルン市立o. の首席指揮者を務めた人物。彼の作曲した管弦楽作品は近年再評価され、ロマン派最後のシンフォニストとも呼ばれている。このアルバムでは珍しい初期の室内楽作品を収録。弦楽四重奏は世界初録音、ヴァイオリン・ソナタもこれまで短縮版しかなく完全な形では聴けなかったという貴重な録音。
ラフマニノフ
 パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43 (*) /
 ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30 (#)
イリーナ・ゲオルギエヴァ(P)
サッシャ・ゲッツェル指揮(*)
パブロ・ゴンザレス指揮(#)
バーゼルso.(*/#)
 録音:2020年12月21日、28日、シュタットカジノ・バーゼル、スイス。ルドルフ・ブッフビンダーに多くを学んだピアニスト、イリーナ・ゲオルギエヴァによるラフマニノフの協奏曲。確かな技巧と高い音楽性で難曲を鮮やかに弾き切ってます。2人の指揮者とバーゼル響の繰り出すサウンドにもただならぬキレがあり、協奏的な音の応酬がまばゆく火花を散らする。心地よい刺激が耳を満たす素晴らしい演奏。ラフマニノフ財団の協力により企画されたアルバムで、ブックレットには作曲家の貴重な写真が掲載されている。
シュリ・プリュドムの詩による歌曲集
 フォーレ:ゆりかご/水のほとりで / アーン:水の上で/ナイス / エネスク:ギャロップ/ため息
 デュボワ:水辺にて/天の川/子供らしさ/アルバムについて/遅すぎる/永続するもの / デュパルク:ため息
 マシュー・ロワ(1980-) (*) :はだかの世界/森の静寂と夜/鍾乳石/天の川/愛の衰退
 ヴィドール:春の祈り/壊れた花瓶 / フランク:壊れた花瓶 / ヴィエルヌ:くさり/ギャロップ

 マリー=ピエール・ロワ(S) ジュスティーヌ・エコウ(P)
 録音:2020年12月| (*):世界初録音。第1回ノーベル文学賞を受賞、その賞金を文学の発展につぎ込んだフランスの詩人シュリ・プリュドム(1839-1907)の詩が用いられた歌曲を集めたアルバム。彼の詩はフォーレ、エネスク、ヴィエルヌなど多くの音楽家にインスピレーションを与え、素晴らしい作品を生み出してきた。19世紀末以降のフランス歌曲のスタイルの幅広さを示す、洗練された芸術が味わえる。
心の問題、ある女性の愛と人生をめぐる旅〜R.シュトラウス、シューマン:歌曲集
 R.シュトラウス:4つの歌曲 Op.27 より〔第1曲 憩え、わが魂/第2曲 ツェツィーリエ/第4曲 明日の朝〕/
          6つの歌曲 Op.17 〜第2曲 セレナーデ/5つの小さな歌 Op.69 〜第3曲 モノトーン/
          5つのピアノ小品 Op.3 より〔第4曲/第1曲〕/4つの最後の歌〜第3曲 眠りにつくとき/
          5つの歌曲 Op.41 〜第1曲 子守歌/3つの歌曲 Op.43 〜第2曲 母の自慢/
          5つの歌曲 Op.39 〜第4曲 解き放たれて
 シューマン:歌曲集「女の愛と生涯」 Op.42 /幻想小曲集 Op.12 〜第3曲 何故に

 サラ・ブレイディ(S) スティーヴン・ディレイニー(P)
 録音:2021年。アイルランド出身のソプラノ歌手、サラ・ブレイディによるアルバム。「Matters of the Heart」というアルバム・タイトルは2020年の春、コロナによる最初のロックダウンが起きた時に思いついたそう。かねてから採り上げたかったシューマンの「女の愛と生涯」をプログラムの中心とすることに決め、何をそこに加えるか模索した結果、R.シュトラウスの歌曲こそがシューマンの音楽の情緒的な部分を広げるのに最も適していると感じ、このような形に組み合わせたとのこと。シューマンとR.シュトラウスを行ったり来たりしながら紡がれる心のこもった歌をお聴き頂きたい。
セルゲイ・タニン〜デビュー・アルバム
 ブラームス:ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 Op.1
 シューベルト/リスト編曲:
  12の歌曲 S.558 より〔挨拶を贈ろう S.558 No.1 /糸を紡ぐグレートヒェンS.558 No.8 /セレナードS.558 No.9 〕/
  白鳥の歌 S.560 より〔住処 S.560 No.3 /影法師 S.560 No.12 /鳩の便りS.560 No.13 〕
 プロコフィエフ:10の小品 Op.10

 セルゲイ・タニン(P)
 録音:2021年。1995年シベリア生まれで5歳からピアノを始め、11歳で早くもチャイコフスキー音楽院の大ホールでモスクワso. と共演、2018年にゲザ・アンダ国際ピアノコンクールで第3位と聴衆賞を獲得した若きピアニスト、セルゲイ・タニンのデビュー・アルバム。ブラームスのソナタ、リスト編曲のシューベルト、プロコフィエフの小品という選曲からは、彼が高い技術と深い歌謡性の両立を武器にしていることがうかがえる。
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アーノンクール、チューリヒ告別演奏会 2011
 モーツァルト:セレナード第10番 変ロ長調「グラン・パルティータ」 K.361 (370a)
 ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調「運命」 Op.67
 ■ボーナ・ストラック 「運命」リハーサル風景〔第2楽章/第3楽章〕
 ニコラウス・アーノンクール指揮フィルハーモニア・チューリヒ(チューリヒ歌劇場o.)
 録音:2011年11月25日-27日、トーンハレ、チューリヒ、ライヴ。2021年アーノンクール没後5年記念リリース。収録されているのは1970年代からオペラやコンサートを演奏し続けてきたチューリヒ歌劇場での最後のコンサート。モーツァルトの「グラン・パルティータ」とベートーヴェンの「運命」という手加減無し王道ど真ん中のプログラムでアーノンクールらしくオーケストラと観客に別れを告げた、伝説的な公演が美しいパッケージで商品化された。ハードカバーの解説書には初公開の写真も多数掲載。またボーナス・トラックとして「運命」のリハーサル風景が収録されている。1974年にアーノンクールをチューリヒに招いたのは歌劇場監督のクラウス・ヘルムート・ドレーゼ氏で、この2011年のコンサートは同年に他界したドレーゼ氏の追悼コンサートだったが、結果的にアーノンクールと歌劇場オーケストラとの最後のコンサートにもなり、会場は特別な雰囲気に包まれた。そして残された演奏は永遠の闘士アーノンクールの面目躍如、ヒリヒリした緊張感と色褪せない鮮烈さを持ち、常に覇気にあふれた、まさにアーノンクール・サウンドその物。翌日の「Neue Zurcher Zeitung」紙には「激烈な別れ」と書かれ、ある評論家は1895年にブラームスがこけら落としを振って以来、トーンハレにおける「最も狂ったベートーヴェンの第5番の演奏」とさえ評した。涙の別れとは一線を画した、歴史上まれに見る大いに刺激的な告別演奏会をぜひともご堪能頂きたい。
トンボー〜バロック時代の追悼音楽
  W F. バッハ:幻想曲 ニ短調 WFB A105 / ローラン・ド・サン=リュック:プロイセン女王のトンボー ハ短調
 エヌモン・ゴーティエ:メッサンジョーのトンボー ニ短調 / ゲオルク・ゲーベル:マダムJのトンボー ハ短調
 ロベール・ド・ヴィゼー:老ガロ師のトンボー/アルマンド イ短調
 作曲者不詳(1730頃):前奏曲 変ホ長調/トンボー/嘆き/アダージョ
 ヨハン・ゲオルク・ヴァイヒェンベルガー:ヨーゼフ皇帝のトンボー ハ短調
 シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス:ロジー伯爵のトンボー ロ短調
 フランソワ・デュフォー:ブランロシェ氏のトンボー ト短調
 ジェルメーヌ・ピネル:イングランド王の死に寄せるトンボー
 ドゥニ・ゴーティエ:ランクロ氏のトンボー イ短調
 ヨハン・ヤーコプ・フローベルガー:ブランクロシェ氏の死に寄せてパリで書かれたトンボー ハ短調

 ミヒャエル・デュッカー(リュート)
 録音:2020年。フランス・バロックで流行した「トンボー」は愛すべき人物との別れを偲ぶ音楽。ただし必ずしも悲しい音楽でなければならない、という訳ではなく、長調の曲あり、快速なものがあればゆったりしたものもあったりと、様々な音楽語法が用いられているのが特徴。古楽アンサンブル「ヌオーヴォ・アスペット」のリーダーとしても活躍するリュート奏者、ミヒャエル・デュッカーによる巧みな演奏は、喪に服したバロックの作曲家たちが無尽蔵の創意と独創性を発揮したことをおおいに示してくれる。
ヘルマン・レーヴィと同時代の歌曲集
 ヘルマン・レーヴィ(1839-1900):6つの歌曲 Op.2 /来たれ死よ/3つのゲーテ歌曲
 ブラームス(1833-1897):黄昏は天から下り Op.59 No.1 /谷の底に WoO.33 No.6 /
             お前の青い瞳 Op.59 No.8 /我らは彷徨った Op.96 No.2 /教会の墓地にて Op.105 No.4
 シューマン(1810-1856):夕べの浜で Op.45 No.3 /君の顔 Op.127 No.2 /兵士 Op.40 No.3
 ヘルツォーゲンベルク(1843-1900):
  古いおとぎの森 Op.69 No.1 /ナイチンゲール Op.91 No.3 /鳥たちの別れの歌 Op.91 No.6
 デュパルク(1848-1933):法悦 /ロズモンドの館 /フィディレ/波と鐘

 ルネ・パーラー(B−Br) エドワード・ラシュトン(P)
 録音:2020年、ハウスバーンフリート、ドイツ。オペラ指揮者として活躍しワーグナーを崇拝、「パルジファル」の初演者としても名を残すヘルマン・レーヴィ(1839-1900)が書いた歌曲を収録。ブラームスやシューマンら同時代の作曲家の作品とあわせて構成されたアルバム。録音場所はワーグナーが住んでいたハウスバーンフリート。伴奏にはワーグナーが1876年にスタインウェイからプレゼントされたオリジナルのグランド・ピアノが使われている。
ハイドン・ニュース〜同時代作曲家による室内楽編曲集
 ハイドン:
  「愛している」とは言わないわ 〜交響曲第53番 ニ長調「帝国」 Hob.I.53 第2楽章に基づく(S/Hp)/
  交響曲第60番 ハ長調「うかつ者」 Hob.I: 60 (Hp/ハンマー・ダルシマー/Vn/Va/Vc)/
  ウェールズ民謡集〜吟遊詩人の絶望 Hob.XXXIb: 19 (S/ハンマー・ダルシマー/Hp)/
  ディヴェルティメント ト長調 Hob.II: 1 (*) (リュート/Fl/Vn/Va/Vc)/
  ウェールズ民謡集〜吟遊詩人の感動 Hob.XXXIb: 25 (S/トゥッティ)

 ハンナ・モリソン(S) ミヒャエル・デュッカー(リュート)指揮ヌオーヴォ・アスペット
 録音:2017年|(*以外):当版による世界初録音。民族楽器を含む多彩な編成のピリオド・アンサンブル「ヌオーヴォ・アスペット」による、ハイドン作品のめずらしい編曲集。ダルシマーやハープがとても効果的に使われている。ヴァイオリンで平崎真弓も参加。リーダーのミヒャエル・デュッカーが自ら図書館やアーカイブを捜索し発見した楽譜を使用。適宜さらに手を加えるなどして自分のアンサンブルにぴったりの音楽に仕立てているため、寄せ集めといった感じは一切なく、全体を通して統一感ある響きになっている。1曲目は交響曲の旋律をそのまま使った物。もともと民謡調の楽章を基にしているので、たいへん美しい歌曲に生まれ変わっている。「うかつ者」はハイドンと同時代のザルツブルクのハープ奏者であるMeingosius Gaelle 神父の編曲。途中で急にチューニングが始まるユーモラスな展開も自然なアレンジで再現されており楽しい演奏。
1824年〜チェロとギターのための作品集
 ロッシーニ(1792-1868):チェロとコントラバスのための二重奏曲 ニ長調
 フンメル(1778-1837):チェロとピアノのためのソナタ イ長調 Op.104
 ベルンハルト・ロンベルク(1767-1841):三重奏曲第1番 ホ短調(チェロ、ヴィオラ、コントラバス)
 シューベルト(1797-1828):アルペジオーネ・ソナタ イ短調(チェロとギター版)

 クリストフ・ダンゲル(Vc|使用楽器: Bernardus Stoss、ウィーン、1815年製
 エルス・ビーセマンス(Fp) カティヤ・ポラン(Va)
 ステファン・プライヤー(Cb) ステファン・シュミット(G)
 録音:2019-2020年。ベートーヴェンの交響曲第9番初演を始め、多くの出来事があった「1824年」という年に光を当て、チェロに特別な役割を与えた4人の作曲家の素晴らしい音楽を集めたアルバム。ピリオド楽器による質の高い演奏で当時の空気感がよみがえる。とても魅力的なギター伴奏版「アルペジオーネ」など、チェロを中心とした様々な編成が楽しめる1枚。クリストフ・ダンゲルは、バーゼル室内o. の首席奏者としてアントニーニ指揮のハイドン全集録音プロジェクトに参加しているほか、イル・ジャルディーノ・アルモニコ、アニマ・エテルナ、シャンゼリゼo. などでも活躍するピリオド楽器チェロの名手。Harmoniamundiレーベルから発売されているジャン=ギアン・ケラスが弾いたヴィヴァルディのチェロ・ソナタ集では通奏低音チェロを担当している。
樹の歌
 ロジャー・クィルター(1877-1953):愛の哲学 Op.3 No.1 /ジュリアへ Op.8 (8曲)
 マイケル・ヘッド(1900-1976):喜びへ/シンガー/貴方はなぜ喜びを奪ったの/月の縁を越えて(4曲)
 ベンジャミン・ブリテン(1913-1976):サリー・ガーデン/とねりこの木立/この島国で Op.11 (5曲)
 エリック・コーツ(1886-1957): The Green Hills O 'Somerset

 デュオ・ダルーナ[レミー・ブルネンス(T) クレメンス・ヒルト(P)]
 録音:2020年。愛、喪失、孤独といったテーマを軸に、スイスの若きテノールが歌う歌曲集。あまり顧みられない20世紀イギリスの作曲家による作品が取り上げられている。忘れ去られた作曲家を再び音楽の世界に呼び戻し、コンサート・プログラムで取り上げたいという思いの詰まった1枚。
スイスドイツ語(方言)による歌曲集
 フリードリヒ・ニグリ(1875-1959):
   Plange / Spinnerliedli / Schelmeliedli / Dr Chorber / Wän’s dimmered / D’Wält im Mai
 フォルクマール・アンドレーエ(1879-1962): Die alte Schwyzer / ’s Gspüslis Auge / I wett I wär...
 ギュスターヴ・ハウグ(1896-1966):'s Obedstarnli / Heiweh / ヴァルター・ラング(1896-1966): Lanzig
 ヴァルター・シュルテス(1894-1971): Summerszyt, o Summerszyt / Im Himmel / ’s häluf Maitli /
                   ’s Lärchenästli / Herbstliedli / Inkuerli / Die himmlisch Chilbi
 フェリックス・プフィスティンガー(1869-1939): ’s Obedstärnli / Inukerli
 ゴットフリート・ボーネンブラスト(1883-1960): Plange / Uberanne
 ハイナー・フォレンヴィーダー(1914-1971): Lanzig / Im Schatte
 フェルディナンド・オスカー・ルー(1887-1943): Heiweh / ’s Marieli goth goh schloiffele
 ハンス・ジェルモリ(1877-1936): Summerszyt / Dr Gartegottes / He, guoten Obed

 シュビル・ディートヘルム(S) ファビアンヌ・ローメル(P)
 録音:2020年。 Meinrad Alois Lienert (1865-1933)は、スイスで最も重要な方言作詞家の一人であり、多くの詩、物語、小説を書いた。このスイスの詩人が手掛けた歌詞に、スイスの作曲家が曲を付けた歌曲を収録したアルバム。スイス、シュヴィーツ州出身のソプラノが共感たっぷりに歌い上げる。

RELIEF (スイス) 1枚あたり¥3300(税抜¥3000)

 旧譜はこちらから
CR-1929
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(2CD)
ネッロ・サンティ〜ロッシーニ:泥棒かささぎ&序曲集
 歌劇「泥棒かささぎ」〔ドイツ語歌唱|短縮版〕/
 歌劇序曲集(*) 〔ランスへの旅84 /チェネレントラ85 /コリントの包囲75 /セミラーミデ86
  ヴェルナー・エルンスト(ファブリッツィオ) コーラ・カンネ=メイエル(ルチーア)
  フリッツ・ペーター(ジャンネット) ロスル・シュヴァイガー(ニネッタ)
  アレクサンダー・マルタ(代官) アルベルト・ファン・ハーステレン(フェルナンド)
  ウルズラ・ズッター(ピッポ) パウル・スパーニ(イザッコ) フランツ・リンダウアー(ジョルジョ)
  スザンヌ・エンツ(かささぎ) ヴァルター・フラー合唱指揮ベルン放送室内cho.

  ネッロ・サンティ指揮 ベロミュンスター放送o.(無印)、バーゼル放送so.(*)
 録音:1966年9月4日-7日、チューリヒ放送スタジオ、モノラル(無印) /1975年8月18日75、1984年5月6日84、1985年12月1日85、1986年12月31日86、シュタットカジノ・バーゼル、ステレオ(*) 。ロッシーニの「泥棒かささぎ」は1970年代までは、「トゥーランドット」の補筆でも知られる作曲家ザンドナーイによる版が一般的だった。ザンドナーイ版は、ドイツではカール・シュトゥーベルのドイツ語訳版で大変人気があった。その版を用いた1966年の演奏を収録。チューリヒ放送制作による音源。おまけにサンティが振った序曲を4曲併録。

TYXart (独) 1枚あたり¥3300(税抜¥3000)

 公式サイト:http://www.tyxart.de/
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調「クロイツェル」 Op.47
B. A. ツィンマーマン:ヴァイオリン・ソナタ(1950)
ブラームス:ヴィオラ・ソナタ 変ホ長調 Op.120 No.2
 デュオ・マイス・ユー[ブルクハルト・マイス(Vn/Va) ユー・ジヨン(P)]
 録音:2021年。2016年の結成以来、ヴァイオリンとピアノ、そしてヴィオラとピアノのための作品に力を注いできたデュオ・マイス・ユー。ブルクハルト・マイスがヴァイオリンとヴィオラの両方を弾き分けるという珍しいデュオで、それぞれの楽器の名作を贅沢に収録。
鳥の歌〜ステッフェン・ヴォルフ(1971-):
  Der Vogelsang / Vor etwa700 Jahren / Es geht doch, sagt mir was ihr wollt / Hans, dem dies alles zugehorte /
  Hans, der nicht fern am Brunnen stand / Als nun der Abend kam / Nun spitz die Ohren / Der Vogel sieht in groser Ruh

 ヤン・フィリップ・レームツマ(朗読) キズナSQ
 録音:2018年。クリストフ・マルティン・ヴィーラント(1733-1813)の詩を用いた作品。テキストの朗読には、ヴィーラントを研究している著名な文学者であるヤン・フィリップ・レームツマ氏が参加。
TXA-21158
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(2CD)
ヘルベルト・フォン・カラヤンがタクシーに乗り〜
  ジョセフ・バーリンガー編曲:44の音楽家の逸話

  1. Musikstudenten haben einen schlechten Ruf / 2. Gluck schwärmt von Madame Arnoud /
  3. Die Piaf muss Dämonen vertreiben / 4. Lortzing leidet an seinem Zuhause / 5. Tschaikowsky liebt Männer /
  6. Hellmesberger will zum Tristan / 7. Nigel Kennedy will nicht ins Bett / 8. Rossini mag sich nicht bücken /
  9. Billie Holiday trinkt Gin mit ihrem Hund / 10. Mozart will ein Bussi vom Stanzerl /
  11. Gershwin will lernen von Ravel und Strawinsky / 12. Caruso prüft den Konkurrenten /
  13. Bally Prell will eine Leberkäs-Semmel / 14. Brahms erklärt Schubert / 15. Die Schumanns und die Syphilis /
  16. David Popper zeigt sich nackt / 17. Reger köpft den Spargel / 18. Lale Andersen im Schützengraben /
  19. Jacques Off enbach und 400 Tote / 20. Leo Slezak und die Hosenrolle / 21. Wagner komponiert mit Hunden /
  22. Champion Jack Dupree will Bier / 23. Händel will die Schweinelende / 24. John Lee Hooker boom boom boom /
  25. Karajan steigt ins Taxi / 26. Florence Jenkins sorgt sich um einen Ton /
  27. Richard Strauss komponiert die Speisekarte / 28. B.B. King verehrt Lucille /
  29. Sven Faller kritzelt an die Küchenwand / 30. Die Callas läßt sich richtig küssen /
  31. Massenet und die Wahrheit / 32. D’ Albert und seine Frauen / 33. Die Lenya singt sogar Dessau /
  34. Smetana und der Moldau-Wirbel / 35. Die Knef läuft Amok / 36. Claire Waldoff ärgert Göring /
  37. Howlin’ Wolf vergreift sich an Hühnern / 38. Karl Böhm kommt schwer in die Hose /
  39. Glenn Gould mag kein Publikum / 40. Girardi erfi ndet den Rostbraten /
  41. Beethoven und das Glück von Außen / 42. Keith Jarrett will kein Husten hören /
  43. Puccini bekommt triebdämpfende Mitt el / 44. John Cage komponiert die Stille

 Eva Sixt, Undine Schneider, Heike Ternes /他
 アメリカの映画監督、ジョセフ・バーリンガー(1961-)が編んだ、44の音楽家にまつわるユーモアあふれる小噺。役者のドイツ語での朗読によるCDで、音楽はBGMとして部分的に流れる。「カラヤンがタクシーに乗り込んだ。「だんな、どこ行くんか?」と運転手が聞くと、カラヤンはすかさず「ドライヴ!! どこへでも! 私はどこでも指揮をする」…カラヤンという無二の存在がジョークすら逸話に変えている。音楽はすべての芸術の中で最も美しい。そしてそれに関わる者は、あらゆる種類の嘲笑に身をさらすことになる…
F. クープラン:チェンバロ作品集
 第1プレリュード ハ長調/第3オルドル(抜粋:6曲)/第2プレリュード ニ短調/
 第2オルドル(抜粋:14曲)/第6プレリュード ロ短調/第3オルドル(抜粋:10曲)

 ティルマン・スコヴロネック(Cemb)
 1959年ブレーメン生まれ、デン・ハーグおよびアムステルダムにてアスペレン、コープマン、レオンハルトに師事したチェンバロ奏者ティルマン・スコヴロネックによるクープラン。
タンゴ・センチメンタル
 アストル・ピアソラ(1921-1992):忘却/タンゴ・センセーション/ Tanti Anni prima
 ルイス・バカロフ(1933-2017-): Il Postino / セバスティアン・ピアーナ(1903-1994): Silbando
 ヘルマン・ヴァインドロフ(1953-):
   Agnus Dei(ミサ・アルゼンティナによるインスト版)/ Hablame / Bailar junto al Rio / Saludo a la Luna /
   El Nombre de la Rosa / Te doy mi Corazon / Movimiento delCorazon / Como el Viento de la Tarde
 マクシミリアン・シュペンガー: Milonga de la Noche / Mi Corazon(ピアソラへのオマージュ)

 タンゴ・センチメンタル・アンサンブル
 録音:2021年。アコーディオン奏者マクシミリアン・シュペンガーらで構成された「タンゴ・センチメンタル・アンサンブル」は、アコーディオンのほか弦楽四重奏+コントラバス、ギター、ピアノ、パーカッションを擁するグループ。長く計画していたというピアソラやピアーナのタンゴと現代音楽を融合させたプログラムを聴かせる。

BRILLIANT 特記以外 1CDあたり¥2200(税抜¥2000)

 当店未案内旧譜。既案内分はこちらから
BRL-9202
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(2CD)
イルデブランド・ピッツェッティ(1880-1968):
 ピアノ作品全集
ジャンカルロ・シモナッチ(P)
 発売:2011年|含・未出版&世界初録音作品。すでにレーベル廃盤のため、国内代理店在庫限り。
BRL-9235
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(2CD)
最後の鳥〜アレッサンドロ・アッピニャーニ(1976-):
 ピアノ五重奏曲/弦楽四重奏のための「最後の鳥」/ピアノ独奏のための26のヴィジョン「 L'Aleph 」/
 ヴィオラとピアノのためのカンツォーナ1「地中海の歌」/ヴィオラ組曲「木の中の窓」/
 ヴァイオリン、チェロとピアノのための「 La Coscienza D'Orfeo 」/
 弦楽四重奏のための「 Hvareno 」/ヴィオラとピアノのためのカンツォーナ2「緑の島」/
 チェロ独奏のための「城」/弦楽四重奏のための「 Scuatu 」

 アレッサンドロ・アッピニャーニ(P) 金丸葉子(Va)
 ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット(Vc) トリノSQ /他
 発売:2011年|おそらく世界初録音。
BRL-92452
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(2CD)
ロマンティック・ギター二重奏曲集
 フェルナンド・ソル(1778-1839) (*) :
  幻想曲「二人の友」 Op.41 /幻想曲「励まし」 Op.34 /幻想曲「ロシアの思い出」 Op.63 /
  ディヴェルティスマン Op.38 /幻想曲 Op.54
 マウロ・ジュリアーニ(1781-1829):ロンド Op.66 /グラン・ポプリ Op.67
 カスパール・ヨーゼフ・メルツ(1804-1856):
  葬送歌「 Nänien 」/不安/セレナード/マズルカ/タランテラ
  ピエトロ・ペットレッティ(1795-1870):ベッリーニの愛唱歌による幻想曲 Op.22

 ペテル・ピーテルス、ミシェリーヌ・デュモルティエ(G)
 録音:1991年12月(無印)、1995年6月(*)、 Studio Steurbaut 、ヘント、ベルギー|ピリオド楽器使用|原盤・ライセンサー: René Gailly/Vox Temporis Productions 。


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