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COVIELLO
価格帯記載無し:1枚あたり¥3300(税抜¥3000)
(SACDハイブリッド盤も同価格)

価格帯D(DVD/ブルーレイ):¥6600(税抜¥6000)





シューベルト:弦楽五重奏曲 ハ長調 D956 ノモスSQ
[マルティン・デーニンク(Vn)
 ソーニャ=マリア・マークス(Vn)
 フリーデリケ・コッホ(Va)
 ザビーネ・プファイファー(Vc)]
クラウス・ケンパー(Vc)
 録音:1999年10月8日、ライヴ。
ノモス四重奏団は1984年結成。CPOに録音がある。
タティアナ・マズレンコ〜ポートレイト
 ブラームス:ヴィオラ・ソナタ第2番 変ホ長調 Op.120-2
 エネスコ:演奏会用小品
 ブリテン:ラクリメ Op.48
 ミヨー:4つの顔 Op.238
 ヒンデミット:無伴奏ヴィオラ・ソナタ Op.25-1
タティアナ・マズレンコ(Va)
バッハ:オルガン偽作集
 フーガ ヘ長調 BWV Anh.II 42/
 フーガ ハ長調 BWV Anh.II 90/
 わが友イエスよ BWV Anh.II 58/
 わが友イエスよ BWV Anh.II 59/
 ただ愛する神の摂理にまかす者 BWV Anh.II 68/
 ああ、あなたの慈悲で BWV Anh.206 Anh.II 79/
 キリストは死の縄目につながれ BWV Anh.III 171/
 前奏曲 へ長調/ああ人よ、汝の大きな罪を嘆け/
 トリオ/われらキリストの徒は/
 来たれ、造り主なる聖霊の神よI/
 来たれ、造り主なる聖霊の神よII/来たれ、聖霊よ/
 来たれ、聖霊、主なる神よ/
 ただ愛する神の摂理にまかす者
フリートハイム・フランメ(Org)
 使用楽器:1737年製グラールホフ、シュティフト教会のトロイトマン・オルガン。
 珍しいバッハの偽作オルガンだけを集めたCD。無番号のものはBWV番号が付いていない作品。偽作といっても結構優れた作品が多数あるのは間違いなし。
中世、ルネサンス、バロック時代の
 3つのフルートのための作品集
トリオ・ヴィアッジョ
イグナツィオ・ジーバー(18世紀):
 リコーダーと通奏低音のための6つのソナタ
トーマス・キューグラー
 (リコーダー)
イムケ・ダーヴィト(ガンバ)
ラナー・ヨハンセン(Fg)
アンドレ・ヘンリヒ
 (アーチリュート)
ヴォルフガング・コストゥヤク
 (Cemb)
 ジーバーはイタリアで活躍したドイツ人のようで、1725年頃ローマを拠点に活躍していたこと、1710年代から50年代にかけて断続的にヴァネツィアの教護院でオーボエやフラウト・ トラヴェルソを教えていた(ヴィヴァルディの同僚ということになる)ことが伝えられている。収録作品はアムステルダムで出版された。
トランペット・ソロによるバロック・コンチェルト集
 パーセル:組曲 ハ長調
 ヴィヴァルディ:協奏曲 ハ長調 RV.452
 ルイエ:ソナタ ト短調 Op.2 No.5
 スタブリー:ヴォランタリー ハ長調
 クレープス:オブリガート楽器付きの4つのオルガン曲
 ガブリエッリ:ソナタ第5番 ハ長調
 ペプシュ:ソナタ ハ長調
 ヘンデル・ヴォランタリー ハ長調
マルティン・ウェラー(Tp)
マルティン・ホフマン(Org)
 録音:2003年5月、ゴシュラー。
 トランペットとオルガン伴奏でバロックの名曲を聞かせてくれるアルバムはけっこう多いが、えてして無意味に輝かしいトランペットと壮大に鳴り響くオルガンということになりがち。ところがここでは全く逆、温かさと優しさに満ちた安らぎの世界が広がる。しかもルイエ、クレープス、ペプシュなど、名前は知られていてもあまり聞く機会のない作曲家の作品も取り上げている好企画。マルティン・ウェラーの格調高い音色は絶品。さらにオルガンはドイツゴシュラーの聖ゲオルク教会に残る1737年クリストフ・トロイマン製作による歴史的楽器。
COV-20602
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(HYBRID_SACD)
カリッシミ:
 オラトリオ「ヨナ」/オラトリオ「最後の審判」/
 主は言われた/マニフィカト
ガブリエーリ:ソナタ第8番
ヴォルフガング・カッチュナー指揮
カペラ・アンジェリカ、
ラウッテン・コンパニー
 録音2005年。
 17世紀のイタリアで最も活躍した作曲家の一人カリッシミ。彼作品の中で特に重要とされるのはオラトリオであり、その様式美は他の作曲家にも多大な影響を与えた。ラウッテン・コンパニーは緊迫したカリッシミの精神世界を描き出している。
ジョン・プレイフォード(1621-1686):
 「英国式舞踏指南 イングリッシュ・
   ダンシング・マスター」
    (1651-ca.1728)より
アンサンブル・
 プレイフォーズ
 録音:2006年8月28日-30日。
 17世紀イギリスを代表する楽譜出版者のひとり、ジョン・プレイフォード。1651年に出版された17世紀のヒット曲集、「英国式舞踏指南 イングリッシュ・ダンシング・マスター」を編纂。このアルバムは、アンサンブル・プレイフォーズと名付けられた意欲的な古楽アンサンブルによって、より精密に、より確かな解釈において再発見された音楽を展開している。
COV-20713
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(3CD)
グルック:オペラ・セリア「エツィオ」 マックス・エマヌエル・
 ツェンチッチ
(CT;
 ヴァレンティニアーノ III)
マリセッレ・マルティネス
(Ms;フルヴィア)
マティアス・
 レックスロート
(CT;エツィオ)
ネッタ・オール
(S;オノーリア)
ミルコ・ロシュコウスキ
(T;マッシモ)
アンドレアス・ポスト
(T;ヴァーロ)
アンドレアス・シュテーア指揮
新デュッセルドルフ宮廷楽団
(ノイ・
  デュッセルドルファー・
   ホフムジーク)
 録音:2007年5月30日、6月1日、デュッセルドルフ。
 世界初録音! グルックというと、「オルフェオとエウリディーチェ」のような改革オペラや、パリに進出してからのトラジェディ・リリクが有名だが、彼が30代だった1740、50年代にはメタスタージオの台本によるオペラ・セリアも多数作曲していた。「エツィオ」は、1750年のカーニヴァル・シーズンにプラハで初演されたもの。音楽には、後期バロックから古典派へと移行する時代の特徴がはっきり現れている。
 物語は、ローマの将軍エツィオと皇帝ヴァレンティニアーノを巡る話。横恋慕あり、謀反ありと、波乱万丈の展開で、大変人気があった台本。ヘンデルも同じ台本から同名のオペラを作曲しているので、比較するのも楽しいだろう。この録音では、プラハ初演の楽譜を使用。かつてのウィーン少年合唱団の花形ソリストにして、現在はトップ・カウンターテノールのツェンチッチが圧倒的な皇帝を歌っている。他の歌手もドイツの実力高い若手が揃えられて、充実。シュテーアと新デュッセルドルフ宮廷楽団も柔らかな美感に優れた演奏。若き日のグルックの充実オペラを心から楽しめる。
COV-20714
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(HYBRID_SACD)
アンナベルクの合唱曲集より聖アンナの日の音楽
 ヤコプ・オブレヒト:
  ミサ「主の御保護のもとに」/他
カペラ・デ・ラ・トーレ
カタリナ・ボイムル指揮
 録音:2007年4月12日-15日。
COV-20804
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(HYBRID_SACD)
シュタットプファイファー、ウェイツ、吟遊詩人、ピッファリ〜16&17世紀の楽団音楽集
 バルトロメウス・ヘス(1518-1585)/パウル・ヘス:パッサメッゾ〜サルタレッロ
 パウル・クーゲルマン(1580没):新しい歌(1558)
 バルトロメウス・ヘス/パウル・ヘス:タンツ〜ナーハタンツ
 フィリップ・ヴェルドロ(1490-1562):マドリガル「わが最後のため息」
 ヨアン・アンブロジオ・ダルツァ:スペイン風カラータ(1508)
 パレストリーナ:モテット「おお主イエス・キリスト」
 フアン・デ・ウレッダ(1445-1500):タントゥム・エルゴ
 ゲレーロ::4声のパンジェ・リングァ
 ジャコモ・ゴルザニス(1520 or 1525-1575):パヴァーヌ「蛇」
 ラッスス:マドリガーレ「もしも逆波が」
 作曲者不詳、カッセル(1650頃):5声のボンバルドのソナタ
 ホルボーン:パヴァーヌ「よき望み」/すいかずら/妖精のラウンド/アルマンド/夜警
 フィッツウィリアム・ヴァージナル曲集(1610頃-1620頃):ファーナビーの夢
 フランシスコ・コレア・デ・アラウホ(1584-1654):2つのソプラノのためのティエント
 シャイン:パヴァヌ/ガリアルダ/クーラント/アルマンド/トリプラ/他
  カペラ・デ・ラ・トーレ
 録音:2007年、アーヘン、聖ニコラウス教会、ライヴ。
COV-20808
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(HYBRID_SACD)
ヘンデル:テノール・アリア集
 オラトリオ「イェフタ」より/
 セレナータ「アチ、ガラテアとポリフェーモ」より/
 アレクサンダーの饗宴より/
 オラトリオ「サムソン」より/
 オラトリオ「メサイア」より/
 バレエ組曲「テルプシコーレ」より/
 歌劇「ロデリンダ」より/歌劇「アルチーナ」より/
 オラトリオ「セメレ」より/歌劇「エツィオ」より/
 音楽劇「快活の人、沈思の人、穏和の人」より
クリストフ・ゲンツ(T)
ユリア・ワーグナー(S)
ダーフィット・ティム指揮
ハレ・ヘンデル祝祭o.
 録音:2008年3月25日-29日。
 クリストフ・ゲンツはエアフルトに生まれ。ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団団員として学び、その後ケンブリッジ大学で音楽学を専攻、キングス・カレッジ合唱団に在籍。各国のコンサート、歌曲の夕べやオペラに招かれ、『サー・シモン・ラトル』(代理店表記ママ)、フィリップ・ヘレヴェッヘ、シギズヴァルト・クィケン、サー・ジョン・エリオット・ガーディナーらと共演。録音はリリング指揮のメンデルスゾーン「交響曲第2番 頌歌」など多数。深い音楽的解釈、響きのある声でヘンデルのオペラやオラトリオのアリアを歌う。
ルネサンス期地中海のクリスマス音楽 カペラ・デ・ラ・トーレ
セシル・ケンペナース(S)
ホセ・ピサーロ(T)
プファルツ=ノイブルク黄金期時代の宗教作品集
 ヨハン・フーゴー・フォン・ヴィルデラー(1670-1724):
  ミサ ト短調(4声と弦楽、通奏低音のための)/
  Modulationi sacrae〜ソプラノ、アルト、弦楽、通奏低音のためのモテット第2番「 Quando Jesus adest 」Op.1/
  Custodi me/4声、4本のトランペット、ティンパニ、ファゴット、弦楽、通奏低音のためのテ・デウム
 カルロ・ピエトロ・グルア(1665-1726):
  Alleluja fideles plaudit(4声、2本のトランペット、弦楽、通奏低音のための)/
  Laetatus sum(詩篇121)/Beatusvir(詩篇111)(4声合唱、弦楽、通奏低音のためのモテット)

 イェルク・シュトラウベ指揮デュッセルドルフ・ホーフムジーク、北ドイツ・フィグラルcho.
 録音:2008年4月24日-25日、ライヴ。国内代理店記載の日本語題名は『プファルツ=ノイブルク黄金期時代のヨハン・ヴィルデラー宗教作品集』となっている。
COV-20904
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(2CD)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集〜
 モダーン楽器&ピリオド楽器弾き比べ

 [第4番 イ短調Op.23/第5番 ヘ長調Op.24「春」/
  第9番 イ長調Op.47「クロイツェル」]
マティアス・メッツガー
(Vn/バロックVn;*)
ゲリット・ツィッターバルト
 (P/Fp;*)
 録音:2006年3月(*)/2007年7月。使用楽器(ピリオド):1761年、ヨセフ・ガリアーノ製(*)/1795年、アントン・ヴァルター・モデル(*)。モダーン楽器については、詳細未記載。
 ピリオド楽器全盛期の今、同一の作品、同一の演奏者、同一の解釈でモダーン楽器と聴き比べをしたらどうなるのか。その疑問に真正面から挑んでいる意欲的なアルバム。ピアニストのゲリット・ツィッターバルトは「私たちが異なった演奏をしているわけではない。楽器がそれぞれ異なった音楽を奏でるのだ」と語るように、彼らの理論的演奏解釈のもとリスナーに疑問を投げかけている。ガット弦Vsワイアー弦の戦いを1つのアルバムで聴くことが出来るユニークな試み。
COV-20905
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(HYBRID_SACD)
ハイドン:弦楽四重奏曲 Op.51「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」
 スカラムーシュSQ
 [ヴェルナー・ノイゲバウアー(Vn;フランチェスコ・ルジェッリ)
  コルネリア・レシャー(Vn;ミケランジェロ・ベルゴンツィ)
  フィアミアン・レーマー(Va;ロレンツォ・ストリオーニ)
  デトレフ・ミールケ(Vc;ガエタノ・チオキ)]
 2008年に結成された新鋭カルテット、スカラムーシュ四重奏団のデビュー作。いきなり大作ハイドンの「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」を録音。1800年代古典調律(A=430hz)でチューニングしたピリオド楽器を使用。
COV-20907
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(HYBRID_SACD)
胸壁の夜警〜戦いのガイヤルド
 ミヒャエル・プレトリウス(1571-1621):
  ユビラーテ・デオ/ラウダテ・ドミヌム/
  いまぞわれら聖霊に乞わん/
  ベネディカムス・ドミノ/Fundamenta tenet mundi/
  パッサメッツォ/ガイヤルド/
  Exsultemus adiutori nostro/サルヴェ・レジーナ/
  Salve Rex noster/Peccavi/
  目覚めよ、と我等に呼ばわる物見等の声
 ザムエル・シャイト(1587-1654):
  カンツォン〜Est-ce Mars que je vois/
  戦いのガイヤルド
カペラ・デ・ラ・トーレ
カタリナ・ボイムル指揮
ドミニク・ヴィス
 録音:2008年7月19日-22日。
 17世紀初期の胸壁の警備は警備員だけでなくバクパイプも使用し、音の信号によって仲間との情報交換を行っていた。より良い音響効果を上げるために、音楽家の知識を投影し改良。町のバグパイプ奏者や音楽家の地位も向上、ハレのブランデンブルク辺境伯の宮廷音楽家として仕えていたプレトリウスとシャイトらにも影響を与えた。ミヒャエル・プレトリウスは多作な作曲家、プロテスタント系教会音楽の発展に貢献。シャイトはドイツ・バロック初期のオルガニスト兼作曲家。ドイツ・オルガンの父とも言われている。またフランスを代表する異色カウンターテナー、ドミニク・ヴィスも参加し、カペラ・デ・ラ・トーレと当時の音楽を再現すべく刺激的な演奏を披露している。
J.S.バッハ:テノールとフルート、通奏低音のためのアリア集
 カンタータ第130番 BWV.130〜第5曲アリア「されば、おお ケルビムらの長よ」/
 カンタータ第99番 BWV.99〜第3曲アリア「身震いするなかれ、怖じ惑う魂よ」/
 デュエット第3番 ト長調 BWV.804/カンタータ第78番 BWV.78〜第3曲レチタティーヴォ「ああ!われは罪の子なり」/
 カンタータ第78番 BWV.78〜第4曲アリア「私の罪を消し去ってくれる血は」/
 カンタータ第96番 BWV.96〜第3曲アリア「ああ、魂を愛の綱によって引き行きたまえ」/
 クリスマス・オラトリオBWV.248〜第15曲アリア「喜び勇む羊飼いたち、急げ、ああ急ぐがいい」/
 ミサ曲 ロ短調 BWV.232〜第24曲アリア「天のいと高きところにオザンナ」/
 フルートと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV.1034/
 カンタータ第113番 BWV.113〜第5曲アリア「イエスは罪人を受け入れられる」/
 カンタータ第114番 BWV.114〜第2曲アリア「この嘆きの谷の一体どこに」/
 カンタータ第55番 BWV.55〜第3曲アリア「憐れみたまえ、わが神よ」/
 クラヴィーア練習曲集第3部〜「いと高きところでは神にのみ栄光あれ」BWV.677/
 カンタータ第180番 BWV.180〜アリア「目覚めよ なが 主は 扉を たたく」

  ダニエル・ヨハンセン(T) アニー・ラフラム(Fl−tr)
  ルチア・クロンマー(Vc) マティアス・クランペ(Cemb)
 録音:2009年2月22日-25日、聖ゲロルド修道院、オーストリア。
 バッハのフルートとテノールがかけ合うアリアを集めた1枚。バッハは、「クリスマス・オラトリオ」、「ヨハネ受難曲」、「マタイ受難曲」でテノールにエヴァンゲリストという重要な福音史家の役割を与えている。バロック期ではテノールとフルートは好まれた組み合わせで、フルートは即興的なオブリガートや名人芸的に活躍したり、牧歌的な響きで絶品の美音を聴かせたりと、そのテノールを支えるのに多芸多才なフルートは完璧なパートナー。テノールのダニエル・ヨハンセンとフラウト・トラヴェルソを担当するアニー・ラフラムは親密なアンサンブルを聴かせ、チェロと鍵盤楽器の通奏低音が豊かな広がりを与え、バッハの音楽に存在する壮大な宇宙を感じさせる演奏。
COV-20911
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(2CD)
ジャン・フランチェスコ・デ・マーヨ(1732-1770):オペラ・セリア「アレッサンドロ」(1766)
 ラース・メラー(Br;アレッサンドロ) マリ=ベル・サンディス(Ms;ポーロ)
 コルネリア・プタセク(S;クレオフィーデ) イリス・クプケ(S;エリッセーナ)
 カタリーナ・ゲレス(S;ガンダルテ) グンドゥラ・シュナイダー(Ms;ティマージェネ)
 チート・チェッケリーニ指揮マンハイム国立劇場o.
 録音:2008年9月25日-27日、2009年5月25日-26日、マンハイム、セッション。世界初録音。
 幻の傑作が復活した。デ・マーヨはナポリ生まれ。彼の父親は後にナポリの宮廷楽長に昇進する作曲家。父に学んだ彼は宮廷付教会のオルガニストを務めた後、1759年に最初のオペラをローマで発表、これが大成功を収め一躍人気作曲家となり、各地を巡るようになる。しかし生来病弱だったデ・マーヨは、わずか38歳で結核のために亡くなってしまった。
 「アレッサンドロ」はマンハイムで初演されたオペラセリア。マンハイムを訪問する前の1764年、デ・マーヨはウィーンでグルックと面会し、彼のオペラ改革の理念を学んでおり、ここにもその強い影響が見られる。「アレッサンドロ」には初期古典派の様式の枠の中でキビキビとした音楽が生きており、聞き応えがある作品。デビューが遅かったこともあり、オペラ作曲家としての活動は僅か十年程度、もう少し長生きしていれば18世紀後半の重要なオペラ作曲家になっていたことだろう。
 台本はメタスタージオ(1729年)で、ヘンデル、ハッセなど多数の作曲家がオペラ化した人気作。アレッサンドロ(アレクザンダー大王)との戦いに敗れたインドの王ポーロ(ポロス)だったが、変装してアレッサンドロに捕らえらた後、伝令として解放される。アレッサンドロはポーロの恋人クレオフィーデを愛しており、ポーロは彼女の誠を疑い出す。マケドニア軍とインド軍は再び戦いになる。クレオフィーデを奪われまいと、ポーロはクレオフィーデを殺そうとするが、アレッサンドロに止められ、捕らえられた上に彼女を奪われてしまう。アレッサンドロの腹心の部下だが実は陰謀者のティマージェネがポーロを逃がす。クレオフィーデがアレッサンドロとの結婚の誓いの直前に自害を試る様子を陰から窺ったポーロは、一緒に死のうと彼女の前に飛び出し、アレッサンドロに正体を明かす。アレッサンドロはすべてを許し、ポーロにインドの統治を託す。この基本の話に、アレッサンドロに一目惚れしてしまったポーロの妹エリッセーナ、ポーロの忠臣でエリッセーナを愛するガンダルテらの話が絡みる。
 この世界初録音は初演縁の地マンハイムで、レチタティーヴォがほとんど省略された音楽だけで収録された。タイトルロールのメラーは、1978年生まれのデンマークの若手バリトン。マンハイム国立劇場のメンバーで、モーツァルトのバリトン役を得意としている。サンディスはマルセイユ生まれのフランスのメゾ・ソプラノ。2003年からマンハイム国立劇場に所属し、バロックからミュージカルまでありとあらゆるメッゾ役を歌って活躍、2006年にはザルツブルク音楽祭にも出演した。プタセクはミュンヘン生まれのソプラノ。2005年からマンハイム国立劇場のメンバーに加わり、ヒロインとして活躍している。チェッケリーニは1973年、ミラノ生まれの指揮者。現代音楽を得意としていることで知られており、ここでも切れ味鮮やかな音楽でデ・マーヨの音楽を蘇らせている。
ミシェル・コレット(1707-1795):
 ソナタ集「孤独の快感」 Op.20 (1739)

 〔第6番 ニ長調/第3番 ハ長調/第2番 ニ短調/
  第1番 ヘ長調/第5番 ト長調〕
バッソルム・ヴォクス
[イ・スンヨン、キム・セヒ(バロックVc)
 フェルナンド・レイス・フェロン
 (バロックG/テオルボ)
 車田 真美(Cemb)]
 録音:2009年2月27日-3月2日。演奏家カナ表記は代理店記載ママで、適切ではない可能性があります。バッソルム・ヴォクス〔Bassorum vox/ラテン語でバスの声、低音の響き〕は2004年にドイツで結成された古楽アンサンブル。
COV-21008
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(2 HYBRID_SACD)
1.5枚価格
ビーバー(1644-1704):ロザリオのソナタ
 〔第1番 ニ短調「受胎告知」/第2番 イ長調「訪問」/第3番 ロ短調「降誕」/第4番 ニ短調「拝謁」/
  第5番 イ長調「神殿のイエス」/第6番 ハ短調「オリーヴの山で苦しみ」/第7番 ヘ長調「鞭打ち」/
  第8番 変ロ長調「いばらの冠をのせられ」/第9番 イ短調「十字架を背負う」/第10番 ト短調「磔刑」/
  第11番 ト長調「復活」/第12番 ハ長調「昇天」/第13番 ニ短調「聖霊降臨」/第14番 ニ長調「聖母被昇天」/
  第15番 ハ長調「聖母の戴冠」〕/パッサカリア ト短調

 ダニエル・ゼペック(Vn;*) ヒッレ・パール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 リー・サンタナ(テオルボ) ミヒャエル・ベーリンガー(Cemb/Org)
 録音:2009年10月12日-19日、コルンラーデ教会、ドイツ。使用楽器:ヤコブ・シュタイナー (c1617-1683) (*)
 ドイツ・バロックのヴァイオリン音楽の発展に大きく貢献したビーバーの「ロザリオ・ソナタ」。聖母マリアとイエス・キリストの生涯を、受胎告知からキリストの受難・復活、聖母マリアの戴冠まで15の場面に分け、15のソナタと無伴奏のパッサカリアから構成された作品。そして「ロザリオ・ソナタ」はスコルダトゥーラ(変則調弦)が用いられていることも大きな特徴。
 この超大作に挑むのが、アルカント・カルテットのメンバーでもあり、現在ドイツ・カンマーフィルハーモニー管のコンサートマスターのダニエル・ゼペック。またバロックの名手ヒッレ・パール、リー・サンタナ、ベーリンガーらと共に、ゼペックはドイツ・チロルの名器ヤコブ・シュタイナーを使用して、真の解釈を提示する。
 ドイツの北部コルンラーデ教会で録音。COVIELLOならではの豊かな響きとクリアーな音像で楽しむことが出来る。
ハイドン:ピアノ三重奏曲集〔ニ長調 Hob.XV16/ト長調 Hob.XV15/ヘ長調 Hob.XV17〕
 アニー・ラフラム(Fl−tr;*) リヒャルト・フラー(Fp;+)
 ドロテア・シェーンヴィーゼ=グシュルバウアー(Vc;#)
 録音:2009年10月23日-26日。ピリオド楽器使用。使用楽器:Martin Wenner 2009年製(モデル:Carl August Grenser1770年製)(*)/Georg Klotz 1725年製? (#) /Werner Keil 1985年製(モデル:ヨハン・アンドレアス・シュタイン 1788年製)(+)。ハイドンのピアノ三重奏曲は41曲以上あり、これらは「ピアノ、ヴァイオリンまたはフルート、チェロ」と楽器の指定がされている。通常はヴァイオリンで演奏されることが多いが、ここではフルートを使用している。J.S.バッハ:テノールとフルート、通奏低音のためのアリア集(COV-20909)で素晴らしい演奏聴かせてくれたアニー・ラフラムがフラウト・トラヴェルソを担当。それぞれの楽器の繊細で優美な音色を最良のバランスで楽しむことのできるアルバム。
14世紀-18世紀ヨーロッパのクリスマス・キャロル
 Veni veni Emmanuel (France 15th c.)/O Heiland, reiss die Himmel auf (Germany 17th c.)/
 Riu riu chiu (Villancico from Spain)/Nova! nova! (England 15th c.)/
 Marien wart ein bot gesant (Germany 14th c.)/Es kommt ein Schiff geladen (Germany 17th c.)/
 Weihnachtsapfel I (Spanish-Moorish tune)/Der Morgenstern ist aufgedrungen (after Michael Praetorius)/
 On Christmas Night (English Folk-Carol)/Ein Kind geborn (Setting after Lucas Lossius)/
 Entre le boeuf et l'ane gris (France 17th c.)/Masters in this Hall (17th c.)/
 Weihnachtsapfel II/Playford Christmas Medley/Coventry Carol (England 16th c.)/
 Fum fum fum (Catalonia 17th c.)/Noel Nouvelet(France 15th c.)

  ザ・プレイフォーズ
   [ビョルン・ヴェルナー(Vo) アンネグレート・フィッシャー(Rec)
    クラウディア・メンデス(バロックVn) エリック・ヴァルケンティン(バロックG)
    ベンジャミン・ドレスラー(ヴィオル) ノラ・ティエレ(Perc)]
 ザ・プレイフォーズはルネサンスとバロック時代の音楽を中心に活動。ヴォーカル、リコーダー、ヴァイオリン、ギター、パーカッションで色彩豊かにアレンジしている。
COV-21013
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(2CD)
ラモー:歌劇「パラダン〔遍歴騎士〕」
 アンドレス・J.ダーリン(T;アティス) アンナ・ウィロフランスキー(Ms;アルジ)
 イウリア・エレナ・ソゥルドゥ(S;ネリーヌ) トーマス・マイケル・アレン(T;マント)
 ライモナス・パウティエニウス(Br;オルカン) エイドリアン・サンペトレアン(B;アンセルム)

 コンラート・ユングヘーネル指揮新デュッセルドルフ宮廷楽団
 録音:2010年3月30日-4月6日、デュイスブルク、ライヴ。
 ラモーの「パラダン」といえば、シャトレ座で絶賛を浴びたウィリアム・クリスティ指揮ジョゼ・モンタルヴォ演出の舞台が日本でも上演され、大きな話題になった。一方CDでは、1990年にマルゴワールが指揮した録音があっただけ。そこに今回、20年ぶりの新録音が登場した。指揮は、名リュート奏者にして、最近はバロックオペラの指揮にも力が入っているコンラート・ユングヘーネル。ピリオド楽器使用のノイエ・デュッセルドルファー・ホフムジークと活きの良い音楽を聞かせてくれる。
 歌手は優秀な若手が集められている。アティスのアンドレス・J.ダーリンは、1975年生まれのスウェーデンのテノール。ここ十年ほどバロック音楽のテノールとしてメキメキ頭角を現している。アルジのアンナ・ウィロフランスキーは、1978年、ザンクトペテルブルク生まれのソプラノ。1990年にイスラエルに移住している。2004年からボン歌劇場に所属、娘役を得意としている。ネリーヌのイウリア・エレナ・ソゥルドゥはルーマニア出身。ライン・ドイツオペラで活躍している。魔法使いのマントを歌うトーマス・マイケル・アレンは、この中ではベテランの域になる米国の個性派テノール。いずれも瑞々しい歌を披露してくれる。
富と音楽〜フッガー家のための音楽
 ペトルス・アラミレ:タンデルナック / ゼンフル:わきだす泉
 アッペンツェラー:ある朝、私はこれまでになく早く起き / ノイジートラー:俗歌
 ノエル・バウルデウェイン:ああ、主よ、私はいつ嘆くべきか / ブリュメル:ラメンタチオ
 ジョスカン・デ・プレ:苦みが私をさいなみ / ジャン・リシャフォール:私は恋して
 ブリュメル:タンデルナック / フォン・ホーフハイマー:私はあなたにより喜ぶ
 フィンク:しかめっ面のグライナーよ / 不詳:ラ・ソ・ミ・ファ・ミ/私の恋人の悪口を言う人がいる
 不詳:ダンス(88,93,94,122,137,153番)/ガリアルダとサルタレッロ(76番)/
    パヴァーヌ(132番)/ガイヤルド1&2番(132番)/他

  ヨハネス・ヴァイス(T) ビー・ファイヴ〔リコーダー・コンソート〕
  [マルクス・バルトロメ、カトリーヌ・ラノー、トーマス・リスト、シリヤ=マーリア・シュット、ミーナ・ヴート]
 録音:2010年。16世紀を代表する大富豪で、芸術のパトロンでもあったアウグスブルクのフッガー家は、膨大な楽器と作品のコレクションをこの世に遺した。特に当時から人気の高かったリコーダー&フルート族の作品と楽器には目を見張るものがある。チャーミングなダンス音楽から、技巧を凝らしたポリフォニー、メランコリックな歌曲、そしてヴィルトゥオーゾな器楽曲まで16世紀のあらゆる種類の音楽がそこにはある。ビー・ファイヴ・リコーダー・コンソートは2003年にバルセロナで結成されたアンサンブル。天才リコーダー奏者ペドロ・メメルスドルフの薫陶を受けた国際色豊かなメンバー(ドイツ、ベルギー、オーストリア、フィンランド)たちによる個性的で柔軟性に富んだ演奏で、今や目の離せない存在。
Amor Sacro - Amor profane
 ジョヴァンニ・バッサーノ(1558頃-1617):
  ファンタジー第1、6、10、13、17、20番/世の救い主/
  我らに教えたまえ、マリアよ/歌え主に感謝/処女なる后
 アレッサンドロ・ストリッジョ:私の苦しみが生まれ
 ルカ・マレンツィオ:おお、ため息をつくあなたよ/愛は真珠の涙をこぼし
 チプリアーノ・デ・ローレ:再びわかれて/愛しい人の美しい白き手
 パレストリーナ:さあ、私の愛するお方/愛する者よ、あなたはすべてに美しい/
         人が神より遣わされぬ/ああ、わが愛するものよ、御身は美し
  モニカ・マウフ(S) カプリコルナス・アンサンブル・シュトゥットガルト
 録音:2010年。ヴェネツィア楽派のコルネットの名手として知られた作曲家バッサーノは、声楽ポリフォニーを器楽で演奏する際の即興装飾について曲例をあげたディミニューションのための手引書で知られており、当時のディミニューションを知る上で重要な資料となっている。ここではバッサーノ自作を含むバッサーノのディミニューションによる作品を収録。モニカ・マウフはヒリヤード・アンンサンブルとの共演など多彩な活動を行っているドイツのソプラノ歌手。可憐な歌声とカプリコルナス・アンサンブル・シュトゥットガルトとの優雅なアンサンブルが楽しめる。
牢獄と王冠の間
 ヨハネス・アモン(1763-1825):ホルン五重奏曲第2番 ホ短調 Op.118
 フィオリッロ/ジョヴァンニ・プント編曲:ホルン五重奏曲 ヘ長調
 ヨハン・ミヒャエル・メッテンライター(1791-1859):ホルン五重奏曲 ヘ長調
 ヨハネス・アモン:ホルン五重奏曲第1番 ヘ長調 Op.110
  コンパニア・ディ・プント
  [アニー・ラフラム(Fl−tr) クリスティアン・ビンデ(ナチュラルHr)
   アドリアン・ブライヤー(Vn) フロリアン・シュルテ(Va)
   アレクサンドル・シェルフ(Vc) ロベルト・フェルナンデス・デ・ラリノア(Cb)]
 録音:2010年。制作:ケルン西ドイツ放送。コンパニア・ディ・プントは、古典派時代に活躍したチェコ出身の天才ホルン奏者ジョヴァンニ・プント(本名ヴァーツラフ・スティフ)の名を戴いたアンサンブル。プントは農奴の身分から脱走、イタリア名を名乗って正体を隠し、ホルンのソロ奏者、音楽監督、編曲者、音楽教師として活躍した。このCDは弟子であるアモンとその弟子メッテンライター(1791-1859)の作品が中心。ナチュラルホルン、トラヴェルソ、弦楽器という珍しい組み合わせだが、ピリオド楽器でこそ実現可能な絶妙なバランス、重なり合う楽器のうっとりする美しさ、そしてなによりナチュラルホルンの音色が魅力的。
COV-21112
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(HYBRID_SACD)
ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」(*)
 〔ホ長調 RV269「春」/ト短調 RV315「夏」/
  へ長調 RV293「秋」/ヘ短調 RV297「冬」〕/
 トリオ・ソナタOp.1 No.12 ニ短調
  「ラ・フォリア」RV.63(#)
ダニエル・ゼペック(Vn;+;)指揮
ドイツ・カンマーpo. ブレーメン
アクセル・ヴォルフ(リュート;#)
マールテン・ファン・
 デル・ファルク(Perc;#)
 録音:2010年3月6日-9日(*)、2011年3月8日-9日(#)。使用楽器:ロレンツォ・ストリオーニ 1780 (+) /バロック弓: Ralph Ashmead、 1994 (+)。ビーバー「ロザリオ・ソナタ」(COV-21008)で圧倒的な音楽性と実力をみせた名手ゼペックが、コンサートマスターを務め気心知れたドイツ・カンマーフィルのメンバーと「四季」を録音。カップリングの「ラ・フォリア」では、リュートとパーカッションを加え、エモーショナルで艶めかしい熱狂的なダンスを表現している。
 『「四季」には既に多くの録音が存在しますが、どのようにアプローチされましたか?:「ソネットには音楽に命を吹き込み、演奏家と聴き手がそれぞれにイメージを膨らませる役割があります。私にはそれぞれのソネットに明確なイメージを持っていました。例えば「秋」の第2楽章は酒宴の後に酔っ払い心地よく眠った村民が描かれています。弱音器を付けた弦楽器とチェンバロとリュート、そしてハープの曖昧とした音色が眠った村民の様子に欠かせない表現となります。我々のアプローチは経験と歴史的な演奏を知ることによって、音と旋律に対する自由で直感的な感性に基づいています。」
  あなたが季節を表現する上で参考にしたものは何ですか?また、それはどのように音楽に反映しましたか?:「「春」では限りない横溢を表現します。ソロヴァイオリンが鳥のさえずりを模倣し、2回目のトゥッティは「泉の流れ」を表します。自然の猛威を表す「夏」では、音楽全体で嵐、暑さなどを具体化し、再び穏やかで幸福な「秋」に戻り、「冬」では寒さに凍えた人々を描写します。それぞれの季節を鮮やかに表現し、各曲の個性を引き立たせるようにしています。」』(ダニエル・ゼペック)
カンツォーネを歌って〜ルネサンス期イタリアの舞曲とラブソング
 カッチーニ:愛の神よ、何を持っているのか / ヴェッキ:カンツォーネを歌って
 アッツァイオロ:この道を行く者 / ネグリ:私にはわかっている / ピッチニーニ:チャッコーナ
 ガストルディ:恋人 / ボッテガリ:モニチェッラ / プレイフォード:グリーンスリーヴスと愛のプディング
 カローゾ:愛の栄光 / ネグリ:愛のビッツァリア / トロンボンチーノ:さあ起きなさい、まつ毛をあげて
 作者不詳:私のリュートを責めないで / 伝承曲:タランテラ / 16世紀イタリア:太閤の宴

  ザ・プレイフォーズ
 17世紀の有名な楽譜出版社プレイフォードを名に戴く古楽集団ザ・プレイフォーズ。ルネサンス音楽から、かつてのポップスだった世俗音楽まで幅広いレパートリーを持つ実力派団体。ルネサンス期のイタリア文化の輝きは、北方のイギリス人たちの憧れで、さまざまな影響と模倣があった。ここでは当時イギリスで流行したイタリアの舞曲と情熱的な恋歌を集めている。ザ・プレイフォーズは技術的な完璧さはもとより、音楽をする楽しさに満ちた演奏を繰り広げている。
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(2CD)
1.5CD価格
ヘンリー・パーセル(1659-1695):劇音楽による組曲〔ドイツ語ナレーション版(*)/英語ナレーション版(#)〕
 〔言行不一致/アブデルアーザー/ゴルディオスの結び目はほどかれた/苦しめられた無実/ボンデューカ〕

 リナード・バーディル(語り;*) ジョン・ホロウェイ(語り;#)
 マティアス・クライビューマー指揮オルケストル・ル・フェニックス
 録音:2010年10月、グリュニンゲン教会(スイス)。パーセルはその短い生涯に43 以上の舞台音楽を残したとされるが、死の年に女流作家アフラ・ベーンの「アブデルアーザー」に取組みながら、管弦楽組曲のみ完成した。この中の「ロンドー」を、後にベンジャミン・ブリテンが「青少年のための管弦楽入門」の主題に用い、クラシック・ファンなら誰でも知るメロディとなった。ここでは「アブレルアーザー」のほか4つの劇音楽に、ドイツ語と英語のナレーションを付けた2種をCD1枚づつに収録。言葉の響きで音楽も異なって聴こえるのが興味津々。
カール・フリードリヒ・アーベル:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ〔ホ短調/ト長調〕
ヨハン・クリスティアン・バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ
 〔ト長調(*) /ヘ長調(#) /変ロ長調(*) /ヘ長調(#) 〕
 トーマス・フリッチェ(ヴィオラ・ダ・ガンバ) シャレフ・アド=エル(Cemb;*/Fp;#)
 録音:2011年。バッハの末子にして、少年時代のモーツァルトを可愛がったヨハン・クリスティアン・バッハは、ヴィオラ・ダ・ガンバの名手カール・フリードリヒ・アーベルと組んでロンドンでコンサートを組織、それが今日の定期演奏会の礎となったといわれる。当アルバムは彼ら2人のヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集。前古典派に入ろうとしている時期にガンバの新作を書いているのは驚きだが、伴奏もフォルテピアノを用いているのが興味津々。1992年に草稿が競売にかけられて知られるところとなった。イタリア的な伸びやかな旋律が非常に魅力的。
ヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ集
 エルレバッハ(1657-1714):
  ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、通奏低音のための6つのソナタ(1694)〜ソナタ第3番
 J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV.244 より
  〔レチタティーヴォ「そう、 もとより私たちの内なる血と肉こそ」/アリア「来たれ甘き十字架」〕
 ヨハン・ミカエル・キューネル(1645-1700頃):リュート、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのコンチェルト
 A.キューネル:ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタとパルティータ(1698)よりソナタ〔第3番/第9番〕
 ブクステフーデ:ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、通奏低音のためのソナタ(1696)〜第9番

  フラウケ・ヘス(ヴィオラ・ダ・ガンバ) アンドレアス・アーレント(キタローネ/バロック・リュート)
  ジョシュ・チーザム(ヴィオラ・ダ・ガンバ/ヴィオローネ) トルステン・ヨハン(Org/Cemb)
  ヴェロニカ・スクプリク(Vn) ドミニク・ヴェルナー(B)
 録音:2012年10月18日-21日、聖ゲオルク教会、ゼングヴァルデン、ドイツ。ドイツを中心に活躍する若いガンバ奏者、フラウケ・ヘスによるドイツ・バロック期のソナタ集。特にアウグスト・キューネルの甥であるJ.M.キューネルの作品は近年もなお収録される機会が殆んどなく、コンチェルトは他ではなかなか見られないヴィオラ・ダ・ガンバとリュートが織り成す生き生きとしたソロの対話が魅力的。エルレバッハはテューリンゲン地方に活躍した宮廷音楽家。多作家だったが、その作品の殆どが火事で焼失してしまった不遇の作曲家でもある。今回収録されているソナタ第3番は、残された僅かな作品の中でも知名度の高い曲。アルマンド、クーラントといった舞曲のリズムが愉しく、典雅な旋律の中にもどこか素朴な響きが親しみやすい。演奏を担うのは、ピリオド楽器界の今後を担う若手・中堅の実力派たち。中心となっているフラウケ・ヘスはW.クイケンやJ.サヴァルの流れを汲む実力派で、カントゥス・ケルンやフライブルク・バロック・コンソートといった今注目の団体でも活動を行っている。チェンバロのT.ヨハンはフライブルク・バロックo.の設立にも携わった名チェンバリスト。マタイ受難曲でバスを歌うドミニク・ヴェルナーは、バッハ・コレギウム・ジャパンとも度々共演を重ねていることでお馴染みの世界的名手。
フランツ・ダンツィ:序曲&フルート協奏曲
 歌劇「カミラとオイゲン、もしくはガーデン・キー」序曲/フルート協奏曲第1番 ト長調 Op.30/
 デュオドラマ「クレオパトラ」序曲/フルート協奏曲第2番 ニ短調 Op.31/「ウィリアム・テル」序曲

  オルケストル・ル・フェニックス アニー・ラフラム(Fl−tr)
 録音:2012年10月23日-26日、ベルゲン。ベートーヴェンと同時代に活躍したイタリア系ドイツ人作曲家のフランツ・ダンツィ。2013年は生誕250周年にあたる。マンハイム、ミュンヘン、シュトゥットガルト、そしてカールスルーエの宮廷で活躍し、オペラ、宗教曲、交響曲、協奏曲、室内楽などを残し、特に木管五重奏曲は現在でも木管奏者にとって大事なレパートリーとなっている。ここではフルート協奏曲2作品と世界初録音となる序曲3作品が収録されている。フルート協奏曲は、敬愛していたモーツァルトの影響が感じられる美しく愛らしいメロディーが印象的な作品。アニー・ラフラムの流麗自在なトラヴェルソが魅力的。またダンツィは作曲人生の節目に序曲を書いており、ここに収録された3つの作品はダンツィの作風の変化が表れている。オルケストル・ル・フェニックスは2008年にクリスティン・メイヤーとマティアス・クライベーメルの2人のチェリストによって設立。すべてのメンバーがモダーンとピリオドの演奏を両方学んだ経歴を持ち、幅広い音楽性を発揮している。
瞑想と厳格さ
 L.クープラン:プレリュード
 マラン・マレ:プレリュード/アルマンド・ラ・ブロン/ロンドー・ル・プラント/
        カプリス・ラ・ベルモン/サラバンド・エスパニョール/シャコンヌ
 サント=コロンブ:プレリュード
 マラン・マレ:膀胱結石の手術図/サント・コロンブ氏のためのトンボー/戯れ
 ジャック・デュフリ:フォルクレ
 アントワーヌ・フォルクレ:マレッラ/クレマン/サラバンド・ラ・ド・ボンヌ/
              パシーのカリヨン/ラトゥール/パシーのカリヨン
 F.クープラン:プレリュード / アントワーヌ・フォルクレ:クープラン

  サラ・パール、ニクラス・トラステッド(ヴィオラ・ダ・ガンバ) ミラ・ランゲ(Cemb)
 録音:2011年2月1日-5日。17世紀後半から18世紀にかけて、フランスで活躍したヴィオール奏者・作曲家であったフォルクレとマレのヴィオラ・ダ・ガンバ作品集。フランス宮廷音楽の優雅で艶やかな作風のマレと快活で荒々しいフォルクレの音楽は、「天使のマレ」と「悪魔のフォルクレ」と言われるほど二人の音楽は対照的。演奏は、女流ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の第一人者ヒッレ・パールの娘サラ・パールとデュオのパートナー、チェンバロ奏者のミラ・ランゲ、そしてドイツのヴィオラ・ダ・ガンバ奏者ニクラス・トラステッド。激しく情熱的な部分と瞑想的なヴィオラ・ダ・ガンバの響きを堪能できる1枚となっている。
17-18世紀チェロと通奏低音のための作品集
 ドメニコ・ガブリエーリ:ソナタ〔ト長調/イ長調〕
 ジュゼッペ・マリア・ヤッキーニ:ソナタ〔ハ長調 Op.3 No.10 /変ロ長調 Op.1 No.7 /イ短調 Op.1 No.8 〕
 ジュゼッペ・トレッリ:ソナタ ト長調 / ドメニコ・ガッリ:ソナタ ロ長調
 ジュゼッペ・コロンビ:トロンバ/シャコンヌ
 ジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィターリ:
  トッカータ/ルジェーロ/ベルガマスカ/パッサ・ガッリ/シャコンヌ/カプリッチョ

 バッソルム・ヴォックス
 [イ・スンヨン、ソフィー・イ・セヒ(Vc) 高柳義生(バロックG/テオルボ) 車田真美(Cemb)]
 ピリオド楽器使用。17世紀後半にイタリアのボローニャで作りはじめられたチェロ。ヤッキーニやガブリエーリなどのチェロの名手が登場し、彼らのための作品が作られた。それ以前は通奏低音を担当していたヴィオローネが小型化し、ソロパートを担当するようになり、旋律楽器として活躍していった。ここに収録されている作品は、17、18世紀ボローニャで書かれたもの。中でもジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィターリは、あの「ヴィターリのシャコンヌ」を作曲したトマゾ・アントニオ・ヴィターリの父。息子の作品に勝るとも劣らない、自由な発想の快活な作品で、一聴の価値があるユニークな曲。演奏は古楽アンサンブル、バッソルム・ヴォックス。バロック・チェロ、ヴィオラ・ダ・ガンバをはじめとする低音楽器、そして通奏低音楽器(テオルボ、バロックギター、チェンバロ)、打楽器の構成で、2004年ドイツで結成された若手のアンサンブル。バッソルム・ヴォックス(Bassorum vox)とはラテン語でバスの声、低音の響き、という意味。
神聖ローマ皇帝のための音楽集〜ヨーゼフI世、ツィアーニ、フックス&カルダーラ
 マルカントーニオ・ツィアーニ(1653頃-1715):その顔はとても美しい
 ヨハン・ヨーゼフ・フックス(1660-1741):
  3声のソナタE68 /アルマ・レデンプトリス・マーテル(救い主のうるわしき母)
 アントニオ・カルダーラ(1670-1736):「ナボト」〜神はなんと言った
 ヨハン・ヨーゼフ・フックス:3声のソナタ K343
 ヨーゼフI世:「キロニーダ」〜アリア「憔悴しきった心が涙にくれている」/
        「セポルクロ」〜アリア「アルマ・イングラーテ」
 アントニオ・カルダーラ:「キリストの足元のマグダラのマリア」〜 In un bivio e il mui volere
 ヨハン・ヨーゼフ・フックス:3声のソナタK365 /「救済の泉」〜救世主キリストを見よ
 アントニオ・カルダーラ:ソナタ第12番 Op.2(チャコーナ)/
             「キリストの足元のマグダラのマリア」〜 Pompe inutilli /
             「イエス・キリストの受難」〜 Dovunque il guardo giro

  リディア・トイシャー(S) ヘニング・ヴィーグレーべ(Tb)指揮
  カプリコルナス・アンサンブル・シュトゥットガルト
 録音:2013年8月14日-17日。トロンボーン奏者ヴィーグレーベが主宰する古楽アンサンブル、カプリコルナス・アンサンブル・シュトゥットガルトによる神聖ローマ皇帝のための音楽集。歌手には美しい声と姿で注目のドイツ人ソプラノ、リディア・トイシャーが参加している。ヨーロッパの歴史を考える上で欠かせないのが、ハプスブルク家の存在。レオポルド1世、ヨーゼフ1世、カール6世など歴代の皇帝は芸術への造詣も深く自身で作曲し、またフックス、カルダーラなど当時の作曲家たちのパトロンでもあり、ウィーンを音楽の都、として発展させていった。このアルバムはそうした作曲家たちが、皇帝に捧げた曲を中心に収録している。
ワーグナー:
 協奏的序曲第2番 ハ長調/
 ヴェーゼンドンク歌曲集
  (ウェルナー・ヘンツェ編)/
 交響曲 ハ長調
ブリギット・シュミックラー(A)
パウルス・クリストマン指揮
イェナ・フィルハーモニーo.
 録音:2001年3月。
 比較的知られている交響曲と、協奏的序曲第2番は、共にワーグナーがまだ駆け出しの頃の1832年の作品。協奏的序曲第2番は10分ほどの作品で、ドイツ的な音楽にフランス的華やかさが盛り込まれた中々の佳曲。ヘンツェ編曲の「ヴェーゼンドンク歌曲集」は、1976年に手がけられたもの。20人の弦楽に、フルート、アルト・フルート、オーボエ、コールアングレ、クラリネット、バス・クラリネット、ファゴット、コントラ・ファゴット、そしてホルンが2つとハープという編成。
 パウルス・クリストマンは1971年バート・ゾーデン生まれの若いドイツの指揮者。ブリギット・シュミックラーは1973年生まれ、ヴィースバーデンやシュトゥットガルトで活躍している。
シューベルト(ラーセン編):
 弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D.810「死と乙女」/
ショスタコーヴィチ(バルシャイ編):室内交響曲 Op.110a
ラヴァルド・スコウ・ラーセン指揮
ザルツブルク室内ソロイスツ
 録音:2000年8月、ライヴ。
 ラヴァルド・スコウ・ラーセンは1962年ブラジルのポルト・アレグレ生まれのヴァイオリニスト、指揮者。1976年から1985年までザルツブルク音楽院でヘルムート・ツェートマイアーに学び、さらにシャーンドル・ヴェーグのもとでも学んでいる。ザルツブルク室内ソロイスツは1991年にラーセンと仲間たちを中心に結成された団体。
ヴィヴァルディ:「四季」
ピアソラ:「ブエノスアイレスの四季」
ラバルト・スコウ・
 ラルセン(Vn)指揮
ザルツブルク・
 チェンバー・ソロイスツ
 「元祖」クレーメル盤以来流行となりつつあるこれら2曲の組み合わせは、この団体の十八番とのこと。
オペラ合唱曲集
 ヴェルディ、ワーグナー、マスカーニ、
 レオンカヴァッロ、オルフの作品から
ゲオルク・メンスケス指揮
ブラウンシュヴァイク州立o.、
ブラウンシュヴァイク州立歌劇場cho.
 ゲオルク・メンスケスは1997年にブラウンシュヴァイク州立歌劇場の合唱指揮者兼カペルマイスターに就任している。
COV-30301
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(1CD+
 1DVD AUDIO)
1CD価格
ブルックナー:交響曲第8番(ハース第2稿) マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso.
 収録:聖ニコラス教会、アーヘン。アーヘン交響楽団150周年記念ライヴ。付録のDVDには5.1チャンネルで「ブル8」全曲演奏も収録されているが、こちらはdtsサラウンドロゴマークのある、DVDオーディオ再生機能付き機器でないと再生できないとの事。 DVD機器での5.1チャンネル再生を目的にご購入の場合はご注意下さい。
 アーヘン響は知る人ぞ知るドイツの名門団体で、R.シュトラウス、ワインガルトナー、ムック、プフィッツナー、そしてもちろんカラヤンと錚々たる指揮者が関係していた。 今盤でも、大聖堂のたっぷりした残響の中で美しく音楽が響き渡り、演奏自体も立派な物。 指揮者ボッシュは1969年生まれの若手ながら、ヴィースバーデン歌劇場カペルマイスター(1996-2000)、ザールブリュッケン歌劇場監督(2000-2002)を務めるなど、 ドイツ系実力派指揮者の道を着実に歩んでいる。かつてアーヘンで「奇跡」を起こしたカラヤンの再来なるか?
COV-30405
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(1CD+
 1DVD AUDIO)
1CD価格
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso.
 録音:2004年5月31日、アーヘン、聖ニコラウス教会、ライヴ。DISC 1:24bit、ステレオ/DISC 2:5.1ch、dtsサラウンド。
 ドイツ最古のオーケストラのひとつアーヘン響は、R.シュトラウス、ワインガルトナー、ムック、プフィッツナー、クレメンス・クラウスそしてカラヤンが関わりを持った名門楽団。
 大聖堂のたっぷりとした残響に包まれて味わう音楽の美しさは格別。通常のCD再生はもちろん、5.1ch再生ではさらに楽しみも倍増。2002/03年のシーズンより音楽総監督を務めるボッシュの指揮も見事。なお、今後年1作のペースでライヴによる全集録音も決定したとのこと。
 マルクス・ボッシュは1969年ドイツ生まれの期待の若手で、ドイツの巨匠達の後を継ぐ最もふさわしい逸材として評価される指揮者。EMIなどからもCDを出している。
 ご注意:DISC-2はハイブリッドではありません。dtsサラウンド対応のDVDオーディオ再生機能のあるプレーヤーでのみ再生可能です。
フランク:交響曲 ニ短調/交響詩「呪われた狩人」 ヨナス・アルバー指揮
ブラウンシュヴァイク州立o.
 ヨナス・アルバーは1969年オッフェンブルク生まれ。1997年にブラウンシュヴァイク州立歌劇場の第1カペルマイスターに就任、翌年には音楽監督に昇進、「ニーベルングの指環」も上演してしまったというからすごい。後期ロマン派を得意としていて、フランクフルトなどでも度々指揮している。
ワーグナー:使徒の愛餐 マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso.、ヴォカペラ男声cho.
 ブルックナーの7番、8番が好評だったボッシュとアーヘン交響楽団。「使徒の愛餐」は、男声合唱と大オーケストラのための「聖書の情景」と副題のある合唱作品。「さまよえるオランダ人」と「タンホイザー」の間、1843年に作曲された。聞き応えたっぷりの曲ながら、録音はまだ多くない。
COV-30507
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(HYBRID_SACD)
ウォルトン:ヴィオラ協奏曲(1962/2002改訂)
 サリー・ビーミッシュ:ヴィオラ協奏曲第1番(1995/1998改訂)
 ブリテン:ラクリメ
タチアナ・マスレンコ(Va)
ガリー・ウォーカー指揮
ハノーファー北ドイツ放送po.
 録音:2005年4月18-22日、NDRハノーファー、大ホール。マルチチャンネル。
 イギリスのヴィオラ協奏曲を集めたアルバム。ウォルトンはジャズの語法を採り入れた代表作。ロンドン・モーツァルト・プレーヤーズとスコットランド室内管の首席ヴィオラ奏者だったビーミッシュ。ダウランドをベースにしたブリテンの名作。ロシアのジャズ・ミュージシャンの家系に生まれたマスレンコは、キム・カシュカシャンと今井信子に師事したヴィオラ奏者。
COV-30509
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(HYBRID_SACD)
ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調 マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso.
 録音:2005年5月16日、アーヘン、聖ニコラウス教会、ライヴ。マルチチャンネル。
 第8番(COV-30301)、第7番(COV-30405)と一年に一作のペースで進行中のボッシュ&アーヘン響によるブルックナー。古都アーヘンの名刹聖ニコラウス教会でのライヴは、空間いっぱいに拡がる美しい響きでオーディオ・ファイルからも注目の的。前作まではdtsサラウンド(DVD)対応ディスクつきの2枚組だったが、今回からSACDハイブリッド仕様でのリリースとなる。
COV-30512
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(HYBRID_SACD)
ヴェルディ:レクイエム メルバ・ラモス(S)
ガブリエレ・マイ(Ms)
ミヒャエル・エンデ(T)
マルティン・ブラジウス(B)
マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso. ヴォカペッラcho.
 録音:2005年2月12日、アーヘン大聖堂、ライヴ。マルチチャンネル。
 ブルックナーでおなじみのボッシュ&アーヘン響が「ヴェルレク」をリリース。ボッシュが1990年に設立し監督を務めるヴォカペッラ合唱団も加わり、こちらもたいへん熱のこもったライヴとなっている。音響効果満点の内容がSACD向き。優秀録音。
COV-30513
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(2CD)
マーラー:交響曲第3番 ニ短調 ブリギッテ・ピンテル(A)
ヒルデスハイム少年cho.
マルティン・ヴェラー(ポストホルン)
ヨナス・アルバー指揮
ブラウンシュヴァイク州立o.
ブラウンシュヴァイク州立歌劇場cho.
 録音:2004年9月26-27日、ブラウンシュヴァイク・シュタットハレ、ライヴ。
 フランクの交響曲、他(COV-30406)でも燻し銀の響きを聴かせた当楽団は、起源を1587年ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル公爵ユリウスの創設した宮廷楽団にまで遡る世界最古のオーケストラのひとつ。ブリギッテ・ピンテルはヴェルザーメスト&チューリヒ・オペラのDVD(「マイスタージンガー」のマグダレーナ、「ばらの騎士」のアンニーナ)にも出ていた新進アルト。
COV-30603
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(HYBRID_SACD)
モーツァルト:
 ディヴェルティメント ニ長調 K.136/
 同 変ロ長調 K.137/同 へ長調 K.138
モーツァルト/ジギスムント・ノイコム(1778-1858)編曲:
 歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」序曲/
 同「ティートの慈悲」序曲
レオポルト・モーツァルト:シンフォニア 変ロ長調
ザルツブルク・
 チェンバー・ソロイス
ツラヴァルト・
 スコウ=ラルセン(リーダー)
 録音:2005年7月、アニフ。
 「ティートの慈悲」序曲を2006年カンヌ・クラシカル・アワードの式典で演奏したザルツブルク・チェンバー・アンサンブル。スコウ=ラルセン以下総勢18人、メンバーの多くがかのシャーンドル・ヴェーグの薫陶を受けている。ここに聴く美しくも緊密なアンサンブルは、師のそれを思わせて魅力的。彼らは1995年仏ナントで行われた「ラ・フォル・ジュルネ・モーツァルト」に参加して一躍注目を集めた。ノイコムはハイドンやモーツァルトの作品の多くを編曲し普及に努めたことで知られるオーストリアの作曲家・ピアニスト。
COV-30607
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(HYBRID_SACD)
モーツァルト:
 ミサ ハ短調「戴冠式ミサ」 K.317
 モテット「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」 K.165
 証聖者の荘厳な晩課(ヴェスペレ) K.339
 モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」 K.618
ドロテ・ミールズ(S)
メラニー・フォルジェロン(Ms)
クリストファー・ヴィットマン(T)
マルティン・ベルナー(B)
マルクス・ボッシュ指揮
ザ・ヴォカペッラ・コーラス
アーヘンso.
 録音:2006年3月。
 モーツァルトの宗教曲から明るく清澄な響きの作品を集めた一枚。現存するヨーロッパ最古のオーケストラの一つであるアーヘンso.と、ここで指揮を行っている1969年生まれのボッシュが1990年に設立した合唱団ザ・ヴォカペッラ・コーラスがきびきびしたテンポでモーツァルトの宗教曲を聴かせてくれる。ボッシュは2002年以来アーヘンの音楽総監督の任についている。
COV-30612
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(HYBRID_SACD)
ミキス・テオドラキス:
 チェロと管弦楽のためのラプソディ(1998)/
 バレエ「テルエルの恋人たち」組曲(1958)
ヨハネス・モーザー(Vc)
マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso.
 録音:2005年、ライヴ。
 ギリシャが誇る作曲家、ミキス・テオドラキスの作品。2006年11月に来日した若手チェリスト、ヨハネス・モーザー独奏によるチェロと管弦楽のためのラプソディと、スペインの町テルエルでの実在の物語を題材とした、いわば「テルエル版ロミオとジュリエット」の「テルエルの恋人たち」組曲を収録している。
COV-30614
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(HYBRID_SACD)
ブルックナー:
 交響曲第3番 ニ長調第1稿(ノヴァーク版)
マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso.
 録音:2006年5月6日、ライヴ、アーヘン、聖ニコラウス教会。
 ドイツ有数の古都アーヘンにそびえる大伽藍、聖ニコラウス教会でのライヴ録音。第8番(COV-30301)、第7番(COV-30405)、第5番(COV-30509)に続いて第3番が登場する。ドイツ最古のオーケストラのひとつアーヘン響は、R.シュトラウス、ワインガルトナー、ムック、プフィッツナー、クレメンス・クラウスそしてカラヤンが関わりを持った名門楽団。大聖堂の豊かな残響に包まれて聴く音楽格別の美しさ。音楽総監督を務めるドイツ期待の指揮者、マルクス・ボッシュも手兵アーヘン響を率いて若々しさに満ち溢れた見事な演奏を聴かせてくれる。
COV-30704
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(HYBRID_SACD)
ブラームス:交響曲集
 [第1番 ハ短調 Op.68/第4番 ホ短調 Op.98]
マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso.
 ブルックナー・シリーズが期待を集めるボッシュと手兵アーヘンso.。こんどはブラームスのシリーズがスタート! 今回もライヴ、SACDハイブリッド仕様でのリリースとなる。
 1969年生まれで指揮者としてはまだ若い世代に入るボッシュだが、ヴィースバーデン歌劇場のカペルマイスター(1996年〜2000年)、ザールブリュッケン歌劇場の監督(2000年〜2002年)を相次いで務めた経歴からも、その実力は証明済み。10年先輩で同じく劇場あがりのルイージなどに通じるものがある。
 重厚な佇まいのなかに名門オケの確かな伝統が息づくブラームス。いっぽうで、若々しい風を送り込むボッシュのしなやかな感性もまた聴きどころのひとつとなっている。
 これまでと同様に古都アーヘンの大伽藍、聖ニコラウス教会の包み込まれるような豊かな音響はまさにSACDでの再生にも適している。
COV-30705
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(HYBRID_SACD)
R.シュトラウス:アルプス交響曲 Op.64 ヨナス・アルバー指揮
ブラウンシュヴァイク州立o.
 録音:2006年6月18日-19日、ブラウンシュヴァイク・シュタットハレ、ライヴ。
 生涯に渡りたいへん熱心な登山家であったシュトラウスは、数十年間ずっと山登りの体験や印象をいつか音楽に置き換えようという考えで頭がいっぱいになっていた。そしてついに持ち前の華麗なるオーケストレーションを駆使して大自然を見事に描写したのが、管弦楽の最後の大曲アルプス交響曲。
 いにしえよりの味わい豊かなひびきを今に伝えるのは、首席指揮者&音楽監督アルバー率いる手兵ブラウンシュヴァイク州立o.。起源を1587年ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル公爵ユリウスの創設した宮廷オケにまで遡る世界最古のオケのひとつ。プレトリウス、シュッツ、リストそしてR.シュトラウスが自作を振るために楽壇に上がっている。
 このたびはSACDでのリリースで、マルチチャンネル再生では作品の雄大な拡がりをたっぷりと体感することができるのもポイント。
COV-30711
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(HYBRID_SACD)
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調
 (1894年原典版/2000年グンナー・コールス校訂;
   サマーレ、フィリップス、マッツーカ
    &コールス校訂[ 1983-2007]による
      フィナーレつき)
マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso.
 録音:2007年、アーヘン、聖ニコラウス教会、ライヴ。
 ボッシュと手兵アーヘンso.によるブルックナー・シリーズ第5弾。回を重ねるごとに全集完成への期待度が大いに高まる当シリーズ、最新作の第9番ではノヴァーク原典版に拠りつつも、そのうえ現状プレス盤で唯一となるベンヤミン=グンナー・コールスらが2007年までに校訂した最新復元稿のフィナーレが収められているのが大きなポイント。音楽学者ジュゼッペ・マッツーカ&ニコラ・サマーレによる補筆フィナーレの世界初録音としては、過去にインバル盤がありブルックナー・ファンの間で大いに話題を集めたが、最新の研究成果を踏まえた当アルバムも一度は聴いておきたいところ。かのコンセルトへボウの例を思わせるように、古都アーヘンの大伽藍、聖ニコラウス教会の包み込まれるような豊かな音響はまさにブルックナー、そしてSACDでの再生にも適している。
COV-30715
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(2 HYBRID_SACD)
ヘンデル:頌歌「アレクサンダーの饗宴」
 ドロテー・ミールズ(S) ユディト・ベルニング(A)
 ポール・アグニュー(T) ウン・チョ・チェ(B)
 マルクス・ボッシュ指揮アーヘンso.、アーヘン室内cho.、オーヴェルバッハー室内cho.
 録音:2007年5月2日-6日、ライヴ。
 「アレクサンダーの饗宴」は1736年に初演された英語の頌歌(オード)。英雄アレクサンダー大王を軸にして、音楽の守護聖人、聖セシリアを讃えるという内容。人気の高い作品だが最近は録音がなく、1990年以来の新録音となる。ボッシュは、モダーン楽器のオーケストラから自然な美しさを引き出し、清潔で心地よい音楽を作り上げている。ソプラノのミールズ、テノールのアグニューなど,歌手も魅力。SACD Hybridで、音の良さも特筆。なお、初演の幕間に演奏された合奏協奏曲は収録されていない。
COV-30806
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(HYBRID_SACD)
R.シュトラウス:
 交響詩「英雄の生涯」Op.40/
 交響詩「死と変容」Op.24
ヨハネス・デンホフ(Vn)
ヨナス・アルバー指揮
ブラウンシュヴァイク州立o.
 首席指揮者&音楽監督アルバー率いる手兵ブラウンシュヴァイク州立o.によるシュトラウス、アルプス交響曲(COV-30705)以来となる第2弾。
 このシリーズの何よりの魅力は、いにしえより今に伝わる味わい豊かなひびき。当楽団はその起源を1587年ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル公爵ユリウスの創設した宮廷オケにまで遡る世界最古のオケのひとつであり、プレトリウス、シュッツ、リスト、そしてR.シュトラウスが自作を振るために楽壇に上がっている。すなわち、ドレスデン、コンセルトへボウと同様にこのオケもまた正真正銘シュトラウスゆかりのオケといえるだろう。
 前作のアルプス交響曲もそうだったが、ゆかりの作曲家を取り上げる自負に満ちており、各パートも粒揃い。古き良き伝統を感じさせる力の入った演奏となっている。
サボイでティータイム
 セビリャの夏(セビリャの理髪師/ロッシーニ+サマータイム/ガーシュウィン)
 フィガロ婦人(フィガロの結婚/モーツァルト+その淑女ふしだらにつき/ロジャース)
 バルバリーナのカヴァティーナ(フィガロの結婚/モーツァルトより)
 ヴォルフェール、イッツ・ワンダフル(ス・ワンダフル/ガーシュウィン)
 ティファニーでボレロ(ボレロ/ラヴェル+ティファニーで朝食を/マンシーニ)
 オン・マジック・バス・ツアー(魔笛/モーツァルト+テイク・ファイヴ/デスモンド)
 サボイでティータイム
 (リゴレットより女心の歌/ヴェルディ+サボイでストンプ/サンプソン、グッドマン+二人でお茶を/ユーマンス)
 パッヘルベルの旋律による変奏曲
 ゼンタ・イン・ザ・シティ(さまよえるオランダ人よりゼンタのバラード/ワーグナー)
 この日に栄光あれ(ロシア皇帝と船大工より/ロイツィング)
 ヴォルフェールのシュマンケルル(キラキラ星の主題による変奏曲/モーツァルト)

 オペラ・スウィング・クァルテット ヴォルフガング・ハインツェル(編曲)指揮メルクpo.
 録音:2008年1月11日-13日、ライヴ。
 クラシックとジャズの名曲を融合させたユニークなアルバム。アルバム・タイトルでもある「サボイでティータイム」は冒頭にヴェルディのリゴレットの「女心の歌」が調子ハズレに聞こえてきて、モダーンジャズの定番「サボイでストンプ」「二人でお茶を」が交互に軽快に演奏される。「ティファニーでボレロ」はボレロのリズムに乗ってあの有名なムーンリバーの旋律が心地よく流れる。難しいことは抜きに楽しんで聴くことの出来る1枚。
 メルクは3世紀以上にわたる世界で最も歴史の長い医薬品会社。メルク・フィルハーモニーはメルクの企業文化を発信する音楽使節としてクラシック・コンサートをヨーロッパのみならず世界的に行っている。
COV-30814
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(HYBRID_SACD)
ブルックナー:
 交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」
  (1874年第1稿)
マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso.
 録音:2007年、アーヘン、聖ニコラウス教会、ライヴ。
 ボッシュと手兵アーヘンso.によるブルックナー・シリーズ第6弾は「ロマンティック」。使用楽譜にオリジナルの第1稿を選択しているところも注目。従来親しまれている第2稿との比較では第3楽章が顕著なように、斬新にすぎて初演では不成功に終わった第1稿だが、インバルやノリントン、ケント・ナガノ、ヤングらが近年こぞって採用しているように徐々に触れる機会も増えて、あらたな流れとなりつつあるようだ。
 古都アーヘンの大伽藍、聖ニコラウス教会の包み込まれるような豊かな音響はまさにブルックナー、そしてSACDでの再生にも適している。全集完成への期待度がいよいよ高まるところ。
COV-30901
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(HYBRID_SACD)
ワーグナー/アンドレアス・N.タルクマン(1956-)
 編曲:室内オーケストラ版作品集

 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
 第3幕への前奏曲/
 ヴェーゼンドンク歌曲集/
 「ジークフリート」より、森のささやき/
 ゲーテの「ファウスト」への7つの作品〜
  糸を紡ぐグレートヒェン/
 メアリー・ステュアートの別れ
ワーグナー:ジークフリート牧歌
マリア・リッカルダ・
 ヴェセリング(Ms)
マルクス・ボッシュ指揮
グラウビュンデン・
 カンマーフィルハーモニー
 手兵アーヘン響とのブルックナー・シリーズが注目されるボッシュのワーグナー・アルバム。ここでボッシュは1999年以降自らが首席指揮者兼芸術監督を務める室内オケ(1989年創設)を率いている。スイス南東部に位置するグラウビュンデンは「アルプスの少女ハイジ」の舞台となったところ。土地柄を反映したかのようなのびやかで明るい音色が魅力で、これはメインのジークフリート牧歌にピッタリ。また、ジークフリート牧歌をのぞいて、すべて当代屈指の名編曲者タルクマン(1956年生まれ)の手による室内オーケストラ版によるのも興味深い趣向で、ワーグナーの官能世界があらたな切り口でいっそう浮き彫りになる仕組みとなっている。
COV-30910
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(HYBRID_SACD)
メンデルスゾーン
 交響曲第1番 ハ短調Op.11/
 交響曲第5番 ニ長調 Op.107「宗教改革」
マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso.
 ブルックナー・シリーズで注目されるボッシュ率いる手兵アーヘンso.。アニヴァーサリーを迎えた2009年にあらたにメンデルスゾーンの交響曲全集プロジェクトをスタートさせる。第1弾は通常の5曲のうち、作曲順では最初の2曲にあたる第1番と第5番「宗教改革」を収めており、これまで同様に大聖堂におけるライヴとなっている。
 1969年生まれのボッシュは、ヴィースバーデン歌劇場のカペルマイスター(1996年〜2000年)、ザールブリュッケン歌劇場の監督(2000年〜2002年)を歴任、2002年よりアーヘン市の総音楽監督に就任して、その瞠目に値する活動はすでに広く知られるところ。
 ボッシュは過去に、1990年に自らが結成し、芸術監督のポストにあるグループ、ヴォカペッラとオラトリオ「エリア」の録音を行い、デッサウのオケと交響曲第2番「讃歌」のレコーディングもおこなっているが、進境著しい彼らの新録音シリーズの登場はおおいに期待をつなぐものといえるだろう。
COV-30914
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(HYBRID_SACD)
ブルックナー:交響曲第6番 イ長調 マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso.
 2003年収録の第8番でスタートして以来、すでに6作を数え、佳境を迎えるボッシュ&アーヘン響によるブルックナー交響曲全曲シリーズの第7弾。
 これまでのシリーズを通じて、ドイツ有数の古都アーヘンにそびえる大伽藍、聖ニコラウス教会、ライヴということで、大聖堂のゆたかな残響が魅力を引き立てるボッシュのブルックナー。全体で1時間を越えるチェリビダッケは異例にしても、最近ではノリントン盤の51分10秒に次ぐ52分21秒という演奏時間が示すように、その快速テンポも注目されるところ。
 2002年よりアーヘン市の総音楽監督に就任して以降、にわかに注目を集めるボッシュの快進撃に当分の間目が離せそうにない。
COV-31002
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(HYBRID_SACD)
マーラー
 花の章/交響曲第1番 ニ長調「巨人」
アレクサンダー・ジョエル指揮
ブラウンシュヴァイク州立o.
 録音:2008年4月12日-14日、ブラウンシュヴァイク、シュタットハレ、ライヴ。
 いにしえよりの味わい豊かなひびきを今に伝える世界最古のオケ、ブラウンシュヴァイク州立管によるライヴ・シリーズ。最新作は2004年の第3交響曲(COV-30513)以来となるマーラー。現総音楽監督ジョエルによるあらたなシリーズ第1弾で「巨人」と「花の章」を収録している。
 前任のアルバーのあとを受けて、2007/08年のシーズンより当オケの総音楽監督のポストに就任したジョエルは、1971年生まれのオーストリアの指揮者。2008/09年のシーズンに行われた新国立劇場におけるJ.シュトラウスの「こうもり」再演での手腕も高く評価されていた。
 「花の章」のやわらかくふくよかな美しさにつづき、メインの交響曲も快調な滑りだし。表情もゆたかで、劇場たたき上げの指揮者らしくドラマづくりに長けており、フィナーレなど嵐のような激情にも不足していない。楽しみなシリーズの登場といえるだろう。

 アレクサンダー・ジョエル:1971年生まれのオーストリアの指揮者。ウィーン音楽大学でピアノを学んだ後、ウィーン・コンセルヴァトリウムで指揮を学ぶ。著名な指揮者やタングルウッドのマスタークラスを受講。1996年に卒業し、同年スポレート指揮者コンクールで優勝。ニュルンベルクでキャリアをスタートさせ、つづいてバーデン・バイ・ウィーン、クラーゲンフルト、ウィーン・フォルクスオーパーでポストを得たのち、2001/2002シーズンにライン・ドイツ・オペラのカペルマイスターに就任し、プッチーニ「三部作」、「マクベス」「後宮からの誘拐」などを指揮する。その後は、ベルリン・ドイツ・オペラ、ザクセン州立歌劇場(ドレスデン・ゼンパー・オペラ)、バイエルン州立歌劇場、ハンブルク州立歌劇場、サンティアゴ・テアトロ・ムニシパル、新国立劇場などでオペラを指揮しているほか、MDRso.、ベルリン・ドイツso.、リンツ・ブルックナーo.、シュターツカペレ・ドレスデン、東京so.などのコンサートでも活躍。2007/08年のシーズンより現在に至るまで、ブラウンシュヴァイク州立劇場の総音楽監督、ならびにブラウンシュヴァイク州立o.の首席指揮者。
COV-31015
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(HYBRID_SACD)
ブルックナー:交響曲第2番 ハ短調(1872年第1稿/
 2005年ウィリアム・キャラガン校訂版)
マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso.
 録音:2010年5月22日、24日、アーヘン、聖ニコラウス教会、ライヴ。全集完成も間近、ボッシュ率いる手兵アーヘンso.によるブルックナー・シリーズ第8弾。これまでに第3番、第4番でも使用楽譜に初稿を採用してきたボッシュだが、この第2番でも、初稿を採用しているのが注目される。第2交響曲の初稿によるレコーディングといえば、最近でも、シモーネ・ヤングによる演奏が話題になっていたことも記憶にあたらしいところで、あらたな録音の登場はブルックナー・ファンに広く歓迎されるのではないだろうか。古都アーヘンの大伽藍、聖ニコラウス教会の包み込まれるような豊かな音響はまさにブルックナー、そしてSACDでの再生にも適している。
ロマンティック・ヴァイオリン協奏曲集
 プフィッツナー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 Op.34
 ジークフリート・ワーグナー:ヴァイオリン協奏曲
 リヒャルト・ワーグナー:「ヴェーゼンドンク歌曲集」
  〜夢(ヴァイオリンと管弦楽のための/作曲者編曲)
ユライ・チズマロヴィチ(Vn)
マルクス・ボッシュ指揮
WDRケルン放送o.
 録音:2009年、ケルン。優れた才能を持ちながらも音楽史上では不遇な立場にある作曲家二人に焦点を当てたアルバム。R.シュトラウスと並んで、20世紀前半のドイツ音楽界の重要な作曲家であったハンス・プフィッツナー(1869-1949)。「最後のロマン主義者」と称され、徹底してドイツ・ロマン主義にこだわり調性的で旋律的な作品を作り出していた。このヴァイオリン協奏曲は単一楽章の三部構成となっている。後期ロマン派の名残を感じさせる音楽で、スロヴァキア出身のヴァイオリニストのユライ・チズマロヴィチが丁寧に濃厚に描き出している。チズマロヴィチは1990年から2004年までゲルツェニヒ管のコンサートマスターを務めた実力派。
 そして、リヒャルト・ワーグナーの息子ジークフリート・ワーグナーのヴァイオリン協奏曲も収録。ジークフリートは父親の影から抜け出せず作曲家としては大きな成功をおさめることはできなかったが、オペラなど多くの作品を残している。このヴァイオリン協奏曲は「交響詩的ヴァイオリン協奏曲」とも言われノスタルジックな雰囲気漂う美しい作品。またカップリングにリヒャルト・ワーグナー自身の編曲によるヴァイオリンとオーケストラによる「夢」を収録している。マルクス・ボッシュとWDRケルン放送管も好サポートでチズマロヴィチの演奏を引き立てている。
COV-31115
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(HYBRID_SACD)
ブルックナー
 交響曲第1番 ハ短調(1868年第1稿)
マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso.
 録音:2011年6月11日-13日、聖ミヒャエル教会、アーヘン、ライヴ。ボッシュが手兵アーヘンso.を率いたブルックナー・シリーズ第9弾にして完結篇。リンツ稿とも称される第1稿による演奏で、これが非常な快演。改訂の過程で失われていった作品固有の性格と色彩を実感出来る。さほど宗教でないパトスと、強大なリズム的エネルギー、予期せぬ盛り上がりなど、後期の作風とは異なる若々しいブルックナー像を再現してくれる。録音の良さも特筆もので、聖ミヒャエル教会の豊かな響きに酔わされる。
COV-31206
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(HYBRID_SACD)
ブラームス:交響曲全集 Vol.2
 〔第2番 ニ長調 Op.73 /第3番 ヘ長調 Op.90 〕
マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso.
 録音:2011年。聖ニコラウス教会〔大聖堂〕、アーヘン、ライヴ。ボッシュと手兵アーヘン響によるブラームス交響曲シリーズ第2弾。ブルックナーの交響曲シリーズで注目されたボッシュだが、ヴィースバーデン歌劇場のカペルマイスター(1996年〜2000年)、ザールブリュッケン歌劇場の監督(2000年〜2002年)を相次いで務めた経歴からも、その実力は証明済み。ブラームスの交響曲シリーズは、重厚な佇まいのなかに名門オケの確かな伝統が息づくいっぽうで、長調の2曲ならではの伸びやかで若々しい風を送り込む、しなやかな感性が新鮮。これまでと同様古都の大伽藍の包み込まれるような豊かな音響はまさにSACDでの再生にも適している。
COV-31209
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(HYBRID_SACD)
メンデルスゾーン交響曲第2番 変ロ長調 Op.52「讃歌」/詩篇42番「鹿が谷の水を慕うように」
 ミハエラ・マリア・マイヤー、カタリナ・ハゴピアン(S) マール・アドラー(T)
 マルクス・ボッシュ指揮アーヘンso.、ヴォカペラcho.
 録音:2012年、ライヴ。ブルックナーとブラームスの交響曲集で注目されているマルクス・ボッシュとアーヘンso.がメンデルスゾーンに挑戦。それも異色の交響曲第2番「讃歌」というのが驚き。グーテンベルクの印刷発明400周年を記念して作曲された交響カンタータで、3人の独唱と合唱を含む大作ながら、メンデルスゾーンならではの美しいメロディに満ち、教会とコンサートホールをつなぐ美学にあふれている。当アルバムはボッシュのアーヘン響音楽監督退任コンサートのライヴで、いつも以上の熱い情熱に満ちた感動的名演となっている。
COV-31212
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(HYBRID_SACD)
ドヴォルジャーク:交響曲集 Vol.1
 〔第7番 ニ短調 Op.70 /第3番 変ホ長調 Op.10 〕
マルクス・ボッシュ指揮
ニュルンベルク州立po.
 録音:2012年2月16日-18日、マイスタージンガーハレ、ニュルンベルク、ライヴ。アーヘン響とブルックナーの交響曲全集録音を完成したばかりのマルクス・ボッシュが、はやくもドヴォルジャークのシリーズをスタート、2011年より音楽総監督を務めるニュルンベルク州立フィルハーモニーを率いて取り組む第1弾。ブルックナーの録音で最新の研究成果の導入に積極的な姿勢がうかがえたボッシュはドヴォルジャークにも同様のスタンスで臨んでいるようで、第7番ではジョナサン・デル・マー校訂による新ベーレンライター原典版のスコアを採用、第2楽章が現行のポーコ・アダージョからアンダンテ・ソステヌートに変更されている。1922年に現在の形になったニュルンベルク州立フィルハーモニーは、その起源を1377年に存在記録がある、ニュルンベルク市の楽団にまで起源を遡るといわれ、バイエルン州でバイエルン州立歌劇場に次ぐ規模を誇る歌劇場専属のオーケストラ。オペラ上演と並行して、年8回のオーケストラ・コンサートのほか、子供向けコンサートなど多くの企画を提供しており、1988年にクリスティアン・ティーレマンがドイツ国内最年少で音楽総監督に就任したことでも知られる。
COV-31215
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(10 HYBRID_SACD)
5枚価格
ブルックナー:交響曲全集(11曲)
 〔第1番 ハ短調WAB.101 (1865/66年リンツ稿)[2011年6月11日-13日M]/
  第2番 ハ短調WAB.102 (1872年第1稿/2005年ウィリアム・キャラガン校訂版)[2010年5月22日、24日]/
  第3番 ニ短調WAB.103 (1873年初稿)[2006年6月3日、5日]/
  第4番 変ホ長調「ロマンティック」WAB.104 (1874年初稿)[2008年5月30日、6月1日]/
  第5番 変ロ長調WAB.105[2005年5月14日、16日]/第6番 イ長調WAB.106[2009年5月30日、6月1日]/
  第7番 ホ長調WAB.107 (#)[2004年5月29日、31日]/第8番 ハ短調WAB.108 (#)(ハース版)[2003年6月7日、9日]/
  第9番 ニ短調WAB.109 (1894年原典版/2000年グンナー・コールス校訂、サマーレ、フィリップス、
   マッツーカ&コールス校訂(1983-2007年)によるフィナーレつき[2007年5月26日、28日]/
  ヘ短調WAB.99 (*) /第0番 ニ短調WAB.100 (*)[2012年5月26日、28日M]〕

 マルクス・ボッシュ指揮アーヘンso.
 録音:[内]、聖ミヒャエル教会M、聖ニコラウス教会(特記無し)、以上 すべて、アーヘン、ライヴ。(*)は分売未発で初出となる録音、(#)は分売がCDのみで、SACD化は初めて。ボッシュ指揮アーヘンso.による看板シリーズ、ブルックナーの交響曲全集がお得なボックス・セットで登場。しかも、既発9曲だけでなく、2012年最新録音の(*)2曲が加わり、さらに(#)は初SACD化。アーヘンso.創立 150 周年記念アルバムの第8番でシリーズがスタートしたのが2003年。以来、回を重ねるごとに全集完成への期待度が高まり、最新の研究成果を踏まえて、第1番、第2番、第3番、第4番では初稿を採用した点や、初リリース時点で、正規盤で唯一となるベンヤミン=グンナー・コールスらが2007年までに校訂した最新復元稿のフィナーレを収めた4楽章版による第9番などでも、ブルックナー・ファンのあいだで話題を集めた。SACDによる初のブルックナー交響曲全集である当セットは、すぐれた録音もまたたいへん評価が高く、メインの収録会場である古都アーヘンの大伽藍、聖ニコラウス教会の包み込まれるような豊かな音響がまさにブルックナー、そしてSACDでの再生にも適していて、重厚なオルガンのひびきに喩えられるブルックナーの交響曲の魅力をあますところなく伝えてくれる。
COV-31305
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(HYBRID_SACD)
ヨハン・メルヒオール・モルター
 トランペット協奏曲第3番 MWV IV.14 /交響曲 ニ長調 MWV VII.24 (*) /
 クラリネット協奏曲第1番 イ長調 MWV VI.41 /トランペット協奏曲第2番 MWV IV.13 /
 クラリネット協奏曲第3番 ト長調 MWV VI.40 /トランペット協奏曲第1番 MWV IV.12
  ヴォルフガング・バウアー(Tp) マルティン・シュパンゲンベルク(Cl)
  ルーベン・ガザリアン指揮ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内o.
 録音:2011年。(*)は世界初録音。ヨハン・メルヒオール・モルターは、ドイツ後期バロックから前古典派にかけて活躍した作曲家。カールスルーエやアイゼナハの宮廷楽団の楽長を務め、前古典派様式の多ジャンルの作品を数多く作曲。特にクラリネット協奏曲は歴史上最も早く作曲された作品として知られている。また3曲のトランペット協奏曲はいずれもカールスルーエの宮廷トランペット奏者であったカール・プファイファーのために作曲された、高音域が活かされた快活な曲調と美しい旋律が印象的な作品。ソリストを務めるヴォルフガング・バウアーは、数々の有名オーケストラでソリストとして招かれ、現在はシュトゥットガルト放送so.きの首席トランペット奏者。また自身のバロック・アンサンブルを創設するなど古楽演奏にも精通し、古楽から現代までの幅広いレパートリーをもつ名奏者。クラリネットのマーティン・シュパンゲンベルクはミュンヘン・フィルの首席奏者として活躍するほかワイマール・フランツリスト音楽大学で教鞭をとっている。またバックは、2002年よるハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管を率いているアルメニア出身の指揮者ルーベン・ガザリアンが務めている。
COV-31314
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アールガウの管弦楽作品集 1945-1970
 ヴァルター・ガイザー(1897-1993):幻想曲 II Op.34 (1945)
 ハインリヒ・ズーターマイスター(1910-1955):幻想行進曲(1950)
 ペーター・ミーク(1906-1990):室内協奏曲(1952)
 ヤーノシュ・タマーシュ(1936-1995):セレナーデ(1958)
 エルンスト・ヴィトマー(1927-1990):クエーサー(1970)
  ダグラス・ボストック指揮アールガウso.
 録音:2013年4月28日、アールガウso.創立50周年記念コンサート、ライヴ。スイスの北部アールガウで活躍した作曲家の管弦楽作品。しかし同時代スイス人作曲家の多くは、第二次世界大戦後前衛音楽によって否定された新古典主義に傾倒していたからか、現在彼等の作品がコンサートホールで演奏される機会はほとんどない。2001年から同響の首席指揮者に就任しているダグラス・ボストックが登壇、スイス人作曲家の本質に迫った演奏を聴かせる。
COV-31315
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(HYBRID_SACD)
ブルックナー:交響曲
 〔ヘ短調 WAB.99 /第0番 ニ短調 WAB.100 〕
マルクス・ボッシュ指揮
アーヘンso.
 録音:2012年5月26日、28日、聖ミヒャエル教会、アーヘン、ライヴ。交響曲全集 BOX (COV-31215) からの単売。マルクス・ボッシュがアーヘンso.を指揮して完成させたブルックナーの交響曲全集は、1969年生まれで既にヴィースバーデン歌劇場のカペルマイスター、ザールブリュッケンの歌劇場監督を歴任するという実力派指揮者と、18世紀初頭に起源を遡る名門楽団の顔合わせに加え、メインの収録会場である古都アーヘンの大伽藍、聖ニコラウス教会および聖ミヒャエル教会の包み込まれるような独特の豊かな音響が、ブルックナーのイメージにふさわしいと絶賛された。この2曲は2012年5月にライヴ収録されている。いよいよシリーズ完結に向けて大詰めを迎えていた時期であり、同時に、ほぼ10年に亘る歳月を重ねて共に結び付きを強めてきたボッシュとアーヘン響の総仕上げでもあったわけだが、そもそも「アーヘンso.創立150周年記念アルバム」として2003年に収録された第8番でスタートしたこのシリーズ。楽団はもちろん、2002年より務めたアーヘン市の音楽総監督を2011/12年のシーズンを最後に勇退したボッシュにとっても特別な意味合いを持つプロジェクトとなった。
COV-31316
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ドヴォルジャーク
 交響詩「水の精」 Op.107, B195 /
 交響曲第6番 ニ長調 Op.60, B112
マルクス・ボッシュ指揮
ニュルンベルク州立po.
 録音:2013年5月16日-18日、マイスタージンガーハレ、ニュルンベルク、ライヴ。ブルックナーの交響曲シリーズで一躍注目を浴びたマルクス・ボッシュ&2011年より音楽総監督を務めるニュルンベルク州立フィルハーモニーのドヴォルジャーク・シリーズ第2弾。ドヴォルジャークの交響曲で最初に出版された第6交響曲は、同じ調性で書かれたブラームスの第2交響曲の影響が両端楽章に色濃いとされるいっぽうで、ボヘミア地方固有の民俗舞曲フリアントの形式による第3楽章などの魅力的な場面にも事欠かないことから、9つある交響曲のうち、近年では最後の3曲に次ぐ人気を獲得する傾向にあるようだ。交響曲の前に置かれた交響詩「水の精」は、民間伝承や民話の研究で知られたチェコの国民詩人、カレル・ヤロミール・エルベン(1811-1870)のバラードに触発されて書き上げられた一篇で、ホラー映画顔負けの題材の尋常ならざる猟奇・残虐・凄惨ぶりでも有名。幻想的な美しさを湛えつつも、筋立てに沿ってスリリングかつ激しく起伏の富んだ内容となっている。これまでにもオーケストラのたしかな統率力、楽譜の読み込みの深さで実績を示してきたボッシュのアプローチは、作品の魅力をていねいに掘り起こそうとするもので、交響曲共々おおいに出来ばえには期待が持てそう。1922年に現在の形になったニュルンベルク州立フィルハーモニーは、その起源を1377年に存在記録がある、ニュルンベルク市の楽団にまで遡るといわれ、バイエルン州でバイエルン州立歌劇場に次ぐ規模を誇る歌劇場専属のオーケストラ。1988年にクリスティアン・ティーレマンがドイツ国内最年少で音楽総監督に就任したことでも知られ、オペラ上演と並行して、年8回のオーケストラ・コンサートのほか、子供向けコンサートなど多くの企画を提供している。
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ささやかな贈り物
 〜イギリス・アメリカの作曲家による合唱曲集

 コープランド:「アメリカの古い歌」
  〜ささやかな贈り物(男性合唱とピアノのための)
 ブリテン:
  聖セシリア讃歌 Op.27
  若者マスグレーブとバーナード夫人のバラード
   (男性合唱とピアノのための)
  民謡編曲集より
   (男性合唱、ピアノと打楽器のための)
   〜美しいマリー伯爵
  サリーの園/リヴァー・クロムウェル
 ティペット:オラトリオ「我らが時代の子」
        〜5つの黒人霊歌
 コープランド:「アメリカの古い歌」より
  [船乗りの踊り/
   ペテン師、私は町から猫を連れてきた]
    (男声合唱とピアノのための)
 バーバー:アニュスデイ Op.11
 ランドール・トンプソン:アレルヤ
 バーバー:ストップ・ウォッチと地形地図
 コープランド:「アメリカの古い歌」より
   "ささやかな贈り物 "(女性合唱とピアノのため)
サイモン・ハルゼー指揮
ベルリン放送cho.
フィリップ・マイヤーズ(P)
ギリシャの風景
 〜ステラ・ドゥフェクシス(Ms)歌曲集

 シューベルト:
  ギリシャの神々(断片) D.677/
  アティス D.585/メムノン D.541/
  恋する女の手紙 D.673/
  双子座に寄せる舟乗りの歌 D.360
 ドビュッシー:ビリティスの3つの歌
 [パンの笛/髪/水の精の墓]
 ショーソン:「7つの歌」〜ヘベ
 ラヴェル:
  5つのギリシャ民謡
  [花嫁の歌〜花嫁の目覚め/向こうの教会へ/
   私とくらべられる伊達男はだれ/
   乳香を摘む女たちの歌/何と楽しい]/
  トリパトス 他
ステラ・ドゥフェクシス(Ms)
アクセル・バウニ(P)
 コミッシュオーパー専属歌手で数々のオペラにも出演しているドイツの女性歌手ステラ・ドゥフェクシスによる、ギリシャにまつわる歌曲を集めたアルバム。シューベルト、ドビュッシー、ラヴェルなどの作曲家による作品やコナディス、クリスティアン・ジョスト、ディミトリス・ミトロプーロスといったギリシャ出身の作曲家による歌曲などを収録している。ステラ・ドゥフェクシスの豊かな声量でギリシャ民謡風に魅力的な作品に仕上げている。
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エルンスト・ペッピング(1901-1981):マタイ受難曲 シュテファン・パークマン指揮
ベルリン放送cho.
 録音:2007年11月20日-23日。
 エルンスト・ペッピングは主にプロテスタント教会音楽の分野で活躍したドイツの作曲家。現在では、フルトヴェングラーが第2交響曲を初演&録音した程度にしか知られていない。ペッピングの音楽は厳格なポリフォニー、テクストによって音楽が規定される手法を用いて、厳密に設計された大規模な形式を作り上げた。このア・カペラによるマタイ受難曲もポリフォニー音楽における彼の類稀なる才能とイメージ豊かなマドレガーレ様式とが結びついた作品。
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ブラームス/フィリップ・モル編曲:ドイツ・レクイエム(ピアノ4手連弾伴奏版)
 マーリス・ペーターゼン(S) コンラッド・ジャーノット(Br)
 フィリップ・メイヤーズ、フィリップ・モル(P)
 サイモン・ハルシー合唱指揮ベルリン放送cho.
 録音:2009年11月11日-13日。ドイツ・レクイエムのピアノ4手連弾版。演奏は伝統の響きに支えられた64人の合唱団ベルリン放送cho.、人気急上昇中のソプラノ、マーリス・ペーターゼン、世界の巨匠に認められ引っ張りだこのバリトン、コンラッド・ジャーノット、そして世界的合唱指揮者サイモン・ハルシー。ドイツ・レクイエムのピアノ4手連弾版は作曲家自身の編曲が存在するが、フィリップ・モルの編曲は合唱の美しさを追求し、劇的な効果を狙うのではなく、すっきりと澄んだ響きを生み出している。声の響きを最大限に生かした優秀録音盤。
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R.シュトラウス無伴奏合唱作品集
 2つの歌 Op.34 /ドイツ・モテット Op.62 /ダフネの木に寄せて Op.82 /
 3つの男声合唱曲 Op.123 /孤独を通り過ぎて Op.124(男声合唱)
  イワナ・ソボトカ(S) クリスタ・メイヤー(A)
  ドミニク・ヴォルティヒ(T) コンラート・ヤルノット(B)
  ミヒャエル・グレーザー指揮ベルリン放送cho.、国立ベルリン大聖堂cho.
 鮮やかなオーケストレーションと濃密で美しい歌曲の数々を作曲したR.シュトラウスの、豊かなハーモニーが繰り広げられる無伴奏合唱曲集。4人のソリストと16声部の混声合唱による大作「ドイツ・モテット」は、リュッケルトの詩「天地創造はなしとげられた」による作品で、混沌とした響きの中から差し込む光のような天国的な音楽で、各声部のソリストと合唱が織りなす美しく絡み合うハーモニーは神秘的で、宗教曲のようだ。「ダフネの木に寄せて」はシュトラウス自身のオペラ「ダフネ」のモチーフを使った9つのパートと混声合唱による作品。
もろびと声あげ〜ドイツのクリスマス曲集
 もろびと声あげ/ Der Morgenstern ist aufgedrungen /いかに迎えん いかに見えん/踊れ、わが心/まぶねのかたえに/
 Kindelein zart, von guter Art /エサイの根より/聖母さまの夢/マリアはいばらの森を通り/
 Es kommt ein Schiff geladen /厳しさのなかで人の子よ/讃美を受けたまえ、汝、イエス・キリストよ/
 山を越えてマリアは行く/ Machet die Tore weit /神を讃えまつれ、汝らキリストの徒よ/ Macht hoch die Tür /
 来たり聞けよ、お告げを/キリスト音たちよいざ喜べ/おお可愛いイエス/歓呼せよ、汝ら地の民よ/
 シオンの娘よ、よろこべ/Herbei, o ihr Gläub'gen /いざ歌え、いざ祝え/きよしこの夜

  サイモン・ハルシー指揮ベルリン放送cho.
 録音:2012年9月19日-21日、2013年4月13日。11月末(クリスマスの4回前の日曜日)から、ドイツではクリスマスシーズンが始まる。キリストの降誕を待ち望むアドヴェント(待降節)期間は、街中クリスマスを待ち望む気分で大いに盛り上がる。ここに収録されているのは、有名な讃美歌「もろびと声あげ」「きよしこの夜」など5世紀に渡るドイツの定番のクリスマス・ソングを収録している。演奏はベルリン放送cho. と世界的合唱指揮者サイモン・ハルシー。すっきりと澄んだ美しい合唱で聴く、聖夜の歌をこころゆくまで堪能できる1枚。
バッハ(シトコヴェツキ編):
 ゴルトベルク変奏曲 BWV.988
エヒナトン三重奏団
 既に人気作として定着しているシトコヴェツキの弦楽三重奏編曲の「ゴルトベルク変奏曲」。
クラーク:ヴィオラとピアノのための作品全集 ダニエラ・コーネン(Va)
ホルガー・ブリューダー(P)
シューマン:
 ピアノ・ソナタ第2番 ト短調 Op.22/
 アベッグ変奏曲 Op.1/クライスレリアーナ Op.16
アレクサンドラ・ノイマン(P)
バウンドレス〜金管五重奏曲集
 ソルド、フィラス、バーンスタイン、ルーシェ、
 リュリ、バッハ、ヴェルディの作品
マンハイム金管五重奏団
ヴィオラ・ルミナ〜無伴奏ヴィオラ作品集
 バッハ:組曲 ニ短調 BWV.1008
  (原曲:無伴奏チェロ組曲第2番)
 ストラヴィンスキー:エレジー
 ヴュータン:カプリッチョ Op.61
 ヒンデミット:無伴奏ヴィオラ・ソナタ Op.31-4
タティアナ・マズレンコ(Va)
 タティアナ・マズレンコはロシア生まれのヴィオリスト。ドイツに移住し、キム・カシュカシアンと今井信子に学んでいる。
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(1CD+
1DTS Surround-CD)
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モーツァルト:ディヴェルティメント K.563
キルヒナー:弦楽三重奏曲(2000)
トリオ・エクナトーン
 [ヴォルフラム・ブランドル(Vn)
 セバスティアン・
  クルンニーズ(Va)
 フランク=ミヒャエル・
  グートマン(Vc)]
 モーツァルトの大傑作の一つ、K.563は1788年にウィーンで作曲された、弦楽三重奏による6楽章構成のディヴェルティメントという驚くべき作品。どうやったら弦楽器三つだけでこうも見事に40分以上もかかる巨大な作品を作れるのかとただただ驚嘆するばかり。アインシュタインを始めとするあまたのモーツァルト研究家が絶賛を惜しまなかったのも当然というべき名作である。
 これに挑むはトリオ・エクナトーン。真正面から攻めた非常に充実した演奏で、派手に鳴らしそうなところも終始丁寧に神経を通わせています。ギンギラしたモーツァルトが嫌いな正統モーツァルティアンから絶賛されそうな見事な演奏。
 フォルカー・ダヴィド・キルヒナーの弦楽三重奏曲は3楽章からなる20分ほどの作品。
 (DISC-2はハイブリッドではありません。dtsサラウンド対応のDVDオ−ディオ再生機能のあるプレーヤーのみ再生可能です。)
セヴラック:
 ナイアデスと慎みない牧神/日向で水浴をする女たち
ドビュッシー:版画
ムソルグスキー:展覧会の絵
アレクサンドラ・ノイマン(P)
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(HYBRID_SACD)
ショスタコーヴィチ:
 ピアノ三重奏曲第1番 Op.8/同第2番 Op.67
 パウル・ユオン(1872-1940):
  ピアノ三重奏曲 Op.17/夢 Op.18 No.3/ユモレスク Op.18 No.7/
  悲歌 Op.18 No.6/幻想的舞曲 Op.24 No.2
パイアン・トリオ
[カール=マグヌス・
  ヘリング(Vn)
 マリン・スメスノイ(Vc)
 アレクサンドラ・ノイマン(P)]
 ショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第1番は作曲者17歳の作で、彼の死後、弟子のティシチェンコにより補筆完成された。パウル・ユオンは、祖国に残って大画家となった弟のコンスタンチン・ユオンと違い早くからドイツに出て活躍したため、音楽はドイツ風な構成と充実した内容の作風で知られている。ピアノ小品を自身がピアノ三重奏用に編曲したものも、メロディックな美しさが魅力。
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ファニー・メンデルスゾーン・ヘンゼル(1805-1847):
 「イタリア旅行のアルバム」

  [南へ/ゴンドラ乗り/ゴンドラ漕ぎの歌/
  はかないものはほうっておけ/メディチ荘/カプリッチョ/
  いとしい谷/ミルス荘/悲しみにくれる魂/暇ごい/タランテラ/
  ピアノのための小品/いとしい人よ、私たちは一緒に座って/
  たそがれに夏の夜は/星は流れ落ちて/山の王子/
  アルプスの酪農婦/わが家の庭園
デルテ・マリア・サンドマン(S)
ウルリケ・バルチュ(A)
フリップ・マイヤース(P) 他
 1839年から1840年にかけて、プロイセンの宮廷画家ウィルヘルム・ヘンゼルとその妻ファニー・ヘンゼルはかねてより夢見ていたイタリアへと旅立った。帰国後も忘れがたいその思い出をいつまでも残したいと考えた夫は絵筆をとり、妻はピアノに向かい、そして生まれたのがこの作品集「イタリア旅行のアルバム」である。通して聴いてみると歌曲あり、ピアノ独奏ありと多彩な編成だが、イタリア風味とロマン派の語法を生かした音楽は驚くべき水準の高さにあって、こんな優れた女性作曲家があまり知られずにいたことに驚かされる。ファニーはフェリクス・メンデルスゾーンの実姉で、弟と同じく長命ではなかったが、その短い生涯に400作品以上を書き上げた。
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トゥルー・ライト〜ザ・ベルリン・コンサート
 ホガード:ペルソネント・オーディ
 ホーウェルズ:無垢の薔薇
 パウルス:
  船のキャロル/ザ・ファースト・ノエル(牧人ひつじを)
 ガブリエーリ:全地よ、主に向かって喜びの歌声をあげよ GWV.136
 プーランク:クリスマスの4つのモテット
 トーマス:立ち、来たれ牧人よ
 ホーガン:ディス・リトル・ライト・オブ・マイン
 同:讃えよ、新たに生まれた王を
 ワーク:ゴー・テル・イット・オン・ザ・マウンテン
 マッギンジー:スウィート・リトル・ジーザス・ボーイ
 ハンプトン:トゥルー・ライト
 トーマス:ヒアーズ・ア・プリティ・リトル・ボーイ
 ピンカム:クリスマス・カンタータ
 グルーバー:きよしこの夜
アヴィス・ベリー(S)
ハンス=クリスチャン・
 ブラウン(T)
ヴォルフラム・テスマー(Br)
アンドレ・トーマス指揮
ベルリン放送cho.
BPOのブラスセクション
タニヤ・レツ(Hp)
フィリップ・マイヤース(P) 他
 ライヴ録音。
 アメリカの合唱指揮者アンドレ・トーマスとベルリン放送合唱団からのすばらしい贈り物。「ザ・ファースト・ノエル」のような耳になじんだ作品、そしてホガード、ホーウェルズらアメリカの近現代作曲家の素朴で胸を打つ作風、さらにはゴスペル調の曲ありと、次々と風景が移り変わるようなプログラムの最後は「きよしこの夜」で静かに閉じられる。2006年のクリスマスシーズンに向けてレパートリーをお探し中の合唱関係の方にとっても見逃せない選曲&演奏。
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ブラス5.1〜金管五重奏曲集
 アウスケトル・マウッソン(1953-):Shadows(ソロ・
  トランペンットと金管五重奏のための; 2003)(*)
 レスピーギ/マティアス・グロマー編:
  古風な舞曲とアリア
 オスカー・ベーメ(1870-1938):
  金管七重奏曲 変ホ長調Op.30(*)
 ダニエル シュナイダー(1961-):
  金管五重奏曲/
  Little Songbook(ソロ・トランペンットと
           金管五重奏のための)(*)
ラインホルト・
 フリードリヒ(Tp;*)
マンハイム金管五重奏団
 録音:2007年1月15日-19日。
 1990年に結成されたドイツのマンハイム金管五重奏団と、ルツェルン祝祭管で輝かしいサウンドを聴かせてくれる世界的名トランペット奏者のラインホルト・フリードリヒによる金管五重奏曲集。フリードリヒは1986年ミュンヘン国際ARDコンクールにて優勝後、国内外の重要な音楽祭で活躍。1983年から1999年までフランクフルト放送響でソリストを務めた。1989年からカールスルーエ国立音楽大学教授就任。またソリストとして数々の有名な楽団と世界中で共演している。なお、国内代理店は『古典音楽から現代トランペットソロ楽曲の作曲まで幅広く作曲を行っています。』という文で案内を締め括っているが、彼が作曲をしたと言う話はきいたことがなく、公式サイト(http://www.reinholdfriedrich.de/)にも特に記載は無いので、完全な翻訳ミスと思われる。
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(HYBRID_SACD)
モーツァルト:
 ハルモニームジーク(管楽合奏)
  のための作品集

 歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」
 (ハルモニームジーク版/タルクマン編)
 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」
 (ハルモニームジーク版/
  トリーベンゼー/ タルクマン編)
 歌劇「フィガロの結婚」
 (ハルモニームジーク版/
  ヴェント/ タルクマン編)
 歌劇「皇帝ティートの慈悲」
 (ハルモニームジーク版/タルクマン編)
 歌劇「魔笛」
 (ハルモニームジーク版/
 ハイデンライヒ/ タルクマン編)
ドイツ・カンマー・
 フィルハーモニー・
  ブレーメン管楽ゾリステン
[ロドリーゴ・
  ブリューメンストック、
 ウルリッヒ・
  ケーニッヒ(Ob)
 キリアン・ヘロルド、
 ティノ・プレナー(Cl)
 イヒニオ・アルーエ、
 レティシア・
  ヴィオラ(Fg)
 エルケ・シュルツ・
  ヘッケルマン、
 アンヌ・パセマン(Hr)
 マティアス・
  ベルティナー(Cb)]
 ドイツ・カンマー・フィルハーモニー・ブレーメン管楽ゾリステンは、全員ドイツ・カンマーpo.のメンバーで、1990年に管楽ゾリステンとして結成された。それぞれがソリストとしても第一線で活躍する腕前の持ち主で、すでにヨーロッパ有数のウィンド・アンサンブルとして高く評価されている。このアルバムではモーツァルトのハルモニームジーク(管楽合奏)のための作品を集めたもの。美しいメロディが散りばめられたモーツァルトのオペラのエッセンスが凝縮された作品。
ヤナーチェク:
 弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」
バルトーク:弦楽四重奏曲第4番
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第2番「内緒の手紙」
ベネヴィッツSQ
[イジー・メネチェック(Vn)
 シュチェパン・
  イェジェック(Vn)
 イジー・ピカンス(Va)
 シュチェパン・
  ドレジャール(Vc)]
 録音:2007年7月23日-26日、バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ。
 ベネヴィッツ・カルテットはチェコの実力派若手弦楽四重奏団。1998年にプラハ音楽院にて結成。2004年チェコ・フィルハーモニーのチェコ室内楽協会賞受賞団体でもあり、2004年ARDミュンヘン国際コンクールでは本選に進出、セオドア・ログラー財団奨学金とベーレンライター原典版賞を獲得。また、日本では2005年に開催された第5回大阪国際室内楽コンクールでグランプリ受賞している。団体名にもなっているベネヴィッツはドヴォルザークと同時代の、重要なヴァイオリニスト。プラハ音楽院の初代校長で、多くの優秀な弟子を輩出したチェコの室内楽伝統を築いた人物。
ドイツ・ロマンティック民謡集〜
 ノットゥルノ(全25曲)
BPOのホルン奏者たち
[シュテファン・ドゥ・
  ルヴァル・イェジエルスキ
 ファーガス・マックウィリアム
 クラウス・ヴァレンドルフ
 サラ・ウィリス]
ヴォカールツァイト
 世界最高峰オーケストラのホルン・セクションから集められたBPOの一流のホルン奏者たちによるアンサンブルとルベルト・ロルツィングの生誕200年の年2001年に結成された男性ヴォーカルグループ、ヴォカールツァイトによるドイツ・ロマンティック民謡集。完璧なテクニック、豊かな音色を駆使した表現力には脱帽。
ゲーザ・フリト(1905-1989):弦楽四重奏曲集
 [第1番 Op.2/第2番 Op.21「フーガ」/
  第3番 Op.30「ファンタジア・トロピカ」/
  第4番 Op.50a]
アマリリスSQ
 録音:2007年10月。世界初録音。
 ゲーザ・フリト(国内代理店の表記はゲサ・フリード)はハンガリー生まれのオランダの作曲家。1912年から24年までリスト音楽院でピアノをバルトークに、作曲をコダーイに学ぶ。彼の音楽はハンガリー民俗音楽の伝統的な様式に影響を受けている。アルバムのタイトルにもなっている第3番「ファンタジア・トロピカ」は熱帯日を表現し、各楽章の副題にも第1楽章la Sera(夕方)、第2楽章la Notte(夜)、第3楽章il Giorno(昼)、第4楽章la Sera(夕方)と付いており第2&第3楽章はインドネシアの民俗音楽を引用している。
 アマリリスQ.はバーゼル音楽院でラサールQ.のワルター・レヴィンとアルバンベルクQ.に師事。忘れられた作曲家の再発見と現代作曲家の演奏に力を入れて活動し、数々の音楽フェスティヴァルに出演しているドイツ/スイスの若手弦楽四重奏団。
ロマンティック・ロシアン・ホルン・カルテット
 ラディスラフ・アロイス(1860-1917):組曲 Op.54
 リムスキー・コルサコフ:ノットゥルノ
 コンスタンティン・フリードリヒ・
  ホミリウス(1813-1902):四重奏 変ロ長調 Op.38
 チェレプニン:6つの小品
 ミツシン:コンチェルティーノ、コンチェルト
ドイツ・ホルン・アンサンブル
 (ピリオド楽器/
  エドワルド・クルスペ)
 「クルスペ」といえば日本でもファンの多いドイツの老舗ホルン工房。ドイツ・ホルン・アンサンブルは19世紀、20世紀初頭のモデルを使用している。パワフルに、そして艶やかに奏でる4本のホルンの音色に魅了される。
ベルリンがみた夢〜黄金の20年代
 タンゴ・ベルリン/ヴェロニカ/ルース/白銀に踊る/
 奥様お手をどうぞ/小さな喫茶店で/ラスプーチン/
 ストロガノフ/サロメ/セレナーデ/他 全22曲
ヴォカールツァイト
フィリップ・メイヤーズ(P)
 録音:2007年10月19日-22日、ベルリン。
 活気があった1920年代のベルリンの華やかでもあり、苦々しくもある時間をいろどった音楽。
 ドイツの首都ベルリン。1920年代のベルリンはヨーロッパ文化の中心にあった。ノスタルジックな雰囲気に満ちた1920年代ベルリンの芸術文化の雰囲気を存分に味わうことに出来るアルバム。4人の男声ヴォーカル・グループ、ヴォカールツァイトがユーモアたっぷりに歌い上げている。ブックレットの歌詞ごとに付けられた写真には彼らのお茶目な一面がうかがえる。
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(HYBRID_SACD)
ダニエル・シュナイダー:
 CUBAC〜バッハ・イン・キューバ
J.シュトラウス:オペレッタ・メドレー
グノー:オペラ「ファウスト」より抜粋
フレデリック・ロー:
 ミュージカル「マイ・フェア・レディ」より組曲
シティ・ブラス・
 シュトゥットガルト
 録音:2008年10月6日-9日。
 ドイツ南部の工業都市、シュトゥットガルトは自動車産業を軸に発展した街。そこから車ではない、新しいヘヴィ・メタルが出現した。シュトゥットガルト音楽大学の教授と生徒たちで2005年に結成されたシティ・ブラス・シュトゥットガルト。数々の賑やかなプログラムで、抜群のチームワークの良さを味わうことのできる爽快な1枚となっている。
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(2CD)
ヴィルヘルム・ペテルセン(1890-1957):
 ヴァイオリンとピアノのための作品全集

 ソナタ第1番 ニ短調Op.6/前奏曲とフーガ Op.11/
 ソナタ第2番 ロ短調Op.22/4つの小品 Op.37/
 ソナタ第3番 ハ短調Op.43/4つの小品 Op.38
インゴ・デ・ハース(Vn)
マティアス・
 グレフシェスターク(P)
 録音:2004年2月、5月。
 このヴァイオリンとピアノのための作品全集は、ドイツの作曲家ヴィルヘルム・ペテルセン(1890-1957)作曲によるものだが、当初国内代理店は何をどう間違ったか、作曲家をスウェーデンのヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル(1867-1942)と完全に勘違いしていた。
ブラームス:初期ピアノ作品集
 ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 Op.1/
 ピアノ・ソナタ第2番 嬰ヘ短調 Op.2/
 スケルツォ 変ホ短調 Op.4
ティルマン・クレイマー(P)
 録音:2008年9月17日-19日。
 ブラームスの若き情熱が注ぎ込まれた初期のピアノ作品集。18歳で作曲した唯一の「スケルツォ」、第2番のソナタは第1番よりも先に作曲されたと思われる19歳の時の作品、そして後のブラームスの音楽で特徴的なダイナミックな音域の使い方がみられる第1番のソナタ。若きブラームスの意欲作を収録している。
 演奏はドイツのレオンベルク出身の期待の若手ピアニスト、ティルマン・クレイマー。彼の演奏は「ここ数年で最も重要なブラームス演奏の一つである」とドイツ国内でも高い評価を得ている。
COV-51004
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(HYBRID_SACD)
スメタナ:弦楽四重奏曲集
 [第1番 ホ短調「わが生涯より」/第2番 ニ短調]
ベネヴィッツSQ
[イジー・メネチェック、
 シュチェパン・イェジェック(Vn)
 イジー・ピカンス(Va)
 シュチェパン・ドレジャル(Vc)]
 録音:2009年7月6日-9日。
 バルトーク、ヤナーチェクの弦楽四重奏曲集(COV-50802)でデビューしたチェコの新鋭カルテット、ベネヴィッツ・カルテット。1998年、プラハ芸術アカデミーで結成。スメタナ四重奏団ヴィオラ奏者ミラン・シュカンパに学び、その後、2002年から2004年までマドリッド音楽院に創設された弦楽四重奏団専門コースで、ハーゲン四重奏団第2ヴァイオリニストであるライナー・シュミットに師事。その後世界的なコンクールで優秀な成績を修め、2005年には第5回大阪国際室内楽コンクールで優勝、パオロ・ボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクール優勝している。2009年には来日公演を行い日本でも注目を集めている若手カルテット。今回も母国チェコを代表する作曲家スメタナの弦楽四重奏曲。若手ならではの瑞々しい解釈と往年の名カルテットのような重厚な響きをもつベネヴィッツQの魅力が沸き出た1枚。
20世紀のクラリネット・ソロ
 ストラヴィンスキー:クラリネット独奏のための3つの小品(1919)
 デニゾフ:無伴奏クラリネット・ソナタ(1972)
 ベリオ:ゼクエンツァ第9番(1980)
 スタンコヴィチ:無伴奏クラリネット協奏曲「地獄のゲーム」(1996)
 シュテファン・マルク・シュナイダー:銘(1999)
 オルキン:ユダヤ組曲 Op.10(2000)
  エフゲニー・オルキン(Cl)
 1977年ウクライナ出身のクラリネット奏者エフゲニー・オルキン。当アルバムは1時間以上完全にクラリネット独奏のみ。切れ味鋭いテクニックはもちろんながら、多彩な音色と音楽性の深さも驚異的で一気に聴かせる。ベリオのゼクエンツァで17分にわたる緊張感の持続、スタンコヴィチの伴奏のない協奏曲での超人芸、さらに自作の「ユダヤ組曲」での異教臭まで舌を巻く巧さ。要注目の名人の出現。
メロドラマ〜朗読と室内楽、クラリネットによる編曲集
 シューマン:ペダル・ピアノのための練習曲 Op.56 (*) /美しいヘトヴィヒOp.106 /
        東洋の絵「6つの即興曲」Op.66 (*)/2つのバラードOp.122
 ブラームス:シューマンの主題による変奏曲 Op.23 (*)
 ・朗読; E.T.A.ホフマン: Wenn die Töne sprechen
     G.E.レッシング: Der Schäfer und die Nachtigall
     E.T.A.ホフマン:カロ風の幻想小品集 より[ Wie ist doch die Musik/ Nicht sowohl im Traume ]
     ジャン・パウル:彗星、もしくはニコラウス・マルクグラーフ〜 Der Mensch ohne Poesie

 ビルギート・キンドラー(朗読) ベールマン・トリオ ウーリヒ・フランク(Cb)
 録音:2009年7月4日-7日。(*)はウーリヒ・ビュージングの編曲版による。
 シューマンは、文学や詩にも造詣が深く、音楽と文学の融合を目指し「ピアノ伴奏付き朗読作品」という新しいジャンルを確立。シューマンの「詩人の音楽庭園(Gichtergarten für Musik)」には、あらゆる時代、地域の音楽上で必要だと考えるテキストが収められている。
 このアルバムはシューマンのメロドラマを室内楽、クラリネットによる編曲で録音。ここに収録されている作品の原曲はピアノ伴奏で書かれており、ベールマン・トリオが室内楽とクラリネットのために編曲している。編曲にあたってベールマン・トリオは、2本のクラリネットを用い音の深さを加え、作品により文学的インスピレーションを与えている。
シューマン
 詩人の恋 Op.48/ベルシャザルOp.57/ぼくの美しい星 Op.101 No.4/あの人の声 Op.96 No.3/
 牛飼いの娘 Op.90 No.4/恋の便り Op.36 No.6/楽師 Op.40 No.4/古いリュートOp.35 No.12/
 君はまるで花のよう Op.25 No.24/私のばら Op.90 No.2/
 魔法の角笛を持つ少年Op.30 No.1/小姓 Op.30 No.2/ヒダルゴOp.30 No.3
  ダニエル・ヨハンセン(T) エレーナ・ラーリナ(P)
 録音:2009年9月7日-11日。1840年にクララとの結婚が認められると、それまでピアノ曲が多かったシューマンはとりつかれたように歌曲に没頭、数多くの歌曲が生まれたこの1年をシューマン自身も「歌の年」と呼んでいる。特にその中でもハイネの詩を題材とした「詩人の恋」は最高傑作と言われている。ダニエル・ヨハンセンの魅力的な声、豊かな声量は歌いだしから惹きつけられる。伴奏のエレーナ・ラーリナは全体を見通した繊細な解釈は見事。
COV-51101
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(2CD)
ブラームス:三重奏曲全集
 ピアノ三重奏曲第1番 ロ長調 Op.8/
 ピアノ三重奏曲第2番 ハ長調 Op.87/
 ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調 Op.101/
 ホルン三重奏曲 変ホ長調 Op.40/
 クラリネット三重奏曲 Op.114
ヴィラ・ムジカのソリストたち
[ニコラス・チュマチェンコ(Vn)
 マルティン・オステルターク(Vc)
 カッレ・ランダル(P)
 ウルフ・ローデンホイザー(Cl)
 フランク・ロイド(Hr)]
 録音:2010年3月-4月、ハンス・ロスバウト・スタジオ、バーデン=バーデン。名作揃いのブラームスの室内楽のなかでも特に三重奏曲は特別な音の魅力が詰まっている。ピアノ三重奏曲は、若々しい情熱迸る瑞々しい第1番、重厚さと円熟期の匠の技光る第2、3番の傑作。ホルンとクラリネットの三重奏曲は個々の楽器の響きがうまく溶け合い、渋味のある格別の雰囲気を出している。
 ヴィラ・ムジカは1986年にドイツ西部のラインラント・プファルツ州が設立した室内楽のための特殊教育財団で、ヨーロッパ中から才能ある若い演奏家が集まり、年間150のコンサートを組織している。このアルバムでは、ヴァイオリンのチュマチェンコをはじめ、BPO、バイエルン放送so.のクラリネット奏者でもあったローデンホイザー、ロイヤル・スコティッシュ管のホルン首席や、ロイヤル・フィルの奏者も務めたイギリスの名手ロイドなど、財団から厚い信頼を得て若手を育成している演奏家が集まり録音している。
ショーソン:ピアノ・トリオ ト短調 Op.3
ドビュッシー:ピアノ・トリオ ト長調
シャルル=マリー・ウィドール:4つのピアノ・トリオ
パイアン・トリオ
[アレクサンドラ・ノイマン(P)
 カール=マグヌス・ヘリング(Vn)
 マリン・スメスノイ(Vc)]
 録音:2009年7月17日-20日、シュトゥットガルト。3人のフランスの作曲家によるピアノ三重奏曲集。フランスのオルガン奏者兼作曲家であるウィドールによる4つの短い作品からなるピアノ・トリオは独自の感情世界を表現している。閃きに満ちた新鮮な解釈でパイアン・トリオの実力を証明したアルバム。
ドヴォルジャーク:ピアノ五重奏曲 イ長調 Op.81 (*)
ブラームス:ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34 (#)
シヴァン・シルヴァー(P;*)
ジル・ガルブルク(P;#)
ノモスSQ
 録音:2011年。イスラエルの美男美女ピアノ・デュオ、シルヴァー&ガルブルクが個別にベテランのノモスSQと組んで、ピアノ五重奏の名作に挑戦。ひとりでも充実度満点、一体感を示している。
ブラームス:チェロ・ソナタ集
 〔第1番 ホ短調 Op.38 /第2番 ヘ長調 Op.99 〕
ラウラ・ブルイアーナ(Vc)
マテイ・ヴァルガ(P)
 録音:2011年。1980年ルーマニア出身の美人女流チェロ奏者ブルイアーナはフランス・ヘルメション門下。音楽の初恋がこれら2曲だったそうで、CDリリースは見事な自己実現。奔放な感性で、晩秋を思わす世界から意外な情熱を引き出している。
ベルリン動物たち
 私のゴリラは動物園に別荘がある/こうもり/ミミズはこんなに領地を持っている/
 漁師/とんぼ/鱈/ハンノキの王/蛆虫/ノミ/イゲルとアゲル/鱒/
 モグラの歌〔3匹の毛虫/童謡/蟲/ミミズ/民謡/蝿/蚊に刺された象/ペキンダック〕/
 私のオウムは堅い実を食べる/雌鶏/カンガルー/人類の進化

  アンサンブル・ヴォーカルツァイト フィリップ・マイヤース(P)
 録音:2011年。鉄道や鳥をテーマにしたアルバムがあるのだから、動物の音楽も一挙にまとめてみようと出来た企画。哺乳類のみならず、鳥類、魚類、昆虫まで盛りだくさん。蚊に刺されたと感じる象、ミミズの語源、蝿の悲愴的な短い飛行および蛆虫の存在の深みまでを音楽で表現。さらにヨハン・シュトラウスの喜歌劇「こうもり」全曲を3分で演じるという信じ難い芸当も披露。いずれも男声4人のヴォーカル・アンサブルにより、巧みなアレンジで、面白い言葉遊びとアクロバット的歌唱で、ユーモアあふれる世界を創りだしている。
Duos For Viola & Violoncello
 アレッサンドロ・ロッラ(1757-1841):デュエット
 ルトスワスキ(1913-1994):牧歌集(ヴァイオリンとヴィオラのための編曲版)
 フォルカー・ダーフィト・キルヒナー(1942-): Drei Microludien
 ジュリアン・ミローン(1958-):パルティータ
 レベッカ・クラーク (1886-1979):2つの小品
 ヒンデミット(1895-1963):ヴィオラとチェロの二重奏曲(スケルツォ)
 ベートーヴェン (1770-1827):2つのオブリガート眼鏡つきデュオ 変ホ長調 WoO 32
  カトリン・メルヒャー(Va) マルティン・オステルターク(Vc)
 録音:2010年。ヴァイオリン&ヴィオラ、ヴァイオリン&チェロに比べると圧倒的に数の少ないヴィオラとチェロのための二重奏曲集。古典から現代まで幅広く選曲、多彩な曲調を堪能出来る。「眼鏡デュオ」の名で親しまれるベートーヴェンのデュオはチェロパートの難易度が高い曲としても有名で、軽快かつ優雅な掛け合いが美しい。一方、ヒンデミットのスケルツォやルトスワスキの牧歌集では、時に不協和音も交えた技巧的な掛け合いを堪能出来る。ヴィオラとチェロが織りなす艶やかな深いハーモニー尽くしの希少なアルバム。カトリン・メルヒャーはバーデン=バーデン&フライブルクSWR放送so.のメンバーとして活躍するヴィオラ奏者。チェロを担当するのは無伴奏チェロ組曲(COV-20708)でも高い評価を受けたマルティン・オステルターク。イラク国立so.、デュッセルドルフ・シンフォニカなどでソロ奏者を経験してきた名手。
メンデルスゾーン:チェロ作品全集
 チェロ・ソナタ〔第1番 変ロ長調 Op.45 /第2番 ニ長調 Op.58〕/
 協奏的変奏曲 ニ長調 Op.17 /無言歌 ニ長調 Op.109
ラウラ・ブルイアーナ(Vc)
フレンク・ヴィジ(P)
 録音:2012年2月20日-23日、サル・コロンヌ、パリ。メンデルスゾーンが作曲したチェロとピアノのための4作品を収めたアルバム。どの作品も演奏される機会は多いものではないが、気品漂う美しい作品ばかり。またチェロはもちろんだが、ピアノパートも素晴らしく随所に聴かせどころがちりばめられている。チェロのラウラ・ブルイアーナとピアノのフレンク・ヴィジは共にルーマニア出身。ブルイアーナは、ブラームスのソナタ(COV-51204)で聴かせた豊かな感性をさらに広げ、濃密な演奏を披露してくれている。またブルイアーナの大胆な音楽性を程良く和らげる丁寧なヴィジのピアノも一役買っている。
ブラームスヴァイオリン・ソナタ集
 〔第1番 ト長調 Op.78「雨の歌」/第2番 イ長調/第3番 ニ短調 Op.108 〕
 イダ・ビーラー(Vn) ジェイムズ・マドックス(P)
 録音:2011年。イダ・ビーラーは、以前ヒンデミットの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ(COV-61114)で、その技巧と多彩な音楽性を披露した。メロス四重奏団の第2ヴァイオリニストとして活躍した後、ハイネ四重奏団で第1ヴァイオリンを務めている。伴奏のジェイムズ・マドックスはオーストラリア出身でシドニーの音楽院で学び、その後ヨーロッパで演奏活動を行っている。1995年からデュッセルドルフのロベルトシューマン音楽大学で教鞭をとり、2008年にボン近郊のエンデニヒで毎年行われる音楽祭「ブラームス・ターゲ」を創設し、現在は芸術監督を務めている。
鏡〜サーリアホ&シベリウス
 カイヤ・サーリアホ:
  フルートとチェロのための「鏡」〔 I / II 〕/ソプラノ、チェロとピアノのための「ミラージュ」/
  ソプラノとピアノのための「レイノ歌曲集」〔あなたを見て/心/平和/夕べに祈る人〕
 シベリウス:
  考えること(二重唱)/チェロとピアノのためのロマンス Op.78 No.2 /2つの歌曲〜死よ近づくな Op.60 No.1 /
  6つの歌 Op.50 より〔野原で少女が歌っている Op.50 No.3 /慄く胸から Op.50 No.4 /静かな町 Op.50 No.5 〕/
  組曲「樹」〜樅の木 Op.75 No.5 /憧憬に/歌曲「黒い薔薇」 Op.36 No.1 /5つの歌 Op.37 より
   〔初めてのの口づけ Op.37 No.1 /夢なりしか? Op.37 No.4 /逢引きから帰った少女 Op.37 No.5 〕

 カテリーナ・ペルジケ(S) ヘンリク・ベーム(B) パウリーナ・トゥキアイネン(P)
 ステファニー・ヴィンカー(Fl) フランク=ミヒャエル・グートマン(Vc)
 録音:2012年10月27日-30日。豊かな感性と、繊細で独特な色彩感を持つ、現代を代表するフィンランドの女性作曲家カイヤ・サーリアホ。シベリウス音楽院を卒業後、フライブルクで学び、その後パリのIRCAM(電子音楽センター)で研鑽を積み、音楽人生のほとんどを西ヨーロッパで過ごしているが、その夢幻的で繊細な響きは、フィンランドの偉大なる作曲家シベリウスの幻想的で透明感ある音楽と共通するフィンランド・サウンドを感じることが出来る。「フィンランド魂」と訳される「sisu」というフィンランド語。フィンランド人の忍耐と強さを表現しているが、この2人の作曲家の音楽的源流にもこの精神は受け継がれ、作品へと反映されている。ここに収録されているのは、歌曲を中心とした美しい作品。サーリアホのレイノ歌曲集は瞑想的でロマンティックな曲で、フィンランドの最も重要な詩人の一人エイノ・レイノの詩をもとに作曲されている。またシベリウスの歌曲は、フィン語のものは意外と少なく、収録されている6つの歌作品50はドイツ語、2つの歌曲作品60と5つの歌作品37はスウェーデン語で歌われる。
COV-60403
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(2CD)
2x2
 ブルーメントハルター:
  グラスナハト/シュタインブレッヒは私の花/空間
 マイヤーリンク:
  ナレーションのエレジー/
  無伴奏フルートのための4つのカンツォーネ/
  あなたは私の心を苦しみで満たした/
  ダルムシュタットの愛の本
アンサンブル・フォルミンクス、
アンサンブル・ラルテ・プール・ラルテ
キャッチ・アップ
 出発/遅れ/回り道/呼吸/追い上げ/他(全11曲)
パウル・フックス(Perc)
ハリオルフ・シュリヒティヒ(Va)
 録音:2003年6月。
 ヴィオラと打楽器(といっても創作楽器が多い)等による前衛的音楽集。パウル・フックスは1936年生まれ、フリードリヒ・グルダとの競演でも知られる人。
COV-60504
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(HYBRID_SACD)
シチェドリン:「封印された天使」 ゾフィー・クルースマン(S)
ユディト・シモニス(A)
ルネ・フォスキューラー(T)
ローレンツ・ヴュストフ、
リヒャルト・シュヴェンニッケ
 (ボーイソプラノ)
ベルリン放送cho.
ゲルゲリー・ボドキー(Fl)
 旧ソ連で体制派と見られていた作曲家シチェドリンが折からのペレストロイカの流れを受けて発表した宗教作品。ロシアにおけるキリスト教化一千年の記念すべき1988年に作曲され初演された。合唱、独唱とフルートという編成から窺がえるように、全9楽章の大半は静謐で敬虔な気分が支配している。指揮者のパルクマンはスカンジナビア圏で活躍中の俊英。
クリスティアン・ヨースト:
 ANGST[アンクスト(不安)]
サイモン・ハルゼー指揮
ベルリン放送cho.
ムジーク・ファブリーク
 録音:2006年1月、ゾフィエンザール、ベルリン。世界初演時ライヴ。
 「落下」「ヘルダーリン」「寒さ」「アモク〜狂った殺人者」「消去」の各章からなる1963年生まれのドイツ人作曲家ヨーストによる室内管弦楽と合唱による作品。ANGST=不安というタイトルどおり、人間の内面に潜む「不安」を抉り出すような異様な迫力を備えた曲調で、無調の無機的な雰囲気と有機的な合唱との微妙なコントラストがスリリングな味わいを生み出している。
 ヨーストは90年代半ばから頭角を現した作曲家で、交響曲、ピアノ協奏曲、オペラなど手がけるジャンルは多岐にわたり、ノリントン、ラトルなどの著名な指揮者から委嘱作品を求められるなど注目の存在。
COV-60703
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(HYBRID_SACD)
Between the lines 〜境界線のはざまで
 エリッキ=スヴェン・トゥール:構図II(1986/2000)
  〜クラリネット、バス・クラリネットと
    ピアノのための
 アンドレアス・ゾルク:ヘーレンタール(2000)
  〜2本のバス・クラリネットとピアノのための
 エリオット・シャープ:
  ハウリン・アット・ザ・ヴォルフガング(2005)
   〜バセット・ホルン、バス・クラリネットと
     ピアノのための
 ゲルハルト・ミュラー=ホルンバッハ:
  色褪せた影〜クラリネット、バセットホルンと
         ピアノのための
 パトリック・ビシャイ:イヴについて
  〜クラリネット、バス・クラリネットと
    ピアノのための
 ゲイリー・クレシャ:結合の神秘
  〜クラリネット、バス・クラリネットと
    ピアノのための
ベールマン・トリオ
 天才クラリネット奏者、ベールマンにちなんで名づけられたベールマン・トリオによる現代クラリネット作品集。エストニア出身の作曲家、エリッキ=スヴェン・トゥールのトリオ。ベールマン・トリオのために作曲されたNYアバンギャルド・シーンの重鎮、エリオット・シャープのモーツァルトの生誕250年を祝ったハウリン・アット・ザ・ヴォルフガング=Bユングの著書結合の神秘≠ノ基づいて書かれたゲイリー・クレシャの5つの楽章からなる作品など、新旧の要素を含んだ興味深いアルバムとなっている。
クリスティアン・ヨースト(1963-):管弦楽作品集
 コクーン交響曲〜内なる旅の5つの駅
  [地位(Zustand)/逃亡(Flucht)/
   自由の国(FreiRaume)/
   R.E.M(急速眼球運動)/
   衝撃(Erschutterung)]/
  アストラーリス/ワン・スモール・ステップ…/
  ジ・エンド・オブ・ザ・ゲーム
ガブリエル・フェルツ指揮
シュトゥットガルトpo.
 録音:2007年5月21日-25日、シュトゥットガルト。
 ドイツ人作曲家クリスティアン・ヨーストによる管弦楽作品集。クリスティアン・ヨーストはラトルなどの大物指揮者からの委嘱作品なども多く、現在注目の作曲家の一人。
 ワイマール・シュターツカペレからの委嘱作品「コクーン交響曲」は、5つの楽章からなり第3楽章[自由の国(FreiRaume)]を軸に左右対称に配置されている。このコクーン交響曲の副題「内なる旅の5つの駅」は室内管弦楽と合唱による作品「ANGST」(COV-60609)のテーマとしても使用し、この想像上の探検は、ある種自身の内面に関する旅であると語っている。
コルネリウス・シュヴェア:作品集
 ヴァイオリン、ピアノと
  管弦楽のための作品(A;nous deux)/
 ソロ・パーカッションのための作品
  (innen et au_en)/
 ソロ・アコーディオンのための作品
  (aus den kamalattanischen liedern)/
 木管三重奏曲(Wie bei Bogen und Leier)
テオドロ・アンゼロッティ
 (アコーディオン)
アンサンブル・ルシェルシュ
ローター・ツァグロゼク指揮
ベルリン放送so.
 録音:1995年-1997年。
 1953年生まれのドイツ人作曲家コルネリウス・シュヴェア。フライブルク音楽大学で作曲、音楽学、ギターを学ぶ。演奏は超絶技巧アコーディオン奏者テオドロ・アンゼロッティと1985年に設立された現代音楽演奏のパイオニア的存在の団体アンサンブル・ルシェルシュ。
レッドゲート&クラーク:ピアノ・ソロ作品集
 ロジャー・レッドゲート(1958-):
  Pas au-delà (1989) / Eidos (1985) /
  écart-arc-trace
   [ cart (2003) / arc (1997) / trace (1995) ] /
  Monk (2007) / Beuys (1992) /
  Genoi Hoios Essi (1981) / Red Skies (1981)
 ジェイムズ・クラーク(1957-):
  Étude (1996) /
  2楽章のソナタ
   [ Island (1999) / Landschaft mit Glockenturm (2003)] /
  無題第3番(2006)/無題第5番(2007)
ニコラス・ホッジズ(P)
 録音:2007年。
 現代音楽の分野で活躍、高い集中力とテクニックが冴えるホッジズによる演奏。厳格な和声と対位法で書かれているレッドゲート、アメーバ状に和声が収縮するクラークと、組み合わせのコントラストも見事。
re-naissance transcriptions
 ヨハネス・オケゲム/ハリソン・バートウィッスル編:
  Ut heremita solus (1490頃/1969)
 ジョン・ダンスタブル/
  ピーター・マクスウェル・デイヴィス編:
   veni sancte spiritus (1972) /
   veni creator spiritus (1972)
 ゲオルク・クレール:Felix namque es (2005)
            (タリスの作品による)
 チャールズ・ウォーリネン:
  グローガウアー歌集にもとづく
   編曲集(6曲)(1480頃/1962)
 ピーター・マクスウェル・デイヴィス:
  器楽による4つのモテット
   [Four Instrumental Motets] (1973-77) (*)
   [ David Peebles / Heagy – Si Quis Diligit Me /
     anonym – All Sons of Adam /
     John Angus – Our father whiche in Heaven Art /
     David Peebles / John Fethy – Psalm 124 ]

 カール=ハインツ・エッスル:
  おお、美しきバラよ(1981-96)
   a composed realization after John Dunstable,
    John Bedingham and
     anonymous composers (ca. 1440)
アンサンブル・ルシェルシュ
 録音:1998年/2007年。作曲年代はレーベル表記のまま。
 現代に生きる作曲家で、歴史に名を残している大作曲家を意識しない人はいないだろう。これは、文章を書く作家というものは、ゲーテやジョイスといった過去の大作家たちを意識しない人はないのと同じ。このCDでも、過去の偉大な作曲家たちに思いを寄せる現代作曲家たちが、ドライな味付けでマショーやダンスタブルの作品を編曲している。こうして聴いてみると、正統的な音楽史研究に則った演奏とはまた違った楽しみや発見があり、興味深いものがある。
 なお、代理店翻訳者は Birtwistle を『バートウィストル』としているが、2つ目の「t」はこの場合黙字となるので誤り。他にも『ペーター・マクスウェル』や『メーター・マクスウェル』や『シャルル・ヴオリネン』などを、当店独自に多く修正している。また、(*)は『4つの楽器によるモテット』と訳されているが、おそらく誤り。
トビアス・PM.シュナイト(1963-):
 ピアノ三重奏曲第1番「…抽象の海へ…」(2003/8)/
 ピアノのための「大聖堂 I-III
  『ベルトルト・フンメル惜別』」(2003)/
 オーボエのための「垂直の地平線 III」(2008)/
 チェロと弦楽四重奏のための「聖風景」(2001/8)/
 合奏のための「大聖堂 I-III 」(2004/8)
アンサンブル・トリオログ
 ドイツの中堅作曲家シュナイトは、クラシック音楽のみならずジャズやロック、ワールドミュージックからもインスパイヤされた不思議感覚の作風が魅力。実験的ながら、ゲームミュージックみたいなカッコよさ。
カローラ・バウクホルト(1959-):
 ヴァイオリン、チェロと打楽器のための「ノイズが響き」(2003)/
 声楽アンサンブルのための「本能」(2007/8)/
 3つのチェロとテープのための「ロール」(2002)/
 声楽アンサンブルのための「ひとりでない」(1999/2000)(*)/
 チェロ・トリオ/声と室内楽のための「ねじ詩」(1989/90)
ヴァルター・ヌシュバウム指揮
スコラ・ハイデルベルク
チェロトリオ・ブリュ
トゥルムヘン・アンサンブル
 ドイツの女性作曲家バウクホルト。ノイズ系と声を用いた作品が多く、(*)はドイツ語会話の様なものが延々と続く。前衛演劇風なのが興味深い。
ニコラウス・フーバー(1939-):
 オーケストラのための「白い銅版画」(2006)[ペーター・ルンデル指揮ケルンWDRso.](*)/
 器楽アンサンブルとテープのための「少し過激に、マッチョなコーダで」(1992)/
 室内オーケストラのための「スフィンクスの調べ」(1987)
  [ユッカ=ペッカ・サラステ指揮アンサンブル・モデルン]/
 スネアドラムのための「同じことは同じではない」(1978)[ライナー・レマー(Dr)](#)
 ドイツの作曲家ニコラウス・フーバー。正統派ゲンダイオンガクの書き手で、(*)など清く正しい前衛オーケストラ曲。また(#)はスネアドラム1本だけで15分の続ける猟奇作。アナタの神経はこの責めに耐えられるか?
COV-61009
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カローラ・バウクホルト(1959-):
 6つの演奏家(グループ)によるノイズ・シンフォニー「耳をすませば [Hellhoerig] 」
  エリック・オーナ(音楽監督) シルヴィア・ノッパー(S)
  トゥルイケ・ファン・デア・ペール(Ms) マティアス・ホルン(Br)
  ヘレネ・ブガッロ(P) ケルン打楽器四重奏団 ブル・チェロ三重奏団
 録音:2009年1月12日-14日。自然界や文明界からの様々な音を楽譜に記し、人の声や楽器の音などで再現した作品。バウクホルトはカーゲルに師事した女性作曲家。舞台で演奏・上演するための作品を創作活動の中心に据えている。この「耳をすませば」も舞台上演を念頭においた作品で、歌手たちはアシカやヤギの鳴き声、エスキモー犬の鳴き声などを模倣する。
パウル・ヒンデミット
 ドフライン教本に基づく41の練習曲(*)/
 2つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタOp.31
イダ・ビーラー(Vn)
ゲオルク・サルキシャン(Vn;*)
 録音:2010年。(*)は世界初の全曲録音。20世紀ドイツを代表する音楽家の一人、ヒンデミット。ヴィオラを中心に演奏活動に従事する傍ら積極的な作曲活動を行った彼だが、彼の関心はプロだけでなく子供やアマチュアたちの音楽教育にもあった。41の練習曲は現在もヴァイオリン教本として使われている。練習曲の域に収まらぬ独創性に富んだ作品の数々を、ビーラーとサルキシャンが初めて全曲録音。一方、彼が作曲した唯一の無伴奏ヴァイオリン・ソナタ2曲は、彼の音楽性の転換期ともいわれる1920年代に作曲された。ともにヒンデミットの持ち味である抒情的な主題を持ち、技巧的にも見所のある作品。難易度の異なる2つの作品集を通してヒンデミットの多彩な音楽性を堪能できる。
ハラルト・ムエンツ(1965-):
 クラリネット、マリンバとピアノのための「ほとんど、早く」(2008) /
 ヴァイオリンとアコーディオンのための「データ圧縮」(2009) /
 フルート、クラリネット、チェロとピアノのための「きれいに…溶解」(2010/1) /美しいピアノ曲(2006) /
 フルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ヴィブラフォンとピアノのための「後ろから前から」(2006/7)

  アンサンブル・モザイク
 ドイツの作曲家ムエンツはシュトゥットガルト、ケルン、デトモルトでラッヘンマンやクシシュトフ・メイエルに師事、主に前衛手法の作風を示す中堅。特殊編成楽団アンサンブル・モザイクが実験的な難曲を見事に再現している。
ビヨンド〜無伴奏ヴァイオリン作品集
 J.S.バッハ(1685-1750):無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004
 ジャチント・シェルシ(1905-1988):L´âme d´ailée / L´âme ouverte (1973) /Xnoybis (1964)

  バルバラ・リューネブルク(Vn)
 録音:2010年6月16日-19日、ドイツ放送室内楽ホール、ケルン。現代音楽を中心に幅広い活動を続けているヴァイオリニスト、バルバラ・リューネブルク。自ら立ち上げた現代アンサンブル・アンテグラルなど積極的に演奏活動を行っている音楽家の一人。彼女は時代の名作と現代の作品の魅力を引き出すことを得意とし、今回はバッハの無伴奏パルティータ第2番と謎の多いイタリアの現代作曲家ジャチント・シェルシの無伴奏作品を取り上げている。ジャチント・シェルシはイタリアの貴族の家に生まれ、幼少期から音楽に親しみ、作曲の勉強をはじめた。ウィーンで「十二音技法」を学び、イタリアで初めて「十二音技法」による作品を作曲した人物と言われている。しかし、この複雑な作曲技法がシェルシを追いこみ精神を病んでしまう。療養中に彼はピアノの同じ鍵盤を何度も叩き、その音に耳を澄ませることで、精神を安定させ回復に至った。この行為がその後の彼の作曲に影響を与え、倍音を利用した独特で神秘的な作品は生まれている。ここに収録されているヴァイオリン無伴奏作品は、彼の特徴が表れた、音楽ではなく微妙な音程のズレが生み出す音のみの不思議な世界を描きだしている。「Xnoybis」というタイトルは頭がライオン、胴体がヘビのエジプトの神を表している。バッハでは作品の本質を捉えた真摯な演奏で聴かせ、高い集中力を必要とするシェルシの前衛音楽を見事に弾き上げる、リューネブルクの才能に感服する1枚。
クリスティアン・ヨスト(1963-):トランペット、トロンボーンと
 アルト・サクソフォンのための協奏曲「レクイエム・トリロジー」

  〔ピエタ(トランペット協奏曲)/ディエスイレ(トロンボーン協奏曲)/
   ルクス・エテルナ(アルトサクソフォン協奏曲)〕

 ラインホルト・フリードリヒ(Tp) マイク・スヴォボダ(Tb) アルノ・ボーンカンプ(A-Sax)
 ジョージ・ペーリヴァニアン指揮ラインラント=プファルツ州立po.
 録音:2008年5月19日-24日。「ハムレット」(2009)、ミクロポリス(2011)、「ハートストラ」(2013)と意欲的なオペラ作品を続々と発表している、ラインラント=プファルツ州トリアー出身の作曲家クリスティアン・ヨストによる、3曲の協奏曲をテキスト、典礼のないレクイエムとして作曲した「レクイエム・トリロジー」。トランペットのラインホルト・フリードリヒは、フランクフルト放送so.のソリストとして活躍した世界的トランペット奏者。現代音楽のトロンボーン者として名高く作曲家としても活動するマイク・スヴォボダ。現代を代表するオランダのサクソフォン奏者アルノ・ボーンカンプと、高い実力を持った管楽器奏者がソリスト陣を担当している。
モス:ジュゼッペのサーカス アンドレア・テレマン(語り)
ゲルト・シャラー指揮
マクデブルクpo.
 ドイツ語の朗読が主。解説はドイツ語のみ。
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(2DVD)
1枚価格
価格帯:D
ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
 アルベルト・ペーゼンドルファー(Br;ザックス) ヨッヘン・クプファー(Br;ベックメッサー)
 ミヒャエラ・マリア・マイヤー(S;エーファ) マイケル・パッチ(T;ヴァルター)
 ティルマン・リヒディ(T;ダーフィト) ライラ・プフィスター(Ms;マクダレーナ)
 グィド・イェンティエンス(B;ポークナー) マルティン・ベルナー(B;コートナー)
 クリストフ・ヴィットマン(T;フォーゲルゲザンク) クルト・ショーバー(B;ナハティガル)
 マルティン・プラッツ(T;ツォルン) フィリップ・カーマイケル(T;アイスリンガー)
 マルティン・ニヴァル(T;モーザー) ムン・ヨンジェ(B;オルテル) ランダル・ヤコプシュ(B;夜番)
 ヴラディスラフ・ソロディヤギン(B;シュヴァルツ) キム・デヨン(B;フォルツ)

 マルクス・ボッシュ指揮ニュルンベルクpo.、ニュルンベルク国立劇場cho.、ウルテ・アイッカー(衣装)
 ダフィト・モウフタール=サモライ(演出) ハインツ・ハウザー(装置) カールハインツ・コルンベルガー(照明)
COV-81210
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(1 Blu-ray)
1枚価格
価格帯:D
 収録:2011年。DVD仕様:リージョン・オール|NTSC|16:9|270m(特典映像込み)|PCM Stereo, DTS 5.0|字幕:独英仏。ブルーレイ盤のアナウンスには、詳細仕様が記載されていない。注目すべき「マイスタージンガー」の映像。物語の舞台であるニュルンベルクでの2011年10月にプレミエを迎えた上演の収録だが、しかし単なる地元上演でもなければ、地方劇場の素朴な上演でもなく、十分国際的に通用する立派な上演。Covielloへの一連のブルックナーの交響曲の録音で高い評価を得ている指揮者マルクス・ボッシュが、オペラ指揮者としての力量を遺憾なく発揮している。1969年、ドイツのハイデンハイム・アン・デア・ブレンツの生まれ。ザールラント国立歌劇場の第一楽長、アーヒェン市の音楽総監督を経て、2011年にニュルンベルク国立劇場の音楽監督に就任。この「マイスタージンガー」は就任後初の大仕事だった。期待に応えた立派な出来で、ブルックナーでも評判となったスッキリと引き締まっていて明るく流麗な歌のある音楽は非常に魅力的。中規模のオーケストラもかなりよい音を出している。
 歌手は基本的に劇場所属。有名な人は誰もいないが、若手、中堅の実力ある歌手が揃っている。ザックスのアルベルト・ペーゼンドルファーは要注目。エアフルト、インスブルック、ハノーファーの各歌劇場を経て、2012年からベルリン・ドイツオペラへの所属が決まっている。ベックメッサーのヨッヘン・クプファーは、2005年以来ニュルンベルク国立劇場に所属してバリトン役を幅広く歌う実力派。ヴァルターのマイケル・パッチは米国フィラデルフィア出身のテノール。1996年にドイツに進出し、2011年にニュルンベルク国立劇場に所属。2010年に初めてローエングリンを歌い、ヘルデンテノールの将来が期待されている。エーファのミヒャエラ・マリア・マイヤーは地元ニュルンベルク生まれ。ヴッパータル、アーヘンを経て2011年にニュルンベルク国立劇場に所属。30代前半と思われるが、まるで少女を思わせるような可憐さがあり、人気急上昇のソプラノ。
 演出のダフィト・モウフタール=サモライは、ドイツ演劇界の重鎮。1942年、バグダッド生まれ。両親はイスラエル人で、イスラエルに戻った後、英国で演劇を学び、そして1975年にドイツに進出、既に人生の半分以上をドイツの演出家として活動している。「マイスタージンガー」を現代ドイツで上演する場合はいろいろと解決すべき問題があるが、モウフタール=サモライは、欧州危機真っ只中の21世紀のドイツが抱える問題点を指摘するとともに、未来への希望を持たせるような、バランスの良い舞台作りをしている。また第2幕で夏至に由来するメルヘン的な場面をこさえたり、アフリカなど異文化の要素も巧みに舞台に取り入れるなど、かなり意欲的。
 有名歌手こそいないが、スルーしたりしたらもったいない充実の「マイスタージンガー」、ぜひお楽しみ頂きたい。DVDはボーナスにメイキングを収録(ブルーレイ盤のアナウンスはこの事自体記載が無い)。

 #DVDは 第3幕の徒弟たちの踊りの直前にレイヤーの切り替わりがあり、プレイヤーによっては映像、音声が一瞬止まることがある、とのこと。
アンドレアス・タルクマン(1956-):ジャックと豆の木(ドイツ語版)
 マルト・アルコナ(ナレーター) フランチェスコ・サルヴィジャーノ指揮デュースブルクpo.
 ハノーファー出身の作曲家・編曲家アンドレアス・タルクマンがお伽噺をもとに作曲。そして同じくハノーファー出身のドイツのテレビ司会者・俳優であるマルト・アルコナがナレーションを務めた。演奏は1877年に設立されたデュースブルク・フィルハーモニー管。ブルックナーの交響曲第9番のドイツ初演を行い、1930年代にヨッ フムが音楽監督を務めた歴史あるオーケストラ。親しみあるストーリーと色彩感溢れる音楽で、鮮やかに聴かせる。
Amuse Bouche 〜ソプラノとオーケストラのためのアリア集
 ロッシーニ:「セビリャの理髪師」〜今の歌声は / モーツァルト:「フィガロの結婚」〜とうとう嬉しい時が来た
 ヴェルディ:「リゴレット」〜グアルティエル・マルデ、愛しいお名前
 グノー:「ファウスト」〜宝石の歌 / モーツァルト:「魔笛」〜愛の喜びは露と消え
 ニコライ:「ウィンザーの陽気な女房たち」〜急いでこちらへ / リムスキー=コルサコフ:「皇帝の花嫁」〜アリア
 ストラヴィンスキー:「放蕩児の遍歴」〜トムからは何の便りもない
 R.シュトラウス:私にあなたの歌が響いたとき Op.68 No.4

 カタリーナ・ゲレス(S) ダン・エッティンガー指揮マンハイム国立歌劇場o.
 録音:2012年3月、2013年6月-7月、ベルゼンザール、マンハイム音楽大学。ソプラノ歌手ゲレス初のソロ・アルバム。アルバム・タイトルは、レストランのメニューのお通し「アミューズ・ブーシュ」。幅広いレパートリーを持つゲレスの名刺代わりのようだ。多言語を自由に操り、優れた歌声で聴かせてくれる。伴奏は日本では東京po.の常任指揮者として活躍しているダン・エッティンガー。彼は2009年からマンハイム国立管の音楽監督を務めている。カタリーナ・ゲレス:ベルリン生まれ。ベルリン放送児童合唱団のメンバーとして音楽活動をスタートさせた。ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学のプレカレッジでピアノを学び、2001年からはカローラ・ノセクに声楽を師事。名ソプラノ歌手ユリア・ヴァラディと名伴奏者ヴォルフラム・リーガーにリート分析を学ぶ。ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、アーウィン・ゲイジ、アン・マレー、ウィリー・デッカーのマスタークラスを受ける。卒業後、マンハイム国立劇場のソリストとなり数々のオペラの舞台に立ち、ヨーロッパ各地でコンサート活動を行っている。2009年ミリアム・ヘリン国際声楽コンクール優勝。
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(2 HYBRID_SACD)
シューマン交響曲全集
 〔第1番 変ロ長調 Op.38「春」/第2番 ハ長調 Op.61 /
  第3番 変ホ長調 Op.97「ライン」/第4番 ニ短調 Op.120 〕
カール=ハインツ・
 シュテフェンス指揮
ラインラント=プファルツ州立po.
 録音:2012年8月28日-31日、9月28日-29日、ルートヴィヒスハーフェン。BPOの首席クラリネット奏者を2007年に辞し、その後精力的に指揮活動を行っているカール=ハインツ・シュテフェンス。この度2009/2010年シーズンから音楽監督に就任したラインラント=プファルツ州立po. とシューマンの交響曲を全曲録音。Coviello レーベルらしい豊かな響きと緻密な録音で、シュテフェンスの端正な音楽作りを正確に捉えている。明瞭でしなやかさを兼ね備え、しかも堂々とした自然でしなやかな語り口で音楽を進めていくあたりは、さすが長年名門オケで活躍した腕の持ち主だと感じる指揮ぶり。シューマンの音楽性である、明と暗とを実に見事に描き分け、作品に込められたエネルギーを存分に表した力演。
ジャック・デュフリ:クラヴサン曲集
 フォルクレ(第3巻)/ドゥ・ヴォカンソン(第4巻)/序曲〜荘重に-速く-遅く(第3巻;*)/
 ドゥ・メ、上品なロンド(第3巻;*)/修道院長マダン〜陽気に(第3巻;*)/アルマンド(第1巻)/
 ブコン〜クーラント(第1巻)/ロンド(第1巻)/ミレッティーナ〜快活に(第1巻)/
 ドゥ・カゾーボン〜快活に(第3巻;*)/デュ・タイイ〜上品にそして朗らかに(第3巻;*)/
 ドゥ・ヴァルマレット〜陽気に(第3巻;*)/ポチュイン〜ロンド、節度をもって(第4巻)/
 シャコンヌ(第3巻)/メデ〜快活にそして激しく(第3巻)

  メデア・ビンデヴァルト(Cemb) ニコレット・モーネン(Vn;*)
 18世紀を生きた作曲家ジャック・デュフリ。フランス最後のクラヴサン音楽の作曲家でフランス・ロココ文化の象徴ともいえる作品は、クラヴサン音楽の大家ラモーに大きな影響を受けている。全4巻からなるクラヴサン曲集もまさに18世フランスの典雅な雰囲気をそのまま閉じ込めたような作品。また第3巻にはヴァイオリン助奏付きの曲も含まれており、ヴァイオリンが加わることにより、チェンバロがより一層歌心に溢れ、優雅に聴かせてくれる。演奏は1973年ハノーファー出身の鍵盤奏者メデア・ビンデヴァルト。彼女はモダーン・ピアノを学ばず、最初からチェンバロを選択した珍しい演奏者で、フライブルク音楽大学でロバート・ヒル、ケルンでシェティル・ハウグサンに学んだ後、グスタフ・レオンハルトのマスタークラスに参加、バーゼルのスコラ・カントルムでイェスパー・クリステンセンに師事した。
ハルモニームジーク〜モーツァルト/A.タルクマン編曲:木管楽器のための室内音楽集
 交響曲第1番 変ホ長調 KV16 /セレナーデ第11番 変ホ長調 K375 /
 アレグロ ヘ長調 K.Anh.90 (58b)/トルコ行進曲(ロンド「アッラ・トゥルカ」)K311

  アンサンブル・プリズマ
 モーツァルトは、3曲(K361, K375, K388)の優れたハルモニームジーク(管楽合奏)のためのセレナードを作曲している。ハルモニームジークは当時ウィーンで流行していた八重奏の管楽合奏で、オリジナル作品やオペラなどの編曲が盛んに演奏されていた。モーツァルトのこれらの作品もそういった時代に書かれたもので、現在も管楽合奏の重要なレパートリーの一つとなっている。このアルバムでは、ドイツのオケや音楽大学から優秀な音楽家が集まって結成された八重奏団アンサンブル・プラズマが、一味違った切り口でモーツァルトのハルモニームジークを取り上げている。セレナーデ第11番とアンドレアス・タルクマンが八重奏のために編曲した他の3曲を組み合わせて収録。モーツァルトが最初に作曲した交響曲第1番、クラリネット五重奏曲の断片アレグロ ヘ長調K Anh.90 (58b)、そしてピアノ・ソナタ第11番の第3楽章「トルコ行進曲(アッラ・トゥルカ)」は、どれも八重奏に適した作品で、それぞれの楽器の絶妙なバランスを備えた緻密な音楽が繰り広げられている。
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(2 HYBRID_SACD)
ルイ・シュポア(1784-1859):オラトリオ「バビロン陥落」WoO.63
 エカテリーナ・クドリャフツェワ(S;ユダヤ人の女)
 アンネ・シュルト(Ms;ニコトゥリス/もうひとりのユダヤの女)
 マティアス・シュティーア(T;ダニエル/ユダヤの男) ディルク・シュミット(B;キュロス)
 ロッセン・クラステフ(B;ベルシャザル/もうひとりのユダヤの男)
 マティアス・ガイ(T;占い師/第1の兵士) ヤーコプ・エーベルライン(B;第2の兵士)

 マティアス・シュタンツェ指揮ブラウンシュヴァイク州立o. & コンツェルトcho.
 録音:2013年12月3日-6日、ブラウンシュヴァイク、聖マグニ教会、ライヴ。世界初録音。生前、ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニスト、指揮者として活躍したシュポアは、ヴァイオリン協奏曲のほか、弦楽四重奏、五重奏、さらに管楽器を含む室内楽など、初期ロマン派の器楽ジャンルに重要な業績を残している。同時にまた、当時、台頭しつつあった中産階級のあいだで、オラトリオへの関心が寄せられていたという背景もあって、シュポアは、和声と楽器法の独創性で、同時代人のオラトリオとは一線を画す、真にロマン派的なひびきを持つ最初のオラトリオを書いた人物として重要なポジションを占めてもいる。「バビロン陥落」は、聖書的なテーマのオラトリオをいくつか作曲してきたシュポアが1839年から40年にかけて手掛けた最後のオラトリオ。ドイツ語歌唱、2部構成による全曲は、バビロンにおけるユダヤ人の捕囚とペルシャ人による占領後のバビロン滅亡の物語を描いている。ドラマティックかつ叙情的な合唱とアリアの数々が、大規模な場面に沿ってサスペンスの弧をもたらす趣向で、飽きさせることがない。このアルバムは、ブラウンシュヴァイク・ルイス・シュポア協会総裁で指揮者のシュタンツェ以下、シュポアの生地ブラウンシュヴァイクの楽団と合唱によっておこなわれた、共感あふれる迫真のライヴ演奏を収めたもの。
オーストリアの室内楽
 ゲラルト・レッシュ(1975-):イタロ・カルヴィーノのよる5つの試み(2006)
 アントン・ヴェーベルン(1883-1945):ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 Op.7 (1910) /
                   チェロとピアノのための3つの小品 Op.11 (1914)
 フリードリヒ・チェルハ(1926-):ピアノ三重奏曲(2005)

  トリオ 3:0[エヴァ・シュタインシャーデン(Vn)
    デトレフ・ミェルケ(Vc) アレクサンダー・ファフタル(P)]
 3人のオーストリア人による作品、それぞれが約半世紀違いで生まれ、約100年の違いがあるが、どのトラックを聴いても同じような音楽なのに驚かされ、新ウィーン楽派の伝統が脈々と流れているのを実感できる。トリオ3:0は、2006年にザルツブルクで行われたモーツァルト生誕250年祭で、新作のピアノ三重奏曲を演奏するために組み合わされた3名が、数年後に再会して活動を開始。2012年にこの名称となった。
パリ1937〜「パリ木管三重奏団」を讃えて
 ジャン・リヴィエ:小組曲 / シャルル・トレネ:君の手をとって / モーリス・フランク:木管三重奏曲
 ヘス/トレネ:去りゆく君 / フェルー:木管三重奏曲 ホ調 / ナシオ・ハーブ・ブラウン:アローン
 エミール・グーエ:3つの小品 / レイナルド・アーン:牧歌
 スタン・ゴレスタン/田園小組曲 / ディノ・オリヴィエリ:待ちましょう

 トリオ・レザール[ステファヌ・エゲリング(Ob/Eh/バスOb)
  ヤン・クロイツ(Cl/バセットHr/バスCl) シュテファン・ホーフマン(Fg/コントラFg)]
 録音:2013年5月9日-12日、エゲルザール、フライブルク。オーボエ、クラリネット、ファゴットによる木管三重奏は意外に新しい形態で、名バソン奏者だったフェルナン・ウーブラドゥが、オーボエのミルティル・モレル、クラリネットのピエール・ルフェーヴルと1927年に「パリ木管三重奏団」を結成したのが初。最小限の編成ながら色彩豊かな新ジャンルのために、同時代の作曲家たちへ新作を委嘱した。そこで生まれた諸作を集めた好アルバム。フランス系作曲家のオシャレで効果的な作品から、当時ヒットしていたポップスの編曲まで多彩。注目はレイナルド・アーンのオリジナル作品「牧歌」。アーンならではのメロディアスでセンスあふれる小品だが、楽譜がどこを探しても見つからず、パリ木管三重奏団による1937年の録音から採譜したとされる。この1曲だけでも欲しくなるアルバム。トリオ・レザールは1990年、ザールラント音楽院で創立された木管三重奏団。
Liquid moods〜 4手ピアノのための作品集
 ゴッツチョーク:ガリーナ(キューバ舞曲) Op.53 / バーバー:思い出 Op.28
 サティ:梨の形をした3つの小品 / セバスティアン・バルトマン(1979-):リキッド・ムーズ
 〜[コスモポリタン・ブレイクダウン/マイタイ・モーメンツ/ブルー・モヒート]

 デュオ・インバルス[バルバラ&セバスティアン・バルトマン(P)]
 録音:2013年9月25日-27日、シュトゥットガルト。結成11年を迎えたデュオ。2台ピアノとピアノ4手の両方のレパートリーを持ち、ヨーロッパ各地の音楽祭などで演奏し、高い評価を得ている。マイアミで開かれているドラノフ国際2台ピアノコンクール(2013)でベスト・パフォーマンス賞を受賞、世界各地のコンクールでも優秀な成績を収めている。このアルバムは、セバスティアン・バルトマンの「リキッド・ムーズ」という自作の作品を含む、ピアノ4手のための作品が収録されている。心浮き立つリズムと美しい旋律のアメリカの作曲家ゴットシャルクの「ガリーナ」。連弾の人気曲バーバーの「思い出」。幼少期母親とのニューヨークの旅がモチーフとされ6曲からなる作品。サティの「梨の形をした3つの小品」は、サティらしいエスプリとシニカルなユーモアが混在した曲。セバスティアン・バルトマンの「リキッド・ムーズ」は、カクテルの名前を模した3曲からなるドラマティックな雰囲気の作品。
カリン・ハウスマン(1962-):アンサンブルのための作品集
 ピアノとアンサンブルのための2章(2008) /ア・フォコ・レント(2009) /
 オルガンのための「柔軟に」(2010) /
 チェロ、アコーディオンとアンサンブルのための4章(2010/11) /
 フルート(またはバスフルート)、トランペット、チェロとピアノのための四重奏曲(2000)
  クリストフ・マリア・ヴァーグナー指揮 E-MEX アンサンブル
  ザビーネ・ローゼンボーム(Org)
 録音:2013年3月4日-8日、ドイツ放送カンマームジークザール、ケルン)、2月23日、福音教会(エッセン=リリングハウゼン)。
 ドイツの女性作曲家カリン・ハウスマンは植物と会話ができるという不思議系で、Wergo レーベルにも作品集があった。いわゆる正統派現代音楽だが、円谷プロのウルトラ・シリーズ世代には自然に入れる音響世界で、怪獣や宇宙人が目に浮かぶ。
COV-91411
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(2CD)
カール・フリードリヒ・アーベルペンブルック・コレクション第2巻
 (ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ集/14曲)
  トーマス・フリッチュ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
  ミシェル・ショーンハイト(Cemb) ヴェルナー・マッツケ(ヴィオロンチェロ)
 録音:2014年1月15日-16日、5月4日-5日、12日-13日。ヴィオラ・ダ・ガンバの名手であったアーベルの死後、瞬く間にヴィオラ・ダ・ガンバは忘れ去られ、そのためもあって彼は音楽史上最後のガンバの名手とも言われる。このアルバムは最近発見されたアーベルによる知られざるヴィオラ・ダ・ガンバ曲集、アーベルが教師を務めていたペンブルック伯の令嬢エリザベス・ハーバートのために書かれた。特殊なフィンガリングや表情豊かな音楽から後期の作品とみられている。演奏は、J.C.バッハ&アーベルのヴィオラ・ダ・ガンバ作品集(COV-21205)でも伸びやかな演奏を聴かせてくれたトーマス・フリッチュ。
COV-91412
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(HYBRID_SACD)
ドヴォルジャーク:交響曲全集 Vol.3
 〔第4番 ニ短調 Op.13 /第8番 ト長調 Op.88 〕
マルクス・ボッシュ指揮
ニュルンベルク州立po.
 マルクス・ボッシュが、2011年から音楽監督を務めているニュルンベルク州立フィルハーモニーと共に取り組んでいるドヴォルジャークのシリーズ第3弾。ボッシュは、作品に対する洞察力、そしてそれを構築するちからに優れており、これまでのブルックナーやドヴォルジャークの演奏同様に今回収録された2作品も見事な構成力に脱帽。さらにドヴォルジャークの美しい旋律を伸びやかに優美に歌わせることができるのも印象的。バイエルン州立歌劇場に次ぐ規模を誇る歌劇場専属のオーケストラであるニュルンベルク州立フィルハーモニー。1988年から1992年までクリスティアン・ティーレマンが音楽総監督を務めていたことでも知られている。
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(HYBRID_SACD)
シルクロード
 團伊玖磨:管弦楽組曲「シルクロード」(1954)
 ボロディン:中央アジアの草原にて
 ブゾーニ:「トゥーランドット」組曲 Op.41 BV248
ダグラス・ボストック指揮
アルゴヴィア〔アールガウ〕po.
 録音:2014年5月11日-13日、ベーレンマッテ、ズール、スイス。東京佼成ウインドオーケストラの首席指揮者を務め、東京藝術大学で教鞭もとり、日本と縁の深いダグラス・ボストックは、かつてデンマークの Classico レーベルから珍しいオーケストラ曲を数多く初録音していたが、今回 Coviello レーベルへ初登場。シルクロードがらみの作品3篇をとりあげている。團伊玖磨の「シルクロード」は「綺想的前奏曲」「牧歌」「舞踏」「行進」の4曲から成り、シルクロード上の国々の音階などが用いられ、エッセイの名手でもあった團伊玖磨ならではの音楽紀行となっている。ボストックは20年以上前からこの作品の録音を切望していたと言い、執念が実った。ブゾーニの「トゥーランドット」はプッチーニの同名の傑作と同じカルロ・ゴッツィの戯曲によるオペラ。管弦楽組曲は8曲から成り、思いのほかに軽妙で明るい音楽が魅力。興味深いのが第5曲「トゥーランドットの部屋」で、イギリス民謡「グリーンスリーヴス」が引用されている。旋法的なメロディゆえか、緑色の中国服の袖への思いこみか、理論家ブゾーニらしからぬ間違いにびっくり。イギリス人ボストックがこの上なく美しく奏でてくれる。
アレン・ショーン(1948-):ピアノ作品集
 5つの前奏曲(1994) /4つのジャズ前奏曲(1980) /回想(全3曲)(1998) /
 ピアノ・ソナタ第4番(2009) /ヴァレンタイン(1984)/3つの夢想(1992)
  ユリア・バルタ(P)
 録音:2013年10月18日-21日、ベートーヴェンザール、ハノーファー。アレン・ショーンはアメリカの作曲家。パリでブーランジェに作曲を師事するかたわら、ハーバード大で学位を修得。文才にも恵まれ、シェーンベルクの評伝や、自身のパニック障害や、自閉症の双子の妹についての本が出版されている。本人はいたってモテ男で、日本人ピアニストと生活しつつ、当アルバムのピアニスト、ユリア・バルタからも熱愛されている。作品の多くも女性に捧げられ、フェロモンあふれる世界を展開。「ピアノ・ソナタ第4番」はユリア・バルタに捧げられている。
In Search of Dowland
 ジョン・ダウランド:ラクリメ、または7つの涙
 カール・リュッティ:ダウランド組曲(#)
 ビー・ファイヴ・リコーダー・コンソート
  [マルクス・バルトロメ、カトリーヌ・ラノー、トーマス・リスト、シリヤ=マーリア・シュット、ミーナ・ヴート]
 録音:2013年8月28日-31日、バッス・ボドゥーの教会、ベルギー。(#)は世界初録音。ダウランドの「ラクリメ、または7つの涙」は、メロディーメーカーであるダウランドらしい憂いを帯びた美しい7つの「ラクリメ」からなる小曲集。ダウランドのヒット曲「流れよ、我が涙(涙のパヴァーヌ)」など物憂げな雰囲気を漂わせたメロディーが印象的。またこのアリバムでは、スイスの作曲家カール・リュッティの作品を合間に挟み込んだ構成で、エリザベス王朝で活躍したダウランドの人生を綴る内容となっている。演奏するのは、2003年にバルセロナで結成されたアンサンブル、ビー・ファイヴ・リコーダー・コンソート。ルネサンス期の音楽から現代作品まで幅広いレパートリーで活躍を続けている注目のアンサンブル。
COV-91416
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(HYBRID_SACD)
Arranging Bach
 J.S.バッハ:前奏曲(無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調〜第1楽章アダージョの
          オルガン編曲版/編曲:エマニュエル・ル・ディブレック)とフーガ ニ短調 BWV 539 /
         6つのシュープラー・コラール BWV 645-650
 ヴィドール:バッハの思い出より(原曲:カンタータ「目覚めよと呼びわたる物見の声」BWV140、
  パストラーレ BWV 590 〜第3楽章、マタイ受難曲 BWV 244〜終曲「私たちは涙してひざまつき」)
 シークフリート・カルク=エーレルト(1877-1933):
  アリア(原曲:管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV1068 〜第2楽章「アリア」)/
  即興的コラールとフーガ(原曲:主に向かって新しき歌をうたえ BWV 225)
 アルノ・ランドマン(1887-1966):シャコンヌ
  (原曲:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調〜第5楽章「シャコンヌ」)

 ゲルハルト・グナン(Org)
 録音:2013年9月23日-24日、フライブルク大聖堂、ライヴ。バッハのオルガン作品をヴィドール、カルク=エーレルト、ランドマンといった作曲家がオルガン用編曲したものを収録したディスク。前奏曲とフーガ ニ短調 BWV539のフーガの原曲は、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調 BWV1001の第2楽章だが、この前奏曲は手鍵盤のみの作品で偽作とも言われている。そのため当盤では同無伴奏ヴァイオリン作品の第1楽章アダージョを前奏曲として演奏。無伴奏のあの世界をオルガンで演奏することでより豊かな響きを楽しむことが出来る。今後この編曲版は注目されていくことだろう。フランスのオルガン音楽の大家、ヴィドール作曲の「バッハの思い出」は文字通りバッハの作品をもとにオルガン用に編曲された作品集。オルガン交響曲などを作曲しているヴィドールの音楽に反映されたバッハ像を描いている。「目覚めよと呼びわたる物見の声」BWV645の原曲との比較も楽しめる。またマタイ受難曲の終曲も実に荘厳な響き。このディスクの最後に収められたのはアルノ・ランドマンがオルガン用に編曲したシャコンヌ。演奏時間約18分と大聖堂の残響を考えた当演奏は、フライブルク大聖堂のオルガンの響きを存分に味わえる名演。様々なストップを駆使し表情豊かに編曲している。演奏のゲルハルト・グナンはトン・コープマンに師事し、宗教音楽及び古楽を学んだ。バッハ国際コンクール(1988)また、スイス・オルガン国際コンクール(1992)に入賞後、ヨーロッパをはじめ各国で演奏会を成功させた。録音も多く、独ヘンスラー社から発売されているバッハ大全集のコラール集でオルガンを担当。また独アウディーテ社からは「北ドイツのオルガン作品集」(AU-20012)、「ガブラー・オルガン演奏によるバッハ、ヴィヴァルディ」(AU-20007)などをリリースしている。現在、ヨハネス・グーテンベルク大学にて教会音楽、オルガン科の教授として後進の育成にも力を注いでいる。
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ワーグナー/アンドレアス・N.タルクマン編曲:楽劇「ニーベルングの指輪」(管弦楽版)
 楽劇「ラインの黄金」より
  [Vorspiel: Der Rhein Start / Das Leuchten des Rheingolds Start / Die Götterburg Walhall Start /
   Die Reisen Start / Die schmidenden Zwerge Start / Gott Donner vertreibt Dunst und Nebel Start /
   FInale: Einzug der Götter in Walhall Start]

 楽劇「ワルキューレ」より
  [Vorspiel: Unwetter und erste Bewegung der Geschwister Start / Siegmunds Lied und gemeinsame Flucht Start /
   Vorspiel - Wotans Wut (2. Akt) Start / Walkürenritt Start /
   Wotans Abschied von Brünnhilde Start / Finale: Feuerzauber Start]

 楽劇「ジークフリート」より
  [Vorspiel: In Mimes Höhle Start / Mimes Zittern vor dem Drachen Start /
   Siegfried schmiedet das Schert Nothung Start / Waldweben und Gesang des Waldvogels Start /
   Siegfrieds Hornruf Start / Der Kampf mit dem Drachen Start / Finale: Liebesszene von Brünnhilde und Siegfried]

 楽劇「神々の黄昏」より
  [Vorspiel Start / Morgengrauen, Sonnenaufgang - Abschied von Brünnhilde Start / Siegfrieds Rheinfahrt Start /
   Trauermarsch Start / Finale: Brünnhildes Opfer und Feuertod Start]

 ダニエル・クライナー指揮北西ドイツpo.
 録音:2013年12月16日-20日、2014年3月24日-25日、シュッツェンホフ市立公園、ヘルフォルト。ワーグナーが構築から完成まで20年以上の歳月をかけて作曲した楽劇「ニーベルングの指環」は四部作全てを上演すると約15時間にもなるため、演奏会形式や様々な編曲抜粋版でも親しまれてきた。そしてこの度、ドイツの編曲家タルクマンの手による管弦楽版が登場。もちろんタルクマンはハイライト版として編曲しているが、ドラマの流れを削ぐことのないよう、完全に明確化された4つを有機的につなげ「指環」の真髄を描くことに成功している。タルクマンは以前ワーグナーの室内オーケストラ作品集(COV-30901)でも新たな切り口によってワーグナーの世界を描き出していたが、今回もワーグナーの精神性と官能性は失わずに、壮大なる世界を作り上げている。北西ドイツpo. は、ドイツの中西部ノルトライン・ヴェストファーレン州を本拠とし、上岡敏之も首席指揮者を務めたことのある伝統あるオーケストラ。ダニエル・クライナーは、バーンスタインやアバドのアシスタントを務め、卓越したリズム感と構築力を持つスイス出身の指揮者。
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時の終わり
 ジョージ・バターワース(1885-1916):
  2つのイギリス牧歌(1911) /シュロップシャーの若者(1912) /青柳の堤(1913)
 ルディ・シュテファン(1887-1915):
  7つの弦楽器のための音楽(1911) /管弦楽のための音楽(1912)
 カジム・アブドラ指揮アーヘンso.、アンサンブル・エクス
 録音:2014年2月1日-3日、ユーログレス/2014年6月19日-20日、オーケスタープローベンラウム、共にアーヘン。ともに第1次世界大戦に応召され、非業の死をとげたイギリスのバターワースとドイツのシュテファン。開花させることなく終わったその豊かな才能の一部を示してくれるアルバム。バターワースの残した管弦楽曲をすべて披露。ディーリアスのような情感に加え、若々しいナイーヴにあふれる絶美の世界は、ヒーリング音楽を先取りしたようだ。知る人ぞ知る逸品。一方シュテファン作品は後期ロマン派というより表現主義に近く興味津々。「管弦楽のための音楽」はシューリヒトやチェリビダッケも録音を残しているが、ハイティンクやレヴァインの薫陶を受け、オペラ界で注目されるアメリカ出身の若手指揮者で、きびきびした音運びが魅力の有望株アブドラは、誰よりも早いテンポで若い作曲家ならではの活き活きした世界を再現している。
ベルク:7つの初期の歌曲〔夜/葦の歌/夜鳴きうぐいす/夢に見た栄光/室内にて/愛の賛歌/夏の日〕
ドビュッシー:抒情的散文〔夢/砂浜/花/夕暮れ〕 / ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集

 カテリーナ・ペルジケ(S) パウリーナ・トゥキアイネン(P)
 録音:2014年3月19日-22日、エゲルザール、フライブルク。リリック・ソプラノのペルジケと、フィンランド出身のピアニスト、トゥキアイネンによるベルク、ドビュッシー、ワーグナーの歌曲集。ベルクがシェーンベルクの下で学んでいた頃に作曲された「7つの初期の歌曲」。リルケ、レーナウ、ハウプトマンら19世紀を代表する詩人の作品に曲を付けた、濃厚なロマンティシズム漂う美しい曲。そしてドビュッシーの自作の詩による「抒情的散文」。ペルジケの透明感と艶のある歌声が詩の情景を鮮明に描き出す。詩に込められた内容を十分に反映し、繊細かつ雄弁な歌唱で聴かせる「ヴェーゼンドンク歌曲集」。3つの作品が描き出す、この世の美しさ儚さを見事に歌い上げている。
ファンタジア・バロック〜バッハ、ベルターリ、パスクィーニの即興による
 アレクサンドラ&アレクサンダー・グリヒトリーク:
  ベルターリのシャコンヌによる即興/2台のチェンバロのための協奏曲〜即興
 パスクィーニ:2つの通奏低音のためのソナタ ニ短調/ソナタ〔ホ短調/ハ長調/ハ短調〕
 アレクサンダー・グリヒトリーク:パルティータ=即興
 C.P.E.バッハ/グリヒトリーク:幻想曲 嬰ヘ短調
  (チェンバロによる自由なインヴェンション 嬰ヘ短調)
 アレクサンドラ&アレクサンダー・グリヒトリーク(Cemb)
 録音:2012年6月、ポーランド。18世紀までは、イディオマティックな即興が主流であり、数字による通奏低音を即興的に伴奏し、またはソリストは即座に音楽を作り出すこともできた。このアルバムはアレクサンドラ&アレクサンダー・グリヒトリークが、通奏低音や和声構造に基づいて、彼ら自身の方法でバッハ、ベルターリ、パスクィーニらの作品を演奏している。グリヒトリークは、バッハのカンタータを復元して演奏したり、バロック時代の作品を独自にアレンジする方法で積極的に活動している。
フォルカー・ダヴィッド・キルヒナー(1942-):室内声楽曲集
 オブシディアンの歌(デーナ・オブシディアンの5つの詩による)(2013)/
 世界は涙でできている(エルゼ・ラスカー=シューラーのテキストによる)(2011-2013) /
 われら生のただ中にありて(エーリヒ・ミヒェルスベルクのテキストによる)(2006-2007)
  ユリア・オステルターク(Ms) サーシャ・エル・ムイジ、ティルマン・クレイマー(P)
  クリスティアン・オステルターク(Vn) カトリン・メルヒャー(Va)
  マルティン・オステルターク(Vc) キリアン・ヘロルド(Cl)
  ジョン・ストバート、マティアス・ヴュルシュ(Hr) エーリヒ・ミヒェルスベルク(語り)
 録音:2014年6月28日-7月2日、アンサンブルハウス、フライブルク。ドイツの現代作曲家フォルカー・ダヴィッド・キルヒナー。マインツの音楽一家で育ち、ヴィオラ奏者としても活動していた。作曲家としてはオペラ12作品、交響曲2作品、20以上の管弦楽曲、10の協奏曲、室内楽作品はおよそ100、20 の宗教曲、室内楽、管弦楽伴奏による声楽作品など幅広い分野に取り組んでいる。このアルバムでは3人の作家によるテキストを用いた室内声楽曲集。その中で、エルゼ・ラスカー=シューラーは、ユダヤ系のドイツの女性詩人。日本でいうと、樋口一葉や与謝野晶子と同時代。裕福なユダヤ人家庭で生まれ育ったが、ナチス政権の台頭とともにエルサレムへ亡命、時代に翻弄されつつも、懸命に生きた詩人。「世界は涙でできている」と「われら生のただ中にありて」は、キルヒナーが、このアルバムで歌っているユリア・オステルタークのために捧げた作品。
アプローチング・デュティユー
 アーリーン・シエラ:小さな鶴(2008) / ホセ・マヌエル・セラノ:悲しいマドリガル(2014)
 アルネ・ギーショフ:増殖(2014)  クリス・ロウ:ワイアード(2014)
 ドリュー・シュヌール:リンダズ・ウェイク(2014) / ジェンナ・ライル:ゴマすり男(2014)

  ザ・ライオット・アンサンブル
 録音:2014年5月19日-20日、ザ・フォージェ、ロンドン。2013年5月22日に亡くなった現代フランスを代表する作曲家アンリ・デュティユーの一周忌を節目に行われたコンサート・プロジェクトの一貫として録音されたアルバム。5人の新しい作曲家に作品を委嘱し、デュティユーに捧げる作品が演奏された。アーリーン・シエラの「小さな鶴」は、2008年にデュティユーがウェールズのカーディフ大学を訪問した際に共に作曲された作品。演奏は現代音楽を演奏するアンサンブル、ザ・ライオット・アンサンブル。「暴動」という名前通り、革新的で活力ある演奏をする団体。ロンドンで野外ライヴや YouTube などの映像を通して、刺激的な音楽を展開している。
北のバロック
 スウェーリンク:トッカータ/エコー・ファンタジア/それはマルスの神
 シュッツ:優しく、親しく、慈しみ深い主イエス・キリストよ/神よ、われを助けたまえ
 シャイデマン:主よ讃えよ、そは親愛なりせば/プレアンブルムト調/主よ、われを憐れみたまえ
 ブクステフーデ:トッカータ ニ短調/主イエスよ、われ汝に呼ばわる/プレアンブルム ニ調/
         フーガ ハ長調/来ませ、聖霊、主なる神よ/悲歌

  ファビアン・ムーラエール(Org) ジュジ・トート(S;*)
 録音:2014年5月20日-25日、聖ヤコビ教会、ハンブルク/2014年12月2日、聖カタリーナ教会、ホーフストラーテン、ベルギー(*)。曲ごとの日付・録音会場はアナウンスに記載無し。世界のオルガン好きも巡礼に訪れるハンブルクの聖ヤコビ教会のオルガンで録音されたアルバム。このオルガンを製作したのは17世紀北ヨーロッパを中心に活躍した製作者アルプ・シュニットガー。60のストップとおよそ4000のパイプをもつ北ヨーロッパ最大級のオルガン。第二次世界大戦の空爆により教会は被害を受けたが、オルガンはパイプを取り外し、難を逃れました。1990年から1993年にかけてユルゲン・アーレントの手によって復元された。17世紀ドイツ北部のハンザ同盟市でオルガン音楽は大きな発展を遂げる。ここに収められている作品は、オランダ人作曲家スウェーリンク、ブクステフーデら北ドイツ・オルガン楽派の作曲家を収録している。オルガンを演奏するのは1985年ベルギー、リエージュ生まれのファビアン・ムーラエール。9歳からオルガン演奏を始め、リエージュ王立音楽院ではオルガンのほかにトロンボーンも学んでいる。またハンガリー出身のソプラノ歌手のジュジ・トートも録音に参加。彼女が歌う部分はオランダとの国境に近いベルギーのホーフストラーテンにある聖カタリーナ教会のクワイア・オルガンで録音された。
プリマドンナ〜オーボエ用編曲によるオペラ・アリア集(アンドレアス・N.タルクマン編曲)
 ヴェルディ:歌劇「シチリア島の夕べの祈り」〜ありがとう、愛する友よ/
       歌劇「椿姫」〜さようなら、過ぎ去った日よ/歌劇「アイーダ」〜おお、わが故郷
 プッチーニ:短い愛の物語/歌劇「ボエーム」〜太陽と愛(朝の歌)
 ロッシーニ:歌劇「アルミーダ」〜甘き愛の帝国では/歌劇「チェネレントラ」〜悲しみと涙のうちに生まれ
 グルック:歌劇「パリーデとエレーナ」〜ああ、私のやさしい熱情が
 モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」〜幸せな日々はどこへ / ウェーバー:「魔弾の射手」コンチェルティーノ
 ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集〜夢 / タルクマン:インテルメッツォ〜アレグロ

 クララ・デント(Ob) ペーター・ブルンス指揮ライプツィヒ・メンデルスゾーン室内o.
 録音:2014年6月15日-17日、 MDR スタジオ、ライプツィヒ。ベルリン放送so.の首席オーボエ奏者クララ・デントによるオペラ・アリア編曲集。オーボエのためのレパートリーは比較的豊富だが、彼女は特別なレパートリーを模索、ドイツで活躍中の作曲家・編曲家のアンドレアス・N.タルクマンに、オーボエ用オペラ・アリア編曲を依頼した。オーボエの音色は女性の歌声に近いとも言われており、タルクマンの編曲ははじめからオーボエのために作曲されたのでは? と思わせる自然な流れで、新たな歌姫を誕生させている。クララ・デントは、1973年生まれ、父親はオーボエ奏者のサイモン・デント。ザルツブルク・モーツァルテウム、ミュンヘン音楽大学で学び、1991年にはギリシャのテッサロニキの劇場でソリスト・デビューを飾る。その後はミュンヘンso.、バイエルン放送so. などと共演し、国際的なコンクールでも受賞歴が数多くある実力者。1999年からベルリン放送so. の首席を務めるほか、BPO 、バイエルン国立歌劇場管といった一流のオケの客演もこなし、メータ、ケント・ナガノら著名な指揮者とも共演している。現在はニュルンベルクの音楽大学で教鞭をとり、後進の指導にもあたっている。
オフィーリアの歌
 リーム:赤〔真紅/すべては音もなく虚ろに/少年の朝の挨拶/少年の夜の挨拶/クロイツァーへ/あなたは暗闇を好む〕
 シューマン:愛の歌 Op.51 No.5 /6つの歌 Op.107〔心痛/窓の硝子/園芸師/糸を紡ぐ女/森にて/夕べの歌〕
 R.シュトラウス:乙女の花 Op.22〔矢車菊/ポピー/木蔦/睡蓮〕/
          オフィーリアの3つの歌 Op.67
  〔どうやって見分けるの、本当の恋人を/おはよう、今日は聖バレンタインの日/あの人は布もかけられず棺に入れられた〕

 リーム:オフィーリアの歌
  〔どうやって見分けるの、本当の恋人を/おはよう、今日は聖バレンタインの日/あの人は布もかけられず棺に入れられた〕

 アニカ・ゲルハルツ(S) パウリーナ・トゥキアイネン(P)
 録音:2014年7月21日-24日、ファツィオーリ・コンサート・ホール。ウィーン国立歌劇場でも活躍する若手実力派ソプラノ、アニカ・ゲルハルツが、シューマン、R.シュトラウス、リームの歌曲を情熱的に歌い上げている。シェイクスピアの『ハムレット』からとられたオフィーリアを題材とした歌曲、R.シュトラウスの「オフィーリアの歌」とヴォルフガング・リームが2012年に書いた新作「オフィーリアの歌」を対比させて歌ったアルバム。狂気に陥ったオフィーリアは作り手には大変魅力的で多くの作曲家が題材としている。ゲルハルツは狂乱のオフィーリアを卓越した表現力で聴かせる。さらにドイツ・ロマン派の女性詩人カロリーネ・フォン・ギュンダーローデの詩によるリームの連作歌曲「赤」。ギュンダーローデは愛人であった文献学者のフリードリヒ・クロイツァーとの関係が破局したのち自殺している。そうした激しい愛の情念が込められた詩にゲルハルツは真っ向から挑んでいる。そしてゲーテの晩年の大作「西東詩集」から採られたシューマンの「愛の歌」。美しくも情熱にあふれたシューマンの音楽を情感たっぷりに歌う。
愛の戦い
 グレゴワール・ブレサン:鶴のファンタジー / ギヨーム・モルラーユ:道化師たち/ポワトゥーのブランル
 アドリアン・ル・ロワ:わが罪と憂い/我につきまとう憂い/パヴァーヌ「恋の悩み」/ガイヤルド「恋の悩み」/
            ピモントワーズ/私に与えられた約束/戦いのパヴァーヌ/戦いのガイヤルド
 ジャック・アルカデルト:マルゴはブドウ畑へ / アルベール・ド・リップ:ファンタジー II
 ニコラ・ド・ラ・グロット:恋の過ち / ピエール・クレトン:私の恋は望んでいたことの逆になった
 ピエール・アテニャン:ブラート / シモン・ゴルリエ:戦い(原曲:クレマン・ジャヌカン「戦い」)
 ジョスカン・デ・プレ:私を慰めて下さい / フィリッポ・アッツァイオロ:この道をゆくもの
 ピエール・サンドラン:束縛されて生きるなら/恋神は私が眠っていると思って
 ニコラ・ゴンベール:プルス・ウルトラ / ユベール・ネイシュ:カンティ・ティ・ヴォイ・レ・ラディ
 ピエール・ファレーズ:ファンタジア

  アリーチェ・ボルチアーニ(S) ドミニク・ヴェラール(T)
  ヴィンセント・フルッキガー(リュート) ムラット・コジュクン(Perc)
  マリア・フェレ(G/リュート)指揮
 録音:2014年10月1日-4日。ルネサンス時代にフランスで栄えたルネサンスギター。ウクレレの前身とも伝えられるルネサンスギターの魅力がいっぱい詰まったCD。声楽の伴奏楽器として、またソロ楽器として、リュートが全盛期だったルネサンス時代、フランスでは同じ撥弦楽器のルネサンスギターが大変流行し、多くの作品が出版された。その人気ぶりはリュートをしのぐほどだったとも言われる。このCDでは、声楽曲と舞曲などの器楽曲とが両方収められていて、様々なルネサンスギターの魅力が味わえる。中世フランスの活気あふれる世俗音楽と、ルネサンスギターの魅力に浸ることができる一枚。
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幻想
 ウェーバー/ベルリオーズ編曲:舞踏への勧誘
 ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14
ダグラス・ボストック指揮
アルゴヴィア〔アールガウ〕po.
 録音:2013年6月2日-4日、ベーレンマッテ・ズール、スイス、ライヴ。東京佼成ウインドオーケストラの首席指揮者や、東京藝術大学で教鞭をとるなど、日本と縁の深いダグラス・ボストック。珍しいオーケストラ曲の世界初録音で知られる彼が、今回は名作中の名作、ベルリオーズの幻想交響曲に挑戦した。あえて母国イギリス文学に基づく「ロメオとジュリエット」や「イタリアのハロルド」を選んでいないところに、ボストックの自信が伺える。カップリングはウェーバーのピアノ曲「舞踏への勧誘」のベルリオーズによる華麗な管弦楽版。この2篇を並べると、音楽がよく似ていて、ベルリオーズがいかにウェーバーの影響を受けていたかを実感させる。ボストックが指揮すると、ベルリオーズが意外にもホルストの音楽のように聴こえるのが興味津々。
ニコラウス・A.フーバー(1939-):室内楽曲作品集
 バスフルートまたはピッコロ、ピアノと打楽器のための「白熱のレッジェーロ」(2007) (*) /
 アンサンブルのための「例:揺れる枝」(2011) (#) /
 フルート、ピアノとチェロのための「おお、この光!」(2002) (+) /
 コントラバスとピアノのための「ヘルダーリンなしで」(1992) (**) /
 ソプラノとアンサンブルのための「魚は水に飽きないのか?」(2003) (##)

 アンサンブル・リフレクションK
  [ベアトリクス・ヴァーグナー(Fl;*/#/+) ヨアヒム・シュトリーペンス(Cl;#)
   マティアス・ヤン(Tb;#) ヨハネス・フィッシャー(Perc;*/#) ジョナサン・シャピロ(Perc;##)
   マルティン・フォン・デァ・ハイト(P;**以外) レンカ・ズプコヴァー(Vn;#)
   クリスティーネ・フェルトマン(Va;#) ブルカルト・ツェラー(Vc;#/+/#)
   ハイコ・マシュマン(Cb;#/**/##) ゲラルト・エッケルト指揮(#/##)]
 ゲスト:カーチャ・フィッシャー(S;##) アンドレ・ヴィットマン(Perc;##)
     フェリックス・クロール(アコーディオン;##)
     ニノン・グローガー(P;**/チェレスタ;##) キャスリン・マシュマン(Vc;##)
 録音:2014年12月17日(*)、2014年11月23日(#)、2014年12月19日(+)、2015年2月26日(**)、2015年2月22日、24日(##)。ドイツの作曲家、ニコラウス・A.フーバーの室内楽曲集。作曲という行為を社会の様々な出来事への反応として、また音楽の内なる核への熟考として位置づける彼は、政治的なメッセージを孕ませた作品から音そのものへの探求である作品まで、様々な方向の作品を生み出している。このCDはそんな彼の思考の軌跡が音となって紡ぎだされた作品集。「魚は水に飽きないのか?」はイラク戦争時の報道統制に触発されて作曲された。この作品では、報道記者の「実際見えるもの」と「知覚し得るもの」のズレを、左右のうちどちらかの空間を知覚できなくなる脳機能障害「無視症候群」の症状と重ね、そのズレを楽器編成と楽器配置になぞらえたという。実際に具体的な言葉を語ることができない「音」に象徴的な意味を持たせるフーバーの作品においては、音のジェスチャー1つ1つが彼の言葉であり、メッセージ。具体的な事柄に根差した作品と対照的に、音の構成や音そのものが持つ性格に焦点を絞った作品の1つがコントラバスとピアノのための「ヘルダーリンなしで」。ドイツの詩人ヘルダーリンへの作曲者自身の熱中から敢えて距離を置いたい、という彼の意志が反映されたというこの曲では、コントラバスとピアノという性格が大きく異なる楽器がそれぞれの独立性を保ちながら同じ「歌」を希求する。2つの楽器がお互いの鏡となりながら緊密な対話をするこの曲では、それぞれの楽器の音1つ1つの存在感、佇まいが印象的。「現代音楽は、音楽のみならず人間を語るときに意味を成す」というフーバーの言葉通り、このCDにおさめられた音楽は、フーバーという1人の人間を通して抽出された世界であり、その鋭敏な耳が聴き取った音は同じ時代を生きる私たちにも響くのではないだろうか。
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(HYBRID_SACD)
ラプソディ・イン・ブルー〜ブルー・チェンバー・クァルテット
 バーンスタイン/ハーモン編曲:「キャンディード」序曲
 アルベニス/シンドル編曲:スペイン組曲 より〔アラゴン/グラナダ/アストゥリアス〕
 マーク・グレントワース/ビラプリニョ編曲:ブルース・フォー・ギルバート
 アレン・ショーン/シンドル編曲:3つのダンス・ポートレート
 ガーシュウィン/シンドル編曲:ラプソディ・イン・ブルー
  ブルー・チェンバー・クァルテット
   [ユリア・バルタ(P) アンゲリカ・ジマン(Hp)
    ホルガー・ミハルスキ(Cb) トーマス・シンドル(Vib)]
 録音:2015年2月13日-17日、シュトックフィッシュ・スタジオ、ノルトハイム。ピアノ、ダブルベース、ヴィブラフォンという組み合わせはジャズを思わせるが、グラウンドハープが入ることで、世にも妙なる異次元的音響を産みだす。ヴィブラフォン界の人気作、グレントワースの「ブルース・フォー・ギルバート」が入っているのも嬉しい。ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」も、冒頭のクラリネットのグリッサンドをヴィブラフォンが受け持ち、最高のカッコ良さ。
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(HYBRID_SACD)
ドヴォルジャーク
 交響詩「野ばと」 Op.110 /
 交響曲第5番 ヘ長調 Op.76
マルクス・ボッシュ指揮
ニュルンベルク州立po.
 録音:2015年2月20日、マイスタージンガーハレ、ニュルンベルク、ライヴ。マルクス・ボッシュが2011年から音楽監督を務めているニュルンベルク州立フィルハーモニーとのドヴォルジャーク・シリーズ。楽譜を丁寧に読み込み、集中して作り上げるボッシュの手腕は見事。ボヘミアの朴訥とした自然賛歌を高らかに歌い上げている。一緒に収録されているのが交響詩「野ばと」。夫を亡くした女の偽りの涙から音楽は始まり、ボッシュの物語への感情移入が音楽をますます雄弁にし、ゾクゾクするような演奏を聴かせてくれる。バイエルン州立歌劇場に次ぐ規模を誇る歌劇場専属のオーケストラであるニュルンベルク州立フィルハーモニー。1988年にクリスティアン・ティーレマンがドイツ国内最年少で音楽総監督に就任したことでも知られる。
ヴィヴァルディ&ピアソラ:八季
 ヴィヴァルディ:四季
 ピアソラ/ホセ・ブラガート編曲:
  ブエノスアイレスの四季(1969)
   (弦楽合奏とピアノ版)
ラヴァール・スコウ=ラーゼン指揮
ザルツブルク室内ソロイスツ
 録音:2002年2月、ライヴ。指揮者・ヴィオラ奏者のラヴァール・スコウ=ラーゼン〔ラヴァルジ・スコー=ラールセン〕 [Lavard Skou-Larsen] (1962-) はデンマーク系の父を持つがブラジル出身。1970年代後半からウィーンへ留学してヴェーグらに学び、以降ドイツ語圏を中心に活躍している。ミドル・ネームとラスト・ネームの間は、中黒だったりハイフンだったりと統一されていない。
 17世紀ヴェネツィアに生まれたヴィヴァルディと、20世紀にアルゼンチンに生まれたピアソラ。北半球と南半球、バロック時代と20世紀。時代も海も大きく隔てた二人に共通するのは、ラテン系であること、ロマン派の強い影響力に接しない時代を生きたこと、どちらも「四季」を書いていること。それぞれの「四季」を、ザルツブルク・チェンバー・ソロイスツの鮮やかな演奏でお楽しみ頂きたい。
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(HYBRID_SACD)
BRITISH
 エルガー:演奏会用序曲「フロワサール」(1890)
 ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番 ニ長調(1943)
 ホルスト:日本組曲 Op.33 (1915)
ダグラス・ボストック指揮
アルゴヴィア〔アールガウ〕po.
 録音:アナウンスに時期未記載、ライヴ。東京佼成ウインドオーケストラの首席指揮者を務め、東京藝術大学で教鞭もとり、日本と縁の深いダグラス・ボストック。今回はホルストの珍品「日本組曲」という嬉しい演目で登場。この曲はホルストが「惑星」作曲中の1915年、日本人舞踏家の伊藤道郎の委嘱で急遽完成させた物。全6曲から成り、素材は伊藤がホルストに伝授したそうだが、「木星」のあのメロディと同時期にホルストが「坊やはよい子だねんねしな…」みたいな音楽を書いていたのも一興。ボストックはボールト直伝の解釈で聴かせる。エルガーとヴォーン・ウィリアムズはイギリスの民族色と壮麗さが魅力。「フロワサール」はエルガー最初の管弦楽曲とされ、若々しいエネルギーに満ち溢れている。ボストックの日本への愛情とイギリス人としての感性が絶妙にあいまって、理想的な世界を創りあげている。
ドイツ、イギリス、アメリカのクリスマスキャロル集
 さやかに星はきらめき/コヴェントリー・キャロル/御使い歌いて/クリスマス/荒野の果てに/
 クリスマスツリー/茨の森のマリア/もろびと声あげ/エサイの根より/ザ・クリスマスソング/
 レット・イット・スノー/ホワイトクリスマス/あなたに楽しいクリスマスを/きよしこの夜/他

  アンサンブル・ヴォーカルツァイト ホルガー・マークス、マルクス・シュック(T)
  マイケル・ティム、オリバー・ゴーリック(B) ユディット・シモニス(A) フィリップ・メイヤーズ(P)
 録音:2015年6月1日-4日。ドイツ語圏、イギリス、アメリカのクリスマスキャロル全21曲がおさめられたこのCDでは、「クリスマス」という1つの文化的、宗教的な根を共有したそれぞれの国が独自に作り上げたクリスマスを音楽でたっぷり堪能出来る。イギリスのキャロルでは中世の宗教劇から伝わる敬虔なメロディや、有名なイギリス民謡「グリーンスリーヴス」に聖書の情景をうたった歌詞をつけたものなどを聴くことが出来るし、ドイツのものではオペラ「ヘンゼルとグレーテル」で有名なフンパーディンクをはじめとする作曲家たちが歌曲として作曲したクリスマスキャロルに加え、日本でも「荒野の果てに」として有名なクリスマスソングがドイツ語で歌われる。そしてアメリカのものはおなじみのクリスマス定番曲「レット・イット・スノー」や「ホワイトクリスマス」などなど。そしてイギリス、アメリカのキャロルの秀逸な編曲も手掛けたフィリップ・メイヤーズのきらめくようなピアノで奏でられるキャロル集。
編曲&オリジナルのファゴット協奏曲集
 シューベルト(1797-1828)/アンドレアス・N.タルクマン編曲:
  アルペジオーネ・ソナタD.821による弦楽合奏とファゴットのための協奏曲 ト短調
 ウェーバー(1786-1826):ファゴットとオーケストラのためのアンダンテとハンガリー風ロンド Op.35 (J.158)
 ヒンデミット(1895-1963)/アンドレアス・N.タルクマン編曲:
  ファゴットと室内オーケストラのためのソナタ/
  イギリス童謡「求婚に出かけた蛙」によるファゴットと室内オーケストラのための変奏曲
 シュールホフ(1894-1942)/アンドレアス・N.タルクマン編曲:ファゴットとオーケストラのためのホット・ソナタ

 ハンノ・ドネヴェーグ(Fg) グレゴール・ブール指揮シュトゥットガルト放送so.
 録音:2014年7月、2015年3月。このCD収録曲の中で、元から作曲者によるスコアがあったものはウェーバーの「アンダンテとハンガリー風ロンド」のみ。それ以外は全てこのCDのために作曲家アンドレアス・N.タルクマンによって、別の楽器のための原曲からファゴット協奏曲に書き直され、ファゴットとピアノのための作品から協奏曲へとオーケストレーションされた。シューベルトの「アルペジオーネ・ソナタ」に続いて、元々はヴィオラのために書かれたものを作曲者本人がファゴット用に書き直したウェーバーの「アンダンテとハンガリー風ロンド」がファゴットの軽妙さを繰り広げる。ヒンデミットの「ソナタ」の原曲はピアノとファゴット、「求婚に出かけた蛙」の原曲はチェロとピアノによる物。ピアノパートから多彩な音色を聴き取り室内オーケストラで描いた編曲者タルクマンの腕が光る。シュルホフの「ホット・ソナタ」はピアノとアルト・サキソフォーンのために書かれた曲で、当時のワイマール共和国に入ってきたばかりのジャズの影響をふんだんに受けた作品。3楽章で多用される音のスライドは、ファゴットにとっては特殊な奏法だが、ファゴットの新しい可能性、魅力を聴くことが出来る。ファゴットならではの諧謔さから、歌いこむ美しさ、さらには今まで聴いたこともないようなファゴットまで、この楽器の多種多様な表情が詰まった一枚。
COV-91518
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ゲオルク・クリストフ・ヴァーゲンザイル(1715-1777):
 チェロ協奏曲 ハ長調 WV 341 /シンフォニア ハ長調/チェロ協奏曲 イ長調 WV 348
  クリストフ・コワン(Vc) オルケストル・ル・フェニックス
 録音:2014年11月21日-23日。ゲオルク・クリストフ・ヴァーゲンザイルは、バロック時代と古典派に挟まれた音楽様式過渡期の作曲家。バッハの息子たちと時代を共にし、ウィーン古典派の音楽の基盤を築き上げた。5歳のモーツァルトが宮廷での御前演奏の際、当時高名な宮廷音楽家であったヴァーゲンザイルを「音楽がわかる人」と名指しで呼び出し、譜めくりを頼んだというエピソードも伝えられている。バロック音楽の影響も引き継ぎつつ、対位法優勢の音楽からメロディが支配する音楽へ、フーガからソナタへと、新しい音楽を模索し、その後に続くハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンらの道を切り開いたヴァーゲンザイルは、チェロ協奏曲のパイオニアでもあった。楽器の使用法も従来よりも広がりを見せたこの時代、チェロはヴァーゲンザイルら当時の作曲家によって協奏曲のソロ楽器として発展し、その位置は後のハイドンのチェロ協奏曲へと引き継がれた。ヨーロッパ中に広く名前を馳せ、オペラ、交響曲、協奏曲、ピアノ曲から室内楽まで多岐に渡る作品を書いたにも関わらず、残念ながらヴァーゲンザイルの作品は現在ほとんど知られていない。このCDでは、音楽史の中で見落とされてしまいがちな彼の音楽にスポットが当てられている。古楽への造詣も深いチェリスト、クリストフ・コワンと、全メンバーがモダーン奏法とバロック奏法の両方を学んだ経歴を持つオルケストル・ル・フェニックスによる演奏。
世界初録音〜テレマン
 ヴィオラ・ダ・ガンバのための
  12の幻想曲 TWV 40: 26-37
トーマス・フリッチェ
(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 録音:2015年10月12日-14日、11月16日-18日、チャイプリッツ修道院教会、ドイツ。世界初録音。「幻想曲」と付いたテレマンの無伴奏作品は、ヴァイオリン(12曲)、フルート(12曲)、チェンバロ(36曲)の各楽器のための物があるが、今作はそのどれでもない、近年再発見された「ヴィオラ・ダ・ガンバ」のための幻想曲。書かれたことは判っていたが、消失したと思われていた作品で、楽譜校訂はフリッチェ自身。もちろん世界初録音となる。歴史的にもたいへん重要な、注目のリリース。演奏者のフリッチェは、忘れられた作品を再発見し世に問うガンバ奏者。これまでにJ.C.バッハやアーベルの珍しい作品をリリースしている(COV-91411、COV-21205)が、演奏に学究臭さはない。実に深い呼吸で、心の底から歌うように演奏している。短調による悲痛な半音階、効果的な陰影を描く重音技法、軽やかなレガートで紡ぐ舞曲など、あらゆる楽器の使い方に長けたテレマンならではの巧みな音楽に魅せられる。作品の内容と規模からして、J.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲」と共に鑑賞し味わってみたくなる曲集。
カール5世のための音楽
 ウプサラの歌曲集:言葉は肉となりて/ああ、月が輝いて / 不詳:武装した人/トゥルディオン/主よ、あなたをあがめ
 ミヒャエル・プレトリウス:スペインのパヴァーヌ / フランシスコ・デ・ラ・トーレ:ダンツァ・アルタ
 ルイス・デ・ナルバエス:「千々の悲しみ」によるデフェレンシアス / ティルマン・スザート:パヴァーヌ「戦い」
 トワノ・アルボー:私を虜にする美しい人 / ルイス・デ・ミラン:パヴァーヌとガイヤルド
 フィリップ・ヴェルドロ:イタリア・ミア / フランシスコ・ゲレロ:「ミサ」〜グローリア「天国のたとえ話」
 ヒロニムス・パラボスコ:主よ、平和を与えて下さい / ヨハン・ヴァルター:神はわがやぐら
 ジョスカン・デ・プレ:主よ、われ御身に依り頼んだり / ルートヴィヒ・ゼンフル:我は死ぬことなく生き
 リベル・ウズアリス(グレゴリオ聖歌集):アンティフォン・レクイエム・エテルナ/他

 カタリーナ・ボイムル指揮カペラ・デ・ラ・トーレ
 マティアス・ゲルヒェン(B) セバスティアン・クネーベル(Org)
 録音:2006年10月9日-13日、聖オスダーク教会、マンデルスロー、ドイツ。旧品番: COV-20701〔発売:2007年、廃盤〕。16世紀のスペインは、政治経済、文化芸術ともに強く豊かで黄金期と呼ぶにふさわしい時代だった。ヨーロッパから新大陸に至る広大な領土を統治、歴史上もっとも広い地域を支配した君主の一人神聖ローマ皇帝カール5世は、1516年にスペイン王カルロス1世として即位、出身地であるフランドルから優れた音楽家を招き、時代を代表する画家や彫刻家も彼のもとに活躍した。このアルバムは、1500年のカール5世の誕生にはじまり、1517年のスペイン国王即位、1530年の神聖ローマ帝国の皇帝の戴冠式、そして1558年に生涯を閉じるまでの、重要な出来事が起きた年代に沿って選曲され、カール5世の一生を、同時代に活躍した作曲家の作品で万遍なくカバーしている。 「カペラ・アルタ」と呼ばれる管楽器を主体とした編成のための演奏団体であるカペラ・デ・ラ・トーレは、中世やルネサンスの知られていない作品の普及をコンセプトの1つに掲げて活動している。マティアス・ゲルヒェンは古楽から現代音楽、オペラ、リートなど幅広く活躍し、注目を集める歌手。
Towards Heaven
 ムファット:「調和のささげもの」〜ソナタ第2番 ト短調/合奏協奏曲第12番「幸運の星」
 ジャケ・ド・ラ・ゲール:歌劇「セファールとプロクリ」〜管弦楽組曲
 テレマン:管弦楽組曲 ト短調「風変り」
 カール・ロジエ:オーボエ、弦楽と通奏低音のためのソナタ ハ長調

 ケルン・バロックo.
 録音:2015年10月5日-8日、ホンラート福音教会、ドイツ。ケルン音楽大学の卒業生による若手古楽オーケストラのデビュー・アルバム。「天の音楽」をテーマに器楽作品を収録。軽快なスピード感と、通奏低音まで一体となった細やかなアンサンブルが見事で、明るく澄みきった響きが好印象。「セファールとプロクリ」ではタンバリンが痛快に響き、ロジエのソナタではオーボエの美しい歌が楽しめる。ムファットの合奏協奏曲に出てくるシャコンヌは変奏のたびに音楽が「天への階段」を上っていくイメージ。
sweet melancholy 〜バードからパーセルまでのヴィオール・コンソート集
 トマス・ルポ(1571-1627):ファンタジア〔2曲〕 / ヘンリー・パーセル(1659-1695):ファンタジア〔3曲〕
 ジョン・ヒングストン(1606頃-1683):ファンタジア/アルマンド〔2曲〕
 オーランド・ギボンズ(1583-1625):ファンタジア〔2曲〕/2声のファンタジア
 ジョヴァンニ・コペラリオ(1570頃-1626):ファンタジア〔2曲〕/2声のファンタジア
 トマス・トムキンズ(1572-1656):イン・ノミネ/ファンタジア
 マシュー・ロック(1621-167):2声のファンタジア〔2曲〕/2声のサラバンド/組曲第2番
 ウィリアム・バード(1540-1623):ファンタジア〔3曲〕

  チェッリーニ・コンソート[ブライアン・フランクリン、トーマス・ゲッチェル、
                 トーレ・エケトープ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)]
 録音:2015年4月24日-26日、SRF ラジオスタジオ、チューリヒ。アメリカ生まれのフランクリン、スイス生まれのゲッチェル、スウェーデン生まれのエケトープの3人によって2012年に結成された「チェッリーニ・コンソート」のデビュー・アルバム。対位法を駆使した通模倣様式の楽曲を通して、甘く心を惑わすメランコリーが立ちこめる風情。ガンバ合奏「ヴィオール・コンソート」を書いた最初期の作曲家でもあるバードから、伝統の書法を学び完成度の高い作品を残したパーセルまで、さまざまなファンタジアを収録している。
J.S.バッハ:マルコ受難曲 BWV 247
 ラース・アイディンガー(ナレーター/福音史家) ウルリケ・アイディンガー(S)
 ウーリヒ・ヴェラー(A) サミル・ブアジャジャ(T)
 ペーター・ユーリン指揮アンサンブル・ヴンダーカンマー
 録音:2015年4月1日-4日、ベルリン。J.S.バッハは「マタイ受難曲」と「ヨハネ受難曲」の他にも3曲の受難曲を作曲したと言われている。「マルコ受難曲」はその中の1曲で、1731年ライプツィヒのトーマス教会で初演されたが、楽譜は紛失している。転用の記録などから、カンタータ第198番「候妃よ、一条の光を」などいくつかの作品や演奏譜を中心に使用して復元されてきたが、福音史家が物語を語るレチタティーヴォの部分が失われているため、完全には復元できていない。この録音も残された資料を手がかりにして再現演奏を行っている。この録音で特に注目すべきは、福音史家を国際的に活躍するドイツの俳優ラース・アイディンガーが担当している。演奏は2014年にヴィオール奏者でヒッレ・パールの娘サラ・パール、チェンバロ奏者のマリア・ランゲ、チェロのマルティン・シーマン、オルガンのペーター・ユーリンによって設立された新しい古楽アンサンブル。
A Crush On You 〜ガーシュウィン/フィリップ・メイヤーズ編曲:歌曲集
 I've Got A Crush On You / Isn't It A Pity? / Blah, Blah, Blah / But Not For Me / They All Laughed /
 A Foggy Day / How Long Has This Been Going On? / Do It Again / The Man I Love / Love Walked In /
 For You, For Me, For Evermore / Embraceable You / He Loves And She Loves /
 Nice Work If You Can Get It / I've Got A Crush On You (Reprise) / By Strauss

  メアリー・カレウェ(歌) フィリップ・メイヤーズ(P)指揮ス・ワンダフルo.
 録音:2015年1月20日-24日、b-sharp スタジオ、ベルリン/2015年5月2日-4日、リドルサウンド・スタジオ、ロンドン。キャバレーソング、現代音楽のほか、カール・ジェンキンスやボンドのCDなどにも参加、パワフルな表現にあふれたイギリスの歌手、メアリー・カレウェによるガーシュウィン・アルバム。伴奏はストリングス。曲によってピアノがプラスされる。編曲も洒落たもので、簡素なチェロのソロで歌を引き立てたり、細かいパート分けをしてゴージャスな分厚い和音を奏でたりと、手法が幅広い。パロディ的なアレンジもあり。
COV-91607
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ラドゥ・パラディ(1927-2013):弦楽四重奏曲第1番 ハ短調(1956)
ズデニェク・フィビフ(1850-1900):弦楽四重奏曲第2番 ト長調 Op.85
 マルトフェルトSQ
 録音:2015年6月28日-29日、10月10日-11日、インマヌエル教会、ヴッパータール。マルトフェルト四重奏団は、ヴッパータールso.のメンバーによって1980年に設立されたカルテット。2016年現在のメンバーはヴッパータールso.とケルン・ギュルツェニッヒo.のメンバーで構成されていて、2010年から一緒に演奏している。パラディはウクライナ、ルーマニアの作曲家で、ピアニスト、指揮者としても活躍。年代を見ると現代だが、この弦楽四重奏曲はそのタイトル通り明確な調性を持ち、ソナタ形式の第1楽章で始まり、ロンド・ソナタの第3楽章で締めくくられる古典的な佇まい(最後はハ長調)。ゆったりとした第2楽章はバーバーのアダージョを思わせる美しさ。チェコの作曲家フィビフの弦楽四重奏曲はスケルツォを含む4楽章構成。同郷のドヴォルジャークを連想せずにはいられない民謡性を持っている。ハイライトは終楽章。次々繰り出されるメロディとリズムがとにかく楽しく、かつ緊張感の解けない構築力にうならされる。
カール・フリードリヒ・アーベル(1723-1787):
 ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ
  〔第2番 イ長調/第1番 ト長調/第3番 変ロ長調/ト長調 A2: 9 〕/
 ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバとチェロのための三重奏曲 ハ長調 A5: 3A /
 ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための三重奏曲 ト長調 A5: 4A /
 ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ第3番 変ロ長調 A5: 5A
  トーマス・フリッチュ(ヴィオラ・ダ・ガンバ) ミヒャエル・ショーンハイト(Fp)
  エヴァ・サロネン(Vn) カタリーナ・ホルツェイ(Vc)
 録音:2016年1月19日-22日。全曲世界初録音。使用フォルテピアノ:ジョン・ブロードウッド(ロンドン)、1805年製。「ガンバのカザルス」とも評され、ヴィオラ・ダ・ガンバの可能性を世に問い続けるフリッチュによるアーベル。古典派の時代に入ってもなおガンバにこだわり続けた作曲家による室内楽。通奏低音にはフォルテピアノが使われ、ピアノとガンバ、新旧時代の楽器が魅力的に響き合う。作品はハイドンを思わせる音の流れの中、時折翳りのある和声展開が見られ、楽器の音色も相まって古風な香りが漂う。やはりガンバの活躍が目覚ましく、急速楽章のスピード感あふれるパッセージはアーベルの独壇場。また緩徐楽章の連綿と歌い続けるメロディも絶品。
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タティアナ・ルーランド
 J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV.1067 (*)
 ペンデレツキ:フルートと室内管弦楽のための協奏曲(1992) (**)
 J.S.バッハ:無伴奏フルートのためのソナタ ハ長調 BWV.1033 /
         無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV.1013
 タティアナ・ルーランド(Fl) ロジャー・ノリントン指揮(*)
 アレクサンダー・リープライヒ指揮(#)
 シュトゥットガルト放送so.(*/#) クリスティアン・シュミット(Cemb;*)
 シュトゥットガルト放送so.の首席フルート奏者タティアナ・ルーランドによるバッハとペンデレツキ。バッハの管弦楽組曲は、明るさと爽やかさが際立った演奏が魅力。ノリントンらしいテンポ設定とアクセントのメリハリのある音楽が展開されている。
晴れた日に〜ロマン派から前衛へ
 コープランド:ピアノ変奏曲
 ヴォルフ/アーロン・ホロウェイ=ナフム、クラウディア・マリア・ラコヴィセアン編曲:
  メーリケ歌曲集 より〔妖精の歌/祈り/隠棲/出会い〕(ピアノ独奏版)
 ドビュッシー:前奏曲集第1巻 より〔アナカプリの丘/西風の見たもの〕/
        前奏曲集第2巻 より〔霧/風変わりなラヴィーヌ将軍/花火〕
 マティアス・ピンチャー(1971-):晴れた日に / リスト:ハンガリー狂詩曲第2番
  クラウディア・マリア・ラコヴィセアン(P)
 アヴァンギャルドなクラシックを演奏するグループ、「ザ・ライオット・アンサンブル」のメンバーでもあるピアニスト、クラウディア・マリア・ラコヴィセアンによるアルバム。ロマン派と近現代の作品でまとめた、個性的・挑戦的なプログラムが目を引く。強烈に尖ったコープランド、静謐の中にじわりと音が滲んでいくピンチャーなど、このプログラムだからこそじっくり聴ける、という選曲だろう。「ザ・ライオット・アンサンブル」メンバーのホロウェイ=ナフムとピアニスト自身の編曲によるヴォルフの歌曲も非常に面白く、自然体で伸びやか、かつ大胆な演奏も相まって、編曲作品であることを忘れて聴き入ってしまう。現代的センスに彩られた魅惑のピアノ・アルバム。
パウル・ユオン(1872-1940):歌曲集
 思い出 Op.13 No.2 /雨 Op.21 No.1 /青春 Op.13 No.3 /三人姉妹 Op.99 No.2 /
 乙女 Op.2 No.2 /見捨てられた乙女 Op.2 No.1 /妻の不満 Op.13 No.1 /
 孤独な笛吹き Op.21 No.3 /楽園 Op.99 No.1 /おとぎ話 Op.21 No.2 /子守歌 Op.13 No.4 /
 ウクライナ民謡編曲集〔コサックの愛/大河ドニエプルは轟く/荷馬車よ優しく/乙女がいなくなった〕/
 ロシア民謡編曲集
  〔可愛い乙女たちが座っていた/別れ/いとしき人よ、どこに隠れる/泡立て小川/用心せよ、命短き人生〕/

 ユダヤ民謡編曲集〔美しい乙女よ聞きなさい/アラ・ルラ・ルラ/子守歌/炉辺にて〕
  マリア・リッカルダ・ヴェッセリング(Ms) クラウ・シャーラー(P)
 録音:2015年6月2日-5日、SRF 放送スタジオ、チューリヒ。パウル・ユオンはスイス系ロシア人作曲家。モスクワ音楽院でアレンスキーとタネーエフに作曲を学び、革命後はドイツに、1934年からはスイスに定住した。ユオンはラフマニノフと同世代・同門だったが、いわゆるメロディ・メーカーでなく人気を得ることはできなかった。しかし念入りな作曲技法と不思議なメランコリーは独特で、はまると草の根を分けてでも録音を探したくなる魅力がある。歌手マリア・リッカルダ・ヴェッセリングもそのひとりで、ユオンの歌曲を探しスイスの図書館で自筆譜も検討し、このアルバムが実現した。注目はウクライナ、ロシア、ユダヤ民謡の編曲集。これらはもともと魅力的なメロディを持っているためユオン芸術最良の形となっている。マリア・リッカルダ・ヴェッセリングは1969年生まれのスイスのメゾ・ソプラノ。ヘンデルのオペラに定評があり、CD 、DVD に多数登場している。
アンドレアス・N.タルクマン(1956-):
 音楽劇「エンドウ豆の上に寝たお姫さま」/音楽劇「ふんころがし」
 ユーリー・テツラフ(語り;ドイツ語) ルーベン・ガザリアン指揮
 ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内o.、シュトゥットガルト国立歌劇場児童cho.
 アンデルセンの童話をもとにした2つの子供のための劇を収録。
ジェイコブ・カークマン:レッスン&ソナタ集
 レッスン集 Op.3 より〔第1番 変ロ長調/第6番 ホ短調〕/
 ソナタ集 Op.8 より〔第2番 ヘ長調/第3番 イ長調/第1番 変ロ長調〕/ソナタ ハ長調 Op.14 No.4

  メデア・ビンデヴァルト(Cemb/スクエアP) ニコレット・ムーネン(Vn)
 使用チェンバロ:カークマン製。 18世紀イギリスのチェンバロ製作一家カークマン。類まれな構造と美しい音で「当代随一のチェンバロ製作者」と評されていた。このカークマン一族の功績によりフォルテピアノは大幅な技術革新を途へ、現在のピアノへと発展していった。本アルバムは、カークマン一族のチェンバロを用いて、ジェイコブ・カークマンの作品の一部を録音している。「音色が美しすぎて音楽の妨げにもなる」とも言われた銘器をじっくりと堪能することが出来る。
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ドヴォルジャーク
 交響曲第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」/
 交響詩「真昼の魔女」 Op.108
マルクス・ボッシュ指揮
ニュルンベルク州立po.
 録音:2015年、ライヴ。マルクス・ボッシュが、2011年から音楽監督を務めているニュルンベルク州立フィルハーモニーと共に取り組んでいるドヴォルジャークのシリーズ第5弾。 巧みなフレージングの処理、堂々としたスケール感と表情付けの巧さが際立つ演奏を展開している。「真昼の魔女」も子ども、母親、魔女のそれぞれの主題を見事な音楽描写で聴かせている。
クシェネク&シューマン:作品集
 クシェネク(*):
  声とピアノのためのヴォカリーズWoO.83 /ヴィオラとピアノのためのソナタOp.117 /
  無伴奏ヴィオラのためのソナタOp.92 No.3 /フランツ・カフカの詩による5つの歌 より Nos.1, 3, 5
 シューマン(#):
  アダージョとアレグロOp.70 /女の愛と生涯 Op.117 より〔彼は誰よりも素晴らしい人/わたしの指の指輪よ〕/
  ヴィオラとピアノのための4つの作品「おとぎの絵本」Op.113 /リーダークライスOp.24 〜ミルテとバラを持って/
  12の詩 Op.35 〜ひそかな涙/ミルテの花 Op.25 〜献詞

 タチアナ・マスレンコ(Va) ギラッド・カッツネルソン(P;#) イェンス・エルヴェキール(P;*)
 録音:2015年-2016年。 ロシア出身でドイツを拠点に活躍する世界的ヴィオラ奏者、タチアナ・マスレンコによるシューマンとクシェネクのアルバム。ナチスの台頭によってオーストラリアで弾圧を受け、アメリカへと逃れたクシェネク。本盤に収録されている「ヴィオラ・ソナタ」と「無伴奏ヴィオラのためのソナタ」は渡米後に書かれた物。タチアナ・マスレンコは数年前からこの企画を考えており、2012年から数年間に渡りクシェネクの未亡人グラディス・クシェネクとCDの企画についてと案を練ったという。グラディス・クシェネクは2016年7月に92歳で亡くなったが、マスレンコのプロジェクトを全面的にサポートしていたということ。シューマンが文学を音楽的に融合したのと同様に、クシェネクも文学を愛好し音楽表現に大きな影響を与えた作品を残したことに両者の共通点を見出し、録音に挑んでいる。
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シューマン:交響曲全集 Vol.1
 〔第4番 ニ短調 Op.120 /第2番 ハ長調Op.61 〕/
 歌劇「ゲノヴェーヴァ」序曲
マルクス・ボッシュ指揮
カペラ・アクイレイア
 録音:2015年-2016年。『★ブルックナー、ブラームス、メンデルスゾーン、ドヴォルザークと着実に録音を重ねている指揮者マルクス・ボッシュが、この度シューマンに挑みました。カペラ・アクイレイアは、ドイツ南西部、ミュンヘンとシュトゥットガルトのほぼ中間に位置するバーデンヴュルテンベルク州の都市ハイデンハイムで開催されている、ハイデンハイム・オペラ・フェスティバルのために2011年に設立されたオーケストラ。ボッシュは同音楽祭の音楽監督を2010年より務めており、彼の妥協を許さない音楽を実現するために、ヨーロッパ各地からトップ・アーティストが集結し質の高い演奏で評価されています。またカペラ・アクイレイアの活動も同音楽祭だけに留まらず、ヨーロッパを中心にハイデンハイム・オペラ・フェスティバルの大使として演奏ツアーを行い、2014年5月にはフランスのサン=マロ音楽祭に出演しました。★シューマンの第2番と第4番の交響曲は、タイトル付きの第1番『春』や第3番『ライン』に認知度においては一歩譲るとはいえ、作品の充実度では優るとも劣りません。ボッシュも第4番は、シューマンのロマン的で、幻想的な特徴がよく表れている作品だと評していますし、第2番についてはシューマンの個性的なオーケストレーションは画期的で、シューマンの最高傑作の一つと言っても良いとも述べています。カペラ・アクイレイアも、ボッシュの期待に応えるように、これらの作品に込められた楽想の美しさを見事に表現しています。
シューベルト/ラヴァー・スコウ=ラーセン編曲:
 弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D.810「死と乙女」(弦楽合奏版)
ショスタコーヴィチ/ルドルフ・バルシャイ編曲:
 室内交響曲 Op.110a (原曲:弦楽四重奏曲第8番)
  ラヴァー・スコウ=ラーセン指揮ザルツブルク・チェンバー・ソロイスツ
 1991年にラバート・スコウ・ラルセンが優れた室内楽奏者を呼びかけ設立したザルツブルク・チェンバー・ソロイスツによるシューベルトとショスタコーヴィチ。シューベルトの「死と乙女」はマーラー編曲による弦楽合奏版が一般的だが、このアルバムでは、ラバート・スコウ・ラルセン自身による編曲 版を使っている。もう一方は、ルドルフ・バルシャイ編曲によるショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第8番の室内交響曲版。ルドルフ・バルシャイのショスタコーヴィチ編曲は見事で、現在の室内オーケストラの重要なレパートリーとして定着している。本盤の魅力は、シューベルトとショスタコーヴィチの鋭利な弦楽四重奏が、後期ロマン的な豊かな響きに読み替えられ、新たな側面を描き出している点。一見共通点のない作曲家だが、室内オーケストラの編成にすることにより、魅力的な旋律線が浮かび上がり、調和のとれた巧みな響きを楽しむことが出来る。
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(2 HYBRID_SACD)
ヴェルディ:歌劇「オベルト」
 チョ・ジョウン(B−Br) アンナ・プリンチェヴァ(S) カテリナ・ヘベルコヴァー(Ms)
 エイドリアン・ドゥミトル(T) ダニエラ・バニャショヴァー(Ms) 演出:トビアス・ハイダー

 マルクス・ボッシュ指揮カペラ・アクイレイア、ブルノ・チェコ・フィルハーモニーcho.
 録音:2016年8月、ハイデンハイム・オペラ・フェスティヴァル、ライヴ。 ドイツ南西部、ミュンヘンとシュトゥットガルトのほぼ中間に位置するバーデンヴュルテンベルク州の都市ハイデンハイムで開催されている、ハイデンハイム・オペラ・フェスティヴァルで行われたライヴ録音。マルクス・ボッシュ率いるカペラ・アクイレイアの演奏によるヴェルディ最初のオペラ「オベルト」。他のヴェルディのオペラに比べると上演回数は少ない作品だが、ボッシュはこの音楽祭でヴェルディのオペラを時系列に上演する企画を進行しており、この上演もその一環による物。1839年ヴェルディが25歳の時の作品で、ミラノ・スカラ座での初演は成功をおさめた。あらすじは、主人公サン・ボニファーチョ伯爵オベルト。かつて娘レオノーラを捨てたサリングエルラ伯爵リッカルドがクニーツァと結婚すると聞き決闘を挑む。しかしオベルトはリッカルドに殺されてしまい、レオノーラは父と恋人を失い悲しみに暮れる。一方リッカルドは神の赦しをうけるために旅立つ。
若者の情熱
 ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第1番 ハ短調 Op.8 / ヘンツェ:室内ソナタ
 ヤニック・ギーガー(1985-):ピアノ・トリオのためのカプリス
 ラフマニノフ:悲しみの三重奏曲第1番 ト短調 / ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ト長調

 トリオ・ラファール
  [マキ・ヴィーダーケアー(P) ダニエル・メラー(Vn) フルリン・クオンツ(Vc)]
 スイスの若手ピアノ三重奏団トリオ・ラファール。2014年大阪国際室内楽コンクール優勝をはじめ、2011年メルボルン国際室内楽コンクール優勝、同年リヨン国際室内楽コンクールで2位になるなど、数々の賞を受賞している。そんな実力派のトリオが今回挑んだのは、5人の作曲家たちの若書きのピアノ三重奏を収録。ショスタコーヴィチ17歳の時のピアノ・トリオ第1番。ドイツの20世紀を代表する作曲家ヘンツェ22歳の作品「室内ソナタ」。ヘンツェは「室内ソナタ」の一年前に交響曲第1番で頭角を現し、その後交響曲第2番、カンタータ「アポロとヒュアキントス」など次々と発表し脚光を浴びた。そして1985年スイス生まれのヤニック・ギーガーのピアノ・トリオ「カプリス」。ギーガーは、作曲家でもあり映像クリエイターとしても活動している。ラフマニノフが、まだモスクワ音楽院の学生だった19歳の時に作曲をした単一楽章による作品「悲しみの三重奏曲第1番」。最後にドビュッシーのピアノ・トリオ。ドビュッシーがチャイコフスキーのパトロンであったメック夫人のもとで働いていた頃の作品。作曲家たちの若き情熱がほとばしる作品群を、生き生きと奏している。
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(HYBRID_SACD)
J.S.バッハ:カンタータ集
 〔第56番「われ喜びて十字架を担わん」 BWV.56 /
  第12番「泣き、歎き、憂い、怯え」 BWV.12 〜シンフォニア/
  第82番「われは満ちたれり」 BWV.82 /
  第21番「わがうちに憂いは満ちぬ」 BWV.21 〜シンフォニア/
  第158番「平安なんじにあれ」 BWV.158 〕
 ヘンリク・ベーム(B) アントニウス・アダムスク指揮ゲッティンゲン・ボロックo.
 歴史あるドレスデン聖十字架合唱団のメンバーとして在籍し、現在は実力派バス歌手として数多くの音楽祭やオペラの舞台に立つヘンリク・ベームによる、バス独唱によるバッハの教会カンタータ。ライプツィヒ時代にバッハが残した独唱カンタータの中でも傑作揃いのバスのためのカンタータ3曲。これらのカンタータはクリストフ・ビルクマン(1703-1771)のテキストによる物。バッハのカンタータの作詞者は多くが不明であったが、2015年にニュルンベルクの図書館で資料が発見され、「第3年巻」や「ヨハネ受難曲」の一部が、このニュルンベルクの神学者クリストフ・ビルクマンによる作詞であったことがわかった。またヘンリク・ベームの歌唱は、バッハのカンタータの多様性再認識するような、小細工のない美しさを聴かせる。
ジュゼッペ・アントニオ・ブレシャネッロ
 (1690-1758):協奏曲集 Vol.1
 12の協奏曲 より Nos.1-6
アンサンブル・
 ムジーカリッシェ・ガルテン
 イタリアの作曲ジュゼッペ・アントニオ・ブレシャネッロ。ドイツ、シュトゥットガルトのヴュルテンベルク宮廷楽団のカペルマイスターとして活躍。職を 辞した後、作曲に専念して書かれたのがこの12の協奏曲集。第1弾となるこのアルバムでは前半の6曲を収録している。バーゼル・スコラ・カントルムを卒業した仲間が集まって結成された古楽アンサンブル、ムジカリッシェ・ガルテン。ブレシャネッロの音楽を生きいきと描いている。
イザイ:2つのヴァイオリンのためのソナタ
ヴォルフガング・マルシュナー:交響的変奏曲/3つのバガテル
 フリーデリケ・シュタルクロフ、ミファンウィ・エラ・ペニー(Vn)
 1990年生まれのドイツの若手女流フリーデリケ・シュタルクロフが、1984年生まれの姉弟子ミファンウィ・エラ・ペニーと組む「デュオ・ペニー=シュタルクロフ」。ともにヴォルフガング・マルシュナーとライナー・クスマウルの門下で、21世紀ドイツ・ヴァイオリン界を担う期待の星。注目はイザイの2つのヴァイオリンのためのソナタ。イザイといえば6曲の無伴奏ヴァイオリン・ソナタが有名だが、最晩年にヴァイオリン・デュオのためのソナタに挑戦した。3楽章からなる演奏時間32分の大作。難曲揃いのイザイ作品中でもとりわけ演奏が難しい曲とされる。ペニーとシュタルクロフは高度な技巧もさることながら、強い緊張感あふれる演奏で聴かせる。恩師マルシュナーがふたりのために作曲した「交響的変奏曲」も聴き物。
Salut a la foret
 ラニュルフ・マリー・ユスターシュ・マルキ・ドスモン(1828-1891):4本のホルンのための「森への挨拶」 ヘ長調
 カール・アウグスト・ヘンゼル(1799頃-1885):ホルン四重奏曲 ヘ長調 Op.75
 オリバー・ケルスケン(1967-):パーフォースホルンのための「ゼーゲベルガー・ミサ」 変ホ長調
 ローベルト・スターク(1847-1922):4本のホルンのためのセレナーデ ヘ長調 Op.42
 フランツ・アプト(1819-1885):4本のホルンのための歌曲編曲集
  〔ソプラノとアルトのための3つの歌 Op.137 〜おやすみ、私の愛する子/
   男声4部のための歌 Op.331 〜 No.1 安息日/
   ソプラノとテノールのための7つの歌 Op.39 〜 No.1 燕が我が家に帰る時/
   男声4部のための「歌手の朝のドライヴ」 Op.147 〜森の挨拶〕

 ドイツ・ホルン・アンサンブル
 1850年頃のあまり知られていないホルンの楽曲をドイツ・ホルン・アンサンブルが研究し録音した。冒頭にはラニュルフ・マリー・ユスターシュ・マルキ・ドスモンの作品。1826〜91年頃フランスで活動していたということ以外ほとんど知られていない作曲家。1855年に作曲された4本のホルンのための「森への挨拶」は、サン=サーンスに捧げられたと言われている。カール・アウグスト・ヘンゼルはザクセン宮廷楽団のチェリストとしてドレスデンで活躍。1859年にドレスデンの音楽出版社からホルン四重奏曲版が出版され、1860年には2本のホルンとピアノのためのコンチェルティーノとして同じ出版社から出されており、人気の高い楽曲だったことがうかがえる。またドイツ・ホルン・アンサンブルのメンバーでもあるオリバー・ケルスケン。猟に使われていた歴史を持つパーフォースホルンによる「ゼーゲベルガー・ミサ」を収録している。また歌曲の分野で多くの作品を残したフランツ・アプト。彼の歌曲をホルン四重奏に編曲した4つの楽曲を録音。知られざるドイツ・ロマン派のホルン音楽の魅力が詰まったアルバム。
16世紀バーゼルの音楽の至宝
 ジョスカン・デ・プレ、ジャン・デストレ、クローダン・ド・セルミジ、パウル・ホーフハイマー、トワノ・アルボ、
 ルートヴィヒ・ゼンフル、シクトゥス・ディートリヒ、フィリップ・ヴェルドロ、バルトロメオ・トロンボンチーノ、
 ハインリヒ・イザーク、ピエール・アテニャン、ハンス・コッター、オルランドゥス・ラッスス、作曲者不詳の作品

 アンサンブル・カンティB
 16世紀にバーゼルで生まれた音楽を収録したアルバム。16世紀のバーゼルといえば、ヨーロッパの印刷業の基礎を築いた地であり、オランダの思想家エラスムスが晩年を過ごした場所。エラスムスは「わたしはなんと楽しい場所に暮らしているのだ」という言葉を残していたほど、当時のバーゼルは活気溢れる文化・芸術の都市であった。そんな勢いのある街で生まれた数々の音楽がここに取り上げられている。演奏するアンサンブル、カンティBの「B」はもちろんバーゼルの「B」。2002年に結成されたアンサンブルで、16世紀バーゼルの音楽を中心に研究演奏している。
フルート三重奏曲集
 クーラウ:三重奏曲 ト長調 Op.119
 ツェルニー:ファンタジー・コンチェルタンテ Op.256
 ウェーバー:三重奏曲 ト短調 Op.63
トリオ・ラフラム
[アニー・ラフラム(Fl−tr)
 ドロテア・シェーンヴィーゼ(Vc)
 カタルジナ・ドロゴス(Fp)]
 録音:2016年。 19世紀初頭から様々な楽器が改良され、それに伴い演奏者はもちろんのこと作曲者らの表現力や技巧が格段に向上し発展を遂げた。ここに収録されているクーラウ、ツェルニー、ウェーバーの作品もちょうどその時期にあたる。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管にも在籍していたフルート奏者ゲオルク・トロムリッツをはじめ、優れた演奏者は楽器の製作者でもあった。トロムリッツは新しいキーのシステムを考案し、様々な調に対応することが可能になった。チェロやピアノについてもアンサンブルの平等なパートナーとなり、三重奏という形態が室内楽のジャンルに定着することになる。フルート音楽では欠くことのできない作曲家クーラウ。この「三重奏曲 ト長調 Op.119」は、様々な演奏形態で出版されているが、ここでは各楽器がもっとも親密に聴こえるフルート、チェロ、ピアノで収録している。またピアノ学習者のための練習曲で知られるツェルニーだが、実はピアノ以外のジャンルの音楽も多く残している。この「ファンタジー・コンツェルタンテ」は、優雅な旋律に彩られた楽曲。そしてウェーバーの「三重奏曲 ト短調 Op.63」。ウェーバーはフルート奏者の名手フュルステナウ父子と親交があり、この楽曲も彼らのために書かれたのではないかと言われている。ちなみにクーラウもフュルステナウ父子と親しくしており、彼らのために楽曲を献呈している。ウェーバーの三重奏は4楽章編成の大規模な作品で、ロマン派初期のフルートを伴う作品の中では、抜きんでて充実した内容となっている。
ヴィオラ・ダ・ガンバ協奏曲集
 アントン・ミリング(18世紀後半頃):協奏曲 ニ短調 / アーベル:ソナタ〔ト短調/ハ長調〕/協奏曲 イ長調/ソナタ
 アントン・レーツェル(1760年以降):協奏曲 イ長調 / J.C.バッハ:ソナタ ハ長調
 ヨハン・カール(I)グラフ・ツー・ハルデック(1703-1752):協奏曲 ヘ長調

 トーマス・フリッチュ(ヴィオラ・ダ・ガンバ) メルゼブルク・ホーフムジーク
 ミヒャエル・ショーンハイト(Fp) エヴァ・サロネン、サスキア・クラッパー
  (Vn) カタリナ・ダルゲ(Va) アンドレアス・フェッター(Vc)
 録音:2016年。含世界初録音。 2016年にテレマンの失われたと思われていた「無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバのための12のファンタジー」(COV-91601) を発掘・録音したトーマス・フリチュによる、またも世界初録音のヴィオラ・ダ・ガンバの作品を収録。テレマンと同様にレーデンブルク城の貴族エレオノーレ・フォン・ミュンスター(1734-1794)の個人所蔵品から発見された物。これもまた失われたと思われていた貴重な作品4つが発見された。「ガンバのカザルス」の異名を持つトーマス・フリチュのヴィオラ・ダ・ガンバに向けられた情熱から生まれた渾身の一枚。
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(HYBRID_SACD)
レナード・バーンスタイン
 セレナード(プラトン「饗宴」による独奏ヴァイオリン、弦楽オーケストラ、ハープと打楽器のための)
  コリヤ・ブラッハー(Vn) ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内o.
 BPOの第1コンサートマスターを6年務めた名手コリヤ・ブラッハーによるバーンスタインとハイドンのヴァイオリン協奏曲。バーンスタインのセレナードは、クーセヴィツキ―音楽財団から作曲を依頼され、クーセヴィツキ―の2度目の妻ナターリャに捧げられている。1954年9月、ヴェネツィア音楽祭でアイザック・スターンのソロ、バーンスタイン自身の指揮イスラエルpo.により初演された。この曲には、1986年タングルウッド音楽祭でレナード・バーンスタイン指揮ボストンso. と演奏した当時14歳の五嶋みどりは、演奏中に弦が2度も切れてしまったのにも関わらず、最後まで弾ききったという有名なエピソードがある。プラトンの『饗宴』によるソロ・ヴァイオリン、弦楽オーケストラ、ハープと打楽器のためのセレナードという副題が付いており、ソクラテスと取り巻きの哲学者たちの酒宴で交わされた対話を、プラトンが想像力豊かに再現した『饗宴』に着想を得て書かれた5楽章からなる楽曲。ブラッハーの知的かつ甘美な音色で聴かせてくれる。そしてハイドンが作曲した4つのヴァイオリン協奏曲から第1番 ハ長調。この曲は、エステルハージの楽団のコンサートマスター、ルイジ・トマシーニのために作曲された。バロック時代の協奏曲の様式を残しつつ、古典派の協奏曲へと変化する特徴がみられ、ソロがヴィルトゥオージティを披露する第1楽章が印象的。ブラッハーは共演のハイルブロン・ヴュルテンベルク室内o. とともに颯爽とした演奏を披露している。
J.C.バッハ:6つの四重奏曲集 Op.8
 〔第1番 ハ長調 W B51 /第2番 ニ長調 W B52 /第3番 ト長調 W B55 /
  第4番 変ロ長調 W B56 /第5番 ヘ長調 W B54 /第6番 変ホ長調 W B53 〕

 荒井豪(Ob) ダニエル・ドイター(Vn)
 トーマス・フリッチェ(ヴィオラ・ダ・ガンバ) インカ・ドーリンク(Vc)
 録音:2017年2月、ベルリン。世界初録音。 あのテレマンの「ヴィオラ・ダ・ガンバのための12の幻想曲」(COV-91601)の楽譜を発掘して録音したヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のトーマス・フリッチェがまたも歴史的な作品を世界初録音した。大バッハの末息子ヨハン・クリスティアン・バッハによる「6つの四重奏曲」。この6つの四重奏曲は、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロという編成。トーマス・フリッチェは、この曲の古い手稿譜を発見。第1版では、カール・フリードリヒ・アーベルがガンバのパートを担当していたことがわかっている。バッハ一族と交流があり、父親は大バッハの宮廷楽団のガンバ奏者だったアーベル。彼はロンドンに渡ってからは、ヨハン・クリスティアン・バッハと共に「バッハ・アーベル・コンサート」という公開演奏会を行うなど優れたガンバ奏者であった。この録音では、トーマス・フリッチェを中心に、バッハ・コレギウム・ジャパンの公演などにも出演している日本人オーボエ奏者、荒井豪も参加している。
メンデルスゾーン/アンドレアス・N.タルクマン編曲:歌曲、重唱、合唱、無言歌
 クリスマス・キャロル/もう一つの五月の歌「魔女の歌」 Op.8 No.8 /
 無言歌集 より Op.19b Nos.2, 4, Op.62 No.2, Op.30 No.2, Op.62 No.3、 Op.102 Nos.4-5
 冬の歌 Op.19 No.3 /新しい恋(エルフの歌) Op.19 No.4 /旅の歌 Op.34 No.6 /五月の歌 Op.41 No.5 /
 ゆりかごのそばで Op.47 No.6 /カノン「ひばりの歌」Op.48 No.4 /ヴェネツィアの舟歌 Op.57 No.5 /
 緑の中に Op.59 No.1 /狩りの歌 Op.59 No.6 /渡り鳥の別れの歌 Op.63 No.2 /6つの子供の小品 Op.72 〜第5番/
 秋の歌 Op.84 No.2 /新年の歌 Op.88 No.1 (2種)/羊飼いの歌 Op.88 No.3 /森の小鳥 Op.88 No.4

  グレゴール・メイヤー指揮ヴォーカルコンソート・ライプツィヒ(cho.)
  アンサンブル diX [ アンドレアス・ヌープ(Fl) アルブレヒト・ピンクァルト(Ob)
     ヘンドリック・シュノッケ(Cl) ローランド・シューレンブルグ(Fg)
     ライナー・オソット(Hr) エレン・ヴェグナー(Hp)]
 録音:2016年10月19日-22日、アルトシェルビッツ教会。 作曲家たちがそれぞれに、自然の中に感情や情緒を投影したロマン派の時代。ロマン派芸術で描かれる「自然」は自然そのものの描写というよりも、自然の形を 取った芸術家の心象風景だった。そんなロマン派の「自然」に、大変ユニークな発想で光を当てたのがこのCD 。メンデルスゾーンの歌曲、二重唱曲、合唱曲、そして有 名なピアノ曲集「無言歌集」から、自然や季節に関連した曲が24曲ピックアップされ、木管五重奏とハープ(+合唱)のために編曲され、1月から12月まで季節の順に並べられている。 木管楽器とハープの優しい色彩で彩られた各曲を順に聴いていくと、歌われている豊かな情感や喜怒哀楽が1つの大河のように感じられ、単なる季節の移り変わりを 超えた人間のドラマとして聴こえてくる。最後に第1曲目の「新年の歌」が再び(別の終結部を持って)演奏される様は、自然と人間の脈々と続く輪廻の暗示のようだ。 演奏は、グレゴール・メイヤー率いるヴォーカルコンソート・ライプツィヒに、多方面でのコラボレーション活動や国際ツアーで注目を集めるアンサンブルdiXとハープのエレン・ヴェグナー。編曲を手がけるアンドレアス・N.タークマンは、シャロウン・アンサンブルをはじめ多くの演奏団体からの厚い信頼を得る作編曲家。自然に寄り添うロマン派の情緒溢れたこのCD 、メンデルスゾーンの世界を新鮮な形で楽しむことが出来る。
MUSIC FOR FIVE WINDS
 ポール・タファネル(1844-1908):木管五重奏曲 ト短調 / ツェムリンスキー:ユモレクス
 マイク・マウワー(1982-):ジャズ組曲 / ウジェーヌ・ボザ(1905-1991):音楽の夜〜3つの小品
 ジャン・フランセ(1912-1997):五重奏曲第2番

 アテア木管五重奏団
  [アレーナ・ルゴヴキナ(Fl) フィリップ・ハワース(Ob) アンナ・ハシモト(Cl)
   アシュリー・マイヤル(Fg) クリストファー・ビーグルス(Hr)]
 録音:2016年。 2015年カール・ニルセン国際室内楽コンクール(コペンハーゲン)で、3位入賞及びコンクール委嘱作品のベストパフォーマンス賞を受賞した期待のアンサンブル、アテア木管五重奏団。2009年に英国王立音楽院にて結成。各メンバーの技術も高く、多くの賞を受賞したり、オーケストラで客演を務めたりと、イギリスを中心に活躍している。2017年9月には来日が予定されており、今後一層注目を集めるアンサンブルとなっている。彼らの特徴は、各奏者の卓越した技術もさることながら、アンサンブルとしての音色を持ち、5人が1つとなる一体感は、聴く者を感動させる。20世紀管楽器室内楽の発展大きく貢献したタファネル。この木管五重奏曲も後期ロマン派らいしい叙情的で美しい作品。そして同じく後期ロマン派の作曲家でウィーンで活躍したツェムリンスキー。ユダヤ人であったため、ナチスの侵攻のためアメリカへの亡命。このユモレスクは、亡命の翌年に作曲された。各楽器の特徴をとらえたユーモアあふれる楽曲。
ナンシー・ストレースのためのアリア集
 サリエリ:歌劇「焼きもち焼きの学校」〜 Ah Sia Gia /歌劇「いがみあう二人の間で」〜Ahime non potro (*) /
      歌劇「トロフォーニオの洞窟」より〔 D 'un dolce amor /オフェーリアのアリア「ラララ」(二重唱版)〕
 パイジェッロ:歌劇「ヴェネツィアのテオドーロ王」〜 Infedel! / ストレース:歌劇「誤解」〜 Che delirio
 ソレル:歌劇「ぶっきらぼうな善人」〜Son ancora tenerlla /歌劇「椿事」〜 Dolce mi parve un di
 モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」〜恋人よ早くここへ/演奏会用アリア「どうしてあなたを忘れられよう」K.505

 マリー=ゾフィー・ポラーク、カタリーナ・ルックガーベル(S)
 ヨアヒム・チューイーデル指揮アカデミア・ディ・モナコ
 録音:2016年。ピリオド楽器使用。(*)は世界初録音。 イギリスのソプラノ歌手ナンシー・ストレース(1765-1817)は1786年ウィーンでモーツァルト「フィガロの結婚」が初演された際、スザンナ役を務めた(タイトル・ロールはフランチェスコ・ベヌッチ)。このアルバムは当時人気歌手であったナンシー・ストレースのために書かれたオペラ・アリアを集めたアルバム。モーツァルトの K.505 はナンシーがロンドンへ帰る際にモーツァルトが贈った物で、彼女の告別演奏会ではモーツァルトが弾き振りをしたという。ドイツの実力派ソプラノ歌手マリー=ゾフィー・ポラークとカタリーナ・ルックガーベルが18世紀後半のオペラ界の雰囲気をそのままに描き出している。
ヴォルフ:歌曲集
 メーリケ詩集〔狩人/少年鼓手/巡りあい/狩人の歌/戒めに/頼みごと/ある結婚式にて/問わず語り/さらば〕/
 アイヒェンドルフ詩集〔すべてに勝って/運まかせの騎士/楽士/学生/兵士I/密やかな愛/災難/期待/愛の幸福〕/
 ゲーテ詩集〔鼠捕りの男/諷刺の歌/創造し生命を吹き込むこと/良い夫と良い妻 /羊飼い/ぶしつけで楽しくI〕/
 ライニック詩集〔喜びとともにいずこへ/恋人よ、どこにいるの?/仲間の歌/楽しい便り〕/
 シェイクスピア詩集〜とりちがえられた処方箋の歌

 ホルスト・ラムネク(B−Br) エレナ・ラリーナ(P)
 録音:2016年。 ウィーン出身のバスバリトンのホルスト・ラムネクによるヴォルフの歌曲集。ラムネクは、ウィーン国立大学で学び、チューチッヒ歌劇場のオペラ・スタジオでの研修を経て、カラヤンが初めてオペラを振ったウルム市立歌劇場と契約。2006年からはボン歌劇場、ライプツィヒ歌劇場、ベルリン・コミッシェ・オーパーなどに客演。レパートリーも幅広く、バロックものから現代ものまで歌いこなす。2015年には「こうもり」(フランク役)で新国立歌劇場に初出演をしている。アルバムは「ユーモラス・ヴォルフ」と題し、皮肉、風刺、ユーモアなど作曲家の二面性を表現した楽曲構成となっている。ヴォルフの矛盾した、しかし美しい独特の世界観を、ラムネクは見事に歌い上げている。
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ドヴォルジャーク
 交響曲第1番「ズロニツェの鐘」
マルクス・ボッシュ指揮
ニュルンベルク州立po.
 録音:2016年、マイスタージンガーハレ、ライヴ。 マルクス・ボッシュが、2011年から音楽監督を務めているニュルンベルク州立フィルハーモニーと共に取り組んでいるドヴォルジャークのシリーズ第6弾。この第1番は長い間演奏されることなく埋もれていた曲ではあるが、若きドヴォルジャークのエネルギーと情熱がはっきりと感じられる解釈で聴かせてくれる。
幸せな時間
 レグレンツィ(1626-1690):カンタータ「 Cinzia dolente e mesto 」/ソナタ Op.8 No.6 「 La Bevilacqua 」
 ボノンチーニ(1670-1747):室内楽のための12のソナタ ニ長調/カンタータ「バルバラ、不実な妖精よ」
 D.スカルラッティ:カンタータ「 O qual meco Nice cangiata 」

  ペーパー・カイト・アンサンブル[マリー・ヘーシェン(S) アントニオ・デ・サルロ(Vn)
    ラファエル・ロト(Vn) ギレルモ・トゥーリナ(Vc) フェリックス・シェーンヘル(Cemb)]
 古代ギリシャの理想郷アルカディアは、17世紀芸術に影響を与えた。このアルバムは、バロック時代のレグレンツィ、ボノンチーニ、スカルラッティの3人の作曲家が " 幸せな時間(Felice un tempo) "という同じテーマで作曲した室内カンタータを収録している。ドメニコ・スカルラッティの父アレッサンドロは多くの室内カンタータを残している。アレッサンドロの没後は、息子ドメニコ、そしてレグレンツィらにその伝統が継承されている。ドメニコの室内カンタータも父アレッサンドロと同様に表情豊かな美しい旋律に彩られている。ジョヴァンニ・レグレンツィ(1626-1690)は、ヴァイオリニストであった父から音楽の手ほどきを受け、ベルガモの教会のオルガニストとなる。その後フェラーラの音楽院の楽長 を経て、ヴェネツィアへ移りサン・マルコ大聖堂の楽長となった。17世紀最大の作曲家の一人と言われ、後世に多大な影響を及ぼした作曲家であったが、現在は自身の作品の録音は少なくその音楽性に触れる機会はあまらない。ジョヴァンニ・ボノンチーニ(1670-1747)はボローニャの聖ジョヴァンニ大聖堂で楽長職を務める等の活動をし、多くのオペラやミサ曲を作った。1720 〜32年まではロンドンに滞在し、主にオペラ作曲家として名を馳せた。
Joseph Haydn, W. A. Mozart: piano works - Tomoko Ogasawara · Klavier
 ハイドン:アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII: 6 /ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI: 52
 モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K.475 /ソナタ第14番 ハ短調 K.457
 小笠原智子(P)
KKC-4101
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1.1CD価格
日本語帯付
 録音:2017年1月2日-5日、SWRスタジオ、フライブルク。 ドイツ在住のピアニスト小笠原智子によるハイドンとモーツァルトのピアノ曲集。1793年ハイドンは実り多き最初のロンドン訪問からウィーンに戻った。ロンドンで一番魅了されたのは、イギリス、ブロードウッド製のパワフルで表現豊かなピアノで、ハイドンはこれをウィーンに持ちこみた。この経験がハイドンの後期の鍵盤作品に大きな影響を与え、そんな中で作曲されたのが「アンダンテと変奏曲 ヘ短調」だった。これは1794年2度目のロンドン訪問中に書かれた「イギリス・ソナタ」の3曲目、ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI: 52も同様。このソナタは演奏者に高度な技術を要求し、ハイドンの鍵盤作品の集大成ともいえる作品。一方、この数年前ハイドンの友人であるモーツァルトは、このハイドンの作品を予感させるような初期ロマン派の形式で書かれた幻想曲とソナタを作曲した。この2つの作品はともに ハ短調で書かれており、荒々しい感情と均衡した楽曲構成という点で共通している。小笠原智子はウィーン古典派の象徴ともいえる作品を、非常に洞察に満ちた解釈で我々に提示してくれている。
ザムエル・カプリコルヌス(1628-1665):宗教的協奏曲集
 全地よ、主に向かって喜びの声をあげよ/我はいかなる時も主を目に浮かべ/
 我、主のうちに大いに楽しみ/主において喜べ、エルサレム/神は我に教えたもうた/我は神に言った
アントニオ・ベルターリ:トリオ・ソナタ第2番

 リディア・トイシャー(S) フィリップ・ニーデルベルガー(B)
 ヘニング・ヴィークラーベ(Tb)指揮カプリコルナス・アンサンブル・シュトゥットガルト
 録音:2016年9月28日-30日。 ボヘミア生まれの作曲家ザムエル・カプリコルヌス。彼の宗教的協奏曲と、彼が影響を受けた作曲家アントニオ、ベルターリのトリオソナタが収められたCD 。ハインリヒ・シュッツの後の世代であるカプリコルヌスは、歌や楽器パートの華やかさや精練な書法、型破りな形式感などで17世紀の宗教音楽に新しい風をもたらした。自然で伸びやかで喜びにあふれた旋律、活気に満ちた律動感などがとても魅力的。本CDで唯一の器楽曲「トリオソナタ」はアントニオ・ベルターリの作品。カプリコルヌスと同時代に生き、ウィーン宮廷でヴァイオリニストとしても名を馳せていた作曲家。トリオソナタとは3つの楽器と通奏低音によるバロック期の最も重要な室内楽形式。このベルターリの「トリオソナタ第2番」では、楽想の緩急が交替する中、二本のヴァイオリンとトロンボーンが清らかな響きを聴かせる。演奏は多方面での活躍で知られるソプラノのリディア・トイシャーとバリトンのフィリップ・ニーデルベルガー、そして古楽で名高いトロンボーンのヘニング・ヴィークラーベと彼が率いるカプリコルナス・アンサンブル・シュトゥットガルト。生命力溢れる演奏で17世紀の香りがよみがえる。
COV-91722
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(HYBRID_SACD)
ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」 カジム・アブドラ指揮
アーヘンso.、アーヘン室内cho.
 『バレエ・リュス(ディアギレフ・バレエ団)』のセルゲイ・ディアギレフは、1910年にロンゴスの古代小説『ダフニスとクロエにまつわる牧人風のレスボスの物語』をもとにしたバレエ音楽をラヴェルに依頼した。古代ギリシャのロンゴスが書いた恋愛物語。エーゲ海に浮かぶ牧歌的な情景の島を舞台とし、少年と少女の恋の物語が、様々な逸話を絡めて抒情豊かに描かれている。曲は3部からなり、第3部は「第2組曲」として独立してコンサートで頻繁に演奏される。カジム・アブドラ率いるアーヘンso. による演奏で、情感豊かに、彩り鮮やかにラヴェルの音楽世界を再現している。アメリカ出身の指揮者カジム・アブドラ(ジャケット写真からはアフリカ系に見える)はベルナルド・ハイティンクやジェイムズ・レヴァインの薫陶を受け、オペラ界で注目される若手有望株。
シューベルト/グレゴール・マイヤー編曲:
 歌曲集「冬の旅」 Op.89, D.911(バリトン、合唱とピアノのための版)
  ダニエル・オチョア(Br) クリスティアン・パイクス(P)
  グレゴール・マイヤー指揮ヴォーカルコンソート・ライプツィヒ
 録音:2017年5月2日-7日、アルトシェルビッツ教会。 ドイツ・リートの最高峰ともいえるシューベルトの「冬の旅」。これまでに数多くの名歌手が挑み、名録音を残している楽曲。このアルバムは、若手合 唱指揮者のグレゴール・マイヤーが、バリトン、合唱とピアノ用に編曲(ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社より出版)した物。2016年ウィーン・フォルクスオーパーの来日公演でも歌声を披露したダニエル・オチョアがソロを、グレゴール・マイヤーが設立したヴォーカルコンソート・ライプツィヒ、そしてブラジル出身のピアニスト、クリスティアン・パイクスが伴奏を務める。合唱とピアノという組合せの伴奏によって、「冬の旅」の世界観が広がり情景が克明に浮かび上がる。さらに劇的ではないが切々と歌うオチョアの歌唱は、美しくもあり絶望の淵に立った主人公の心情を見事に表している。
楽興の時〜シューベルトとジャヌカン、妄想の友情
 シューベルト:そっと、そっと歌おう D.635 /ゴンドラの漕手 D.809 /楽興の時第1番 ハ長調/
        ナイチンゲールに寄す D.196 /愛による幸せ D.55 /楽興の時第2番 変イ長調/時の流れのうちに/
        ナイチンゲール D.724 /楽興の時第3番 ヘ短調/セレナード D.920 /おやすみ D.903
 クレマン・ジャヌカン:夜ごと夜ごとに/ひばり/鳥の歌/愛と死と生/ナイチンゲール
 アドリアン・ルロワ:ファンタジー/ブルゴーニュのブラーンル組曲 / セルミジ:あなたは私を悩ませる

  ジャン=クリストフ・グロッフェ(B)指揮テレーム
   [ゾーレン・ラヴァナン=リンケ(Ms) ラニ・オレンシテイン(P)
    ジュリアン・フロイミュート(CT) リオール・レイボヴィチ、イーヴォ・ハウン(T)
    ブレノ・クィンデーレ(Br) ツィヴ・ブラハ(リュート)]
 録音:2016年11月、アレゲマイネ古文書館、バーゼル。 シューベルト(1797-1828)とクレマン・ジャヌカン(1485頃 -1558頃)が会うことができて、音楽について楽しく語りあったら、という妄想を具現化したアルバム。妄想の主は声楽アンサンブル「テレーム」の指揮者でバス歌手のジャン=クリストフ・グロッフェ。自身ジャヌカンを演じ、ジャケットでは今風の男たちのシューベルティアーデの中で、意味深な全裸を晒している。ロマン派のオーストリアの作曲家と16世紀のフランスの作曲家には何の接点もないように思われるが、実は多くの共通点がある。ともに膨大な声楽曲を残し、その歌詞を吟味したこと。その多くを友人たちとの楽しみのために書いたこと、主に男声のために書かれていること等々。ここでは妄想をできるだけ現実化させるため、ピアノは1813年製のフォルテピアノを使用。北ドイツの貴族の家で200年間所蔵されていた楽器を2015年にクリストファー・カーンが修復した。また選曲も凝っていて、シューベルトの「知られたくないセクシャリティの部分」を暴露しているとのこと。
ウィリアム・バード(1543-1623):コンソートと声楽曲集
 ファンタジー〔 I / II / III 〕/イン・ノミネ〔 I / II / V 〕/ブロウニング/パヴァーヌガイヤルド/
 来たれ、嘆きのオルフェウスよ/ああ愚かな魂よ/年老いたご婦人が/奥様は子犬を飼っていた/運命の力で/
 ニンフたちよ、愛をあざけるつもりなのか/アマリリスは妖精の女王のように草原で踊り/
 美しいスザンナ/苦労はなんと虚しいことか/聖なるミューズたちよ

 イム・スンヘ(S) ビー・ファイヴ・リコーダー・コンソート
 録音:2016年8月18日-21日。 「ブリタニア音楽の父」とも呼ばれ敬愛されている、イギリス・ルネサンスを代表する作曲家、ウィリアム・バード。本CDでは、彼の数ある作品の中からコンソート(室内楽曲)と声楽曲が取り上げられている。コンソートとは、16, 17世紀のイギリスの室内楽を指す言葉。最近ではヴィオール属楽器の合奏によって演奏されることが多いバードのコンソートが、このCDでは温もりあるリコーダー合奏で演奏されている。また民謡が好きだったと伝えられるバードだが、CD一曲目の「ファンタジーIII」には有名な民謡「グリーンスリーブス」がさりげなく織り込まれており、彼の民謡好きな一面を伝えている。 声楽曲は、16世紀の劇場で女役を演じる少年によって歌われていた物。最後の曲「 聖なるミューズたちよ」は、師であり家族ぐるみで厚い親交のあったトーマス・タリスの死に際したオマージュとなっている。演奏は、2000年のヨーロッパデビュー以来、世界各国の歌劇場や音楽祭での活躍が注目されているソプラノ歌手イム・スンヘと、精度の高いアンサンブルでルネサンス音楽から新曲初演まで聴かせるリコーダー五重奏団ビー・ファイヴ・リコーダー・コンソート。高貴なイギリス・ルネサンスの響きをお楽しみ頂きたい。
COV-91726
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(HYBRID_SACD)
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調/
     高貴で感傷的なワルツ
ドビュッシー:映像第1集
ヴォロディーミル・
 ラヴリネンコ(P)
ルネ・ベルグマン指揮
アールガウso.
 録音:2016年、ライヴ。 1984年ウクライナ出身のピアニスト、ヴォロディーミル・ラヴリネンコによるラヴェルのピアノ協奏曲。2017年有能な芸術家に与えられるハンブルクのベレンバーグ文化賞を受けた逸材。このアルバムは、アールガウso. とのコンサートのライヴ録音。ラヴェルのピアノ協奏曲は、繊細なピアノと華麗なオーケストレーションが混じりあう人気の高い楽曲。ラヴリネンコの見事な色彩感に圧倒される。特に第2楽章の美しさは白眉。そしてラヴェルの「水の戯れ」に触発され書かれたというドビュッシーの「水の反映」を含む映像第1集。煌めきを感じるピアノの音色、波紋のように広がるリズムなどを丁寧に表現している。最後に7つのワルツとエピローグの8曲からなるラヴェルの「高貴で感傷的なワルツ」。ラヴリネンコのピアノは複雑な響きを繊細に描いている。
Paesaggio - Works for tuba and orchestra
 ヴォーン・ウィリアムズ:チューバ協奏曲(*)
 ウィリー・メルツ:チューバ、ハープと管弦楽のためのディヴェルティメント(#)
 トルビョルン・イヴァン・ルンドクイスト:チューバ、弦楽とピアノのための「ランドスケープ」(+)
 アンドレア・チョラニー:チューバ、ハープと弦楽のための「祈り」(**)
 イオネル・ドミトル/ウィリー・メルツ編曲:チューバと管弦楽のための「ルーマニア舞曲第2番」(##)

 ジークフリート・ユング(Tu) ヨハンナ・ユング(Hp)
 ウォルター・ヒルガース指揮マンハイム国立劇場o.
 録音:2017年2月20日-24日、ルートヴィヒスハーフェン。 アルバム全編チューバが大活躍する協奏作品集。太く低くオーケストラを底から包み込むような音を奏でるチューバだが、ひとたび脚光を浴びればその大胆な機動力と歌心で聴く者の心をつかみる。ハープを伴う作品を収録しているのも特徴。演奏しているジークフリート・ユングとヨハンナ・ユングは夫婦で息ぴったり。(*)はペンタトニックを使ったメロディが何ともヴォーン・ウィリアムズ。第2楽章の田園的な美しさは必聴。(#)は 3 + 3 + 2 の軽快で颯爽としたリズムが心地よく、ハープの色彩が花を添える。(+)は単一楽章20分の大曲で決然としたソロに始まり、ピアノと弦が変化音を含んだひねりある和声を打ち込み緊張感を高めるシリアスな作風。そして(**)はとてもロマンティックで美しい名品!印象的な伴奏音型をハープが繰り返し、チューバが優しくメロディを歌いる。中間部では速度を上げて弦が新しいリズム音型を奏でる。冒頭の雰囲気が戻ってきてからもそのリズム音型がメロディに紛れこんだりとなかなか凝った作りの三部形式。(##)は軽快などんちゃん騒ぎが楽しいラストナンバー。
remiX 〜クリストフ・マリア・ワーグナー
 ピアノのためのremiX 組曲〔 remiX III(ベートーヴェン V )/ remix XI (Smrt) / remix II(ヴェーベルン)〕/
 remiX IV (ソプラノと大アンサンブル(12人)のためのドイツ民謡)
  〔 Heissa / Schnitter Tod / Wenn ich ein Voglein war / Quodlibet /
    Whol heute noch und moregen / Lauf, Jager, lauf / Der Mond 〕/
 remiX V(スクリャービン)ピアノとエレクトリック・ピアノのための
 ボーナス・トラック RemiX X(やさしいソナタ、マ・ノン・トロッポ)プリペアド・ピアノのための

 ルース・ウェーバー(S) E-MEXアンサンブル
 クリストフ・マリア・ワーグナー(P) カーター・ウィリアムズ(エレクトロニクス)
 録音:2016年9月19日-21日、10月3日-5日、ドイツ放送カンマームジークザール、ケルン。 幅広いジャンルの作品を手がけるドイツの現代作曲家クリストフ・マリア・ワーグナーは、これまでに50 以上の作品が録音されている。このアルバムは「remiX /リミックス」と題し、彼の音楽的目標である「To open ears」をあらわすように、よく知られたドイツ民謡をソプラノ・ソロとアンサンブルのために再解釈した作品や、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」やモーツァルトのピアノ・ソナタ第16番などのクラシックの有名曲のモチーフを使ってピアノ、プリペアド・ピアノのための作品に仕上げている。
ファゴット、ファゴット、バソン! Vol.2
 サン=サーンス/アンドレアス・N.タルクマン編曲:
  ファゴット・ソナタ ト長調 Op.168(ファゴットと管弦楽版)/チェロとピアノのためのロマンス ニ長調 Op.51
 ジョリヴェ:ファゴット、ハープ、ピアノと弦楽のための協奏曲
 フォーレ/アンドレアス・N.タルクマン編曲:
  チェロと管弦楽のためのエレジー ハ短調 Op.24(ファゴットと管弦楽版)
 マルセル・ビッチュ:ファゴットと管弦楽のための協奏曲
 ピエルネ/アンドレアス・N.タルクマン編曲:
  ファゴットとピアノのための演奏会用独奏曲 ニ短調 Op.35(ファゴットと管弦楽版)/
  「小さな友達のためのアルバム」〜第6曲「鉛の兵隊の行進」(ファゴットと管弦楽版)

 ハンノ・ドネヴェーグ(Fg) グレゴール・ブール指揮シュトゥットガルト放送so.
 録音:2015年7月6日-9日。 シュトゥットガルト放送so. のソロ・ファゴット奏者、ハンノ・ドネヴェーグによるアルバム。同レーベルから発売された第1弾アルバム(COV-91517)と同様に、アンドレアス・N.タルクマンが他の編成からファゴット協奏曲に編曲した楽曲が並んでいる。ジョリヴェとマルセル・ビッチュのオリジナル作品もあまり聴く機会のない作品なので面白いプログラム。ファゴットの機動力と歌唱力が全開。
幻想ソナタ〜フルートとピアノのための音楽
 マックス・マイヤー=オルバースレーベン:幻想ソナタ イ長調 Op.17 /ピアノのためのバラード ト短調 Op.9
 ワーグナー/ヴィルヘルミ編曲:「アルバムの一葉」WWV.94 〜ロマンス / ヴィルへルミ:バラード
 ブーランジェ:ピエス/ノクチュルヌ / レオン・マロー: Dans la foret enchantee
 ルイス・マソン:緩やかなワルツ / ヴィクトル・アルフォンス・デュヴェルノワ:二つの小品 Op.41

 ミリアム・テラーニ(Fl) キャサリン・サラシン(P)
 録音:2016年8月26日-28日。 スイスのフルーティスト、ミリアム・テラーニのソロ・アルバム。楽器の特性を生かした曲が並ぶ。あまり聴き慣れない作曲家も多いが響きはロマン派。美しい音色の佳品ばかり。
アンドレアス・N.タルクマン(1956-):
 「鼻のこびと」「冷たい心臓」(ドイツ語)
ユーリー・テツラフ(語り)
クリストフ・ブライドラー指揮
デュースブルクpo.
 ヴィルヘルム・ハウフの童話「鼻のこびと」と「冷たい心臓」、2作品にアンドレアス・N.タルクマンが曲を付けた、ナレーションを伴う子供用の音楽劇。大オーケストラによる音楽はかなり手が込んでいる。
COV-91732
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(2CD)
ヘンデル:オラトリオ「テオドーラ」
 ハナ・ブラシコヴァー(S;テオドーラ) ノハド・ベッカー(Ms;イレーネ)
 クリスティアン・ローバッハ(CT;セプティミウス)
 ゲオルク・ポプルツ(T;ディディムス) ダニエル・オチョア(B;ヴァレンス)
 ラルフ・オットー指揮マインツ・バッハo.&cho.
 録音:2015年12月12日-13日、キリスト教会、マインツ、ライヴ。 哀しみと高潔さに満たされた世界観、そして巧みな声楽書法。1749年に書かれたヘンデル晩年の傑作オラトリオ「テオドーラ」。オペラとしても上演できそうな筋書を持ち、しかもハッピーエンドが当たり前の時代にあって悲劇で終わるという破格の内容で、当時の評判は今ひとつだったと言われている。しかし現在ではその音楽的豊かさが評価され高い人気を誇る名作として位置付けられている。キリスト教徒としての信仰を貫くテオドーラは、時のローマ帝国皇帝ディオクレティアヌスによるキリスト教徒迫害を受けて捕らえられる。そこへ同じキリスト教徒である兵士ディディムスが現れ、テオドーラと衣装を交換し彼女を逃がすが、今度はディディムスが死刑を宣告されたため、それを知ったテオドーラが戻って来る。お互い自らを犠牲にしてでも相手を救おうとするが、訴えは受け入れられず二人とも処刑されてしまい、物語は哀しみの中で幕を閉じる。短調を基調とした暗い色調が続き、気高い精神とともに殉教したテオドーラの物語が胸に迫る。テオドーラのアリア、テオドーラとディディムスの二重唱は哀しくも美しいものばかり。また悲劇で終わる物語を結ぶ最後のしめやかな合唱は受難曲のように感動的。声楽作品のスペシャリスト、ラルフ・オットーの指揮のもと、BCJでもおなじみのブラシコヴァーら名歌手が揃ったとびきりの演奏。作品の素晴らしさを十二分に伝えてくれる非常に完成度の高いライヴ録音。
COV-91733
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(HYBRID_SACD)
「デューベン・コレクション」からの宗教曲集
 ヴィンチェンツォ・アルブリーチ(1631-1696?): In convertendo (*)
 グスタフ・デューベン(1628-1690):4声のシンフォニア(*) / 作曲者不詳: Was betrubst du dich (*)
 ニコラウス・アダム・ストランク(1640-1700):6声のソナタ(*) / 作曲者不詳: Domine ne in fuore
 クリストフ・ベルンハルト(1628-1692): Ach Herr, strafe mich nicht
 ヨハン・マルティン・ラデック(1623頃-1684): Herr, wenn ich nur dich habe (*)
 アントニオ・ベルターリ(1605-1669):5声のソナタ第6番
 バルタザール・エルベン(1626-1728): O domine Jesu Christi / マラン・マレ(1656-1728):ラメント
 ヨハン・フィーアダンク(1605頃-1646): Der Herr hat seinen Engeln befohlen (*)

 アーベントムジーケン・バーゼル
 録音:2017年9月11日-14日。(*)は世界初録音。 2000近くの楽譜が収められた、17世紀後半の音楽を今に伝える貴重な「デューベン・コレクション」からの宗教曲集。歌あり器楽あり、男声、女声、管楽器に弦楽器とさまざまな編成が楽しめる。名手ぞろいのアンサンブルで演奏も申し分ないレベル。まろやかなコルネットが良い。
COV-91734
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(HYBRID_SACD)
天上のハーモニー
 ヴィターリ/レオポルド・シャルリエ―ルケ編曲:シャコンヌ ト短調 / リスト:システィーナ礼拝堂への祈り
 レーガー:ヴァイオリンとオルガンのためのロマンス(ディートハルト・ヘルマン編曲)/間奏曲 ト短調 Op.80 No.6
 パラディス/サミュエル・ドゥシュキン編曲:シシリエンヌ
 ラインベルガー:ヴァイオリンとオルガンのための6つの小品 Op.150

 ダニエル・アウナー(Vn)
 ハンフリート・ルッケ(Org|使用楽器:1873年、シュタインマイヤー製作
 録音:2017年、聖フローリン大聖堂、ファドゥーツ(ラインベルガー・オルガン)。 俊英ヴァイオリニスト、ダニエル・アウナーがオルガニスト、ハンフリード・ルケと共演したアルバムをリリース。 7歳でファドゥーツ・聖フローリン大聖堂のオルガン奏者となったラインベルガーは20あるオルガン・ソナタを中心に多くの宗教曲を残した。ヴァイオリンとオルガンのための作品の代表格と言える6つの小品は、ラインベルガーらしい美しい旋律が特徴。当録音ではラインベルガーが演奏した聖フローリン大聖堂の“ラインベルガー・オルガン " を使用しているのも注目。ヴィターリのシャコンヌのオルガン伴奏版はハイフェッツや五嶋龍などの録音でも親しまれているが、当録音ではシャルリエによるオルガン編にルケがさらに流麗な伴奏にした物。大聖堂に響き渡るヴァイオリンとオルガンの調べをご堪能頂きたい。
COV-91735
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(HYBRID_SACD)
ドヴォルジャーク:交響曲全集 Vol.7(完結編)
 交響曲第2番 変ロ長調 Op.4 /
 交響詩「金の紡ぎ車」 Op.109
マルクス・ボッシュ指揮
ニュルンベルク州立po.
 録音:2017年10月13日、マイスタージンガーハレ、ニュルンベルク、ライヴ。 マルクス・ボッシュが、2011年から音楽監督を務めているニュルンベルク州立フィルハーモニーと共に取り組んでいるドヴォルジャークのシリーズ。第7弾の今作で遂に全9曲が出揃った。最後にとっておいたのは初期の佳品、第2番。シューベルトを思わせる軽やかで美しいメロディと清らかな流れに心が洗われる。清冽なボッシュの演奏はSACDで聴ける最新のドヴォルジャーク全集として実におすすめ。「金の紡ぎ車」はドヴォルジャークの他の交響詩の例にもれず、童話的ファンタジー音楽でありながらかなりホラーな一面を持つ物語。25分以上ありなかなかの聴き応えをもった作品。
COV-91736
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(1CD)
2CD価格
吹奏楽によるクリスマス作品集
 チャイコフスキー/後藤洋編曲:くるみ割り人形幻想曲 / ヘンデル/フィリップ・スパーク編曲:もろびとこぞりて
 フンパーティンク/鈴木英史編曲:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」より〔夕べの祈り/パントマイム〕
 J.S.バッハ/フィリップ・スパーク編曲:羊は安らかに草をはみ / ティエモ・クラース: Mentis
 ロルフ・ルディン:アーメン / ジョニー・マークス/岩井直溥編曲:赤鼻のトナカイ
 アンダーソン/リークス・ファン・デル・フェルデ編曲:そりすべり / エリック・ウィテカー: Lux Aurumque
 ミコラ・レオントヴィチ/フィリップ・スパーク編曲::キャロル・オブ・ザ・ベル

 ミゲル・エルコリーノ指揮マンハイム・ブレーザーフィルハーモニー[吹奏楽]
 録音:2017年9月29日-10月3日、マンハイム。80人ほどの若い演奏家で構成された、マンハイムで名の知れた吹奏楽団であるマンハイム・ブレーザーフィルハーモニーによるクリスマス・アルバム。バッハから「赤鼻のトナカイ」まで、手際よくアレンジされた幅広い音楽を軽やかに晴れやかに演奏している。
 当盤は2019年1月に国内代理店から『レーベルより在庫が完売し廃盤になるとの連絡がございました。』『今後の追加入荷はございません。』との連絡が参りました。当店では海外流通在庫のお取り寄せを続けますが高額となります。また上記欄でご注文可能であっても、流通在庫が無くなり次第お取り寄せも不可となります。
WUNDERKAMMER
 J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV.244 〜アリア「来たれ、甘き十字架」/
         トッカータ(*)〔ニ短調 BWV.913 /ニ長調 BWV.912 〕
 バリエール:ソナタ集〔第2巻第6番 ハ短調/第3巻第3番 ハ長調〕
 フォルクレ:ジュピター/ラ・ボワソン/ラ・クープラン / F.クープラン:神秘の障壁(*)

 サラ・パール(ヴィオラ・ダ・ガンバ;*以外)
 マルティン・シーマン(Vc*以外) ミラ・ランゲ(Cemb)
  サラ・パールは人気ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者ヒッレ・パールの娘で、自身もガンバの名手であり既にいくつかCD をリリースしている。「マタイ」の名アリア「来たれ、甘き十字」やバリエール、フォルクレなどの美しい曲が並ぶ1枚。幽玄なガンバの音色が身に染みる。「来たれ、甘き十字」はもともとガンバのオブリガートがついた作品で歌のパートはこのCDではチェロが奏でている。
COV-91802
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(2 HYBRID_SACD)
ヴェルディ:歌劇「一日だけの王様」
 マルクス・ボッシュ指揮カペラ・アクイレイア、チェコ・ブルノ・フィルハーモニーcho.
 録音:2017年7月25日-28日。 「一日だけの王様」はヴェルディ第2作目のオペラ。1840年のミラノ初演は失敗に終わり、ヴェルディにとっては苦い作品となった。ちょうど子供と妻を失った不幸な時期に書かれたこともあり、創作意欲が不十分だったとも言われている。しかし虚心坦懐に耳を澄ませば、ロッシーニとドニゼッティの影響を受けつつも新鮮なメロディで書き上げられた魅力的な佳作として楽しめる。
おもちゃ箱
 トーマス・コッチェフ: Death, Hocket and Roll (トイ・ピアノ2台) / リー・ウェストウッド: Florescence
 モニカ・ピアース: Kandinsky / ジャック・シーン: Television continuity poses より〔 I / III 〕
 ウトゥク・アスロギウ [Utku Asuroglu]: Hayirli Olsun (トロンボーン、打楽器、チェンバロ、ピアノ)
 渡辺裕紀子: In My Room (電子音楽) / ヘザー・ステビンズ: Ursa Minor
 アンナ・ソルヴァルドスドウッティル: Shades of Silence (ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、チェンバロ)
 フランコ・ドナトーニ: Toy -Movt I / マイケル・クライン: Celia's Toyshop

 ザ・ライオット・アンサンブル
 録音:2017年2月17日-19日、リアル・ワールド・スタジオ、イギリス。 我が道をゆく合奏団「ザ・ライオット・アンサンブル」によるポップで刺激的な現代音楽! 編成の多彩さが面白い。自由な感性が飛び交い、まさにおもちゃ箱をひっくり返したような世界が広がる。
ドビュッシー:前奏曲集第1巻(全12曲)
トルステン・エンケ(1966-):アプレリュード(全6曲)
ユリア・バルタ(P)
 録音:2017年4月7日-9日、2018年1月5日-7日。 エンケの「Apresludes」はドビュッシーのプレリュードへのオマージュと言える作品。繊細なピアニッシモ、軽やかなグリッサンド、鐘の音、先鋭的な和声とクラスター、ソステヌート・ペダルの効果的な活用、そして明滅するドビュッシーのモチーフ。ピアニストのユリア・バルタはこの作品を「ドビュッシーに出会う旅のよう」と表現している。ドビュッシーのプレリュードとあわせて聴くと、より一層楽しめる内容。
ワーグナー
 「パルジファル」〜第1幕への前奏曲/使徒の愛餐/
 「パルジファル」〜聖金曜日の音楽
マルクス・ボッシュ指揮
ラインラント=プファルツ州立po.
ヴォカペラcho.団員男声合唱
 録音:2003年4月20日、ローゼンガルテン、マンハイム、ライヴ。 「使徒の愛餐」は男声合唱と管弦楽のためのユニークな作品。力強いア・カペラが延々と続き、曲の後半に入って宗教的盛り上がりが頂点の高みに達したとき、遂に、満を持してオーケストラが加わる。勇壮なオペラの一場面といった感じで、まさにワーグナーにしか書けない音楽と言える。このアルバムではパルジファルの管弦楽曲と組み合わせることにより、更に高邁な精神に満ちた世界を作り上げている。
COV-91808
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(2CD)
シューベルト:ピアノ三重奏曲全集
 〔第1番 ロ長調 Op.99, D.898 /第2番 変ホ長調 Op.100, D.929 〕/
 ソナタ楽章 変ロ長調 D.28 /ノットゥルノ 変ホ長調 Op.148, D.897
 トリオ・ラファール
  [マキ・ヴィーダーケアー(P) ダニエル・メラー(Vn) フルリン・クオンツ(Vc)]
  トリオ・ラファールはスイスの若手ピアノ三重奏団。2014年大阪国際室内楽コンクール優勝をはじめ、2011年メルボルン国際室内楽コンクール優勝、同年リヨン国際室内楽コンクールで2位になるなど、数々の賞を受賞している。シューベルトの残したピアノ三重奏のための作品全4曲を収録。
フランツ・クサヴァー・シュテルケル(1750-1817):歌曲集
 Lied im Freien / Phylis an ihren Damis / Ermunterung / Liebesbothen / An Lina / Elise /
 Des Jagers Abendlied / Philintan Suschen / Die Sprode / Die Biene / Der Geist der Harmonie / Abendlied /
 Erinnerung des 15ten May 1793 / Die Vollendung /ピアノのための幻想曲 Op.45 /7つの歌〜 Misero tu non sei /
 アリエッタ M'hanno detto, che il marito /3つのイタリア語二重唱〜 Ad onta del fato mio bene adorato

 ユリア・フォン・ランズベルク(S) ヤン・コボウ(T)
 シルヴィア・アッカーマン(タンジェントP) トマス・ヘーネ(G)
 忘れられたドイツ古典派の作曲家フランツ・クサヴァー・シュテルケルの歌曲集。やわらかく温かなメロディが味わい深い。チェンバロとピアノの中間のような音を出すタンジェントピアノによる伴奏も注目。声と楽器が美しく溶け合う。
ベートーヴェン:チェロとピアノのための初期作品集
 チェロ・ソナタ〔第2番 ト短調 Op.5 No.2 /第1番 ヘ長調 Op.5 No.1 〕/
 「魔笛」の「恋を知る男たちは」による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO.46 /
 「魔笛」の「恋人か女房か」による12の変奏曲 ヘ長調 Op.66
 デュオ・アレクサンダー
  [アレクサンダー・シェーフ(Vc) アレクサンダー・プリャエフ(Fp)]
 録音:2017年8月28日-31日。チェロとピアノのために書かれた、ベートーヴェン20代の頃の初期作品集。ソナタの第1番と第2番はともに序奏とアレグロで始まり、さらにアレグロのロンドが続く「緩-急 -急」という力強い構成。白熱した曲想が魅力。ピアノ・パートはベートーヴェン自身が受け持ったとされ、初期ピアノ・ソナタを思わせる野心的な書法が見られ、フォルテピアノの演奏で聴くとその型にはまらない力強さがより感じられる。「魔笛」による変奏曲2題はベートーヴェンが若いころから変奏曲の名人であったことをうかがい知れる作品。チェロの歌わせ方も変化に富んでいる。ふたりのアレクサンダーによるこのCDの演奏は心を掻き立てるような表現にあふれ、燃えるベートーヴェン像を呈示している。
COV-91812
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(HYBRID_SACD)
モーツァルト
 ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467 [河村尚子(P) ダグラス・ボストック指揮/2017年3月22日]/
 ファゴット協奏曲 変ロ長調 K.191 [アンドレア・チェラッキ(Fg) ルネ・ベルグマン指揮/2014年11月18日]

 アールガウso.
 録音:[/内]、ともにアーラウ、スイス、ライヴ。COVIELLOレーベルから河村尚子の協奏曲ライヴ録音が突如登場!曲はモーツァルトの21番。あの美しい第2楽章はもちろん、透明無垢なハ長調による両端楽章の結晶のような響きも大注目。カップリングは同じオーケストラによる別日のライヴからモーツァルトのファゴット協奏曲。なかなか面白い組み合わせと言える。河村尚子はミュンヘン国際コンクール第2位、クララ・ハスキル国際コンクール優勝という華々しい経歴を持ち、ドイツを拠点に演奏活動を行っている。国内の評価も大変高く、これまで文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞、新日鉄音楽賞、出光音楽賞、日本ショパン協会賞、井植文化賞、ホテル・オークラ賞を受賞。2018年6月に紀尾井ホールで行われたベートーヴェンのピアノ・ソナタ・プロジェクト Vol.1では、初期のソナタにいきいきとした命を吹き込み、徹底した作り込みと抜群のリズム感、瞬間的な自由度が高次元で組み合わさった素晴らしい演奏を聴かせた。初登場となるモーツァルトの協奏曲録音も期待が高まる。アンドレア・チェラッキは1997年ローマ生まれの俊英ファゴット奏者。数々のコンクールで1位に輝き、19歳の時にイヴァン・フィッシャーが指揮するベルリン・コンツェルトハウスo. の首席ファゴット奏者の席を勝ち取ったほか、ソリストとしてもミュンヘンso.デュッセルドルフso. など多数のオケと共演している。
COV-91813
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(HYBRID_SACD)
ボッケリーニ
 スターバト・マーテル ヘ短調 G.532 (1781年初版)/シンフォニア ニ長調 G.500
  ヌリア・リアル(S) オルケストル・ル・フェニックス
 録音:2018年4月19日-22日、ファレラ、スイス。 美しい容姿と透き通った美声が人気のスペインのソプラノ、ヌリア・リアルがボッケリーニの名品「スターバト・マーテル」を録音した。ボッケリーニはこの曲を、まずソプラノと弦楽五重奏という編成のために書き(初版)、後に編成を大きくして3人の声楽と弦楽合奏のために書き直した版も残している。初版に用いられた「チェロ2本を要する弦楽五重奏」はチェロの名手であったボッケリーニお得意の編成で、大量の素晴らしい五重奏曲を残していることからしても、大いなる霊感の源泉であったと思われる。このアルバムでは初版を用いながらも弦はパート内で人数を増やしコントラバスも取り入れ、弦楽五部の合奏体として演奏。しっかりと響きを作りつつ、1人の声ゆえに統一感ある表現に貫かれている。高貴な祈りのように響く「悲しみの聖母」をじっくりとご堪能頂きたい。カップリングのシンフォニアは弦楽合奏にホルン2本が加わる。10分ほどの作品だが4楽章形式で「急-緩 -メヌエット-急」という構成を持ち、まさに交響曲の前身といった音楽で楽しめる。上質のメロディ・メーカーでもあるボッケリーニの魅力が詰まった1枚。
カステッロ:現代様式によるソナタ・コンチェルタンテ〔第16番/第10番/第14番/第13番〕
シュッツ:シンフォニア・サクラ第1集〜 fili Mi Absalom Swv.269
ヨハン・クリストフ・バッハ: Wie bist du denn, o Gott, in Zorn auf mich entbrannt
クリスティアン・ガイスト: Es war aber an der Statte, da er gekreuziget ward
 ハンス・ウィヤール(B) ヴンダーカンマー
 録音:2017年10月15日-17日。17世紀ドイツの声楽曲をカステッロの合奏曲で挟んで構成したアルバム。バスが歌う厳粛でしめやかな声楽曲と、対位法的に火花を散らす器楽曲が好対照を成する。ヨハン・クリストフ・バッハはJ.S.バッハの祖父クリストフの弟ハインリヒの息子で、マリア・バルバラの祖父でもある人物。ここに収録された楽曲はシンフォニアと4つの歌からなるカンタータでなかなかの佳品。
エリザベト・ジャケ=ド=ラ=ゲール:ブロサード・コレクションからの室内楽曲集
 前奏曲 ト短調 /トリオ・ソナタ ト短調 /前奏曲 イ短調 /ヴァイオリン・ソナタ イ短調 /トリオ・ソナタ ハ短調 /
 Tocade ヘ長調 /トリオ・ソナタ 変ロ長調 /前奏曲 ニ短調 /ヴァイオリン・ソナタ イ短調 /トリオ・ソナタ ニ長調

 ザ・バッハ・プレイヤーズ
  [ニコレット・ムーネン、オリヴァー・ウェッバー(Vn)
   市瀬礼子(ヴィオラ・ダ・ガンバ) シラス・ウォルストン(Cemb)]
 録音:2017年6月18日-20日、ロンドン、聖ミカエル教会。5歳でに神童として知られた女流作曲家ジャケ=ド=ラ=ゲール。ルイ14世も彼女の卓越した才能に驚き、さらなる発展を期待せずにはいられなかったという。作曲家としてのみならず、教師や学者としても地位を確立し、一生涯において尊敬された偉大な音楽家の才能を垣間見ることの出来る珠玉の室内楽作品集。自然と調和する上質のバロック語法でありながら、ふしぶしに憂いと影のある和声が用いられ、何とも言えない深みを讃えている。ピリオド楽器の名手の集まりである「ザ・バッハ・プレイヤーズ」による巧妙な演奏解釈が絶美の音楽をさらに魅力的なものにしていて、演奏者の呼吸・息遣いがそのまま音楽となって立ち上ってくるような、ため息モノの蠱惑的演奏が繰り広げられている。
New music, new politics
 ガーシュウィン:ピアノのための前奏曲 / ジェフスキ:4つのアメリカ北部のバラード
 ケヴィン・マローン: The People Protesting Drum Out Bigly Covfefe
 エイミー・ベス・カーステン: (speak to me) / モートン・グールド:ブギウギ練習曲
 アダム・スウェイン(P)
 イギリスのピアニスト、アダム・スウェインによるアメリカ作品集。ケヴィン・マローンの作品は2017年、エイミー・ベス・カーステンの作品は2010年に書かれた作品。アメリカ特有のポップ・カルチャーや政治的な表現も含まれた、一筋縄ではいかない内容。
COV-91901
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(2 HYBRID_SACD)
ヴェルディ:歌劇「十字軍のロンバルディア人」
 レオン・デ・ラ・グアルディア(T;アルヴィーノ) パヴェル・クディノフ(B;パガーノ)
 アンナ・ヴェルレ(S;ヴィクリンダ) アーニャ・イェルク(S;ジゼルダ)
 ダニエル・ドロプリア(B;ピルロ) クリストフ・ヴィットマン(T;プリオーレ)
 アンドルー・ノーレン(B;アッチャーノ)マ リアン・タラバ(T;オロンテ) ケイト・アレン(S;ソフィア)

 マルクス・ボッシュ指揮ブルノ・チェコ・フィルハーモニーcho. カペッラ・アクイレイア
 録音:2018年7月15-20日、ハイデンハイム、ライヴ。「ナブッコ」に続く、ヴェルディ4作目のオペラ。比較的初期の作品でそこまで有名ではないものの、美しいメロディや効果的な合唱が映える佳作。COVIELLOレーベルおなじみの中堅指揮者、ボッシュが鮮やかに明晰に描いている。
Reka Kristof
 ヴィヴァルディ:
  ソプラノ、2つのヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音のためのモテット「正しい怒りの激しさに」 RV.626 /
  ソプラノ、2つのヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音のための詩篇第112篇「褒め称えよ、神の僕たちよ」 RV.600
 ヘンデル:ソプラノ、弦楽とオルガンのためのカンタータ「サルヴェ・レジーナ」 HWV.241 /
      ソプラノ、2つのヴァイオリンと通奏低音のためのモテット「グローリア」 HWV.deest

 レカ・クリストフ(S) ヨアヒム・チューイーデル指揮アカデミア・ディ・モナコ
 スロヴァキア生まれのソプラノ、レカ・クリストフによるデビュー盤。古楽の声楽作品はときに人の声を器楽のように扱わねばならないが、彼女はここに収録された楽曲を「スピリチュアルで、快適で、うそ偽りのない形」と素直に受け止め、心地よい歌声で表現豊かに歌う。技巧的な旋律も機械のようには歌わず、やわらかな風合い。古楽アンサンブル、アカデミア・ディ・モナコの引き締まったサポートも光っている。
アンドレアス・N.タルクマン(1956-):インカ・カンタータ「太陽の処女」
ホルスト:室内オペラ「サーヴィトリ」 Op.25
 レナー・クッツナー(S) ベンジャミン・ブルンス(T)
 リシャルト・カルース(B) グートルーン・シュレーフェル指揮
 ハノーファー女声cho.、アルテ・アンサンブル・ハノーファー
 ハノーファー生まれの作曲家、アンドレアス・N.タルクマンによる新作カンタータを収録。1911年に発見された空中都市マチュ・ピチュについてのある映画が彼にアイデアを与えたそうで、インカ文化の「太陽の処女伝説」を題材にしている。タルクマンの用いる響きは映画音楽のようにロマン派的な美しさで、難解な現代音楽とは一線を画した聴きやすい物。インド神話の太陽神サーヴィトリを描いたホルスト作品との組み合わせという面白いプログラムで、とてもユニークな仕上がりのアルバム。
COV-91904
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(HYBRID_SACD)
ドレスデンからの宗教的音楽
 ジュゼッペ・ペランダ(1625頃-1675):
  ミサ曲 イ短調より(*)〔キリエ/グローリア〕/ Repleti sunt omnes /
  Accurite gentes / Fasciculus myrrhae / Timor et tremor / Factum est proelium  ヴィンチェンツォ・アルブリーチ(1631-1687):2声のシンフォニア / ダヴィト・ポール(1624-1695):6声のソナタ

 アーベントムジーケン・バーゼル
 録音:2018年7月9日-12日、ドイツ| (*)以外世界初録音。イタリアに生まれドイツで音楽活動を展開したジュゼッペ・ペランダの作品を中心に、共にドレスデンで活躍したアルブリーチ、ポールの作品を絡めて構成したディスク。「ミサ曲 イ短調」は1660年代に書かれたとされ、J.S.バッハが筆者譜を所有し1715年にヴァイマールでキリエを演奏した記録も残っている楽曲。イタリアの協奏的なスタイルが取り入れられ、6つの声楽パートと6つの器楽パートが対置されたリズミカルで華やかな書法が魅力。また「ミサ曲 イ短調」以外の楽曲はすべて世界初録音となっており大変貴重。ドイツの宗教音楽に新風を巻き込んだイタリアの響きをお楽しみ頂きたい。
レーガー:ヴァイオリン・ソナタ第9番 ハ短調 Op.139 /子守歌 Op.43 /春の朝 Op.51 No.11 /やすらぎ Op.62 No.3
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ〔第1番 ニ長調 D.384 /第3番 ト短調 D.408 〕

 アンナ・ゾフィー・ダウエンハウアー(Vn) ルーカス・マリア・クーエン(P)
 9曲のヴァイオリン・ソナタを作曲したレーガー。その最後にあたる第9番を収録している。全4楽章の充実した作品で、終楽章はレーガー必殺の変奏曲となっており聴き応えのある1曲。デュオとして活動するダウエンハウアーとクーエンによる演奏は揃った呼吸と確かな技術が見事。2人が編んだ歌曲からの美しい編曲版を挟み、清冽なシューベルトのソナチネ2曲へと流れるようにつながる構成も良い感じ。
マジック・オヴ・ムービー Vol.1
 ジョン・ウィリアムズ:「ジュラシック・パーク」〜テーマ/「インディ・ジョーンズ」〜レイダース・マーチ/
            「スーパーマン」〜スーパーマン・マーチ/
            「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」より
  〔レジスタンス・マーチ/レイのテーマ/Xウイングのスケルツォ/ザ・ジェダイ・ステップス・アンド・フィナーレ〕/
            「フック」〜ネバーランドへの飛行
 エルマー・バーンスタイン:マグニフィセント・セブン
 ヘンリー・マンシーニ:「ティファニーで朝食を」〜ムーンリバー / ジェイムズ・ホーナー:「タイタニック」組曲
 アラン・シルヴェストリ:バック・トゥ・ザ・フューチャー
 クラウス・バデルト:「パイレーツ・オブ・カリビアン」メドレー
 *ボーナス・トラック マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲

 ジェイソン・ウィーヴァー指揮ドイツ・フィルハーモニー・メルク
 録音:時期未判明、ライヴ。
ブラームス:ドイツ・レクイエム Op.45(4手ピアノ伴奏版)
 ヨハンナ・ヴィンケル(S) クレシミル・ストラジャナッツ(Br)
 セバスティアン・ブレウイング、クリストフ・シュナッケルツ(P)
 フローリアン・ヘルガート指揮コールヴェルク・ルール(cho.)
 録音:2018年。自作管弦楽曲の4手ピアノ用編曲を多く手掛けたブラームス。ドイツ・レクイエムも作曲家自身の手によって4手編曲された楽譜が残っているが、それは声楽パートも無くし、ピアノのみで演奏するための物。当アルバムにはそのブラームスの編曲譜を用いつつ、声楽パートを復活させてソリスト、合唱、ピアノで演奏した珍しいバージョンが収録されている。合唱も編成を絞り、すっきりした室内楽的なサウンドで歌声がより親密に響いて来る。今までにないドイツ・レクイエムをお聴き頂きたい。
ジュゼッペ・アントニオ・ブレシャネッロ(1690-1758):3声の協奏曲集 Vol.2
 〔第7番 イ短調/第10番 ニ短調/第8番 ニ長調/第11番 ホ短調/第9番 イ短調/第12番 イ長調〕

 ムジカリッシェ・ガルテン
 録音:2018年。第1番〜第6番を収録した第1集(COV-91705)に続くアルバム。ジュゼッペ・アントニオ・ブレシャネッロは、ドイツ、シュトゥットガルトのヴュルテンベルク宮廷楽団のカペルマイスターとして活躍したイタリアの作曲家。職を辞した後、作曲に専念して書かれたのがこの協奏曲集。充実したトリオ・ソナタとも言える作品で、2つのヴァイオリンが同等に掛け合う書法が魅力的。美しくゆったりとした楽章と、喜びにあふれた速く技巧的な楽章がせめぎ合い音楽が展開されていく。バーゼル・スコラ・カントルムを卒業した仲間が集まって結成された古楽アンサンブル、ムジカリッシェ・ガルテンによる生き生きとした演奏でお聴き頂きたい。
Amour Et Mars ル・ジュヌ、ジャヌカン/他: より
 クレマン・ジャヌカン(1485-1558)、クロード・ル・ジュヌ(1530-1600):
  Le chant de l'Alouette / Le chant du Rossignol (Paris, Ballard, 1603)
 クレマン・ジャヌカン:
  J'ay dict, j'ay faict (Paris, Attaingant, 1543) / Au joly jeu du pousse avant (Paris, Attaingant, 1529) /
  O mal d 'aymer (Paris, Attaingant, 1544)
 クロード・ル・ジュヌ:
  Fuyons tous d'amour le jeu / Premiere Fantasie / O voix, o de nos voix (Paris, Ballard, 1612) /
  « Arm’, arm’» - la guerre (Paris, Ballard, 1608)
 ニコラス・バレット(1583-1642): Est-ce Mars et Courante de Mars (Le Secret des Muses, Amsterdam, 1616)
 ピエール・アテニャン(1494-1552): Prelude (Paris, Attaingant, 1529)  作曲者不詳: Pavane la Bataille (Musicque de Joye, Lyon, Moderne, 1550)
 ピエール・ゲドロン(1570-1620): Puisque les ans n 'ont / Qu 'un printemps (Paris, Ballard, 1617)

 テレーム
 録音:2018年。歌とガンバとリュートによる、美しいフランス・ルネサンス音楽集。テレームはバーゼル・スコラ・カントルムの卒業生が中心となって2013年に設立された古楽アンサンブル。名前の由来はフランソワ・ラブレーの小説「ガルガンチュワ物語」に登場するユートピア、六角形で5階建ての建物「テレームの僧院」。
世界の民謡集
 Ack, Varmland(スウェーデン)/ Sur le pont(フランス)/ Die Lorelei(ドイツ)/ Bella bimba(イタリア)/
 America The Beautiful(アメリカ)/さくらさくら(日本)/ Heidenroslein(ドイツ)/ Roter Sarafan(ロシア)/
 Alma Llanera(ベネズエラ)/ Laul Pohjamaast(エストニア)/ Uskudar'a(トルコ)/ Little River(中国)/
 Varka sto gialo(ギリシャ)/ Shosholoza(南アフリカ)/ Hava Nagila(イスラエル)/ Guantanamera(キューバ)

 ベルンハルト・クーグラー指揮カルヴ・アウレリウス少年cho.、マンハイム・ハープ四重奏団
 録音:2018年。世界の民謡を少年合唱が歌う1枚。有名でキャッチーな曲が選ばれ、ハープと少しのパーカッションで伴奏される。日本からは「さくらさくら」が選ばれていて、割と自由なアレンジが施されているがしっかりと日本語で歌われている。
COV-91910
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(2CD)
ラヴェル:ピアノ作品全集
 水の戯れ/ソナチネ/亡き王女のためのパヴァーヌ/プレリュード/鏡/
 ハイドンの名によるメヌエット/夜のガスパール/クープランの墓/ラ・ヴァルス/
 シャブリエ風に/ボロディン風に/古風なメヌエット/メヌエット(1904) /高雅で感傷的なワルツ

 アルフォンソ・ゴメス(P|使用楽器:スタインウェイ D )
 録音:2016年6月28日-30日、2018年7月28日-29日、アンサンブルハウス、フライブルク。アルフォンソ・ゴメスは現代作品を得意とし多く取り上げているスペインのピアニスト。明晰な読みとメカニックな巧さを武器に、現代的な研ぎ澄まされた音色感覚でカッチリと奏でられるラヴェル。とは言え瑞々しさを失うことなく、かと言って甘くなりすぎず、という見事なバランスでいきいきと全曲に対峙。ラヴェルが自らの音楽の精粋を封じ込めるべく開発したピアノ書法を丁寧に解きほぐし、その音楽の素晴らしさを明らかにしてくれる。スタインウェイの響きも美しく録音も上質で、大変高い完成度のアルバムになっている。
Gottinger Stadtmusik
 W. F. バッハ(1710-1784): Ach, das du den Himmel zerrissest BR-WFB F3; FK93
 カール・フリードリヒ・ルドルフ(1749-1796):
  Lobet ihr Himmel den Herrn CFR-WV6 (*) / Herr! Thue meine Lippen auf CFR-WV13 (*) /
  Lobet den Herrn, lobet ihr Knechte des Herrn CFR-WV14 (*)
 ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ(1697-1773):フルート協奏曲 ト長調 QV5:174
 C. P. E. バッハ(1714-1788):交響曲 ハ長調 WQ.174(フルート2、ホルン2、弦楽と通奏低音)

  ハンナ・ツムザンデ(S) ニコル・ピーパー(A) ヤコブ・ローレンス(T)
  ヘンリク・ベーム(B) ドロテー・クンスト(トラヴェルソ)
  アントニウス・アダムスク指揮ゲッティンゲン・バロックo.
 録音:2018年10月6日、ゲッティンゲン| (*):世界初録音。カール・フリードリヒ・ルドルフ(1749-1796)の作品と、彼が活躍した地・ゲッティンゲンにゆかりのある作曲家の作品を集めて構成したアルバム。ルドルフはいくつかのカンタータが残っているくらいの知られざる作曲家で、ここに収録されている作品も世界初録音。バロックから古典派への過渡期に書かれた興味深い音楽。
9つの管楽器のための音楽
 オルウィン:フルートと管楽のための協奏曲
 モーツァルト/クエンティン・プール編曲:
  四手のためのピアノ・ソナタ ヘ長調 K.497(管楽編曲版)
 アテア木管五重奏団
  [クリス・ビーグルス(Hr) 橋本杏奈(Cl) フィリップ・ハワース(Ob)
   アシュリー・マイヤル(Fg) アレーナ・ヴァレンティン(Fl)]

 ジョーダン・ブラック(Cl) ポール・コット(Hr)
 ジェニファー・メルヴィル(Ob) アンドルー・ワトソン(Fg)
 録音:2018年。弦楽器の室内楽に比べるといささか人気の劣る管楽器の室内楽。しかし美しく魅力あふれる素晴らしい楽曲もあり、マニアックな心をくすぐる分野でもある。イギリス後期ロマン派の秘曲、オルウィンの協奏曲は独奏フルートと8つの管楽器のために書かれた作品。軽妙にして彫りの深い書法で、伴奏楽器それぞれの音色の使い分けも巧妙、ソロとバックの対比もしっかりあり、フルo. の協奏曲に負けない内容と面白さを持っている。モーツァルトの四手ソナタの編曲も楽しく、管楽合奏の愉しみに満ちた好アルバム。
デイヴィッド・フェルダー(1953-):
 タロット遊び(*) /ネティボト(#) /他人の顔(安部公房による)(+)
  アーヴィン・アルディッティ(Vn;*/+) アルディッティSQ (#)
  ブラッド・ラブマン指揮アンサンブル・シグナル(*)
 録音:2017年3月29日-31日、2018年6月6日-9日、ニューヨーク。アルディッティ四重奏団のヴァイオリニストであり、現代音楽界きっての名手として名を轟かせているアーヴィン・アルディッティを迎えた1枚。デイヴィッド・フェルダーはアメリカの作曲家で、90年代にはバッファロー・フィルのコンポーザー・イン・レジデンスを務めていた。「他人の顔」は安部公房のあの小説を基にした無伴奏ヴァイオリン作品。現代人のアイデンティティの危うさが浮き彫りにされ、即物的な恐怖に支配される世界のなか、僅かな抒情を残して消えていく何とも言えない後味の音楽。ストラヴィンスキーの「カルタ遊び」を連想させるタイトルの「タロット遊び」はタロットカードの大アルカナに基づく「魔術師」「愚者」「女司祭」「隠者」「女帝」「司祭」「月光」の全7楽章からなる作品。ヴァイオリンと、多彩な楽器による室内アンサンブルのために書かれている。ヘブライ語の「道」をタイトルとした「ネティボト」は、「献身」「隠遁」「雲の柱と火の柱」の3楽章からなる弦楽四重奏曲。微分音を用いた難曲を完璧に演奏する四重奏団に注目。
COV-91914
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(2CD)
野生の歌、マルクス・ミュージック
 Frédéric Pattar:Deflation - Eine kleine Marxmusik / Sergej Newski:Letter to H. Marx
 Cecilia Arditto:The dearest dream / Alistair Zaldua:manifesto
 Mert Moralı:Die Produktion des Bewusstseins / Andrea Portera:Wild Rituals
 Celeste Oram:Pierrot Laborieux I-III. The Work / Kaspar Querfurth:bloßes Zubehör der Maschine
 Geoffrey Gordon:Harmonie - An Jenny / Ruiqi Wang:Wenn’s tief in mir ertönt
 Robert Reid Allan:Terry Helenson’s Revolutionary Dreams

 バーミンガム現代音楽グループ
 録音:2018年9月1日-2日。「資本論」や「マルクス主義」で知られるカール・マルクスをテーマとした現代作品集。「Letter to H. Marx」はマルクスが1837年11月10日に書いた父への手紙の断片を、「manifesto」は「共産党宣言」の断片をテキストに用いた作品。
ニコラウス・A.フーバー(1939-):
 幽霊(1976) [エルネスト・ブール指揮バーデン=バーデン・フライブルクSWRso.]/
 ハラキリ(1971) [バーバラ・ストール(声) ジョルト・ナジ指揮シュトゥットガルト放送so.]/
 アンフラマンス(2013/14) /出口なし(2014) [ゲラルト・エッケルト指揮アンサンブル・リフレクションK]
 シュトックハウゼンやノーノに師事した作曲家フーバーの作品集。70年代の作品と近作を組み合わせた内容となっている。現代音楽を得意とするエルネスト・ブールらの演奏でお楽しみ頂きたい。フーバーの作品集はこれまでにも2タイトル発売されている(COV-61003、COV-91509)。
COV-91917
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(2CD)
ベートーヴェン:弦楽三重奏曲全集
  〔第1番 ト長調 Op.9 No.1 /第2番 ニ長調 Op.9 No.2 /第3番 ハ短調 Op.9 No.3 /変ホ長調 Op.3 〕/

 セレナーデ ニ長調 Op.8
  トリオ・オステルターク
 ベートーヴェンのトリオを生きたレパートリーとして広く定着させたい、という思いで創設されたトリオ・オステルターク。弦楽四重奏に比べて聴く機会の少ない作品だが、曲の持つ面白さに気付かされる好演と言える。
ロマン派クリスマス合唱曲集(すべてアンドレアス・N.タルクマン編曲)
 レーガー: Zwei Weihnachtslieder / フンパーティンク: Funf Weihnachtslieder / アダム: CANTIQUE DE NOEL
 コルネリウス: Weihnachtslieder Op.8 / グノー: NOEL / サン=サーンス: Prelude de NOEL
 ベートーヴェン:ヘンデル「マカベウスのユダ」の「見よ勇者は帰る」の主題による12の変奏曲 ト長調 WoO.45

 アンドレアス・フェルバー、グートルーン・シュレーフェル指揮
 ハノーファー少女cho.、アンサンブル・オクトプラス
 美しいクリスマス合唱曲集。
ゴットフリート・アウグスト・ホミリウス:オーボエとオルガンのための作品集
 オーボエと通奏低音のためのソナタ HoWV XI.1 /オーボエとオルガンのためのコラール前奏曲 HoWV X.1-X.25より18曲

 マルティン・ジェレフ(Ob) アントニウス・アダムスク(Org)
 ローゼンタール生まれのゴットフリート・アウグスト・ホミリウス(1714-1785)は、1742年からドレスデン聖母教会のオルガニストを務め、1755年からドレスデンの3つの主要教会の合唱指揮者・音楽監督として活躍した。オーボエとオルガンのために書かれたコラール前奏曲はホミリウスの残した最も魅力的な作品のうちのひとつ。コラール旋律をオーボエに歌わせることによって、オルガンの音響の中から重要なメロディがくっきりと浮かび上がってくるような効果を作り出している。
フランチェスコ・ジェミニアーニ(1687-1762):音楽芸術における良い趣味の理論
 〔前奏曲: Example II /ソナタ第2番: The Bush aboon Traquair /
   What shall I do? - パーセルの主題による変奏曲/The Lass of Peaty's Mill - ソング第1番/
   An English tune - 変奏曲/間奏曲: Example I /第5ソナタ /O Bessy Bell and Mary Grey - ソング第4番〕

ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783):「ソルフェッジョ」より
 〔第3番/第1ソナタ/第1番〕

 アポロズ・キャビネット
 録音:2018年。ジェミニアーニの「音楽芸術における良い趣味の理論」は数字付き低音の演奏法や各種装飾、変奏の技法を学びつつ、実践的な演奏が出来るようになるための手引き。理論書・教本の類だが譜例が数多く掲載されアンサンブルや歌もあり、珠玉の名品集として堪能できる内容となっているのが特徴。理論と感性の調和が生む美しい音楽をお楽しみ頂きたい。
歌の捧げもの〜イギリス歌曲集
 サマンサ・フェルナンド: How Many Moments Must / The Half Moon / アーロン・ホロウェイ: Utterance
 ローレンス・オズボーン: Micrographia / ジョナサン・ハーヴィー: Song Offerings

 ライオット・アンサンブル
 ロンドンを拠点に活動する「ライオット・アンサンブル」は現代音楽専門のグループで、30か国以上の作曲家による200以上の作品の世界初演を手掛けている。このアルバムでは室内アンサンブルを伴う歌曲を収録。様々な表現が可能な魅力的な編成だが、なかなかまとめて対峙する機会のない曲種と言える。ライオット・アンサンブルの鮮やかな演奏がこのジャンルの持つ幅広い可能性を知らしめてくれる。
COV-91925
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(2 HYBRID_SACD)
ヴェルディ:歌劇「エルナーニ」
 パク・サンギュ(T;エルナーニ) マリアン・ポップ(Br;ドン・カルロ)
 パヴェル・クディノフ(B;ドン・ルイ・ゴメス・デ・シルヴァ)
 リア・ゴードン(S;エルヴィーラ) ステファニー・ヘンケ(S;ジョヴァンナ)
 クリストフ・ヴィットマン(T;ドン・リッカルド) ランスロット・ノムラ(B;ヤーゴ)
 マルクス・ボッシュ指揮カペッラ・アクイレイア、ブルノ・チェコ・フィルハーモニーcho.
 ヴィクトル・ユーゴーの戯曲に基づくオペラ「エルナーニ」はヴェルディ初期の傑作。マルクス・ボッシュと厳選された歌手陣により、強烈なドラマが展開される。
マジック・オヴ・ムービー Vol.2
 アラン・メンケン:「美女と野獣」序曲 / ハンス・ジマー:グラディエーター
 マイケル・ジアッキーノ:
  ジュラシック・ワールド/「スター・トレック」よりメイン・タイトル/
  「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」より
    〔ジン・アーソと希望の組曲/インペリアル・スイート/ウィルズの守護者の組曲〕
 ジョン・ウィリアムズ:
  「ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」〜おとぎ話/やさしい本泥棒/
  「ハリー・ポッターと賢者の石 」より〔ヘドウィグのフライト/ニンバス 2000/ハリーの不思議な世界〕/
  「スター・ウォーズ」より〔メイン・タイトル/インペリアル・マーチ〕
 *ボーナス・トラック ベン・パーマー:ジャーニー・スルー・タイム

 ベン・パーマー指揮ドイツ・フィルハーモニー・メルク
 録音:時期未判明、ライヴ。クラシカルな交響的作品だけでなく映画音楽とも密接に関わり活動しているオーケストラ、ドイツ・フィルハーモニー・メルクによるライヴ音源が2タイトル発売される。映画音楽に特化したコンサートで、いずれも馴染みのある作品ばかり。贅沢なオーケストラ・サウンドが堪能できる楽しいアルバム。
ローゼンミュラー(1619-1684):宗教協奏曲集
 ローゼンミュラー: Ascendit invictissimus Salvator / Aude, quid times / Domine cor meum /
           Si Deus pro nobis (*) / Domine, ne in furore / Salve Regina /マニフィカト(*)
 マッシミリアーノ・ネーリ(1623-1673):12声のソナタ第14番 / 作曲者不詳:3声のソナタ(*)

 ヴォルフ・マティアス・フリードリヒ(B)
 イェルク=アンドレアス・ベッティヒャー指揮アーベントムジーケン・バーゼル
 録音:2018年| (*):世界初録音。ローゼンミュラーは教会音楽の名手としても名をはせたドイツ・バロックの作曲家。ドイツの伝統的対位法とイタリアの自由な表現力を身につけた名作曲家の手腕が冴える作品集。キャッチーで滑らかな旋律、豊かな和声、テキストと音楽の調和が素晴らしい。
ルイ=ニコラ・クレランボー(1676-1749):ブロサール・コレクションからの室内楽
 ソナタ第7番 ホ短調「 la Magnifique /シャコンヌ ニ長調/前奏曲 ハ短調/ソナタ第6番 ニ短調「 L'Impromptu 」/
 ソナタ第1番 ト長調「 Anonima 」/前奏曲 ハ長調/ソナタ第3番 変ロ長調「 'l 'abondance 」/
 ソナタ第2番 ト長調「 La Felicite 」/シャコンヌ イ長調

 バッハ・プレイヤーズ[2Vn/ガンバ/Cemb]
 録音:2019年。作曲家セバスティアン・ド・ブロサール(1655-1730)のコレクションに含まれる、知られざるクレランボーの作品。フーガやシャコンヌなど対位法の巧みさと流麗な音運びが特徴で、新鮮な魅力を持った室内楽曲集。
19世紀のヴィオール音楽
 アーベル(1723-1787):協奏曲 ト長調 A9:2(ヴィオラ・ダ・ガンバ、2つのヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音)
 イェシュケ(1818-?):メユール変奏曲(ヴィオラ・ダ・ガンバとピアノ)
 メンデルスゾーン(1809-1847):ロマンス Op.90 No.3 /無言歌「慰め」 Op.30 No.3(ヴィオラ・ダ・ガンバとピアノ)
 グーア(1791-1841):変奏曲(ヴィオラ・ダ・ガンバ、2つのヴァイオリン、2つのクラリネット、
               2つのホルン、ファゴット、ヴィオラ、通奏低音)
 シューマン(1810-1856):夕べの歌 Op.85 No.12(ヴィオラ・ダ・ガンバとピアノ)
 リスト(1811-1886):「慰め」第4番(ヴィオラ・ダ・ガンバとオルガン)
 ウィリング(1755-1805):変奏曲「 Ei, ei, mein lieber Augustin 」 Op.17
   (ヴィオラ・ダ・ガンバ、2つのヴァイオリン、2つのフルート、2つのホルン、ヴィオラと通奏低音)
 シュワテル(1808-1879):序奏と変奏(ヴィオラ・ダ・ガンバとピアノ)

 トマス・フリッチュ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 ミヒャエル・ショーンハイト(P/Org)指揮メルゼブルガー・ホフムジーク
 ヴィオラ・ダ・ガンバは、作曲家カール・フリードリヒ・アーベルが亡くなった1787年をもって音楽史から姿を消した、というのが一般的な認識となっている。しかしガンバ奏者のフリッチュは、19世紀初頭にもガンバ作品が存在していたことを教えてくれる。メンデルスゾーンやシューマンの編曲ものも含めて、ヴィオラ・ダ・ガンバとロマン派音楽の相性は十分に良いものであるということが分かるアルバム。
HOMAGE AND INSPIRATION
 シューマン:おとぎ話 Op.132 / クルターク: R. シューマンへのオマージュ Op.15d
 モーツァルト:ケーゲルシュタット・トリオ 変ホ長調 K498
 クリストフ・ウェイス(1986-):クラリネット、ヴィオラとピアノのための三重奏曲「友との会話」

 アイリス三重奏団
 クラリネット、ヴィオラ、ピアノの三重奏によるアルバム。モーツァルト「ケーゲルシュタット」とシューマン「おとぎ話」は一緒に収録されることの多い名品。そこにクルタークとクリストフ・ウェイスの作品をカップリングし、現代の香りを付加している。
El Inmortal
  Gerardo Gardelin: El Inmortal(チューバ、ハープ、ピアノ)
  Willi Marz: Grotesker Landler(チューバ、ハープ)
  Yojiro Minami: Corazon de la fiesta(チューバ、ピアノ)
  Sabin Pautza: Joc de doi d in Banat(チューバ、ハープ、ピアノ)
  Andrea Csollany: Ungarische Fantasie(チューバ、ピアノ)
  John Frith: My Bonny Lad(チューバ、ハープ)
  Michael Schneider: American Fantasy(チューバ、ピアノ) / Willi Marz: Danse agile(チューバ、ピアノ)

 ジークフリート・ユング(チューバ)ヤスコ・カーゲン(P) ヨハンナ・ユング(Hp)
 チューバ奏者のジークフリート・ユングが作曲家たちに「自国の音楽を素材にした曲を書いてほしい」と依頼して出来上がったアルバム。
ポール・ヴェルレーヌの歌
 ショーソン: La chanson bien douce / Le Chevalier Malheur / Apaisement
 チャールズ・マーティン・レフラー: La chanson des ingenues / Le son du cor / Serenade
 ドビュッシー: C´est l´extase langoureuse / Les Ingenues /
         Colloque sentimental / Chevaux de bois / Il pleure dans mon coeur
 アーン: L´Incredule / フォーレ: En sourdine / Prison / デュポン: Le Foyer / La neige
 ヴィエルヌ: A une femme / Les faux beaux jours / Marine / リタ・ストロール: Chanson d´Automne
 シャルル・ボルド: Epithalame / ヴァレーズ: Un grand sommeil noir

 カローラ・パヴォーネ(S) ボリス・ラドゥロヴィチ(P) アメリー・ルグラン(Va)
 録音:2019年2月、ブライバッハ・コンサートホール。フランス象徴派の詩人ポール・ヴェルレーヌの詩を用いた、様々な作曲家による歌曲集。ヴェルレーヌの詩は音楽と密接な関係にある。そのリズムや韻、官能性、絵画性といった特徴は高い次元で音楽と親和していて、まるで歌われるために書かれた作品であるかのようだ。フォーレやドビュッシーの他、デュポン、アーンなどのあまり取り上げられない歌曲も選ばれているのが嬉しいアルバム。カローラ・パヴォーネはイタリア生まれのソプラノ歌手。17歳でソリスト・デビュー。高校卒業後、ケルン音楽大学、ヨーテボリ大学で研鑽をつんだ。
COV-92005
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(2CD)
ボッケリーニ:6つのチェロ・ソナタ集
 〔第1番 イ長調/第4番 変ホ長調/第2番 ハ長調/第5番 ヘ長調/第3番 ト長調/第6番 イ長調〕

 ドミートリー・ディヒティアル(Vc) パヴェル・セルヴィン(通奏低音Vc)
 トルステン・ブライヒ(アーチリュート/テオルボ/バロックG)
 録音:2017年3月9日-11日、メーリンゲン聖十字架教会。偉大なチェロ演奏家兼作曲家として名を残すボッケリーニのチェロ・ソナタ集。1770年代のもので、バロック音楽の名残を持ちつつも室内楽としての完成度が高い作品。人間の声のように自在なカンティレーナを聴かせるメインのチェロは技巧的で、通奏低音のチェロも雄弁に書かれしばしば対話に加わる。この演奏では三種類の撥弦楽器を使用しており、これもまた鮮やかな色彩を生んでいる。


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