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マイナー・レーベル
2022年3月新譜情報


・国内盤マイナー・レーベル
・輸入盤マイナー・レーベル
・輸入盤 歴史的アイテム
・映像アイテム
・高音質アイテム


輸入盤の新譜は、基本的には御紹介月の翌月〜翌々月中にリリースされますが、 極端に発売日が遅れることや、初回生産が少なく次回プレスにまわされることがあり、入手に時間がかかるものもございます。 また、発売より時間の経ってからご注文の場合、 中には廃盤や入手不能の商品が出ている場合がありますので、その節は何卒御了承下さい。




国内マイナー・レーベル




THREE SHELLS 〔スリーシェルズ〕

 日本の作曲家の聴く機会の少ない知られざる作品を掘り起こし、それら名曲に今一度接する楽しみを広く提供したいという趣旨のもとに設立されたレーベル。
 旧譜はこちらから
3SCD-0068
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(2CD + BOOK)
\4400(税抜\4000)
ハレンチ学園音楽大全(全170トラック)
 山本直純:ハレンチ学園 /ハレンチ学園 身体検査の巻
 鏑木創:ハレンチ学園 タックル・キッスの巻/新・ハレンチ学園
 作詞:永井豪/作曲:佐々木勉/編曲:馬飼野俊一:ズビズビ・ロック/ベタベタ・ホレホレ
 作詞:高円寺博/作曲:奥沢一:十兵衛のこんなことってあるかしら
 作詞:北原たけし/作曲:奥沢一:オーッ!ハレハレ / 作詞・作曲:月亭可朝:嘆きのボイン 映画 ver.
 作詞:飯田朗/作曲:佐々木勉/編曲:馬飼野俊一:ハレンチ天国
 作詞:日活翔/作曲:鏑木創:ハレンチ学園のテーマ / 作詞:田中登/作曲:楠井景久:ゴジラの唄
 作詞:小沼勝/作曲:楠井景久:進めハレンチ美女部隊

 ハレンチ学園コーラス部、月亭可朝、モラル・マイナス・1、高松しげお(歌)
 企画・発売元:スリーシェルズ|プロデュース:西耕一|構成・執筆:上妻祥浩|表紙デザイン:宇川直宏|冊子内デザイン|横川寛人|原盤・協力 (C) 日活株式会社。 DOMMUNE で2回の特集放送が行われ大反響を呼んだ実写映画「ハレンチ学園」全4部作の音楽大全CDが完成!日活に残された同作品のマスターテープ+光学トラックから完全収録!山本直純&鏑木創によるロック&ファンク&オケによる総トラック数170、150分を超える音楽大全CD(2枚組)が完成。50ページを超える解説書には、日活全面協力による映画スチル写真を含む、全ページカラー。インパクト大!な写真集付き解説書(冊子中身デザイン:横川寛人、解説:上妻祥浩)は54ページ!!!カバーのアートワークは宇川直宏が担当!日活所有のスチルを豊富につかったA5冊子+CD2枚という「SOUNDTRACK BOOK」形式での商品となる。解説の内容:スチル写真集/曲目一覧/カラースチル写真集/映画「ハレンチ学園」シリーズについて/「ハレンチ学園」シリーズの音楽について/このCDについて/ハレンチ学園職員室/作品データ/W十兵衛写真集/ハレンチなスチル写真集/楽曲解説/キューシート
3SCD-0067
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\3055(税抜\2778)
伊福部昭:ヴァイオリン協奏曲第2番 世界初演演奏、初出
 伊福部昭:ヴァイオリン協奏曲第2番〔初演(*) /試演(#) /ピアノ・リダクション版(+) 〕
 #ボーナス・トラック:
   伊福部昭の完売の挨拶〜第43回芸術祭(文化庁芸術祭)賞(音楽部門)の受賞を祝う会より(**)

 小林武史(Vn;**以外) 伊福部昭(スピーチ;**)
 ズデニェク・コシュラー指揮チェコ国立ブルノpo.(*)
 三石精一指揮不詳オーケストラ(#) 不明ピアニスト(+)
 録音:1979年3月8日、ベセドニー・ホール [Besední dům] 、ブルノ、チェコ(*)|1979年初頭? (#/+) 、東京音楽大学内(#)、会場不明(+) /1989年2月5日、高輪クラブ(**) |すべて初出音源|解説:小林淳|プロデュース:西耕一|音源提供:小林武史|デザイン:山口翔悟。2021年で90歳を迎えた巨匠ヴァイオリニスト・小林武史のために伊福部昭が作曲したヴァイオリン協奏曲第2番の世界初演をついに初音盤化!1979年、チェコでの世界初演、初演の前に国内で行われていた試演、そしてピアノリダクションのリハーサルという3種類の録音をCD化。すべて小林武史所有のテープからCD化を敢行した。ボーナス・トラックとして、小林武史芸術祭賞受賞記念祝賀会における伊福部昭の乾杯の挨拶(1989年のもの)を収録。各録音について 1. ヴァイオリン協奏曲第2番の世界初演は、1979年3月8日-9日の二日間行われたが、残されていたテープは初日のものだけであった。ブルノ・フィルに問い合わせたものの、オーケストラ側の録音確認には至らず、小林武史所有の6mmマスターを使用した。 2. チェコでの世界初演に向けて、国内でのリハーサルを兼ねた試演が行われていた。関係者のみが鑑賞できた演奏会であったためこれまでその存在が知られずに居たが、そのときの録音がカセットテープで小林武史の元に残されていた。チェコでの初演を控えての国内でのリハーサルとして行われた試演だったので指揮者、オーケストラ、会場についても不詳であり、パンフレットなども残されていない。指揮者は、小林武史の記憶によると小林と仲の良かった三石精一とのこと。 3. 世界初演に向けて、ピアノリダクション版でリハーサルを重ねていた折の録音。あくまでも練習の参考録音。しかし、小林武史の演奏によるピアノリダクション版の録音が残されていた、その貴重な記録として、どのようにして世界初演が行われたかというドキュメントとして収録した。 4. 小林武史は、1988年のリサイタルの成果として文化庁の芸術祭賞を受賞した。その受賞を祝う会が1989年2月5日に行われ、團伊玖磨、大山倍達らと共に伊福部昭も挨拶をした。その録音が残されており、実際に伊福部昭の肉声で小林武史の演奏に触れており、このCDのボーナス・トラックにふさわしいと考えて収録した。
3SCD-0066
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(2CD)
1CD価格
\3055(税抜\2778)
根岸一郎〜伊福部昭:全歌曲集
 ギリヤーク族の古き吟誦歌(*) /サハリン島先住民の三つの揺籃歌(*) /アイヌの叙事詩に依る対話体牧歌(#) /
 因幡万葉の歌五首(+) /平安朝の秋に寄せる三つの歌(1934) (##) /聖なる泉(**) /
 シレトコ半島の漁夫の歌(*) /オホーツクの海(**) /摩周湖(**) /蒼鷺(**) /北海道讃歌(独唱版) (*)

 根岸一郎(バリトン・マルタン) 松元博志(P) 有賀誠門(ティンパニ)
 高本直(アルトFl) 伊藤美香(Va) 金子展寛(二十五絃箏)
 宮部貴絵(Fg) 長谷川信久(Cb) 三浦舞(Ob)
 録音:2021年5月6日(*)、6月8日(**)、渋谷ホール(*/**) /2021年7月27日、古石場文化センター(#) /2021年9月11日、えびらホール(+) /データ不詳『参考録音』(##) |使用ピアノ: FAZIOLI F 212 |使用ティンパニ:有賀誠門所有 手締め本皮ティンパニ|企画・発売元:スリーシェルズ|プロデュース:西耕一|録音・編集:磯部英彬|巻頭文:伊福部達|解説:小林淳、根岸一郎|表紙デザイン:山口翔悟|協力・ Special Thanks :伊福部家、野坂惠璃、有賀誠門、竹内将也、 Japan Percussion Center 、Acoustic Revive 。伊福部昭による古代への眼差しを聴き取れるDISC1は、ギリヤーク、サハリン、アイヌの北方民族三部作。そして、平安、因幡万葉など、古代から変わらぬ暮らしを営む南方民族への憧憬となる「聖なる泉」を収録。DISC 2は、更科源蔵の詩による4部作であるシレトコ、オホーツク、摩周湖、蒼鷺を収録。更科の詩によって北海道の歴史に思いを巡らせた後に、未来を願い、祈るような北海道讃歌で締めくくる。これまで楽譜が失われたとされていた「平安朝の秋に寄せる三つの歌」を参考録音として収録した貴重盤。46ページのBOOKは小林淳による楽曲解説と貴重な資料写真をカラーで掲載。Acoustic ReviveのケーブルやFAZIOLIのピアノなど使用機材、楽器にもこだわった高音質の2枚組CDとして完成!同CDは文化庁芸術祭レコード部門に参加している。※伊福部達教授(東京大学名誉教授、北海道大学名誉教授)による序文より(抜粋)『私にとって、この根岸一郎氏の CD の歌声は今までないような土俗的な味わいを感じた。自然に歌っている素朴さが素直に伝わってきて、男性のバリトンの音色は叔父の歌曲にも合っているという印象を強く受けた。そして、叔父が思い蓄音機を持ち歩いてアイヌ、オロッコ、ギリヤークの幻の歌を夢中で録音・記録していた様子が眼に浮かぶようであり、この CD にある根岸一郎氏の音色はきっとその音源に近いのではないかと想像してしまう。CD にある他の曲とも合わせて伊福部昭歌曲の原点に思いを馳せて頂ければ幸いである。』
3SCD-0065
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\3055(税抜\2778)
交響曲第1番「2020」〜鹿野草平(1980-):
 よみがえる大地への前奏曲(2011) (*)
 交響曲第1番「2020」(2021) (#)
松井慶太指揮
オーケストラ・トリプティーク
〔コンサートマスター:三宅政弘〕

早稲田吹奏楽団(竹内公一指導)(*)
 録音:2021年4月24日、杉並公会堂| (*):管弦楽版初演/ (#):世界初演|解説:鹿野草平、池辺晋一郎|録音:上埜嘉雄/マスタリング: AUBRITE MASTERING STUDIO |プロデューサー:西耕一| CDデザイン:關翔太|協力:#コンパス 戦闘摂理解析システム、NHN PlayArt /ドワンゴ、ニコニコネット超会議2021|主催:交響曲第1番「2020」実行委員会。人類にとって未曾有の事態となり世界中に傷跡を残しているコロナ禍。作曲家の鹿野草平が、その犠牲者への哀歌と、それを乗り越え、未来を切り拓く人類の叡智を、交響曲として描きた。鹿野草平(1980-)は、東京音楽大学で池辺晋一郎、西村朗、三木稔らに、学外で水野修孝に学んだ作曲家で、吹奏楽作曲や、ゲーム、アニメ音楽や、伊福部昭百年紀の楽譜作成でも知られている。鹿野の作品について、彼の師匠の作曲家の池辺晋一郎は「音の連鎖に光が降り注いでくる」と形容している。確かに、マーラー、ショスタコーヴィチ、芥川也寸志、伊福部昭、矢代秋雄、黛敏郎、吉松隆への敬愛を感じさせる部分もあり、日本に新たなシンフォニスト登場!と言えるだろう。作曲者は交響曲第1番について下記のように述べている。『オーケストラで演奏される楽曲で、「交響曲」ほど純粋に音だけでものごとを語る手法は他にありません。壮大な音楽、悲壮な音楽。かつて様々な天才作曲家が、数々の交響曲を生み出してきました。私はこの状況に際し作曲家・音楽家の役割として、2020 年から続く惨禍と亡くなった方々への哀悼、そして困難を乗り越え平和を取り戻す人類の叡智を、交響曲という手段で表現し、後世に記憶を残さなければならないと考え、このたび新作交響曲を完成させました。』 楽曲の構成は以下の通り。第1楽章「平和と脅威」/第2楽章「爆発」/第3楽章「哀歌」/第4楽章「叡智」もう一つの収録曲は、2011年の東日本大震災からの復興を描いた「よみがえる大地への前奏曲」。この曲は、鹿野草平にとって社会や時事との関わりを意識した音楽への取り組みとして、交響曲第1番の10年前に作曲された作品。2011年の東日本大震災の際、現地に赴きボランティア活動をした経験を元に、どんな困難も乗り越えて、未来に希望を持つこと、諦めずに生きていく人々をえがいた音楽として作曲された。吹奏楽バージョンは東北大学吹奏楽団が世界初演を行い、その後、全国の吹奏楽団の定番曲として、百回以上の演奏回数を重ねている。本盤では、そのフルオーケストラ版の世界初演が記録されている。演奏は、オーケストラ・トリプティーク、指揮は松井慶太で、2021年4月24日に杉並公会堂で感染拡大防止対策として無観客コンサートとして行われた。※池辺晋一郎によるメッセージ『鹿野草平の「よみがえる大地への前奏曲」と「交響曲第 1 番」を聴いた。その印象は、「作曲の喜び」という一語に尽きる。フル編成のオーケストラ作品を書きおおせるという高揚と興奮の感覚、おびただしい数の音符を五線に記すという圧倒的な充足感──スコアはそのような快感と汗で、満ちている。』(作曲家 池辺晋一郎)

東武レコーディングズ

 輸入盤ディストリビューターとして既におなじみの東武トレーディングが発売する国内盤自主レーベル。旧譜はこちらから
TBRQ-9009
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(2 UHQCD)
\2970(税抜\2700)
初回特別定価
ついにマスターから初復刻〜
  チェリビダッケ・リスボン・ライヴ
 ブルックナー
:交響曲第8番
セルジュ・チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.
 録音:1994年4月23日、コリセウ・デ・リスボン [Coliseu dos Recreios/Coliseu de Lisboa] 、リスボン、ポルトガル、ライヴ、ディジタル|収録・ソース:(現)ポルトガル国営放送 (RTP) |許諾:セルジュ・イオアン・チェリビダーキ(セルジュ・チェリビダッケ子息)、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団|既出CD, CD-R: Audior [CD], AUD-7001/2 [(P) 1995] 〔廃盤、入手不能〕/ Re! Discover [CD-R]: RED-39 〔廃盤、入手不能〕/ URC [CD-R], URC-0001/2 /他。
 2022年時点で13種以上を数えるチェリビダッケのブル8中で最後年、かつ最高峰とも言われる演奏。 Audior の代理店から2004年に『在庫発見』、2010年に『残りを掻き集め』た等々として度々再アナウンスされたものの、当店在庫も2017年を最後に完売していた。長大さでは前年秋に収録された EMI/Warner 盤の104分には及ばないが、当盤も99分34秒という遅めのテンポで聴かせる(当欄後半のレーベル・アナウンスに『100分』長とあるが、拍手などを含めたものか)『チェリビダッケの第8番の最後、音楽はゆっくりと歩みを止めるが、そのとき時間とともに空間も終わったような、錯覚と呼ぶには鮮烈すぎる体験が起きる。音楽という時間の完成が、巨大な建築物の完成のような空間的なものとして把握される。まったく独特だった、と改めて思う。秘儀という言葉がふさわしい演奏をするような指揮者は、20世紀の終わりごろ、チェリビダッケしかいなかった。』(許光俊) 『チェリビダッケの最高傑作どころか、ブルックナー演奏の頂点とまで賞賛された伝説のライヴ「チェリビダッケ、リスボン・ライヴ」が正規盤として初登場。この演奏はプライヴェート盤で発売されるや否やセンセーションを巻き起こしたうえに入手困難となり、ネットオークションでも高値を記録した幻の演奏です。極限をも超えた超スローテンポで全曲を貫徹。そして点描のようにあらゆるエレメントを彫琢してまいります。これはチェリビダッケ晩年の特徴的なアプローチでありますが、ここまでチェリビダッケの魔術が決まりに決まっている演奏は他にありません。演奏時間は100分を超え崇高な神々しさにはひれ伏すばかり。ミュンヘン・フィルの音色はどこまでも柔らかく繊細、それと同時に眼前に巨大な建築物が突如として聳え立つかのような恐ろしい存在感を誇ります。これを聞くとチェリビダッケがマーラーにはあまり関心が向かなかったことも不思議ではありません。このブルックナーにはハイドンからベートーヴェン、ワーグナー、ドビュッシーからラヴェル、ストラヴィンスキーまでヨーロッパ音楽の全てが内包されているかのような素材の多さと複雑味が感じられます。この年の10月には来日公演が予定されておりました。ブル8も予定に入っていましたが、体調不良のためにキャンセル。以後の来日は叶わぬ夢となりました。音源発掘も困難を極め、ポルトガル大使館の協力を得てのついに発見。ご子息セルジュ・イオアン・チェリビダキ氏、ミュンヘン・フィルの承認を得た正規盤です。』
TBRCD-0128/32
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(5CD)
\4950(税抜\4500)
ゲルハルト・ポッセ&新日フィル〜ベートーヴェン:交響曲全集
 交響曲全集〔第1番 ハ長調 Op.21 990307 /第2番 ニ長調 Op.36 020730 /第3番 変ホ長調 Op.55「英雄」010216 /
       第4番 変ロ長調 Op.60 020820 /第5番 ハ短調 Op.67「運命」020730 /第6番 ヘ長調 Op.68「田園」020820 /
       第7番 イ長調 Op.92 020830 /第8番 ヘ長調 Op.93 020830 /第9番 ニ短調 Op.125「合唱」(*) 021225 〕/
 「プロメテウスの創造物」 Op.43 序曲990307 /七重奏曲 変ホ長調 Op.20 より021225 (#) 〔第1楽章/第3楽章−第4楽章〕

 ゲルハルト・ボッセ指揮 新日本po.(#以外)、清水敬一指揮晋友会cho.(*)
 釜洞祐子(S;*) 寺谷千枝子(Ms;*) 櫻田亮(T;*) 藤村匡人(Br;*)
 崔文洙(Vn;#) 篠ア友美(Va;#) 服部誠(Vc;#) 中田延亮(Cb;#)
 山本正治(Cl;#) 坪井隆明(Fg;#) 吉永雅人(Hr;#)
 録音:1999年3月7日、カザルスホール(ボッセによる解説〔通訳:菅野美智子〕つき)990307 /2001年2月16日010216、2002年8月20日020820、2002年7月30日020730、2002年8月30日020830、すみだトリフォニーホール/2002年12月25日、 Bunkamura オーチャードホール021225、すべてライヴ。1922年ライプツィヒに生まれ、長らくゲヴァントハウス管の第1コンサートマスターを務めた上で指揮者として活躍。日本を終の棲家と定めて、日本の音楽界への貢献は計り知れない名指揮者ゲルハルト・ボッセ。ミュージック・アドヴァイザーを務めた新日本フィルとの1999年から2002年に遺したベートーヴェン:交響曲全集をこの度ボックスCD化。ボッセの崇高な理想のもと紡ぎ出される見事なベートーヴェン。楽団創立50年を祝う新日本フィルの俊敏が反応も言わずもがな、さらにブックレットには夫人・菅野美智子氏による慈愛と優れた分析に満ちたエッセイ、野本由紀夫氏による詳細な楽曲・演奏解説を収録。
TBRCD-0119/22
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(4CD)
\3850(税抜\3500)
秋山和慶80歳記念&広島響〜ブラームス:交響曲全集、管弦楽曲集
 交響曲全集〔第1番040521 /第2番041104 /第3番050513 /第4番050709 〕/
 大学祝典序曲040521 /悲劇的序曲041104 /ハイドンの主題による変奏曲051117 /
 ハンガリー舞曲集051117〔全曲/第1番(アンコール)〕

 秋山和慶指揮広島so.
 録音:2004年5月21日040521、2004年11月4日041104、2005年5月13日050513、2005年7月9日050709、2005年11月17日051117、すべてフェニックスホール、広島国際会議場、ライヴ。終身名誉指揮者を務め固い絆で結ばれている広島響とのブラームス:シリーズ演奏会をCD化。ハンガリー舞曲を全曲収録していることも偉業と言える。
TBRCD-0113/18
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(6CD)
\4950(税抜\4500)
秋山和慶80歳記念&広島響〜ベートーヴェン:交響曲全集、管弦楽曲集
 交響曲全集〔第1番010525 /第2番011026 /第3番「英雄」020122 /
       第4番020510 /第5番「運命」021031 /第6番「田園」030219 /
       第7番030508 /第8番031126 /第9番「合唱」(*) 040215 〕/
 「フィデリオ」序曲030508 /「エグモント」序曲010525 /「レオノーレ」序曲第3番040215 /
 「コリオラン」序曲011026 /12のドイツ舞曲030219 /「プロメテウスの創造物」序曲020510 /
 序曲「命名祝日」030219 /「シュテファン王」序曲021031 /ウェリントンの勝利030508

 秋山和慶指揮広島so.、ディスカバリー・ベートーヴェン:第九」特別cho.(*)
 菅栄三子(S;*) 竹本節子(A;*) 藤川泰彰(T;*) 三原剛(Br;*)
 録音:2001年5月25日010525、2001年10月26日011026、2002年1月22日020122、2002年5月10日020510、2002年10月31日021031、2003年2月19日030219、2003年5月8日030508、2003年11月26日031126、以上 アステールプラザ大ホール/2004年2月15日040215、広島国際会議場フェニックスホール。終身名誉指揮者を務め固い絆で結ばれている広島響とのベートーヴェン・シリーズ演奏会をCD化。珍しい曲目も収録していることも要注目。

299 MUSIC

 合同会社 録音研究室 [Recording Laboratory, LLC.] (レック・ラボ)が擁するレーベル。
NIKU-9043/44
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(2CD)
\3300(税抜\3000)
中野振一郎〜フランソワ・クープラン(1688-1733):クラヴサン曲全集 Vol.2
 クラヴサン奏法(1716) より 前奏曲〔第1番 ハ長調 /第6番 ロ短調/第2番 ニ短調〕/
 クラヴサン曲集〔第1巻〜第3オルドル ハ調(1713) /第2巻〜第8オルドル ロ短調(1717) /
         第3巻 より[第13オルドル ロ短調(1722) /第19オルドル ニ調(1722) ]/
         第4巻〜第22オルドル ニ調(1730) 〕

 中野振一郎(Cemb
   使用楽器:アトリエ・フォン・ナーゲル社、1988年製、フレンチ2段〔モデル:ブランシェ 1730〕
 録音:2020年9月8日-9日、2021年4月19日-21日、サラマンカホール、岐阜。ロココの戯れ、フランス的甘さ、そして謎めいたムードなど、ユニークかつ多様な作品群の情緒あふれる世界を、その流麗で円熟味を増した表現と時折垣間見える遊び心で深みと新鮮さを与え展開する。長年にわたりチェンバロ界をリードし続ける中野振一郎が映し出す、フランソワ・クープランの成し遂げた偉業の真価。
NIKU-9042
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\3080(税抜\2800)
長尾洋史ピアニズム・シリーズ Vol.4 〜アルベニス(1860-1909):
 「イベリア」12の新しい印象 〔第1巻(1905) /第2巻(1906) /第3巻(1906) /第4巻(1908) 〕
 長尾洋史(P)
 録音:2019年8月16日-17日、小出郷文化会館「大ホール」、魚沼市。アルベニス最晩年の大作「イベリア」の情緒と風情を、洒脱かつ精密な演奏で物語る。知性と感性が交錯する洗練された表現と、喜びに満ちた心意が紡ぐ時の流れは、瞬く様々な景象に更なる生彩を吹き込み、我々の心に郷愁の先にある普遍的な憧憬と昂揚を憶えさせる。
NIKU-9041
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\3080(税抜\2800)
長尾洋史ピアニズム・シリーズ Vol.3 〜ハイドン:中期ピアノ・ソナタ集
 〔第34番 ニ長調 Hob.XVI: 33 /第32番 ト短調 Hob.XVI: 44 /
  第38番 ヘ長調 Hob.XVI: 23 /第33番 ハ短調 Hob.XVI: 20 /第54番 ト長調 Hob.XVI: 40 〕

 長尾洋史(P)
 録音:2021年4月1日-2日、小出郷文化会館「大ホール」、魚沼市。精巧に創り上げられたハイドン:ピアノ・ソナタの諸相を、端然かつ摯実な演奏で映し出す。消えゆくさままで壮麗に整えられた響きは清々しいまでに潔く、作品それぞれが持つ本質的造形美を伝える。丹念さが巧緻を極めた建造物は、瑞々しい余韻をもってあるべき姿を取り戻す。
NIKU-9040
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\3080(税抜\2800)
トリステ〜イングリッシュ・ホルン/バス・オーボエと
  パイプオルガンによるテレマン&バッハ・ソナタ集

 ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767):「忠実な音楽の師」〜ファゴット・ソナタ ヘ短調 TWV.41: f1 (*)
 ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750):ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ(#)
  〔第2番 ニ長調 BWV.1028 (#) /第1番 ト長調 BWV.1027 〕
                    Fl−trとオブリガート・チェンバロのためのソナタ ロ短調 BWV.1030 (*)

 庄司さとし(イングリッシュ・Hr;*|バスOb;#) 和田純子(Org)
 録音:2021年6月2日-3日、7月29日-30日、ヴィラセシリア音楽堂、軽井沢。オーボエをはじめ様々な楽器でクラシックからポップスまでマルチな活動を展開する庄司さとしと、オルガン奏者として多方面で活躍を続ける和田純子が洒脱な対話で共鳴する。太く深みのあるイングリッシュ・ホルン、躍動的で優美なバス・オーボエ、柔らかく豊かなバロック様式オルガン…独特な響きに包まれた空間に、テレマンとバッハの名曲に潜む普遍的な魅力が薫り立つ。
NIKU-9039
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\3080(税抜\2800)
風に聴く〜田中聰(1956-):ギター作品集
 サン・イルデフォンソの夜想曲(1994) /アルバム・リーフ(2020) /風に聴く(2018) /バークシャーの森(2018) /
 シャボン玉〔中山晋平/野口雨情/田中聰 編曲〕(2018) (*) /ラビリンス(1994) /バンシーズ・ララバイ(2011) /
 舟歌(2014) /イントロダクションと野口雨情による3つの詩 朗読とギターのための(1997) (#) /楽園へ(2016) /
 ソングライン(2018) /ネイティヴ・ストーン 2ギター・ヴァージョン(2015) (+) /アランフェスの庭(2019) /
 デイブレイク(2015) /四季 ソプラノ・サックスとギターのための(2015) (**) /スノードロップ(2020)

 大坪純平(G) 小坂梓(S;*) 神野文子(朗読;#) 土橋庸人(G;+) 椿 義治(Sax;**)
 録音:2021年1月25日-26日、2月11日、千葉市美浜文化ホール。『素朴で洗練された響きが包み込む悠然とした自然との対話 静謐で清麗な神話のように透明で、優しさ溢れる民話のように涙を誘う。小さく絶え間なく湧き出る泉が生物への恵みを敢えて促さず、決して惜しまぬように、この音楽には貴くもセンティミエントな輝きと沈黙が共生している。それは大坪純平の演奏そのものでもあって、正確無比で透徹したタッチで紡ぎ出す、ちょうど良い、とか、心地よい、を超えた“そうでしかあって欲しくない微細な揺らぎ” が、永遠の生命というパラドクスを音楽に与えている。』(鈴木大介|ギタリスト)



輸入マイナー・レーベル




CHANTELOUP MUSIQUE (仏) 特記以外 1枚あたり¥2970(税抜¥2700)

 国内に新規案内されるフランスのレーベル。
CMDB-07
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(2CD)
[注目盤]
J.S.バッハ(1685-1750):オルガン作品全集 Vol.7
  [CD1] トッカータとフーガ、カンツォーナ、パストラーレ
  トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565 (E) /カンツォーナ ニ短調 BWV.588 (E) /フーガ ニ長調 BWV.580 (M) /
  前奏曲 ト長調 BWV.568 (E) /トッカータ ハ長調 BWV.566a (E) /パストラーレ ヘ長調 BWV.590 (M) /
  レグレンツィの主題によるフーガ ハ短調 BWV.574 (E) /トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV.564 (E)

  [CD2] トッカータとフーガ、8つの小前奏曲とフーガ
  トッカータとフーガ ニ短調「ドリア調」 BWV.538 (E) /
  トッカータとフーガ ヘ長調 BWV.540 (M) /パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV.582 (M)
  8つの小前奏曲とフーガ〔ハ長調 BWV.553 (E) /ニ短調 BWV.554 (M) /ホ短調 BWV.555 (M) / ヘ長調 BWV.556 (E) /
             ト長調 BWV.557 (M) /ト短調 BWV.558 (E) / イ短調 BWV.559 (M) /変ロ長調 BWV.560 (E)〕

 マリー=アンジュ・ルーラン(Org;M) エリック・ルブラン(Org;E)
 録音:2020年8月10日-13日、サン=シプリアン修道院、ペリゴール、フランス|使用楽器:1982年、ゲルハルト・グレンツィング [Gerhard Grenzing] 製。
  Vol.1 - Vol.6 まで Monthabor Music レーベルから各2枚で発売されていた企画の継承&2022年2月現在の最新盤。『全20枚で完結』とされているので、同様の形態が続くなら Vol.10 まで発売予定ということになる。

CIAR CLASSICS 〔アルベール・ルーセル国際センター
   [Centre International Albert Roussel] 〕(仏) 特記以外 1枚あたり¥2970(税抜¥2700)

 国内に新規案内されるフランスのレーベル。
クリストフ・フリオネ(1968-):ピアノ作品集
 詩的な練習曲集 [Études poétiques] Op.22
  〔シンメトリカルな練習曲 [Étude symétrique] /緩やかな練習曲 [Étude lente] /
   透明な練習曲 [Étude transparente] /反復の練習曲 [Étude répétitive] /速い練習曲 [Étude rapide] /
   奇妙な練習曲 [Étude étrange] /花咲く練習曲 [Étude fleurie] /短い練習曲 [Étude brève] /
   四手連弾の練習曲 [Étude à4mains] (+) /スペクトルの練習曲 [Étude spectrale] /
   リズムの練習曲 [Étude rythmique] /セリエの練習曲 [Étude sérielle] /鐘の練習曲 [Étude de cloches] /
   増殖する練習曲 [Étude proliférante] /左手のための練習曲 [Étude pour la main gauche] /
   シンプルな練習曲 [Étude simple] /メロディックな練習曲 [Étude mélodique] /ジャズ風練習曲 [Étude jazzy] 〕/

 ソナタ・エクレア [Sonata Éclair] 第3番 Op.42 (*) /舟歌 Op.46 (*) /
 赤い月への7つのウィンク [Sept clins d'oeil à la lune rousse] Op.54 (*) /
 小さなお化けの練習曲 [Petite Étude fantôme] Op.58 (*)
  マルティーヌ・ヴィアラット(P;無印/+)
  ジェレミー・ファヴロー(P;*) クリストフ・フリオネ(P;+)
 録音:2004年12月、メゾン・ド・ラ・ミュジーク、ナンテール、フランス(無印/+) /2018年7月、ステュディオ・ド・ラ・ボードリー、フランス(*) 。
 クリストフ・フリオネはフィリップ・ルルー(1959-)、クロード・バリフ(1924-2004)、ポール・メファノ(1937-2020)、ミカエル・レヴィナス(1949-)、ジャック・シャルパンティエ(1933-2017)に師事したフランスの作曲家。詩人でもある彼の音楽の作風はやはり詩的な趣で、それはエチュードにおいてもどこか漂っているようだ。
エコーと共鳴
 ドビュッシー(1862-1918):前奏曲集第1巻
 トリスタン・ミュライユ(1947-):
  告別の鐘、そして微笑み(オリヴィエ・メシアンの記念に) [Cloches d'adieu, et un sourire] (1992) /
  忘却の領土 [Territoires de l'oubli] (1977)

 マルティーヌ・ヴィアラット(P)
 録音:時期記載なし、ステュディオ・ステファン・パウレッロ、ヴィルティエリー、フランス。
 トリスタン・ミュライユはオリヴィエ・メシアン(1908-1992)に師事し、ジャチント・シェルシ(1905-1988)の影響を強く受けたフランスの作曲家。マルティーヌ・ヴィアラットはパリ音楽院でガブリエル・タッキーノに師事したフランスのピアニスト。作曲家でもあり、20世紀以降のフランス音楽を得意としている。
CC-004
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[注目盤]
純真称賛〜アントニー・ジラール〔アンソニー・ジラード〕(1959-):
 純真称賛 [Éloge de la candeur] (オーボエとピアノのための) (2017) (*) /
 憂鬱礼賛 [Apothéose de la mélancolie] (イングリッシュホルンとピアノのための) (2016) (**) /
 フルート、オーボエとピアノのためのエピローグ(1984) (+/*) /オーボエとピアノのための11の小品(1982) (*)

 ジャン=ピエール・アルノー(Ob;*/イングリッシュHr;**)
 パトリス・キルヒホフ(Fl;+) ジュヌヴィーヴ・ジラール(P)
 録音:2017年5月-6月、パリ、フランス。
 ニューヨークに生まれ、パリ音楽院、ソルボンヌ大学で学んだフランスの作曲家アントニー・ジラールの最近の作品と青年期の作品を収録。ジャン=ピエール・アルノーは現代音楽に強いフランスのオーボエ奏者。
ピエール・ヴェローヌ作品の歴史的録音集 1929-37 〜ピエール・ヴェローヌ(1889-1939):
 イルカたち [Les Dauphins] (1929) /アンダルシアの騎手たち [Cavaliers andalous] (1930)
  [ラ・ギャルド・サクソフォン・カルテット]
 わが息子に [A mon fils] (歌曲)[ピエール・ベルナック(Br) フランシス・プーランク(P)]/
 アルト・サクソフォン、ハープとチェレスタのためのラプソディ(1937)
  [マルセル・ミュール(アルトSax) リリー・ラスキーヌ(Hp) ジャン・モレル(チェレスタ)]/
 半音階的ワルツ(1930) [ラ・ギャルド・サクソフォン・カルテット]/
 アルト・サクソフォン協奏曲(1934) 〜第2楽章[マルセル・ミュール(アルトSax) フランシス・セブロン楽団]/
 スプリット [Split] (1935) /ビタミン [Vitamines] (1935)
  [モーリス・マルトノ(オンド・マルトノ) マルセル・カリヴェン・アンサンブル]/
 幻想的な宴 [Fête Fantastique] (1937) [モーリス・ジョベール指揮〔楽団名記載なし〕]/
 カラコラム[Karakoram](7つのオンド・マルトノと打楽器のための)(1937)
  [ジネット・マルトノ指揮〔各演奏者名記載なし〕]/
 マルセル・イシャック監督の映画音楽からの抜粋 ミトゥ [Mitou] (1936) [G.サミュエル楽団]
 録音、編集:1929年-1937年、 ADD |復刻・マスタリング:クリストフ・エノ、 Studio DANTE |発売:1997年|本体記載レーベル: Association Pierre Vellones 。#当商品はピエール・ヴェローヌ協会が制作したもので APV.1997-001 という規格品番が外装に表示されていますが、 CIAR CLASSICS の CC-007 として取り扱います。
 おそらく実商品は2022年が日本初案内。ピエール・ヴェローヌはフランスのパリに生まれた作曲家。多発性骨髄腫に冒されながらも魅力的な作品を書き続け、50歳で亡くなった。
ピエール・ヴェローヌ(1889-1939):サクソフォンのための作品集
 サクソフォン協奏曲 ヘ調 [Concerto en fa] (1934) (*) /
 ラステッリ [Rastelli](サクソフォン・カルテットと管弦楽のための) (1936) (+) /
 前奏曲とフランス風ロンド [Prélude et Rondo Francais] (サクソフォン・カルテットのための) (1937) /
 セビリャーヌ [Sevillanes](サクソフォン・カルテットのための) (1934) /
 ペルシャ風ディヴェルティメント [Divertissement Persan] (サクソフォン・カルテットのための) (1937) /

 ポール・ウィヘイジ〔ウェハーゲ〕(Sax;*)
  XAS サクソフォン・カルテット(+)
   [ポール・ウィヘイジ(ソプラノSax) アラン・ペレイラ(アルトSax)
    ステファン・ラポルト(テナーSax) アントワーヌ・ベレック(バリトンSax)]

 ホセ・マリア・フロレンシオ・ Jr 指揮クラクフ放送o.(*/+)
 ジャック・デロージュ・サクソフォン・カルテット(無印)
 録音、編集:時期記載なし、ステレオ、 ADD #当商品はピエール・ヴェローヌ協会が制作したもので APV.1999-002 という規格品番が外装に表示されていますが、 CIAR CLASSICS の CC-008 として取り扱います。
 おそらく実商品は2022年が日本初案内。

PASSAVANT MUSIC (仏) 1枚あたり¥3300(税抜¥3000)

 旧譜はこちらから
PAS-120159
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[注目盤]
ラヴェル、ロラン=マニュエルピアノ作品集
 アレクシス・ロラン=マニュエル(1891-1966):
  ラヴェルへのオマージュ、または「ヴィロフレーの夕べ」(1916)
 モーリス・ラヴェル(1875-1937):鏡 (1904-06) 〜悲しい鳥たち
 ロラン=マニュエル:葬送のオマージュ(1914)
 ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(1899)
 ロラン=マニュエル:ラヴェルの名によるメヌエット(1912)
 ラヴェル:ハイドンの名によるメヌエット(1909) /ソナティネ(1905)
 ロラン=マニュエル:牧歌(1916) 〔泉/クラリス〕
 ラヴェル:クープランの墓 (1914-1917)
  ルイーズ・アキリ(P)
 録音:2020年2月17-23日、ステュディオ・アクースティック、パッサヴァン、フランス。当盤収録のロラン=マニュエルの楽曲はすべて世界初録音。
 アレクシス・ロラン=マニュエルはフランスの作曲家・音楽学者・音楽評論家。ラヴェルの弟子であり親友でもあった。パリ音楽院で学んだフランスのピアニスト、ルイーズ・アキリ(1990年生まれ)はロラン=マニュエルの作品の発掘に尽力している。
パリ・バガボンド〜コズマ、プーランク、ルーセル、アーン、セヴラック歌曲集
 ジョゼフ・コズマ(1905-1969)/ジャック・プレヴェール(1900-1977)作詩:セーヌの歌/劣等生
 レイナルド・アーン(1874-1947)/ポール・コラン(1843-1915)作詩:焼き栗売り
 フランシス・プーランク(1899-1963)/ポール・エリュアール(1895-1952)作詩:あの優しい小さな顔
 コズマ/プレヴェール作詩:子供狩り/愛し合う子供たち/庭 /夜のパリ
 アルベール・ルーセル(1869-1937)/ルネ・ドゥマンジュ(1888-1977)作詩:夜のジャズ
 プーランク/ギヨーム・アポリネール(1880-1918)作詩:月並み(バナリテ)
  〔オルクニーズの歌/ホテル/ワロンの沼沢地 /パリへの旅/すすり泣き〕
 アーン:舗道には今もなお・・・ / コズマ/プレヴェール作詩:美しい星へ
 プーランク:ポール・エリュアールの5つの詩
  〔彼は休めるだろうか/彼は彼女を抱き寄せた/澄んだ水の羽/ガラスの額のさまよう女/恋する女たち〕
 コズマ/プレヴェール作詩:朝寝坊
 デオダ・ド・セヴラック(1872-1921)/ポール・ヴェルレーヌ(1844-1896)作詩:空は屋根の上で
 コズマ/プレヴェール作詩:心配の鳥 /不運な日々の仲間たち

 ファビアン・イヨン(T) ジュリエット・サバ(P)
 録音:2020年9月15日-19日、ステュディオ・アクースティック、パッサヴァン、フランス。
REGARDS [1882] 〜デュオ・ネリア
 エドヴァルド・グリーグ(1843-1907):
  チェロとピアノのためのソナタ イ短調 Op.36 (1882)
 リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):
  チェロとピアノのためのソナタ ヘ長調 Op.6, TRV 115 (1882-83)
 ファビアン・カリ(1982-):ブラックアウト(チェロとピアノのための) (2020)
 デュオ・ネリア[ナターシャ・コルメズ=コラール(Vc) カミーユ・ベラン(P)]
 録音:2020年2月13日-16日、ステュディオ・アクースティック、パッサヴァン、フランス。
 デュオ・ネリアは2017年パリで結成。2018年、第48回ジョルジュ・シフラ国際コンクール第1位。ファビアン・カリはフランスの作曲家・ロックギタリスト。クラシック音楽は独学だったが25歳でパリ音楽院に入学、ソルボンヌ大学で音楽学の修士号を取得した。
オードリック・ド・オリヴェイラ
 12の前奏曲/ BACH による幻想曲
オードリック・
 ド・オリヴェイラ(P)
 録音:2020年9月29日-10月4日、ステュディオ・アクースティック、パッサヴァン、フランス。
 オードリック・ド・オリヴェイラはジャン=マルク・ルイサダ、カロリーヌ・サジュマン他に師事したフランスのピアニスト・作曲家。東京に数ヶ月間滞在して日本の伝統音楽を研究したことがあり、12の前奏曲はその時に書き始められた。
デュオ・シャンガイ
 セルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953):
  ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番 ヘ短調 Op.80
 レオシュ・ヤナーチェク(1854-1928):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
 カール・ナエゲレン(1979-):ヴァイオリンとピアノのための7楽章の連作
  デュオ・シャンガイ[イングリッド・シャング(Vn) ミリアム・アヤリ(P)]
 録音:2020年8月、ステュディオ・アクースティック、パッサヴァン、フランス。
 デュオ・シャンガイはブリュッセル王立音楽院で学んだ二人により2017年に結成。カール・ナエゲレン〔ネジュラン〕はフランスの作曲家。

3 mile island [Monopole] (独) 〔CD-R〕 1枚あたり¥3300(税抜¥3000)

 2007年国内へ初案内されたドイツの復刻物レーベル Monopole 。2009年からはなぜか本家名称を本体につけず、10種類以上の別名義レーベルを CD-R 製版で展開していたが、2012年初頭の入荷をもって国内代理店の扱いが途絶えて以降は各国の業者でも入荷が不安定となり、2015年頃をもって業務を完全に停止してしまった模様。ややこしいことに、レーベル側から各卸業者に提示されたリリース情報やレーベル名の総数が時期ごとに全く異なっていたようで、前述のサブ・レーベルの多さ&サブ・レーベル本体に "Monopole" の文字がないこともあって混乱に拍車がかかり、もはや全貌は全くわからないと言っても良い。今回は Monopole のサブレーベルのひとつ "3 mile island" から、流通在庫がかろうじて入手できそうなアイテムをご紹介。なんと三分の一が未案内、かつ一部の品番が大幅に飛んでおり、末期の混乱ぶりが伺える。
 今回ご案内中 026, 029, 038-039, 055 は初案内。旧・国内代理店からアナウンスされたのは001-023と030のみ(廃盤を含む)だが、今回ご紹介する中には突然品番が飛んだものがある。この間の品番にもリリースされたものがあったのか(あったとしてもごく少量の流通だったろうが)、それとも計画だけで終わったのかは不明。
 #同一品番を使用する別レーベルが出たため、記号部分を "CC" → "TMICC" に変更してお取り扱いしています。
 ##当店取引先の在庫切れを持って供給不可となります。ご注文いただいても入手できない可能性もありますので、あらかじめご了承のほどお願いいたします。
TMICC-055
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{CC-055}
[CD-R]
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
シューリヒト〜ヘンデル:合奏協奏曲集
 〔ヘ長調 Op.3 No.4 /ニ短調 Op.6 No.10 /
  ハ長調 「アレクサンダーの饗宴」 HWV.318 /
  イ短調 Op.6 No.4 〕

#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
カール・シューリヒト指揮
バイエルン放送so.
 録音:1962年〔とあるが、1961年9月〕、アナウンスにモノラルと記載|原盤: Concert Hall 。
TMICC-039
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{CC-039}
[CD-R]
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
ジュリーニ&フィルハーモニア
 ドビュッシー:海(*)
 フランク 交響曲 ニ短調(#) /プシュケとエロス(#)
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
フィルハーモニアo.
 録音:1959年(*) /1961年(#) 、アナウンスにモノラルと記載|原盤: Columbia UK/HMV/EMI/Warber 。
TMICC-038
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{CC-038}
[CD-R]
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
兄カラヤン夫妻〜ハイドン兄弟
 ハイドン:オルガン協奏曲 Hob.18: 1
 ミヒャエル・ハイドン(1737-1806):ヴィオラ、オルガンと管弦楽のための協奏曲 ハ長調(*)
  ヘディ・フォン・カラヤン(Org;*) アレクザンデル・フォン・ピタミッツ(Va;*)
  ヴォルフガング・フォン・カラヤン指揮カメラータ・アカデミカ・ザルツブルグ
 録音:1962年|原盤: Amadeo |おそらく初CDフォーマット化。
 ヴォルフガング・フォン・カラヤン(1906-1987)はヘルベルト・フォン・カラヤン(1908-1989)の兄で、オルガン奏者・指揮者・電気工学者。バッハ:フーガの技法を得意レパートリーとし、 Charlin への録音が残っている( EMIへ話を持ちかけたが、断られたらしい)。ヘディ・フォン・カラヤンはその妻だが、義弟のヘルベルトは彼女を深く嫌っていたという。アレクザンデル・フォン・ピタミッツ(1918?-?)は後年指揮活動を行い録音も残した・・・とされていたが、後年のものに関しては悪名高いアルフレート・ショルツ(1920-?)が詐称した幽霊指揮者の一人として、名を使用されただけの可能性がある。
TMICC-029
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{CC-029}
[CD-R]
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
初CD、シュタイン& LPO
 ベートーヴェン:交響曲第5番
 シューベルト:「ロザムンデ」抜粋
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
ホルスト・シュタイン指揮
LPO
 録音:1962年-1963年|原盤: Pye? |おそらく初CDフォーマット化。
 シュタイン& LPO は1960年代初頭?、「ベト7」「皇帝」「軍隊行進曲」「ブラ4」「モルダウ」等々の有名曲を LP 数枚分録音(プリッチャードやリッケンバッハーと分担した模様)、当初はおそらく Pye から、後に Somerset, Audio Spectrum 等からLPリリースされたが、 CD期以降は1980年代後半、かろうじて1枚が当時 Miller International 傘下にあった EUROPA レーベルからリリースされたのみではないだろうか。 Miller International は BMG Ariola を経て2022年現在は SONY が、 Pye は EMI を経て Warner が、それぞれ権利を持っているはずだが、これらの録音が1990年代以降リリースされたという話は聞いたことがない。
TMICC-026
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{CC-029}
[CD-R]
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
初CD、ジョン・オグドン東欧録音
 リスト ピアノ協奏曲第1番(*)
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集
  〔第3番 Op.2 No.3 (#) /
   第30番 Op.109 (+) 〕
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
ジョン・オグドン(P)
ヴィクトル・
 ドゥブロフスキー指揮(*)
ソヴィエト国立so.
 録音:1962年、おそらくソヴィエト(*) /1960年代、おそらくルーマニア(#/+) 、ともにモノラル、おそらくライヴ|原盤: Melodiya (*) / Electrecord (#/+) | (#):オグドン唯一の当曲録音。
 ジョン・オグドンの珍しい旧・東欧諸国でのライヴ?演奏集。特に(#)は彼が残したベートーヴェンのソナタ録音中、最も若番のものということでも興味深い。
TMICC-023
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{CC-023}
[CD-R]
アルトゥール&カール・ウルリヒ・シュナーベル〜2台ピアノのための音楽
 シューベルト:3つの軍隊行進曲 Op.51 (*) /
        ハンガリー風ディヴェルティメント ト短調 Op.54 (*)/ ロンド イ長調 Op.107 (*)
 モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲〔ピアノ協奏曲第10番〕(#)

  アルトゥール・シュナーベル、カール・ウルリヒ・シュナーベル(P)
  エイドリアン・ボールト指揮 LSO (#)
 録音:1937年(*) |1936年10月28日(#) |原盤: HMV 。
TMICC-021
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{CC-021}
[CD-R]
プロハスカ Vanguard 録音〜マーラー:歌曲集
 子供の魔法の角笛/「最後の7つの歌」より(抜粋)
  モーリン・フォレスター(A) ハインツ・レーフス(Br)
  アニー・フェルベルマイヤー(S) アルフレート・ペル(Br)
  フェリックス・プロハスカ指揮ウィーン音楽祭o.、ウィーン国立歌劇場o.
 録音:1959年(となっているが、おそらく1963年5月-6月)/1954年|原盤: Vanguard 。
TMICC-017
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{CC-017}
[CD-R]
ホルスト・シュタイン〜ハイドン交響曲集
 〔第92番「オックスフォード」/第103番「太鼓連打」〕
ホルスト・シュタイン指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
 録音:1955年|おそらく初CDフォーマット化|原盤: ETERNA ? 。おそらく2曲ともシュタイン唯一の録音。彼によるハイドンの交響曲録音もこの2曲のみではないかと思われる。
TMICC-015
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{CC-015}
[CD-R]
スタインバーグ&ピッツバーグ響〜
  ワーグナー:管弦楽作品集

 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲/
 演奏会用序曲「ファウスト」/
 「ローエングリン」第3幕への前奏曲/
 「さまよえるオランダ人」序曲/「リエンツィ」序曲
ウィリアム・スタインバーグ指揮
ピッツバーグso.
 録音:1961年|レーベルの記載はないが、おそらく初CDフォーマット化|原盤: Command Classics/Westminser 〔現・原盤保有: Universal/DGG 〕。
TMICC-013
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{CC-013}
[CD-R]
ヴンダーリヒ参加、ディーゼンハウス指揮「合唱」〜ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
 フランツィ・ヴァッハマン(S) マルガレーテ・ベンス(A)
 フリッツ・ヴンダーリヒ(T) オットー・フォン・ロール(Br)
 イサイ・ディーゼンハウス指揮シュトゥットガルトpo.&cho.
 録音:1955年7月17日、シュトゥットガルト(ヴンダーリヒ・ディスコグラフィに拠る)|原盤:おそらく SAGA ( LP発売は Intercord, ARC Records UK 等からもあり)|後出: Forgotten Records, fr-483 / Profil 。
TMICC-012
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{CC-012}
[2CD-R]
ビーチャム〜ディーリアス:人生のミサ(ドイツ語歌唱)(*) /フロリダ組曲(ビーチャム編曲)(#)
 ロジーナ・ライスベック(S) モニカ・シンクレア(A) チャールズ・クレイグ(T) ブルース・ボイス(Br)
 トーマス・ビーチャム指揮ロイヤルpo.、ロンドン・フィルハーモニーcho.
 録音:1952年11月6日(*) /1959年(とあるが、おそらく1956年11月10日)(#) 、ともにアビー・ロード・スタジオ、ロンドン|原盤:Columbia (*) / HMV (#) |前出CD: SONY Classical (*) / EMI (#) 。
TMICC-011
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{CC-011}
[CD-R]
ルドルフ・モラルト&ウィーン響〜モーツァルト
 ミサ曲 ハ短調 K.427 (*) /
 セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」K.525 (#)
  テレサ・シュティヒ=ランダル(S;*) ヒルデ・レッスル=マイダン(A;*)
  ヴァルデマル・クメント(T;*) ヴァルター・ラニンガー(Br;*)
  ルドルフ・モラルト指揮ウィーンso.
 録音:1955年(*) /1952年(#) |原盤:おそらく Philips |おそらく初CDフォーマット化(#) 。
TMICC-008
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{CC-008}
[CD-R]
バルトーク:バレエ「かかし王子」 Op.13 ウォルター・ジュスキント指揮
ロンドン新so.
 録音:1953年〔当盤記載は1954年〕、キングズウェイ・ホール、ロンドン|原盤: Bartok Records 。
TMICC-007
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{CC-007}
[CD-R]
バーンスタイン〜ドヴォルザーク
 交響曲第9番「新世界より」/同曲解説
レナード・バーンスタイン指揮
ニューヨーク・スタジアムso.
 録音:1953年/1956年〔ただし、当盤表記はすべて1956年〕|原盤: Decca US 〔現・原盤保有: Universal/DGG 〕。
TMICC-001
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{CC-001}
[CD-R]
ルドルフ・ケッケルト
 ベートーヴェン:ロマンス〔第1番/第2番〕(*)
 シュポア:ヴァイオリン協奏曲第8番 イ短調 Op.47 (#)
 シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」(+)
  ルドルフ・ケッケルト(Vn) オスカル・リードル(Va;+) ヨーゼフ・メルツ(Vc;+)
  フランツ・オルトナー(Cb;+) アドリアン・エッシュバッハー(P;+)

  フェルディナント・ライトナー指揮バンベルクso.(*)
  フリッツ・レーマン指揮バイエルン放送so.(#)
 録音:1959年(*/+) /1960年(#) (となっているが、おそらく1952年-1954年)|原盤: DGG |初CDフォーマット化とのアナウンス|後出: Forgotten Records, fr-845

DORIAN SONO LUMINUS (米) 1枚あたり¥3080(税抜¥2800)

  DORIAN 単独名義時代の旧譜、詳細再案内(前回ご案内:2000年-2001年)。#旧譜を中心にCD-R製版品が出始めましたので、プレス盤を指定してのご注文はお受けできません。
XDOR-90283
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[CD-R]
アントニー・ディロレンツォ
 バレエ「ドラキュラ」
プロテウス7〔ブラス Ens. 〕
助演・木管・打楽器奏者
 録音:1999年9月-10月。カーティス音楽院で学んだエミー賞受賞作曲家、トランペット・ソリスト(フィラデルフィア管などにも在籍)、グラミー賞ノミネート・アーティストのディロレンツォは当時プロテウス7のリーダー格だったトランペッター兼作曲家で、当盤アナウンス時点ですでに70本以上の映画音楽や、シリアスな管弦楽作品を書いており、サンフランシスコ響、ニュー・ワールド響、ルイジアナ・フィル、ユタ響、東京響、ボストン・ポップスなどでも演奏されている。このバレエ音楽は元々フル・オーケストラのために書かれ、サクラメント・バレエ団が3回上演したそうだが、ここでは作曲者自身が小アンサンブル用に書き換えた版で演奏、編成にはテレミンや、薄く長い幾何学的デザインの様々な木片をマイクボックスに取り付け弓で弾くというダクソフォン [Daxophone] (マイクの近くで摩擦音を発生させるので轟音も出せる)も含まれている。非常におどろおどろしい仕上がりとのこと。
XDOR-90288
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[CD-R]
カリーナ・ゴーヴァン〜ヘンデルモテット&カンタータ集
 ソプラノと管弦楽のためのモテット「風よ静まれ」 HWV.242 (*) /
 ソプラノ、バリトンとオーケストラのためのカンタータ「アポロとダフネ」 HWV.122
  カリーナ・ゴーヴァン(S) ラッセル・ブラウン(Br;*)
  ベルナール・ラバティ指揮ル・ヴィオロン・デュ・ロワ
 録音:2000年2月、ケベック州、カナダ。ゴーヴァン(1966-)はカナダのケベック生まれ。2022年現在カナダを代表する古楽系ソプラノ歌手の一人。ブラウン(1965-)はドイツ出身で1993年以降カナダを中心に活躍しているリリック・バリトン。

ALBANY (米) 1枚あたり¥3080(税抜¥2800)

 旧譜はこちらから
アース・デイ・ヘリテージ〜音楽と言葉による祝福
 ジョン・ハーモン(1935-):管弦楽、合唱と語りのための「アースデイ・ポートレート」(2001) (*)
 エドワード・ジョセフ・コリンズ(1886-1951):管弦楽、合唱と4人の独唱者のための「大地への讃歌」(1929) (#)

 マリン・オールソップ指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルo. & cho.
 ウィリアム・マイアー・ハンナ、ニナ・レオポルド・ブラッドリー、ゲイロード・ネルソンJr.、
 キヴァ・ネルソン、パティ・ロウ(語り;*) マディソン・ユースcho.(オーディエンス・レスポンス)(*)
 ジェニ・バーン(S;#) ジェーン・アーウィン(Ms;#)
 ピーター・オーティ(T;#) ヘンリー・ウォディントン(B;#)
 録音:2009年5月3日(*)、2003年3月19日-20日(#)、ともにグラスゴー。自然を讃える二つのカンタータを収録。ジョン・ハーモンはもともとジャズの作編曲家として確固たる地位を築いている人で85代のヴェテラン。エドワード・ジョセフ・コリンズは19世紀末から20世紀にかけて活躍したアメリカの作曲家。ベルリンで学び、バイロイト音楽祭でアシスタント・コンダクターを務めたこともあった。いずれのカンタータもロマン派の様式で書かれた抒情的な音楽で肩の力を抜いて楽しめる内容。日本の合唱ファンにお馴染みの佐藤眞のカンタータ「大地讃頌」のアメリカ版といったおもむき。
エズラ・ラダーマン(1924-2015):室内楽作品集 2002-13
 ピアノのための「献呈」[ロバート・ブロッカー(P)]/
 無伴奏ファゴットのためのエレジー/無伴奏ファゴットのためのパルティータ[フランク・モレル(Fg)]/
 2台ピアノのための「インテリア・ランドスケープ」〔 I / II 〕
  [グレッグ・アンダーソン、デイヴィッド・カプラン(P)]/
 ピアノ・ソナタ第1番[エイミー・ヤング(P)]/
 無伴奏チェロのためのパルティータ第2番[オレ・アカホシ(Vc)]/
 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ[ベンジャミン・ホフマン(Vn)]
 録音:2012年-2019年。ラダーマンはニューヨークを拠点に活動、アメリカ東海岸の前衛作曲家の潮流に属する作曲家の一人。この作品は彼の晩年のソロ作品から室内楽を集めた物。無調様式の中に調性、ジャズ的なリズムなどが時折り折衷される傾向はアメリカの作曲家らしく、新ロマン主義の音楽として解釈できる。演奏陣も日ごろから彼と親しい関係にあり作品を敬愛する演奏家によるもので真摯で共感にあふれた演奏を繰り広げている。
グラドゥス〜デイヴィッド・クラマン:作品集
 3つのギターのための緩やかなカノン/4人の声のための「ネクスト・ナンバー」/
 ソプラノとピアノのための「あるひとつの夢より」/ソプラノとピアノのための「死者を救出せよ」/
 4人のシンセザイズドされた声のための「マンデビル・ペンタクル」/
 アルト・フルートと打楽器のための「アンバ・カマクシによる変奏曲」/
 ラップトップのための「ピース・オヴ・ワーク」/サクソフォン四重奏のための「リバティーズ・テイクン」/
 メゾ・ソプラノ、ソプラノ、ギター、マンドリン、ヴァイオリンとチェロのための「アヴェリー・タン」/
 ヴァイオリンとチェロのための「このように」/声のための「迫りくる」/声のための「ブリット」/
 2つのギターのための「緩やかなカノン II-IV 」

  スティーブ・マッキー、マシュー・ウーレ、マーク・ザキ(G) デイヴィッド・クラマン(声、ラップトップ)
  ジョン・マクドナルド(P) スティーヴン・ウィンカー(声) タラ・ヘレン・オコーナー(アルトFl)
  イアン・ローゼンバウム(Perc) ニュー・スレッド・サクソフォン四重奏団
  ジェシカ・バワーズ(Ms)(MS-)スザンナ・チャップマン(Vc)他
 録音:2020年。デイヴィッド・クラマンの生年は不明だがブックレットの写真から推察するに中堅世代の作曲家のようだ。略歴によるとアメリカで作曲を学んだ後、インドに留学しインドの伝統音楽を学んだ。そうした経験は作品に顕著に表れている。「緩やかなカノン」では息の長い旋律がもはやカノンと認識ないほど引き伸ばされ、ひたすら瞑想的な音の帯が続く。「マンデビル・ペンタクル」は4人の男女がただひたすら会話(雑談?)している背景に電子音が鳴り響く実験的な作品。サックス四重奏のための「リバティー・テイクン」はミニマル・ポップ風の軽やかな作品。2つ収められているソプラノとピアノのための歌曲は東海岸流のアカデミックなゲンダイオンガクで、この人の個性と持ち味はテリー・ライリー風のエスニックでポップ、実験主義的な作品にあるようだ。
マイアミ大学男声グリークラブ(全14曲)
 アンソニー・J.マリョーネ:壁が崩れる / ジェーク・ルネスタッド:サヤレー
 ポウル・ジョン・ルンドイ:ラスト・カインド・ワーズ / ヴェリオ・トルミス:テオメへの歌
 クレイグ・ヘラ・ジョンソン:私たちは/他

  ジェレミー・D.ジョーンズ指揮マイアミ大学男声グリークラブ ジョン・サンフォード(P)
 マイアミ大学男声グリークラブは1907年創立の伝統ある合唱団。このディスクでは20〜21世紀のアメリカの作曲家の合唱曲が中心に歌われているが、中でもアルヴォ・ペルトと並ぶエストニアの作曲家ヴェジオ・トルミスの作品が収録されているのが注目。トルミスは東欧諸国、西ヨーロッパで盛んに歌われてきたが、近年ではアメリカでも人気が高い。日本でも東京混声cho. が取り上げたことがきっかけでアマチュア合唱団がよく取り上げるようになっている。
ダンソン〜エメラルド・ブラス・クインテット
 ピアソラ:リベルタンゴ(*) / アルベニス:「スペイン組曲」より〔アストゥリアス/セビリャ〕
 アルトゥーロ・マルケス:ダンソン第2番(*)
 フォーレ:組曲「ドリー」より〔子守歌/メシュー・アウル!/スペインの踊り〕
 ラヴェル:「クープランの墓」より〔前奏曲/リゴードン/メヌエット/トッカータ〕
 ストラヴィンスキー:「プルチネッラ」より〔トッカータ/ヴィーヴォ/メヌエット=フィナーレ〕
 ピアソラ:メディタンゴ

   エメラルド金管五重奏団[ブレット・ロング、マックス・マッツェン(Tp) レスリー・ハート(Hr)
              クリス・ヴァン・ホフ(Tb) T.J.ライサー(Tu)]

 ペドロ・フェルナンデス(Perc;*)
 録音:2019年。エメラルド金管五重奏団はイーストマン音楽院の卒業生により結成されアメリカ国内はもとよりヨーロッパでも活動している。このアルバムは全て金管五重奏用にアレンジしたもので構成されているが、フォーレの組曲「ドリー」から3曲、ラヴェルの「クープランの墓」からは4曲もアレンジして取り上げてしまうセンスには驚愕を通り越して呆れるばかり。しかしラヴェルの「クープランの墓」では作曲家自身すら管弦楽編曲しなかったトッカータを金管五重奏でそれなりに聴けるよう演奏してしまう技術には驚きと敬意を表さざるを得ない。
アメリカのヴァイオリン・ソナタ
 ルービン・ゴールドマルク(1871-1936):ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 Op.4
 アレクサンダー・ライナグル(1756-1809):ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調
  ティン=ラン・チェン(Vn) ネイサン・バックナー(P)
 録音:2018年。アメリカの洋楽黎明期に作曲された2つのヴァイオリン・ソナタを収録。アメリカのクラシック音楽が独自のオリジナリティを確立する以前、どういう音楽が作曲されていたかを知る上で極めて興味深い。ルービン・ゴールドマルクは有名なカール・ゴールドマルクの甥にあたる。因みにルービンはアーロン・コープランドの作曲の師匠であり、アメリカ作曲界に多大な貢献をしたことで知られる。このルービン・ゴールドマルクのヴァイオリン・ソナタを何も知らされずに聴くとブラームスの未発見のソナタではないかと思うほどブラームスの影響を強く受けている。しかし叔父カールがブラームスと親しく、ブラームスから作品を支持されていたことを考えるとそれももっともなこと。ライナグルのソナタはモーツァルトそのものであり、作曲年代は1790年頃。つまりモーツァルトの死の直前であり、ヨーロッパの同時代の作曲の動向はリアル・タイムで新大陸に伝わっていたことがわかる。そういう意味でも興味深いCD 。
ダニエル・トーマス・デイヴィス:歌劇「家族の秘密/キスとキン」
 アンドレア・エディス・ムーア(母/娘) ジェーン・ホールディング(友/隣人)
 ティモシー・マイヤー指揮アンサンブル
 録音:2019年。作曲者の生年が記載されていないが、ブックレットの写真から若手と思われる。ミニガン大学、王立音楽アカデミーで学び、その後ロンドン・シンフォニエッタやアノニマス4などから作曲の委嘱を受け、アメリカ国内で高い評価を受けている。このアルバムは室内アンサンブルを伴奏に女声二人の対話で進む二人劇ともいえる歌劇。オフ・ブロードウェイで上演されていてもおかしくないポピュラリティとモダーンさを兼ね備えた秀作オペラ。
ヴォイス・オブ・エアー〜アメリカのトロンボーン作品集
 ヴィクトリア・ボンド(1945-):ヴォイス・オブ・エアー(2019) (*)
 ジェニファー・ヒグドン(1962-):レガシー(2017) (*)
 ケビン・セロヴィッチ(1985-):ローレンス・レーザーの追憶に(2019)
 レイモンド・ペルムル(1934-98):フェリシティ(#)
 ブライアン・E.リン(1954-):バ・ディー・ドゥー・ダップ(1977) (#)
 ノーマン・ボトラー(1955-):古代の煌めき現る(1997)(#)
 ポール・ルディ(1962-):目覚めよ!(2018) (*)
  ジョディ・デイヴィス(Tb) ダン・ヴェリサー(P;*)
  デヴィン・ベネット(Tb;#) ダニエル・マリオン(バスTb;#)
 録音:2020年。現代アメリカの作曲家によるトロンボーンとピアノもしくは3本のトロンボーンのための作品を収録。ジョディ・デイヴィスはカンザス・シティ響の首席奏者を務める他、各地のオーケストラと共演、ソリストとしても活動している。収録されている作品はいずれもトロンボーンの機能を最大限に生かした親しみ易い作風。
マック・マグワイア
 ティーンエイジャーの夢(*) /
 カシミールのシャーデー(#)
キース・カーショフ(P;*)
ブライアン・ホルト(Vc;#)
マック・マグアイア(CPU;*/#)
 録音:2019年。作曲者の生年は記載されていないが、ブックレットの写真から中堅以上の世代と思われる。収録の作品はいずれもアコースティック楽器とCPU(コンピュータの制御)のために作曲されており、アコースティック楽器とプレ・レコーディング、事前に制作された音響を融合したディジタル・ミュージックといってよい。ミニマル、テクノ(古い言い回しだが)、ダンス、ディスコ・ミュージックを混ぜ合わせたような作風。ジョン・ゾーンが主宰するレーベルTzadikより作品集をリリースしていることから実験主義とポップスを融合した方向性の作曲家と思われる。アメリカの批評家筋からはフランク・ザッパの再来と評価が高い。
デュアリティ〔二元性〕〜ヴァネッサ・シーラート、サクソフォン・リサイタル
 ディラン・シャンペイン:橋、離脱、鐘 / グレゴリー・W.ヤシニツキ:心から、そして悪魔的な
 ダニエル・ブクヴィッチ:3つと1つ半の歌
 トム・ヨーク&ジョニー・グリーンウッド&フィル・セルウェイ&エド・オブライエン(レディオヘッド):
  レット・ダウン/カーマ・ポリス
 キース・フォーシー&スティーヴ・シフ:ドント・ユー・フォーゲット・アバウト・ミー

 ヴァネッサ・シーラート(Sax) キャスリーン・アンダーソン(P)
 録音:2018年。現代アメリカの作曲家によるサックスとピアノのための作品集。ジャズ、ミニマルの影響を受けたポップで親しみ易い作品が多く収録されている。サックスのヴァネッサ・シーラートはライオネル・ハンプトン音楽院で学びソリストとしてクラシック、現代音楽のみならずジャズの分野でも活躍している。「レット・ダウン」「カーマ・ポリス」は名ロック・バンド「レディオヘッド」の楽曲。
アルベルト・パトロン(1969-):作品集
 「10のアポリアの比喩」 Op.P.1 より (*) Nos.1-5, 7-10 /「楽興の時」より〔3月の雨 Op.P.139 /遠く Op.P.138 〕

  ルシウス・R.ウェザーズバイ(P) ヴァレンティーノ・デンテサーニ(Vn;*) キアラ・ウルリ(Vc;*)
 録音:2002年。アルバート・パトロンはイタリアの作曲家でアメリカでは比較的よく知られた存在。彼の作風はサロン風の落ち着いたムード・ミュージックといったものでアストル・ピアソラの影響も若干聴き取れる。「10のアポリアの比喩」はピアノ三重奏のために書かれた曲集で彼の代表作。
エフレイン・アマヤ:室内歌劇「星座」(台本:スサナ・アムンダライン)
 ラケル・ウィニカ・ヤング(Ms) ダン・ケンプソン(Br)
 サラ・シェーファー(S) エフレイン・アマヤ指揮アーツ・クロッシング室内o.
 作曲者のエフレイン・アマヤはベネズエラ出身の作曲家、指揮者。アメリカ、インディアナ大学で学び、現在はアメリカで活動している。歌劇「星座」は20世紀スペインを代表する画家ジョアン・ミロの生涯を描いた物。歌劇のタイトル「星座」はミロの生涯の分岐点に描かれたといわれる彼の代表作。音楽はファリャを思わせる、スペインの民族的な親しみ易い作風で書かれている。
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集
 〔第1番 ト長調 Op.78 /第2番 イ長調 Op.100 /第3番 ニ短調 Op.108 〕
 ピーター・ウィノグラード(Vn) デイヴィッド・ウェストフォール(P)
 録音:2019年5月23日、25日、29日。ブラームスのヴァイオリン・ソナタ全集。ピーター・ウィノグラードはアメリカ弦楽四重奏団(1974年創設)の第1ヴァイオリン奏者を1990年から務めており、ここでもソリスト的なヴァイオリンではなく、室内楽的な渋めの演奏で、それがブラームスとよく合っている。
サーシャ・マットソン:9イニングのジャズ歌劇「クーパーズ・タウン」(改訂版)
  台本:マーク・ミラー&サーシャ・マトソン

 ジュリー・アダムス(S) ダニエル・ファヴェーラ(T) カリン・ギルフリー(Ms) ロッド・ギルフリー(Br)
 ダニエル・モンテネグロ(T) ゲルノート・ベルンロイダー(ドラムス) ラス・ジョンソン(Tp)
 リッチ・モリン(ベース) ジェイソン・リグビー(Sax) ショーン・ウェイランド(P)
 録音:2011年-2012年。「クーパーズ・タウン」の初版はTROY-1553/54の2枚組で発売されていたが、この改訂版は1枚に収まっている。演奏も初版と同じでカットした版のようだ。マーシャ・マトソンの生年は記載されていないが、中堅以上の世代と思われる。野球の9イニングを芝居の9場に喩えたオペラで選手と彼を支える女性たちの人間模様が面白おかしく描かれる。全てジャズのスタイルで書かれ、物語もテンポよく進む。マトソンはテレビや映画を中心に活動する作曲家。
ジャネット・アームズ・プレイズ・ロバート・カール&ラリー・アラン・スミス
 ロバート・カール:川の蛇行/鳥と花浮遊の形態/ソナティナ「音と隙間の踊り」
 ラリー・アラン・スミス:私は君に付いて行く…君は私に付いて来る/狂気と歓喜の1時間/
     3つのフルートのための三重奏曲/フルート四重奏のためのスキャット

 ジャネット・アームズ、ジョン・マクマーテリー、シャノン・ヴァンズーラ、アリソン・ヒューズ、
 ナタリア・カミンスカ=パラーツィク(Fl) ジェス・ゴルドバーグ(P)
 録音:2015年12月17日、2019年1月29日、ハートフォード、コネティカット州/2014年6月3日、ウェイン、ニュージャージー州、すべて US 。米国の作曲家、ロバート・カールと、ラリー・アラン・スミスによるフルート作品集。カールは日本に深く関心を持っている様子で、2007年には3か月日本に滞在。「浮遊の形態」には明らかに尺八からの影響が伺える。スミスはパリでナディア・ブーランジェに学んでおり、フランス近代音楽の影響が色濃い。中心となっているジャネット・アームズはニューヨーク・シティを拠点とするフルート奏者で、ニューヨークの様々なオーケストラで演奏している。
変化
 レオン・カーシュナー(1919-2009):ヴァイオリンとピアノのための二重奏曲第2番(2002)
 セッションズ(1896-1985):無伴奏ヴァイオリン・ソナタ(1953) /ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲(1978)
 シェーンベルク:幻想曲

  エリザベス・チャン(Vn) スティーヴン・ベック(P) アルバート・パリーニ(Vc)
 「変化 transformations」と題された近現代室内楽作品集。ニューヨーク生まれの米国の作曲家、レオン・カーシュナー(1919-2009)はカリフォルニア大学でアーノルト・シェーンエルクに学んでおり、21世紀に入るまで長年活躍した。ヴァイオリンとピアノのための二重奏曲第2番は2002年、カーシュナーが80歳を超えてからの作品。師匠譲りのモノトーンの音楽に加え、老境のカーシュナーの穏やかな芯の強さが映えている。ロジャー・セッションズ(1896-1985)は言うまでもなく人気作曲家。無伴奏ヴァイオリン・ソナタは1953年、ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲は1978年の作品。エリザベス・チャンは米国で独奏者としてまた室内楽で活躍するヴァイオリニスト。
時の風の中で〜ラトヴィアのクリスマス音楽
 ラウラ・イェカブソーネ(1985-):クリスマス・カンタータ「来るのが遅くすぐに消える」
 アンドレイス・ヤンソンス(1938-):クリスマス・カンタータ
 マーティンス・ブラウンス(1951-):クリスマス歌曲集 / アンドリス・セヤンス(1978-):7つのアンティフォナ

  ローラ・パデグス・ザムルス指揮ニューヨーク・ラトヴィアン・コンサート&cho.
  ラトヴィア国立歌劇場室内o./他、ソリスト
 録音:2020年1月3日-4日、ラトヴィア放送レコーディング・スタジオ。20-21世紀ラトヴィアの作曲家によるクリスマスに因んだ合唱作品を収録。収められた作品は国際的な作曲家ヴァスクスを生んだ国だけあっていずれも調性で明快に書かれた抒情的な音楽。ニューヨーク在住のラトヴィア出身の音楽家と故国のo. の共演によるコラボレーション。
ドン・ウォーカー(1941-):作品集
 管弦楽のための3つの円形演技場/管弦楽のための「最後の言葉」[島田俊行指揮モラヴィアpo.]/
 アイスキュロスの「ペルシャ人」に/管弦楽のための「ついに」[アンドレアス・バウムガルトナー指揮 OGZM o.]/
 ホルンとピアノのための3つの小品/トランペットとピアノのための2つの小品/
 トロンボーンとピアノのための「ポーランドの王」/金管楽器とピアノのための二重変奏曲
  [マーティン・ノヴァク(Hr) トマーシュ・プロコップ(Tp)
   ヴィト・マトロハ(Tb) マーティン・プロハスカ(P)]
 録音:データ記載無し、 DDD 。Albanyではおなじみの米国の作曲家、ドン・ウォーカー(1941-)の作品集。「寄せ集めA Mixed Bag」と題されている通り、金管楽器作品あり管弦楽作品あり。いずれも親しみやすい作風で楽しめる。東京生まれで15歳で米国に渡り、指揮者として海外で活躍する島田俊行が参加している。
アメリア・キャプラン:弦楽器を含む作品集
 (スト)リング・トーンズ[ゾラSQ /2016年7月14日]/ギターでの瞑想[ポール・ライリー(G)/2018年1月26日]/
 狂気の現状についての短い意見[エリザベス・クロフォード(Cl) チャン・ユーファン(Va)/2020年8月20日]/
 スーパーヴィオラ 3.0 [キャトリーン・マイドール(Va) ケティ・ネズ(P)/2017年1月15日]/
 倍額補償[チャン・ユーファン(Va) チャン・メイチュン(Va)/2019年1月31日]/
 度を超えて[チャン・ユーファン(Va) カート・フォーラー(Vc) ジン・スジン(P)/2018年5月14日-15日]
 録音:[/内]、全てマンシー、インディアナ州。
シーラ・シルヴァー(1946-):連作歌曲集
 耐え難い美(16曲)/愛すると(3曲)/超越(3曲)/夜想曲/チャリーサ(6曲)/「耐え難い美」からの4つの歌

  ドーン・アップショウ、ルーシー・フィッツ・ギボン、ライザ・リニ・ハーマン(S)
  ディアン・ミーク(Ms) ステファニー・ブリズ(A) シドニー・アウトロー(Br)
  リザ・リニ、クリストファー・クーリー、ティモシー・ロング、
  ライアン・マカラフ、イワマ・カヨ、ギルバート・カリッシュ、ウォーレン・ジョーンズ(P)
 録音:2019年9月20日-23日、アナンデール・オン・ハドソン/2020年9月12日-13日、ニューヨーク・シティ、すべてニューヨーク州、 US 。米国の作曲家、シーラ・シルヴァーの歌曲集。シーラ・シルヴァー(Sheilaは日本ではしばしばシェイラとカナ表記されるが、英米ともシーラと読む)は1946年、ワシントン州シアトルの生まれ。カリフォルニア大学バークレー校で学んだ後、パリに留学しており、さらに1979年にはローマ賞の音楽作曲部門を受賞している。現在はニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の名誉教授。作風は、いかにも西海岸のネオロマンティック風。2曲だけだがドーン・アップショーが参加している。なお「チャリーサ」は、作曲者自身の解説によると、古代ギリシャの美女だという。
マシュー・シュライバイズ(1980-):作品集
 内側の真実(*) /気付き(#) /惑星Xを探して(+) /―ということ(3曲)(**) /サンドバーグ歌曲集(5曲)(##)


 ダニエル・ペスカ(P;*/+) サミー・レスニック(Cl;#/+) ハンナ・ハーヴィッツ(Vn;#/+)
 ディーター・ヘニングズ(G;**) トニー・アーノルド(S;##) ティモシー・ワイス指揮ゾーン・コレクティヴ(##)
 録音:時期未記載、クロニック・ホール、オバーリン音楽院、オバーリン、オハイオ州、 US 。米国の作曲家で香港を拠点に活動しているマシュー・シュライバイズ(1980-)の作品集。いずれも2009年以降の最新作。比較的実験的な作風。「―ということ They say 」は各曲の表題に繋がっている。サンドバーグ歌曲集は、米国の詩人カール・サンドバーグ(1878-1967)の詩に曲をつけた物。トニー・アーノルドは米国の現代声楽曲を得意とするソプラノ。
ニール・ロルニック:作品集
 大海が都市を浸食する(2曲)(*) /蜃気楼(3曲)(#) /悪魔との取引(8曲)(+)

 ニール・ロルニック(コンピュータ;*/#/+ |P;#) VOXARE SQ (*)
 ジェニファー・チェ(Vn;+) キャスリーン・サパヴ(P;+)
 録音:2019年7月14日、17日、ガニソン(*/#) /2018年11月20日、デンヴァー(+)、すべてコロラド州、 US 。米国の作曲家、ニール・ロルニックの自作自演集。ニール・ロルニックは1970年代末からクラシック音楽にコンピューター音を加えた作品を発表し、この種の音楽の先駆者として知られる。音楽そのものはむしろ平易なもので、クラシック音楽を取り込んだゲーム音楽のようにも聞こえる。ロルニックは2002年からニューヨークを拠点としており、ここに収録されている3作品はいずれも2015年以降作。地球温暖化シナリオを題材とした「大海が都市を侵食する」は第1楽章で大阪も取り扱われている。
スーザン・キャンダー:室内歌劇「 dwb [driving while black] 」
 ロバータ・ガンブル(S) ニュー・モース・コード
 録音:2020年8月21日-22日。米国の作曲家、スーザン・キャンダーがソプラノのロバータ・ガンブルの台本に音楽を付けた室内歌劇「dwb(黒人運転)」の録音。この、ソプラノ、チェロ、打楽器のみによる40分ほどの小オペラは2020年3月19日に初演が予定されていたが、新型ウイルス禍によって流れてしまい、代わりに8月21日-22日にまず音楽を録音、9月3日-5日に映像を収録して、10月23日に映像として初演された。初演は好評で追加公演が行われたほど。dwbはdriving while blackの略で、黒人が運転しているというだけで自動車が不当に取り締まりを受けることを意味している。台本の設定に、時は今、場所はここ、と指定されているように、まさに現代米国の問題を取り上げている。台本作家でもあるロバータ・ガンブルは米国のベテランのソプラノ。ミズーリ州カンザス・シティを拠点としており、幅広く活躍している。ブックレットに英文台本が掲載されている。
フェニモア吹奏〜ジョゼフ・フェニモア(1940-):木管楽室内楽作品集
 クラリネット・ソナタ[デイヴィッド・ニーザマー(Cl) チャールズ・シュナイダー(P)/1976年11月18日]/
 木管五重奏とピアノのための六重奏曲〔(第1番)/第2番〕/フルート、クラリネットとピアノのためのロマンス(*)
  [チェルシー室内アンサンブル(*以外) ティム・マロシュ(Fl;*) ラリー・ガイ(Cl;*)
   ジョゼフ・フェニモア(P)/1987年10月25日]/
 フルートとピアノのための春のソナタ[ゲイリー・ショッカー(Fl)デニス・ヘルムリッチ(P)/1985年11月6日]/
 オーボエとピアノのための二重奏曲[ユージン・ボックス(Ob) ジョゼフ・フェニモア(P)/1989年11月6日]
 録音:[/内]、すべてニューヨーク州、 US 。米国の作曲家、ジョゼフ・フェニモアの木管楽器の室内楽作品集。ジョゼフ・フェニモアは1940年、ニューヨーク・シティの生まれ。長年に渡って作曲家、また教師として活躍している。このCDは過去の彼の作品の演奏をまとめた物。録音状態が芳しくないものも含まれるが、フェニモアの洒落た音楽が楽しめる。
ビールマイヤー:アンビエント・ワークス(環境作品集)
 もう一つのパイロットの着陸誘導後方散乱/暗室聖域ラルゴ、モンテゴ/マニュメド聖マルティヌスの夏/時間がない

 ダグ・ビールマイヤー(コンピューター)
 録音:2005年以降、 DDD 。米国のコンピューター音楽家、ダグ・ビールマイヤーによるコンピューター環境音楽集。環境音楽というもの自体が1970、80年代の流行のようになってしまっているが、それを21世紀的に刷新したような物。そうした曲に夢中になった世代には受け入れやすく、知らない世代には新鮮に聞こえるだろう。いずれも2005年以降の製作。
ホット・ソナタ〜近現代のサックス作品集
 シュルホフ(1894-1942):ホット・ソナタ / カプースチン(1937-2020):サクソフォン協奏曲
 ジョン・ウィリアムズ(1932-):向こう見ずな企て / ガーシュウィン(1889-1937):サマー・タイム
 ヴァーノン・デューク(1903-1969):巴里の四月 / ジェイムズ・ドーシー(1904-57):ヌーディーのウーディ

 マイケル・ペンドウスキー(アルトSax) ジェレミー・サモレスキー(P)
 録音:2019年11月-2020年1月、シカゴ・レコーディング・カンパニー。特に20世紀初頭から第一次大戦後にかけてジャズはアメリカからの新しい潮流として多くのクラシック系の作曲家に霊感を与えた。一言では言えないほど様々なスタイルで作曲した多作家シュルホフも例外ではなく、「ホット・ソナタ」は今日聴いても全く色褪せていない傑作。20世紀後半の作曲家カプースチンのサックス協奏曲は彼の代表作でジャズが重厚なクラシックの形式と一体になる。デュークはロシア出身でもとはクラシックの作曲家だがガーシュウィンに才能を見出されてアメリカで多くのミュージカルやレヴューを書いた。「巴里の四月」は彼の代表的なヒット・ソングからの編曲。ドーシーはジャズの作曲家で「ヌーディーのウーディ」はゴキゲンなムードのショート・ピース。聴きごたえのある一枚。
シンギング・スタイル〜バロックから現在までのカンタービレ・エクスプレッション
 カート・カチョッポ:8月の薔薇/クロエ/武装と危険性 / チャールズ・カチョッポ:アパリシオン
 ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ〜第2曲「かなり遅く」/「マ・メール・ロワ」〜第4曲「美女と野獣の対話」(#)
 ドビュッシー:小さな黒人/負傷者の衣のために/2つのロマンス(*) 〔魂の蒸発/鐘〕 / ショパン:バラード第3番
 プーランク:3つの永遠の楽章〜第2曲「トレ・モデレ」 / J.S.バッハ:前奏曲第1番 ハ長調 BWV.846

 ブルース・レト(P) ローレン・アンジェリーニ(S;*) スコット・コーエン(P;#)
 録音:データ未記載。アメリカの作曲家カート・カチョッポと近代フランスの様々なピアノ組曲からの抜粋をメインにしたアルバム。ピアノのブルース・レト(Bruce Leto)はアメリカの若手。ニューヨークを中心に演奏活動を続けている。
クエスト〜女性作曲家によるハープ作品集
  〔編曲:エリザベス・レミー・ジョンソン(*)、 + N.N. ヌルバハシュ(#) 〕
 ニルファー・ヌルバハシュ(1992-):クエスト(2013) (*/#) / セシル・シャミナード(1857-1944):オバド(1911) (*)
 エイミー・ビーチ(1867-1944):朝のツグミ(1921) (*) / メル・ボニ(1858-1937):5つの小品(1894-1927) (*)
 ファニー・メンデルスゾーン(1805-1847):メロディ(1846) (*)
 クララ・ヴィーク・シューマン(1819-1896):ロマンツェ(1853) (*)
 リリー・ブーランジェ(1893-1918):古い庭から(1914) (*) / 伝承曲:来たれ全ての公正で優しい女性たちよ(*)
 カティ・アゴーチ(1975-):すべての恋人は戦士(2006) / サリー・ビーミッシュ(1956-):パヴァン(2016)
 フレイヤ・ウェリー=コーエン(1989-):スカイ(2017) / ジョアンナ・セレック(1959-):波しぶき(2008)

 エリザベス・レミー・ジョンソン(Hp)
 録音:2020年12月16日-17日、ケネソウ、ジョージア州。古今の女性作曲家によるハープ独奏曲を集めた一枚。ハープ奏者のエリザベス・レミー・ジョンソンは演奏活動とともに社会における女性の権利向上、性差別反対、ジェンダー・フリーを主張する運動にも積極的に関わっており、このアルバムもそうした思想を反映して企画されている。因みに19世紀から20世紀初頭にかけての作曲家の作品はピアノ曲をハープのために編曲した物。いずれの作品もハープの優美な音色が生かされて耳に心地よい。エリザベス・レミー・ジョンソンは現代の女性作曲家に作品を委嘱し初演する演奏家団体メリアン・アンサンブルを自ら設立している。
ディスタンス〜デイヴ・ウォルサー:作品集
 デュオ第8番[キャピタル・デュオ〔ヒラリー・ウォルサー・カミング(Vn) ダンカン・J.カミング(P)〕]/
 弦楽四重奏曲第8番[エクリプスSQ ]/ゴッドファーザー・クロックのための[ダンカン・J.カミング(P)]/
 デュオ第6番[キャスリーン・カロリー(Fl) ジョナサン・カロリー(Vc)]
 録音:データ未記載。デイヴ・ウォルサーの生年は公開されていないが、経歴から推測して中堅世代と思われる。南カリフォルニア大学で学んだ後、スタジオ・ミュージシャンとして多くのテレビ・ドラマや映画の音楽の録音に携わる傍ら、仲間のアンサンブルのために数多くの作品を提供してきた。彼の作風はミニマル・ミュージックのスタイルにジャズ、ロックなどのリズムを加えたポップで親しみ易いもので、時にストラヴィンスキーの新古典主義期の作品を思わせる。アメリカ西海岸の明るい陽射しと乾いた空気を感じさせる、心地よく爽快な音楽。
イングリット・アラウコ:作品集
 2台のピアノのためのソナタ(2014) (*/#) /ピアノ・ソナタ(2015) (#) /
 弦楽四重奏曲第3番(2016) (+) /レソナンセズ(共鳴) (2017) (#)
  チャールズ・アブラモヴィツ(P;*) マルカントニオ・バローン(P;#) インSQ (+)
 録音:2020年1月3日-4日、テンプル大学(+以外) /2019年1月13日、キンメル・センター(+)、すべてフィラデルフィア。イングリット・アラウコはアメリカの中堅世代の作曲家。ジョージ・クラム、ジョージ・ロックバーグに学び、作品はアトランタ響などで盛んに取り上げられている。多調、バルトーク風の民族的リズムと不協和音、メシアンを思わせる「鳥の歌」の語法などを折衷しヴァラエティ豊かな世界を作り上げている。
マイケル・ドアティ(1954-):管弦楽曲集
 ギターと弦楽のための「ピッグス湾」(2006) (*) /語りと管弦楽のための「トロイジャム」(2008) (+) /
 エレクトリック・ギターと管弦楽のための「ジーズ・ベンド」(2009) (#)

 ニール・ギットルマン指揮デイトンpo. マヌエル・バルエコ(G;*)
  D. J. スパー(エレクトリックG;#) マイケル・リパート(語り;+)
 録音:2011年3月(#)、2012年9月(+)、2013年11月(*)。マイケル・ドアティ(ドーティ、ドハティと表記されることもある)はアメリカ国内で学んだ後、パリのIRCAMで研鑽を積みさらにハンブルクでリゲティに師事し、ジャズ、ロックなどのポップ・ミュージックと前衛音楽の技法を融合した作風で知られている。「ピッグス湾」はキューバの地名でかつてアメリカCIAがキューバ革命政府転覆を狙って軍事介入しようとして失敗したことで知られる「ピッグス湾事件」を題材にしており、キューバとフィデル・カストロに捧げられたエレジー。バルエコのギターと弦楽の哀愁を帯びた響きが美しい。「ジーズベント」は作品を委嘱した楽団があるアラバマ州の伝統工芸であるキルトの名前。ロック、フォーク、アフロ・アメリカン音楽の要素を文字通りキルトのようにふんだんに織り込んだグルーヴィーな作品。「トロイジャム」は古代ギリシャを題材にしたアンヌ・カーソンの詩に基づく朗読音楽劇。
デイヴィッド・マスランカ(1943-2017):クラリネット作品集
 クラリネットとピアノのための3つの小品(1975) /クラリネットとピアノのための4つの小品(1979) /
 クラリネット独奏のための小さな交響曲(1989)/クラリネットとピアノのための「永遠の庭」(2009) /
 クラリネット、ヴァイオリンとピアノのための三重奏曲第1番(1971/2012) /
 クラリネット、ヴィオラとピアノのための三重奏曲第2番(1981) /
 クラリネット、ヴァイオリンとピアノのための「古いグリンゴ」(1987)

 ジェレミー・レイノルズ(Cl) ハイディ・ブレンド・リースウッド(P)
 ユミ・ワン=ウィリアムズ(Vn) ベイシル・ヴェンドリーズ(Va)
 録音:2013年12月、2014年12月。アメリカ吹奏楽界の帝王、マスランカのクラリネットを中心とした珍しい室内楽作品集。マスランカはオバーリン大学とミシガン州立大学で学び、あらゆるジャンルの音楽を作曲したが、とりわけ吹奏楽の世界で成功を収め、多くの団体が彼の作品を取り上げている。このアルバムはクラリネット独奏からピアノとの二重奏そして三重奏曲までクラリネットを含む室内楽作品が収められており、彼がこの楽器をいかに愛していたかが窺われる。
TROY-1869/71
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(3CD)
2CD価格
バッハ・トゥ・ブラック〜
  バッハ:イギリス組曲(全曲) + アフリカ系アメリカ人のピアノ作品集

 J.S.バッハ:イギリス組曲〔第5番 ホ短調 BWV.810 /第3番 ト短調 BWV.808 /第6番 ニ短調 BWV.811 /
                第2番 イ短調 BWV.807 /第1番 イ長調 BWV.806 /第4番へ長調 BWV.809 〕
 サミュエル・コーリッジ=テイラー(1875-1912):4つの性格的ワルツ Op.22 /アフリカ組曲 Op.35
 ジェフリー・マンフォード(1955-):ボリスのための4つの舞曲 / R.ナサニエル・デット(1882-1943):底辺で
 H.レスリー・アダムズ(1932-):コントラスツ / フレデリック・ティリス(1930-2020):ピアノのための3つの楽章

 ロシェル・セネット(P)
 アフリカ系作曲家のピアノ曲とバッハのイギリス組曲の第1番から第4番までを交互に配置しつつアフリカ系作曲家の作風の変遷を辿るセット。言うまでもなくクラシック、現代音楽は白系人種だけのものではない。ジャズ、ロックなどポップス系以外のアフリカ系作曲家は決して多くはないものの19世紀から存在した。ここに収められた中では古くはサミュエル・コーリッジ=テイラーから最近では1955年生まれのフレデリック・ティリスまで。彼らが最初は西洋音楽の模倣から始まり、次第に自己の真のアイデンティティに目覚め、個性を獲得するまでの過程がコンパクトに辿れる内容となっている。驚愕すべきはロシェル・セネットというアフリカ系女性ピアニスト。繊細で美しいタッチと見事にコントロールされたペダリングによるクリスタルのようなピアノの響きはこの上もなく美しい。
人間の心、女性たちの声〜エレーン・ロス:声楽作品集
 エミリー・ディキンソンの詩による4つの歌/風があなたの名前を囁く(詩:エレーン・ロス)/
 サラ・ティースデールの4つの詩「隠された愛」/そうして初めて私たちは微笑むことができる(*) /
  C. ブロンテ、A. ブロンテ、E. J. ブロンテの詩による「人間の心」

 テリ・ビッカム(S) エレーン・ロス(P) ジュディス・A.サクトン(Tp;*)
 録音:2020年12月、グリーンズボロ、ノースカロライナ。エレーン・ロスはアメリカの中堅世代の作曲家で現在サザン・アトランティック音楽院でCEOを務めている。このディスクは彼女自身の詩を含む古今の女性文学者の詩に作曲した歌曲集。エミリー・ディキンソン(1830-86)は1, 700篇以上の詩を書いた19世紀の天才詩人、シャーロット・ブロンテは小説「ジェーン・エア」で知られ、その姉妹も文学者として著名。作曲者エレーン・ロスは全体に適度のモダニズムとロマンティシズムを兼ね備えた歌曲に仕上げている。
水面青空〜スティーヴン・イップ(1971-):
 「清、和 III 」(2016) 〜 Fl, バスCl, Vn, Vc, Pf, Perc /「霜月冬庭 II 」(2019)〜Fl, バスCl, Vn, Va, Vc, Pf
  [ジェーソン・トープ・ブキャナン指揮スイッチ・アンサンブル]/
 ジャスミンの花(2015) [シェリー・ング(P)]
 水面青空(2017) 〜バスFl, ピッコロ、 Fg, 古筝, Pf, 弦楽五重奏/空谷傳音(2014) 〜 Fl, Cl, Pf, 弦楽五重奏
  [ヴィッキー・シン指揮香港ニュー・ミュージック・アンサンブル]/
 五顔、秋色(2018) [ペイサン・チウ(Fl) チェンユー・ウー(バスFl)]
 スティーヴン・イップは香港出身で現在はアメリカを拠点に活動する作曲家。作品はヨーロッパ、環太平洋諸国で盛んに演奏されているという。彼の作風は西洋楽器のみ、あるいは西洋楽器と中国の伝統楽器(当ディスクでは中国の古い箏を使用)を融合して中国にルーツを持った新しい音楽を作ろうという物。西洋楽器では特殊奏法を多用し東洋的で神秘的な雰囲気を醸し出す。ピアノは内部奏法、プリペアド・ピアノ奏法が好まれ、実験音楽の要素が強い。かつてジョン・ケージ、ヘンリー・カウエル、ルー・ハリソンらアメリカの作曲家が東洋に学び、その影響を受けた作品を書いたが、ここではそうした作品から中国の作曲家が影響を受け、逆照射された己を見出すという構図が見られる。アジアの新しい才能の登場。
コン・リュー(1956-):連作歌曲「四季詩謡」〜歌で綴る二十四節気
 シンギュー・フオ(S) ミン・フー(P)
 一年を太陽の黄道上の視位置で二十四等分した、いわゆる二十四節気はもともと古代中国に始まるとされる。この作品は立春に始まり、様々な季節を経て冬の大寒で終わる24曲からなる歌曲集。作曲のコン・リューは中華人民共和国の作曲家で中国の伝統音楽と西洋音楽を融合する作風で知られる。筝を思わせるピアノに乗せて旋法的なメロディが朗々と歌われる、いずれも中国民謡風の親しみ易い歌曲。
ミュージカル・コネクションズ
 ジェイムズ・リッチ(1954-):バガテル/ノクターン/ソナタ/ワルツ/無言歌/間奏曲/幻想的変奏曲/ブギ・ウギ
 アルノルト・シェーンベルク(1874-1951):5つの小品 Op.23

 デイヴィッド・ホルツマン(P)
 録音:2018年7月19日、2019年9月24日、ニューヨーク。シェーンベルクが無調から12音技法確立までの模索期に書いた Op.23 (因みに Op.25より全面12音技法で作曲される)の「5つの小品」を中心に、その周りにジェイムズ・リッチのピアノ作品を配置したディスク。リッチはアメリカの12音技法の権威ミルトン・バビットに学んだ後、リゲティ、P. M. デイヴィス、ブソッティ、ベッツィ・ジョラスら多くの作曲家に師事した。リッチは基本的に12音技法を好む作曲家のようであるが、曲によっては自由な無調、また時にスクリャービンやジャズの影響も感じられる。
伝統の拡張〜ウィリアム・バンフィールド(1961-):作品集
 ピース・シンフォニー[ニール・スタルバーグ指揮 UCLA po.、ロサンゼルス・ジャズo.]/
 交響曲〔第12番「私はハーレムがまだそこにあると信じている」/第13番「ヨブの歌」〕
  [フィリップ・ブリュネル指揮ミネソタ・ヴォーカル・エッセンス&アンサンブル]/
 バレエ音楽「美」/室内歌劇「魂は家に帰った」[マラルメ室内プレイヤーズ]/
 弦楽四重奏曲第5番「ザ・ビッガー・ブルース」[タレアSQ ]
 ウィリアム・バンフィールドはアフリカ系アメリカ人の作曲家。ボストンのニューイングランド音楽院で学びジャズの研究で博士号を取得した。その後ジャズ、アフリカ音楽の研究と並行して交響曲、オペラなど多数の作品を発表。作品は作曲者のルーツを探るかのようにジャズ、ゴスペル、黒人霊歌、アフリカ音楽の影響を強く受けている。弦楽四重奏曲第5番は弦楽四重奏という、本来西洋的で作曲に抽象的な音の造型力が求められる編成のため、他の作品より彼の個性が強く感じられる。地にしっかりと足が着いた力強い音楽。
ウィズイン・ザ・ウィズイン〜ジェレミー・ミュラー、打楽器リサイタル
 アレクサンドル・ランスクイ:「材/内側の内側」 / ハビエル・アルバレス:マラカスと電子音のための「テマスカル」
 クリスティン・マグヌス:ヴィブラフォンとエレクトロニクスのための「ピッチ vs コンピュータ」
 ヘルベルト・ブリュン:茎と木と滴と雲 / マシュー・ブートナー:打楽器とサウンドスケープのための「場所の輝き」

 ジェレミー・ミュラー(Perc/ヴィブラフォン/エレクトロニクス)
 ジェレミー・ミュラーは打楽器奏者であると共に自ら作曲もし、マルチ・メディア・アーティストとしても活動している。このアルバムには打楽器ソロまたは打楽器とライヴ・エレクトロニクスのための作品が収められており、極めて実験主義的な色彩が濃い。アコースティックな打楽器とライヴ・エレクトロニクスで行うサウンド・インスタレーションないしミュージック・コンクレートといった趣でしっかり聴き込むもよし、アンビエントとして気楽に楽しむのにも恰好の一枚。
愛と正義の歌〜アドルファス・ヘイルストーク(1941-):歌曲集
 愛と正義の歌(全4曲)(*) /言葉と説教(全3曲)/ロリポップス(全3曲)(#) /サンドラ・フォックスのための歌/
 別れの魅力/私はその日を見て来た(全3曲)(+) /木があなたに何と囁いているのか教えて/あなたは夏の日の魂/
 最も美しい木」(#) /今あなたの住む場所に行きなさい/日没と夜(全2曲)

 ルイーズ・トッピン(S) ジュリアス・P.ウィリアムズ指揮プラハ放送so.(*)
 ジョン・オブライエン(P;無印) リデュア・クリーヴァー(Hp;#) リック・ロビンソン(Cb;+)
 録音:2019年8月-9月、2020年3月、ミシガン大学。アドルファス・ヘイルストークはアフリカ系アメリカ人作曲家。渡仏してナディア・ブーランジェに師事、帰国後はミシガン州立大学ほかで教鞭を執る一方、管弦楽曲から室内楽、映像とのコラボレーション作品まで多様な作品を発表している。このアルバムに収められた歌曲はゴスペル、黒人霊歌の影響が色濃いハートフルな雰囲気のものから無調の様式で書かれた作品まで、この作曲家の幅広い作風をうかがい知ることが出来る。特にダブル・ベースのみを伴奏とした「私はその日を見て来た」は無調とジャズと実験主義が融合したユニークな歌曲。
イルミネーション」〜ヴィクトリア・ボンド(1945-):ピアノ作品集
 ビザンティンの歌による幻影(2021) /ピアノと管弦楽のための「古代の鍵」(2002) (*) /
 ピアノと管弦楽のための「黒い光」(1997) (#) /ビザンチンの歌(伝承歌)(+)

  ポール・バーンズ(P;+以外|歌;*) カーク・トレヴァー指揮(*/#)
  スロヴァキア放送so.(*)、ボフスラフ・マルティヌーpo.(#)
 録音:2021年5月、ネブラスカ(無印/+) /1997年(*) /2003年(#) 。ヴィクトリア・ボンドは8つの歌劇、6つのバレエをはじめ管弦楽曲、室内楽、器楽曲を発表する多作家。作品はシカゴso. 、NYPなどで演奏されている。このアルバムには古代ビザンチン(東ローマ帝国)の歌にインスパイアされた作品が収められている。彼女の作風はグルジェフ、コミタスあるいはハチャトゥリアン、はたまたホヴァネスといった作曲家を彷彿とさせるエキゾチックで民族的な旋律とリズムに彩られており、親しみ易い。

BRIDGE (米) 特記以外 1CDあたり¥3080(税抜¥2800)

 旧譜はこちらから
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.3 〔第14番 変ホ長調 K.449 /第27番 変ロ長調 K.595 〕
 アン=マリー・マグダーモット(P)
 セバスティアン・ラング=レッシング指揮オーデンセso.
 録音:2019年8月、カール・ニルセン・ホール、オーデンセ、デンマーク|使用楽器:ヤマハ CFX 。これまでリリースされた第1集(第13番、6番: BRIDGE, BCD-9518 )、第2集(第16、15、5番: BRIDGE, BCD-9523 )はいずれも彼女のクリアなタッチ、スマートで清潔感のある演奏で好評を得た。本盤では、いよいよモーツァルト最晩年の傑作、第27番が登場。マグダーモットのピアノはここでもクリスタルのようなきらめくタッチで天上の音楽を奏でる。緩徐楽章の第2楽章ではチャーミングな中にも静かな祈りを感じさせる演奏になっている。全てのモーツァルティアン必携の一枚。
BCD-9546
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(2CD)
ジョージ・パール(1915-2009):独奏・二重奏作品集
 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番[アレクシ・ケニー(Vn)/2017年11月20日]/
 無伴奏クラリネットのための3つのソナタ[チャールズ・ナイディック(Cl)/2017年8月27日、ニューヨーク]/
 チェロとピアノのためのソナタ[ジェイ・キャンベル(Vc) コノー・ハニック(P)/2017年11月20日]/
 コントラバスのためのモノディ第2番[エドウィン・バーカー(Cb)/2009年5月28日、ボストン]/
 ファゴット・ミュージック[スティーヴン・ディブナー(Fg)/2005年4月13日]/
 9つのバガテル[オラシオ・グティエレス(P)/2005年3月24日]/
 ヘブライの調べ[ジェイ・キャンベル(Vc)/2017年12月18日]/
 音楽の捧げもの[レオン・フライシャー(P)/2014年1月7日、フィラデルフィア]/
 ほとんど幻想曲のようなソナタ
  [チャールズ・ナイディック(Cl) マイケル・ブラウン(P)/2016年5月27日、ニューヨーク]/
 チェロとピアノのための抒情小品[ジェイ・キャンベル(Vc) シャーリー・パール(P)/2017年11月20日]/
 無伴奏ファゴットのための3つのインヴェンション[スティーヴン・ディブナー(Fg)/2005年4月13日]/
 無伴奏パルティータからのサラバンド[カーティス・マコンバー(Vn)/2005年4月5日]/
 バラード[リチャード・グード(P)/1984年11月15日、ニューヨーク]
 録音:[内]、特記以外、ワシントンハイツ、ニューヨーク州。20世紀の米国を代表する作曲家の一人、ジョージ・パール(1915―2009)の、独奏および二重奏の器楽作品を集めている。しかもピアノのレオン・フライシャーやオラシオ・グティエレス、クラリネットのチャールズ・ナイディックといった一流奏者も加わっている。バラードは作品を献呈されたリチャード・グードの演奏(Nonesuch録音)。いずれの作品も現代的な静かな佇まいが美しい作品ばかり。
BCD-9550
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(2CD)
1CD価格
マクダーモット〜シューベルト:ピアノ・ソナタ集
 〔第17番 ニ長調 D.850 /第21番 変ロ長調 D.960 〕
アン=マリー・
 マクダーモット(P)
 録音:2021年4月20日-25日、トロイ、ニューヨーク州、 US 。アン=マリー・マクダーモットがついにシューベルトに取り組んだ。BRIDGEの看板アーティスト、アン=マリー・マクダーモット、現在モーツァルトのピアノ協奏曲集を進めているが、新録音はシューベルトのピアノ・ソナタ、しかも長大な第17番と第21番の2曲。マクダーモットは、シューベルト28歳の第17番では若々し瑞々しさを保ちつつ後期のシューベルトらしい深さを広げ、さらに31歳で亡くなる年の第21番には言いようのない孤独と悲しみが若々しさとも同居するという見事な表現を成し遂げている。これは近年出色のシューベルトのピアノ・ソナタ演奏だろう。
ジョージ・クラム(1929-2022)・エディション Vol.20
 アンプリファイド・ピアノのための絵画に触発された10のファンタジー
  「メタモルフォーゼス」〔第1集(2015-17) (*) /第2集(2018-20) (#) 〕

 マーカントニオ・バローン(アンプリファイドP)
 録音:2019年10月(*) /2021年6月(#) |既出: BCD-9535 (*) 。死去直前まで全く創作力の衰えを見せなかったクラム。プリペアド、アンプリファイドされ内部奏法も頻発するピアノは彼の代表作「マクロコスモス」を思わせる。第1集、第2集ともに近現代の画家の絵画にインスピレーションを受けたそれぞれ10曲、計20曲の小品から構成されている。インスピレーションを受けた絵にはクレー、ゴッホ、シャガール、ゴーギャン、ダリ、ピカソ、カンディンスキー、ワイエスらの作品が含まれている。しかしこれらの名画もクラムの手にかかると、どれも他ならぬクラム・ワールドに変身してしまう。曲によってピアニストは打楽器を叩いたり、トイ・ピアノを弾いたりさらには歌ったり喚いたり、といつものクラム節が炸裂。
ジョージ・ウォーカー(1922-2018):ピアノ・ソナタ全集
 〔第1番(1953/91) /第2番(1956) /第3番(1975/96) /第4番(1984) /第5番(2003) 〕

 スティーヴン・ベック(P)
 録音:2021年2月4日、14日、マウント・ヴァーノン、ニューヨーク州、 US 。ピューリッツァー音楽賞を受賞した米国の作曲家、ジョージ・ウォーカー(1922-2018)のピアノ・ソナタ全集。ウォーカー作品のCDは多いが、ピアノ・ソナタ5曲を1枚に収録したCDはこれが初めてかもしれない。1953年(1991年改訂)の第1番から2003年の第5番まで、作風はいくらか異なれど、ウォーカーのセンスの良い響きが楽しめる。スティーヴン・ベックはニューヨークを拠点とするピアニスト。
ベル・エポック時代パリのフルート音楽
 ヴィドール(1844-1937):組曲 Op.34 / ムーケ(1867-1946):フルート・ソナタ「パンの笛」 Op.15
 フォーレ(1845-1924):ファンタジー Op.79 /コンクール用小品 / エネスク(1881-1955):カンタービレとプレスト
 ゴベール(1879-1941):夜想曲とアレグロ・スケルツァンド/ファンタジー/マドリガル
 ドビュッシー(1862-1918):牧神の午後への前奏曲(ギュスターヴ・サマズイユ編曲)/シランクス

 ロベール・ランジュヴァン(Fl) マーガレット・カンプマイヤー(P)
 録音:2012年5月23日-25日、グリーン・フィールド・ホール、マンハッタン音楽院、ニューヨーク。19世紀末から第一次大戦勃発直前までの「古き良き時代」に書かれたフランスのフルート音楽を集めた一枚。オルガン作品が有名なヴィドールの「組曲」は彼の数少ないフルート作品。ジュール・ムーケはフルート吹きの間ではよく知られた存在で「パンの笛」はまさにこれぞベル・エポックという雰囲気を持った華やかな作品。ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」はフルートとピアノのための編曲で旋律を担当するパートを全てフルートが受け持っている。カナダ・ケベック出身のロベール・ランジュヴァンはモントリオール響の副首席を13年間務めたあと2000-01シーズンよりNYPの首席を務めている。
ウィリアム・ブランド(1947-):ピアノ・ソナタ集
 〔第17番 イ短調(2007) /第18番 ト短調(2010) 〕
ケヴィン・ゴーマン(P)
 録音:2020年12月17日-18日、音楽ホール、トロイ貯蓄銀行、ニューヨーク州、 US 。ブランドはウェスト・ヴァージニア州出身。作曲をクシェネク、R. R. ベネットらに師事した。これまでに24曲のピアノ・ソナタを書いており、その数もさることながら、タイトルの後に調性を併記しているのは現代の作曲家としては珍しい。しかし実際は調性だけでなく、クラスターや無調的な部分もあり、その作風はバッハのスタイルが聴こえたかと思えば、次の瞬間にはジャズ、ロックのビートが鳴り出し、さらにはブゾーニ、ラフマニノフ、ソラブジばりの19世紀型ヴィルトゥオーゾ・ピアノから現代音楽の要素までが渾然一体。つまりは「なんでもあり」のカオス状態。一種のポリスタイリズムとも言え、シュニトケがお好きな方はひょっとしたら気に入るかもしれない。
音楽を讃えて〜ロバート・キール(1952-):合唱作品集
 音楽を讃えて/おお偉大な聖霊よ/音楽の名において/来たれ創造主たる聖霊よ/
 サンタフェの晩祷/夜明けの歌/音楽への頌歌/平和のための声/自由の歌/平和のためのハレルヤ

 ジョシュア・コープランド指揮アンティオク室内アンサンブル〔混声合唱〕
 録音:2018年11月8日-11日、レンフェスト芸術センター、リー大学、ワシントン州、 US 。ロバート・キール(Robert Kyr)は大変な多作家でこれまでに12の交響曲と3つの室内交響曲、3つのヴァイオリン協奏曲と多くの宗教楽曲を書いている。彼は基本的に調性で作曲しており、この作品集は無伴奏混声合唱のための宗教楽曲。いずれもルネサンス、バロックの様式に若干の近代的な和声を加えた作風で気難しい現代音楽臭は皆無。マーラーが第8交響曲の第1楽章でテキストに使った同じ歌詞「来たれ創造主たる聖霊よ」はここではひなびたルネサンス風の楽曲に仕上げられている。親しみ易い混声合唱曲集。
人々、場所、ペット〜ポール・サラーニ:作品集
 言うことをきかないペットたち より〔ゴールデン・レトリーバー/リンゴが熟す季節の牛/路地の猫の愛の歌〕/
 街の光景 より〔公衆電話ボックス/後悔/ミラボー橋/スペイン広場/早朝/言葉では言い表せない〕/
 何か永続するもの(7曲)(*) /自己発見(4曲)/エクフラシス的な歌曲集(3曲)(*)

  ボワーズ・フェイダー・デュオ[ジェシカ・ボワーズ(Ms) オーレン・フェイダー(G)]
  ナイルズ・サラーニ(Perc) ミランダ・カクスン(Vn)
 録音:2017年1月20日(*)、2019年9月4日-5日(*以外)、すべてウェスチェスター・スタジオズ。ボワーズ・フェイダー・デュオによるポール・サラーニの作品集。ポール・サラーニは米国の作曲家。ことに声楽関係の作品で名高い。またペンシルバニア州のリーハイ大学の音楽の教授でもある。ボワーズ・フェイダー・デュオは、メゾ・ソプラノのジェシカ・ボワーズとギターのオーレン・フェイダーによるデュオ。2009年に結成、様々な作曲家に新作を依頼しており、とりわけサラーニとは関係が深い。
刺青をした訪問者〜
  アラン・シュルマン(1915-2002):映画音楽サウンド・トラック集 1946-50

 「刺青をした訪問者 [The Tattooed Stranger] 」(1950) (*) /「テネシー川流域開発公社」(1946) /
 「自由と飢餓」(1946) /「ニューヨークの港」(1946) /「ラジオ・ダイヤルの背後に」(1948)

  RKO ラジオ・ピクチャーズ(*)、 RKO パテ・ドキュメンタリー(*以外)
 録音:すべてモノラル。BRIDGEレーベルがリリースしているアラン・シュルマン作品集シリーズのひとつ。シュルマンはロシア系ユダヤ人の子としてメリーランドに生まれた。当初はアレンジャーとしてアンドレ・コステラネッツ、アーサー・フィードラーとともに仕事をし、ナット・キング・コール、フランク・シナトラらに作編曲を提供した。その傍らクラシック・コンサートのためのオリジナルの作曲も盛んに行い、管弦楽曲を中心に多くの作品を残している。このディスクは彼が作曲した映画のための音楽集。同時代のハリウッドの映画音楽作曲家エーリヒ・コルンゴルトやディミトリ・ティオムキンなどからの影響が感じられる。
プロジェクト・フュージョン〜サックス四重奏作品集
 J.S.バッハ(1685-1750):カンタータ「天より雨下り雪落ちて」 BWV.18 〜コラール
 グラズノフ(1865-1936):サクソフォン四重奏曲 Op.109 (1932)
 ボザ(1905-1991):アンダンテとスケルツォ(1938) / マスランカ(1943-2017):朗読の本(2006)

 プロジェクト・フュージョン[ダネル・エスピノーザ (S.sax) マシュー・アメディオ (A. sax)
                マイケル・ソウジン(T. sax) マシュー・エヴァンズ(Br. sax) ]
 録音:2019年4月26日-28日、ニューヨーク。プロジェクト・フュージョンはアメリカのサックス四重奏団。メンバーはそれぞれソリストとしても活動しているが、アンサンブルとして米国内の数々のコンクールに上位入賞を果たしている実力派。クラシックの作曲家によるサックス作品は19世紀末から20世紀初頭にかけて盛んに書かれ始めるが、グラズノフの四重奏曲は名曲のひとつ。グラズノフらしい民謡風で叙情的な旋律が魅力的。管楽作品に名作の多いボザのアンダンテとスケルツォはドビュッシーの影響が感じられる愛らしい小品。マスランカの「朗読の本」はグレゴリオ聖歌やルネサンスの宗教歌の旋律を素材にした瞑想的な音楽。
モーツァルト
 幻想曲 ニ短調 K.397 /
 ピアノ・ソナタ〔第9番 ニ長調 K.311 /第5番 ト長調 K.283 /第8番 イ短調 K.310〕/ロンド イ短調 K.511

 七條恵子(Fp)
 録音:2020年8月31日-9月2日、オランダ|日本語解説付き。フォルテピアノ奏者七條恵子のモーツァルトの独奏ピアノ作品集。七條恵子は徳島県出身。桐朋学園大学ピアノ科を卒業後、東京芸術大学大学院さらにアムステルダム音楽院でフォルテピアノを学ぶ。以来古楽の首都というべきアムステルダムを拠点に欧州で幅広く活躍している。待望の七條のモーツァルトは、フォルテピアノの長所を生かしてテンポを自由に大胆に動かしたたいへんに柔軟で雄弁な物。既にいくつものCDで実力を証明済みの七條恵子、やはりモーツァルトでも素晴らしかった。フォルテピアノ好きは必聴。

FORLANE (仏) 特記以外 1枚あたり¥3300(税抜¥3000)

 廃盤になっていた当店未案内旧譜の品番変更再プレス。旧譜はこちらから
FOR-516656
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(5CD)
3CD価格
アラン・ロンバール&ボルドー=アキテーヌ国立管〜ベートーヴェン:交響曲全集
 〔第2番/第5番/第4番/第7番/第1番/第3番/第6番/第8番/第9番(*) 〕
 ガブリエラ・ベニャチコヴァー(S;*) ベアトリス・ユリア=モンゾン(Ms;*)
 ジェイムズ・マクレイ(T;*) フランツ・グルントヘーバー(Br;*)
 アラン・ロンバール指揮ボルドー=アキテーヌ国立o.、
 ヤン・ロゼフナル合唱指揮ブラティスラヴァ・スロヴァキア・フィルハーモニーcho.
 録音:1991年7月、パン・ガラン文化センター、ボルドー|初出時品番: UCD-16656/60 [(P) 1991] 。オークションにおいて、分売品〔廃盤〕が1枚三万円、初出の全集 BOX も五万円といった高額がつく稀少盤がついに復活。『フランスの名指揮者アラン・ロンバール(1940-)はニューヨークでバーンスタインの助手を務めた後ストラスブール・フィルやボルドー・アキテーヌ国立管弦楽団の指揮者など務め、当FORLANEレーベルやEMIやERATOなどに数々の録音を残してきました。またドイツ物も得意としており、ベートーヴェン、ブラームス、シューベルトの交響曲全集やマーラーなども録音しています。このベートーヴェンも無駄にアタックを入れずレガートを多く取り入れた独特のエレガントな演奏になっています。かと言って迫力がないわけではなく、フォルテはちゃんと鳴っているし、いざとなればアタックもついています。フランスの指揮者・フランスのオケによるベートーヴェン交響曲全集も珍しく一聴の価値があります。』

GENUIN (独) 1CDあたり¥2750(税抜¥2500)

 #下三桁順(上二桁はおそらく発売年)。旧譜はこちらから
ARD 国際音楽コンクール 2019年優勝者〜ジョエ・クリストフ
 ジョーゼフ・ホロヴィッツ:ソナティーナ / ゴベール:幻想曲
 ドビュッシー:小品(1910) /ラプソディ第1番(1909/10) / シンプソン:無伴奏クラリネットのための3つの小品
 /クラーク:モルフェウス(眠りの神) / プーランク:クラリネット・ソナタ / ボザ:牧歌

 ジョエ・クリストフ(Cl) ヴァンサン・ミュサ(P)
 録音:2021年2月23日-25日、フランクフルト・アム・マイン。滅多にない才能を持ったクラリネット奏者が現れた。2019年のARD国際音楽コンクール(日本ではミュンヘン国際音楽コンクールと呼ばれることが多い)でクラリネット部門(数年に一度設けられる)で優勝したジョエ・クリストフの初CD 。クリストフは1994年スペイン、カタルーニャ州バレンシア生まれ。2020年にパリ高等音楽院を修了したばかりで、つまり優勝時にはまだ学生、録音時でもまだ26歳という若さ。その演奏は、明るく軽やかさを持った美しい音で、上から下までむらなく、洗練された音楽を聞かせる物。優れた演奏などというレベルでない、魅了されずにはいられないクラリネット。近代フランスの作品を中心としたこのCDは、彼の名前を広く知らしめるものになるだろう。
GEN-22742
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(4CD)
2CD価格
初出、ハインツ・レーグナー〜ゲヴァントハウス、ライプツィヒ、ライヴ録音集
 メンデルスゾーン:静かな海と楽しい航海 Op.27 (*) [1999年2月20日]
 ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 Op.68 (*) [1999年2月28日]
 シューベルト:交響曲第7番(第8番) ロ短調 D.759「未完成」[1995年8月25日]
 シューベルト/マーラー編曲:弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D.810「死と乙女」[1997年9月21日-22日]
 レーガー:モーツァルトの主題に基づく変奏曲とフーガ Op.132 [1998年10月20日]
 ラヴェル:クープランの墓[2001年8月8日]
 ブルックナー:交響曲第6番 イ長調(#) [1994年7月12日とあるが、1994年6月12日か]
 ガーシュウィン:パリのアメリカ人(*) [1997年12月25日]

 ハインツ・レーグナー指揮  MDR 室内po.(*)、 MDR so.(無印)
 録音:[内]、すべてゲヴァントハウス、ライプツィヒ、ライヴ| (#以外):おそらく初出音源|既出CD-R: En Larmes, ELS-04-472/3 (#) 〔1996年6月12日との記載|資料によっては1994年6月12日〕|ベートーヴェンとブルックナーを除き、すべてレーグナーの初音盤作品と思われる。ライプツィヒ生まれの指揮者ハインツ・レーグナー(1929-2001)がライプツィヒのMDRso.とMDR 室内フィルを指揮したライヴ録音集。いずれも演奏の後に拍手が収録されている。会場はすべてゲヴァントハウス。東ドイツで活躍したレーグナーは1984年から1989年に読売日本so. の常任指揮者を務めたほど日本での人気も高く、亡くなって20年たった今でも熱心なファンがいる。録音は結構な量が残されているのだが、長く常任指揮者を務めたベルリン放送so. とのものが多く、また晩年の1990年代の録音があまりない。この4CDは晩年のレーグナーの故郷での活動を伝える貴重な物。ドイツのロマン派の音楽を得意としたレーグナーだけに、ベートーヴェン、シューベルト、メンデルスゾーン、ブルックナー、レーガーはいずれもドイツ伝統の味わいの色濃い素晴らしい演奏。一方ラヴェルや特にガーシュウィンは珍しい。スウィングしないカッチリした「パリのアメリカ人」もまた面白い。録音は全体にマイクから遠めながら放送局の録音らしい丁寧な物。録音に加え、80ページほどのブックレットには貴重な文章や写真(日本での写真もいくつも)が掲載され、その点でもレーグナー・ファンには歓迎されるだろう。
ドラマ〜木管五重奏曲集
 ヴェルディ/リンケルマン編曲:「運命の力」序曲 / ダンツィ:木管五重奏曲 ヘ長調 Op.68 No.2
 ベリオ:作品番号第獣番〔オーパス・ナンバー・ズー〕 / タファネル:木管五重奏曲 ト短調
 J,ゲーゼ/ヨーアンセン編曲:タンゴ・ジェラシー

 アセルガ五重奏団[ハンナ・マンゴルト(Fl) ゼバスティアン・ポヤウルト(Ob)
  ユリウス・キルヒナー(Cl) アマンダ・クラインバールト(Hr) アントニア・ツィンマーマン(Fg)]
 録音:2020年7月8日-10日、カイザースラウテルン、ドイツ。古典派の作曲家で優れた木管五重奏曲をいくつも残しているフランツ・ダンツィ(1763-1826)から、ルチアーノ・ベリオの作品番号動物園(奏者が演奏しながら語りをすることでも知られている)まで、オリジナル、編曲いずれにおいても大いに楽しめる。アセルガ五重奏団は2012年結成。2年後の2014年にはARD国際音楽コンクール(ミュンヘン国際音楽コンクール)の木管五重奏団部門で第3位(第1位なし)を受賞、大いに名を高めた。彼らは既に2016年にGENUINにボヘミアの作曲家の作品集を録音、それから4年たったアセルガ五重奏団が木管五重奏団の最高峰に上りつつあることがよく分かる演奏だ。
ロシアの主題
 ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調 Op.59 No.1 「ラズモフスキー第1番」
 プロコフィエフ:弦楽四重奏曲第2番 ヘ長調 Op.92
 エリオットSQ[マリャーナ・オジポワ、アレクサンダー・ザックス(Vn)
        ドミトリー・ハハリン(Va) ミヒャエル・プロイス(Vc)]
 録音:2020年8月19日-22日、フランクフルト・アム・マイン。2019年のドイツ音楽コンクール受賞記念CDに続くエリオット四重奏団の2枚目のCD 。1枚目のCD(GEN-19661)と同様、ベートーヴェンと近代作品の組み合わせ。ベートーヴェン中期の傑作、ラズモフスキー第1番は、現代の弦楽四重奏団らしい高度な技術に裏打ちされた緻密なアンサンブルでありながら、明るくのびのびとして躍動感にも満ちているところが素晴らしい。この演奏を聞けば誰でもエリオット四重奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集を待ち望むようになることだろう。ラズモフスキー第1番の第4楽章の第1主題はロシア民謡に基づいているが、プロコフィエフの弦楽四重奏曲第2番も疎開先のナリチク(ジョージア国境に近い)の民謡を用いている。プロコフィエフならでは民俗主義音楽と近代和声の融合を、エリオット四重奏団は見事に果たしている。
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調 Op.24「春」
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 Op.94a
ヴィエニャフスキ:創作主題による変奏曲 イ長調 Op.15 / ワックスマン:カルメン幻想曲

 ジモン・リュティ(Vn) アレクサンドラ・トルソヴァ(P)
 録音:2020年10月、ポリング、バイエルン州、ドイツ。若く優秀なヴァイオリニストの素晴らしいCD 。ジモン・リュティは2000年、ドイツのアウグスブルク生まれのヴァイオリニスト。ミュンヘンで学んだ後、2015年から2019年まで、優れた指導者として知られるヴァイオリニスト、ザハール・ブロンに学んでいる。このCDに聞けるリュティのヴァイオリンは、20歳頃の演奏になるわけだが、想像するような若々しい演奏とは異なる。瑞々しい感性と滴る美音を持ちながら、決して勢いに任せることなくじっくりと作品を聞かせる大人の演奏だ。プロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第2番は滑らかで美しく、しかし近代的な妖しさが漂う。有名なベートーヴェンの春ソナタは真っ向勝負の正攻法の演奏で、しかも古典派に不可欠な気品の高さが素晴らしい。彼ほどの高度な技巧と美音を持った若いヴァイオリニストが、ワックスマンのカルメン幻想曲をこれほどしっとりじっくり弾くことは想像を超えている。リュティは若くして円熟したヴァイオリニストのようだ。今後の活躍が楽しみになる。ロシア、サンクトペテルブルク出身のピアニスト、アレクサンドラ・トゥルソヴァの伴奏もたいへんに雄弁。
数世紀からの数分間
 フアン・デ・アンチエータ:愛を心に抱いて、私の母よ / ガストルディ:美しい人/愛の狩り/愛の希望
 モーリー:4月が私の恋人の顔に / スコットランド民謡:ローモンド湖 / シューベルト:夜 D.983C
 ベルガー:海辺の教会 / ムーディ:平和のための祈り / メイソン:より近くに、私の神よ、あなたへと
 ローリゼン:ああ光から生まれた光 / テイラー:あなたはあなたの目を閉じることができる
 ドーシー:谷の平和 / レノン:イマジンシュ / ヴィルムス:青い惑星 / サイモン:明日に架ける橋/ボクサー
 スティング:フィールズ・オブ・ゴールド / スコットランド民謡:別れの盃 / クーフ:ハイ=ホ
 マイ:おやすみなさい、友よ / ラインベルガー:晩の歌 / アダム:再び晩になる

 オクタヴィアンス
  [ハイコ・クノプフ、レネ・ラッハマン、マティアス・モイラー(CT) クレメンス・リス、
   クリスティアン・ガイダ(T) マルティン・クレーカンプ、アンドレアス・イェッケル(Br)
   ヨハネス・シュロイスナー(B) ヤコプ・ランデンバッハ(ビートボックス)]
 録音:2020年10月4日-8日、コルディッツ/2020年10月9日-13日、クロムスドルフ、すべてドイツ。ドイツの男声声楽アンサンブル、オクタヴィアンスの GENUIN 2枚目のCD 。「数世紀からの数分 Minuten aus Jahrhunderten」と題されている通り、15世紀末/ 16世紀初頭のフアン・デ・アンチエータからジョン・レノン、ポール・サイモンまでおよそ500年の作品が美しい無伴奏男声アンサンブルで歌われている。シューベルトの男声4声の傑作「夜」も実に見事な完成度。
バッハに触発されて
 ブゾーニ:シャコンヌ / リスト: B-A-C-H の主題に基づく幻想曲とフーガ S.529(ピアノ版)
 プーランク: BACH の名前に基づくワルツ即興曲 / ダミアン・ショル(1988-):…は穏やかな大河である(2013)
 イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.27 No.2 「ジャック・ティボー」
 バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004〜シャコンヌ

 ザミラ・シュピーゲル(P/Vn)
 録音:2020年11月17日-19日、ライプツィヒ。バッハとバッハに関連した作品を集めている。ブゾーニのシャコンヌ、リストのB-A-C-Hの主題に基づく幻想曲とフーガ、プーランクのBACHの名前に基づくワルツ即興曲、イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番と有名曲ばかりの中、1988年生まれの作曲家ダミアン・ショルの作品が2013年の作品が珍しい。ザミラ・シュピーゲルはピアニストでありヴァイオリニストであり、どちらにおいても高く評価されている。このCDでも、ブゾーニ、リスト、プーランクではピアノを、ショル、イザイ、バッハではヴァイオリンを弾いて、どちらも見事な腕前を聞かせてくれる。
ベートーヴェン
 弦楽三重奏曲 変ホ長調 Op.3 /
 セレナーデ ニ長調 Op.8
ボッケリーニ三重奏団
[カン・セヨン(Vn)
 ヴィッキ・パウエル(Va)
 パオロ・ボノミーニ(Vc)]
 録音:2020年11月30日-12月3日、ベルリン。ボッケリーニ三重奏団によるベートーヴェンの弦楽三重奏曲集の第2弾、完結編。先に発売された Op.9 の3曲(GEN-20699)が大変に素晴らしい演奏だったボッケリーニ三重奏団、ここで瑞々しい音色と和やかな優しさに満ちた演奏で、初期のベートーヴェンの魅力を存分に引き出している。どうしても偉大な弦楽四重奏曲群の陰に隠れがちな弦楽三重奏曲だが、ボッケリーニ三重奏団の2枚によって極めてよくできた名曲だと分かることだろう。特に Op.3は6楽章からなる40分近い大作で、18世紀古典派のディヴェルティメントを受け継いだとても聞きやすい佳作。ヴァイオリンのカン・セヨンは韓国生まれ、カナダとオーストラリアで育ち、2007年からヨーロッパ在住。彼女の滴る美音のヴァイオリンが大変魅力的。ヴィッキ・パウエルは米国生まれのヴィオラ奏者。2018年からストックホルム王立po. の首席ヴィオラ奏者を務めている。パオロ・ボノミーニはイタリアのチェロ奏者。2016年にライプツィヒの国際バッハ・コンクールのチェロ部門で第1位を獲得。現在はカメラータ・ザルツブルクのソロ・チェロ奏者を務めながらソリストとしても活躍している。
まじめな?!〜ドイツの歌曲集
 ツェムリンスキー:メーテルリンクの詩による6つの歌 Op.13 /2つのキャバレー・ソング
 スフェン・ダイガー(1984-):風の要求/孤独(4曲)/拒絶 / シェーンベルク:4つの歌 Op.2 /キャバレー・ソング

 アリス・ラックナー(Ms) イムケ・リヒトヴァルク(P)
 録音:2021年3月1日-4日、ベルリン。ツェムリンスキーとシェーンベルクの20世紀初頭歌曲に加え、ドイツの中堅作曲家、スフェン・ダイガーの歌曲が収録されている。スフェン・ダイガーは1984年、ドイツのエーババッハの生まれ。ハイデルベルクで育ち、ロストック音楽舞台大学で学ぶ。今ドイツで注目されている作曲家の一人。ラックナーはドイツのメゾ・ソプラノ。バロック声楽作品と20世紀21世紀歌曲を得意としている。透明でかつ温かみのある声が素敵だ。リヒトヴァルクはライプツィヒ生まれのピアニスト。
ブラームス:セレナーデ第1番 ニ長調 Op.11(九重奏曲復元版)
シュポア:九重奏曲 Op.31
 アンサンブル・オブリガート・ハンブルク
  [インメ・イェアンネ・クレット(Fl) アネッテ・ベール・ケーニヒ(Vn)
   ボリス・ファウスト(Va) マルク・シューマン(Vc) 山崎裕幸(Cb)
   ゴンザロ・マイヤ(Ob) ヨハン=ペーター・ターフェルナー、ブレイク・ウェストン(Cl)
   エマニュエル・ジャン=プティ=マティル(Hr) クリスティアン・エルスナー(Fg)]
 録音:2021年1月6日-8日、ハンブルク。ブラームス20代前半の佳作、セレナーデ第1番 ニ長調 Op.11は、当初フルート、クラリネット×2、ファゴット、ホルン、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスという九重奏曲として作曲され、私的に演奏されたが、好評を受けてブラームスは2管オーケストラ作品に書き直した。これが今日知られているセレナーデ第1番。残念なことにオリジナルの九重奏曲稿は破棄されてしまい現存しない。この録音では管弦楽版から九重奏曲を復元した楽譜を用いている。シュポアの九重奏曲は、大九重奏曲Grand Nonettoの名で知られる名曲。アンサンブル・オブリガート・ハンブルクは、1995年、フルート奏者のインメ・イェアンネ・クレットを中心に結成された。コントラバスに、2005年からブレーメンpo. の首席コントラバスを務める山崎裕幸が参加している。
明暗〜マルティン・クリストフ・レーデル(1947-):
 管弦楽のためのブルックナー=エッセイ
  [ミシェル・タバシュニク指揮ハノーファー NDR 放送po. /1983年1月20日-21日、ハノーファー]/
 ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための幻想曲「影の線」 Op.53 [ウルフ・シュナイダー(Vn)
   マルティン・レール(Vc) エッカルト・ハイリガーズ(P)/2004年4月2日、ヴィッテン=ヘルデッケ]/
 女声独唱のための夜想曲「こっそりと」 Op.77 [ニコル・ピーパー(Ms)/2021年4月16日、デトモルト]/
 ピアノのための鏡=幻想曲「囚われの瞬間」 Op.82
  [ハイドルン・ホルトマン(P)/2021年2月26日、フランクフルト・アム・マイン]/
 オルガンのためのパッセージ集「明暗」 Op.97 [フリートヘルム・フランメ(Org)/2021年3月17日、デトモルト]/
 クラリネットとピアノのための夜曲 Op.96
  [フェリックス・ブルックラッハー(Cl) 有元裕子(P)/2021年9月22日、デトモルト]
 録音:[/内]。ドイツの作曲家、マルティン・クリストフ・レーデルは1947年、ドイツのデトモルトの生まれ。父親は高名なフルート奏者、クルト・レーデル。1971年からデトモルト音楽大学で教職に就き、1979年には作曲の教授、さらに1993年から2001年には楽長を務めた。作風は現代的かつ晦渋なもの、辛口な中にもドイツの伝統を感じさる物。有元裕子(ありもとひろこ)は鹿児島生まれ、鹿児島大学教育学部音楽家を卒業後デトモルト音楽大学に留学、デトモルトを拠点にドイツを中心に活躍しているピアニスト。
GEN-21761
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(4CD)
1.5CD価格
初出、リヒター=ハーザー、ベルゲル、ヴィンシャーマン、ナヴァラ、ヴァルガ他|
  デトモルトのアーカイヴの宝物〜デトモルト音楽大学創立75周年記念アルバム

 ベートーヴェン:幻想曲 ホ長調 Op.77 /
         ピアノ・ソナタ〔第24番 嬰ヘ長調 Op.78「テレーゼ」/第25番 ト長調 Op.79 〕
 ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」 / シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化 Op.26 〜間奏曲 変ホ短調
 シューベルト:行進曲 ホ長調 D.606 / ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第18番 変ホ長調 Op.31 No.3 〜第4楽章
   [ハンス・リヒター=ハーザー(P)/1976年5月11日、広がりに乏しいステレオ]
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58[ハンス・リヒター=ハーザー(P)
    エーリヒ・ベルゲル指揮北西ドイツpo./1973年12月11日、極めて広がりに乏しいステレオ]
 ヨハネス・ドリースラー(1921-1998):ピアノ協奏曲 Op.27 [クラウス・シルデ(P)
    マルティン・シュティファニ指揮北西ドイツpo.、ムジークアカデミー・デトモルト/1971年2月19日、世界初演]
 J.S.バッハ:オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV.1055R
  [ヘルムート・ヴィンシャーマン(Ob) ティボール・ヴァルガ室内o./1971年12月14日]
 ブラームス:チェロ・ソナタ第2番 ヘ長調 Op.99
  [アンドレ・ナヴァラ(Vc) ヴェルナー・ゲヌイト(P)/1972年1月14日、極めて広がりに乏しいステレオ]
 ベルク:ヴァイオリン協奏曲[ティボール・ヴァルガ(Vn) ギルバート・ヴァルガ指揮
               ティボール・ヴァルガ室内o./1979年11月20日]
 バルトーク:2つのピアノと打楽器のためのソナタ Sz.110
  [ヴィルフリート・カッセバウム、フリードリヒ・ヴィルヘルム・シュヌアー(P)
   ヴァルデマール・デリング、マルティン・クリストフ・レーデル(Perc)/1981年11月10日]
 シェーンベルク:ピアノ曲 Op.33a /ピアノ曲 Op.33b
  [エドムンド・ラスヘラス(P)/1966年初頭、拍手無し、モノラル]
 レーガー:クラリネット五重奏曲
  [ヨスト・ミヒャエルス(Cl) エルンスト・マイヤー=シールニング(Vn)
   カタリーナ・リンデンバウム(Vn) ライナー・モーク(Va)
   イレーネ・ギューデル(Vc)/1973年12月14日]
 録音:1966年-1981年、すべて新ホール、北西ドイツ音楽アカデミー、ライヴ、特記以外ステレオ|おそらくすべて初出音源。ドイツのデトモルト音楽大学の創立75周年を記念して、1966年から1981年までの様々なライヴ録音が集められている。なかでもティボール・ヴァルガが弾くベルクのヴァイオリン協奏曲は貴重。ヴァルガはこの曲のウィーン初演やさらにオーストラリア初演でも演奏、この曲を世に広めたヴァイオリニストの一人でありながらこれまで録音が聞けず、これはファンにはたいへん嬉しい物。当時58歳で技術的には難も見られるものの、意気込みは見事。名ピアニスト、ハンス・リヒター=ハーザーは、まずアンコールも含めたリサイタルが素晴らしい。得意のベートーヴェンを前半に、メインはなんとムソルグルスキーの「展覧会の絵」。さらにヘルムート・ヴィンシャーマンのバッハや、アンドレ・ナヴァラのブラームスなど、興味深い音源が多々。いずれも記録用の音源らしく、音の状態はまちまちで、「広がりに乏しいステレオ」と付記しているものは楽器の音像はほぼモノラル。それでも嬉しい4CD 。
モーツァルト:ディヴェルティメント集
 〔ニ長調 K.136 /変ロ長調 K.137 /ヘ長調 K.138 〕
ヨハネス・クルンプ指揮
エッセン・フォルクヴァング室内o.
 録音:2020年6月28日-30日、エッセン、ドイツ。ハネス・クルンプの指揮するエッセン・フォルクヴァング室内o. のモーツァルト第3弾(既発はホルン協奏曲全集GEN-18618、交響曲第13、16、29、40番 GEN-19636)。1772年にザルツブルクで16歳のモーツァルトが書いた3つのディヴェルティメントを収録。弦楽四重奏で演奏されることも弦楽合奏で演奏されることもある曲集で、ここでは小編成の弦楽合奏による。ヨハネス・クルンプは1980年、シュトゥットガルトの生まれ。2013年に1958年創立のエッセン・フォルクヴァング室内o. の首席指揮者、音楽監督に就任、このドイツの地方の室内オーケストラを一躍注目の楽団に引き上げた。ちなみにクルンプは、ハイデルベルクso. のハイドンの交響曲シリーズで、怪我で指揮活動ができなくなったトーマス・ファイの後を受け継いでいる。ここでのモーツァルトのディヴェルティメント3曲は、キビキビした音楽で室内楽的密な絡みを際立たせつつ、一方で弦楽四重奏曲よりもシンフォニックな作品の特性にも不足ない見事な演奏。また今回もヴィブラートを控えめにして透明感を重視しつつ、ピリオド手法の演奏ともまた異なった、現代の室内オーケストラならではのモーツァルトの魅力を十全に引き出している。
途上で〜ヴァイオリンとハープのための作品集
 リテルバンド(1914-1979):ヘブライの3つのバラード / ラヴェル/エッケ編曲:ツィガーヌ
 ライナ(1928-2021):ヴァイオリンとハープのための組曲(1998) / ハヤム(1978-):ノイケルンからのさまよう妖精
 ダマーズ/スミス編曲:タンゴ / ピアソラ:カフェ1930 / マスネ:タイスの瞑想曲

 エーファ=クリスティアーナ・シェーンヴァイス(Vn) キルステン・エッケ(Hp)
 録音:2020年12月2日-4日。ヴァイオリンとハープのための近現代の作品を収録している。マスネのタイスの瞑想曲やラヴェルのツィガーヌのような有名曲もあるが、珍しい作品もまた素晴らしい。ロマン・リテルバンド(1914―1979)はポーランドのウーチの生まれ。ユダヤ系だったために第二次世界大戦を避けスイスに移住、さらにカナダのモントリオール、米国のシカゴに移って活躍した。トーマス・ライナ(1928―2021)はハンガリー、ブダペスト生まれのピアニスト、作曲家。ロンドンで活躍したのち、南アフリカのケープタウンに移り住んだ。「ヴァイオリンとハープのための組曲」は印象派的な美しい作品。フーシャル・ハヤム(1978-)は英国のベッドフォードの生まれ。イラン系で、ペルシャ音楽を取り入れた作品を書いている。ジャン=ミシェル・ダマーズ(1928―2013)はフランスの作曲家。エーファ=クリスティアーナ・シェーンヴァイスはベルリン在住のヴァイオリニスト。ベルリン・ドイツso. の首席第2ヴァイオリン奏者を務めている。キルステン・エッケはドイツのハープ奏者。
空中楼閣
 トルステン・ヴォルマン(1966-):古風なシンフォニア
 イェルク・マインカ(1962-):空中楼閣
 シュテファン・ホーデル(1973-):クルピラの伝説
ダーフィト・ティンマ指揮
ザクセン管楽フィルハーモニー
 録音:2020年11月10日-13日、バート・ラウシック。ザクセン管楽フィルハーモニーの新譜は、ドイツとスイスの中堅作曲家の作品集。トルステン・ヴォルマンは1966年、南ドイツのビーベラッハ=ラウプハイムの生まれ。「古風なシンフォニア」は題名の通りシャコンヌ、パヴァーヌ、スケルツォ、ロンドといった古典舞曲による作品。イェルク・マインカは1962年、ザルツギッター=バートの生まれ。「空中楼閣」は2019年の最新作。30分近い大作。シュテファン・ホーデルはスイス、ルツェルン州の生まれ。ボストンのバークレー音楽大学でも学んでおり、ジャズも得意とする。クルピラとはブラジルなど南米の森の中に住む動物を守る精霊。ダーフィト・ティンマ1969年、北ドイツのヴァーレン生まれの指揮者。2020年からザクセン管楽フィルハーモニーの常任首席客演指揮者を務めている。
フルートとギターのための音楽
 ロバート・ビーザー(1954-):4つの山の歌 / ラヴィ・シャンカール:魅惑の夜明け
 ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番〜アリア / 武満徹:海へ / ピアソラ:タンゴの歴史

 デュオ・マティック・エチュマン[クリスティアン・マティック(Fl) トーマス・エチュマン(G)]
 録音:2020年12月7日-9日、ミュンヘン、ドイツ。ドイツのフルート奏者、クリスティアン・マティックのGENUINへの3枚目のCD 、ただし今回は伴奏がマティアス・フートのピアノではなく、トーマス・エチュマンのギター。フルートとギターのための20世紀の作品を集めている。フルートとギターの相性はとてもよく、特にしっとりとした美感に優れている。ラヴィ・シャンカールの「魅惑の夜明け」、エイトル・ヴィラ=ロボスのブラジル風バッハ第5番のアリア、武満徹の「海へ」、ピアソラの「タンゴの歴史」といった有名曲に加え、1954年、ボストン生まれの米国の作曲家、ロバート・ビーザーの「4つの山の歌」も素晴らしい。クリスティアン・マティックはミュンヘンで学んだドイツのフルート奏者。近現代のフルート音楽を得意としている。ギター奏者のトーマス・エチュマンとは2005年以来コンビを組んで活動している。
ベートーヴェン/リスト編曲:交響曲第9番 ニ短調 Op.125(ティンパニ追加版)
 ピアノ・デュオ・チパク=クシュニル[オルハ・チパク、オレクシー=クシュニル(P)]
 フランシスコ・マヌエル・アンガス・ロドリゲス(ティンパニ)
 録音:2021年2月26日-28日、ロストック、ドイツ。ピアノ・デュオ・チパク=クシュニルのGENUINへの3枚目のCD 。ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」をリストが2台ピアノ用に編曲した物。リストによるベートーヴェンの交響曲の編曲は有名で録音も多々ある。これらピアノ独奏用編曲に先立ち、1851年に第9交響曲を2台ピアノ用に編曲、これも人気がある。今回の新録音では、このリストの2台ピアノ用編曲の第9交響曲に、ベートーヴェンの楽譜からティンパニを抜き出してリスト編曲の2台ピアノに加えて演奏している。これだけでガラッと印象が変わるのが面白い。オルハ・チパクとオレクシー=クシュニルは共にロストック音楽舞台大学とウクライナのリヴィウ国立音楽アカデミー(彼らの母校である)で指導に当たっている。フランシスコ・マヌエル・アンガス・ロドリゲス1990年、セビリャ生まれの打楽器奏者。ベルリンを中心にドイツで活躍している。
類似
 スクリャービン:ピアノ・ソナタ第3番 嬰ヘ短調 Op.23 /
         夜想曲〔嬰ヘ短調 Op.5 No.1 /イ長調 Op.5 No.2 〕/幻想曲 ロ短調 Op.28
 ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58 /
      夜想曲〔嬰ハ短調 Op.27 No.1 /変ニ長調 Op.27 No.2 〕/幻想曲 ヘ短調 Op.49

 カタリン・セルバン(P)
 録音:2021年4月14日-16日、ベルリン、ドイツ。ショパンとスクリャービンの作品を対に配置した面白い試みのCD 。セルバンはルーマニア出身のピアニスト。ブカレスト音楽院で学んだ後、ドイツに移り、ベルリンを拠点に活躍している。また2007年からリューベック音楽大学、2018年からベルリンのハンス・アイスラー音楽学校で指導に当たってもいる。これは彼の2枚目のCD 。スクリャービンはロシア臭のない透明感に優れた演奏。ショパンは崩しのあまりない端正な美しさが映えている。
17世紀フランスのクラヴサン作品集
 ダングルベール:組曲 ト長調 / デュ・モン:組曲 ニ短調 / ジョフロワ:組曲 ヘ長調
 シャンボニエール:組曲 イ短調 / ルイ・クープラン:組曲 ハ長調

 アンドレアス・ギルガー(Cemb)
 録音:2021年5月28日-30日、エッティンゲン。アンドレアス・ギルガーはドイツの若い世代のチェンバロ奏者。2013年にチチェローネ・アンサンブル(バロック・フルート、バロック・チェロとの三重奏)を結成、2019年にGENUINからグランド・ツアーと題されたCD(GEN-19648)を出して話題になった。待望のソロCD 。1681年、パリのヴォドリ製作のチェンバロに基づく、2020年、マティアス・グリーヴィッシュ製作のフレンチ・チェンバロを使用。柔らかい気品に溢れた演奏が素晴らしい。
セレンディピティ
 スパーク:ダイアモンド協奏曲〜第3楽章 / ヴァーヘルスト:ダンゾン / ブルガリア民俗舞踊:ガンキノ・ホロ
 サン=サーンス:白鳥 / ダニエル・ホール:セレンディピティ / ファビアン・ブロッホ:街歩き
 ジョヴィーヴォ:第1の前奏曲における瞑想 / ボーズウィック:フヌッグ / モンティ:チャルダーシュ
 サンドストレム:ソング・ティル・ロッタ / クロード・フランソワ&ジャック・ルヴォー:マイ・ウェイ
 ワルトトイフェル:スケーターズ・ワルツ / ヴォルフガング・ゾルガー:バリトン・レヒナー
 カール・ヘス:故郷の鳥 / ハンス=ユグル・ゾマー:アルプホルンの精神 / ダニエル・シュナイダー:カラチ

 デュオ・ジョヴィーヴォ
  [ファビアン・ブロッホ(ユーフォニウム/ヴンダーHr/アルプ/P) ムリエル・ツァイター(P/Vn/Fl)]
 録音:2021年7月16日-18日、ライプツィヒ、ドイツ。ドイツのユーフォニウム奏者ファビアン・ブロッホと、ピアノなど複数の楽器をこなすムリエル・ツァイターによるデュオ・ジョヴィーヴォの楽しいCD 。ジョヴィーヴォGiovivoとはイタリア語のgioa 喜びと生き生きとしたvivoの合成語。名前の通りいずれの曲も生き生きと楽しい演奏だ。ファビアン・ブロッホの自作とジョヴィーヴォとしての作品も含まれる。

MERIDIAN (英) 1枚あたり¥3080(税抜¥2800)

 旧譜はこちらから
マッジーニSQ 〜ベートーヴェン:弦楽四重奏曲集
  〔第1番 ヘ長調 Op.18 No.1 /第2番 ト長調 Op.18 No.2 〕

 マッジーニSQ [ジュリアン・リーパー、チアラン・マッケイブ(Vn)
        マーティン・ウートラム(Va) ミハウ・カズノフスキ(Vc)]
 録音:2020年3月9日-11日、モッティンガム、ロンドン、 UK 。英国の人気弦楽四重奏団、マッジーニ四重奏団の新録音はベートーヴェンの初期2作。1988年創設のマッジーニ四重奏団は、2013年に第1ヴァイオリンがジュリアン・リーパーに、2017年に第2ヴァイオリンがチアラン・マッケイブに変わる一方、ヴィオラとチェロは創設メンバーのままで、安定した中低弦に新鮮なヴァイオリンが乗るという得がたい魅力を持っている。このCDはこの4人による初録音。ベートーヴェンというととかく力みが入りがちなところが、マッジーニ四重奏団は楽想を良く練り上げた上で、余計な力は抜いて楽な響きを奏で、そして決めるところでバシッと決める。今後の彼らのベートーヴェン録音が楽しみになる素敵な演奏だ。

MSR CLASSICS  (米) 1枚あたり¥3080(税抜¥2800)

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古典派弦楽三重奏曲の発見 Vol.3
 ジョヴァンニ・バッティスタ・サンマルティーニ(1700-1775):ソナタ イ長調 Op.5 No.1
 マッダレーナ・ロンバルディーニ=シルメン(1745-1818):ソナタ ト長調 Op.1 No.5
 ジョン・アンテス(1740-1811):三重奏曲 ニ短調 Op.3 No.2
 フランチェスコ・ザネッティ(1737-1788):三重奏曲 ニ長調 Op.2 No.3
 フランツ・アントン・ホフマイスター(1754-1812):協奏三重奏曲 ト長調 Op.11 No.3
 レオポルト・ホフマン(1738-1793):三重奏曲オディヴェルティメント ハ長調
 パウル・ヴラニツキー(1756-1808):協奏三重奏曲 ト長調 Op.3 No.3

 ザ・ヴィヴァルディ・プロジェクト
  [エリザベス・フィールド(Vn) アリソン・ナイクイスト(Va) ステファニー・ヴィアル(Vc)]
 録音:2020年11月15-19日、トロイ、ニューヨーク州、 US |ピリオド楽器使用。好評の古典派の弦楽三重奏曲の発見、第3集が発売された。ことにマッダレーナ・ロンバルディーニ=シルメン(シルメンは夫の姓)は当時珍しい女性のヴァイオリニスト。ヴェネツィアに生まれ、タルティーニにも学んだ名手。作品の録音は珍しい。ザ・ヴィヴァルディ・プロジェクトは2006年結成。ヴァイオリンのエリザベス・フィールドとチェロのステファニー・ヴィアルが中心となって、様々な編成で演奏活動を広げている。
ショスタコーヴィチ(1906-1975):ピアノ・ソナタ第2番 ロ短調 Op.61 (1943) (*)
フランク・ブリッジ(1879-1941):ピアノ・ソナタ H.160 (1921-24) (#)
 サリー・ピンカス(P)
 録音:2020年6月2日(*)、2021年1月12日(#)、ボストン。ショスタコーヴィチのピアノ・ソナタ第2番は交響曲第7番と8番の間の時期に作曲され作曲者自身により初演されたが、評判は芳しいものではなかった。そのせいか以後作曲家はこの分野に深く踏み込むことはなく、これが最後のピアノ・ソナタになったが、その内省的な内容は実に奥深い。 ロ短調という調性もリストやショパン(第3番)のソナタひいてはバッハのミサ曲を思わせて意味深であるが、実際は無調の部分が多く、その黙示録的で厭世的な内容は輝かしい勝利で終わる交響曲第7番の作曲直後の作品とは思えない。この機会に再聴すべき傑作。ブリッジはブリテンの師匠としても知られる。イギリス田園楽派に近い作風を示す曲もあるが、第一次大戦後はモダニズムの影響を大きく受け、無調、多調など同時代の前衛の様式で多くの作品を書いている。このピアノ・ソナタも自由な無調と激しい表現主義的なスタイルを採っている。なかなか聴ける機会のない作品。
バーバラ・ハーバック(1946-):作品集 Vol.14 〜室内楽作品集 Vol.6
 室内管弦楽、ソプラノ、フルート、ヴァイオリンとピアノのための「市民の礼儀」/
 ヴァイオリンとピアノのための「ヒルデガルトの幻影」/フルートとピアノのための4つの舞曲/
 ソプラノ、ヴァイオリンとピアノのための「星が駆け抜ける音」

  ジェイムズ・リチャーズ指揮セント・ルイス室内o. ステラ・マークー(S)
  ジェニファー・マッツォーニ(Fl) ジュリア・サハロワ、ジェーン・プライス、アラ・ボスコボイニコワ(Vn)
 録音:2017年10月、2018年6月、2019年6月、セントルイス校、ミズーリ大学。バーバラ・ハーバックはミズーリ州を拠点に活躍しており、交響曲からオペラ、室内楽、テレビの音楽まで幅広く作曲活動している。作品はテレビの仕事を盛んにしているだけあって、いずれも調性で書かれた明朗快活で親しみ易いものばかり。初期ドビュッシーを思わせる淡い色彩とリリシズムが耳に心地よい音楽。
デイロン・ヘイゲン(1961-):作品集
 有頂天と悔い(2曲)(1987) (*/#) /ピアノのための組曲(4曲)(2009) /
 野菜短詩集(8曲)(2011) (*) /5つの夜想曲(2012) /マルドゥーン歌曲集(1992) (+)
  トレイシー・コードン(P) アリアナ・ワイアット(S;*)
  ブライアン・ソーセット(T;+) ベンジャミン・ワイアット(Vc;#)
 録音:2018年1月9日-11日、ブラックスバーグ、ヴァージニア州、 US 。米国の作曲家、デイロン・ヘイゲン(1961-)の歌曲などの作品集。デイロン・ヘイゲンはウィスコンシン州ミルウォーキーの生まれ。カーティス音楽院とジュリアード音楽学校で学び、早くに作曲家として名声を確立し、今日まで様々な作品を書き活躍している。現代米国の作曲らしく、穏やかな作風に近代性が宿っている。アリアナ・ワイアットは近現代の作品を得意とするソプラノ。ブライアン・ソーセットは現代声楽作品に加えてバロック作品も得意としている。歌曲、独奏曲共にトレイシー・コードンの演奏が冴えている。
C.P.E.バッハ(1714-1788):ヴュルテンベルク・ソナタ集 より
 〔第4番 変ロ長調 Wq.49/4, H.32 /第5番 変ホ長調 Wq.49/5, H.34 /第6番 ロ短調 Wq.49/6, H.36 〕

W.F.バッハ(1710-1784):クラヴィーア・ソナタ イ短調 FK NV8
 デイヴィッド・マリー(P)
 録音:2020年2月9日、3月22日、4月5日、6月28日、ステートボロ、ジョージア州、 US 。米国のピアニスト、デイヴィッド・マリー(David Murray)の演奏するC. P. E.バッハのヴュルテンベルク・ソナタ集。彼自身が書いた英文解説によると、マリーは1990年代末にグレン・グールドによるC.P.E.バッハの録音(1981年録音のヴュルテンベルク・ソナタ第1番)に大きな感銘を受け、以来C.P.E.バッハのピアノ演奏に情熱を注いで来たという。彼は2013年に他社(Summit Records)からヴュルテンベルク・ソナタ集の第1番―第3番のCDを発売しており、今回はその続編にして完結編になる。明快で確信の強い演奏からは、マリーのC.P.E.バッハへの愛がしっかり聞き取れる。
グリーグ:フルート演奏によるヴァイオリン・ソナタ集
 〔第1番 ヘ長調 Op.8 /第2番 ト長調 Op.13 /第3番 ハ短調 Op.45 〕
  ケイレブ・ケスニック(Fl) ナターリア・カトー(P)
 録音:2021年1月、ボルダー、コロラド州、 US 。グリーグの人気作、ヴァイオリン・ソナタ全3曲をフルートで演奏している。フルートの軽やかな音で奏でられると、ヴァイオリン演奏の情熱に代わって涼やかな空気が広がり、グリーグの北欧気質が前面に出るように思われて面白い。ケイレブ・ケスニックは米国の若い世代のフルート奏者。編曲はいずれも彼自身による。
水銀〜吹奏楽伴奏の協奏曲集
 ステイシー・ギャロップ(1969-):水銀(2017) (*)
 デイヴィッド・マスランカ(1943-2017):ピアノとウィンド・アンサンブルのための協奏曲第3番(2016) (#)
 デイヴィッド・ビーデンベンダー(1984-):葉の上に書かれたもの(2019) (+)

 マシュー・ウェストゲイト指揮 UMASS ウィンド・アンサンブル
 ジョナサン・ハルティング=コーエン(Sax;*) ナディーン・シャンク(P;#)
 録音:2018年4月18日-19日(*/#) 、2019年4月28日(+)、ファイン・アーツ・センター、マサチューセッツ大学。ウィンド・アンサンブル(いわゆる吹奏楽)をバックにした協奏曲を中心にした作品集。ギャロップの「水銀〔クイックシルヴァー〕」はサックスの抒情的で息の長い旋律にアンサンブルが時に豪快に、時に室内楽的に繊細に色彩をつける秀作。ウィンド・アンサンブルの新作として一聴に値する佳品。吹奏楽界の帝王マスランカの協奏曲はピアノとウィンドアンサンブという組み合わせが珍しく、近代イギリスの作曲家の作品を思わせるメランコリックなハーモニーと旋律が美しい。ビーデンベルダーの「葉の上に書かれたもの」は、ややミニマル風に書かれた奇知に富んだ3楽章からなる作品。
ブリテン(1913-1976):ピアノと弦楽のための「若きアポロ」 Op.16
ダリユス・ミヨー(1892-1974):ピアノと管弦楽のための幻想曲「エクスの謝肉祭」 Op.83b
フィンジ(1901-1956):ピアノと弦楽のための「エクローグ」 Op.10 (*)
R.シュトラウス(1864-1949):組曲「町人貴族」 Op.60 (#)

 ジョシュア・ピアース(P) カーク・トレヴァー指揮
 スロヴァキア国立ジリナ室内o.(*以外)、ブラチスラヴァ・スロヴァキア放送so.(*)
 フランティシェク・フィギュラ(Vn;#)
 パヴォル・シムチク(Vc;#) マリア・デュホヴァ(Hp;#)
 録音:2004年1月24日-27日(*以外) /2005年3月31日(*)。20世紀に書かれた、普段あまり聴かれることの少ないピアノ協奏曲を収録。ブリテンの「若きアポロ」は第二次大戦勃発とともに一時的にアメリカに避難した際、カナダのラジオ放送局より委嘱された7分あまりの小ピアノ協奏曲。ミヨーの「エクスのカーニバル」は1920年代に演奏活動でアメリカをしばしば訪れるようになったミヨーがボストン響からの委嘱で作曲したピアノ協奏曲的な性格を持つバレエ組曲。彼らしい祝祭的な明るさに溢れている。イギリス田園楽派のひとりフィンジの「エクローグ」はバロック様式と近代的な和声をブレンドした彼の代表作。R.シュトラウスの「町人貴族」はピアノ協奏曲ではないが、ピアノを中心にオーケストラのソロ楽器が合奏協奏的に展開する。円熟期のシュトラウスの筆致が冴える傑作。
グローバル・サクソフォン
 アロディ・マルティネス・セラーノ(1977-):アルージョ・カプリツィオーソ / 
 クリスティアン・ロバ(1952-):単なる歌 / エリオット・パク(1980-):韓国の3つの土地
 ペリー・ゴールドスタイン(1952-):天国 / ウィニー・ヤン〔楊嵐茵〕(1980-):嵐のそばの庭
 ジャン・マティティア(1952-):クレイジー・ラグ

 スコット・リトロフ(アルトSax) マテュー・コニェット(P)
 録音:2021年1月12日-14日、ガーデン・シティ、ニューヨーク州、 US 。21世紀のアルト・サクソフォン作品を集めたCD 。ジャン・マティティアはクリスティアン・ロバの非クラシック作品向けの変名でつまり同一人物。どの作品もアルト・サクソフォンの現代的な美が良く生きている。スコット・リトロフは1985年生まれの米国のサクソフォン奏者。クラシックでもジャズでも高く評価されている。これまで数々の作品を委嘱しており、このCDでも「韓国の3つの土地」は彼の委嘱作、また「アルージョ・カプリツィオーソ」と「嵐のそばの庭」は彼のために書かれた作品で、いずれも世界初録音。
声を見つける〜1920年以降に書かれたメキシコの連作歌曲集
 バニュエラス(1931-2015):3つのスペイン語歌曲 / ポンセ(1882-1948):6つの古風な詩/ブルルの3つの詩
 ルイス・サンディ(1905-1996):4つの愛の歌(*) / モンカダ(1876-1945):私の土地の様式による歌
 ロロン(1879-1945):港の素描集 / ロドルフォ・アルフテル(1900-1987):陸に上がった船乗り(*)

 フアン・カルロス・メンドーサ(T) ジェシカ・モニエ(P)
 録音:2019年12月30日-2020年。近代メキシコ連作歌曲を集めたCD 。(*)の2曲集は以前CDが出ていたが、他の作品はあるいはこれが世界初録音かもしれない。メキシコの作曲家でも有名なマヌエル・ポンセ(1882-1948)やホセ・ロロン(1879-1945)には録音が多いが歌曲は少ない。ロベルト・バニュエラス(1931-2015)やエドゥアルド・エルナンデス・モンカダ(1876-1945)は録音そのものが極めて少ない。スペイン語とは言えスペインとは異なるメキシコ情緒が楽しめる。フアン・カルロス・メンドーサは米国、アイオワ州マスカティン生まれのテノール。バロック音楽から現代ものまで幅広いレパートリーを誇る。ラテンアメリカのスペイン語歌曲に力を入れており、このCDでも本領を発揮している。
魔法使いショパン〜ショパン
 バラード ヘ短調 Op.52 /マズルカ〔イ短調 Op.17 No.4 /イ短調 Op.7 No.2 /イ短調 Op.68 No.2 〕/
 練習曲 変イ長調 Op.25 No.1 /マズルカ〔嬰ト短調 Op.33 No.1 /ト短調 Op.67 No.2 /嬰ヘ短調 Op.6 No.1 〕/
 前奏曲 嬰ハ短調 Op.28 No.10 /マズルカ〔嬰ハ短調 Op.63 No.3 /ニ長調 Op.33 No.2〕/夜想曲 変ホ長調 Op.9 No.2 /
 マズルカ〔ハ長調 Op.67 No.3 /イ短調 Op.67 No.4 /ハ長調 Op.24 No.2 〕/前奏曲 ヘ短調 Op.28 No.18 /
 練習曲 ヘ短調 Op.25 No.2 /マズルカ〔ヘ短調 Op.68 No.4 /変ロ短調 Op.24 No.4 /変ロ長調 Op.7 No.1 /
  ロ短調 Op.33 No.4 〕/前奏曲 ホ短調 Op.28 No.4 /ワルツ 嬰ハ短調 Op.64 No.2 /
 前奏曲 イ長調 Op.28 No.7 /幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66

 イリーナ・フェオクティストワ(P)
 録音:2010年-2011年。ロシアのサンクトペテルブルク生まれで米国で活躍するピアニスト、イリーナ・フェオクティストワのMS-Rへの2枚目のCD(ただし録音は1枚目「メトネル&スクリャービン(MS-1326)」と同時期と思われる)。マズルカを中心としたショパンの作品集。フェオクティストワはシカゴ・リリック・オペラの練習ピアニスト、歌唱コーチ、さらには指揮者助手として働いており、コンサートピアニストのような華やかさよりも、やはり何か物語を感じさせる語るショパンになっているのが面白い。
エルバーク・エリルマーズ(1989-):作品集
 ヨーグルト作り職人の踊り(2014) /弦楽四重奏とダラブッカのための「ホッパ〔溌剌と〕3」(2018) (*) /
 ミニアチュアズ・セット〔第4番(2012) /第5番(2015) (弦楽四重奏とトルコの民族打楽器のための)(*) 〕/
 ベシメスルタンのトラキアの大気(2015) /ピアノ五重奏のための「執拗な音楽」(2019) (*)

 カープ・ディエムSQ [チャールズ・ウェザービー(Vn1) マリサ・イシカワ(Vn2)
            コリン・フジワラ(Va) グレゴリー・ソーアー(Vc)]

 エルバーク・エリルマーズ(Perc、P;*)
 録音:2020年1月20日-22日、テキサス・ヒューストン。エリルマーズはトルコ系アメリカ人の作曲家。トルコ系といえば作曲家でもあるピアニストのファジル・サイが思い出されるが彼はサイより20歳ほど年下の世代にあたる。彼の音楽はトルコ民族音楽の要素と西洋音楽をミックスしたもので、さながら21世紀トルコのバルトークかハチャトゥリアン、イッポリトフ=イヴァノフといったところ。このディスクには弦楽四重奏が中心になった室内楽が集められており、「ヨーグルト作り職人の踊り」では弦楽奏者が演奏しながら足踏みしたり手拍子を叩いたり叫んだりする。タブラに似たトルコの太鼓ダラブッカと弦楽のための「ホッパ」は溌剌という意味の通り熱い民族的な舞曲。ピアノ五重奏曲「執拗な音楽」はその名の通り、中近東の脂がギトギトした味の強い料理を食べさせられているような濃ゆい音楽。絵葉書的エキゾチシズムと紙一重の危うさはあるものの細部の書法の筆致は確かな物。この手の音楽が好きな人には堪らないはず。
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 ペーター・トマシュ(P)
 録音:2019年9月30日-10月2日、サフォーク、 UK 、DDD | 79'02 。ペーター・トマシュはポーランド、ワルシャワ近郊のジラルドゥフ生まれのピアニスト(ポーランド名はピオトル・トマシュ・シュチェパニク)。少年時代から町のオルガン奏者を務め、後にピアノを本格的に学ぶ。2010年に上海に拠点を移し、ヨーロッパに加えオーストラリアまで広く活動している。トマシュはモダーンピアノの響きを徹底的にコントロールし、ロマンティックな表現を一層し、現代的な歯切れのよいバッハを生みだしている。各声部が極めて明瞭にに浮かび上がりつつも、声部の絡み合いやバランス、さらには控えめな装飾にまで細かく注意を払うことで、全体から知的な愉悦を浮かび上がらせている。これはゴルトベルク変奏曲マニアはもちろん、バッハ好き、さらにはピアノ好きと広く聞いてほしい演奏だ。

MUSIC AND ARTS (米) 1CDあたり¥3080(税抜¥2800)

旧譜はこちらから(若い番号の商品等、掲載中でも入手出来なくなっている物もございます)。
クープラン:王宮のコンセール集
 〔第1番 ト長調/第2番 ニ長調/第3番 イ長調/第4番 ホ短調〕
 スティーヴン・シュルツ、ミンディ・ローゼンフェルド(バロックFl)
 ジョリ・ヴィニクール(Cemb) アレクサ・ハインズ=パイロン(ガンバ)
 録音:2020年1月2日-3日、3月3日-4日、マリン・カントリー、カリフォルニア州、 US 。2018年に発売されたバッハのフルート・ソナタ集 (MUA-1295) 以来となるバロック・フルートのスティーヴン・シュルツとチェンバロ奏者のジョリ・ヴィニクールの演奏、ヴィオラ・ダ・ガンバのアレクサ・ハインズ=パイロンを加えてのフランソワ・クープランの王宮のコンセール集。スティーヴン・シュルツは米国を代表するバロック・フルートの名手。ジョリ・ヴィニクールはシカゴ生まれのチェンバロ奏者。パリに留学して、ヨーロッパの様々な古楽団体で通奏低音を受け持ち、現在は独奏者として大人気。米国のフランス・バロック音楽がいかに質が高いか知らしめる見事な出来栄えのCD 。
MUA-1303
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(3CD)
2CD価格
ブラームス:独奏ピアノのためのソナタと変奏曲全集
 ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 Op.24 (*) /主題と変奏曲 ニ短調 Op.18b (#) /
 独自の主題による変奏曲 ニ長調 Op.21 No.1 /ハンガリーの歌による変奏曲 ニ長調 Op.21 No.2 /
 パガニーニの主題による変奏曲 イ短調 Op.35 (*) /シューマンの主題による変奏曲 嬰ヘ短調 Op.9 (#) /
 ピアノ・ソナタ(+) 〔第1番 ハ長調 Op.1 /第2番 嬰ヘ短調 Op.2 /第3番 ヘ短調 Op.5 〕

 カルロ・グランテ(P)
 録音:2015年3月27日-28日(*)、2016年1月30日-31日(#)、2019年2月12日-13日(+)、アナウンスに記載無し(無印)。イタリアの名ピアニスト、カルロ・グランテによるブラームスの独奏ピアノのためのソナタと変奏曲全集。カルロ・グランテは1960年、イタリア、アブルッツォ州ラクイラに生まれたピアニスト。幅広いレパートリーを誇り、リストやブゾーニを得意とする技巧派の一面もありながら、ピアノ演奏によるドメニコ・スカルラッティのソナタ全集を完結、たいへんに精力的なピアニスト。グランデの弾くブラームスは、曖昧さのないクッキリとした知性的なもので、しかも情感にも豊かで味わい深く、現代的なブラームスの優れた手本とも言い得る物。特に変奏曲はいずれも大変に立派な物。

NBB (伊) 1枚あたり¥3080(税抜¥2800)

 旧譜はこちらから
低音の四季 [The LOW SEASONS]
 4スプリング・ベース
  〔ジョヴァンニ・ダンツィ&ミケーレ・ガルディエリ:フィオレンティーナの朝/ストラヴィンスキー:春の祭典/
   ヴィヴァルディ&ピーギ:低音の春/カルロス・サンタナ:春/ヨハン・シュトラウス II :春の声/
   アメリゴ・カゼッラ&ガエタノ・トト・サヴィオ:いまいましい春/ピアソラ:ブエノスアイレスの春〕
 4ベーシズ・4サマー
  〔ヴィヴァルディ&ピーギ:低音の夏/ブルーノ・マルティーノ:エスターテ[夏]/
   ジム・ジェイコブズ&ウォーレン・ケイシー:夏の夜/
   レイ・ドーセット:イン・ザ・サマータイム/パウル・セルジオ&マルコス・ヴァーリ:サマー・サンバ〕
 4エヴァー・オータム(*)
  〔ジャック・プレヴェール&ジョゼフ・コズマ:枯葉/ヴィヴァルディ&ピーギ:低音の秋/
   ダンテ・パンツーティ&カミーリョ・バルゴニ:秋のコンチェルト/
   ジェフ・ウェイン、ゲイリー・オズボーン&ポール・ヴィグラス:フォーエヴァー・オータム/
   ラルフ・バーンズ&ウディ・ハーマン:アーリー・オータム〕
 4ビドゥン・ウィンター(*)
  〔ヴィヴァルディ&ピーギ:低音の冬/ポール・サイモン:冬の散歩道/ピアソラ:ブエノスアイレスの冬〕
 フィオレンティーニ&カロソネ:コントラバスでダウン(*)
   − コンシリオ&パンツェリ:マラマオ・・・なぜ死んだ?(*) − ジャック・トロンベイ:パンチョ(*)
 エロティック・ベース・メドレー(*)
  〔レディ・マーマレード/アイ・ウォナ・ビー・ラヴド・バイ・ユー/アバジュール/
   ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ/ユー・キャン・リーヴ・ユア・ハット・オン〕
 ブランマー&シーザー&カスッチ:ジャスト・ア・ジゴロ〜アイ・エイント・ガット・ノーボディ(*)
 月の三部作〔ムーンフラワー/月夜のセレナーデ/月影のナポリ〕
 久石譲:人生のメリーゴーランド(ハウルの動く城)
 低音からモリコーネを見る(モリコーネ・メドレー)
  〔ウエスタン Once Upon a Time in The West /続・夕陽のガンマン The Good, the Bad and the Ugly /
   ミッション Gabriel‘s Oboe (The Mission) /
   ナータへの愛のテーマ Love Theme for Nata (Nuovo Cinema Paradiso) /
   プレイング・ラヴ Playing Love(The Legend of the Pianist on the Ocean)〕

 ザ・ベース・ギャング〔コントラバス四重奏〕
 [アメリゴ・ベルナルディ、アルベルト・ボチーニ、アンドレア・ピーギ、アントニオ・シャンカレポーレ(Cb)]

 ジュゼッペ・サッバティーニ(Vo;*)
 録音:2020年10月15日-16日、12月8日-13日、2021年2月20日、ヴィラ・ルッチェライ、プラト、イタリア。トラックは12個あり、1〜4はヴィヴァルディの四季に他の作曲家やポップスの名曲を絡めたMIX!彼らの定番と言うべき物。そしてこのCDには名テノール歌手のジュゼッペ・サッバティー二が友情出演している。それもそのはずサッバティー二はローマのサンタ・チェチーリア音楽院でコントラバスを学んでローマRAI(放送協会o. )でコントラバスを務めた後テノール歌手としてデビューした、いわばベースギャングメンバーの友人なのだ。後の方のトラックには「月」をテーマにした名曲集、それに、なんと久石譲の「ハウルの動く城」のメインテーマが収められている。最後のトラックは2020年亡くなった「エンニオ・モリコーネ」の素晴らしいヒット曲のメドレー。
マイ・ディア・ボッテジーニ [mio caro Bottesini]
  ジョヴァンニ・ボッテジーニ
(1821-1889):作品集
 ドニゼッティ「ランメルムールのルチア」による幻想曲/ベッリーニ「夢遊病の女」による幻想曲/
 エレジー第2番 ホ短調「ロマンツァ・ドラマティカ」/アレグレット・カプリッチョ「ショパン風に」/
 カプリッチョ・ディ・ブラヴーラ(華麗なる奇想曲)/ヴェネチアの謝肉祭による序奏と変奏/
 エレジー第1番 ニ長調/タランテラ/グランド・アレフロ・ディ・コンチェルト「メンデルスゾーン風に」

 アルベルト・ボチーニ(Cb) アレッサンドラ・アマーラ(P)
 録音:2021年3月18日-20日、スタジオ・ベネッリ・モーセル〜ムジカフェリックス、プラト、イタリア。コロナが世界でも初期に蔓延したイタリアでは、2020年春から日本とは比べ物にならない位厳しい緊急事態宣言が出され、音楽家が集まって行う活動はすべて不能となった。普段は世界中を飛び回り、超多忙なイタリア人 No.1のコントラバス・ソリストのアルベルト・ボチーニは、この機会を逃さずに自身のソロCDの準備、製作を着々と進め、2021年の春に録音を行った。それも、数少ないオールボッテジーニプログラムで、2021年はちょうどボッテジーニ生誕200年にあたる。ボッテジーニは超絶技巧を必要とするものが多く彼の真骨頂がいかんなく発揮されている。特にヴェネチアの謝肉祭の主題と変奏は圧巻。
ベース・オン・ファイア
 ボチーニ:3つの小品/バラータ〔第1番−第3番〕/R.シュトラウスによる悪夢
 ボチーニ/ボッテジーニ:パイジェッロ「もはや私の心には感じない」の主題と変奏
 バッハ:組曲第1番 ト長調 BWV.1007(原曲:チェロのための)
 アルベルト・ボチーニ(Cb)
 録音:2020年2月、サラ・コンチェルティ・G.ヴェルディ、プラト、イタリア。アルベルト・ボチーニによる無伴奏作品集。自作やボッテジーニ作品を独奏用にしたものに、最後はバッハの無伴奏チェロ組曲をコントラバスで弾いている。「3つの小品」「バラータ」はほの暗くジャズの影響を感じさせる。ボッテジーニ作品はボチーニによると「ボッテジーニの変奏曲による変奏曲」とのことで、ただの編曲ではなく特殊奏法が多用されたり単純ではない。「シュトラウスによる悪夢」はタイトル通り悪夢というかカオスな作品だが、わずか8分半の中にR.シュトラウス作品の断片が20曲も織り込まれているので探してみるのもお楽しみ。バッハは真面目に演奏しているが、ピッチをA=415に設定するという凝りよう。
ジュネーヴのコントラバス達〜アルベルト・ボチーニの生徒たち
 ボッテジーニ:ボレロ/パイジェッロ「もはや私の心には感じない」の主題と変奏
  [T.ヴォイシン(Cb) J.F.ヨン(P)]
 シモン・ガルシア:グラータ・ガレルード
  [コントラバス四重奏〔T.ケ、M.レンツァ、S.ドゥリフ、A.ジュベンコ(Cb)]
 ボチーニ:小品[C.パヤン(Cb)]
 ファリャ:7つのスペイン民謡〜5曲[H.サピーニャ・リェード(Cb) C.バドル(P)]
 シモン・ガルシア:スウィング k-1000[コントラバス四重奏
   〔D.カルピンテロ・バスケス、L.カラスコ・ティトス、P.トラド・ガルシア、C.ピーチ(Cb)]
 グリエール:間奏曲/タランテラ[M.マルテッリ(Cb) R.パルッツォ(P)]
 マッシモ・ピンカ:マレヴォス[M.ピンカ(Cb)]
 ボッテジーニ:パッショーネ・アモローザ
  [I.クス・ビルトシュタイン、I.ペイロ・アグラムント(Cb) I.ヴェンチュリエリ(P)]
 ボッテジーニ:タランテラ[S.シャンカレポーレ(Cb) A.サヴォナ(P)]
 ディオス・フィルベルト:バンドネオンのケヤス[ジェネベース・コントラバス四重奏団〔A.マタス・マヨラル、
   I.ペイロ・アグラムント、D.モラン・フェルナンデス、P.トラド・ガルシア(Cb)]
 録音:2016年10月-11月、ジュネーヴ音楽院大ホール。ジュネーヴ音楽院のアルベルト・ボチーニの生徒たちによる演奏。学生たちとはいえ、もうすでに第一線で大活躍している若手の演奏を集めたもので、素晴らしい演奏ばかりで、自信をもってお勧めできる物。
ALBASSO L 'OPERA
 ボッテジーニ:ドニゼッティ「ランメルムールのルチア」による幻想曲
 カヴィッキ:ブリンディジの路面電車(ヴェルディ「乾杯の歌」による)/
       ラルゴ・アル・バストトゥム(ロッシーニによる)
 パガニーニ:ロッシーニ「エジプトのモーゼ」による序奏、主題と変奏曲
 カヴィッキ:ウナ・モビルドンナ(ヴェルディによる)/ジャケットが着られるよ(レオンカヴァッロによる)
 ボッテジーニ:ベッリーニ「夢遊病の女」による幻想曲
 カヴィッキ:ダディ、マイ・ダーリン(プッチーニによる)/シャイニング・スターズ・ボッサ(プッチーニによる)

 アルベルト・ボチーニ(Cb) アレッサンドロ・カヴィッキ(P)
 録音:2014年7月3日-5日、サラ・コンチェルティ・G.ヴェルディ、プラト、イタリア。人気グループのベース・ギャングのメンバーで(元フィレンツェ五月祭管、ジュネーヴ音楽院教授)でもあるアルベルト・ボチーニの楽しいアルバム。名オペラを主題とした作品ばかり集めており、ボッテジーニやパガニーニ作品以外はピアノを弾いているカヴィッキによるジャズっぽかったり、ポピュラー・チューンだったりな作品。

NEOS
 価格帯記載無し[CD]:1枚あたり¥2970(税抜¥2700) / 価格帯B[SACD]:1枚あたり¥3300(税抜¥3000)

 旧譜はこちらから
ゲオルク・カッツァー(1935-2019):後期作品集
 チェロとピアノのための3つの小品「Bへの追記」(2017)
  [イェルク・ウルリヒ・クラー(Vc) ベルンハルト・パルツ(P)/2018年1月、チューリヒ]/
 ソプラノ、チェロとピアノのための「歌う時だけ花が咲く」(2018/19) [エリザベス・トリオ/2019年7月]/
 管弦楽のための「談話」(2018) [ウラディーミル・ユロフスキ指揮ベルリン放送so./
                 2018年12月30日、コンツェルト・ハウス大ホール、ベルリン]/
 打楽器四重奏のための「パーカッスム」(2016) [ブレーメン打楽器アンサンブル/2017年10月28日]/
 フルート、アルト・サクソフォン、トランペット、打楽器、アコーディオン、
   ピアノとヴァイオリンのための「リスニングの学校5」(2018)
  [ゲオルク・カッツァー・アンサンブル/2020年9月5日、ブリッツ]
 録音:[/内]。ゲオルク・カッツァーはポーランド・シレジア出身。作曲を旧東ベルリン時代にルス・ゼックリンに師事。またハンス・アイスラーの指導も受けている。「Bへの追記」のBとはベートーヴェンのことで、ベートーヴェンのピアノ・ソナタからの素材で作曲されているが、素材のすべては解体され非常に抽象的な形に変容させられている。大編成の管弦楽のための「談話」はカッツァーの最後の作品で黙示録的な暗い雰囲気に溢れている大作。「リスニングの学校5」は厳しい点描的な様式で書かれた作品で、ややシニカルな身振りで奏されるアコーディオン、行進曲を思わせる打楽器、奏者のつぶやく謎めいた言葉にアンガージュマン(政治参加)の作曲家ハンス・アイスラーの影響を聴き取ることが出来る。
ヴィト・ジュライ(1979-):作品集
 室内混声合唱と管弦楽のための「コンバーター」(2018)
  [ブラット・ラブマン指揮 SWR so.、 SWR ヴォーカル・アンサンブル/2019年2月10日、シュトゥットガルト]/
 2群の管弦楽と2人の指揮者のための「 i - フォーメーション」(2016)
  [フランソワ=グサヴィエ・ロト指揮ケルン・ギュルツェニヒso. ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 WDR so.
   ティエリー・メヒラー(Org)/2016年2月14日、ケルン]/
 ソプラノ、ピアノと器楽グループのための「アラヴォ」(2017) [リナット・モリアー(S)
   ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P) スタンリー・ドッズ指揮 BPO 、カラヤン・アカデミー/
   2017年11月5日、ベルリン]
 録音:[/内]。いきなりミュートした低い太鼓の響きにのせて始まる男の叫び声。古代日本の儀式の音楽かと思いきや次の瞬間にはインドネシアのケチャを思わせる群衆の叫び声と打楽器の連打。そして男女の煽情的なうめき声がオーケストラの特殊奏法の音響と融合し聴き手の原初的なエネルギーを呼び覚ます「コンバーター」。特殊奏法の響きの渦がとぐろを巻きながら脱皮してゆく大蛇のように変容してゆく「i-Formation」、ホール内の複数個所に分散配置されたオーケストラと打楽器、ソプラノ歌手のための「アラヴォ」はまさに古代異教の儀式といえるような妖しい魅力にあふれた代表作。ヴィト・ジュライはスロヴェニアの若手作曲家でヨーロッパを中心に作品が支持されている。リゲティ、クセナキスばりの音響運動にジョージ・クラムの神秘主義、ストラヴィンスキーの原始主義をミックスしたような作風。ダイナミック・レンジが広いのでオーディオ・ファンにもぜひお薦め。
ジャンルカ・ヴェルリンジェーリ(1976-):作品集
 バセット・ホルンのための「エレゴス IV 」(2005/17) [ミケーレ・マレッリ(バセットHr)/
 ピアノ三重奏のための「シューベルト断章」(2006-07) /ピアノ三重奏のための「ゲディーニ断章」(2015)
  [トリオ・ドビュッシー]/
 アコーディオンのための「シフト」(2008) [ゲナディー・ロタリ(アコーディオン)]/
 ヴィブラフォンとピアノのための「アルキミエ〜アヴェ・マリス・ステラによるリチェルカーレ」(2009)
  [シモーネ・ベネヴェンティ(ヴィブラフォン) エマヌエーレ・トルカーティ(P)]/
 拡張されたトロンボーンのための「イロニクオニリコ」(2010)[ミケーレ・ロムート(テナーTb)/
 弦楽四重奏のための「マッド・コンポーザーのための4つの歌」(2015) [リスカムSQ ]/
 ピアノのための「記憶の迷宮」(2004-05) [ジャンルカ・カシオーリ(P)]/
 バロック・オルガンのためのパッサカリア「ヴィンテージ」(2019) [バリント・カロシ(Org)]
 録音:2012年-2019年。ジャンルカ・ヴェルリンジェーリはイタリアの作曲家。作品はヨーロッパ、アメリカを中心に取り上げられている。彼の作風は一様にはとらえがたい。特殊奏法を駆使した音響作法的なものがあると思えば、ジャズの影響を感じさせるもの、バロック風のもの、それらを多様式主義的に折衷したものなど、非常に多岐に渡る。そうした音楽様式の博覧強記ぶりが彼の個性かもしれない。そのせいかハンガリー、中国に定期的に招かれ教授としても活躍している。
ヴォールハウザー・エディション Vol.6 〜ルネ・ヴォールハウザー(1954-):
 ソプラノ、バリトン、フルート、クラリネット、ヴァイオリンとチェロのための「投げられた曲芸師」(2018) /
 フルート、クラリネット、ヴァイオリンとチェロのための四重奏曲第1番(2018) /
 ソプラノ、バリトン、フルート、クラリネットとチェロのための「正直に言うと」(2017) /
 フルート、クラリネットとチェロのための三重奏曲第2番(2017) /
 チェロ独奏のための「チェリッシモ・グラデュアーレ」(2017) /
 ピアノのための「ミコシュ・・・超深遠なフィールドで失われた・・」(2013) /
 ソプラノ、バリトンとピアノのための「拍手の歌」(2018)

   アンサンブル・ポリソノ、ルネ・ヴォールハウザー(Br/P)
 録音:2018年-2020年。 NEOS では8枚目となるヴォールハウザーの作品集。声楽作品、室内楽作品など多様な作品が収録。ヴォールハウザーはスイス出身。作曲家には珍しく歌手(Br)でもあり、このディスクでも自作自演を行っている。彼は当初実験性の強いジャズ、ロックをしていたが後にセロツキ、カーゲル、ホリガーらに師事し現代音楽へ転向した。「投げられた曲芸師」は声と室内楽のための作品でパート間のホケトゥス的な面白さ、オノマトペなど、どこかユーモラスで文字通り、声の曲芸ともいえる曲。なおこのアルバムの声楽作品ではヴォールハウザー自身が作詩もしている。
チェローヴァ + アントルモン
 シューマン:クライスレリアーナ Op.16
 リスト:パガニーニによる大練習曲
 ブラームス:4手連弾のための16のワルツ Op.39 (*)
〜オルガ・チェローヴァ(P)
フィリップ・アントルモン(P;*)
 録音:2021年4月7日、フランス。オルガ・チェローヴァはウクライナ出身の若手ピアニスト。かつてギレリスやオイストラフを輩出したストルヤルスキ音楽院で学んだ後、ハノーヴァー大学とザルツブルク・モーツァルテウム音楽院でさらに研鑽を積んだ。確かなテクニックと若々しい音楽性で将来が期待されている。ブラームスの連弾のための16のワルツで彼女のお相手をするのは歴史上の数々のマエストロとも共演してきた名匠フィリップ・アントルモン。御年87歳とはとても思えないしっかりとしたテクニックとチェローヴァにも負けない若々しい感性を持ち続けていることに驚嘆。若手チェローヴァに優しくレッスンをしているかのような暖かい音楽作りがチャーミングなブラームスのワルツ。

ORF 特記以外 1枚あたり¥3300(税抜¥3000)

 オーストリア放送の自主制作レーベル。旧譜はこちらから
メンデルスゾーン:オラトリオ「エリーアス〔エリヤ〕」 Op.70
 オットー・カーグル指揮ロルフェオ〔オルフェオ〕・バロックo.、
 カペラ・ノヴァ・グラーツ、ザンクト・ペルテン大聖堂聖歌隊
 マティアス・ヘーレム(B;エリーアス) コルネリア・ホラク(S;寡婦)
 カタリーナ・リーグラー(S;天使、少年) バルバラ・ツィダー=ヴィリンガー(S)
 イダ・アルドリアン(A;王妃、天使) クリスティーナ・マリア・エダー(A)
 ダニエル・ヨハンセン(T;アハブ、オバディヤー) マキシミリアン・シュナーベル(B)
 録音:2019年9月8日、ザンクト・ペルテン、オーストリア、ライヴ、 DDD 。メンデルスゾーンの大傑作にして19世紀前半の大作オラトリオの金字塔であるメンデルスゾーンの「エリーアス(エリヤ)」にまた一つ優れた演奏が加わった。2019年9月8日、オーストリアのザンクト・ペルテンの大聖堂、ライヴ録音。指揮は1992年から30年近くこの大聖堂の楽長を務めているオットー・カーグル。大聖堂での演奏ということも含め、コンサート・ホールでの華やかなオラトリオとは趣の異なった、地域の特別な行事といった熱気と一体感が味わえる。ピリオド演奏のロルフェオ・バロックオルヒェスター(オルフェオ・バロックオーケストラ)の柔らかい音色も素晴らしい。タイトルロールのマティアス・ヘーレムはオーストリアの中堅バリトン。バロック音楽から古典派までを得意とし、特に近年はモーツァルト・バリトンとして活躍する一方で近現代音楽も得意としている知性派でもある。
モメンタム
 ベートーヴェン/クリストフ・エーレンフェルナー編曲:クロイツェル・ソナタ イ長調 Op.47(弦楽合奏伴奏版)(*)
 ベートーヴェン:交響曲第1番 ハ長調 Op.21 (#)
 バルトーク:ディヴェルティメント Sz.113 / ヤナーチェク:牧歌 Op.3

 ヴァヒド・カデム=ミサーク(Vn;*)指揮アカデミア・アレグロ・ヴィーヴォ
 録音:2020年8月8日-9日(*)、2019年9月15日(#)、2019年8月3日-4日(無印)、アルテンブルク修道院、 DDD 。ウィーン・トーンキュンストラーo. のコンサート・マスターでもあるヴァヒド・カデム=ミサークが率いているアカデミア・アレグロ・ヴィーヴォの最新録音。1枚目はベートーヴェン。クロイツェル・ソナタの伴奏を弦楽アンサンブルに編曲したもので、意外なほど曲想に合っている。NAXOSでも同様の編曲が出ていたが編曲者が異なり、聴き比べてみるのも一興。交響曲はキレのある演奏だが、モダーン楽器の長所を生かしたようなツヤのある音色で嫌味のない演奏に好感が持てる。2枚目はバルトークとヤナーチェクという民族的でありながら尖った作品を演奏。やはりキレの良い演奏は気持ち良い。

PIERRE VERANY (仏) 1CDあたり¥3080(税抜¥2800)

 旧譜はこちらから(ただし発売が古い物は入荷率が極端に悪くなります)。
ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集
 弦楽四重奏曲〔第14番 嬰ハ短調 Op.131 (*) /第15番 イ短調 Op.132 (#) 〕/大フーガ 変ロ長調 Op.133 (#)

  ロサモンドSQ
   [アニェス・シュレム=ビアロブロダ(Vn1) トマス・テルシュー(Vn2)
    ジャン・シュレム(Va) グザヴィエ・ガニェパン(Vc)]
 録音:2012年、イヴリー=シュル=セーヌ(*) /2019年、ミラベル・オ・バロニ(#)、すべてフランス、 DDD 。フランスのベテラン弦楽四重奏団、ロサモンド四重奏団の久々の新録音は、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲集。これまで PIERRE VERANY にいくつもの録音を残してきたロサモンド四重奏団だが、ベートーヴェンはなかった。ロサモンド四重奏団は1981年にパリ音楽院の学生たちによって結成され、以来40年間団員の変更がない。したがってその演奏は実に熟成されている。ここでのベートーヴェンの演奏は、フランスの弦楽四重奏団によるベートーヴェン演奏の系譜に連なるもので、とかく晦渋になりがちなベートーヴェンの後期の音楽を重苦しくすことなく、透明感と明るさを保ちながら豊かな味わいを広げていく物。このCDの3曲の演奏を聞けば、ロサモンド四重奏団が彼ら独自のベートーヴェンを世に問う機が熟したことが分かるだろう。

POLYMNIE (仏) 1CDあたり¥3300(税抜¥3000)

 旧譜はこちらから
天国へ向かう途中の詩人〜ルシアン・ゲリネル(1930-):
 村(詩:ジョルジュ=エマニュエル・クランシエ)/夜に(詩:サルヴァトーレ・クァジモド)/
 世界(詩:フィリップ・ジャコテ)/11の楽器のための「11対11」/
 4つの時間(詩:アンドレ・シェディッド、ジュディ・コクラン、フィリップ・ジャコテ、ロジェ・ジロー)/
 ハフィズの愛(詩:ピエール セゲルス)

  アンヌ=フランソワーズ・モラ、ロール・フロランタン(S) ミレイユ・ケルシア(Ms)
  イヴ・コードトレ(T) エリザベト・ギロネ、ダイアン・レモワーヌ(P)
  テレサ・イダ・ブロッタ指揮アンサンブル・アルテ、ディラウル・レイ指揮アンサンブル・テレマーク
 録音:1995年、聖カトリーナ教会、マルセイユ。室内アンサンブルを背景にした声楽作品を収録(「11対11」のみ声楽なしの室内楽曲)。曲によって独唱、声楽アンサンブルと編成は様々。作曲者のルシアン・ゲリネルは南フランス・グラースに生まれ。パリでルイ・サゲルに作曲を師事しオペラから交響楽、室内楽まで幅広い作品を発表している。ここで聴かれる彼の作風と様式は基本的に自由な無調だが耽美的な音感にドビュッシー、ラヴェル、メシアンの影響を感じさせる。11楽器のための「11対11」は錯綜したリズムと激しく点描的な作法にストラヴィンスキー、ブーレーズのエコーが聴き取れる。
至福〜ギィ・ベザンソン(1942-):
 マイケル・ロンズデールへのオマージュ
ギィ・ベザンソン(Org)
マイケル・ロンズデール(朗読)
 録音:2020年7月、モンティニー・レ・コルメイユ、フランス|収録時間:35分11秒。ギィ・ベザンソンはフランスの作曲家、オルガニスト。彼は音楽に転向する前、建築と美術を学び、その後、哲学、神学を学んだが、それらの素養は彼の音楽に多大な影響を与えたと云う。副題に名前が挙げられているマイケル・ロンズデール(1931-2020)は2020年物故したフランスの名優、舞台&演出家。映画俳優としては「007ムーンレイカー」「ジャッカルの日」「薔薇の名前」など数多くのヒット作、名画に出演している。この作品はオルガンの多彩な音色を駆使しているが、全体に穏やかでアンビエント・ミュージックのような様相を呈し、そんな中、時折、亡くなる直前のマイケル・ロンズデールにより聖書のマタイ伝の一節「至福の教え」が朗読される。
シューベルト:4つの即興曲 D.899, Op.90 /4つの即興曲 D.935, Op.142
リュール=ドルゴルキー:連弾のための「軍隊行進曲によるパラフレーズ」 Op.51 (*)
 アンゲラン=フリードリヒ・リュール=ドルゴルキー(P)
 マヘリー・アンドリアナイヴォラヴェローナ(P;*)
 録音:2020年2月、トロワ、フランス。 POLYMNIEから数多くのディスクを出しているリュール=ドルゴルスキー。彼はR. コルサコフのピアノ作品全集やジョン・ウィリアムズの映画音楽を自らピアノ・ソロ用にアレンジしてアルバムを作るなどユニークな活動で知られるが、ここでは王道シューベルトの名曲2種の「4つの即興曲」の他、シューベルトの軍隊行進曲を自らリコンポーズしたパラフレーズを披露している。ヤマハCF IIIを使用し、端正で澄み切った音色と若干硬質のタッチで清冽なシューベルトを聴かせる。最後に収められた連弾のための「軍隊行進曲によるパラフレーズ」はショパンやリストばりの超絶技巧を駆使した聴きごたえ満点の逸品。リュール=ドルゴルスキーは作曲家でもあり交響曲を作曲し自ら指揮まるマルチ・タレント。

QUANTUM CLASSICS (仏) 1枚あたり¥3300(税抜¥3000)

 フランスのパリに本拠を置き1990年代に活動を開始したレーベルご案内済旧譜はこちらから
トゥール、サンテティエンヌ大聖堂の800年
 ペロタン:マリアの誕生 / バッハ:モテット第3番「イエス、私の喜び」BWV.227 /前奏曲とフーガ ト長調 BWV.541
 ヴィドール:オルガン協奏曲より〔「ローマ」 Op.73 〜コラール/「ゴシック」 Op.70 〜アンダンテ・ソステヌート〕
 デュリュフレ:慈しみと愛のあるところ Op.10 No.1 / ヴィエルヌ:24の幻想小曲集〜大聖堂 Op.55 No.3
 リテーズ:リート / デュプレ:ああ救いの犠牲よ Op.9 / ジャン・ギユー:サガ第4番
 メシアン:ああ聖なる宴よ/主の降誕〜神は私たちの間に

 エリック・ルブリュン、ドゥニ・コンテ、ユルゲン・エスル、
 ミカエル・マット、ダヴィド・カサン、ジャン=ポール・アンベール(Org)
 パスカル・ヴィニュロン指揮レ・ディスクール声楽アンサンブル
 録音:2021年4月、サンテティエンヌ大聖堂、トゥール&サン=フランソワ=グザヴィエ教会、パリ|現地発売:2021年7月。
交響的トランスクリプション
 ヘンデル/デュプレ編曲:オルガン協奏曲 変ロ長調 Op.4 No.2, HWV.290
 デュリュフレ:ヘンデル「オルガン協奏曲 変ロ長調 Op.4 No.2, HWV.290 」のフィナーレ
 セイシャス/ブラン編曲:トッカータ ト短調 J.S.バッハ:コラール「私たちは皆唯一の神を信じる」 BWV.740
 バッハ/ギユー編曲:リュート組曲 BWV.997 / ドビュッシー/セリエ編曲:サラバンド
 ワーグナー/デュボワ編曲:「タンホイザー」〜第3幕の導入と巡礼者たちの合唱
 ショパン/リスト編曲:前奏曲 ホ短調
 ウォルトン:映画音楽「リチャード3世」より〔スケルツェット/悲歌/行進曲〕
 ボロディン/ステューダー編曲:中央アジアの草原にて / エルガー/ヘスフォード編曲:威風堂々 Op.39 No.4

 フレデリック・ブラン(Org)
 録音〔使用楽器〕:時期未判明、ノートルダム・ドートゥイユ教会、パリ〔アリスティド・カヴァイエ=コル製作、大オルガン〕|現地発売:2021年7月。
シャコンヌとその他のフランスのフォリア
 ロワイエ: La majestueuse / ルクレール:ソナタ Op.5 No.3 〜アレグロ
 F.クープラン:フランスのフォリア/第3コンセール〜サラバンド・グラーヴ
 フォルクレ:シャコンヌ「ラ・ビュイソン」 / クレランボー:「イリスの勝利」〜サラバンド
 ラモー:「優雅なインドの国々」〜シャコンヌ / ダカン:組曲第1番〜リゴドン
 モンドンヴィル:ソナタ Op.3 No.4 〜アリア/オルガンのためのコンセール〜ラルゲット
 コレット: Hymne Christe Redemptor / Récit de trompette / Cromhorne à double taille / Concert de flûtes
 J−F.タプレ:オルガン協奏曲第1番〜アレグロ

 ジャン=ポール・レコ(Org)
 録音:2012年9月、サン・ドメニコ教会、リエーティ、イタリア|使用楽器:大オルガン、バルテレミー・フォルメンテッリ、2010年(2004年-2009年)制作「ベド=ルボ師」。楽器は18世紀のベネディクト会修道士でオルガン制作の名手だったベド・ド・セル師 [Dom Bédos de Celles] (1709-1779)と、その制作を支えた家具職人アンドレ=ジャコブ・ルボ [André-Jacob Roubo] (1739-1791)の2人による論文から発想を得ており、オルガン名称もこの2名にちなむ。この楽器は建造当時、製作者フォルメンテッリ(1939-)の最高傑作とまで言われたものだが、残念ながらパイプの厚みが不適切だったようで、2022年現在一部のパイプの口などが重さで潰れてしまっている(参考サイト:http://www.organosandomenicorieti.it/Danni_organo.htm 〔伊語〕)。#2022年2月現在、すでに入手困難となっている可能性があります。
ひらめき
 バルトーク:ルーマニア民俗舞曲(全6曲) / ルトスワフスキ:舞踏前奏曲
 ファリャ:7つのスペイン民謡 / クシャコフ:3つのスペインの印象 / ブロッホ:3つのユダヤの詩
 ユルバーノ:悲しみのベツレヘム / ピアソラ:ル・グラン・タンゴ/エスクアロ〔鮫〕

 フロラン・シャルパンティエ(Cl) メラニー・ブレガン(アコーディオン)
セビリャ〜スペインのギター芸術
 サインス・デ・ラ・マサ、アルベニス、ファリャ、ニン、トゥリナの作品

 ジルベール・クラマンス(G) シモン・ミローヌ(Vn)
 マリー=ポル・ミローヌ(Vc) オーレリアン・クラマンス(G)
ショスタコーヴィチ&チェレプニン:ピアノ三重奏曲集
 ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲〔第1番 ハ短調 Op.8 /第2番 ホ短調 Op.67 〕
 チェレプニン:ピアノ三重奏曲 Op.34
  ウナ・コルダ三重奏団
   [ティエリ・ケール(Vn) マテュー・ルジュヌ(Vc) エマニュエル・ル・カン(P)]
21世紀のギター作品集〜エリック・ペニコー
 子供のための小組曲/旋舞教団/津波/2つの子守歌/ヴァイオリンとギターのための歓喜/虹色の光彩/クレオールの寓話/
 ブラジルのヴィオラオン/安定した―不安定な/急流の歌/フォルラーヌ/トビウオ:断片/ガラウォグ・ブルース

  モド・ラフォレ、ベンジャミン・バイアーズ、ギャエル・ソラル、ファビオ・ザノン、アルノー・デュモン、
  エリック・ペニコー、サラ・シュナル、ロベルト・アウセル、ステファヌ・カトロ、
  ローラン・ディアンス、セバスティアン・ヴァシュ、タニア・シャニョー、フランソワ・ロラン(G)
  オリヴィエ・ペルモワーヌ(Vn) クアテルナリア〔ギター四重奏団〕
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
ボーヴェ大聖堂におけるリサイタル
 ド・グリニ:パンジェ・リングァ
 F.クープラン:第2ルソン・ド・テネブル
 J.S.バッハ:前奏曲とフーガ 二長調 BWV.532
 バルバストル:バルバストル氏のロマンス/協奏曲
 モーツァルト:エクスルターテ・ユビラーテ
 フランク:コラール第3番 イ短調/天使の糧
 ジャン・ガラール(1949-):2つのスナップショット
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
コレット・ベルナ(S)
ジャン・ガラール(Org)
 録音:1997年12月、ボーヴェ大聖堂、フランス。#2022年2月現在、すでに入手困難となっている可能性があります。
狩のホルン ジェレミー・ゾンターク(語り)
レソヌール・デュ・ポワン・
 デュ・ジュール(ホルン合奏)
 録音:2008年8月29日、アンぺリアル劇場、コンピエーニュ、フランス、ライヴ。
アルメル・ゲルヌ「ヨハネ黙示録の日々」に基づくパラフレーズ
 クリスティーヌ=クリスティーヌ・バロー(語り) パスカル・ヴィニュロン(Org)
 録音:データ未判明(2008年頃?)、サン=テティエンヌ大聖堂、トゥール|縦ブック形式装丁。アルメル・ゲルヌ〔グエルネ〕(1911-1980)はスイスの詩人。翻訳家としても知られ、日本文学からも「今昔物語集」(抄訳)、川端康成「雪国」(藤森文吉との共訳)などををフランス語へ訳した。
ギター・パズル〜エリック・ペニコー(1952-):
 ギター学習のための16の独自の小品集
ルノー・デュレ(G)
ロール・フロランタン(S)
ジャン・
 クリストフ・セルミ(Vn)
 録音:1997年9月。
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
16世紀から18世紀のヨーロッパ
 シュメルツァー:7声のソナタ
 J.S.バッハ:フーガの技法 BWV.1080 より コントラプンクトゥス〔 III / IV 〕/
         音楽の捧げもの BWV.1079 〜6声のリチェルカーレ
 他、クロード・ル・ジュヌ、ジョヴァンニ&アンドレア・ガブリエーリ、マシュー・ロック、パーセルの作品

 パスカル・ヴィニュロン金管アンサンブル
 録音:1996年5月。
定旋律の技法 Vol.2
 シャイト:私たちは唯一の神を信じている / スウェーリンク:詩篇第140番「ああ神よ私を解放して頂きたい」
 カウフマン:コラール「夜明けの星の輝きが何と美しいことか」/コラール「お前、ああ美しい世界の体系よ」/
       コラール「主である神よ、私たちは皆あなたを賞賛する」
 テレマン:確かに時は来た / クレープス:幻想曲 ハ長調/コラール「イエスよ、私の友よ」
 ホミリウス:コラール「ああ聖霊よ」/コラール「来なさい、聖霊よ」/コラール「アダムの罪によって」
 ターク:コラール「今こそ皆神に感謝せよ」/コラール「あなたの道を委ねなさい」/
     コラール「今こそ喜びなさい、愛するキリスト者の仲間たちよ」

 パスカル・ヴィニュロン(Tp) エレヌ・ドゥヴィルヌーヴ(Ob)
 ヴェロニク・ランボー(Fl) ピエール・メア(Org)
 録音:1996年5月、セニェレサン=マルティアル教会、ヨンヌ県、フランス。
定旋律の技法 Vol.1 〜J.S.バッハ:カンタータからの選曲集
 〔キリストは死の縄目につながれ BWV.4 〜キリストは死の縄目につながれ/
  どうか私たちのところに留まってください BWV.6 〜どうか私たちのところに留まってください/
  私の魂は主を崇め BWV.10 〜私の魂は主を崇め/私の溜め息、私の涙は BWV.13 〜神は私に約束した/
  キリスト、それは私の命 BWV.95 〜私はあなたに別れを告げる/
  主イエス・キリスト、あなたはこの上ない宝 BWV.113 〜主イエス・キリスト、あなたはこの上ない宝/
  ああ、愛するキリストよ BWV.114 〜私たちが起きていようが寝入っていようが/
  主を褒め称えよ BWV.137 〜主を褒め称えよ/目覚めよと呼ぶ声が聞こえ BWV.140 〜シオンは物見達が歌うのを聞き/
  主を褒め称えなさい、私の魂よ BWV.143 〜平和をもたらす者、主イエス・キリストよ/
  あなたはどこに行くのか? BWV.166 〜私はあなたに願う、主イエス・キリストよ/
  おお愛する魂よ、あなたを飾りなさい BWV.180 〜おお愛する魂よ、あなたを飾りなさい〕/
 オルガン・コラール「深い困窮から、私はあなたに呼び掛ける」 BWV.686 /天におられる私たちの父よ BWV.737

 パスカル・ヴィニュロン(Tp)
 ヴァンサン・ワルニエ(Org) オリヴィエ・ウィレマン(通奏低音)
 録音:1995年1月、ル・グラン・ボルナン、フランス。

STRADIVARIUS (伊) 1枚あたり¥2640(税抜¥2400)

  当レーベルは近年、発売から2年〜3年程度で廃盤となるアイテムが増えて参りました。御早めの入手をお薦め致します。旧譜はこちらから
ロベルト・ヴァレンティーニ(1671-1747):
 フラウト・トラヴェルソのためのソナタ集 Op.12
  〔第1番 イ長調/第2番 ニ短調/第3番 ト長調/第4番 ト短調/第5番 ホ短調/第6番 ニ長調〕/

 フルートのための12のソナタ Op.3 より(*) 〔第11番 ト短調/第12番 ヘ長調〕
 トマゾ・ロッシ(Fl−tr/フラウト・ドルチェ;*)
 ナポリ・バロック・アンサンブル[パトリツィア・ヴァローネ(Cemb) マルコ・ヴィターリ(Vc)
   ウーゴ・ディ・ジョヴァンニ(リュート) ラファエレ・ディ・ドンナ(フラウト・ドルチェ・バッソ)
   ジョヴァンニ・バッティスタ・グラツィアディオ(Fg)]
 録音:2019年11月、ナポリ。ロベルト・ヴァレンティーニはロベルト・ヴァレンティーノ、ロバート・ヴァレンタインとも呼ばれることがあるが同一人物。もともとはイギリス出身であったが、後にローマヘ移住しイタリアに帰化、リコーダー、オーボエ、ヴァイオリン、チェロを操るマルチな才能を持った音楽家であった。Fl−trとはフルートの前身である木製の横笛のこと。なおフルートのための12のソナタ Op.3からの第11、12番はリコーダーで演奏されている。チェンバロ、リュートの伴奏にチェロ、ファゴットなどの通奏低音が加わったアンサンブルは17世紀後半から18世紀半ばまでのイタリアン・バロックの典雅な雰囲気に溢れている。古楽を得意とするStradivarius社の録音も秀逸。
ルカ・ナターリ・ストラディヴァリ(1993-):作品集
 ヴァイオリンとピアノのための難破船「王は死んでいる」(*/#) /ウンブラ・メ・ヴォカート(*) /
 パチューゴ 84 (+) /彼女なしでは(+) /弦楽四重奏とピアノのための「海外の物語」(*/+)

  ルカ・ナターリ・ストラディヴァリ(P;*) ルカ・ファンフォーニ(Vn;#) バッツィーニSQ (+)
 録音:2020年12月28日-30日。ルカ・ナターリ・ストラディヴァリはイギリスのノッティンガム大学で学んだ後、中国でいくつかのセミナーに参加し作曲活動に入る。彼の音楽は新ロマン主義とミニマルなどを融合した様な作風を持ち、イギリスのギャヴィン・ブライヤーズを思わせる叙情的なものだが、時折、奏者の掛け声、唸り声(もちろん意図されたものであろう)が入るという、いささか風変わりな音楽。
近代イタリアのチェロ・ソナタ集
 グイード・アルベルト・ファーノ(1875-1961):チェロ・ソナタ ニ短調 Op.7
 チレア(1866-1950):チェロ・ソナタ ニ長調 Op.38 / マルトゥッチ(1856-1909):チェロ・ソナタ 嬰ヘ短調 Op.52

 ダニーロ・スクィティエリ(Vc) エンツォ・オリーヴァ(P)
 録音:時期未記載、オードトリアム・パルコ・デラ・ムジカ・スタジオ I 。19世紀末から20世紀前半にかけて活躍したイタリアの作曲家によるチェロ・ソナタ集。いずれもヴェルディ、プッチーニ、マスカーニらの影に隠れて今日ではあまり知られていないイタリアの作曲家の珍しい室内楽。ファーノはマルトゥッチの弟子でこの時期のイタリアの作曲家としては珍しく歌劇は2曲のみ、多くの交響曲、協奏曲、室内楽を作曲した。彼のチェロ・ソナタはブラームスの影響を受けた堅固な構成を持った力作。チレアは「アドリアーナ・ルクヴルール」で一部のオペラ・ファンには知られた作曲家。彼のチェロ・ソナタはイタリア・ヴェリズモ・オペラの悲しげな旋律に溢れた秀作。この時期のイタリアの作曲家で全く歌劇を書かなかったマルトゥッチのチェロ・ソナタはドイツ音楽の構築性とロシア音楽を思わせる民族性が融合した大作。19世紀後半〜20世紀前半の歌劇以外のイタリア音楽史の空白を埋める貴重なディスク。
ブルーノ・マデルナ(1920-1973):レクイエム(1946)
 カルメーラ・レミージョ(S) ヴェロニカ・シメオーニ(Ms)
 マリオ・ゼッフィーリ(T) シモーネ・アルベルギーニ(B)
 アンドレア・モリーノ指揮フェニーチェ劇場o. & cho.
 録音:2009年11月19日、フェニーチェ劇場、ヴェネツィア、ライヴ、世界初演・世界初録音。20世紀現代音楽の作曲家で指揮者、教育者としても活躍したブルーノ・マデルナが26歳の時に作曲した大作「レクイエム」のなんと世界初演、初録音の登場。この作品は1946年に完成されたが、その後手稿譜が紛失してしまい、長い間忘れられていた。近年その手稿が60年ぶりに発見され、この度の世界初演、初録音となった。マデルナは戦後の多くの作曲家と同じく、まずは12音技法から始め、やがてその後に続く様々な前衛的な手法による作曲に身を投じてきた。同時に親友ブーレーズと同じく指揮活動にも励み、クラシックのレパートリーでも多くの録音を残している。ここに収められた若き日のマデルナのレクイエムはまだ12音技法で作曲する以前の曲で、さながらカール・オルフのカルミナ・ブラーナやプロコフィエフのアレクサンドル・ネフスキーばりの合唱の雄叫び、レクイエムとは思えぬほど炸裂する打楽器、そしてその中で時折現われるソプラノの澄み切った祈りの歌など聴きどころ満載。現代音楽ファンだけでなく、合唱ファンやその他の多くのリスナーに聴いてほしい一枚。
フルートとギターのための作品集
 武満徹(1930-1996):アルト・フルートとギターのための「海へ」(1981)
 マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968):ソナチネ Op.205
 ジャン・フランセ(1912-1997):ソナタ(1984) / レオ・ブローウェル(1939-):ソナタ「水の神話」(2009)

 コルダ・エ・ベントゥ・デュオ[フランチェスカ・アペッドゥ(Fl) マリア・ルチャーニ(G)]
 録音:2020年7月10日-11日。コルダ・エ・ベントゥ・デュオはフルートとギターのアンサンブルで2013年に結成され、ヨーロッパのいくつかの室内楽のコンクールで優勝、すでにBrilliant classicsからCDデビューしている若手。このディスクでは武満の「海へ」を皮切りに20世紀のフルートとギターの作品を演奏している。武満作品は欧米人の演奏にありがちなエキゾチシズムとは無縁の品の良い演奏となっている。フランセ作品はプーランク、ミヨーの延長線上にあるフランス流新古典主義の小粋な音楽で、このコンビの良さが最もよく表れている秀演。録音も優秀。
ジョセフ=ニコラ=パンクラス・ロワイエ(1705-1755):クラヴサンのための作品集
 雄大なクーラント/タンブーラン〔第1番/第2番〕/バガテル/優しく感傷的なロンド/
 アルマンド/繊細なロンド/スキタイ風の誇り高いマーチ/他(全14曲)

 アンジェリカ・セルモ(Cemb)
 録音:2020年7月、カルニコ聖レオナルド教会、プラト、イタリア。ロワイエはJ.S.バッハと同時代のフランス作曲家、クラヴサン奏者。パリを中心に活躍しオペラ、クラヴサン曲など多数の作品を発表したが、今日その作品が演奏される機会は非常に稀で、このディスクは貴重。彼より一世代上のフランソワ・クープランの伝統を受け継いだ華麗な音楽。チェンバロを弾くアンジェラ・セルモはヴィチェンツァ音楽院でチェンバロと古楽全般について学びイタリア国内で複数のコンクールで優勝している。今後の活躍が期待される若手チェンバリストの登場。
ヴィンチェンツォ・カピローラ(1474-1548以降)作曲・編纂:
  リュート・ブック(全22トラック)
 カピローラ:リチェルカーレ〔第2番/第13番/第3番〕/フランス風パヴァーヌ/今それを持つ
 ジョスカン・デ・プレ:そして地上の平和を/世界の罪を取り除く人 / ニコラス・クラエン:すべてが美しい
 アレクサンデル・アグリーコラ:もし私が目を開けて寝たら / エーヌ・ヴァン・ギゼゲム:後悔
 ヨハネス・ギゼリン:おおフローレンスの薔薇よ / マルケット〔マルコ〕・カーラ:ああ私のシエラは不運だ
 ミケーレ・ヴィンチェンティーノ:何をためすべきか何を言うべきか
 ヤコブ・オブレヒト:リチェルカーレ第7番 / アントワーヌ・ブリュメル:ベネディクトゥス

 ポール・バイアー(ルネサンス・リュート|使用楽器:6弦リュート、クラウス・ヤコブセン製作、1997年
 録音:2019年7月20日、トリノ・ノマーリオ、イタリア。ヴィンチェンツォ・カピローラはイタリアのリュート奏者、作曲家で16世紀のリュート音楽集であるカピローラ・リュート・ブックを編纂したことで知られる。この本にはカピローラ自身の作品の他、16世紀ヨーロッパの様々な作曲家の曲の楽譜が収められており、リュート奏者にとってはこの時代の音楽を知る重要な手がかりになっている。ただしここに載っている楽譜は今日の五線譜ではなく、ギターのタブ譜に似た物。現代の奏者はこの楽譜を正確に読み解き、演奏しなくてはならない。ルネサンス・リュートを弾くポウル・ベイエルはイタリアを拠点に活動するアメリカ出身のリュート奏者。ルネサンス時代の即興性豊かな音楽を雅やかに再現している。STRADIVARIUS社の録音もお見事。なおベイエルはこのディスクの他にJ.S.バッハ作品集(STR-37082)やダウランド作品集(STR-37128)など4枚のアルバムが好評発売中。
リカルド・ニルニ(1960-):作品集
 フルート、クラリネット、ヴァイオリンとチェロのための「絵のように美しい表面」(2020) 〔 I / II 〕/
 トランペットとピアノのための〜「幾何学的なブラックベリー」(2016) /
 フルートとヴィオラのための「関与」(2011-18) /トランペット、フルートとヴィオラのための「テバー」(2015) /
 フルート、ヴァイオリン、チェロとピアノのための「ワイプ、ブーム、ワイプ」(2013-14)

 アンサンブル・アルテルナンス
 録音:2014年、2018年、2020年。リカルド・ニルニはアルゼンチン、ブエノスアイレス出身。母国で作曲と電子音楽について学んだ後、パリでジェラール・グリゼイ、ポール・メファノらに師事した他、ファーニホウ、ラッヘンマン、クラウス・フーバーら西ヨーロッパの前衛作曲家たちにも学んでいる。このディスクにはおそらく日本に初めて紹介される作曲家の最近の室内楽が収められている。新しい複雑性やスペクトル技法、ポスト・ヴェーベルン的な激しい点描的様式など、ヨーロッパ前衛音楽の主な様式を巧妙に融合した密度の高い時空間を聴くことが出来る。
フィオーリ・ムジカーリ〔音楽の花〕〜 16-17世紀の歌と踊り(全18曲)
  M. プレトリウス:スペインのパヴァーヌ / J. バスケス:それを洗うために
  M. A. シャルパンティエ:この森で恐れることなく /  D.オルティス:リチェルカーダ・オッターヴァ
  A. ファルコニエッロ:シンフォニア・セコンダ / 伝統曲:ギリシャ伝統舞曲
  C. モンテヴェルディ:歌劇「オルフェオ」〜ムーア人よ/他

 ドレット・フロレンティン(リコーダー)指揮アンサンブル・メッツォ
   [イーラ・アヴィタル(S) ダフナ・ラヴィッド(バロックVn)
    オリット・メッサー=ジャコビ(バロックVc) ギデオン・ブレットラー(バロックG)
    オフィーラ・ザカイ(テオルボ/リュート) ナダフ・ロゲル(Perc)]
 録音:2021年、テル・アヴィヴ。16世紀から17世紀にかけての歌と踊りを収録。まだ中世の香り残る荒々しくも、どこか、のんびりした舞曲と優雅な歌曲が満載。ルネサンスから初期バロックまでの推移をイタリア、フランス、スペインの作曲家の楽しい音楽で辿るとともにそれらの源流となったギリシャの伝統舞曲(古代オリエントやアジアの雰囲気漂う妖しくも美しい変拍子の曲である)を2曲収めてあり、中世からバロックへ至る300年ほどの歳月を一枚にぎゅっと凝縮。アンサンブル・メッツォは2015年に結成されたばかりのイスラエルを拠点に活動するグループ。
STR-37196
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(2CD)
J.S.バッハ(1685-1750):無伴奏ヴァイオリン
 のためのソナタとパルティータ 全曲 BWV.1001-1006
アンカ・ヴァシーレ・
 カラマン(Vn)
 パガニーニの24のカプリスをリリースしたばかりのアンカ・ヴァシーレ・カラマンのSTRADIVARIUSセカンド・アルバムはヴァイオリニストの旧約聖書とも言うべきバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ。カラマンはルーマニア出身でブカレストのローマ・サンタ・チェチーリア音楽院でドメニコ・ノルディオに師事した後、イヴリー・ギトリスに師事を仰いでいる。2010年に3つの国際コンクールに入賞しヨーロッパ、アメリカそして日本でもコンサートを行っている。バッハのポリフォニーを美しく弾き分けているだけでなく、作品内に秘められたパッションが見事に表され聴きごたえ充分。バロック、室内楽の録音で特に本領を発揮するSTRADIVARIUSの鮮烈で美しい音質も聴きどころ。
D.スカルラッティと18世紀スペイン・チェンバロ曲集
  D.スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.213 / ソレル:ソナタ第84番 ニ長調
  D.スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.1 / M. P. デ・アルベニス(1755-1831):ソナタ ニ長調
  D.スカルラッティ:ソナタ〔ト長調 K.201 /ホ短調 K.98 /イ長調 K.208 〕
 デ・アルベロ(1722-1756):ソナタ第12番 ニ長調
  F. M. ロペス(1742-1821):ミヌエ・アファンダンガドによる変奏曲 ニ短調
  D.スカルラッティ:ソナタ〔ヘ短調 K.184 /ハ短調 K.115 〕

 アマヤ・フェルナンデス・ポスエロ(Cemb)
 録音:2018年6月29日-7月1日、サン・マルコ教会、ミラノ|旧品番: STR-37140ドメニコ・スカルラッティ他、18世紀のスペインで活躍した作曲家のチェンバロ曲集。スカルラッティ、ソレルに加え、マテオ・ペレス・デ・アルベニス(1755-1831)、セバスティアン・デ・アルベロ(1722-1756)、フェリックス・マキシモ・ロペス(1742-1821)の作品が珍しい。アマヤ・フェルナンデス・ポスエロは、マドリッドで学んだ後、ミラノでラウラ・アルヴィーニに学んだチェンバロ奏者。柔らかく上品な音色の中にも南欧の血が感じられる演奏。
ショスタコーヴィチ(1906-1975):ピアノ作品全集 Vol.1
 10の格言集 Op.13 /8つの前奏曲 Op.2 /
 3つの幻想的舞曲 Op.5 /
 若き日の作品(1918-20)(全9曲)/24の前奏曲 Op.34
エウジェニオ・カトーネ(P)
 録音:2020年12月、スプラッシュ・レコーディング・スタジオ、ナポリ。自身がショパン・コンクールに出場するほど卓越したピアニストだったショスタコーヴィチは多くのピアノ作品を残したが、その全貌に迫る好企画の第1弾。このディスクでは普段ほとんど演奏、録音される機会のない初期作品が収められており、大変興味深い。10の格言集は作曲者21歳の作品で当時としてはかなり前衛的、実験的で西側前衛派の動向をかなり意識して書かれている。3つの幻想的舞曲は若干16歳、音楽院の学生時代の作品でショパンの影響の中に僅かに後年のショスタコーヴィチらしい機知と諧謔性が感じられる佳品。さらに12〜16歳頃の習作「若き日の作品」ではショパン、シューベルトらの影響が感じられる愛らしい曲集。この全集 Vol.1では Op.34以外は録音が極端に見つけづらくコンサートでもまず取り上げられる機会がない作品ばかりが収められているため、資料的にも非常に価値が高い。ピアノ演奏のエウジェニオ・カトーネは1986年イタリア生まれの若き俊英。ヨーロッパの国際コンクールで数々の優勝、上位入賞を果たし、ソロ、室内楽の分野で活躍している。
ハンス・ウルリヒ・シュテープス(1909-1988):リコーダー作品集
 ファンタジア・コン・エコー(1974) ( J. v. エイクの旋律による)/ソナタ 変ホ長調(1951) /
 ソナタ ハ短調「前古典派の手法で」(1972) /前奏曲「人生の明日」(1972) /不滅(1971) /
 フリオーソ、ジーグとアリア(1988) /ソナタ「古い様式で」(1956) (*) /動き「一つの主題による楽章」(*)

 カロリーナ・パーチェ(リコーダー) ミレッラ・ヴィンチグエーラ(P)
 録音:2020年8月18日-21日、文化と音楽の家、ヴェレットゥリ| (*):世界初録音。ハンス・ウルリヒ・シュテープスはドイツの作曲家、リコーダー奏者でウィーン音楽院で長年教鞭を執っていた。演奏の傍ら、リコーダーのための作品を多数作曲し、リコーダーのレパートリーの拡充に尽力した。彼の作風は現代音楽とは無縁でバロック、前古典派の様式にときおり、20世紀風和声を織り交ぜるなどした新古典主義風のもので大変親しみやすい物。リコーダー奏者のカロリーナ・パーチェはローマ出身でルネサンスから現代音楽までをこなす才媛。
シューマン:クライスレリアーナ Op.16
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58
マリアンジェラ・
 ヴァカテッロ(P)
 録音:2020年11月、ファツィオリ・ホール、サチーレ、イタリア。マリアンジェラ・ヴァカテッロは現在30歳代のイタリアのピアニスト。音楽一家に生まれた彼女は4才でピアノを始め、成人後はミラノ音楽院、ロンドン王立音楽院で学んだ。その後ヴァン・クライバーン・コンクール、ブゾーニ国際ピアノ・コンクール、エリザベス女王国際音楽コンクールに上位入賞を果たし、現在ヨーロッパを中心に活動している。このアルバムには彼女が得意とするシューマンとショパンの作品が収められており、その華麗な音楽作りには既に大器の風格が感じられる。イタリアのファツィオリ・ピアノを存分に鳴らした濃厚なロマンティシズムを STRADIVARIUS の鮮やかな録音が見事にとらえた秀演。
これはフルートではない〜現代フルート作品集
 マリオ・ラヴィスタ(1943-):アンプリファイド・フルートのための「夜明けの歌」
 カイヤ・サーリアホ(1952-):フルートとエレクトロニクスのための「ノア・ノア」
 サルバトーレ・シャリーノ(1947-) /ラウラ・ファオロ編曲:
  呪文はどのようにして生成されるのか?(バス・フルート版)
 ヴィットリオ・モンタルティ(1984-):バス・フルートとエレクトロニクスのための「ラビリンス」
 ルカ・フランチェスコーニ(1956-):フルート独奏のための「痕跡」
 ナディール・ヴァセッナ(1970-):フルート独奏のための「海で失われたボンビーノのように」
 チェーザレ・サルディッコ(1976-):アンプリファイド・フルートとエレクトロニクスのための「スピーレ」
 ファウスト・ロミテッリ(1963-2004):フルート独奏のための「一晩」
 イヴァン・フェデーレ(1953-):フルートとエレクトロニクスのための「琥珀色のダナシス」

 ラウラ・ファオロ(Fl/バスFl) マッシモ・マールキ(ライヴ・エレクトロニクス)
 録音:2020年9月-10月、ミラノ。電気的増幅、ライヴ・エレクトロニクスによる音響加工を含む現代のフルート独奏作品を収録。フィンランド出身のカイヤ・サーリアホを除いてイタリアの新旧世代の作曲家の作品が収録されている。サーリアホはフルートのための作品が多く、「ノア・ノア」はフルートを演奏しながら奏者が語ったり奇声を発したりするというユニークな作品。通常の奏法以外のノイズばかりで作曲することで知られるシャリーノの「呪文はどのようにして生成されるのか?」はフルートのキイをぱかぱか叩いてみたり、シュッというむら息を使ってみたりと、特殊な音響が頻発する。ほかにもフルートの新しい可能性や新奇な音響を探るような奇想天外な作品が多数収録され、さながらフルートによる電子音楽、コンピュータ音楽、ミュージック・コンクレートといった趣き。
魂と踊り〜エメヌエーレ・トルクァーティ、リサイタル
 ラヴェル(1875-1937):亡き王女のためのパヴァーヌ/高雅で感傷的なワルツ
 カスティリオーニ(1932-1996):最初はダンス / クープラン(1668-1733):クープラン/神秘的な障壁/さまよう亡霊たち
 ジョージ・ベンジャミン(1960-):10の短い小品「ピアノ・フィギュアース」 / ショパン(1810-1849):子守歌 Op.57
 フランチェスコ・フィリデイ(1973-):子守歌 / ブゾーニ(1866-1924):エレジー第7番/子守歌
 フォーレ(1845-1921):夜想曲第13番 / ジェラール・ペソン(1958-):憂鬱な3つの小さなエチュード

 エマヌエーレ・トルクァーティ(P)
 録音:2021年1月8日-9日。バロックからロマン派、近代、現代のピアノ作品を収めている(クープランの作品はもともとクラヴサン曲である)。現代音楽の作曲家ジョージ・ベンジャミンはオリヴィエ・メシアンの弟子で武満徹にも高く評価されたことで知られる。古今の広い世代、時代の作品が取り上げられており、一見とりとめないように思われるが、共通点はいずれの作品もフランス的な色彩感、リリシズムを湛えていることである(ベンジャミンはイギリス人だが、彼の作品の音感にはフランス的なものが濃厚である)。ピアノのエメヌエーレ・トルクァーティはメシアン夫人であったイヴォンヌ・ロリオに師事しヨーロッパ、北米を中心に活動している。現代音楽の初演も多く、リーム、サーリアホ、リンドベリ、フィリップ・グラスらから絶大な信頼を寄せられている。

TRITON (仏) 1CDあたり¥3300(税抜¥3000)

 旧譜はこちらから
40の俳句〜ルノー・ガニュー(1947-2018):
 小林一茶とマブソン青眼〔ローラン・青眼・マブソン〕の俳句によるピアノのための組曲「野尻湖」/
 ピアノのための「蕪村の最後の3つの俳句」/クラヴサンのための「8つの俳句/与謝蕪村『月の香り』を読んで」/
 クラヴサンのための「芭蕉の4つの俳句」/ピアノのための「12の俳句/与謝蕪村『月の香り』を読んで」/
 ピアノのための「一茶の6つの俳句」

  三沢のぞみ(P) ローレ・モラビート(Cemb) 浅井宏美、にしだ・あきひろ(朗読)
 録音:2021年、ムードン・スタジオ、オー=ド=セーヌ県、フランス。いまや世界文学となった日本の俳句にインスピレーションを受けた作品集。ピアノとクラヴサンを使い、俳句特有の情緒と切り詰められた言葉の世界をそれに相応しい凝縮された形式、音の細密画で表現する。作曲者のルノー・ガニューはデュティユー、メシアン、ジョリヴェ、シュトックハウゼンという全く作風の異なる作曲家に師事。俳句で表されている花鳥風月の世界は、ここでは時に無調、またある時は印象派風に表現されているが、鳥の声の表現は危険なほど師匠メシアンの「鳥の歌」のスタイルに近く、逆にメシアンがいかに日本の文化、情緒に深く影響を受けていたかを改めて認識させられることになる。ひぐらし、うぐいす、カエルの実際の声や寺の鐘の音が曲の合間に時折流れ、作曲のインスピレーションの基になった俳句が日本語で朗読された後に曲が始まるという全体の構成には、やや観光用の絵葉書的ジャポニズムの香りが漂って、ネイティブの日本人としては、若干赤面してしまうところもあるが、そういった西洋人の臆面のないところがむしろ面白く、実に楽しい。メシアンの品格と、ジョン・ケージの実験性(プリペアド・ピアノあり)、アラン・ホヴァネス、ヘンリー・カウエルの臆面もないオリエンタリズム、いかがわしさが不思議に融合した稀有の一枚。

CONTINUO CLASSICS (仏) 1CDあたり¥3080(税抜¥2800)

 2013年に立ち上げられたフランスのレーベル。室内楽を中心としたレパートリー。イタリアの CONTINUO RECORDS とは無関係。
 # CC221-xxx 品番は、2014年頃に業務を停止した同国の INTEGRAL Classic からリリースされていた在庫を、おそらく装丁やロゴなどもそのまま当レーベルから再発するもの〔旧品番: INT 221.xxx (国内代理店扱い旧品番: INTEG-221xxx )で、おそらく在庫限り。CD-R製版品が含まれる可能性があり、プレス盤を指定してのご注文はお受けできません。また2000年代後半以降発売の INTEGRAL Classic のアイテムには「日本語解説付き」とアナウンスされたものが複数ありましたが、現在の流通分に関しては不明です。
旧譜はこちらから
CC777-723
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(2CD)
ヴュータン:弦楽四重奏曲集
 〔第1番 ホ短調 Op.44 /第2番 ハ長調 Op.51 /第3番 変ロ長調 Op.52 〕

 エリゼSQ [ユスティナ・ザヤンチャウスカイテ、イ・ウンジュ(Vn)
       アンドレイ・マラーホフ(Va) イーゴリ・キリチェンコ(Vc)]
 録音:2020年3月、ル・グルニエ・ド・ラ・モトゥ、フランス。アレンスキー:ピアノ五重奏曲とラフマニノフ:弦楽四重奏曲第1& 2番(未完)のアルバム (CC777-724) でも高い評価を得たエリゼ四重奏団。今度はヴュータンの3つの弦楽四重奏曲を録音した。ベルギー生まれでフランスで活躍したアンリ・ヴュータン(1820-1881)。高名なヴァイオリニストとして知られイザイなどの逸材を輩出。またヴァイオリン曲を中心とする作品も残した。彼の代表作といえばヴァイオリン協奏曲。華やかな技巧と美しい旋律が最大の魅力だが、室内楽にもまた注目すべき作品を残している。ヴァイオリン職工の家系に生まれたヴュータンは、幼いころよりヴァイオリンと親しみ、父親からその手ほどきを受けた。10代のころから家族、友人との室内楽の演奏も頻繁に行ってきたため、自身が最も好きなジャンルと言える。ここに収録した3つの弦楽四重奏曲は甘いメロディを呈した作品。エリゼ四重奏団の気高い演奏をご堪能頂ける。
未発表〜イザイ&プリムローズ
 イザイ:無伴奏ヴィオラのための序奏(*/va) /無伴奏ヴィオラのためのディヴェルティメント第3番(*/va) /
     2つのサロン・マズルカ Op.10 (vn/p1) /サン=サーンス「ワルツ形式による練習曲」によるカプリス(vn/p1)
 ショパン/イザイ編曲:ワルツ ヘ短調 Op.70 No.2 (*/vn/p1) /華麗なワルツ イ短調 Op.34 No.2 (*/vn/p1)
 イザイ/ズエレブ編曲:子守歌(va/p2) 〔原曲:ヴァイオリンとピアノのための〕/
            子供の夢 Op.14 (va/p2) 〔原曲:ヴァイオリンとピアノのための〕
 プーランク/プリムリーズ編曲:「ジャンヌの扇」〜パストゥレル(*/va/p2)
 アーサー・ベンジャミン/プリムリーズ編曲:ジャマイカ・ルンバ(va/p2) /サン・ドミンゴより(va/p2)
 ヴュータン:無伴奏ヴィオラのための奇想曲 Op.posth. No.9 (Op.55) (va) / ダンディ:歌 Op.19 (va/p2)

 デヤン・ボグダノヴィチ(Vn;vn) ピエール=アンリ・ズエレブ(Va;va)
 ガブリエーレ・ヴィアネッロ(P;p1) ゲルハルト・ロイフナー(P;p2)
 録音:2017年2月4日-6日、4月3日-5日、ポエ=ラヴァル| (*):世界初録音。ヴァイオリンの神イザイとヴィオラの神プリムローズ作品をまとめた体裁をとりながら仰天の内容のディスク。全14曲中5曲が全くの世界初録音。その他もほぼ聴いたことのないものやヴァイオリン曲のヴィオラ編曲など宝箱のようなラインナップとなっている。まず驚きなのがイザイ編曲によるショパンの2つのワルツ。イザイ編曲のショパンといえばこれまでバラード第1番とワルツ ホ短調」は知られていたが、 イ短調と ヘ短調の抒情的な2篇もあったのは驚き。ヴィエニャフスキの曲かとみまごう効果に満ちている。さらに興味深いのはイザイの手による無伴奏ヴィオラ曲2篇。イザイはヴィオラもしばしば弾いたとされるが、ヴィオラの音色美を生かした「序奏」、超絶的なヴィルトゥオジティを示すディヴェルティメント第3番ともに無伴奏でじっくり聞かせる。ウィリアム・プリムローズはイギリス出身のヴィオラの名手だが、彼は最初ヴァイオリンを専攻し、ブリュッセルで46歳年長のイザイに師事した。しかし適性を見抜いたイザイの薦めでヴィオラに転向し、世紀の大演奏家となった。なんとプリムローズがプーランクとアーサー・ベンジャミンをヴィオラとピアノ用に編曲していた。それもポピュラーな「ジャマイカ・ルンバ」。これもヴィオラの特性を生かした名編曲。ヴァイオリンのデヤン・ボグダノヴィチはセルビアのベオグラード出身で、ヴィクトル・トレチャコフに師事。ヴィオラのピエール=アンリ・ズエレブ13歳でアヴィニヨン音楽院、16歳でパリ音楽院のともにヴィオラ科のプルミエ・プリを受賞した名手。プリムローズ最後の弟子のひとりともなった。室内楽にも力をいれ、恩師の名を冠した「プリムローズ・アンサンブル」を近年結成している。
フルートとピアノのためのフランス音楽
 フランセ:ディヴェルティメント
 エネスク:カンタービレとプレスト
 ルーセル:笛吹きたち Op.27
 フランク:ソナタ イ長調
工藤重典(Fl)
ジェフリー・グライス(P)
  (P) (C) 1998 Production INTEGRAL |旧(あるいは本体)品番: INT 221.106 [INTEG-221106] 。日本の大物、工藤が得意のフランスものを聴かせる。
バッハとフルート〜J.S.バッハ
 管弦楽組曲第2番 ロ短調BWV.1067/
 フルート・ソナタ ロ短調BWV.1030/
 ブランデンブルク協奏曲第5番
ガブリエル・フュメ(Fl)
ベルナール・トマ指揮
オルケストル・ド・シャンブル
 旧(あるいは本体)品番: INT 221.112 [INTEG-221112]
ジョルジュ・ミゴ(1891-1976):
 小さな寓話/小さな羊飼いのカレンダー
ジョン・ホイランド(P)
 旧(あるいは本体)品番: INT 221.114 [INTEG-221114]
ジョルジュ・オンスロウ
 チェロ・ソナタ〔第2番/第3番〕
ジャン=ルイ・デュポール:夜想曲
ジャン=マリー・
 トロトゥロー(Vc)
 旧(あるいは本体)品番: INT 221.118 [INTEG-221118]
ディナム=ヴィクトル・フュメ(1867-1949):ピアノ作品集
 6つの性格的な練習曲集(1931) (#) /夜想曲「フレデリック・ショパンの思い出に」(1946) /夜想曲 変ホ長調(1946) /
 聖母の糸車 [Le Rouet de la Vierge] (1946) /悲劇的(1946) (*) /2つのワルツ/2つの蝶々(1948) /喜び(1912)

 海老彰子(P)
 発売:2003年|旧(あるいは本体)品番: INT 221.121 [INTEG-221121] 海老彰子は1987年頃、 Cybelia レーベルへもフュメのピアノ曲を録音 (CY 828) 、上記曲目は Cybelia 盤に(*)を足したような形になっている。 CY 828 では冒頭にまとめられていた(#)が順番も変更し分けて収められているものの、(*)以外は旧盤と同一録音の可能性がある。
プーランク:2台ピアノのための作品集
 2台ピアノのための協奏曲 ニ短調
  (2台ピアノのみのための編曲版)/
 カプリッチョ/ソナタ/
 エレジー/連弾のためのソナタ
デュオ・ベンザクン
[ダニエル・ベンザクン、
 ロランス・ベンザクン(P)]
 録音:2002年7月、 carré Saint-Vincent |旧(あるいは本体)品番: INT 221.123 [INTEG-221123]
ピエリク・ウディ(1929-2021):ハープを伴う作品集
 ハープと弦楽四重奏のための五重奏曲(1984) /ヴァイオリンとハープのための組曲(1990) /
 ソナタ(1954) /フルートとハープのための組曲(1960) /ハープとオーケストラのためのフランス協奏曲(1997)

 イザベル・ペラン(Hp) パリジーSQ パスカル・ロフェ指揮ブルターニュo./他?
 旧(あるいは本体)品番: INT 221.131 [INTEG-221131]
ヤン・ラディスラフ・ドゥシーク〔ドゥセック〕(1760-1812):ピアノ・ソナタ集
 〔変ロ長調 Op.23 /変イ長調 Op.64 「パリへの帰還」/変ホ長調 Op.44 「告別」〕

 イレーヌ・ポーリャ(P)
 旧(あるいは本体)品番: INT 221.138 [INTEG-221138] ボヘミア出身のピアニスト・作曲家ドゥシークは当時人気を誇り、マリー・アントワネットからも高く評価され、揺籃期だったピアノの機能革新に貢献、今日では当たり前のピアノを舞台横向きに配置することも彼が始めた。彼の音楽は古典派ながら、すでにロマン派の香りを感じさせる。ハンガリー出身の女性ピアニスト、ポーリャは切れ味の良いタッチが魅力。
ミシェル・メルレ(1939-):室内楽作品集
 ヴァイオリン・ソナタ Op.6 (1963) /弦楽三重奏のための組曲 Op.24 (1990) /
 チェロとピアノのための「ノアンでのある夜」(1979)
  ジャン=ジャック・カントロフ(Vn)
  フィリップ・ミュレル(Vc) パスカル・ドゥヴァイヨン(P)
  ケルビーニSQ 団員[クリストフ・ポッペン(Vn)
    ハリオルフ・シュリヒティヒ(Va) マヌエル・フィッシャー=ディースカウ(Vc)]
 発売:2004年|旧(あるいは本体)品番: INT 221.139 [INTEG-221139] エリック・ハイドシェックが録音して話題となった24の前奏曲(INTEG-221124)に続くメルレのCD。今回は室内楽曲で、ジャン=ジャック・カントロフを筆頭に、フィリップ・ミュラー、パスカル・ドワイヨン、ケルビーニ四重奏団員と、こちらも負けず豪華で、メルレの人望の厚さがうかがえる。彼は1966年のローマ大賞を受賞したフランスの作曲家で、1988年からパリのエコール・ノルマール・デ・ミュジークの教授を務めている。ヴァイオリン・ソナタは1963年、ノアンでのある夜は1979年、弦楽三重奏曲のための組曲は1990年の作品。いずれも現代的感性に基づきつつ、印象派から連なる近代フランス音楽の色彩が豊かで美しい。マヌエル・フィッシャー=ディースカウは大歌手の三男。
ベートーヴェン
 フルート、ヴァイオリン、ヴィオラのためのセレナーデ ニ長調 Op.25 /
 2つのオブリガート眼鏡付きのヴィオラとチェロのための二重奏曲 変ホ長調 WoO.32 /
 ヴィオラとピアノのためのノットゥルノ Op.42 (ウィリアム・プリムローズ編曲)
  パトリック・ガロワ(Fl) ピエール・レネール(Va) ジェフ・コーエン(P)
  フレデリク・ラロク(Vn) シリル・ラクルー(Vc)
 旧(あるいは本体)品番: INT 221.141 [INTEG-221141] ベートーヴェン若き日のあまり有名ではない室内楽曲をまとめたCD。ノットゥルノは、弦楽三重奏のための「セレナード」Op.8 を他人がヴィオラとピアノへまず編曲、それをベートーヴェン自身が校訂したものを、さらにウィリアム・プリムローズがチェロとピアノに編曲した版による。
ヴェラチーニ:フルートと通奏低音のためのソナタ集(1716) より
 〔第3番 二短調/第1番 ヘ長調/第6番 イ短調/第5番 ハ長調/第10番 二短調/第2番 ト長調〕

 クリスティアン・マンドーズ(Fl−tr)指揮ムジカ・アンティクァ・プロヴァンス
 録音:2003年11月|旧(あるいは本体)品番: INT 221.143 [INTEG-221143] ヴァイオリンの名手としても大活躍したイタリア、フィレンツェ出身のヴェラチーニによる、美しい旋律が心に染み入る作品。
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第4番/シランダとシランディーニャ
マリア・イネス・ギマラーエス:ヴィラ=ロボス&クルターク讃
クルターク:ピアノのための遊びより
 マリア・イネス・ギマラーエス(P)
 旧(あるいは本体)品番: INT 221.150 [INTEG-221150] マリア・イネスはブラジルのピアニスト、作曲家&音楽学者でヴィラ=ロボス、クルタークの研究家。
ハイドシェック来日時ライヴ 2005
 モーツァルト:ピアノ協奏曲集
  〔第17番 ト長調 K.453 /第10番 変ロ長調 K.365(2台のピアノのための)(*) 〕
 J.S.バッハ:2台のピアノによる協奏曲 ハ短調 BWV.1060 (*)
  エリック・ハイドシェック(P) ターニャ・ハイドシェック(P;*)
  田部井剛指揮カメラータ・ジオン
 録音:2005年6月26日、トッパンホール、ライヴ|旧(あるいは本体)品番: INT 221.156 [INTEG-221156] |#一時出ていた国内仕様盤: KDC-5023 は入手困難と思われます。2018年には来日50年記念で日本公演も行ったハイドシェック2005年の録音。独奏の17番ももちろん素晴らしいが、愛妻ターニャ夫人との2台ピアノもまさに琴瑟相和し、『比翼の鳥か連理の枝か、はたまたお聖とカモカのおっちゃんばりに』と代理店は記しているが、楽しく愉快に盛り上がっていく様はまさに聴き物。
テレマン
 6声のコンチェルト ヘ長調 TWV.52: F1 /組曲 イ短調 TWV.55: a2 /
 フルート協奏曲 イ短調 TWV.52: a1 /組曲 ト長調 TWV.55: G2 「いたずらっ子」

 クリスティアン・マンドーズ(Fl−tr)指揮ムジカ・アンティクワ・プロヴァンス
 録音:2006年7月、フレジュス、フランス|旧(あるいは本体)品番: INT 221.157 [INTEG-221157]
ティエリー・ペク(1965-):水を渡る者たち(アマゾンのカンタータ)
 ヤキ・カンドルー(Vo) ティエリー・ペクー指揮アンサンブル・ゼリーグ
 録音:2005年12月|旧(あるいは本体)品番: INT 221.160 [INTEG-221160] ティエリー・ペクはパリ音楽院で学んだ音楽家。鋭い感性と西欧音楽への反骨心から生まれる独特の世界を作り出している。この作品はペクが最も関心を示しているラテン・アメリカ先住民の音楽を題材にしている。
ドビュッシー:2台ピアノのための作品集
 牧神の午後への前奏曲/白と黒で/リンダラハ/
 夜想曲(ラヴェル編曲)/イベリア(カプレ編曲)
デュオ・ベンザクン
[ダニエル・ベンザクン、
 ロランス・ベンザクン(P)]
 録音:2005年9月、オルレアン、フランス|旧(あるいは本体)品番: INT 221.162 [INTEG-221162] 『非常に明瞭で率直な演奏』(仏「ピアニスト」誌)。
エリック・ハイドシェック〜ブラームス
 創作主題による変奏曲 Op.21 No.1 /
 6つの小品 Op.118 /
 シューマンの主題による変奏曲 Op.23 〔連弾〕(*)
エリック・ハイドシェック(P)
ターニャ・ハイドシェック(P;*)
 録音:2008年4月、パリ|旧(あるいは本体)品番: INT 221.165 [INTEG-221165] この録音の近辺、とみにブラームスへの親近感を見せていたハイドシェックが、ここでも自信作を誰にも真似の出来ぬ至芸で聴かせてくれる。ことにブラームス最晩年の寂寥感に満ちた「6つの小品」の語り口の巧さはまさに神業、つぶやきのようなピアニッシモから爆発するようなエネルギーまでボルテージの高さはハイドシェックならでは。またそれほど弾かれる機会の多くない「創作主題による変奏曲」も非常に感動的。何と良い曲だろうかと聞き惚れてしまう。ターニャ夫人との連弾による「シューマンの主題による変奏曲」も聞きもの。シューマンが精神病院で書きとめた旋律によるこの変奏曲からしみじみとした物語を引き出している。
フランセ(1912-1997):ラブレー「ガルガンチュワ物語」による音楽劇
 ガブリエル・バキエ(語り) アリー・ヴァン・ベーク指揮オーヴェルニュo.
 録音:外装に時期記載無し、ヴィシー歌劇場| (P) 2009 |旧(あるいは本体)品番: INT 221.167 [INTEG-221167] 録音プロデューサーが「このディスクの構想はフランセの亡くなる少し前、1996年に云々」と記載しているので、それほど古い録音ではないようだ。当初2010年中に DVD もリリース予定とされていたが、どうも未発売に終わった模様(注:当CD外装にも「5分のボーナス・ヴィデオ付き」とありますが国内通常機器で視聴出来るかわからず、映像部分に関しては再生保証無しとさせていただきます)。ルネサンス期フランスの巨人、ラブレーの「ガルガンチュワとパンタグリュエル」のガルガンチュワを、フランセが音楽劇にした物。ナレーションを往年の名バリトン、バキエ(1924-2020)が務めている。
マリラン・フラスコーヌ
 リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調
 ラヴェル:夜のガスパール
マリラン・フラスコーヌ(P)
 録音:データ記載無し〔2001年、2002年〕| (P) 2010 |初出: MRL (XCP), MRL-7 〔発売:2004年|廃盤|仏ディアパゾン誌「ディアパゾン・ドール」獲得盤|フランス国内で10000枚以上を販売〕|旧(あるいは本体)品番: INT 221.168 [INTEG-221168] |収録時間:48分21秒|当アイテム裏側&2009年来日時招聘元の奏者カナ表記:マリリン・フラスコーヌ。 『新録音にしては異様なまでの収録時間の短さですが、これ以上ないほどの超難曲を並べて弾ききった自信作なのでしょう。フラスコーヌ、10月下旬に初来日しますが、ジャケ写からも非常な美貌がうかがわれます。コンサート後に薔薇の花1輪、捧げてサインをせがむ、おじさんたちの姿が目に浮かびます。』〔以上『』内、代理店初アナウンス時記載ママで、 XCP (MRL) レーベルから既出だったということは記されていない。「10月」というのは2009年〕。
エリック・ハイドシェック〜50年の調べ
 ハイドン:ピアノ・ソナタ第59番 変ロ長調
 ベートーヴェン:6つのバガテルOp.126
 シューベルト:
  4手のための大ロンド イ長調 Op.107(*)
 フォーレ:夜想曲[ Ops.104, 119, 99 ]
 ハイドシェック:5つの前奏曲
エリック・ハイドシェック(P)
ターニャ・ハイドシェック(P;*)
 録音:2009年|旧(あるいは本体)品番: INT 221.171 [INTEG-221171] 1960年にアメリカデビューを果たし、以来半世紀にわたり個性的な演奏で人気の巨匠ハイドシェックによる、芸歴50周年記念CD。全曲新録音で円熟の巨匠芸を味わえる。ハイドシェックが非常なこだわりを持つという、非常に個性的なベートーヴェンのバガテル集から、ターニャ夫人との連弾によるシューベルトなど彼のさまざまな芸風を俯瞰出来る。興味津々なのがハイドシェック作曲による「5つの前奏曲」。現代フランス風の色彩的かつ感覚的な世界が独特。ハイドシェック・ファン必携の一枚。
工藤重典&イザベル・ペラン〜バッハ
 J.S.バッハ:ハープ組曲 ホ短調 BWV.996 (原曲:リュートのための)/
         フルートとハープのためのソナタ ト短調 BWV.1020 /
 J.S.バッハイザベル・ペラン編曲:
  「管弦楽組曲第3番」〜アリア/「管弦楽組曲第2番」より〔ポロネーズ/バディネリ〕
 C.P.E.バッハ/ジェーン・ウィーデンソウル編曲:ハープ・ソナタ ト長調 Wq.139, H.563

 イザベル・ペラン(Hp) 工藤重典(Fl)
 録音:2009年1月26日、2月20日、ステュディオ4分33秒|旧(あるいは本体)品番: INT 221.172 [INTEG-221172] フルートとハープの二つの楽器の組み合わせこそはモーツァルトの協奏曲に代表されるように、まさしく18世紀、ロココの精華ともいうべき流麗、華麗、典雅の極致。バロックを集大成した大バッハの音楽もフルートとハープのこの組み合わせで聴くと、重厚、謹厳、厳粛、といった装いを脱ぎ捨てて軽やかに涼やかに響いてくるようだ。
ボヘミア〜チェコのヴァイオリン・ソナタ集
 スク:ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 Op.17
 ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ/ドゥムカ / マルティヌー:ヴァイオリン・ソナタ第3番
 ミレーナ・ドリノヴァ(1856?/59?-1891?) /クリシュトフ・マジャトカ(1972-)編曲:チャルダーシュ III

 マリアンヌ・ピケティ(Vn) ダナ・チョカルリエ(P)
 発売:2010年|旧(あるいは本体)品番: INT 221.173 [INTEG-221173] チェコの民族音楽、伝統音楽にインスピレーションを得た3作品に、19世紀後半、中央ヨーロッパの民謡を採譜し続けた音楽家ドリノヴァの採譜を1972年、プラハ生まれのマラトカが編曲したチャールダーシュと、ボヘミアの香りたっぷりなCD。
マリラン・フラスコーヌ
 シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17
 モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K.397
 ベートーヴェン:幻想曲 ト短調 Op.77
 スクリャービン:幻想曲 Op.28
 ホロヴィッツ:カルメン幻想曲
マリラン・フラスコーヌ(P)
 録音:2010年|旧(あるいは本体)品番: INT 221.174 [INTEG-221174] モスクワのチャイコフスキー音楽院で研鑽を積んだ美貌のフランス人若手女流ピアニスト、マリリン・フラスコーヌ(来日時招聘元の表記)による「幻想曲」集。
パスカル・ザヴァロ(1959-):
 チェロ協奏曲(2007)/アリア(2001) (#) /喜び(2003) /
 ピアノ三重奏のための「電車男」(2009) (*)〔電車内で/インターネット/出会い〕
  アンリ・ドマルケット(Vc) エリザベート・グラブ(Vn;*)
  ヴァハン・マルディロシアン(P;#) ファイサル・カルイ指揮ベアルン地方ポーo.
 録音:2007年2月-3月、2009年4月、2010年11月、ライヴ|旧(あるいは本体)品番: INT 221.176 [INTEG-221176] ザヴァロはフランスの作曲家兼打楽器奏者。少年時代よりロック・バンドでドラムスを担当してきただけに、非クラシック的な激しいビート感とポップな感覚が独特。フランスではマンガをはじめとする日本文化が若者の心をとらえているとのことだが、ここではあの「電車男」を音楽化。原文タイトルもずばり「 Densha Otoko 」で、主人公が美女エルメスを見染め、恋が成就するまでを描いている。日本のオタク文化恐るべし。フォル・ジュルネ音楽祭でもお馴染みの美系チェリスト、アンリ・ドマルケットがノリの良さを見せてくれる。
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ集
 〔第3番 イ短調 WoO.27 /第2番 ニ短調 Op.121 /第1番 イ短調 Op.105 〕
 ジャン=ジャック・カントロフ(Vn) ピエール=アラン・ヴォロンダ(P)
 録音:2010年|旧(あるいは本体)品番: INT 221.177 [INTEG-221177] 。代理店記載のピアニスト・カナ表記『ピエール・アラン・ヴォロンダット』は誤り。シューマンの名曲ヴァイオリン・ソナタをお届けする。それぞれ作られた時代によって全く様相が違い、モーツァルト的なバロックの要素や、ベートーヴェンのクロイツェルに非常に似た冒頭からの展開など、シューマンの生きた時代精神を様々に体現している。この中でも、第3番はシューマンだけではなく、アルベルト・ディートリヒやブラームスとの合作で、一度クララによって破棄されたものの、後に初演のスコアを基に復活させられた不朽の名作。カントロフは、1945年カンヌ生まれ。カール・フレッシュ国際コンクールやパガニーニ国際コンクールなど、数々の権威あるコンクールに優勝を果たし、今や世界的ヴァイオリニストの第一人者。ヴァイオリンだけではなく、指揮や後進の指導などにも活動を広げている。フランス人でありながら、そのドイツ・ロマン派の演奏には定評がある。ヴォロンダはパリ音楽院出身で、1983年のエリザベート王妃国際音楽コンクール・ピアノ部門で優勝したフランスのピアニスト。
リサ・ユイ〜ウェーバー&ドゥシェク
 カール・マリア・フォン・ウェーバー(1786?-1826):
  ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 Op.24, J.138 /告別 Op.81, J.Anhang 105
 ヤン・ラディスラフ・ドゥシェク(1760-1812):
  フランス王妃の受難 Op.23 C.98 /
  ピアノ・ソナタ 嬰ヘ短調「プロイセンのルイ・フェルディナント王子の死に寄せる悲歌」Op.61, C.211

 リサ・ユイ(P)
 録音:2010年12月|旧(あるいは本体)品番: INT 221.182 [INTEG-221182] 19世紀ロマンティシズムの先駆者として変革の時代を生きたウェーバーとドゥシーク(代理店表記)。カナダ出身の日系人リサ・ユイはニューヨークを中心に幅広い活動を行っているピアニスト。7歳でプロ・デビューした後、セニガリエ国際ピアノコンクールにおいて最年少で最高位入賞を果たすなど数々の賞を受賞し、今なお大きな注目を集めている。ウェーバーからは、現存する最初のソナタと、遺作とされるソナタを収録。減7和音の響きによって印象的に始まるソナタ第1番は、穏やかな第1楽章と幸福に満ちた叙情的な第2楽章に対し、第3楽章では一変して不安を誘う躍動的なスケルッツォが姿を見せる。軽快な響きに満ちた最終楽章は、まるで歌劇の終わりの大団円を演出しているかのようだ。彼が生み出した数々の名歌劇を彷彿とさせるドラマティックな響きが魅力的な作品。一方の「告別」は遺作とされているが、その作品名や疑わしい作品番号から、ドレスデン宮廷歌劇場におけるウェーバーの後任者ライシガーによる偽作の疑いもある作品。しかし、本作品にはウェーバーらしい様式の痕跡が多く含まれており、ウェーバーがもたらした当時の影響の大きさを知ることを窺い知る事が出来る作品と言える。ドゥシークからは、パトロンの喪に服して作曲された作品を収録。18世紀末、マリー・アントワネットの寵愛を受けていたドゥシークはフランス革命の激動に直面する。彼女が処刑台へと送られた年に作曲された「フランス王妃の受難」は、この悲劇の王妃への憐憫の情に溢れた作品。しかし、その曲調はドラマティックな悲壮感に満ちているというよりも、むしろ堂々とした気品に溢れた物。処刑される寸前まで気高くあったという王妃の内面を見事に表現した作品と言えるだろう。もう1作品はプロイセン皇太子ルートヴィヒ・フェルディナントの死に捧げた作品。皇太子の死後の幸福を祈って作曲され、彼の冥福を祈って書かれたような 嬰ヘ長調の穏やかな終止が美しい名曲。
ラフマニノフ
 絵画的作品集第6番 イ短調 Op.39 No.6 /
 ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.36 /
 悲歌 Op.3 No.1/前奏曲 嬰ハ短調 Op.3 No.2 /
 前奏曲 ニ短調(遺作)/
 コレッリの主題による変奏曲 Op.42
マリラン・フラスコーヌ(P)
 録音:2004年頃|初出: MRL (XCP), MRL 437/1 〔発売:2004年?|当店&国内未案内、廃盤〕|旧(あるいは本体)品番: INT 221.190 [INTEG-221190] 2009年に来日し、エネルギッシュな演奏で日本においても注目を集めたフランスのピアニスト、マリリン・フラスコーヌ(来日時招聘元表記)によるラフマニノフのロマンティックかつドラマティックなピアノ作品に焦点を当てたアルバム。最初の「絵画的作品集第6番」から、フラスコーヌの持ち味ともいえる情熱的な演奏が炸裂。可憐な外見からは想像も出来ないほどのパワフルな演奏に一気にひきよせられる。ピアノ・ソナタ第2番ではダイナミックに響かせるフォルテと、柔らかくも儚いピアノとのコントラストが見事。フランス生まれのピアニスト、マリリン・フラスコーヌは12歳で早くもコンサート・デビューを果たした早熟の名手。1995年にチェコで開催されたマリエンバード・ショパン国際コンクールで優勝を果たした後、世界各国のフェスティヴァルに参加、リサイタルを行うなど積極的な活動を行っている。
ドミニク・プロープスト(1954-)/ウジェーヌ・イヨネスコ(1909-1994)台本:
 歌劇「マキシミリアノ〔マクシミリアン〕・コルベ(神父)」(1982-88)
 アンドレア・スナルスキ(Br;マクシミリアン・コルベ) シルヴィ・ルロワ(P)声楽指揮
 ヴィンチェンツォ・サンソ(T) ピエール・ダネ(Br) ポール・ゲリモン(B)
 オリヴィエ・ホルト(音楽監督)器楽アンサンブル[Tp/ピッコロ/コントラFg/2Perc/Org]
 録音:1989年10月7日-8日〔あるいは1990年1月〕、アラス大聖堂、フランス初演時、ライヴ|初出: Cybelia, CY 879 〔発売:1990年|廃盤、入手不能〕|リマスタリング:2009年|旧(あるいは本体)品番: INT 221.232 [INTEG-221232] マキシミリアノ・コルベ(1894-1941)はポーランドのカトリック司祭で、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で餓死刑に選ばれた男性の身代わりとなり「アウシュヴィッツの聖者」と呼ばれる。ウジェーヌ・イヨネスコはルーマニアの劇作家で主にフランスで活躍した。
ショスタコーヴィチ
 チェロ・ソナタ ニ短調 Op.40 (レネール編曲/ヴィオラとピアノのための版)/ヴィオラ・ソナタ Op.147

 ピエール・レネール(Va) エリアーヌ・レイエ(P)
 録音:2011年9月、ロルフ・リーバーマン・ホール、オペラ・バスティーユ、パリ|旧(あるいは本体)品番: INT 221.243 [INTEG-221243] パリ国立オペラ座管のソリスト、レネールが、ショスタコーヴィチ夫人から許可を得、ヴィオラとピアノ用に編曲したというチェロ・ソナタ。音域の差はあれど、原曲がチェロの高音域を駆使する超絶技巧の印象が強いためか、ヴィオラ・ソロでの演奏でも意外と違和感がない。使用ヴィオラが非常に深みのある音色を持っていることもあり、高音域の旋律も耳に心地よく、原曲の雰囲気は保ちつつもさらに洗練された印象がある。さらに、本アルバムではショスタコーヴィチ最後の作品であるヴィオラ・ソナタを収録。ヴィオラが小さく見えるほど大柄なレネールの演奏はダイナミックで、超絶技巧部分の熱演は息を呑むほど圧巻。レイエのピアノ伴奏も素晴らしく、卓越したアンサンブルに安心して聴き入ることが出来る。
ティエリー・ペク(1965-):室内楽作品集
 バス・クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ピアノと打楽器のための
  「誰かがタンゴに語りかける [Quelqu'un parle au Tango] 」(2002) /
 5人の女声、クラリネット、トロンボーン、ヴァイオリンとチェロのための
  「ジャガーからの便り [Brèves du Jaguar] 」(2002) /
 打楽器のための「風の翼のもとに [Sous l'aile du vent] 」(2000) /
 チェロ、クラリネット、バス・クラリネット、トロンボーン、
  ネイティヴ・アメリカンの楽器とエレクトロニクスのための「 Sikus 」(2001) /
 メゾ・ソプラノ、フルート、クラリネット、チェロ、ピアノと打楽器のための
  「マダガスカルの祭り [La Fête malgache] 」(2003) /
 クラリネット、ピアノとコンガのための「エリッサのサルサ [Salsa d'Élissa] 」(1999)
  ティエリー・ペク(P)指揮アンサンブル・ゼリッグ
 録音:2003年-2004年|旧(あるいは本体)品番: INT 221.330 [INTEG-221330]

TUDOR (瑞) 1枚あたり¥3300(税抜¥3000) [SACDも同一価格]

 旧譜はこちらから
イン・ザ・ミュージック・ホール
 ヴィクトル・エワルド(1860-1935):金管五重奏曲第2番
 ヴェルナー・ピルヒナー(1940-2001):中欧の灌漑事業
 クリスティアン・ミュールバッハー(1960-):ウィーン・ベルリン・ファンファーレ
 ジョーゼフ・ホロヴィッツ(1926-):ミュージック・ホール組曲 / ヤン・クーツィール(1911-2006):子供のサーカス

 ウィーン=ベルリン金管五重奏団
  [ガボール・タルコヴィ、ギヨーム・ジェル(Tp) トーマス・イェプストル(Hr)
   マーク・ガール(Tb) アレクサンダー・フォン・プットカマー(Tu)]
 録音:2020年1月26日-29日、カジノ・バウムガルテン。2015年にリリースされた彼らのファースト・アルバム(TUDOR-7201)に続くファン垂涎の第2弾。トランペットのタルコヴィは一2020年までBPOの首席を務め現在はソリストとして活躍。トランペットのジェルとチューバのプットカマーはBPO 、ホルンのイェプストルとトロンボーンのガールはVPO 、とメンバーはいずれも世界の精鋭中の精鋭。彼らが奏でる目の覚めるような、きらびやかな金管の響きは、まさにヨーロッパ王宮の黄金の内装に喩えられるだろう。収録曲はブラス関係者にはお馴染みのヴィクトル・エワルドやジョーゼフ・ホロヴィッツの作品のほか、クーツィールの「子供のサーカス」など知る人ぞ知る楽しい名品も収録。
初CD、ハンス・フォーレンヴァイダー〜J.S.バッハ(1685-1750):前奏曲とフーガ
 〔ハ長調 BWV.547 /イ短調 BWV.543 /ホ短調 BWV.548 /
  ハ長調 BWV.545 /ニ短調 BWV.539 /ハ短調 BWV.546 /ト長調 BWV.541 〕

 ハンス・フォーレンヴァイダー(Org|使用楽器:メッツラー、1960年製
 録音:1974年、1976年、1978年、1981年、グロスミュンスター(教会)、チューリヒ、スイス|初CDフォーマット化| (C) 1974-1981 / This Edition: (C) + (P) 2022 。 スイスのオルガニスト、フォーレンヴァイダー(1918-1993)による、LP時代には Accord, Carrere や Ex Libris などからも計18枚?で出ていた全集より。
初CD、ハンス・フォーレンヴァイダー〜J.S.バッハ(1685-1750):5つのトリオ・ソナタ
 〔第1番 変ホ長調 BWV.525 /第2番 ハ短調 BWV.526 /
  第3番 ニ短調 BWV.527 /第4番 ホ短調 BWV.528 /第6番 ト長調 BWV.530 〕

 ハンス・フォーレンヴァイダー(Org|使用楽器:メッツラー、1960年製
 録音:1974年、1976年、1978年、1981年、グロスミュンスター(教会)、チューリヒ、スイス|初CDフォーマット化| (C) 1974-1981 / This Edition: (C) + (P) 2022 。 TUDOR-7221 同様フォーレンヴァイダー(1918-1993)による全集からのものだが、第5番 BWV.529 が抜けている。この曲は Ex-Libris から1981年にLP発売されたことがあるようだが、当CDの収録時間は約68分で分数的に収録できなかったということなのだろうか?
初CD、ホルショフスキのP伴奏付き〜ルツェルン・ヴォーカルゾリステン、E.タール/他
 シューベルト:ドイツ・ミサ曲 D.872 (*)
 ロッシーニ:ゴンドラ乗り(#) /小さな旅(#)  / ブラームス:4つの四重唱曲 Op.92 (#)

 ミェチスワフ・ホルショフスキ(P;#)
 アンサンブル「イル・ディヴェルティメント」(*)[2Cl/2Ob/2Hr/2Fg]
 アンサンブル・エドワード・H.タール(*)[エドワード・H.タール(Tp)/他 3Tb/ティンパニ/Cb]
 フランツ・クサヴェル・ヤンス指揮ミュンヘン・ヴォーカルゾリステン(*/#)
 録音:1980年12月20日-21日、 Pfarreizentrum Bruder Klaus 、スイス|初CDフォーマット化|既出LP: Tudor, 73040 [(P)1981] | (P) (C) 2022 。
初CD、ルツェルン・ヴォーカルゾリステン
 モンテヴェルディ、A.スカルラッティ、ヴェルディの作品〔独代理店提供背面画像

  フランツ・クサヴェル・ヤンス指揮ミュンヘン・ヴォーカルゾリステン
 録音:1978年頃|初CDフォーマット化|既出LP: Tudor, 73029 [(P)1978] | (P) (C) 2022 。


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