ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 | ハンス・クナッパーツブッシュ指揮VPO | |
録音:1961年10月29日、ムジークフェラインザール、ウィーン。モノラル録音。 これまで何度も再発され、現在はGOLDEN MELODRAM盤で出ている当演奏だが、クナの5種類ある同曲演奏の中でもVPOとの共演という事でその価値は高い。 晩年のクナのスタイルが良く出た演奏だが、今回は音質的に既出盤を大きく上まわっているとの事で、ヒス・ノイズ等の雑音はあるものの非常に鮮明な音だという。 | ||
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調Op.90 ヴォルフ:イタリアのセレナード(*) |
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 BPO | |
録音:1950年11月/1952年9月28日-29日(*)、ベルリン。モノラル。 以前CHACONNEのCHCD-1005やキングの国内盤で出ていたブラームスと、DISQUE REFRAINのDR-920029で出ていたヴォルフのカップリング。 2曲とも現在入手困難であり、久々の復活。代理店によると、これまでとは全く異なる音源を使用しているとのことで、音質的にも期待大。 | ||
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 | オットー・クレンペラー指揮 フィルハーモニアo. | |
録音:1964年2月2日、ロンドン。モノラル。初出。彼のブル8は1970年のスタジオ録音が有名だが、ここではその6年前のライヴが聴ける。 スタジオ録音では終楽章の大幅なカットと非常にゆっくりとしたテンポのためかなり独特の演奏となっていたが、今回は終楽章のカットもなく、この年代のクレンペラーならではの緊張感とスケールが素晴らしい。 音質的にはヒス・ノイズが多めで、散発的なノイズもあるが、演奏の醍醐味は十分味わえる。 | ||
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調Op.37(*) ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 |
ゲザ・アンダ(P;*) ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 ケルン放送so. | |
録音:1962年5月14日、ケルン(*)/1963年5月10日、ケルン。モノラル。 2曲とも既出。ベートーヴェンはキングの国内盤(2種)で、ブラームスは同じくキングの国内盤やDisque RefrainのDR-910006-2で出ていたものだが、両曲とも現在入手困難。 RM-416M同様、これまでとは異なる音源使用で、特にベートーヴェンはかなり鮮明な音になっているとの事。 | ||
マーラー:交響曲第4番 ト長調 モーツァルト: モテット「エクスルターテ・イウビラーテ」K.165 |
マリア・シュターダー(S) オットー・クレンペラー指揮ACO | |
録音:1955年11月10日。クレンペラーのマーラー4番はスタジオ録音以外にも3種があるが、今回は既出盤を大きく上まわる名演。まさに自然体のクレンペラーがそこにはあり、他の演奏で感じられるある種のよそよそしさは全く見られない。シュターダーの同曲は、同時期にワルターとのライヴが残されている。モーツァルトも古典的性格を生かした端正な名演。 音質的には1950年代のイン・ホール録音だけに今ひとつ。マーラー第1楽章の始めには2ヶ所の短い欠落もある。 | ||
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」 ブラームス:交響曲第1番 ハ短調Op.68(*) |
オットー・クレンペラー指揮 ケルン放送so. | |
録音:1954年2月8日/1955年10月17日。モノラル。確か初出。 この頃のクレンペラーは晩年とは異なるアプローチを見せることが多いが、ここでも古典的スタイルかつ格調高さが特筆できる。特に英雄は早めのテンポで聴かせる名演。 「英雄」は元々ディスクへの記録らしくスクラッチ・ノイズがあるが音質は比較的鮮明。ブラームスはテープイ・ヒスが耳につき、高音の伸びが今ひとつ。 | ||
ベートーヴェン: 交響曲第2番 ニ長調Op.36/交響曲第4番 変ロ長調Op.60(*) |
オットー・クレンペラー指揮ACO | |
録音:1956年5月2日/1956年5月9日(*)。モノラル。確か初出。 気迫に満ち、格調高いクレンペラー絶好調の名演。 テープ・ヒスや散発ノイズはあるが音自体は比較的良く収録されている。 | ||
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.61 | ユーディ・メニューイン(Vn) オットー・クレンペラー指揮NPO | |
録音:1966年1月30日、ロンドン。モノラル。初出。 EMIへのスタジオ録音の直後に行われたライヴ。メニューインはこの年代とは思えないほどの絶好調。 ある意味彼のベストといっても差し支えないかもしれない。クレンペラーは言うまでもなく彼ならではの雄大なスケールで迫る。 テープ・ヒスや散発ノイズはあるが音自体は比較的良く収録されている。 | ||
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 | カール・シューリヒト指揮 フランス国立放送o. | |
録音:1963年9月11日、ブザンソン音楽祭。モノラル。 世評の高いシューリヒトのブルックナーの中でも、この7番は戦前から録音のある彼の得意曲ながら、意外と録音には恵まれず、決定打には欠けていた印象がある。今回はその決定盤ともいえそうな演奏の登場。 同時期の録音としては1964年のハーグpo.とのコンサート・ホール盤があるが、これはオケが今ひとつなのと録音機材の貧弱さから晩年の彼の芸術が十分に伝わってくるとは言いがたい面がある。 今回の演奏は、枯淡の境地に達した彼の指示をオケが十分に理解しており、彼ならではの名演と言える。 音質的にはこのレーベルの標準的な物で、鑑賞には支障無し。 | ||
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱」 | アグネス・ギーベル(S) マルガ・ヘフゲン(A) ラグナル・ウルフング(T) エドゥアルド・ ウォルリッツ(B) カール・シューリヒト指揮 フランス国立放送o.、同cho. | |
録音:1965年6月15日、パリ。一部ステレオ。 シューリヒト最晩年の「第9」。演奏は凄絶の一語で、有無を言わせぬ圧倒的な内容をもっている。他のどの指揮者とも大きく異なった個性味にあふれた名演で、 特に第4楽章はシューリヒトならではの冴えたきらめきに満ちている。 音質については、前半の2楽章はステレオ録音で、後半はモノラル録音。第2楽章終わりにごく短い音の欠落があるほか、第4楽章に著しく録音レベルが低下してしまう個所が4カ所ほどある(それぞれ20〜30秒)が、 これらのマイナス点を差し引いても尚かつ、余りある程の値打ちを秘めた名演と言っても過言ではないだろう。 | ||
ハイドン:交響曲第100番 ト長調「軍隊」 モーツァルト:交響曲第38番 ニ長調K.504「プラハ」(*) |
カール・シューリヒト指揮 シュトゥットガルトRSO | |
録音:1960年代/1965年(*)、モノラル。 晩年のシューリヒトがハイドンとモーツァルトを振った実に貴重な録音。「軍隊」のチャーミングな演奏はシューリヒトの面目躍如。 また「プラハ」はシューリヒトのベストの1つといってよいくらいの名演で、パリ・オペラ座盤(コンサート・ホール)、VPO盤(EMI)を上回る。 テープ・ヒス、ノイズの混入はあるものの、当時としてはまずまずの音質。 | ||
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調Op.83 | クリフォード・カーゾン(P) ハンス・ クナッパーツブッシュ指揮 VPO | |
録音:1955年7月26日、ザルツブルク。 正真正銘の世界初出ライブ。クナ最後のザルツブルクの出演の貴重な記録。オール・ブラームス・プログラムで当日演奏された他の2曲(悲劇的序曲、交響曲第3番)はORFEOからすでに発売されていたが、後に当曲もプラスされ ORFEOR-329062 として再発売された。 カーゾンの鬼気迫るようなピアノと、それをしっかり受け止めるクナ=VPOの豪快な演奏は、かつて出てた、同じ組合せによるスタジオ録音(1957年DECCA)を大きく上回る名演。 テープ・ヒスのほか、大きめのノイズが散発的に混入している点が誠に残念だが、演奏の素晴らしさはよく伝わってくる。 | ||
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調Op.90(*) モーツァルト:歌劇「魔笛」K.620序曲(#) ワーグナー:楽劇「パルシファル」第1幕への 前奏曲(リハーサル)($) |
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 VPO(*) バイエルン国立歌劇場o.(#) ミュンヘンpo.($) | |
録音:1950年代後半、ウィーン(*)/1950年代、ミュンヘン(#)/1962年、ミュンヘン($)。 ブラームスはクナとしては8種類目の録音。GOLDEN MELODRAM から発売されているものと同じ演奏の可能性があるが、未確認。演奏はクナ=BPOの魅力がフルに発揮された破格の名演で、他の録音では聴けない独特の表現が随所にちりばめられており、存在感抜群。テープ・ヒスがやや耳につくものの十分に聴ける音質。 他の2曲は、ファンの度肝を抜く初出音源。「魔笛」はクナの十八番で、晩年までしばしば振っていたにもかかわらず、まったく知られていなかったレパートリー。録音はあまり良くないが、価値は絶大。 また「パルシファル」のリハーサルは、おそらくレコーディングのためのもので、クナの肉声が生々しく収録されている。これもまた凄まじいドキュメントだ。 | ||
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱」 | ヒルデ・ギューデン(S) エリザベート・ヘンゲン(Ms) エーリッヒ・マイクート(T) ゴットロープ・フリック(Bs) プルーノ・ワルター指揮 VPO、 ウィーン国立歌劇場cho. | |
録音:1955年11月13日、ウィーン。 ウィーン国立歌劇場の再建を記念して、同劇場で行われたコンサートのライブ。ワルターの第9番は、従来のそれほど高く評価されていないが、 この演奏は格別。第1楽章の再現部の迫力など想像を絶するものがあり、第3楽章の流麗な美しさもワルターの特徴がフルに発揮されて見事さらに第4楽章の壮麗さは格別で、まとまりの良さも特筆に値する。 終演後に延々と続く熱狂的な拍手は、ワルターのウィーンでの人気ぶりがいかなるものかを実感させてくれる。 音質はテープ・ヒス、音ゆれ、散発ノイズ等、問題含みだが、この名演を味わうことは十分可能だ。 なお、この演奏はだいぶ前に一度だけイタリアのレーベルから発売されたことがあるが、音質的には今回の方が優れている。 | ||
マーラー:交響曲第3番 ニ短調 | ルクレツィア・ウエスト(A) ジョン・バルビローリ指揮 BPO、聖ヘトヴィヒ教会cho. | |
録音:1967年、ベルリン。ステレオ。 バルビローリのマーラーはベルリンでも大好評で、第9番が楽員のたっての願いでレコーディングされた(EMI)のは有名。しかし残念なことに他の曲は録音されることなく、ベルリン・フィルとの名演の数々は今日でも幻となっている。この演奏はかつて、イタリア盤で発売されていたものと同一の可能性があるが、音質はまずまずで壮大かつ情熱的なバルビローリならではの名演をじっくり堪能することができる。 | ||
マーラー:交響曲第6番 イ短調 | ジョン・バルビローリ指揮 NPO | |
録音:1967年8月16日、ロイヤル・アルバートホール、ロンドン。モノラル。 プロムスでのライブで、同時期のスタジオ録音とは全くといってよいほどの趣の異なる演奏が展開されている。テンポはこちらの方がかなり目立って速く、異様な熱気に包まれた凄絶な名演。 モノラル録音の上に、散発ノイズ、ヒス・ノイズも多く、音質には問題がありだが、稀代のマーラー指揮者バルビローリの圧倒的な表現力に唸らされるファン必聴の音源。 | ||
モーツァルト:セレナード第7番 ニ長調K.250「ハフナー」 | ハンス・カラフス(Vn) カール・シューリヒト指揮 シュトゥットガルトRSO | |
録音:1962年12月19日、シュトゥットガルト。モノラル。 以前LP時代にイタリアのレーベルから発売されていた名演の復活。シューリヒトの名解釈ぶりはここでも冴えわたっており、若き日のモーツァルトの名作に輝かしい生命力を吹き込んでいる。 音質も当時のものとしては良好で、LPをしのぐ水準。 | ||
ベートーヴェン: 交響曲第4番 変ロ長調Op.60/ 交響曲第5番 ハ短調Op.67「運命」 |
オットー・クレンペラー指揮 ケルン放送so. | |
録音:1966年3月17日、ケルン。 ステレオ録音だが、テープ・ヒス、散発ノイズ等問題は多々ある。しかしながら演奏は相当なもので、内容の点だけでいえばBRSOとの1969年盤(EMI)といい勝負。 晩年のクレンペラー特有のスケールの大きさと、格調の高さに圧倒される名演。 | ||
ベートーヴェン: 交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱」 |
マリア・シュターダー(S) グレース・ホフマン(Ms) ヴァルデマール・クメント(T) ハンス・ホッター(B) オットー・クレンペラー指揮 ケルン放送so.&cho.、 ハンブルクNDRcho. | |
録音:1958年1月6日、ケルン。モノラル。多分初出。 クレンペラーの「第9」は、数多く残されているが、ドイツのオーケストラを指揮したものはこの録音だけで、実に貴重な音源。演奏も極めて充実しており、 前年のフィルハーモニア管とのスタジオ録音やライヴをしのぐ出来。シュターダーをはじめとする歌手陣も見事で、クレンペラーの「第9」のベストと言っても過言ではない。テープヒスはあるものの、当時のものとしては音質良好。 | ||
シューベルト: 交響曲第8番 ロ短調D.759「未完成」 ブラームス:交響曲第4番 ホ短調Op.88 |
カール・シューリヒト指揮 フランス国立放送o. | |
録音:1959年3月24日、パリ。モノラル。 晩年のシューリヒトは、しばしばフランスのオーケストラに客演し、数多くの名演を残した。とくにフランス国立放送管とは関係が深く、ここでも息のぴったりあった見事な演奏を繰り広げている。シューベルト、ブラームスともに優れたスタジオ録音があるが、今回のものはライヴならではの思い切りの良さがプラスに作用し、説得力にあふれた名演となっている。 「未完成」は、以前LP時代にエラートから発売されていたものと同一演奏だが、別音源を使用している。テープヒスはあるものの、聴き易い音質。またブラームスは、以前にイタリアのレーベルから発売されたことがあるが、久しく入手不可になっていたもので、こちらも無論別音源。テープヒスはあるものの、音質的にはまずまず。 | ||
バッハ: 管弦楽組曲2番 ロ短調BWV.1067(*)/ 管弦楽組曲3番 ニ長調BWV.1068(*) ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調Op.36(#) |
カール・シューリヒト指揮 スイス・ロマンドo. | |
録音:1955年12月21日(*)/1957年、ジュネーヴ(#)。モノラル。初出。 シューリヒトは同時代の名指揮者たちの多くとは異なり、バッハの作品を比較的熱心に演奏した。管弦楽組曲の第2、3番はスタジオ録音も残されているが、今回はライヴだけにより生き生きとした表現が印象的で、確信にみちた堂々たる名演が展開されている。音質はまずまずといったところだが、演奏の素晴らしさはよく伝わってくる。ベートーヴェンの2番は、シューリヒト得意のレパートリーで、SPを含めて3種のスタジオ録音とベルリン放響とのライヴが知られているが、今回の演奏は期待に逢わぬ見事なもので、ファン必聴の名演。 テープ・ヒス、散発ノイズ、若干の音ゆれなどがあるが、演奏の良さはよくわかる。 | ||
ニュー・イヤー・コンサート 1954 | クレメンス・クラウス指揮 VPO | |
録音:1954年1月1日、楽友協会大ホール、ウィーン。モノラル。初出。 古き良き時代のニュー・イヤー・コンサートの全曲目を収録している。この日の演奏はクラウスにとって最後のニュー・イヤー・登場となった。演奏はいうまでもない程の素晴らしさで、DECCAのスタジオ録音とは一味も二味も違う乗りに乗った名演がくり広げられている。 録音は50年近く前のもので古さは否めないが、当日の熱狂的な盛り上がりは、よく伝わってくる。 | ||
ベートーヴェン: 交響曲第4番 変ロ長調Op.60(*)/ 交響曲第8番 ヘ長調Op.93 |
オットー・クレンペラー指揮 ケルン放送so. | |
録音:1954年10月25日(*)/1955年5月28日。モノラル。 1950年代のクレンペラーによる貴重なライヴ。しばしば客演して息のあったところを見せたケルン放送響との演奏で、晩年のスロー・テンポとは異なる早めのテンポ、 そしてスタイリッシュかつ古典的な表現で聴かせる。音質まずまず。 | ||
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第3番 ハ短調Op.37(*)/ 交響曲第6番 ヘ長調Op.68「田園」(#) |
クラウディオ・アラウ(P;*) カール・シューリヒト指揮 フランス国立放送o. | |
録音:1957年3月24日(*)/1964年1月20日(#)、パリ。モノラル。 シューリヒト最晩年の「田園」がまさに圧巻。「枯淡の境地」という言葉がこれほどぴったりくる演奏も珍しく、シューリヒトの魅力ここに極まれリと言う趣。 協奏曲もアラウの重厚なピアノをしっかりサポートした、シューリヒトらしい辛口の名演。 テープ・ヒス、散発ノイズはあるが、演奏の素晴らしさはよく伝わる。なお、ピアノ協奏曲は以前MELODRAM等から、1959年同月同日のこのコンビによる演奏が出ているので、同一演奏の可能性もある。 「田園」は1960年代以降の演奏は確かこれが初登場。 | ||
ベートーヴェン: 「コリオラン」序曲/ ピアノ協奏曲第4番 ト長調Op.58(*) |
ヴィルヘルム・バックハウス(P;*) ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 VPO | |
録音:1954年1月17日、ウィーン。様々なレーベルから発売されているもの。ただ、このカップリングで1CDというのは今回が初めてではないかと思われる(GOLDEN MELODRAMの3CDセットに両曲とも収められてはいるが/GM-4.0040)。 このコンビでの「ピアノ協奏曲第4番」は他に1962年のライヴもあるが、この演奏は、しばしば共演していたこの2人の「相性の悪さ」が発揮された怪演。よい意味での遊び心に満ちており、 聞き手をぐいぐいと引っ張っていく所はさすが。また、最初の「コリオラン」はクナならではの壮絶な演奏で、VPOの響きの濃厚さが聞き物。 録音状態はさすがに古く、ノイズの混入など気になる部分もあるが、演奏の素晴らしさはよく伝わる。 | ||
メンデルスゾーン: 交響曲第4番 イ長調「イタリア」Op.90(*)/ 序曲「真夏の夜の夢」Op.21(*)/ 序曲「フィンガルの洞窟」Op.26(#)/ 序曲「静かな海と楽しい航海」Op.27(+) |
カール・シューリヒト指揮 シュトゥットガルト放送so. | |
録音:1954年1月28日(*)/1955年1月4日(#)/1961年3月10日(+)。モノラル。(*/#)はDisque Refrain、(+)はCoupletのCCD-3011で既出。
(*)はRE! DISCOVERからRED-78としても再発されているが、(#)のみは現在入手困難。 どの曲をとっても格別の名演揃いで、シューリヒトの偉大さにただ感心するばかり。 音質はまずまず。 | ||
マーラー: 歌曲集「さすらう若人の歌」(*)/ 交響曲第2番 ニ短調「復活」(#) |
エディト・ゼーリヒ(S;#) ユージニア・ザレスカ(A;*/#) カール・シューリヒト指揮 フランス国立放送o.&cho. | |
録音:1958年2月28日、パリ。モノラル。以前MELODRAMから出ていた音源で、長らく廃盤となっていた。そちらでは(*)の録音は1962年2月となっている。 (*)はシューリヒトにとって今のところ唯一の録音。(#)には計3種の録音があるが、実に堂々と確信に満ちた演奏振りが印象に残る。 音質はあまり良く無いが、演奏の良さは十分に伝わる。 | ||
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 | カール・シューリヒト指揮 ハンブルクNDRso. | |
録音:1954年。モノラル。初出音源。 発足当初よりシューリヒトと親密な関係にあった北ドイツ放響とのブル7。シューリヒトの得意曲でもあり、多くの異演盤が存在するが、ここでの演奏も風通しの良さと表現の豊かさでは群を抜いており、 深い感銘を与えてくれる。音揺れやノイズの混入などが散見され、音質良好とは言えないが、演奏の良さは十分に伝わる。 | ||
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調Op.98 | カール・シューリヒト指揮 VPO | |
録音:1960年代。モノラル。初出音源。 全体にゆったりとしたテンポが採られ、スケールの大きさを感じさせるブラ4。CONCERT HALL盤スタジオ録音や、既出のライヴ盤(NDR、ORTF等)と比べても、より巨匠風の味わいが増しているように思われ、 随所に聴かれる緻密な表現と、気迫にあふれた指揮ぶりは、この人ならではの素晴らしさ。 音質は良好とは言えないが、演奏の良さはしっかり伝わる。 | ||
ベートーヴェン: 交響曲第5番 ハ短調 Op.67「運命」(*) マーラー:さすらう若人の歌(#) |
ディートリヒ・フィッシャー= ディースカウ(Br) カール・シューリヒト指揮 フランス国立放送o. | |
録音:1956年9月23日、モントルー(*)/1957年9月9日、ブザンソン(#)。モノラル。初出音源。 シューリヒトの、ライヴによる「運命」はこれが初登場。パリ音楽院管とのスタジオ録音(DECCA、EMI)が共にいま一つの出来だっただけに、この圧倒的な名演はファンの期待に十二分に応えることができるものと思われる。 とりわけ一気呵成に突き進む両端楽章は凄まじい迫力に満ちあふれており、ライブでのシューリヒトの気迫を痛感させてくれる。 マーラーの方も表情豊かな名演で、フィッシャー=ディースカウも正に完璧。 音質は決して良好とはいえないものの、演奏の素晴らしさは充分に伝わる。 | ||
ベートーヴェン: 「エグモント」Op.84 序曲(*)/ 交響曲第6番 ヘ長調 Op.68「田園」(*) ブラームス:交響曲第2番 ニ長調Op.73(*) シューマン:「マンフレッド」序曲 Op.115(#) |
カール・シューリヒト指揮 フランス国立放送o. | |
録音:1963年7月3日、リヨン(*)/1963年5月14日、パリ(#)。モノラル。初出音源。 晩年のシューリヒトのライヴ。「エグモント」序曲に続けて「田園」とブラ2を並べて演奏してしまうパワーは、とても80歳代の指揮者とは思えず、それだけでも驚き。オケに乱れが散見されるものの、 演奏内容はいずれも極上の出来で、作品を完全に知り尽くしたシューリヒトならではの味わいに満ちている。余白に収録された「マンフレッド」序曲も見事。 録音状態は良好ではないが、演奏の良さはよく伝わる。 | ||
シューリヒト、初出 ハイドン:交響曲第104番 ニ長調「ロンドン」(*) メンデルスゾーン: 交響曲第5番 ニ長調Op.107「宗教改革」(#) |
カール・シューリヒト指揮 モンテ・カルロ国立o.(*)、 シュトゥットガルト放送so.(#) | |
録音:1959年8月15日(*)/1962年3月8日(#) 、ともにモノラル|初出音源| (#):2022年現在においても既知中シューリヒト唯一の同曲録音、かつ当盤が唯一の発売|
(*)の日付の全曲?後出盤: St-Laurent Studio, YSL-T-1292
〔オケはモンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団との記載〕。# (*)のオケは後出盤の記載が正しいと思われます〔当盤記載名のオケは少なくとも常設では存在しない模様〕が、現状ママで供給されます。
「宗教改革」はシューリヒトにとって初出のレパートリーでそれだけでも大きな話題だが、演奏の素晴らしさはまさに破格の出来で、この曲のベストといってよい程の名演。「ロンドン」はこれが3つ目の音源だが、 表情の濃厚さではこれが一番。作品への熱い思い入れがよくわかる。 決して良好な音質ではないが、演奏内容はよくわかる。 | ||
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第4番 ト長調Op.58 |
エリー・ナイ(P) ベルナルド・ハイティンク指揮 ヒルヴェルスムpo. | |
録音:1961年。モノラル。初出音源。 これはびっくり、近年COLOSSEUMへの録音がCD化され、俄然注目を集めるようになったエリー・ナイ晩年のライヴが登場。彼女による協奏曲のうち戦後の録音は、夫であるホッホストラーテン〔ホーフストラーテン〕との共演があっただけなので、ハイティンクと共演したこの演奏は極めて貴重。極めて個性的な演奏ながら、戦前から戦後にかけて特にベートーヴェン弾きとして高い評価を受けた彼女の存在感は圧倒的。若いハイティンクに合せ、彼女としては早めのテンポとなっている。 この頃のものとしてはまずまずの音質。 | ||
チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調Op.36 | グイド・カンテッリ指揮 NYP | |
録音:1955年1月30日、ニューヨーク。モノラル。初出音源。 NBC響とのライヴが続々とTESTAMENTから発売されることが決定し、一躍注目度アップのカンテッリ。その実力の凄まじさはまさに20世紀の指揮者の中でもトップ・クラス。 ここでのニューヨーク・フィルとのライヴでもパーフェクトといってよいほどの出来栄えで、名門オケをここまで奮い立たせるカンテッリのパワーは正に圧倒的。 当時としては音質良好の部類。 | ||
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調Op.68 | セルジュ・チェリビダッケ指揮 ウィーンso. | |
録音:1952年10月30日。モノラル。初出音源。 チェリ40才の時のライブで、オケがウィーン交響楽団というのも興味をひく。演奏は凄まじいばかりの気迫と覇気に圧倒されるが、すでに後年のスタイルを確立しており、チェリらしさが随所に出ている。 ファン必聴の名演と言えるだろう。 50年以上前の録音で、音質良好というわけにはいかないが、十分に聴ける。 | ||
シューベルト:交響曲第9番 ハ長調 D.944「グレイト」 | ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 ミュンヘンpo. | |
録音:1959年1月6日、ミュンヘン。モノラル。 10年以上前に一度だけLPで出たことがあるようだが、今日では「幻」となっていたクナ&ミュンヘンの「グレイト」が遂に日の目を見た。 ぶっきら棒に淡々と進められていく前半の2楽章と巨大なスケールで圧倒する後半2楽章の対比が何ともユニークで、ウィーン・フィルとの共演を上回る痛快な演奏。 今回新たに発掘されたアナログ・テープからマスタリングされているが、古いものだけにノイズの混入や音ゆれ等は存在する。 | ||
ブルックナー: 交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」(改訂版) |
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 VPO | |
録音:1964年4月12日、ウィーン。モノラル。 クナ&ウィーン・フィルによる最後の演奏会のライブ。巨大なスケールで展開する凄まじいブルックナーだが、クナ最晩年のものだけに随所に寂しげな表情を聴かせる点も大きな特徴。なお、冒頭のホルンは裏返っており(GOLDEN MELODRAM盤など、裏返っていないものは別演奏〔正体不明〕を使用した編集版だと言われている)、未編集であることがわかる。 今回新たに発掘されたアナログ・テープからマスタリングされており、古いものだけにノイズの混入や音ゆれ等は存在するものの、既出のものよりはかなりしっかりした音のように感じられる。 | ||
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調(改訂版) | ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 ミュンヘンpo. | |
録音:1963年1月24日、ミュンヘン。モノラル。Disque Refrain、RE! DISCOVER、LIVING STAGE等から発売がある(あった)演奏。 クナ&ミュンヘン・フィルによる伝説的なコンサートのライブ。演奏内容の素晴らしさについては今さら言うまでもないが、演奏だけをとれば、直後のスタジオ録音を上回る内容といっても過言ではない。 今回新たに発掘されたアナログ・テープからマスタリングされており、古いものだけにノイズの混入や音ゆれ等は存在するものの、全体的には比較的しっかりと収録されており、演奏の偉大さはよく伝わる。 | ||
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調Op.90(*) ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 〜第1、2楽章のリハーサル(#) クナッパーツブッシュのインタビュー |
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 ケルン放送so.(*)、 VPO(#) | |
録音:1962年5月14日、ケルン(*)/1961年10月、ウィーン(#)。モノラル。(*)は以前Disque Refrainや国内KingからCDが出ていたが、現在では入手困難。
リハーサルとインタビューは非常に珍しい音源で、確か初CDとなるのではないかと思われる。 クナ晩年の様式に貫かれた途方もなくスケールの大きなブラームス。内容の濃さは作品自体を越えてしまっているほどで、ファンならずとも一聴の価値あり。ブルックナーのリハーサルは貴重な音源で、 クナの大らかな音楽づくりと、ウィーン・フィルとの親密な関係が実によくわかる。最後にインタビューだが、クナの肉声がたっぷり聴けるファン必聴の内容。 今回新たに発掘されたアナログ・テープからマスタリングされており、古いものだけにノイズの混入や音ゆれ等は存在するものの、ブラームスは既出のものより良好と感じられる。 | ||
ウェーバー(ワインガルトナー編):舞踏への勧誘曲 J.シュトラウス: ワルツ「ウィーンの森の物語」/ 喜歌劇「千一夜物語」〜間奏曲 ランナー:ワルツ「シェーンブルンの人々」 J.シュトラウス: エジプト行進曲/ピチカート・ポルカ シューベルト:軍隊行進曲 J.シュトラウス: アンネン・ポルカ/ワルツ「南国のバラ」 コムザーク:ワルツ「バーデン娘」 |
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 バイエルン国立o. | |
録音:1955年3月20日、ミュンヘン。モノラル。 クナッパーツブッシュによるポピュラー・コンサートで、これが一晩のプログラム。この10曲のうち8曲はORFEOからも出ているが、ウェーバーとシューベルトは今日では珍しい音源となっている。 今回新たに発掘されたアナログ・テープからマスタリングされており、古いものだけにノイズの混入や音ゆれ等は存在するものの、全体に中低域の豊かな実に生々しい音で収録されており、 クナの豪放な指揮ぶりがよく伝わる。 | ||
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調Op.68 | カール・シューリヒト指揮 シュトゥットガルト放送so. | |
録音:1963年、シュトゥットガルト。モノラル。初出音源。シューリヒトの同曲は、これまでスイス・ロマンド管との1953年録音と、フランクフルト放送響との1965年録音があったが、
彼の本拠ともいえるシュトゥットガルト放送響との演奏はこれが初めて。 シューリヒトとしては特に演奏回数が多い曲とはいえない部類だが、緊張感にあふれ、独自の表現が随所に聞かれる。極めて個性的ながら徹底的に考えられたその演奏は、説得力絶大。 古い音源だけに、テープ・ヒスや音揺れなど気になる点はあるが、演奏の良さはよくわかる。 | ||
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調Op.98 | カール・シューリヒト指揮 シュトゥットガルト放送so. | |
録音:1964年、シュトゥットガルト。モノラル。初出音源。シューリヒトの同曲は、これまでフランス国立放送管との1959年録音、バイエルン放送響との1961年録音、ウィーン・フィルとの1965年録音(ALTUSよりマスター・テープからの復刻がなされる/ALT-070)、
北ドイツ放送響との録音年代不明の共演の計4つがあったが、RM-556Mの第1番同様、
彼の本拠ともいえるシュトゥットガルト放送響との演奏はこれが初めて。 シューリヒトの個性的な解釈が実にストレートに音化されており、驚くほど刺激にあふれた演奏。シューリヒトの読みの深さに圧倒される一枚。 古い音源だけに、テープ・ヒスや音揺れなど気になる点はあるが、演奏の良さはよくわかる。 | ||
ベートーヴェン: 交響曲第6番 ヘ長調Op.68「田園」(*)/ 交響曲第7番 イ長調Op.92(#) |
カール・シューリヒト指揮 シュトゥットガルト放送so. | |
録音:1957年2月14日(*)/1952年10月24日(#)、以上シュトゥットガルト。モノラル。2曲とも国内KINGから発売されていたことのある演奏で、(*)はその後VIRTUOSOからもセットで出たが、
(#)はその後再発されたことのない貴重な音源。VIRTUOSO盤も既に廃盤となっている。
また2曲とも、シューリヒト&シュトゥットガルト放響のコンビとしては唯一の音盤。 シューリヒトはパリ音楽院管とベートーヴェンの交響曲全集を録音しているが、オーケストラの音色や奏法がベートーヴェンの作品とはミスマッチだと言う人も多い。 今回の演奏はシューリヒトと最も深い繋がりを持っていたシュトゥットガルト放響とのものだけに、彼の個性がストレートに音化されている。 古い音源だけに、テープ・ヒスや音揺れなど気になる点はあるが、演奏の良さはよくわかる。 | ||
ブルックナー: 交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」(改訂版) |
カール・シューリヒト指揮 スイス・ロマンドo. | |
録音:1961年12月6日、ジュネーヴ。モノラル。以前CHACONNEから出ていたことがあるが、それ以来入手出来なかった珍しい演奏。 1955年のSDRとの共演と比較するとかなり早めのテンポが取られており、更に驚かされるのは改訂版による演奏だと言う事。特に両端楽章は極めて劇的な演奏になっており、 通常ブルックナーからイメージされるものとは大きく異なるが、気迫の激しさと鋭角的な切り込みの凄まじさはシューリヒトならでは。 新たに入手したアナログ・テープによるマスタリングとのことだが、古いものだけにテープ・ヒスやノイズの混入、音揺れなど気になる部分は存在する。 | ||
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 | カール・シューリヒト指揮 スイス・ロマンドo. | |
録音:1961年1月25日、ジュネーヴ。モノラル。初出音源。 シューリヒトとスイス・ロマンド管は親密な関係に有り、しばしば客演を続けていた。当曲は、オケがこの作品に不慣れなこともあって、壮絶な気迫を持ったシューリヒトによるドライヴが聴き物。 歌心の豊かさと鋭角的な切り込みの凄さ、全体を見渡す構成力の確かさなど、シューリヒトの個性が見事に発揮されている。 古いものだけにテープ・ヒスやノイズの混入、音揺れなど気になる部分は存在するが、演奏の良さはよくわかる。 | ||
ハイドン:交響曲第88番 ト長調「V字」 R.シュトラウス:交響詩「死と変容」Op.24 シューマン:交響曲第4番 ニ短調Op.120 |
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 VPO | |
録音:1962年12月16日、ウィーン。モノラル。以前国内キングからCDが出ていたが、一日の演奏会全曲としては久々の復活となるもの。
個々の曲では、ハイドンが現在他の発売盤がないが、それ以外の2曲は現在でも入手可能。 クナ十八番の曲ばかりを並べた大変聴き応えのある内容で、どの曲もクナのベストと言っても過言ではない。 新たに入手したアナログ・テープによるマスタリングとのことで、古いものだけにテープ・ヒスやノイズの混入、音揺れなど気になる部分は存在するが、既出盤を上回る鮮明で生々しい音で収録されている。 | ||
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調Op.73 | ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 ミュンヘンpo. | |
録音:1956年10月13日、ミュンヘン。モノラル以前国内キングからCD化されていたものだが、現在では入手困難な演奏。 随所にクナ独特の表現が顔を出し、実にユニークな演奏となっているが、堂々たる風格と豊かな歌心は大変な魅力。 新たに入手したアナログ・テープによるマスタリングとのことだが、古いものだけにテープ・ヒスやノイズの混入、音揺れなど気になる部分は存在する。 | ||
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調Op.68 | カール・シューリヒト指揮 フランクフルト放送so. | |
録音:1963年、フランクフルト。モノラル。10年以上前にMELODRAMから出ていた1965年表記の演奏と同一と思われるが、全くの別ソースから復刻されており、より鮮明な音質となっている。 前半の2楽章はシューリヒトらしくどっしりとしているが、後半から一気にドラマティックは表現を見せ、終楽章の壮絶な表現は聞き手を驚かせる。 古い物のため、音揺れ、テープ・ヒス等気になる点は存在する。 | ||
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 | カール・シューリヒト指揮 フランクフルト放送so. | |
録音:1957年2月1日、フランクフルト。モノラル。初出音源。 シューリヒトの当曲ライヴとしては、1951年のSDR盤と1963年のBRSO盤があったが、ちょうど中間に位置する注目の新音源が登場。作品を完全に手中に収めた彼による確信にあふれた演奏で、 随所に聴かれる独特の表現も見事に決まり、その至芸に圧倒される。 古い物のため、音揺れ、テープ・ヒス、ノイズの混入等気になる点は存在するが、演奏の素晴らしさはよくわかる。 | ||
ブラームス:ドイツ・レクイエムOp.45 | エリーザベト・グリュンマー(S) オットー・ヴィーナー(B) カール・シューリヒト指揮 ハンブルクNDRso. | |
録音:1955年、ハンブルク。モノラル。初出音源。 アルヒフォンから発売されたシュトゥットガルト放響盤の4年前のライヴで、シューリヒト2つめのドイツ・レクイエムとなるもの。声楽入りの大作におけるシューリヒトの手腕は格別で、 コーラスの扱いの巧みさは天才的ですらある。淡々とした流れの中に熱い情熱をたっぷり盛り込んでいくシューリヒトならではのブラームスで、内容の深さは比類がない。 テープ・ヒス、音ゆれ、ノイズの混入など気になる点はあるが、演奏の良さはよくわかる。 | ||
モーツァルト:交響曲第23番 ニ長調K.181(*) シューベルト:交響曲第8番 ロ短調D.759「未完成」(#) ブラームス:アルト・ラプソディー(+) |
ルクレツィア・ウエスト(A;+) カール・シューリヒト指揮 シュトゥットガルト放送so.&cho. | |
録音:1961年5月19日(*)/1964年3月6日(#)/1964年3月5日(+)。モノラル。全て初出音源。 1960年代のシューリヒトによる名演を集めた一枚。モーツァルトの爽快な表現や「未完成」における独特の解釈と叙情性の豊かさはまさにシューリヒトならではであり、味わいの深さは格別。 「アルト・ラプソディー」はシューリヒトの初音盤レパートリーで、速めのテンポの中にブラームスへの深い愛着を盛り込んだ聴き応えのある演奏。 クナ&ウィーン・フィル盤でもソロをつとめたウエストの素晴らしい歌声も大変な聴きもの。 テープ・ヒス、音ゆれ、ノイズの混入など気になる点はあるが、演奏の良さはよくわかる。 | ||
ラインスドルフ&ボストン響、初出 ワーグナー/ラインスドルフ編: 楽劇からの管弦楽曲集 |
エーリヒ・ ラインスドルフ指揮 ボストンso. | |
録音:1964年2月14日、ライヴ。ステレオ、初出音源。 ラインスドルフは1984年に南西ドイツ放響と同様の曲集を録音している(HANSSLER 93-040)他、北ドイツ放響との同種録音もある(EN LARMES ELS-03-406)が、今回登場するのはまだ50歳代始めの頃に、アメリカでボストン響を振ったライヴ。即物的とも評されがちな人だが、既にこの頃からその職人的名人芸を聞くことができる。アメリカのオケならではの迫力もプラス点。 微小のテープ劣化はあるが、年代を考えれば音質良好。 | ||
ノヴァエス、モリーニとセル&NYP、初出、 ショパンはセルの初ディスクか チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 (部分; 第3楽章開始2分ほどまで)(*) ショパン:ピアノ協奏曲第2番(編曲版)(#) |
エリカ・モリーニ(Vn;*) ギオマール・ノヴァエス(P;#) ジョージ・セル指揮 NYP | |
録音:1951年12月30日(*)/1951年1月7日(#)、以上、カーネギー・ホール、ライヴ。モノラル、初出音源。 聴き物はノヴァエスとのショパンで、セルのショパンというのは作曲家レベルで初音盤のはず。また、ノヴァエスもセルに触発されたのか、大見得を切るような一世一代とも思える大迫力の名演を展開している。さらに、管弦楽に手が入れられた版が使われており、思わぬ所でオケが割り込んで来るのも特筆物。モリーニとのチャイコフスキーも闊達な名演だが、第3楽章の盛り上がり初める部分でフェード・アウトしてしまうのは惜しい。 アセテート盤への収録のようで、それに起因するノイズはあるが、年代を考えれば音質良好。 | ||
バーンスタイン& + P.ゼルキン、初出 モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番(*) ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番(#) |
ピーター・ゼルキン(P;*) レナード・バーンスタイン (P;#)指揮(*/#) NYP | |
録音:1967年5月6日(*)/1968年1月(#)、以上ライヴ、ステレオ。初出音源。 (*)は、同日に演奏されたベルリオーズ「ロメオとジュリエット」抜粋が先に Von'Z から発売されている(S-1-238)。 | ||
ストコフスキー&アメリカ響、1967.11.19、初出 ファリャ:「三角帽子」第2組曲 [近所の人々の踊り/粉屋の踊り/終幕の踊り] ラヴェル:スペイン狂詩曲 ドビュッシー:イベリア |
レオポルド・ ストコフスキー指揮 アメリカso. | |
録音:1967年11月19日、カーネギー・ホール、ライヴ。ステレオ、初出音源。 この日は他に、グリエールの交響曲第3番も演奏されているが、当盤発売時点では未発売。 | ||
ストコフスキー&アメリカ響、1968.4.28、初出 ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」 |
レオポルド・ ストコフスキー指揮 アメリカso. | |
録音:1968年4月28日、カーネギー・ホール、ライヴ。ステレオ、初出音源。 | ||
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・作製のため、無断転載・使用は堅くお断り致します ショスタコーヴィチ: バレエ組曲「黄金時代」/交響曲第6番 ハチャトゥリアン:交響曲第3番 #CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・作製のため、無断転載・使用は堅くお断り致します |
レオポルド・ストコフスキー指揮 シカゴso. | |
録音:1968年2月15日、ステレオ。別資料によると『初出音源』『コメント付』『音質:B』とのこと。 | ||
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・作製のため、無断転載・使用は堅くお断り致します ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 アグネス・ギーベル(S) マルガ・ヘフゲン(A) エルンスト・ヘフリガー(T) グスタフ・ナイトリンガー(B) オットー・クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニアo.&cho. | ||
録音:1964年(おそらく1964年10月27日)、ロイヤル・アルバート・ホール、ステレオ。別資料によると『初出音源』『ステレオながら左右のレンジ狭し』『音質:C』と記載されているが、おそらく EMI から DVD 等で映像が発売されている演奏だと思われる。 | ||
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します マーラー:交響曲第2番「復活」(*) / ストラヴィンスキー:カンタータ「星の王」(#) ナンシー・カール(S;*) エヴィンス・アルバーツ(A;*) レオン・バージン指揮シカゴso.(*/#)、ボストン・プロ・ムジカ(#) | ||
録音:1960年2月27日(*) /1962年1月19日(#) 。『ライヴ』、(*)は『モノラル』、(#)は『ステレオ』と記載されている。なお(#)の演奏団体が「シカゴ響」&「ボストン・プロ・ムジカ」だが、正しいのかどうか不明。 | ||
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します エルガー:エニグマ変奏曲 ベートーヴェン:交響曲第4番 #CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します |
ユージン・オーマンディ指揮 ボストンso. | |
録音:1964年7月19日、タングルウッド。モノラル(の場合品番:RM-619M )or ステレオ(の場合品番:RM-619S )不明。おそらく初出音源。『ライヴ』と記載されている。オーマンディはこのプロ( + エグモント序曲&道化師の朝の歌)を1964年7月18日-19日に振っているが、19日は午後2時半からのコンサート(18日は時間不明)、一方、ミュンシュがバッハ「ブランデンブルク」の全曲を1964年7月19日-20日に振っている (VIBRATO, 2VHL-387) が、こちらは2日間とも夜8時からのコンサートだった。 | ||
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します モーツァルト:交響曲集 〔第40番(*) /第41番「ジュピター」(#) 〕 #CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します |
シャルル・ミュンシュ指揮 ボストンso. | |
録音:1962年7月15日(*)、1962年7月21日(#)、タングルウッド。既出 CD-R : VIBRATO, VHL-185 (*)、Disco Archivia, 1372 (#) 。『ライヴ』『ステレオ』と記載されている。 | ||
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します ヨッフム& RAI 1962 〜ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 ブルーナ・リッツォーリ(S) ルイゼッラ・チアフィ・リカーニョ(Ms) ペトレ・ムンテアヌ(T) プリニオ・クラバッシ(B) オイゲン・ヨッフム指揮 RAI ローマso. &cho. | ||
録音:1962年11月29日(別資料によると、サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂、ローマ、イタリア。1962年11月9日としているディスコグラフィもあるが、おそらく誤り)。おそらく初出音源。 『ライヴ』『ステレオ』『冒頭2分くらいまで、僅かながらブツブツ音の混入箇所有り』と記載されている。 なお、テノールが『プリ二オ・メリティアー二』『バスは不明』『RAIローマ管』とも記載されているため、本体表記も誤謬ありと思われます。あらかじめご了承下さい。 | ||
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します アルテュール・グリュミオー、初出あり ラロ:スペイン交響曲(*)[アントン・ケルシェス指揮フランクフルト音楽大学o./ 録音:1964年2月2日、フランクフルト] ショーソン:詩曲(#) [ジョージ・セル指揮アムステルダム・コンセルトヘボウo./ 録音:1957年11月28日、アムステルダム] アルテュール・グリュミオー(Vn) | ||
(*)はおそらく初出音源。既出 CD : NM CLASSICS, NM-97018〔ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団集大成 Vol.2(1950-1960)〜ライヴ放送録音集/廃盤、入手不能〕(#) 。『ライヴ』『モノラル』と記載されている。 | ||
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します クーベリック&フランス国立管 ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」 #CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します |
ラファエル・クーベリック指揮 フランス国立o. | |
録音:1956年2月19日(とあるが、1956年2月28日 or 1956年2月29日〔TAHRA, TAH-688/689 で既出〕ではないかと思われる)、パリ。『ライヴ』『モノラル』と記載されている。 | ||
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します ジョン・バルビローリ ブラームス:交響曲第1番(*) / マーラー:交響曲第2番「復活」(#) ヴィクトリア・エリオット(S;#) ユージニア・ザレスカ(Ms;#) ジョン・バルビローリ指揮ハレo.(*/#) & cho.(#) | ||
録音:1954年〔おそらく 1954年8月24日、ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン〕、プロムス(*) / 1959年3月12日、自由貿易ホール、マンチェスター(#) 。共にライヴ、モノラル。 初出: Guild "Historical" (SWITZERLAND), GHCD-2320 (*) / The Barbirolli Society (UK), SJB-1078/79 (#) 〔2016年7月現在共に入手可能〕。 | ||
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・作製のため、無断転載・使用は堅くお断り致します クレツキ&ブダペスト・フィル + A.フィッシャー ワーグナー: 「トリスタンとイゾルデ」〜前奏曲と愛の死 シューマン:ピアノ協奏曲 #CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します |
アニー・フィッシャー(P) パウル・クレツキ指揮 ブダペストpo. | |
録音:1964年9月28日、エルケル劇場、ブダペスト。 既出CD-R: Eternities, ETCD-222/3-S 〔 + 同日のブラームス「第1」〕。『ライヴ』『ステレオ』と記載されている。 | ||
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します 含・初出、サージェント& BBC 響 ベートーヴェン:交響曲第2番[1965年8月16日] メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」序曲[1965年8月12日] スメタナ:「売られた花嫁」序曲[1955年8月22日] ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲(*) [1955年9月18日、とあるがおそらく1955年9月8日] ベンノ・モイセイヴィチ(P;*) マルコム・サージェント指揮 BBC so. | ||
録音:[内]、すべてモノラル| (*)を除き初出か|既出CD: Guild Historical, GHCD-2326 (*) 〔1955年9月8日の記載〕。 #モイセイヴィチのファースト・ネームが『ブルーノ [Bruno] 』と誤記されている可能性がありますが、現状のままで供給されます。 | ||
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します マーラー:大地の歌 ウィリアム・マカルパイン(T) ダン・イオルダチェスク(Br) コンスタンティン・ブゲアヌ指揮シネマトグラフィso. | ||
録音:1964年9月11日、ジョルジェ・エネスク国際音楽祭、おそらくルーマニア、ライヴ、モノラル|初出音源。 | ||
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します モーツァルト:交響曲第29番(*) ベートーヴェン:交響曲第7番(#) #CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します |
オットー・クレンペラー指揮 フィルハーモニアo. | |
録音:1963年12月(*)、1962年(#)、ステレオ。 クレンペラー&フィルハーモニアのこれら2曲は、ステレオではセッション録音しか存在しないとされる。ニュー・フィルハーモニアとならばステレオ・ライヴが残されているが、日付は1966年2月3日(*)、1966年2月20日(#)、1970年11月8日(*) 〔 (*)の2演奏は未発売〕で、当盤のアナウンスとは異なる。(*)の時期に該当しそうなものとしては、 Testament から SBT-1348 でフィルハーモニア管との1963年12月19日(放送日:1964年1月20日)のライヴが発売されているがモノラル、(#)も同様にフィラデルフィア管との1962年11月3日モノラル・ライヴ(一時ステレオとも言われた)しかない。 |