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BBC LEGENDS
CLASSIC ARCHIVE CD
〔旧・MEDICI MASTERS〕


特記以外 1CDあたり:¥11000(税抜¥10000)

 英国発のヒストリカルの雄 "BBC LEGENDS" をその傘下に収めていた Medciarts Limited 傘下の2レーベル。
 1999年にリリースが開始され、BBCの音源を発売していた BBC LEGENDSに対し、2007年から始まった medeci MASTERS(メディチ・マスターズ)はケルン放送so.をはじめとする極上ライヴの宝庫 WDR のアーカイヴより、蔵出し音源の数々を続々とリリース、さらにそれと並行し、他社が所有する商業録音から忘れがたい名演奏をもリリースEMI からライセンスを得た音源なども発表された。
 残念ながら2009年秋を境に、両レーベルとも新譜リリースが突然途切れ、2010年は結局新譜無しと、今後が心配されていたが、2010年12月20日を持って両レーベルとも国内代理店が撤退(その後新たに国内代理店が誕生したが、廃盤が相当増えている)、一層先行きが怪しくなってきた。このまま活動停止となれば、後者はある意味、わずか2年の命だった事になる。
 そしてこの2レーベルを継承するようなICA CLASSICS という別レーベルが発足して2011年1月からリリースを開始、一年経たないうちに50タイトル以上を発売している。さらに MEDICI MASTERSレーベルにおいては、2009年8月最終新譜からも既に廃盤のアイテムが発生しており、さらに2011年4月に、DVD で発売がある EUROARTS レーベルの "CLASSIC ARCHIVE" シリーズへレーベル&名称を変更してミケランジェリの新譜が1点発売された(CA-038-2)。
 以上から察するに、おそらく Medciarts Limited が何らかの理由で新譜発売を継続できなくなり、基本的な新リリースは ICA CLASSICS へ移行した物と思われる。また、一部権利の関係で EUROARTS から発売された物もあるのだろう。
 これらの事項からも、この2レーベルの旧譜アイテムは共にお早めの入手をお勧めしたい(同じく MEDICI ARTS 傘下に入っていた DVD レーベル EUROARTS は、結局再度独立レーベルとなった模様)。
 なお当ページ掲載中のアイテムには、CD-R製版品が含まれる可能性がありますので(過去に当店へ入荷事例あり)、予め御了承のほどお願い致します。

 # 下記に「廃盤 代理店在庫限り」と記載しているのは、2005年4月以降に国内代理店等から廃盤の連絡があったものの、当店チェック時にまだ流通在庫が入手可能であった物です。ただし、ご注文可能なアイテムでも、新たなプレスは行われないため、徐々に入手は不可能となっていきます。入手出来なかった場合は何卒御了承下さい(廃盤のみの表記で「Buy」ボタンが無いものは、既に入手不可能なアイテムです)。
 ## 2013年1月追記:国内代理店から、『BBC Legends のタイトルにつきまして、音源使用契約の終了に伴う生産終了のため、現在の在庫限りにて取り扱いを終了いたします。』とのアナウンスがありました。全アイテムが生産中止&流通在庫限りとなりますので、下記で「廃盤 代理店在庫限り」の記載が無いものでも、今後徐々に入手不可能となります。なお、MEDICI MASTERS & EUROARTS "CLASSIC ARCHIVE" については販売継続となりますが、状況は上記記載のとおりですので、お早めに。



BBC LEGENDS
BBCL-4001
(2CD)
廃盤
マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」 ヤッシャ・
 ホーレンシュタイン指揮
LSO、BBC cho.、
BBCコラール・ソサエティ、他
 録音:1959年3月20日、ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン。ステレオ。
 LPではDISCOCORPから出ていたが、初CD化だった物。ホーレンシュタインのインタヴュー付。後出: PRISTINE CLASSICAL, [2CD-R] 。 
BBCL-4002
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(2CD)
1CD価格
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ハ短調Op.65
モーツァルト:交響曲第33番 変ロ長調K.319
エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮
レニングラードpo.
 録音:1960年9月23日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン。ステレオ。初出音源。
BBCL-4003
廃盤
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調Op.98(*)
シューベルト:交響曲第5番 変ロ長調D.485(#)
ルドルフ・ケンペ指揮
BBC so.
 録音:1976年2月18日(*)&1974年8月30日(#)、ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン。ステレオ。初出音源。
BBCL-4004
buyボタン
(2CD)
1.5CD価格
廃盤
流通在庫限り
マーラー:交響曲第3番 ケルスティン・マイヤー(A)
ジョン・バルビローリ指揮
ハレo.、ハレ合唱団女声cho.
 録音:1969年3月23日、自由貿易ホール、マンチェスター。ステレオ。初出音源。
BBCL-4005
buyボタン
廃盤
流通在庫限り

1.5CD価格
ブリテン:青少年のための管弦楽入門Op.34(*)
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調Op.92(#)
ファリャ:バレエ「恋は魔術師」(+)
グロリア・レーン(A;+)
レオポルド・ストコフスキー指揮
BBC so.
 録音:1963年7月23日(*/#)&1964年9月15日(+)、ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン。
 (*)と(+)はMUSIC AND ARTSから出ていたが、(#)はこれが初登場となる音源。(*)はストコフスキ唯一の録音。
 #既に在庫僅少のため、入手出来無い場合はご容赦下さい。
BBCL-4006
(2CD)
廃盤
ベルリオーズ:ファウストの劫罰Op.24 レジーヌ・クレスパン(S)
アンドレ・タープ(T)
ミシェル・ルー(Br)
ジョン・シャーリー=カーク(Br)
ピエール・モントゥー指揮
LSO、&cho.
 録音:1962年3月8日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン。
チャイコフスキー:
 マンフレッド交響曲 ロ短調Op.58(*)
レスピーギ:交響詩「ローマの松」(#)
コンスタンティン・シルヴェストリ指揮
ボーンマスso.
 録音:1963年2月22日、ウィンター・ガーデンス、ボーンマス(*)/1967年9月20日、コルストン・ホール、ブリストル(#)。初出音源。
BBCL-4008
(2CD)
廃盤
バッハ:ミサ曲 ロ短調BWV.232 シュザンヌ・ダンコ(S)
キャスリーン・フェリアー(A)
ピーター・ピアース(T)
ブルース・ボイス(Br)
ジョルジュ・エネスコ指揮
ボイド・ニールo.、
BBCcho.
 録音:1951年7月17日、BBCスタジオ。モノラル。初出音源。
 2008年追記:当演奏は同じくイギリスの SOMM レーベル ADIADNE シリーズから再発されています(ARIADNE-5000-2)ので、そちらをご注文下さい。
BBCL-4009
buyボタン
(2CD)
1CD価格
ブラームス:ピアノ五重奏曲 ヘ短調Op.34(*)
シューベルト:
 ピアノ五重奏曲 イ長調D.667「ます」(#)
クリフォード・カーゾン(P)
アマデウスSQ
 録音:1974年11月17日(*)&1971年7月17日(#)、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン。ステレオ。初出音源。
シューベルト:
 ピアノ・ソナタ第9番 ロ長調D.575/
 ピアノ・ソナタ第10番 ヘ短調D.625/
 ピアノ・ソナタ第13番 イ長調D.664/
 楽興の時第1番 ハ長調D.780-1
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
 録音:1979年3月31日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン。ステレオ。初出音源。
ベルリオーズ:レクイエム リチャード・ルイス(T)
トーマス・ビーチャム指揮
RPO
 録音:1959年12月。モノラル。
 彼が病に倒れ指揮ができなくなる直前の貴重な記録。モノラルながら音質良好。
イギリス国歌
ベートーヴェン:交響曲第7番
メンデルスゾーン:序曲「美しきメルジーネ」
アディソン:バレエ「白い手帳」
アンコールへのビーチャムのスピーチ
グノー、サン=サーンス、ドビュッシーの小品
トーマス・ビーチャム指揮
RPO
 録音:1959年、ライヴ。
 サー・トーマスのイギリス国歌と言えば、かの地では有名な名演として語り継がれているものだが、ここではその実物が聴ける。さらにベートーヴェンは有名なスタジオ録音を上回る格調高き演奏。
BBCL-4013
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廃盤
流通在庫限り
エルガー:序曲「南国」(+)
ウォルトン:パルティータ
ブリテン:
 シンフォニア・ダ・レクイエム(*)/
 青少年のための管弦楽入門(#)
ジョン・バルビローリ指揮
BBC so.(*)、ハレo.(*以外)
 録音:1967年5月3日、BBC スタジオ、モノラル(#) /1967年8月8日、ロイヤル・アルバート・ホール、モノラル(*) /1969年8月8日、ロイヤル・アルバート・ホール、ステレオ(無印) /1970年5月20日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ステレオ(+) | (+)を除き初出とのこと。バルビローリ・ファンにはたまらない盤と言えそうだ。
 # BBCS-4401 でセット化発売あり
BBCL-4014
廃盤
マーラー:交響曲第4番
ベルリオーズ:序曲「海賊」
ヘザー・ハーパー(S)
ジョン・バルビローリ指揮
BBC so.
 録音:1967年1月3日、スメタナホール、プラハ、チェコ。ライヴ、ステレオ。交響曲のみ以前、DISQUE REFRAINからDR-910009-2、INTAGLIOからINCD-7291としてモノラル録音として出ていたが、 ベルリオーズは初発売と思われる。前記の盤はヒス・ノイズが耳につく状態であったが今度はさすがによい音質。バルビローリ・ファンなら知らぬものなしと言われた入魂のライヴであり、ハーパーも彼女の真の実力を発揮、そして弦の美しさにもさらに磨きがかかったとなれば、これはもう買うしかない。
 # BBCS-4401 でセット化発売あり
BBCL-4015
buyボタン
廃盤
流通在庫限り
スカルラッティ:5つのソナタ(*)
 [K.141, 27, 125, 247, 533]
J.S.バッハ:
 イタリア風のアリアと変奏BWV.989
シューマン:ピアノ・ソナタ第1番
チャイコフスキー:
 6つの小品Op.19 より(3曲)
プロコフィエフ:トッカータ
エミール・ギレリス(P)
 録音:1957年(*)/1959年。モノラル。バッハとプロコフィエフは彼の唯一の録音となるもの。ことにプロコフィエフは彼の愛奏曲だったようで、その音が聞けるとは誠に喜ばしい。
BBCL-4016
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(2CD)
1.5CD価格
ベートーヴェン:
 交響曲第7番(*)/ミサ・ソレムニス(#)
モーツァルト:交響曲第35番(+)
ケルビーニ:「アナクレオン」序曲(**)
ジンカ・ミラノフ(S)
ケルステン・トルボルイ(Ms)
コロマン・フォン・パタキー(T)
ニコラ・モスコーナ(B)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮
BBC so.
録音:1935年6月12日(*)/1939年5月28日(#)/1935年6月14日(+)/1935年6月3日(**)。全て初出音源。
 トスカニーニのこの頃のベートーヴェンの7番にはEMIからかつて出ていたものがあるが、それはこの録音の2日後の物。彼とBBCとの録音は思ったよりも少なく、貴重な音源の発掘といえる。
BBCL-4017
(2CD)
廃盤
ブルックナー:
 交響曲第8番(ハース版)/
 交響曲第9番(原典版)(*)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮
LSO、BBC so.(*)
 録音:1970年9月&12月。ステレオ。INTAGLIOやMUSIC AND ARTSから出ていたものだが、大幅に音質向上。演奏も素晴らしい。
スクリャービン:法悦の詩
ベルリオーズ:幻想交響曲
ストコフスキーのインタビュー
レオポルド・
 ストコフスキー指揮
ニュー・フィルハーモニアo.
 録音:1968年6月18日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン。ステレオ。全曲初出。
 このあとすぐ、彼はデッカに同じくNpoと幻想の録音を残しているが、それよりもライヴならではの自然さが魅力的。
BBCL-4019
廃盤
ベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲(*)
モーツァルト:協奏交響曲(#)
ユーディ・メニューイン(Vn;*)
ダヴィド・オイストラフ指揮
モスクワpo.(*)
ダヴィド・オイストラフ(Vn;#)
イーゴリ・オイストラフ(Va;#)
ユーディ・メニューイン指揮
モスクワpo.(#)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番
モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番(*)
クリフォード・カーゾン(P)
ピエール・ブーレーズ指揮
BBC so.
 録音:1971年&1974年(*)。ステレオ。初出音源。
 まだまだ過激だった時代のブーレーズと円熟の極みにあったカーゾンという意外な競演。
BBCL-4021
(2CD)
廃盤
スヴャトスラフ・リヒテル
 ショパン:バラード第3番 変イ長調Op.47(*)/スケルツォ第4番 ホ長調Op.54(*)/
      マズルカOp.24(全4曲)(*)/舟歌 嬰へ長調Op.60(*)
 ドビュッシー:前奏曲集第1巻 より(*)〔第1曲−第4曲/第6曲/第9曲/第5曲/第11曲/第7曲/第10曲〕/
         喜びの島(*)/映像第2集〜第1曲「葉ずえを渡る鐘の音」(*)
 プロコフィエフ:舞曲 Op.32-1(*)
 ショパン:練習曲集〔ホ長調Op.10-3「別れの曲」(*)/ハ短調Op.10-12「革命」(*)/ハ長調Op.10-1(#)/
          嬰ハ短調Op.10-4(#)/変ホ長調Op.10-6(#)/変イ長調Op.10-10(#)/ハ長調Op.10-12「革命」(*)〕
 ドビュッシー:
  前奏曲集第2巻(全曲)(+)/前奏曲集第1巻〜第9曲「とだえたセレナード」(+)
 スヴャトスラフ・リヒテル(P)
 録音:1961年7月10日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン(*)/1963年1月27日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン(#)/1967年6月16日、モールティングス、スネイプ(+)。多分(+)のみステレオ。
 (*)はリヒテルのイギリス・デビュー2日め(初日は8日)の演奏会。
BBCL-4022
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(2CD)
1.5CD価格
廃盤
流通在庫限り
マーラー:
 交響曲第1番(*)/交響曲第2番「復活」(#)
シーラ・アームストロング(S;#)
アンナ・レイノルズ(Ms;#)
ルドルフ・ケンペ指揮
BBC so.(*)、
ミュンヘンpo.(#)
 録音:1965年(*)/1972年(#)。(*)はモノラル。初出音源。
 ケンペのマーラーといえばフィッシャー=ディースカウとの「亡き児をしのぶ歌」が有名だが、意外にも交響曲のスタジオ録音は全く存在しなかった。 エレガントでありながらドイツ的なかっちりした物を合せ持つケンペ、今回の2曲も緊張感と甘美さが交錯し、実に美しい音楽作りがなされていながら終楽章に向かってのその高揚は感動的。
ジュリーニ&フィルハーモニア
 ムソルグスキー/ラヴェル編曲:組曲「展覧会の絵」
 チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
フィルハーモニアo.
 録音:1961年9月7日、アッシャー・ホール、エディンバラ。モノラル。
 ジュリーニは、悲愴は1959年にスタジオ録音しているが、展覧会にはこの時期の録音がなく、フィルハーモニアとの録音も初登場。彼の初期の演奏として興味深いもの。
 数年間廃盤となっていたものだが、復活。なお、CD-R製版の可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。
BBCL-4024
発売中止
ショスタコーヴィチ:
 チェロ協奏曲(*)/ピアノ三重奏曲第2番
ハイドン:ピアノ三重奏曲第30番
ムスティスラフ・
 ロストロポーヴィチ(Vc)
ゲンナジー・
 ロジェストヴェンスキー指揮
レニングラードpo.(*)
エミール・ギレリス(P)
レオニード・コーガン(Vn)
 録音:1960年(*)&1959年。モノラル。初出音源。
 契約上の関係から発売中止となったが、(*)は後に BBCL-4143(廃盤)で発売された。
ルチア・ポップ・リサイタル
 モーツァルト:
  カンツォネッタ
   「静けさはほほえみながら」K.152(*)/
  ルイーゼが不実な恋人の
   手紙を焼いた時 K.520(*)/
  クローエに K.524(*)
 シューベルト:
  4つのカンツォーネD.688(*)/
  美と愛がここにいたことをD.775(*)/
  悲しみの喜びD.260(*)/シルヴィアにD.891(*)
 ドヴォルジャーク:
  多くの人の心に死の思いがあるOp.83-2(#)/
  4つの歌Op.2 より(#)
   [私の心は悲しみに沈む/
     それは何と素晴らしい夢だったことか]
 マーラー:
  歌曲集「子供の魔法の角笛」より(#)
  [ラインの伝説/美しくトランペットが鳴る所/
    誰がこの歌を作ったのか]/
  歌曲集「若き日の歌」より(#)
  [夏の歌い手交替/緑の野を楽しく歩いた]
 R.シュトラウス:
  恋人への天の使者Op.32-5(#)/
  嵐と雨の避難所Op.46-1(#)/
  明日の朝Op.27-4(#)/子守歌Op.49-3(#)
ルチア・ポップ(S)
ジェフリー・パーソンズ(P;*)
アーウィン・ゲージ(P;#)
 録音:1982年5月1日(*)&1991年7月8日(#)、セント・ジョンズ・スミス・スクエア、ロンドン。ステレオ(*)&デジタル(#)。初出音源。
 1993年11月に癌で亡くなったポップは晩年特にオペラ畑での録音が多かったから、今回のこのリート・アルバム、特に(#)は貴重。
BBCL-4026
廃盤/入手不能
フォーレ:レクイエム(*)
リリ・ブーランジェ:
 詩篇第24番/慈悲深きイエスよ/
 詩篇第130番「深き淵より」
ナディア・ブーランジェ指揮
BBC so.&cho.
 録音:1968年。ステレオ。リリ・ブーランジェ没後50周年記念演奏会ライヴ。
BBCL-4027
廃盤
モーツァルト:
 交響曲第35番 ニ長調K.385「ハフナー」/
 交響曲第29番 イ長調K.201/
 交響曲第38番 ニ長調K.504「プラハ」
トーマス・ビーチャム指揮
RPO
 録音:1949年&1958年、モノラル。初出音源。
 イギリスでは過去最高の演奏と折り紙つきの物。確かにビーチャムのモーツァルトはそのエンターティナーとしての才能もあり、面白い出来だからその評価も納得。
BBCL-4028
廃盤
ベートーヴェン:
 ピアノ協奏曲第5番「皇帝」/
 ピアノ協奏曲第2番(*)
マイラ・ヘス(P)
マルコム・サージェント指揮
BBC so.
 録音:1957年9月12日/1960年8月12日(*)、以上ロイヤル・アルバート・ホール。
 以前M&Aから出ていた物だが、音質向上。ヘスは録音自体が多く無いためか日本では今ひとつ人気がないが、彼女のベートーヴェンは絶品だ。今回の2曲の内、2番の方は彼女引退の年の演奏という意味でも重要。
BBCL-4029
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(2CD)
1.5CD価格
ヴェルディ:
 レクイエム/「シチリアの夕べの祈り」序曲
シューベルト:ミサ曲第6番D.950(*)
A.レイノルズ、R.ルイス、
D.ワード、他
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
フィルハーモニアo.&cho.、
ニュー・フィルハーモニアo.&cho.(*)
 録音:1963年8月5日、ロンドン/1968年8月31日、エジンバラ(*)。全曲初出。
 「ヴェルレク」は、この直後にEMIへスタジオ録音しているが、歌手陣が全く異なるのが興味深い。 ライヴ特有の力強い名演。シューベルトは1990年代になるまで録音していないが、この頃からレパートリーとしていたことが解り、興味深い。こちらは非常な美演。
ドビュッシー:
 ベルガマスク組曲/グラナダの夕べ/
 水に映る影/喜びの島
ラヴェル:ソナチネ/鐘の谷
シューマン:クライスレリアーナ(*)
ワルター・ギーゼキング(P)
 録音:1956年9月29日/1953年12月6日、以上BBCスタジオ。全曲初出。
 ギーゼキングの放送録音といえば、1950年前後に学習者用として独ザール放送局に残されたものが有名だが、BBCのアルヒーフの物はこれまで存在しなかった。また、彼のCD復刻は進んでおらず、 中でもフランス物は非常に少なく、今回のドビュッシーとラベルは貴重。 この録音は彼の亡くなるまさに直前のもので、その意味においても胸を打つものだ。
BBCL-4031
buyボタン
廃盤
流通在庫限り
リスト:
 ピアノ協奏曲第1番/ピアノ協奏曲第2番/
 ハンガリー幻想曲
ショパン:
 アンダンテ・スピアナートと
  華麗なる大ポロネーズ(*)
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
キリル・コンドラシン指揮
LSO
 録音:1961年7月18日&16日(*)、以上ロイヤル・アルバート・ホール。ライヴ。
 以前から様々なイタリア系レーベルから出ていた物だが、今回はオリジナル・マスターからのCD化により、同時期のフィリップスへの録音(リストのみ)より高く評価する人も多いこの演奏の価値がさらに向上。 ちなみにリヒテルのショパンの同曲は意外にもこれが唯一の録音で貴重。これはやはり手元にぜひ置いておきたいCDと言えるだろう。
 #既に在庫僅少のため、入手出来無い場合はご容赦下さい。
ホーレンシュタインの「ブル5」
 ブルックナー:交響曲第5番
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮
BBC so.
 録音:1971年9月15日、ロンドン。MUSIC AND ARTS や伊 PHOENIX で出ていた演奏だが、確かこの時がマスターからの初復刻だった。
 良好なステレオ録音(当盤以前の発売CDもそうだったが)で、持っていない方はぜひゲットの逸品。
BBCL-4034
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(2CD)
1.5CD価格
ブルックナー:交響曲第9番
マーラー:交響曲第7番(*)
ジョン・バルビローリ指揮
ハレo.
 録音:1966年7月29日、ロンドン/1960年10月20日、マンチェスター(*)。
 何とバルビローリのブル9&マーラー7!!!!! 両曲とも今まで彼の録音は存在しなかった。無論全曲初出であり、もうこれは買うしかなかろう。
BBCL-4035
廃盤
マーラー:
 「若き日の歌」より
 [ドン・ファンの幻想/もう会えない/
  春の朝/思い出/シュトラスブルグの砦/
  緑の森を楽しく歩いた/夏に小鳥はかわり/
  悪戯な子をしつけるために/うぬぼれ]/
 「さすらう若人の歌」/
 「リュッケルト歌曲集」より
  [私は快い香りを吸い込んだ/
   私の歌をのぞき見しないで/
   私はこの世に忘れられ/真夜中に]
ディートリヒ・フィッシャー=
 ディースカウ(Br)
カール・エンゲル(P)
 録音:1970年2月16日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール。初出。
 彼のライヴとしては珍しい「若き日の歌」が入っているのが特徴。
モーツァルト:
 ピアノ協奏曲第27番/
 2台のピアノのための協奏曲(*)
 2台のピアノのためのソナタ ニ長調(**)
クリフォード・カーゾン(P)
ベンジャミン・ブリテン(P;**)
ダニエル・バレンボイム
(P;*)指揮(**以外)
イギリス室内o.
 録音:1979年9月11日、ロイヤル・アルバート・ホール/1960年6月23日、オールドバラ(**)。(**)はモノラル。
 カーゾンのモーツァルトの協奏曲と言えばブリテンと共演したDECCA盤が有名だが、今回は死の3年前の物。おまけに2台ピアノ協も入っており、特にこちらは彼としては珍しいレパートリーで見逃せない。さらに共演がバレンボイムという点もモーツァルト・ファンにはたまらない所。この2曲はCD-R使用のNAVIKIESEレーベルで出ているものだが、オリジナルからの復刻ということでポイントは高い。おまけに、ブリテンとの2Pソナタなどという非常にレアのものまで併録されておりカーゾン・ファンもこれなら納得。
BBCL-4038
廃盤
アルバート・ホールのウィーンの夕べ
 ハイドン:交響曲第83番
 J.シュトラウス:
  こうもり序曲、皇帝円舞曲、
  トリッチ・トラッチ・ポルカ/無窮動
 R.シュトラウス:バラの騎士組曲
 レハール:金と銀
ジョン・バルビローリ指揮
ハレo.
 録音:1969年8月9日、ライヴ。ステレオ。
 またもやバルビローリの新譜が登場!今回は題名からするとほのぼのした感じのコンサートに見えるが、もちろん彼の事、手を抜くはずもない。ここにまたバルビローリ・ファン狂喜乱舞の名演の登場である。
シューベルト:交響曲第8番
ビゼー:「子供の遊び」組曲
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲
シベリウス:交響曲第7番(*)
エイドリアン・ボールト指揮
フィルハーモニアo.、
RPO(*)
 録音:1964年7月30日、ロイヤル・アルバート・ホール/1963年3月8日、ロイヤル・フェスティヴァルホール(*)。
 ボールトは1889年生まれだから、実は同様にニキシュの強い影響を受けたフルトヴェングラー(1886年生)と大差ない時代の人。そんな彼の芸術はその晩年、同世代の指揮者が相次いで亡くなる中クローズアップされていったのだが、 もちろん若い(といってもこの録音のときは既に70代)時の演奏も絶品だ。 今回は、意外にも彼が全く録音した事のない曲ばかりを集めたもの。「未完成」のみ1923年にSP録音しているが、これはLPにも復刻されておらず、事実上「ボールト初音盤レパートリー集」 といっても過言ではない。彼のフランス物とかシベリウスというのは、小品は結構あるが、このようにまとまったものは非常に少なく、なかなか想像しがたく解釈的にも興味深い物ばかり。 最近特に名前が上がることの多い彼、これはお勧めだ。
ヴォルフ、シューベルト、
 シューマン、ブラームス:歌曲集
イルムガルト・ゼーフリート(S)
エリック・ウェルバ(P)
 録音:1962年1月17日&18日、BBCスタジオ。公開録音。
 イギリスでの人気はシュヴァルツコップに迫るほどのゼーフリート。意外と早く亡くなってしまったためかわが国での人気はさほどではないし、 キャリアの後半の歌唱はくせがかなり強く敬遠したい方もおられるのではないかと思われるが、この年代あたりはその力強くかつ伸びやかな歌声が堪能できる。黄金コンビのウェルバの伴奏も聞き物。声楽好きにお薦めの一枚。
BBCL-4041
buyボタン
(2CD)
1.5CD価格
廃盤
流通在庫限り
フィンランド国歌&イギリス国歌
シベリウス:
 「白鳥」組曲/交響曲第4番/
 ペレアスとメリザンド/
 タピオラ/テンペスト/交響曲第7番
ビーチャム、シベリウスについて語る(*)
トーマス・ビーチャム指揮
RPO
 録音:1954年9月16日、ロイヤル・アルバート・ホール/1955年11月24日(*)。
 イギリスでは伝説となっているシベリウス生誕90周年コンサートの模様をそっくりそのまま収録。感動的なドキュメントと言えよう。余白にはビーチャムのインタビュー(?)も入っており、お得な感じ。
BBCL-4042
廃盤
マーラー:大地の歌
ホーレンシュタイン「大地の歌」について語る
アルフレーダ・ホジソン(Ms)
ジョン・ミッチンソン(T)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮
BBCノーザンso.
 録音:1972年4月28日、マンチェスター。ステレオ。
 以前イタリア系のレーベルから数種CD発売されていた物だが、これらが入手困難な状態なので、オリジナル・テープからの今回の発売は歓迎。「音質も格段に向上」とのことだが、 以前の盤もステレオでなかなかの音質だったのでそれほど違いはないかも。ともかく、ホーレンシュタインの唯一の大地の歌として貴重な物だけに、お持ちで無い方は要注目だ。
BBCL-4043
廃盤
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調(*)
ドビュッシー:前奏曲集 第1巻
アルトゥーロ・ベネデッティ・
 ミケランジェリ(P)
ラファエル・フリューベック・
 デ・ブルゴス指揮
ニュー・フィルハーモニアo.(*)
 録音:1965年6月17日(*;モノラル)&1982年4月13日(ステレオ)、ロイヤル・アルバート・ホール。音質良好。
 とくにドビュッシーはアナログ完成期の優秀録音。
BBCL-4044
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廃盤
流通在庫限り
イギリス国歌
シューベルト:交響曲第3番
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」
チャイコフスキー:「くるみわり人形」組曲(*)
トマス・ビーチャム指揮
RPO
 録音:1958年10月15日、 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール/1958年12月9日、BBCスタジオ(*)。全曲モノラル&初出音源。
 メンデルスゾーン、チャイコフスキーにサー・トマス独特のフレージングが聴かれる。どの曲もビーチャムが得意とした物ばかり。
バッハ:半音階的幻想曲とフーガ
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22番
シューベルト:ピアノ・ソナタ第11番/
        3つの小品/即興曲〜3曲
ヴィルヘルム・ケンプ(P)
 録音:1969年6月5日、ロンドン、クイーン・エリザベス劇場。ステレオ。
 ケンプ73歳、円熟の極みにあった頃のライヴ。
ブリテン:戦争レクイエム ステファニア・ヴォイトヴィチ(S)
ピーター・ピアーズ(T)
ハンス・ウィルブリンク(Br)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
フィルハーモニアo.、
ベンジャミン・ブリテン指揮
メロスEns.
 録音:1969年4月6日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール。ステレオ。
 ジュリーニがロンドンで精力的に活動していた頃のライヴ。作曲者も小オーケストラ(メロスEns.)を指揮し参加。
BBCL-4048
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廃盤
流通在庫限り
デニス・ブレイン、稀少ライヴ集
 モーツァルト:ホルン五重奏曲(*)
 ブラームス:ホルン三重奏曲(**)
 ベートーヴェン:
  ピアノと管楽器のための五重奏曲(+)
 デュカス:ヴィラネッラ(+)
 マレ:バスク風(+)
デニス・ブレイン(Hr)
イギリスSQ
マックス・ソルプター
シリル・プリーディ
ブレイン管楽Ens.
 1957年2月18日(*)&15日(**)、BBCスタジオ/1957年8月24日、エジンバラ音楽祭(+)。全曲モノラル。
 夭折の天才ブレインのスタジオ録音は、元々少ないが、何故かイタリア系ライヴ盤も彼の名が絡んだものは非常に数少ない。今回のBBC音源の発売は、音質の良さもありファンならずとも歓迎できる。
ジャネット・ベイカー、1968&1970
 ハイドン:
  カンタータ「ナクソスのアリアンナ」(*)
 シューマン:歌曲集「女の愛と生涯」(**)
 シューベルト:盲目の少年 D833/墓堀人の歌 D869
 ヴォルフ:しゅろのこずえにただよう天使よ
 シューマン:小姓 Op.30-/、わたしのばら Op.90-2
 ヴォルフ:去れ、愛する者よ、いますぐ
 R.シュトラウス:ひそやかな誘い Op.27-3/
          あすの朝 Op.27-4/
          解き放たれて Op.39-2
ジャネット・ベイカー(Ms)
ジョン・コンスタブル(P;*)
ジェフリー・パーソンズ(P;**)
パウル・ハンブルガー(P)
 録音:1970年6月11日(*)&1968年6月10日(**)、オールドバラ音楽祭(*/**)/1968年4月25日、BBCスタジオ。全曲ステレオ。
 イギリスの宝、デイム・ジャネットの魅力あふれるライヴ初出音源。
BBCL-4050
廃盤
ブラームス:二重協奏曲(*)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲(+)
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番(#)
ユーディ・メニューイン(Vn)
ムスティスラフ・
 ロストロポーヴィチ(Vc;*)
コリン・デイヴィス指揮LSO(*/+)
ジョージ・マルコム指揮ECO(#)
 録音:1964年6月30日(*/+)/1963年6月23日(#)。
 ブラームスでは、おおらかなメニューインとゴリゴリと迫力満点のロストロポーヴィチ、両大家の対照的な芸風がミスマッチの妙として楽しめる。バッハに一家言持ち、あのクレンペラーに対しても我を通したというマルコムによるバッハにも注目。
BBCL-4051
廃盤
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」 ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮
ニュー・フィルハーモニアo.
 録音:1969年8月29日、ロイヤル・アルバート・ホール。ステレオ、ライヴ。以前DESCANT等から出ていたが、マスター・テープからの初復刻。
BBCL-4052
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廃盤
流通在庫限り
ベートーヴェン:
 ピアノ・ソナタ第3番/3つのバガテル/
 ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
 録音:1975年6月11日、オールドバラ音楽祭。ステレオ。
 リヒテルが好んで参加していたオールドバラ音楽祭でのライヴ。ハンマークラヴィーアは、ストラディヴァリウスで出ている物(1975年6月18日)とは日付が違う。
 #既に在庫僅少のため、入手出来無い場合はご容赦下さい。
BBCL-4053
廃盤
チャイコフスキー:
 幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」
ムソルグスキー(マルケヴィチ編曲):6つの歌曲(*)
ストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」
ガリーナ・ヴィシネフスカヤ(S)
イーゴリ・マルケヴィチ指揮
LSO
 録音:1969年8月26日、エジンバラ音楽祭。ステレオ。
 マルケヴィッチ全盛期のライヴで、珍しくヴィシネフスカヤが参加している。
BBCL-4054
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廃盤
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ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番
バルトーク:15のハンガリー農民の歌
リスト:2つのエチュード
ドホナーニ:ラプソディ第2番
アニー・フィッシャー(P)
 録音:1961年8月27日、エジンバラ。
 やや渋めながらフィッシャー得意のレパートリーを並べたリサイタル・ライヴ。
 #既に在庫僅少のため、入手出来無い場合はご容赦下さい。
BBCL-4055
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廃盤
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モーツァルト:交響曲第36番「リンツ」
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
ジョン・バルビローリ指揮
LSO
 録音:1969年9月28日、ロンドン。
 バルビローリによる「リンツ」のスタジオ録音はなく、このライヴでは第1楽章第1主題からバルビローリ節が全開。「英雄の生涯」には同時期のスタジオ録音があるが、感情の起伏ははより大きい。
 #既に在庫僅少のため、入手出来無い場合はご容赦下さい。
ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番(*)
プロコフィエフ:組曲「3つのオレンジへの恋」
ドヴォルジャーク:交響曲第9番「新世界より」
ルドルフ・ケンペ指揮
BBC so.
 録音:1975年8月27日(*)&29日、ロイヤル・アルバート・ホール、ライヴ。ステレオ。
 まさにケンペ最晩年のプロムスにおける貴重な録音。プロコフィエフは完全初出。後の2曲も晩年の彼ならではの感情移入が素晴らしい。
チェルカスキーのショパン
 夜想曲Ops.9-2/48-1/55-1/27-2/72-1/
 バラード第3番&第4番/ワルツOps.64-2/18/
 スケルツォ第2番&第4番/練習曲「別れの曲」
シューラ・チェルカスキー(P)
 録音:1970年-1991年、ライヴ。ステレオ。全曲初出。
 詳細不明だが複数のライヴから取られていると思われる。まとまった録音の少ない彼ならではの出来事であろう。
ロッシーニ:「アルジェのイタリア女」序曲
ブラームス:交響曲第3番
シューマン:交響曲第4番(*)
ピエール・モントゥー指揮
BBCノーザンso.、BBC so.(*)
 録音:1962年11月21日、マンチェスター・タウン・ホール/1961年10月18日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(*)、以上モノラル・ライヴ。全曲初出。
 ドイツ物にも定評のあったモントゥーのブラームスとシューマン。ロッシーニと、1963年12月のインタビューまで付いてこれはお得。
BBCL-4059
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廃盤
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リスト:メフィスト・ワルツ
ガブリエリ:ソナタ第6番「ピアノとフォルテ」
ティペット:二重弦楽合奏のための協奏曲
ニールセン:交響曲第6番(*)
レオポルド・ストコフスキー指揮
LSO、ニュー・フィルハーモニアo.(*)
 録音:1961年8月22日、エジンバラ音楽祭、アッシャー・ホール/1965年9月12日、BBCスタジオ。(*)のみステレオ。
 どんな曲でも面白く聞かせてしまうストコフスキーならではの名演。
ダヴィド・オイストラフ
 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲〔第1番(*)/第2番(+)〕
 イザイ:2つのヴァイオリンのための「友情」(#)
  ダヴィド・オイストラフ(Vn) イーゴリ・オイストラフ(Vn;#)
  ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮フィルハーモニアo.(*)
  エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立so.(+)
  マルコム・サージェント指揮LPO(#)
 録音:1962年9月7日、エディンバラ音楽祭、アッシャー・ホール(*)/1968年8月22日(+)&1961年2月26日(#)、ロイヤル・アルバート・ホール、以上ライヴ。(+)のみステレオ。全曲初出。
 ショスタコーヴィチの第1番の協奏曲を初演、第2番の献呈を受けたオイストラフの歴史的アルバム。共演も豪華。
モーツァルト:クラリネット五重奏曲(*)
フランク:ピアノ五重奏曲(#)
R.シュトラウス:
 歌劇「カプリッチョ」〜序奏(弦楽六重奏版)(+)
ジェルヴァーズ・
 ド・ペイエ(Cl;*)
クリフォード・カーゾン(P;#)
セシル・アロノヴィッツ(Va;+)
ウィリアム・プリース(Vc;+)
アマデウスSQ
 録音:1966年6月12日(*)&1960年6月21日(#)、オールドバラ音楽祭/1971年5月4日、クイーン・エリザベス・ホール(+)。(#)のみモノラル。
 イギリス人室内楽の粋が楽しめる。
BBCL-4062
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(2CD)
1.5CD価格
バッハ:ミサ ロ短調
ジュリーニへのインタビュー[ボーナス・トラック]
ジェニー・ヒル(S)
ジャネット・ベイカー(A)
ピーター・ピアーズ(T)
ジョン・シャーリー=カーク(B)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
ニュー・フィルハーモニアo.&cho.
 録音:1972年7月10日、ロンドン、セント・ポール大聖堂、ステレオ。
 1990年、80歳近くなってバイエルン放送so.を指揮して同曲の悠然たる演奏を披露したジュリーニだが、 1972年、壮年期の彼が聴かせる演奏は、音楽の流れに乗った明快な美感に満ちたもの。巨大な聖堂の荘厳な雰囲気にも浸りたい。
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第8番(*)
ボロディン:弦楽四重奏曲第2番(+)
ラヴェル:弦楽四重奏曲(*)
ボロディンSQ
 録音:1962年8月31日(*)/29日(+)、エジンバラ音楽祭リース・タウン・ホール。モノラル。
 ショスタコーヴィチが「自伝的作品」と公言し重要視していた第8番は、ボロディンSQによってイギリス初演されたが、彼らがここで聴かせる演奏も凄絶である。 ボロディンの第2番の第3楽章は有名な「夜想曲」。作曲者の名を戴くだけに思い入れもたっぷり。
ベートーヴェン:
 ピアノ・ソナタ第12番(*)/
 ピアノ・ソナタ第4番(*)
ドビュッシー:映像 第1集〜ラモーをたたえて(*)
ラヴェル:夜のガスパール(+)
アルトゥーロ・ベネデッティ・
 ミケランジェリ(P)
 録音:1982年4月13日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ステレオ(*)/1959年6月30日、BBCスタジオ、モノラル(+)。
 すべて完全初出。前半が「ドビュッシー:前奏曲集第1巻」(BBCL-4043)と同日のプログラムで、スタジオ録音のないベートーヴェンの第12番のソナタが聴きもの。ドビュッシーはアンコール曲。 このピアニストを語る上で欠かせないラヴェルも、彼が終生まったく変えることのなかった魔術的アプローチによる演奏。
ビーチャムのベルリオーズ・アルバム
ベルリオーズ:
 序曲「海賊」(*)/序曲「リア王」(+)
 交響曲「イタリアのハロルド」(#)
 歌劇「トロイ人」〜行進曲(**)
フレデリック・リドル(Va;#)
トマス・ビーチャム指揮
RPO(*/#/**)、BBC so.(+)
 録音:1951年3月27日、ロイヤル・アルバート・ホール(*)/1954年12月8日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(+)/1956年8月22日、エジンバラ、アッシャー・ホール(#)/ 1951年7月9日、ブリストル、コルストン・ホール。すべてモノラル。
 ビーチャムはベルリオーズを得意とし、情熱の爆発と優雅な気品を両立させた彼の演奏はイギリスで定評がある。「海賊」は1950年のアメリカ・ツアーからの帰国直後の演奏で、 手兵RPO自慢のブラス・セクションの咆哮が聴きもの。
デニス・ブレイン名演集
 ベートーヴェン:六重奏曲変ホ長調 Op.81b(*)
 シューベルト:流れを下る船上で D.943(+)
 モーツァルト/A.ベインズ編曲:
  ディヴェルティメント第14番(#)
 ハイドン:ホルン協奏曲第1番 ニ長調(**)
 アーノルド・クック:
  アリオーソとスェルツォーソ(++)
 イベール:3つの小品(+)
 ミヨー:組曲「ルネ王の炉辺」(##)
 ブレインの解説による「ホルンの進歩」
  〜抜粋[ボーナス・トラック]
デニス・ブレイン(Hr)
ピーター・ピアーズ(T)
アラン・シヴィル(Hr)
イギリスSQ
ノエル・
 ミュートン=ウッド(P)
ブレイン・アンサンブル
BBCミッドランドo. 他
 録音:1957年2月18日(*)、1953年1月28日(+)、1957年7月22日(#)、1957年1月21日(**)、1953年3月5日(++)、1955年6月22日(##)、すべてBBCスタジオ。モノラル。 (+);東芝EMIと同音源、(##);LPのみ既出、その他は完全初出。
 伝説のホルン吹き、ブレインの第2弾。このレーベルからのブレインのリリースはこれが最後だというが、大半が完全初出というからすごい。 なかでも新発見のハイドンは貴重で、モーツァルト、R.シュトラウスと並ぶ決定盤となるにちがいない。
バルビローリのブルックナー第8
 ブルックナー:交響曲第8番
ジョン・バルビローリ指揮
ハレo.
 録音:1970年5月20日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ。
 バルビローリ最後のロンドン公演ライヴ録音を新規にリマスタリングしたもので、旧盤(BBC Radio Classics 廃盤)に比べ大幅に音質向上がなされた。 ロンドンの聴衆ヘの告別を予感したかのような感動的演奏であり、ハレo.も第9番(1966年録音、BBCL-4034)と並ぶ絶好調ぶりを聴かせる。
BBCL-4068
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廃盤
流通在庫限り
ビーチャム&RPO〜プロムス1954
 ワーグナー:歌劇「タンホイザー」〜序曲/
        ヴェヌスブルクの音楽
 ディーリアス:歌劇「イルメリン」第2幕〜情景
 ビゼー:「アルルの女」〜6曲
 ビーチャムのスピーチ
 マスネ:オラトリオ「聖処女」
      〜聖処女の最後の眠り
トマス・ビーチャム指揮
RPO BBC女声cho.
 録音:1954年9月16日、ロイヤル・アルバート・ホール、プロムナード・コンサート、ライヴ。
BBCL-4069
廃盤
ストコフスキーのロシア・コンサート
 ムソルグスキー/ストコフスキー編曲:はげ山の一夜
 グリンカ:カマリンスカヤ
 ショスタコーヴィチ/ストコフスキー編曲:
  前奏曲変ホ短調
 ストラヴィンスキー/ストコフスキー編曲:
  パストラール
 チャイコフスキー:大序曲「1812年」(*)
 スクリャービン:法悦の詩
 リャードフ:4つのロシア民謡
 ボロディン/ストコフスキー編曲:
  歌劇「イーゴリ公」〜ダッタン人の踊り
レオポルド・ストコフスキー指揮
RPO、
ジョン・オールディスcho.、
ウェールズ・ナショナル・オペラcho.、
英国近衛歩兵第一連隊軍楽隊(*)
 録音:1969年6月15日、ロイヤル・アルバート・ホール。
 「オーケストラの魔術師」、ストコフスキーの面目躍如たるプログラム。自身の編曲による「はげ山の一夜」、「ダッタン人の踊り」は効果抜群・迫力満点。軍楽隊で増強した「1812年」は聴衆を熱狂させる。
ベイカー〜シューベルトの夕べ
 若い尼僧/ばらの花冠/湖上で/
 ゴンドラの漕ぎ手/不幸な男/アマーリア/
 憧れ/小川のほとりの若者/ギリシャの神々/
 亡命者/ラウラへの恍惚/勝利/夕べの星/
 アティス/夕べの歌/アティス/夕べの歌/
 メムノン/消滅/ミューズの息子
ジャネット・ベイカー(Ms)
グレアム・ジョンソン(P)
ジェフリー・パーソンズ(P)
 録音:1977年10月2日、スネイプ、モールティングズ/1980年9月1日、エジンバラ、アッシャー・ホール。
クレンペラー追悼〜クーベリックの「第9」
 モーツァルト:
  フリーメイソンのための葬送音楽 K.477
 ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」(*)
マーガレット・プライス(S;*)
イヴォンヌ・ミントン(A;*)
ヴェルナー・ホルヴェーク(T;*)
ノーマン・ベイリー(Br;*)
ラファエル・クーベリック指揮
ニュー・フィルハーモニアo.&cho.
 録音:1974年1月14日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、オットー・クレンペラー・メモリアル・コンサート、ライヴ、ステレオ。
 1973年7月6日に死去したクレンペラーの、半年後に行われた追悼演奏会での演奏を収録。クレンペラーはフィルハーモニアo.とその後身ニュー・フィルハーモニアo.を世界屈指のオーケストラに鍛え上げ、 また祖国を離れて間もないクーベリックにいちはやく援助の手を差し伸べた、 と言うように、オーケストラと指揮者の両方にとってクレンペラーは大恩人であった。クーベリック持ち前の端正なアプローチ、粒ぞろいの独唱陣、 特別なライヴならではの燃焼度の高さ(1982年、クーベリック&バイエルン放送so.ライヴ[ORFEO D'OR]と双璧)とあいまって、 一切の妥協を許さなかった巨匠クレンペラーに対する演奏者全員の畏敬の念が込められた感動の記録となっている。
シューベルト:交響曲第9番「グレイト」(*)
ケルビーニ:歌劇「アナクレオン」序曲(+)
コルネリウス:歌劇「バグダッドの理髪師」序曲(#)
エイドリアン・ボールト指揮
RPO(*/+)、BBC so.(#)
 録音:1969年8月11日、ロイヤル・アルバート・ホール(*)/1963年3月8日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(+)/1954年9月26日、BBCスタジオ(#)。ステレオ(*/+)/モノラル(#)。
 「グレイト」はボールトの代名詞的レパートリーで、ここでもいつもながらの巨匠の風格に満ちたアプローチを聴かせる。意外と録音は少なく、この登場は嬉しい。
ハチャトゥリアン:
 チェロと管弦楽のためのコンチェルト・ラプソディ(*)
 ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第2番(+)
 チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲(#)
ムスティスラフ・
 ロストロポーヴィチ(Vc)
ジョージ・ハースト指揮(*)
コリン・デイヴィス指揮(+/(#))
LSO(*/+)、BBC so.(#)
 録音:1963年12月21日(*)/1966年10月5日(+)/1964年6月30日(#)、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(*/+/#)。ステレオ(*/#)/モノラル(+)。すべて初出。
 (*)は作曲と同年のイギリス初演、(+)はロストロポーヴィチの西側初出演時のドキュメントで、両曲の被献呈者であるロストロポーヴィチによるき極めつけの演奏。 絶頂期の彼のすさまじいまでの集中力と圧倒的なテクニックを聴くことができる。
BBCL-4074
廃盤
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調(*)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」(+)
ベンノ・モイセイヴィッチ(P)
マルコム・サージェント指揮
BBCso.
 録音:1956年8月6日、ロイヤル・アルバート・ホール(*)/1963年3月6日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(+)。2曲ともモノラル。
 レシェティツキー門下で、ヨゼフ・ホフマンをして「ロマン派の伝統を汲む天性のピアニスト」と言わしめ、 アメリカで親交を結んだラフマニノフからは演奏者としての自らの後継者とのお墨付きを頂いたモイセイヴィッチ。 (*)は正に彼の十八番中の十八番と言える曲であり、EMIへのステレオ録音でもその格調の高さは素晴らしいものがあった。彼の同曲ライヴはこの録音が唯一ではないかと思われるが、ここでもさすがに絶品。また、彼は(+)の演奏の約1カ月後、4月6日に亡くなったが、ある意味白鳥の歌ともいえるこの「皇帝」でも、少々の演奏上の傷はあるものの風格は見事に保たれている。こちらもライヴは唯一であろう。
 戦後の来日公演で今ひとつ評判が良く無かったためか、未だに日本での評価が上がらない彼だが、ぜひ再評価を期待したい。
BBCL-4075
(2CD)
廃盤
マーラー:
 交響曲第9番(*)/亡き子をしのぶ歌(+)
ジャネット・ベイカー(A;+)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮
LSO(*)
スコティッシュ・ナショナルo.(+)
BBCL-4076
廃盤
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」(*)
ベートーヴェン:交響曲第7番(+)
ワーグナー:ジークフリート牧歌(#)
ジョン・バルビローリ指揮
ハレo.
 録音:1967年8月12日、ロイヤル・アルバート・ホール(*)/1967年4月24日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(+)/1966年4月22日、BBCスタジオ(#)。ステレオ(*/+)/モノラル(#)。初出。 (+/*)にはスタジオ録音がなく、バルビローリの初出レパートリーとなる。 流麗にして耽美的な(*)は、バルビローリ・ファンにとって至上の喜びといえるだろう。
ショーソン:愛と海の詩(*)
シェーンベルク:グレの歌〜山鳩の歌(+)
ベルリオーズ:歌曲集「夏の夜」(#)
ジャネット・ベイカー(Ms)
エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮
LSO(*)
ノーマン・デル・マー指揮
BBCso.(+)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
LPO(#)
 録音:1975年(*)/1963年11月7日(+)/1975年5月14日(#)、3曲ともロイヤル・フェスティヴァル・ホール。ステレオ、初出。 すべてスタジオ録音を残している、ベイカーの得意レパートリー集。
BBCL-4078
廃盤
ハイドン:アンダンテと変奏曲ヘ短調(*)
シューベルト:即興曲集D.899より[第2番−第4番](+)
リスト:
 ペトラルカのソネット第104番/子守歌
 忘れたれたワルツ〜第1番/ピアノ・ソナタ ロ短調
クリフォード・カーゾン(P)
 録音:1961年3月30日(*)&1961年12月24日(+)、BBCスタジオ/1961年9月5日、エジンパラ音楽祭、リース・タウン・ホール(無印)。すべてモノラル、初出。
BBCL-4079
廃盤
マタチッチ&フィルハーモニアの「ブル3」
 ブルックナー:交響曲第3番ニ短調
ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮
フィルハーモニアo.
 録音:1983年7月23日、ロイヤル・アルバート・ホール、ライヴ、ディジタル。おそらく当盤が初出だった物で、マスター・テープより復刻。マタチッチによる同曲は、前年のVPOライヴがよく知られている(METEOR, HALLOO[以上廃盤], GNP GNP-75 等)。
 老練なアプローチで、第1楽章開始早々全強奏で第1主題が現れるあたり、その途方もないスケールと格調の高さにはたたしびれるばかり。クレンぺラー以来の全盛期を迎えていたフィルハーモニアo.も豊かな響きと引き締まったアンサンブルで応えている。マニアの語り草となっているN響ライヴの前年にあたる当録音は、巨匠最晩年の境地を伝える格別の一枚。
BBCL-4082
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廃盤
流通在庫限り
リヒテル〜1966年オールドバラ音楽祭リサイタル
 モーツァルト:ピアノ・ソナタ ト長調K.283(*)
 チャイコフスキー:四季 Op.27a〜5月/6月/11月/12月
 ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」 Op.39〜Nos.3、4
 スクリャービン:ピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」
 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第4番
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
 録音:1966年6月19日、オールドバラ教区教会。ステレオ。 (*)を除き、「リヒテル/プレイズ・ロシアン・ミュージック」としてキング・レコードから国内発売されていたもの(廃盤)と同一録音。当時、ロシアものの演奏にかけて朋友ギレリスと評価をニ分し圧倒的な演奏を聴かせていたリヒテルの極めつけプログラム。西側への鮮烈なデビュー以来の、強靱なテクニックと凄味をきかせた解釈という武器の威力がいかんなく発揮された演奏である。(*)は優しさと清らかさをたたえた、リヒテルの晩年の境地にも通じる演奏。
BBCL-4083
廃盤
メニューイン&ブリテン〜オールドバラ・リサイタル
 ハイドン:ヴァイオリン・ソナタ ト長調 H.32(*)
 ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調(*)
 シューベルト:
  ヴァイオリン・ソナタ イ短調 D.574(*)/幻想曲 D.934(+)
ユーディ・メニューイン(Vn)
ベンジャミン・ブリテン(P)
 録音:1959年6月27日(*)/1957年6月16日(+)、オールドバラ音楽祭、ライヴ、モノラル。 ブリテンが1948年に創始したオールドバラ音楽祭の第10回および第12回、メニューインを迎えたリサイタルより。 作品の性格もあってか、ブリテンの雄弁なピアノがリードし、メニューインがあたたかく語るような演奏。メニューインによるハイドンはこれまでカタログになかった。
BBCL-4084
廃盤
ビーチャム〜ロシア・プログラム
 バラキレフ:交響曲第1番(*)
 リムスキー=コルサコフ:「金鶏」組曲(+)
 ボロディン:ダッタン人の踊り(#)
トマス・ビーチャム指揮
BBC so.(*/#)、RPO(+)、
ビーチャム・
 コラール・ソサイエティ(#)
 録音:1956年12月20日(*)&23日(+)、BBCメイダ・ヴェール・スタジオ/1954年11月22日(#)、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、モノラル。 ビーチャムお気に入りのロシアもの。(*)は意外にもカラヤンが録音し、日本の伊福部昭も高く評価するという労作。もちろんビーチャムにもこの頃RPOを指揮した録音(EMI)がある。
ケンプ〜リサイタル
 ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 Op.5
 シューマン;幻想曲 ハ長調/蝶々
ヴィルヘルム・ケンプ(P)
 録音:1970年2月8日、クイーン・エリザベス・ホール。 バッハ、ベートーヴェン、シューベルトを収録した前作(BBCL-4045)に続く、ケンプ74歳のときのドイツ・プログラム第2弾。 1958年録音(DG)で誉れ高いブラームス、かなりの数を録音したシューマン、共にケンプ得意の作品にその円熟が聴ける。
BBCL-4086
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(2CD)
1.5CD価格
グッドールの「ブル8」
 ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調(*)
 ワーグナー:
  「トリスタンとイゾルデ」〜第1幕前奏曲(#)/
  ヴェーゼンドンク歌曲集(+)
ジャネット・ベイカー(Ms;*)
レジナルド・グッドール指揮
BBC so.
 録音:1969年9月3日(*)/1971年11月3日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(#/+)。おそらく全て初出音源。
 2001年、生誕100周年を迎えたまぼろしの巨匠グッドール(1901-1990)が遺した一世一代の大演奏、ブルックナー第8番が完全初出で登場。これは大成功を収めたサドラーズ・ウェルズ・オペラ(現イングリッシュ・ナショナル・オペラ)での「マイスタージンガー」上演の翌年にあたり、古稀を目前に大きく開花しつつあった彼が持てる全てを注ぎ込んだもので、フィナーレの途方もないスケールと振幅の大きな絶妙なテンポには、快哉を叫びたくなるほど。後年、彼はクレンペラーに請われ同曲の録音セッション(EMI)でニュー・フィルハーモニア管に下拵えを付けており、当盤での木管が浮かび上がる音作りなどクレンペラー盤に通じるものがある。クレンペラーの第8番は、グッドールの関っていない同じくクレンペラーの「ブルックナー第7番」に比べて仕上がりが明らかに良いと感じる人もいる。
 EMIでのリングやパルシファル、DECCAのトリスタンなどの高い評価が示すように、ドイツ音楽の伝統を受け継いだ希有な個性にとって、音盤として存在しなかったブルックナーはまさに待望のリリースと言えるだろう。
BBCL-4087
廃盤
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調(*)
ドビュッシー:
 クラリネットと管弦楽のためのラプソディ第1番(#)
ヤナーチェク:シンフォニエッタ(+)
ジャーヴァス・ド・ペイエ(Cl;#)
ルドルフ・ケンペ指揮
LSO(*/#)、BBC so.(+)
 録音:1964年9月16日(*/#)/1974年8月30日(+)、ロイヤル・アルバート・ホール。
 全て初出音源。スタジオ録音盤が無い(+)は特に貴重で、冒頭での勇壮なトランペットの掛け合い、ヤナーチェク独特の艶かしい弦の扱いなど、作品の魅力を引き出して最高に音楽的な演奏。 この作曲家との相性の良さは名盤「グラゴル・ミサ」(1973年/DECCA)でも実証ずみ。また、最晩年のバイエルン放響ライヴ(1975年/オルフェオ)の印象も鮮烈な(*)は、ロンドン響との珍しい顔合わせ。 ライヴでは別の顔を見せたケンペが、スリリングな演奏を聴かせて聞き応え満点。録音状態も良好。
BBCL-4088
廃盤
ワーグナー:
 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」〜第1幕前奏曲(*)/
 「マイスタージンガー」組曲(ストコフスキー編)(#)
  [第3幕への前奏曲/徒弟たちの踊り/
   マイスタージンガーの入場]/
 「神々の黄昏」より
  [ジークフリートのラインへの旅と葬送行進曲(+)
   ブリュンヒンデの自己犠牲(**)]/
 「リエンツィ」序曲(##)
ベリト・リンドホルム(S;**)
レオポルド・ストコフスキー指揮
LSO、&cho.(*/#/+/**)、
NPO(##)
 録音:1967年9月23日、フェアフィールド・ホール、クロイドン(*/#)/1967年6月15日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(+/**)/1968年6月18日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(##)。(##)のみステレオ。(#)はMUSIC AND ARTS盤で既出だが、他は完全初出。 (##)は同日の模様を収めた当レーベルの「幻想交響曲/ほか」(BBCL-4018)に未収録だったもの。
 ストコフスキーのライヴから編んだワーグナー・アルバムで、合唱が動員される(#)など、スタジオ録音(RPO/1973年、RCA)とは演奏効果がまるで違うのが面白い。なお(#)の当日は、他にベートーヴェンの第9を演奏しているので、それとの兼ね合いもあったのか。
BBCL-4089
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廃盤
流通在庫限り
リスト:
 ピアノ協奏曲第1番(*)/
 ピアノ協奏曲第2番(#)/
 メフィスト・ワルツ(+)/
 パガニーニの「鐘」による大幻想曲(**)/
 「超絶技巧練習曲」〜第11番「夕べの調べ」(##)
ジョン・オグドン(P)
コンスタンティン・
 シルヴェストリ指揮
ボーンマスso.(*)
コリン・ディヴィス指揮
BBC so.(#)
 録音:1967年9月20日、コルストン・ホール、ブリストル(*)/1971年9月18日、ロイヤル・アルバート・ホール(#)/1969年4月24日、クィーン・エリザベス・ホール(+)/1970年1月20日、BBCスタジオ(**/##)。
 1962年の第2回チャイコフスキー・コンクール・ピアノ部門でアシュケナージと1位を分けたオグドンが、20世紀イギリスの生んだ屈指のヴィルトゥオーゾであることは、ピアノ・マニアなら先刻ご承知のことだが、彼久々の新発売音源が登場となった。(*)にはジョージ・ハースト指揮BBCスコティッシュo.(1983年録音/BBC-Radio Classics、廃盤)との別ライヴもあったが、当アルバムではルーマニアの名匠シルヴェストリがバックを務めているのが大きな魅力。(#)はオグドン夫人であるブレンダ・ルーカス女史の強い希望で、上記廃盤となったBBC-Radio Classicsに収録された音源が使用されている。ソロの方も彼ならではの曲目で、TESTAMENTから出ている彼のリスト・ソロ作品集(SBT-1133)との聴き比べもまた一興。彼の腕前を知るには格好の内容といえ、オグドン・ファンならずとも必聴のCDと言えるだろう。
BBCL-4090
(2CD)
廃盤
ハイドン:
 ピアノ・ソナタ第37番 Hob.XVI:22(*)
ショパン:夜想曲Op.72-1(#)
ベートーヴェン:
 ピアノ・ソナタ第11番Op.22(#)/
 エロイカ変奏曲(#)
シューマン:交響的練習曲(#)
ショパン:夜想曲Op.15-1(#)
ラフマニノフ:12の前奏曲集(+)
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
 録音:1967年6月16日、モルティングス、スネイプ、オールドバラ音楽祭ライヴ(*)/1968年10月20日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(#)/1969年10月8日、フリー・トレード・ホール、マンチェスター(+)。
 「ピアノの巨人」リヒテルのライヴを存分に楽しめる2枚組。(*)が完全初出。彼の同曲演奏はVOX/TURNABOUTから同年7月14日の演奏がLPで出ていた。他はマスター・テープからの初復刻となる。制約の多いスタジオ録音を好まなかったリヒテルのピアニズムの真髄が、ライヴにこそ開花したことを感じさせる力演ぞろい。
BBCL-4091
(2CD)
廃盤
チャイコフスキー:バレエ「眠れる森の美女」 ゲンナジー・
 ロジェストヴェンスキー指揮
BBCso.
 録音:1979年10月10日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ステレオ。
 ロジェストヴェンスキーがBBCso.の首席指揮者に就任した翌年のライヴ。指揮者得意のレパートリーで、このコンビによるスタジオ録音もあったが、 当ライヴもスタジオ録音同様のシンフォニックでスケールの大きなアプローチを聴かせる。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調(*)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調(+)
シューラ・チェルカスキー(P)
ルドルフ・シュワルツ指揮(*)
BBCso.(*)
ケント・ナガノ指揮LPO(+)
 録音:1957年12月11日、モノラル(*)/1991年5月2日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ステレオ(+)。
 完全初出。(*)は、チェルカスキーの師ホフマンに献呈された作品。亡くなる前年のスタジオ録音(1994年、DECCA)の37年前の演奏ということになるが、絶頂期の彼のすさまじきヴィルトゥオーゾぶりは、 1957年スタジオ録音のチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(DG)で知られるとおり。晩年に若手のホープ、ナガノと共演した(+)も興味深い。
BBCL-4093
(2CD)
廃盤
ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス(*)
シューベルト:交響曲第4番(+)
テレサ・ツィリス=ガラ(S;*)
マルガ・ヘフゲン(A;*)
ロバート・ティアー(T;*)
ラファエル・アリエ(B;*)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
ニュー・フィルハーモニアo.
同cho.(*)
 録音:1968年7月16日、セント・ポール大聖堂(*)/1968年8月31日、エジンバラ音楽祭、アッシャー・ホール(+)。ともにステレオ。
 ジュリーニが54歳のときに相次いで行われた演奏会から収録。(*)はLPOとのスタジオ録音(1974年、EMI)にも通じる、遅めのテンポによる深く沈潜した演奏。ソリストも美声で名をはせたツィリス=ガラをはじめ粒ぞろい。劇性に富む(+)は、音楽がほとんど停止寸前だった晩年の演奏に比べるとはるかに自然。1960年代におけるジュリーにのひとつの頂点を示す充実したアルバム。
BBCL-4096
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廃盤
流通在庫限り
ワーグナー:
 楽劇「ニュルンベルクの
     マイスタージンガー」第1幕前奏曲(*)/
 ジークフリート牧歌(+)
ドビュッシー:イベリア(#)
ストラヴィンスキー:詩篇交響曲(#)
ファリャ:「三角帽子」より(**)
      [隣人たちの踊り/粉屋の踊り]
ピエール・モントゥー指揮
LSO(*/**)、
RPO(+)、
BBCso.&cho.(#)
 録音:1963年5月29日、ロイヤル・アルバート・ホール(*)/1960年11月18日、BBCスタジオ(+)/1961年10月18日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(#)/1961年12月15日、キングズウェイ・ホール(**)。すべてモノラル。
 モントゥー最晩年のライヴ録音集で、「マイスタージンガー」「詩篇交響曲」「三角帽子」は完全初出レパートリー。「春の祭典」をはじめストラヴィンスキーの数々の作品の初演を手がけたスペシャリストのアイデアも冴える「詩篇交響曲」は説得力絶大。スタジオ録音(1963年、PHILIPS)の評価も高い「イベリア」も巨匠の気配りが隅々まで行き届いた演奏。格調高い芸風を愛されたモントゥーの魅力にあふれたアルバム。
BBCL-4097
廃盤
ウォルトン自作自演集 Vol.1
 ウィリアム・ウォルトン(1902-1983):
  オラトリオ「ベルシャザールの饗宴」(*)/
  交響曲第1番(+)
ドナルド・
 マッキンタイア(Br;*)
ウィリアム・ウォルトン指揮
BBCso.&cho.(*)、
BBCコラール・
 ソサイエティ(*)、
RPO(+)
 録音:1965年9月22日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ステレオ(*)/1959年8月23日、アッシャー・ホール、第13回エジンバラ音楽祭、モノラル(+)。
 2002年3月に生誕100周年を迎えたウォルトンの自作自演ライヴ。両曲ともスタジオ録音(1959年/1951年)が有名だが、ステレオ録音の(*)は立体的音響が作り出す演奏効果てきめん。当時30歳のイギリスの名歌手マッキンタイアの朗々たる歌唱も魅力。
BBCL-4098
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廃盤
流通在庫限り
ウォルトン自作自演集 Vol.2
 ウィリアム・ウォルトン(1902-1983):
  チェロ協奏曲(*)/
  戴冠式のためのテ・デウム(+)/
  十二使徒(W.H.オーデンの詩によるアンセム)(#)/
  ヒンデミットの主題による変奏曲(**)/
  「ファサード」組曲 より
   [ポピュラー・ソング/
    オールド・サー・フォーク/
    セビリャのタランテラ](++)
ピエール・フルニエ(Vc;*)
ウィリアム・ウォルトン指揮
RPO(*/**)、LPO&cho.(+/#)、
BBCso.(++)
A.ダウドル(S;#)
S.ミンティ(Ms;#)
R.ティアー(T;#)
M.ウェイカム(Br;#)
 録音:1959年8月23日、アッシャー・ホール、第13回エジンバラ音楽祭、モノラル(*)/1966年1月2日、ウェストミンスター寺院(+/#)/1963年3月8日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(**)/ 1968年8月20日、ロイヤル・アルバート・ホール、プロムス(++)。
 (*)は往年の名チェリスト、フルニエを迎えた有名な演奏だが、マスター・テープからは初出で、音質が大幅に改善された。(*)はエリザベス女王戴冠式のための委嘱作品の、王室ゆかりの名刹ウェストミンスターでの演奏。(#)はオルガン伴奏部を管弦楽用に改作した版による初演の記録となる。(**)も世界初演時の録音(BBC Radio Classicsで既発売)。
ブラームス:交響曲第2番(*)
ベートーヴェン:交響曲第2番(+)
トーマス・ビーチャム指揮
RPO
 録音:1956年8月20日、アッシャー・ホール、エジンバラ、エジンバラ音楽祭(*)/1956年12月23日、ファーリントン・ストリート・メモリアル・ホール、ロンドン(+)。
 (*)はビーチャム流が徹底された演奏で、スタジオ録音(1958年/EMI)をしのぐ爆発的なフィナーレが特徴。 (+)はスタジオ録音(1926年&1956年/EMI)同様フレーズの域の長い自信に満ちたテンポによる演奏。
BBCL-4100
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廃盤
流通在庫限り
バルビローリ〜イギリス音楽集
 イギリス国歌(*)
 アラン・ローソーン:序曲「街角」(+)
 ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第8番(#)
 バックス(バルビローリ編):オーボエ五重奏曲(**)
 ディーリアス:春初めてのカッコウを聞いて(++)
 ウォルトン:戴冠式行進曲「王冠」(##)
 エルガー:希望と栄光の国(***)
ジョン・バルビローリ指揮
ハレo.、
英国陸軍軍楽学校バンド&
 トランペット隊(*/##)
イヴリン・ロスウェル(Ob;**)
カスリーン・フェリアー(A;##)
 録音:1969年11月19日(*/++/##)&1967年8月11日(#)、ロイヤル・アルバート・ホール、(*/#/++)/1968年4月24日、 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(+)/1968年11月13日、BBCスタジオ(**)/1951年11月16日、マンチェスター、自由貿易ホール(***)。(+/#)はステレオ、他はモノラル。(+/**/##)が完全初出。
 (#)はバルビローリに献呈された作品で、初演直後の1956年の録音(Pye/Nixa;DuttonによりCD化)、また1961年ルガーノにおけるライヴ録音(Aura AUR-181)もある。 フェリアー晩年の歌声が胸を打つ(***)はバルビローリ協会提供の音源をアビーロード・スタジオでディジタル化したもの。イヴリン・ロスウェルはバルビローリ夫人で、(**)も当然彼女のための編曲。
ビクトリア・デ・ロス=アンヘレス(S)リサイタル
 A.スカルラッティ:すみれ
 ヘンデル:「マカベウスのユダ」
        〜リュートとハープが人を目覚めさせるように」
 シューベルト:僕のもの
 シューマン:献呈
 ブラームス:夜鳴きうぐいす/私の心は緑に燃え
 ストラヴィンスキー:パストラール
 ラヴェル:ハバネラ形式のヴォカリーズ
 デュパルク:旅への誘い
 様々な作曲家:スペイン歌曲選集
 ベルリオーズ:歌曲集「夏の夜」より(*)
         [ヴィラネル/バラの精/未知の島]
ビクトリア・デ・
 ロス=アンヘレス(S)
ジェラルド・ムーア(P;*以外)
ルドルフ・シュワルツ指揮
BBC so.(*)
 録音:1957年8月25日、アッシャー・ホール、第11回エディンバラ音楽祭(*)/1957年4月24日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(#)。以上モノラル・ライヴ。
 清楚でチャーミングな歌唱を誇るスペインの名花ロス=アンヘレス33才の時のライヴ。その若さにして既に作品によるニュアンスの違いを柔軟に歌い分けており、特にお国物のスペイン歌曲は絶品。
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調(*)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調(#)
ダヴィド・オイストラフ(Vn)
ノーマン・デル・マー指揮
RPO(*)
マルコム・サージェント指揮
LPO(#)
 録音:1960年1月19日(*)/1961年2月26日(#)、ロイヤル・アルバート・ホール、モノラル・ライヴ。全曲初出。
 ショスタコーヴィチ(BBCL-4060)に続く、オイストラフのBBC-LEGENDS第2弾。2曲ともオイストラフの十八番の曲だが、特にチャイコフスキーは持前の太く豊かな音に艶も乗って極上、 何より歌心にあふれていて聞き応え満点。バックのデル・マー&ロイヤル・フィルも大健闘で互角に渡りあう。ブラームスもさすがの風格を見せた名演。
シューマン:色とりどりの小品Op.99
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
ドビュッシー:映像第2集〜葉ずえを渡る鐘の音
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
 録音:1968年11月19日、ゴールドスミス・ホール、ロンドン、モノラル・ライヴ。シューマンとムソルグスキーはAS DISC等から出ていたが、ドビュッシーは確か今回が初発売。
 伝説の「ソフィア・リサイタル」から10年を経た「展覧会の絵」は絶頂期の彼そのもの。その強靭なタッチから繰り広げられる重厚なイメージばかりが強調されがちだが、驚くほど自在な音楽が展開する。 シューマンは意外にもこの年代付近にしか引かなかった作品で、ライヴも少なく、貴重な存在。ドビュッシーはお気に入りの作品で、ここではアンコールで演奏された。
BBCL-4104
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廃盤
流通在庫限り
シューベルト:交響曲第2番
ブラームス:交響曲第2番
カール・ベーム指揮
LSO
 録音:1977年6月28日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ステレオ・ライヴ。CD-R使用のTHE THREE ZERO CLASSICSからTH-063として出ていた物の、マスター・テープよりの初発売。
 国内で改めてライヴ演奏の再評価が進むベームだが、遂にイギリス公演がBBC-LEGENDSから初登場。ベームが晩年愛し、オケの方からも「会長」の称号を送ったLSOとの共演は、 演奏の機会こそあまり多くはなかったが、ザルツブルグでの共演など、重要な機会が多かった。 今回の演奏は、弾力あるリズムとVPOとの共演では見られないストレートな反応が聞き物で、ロンドンの聴衆を熱狂に巻き込んだ伝説のライヴ。特にブラームスのフィナーレは燃焼し尽くした極めつけの名演奏。
BBCL-4105
廃盤
ショパン:
 ピアノ協奏曲第2番(*)/バラード第1番 ト短調Op.23/
 マズルカ ハ短調Op.56-3/
 スケルツォ第4番 ホ長調Op.54/練習曲第6番Op.10-6/
 練習曲第8番Op.10-8/練習曲第9番Op.10-9/
 アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ/
 ワルツ 嬰ハ短調Op.64-2
アルトゥール・
 ルービンシュタイン(P)
カルロ・マリア・
 ジュリーニ指揮
フィルハーモニアo.(*)
 録音:1961年5月16日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン(*)/1959年10月6日、ブロードキャスティング・ハウス・コンサートホール、ロンドン(*以外)。全てモノラル。 (*)は以前HUNT(=ARKADIA)から出ていた物(1960年5月16日と誤記)。(*以外)は以前PARAGONから出ていた1960年2月1日録音(場所不詳)と称するLPに全て含まれているので、そちらと同一のものかもしれない。 いずれにせよ全曲、マスター・テープよりの初発売。
 先ずジュリーニとの協奏曲は、第2楽章でのぎりぎりのテンポの溜めと零れ落ちるような美音が聞き物。後半では、3曲の練習曲が何れも他に録音していない曲目。 元々ルービンシュタインはショパンの「練習曲」を全曲録音しておらず、非常に貴重な演奏と言えるだろう。他の曲もさすがの貫禄で聴かせる粒よりの演奏となっている。
BBCL-4106
廃盤
エルガー:交響曲第1番(*)/序奏とアレグロ(#) ジョン・バルビローリ指揮
ハレo.
録音:1970年7月24日、聖ニコラス教会、キングス・リン。キングス・リン音楽祭ライヴ。ステレオ。(*)は伊Intaglioから出ていた物だが、長らく入手困難であり、待望の復活。 (#)は今回が初登場。
 サー・ジョン告別演奏会(同月25日)前日の演奏会で、日本公演をひかえたリハーサル中に急逝する5日前の、まさに彼の最後の芸術に接することができる貴重な録音。(*)でのフィナーレは特に感動的であり、 死が間近に迫っていることなど微塵も感じさせない、威厳と風格に満ちた堂々たる演奏となっている。
ルートヴィヒ&ユリナッチ〜
 マーラー、ブラームス&R.シュトラウス

 マーラー:
  歌曲集「さすらう若人の歌」(*)/
  歌曲集「リュッケルトによる5つの詞」より(#)
   [私は快い香りを吸い込んだ/
    私はこの世に忘れられ/真夜中に]
 R.シュトラウス:あなたは私の心の王冠(#)/
          憩え、我が魂(#)/献呈(#)
 ブラームス:セレナード(#)/子守歌(#)
 R.シュトラウス:4つの最後の歌(+)
クリスタ・
 ルートヴィヒ(Ms;*/#)
アンドレ・クリュイタンス指揮
フィルハーモニアo.(*)
ジェフリー・パーソンズ(P;#)
セナ・ユリナッチ(S;+)
マルコム・サージェント指揮
BBC so.(+)
 録音:1957年12月2日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン(*)/1978年7月15日、ウィグモア・ホール、ロンドン(#)/1961年9月11日、ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン(+)。 モノラル&ステレオ。おそらく全曲初出音源。
 20世紀後半、ドイツ系メゾ・ソプラノの代表格と言えるルードヴィッヒを中心に、ユリナッチのR.シュトラウスを添えた一枚。歌に付ける文句は全くない上、マーラーのオケ伴奏を振るのがクリュイタンスと来れば、これは歴史的録音ファンなら見逃す手はない。
アンドレス・セゴビア(G)1955年ライヴ
 ガリレイ:リュートのための5つの小品
 ヴィセー:6楽章形式の組曲第9番
 バッハ:フーガ イ短調BWV.1000/ガヴォット ホ長調BWV.1006a/
 シューベルト:メヌエット ト長調D.894
 タンスマン:カヴァティーナ
 ヴィラ=ロボス:前奏曲第3番/前奏曲第1番
 カステルヌオーヴォ=テデスコ:
  セゴビアの名によるトナディーリャ/タランテラ
 グラナドス:スペイン舞曲第10番
アンドレス・セゴビア(G)
 録音:1955年8月28日、第9回エディンバラ音楽祭。多分初出音源。
 62才のセゴビアがエディンバラ音楽祭に出演した折の貴重な音源。
BBCL-4109
(2CD)
廃盤
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻(全曲) ロザリン・テュレック(P)
 録音:1977年7月4日、BBCスタジオ、ロンドン。
BBCL-4110
廃盤
ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲 ロ短調(*)
シューマン:チェロ協奏曲 イ短調(#)
チャイコフスキー:奇想的小品(+)
ムスティスラフ・
 ロストロポーヴィチ(Vc)
エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮
ソヴィエト国立so.(*)
ベンジャミン・ブリテン指揮
LSO(#)、ECO(+)
 録音:1968年8月21日、ロイヤル・アルバート・ホール(*)/1961年7月6日、オルフォード・チャーチ、第14回オールドバラ音楽祭(#)/ 1968年6月16日、スネイプ、モールティングス、第21回オールドバラ音楽祭(+)。一部モノラル。
マイラ・ヘス
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番(*)
 モーツァルト:
  ピアノ協奏曲第23番 K.488(+)/
  アダージョ ロ短調 K.540(#)/ロンド ニ短調 K.485(#)
マイラ・ヘス(P)
エイドリアン・ボールト指揮
LPO(*/+)
 録音:1961年9月8日、ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン(*)/1961年10月31日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン(+)/ 1958年10月12日、BBCメイダ・ヴェイル・スタジオ、ロンドン(#)。すべてモノラル。
 ヘス(1890-1965)を語る上で忘れるわけにはいかないベートーヴェンの第4協奏曲の登場。彼女は1907年、ロンドンのクイーンズ・ホールでのデビューの際、ビーチャムの指揮をバックにこの曲を弾き、 一躍その名を世界に轟かせることになったのである。BBC LEGENDSからはヘスの弾く第2番&第5番(BBCL-4028)もある。
BBCL-4112
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廃盤
流通在庫限り
モントゥー〜1960/1961年ライヴ
 ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」(*)
 R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」(+)
 ベルリオーズ:ラコッツィ行進曲(#)
 ケルビーニ:「アナクレオン」序曲(**)
ピエール・モントゥー指揮
RPO(*/**)、BBCノーザンso.(+)、
LSO(#)
 録音:1960年1月12日(*)&1960年1月25日(**)、BBCスタジオ、ロンドン(*/**)/1960年12月21日、ミルトン・ホール、マンチェスター(+)/1961年12月15日、キングズウェイ・ホール、ロンドン(#)。すべてモノラル。
 このモントゥーの「英雄」は時期的に、有名なVPO盤(1957年;DECCA)とコンセルトヘボウo.盤(1962年;PHILIPS)の中間に位置するもので、彼の特徴である造形美と格調の高さはそのままに、 ライヴならではの自然な空気を伝えている。
ビーチャム〜クラシック小品集
 シャブリエ」歌劇「グヴァントリーヌ」序曲(*)
 モーツァルト:ディヴェルティメント K.131〜3つの楽章(+)
 ディーリアス:ブリッグの定期市(+)
 ドビュッシー:
  カンタータ「放蕩息子」〜行列とエール・ド・ダンス(+)
 サン=サーンス:交響詩「オンファールの糸車」(#)
 ベルリオーズ:歌劇「トロイの人々」〜王の狩りと嵐(**)
 マスネ:聖処女の最後の眠り(+)
 シャブリエ:狂詩曲「スペイン」(+)
トマス・ビーチャム指揮
RPO、
BBCcho.(**)
 録音:1955年12月20日(*)/1956年10月22日(+)/1958年12月9日(#)/1959年11月4日、BBCメイダ・ヴェイル・スタジオ、ロンドン(**)。すべてモノラル。
 ビーチャム得意のアンコール・ピース集。ディヴェルティメントからのうちの2楽章以外はスタジオ録音も残している。
ケンプ・イン・ロンドン〜1969 & 1972
 シューベルト:ピアノ・ソナタ第6番 ホ短調 D.566(*)
 ブラームス:4つのバラード Op.10(*)
 シューマン:ピアノ・ソナタ第2番 ト短調 Op.22(*)
 シューベルト:即興曲 変イ長調 D.935 No.2(*)
 ブラームス:
  ロマンス ヘ長調Op.118 No.5(+)/
  間奏曲 変ホ長調Op.118 No.6(+)/
  間奏曲 変ホ長調Op.76 No.4(+)
ヴィルヘルム・ケンプ(P)
 録音:1972年9月17日(*)&1969年11月3日(+)、ロンドン、クイーン・エリザベス・ホール。
 ケンプ70歳代半ば、2つのライヴから真骨頂を示すドイツものを収録。ベートーヴェン、チェルニー、リスト、ビューロー、ハインリヒ・バルトそしてケンプと、ドイツ本流に連なる系譜の重み。 柔らかいタッチのピアノがこの上なく魅力的なシューベルトなど、円熟という言葉はまさしく彼のためにあることを感じさせる味わい深さ。すべてスタジオ盤で聴ける内容ながら、 完成されたライヴも聴き応え満点。良好なステレオ録音。
BBCL-4115
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廃盤
流通在庫限り
シベリウス:交響曲第2番(*)
チャイコフスキー:バレエ「眠れる森の美女」組曲(+)
ベートーヴェン:「エグモント」序曲(#)
レオポルド・ストコフスキー指揮
BBC so.(*)、
ニュー・フィルハーモニアo.(+/#)
 録音:1964年9月15日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール(*)/1965年9月10日、ロンドン、キングズウェイ・ホール(#)/1973年6月7日、メイダ・ウェルズ・スタジオ(+)。
 (*)はプロムスでのライヴ。その拍車もかかって、オーケストラに聴衆を巻き込んで乗せまくるストコ節全開のド派手な演奏。アゴーギグが物凄いフィナーレも彼だからこそなせるワザ。 この熱演に応えるべく、一気に解き放たれる終演後の歓声も最大級。また、最近発見された傷のないマスターが使用されたため音質も改善されている。初出の(+)も数種あるスタジオ録音を凌ぐ盛り上がり。 そして神々しいまでの風格を湛えた(#)は実に91歳での指揮。生涯で7000回を超えるコンサートに、のべおよそ1000万人を動員したオーケストラの魔術師の面目躍如といった内容。ステレオ&モノラル。
 #既に在庫僅少のため、入手出来無い場合はご容赦下さい。
BBCL-4116
(3CD)
廃盤
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻 ロザリン・テュレック(P)
 録音:1976年4月27日、5月4、12、18、25日、11月4日、ロンドン、BBCブロードキャスティング・ハウス、コンサートホール、ステレオ。
ジャネット・ベイカー〜リサイタル
 グルック:おお、私の愛しい人よ
 リュリ:暗い森は陰を濃くして
 マルチェッロ:私を燃え立たすその炎は
 バークリー:オーデンによる5つの詩
 フィンジ:花を捧げよう Op.18〜ああ、愛しい君よ
 ヴォーン・ウィリアムズ:
  美しい人よ、目覚めよ/疲れて/
  沈黙の正午/リンデン・リー
 ブリテン編曲:「イギリス民謡集」より
  [柳の園/おお、あなたはクッションが縫えますか?/
   ああ悲しや、悲し/
   おまえはニューカッスルの出ではないのか]
 パーセル:眠れ、アダムよ眠れ(*)/主よ、人とは何か(*)
 ウォーロック:
  眠れ(*)/プリティ・リング・タイム(*)/
  休め、優しきニンフよ(*)/陽気な羊飼い(*)
ジャネット・
 ベイカー(Ms)
ジェフリー・パーソンズ(P)
 録音:1983年7月4日、チェルタナム・タウンホール(*以外)/1968年6月10日、スネイブ・モルティングス・コンサートホール、オールドバラ音楽祭(*)。
 ビーチャムと並びBBC LEGENDSの顔といえるベイカー。意外にも既出の3枚には無かったイギリス作品が中心。フィンジやバークリーなども入ったイギリス音楽ファン必聴の一枚。 きわめて深いところから湧き上がる起伏の大きい感情表現と、理知的で折り目正しい歌唱。この二つのバランスがみごと。ホールの美しい響きも印象に残る上質のステレオ録音。
BBCL-4118
廃盤/入手不能
リスト:ファウスト交響曲 ジョン・ミッチンソン(T)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮
BBCノーザンso.&男声cho.
 録音:1972年4月23日、イングランド、サルフォード大学。
BBCL-4119
廃盤
モーツァルト:レクイエム(*)
ブリテンとの対話(+)
アルフレーダ・ホジソン(S;*)
ヘザー・ハーパー(A;*)
ピーター・ピアーズ(T;*)
ジョン・シャーリー=カーク(B;*)
ベンジャミン・ブリテン指揮(*)
イギリスco.(*)
オールドバラ祝祭cho.(*)
ドナルド・ミッチェム
(インタビュアー;+)
 録音:1971年6月20日、オールドバラ、スネイプ・モルティングズ(*)/1969年2月、オールドバラ、レッド・ハウス(+)。
 DECCAへの録音などでモーツァルト指揮者としての手腕を発揮したブリテンが、スタジオ録音を残さなかったレクイエムのライヴが登場。ピアーズ他親しく交流した独唱者で固めた格調高い演奏。
BBCL-4120
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廃盤
流通在庫限り
モーツァルト:交響曲第40番 ト短調(*)
シューベルト:
 交響曲第8番「未完成」(+)/交響曲第5番(#)
ジョン・バルビローリ指揮
ハレo.
 録音:1962年9月14日(*)、1965年12月31日(+)、BBCメイダ・ヴェイル・スタジオ(*/+)/1968年8月9日、ロイヤル・アルバート・ホール(#)。一部ステレオ(該当曲未詳)。
 バルビローリが得意としていながら、スタジオ、ライヴともに存在が知られていなかった二大名曲(*/+)がついに登場。手兵との呼吸の合った、旋律をたっぷり歌わせるバルビローリ節全開の演奏。 (#)もエネスコ州立o.との録音(1961年末、未CD化)があったきりという貴重な録音レパートリー。
BBCL-4121
廃盤
リムスキー=コルサコフ:
 交響組曲「シェエラザード」(*)/
 歌劇「ムラダ」〜貴族たちの行列(+)
スクリャービン:「法悦の詩」(#)
ジョン・ジョージアディス(Vn;*)
エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮
LSO(*/+)、ソヴィエト国立so.(#)
 録音:1978年2月21日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ(*/+)/1968年8月22日、ロイヤル・アルバート・ホール(#)、ライヴ。すべてステレオ。
 スヴェトラーノフとLSOのコンビはEMIに「シェエラザード」をスタジオ録音しているが、(*)はその直前に行われ、その録音のきっかけになった快心の演奏。第1楽章の冒頭、ブラスの咆哮から、 LSOのサウンドはロシアのそれに一変、ややおとなしかったスタジオ録音の印象を払拭する怪物的演奏が展開される。手兵を指揮したお気に入りの(#)も色彩豊かな演奏。
ホスショフスキ〜97歳でのリサイタル
 バッハ:フランス組曲第6番 BWV.817
 ベートーヴェン:
  ピアノ・ソナタ第6番 ヘ長調Op.10 No.2
 シューマン:蝶々
 ショパン:
  夜想曲 変ホ長調Op.9 No.2/
  即興曲 嬰ヘ長調Op.36/
  ワルツ 嬰ハ短調Op.64 No.2
  スケルツォ第1番 ロ短調Op.20/
  エチュード ヘ長調Op.25 No.2
 シューマン:トロイメライ
ミェチスワフ・ホルショフスキ(P)
 録音:1990年6月21日、ロンドン、ウィグモア・ホール。
 1892年ポーランド生まれのホルショフスキが98歳の誕生日を迎える2日前の録音。レシェティツキーに学び、ペライアやシフらを育てた彼は、引退することなく1993年に亡くなるまで演奏活動を続けた。 絶品のショパン、造型の美しいバッハ、アンコールにおける悟りきったようなトロイメライなどが忘れがたい印象となってに残る。もちろん録音は良好なステレオ。
1982年、ジュリーニのブルックナー第7
 ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(*)
 ファリャ:バレエ「三角帽子」〜2つの踊り(+)
 ムソルグスキー:
  歌劇「ホヴァンシチナ」前奏曲(#)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
フィルハーモニアo.
 録音:1982年7月19日(*)、1963年8月8日(+)、ロイヤル・アルバート・ホール、ステレオ(*/+)/1961年9月7日、エジンバラ、アッシャー・ホール、モノラル(#)。おそらく初出音源。
 極限まで遅いテンポで心ゆくまで歌い上げる、スケールの大きなブルックナーのライヴ。ことに、ひたすら悲しみに溺れていくようなアダージョは圧巻。音質も万全。 壮年期の演奏である(+)(#)はカタログ初出レパートリー。
1958年、ベイヌムのベートーヴェン第2&第7
 ベートーヴェン:
  交響曲第2番 ニ長調/交響曲第7番 イ長調
エドゥアルト・ファン・ベイヌム
 指揮フィルハーモニアo.
 録音:1958年11月10日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、モノラル。初出音源。
 べイヌムが病に倒れたクレンペラーの代役として登場したいわくつきのライヴで、翌年に逝去する彼がフィルハーモニアo.に客演した生涯唯一の機会の貴重な記録。 クレンペラー目当ての聴衆を大満足させた演奏であったことは、終演後の彼らの熱狂ぶりで明らか。 全集完成に至らなかったべイヌムにとって第7番は完全初出レパートリー。
1963年、アラウのブラームス第2協奏曲
 ブラームス:
  ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調(*)
 シューベルト:3つの小品 D.946(+)
クラウディオ・アラウ(P)
アレグザンダー・ギブソン指揮(*)
スコティッシュ・ナショナルo.(*)
 録音:1963年6月17日、グラスゴー、ケルヴィンホール、ライヴ、モノラル(*)/1959年3月9日、ロンドン、BBCスタジオ、モノラル(+)。初出音源。
 還暦を迎えたアラウが得意の(*)で脂の乗り切った演奏を聴かせる。(+)も絶品。
BBCL-4126
廃盤
1963年、リヒテルのロンドン・ライヴ
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9番(*)/
          ピアノ・ソナタ第10番(*)
 シューベルト:「さすらい人」幻想曲(*)
 シューマン:
  ウィーンの謝肉祭の道化(+)/
  アベッグ変奏曲(+)
 ショパン:練習曲 Op.10 No.4(+)
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
 録音:1963年2月2日(*)&1月27日(+)、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ、モノラル。初出音源。
 この年、ロンドンでわずか2回だけ行われた演奏会の録音。BBC通算7枚めのソロ・アルバムで、これまでで最も古い時期のもの。中でも興味深いのは「さすらい人」幻想曲で、これまでは、 この演奏会のすぐ後から行われた複数回のライヴより取られたとされているEMIへの録音がたった一つあったのみ。 そちらでも実に推進力あふれる名演だったから、今回通しのライヴ演奏として聴けるのはまさに朗報。 なお、ショパンのみBBCL-4121で既出の演奏かもしれない。
BBCL-4127
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廃盤
流通在庫限り
1965年、オイストラフの
 ベートーヴェン&モーツァルト

 ベートーヴェン:
  ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61(*)
 モーツァルト:
  ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K.218(+)
ダヴィド・オイストラフ
(Vn)指揮(+)
キリル・コンドラシン指揮(*)
モスクワpo.
 録音:1965年10月10日(*)、12日(+)、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、モノラル。初出音源。
 ヴァイオリンの魅力のすべてを備えたオイストラフの弾き振りによるモーツァルトと、コンドラシンが引き締まった指揮で支えるベートーヴェン。
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調Op.111(*)
 D.スカルラッティ:
  ソナタK.11(*)/ソナタK.332(#)/ソナタK.172(#)
 クレメンティ:ピアノ・ソナタ 変ロ長調(+)
 ショパン:ピアノ・ソナタ第2番「葬送」(+)
アルトゥーロ・ベネデッティ・
 ミケランジェリ(P)
 録音:1961年5月12日(*/#)/1959年6月30日(+)、以上BBCスタジオ。モノラル。(*/#)はおそらく初出の音源で、(#)はミケランジェリのディスク初レパートリー曲になると思われる。また、 (+)は既出の演奏ながら、マスターからの初復刻となるもの。
 (+)はBBCL-4064と合わせて、同日のプログラム全曲となる。また、クレメンティは現在のところミケランジェリ唯一の録音で貴重なもの。 また、ショパンの同曲には意外にもスタジオ録音が無く、 今回の録音がもっとも録音コンディションの良い音源となる可能性があり、ファン注目だ。
なんと、ケンペの「大地の歌」!!
 マーラー:大地の歌
  [付録:ケンペへのインタビュー
   (聞き手:ジリアン・ウィディコム)](*)
ジャネット・ベイカー(Ms)
ルドヴィク・スピース(T)
ルドルフ・ケンペ指揮
BBC so.
 録音:1975年10月8日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール/1974年3月21日、ロンドン(*)。ともに初登場音源。
 何とこれはびっくり、ケンペの棒による「大地の歌」があったとは!! もちろん彼のディスク初レパートリーとなるもので、1975年9月にBBC響の首席指揮者に就任した直後のライヴ。 亡くなる前年という円熟期にある演奏ということもあって、オケを存分に歌わせたスケールの大きな音楽作りが魅力。歌手陣も、 名メゾのベイカーと、カラヤンが同曲に2人のテノールを起用したことでも話題となった1970年12月15日のライヴ(ARKADIA=HUNT/現在廃盤)で熱唱を聴かせていた、 ルーマニア出身のスピースという、見逃せない組み合わせ。 なお、付録のインタビューは、ケンペ自身がクレンペラー、ワルター、そしてフルトヴェングラーについて回想しているもので、これも興味深い。マーラー・ファン、ケンペ・ファン共に必聴のCDが登場だ。
ルービンシュタイン&オーマンディ
 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調Op.73「皇帝」(*)
 ブラームス:ラプソディ第2番 ト短調Op.79-2/
        間奏曲 変ロ短調Op.117-2
 ショパン:
  夜想曲第3番 変ト長調Op.15-2/練習曲 嬰ハ短調Op.10-4/
  ポロネーズ第6番 変イ長調Op.53「英雄」
 ブラームス:カプリッチョ 変ロ短調Op.76-2
 シューベルト:即興曲第3番 変ト長調D.899-3/
         即興曲 第4番 変イ長調D.899-4
アルトゥール・
 ルービンシュタイン(P)
ユージン・オーマンディ指揮
フィルハーモニアo.(*)
 録音:1963年6月14日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール/1958年11月29日、BBCスタジオ。モノラル。初登場音源。
 ルービンシュタインはこれらの曲を繰り返し録音しているが、 (*)のオーマンディとの顔合わせというのは、たしかベートーヴェンの協奏曲としては初登場。演奏当時76歳とは思えない(この後15年以上も演奏しつづけたのだから当然だが)ほど、 美しく明るい音色で華麗にしあがっている。また、ソロ演奏は、やはりショパンが圧巻。
BBCL-4131
廃盤/入手不能
テンシュテットの「合唱」、マスターから初復刻!
 ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱」
マリ=アンネ・ヘガンデル(S)
アルフレーダ・ホジソン(Ms)
ロバート・ティア(T)
グゥイン・ハウエル(B)
クラウス・テンシュテット指揮
LPO、同cho.
 録音:1985年9月13日、ロイヤル・アルバート・ホール。初出・前出: RARE MOTH [CD-R], RM-400S 。マスター・テープからの初復刻となったもの。
エリーザベト・
 ゼーダーシュトレーム(S)リサイタル

  リスト:君よ知るや南の国(*)
  シューベルト:
   糸を紡ぐグレートヒェン(*)/
   あふれる喜びとあふれる悲しみと(*)/魔王(*)
  チャイコフスキー:
   何故に(*)/ただあこがれを知る者のみ(*)/
   かっこう(*)
  ラフマニノフ:
   美しい人よ、私のために歌わないで(*)/
   ミュッセからの断片(*)/ねずみを取る男(*)
  グリーグ:君を愛す(*)
  シベリウス:少女(*)
  R.シュトラウス:慕わしき幻(#)/
            風雨をしのぐ仮の宿を(#)
  グリーグ:さくら草を手に(#)/睡蓮を手に(#)
  ニルセン:りんごの花(#)
  リスト:もし美しい芝生があるなら(#)/
       おお、私が眠る時(#)/
       わが子よ、もし私が王だったら(#)/
       どうした、と彼等は言った(#)
  シューベルト:至福(#)
  ヴォルフ:「スペイン歌曲集」〜悪態の限りをつく(#)
エリーザベト・
 ゼーダーシュトレーム(S)
ロジャー・ヴィニョールズ(P;*)
マーティン・イセップ(P;#)
 録音:1984年4月30日、セント・ジョンズ・スミス・スクエア(*)/1971年8月14日、クイーン・エリザベス・ホール(#)、以上ロンドン。初出音源。
 スウェーデンの国際的名花、ゼーダーシュトレーム。彼女が44歳と56歳で行なったこれらのリサイタルは、陰影豊かな声質と知的な歌い回しでまさに女王の佇まい。
シューマン:チェロ協奏曲 イ短調(*)
ヒンデミット:チェロ協奏曲(#)
*付録:トルトゥリエのマスター・クラス*
  ヒンデミットのチェロ協奏曲(#)
ポール・トルトゥリエ(Vc)
アンタル・ドラティ指揮
BBCso.(*)
エドワード・ダウンズ指揮
ニュー・フィルハーモニアo.(#)
 録音:1962年11月11日(*)/1967年12月8日、BBCスタジオ、ロンドン(#)。モノラル。
 芯のしっかりとした音色と、明快に弾き切るスタイルで人気を博したフランスの名手トルトゥリエ(1914-1990)。名指揮者ドラティとの熱いやりとりが聴けるシューマンが会心の出来栄え。 息子ヤン=パスカルとのEMI盤(1978)、アーベントロート盤(1955)などが知られる得意曲である上、時期的にもテクニックの絶頂期を切り取ったもので貴重である。 作曲者御前演奏もしたヒンデミットも聴きもの。なお、ブックレットの寄稿では、ヤン=パスカルが父親とアルバム収録曲について語っており、こちらも興味を引く。
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第5番 ニ長調「幽霊」
モーツァルト:ピアノ三重奏曲 ト長調 K.564
ブリッジ:ピアノ三重奏曲第2番
ユーディ・メニューイン(Vn)
モーリス・ジャンドロン(Vc)
ベンジャミン・ブリテン(P)
 録音:1963年6月24日、オールドバラ教区教会。第16回オールドバラ音楽祭ライヴ。ステレオ。
 ブリテンが創始したオールドバラ音楽祭ならではの夢の顔合わせ。名手ブリテンのピアノを中心に、アンサンブルの妙を得た三者による親密な音楽作りが好ましい。 なかでもブリテンの師ブリッジが書いた第2番は英国室内楽の最高峰に位置する傑作で、ほかでもないブリテンを加えた当演奏は、彼以上の適役が見つからない点からも決定盤的内容と言える。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調
シューマン:交響的練習曲Op..13
バルトーク:ピアノ組曲Op.14
ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲
ゲザ・アンダ(P)
 録音:1955年8月23日、フリーメイソンズ・ホール。エジンバラ音楽祭。モノラル。
 モーツァルトやバルトーク演奏で不朽の名を残すアンダ。彼30代半ば、正に上り坂という時期のライヴが登場。故郷の土煙匂い立つバルトークが初出レパートリー。 ベートーヴェンとブラームスはスタジオ盤が復刻(EMI/TESTAMENT)されているが、ここではライヴだけにさらに驚異的。とくにブラームスが、 ドナホーニ直伝ハンガリー屈指のヴィルトゥオーゾぶりを聴き手に焼き付けて強烈である。翌年のザルツブルク・ライヴ(ORFEO D'OR)が印象に残るシューマンも、強靭な打鍵が実に爽快。
BBCL-4136
廃盤
マーラー:交響曲第2番 ハ短調「復活」 レイ・ウッドランド(S)
ジャネット・ベイカー(Ms)
レオポルド・ストコフスキー指揮
LSO、BBCcho.、
BBCコラール・ソサエティ、
ゴールドスミス・コラール・ユニオン、
ハーロー・コラール・ソサエティ
 録音:1963年7月30日、ロイヤル・アルバート・ホール、ライヴ。モノラル。IntaglioやM&AからCD化されていたが、長らく入手困難でファンを嘆かせていた物。もちろんマスターからの初復刻。
 華麗にオケを鳴らすことにかけては魔術的な手腕をみせたストコフスキー。当曲は別演奏を加えると3種の録音(ほかに1967年のフィルデルフィア管とのライヴと、1974年ロンドン響とのRCAへの録音) があることからも、巨匠十八番の演目といえるだろう。 彼の残したマーラーは意外にも「復活」と「千人」のみだが、声楽付きの巨大な編成や長大な楽曲規模、派手な演奏効果は共通している。聴衆へのアピール・ポイントもふんだんにある「復活」は彼にピッタリで、 フィナーレのコーダにおける大幅に増強した合唱も効果絶大で盛り上がる。本アルバムには収録されていないが、当夜は熱狂のあまりフィナーレをアンコール演奏したほどだという。 いかに音楽を楽しく面白く聴かせるかというテーマに対するストコフスキーのサービス精神にはひたすら敬服で、マーラーといえどもスペクタクルなエンターテインメントに仕上げてしまうあたり圧巻というほかない。 正にファン必携、これぞ面目躍如の「復活」と言えるだろう。思いのほか音質もクリア。
ベートーヴェン:
 弦楽四重奏曲第1番 ヘ長調 Op.18 No.1(*)
モーツァルト:
 弦楽四重奏曲第20番 ニ長調 K.499
  「ホフマイスター」(#)
スメタナ:
 弦楽四重奏曲第1番 ホ短調「わが生涯より」(#)
スメタナSQ
 録音:1963年1月12日、マンチェスター、BBCスタジオ(*)/1965年6月14日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァルホール(#)。初出音源。
 わが国ではひときわ人気の高いスメタナ・カルテットのライヴが、BBCに残されていたとは思いがけない歓び。専属契約の関係でほとんど封印同然であった彼らのライヴが日の目を見るのは異例のこと。 1955年にロンドンデビューを果たし、1960年代から70年代にかけてキャリアの絶頂期を迎えつつあった頃のもので演奏も見事。すべてスタジオ盤でもおなじみの曲目、 アンサンブルの名を戴いたスメタナを筆頭にさすがというかゾクゾクするような興奮を覚える。
ショパン:
 ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調(*)/
 スケルツォ第4番 ホ長調 OP.54(#)/
 前奏曲 嬰ハ短調 OP.45(+)/
 24の前奏曲 OP.28(+)
ヴラド・ペルルミュテール(P)
 録音:1964年5月22日(*)/1971年12月8日(#)/1972年7月6日(+)、以上ロンドン、BBCスタジオ。
 コルトー、モシュコフスキらに師事し、作曲者直々に薫陶を受けた経緯や数多くの初演を手掛けた実績からラヴェルの権威として知られるペルルミュテール。 2002年に98歳の長寿を全うした彼は来年生誕100年を迎える(1904年生まれ)。これを機にタイミング良くBBCからスタジオ・ライヴがリリースされる。 順に演奏時59、67&68歳のショパンはスタジオ盤(Nimbus)でもそのセンスは実証済みだが、伝説のラヴェル演奏に並ぶ美しさ。瑞々しいタッチを捉えた録音もポイント。
スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲
ドヴォルジャーク:交響曲第8番 ト長調
ヤナーチェク:シンフォニエッタ
クラウス・テンシュテット指揮
LPO
録音:1991年4月2日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン。ライヴ。CD-R使用のRARE MOTHからRM-431Sとして出ている物だが、今回マスターからの初復刻。
 「第9」(BBCL-4131/廃盤)の圧倒的な支持を受けて2004年新春に登場した物。これも伝説の1991年4月2日オール・スラヴ・プログラムで、すべての演目がスタジオ盤に無いという魅力的なラインナップ。濃厚なチェロの歌い口ではじまるドヴォルジャークは活き活きとしたリズムが弾み、各フレーズに意味が宿った有機的なアンサンブルは、やがて荒々しく音を割ったホルンの咆哮やティンパニの強打が炸裂する展開部へと向かい、得意のマーラーを思わせる厳しくも痛ましい悲哀が込められた壮絶な魂の音楽が展開する。これに匹敵する「第8番」ではクーベリックのライヴ盤(オルフェオ)も浮かぶが、偶然にも両者はマーラー実演の白熱ぶりが重なるのも興味深い。スメタナ、ヤナーチェクと音質も素晴らしく、これほどの演奏を聴いて心が動かされない筈が無い。
カルロ・マリア・ジュリーニ
 シューベルト:交響曲第9番「グレイト」(*)
 ウェーバー:「魔弾の射手」序曲(#)
 ブリテン:劇場の建設Op.79〜序曲(+)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
LPO(*)、
ニュー・フィルハーモニアo.(#/+)&cho.(+)
 録音:1975年5月14日(*)/1970年12月13日(#)/1968年1月16日(+)、以上ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ。(*)のみステレオ。全て初出となる音源で、 (#)と(+)はジュリーニにとってディスク初レパートリーとなるもの。
 (*)はシカゴ響とのDGへの録音(1977年)の2年前で、彼の同曲演奏としては最も初期の物となる。ジュリーニがもっとも充実していた時期に行なった途方もなく巨大でエネルギッシュな演奏で、 どっしりとした響きの中で拡がりを持って旋律が歌い尽くされてゆくところが最大の魅力。 これはDG録音とも共通するスタイルだが、リズムの冴えも抜群。すなわち惑溺するような唯美表現が支配するバイエルン放送響ライヴ(1993年、SONY)と比較しても、 いっそうジュリーニらしさが鮮明な内容となっている。 なお、ロンドン・フィルの「グレイト」は意外と少ないが、通の間で人気の高いボールトによる2種の演奏(1972年のEMIスタジオ録音と1969年のライヴ[BBC LEGENDS]。 更にボールトは1954年にも同オケと同曲を録音しているが[WESTMINSTER]、未CD化のまま) が今回のジュリー二盤とと近い時期に残されているのは興味深い。 なお、ジュリーニ唯一のウェーバーと、ロンドン初演を手掛けた珍しいブリテン作品がきけるのもファンには魅力。
 ・「グレイト」演奏時間の比較・
    ロンドン・フィル(1975年):I; 14'07"/II; 15'56"/III; 10'43"/IV; 11'03"
    シカゴ響(1977年):I; 14'26"/II; 16'51"/III; 16'10"/IV; 11'08"
    (ロンドン・フィルとのライヴでは第3楽章の反復なし)
BBCL-4141
廃盤
アニー・フィッシャー
 シューマン:
  子供の情景Op.15(*)/
  クライスレリアーナOp.16(*)/
  幻想曲 ハ長調Op.17(#)
アニー・フィッシャー(P)
 録音:1986年4月8月、BBCブロードキャスティングハウス・コンサートホール(*)/1971年2月24日、BBCスタジオ(#)。共にライヴ。ステレオ。初出音源。
 亡くなって既に10年近くになるが、なお高い支持を集めるアニー・フィッシャー(1914-1995)。彼女はこれらの曲をEMIへスタジオ録音しているが、ライヴは確かこれが初登場。これらを得意にしていた彼女らしく、ここではあくまで自然体の音楽が聴ける。
 収録曲間で10年以上の開きがあるが録音状態は良好。
初出! オグドンとホーレンシュタインの「皇帝」!
 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲第5番「皇帝」(*)/
  自作の主題による32の変奏曲 ハ短調(#)
 シューベルト:
  ピアノ・ソナタ第19番 ハ短調D.958(#)
ジョン・オグドン(P)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮
BBCノーザンso.(*)
 録音:1969年1月21日、フェストハレ、フィアゼン、ドイツ(*)/1972年1月23日、BBCスタジオ、ロンドン(#)。以上ライヴ。(*)はモノラル、(#)はステレオ。全て初出音源。 また、オグドンとホーレンシュタイン双方にとって、全曲ディスク初レパートリー。
 なんとオグドンとホーレンシュタインによる「皇帝」というとてつもないアイテムが登場だ。オグドンは意外にもベートーヴェンのピアノ協奏曲を1曲も録音しておらず、他の4曲も含めこれがディスク初レパートリー。 また、ホーレンシュタインによる同曲も、放送録音が記録にあるもののこれまでディスクとして発売されたことはなかった。今回の音源は大成功を収めたドイツ・ツアーからのライヴで、 眩いばかりのピアノと雄渾なオケが曲のイメージそのままの演奏を繰り広げている。 また、フィル・アップの2曲もオグドンにとっては初音盤となるもので、ことにシューベルトはこれまで「楽興の時第3番」しかディスクでは聞けなかっただけに、非常に珍しいもの。
 これはオグドン・ファン、ホーレンシュタイン・ファンともに必聴と言えるだろう。
BBCL-4143
廃盤/入手不能
チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調(*)
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番(#)
ムスティスラフ・
 ロストロポーヴィチ(Vc;#)
ゲンナジー・
 ロジェストヴェンスキー指揮
レニングラードpo.
 録音:1971年9月9日、ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン(*)/1960年9月9日、アッシャー・ホール、エディンバラ音楽祭、ライヴ(#)。
BBCL-4144
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(2CD)
1.5CD価格
ヴェルディ:
 歌劇「運命の力」序曲(*)/レクイエム(#)
イルヴァ・リガブーエ(S;#)
グレース・バンブリー(Ms;#)
シャーンドル・コーンヤ(T;#)
ラファエル・アリエ(B;#)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
フィルハーモニアo.、
フィルハーモニアcho.(#)
 録音:1961年5月16日(*)/1964年4月26日(#)、以上ロイヤル・フェスティヴァルホール、ロンドン。ライヴ。
 熱い激情と深い祈り、ジュリーニ自身ならびに「ヴェルレク」の決定盤に数えられるフィルハーモニア管とのスタジオ盤(1963年&1964年、EMI/CMS 5 67563 2)とほぼ同時期に行われたライヴは、熱心なファンの間で伝説的と噂されていたもの。同レーベルからはジュリーニ&フィルハーモニア2種目のヴェルレク(1種めは1963年のライヴ[BBCL-4029])となるが(それにしてもライヴ盤2種とスタジオ盤で、歌手が全員異なるのは非常に面白い)、レーベルによれば声楽陣の歌唱が抜群に素晴らしいとのこと。なかでも絶頂期のバンブリーと、スタジオ盤と同じヴィルエルム・ピッツ率いるフィルハーモニア合唱団の力強い歌声に打たれる。2004年5月のジュリーニ90歳記念緊急リリースだった。
エフゲニー・スヴェトラーノフ
 グリンカ:2つのロシアの主題による交響曲
 プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」
 チャイコフスキー:交響曲第3番 ニ長調「ポーランド」
エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮
ソビエト国立po.
 録音:1968年8月24日、アッシャー・ホール。エジンバラ音楽祭ライヴ。ステレオ。
 またもスヴェトラーノフのとんでもないライヴが発掘。今回のポイントはマニアには悲願のプロコ「古典」。録音データが異なる別演奏のIntaglio盤(廃盤)が出たきりでまったくの初出となる。 オケに殺人的な演奏技術を強いるこの作品、ソヴィエト屈指の精度を誇るアンサンブルと、なによりスヴェトラーノフの暴力的な指揮ぶりとがあいまって寒気さえ覚える前代未聞の仕上がり。 そもそも当ライヴ自体がマニア筋に存在さえ知られていなかったもので、チャイコ、グリンカもスタジオ盤を上回る暴発力。ステレオ録音で魅力も倍増。
BBCL-4146
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廃盤
流通在庫限り
スヴャトスラフ・リヒテル
 シューベルト:
  楽興の時D.780 より[第1番/第3番/第6番](*)/
  ピアノ・ソナタ第6番 ホ短調D.566(#)
 ショパン:舟歌 嬰へ長調Op.60(+)
 リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調(+)
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
 録音:1965年6月22日、ジュビリー・ホール、オールドバラ(*)/1964年6月20日、オールドバラ教区教会(#)/1966年6月21日、オールドバラ教区協会(+)。すべてステレオ。
 アメリカ・デビュー以降、1960年代のリヒテルはリサイタルで欧米諸国を一日刻みに駆け巡る生活に拍車をかけていた。この間1964年から1967年にかけて毎年6月には必ずオールドバラに駆けつけ、朋友ブリテンやロストロポーヴィチらとの共演を果たしている。これはその音楽祭でのライヴをまとめたもの。実際には各日ともソロ・リサイタルではなくデュオを挟む形で構成されていた(ちなみに1965年はブリテンとの連弾を含むシューベルティアーデ、1964年はロストロとのブラームス第1ソナタのあとにブリテンとシューベルトを連弾といった具合)。ことに弾きまくる1966年のリストは、リヒテルのベスト・パフォーマンスに挙げられているほど。澄みきっていながら重く腹に響き渡る打鍵は、聴けばたちどころに彼と分かる。
レジナルド・グッドール
 ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(*)
 ワーグナー:
  「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
    〜第1幕への前奏曲(#)
レジナルド・グッドール指揮
BBC so.(*)、
イングリッシュ・ナショナル・オペラo.(#)
 録音:1971年11月3日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン(*)/1974年10月27日、スネイプ・モールティングス、オールドバラ(#)。ともにステレオ。初出音源。
 音楽評論家、山崎浩太郎氏も大注目、英国が誇るワーグナー指揮者グッドールのブル7&名歌手前奏曲。
 イギリスが生んだ最大のワーグナー指揮者グッドール。スケールの大きな音楽で発売時に話題を集めた第8番(BBCL-4086)に次いで、ブルックナー第7番が登場。「クライバーが讃え、ショルティが恐れた男〜指揮者グッドールの生涯」の著者で熱心な崇拝者、音楽評論家の山崎浩太郎氏がかねて存在を指摘していた演奏がようやく日の目を見た。氏によると、「同日のトリスタン前奏曲(ブル8とカップリング)の素晴らしさそのままに、遅めのテンポで何もかもが理想的に進められてゆくブルックナー」で、さらに、稀代のワーグナー指揮者の本能が呼び覚まされた「マイスタージンガー」前奏曲が収録されたのも大きなポイント。これはグッドールが「聖地バイロイトに並ぶ最高の音響」とまで絶賛したと伝わるモールティングスに初めて立った日の記念すべきライヴ。ちなみにここはかつての朋友ブリテンゆかりのホール(グッドールとブリテンとの間柄については前掲書に詳しく描かれている)。
 ブル8にシビレた方にはもちろん、すべてのブルックナー・ファン、ワグネリアンの方々に福音となる貴重なアルバム。
ルチア・ポップ、エジンバラ・リサイタル 1980&1983
 シューベルト(*):
  わが心に D.860/泉のほとりの若者 D.300/
  狩人の夕べの歌 D.368/一人住まい D.800
 シェーンベルク(*):
  期待 Op.2-1/あなたの金の櫛を私におくれ Op.2-2/
  高揚 Op.2-3/森の木漏れ日 Op.2-4
 R.シュトラウス(*):
  オフィーリアの3つの歌 Op.67/わが目 Op.37-4/
  わが子に Op.37-3/サフラン Op.10-7/
  私の父は言いましたOp.36-3/万霊節 Op.10-8
 ドヴォルジャーク(#):民謡調で Op.73
 マーラー(#):
  たくましい想像力/緑の森を楽しく歩いた/夏の交代/
  いたずらな子をしつけるために
 ブラームス(#):
  49のドイツ民謡集より
   [あの谷に菩提樹が立っている/
    いったいどうやって門から入ろうか?/静かな夜に]/
  憧れ Op.49-3/悲しむ娘 Op.7-5
ルチア・ポップ(S)
アーヴィン・ゲージ(P;*)
ジェフリー・パーソンズ(P;#)
 1983年8月30日(*)&1980年8月18日(#)、以上クィーンズ・ホール。エジンバラ音楽祭ライヴ。すべてステレオ。
 1993年に54歳の若さで惜しまれつつ急逝したポップ。エジンバラ音楽祭でのリート・リサイタルは、明るい笑顔とチャーミングな歌声で愛されて止まない彼女を偲ぶまたとない一枚。前作(BBCL-4025)同様シューベルト、シュトラウス、マーラーといつものドイツ・リートが並ぶ中、変わり種がシェーンベルク。うち3曲が「浄夜」のデーメル詩に曲をつけたもので、無調や十二音に向かう前のロマンチックな作風が心に染みる。
フルニエ&フランチェスカッティ
 ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104(*)
 ブラームス:二重協奏曲 イ短調 Op.102(#)
ピエール・フルニエ(Vc)
ジノ・
 フランチェスカッティ(Vn;#)
コリン・デイヴィス指揮(*)
マルコム・サージェント指揮(#)
BBC so.交響楽団
 録音:1973年3月14日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(*)/1955年8月30日、アッシャー・ホール、エジンバラ音楽祭(#)。(*)のみステレオ。ともに初出音源。
 稀代の名手フルニエのドヴォルジャークにまたひとつ名演が加わる。ライヴでは2つ目、通算4種目にあたり、スタジオ盤のセル&BPO(1962年;DG)とクーベリック&VPO(1954年;DECCA)、さらにシェルヘン&スイス・イタリア語放送o.とのライヴ(1962年ルガーノ;AURA、TAHRA他)の中ではもっとも新しい。 演奏に関してはもはや説明不用であろう。演奏から気品が香り立つチェロはフルニエ独特のものであり、しかも曲がドヴォルジャークならいくつ手元にあろうとも揃えておく価値十分。 若きデイヴィスの力強いサポートも聴きどころで申し分ない。また、ブラームスでは後にワルター盤(1959年;SONY)でも共演したフランチェスカッティが加わる。ちなみにこのエジンバラでのライヴが両者の初顔合わせだったという。
BBCL-4150
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(2CD)
1.5CD価格
ヤッシャ・ホーレンシュタイン
 ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス(*)
 シューベルト:交響曲第8番 ロ短調「未完成」(#)
 ワーグナー:「ファウスト」序曲(+)
テレサ・シュティヒ=ランダル(S;*)
ノーマ・プロクター(A;*)
リチャード・ルイス(T;*)
キム・ボルイ(B;*)
ヤーシャ・ホーレンシュタイン指揮
BBCso(*/+).&cho.(*)
ノーザン交響楽団so.(+)
 録音:1961年2月23日、ロンドン、BBCメイダ・ヴェイル・スタジオ(*)/1971年9月15日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール(#)/1972年4月23日、イングランド、サルフォード大学(+)。(*)はモノラル。全て初出音源。(*)と(#)は意外にもホーレンシュタインの初ディスク・レパートリー。
 ホーレンシュタインの「ミサ・ソレムニス」は、記録上存在を知られながら40年以上も眠っていた伝説のライヴ。なるほど、彼のベートーヴェン演奏を知る限り出来栄えに疑いは無い所だが、実際にこれはとんでもなくすごい。ことに最大の聴きどころであるグローリアのラスト、炎と化したオケと合唱の迫力には度肝を抜かれる。ホーレンシュタインの数あるライブの中でも屈指の内容であり、醍醐味が満点。さらなるポイントとして、なんと「未完成」もまた初出レパートリーというオマケつき。なんとも盛りだくさんのアルバムだ。
ナタン・ミルシテイン
 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調(*)
 バッハ:
  無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番〜前奏曲(#)
 パガニーニ:24の奇想曲〜[第5番/第11番](+)
 ファリャ:
  スペイン民謡組曲〜ホタ、アストゥリアーナ(**)
 ノヴァーチェク:無窮動(**)
 ミルシテインへのインタビュー「音楽について語る」(##)
ナタン・ミルシテイン(Vn)
エイドリアン・ボールト指揮LPO(*)
アーネスト・ラッシュ(P;**)
 録音:1968年9月29日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(*)/1963年6月9日(#)&1957年9月22日(+/**)、ロンドン、BBCスタジオ/1991年11月7日、ロンドン(##)。全てモノラルとされている。
 録音当時63歳ミルシテインのベートーヴェン。数種ある協奏曲は、絶頂期のスタインバーグ盤(1955年;Capitol)にとどめを刺すと言われているが、共演者ボールトの力もあって当ライヴもこれに引けを取らぬ白熱ぶり、忘れがたい名演奏となっている。続いてパガニーニやファリャ、バッハなどBBC放送録音のリサイタルも、類稀なヴィルトゥオーゾ、ミルシテインの姿を印象付ける貴重な記録。なお最晩年(1992年没)に行われたインタビューは皮肉屋ながらも飾り気の無い人柄を知る上で格好の内容。
アルトゥール・ルービンシュタイン
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調(*)
 シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調(#)
 ルービンシュタインとの対話
  (聞き手:マイケル・オリヴァー)(+)
アルトゥール・
 ルービンシュタイン(P)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
フィルハーモニアo.(*)
ルドルフ・シュヴァルツ指揮
BBC so.(#)
 録音:1961年5月16日(*)&1957年11月27日(#)、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール/1973年10月7日、ロンドン(+)。全てモノラル、初出音源。
 ルービンシュタインの貴重な協奏曲ライヴが楽しめる一枚。チャイコフスキーは既出のショパンの第2番と同日の演奏(BBCL-4105)。70歳を越えたルービンシュタインのテクニックにも驚かされるが、ここでの柔軟で熱いジュリーニのアプローチは、同じ曲でもラインスドルフ&ボストン響(1962年;BMG)とは対照的で興味深いところ。一方、クリップス、ジュリーニと2種のスタジオ盤(BMG)で聴けるシューマンも濃厚なロマンを漂わせて印象的。
エリーザベト・ゼーダーシュトレーム
 R.シュトラウス:
  4つの最後の歌(*)/歌劇「カプリッチョ」から(*)
 ラヴェル:歌曲集「シェエラザード」(#)
 モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」〜
  [愛の神様、慰めの手をさしのべて下さい/
   楽しい思い出はどこへ](+)
エリーザベト・
 ゼーダーシュトレーム(S)
アンタル・ドラティ指揮RPO(*)
ピエール・ブーレーズ指揮BBC so.(#)
ジョン・プリッチャード指揮
ロイヤル・リヴァプールpo.(+)
 録音:1976年10月3日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(*)/1971年8月3日(#)/1960年8月20日、ロイヤル・アルバート・ホール(+)。
 リサイタル集(BBCL-4132)に次ぐ、ゼーターシュトレーム(セデルストレム)の続編。ひとくちにソプラノといっても性格はさまざま。彼女の知的で陰りのある声質がバッチリはまったシュトラウスは絶品。歌曲、オペラともスタジオ盤を残しているが未CD化のまま。そのため当ステレオ・ライヴは価値ある内容といえる。他に、存在感と貫禄の伯爵夫人が聴けるプロムスでのモーツァルト。初出レパートリーのラヴェルではブーレーズが指揮を務めているのも注目。
トマス・ビーチャム、完全燃焼ライヴ
 シベリウス:交響曲第2番 ニ長調(*)
 ドヴォルジャーク:交響曲第8番 ト長調(#)
トマス・ビーチャム指揮
BBC so.(*)、RPO(#)
 録音:1954年12月8日(*)、1959年10月25日(#)、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール。以前EMIからライセンス発売されていた物の待望の復活。
 当レーベルからのビーチャム卿通算11枚目のアルバム。シベリウス、ドヴォルジャークとも以前よりたいへん有名な演奏で、1960年代にBBCのライセンスによりEMIから出ていたものと同一。1990年に一度はCD化されたもののすぐに廃盤となり、すでに10年以上も入手は困難。 しかも当時のCDは、コアなファンの間で放送時のBBCオリジナル・テープとの音質の違いが最後まで物議を醸したという。BBCの案内によると、ビーチャム協会の要請でこのたび「BBCのオリジナル・テープから新たに20ビット・リマスタリング」を施したとのこと。ビーチャム卿大暴れのフィナーレが久々に蘇った。 これはお勧め。
BBCL-4155
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(2CD)
1.5CD価格
ベートーヴェン:
 交響曲第8番 へ長調
 交響曲第9番 ニ短調「合唱付き」(*)
へザー・ハーパー(S:*)
ジャネット・ベイカー(A;*)
ロナルド・ダウド(T;*)
フランツ・クラス(B-Br:*)
ジョージ・セル指揮
ニュー・フィルハーモニアo.&cho.
 録音:1968年11月12日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ。モノラル。初出音源。
 「アンサンブルの鬼」セルが「クレンペラーのオケ」ニュー・フィルを振った注目のライヴ。しかも曲がベートーヴェンならなおさらで、すなわちクレンペラーの演奏を最高とする英国で彼の演目を取り上げたというがミソ。そもそもセルのこの2曲のライヴはほとんど出たことがない上に(「合唱」は2003年にウィーン・フィルとの1969年ステレオ・ライヴが出た[LIVING STAGE LS-1054/廃盤])、有名なクリーヴランドo.とのスタジオ録音全集(この2曲は1961年録音:SONY)との比較などポイントだらけの内容。
 機械のようにクールで強靭なセルのアンサンブルはこの実演ではいかに。当夜は「鉄がビロードをまとった」との評も伝えられているが、何より自分の耳で確かめられるのはたまらなく刺激的な作業といえよう。音質はクリア。
ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104(*)
イベール:チェロと木管合奏のための協奏曲(+)
ジャクリーヌ・デュ・プレ(Vc)
チャールズ・グローヴス指揮
ロイヤル・リヴァプールpo.(*)
マイケル・クライン指揮
マイケル・クラインo.(+)
 録音:1969年7月25日、ロイヤル・アルバート・ホール、ステレオ(*)/1962年2月12日、BBCスタジオ、モノラル(+)。すべて初出音源。
 伝説のデュ・プレ、悲願のリリース。グローヴズの骨太で雄大なバックにのせて、たっぷりと思いのたけを込めて歌うチェロ。惜しみなく続く暖かいブラーヴォ。心をかきむしられるこれほどの演奏が、どうしてこれまで眠ったままだったのか謎。
 ドヴォルジャークはバレンボイム盤(1970年、スタジオ;EMI)、チェリビダッケ盤(1967年、ライヴ;TELDEC)に次いで3種目。ところが、まさにそのために数年越しの交渉でもデュ・プレ協会の許可が下りずに、皮肉にもとびきりの遺産として最後まで手付かずだったもの。こうして今また良好なステレオで聴けるとは大きな喜び。一方イベールはデュ・プレとしては初出のレパートリー。
ルドルフ・ゼルキン
 モーツァルト:
  ピアノ協奏曲第12番 イ長調 K.414(*)
  ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466(*)
  6つのドイツ舞曲 K.571(+)/幻想曲とフーガ K.394(#)
ルドルフ・ゼルキン(P)
アレクサンダー・シュナイダー指揮
イギリスco.(*)
 録音:1966年7月23日、ギルド・ホール、シティ・オヴ・ロンドン・フェスティヴァル(*/+)/1968年5月13日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(#)。すべてモノラル。おそらく全て初出音源。
 みずみずしくも引き締まったタッチと変幻自在のノリ。録音時63歳のゼルキンが聴かせる美しく格調高いモーツァルト。ちなみに彼はこのわずか数年前にも同じシュナイダーの指揮で両協奏曲をスタジオ録音している。他にセルと第20番を(以上いずれもSONY)、1980年代には両曲をアバド(DG)とも再録している。オマケのドイツ舞曲は、シュナイダーとは幼少より親交が深くこのリリースにOKしたピーター・ゼルキンの強い要望により今回収録されたもの。なお今後BBC LEGENDSではゼルキンによるベートーヴェンやシューベルトのリリースも計画されているとのこと。こちらも楽しみだ。
BBCL-4158
廃盤
クラウス・テンシュテット
 ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲(*)
 ベートーヴェン:
  交響曲第5番 ハ短調「運命」(*)/
  「エグモント」序曲(+)/
  交響曲第1番 ハ長調(#)
クラウス・テンシュテット指揮
LPO
 録音:1990年8月30日、ロイヤル・アルバート・ホール、ライヴ(*)/1991年9月26日(+)、1989年12月14日(#)、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ(#)。以上すべてステレオ。 これまですべてCD-R使用のRARE MOTHレーベルから出ており((#)は同じくNAVIKIESEからも出ている)、 RM-401/2S (*), RM-448/9S (#), RM-493S (+) で発売されている。
 剥き出しの魂が絶叫するかのように熱いテンシュテットと手兵ロンドン・フィルによるライヴ・シリーズ。ベートーヴェンの「第9」、ドヴォルジャークの「第8」に続く第3弾は、「運命」をメインに据えた超弩級のベートーヴェン・プログラム。エグモントを除きスタジオ盤ではこれまで一切出た例のないレパートリーだ。
 1990年プロムスの「運命」は壮絶な内容でファンにとりわけ騒がれていた一曲。まさかここまでとは。テンシュテットの意気込みそのままに、まず弦楽セクションの力の入り方が異常。これにホルンのシリアスな咆哮、余韻を残したオーボエの表情などがバッチリ決まって、すでに第1楽章からギュッと心を捉えて離さない。指揮者に触発されたオケが常に全開状態で、たゆまず全力で前進しようとする意思にただただ圧倒されるばかり。
 なお、カップリングがまた大きな魅力。迫真の「運命」に負けぬ重厚な「エグモント」、対照的なまでに端正な仕上がりの「第1」、さらには生命力がはちきれんばかりの「オベロン序曲」といずれ劣らぬ名演ぞろいで代理店曰く「音質もベスト」。いま、テンシュテットを求める方を満足させるすべてが詰まったまたとない一枚。
BBCL-4159
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(2CD)
1.5CD価格
カルロ・マリア・ジュリーニ
 ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調(*)
 ドヴォルジャーク:交響曲第8番 ト長調(+)
 ロッシーニ:歌劇「セミラーミデ」序曲(#)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
フィルハーモニアo.
 録音:1983年9月18日(*)&1963年8月8日(+)、ロイヤル・アルバート・ホール 、ステレオ(*/+)/1963年11月25日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、モノラル(#)。すべて初出音源。
 ジュリーニ&フィルハーモニアのブルックナーに、なんと第8番もあったとは。もちろん完全初出のリリース。2003年に出た第7番同様、こちらも白眉のアダージョ。この世のものとは思えぬ至福の時がゆっくりと流れてゆく。録音も新しいため、あらゆるBBC LEGENDS の中でもベスト。
 なお、そこから20年前の若き日のジュリーニが聴けるのも90歳の記念盤らしい趣向。ドヴォルジャークは実に4種目だがライヴは初めて。ほぼ同時期の同じフィルハーモニアo.(1962年:EMI)、つづくシカゴso.(1978年;DG)、ずっと後年のコンセルトへボウo.(1990年:SONY)とそれぞれが魅力的。「セミラーミデ」序曲はやはりフィルハーモニア.(1963年:EMI)との録音が知られ、いずれも迷いのないストレートさと、一貫して歌謡性豊かなフォームで楽しませてくれる。
シューラ・チェルカスキー
 チャイコフスキー:
  ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23(*)
 ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(#)
 チェルカスキー:悲愴前奏曲(#)
 R=コルサコフ(ラフマニノフ編):熊蜂の飛行(#)
シューラ・チェルカスキー(P)
ゲオルグ・ショルティ指揮
LSO(*)
 録音:1968年1月30日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(*)/1982年2月20日、ヴィグモア・ホール(#)、以上ロンドン、ライヴ・ステレオ。
 かのヨーゼフ・ホフマンの高弟で、20世紀最後のヴィルトゥオーゾのひとりチェルカスキー。すべてステレオ収録なのが嬉しいロシア・アルバムの目玉はチャイコフスキーのコンチェルト。ともするとピアノを掻き消さんばかりに挑みかかるオケを駆るのは、コヴェントガーデン時代50代半ばのショルティ。バルトークのオケコンなどの名盤を生んだLSOとのコンビはバッチリ。ライヴの熱気が炎と燃え盛り、名高いルートヴィヒ&ベルリン・フィルとのスタジオ録音盤(1952年、DG)とはまったく趣の異なる魅力を放っている。一方、独特の音色を堪能できる「展覧会の絵」ほかのリサイタル・パートも充実。
BBCL-4161
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廃盤
流通在庫限り
ジョン・バルビローリ
 ブルックナー:交響曲第3番 ニ短調(*)
 ワーグナー:
  「タンホイザー」序曲とヴェヌスベルクの音楽
ジョン・バルビローリ指揮
ハレo.
 録音:1964年12月18日(*)/1969年10月3日(#)、以上自由貿易ホール、マンチェスター。モノラル。
 これは思いがけないリリース。実演では早くから第7番や第4番も取り上げてきた経歴に反して、手兵ハレ管との第8、第9(BBCL-4067, 4034)を除くと現状ではさっぱり録音のないサー・ジョンによるブルックナー。このたびBBC LEGENDSに加わる唯一無二の第3番は、速めのテンポでグイグイ引っ張る第1楽章に加え、むせかえるように濃厚な緩徐楽章の表現で「バルビ節」全開の個性的な内容。しかもカップリングが初稿における明白な引用で関連の深いタンホイザーという気の利いた組み合わせ。バルビローリ協会提供の音源で良質のモノラル。
クラウディオ・アラウ
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第13番 変ホ長調(*)/
 シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17(*)/
 シェーンベルク:3つのピアノ小品 Op.11(#)
クラウディオ・アラウ(P)
 録音:1960年10月16日(*)/1959年3月3日(#)、以上BBCスタジオ、ロンドン。
 およそ派手さとは無縁、ゆっくりおと沁みこむようなピアノが今も忘れがたいアラウ。英国図書館の倉庫に眠っていた音源は、独墺の王道のレパートリーを弾く絶頂期の演奏。 ソナタながら切れ目なしに演奏され別名「幻想曲風」とも呼ばれるベートーヴェン。シューマンとともに、文字通りとめどなくあふれ出るファンタジーのひらめきには驚くばかり。彼自身によるスタジオ盤以上とも思える見事な出来栄え。また、1930年代を境にぱったりと取り上げるのを止めたシェーンベルクが聴けるのも興味深い。
ベルリオーズ:幻想交響曲(*)
チャイコフスキー:
 幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」(+)
ゲンナジー・
 ロジェストヴェンスキー指揮
レニングラードpo.
 録音:1971年9月9日、ロイヤル・アルバート・ホール(*)/1960年9月9日、エジンバラ、アッシャー・ホール(+)。(+)は初出となる音源。
 1971年のプロムスで鮮烈なデビューを飾ったロジェストヴェンスキー&レニングラード・フィル。ハイパーテンションのチャイコフスキー:交響曲第4番(BBC-4143)に続いて、同日の公演曲「幻想」もいよいよ復活。かつてBBC RADIO CLASSICSのスタート・リリースにも選ばれたいわくつきの内容は、音楽の異常ぶりにピッタリの異常演奏。当時世界最強と云われたレニングラード・フィルと、ドライヴ能力の絶頂にあったロジェストヴェンスキーのスリリングな顔合わせがたまらない。なお併録のチャイコフスキーは初出。
ベートーヴェン:ピアノと管楽のための五重奏曲 Op.16(*)
ゴードン・ジェイコブ:
 ピアノと管楽のための六重奏曲 Op.3(+)
ヒンデミット:ホルン・ソナタ ヘ長調(#)
ギルバート・ヴィンター:狩人の月(**)
デニス・ブレイン(Hr;#/**)
ベンジャミン・ブリテン(P;*)
ジョージ・マルコム(P;+)
ノエル・ミュートン=ウッド(P;#)
デニス・ブレイン管楽五重奏団(*/+)
 [デニス・ブレイン(Hr)
 ガレス・モリス(Fl)
 レナード・ブレイン(Ob)
 スティーヴン・ウォーターズ(Cl)
 セシル・ジェイムズ(Fg)]
ヴィレム・タウスキー
 指揮BBCコンサートo.(**)
 録音:1955年6月22日、オールドバラ音楽祭(*)/1957年7月22日(+)、1953年1月28日(#)、1957年6月16日(**)、スタジオ。
 よくぞ見つけてくれた!誰もが諦めかけていた伝説のホルン吹きブレインのBBCライヴ第3弾。名手ブリテンとのベートーヴェンがアナログで出た他はすべて完全初出。父親とも親交があり息子ブレインのために書かれたジェイコブ、知る人ぞ知るヴィンターの名曲などは極めつけ。伸びやかな音色に惚れ惚れするテクニックはブレインの個性の証し。まったく彼ほど、人なつこく、どこか愛嬌のある楽器の魅力を明らかにした人はいない。文句なしに、ブレインを愛して止まない方にとって永遠の宝物となるアルバム。
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調「革命」(*)
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第8番ニ短調(+)
レオポルド・ストコフスキー指揮
LSO(*) BBC so.(+)
 録音:1964年9月17日(*)、9月15日(+)、ロンドン、ロイヤル・アルバト・ホール。
 1964年、プロムスの殿堂に再びストコフスキー旋風が巻き起こった。「革命」は1939 年以来、ストコフスキー自身少なくとも4回以上録音してきた十八番の演目。何より明快な音楽運びが持ち味の魔術師に乗せられて、ロンドン響の意気込みも最高潮。フィナーレ開始直後の一種独特のアゴーギク(聴けばすぐに分かる)にもストコフスキーだからこそ納得させられてしまう。片やヴォーン・ウィリアムズはストコフスキー唯一の録音。こちらもスゴイことになっている。なお、両曲共過去にBBCラジオ・クラシックスから出ていた(廃盤)ものだが、当リリースにあたりオリジナル・ステレオ・テープからマスタリングをやり直したとのこと。
ハイドン:アンダンテと変奏曲 ヘ短調(*)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調「月光」(*)
ショパン:スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39(*)
ベートーヴェン:創作主題による32の変奏曲 ハ短調(+)
コダーイ:マロシュセーク舞曲(+)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番 ハ短調 K.457(#)
アニー・フィッシャー(P)
 録音:1958年11月2日(*)、1963年5月19日(+)、1971年2月24日(#)、BBCスタジオ。
 今も昔も録音嫌いのアーティストは数知れないが、2005年に没後10年を迎えるフィッシャーもまた、その点ではつとに有名なひとりであった。幾度となくテイクを重ねてミスを払拭するスタジオ録音にではなく、実演の舞台に自分の居場所を求めた彼女なりのこだわりだったのであろう。過去2枚のライヴ(BBCL-4054、4141)も華美の真逆、まるで黒御影石のような輝きを湛えたピアノは、高い集中力と表現の豊かさで際立っていた。同様に今回も、3つの時期にまたがるBBCスタジオ・ライヴ。最も重要とされるモーツァルトとベートーヴェンはもちろん、母国ハンガリーで師事した直伝のコダーイとたいへん魅力的な内容。しかもすべて初出とはまた嬉しいかぎり。
BBCL-4167
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テンシュテット&LPO、ライヴ第4弾
 ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調Op.92(*)
 ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調Op.90(#)
クラウス・テンシュテット指揮
LPO
 録音:1989年11月22日(*)/1983年4月7日(#)、以上ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン。共にステレオ。(*)は初登場の音源。CDR使用のRARE MOTHからこの前日、21日のライヴが発売されている(RM-493S)。(#)は同じくRARE MOTHからRM-492Sなどとして発売されているテンシュテットによる同曲唯一の音盤だが、RM-492Sには同時に演奏された「悲劇的序曲」(こちらもテンシュテット同曲唯一の音盤)が併録されていた。こちらはマスターからの初発売。
 堰を切ったように相次ぐリリースで、改めて壮絶な内容が明らかになるテンシュテット&手兵ロンドン・フィルとのライヴ。ブラームスは音楽に全身全霊を没入させるお馴染みのやり方で、開始からトランス状態。前半2楽章を通じては、振幅のきわめて大きいフレーズ作りがまずは最大の特徴だろう。そして有名な第3楽章では木管の表情に味わいがあり弦も濃厚。しかしここは感傷に溺れず。やがて荒れ狂ったようにフィナーレへとなだれ込み、激烈な勢いのまま曲が閉じられる。この演奏が1980年代のものであることを考えると驚きの解釈で、 ライヴにおけるテンシュテットの凄味を感じることができる。ベートーヴェン「第7番」は北ドイツ放送響盤(1980年、ライヴ;EMI CDM 4 76740 2)が2004年に大きな話題となったが、今回の演奏でもここまで荘厳な響きを引き出すとは驚き。ピンと張り詰めた序奏部や主部の生き生きと躍動するリズムなど、基本的なアプローチは北ドイツ放響盤と似ているが、指揮者の極端な個性がストレートに発揮された濃厚な演奏はこちら。たとえばNDR盤でも特異な第3楽章では、トリオのトゥッティのたびに執拗なアゴーギクを重ねた結果、当盤(8'15")はNDR盤(7'46")に対し楽章を通じて30秒近くも長くなっている。そしてフィナーレは説明不要の突撃で、この何もかもがむしゃらな感じはテンシュテットならでは。すべてがテンシュテット・ファンには大満足の一枚。
J.S.バッハ:
 「マタイ受難曲」からのアリア、レチタティーヴォ、合唱曲集

  [第5曲/第6曲/第8曲/第12曲/第13曲/第27a曲/第27b曲/
   第30曲/第39曲/第39曲/第48曲/第49曲/第51曲/第52曲/
   第59曲/第60曲/第67曲/第68曲]
エリー・アメリング(S)
ジャネット・ベイカー(A)
ニール・ジェンキンズ(T)
ジョン・バロウ(B)
ポール・スタイニッツ指揮
スタイニッツ・バッハ・プレーヤーズ、
ワンズワース・スクール少年cho.、
ロンドン・バッハ・ソサエティ
 録音:1972年3月18日、聖バーソロミュー・ザ・グレイト教会、ウェスト・スミスフィールド、ロンドン。初出音源。
 英国のバッハ演奏史を考える上でたいへん重要な意味を持つアルバム。スタイニッツ(1909-1988)はイギリスのオルガニスト&指揮者で、1947年に合唱団ロンドン・バッハ・ソサエティを結成、1952年からは当録音と同じ教会で、同団体と共に「マタイ受難曲」を英国初の完全な形(ドイツ語、小編成)で演奏したことで知られる。オーセンティック・スタイルによるバッハ演奏の、英国におけるパイオニアとして言わば今日のガーディナーらの先駆的役割を担っていたことになる。当録音では、カンタータやクリスマス・オラトリオなど数々のバッハ録音(EMI)でも共演のふたり、清楚なアメリングとおなじみベイカーとの顔合わせも大きな魅力。
ヴィルヘルム・ケンプ
 〜1967年マンチェスター・リサイタル

   モーツァルト:ピアノ・ソナタ第12番 ヘ長調K.332
   シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調D.960
   ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番 イ長調Op.101
   ブラームス:間奏曲 ロ短調Op.119-1/間奏曲 ハ長調Op.119-3
ヴィルヘルム・ケンプ(P)
  録音:1967年10月7日、ホイットワース・ホール、マンチェスター大学。モノラル。おそらく初出の音源。
 じっくりと熟成させた銘酒にも似てなんとも深みのあるケンプ。BBC LEGENDS からの通算4枚目となる当盤は牙城たるドイツもの。これまでの3枚と比べ最も古い演奏でモノラル録音ながら、彼を愛する通にはどの曲もたまらない内容。会場となった大学構内の比較的小さめのホールは聴衆との一体感を生み、親密な空気が演奏に張りを与えている。ことにブラームスとシューベルト最後のソナタは格別。
エルガー:
 ヴァイオリン協奏曲 ロ短調Op.61(*)/
 序奏とアレグロOp.47(#)/
 劇音楽「グラニアとディアルミド」Op.42〜葬送行進曲(+)
ユーディ・メニューイン(Vn;*)
エイドリアン・ボールト指揮
LPO(*/+)、BBC so.(#)
 録音:1965年2月2日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン(*)/1975年9月4日、ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン(#)/1969年11月26日、バーキング・タウン・ホール、ロンドン(+)。すべてステレオ。
 スペシャリスト、ボールト卿による極めつけのエルガー・アルバム。葬送行進曲は2種目、序奏とアレグロにいたっては実に4種目。ともに慈愛に満ち風格が漂う素晴らしい内容で、BBCラジオ・クラシックス以来となる今回の復活を喜ぶ方も多いはず。同様にボールト盤石の棒に支えられた協奏曲は、何よりメニューイン自身1932年、16歳の時に作曲者指揮で演奏・録音した経緯から、おのずと演奏に熱がこもるのも当然のことだろう。ちなみにメニューインは同じくボールト(&ニュー・フィルハーモニア)と同時期に2度目のスタジオ録音も果たしている。
BBCL-4171
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廃盤
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ミエチスワフ・ホルショフスキ
 J.S.バッハ:平均律クラヴィア曲集第1巻
   〜前奏曲とフーガ BWV.855,860
 モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K.397
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2番 Op.2 No.2
 フランク:前奏曲、コラールとフーガ
 シューマン:子供の情景 Op.15
ミエチスワフ・ホルショフスキ(P)
 録音:1986年6月12日、スネイプ、モールティングス、ライヴ。
 ウィグモア・ホール・ライヴ(1990年;BBCL-4122)より遡ること4年、ホルショフスキ(1892-1993)、93歳のドキュメント。気高いバッハに始まり、モーツァルト、フランクとじつに味わい深く音楽が紡がれてゆく。先のアルバムではトロイメライがアンコールとして取り上げられた子供の情景。なんとも優しい表情で心がいっぱいになる。
ピエール・モントゥー、初出
 ウェーバー:祝典序曲(*)
 ラヴェル:組曲「クープランの墓」(+)
 ウィレム・ペイペル(1894-1947):交響曲第3番(+)
 エルガー:エニグマ変奏曲(#)
 シャブリエ:ポーランドの祭り(**)
ピエール・モントゥー指揮
LSO(*/#/**)、BBC so.(+)
 録音:1963年9月24日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(*)/1960年10月11日ロンドン、BBCスタジオ(+)/1962年3月4日(#)/1961年12月14日、ロンドン、キングズウェイ・ホール(**)。すべてモノラル。全曲初出音源で、(*)と(**)はモントゥーのディスク初レパートリー。(+)も協会盤や現代音楽のレーベルから出ていただけで、一般への入手性は良くなかったレパートリー曲。
 名指揮者モントゥーのBBC LEGENDS通算5枚目となるアルバムは、1960年代におこなった録音から集められたもの。珍しいシャブリエやオランダの作曲家ペイペルが聴けるほか、得意のラヴェル(といってもこの曲は珍しいが)とオケの響きが輝かしいエルガーは絶品。
ルドルフ・フィルクシュニー
 ハイドン:ピアノ・ソナタ第59番/同第33番
 ブラームス:4つの小品 Op.119
 シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D.960
ルドルフ・フィルクシュニー(P)
 録音:1969年1月4日、ロンドン、クィーン・エリザベス・ホール。
 マガロフ、リヒター=ハーザーなどと同じ1912年生まれのチェコの巨匠フィルクスニー。生前は地味ながら、気品あふれる高級な演奏が尊ばれていた。今回はディスク初レパートリーと思われるハイドンも収録。たいへん味わい深い演奏。
グッドールのブルックナー
 ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調
レジナルド・グッドール指揮
BBC so.
 録音:1974年5月4日、ロンドン、BBCスタジオ。
 ワグネリアンとしてブルックナーとの抜群の相性をみせた英国の至宝グッドール。音楽評論家山崎浩太郎氏が大絶賛を送っていた、第7番(1971年;BBCL-4147)、第8番(1969年;BBCL-4086)同様に、初出の第9番もまた音楽が深々と呼吸するとてつもない内容。
ジュリーニ、初出あり
 モーツァルト:交響曲第36番 ハ長調 K.425「リンツ」(*)
 ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68(+)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
フィルハーモニアo.
 録音:1982年7月19日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール、ステレオ(*)/1962年9月6日、エジンバラ、アッシャー・ホール、モノラル。(+)は初出音源、(*)は日本の駅売りCDでのみ発売されたことがあった演奏で、一般への発売&マスターからの復刻はこれが初めてとなる。
 (*)はブルックナー:交響曲第7番と同日の演奏(BBCL-4123)。先ごろリリースされたウィーン・フィルとの第40番(1987年;ORFEOR-654052)も耽美のきわみともいえるものだったが、これもジュリーニ晩年のスタイルに貫かれた圧巻の出来栄え。(+)はスタジオ盤(1962年;EMI)と同年のライヴで、ストレートなエネルギーの放射が素晴らしい。
オイゲン・ヨッフム
 ハイドン:
  交響曲第100番 ト長調 Hob.I:100「軍隊」(*)/
  交響曲第101番 ニ長調 Hob.I:101「時計」(*)
 ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容(+)
オイゲン・ヨッフム指揮
LPO(*)、LSO(+)
 録音:1973年1月30日(*)/1977年6月23日(+)、共にロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ステレオ。
 ヨッフムのハイドンには、同じロンドン・フィルとのロンドン・セットのスタジオ録音(1972-1973年)があり、彼の代表盤として評価が高い。同時期のこのライヴも含め、生命力いっぱいのリズムの躍動が素晴らしい内容であり、オリジナル楽器隆盛以前の当時にして、古楽筋からも注目されていたように今もって古さをまったく感じさせない。のちに桂冠指揮者に迎えられるロンドン響とのヒンデミットもリズムの面白さが特徴の曲で、こちらもきびきびした感触が印象的。
ルドルフ・ゼルキン 1973年6月4日
 J.S.バッハ:カプリッチョ ホ長調
 レーガー:バッハの主題による変奏曲とフーガ Op.81
 ベートーヴェン:
  ピアノ・ソナタ第24番 嬰ヘ長調 Op.78「テレーゼ」/
  ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 Op.53「ワルトシュタイン」
ルドルフ・ゼルキン(P)
 録音:1973年6月4日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール。
 モーツァルトの協奏曲集(BBCL-4157)につぐゼルキンの BBC LEGENDS 第2弾はソロ・リサイタル・ライヴ。「ベートーヴェン弾き」として名高いゼルキン。2005年に発売されたベートーヴェンの協奏曲全集ライヴ(ORFEOR-647053)が、2005年度MIDEM カンヌ・クラシカル・アワードでヒストリカル部門賞に選ばれているが、当1973年のソロ・ライヴでも音楽の豊かさは比類なく、圧倒的な感銘を聞き手に与える。ベートーヴェンのソナタ2曲の素晴らしさは言うまでもないが、聴き物はオーボエが特徴のバッハ「カンタータ第128番」をテーマにしたレーガーの変奏曲。過剰な音符の書き込みのため弾くにはリスト作品のような技巧を要求されるが、聞こえてくる音楽は渋くブラームス的で、ピアノ・レパートリーの最難曲に位置付けられる。実演で取り上げるとは正真正銘のヴィルトゥオーゾ、ゼルキンのこだわりを感じさせる。BBCアーカイヴからのリリース。
マイラ・ヘス
 シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54(*)
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19(+)
 J.S.バッハ:トッカータ ト長調(#)
マイラ・ヘス(P)
マルコム・サージェント指揮BBC so.(*)
アレグザンダー・ギブソン指揮(+)
スコティッシュ・ナショナルo.(+)
 録音:1958年9月18日、ロイヤル・アルバート・ホール(*)/1960年8月30日、エジンバラ、アッシャー・ホール(+)/1950年10月13日、BBCスタジオ(#);全てモノラル。
 第二次大戦下の慈善リサイタル活動によりデイムの称号を贈られた「ピアノの女王」マイラ・ヘスは、イギリス本国では愛され続けるピアニスト。プロムスでのシューマンはリリシズムにあふれ、彼女の魅力をいまに伝える。(+)は、BBC LEGENDSではサージェントとの別演奏(BBCL-4028、レーベルで廃盤、流通在庫限り)があったが、こちらも引退する直前の演奏で、人柄を偲ばせるかのような、なんとも温かい表情に満ちている。
スメタナ弦楽四重奏団
 ドヴォルジャーク:
  2つのヴァイオリンとヴィオラのための
   三重奏曲 ハ長調 Op.74(*)/
  弦楽四重奏曲第14番 変イ長調 Op.105(+)
 ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第2番「内緒の手紙」(+)
スメタナSQ
 録音:1969年1月24日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(*)/1975年2月2日、クィーン・エリザベス・ホール(+)。
 スメタナ四重奏団のBBC LEGENDS第2弾は彼らのルーツもの。特に、日本ではファンの間に彼らの名前を強く印象づけたドヴォルジャークでの、深い共感に支えられた絶妙な語り口が素晴らしい。すべてBBCアーカイヴ音源からのリリース。
クリフォード・カーゾン
 ディーリアス:ピアノ協奏曲(*)
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491(+)
 ベートーヴェン:合唱幻想曲 ハ短調 Op.80(#)
クリフォード・カーゾン(P)
ジョン・プリチャード指揮BBC so.(*)
ベルナルド・ハイティンク指揮LPO(+/#)
 録音:1981年9月3日、ロイヤル・アルバート・ホール(*)/1979年11月6日(+)、1970年1月28日(#)、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール。
 繊細な表情にあふれたディーリアス初期のピアノ協奏曲は、敬愛したグリーグのそれを思わせる親しみ易さ。録音そのものが珍しい上に、まして大家カーゾンが弾いているとあれば当アルバムの価値は計り知れない。(*)は、曲を献呈されたテオドル・サーントーが、ピアノ・パートをヴィルトゥオーゾ風に改訂した版による演奏。カーゾンの(+)はスタジオ盤のほか、フィナーレにセルのカデンツァを使ったクーベリックとのライヴ(1970年、audite)もあったが、やはりこの人のモーツァルトは絶品だ。
BBCL-4182
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(2CD)
1.5CD価格
シルヴェストリ&ボーンマス響
 エルガー:
  序曲「コケイン」(*)/交響曲第1番 変イ長調(#)
 アーノルド:ベッカス・ザ・ダンディプラット(+)
 チャイコフスキー:交響曲第2番 ハ短調「小ロシア」(**)
 ドビュッシー:バレエ「遊戯」(##)
 ブリテン:4つの海の間奏曲(++)
 エネスコ:ルーマニア狂詩曲第1番(***)
コンスタンティン・シルヴェストリ指揮
ボーンマスso.
 録音:1966年12月6日(*)/1968年7月25日(#)/1963年2月23日(+)/1966年11月12日(**)/1965年11月10日(##)/1966年11月26日(++)、以上ウィンター・ガーデンズ、ボーンマス/1966年11月22日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン(***)。(+)のみステレオ、あとはモノラル。おそらく初出音源。
 超個性派指揮者、シルヴェストリが手兵ボーンマス響と残したライヴ集成。どれもたいへんユニークな音楽で、一部に熱狂的なファンが付いているのも頷ける強烈すぎるラインナップ。アルバムの半分を占める英国もの、特にブリテンとエルガーでは強弱・緩急のコントラストが絶妙で、抜群に格好良い。さらにマンフレッドや5番での濃厚な味付けが知られるチャイコフスキーや、血を感じさせずにはおかないエネスコも聴き物で、とにかく理屈ぬきに楽しめる。
オグドン&バルビローリ、初出
 ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調Op.83(*)
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調Op.111(#)
ジョン・オグドン(P)
ジョン・バルビローリ指揮(*)
ハレo.(*)
 録音:1966年9月16日、BBCスタジオ、マンチェスター(*)/1963年11月5日、BBCスタジオ、ロンドン。モノラル、初出音源。
 1989年に50代の若さで亡くなった英国の怪物巨漢ヴィルトゥオーゾ、オグドンがバルビローリと残したブラームスの第2番協奏曲が登場! 重く強靭なオグドンの打鍵によるブラームスは醍醐味満点。流れるように歌うバルビローリの指揮も大きな聴き物。ベートーヴェン最後のソナタにおける輝かしい響きもぜひ一聴したい。その実力に反し、いま聴ける録音が僅かなオグドンによる貴重な音盤の登場と言えるだろう。
ロジェストヴェンスキー
 プロコフィエフ:交響曲第5番 変ロ長調Op.100(*)
 ブリテン:青少年のための管弦楽入門(#)
 プロコフィエフ:
  バレエ「ロメオとジュリエット」〜タイボルトの死(#)
ゲンナジー・
 ロジェストヴェンスキー指揮
レニングラードpo.
 録音:1971年9月10日、ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン、ステレオ(*)/1960年9月9日、アッシャー・ホール、エジンバラ、モノラル(#)。(*)は以前BBC RADIO CLASSICSから発売されていた音源の、レーベル移行再発売。
 カタログ復活、驚異のアンサンブル、ロジェヴェン&レニングラード・フィルプロコ5番  1971年9月のプロムス・デビューで一大センセーションを巻き起こしたロジェストヴェンスキー&レニングラード・フィル。前日のチャイコ4番(BBCL-4143)と幻想(BBCL-4163)に続いて、(*)がめでたく復活、ロジェヴェンの天才的なドライブと当時最強と謳われたレニングラード・フィルの恐るべき合奏能力により、フィナーレまで異常なテンションとエネルギーに圧倒されっぱなし。また(#)はBBCL-4163で「幻想」とカップリングされた「フランチェスカ・ダ・リミニ」と同じ日の演奏。かのムラヴィンスキーに鍛え抜かれた各パートの驚異的な技が次々とクローズアップされるブリテン、ゾクゾクするような興奮を覚える、作品の白眉ともいうべき難曲タイボルトの死と、こちらも充実。
チェルカスキー、1974年オールドバラ・ライヴ
 ラモー:ガヴォットと変奏曲 イ短調
 ベートーヴェン:
  ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調Op.13「悲愴」
 メンデルスゾーン:幻想曲 嬰へ短調Op.28
 ショパン:夜想曲第15番 へ短調Op.55-1
 ショパン:スケルツォ第2番 変ロ短調Op.31
 スクリャービン:前奏曲 ニ長調Op.11-5
 スクリャービン:前奏曲 嬰ハ短調Op.11-10
 チャイコフスキー:夜想曲Op.19-4
 リスト:ドン・ジョヴァンニの回想
シューラ・チェルカスキー(P)
 録音:1974年6月24日、スネイプ・モルティングス、コンサート・ホール。オールドバラ音楽祭ライヴ、ステレオ。
 往年のヴィルトゥオーゾ、チェルカスキーのBBC LEGENDS4枚目のアルバムは、彼62歳、1974年オールドバラ音楽祭でのリサイタルの模様を収めた物で、ソロとしてはショパン(BBCL-4057)以来の発売。華麗なるテクニックと音色の魅力は技巧的なリストとメンデルスゾーンで顕著だが、ショパンやベートーヴェンでも、クセは強いが、そのなんともいえぬ独特の味わいがピアノ好きにはたまらない。
バルビローリの「ブル7」、音盤初レパートリー
 ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(*)
 ベートーヴェン:
  「エグモント」序曲(+)/「プロメテウスの創造物」序曲(#)
ジョン・バルビローリ指揮
ハレo.
 録音:1967年4月26日(*)、1966年12月1日(+)、マンチェスター、自由貿易ホール(*/+)/1969年4月30日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(#)。すべてモノラル。
 美しい緩除楽章で知られるブルックナーの交響曲は、粘っこいカンタービレの表現が持ち味のバルビローリにとってはまさにうってつけ。これまでにBBC LEGENDSからは第3番(1964年;BBCL-4161)、第8番(1970年;BBCL-4067)、第9番(1966年;BBCL-4034)がリリースされている。
 このたび新たに加わる第7番はカタログ的には完全初出レパートリーという見逃せないポイントつき。演奏そのものも言うことなしで、なによりブルックナーが書いた有数の音楽である前半2楽章などバルビローリの独壇場。さらにまた初出の「プロメテウス」とともに、「エグモント」も1949年のHMV録音以来2種目。バルビローリ・ソサエティ提供による音源。
ルービンシュタイン、初出
 ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15(*)
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488(+)
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)
コリン・デイヴィス指揮
BBC so.(*)、イギリス室内o.(+)
 録音:1968年12月4日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ステレオ(*)/1962年7月13日、ギルドホール、シティ・オブ・ロンドン・フェスティヴァル、モノラル(+)。ともに初出音源。
 両曲とも他に3種の録音を残したルービンシュタインだが、いずれもライヴとしてはこのたびが初めて(と代理店は書いているが、(+)には1955年ルガノ・ライヴのAURA盤(AUR-139)があった)。ライナー盤(1954年)の印象が強烈なブラームスは、ステレオという条件の良さあって稀にみる醍醐味満点の演奏。昔ながらのヴィルトゥオーゾ・スタイルによるブラームスでなくては満足できない方にぜひ。加えて、ルービンシュタイン初共演となったイギリス室内管とのモーツァルト。清清しい美に溢れていて、若き日のデイヴィスの指揮にも注目。ブラームスがBBCアーカイヴ、モーツァルトが英国国立図書館所蔵の音源によるもの。
BBCL-4188
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廃盤
流通在庫限り
ケンペ、初音盤レパートリー
 ハイドン:交響曲第104番 ニ長調「ロンドン」(*)
 ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」〜4つの海の間奏曲(+)
 ショスタコーヴィチ:交響曲第1番(#)
ルドルフ・ケンペ指揮
BBC so.
 録音:1975年10月8日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ステレオ(*)/1975年10月12日、クロイドン、フェアフィールド・ホール、ステレオ(+)/1965年5月29日、ロンドン、BBCスタジオ、モノラル(#)。
 ケンペが亡くなる前年、1975年に音楽監督に就任したBBC響とのライヴをまとめたもので、注目は完全初出レパートリーのブリテンとショスタコーヴィチ。「シンフォニア・ダ・レクィエム」の実演などを通じて深く傾倒していたブリテンも見事な内容だが、なかでも珍しいのがショスタコーヴィチ。メモリアル・イヤーに合わせてのリリースということもあり、ファンならずとも大いに興味を引かれるところ。これのみモノラルながらBBC アーカイヴの音源で状態も良好。1956年のスタジオ盤以来となるハイドンは、既出の「大地の歌」(BBCL-4129)と同日の録音。なおハイドンとショスタコーヴィチがBBCアーカイヴ音源で、ブリテンはコレクターの提供によるものとのことなので、この曲のみ音質的には劣る可能性有り。
ついに姿を現す、スヴェトラーノフの「タコ8」!!
 ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ハ短調 Op.65
エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮
LSO
 録音:1979年10月30日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ステレオ。初出音源、スヴェトラーノフにとって音盤初レパートリー作品となる貴重な録音。
 これはBBC LEGENDSスタート時、ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルのライヴ(1960年;BBCL-4002)以来の超弩級の衝撃。奇しくも同じショスタコーヴィチの第8番は、これまでに交響曲を数多く取り上げてきた怪物指揮者スヴェトラーノフにとって、もはや幻とさえいわれたプログラム。前作「レニングラード」から2年後の1943年に書かれ、戦争を真正面からみつめた大作だけに、ぜひともスヴェトラーノフの演奏でというのはファンの悲願であった。否応なしに期待が高まるが、実際スヴェトラーノフは、このロンドン響との壮絶を極めたライヴの圧倒的な成功によって、同年同団の首席客演指揮者のポストを約束されたといわれるほど。英国国立図書館所蔵のステレオ音源を使用。
フラグスタート〜お別れコンサート 1957年ロンドン
 グリーグ:[歌曲集](*)
  春/若者/ルンダルネにて/目指すところ/初めての出会い/希望/
  白鳥/エロス/モンテ・ピンチョから/御身を愛す
 ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集(+)/イゾルデの愛の死(+)
 [ボーナス・トラック]
 ジョン・カルショウ、フラグスタート没後10年を追悼して語る(#)
キルステン・フラグスタート(S)
マルコム・サージェント指揮BBC so.
 録音:1957年9月7日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール(*)/1953年10月14日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(+)/1972年8月、ロンドン、BBCスタジオ(#)。すべてモノラル。(+)と(#)は初出音源。
 ワグネリアンでフラグスタート(1895-1962)の名前を知らないひとはいないであろう。1913年のデビュー以来、このノルウェーが生んだ大ソプラノ(1895-1962)は、不世出のワーグナー歌いとして、バイロイト、メトと世界の舞台で戦前戦後を通じて活躍した。1953年の録音でも、十八番のワーグナー作品でみせる存在感は、オペラの舞台から退く年のものとはいえさすがというほかない。
 そして、その彼女がロンドンでのラスト・コンサートに選んだのは、自身のルーツであり絶品といわれたグリーグの歌曲。優しく深い息遣いが印象的である。こちらはかつてSimaxより出ていたものと同じ音源だが、新たにリマスタリングを施しての復活となる。さらにボーナスとして、デッカ、BBCの名プロデューサー、カルショウがフラグスタートを偲んで語った5分に及ぶたいへん興味深い内容の語りを収録。
BBCL-4191
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(2CD)
1.5CD価格
ホーレンシュタイン、初音盤レパートリーあり
 ロッシーニ:歌劇「セミラーミデ」序曲(*)
 マーラー:交響曲第6番 イ短調「悲劇的」(+)
 ニルセン:交響曲第5番(#)
  [ボーナス・トラック]
  ホーレンシュタイン、ニールセンについて語る(**)
   (聞き手:デリック・クック)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮
BBC so.(*)、ボーンマスso.(+)
ニュー・フィルハーモニアo.(#)
 録音:1957年11月6日(*)、1971年2月26日(#)、1971年2月(**)、以上ロンドン、BBC スタジオ/1969年1月10日、ボーンマス、ウィンター・ガーデンズ(+)。(#)のみステレオ、あとはモノラル。(#)を除き初出音源。
 ロンドン響との第3番や第9番(1966年;BBCL-4075)の録音が名高いホーレンシュタインのマーラー。マーラーの弟子ワルターの影響も色濃いといわれるそのスタイルで、しばしば英国客演の折にいくつもの印象深い演奏を残している。ここでのボーンマス響との第6番もそのひとつ。英国国立図書館蔵出しの完全初出音源は、ホーレンシュタインの同曲としては2種目となるが、有名なスウェーデン放送響盤 (UNICORN) が廃盤となっているだけに、たいへん貴重。そして見逃せないのがホーレンシュタインの初音盤レパートリー、さらに彼のロッシーニというのもこれが初登場となる「セミラーミデ」序曲。こちらも英国国立図書館の音源保管庫に眠っていたもので、ようやく日の目をみることになった。過去に "BBC Radio Classics" (廃盤)で出ていたニルセンは、リマスタリングでさらに音質を改善。
 インタヴューでは、指揮者のニルセンとの出会いから作品観、演奏に臨む上での下準備について、短いながらも語られている。
デニス・ブレイン
 モーツァルト:ホルン協奏曲第3番 変ホ長調 K.447(*)
 ブリテン:テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード(+)
 シューマン:アダージョとアレグロ(#)
 モーツァルト:ディヴェルティメント第14番〜第1&4楽章(**)
 ミヨー:ルネ王の暖炉〜ヴァラブルでの狩猟(第6曲)(**)
 ピーター・ラシーン・フリッカー(1920-1990):木管五重奏曲(++)
デニス・ブレイン(Hr)
マルコム・サージェント指揮BBC so.(*)
ピーター・ピアーズ(T;+)
ジョン・ホリングズワース指揮BBC so.(+)
ベンジャミン・ブリテン(P;#)
デニス・ブレイン
 管楽アンサンブル(**/++)
 1953年7月30日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール(*/+)/1956年6月21日、オールドバラ教区教会、オールドバラ音楽祭(#)/1956年6月19日、ロンドン、BBCスタジオ(**)/1957年8月24日、エジンバラ音楽祭、フリーメイソンズ・ホール(++)。すべてモノラル。
 永遠の天才ブレインがBBC LEGENDSに帰ってきた。ホルン協奏曲とセレナードは、BBCのアーカイヴから新たに発見された16インチの保管ディスクを初CD化したもの。まさにこれは絶頂期の記録で、モーツァルトにブリテンと、ブレインを語る上で外せない演目であるのも幸い。さらに名手ブリテンとの傑作アダージョとアレグロとはまた夢のよう。その他、ブレインのために書かれ初演も行ったフリッカーの作品やミヨーの断片にいたる有名無名大小のさまざまなプログラムは、どれをとってもかけがえのない宝物。
BBCL-4193
廃盤
バルビローリ&ハレ管による「革命」
 ベートーヴェン:
  交響曲第5番 ハ短調 Op.67「運命」(*)
 ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 Op.47(#)
ジョン・バルビローリ指揮
ハレo.
 録音:1966年12月1日、マンチェスター、自由貿易ホール(*)/1963年2月22日、BBCスタジオ(#)。以上モノラル。
ジュリーニ、熱くダイレクトなドヴォ7と
 珍しいヒンデミット

 ヒンデミット:金管と弦楽のための協奏音楽(*)
 ドヴォルジャーク:交響曲第7番 ニ短調 Op.70(*)
 ベートーヴェン:「エグモント」序曲(#)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
ニュー・フィルハーモニアo.(*)、LPO(#)
 録音:1969年11月30日(*)/1975年5月14日(#)、以上ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール。ステレオ。初出音源。
 巨匠ジュリーニを偲ぶアルバムが BBC からリリース。ドヴォルジャークは、翌年のロンドン・フィル盤(1976年)や、後のグッとテンポを落としたコンセルトへボウ盤(1993年)がともに有名だが、ここではやはりライヴという条件が大きなポイント。フィルハーモニア管との8番(1963年/ BBCL-4159)もそうだったが、音楽の自然な流れを損なわない熱くストレートな表現に、この時期ならではの魅力があふれている。
 さらに、ジュリーニとしてはたいへん珍しいヒンデミットが聴けるのも見逃せないところで、機能的美と響きの面白さをたっぷり味わえる。
テンシュテット、異常なテンションによる
 とてつもないライヴ、初出あり

 ウェーバー:「オベロン」序曲(*)
 シューベルト:
  交響曲第9番 ハ長調 D.944「ザ・グレイト」(#)
 ブラームス:悲劇的序曲 Op.81(+)
クラウス・テンシュテット指揮
LPO
 録音:1984年10月7日(*/#)/1983年4月7日(+)、以上、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール。ステレオ。(*)は初出音源。テンシュテットの同曲には、1979年12月13日のクリーヴランド管とのライヴがSIBERIAN TIGERから(ST-016/入手困難)、そして1990年8月30日の同じくLPOライヴがBBCから(BBCL-4158)、それぞれ発売されている。残り2曲はマスターからの初復刻で、ともにRARE MOTH から (#)はRM-522S 、(+)はRM-492Sで、それぞれ発売されているもの。
 「ここまで演奏がすごいと、曲がどうでもよくなるとすらいえるかもしれない。」と音楽評論家許光俊氏も言い切る、テンシュテット&ロンドン・フィルによるライヴ演奏。「グレイト」は巨匠に惚れ込んでいる手兵とのライヴだけあって、ベルリン・フィルとのスタジオ盤(1983年)を大きく上回り、異常に濃厚。前プロの「オベロン」も、オケの運動性を極限まで追い込んで激しく爆発している。そして、交響曲第3番(BBCL-4167)と同日の「悲劇的序曲」は現状では彼唯一の同曲演奏となる貴重な物。シリアスな内容は指揮者の指向する音楽とはまり過ぎで、重暗い響きに完全に打ちのめされる。
BBCL-4196
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廃盤
流通在庫限り
スヴャトスラフ・リヒテル、初出あり
 シューマン:
  蝶々 Op.2(*)/
  序奏とアレグロ・アパッショナート ト長調 Op.92(#)
 シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D.960(+)
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
ベンジャミン・ブリテン指揮(#)
イギリス室内o.(#)
 録音:1963年1月27日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(*)/1965年6月16日、ブライスバラ・チャーチ、オールドバラ音楽祭(#)/1964年6月20日、教区教会、オールドバラ音楽祭(+)。ステレオ/モノラル(該当曲記載無し)。(*)は初出音源。(#)と(+)は以前MUSIC AND ARTSなどから発売されていた物だが、現在ではすべて廃盤で、マスターからの初復刻。
 ピアノの巨人リヒテル、BBC LEGENDS 通算10枚目のアルバム。これまでにリリースされたすべてが、生の強靭な圧倒的打鍵と透徹したピアニズムを伝えるものとしてロングセラーを続けている。初出音源の(*)は、これまでEMIへの1962年ライヴ(国内代理店はこれを「スタジオ録音」としているが、誤り)しか音盤がなく、貴重な2種目の演奏が登場ということになる。初出レパートリーの(+)(と国内代理店は書いているが、ヴィスロツキとのDG録音などもあるため、誤り)、別名コンツェルト・シュトゥックは、ピアノ連弾など音楽祭を通じての朋友ブリテンとの息のあったやりとりが聴ける貴重な記録。1972年のザルツブルク録音が有名な(+)はリヒテル屈指のプログラムとしてつとに有名だが、今回の演奏は、今のところ市販音源としては1960年代最後の物。ちなみに当日は、同じシューベルトで第6番のソナタ、ブリテンとのデュオで変奏曲、さらにはロストロとのブラームスのチェロ・ソナタ第1番も演奏されていた。
 #既に在庫僅少のため、入手出来無い場合はご容赦下さい。
BBCL-4197
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廃盤
流通在庫限り
1965年ロシア音楽祭、オイストラフ、
 ロストロポーヴィチ、そしてコンドラシン

 ソヴィエト連邦国歌(*)
 ブラームス:
  ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77(#)
  ヴァイオリンとチェロのための
   二重協奏曲 イ短調 Op.102(+)
ダヴィド・オイストラフ(Vn;#/+)
ムスティスラフ・
 ロストロポーヴィチ(Vc;+)
キリル・コンドラシン指揮
モスクワpo.
 録音:1965年10月、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(*/#)/1965年10月9日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール(#)。モノラル。
 濃く太く大きな音の魅力で共通するふたり、オイストラフとロストロポーヴィチ。彼らの真価を一度に目の当たりにできるブラームスの二重協奏曲はまさに格好のプログラムで、1965年ロンドンでのロシア音楽祭における最大の呼びもののひとつだった。同一の内容はすでに DVD 映像作品としてリリースされているが、「この空気はけっしてスタジオでは作り得ない」と云われるように、改めて聴きなおしてみても壮絶としか表現しようのない世紀のライヴ。英国国立図書館所蔵の音源で状態もバッチリ。一方、1961年ライヴのサージェント盤(BBCL-4102) も素晴らしかったヴァイオリン協奏曲では、オイストラフさすがに盤石の構えで言うことなし、コンドラシンの引き締まった棒がこれをサポートしている。
 #既に在庫僅少のため、入手出来無い場合はご容赦下さい。
BBCL-4198
廃盤/入手不能
1965年ロシア音楽祭、ロストロポーヴィチ、
 壮年期の協奏曲ライヴ

 ハイドン:チェロ協奏曲第1番 ハ長調 Hob.VII.b-1(*)
 サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番 イ短調 Op.33(#)
 エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 Op.85(#)
ムスティスラフ・
 ロストロポーヴィチ
  (Vc;*/#)指揮(*)
ゲンナジー・
 ロジェストヴェンスキー指揮(#)
LSO
 録音:1965年7月1日(*)/1965年7月(#)、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール。モノラル。
アニー・フィッシャー、初出
 シューマン:謝肉祭 Op.9(*)
 ベートーヴェン:
  ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 Op.10-3(#)
  ピアノ・ソナタ第16番 ト長調 Op.31-1(#)
アニー・フィッシャー(P)
 録音:1963年5月19日、モノラル(*)/1987年11月11日、ステレオ(#)、以上ロンドン、BBCスタジオ。初出音源。
 モーツァルトやシューベルトと並び、ベートーヴェンはアニー・フィッシャーにとって生涯を通じてレパートリーの中心であり続けた。録音に慎重な姿勢と、リサイタルを活動の中心に据えていたこともあり、彼女の生前には音盤としてベートーヴェンのソナタ全集が完成されることはなかったが、HUNGAROTONが1977年-1978年の放送録音を用いて1990年代後半になってから全集を発売、今日ではその高貴な32曲を堪能することができる(HCD-41003, 10CDs[分売もあり])。その全集からさらに10年近くを経、73歳と言う高齢で行われた今回の2曲は、音楽の豊かさと深みに何人も圧倒されることだろう。また、子供の情景ほかを収めたアルバム(BBCL-4141)以来となる壮年期のシューマンでは、間のとりかた、息づかいとどれをとってもまた絶品。
BBCL-4200
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廃盤
流通在庫限り
ジャネット・ベイカー〜ブラームス:歌曲集
 郷愁 II Op.63-8(*)/おお、涼しい森よOp.72-3(*)/
 ひめごとOp.71-3(*)/僕たちはさまよい歩いたOp.96-2(*)/
 航海Op.96-4(*)/セレナードOp.106-1(*)/
 さすらい人Op.106-5(*)/雨の歌Op.59-3(*)/
 乙女Op.95-1(*)/乙女の歌(*)/月の夜WoO 21(*)/
 墓地でOp.105-4(*)/野の寂しさOp.86-2(#)/
 甲斐なきセレナードOp.84-4(#)/
 ナイチンゲールにOp.46-4(#)/
 わたしの愛は緑(青春の歌 I )Op.63-5(#)/
 秋の気配Op.48-7(#)/蜘蛛の糸Op.72-2(#)/
 夕立Op.70-4(#)/失望Op.72-4(#)/夢遊病の人Op.86-3(#)/
 すぐ来てねOp.97-5(#)/死、それは冷たい夜Op.96-1(#)/
 永遠の愛Op.43-1(+)
ジャネット・ベイカー(Ms)
アーネスト・ラッシュ(P;*/+)
ポール・ハンバーガー(P;#)
 録音:1960年9月16日(*)/1968年1月4日(#)/1961年2月7日(+)、以上BBC スタジオ、ロンドン、モノラル。おそらく初出音源。
 BBC LEGENDS の看板&英国の至宝、デイムを冠するベイカーのアルバムが久々に登場。この放送用スタジオ録音は、1933年生まれのベイカーがそれぞれ27歳と34歳の時の物で、キャリアをこれから築いてゆく時期にあたる。この間、オペラ歌手として1962年に英ロイヤル・オペラ、1966年にはコヴェントガーデンに舞台デビューを果たしている。深みあるアルトが紡ぐブラームスの晦渋に満ちた世界に、じっくりと浸りたい。1908年生まれで、BBC放送協会付きの名伴奏者として活躍したラッシュのピアノがまた味わいに満ちている。
マイラ・ヘス
 J.S.バッハ:
  前奏曲とフーガ ト長調BWV.902(*)/
  イギリス組曲第2番 イ短調BWV.807(*)
 ハイドン:
  ピアノ・ソナタ第62番変ホ長調Hob.XVI-52(#)
 シューマン:謝肉祭Op.9(+)
マイラ・ヘス(P)
 録音:1956年11月2日(*)/1962年1月3日(#)/1950年10月13日(+)、以上 BBC スタジオ、ロンドン。モノラル、おそらく初出音源。
 1965年に亡くなったヘスは、ピアノの女王として英国の人々からいまもなお愛されつづけている。ここに聴くBBCの放送用録音は、その人気の背景を裏付けるに十分な内容。(+)は1938年の SP 録音が彼女の代表的な演奏として知られるが、ここでもその満面にたたえられたリリシズムは絶品。定評あるバッハをはじめ、すべての演奏に慈愛の人へスならではの温かいまなざしが感じられる。
BBCL-4202
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(2CD)
1.5CD価格
当レーベル初登場、エルネスト・アンセルメ
 しかもフィルハーモニア管やBBC響との共演

 ハイドン:交響曲第85番 変ロ長調Hob.I-85「王妃」(*)
 ドビュッシー:
  夜想曲(**)/管弦楽のための「映像」〜イベリア(*)
 ベートーヴェン:交響曲第4番 変ロ長調Op.60(#)
 バルトーク:管弦楽のための協奏曲(#)
 [ボーナス・トラック](+)
  アンセルメ、ドビュッシーについて語る
   (聞き手;ロバート・チェスターマン)
エルネスト・アンセルメ指揮
BBC so,(*/**)、BBC 女声 cho.(**)、
フィルハーモニアo.(#)
 録音:1964年2月2日、BBC スタジオ、ロンドン(*/**)/1958年8月28日、アッシャー・ホール、エジンバラ(#)/1969年、ジュネーヴ(+)。全てモノラル、おそらく初出音源。
 「兵士の物語」ほかの初演を手がけストラヴィンスキーの第一人者として知られるスイスの名匠アンセルメ(1883-1969)は、手兵スイス・ロマンド管とデッカに残した数多くの録音と来日公演によって日本にもなじみ深い指揮者。BBC LEGENDS初登場となる彼のライヴ集は英国のオケとのものである点が珍しく、しかもプログラムがまたじつに盛りだくさん。
 まずクレンペラー時代のフィルハーモニア管との顔合わせに注目。クレンペラーの看板であるベートーヴェンは、アンセルメ自身全集を残しているとはいえ、あまり目立たなかった物。さらにアンセルメのバルトークというのも意外だが、彼はこの同時代音楽の巨人をたいへん尊敬しており、傑作への熱い共感も聴きどころ。このほかにも、親交のあったドビュッシーでは、改めてフランス音楽への圧倒的な造詣の深さを感じ取れるはず。
 このライヴ集の登場は、これまでほとんどスタジオ録音でしか伝えられてこなかったアンセルメの姿を知るうえで重要な意味を持つ事だろう。
ミェチスワフ・ホルショフスキ
 バッハ:パルティータ ハ短調BWV.826(*)
 モーツァルト:
  ピアノ・ソナタ第16番 変ロ長調K.570(*)
 ショパン:
  夜想曲第7番 嬰ハ短調Op.27-1 (*)/
  夜想曲第8番 変ニ長調Op.27-2 (*)/
  マズルカ第15番 ハ長調Op.24-2 (*)
 ドビュッシー:組曲「子供の領分」(#)
ミェチスワフ・ホルショフスキ(P)
 録音:1983年6月13日(*)/1984年6月9日(#)、以上、モールティングス、スネイプ、オールドバラ音楽祭ライヴ。ステレオ。(#)は初出音源。(*)はCD-R使用のFKMからFKM-1004として出ているものだが、シマノフスキのマズルカ4曲が省かれている。この分はマスターからの初復刻となる。
 既出の2枚(BBCL-4122、BBCL-4171)にも聴かれるように、ほとんど奇跡のような音楽でピアノ・ファンから絶大な支持を集めるホルショフスキ。カザルスとの運命的な出会いを経たのち、90歳を迎える頃から各地で行なったライヴの数々は、かけがえのないものばかり。この1983年のオールドバラでのリサイタルは、スタジオ盤の平均律が名高いバッハに、直系の弟子ミクリに学んだショパン、きらきらとした光を放つモーツァルトと、巨匠にとって不動の作曲家の名前が並ぶ。さらに1984年ライヴから、1986年のプラド・ライヴでも弾いていたドビュッシーをカップリング。ここでも幻のピアニストの至芸を存分に堪能できる。
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー
 チャイコフスキー:
  バレエ「くるみ割り人形」組曲、第2幕より(*)
 ショスタコーヴィチ:バレエ「ボルト」組曲(*)
  [第1幕〜序曲、官僚の踊り、間奏曲/
   第2幕〜御者の踊り]
 ストラヴィンスキー:バレエの情景(+)
ゲンナジー・
 ロジェストヴェンスキー指揮
BBC so.
 録音:1987年8月18日、ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン、ライヴ(*)/1981年4月29日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン、ライヴ。以上ステレオ、初出音源。
 ロジェストヴェンスキー絶頂期のロシア・バレエ物。チャイコフスキーは、組曲のほかに第2幕からの音楽も加えたオリジナルの選曲。全曲録音も見事なものだったが、ライヴはまた格別。後年のロイヤル・ストックホルム・フィルとの全曲盤でも知られる「ボルト」は社会主義リアリズム路線の作品。人を喰ったような味わいはこの指揮者にしか出せないもの。1980年代といえばロジェヴェンのまさに絶頂期で、あまり耳にする機会のないストラヴィンスキーも含め、天才的手腕が遺憾なく発揮された内容となっている。
レオポルド・ストコフスキー、カタログ復活
 クレンペラー:メリー・ワルツ(*)
 ヴォーン・ウィリアムズ:
  トマス・タリスの主題による幻想曲(*)
 ラヴェル:スペイン狂詩曲(*)
 ブラームス:交響曲第4番 ホ短調(*)
 ノヴァーチェク:常動曲(#)
レオポルド・ストコフスキー指揮
ニュー・フィルハーモニアo.(*)、
LSO (#)
 録音:1974年5月14日(*)/1964年9月21日(#)、以上、ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン、ライヴ。(#)は初出音源。(*)は以前BBC RADIO CLASSICSから BBCRD-9107 として発売されたものだが、久々の再発売。
 クレンペラーが世を去った翌年に「オーケストラの魔術師」ストコフスキーが、亡き巨匠の手兵ニュー・フィルハーモニアと行なったライヴを中心とする1枚。音楽を楽しく聞かせることにかけては他に並ぶもののいないサービス精神旺盛な彼のこと。融通無碍で自由自在なブラームス、カラフルで爆発的なラヴェルと、どれをとっても満足度100パーセント。さらに巨匠を偲んで代表作メリー・ワルツを、前プロの一曲目に取り上げている(唯一の演奏機会だったのでは?)のが面白いところ。
BBCL-4206
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廃盤
流通在庫限り
リヒテル&ブリテンのモーツァルト、カタログ復活
 モーツァルト:
  ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調KV.482(*)/
  ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調KV.595(#)/
  アダージョとフーガ ハ短調KV.546ス(+)
スヴャトスラフ・リヒテル(P)

ベンジャミン・ブリテン指揮(*/#)
イギリス室内o.(*/#)
 録音:1967年6月13日、モールティングス、スネイプ(*/+)/1965年6月16日、ブライスバラ・チャーチ、サフォーク(#)。以上ステレオ、ライヴ。以前BBCB-8005、8010(共に廃盤)として出ていたアルバムから、モーツァルトのみ再編集したもの。
 巨人リヒテル、オールドバラにおける朋友ブリテンとの夢のようなモーツァルト。ここに収められた内容はすべて「ブリテン・ザ・パフォーマー」シリーズからリリース済みだが、廃盤のため長らく入手難の状態が続いていた。ちなみに第27番と同日にはシューマンの序奏とアレグロ・アパッショナートも演奏されている(BBCL-4196)。
BBCL-4207
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(2CD)
1.5CD価格
シルヴェストリ&ボーンマス響、
 ライヴ集成 Vol.2

 ウォルトン:パルティータ(*)
 ドビュッシー:交響詩「海」(*)
 ラフマニノフ:交響曲第3番 イ短調Op.44(#)
 ヘンデル:「王宮の花火の音楽」組曲(+)
 ベートーヴェン:交響曲第8番へ長調Op.93(**)
 ディーリアス:パリ、大都会の歌(##)
 R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」(++)
コンスタンティン・
 シルヴェストリ指揮
ボーンマスso.
 録音:1965年5月7日(*)/1967年12月1日(#)/1967年11月20日(+)/1966年12月6日(**)/1967年3月2日(##)/1967年1月5日(++)、以上ウィンターガーデン、ボーンマス、ライヴ。モノラル、おそらく初出音源。
 チェリビダッケと同じルーマニア生まれで、方向性こそ違うものの大胆なほどユニークな音楽というところが共通するシルヴェストリ。エルガー、チャイコフスキーほか( BBCL-4182)に続き、手兵ボーンマス響とのとっておきのライヴ集が登場する。べったりと濃厚に歌い上げるラフマニノフ、キレた感じのベートーヴェン。そしてヘンデルやシュトラウスに聴く豪放なスケールなどにその個性が際立っている。
テンシュテット Vol.4、
 2曲とも初レパートリー作品!

 ヤナーチェク:グラゴル・ミサ(*)
 R.シュトラウス:
  組曲「町人貴族」Op.60(#)
シーラ・
 アームストロング(S)
アメリル・ガンソン(A)
ロバート・ティアー(T)
ウィリアム・シメル(B)
クラウス・テンシュテット指揮
LPO、同cho.
 録音:1985年5月12日(*)/1986年5月4日(#)、以上ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ。ともに初出音源で、テンシュテットの初音盤レパートリー作品。
 「ここまで演奏がすごいと、曲がどうでもよくなるとすらいえるかもしれない」と音楽評論家許光俊氏も言い切る、テンシュテットとロンドン・フィルによるライヴ演奏。BBC LEGENDS 第4弾のヤナーチェクとシュトラウスもまた、演奏の壮絶さに加えてともにスタジオ盤にはない注目の内容。
 東独時代の1970年代前半にテンシュテットは、「利口な女狐の物語」組曲やタラス・ブーリバ、オペラ「イェヌーファ」の上演などヤナーチェクを積極的に取り上げている。当1985年のほかに1991年にも再演しているグラゴル・ミサは、モラヴィア民謡を基調としたむせび泣くような響きが独特の魅力。ここでは全身全霊を傾ける巨匠のもと、シンフォニエッタ(BBCL-4139)でも圧倒的だったブラスに加え、独唱、合唱もすべての音が絶叫するような音楽は恐るべき迫力。カップリングは当日、ソプラノのノーマンとの歌曲の夕べの前に演奏されたシュトラウス「町人貴族」。モーツァルトのようとも評され、華美で古典の様式による当作品からも、ユーモラスで軽妙な味わいと艶美を紡ぐあたり、巨匠の手腕が光る。魂の巨匠テンシュテットを味わいつくす一枚がまた加わった。
なんとビーチャムの「第9」!
 イギリス国歌
 ベートーヴェン:
  交響曲第9番 ニ短調 Op.125「合唱付き」
シルヴィア・
 フィッシャー(S)
ナン・メリマン(A)
リチャード・ルイス(T)
キム・ボルイ(B)
トーマス・ビーチャム指揮
RPO、エジンバラ音楽祭cho.
 録音:1956年8月19日、エジンバラ、アッシャー・ホール、ライヴ。初出音源で、「合唱」はビーチャムによる初音盤レパートリー作品。
 BBC LEGENDSスタート以来の大看板ビーチャム卿は、英国の人々が敬愛する偉大な指揮者だが、なんとここに驚くべきアルバムが登場する。これまで一切出たことのなかったベートーヴェンの第九は、ビーチャムもめったに振らなかったレパートリー。このたびようやくビーチャム夫人の許諾を得てリリースにこぎつけた。神々しいまでに巨匠の風格が迫るビーチャムの第九。ソリストにメリマン、ルイスといった国際的なスター歌手がみられるのは、エジンバラ音楽祭ならでは。さらにエルガー編曲オケと合唱による英国国歌はビーチャムお得意のナンバー。このうえなく大きな構えで聴きもの。
ヘンリク・シェリング
 モーツァルト:
  ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 KV.216
 ヴィヴァルディ:
  ヴァイオリン協奏曲集「四季」
  二重協奏曲 イ短調
   〜アレグロ・アッサイ(*)
ヘンリク・
 シェリング(Vn)指揮
イギリス室内o.
ホセ・ルイス・
 ガルシア(Vn;*)
 録音:1972年2月26日、ロンドン、クィーン・エリザベス・ホール。(*)はアンコール演奏。おそらく初出音源。
 2008年に生誕90周年と没後20周年を同時に迎えるシェリングは、いまなお美しい音色と清潔な音楽でファンを魅了し続けてやまないヴァイオリニスト。同じイギリス室内管とのスタジオ録音(1969年)でも知られる四季、また同様にスタジオ盤(1969年)が名演とされるお得意のモーツァルト。ピリオド・スタイル隆盛以前でいささか時代を感じさせるとはいえ、それでもシェリングのヴァイオリンが奏でる格調高さと美しさとは普遍的。
BBCL-4211
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ルドルフ・ゼルキン Vol.3
 メンデルスゾーン:前奏曲とフーガ ホ短調(*)
 ブラームス:4つのピアノ小品 Op.119(*)
 ベートーヴェン:
  ディアベッリの主題による
   33の変奏曲 ハ長調 Op.120(#)
ルドルフ・ゼルキン(P)
 録音:1975年2月3日(*)/1969年4月25日(#)、以上ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ。おそらく初出音源。
 モーツァルトの協奏曲(BBCL-4157)、ベートーヴェンほか(BBCL-4177)に次ぐ、巨匠ゼルキンによる第3弾は、またしてもベートーヴェン弾きとしての圧倒的な存在感をみせつけるディアベッリ変奏曲のライヴ。輝かしい音色と、あいまいさのかけらもないくっきりしたタッチはまぎれもなくゼルキンのもの。ゼルキンが弾いたディアベッリは、1957年のスタジオ録音と今回の1969年ライヴのほかに、実はもう一つ1975年のライヴもあるそうだが、今回息子のピーターからの強い要望で1969年のものが選ばれたとのこと。カップリングの2作品は、その1975年にディアベッリとともに演奏されたプログラム。ゼルキンがコンサートで頻繁に取り上げていたもの。
シューラ・チェスカスキー
 ヘンデル:
  アリアと変奏(調子のよい鍛冶屋)(*)
 ブラームス:ヘンデルの主題による
        変奏曲とフーガ Op.24(*)
 ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1(*)
 スカルコッタス:15の小変奏曲(1927)(*)
 プロコフィエフ:トッカータ ハ長調 Op.11(*)
 ショパン:
  ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58(#)
シューラ・チェルカスキー(P)
 録音:1963年4月21日(*)/1964年12月15日(#)、以上ロンドン、BBCスタジオ、ライヴ。モノラル。
 ヨーゼフ・ホフマンの高弟チェルカスキーは、19世紀以来のヴィルトゥオーゾの流れを汲むピアニストとして、ヨーロッパでは早くから絶大な人気を得ていた。演奏当時51歳&53歳、このふたつのライヴはちょうどセンセーショナルにキャリアを築いていた頃と重なり、その評判のほどをうかがわせる。近年注目を集めるスカルコッタスをこの時期に取り上げているのも興味あるところだが、やはり聴きものはショパンとブラームス。ぬめりとした音色でバリバリと弾きまくるさまが理屈抜きに痛快で、最晩年のライヴとはまるで輝きがちがう。
シューリヒト&ボールト
 ブラームス:悲劇的序曲 Op.81(*)
 レーガー:
  ヒラーの主題による変奏曲とフーガ Op.100(*)
 ベートーヴェン:大フーガ 変ロ長調 Op.133(#)
カール・シューリヒト指揮(*)
LSO(*)
エイドリアン・ボールト指揮(#)
ニュー・フィルハーモニアo.(#)
 録音:1964年1月31日、ロンドン、ホーンシー・タウン・ホール、ライヴ(*)/1968年8月19日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール、ライヴ(#)。共にステレオ。(*)はHOSANNAからHOS-15で、(#)も以前INTAGLIO(廃盤)から出ていた演奏と思われるが、共にマスターからの初復刻。
 2007年に没後40周年を迎えるシューリヒトを記念して、BBC LEGENDSよりまたとないリリース。
 1963年以来客演指揮者を務めたロンドン響との貴重なライヴは、幅広いレパートリーを誇るなかでもその中心にあったドイツもの。シューリヒトは師レーガーのモーツァルト変奏曲を好んで取り上げているが、ヒラー変奏曲もまた「変奏曲の大家」レーガーの代表作で、同じく趣向を凝らした管弦楽法にその魅力がある。全曲40分近くの間、終始いつものように人格をそのまま投影したかのように高潔な音楽で満たされ、悲劇的序曲とともに巨匠の偉容を伝えている。
 カップリングは2008年が没後25周年にあたる巨匠ボールトが振った大フーガの弦楽合奏版。かつてIntaglio盤で出ていた有名な演奏が、音質改善を施されて嬉しい復活。
アーリン・オジェー、1987年歌曲ライヴ
 シューマン:
  献呈 Op.25-1/ばらよ、ばらよ Op.89-6/
  そう、春なのだ Op.79-23/
  紡ぎ歌 Op.79-24/ミニョン Op.70-29/
  悲しい調べで歌わないで Op.98a-7
 シューベルト:
  春の思い D.686/蝶 D.633/夜と夢 D.827/
  愛は何処に居ても D.239/
  初めてなくしたものD.226/
  糸を紡ぐグレートヒェン D.118
 シェーンベルク:4つの歌曲 Op.2
 [期待/イエスの物乞い/高揚/森の木漏れ日]
 R.シュトラウス:
  ばらの花環 Op.36-1/けしの花 Op.22-2/
  サフラン Op.10-7/木蔦 Op.22-3/
  懐かしい面影 Op.48-1/春よ Op.37-5
 [アンコール]
  シューベルト:野ばら D.257
  リー・ホルビー:悪魔
アーリン・オジェー(S)
ダルトン・
 ボールドウィン(P)
 録音:1987年1月2日、バーミンガム、ぺブル・ミル、BBC第1スタジオ、ライヴ。
 アーリン・オジェー(1939-1993)はアメリカの生んだリリック・ソプラノ。不運にも脳腫瘍のため53歳の若さで世を去ったが、バッハのアリアやバーンスタインが振ったモーツァルトのミサなどに聴かれるように、その澄み切った美声でいまなお多くのファンを魅了してやまない。このドイツ・リートの夕べでも、積極的な取り組みをみせたシューベルトやシューマンほかクリスタル・ボイスの魅力は全開。加えて、彼女のリサイタルで数多くの伴奏を務めたボールドウィンのピアノが心憎いほどに素敵。録音もとても20年前とは思えない鮮度を湛えていて、オジェーの短すぎたキャリアが改めて偲ばれる。
ルドルフ・ケンペ
 ティペット:二重弦楽合奏のための協奏曲(*)
 ベルク:ヴァイオリン協奏曲(#)
 ヤナーチェク:シンフォニエッタ(+)
エディト・
 パイネマン(Vn;#)
ルドルフ・ケンペ指揮
BBC so.
 録音:1976年2月18日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ(*/#)/1975年10月12日、ロンドン、フェアフィールド・ホール、ライヴ(+)。以上すべてステレオ。(*)と(#)はおそらく初出音源。(+)は先にWORLD MUSIC EXPRESSから WME-S-1142 で出ていた物。同日の演奏曲目だったブリテン「4つの海の間奏曲」が、先にBBC LEGENDSから発売された(BBCL-4188)おりに、この日付けの分のみ「コレクター提供」とされていた。今回、BBCのアーカイヴからのマスターかどうかは特に記載が無い。
 BBC LEGENDS通算7種目となるケンペ& BBC響のライヴ・アルバム。聴きものは1976年、この年に世を去るケンペとはいかにも通好みの顔合わせ、パイネマンとのベルクの協奏曲。1939年生まれマックス・ロスタル門下の彼はこの作品を得意としていて、十二音と調性とのはざまを行き交う危うい美しさを引き出している。英国で人気のティペットは、イギリスに根付いた弦楽アンサンブルの伝統が息づく内容で、錯綜するテクスチュアをさばくさまがじつにスリリング。さらに、同じBBC響とは1974年ライヴ(BBCL-4087)に次いで2種目のシンフォニエッタ。明快で濃い表情付けでは甲乙つけがたいほど、聞かせどころを押さえた稀代の職人指揮者の腕前が光る。
アルトゥール・ルービンシュタイン
 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58(*)
 サン=サーンス:
  ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.22(#)
 ヴィラ=ロボス:
  「赤ちゃんの一族」第1組曲 より(+)
  [小さな褐色の紙の人形/
   小さなボロ布人形/道化人形]
 ショパン:練習曲 ホ短調 Op.25-5(+)
 [アンコール]
 ショパン:
  スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31(**)
アルトゥール・
 ルービンシュタイン(P)
アンタル・ドラティ指揮(*)
LPO(*)
ルドルフ・シュヴァルツ指揮(#)
BBCso.(#)
 1967年12月6日(*)/1957年11月27日(#)/1968年12月4日(**)、以上ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ/1958年11月9日、ロンドン、BBCスタジオ(+)。(**)のみステレオ。2007年が生誕120周年にあたる往年の名手ルービンシュタイン(1887-1982)。これを記念してBBC LRGENDSから通算5枚目のアルバムがリリース。
 生涯にじつに3度も全集録音を完成させているベートーヴェン。なかでも第4番は第3番とともに実演でひんぱんに取り上げていたナンバーで、力みの抜けたタッチで興にまかせ音楽に遊ぶさまは大家の芸。ここでは名指揮者ドラティのサポートがまた絶妙。3つのスタジオ盤があるサン=サーンスも得意の曲で、これはシューマン(BBCL-4152)と同日のライヴ。ルービンシュタインの代名詞であるショパン演奏もいうことなし。スケルツォはブラームスの第1番(BBCL-4187)のアンコールとして演奏されたもの。サン=サーンスをのぞいて、BBCアーカイヴ音源からの復刻となる。
ケルテス、シュナイダーハン
 ベートーヴェン:
  「エグモント」序曲 Op.84(*)
  ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61(*)
 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ
  第3番 ニ短調 Op.108(#)
ヴォルフガング・
 シュナイダーハン(Vn)
イシュトヴァーン・
 ケルテス指揮(*)
LSO(*)
カール・ゼーマン(P;#)
 1964年3月13日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ、ステレオ(*)/1956年9月5日、エジンバラ、アッシャー・ホール、ライヴ、モノラル(#)。
 すべてBBCアーカイヴからの復刻。ウィーンに生没したシュナイダーハン(1915-2002)は、オタカル・シェフチーク、ユリウス・ヴィンクラーに師事して、ドイツ=オーストリーの本流を汲むスタイルからいまなお根強いファンを持つヴァイオリニスト。1933年にウィーン響初のコンマスに就任、37年にはウィーン・フィルのコンマスを歴任したのち、ソリストとして活躍。またカルテットやクーレンカンプのあとを受けてフィッシャー、マイナルディらとのトリオでも味わい深い演奏を聴かせた。
 50年代にファン・ケンペン、62年にヨッフムとスタジオ録音を残しているベートーヴェン。そのヨッフム盤同様、ティンパニが加わるのが異色という自作のカデンツァも聴きものだが、なによりあたたかくリリカルな音色が古きよき香りを伝える。また、不幸な事故で早くに世を去ったケルテスのライヴとしてもこれは貴重で、音質も良好なステレオという点もうれしいところ。さらに、同じ顔触れによる翌57年のスタジオ盤が有名なブラームス。名コンビとの華美に流れぬ朴訥とした味わいは得難い魅力。
ベイカー&レパード、
 1971年オールドバラ・リサイタル

 モンテヴェルディ:
  あの蔑みの眼差し SV.247-1/
  苦しみが甘美なものならば SV.332/
  面影よ、呪われよ SV.246
 ボニファツィオ・
  グラツィアーニ(1604 or 05-1664):
   カンタータ
    「棕櫚のように、薔薇のように」
 ミスター・バーリングクルー:
  賛美歌「エホバの御代」
 ハンフリー:汝、その罪をゆるしたまえ
       (父なる神への讃歌)
 パーセル:
  おお、私をどこかしずかな
   木陰へ連れて行っておくれ/
  追い求める美/
  ああ、無情な、残酷な運命よ
 シューベルト:
  妹の挨拶 D.762/
  アリエッタ
   「恋はいたるところに」 D.239-6/
  アリエッタ
   「あちこち矢が飛び交う」 D.239-3/
  沈みゆく太陽に D.457/
  リンツの試補
   ヨーゼフ・シュパウン氏へ D.749
 フォーレ:
  マンドリン Op.58-1/ひそやかに Op.58-2/
  夕暮れ Op.83-2/捨てられた花 Op.39-2
 グノー:セレナード
 ヘンデル:オラトリオ「ジョシュア」HWV.64
  〜ああ、私にユバルの竪琴があれば
 [ボーナス]
 ベイカーへのインタビュー
  (聞き手:マージョリー・アンダーソン)(*)
ジャネット・ベイカー(Ms)
レイモンド・レパード
(P/Cemb)
ジョイ・ホール(Vc)
 録音:1971年6月14日、オールドバラ音楽祭/1969年10月22日、BBCスタジオ(*)。
 英国の名花ベイカーとレパードと30年以上にもおよぶ何ものにも代え難いパートナーシップは、1950年代後半ブリテンによるオールドバラ音楽祭での出会いにはじまる。このリサイタルはブリテンたっての希望で実現したもの。膨大なレパートリーのかげで自らに厳しかったベイカーのためにレパードが用意したプログラムは、音楽祭ゆかりのパーセル、モンテヴェルディのほかに、レパードが“再発見した "グラツィアーニ、バーリングクルー、パーセルの師で夭折のぺラム・ハンフリー(1647-1674)に加えて、ベイカーお気に入りのシューベルト、フォーレなど多彩なラインナップ。アンコールのグノー、ヘンデルまで表情豊かな歌唱はさすが女王の貫禄。BBCアーカイヴからの復刻で音質良好。
ホーレンシュタインの「ブル3」
 完全な物は初出

 ブルックナー:交響曲第3番 ニ短調
  (1877年エーザー版)(*)
 ブゾーニ:踊りのワルツ Op.53 K288(#)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮
BBCノーザンso.(*)、
ロイヤルpo.(#)
 録音:1963年7月3日、チェルトナム音楽祭、ライヴ(*)/1966年5月9日、ロンドン、BBCスタジオ(#)。以上モノラル。(*)は先にWORLD MUSIC EXPRESS (WME-M-1133/4) から発売があった演奏と思われる(ただし本体では1969年表記)が、前出盤では2楽章最終部から第3楽章の前半が欠落していたため、完全な物は初出となる。
 BBCアーカイヴ音源からの復刻。1928年のBPOとの第7番に始まる巨匠ホーレンシュタインのブルックナー録音。BBC LEGENDSでは第5番(BBCL-4033)、第8番&第9番(BBCL-4017)につづいての完全版初出となる第3番。ちなみに同じエーザー版によるものとして、データではほかに1957年11月9日メイダ・ヴェイル・スタジオで行ったBBC響との放送録音もあるが、収録テープが未発見のため現状ではこれが彼唯一の同曲となる。
 さて、演奏だがブルックナーは得意とするだけあって、スケールは巨大、緊張感、迫力、パワーが漲る骨太の内容。これまでと同じく期待を裏切らない。余白はワルツの父ヨハン・シュトラウスに献呈された作品。ブゾーニはホーレンシュタインがキャリアをスタートさせた1920年代に熱烈に師事していた作曲家。密接な親交があったため信頼も厚く、BBCからブゾーニの音楽祭での指揮を依頼されている。
ロジェストヴェンスキー、
 ショスタコーヴィチ「第4」英国初演

 ショスタコーヴィチ:
  交響曲第4番 ハ短調 Op.47(*)/
  組曲「カテリーナ・
      イズマイロヴァ」Op.114a(#)/
  祝典序曲(+)
ゲンナジー・
 ロジェストヴェンスキー指揮
フィルハーモニアo.(#)、
LSO(+)
 1962年9月7日(*)、1962年9月4日(#)、エジンバラ、アッシャー・ホール、ライヴ/1985年7月8日、ロンドン、バービカン・ホール、ライヴ(+)。以上すべてステレオ。
 すべてBBC アーカイヴ音源からの復刻。天才ロジェヴェンが絶頂期に客演したエジンバラでのライヴの2曲はともに英国(西側)初演、しかも作曲者の御前演奏という強力なポイントつき。なかでも最大の問題作第4交響曲は、その演奏史において語り草となっていたもので、ようやく全貌が明らかとなる。当時のタイムズ紙も興奮が冷め遣らぬ異常演奏の模様を次のように伝えている。「この作品こそまさしく天才の仕事、豊潤な響きと構成要素の多様性とはとんでもなく素晴らしいかぎり。当夜、このとてもやっかいなプログラムに説得力満点の演奏を思い描くのがむずかしいように、マエストロ、ロジェストヴェンスキーがフィルハーモニアから引き出したよりも輝かしい演奏を想像することはむずかしい。」
 BBC LEGENDSとショスタコーヴィチとは不思議な因縁があるようで、ムラヴィンスキー(BBCL-4002)とスヴェトラーノフ(BBCL-4189)の第8番、オイストラフの協奏曲集(BBCL-4060)と過去に重要なリリースが続いているが、またしてもここにとんでもない価値のアルバムが出現したといえるだろう。
ジュリーニのフォーレ&ヴェルディ
 フォーレ:レクイエム Op.48(*)
 ヴェルディ:聖歌四篇(#)
ジャネット・ベイカー(S)
ジェラール・
 スゼー(Br;*)
カルロ・マリア・
 ジュリーニ指揮
フィルハーモニアo.&cho.
 録音:1962年4月30日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ。おそらく初出音源。
 エジンバラ音楽祭への出演やコヴェント・ガーデンでの「ドン・カルロ」などを通じて、50年代後半から60年代前半にジュリーニはひんぱんに英国のオケに登場している。ちょうどこの時期に数多くの録音を残したフィルハーモニアとの傑作宗教曲ライヴ。まさしくカンタービレの巨匠と異名をとる彼の持ち味が存分に活きた内容で、いまにも吸い込まれそうな美しさ。同じフィルハーモニアとのスタジオ盤(86年)で知られるフォーレでは、スゼーの優しく温かみある歌声が心に沁みる。ヴェルディはこの公演での成功を受けてだろうか、同じ年12月に同一キャストでスタジオ録音を行なっている。ともにソリストを務めるのはおなじみのベイカー。
スヴャトスラフ・リヒテル
 シューベルト:
  ピアノ・ソナタ第14番 イ短調 D.784(*)/
  ヒュッテンブレンナーの主題による
   変奏曲 D.576(#)
 シューマン:幻想小曲集 Op.12 より(#)
  [夕べに/ 飛翔/なぜに/夜に/
   夢のもつれ/歌の終わり]
 [アンコール]
 ドビュッシー:
  映像第2集〜葉ずえを渡る鐘の音(#)
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
 録音:1979年3月31日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ(*)/1969年10月8日、マンチェスター、自由貿易ホール(#)。
 すべてBBCアーカイヴからの復刻。2007年、没後10年を迎えるリヒテルのリサイタル集。第14番のソナタはオール・シューベルト・プロ(BBCL-4010)からのもので、合わせて当夜の内容がすべて揃う。なお、このリサイタルは同じ年の2月から3月にかけての来日公演直後にあたり、第14番は東京と大阪のプログラムにも組まれていた。いっぽう、さかのぼること10年前マンチェスターでのライヴは当夜のプログラム前半を収録(後半はラフマニノフ。BBCL-4090)。とりわけシューマンはリヒテルの真骨頂とも呼べる出来栄え。
ジョン・バルビローリ
 ニルセン:交響曲第4番 Op.29「不滅」(*)
 シベリウス:交響曲第3番 ハ長調 Op.52(#)
ジョン・バルビローリ指揮
ハレo.
 録音:1965年7月30日(*)/1969年8月8日(#)、以上、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール、ライヴ。(*)はおそらく初出音源。
 すべてBBCアーカイヴ音源からの復刻。シベリウスの名演奏と呼ばれるものの多くが素朴な味わいをとどめた地元フィンランド勢で占められるなか、粘っこい歌いまわしで作品の世界を訥々と描いてゆくバルビローリのそれは独特のポジションを獲得している。そのシベリウスのエキスパート、バルビローリと手兵ハレ管による第3交響曲ライヴ。1969年8月は同曲のスタジオ録音から3ヵ月後、ようやく解禁となった内容は文字通りファンには宝物といってさしつかえないだろう。
 ニルセンの「不滅」はシベリウス5番(1968年、ライヴ)とのカップリングでBBCラジオ・クラシックス(廃盤)から出ていたもの。シベリウス同様に作品との相性もよく、とくに第1楽章のヤマ場における、たたみかけるような気迫にみちた激しさは一度耳にすると記憶に焼きついて離れない。長らく入手困難であったためこのたびの復活は嬉しいところ。
BBCL-4224
(2CD)
廃盤
クラウス・テンシュテット
 マーラー:交響曲第7番 ホ短調「夜の歌」(*)
 モーツァルト:
  交響曲第41番 ハ長調 KV.551「ジュピター」(#)
クラウス・テンシュテット指揮
ロンドンpo.
 録音:1980年8月29日、アッシャー・ホール、エジンバラ音楽祭(*)/1985年9月13日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール(#)、共にライヴ、ステレオ。
 #BBCL-4225(ショルティのベートーヴェン「英雄」&ワーグナー):発売延期→ BBCL-4239 へ番号変更され、発売。
スヴェトラーノフのショスタコ「第5」&
 「死の島」、後者は初出!

 ショスタコーヴィチ:
  交響曲第5番 ニ短調 Op.47「革命」(*)
 ラフマニノフ:交響詩「死の島」Op.29(#)
エフゲニー・
 スヴェトラーノフ指揮
LSO(*)、
ソヴィエト国立so.(#)
 録音:1978年8月28日、エジンバラ、アッシャー・ホール、ライヴ(*)/1968年8月22日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール、ライヴ(#)、共にステレオ。(#)は初出音源。(*)は先にVIBRATOからVLL-244で出ている演奏だが、マスターからの初復刻。VIBRATO盤は後半の音質が良くなかったため、待望の物となりそうだ。
 すべてBBCアーカイヴ音源の復刻。稀代の怪物指揮者スヴェトラーノフがLSOを振った「革命」は、エジンバラ音楽祭におけるライヴ。スヴェトラーノフといえば手兵ソヴィエト国立響との演奏を抜きに語れないが、この翌年には首席客演指揮者に任命されることになるLSOは、当時プレヴィンのもとで大躍進を遂げ、アンサンブルの条件が揃っていた。スタイルの異なるプレヴィン&LSO盤(65年)との聴き比べもまた興味深いところではないだろうか。いずれにせよ、第8番(BBCL-4189)の余韻も冷め遣らぬところへ、またしてもファンにはとんでもないタイトルの出現といえそう。
 いっぽう、これより10年前、プロムスでの実況録音による「死の島」。40歳を目前にして、戦車に喩えられる激烈で濃厚な味付けはこの時期ならではのもの。なお、当日はオイストラフ独奏でショスタコーヴィチの第2協奏曲(BBCL-4060)とスクリャービンの法悦の詩(BBCL-4121)も演奏されている。
ルドルフ・ゼルキン〜
 モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.2

 ピアノ協奏曲第14番 変ホ長調 KV.449(*)/
 ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 KV.467(#)/
 2つの行進曲 ニ長調 KV.335〜第1番(*)/
 6つのドイツ舞曲 KV.571(*)
ルドルフ・ゼルキン(P)
アレクサンダー・シュナイダー指揮
イギリス室内o.
 録音:1964年8月28日、エジンバラ、アッシャー・ホール、ライヴ(*)/1966年7月23日、ロンドン、ギルド・ホール、ライヴ(#)、共にステレオ。全て初出音源(一部後述)。
 コレクター収蔵音源による21番をのぞいて、すべてBBCアーカイヴからの復刻。前作第12番(BBCL-4157)を聴いた音楽評論家許光俊氏が「夢見心地。こんなすごいモーツァルトがあった!」と驚きを隠さないゼルキンのモーツァルト。嬉しいことに続編が登場。しかも今回はすべてステレオ、年代相応のすぐれた音質でいうことなし。甘美、はかなさと、さまざまな表情をみせてこれこそ絶品としか云いようのないピアノに、またしても絶妙なサポートで応えるのは朋友シュナイダー。フィルアップのドイツ舞曲は既出(BBCL-4157)と同一の内容だが、新たに発見されたステレオ音源での再登場となる。
BBCL-4228
廃盤
ニコラーエワ、バッハ・ライヴ タチアナ・ニコラーエワ(P)
 録音:1986年11月10日、セント・ジョンズ・スミス・スクエア、ライヴ。
イシュトヴァーン・ケルテス&LSO、
 初音盤レパートリー曲あり&初出

 ロック:
  国王陛下のサックバットとコルネットのための音楽(*)
 シューマン:交響曲第1番 変ロ長調 Op.38「春」(#)
 ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 Op.73(*)
イシュトヴァーン・ケルテス指揮
LSO
 録音:1966年2月15日(*)/1965年11月30日(#)、以上ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ。ステレオ、初出音源。
 LSO第10代首席指揮者ケルテスがその在任中(1965-1968)におこなった興味深いライヴ集。おそらく3曲とも彼の初ライヴ音盤曲となる物で、さらに(*)は彼の初音盤曲目と思われ、大変貴重。彼に対するLSOの信頼が厚かったことはつとに知られ、そのことはシューベルトの「未完成」やドヴォルジャークの第6番(1966年ライヴ; AN-4100)でもはっきりと確かめられるが、ここでも気力の漲った音楽運びがまことに壮快。さらに、チャールズ2世の戴冠式のために書かれたとされるロックでは、LSOご自慢のブラス・セクションの輝かしいサウンドが耳に残る。
ミェチスワフ・ホルショフスキ、初出
 カザルス:プレリュード(*)
 ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58(*)
 バッハ/リスト編:前奏曲とフーガ イ短調 BWV.543(#)
 モーツァルト:
  ピアノ・ソナタ第12番 ヘ長調 KV.332(#)
 ヴィラ=ロボス:満ち潮(#)/だれでも通るこの橋(#)
 ショパン:マズルカ
  [変ロ短調 Op.24-4(#)/ハ長調 Op.56-2(#)]
 メンデルスゾーン:
  無言歌 ハ長調「紡ぎ歌」Op.67-4(#)
ミェチスワフ・
 ホルショフスキ(P)
録音:1984年6月9日(*)/1987年6月21日(#)、以上オールドバラ、ライヴ。ステレオ、初出音源。
 伝説とまで謳われたカザルス・ホール、ライヴが行われたのが1987年12月9日。これより半年ほど前、ホルショフスキがおこなったオールドバラでのリサイタルは、その東京公演と同じ年ということもあり、モーツァルト、ヴィラ=ロボス、メンデルスゾーンとプログラムが重なるが、それにしても美しい。ここに聴く奇跡のようなピアノはどれもこれももはや尽くす言葉がない。アルバム前半のカザルスとショパンのソナタは、既出「子供の領分」(BBCL-4203)と同日のライヴ。カザルスの曲を取り上げているのが、ふたりのゆかりの深さをあらためて思い起こさせる。音楽好きの静かな感動を呼ぶ一枚。
シューラ・チェルカスキー、初出
 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」(*)
 ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ調(#)
シューラ・チェルカスキー(P)
ロナルド・ゾールマン指揮(*)
BBC スコティッシュso.(*)
ヴァーノン・ハンドリー指揮(#)
BBC so.(#)
 録音:1992年1月29日、エジンバラ、アッシャー・ホール(*)/1985年9月14日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール(#)、以上ライヴ。ステレオ、初出音源。
 19世紀の流れを汲む最後のヴィルトゥオーゾ、チェルカスキー。これまでに BBC LEGENDS では5枚のアルバムを数えることからも根強い人気がうかがえる。ノリのよさが天下一品のガーシュウィンは、曲調も相俟って文句のない出来栄え。いっぽうで古典派作品は不向きとの評を抑えて、「皇帝」はたいへんロマンティックなピアノが聴けるところがチェルカスキー流。ちょっとほかでは聴いたことのない味わい。ともに録音状態が良好なのもうれしいポイント。
ザンデルリング&BBCフィル〜
 マーラー
:交響曲第9番 ニ長調
クルト・ザンデルリング指揮
BBC po.
 録音:1982年7月17日、マンチェスター、BBCスタジオ7、ライヴ、ステレオ。以前 BBC Radio Classics (廃盤)から同日付の演奏が出ていたが、BBC Radio Classics の国内盤解説を担当した竹内貴久雄氏によると、当盤で発売されていた物とは録音データこそ同じだが分数が異なり、実際に異なる演奏だとのこと。 竹内氏のサイトへのリンク:「ザンデルリンク/BBCフィルハーモニーの『マーラー/交響曲第9番』に別テイクがある???」 。以下最下部の、当初は「1981年2月21日、 BBC ノーザン響とのの ライヴとアナウンスされた」という点にも注意。
 ザンデルリングの同曲は、1979年のベルリン響盤(BERLIN CLASSICS)、1987年12月7日の北ドイツ放響盤(EN LARMES、ELS-01-147)、1990年2月18日のLPO盤(VIBRATO、2VLL-119)、1992年1月のフィルハーモニア管盤(ERATO)があった。
 以下発売時の代理店アナウンスに基づきます。「2002年5月の引退表明からはや5年あまりを経過したいまもつぎつぎとライヴが発掘され、その人気が衰えることを知らない‘最後の巨匠’クルト・ザンデルリング。このたびBBC LEGENDSより、BBCフィルとのマーラーの第9番ライヴがリリースされる。初出時に「ザンデルリングの決定盤」と言われたことにも納得の、破格のスケールとなんとも有機的な音の溶け合い。この作品に対するザンデルリングの思い入れの深さは既出の音源からもうかがえるが、当盤ではおそらくライヴという条件もプラスに働いているのだろう、情緒型のアプローチとは方向性もまったく異なる冷徹なるマーラーで、聴きこむほどに彼岸のひびきを感じさせる不思議な演奏。なお、レーベルの最高責任者ジョン・パトリック氏によれば、音質も大幅な改善が図られているとのことでよりいっそう期待が高まる。」
 #ご注意:初掲載時には「 1981年2月21日、マンチェスター、BBCスタジオ7でのBBCノーザンso.との初出音源」と掲載しておりましたが、国内代理店から上記へ変更となった旨連絡が参りました。何とぞご容赦の程お願い致します。
ロジェストヴェンスキー、初出
 R=コルサコフ:序曲「ロシアの復活祭」Op.36(*)
 ラフマニノフ:交響曲第1番 ニ短調 Op.13(#)
 プロコフィエフ:戦争終結に寄せる頌歌 Op.105(+)
ゲンナジー・
 ロジェストヴェンスキー指揮
BBCso.
 録音:1979年8月31日(*)/1979年8月23日(#)/1978年10月11日(+)、以上ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール、ライヴ。ステレオ、初出音源。
 すべてBBCアーカイヴ音源からの復刻。ロジェストヴェンスキーが第8 代首席指揮者(1978-81)を務めたBBC響とのライヴは、十八番のロシアものばかりを集めたきわめつけの内容。まさに指揮者として絶頂期に差し掛かっていたころで、アルバム一曲目R=コルサコフから目もくらむような華麗なるサウンドが大爆発。ラフマニノフはLSOとの第2番がすばらしかっただけにおおいに期待されるかたも多いはず。ソビエト国立文化省響との録音(84年)もある「戦争終結に寄せる頌歌」は、第2次大戦終結時に政府におもねって書かれたが失敗に終わったいわくつきの作品。さらに、コントラバス8本、ハープ8台、ピアノ4台、吹奏楽編成のブラス・セクション、打楽器と巨大な編成を擁することもあって滅多に聴く機会もないが、それにしてもこの演奏はじつに痛快で立派。やり過ぎくらい思い切りのよさにロジェヴェン節が炸裂してファンには大きな満足感を約束してくれることだろう。
BBCL-4234
廃盤/入手不能
テンシュテット、1984年の
 「ドイツ・レクイエム」、マスターからの初復刻

 ブラームス:ドイツ・レクイエム Op.45
ルチア・ポップ(S)
トーマス・アレン(Br)
クラウス・テンシュテット指揮
LPO、同cho.
 録音:1984年8月26日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール、ステレオ、ライヴ。
BBCL-4235
廃盤/入手不能
S=イッセルシュテット&BBC響、初出
 ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲(*)
 ティペット:コレッリの主題による協奏的幻想曲(#)
 ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98(+)
エリ・ゴレン(Vn;#)
ベラ・ダカニ(Vn;#)
ヴィゲイ・デニス(Vc;#)
ハンス・シュミット=
 イッセルシュテット指揮
BBC so.
トルトゥリエ、ボールト、プリッチャード、初出
 エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調(*)
 ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための
  協奏曲 イ短調 Op.102(#)
 ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調(+)
ポール・トルトゥリエ(Vc)
ヤン・パスカル・
 トルトゥリエ(Vn;#)
エイドリアン・ボールト指揮(*)
ジョン・プリッチャード指揮(#)
BBC so. (*/#)
アーネスト・ラッシュ(P;+)
 録音:1972年11月14日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ(*)/1974年4月17日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ(#)/1959年2月10日、ロンドン、BBCスタジオ、ライヴ(+)。以上ステレオ(代理店の記載では(+)も含まれているが・・・)、おそらく初出音源。
 (+)を除き、BBCアーカイヴ音源の復刻。大御所カザルスとも親密な間柄にあったポール・トルトゥリエは、同じ時代を生きたフルニエやジャンドロンとともに20世紀フランスのチェロ界をリードしたひとりだった。このアルバムではトルトゥリエによる貴重なライヴの数々を楽しむことが出来る。大権威ボールトの棒によるという点も魅力のエルガーは、ほかに2 種のスタジオ盤を残すトルトゥリエにとっては唯一のステレオによるライヴ。現在指揮者として活躍中の息子ヤン・パスカルとの親子共演が実現したブラームスでは、スタジオ盤でのフェラスとはまた違った趣きで聴かせる。
マルコム・サージェント、初出あり
 ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第4番 ヘ短調(*)
 シベリウス:交響曲第4番 イ短調 Op.63(#)
マルコム・サージェント指揮
BBC so.
 録音:1963年8月16日(*)&1965年9月2日(#)、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール、ライヴ。以上ステレオ。(#)は初出音源。
 共にBBCアーカイヴ音源よりの復刻。英国の名匠サージェント(1895-1967)がその晩年に、もっとも得意としていたシベリウスとヴォーン・ウィリアムズを振ったライヴ。いずれもスタジオ盤を残さなかったプログラムで、ヴォーン・ウィリアムズは以前にもストコフスキーによる第8番とのカップリング(BBCラジオクラシックス; 廃盤)でリリースされたことがあるが、BBC響とは第1、第2そして第5交響曲、また「フィンランディア」や「ポホヨラの娘」をウィーン・フィルと録音したシベリウスは完全初出のため、さらに貴重。英国に独自の演奏の伝統がいきづくシベリウスに、自国の大作曲家ヴォーン・ウィリアムズによるふたつの第4交響曲。作品成立と同じ時代を生きたサージェントがここで率いるのは、首席指揮者時代(1950-1957)を通じて、亡くなるまで信頼の厚かった手兵BBC響。英国きってのすぐれた合唱指揮者としても知られた腕前は美しいハーモニーで確かめられる。
フィルクシュニー、1980年ロンドン・ライヴ、初出
 シューベルト:3つの小品 D.946
 マルティヌー:ファンタジーとトッカータ H.281
 ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
 ショパン:マズルカ Op.63-3
 スメタナ:フリアント/演奏会用練習曲
ルドルフ・フィルクシュニー(P)
 録音:1980年2月21日、ロンドン、クィーン・エリザベス・ホール、ライヴ。ステレオ、初出音源。
 BBC アーカイヴ音源の復刻。シューベルト、ハイドン&ブラームスを弾いた1969年のリサイタル(BBCL-4173)につぐ、フィルクシュニーのBBC LEGENDS第2弾。前回から11年後、場所も同じクィーン・エリザベス・ホールでのリサイタルは、得意の「展覧会の絵」をはじめ、自国チェコのスメタナと、友人であり熱心な紹介者として知られたマルティヌーなど、きわめつけのレパートリーがならんでいる。1994年に世を去ったいまもファンの多いフィルクシュニー。なるほど、高貴なピアニズムは一度聴いたら忘れがたい味わいを湛えている。
ショルティ、ロンドン・ライヴ
 ベートーヴェン:
  交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」(*)
 ワーグナー:
  「神々のたそがれ」
    〜ジークフリートのラインへの旅(#)/
  「トリスタンとイゾルデ」〜前奏曲と愛の死(+)
ビルギット・ニルソン(S;+)
ゲオルグ・ショルティ指揮
LSO(*)、
コヴェント・ガーデン
 王立歌劇場o.(#/+)
 録音:1968年1月30日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(*)/1963年9月6日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール(#/+)、以上ライヴ、ステレオ。おそらく全て初出音源。
 すべてBBCアーカイヴ音源からの復刻。2007年早くも歿後10年を迎えた巨匠ショルティの初出ライヴ。同じmediciグループ傘下となったEUROARTSからはCSOとのライヴ映像がリリースされるが、こちらはBBC LEGENDSということで英国のオケとの顔合わせ。まず、LSOとの「エロイカ」は、既出のチャイコフスキー第1協奏曲(チェルカスキー独奏・BBCL-4160)と同日のライヴで、VPO(1958年)、CSOとの2種(1973年、1989年)につづいて、ショルティでは4種目(と国内代理店は記しているが、最晩年1996年6月の北ドイツ放響とのオケ自主製作盤がある[廃盤]ので、5種目)。当時55歳のマエストロのもと、すばらしい反応をみせるLSO。優美で力強く、いつもの彫琢をきわめたつくりに、ライヴのいっそう大きなスケール感を加えている。カップリングは、1961年から1971年まで音楽監督を務めた手兵ロイヤル・オペラ管を率いて登場したプロムスでのワーグナー。愛の死におけるイゾルデは、ウィーン・フィルとの全曲盤(1960年)でも同名役を歌ったニルソン。リング全曲やシュトラウスの楽劇など、実演ならびに録音でショルティとの共演機会の多かった女王が、オケを凌ぐ圧倒的存在感を聴かせている。リマスタリング担当はポール・ベイリー。
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
 R.シュトラウス:
  交響詩「ドン・キホーテ」Op.35(*)
 ハイドン:チェロ協奏曲第2番 ニ長調Hob.VIIb-2(#)
ハリー・ダンクス(Va;*)
ヒュー・マグワイア(Vn;*)
マルコム・サージェント指揮(*)
BBCso.(*)
ムスティスラフ・
 ロストロポーヴィチ
(Vc;*)指揮(#)
LSO(#)
 録音:1964年8月25日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール(*)/1965年7月1日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(#)、共にライヴ、モノラル。おそらく初出音源。
 いずれも英国図書館サウンド・アーカイヴよりの復刻。1960年代、ロストロが脂の乗り切っていた頃のライヴが楽しめる一枚。「ドン・キホーテ」は有名なカラヤン盤(1975年)より11年前のプロムス・ライヴ。名匠サージェントの堅実な音楽運びのもと、巨大なチェロに迫る、BBC首席ダンクスとLSOのリーダーだったマグワイアのソロも聴きもの。ハイドンは同日の第1番 ハ長調(BBCL-4198)と合わせてこのたび2曲が揃う。
ルドルフ・ゼルキン〜
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・ライヴ

  [第29番 変ロ長調Op.106
    「ハンマークラヴィーア」(*)/
   第31番 変イ長調Op.110(#)]
ルドルフ・ゼルキン(P)
 録音:1968年5月13日(*)&1971年6月16日(#)、以上ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ。モノラル(*)/ステレオ(#)、初出音源。
 「ワルトシュタイン」&「テレーゼ」(1973年/BBCL-4177)や、ディアベッリ変奏曲(1969年・BBCL-4211)でも、あらためてベートーヴェン弾きとしての存在感をみせつけたルドルフ・ゼルキン。「ハンマークラヴィーア」はこれまで、名演の誉れ高いスタジオ録音盤(SONY; 1969-1970年)しか無かったので、にライヴの登場はファン待望。第31番はSONYへのスタジオ録音2種(1960年&1971年)と、1987年のライヴにつづいて4種目となる。共にテクニック絶頂期におこなわれたライヴというのがいずれもポイントで、輝かしい音色がいっそうまばゆく、これはなによりファンにはうれしい内容といえるだろう。
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー
 ショスタコーヴィチ:
  交響曲第12番 ニ短調Op.112「1917年」(*)/
  交響曲第6番 ロ短調Op.54(#)
 J.シュトラウス II:
  ポルカ「まあ、つべこべ言わずに」(+)
 J.シュトラウス II/ショスタコーヴィチ編:
  ポルカ「観光列車」(+)
 ユーマンス/ショスタコーヴィチ編:
  2人でお茶を(タヒチ・トロット Op.16)(**)
ゲンナジー・
 ロジェストヴェンスキー指揮
フィルハーモニアo.(*)、
BBCso.(#/+)
 録音:1962年9月4日、エジンバラ、アッシャー・ホール、西側初演ライヴ(*)/1980年12月10日(#)&1981年8月14日(+/**)、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール、ライヴ。すべてステレオ、(*)を除き初出音源、すべてBBCアーカイヴ音源の復刻。(*)は BBC Radio Classics (廃盤)から発売されたことがある物。
 (*)は同時に演奏された第4番(BBCL-4220)とともに、作曲者本人立会いのもとでおこなわれた西側初演のドキュメント。長らく廃盤が続いていたところへ、久々の復活となる。ロジェヴェン2種目の第6番はソ連文化省響との録音(1983年)も激烈だったが、目まぐるしく疾走するフィナーレがあざやかに決まる。しかし、更にスゴイのは、この曲の世紀の名演と通の間で云われて久しい「タヒチ・トロット」がついに音で聞けること。シュトラウス作アレンジの珍品ポルカともども、天才ロジェヴェンの手腕がもっとも花開いた例といえるだろう。
BBCL-4243
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廃盤
流通在庫限り
ジャネット・ベイカー + レパード/他
 マーラー:「大地の歌」(*)
 ブラームス:アルト・ラプソディ Op.53(#)
ジャネット・ベイカー(Ms)
ジョン・ミッチンソン(T;*)
レイモンド・レパード指揮(*)
BBCノーザンso.(*)
エイドリアン・ボールト指揮(#)
BBCso.&BBC男声合唱(#)
 録音:1977年2月22日、マンチェスター、自由貿易ホール、ライヴ(*)/1968年11月6日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ(#)。(*)は BBC Radio Classics (廃盤)から発売されたことがある音源で、BBCアーカイヴ音源の復刻。(#)は初出音源と思われる。
 英国の誇りベイカーの歌う「大地の歌」といえば、BBC LEGENDSにはすでにケンペ盤(1975年/BBCL-4129)があるが、わずか2年ほどの差といえベイカー絶頂期の記録といえるのがこのレパード盤。このたびポール・ベイリーのリマスタリングで音質改善がはかられ、カタログ復活となる。テノールはホーレンシュタイン盤(1972年/BBCL-4042)でも歌っていたミッチンソン。カップリングはおなじボールトの指揮でスタジオ録音(LPO/1970年)を残すアルト・ラプソディ。こちらはライヴということで、いずれにしてもファンにはかけがえのないものとなるだろう。
BBCL-4244
入手不能
デュ・プレ、初出あり
 エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調Op.85(*)
 プリオー・レーニエ(1903-1986):
  チェロ協奏曲(1964)(#)
 ラッブラ:チェロ・ソナタ ト短調Op.60(+)
ジャクリーヌ・デュ・プレ(Vc)
イリス・デュ・プレ(P)
マルコム・サージェント指揮(*)
ノーマン・デル・マー指揮(#)
BBCso.(*/#)
 録音:1964年9月3日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール、ライヴ(*/#)/1962年7月6日、チェルトナム音楽祭、ライヴ(+)。(*)と(#)がBBCアーカイヴよりの復刻でステレオ、(+)はモノラル。(*)と(+)は初出音源。(#)はおそらくマスターからの初復刻と思われるもので、CD-R 使用の LANNE HISTORICAL COLLECTION から1965年9月3日とされる演奏が発売されていた(LHC-7008/廃盤)が、おそらく同一の演奏。今回の日付が正しい物と推測される。
BBCL-4245
廃盤
リヒテル、1961年7月8日ロンドン・ライヴ
 ハイドン:
  ピアノ・ソナタ第49(44)番 変ホ長調Hob.XVI-49
 プロコフィエフ:
  ピアノ・ソナタ
  [第2番 ニ短調Op.14/
   第8番 変ロ長調Op.84「戦争ソナタ」]/
  束の間の幻影 Op.22 より (*)
  [Nos. 3-6, 8-9, 11, 14-15, 18]/
  10の小品 Op.12〜第6曲「伝説」
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
 録音:1961年7月8日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ、モノラル。(*)を除き初出音源。(*)は15年以上前に伊 AS DISC から発売されていた物だが、マスターからの初復刻。
 1961年、前年に念願のアメリカ・デビューを果たしたリヒテルは、前半は国内に留まりモスクワでの活動を中心としたが、7月に入るとロンドンで集中的にリサイタルをおこなっている。ちなみに、このライヴから数日後、10日にショパンとドビュッシー(BBCL-4021)や、コンドラシンとの共演で16日にショパンのアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズを、18日にはリストの協奏曲2曲(いずれもBBCL-4031)を演奏、これらの模様はすでにBBC LEGENDSよりCD化されている。
 この時期、リヒテルは英国でもまだまだ謎に包まれていた存在であり、リサイタルそのものが特別の事件だった。メインのプロコフィエフを目の当たりにした当時の聴衆の衝撃たるや想像に難くない。
 後出CD-R: St-Laurent Studio (CANADA), YSLSR-19610708
ジュリーニ&LPOの
 「ドイツ・レクイエム」1978年、初出

 ブラームス:ドイツ・レクイエム Op.45
イレアナ・コトルバス(S)
ディートリヒ・フィッシャー=
 ディースカウ(Br)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
LPO、エジンバラ国際音楽祭cho.
 録音:1978年8月26日、エジンバラ、アッシャー・ホール、ライヴ。ステレオ、初出音源。
 ジュリーニのドイツ・レクイエムといえば、現状ではこれより9年後のウィーン・フィルとのライヴ盤(1987年6月20日-21日; DG/1987年6月22日、FKM FKM-CDR50)を残すのみ。このたび重要性を鑑みてBBC LEGENDSがリリースに踏み切った。
 1987年のDG盤が73分を越えるのに対して、ここではおよそ68分と演奏時間に5分もの違いがあるが、それでも遅めのテンポによる馥郁たる美はまぎれもなくジュリーニならではのもの。ソリストにはクレンペラー盤での歌唱が知られるフィッシャー=ディースカウに、当時絶頂を迎えていたコトルバス。さらには、こうした機会にジュリーニの起用も多かったエジンバラ音楽祭合唱団が、ジョン・カーリーのもとベストを尽くしている。
ゲザ・アンダ + ブーレーズ、初出
 モーツァルト:
  ピアノ協奏曲第16番 ニ長調KV.451(*)/
  ピアノ協奏曲第17番 ト長調KV.453(#)
 バルトーク:ピアノ協奏曲第2番 Sz.95(+)
ゲザ・アンダ(P)指揮(*/#)
イギリス室内o.(*/#)
ピエール・ブーレーズ指揮(+)
BBCso.(+)
 録音:1968年11月28日、BBCスタジオ(*)/1975年4月9日(#)&1973年12月5日(+)、以上ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ。全てステレオ、初出音源。
 ヴィルトォーゾ、アンダのきわめつけというべきモーツァルトとバルトークの協奏曲ライヴが聴ける注目のアルバム。ハンガリー出身のアンダには音楽語法にも精通し、また同時代の音楽として身近であったバルトークだが、ここでの指揮はなんと若き日の鬼才ブーレーズ。この顔合わせに興奮を覚えない方はいないだろう。また、モーツァルテウム管との全集があまりにも有名な“弾き振りによるモーツァルト "は、いずれもそのスタジオ録音以降におこなわれたもの。得意とした曲ではあるが、全集以外の録音は以外と少なく(EMIへハスキルと入れた2P協と、オイロディスクへ入れた第20番&第21番くらいか)貴重。ちょっとしたニュアンスといい、もはや説明不要の美しさはほかでは得がたい。
ザンデルリング、音盤初レパートリー&初出
 モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
 マーラー:交響曲第4番 ト長調(*)
フェリシティ・ロット(S;*)
クルト・ザンデルリング指揮
BBCノーザンso.
 録音:1978年4月17日、マンチェスター、BBCスタジオ。ステレオ、初出音源。ザンデルリングによるマーラーは少なく、これまで交響曲は9番、10番、大地の歌しか音盤が無かった。モーツァルトもおそらく初音盤曲と思われる。
 第9番(BBCL-4232)のカタログ復活につづいて、なんとザンデルリングによるマーラー第4番がBBC LEGENDSに登場。音源そのものも完全初出、しかも彼の音盤初レパートリーとくれば、これは絶対見逃すことの出来ない内容といえるだろう。ザンデルリングのマーラーといえば、9番や10番が巨大なアプローチでとりわけ人気を集めているが、初期の作品であるこの4番でも巨匠スタイルによる構えの大きさが際立っている。また、フィナーレを彩るのは女王ロットというのも魅力。さらに、デモーニッシュな表現が凄みをきかせる「ドン・ジョヴァンニ」も貴重なカップリング。いずれも音質良好。
ホーレンシュタインのニルセン&シベリウス
 ニルセン:
  交響曲第3番 ニ短調Op.27「ひろがりの交響曲」(*)
 シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調Op.82(#)
 [ボーナストラック]
   ロバート・シンプソンによる
     ホーレンシュタインへの弔辞(+)
アレクサンドラ・
 ブラウニング(S;*)
コリン・ウィートリー(Br;*)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮
BBC ノーザンso.
 録音:1970年10月30日、マンチェスター・タウン・ホール、ライヴ(*)/1970年10月31日、シェフィールド・シティ・ホール、ライヴ(#)/1973年(+)。以上モノラル。(+)はおそらく初出音源。(*)と(#)は、以前 Intaglio から INCD 7381INCD 7331(以上廃盤)で発売されたことがある演奏だが、おそらく今回がマスターからの初復刻。
 巨匠ホーレンシュタインがスケールゆたかに描く北欧のシンフォニー2 題。これらは、ホーレンシュタインによるマーラー第3番や第6番の名録音で知られる、Unicorn 社のオーナーでプロデューサー、ジョン・ゴールドスミスによって収録されたもので、約15年ぶりという久々のカタログ復活。ホーレンシュタインにとって、ニルセンは第3番のほか、交響曲では第5番と第6番、クラリネット協奏曲やオペラ「サウルとダヴィデ」などの録音も残しているように、たいへん得意としていた作曲家。いっぽう、ひんぱんに第2交響曲やヴァイオリン協奏曲を取り上げていたシベリウスだが、第5交響曲はホーレンシュタイン唯一無二の録音にあたるもの。なお、ボーナスとして、作曲家で指揮者の友人でもあったシンプソン(1921-1997) が1973年、ホーレンシュタインの死に寄せて述べた弔辞を収録している。
ギレリス 1980年チェルトナム・リサイタル、初出
 ベートーヴェン:
  ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調Op.10-3 /
  「エロイカ」の主題による
   15の変奏曲とフーガ 変ホ長調Op.35
 スクリャービン:練習曲 嬰ヘ短調Op.8-2/
         練習曲 嬰ハ短調Op.2-1/
         5つの前奏曲Op.74 (*)
 ラヴェル:水の戯れ/道化師の朝の歌
 プーランク:パストゥレル
エミール・ギレリス(P)
 録音:1980年11月20日、チェルトナム・タウン・ホール、ライヴ。ステレオ、初出音源。BBC アーカイヴ音源よりの復刻。
 BBC LEGENDS では最初期に発売された1枚[1957年&1959年ロンドン・リサイタル/BBCL-4015]以来となる「鋼鉄のピアニズム」ギレリスのアルバム。1980年といえばギレリスが世を去る5年前、『晩年はロシア国内に留まっていたためおそらくは西側における最後の時期の活動を収めたものとしても貴重』(『』内代理店表記だが、翌年に娘エレナと英べドフォードで残したシューベルト [モスクワ音楽院 SMCCD-0047A] や、1984年スイス・ライヴ[ERMITAGE&AURA;廃盤] などもあるので誤り)。プログラムはほとんどすべてほかに録音があるものだが、(*)を除き、録音が残っている中ではギレリスによる最後の演奏となったものである事は注目に値する。特にギレリスのベートーヴェンは最高。彼は、ベートーヴェンのソナタを若い頃から全曲弾いていたわけではなく、この7番も1980年のわずか一年間に演奏した6種しか録音が残されていない(うち市販されたのは、DG盤を含め当盤で3種目)にもかかわらず、音楽と演奏とがかくも高いレベルで結びついた例は稀というほかない。「エロイカ変奏曲」も、同様に1980年の5種録音が残されるのみで、当盤は初のライヴ(DG盤に続く2種目)の市販盤となる。おそろしく繊細なニュアンスが絶品のスクリャービン、磨き抜かれた硬質のタッチで描かれるラヴェルの美しさも際立っている。ここには名教師ネイガウス門下でリヒテルと名声を分かち合った偉大な個性の姿が刻まれている。これはピアノ好きにはたまらない内容といえるだろう。
テンシュテット&LPO + ボレット、初出
 ブラームス:交響曲第1番 ハ短調Op.68(*)
 シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調Op.54(#)
ホルへ・ボレット(P;#)
クラウス・テンシュテット指揮
LPO
 録音:1990年5月6日(*)/1984年10月7日(#)、以上ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ。ステレオ、初出音源。すべてBBC アーカイヴ音源よりの復刻。
 テンシュテット&LPOのブラームス第1番は、1981年8月28日のライヴ(SARDANA; 廃盤/GREAT ARTISTS GA4-20)、1983年のスタジオ・セッション(EMI)があった他、北ドイツ放響との1992年6月12日ライヴ(HALLOO; 廃盤/RE! DISCOVER RED-1/EN LARMES ELS-02-245)もあったが、今回はLPOとの後年ライヴであると言う点が貴重。『すでにCD化されている当日前半のプログラム、チョン・キョンファ独奏のブルッフ第1協奏曲』(代理店表記; EMIからの発売盤を指すと思われるが、日付には諸説あり)も壮絶きわまりないものだが、ここでも全身全霊を音楽に傾ける姿勢が、第3番 (BBCL-4167) 同様に顕著な内容となっている。シューマンの協奏曲は、ウェーバーの「オベロン」序曲に続いて、シューベルトの「グレイト」と同日におこなわれたもの(以上2曲はBBCL-4195 で既発売)。同曲をシャイーとスタジオ・セッション(1985年) で残すボレットもまたスタジオ録音よりはライヴで真価を発揮する名うてのヴィルトゥオーゾ。シューマンの狂気は、テンシュテットとの顔合わせであるこちらのほうがはるかに色濃いといえるだろう。いずれも音質良好で、ファンを釘付けにするのは必至と思われる。
メニューイン兄妹、ジャンドロン、ケルテス、初出
 ブラームス:二重協奏曲 イ短調Op.102
 ベートーヴェン:三重協奏曲 ハ長調Op.56
イェフディ・メニューイン(Vn)
モーリス・ジャンドロン(Vc)
へフツィバ・メニューイン(P)
イシュトヴァーン・ケルテス指揮
LSO
 録音:1964年6月10日、コルストン・ホール、バス音楽祭、ライヴ。モノラル、おそらく初出音源。
 往年の名手ジャンドロンとメニューインはソリストとしてはもちろん、その妹のヘフツィバを加えてじつに25年もの間トリオとしての活動でも名を馳せた。これはかれらが一同に会し、ブラームスとベートーヴェンとによる多重協奏曲のきわめつけの2作品を取り上げた注目のライヴ。この翌年 LSO の首席指揮者に就任するケルテスのダイナミックなアプローチも聴きどころとなっており、モノラルながら迫力も十分。名エンジニア、リチャード・ランドーによる録音。
ストラヴィンスキー自作自演、初出
 バレエ「アゴン」/3楽章の交響曲/
 バレエ「ミューズの神を率いるアポロ」/
 バレエ「火の鳥」〜フィナーレ
イーゴル・ストラヴィンスキー指揮
BBC so.
 録音:1958年12月10日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ。モノラル、おそらく初出音源。BBC アーカイヴ音源よりの復刻。
 ストラヴィンスキーの自作自演はこれまでにも数多くの録音で知られているが、これは1958年に作曲者がBBC 響を振ったライヴ。1928年の「アポロ」、1946年の「3楽章の交響曲」、そして1957年の「アゴン」というように、「火の鳥」をのぞいて、すべてみずからの指揮で初演した作品を取り上げている。なかでも、前年に完成をみたばかりの「アゴン」では同時代の生々しい香りを感じ取れる。モノラルながらクリアな音質。
チェルカスキー、1970年11月ロンドン・ライヴ
 メンデルスゾーン:
  ロンド・カプリツィオーソ ホ長調Op.14
 シューベルト:ピアノ・ソナタ第20番 イ長調D.959
 シューマン:謝肉祭 Op.9
 チャイコフスキー/ラフマニノフ編:
  子守歌 変イ短調Op.16-1
 シューマン/タウジヒ編:密輸入者 Op.74-10
シューラ・チェルカスキー(P)
 録音:1970年11月1日、ロンドン、クィーン・エリザベス・ホール、ライヴ。
 晩年、20世紀が生んだ最後のヴィルトゥオーゾと騒がれたチェルカスキーによるBBC LEGENDS第7弾。1970年のリサイタル・アルバムでは、1960年のワールド・レコード・クラブ録音をのぞいて、以来決して残さなかったシューベルトのソナタ第20番ほかを取り上げている。なかでも、華麗で技巧的なメンデルスゾーンはもっともチェルカスキー向きのレパートリーといえ、独特の音色とともに印象深いものとなっている。リマスタリング担当はポール・ベイリー。
BBCL-4255
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廃盤
流通在庫限り
F=ディースカウ、オールドバラ音楽祭ライヴ
 ブラームス:歌曲集「マゲローネのロマンス」Op.33(*)
 シューベルト:
  ドナウにて D.553(#)/さすらい人 D.649(#)/
  友に D.654(#)/プロメテウス D.674(#)/
  ヘリオポリスII D.754(#)/
  さすらい人が月に寄せて D.870(#)/
  漁師の歌 D.881(#)
ディートリヒ・フィッシャー=
 ディースカウ(Br)
スヴャトスラフ・リヒテル(P;*)
ベンジャミン・ブリテン(P;#)
 録音:1965年6月20日、オールドバラ、教区教会(*)/1972年6月8日、オールドバラ、スネイプ、モルティングス(#)、共にライヴ。
 バリトンの巨人フィッシャー=ディースカウがオールドバラ音楽祭で行なったふたつのリサイタルから収録。リヒテルとは、1970年のザルツブルク音楽祭(ORFEOR-490981)でも取り上げているブラームスの「マゲローネのロマンス」。ふたりともキャリアの絶頂期にあった、この1965年のリサイタルは 以前 AS DISC からCD化されていたことがあるが、久々のリリース(おそらくマスターからの初復刻)は喜ばれるところだろう。フィルアップのブリテンとのシューベルトは過去にブリテン・ザ・パフォーマー (BBCB-8011; 廃盤)で出ていたもの。このたびトニー・フォークナーによる新リマスタリングで音質改善が図られている。
エイドリアン・ボールト
 ヴォーン・ウィリアムズ:
  交響曲第6番 ホ短調(*)/
  トーマス・タリスの主題による幻想曲(*)
 ハドリー:春のある朝(#)
 バックス:地中海(#)
 ・ボーナス・トラック
  ベルク:抒情組曲からの3つの楽章(+)
エイドリアン・ボールト指揮
ニュー・フィルハーモニアo.(*)、
LPO(#)、BBC so.(+)
 録音:1972年7月7日、チェルトナム、タウン・ホール、ヴォーン・ウィリアムズ生誕100年記念コンサート、ライヴ(*)/1969年11月26日、バーキング・タウン・ホール、スタジオ・セッション(#)/1966年12月12日、ロンドン、BBCメイダ・ヴェイル・スタジオ(+)。
 英国の巨匠ボールトは、アナログ期に2度に渡る交響曲全集完成という前人未到の偉業を成し遂げたヴォーン・ウィリアムズのエキスパート。1972年の作曲者生誕100年記念コンサートより、1947年に初演を手がけた交響曲第6番に、有名なタリス幻想曲を収めている。作曲家の親友であったボールトにとっては、ともに幾つもの別演奏を数えるものとはいえ、やはりモニュメンタルなライヴということでは格別価値ある内容といえるだろう。
 ほかに、敬愛するディーリアスの影響と抒情美が特徴的で、ヴォーン・ウィリアムズ70 歳の誕生日を祝して作曲されたハドリーに、自作ピアノ曲からの編曲作であるバックスの小品も、英国音楽のスペシャリストたるボールトの看板どおりの出来栄えとなっている。さらに、ボーナスのベルクはボールト・ファンには絶対に見逃せないレアな内容。ボールトは1933年にヴォツェックを先駆的に取り上げており、期待の高まるものといえそう。
ヨゼフ・スーク&サージェント
 ドヴォルジャーク:
  ヴァイオリン協奏曲 イ短調Op.53, B.108(*)
 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.61(#)
ヨゼフ・スーク(Vn)
マルコム・サージェント指揮
BBC so.
 録音:1964年8月27日(*)/1965年9月9日(#)、以上ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール、ライヴ。
 2009年に生誕80年を迎える現役の名手スークを記念して、若き日のめずらしいプロムス・ライヴがリリースされる。スークの記念すべきプロムス・デビューにあたるドヴォルジャークに、久々のカタログ復活となるベートーヴェン。ソリストとして、またスーク・トリオのメンバーとして長年、数多く日本のファンを魅了し続けたスークがまだ30代半ば、ともに40年以上も前のライヴだが、清潔感のある美しくあたたかい音色はいまも昔も変わらない。リマスタリング担当はポール・ベイリー。
コンスタンティン・シルヴェストリ
 レズニチェク:歌劇「ドンナ・ディアナ」序曲(*)
 チャイコフスキー:
  交響曲第3番 ニ長調Op.29「ポーランド」(#)
 エルガー:エニグマ変奏曲 Op.36(#)
コンスタンティン・
 シルヴェストリ指揮
ボーンマスso.
 録音:1962年9月25日、ボーンマス、タウン・ホール、ライヴ(*)/1967年7月3日、ボーンマス、ウィンター・ガーデンズ、ライヴ(#)。
 マニアから熱い支持を集める鬼才シルヴェストリは2009年に歿後40年を迎える。晩年に音楽監督を務めた手兵ボーンマス響とのライヴ集も今回でに4種目。EMIにセッションで行った後期の3曲が代表的な録音とされるように、また、BBC LEGENDSでは1963年のマンフレッド(BBCL-4007)、1966年の第2番(BBCL-4182)が知られるチャイコフスキーは、シルヴェストリが得意とするプログラム。さらに、1968年の交響曲第1番や1966年の序曲「コケイン」(いずれもBBCL-4182)が知られるエルガーもまた、シルヴェストリが好んで取り上げていた作曲家。両作品とも思い入れが強く、ファンにはこたえられない濃厚な味わい。なお、レズニチェクはシルヴェストリの遠縁で、母方の甥にあたる。代表作「ドンナ・ディアナ」からの序曲は、シルヴェストリとボーンマス響の持ち味が良く出たハイテンションな演奏。
BBCL-4259
廃盤
スヴェトラーノフ晩年のロシア・プロ、初出
 ラフマニノフ:交響詩「死の島」Op.29
 ラフマニノフ/レスピーギ編:2つの「音の絵」Op.33
 ムソルグスキー/ラヴェル編:組曲「展覧会の絵」
エフゲニー・
 スヴェトラーノフ指揮
BBCso.
 録音:1999年10月28日ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ。
エミール・ギレリス〜
 1968年ロンドン・リサイタル、ベートーヴェン・プロ

 ベートーヴェン:
  ピアノ・ソナタ第21番
   ハ長調Op.53「ワルトシュタイン」/
  ヴラニツキーのバレエ「森の乙女」のロシア舞曲
   の主題による12の変奏曲 イ長調WoO.71/
  創作主題による32の変奏曲 ハ短調WoO.80
 ウェーバー:
  ピアノ・ソナタ第2番 変イ長調Op.39, J.199
エミール・ギレリス(P)
 録音:1968年3月26日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ。モノラル、初出音源。なお、演奏会記録などからすると、もしかすると1968年3月17日のリサイタルから取られた曲があるかもしれない。
 20世紀の生んだ最高のベートーヴェン弾きのひとり、ギレリスの真骨頂発揮。曲想にふさわしく勇壮そのものの「ワルトシュタイン」に、キャリア初期から好んで取り上げている変奏曲2曲を、美しく硬質のタッチに加え完璧なテクニックというまさに理想的な演奏で聴ける。亡くなって早や四半世紀が過ぎようという今日でも、彼の演奏は少しも輝きを失うことがない。華麗で技巧的なウェーバーも、高貴な佇まいが魅力。
BBCL-4261
廃盤
ギレリス、BBC 最初期&最後のライヴ録音集
 D.スカルラッティ:ソナタ集(*)
 [ニ短調K.141/ヘ長調K.518/ニ短調K.32/
  ヘ短調K.466/イ長調K.533/ロ短調K.27/ト長調K.125]

 ドビュッシー:ピアノのために(*)/
        「映像」第1集〜水に映る影(*)
 ベートーヴェン:
  ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調Op.90(#)
 スクリャービン:
  ピアノ・ソナタ第4番 嬰ヘ長調Op.30(#)
 プロコフィエフ:
  「つかの間の幻影」Op.22 より(#)
   [Nos.1, 3, 5, 10, 11, 17]/
  ピアノ・ソナタ第3番 イ短調Op.28(#)
エミール・ギレリス(P)
 録音:1984年10月15日、スミス・スクェア、聖ヨハネ教会、ステレオ(*)/1957年4月22日ファリンドン・ストリート、メモリアル・ホール、モノラル(#)、以上ライヴ。
ザンデルリングの「未完成」「英雄の生涯」
 前者はおそらく彼の初音盤曲

 R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」Op.40 (*)
 シューベルト:
  交響曲第8番 ロ短調D.759「未完成」(#)
クルト・ザンデルリング指揮
BBC ノーザンso.
[現・BBC po.]
 録音:1975年9月30日、マンチェスター、自由貿易ホール(*)/録音:1978年4月17日、マンチェスター、BBC スタジオ(#)、ともにライヴ、ステレオ、おそらく初出音源。
 BBC LEGENDSが意欲的に発掘を推し進めているザンデルリングのBBC ノーザン響ライヴ・シリーズ。まず聞き物は、マーラー「第4」他(BBCL-4248) と同日に演奏された「未完成」で、おそらく彼の初音盤作品。シューベルトでは「グレイト」こそ複数のライヴが発掘されているが、他の曲はほとんどないだけに、この一曲だけでも計り知れない価値。カップリングには「英雄の生涯」。ライプツィヒ放送so.との1972年ライヴ(WEITBLICK)が出ているが、おそらくこれが2種目の音盤という、こちらも稀少レパートリー。いずれも悠然たる構えでじっくり聞かせるスタイルが特徴的で、惜しまれつつ引退した巨匠の芸風にどっぷり浸れる最高の一枚といえるだろう。『ともに音質優秀』とのこと。
BBCL-4263
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廃盤
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ロストロポーヴィチ〜
 盟友リヒテル、ブリテンとのソナタ集

 ブラームス:チェロ・ソナタ第1番 ホ短調Op.38(*)
 グリーグ:チェロ・ソナタ イ短調Op.36(*)
 ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調Op.40(#)
ムスティスラフ・
 ロストロポーヴィチ(Vc)
スヴャトスラフ・リヒテル(P;*)
ベンジャミン・ブリテン(P;#)
 録音:1964年6月20日(*)/1964年6月14日(#)、以上オールドバラ教区教会、ライヴ。ステレオ、(*)は AS DISC から出ていた物だが、今回がマスターからの初復刻で、約15年ぶりの再発売(既出盤はモノラルだったかも知れない)。(#)は以前DECCAから「オールドバラ音楽祭のブリテン」シリーズで発売されたことがある演奏だが、廃盤となっている。
 ショスタコーヴィチの紹介で1960年代はじめより親交を深め、ブリテンが中心的役割を果たしたオールドバラ音楽祭を通じて、記憶に残る演奏を繰り広げたロストロポーヴィチ、リヒテルそしてブリテン。同音楽祭でロストロポーヴィチがリヒテルとデュオをはじめて組んだのが1960年のこと。このときに演奏されたのがブラームスの第1ソナタだった。そのブラームスとグリーグを演奏した(*)は以前から有名な演奏で、当盤では BBC オリジナル・マスターよりの復刻。なお、同日リヒテルはシューベルトのソナタ第6番(BBCL-4146)、第21番(BBCL-4196) のほか、ブリテンとのデュオで変奏曲を弾いている。(#)は、生前のロストロポーヴィチによるたっての要請で、BBC LEGENDS でのリリースが実現したものだという。ロストロポーヴィチとショスタコーヴィチの関係と同様、交響曲第14番の英国初演等で、ブリテンとショスタコーヴィチとの結びつきについてもまた知られるところ。ショスタコーヴィチへの深い共感と理解を共有する両者だけに、『作品の本質に肉迫するものと期待されます。』とのこと。
ケルテス&LSOの「ブル4」ライヴ、久々の復活
 ヴォーン・ウィリアムズ:
  トーマス・タリスの主題による幻想曲(*)
 ブルックナー:
  交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」
   WAB.104(1878/80年ハース版)(#)
イシュトヴァーン・ケルテス指揮
LSO
 録音:1966年2月15日(*)/1964年3月13日(#)、以上ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ・ステレオ。(*)はおそらく初出音源。(#)は BBC RADIO CLASSICS から発売されていた物で、約10年ぶりの再発売。
 名匠ケルテスが1964年3月13日にLSOを振ったブルックナーの「ロマンティック」のライヴ演奏がようやくカタログに復活する。ケルテスとLSOによる「ロマンティック」といえば、この翌年に行われたセッション録音はストレートで歌謡性に富む美しいブルックナーとして、信頼の厚かったLSO時代最良の成果に挙げられる内容だが、同じ顔合わせによる前年のライヴもまた、かつてリリースされた際にファンの間で高い評価を得ていた。このたびはオリジナル・マスターからあらたにマスタリングを施して、音質の大幅な改善がはかられている。ケルテスの初レパートリーであるタリス幻想曲は、オケがLSOであることがおおいにプラスに働いているようで、作品に寄せる共感の深さが演奏からひしと伝わって来る。
BBCL-4265
廃盤
リヒテル、1970年12月7日ライヴ、初出
 シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番 ハ短調D.958
 バルトーク:15のハンガリー農民歌 Sz.71
 シマノフスキ:「仮面劇」Op.34 より (*)
  [シェエラザード/道化のタントリス]
 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番
          変ロ長調Op.83「戦争ソナタ」(#)
スヴィヤトスラフ・リヒテル(P)
テンシュテットの「巨人」1990年ライヴ、
 +「ルスランとリュドミラ」序曲! おそらく初出

 マーラー:交響曲第1番 ニ長調「巨人」(*)
 グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲(#)
 ・ボーナストラック:
  ジョン・エイミスによる
   テンシュテットへのインタビュー(+)
クラウス・テンシュテット指揮
LPO
 録音:1990年1月28日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン、ライヴ、ステレオ(*)/1981年8月28日、アッシャー・ホール(エディンバラ音楽祭)、ライヴ、ステレオ(#)/1990年、ロンドン(+)。おそらくすべて初出音源。(#)の日には、併せてブラームスの交響曲第1番が演奏され、先に CD-R使用の2レーベル[SARDANA SACD-164(廃盤)/GREAT ARTISTS GA4-20]から発売されている(このコンビによるBBC LEGENDSでのブラームスは第1番は、1990年5月6日の演奏が使用された[BBCL-4251])。
 テンシュテット&手兵ロンドン・フィルの注目度満点ライヴがリリースされる。同団体とのライヴでは1985年(LPO LPO-0012)に次いで2種目の「巨人」は、同年の5月末から6月頭にかけて同じ演目を振ったシカゴ響とのライヴ盤(EMI)や、前年11月のベートーヴェンの第7交響曲(BBCL-4167)、12月のベートーヴェンの第1交響曲(BBCL-4158) が凄絶な内容をみせていただけに、この間にはさまれた時期の演奏ということで、同様のテンションの高さが期待されるところ。喉頭がんの発病による活動休止から明けてのテンシュテットは、以前にもまして独特の凄みが加わったといわれるように、この「巨人」のフィナーレでも異常な緊迫感と熱気をはらんだ演奏内容となっているのはまず間違いのないところだろう。カップリングのグリンカは喉頭がんを発病する以前のもの。曲想からこちらも燃焼度の高い爆演が期待出来る。なお、ボーナストラックには、テンシュテットがマーラーについて語る貴重なインタビューも収められている。聞き手のジョン・エイミスはイギリスの放送人で、ガーディアン紙やBBC にひんぱんに寄稿を重ねている著名なクラシック音楽批評家。
オイストラフ、オーマンディ&LSO! 他
 ブリス:ファンファーレ(*)
 ショスタコーヴィチ:
  ヴァイオリン協奏曲第2番 嬰ハ短調Op.129(#)
 チャイコフスキー:
  ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.35(+)
ダヴィド・
 オイストラフ(Vn;#/+)
ユージン・オーマンディ指揮(*/#)
LSO(*/#)
マキシム・
 ショスタコーヴィチ指揮(+)
LPO(+)
 録音:1967年11月19日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(*/#)/1972年11月26日、ロイヤル・アルバート・ホール(+)、以上ステレオ・ライヴ(下記コメントと日付が合わない部分があるが、代理店記載ママ、詳細不明)。おそらく全て初出音源。
 とんでもない録音が残されていたもの。作品の献呈者にして初演者である、オイストラフによるショスタコーヴィチの第2協奏曲は、モスクワ初演から間もない1967年11月26日におこなわれた演奏で、西側での初演ドキュメントという歴史的意味でもはかり知れない。オイストラフにはそのモスクワでの世界初演ライヴ録音をはじめ、また、すでにBBC LEGENDSには翌1968年8月のスヴェトラーノフとのライヴ録音(BBCL-4060)などがあり、いずれも緊張感と手ごたえで圧倒的な存在感をみせつけているが、このたびのライヴもまた文字通り決定盤にふさわしい内容といえるだろう。この年に手兵フィラデルフィア管と初来日を果たすオーマンディがLSOに客演というのも興味深く、どのような表情をオケより引き出しているのかも注目されるところ。ちなみに、当夜はLSOトラスト(信託基金)を目的としたガラ・コンサートということで、ブリス作曲のファンファーレで幕を開けている。カップリングのチャイコフスキーは、大家オイストラフではやはりいくつもの別演奏を数えるなかでもっとも時期の新しいもの。テクニックはもとより緩徐楽章でのメランコリックな旋律の歌いまわしなど格別の味わい。すべて音質良好なステレオ録音。
タチアナ・ニコラーエワ
 ベートーヴェン:
  ピアノ・ソナタ第15番 ニ長調Op.28「田園」(*)
 シューベルト:
  ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調D.960(#)/
  即興曲第3番 変ト長調D.899-3(#)
タチアナ・ニコラーエワ(P)
 録音:1993年1月18日、ロンドン(*)/1991年12月9日、グラスゴー(#)、以上BBCスタジオ、ライヴ・ステレオ。おそらく初出音源。特にシューベルトのソナタは、彼女としては珍しい録音のはず(音盤初レパートリーか)。
 ニコラーエワが最晩年に英国でおこなった、ふたつのリサイタルより編まれたBBC LEGENDS第2弾。ソナタ2曲ともニコラーエワがセッション録音を残していないレパートリーであることに加えて、優秀な録音状態もポイントで、ニコラーエワの持ち味である透徹したピアニズムに酔える最高の内容といえるだろう。なかでも、静けさと寂寥感を湛えたシューベルト最後のソナタは絶品。彼女の得意としたバッハの宇宙にも一脈通じる深遠なる音楽を聴かせてくれる。
BBCS-4401
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(2CD)
1.5CD価格
ジョン・バルビローリ
 ブリテン:シンフォニア・ダ・レクイエム(*)/
       青少年のための管弦楽入門(*)
 ウォルトン:パルティータ(#)
 エルガー:序曲「南国」(+)
 マーラー:交響曲第4番
 ベルリオーズ:序曲「海賊」
ヘザー・ハーパー(S)
ジョン・バルビローリ指揮
BBC so.、ハレo.
 録音:1967年5月3日、1967年8月8日、共にモノラル(*)/1969年8月8日、ステレオ(#)/1970年5月20日、ステレオ(+)/1967年1月3日、スメタナホール、プラハ、チェコ。ライヴ、ステレオ(無印)。BBCL-4013(廃盤/僅少流通在庫限り)(*/#/+) & BBCL-4014(無印; 廃盤/入手不能)のセット化。 (+)とベルリオーズの「幻想」を除き、単売盤が初出だったもの。プラハでのライヴ2曲は、交響曲のみ以前、DISQUE REFRAINからDR-910009-2、INTAGLIOからINCD-7291としてモノラル録音として出ていたが、ヒス・ノイズが耳につく状態でだった。バルビローリ・ファンなら知らぬものなしと言われた入魂のライヴであり、ハーパーも彼女の真の実力を発揮、そして弦の美しさにもさらに磨きがかかっている。
BBCS-4402
(2CD)
廃盤
レオポルド・ストコフスキー
 ブリテン:青少年のための管弦楽入門Op.34(*)
 ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調Op.92(#)
 ファリャ:バレエ「恋は魔術師」(+)
 スクリャービン:法悦の詩
 ベルリオーズ:幻想交響曲
 ストコフスキーのインタビュー
グロリア・レーン(A;+)
レオポルド・ストコフスキー指揮
BBC so.(*/#/+)、
ニュー・フィルハーモニアo.(無印)
 録音:1963年7月23日(*/#)/1964年9月15日(+)、以上 ロイヤル・アルバート・ホール/1968年6月18日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(無印)、以上 ロンドン。ステレオ(無印)。BBCL-4005(廃盤/僅少流通在庫限り)(*/#/+) & BBCL-4018(無印)のセット化。
BBC LEGENDS "Portrait of a Legend"
 2008年にレーベル創設10周年を迎えるBBC LEGENDS。これに向けて、これまでのBBC LEGENDSのベスト・セラーばかりをアーティストごとにまとめたお得なボックスセットが登場。その名も「ポートレイト・オブ・ア・レジェンド」。第1弾はテンシュテット、リヒテル、ミケランジェリ、オイストラフという豪華な顔ぶれを揃えた全4タイトル。完全限定盤につきお見逃しなく!
 #当初BBCS-5001BBCS-5002BBCS-5003BBCS-5004という記号番号でしたが、以下のBBCL記号へ変更となりました(番号部分はそのまま)。
BBCL-5001
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(4CD)
2.5CD価格
廃盤
流通在庫限り
クラウス・テンシュテット〜ポートレイト・オブ・ア・レジェンド
CD1[BBCL-4131]:
 ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱」
 [マリ=アンネ・ヘガンデル(S) アルフレーダ・ホジソン(Ms)
  ロバート・ティア(T) グゥイン・ハウエル(B)
  クラウス・テンシュテット指揮LPO、同cho./録音:1985年9月13日、ロイヤル・アルバート・ホール]
CD2[BBCL-4139]:
 スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲/ドヴォルジャーク:交響曲第8番 ト長調/
 ヤナーチェク:シンフォニエッタ[クラウス・テンシュテット指揮LPO/
  録音:1991年4月2日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール]
CD3[BBCL-4167]:
 ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調Op.92(*)/ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調Op.90(#)
 [クラウス・テンシュテット指揮LPO/
  録音:1989年11月22日(*)&1983年4月7日(#)、以上ロイヤル・フェスティヴァル・ホール]
CD4[BBCL-4195]:
 ウェーバー:「オベロン」序曲(*)/ブラームス:悲劇的序曲 Op.81(+)/
 シューベルト:交響曲第9番 ハ長調 D.944「ザ・グレイト」(#)
 [クラウス・テンシュテット指揮LPO/
  録音:1984年10月7日(*/#)&1983年4月7日(+)、以上ロイヤル・フェスティヴァル・ホール]
 以上全てステレオ。ライヴでの途方もない熱さと重さがファンを釘付けにしてやまない巨匠テンシュテット。不運にもリリース機会が失われていたところへ、BBC LEGENDS は「第9」(BBCL-4131)で活路を開いた。ついにセッション録音を残さなかったベト7、ブラ3は、ひたすら音楽に全身全霊を傾けるタイプの典型的演奏で凄絶の一語。そのほかどれひとつとして音に意味のない瞬間がなく、これほどまでに心の奥底を揺さぶられる体験はそうはできない。魂の巨匠テンシュテットを知る上で必携のセット。
BBCL-5002
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(3CD)
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廃盤
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アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ〜ポートレイト・オブ・ア・レジェンド
CD1[BBCL-4043]:
 グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調(*)/ドビュッシー:前奏曲集 第1巻
 [アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)
  ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮ニュー・フィルハーモニアo.(*)/
  録音:1965年6月17日、モノラル(*)&1982年4月13日、ステレオ]

CD2[BBCL-4064]:
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番(*)/ピアノ・ソナタ第4番(*)
 ドビュッシー:映像 第1集〜ラモーをたたえて(*)/ラヴェル:夜のガスパール(+)
 [アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)/
  録音:1982年4月13日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ステレオ(*)
     1959年6月30日、BBCスタジオ、モノラル(+)]
CD3[BBCL-4128]:
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調Op.111(*)
 D.スカルラッティ:ソナタK.11(*)/ソナタK.332(#)/ソナタK.172(#)
 クレメンティ:ピアノ・ソナタ 変ロ長調(+)
 ショパン:ピアノ・ソナタ第2番「葬送」(+)
 [アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)/
  録音:1961年5月12日(*/#)、1959年6月30日(+)、以上BBCスタジオ、モノラル]
 ドビュッシー、ラヴェル、ショパンなど極端に限られたレパートリーをとことん磨き上げた孤高のピアニスト、ミケランジェリ。録音には慎重、納得のゆかないステージには立たないという独特のスタイルは、エキセントリックなイメージだけが先行しがちだが、それもこれも理想の演奏を追求した結果。いまなお光を放つ彼の偉大さは直弟子のアルゲリッチだけでなく、音楽性の点でツィンマーマンらにも多大な影響を与えていることがなによりの証といえるだろう。
BBCL-5003
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(3CD)
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ダヴィド・オイストラフ〜ポートレイト・オブ・ア・レジェンド
CD1[BBCL-4060]:
 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番(*)/ヴァイオリン協奏曲第2番(+)
 イザイ:2つのヴァイオリンのための「友情」(#)
 [ダヴィド・オイストラフ(Vn) イーゴリ・オイストラフ(Vn;#)
  ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮フィルハーモニアo.(*)
  エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立so.(+)、
  マルコム・サージェント指揮LPO(#)/
  録音:1962年9月7日、エディンバラ音楽祭、アッシャー・ホール、モノラル(*)、
     1968年8月22日(+)&1961年2月26日(#)、ロイヤル・アルバート・ホール。(+)のみステレオ]

CD2[BBCL-4102]:
 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調(*)
 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調(#)
 [ダヴィド・オイストラフ(Vn)
  ノーマン・デル・マー指揮RPO(*) マルコム・サージェント指揮LPO(#)/
  録音:1960年1月19日(*)&1961年2月26日(#)、ロイヤル・アルバート・ホール、モノラル]
CD3[BBCL-4127]:
 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61(*)
 モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K.218(+)
 [ダヴィド・オイストラフ(Vn)指揮(+) キリル・コンドラシン指揮(*)モスクワpo./
  録音:1965年10月10日(*)、12日(+)、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、モノラル]
 太く美しい音色で圧倒的な存在感を示したオイストラフ。第1番の初演者で第2番の被献呈者にあたるショスタコーヴィチ、ロンドンの聴衆を釘付けにしたロシア音楽祭のベートーヴェンとモーツァルトと、絶頂期のライヴをまとめたこのセットは、ヴァイオリン音楽の魅力を体現したような、彼の演奏を味わい尽くせるまたとない内容。
BBCL-5004
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(4CD)
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スヴャトスラフ・リヒテル〜ポートレイト・オブ・ア・レジェンド
CD1[BBCL-4031]:
 リスト:ピアノ協奏曲第1番/ピアノ協奏曲第2番/ハンガリー幻想曲
 ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ(*)
 [スヴャトスラフ・リヒテル(P) キリル・コンドラシン指揮LSO/
  録音:1961年7月18日&16日(*)、以上ロイヤル・アルバート・ホール、モノラル]

CD2[BBCL-4082]:
 モーツァルト:ピアノ・ソナタ ト長調K.283(*)
 チャイコフスキー:四季 Op.27a〜[5月/6月/11月/12月]
 ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」 Op.39〜[Nos.3、4]
 スクリャービン:ピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」
 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第4番
 [スヴャトスラフ・リヒテル(P)/録音:1966年6月19日、オールドバラ教区教会、ステレオ]
CD3[BBCL-4126]:
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9番(*)/ピアノ・ソナタ第10番(*)
 シューベルト:「さすらい人」幻想曲(*)
 シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化(+)/アベッグ変奏曲(+)
 ショパン:練習曲 Op.10 No.4(+)
 [スヴャトスラフ・リヒテル(P)/
  録音:1963年2月2日(*)&1月27日(+)、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、モノラル]
CD4[BBCL-4146]:
 シューベルト:楽興の時D.780 より[第1番/第3番/第6番](*)/ピアノ・ソナタ第6番(#)
 ショパン:舟歌 嬰へ長調Op.60(+)/リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調(+)
 [スヴャトスラフ・リヒテル(P)/
  録音:1965年6月22日、ジュビリー・ホール、オールドバラ(*)、
     1964年6月20日(#)&1966年6月21日(+)、以上オールドバラ教区協会、すべてステレオ]
 BBC LEGENDS でも 10枚を超えるリリース数を誇り、たいへん息の長いセールスを続ける「ピアノの巨人」リヒテルのライヴ。まったく同じ顔合わせで行なったスタジオ録音直前にあたるリストの協奏曲ライヴをはじめ、ブリテンとの親交によって実現したオールドバラ音楽祭のライヴなど、すべてが西側に出て目覚しい活躍ぶりをみせていた絶頂期のドキュメント。
BBC LEGENDS "BRITTEN, THE PERFORMER"
 全タイトルが廃盤となっており、流通在庫限りとなります。
BBCB-8001
廃盤
ブラームス:四重唱曲「愛の歌、ワルツ」
チャイコフスキー:歌曲集
ロッシーニ:二重唱曲集
ヘザー・ハーパー(S)
ジャネット・ベイカー(Ms)
ジャン・ピアーズ(T)
トマス・ヘンスレイ(Br)
クラウディオ・アラウ(P)
ベンジャミン・ブリテン(P)
 録音:1971年、オールドバラ音楽祭。ステレオ。
 ブリテンとイギリスの超一流歌手たち、そしてなぜかアラウとの共演。今となってはこんな豪勢な顔ぶれは正に夢物語。マニア必聴。完売のため、以降の入荷はございません。
BBCB-8002
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廃盤
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チャイコフスキー:
 弦楽セレナーデ(*)/
 チェロとオーケストラのノクターン(#)/
 組曲「モーツァルティアーナ」(+)
 歌曲伝説「キリストの庭」(**)
ムスティスラフ・
 ロストロポーヴィチ(Vc;#)
ピーター・ピアーズ(T;**:)
ベンジャミン・ブリテン指揮
イギリス室内o.
 録音:1968年、ライヴ。ステレオ(*/#)/1962年、スタジオ。モノラル(+/**)
 これも珍しい録音。ブリテンのチャイコフスキーとは、それもほぼマイナーな曲ばかり。これも情の濃いブリテンの世界が広がるアルバムだ。
BBCB-8003
廃盤
パーセル:
 歌劇「ディドーとエネアス」全曲(*)/
 歌曲「夜のとばりがおりる時」(#)
ピーター・ピアーズ(エネアス;*)
クレア・ワトソン(ディドー;*)
モニカ・シンクレア(ベリンダ;*)他
ディートリヒ・
 フィッシャー=ディースカウ(Br;#)
アルバーニSQ(#)
ベンジャミン・ブリテン(P;#)指揮(*)
イングリッシュ・オペラ
 録音:1959年、BBCスタジオ(*)/1965年(#)。(#)はステレオ。
 パーセルを敬愛するブリテンならではの演奏。完売のため、以降の入荷はございません。
BBCB-8004
廃盤
マーラー:
 交響曲第4番(*)/さすらう若人の歌(#)/
 「子供の魔法の角笛」より(2曲)(+)
ジョーン・カーライル(S;*)
アンナ・レイノルズ(Ms;#)
エリー・アメリング(S;+)
ベンジャミン・ブリテン指揮
LSO
 録音:1961年7月(*)/1972年6月(#)/1969年6月(+)。(*)のみモノラル。
 それにしても珍しい録音だ。確かに彼の少し前の世代であるマーラーにブリテンが関心を寄せなかったわけはなく、これまで音盤が全く存在しなかったのが不自然なくらい。演奏も正に素晴らしいの一言で、この個性的な名演を聴かずにいるのは正に勿体無いと断言できる。完売のため、以降の入荷はございません。
BBCB-8005
廃盤
モーツァルト:
 ピアノ協奏曲第27番(*)/ピアノ四重奏曲第1番(#)/
 エクスルターテ・ユビラーテ(+)
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
エリー・アメリング(S)
ベンジャミン・ブリテン指揮
イギリス室内o.
 録音:1965年6月13日(*)/1971年10月(#)/1969年6月(+)。全てステレオ。(*)のみ以前STRADIVARIUSからCDが出ていたが、他の2曲はリヒテルにとって初レコードとなるもの。
 協奏曲も商業録音は行わなかった曲であるし、ブリテンの濃厚な指揮と相まって耽美な出来となっている。完売のため、以降の入荷はございません。
BBCB-8006
廃盤
フォーレ:やさしき歌Op.61
シューマン:リーダークライスOp.39
シューベルト:橋/花だいこん/消滅
パーセル:5つの歌
ブリテン:「民謡編曲集」〜4曲
ピーター・ピアーズ(T)
ベンジャミン・ブリテン(P)
 録音:1959年、モノラル。。
 ただならぬ仲であった二人の、言うなれば仲睦まじき夫婦の名演。完売のため、以降の入荷はございません。
BBCB-8007
廃盤
ブリテン:「家を建てる」序曲(*)
ホルスト:フーガ協奏曲(#)/エグドン・ヒース(+)
ブリッジ:海(**)/エンター・スプリング(##)
R.アドネイ(Fl;#)、
P.グレイム(Ob;#)
ベンジャミン・ブリテン指揮(#以外)
イモジェン・ホルスト指揮(#)
イギリス室内o.(*/#/**)、LSO(+)、
ニュー・フィルハーモニアo.(##)
 録音:1961年(+)/1967年(*/##)/1969年(#)/1971年(**)。(+)以外全てステレオ。
 定評あるブリテンのお国物。なぜか一曲だけは作曲者の娘、イモジェン女史によるホルスト作品だが、これまたかなりの名演。さすがは父の作品紹介をライフ・ワークにしていたといっても過言ではない彼女の事だけはある。完売のため、以降の入荷はございません。
BBCB-8008
廃盤
メンデルスゾーン:フィンガルの洞窟(*)
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」(#)
ハイドン:交響曲第95番(+)
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲(+)
ベートーヴェン:「コリオラン」序曲(**)
ベンジャミン・ブリテン指揮
イギリス室内o.
 録音:1971年6月13日(*)/1972年6月19日(#)/1966年6月14日(+)/不祥(**)。すべてステレオ。
 (#)以外彼としては珍しい録音ばかり。特にドビュッシーとベートーヴェンは意外な感すらある。全て端正ながらまったりとした味つけのブリテン・サウンド。楽しめることは間違い無い。完売のため、以降の入荷はございません。
BBCB-8009
廃盤
ヘンデル:聖チェチーリアの祝日の頌歌(*)
ブリテン:
 ハッキン・ボビー(#)/「グロリアーナ」合唱(#)
ヘザー・ハーパー(S;*)
ピーター・ピアーズ(T;*/#)
フィリップ・ジョーンズ(Tp;#)
ジュリアン・ブリーム(リュート;#)
ベンジャミン・ブリテン指揮
イギリス室内o.
 録音:1967年6月4日(*)&5月2日(#)、以上ステレオ。
 非常に格調高い演奏で、近年のピリオド楽器演奏では決して味わえない純英国調の響きが聞き物。
 完売のため、以降の入荷はございません。
BBCB-8010
廃盤
モーツァルト:
 ピアノ協奏曲第22番(#)/
 アダージョとフーガK.546/
 協奏交響曲 K.364(*)
スヴャトスラフ・リヒテル(P;#)
ノーバート・ブレイニン(Vn;*)
ピーター・シドロフ(Va;*)
ベンジャミン・ブリテン指揮
イギリス室内o.
 録音:1967年6月13日/1967年11月27日(*)、以上ステレオ。
 ピアノ協奏曲は、過去何度か他レーベルからCDで出ていたものだが、今回は音質向上。元々リヒテルの得意な曲だけあって、聞き応えする演奏。協奏交響曲の方は、アマデウスSQの二人を迎えた豪華版で、 勢いのある表現に驚かされる。一見おまけと思えるアダージョとフーガが、 これまた内面をえぐるような演奏で意外にもすごい。結局3曲ともブリテンの通常と異なるアプローチによる名演と言えよう。
 完売のため、以降の入荷はございません。
BBCB-8011
廃盤
シューベルト:歌曲集(10曲)(a)/岩の上の羊飼い(b)
ヴォルフ:ミケランジェロによる3つの詩(c)/
      3曲のクリスマスソング(d)
ディートリヒ・
 フィッシャー=ディースカウ(Br;a)
ヘザー・ハーパー(S;b)
シア・キング(Cl;b)
ジョン・シャーリー=カーク(Br;c)
ピーター・ピアーズ(T;d)
ベンジャミン・ブリテン(P)
 録音:1972年6月8日(a)&12日(b)/1971年6月26日(c)、以上スネイプ・モールティングス。すべてステレオ。
 岩の上の羊飼いなどはブリテンの伴奏が特に聞き物。完売のため、以降の入荷はございません。
BBCB-8012
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廃盤
流通在庫限り
チャイコフスキー:
 ロメオとジュリエット(a)/フランチェスカ・ダ・リミニ(b)
ファリャ:恋は魔術師(c)
アンナ・レイノルズ(Ms)
スチュアート・ベッドフォード(P)
ベンジャミン・ブリテン指揮
イギリス室内o.
 録音:1968年6月16日(a)/1971年6月13日(b)/1972年6月19日(c)、以上スネイプ・モールティングス。すべてステレオ。
 私生活的に共通点のあったチャイコフスキーとブリテン。そのためもあってか相性は良くここでも濃厚な演奏を展開、実に美しい。また、ブリテンのファリャというのもちょっと想像できないほど珍しいもの。
BBCB-8013
廃盤
ショスタコーヴィチ:交響曲第14番
ブリテン:ノクターンOp.60(*)
ガリーナ・ヴィジネフスカヤ(S)
マーク・レゼティン(B)
ピーター・ピアーズ(T;*)
ベンジャミン・ブリテン指揮ECO
 録音:1970年6月14日、スネイプ・モールティングス/1967年11月27日、クイーン・エリザベス・ホール(*)。すべてステレオ。
 これは珍しい、ブリテンの振ったショスタコーヴィチとは!! ショスタコーヴィチ作品の持つアイロニーを、ブリテン独自の洞察力により表現に昇華しているのはさすが。
 完売のため、以降の入荷はございません。
BBCB-8014
廃盤
ブリテン:狩をする私たちの祖先Op.8(a)/この子らは誰かOp.84(b)/
      カンティクル第3番(c)/ラクリメOp.48(d)
ピーター・ピアーズ(T;a/b/c)
デニス・ブレイン(Hr;c)
マーガレット・メイジャー(Va;d)
ベンジャミン・ブリテン(P;b/c/d)指揮(a)
LSO(a)
 録音:1961年6月11日、BBCスタジオ(a)/1971年9月26日、スネイプ・モールティングス(b)/1956年6月21日、オールドバラ教会(c)/1963年5月9日、BBCスタジオ(d)。一部モノラル。
 どちらかと言えばマイナーな作品を集めたものだが、ブレインが参加するなどなかなか見逃せない一枚。もちろんブリテン・ファンなら必聴だ。
 完売のため、以降の入荷はございません。
BBCB-8015
廃盤
シューベルト:歌曲集(*)
ブリテン:この島国で(*)
ヴォルフ:メーリケ歌曲集より7曲
ブリテン編曲歌曲集
 (アーン、クィルター、ウォーロック、ティペット)
ピーター・ピアーズ(T)
ベンジャミン・ブリテン(P)
 1969年6月18日、ブライスバラ教会(*)/1972年6月4日スネイプ・モールティングス。以上ステレオ。
 この二人のコンビの息は正にぴったり。完売のため、以降の入荷はございません。
BBCS-4404
(6CD)
廃盤
[BBCB 8004]
 マーラー:交響曲第4番(*)、さすらう若人の歌(#)、この世の生活(+)、誰がこの歌を作ったのだろう(+)
  ジョーン・カーライル(S;*)アンナ・レイノルズ(Ms;#)エリー・アメリング(S;+)
  ベンジャミン・ブリテン指揮LSO(*)&ECO(順に’61年7月、’72年6月、’69年6月)
[BBCB 8005]
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番(*)、ピアノ四重奏曲第1番(#)、エクスルターテ・ユビラーテ(+)
  スヴャトスラフ・リヒテル(P;*)ベンジャミン・ブリテン(P;#)エリー・アメリング(S;+)
  ベンジャミン・ブリテン指揮ECO(順に’65年6月、’71年10月、’69年6月)
[BBCB 8011]
 シューベルト:歌曲集(10曲)(a)、岩の上の羊飼い(b)
 ヴォルフ:ミケランジェロによる3つの詩(c)、3曲のクリスマスソング(d)
  ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br;a)ヘザー・ハーパー(S;b)
  シア・キング(Cl;b)ジョン・シャーリー=カーク(Br;c)
  ピーター・ピアーズ(T;d)ベンジャミン・ブリテン(P)
   (’72年6月8日(a)&12日(b)、’71年6月26日(c))
[BBCB 8012]
 チャイコフスキー:ロメオとジュリエット(a)、フランチェスカ・ダ・リミニ(b)
 ファリャ:恋は魔術師(c)
  アンナ・レイノルズ(Ms)スチュアート・ベッドフォード(P)
  ベンジャミン・ブリテン指揮ECO
   (’68年6月16日(a)、’71年6月13日(b)&’72年6月19日(c))
[BBCB 8014]
 ブリテン:狩をする私たちの祖先Op.8(a)、この子らは誰かOp.84(b)、
       カンティクル第3番(c)、ラクリメOp.48(d)
  ピーター・ピアーズ(T;a/b/c)デニス・ブレイン(Hr;c)マーガレット・メイジャー(Va;d)
  ベンジャミン・ブリテン(P;b/c/d&指揮;a)LSO(a)
   (’61年6月11日(a)、’71年9月26日(b)、’56年6月21日(c)&’63年5月9日(d))
[BBCB 8016;ボーナスCD]
 マーラー:交響曲第3番〜第2楽章(’69年6月22日)
 ディーリアス:川辺の夏の夜(’67年6月7日)
 シューベルト:それは私だった、精霊の踊り、ギリシャの神々、盲目の少年(’64年1月3日)
  ピーター・ピアーズ(T)ベンジャミン・ブリテン指揮ECO
 少々罪作りな新譜だ。新発売であるBBCB-8016が入っているのにもかかわらずこのボーナスCDの分売は成されなかった・・・。もちろんそれ以外のCDをあまりお持ちでない方にとってはお得なセット。完売のため、以降の入荷はございません。
medici MASTERS
クレンペラー&ケルン放響の
 「ブル4」「ドン・ファン」

 ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調
  「ロマンティック」(ノヴァーク第2稿)(*)
 R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」Op.20(#)
オットー・クレンペラー指揮
ケルン放送so.
 録音:1954年4月5日(*)、1956年2月27日(#)、ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール、ライヴ。2曲とも ARKADIA/HUNT や MOVIMENT MUSICA などから出ていたものだが、オリジナル・マスター・テープからの初復刻。
 1917年から24年にかけてクレンペラーはケルンの音楽監督を務めているが、戦後ヨーロッパに戻って1950年代半ばにまたケルン放送so.とともに数多くのすばらしい演奏を繰り広げた。ベートーヴェンの第4番と第5番(ANDANTE AN-2130)でも確かめられるように、この時期のクレンペラーの音楽は引き締まったフォルムが何よりの特徴。ブルックナーは過去に複数のレーベルから出ていた有名な演奏で、のちのフィルハーモニア管との録音と比較しても全体に4分半ほど短くテンポが速め。併録のドン・ファンも男性的で剛毅なアプローチが魅力。
エーリヒ・クライバー〜ベートーヴェン
 ベートーヴェン:
  交響曲第5番 ハ短調 Op.67「運命」
  交響曲第6番 ヘ長調 Op.68「田園」
エーリヒ・クライバー指揮
ケルン放送so.
 録音:1955年4月4日、ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール、ライヴ。先に TAHRA (TAH-581)と MUSIC AND ARTS (MUA-1188) からマスターよりの復刻が成されているものだが、1日分の演奏がまとめて発売されるのは、これが初めて。
 いまとなっては息子カルロスの圧倒的名声に押されがちだが、生前はトスカニーニやクレンペラーらと肩を並べた巨匠エーリヒ・クライバー(1890-1956)。なかでもベートーヴェンとモーツァルトの演奏では、他をよせつけない絶大な存在感をみせていた。世を去る前年に行なわれた2大シンフォニーのライヴは、優れた内容からすでによく知られていたもの。このたびWDRのオリジナル・マスターからの復刻で、この年代としては驚異的な音質で蘇った。
エーリヒ・クライバー、初出あり
 ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲(*)
 モーツァルト:交響曲第33番 変ロ長調 KV.319(#)
 チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 Op.74「悲愴」(+)
エーリヒ・クライバー指揮
ケルン放送so.
 録音:1956年1月20日(*)、1953年11月23日(#)、1955年3月28日(+)、ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール、ライヴ。(*)は今回初出となる音源で、この曲はエーリヒの初ディスク・レパートリー。(#)と(+)は ARCHIPEL などから発売がある演奏だが、おそらくマスターからの初発売。
 こちらも巨匠クライバーの至芸が存分に楽しめるアルバム。ユニークなパリ音楽院管との録音(1953年・デッカ)でも知られる「悲愴」はIDISで出ていたものと同一。機能性抜群の放送オケを得てのライヴは、スタジオ盤とはまた違った内容となっているのも興味深いところ。初出のオイリアンテ序曲と、折り目正しい高潔なモーツァルトも聴きもの。すべてアーカイヴのオリジナル・マスターを使用。
クララ・ハスキル〜モーツァルト
 ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 KV.271
  「ジュノム」(*)/
 ピアノ協奏曲第19番 ヘ長調 KV.459(#)/
 デュポールの主題による9つの変奏曲 KV.573(+)
クララ・ハスキル(P)
オットー・アッカーマン指揮(*)
フェレンツ・フリッチャイ指揮(#)
ケルン放送so.(*/#)
 録音:1954年6月11日(*)&1952年5月30日(#)、ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール、ライヴ。1956年9月7日、フランス、ブザンソン音楽祭、ライヴ(+)。(*)と(#)は先にTAHRAから発売されていたが、既に入手困難になっている。(+)はINAからIMV-042 / IMV-061 で発売があるもの。
 ハスキルといえばモーツァルト。ライヴの閃きがたまらない魅力でファンをとりこにして放さない。ここで聴く演奏の数々はあまり有名なものばかり(国内代理店[TAHRAと同じ]は「協奏曲はようやくオリジナル・マスターから初めての復刻となる」としているが、誤りだろう)。これまでのものとは音質が著しく改善されているため大きく印象も異なり、改めて聴きなおす価値大いにアリ、とのこと。
クレンペラー&ケルン放送so.ライヴ、
 ブラ1、エグモント、マーラー

 ベートーヴェン:「エグモント」序曲(*)
 ブラームス:交響曲第1番 ハ短調(#)
 マーラー:亡き児を偲ぶ歌(+)
ジョージ・ロンドン(B;+)
オットー・クレンペラー指揮
ケルン放送so.
 録音:1955年5月28日(*)/1955年10月17日(#/+)、以上、ケルン、WDR フンクハウス、第1ホール、ライヴ。おそらく今回マスターからの初復刻。
 巨匠クレンペラーがもっとも意欲が漲っていた時期に行なわれたケルン放送so.とのライヴ集。(#)は当初クナッパーツブッシュの演奏とされ、現在でもその表記のCDが発売されているもので、ファンの間ではとりわけ有名だったもの。全編をつらぬくガッチリとした造詣がこたえられない魅力となっている。エグモントも辛口演奏の典型ともいえるきびしさが潔く、この上ない風格。さらに、同じくロンドンを迎えた NDR との録音(1955年)もある、師マーラー作の「亡き児」。これは「ロンドンの」という以上にまさしく「クレンペラーの亡き児」。クレンペラーが振るとシンフォニックな響きで作品が満たされるから不思議。すべて WDR のオリジナル・マスター・テープよりの CD 化で、驚くほど鮮明な音質で聴けるのが何よりのポイント。
MM-006
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獅子王バックハウス&ショルティ
 「皇帝」1956年ライヴ、初出/他

 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調Op.73
   「皇帝」(*)/
  ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調Op.53
   「ワルトシュタイン」(#)
 ショパン:練習曲集 (+)
 [変イ長調Op.25-1「牧童」/
  ヘ短調Op.25-2/ヘ長調Op.25-3/
  嬰ト短調Op.25-6/変ニ長調Op.25-8/
  変ト長調Op.25-9「蝶々」/
  変ト長調Op.10-5「黒鍵」]
ヴィルヘルム・
 バックハウス(P)
ゲオルク・ショルティ指揮(*)
ケルン放送so.(*)
 録音:1956年6月25日ケルン、WDR フンクハウス、第1ホール(*)/1959年9月24日、ボン、ベートーヴェンハレ(#)/1953年6月11日、ルガーノ(+)、以上全てモノラル、ライヴ。(*)は初出音源。(#)は以前、伊 SUITE から出ていた物だが、今回約15年ぶりの再発売&マスターからの初発売。(+)は ERMITAGE / AURA から発売されていた物だが、現在入手困難となっている。
 これはとんでもなくスゴイ! 1956年の初出「皇帝」は72歳のバックハウス(1884年3月生まれ)に、まだ43歳で血気盛んなショルティ(同年ザルツブルク音楽祭にデビュー)が顔を合わせた願ってもない演奏で、その一歩もゆずらぬやりとりからは、ライヴの醍醐味ここに尽きる、屈指の聴きもの。バックハウスはこれから3年後に、イッセルシュテット&ウィーン・フィルとかの有名なデッカ録音を残すこととなるが、この時期にかくも立派な演奏が繰り広げられていたとは。また、2度目のスタジオ盤全集中の録音と同じ年にあたるソナタのライヴは、揺るぎない打鍵が圧倒的に素晴らしく、「鍵盤の獅子王」による不滅のベートーヴェン演奏が味わえる。ショパンを除くすべてが、WDR のオリジナル・マスターから復刻されており、この年代としては驚異的な音質で蘇ったことも大きな収穫。
名門アマデウス・カルテット、
 若き日のケルン・ライヴ

 モーツァルト:
  弦楽四重奏曲第18番 イ長調KV.464 (*)
 ベートーヴェン:
  弦楽四重奏曲第12番 変ホ長調Op.127 (#)
アマデウスSQ
 録音:1956年2月2日(#)-3日(*)、ケルン、WDR フンクハウス、第1ホール、ライヴ、モノラル。おそらく初出音源。
 1987年ヴィオラのシドロフの死によって、メンバーの交替を経験することなく40年に及ぶ活動の幕を降ろした英国の名門アマデウス・カルテット。数多くの録音を残した彼らもライヴとなると貴重。ここに収録された内容は、同時期のライヴを収めたANDANTE盤(AN-2160)中のそれぞれ、モーツァルトがシューベルトの「死と乙女」と、ベートーヴェンがハイドンの ハ長調と同日に演奏されたもの。1948年の華々しいウィグモア・ホール・デビューからまだ10年足らず、アーカイヴのオリジナル・マスターによる生々しい音質が、溌剌としてみずみずしい表現をみせる彼らの姿を刻銘に伝えている。
セラフィン〜
 イタリア・オペラ名序曲集、EMI録音

 ヴェルディ:
  「シチリア島の夕べの祈り」序曲(*)/
  「椿姫」より(*)
   [第1幕への前奏曲/
    第3幕への前奏曲]/
  「運命の力」序曲(*)/
  「ナブッコ」序曲(#)/
  「アイーダ」〜第1幕への前奏曲(#)
 ベッリーニ:「ノルマ」 より
  [序曲(+)/第2幕への前奏曲(**)]
 ロッシーニ:「チェネレントラ
  (シンデレラ)」序曲 (+)
 ドニゼッティ:
  「シャモニーのリンダ」序曲(+)
  「ドン・パスクァーレ」序曲(+)
トゥリオ・セラフィン指揮
RPO(*)、
フィルハーモニアo.(#/+)、
ミラノ・スカラ座o.(**)
 録音:1959年2月19日、ロンドン、キングズウェイ・ホール(*)/1959年2月27日 (#)& 1961年4月16日 (+)、ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ (#/+)/1960年9月5日-12日、ミラノ、スカラ座(**)。以上ステレオ。原盤:EMI。
 2008年に生誕130年と没後40年を同時に向かえるセラフィン(1878-1968)は、スカラ座をはじめメトなど世界の歌劇場で活躍し、歌手の力量を引き出す手腕に長けてたいへん信頼の厚かったイタリアの名匠。こうして彼の独壇場であったイタリア・オペラからの有名序曲を収めたアルバムを聴き、改めて気付かされるのは無類のセンスのよさ。いきいきと名旋律に生命が吹き込まれ、勢いと流れるようなドラマ作りが見事。当盤は EMI よりライセンスを受けての CD 化。
ユージン・グーセンス EMI 録音集、初CD化
 R=コルサコフ:序曲「ロシアの復活祭」(*)
 スクリャービン:交響曲第4番「法悦の詩」(#)
 バラキレフ/カゼッラ編:イスラメイ(+)
 ムソルグスキー/ラヴェル編:組曲「展覧会の絵」(**)
ユージン・グーセンス指揮
フィルハーモニアo.(*/#/+)、
ロイヤルpo.(**)
 録音:1956年2月13日(*)/1956年2月13日-14日(#)/1956年2月8日(+)/1957年9月26日、28日(**)、以上ロンドン、キングズウェイ・ホール。原盤:EMI。EMI音源のライセンスによる復刻、おそらくすべて初CD化。復刻エンジニア:ポール・ベイリー。
 超難曲「春の祭典」の英国初演を手がけたグーセンス(1893-1962)はロンドンに生まれた名指揮者、作曲家。同名で同じく指揮者であった父も含めて音楽家の家系に生まれた彼は、おもに1950年代にRCA、EMI、最後に Everest (故・長岡鉄男氏推薦の優秀録音、アンティルの「コロボリー」が有名)へ数多くの録音を行ったが、現在ではその大半が入手不可のまま。このたびすべて初CD化となるロシア・プログラムは、同時代の難解なスコアを自分のものにする天賦の才を持ち合わせていた彼の手腕を如実に示すもの。なかでもカゼッラ編曲のイスラメイ。近代管弦楽法が駆使された華麗なサウンドは、まるでラヴェルを聴いているようだ。リマスタリングも大成功でポール・ベイリーが担当している。
カサドシュ、セル&ケルン放響/他の
 モーツァルト:ピアノ協奏曲集/他、初出あり

 モーツァルト:
  ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 KV.491(*)/
  ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 KV.595(#)
 ウェーバー:
  コンツェルトシュテュック ヘ短調 Op.79(+)
ロベール・カサドシュ(P)
ジョージ・セル指揮(*/#)
ロマーヌス・
 フーベルトゥス指揮(+)
ケルン放送so.(*/#/+)
 録音:1960年6月27日(*)/1958年9月8日(#)/1954年3月3日(+)、以上ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール、ライヴ。国内代理店は「完全初出」としているが、(*)はGOLDEN MELODRAM GM-4.0078 で1960年(月日未判明)の録音が発売されているため、同一演奏の可能性があり、その場合はマスターからの初復刻。残りは初出音源と思われる。
 WDRアーカイヴからの音源復刻。シックで清潔なスタイルが持ち味のカサドシュによるモーツァルト。この名手のピアノでは、奇しくもこれと同一のカップリングで、第24番をミトロプーロス(56年)、第27番をシューリヒト(61年)という個性派の大物指揮者がウィーン・フィルを振ったライヴ(ORFEOR-536001)を聴くことが出来るが、ここでのパートナーはスタジオ盤(1961年&1962年)と同じく、かの「アンサンブルの鬼」セル。このライヴを経てあの不滅の名盤が誕生することになるわけだが、まさに夢の再現とでもいうべき顔合わせから生み出される音楽はあくまで清潔無垢。いまのわたしたちにモーツァルトの理想形を教えてくれる。ほかにウェーバーを収録(「初出レパートリーとなる」と代理店は記載しているが、1952年セルとのスタジオ録音等、数種の録音が残されている)。
エーリヒ・クライバー、1956年1月20日ライヴ、
 全曲まとめてはマスターからの初復刻、リハーサルは初出?/他

 モーツァルト:
  交響曲第39番 変ホ長調 KV.543(*)/
  オーボエ協奏曲 ハ長調 KV.314(#)/
  4つのドイツ舞曲(*)/
  交響曲第36番 ハ長調 KV.425「リンツ」(+)
 [ボーナストラック]
   クライバー、交響曲第39番のリハーサル(**)
ローター・ファーバー(Ob;#)
エーリヒ・クライバー指揮
ケルン放送so.(*/#)
シュトゥットガルト放送so.(+)
 録音:1956年1月20日、ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール、ライヴ(*/#/**)/1955年12月31日、シュトゥットガルト(+)。(#)は以前、国内キングや AS DISCから出ていたものだが、今回マスターからの初復刻、そして同日の(*)は AMADEO や DECCA からCD発売されているが、まとめて復刻されるのはこれが初めて。また、同日のリハーサル(**)は、今回初登場ではないかと思われる。(+)はCOUPLETから CCD-3007 として発売されたものだが、この曲もマスターからの初復刻。
 巨匠真骨頂のモーツァルトばかりを集めたエーリヒ・クライバー第3弾。ケルン放送so.とのライヴは作曲者が生誕200年を迎えた1956年、アニヴァーサリー・イヤーに合わせて巨匠が行なったもの。そして、その年を目前に控えたニュー・イヤー・イヴのシュトゥットガルト放送so.とのライヴ。AMADEOやDECCAから発売されたことでも知られる第39番とドイツ舞曲に加えて、マスターからの初復刻となる協奏曲、第36番とリハーサルを含めたすべてが、まるで別物かのような著しく改善された音質で登場する。
 いずれもクライバーの芸風の肝、格調の高さとあふれる愉悦が半世紀の時を経ても色褪せぬ魅力。(+)をのぞいてWDRアーカイヴからの復刻。
トマス・シッパーズ EMI 録音集、初CD化
 プロコフィエフ:交響曲第5番 変ロ長調 Op.100(*)
 ロッシーニ:「コリントの包囲」序曲(#)
 ヴィヴァルディ:
  シンフォニア ロ短調「聖なる墓に」RV.169(+)
 フランチェスコ・ドゥランテ:
  弦楽のための協奏曲第5番 イ長調(+)
 サリエリ:歌劇「タラール
  (またはオルムスの王、アクスル)」序曲(+)
トマス・シッパース指揮
フィルハーモニアo.(*)、
LSO(#)、
アレッサンドロ・
 スカルラッティo.(+)
 録音:1957年5月11日-14日、ロンドン、キングズウェイ・ホール(*)/1974年7月30日-31日、8月1日-28日、ロンドン、トゥーティング、オール・セインツ・チャーチ(#)/1955年7月、ナポリ(+)。原盤:EMI。EMI音源のライセンスによる復刻、(#)を除き、おそらくすべて初CD化。復刻エンジニア:ポール・ベイリー。
 20世紀が生んだアメリカの名指揮者シッパース(1930-1977)が世を去って2007年で早くも30年。彼は1950年にメノッティのオペラ「領事」(ブロードウェイで8ヶ月のロングランを記録)を振って一躍スターダムに駆け上がり、1955年にはスカラ座にデビュー。1959年にはバーンスタインとともにNYP初のモスクワ公演に同行。1963年にはバイロイトでマイスタージンガーを指揮、1968年にはコヴェントガーデンにもデビュー。1970年、まさにこれからという時期に惜しくも肺ガンで亡くなった。短い経歴ゆえ録音そのものも多いとはいえず、すぐに米コロムビアの専属となったためEMIのものはさらにレア。没後100周年記念のスカラ座ライヴ(1969年)も記憶に残るロッシーニは既出のスタジオ全曲録音からのもの。ほかはすべて初CD化となる。おもにオペラでの業績が目立つが、レッグ録音のプロコフィエフにおける音楽運びなど、非凡な才能のなによりの証しといえるだろう。現状ではオペラはまだしもオケがほとんど全滅というさみしい状況のため、これは全力で駆け抜けた彼を偲ぶにまたとないリリースと言える。
シューラ・チェルカスキー EMI 録音集、初CD化
 プロコフィエフ:
  ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.16(*)
 ショスタコーヴィチ:
  ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 Op.35(#)
 チェイシンズ(1903-1987):3つの中国風小品(+)
 プーランク:トッカータ(**)
 ストラヴィンスキー:サーカス・ポルカ(##)
 ベートーヴェン:バガテル ト短調 Op.119-1(**)
シューラ・チェルカスキー(P)
ハロルド・ジャクソン(Tp;#)
ハーバート・メンゲス指揮(*/#)
フィルハーモニアo.(*/#)
 録音:1954年11月15日-16日&1955年4月5日(*)/1954年11月16日(#)、以上ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ(*/#)/1956年3月22日(+)/1956年3月21日(**)/1955年8月10日(##)、以上ロンドン、アビー・ロード第3スタジオ(+/**/##)。原盤:EMI。EMI音源のライセンスによる復刻、おそらくすべて初CD化。復刻エンジニア:ポール・ベイリー。
 ホフマンの直弟子で、19世紀の流れを汲む異色のヴィルトゥオーゾだった伝説的ピアニスト、チェルカスキーの珍しいEMI録音集が初CD復刻される。まず、ロシアのふたりによるコンチェルト。録音された1954年はプロコフィエフが亡くなった翌年、ショスタコ−ヴィチもまだ存命中で現役バリバリの頃。ともに作曲家が生きた同時代音楽の記録としてたいへん興味深い。ホロヴィッツとも親交があったピアニストで作曲家のチェイシンズは、かれもまたホフマンの弟子であったためチェルカスキーとは同門にあたる。これら併録の小品を含めてすべて、同じ演奏をふたつとしない自発性を信条とするところと濃厚なロマンチシズムとに、まさに師ゆずりの特徴がよく顕れている。なお復刻が、世評の高いポール・ベイリーによるものである事もポイントのひとつ。
ミトロプーロス&ケルン放響、初出あり
 メンデルスゾーン:
  交響曲第3番 イ短調 Op.56「スコットランド」(*)/
  交響曲第5番 ニ長調 Op.107「宗教改革」(#)
 クープラン/ミヨー編:序奏とアレグロ Op.220(+)
  (クープランのクラヴサン組曲
    「サルタンの妃」断章による)
ディミトリ・ミトロプーロス指揮
ケルン放送so.
 録音:1960年10月24日(*)/1957年7月19日(#)/1954年7月16日(+)、以上、ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール。(+)は今回初出となる音源。(#)はイタリア系の数種レーベルからLPが出ていたものだが、今回が初CD化と思われる。(*)は ARKADIA (=HUNT) から出ていたもので、マスターからの初復刻。いずれもマスターから復刻されるのは今回が初めて。
 すべてWDRアーカイヴのマスターから復刻。巨匠ミトロプーロスがケルン放送so.を振ったメンデルスゾーンは、かねてよりマニアの間では有名だったもの。メンデルスゾーンは巨匠が好んで取り上げた作曲家で、NYPとのスタジオ録音(1952年)のほか、BPOとの世を去る60年のザルツブルク・ライヴ(ORFEOR-488981)における「スコットランド」がこれまでにも知られている。Mediciご自慢の極上の音質でよみがえったことにより、融通無碍なるスタイルとオケの熱い意気込みもかつてないほどリアルに伝わって来る。またミヨー編曲作も貴重(代理店は「初出レパートリー」としているが、米COLUMBIAへの1952年録音等があり、誤り)。
クレンペラー、1955年の「ミサソレ」
 ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス ニ長調 Op.123
アンネリース・クッパー(S)
ジークリンデ・ワーグナー(A)
ルドルフ・ショック(T)
ヨゼフ・グラインドル(B)
ハンス・バッヘム(Org)
オットー・クレンペラー指揮
ケルン放送so.&cho.、
ハンブルク
 北西ドイツ放送cho.
 録音:1955年6月6日、ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール、ライヴ。今回がマスターからの初復刻。
 あまりに巨大で格調の高い音楽が聴き手の心をとらえて離さないクレンペラーのベートーヴェン。なかでもミサ・ソレムニスは、ウィーン響とのVox盤(1951年3月)やフィルハーモニア管とのライヴ(1963年/Testament)のほか、1965年10月ニュー・フィルとのスタジオ盤にとどめをさすといわれる究極の一曲。ケルン放送so.とのライヴは、以前より複数のレーベルから出ていた有名な演奏でようやくマスターからの初リリースの運びとなった。WDRのアーカイヴに残されたオリジナル・マスターからトランスファーされた音質は格段に向上しており、とくに合唱のすばらしさを完璧にとらえている。ブルックナーの「ロマンティック」(MM-001)、ブラームスの1番(MM-005)とともに、クレンペラーが指揮者として心身ともに絶頂にあった時期のかけがえのない記録といえるだろう。
シューリヒト、EMI録音の「ブル3」/他
 ブルックナー:交響曲第3番 ニ短調(1890年版)(*)
 ハイドン:交響曲第86番 ニ長調 Hob.I-86(#)
カール・シューリヒト指揮
VPO(*)、
シュトゥットガルト放送so.
 録音:1965年12月2日-4日、ウィーン、ムジークフェラインザール(*)/1954年5月20日、シュトゥッガルト、ライヴ(#)。原盤:EMI (*)。
 シューリヒト没後40周年の2007年、medici MASTERS が取り上げるのは晩年EMIに遺したウィーン・フィルとのブルックナー。生涯を通じてブルックナー指揮者として鳴らした巨匠にとって意外なことに第3番だけはこれが唯一の録音にして、コンサートで振った記録も残っていないレパートリー。これまでにも本家 EMI から、またPreiserからもCD化されており、演奏についてはいまさら余計な説明を加える必要はないが、なんといってもポイントは新リマスタリングでブラッシュアップされ大幅に向上したその音質。まだこの時期ローカル色をとどめた金管になまめかしい弦と、ウィーン・フィル独特の響きがたまらない魅力。
 カップリングのハイドンは hanssler の「カール・シューリヒト・コレクション1950-1966」(93-140)に、ボーナス盤としてマーラーの「復活」と収録されていたものとおなじ。単独では初の登場となる。第86番は60年フィレンツェ、62年ルツェルンと頻繁に実演で取り上げていて、1961年の北ドイツ放送so.との別録音というのも出ていた。
 ブルックナーはEMIから、ハイドンはSWRアーカイヴから、それぞれライセンスを得ての復刻。
ヴァルター・ギーゼキング、
 カイルベルト&ヴァントとの共演、初出あり

 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58(*)
 シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54(#)
 ドビュッシー:
  レントよりおそく(+)/
  舞曲(スティリー風のタランテラ)(+)
 ラヴェル:水の戯れ(+)
 バッハ:
  パルティータ第1番 変ロ長調 BWV.825(+)
ヴァルター・ギーゼキング(P)
ヨゼフ・カイルベルト指揮(*)
ギュンター・ヴァント指揮(#)
ケルン放送so.(*/#)
 録音:1953年9月14日ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール、ライヴ(*)、1951年1月8日、エッセン、ライヴ(#)、1948年10月23日、スウェーデン、ストックホルム・コンサート・ホール(+)。(*)と(+)はおそらく初出音源(国内代理店は(*)を既出としているが、おそらく誤り)。(#)は確かARKADIA等イタリア系のレーベルから出ていた物で、今回がマスターからの初復刻。
 今もってドビュッシーとラヴェル、モーツァルトの演奏で別格ともいえる扱いを受けるドイツの名ピアニスト、ギーゼキング。レパートリーはたいへん幅広く、ここに聴く2つの協奏曲もベートーヴェンがこののちのガリエラ盤(55年)を含めて4種、シューマンではフルトヴェングラー指揮による42年、ライヴなど2種の別演奏を数える。晩年を迎えたライヴは「ともにかねてより知られていた内容とはいえ」(と国内代理店は記しているが、(*)に関しては上記の通り誤りと思われる)、気になる音質は、これまでとは次元を超えたすばらしさで演奏の印象さえ変えてしまうほど。
 いっぽう、余白のリサイタル・パートはナチへの戦争協力を問われてからの演奏禁止が明けた1948年のもので初出と思われる。いっそうの傾倒を深めていたドビュッシーとラヴェルが聴けるのは幸い。ベートーヴェンとシューマンがWDR、スウェーデン放送のアーカイヴより復刻。
オイストラフ&クレツキのチャイコ、初出あり
 チャイコフスキー:
  交響曲第6番 ロ短調 Op.74「悲愴」(*)/
  ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35(#)
ダヴィド・オイストラフ(Vn;#)
パウル・クレツキ指揮
フィルハーモニアo.(*)、
ストックホルム・
 フェスティヴァルo.(#)
 1960年4月11日-12日、ロンドン、アビー・ロード・スタジオ(*)/1955年9月28日、スウェーデン、ストックホルム音楽祭(#)。(#)は今回初出となる音源。原盤:EMI (*)。
 ポーランド生まれの指揮者&作曲家クレツキによるチャイコフスキー・アルバム。オイストラフ独奏の協奏曲は初出。ここでもクレツキのダイナミックな指揮のもと、柔に剛にいつもながらの圧倒的な存在感をみせつける。クレツキの代表的録音とされる「悲愴」はEMIからのライセンス復刻。EMIでのCD化以来20年「以上」(と代理店は記しているが、おそらく「近く」の誤り)も廃盤だったが、このたびの復刻ではリマスタリング効果が抜群で、とても半世紀近くも前のものとは思えぬクオリティの高さに驚かされる。
ボールト最晩年の「田園」と「ジュピター」、
 共に初CD化

 ベートーヴェン:
  交響曲第6番 ヘ長調 Op.68「田園」(*)
 モーツァルト:
  交響曲第41番 ハ長調 KV.551「ジュピター」(#)
サー・エイドリアン・ボールト指揮
LPO
 録音:1977年4月17日、5月10日、15日(*)/1974年9月23日、10月(#)、以上ロンドン、アビー・ロード・スタジオ。原盤:EMI。2曲とも今回初CD化となる稀少な録音。
 ライプツィヒ音楽院でニキシュとレーガーに師事した英国の指揮者ボールト。ドイツ音楽を得意とした巨匠による2大名曲は、すみずみまで生気があふれこの上ない風格からはいままでCD化が見送られていたのが不思議としかいいようのない立派な内容。また、両曲ともヴァイオリン両翼配置によりステレオ感も申し分なく、当時のパーカー&ビショップが携わった屈指の名録音としてアナログ時代よりマニアには知られていた。medici MASTERS による優秀な復刻は大いに歓迎されるだろう。
フリッチャイ&グリュミオー、初出あり
 ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ調(*)
 バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント(#)
 ストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」(+)
アルテュール・
 グリュミオー(Vn;*)
フェレンツ・フリッチャイ指揮
ケルン放送so.
 録音:1951年7月8日、ドイツ、レックリングスハウゼン、ルール音楽祭(*)/1953年5月4日(#)、1953年10月5日、ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール、ライヴ(+)。(#)と(+)はおそらく今回が初出となる音源。(*)は以前イタリア盤CDが出ていたが、今回がマスターからの初復刻。
 WDRアーカイヴ蔵出し音源によるハンガリーの名指揮者フリッチャイのリリースが盛ん。すでに audite からコルトーとのシューマン&チャイ5、「カルメン」のハイライト、ハイドンの交響曲が案内されている(と代理店[2レーベルとも同一]は書いているが、ハイドンは当盤案内の一週間後にようやくアナウンスされた)が、medici MASTERS からもストラヴィンスキー/他のライヴ集が登場する。
 「春の祭典」はスタジオ録音に先行することおよそ半年ほど、いっぽう師直伝のバルトークはスタジオ録音ののち一ヶ月以内に行なわれたもので完全初出(スタジオ録音のオケはどちらも当時の手兵ベルリンRIAS )。ともに白血病を発病する以前、鋭利なリズムとダイナミックなスタイルを色濃く反映している。また、グリュミオーとの協奏曲はフリッチャイにとって現状では唯一の録音。すべてオリジナル・マスター・テープ使用により驚異の高音質。
クレンペラー&ケルン放響の「ブル8」、
 マスターからの初復刻

 ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調
オットー・クレンペラー指揮
ケルン放送so.
 録音:1957年6月7日、ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール、ライヴ。複数のレーベルからCD発売されていたことがある演奏だが、今回がマスターからの初復刻。
 WDRアーカイヴからの復刻。スタジオ盤では大胆なカットも辞さなかったクレンペラーのブル8だが、ケルン放送so.との57年のライヴではノーカットで演奏。にもかかわらず全曲で72分弱と快速テンポを採用、心身ともに壮健だった時期ならではの充実ぶりが聴き取れる。マスター使用のため、これまでとは比較にならない高音質で味わえるのがなによりのポイントといえるだろう。
アルチェオ・ガリエラ、
 EMIへのレスピーギ録音集、初CD化

 レスピーギ:
  交響詩「ローマの松」(*)/組曲「ブラジルの印象」(#)
 ロッシーニ/レスピーギ編:風変わりな店(+)
アルチェオ・ガリエラ指揮
フィルハーモニアo.
 録音:1957年1月22日(*)/1955年3月18日-21日(#)/1959年5月28日-29日(+)、以上、ロンドン、キングズウェイ・ホール。すべて今回が初CD化。
 EMIよりライセンスを受けての復刻。アルチュオ・ガリエラ(1910-1996)は、1950年代初めから60年代にかけてオペラやオーケストラ、コンチェルトの伴奏にいたるまで、EMIに膨大なカタログを遺したイタリアの名指揮者。すべて初CD化となるレスピーギとロッシーニは、ポール・ベイリーのリマスタリングも素晴らしく、めくるめく色彩感がいまによみがえった。
MM-023
廃盤/入手不能
マイケル・レビンのEMI録音、音質向上
 ヴィエニャフスキ:
  ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ短調 Op.22(*)
 パガニーニ:
  ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 Op.6(*)/
  常動曲 Op.11(#)
 サン=サーンス:
  序奏とロンド・カプリチオーソ Op.28(#)
 サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン Op.20(#)
 ディニク:ホラ・スタッカート(#)
マイケル・レビン(Vn)
ユージン・グーセンス指揮(*)
フィルハーモニアo.(*)
フェリックス・
 スラットキン指揮(#)
ハリウッド・ボウルso.(#)、
LPO(#)
グルダ、1957年ベートーヴェン・ライヴ集、初出
 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37(*)
  ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」(#)
  ピアノ・ソナタ第28番 イ長調 Op.101(#)
フリードリヒ・グルダ(P)
マリオ・ロッシ指揮
ケルン放送so.
 録音:1957年2月25日、ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール、ライヴ(*)/1957年2月22日、ケルン、WDRフンクハウス、第2ホール、ライヴ(#)。
 すべてWDRアーカイヴからの復刻。鬼才グルダのベートーヴェンでは協奏曲、ソナタともに60年代に行ったステレオ録音があまりにも有名だが、ここでは即興性満点のライヴというのがこのうえない魅力。さきごろORFEO D'ORからリリースされた第1&第4協奏曲の 1953年ライヴ(ORFEOR-745071)に共通する、グルダがまだ20代後半、感性のほとばしりが聴けるたいへん貴重な内容。
アタウルフォ・アルヘンタ、音質向上
 ファリャ:
  バレエ「恋は魔術師」組曲(*)
  交響的印象「スペインの庭の夜」(#)
  歌劇「はかなき人生」より(*)
   [序奏/
    第1幕サルーのアリア「笑うものたち万歳」]
  バレエ「三角帽子」より(+)
   [近所の人たちの踊り/粉屋の踊り/終幕の踊り]
 [ボーナス・トラック]
  トマス・ブレトン(1850-1923):
   「アンダルシアの情景」より
    [ポロ・ジターノ(**)/サパテアード(##)]
テレサ・ベルガンサ(Ms;*)
ゴンサロ・ソリアーノ(P;#)
アタウルフォ・アルヘンタ指揮
フランス国立放送o.(*/#/+)、
グラン・オルケスタ・
 シンフォニカ(大so.)(**)
 録音:1957年2月21日、パリ、モノラル、ライヴ(*/#/+)/1956年-1957年、マドリッド(**)/記載無し(##)。
 スペインを代表する指揮者アルヘンタが急逝して2008年でちょうど50年。亡くなる前年パリでのライヴは、地元サルスエラやスペインものに抜群の手腕をみせた彼のきわめつけの演目をそろえた内容となっている。いずれもドキドキさせる魔力をはらんでいるが、なかでも若き日の名花ベルガンサが登場するナンバーはうれしい聴きもの。これらは以前より知られていたものだが、このたびマスタリングを担当したトニー・フォークナーにより著しい音質改善が施されている。ボーナスとして収められたスペインの作曲家ブレトンの作品のみステレオ。
ストコフスキー
 1970年8月22日、ロッテルダム・ライヴ

 ラヴェル:「ジャンヌの扇」のためのファンファーレ
 フランク:交響曲 ニ短調
 プロコフィエフ:カンタータ
  「アレクサンドル・ネフスキー」Op.78(*)
ゾフィー・
 ヴァン・サンテ(Ms;+)
レオポルド・ストコフスキー指揮
ヒルヴェルスム・
 オランダ放送po.、
オランダ放送cho.(+)
 録音:1970年8月22日、ロッテルダム、ドーレン、ライヴ。ラヴェルのみ初出音源(これとフランクは、翌日から3日ほど収録されたスタジオ録音がDECCAから発売されている)。フランクと(*)はMUSIC AND ARTSから出ているが、マスターからの初復刻(フランクの第3楽章み、BMGがこのオケの50周年記念盤として発売していたことがある)。
 起伏の大きな表現で聴かせるフランクと、持ち前のドラマ作りのうまさが冴え渡るプロコと「すべてがファンにはかねてより知られる内容」(と代理店は記載しているが、ラヴェルに関してDECCAのスタジオ録音と混同している可能性あり)。なにもかもテンションがけた違いで、どんなオケも手中に収めてしまうストコフスキー・マジックが炸裂。ただ、演奏効果を狙う編曲魔ストコフスキーにしては例外的に、ここではすべてストレートな形で演奏されている。当日のコンサートを完全な形で収録。このたびヒルヴェルスムのAVRO提供のオリジナル・マスターを使用し、リマスタリング・エンジニアにはCalaのレオポルド・ストコフスキー協会盤でもおなじみのパスカル・バーンを起用、大幅な音質改善が施されている。
MM-027
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廃盤
流通在庫限り
エーリヒ・クライバー
 ベートーヴェン:「フィデリオ」序曲 Op.72b(*)
 シューベルト:
  交響曲第9番 ハ長調D.944「ザ・グレイト」(#)
 ベルク:「ヴォツェック」からの3つの断章(+)
アンネリーズ・クッパー(S;+)
エーリヒ・クライバー指揮
ケルン放送so.
 録音:1956年1月7日(*)、1953年11月23日(#/+)、ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール、ライヴ。すべてWDRアーカイヴからの復刻で、(*)は先に全曲がCAPRICCIOから、(#)は当初AMADEO→後にDECCAのBOXで出ており比較的入手し易いが、(+)はSTRADIVARIUSや伊ORIGINALSから出ていたものの、マスターからの初復刻と思われる。
 medici MASTERSのエーリヒ・クライバー第4弾。このうえなく雄渾なる「フィデリオ」序曲はWDRの放送用オペラ全曲録音からのもので、これがクライバー唯一の録音。その血が脈々と息子カルロスにも流れるベルクは、作曲者と親交のあったエーリヒにとって重要なレパートリー。そのさきがけとして1930年代に作品普及に努めた。メインの「グレイト」はかねてより折り紙つきの内容として知られているが、国内代理店によると「ここにようやくはじめて本来の姿を伝える高音質でよみがえりました。」とのこと。
ピエール・フルニエ、初出
 エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調Op.85(*)
 ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲 ロ短調Op.104(#)
 ベートーヴェン:
  「魔笛」の主題による12の変奏曲 ヘ長調Op.66(+)
ピエール・フルニエ(Vc)
ハンス・ロスバウト指揮(*)
ジョージ・セル指揮(#)
ケルン放送so.(*/#)
フランツ・ホレチェク(P;+)
 録音:1955年3月7日(*)、1962年11月16日(#)、以上ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール、ライヴ/1957年4月6日、ケルン、WDRフンクハウス、第2ホール(+)。すべてWDRアーカイヴからの音源復刻で完全初出。
 フルニエのドヴォコンといえば、同年6月、やはり同じセルとの顔合わせによるスタジオ録音がこの名曲にとどめをさすものとして広く知られている。そして、そのスタジオ盤の再現というべき5ヶ月後に行われた注目のライヴも、スタジオ盤の内容から考えておおいに期待が持てるところ。また、これはセルの数少ないライヴ録音としても貴重。名手にとって3種目となるエルガーも、チェリストあがりのウォーレンステインが指揮を務めたBPO盤(66年)とはだいぶ印象のちがう仕上がりに。こちらは現代作品のスペシャリストとしても名を馳せた知匠ロスバウトの指揮に注目。怜悧なアプローチのもと“チェロのプリンス "と呼ばれた節度と気品あるフルニエのソロがいっそう際立つ。さらに、このほかではケンプとのライヴで知られる「魔笛」変奏曲も、うれしいおまけ。
MM-029
廃盤
アルトゥール・ルービンシュタイン〜
  蘭ナイヘーメン・リサイタル 1963.4.20
アルトゥール・
 ルービンシュタイン(P)
クレンペラー、マスターから初復刻
 ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(*)
 ワーグナー:
  楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
   第1幕への前奏曲(#)
オットー・クレンペラー指揮
バイエルン放送so.(*)、
トリノRAIso.(#)
 録音:1956年4月12日、ミュンヘン、ヘルクレスザール(*)/1956年12月17日、トリノ、RAIトリノ・オーディトリアム(#)。共にライヴ、モノラル。使用音源:バイエルン放送(*)/RAI(#)、共にマスターからの初復刻。
 第4番(MM-001)、第8番(MM-021)につづいて、クレンペラーによるブルックナーが medici MASTERS に登場する。バイエルン放送so.との第7番は現状確認される5種のうちもっとも古く、演奏時間も1960年のフィルハーモニア盤65分に対し、4年前の当演奏は58分と全楽章を通じてかなりの快速テンポを採用しているのがその特徴。アーカイヴのマスターから起こした驚異的な音質はこれまでのリリースで実証ずみだが、このたびも期待を裏切らない出来栄え。さらにこちらもマスターからの初復刻となるカップリングのワーグナー。巨匠がもっとも充実していたといわれる1954年から1958年までの5年間にはさまれたライヴは、よりオケの条件のよい後年の録音にはない、限られたこの時期ならではの充実ぶりも聴きどころとなっている。
クレンペラー&ケルン放響の「合唱」
 ベートーヴェン:
  交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱付」
 ボーナス・トラック:
  第4楽章リハーサル(詳細不詳)
マリア・シュターダー(S)
グレース・ホフマン(Ms)
ヴァルデマル・クメント(T)
ハンス・ホッター(Br)
ケルン放送cho.
オットー・クレンペラー指揮
ケルン放送so.
 録音:1958年1月6日、ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール。RARE MOTH からRM-468M で出ている演奏だが、今回はWDRの音源から復刻で、マスターからの初復刻となる。
 クレンペラーといえばベートーヴェンにとどめを刺すのはまず疑いのないところ。ケルン放送so.を指揮した物だけでも、1954年2月の「エロイカ」、1954年10月の第4番(以上ANDANTE)、1955年5月の第8番(TAHRA)がマスターから復刻されているが、今回は1958年1月の第9番。クレンペラー美学の真骨頂ともいえる対位法処理、その雄渾きわまりない造形の打ち出しで、ファンの間ではかねてより高い評価を得ていたもの。ソリストも充実していて、なかでもクメントとホッターは前年に行われたフィルハーモニア管とのスタジオ盤と同一のキャスト。当レーベルにおける一連のリリースで実証済みだが、驚異的な高音質でよみがえったことはなによりの朗報といえるだろう。
カサドシュ〜協奏曲集、全て初出
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調KV.488(*)
 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調Op.73「皇帝」(#)
 ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調(+)
ロベール・カサドシュ(P)
ゲオルク・ルートヴィヒ・
 ヨッフム指揮(*)
クリストフ・フォン・
 ドホナーニ指揮(#)
ヘルマン・シェルヘン指揮(+)
ケルン放送so.(*/#/+)
 録音:1956年3月7日(*)/1965年1月29日(#)/1957年3月11日(+)、以上ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール。すべてWDRアーカイヴからの復刻。
 現状ではカサドシュにとっておそらく、モーツァルトが5種目、「皇帝」は6種目、ラヴェルが5種目(代理店担当者は韓国のマニアが作製したディスコグラフィを見たようで、順に3種目、5種目、5種目としているが、このディスコグラフィにはここ3年ほどに発売された新発売音源にかなりの抜けがある)となるもので、いずれも初出という注目の内容。多くの共演を通じて作曲者より薫陶を授かったラヴェルに、輝かしくデリケートな表情にも事欠かない「皇帝」。そして、すでにセルとの第24番、第27番(MM-010)でもみせたように、絶品というほかないモーツァルト。‘フランスのエスプリ 'という表現がカサドシュほどぴったりなピアニストもいないだろう。それぞれ個性的な指揮者との顔合わせがまた演奏内容を引き立てている。
シフラ 1964 東京ライヴ、初出
 ショパン:
  幻想曲 ヘ短調Op.49/
  スケルツォ第2番 変ロ短調Op.31/
  ワルツ第1番 変ホ長調Op.18「華麗なる大円舞曲」/
  ワルツ第4番 ヘ長調Op.34-3「華麗なる円舞曲」/
  即興曲第3番 変ト長調Op.51/
  バラード第4番 ヘ短調Op.52/
  ポロネーズ第6番 変イ長調Op.53「英雄」
 リスト:
  スペイン狂詩曲 S.254/
  ポロネーズ第2番 ホ長調S.223/
  半音階的大ギャロップ S.219/
  ハンガリー狂詩曲第6番 変ニ長調S.244
ジョルジュ・シフラ(P)
 録音:1964年4月23日、東京。おそらく初出音源。
 2009年に歿後15周年を迎えるハンガリーの名ピアニスト、ジョルジュ・シフラ(1921-1994)。ここではともにかれの代表的なレパートリーながら、ひたすら華麗にして凄絶なリストと、センシティヴに歌いこまれたショパンという、ある意味で対極をなすプログラムを楽しめる。とくに、リストは聴き手を引きずり込む悪魔的名演。アルバム最後からの3曲では、そのスピード感、急激な跳躍をものともしないテクニックを目の当たりにされるはず。リスト再来とあだ名され、超絶の代名詞的存在としていまなおファンを魅了し続けるシフラを偲ぶに格好の内容となっている。
アルヘンタ
 チャピ:「人騒がせな娘」前奏曲(*)
 ソウトゥリョ:「キスの言い伝え」前奏曲(#)
 フェデリコ・チュエカ(1846-1908):「大通り」序奏(#)
 パブロ・ルナ(1880-1942):「ユダヤの子」前奏曲(#)
 トマス・ブレトン(1850-1923):
  アルハンブラにて(*)/演奏会用ボレロ(*)
 グリーディ:10のバスクの旋律
 グラナドス:「ゴイェスカス」間奏曲(#)
 アルベニス:ナバーラ(#)
 トゥーリナ:
  交響詩「ロシーオの行列」(#)/闘牛士の祈り(#)
アタウルフォ・アルヘンタ指揮
大so.、スペイン国立o.
 録音:1954年-1957年、マドリッド。
 ファリャ(MM-025)につぐ、スペインの名匠アルヘンタによるお国もの。あふれる生命感と極彩色のサウンドは相変わらずで、このたびはサルスエラのナンバーが並んでいるのが目を引く。Deccaに残したベルリオーズやチャイコフスキーなどの爆演が根強い人気のアルヘンタだが、ここでの作品もまた情熱的な演奏にかけては相通じるものがある。
ミトロプーロス&ケルン放響〜
 R.シュトラウス

  交響詩「ドン・キホーテ」Op.35/
  交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」Op.30
アルヴィン・バウアー(Vc)
パウル・シュレーアー(Va)
ディミトリ・ミトロプーロス指揮
ケルン放送so.
 録音:1959年9月7日、ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール、モノラル。音源:WDRアーカイヴ。
 Wメンデルスゾーンの「スコットランド」&「宗教改革」(MM-014)に次ぐミトロプーロス第2弾は、彼が世を去る前年に行なったシュトラウスの放送用スタジオ・ライヴ。録音の存在は知られていたが、驚異的なクオリティでついにその全貌が明らかになった。マーラーのスペシャリストとして記憶されるミトロプーロスはシュトラウスも得意としており、ここでの内容はその絢爛たる色彩感と力強い音楽運びでファンをとりこにするのは必至とおもわれる。ちなみに当日のオール・シュトラウス・プログラムでは、アストリッド・ヴァルナイの独唱で楽劇「エレクトラ」よりモノローグも演奏されている。
MM-036
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廃盤
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フライシャー、ロスバウト、クレンペラー
 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調Op.19(*)/
  ピアノ協奏曲第4番 ト長調Op.58(#)
 グルック/ワーグナー編:
  歌劇「アウリスのイフィゲニア」序曲(+)
レオン・フライシャー(P;*/#)
ハンス・ロスバウト指揮(*)
オットー・クレンペラー指揮(#/+)
ケルン放送so.(*/#/+)
 録音:1957年11月18日(*)/1956年2月27日(#/+)、以上、ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール、モノラル。音源:WDRアーカイヴ。
 近年、奇跡の復活を遂げたヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、フライシャー。巨匠クレンペラー、ロスバウトとの顔合わせも注目されるベートーヴェンのコンチェルトは、かれが焦点性失調症により右手の自由を失う以前、そのキャリアの絶頂期に弾いたもので、真に衝撃かつ貴重な内容。師シュナーベルから薫陶を授けられたベートーヴェンは、優雅で知的なアプローチに、温かみと感覚美を備えた音色の魅力を強く感じさせるものとなっている。
 さらにフィルアップがまた超強力。ベートーヴェンの第4協奏曲と同日の録音で、クレンペラー好きのあいだではつとに名高い、あの「アウリスのイフィゲニア」序曲が聴けるのからこれは見逃せない。セッション録音同様に、スケール、迫力、美感のすべてにおいて、破格の演奏を聴かせてくれるものとおもわれる。
オットー・クレンペラー
 ベートーヴェン:
  交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」(*)
 モーツァルト:交響曲第29番 イ長調KV.201(#)
オットー・クレンペラー指揮
ロイヤル・ストックホルムpo.(*)、
バイエルン放送so.(#)
 録音:1958年4月17日、ストックホルム・コンサートハウス、ライヴ・ステレオ(*)/1956年4月15日、ミュンヘン、ヘルクレスザール、ライヴ・モノラル(#)。
 かつてない驚異的な高音質でよみがえったことから、いまやmedici MASTERS の大看板となりつつあるクレンペラーのライヴ録音。このたび登場する「エロイカ」は、1947年以来となるロイヤル・ストックホルム・フィルとのライヴ。巨匠が心身ともに充実していた時期のものだけに、あざやかな対位法処理や雄渾な造形の打ち出しといった、クレンペラー美学の真骨頂ともいえる演奏が期待されるところ。なお、ライヴということもあり、スケルツォとフィナーレが速めのほかは、1959年10月のフィルハーモニアとのセッション録音と基本的にテンポ設定は概ね同じとなっている。
 カップリングのモーツァルトは、既出のブルックナー第7交響曲(MM-030)と同日の演奏で、「エロイカ」同様に冷静かつバランスのとれたアプローチが特徴といえるだろう。リマスタリング担当はトニー・フォークナー。
EUROARTS "CLASSIC ARCHIVE CD" (旧・medici MASTERS)
A.B.ミケランジェリ、初出あり
 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲第5番「皇帝」(*)
 D.スカルラッティ:3つのソナタ(#)
  〔ニ長調 L.461 K.29/ハ短調 L.352 K.11/ロ短調 L.449 K.27〕
 モンポウ:「歌と踊り」〜第6番「歌」(+)
 ショパン:ワルツ第17番 変ホ長調 遺作(+)
アルトゥーロ・ベネデッティ・
 ミケランジェリ(P)
マッシモ・フレッチャ指揮(*)
ローマ RAI so. (*)
 録音:1959年12月12日、RAIオーディトリアム、ローマ、ライヴ(*)/1949年、ナポリ、スタジオ(#)/1959年9月9日、Aula di Palazzo Pretorio 、アレッツォ(+)。(#)と(+)は初出音源。スカルラッティのL.461とモンポウは比較的珍しいレパートリーで、共にこれが2種目の音盤になると思われる。(*)はほぼ同時に TAHRA から TAH-685( + ハイドンの協奏曲)で初出となった演奏。なお、国内代理店の表記には、(*)を一部で『1959年12月2日』としたり、モンポウの作品を『歌と踊り第6番から歌』とする等の誤記があったため、上記では訂正した。代理店によると『オリジナル・テープに起因すると思われるノイズ、編集ミスと思われる個所があります。ご了承ください。』(『内』記載ママ)とのこと。


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