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AUDITE

特記以外 1枚あたり¥3960(税抜¥3600) 〔CD、SACDとも同一の価格〕
価格帯LP[LP]:1枚あたり ¥7700(税抜¥7000)



 クーベリック指揮の放送音源リリースで、日本のヒストリカル音源マニアにも広く知られるようになった AUDITE レーベル。本国ドイツではオルガン作品やパーカッション作品などで知られ、興味深い録音を次々と発売している。一時は SACD ハイブリッド盤の発売も多かった
 また、現在は AUDITE レーベルに吸収された2レーベル(20000番台がFREMATE、30000番台がCORONA)で出ていたものもある。。20000番台の中には AUDITE レーベルの同品番商品として再プレスされた物もあるが、30000番台は基本的に旧レーベル表記のままである模様。#カット盤で入荷する可能性もございます。
 なお2025年の国内代理店変更(旧・代理店の廃業)に伴い、 KKC 記号の国内(仕様)盤についてはすべて廃盤となりました。
2025年9月-10月新案内分
 #作成中
 当店未案内商品。1990年代後半~2000年代リリースのものには、国内未案内だったアイテムを含む。

#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
窓~トランペットとオルガンのための20世紀音楽
 アンリ・トマジ(1901-1971):クスコにおける聖週間 [Semaine Sainte a Cuzco]
 ジャン・ラングレ(1907-1991):7つのコラール
 ハンス・ルートヴィヒ・シリング(1927-2012):「キリストはよみがえられた」におるカンツォーナ
 ジークフリート・カルク=エーレルト(1877-1933):交響的カンツォーネ第1番 Op.85 No.1
 ゲルハルト・ドイッチュマン(1933-):序奏とアレグロ
 ペトル・エベン(1929-2007):窓 [Okna]

 ベルンハルト・クラッツァー(Tp) マルティン・ザンデル(Org)
  (P) (C) 1992 。

#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
ジャン・フランセ(1912-1997):オルガン作品集
 カルメル派組曲(1960) /世俗組曲(1984) /結婚のミサ(1986) /
 聖ヨハネによる黙示録(1939) (ユルゲン・エッセル編曲|
  オルガンと2つのトランペットのための編曲版)/
 厳粛な行進曲(1956)(1956年)
  ユルゲン・エッセル(Org) クラウディア・ベトヒャー(S)
  ベルンハルト・クラッツァー、マルティン・マイヤー(Tp)
  (P) (C) 1995 |使用オルガン:ザントナー [Sandtner] 製、ロッテンブルク大聖堂、ドイツ。

#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
ロシアの金管五重奏曲集
 ヴィクトル・グリーシン:ロンド(1986)
 アレクサンドル・ポティエンコ(1960-):金管五重奏のための組曲
 アントン・シモン(1850-1916):(金管)五重奏曲
 ラフマニノフ(1873-1943)/ファルク・ツィメルマン編曲:前奏曲 Op.23 No.5
 セルゲイ・ボルトキエヴィチ(1877-1952)/
  フランク・レーフェルス編曲:ロシアの歌と踊り Op.31 より Nos.1-2, 6
 アレクサンドル・アリャビエフ(1787-1851):(金管)五重奏曲
 チャイコフスキー(1840-1893)/ファルク・ツィメルマン編曲:「四季」 Op.37 より〔2月/4月/12月〕
 スクリャービン(1872-1915)/フランク・レーフェルス編曲:
  前奏曲集 より〔 Op.11 Nos.5, 9 / Op.16 Nos.4-5 〕/練習曲 Op.2 No.1

 モンタヌス(金管)五重奏団
  [ファルク・ツィメルマン、クラウス・ヴィンゲンジーヘン(Tp)
   トーマス・ジーガー(Tb) フランク・レーフェルス(Hr) グイド・ゴルニー(Tu)]
  (P) (C) 1995 。
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
ストロベリー・フェアと他のヨーロッパ民謡集
 〔編曲:ヤン・ジャーチェク、マーチャーシュ・シェイベル、ブリテン、
     ロドリーゴ、ジェフリー・バーゴン、アントニーン・トゥチャプスキー〕
  Strawberry Fair (English) / The Meeting of the Waters (Irish) / The Three Ravens (English) /
  David of the White Rock (Welsh) / Omy Love is like a Red, Red Rose (Scottish) /
  Roving in the Dew (English) / Réveillez-vous (French) / J'ai descendu (French) / Le Rossignol (French) /
  Marguerite, elle est malade (French) / The Foggy, Foggy Dew (English) / The Salley Gardens (English) /
  O Waly, Waly (English) / The Lincolnshire Poacher / En Jerez de la Frontera (Spanish) / Adela (Spanish) /
  De Rondh (Spanish) / Benjamin Bowmaneer (English) / The Grey Cock (English) / Lovely Joan (English) /
  Na Trávníčku (Moravian) / Ach dolina, dolina (Moravian) / Ej, toč sa, děvče (Moravian) /
  Proč krušinko nezakvětáš (Moravian) / Letěl, letěl roj (Moravian) /
  The Minstrel Boy (Irish) / Barbara Allen (Scottish) / All thro’ the Night (Welsh) /
  Londonderry Air (Irish) / Loch Lomond (Scottish) / The Mummer’s Song (English)

 ニール・ジェンキンズ(T) ヤン・ジャーチェク(G)
  (P) (C) 1999 。
シャイベ:3つのグリム童話-ブレーメンの音楽隊、愚か者
ジミン・オウ=ハヴェニート~
  ムソルグスキー、ラフマニノフ、スクリャービン:ピアノ作品集

 ムソルグスキー:展覧会の絵
 スクリャービン:前奏曲 変ロ長調 Op.2 No.2 /練習曲 嬰ヘ長調 Op.42 No.4 /
         練習曲 嬰ハ短調 Op.42 No.5 /前奏曲 ハ長調 Op.48 No.2
 ラフマニノフ:前奏曲集 より
  〔変ロ長調 Op.23 No.2 /変ト長調 Op.23 No.10 /ロ短調 Op.32 No.10 /変ニ長調 Op.32 No.13 〕

 ジミン・オウ=ハヴェニート(P|使用楽器:ベーゼンドルファー
 録音:2021年9月8日-10日、シャフストール、マリーエンミュンスター。韓国が誇るピアニスト、ジミン・オウ=ハヴェニート。これまで独auditeレーベルから「シューベルト:ピアノ・ソナタ第18番&リスト:ピアノ・ソナタ」 AU-20043 、「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」、第30番、第32番」 AU-20047 、「K[NOW]N PIANO~「ピアノ音楽250年の対話」」 AU-23446 をリリースしている。期待の第4弾はロシアに焦点を当てた内容でムソルグスキーの「展覧会の絵」、スクリャービンとラフマニノフの練習曲と前奏曲という充実の内容。オウ=ハヴェニートは国立ソウル大学校卒業後、ケルン音楽舞踊大学にて研鑽を積み現在ドイツを拠点に活躍している。録音としてはのちの夫となるレイムンド・ハヴェニートとともに1990年代に録音したウルリヒ・レインデッカーのピアノ作品集などをリリースしている。円熟を増したオウ=ハヴェニートの演奏は深みがあり、愛器ベーゼンドルファーで見事な演奏を展開する。
シューマン:ピアノ・ソナタ第1番/幻想曲  Op.17
シューマン:フモレスケ/クライスレリアーナ
シューマン:ピアノ作品集(オウ=ハヴェニート)
ルツェルン音楽祭 Vol.16 ~カール・べーム& VPO
 ヒンデミット:木管とハープのための協奏曲(*)
 ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 WAB.107 (#)
ヴェルナー・トリップ(Fl;*)
ゲルハルト・
 トゥレチェク(Ob;*)
アルフレート・プリンツ(Cl;*)
エルンスト・パンペール(Fg;*)
フーベルト・イェリネク(Hp;*)
カール・ベーム指揮
VPO
 録音:1970年9月6日、ステレオ(*) /1964年9月6日、モノラル(#)、ともにクンストハウス、ルツェルン、ライヴ。 定評あるauditeレーベルの1stマスター・リリースのルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ、第16弾はカール・ベーム(1894-1981)がウィーン・フィルを振った。ブルックナーの交響曲はモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスと並びベームのコンサートのレパートリーの中心だった。なかでも交響曲第7番は最も得意とした作品で、ウィーン・フィルをはじめ幾 度も演奏してきた。当団とは1943年6月4日-5日(TAH-444)、1953年3月7日(ALT-075 / ALT-467)、1976年9月26日-28日(DG)をはじめ多くの録音が残されているが、この度、完全初出録音が登場。64年のルツェルン・フェスティヴァルに登場したベームはブルックナーの交響曲第7番とリーザ・デラ・カーザをソリストに迎えたR.シュトラウスの「4つの最後の歌」を演奏。当CDではブルックナーのみ収録している。当演奏でも楽譜に忠実にすべてのアーティキュレーションの細部にまで気を配り、ベームとVPOとの強い結びつきを感じさせる。緊張感を常に持ちながらこの作品を演奏するベームの姿勢、そして絶大な信頼を寄せるVPOが一体となりこの上なく美しい響きを生み出す。カップリングはヒンデミットの木管とハープのための協奏曲を収録。こちらは伊Affettoからのライセンス盤でセブンシーズがリリース(KICC-2412(廃盤))したことがあるが、この度ルツェルン・フェスティヴァルが保管しているマスター音源からの正規初出となる。現代音楽にも興味を持っていたベームは、同時代を生きたパウル・ヒンデミット(1895-1963)の作品も大切にしてきた。ここに収めた木管とハープのための協奏曲はベーム唯一の録音。ウィーン・フィルの首席奏者の巧みな演奏はもちろんのこと、ピタリと合わせるベームのタクトにも脱帽。この作品はメンデルスゾーンの結婚行進曲が随所に現れる実に楽しくして練りこまれた協奏曲だが、ベームと黄金時代のVPOが奏でる演奏に改めて驚かされる。2021年(2021年)に歿後40年を迎えるベーム。その音楽は今もオーラを感じさせる輝かしい遺産。演奏の素晴らしさに加えてauditeレーベルの見事な復刻にも注目。また、ブックレットには音楽祭のアーカイヴから多くの写真も掲載。音楽祭の歴史を音と資料、両面でお楽しみ頂ける。
ルツェルン音楽祭 Vol.17 ~ゲーザ・アンダ、
  ハスキル + カラヤン、フリッチャイ&アンセルメ

 J.S.バッハ:2つの鍵盤楽器のための
          協奏曲第2番 ハ長調 BWV.1061 (*)
 バルトーク:ピアノ協奏曲
  〔第2番 BB.101 (#) /第3番 BB.127 (+) 〕
ゲーザ・アンダ(P;*/#/+)
①クララ・ハスキル(P;*)
ヘルベルト・
 フォン・カラヤン指揮(*)
フェレンツ・フリッチャイ指揮(#)
エルネスト・アンセルメ指揮(+)
ルツェルン祝祭o.(*/#/+)
 録音:1955年8月(*)、1956年8月22日(#)、1965年8月25日(+)、すべてクンストハウス、ルツェルン、モノラル、ライヴ。 20世紀ハンガリーが生んだピアニスト、ゲーザ・アンダは2021年に生誕100周年を迎えた。それを記念し、定評あるauditeレーベルの1stマスター・リリースのルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ第17弾として正規初出音源が登場する。1955年から1969年までゲーザ・アンダはルツェルン・フェスティヴァルに定期的に出演していたものの録音は3つしか残っておらず、今回初めてリリースされる。収録作品はJ.S.バッハの2台のチェンバロのための協奏曲第2番 ハ長調 BWV.1061 (1955年)、バルトークのピアノ協奏曲第2番(1956年)、そしてバルトークのピアノ協奏曲第3番(1965年)。バッハではカラヤン指揮クララ・ハスキルとの豪華共演が実現!バルトークの第2番ではフリッチャイが、そしてバルトークの第3番ではルツェルン・フェスティヴァルの最後の出演となったアンセルメが指揮をつとめている。アンダのレパートリーの白熱の演奏は必聴!演奏の素晴らしさに加えてauditeレーベルの見事な復刻にも注目。同レーベル社主のルトガー・ベッケンホーフ氏が丁寧にリマスタリングしている。
マンデルリングSQ ~ドビュッシー&リヴィエ
 ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調(*)(CD)
 ジャン・リヴィエ:弦楽四重奏曲〔第1番(#) /第2番(*) 〕
  マンデルリングSQ [ゼバスティアン・シュミット(Vn1) ナネッテ・シュミット(Vn2)
            アンドレアス・ヴィルヴォール(Va) ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 録音:2019年10月10日-12日(*)、2020年1月28日-29日(#)、カンマームジークザール、ドイッチュラントフンク、ケルン。 独auditeレーベルの看板アーティスト、マンデルリング四重奏団。前作「ペニーズ・フロム・ヘヴン」~アンコール作品集 AU-97786 では弦楽四重奏の新たな魅力を伝える、ジャンルを超えた多様な音楽を聴かせてくれた。その後、フランスの作曲家、ラヴェルとラ・トンベルを組み合わせたアルバム AU-97709 をリリースした。当アルバムはフレンチ第2弾としてドビュッシーとジャン・リヴィエを組み合わせた。ドビュッシー唯一の弦楽四重奏曲はいわずと知れた名曲。1893年にイザイ四重奏団献呈されたこの作品は現在フランスを代表する弦楽四重奏曲として頻繁に演奏されている。フランス、ヴィルモンブル出身のジャン・リヴィエ(1896-1987)。リヴィエは哲学を学んだ後、パリ国立高等音楽・舞踊学校にてモーリス・エマニュエル、ジャン・ギャロンなどに師事。その後1947年から1966年まで作曲科の教授をつとめた。交響曲、歌劇、バレエ、協奏曲などの大曲から室内楽、詩篇、歌曲など様々なジャンルに挑み、生涯100曲ほど残している。ここに収録された2つの弦楽四重奏曲は変化に富んだ情熱的な作品。この度世界初録音が実現した。マンデルリング四重奏団のアンサンブルは安定感抜群。激情の中にも決して冷静さを欠かない演奏で、名門の名にふさわしい堂々たる演奏を聴かせてくれる。2015年より新メンバーに迎えられたヴィオラのアンドレアス・ヴィルヴォールはドイツのエアフルト生まれ。ワイマールの音楽学校を卒業後ヴィオラに転向し、ベルリン・ハンス・アイスラー高等音楽院にてアルフレート・リプカに師事。また、キム・カシュカシアン、クリストフ・ポッペンなど著名な演奏家から薫陶を得た。その後、国際的な音楽祭に出演するほかファウスト・クァルテットのメンバーとして、また2001年よりベルリン放送so. 首席奏者として活躍している。
AU-95745
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(2CD)
1.5CD価格
ルツェルン音楽祭 Vol.18 ~
  クーベリック& NPO + オグドン 1968.9.8

 ハイドン:交響曲第99番 変ホ長調 Hob.I: 99
 シェーンベルク:ピアノ協奏曲 Op.42 (*)
 チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 Op.36
ジョン・オグドン(P;*)
ラファエル・クーベリック指揮
ニュー・フィルハーモニアo.
 録音:1968年9月8日、クンストハウス、ルツェルン、ライヴ、モノラル。 定評あるauditeレーベルの1stマスター・リリースのルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ第18弾として、1968年9月の演奏会からクーベリックの正規初出音源が登場する。クーベリックの同音楽祭初登場は1948年8月28日だった。この演奏会の数週間前、チェコの共産化に反対したクーベリックは同年エディンバラ音楽祭へ参加するために渡英、そのままイギリスに亡命している。ルツェルン・フェスティヴァルにはその後1990年まで計25回出演し、同音楽祭には欠かすこの出来ない、また自身にとっても最も重要な音楽祭となった。これまでバルトークのオペラ「青ひげ公の城」(1962年8月15日) AU-95626 がCD化されている(クーベリックは1972年にスイス国籍を取得。1996年、ルツェルンにて死去している)。1968年に起こったチェコスロヴァキアの変革運動「プラハの春」の弾圧から数日後の9月8日、クーベリックはルツェルン・フェスティヴァルに登場。ニュー・フィルハーモニアo. との共演でハイドンの交響曲第99番、ジョン・オグドンをソリストに迎えたシェーンベルクのピアノ協奏曲、そしてチャイコフスキーの交響曲第4番を演奏している。ハイドンの交響曲第99番はクーベリックお得意の作品。終始快活さに満ちた演奏で幕開けを飾った。ジョン・オグドンが正規録音には残していないシェーンベルクのピアノ協奏曲。オグドンは厳格な十二音技法によって書かれているこの曲を正確に理解し、聴衆の心を掴むことに成功しており、クーベリックとの入念なリハーサルをうかがい知ることが出来る。ブゾーニ国際コンクール(1960年)、ブダペスト国際ピアノ・コンクール(1961年)、チャイコフスキー国際コンクール(1962年)そのすべてで優勝しているオグドンが一躍世界的なピアニストとして活動を展開していた60年代。剛腕ピアニストでロマン派を得意としていたが、実際は繊細で内面的な性格の音楽表現を好んでいたとのことで当時の現代作品も積極的に演奏していた。オグドン唯一の出演となった同音楽祭、しかもシェーンベルクの録音は貴重かつ価値のあるリリースと言える。そして、チャイコフスキーの交響曲第4番!クーベリックが14歳の時、フルトヴェングラーの指揮する同曲を聴き、指揮者を志したというほどの思い入れのある作品で、シカゴso.(1951年録音)、VPO (1960年録音)、バイエルン放送so.(1969年)など多くの名演でも知られる。「クーベリックはチャイコフスキーの交響曲をまるで精神の勝利、運命の力に対する自由の宣言のように唱えた」と同音楽祭閉幕演奏会ののち評論家がコメントしていたほどの力演。ルツェルンに居を構えたチェコの移民クーベリックは、ルービンシュタイン、メニューイン、ストラヴィンスキーらの賛同を得て、芸術の断絶を訴えただけでなく、「1968年8月21日、以降のチェコスロヴァキア移民のための基金」への支援をルツェルンの市民に求めた。チャイコフスキーの交響曲第4番の変化に富むテンポ、多彩な音色、そしてドラマティックな音楽づくりと、クレンペラーが育て上げた名門オケと驚くほどの熱量で盛り上げており、その演奏は人々を魅了し大反響を呼んだ。演奏の素晴らしさに加えてauditeレーベルの見事な復刻にも注目。同レーベル社主のルトガー・ベッケンホーフ氏が丁寧にリマスタリングしている。またブックレットには今回初めて掲載された音楽祭の写真も掲載。資料的価値はもちろんのこと、歴史的に見ても非常に重要な演奏会が正規初出音源でリリースされることは大歓迎。
舞踏会~ハープ独奏のための舞曲集
 ファルカシュ:17世紀のハンガリー舞曲 / ドビュッシー/ラスキーヌ編曲:ロマンティックなワルツ
 ベルリオーズ/クリスト編曲:舞踏会(幻想交響曲 Op.14a ~第2楽章)
 J.S.バッハ:パルティータ第1番 変ロ長調 BWV.825 / ファリャ/グランジャニー編曲:スペイン舞曲第1番
 ショパン:ワルツ〔第10番 ロ短調 Op.69 No.2 /第6番 変ニ長調 Op.64 No.1 /第19番 イ短調 遺作 KK/IVb-11
 ピアソラ/ラヤン=フォレロ編曲:天使のミロンガ/天使の死/天使の復活

 サラ・クリスト(Hp)
 録音:2020年9月22日-24日、ヴィンヤード教会、ピルニッツ、ドイツ。 「舞曲」は古今東西、あらゆる作曲家が作品に取り入れてきた。ここにハープ・ファン狂喜のアルバムが登場。J.S.バッハ、ベルリオーズ、ショパン、ドビュッシー、ファリャ、ファルカシュ、ピアソラと時代を超えた「舞曲」にまつわる作品を名手サラ・クリストが収録した。演奏のサラ・クリストは、13歳でベルリンso. との共演でデビューした逸材で、BPOの元首席ヴィオラ奏者ヴォルフラム・クリストを父にもちます。21歳でBPO 、VPOと共演し、その後ウィーン国立歌劇場管の当時最年少の楽員として入団。現在はソリストとして活動し、ドイツ内外の主要なオーケストラとの共演、またルツェルンなどの著名な音楽祭に参加し、積極的な演奏活動を展開している。フェレンツ・ファルカシュ(1905-2000)の「17世紀のハンガリー舞曲」は母国ハンガリーの民族音楽を取り入れた親しみやすい作品。ドビュッシーのロマンティックなワルツはリリー・ラスキーヌが、ファリャのスペイン舞曲第1番はマルセル・グランジャニーがそれぞれ編曲。20世紀を代表する名ハープ奏者ならではの編曲。アルバム・タイトルにもなっている「舞踏会」はベルリオーズの幻想交響曲の第2楽章をクリスト自身がハープ独奏に編曲した物。あの優美な旋律を1台のハープで流麗に奏でる。バッハ、ショパンも絶品。そして2021年に生誕100年を迎えたピアソラの3作品も収録している。
バゼヴィの写本~、オーストリア、マーガレット王女の宮廷音楽
 作曲者不詳:アヴェ・マリア(*) / ヨハネス・ヒセリン(1455頃-1511):今はただ死を待つばかり
 ピエール・ド・ラ・リュー(1452頃-1518): Plorer gemier /レクイエム(*)
 ヤーコプ・オブレヒト(1457-1505):レクイエム
 ラ・リュー: Il viendra le jour desire (*) / Puisque je suis hors du compte (*)
 ロワゼ・コンペール(1445頃-1518): Scaramella fa la galla (*) / 作曲者不詳: Amours mon fait (*)
 アントワーヌ・ブリュメル(1460頃-1513): James que lac Harald Hoffmann
 ラ・リュー:今はただ死を待つばかり(*) / マットイス・ピペラーレ(1450頃-1515):今はただ死を待つばかり
 ヨハネス・オケゲム(1420頃-1497):今はただ死を待つばかり(*)
 アレクサンデル・アグリーコラ(1445頃-1506): Tout a pour moy / 作曲者不詳:アヴェ・マリア(*)
 アグリーコラ: Sonnes, muses (*)
 ヨハネス・プリオリス(1460頃-1514): Deuil et ennuy (*) / Royne du ciel / Regina caeli (*)
 オブレヒト: Missa Fortuna desperata より(*) 〔キリエ/サンクトゥス/オザンナ〕
 ラ・リュー: Ma bouche ritc Elisa Meyer / ハインリヒ・イザーク(1450頃-1517): La mi la sol (*)
 作曲者不詳:アヴェ・マリア(*)

 ドロテー・ミールズ(S;*) ボレアス・カルテット・ブレーメン〔リコーダー四重奏団〕
  [ジン-ジュー・ペク、エリザベス・シャンポリオン、ユリア・フリッツ、ルイーゼ・マンスケ]
 録音:2020年8月6日-9日、聖マウリティウス福音教会&聖ヴィクトル教会、バッスム、ドイツ。ボレアス・カルテット・ブレーメンと名古楽歌手ドロテー・ミールズがオーストリアのマーガレット王女の宮廷で演奏をされていた「バゼヴィの写本」からの作品を収録した。「バゼヴィの写本」は16世紀初頭、作曲家で多くの写譜も手掛けたピエール・アラミレ(1470-1536)の工房で作成された物。ルネサンス期のフランス=フランドル楽派のシャンソン、モテット、ミサ曲などを集めたもので声楽曲、器楽曲などの作品が残されている。その中心は即興的かつヴィルトゥオーゾ的な装飾を加えることもあり、当時演奏されていた音楽がいかに色彩豊かであったか、当アルバムではその姿を現在によみがえらせた。北ドイツの都市ブレーメンを本拠とするリコーダーの四重奏団、ボレアス・カルテット・ブレーメンは様々なリコーダーを駆使し、非常に幅広い表現を可能にしており、ルネサンス期から現代まで幅広く演奏を展開している。
リストの友人、そして模範
 カール・ミュラー=ハルトゥング(1834-1908):オルガン・ソナタ第2番 ヘ短調「ただ愛する神の摂理にまかす者」
 ヨハン・ゴットロープ・テプファー(1791-1870):オルガン・ソナタ ニ短調 Op.15
 ベルンハルト・スルツェ(1829-1889):コンチェルト・ファンタジア ヘ長調 Op.63ん  ザーロモン・ヤーダスゾーン(1831-1902):オルガンのためのファンタジア ト短調 Op.95
 アウグスト・ゴットフリート・リッター(1811-1885):
  自由なコラール前奏曲「主なる神よ、いざ天の御門を開かせたまえ」/オルガン・ソナタ第2番 ホ短調 Op.19

 アンナ=ヴィクトリア・バルトルッシュ(Org)
 録音:2021年6月18日-20日、ノイミュンスター、チューリヒ|楽器:アルテ・トーンハレ・オルガン。フェレンツ・リスト(1811-1886)はピアノのヴィルトゥオーゾとして活躍した後、1848年よりワイマールに定住。作曲と指揮に専念するようになり、ゲーテ(1749-1832)やシラー(1759-1805)の時代に全盛を迎えていた同地を、音楽の中心地として再興させた。若手実力派オルガニスト、アンナ=ヴィクトリア・バルトルッシュが全2タイトルの構成でリリースするリストにまつわるアルバム。当CDはその第1弾「リストの友人、そして模範」。このアルバムにはワイマールで出会ったオルガニスト、作曲家のリッター、ミュラー=ハルトゥング、ヤーダスゾーン、スルツェ、テプファーの作品を収録。リストに多大な影響を与え、革新的な作品を生み出す原動力となったこれらの作品を通し、当時のオルガン音楽の繁栄を垣間見ることが出来る。このアルバムにはリストのオリジナル作品を中心に構成。当時ワイマールで活躍していたオルガンの名手たちとの出会いからリストの大規模なオルガン作品が誕生まで、“オルガン作品の作曲家 "リストの半生をたどれる内容となっている。ブックレット内のQRコードを読み取ると、audite.de のストリーミング・プラットフォームでヨハン・ハインリヒ・レフラー(1833-1903)の「英雄幻想曲」を聴くことが出来る。
AU-97793
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(2CD)
1.5CD価格
フェレンツ・リスト(1811-1886):オルガン作品の作曲家
  B-A-C-H の名による前奏曲とフーガ S.260 /
 コラール「私達へ、魂の救いを求める人々へ」による幻想曲とフーガ S.259 /
 「死の舞踏」に基づくパラフレーズ S.126 /前奏曲「泣き、嘆き、悲しみ、おののき」S.179

 アンナ=ヴィクトリア・バルトルッシュ(Org)
 録音:2021年6月23日-25日、宮廷教会大聖堂聖レオデガル教会、ルツェルン。 若手実力派オルガニスト、アンナ=ヴィクトリア・バルトルッシュが全2タイトルでリリースするリストにまつわるアルバム第2弾。リストはピアノのヴィルトゥオーゾとして活躍した後、1848年よりワイマールに定住。作曲と指揮に専念するようになり、ゲーテ(1749-1832)やシラー(1759-1805)の時代に全盛を迎えていた同地を、音楽の中心地として再興させた。当アルバムの収録作品は、当時ドイツで最大のロマン派オルガンであったメルゼブルク大聖堂のラーデガスト・オルガンの奉献式のために作曲した「バッハ(B-A-C-H)の名による前奏曲とフーガ」、演奏時間30分を超える大曲「コラール「私達へ、魂の救いを求める人々へ」による幻想曲とフーガ」、超絶技巧曲「「死の舞踏」に基づくパラフレーズ」、そして「前奏曲「泣き、嘆き、悲しみ、おののき」」という充実の内容。オルガン音楽を“進化 "させたことがわかる作品が並ぶ。作曲家、編曲家としてのリストの天才的な才能を再認識できる当アルバムをご堪能頂きたい。
マルク・コッペイ~コダーイ:チェロのための作品集
 無伴奏チェロ・ソナタ Op.8 (1915) (*) /チェロ・ソナタ 嬰ヘ短調 Op.4 (1909-10) (#) /
 チェロのピアノのためのソナチネ(1921-22) (#) /ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 Op.7 (1914) (+)

 マルク・コッペイ(Vc) バルナバーシュ・ケレメン(Vn;+) マタン・ポラト(P;#)
 録音:2020年9月6日(#)、7日(*)、8日(+)、ニコデマス文化教会、ベルリン。 丁寧な音楽づくりで定評のある実力派チェリスト、マルク・コッペイ。近年は独auditeレーベルから積極的なリリースが続いている。当アルバムではコダーイに挑んだ。ハンガリーを代表する作曲家コダーイ。バルトークと協力して自国の民謡を収集し、それらの民謡を自身の音楽的語法の礎とした作曲家として知られる。様々なジャンルに作品を残しているがチェロのための作品は現代のチェリストの必須レパートリーとなるほどの傑作揃い。なかでも無伴奏ソナタはバッハの組曲以来の誉れ高い20世紀の傑作に讃えられる。このほかラ・フォル・ジュルネ音楽祭でも来日でもおなじみの俊英ピアニスト、マタン・ポラトとの共演でチェロ・ソナタとソナチネを、ハンガリーの名手バルナバーシュ・ケレメンと共演で二重奏曲も収録してるのも注目すべきところ。コッペイの表情豊かな演奏で聴くコダーイは当楽曲を収めた新スタンダードの誕生といえる充実の内容。コッペイはストラスブール生まれ。パリ国立高等音楽院で学んだ後、18歳でJ.S.バッハ国際コンクールにおいて優勝し一躍世界から注目を集めた。その後のキャリアは華々しく、ソリストとしてはエリアフ・インバル、クリヴィヌ、ギルバート、佐渡裕などの指揮者と共演。室内楽奏者としてのキャリアも充実しており、ピリス、ベロフ、デュメイ、ムローヴァ、パユなどから厚い信頼を得ている。またイザイ弦楽四重奏団(1995年から2000年)のメンバーとして数多くの録音を残している。現在はパリの国立高等音楽院で教鞭を執るほか、ザグレブソロイスツ合奏団の芸術監督として活躍の幅をさらに広げている。
起源 [ORIGIN]
 トーマス・ブローメンカンプ(1955-):木管五重奏のための「7つのデザート・リズミクス」(2006)
 マンフレート・トロヤーン(1949-):木管五重奏のためのソナタ第3番~(1991/95)
 マクシミリアン・グート(1992-):木管五重奏のための「ンゴマ [NGOMA] 」(2020)
 ジェルジ・リゲティ(1923-2006):木管五重奏のための6つのバガテル(1953)

 アルンドス木管五重奏団
  [アンナ・シャハ(Fl) 志茂嘉彦(Ob) クリスティーネ・シュテムラー(Cl)
   リサ・ロジャース(Hr) メアレ有香(Fg)]
 録音:2021年7月12日-15日、インマヌエル教会、ヴッパータール、ドイツ。 ケルン音楽大学、ライン・ドイツオペラで学んだ新進気鋭の5人の演奏家により2013年結成されたアルンドス木管五重奏団。アントン・ガルシア・アブリル国際室内楽コンクール(2014年)、カスティリャ・イ・レオン国際室内楽コンクール(2015年)など数々の国際コンクールでの入賞歴を誇る当団が独auditeレーベルよりついにデビュー・アルバム「起源」をリリースする。当団はノルトラインヴェストファーレン州を本拠に活躍するドイツの木管五重奏団。躍動的かつ魅力的なアンサンブルで聴衆を虜にしてきた。その演奏は「ウィットに満ちた表現能力、個々の完璧な演奏能力、そして官能的なプレゼンテーションが大きな一枚板となり、心に強く語りかけてくる。」(西ドイツアルゲマイネ新聞)など、演奏技術の高さはもちろんのこと豊かな表現力でも高く評価されている。収録作品はジェルジ・リゲティ(1923-2006)、トーマス・ブローメンカンプ(1955-)(数々の国際作曲コンクールに入賞しており、リゲティからもその才能を高く評価されている作曲家)に加えて世界初録音となるマンフレート・トロヤーン(1949-)、マクシミリアン・グート(1992-)の4篇。リゲティ初期の作品「6つのバガテル」にはバルカンの民族音楽が、グートの「ンゴマ」にはアフリカのトランス音楽が、そしてトロヤーンとブローメンカンプの作品にはフランスのモダニズムの精神が反映されており、20世紀から21世紀へ脈々と継承される生命力にあふれる音楽をフルート、オーボエ、クラリネット、ホルンそしてファゴットという木管五重奏の演奏でご堪能頂ける。これだけ多様な表情を見せる4人の作曲家の作品を当団は阿吽の呼吸で見事に演奏。アルバム・タイトル「ORIGIN」には“原点 "としてのCDデビューだけでなく、歴史的な意義や遺産の“起源 "や“発端 "などの多角的な意味が込められている。このジャンルの新たな魅力に気づかせてくれる名盤が生まれた。
グレゴール・ヨーゼフ・ヴェルナー(1693-1766): Vol.1 ~サルヴェ・レジナとパストレッラ
  【サルヴェ・レジナとパストレッラを交互に収録】
 サルヴェ・レジナ〔 III/104, III/127, アイゼンシュタット, III/111, III/130, III/121 〕/
 パストレッラ〔 III/299, III/298, アイゼンシュタット, III/289, III/301, III/300 〕/
 おお、いつくしみ、恵みあふれる

 マグダレーネ・ハラー(S) ヨハネス・オイラー(CT)
 ゲオルク・ポプルッツ(T) マルクス・フライク(B-Br)
 ラヨシュ・ロヴァトカイ(Org)指揮ラ・フェスタ・ムジカーレ
 録音:2021年1月25日-28日、聖シュテファン協同教会、ハノーファー。フランチェスコ・ヴェントゥリーニ(1675-1745)の作品を収録したアルバム AU-97775 が好評のラ・フェスタ・ムジカーレ。期待の新アルバムではオーストリアの作曲家グレゴール・ヨーゼフ・ヴェルナー(1693-1766)のサルヴェ・レジナとパストレッラを録音した。ヴェルナーはウィーン古典派の誕生に貢献した作曲家。1728年からエステルハージ家の宮廷楽長に就任し、以後生涯この座を務めた(ヴェルナーの歿後、あのハイドンが当宮廷の楽長に就任しています)。多作曲家として知られるヴェルナーだが、その多くは教会音楽に関係する声楽曲。当団の指揮者でオルガニストのラヨシュ・ロヴァトカイは長きに渡りヴェルナーの作品を研究しており、当録音はまさに満を持して行われた。ドラマティックな旋律が魅力のヴェルナーの作品をバロック音楽に精通した豪華歌手陣が歌う。なお、当団は今後もヴェルナーの作品を録音していくとのことで、その第2弾としてレクイエム(1763)を2022年にリリースする予定。
ナポリの物語
 フランチェスコ・マンチーニ(1672-1737):バロックフルート、2つのヴァイオリンと
  通奏低音のための協奏曲第8番 ハ短調~第1楽章
 ドメニコ・サッロ(1679-1744):歌劇「パルテノーペ」~アリア Begl 'occhi del mio ben
 マンチーニ:バロックフルート、2つのヴァイオリンと
  通奏低音のための協奏曲第8番 ハ短調 より〔第2楽章-第5楽章〕
 ジュゼッペ・ポルジーレ(1680-1750):歌劇「ウリッセの帰還」~アリア Nel mio petto due tiranni
 ニコラ・フィオレンツァ(1700-1764):
  3つのヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音のための協奏曲 イ短調/
  バロックフルート、ヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ヘ短調 より〔第1楽章/第2楽章〕
 アレッサンドロ・スカルラッティ(1660-1725):歌劇「薔薇の庭園」~アリア Mentr 'io godo in dolce oblio
 フィオレンツァ:バロックフルート、ヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ヘ短調~第4楽章
 アレッサンドロ・スカルラッティ:歌劇「薔薇の庭園」
  ~レチタティーヴォとアリア Ecco negli orti tuoi...Che dolce simpatia
 サッロ:バロックフルート弦楽と通奏低音のための協奏曲第11番 イ短調
 ポルジーレ:カンタータ「 L 'Arcecalascion 」
  ~レチタティーヴォとアリア Sfogandose nel juorno...Schiaresce l'arba / Romanella
 伝承曲/ラ・フェスタ・ムジカーレ編曲:タランテラ・ナポレターナ

  マリア・ラドゥルマー(S) バルバラ・ハイントルマイアー
   (リコーダー&各種バロックFl)指揮ラ・フェスタ・ムジカーレ
 録音:2021年1月16日-18日、ゼンデザール、ブレーメン。フランチェスコ・ヴェントゥリーニ(1675-1745)の室内協奏曲集 AU-97775 、グレゴール・ヨーゼフ・ヴェルナー(1693-1766)のサルヴェ・レジナとパストレッラ AU-97799 のアルバムをリリースしている北ドイツのバロック・アンサンブル「ラ・フェスタ・ムジカーレ」。期待の第3弾は「ナポリの物語」というタイトルで、ナポリのバロック・レパートリーに対する革新的なアプローチを提示している。収録作品はアレッサンドロ・スカルラッティ、フランチェスコ・マンチーニ、ニコラ・フィオレンツァなど、当時活躍した作曲家による官能的なアリアや技巧的な協奏曲など、ヨーロッパ第3の都市であったナポリの全盛期を表す華麗な作品が並ぶ。当アルバムでは斬新なコンセプトと卓越した技術を誇る古楽界のリコーダー奏者、バルバラ・ハイントルマイアー指揮のもと、期待の若手ソプラノ、マリア・ラドゥルナーとの共演で当団の新境地に挑んだ。ナポリの色彩感豊かで情感たっぷりの旋律、そして緩急のコントラストなど、実に見事な演奏をご堪能頂きたい。
聖霊
 J.S.バッハ:コラール「来ませ聖霊、主なる神」(2種)〔 BWV.651 / BWV.652 〕
 ラインケン:フーガ ト短調 / J.S.バッハ:トリオ・ソナタ第3番 ニ短調 BWV.527
 シュリューター:携挙 / J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565
 シャイデマン:コラール「来ませ聖霊、主なる神」 / J.S.バッハ:幻想曲 ト長調 BWV.572
 シュリューター:色合い(音の響き) / J.S.バッハ:パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV.582

 アン=ヘレナ・シュリューター(Org|使用楽器:トロスト製、1724-55年製作
 録音:2021年4月15日-16日、ヴァルタースハウゼン市教会、テューリンゲン州、ドイツ。バッハ作品の研究家としても名高い多彩な鍵盤奏者シュリューター。当アルバムではオルガンを演奏!バッハも高く評価したトロスト製作の銘器による録音。ヴァルタースハウゼン市教会のオルガンは、1680年アルテン生まれのオルガン・ビルダー、トビアス・ハインリッヒ・ゴットフリート・トロストにより1724年から1755年にかけて建造された物。この楽器はテューリンゲン州最大の歴史的オルガンであるだけでなく、3つのマニュアル、47のストップ、約7000 本のパイプ(うち70%はオリジナルのまま)を有したオルガンで、ドイツのバロック作品とりわけバッハ作品を解釈する上でも非常に重要な楽器。優れたオルガニストであったバッハはトロストの楽器を高く評価し、トロストの楽器を熟知していた。アン=ヘレナ・シュリューターが当楽器のストップを巧みに組み合わせトロスト・オルガンの魅力を余すところなく披露。トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565、パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV.582、幻想曲 ト長調 BWV.572はそれぞれアルンシュタット、ミュールハウゼン、ワイマールで1707年から1712年にかけて作曲され、トリオ・ソナタ第3番 ニ短調 BWV.527とコラール作品は1725年からライプツィヒ時代にかけ作曲したバッハの代表作に加えラインケン、シャイデマンそしてシュリーダーを組み合わせオルガン黄金期の世界を再現する。アン=ヘレナ・シュリューターは、ピアノ教師の母とピアニストのカール=ハインツ・シュリューターを父に持ち、3歳から両親にピアノを学び、4歳の時に初めてステージで演奏した。オルガンはダニエル・ロト、オリヴィエ・ラトリーら世界的オルガニストから薫陶を得ている。独ヘンスラー・レーベルからJ.S.バッハの「平均律クラヴィーア曲集第1巻」(HC-16027)、「幻想曲、デュエット、コラール集」(HC-18090)をピアノ演奏で録音している。なお、当CDジャケットはシュリューターが描いた物。テーマは「Duft(香り)」でこのオルガンが持つ多彩な響きを表現している。
マルク・コッペイ~フレンチ・チェロ
 ボエルマン:チェロと管弦楽のための交響的変奏曲 Op.23
 サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番 イ短調 Op.33ん  フォーレ:悲歌 Op.24 / ラロ:チェロ協奏曲 ニ短調 / サン=サーンス:白鳥

 マルク・コッペイ(Vc) ジョン・ネルソン指揮
 ストラスブールpo.[本田早美花(コンサートマスター)]
 録音:2021年4月20日-23日、サル・エラスム、パレ・ド・ラ・ミュジク・エ・デ・コングレ、ストラスブール。 丁寧な音楽づくりと気品に満ちた語り口が魅力のフランスのチェリスト、マルク・コッペイ。近年は独auditeレーベルから積極的なリリースが続いている。当アルバムは19世紀後半のフランス人作曲家に焦点を当てたチェロと管弦楽のための作品集で、コッペイの故郷ストラスブールのオーケストラ、ストラスブールpo. 指揮はジョン・ネルソンとの共演。「幼少のころからサル・エラスム(エラスムス・ホール)でストラスブールpo. の演奏を聴いて育った私にとって、このレパートリーを当団と一緒に弾けることはこの上ない喜び」と語るコッペイ。オルガニスト、作曲家のレオン・ボエルマン(1862-1897)のチェロと管弦楽のための交響的変奏曲にはじまり、フランスのチェロ協奏曲の最重要レパートリー、サン=サーンスのチェロ協奏曲第1番、フォーレの名曲「悲歌」、スペイン情緒も魅力のラロのチェロ協奏曲、そしてサン=サーンスの「白鳥」という充実のプログラム!コッペイは大切に育んできたこれらの作品に思いを込め雄弁に演奏している。なお当団のコンサートマスターは本田早美花。本田は2016年より当団のコンサートマスターをつとめる傍らソリストとしても活躍。さまざまな「思い出」を美しく謳い上げたアルバム「Souvenirs ~スーヴェニール」がレコード芸術特選盤となるなど今注目のヴァイオリニスト。
即興曲
 ガブリエル・ピエルネ(1863-1937):奇想即興曲 Op.9
 フランソワ・クープラン(1668-1733)/オブライエン編曲:ティク=トク=ショック
 ジャン・クラ(1879-1932):ハープのための2つの即興曲
 ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764)/オブライエン編曲:
  組曲 ホ短調~ V. 鳥のさえずり/組曲 ト長調~ IV. 雌鶏
 パウル・ヒンデミット(1895-1963):ハープ・ソナタ
 ホアキン・ロドリーゴ(1901-1999):ハープのための即興曲
 レインゴリト・グリエール(1875-1956):即興曲 / ジョゼフ=ギィ・ロパルツ(1864-1955):ハープのための即興曲
 ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)/オブライエン編曲:ソナタ ホ長調 K.380
 ニーノ・ロータ(1911-1979):ハープのためのサラバンドとトッカータ
 ヴィルジリオ・モルターリ(1902-1993):ソナチネ・プロディジオ
 アルベール・ルーセル(1869-1937):即興曲 Op.21 / フォーレ(1845-1924):即興曲 変ニ長調 Op.86

 サラ・オブライエン(Hp)
 録音:2020年6月29日-8月2日、アルテ教会、ハウテンバッハ、アーハーン。 ハープ奏者サラ・オブライエン。「ハープ・リサイタル」 AU-92561 に次ぐ久々のソロ・アルバムは「即興曲」! ハープの「即興曲」といえばピエルネとフォーレがその代表格。オブライエンはその2曲を両端に据え、17世紀から20世紀の「即興曲」を集めた。収録作品はクープラン、ラモー、スカルラッティ(以上、すべてオブライエン編曲によるハープ独奏版)から、クラ、ヒンデミット、ロドリーゴ、ロパルツなど、第二次世界大戦前後に書かれた作品も収録。カンツォーネ、トッカータ、サラバンドと、バロック時代を想起させながら新しい息吹を吹き込んだ20世紀のハープ作品もまた魅力的。オブライエンの紡ぐ美しきハープの音色をお楽しみ頂きたい。
旧譜
AU-10010
廃盤
アウディーテ・SACDサンプラー
AU-10022
buyボタン
0.5CD価格
限定盤
2010年カタログ付き限定盤
 マーラー:交響曲第1番 ニ長調「巨人」
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1979年11月2日、ミュンヘン、ヘルクレス・ザール、ライヴ・ステレオ。通常盤:AU-95467の、4色84ページ・カタログ付き紙ジャケット仕様限定盤(通常盤とはジャケット・デザイン、ブックレットとも異なります)。
 毎年auditeがお試し価格でお届けしているカタログつきCDの2010年度版。この1979年11月2日の「巨人」は、1961年以来1979年までバイエルン放送so.の首席指揮者を務めたクーベリックが、ポスト辞任後初めて手兵との演奏会に登場したときの物。緊張感が際立つ点では、やはり、2009年度版カタログつきCDの内容で、1981年に行われた交響曲第5番のライヴ(AUD-10020)と同様に、いくつか存在するクーベリックの別演奏との比較でも、別格というべききわめつけの内容となっている。音質優秀なステレオ録音。
 カタログつきCDという性格のため、追加再プレスはないのでお早めにお求め頂きたい。
AUD-10025
廃盤
2011年カタログ付き~クーベリック、マーラー「第9」
 マーラー:交響曲第9番
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
AUD-10030
廃盤
2012年カタログ付き~クーベリック
 ベートーヴェン

  交響曲第5番「運命」(*)/交響曲第4番(#)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
バロック期トランペット音楽の技巧 Vol.1
 アルビノーニ:
  トランペットとオルガンのための協奏曲 ニ長調/他
ベルンハルト・クラツァー(Tp)
モニカ・ヌバー(Org)
 録音:1990年、ミュンスター・ツゥ・フィリンゲン。使用楽器:ザントナー・オルガン。
イタリアのオルガン協奏曲集
 アントニオ・ヴィヴァルディ(1675-1741):
  ヴァイオリン、オルガンと弦楽のための協奏曲 ニ短調/
  ヴァイオリン、オルガンと弦楽のための協奏曲 ヘ長調/
  ヴァイオリン、チェロ、オルガンと
   弦楽のための協奏曲 ハ長調/
 アンドレア・ルッケーシ(1741-1801):
  オルガンと弦楽のための協奏曲 ヘ長調
 ヨハン・クリスティアン・バッハ(1735-1782):
  オルガンと弦楽のための3つの協奏曲断章
  [第1番 ロ長調/第2番 変ホ長調/第3番 ヘ長調]
インゲボルク・シェーラー(Vn)
ヨハンネス・ゲッフェルト(Org)
ヨハン・クリスティアン・バッハ・
 アカデミー
 録音:1991年。ピリオド楽器使用。
幻想曲集
 シューマン:幻想小曲集Op.73
 ゲーゼ:幻想小曲集Op.43/他
アンドレアス・ヴァイス(Cl)
ミチコ・スズキ(P)
 録音:1992年。
バロック期トランペット音楽の技巧 Vol.2
 ネルダ:協奏曲 変ホ長調
 アルビノーニ:協奏曲 ニ短調/他
ベルンハルト・クラツァー(Tp)
モニカ・ヌバー(Org)
 録音:1991年。
パーカッション・コンチェルタント
 三善晃:会話/トルス III
 他、安倍圭子、ラッヘンマン、末吉保雄/他の作品
コルネリア・モンスケ(Perc)
 録音:1992年。
ボッケリーニ:弦楽三重奏曲集 OP.47 アンサンブル・アゴラ
[マルガレーテ・アドルフ(Vn)
 アンドレアス・ゲルハルドゥス(Va)
 マティアス・ホフマン(Vc)]
 録音:1992年。ピリオド楽器使用。
Die Gabler-Orgel in Weingarten
 ヴィヴァルディ:協奏曲 ロ短調 Op.3 No.10 / パッヘルベル:コラール変奏曲「わが命なるキリスト」
 クネヒト:大オルガン・ソナタ ハ長調 / モーツァルト:アンダンテ ヘ長調 / ムファット:トッカータ第7番
 J.S.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ト長調 BWV1027~トリオ/
         2つのコラール「いと高きにある神にのみ栄光あれ」BWV662, 663/前奏曲とフーガ イ短調 BWV543

  ゲルハルト・グナン(Org)
 録音:1992年8月、ヴァインガルテン・バシリカ聖堂。使用楽器:ガプラー制作。前出:独 Fremate, FER-20007 (当店未案内)。ヴァインガルテン・バシリカ聖堂のガプラー・オルガンは教会内の柱や彫刻など、バロック装飾の中に見事な調和をなすいわば歴史的価値ある芸術的作品。この聖堂に据え付けられたガプラー制作のオルガンは壮麗な聖堂にあった素晴らしい音色を持っており、名手グナンにより清冽な魅力にあふれた演奏になっている。
ハイドン:フルート・トリオ Hob.IV:6-11 アンサンブル・アゴラ
[モニカ・マイアー(Fl)
 マルガレーテ・アドルフ(Vn)
 マティアス・ホフマン(Vc)]
 録音:1993年。ピリオド楽器使用。
AU-20011
廃盤
ディヴェルティメント集
 モーツァルト:ディヴェルティメント第4番K.439b/他
トリオ・ディヴェルティメント
Stylus phantasticus and Song Variations
 ブルーンス:前奏曲 ト長調 / スウェーリンク:わが青春はすでに過ぎ去り/パラティーノのやり方で
 ブクステフーデ:トッカータ BuxWV155 / ベーム:イエスよ、汝はいとも美し / モンス:前奏曲とフーガ ト短調
 J.S.バッハ:おお神よ、汝慈愛深き神よ BWV767/トッカータ、アダージョとフーガBWV564

  ゲルハルト・グナン(Org)
 録音:1993年10月13日-15日、聖マルティン教会、フライブルク。使用楽器:リーガー&フリードリヒ制作、1991年。前出:独 Fremate, FER-20012 (当店未案内)。ドイツ実力派オルガニスト、ゲルハルト・グナンによる珠玉のオルガン作品集。使用オルガンは1991年に出来たばかりのリーガー&フリードリヒ制作によるもので、フライブルクの聖マルティン教会になる。このオルガンはコピーという意味ではなく歴史的な北ドイツオルガンをモデルとし建設された。非常に明るくバランスのとれたオルガンとして知られ、バロック期はもちろん、それ以降の時代の音楽にも適した名器と言えるだろう。
 ゲルハルト・グナンはトン・コープマンに師事し宗教音楽、古楽を学んだ。バッハ国際コンクール(1988)また、スイス・オルガン国際コンクール(1992)に入賞後、ヨーロッパをはじめ各国で演奏会を成功させている。本録音は1993年、オルガニストとして確固たる地位を得た年で、若々しくも極めて誠実な演奏。現在、ヨハネス・グーテンベルク大学にて教会音楽、オルガン科の教授として後進の育成にも力を注いでいる。
ギロヴェツ:フルート四重奏曲Op.11 Nos.1-3 アンサンブル・アゴラ
[モニカ・マイアー(Fl)
 マルガレーテ・アドルフ(Vn)
 アンドレアス・ゲルハルドゥス(Va)
 マティアス・ホフマン(Vc)]
 録音:1993年。
AU-20014
廃盤
ヘクサコルド~2挺のギターのための新しい音楽
グイド・ベーガー、
フランツ=ヨーゼフ・ペトリ(G)
モーツァルト:教会ソナタ集 ヨハンネス・ゲッフェルト(Org)
インゲボルク・シェーラー
(コンサートマスター)
J.C.バッハ・アカデミー
 録音:1994年。ピリオド楽器使用。
ボルゲントライヒの
 ヨハン・パトロークルス・メラー・オルガン
  ~スプリング・チェスト式オルガンの肖像
イェルク・クレーマー(Org)
 録音:1994年。
FER-20017
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[AU-20017]
(1CD)
2CD価格
オーギュスト・フォシャール(1881-1957):
 オルガン交響曲第1番/ Vexilla regis / Le Mystere de Noel /コラール
  フリートヘルム・フランメ(Org)
 録音:聖クレメンス教会、レーダ=ヴィーデンブリュック、ドイツ。使用楽器:フィッシャー&クラーマー。
 #当盤は廃盤になった可能性があります。入手できない場合はご容赦ください。
AU-20019
buyボタン
(2CD)
ヴァーツラフ・ピフル(1741-1805):6つの弦楽三重奏曲Op.7
 〔第1番 ハ長調/第2番 ヘ長調/第3番 変ロ長調/第4番 変ホ長調/第5番 イ長調/第6番 ニ長調〕
  アンサンブル・アゴラ
   [マルガレーテ・アドルフ(Vn) アンティエ・サビンスキ(Va) マティアス・ホフマン(Vc)]
 録音:1995年/発売:1996年。世界初録音。ピリオド楽器使用。本体レーベル&品番記載: Fermate, FER-20019
レーガー:オルガン作品集
 創作主題による変奏曲とフーガOp.73/
 序奏とパッサカリアとフーガ ホ短調Op.127
ベルンハルト・ハース(Org)
 録音:1996年、ウィーン・コンツェルトハウス。使用楽器:1913年リーゲル製。
チェロとピアノのための作品集
 リヒャルト・フランク(1858-1938):
  チェロ・ソナタ第2番 変ホ短調Op.36
 カール・ライネッケ:
  チェロとピアノのための2つの小品Op.146
  [ガヴォット/スケルツォ]
 エドゥアルト・フランク(1817-1893):
  チェロ・ソナタ ニ長調Op.6
トーマス・ブレース(Vc)
マリア・ベルクマン(P)
 録音:1995年。
舞曲とトッカータ~17世紀北ドイツのオルガン音楽
 ブクステフーデ:前奏曲 ハ長調BuxWV137/
         前奏曲 ニ長調BuxWV139/
         マニフィカト第1旋法 BuxWV203
 プレトリウス:「テレプシコーレ」~6つの舞曲
 ブルーンス:前奏曲第1番 ホ短調
 リューベック:プレアンブルム ホ長調
 シャイト:「新タブラトゥーラ第1集」
  ~ベルギーの歌と変奏「ああ汝素晴らしき騎手」
 J.S.バッハ:トッカータ ホ長調
マルティン・ザンダー(Org)
 録音:1995年9月12日-14日。使用楽器:ニーダーザクセン州ザルツギッターハイム=リンゲルハイム/元・聖アプドン・ウント・ゼンネン修道院会堂の1696/1707年製シュヴァインプ=ジョン・オルガン。旧レーベル&品番:FREMATE FER-20023よりの移行再発売。
 このアルバムは現 audite の社主にしてトンマイスター(録音技師)であるルトガー・ベッケンホーフが、吸収合併以前のFERMATE時代にみずから録音を手掛けたもの。オルガン特有の重低音と教会の残響をみごとに捉えている。
合唱曲集
 ブラームス:マリアの歌Op.22(7曲)
 シューマン:
  「ロマンスとバラード」Op.75~悲しい狩人 Op.75-3/
  夏の歌Op.146-4
 ペルト:マニフィカト
 ディストラー、ポース、R.パーソンズ/他の作品
カリン・フライスト=ヴィシング指揮
ヴォクス・ボナ
 (ボン聖十字架教会室内cho.)
 録音:1996年。
エドゥアルト・フランク(1817-1893):
 ヴァイオリン協奏曲 ホ短調Op.30
クリスティアーネ・エディンガー(Vn)
ハンス=ペーター・フランク指揮
ザールブリュッケン放送so.
 録音:1997年。フランスのセザール・フランクの5歳年上で、血縁関係は全く無いドイツの作曲家エドゥアルト・フランク。銀行家の息子として裕福な家庭に育ち、長兄は音楽評論家としてゲーテやハイネやワーグナーとも交流があり、次男はパリで書店を営みショパンと親しかったという。そして三男エデュアルドはメンデルスゾーンの親友であった。AUDITEレーベルが現在盛んに録音、復権を試みている。当盤は当初 FERMATE レーベルから FER-20025 という型番でも発売されていた。
AU-20028
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(FER-20028)
情熱と歓喜~J.S.バッハ:作品集
 パッサカリア ハ短調BWV.582/
 3つのコラール「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」
  [ BWV.659 / BWV.660 / BWV.661 ]/
 オルガン協奏曲第5番 ニ短調BWV.596/
 トリオ・ソナタ第1番 変ホ長調BWV.525/
 前奏曲とフーガ 変ホ長調BWV.552
マルティン・ザンダー(Org)
 録音:1998年、ニダロス聖堂、トロントヘイム、ノルウェー。使用楽器:ワーグナー・オルガン、1740/41年。本体の記載レーベル&番号は FREMATE FER-20028 である可能性があります。
オルガン作品集
 ムソルグスキー:展覧会の絵(ヴィーブッシュ編曲)/他
カルステン・ヴィーブッシュ(Org)
 録音:1998年、エッセン=ヴェルデン福音教会。使用楽器:ヴァルカー・オルガン。
リストの音楽におけるゲーテの「ファウスト」 メヒティルト・バッハ(S)
トーマス・ラスケ(Br)
マルクス・ハドゥラ(P)
 録音:1999年。
エドゥアルト・フランク(1817-1893):
 チェロ・ソナタ ヘ長調 Op.42
リヒャルト・フランク(1858-1938):
 セレナード ハ長調 Op.24/チェロ・ソナタ ニ長調 Op.24
トーマス・ブレーズ(Vc)
ロスヴィータ・ゲディガ(P)
 録音:1995年。エドゥアルト・フランクはメンデルスゾーンに個人教授を受けた作曲家で、リヒャルトはその息子。父子ともピアニストとしても高名であった。
エドゥアルト・フランク(1817-1893):
 弦楽四重奏曲ハ短調 Op.55/同変ホ長調 Op.54
エディンガーSQ
エドゥアルト・フランク(1817-1893):
 弦楽四重奏曲ヘ短調 Op.49 /
 ピアノ五重奏曲ニ長調 Op.45(*)
エディンガーSQ
ジェイムズ・トッコ(P;*)
エドゥアルト・フランク(1817-1893):
 ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.57(*)
 交響曲変ロ長調 Op.52
クリスティアーネ・エディンガー(Vn;*)
ハンス=ペーター・フランク指揮
ザールブリュッケン放送so.
 録音:2000年1月24日-28日、ザールラント放送M1スタジオ、ザールブリュッケン。
J.S.バッハ(1685-1750):
 ゴルトベルク変奏曲 BWV.988
ケマル・チェム・イルマズ(P)
 録音:2016年4月4日-7日、イエス・キリスト教会、ダーレム、ベルリン、ドイツ。 トルコ生まれドイツ育ちのケマル・チェム・イルマズがゴルトベルク変奏曲を録音した。トルコ人の両親に生まれたイルマズはドイツ、ランゲンハーゲンにて8歳よりピアノを始め、その後ハノーファー、デトモルトなどで研鑽を積んだ。2002年にはエスキシェヒルで開かれたトルコ・ピアノ・コンクールで優勝。現在はソロ活動を中心にトルコ、ドイツを拠点に活躍している。ドイツで学びつつも自身のルーツを感じる独自のピアニズムが特徴。なお、ハノーファーにて12年もの間、イルマズはタクシー運転手もしていたとのこと!異色の経歴をもつイルマズ、期待のゴルトベルク変奏曲。
世界のクリスマス
 〔国・地域:エストニアEs、オーストリア A、イングランド En、フィンランドFi、カタルーニャC
       ドイツ G、スペイン S、フランス Fr、ウェールズW、メキシコ M、ブラジルB
 Kilisee, kilisee Es / Werst mei Liacht ume sein A / Lullay my Liking En / Canso de Nadal C /
 Maria durch e in Dornwald ging G/ Jouluilta Fi / Sylvian joululaulu Fi /
 Los peces en el rio S / Quelle est cette odeur Fr / The Gower Wassail W / Earth's Joy M /
 Jouluhymni Fi /牧人ひつじを En / Auf ihr Hirten G / Kun joulu on Fi / Pieni joululaulu Fi /
 In'n Himmelsgoren G /Jesu Is Crying B / Es sungen drei Engel G

 ウルズラ・フィードラー(Vo/Vn/Perc)
 マンフレート・フランケル(アコーディオン/Vo/編曲)
 録音:2015年8月17日-20日、聖ペトリ教会、オステン、ドイツ。ヨーロッパと南米のクリスマス・キャロルを集めたアルバム。クラシック畑で歌とヴァイオリンを学んだウルズラ・フィードラーと、民族音楽畑のアコーディオン奏者マンフレート・フランケルによる演奏で、クラシックとも民族音楽ともつかぬ独特のサウンドが印象的。フランケルのアレンジが素晴らしく、ご機嫌な和音伴奏を奏でるアコーディオンが曲によってはオルガンか笙のような繊細な音を奏で、玄妙にヴァイオリンと掛け合ったりする。そしてフィードラーの歌は常に美しく上品、聴いていて心が安らぐ。ジャンルにとらわれない広い視野を持ったふたりが作り上げた、今までにないクリスマス・アルバム。
シューベルト:即興曲集
 〔4つの即興曲 D.935, Op.142 /
  4つの即興曲 D.899, Op.90 〕
ケマル・チェム・イルマズ(P)
 録音:2017年1月30日-2月1日、イエス・キリスト教会、ダーレム、ベルリン、ドイツ。 トルコ生まれドイツ育ちのケマル・チェム・イルマズ。J.S.バッハのゴルトベルク変奏曲 BWV.988 (AU-20035)でもその卓越した技術と感性豊かな演奏で魅了した。期待の新録音はシューベルトの即興曲集。トルコ人の両親に生まれたイルマズはドイツ、ランゲンハーゲンにて8歳よりピアノを始め、その後ハノーファー、デトモルトなどで研鑽を積んだ。2002年にはエスキシェヒルで開かれたトルコ・ピアノ・コンクールで優勝。現在はソロ活動を中心にトルコ、ドイツを拠点に活躍している。ドイツで学びつつも自身のルーツを感じる独自のピアニズムが特徴。なお、ハノーファーにて12年もの間、イルマズはタクシー運転手もしていたとのこと!異色の経歴をもつイルマズだが、さまざまな経験からえた味わい深い演奏を聴かせてくれる。シューベルトの代表作である4つの即興曲集。抒情的な美しさに満ち、個性あふれます。とりわけ有名な D.935の第3番 変ロ長調は、シューベルトの劇音楽「キプロスの女王ロザムンデ」の有名な旋律を主題とした5つのヴァリエーションからなる美しい作品。イルマズは自身の感性と対話しながらシューベルトの世界を表現している。
シューベルト:ピアノ・ソナタ第18番 ト長調「幻想」 Op.78 D.894
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
 ジミン・オウ=ハヴェニート(P|使用楽器:ベーゼンドルファー
 録音:2018年11月27日-29日、ライプニッツ・ザール、ハノーファー・コングレス・セントラム|レコーディング・プロデユーサー&エグゼクティヴ・プロデユーサー:ルトガー・ベッケンホーフ。韓国が誇るピアニスト、ジミン・オウ=ハヴェニートがシューベルトとリストのソナタを録音した。オウ=ハヴェニートは国立ソウル大学校卒業後、ケルン音楽舞踊大学にて研鑽を積み現在ドイツを拠点に活躍している。録音としてはのちの夫となるレイムンド・ハヴェニートとともに1990年代に録音したウルリヒ・レインデッカーのピアノ作品集などをリリースしている。円熟を増したオウ=ハヴェニートの演奏は深みがありベーゼンドルファーを用いてシューベルト、リストの大曲を説得力のある演奏している。
モンポウ:「歌と踊り」〔第1番-第12番/第14番〕
 *曲間に以下の作品を挿入
  ニコラ・バクリ(1961-):歌とワルツ Op.14
  モーリッツ・エッゲルト(1965-):ハンマークラヴィーア XXVI ― To be played after Mompou's 'Cancion 6'
  アントン・ガルシア・アブリル(1933-):残響 / ジョゼップ=マリア・ギッシュ(1967-):ステラ
  ジョゼフ・フィブス(1974-):夜想曲 ― After Mompou?Cancion
  コンスタンティア・グルツィ(1962-):風の踊り Op.72 ― Hommage a Federico Mompou

 マリア・カニグエラル(P)
 録音:2018年9月28日-29日、リセウ高等音楽院、バルセロナ。スペインのジロナ出身のピアニスト、マリア・カニグエラルが母国の偉大な作曲家モンポウの「歌と踊り」と現代作曲家が同作品へ関連付けた作品を交互に演奏したユニークなアルバムをリリースした。全15曲からなる「歌と踊り」(第13曲はギター独奏、第15曲はオルガン独奏のため当アルバムでは未収録)は、1918年から1972年、じつに半世紀以上の歳月をかけ個別に作曲された作品。楽曲のほとんどがカタルーニャ地方の民謡に基づき、モンポウならではのおしゃれな作品集。
ドヴォルジャーク:弦楽セレナード ホ長調 Op.22
チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調 Op.48
柳澤寿男指揮
バルカン室内o.
 録音:2019年5月13日-15日、大賀ホール、軽井沢。指揮者柳澤寿男が2007年に設立したバルカン室内o. がドヴォルジャークとチャイコフスキーの弦楽セレナードを録音した。柳澤寿男はバルカンの民族共栄を願って当団を設立。同年「ニューズウィーク日本版・世界が尊敬する日本人100」に選出されている。度々来日公演も行っており結成から10数年以上たった現在もさらなる活躍が期待される。ドヴォルジャークの弦楽セレナードはわずか11日間で書かれ、1876年に初演され大成功を収めた作品。一方、第1楽章冒頭があまりにも有名なチャイコフスキーの弦楽セレナードは、チャイコフスキーの親友でチェリストの K.K.アルブレヒトに捧げられた作品。両作品とも作曲者の個性をあらわした情熱的なメロディ。柳澤寿男率いるバルカン室内o. が思いを込めて演奏している。演奏の素晴らしさに加えて、アウディーテの社主にしてトーン・マイスターのルトガー・ベッケンホーフ氏による録音であることも注目。弦楽オーケストラの音色の美しさを十分にとらえた軽井沢の大賀ホールにおけるセッション録音。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集
  〔第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」/第30番 ホ長調 Op.109 /第32番 ハ短調 Op.111 〕

 ジミン・オウ=ハヴェニート(P|使用楽器:ベーゼンドルファー
 録音:2019年5月30日-6月1日、イエス・キリスト教会、ダーレム、ベルリン、ドイツ|レコーディング・プロデユーサー&エグゼクティヴ・プロデユーサー:ルトガー・ベッケンホーフ。韓国が誇るピアニスト、ジミン・オウ=ハヴェニート。前作シューベルト、リスト(AU-20043)に続く期待のアルバムは2020年ベートーヴェン生誕250周年を記念してベートーヴェンノソナタに挑戦。第23番「熱情」、第30番、第32番を収録した。オウ=ハヴェニートは国立ソウル大学校卒業後、ケルン音楽舞踊大学にて研鑽を積み現在ドイツを拠点に活躍している。録音としてはのちの夫となるレイムンド・ハヴェニートとともに1990年代に録音したウルリヒ・レインデッカーのピアノ作品集などをリリースしている。円熟を増したオウ=ハヴェニートの演奏は深みがあり、ベーゼンドルファーを用いてベートーヴェンの傑作を演奏している。
AU-21401
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(2CD)
フランク・マルタン:受難曲「ゴルゴタ」
 (作曲者自身によるドイツ語版)
マリア・フォン・バルゲン(S)
マルギット・
 フンゲルビューラー(A)
フリートハイム・デッカー(T)
ヨアヒム・ゲプハルト(Br)
マルティン・ブラシウス(B)
ハイコ・ジーメンス指揮
シュヴェービッシュ・
 グミュントpo.&cho.
 録音:1988年4月1日、救世主教会、バート=ホンブルク、ドイツ、ライヴ。本体記載のレーベルは "VENGO RECORDS"。
AU-21402
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(3CD)
2CD価格
スクリャービン:ピアノ・ソナタ全集
 [第1番 ヘ短調Op.6/第2番 嬰ト短調「幻想」Op.19/
  第3番 嬰ヘ短調Op.23/第4番 嬰ヘ長調Op.30/
  第5番 Op.53/第6番 Op.62/
  第7番「白ミサ」Op.64/第8番 Op.66/
  第9番「黒ミサ」Op.68/第10番 Op.70]
ウラジーミル・ストゥペリ(P)
 1962年生まれのロシアの名手ストゥペリによるスクリャービンのソナタ全集。彼は往年の女性ピアニスト、ボブリツカヤの子息で、14歳にしてチャイコフスキーの協奏曲を演奏、1985年にはジュネーヴ国際コンクールに仲道郁代とともに3位入賞(1・2位なし)している。師匠ラーザリ・ベルマンゆずりの明るい音色と超絶技巧で、スクリャービンの多様な作風を絶妙に弾きわけている。
AU-21403
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(12CD+Bonus_CD)
3.5CD価格
フルトヴェングラー・コンプリートRIAS レコーディングズ
 ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」/交響曲第5番[1947年5月25日]
 メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」/ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
  [ユーディー・メニューイン(Vn)/1947年9月30日]
 J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番/ブラームス:交響曲第4番/
 シューベルト:交響曲第8番「未完成」[1948年10月24日]
 ブルックナー:交響曲第8番[1949年3月15日]
 シューマン:序曲「マンフレッド」/ブラームス:交響曲第3番
 フォルトナー:ヴァイオリン協奏曲
  [ゲルハルト・タシュナー(Vn)/1949年12月18日]
 ワーグナー:ジークフリートの葬送行進曲/
       「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲[1949年12月19日]
 ヘンデル:合奏協奏曲 ニ短調Op.6-10/ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
 ヒウンデミット(代理店記載ママ):管弦楽のための協奏曲
 ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」[1950年6月20日]
 グルック:「アルチェステ」序曲[1950年9月5日]
 ヘンデル:合奏協奏曲Op.6-5/ブラッハー:管弦楽のための協奏的音楽/
 ブラームス:交響曲第3番/R.シュトラウス:「ドン・ファン」
 ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」前奏曲[1954年4月27日]
 ウェーバー:「魔弾の射手」序曲/ヒンデミット:世界の調和(*)
 ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
  [1952年12月8日((*)のみ1951年となっているが、おそらく誤り)]
 シューベルト:
  「ロザムンデ」序曲/交響曲第8番「未完成」/交響曲第9番[1953年9月15日]
 ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」/交響曲第5番[1954年5月23日]
以上、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮BPO
(ボーナス CD :フルトヴェングラー、指揮について語る)
 Audite が満を持して放つフルトヴェングラー・コンプリートRIAS レコーディングズ!!!RIAS に眠っていたオリジナルテープから細心のマスタリングで、今よみがえる真実のフルトヴェングラー!
 Audite のウェブ・サイト(http://audite.de/index.php?bnm=181)でオリジナルのテープの音質とマスタリング後の音質のチェックが可能で、20数分間にわたり、いかなるポリシーのもとにAudite がリマスタリングをほどこしたかが、マスタリング前と後で聴き比べることが出来る。特にブルックナー8番、1楽章コーダのわざとのような咳の嵐(それにしても、あの音楽でどうしてあんなに盛大な咳ができるのか!当時のベルリンはよっぽど風邪がはやっていたのか?3月なのに?)がマスタリング後は音楽性をまったく損なうことなく、気にならないレヴェルまで抑えられているのはディジタル・テクノロジーの驚異。そして全編にわたりナレーションを担当しているのはあの、アンジェラ・ヒューイットというのも驚き。素晴らしく聞き取りやすくわかりやすい英語。ぜひ御一聴頂きたい。演奏そのものについてはもうなにも付け加えることはない素晴らしいものばかり。戦後のフルトヴェングラーの円熟期、絶頂期の音楽がBPOとの黄金の組み合わせでたっぷり堪能できる、Audite にフルヴェン・ファンは足を向けて寝られなくなること疑いなしのセットである。
AU-21404
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(4CD)
3CD価格
フリードリヒ・グルダ・エディション~初期 RIAS 録音集 1950-1959
 ベートーヴェン:
  ピアノ・ソナタ第10番 ト長調Op.14-2/ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調Op.109/
  「エロイカ」の主題による15 の変奏曲とフーガ 変ホ長調Op.35/
  創作主題による32 の変奏曲 ハ短調WoO.80(**)
  [録音:1959年1月17日、ベルリン、RIAS フンクハウス、スタジオ7]
 ドビュッシー:
  ピアノのために(*)/「版画」~グラナダの夕暮れ(#)/「映像第2集」~金色の魚(#/**)/
  「前奏曲集第1巻」~雪の上の足あと(#)/とだえたセレナード(#)/ベルガマスク組曲(+)
 ラヴェル:夜のガスパール(#)
 ショパン:24 の前奏曲Op.28(*)/夜想曲 ハ短調Op.48-1(*/**)/舟歌嬰へ長調Op.60(*)
 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調Op.83「戦争ソナタ」(+)
  [録音:1959年11月17日、ベルリン、ランクヴィッツ・スタジオ(*)/
      1953年3月3日ベルリン、RIAS フンクハウス、スタジオ7(#)/
      1950年1月27日ベルリン、クライストザール・スタジオ(+)]
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調K.491
  [イーゴリ・マルケヴィチ指揮RIAS so./
   録音:1953年2月27日、3月2日、ベルリン、イエス・キリスト教会]
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番 イ長調Op.101
  [録音:1950年1月27日ベルリン、クライストザール・スタジオ]
以上、フリードリヒ・グルダ(P)
 全てモノラル、おそらく全て初出音源。(**)はグルダにとって初音盤となる曲目と思われるもの。ソース:ベルリンRIAS 収録、ドイチュラントラジオクルトゥーア・アーカイヴ提供。
 ジャズへの傾倒、作曲活動を通じたユニークな言動等で鬼才と謳われた20世紀を代表するピアニスト、フリードリヒ・グルダ(1930-2000)。AUDITE より登場する 1950年代、グルダが20代のころ RIAS に行ったスタジオ録音は、1946年のジュネーヴ国際コンクールで第1 位に輝いて間もないキャリア初期のドキュメントとして見逃せないもの。内容は、デッカへの第1回目の全集と時期を相前後して行われたベートーヴェンのソナタほか、ラヴェルにドビュッシーそしてショパンと、同時期の自らのセッション録音とプログラムもほぼ重なり、グルダにとってお気に入りのレパートリーが並んでいる。また、グルダを語るうえで外せないモーツァルトはマルケヴィチとの顔合わせによるピアノ協奏曲第24番。これは DECCA や DG へスタジオ録音していない曲である事も貴重だが、同シリーズのマルケヴィッチ編で先にアナウンスされたシューベルトの第3交響曲やルーセルの「バッカスとアリアーヌ」第2組曲と同日の録音。モノラルながらたいへん音の状態が良いのも注目点。
AU-21405
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(5CD)
3CD価格
何とクナッパーツブッシュ&BPO、RIAS録音集!
 ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調(*)
 シューベルト:
  交響曲第8番 ロ短調D.759「未完成」(*)
 ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調(#)
 ベートーヴェン:交響曲第8番 ヘ長調 Op.93(+)
 J.シュトラウス:「千一夜物語」間奏曲(+)
 ニコライ:「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲(**)
 ハイドン:交響曲第94番 ト長調「驚愕」(**)
 チャイコフスキー:組曲「くるみ割り人形」(**)
 J.シュトラウス:
  「こうもり」序曲(**)/ピツィカート・ポルカ(**)
 コムツァーク:バーデン娘(**)
 シューベルト:
  交響曲第8番 ロ短調 D.759「未完成」(##)
 ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調(##)
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
BPO
 録音:1950年1月28日(*)/1951年1月8日(#)/1952年1月29日(+)/1950年2月1日(**)/1950年1月30日(##)、ティタニア・パラスト(*/**/##)/イエス・キリスト教会(#/+)、スタジオ(*/#/+)/ライヴ(**/##)。
 なんとauditeから、クナッパーツブッシュのRIAS録音集が登場! クナッパーツブッシュはBPOに度々客演し、戦後もカラヤン時代最初期の1956年までその関係が続いた。このセットには1950年から1952年までの録音が収録されている。いずれも過去にLP、CDで発売され話題になったものばかり。お得意のブルックナー、濃厚かつ豪快な味わいのベートーヴェン、ユーモアに溢れたシュトラウス、ロマンティシズムたっぷりのチャイコフスキーなど、いずれも素晴らしい名演。中でもシューベルトの未完成交響曲は、クナッパーツブッシュの資質が曲と合致した超ド級のスケールで、必聴の名演。また数日違いのスタジオ録音とライヴ録音の二種の録音を収録、音楽の微妙な違いを比べられるのもファンにとってはたまらないだろう。
 auditeはフルトヴェングラーのRIAS録音集でも、従来の音源とは明らかに次元の異なった高音質を提供、ここでも放送局秘蔵の蔵出し音源で素晴らしい音質を実現、クナの未発表写真、当時の批評等、貴重な資料も充実している。
AU-21406
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(3CD)
2CD価格
セルジュ・チェリビダッケ~コンプリート RIAS 録音集 1948-1957
 ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
  [ゲルハルト・プッヒェルト(P) RIASso./1948年10月20日TP](*)
 ラヴェル:スペイン狂詩曲[BPO/1948年10月14日GH、セッション]
 ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲Op.35a
  [ジークフリート・ボリース(Vn)/1949年5月9日TP
 ケルビーニ:「アナクレオン」序曲[BPO/1949年3月7日TP
 ヒンデミット:ピアノ協奏曲(1945)
  [ゲルハルト・プッヒェルト(P) BPO/1949年9月5日TP、ドイツ初演]
 ハラルト・ゲンツマー(1909-2007):フルートと室内オーケストラのための協奏曲(1944)
  [グスタフ・シェック(Fl) BPO/1950年12月9日JCK、セッション]
 コープランド:バレエ「アパラチアの春」[BPO/1950年4月4日TP
 ハインツ・ティーセン(1887-1971):
  ハムレット組曲Op.30/サランボー組曲Op.34a/交響曲第2番Op.17「死してなれ」
  [ベルリン放送so./1957年10月7日TP
 ラインハルト・シュヴァルツ=シリング(1904-1985):
  弦楽オーケストラのための序奏とフーガ[BPO/1949年4月11日TP、世界初演]
以上、セルジュ・チェリビダッケ指揮
 録音:[/内]、ティタニア・パラストTP/ゲマインデハウスGH/イエス・キリスト教会JCK、全てダーレム、ベルリン、モノラル、特記以外はライヴ。ブゾーニAUD、ヒンデミットAUD、ゲンツマーAUD、コープランドAUD、ケルビーニAUD/TAH、シュヴァルツ=シリングTAH(以上、AUDIOPHILEAUD、TAHRATAH等から既出)、ティーセンの「ハムレット」(EMIより既出)を除き、おそらくすべて初出音源。(*)はチェリビダッケによる初音盤レパートリーと思われる曲。また、チェリビダッケとベルリンRIAS管の初演奏会は1948年10月17日と言われており、その3日後の演奏も含まれている事になる。
 ついにRIASオリジナル・マスターより望みうる最高の音質でのCD化が実現! 抜群の高音質復刻で評判を呼ぶauditeの「ドイチュラントラジオ・クルトゥーア・エディション」に、またまた大物が登場する。チェリビダッケがベルリン・フィルほかを指揮したCD3枚組セットは、1948年から1957年の間にRIASによってライヴならびにセッション収録されたすべての音源を集めた物。チェリビダッケ(1912-1996)は、地元ルーマニアの大学で哲学と数学を学んだのち、1936年にベルリンに赴き、ベルリン音楽大学で、フーゴ・ディストラーに対位法を、クルト・トーマスとフリッツ・シュタインに音楽理論を、ヴァルター・グマインドルに指揮法を、そしてハインツ・ティーセンに作曲を師事している。フルトヴェングラーを心から尊敬していたといわれるチェリビダッケは、第2次大戦後に指揮活動を禁止されたフルトヴェングラーの代役として、1945年にベルリン・フィルの首席指揮者として迎えられ、以後7年間BPOを指揮、1952年にフルトヴェングラーが終身首席指揮者として復帰した後も支え、1954年までBPOの復興再建に尽力した。チェリビダッケはごく少数の例外を除いて、レコーディングには否定的な立場を取り続けたことでもユニークな存在だった。ようやく死後に解禁された晩年のライヴ演奏では、ミュンヘン・フィルとのブルックナーなどに代表されるように、入念なリハーサルによる徹底して磨き抜かれた表現と、極端に遅いテンポの採用に特徴が顕著だが、ここでは、オケに厳しいリハーサルを要求した「完璧主義者」チェリビダッケの一貫した姿勢が垣間見られると同時に、まだ比較的まともなテンポ設定で演奏が行われている点にも気付かされる。録音嫌いのチェリビダッケの遺したRIASのアーカイヴはキャリア初期のドキュメントとしても貴重なのはもちろんだが、その収録内容もベルリンで活躍していた時期ならではともいうべきたいへん興味深いものとなっている。ピアノの即興演奏などからも知られるように好んでいたガーシュウィンや、精妙なグラデーションにより、かねて得意なことで有名なラヴェル。演奏効果の上がることから、チェリビダッケがコンサートのオープニングのプログラムに組むことが多かった「アナクレオン」序曲のほか、ナチ政権下で演奏を禁じられていたヒンデミットと、その弟子ゲンツマーの作品などが取り上げられている。上記のように、ベルリン音楽大学でティーセンに作曲を学んだチェリビダッケは、1957年、師ティーセンの70歳の誕生日の機会に、ベートーヴェンの第7交響曲をのぞいて、すべてティーセンの作品のみを演奏するためにベルリンへ帰還した。ハインツ・ティーセン(1887-1971)は、チェリビダッケに意見できる数少ない人物のひとりで、米兵の誤射でレオ・ボルヒャルトが死亡し、BPOの首席指揮者が不在となった際に、チェリビダッケにBPOの首席指揮者のオーディションを受けるように勧めたとも云われている。表現主義への傾向を強めた作風により、やはりナチによってマークされていたティーセンだが、こうして直弟子チェリビダッケの演奏で聴けるのは思いがけない喜びといえるだろう。チェリビダッケが、すでに疎遠になっていたBPOではなく、ベルリン放送so.を指揮したこのコンサートは、1992年にシャウシュピールハウスでベルリン・フィルを指揮してブルックナーの第7交響曲を演奏するまでの間、結果的にチェリビダッケにとっての“ベルリン告別 "演奏会となった。ブゾーニ、ケルビーニ、ヒンデミットなど、別のレーベルから出ていたことのある演奏も含まれているが、このセットのために、RIASのアーカイヴよりオリジナル・マスターテープが初めて利用可能となり、その結果、望みうる最高のクオリティのCD化が実現した。なお、時折、低域にブーンというノイズの混入がみられることがあるが、これは1948年6月24日から1949年5月12日にかけて、いわゆる「ベルリン封鎖」によりティタニア=パラスト上空が大渋滞を起こしていたことによるもので、この演奏が行われた当時の時代背景をなまなましく感じさせるものといえるだろう。
AU-21407
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(3CD)
2CD価格
フリッチャイ・コンダクツ・バルトーク~コンプリートRIAS録音集 1950-1953
 ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz.112, BB 117
  [ティボル・ヴァルガ(Vn)/1951年9月13日TP]/
 2つの肖像 Op.5, Sz.37, BB 486[ルドルフ・シュルツ(Vn)/1951年9月11日JCK]/
 カンタータ・プロファーナ「魔法にかけられた鹿」Sz.94, BB 100
 [ヘルムート・クレプス(T) ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
  RIAS室内合唱団、ベルリン聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊/1951年9月12日JCK]/
 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽Sz.106, BB 114[1952年10月14日JCK]/
 舞踏組曲 Sz.77, BB 86[1953年6月10日JCK]/
 ディヴェルティメントSz.113, BB 118[1952年2月11日TP]/
 ラプソディOp.1, Sz.27, BB 36b[アンドール・フォルデス(P)/1951年12月12日JCK]/
 ピアノ協奏曲第2番 Sz.95, BB 101[ゲーザ・アンダ(P)/1953年9月7日JCK]/
 ピアノ協奏曲第3番 Sz.119, BB 127[ルイス・ケントナー(P)/1950年1月16日TP
以上、フェレンツ・フリッチャイ指揮RIASso.
 録音:ティタニア・パラスト、ライヴTP/イエス・キリスト教会、スタジオJCK、全てモノラル。多くが初出音源。オリジナル・マスターからの上質な復刻で人気のドイチュラントラジオ・クルトゥーア・シリーズに、またまた仰天のタイトルが登場する。CD3枚組セットの中身は、ハンガリー出身の世界的な名指揮者フェレンツ・フリッチャイが、ベルリンRIASに遺した数ある演奏のなかから、フリッチャイの師であり、またその演奏にかけてはエキスパートとして知られた、バルトーク作品のすべてをまとめた物。
 ここに収録されたすべてのプログラムについて、さすがはスペシャリストだけにフリッチャイには別録音が存在するものの、ヴァイオリン協奏曲、カンタータ・プロファーナ、ピアノ協奏曲第3番などの一部を除いて、すべて完全初出音源による演奏というのもおおきな魅力。なかでも、物凄いのがスター・キャスト居並ぶ協奏作品。ピアノには、“バルトークの後ろ盾 " であったエルネー・ドホナーニに師事したアンドール・フォルデスにゲーザ・アンダ。そして、アルノルド・セーケイとレオー・ヴェイネルに学び、バルトークのピアノ協奏曲第2番のハンガリー初演や、ピアノ協奏曲第3番のヨーロッパ初演を手がけたルイス・ケントナー。また、ヴァイオリンのティボル・ヴァルガもまた、バルトークのヴァイオリン曲とのゆかりが深いゾルターン・セーケイやヨージェフ・シゲティと同じく、かのイェネー・フバイに師事している。さらに、「カンタータ・プロファーナ」では、フリッチャイがベルリン市立歌劇場時代に才能を見出して以降、お気に入りとして活躍することになる大御所フィッシャー=ディースカウの名前もみられる。
 1950年から1953年にかけて、フリッチャイが意気盛んな時期に行った演奏の数々はいずれ劣らず折り紙つきの内容といえ、鮮明な音質とともに、バルトーク・ファン、フリッチャイ・ファンの方々にとっては宝物になるにちがいない。
AU-21408
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(5CD)
3CD価格
オットー・クレンペラー~ベルリンRIAS録音集 1950-1958
 ベートーヴェン:
  交響曲第2番 ニ長調 Op.36/交響曲第3番 変ホ長調 Op.55「英雄」/
  「エグモント」Op.84 ~序曲[ベルリン放送so./1958年3月29日](*)/
  交響曲第6番 ヘ長調 Op.68「田園」/ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37 HER
   [ハンス=エーリヒ・リーベンスアーム(P)HER RIASso./1954年2月15日](#)
 モーツァルト:
  セレナード第6番 ニ長調 KV/239「セレナータ・ノットゥルナ」[RIASso./1950年12月21日-22日](+)/
  「ドン・ジョヴァンニ」序曲 KV.527[RIASso./1950年12月19日](+)/
  交響曲第25番 ト短調 KV.183/交響曲第29番 イ長調 KV.201[RIASso./1950年12月20日](+)/
  交響曲第38番 ニ長調 KV.504「プラハ」[RIASso./1950年12月22日-23日](+)
 マーラー:交響曲第4番 ト長調[エルフリーデ・トレッチェル(S) RIASso./1956年2月12日](*)
 ヒンデミット:組曲「気高き幻想」[RIASso./1954年2月15日](+)

以上、オットー・クレンペラー指揮
 録音会場・ライヴ or セッション:ベルリン音楽大学、ライヴ(*)/ティタニア=パラスト、ベルリン、ライヴ(#)/イエス・キリスト教会、ベルリン=ダーレム、セッション(+)。全てモノラル。ベートーヴェンのピアノ協奏曲、エグモント序曲とヒンデミットはおそらく初出音源。 ベートーヴェンの「田園」はTAHRAから既出だが、これらを除いた残りはマスターからの初復刻と思われる。auditeのドイチュラントクルトゥーア・シリーズに、大物クレンペラー(1885-1973)が登場。戦後ヨーロッパに復帰後のベルリンで、RIAS響および改称後のベルリン放送so.を指揮したもの。 マーラーの推薦を得て、1907年にプラハで指揮者としてデビューしたのちのクレンペラーは、バルメン、シュトラスブルク、ケルン、ヴィースバーデンといった歌劇場の指揮者を歴任し、急速にドイツを代表する指揮者のひとりとして注目を浴びるようになるが、クレンペラーのキャリアのなかでも重要な活動として知られるものが、1927年に始まるクロール・オーパーでの仕事だった。ベルリン国立歌劇場の一部門として創設されたクロール・オーパーでは、クレンペラーのもと、ヒンデミットの「カルディヤック」「今日のニュース」、シェーンベルクの「期待」「幸福な手」、さらにクレンペラー自ら演出を手掛けたストラヴィンスキー「エディプス王」「マヴラ」など同時代の作品が積極的に紹介されると同時に、旧来の有名な曲目に対しても新しい現代的な演出が試みられるが、その意欲的な試みは多くの支持と反発を引き起こすことになる。さらに、折からのドイツ経済の危機的状況とナチスに代表される右翼の圧力から、1931年に劇場は閉鎖に追い込まれてしまい、1933年ついにクレンペラーはナチス・ドイツ政権を逃れてアメリカ合衆国に移住する。こうした経緯もあって、おそらく文化的・政治的状況のために、クレンペラーが第2次大戦後にヨーロッパに戻ったあとも、クレンペラーと戦前因縁のあったベルリン国立歌劇場は一切の接触を断ったままで、BPOとRIAS 響がクレンペラーを客演に招いているものの、「ベルリンでのクレンペラー」の演奏の絶対数は決して多いとは言えない状況なので、こうしてまとめてリリースされる意義はきわめて大きいといえるだろう。このたびのセットには、厳格な対位法処理により金字塔として名高いベートーヴェンと奥深いモーツァルトをはじめ、師マーラーの交響曲と、クレンペラーがもっとも得意としていたプログラムで、ファンにはよく知られている演奏が大半を占めるいっぽうで、シュナーベルに師事し、ベートーヴェン弾きとして知られたリーベンスアーム(1906-1988)をソリストに迎えたピアノ協奏曲第3番と、クロール時代の記憶も強烈なヒンデミットという、おそらく初出とおもわれる音源が含まれているのも見逃せないところ。
AU-21411
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(5CD)
3CD価格
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集 CD BOX〔第1番-第15番〕
 マンデルリングSQ[セバスティアン・シュミット、ナネッテ・シュミット(Vn)
          ローラント・グラースル(Va) ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 録音:2005年-2009年、クリンゲンミュンスター。既出:AU-92526~92530 (5 HYBRID_SACD) の CD &クラムシェル・ボックス化。
AU-21412
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(4CD)
3CD価格
ベルリン RIAS 新ウィーン楽派プロジェクト
 シェーンベルク:
  月に憑かれたピエロOp.21 (1912)
   [イルメン・ブルメスター(シュプレッヒシュティンメ) クラウス・ビリング(P)
    ハンス・ペーター・シュミッツ(Fl/ピッコロFl) アルフレッド・ビュルクナー(Cl/バスCl)
    ハンス・バスティアーン(Vn) ヴァルター・ミュラー(Va) ヴェルナー・ハウプト(Vc)
    ヨーゼフ・ルーファー指揮/1949年3月3日、10日KS]/
  室内交響曲Op.9 (1906)[フェレンツ・フリッチャイ指揮RIASso.団員/1953年10月1日JCK]/
  ピアノ協奏曲Op.42 (1942)
   [ペーター・シュタートレン(P) ヴィンフリート・ツィリヒ指揮RIAS so./1949年2月6日TP、ライヴ]/
  ヴァイオリンとピアノのための幻想曲Op.47 (1949)
   [ティボル・ヴァルガ(Vn) エルンスト・クシェネク(P)/1951年9月24日7]/
  歌曲集「架空庭園の書」Op.15 (1908-09)
   [シュザンヌ・ダンコ(S) ヘルマン・ロイター(P)/1955年11月3日7]/
  詩篇第130番「深き淵より」Op.50B (1950)[ギュンター・アルント指揮 RIAS 室内cho./1958年3月7日LS]/
  3つのピアノ小品Op.11 (1909) /6つのピアノ小品Op.19 (1911) /5つのピアノ小品Op.23 (1920/23)
   [エドゥアルト・シュトイアーマン(P)/1963年6月18日LS]/
  ピアノ曲Op.33a (1929) /ピアノ曲Op.33b (1931)[エルゼ・C.クラウス(P)/1951年5月20日7]/
  弦楽三重奏曲Op.45 (1946)[エーリヒ・レーン(Vn) エルンスト・ドーペリッツ(Va)
                 アルトゥール・トレスター(Vc)/1957年9月23日7]/
  弦楽オーケストラのための「古い様式による組曲 ト調」(1934)
   [フェレンツ・フリッチャイ指揮BPO/1949年11月28日TP、ライヴ]/
 ベルク:抒情組曲 (1925-26)[ヴェーグSQ〔シャーンドル・ヴェーグ(Vn1) シャーンドル・ツェルディ(Vn2)
               ジェルジ・ヤンツェル(Va) パウル・サボー(Vc)〕/1963年11月10日LS]/
     クラリネットとピアノのための4つの小品Op.5 (1913)
      [ハインリヒ・ゴイザー(Cl) クラウス・ビリング(P)/ 1953年9月19日7]/
     7つの初期の歌[マグダ・ラースロー(S) ローター・ブロダック(P)/1958年7月4日7]/
     わたしの両眼を閉ざして下さい〔2種; 1907年版/1925年版〕
      [イヴリン・リアー(S) ハンス・ヒルシュドルフ(P)/1960年2月5日7
 ヴェーベルン:
  パッサカリアOp.1 (1908)[アルトゥール・ローター指揮ベルリン放送so./1965年2月1日LS]/
  管弦楽のための5つの小品Op.10 (1911/13)[ブルーノ・マデルナ指揮ベルリン放送so./1961年12月5日LS]/
  ヴァイオリンとピアノのための4つの小品Op.7 (1910)
   [アンドレ・ジェルトレル(Vn) ディアヌ・アンダーセン(P)/1958年5月7日7]/
 ヨハン・シュトラウス II /シェーンベルク編曲:ワルツ「南国のばら」Op.388 (1880/1921)
 ヨハン・シュトラウス II /ヴェーベルン編曲:「ジプシー男爵」~宝のワルツOp.418 (1885/1921)
   [バスティアーンSQ〔ハンス・バスティアーン、ヨハネス・ブラウ(Vn)
             ヴァルター・ミュラー(Va) ヴェルナー・ハウプト(Vc)〕
    エミール・ハマーマイスター(ハルモニウム) クラウス・ビリング(P)/1950年2月18日KS
 シェーンベルク:ヴァイオリンとピアノのための幻想曲Op.47
   [ルドルフ・コリッシュ(Vn) アラン・ヴィルマン(P)/1953年8月28日7
 録音:[/内]、 クライストザールKS、 イエス・キリスト教会、ダーレムJCK、 ティタニア=パラストTP、 ランクヴィッツ・シュトゥーディオLS、 シュトゥーディオ7、RIAS フンクハウス7、 全て ベルリン、モノラル、特記以外セッション。パウル・クレーによる水彩画「月に憑かれたピエロ」(1924) をあしらったジャケットも印象深い、シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルンら新ウィーン楽派による作品を集めたセット。CD4枚組、トータル5 時間にもおよぶボリューム満点の内容。20世紀初頭のウィーンを舞台に、アルノルト・シェーンベルク(1874-1951)、弟子のアントン・ヴェーベルン(1883-1945)とアルバン・ベルク(1885-1935) は、無調主義、十二音主義による前衛的な創作活動を展開して、今日に至る世界的に多くの作曲家に影響を与えた。このセットには、かれら新ウィーン楽派の作曲家たちに拠って1906年から1950年のあいだに書かれた全23作品(1951年のヴァルガと1953年コリッシュによる、シェーンベルクの「幻想曲」の別演奏を含む)が収められている。1949年から1965年にかけて収録された音源の数々は、戦後、ベルリンRIAS 現代音楽部門のディレクターを務めていたハンス・ハインツ・シュトゥッケンシュミット(1901-1988) の主導で実現した物。ドイツの著名な音楽学者、音楽評論家で、作曲家でもあったシュトゥッケンシュミットは、シェーレベルクをはじめ、ブラッハーやブゾーニなどの著作でも知られ、なかでもシェーンベルクについてはその歴史的意義を早くから評価した「現代音楽の擁護者」ともいうべき人物。シュトゥッケンシュミットは、やはり代表的なシェーンベルク学者であり、指揮者としても知られたヨーゼフ・ルーファーとともに、亡命先から帰国した音楽家たちが、こうした放送ドキュメンタリーに専念できるよう雇用の環境作りに尽力した。ここで演奏を担当する超一流の演奏家陣は、ほとんどがシェーンベルクの弟子たち、あるいは知人のいずれかといった、作曲家周辺のごく身近の親しい人たちから構成されているのも重要なポイント。ヴァイオリンのコリッシュ、ピアノのシュトイアーマンやエルゼ・C.クラウス、指揮者のツィリヒは師シェーンベルクによって才能を開花させ、ピアノのシュタドレンやヴァイオリンのヴァルガは、シェーンベルク、ヴェーベルンとベルクと親交があった。そのいっぽう、新ウィーン楽派に属さず、直接演奏のてほどきも受けていない指揮者フリッチャイやソプラノのダンコらによる演奏も、価値ある内容。当時ほとんど演奏機会がない作品に偏見なく、かれらが生涯を通じて情熱を傾けていたという事実を考えると、特に興味の尽きないものといえそう。
AU-21413
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(6CD)
3CD価格
フランク:オルガン作品全集
 小品 変ホ短調/大オルガンのための小品/アンダンティーノ(ト短調)/幻想曲(ハ長調/第1稿)/
 ハルモニウムのための5つの小品(ルイ・ヴィエルヌによる大オルガン用編曲)/
 オッフェルトリウム(イ長調)/幻想曲(ハ長調、第2稿)/行進曲風に Op.22(ロスによるオルガン編曲)/
 6つの小品〔幻想曲Op.16 /大交響的作品 Op.17 /前奏曲、フーガと変奏 Op.18 /
       パストラルOp.19 /祈り Op.20 /フィナーレOp.21 〕/
 足鍵盤によるハルモニウムもしくはオルガンで弾く聖務日課のための遺作集(オルガニストII)(43曲)/
 ブルターニュのノエルによるハルモニウムのためのオッフェルトリウム/幻想曲(ハ長調/第3稿)/
 ハルモニウムのためのアントレ/3つの小品〔幻想曲 イ長調/カンタービレ/英雄的小品〕/小オッフェルトリウム/
 小品(アンダンテ・クアジ・レント)/オルガンもしくはハルモニウムのための9つの「7つの小品」集
  〔ハ長調およびハ短調/変ニ長調および嬰ハ短調/ニ長調およびニ短調「クリスマスのための」/
   変ホ長調および変ホ短調/ホ短調およびホ長調/ヘ長調およびヘ短調/嬰ヘ短調および変ト長調/
   ト長調およびト短調「クリスマスのための」/変イ長調および嬰ト短調〕/
 大オルガンのための3つのコラール〔ホ長調/ロ短調/イ短調〕

  ハンス=エーベルハルト・ロス(Org)
 録音:2004年-2005年、聖マルティン教会、メミンゲン。使用楽器:同教会の大オルガン。分売 SACD :AU-91518~91520(各2枚)の BOX & CD化(91518が既に廃盤となっており、分売 SACD はレーベル在庫限りと思われます)。『数多くの優秀録音で知られるドイツ Auditeレーベルからフランクのオルガン作品を収録したアルバムが通常 CD6 枚組 BOX で登場!有名なコラールからハルモニウム作品の編曲までをも含めた充実の内容。フランクのオルガン作品を熟知したハンス=エーベルハルト・ロスの素晴らしい演奏に加え、教会の素晴らしい響きを捉えた録音ですので、オルガン音楽ファンはもちろんオーディオ・ファンにもたまらない内容です。』とのこと。
AU-21415
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(9CD)
4CD価格
カール・リステンパルト&RIAS室内管~J.S.バッハ:カンタータ集
 ああ神よ、どれほど多くの心の痛みが BWV58[グントヒルト・ウェーバー(S) ワルター・ハウック(B)/1952年1月4日]/
 最愛のイエスよ、私の憧れよ BWV32[アグネス・ギーベル(S) ワルター・ハウック(B)/1951年12月10日-11日]/
 イエスは12人の弟子を呼び寄せて BWV22[カルロッテ・ヴォルフ=マタウス(A) ヘルムート・クレプス(T)
    ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1950年2月15日-16日]/
 主イエス・キリスト、真の人にして神よ BWV127[ゲルトルート・ビルメレ(S) ヘルムート・クレプス(T)
    ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1950年2月13日]/
 キリストは死の縄目につながれて BWV4[1952年3月17日-19日]/天は笑い、大地は喜ぶ BWV31
   [リロ・ロルヴェス(S) ヘルムート・クレプス(T) ゲルハルト・ニーゼ(B)/1950年3月9日、20日-21日]/
 しかしその同じ安息日の晩に BWV42[エディト・ベルガー=クレプス(S) イングリト・ロレンツェン(A)
    ヘルムート・クレプス(T) ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1950年4月11日]/
 私が去るのはあなた方のためだ BWV108[イングリト・ロレンツェン(A) ヘルムート・クレプス(T)
    ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1950年4月17日-18日、27日]/
 信じて洗礼を受ける者は BWV37[リロ・ロルヴェス(S) イングリト・ロレンツェン(A) ヘルムート・クレプス(T)
    ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1950年4月18日、24日、27日]/
 あらゆる人の心には反抗的で臆病なものがある BWV176[ゲルダ・ラマーズ(S) カルロッテ・ヴォルフ=マタウス(A)
    ゲルハルト・ニーゼ(B)/1950年5月3日、6日、8日]/
 飢えた人にあなたのパンを分かち与えなさい BWV39[ゲルダ・ラマーズ(S) イングリト・ロレンツェン(A)
    ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1950年5月17日、22日]/
 天は神の栄光を語る BWV76[グントヒルト・ウェーバー(S) イングリト・ロレンツェン(A) ヘルムート・クレプス(T)
    ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1950年5月19日、22日-23日]/
 私には憂いが多くある BWV21[ゲルダ・ラマーズ(S) ヘルムート・クレプス(T)
    ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1950年5月23日、25日、6月2日]/
 見なさい、私は多くの漁師を使いに出し BWV88[リロ・ロルヴェス(S) イングリト・ロレンツェン(A)
    ヘルムート・クレプス(T) ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1950年5月30日、6月3日、13日]/
 主である神が私たちのもとになければ BWV178[イングリト・ロレンツェン(A) ヘルムート・クレプス(T)
    ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1950年6月20日、7月14日]/
 私の心は血の中で泳ぐ BWV199[グントヒルト・ウェーバー(S)/1950年7月8日]/
 キリストと関わる者だと名乗るあなた方よ BWV.164[グントヒルト・ウェーバー(S) アンネリース・ヴェステン(A)
    ヘルムート・クレプス(T) ワルター・ハウック(B)/1952年8月27日]/
 自ら高ぶるものは BWV47[アグネス・ギーベル(S) ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1952年6月4日-5日]/
 私は喜んで十字架を担ごう BWV56[ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1950年2月21日]/
 美しく装いなさい、おお愛する魂よ BWV180[アグネス・ギーベル(S) イングリト・ロレンツェン(A)
    ヘルムート・クレプス(T) ワルター・ハウック(B)/1950年10月9日]/
 深い悩みの底から私はあなたへと大きな声で言う BWV38[アグネス・ギーベル(S) イングリト・ロレンツェン(A)
    ヘルムート・クレプス(T) ワルター・ハウック(B)/1950年10月16日-17日]/
 偽りの世よ、私はお前を信用せぬ BWV52[アグネス・ギーベル(S)/1950年9月7日-8日]/
 目覚めよ、と呼ぶ声が聞こえ BWV140[グントヒルト・ウェーバー(S) ヘルムート・クレプス(T)
    ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1951年11月2日、5日]/
 争いが起こった BWV19[グントヒルト・ウェーバー(S) ヘルムート・クレプス(T)
    ワルター・ハウック(B)/1950年9月1日、5日]/
 主である神は太陽であり盾である BWV79[アグネス・ギーベル(S) ローリ・ライル(A)
    ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1950年10月23日、25日]/
 さあ消え去れ、陰鬱な影よ(結婚カンタータ) BWV202[アグネス・ギーベル(S)/1951年6月2日]
 神の時は至高の時 BWV106[ヨハンナ・ベーレント(S) イングリト・ロレンツェン(A) ヘルムート・クレプス(T)
    ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1950年6月15日、17日、26日]/
 主よ、あなたのお望みのように、それを私に届けて下さい BWV73[マリー=ルイーゼ・デニッケ(S)
    ヘルムート・クレプス(T) ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)/1949年10月25日]/
 テレマン:私は、私の救い主が生きていることを知っている TWV1:877(旧・バッハ偽作 BWV160)
   [ヘルムート・クレプス(T)/1950年3月15日]

  カール・リステンパルト指揮RIAS室内o.、RIAS室内cho.、RIAS少年cho.
 録音:1949年-1952年。収録時間:10時間31分6秒。多くが初出音源と思われる。ソース:おそらくベルリンRIAS放送。auditeがまた素晴らしい音源を復活してくれた。ドイツの名指揮者、カール・リステンパルト(1900-1967)がRIASに録音したバッハのカンタータ集。リステンパルトは第二次世界大戦後、1952年までベルリンで活躍、様々な種類の音楽をRIASのために演奏したが、中でも評判だったのがバッハのカンタータ集だった。リステンパルトのバッハは、明るく温かみの広がる優しさに溢れた物。しかし1960年代に厳粛で禁欲的なバッハが広まったこと、そしてリステンパルトが68歳を目前に亡くなってしまったことで、「知る人ぞ知るバッハの大家」になってしまった。しかし21世紀の現在から聞きなおすと、明るさを湛えたリステンパルトのバッハは、むしろ今日の演奏様式に近い、優れた演奏だったように思われる。
 今回、10時間を越えるリステンパルトの録音が世に出たことで、彼の評価の再検討が迫られるのではないだろうか。それほどの充実した演奏の記録。また多くの曲で、若き日のディートリヒ・フィッシャー=ディースカウが参加、さらにアグネス・ギーベルやヘルムート・クレプスといったバッハ演奏で名の知れた歌手も加わっている。
AU-21418
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(3CD)
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ブロニスワフ・ギンペル~ベルリン RIAS 録音全集 1954-1957
 シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調Op.47[フリッツ・レーマン指揮/1955年6月24日-25日LS](*)
 シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番Op.61[アルトゥール・ローター指揮/1957年4月1日LS](*)
 ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ短調Op.22[アルフレート・ゴールケ指揮/1954年2月26日JCK](*)
 シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ イ長調D 574, Op.162[1955年4月15日7
 メンデルスゾーン:ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調Op.4[1955年4月16日7
 シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ短調Op.105[1955年2月4日8
 ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ[1955年6月29日7
 タルティーニ/フリードリヒ・ヘルマン編曲:
  ヴァイオリン・ソナタ ト短調Op.1 No.10「見捨てられたディドーネ」[1955年2月4日8
 ラートハウス:パストラルとダンスOp.39[1955年2月3日8]]

 ブロニスワフ・ギンペル(Vn) RIASso. (*) マルティン・クラウゼ(P;*以外)
 録音:[内]、ランクヴィッツ・シュトゥーディオLS、イエス・キリスト教会、ダーレムJCK、シュトゥーディオ7、RIAS フンクハウス7、シュトゥーディオ8、RIAS フンクハウス8、以上 全て ベルリン、モノラル、セッション。おそらく全て初出音源。抜群の高音質復刻で評判を呼ぶ audite の「ドイチュラントラジオ・クルトゥーア・エディション」。幼少時より神童としてならし、名手フーベルマンになぞらえて「ブロニスラフ2世」としてさわがれた名ヴァイオリニスト、ギンペル。クレンペラーに賞賛されロス・フィルのコンサートマスターを務めた事もあったが、オイロディスクなどの多くの録音などによって、ソリストとしての人気が現在でも高いようだ。芸風も「天賦の才があり、大変な技術力もち、若き日は力強いヴィブラートと情熱的な音楽が魅力」とグローブ音楽事典でも評されている。往時のヴァイオリン芸術の魅力が堪能できる価値ある1セット。ブロニスワフ・ギンペル(1911 -1979) は、現在のウクライナ共和国西部リヴィウに生まれ、ロサンゼルスで亡くなったアメリカのヴァイオリニスト。イディッシュ・シアターを立ち上げた祖父、クラリネットやヴァイオリンを演奏し、小劇場の楽団を指揮する父、そして兄のヤコブ〔ジェイコブ〕(1906 -1989)もまた高名なピアニストとして知られるという具合に、芸術一家に育ったギンペルは、1922年から26年までウィーン音楽院でロベルト・ポラック( ほどなくサンフランシスコで若き日のアイザック・スターンの師となる) に学び、さらに1928年から1929年にかけてベルリン音楽大学でカール・フレッシュに師事している。14歳でウィーン・フィルと共演、ゴルトマルクのヴァイオリン協奏曲を弾いてデビューを果たし、神童と讃えられたギンペルは1926年にはイタリア国王とローマ教皇ピウス11世の御前演奏をおこなってもいる。ギンペルはケーニヒスベルク管(1929-1931)、イェーテボリ響 (1931-1936)、ロサンゼルス・フィル(1937-1942) のコンサートマスターを歴任するいっぽう、この間1935年の第 1回ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールで入賞を果たしている。その後一時期、ハリウッド・ユース・オケを創設して指揮者としても活躍、1942年から1945年までは米軍の兵役に服し、1947年以降、ギンペルはアメリカとヨーロッパでソリストとしての活動を再開。また、アメリカン・アーティスト四重奏団、ニュー・フレンズ・ピアノ四重奏団、マンズ・ピアノ・トリオのメンバーとしても、ワールドツアーを行った。1967年から1973年までコネティカット大学の教授として後進の指導にあたり、1964年には初来日を果たした。
AU-21419
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(2CD)
1.5CD価格
カッチェン~ベルリンにおけるスタジオ録音集 1962 & 1964
 リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調(+) / シューマン:森の情景 Op.82 ~予言の鳥
 ブラームス:幻想曲集 Op.116 (#) /6つの小品 Op.118 より/スケルツォ 変ホ短調 Op.4 (#)
 ベートーヴェン:創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO.80 /
         ロンド・ア・カプリッチョ「失くした小銭への怒り」 ト長調 Op.129 (+)
 ショパン:夜想曲第2番 変ホ長調 Op.9 No.2 (#/+) /バラード第3番 変イ長調 Op.47 (+) /
      夜想曲第8番 変ニ長調 Op.27 No.2 (#/+) /子守歌 変ニ長調 Op.57 (#/+)
  ジュリアス・カッチェン(P)
 録音:1962年2月19日(#以外)、1964年5月25日(#)、ランクヴィッツ・スタジオ、ベルリン、モノラル、セッション。リマスタリング:ルトガー・ベッケンホーフ、2014年。おそらく初出音源、(+)はカッチェンの初ディスク・レパートリー。「ドイチュラントラジオ・クルトゥーア・エディション」から、伝説のピアニスト、ジュリアス・カッチェンによるベルリン放送録音集が登場。アメリカのニュージャージー州に生まれ、パリに留学して以降はヨーロッパを拠点に活動した名ピアニスト、ジュリアス・カッチェン(1926-1969)は肺癌のため42歳の若さで亡くなったが、いまなお伝説として語り継がれている。ベートーヴェン、ブラームスの作品に定評のあるカッチェンだが、大作リストのピアノ・ソナタも目が覚めるほどの熱演で、ファンならずとも注目の演奏。完璧と言っ ていいほどの驚異的なテクニックと雄々しいピアニズム、そしてきらめくタッチが魅力のカッチェンの演奏。当ディスクのレコーディングはモノラルながらAuditeレーベルの社主ルトガー・ベッケンホーフ氏による非常に丁寧なリマスタリングにより、演奏の空気感・迫力が伝わる最上の復刻されたと言えるだろう。
AU-21420
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(3CD)
ピラル・ロレンガー〔ピラール・ローレンガー〕、RIAS録音集
 ベッリーニ:「ノルマ」~清き女神よ(*) / プッチーニ:「トゥーランドット」~ご主人様、お聞き下さい(*)
 ヘンデル:「エジプトのジューリオ・チェーザレ」~私の運命に涙するだろう
 グラナドス:「ゴイェスカス」~マハと夜鶯 / A.スカルラッティ:すみれ(#)
 プッチーニ:「蝶々夫人」~ある日見ることだろう(#) /「ボエーム」~私はミミと呼ばれている(#)
  [アルトゥール・ローター指揮ベルリン放送so. 、RIAS室内cho.(*) /
   1959年3月2日(*)、1959年3月24日、1960年2月16日(#)、ジーメンスヴィラ]
 モーツァルト:歌劇「魔笛」~私には感じられる/「ドン・ジョヴァンニ」~ひどい人って
 ヴェルディ:「エルナーニ」~エルナーニ、私を奪い去って/「椿姫」~不思議だわ
  [フェルディナンド・リヴァ指揮 BPO /1961年4月11日、ベルリン高等音楽院]
 ロドリーゴ:4つの愛のマドリガル[フリート・ヴァルター指揮 RIASo./1961年11月1日、ジーメンスヴィラ]
 ニン:20のスペイン民謡 より〔アストゥリアスの女/ムルシアの布〕 / レオス:三連歌(ロルカの詩による)
 グリディ:カスティリャの6つの歌より〔お前の榛の実は欲しくない/私にどう思ってほしいの/サン・フアンの朝〕
 グラナドス:昔風のスペインの歌曲集より〔控えめなマホ/トラララと爪弾き/マハの流し目〕
 トルドラ:6つの歌より〔母さん、一対の目が/小唄/君を知ってから〕 / ベッリーニ(+):フィリデの悲しげな姿
 ヴェルディ(+):ジプシー女/星に/ストルネッロ/煙突掃除夫/私は平安を失い
 モーツァルト(+):満足 K.349 /おいで、いとしのツィターよ K.351 /子供の遊び K.598 /静けさは微笑みながら K.152
  [ヘルタ・クルスト(P)/1960年1月27日、RIAS放送局、1962年12月28日(+)、ジーメンスヴィラ(+) ]
 ヘンデル:カンタータ「決して心変わりせず」HWV140 / 不詳:三人のムーアの娘たちが / ミラルテ:私の髪の影に
 ダサ:アンティオコスは病気だった / ベルムド:ネロはタルペイヤから / ナルバエス:何を使って洗いましょう
 バスケス:ポプラの林から / ムダラ:ダビデ王は悲しんだ / ルイス・デ・ミラン:ドゥランダルテ
 ピサドル:ドン・サンチョ王よご用心/サン・フアンの朝 / ヴァルデラバノ:ああ、なんてこと
 9つのスペイン古謡とロマンセ(**)〔ソロンゴ/三枚の葉/チニータスのカフェ/トランプの王様/アンダ・ハレオ/
   4人のラバひき/ドン・ボイソのロマンセ/かわいい巡礼たち/ラ・タララ〕[ジークフリート・ベーレント(G)
    リヒャルト・クレム(Vg;**以外)/1960年10月5日、1959年12月21日(**)、RIAS放送局]

 ピラル・ロレンガー(S)
 録音:[内]。ピラル・ロレンガー(1929-1996)は、スペイン、アラゴン州サラゴサ生まれのソプラノ。1958年、ベルリン・ドイツオペラと契約し、1960、1970年代、この劇場の看板歌手として活躍した。ことにマゼール時代(1965-1971)には、ロレンガーとマゼールによるオペラはたいへんな人気を博した。ここに収録されているのはロレンガーがベルリンを拠点とした初期の録音。元々美声のロレンガーだが、30歳そこそこという若さのロレンガーの声は実に瑞々しく、しかもまだ素朴さを残していて、なんとも言えない魅力がある。アリアや歌曲の他、お得意のスペイン歌曲を多数収録。後年に録音があるものが大半だが、ベッリーニ「ノルマ」の「清き女神よ」のようにこれが唯一の録音と思われるものも含む。ちなみにこの清き女神よは楽譜にはないハープが活躍する珍しい演奏。名匠アルトゥール・ローターや、ドイツの偉大なギタリスト、ジークフリート・ベーレントなどが伴奏を務めているのも注目。
AU-21421
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(3CD)
2CD価格
リステンパルト、RIAS 録音集 Vol.2 ~J.S.バッハ:クリスマス・オラトリオ BWV 248
 アグネス・ギーベル(S) カルロッテ・ヴォルフ=マテウス(A)
 ヘルムート・クレープス(T) ヴァルター・ハウク(B)
 カール・リステンパルト指揮RIAS室内o.&cho.、少年cho.
 録音:1950年12月8日、22日、イエス・キリスト教会、ベルリン・ダーレム。おそらく初出音源(国内代理店は『復活』と書いているが、誤りと思われる)。収録:RIAS 。バッハのカンタータ集(AU-21415)に続き、ドイツの名指揮者リステンパルト(1900-1967)が、バッハの歿後200年に当たる1950年にRIASに録音したクリスマス・オラトリオが登場。カール・リステンパルトは少年時代をチリで過ごし、13歳でベルリンに戻り、その後フンボルト大学及びシュテルン音楽学校で音楽学・作曲などを学んだ。第二次世界大戦後の1946年にRIAS放送局の依頼で室内o.と合唱団を設立し、1953年までフリッチャイと当放送so.の指揮を分担、その後バッハの歿後200年に60曲のカンタータを含む主な宗教音楽を指揮した。バッハやモーツァルトの作品を得意とし、堅固な構成ではあるが音楽表現は明快で、演奏は明るく温かみに溢れている。この演奏でもギーベルら一流歌手陣による充実のソロを揃え、美声を聴くことが出来る。モノラルながら audite レーベルが誇る 1st Mater Release シリーズ。
AU-21423
(13CD)
廃盤
セルジウ〔セルジュ〕・チェリビダッケ、ベルリン・レコーディングス 1945-1957
AU-21424
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(7CD)
3.5CD価格
アマデウス四重奏団 RIAS 録音集 Vol.1 ~ベートーヴェン(1770-1827):
 弦楽四重奏曲集(第10番を除く)
  〔第1番 ヘ長調 Op.18 No.1 [1951年4月24日] /第2番 ト長調 Op.18 No.2 [1958年12月7日] /
   第3番 ニ長調 Op.18 No.3 [1962年2月10日] /第4番 ハ短調 Op.18 No.4 [1962年2月10日] /
   第5番 イ長調 Op.18 No.5 [1962年11月26日] /第6番 変ロ長調 Op.18 No.6 [1950年6月9日] /
   第7番 ヘ長調「ラズモフスキー第1番」 Op.59 No.1 [1959年12月10日] /
   第8番 ホ短調「ラズモフスキー第2番」 Op.59 No.2 [1960年12月8日] /
   第9番 ハ長調「ラズモフスキー第3番」 Op.59 No.3 [1952年5月26日] /
   第11番 ヘ短調「セリオーソ」 Op.95 [1951年11月20日] /
   第12番 変ホ長調 Op.127 [1967年3月17日、ハンス・アイスラー音楽大学]/
   第14番 嬰ハ短調 Op.131 [1962年11月26日] /第13番 変ロ長調 Op.130 [1962年11月26日] /
   第16番 ヘ長調 Op.135 [1958年12月7日] /第15番 イ短調 Op.132 [1956年11月12日] 〕/
 大フーガ Op.133 [1957年11月29日] /弦楽五重奏曲 ハ長調 Op.29 (*) [1957年11月29日]
 アマデウスSQ [ノーバート・ブレイニン(Vn1) ジークムント・ニッセ(Vn2)
        ピーター・シドロフ(Va) マーティン・ロヴェット(Vc)]
 セシル・アロノヴィッツ(Va;*)
 録音:[内]、特記以外、ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ、ベルリン。これはすごい音源! 抜群の高音質復刻で評判を呼ぶ audite レーベルから、アマデウス四重奏団結成初期のベートーヴェンの弦楽四重奏曲集(第10番を除く全曲)とセシル・アロノヴィッツをむかえた弦楽五重奏 Op.29 が登場。彼等のベートーヴェンと言えば1959年から1963年にかけてDGへ残した全曲が有名で、当RIAS録音も一部時期が重なるが、基本的にはそれより前のもの。1948年にイギリスに亡命していたメンバーが出会い結成された団体なので、第6番は結成後約2年という若々しい時の物。 さらに録音の際、各楽章編集なしのワンテイクで収録したとのことなので、セッション録音でありながらライヴを思わせる躍動感に満ちている。 ドイツ、オーストリアの作品を得意とし、特にベートーヴェン、モーツァルトの解釈は今でも定評がある。とりわけ第1ヴァイオリンのノーバート・ブレイニンの音色は非常に優美でアンサンブルに華やかさを添える。そして、それぞれのパートを際立たせ、まるで交響曲と思わせるスケールの大きな演奏も魅力。
AU-21425
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(6CD)
3CD価格
アマデウスSQ, RIAS レコーディング Vol.5 ~ロマンティシズム
 ブラームス:
  弦楽四重奏曲〔第1番 ハ短調 Op.51 No.1 [1950年10月30日、第7スタジオ、 RIAS フンクハウス]/
         第3番 変ロ長調 Op.67[1957年11月29日]〕/
  ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34[1950年11月1日](*) /クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115[1951年4月24日](#) /
  弦楽五重奏曲第2番 ト長調 Op.111[1953年9月19日](+)
 ブルックナー:弦楽五重奏曲 ヘ長調 WAB.112[1957年11月29日](+)
 シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44[1950年10月31日](*) /
       弦楽四重奏曲第3番 イ長調 Op.41 No.3[1962年2月11日]
 メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第1番 変ホ長調 Op.12[1969年11月18日]/
          弦楽四重奏のための4つの小品 Op.81 ~第3番「カプリッチョ」[1952年5月25日]
 ヴェルディ:弦楽四重奏曲 ホ短調[1962年11月26日]
 ドヴォルジャーク:ピアノ五重奏曲 イ長調 Op.81[1950年11月1日](*)
 グリーグ:弦楽四重曲 ト短調 Op.27[1953年12月4日]

 アマデウスSQ [ノーバート・ブレイニン(Vn1) ジークムント・ニッセル(Vn2)
          ピーター・シドロフ(Va) マーティン・ロヴェット(Vc)]

 コンラート・ハンゼン(P;*) ハインリヒ・ゴイザー(Cl;#)
 セシル・アロノヴィッツ(Va;+)
 録音:[内]、特記以外 ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ。すべてベルリン。おそらく全て初出音源。RIAS 音源によるアマデウス四重奏団の意欲と新鮮な解釈に満ちた初出音源集。「ロマンティシズム」と題された第5弾は 1950年-1969年の録音で、定番の各曲に加え、ディスコグラフィ的に非常に貴重なシューマンとグリーグも収録、当団の魅力である優美な演奏は結成初期からのものだということがわかる。また見事な復刻にも注目で、非常に鮮明な音質で蘇った。なお、これらRIAS盤は録音の際に各楽章編集なしのワンテイクで収録したとのことなので、セッション録音でありながらライヴさながらの気迫に満ちた演奏となっている。
AU-21426
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(5CD)
3CD価格
アマデウス四重奏団 RIAS 録音集 Vol.6(完結編)~ハイドン:弦楽四重曲集
 〔第21番 ト長調 Hob.III: 21 [1952年12月15日] /第35番 ヘ短調 Hob.III: 35 [1952年5月25日] /
  第38番 変ホ長調 Hob.III: 38「冗談」 [1951年11月20日] /
  第57番 ハ長調 Hob.III: 57 【全曲 [1969年11月18日] /第2楽章「アダージョ」 [1950年6月10日]】/
  第67番 変ロ長調 Hob.III: 67 [1956年2月8日] /第66番 ト長調 Hob.III: 66 [1959年12月10日、イエス・キリスト教会] /
  第72番 ハ長調 Hob.III: 72 [1951年11月19日] /第74番 ト短調 Hob.III: 74 「騎手」[1957年11月29日] /
  第75番 ト長調 Hob.III: 75 [1960年12月8日] /第77番 ハ長調 Hob.III: 77 「皇帝」[1951年4月24日] /
  第78番 変ロ長調 Hob.III: 78「日の出」[1952年5月25日] /第81番 ト長調 Hob.III: 81 [1969年2月2日] /
  第82番 ヘ長調 Hob.III: 82 [1950年10月30日、第7スタジオ、RIAS フンクハウス] /第83番 Hob.III: 83 [1952年5月25日] /
  第50番-第56番 Hob.III: 50-56 「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」 [1952年12月15日] 〕

 アマデウスSQ [ノーバート・ブレイニン(Vn1) ジークムント・ニッセル(Vn2)
          ピーター・シドロフ(Va) マーティン・ロヴェット(Vc)]
 録音:[内]、ジーメンスヴィラ(特記以外)、全てベルリン、モノラル。全て初出音源。第21番、35番、38番は、おそらく彼らの初音盤となる作品。 高音質復刻で評判を呼ぶドイツaudite レーベルからリリースされている RIAS 音源によるアマデウス四重奏団の初出音源集。シリーズ最終となる第6弾はハイドンの弦楽四重奏曲集の5枚組。アマデウス四重奏団によるハイドンといえば1970年代に収録した後期作品集が誉れ高き名盤として知ら れているが、第21番、35番、38番の初期作品の収録はないだけに当録音集は非常に貴重と言える。RIAS 音源による当録音は1950年から1969年にかけて収録されたもので、アマデウス四重奏団の意欲と新鮮な解釈に満ちており、とりわけ第1ヴァイオリンのノーバート・ブレイニンの音色は非常に優美でアンサンブルに華やかさを添える。また、当団の魅力である優美な演奏は結成初期からのものだということがわかる。演奏の素晴らしさもさることながら、audite レーベルの見事な復刻にも注目で、非常に鮮明な音質で蘇った。なお、これら RIAS 盤は録音の際に各楽章編集なしのワンテイクで収録したとのことなので、セッション録音でありながらライヴさながらの気迫に満ちた演奏となっている。
AU-21427
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(5CD)
3CD価格
アマデウス SQ 、RIAS レコーディング Vol.3 ~
 モーツァルト:後期弦楽四重奏曲&弦楽五重奏曲集

 弦楽四重奏曲〔第14番 ト長調 K.387 (*) /第15番 ニ短調 K.421 (#) /第16番 変ホ長調 K.428 (+) /
          第18番 イ長調 K.464 (**) /第19番 ホ長調 K.465 (##) /第21番 ニ長調 K.575 (##) /
          第22番 変ロ長調 K.589 (##) /第23番 ヘ長調 K.590 (**) 〕/

 クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581 (++) /
 弦楽五重奏曲〔第3番 ハ長調 K.515 (***) /第4番 ト短調 K.516 (***) /
          第5番 ニ長調 K.593 (***) /第6番 変ホ長調 K.614 (###) 〕

  アマデウスSQ [ノーバート・ブレイニン(Vn1) ジークムント・ニッセ(Vn2)
            ピーター・シドロフ(Va) マーティン・ロヴェット(Vc)]

  ハインリヒ・ゴイザー(Cl;++) セシル・アロノヴィッツ(Va;***/###)
 録音:1950年6月10日(*)、1951年4月23日(**)、1952年12月16日(++)、1953年9月19日(***)、1953年12月2日(##)、1955年5月9日(#)、1957年11月29日(###)、以上、ジーメンスヴィラ、ベルリン、ランクヴィッツ/1950年10月30日、RIASフンクハウス第7スタジオ、ベルリン(+)。おそらく全て初出音源。高音質復刻で評判を呼ぶドイツauditeレーベルからリリースされているRIAS音源によるアマデウス四重奏団の初出音源集、注目の第3弾はモーツァルト。当RIAS音源によるモーツァルトは1950年代に収録されたもので、1948年に結成した当団の意欲と新鮮な解釈に満ちているが、すでに魅力である優美な演奏は結成初期からのものだということがわかる。DG音源が有名なモーツァルトだが、当演奏はまるで絹のような音色、抜群のアンサンブル能力、そして絶妙なニュアンスが表現されている。演奏の素晴らしさもさることながら、auditeレーベルの見事な復刻にも注目で、モノラルながら非常に鮮明な音質で蘇った。なお、これらRIAS盤は録音の際に各楽章編集なしのワンテイクで収録したとのことなので、セッション録音でありながらライヴを思わせる生き生きとした演奏となっている。1弾ベートーヴェン(AU-21424)、第2弾シューベルト(AU-21428)とあわせてお楽しみ頂きたい。
AU-21428
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(2CD)
1.5CD価格
アマデウス SQ RIAS 録音集 Vol.2 ~シューベルト弦楽四重奏曲集
 〔第14番 ニ短調 D.810「死と乙女」[1954年10月6日] /
  第10番 変ホ長調 D.87 [1951年11月19日] /第9番 ト短調 D.173 [1964年12月5日] /
  第13番 イ短調 D.809 「ロザムンデ」[1956年2月8日] /第15番 ト長調 D.887 [1950年6月9日] 〕

 アマデウス SQ [ノーバート・ブレイニン(Vn1) ジークムント・ニッセ(Vn2)
          ピーター・シドロフ(Va) マーティン・ロヴェット(Vc)]
 録音:[内]、ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ、ベルリン、全てモノラル。おそらく初出音源。ソース: RIAS 放送局。ベートーヴェン(AU-21424)に続くアマデウス SQ の RIAS 録音集第2弾。シューベルトはほとんどが1950年代に集中しており、結成から数年の4者の意欲とフレッシュさに満ちているが、この上なく美しく優美な演奏は結成初期からのものだということがわかる。まるで絹のような音質、見事なまでにコントロールされたアンサンブル、自然な音楽的センス、そして微妙な感情のニュアンスの抜群の演奏が audite レーベルの見事な復刻で、モノラルながら非常に鮮明な音質で蘇った。なお、これらRIAS盤は録音の際に各楽章編集なしのワンテイクで収録したとのことなので、セッション録音でありながらライヴを思わせる生き生きとした演奏となっている。
AU-21429
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(2CD)
1.5CD価格
アマデウスSQ RIAS 録音集 Vol.4 ~モダニズム
 ブリテン(1913-1976):弦楽四重奏曲第2番 ハ長調 Op.36 (*)
 ティペット(1905-1998):弦楽四重奏曲第2番 嬰ヘ長調(1942) (#)
 パーセル(1659-1695):シャコンヌ ト短調 Z.730 (+) /ファンタジア(+)〔第4番 Z.738 /第6番 Z.740 〕
 シェイベル(1905-1960):弦楽四重奏曲第3番「抒情的四重奏曲」(**)
 バルトーク(1881-1945):弦楽四重奏曲〔第4番 Sz.91 (##) /第6番 Sz.114 (*) 〕

 アマデウスSQ [ノーバート・ブレイニン(Vn1) ジークムント・ニッセル(Vn2)
           ピーター・シドロフ(Va) マーティン・ロヴェット(Vc)]
 録音:1954年10月8日(+)、1955年5月8日(##)、1955年5月9日(**)、1956年11月12日(*)、以上、ランクヴィッツ、ジーメンスヴィラ、ベルリン /1950年6月8日、クライスザール・スタジオ、ベルリン-シェーネベルク(#)、すべて放送用セッション。高音質復刻で評判を呼ぶドイツauditeレーベルからリリースされているRIAS音源によるアマデウス四重奏団の初出音源集、「モダニズム」と題された第4弾。パーセルはバロック時代の作曲家だが、ブリテンの作品との関連で収録されている。弦楽四重奏の定番とも言えるモーツァルトやベートーヴェン、シューベルトを得意としたアマデウス四重奏団だが、同時代の作曲家の作品、委嘱作品も積極的に演奏してきた。ブリテンの弦楽四重奏曲第2番は、パーセル没後250年記念に合わせて1945年に作曲された作品で、アレグロ、ヴィヴァーチェ、シャコンヌ(シャコニー)の3部で構成されており、パーセルらしさを盛り込み躍動感に満ちた作品。ロンドン生まれのマイケル・ティペットはアマデウス弦楽四重奏団ともしばしば共演した作曲家・指揮者で、現在ほどは知られていなかったパーセルの作品を積極的に取り上げたことや、ホルストが創設した合唱団をイングランドで最も優れた合唱団へと育て上げたことなどでも知られている。ハンガリー生まれでイギリスに定住したシェイベルはコダーイに師事し、ジャズ的要素を取り込んだ独自の作風が魅力の作曲家。RIAS音源による当シリーズは1950年代に収録されたもので、1948年に結成したアマデウス四重奏団の意欲と新鮮な解釈に満ちているが、当団の魅力である優美な演奏は結成初期からのものだということがわかる。また、演奏の素晴らしさもさることながら、auditeレーベルの見事な復刻にも注目で、モノラルながら非常に鮮明な音質で蘇った。なお、これらRIAS盤は録音の際に各楽章編集なしのワンテイクで収録したとのことなので、セッション録音でありながらライヴさながらの気迫に満ちた演奏となっている。
AU-21433
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(4CD)
3CD価格
ザラ・ネルソヴァ、ベルリンにおける放送録音集 1956-1965
 ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 (*) 1960年5月5日
 シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 Op.129 (*) 1960年2月1日-2日
 ミヨー:チェロ協奏曲第1番 Op.136 (*) 1960年2月1日
 J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲〔第2番 ロ短調 BWV 1008 1959年4月30日/
   第3番 ハ長調 BWV 1009 1959年5月4日 /第6番 ニ長調 BWV 1012 1959年5月4日
 ボッケリーニ:チェロ・ソナタ第4番 ニ長調 G.4 (#) 1959年4月30日
 ベートーヴェン:チェロ・ソナタ〔第1番 ヘ長調 Op.5 No.1 (#) 1959年4月30日/
   第2番 ト短調 Op.5 No.2 (#) 1959年4月30日 /第5番 ニ長調 Op.102 No.2 (+) 1960年5月8日
 シューマン:幻想小曲集 Op.73 (#) 1959年4月30日
 ブラームス:チェロ・ソナタ〔第2番 ヘ長調 Op.99 (#) 1959年5月16日 /
               第1番 ホ短調 Op.38 (#) 1960年5月8日
 カバレフスキー:チェロ協奏曲 ト短調 Op.49 (**) 1965年9月20日

  ザラ・ネルソヴァ(Vc) ゲオルク・ルートヴィヒ・ヨッフム指揮ベルリン放送so.(*)
  ローター・ブロダック(P;#) アルトゥール・バルサム(P;+)
  ゲルト・アルブレヒト指揮ベルリン放送so.(**)
 録音:、ジーメンスヴィラ、ラングヴィッツ(*/**) /第7スタジオ、RIAS フンクハウス(*, **以外) 、すべてベルリン、モノラル。おそらくほとんどが初出音源。なお、1960年5月8日録音(ベートーヴェンのソナタ第5番&ブラームスのソナタ第1番)の伴奏者が曲により異なっているが、国内代理店記載ママ。定評あるAuditeレーベルの1stマスター・リリースから女流チェリスト、ネルソヴァのベルリン録音集 1956-1965 が登場。20世紀に活躍した女流チェリストといえば、ジャクリーヌ・デュ・プレ(1945-1987)の存在があまりにも大きく、同時代の女流チェリストが影をひそめてしまうが、ザラ・ネルソヴァは、デュ・プレが誕生する以前からソロで活躍していた女流チェリストとしていた数少ない存在。ロシアの血を弾くネルソヴァは1918年12月23日、カナダのウィニペグに生まれた。音楽家だった父から幼少の頃より音楽の手ほどきを受け、わずか12歳でデビューするという天才ぶりを発揮し、その後トロントso. の首席チェリストとなった。1928年に家族でロンドンに移住し、その間、ロンドン・チェロ学校で学び、同校の校長ハーバード・ワーレーンに師事した。その後、ネルソヴァの演奏を聴き感銘を受けたバルビローリがカザルスを紹介し、カザルスよりレッスンを受ける機会を得たり、ピアティゴルスキーやフォイアマンといった世界の名だたるチェリストから薫陶を受けるなどしてソロのチェリストとしての確固たる地位を築いた。欧米で活躍したネルソヴァだが1955年にアメリカの市民権を取得し、1962年から晩年までジュリアードの音楽学校の教授として在籍し後進の育成に力を注ぎた。2002年ニューヨークにて死去。アウディーテからの当セットは1956年から1965年までベルリンにて収録した貴重な録音の数々で、ミヨーやカバレフスキーの協奏曲などこれまでリリースされたことのない初レパートリーも多く含まれており、魅力的な内容となっている。録音はモノラルながらオリジナル・テープからの復刻も万全。骨太でスケールが大きい演奏で聴き手を虜にしてしまう偉大なチェリスト、ネルソヴァの魅力を余すところなく収めた充実の4枚組をご堪能頂きたい。
AU-21436
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(4CD)
2CD価格
メンデルスゾーン弦楽のための室内楽曲全集
 弦楽四重奏曲〔第1番 変ホ長調 Op.12 (*) /第2番 イ短調 Op.13 (*) /変ホ長調(1823) (#) /
        第3番 ニ長調 Op.44 No.1 (+) /第4番 ホ短調 Op.44 No.2 (+) /
        第6番 ヘ短調 Op.80 (**) /第5番 変ホ長調 Op.44 No.3 (#) 〕/
 弦楽四重奏のための4つの小品 Op.81 (**) /弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20 (##) /
 弦楽五重奏曲(++) 〔第1番 イ長調 Op.18 /第2番 変ロ長調 Op.87 〕

 マンデルリングSQ [ゼバスティアン・シュミット(Vn1) ナネッテ・シュミット(Vn2)
            ローラント・グラッスル(Va) ベルンハルト・シュミット(Vc)]

 クレモナSQ (##) [クリスティアーノ・グアルコ、パオロ・アンドレオーニ(Vn)
            シモーネ・グラマーリャ(Va) ジョヴァンニ・スカリオーネ(Vc)]

 グンター・トイフェル(Vc;++)
 録音:2011年4月11日-13日(*/++)、2011年11月21日-22日(#)、2011年11月24日(+)、2012年4月23日-26日(**/##)、クリンゲンミュンスター、セッション。AU-92656、AU-92657、AU-92658、AU-92659 (すべて HYBRID_SACD )のセット&CD化。ドイツ屈指のアンサンブル団体、マンデルリング四重奏団。2011年から2012年にかけてセッション録音をおこなったメンデルスゾーンの弦楽のための室内楽曲全集がBOXで登場。豊富なレパートリーとともに精力的に活動している当団だがメンデルスゾーンは最も得意とし、結成30周年を迎えた2013年のリサイタル・ツアーでもメンデルスゾーンをメインとしたプログラム構成だった。マンデルリング四重奏団のアンサンブルは安定感抜群で激情の中にも決して冷静さを欠かない演奏と言え、円熟の域へと入りつつある名門の名にふさわしい堂々たる演奏を聴かせてくれる。また、イタリアの陽光のごとく煌びやかな音色のクレモナ四重奏団との弦楽八重奏曲では化学反応のごとく不思議と融合し天下一品の演奏。AUDITEレーベルが誇る2大弦楽四重奏団の共演にも注目。演奏の素晴らしさに加え、AUDITEレーベルの定評ある優秀録音であることも当録音の魅力と言えるだろう。
AU-21437
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(3CD)
2CD価格
モーリーン・フォレスター~ RIAS 録音集 1955-1963
 マーラー:リュッケルト歌曲集(*) / ブラームス:ジプシーの歌 Op.103 (#)
 ハイドン:ナクソスのアリアンナ Hob.XXVIb: 2 (*) / バーバー:過ぎゆきしものの歌(#)
 プーランク:画家の仕事 FP 161 (*)[ヘルタ・クルスト(P)/1960年3月31日(*)、1963年9月9日(#) ]
 レーヴェ:歌曲集 Op.9 / ワーグナー:糸を紡ぐグレートヒェン/ヴェーゼンドンク歌曲集
 シューマン: Op.25 ~誰かが/ Op.64 ~捨てられた乙女/ Op.79 より〔みなし児/クリスマスの歌/歩きまわる鐘〕/
       メアリー・ステュアート女王の詩 Op.135 (+)
 シューベルト(+):全能の神 D.852 /うずらの鳴き声 D.742 /無限なる者に D.291 /若い尼 D.828 /
         アイスキュロスからの断片 D.450 /変容 D.59 /解消 D.807 /眠りの歌 D.527 /ベルタの夜の歌 D.296 /
         妹の挨拶 D.762[ミヒャエル・ラウハイゼン(P)/1955年12月7日(+)、1955年12月14日(無印) ]
 C.P.E.バッハ:ゲッセマネのイエス H.752-29 /クリスマスの歌 H.749-11 / ブリテン:子守歌のお守り Op.41
 ヨハン・ヴォルフガング・フランク: Sei nur still」「Auf, auf Zu Gottes Lob
 プーランク:冷気と火 FP 147 [フェリクス・シュレーダー(P)/1958年9月18日]

 モーリン・フォレスター(A)
 録音:[/内]、第7スタジオ、RIAS フンクハウス、ベルリン、放送用セッション、モノラル。おそらく初出音源。ワルターとのマーラー「復活」をはじめ、ライナー、セル、マゼール、ビーチャムなど巨匠指揮者たちからの厚い信頼を受けて多くの名演奏を残した往年の名アルト歌手、モーリン・フォレスター(1930-2010)のピアノ伴奏によるソロ歌曲集3枚組。伝説のリート伴奏ピアニスト、ラウハイゼンとの55年録音を含むオペラ・ファン必聴の内容で、フォレスターの至芸を存分に堪能出来る。得意のマーラーからC.P.E.バッハやプーランクまで、広範なレパートリーにも注目。
AU-21438
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(3CD)
2CD価格
ホルヘ・ボレット~ RIAS 録音集 Vol.1
 リスト:巡礼の年第1年「スイス」(全6曲)63/3/15 /超絶技巧練習曲集 より62/3/22
       〔前奏曲/モルト・ヴィヴァーチェ/夕べの調べ/雪あらし/回想/荒野の狩〕/
     愛の夢(全3曲)66/1/5/スペイン狂詩曲64/3/9
 モシュコフスキ:秋に Op.36 No.4 62/3/22 / サン=サーンス/ゴドフスキ編曲:白鳥62/3/22
 ゴドフスキ:30日、物語~サロン62/3/22 / シューマン/リスト編曲:献呈62/3/22
 ゴドフスキ:シュトラウスの「こうもり」による交響的メタモルフォーゼ64/3/9
 ショパン:幻想曲 ヘ短調 Op.49 73/10/8 /即興曲(全4曲)64/3/9
   〔第1番 変イ長調 Op.29 /第2番 嬰ヘ長調 Op.36 /第3番 変ト長調 Op.51 /幻想即興曲 Op.66 〕/
      ワルツ 変ニ長調 Op.64 No.1「小犬」62/3/22 /練習曲 変ト長調 Op.10 No.5「黒鍵」62/3/22
 ドビュッシー66/1/5
  前奏曲集第1巻 より〔デルフォイの舞姫たち/とだえたセレナード/沈める寺/ミンストレル〕/
  前奏曲集第2巻 より〔風変わりなラヴィーヌ将軍/月の光がそそぐテラス/水の精/花火〕

 ホルヘ・ボレット(P)
 録音:1962年3月22日62/3/22、1963年3月15日63/3/15、1964年3月9日64/3/9、1966年1月5日66/1/5、1973年10月8日73/10/8、 RIAS 放送スタジオ7 62/3/22, 64/3/9、ジーメンスヴィラ63/3/15, 66/1/5、 RIAS 放送スタジオ10 73/10/8。おそらくすべて初出音源。 これは衝撃、ボレットの未発表スタジオ録音がCD3枚分も出現した。ホルヘ・ボレット(1914-1990)はキューバ出身のアメリカのピアニスト。大柄な技巧と濃厚な表現による19世紀風ピアノ演奏でファンの多い巨匠。加えてボレットは独特のコクのある音色を持ち、たっぷりと歌われたリストやショパンは絶品だった。ボレットはゴドフスキに学んだ後、ラフマニノフの従兄でリストとチャイコフスキーの愛弟子だったジロティに師事して仕上げた、まさに血統書付のピアノDNA を持っている。しかしずっと不遇で、1970年代になりようやく世界的な注目を集め、Decca を中心に録音を残した。しかしボレットが本当に凄かったのは1960年代とされ、当時誰も手掛けなかったゴドフスキ作品を超人的なテクニックで演奏し、聴衆の度肝を抜いていた。ここに収録されたのは、そのボレット全盛期である1960年代の神業の数々で、当時最先端だった西ドイツの放送局のクオリティにより奇跡的な状態で収録されていた。それを audite 社主ベッケンホーフが細心のマスタリング技術で、驚異的な世界が蘇った。リストの各曲で示す物凄いヴィルトゥオジティ、珍しく全3曲を聴くことのできる「愛の夢」やシューマンの「献呈」の編曲での絶妙な歌い回し、ゴドフスキの「サロン」やサン=サーンスの「白鳥」の編曲での込み入った声部を感じさせないさりげなさ、いずれもピアノ好きを最高度に興奮させる。またショパンの各曲やドビュッシーで見せる古い表現方法は、20世紀前半の伝説的名手を思わせ興味津々。これを聴かずしてボレットの真価は語れない。
AU-21439
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(5 HYBRID_SACD)
3枚価格
グリーグ:管弦楽作品全集 アイヴィン・オードラン指揮
ケルンWDRso.
 録音:2009年-2014年、ケルン。ノルウェーを代表する指揮者アイヴィン・オードランがケルンWDRso. とともに録音したとグリーグの管弦楽曲全集がお買い得なセットになって登場。グリーグの語法を体得し、名匠ヨルマ・パヌラの薫陶を授かった指揮者が生み出す音楽は冴えており、ここに完成した管弦楽全集は音楽的解釈の意味でも本流といえる充実した内容。Disc4には交響曲を収録している。生前は未出版で、ようやく1981年になって蘇演された「交響曲」は、グリーグがデンマークのコペンハーゲンに居住していた時期の1863年から64年にかけて、当時の師でデンマークを代表する交響曲作家ニルス・ヴィルヘルム・ゲーゼの勧めにより作曲された物。ゲーゼに師事する以前、グリーグはライプツィヒ音楽院に学んでいるが、作風的にはメンデルスゾーンやシュポア、そしてシューマンの影響を指摘されている。グリーグ自身は交響曲をドイツ音楽の影響が色濃いとして、「決して演奏してはならない」とまでスコアに書き込んだそうだが、むしろここではドイツのオーケストラによる演奏というところが作風にマッチしているといえるかもしれない。演奏はもちろん、優秀録音で知られるauditeレーベルの社主にしてトーンマイスターのルトガー・ベッケンホーフが手掛けた注目の録音。単売時と同じくSACDハイブリッド盤でのBOX化も嬉しいところ。
AU-91441
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(2 HYBRID_SACD)
1.5枚価格
価格帯;B
含・初出「マンフレッド」序曲~フルトヴェングラー、ルツェルン音楽祭 1953
 拍手&会場音〔45秒〕(*) / シューマン:「マンフレッド」序曲 Op.115 (#)
 会場音〔12秒〕(*) / ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.55「英雄」
 シューマン:交響曲第4番 ニ短調 Op.120
  ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ルツェルン祝祭o.〔スイス祝祭o.〕
AU-23441
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(2CD)
1.5枚価格
(*)以外
 録音:1953年8月26日、クンストハウス、ルツェルン、ルツェルン音楽祭公演、ライヴ。 (#)は初出音源。# (*)2曲分の演奏前会場音は、SACDにのみ収録されています(各作品終演後の拍手は、CD、SACD 共に収録)。 『定評あるauditeレーベルの1stマスター・リリースのルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ。今回はヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮による1953年8月26日の演奏会の全曲を収録。大注目はオリジナルマスターが消失したと思われていた「マンフレッド」序曲が世界初出音源として収録されていることです。今回もオリジナルテープからコピーを経ずにデジタル・マスタリングされておりauditeレーベルの社主ルトガー・ベッケンホーフ氏の丁寧な復刻により驚きの音質でよみがえりました。さらに注目はSACDハイブリッド盤(AU-91441)のみ「マンフレッド序曲」および「英雄」の冒頭の音が出るまでの会場音を別トラックで収録しております。(各作品の演奏終了後の拍手はCD盤、SACD版ともに曲のトラック内にすべて収録しております。)演奏会の臨場感を味わえる今考えうる最高の復刻状態でリリースされます!』
AU-21443
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(2CD)
シューベルト(1797-1828):
 弦楽五重奏曲 ハ長調 D.956 /弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D.810「死と乙女」
  クレモナSQ
  [クリスティアーノ・グアルコ(Vn1|使用楽器:ストラディヴァリウス「パガニーニ」、1727年製作)
   パオロ・アンドレオーニ(Vn2|使用楽器:ストラディヴァリウス「パガニーニ」、1680年製作)
   シモーネ・グラマーリャ(Va|使用楽器:ストラディヴァリウス「パガニーニ」、1731年頃製作)
   ジョヴァンニ・スカリオーネ(Vc|使用楽器:ストラディヴァリウス「パガニーニ」、1736年製作)]

 エッカート・ルンゲ(Vc
    |使用楽器:ジローラモ・ヒエロニムス・アマティ&アントニオ・アマティ、1595年製作
 録音:2018年9月18日-22日、ライプニッツザール、ハノーファー・コングレス・セントラム。現代イタリアを代表する弦楽四重奏団のクレモナ四重奏団。auditeレーベルからリリースされているベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集(AU-21454)、サン=サーンスのピアノ五重奏曲と弦楽四重奏曲第1番(AU-97728)でもその高い技術と豊かな音楽性で高く評価され、2018年7月の初来日公演も話題となった。2018年9月に録音した期待のアルバムはシューベルト。アルテミス・カルテットの創設メンバーとしても知られるエッカート・ルンゲをむかえての弦楽五重奏曲、そして弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」。当録音では2017年9月より日本音楽財団に貸与されているストラディヴァリウスの銘器「パガニーニ・クァルテット」を使用しての注目作。同セットはかつてハーゲン四重奏団や東京クァルテットが使用した銘器。四重奏のメンバー全員がクレモナ産の楽器を用いての録音は20年ほどのキャリアで初めだけにさらなる期待が高まる。シューベルト最晩年の室内楽、弦楽五重奏曲。天国的な美しさを呈するこの傑作をクレモナ四重奏団とルンゲは全身全霊を傾けて演奏している。また「死と乙女」では緊張感が途切れることなく鬼気迫る演奏を披露。長年のキャリアでしか築くことのできない阿吽の呼吸から生まれる演奏を聴かせてくれる。高水準の演奏に加えてauditeレーベルの社主にしてトーン・マイスターのルトガー・ベッケンホーフ氏による高品位の録音であることも注目。イタリア四重奏団イタリア四重奏団のファルーリ、アルバン・ベルク四重奏団のバイエルレの両氏に師事した2000年結成のクレモナ四重奏団は、イタリアの伝統受け継ぐ実力派で世界から注目を集めている。イタリアらしい明るく非常にクリアな発音が魅力の一つで、個々の音色が見事に溶け合った驚くべきアンサンブルを聴かせてくれる。作品によって表情を見事に変え、優美な音色に加えて抜群の音程感で現代最高の呼び声高い四重奏団と言える。
AU-21455
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(3CD)
2CD価格
ポール・トルトゥリエ~ RIAS 録音集
 ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番 ニ長調 Op.102 No.2 (*)
 メンデルスゾーン:チェロ・ソナタ第2番 ニ長調 Op.58 (*)
 ブラームス:チェロ・ソナタ第1番 ホ短調 Op.38 (#)
 J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV.1012
 フォーレ:チェロ・ソナタ第2番 ト短調 Op.117 (**) / 蝶々 イ長調 Op.77 (*)
 パガニーニ/ルイジ・シルバ編曲:ロッシーニの歌劇「エジプトのモーゼ」の
   「汝の星をちりばめた王座に」による序奏と変奏曲「モーゼ変奏曲」 MS 23 (*)
 シューマン:幻想小曲集 Op.73 (##)
 アルフレード・カゼッラ(1883-1947):チェロ・ソナタ第2番 ハ長調 Op.45 (**)
 コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ Op.8 〔第1楽章(+) /第2楽章(+) /第3楽章(++) 〕
 ポール・トルトゥリエ(1914-1990):3つの小さな塔(##)
 ポール・トルトゥリエ(Vc)
 ローター・ブロダック(P;*/**) クラウス・ビリング(P;#/##)
 録音:1949年2月13日(#/++)、1949年9月9日(無印)、1964年2月25日(*)、1962年1月30日(**)、第6スタジオ(無印/#/++)、第7スタジオ(*/**)、 RIAS フンクハウス(無印/*/**/#/++) /1949年2月12日、クライストザール(##/+)、すべてベルリン。高音質復刻で評判を呼ぶドイツauditeレーベルからリリースされているRIAS音源による初出音源集。当セットはRIASに残された20世紀を代表するチェリスト、ポール・トルトゥリエの録音集。フランスが生んだ巨匠トルトゥリエはバロックから現代、そして自作まで幅広いレパートリーで魅了したチェリスト。野太い音色で情熱的な音楽を作り出し聴衆を魅了した。当セットではトルトゥリエの十八番でもあるバッハの無伴奏はもちろんのことベートーヴェンのソナタも収録している。また当録音集に収録されているシューマンの幻想小曲集、アルフレード・カゼッラのチェロ・ソナタ第2番はディスコグラフィにはなく、非常に貴重な録音が日の目を見ることとなる。演奏の素晴らしさもさることながら、auditeレーベルの見事な復刻にも注目で、非常に鮮明な音質で蘇った。
AU-21450
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(6CD)
3CD価格
ハインツ・ホリガー&ケルン WDR 響~シューマン:交響作品全集
 交響曲〔第1番 変ロ長調 Op.38「春」/第2番 ハ長調 Op.61/第3番 変ホ長調 Op.97「ライン」/
     第4番 ニ短調 Op.120 (2種)[1841年原典版/1851年改訂版]/ト短調「ツヴィッカウ」 WoO.29 〕/
 序曲、スケルツォとフィナーレ ホ長調 Op.52 /チェロ協奏曲 イ短調 Op.129 /ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 WoO.1 /
 ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54 /ピアノと管弦楽のための序奏と協奏的アレグロ ニ短調 Op.134 /
 ヴァイオリンのための幻想曲 ハ長調 Op.131 /序奏とアレグロ・アパッショナート ト長調 Op.92 /
 4本のホルンと管弦楽のための小協奏曲 Op.86 /
 序曲〔マンフレッド Op.115 /ゲーテのファウストからの情景/ヘルマンとドロテーア Op.136 /
    ゲノフェーファ Op.810 /メッシーナの花嫁 Op.100 /ジュリアス・シーザー Op.128 〕

 オレン・シェヴリン(Vc) パトリツィア・コパチンスカヤ(Vn) デーネシュ・ヴァールヨン、
 アレクサンダー・ロンクィッヒ(P) パウル・ ヴァン・ゼルム、ルートヴィヒ・ラスト、
 ライナー・ユルキェビッチ、ヨアヒム・ぺルトル(Hr) ハインツ・ホリガー指揮ケルン WDRso.
 録音:2010年-2015年、フィルハーモニー、ケルン、ドイツ。分売のセットCD化。
AU-21451
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(9CD)
2CD価格
オピッツに師事、マルティン・ラッシュ~
 ベートーヴェン
(1770-1827):
  ピアノ・ソナタ全集〔第1番-第32番〕
マルティン・ラッシュ
(P|使用楽器: Steinway D
 録音:2014年8月(Nos.4-8) 、2015年2月(Nos.12-15) 、2015年3月(Nos.1, 9-11) 、2015年4月(Nos.2-3, 19-20) 、2015年8月(Nos.16-18, 21, 23) 、2016年2月(Nos.27-29) 、2016年3月(Nos.22, 24-26) 、2016年7月(Nos.30-31) 、2016年8月(No.32) 、ミュンヘン音楽・演劇大学大ホール、ミュンヘン。 1974年生まれのドイツ中堅ピアニスト、マルティン・ラッシュによるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集。マルティン・ラッシュは1996年にカラブリア国際ピアノ・コンクールで第1位を獲るなど数々のコンクールでの入賞歴を誇る実力派。これまでにゲルハルト・オピッツ、フーゴー・シュトイラーなど名だたるピアニストに師事し、現在は母校ミュンヘン音楽・演劇大学のピアノ科にて後進の育成にも力を注いでいる。バッハ、ベートーヴェン、シューマン、シューベルト、モーツァルトを得意とし、とりわけベートーヴェンの解釈には定評がある。全体的に速めのテンポ設定で軽やかさと重厚感を持ち合わせます。ドイツ正統派の系譜ながらラッシュの個性も感じられる注目すべき全集が登場した。
AU-21454
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(8 HYBRID_SACD)
4枚価格
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集 クレモナSQ
 録音:2012年-2015年、ポイリーノ、イタリア。既出単売のセット化
 #2018年6月中旬以降発売予定。
AU-21456
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(3CD)
2CD価格
初出、イタリア四重奏団~ RIAS 録音全集
 ドニゼッティ(1797-1848):弦楽四重奏曲第7番 ヘ短調59
 ケルビーニ(1760-1842):弦楽四重奏曲第5番 ヘ長調58
 マリピエロ(1882-1973):弦楽四重奏曲第4番63
 ショスタコーヴィチ(1906-1975):弦楽四重奏曲第7番 嬰ヘ短調 Op.108 63
 ラヴェル(1875-1937):弦楽四重奏曲 ヘ長調59
 シューベルト(1797-1828):弦楽四重奏曲第8番 変ロ長調 Op.168, D.112 51.2.25
 シューマン(1810-1856):弦楽四重奏曲第2番 ヘ長調 Op.41 No.2 51.2.26
 ハイドン(1732-1809):
  弦楽四重奏曲第66番 ト長調「ロプコヴィッツ」 Op.77 No.1, Hob.III: 81 51.2.26
 シューマン:弦楽四重奏曲第3番 イ長調 Op.41 No.3 58
 イタリアSQ
  [パオロ・ボルチャーニ(Vn1) エリサ・ペグレッフィ(Vn2)
   ピエロ・ファルッリ(Va) フランコ・ロッシ(Vc)]
 録音:1959年10月18日、第7スタジオ、 RIAS フンクハウス、ベルリン59 /1951年2月25日51.2.25、1951年2月26日51.2.26、1958年10月13日58、1963年10月13日63、ジーメンスヴィラ、ベルリン=ランクヴィッツ59以外、すべてベルリン、初出音源。高音質復刻で評判を呼ぶドイツ audite レーベルからリリースされているRIAS音源による初出音源集。当セットはRIASに残されたイタリア四重奏団の音源全集。1945年に結成されたイタリア四重奏団は、熱情、官能といったイタリア風の特質が発揮され、第1ヴァイオリンのパオロ・ボルチャーニのとろけるように優美な音色が魅力。一方で、緻密なアンサンブルと構成力を持ち合わせ、今もなお人気の20世紀を代表する弦楽四重奏団。1951年から1963年収録のRIAS音源では得意のシューマン、ハイドン、シューベルトに加えて、ここに収録されたドニゼッティ、ケルビーニ、ショスタコーヴィチの各作品はディスコグラフィにはなく、非常に貴重な録音が日の目を見ることとなる。力強さと艶やかさに満ちた驚きの演奏がよみがえる。演奏の素晴らしさもさることながら、auditeレーベルの見事な復刻にも注目で、非常に鮮明な音質で蘇った。
AU-21459
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(3CD)
2CD価格
ホルヘ・ボレット Vol.3(完結編)
 ショパン:12の練習曲集 Op.25[1968年4月24日、ステレオ]
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」[1974年12月3日、フランス放送、ステレオ](*)
 シューマン:ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 Op.14[1964年3月11日、モノラル]
 グリーグ:バラード Op.24(抜粋)[1961年10月2日、モノラル]
 フランク:前奏曲、アリアとフィナーレ[1962年3月26日、モノラル]
 ショパン:幻想即興曲 Op.66[1963年2月21日、モノラル]/
      アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22 [1971年3月3日、ステレオ]/
      ポロネーズ〔第3番 イ長調 Op.40 No.1「軍隊」/第4番 ハ短調 Op.40 No.2 /
            第6番 変イ長調 Op.53「英雄」〕[1966年12月2日、ステレオ]
 シューマン/リスト編曲:春の夜 Op.39 No.12[1966年12月2日、ステレオ]
 ドビュッシー:映像第2集/仮面[1961年10月2日、モノラル]
 デッロ=ジョイオ:ピアノ・ソナタ第2番[1966年1月6日、ステレオ]
 ゴドフスキ:ヨハン・シュトラウス「こうもり」による交響的変容[1963年2月21日、モノラル]

 ホルヘ・ボレット(P) モーシェ・アツモン指揮ベルリン放送so.(*)
 録音:[内]、特記以外 ラジオハウス・ザール、ベルリン。好評のauditeボレット・シリーズ、第3集にして最終巻のリリースとなる。ホルヘ・ボレット(1914-1990)はキューバ出身のアメリカのピアニスト。大柄な技巧と濃厚な表現による19世紀風ピアノ演奏でファンの多い巨匠。独特のコクのある音色を持ち、たっぷりと歌われたリストやショパンは絶品だった。ボレットはゴドフスキに学んだ後、ラフマニノフの従兄でリストとチャイコフスキーの愛弟子だったジロティに師事して仕上げた、まさに血統書付のピアノDNA を持っている。しかしずっと不遇で、1970年代になりようやく世界的な注目を集め、Decca を中心に録音を残した。このアルバムはボレット全盛期1960-70年代の貴重な記録で、ゴドフスキの「こうもり」以外は初出音源。当時最先端だった西ドイツの放送局のクオリティにより奇跡的な状態で収録されていた。それをaudite 社主ベッケンホーフが細心のマスタリング技術で、見事な音質に蘇らせた。今回のアルバムの凄い点は、ほとんどの楽曲がボレット唯一の録音で、ここでしか聴くことができないということ。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」は、いかにもボレットに向いていそうながら、確かに他では聴いたことがないはず。予想を上回る大きな演奏で圧倒される。またショパンの作品25のエチュードを全12曲弾いているのも嬉しすぎる発見。「英雄ポロネーズ」や「軍隊ポロネーズ」も全盛期のボレットも魔術的演奏で楽しめる。さらに興味深いのは、「オーケストラなしの協奏曲」の異名を持つシューマンのピアノ・ソナタ第3番と、グリーグの作品中でも最もドラマティックで深い大作「バラード」が残っていたこと。シューマンのボルテージの高さ、グリーグ(何故か第12変奏カット)の慟哭は誰の演奏も及ばぬ境地に至っています。この2作をボレットの演奏で味わえるのはピアノ音楽の醍醐味。またボレットと同時代の友人ノーマン・デロ=ジョイオのピアノ・ソナタ第2番は、彼がカーネギホールで世界初演したゆかりの曲。これもボレットの録音が残っていたのは幸運の至り。どの曲もピアノの美しさと魅力を濃縮している。ピアノ音楽に興味ある方々必携の宝。
AU-23402
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(2CD)
クーベリックのマーラー・ライヴ
 マーラー:交響曲第2番「復活」
エディト・マティス(S)
ブリギッテ・ファスベンダー(A)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.&cho.
 録音:1982年10月8日、ライヴ。クーベリックのマーラー演奏の総決算というべき演奏で、あの第5番を超えるヴォルテージ。テープの保存状態、マスタリングとも良好で、音質も当シリーズ最高。
AU-23403
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(2CD)
クーベリックのマーラー・ライヴ
 マーラー:交響曲第3番
マージョリー・トーマス(A)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.&cho.、
テルツ少年cho.
 録音:1967年4月20日、ヘラルクレスザール、ミュンヘン。
 1960年代ながら優秀な録音であり、演奏もこの頃のクーベリックらしく高い求心力を持ち、かつ切れ味鋭い。
AU-23404
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(2CD)
1.5CD価格
ベーム&バイエルン放響のベートーヴェン、
 マスターからの初復刻

 交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」(*)/
 交響曲第2番 ニ長調Op.36(*)/
 交響曲第7番 イ長調Op.92(#)
カール・ベーム指揮
バイエルン放送so.
 録音:1978年12月7日&8日(*)/1973年5月3日(#)、以上、ミュンヘン、レジデンツ・ヘルクレスザール(ライヴ)。これまで KARL BOHM COLLECTION (KB-記号;廃盤)、METEOR(廃盤)、RE! DISCOVER、EN LARMES の各レーベルから様々な形で発売されていた物だが、3曲ともマスターからの初発売。既出盤には1970年代の録音とされていたものもあるが、ベーム&バイエルン放響によるベートーヴェンの交響曲と言うのはこの3演奏((*)は2日にまたがってはいるが)のみではないかと思われる。
 =バイエルン放送アーカイヴ=シリーズ。すべてバイエルン放送アーカイヴのからの復刻。5歳の時に生地グラーツで観た初めてのオペラ「フィデリオ」に始まるベームとベートーヴェンとの出会い。以後の音楽活動の原点になったと本人も述懐しているとはいえ、ベームによるベートーヴェン録音そのものはけっして多いとは言えない。ウィーン・フィルとの全集(1970年-1972年)完成後に行なわれたバイエルン放送so.とのライヴは、透明度で上まわる上、豊かな詩情を湛えながらも無骨な頑固さも失っておらず、あふれる躍動感と剛毅で構えの大きな音楽づくりがみごと。音質もすぐれている。
 =ベームのベートーヴェン演奏時間比較=
 第2番:
  ・BRSO(1978年、ライヴ)I 10'36+II 12'42+III 3'54+IV 7'05= 33'37
  ・VPO(1972年)     I 10'23+II 13'25+III 4'11+IV 7'09= 34'68
 「英雄」:
  ・BRSO(1978年、ライヴ)I 15'24+II 15'20+III 5'54+IV 12'34= 48'32
  ・VPO(1972年)     I 14'47+II 16'08+III 6'03+IV 12'20= 49'18
 第7番:
  ・BRSO(1973年、ライヴ)I 12'35+II 9'43+III 8'15+IV 7'23= 37'16
  ・VPO(1972年)     I 12'13+II 9'51+III 8'28+IV 7'05= 37'37
AU-23405
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ガーシュウィン:歌劇「ポーギーとベス」
 レオンタイン・プライス(S;ベス) ウィリアム・ウォーフィールド(Br;ポーギー)
 キャブ・キャロウェイ(T;スポーティング・ライフ) ジョン・マッカリー(Br;クラウン)
 ヘレン・コルバート(S;クララ) エヴァ・ジェシー合唱指揮
 ブレヴィンス・デイヴィス&ロバート・ブリーン・プロダクションcho.

 アレグザンダー・スモーレンス指揮ベルリンRIASダンスo.
 録音:1952年9月21日、ベルリン、ティタニア・パラスト、ベルリン芸術週間ライヴ。ベルリンRIAS収録によるドイチュラントラジオ・クルトゥーアの音源から復刻。
 1935年にニューヨークで「ポーギーとベス」の世界初演を指揮したスモーレンスは、アメリカ国務省が後援するヨーロッパのツアーで、アメリカが生んだこの傑作オペラをヨーロッパに紹介している。これはその歴史的記録。いきなりサマータイムで圧倒的な歌声を聴かせるのはベスを当たり役とするプライス。相手役ウォーフィールドとの掛け合いも迫るものがあり、このプロダクションが縁でふたりは結婚。のちに1963年のスタジオ抜粋盤でも共演している。ほかに伝説のジャズ・シンガー、キャロウェイが脇を固めていたりとキャストも充実。ジャズの盛んなドイツのオケらしくなまなましいサウンドが耳に残る。
AU-23406
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(2CD)
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フリッチャイ唯一の「リゴレット」、
 マスターからの初復刻

 ヴェルディ:歌劇「リゴレット」(ドイツ語歌唱)
リタ・
 シュトライヒ(S;ジルダ)
マルガレーテ・クローゼ
(Ms;マッダレーナ)
ルドルフ・ショック
(T;マントヴァ公爵)
ヨゼフ・メッテルニヒ
(Br;リゴレット)
フリッツ・ホッペ
(B;スパラフチーレ)
マルガレーテ・クローゼ
(Ms;マッダレーナ)
ヴィルヘルム・ラング
(Br;モンテローネ伯爵)
シルヴィア・メンツ
(Ms;ジョヴァンナ)他
フェレンツ・
 フリッチャイ指揮
ベルリンRIASso.&cho.
 録音:1950年9月20日&30日、ベルリン。今回国内代理店は「ライヴ」としているが、放送用スタジオ録音の誤りだと思われる。
 ドイチュラントラジオ・クルトゥーア音源による1950年ライヴの「リゴレット」は、フリッチャイにとって唯一のもので、これまでにMYTO (2MCD-945.111, 2MCD-021H064) 等、数種のレーベルから出ていた演奏だが、今回がマスターからの初復刻。ヴェルディに不可欠な弾力あるリズムでグイグイと引っ張るスタイルにより、たいへんドラマティックな音楽づくりが魅力。ドイツ語による歌唱は当時の慣例に従っており、ジルダに名花シュトライヒ。マントヴァ公爵は役どころにピッタリの当時35才のショック、リゴレットにはメッテルニヒ(ショックと同年齢)と、えりすぐりのキャストを配している。
AU-23407
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(2CD)
1.5CD価格
シルヴェストリ&カイルベルト指揮!~
 ゲーザ・アンダ・エディション Vol.1

 モーツァルト:
  ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 KV.466(*)/
  ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 KV.482(#)/
  ピアノ協奏曲第23番 イ長調 KV.488(+)/
  交響曲第28番 ハ長調 KV.200(KV.189a)(**)/
  ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 KV.467(##)
ゲーザ・アンダ
(P;**以外)指揮(*/+/**)
カメラータ・アカデミカ・
 ザルツブルク(+/**)
コンスタンティン・
 シルヴェストリ指揮(#)
ヨゼフ・カイルベルト指揮(##)
ケルン放送so.(*/#/##)
 録音:1969年11月28日(*)/1960年4月4日(#)/1962年1月28日(+/**)/1956年1月16日(##)、以上、WDR第1ホール(全てがここでの録音かどうかは不明)、ライヴ。(*)のみステレオ。日付をチェックした限りでは全て初出音源。
 すべて WDR アーカイヴからの復刻。ハンガリー生まれのピアニスト、ゲーザ・アンダ(1921-1976)のシリーズがスタートする。これはヴィルトゥオーゾとして名高い彼による、1952年からの1970年までの初出あるいは初CD化のスタジオ&ライヴ録音を収めたたいへん貴重なもの。彼はガンのため、その壮年期に命を落としたということもあって、特に1960年代後半以降の録音が少なく、今回のシリーズは誠に喜ばしい。全4タイトルの第1弾はアンダの代名詞ともいえるモーツァルト。協奏曲は選曲もよく、スタジオ盤全集でもおなじみの自らの弾き振りのほか、カイルベルトやシルヴェストリとの共演にも注目。協奏曲のカデンツァはすべてアンダ自作。また、アンダが珍しく指揮のみをてがけた交響曲も聴きもの。
AU-23408
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(2CD)
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ゲーザ・アンダ・エディション Vol.2
 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15(*)/
  ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 Op.10-3(#)/
  ピアノ・ソナタ第28番 イ長調 Op.101(#)
 ブラームス:
  ピアノ・ソナタ第3番 Op.5(+)/
  3つの間奏曲 Op.117(**)
 リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調(##)
ゲーザ・アンダ(P)指揮(*)
ケルン放送so.(*)
 録音:1969年11月28日、ケルン、WDRフンクハウス第1ホール、ライヴ、ステレオ(*)/1955年7月22日(#)、1957年11月16日(+)、1960年4月6日(**)、1955年7月22日(##)、以上ケルン、WDRフンクハウス第2ホール、モノラル。(*)以外はおそらく初出音源。(*)は約20年ぶりの再発売(詳細は以下)。
 WDRアーカイヴのオリジナル・マスター使用によるアンダのシリーズ第2弾。ベートーヴェンは協奏曲がアンダお得意の弾き振りによるもの。これは国内のDENONがEURODISC原盤を使用して1988年に1度だけCD化(25CO-2324 )したが、その後一切発売されたことが無い幻の演奏。また、ソナタは全集録音には至らなかったため貴重で、ここでの2曲も初出のレパートリーとなる(と代理店は記しているが2曲ともEMIへ録音し、 TESTAMENT がCD化[SBT-1070|廃盤]していたため、誤り)。さらに、情熱的なソナタやじっくりと聴かせる間奏曲のブラームスも素敵だが、圧巻はリスト。超絶技巧を要し特異な様式で知られる内容は、リストと同じハンガリー生まれでヴィルトゥオーゾの系譜を引くアンダの構成のうまさもあって、アルバム最大の聴きものとなっている。
 アウディーテほか幾多のレーベルでも証明済みだが、WDRによる放送用記録音源は驚異的なクオリティ。今回もアンダの腕前を存分に堪能出来る。協奏曲のみステレオ・ライヴで、ほかはすべて放送用スタジオ録音、モノラル。
AU-23409
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(2CD)
1.5CD価格
ゲーザ・アンダ・エディション Vol.3 ~
 シューマン&ショパン

 シューマン:
  クライスレリアーナ Op.16(*)
  交響的練習曲 Op.13(*)/謝肉祭 Op.9(#)
  ロマンス 嬰ヘ長調 Op.28-2(+)
 ショパン:24の前奏曲 Op.28(**)/練習曲集 Op.25(##)
ゲーザ・アンダ(P)
 録音:1954年4月6日、ケルン、WDRフンクハウス第1ホール(*)/1960年4月5日(#)、1960年4月6日(+)、1957年11月17日(**)、1955年7月22日(##)、以上ケルン、WDRフンクハウス第2ホール。
 すべてWDRアーカイヴのオリジナル・マスターによる復刻。アルバム1枚目のシューマンは、謝肉祭&クライスレリアーナ(55年)、交響的練習曲(53年)とスタジオ録音で名を馳せた演目。ライヴでは、初出レパートリーとなるロマンスを除いてここに収められたすべてのレパートリーが重なる56年のザルツブルク・リサイタル(ORFEOR-295921)のほか、同じザルツブルクでの72年の謝肉祭(ORFEOR-742071)、55年エジンバラでの交響的練習曲(BBCL-4135)などもあった。また、後年には交響的練習曲(63年)、クライスレリアーナ(66年)をステレオでも再録している。いっぽう、2枚目に収録されたショパンの練習曲(57年/EMI)と前奏曲集(59年ステレオ)もまたスタジオ盤がすでに高い評価を得ているもの。
 驚異的な音質でアンダのピアニズムを再現するシリーズ第3弾は、1950年代キャリアの初期から、レコーディングやリサイタルを通じてレパートリーの根幹にあったシューマンとショパンという魅力たっぷりのプログラムとなっている。
AU-23410
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(2CD)
1.5CD価格
エディション・ゲーザ・アンダ Vol.4~バルトーク
 フリッチャイ、ギーレン指揮、そしてショルティのピアノ、
  おそらく全て初出音源!

 バルトーク:
  ピアノ協奏曲第1番(*)/
  ピアノ協奏曲第2番(#)/コントラスツ(+)/
  ピアノのための組曲 Op.14(**)/
  2台のピアノと打楽器のためのソナタ(##)
ゲーザ・アンダ(P)
ミヒャエル・ギーレン指揮(*)
フェレンツ・フリッチャイ指揮(#)
ケルン放送so.(*/#)
ゲオルグ・ショルティ
(P;+/**/##)
ティボル・ヴァルガ
(Vn;+/**/##)
パウル・ブレッヒャー
(Cl;+/**/##)
カルル・パインコファー、
ルートヴィヒ・ポルト
(Perc;+/**/##)
 録音:1957年4月29日、ケルン、WDRフンクハウス第1ホール、ライヴ(*)/1952年6月27日、ザルツブルク、ライヴ(#)/1953年1月8日(+)、1955年7月22日(**)、1953年1月9日(##)、以上ケルン、WDRフンクハウス第2ホール(+/**/##)。おそらく全て初出音源。
 すべてWDRアーカイヴのオリジナル・マスターによる復刻。2つの協奏曲がライヴ、そのほかが放送用スタジオ録音。シリーズ最終巻は、第1弾のモーツァルト(AU-23407)とならぶアンダの代名詞、バルトークばかりをたっぷりと収めている。
 ここで聴けるのは、1921年生まれのアンダがバルトークを同時代の音楽、いわば生きた現代音楽として捉えている姿。しかも共演者の顔ぶれが当を得ているうえに豪華。あまりにも有名なフリッチャイとの全集(59、60年)をはじめ、ブール&バイエルン放送so.盤(57年4月26日、ライヴ)などが知られる協奏曲では、そのフリッチャイのほか、先鋭に走った芸風で注目されはじめていた当時29歳のギーレンがバックを務めているのに注目。
 さらにソナタでは、ショルティのピアノがまた強烈。アンダとルーツを同じくする若き日の巨匠は後年にペライアと組んだスタジオ盤(87年)でもみごとな腕前を披露しているが、たがいに触発され白熱してゆくさまは壮絶。ほかにコントラスツではやはりハンガリーの名手ヴァルガも参加していたりと、これはどこをとってもたいへん貴重。シリーズの白眉といえる内容。
AU-23411
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(2CD)
1.5CD価格
フェレンツ・フリッチャイ・エディション Vol.5
 J.シュトラウスII:喜歌劇「こうもり」
 ペーター・アンデルス(T;アイゼンシュタイン) アニー・シュレム(S;ロザリンデ)
 リタ・シュトライヒ(S;アデーレ) アンネリーゼ・ミュラー(Ms;オルロフスキー)
 ヘルムート・クレプス(T;アルフレート) ハンス・ヴォッケ(Br;フランク)
 フリッツ・ホッペ(語り;フロッシュ)他
 フェレンツ・フリッチャイ指揮RIASso.、RIAS室内cho.
 録音:1949年11月1日-8日、12月23日、ベルリン。DGからCD(廃盤)が発売されたことがある放送音源で、他レーベルからも発売がある演奏ではあるが、マスターから復刻されるのはDG盤以来と思われる物。
 フリッチャイがヨハン・シュトラウスを得意としていたことはよく知られている。シュトラウスの時代のウィーンはオーストリア=ハンガリー二重帝国の首都で、シュトラウスの音楽にも東方からの影響が現れているが、ハンガリー人のフリッチャイは、シュトラウスのそうした要素を巧みに扱い、溌剌とした魅力を引き出している。この「こうもり」は、全曲としてはフリッチャイ唯一の録音で、彼ベルリンに進出して間もない頃のもの。当時のベルリンのスター歌手が多く起用された豪華なキャストも魅力。
 ドイッチュラントラディオ・クルトゥーア提供の音源を使用。
AU-23412
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(2CD)
1.5CD価格
フリッチャイ唯一の「ルチア」全曲、おそらくマスターからの初復刻
 ドニゼッティ:歌劇「ランメルムールのルチア」(ドイツ語歌唱)
 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br;エンリーコ)
 マリア・シュターダー(S;ルチア) エルンスト・ヘフリガー(T;エドガールド)
 ホルスト・ヴィルヘルム(T;アルトゥーロ) テオドル・シュロット(B;ライモンド)
 ジークリンデ・ヴァーグナー(A;アリーサ)
 コルネリス・ヴァン・ダイク(T;ノルマンノ)
 フェレンツ・フリッチャイ指揮RIASso.、RIAS室内cho.
 録音:1953年1月22日-28日、ベルリン、ダーレム、イエス・キリスト教会、スタジオ・セッション。CD では MYTO と WALHALL で既出の演奏だが、おそらく今回がマスターからの初復刻。
 エディション・フェレンツ・フリッチャイ第9集。ベルリンRIAS収録によるドイチュラントラジオ・クルトゥーア音源からの復刻。全曲としてはフリッチャイ唯一の「ルチア」として知られるこの録音、オペラ録音では当時一般的であったドイツ語翻訳歌唱によるものだが、錚錚たる顔ぶれの歌手を揃えている。標題役にはフリッチャイお気に入りのシュターダー、エドガールドには、1949年のザルツブルク音楽祭におけるオルフ「アンティゴネ」世界初演で起用したヘフリガー。そしてエンリーコ役のフィッシャー=ディースカウ。かれもまたフリッチャイの指揮でヴェルディの「ドン・カルロ」のポーザ公爵を歌いオペラ・デビューを果たしている(1948年)。この理想的なアンサンブルと首席指揮者就任から4年を経た手兵とをしたがえて、フリッチャイはいきいきとたいへんドラマティックな内容を聴かせている。
AU-23413
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(2CD)
1.5CD価格
マスターからの初復刻、フリッチャイ・エディション Vol.8~
 モーツァルト:歌劇「後宮からの逃走」
KV.384
 シャーリ・バラバーシュ(S;コンスタンツェ[台詞:エヴァ・バルログ])
 リタ・シュトライヒ(S;ブロントヒェン)
 アントン・デルモータ(T;ベルモンテ[台詞:ハンス・ゲオルク・ラウベンタール])
 ヘルムート・クレプス(T;ペドリルロ[台詞:ディーター・フラウボエス])
 ヨゼフ・グラインドル(B;オスミン)
 エルンスト・デルンブルク(語り;セリム・パシャ)
 ハインツ・ティーティエン(セリフ演出)
 フェレンツ・フリッチャイ指揮RIAS so.、RIAS室内cho.
 録音:1949年12月19日-21日、ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会、スタジオ・セッション。ベルリンRIAS収録によるドイチュラントラジオ・クルトゥーア音源からの復刻。これまでMYTOから 2MCD-923.612MCD-032.H076の2種で、また他レーベルからも発売があった演奏だが、マスターからの初復刻となる物。
 モーツァルトのスペシャリスト、フリッチャイによる「後宮」には2種の録音が存在する。ひとつはコンスタンツェをシュターダーが歌う有名な1954年盤、そしてもうひとつが1949年に収録されたこのスタジオ録音。同年RIAS響の音楽監督に就任したフリッチャイにとって、これが初めてとなるモーツァルトのオペラ全曲録音だった。フリッチャイのスタイルは、室内オケのサイズ以上にならないように編成を刈り込み、合唱も通常の3分の1にあたる32 人に、当時の慣習とはかけ離れていて斬新なもの。放送用のみの収録にもかかわらず、異例にも3日間もかけて細かいパッチワークが施された。再録同様に、こちらもセリフ・パートに役者を立てる気合の入りようだ。なお、国内代理店は『このたびようやく初CD化となる』としているが、MYTOから2度CD化されており、誤り(お客様から情報を頂きました)。
AU-23414
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(2CD)
1.5CD価格
カラヤン生誕100周年記念 Vol.3~
 ベートーヴェン2曲、マスターから初復刻

 交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」(*)/
 交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱つき」(#)
エリーザベト・
 グリュンマー(S;#)
マルガ・へフゲン(A;#)
エルンスト・へフリガー(T;#)
ゴットロープ・フリック(B;#)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
BPO、
聖ヘトヴィヒ大聖堂cho.(#)
 録音:1953年9月8日、ティタニア・パラスト(*)/1957年4月25日、ベルリン高等音楽院(現ベルリン芸術大学)大ホール(#)、以上ライヴ。先にMEMORIESからCD化されている演奏だが、今回がマスターからの初復刻。
 auditeによるカラヤン生誕100年記念シリーズ第3集はBPOとのベートーヴェン。「エロイカ」がBPOとの第二次大戦後初めてのライヴ(当曲としては戦前のものに続き2種目)、「第九」は首席指揮者および芸術監督に就任後、BPO創立75周年記念のガラ・コンサートのライヴ(ベルリン・フィルとはもっとも若い時の同曲音盤)であり、数ある当コンビによる同曲の録音の中でも歴史的な意味をもつ内容。いずれもすでに複数のレーベルから出ており、若々しく直線的な表現の惚れ惚れするような格好よさや、未だカラヤン色に染まりきる以前のBPOのひびきなどに特徴が顕れている。
 ヴェルディのレクイエム(AU-23415)もそうだったが、ドイチュラントクルトゥーアの看板は伊達ではなく、すさまじい改善効果を音質からはっきりと確かめることが出来る。真に演奏の印象を一新するほどのちがいなので買い直す価値もおおいにあるというべきだろう。なお、auditeのポリシーとしてオリジナル・マスターをそのままトランスファーしているため、両曲とも演奏前後に拍手が入る。
AU-23415
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(2CD)
1.5CD価格
カラヤン1949年の「ヴェルレク」マスターより初復刻?
 ヴェルディ:レクイエム
ヒルデ・ツァデク(S)
マルガレーテ・クローゼ(Ms)
ヘルゲ・ロスヴェンゲ(T)
ボリス・クリストフ(B)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
VPO、ウィーン楽友協会cho.
 録音:1949年8月14日、ザルツブルク音楽祭、ライヴ、ベルリンRIASによる収録。先にPREISERから PRCD-90445 等で発売されている物。なお、当レーベルの国内代理店( PREISER の国内代理店でもある)は「正規初CD化」と記しており、この言葉を信じれば PREISER 盤は、ライセンスを取ったものではなかったようだ。
 生誕100年を記念してauditeからもカラヤンのシリーズがスタートする。第1弾は1949年ザルツブルク音楽祭におけるヴェルディのレクイエム。戦後まもない復興期に行われたこのライヴはレクイエムという内容もあり、荒廃した人びとのこころに深い感銘を与えたモニュメンタルな演奏として記憶されている。ここで迫真の演奏が生み出された背景には、戦争協力の廉による演奏活動の禁止がようやく明けて、カラヤンとしてもほかに例を見ないほど異常なテンションとエネルギーが漲っていることもその一因に挙げられるだろう。加えて、ソリストもヴェルディには欠かせない大バスのクリストフと名テナーのロスヴェンゲのふたりをはじめ、ウィーン国立歌劇場のメンバーだったツァデクに、ベルリン国立歌劇場のメンバーでザルツブルク音楽祭にもたびたび客演したクローゼと、当時のベスト・メンバーが揃い踏み。気合のこもったアンサンブルを聴かせている。
 このたびはドイチュラントクルトゥーアのオリジナル・マスター使用。「なによりかつてない良好な音質」(国内代理店表記)は感銘もあらたにしてくれることだろう。
 なお、今後auditeのカラヤン・シリーズは、BPOとのライヴで、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番(ケンプ独奏)とジュピター、ベートーヴェンの「エロイカ」と「合唱」のリリースが予定されているとのこと。
AU-23416
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(2CD)
1.5CD価格
フラグスタート、ベルリン・ライヴ 1952
 ワーグナー:
  ヴェーゼンドンク歌曲集/
  「トリスタンとイゾルデ」より
   [第1幕への前奏曲/第1幕「タントリス」の物語/
    第3幕トリスタンの亡骸を前にした場面/愛の死]

  「神々の黄昏」~ブリュンヒルデの自己犠牲
 R.シュトラウス:
  4つの最後の歌 より
   [眠りにつくとき/九月/夕映えの中で]/
  「エレクトラ」
   ~オレストとの再会のエレクトラのモノローグ
キルステン・フラグスタート(S)
ジョルジュ・セバスティアン指揮
ベルリン市立歌劇場o.
 録音:1952年5月9日、11日、ベルリン、ライヴ。ソース:ドイチュラントラジオ・クルトゥーア。
 20世紀最大のワーグナー・ソプラノといえばこの人、キルステン・フラグスタート(1895-1962)。2010年は自伝の日本語訳も出版され、没後半世紀近いというのにいまだ格別の存在。このCDに収録されているのは、フラグスタートのもう一度ドイツで歌いたいという希望からベルリンのティタニアパラストで催された演奏会のライヴ。56歳のフラグスタートは徐々に舞台から退いていく頃だが、ここでは演奏会ということで歌曲のみならず、「トリスタンとイゾルデ」、「神々の黄昏」の名場面が歌われ、さらにフラグスタートが勉強しながらもついに舞台で歌うことのなかった(その理由は自伝で語られている)「エレクトラ」のモノローグも収録。この一ヶ月後にはロンドンでフルトヴェングラー指揮の「トリスタンとイゾルデ」を録音するフラグスタートの声は、いまだ全盛期の瑞々しさを保っており、しかも円熟した味わいも豊かで、まさに至極の芸。
AU-23419
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ペーター・アンダース、リサイタル~RIAS録音集
 レハール:「フリーデリケ」、カールマン:「マリツァ伯爵夫人」、
 スメタナ:「売られた花嫁」、ジョルダーノ:「アンドレア・シェニエ」
 ヨハン・シュトラウスII:「ジプシー男爵」/「ヴェネツィアの一夜」からのアリア&場面
 R.シュトラウス:
  セレナード Op.17-2/なにも Op.10-2/献呈 Op.10-1/万霊節 Op.10-8/
  君の黒髪を僕の頭上に Op.19-2/ひそやかな誘い Op.27-3/ツェツィーリエ Op.27-2
 ヴェルディ:「椿姫」~第3幕(ドイツ語歌唱)(*)/「オテロ」から(ドイツ語歌唱)
  ペーター・アンダース(T) クルト・ゲーベル指揮、ハンス・カルステ指揮、
  フェレンツ・フリッチャイ指揮(*)、フリート・ヴァルター指揮
  RISAウンターハルトゥングo.、RIAS so.、RIAS室内cho.
  ギュンター・ヴァイセンボルン(P)/他
 録音:1949年-1951年。(*)はTAHRA からTAH-454で既出(ただ、音質的には当盤が有利だろう)。残る詳細は代理店のインフォメーションに記載がなく、レーベルの欧文資料も未発表。
 ペーター・アンデルス(1908-1954)は、ヴンダーリヒより前の世代では最も有名なドイツのリリック・テノール。歌曲やモーツァルトで高い評価を得た他、オペレッタを得意とし、ヴェルディやプッチーニのオペラもドイツ語で頻繁に歌っていた上、全盛期にはワーグナーのローエングリンまでレパートリーに入れていた。人気、実力とも高かったが、30代の大半は第二次世界大戦と重なってしまったことと、46歳という全盛期に自動車事故で急逝してしまったことから、ドイツ外での知名度は今日に至るまで低いまま。
 このCDには、1949年から1951年の間にベルリンのRIAS放送に録音した音源を収録。注目は、フリッチャイが指揮したヴェルディの「椿姫」。第3幕だけで、しかもドイツ語の歌唱だが、アンデルスのアルフレード、エルフリーデ・トレチェルのヴィオレッタ、ヨゼフ・メッテルニヒのジェルモン、そしてなんとヨゼフ・グラインドルの医師グランヴィルという充実したキャストもあって、聞き応えがある(カデンツァ注:・・・と代理店は記載しており確かに注目なのだが、上記の通り、当AUDITEと同じ国内代理店が扱っている TAHRA からTAH-454で既出であることは、案内には全く記されていない)。また「オテロ」や「アンドレア・シェニエ」の録音はたいへん貴重。得意のオペレッタなどの録音では、「マリツァ伯爵夫人」が、名ソプラノ、アニー・シュレムを相手に、約30分もたっぷり楽しめる。そして忘れてはいけないシュトラウスの歌曲、これも甘い陶酔感がたっぷりなものばかり。アンデルスをご存知ない方にこそ聞いていただきたい、名歌手の至芸の記録。
AU-23420
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バックハウス没年のベルリン・ライヴ、初出~
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集

  [第15番 ニ長調 Op.28「田園」/
   第18番 変ホ長調 Op.31-3/
   第21番 ハ長調 Op.53
    「ヴァルトシュタイン」/
   第30番 ホ長調 Op.109]
ヴィルヘルム・バックハウス(P)
 録音:1969年4月18日、ベルリン・フィルハーモニー、ライヴ・ステレオ。使用楽器:ベヒシュタインE。
 ドイチュラントラジオ・クルトゥーア・シリーズに超弩級のタイトルが登場する。獅子王バックハウス(1884-1969)が世を去る3か月ほど前におこなったリサイタルは、極め付きのオール・ベートーヴェン・プログラム、しかも完全初出のステレオ音源という最高の内容。
 #以下の代理店インフォメーションには、ディスコグラフィ・データなどに一部誤りがありますが、時間の都合でそのままの内容で掲載しています。御了承下さい。  バックハウスが不世出のベートーヴェン弾きであることに異論を唱える方はまずいないだろう。これは1899年にフランクフルトでバックハウスがダルベールに師事したことに由来しているが、ピアノの流派を弟子から師匠へ遡ると、バックハウス→ダルベール→リスト→ツェルニー→ベートーヴェンとなり、すなわち、バックハウスはベートーヴェン直系の弟子筋にあたる。音楽評論家で自らも高名なピアニストのワルター・ニーマンが「新古典主義者」と評したバックハウスのスタイルは、がっちりとした構成と主情的表現が皆無というのが特色で、まさしくベートーヴェンこそは、バックハウスのピアニズムが遺憾なく発揮されるレパートリーといえるだろう。
 “ベートーヴェンのエキスパート " にふさわしく、バックハウスはソナタの全曲を1950年から1954年にかけてモノラルでセッション録音したのちに、再録がかなわなかった「ハンマークラヴィーア」をのぞいて、1959年から1969年にかけてステレオでふたたびセッション録音している。このたびの2枚組のセットに収められた音源は、ベーゼンドルファーのピアノを好んで弾いたバックハウスがベヒシュタインを使用しているのも興味深いところで、すべてが完全初出の内容となる。
 ちなみに、第15番は1930年代のSP録音、1953年のDeccaへの第1回目のモノラル・セッション録音、1961年Deccaへの第2回目のステレオ・セッション録音、1969年6月のライヴ録音につづくもので、5種のうち4番目にあたる。第18番は1930年代のSP録音、1948年のセッション録音、1954年のDeccaへの第1回目のモノラル・セッション録音、1963年Deccaへの第2回目のステレオ・セッション録音、さらに「バックハウス最後の演奏会」として知られる、1969年6月のオーストリア、オシアッハ、ライヴ録音につづく録音となり、6種中5番目に相当する。第21番も1950年のDeccaへの第1回目のセッション録音、1959年のザルツブルク、ライヴ録音、1959年のDeccaへの第2回目のセッション録音、1959年ボンでライヴ録音(MM-006)、そして1969年6月オーストリア、ライヴ録音につづいて、5番目で6種目にあたる物。第30番は1950年モノラル、1961年ステレオと、いずれもジュネーヴでのDeccaによるセッション録音につづいて3種目になる。
 このたびもまたベルリンRIAS収録によるドイチュラントラジオ・クルトゥーアの音源からの復刻となるが、ここでステレオ音源によるリリースというのもうれしいかぎり。2010年にauditeの社主でプロデューサー&エンジニア、ルトガー・ベッケンホーフ氏が万全の音づくりで最新リマスタリングを施している。極上の音質でバックハウスの雄渾無私の厳しい造形美をたっぷりとお楽しみ頂きたい。
AU-23421
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クララ・ハスキル、フリッチャイ&ディクソン
 [CD 1]スタジオ・セッション
 モーツァルト:
  ピアノ協奏曲第19番 ヘ長調KV.459(*)/
  ピアノ協奏曲第20番 ニ短調KV.466(#)
 シューマン:
  色とりどりの小品 Op.99 より (+)
   [3つの小品/5つのアルバムブレット]/
  アベッグ変奏曲 Op.1(+)
 [CD 2]ライヴ
 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲第4番 ト長調Op.58(**)
 モーツァルト:
  ピアノ協奏曲第20番 ニ短調KV.466(##)
クララ・ハスキル(P)
フェレンツ・
 フリッチャイ指揮(+、**以外)
ディーン・ディクソン指揮(**)
RIASso.(+以外)
 録音:1953年1月20日(*)、1954年1月11日(#)、以上ベルリン、ダーレム、イエス・キリスト教会(スタジオ・セッション)(*/#)/1954年11月25日、RIAS、第7スタジオ(スタジオ・セッション)(+)/1954年11月24日、ベルリン、ベルリン高等音楽院、ライヴ(**)/1954年1月10日、ベルリン、オイロパ・パラスト、ライヴ(##)。(#)はDGから、(##)はMYTOから出ている1949年「後宮からの逃走」(2MCD-923.61 / 2MCD-032.H076)の余白に、それぞれ収録されている物だが、おそらく後者はマスターからの初復刻(後者は当初、初CD化としていましたが、情報を頂き修正しました)。なお、後述のTAH-389/90に掲載されたディスコグラフィにはMYTO盤の演奏がDG盤と同一とされているが、誤り。他はTAHRAから TAH-389/90 (廃盤)で出ていた物。なお、ハスキル独奏の「色とりどりの小品」は、TAHRA盤では5曲が含まれていたのみだったので、今回の表記だと初出があるかもしれない。
 ベルリンRIAS収録によるドイチュラントラジオ・クルトゥーアの音源から復刻。いまなおカルト的人気を集めるハスキルが1950年代半ばにおこなったスタジオ・セッションとライヴ演奏をあつめたもの。内容はモーツァルトのピアノ協奏曲集にシューマンのピアノ曲と、もはや多くの言葉を尽くすことが憚られるハスキル最高の演目となっている。スタジオ盤のほかに、1952年の第19番(MM-004)など、お馴染みの顔合わせといえるフリッチャイとのモーツァルト。なかでも、第20番はセッションとライヴと異なる演奏が収められているのがユニークな趣向となっている。
 auditeの復刻はマスターをそのままトランスファーしたような素直な音作りが好ましく、状態の良い音によるハスキルを心待ちにされていた方も多いのではないだろうか。いま、あらたな聴き手にもハスキルの魅力を実感させるセットといえるだろう。
AU-23422
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(2CD)
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ソロモン、ベルリン録音集
 ベートーヴェン:
  ピアノ・ソナタ[第3番 ハ長調 Op.2-3/第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」]
 シューマン:謝肉祭 Op.9 (*)
 J.S.バッハ:イタリア協奏曲 BWV.971
 ショパン:幻想曲 ヘ短調 Op.49/夜想曲 変ロ短調 Op.9-1/スケルツォ 変ロ短調 Op.31
 ブラームス:間奏曲[変ホ短調 Op.118-6/ホ長調 Op.116-4]/ラプソディ ロ短調 Op.79-1
  ソロモン(P)
 録音:1956年2月、ベルリン。(*)はおそらく初出音源。録音月と曲目からすると、(*)以外は APR から発売されている「ソロモン・イン・ベルリン」(APR-7030)と同一演奏と思われる。APR盤の録音日は1956年2月23日-24日だが、当盤については代理店はこれ以上の詳細を記載しておらず、レーベルからの情報も現時点では無し。近年歴史的録音の復刻を進めるAUDITE。今回はベルリン RIAS 放送局のオリジナル 76cm/s アナログ・テープから伝説のピアニスト、ソロモン(1902-1988)の秘蔵録音を発売。
 ソロモンは脂の乗り切っていた 1956年夏、54歳で脳梗塞で倒れ、1951年から進められていた EMI のベートーヴェン「ソナタ全集」録音も未完に終わり、亡くなるまでの32年間、演奏家生命も断たれてしまった。この録音は病に倒れる数ヶ月前、絶頂期の貴重な記録。
AU-23424
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(2CD)
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ヨハンナ・マルツィ、RIAS 録音集 1953-1966 初出あり
 ドヴォルジャーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53 (*)
 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調「雨の歌」 Op.78 (#)
 J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ト短調 BWV1001 (+)
 ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 HMV361 Op.1 No.3 (#)
 ヴィヴァルディ/レスピーギ編曲:ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 RV 10 (**)
 クライスラー:ベートーヴェンの主題によるロンディーノ
 フィオッコ/オニール編曲:組曲第1番 ト長調「アレグロ」
 ラヴェル:フォーレの名による子守歌
 ファリャ/クライスラー編曲:「はかなき人生」~スペイン舞曲
  ヨハンナ・マルツィ(Vn) フェレンツ・フリッチャイ指揮ベルリン RIAS so.(*)
  ジャン・アントニエッティ(P;*, + 以外)
 録音:1953年6月8日、イエス・キリスト教会(*) /1962年5月4日、スタジオ7、RIAS フンクハウス(#/+) /1964年2月9日(**)、1966年4月4日(無印)、ジーメンスヴィラ(**/無印)、以上、すべてベルリン。 ドヴォルジャーク、ブラームス、ヴィヴァルディはおそらく初出音源(バッハ、ヘンデルと無印の各曲は、COUP D'ARCHET から COUPCD-005, COUPCD-007 〔バッハ〕, CDACD-001-007RR 〔 8CDs 〕で既出)。(*)も DG 録音のセッション開始2日前に収録された別録音だとの事( DG のセッションは1953年6月10日-12日。下記当盤代理店のコメントとは異なるが、ディスコグラフィ等の一般的資料では全て10日からの3日間と記載されている。マルツィの韓国盤 DG & EMI 録音全集 CD BOX に 3日-5日と記されている模様なので、この誤記?からの丸写しだろうか)。リマスタリング:ルトガー・ベッケンホーフ。
 ハンガリーの女流ヴァイオリニスト、ヨハンナ・マルツィ(1924-1979)。活動期間の短さもあり、残された貴重な録音により、今もなお屈指の人気を誇るヴァイオリニストの一人だが、この度1953年から1966年にベルリンで収録された音源がアウディーテ社主ベッケンホーフ氏による "1stマスター・リリース" として、非常に優れたリマスタリングで発売。マルツィの誉れ高き名盤の一つである、ドイツ・グラモフォンにセッション録音したドヴォルジャークのヴァイオリン協奏曲は 1953年6月3日-5日〔代理店記載ママ/おそらくこの後の日付に関するコメントも併せ、誤り〕、イエス・キリスト教会での録音だがその3日後に、同顔ぶれ&ロケーションで行われた録音が、ドイチュラントラジオ・クルトゥーア・アーカイヴに残されていた。マルツィの最大の持ち味である驚異的な集中力とクリアで輝かしい音色は、聴き手の心を震わせる力強さをもっており、ここでもフリッチャイのタクトのもとオーケストラの反応もよく、濁りのない素晴らしい演奏を聴くことが出来る。もちろん、この貴重な録音は初ディスク化。第2次大戦後、1960年代に入ると対独協力者として告発されたことなど、さまざまな事情によりマルツィは次第に演奏会のステージから遠ざかってしまうので、その1960年代空白の演奏時期の音源がこうして状態の良い音で、しかも最も得意としたレパートリーの数々が聴けるのは無上の喜びといえるだろう。高名な批評家たちの受けもよかったと言われるバッハの無伴奏は鬼気迫る熱演、20世紀の巨匠の必須レパートリーであるヘンデル、ヴィヴァルディはマルツィの歌心がダイレクトに伝わる演奏、ブラームスの雨の歌は涙をさそう優美な音色と、どの演奏も極上・絶品。マルツィの輝かしく鮮明な音色はいまだに色褪せることはない。
AU-23426
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(2CD)
バリー・マクダニエル、歌曲を歌う
 シューベルト:冬の夕べ D.938 /秋 D.945 /美と愛がここにいたことを D.775 /独りで D.800 /冥府への旅 D.526 /
        若者と死 D.545 /愛の言葉 D.410 /漁師の歌 D.881 /ヴィルデマンの丘を越えて D.884 /消滅 D.807
 シューマン:6つの詩とレクィエム Op.90 /夜の歌 Op.96 No.1 /楽師 Op.40 No.4 /ジプシーの小歌1、2 Op.79 No.7 /
       裏切られた恋 Op.40 No.5 /プロヴァンスの歌 Op.139 No.4 /私の美しい星 Op.101 No.4 /
       ヘブライの歌から Op.25 No.15 /あの人の声 Op.96 No.3
 ヴォルフ(#) :エオリアンハープに/郷愁/さらば/飽くことを知らぬ恋/鼓手/別れ
 デュパルク(#):悲しい歌/嘆き/ロズモンドの館/恍惚/溜め息/フィディレ
 ラヴェル:マダガスカル島民の歌(全3曲)(+) / ドビュッシー:恋人たちの散歩道(全3曲)(#)

  バリー・マクダニエル(Br) ヘルタ・クルスト(P;無印)
  アリベルト・ライマン(P;#/+)エーベルハルト・フィンケ(Vc;+)
  カールハインツ・ツェラー(Fl;+)
 録音:1963年-1974年、ベルリン。バリー・マクダニエルは1930年、米国カンザス州リンドンの生まれのバリトン。1954年、当時の多くの米国人歌手と同じく西ドイツへ進出、マインツ、シュトゥットガルト、カールスルーエの歌劇場を経て、1962年にベルリン・ドイツオペラに所属、1999年まで実に37年間もここで活躍した。1963年の伝説的なベルリン・ドイツオペラ来日公演にも同行し「フィデリオ」の第一の囚人を歌っている。主役も脇役も何でも歌える万能型バリトンだったマクダニエルは、もちろんドイツ・リートも得意としていたが、オペラ、歌曲とも、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウという巨星が同世代にいたため、名声はもっぱら西ドイツ内に留まった。このCD2枚には、マクダニエル30代から40代始めの貴重な放送録音が発掘されている。自然で穏やかな描写に優れ、味わいが深い。親交のあった作曲家、ライマンが伴奏を引き受けているのも注目。
AU-23430
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(2CD)
ベートーヴェン弦楽三重奏曲全集
 弦楽三重奏曲〔変ホ長調 Op.3 /ト長調 Op.9 No.1 /ニ長調 Op.9 No.2 /ハ短調 Op.9 No.3 〕/セレナード ニ長調 Op.8

 ジャック・ティボー・トリオ
 [ブルクハルト・マイス(Vn) ハンナ・ストライボス(Va) ボグダン・ジアヌ(Vc)]
 録音:2015年4月24日-29日、ベルリン。1994年結成、2014年に結成20周年を迎え さらなる活躍をみせるジャック・ティボー・トリオは、演奏機会の少ない、しかし素晴らしい作品を積極的に取り上げてきた。当盤は結成当初から重要レパートリーであるベートーヴェン作品。3つの弦楽三重奏曲 Op.9 は12年ぶりの再録音(旧録音盤:AU-97508 /ヴィオラがフィリップ・ドゥフィア、チェロがウーヴェ・ヒルト=シュミット)で、全ての楽章で旧盤より早めのテンポが取られている。ヴァイオリンのブルクハルト・マイスはより雄弁な語り口となり、ヴィオラ、チェロのメンバー交代もあり新鮮で洗練された演奏となっている。
AU-23434
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(2CD)
J.S.バッハ(1685-1750):
 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ(全曲) BWV.1001-1006
  クリストフ・シッケダンツ(Vn)
 録音:2014年3月17日-19日、2015年5月14日-15日、2016年7月26日-27日、スタジオP4ザール3、フンクハウス・ナレーパシュトラッセ・ベルリン。 クシェネク(1900-1991)のヴァイオリン作品集(AU-95666)でも注目を集めたドイツ中堅のヴァイオリニスト、クリストフ・シッケダンツがバッハの無伴奏全曲に挑んだ。1969年ダルムシュタット生まれのシッケダンツはフライブルクにてイェルク・ホフマンに、ベルリン芸術大学にてウヴェ・マルティン・ハイベルクにそれぞれ師事し研鑽を積んだ。現在はハンブルク音楽大学の教授、ならびに母校ベルリン芸術大学の教授をつとめる一方、ソリストまたヨハネス・クライスラー・トリオとしても活 躍している。しなやかで流麗な音色が魅力のシッケダンツが奏でるバッハは全体的に速めのテンポ設定。長年丹念に弾き続けてきたこの名作を見事な技巧と多彩で生き生きとした表現で聴かせてくれる。
AU-23440
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(2CD)
ベートーヴェン:チェロとピアノのための作品全集
 チェロ・ソナタ〔第1番 ヘ長調 Op.5 No.1 /第2番 ト短調 Op.5 No.2 /第3番 イ長調 Op.69 /
         第4番 ハ長調 Op.102 No.1 /第5番 ニ長調 Op.102 No.2 〕/
 ヘンデル「ユダ・マカベア」の「見よ勇者は帰る」の主題による12の変奏曲 ト長調 WoO.45 /
 モーツァルト「魔笛」の「娘か女か」の主題による12の変奏曲 ヘ長調 Op.66 /
 モーツァルト「魔笛」の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO.46

  マルク・コッペイ(Vc) ペーター・ラウル(P)
 録音:2017年11月3日、小ホール、サンクトペテルブルク・フィルハーモニア、ライヴ。 丁寧な音楽づくりで定評のある実力派チェリスト、マルク・コッペイがベートーヴェンのチェロとピアノのための作品全集をライヴ収録。コッペイはストラスブール生まれ。パリ国立高等音楽院で学んだ後、18歳でJ.S.バッハ国際コンクールにおいて優勝。その後のキャリアは華々しく、ソリストとしてはインバル、クリヴィヌ、ギルバート、佐渡裕などの指揮者と共演。室内楽奏者としてのキャリアも充実しており、ピリス、ベロフ、デュメイ、ムローヴァ、パユなどから厚い信頼を得ている。またイザイ弦楽四重奏団(1995年から2000年)のメンバーとして数 多くの録音を残している。現在はパリの国立高等音楽院で教鞭を執るほか、ザグレブソロイスツ合奏団の芸術監督として活躍の幅をさらに広げており、手兵と共演したハイドン& C. P. Eバッハのチェロ協奏曲集(AU-97716)では高い評価を得た。そして、キリル・カラビツ指揮ベルリン・ドイツso. とのドヴォルジャークのチェロ協奏曲(AU-97734)では堂々たる演奏で注目を集めた。ペーター・ラウルとの共演で収録したこのベートーヴェンではどの作品でも息の合った掛けあいに聴き入ってしまう。優美に歌い上げるコッペイと表情豊かに演奏するラウルのピアノ、それぞれが絶妙の表情で演奏している。コッペイの自信作がここに完成した。演奏はもちろんのこと、auditeの社主にしてトーンマイスターのルトガー・ベッケンホーフ氏による録音は、演奏の空気感・迫力が伝わる最上の録音と言えるだろう。
 #2018年4月上旬以降発売予定。
AU-23442
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(2CD)
ロシアン・レジェンズ
 プロコフィエフ/ロストロポーヴィチ編曲:バレエ「シンデレラ」からの10の小品 Op.97bis ~アダージョ
 プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調 Op.119 / グラズノフ:吟遊詩人の歌 Op.71
 ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調 Op.40 / チャイコフスキー:カプリッチョ風小品 ロ短調 Op.62
 アレンスキー:チェロとピアノのための2つの小品 Op.12 / スクリャービン:チェロとピアノのためのロマンス
 ラフマニノフ:チェロとピアノためのリート ヘ短調/チェロ・ソナタ ト短調 Op.19 /ヴォカリーズ Op.34 No.14

 チェン・デュオ[ブライアン・チェン(Vc|使用楽器 1696年製ストラディヴァリウス)
           シルビー・チェン(P|使用楽器ベーゼンドルファー 280VC )]
 録音:2018年10月30日-11月3日、イエス・キリスト教会、ベルリン。中国系カナダ人の兄妹デュオ、チェン・デュオ。チェンの2乗=Cheng2 で表記する通り、デュオが2倍ではなく2乗で相乗的な効果で演奏するという二人の思いが込められている。「ドビュッシー、フォーレ、フランク、サン=サーンス」をおさめたフランス作品集(AU-97698)、「グラナドス、ファリャ、アルベニス、トゥーリナ、カサド、サラサーテ」をおさめたスペイン作品集(AU-97736)につぐ第3弾はロシア作品集で「プロコフィエフ、グラズノフ、ショスタコーヴィチ、チャイコフスキー、アレンスキー、スクリャービン、ラフマニノフ」の作品を収録した。デュオとして既に15年以上のキャリアをもつチェン兄妹は、2011年に急遽代役として出演したカーネギーでのリサイタルで大成功をおさめ、ニューヨークで話題となった。その後2015年には母国カナダのCBCが発表した「30歳以下のカナダ出身のクラシックの注目アーティスト」に選出されている。それぞれがソリストとして活躍している実力派の二人の演奏は、阿吽の呼吸から生み出される一糸乱れぬ演奏が最大の魅力で、卓越した技術で聴き手を虜にする。作品のキャラクターを理解し情熱的に奏でる兄妹デュオは驚くほどの集中力と表現力で奏でる。
AU-23445
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(2CD)
J.S.バッハ/レーガー編曲:ピアノ・デュオ版ブランデンブルク協奏曲
 〔第2番 ヘ長調 BWV.1047 /第5番 ニ長調 BWV.1050 (*) /第1番 ヘ長調 BWV.1046 /
  第4番 ト長調 BWV.1049 /第6番 変ロ長調 BWV.1051 /第3番 ト長調 BWV.1048 〕/
 パッサカリア ハ短調 BWV.582 /トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565 /前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV.552「聖アン」

 ピアノ・デュオ・タカハシ/レーマン
  [高橋礼恵、ビョルン・レーマン(P)]
 録音:2019年1月2日-5日、イエス・キリスト教会、ベルリン(*以外) /2016年3月1日-3日、マリーエンミュンスター修道院(*) | (*)は既出。日本人の高橋礼恵とドイツ人ビョルン・レーマン夫妻による実力派ピアノ・デュオのアルバム第4弾。前作CDに収録したレーガー編曲のブランデンブルク協奏曲第5番があまりに素晴らしい演奏ゆえ、ぜひ全曲をという声が世界中から起き、この録音が実現した。マックス・レーガーは旺盛な創作をこなすかたわら編曲も数多く行なっているが、なかでも精神的先祖バッハ作品には特別な思いがあったらしく、さまざまな形態を試みている。名作ブランデンブルク協奏曲は全6篇を1904-5年にピアノ4手用へ編曲したが、作品にとって、これ以上考えられないほど理想的な組合せながら、これまでほとんど演奏、録音されてきなかった。それは、レーガー自身がピアノの名手だったにもかかわらず、リストやラフマニノフのような合理的な編曲ではなく、バッハの錯綜する声部をあますことなく4つの手に振り分け、それらが複数の旋律を同時に奏するため、プリモの左手がとてつもなく難しいのと、手の交差が多すぎて1台のピアノでは困難を極めるなど、「机上の空論」とされていたからだった。しかしピアノ・デュオ・タカハシ/レーマンはこれを指定のテンポで完璧に再現し、レーガーの編曲がすさまじく効果的であることを実証した。バッハのブランデンブルク協奏曲は、6曲の楽器編成がそれぞれ異なり、その特性や音色を駆使していることも魅力だが、レーガーはそれをすべてピアノの色に塗り替え、メロディ自体の魅力や作曲法の巧みさを倍増させ「目から鱗」の連続。数字付低音などのレアリゼーションも興味津々。まさにレーガーの耳を通したバッハの世界となっている。さらにフィル・アップとして、レーガーによるバッハの人気オルガン曲3篇のピアノ4手用編曲も収められている。有名な「トッカータとフーガ」の壮麗さ、「パッサカリア」のボルテージの高さ、「聖アン」の感動など、連弾ならではのオーディオ的音世界を満喫出来る。いずれもアウディーテならではの高音質録音。「ブランデンブルク協奏曲第5番のみスタインウェイだが、他はヤマハの銘器の音色をたっぷり楽しめる。高橋礼恵とビョルン・レーマンは、ともにベルリン芸術大学でクラウス・ヘルヴィヒに師事。レーマンは現在同校教授を務め、高橋とふたりで日本でもマスタークラスをしばしば行うなど、お馴染みとなっている。このふたりの凄いところは、4手連弾のために書かれた作品はどんなに込み入っていても1台4手で弾ききってしまうこと。2台で分ければ容易になっても、その形態で書かれたことの意味を追求している。深い楽譜の読み、精巧なアンサンブル、冴えた技巧によるピアノ・デュオ界きってのスター。
AU-23446
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(2CD)
K[NOW]N PIANO ~ピアノ音楽250年の対話
 J.S.バッハ:前奏曲 ハ長調 BWV.846-1 (1722) /ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 ~アリア (1741)
 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番 イ長調 K.331「トルコ行進曲」~第3楽章 ロンド (1784) /
        ピアノ・ソナタ第16番 ハ長調 K.545 ~第1楽章 アレグロ (1788)
 ベートーヴェン:エリーゼのために イ短調 WoO.59 (1810)
 シューベルト:即興曲 変イ長調 Op.90 No.4, D.899 (1827)
 ショパン:夜想曲第7番 嬰ハ短調 Op.27 No.1 (1836)
 シューマン:トロイメライ Op.15 No.7 (1838) /ロマンス第2番 嬰ヘ長調 Op.28 No.2 (1839)
 メンデルスゾーン:巡礼の歌 変ロ長調 Op.67 No.3 MWV U 102 (1845)
 ゴッツチョーク:バナナの木 ハ短調 Op.5 (1846)
 リスト:愛の夢第3番 変イ長調(1850) /ラ・カンパネッラ S.141 (1851)
 ブラームス:バラード第4番 ロ長調 Op.10 No.4 (1854) / グリーグ:孤独なさすらい人 Op.43 No.2 (1886)
 アルベニス:「スペインの歌」~前奏曲 Op.165 No.1 (1890) / ドビュッシー:月の光 L.75-3 (1890)
 ラフマニノフ:前奏曲〔第4番 ニ長調 Op.23 No.4 (1901) /第5番 ト短調 Op.23 No.5 (1901) 〕
 ラヴェル:水の戯れM.30 (1901) / ペルト:アリーナのために(1976)

 ジミン・オウ=ハヴェニート(P|使用楽器:ベーゼンドルファー
 録音:2020年7月8日-10日、ゼンデザール、ブレーメン。韓国が誇るピアニスト、ジミン・オウ=ハヴェニートのauditeレーベル第3弾はバッハからペルトまで、250年の鍵盤作品を収録したアルバムK[NOW]NPIANO~「ピアノ音楽250年の対話」。タイトル通り、知られた(KNOWN)ピアノ作品としては、J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集の「前奏曲」にはじまり、モーツァルトの「トルコ行進曲」、ベートーヴェンの「エリーゼのために」、リストの「ラ・カンパネッラ」、ラヴェルの「水の戯れ」など名曲。一方、今(NOW)、オウ=ハヴェニートが演奏・録音すべきと思うペルトの「アリーナのために」も収録。コロナ禍で収録された当アルバム。その今を伝える繊細な解釈によって演奏を締めくくっている。オウ=ハヴェニートは国立ソウル大学校卒業後、ケルン音楽舞踊大学にて研鑽を積み現在ドイツを拠点に活躍している。録音としてはのちの夫となるレイムンド・ハヴェニートとともに1990年代に録音したウルリヒ・レインデッカーのピアノ作品集などをリリースしている。円熟を増したオウ=ハヴェニートの演奏は深みがあり、ベーゼンドルファーを用いて演奏している。
AU-23447
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(2CD)
オルガン学校のようなもの~J.S.バッハ&メンデルスゾーン:オルガン・ソナタ集
 J.S.バッハ:オルガン・ソナタ〔トリオ・ソナタ〕
  〔第1番 変ホ長調 BWV.525 /第2番 ハ短調 BWV.526 /第3番 ニ短調 BWV.527 /
   第4番 ホ短調 BWV.528 /第5番 ハ長調 BWV.529 /第6番 ト長調 BWV.530 〕
 メンデルスゾーン:6つのオルガン・ソナタ Op.65
  〔第1番 ヘ短調 Op.65 No.1 /第2番 ハ短調 Op.65 No.2 /第3番 イ長調 Op.65 No.3 /
   第4番 変ロ長調 Op.65 No.4 /第5番 ニ長調 Op.65 No.5 /第6番 ニ短調 Op.65 No.6 〕

 ハンス=エーベルハルト・ロス(Org|使用楽器:ゴル社製
 録音:2020年6月1日-5日、聖マルティン教会、メミンゲン、ドイツ。オルガンの録音に定評のあるドイツのauditeレーベル。このジャンルにおいて数々の優秀録音をリリースしてきた。当アルバムではJ.S.バッハとメンデルスゾーンのオルガン・ソナタ全集を録音。演奏は数々の国際コンクール受賞歴を持ち、フランクのオルガン作品全集 (AU-21413) 、ヴィエルヌのオルガン交響曲全集 (AU-92674, AU-92675, AU-92676) の録音でも卓越した技術と確かな解釈で高い評価を得ているハンス=エーベルハルト・ロス。マリー=クレール・アランが「オルガン教師が才能ある弟子に習得させようとする難題の集大成」とも表現したJ.S.バッハの6つのトリオ・ソナタ。1727年から1732年にかけて作曲されたこれらの作品は、現在でもすべてのオルガニストの礎となっている。その100年後、メンデルスゾーンは6つのオルガン・ソナタを作曲している。メンデルスゾーン自身が「オルガン学校のようなもの」と出版社に書いたように非常に高度な技術と集中力を要し、オルガニストにとって「勉強」の意味合いがあるが、そのどちらも芸術的に最高傑作であることは言うまでもない。ロスの気品あふれる演奏をお楽しみ頂きたい。「メミンゲンの聖マルティン教会に据え付けられたゴル・オルガンは、20世紀後半(1998年)に作られた近代的な楽器で、その音色は19世紀のフランスの交響曲のレパートリーを表現するように設計されている。しかしこの楽器の最大の特徴はバロックとロマン派初期の音色が見事に融合していること。つまり、この楽器はオルガン音楽の歴史において異なる時代のバッハとメンデルスゾーンの演奏をすることができる。」(ハンス=エーベルハルト・ロス)
オルガンのためのクリスマス音楽
 ギルマン:シオンの娘よ、喜べ / ルフェビュール=ヴェリ: Venite adoremus
 J.C.F.バッハ:「ああ、ママに言うわ」によるパルティータ
 カルク=エーレルト:コラール即興曲集 Op.65 ~戸を高く上げよ/ Resonet in laudibus Op.106 No.3
 カール・サットラー(1874-1938):パストラール「 Josef, leiber Josef mein Stille Nacht 」
 J.S.バッハ:コラール集〔 BWV.659, 751, 769 〕
 ガストン・マリア・デティアー(1875-1958): Herbei, o ihr Glaubigen

  ヨハネス・ゲフェルト(Org)
 録音:十字架教会、ボン。
ベートーヴェン:ゲレルトによる6つの歌 Op.48
ドヴォルジャーク:歌曲集「聖書の歌」 Op.99
ハンス=ディーター・
 ザイベル(T)
ヨハネス・ゲフェルト(Org)
 録音:1995年9月、十字架教会、ボン。
トーマス・ヌートツェンベルガー、ピアノ・リサイタル
 D.スカルラッティ:2つのソナタ〔ホ短調 K.98 /ハ長調 K.513 〕
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 Op.10 No.3 / シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17
 プロコフィエフ:ロメオとジュリエット からの10の小品 Op. 75 ~ロメオとジュリエットの別れ

  トーマス・ヌートツェンベルガー(P)
 録音:1994年3月。
ペーター・シュマルフス、愛の夢~リスト:ピアノ作品集
 愛の夢第3番 変イ長調 S.541 No.3 /コンソレーション S.172 より/
 伝説第2番「波の上を歩くパウラの聖フランソワ」S.175 No.2 /
 巡礼の年第1年「スイス」 S.160 より Nos.2, 4, 9, 6 /
 巡礼の年第2年「イタリア」 S.161 より Nos.2, 3, 4, 1 /
 巡礼の年第3年 S.163 ~第4曲「エステ荘の噴水」
  ペーター・シュマルフス(P)
 録音:データ記載無し/ (P) (C) 1996 。使用楽器:スタインウェイ D 。
FER-30006
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2CD価格
ロルフ・ヘルベルガー(1908-2003):弦楽四重奏曲第2番(1988) (*)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番 ト長調 Op.96 (#)
  フランツィスカ・ケーニヒ(Vn;*/#)、ヴォルフラム・ケーニヒ(Vn;*)
  ゲルヴィント・オルトホフ(Va;*) ドルーリ・グシュルバウアー(Vc;*)
  イヴァン・ケーニヒ(P;#)
 録音:データ記載無し/ (P) (C) 1997 。使用楽器:スタインウェイ D 。
 # 市場在庫払底のため高額商品です。また、入手出来無い場合はご容赦下さい。
マチルデ・カプイス(1913-2017):チェロとピアノのための作品集 Vol.1
 チェロ・ソナタ〔第1番-第3番〕
  デュオ・カプイス[ガブリエーレ・デレンドルフ(Vc) クリスタ・ケルン(P)]
マチルデ・カプイス(1913-2017):チェロとピアノのための作品集 Vol.2
 チェロ・ソナタ〔第4番/第5番〕/エレジア/主題と変奏/バッラータ/アニマート
  デュオ・カプイス[ガブリエーレ・デレンドルフ(Vc) クリスタ・ケルン(P)]
 以上2点とも、録音:1997年11月。イタリアの女流鍵盤奏者・作曲家・教育者カプイスは1913年1月1日生まれで、2017年1月31日、104歳で亡くなった。
カールスルーエ教会のクリスマス~オルガン&合唱作品集
 J.S.バッハ:コラール「甘き喜びのうちに」BWV 729 /パストラーレ BWV 590 /
         カンタータ「見よ、いかなる愛を父はわれらにしめされたるか」BWV 64
          ~第2曲「イエス・キリストよ、賛美をうけたまえ」(#) /
         オルゲルビュヒライン より〔イエス・キリストよ、賛美をうけたまえ BWV 604 /
                       かくも喜びに満てる日 BWV 605 〕
 ペーター=ミヒャエル・リーム(1947-2007):甘き喜びのうちに(*) /静かに小舟きたる(*)
 ミヒャエル・プレトリウス(1571-1621):かくも喜びに満てる日(#) / ヘンデル:ヴォランタリー
 ブクステフーデ:暁の星のいと美しきかな BuxWV 223
 ブラームス:11のコラール前奏曲~第8曲「一輪のばらは咲きて」 Op.122 No.8
 プレトリウス:一輪のばらは咲きて(#)
 レーガー:7つの小品~第3曲「クリスマスの夜」 Op.145 No.3 /
      8つの宗教的歌曲~第4曲「聖母さまの夢」 Op.138 No.4 (#)
 メシアン:主の降誕 より〔羊飼いたち/天使たち/東方三博士〕 / デュプレ:古いノエルによる変奏曲 Op.20
 賛美歌111番「神の御子は今宵しも」(デイヴィッド・ウィルコックス(1919-)編曲)(+)

 カルステン・ヴィーブッシュ(Org) カントゥス・イウヴェヌム(少年少女cho.)(*)
 カールスルーエ・キリスト教会室内cho.(#) カールスルーエ・キリスト教会オラトリオcho.(+)
 録音:2011年5月3日-5日、カールスルーエ教会。使用オルガン:クライス社、1850年製作(1966&2010修復)。本体記載レーベル: FERMATE 。1999年よりカールスルーエ教会の専属オルガニストを務め、キリスト教会室内合唱団(カールスルーエ)及びキリスト教会・カールスルーエ・オラトリオ合唱団の合唱指揮者としても活躍するヴィーブッシュによる、オルガン独奏作品と、同名のコラールを元にした合唱作品を原則的に交互に配置したクリスマス作品集。重厚感を生かした圧倒的な演奏で披露したバッハ「オルガン作品傑作集」(AU-92663)同様、カールスルーエ教会のクライス・オルガンを使用しており、当楽器を知り尽くした絶妙なレジストレーション。
聖ドミニクを讃える晩祷
 ドミニコ会聖歌とオルガン即興演奏(全32曲)
ティエリー・メフラー(Org)
トーマス・メラー合唱指揮
ドミニコ会スコラ
 (P) (C) 2012 /現地発売:2013年11月。使用オルガン: Sauer organ in St. Sophia's church, Hamburg 。本体記載レーベル: FERMATE 。国内代理店は演奏団体を『トーマス・ラッツムジーク』と記載しているが、レーベルの欧文記載には見当たらず、誤りと思われる。2016年に800周年を迎える、1216年創立のカトリック修道会ドミニコ会を讃えるアルバム。古くは1256年から今日まで用いられている聖歌、それに基づくオルガンの即興演奏等を収録、グレゴリオ聖歌起源の極めて美しい世界が広がる。録音の良さも特筆で、ヨーロッパの教会の中にいるような癒しの世界にひたることが出来る。
ルネサンス・リコーダーの世界
 エラスムス・ヴィートマン:3つのガリアルダ
 ジョヴァンニ・バッティスタ・フォンターナ:
  ソナタ第2番 ニ長調
 ヤコブ・ファン・エイク:アマリッリ麗し
 ジローラモ・フレスコバルディ:トッカータ/カンツォーナ
 作曲者不詳: Mit ganzem Willen wünsch ich dir
 ゲオルグ・デ・プテンハイム:Mein Herz in hohen Freuden ist
 ジョヴァンニ・コペラリオ:組曲 ハ長調
 アウレリオ・ヴィルジリアーノ:レチェルカータ
 チプリアーノ・デ・ローレ: Beato mi direi
 ジョヴァンニ・バッティスタ・リッチオ:カンツォーナ
 ジョヴァンニ・バッサーノ:リチェルカータ・オッターヴァ
ペーター・タールハイマー(リコーダー)
シュトゥットガルト・
 コレギウム・ムジカ・ララ
 ピリオド楽器使用。
ラヨシュ・レンチェシュ
 ~オーボエとハープのためのロマン派レアリティーズ

 ドニゼッティ:アンダンテ・ソステヌート
 ロベール・ニコラ・シャルル・ボクサ:夜想曲Op.50-3
 アンリ・ブロ:夜想曲Op.20-2
 アントーニオ・パスクッリ:
  イングリッシュ・ホルンとハープのための
   ベッリーニヘのオマージュ
ラヨシュ・レンチェシュ
(Ob/イングリッシュHr)
ラチェル・タリトマン(Hp)
D.スカルラティ:ソナタ集
 [変ホ長調K.193/ヘ短調K.481/ハ長調K.132/
  ヘ短調K.386/変イ長調K.127/嬰ハ短調K.247/
  ホ長調K.380/ホ長調K.135/ロ短調K.87/
  ト長調K.169/ハ長調K.159]
ハイディ・コンメレル(P)
 録音:1985年。コンメレルは実力派の女流。端正な仕上がりで好感が持てる。
AU-91518
(2 HYBRID_SACD)
廃盤
フランク:オルガン作品全集 Vol.1
 ハンス=エーベルハルト・ロス(Org)
 2012年8月にCDで再発されるBOX, AU-21413 (6CDs) へ移行。以下SACD分売2点もレーベル在庫限りと思われます。
AU-91519
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(2 HYBRID_SACD)
フランク:オルガン作品全集 Vol.2
 足鍵盤によるハルモニウムもしくはオルガンで弾く
  聖務日課のための遺作集(オルガニスト II)[43曲]/
 ハルモニウムのための、
  ブルターニュのノエルによるオフェルトリウム/
 幻想曲(ハ長調、第3稿)/ハルモニウムのためのアントレ/
 3つの小品[幻想曲 イ長調/カンタービレ/英雄的小品]/
  小オフェルトリウム/無題(小品-アンダンテ・クアジ・レント)
ハンス=エーベルハルト・ロス
 (Org)
 録音:2004、2005年、メミンゲン、聖マルティン教会。大オルガン使用。
AU-91520
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(2 HYBRID_SACD)
フランク:オルガン作品全集 Vol.3~
 オルガンもしくはハルモニウムのための小品集

 7つの小品 ハ長調・ハ短調/7つの小品 変ニ長調・嬰ハ短調/
 7つの小品 ニ長調・ニ短調「クリスマスのための」/
 7つの小品 変ホ長調・変ホ短調/7つの小品 ホ短調・ホ長調/
 7つの小品 ヘ長調・ヘ短調/7つの小品 嬰へ短調・変ト長調/
 7つの小品 ト長調・ト短調「クリスマスのための」/
 7つの小品 変イ長調・嬰ト短調/
 大オルガンのための3つのコラール[ホ長調/ロ短調/イ短調]
ハンス=エーベルハルト・ロス
 (Org)
 録音:2004、2005年、メミンゲン、聖マルティン教会。大オルガン使用。
AU-91650
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(2 HYBRID_SACD)
1.5枚価格
サン=サーンス:ピアノ協奏曲全集
 [第1番 ニ長調Op.17/第2番 ト短調Op.22/
  第4番 ハ短調Op.44/第3番 変ホ長調Op.29/
  第5番 ヘ長調Op.103「エジプト風」]
アンナ・マリコワ(P)
トーマス・ザンデルリング指揮
ケルンWDRso.
 録音:2003年3月31日-4月4日、10月6日-7日、12月1日-5日、ケルン・フィルハーモニー、セッション。ウズベキスタンのタシュケント出身、1990年のショパン・コンクールで第5位に入賞、1993年には1位が出ないことで有名なミュンヘン国際音楽コンクールで堂々第1位。日本にも数回来ている世界的ピアニスト、マリコワの弾くサン=サーンスのピアノ協奏曲全集(旧・AU-92509AU-92510/分売は廃盤)が、お得なセットで登場。
 見事に円熟を歩んでいる彼女のピアノは、コンクールで鍛えられた卓越した腕前はもちろんなのだが、それを前面に出さない品のよさ、しっとりとした大人の魅力がある。ザンデルリングもやる気十分でケルン放送交響楽団を操っている。
AU-91662
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(2 HYBRID_SACD)
ブラームス:クラリネットのための室内楽作品全集
 クラリネット三重奏曲 イ短調 Op.114 /
 クラリネット・ソナタ第1番 ヘ短調 Op.120 No.1 /
 クラリネット・ソナタ第2番 変ホ長調 Op.120 No.2 /
 クラリネット五重奏 ロ短調 Op.115
ラウラ・
 ルイズ・フェレレス(Cl)
クリストフ・ベルナー(P)
石坂団十郎(Vc)
マンデルリングSQ
 録音:2012年2月9日-11日、7月19日-20日、イエス・キリスト教会。スペイン出身の女流クラリネット奏者ラウラ・ルイズ・フェレレス。彼女の世代で最も才能のあるクラリネット奏者の一人として注目されている。数々の国際コンクールでの輝かしい受賞歴と世界的オーケストラとのソリストとして共演、またバイエルン国立o.などの奏者として活躍。2007年から2010年までベルリン・コーミッシェ・オーパーo.の首席クラリネット奏者に就任。現在はソリストとして活動する傍ら2010年からフランクフルトの音楽大学で教鞭をとっている。クラリネット、チェロ、ピアノという編成の三重奏は情緒的でしっとりとした音楽。フェレレスの伸びやかな美しい音色、石坂団十郎の抜群のニュアンスを持った表現力、そしてクリストフ・ベルナーの優しさの中に力強さを感じるピアノの音で味わい深く聴かせる。またマンデルリング四重奏団との五重奏では、フェレレスの高い技巧と充実した音楽性で不朽の名作を仕上げている。
AU-91668
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(2 HYBRID_SACD)
ブラームス:ピアノ三重奏曲全集
 〔第1番 ロ長調 Op.8(1889年改訂版)/第2番 ハ長調 Op.87 /
  第1番 ロ長調 Op.8(1854年初稿版)/第3番 ハ短調 Op.101 〕

  トリオ・テストーレ[フランチスカ・ピエッチ(Vn) ハンス・クリスティア・シュヴァイカー(Vc)
              ヒョンジョン・キム=シュヴァイカー(P)]
 録音:2011年10月17日-20日、イエス・キリスト教会、ベルリン。結成から10年を過ぎ、ますます円熟をみせるトリオ・テストーレ。団体名は、使用する弦楽器の制作者の名字がいずれも「テストーレ」であることに由来(ヴァイオリンは1751年カルロ・アントニオ・テストーレ製、チェロは1711年カルロ・ジョゼッペ・テストーレ製)。ハイドンからピアソラに至る幅広いレパートリーの中でも、とりわけベートーヴェン、ブラームスといった19世紀ドイツ音楽を得意とする団体だけに、満を持しての全集発売。特に注目されるのは第1番の初稿版と改訂版の両方を収録していること。1853-54年にかけて作曲された第1番は、初演から35年も経った1889年に改訂がなされた。ブラームスの作品の中で初版と改訂版の2版が現存する作品はわずかだが、現在では専ら改訂版の使用が主流であり、初版の演奏に触れる機会は多くない。第2楽章以外の楽章で第2主題を入れ替えているほか、曲の展開を刷新するほどの思い切った改変が加えられており、改訂というよりも新たに“作曲"したといってもいいほど。交響曲や室内楽曲の主要な作品を生み出した時期を挟んで作られた2つの版を聴き比べることで、初期から晩年期にかけて円熟していく作風の遷移が強く感じられる。トリオ・テストーレの演奏は骨太で力強く、ブラームスの重厚かつ抒情的な音楽を存分に聴かせてくれる。ピエッチの艶やかで毅然としたヴァイオリンの音色が特に印象的だが、全体的に安定感のある堅実なアンサンブルを見せている。トリオ・テストーレ:2000年に結成された三重奏団。ヴァイオリニストのフランチスカ・ピエッチは11歳でソロ・デビューを果たした早熟の名手で、1998年から2002年までヴッパータール響のコンミスを務めた後、2006年から2010年の間ルクセンブルク・フィルのコンミスを務めあげた逸材。チェロを担当するのはソ連の豪傑ペルガメンシコフの愛弟子、ハンス・クリスティア・シュヴァイカー。教育者としてもすでに活躍し、石坂団十郎をはじめ数多くの若手が師事を受けている。トリオの中では最も若手であるヒョンジョン・キム=シュヴァイカーも、2008年ショパン国際ピアノコンクールイ長調SIA第1位に輝いた韓国期待の実力派。国籍も年代も三者三様のトリオだが、アンサンブルの一体感は折り紙つき。2011年に室内楽の音楽祭Mai-Klassikを創始。
AU-92506
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(HYBRID_SACD)
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」
バーバー:祝典トッカータ
フランク・ザベル(1938-):タッチング・カラーズ
R.シュトラウス/レーガー、コッホ編曲:
 ヨハネ騎士修道会の入城曲
クリスティアン・
 シュミット(Org)
ヨハネス・ヴィルトナー指揮
ザールブリュッケン放送so.
 録音:2003年2月24日-28日、ザールブリュッケン、聖アルヌアル大聖堂参事会教会。マルチチャンネルSACD/CDハイブリッド。
 マルチチャンネルのスペックをフルに生かした作りで、オルガンの重低音に加え、包み込むような音場までも再現。「祝典トッカータ」はアヴァンギャルドな響きに驚かされる作品。演奏者シュミットに献呈された「タッチング・カラーズ」は、大音響が炸裂するオルガン協奏曲。「ヨハネ騎士修道会の入城曲」はもともと金管とティンパニのための作品だが、作曲者とまったく作風の異なるレーガーが編曲しているのが興味深く、オルガンとトランペットによる開始は「ツァラトゥストラ」を思わせる。
AU-92507
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(HYBRID_SACD)
シューベルト弦楽四重奏曲集 Vol.1
 〔第14番 ニ短調 D 810「死と乙女」 /第10番 変ホ長調 D 87 〕
 マンデルリングSQ[セバスティアン・シュミット、ナネッテ・シュミット(Vn)
          ローラント・グラッスル(Va) ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 録音:2003年3月。現地発売:2008年。CD: AU-97507(現地発売:2003年10月/国内案内:2004年3月/廃盤)のSACD化。 Vol.2: AU-92524 (第13番&第11番/発売:2006年)、 Vol.3: AU-92552 (第15番&第9番/発売:2006年)。マンデルリングSQは3人のシュミット一族にグラッスルが加わって結成された団体。弦楽四重奏団の中には厳しすぎるほどの演奏を行なう団体もあるが、さすが血族、きっちりとまとめつつも和やか。
 AU-92509、AU-92510(アンナ・マリコワ、サン=サーンス:ピアノ協奏曲集 Vol.1 & 2)→AU-91650(2枚セット)へ移行
AU-92511
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(HYBRID_SACD)
マリンバ・スカルプチャー(彫刻)
 パヴァッサー:彫刻3
 カイザー:ハリケーンの目
 マチアス・シュミット:3つのスケッチ
 ロソロ:エヴェリン・グレニー「小さな祈り手」による変奏曲
 安倍圭子:コザックの思い出
 スティーブ・ライヒ:名古屋マリンバ
 イグナトヴィッツ:トッカータ
 安倍圭子:わらべ歌リフレクション II
カタジナ・ミツカ、
フランツ・バッハ、
エッカート・ストローマー(マリンバ)
 録音:2003年12月。
 マリンバの名手として世界的に活躍しているカタジナ・ミツカ(1972-)の素晴らしいテクニックをSACDの高音質で堪能できる一枚。自身もマリンバの名手である安倍圭子の作品やミニマル・ミュージックのライヒの作品など、多彩で誰が聴いても楽しめる内容になっている。
AU-92512
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(HYBRID_SACD)
シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化芝居「幻想的情景」Op.26
シューベルト:ピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D.959
河村尚子(P)
 録音:2003年3月。
 1981年生まれ、ハノーヴァー国立音楽芸術大学の演奏家過程で学ぶかたわら、ヴィオッティ、カーサ・グランデなどのコンクールで1位を獲得、さらにはリサイタル、コンサートで活躍中の河村尚子のデビュー・アルバム。シューマン、シューベルトというロマン派の二大看板をカワイ・ピアノを使用して粒立ちの良い美しい音色で端正に弾きあげている。この年代ならではの瑞々しい感性がSACDの素晴らしい録音によって余すところなく収録されている。
AU-92513
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(HYBRID_SACD)
プロコフィエフ:
 ピアノ・ソナタ第8番 Op.84/ピアノ・ソナタ第4番 Op.29
ラフマニノフ:
 前奏曲 変ト長調 Op3-10/前奏曲 ホ長調 Op.32-3
アレクセイ・ナビオリン(P)
 録音:2003年3月。
 これはまた凄いピアニスト、アレクセイ・ナビオリンは1978年シベリア生まれ。2002年チャイコフスキー国際コンクール(上原彩子が1位となって話題となった)で第2位となり一気に知名度が上がった。ただ、その腕前は相当のものだと言う声も多く、日本にも既に何度か来日している。
AU-92514
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(HYBRID_SACD)
シューベルト:
 即興曲集 D.935 Op.142/同 D.899 Op.90
チャオ・イン・チャン(P)
 録音:2003年3月19-20日、ヴェーゼル。使用楽器:カワイ。
 チャオ・インはニコラーエワやナウモフに師事した台湾出身のピアニスト。
AU-92515
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(HYBRID_SACD)
リヒャルト・フランク (1858-1938):
 ヴァイオリンとピアノのための作品集

 ソナタ第1番 ニ長調 Op.14(1890)/
 同第2番 ハ短調 Op.35(1903)/
 3つのヴァイオリン小品 Op.52
クリストフ・シッケダンツ(Vn)
ベルンハルト・フォグラッシャー(P)
 AUDITEからは、リヒャルト・フランクのピアノ三重曲集(AU-97487)と、チェロ作品集(AU-20031)が発売されており、このヴァイオリン作品が第3弾。1880年から1910年までの、ロマン派の音楽が急速に変化する時期の作品を収録している。ソナタ第1番には楽章に渡っての主題の統一を試みるなどの工夫が見られる。第2番には、ちょっと遅れてきたブラームス的な薫りがある。3つの小品は晩年の作品。ヴァイオリンのシッケダンツはハンブルクの音楽演劇アカデミー教授。
AU-92516
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(HYBRID_SACD)
ブラームス:
 チェロ・ソナタ第2番 ヘ長調 Op.99(1886)
 チェロ・ソナタ第1番 ホ短調 Op.38(1865)
ティルマン・ヴィック(Vc)
パスカル・ドヴァイヨン(P)
 録音:2003年12月。
 ブラームスの30代に書かれた第1番と、そのおよそ20年後に作曲された第2番。ハノーヴァーを中心に活動し、すでに多くのCDをリリースしているヴィックの、よく歌いしかも爽やかで引き締まってた演奏は、従来型の重厚で渋目の演奏よりむしろブラームスの孤高の魅力を一層引き出しているのではないだろうか。
AU-92521
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(HYBRID_SACD)
ソロ・ド・コンクール~
 トランペットとピアノのためのフランス音楽

 シャリエール:ソロ・ド・コンクール
 リュッフ:モビル
 ゴーベール:カンタービレと小スケルツォ
 バレ:コンクールの小品
 ビッチュ:4つの変奏曲
 サン=サーンス/ビュセ編曲:幻想曲 変ホ長調
 シャイヨー:コンクールの断片
 フローラン・シュミット:3つの部分からなる組曲 Op.133
ハンネス・ロイビン(Tp)
ルーカス・マリア・キューン(P)
 録音:2005年10月。
 パリ高等音楽院トランペット科の最終試験用に書かれた課題曲集だが、管に強みを誇るフランス音楽の伝統がうかがえる力作が揃っていて、単なる課題曲に留まってはいない。ドイツの気鋭の奏者による好演を捉えたSACDのハイ・クオリティ・サウンドにも注目したい一枚。
AU-92522
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(HYBRID_SACD)
リヒャルト・フランク(1858-1938):
 ピアノ四重奏曲 イ長調 Op.33/
 ピアノ四重奏曲 ホ長調 Op.41
  「1楽章形式の四重奏」/
 3つの幻想曲 Op.28
  [第1番 ハ短調/第2番 変イ長調/
   第3番 ハ長調]
クリストフ・
 シッケダンツ(Vn)
マリウス・ニチテアヌ(Va)
マティアス・バイアー=
 カールショジュ(Vc)
ベルンハルト・
 フォグラシュエル(P)
 録音:2005年12月12日-14日、カールスルーエ、SWRスタジオ。
 AUDITE が力を入れる「ドイツのフランク」の最新作。「グリーグやディーリアスも教えた大名手ライネッケの弟子リヒャルト(1858-1938)は、メンデルスゾーンの友人で弟子の父リヒャルト(1858-1893)と同じく、ピアノの才に長じていました。そのためピアノを含む作品では卓越した扱いに特徴があります。」(以上「」内、代理店表記ママ。後者はエドゥアルド・フランク(1817-1893)の誤りと思われる)20世紀に入ってから書かれた2つのピアノ・カルテット(1901年、1905年)は、いまだブラームスあたりを意識させるロマンティックな作風で親しみ易さいっぱい。ヘンシェル・カルテットのチェロが参加したアンサンブルも粒揃いで聴かせる。
AU-92523
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(HYBRID_SACD)
マルティヌー:チェロ・ソナタ集
 [第1番(1939)/第2番(1941)/第3番(1952)]
ティルマン・ヴィック(Vc)
パスカル・ドヴァイヨン(P)
 波乱万丈の人生を色濃く投影、マルティヌーのチェロ・ソナタ。
 「音楽表現というものは作曲者の個性と経験の結果であるべきで、特異な技術を用いた結果であってはならない。音楽は計算問題ではないのだ。というのも創作したいという衝動は生きたいという、人生を感じたいという欲求とまったく同じものだからだ。」このマルティヌーの信条どおり、3つのチェロ・ソナタも創作時期に重なるように大戦のショックとアメリカ亡命を色濃く反映した内容となっている。同時にまた故郷チェコへの熱い心情を吐露している点も見逃せない。ヴィックとドヴァイヨンのデュオはこうした作品の性格を鋭く浮き彫りにしている。
AU-92524
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(HYBRID_SACD)
シューベルト弦楽四重奏曲集 Vol.2
 〔第13番 イ短調「ロザムンデ」D 804, Op.29 /第11番 ホ長調 D 353, Op.125 No.2 〕
 マンデルリングSQ[セバスティアン・シュミット、ナネッテ・シュミット(Vn)
          ローラント・グラッスル(Va) ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 録音:2004年5月24-27日、クリンゲンミュンスター。 Vol.1: AU-92507 (第14番&第10番/旧品番:AU-97507 [CD] /録音:2003年)、 Vol.3: AU-92552 (第15番&第9番/発売:2006年)。シリーズ第2弾。ヴィオラを除くメンバーがシュミット一家で構成されたマンデリング四重奏団による親密な掛け合いが魅力。
AU-92525
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(HYBRID_SACD)
寓話~金管五重奏のための現代オリジナル作品集
 ジョン・チータム(1939):ブラスの動物園  ボザ:ソナチネ
 レナード・バーンスタイン:ダンス組曲
 パーシケッティ:金管五重奏のための寓話 II Op.108
 ルトスワフスキ:小序曲
 アンドレ・プレヴィン:ブラスのための4つのピクニック
 ケリー・ターナー(1960-):リコシェ(跳飛)
ミュンヘン・ブラス・クインテット
 ざっと内容を見ただけで、ブラス学習者だけでなくプロをも唸らす興奮のアルバム。まずアルバム・タイトルのパーシケッティが目をひくが、ルトスワフスキやプレヴィン、チータムあたりが入っているのもポイント。バイエルン放送響首席トロンボーンのホルヒはじめ、ドイツの有名オケでソロをとる名手たちによるアンサンブルは鉄壁。きわめてダイナミックレンジの広い録音はSACDハイブリッド盤仕様で、オーディオ的快楽も約束。
AU-92526
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(HYBRID_SACD)
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集 Vol.1
 [第1番 ハ長調 Op.49(*)/第2番 イ長調 Op.68(+)/
  第4番 ニ長調 Op.83]
マンデルリングSQ
[セバスティアン・シュミット、
 ナネッテ・シュミット(Vn)
 ローラント・グラースル(Va)
ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 録音:2005年2月25日(*)、2005年6月28日-7月1日(+)、クリンゲンミュンスター。
 有名な第5交響曲のあとに書かれた第1番は、軽快で簡潔なつくりとまだ明るさと春めいた息吹とを感じさせるのが特徴。対して第2番、そしてとりわけ第4番からは、政治的な圧力や内面的葛藤が作品に色濃く投影され始めている。
AU-92527
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(HYBRID_SACD)
価格帯:B
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集 Vol.2
 [第3番 ヘ長調 Op.73/第6番 ト長調 Op.101/
  第8番 ハ短調 Op.110]
マンデルリングSQ
[セバスティアン・シュミット、
 ナネッテ・シュミット(Vn)
 ローラント・グラースル(Va)
ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 マルチチャンネル・ステレオ
 マンデリング・カルテットはちょうどハーゲン・カルテットに似て、ヴィオラを除くメンバーの3人までが兄弟というアンサンブル。シリーズの第2弾は、ドイツ滞在中にわずか数日で書き上げられ、多くの自作の引用で自伝的な内容といわれる傑作第8番のほか、第3番と第6番を収録している。
 #なお、初回プレス分にはDVDヴィデオが特典で付属していましたが、この分は既に売切れ&終了しており、現在の出荷分にはSACDハイブリッド盤のみが封入されています。
AU-92528
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(HYBRID_SACD)
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集 Vol.3
 [第5番 変ロ長調 Op.92/第7番 嬰ヘ短調 Op.108/
  第9番 変ホ長調 Op.117]
マンデルリングSQ
[セバスティアン・シュミット、
 ナネッテ・シュミット(Vn)
 ローラント・グラースル(Va)
ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 録音:2007年5月10日-12日、クリンゲンミュンスター。
 第3弾はいずれも円熟期に書かれた3曲。作曲者の名前のイニシャルをあてはめた音型を主題にしている点で、つづく第10交響曲の先駆けといえる第5番。簡潔なスタイルがいっそう洗練され、全15曲中でもっとも短い第7番。この曲は最初の夫人ニーナに捧げられている。そして2番目の妻イリーナに捧げられた第9番は5楽章と規模も大きく、内容的にもあたかもかれの書いた交響曲を聴いているかのような味わい。
AU-92529
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(HYBRID_SACD)
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集 Vol.4
 [第10番 変イ長調Op.118/第12番 変ニ長調Op.133/
  第14番 嬰ヘ長調Op.142]
マンデルリングSQ
[セバスティアン・シュミット、
 ナネッテ・シュミット(Vn)
 ローラント・グラースル(Va)
ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 録音:2008年4月23-25日、クリンゲンミュンスター。マルチチャンネル/ステレオ。
 同じ1964年の作曲ながら第9番とは打って変わり、第10番はたのしくオプティミスティックな作風と簡潔な手法に特徴がある。なかでもパッサカリア形式のアダージョは絶品で、この作品は親友ヴァインベルグに捧げられている。かわって、演奏時間30分弱、2楽章からなる第12番は、長大な後半楽章のシンフォニックな規模と起伏の大きなつくりが特徴で、さらに12音技法を採り入れている点も注目。さらに、被献呈者がチェリストということが示すとおり、チェロが主役の第14番は構造上低域から高域に掛けての流れに重点が置かれていることや、やはりシンプルな書法によるどこか思索的味わいが聴き取れる。これらの2曲はベートーヴェン四重奏団のツィガノフとシリンスキーにそれぞれ献呈されている。
AU-92530
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(HYBRID_SACD)
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集 Vol.5(完結編)
 [第11番 ヘ短調Op.122/第13番 変ロ短調Op.138/
  第15番 変ホ短調Op.144]
マンデルリングSQ
[セバスティアン・シュミット、
 ナネッテ・シュミット(Vn)
 ローラント・グラースル(Va)
 ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 録音:2009年5月27日-29日、クリンゲンミュンスター。
 2008年に結成25周年を迎え、念願の初来日公演も果たしたマンデルリング四重奏団が進めたショスタコーヴィチ・シリーズの完結篇。晩年の10年間に書かれ、これまでにもまして内省的で瞑想的な特徴をもつ3曲を取り上げている。
 ショスタコーヴィチが心筋梗塞の発作で倒れた1966年5月28日にベートーヴェン四重奏団によって初演された第11番は、ロシア民謡や古来の典礼歌を織り込みながら、短い7つの楽章が切れ目なくつづく組曲仕立ての内容。第12番につづいて十二音技法で書かれ、単一楽章形式による第13番は、主役である雄弁なヴィオラとほかの3つの楽器との対話が繰り広げられるもので、ベートーヴェン四重奏団結成メンバーのボリソフスキーに捧げられている。そして、6つの部分が切れ目なく演奏され、全15曲中最長規模の演奏時間を要する第15番は世を去る前年の作品。シンプルなつくりが哀切と枯れた境地を物語る。
 これまでのリリース同様に優秀録音盤として、レーベル社主で当録音のプロデューサーを務める、トンマイスターのルトガー・ベッケンホーフ氏も太鼓判を押す自信作。
AU-92539
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(HYBRID_SACD)
Temporal Variations
 ブリテン:現代風の変奏曲 / ヒンデミット:オーボエ・ソナタ / ブリテン:虫の小品
 スカルコッタス:オーボエ小協奏曲 / ヒンデミット:イングリッシュホルン・ソナタ
 パヴェル・ハース:オーボエとピアノのための組曲 Op.17
  ビルギット・シュミーダー(Ob) 山下晶子(P)
 録音:2011年8月、ジーメンス・ヴィラ、ベルリン。ヴィンシャーマンとシェレンベルガーの門下で、1984年から1999年までベルリンso.首席奏者の後に、現在ハンブルク音楽演劇大学教授を務める女流オーボエ奏者シュミーダー。ここに収められた6作品は1935-1941年、つまり第2次世界大戦前夜の不安な時代に作られたもので、オーボエならではの鋭角で神経質な音色が当時の世界観を如実に彩る。いずれも難曲揃いながら、ことにギリシャの奇才スカルコッタスの小協奏曲が音の跳躍の多い超絶作品。収容所で命を落としたハースの作品もチェコの民謡や聖歌の引用が意味深。シュミーダーのドイツ的なオーボエを存分に堪能出来る。
AU-92541
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(HYBRID_SACD)
ラファエル・クーベリック
 シューベルト:ミサ 第6番 変ホ長調 D.950
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(S)
グレイス・ホフマン(A)
アルベルト・ガスナー、
ヴァルデマール・クメント(T)
フランツ・クラス(B)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.&cho.
 録音:1968年3月22日、ヘラルクレスザール、レジデンツ、ミュンヘン、ライヴ。CD/2ch-SACD・ハイブリッド。[CD層]リマスター・テイク;2.0chステレオ/[SACD 2ch層]リマスター・テイク;2.0chステレオ/[SACD マルチチャンネル層]オリジナル・アーカイヴ・テイク;2.0ch ステレオ。初出音源。
 クーベリックが残した選りすぐりのライヴ演奏をSACDで聴くシリーズの第3弾は、DGへも録音がなく、これまでには同じ第6番のケルン放送響との1950年代とされる演奏(COUPLET CCD-3002)があっただけのシューベルトのミサ曲。マーラーの第8番(AU-92551)同様に声楽を伴う大規模作品ということもあって、まさにSACDにうってつけの内容。すなわちフォーマットの特徴、ふわっと拡がりゆく音の自然な放射感が活きているのである。
 深々としたキリエの斉唱がなんとも優しく穏やかなムードで心をいっぱいにしてくれる、シューベルトが最晩年に書いた最後のミサ曲。厳粛さだけでなく、歌曲や交響曲と変わらぬ親しみ易い「歌」にあふれた傑作である。たとえばクレド。テノール二人にソプラノが加わる三重唱は、とても宗教曲とは思えぬほどに甘くセンチメンタル。胸がギュッと締めつけられ、このあたりまぎれもなくシューベルトを感じさせずにはおかない美しさ。さながら粒選りの独唱陣の親密な息づかいまでもがはっきりと聴き取れる。壮麗なグローリアではライヴの熱も迫力も十分。なお、同曲ではジュリーニの名演も記憶に残るバイエルン放送のオケとコーラスによる、各声部間の重層的な掛け合いも身震いするほどに見事。
 そしてまた、恒例の聴き比べ。アーカイヴ・マスターとリマスター・テイクとの全曲比較が楽しめるという、マニアライクなたいへん魅力ある作り。録音も素晴らしい。
AU-92542
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(HYBRID_SACD)
ラファエル・クーベリック
 シューベルト:
  交響曲第9(8)番 ハ長調「グレイト」(*)/
  交響曲第3番 ニ長調(+)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1969年3月27日(*)/1977年2月24日(+)、以上ミュンヘン、レジデンツ・ヘラルクレスザール、ライヴ。CD 層:リマスター・テイク(2.0chステレオ)/SACD 2ch層:リマスター・テイク(2.0chステレオ)/SACDマルチチャンネル層:オリジナル・アーカイヴ・テイク(2.0ch ステレオ)。
 弾みかえるリズムと、構え大きく伸び伸びとした歌、これこそがライヴのクーベリック。ベートーヴェン「運命」&「4番」以来、2年ぶりのクーベリックのライヴはシューベルト。両曲ともスタジオ盤(収録順にロイヤル・フィル/1958年、ウィーン・フィル/1960年、ともにEMI)とは見違えるように生気にあふれている。
 当盤はSACDハイブリッド盤のスペックを活かし、SACD層には「アーカイヴのオリジナル・マスター・テイク」も収録されている。1960年代録音の「グレート」はアナログらしい太めの音で、当時のバイエルン放送の技術水準の高さ、音づくりの巧さがはっきりと確認できる。はたしてリマスタリングを施す前の「放送局の音」はどのようなものか? 部分的にではなく全曲を比較鑑賞が可能という何ともマニアライクな内容となっていて魅力倍増。
 AU-92543(クーベリックの「ブル3」SACD)→AU-95543(CD)へ移行
AU-92544
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(HYBRID_SACD)
ジジスムンド・トドゥツァ(1908-1991):
 ルーマニアの歌“コリンデ "のヴォーカルの
 序奏に基づく7つのコラール前奏曲
 [主をほめたたえ(コラール)/主をほめたたえ/
  星は輝き(コラール)/星は輝き/
  主よ命ぜよ(コラール)/主よ命ぜよ/
  すばらしき夕暮れ(コラール)/すばらしき夕暮れ/
  神が降り立つ(コラール)/神が降り立つ/
  3人の羊使い(コラール)/3人の羊使い/
  吉報(コラール)/吉報]]/

パウル・リヒター(1875-1950):
 オルガン・ソナタ Op.36 ニ短調
ミリアム・ルチア・マルベ(1931-1997):
 Schafers Pavane mit Vogeln II
イリーナ・
 ウングレアーヌ(S)
ニコレッタ・
 パラシベスク(Org)
 録音:2008年7月15日-17日。
 1曲目はトドゥツァ(トドゥータとも)作曲、ルーマニアの歌“コリンデ " のヴォーカルの序奏に基づく7つのコラール前奏曲。トドゥツァはルーマニア民俗音楽の旋法やリズムの特質を徹底的に突き詰めたいわば研究者で、その研究はルーマニア民俗音楽のヘテロフォニーと、ヨーロッパ音楽の伝統を統合させることになった。透明感ある美しきソプラノによるコリンデ(ルーマニアの伝統的なクリスマス・キャロル)で始まり、その後にトドゥツァのオルガン曲が挟みこまれている曲順で収録されており、この構成による録音は世界初。
 2曲目はパウル・リヒター(1875-1950)作曲のオルガン・ソナタ作品36 ニ短調は、伝統的なロマン主義に影響を受けた、演奏時間30分を越える、4楽章構成の交響的な壮大な作品。
 3曲目のミリアム・ルチア・マルベ(1931-1997)作曲のSchafers Pavane mit Vogeln IIは瞑想的なパッセージとは対照的に驚くほど簡潔なモチーフで展開されるすばらしい作品。
 これらトランシルバニアの音楽は「東洋の門扉」ともいうべき、ルーマニア、ドイツ、スラヴ、アルメニア、ユダヤの音楽の融合。このCDはそれらの要素をモザイク状に散りばめ、その旋律が楽しめるオルガン作品を集めた決定盤ともいうべき内容。
 オルガン独奏のニコレッタ・パラシベスクはルーマニアのゲオルゲ・ディマ音楽アカデミー、スイスのバーゼル・スコラ・カントルム、ドイツのシュトゥットガルト音楽演劇大学で研鑽を積み、ヨーロッパ各地でソロの演奏会を行っている。現在、バーセルのテオドール教会専属オルガニスト。ソプラノのイリーナ・ウングレアーヌはルーマニア生まれ。チューリヒの芸術大学で声楽を学び、2006年にスイスで最も権威のある現代作品のコンクールにてファイナリストに選ばれた。彼女は故郷のルーマニア民謡をこよなく愛し、誇りをもって歌い上げる。
AU-92545
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(HYBRID_SACD)
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲集
 〔第1番「クロイツェル・ソナタ」/
  第2番「ないしょの手紙」
  (ヴィオラ・ダモーレによるオリジナル版;*)/
  第2番「ないしょの手紙」
  (ヴィオラによる現行版;#)〕
グンター・トイフェル
(ヴィオラ・ダモーレ;*)
マンデルリングSQ
[ゼバスティアン・シュミット、
 ナネッテ・シュミット(Vn)
 ローラント・グラッスル(Va;#)
 ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 録音:2009年12月16日-19日、クリンゲンミュンスター。
 弦楽四重奏というジャンルは、弦の醸す親密なひびきや手頃なサイズという事情もあって、多くの作曲家にとって内面の心情を吐露するのに向いているようで、とくにヤナーチェクのケースはそういった傾向が顕著なようだ。
 弦楽四重奏曲第2番「ないしょの手紙」はそのままずばり、老いらくの恋の相手カミラ・シュテッスロヴァーへ宛てた手紙のひとつを音化させたヤナーチェク最後の室内楽曲。結局は、実際的運用の問題から断念することになったが、作曲の過程でヤナーチェクは当初通常のヴィオラではなく、ピリオド楽器のヴィオラ・ダモーレにしようとしていたと云われている。
 17世紀後半から18世紀にかけて人気のあったヴィオラ・ダモーレは14本の弦を持ち、ヴァイオリンやヴィオラの輝かしさや力強さもないかわりに、無類の快い甘さを備えている。19世紀に入り一時人気が衰退するも、ふたたび19世紀後半から20世紀初頭に人気が復興した際には、ヒンデミットなども作品を残している。ヤナーチェクも“愛のヴィオラ(Viola d‘amore) "という名前を持つこの楽器に惚れ込んだひとりで、ほかに「シンフォニエッタ」やオペラ「カーチャ・カバノヴァー」「マクロプロス事件」でも使用している。
 ここで、マンデルリング四重奏団はヴィオラ・ダモーレに名手グンター・トイフェルを迎えて、ヤナーチェクが意図したオリジナルのひびきを再現。さらに、ヴィオラによる現行版も収めていることから、聴き比べも楽しみな内容といえるだろう。
AU-92546
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(HYBRID_SACD)
シューベルト:
 ピアノ・ソナタ第17番 ニ長調 Op.53 D.850/
 3つの小品 D.946
セルゲイ・クドリャコフ(P)
 録音:2007年10月10日-12日、ベルリン、ダーレム、イエス・キリスト教会。
 古典派とロマン派、さらに前衛的な性格を併せ持つシューベルトのピアノ曲を、ロシアの注目株クドリャコフが弾いた一枚。先に日本のレーベル(あ佳音)からアレンスキーのアルバムをリリースしている彼は1978年モスクワ生まれ。グネーシン音楽学校、さらにモスクワ音楽院では日本にも門下の多い名教授ミハイル・ヴォスクレセンスキー(国内代理店は「ヴォスケレンスキー」としているが、誤り)のマスタークラスを受講、現在は助手を務めている。国際的なコンクールでの入賞歴も豊富で、2006年にはチューリヒのゲーザ・アンダ・コンクールで第1位、同時にモーツァルト賞も受賞している。かれの才能に惚れ込んで当アルバムはそのグラティアン・アンダ基金のほか、アリス・ロズナー財団、ベルリンのスタインウェイのサポートを得ている。
AU-92547
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(HYBRID_SACD)
J.S.バッハと北ドイツの伝統 Vol.1
 ブクステフーデ:前奏曲 ニ短調 BuxWV 140
 ゲオルク・ベーム(1661-1733):コラール・パルティータ「ああいかにはかなく、いかに空しき」
 ブクステフーデ:トッカータ ト長調 BuxWV 164
 J.S.バッハ:
  オルガン小曲集~「キリストはよみがえり」BWV 627/前奏曲とフーガ ニ長調BWV 532/
  コラール「主イエス=キリスト、われらを顧みたまえ」 BWV 655
 ベーム:カプリッチョ ニ長調/コラール・パルティータ「わが魂よ、喜べ」
 ブクステフーデ:パッサカリア BuxWV 161
  マルティン・ノイ(Org)
 録音:録音:2008年5月13日-14日、聖オットー教会、ヘルツォーゲンアウラハ。使用楽器:アーレント・オルガン。
 ユルゲン・アーレントは 1930年生まれの現代最高のオルガ ン製作者。いわゆる「歴史的製作法」の復興を果たした人物と知られ、日本ではカザルス・ホールのオルガンで親しまれている。そのシンプルな装いと澄んだ音色を聴けば、オルガン=「大音量」「荘厳」といったイメージを払拭されることだろう。本アルバムはJ.S.バッハに大きく影響を与えた二人の作曲家、ゲオルク・ベーム、ウェブディートリヒ・ブクステフーデとバッハとのオルガン曲における関わりがわかる内容で構成されている。ブクステフーデの前奏曲 ニ短調は、バッハの有名なトッカータとフーガ ニ短調に、パッサカリアはまさにバッハ作曲のパッサカリアBWV 582 と類似し、バッハ以前のオルガン作品はバッハにより統合され、教会音楽であったオルガン曲をいと高き地位へと導いたことがわかる。演奏のマルティン・ノイは幼少よりオルガンのみならず、ピアノ、チェロの手ほどきを受けその才能を開花させた。オルガンはシュトゥットガルト音楽大学、モントリオール・コンコルディア大学で研鑽を積み、これまでにJ.S.バッハ国際コンクール入賞をはじめ、華やかな経歴をもつオルガニスト。現在ロイトリンゲンの聖エリーザベト教会、聖ペーター教会と聖ポール教会の専属オルガニスト。
AU-92548
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(HYBRID_SACD)
J.S.バッハと南ドイツの伝統
 J.S.バッハ:トッカータ(前奏曲) ヘ長調 BWV540-1(#)
 ムッファト:トッカータより第1番~第5番(#)
 パッヘルベル:マニフィカト第1旋法(*)~[第5,6,8,1,4番]
 J.S.バッハ:わが魂は主をあがめ BWV733(*)/トリオ・ソナタ第5番 ハ長調 BWV529(#)
 ケルル:トッカータ第1番(#) / フローベルガー:カプリッチョ第12番(#)
 J.S.バッハ:フーガ ヘ長調 BWV540-2(#)
  マルティン・ノイ(Org) ヴィルフリート・ロンバッハ(T;*)
 録音・使用楽器:2010年5月28日、聖ヨハン教会、ラウフェンブルク〔ブラウシス・ベルナウアー制作オルガン(1779)〕(#)/2010年6月26日-28日、聖フランツィスクス教会、シュトゥットガルト、オーバートゥルクハイム〔メッツラー制作オルガン(2005)〕(*)。オルガンの名手マルティン・ノイがバッハとドイツの作曲者をフューチャーする好評シリーズ、バッハと南ドイツに関わりの深い作品をおさめた第2弾。前作第1弾では、「J.S.バッハと北ドイツの伝統」(AU-92547)と題し、聖オットー教会にある現代最高のオルガン・ビルダー、アーレントが制作したオルガンを使用し、バッハ、ベームなどの作品を完成度の高い演奏で披露してくれた。
 作曲者は以下の通りで、ザルツブルク大司教の宮廷オルガニストを務めたゲオルク・ムッファト(1653-1704)、「カノン」で有名でドイツ・バロック音楽の発展のうえで、バッハの先人として重要な位置にあるヨハン・パッヘルベル(1653-1706)、現在ではその名を知られることの少ないヨハン・カスパール・ケルル(1627-1693)、フレスコバルディに師事し多くのオルガン作品を残したフローベルガー(1616 洗礼-1667)、そしてJ.S.バッハ。オルガン音楽の全盛期であった時代の特徴である非常に華やかで即興的な要素を含む各作品と、メンデルスゾーンが「まるで教会が崩れ落ちようとするかのようだ」と評した、大胆な転調部分が魅力のJ.S.バッハの大曲、トッカータ(前奏曲)とフーガ ヘ長調 BWV540を収録したこのアルバムは、オルガン愛好者ばかりでなく、多くのクラシック・ファンに聴いてほしい充実の内容(今回もAuditeレーベルが誇る高音質優秀録音でHYBRID_SACD)。
また、通常オルガンで弾かれるコラールをテノールが担当しているパッヘルベルのマニフィカト、J.S.バッハの「わが魂は主をあがめ」BWV733にも注目。演奏のマルティン・ノイはJ.S.バッハ国際コンクール入賞の経歴をもち主で、非常に端正で卓越したアーティキュレーション、そして、曲目と使用するオルガンにあった的確なレジストレーションは現代屈指のオルガニストと言えるだろう。現在ロイトリンゲンの聖エリーザベト教会、聖ペーター教会と聖ポール教会の専属オルガニスト。一方テノールのヴィルフリート・ロンバッハは現在聖ヨハネス教会の聖歌隊指揮者を務め、ヨーロッパを中心に古楽のテノール歌手としても活躍している。
AU-92549
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(HYBRID_SACD)
クララ・シューマン:ピアノ三重奏曲 ト短調 Op.17 (*)
シューマン:幻想小曲集 Op.88 (*) /ピアノ三重奏曲第3番 ト短調 Op.110 (#)
 スイス・ピアノ・トリオ[アンジェラ・ゴルベワ(Vn)
  セバスティアン・ジンガー(Vc) マルティン・ルーカス・シュタウプ(P)]
 録音:2012年2月27日-29日(*)、2012年6月25日-26日(#)、ヌシャテール、スイス。1998年に結成され、数々コンクール受賞歴を誇る若手実力派スイス・ピアノ・トリオ。チャイコフスキー:偉大な芸術家の思い出(AU-92673)に続いてリリースされるのは、シューマン夫妻のトリオ。クララの最高傑作と言われているピアノ・トリオは、繊細さ優美さはもちろん、ダイナミックな展開を持つ珍しい作品。一方夫のシューマンのピアノ・トリオ3番は、精神的にも不安定だった晩年に書かれた作品だけあって、内省的で不穏な緊張感を持った作品。細かい感情表現を巧みに操り、ドラマティックに演奏している。
AU-92550
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(HYBRID_SACD)
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲全集
 〔第1番 ニ短調 Op.49/第2番 ハ短調 Op.66〕
 スイス・ピアノ・トリオ
 [アンジェラ・ゴルベワ(Vn) セバスティアン・ジンガー(Vc)
  マルティン・ルーカス・シュタウプ(P)]
 1998年創設のスイス・ピアノ・トリオ(スイス・ピアノ三重奏団)はオーストリアのヨハネス・ブラームス・コンクールやイタリアのカルタニッセッタ室内楽コンクールなどの入賞歴を誇る。録音はMUSIQUES SUISSESにユオン、マルタン他(MGBCD-6215)がある。曖昧さの全くない楷書的なメンデルスゾーン。
 ・AU-92551(クーベリックのマーラー「第8」; SACD)は廃盤となり、CD [品番:AU-95551]で再発されました。
AU-92552
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(HYBRID_SACD)
シューベルト弦楽四重奏曲集 Vol.3
 〔第15番 ト長調 D 887, Op.161 /第9番 ト短調 D.173 〕
 マンデルリングSQ[セバスティアン・シュミット、ナネッテ・シュミット(Vn)
          ローラント・グラッスル(Va) ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 Vol.1: AU-92507 (第14番&第10番/旧品番:AU-97507 [CD] /録音:2003年)、 Vol.2: AU-92524 (第13番&第11番/発売:2005年)。2012年現在、当シリーズは2006年発売の当盤で中断?しており(下記のとおりアナウンス時点では「全集」とされていたが)・・・、続編は発売されていない。全集シリーズ第3弾は、最初期18歳の作と晩年29歳、最後の四重奏曲。シューベルトがわずか10日間で一気に書き上げた第15番。人気の点では「ロザムンデ」や「死と乙女」にゆずるものの、随所にシューベルトらしさが満ち溢れているといわれ、傑作との呼び声が高い。
AU-91553
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(2 HYBRID_SACD)
エドゥアルト・フランク(1817-1893):
 ヴァイオリン・ソナタ集

 [ハ短調 Op.19/イ長調 Op.23/
  ホ長調 Op.60/ニ長調 遺作(1861)]
クリスティアーネ・
 エディンガー(Vn)
ジェイムズ・トッコ(P)
 アウディーテが力を入れる「ドイツのフランク」の最新作は4つのヴァイオリン・ソナタ。聴いてみるとその新鮮さと独創性に驚かされるいっぽうで、響きの上では師メンデルスゾーンとの繋がりも感じさせ、またアルカンあたりのフランス音楽の影響もみられる。演奏は当シリーズではおなじみのリューベック音楽大学でともに教鞭をとるコンビ。
AU-92554
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(HYBRID_SACD)
ブラームス:
 クラリネット三重奏曲 イ短調Op.114(*)
 クラリネット・ソナタ第1番 ヘ短調Op.120-1(#)
 クラリネット・ソナタ第2番 変ホ長調Op.120-2(#)
アーサー・キャンベル(Cl)
ダニエル・ラクロー(Vc)
 ジャン=パスカル・メイエ(P;*)
 フランセス・レンツィ(P;#)
 アメリカの名手キャンベルによるブラームスのクラリネットつき室内楽。
 晩年にさしかかったブラームスが名手ミュールフェルトとの出会いをきっかけとして書いたクラリネットつきの室内楽作品。ブラームス特有のメランコリックな味わいたっぷりでじんわり染みる。自らヴィルトゥオーゾを名乗るキャンベルをはじめ演奏陣は、いずれも数々の国際コンクールで優秀な成績を収め、演奏活動のかたわら教鞭もとる名手揃い。
AU-92555
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(HYBRID_SACD)
原田英代~グリーグ:抒情小曲集
 メロディ Op.38-3/小鳥 Op.43-4/愛の歌 Op.43-5/
 春に寄す Op.43-6/メロディ Op.47-3/
 蝶々 Op.43-1/子守歌 Op.38-1/小川 Op.62-4/
 過ぎ去った日々 Op.57-1/
 アルバムの綴り Op.47-2/即興的ワルツ Op.47-1/
 夢想 Op.62-5/ノルウェーの旋律 Op.12-6/
 郷愁 Op.57-6/スケルツォ Op.54-5/
 あなたのそばに Op.68-3/
 トロルハウゲンの婚礼の日 Op.65-6/
 秘密 Op.57-4/風の精 Op.62-1/
 山の夕べ Op.68-4/小人の行進 Op.54-3/
 夜想曲 Op.54-4
原田英代(P)
 ノルウェーの国民的作曲家、エドヴァルド・グリーグは2007年没後100年を迎える。この抒情小曲集はグリーグの生涯に渡って作曲されており、この曲集はグリーグの音楽人生そのものと言えるのではないだろうか。
 演奏は原田英代。彼女は東京藝術大学及び大学院にて学び、その後シュトゥットガルト音大、ウィーン音大に学び、モスクワのチャイコフスキー音楽院教授、ヴィクトール・メルジャーノフ氏のもとで研鑚を積んだ。1984年ジュネーヴ国際音楽コンクールで最高位を獲得、1991年シューベルト国際ピアノコンクール優勝、ウィーン20世紀のピアノ音楽コンクール第2位、1993年第1回ラフマニノフ国際ピアノコンクールに入賞し特別賞を受賞とピアニストとして着実と成長を遂げ、国際的な演奏活動を続けている。
 このアルバムでは66曲ある抒情小曲集から彼女自身が22曲を選び出し、瑞々しい感性により詩的でロマンティックな旋律を紡ぎ出し、たっぷりと歌い上げ情景描き出している。
AU-92556
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(HYBRID_SACD)
金管五重奏とオルガンのための編曲~
 フランス・ロマンティック・オルガン音楽集

 ギルマン:オルガン・ソナタ第5番 ハ短調Op.80
 ヴィエルヌ:
  自由な形式による24 の小品集Op.31 より
  [ Nos.1-4, 19, 21 ]
 ルフェビュール=ヴェリ:
  「現代のオルガニスト」第2巻~オッフェルトリウム
 ボエルマン:ゴシック組曲Op.25
エルマー・レーネン(Org)
インターナショナル・ブラス
 録音:2006年4月25日-27日、ドイツ、ノルトライン=ヴェストファーレン州ケフェラー、マリア・バシリカ聖堂。使用楽器:マリア・バシリカ聖堂のザイフェルト・オルガン。
 フランス・オルガン楽派は、カヴァイエ・コルを代表とするロマンティック・オルガンの建造と豪華絢爛な時代を背景に、その作品によって壮大華麗な音響空間を創出した。オルガンという楽器は、鍵盤操作による管楽器と見ることもできるため、逆に、金管五重奏をオルガンのストップの一部分として見ることもできる。その両者が協演したこの録音では、より壮大華麗な音響空間を作り出し、楽派を代表する作曲家たちの作品から、オルガン単独で表現し得る以上の効果を引き出している。
AU-92557
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(HYBRID_SACD)
トーマス・ザンデルリング
 プロコフィエフ:交響曲第5番 変ロ長調 Op.100
 チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
トーマス・ザンデルリング指揮
ノヴォシビルスク・アカデミーso.
 2006年に創立50周年を迎えるノヴォシビルスク響の、ラフマニノフに次ぐaudite第2弾。指揮はノヴォシビルスクに生まれ、2002年より同オーケストラの終身客演指揮者のポストにあるトーマス・ザンデルリング。今回も内容は得意のお国もの、言わずと知れた二大名曲だが、この演奏の魅力はなんといってもオーケストラの音色。なかでもチャイコフスキーでの甘美な第2主題など原色そのまま、濃いニュアンスはちょっと他では替え難いものだ。マルチチャンネル。
AU-92558
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(HYBRID_SACD)
シベリアのカラヤン、
 アルノルト・カッツのラフマニノフ

 ラフマニノフ:
  交響曲第2番 ホ短調 Op.27
  ボヘミア奇想曲 Op.12
アルノルト・カッツ指揮
ノヴォシビルスク・アカデミーso.
 録音:2005年6月、ノボシビルスク。マルチチャンネル。
 ノヴォシビルスク・フィル(ノヴォシビルスク・アカデミー響)は、かのヤンソンスやゲルギエフも定期的に客演するシベリアのオーケストラ。1956年の設立以来半世紀にわたり芸術&音楽監督を務めるカッツのもと、センチメンタルなムード満点の演奏を聴かせてる。分厚い弦楽セクションによって綿々と歌いこまれたアダージョは白眉。
AU-92559
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(HYBRID_SACD)
ヨハン・ヴァレンティン・
 ラートゲーバー(1682-1750):作品集

  ムーリのミサ曲Op.12-12/
  合奏協奏曲集「鳴り響くケリュス
   (リュート)」Op.6 より
  [第1, 4, 6曲(以上、ヴァイオリンのための)/
   第14曲(クラリネットとトランペットのための)/
   第19曲(クラリネットのための)/
   第20曲(トランペットのための)]/
  テロニウス:コンチェルト第13番
  (トロンバ・マリーナのための)
カペラ・ムレンシス、
アンサンブル・
 アルチンボルド
 録音:2006年10月12日-15日、ムーリ修道院教会。
 大バッハと同時代を生きたヨハン・ヴァレンティン・ラートゲーバーは、当時の南ドイツで非常に人気があり影響力のあったオルガニスト・作曲家。彼の特徴は、盛期バロックの様式の中に、簡潔なテクスチュアと魅力的な旋律を持ち込んでいる点。録音会場のムーリ修道院教会は、彼が作曲修行の旅をしている最中に投宿したこともある場所で、当盤では教会のため書かれたミサ曲と、独奏を聴くことが稀なトロンバ・マリーナのコンチェルトが収録されていることがポイント。
AU-92560
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(HYBRID_SACD)
キリストは死の絆につきたまえり
 J.S.バッハ:
  コラール「キリストは死の絆につきたまえり」
   によるファンタジア BWV.695/
  トリオ・ソナタ第5番 ハ長調 BWV.529/
  トッカータとフーガ ヘ長調 BWV.540
 ブクステフーデ:前奏曲 ハ長調 BuxWV.138
 シャイデマン:「キリストは死の絆につきたまえり」
 ヴェックマン:第1旋法による5声のプレアンブルム
 トゥンダー:「キリストは死の絆につきたまえり」
 ゲオルク・ベーム:
  「キリストは死の絆につきたまえり」
 ブルーンス:前奏曲 ト長調
ヨハネス・シュトロープル
 (Org)
 録音:2006年10月16日-18日、スイス、アールガウ州ムーリ、修道院所属教会。使用楽器:修道院所属教会の大オルガン。
 続唱「ヴィクティメ・パスカリ」(過ぎ越しの犠牲をたたえよう)からドイツ語の宗教歌「主はよみがえり給う」へ、そしてルターのコラール「キリストは死の絆につきたまえり」へと受け継がれた旋律を用いている、北ドイツ楽派のオルガン作品を集めた録音。北ドイツ楽派の中でも、師弟関係(シャイデマンとヴェックマン、ブクステフーデとブルーンス)や姻戚関係(ブクステフーデがトゥンダーの娘と結婚)など、お互いに深い関わりがある作曲家が選ばれている。それらの曲の間に前奏曲を挟んで、ムーリにある修道院所属教会の大オルガンを用いたシュトロープルの演奏は、この楽派に特徴的な荘厳な響きを余すことなく伝えてくれる。
AU-92561
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(HYBRID_SACD)
サラ・オブライエン~ハープ・リサイタル
 カプレ:2つのディヴェルティスマン[フランス風/スペイン風]
 タイユフェール:ハープ・ソナタ
 C.P.E.バッハ:ソナタ ト長調 Wq.139 H.563(1762)
 ホリガー:前奏曲/アリオーソ/パッサカリア
 ブリテン:組曲 Op.83
 コラール「聖デニオ」
サラ・オブライエン(Hp)
 さまざまな時代のハープの名作を取り混ぜたアルバム。エマヌエル・バッハのソナタは、それまでエキゾチックな音色を奏でる伴奏楽器にすぎなかったハープをソロの楽器として扱った最初の重要な作品。カプレのディヴェルティスマンは印象主義のスタイルによる傑作。他にセンス満点「六人組」のタイユフェールや、あのオーボエのホリガーがバッハ時代の様式に回帰した作品と多彩な選曲。ブリテンの「組曲」で終曲にあたる「聖デニオへの賛美歌」、このパラフレーズを作曲する際にもとにしたオリジナルの教会コラールも別に収めているのも面白い趣向。
 オブライエンはミュンヘン・フィルのソリストで、ザルツブルク・モーツァルテウムとバーゼル音楽院の教授。
AU-92562
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(HYBRID_SACD)
ルイ・マッソノー(1766-1848):
 オーボエ四重奏曲集

 第1番 ヘ長調/第2番 変ロ長調/第3番 ハ長調
アンサンブル・ピュウ
 ジェイコブ(AU-97517)に続いてオーボエを含む知られざる室内楽作品に光をあてるアンサンブル・ピュウが取り上げるのは、フランス系のドイツの作曲家マッソノー。1798年こ頃にハンブルクで出版されながら、今日まで埋もれていたオーボエ四重奏は各地で宮廷音楽家として活躍した豊かな経験、すなわちヴァイオリニストとしての磨きぬかれたセンスを感じさせるもの。まさに愉悦のきわみ。オーボエとヴァイオリンのえもいわれぬ溶け合いがたまらなく魅力的。
AU-92563
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(HYBRID_SACD)
フランソワ直系、ブランギエによる
 シューマン:ピアノ作品集

 幻想曲 ハ長調Op.17/森の情景Op.82/
 3つの幻想小曲集Op.111
ニコラ・ブランギエ(P)
 1980年フランス生まれのブランギエは、フランソワの弟子ブルーノ・リグットほか、ドミニク・メルレ、ジャン=クロード・ぺヌティエらに学んだ俊英。2004年ツヴィッカウで行なわれた第14回ローベルト・シューマン国際コンクールで第2位ほかコンクール入賞歴多数。
AU-92564
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(HYBRID_SACD)
起きよ、地を裁く者よ!~聖なるオルガン音楽
 アイノ・シューベルト(1928-):
  第8音階による三連画「マニフィカート」
 ロイプケ(1834-1858):詩篇第94番
 バウアーザックス:山上の垂訓
 ヘッセンベルク:正義の太陽
 レオナルディ:
  「今や主を喜べ、全ての世界よ」による即興曲
ベルンハルト・
 レオナルディ(Org)
 録音:2006年3月。
 作品の魅力、演奏の聴き応え、録音の素晴らしさがまさに三位一体となったオルガン名曲集。僅か24歳で世を去り師リストを嘆かせた夭折の天才ロイプケの情熱と敬虔が同居した注目すべきロマン派宗教オルガン曲を始め、宇宙の広大さを音で表現したようなアイノ・シューベルトの作品など、19世紀ロマン派の時代から今日までの宗教的オルガン作品の感動的な世界をSACDサラウンドの素晴らしい録音によって鑑賞出来る。オルガンはザールブリュッケンの聖ヨハン教会のもので、この教会で楽長を務めるレオナルディがオルガン独奏のみならず、静寂から歓喜に至る自作品「今や主を喜べ、全ての世界よ」による即興曲を披露している。
AU-92565
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(HYBRID_SACD)
エサイの根より~クリスマスの合唱とオルガン曲
 プレトリウス:エサイの根より / オルガン即興演奏(ホルツ)
 ハインリッヒ・カミンスキ:マリアは茨の森を通り / オルガン即興演奏(ホルツ)
 ヴォルフガング・ザイフェン:闇は深まり / オルガン即興演奏(ホルツ)
 サンドストレム:グロリア / レーガー:アヴェ・マリアOp.80-5
 モートン・ローリゼン:おお、大いなる神秘 / ブラームス:エサイの根よりOp.122
 ディストラー:「クリスマス物語」より/「エサイの根」の主題に基づく変奏曲
 アルノルト・シュリック:優しきマリア / サンドストレム:エサイの根より
 J.S.バッハ:「クリスマス・オラトリオ」~まぶねのかたえに我は立ちて/
    パストラーレ ヘ長調 BWV590/クリスマス・オラトリオ~われ努めて汝を保たん
 シュテファン・ホルツ(Org) カリン・フライスト=ヴィッシング指揮ウォクス・ボナ
 録音:2009年2月7日-9日、ケルン=ロンドルフ、インマヌエル福音教会(cho.)/ボン、聖十字架教会(オルガン)。
 ウォクス・ボナの歌う待降節のための曲は、キリスト生誕と聖母マリアを思う、静謐で内面的な物。声楽の間に効果的にオルガン曲やオルガンの即興演奏が挟み込まれ、アルバム・タイトルにもなっている、数曲の「エサイの根より」を中心とし、関連する曲も含まれ、1つの音楽世界を形作っている。
 なお、「エサイの根より」のエサイはダビデ王の父の名。この曲はもともと、聖母マリアを讃えていた23節からなるカトリックの歌だったが、プレトリウスが、最初の2節のみを抜き出し、幼児キリストに歌詞の重点を移して以後、プロテスタントの待降節の曲となっていった歴史を持っている。
AU-92566
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(HYBRID_SACD)
ドヴォルザーク:
 4つのロマンティックな小品 Op.75-1
 ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 Op.57
 バラード ニ短調 Op.15-1/マズレック ホ短調 Op.49
 ソナチネ ト長調 Op.100
イヴァン・ジェナティ(Vn)
イゴル・アルダシェフ(P)
 録音:2006年11月23日-25日、ベルリン、ヴァンゼー・アンドレアス教会。
 シンフォニーから小品までどれをとっても人懐っこいメロディが幅広い人気のドヴォルザーク。CMでも使用されることもあるロマンティックな小品をはじめ、ここに収められたヴァイオリン曲も魅力ある旋律の宝庫。ジェナティとアルダシェフはともにお国ものということで自然と共感もたっぷり。優秀録音。
AU-92567
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(HYBRID_SACD)
エドゥアルト・フランク(1817-1893):ピアノ三重奏曲集
 [ホ短調Op.11/ニ長調Op.58]
クリスティアーネ・
 エディンガー(Vn)
ルイ・クラレ(Vc)
クラウス・ヘルヴィヒ(P)
 録音:2008年9月27日-29日リューベック、音楽大学大ホール。
 エドゥアルト・フランクというと、その役割としていっぽうでシューマンとメンデルスゾーンとを、また他方ではシューマンとブルッフやブラームス、ブルックナーとを結ぶというように、大作曲家たちの世代間の橋渡しをした存在と考えられている。友人であるシューマンと、師でもあったメンデルスゾーンに影響を受けた彼は、作風としてはウィーン古典派の様式を踏襲しており、ピアノ曲を別にすれば大半を占めるのが室内楽作品。デュオから六重奏に至るさまざまな編成のなかでも、冷静で堅牢な構成と、ゆたかな音数と語法で一押しというべきものがこのピアノ・トリオ。4楽章形式の大規模で本格的な2曲は、死後一世紀もの間すっかり忘れ去られていたものだが、audite によると“19世紀後半ドイツ語圏の室内楽といえばシューマンやブラームス、メンデルスゾーンに尽きると信じて疑ってこなかった方たちすべてに、その認識を改めさせるくらいほど " と太鼓判を押す内容とのこと。シリーズでおなじみのエディンガー以下、チェロにジャンドロン、シェべク、グリーンハウスらに影響を受けた名手クラレ、ケンプに師事したヘルヴィヒと演奏陣にも人を得ている。
AU-92568
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(HYBRID_SACD)
バルトーク:
 2つのルーマニア舞曲 Op.8a/
 4つの哀歌 Op.9a/戸外にて Sz.81/
 ハンガリー農民の歌による8つの即興曲 Op.20,Sz.74/
 ピアノ・ソナタ Sz.80
ニコラ・ブランギエ(P)
 録音:2008年11月17日-19日、ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会。
 シューマン(AU-92563)に続く、フランスの俊英ブランギエの第2弾は、モダニズムとフォークロアの壮大な実験ともいうべきバルトークのピアノ曲。1920年から1926年にかけての作品から編まれたアルバムには、民謡にもとづく初期のピアノ曲の総決算的な「ハンガリー農民の歌による即興曲」のほか、ピアノの打楽器的側面を強烈に打ち出した「ソナタ」に、屋外で演奏する音楽をピアノで描写した「戸外にて」と、いわゆる“ピアノの年" 1926年に生み出された2つの対照的な傑作が収められている。
 ニコラ・ブランギエ:1980年フランスのニース生まれ。フランソワの弟子ブルーノ・リグットほか、ドミニク・メルレ、ジャン=クロード・ぺヌティエらに学んだ俊英。2004年ツヴィッカウで行なわれた第14回ローベルト・シューマン国際コンクールで第2位ほかコンクール入賞歴多数。
AU-92569
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(HYBRID_SACD)
チャイコフスキー:四季 Op.37b(全曲)
ラフマニノフ:コレッリの主題による変奏曲 Op.42
原田英代(P)
 録音:2008年5月19日-21日、イエス・キリスト教会、ベルリン。日本人女流ピアニストとしては、圧倒的なスケールと存在を放つ原田英代。2007年発売されたグリーグ:「抒情小曲集」(AU-92555)は、日本はもちろん海外を中心に大絶賛された。2008年5月に録音されたこのアルバムは、彼女の得意とするラフマニノフ、チャイコフスキーの作品。力強さと豊かな表現が魅力の彼女の演奏にピタリとはまった1枚。
 原田英代プロフィール:東京芸大、同大学院で松浦豊明氏に師事した後、渡欧。モスクワ音楽院の名教師ヴィクトール・メルジャーノフ教授の愛弟子として研鑽を積む。
 84年ジュネーブ国際音楽コンクール最高位、91年シューベルト国際ピアノコンクール第1位、ウィーン現代音楽コンクール第2位。そして93年モスクワにおける第1回ラフマニノフ国際ピアノコンクールで旧西側参加者の中で唯一入賞を果たす。
 これまでに日本の主なオーケストラ、海外の有名オーケストラとも共演。また講習会、公演なども開催し多方面で活躍中。原田英代シューベルト・チクルス(全10回)と題して演奏会を開催。2008年11月19日シューベルトの命日に最晩年のピアノ曲を演奏予定。
AU-92570
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(HYBRID_SACD)
コミタス(1869-1935):
 アルメニア民謡集〔杏の木/春が来た/烏/鶴/お父さん/子守歌/くもり/小川/月明かり/アルメニア〕/
 ドイツ民謡集〔9つのドイツの詩〕(*)
  ハスミク・パピアン(S) ヴァルダン・マミコニアン(P)
 録音:2005年7月、バヴァリア・スタジオ、ミュンヘン。(*)は世界初録音。
 アルメニア生まれの世界的ソプラノ歌手、ハスミク・パピアンとピアニスト、ヴァルダン・マミコニアンによる世界初録音を含むコミタスのアルメニア&ドイツ民謡集。作曲のコミタスは約4000曲を作曲したアルメニアの偉大な作曲者。彼の音楽は地域に根差した民謡。アルメニアは山脈と高原が広がる山国で地域により起伏に富み、気候が大きく異なる。アルメニアの文化にしっかりと根ざした歌詞と雄大な音楽が最大の魅力となっている。
AU-92571
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(HYBRID_SACD)
ロマン・デシャルム~ラヴェル:ピアノ作品集
 高雅で感傷的なワルツ/夜のガスパール/
 ソナチネ/ラ・ヴァルス
ロマン・デシャルム(P)
 録音:2008年11月20-22日ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会。使用楽器:Kawai EX 2528001。
 2008年の4月と10月、さらに2009年の2月と相次いで来日し、多くのファンを魅了したフランス期待の若手ピアニスト、ロマン・デシャルム。Auditeデビュー盤は、そのリサイタルでも取り上げた「高雅で感傷的なワルツ」「夜のガスパール」を含むラヴェル作品集。師ジャック・ルヴィエ仕込みのラヴェルはすでに完成されたスタイルで自信のほどを覗かせるが、なかでも同じく公演曲目の取りに組まれていた「ラ・ヴァルス」がやはり圧巻。音色の綾、リズム感、退廃的な香りと、聴衆を大いに沸かせた来日公演をほうふつとさせる。

 ロマン・デシャルム…1980年フランス・ナンシー生まれ。パリ国立高等音楽院でジャック・ルヴィエ、クリスティアン・イヴァルディ、ジャン・ケルネル、アンヌ・グラポットに師事し、すべてのクラスで4つのプルミエ・プリ(首席)を獲得して卒業。2006年AXA ダブリン国際ピアノコンクール、さらに2007年ウイストルアム・リヴァに於けるヴラド・ペルルミュテル・EC ピアノコンクールでグランプリを受賞。そのほかのコンクール歴も輝かしく、アレッサンドロ・カサグランデ国際ピアノコンクール、上海国際ピアノコンクール、浜松国際ピアノコンクールでも上位入賞を果たしている。パリのサル・コルトーをはじめフランス国内のほか、ロンドンのウィグモアホール、ダブリン国立コンサートホール、ニューヨークのカーネギー・ホールと、欧米、中国、日本で、リサイタル、室内楽、オーケストラとの共演等、数多くの演奏活動を行う。ヤマハ・ヨーロッパ財団、ナテクシス・バンク・ポピュレール財団、2004年度シャルル・クロ・アカデミー奨学生。
AU-92572
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(HYBRID_SACD)
エコーとリスポスタ~ムーリ修道院所属教会合唱隊席から響く最上の器楽曲
 ディートリヒ・ベッカー(1623-1679):カンツォン/ベネデット・レ(17世紀初期):カンツォーネ
 ニコロ・コッラディーニ(1580/90-1646):ソナタ「ラ・ゴルフェランマ」
 サラモーネ・ロッシ(1570 頃-1630 頃):ソナタ/チェザリオ・グッサーゴ(17世紀初期):ソナタ「ラ・レオーナ」
 ダリオ・カステッロ(17世紀初期):ソナタ第10番/ジョヴァンニ・バッティスタ・リッチョ(17世紀初期):カンツォン
 ビアージョ・マリーニ(1594-1663):ソナタ第9番/カンツォン第1番
 ロドヴィーコ・ヴィアダーナ(1560-1627):
  シンフォニア「ラ・ベルガマスカ」/フランス風カンツォン/シンフォニア「ラ・マントヴァーナ」
 ジョヴァンニ・ピッキ(17世紀初期):カンツォン第12番/ソナタ第16番
 アレッサンドロ・ストラデッラ(1639-1682):ソナタ/ザムエル・シャイト(1587-1654):エコー/カンツォン・コルネット
 ヨハン・ゾンマー(1570頃-1627):ソナタ/ヨハン・シュターデン(1581-1634):ソナタ第1番

  レ・コルネ・ノワール[2コルネット、2Vn、Fg、Tb、2Org]
 録音:2008年8月4日-7日、スイス、アールガウ州ムーリ、修道院所属教会。
 ムーリ修道院所属教会における第3弾目の録音は、その合唱隊席の特質を生かしたもの。音楽史上、ヴェネツィア、サン・マルコ大聖堂のステレオ効果が最も有名だが、ムーリ修道院所属教会は、反響を配慮した8角形のドームで、そのうちの4面に合唱隊席を配し、音源が前方2方向の場合はエコーが、4方向の場合は立体音響が際立ち、どちらの場合にも、非常に色濃いサラウンド効果が得られるようになっている。
 今回の録音は、タイトルにも示されるように、前方2方向の音源から得られるエコー効果を主眼としたもの。初期バロック時代に活躍した、楽器奏者としても名の通った独伊の作曲家たちの作品を集め、レ・コルネ・ノワールは、その空間効果を生かした響きを作り出している。特にSACD SURROUND層の録音は、この効果の再現に力を発揮している。
AU-92573
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(HYBRID_SACD)
聖なる待降節のための前奏曲集
 シーダーマイアー:前奏曲 ニ長調 / コプリッヒ:パストラーレ イ長調/
  パストラーレ ニ長調/パストラーレ ト長調
 作曲者不詳:ソナタ ハ長調/パストラーレ ヘ長調/ソナタ ハ長調
 ヨハン・エルンスト・エーベルリン:
  1月のための「アリア」/12月のための「メヌエット」/キリストの月のための「子守唄」
 フランツ・クサーファー・シュニッツァー:ソナタ ト長調
 グリュンベルガー:田園風オルガン曲〔変ロ長調/変ホ長調/ハ長調〕
 シーダーマイアー:前奏曲 変イ長調 / ピッシ:田園風前奏曲〔ヘ長調/ト長調〕
 アルプリンガー:パストラーレ ト長調 / フィーレル:クリスマスプレゼント
  ヨハネス・シュトロープル(Org)
 録音:2008年8月7日-9日スイス、アールガウ州ムーリ、修道院所属教会。使用オルガン:修道院所属教会の大オルガン。
 お馴染みムーリ修道院所属教会における今回の録音は、待降節に演奏されるオルガン曲。存命当時、非常な人気を博したフィーレルは、現在でも地元の教会でその作品を耳にすることができ、モーツァルト父子に高く評価されたエーベルリンは、1つの作品が長らくJ.S.バッハの作品と思われるなどといった、渋みのある一線級の作曲家の作品が集められている。彼らは、年代的には18世紀末から19世紀初頭。地域的には南ドイツ、オーストリア、ボヘミア、クロアチア。宗教的にはカトリックの伝統に属している。
AU-92574
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(HYBRID_SACD)
シューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op.47(*)/
        ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44
クレール=マリ・ル・ゲ(P)
マンデルリングSQ
[ゼバスティアン・シュミット、
 ナネッテ・シュミット(Vn)
 ローラント・グラッスル(Va)
 ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 録音:2009年5月27日-29日、レーバークーゼン、バイエル・クルトゥーアハウス、セッション。
 ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全集を完結させたマンデルリング四重奏団が、2010年の作曲者生誕200周年のアニヴァーサリーに向けて放つアルバム。高い人気を誇るル・ゲを迎えて、ピアノ四重奏曲とピアノ五重奏曲を取り上げている。
 ともにシューマンの好んだ 変ホ長調という調性で書かれたピアノ五重奏とピアノ四重奏は、「室内楽の年」1842年の10月と11月に相次いで完成している。なかでも、作曲の過程でメンデルスゾーンがアドバイスを授けたピアノ五重奏では、楽想ゆたかなピアノがまず格別。これに、いくぶん厚めの弦が溶け合うさまがまた絶妙で、このジャンル屈指の名曲として親しまれている。
 切れ味鋭いショスタコーヴィチのほか、シューベルトやブラームスといった、ロマン派のディスコグラフィからもマンデルリング四重奏団の実力は織り込み済みのところ。このたび、ピアノに極上のロマンが薫るシューマンの作品ということで、くっきりとした音色としなやかな感性で強力な魅力を放つル・ゲとの顔合わせは、よりいっそうの期待を抱かせるものといえるだろう。
AU-92575
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(HYBRID_SACD)
シューベルト
 「さすらい人幻想曲」 ハ長調 D760/
 ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D960
原田英代(P)
 録音:2010年11月23日-25日、イエス・キリスト教会、ベルリン。ドイツ、日本を中心に世界で活躍するピアニスト、原田英代。これまでにグリーグの抒情小曲集(AU-92555)、チャイコフスキー&ラフマニノフ(AU-92569)、シューマンの幻想曲、クライスレリアーナ、アラベスク(AU-92577)をリリース。いずれも高い評価を受け、特にシューマンはレコード芸術特選盤をはじめ国内外のレヴューで大絶賛され、原田の底知れぬ音楽的才能を知らしめた。今回リリースするのは、シューベルトの2大作品。原田は2003年から2010年にかけてシューベルトの全貌を伝える連続演奏会を行い、歌曲、室内楽を通してシューベルトの音楽に迫ってきた。作品の研究と分析に余念がない原田の成果が結実した内容。
AU-92576
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(HYBRID_SACD)
ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン・ソナタOp.134
ユディト・インゴルフソン(Vn)
ウラジーミル・ストウペル(P)
 録音:2011年1月、ジーメンスヴィラ、ベルリン。1973年アイスランド出身、1998年インディアナポリス国際コンクールで金賞受賞した女性ヴァイオリニスト、ユディト・インゴルフソン待望の録音。驚くべき超絶技巧と音楽的成熟を示す名手。1750年製グァダニーニの名器から紡ぎ出す美音も魅力。今回はロシアの2作に挑戦。ストラヴィンスキーのディヴェルティメントはチャイコフスキーの音楽に基づくバレエ「妖精の口づけ」のなかから、友人のヴァイオリニスト、サミュエル・ドゥシュキンの協力で編曲。もともとの素材がチャイコフスキーなので、旋律的な魅力にあふれている。ピアノのウラジーミル・ストウペルはモスクワ出身。母はピアニストのリムマ・ボブリツカヤ、モスクワ音楽院ではピアノのマリーニン、指揮をロジェストヴェンスキーに学んだという逸材。
AU-92577
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(HYBRID_SACD)
シューマン
 幻想曲 ハ長調 Op.17/クライスレリアーナ Op.16/
 アラベスク Op.18
原田英代(P)
KKC-5104
(HYBRID_SACD)
国内仕様盤
廃盤
 録音:2009年6月16日-18日、イエス・キリスト教会(ベルリン、ダーレム)。
 驚くべき力強さとしなやかさを持つ実力派ピアニスト、原田英代。活動の拠点をヨーロッパにおき高い評価を受けている。前作「チャイコフスキー:四季/ラフマニノフ:コレッリの主題による変奏曲」(AU-92569)は、英グラモフォン誌2009年4月号のレビューで大絶賛された。
 最新CDはドラマティックな名曲クライスレリアーナを含む生誕200年を迎えたシューマン・プログラム。ロマンティシズムに溢れた「幻想曲」、美しいニュアンスと特有のメランコリーを持った「アラベスク」、そして「クライスレリアーナ」。全8曲からなるクライスレリアーナは、E.T.A.ホフマンの小説に登場する「楽長クライスラー」から取ったタイトル。文学を音楽的に表現した傑作。過度な感傷的表現を避けシューマンの情念的な部分を見事に表した演奏。ピアノの美感を最大限に利用したペダリングによって生み出される精緻な色彩表現、揺れる感情、原田英代の底知れぬパワーを感じさせる1枚。
 原田英代プロフィール:東京藝術大学卒業。同大学院修了。モスクワ音楽院でメルジャーノフの愛弟子として研鑚をつむ。ジュネーヴ国際コンクール最高位、シューベルト国際ピアノコンクール第1位、ウィーン現代音楽コンクール第2位など、華々しい受賞歴を持つ。これまでにN響、読響、トリノ放送so.など国内外の主要オーケストラとの共演、音楽祭への参加している。
AU-92578
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(HYBRID_SACD)
エドゥアルト・フランク(1817-1893):
 弦楽五重奏曲 ホ短調 Op.15 (1845頃) /弦楽五重奏曲 ハ長調 Op.51 (1870頃)
  クリスティアーネ・エディンガー(Vn1) タッシロ・カイザー(Vn2)
  ライナー・キムシュテット(Va1) ウヴェ・マルティン・ハイベルク(Va2)
  カタリナ・メフラー(Vc)
 録音:2011年3月16日-19日、ジーメンスヴィラ、ベルリン。auditeが再評価に力を入れ、弦楽六重奏曲、ピアノ五重奏曲、弦楽四重奏曲、ピアノ三重奏曲、ヴァイオリン・ソナタ、チェロ・ソナタを既にリリースしているエドゥアルト・フランクのシリーズ。これら2曲の創作背景には、当時台頭していたブルジョワジーのライフスタイルが急速な発展を遂げたことにより、かれらの演奏に供される質の高い作品の需要が高まったという事情がある。音楽史における作曲家エドゥアルト・フランクの功績としては、いっぽうでシューマンとメンデルスゾーンとを、また他方ではシューマンとブルッフやブラームス、ブルックナーとを結ぶというように、「大作曲家たちの世代間の橋渡し」をしたことが挙げられる。大規模で劇的な構造と相俟った、簡潔で忘れがたいメロディと主題の創意に加えて、プロと愛好家の双方を満足させるに十分な対位法の卓越した能力は驚くべき物。いくぶんメランコリーを湛えた高貴で心を揺さぶるインスピレーションに、いくつかの点でブラームスの語法を先取りしているかのようなところも聴き取れ、主題に続く10の変奏という形式による作品51のフィナーレはまぎれもなく白眉の出来ばえ。レコーディングに際して、シリーズでおなじみのエディンガー以下、シュヴァルベに師事したキムシュテットに、ハンブルク NDR so.のコンサート・マスターを務めたハイベルクをはじめ、ドイツ勢による盤石の布陣が組まれている。
AU-92579
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(HYBRID_SACD)
グリーグ:管弦楽作品全集 Vol.2
 2つの悲しい旋律 Op.34/
 組曲「ホルベアの時代より」Op.40/
 2つのメロディOp.53/2つのノルウェーの旋律 Op.63
アイヴィン・オードラン指揮
ケルンWDRso.
 録音:2009年8月31日-9月2日、クラウス・フォン・ビスマルク・ザール、ケルン。WDR制作。ヨルマ・パヌラの弟子オードランが進めるグリーグの管弦楽曲全集シリーズ第2弾。グリーグが何にもまして極めたジャンルと云われる弦楽オーケストラのための作品は、歌曲とピアノ小品からの編曲が主体だが、すっと透き通った高音から絶妙に表情を変えてゆく中低域まで、ここにしかない独特の魅力にあふれている。“この音楽の風味は、わたしの血 " と語るように、オードランもまたグリーグの生まれ故郷ベルゲン育ち。胸をしめつけるような「過ぎし春」や組曲「ホルベアの時代より」ほか、ノルウェーのフォークロアを題材にした内容への共感の深さは本物で、演奏の出来ばえがそれを物語っている。
AU-92641
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(HYBRID_SACD)
フルトヴェングラー「ルツェルンの第9」、スイス放送協会所蔵マスター・テープ使用
 ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125「合唱」
  エリーザベト・シュヴァルツコップ(S) エリザ・カヴェルティ(A)
  エルンスト・ヘフリガー(T) オットー・エーデルマン(B)
  ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮フィルハーモニアo.、ルツェルン祝祭cho.
 録音:1954年8月22日、ルツェルン。ソース:スイス放送協会。
 『2014年はフルトヴェングラーの没後60周年、偉大な巨匠の偉業を偲ぶべくauditeが素晴らしい仕事をしてくれました!フルトヴェングラー晩年の大名演、ルツェルン音楽祭でのベートーヴェンの第9交響曲が、放送局のオリジナルのマスターテープからSACD hybridとCDに! audite社の案内によりますと、SRF(スイス放送協会 Schweizer Radiound Fernsehen)の保管庫に秘蔵されていたオリジナルのマスターテープを丁寧に採録。元々の録音状態が良好なため、雑音の除去はごく僅か、テープヒスの軽減はほとんどせずに済んでいるとのこと。またピッチも可能な限り修正、ことに第3楽章は正しいピッチに収まったことでよりじっくりとした風格の演奏となっています(このため演奏時間が若干長くなっています)。オリジナルのマスターテープは第1楽章+第2楽章、第3楽章+第4楽章の2巻から成っており、楽章間の様子も可能な限りそのまま収録されています。フルトヴェングラーのベートーヴェン演奏の到達点とも言えるルツェルンの第9は、これまでに様々な盤で出回ってきましたが、このaudite盤が頂点に君臨することでしょう。しかもSACD hybirdでも発売。60年の時を超えてフルトヴェングラーの偉大な芸術をしっかり胸に受け止めましょう!』
AU-92651
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(HYBRID_SACD)
グリーグ:管弦楽作品全集 Vol.1
 交響的舞曲集 Op.64/劇付随音楽「ペール・ギュント」〔第1組曲 Op.46/第2組曲 Op.55〕/
 リカルド・ノルドロークの思い出のための葬送行進曲 EG 107
 アイヴィン・オードラン指揮ケルンWDRso.
 録音:2010年10月4日-8日、ケルン・フィルハーモニー[WDR制作]。優秀録音で人気のauditeから注目のシリーズが登場する。1956年生まれのアイヴィン・オードランがケルンWDR響を指揮してスタートさせるのは、祖国ノルウェーの大作曲家グリーグによる管弦楽曲全集。全5巻予定の第1弾ではグリーグの代表作「ペール・ギュント」の第1、第2組曲のほか、正真正銘ノルウェーのメロディーやリズム素材を扱った「交響的舞曲集」と、さらに、グリーグが作曲家になる後押しをした親友でありながら、23歳で夭折した「ノルドロークのための葬送行進曲」を収録している。
 メニューインに師事した経歴を持つオードランは、まず、ヴァイオリニストとしてベルゲン・フィルのコンサートマスター(1981-1989)を務めるいっぽうで、シベリウス・アカデミーでかのヨルマ・パヌラに指揮を師事していることから、ここでは師直伝の内容が期待されるところ。また、オードランはトロントハイムso.の首席指揮者&アーティスティック・リーダー(2003-2010)のポストを中心に、オスロ・フィル、スタヴァンゲル響、フィンランド放送so.
スウェーデン放送so.などその他のスカンディナヴィア圏の主要オケにも客演、さらにはヨーロッパのオケにもひんぱんに登場しており、ケルンWDR響のほか、シュトゥットガルトSWR響、ベルリン・ドイツ響などに客演している。
AU-92652
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(HYBRID_SACD)
Schütz, Gabrieli : Polychoral Splendour
 シュッツ(1585-1672):ダヴィデの詩篇歌集~何故荒れ狂う異教徒 SWV23
 ガブリエーリ(1555頃-1612):サクラ・シンフォニア第1集~第1旋法による8声のカンツォーナ C170
 シュッツ:シンフォニア・サクラ第3集~サウル、サウル、なぜ私を迫害するのか SWV415
 ガブリエーリ:サクラ・シンフォニア第1集~第4旋法による15声のカンツォーナ C185
 シュッツ:シンフォニア・サクラ第3集~来たれ聖霊 SWV417 / ガブリエーリ:8声のカンツォーナ C202
 シュッツ:ダヴィデの詩篇歌集~全霊もて、われ主に感謝す SVW34
 ガブリエーリ:14声のソナタ C211 / シュッツ:シンフォニア・サクラ第3集~天にまする我らの父よ SWV411

  ヨハネス・シュトロープル指揮カペラ・ムレンシス、レ・コルネ・ノワール
 録音:2011年7月25日-28日、ムーリ修道院付属教会。 素晴らしい音響を持つスイスのムーリ修道院付属教会でルネサンス~バロック時代の声楽・器楽作品を収録するシリーズ第5弾。今回は16世紀イタリアを代表する大音楽家ジョヴァンニ・ガブリエーリと、その弟子でありドイツ初期バロックの大家としても知られるハインリヒ・シュッツの作品を交互に収録。「シンフォニア・サクラ」「サクラ・シンフォニア」「ダヴィデの詩篇歌集」といった代表的声楽作品集からの珠玉の楽曲の数々、ルネサンスとバロック、イタリアとドイツそれぞれを結ぶ橋渡し的存在といわれる師弟の作品を聞き比べることが出来る。演奏は第4弾(AU-92573)にて大オルガンの荘厳な音色を聴かせてくれたシュトロープル率いる合唱団体カペラ・ムレンシスと、第3弾(AU-92572)より再登場の器楽団体レ・コルネ・ノワール。8角形の広間の4隅に合唱隊席を配したサラウンド効果あふれる美しい響きを SACDHybrid の高音質でたっぷりと堪能出来る。
AU-92653
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(HYBRID_SACD)
17世紀のウィーン宮廷に響く2台のオルガンのための作品集
 G.プリウーリ(1575頃-1626):祝福されしイェルサレムの町/8声の第2カンツォーネ/おお、なんと甘美な
 G.ヴァレンティーニ(1582/83-1649):6声のカンツォーネ ト長調/6声のカンツォーネ ト短調
 作者不詳:ゼクエンツ〔復活のいけにえに/聖霊来たりたまえ〕
 W.エープナー(1611/12-1665):トッカータ ト短調/アリア・ファヴォリータによるパルティータ
 F.M.フローベルガー(1616-1667):トッカータ第6番「聖体奉挙のための」/カプリッチョ第5番
 レオポルト1世:アルマンド60-アリア61-カナリオ62/アリア63-ガヴォット64-サラバンド65
 テシェルマン:リチェルカーレ ハ長調
 J.C.ケルル:カッコウによるカプリッチョ/フーガClamor grillorum campestrium
 A.ポリエッティ(?-1683):雄鶏と雌鶏の鳴き声のカンツォーネ/鶏の鳴き声のカプリッチョ
 M.アンティフォン:サルヴェ・レジーナ

  ダヴィド・ブランデン、ヨハネス・シュトロープル(Org) カペラ・ムレンシス
 録音:2011年7月29日-31日、修道院所属教会、ムーリ、スイス。ヨーロッパ屈指の音響で知られるスイスのムーリ修道院所属教会で、ルネサンス・バロック時代の音楽を録音するシリーズ第6弾は、17世紀ウィーンのハプスブルク宮に響いていた2台のオルガンのための作品集。第5弾(AU-92652)に引き続き、今回もヨハネス・シュトロープル率いる合唱団体カペッラ・ムレンシスによる演奏。フェルディナント2世、フェルディナント3世、そしてレオポルド1世という3人の皇帝の時代にまたがり、当時の宮廷に活躍していた音楽家たちの作品がたっぷりと収録されている。宮廷楽長として活躍したG.プリウーリ、G.ヴァレンティーニ、著名なオルガニストだったF.M.フローベルガー)といった今日にも名を残す音楽家から、W.エープナーやA.ポリエッティ(?-1683)といった中々お目にかかれない作曲家の作品、さらには皇帝レオポルド1世自身の作品にいたるまで、まさにウィーン宮尽くしのプログラム。オルガン付のグレゴリオ聖歌、モテットやカンツォーネといった声楽曲、カッコウや鶏などの動物の鳴き声を模した愉しい器楽曲、とジャンルも様々。収録場所のムーリ修道院はハプスブルク家によって1027年に創立されたということで、ウィーン宮廷とも縁深い地。サラウンド効果を狙った楽器配置は今回も行われており、SACDハイブリッドの高音質で堪能できるのも本シリーズお馴染みの魅力。
AU-92654
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(HYBRID_SACD)
シューマン:ピアノ三重奏曲集〔第1番 ニ短調 Op.63(*)/第2番 ヘ長調 Op.80(#)〕
 スイス・ピアノ・トリオ[アンジェラ・ゴルベワ(Vn) セバスティアン・ジンガー(Vc)
             マルティン・ルーカス・シュタウプ(P)]
 録音:2010年5月30日-31日(*)、2007年9月25日-26日(#)、テンプル・ドゥ・バ、ヌーシャテル、スイス。メンデルスゾーン(AU-92550)でauditeデビューを果たした実力派アンサンブルの第2弾。いずれもドレスデン時代の1847年に生み出された第1番と第2番というプログラム。シューマン生誕200周年記念の2010年5月にスイス・ピアノ・トリオがスイスでの3公演で取り上げた直後に収録した第1番は、「暗い気分のときに生まれたもの」という作曲者自らの言葉にもあるように、陰のあるシューマン特有のロマン性をよく表した作品。第1番のすこし後で着手され、スケッチから完成までわずか3日間で仕上げた第2番は、のちのマーラーが賞讃したといわれる作品で、ベートーヴェンやメンデルスゾーンの引用なども聞かれて、より自由度の増したものとなっている。スイス・ピアノ・トリオによる手堅い演奏は、対象的な性格を持つ2曲の魅力を浮き彫りにして、シューマンの多彩な魅力に迫る。
AU-92656
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(HYBRID_SACD)
メンデルスゾーン:弦楽のための室内楽作品全集 Vol.1 ~弦楽四重奏曲集 Vol.1
 〔第1番 変ホ長調 Op.12 /第2番 イ短調 Op.13 /変ホ長調(1823) (#) 〕
 マンデルリングSQ[ゼバスティアン・シュミット、ナネッテ・シュミット(Vn)
          ローラント・グラッスル(Va) ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 録音:2011年4月12日-13日(無印)、2011年11月21日-22日(#)、クリンゲンミュンスター。2013年に結成30周年を控える円熟のマンデルリング四重奏団による、2005年-2009年にかけて行ったショスタコーヴィチに続く新たな全集プロジェクトが始動、ドイツ・ロマン派の大家メンデルスゾーンの弦楽による室内楽を全て録音する模様で、全て高音質HYBRID_SACD盤でのリリース。もちろん今後は弦楽四重奏だけでなく弦楽五重奏、弦楽八重奏も収録される予定。第1集から是非集めておきたい、注目必至のシリーズ。初期のころから完成度の高い作品を多く残したメンデルスゾーンだが、出版されないまま廃棄された作品も多い。14歳の作で、若さあふれる爽やかな旋律と絶妙に絡み合うアンサンブルが見事な弦楽四重奏曲 ホ長調(1823)も生前に出版されなかった。習作とは思えない出来栄えに、若き音楽家の才気を思い知らされる。また、メンデルスゾーンは過去の偉大な作曲家に対し大きな尊敬の念を抱いていた。弦楽四重奏曲第2番はベートーヴェンの没年である1827年に作曲されたもので、節々に偉大な作曲家へのオマージュが垣間見える。1829年作曲の第1番は「真夏の夜の夢」を思わせる愉快なカンツォネッタを含んだスケルッツォが有名。
AU-92657
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(HYBRID_SACD)
メンデルスゾーン:弦楽のための室内楽曲全集 Vol.2
 弦楽四重奏曲〔第3番 ニ長調 Op.44 No.1 /第4番 ホ短調 Op.44 No.2 /第6番 ヘ短調 Op.80 (#) 〕
 マンデルリングSQ[ゼバスティアン・シュミット、ナネッテ・シュミット(Vn)
             ローラント・グラッスル(Va) ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 録音:2011年11月24日(無印)、2012年4月23日-26日(#)、クリンゲンミュンスター。2013年の結成30周年を間近に控え、ますますの活躍を見せるドイツ屈指のアンサンブル団体、マンデルリング四重奏団。2009年まで行われたショスタコーヴィチ全集の反響も覚めやらぬなか、2011年より新たにメンデルスゾーンの弦楽のための室内楽曲全集を開始し、注目を集めている。第2集となる今回は、初期の弦楽四重奏曲を中心に収録した第1集(AU-92656)から一転、後期から最晩年の時期に書かれた3曲の弦楽四重奏曲を取り上げたプログラム。曲調は違えど、いずれもメンデルスゾーンらしい抒情性と清廉なリズム感が美しい作品ばかり。第3番では交響曲「イタリア」を想い起こさせる快活な曲調と激しいソロの掛け合いが魅力的な一方、古典的な響きに満ちた第4番は深みのある落ち着いたアンサンブルにじっくりと聴き入る。2曲ともヴァイオリンの名手フェリシアン・ダヴィッドの妙技に魅了された後に書かれた作品ということで、ヴィルトゥオーゾ的なパッセージが随所に散りばめられているのも聴き所。マンデルリング四重奏団が誇る1stヴァイオリンのゼバスティアン・シュミットの妙技に魅せられるプログラムとも言えるだろう。また、亡くなる半年前に作曲された最期の弦楽四重奏曲第6番は、姉の訃報を悼むメンデルスゾーンの悲痛な旋律の数々にぐっと心をえぐられる作品。慟哭のごとき激しい音運びには、それまでのメンデルスゾーンの作品から得られる感動とは一線を隔す、圧倒的なインパクトがある。マンデルリング四重奏団のアンサンブルは今回も安定感抜群。激情の中にも決して冷静さを欠かない演奏で、円熟の域へと入りつつある名門の名にふさわしい堂々たる演奏を聴かせてくれる。
AU-92658
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(HYBRID_SACD)
メンデルスゾーン弦楽のための室内楽曲全集 Vol.3
 弦楽四重奏曲第5番 変ホ長調 Op.44 No.3 (*) /
 弦楽四重奏のための4つの小品 Op.81 より (*)
  〔第1曲「アンダンテ ホ長調」/第2曲「スケルォ(代理店記載ママ)」〕/
 弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20 (#)
  マンデルリングSQ (*/#)[ゼバスティアン・シュミット(Vn1) ナネッテ・シュミット(Vn2)
                  ローラント・グラッスル(Va) ベルンハルト・シュミット(Vc)]

  クレモナSQ (#)[クリスティアーノ・グアルコ(Vn1) パオロ・アンドレオーニ(Vn2)
             シモーネ・グラマーリャ(Va) ジョヴァンニ・スカリオーネ(Vc)]
 録音:2011年11月21日(#)、2012年4月25日-26日(*)、クリンゲンミュンスター。 Vol.1 弦楽四重奏曲〔第1番/第2番/変ホ長調(1823) 〕: AU-92656 、Vol.2 弦楽四重奏曲〔第3番/第4番/第6番〕: AU-92657 。ドイツ屈指のマンデルリング四重奏団は2013年に結成30周年を迎えた。近年録音されたショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全集は非常に高い評価を得ており、豊富なレパートリーとともに勢力的に活動している。2011年より新たに取り組み始めたのが、母国ドイツの作曲家メンデルスゾーンが作曲した弦楽のための室内楽曲全集録音で、当アルバムはその第3集。なんといっても注目はイタリアの次代を担う実力派として活躍するクレモナ四重奏団と共演した弦楽八重奏曲。auditeレーベルが誇る2大弦楽四重奏団の共演は聴き逃せない。激情の中にも決して冷静さを欠かないマンデルリング四重奏団とイタリアの陽光のごとく煌びやかな音色のクレモナ四重奏団が化学反応のごとく不思議と融合し、天下一品のメンデルスゾーンを聴かせてくれる。
AU-92659
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(HYBRID_SACD)
メンデルスゾーン弦楽のための室内楽作品全集 Vol.4
 弦楽五重奏曲(*) 〔第1番 イ長調 Op.18 /第2番 変ロ長調 Op.87 〕/
 弦楽四重奏のための4つの小品 Op.81 より (#)〔カプリッチョ ホ短調/フーガ 変ホ長調〕
  マンデルリングSQ [ゼバスティアン・シュミット、ナネッテ・シュミット(Vn)
             ローラント・グラッスル(Va) ベルンハルト・シュミット(Vc)]

  グンター・トイフェル(Vc;*)
 録音:2011年4月11日-12日(*)、2012年4月23日-25日(#)、クリンゲンミュンスター。2013年に結成30周年を迎えるドイツ屈指のアンサンブル団体、マンデルリング四重奏団。AUDITEレーベルよりショスタコーヴィチ、シューベルト、ブラームスと数々の名録音をリリース、それぞれ高い評価を得ている。2011年よりメンデルスゾーンの弦楽のための室内楽曲全集を開始し、今回は名手グンター・トイフェルを迎えた第4弾。今回も安定感抜群で激情の中にも決して冷静さを欠かない。円熟の域へと入りつつある、名門の名にふさわしい堂々たる演奏。
AU-92660
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(HYBRID_SACD)
ハンスイェルク・フィンク&エルマー・レーネン:レクイエムによる即興演奏
 〔イントロイトゥス/キリエ/セクエンツィア/オッフェルトリウム/
  サンクトゥス/アニュス・デイ/ルクス・エテルナ/赦祷文/楽園へ〕

 ハンスイェルク・フィンク(Tb) エルマー・レーネン(Org)
 録音:2013年4月15日-17日、ケーヴェラー、聖マリエン教会。伝統的なレクイエムの形式から様々な音楽要素、ジャズ的要素もふんだんに取り入れた即興的な作品。といっても曲全体のつくりやオルガンとトロンボーンの役割などは二人の奏者により密に考えられており、まことに色彩感豊かな1時間を超える大作。教会の響きを非常に効果的に用いた録音で、トロンボーンもオルガンのコンソール横で演奏し、その音はまるで天から舞い降りてくるような空気感に富んでいる。このような素晴らしい録音ができるのも長年教会での録音に携わり、数々の優秀録音をリリースしてきたauditeの社主ベッケンホーフ氏がなせる妙技。
AU-92661
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(HYBRID_SACD)
カール・フィリップ・シュターミッツ(1745-1801):クラリネット四重奏曲集
 〔変ホ長調 Op.19 No.1 /変ロ長調 Op.19 No.2 /変ホ長調 Op.19 No.3 / Op.8 No.4 〕
 アーサー・キャンベル(Cl) グレゴリー・メイタン(Vn)
 パウル・スワンテク(Va) パブロ・マハヴェ=フェリア(Vc)
 録音:2011年11月28日-30日、ルター派昇天教会、ミュンヘン。マンハイム楽派の最盛期を支えた作曲家カール・フィリップ・シュターミッツ。父ヨハンの作風を引き継ぎ、マンハイム楽派第2世代ならではの優雅な室内楽的な響きが特徴。また多作家でもあり交響曲が約50曲の他、協奏交響曲、協奏曲など数多くあり、室内楽曲は250を超えている。
 ここではクラリネット四重奏曲を収録。いずれの作品も優雅で上品な宮廷音楽の響きを感じることが出来る。作品8-4は、父ヨハンの典型的なスタイルであった大胆なデュナーミクを用いず、抑制されたスタイルで書かれている。また作品19ではクラリネットの音楽表現の幅も増え、よりダイナミックな演奏を楽しむことが出来る。
 カナダ、アメリカを中心に活動するアーサー・キャンベルの伸びやかで優雅な音色がアンサンブルをリードする明るく軽やかな1枚。
AU-92663
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BEST's BACH ~J.S.バッハ(1685-1750):
 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV.1004~シャコンヌ(ウィリアム・トーマス・ベスト(1826-1897)編曲)/
 コラール「最愛のイエスよ、我らここに集いて」BWV.731/コラール「わが心の切なる願い」BWV.727/
 コラール「主キリスト、我らを顧みたまえ」BWV.709/前奏曲とフーガ ホ短調 BWV.533/パッサカリア ハ短調 BWV.582/
 トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565/主なる神よ、天の扉を開き給えBWV.617/コラール「わが魂は主を称う」BWV.648/
 天にまするわれらの父よBWV.636/トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV.564

  カルステン・ヴィーブッシュ(Org)
 録音:2011年5月5日-6日、カールスルーエ教会。使用楽器:クライス社、1850年製作(1966/2010修復)。audite 社主でプロデューサー&エンジニアのルトガー・ベッケンホーフ氏が満を持して送りだすオルガン録音。イギリスのオルガニストであったウィリアム・トーマス・ベスト(1826-1897)編曲によるシャコンヌを除く通常のオルガン作品も、テンポ、アーティキュレーション、オルガンの音色を選ぶレジストレーションなど全てW.T.ベストによる校訂楽譜を使用。この校訂版で聴くと、例えば名曲トッカータとフーガ ニ短調ではさらにドラマティックに、コラールはより美しく響き渡る。オルガンを演奏しているヴィーブッシュは南西ドイツの教会音楽を主なレパートリーとし、この録音でも使用しているカールスルーエ教会にてオルガン・リサイタル・シリーズを続けている。当オルガンを知り尽くしたヴィーブッシュだからこその演奏で複雑な組み合わせをもつオルガンをコントロールし、ベストが思い描いていた音楽を見事に再現している。
AU-92667
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フルート・ソナタ集
 プーランク:フルート・ソナタ / ヒンデミット:フルート・ソナタ 変ロ調
 デュティユー:ソナチネ / ムチンスキ:フルート・ソナタ Op.14
 マルタン:フルートとピアノのためのバラード
  アンネ=カテリーネ・ハインツマン(Fl) トーマス・ホッペ(P)
 録音:2012年6月26日-28日、イエス・キリスト教会、ベルリン。A.ニコレやP.マイゼンなど独仏双方の匠に師事し、1999年にフランクフルト歌劇場o.の副首席奏者に抜擢されて以来、躍進を続けているドイツ・フルート界の中堅、ハインツマン初となる20世紀の作品を中心としたソナタ・アルバム。4曲目には、2010年に惜しまれながらも逝去したアメリカの現代作曲家ムチンスキのソナタを収録。ジャズの要素を取り入れた独特のリズム感が魅力的で、ピアノとフルートが息を呑むほどの勢いでリズムの応酬を繰り広げる。激しい掛け合いの中にも垣間見える、民族的なメロディも聴き所。ピアノ伴奏を務めるのはI/パールマンやJ/ベルらとも共演経験のあるベテラン、トーマス・ホッペ。ハインツマンとはデュオを組んで演奏活動を共にしており、アンサンブルの息もぴったり。フルート・ピアノ双方に高い演奏技術と表現力を求められる難曲尽くしのプログラムだが、常にも増す絶妙なアンサンブルで聴かせてくれる。録音場所はお馴染みのイエス・キリスト教会。高音質HYBRID_SACD盤ということで、多くの名演を生んだ教会の素晴らしい音響と共に、ハインツマンの澄んだフルートの音色を存分に堪能出来る。
AU-92669
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グリーグ管弦楽作品全集 Vol.3
 演奏会用序曲「秋に」 Op.11 /抒情組曲 Op.54 /鐘の音 Op.54 No.6(ザイドル編曲)/
 古いノルウェーのロマンスと変奏 Op.51 /組曲「十字軍の兵士シーグル」 Op.56
  アイヴィン・オードラン指揮ケルン WDR so.
 録音:2012年10月1日-2日、4日-6日、ケルン・フィルハーモニー。制作: WDR。作曲家の生まれ故郷と同じベルゲン育ちのオードランが進めるグリーグの管弦楽曲全集シリーズ第3弾。自ら「この音楽の風味は、わたしの血です」と語るオードランがシリーズを通じてグリーグ作品にみせる共感の深さには相当のものがあり、名指揮者ヨルマ・パヌラの薫陶を授かったたしかな手腕、なかでも繊細な弦の扱いにはすばらしいものがあった。そうした美質は「抒情組曲」のなかの一曲、オーロラや白夜といった幻想的なノルウェーの夜の帳をイメージさせる有名な「夜想曲」に顕著で、ここでの聴きどころのひとつといえるだろう。オードランの意図に応えるケルンWDR響もまた、セミヨン・ビシュコフ、サラステと相次いで実力派の首席指揮者を迎えて好調ぶりが伝えられているので、このたびも高水準の演奏内容が期待されるところ。メニューインに師事した経歴を持つオードランは、まず、ヴァイオリニストとしてベルゲン・フィルのコンサートマスター(1981-1989)を務めるいっぽうで、シベリウス・アカデミーでかのヨルマ・パヌラに指揮を師事してもいる。また、オードランはトロントハイムso.の首席指揮者&芸術監督(2003-2010)のポストを中心に、オスロ・フィル、スタヴァンゲルso.、フィンランド放送so.、スウェーデン放送so.などその他のスカンディナヴィア圏の主要オケにも客演、さらにはヨーロッパのオケにもひんぱんに登場しており、ケルンWDR響のほか、SWRシュトゥットガルト放送so.、ベルリン・ドイツ響などに客演を重ねている。
AU-92670
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オードラン~グリーグ管弦楽作品全集 Vol.4
 交響曲 ハ短調 EG 119 (*) /
 ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16 (#)
ヘルベルト・シュフ(P)
アイヴィン・オードラン指揮
ケルン WDR so.
 録音:2013年12月9日-13日(*)、2014年2月24日-26日(#)、フィルハーモニー、ケルン/制作: WDR 。グリーグと同じノルウェー出身の画家エドヴァルト・ムンクの「魅惑の森」(1903年頃)をアレンジしたジャケットが印象的なオードラン&ケルンWDR響による管弦楽曲全集シリーズ。全5巻完結予定のうち、すでに3枚がリリース済みで、名匠ヨルマ・パヌラの薫陶を授かったノルウェーの指揮者オードランによるグリーグの語法を体得した音楽作りと優秀録音で評判を呼んでいる。第4集は、ともにグリーグ唯一の交響曲とピアノ協奏曲という、ほとんど聴く機会のない作品と、屈指の人気作という対照的な組み合わせ。生前は未出版で、ようやく1981年になって蘇演された「交響曲」は、グリーグがデンマークのコペンハーゲンに居住していた時期の1863年から64年にかけて、当時の師でデンマークを代表する交響曲作家ニルス・ヴィルヘルム・ゲーゼの勧めにより作曲された物。ゲーゼに師事する以前、グリーグはライプツィヒ音楽院に学んでいるが、作風的にはメンデルスゾーンやシュポア、そしてシューマンの影響を指摘されている。グリーグ自身は交響曲をドイツ音楽の影響が色濃いとして、「決して演奏してはならない」とまでスコアに書き込んだそうだが、むしろここではドイツのオーケストラによる演奏というところが作風にマッチしているといえるかもしれない。グリーグが数年来あたためてきた国民音楽への思いが結実した「ピアノ協奏曲」は、交響曲から4年後、1868年に完成している。ノルウェー民謡風の旋律、和声、リズムがじつに新鮮にひびき、全篇に亘り、抒情とロマンがほとばしる魅力いっぱいの傑作で、ソリストに起用されたのは、1979年ルーマニアに生まれたドイツのピアニスト、ヘルベルト・シュフ。カサグランデ国際ピアノ・コンクール、ロンドン国際ピアノ・コンクール、ウィーンのベートーヴェン国際ピアノ・コンクールと世界的なコンクールを制覇し、ソロ・アルバムをいくつか発表して好評を博してきたシュフは、2013年にN響の公演でリストの第1番を弾き、大家の片鱗をみせつけていた。そのシュフの弾くグリーグの協奏曲ということでおおいに楽しみな内容といえるだろう。
AU-92671
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グリーグ管弦楽作品全集 Vol.5(完結編)
 「ペール・ギュント」の音楽 Op.23 より(*) 〔婚礼の場で/山の王の娘の踊り〕/
 6つのオーケストラ伴奏歌曲(#)
  〔ソルヴェイグの歌 Op.23 No.18 /ソルヴェイグの子守歌 Op.23 No.23 /
   モンテ・ピンチョから Op.39 No.1 /白鳥 Op.25 No.2 /
   過ぎ去りし春 Op.33 No.2 /ヘンリク・ヴェルゲラン Op.58 No.3 〕/
 2つの抒情小品(+)〔高い山の夕べ Op.68 No.4 /揺りかごで Op.68 No.5 〕/
 山の精に捕われた人 Op.32 (**) /ノルウェー舞曲 Op.35 (##)
  カミラ・ティリング(S;#) トム・エリク・リー(Br;**)
  アイヴィン・オードラン指揮ケルン WDR so.
 録音:2012年10月1日-6日(+/**)、2013年12月9日-13日(##)、2014年2月25日(*)、2014年11月3日-4日(#)、ケルン・フィルハーモニー。製作: WDR 。作曲家の生まれ故郷と同じベルゲン育ちのオードランが進めるグリーグの管弦楽曲全集シリーズの完結篇。グリーグの語法を体得し、名匠ヨルマ・パヌラの薫陶を授かった指揮者が生み出す音楽は相変わらず冴えているが、第5集にして初めて登場する声楽曲に注目。30代半ばのグリーグが風光明媚なハルダンゲル地方での生活で、素晴らしい霊感を得て完成させた「山の精に捕われた人」は、バリトン独唱、ふたつのホルンと弦楽合奏のための作品。劇的な曲調に、オスロに生まれたバリトン、トム・エリク・リーの歌声がよく映える。グリーグにとって歌曲は、すぐれた歌手であった夫人ニナの存在もあって、ピアノ曲と並ぶ重要なジャンルだったが、ソプラノ独唱による6つのオーケストラ伴奏歌曲はさらなる聴き物。代表作「ペール・ギュント」からのポピュラー・ナンバーである「ソルヴェイグの歌」「ソルヴェイグの子守歌」で、共感たっぷりの歌唱を聴かせるのはスウェーデン出身のカミラ・ティリング。ちなみにティリングは、2004年のパーヴォ・ヤルヴィ指揮エストニア国立響による「ペール・ギュント」のセッション録音にも、同じくソルヴェイグ役で参加していた。これまでのオードランによるグリーグのシリーズは、いずれも本質に迫るみごとな出来栄えだったが、有終の美を飾る当アルバムもまた、グリーグの音楽を愛するかたにとって長らく宝物となるだろう。
AU-92672
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(HYBRID_SACD)
2台のピアノのためのフランス音楽
 ミヨー:スカラムーシュOp.165b / ラヴェル:スペイン狂詩曲(2台のピアノのための編曲版)
 ビゼー:子供の遊び Op.22(全曲) / プーランク:2台のピアノのためのソナタ/エレジー

  モナ&リカ・バード(P)
 録音:2011年、ジーメンスヴィラ、ベルリン。ドイツ、イタリアをはじめ数々の国際コンクール連弾部門で入賞、すでにアジア、アメリカにも活動を広げ注目を集めている新進気鋭の姉妹デュオ、モナ&リカ・バードによるデビュー録音は、19世紀-20世紀のオール・フランス・プログラム。姉妹ならではの息の合ったコンビネーションで、ピアノ2台(ビゼーの作品は1台)から生み出されているとは思えないほどの壮大な音世界をSACDハイブリットの高音質でたっぷりと堪能出来る。
AU-92673
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チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 Op.50「偉大な芸術家の思い出に」
 スイス・ピアノ・トリオ[アンジェラ・ゴルベワ(Vn) セバスティアン・ジンガー(Vc)
             マルティン・ルーカス・シュタウプ(P)]
 立て続けにAUDITEから新録音を発売し、知名度を高めつつある 1998 年創設のスイス・ピアノ・トリオは、オーストリアのヨハネス・ブラームス・コンクールやイタリアのカルタニッセッタ室内楽コンクールなどの入賞歴を誇る実力派。何より驚かされるのは音楽の大きさ。auditeならではの高音質録音でオーケストラをしのぐ迫力の世界を作り上げている。
AU-92675
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ヴィエルヌ:オルガン交響曲全集 Vol.2
 〔第3番 嬰ヘ短調 Op.28 (1911) /
  第4番 ト短調 Op.32 (1914)〕
ハンス=エーベルハルト・
 ロス(Org)
 録音:2012年3月28日-30日、聖マルティン教会、メミンゲン。使用楽器:同教会の大オルガン。2013年に歿後75周年を迎えたヴィエルヌのオルガン交響曲全曲、第1弾の交響曲第1番、第2番(AU-92674)に続く第2弾。ヴィエルヌは先天性の白内障のため生まれつき盲目に近かったが、6歳で弱視へ快復したと言われている。1881年、ヴィエルヌが11歳の時には国立パリ盲学校に進学し、その後ヴァイオリン、ピアノそしてオルガン学び、セザール・フランクが弾くオルガン演奏を聴いて感銘を受けて以来、パイプオルガンを熱心に学んだ。ヴィエルヌはフランクやオルガン交響曲第5番のトッカータが有名なシャルル=マリー・ヴィドールなど、著名なオルガニストに師事し、オルガン演奏及び作曲を習い、歿年までパリのノートル・ダム大聖堂の首席オルガニストを務めた。演奏のハンス=エーベルハルト・ロスは数々の国際コンクール受賞歴を持つ逸材で、Auditeレーベルからフランクのオルガン作品全集(AU-21413)をリリース、非常に高い評価を得ている。当シリーズ第1弾でも卓越した技術と確かな解釈でヴィエルヌの代表盤の呼び声高い名演奏を聴かせてくれる。Auditeレーベルの社主でプロデューサー&エンジニアのルトガー・ベッケンホーフ氏、満を持しての録音だけに自信を持ってご紹介できる優秀録音。
AU-92676
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(HYBRID_SACD)
ヴィエルヌ:オルガン交響曲全集 Vol.3(完結編)
 〔第5番 イ短調 Op.47 (1924) (*) /
  第6番 ロ短調 Op.59 (1930) (#)〕
ハンス=エーベルハルト・
 ロス(Org)
 録音:2013年3月19日、20日(*)、2013年6月5日、6日(#)、聖マルティン教会、メミンゲン。使用楽器:聖マルティン教会の大オルガン。オルガンの録音に定評のあるドイツのAuditeレーベル。このジャンルにおいて数々の優秀録音をリリースしてきた。最新アルバムは、2013年歿後75周年の企画として開始したヴィエルヌのオルガン交響曲全曲録音の最終となる第3弾が登場。ヴィエルヌは先天性の白内障のため生まれつき盲目に近かったが、6歳で弱視へ快復したと言われている。1881年、ヴィエルヌが11歳の時には国立パリ盲学校に進学し、その後ヴァイオリン、ピアノそしてオルガン学び、セザール・フランクが弾くオルガン演奏を聴いて感銘を受けて以来、パイプオルガンを熱心に学んだ。ヴィエルヌはフランクやオルガン交響曲第5番のトッカータが有名なシャルル=マリー・ヴィドールなど、著名なオルガニストに師事し、オルガン演奏及び作曲を習い、歿年までパリのノートル・ダム大聖堂の首席オルガニストを務めた。演奏のハンス=エーベルハルト・ロスは数々の国際コンクール受賞歴を持つ逸材で、Auditeレーベルからフランクのオルガン作品全集(AU-21413)をリリース、非常に高い評価を得ている。当シリーズ第1弾(AU-92674)第2弾(AU-92675)でも卓越した技術と確かな解釈でヴィエルヌの代表盤の呼び声高い名演奏を聴かせてくれる。Auditeレーベルの社主でプロデューサー&エンジニアのルトガー・ベッケンホーフ氏、満を持しての録音だけに自信を持ってご紹介できる優秀録音。
AU-92680
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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集 Vol.1
 〔第6番 変ロ長調 Op.18 No.6 /第11番 ヘ短調「セリオーソ」Op.95 /第16番 ヘ長調 Op.135 〕
  クレモナSQ
 録音:2012年9月3日-5日、トリノ。イタリアの次代を担う実力派として活躍するクレモナ四重奏団がベートーヴェン弦楽四重奏曲全集を開始。ボッケリーニやレスピーギといったイタリア音楽の発信を中心としつつ、ハイドンやバルトークといった演奏においても高い評価を得てきたクレモナ四重奏団。早くも活動10年を過ぎた当団だが、意外にもベートーヴェンを本格的に録音するのは初めてになる。第1集は、第6番、第11番、第16番、初期、中期、最晩期をそれぞれ代表する作品。第6番は、ロプコヴィツ侯爵に進呈された6つの弦楽四重奏曲Op.18の最後を飾る作品。全体的に躍動感あふれるリズムと曲調が魅力で、クレモナ四重奏団の持ち味ともいえるくっきりとした発音と伸びやかな表現力がいかんなく発揮されている。若さあふれるエネルギッシュな演奏が光るのは第11番「セリオーソ」。最晩年の傑作第16番では一転、非常に伸びやかな演奏で軽やかなアンサンブルを聴かせてくれる。クレモナ四重奏団は2000年に結成されたイタリアのアンサンブル団体。1stVnはクリスティアーノ・グアルコ、2ndVnをパオロ・アンドレオーニ、ヴシモーネ・グラマーリャがVa、ジョヴァンニ・スカリオーネがVcを担当している。イタリア四重奏団のP.ファルーリ、アルバン・ベルク四重奏団のH.バイエルレ両氏に師事。イタリアとゲルマン圏、二つの名門の流れをくむ実力派として活躍している。2013-2014年シーズンには、イタリアでベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲演奏チクルスも予定しているクレモナ四重奏団。今後も続々と次弾のリリースが控えており、第1弾から是非とも追っていきたい期待必至のシリーズと言えるだろう。
AU-92681
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(HYBRID_SACD)
ベートーヴェン弦楽四重奏曲全集 Vol.2
 〔第8番 ホ短調 Op.59 No.2「ラズモフスキー第2番」/第12番 変ホ長調 Op.127 〕
  クレモナSQ [クリスティアーノ・グアルコ(Vn1) パオロ・アンドレオーニ(Vn2)
            シモーネ・グラマーリャ(Va) ジョヴァンニ・スカリオーネ(Vc)]
 録音:2012年9月3日-5日、イタリア。 Vol.1 〔第6番/第11番「セリオーソ」/第16番〕: AU-92680 。2000年結成、イタリア四重奏団のファルーリ、アルバン・ベルク四重奏団のバイエルレ両氏に師事、名だたる弦楽四重奏団が存在するイタリアでも天鵞絨のような上品で柔らかい音色を魅力とし、伝統を担う次代の実力派として活躍するクレモナ四重奏団が満を持してお届けするベートーヴェン全集の第2弾。2013-2014年シーズンには、イタリアにてベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲演奏チクルスも予定している。
AU-92682
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(HYBRID_SACD)
ベートーヴェン弦楽四重奏曲全集 Vol.3
 〔第4番 ハ短調 Op.18 No.4 (*) /大フーガ 変ロ長調 Op.133 (#) /第7番 ヘ長調 Op.59 No.1 (*) 〕
 クレモナSQ [クリスティアーノ・グアルコ(Vn1;グァルネリ・デル・ジェス)
          パオロ・アンドレオーニ(Vn2;ジョヴァンニ・バッティスタ・グァダニーニ(1752) (#) /
                          サルヴァトーレ・スカリア(2012) (*) )
          シモーネ・グラマーリャ(Va;ピエトロ・ガルジーニ(2012) (#) /
                         アルベルト・ジョルダーノ(1995) (*) )
          ジョヴァンニ・スカリオーネ(Vc;マリノ・カピッチオーニ(1974))]
 録音:2012年6月3日-5日、ミラノ。今やイタリアを代表するクァルテット、クレモナ四重奏団のベートーヴェン全集第3集。イタリア四重奏団のファルーリ、アルバン・ベルク四重奏団のバイエルレ両氏に師事した2000年結成のクレモナ四重奏団は、イタリアの伝統受け継ぐ若手実力派で世界が注目している。イタリアらしい明るく非常にクリアな発音が魅力の一つで、個々の音色が見事に溶け合った驚くべきアンサンブルを聴かせてくれる。パッセージによっては若手らしい気迫に溢れ、また非常にスタイリッシュにまとめあげるが、なんといっても抜群の音程感と優美な音色は現代最高の呼び声高い四重奏団と言えるだろう。当録音では第2ヴァイオリン、およびヴィオラ奏者が曲によって使用楽器を変えている。今回、大フーガの録音にて使用したヴィオラは1980年生まれのピエトロ・ガルジーニ制作による物。ガルジーニは若い頃からマウロ・スカルタベッリの工房で弦楽器作りに親しむようになり、その後、ルイジ・エルコレやガブリエーレ・ナターリに師事した若手職人。2008年3月には『フォルムと音楽:ヴァイオリンのメカニズム』と題した論文により、フィレンツェ大学建築学修士号を取得。その後は修復や専門技術の分野で活躍し、特に過去の巨匠たちの傑作の複製の製造と、修復を仕事の二つの柱としているようだ。第1ヴァイオリンのクリスティアーノ・グアルコは名器グァルネリを使用しているが、その他の3人は曲によって新進気鋭の職人が制作した最新の優れた楽器も積極的に使用している。現代の楽器も歴史的な楽器と同様に素晴らしいことを証明するかのような魂のこもった演奏を聴くことが出来る。今後のベートーヴェン・チクルスも期待大と言えるだろう。
AU-92683
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(HYBRID_SACD)
ベートーヴェン弦楽四重奏曲全集 Vol.4
 〔第1番 ヘ長調 0p.18 No.1 /第14番 嬰ハ短調 Op.131 〕

 クレモナSQ [クリスティアーノ・グアルコ(第1Vn;ニコロ・アマティ、1640)
         パオロ・アンドレオーニ(第2Vn;アントニオ・テストーレ、1750)
         シモーネ・グラマーリャ(Va;アンサルド・ポッジ、1952)
         ジョヴァンニ・スカリオーネ(Vc;マリノ・カピッチオーニ、1974)]
 録音:2014年3月12日-15日、ポイリーノ、イタリア、セッション。現代イタリアを代表するクァルテットの一つ、クレモナ四重奏団がリリースを続けているベートーヴェンの第4弾。イタリア四重奏団のファルーリ、アルバン・ベルク四重奏団のバイエルレの両氏に師事した2000年結成のクレモナ四重奏団は、イタリアの伝統受け継ぐ若手実力派で世界が注目している。イタリアらしい明るく非常にクリアな発音が魅力の一つで、個々の音色が見事に溶け合った驚くべきアンサンブルを聴かせてくれる。パッセージによっては若手らしい気迫に溢れ、また非常にスタイリッシュにまとめあげるが、なんといっても抜群の音程感と優美な音色は現代最高の呼び声高い四重奏団。なお、当全集では曲に合わせて使用楽器を変えているところにも注目で、音色の違いを楽しむこともでき、現代の楽器も歴史的な楽器と同様に素晴らしいことを証明するかのような魂のこもった演奏を聴くことが出来る。今後のリリースにも注目。
AU-92684
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(HYBRID_SACD)
ベートーヴェン弦楽四重奏曲全集 Vol.5
 弦楽五重奏曲 ハ長調 Op.29 /弦楽四重奏曲第15番 イ短調 Op.132 (*)
  クレモナSQ
   [クリスティアーノ・グアルコ(Vn1|使用楽器:ニコラ・アマティ、1640年製作)
    パオロ・アンドレオーニ(Vn2|使用楽器:アントニオ・テストーレ、1758年頃製作)
    シモーネ・グラマーリャ(Va|使用楽器:ジョアッキーノ・トラッツィ、1680年頃製作)
    ジョヴァンニ・スカリオーネ(Vc|使用楽器:ニコラ・アマティ、1712年製作)]

  ローレンス・ダットン(Va2;*|使用楽器:サミュエル・ジグマントヴィッツ、2003年製作)
 録音:2014年11月24日-27日、ポイリーノ、イタリア。今やイタリアを代表するクァルテット、クレモナ四重奏団のシリーズ第5集。エマーソン弦楽四重奏団ダットンを迎えた豪華布陣。
AU-92685
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(HYBRID_SACD)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集 Vol.6
 〔第5番 イ長調 Op.18 No.5 /第13番 変ロ長調 Op.130 〕
 クレモナSQ
  [クリスティアーノ・グアルコ(Vn1
    |使用楽器:ニコラ・アマテジョヴァンニ・バティスタ・グァダニーニ(1776)〔代理店記載ママ〕)
   パオロ・アンドレオーニ(Vn2|使用楽器:アントニオ・テストーレ、1750年製作〔制作年代理店記載ママ〕)
   シモーネ・グラマーリャ(Va|使用楽器:ジョアッキーノ・トラッツィ、1680年頃製作)
   ジョヴァンニ・スカリオーネ(Vc|使用楽器:ニコラ・アマティ、1712年製作)]
 録音:2015年11月27日-30日、ポイリーノ、イタリア。Vol.1 ~ Vol.5: AU-92680~92684(各分売)。今やイタリアを代表するクァルテット、クレモナ四重奏団のシリーズ第6集。
AU-92687
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(HYBRID_SACD)
モーリツ・エッゲルト(1965-):無限の多様性をもつ音楽
 声、エレクドリック〔代理店記載ママ〕・ギター、ピアノ、弦のための「私はこの世に忘れられ」(2010) /
 Tetragrammaton (2009) /大鴉「二度とない」序曲(室内オーケストラのための)(1991)/
 アダージョ-問いに対する答え(1994/2011)(カタリーナ・ズザーネ・ミューラー編曲/室内オーケストラのための)/
 弦楽器のための「永遠の歌」(1985/89) /ヴァイオリンとピアノのための「3つの魂」(2002)

  インガ・フンペ(声) アドリアン・イリエスク(Vn) モーリツ・エッゲルト(P)
  ミヒャエル・ホフシュテッター指揮シュトゥットガルト室内o.
 録音:2011年9月。『作曲家とは、その頭の中に、生み出されるべき音楽をたくさん持っている人です。・・・芸術家として、私たちは、特定の時代の感情の記録者であります、そしてもし私たちがラッキーであれば、私たちの記録はささやかながら輝きを放ち、道を照らすのです』(モーリツ・エッゲルト)。ここに収録された様々な作品は、これらの感情や道がいかに多様性に満ちているか、ということを示している。1曲目の「私はこの世に忘れられ」を歌うのは特別ゲスト、2raumwohnung(ベルリンで人気のポップ2人組歌手)のインガ・フンペ。ポップス歌手とオーケストラによる、マーラーへの今風のオマージュとなっている。大鴉「二度とない」は、想像上のオペラのための序曲。ポーの物語詩「大鴉」に出てくる鴉が「二度とない」と鳴くところから題名がとられている。曲は絶えず変容するプロセスに基づいているが、ただ、その変容があまりに急速なため聴き手は認識できないというなんとも難解な物。と同時に、美を強烈に意識した作品でもあり、なぜか懐かしい感じも覚えるが、ポーの作品と同様どこか狂気の世界へと導く不思議な作品。エッゲルトはハイデルベルク生まれ。ドイツの様々なアンサンブルなどからの委嘱作品も多く、また、その作品も10のオペラ作品から、舞台や舞踊のための音楽まで実に様々。ピアニストとしても活躍しており、親交の深い作曲家ヘンツェのピアノ作品をコンサートで全曲弾いた初めてのピアニストでもある。
AU-92688
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(HYBRID_SACD)
クレモナSQ ~ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集 Vol.8(完結編)
 〔第3番 ニ長調 Op.18 No.3 /第10番 変ホ長調 Op.74 「ハープ」〕

 クレモナSQ
  [クリスティアーノ・グアルコ(Vn1|使用楽器:ニコラ・アマティ、1640年製作)
   パオロ・アンドレオーニ(Vn2|使用楽器:アントニオ・テストーレ、1750年製作)
   シモーネ・グラマーリャ(Va|使用楽器:ジョアッキーノ・トラッツィ、1680年頃製作)
   ジョヴァンニ・スカリオーネ(Vc|使用楽器:ニコラ・アマティ、1712年製作)]
 録音:2015年11月27日-30日、ポイリーノ、イタリア。
AU-92689
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(HYBRID_SACD)
クレモナSQ ~ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集 Vol.7
 〔第2番 ト長調 Op.18 No.2 /第9番 ハ長調 Op.59 No.3 「ラズモフスキー第3番」〕

 クレモナSQ
  [クリスティアーノ・グアルコ(Vn1|使用楽器:ニコラ・アマティ、1640年製作)
   パオロ・アンドレオーニ(Vn2|使用楽器:アントニオ・テストーレ、1750年製作)
   シモーネ・グラマーリャ(Va|使用楽器:ジョアッキーノ・トラッツィ、1680年頃製作)
   ジョヴァンニ・スカリオーネ(Vc|使用楽器:ニコラ・アマティ、1712年製作)]
 録音:2015年11月27日-30日、ポイリーノ、イタリア。 今やイタリアを代表するクァルテット、クレモナ四重奏団。 イタリア四重奏団のファルーリ、アルバン・ベルク四重奏団のバイエルレの両氏に師事した2000年結成のクレモナ四重奏団は、イタリアの伝統受け継ぐ若手実力派で世界が注目している。イタリアらしい明るく非常にクリアな発音が魅力の一つで、個々の音色が見事に溶け合った驚くべきアンサンブルとして現代最高の呼び声高い。なお、当全集では曲に合わせて使用楽器を変えているところにも注目で、歴史的名器を使用し魂のこもった演奏を披露している。auditeレーベルの社主にしてトーン・マイスターのルトガー・ベッケンホーフ氏による高品位の録音をお楽しみ頂ける。クレモナ四重奏団によるベートーヴェン全集:第1集(第16番、第11番『セリオーソ』、第6番 /AU-92680)、第2集(第12番、8番『ラズモフスキー第2番』/AU-92681)、第3集(「大フーガ」、第4番、第7番『ラズモフスキー第1番』/AU-92682)、第4集(第1番、14番 /AU-92683)、第5集(弦楽五重奏曲 ハ長調、第15番 /AU-92684)/第6集(第5番、第13番 /AU-92685)
AU-92691
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(HYBRID_SACD)
ラフマニノフ:ピアノ三重奏曲第1番 ト短調「悲しみの三重奏曲」
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 Op.50「偉大な芸術家の思い出に」
 トリオ・テストーレ[フランチスカ・ピエッチ(Vn) ハンス・クリスティア・シュヴァイカー(Vc)
             ヒョンジョン・キム=シュヴァイカー(P)]
 録音:2013年10月21日-22日、イエス・キリスト教会、ベルリン。結成から10年を過ぎ、ますます円熟のアンサンブルを見せているピアノ三重奏団「トリオ・テストーレ」による難曲チャイコフスキーとラフマニノフ。安定感のある堅実なアンサンブルを聴かせてくれる。トリオ・テストーレ:2000年に結成された三重奏団。ヴァイオリニストのフランチスカ・ピエッチは11歳でソロ・デビューを果たした早熟の名手で、1998年から2002年までヴッパータール響のコンミスを務めた後、2006年から2010年の間ルクセンブルク・フィルのコンミスを務めあげた逸材。チェロを担当するのはソ連の豪傑ペルガメンシコフの愛弟子、ハンス・クリスティア・シュヴァイカー。教育者としてもすでに活躍し、石坂団十郎をはじめ数多くの若手が師事を受けている。トリオの中では最も若手であるヒョンジョン・キム=シュヴァイカーも、2008年ショパン国際ピアノコンクール イ長調SIA第1位に輝いた韓国期待の実力派。国籍も年代も三者三様のトリオだが、アンサンブルの一体感は折り紙つき。2011年に室内楽の音楽祭Mai-Klassikを創始。団体名は、使用する弦楽器の制作者の名字がいずれも“テストーレ "であることに由来している(ヴァイオリンは1751年カルロ・アントニオ・テストーレ製、チェロは1711年カルロ・ジョゼッペ・テストーレ製を使用)。
AU-92702
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(HYBRID_SACD)
アメリカ
 ゴッツチョーク:風刺 Op.59 /リコルダーティ Op.26 /最後の希望 Op.16 /子守歌 Op.47 /バンジョー Op.15
 ガーシュウィン:3つの前奏曲 / フィリップ・グラス:「グラスワークス」~オープニング・ピース
 ジェフスキ:ピアノのための4つの小品~第4曲
 バーバー:ノクターン「ジョン・フィールド讃」 Op.33 /ピアノ・ソナタ 変ホ短調

  ウルリヒ・ロマン・ムルトフェルト(P)
 録音:2013年10月29日、イエス・キリスト教会、ベルリン。1970年フランクフルト・アム・マイン生まれのピアニスト、ウルリヒ・ロマン・ムルトフェルト。ヴェロニカ・ヨッフムやハルトムート・ヘルに師事し、コンサート・ピアニストとして活躍するかたわら、2003年には生物学者の証も受けている知性派。バッハから現代音楽までレパートリーは広く、初演も多く行っている。このアルバムはアメリカのピアノ曲を集めたアンソロジー。ヨーロッパのような長い歴史のないアメリカのピアノ音楽史最初期の1854年のゴットシャルクから1981年のフィリップ・グラス作品までの127年を俯瞰出来る。ショパンと同時代のゴットシャルク作品は華やかなサロン音楽だが、南北アメリカの民俗音楽や流行音楽を巧みに採り入れ、国民楽派を先取りしたような作風に興味津々。バーバーのピアノ・ソナタはアメリカを代表する名作として多くのピアニストに愛奏されているが、非常に難曲で、ことに終楽章のフーガは複雑ながら、ムルトフェルトは余裕の技巧で再現。バーバーの旋律美を表すノクターンもしっとりと歌わせます。一方、前衛的なジェフスキ、ニューエイジ風のグラスも巧みに性格を弾き分け、アメリカのピアノ曲の魅力を再認識させる。
AU-92703
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(HYBRID_SACD)
おどけた幸運
 フィリップ・ハインリヒ・エルレバッハ:アリア「幸運よ、お前は私をもてあそぶ」
 ヨハン・ウルリヒ II :カンタータ「汝ら明るき星たち」 / エルレバッハ:アリア「試練は乗り越えられる」
 テレマン(メランテ):カンタータ「おどけた幸運」/カンタータ「アモールは私を見て嬉しそうに笑う」
 ヨハン・フィリップ・クリーガー:アリア「孤独に」 / テレマン:カンタータ「希望」
 エルレバッハ:アリア「わが憧れは満足せり」

  イーナ・ジートラツェク(S) ハンブルク・ラツムジーク[ジモーネ・エッカート(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
      ウルリヒ・ヴェーデマイアー(テオルボ) ミヒャエル・フェルスト(Cemb)]
 録音:2013年5月14日-16日、ドイツ。運命の気まぐれをテーマにしたカンタータやアリアはバロック期に数多く作られたが、今日大半が忘れられている。このアルバムに収められた作品は幸運の女神を主役とした非常に珍しいカンタータとアリア。テレマンがメランテというアナグラム(名前の並べ替え)で発表したカンタータ「おどけた幸運」は、ベルリン・ジングアカデミーが1999年にウクライナのキーウ〔キエフ〕で発見した作品。イタリア後の歌詞による美しい作品で、成就しない運命を描く。独唱のイーナ・ジートラツェクはドイツの古楽ソプラノ。ピュアな声が魅力。注目は驚くべき録音の良さ。auditeレーベル総裁ベッケンホーフ・トーンマイスター渾身のHYBRID_SACDサラウンドで、眼前で演奏しているようなリアルな音像が衝撃。オーディオ・チェック用にも最適。
ジャーマン・ブラス コンラティン・グロート、
マルティン・クレッツァー(Tp)
ヴォルフガング・ガーク(Hr)
エンリック・クレスポ(Tp)
トランペットを伴ったバロック室内協奏曲集 ハンス・ロービン(Tp)
ライブルグ・バロック合奏団
チェロとピアノのためのスラヴ音楽 ディートリヒ・パンケ(Vc)
ヴィオラ・モクローシュ(P)
トランペットとオルガンによるバロック音楽 ジャン・フランソワ・ミシェル(Tp)
クレメンス・シュノール(Org)
甘き喜びのうちに~クリスマスのオルガン音楽 ハインリヒ・ハム(Org)
トランペット&オルガン~バロックの輝き
 ヘンデル:トランペット・ソナタ
 アルビノーニ:アダージョ/協奏曲Op.9-2
 ボイス:組曲
 ヴィヴァルディ:協奏曲RV.435
ジャン・フランソワ・ミシェル(Tp)
クレメンス・シュノール(Org)
 リヒター率いるミュンヘン・バッハ管弦楽団、そしてミュンヘン・フィルハーモニーの首席トランペット奏者を歴任したジャン・フランシス・ミッシェルの格調高いアルバム。
バッハ&ヴィヴァルディ:マリンバ編曲集 アルブレヒト・ホルツ(マリンバ)
AU-95418
廃盤
タンゴ・デュオ オズヴァルト・モンテス(バンドネオン)
チーロ・ペレス(G)
ヴィオラとピアノのための名曲集 ヴィドル・ナジ(Va)
ギュンター・シュミット(P)
3本のトランペットとティンパニによる
 大修道院での盛大な演奏会

 J.S.バッハ:
  カンタータ第29番~シンフォニア ニ長調/
  カンタータ第151番~アリア
   (クレメンス・シュノール編)/
  カンタータ第130番 より
   (クレメンス・シュノール編)/
  オルガン協奏曲 ニ短調BWV.596
   (原曲:ヴィヴァルディ)/
  カンタータ第31番~ソナタ ハ長調
 モーツァルト:
  自動オルガンのためのアンダンテ ヘ長調K.616
 ドリーブ:「ラクメ」~鐘の歌
  (クレメンス・シュノール編)
 ラインベルガー:
  オルガン・ソナタ第11番 ニ短調Op.148 より
   [アジタート/カンティレーヌ]
 フォーレ:「レクイエム」~慈悲深きイエスよ
  (クレメンス・シュノール編)
クレメンス・シュノール(Org)
ジャン・フランソワ・ミシェル、
ウーヴェ・コミシュケ、
エーリヒ・リンナー(Tp)
エドガー・グガイス(ティンパニ)
 録音:1991年5月。
アルトゥール・ダンゲル:作品集 カテリーヌ・ダゴア(A)
アルトゥール・ダンゲル(P)
AU-95429
廃盤
ベルンの古い写本と楽譜によるオルガン音楽 アンネレス・ヒュリガー(Org)
バロック・オルガンの花束 クレメンス・シュノール(Org)
セザール・フランク:ミサ イ長調Op.12 エディト・ヴァインス(S)
ライムント・メトレ(T)
シュヴェービッシュ・
 グミュントpo.
セザール・フランク:十字架上のキリストの7つの言葉 エディト・ヴァインス(S)
ライムント・メトレ(T)
シュヴェービッシュ・
 グミュントpo.
ピアノ&パーカッションの風景 デュオ・ヴィヴァーチェ
[アルブレヒト・フォルツ(Perc)
 アンドレアス・バウマン(P)]
ベルンハルト・クロル:
 管楽器とオルガンのための世俗曲集
シュテファン・オッタース(ティンパニ)
エリーザベト・ブサク(Org)
マイケル・ヘルツェル指揮
デトモルト管楽ゾリステン
20世紀ヨーロッパのトロンボーン作品集 トマス・ホルホ(Tb)
フリッツ・
 ワルター=リンクヴィスト(P)
ヴィヴァルディ:「四季」~春/他 トマス・ホルホ(Tb)
ルート・フォラート(Org)
ハイドン、メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲集 アルミンSQ
ベルンハルト・クロル:
 コンチェルティーノ・セレーノ
ヘルマン・バウマン(Hr)
ヴィリー・マッテス指揮
シュトゥットガルト放送so.
AU-95440
廃盤
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第7番
ギューネス:アルト・トロンボーンと
       管弦楽のための協奏曲「イズミール」
トマス・ホルホ(Tb)
ベタン・ギューネス指揮
トルコ・イズミールso.
ケルル南ドイツのバロック期とバッハのオルガン音楽 クレメンス・シュノール(Org)
J.S.バッハとイタリアの作曲家による珍しいオルガン曲集 アンネレス・ヒュリガー(Org)
アルトゥール・ダンゲル:作品集 ユルゲン・デムラー(アルトSax)
ペーター・グラビンガー、
アルトゥール・ダンゲル(クラヴィーア)
 レーベル廃盤のため、国内在庫限り。
AU-95451
廃盤
イングリッシュ・ホルンと
 オルガンのためのパストラーレ
ペーター・ウェーバー
(イングリッシュHr)
ヴィクトル・ショルツ(Org)
クラリネットとピアノのためのロマン派の幻想小曲集 ルドルフ・マウツ(Cl)
ランバート・ブミラー(P)
クーベリック&カーゾン~モーツァルト Vol.1
 モーツァルト:
  ピアノ協奏曲第21番/ピアノ協奏曲第24番
クリフォード・カーゾン(P)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
クーベリック&カーゾン~ベートーヴェン
 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲第5番「皇帝」/ピアノ協奏曲第4番
クリフォード・カーゾン(P)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調 ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1981年6月12日、ミュンヘン、ヘルクレスザール、ライヴ。2009年のカタログ付きCD(AU-10020/AUD-10020)としてもリリースされていたが、廃盤となっている。
 1999年にリリースされ、クーベリックの真価をみせつけたマーラーの第5交響曲ライヴ。
 ファンのあいだではかねてたいへん評価の高かった当ライヴだが、バイエルン放送提供の音源使用により極上の音質でひろく楽しめるようになったのがなによりのポイントとなり、演奏、曲目、録音の三拍子が揃い大ベストセラーを記録した。このマーラー第5番を皮切りにクーベリックのライヴ・シリーズがつぎつぎとリリースされ、現在進行中のWDRアーカイヴや、ドイチュラント・クルトゥーアの復刻に連なる流れをつくった。auditeの名を不動のものにした意味でも、忘れるわけにはゆかない一枚といえるだろう。
クーベリック&カーゾン~モーツァルト Vol.2
 モーツァルト:
  ピアノ協奏曲第23番/ピアノ協奏曲第27番(*)
クリフォード・カーゾン(P)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1975年/1970年(*)。
 両曲とも以前Disque Refrainから出ていたが、元テープからの初復刻で音質向上。第27番はカーゾンの十八番で見事な演奏。第23番は、興味深いことに特に3楽章などは何かDGのホロヴィッツ&ジュリーニを10倍ほど上品にしたような演奏。あれはあれで生き生きとした良い演奏だったが、こちらの上品さはこれはもう例えようもない。
クーベリック、マーラー・ライヴ Vol.2
 マーラー:交響曲第1番「巨人」
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1979年11月2日、ヘラクレスザール、ミュンヘン。ライヴ録音。
 元テープからの初復刻で最高の音質になった盤。
クーベリック、マーラー・ライヴ Vol.5
 マーラー:交響曲第7番「夜の歌」
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1976年4月4日、ミュンヘン、ヘラクレスザール、ライヴ。クーベリックはフランス政府から文化勲章を授与された際もこの曲を取り上げていた。
クーベリック、マーラー・ライヴ Vol.6
 マーラー:交響曲第6番「悲劇的」
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 1968年12月6日、ミュンヘン、ヘラルクレスザール、ライヴ。1968年としては過去に無いほどの優秀録音。60年代のクーベリックらしい引き締まった演奏。
クーベリックのチャイコフスキー第4
 チャイコフスキー:
  ヴァイオリン協奏曲(*)/交響曲第4番
ピンカス・ズーカーマン(Vn;*)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1969年4月24日、ヘラクレスザール、ミュンヘン。ライヴ、ステレオ。元テープよりの初復刻。
 第4番は以前METEORから出ていた物で、名演の誉れ高かったが、今回のリマスタリングにより1960年代のライヴとは思えないほどの高音質で聴くことができるようになった。(*)はズーカーマンのヨーロッパ・デビューにあたる演奏。
ラファエル・クーベリック
 マーラー:「大地の歌」
ジャネット・ベイカー(Ms)
ヴァルデマール・クメント(T)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1970年2月27日、ヘラルクレスザール。
 マーラーを得意にしているクーベリックだが、スタジオでは「大地の歌」は残さず、このライヴが唯一。2人の大物歌手を迎え、ライヴならではのヴォルテージに加え完成度も高く、 おまけに年代を超えた大変良好な音質とくればこれは見逃せない。
ラファエル・クーベリック
 ブラームス:ドイツ・レクイエム」
エディット・マティス(S)
ヴォルフガング・ブレンデル(Br)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.&cho.
 録音:1978年9月29日、ヘラルクレスザール・ライヴ。
 クーベリックのディスク初レパートリーとなる作品(その後DREAMLIFEから同年[月日不祥、独唱などは同一だが会場が異なる]の演奏が発売された/DLVC-1154]だが、ちょっとこれ以上の「ドイツ・レクイエム」は考えられないと思えるほどの出来。冒頭から引き込まれ、第3楽章の終結は豊かなオケの低音につつまれて合唱の渦の中に溺れてしまいそう。第6楽章など空前の大迫力で、続く第7楽章大きなうねりで巨大なラストへ。正に空前絶後の大演奏。マティス、ブレンデルも見事の一語で、音質も大変良し。文句のつけようがない。
クーベリック&バイエルン放響
 ベートーヴェン・ライヴ・シリーズ Vol.1

  ベートーヴェン:
   交響曲第5番「運命」(*)/交響曲第4番(#)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1969年11月20日、ドイツ博物館、ミュンヘン(*)/1979年10月23日、ベートーヴェン・ザール、ボン(#)。ともにライヴ、ステレオ。(*)はMETEORからMCD-056 かた出ていたものと思われ、マスター・テープからの初復刻。(#)も同じくMETEORからMCD-064として出ていた演奏があるが、そちらは1966年11月10日-11日、ヘルクレスザールでの演奏らしい。こちらは初出になる。
 実に素晴らしいベートーヴェンの登場。格調高い4番と王道的5番の各名演は、いつものヘラクルス・ザールではなく、異なった2つのホールで成し遂げられた。録音は非常に優秀で、それぞれのホールの特徴が非常によく捉えられている。(#)では透明感が高く、各声部までが実によく聞こえ、左右配置のヴァイオリンも興味深い。(*)では曲調に相応しい重厚な音で解像度も併せ持ち、とても1969年の録音とは思えない。DGのスタジオ録音を越えたという評価も既にあり、これは見逃せない。
マスターから初復刻、
 ベーム1977年の「ブル7」

  ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調
   (1885年/ノヴァーク版)
カール・ベーム指揮
バイエルン放送so.
 録音:1977年4月5日、ミュンヘン、レジデンツ・ヘルクレスザール、ライヴ。METEOR から MCD-007 で、RE! DISCOVER からは RED-9 で発売がある名演だが、今回がマスターからの初復刻。
 ケルン放送so.とのライヴ・シリーズが注目を集めるベームに、こんどはバイエルン放送so.と組んだブルックナー第7番のライヴが登場する。当日はシューベルトの第5番とともに演奏されたものだが、前年ウィーン・フィルと行ったスタジオ録音とは趣きも異なり、ここでは機能性にすぐれ、ベームの棒に過不足なく反応して音化するバイエルンの豊かな響きのもと、ブルックナーの世界にたっぷりと浸ることが出来る。速めのテンポを採用して引き締まったフォルム、自然なフレージングが形づくるアダージョの美しさ、そしてフィナーレもベームらしいライヴの高揚感をともなっており、たいへん聴きごたえあるものとなっている。ちなみにバイエルン放送so.はこの年、クーベリックの指揮で1月に第4番、2月に第6番、5月に第8番とブルックナーを集中的に取り上げている事も面白い。
 バイエルン放送アーカイヴ音源使用により格段にすぐれた音質で蘇ったことが大きなポイント。
ベーム&バイエルン放響の「ブル8」、
 マスターからの初復刻

 ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調
  (1890年/ノヴァーク版)
カール・ベーム指揮
バイエルン放送so.
 録音:1971年11月16日、ミュンヘン、レジデンツ・ヘルクレスザール。日付は異なっているが、楽章ごとの演奏時間が完全に一致しているので、かつてカール・ベーム・コレクションから、現在でも RE! DISCOVER から RED-15 で出ている 1971年10月21日/22日 とされる演奏と同一だと思われる。
 バイエルン放送アーカイヴシリーズ。ベームとバイエルン放送響の顔合わせによるブルックナーに、第7番(AU-95494)につづき1971年の第8番が登場。マスターからは初復刻となるこの演奏は、第7番同様に速めのテンポを採用している点が特徴で、ベームの代表盤とされる DG のセッション録音(1976年)に比べ、全体でほぼ8分あまり速くなっている。とりわけ後半2楽章での印象のちがいは大きく、おだやかなウィーン・フィル盤とは異なり、ベームの意志をバイエルン放送so.がストレートに表現、厳しくスピード感溢れるスリリングな、まことに熱い名演奏が繰り広げられる。
 キャリアの初期からブルックナーを好んで取り上げていたベームだが、1936年にドレスデンで行なった3つの録音を別にすれば、本格的に録音するようになったのはようやく1970年代に入ってから。バイエルン放送響との当第8番は第7番とともに、あまり多いとはいえないベームのブルックナー演奏を検証するうえで、かけがえのないものといえるだろう。
 このたびもバイエルン放送アーカイヴ音源使用によるため、すぐれた音質。
 *ベームのブルックナー第8番、演奏時間比較*
[バイエルン放送so./1971年]I. 13'40 + II. 13'10 + III. 24'29 + IV. 20'37= 71'56
[ウィーン・フィル/1976年]I. 14'51 + II .14'23 + III. 27'47 + IV. 23'00 = 80'01
フリッチャイの「カルメン」抜粋、初出
 ビゼー:「カルメン」(抜粋;ドイツ語歌唱)
マルガレーテ・クローゼ
(Ms;カルメン)
ルドルフ・ショック
(T;ホセ)
エルフリーデ・トレチェル
(S;ミカエラ)他
フェレンツ・フリッチャイ指揮
ベルリンRIAS so.、
ベルリンRIAS室内cho.
 録音:1951年。
 フリッチャイは、若い頃のブダペスト時代から「カルメン」を得意としていた。1956年にはベルリン放送so.と前奏曲やバレエ音楽をDGに録音、さらに1958年には、バイエルン国立o.とDGに抜粋盤の録音もしていた。今回登場するのは、1951年にベルリンRIASso.を指揮した抜粋録音。まだ30代半ばのフリッチャイが、鮮やかでグイグイ推進力のある演奏を繰り広げている。ドイツの人気テノール、ショックのジョゼをはじめ、ベルリン国立歌劇場で30年も活躍した偉大なメゾ、クローゼのカルメン、全盛期に亡くなってしまった幻のソプラノ、トレチェルのミカエラと、キャストはDGの抜粋録音よりずっと上。ドイッチュラントラディオ・クルトゥアとの共同制作。
ついにコルトー&フリッチャイのシューマンが、
 マスターから復刻!

 チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 Op.64(*)
 シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54(#)
 [ボーナス・トラック]
  フリッチャイのスピーチ
   ~1957年1月24日ベルリン放送so.
    創立10周年記念祝祭コンサートに際して
アルフレッド・コルトー(P;#)
フェレンツ・フリッチャイ指揮
ベルリン放送so.(*)、
RIASso.(#)
 録音:1957年(*)/1951年、ベルリン、ライヴ(#)。
 「絶対に忘れられないのがコルトー(P)フリッチャイの51年ライヴだ。ピアノもミス・タッチだらけだが、昔の巨匠の表現力がいかに濃厚自在であったか、いかに劇的かつロマンティックであったか、いかに作曲者の魂の奥底までをあぶり出すほど深かったかを、いやというほど教えてくれるのである」(宇野功芳)
 メロドラム盤以来のあまりにスリリングな内容で知られる大演奏が、このたびドイチュラントラジオ・クルトゥーア提供のマスター音源使用により大幅に音質改善が施されて登場する。また、フリッチャイが手兵と行なった1957年、ライヴによるチャイ5は、クリアなオケの響き、とめどないパワー、弛緩することないフォルムと、まさにこの時期のフリッチャイの音楽の魅力を伝える内容。まだ白血病発病前、快速テンポによる演奏から“リトル・トスカニーニ "と呼ばれていた時期のもの。
 なお、一時期AUD-10016という品番の同レーベルカタログ付きアイテムも出ていましたが、これは廃盤となっています。
フリッチャイ・ライヴ Vol.4~
 チェルカスキーとの協奏曲集

 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第2番 ト長調Op.44
  (ジロティ短縮版)(*)
 リスト:ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調S.124(#)
シェーラ・チェルカスキー(P)
フェレンツ・フリッチャイ指揮
RIAS so.
 録音:1951年1月16日-17日、ベルリン、ダーレム、イエス・キリスト教会、スタジオ・セッション(*)/1952年2月2日、ベルリン、ティタニア・パラスト、ライヴ(#)。ドイチュラントラジオ・クルトゥーア提供音源使用により、驚異的な高音質でよみがえるフリッチャイの秘蔵ライヴ・シリーズ第4弾。最後のヴィルトゥオーゾと謳われたチェルカスキーとのふたつの協奏曲は、絶頂期のチェルカスキーが見せるテクニックの冴えに加え、ダイナミックなフリッチャイとの先の読めないやりとりが刺激満点。
 ここに収められた2曲はジロティつながり。かれはリストの弟子でまたチャイコフスキーの弟子でもあり、ラフマニノフの師にあたるピアニスト。ここでチャイコフスキーの第2番はそのジロティが施した大幅カットで悪名高い改ざん版に拠っているが、それを補って余りある演奏内容。大変ロマンティックで面白く聴かせる。これまで同様、録音状態も良好で、このピアニスト特有のぬめりのある濃厚な美音がしっかりととらえられている。
クーベリック&バイエルン放響の
 ベートーヴェン、Vol.2

  ベートーヴェン:
   交響曲第2番 ニ長調 Op.36(*)/
   交響曲第6番 ヘ長調 Op.68(+)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1971年2月1日、パリ、シャンゼリゼ劇場、ライヴ(*)/1967年3月31日、ミュンヘン、レジデンツ・ヘラルクレスザール、ライヴ。以前METEORやORIGINALS、TOPAZIOといったレーベルからリリースがあった曲だが、同一演奏かどうかは不祥。どちらにせよマスターからの初復刻で、意外にも現役盤ではクーベリック&バイエルン放響の演奏は2曲ともこれが唯一となる。
 第4番&「運命」(1979&1969年:AU-95493)以来となる、クーベリック&バイエルン放送響のベートーヴェン・ライヴ第2弾。
 まず、2種のスタジオ盤(PRO:1959年EMI/パリo.:1973年DG)が知られる田園。ここでは生きる喜びいっぱい、どこまでも楽しい音楽がいっそう爆発している。クーベリックのライヴ・パフォーマンスは、オケが手兵バイエルン、本拠地のホールと条件がすべて揃っていることもあって文句のつけようがない出来栄え。途方もない嵐のあとのコントラストがくっきりと浮かび上がるフィナーレ。うきうきとしたフレーズに最後の楽音が消えた後も胸がいっぱいになる。
 まったく同様に、はじける勢いが止まらない第2番。スタジオ盤(コンセルトヘボウo. :1974年DG)もさることながら、こちらも白熱ぶりがすごい。ヴァイオリン両翼型配置による声部の掛け合いの妙はいつもどおり。録音がまた素晴らしく、最良のアナログで、当時の放送局スタッフの高度な技術水準が窺える内容。
クーベリックの「ブル3」
 ブルックナー:交響曲第3番 ニ短調
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1970年1月30日、ヘラルクレスザール、レジデンツ、ミュンヘン、ライヴ。旧・AU-92543(SACD_HYBRID/廃盤)のCD移行。 おそらくBells of St. Florian(廃盤)やEN LARMESのELS-02-215などで既出の音源だが、ディスコグラフィによっては1980年10月のライヴとされている物もある。いずれにせよAU-92543がマスターからの初発売だったもの。クーベリックのブルックナーは交響曲全集には至らなかったが、これまでに様々なレーベルから第3、4、5、8、9番がリリース済み。記録によれば、第3番は手兵バイエルン放送so.だけでも3種の録音が知られている。まず、現時点では商業発売されたことがないが、1962年11月8、9日のライヴ。これは前年1961年音楽監督就任後、クーベリックがバイエルンso.と初めてこの曲を取り上げた記念すべきもの。次いで今なお高い評価を獲得している1980年のスタジオ盤(SONY)、そして今回の1970年ライヴ。いずれにも共通する特徴としてはエーザー版を使用している点。ちなみにコンセルトへボウo.とのライヴ録音(1954年)もエーザー版を使用しており、この間1967年にヨッフムがバイエルンとノヴァーク版による録音も行っていることを考え合わせても、クーベリックによる版の選択は興味深いところ。ただ、それにもまして、やはりライヴでのクーベリックは輝きが違う。たとえば前半2楽章。どの瞬間を切り取っても、こんなにも有機的に音楽が響き、心に届いてくる例は他にない。燃焼度では同じバイエルンso.で、たいへん個性的なテンシュテットの1976年ライヴ(PH-04093/profil)が話題となった。
ラファエル・クーベリック
 マーラー:交響曲第8番 変ホ長調「千人の交響曲」
 マーティナ・アーロヨ、エレナ・スポーレンベルク、エディト・マティス(S)
 ユリア・ハマリ、ノーマ・プロクター(A) ドナルド・グローベ(T)
 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br) フランツ・クラス(B)
 ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送so.&cho.、北ドイツ放送cho.、
 西ドイツ放送cho.、レーゲンスブルク大聖堂少年聖歌隊、
 ミュンヘン・モテット女声cho. エーベルハルト・クラウス(Org)
 録音:1970年6月24日、ミュンヘン、ドイツ博物館会議場、ライヴ。旧: AU-92551(ハイブリッドSACD/廃盤/2005年発売)の再発売。なお、前出SACD盤にはリマスタリングされたヴァージョンとオリジナル・マスター・テープのままのヴァージョンという2音質が共に全曲収録されていたが、当盤では特に記載が無いため、リマスタリング・ヴァージョン全曲のみの収録と思われる。
 AUDITEの名を一躍高めた白熱の第5番より、大きな話題を集めてきたクーベリックのマーラー・ライヴ・シリーズが堂々完結(第4番は現状リリース見込みなしとのこと)。スタンダードの位置付けにあるDG盤と録音年、キャスト、会場とも同じ第8番ライヴ。それもそのはずでスタジオ録音の直前に行われたもの。当ライヴの成功に満足したクーベリックがすぐさま録音に踏み切ったといわれるため、きわめて重要な意味を持つ内容といえる。
 既発売(すべて通常CD):第1番「巨人」(AU-95467)第2番「復活」(AU-23402)第3番(AU-23403)第5番(AU-95465)第6番(AU-95480)第7番(AU-95476)第9番(AU-95471)大地の歌(AU-95491)
F=ディースカウ、放送録音集 Vol.1~
 1952年の「冬の旅」

 シューベルト:歌曲集「冬の旅」(*)
 ヴェルディ:
  「マクベス」「運命の力」「アイーダ」「オテロ」
 マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」
 プッチーニ:「トスカ」
 R.シュトラウス:「サロメ」/「アラベラ」
  からのアリア、場面
ディートリヒ・
 フィッシャー=ディースカウ(Br)
ヘルマン・ロイター(P;*)
 録音:1952年(*)/他?。(*)は以前VERONAから短期間CD化されていたもので、待望のマスターからの初復刻。他は詳細不明だが、おそらく1950年代の放送録音かと思われる。
 天下の大バリトン、フィッシャー=ディースカウが歌った「冬の旅」は、いったいいくつあるのか、かなりのマニアでも分からなくなる状態だが、レコード会社への録音が7種、ライヴと映像を含めると、10種を超える。このCDは、1952年、ケルン放送への放送音源をCD化したもので、おそらく彼2回目の同曲全曲録音。復員した直後放送用に収録された一番若い時の同曲録音(1948年;クラウス・ビリング伴奏)と、初のレコード用録音であったジェラルド・ムーア伴奏によるEMI録音(1955年)のちょうど間となる。1950年代前半は、この大歌手が有望な青年歌手から国際的なスターへと駆け上がっていくまっただなか、その勢いをこの録音からも感じ取れることだろう。
F=ディースカウ、放送録音集 Vol.2~
 1952年&1954年、ブラームス録音集

 歌曲集「美しいマゲローネのロマンス」
  Op.33(抜粋/14曲;第13曲を除く)(*)/
 夜にさすらう人 Op.86-3/
 永遠の愛について Op.43-1/
 森の静寂の中で Op.85-6
ディートリヒ・
 フィッシャー=ディースカウ(Br)
ヘルマン・ロイター(P;*)
ギュンター・
 ヴァイセンボルン(P)
 録音:1952年11月23日(*)、1954年6月15日、ケルン。初出音源。
 フィッシャ=ディースカウのリートはどれも卓越したもの、最も他者を引き寄せぬ出来栄えだったものの一つが、ブラームスの「美しいマゲローネ」。連作歌曲でありながら、劇作品としての性格も併せ持つこの作品は、F=Dがその本領を遺憾なく発揮できるもの。1957年にイェルク・デムスの伴奏で録音をしているが、これはそれよりさらに5年も早い放送用録音。若々しい声の瑞々しい歌はもちろんだが、それ以上に「27歳にしてここまで彫り上げられるのか!」と舌を巻いてしまう。なお、全15曲中、第13曲の「スリマ-恋人よなぜためらうのか」が欠けている。1954年の3曲の録音も見事の一言。WDR蔵出し音源で、モノラルながら音も上々。
F=ディースカウ、放送録音集 Vol.3~
 1954年&1955年、シューマン録音集

 ケルナーの詩による12の歌曲 Op.35/
 リーダークライス Op.39(*)
ディートリヒ・
 フィッシャー=ディースカウ(Br)
ヘルタ・クルスト(P)
ギュンター・
 ヴァイセンボルン(P;*)
 録音:1954年3月23日、1955年10月12日(*)、ケルン。初出音源。
 シューマンといえば「陰りを帯びた情熱」、情熱一本で押す歌も素敵なものだが、しかしそこはフィッシャー=ディースカウ、いかに若かろうと、彼の歌うシューマンは、情熱に知性でメスをいれ、シューマンの内面の豊かな詩的世界を見事に引き出している。(*)は同時期の録音も多いが、全てジェラルド・ムーア伴奏による物なので、ピアニストに夜艶そうの違いも、ファンなら楽しみな所。WDR蔵出し音源で、モノラルながら音も上々。
F=ディースカウ、放送録音集 Vol.4~
 1954年、シューベルト録音集

 「白鳥の歌」 D.957 より(*)
  [愛の便り/アトラス/彼女の肖像/街/鳩の便り]/
 音楽に寄せて D.547(#)/馭者クロノスに D.369(#)/
 恋人の近くに D.162(#)/魔王 D.328(*)/
 ガニュメート D.544(*)/
 さすらい人の夜の歌 II D.768(*)/
 狩人の夕べの歌 D.368(*)/
 プロメテウス D.674(+)
ディートリヒ・
 フィッシャー=ディースカウ(Br)
ギュンター・ヴァイセンボルン(P)
ヘルタ・クルスト(P;+)
 録音:1954年10月16日(*)、1954年6月15日(#)、1954年3月26日(+)、ケルン。全て初出音源。
 大好評だった、1952年の「冬の旅」(AU-95580)に続く、若き日のフィッシャー=ディースカウによるシューベルト。1954年に、ケルン放送局によって放送用にスタジオ録音されたもの。1954年というと、バイロイト音楽祭に初めて出演、「タンホイザー」のヴォルフラムを歌った年。その前後の録音。まだ30歳にならないF=Dの歌は、若干声に若さが残っている以外は、全盛期と大差ない見事な完成度のたかさ。むしろ後年のセッション録音よりも、自然体に歌っている分、好ましい点も多々ある。改めて天下の大リート歌手だったことを実感させられる。WDR蔵出し音源で、モノラルながら音も上々。
フリッチャイのハイドン、初出!
 ハイドン:
  交響曲第44番 ホ短調 Hob.I-44「悲しみ」(*)/
  交響曲第98番 変ロ長調 Hob.I-98(#)
フェレンツ・フリッチャイ指揮
ケルン放送so.
 録音:1953年(*)/1952年(#)、以上ケルン、ライヴ。モノラル、初出音源。
 J.S.バッハからB.A.ツィンマーマンまで広範なレパートリーを誇った名指揮者フリッチャイ。1947年ザルツブルク音楽祭でクレンペラーに代わり、アイネムのオペラ「ダントンの死」初演を成功させたエピソードは有名で、同時代作品のエキスパートとして注目された。師バルトークとコダーイや、ストラヴィンスキーの音楽を広めたのも大きな功績。1950年代初めケルン放送so.にひんぱんに登場した彼は、シンフォニー・コンサートで、また録音目的で同時代の作曲家の作品を取り上げているが、そのなかにはハイドンも含まれていた。
 このたび audite のフリッチャイ・シリーズに登場する内容はすべて初出。快速なテンポとクリアな響き、引き締まったフォルムの美しさが、この頃のフリッチャイのスタイルをよく伝えている。“簡潔ゆえにかえって演奏がむずかしい "といわれるハイドン。当時のコンサート・プログラムではどちらかといえば無視されていたハイドンに着目しているのもフリッチャイの見識の高さを示している。WDRアーカイヴからの復刻で音質もたいへん良好。
フリッチャイのブラームス、
 デ・ヴィートとの協奏曲を含み、2曲とも初出!

 ブラームス:
  ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.77(*)/
  交響曲第2番 ニ長調Op.73(#)
ジョコンダ・デ・ヴィート(Vn)
フェレンツ・フリッチャイ指揮
RIAS so.
 録音:1951年10月8日(*)/1953年10月13日(#)、以上ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会、スタジオ収録。
 エディション・フェレンツ・フリッチャイ第10集はオール・ブラームス・プログラム。ベルリンRIAS収録によるドイチュラントラジオ・クルトゥーア音源からの復刻で、すべて完全初出の内容となる。
 まず、注目されるのがデ・ヴィート(1907-1994)独奏の協奏曲。彼女のきわめつけのレパートリーとされる所以は、カンティレーナにおけるあたたかくも輝かしい音色を聴くと明かで、これに雄渾なフリッチャイのバックが華を添える。デ・ヴィートでは、ケンペン(1941年)やフルトヴェングラー(1952年)とのライヴ盤や、シュヴァルツとのスタジオ盤(1953年)以来4種目、いずれにしても録音嫌いで知られた彼女による貴重なブラームスの登場はファンならずとも快哉を叫びたくなるところだろう。
 さらに、現状記録ではフリッチャイが唯一全曲の録音を残している(カデンツァ注:文意が取りにくいが、おそらく「ブラームスの交響曲4曲中」という意味)ブラームスの第2交響曲。フリッチャイのブラームスはめずらしく、そもそもヴァイオリン協奏曲も全曲としてはこのたびが初めて。ピシッとアンサンブルが揃ったフィナーレも驚異的だが、大きな構えで流れるように全曲を聴かせる。
 価値ある内容に加えてシリーズ自慢の音作りもこれまで通り、当アルバムの登場は広く歓迎されるものとなるだろう。
ベーム&RIAS so. のR.シュトラウス、初出
 R.シュトラウス:
  交響詩「英雄の生涯」Op.40(*)/
  交響詩「死と変容」Op.24(#)
フリッツ・ゲルラッハ(Vn;*)
カール・ベーム指揮
RIAS so.
 録音:1951年4月23日-24日(*)/1950年3月25日(#)、以上ベルリン・ダーレム、イエス・キリスト教会、スタジオ。共に今回初出となる音源。
 ベルリンRIAS収録、ドイチュラントラジオ・クルトゥーア音源より復刻。巨匠ベームにとって、R.シュトラウスはフリッツ・ブッシュの後任としてドレスデン国立歌劇場総監督時代(1934-1942)に親交を結んで以来、つねにキャリアとともにあった作曲家。モーツァルトとならんで巨匠の代名詞ともいうべき演目だけに録音も多く、「死と変容」がRCO(1955年頃)、シュターツカペレ・ドレスデン(1972年ライヴ、ORFEO D'OR ORFEOR-607031)につづいて3種目(と代理店は書いているが、同じ代理店扱いの ANDANTE レーベルから出ていた LSO との1977年ライヴ(AN-4030; 廃盤)と、以前METEORから出ていた1970年代とされるベルリン放送響との演奏(MCD-072; 廃盤)が抜けており、実際には5種目)、また、「英雄の生涯」はシュターツカペレ・ドレスデン(1957年、DG)、バイエルン放送so.(1973年ライヴ、ORFEO D'OR ORFEOR-264921)、ウィーン・フィル(1976年; DG)に続いて4種目(と代理店は書いているが、同じ代理店扱いの ANDANTE レーベルから出ているVPOとの1963年ライヴ [AN-4996]と、CD-R使用の LINK から出ているドレスデン国立歌劇場管との1976年ライヴ [LINK 609-1] が抜けており、実際には6種目)となる。なかでも、RIAS響との録音はいずれもこれまででもっとも時期が古く、フリッチャイのもとで鍛え抜かれたアンサンブルに加えて、シュトラウスの歿後まもなく、連合軍による演奏活動禁止が明けてすぐという時期も影響してのことだろうか、マッシヴなアプローチと全曲にみなぎる覇気も聴きどころといえるだろう。モノラルながらたいへん鮮明な音質。
フリッチャイ・エディション Vol.11
 ロッシーニ:スターバト・マーテル
 マリア・シュターダー(S) マリアンナ・ラデフ(A)
 エルンスト・ヘフリガー(T) キム・ボルイ(B)
 フェレンツ・フリッチャイ指揮RIASso.、ヘルベルト・フロイツハイム指揮RIAS室内cho.、
 カール・フォルスター指揮聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊、
 ギュンター・アルント指揮RIAS少年cho.、ベルリン少女cho.
 録音:1954年9月22日、ベルリン、ベルリン高等音楽院コンサート・ホール、ライヴ。おそらく今回が初出となる物。ベルリンRIAS収録によるドイチュラントラジオ・クルトゥーア音源からの復刻。
 「十字架の下で繰り広げられる酒宴の歌」とも形容され、ロッシーニ特有のオペラティックな表現が聞かれる晩年の作品「スターバト・マーテル」。それゆえにさっぱり受容のなかったはずの1950年代のドイツで、フリッチャイはいち早く「スターバト・マーテル」を頻繁に取り上げていたほとんど唯一の指揮者だった。フリッチャイはまた、1954年9月16日から19日にかけてスタジオ・セッションで録音も残している他、1953年ケルン放響とのライヴもある。
 このスタジオ盤と時期もほぼ重なるライヴは、シュターダー、ヘフリガーほかのソリストから合唱までキャストが同一。ここでのフリッチャイのアプローチはテキストの内容を妨げるほどではないにせよ、比較的快速テンポを選択。名盤との声が高い序曲集のアルバムでも知られるように、正確な音程と溌剌としたリズムに美質が表れていることはもちろん、勇壮なオケの伴奏に乗って聴き栄えする独唱のナンバーが並ぶだけの作品ではないことを分からせてくれる。
ユーディ・メニューイン、フリッチャイ&ベーム
 チャイコフスキー(アウアー版):
  ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.35(*)
 モーツァルト:
  ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調KV.218(#)
 J.S.バッハ:シャコンヌ(+)
イェフディ・メニューイン(Vn)
フェレンツ・フリッチャイ指揮(*)
カール・ベーム指揮(#)
RIASso.(*/#)
 録音:1949年9月24日、ベルリン、ティタニア・パラスト、スタジオ・セッション(*)/1951年4月9日、ベルリン、ダーレム、イエス・キリスト教会、スタジオ・セッション(#)/1948年6月28日、ベルリン、ティタニア・パラスト、ライヴ(+)。(+)はおそらく今回初出となる演奏。(*)は以前DGから、(#)はTAHRAからTAH-533で出ている。
 ベルリンRIAS収録によるドイチュラントラジオ・クルトゥーアの音源から復刻。2009年に歿後10年を迎えるイェフディ・メニューイン(1916-1999)は神童として、後年はヒューマニストとして音楽を越えた活動でも知られたヴァイオリニスト。
 メニューインを尊敬していたフリッチャイとのチャイコフスキーはアウアー版による演奏。第1楽章の小規模なカット、フィナーレにおける大幅なカットが特徴で、これにはアウアーがとくにチャイコフスキーの反復進行が苦手であったためと伝えられている。なお、この録音はフリッチャイにとってRIAS響首席指揮者就任後におこなった初の録音でもあった。いっぽう、巨匠ベームとの共演によるモーツァルトの第4番は、TAHRA盤(TAH-533)でも知られるように、こちらは折り目正しい様式のバックと美しいレガートが魅力となっている。わずか12歳で絶対的な確信をもって弾ききったといわれるシャコンヌも、ここでは味わい芸というべき深みを加えている。
クリスティアン・フェラス
 ベートーヴェン:
  ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61 (*)
   (カデンツァ:クライスラー)
 ベルク:ヴァイオリン協奏曲(#)
クリスティアン・フェラス(Vn)
カール・ベーム指揮BPO(*)
マッシモ・フレッチャ指揮(#)
ベルリン放送so.
〔現ベルリン・ドイツso.〕(#)
 録音:1951年11月19日、イエス・キリスト教会、ベルリン=ダーレム、セッション・モノラル(*)/1964年3月23日、マズーレンアレー、放送局大ホール、ベルリン、ライヴ・モノラル(#)。(#)はおそらく初出音源。(*)は TAHRA から TAH-4030 (旧・TAH-448)で出ている物だが、日付が 1951年11月18日-19日 の2日間となっていた。
 ドイチュラントラジオ・クルトゥーア・シリーズ。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、フェラスがBPOへのセンセーショナルなデビューを飾った記録。音色の美しさと格別の気品とをたたえたヴァイオリンが、ベームの雄渾な指揮ぶりによく映えた演奏。1946年、当時13歳のフェラスがパリ・デビューを果たした際に弾いて、国際的なキャリアを積むきっかけとなった曲でもあり、以降フェラスは当曲を、1951年にベーム指揮ヘッセン放送so.とライヴ録音、1959年にサージェント指揮ロイヤル・フィルとセッション録音、1967年1月にカラヤン指揮BPOとセッション録音、1967年5月にカイルベルト指揮フランス国立管とライヴ録音、1978年にジョセフォヴィッツ指揮モンテカルロ国立歌劇場管と録音しており、現状で6種を数えることからも、フェラスがもっとも得意としていたレパートリーのひとつといえるだろう。
 いっぽうのベルクもまた、フェラスを語るうえで絶対に外せないプログラム。フェラスの弾くベルクのコンチェルトといえば、ここ、ライヴより1年ほど前、1963年にプレートル指揮パリ音楽院管とセッション録音が名高く、1957年にはアンセルメ指揮スイス・ロマンド管ともライヴ録音しているが、いずれも作品に薫る官能的な美観がフェラスの方向性にピッタリ。
 このように、フェラスきわめつきのプログラムを収めたアルバムは、ジャック・ティボー、ジノ・フランチェスカッティ、ジネット・ヌヴーらと並ぶ「フランコ=ベルギー派」の名手として、歿後30年近くを経た今でも根強い人気を持つフェラスの輝きを閉じ込めたもので、ファンのみならず、広くヴァイオリン好きには見逃せない内容といえそう。
ベーム&ケルン放送so.ライヴ集 Vol.1
 R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」Op.20(*)
 モーツァルト:交響曲第28番 ハ長調K.200(#)
 ストラヴィンスキー:
  バレエ音楽「火の鳥」組曲(1919年版)(+)
カール・ベーム指揮
WDR ケルン放送so.
 録音:1976年(*)/1973年(#)/1963年(+)、以上ケルン、ライヴ。ステレオ。
 WDRケルン放送アーカイヴ・エディション。長年の封印が解かれ、いよいよ本格的に始動するaudite のWDR ケルン放送アーカイヴ・エディション。今回登場するのは、かねてよりその白熱ぶりがスタジオ盤とはおよそ別人の顔をみせることで知られる巨匠ベームとケルン放送so.による未発表ライヴ集。プログラムも長いキャリアの中でベームとは特別なゆかりを持つモーツァルトとシュトラウス、それに意外にもかなり早い時期から関心を寄せていたストラヴィンスキーというきわめつけの内容となっている。
 ハンブルクと、とくにドレスデンの音楽監督時代に、密接な親交がありスペシャリストの誉れ高いシュトラウス。このドン・ファンは82歳のときの演奏だが、年を重ねてからのものとは到底思えない覇気に満ちた音楽がさすがに圧巻。
 ストラヴィンスキーはベームがミュンヘン時代(1921-27)から積極的にプログラムに取り入れていた作曲家。「火の鳥」といえば1975年のウィーン・フィルとの来日公演を収めた実況盤でも、同じ1919年の組曲版だった。奇しくもライヴ録音を通して初めて聴くことが可能となった演目は、ベームの鋭くも確かな音楽性の最高の証ともいうべきもので、カラフルで繊細そして粗野という作品の特色をくっきりと浮かび上がらせている。
 そして、ピリオド・アプローチの研究が進み、今日演奏様式も大きく様変わりした感のあるモーツァルト。BPOとの全集録音で名を馳せ、後のウィーン・フィルとの顔合わせでも一時代を築いたベームの演奏は、それでもやはり不動の説得力を保ち続けている。ここでもみずみずしい生気ときりっとした表情がじつに清清しいかぎり。アーカイヴの保存状態は思いのほか良好で、ライヴならではの巨匠の姿を刻銘に伝えている。なお、当コンビによるシリーズとして今後ヴュータン、ブラームス、ベートーヴェンやブルックナーなどが予定されている。
初出! ベーム&ケルン放送so.1963年、
 ボベスコ独奏のヴュータンに白熱のブラ1

 ブラームス:交響曲第1番 ハ短調Op.68(*)
 ヴュータン:
  ヴァイオリン協奏曲第5番 イ短調Op.37(#)
ローラ・ボベスコ(Vn;#)
カール・ベーム指揮
WDR ケルン放送so.
 録音:1963年、ケルン、ライヴ。モノラル、ADD、初出音源。(#)はおそらくベームにとって、作曲家レベルで初音盤となるレパートリー。このコンビによる(*)には、METEORから発売されていたライヴ(廃盤)があるが、1976年3月20日の演奏といわれており、異なる演奏。
 WDR ケルン放送アーカイヴ・エディション。これはまたとんでもないライヴが残されていたもの。ボベスコ独奏によるヴュータンの傑作第5協奏曲、しかも絶頂期のベームにオケがケルン放送so.という、申し分無く素晴らしい顔合わせ。未だわが国でも人気の高いボベスコ(1921-2003)はルーマニア系ベルギーのヴァイオリニスト。その彼女がフランコ=ベルギー派を代表するヴュータンを弾いているのから、まさにうってつけ。暖色にして、ときに燃え立つように鮮やかなトーン。ヴュータンの熟れた果実のように香りたかい音楽が彼女の自在なヴァイオリンによりいっそう匂い立ち、聴き手を夢中にして放さない。雄渾なベームの指揮でシンフォニックな書法によるオケ・パートも力が与えられ、これに好対照をなすように妖艶なソロが映える。いっぽう同じ年のブラームス1番ライヴ。10種を超えるベームお得意のプログラムだが、いかにも絶頂期にふさわしく、冒頭のパワフルで引き締まった様式はもちろんのこと、フィナーレに向けてのエネルギー放射はすさまじい限り。これまででもっともベームらしいと云われるBPOとの録音(1959年)に、ライヴの熱気が加わったかのような出来栄えで聴きごたえ満点。WDR 音源によりすこぶる良好な音質。
フリッチャイ、初出~ベートーヴェン
 交響曲第7番 イ長調Op.92(*)/
 交響曲第8番 ヘ長調Op.93(#)/
 「レオノーレ」序曲第3番 Op.72a(+)
フェレンツ・フリッチャイ指揮
RIAS so.
 録音:1953年1月19日-20日(*)/1954年1月11日-12日(#)/1952年10月27日(+)、ベルリン-ダーレム、イエス・キリスト教会、スタジオ。全て初出音源。
 ベルリンRIAS収録によるドイチュラントラジオ・クルトゥーア音源からの復刻。フリッチャイのベートーヴェンといえば、晩年にBPOと残したスタジオ録音が有名で、なかでも第7番(1960年)は「運命」とならんで、クレンペラーばりの悠然としたテンポ設定が導き出す巨大な演奏が特徴的だった。白血病発病を境にフリッチャイのスタイルは大きく変貌を遂げたが、ここに聴く手兵RIAS響との第7番(1953年)では違いも際立ち、前のめりの疾走感と造形の打ち出しに独自の魅力を備えている。ついでながら第8番は、BPO盤(1953年4月)との比較では全体で2分あまり長いというのも興味深いところ。こうした聴き比べも含めていろんな発見をもたらしてくれる当アルバムの登場はファンには福音といえるだろう。
初出! フリッチャイ・エディション Vol.7~
 モーツァルト:交響曲集

  [第29番 イ長調KV.201(*)/
   第39番 変ホ長調KV.543(#)/
   第40番 ト短調KV.550(+)]
フェレンツ・フリッチャイ指揮
RIAS so.
 録音:1955年5月31日、ベルリン、ベルリン高等音楽院、ライヴ(*)/1950年5月3日、ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会、スタジオ・セッション(#)/1952年3月17日、ベルリン、ティタニア・パラスト、ライヴ(+)。以上全て初出音源。ベルリンRIAS収録によるドイチュラントラジオ・クルトゥーア音源から復刻。
 いくつものすぐれたオペラ録音でも知られるように、モーツァルトはフリッチャイにとってきわめて重要な作曲家だった。高い評価を裏付けるように、亡くなる1963年にはその功績を讃え、ザルツブルク・モーツァルテウムからメダルが授与されている。ここに聴く3曲でも正確なリズムと音程の確かさ、そして造型美と、モーツァルトに必要なものが申し分なく揃っている。フリッチャイはまた『これら3曲についてスタジオ録音をそれぞれ一度ずつしか残していないため』(『』内代理店表記は誤り。第29番は2種のスタジオ録音が残っている旨お客様から情報を頂いています)たいへん貴重。なお、第29番の開始前には拍手が入る。
F=ディースカウ・エディション Vol.5~
 ディースカウの同曲初録音、マスターから初復刻

 シューベルト:歌曲集「冬の旅」
ディートリヒ・フィッシャー=
 ディースカウ(Br)
クラウス・ビリング(P)
 録音:1948年1月19日、ベルリン、クライストザール。MOVIMENTO MUSICA(廃盤)や ARCHIPEL から発売があるものだが、マスターからの初復刻。
 フィッシャー=ディースカウは『生涯に渡って「冬の旅」を歌い』[注:代理店表記。たしかに引退の数年前まで歌っていた得意曲だが、まだ存命なのでこの表記はどうかと思うが]、ライヴも含めるとなんと十種類以上の録音が残された。その最初を飾るのがこの録音で、当時22歳、戦前のドイツリートの伝統を受け継ぎつつ、自分のスタイルを模索しながら、既に後年の偉大さがあちこちから発せられている。AUDITEは先に1952年ヘルマン・ロイターとの録音を発売している(AU-95580)が、ついにこの1948年の蔵出し音源を登場させる。この年代とは思えない優れた録音。
F=ディースカウ・エディション Vol.3~
 ベートーヴェン:民謡編曲歌曲集

 25のスコットランド民謡 Op.108から
  [音楽と恋と酒/おお、甘き時よ/
   さあ杯を満たせ、良き友よ/この忌わしい世界が/
   メアリー、窓辺に来ておくれ/
   魅力的な人よ、さらば/小舟は早く進む/
   誠実なジョニー/山の警備隊/羊飼いの歌]/
 25のアイルランドの歌 WoO152から
  [陰鬱な12月/朝風が頬を撫で/朝は悩み多く]/
 20のアイルランドの歌 WoO153から
  [老人は諭す/さようなら、大きな喜び]/
 12のアイルランドの歌 WoO154から
  [アイルランドっ子の血潮/
   真面目で分別くさいのは勘弁だ]/
 さすらう吟遊詩人 WoO157-11/
 カーディガンの娘たち WoO155-16/乳搾りWoO155-17/
 神が王を護りたまいるよう
  (ゴッド・セイヴ・ザ・キング) WoO157-1/
 ゴンドラの歌 WoO157-12
ディートリヒ・フィッシャー=
 ディースカウ(Br)
 録音:1952年9月22日-24日、ベルリン。共演者に関しては、国内代理店のインフォメーションに全く記載されていない。
 偉大なバリトン、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウのエディションが開始、まだ20代だった頃、ベルリンRIAS放送への録音がまず3枚登場。
 3巻目となる当巻は、何故か品番では先の2巻より若い番号が振られている。ベートーヴェンは、スコットランド、アイルランド、ウェールズなど、各地の民謡に基づいた歌曲を多数作曲している。それらはベートーヴェンを刺激し、彼の傑作の源泉にもなっていることが知られているが、実際に耳にする機会は多くない。そんな貴重な歌曲を、若き日のフィッシャー=ディースカウが録音していた! 1952年のベルリンRIAS放送のための録音で、三日間でこのCDの全ての曲を録音している。フィッシャー=ディースカウの録音の中でも非情に珍しいであろうこれらの歌曲、マニアには逃せない。
 ドイッチュラントラディオ・クルトゥーア提供の音源を使用。
F=ディースカウ・エディション Vol.1~
 ヴォルフ:メーリケ歌曲集

 苦悩から癒えて希望に寄せる/巡り会い/春に/
 旅先で/古い絵に寄せて/明け方に/新しい歌/
 どこで慰めが見つかるのだ?/愛する人に(*)/
 ペレグリーナ1/ペレグリーナ2/
 さらば(#)/郷愁/狩人/恋する男の歌/
 ヴァイラの歌(*)/ある婚礼にて/打ち明け話
ディートリヒ・フィッシャー=
 ディースカウ(Br)
ヘルタ・クルスト(P)
ルドルフ・ヴィレ(P;#)
 録音:1955年1月26日/1949年5月5日(*)/1951年5月25日(1曲のみ; どの曲か記載が無いが、ピアニストの分担から推測すると(#) )、以上すべてベルリン。
F=ディースカウ・エディション Vol.2~
 ヴォルフ:スペイン歌曲集

 フアーナは気難し屋だ/
 恋人をからかおうとするんだね/緑の露台の上から/
 花を摘みに行くなら/優しい恋をのがした者は/
 心よ、がっかりするのはまだ早い/
 ああ、それは5月のことだった/
 全ては、心よ、憩いに/いつの日か私を思い出して/
 心の底深く苦しみを秘めていても/
 死よ来たれ、夜に包まれて/ああ、幼な児の瞳は/
 ああ、何と長い魂のまどろみ/
 主よ、この地に何が芽生えるのだろうか/
 孤独にふける者は/家々の門辺に歩み寄って/
 涙を流しながらパンを食べたことのない者/
 コフタの歌1/コフタの歌2
ディートリヒ・フィッシャー=
 ディースカウ(Br)
ヘルタ・クルスト、
ルドルフ・ヴィレ、
ヴァルター・ヴェルシュ(P)
 録音:1953年12月13日/1948年11月29日/1949年7月11日、以上すべてベルリン。
 F=ディースカウ・エディション、品番が何故か入れ代わっているが、巻数で初めの2枚に当るのはヴォルフ。後年に比べれば若さは見えるものの驚くべき水準に達しており、既に完成された世界を持っているのが分かる。若き日の天才だけが持つ鮮烈さに息を飲まんばかり。
 ドイッチュラントラディオ・クルトゥーア提供の音源を使用。
F=ディースカウ・エディション Vol.3~
 ベートーヴェン&ブラームス録音集

 ベートーヴェン:
  五月の歌 Op.52-4/モルモット Op.52-7/
  君を愛す WoO.123/この暗い墓のうちに WoO.133/
  追憶 WoO.136/新しき愛、新しき人生 Op.75-2/
  ゲーテのファウストから Op.75-3/
  寂しさの喜び Op.83-1/あこがれ Op.83-2/
  希望に寄せて Op.94
 ブラームス:
  帰郷 Op.7-6/あるソネット Op.14-4/
  夜更けて私は起き上がり Op.32-1/便り Op.47-1/
  たそがれ Op.49-5/私は夢を見た Op.57-3/
  さようなら、さようなら Op.59-6/
  あなたの青い瞳は Op.59-8/夏の夕べ Op.85-1/
  月の光 Op.85-2/セレナード Op.106-1
ディートリヒ・フィッシャー=
 ディースカウ(Br)
ヘルタ・クルスト(P)
 録音:1951年-1952年、ベルリン、RIASフンクハウス、第7スタジオ。
 大好評のAUDITEのフィッシャ=ディースカウ・シリーズ、ベートーヴェンとブラームスの歌曲集が登場。ベルリンRIAS放送に録音したもので、両作曲家の人気歌曲が選ばれている。今回は復刻にあたり「ほとんどの録音でオリジナルのマスターテープを使用」とのことで、優良な音質で楽しめることが出来る。
カラヤン生誕100周年記念 Vol.2~
 モーツァルト2曲、マスターから初復刻

 ピアノ協奏曲第20番 ニ短調KV.466 (*)/
 交響曲第41番 ハ長調KV.551「ジュピター」(#)
ヴィルヘルム・ケンプ(P;*)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
BPO
 録音:1956年1月21日-23日、ティタニア・パラスト、ベルリン、ライヴ。音源:ドイチュラントラジオ・クルトゥーア。以前 ARKADIA (=HUNT) や NUOVA ERA系のレーベルから発売されていた演奏だが、マスターからの初復刻。特に(*)は約15年ぶりの再発売。
 国内代理店の案内到着は第3弾と逆順になったが、audite によるカラヤン生誕100 年記念シリーズ第2集。モーツァルトの生誕200周年アニヴァーサリーにあたる1956年のライヴで、1月21日からの三日間とも同一演目で行われたオール・モーツァルト・プログラム(既出盤は、ディスコグラフィによると1956年1月21日の演奏とされる)。威厳と確信に満ちた第1楽章の出だしに、アンサンブルの多少の乱れはお構いなしというスポーティなフィナーレがひときわ印象深い「ジュピター」は、壮麗にしてエレガントな曲想がよほどカラヤンの志向と合っているのか、第39番とならんでモーツァルトでは生涯もっとも録音を多く残したのも分かるような気がする。さらに、カラヤンによる既出音盤が、ほかにこの数日後の1月28日、ハスキルとのライヴしか録音のないピアノ協奏曲第20 番。もとより巨匠は、モーツァルトのピアノ協奏曲そのものの録音が極端に少ないが、ここでの独奏は名匠ケンプ。第2楽章ロマンスの至福の表情などわすれがたい場面。
フリッチャイ& RIAS ~R.シュトラウス(1864-1949):
 ブルレスク ニ短調 TrV.145 (*) /オーボエ協奏曲 ニ長調 TrV.292 (#) /
 二重コンチェルティーノ ヘ長調 TrV.293 (+) /
 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 Op.28, TrV.171
  フェレンツ・フリッチャイ指揮 RIAS so.
  マルグリット・ウェーバー(P;*) レオン・グーセンス(Ob;#)
  ハインリヒ・ゴイザー(Cl;+) ウィリー・フーグマン(Fg;+)
 録音:1955年5月31日、ミュンヘン音楽大学、ライヴ(*) /1949年9月30日(#)、1953年4月20日(+)、イエス・キリスト教会、セッション(#/+) /1952年2月11日、ティタニア=パラスト、ライヴ(無印)、すべてモノラル。 独auditeレーベルの社主にしてトーンマイスターのルトガー・ベッケンホーフ氏が手がけるオリジナル・マスター(1stマスター・リリース)からの上質な復刻で人気のドイチュラントラジオ・クルトゥーア・シリーズ。その中でも最も力を注いで復刻を続けているフェレンツ・フリッチャイ指揮RIAS交響楽団の録音からR.シュトラウスの作品を集めたディスクが登場する。ベッケンホーフ氏が丁寧に採録したことにより驚くべき音質で聴くことが出来る。リスト音楽院でバルトーク、コダーイに師事し15歳で指揮者デビューした天才フィリッチャイは、48歳という若さで世を去るまで円熟をみせた。レパートリーはベートーヴェン、モーツァルトから師バルトークの作品まで多くの協奏曲を含む管弦楽作品を得意とし、しなやかでスケールの大きな演奏が魅力。しかし、後期ロマン主義音楽の極点に達したR.シュトラウスの管弦楽曲の演奏はほとんどなく、ここに集められた録音は非常に貴重と言える。独奏楽器を伴う管弦楽曲も得意としたフリッチャイが振るR.シュトラウスは色彩感に満ち、フリッチャイらしい純粋さと美しさをもった世界が広がる。
イーゴリ・マルケヴィチ~
 ベルリン RIAS ライヴ録音集 Vol.2

 ラヴェル:
  バレエ「ダフニスとクロエ」第2組曲(*)
 ストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」(#)
 オネゲル:
  交響曲第5番 ニ長調「3つのレ」(#)
イーゴリ・マルケヴィチ指揮
RIASso.、RIAS室内cho.(*)
ギュンター・アルント
 合唱指揮(*)
 録音:1952年9月18日(*)/1952年3月6日(#)、以上ベルリン・ティタニア・パラスト、ライヴ、モノラル。ベルリンRIAS収録、ドイチュラントラジオ・クルトゥーア音源からの復刻で、代理店によると『すべて完全初出の内容』とのこと。
 指揮者イーゴリ・マルケヴィチ(1912-1983)は、数々のバレエ作品を委嘱した名興行師ディアギレフ最後の弟子と云われている。その意味で、「春の祭典」と「ダフニスとクロエ」という、ディアギレフゆかりの作品をマルケヴィチが振ったRIASライヴ録音集は、興味の尽きないといえるだろう。
 「春の祭典」は初演者モントゥーに指揮を学んだマルケヴィチにとって、また、フィルハーモニア管との2度のセッション録音(1951年モノラル、1959年ステレオ)により、きわめつけのレパートリーとされているのは有名な話。1954年に「春の祭典」の最初のセッション録音が、“ディアギレフのオマージュ " と題された3枚組のLPとしてリリースされた際には、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」第2組曲もカップリングされていた。このたびはいずれもライヴということで、フリッチャイ時代の鍛え抜かれたアンサンブルがどのような反応をみせているのか大いに期待が高まる。
 さらに、オネゲルの交響曲第5番は、当盤の「春の祭典」や、シリーズ Vol.1 (AU-95631) で発売されたムソルグスキーの歌曲とともに、マルケヴィチのRIAS響デビュー・コンサートのときのもの。およそ一年前1951年3月9日に初演されてまもない新作を選んでいるのも注目される。
エリカ・モリーニ + フリッチャイ RIAS録音集、初出!
 チャイコフスキー:
  ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35(*)
 タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ ト短調 Op.1 No.10
         「見捨てられたディド」(#)
 ヴィヴァルディ/レスピーギ編曲:
  ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 RV10(#)
 クライスラー:コレッリの主題による変奏曲
        (タルティーニの様式による)(#)/
       美しきロスマリン(#)/ウィーン奇想曲(#)
 ブラームス/クレンゲル編曲:
  ワルツ 変イ長調 Op.39 No.15(#)
 ヴィエニャフスキ:カプリッチョ・ワルツOp.7(#)
エリカ・モリーニ(Vn)
フェレンツ・フリッチャイ指揮(*)
RIASso.(*)
ミヒャエル・
 ラウハイゼン(P;#)
 録音:1952年10月13日、ティタニア=パラスト、ベルリン、ライヴ、モノラル(*)/1952年10月15日、RIASフンクハウス・シュトゥーディオ7、ベルリン、セッション、モノラル(#)。おそらくともに初出音源。収録:ベルリンRIAS 放送局。
 auditeのドイチュラントラジオ・クルトゥーア・シリーズから、2010年に歿後15周年を迎えるエリカ・モリーニの、完全初出と思われる録音をまるごと一枚分収めたファン歓喜の一枚が登場。加えてチャイコフスキーの協奏曲を指揮するのはフリッチャイと言う事で、彼のファンも必聴の一枚と言えそうだ。
 1905年ウィーン生まれ、歿後15年を経ていまなお高い人気を誇るモリーニは、その多才な神童ぶりもまたさまざまなエピソードからつとに有名。6人兄弟の4番目として有名な音楽家庭に育ったモリーニは、ヤーコプ・グリュンとヨーゼフ・ヨアヒムとに師事した父オスカルからヴァイオリンの手ほどきを受けながら、当初ピアノに関心を示し、バレエのレッスンも受けていたと伝えられている。オーケストラとの初共演に際して指揮を務めたブルックナーの弟子フランツ・シャルクもモリーニの驚異的な才能を認めたひとり。はっきり際立った天賦の才を示していたモリーニはわずか8歳で、“最年少でしかも初の女学生として " ウィーン高等音楽院に入学している。 モリーニは在学中、ヤン・クーベリック、ヴォルフガング・シュナイダーハン、シモン・ゴールトベルクらも教えた、ボヘミアの名ヴァイオリニスト、オタカル・シェフチークに師事したほか、ローザ・ホーホマン=ローゼンフェルトにも師事している。
 1918年にモリーニはアルトゥール・ニキシュ指揮するライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、カミッロ・ヒルデブラント指揮BPOとともに相次いでセンセーショナルなデビューを飾り、1921年にはカーネギー・ホールでアルトゥール・ボダンツキー指揮のNYPとも共演、アメリカ・デビューも果たしている。ヨーロッパに戻り、さらに1927年にはヴィルヘルム・フルトヴェングラーとも初共演を果たし、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を弾いている。やがてナチのオーストリア併合によりアメリカに逃れたのちも、1976年に引退するまでの半世紀以上に亘りモリーニは第1線で活躍を続けるが、特にその生涯の晩年、1960年代後半以降はほとんど商業録音を残しておらず、かえって現在における人気に拍車をかけていると言える。
 異例なことに、チャイコフスキーの協奏曲は、モリーニが残したレコーディングのなかでも現状、このたびを含め最多の6種の別演奏が存在するなかで、時期的には3番目の録音となる。フリッチャイとの共演は、1958年10月にDGへのセッション録音(彼女唯一の同レーベルへのレコーディング)でブルッフの第1番とグラズノフの協奏曲が残されているが、なにより当盤では、父より与えられた1727年ストラディヴァリ製作の愛器“ダヴィドフ " が奏でる音色が、一瞬でモリーニのそれと分かるくらいに驚異的な鮮度! もちろん演奏もすばらしく、ヴァイオリン好きを自認する方なら衝撃が走るのは必至の内容。
 得意曲を揃えたカップリングもたいへん充実していて、まず、「タルティーニのソナタ」。ここでのラウハイゼンとならび、モリーニのパートナーとして知られたポマーズとの3種の別録音でも知られるところだが、4種のうちもっとも早い時期の物。同様に4種目となる「コレッリ変奏曲」は、ほかに1925~1926年のここと同じラウハイゼンとの録音のほか、1956年頃のモノラル・セッション録音、1962年モノラル・ライヴと、いずれもポマーズと行った2種の別録音が知られている。やはりポマーズと1965年にモノラル・セッション録音を残している「ヴィヴァルディのソナタ」は2種目。また、「美しきロスマリン」と「ウィーン奇想曲」は1956年頃のポマーズとのモノラル・セッション録音に次いでともに2種目。ヴィエニャフスキの「カプリッチョ・ワルツ」は4種目で、このたびの録音がもっとも新しいものとなる。なお、ブラームスのワルツはおそらく初出レパートリーとおもわれ、ファンにはうれしいニュースといえるだろう。
マイケル・レビン RIAS録音集、全曲初出
 ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調Op.26(*)
 クロール:バンジョーとヴァイオリン(#)
 ヴィエニャフスキ/クライスラー編:
  エチュード・カプリス イ短調Op.18-4(#)
 チャイコフスキー:
  「なつかしい土地の想い出」~瞑想曲Op.42-1(#)
 サラサーテ:
  カルメン幻想曲Op.25(#)
  スペイン舞曲集 より(#)
   [第1番「マラゲニャ」Op.21-1/
    第2番「ハバネラ」Op.21-2/
    第6番「サパテアード」Op.23-2]
 サン=サーンス:ハバネラOp.83(+)
マイケル・レビン(Vn)
トマス・シッパース指揮(*)
RIAS so.(*)
ローター・ブロダック(P;#/+)
 録音:1969年6月16日-7日、ベルリン、フィルハーモニー、ライヴ、モノラル(*)/1969年6月12日、ステレオ(#) & 1962年10月30日、モノラル(+)、ベルリン=ランクヴィッツ、RIAS スタジオ(スタジオ・セッション)(#/+)。すべて完全初出。ベルリンRIAS 収録、ドイチュラントラジオ・クルトゥーアの音源から復刻。
 わずか9歳から彼の手ほどきをし、名ヴァイオリン教師ガラミアンをして「まれにみる才能、しかも弱点がなにひとつ見当たらない」とまで言わしめたマイケル・レビン。ここではまず、スタジオ・セッション録音を残していないブルッフに大注目。この楽想ゆたかな屈指の人気作を彼のヴァイオリンで聴けるとは。このうえなく美しいカンティレーナに、心を溶かす官能的な音色がぴったりで、もう最高。当曲のみライヴのため、前後に拍手も入る。さらに、後半の技巧的な小品の数々がまた、宝物のような内容でファンにはこたえられない。代理店によると音の良い復刻のようで、『それにしても録音のよさはありがたいところで、35歳という短い生涯を駆け抜けていったレビンの貴重な一枚を価値あるものにしています。」とのこと。
 なお、代理店は邦題を「マイケル・レビン/ベルリンRIAS 録音集成」としているが、DOREMIから2巻[DHR-7715、DHR-7951/3; 曲は全く重複していない]で出ている分もあるので、このCD1枚のみの呼称としては『集成』というよりは『集』程度の方がふさわしいように思われる(ジャケット写真にも、特に関連する意味の欧文記載はない)。是非続刊が発売され、『集大成』となるよう祈りたい。
カール・ベーム・エディション Vol.7~
 ベートーヴェン:作品集

  ピアノ協奏曲第4番 ト長調Op.58(*)
  交響曲第4番 変ロ長調Op.60(#)
ヴィルヘルム・
 バックハウス(P;*)
カール・ベーム指揮
RIAS so.
 録音:1950年10月9日、ベルリン・ティタニア・パラスト、ライヴ・モノラル(*)/1952年4月21日、23日、ベルリン=ダーレム・イエス・キリスト教会、セッション・モノラル(#)。(#)はおそらく初出音源。(#)は以前、TAHRAよりリリースされていたもの(TAH-448;廃盤)と同演奏。すべてベルリンRIAS収録によるドイチュラントラジオ・クルトゥーア音源からの復刻。
 巨匠ベーム(1894-1981)が、その壮年期にあたる1950年代にRIAS響を指揮したベートーヴェン。1952年、ベーム57歳のときの第4交響曲は第2次大戦後に彼が残したベートーヴェン録音のなかでも最初期のひとつに数えられるもの。ベームのベートーヴェンといえばauditeには1970年代のライヴ録音で、バイエルン放送so.との第2番、第3番「英雄」そして第7番があり、気力のみなぎったときのベームの凄さを実感できる内容だが、時期こそ違うもののここでも、じっさいのテンポ以上に疾走感にあふれた音楽運びが印象的。
 いっぽう、66歳のバックハウスと共演したピアノ協奏曲第4番は、枯淡とは無縁の剛直で明晰なピアニズムにしびれる。
カール・ベーム・エディション Vol.8~
 R.シュトラウス:作品集

 交響詩「ドン・ファン」Op.20(*)/
 アルプス交響曲 Op.64(#)/
 「ばらの騎士」組曲~第3幕のワルツ(*)
カール・ベーム指揮
RIAS so.
 録音:1954年2月4日-6日(*)/1952年3月28日-29日(#)、以上ベルリン=ダーレム・イエス・キリスト教会、セッション・モノラル。おそらく初出音源。
 【カール・ベームとシュトラウス】
 巨匠ベーム(1894-1981)は、R.シュトラウスについて「公私にわたり深い親交があり、ゼンパーオーパーの総音楽監督時代に果たした初対面の瞬間は音楽人生でもっとも重要な出会いであった」と認めている。自らの述懐を裏付けるように、ベームによるシュトラウス作品の録音はレパートリーの柱として、長いキャリアを通じて質量ともに圧倒的な内容をみせている。
 【作曲者との交流によって培われたきわめつけのプログラム】
 「ドン・ファン」は録音の数がそのまま示すとおり、ベームがもっとも得意な作品のひとつ。1939年にゼンパーオーパーでシュターツカペレ・ドレスデンと録音、1957年に同じくシュターツカペレ・ドレスデンとセッション録音、1963年にBPOとセッション録音しており、さらにauditeからはすでに1976年におこなったケルン放送so.(AU-95591)とのステレオ・ライヴ録音もリリースされている。さらに映像作品でも1970年にウィーン・フィルと実演およびリハーサルを収録している。
 ベームが生地グラーツで初めて耳にして、ゼンパーオーパーの音楽監督時代に200回目の記念公演を指揮する栄誉に浴した「ばらの騎士」は、全曲を1958年にシュターツカペレ・ドレスデンとセッション録音、1969年のザルツブルク音楽祭におけるウィーン国立歌劇場管とのライヴ・レコーディングも残している。また、1963年4月に同じく第3幕のワルツをBPOとセッション録音をおこなっていた。
 「アルプス交響曲」はベームにとって2種目。1957年9月のシュターツカペレ・ドレスデンとのセッション録音より遡ること5年半前の録音となる。
 【聴きごたえ満点。覇気みなぎるベームのアプローチ】
第6集(AU-95586)収録の「英雄の生涯」(1951年4月)や「死と変容」(1950年3月)とほぼ時期も重なることもあり、演奏の傾向として、やはり雄渾な表現と気力の充実ぶりが挙げられる。
 【オリジナル・マスターから起こした最上のリマスタリング】
 ベルリンRIAS収録による放送用セッション音源を、ドイチュラントラジオ・クルトゥーアがライセンスを得て復刻した音質は、モノラルながら驚異的な鮮度。とても半世紀以上を経たものとは思えない。録音も含めた完成度では、名盤揃いで知られる巨匠ベームのシュトラウス録音の中でも今後高く位置づけられる内容とおもわれる。
フリッツ・ウンダーリヒ&ディーン・ディクソン、初出~
 ストラヴィンスキー
:3部のメロドラマ「ペルセフォネ」(1933)(ドイツ語歌唱)
  フリッツ・ヴンダーリヒ(T) ドリス・シャーデ(語り)
  ディーン・ディクソン指揮ヘッセン放送so.& cho.、南ドイツ放送cho.、シュヴァンハイム少年cho.
 録音:1960年11月11日、フランクフルト・アム・マイン、ライヴ・モノラル。初出音源
 名テノール、フリッツ・ヴンダーリヒがストラヴィンスキーを歌う珍しい録音が発掘された。「ペルセフォネ」はテノール・ソロ、合唱、語りをともなった作品で、パリでの初演時にはバレエが用いられ、併せて舞台上演されている。題材ともども新古典主義時代のストラヴィンスキーらしい作品で、音楽そのものはカンタータ風ということもあり、ヴンダーリヒの美声が『生えている』とのこと。なおここではフリッツ・シュレーダーによるドイツ語訳で上演されている。
 この録音のもう一つの価値は、ディーン・ディクソン(1915-1976)の指揮。卓越した指揮者であったにもかかわらず、アフリカ系ということで米国での活動がままならなかったディクソンは、1950年代からヨーロッパやオーストラリアに活路を見出し、イェーテボリso.の首席指揮者を務めるなどかなりの活躍をしたが、録音は少ない。この幻の名指揮者の力量を知る上でも貴重。
ヴンダーリヒ、アダム、矢野、ヘフゲン、ディクソンの「合唱」!
 ベートーヴェン
:交響曲第9番 ニ短調 Op.125「合唱」
  矢野滋(S) マルガ・ヘフゲン(A)
  フリッツ・ヴンダーリヒ(T) テオ・アダム(B)
  ディーン・ディクソン指揮ヘッセン放送so.,ヘッセン放送cho.,南ドイツ放送cho.
 録音:1962年4月13日、ヘッセン放送ゼンデザール、フランクフルト・アム・マイン〔フランクフルト〕、ライヴ。モノラル、初出音源で、おそらくこれまで各種ディスコグラフィにも記載されていなかった物。auditeがまたまた貴重な音源、ベートーヴェンの合唱交響曲を発掘してくれた。この録音には歴史的価値が三点もある。第一にテノールがフリッツ・ヴンダーリヒ、バスがテオ・アダム、アルトがマルガ・ヘフゲンと、バイロイト音楽祭の常連たちが参加していること。これだけでも注目に値する。第二に、この豪華な歌手たちと共演しているソプラノは、何と日本人、矢野滋! 矢野は1927年神戸の生まれ。芸大卒業後、往年の大ソプラノでカリフォルニアに居を据えていたロッテ・レーマンに学び、さらにベルリンでこれまた往年の大ソプラノにして数々の名ソプラノを育て上げた名教師でもあるマリア・イヴォーギュンと、彼女の弟子でやはり偉大なドイツのソプラノ、エルナ・ベルガーに師事。1960年代にはヨーロッパを中心に幅広く活躍した。これほど国際的に活躍した人にもかかわらず、今日聞くことのできる矢野の音源は限られており、この録音はたいへん貴重。そして第三が20世紀において特別な意味を持った指揮者ディーン・ディクソン(1915-1976)。彼の名は日本ではあまり馴染みがないだろうが、ディクソンはカリブ系米国人で褐色の肌を持った有色人種。過酷な人種差別がはびこっていた当時の米国では黒人を筆頭に有色人種がクラシック音楽で認められるのは難しく、ディクソンは広い名声を獲得した初の有色人種の指揮者だった。1950年代以降ディクソンはヨーロッパで長く活躍しており、この録音もその時期の物。たった1枚から様々な歴史的意味が汲み取れるこのCD、もちろん演奏も素晴らしい。ドイツの放送局収録ということもあって、モノラルながら音もこの年代なら十分良好。
デ・ヴィートのベートーヴェン協奏曲!
 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61 (*)
 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 Op.100 (#)
 ヴィターリ:シャコンヌ ト短調(#)
  ジョコンダ・デ・ヴィート(Vn) ゲオルク・ルートヴィヒ・ヨッフム指揮(*)
  RIASso.(*) ミヒャエル・ラウハイゼン(P;#)
 録音:1954年10月3日、ベルリン音楽大学、ライヴ(*) /1951年10月7日、第7スタジオ、RIAS フンクハウス、セッション(#)、共にベルリン。おそらく共に初出音源。なお、(*)には「共演者不明、1950年代」とされるライヴが IDIS から出ている (IDIS-6443)〔デ・ヴィート財団所有〕が、同一演奏かどうかは不明。今もなお人気の女流ヴァイオリニストの一人、ジョコンダ・デ・ヴィート(1907-1994)の1951年から1954年にかけてベルリンで収録された貴重な放送用音源が、抜群の高音質復刻で評判を呼ぶauditeの「ドイチュラントラジオ・クルトゥーア・エディション」の最新盤として発売される。デ・ヴィートは50代半ばで現役を引退し、生涯30曲ほどしかレコーディングを残さず、さらに彼女の人気を不動のものとしたベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲はセッション録音をしなかったために、生前本人も悔やんでいたと言われている。そのベートーヴェンが1954年ベルリンでの放送用ライヴ音源で残っていた。音源の状態もよくauditeの確かなリマスタリングでデ・ヴィートらしい高貴な詩情を薫らせる円熟の演奏を聴くことが出来る。デ・ヴィートのテンポ・コントロールとフィンガリングを考慮したゲオルク・ルートヴィヒ・ヨッフム(オイゲン・ヨッフムの弟)率いるRIASso. の格調高い音楽も抜群で、独奏パートを引き立てている。緻密さと自由な歌心を持ち合わせたデ・ヴィートの魅力が最も表現されたこのベートーヴェンは歴史的遺産とも重要な録音と言えるだろう。なお、第1楽章、第3楽章のカデンツァは作曲者名の記載はないが、auditeレーベルによるとおそらくデ・ヴィート自身によるものということ。ベートーヴェンの主題を技巧的な重音で表現し、また甘美な旋律では歌うように奏でており、非常に魅力的(第2楽章はクライスラーのカデンツァ)。カップリングは1951年10月に放送用音源として収録されたブラームスのヴァイオリン・ソナタ第2番とヴィターリのシャコンヌ。ベートーヴェンと同様にデ・ヴィートが得意とした作品で磨き抜かれた技術で優美に演奏している。ヴィターリのシャコンヌは遅めのテンポ設定。たっぷりとしたボーイングで一音一音、魂をこめて演奏しており、当時の名ヴァイオリニストがこぞって演奏、録音していた名曲にまたひとつ名演が加わったと言えるだろう。
デュプレ&ゲルバー + アルブレヒト、1963.3.5 初出ライヴ
 ローベルト・シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 Op.129 (*)
 ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15 (#)
  ジャクリーヌ・デュ・プレ(Vc;*) ブルーノ・レオナルド・ゲルバー(P;#)
  ゲルト・アルブレヒト指揮ベルリン放送so.
 録音:1963年3月5日、ベルリン、ライヴ。モノラル、初出音源。宝のようなヒストリカル・レコーディング、ジャクリーヌ・デュ・プレとブルーノ・レオナルド・ゲルバーがそれぞれ協奏曲のソリストとしてベルリン・デビューした時のライヴ。アルブレヒト指揮ベルリン放送so.と共に若干18歳のデュ・プレはシューマンのチェロ協奏曲を、22歳のゲルバーはブラームスのピアノ協奏曲第1番を披露した。若きヴィルトゥオーゾは全身全霊で演奏し、熱気あふれる演奏と純粋無垢な音楽で聴衆を圧倒、まるで何かにとりつかれたような神がかったとも言える名演。デュ・プレは同曲を5年後、1968年にバレンボイム指揮ニュー・フィルハーモニア管と録音しているが、10代の当演奏の方がより生き生き&溌剌としている。デュ・プレの持ち味である力強さと繊細さはこの時から彼女の音楽に存在し、独特の個性をはなっている。一方ゲルバーも3年後の1966年に当ブラームスをレコーディングしているが、このライヴも豪快でありながら既に非常に高い完成度。auditeレーベルが誇る「ファースト・マスター・リリース」シリーズだけあって復刻技術にも期待出来る。
ルツェルン音楽祭の歴史的演奏 初出&初マスター復刻 ~ハスキル&カサドシュ
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466(第1楽章カデンツァ:ハスキル)(*)
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調「皇帝」 Op.73 (#)
  クララ・ハスキル(P;*) オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo.(*)
  ロベール・カサドシュ(P;#) ディミトリ・ミトロプーロス指揮 VPO (#)
 録音:1959年9月8日(*)、1957年9月1日(#)、以上 ルツェルン、ライヴ。おそらく新シリーズと思われる「ルツェルン音楽祭の歴史的演奏」。(#)は初出。(*)は 以前 AS DISC の系列等で出ていた演奏だが、おそらくマスターからの初復刻&約15年ぶりの再発売。オーケストラは、既出盤ではおそらく全て「ルツェルン祝祭管」となっていたが、当盤のフィルハーモニア管が正しい模様( Cascavelle の VEL-3149 に含まれているとするディスコグラフィがあるが、この盤に含まれているのは AS DISC 盤でカップリングされていた、同じくクレンペラー指揮による1956年モントルーでの第27番のみ)。体力が衰えムラがある晩年のハスキルの中でも最上級の演奏ながら、既出盤の音質は決して良いとはいえなかったので、当レーベルならではの改善に期待したい。ただ、代理店は『オリジナル・マスター起因する経年劣化がございます。予めご了承ください。』と記載している。
ルツェルン音楽祭の歴史的演奏 Vol.2 初出~アイザック・スターン
 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35 (*)
 バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz.112 (#)
  アイザック・スターン(Vn) ロリン・マゼール指揮(*)
  エルネスト・アンセルメ指揮(#) ルツェルン祝祭o.〔スイス祝祭o.〕(*/#)
 録音:1958年8月23日(*)、1956年8月18日(#)、共に ルツェルン、モノラル、ライヴ。おそらく初出音源。使用ヴァイオリン:グァルネリ・デル・ジェス「パネット」。商品のオーケストラ表記は、スイス祝祭管弦楽団 [Swiss Festival Orchestra]となっている。ルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ第1弾(ハスキル&クレンペラー、カサドシュ&ミトロプーロス:ピアノ協奏曲集):AU-95623。シリーズ第2弾はスターン30代後半の超絶的テクニックによる協奏曲。彼はユダヤ人を迫害したナチへの抵抗からドイツでは一切演奏しなかったが、ヨーロッパ・デビューは1948年に行われたこのルツェルン・フェスティヴァルで、初登場から1988年までの40年もの間に常連とも入れるほど積極的に参加、ここに収録された協奏曲をはじめ、1960年代以降ユージン・イストミン(P)、レナード・ローズ(Vc)とのトリオで数多くの名演を残しているという。この2曲での使用楽器「パネット」はスターンが1960年代半ばまで愛用していた物で、G線は野太く、E線は最後部の席まで鮮明に聴こえる。スターンらしい聴衆に語りかけるアプローチは格別でモノラルながら臨場感が伝わるすさまじい演奏。チャイコフスキーの指揮は当時28歳であったまさに新進気鋭のマゼール。彼も元々ヴァイオリニストなので、スターンとの息もぴったり。一方、バルトークの指揮は当時73歳のアンセルメで、大巨匠と30代後半のスターンという、世代を超えた名演を聴くことが出来る。
ルツェルン音楽祭の歴史的演奏 Vol.3 初出~ジョージ・セル
 ドヴォルジャーク:交響曲第8番 ト長調 Op.88 (*)
 ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 (#)
  ジョージ・セル指揮ルツェルン祝祭o.〔旧・ルツェルン祝祭o./スイス祝祭o.〕
 録音:1969年8月30日(*)、1962年8月29日(#)、ルツェルン、ライヴ、共にステレオ。代理店によると『ドヴォルザークの交響曲第8番(1969年収録)は非常に良質な状態のステレオです。一方、ブラームスの交響曲第1番(1962年収録)はドヴォルザークの録音に比べますとレンジの狭さを感じますが、録音状態は良好です。』とのこと。第1弾のハスキル&カサドシュ(AU-95623)、第2弾のスターン(AU-95624)に続く Audite レーベルの 1st マスター・リリース・ルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ第3弾。このアルバムの2曲はともにセルが得意とした楽曲で、特にドヴォルジャークはセル晩年の1970年4月、生涯最後のレコーディングとなった演奏が名演として知られている。当フェスティヴァルでの録音はその前年にあたる1969年となる。このルツェルン祝祭o.との演奏もセルの集大成とも言える円熟の極みの演奏だが、緻密で明晰な演奏を作りあげるためには一切の妥協も許さない、極めて厳しいリハーサルがあったと想像できるほど完璧な演奏を聴かせてくれる。とりわけ、第3楽章では温かさの感じられるふくよかな演奏をしている。ドヴォルジャークを生涯演奏し、第8交響曲を大事に温め、翌年のあの名ライヴにつながる演奏となったと考えると感慨深いものがある。カップリングのブラームスの交響曲第1番は1962年の録音。セルのブラ1と言えば1957年、1967年にクリーヴランドo.と録音したものが有名だが、当ライヴはちょうどその間にあたる録音。いかにもセルのブラームスらしい構築のしっかりとした楷書的なスタイルで、ライヴならではの情熱も加わった聴き手に心地よい演奏。クリーヴランドo.以外でもこれだけの名ライヴが聴けるのは非常に喜ばしい。
クーベリック、F=ディースカウ、ゼーフリート~
 バルトーク
:歌劇「青ひげ公の城」 Op.11 Sz.48(ドイツ語歌唱)
  ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br;青ひげ)
  イルムガルト・ゼーフリート(S;ユーディト)
  ラファエル・クーベリック指揮ルツェルン祝祭o.〔スイス祝祭o.〕
 録音:1962年8月15日、ルツェルン音楽祭、モノラル、ライヴ。おそらく初出音源。audite の「ルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ」、1914年チェコ生まれのクーベリック生誕100年記念。クーベリックがルツェルン音楽祭に初登場したのは1948年8月28日だった(この演奏会の数週間前、チェコの共産化に反対したクーベリックは、同年のエディンバラ音楽祭へ参加するために渡英、そのままイギリスへと亡命した)。以後、クーベリックは1990年までの間、実に25回ルツェルン音楽祭に出演し、同音楽祭には欠かすこの出来ない、そしてクーベリックにとっても非常に重要な演奏会となった。なお、1962年の当ライヴ録音は当初、フェレンツ・フリッチャイが指揮することになっていたが、病に倒れたフリッチャイに代わりクーベリックが指揮をし、当演奏会は大成功となった。クーベリックはバルトークの作品である、管弦楽のための協奏曲や弦、打楽器とチェレスタのための音楽などのオーケストラ作品は頻繁に演奏・録音をしてきたが、この『青ひげ公の城』は記録によると、1962年5月17、18日のバイエルン放送so. (ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ&ヘルタ・テッパー)、同年の当ライヴ、そして、1981年3月27日のNYP(ジークムント・ニムスゲルン&タティアナ・トロヤノス)のみのようで、当ライヴは非常に貴重な録音と言える。しかし、当ライヴでは青ひげを幾度となく披露し、録音数も多いフィッシャー=ディースカウが、ユーディトは名ソプラノ歌手のイルムガルト・ゼーフリートがそれぞれ担当していることからもわかる通り、当時最高のキャストによる『青ひげ公の城』は極上のライヴとなった。スタジオ録音とは違うクーベリックらしい熱気に満ちた演奏をお楽しみ頂きたい。
クラウディオ・アバド追悼、初出
 シューベルト:交響曲 ロ短調 D.759「未完成」(*)
 ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調 Op.36 (#)
 ワーグナー:ジークフリート牧歌(#)
クラウディオ・アバド指揮
VPO (*)、ヨーロッパ室内o. (#)
 録音:1978年9月5日(*)、1988年8月25日(#)、ルツェルン、ライヴ。おそらくすべて初出音源。「ルツェルン・ フェスティヴァル・ シリーズ」。2014年1月20日に惜しまれつつ亡くなった巨匠アバドが残した数多くの名演の中から、auditeレーベルよりルツェルン・フェスティヴァルにおけるライヴ録音が緊急リリースされることとなった。VPOを指揮したシューベルトの「未完成」は1978年9月の録音。アバドは1977年にミラノ・スカラ座の芸術監督に就任し、その後1979年にはロンドン響の首席指揮者に就任という具合に、相次いで重要なポストを得て世界的に飛躍しようという時期、まさにアバドが乗りに乗っていた頃のものといえ、さらに、オーケストラが、シューベルトとの相性も抜群のVPOというのもおおきな魅力。のちに、アバドはヨーロッパ室内o. を指揮して、シューベルトの自筆譜を採用した形でも交響曲全集録音を完成させているが、そちらとの聴き比べも興味深いところ。アバドは最晩年まで、若い音楽家たちとの活動にたいへん熱心であったことでも知られ、かれらとの顔合わせでは、じつに活き活きとした音楽を聴かせていたものだったが、アバド自らが設立に関わったヨーロッパ室内o. を指揮したベートーヴェンとワーグナーもそうした部分が良く出た内容。アバドを心から慕う若いメンバーたちの高い表現意欲と緻密なアンサンブルに、アバドもまた触発されて、透明なまでの美しさも印象的な、きわめて洗練された演奏が繰り広げられている。
ピエール・フルニエ、ルツェルン音楽祭ライヴ集~ケルテス、マルティノン他との共演
 ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 (*)
 サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番 イ短調 Op.33 (#)
 パブロ・カザルス:鳥の歌(+)
  ピエール・フルニエ(Vc) イシュトヴァーン・ケルテス指揮(*)
  ルツェルン祝祭o.〔スイス祝祭o.〕(*) ジャン・マルティノン指揮フランス国立放送o.(#)
  マティアス・バーメルト指揮ルツェルン祝祭弦楽合奏団(+)
 録音:1967年8月16日(*)、1962年9月10日(#)、1976年9月4日(+)、ステレオ(*/+) & モノラル(#)、全て ルツェルン、ライヴ。定評ある Audite レーベルの 1st マスター・リリースのルツェルン・フェスティヴァル・シリーズにピエール・フルニエが登場、ドヴォコンを含む充実の内容。フルニエはルツェルン・フェスティヴァルに定期的に出演しており、2曲はステレオでの収録というのも非常にうれしい。ドヴォルジャークは還暦を迎えた円熟の演奏で、ケルテスとの息も揃った熱演。サン=サーンスははライヴならではの気迫ある演奏。最後のパブロ・カザルスの「鳥の歌」はフルニエが70歳時の演奏で神の領域とも言える、美しい演奏を披露している。
フリッチャイ・エディション Vol.12~
 ヨハン・シュトラウス II

 ワルツ「美しく青きドナウ」Op.314(*)/
 喜歌劇「女王陛下のハンカチーフ」序曲(*)
 「こうもり」~チック・タック・ポルカOp.365(#)/
 「ヴェネツィアの一夜」~入り江のワルツ Op.411(#)/
 ワルツ「春の声」Op.410(*)/皇帝円舞曲 Op.437(*)/
 ワルツ「芸術家の生活」Op.316(*)/
 ポルカ「浮気心」Op.319(#)/常動曲 Op.257(*)/
 ピチカート・ポルカ(ヨゼフ・シュトラウス共作)(*)/
 トリッチ・トラッチ・ポルカ Op.214(*)
フェレンツ・フリッチャイ指揮
ベルリン RIAS so.
 録音:1950年6月6日-8日(*)/1952年10月28日(#)、以上イエス・キリスト教会、ベルリン・ダーレム、スタジオ・セッション、モノラル。音源:ドイチュラントラジオ・クルトゥーア(ベルリンRIAS収録)。ほとんどが初出音源と思われるが、「美しく青きドナウ」等数曲は、LP時代に MELODRAM 等から発売があった可能性有。ただ、その場合でもマスターからの初復刻&初CD化。
 ヨハン・シュトラウスをたいへん得意としていた名匠フリッチャイ。エディション・フェレンツ・フリッチャイ第12集は、オペレッタ「こうもり」(AU-23411)につづいて、ヨハン・シュトラウスのワルツとポルカ集。
 フリッチャイによるシュトラウスのワルツ、ポルカといえば、改称後のベルリン放送so.と1961年におこなったセッション録音をはじめ、1950年代初めのBPOとの録音などが知られている。このたびのRIAS響とのセッション録音は、「美しく青きドナウ」「芸術家の生活」など一部をのぞき、ほとんどすべてが初めて日の目をみるもの。ウィーン仕込みにも引けを取らぬ、浮かれ、騒ぎと退廃的な美。オーストリア=ハンガリー帝国が解体される目前の1914年にハンガリーに生まれ、時代の空気や流儀を吸収する環境にあったフリッチャイの音楽作りは、ここでの演奏にも活きている。これまでどおり音質も折り紙つき。
マルケヴィチ~ライヴ&セッション RIAS 録音集
 シューベルト:交響曲第3番 ニ長調D.200(*)
 ファリャ:バレエ「三角帽子」第2組曲(#)
 [近所の人たちの踊り/粉屋の踊り/終幕の踊り]
 ルーセル:バレエ「バッカスとアリアーヌ」Op.43
       ~第2組曲(#)
 ムソルグスキー/マルケヴィチ編:6つの歌曲(+)
  [子守歌/おしゃべりかささぎ/夜/星よ、いずこ?/
   いたずら小僧/ドニエプル川で]
マーシャ・プレディト(S;+)
イーゴリ・マルケヴィチ指揮
RIAS so.
 1953年3月2日(*)、1952年3月6日(+)、ベルリン・ティタニア・パラスト、ライヴ・モノラル(*/+)/1953年2月27日、3月2日、ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会、スタジオ・セッション・モノラル(#)。代理店によると「すべて完全初出」。ベルリン RIAS 収録、ドイチュラントラジオ・クルトゥーアの音源から復刻。
 キーウ〔キエフ〕生まれで、20世紀を代表する指揮者として活躍したイーゴリ・マルケヴィチ(1912-1983)はユニークな経歴の持ち主。コルトーにピアノをナディア・ブーランジェに和声と作曲を師事して、両大戦間期には将来を嘱望された作曲家としてバルトークやミヨーからも称賛を受けるほどだったが、戦後は指揮者に転身、数多くの世界的なオーケストラから迎えられた。モントゥーとシェルヘンについて指揮を学び、現代的な感覚を備えた名匠ともいわれるマルケヴィチだが、幅広いレパートリーとその客観的で冷静なアプローチは作曲家としての経験から培われたものといえるのかもしれない。このたびのRIAS 響との録音は、まさにそうした面を反映している内容と言えるが、現状では入手できるカタログが必ずしも十分とはいえない状況を考えると、ファンには歓迎されるものと思われる。マルケヴィチとゆかりあるディアギレフの依頼で書かれ、マルケヴィチ自身大のお気に入りだったファリャの「三角帽子」や、ルーセル作品では独特のリズムと色彩感がとにかく強烈で、アルバム中屈指の聴きもの。さらに、極度に洗練されエレガントと評されたシューベルトも異彩を放っている。なお、マルケヴィチ自ら編曲を手掛けたムソルグスキーでは、1945年の初演時と同じキャストというのも注目。プレディトはシャリアピンに見出された1912年ラトヴィア出身のソプラノで、ムソルグスキーやチャイコフスキーの歌曲をレパートリーにしていた。
シュヴァルツコップ RIAS 録音~1958年1月6日
 ヴォルフ:
  語れとはいわないで/ただ憧れを知るひとだけが/
  もうしばらくこのままの姿に/悲しげに歌わないで/
  君よ知るや、南の国/聖なる三人の王/
  ジプシー女/夜の魔法
 シューベルト:
  私を置いていかないで D.510/哀れな幼な児 D.42
 R.シュトラウス:
  子守歌 Op.41-1/悪天候 Op.69-5/
  彼はそう言ったが、それだけではなかった Op.41-1
 パーセル:ひとときの音楽/聖処女の戒め
 アーン:蜜蜂が蜜を吸うところに/
     あなたの目で私に乾杯しておくれ
エリーザベト・
 シュヴァルツコップ(S)
ミヒャエル・ラウハイゼン(P)
 録音:1958年1月6日、RIAS スタジオ、ベルリン。代理店は記載していないが、ドイチェラント・クルトゥーアの音源を使用。数曲を除きおそらく初出音源。既出の分は、ACANTA、MELODRAM 等から「1953年」等と記載されてLPで発売、ディスコグラフィでも「1958年3月」「1958年1月」等と記載が別れている録音だと思われる。
 シュヴァルツコップが RIAS ベルリンのために行った放送用歌曲集がCDに。当時37歳のシュヴァルツコップは絶頂期に差し掛かったところ、どの曲も彼女ならではの旨みを堪能出来る。パーセルやアーンといった珍しいレパートリーが加わっているのも注目。
 なお、代理店翻訳者はシュヴァルツコップの名を「エリザベス」としているが、英語読みするならば姓も含め「エリザベス・シュウォーツコフ」とでもするべきだろう
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ未発売放送録音集 Vol.1
 マーラー

  若き日の歌〔ドン・ファンの幻想/春の朝/思い出/シュトラスブルクの砦〕/
  「リュッケルト詩集」より[私の歌をのぞき見しないで/私はこの世に忘れられ]/
  さすらう若者の歌/
  「子供の不思議な角笛」より~
   [浮世の生活/もう会えない/別れ/魚に説教するパドヴァの聖アントニウス/
    夏に小鳥は替わり/いたずらっ子をしつけるために/うぬぼれ]
  ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
  ダニエル・バレンボイム(P)
 録音:1971年9月14日、ベルリン・フィルハーモニー、ライヴ、ステレオ。
 凄い録音が出てきた! 1971年にベルリンで行われたマーラーの歌曲集の演奏会。歌うは46歳のフィッシャー=ディースカウ、声、表現とも彼の頂点の時期といってよいだろう。そして伴奏は当時まだ29歳のバレンボイム。マーラーの歌曲の伴奏から、実に繊細な感情を引き出している。これはもう聞くしかない絶品!
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ未発売放送録音集 Vol.2
 ブラームス

  湖上にて Op.59-2/夢にさまよう人 Op.86-3/
  ああ、そうやってまた僕を縛りつけようというのか Op.32-5/たそがれ Op.49-5/
  航海 Op.96-4/夜に私は起き上がり Op.32-1/ひめごと Op.71-3/
  私たちはさまよい Op.96-2/便り Op.47-1/菩提樹の梢で葉がさざめき Op.3-6/
  夢を見た Op.57-3/気後れ Op.72-4/秋の思い Op.48-7/雨の歌 Op.59-3/
  セレナードOp.106-1/私の女王様よ、あなたはなんと Op.32-9/春の歌 Op.85-5/
  打ち勝ち難い Op.72-5/日曜日Op.47-3/セレナードOp.70-3/
  恋人のもとへと向かう道 Op.48-1/あなたは哀れな者を Op.33-5/野に一人 Op.86-2
 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br) タマーシュ・ヴァーシャーリ(P)
 録音:1972年9月15日、ベルリン・フィルハーモニー、ライヴ、ステレオ。
 フィッシャー=ディースカウは、知、情、さらにこの日の喉の調子まで含めて、完璧といってよいほど非の打ち所のない出来栄え。ヴァーシャーリはハンガリー生まれのスイスの名ピアニスト。繊細でありながらブラームスの素朴さを失わない見事な伴奏。
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ未発売放送録音集 Vol.3
 シューマン
:二重唱集(*)
 [夜に Op.74-4/千回の挨拶をあなたに送る Op.101-7/春の祭りの美しさ Op.37-7/
  まこと太陽は輝き Op.37-12/愛の花園 Op.34-1/恋する者のセレナードOp.34-2/
  窓の下で Op.34-3/家族の肖像 Op.34-4/踊りの歌 Op.78-1/彼と彼女 Op.78-2/
  君を思う Op.78-3/病気の子供たちの収容所での子守歌 Op.78-4]
 ベートーヴェン:ゲレルトによる6つの歌 Op.48(#)
 〔願い/神の力と摂理/そう誰もが言う/死について/自然における神の栄光/懺悔の歌〕
 マーラー:「子供の不思議な角笛」より(+)
 [浮き世の生活/魚に説教するパドヴァの聖アントニウス/
  高い性を讃えて〔代理店記載ママ〕(**)]
 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br) ユリア・ヴァラディ(S;*)
 コード・ガーベン(P;*) ヘルタ・クルスト(P)
 録音:1977年12月8日(*)/1951年12月12日(#)/1953年1月8日(+)。(*)のみステレオ。なお、(**)は一般に「高い知性への賛美」等と訳される。
 メインはシューマンの二重唱集。この1977年に結婚したばかりのヴァラディと二重唱を歌っている。比較的取り上げられる機会の少ない曲ばかりなので、大歌手による歌は貴重。ベートーヴェンとマーラーは1950年代初頭、まだ20代後半だった若々しいフィッシャー=ディースカウの歌が聞ける。「浮き世の生活」と「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」は、1971年の第1集(AU-95634)にも収録されているので、比較すると20年近い間のフィッシャー=ディースカウが感じ取れることだろう。
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ未発売放送録音集 Vol.4
 レーガー
(*):
  長く重苦しい時間に/受難の歌/私は、たくさんの絵の中であなたを見る/
  私の魂は神に向かって穏やか/願わくは幸せな死を/主よ、あなたの意志をなして頂きたい/
  さあ、行って私の墓を掘るんだ/おおイエス・キリスト、私たちはあなたを待っている
 ズーターマイスター:詩篇70篇(#)/詩篇86篇(#)
 ヒンデミット(+):永遠の変化に/陽が沈み/個々ではなくて全体/朝はいつも/
          ひそかに歌え/私はもう嘆かない/死の歌/3つの讃歌
  ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
  ウルリヒ・ブレームステラー(Org;*/#) アリベルト・ライマン(P;+)
 録音:1972年12月14日(*)/1989年6月7日-8日(#)/1979年10月18日(+)、以上ステレオ。
 フィッシャー=ディースカウは近代ドイツ歌曲を積極的に取り上げたことで知られているが、録音は決して多くない(と代理店は記載しているが、R.シュトラウスを EMIへCD6枚とDGへCD1枚、アイスラーを TELDECへ1枚、プフィッツナーはEMI、DG、ORFEOへ、ベルクとシェーンベルクで 1CD (EMI)、アドルフ・ブッシュ、ヴィルヘルム・ケンプ、ブルーノ・ワルター、生まれはイタリアだがブゾーニの歌曲までもスタジオ録音した彼の業績を「多くない」とするのはいかがなものだろうか)。レーガーはDGに20曲を録音した程度。ヒンデミットは、ORFEOから19曲収録されたCDが出ていたが、ここに収録されているものと重なっているのは数曲、さらにズーターマイスターは、おそらくDFDによる初音盤となる作曲家、ということでマニアなら逃せない貴重な録音。
ヤニグロ&ザグレブ・ソロイスツ、RIAS 録音集
 コレッリ:合奏協奏曲 ニ長調 Op.6 No.4 [1957年1月14日](*)
 ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第6番 ニ長調「嵐」
 バーバー:弦楽のためのアダージョ[1964年4月19日]
 ヒンデミット:ヴィオラと弦楽のための葬送音楽[1958年3月12日](#)
 ショスタコーヴィチ:弦楽八重奏曲 Op.11~スケルツォ[1964年4月17日]
 ケーレメン:弦楽のための協奏的即興曲[1958年3月12日]
 レーガー:抒情的アンダンテ「愛の夢」[1966年3月16日]
 モーツァルト:ディヴェルティメント 変ロ長調 K.137 [1961年3月19日]
 ホフシュテッター/伝・ハイドン:弦楽四重奏曲 ハ長調「セレナード」[1958年11月11日]
 ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV.230(チェロ版)[1966年3月16日]
  アントニオ・ヤニグロ(Vc)指揮ザグレブ・ソロイスツ合奏団〔ザグレブ室内合奏団〕
  グンヒルト・スタッペンベック(Cemb;*) ステファノ・パサージオ(Va;#)
 録音:[内]、すべて ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ、ベルリン、モノラル、放送用セッション。抜群の高音質復刻で評判を呼ぶ audite の「ドイチュラントラジオ・クルトゥーア・エディション」シリーズ。1918年ミラノ生まれのヤニグロはヴェルディ音楽院でジルベルト・クレパックスにチェロを学んだ後、1929年から数年間にわたりパブロ・カザルスの格別の薫陶を受け、10代にして世界的チェリストとして演奏旅行するほどの天才ぶりを発揮していた。その後、第二次世界大戦の影響からクロアチアのザグレブに留まり、その間21歳の若さでザグレブ音楽院の教授に任命され依頼1953年まで務めた。第二の故郷となったザグレブにて積極的な音楽活動を続け1953年に自ら結成したザグレブ・ソロイスツ合奏団では1967年まで指揮者、チェロ奏者して活躍。当ディスクは彼らの軌跡をたどるような名演ばかりが集められ、バロックから20世紀の作品までレパートリーの広さを示したものとなる。録音はいずれもモノラルながらauditeレーベルの社主ルトガー・ベッケンホーフ氏による非常に丁寧なリマスタリングにより、演奏の空気感・迫力が伝わる最上の復刻と言えるだろう。
レオ・ブレッヒ&RIAS響
 ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21 (*)
 シューベルト:
  交響曲第9番 ハ長調 D.944「グレイト」
ユリアン・
 フォン・カーロイ(P;*)
レオ・ブレッヒ指揮
RIASso.
 録音:1950年6月4日、ベルリン=シュテークリッツ、ティタニア=パラスト、ライヴ・モノラル。おそらく以前、それぞれMELODRAMとHUNT (=ARKADIA)から〔後にARCHIPELからも〕出ていたものだが、今回がマスターからの初復刻。
 auditeの「ドイチュラントラジオ・クルトゥーア・エディション」に、通好みのレアなライヴが登場。レオ・ブレッヒ(1871年アーヘン-1958年ベルリン)は指揮者としてアーヘン市立劇場を皮切りに、プラハのドイツ劇場、ベルリン宮廷歌劇場、ベルリン市立オペラ、ベルリン・フォルクスオーパー、ウィーン・フォルクスオーパーのポストを歴任、さらに自らオペラの作曲も手がけた。おそらくブレッヒのもっとも有名な録音である、クライスラー独奏&ベルリン国立歌劇場管を指揮したベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲で、そのきめが細かく明晰で安定感抜群の音楽を確かめる事が出来る。芸風的には正反対と思われるフルトヴェングラーも、ブレッヒの芸術の熱烈なファンであることを公言していたと云われ、彼の真価を象徴的に顕すものといえるだろう。シューベルトの「グレイト」は、ナチスの台頭からユダヤ系を理由にドイツを追われていたブレッヒが、戦後ベルリンに復帰を果たした際のライヴ。埋もれたままにしておくには惜しい内容で、思いがけない聴きものとなっている。
 ユリアン・フォン・カーロイは、1914年ブダペスト近郊のロションツに生まれ、1993年ミュンヘンで歿したピアニスト。ヨーゼフ・ペンバウル、アルフレッド・コルトー、エルンスト・フォン・ドホナーニらの薫陶を授かり、1932年にショパン賞、1933年にリスト賞を授与され、ショパンとリストを得意した。ここで聴けるのはショパンの第2協奏曲では、無駄のないペダルの使用や、控えめなルバート、それに右手装飾音の繊細な対位法的旋律処理と左手伴奏パートの扱いが、ドホナーニ、コルトーそれぞれの長所を兼ね備えた特徴といえ、ことにラルゲットは白眉。カーロイは1950年代から60年代にかけて、DGとEMIエレクトローラにかなりの数のセッション録音を残しているが、そのほとんどが未CD化のままなので、このたびのリリースはたいへん価値あるものといえるだろう。
クレツキ&ルツェルン祝祭管 1946.9.7 、初出
 ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98
 シューベルト:交響曲第7番 ロ短調「未完成」D.759
 ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番 Op.72b
パウル・クレツキ指揮
ルツェルン祝祭o.
 録音:1946年9月7日、ルツェルン音楽祭、ライヴ。モノラル、初出音源。定評ある Audite レーベルの 1st マスター・リリースによるルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ第9弾は、1946年9月に登場したパウル・クレツキ。1900年ポーランドに生まれた20世紀を代表する指揮者の一人で、最初はヴァイオリン、ピアノで才を発揮したが、ベルリンで研鑽を積んでいた1920年代より指揮と作曲で音楽家として地位を確立。そのベルリン時代にフルトヴェングラーと出会い演奏家として影響を受けた。しかし、ナチスの台頭によってドイツを離れイタリアに入るものの、ファシスト政権に追われてソ連に逃れ最後にこのスイスに留まった。この激動の時代を生きたクレツキが、1946年のルツェルン・フェスティヴァルにて感動的な演奏を披露した。正統的な解釈にして華麗な響きを引き出すクレツキの音楽はこの時代から確立されていたことがわかる。なお、当音源は audite が復刻してきた歴史的録音の中で最も古いものとなるが、auditeの社主ルトガー・ベッケンホーフ氏による確かな復刻技術でクレツキの輝かしい演奏が蘇った。
ルツェルン音楽祭ライヴ~A.フィッシャー + ジュリーニ、フライシャー + セル
 シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54 (*)
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19 (#)
 アニー・フィッシャー(P;*) カルロ・マリア・ジュリーニ指揮フィルハーモニアo.(*)
 レオン・フライシャー(P;#) ジョージ・セル指揮ルツェルン祝祭o.〔スイス祝祭o.〕(#)
 録音:1960年9月3日(*)、1962年8月29日(#)、ルツェルン音楽祭、ライヴ、アナウンスに記載が無いがおそらくモノラル。おそらく初出音源。定評ある Audite の 1st マスター・リリースによるルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ第8弾。今もなお人気の女流ピアニスト、アニー・フィッシャー(1914-1995)によるシューマンは、スタジオ録音がクレンペラーとの演奏で、彼女が駄目出しを続けて発売すら危ぶまれた事が知られる。代理店によると『当演奏はジュリーニの好サポート得て気迫に満ちた名演奏問言えます』(代理店記載ママ)とのこと。一方、ルツェルン・デビューとなったレオン・フライシャー34歳のときのベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番は『明るく澄んだ音色で、聴衆を感動させ伝説のライヴとなりました。セルから厚い信頼を得ていたフライシャーは繊細かつ緻密な解釈で豊かなベートーヴェンを披露しております。このわずか2か月後、右手の2本の指が突然動かなくなってしまい、以後2000年代の治療による回復までは指揮者、及び左手のためのピアノ作品を中心に演奏活動を行っていました。まさに奇跡の名演奏といえましょう』との事。
ルツェルン音楽祭ライヴ Vol.10 ~ヴォルフガング・シュナイダーハン
 モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219「トルコ風」(*)
 ヘンツェ(1926-2002):ヴァイオリン協奏曲第1番(#)
 マルタン(1890-1974):マニフィカト(1968年版/世界初演)(+)
  ヴォルフガング・シュナイダーハン(Vn) イルムガルト・ゼーフリート(S;+)
  パウル・ヒンデミット指揮(*) フェルディナント・ライトナー指揮(#)
  ベルナルド・ハイティンク指揮(+) ルツェルン祝祭o.〔スイス祝祭o.〕
 録音:1952年8月13日(*)、1964年8月26日(#)、1968年8月14日(+)、ルツェルン・フェスティヴァル、ライヴ。おそらく初出音源。1915年ウィーン生まれのシュナイダーハンは神童として注目され、10代よりヨーロッパを中心にソリストとして活躍。その後、1930年代よりウィーンso.、VPOのコンサート・マスターに就任、さらに自身の名を冠した弦楽四重奏団を結成し室内楽の活動を行うかたわら教育活動にも熱心にたずさわった、名教師にして名ヴァイオリスト。“抑制の効いたスタイル"のシュナイダーハンの音楽は、まさに正統派の芸術家で、音楽に真摯に向き合う姿勢は聴き手を虜にした。また多岐に渡る膨大なレパートリーを誇るシュナイダーハンは現代音楽も積極的に取り上げ、当ディスクに収録されているヘンツェ、マルタンなど同時代を生きた作曲家が献呈した作品もある。シュナイダーハンの美音もさることながら、パウル・ヒンデミット、フェルディナント・ライトナー、ベルナルド・ハイティンク指揮という大物演奏家が指揮をしているというところも当録音での注目。内に秘めた情熱で歌い上げるシュナイダーハンが、3人の異なる個性をもった指揮者達と、まるで対話するかのような当ライヴ集は、1950年代から60年代のシュナイダーハンの充実ぶりをうかがい知ることのできる演奏。現代的響きの中に抒情性と深い思索性をもった独自の作風を作り上げたフランク・マルタン。1968年のルツェルン・フェスティヴァルで世界初演となった『マニフィカト』は、翌69年に『アヴェ・マリア』そして『スターバト・マーテル』を加えた「マリア三部作」のひとつで、ソプラノ独唱とヴァイオリン独奏を伴う。名唱ゼーフリートとシュナイダーハンの演奏によりこの世界初演は大成功をおさめた。当作品はシュナイダーハンに献呈されている。
 #2016年10月下旬以降発売予定。
ルツェルン音楽祭~シューリヒト&カサドシュ
 モーツァルト:
  ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595 (*)
 ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 Op.73 (#)
ロベール・カサドシュ(P;*)
カール・シューリヒト指揮(*/#)
ルツェルン祝祭o.
 〔スイス祝祭o.〕(*)、VPO (#)
 録音:1961年8月19日(*)、1962年9月8日(#)、共にルツェルン音楽祭、モノラル、ライヴ。 定評ある Audite レーベルの 1st マスター・リリースのルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ。第11弾はカール・シューリヒトの演奏から、カサドシュを迎えたモーツァルトのピアノ協奏曲第27番とブラームスの交響曲第2番。1967年1月7日、スイスで死去したシューリヒトは2017年に歿後50年を迎えた。ドイツが生み出した最も優れた指揮者の1人シューリヒトは、1943年にスイス・ロマンドo. に登場し、第2次世界大戦の中 の44年には、戦局の悪化に伴いスイスに移住した。戦前より名門オーケストラに客演してきたシューリヒトは、特にVPOとの関係は深く1960年に「VPO名誉会員」の称号が贈られた。当録音は1961年と1962年、ルツェルン・フェスティヴァル、ライヴ収録。1曲目はフランスが生んだ名ピアニスト、ロベール・カサドシュを 独奏に迎えたモーツァルトのピアノ協奏曲第27番。カサドシュといえばモーツァルトの名手として知られ、同曲はジョージ・セル指揮コロンビア交響楽団(1962年録音)との録音が名盤として知られている。カサドシュは同時期にモーツァルトの録音、実演に多く取り組み、このルツェルン、ライヴの直後の1961年8月23日にザルツブルクにてシューリヒト指揮VPOでも同曲を演奏している。カサドシュらしい洗練された美しいタッ チと語り口のモーツァルトは当演奏でも光る。2曲目のブラームスの交響曲第2番も大注目。VPOとの絶大な信頼関係のもと、丁寧 に作り上げられたこの演奏はシューリヒトのライヴで聴ける実に迫力あるものになっている。演奏の素晴らしさに加えて audite レーベルの見事な復刻にも注目で、モノラルながら非常に鮮明な音質で蘇った。
ミルシテイン 1953&1955~ツェルン・フェスティヴァル・シリーズ
 メンデルスゾーン(1809-1847):ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64 (*)
 ドヴォルジャーク(1841-1904):ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53 (#)
  ナタン・ミルシテイン(Vn) イーゴリ・マルケヴィチ指揮(*)
  エルネスト・アンセルメ指揮(#) ルツェルン祝祭o.〔スイス祝祭o.〕(*/#)
 録音:1953年8月12日(*)、1955年8月6日(#)、クントハウス〔代理店記載ママ。おそらくクンストハウス〕、ルツェルン、ライヴ、モノラル(*/#)。 定評あるAuditeレーベルの1stマスター・リリースのルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ。第13弾はナタン・ミルシテイン(1903-1992)の演奏から、メンデルスゾーンとドヴォルジャークのヴァイオリン協奏曲。メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲といえばミルシテインの弾く1973年3月収録のアバド指揮VPOの演奏が誉れ高き名盤として有名だが、当ライヴはその20年前、ミルシテイン絶頂期にあたる50歳の演奏。当演奏でもミルシテインの優美で瑞々しい音色と完璧さで魅了し、最も得意とした作品を堂々たる演奏で聴かせてくれる。なお、当演奏は海賊盤のリリースがあったが、当音源はもちろんオリジナルマスターからの復刻で、auditeの社主ルトガー・ベッケンホーフ氏による確かな復刻技術で輝かしい演奏が蘇った。カップリングはドヴォルジャークのヴァイオリン協奏曲。当作品は1957年に収録したウィリアム・スタインバーグ指揮
ピッツバーグ響との演奏が代表盤だが、当ディスクの演奏はその2年前、1955年のライヴ。高音域に達する冒頭の旋律から澄み切った美しい音色を奏で、エレガンスの極みともいえる演奏を披露している。歌心の表現は清澄を極めたミルシテインでしか奏でることのできない名演を聴かせてくれる。当録音でも演奏の素晴らしさに加えて、見事な復刻にも注目で、モノラルながら非常に鮮明な音質を楽しむことが出来る。
ルツェルン音楽祭 Vol.14 ~エディト・マティス歌曲ライヴ 1975.9.3
 モーツァルト:
  すみれ K.476 /ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時 K.520 /寂しい森の中で K.308 /魔法使い K.472
 バルトーク:村の情景 Sz.78
 ブラームス:49のドイツ民謡集 WoO.33 より〔美しいおとめと、私を許して/静かな夜に/どうやって門から入ろうか/
                      下の谷底では/かわいい恋人よ、素足で来ないで〕
 シューマン:「ミルテの花」 Op.25 より〔献呈/くるみの木/だれかが/母よ、母よ/私を彼の胸によりかからせて/
                     ズライカの歌/西方にて/孤独な涙よなぜ/大尉の妻〕
 R.シュトラウス:悪天候 Op.69 No.5 /夜 Op.10 No.3 /ああ恋人よ、私は別れねばならない Op.21 No.3 /
          わが子に Op.37 No.3 /私の父は言った Op.36 No.3
 ヴォルフ:小さくてもうっとりとさせられるものはある

 エディト・マティス(S) カール・エンゲル(P)
 録音:1975年9月3日、クンストハウス、ルツェルン、ライヴ|おそらく初出音源。定評あるAuditeレーベルの1stマスター・リリースのルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ。第14弾はスイスが生んだソプラノ歌手エディト・マティスが登場した1975年9月3日のライヴ、初出音源。同地ルツェルンで生まれたマティスはルツェルンとチューリヒの音楽院で学び、在学中の1956年ルツェルンで第2の童子(魔笛)を歌ってデビュー。その後ケルン市立劇場(1959年-1963年)に所属する傍ら、ハンブルク国立オペラ(1960年-1972年)と客演契約を結び、ヨーロッパを中心に活躍。この間、ザルツブルク音楽祭、グラインドボーン音楽祭などに出演し、一躍人気を高めた。リリック・ソプラノとしてモーツァルトの諸役を中心に幅広く活動する一方で、コンサート歌手、リート歌手としても活躍している。ここに収録されたモーツァルト、ブラームス、シューマン、R.シュトラウス、バルトークはマティスが得意とする作品で、艶やかな歌声を堪能することが出来る。演奏の素晴らしさに加えてAuditeレーベルの見事な復刻にも注目。
ルツェルン・フェスティヴァル Vol.15 ~アルミン・ジョルダン
 ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲(*) / ルーセル:バレエ音楽「バッカスとアリアーヌ」第2組曲 Op.43 (#)
 ドビュッシー/アンセルメ編曲:6つの古代の墓碑銘 / 歌曲集「愛と海の詩」 Op.19 (+)

  フェリシティ・ロット(S;+) アルミン・ジョルダン指揮スイス・ロマンドo.
 録音:1988年8月27日(*/#)、1994年8月20日(無印/+)、クンストハウス、ルツェルン、ライヴ、ステレオ。定評あるauditeレーベルの1stマスター・リリースのルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ、初出音源集。第15弾はルツェルン出身のアルミン・ジョルダン(1932-2006)が音楽監督をつとめていたスイス・ロマンドo. を振った1988年と1994年のルツェルン・フェスティヴァルのライヴ収録。アルミン・ジョルダンはローザンヌおよびジュネーヴの音楽院で研鑽を積んだ後、サンクト・ガレン、チューリヒのオペラハウスで指揮活動を行った。その後、1973年から1989年までバーゼル歌劇場の音楽監督をつとめた。1985年からはスイス・ロマンドo. の音楽監督となり1997年までの在任中に当団がもつ響きの美しさを追求し、オーケストラを磨き上げた。2006年にバーゼルにてオペラ指揮中に倒れ惜しくも急逝。今もなお、ジョルダンの精緻な演奏は高く評価されている。なお、息子のフィリップ・ジョルダン(1974-)も指揮者として活躍している。ここに収録された作品はジョルダンが最も得意としたフランス音楽でドビュッシー、ルーセル、ショーソン。手兵を率いた当演奏は絶美!といえる精妙かつきめ細かな色彩感を表現している。ドビュッシーの2作品は1990年に当団との録音もあるが、やはり最も得意とした作品をジョルダンでしか引き出すことのできない美しさで演奏している。ショーソンの「愛と海の詩」は、ショーソンが歌と管弦楽の結合による新しい声楽曲を試みた作品。第1部と第2部の間に管弦楽だけの間奏曲が入る。最後の曲「リラの花咲く頃」が独立した歌曲として知られる。ロットが歌い上げる。
エルンスト・クシェネク(1900-1991):ヴァイオリン作品集
 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 Op.33 (1925) /ヴァイオリンとピアノのためのソナタOp.99 (1945) /
 トリオ=ファンタジー Op.63 (1929) /無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 Op.115 (1948)

 ヨハネス・クライスラー・トリオ
 [クリストフ・シッケダンツ(Vn) ホルガー・シュベック(P) マティアス・バイヤー=カルツホイ(Vc)]
 録音:2010年12月5日、2011年11月18日、ベルリン。ナチスの台頭によって「退廃芸術」と弾圧をうけ、アメリカに逃れたエルンスト・クシェネク。無伴奏ソナタ第1番は推進力があり表情豊かで雄大な曲、トリオファンタジーはシューベルトの影響を受けたロマン主義音楽の作風、またヴァイオリンとピアノのためのソナタは前衛的な作品、そして無伴奏ソナタ第2番は、第1番がより凝縮された表現と形式の曲と、クシェネクの作風は多種多様。クリストフ・シッケダンツの見事な技巧と多彩で生き生きとした表現で。
初CD化、ゲーザ・アンダ Telefunken 録音集 1950-1951
 シューマン:謝肉祭 Op.9 (*) /交響的練習曲 Op.13 (*)
 J.S.バッハ:パルティータ第2番 ハ短調 BWV826 (#)
 ハイドン:ピアノ・ソナタ ヘ長調 Hob.XVI: 23 (+)
 モーツァルト:ピアノ・ソナタ ニ長調 K.576 (+)
  ゲーザ・アンダ(P)
 録音:1950年11月27日(*)、1951年9月19日(#)、1951年5月23日(+)、グロリア=パラスト、ベルリン。ソース: Telefunken, LX 66029 (*), TM 68023 (+) (LP, 25cm [10-inch], 1954) (*/+), VE 9023 (Shellac [Füllschriftverfahren], 1951/52) (#) 。初 CD 化。 AUDITE からは既に WDR 放送録音集が8枚分発売されているが、他社のセッション録音が復刻されるのは初。同様の復刻は TESTAMENT が行った 英 COLUMBIA (→EMI→WARNER) 録音復刻シリーズ以来だろう。『丁寧で確かな復刻技術で定評のあるドイツ、アウディーテ・レーベルよりのゲーザ・アンダがテレフンケンに残した名録音をリマスタリング、初CD化いたしました。ハンガリーのヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、ゲーザ・アンダはヨーロッパ、なかでもドイツでの人気は根強いものがあります。これまでにhänsslerがSWRアーカイヴからCD7枚分の音源を復刻する一方、auditeからはWDRアーカイヴの音源に遺されていた、全部でCD8枚分の音源が復刻され、いずれも注目を集めています。このたびauditeより復刻リリースされるのは、1950、51年にアンダが独テレフンケンにおこなったセッション録音で、すべて初CD化という価値ある内容です。』『「モーツァルト弾き」アンダが遺したおそらく唯一の録音とおもわれる「ソナタニ長調K.576」のほか、得意とするシューマンにJ.S.バッハ、さらにはハイドンと、キャリアが本格的に花開こうという時期、アンダ29歳のテクニックの驚異的な冴えをたしかめることができます。』『本リリースは、2014年5月16日に88歳の誕生日を目前に亡くなった、アンダ未亡人でチューリッヒにあるゲーザ・アンダ財団の総裁、故オルタンス・アンダ=ビュールレ女史のサポートで実現したそうです。CD化にあたってはシェラック盤しか現存していないバッハの録音を除いて、1954年に復刻されたLPを使用しているとのことですが、フルトヴェングラーのRIAS録音ほか、すでに数々の実績あるauditeだけに、仕上がりにはかなりの期待をもって迎えられるところです。』
RIAS 放送用 クリスマス・キャロル集
 作曲者不詳/ゴットホルト・フローチャー編曲:
  Es blüh'n drei Rosen auf einem Zweig / Da droben auf dem Berge, da weht der Wind /
  Und unser lieben Frauen, der träumete ein Traum / Maria durch ein 'n Dornwald ging
   [アンネリース・ウェステン(Ms) ヘンデル四重奏団/1952年12月8日7
 作曲者不詳: Maria auf dem Berge [マリア・ライト(S) ミヒャエル・ラウハイゼン(P)/1950年6月24日BS
 作曲者不詳/ゲオルク・ウィンター編曲: Schlaf, mein Kindelein (Strassburg 1697)
 作曲者不詳/ハインリヒ・ライマン編曲: Schlaf wohl, du Himmelsknabe du
   [グンティルト・ウェーバー(S) エタ・ウィコップ(P)/1958年12月10日7
 シャルロッテ・カウフマン: Stille Nacht Die Frucht ist längst ins Haus gebracht /
               Die Himmelsbotschaft ist erklungen
   [リタ・シュトライヒ(S) シャルロッテ・カウフマン(P)/1951年12月8日7
 作曲者不詳/アルベルト・ベッカー編曲: Joseph, lieber Joseph mein / Zu Bethlehem geboren
 ヨハン・フリードリヒ・ライヒャルト(1752-1814): Christlied / 作曲者不詳: Es wird schon gleich dunkel
   [ウルスラ・リューデルス(S) ジョゼフィン・ヴァルガ(A)
    フェリックス・シュレーダー(Org)/1964年12月16日 7
 マルク・ローター(1902-1985): Das himmlische Menuett
   [エルナ・ベルガー(S) フリート・ヴァルター指揮ベルリン放送so./1962年2月12日S
 作曲者不詳: O Jesulein zart, dein Kripplein ist hart / Wiegenlied in der Weihnacht
   [マルゴット・ギヨーム(S) ゲルハルト・トゥホルスキ(リュート)/1953年11月11日7
 作曲者不詳: Kommt all herein, ihr Engelein / O Jesulein mild, o Jesulein zart
   [ヴァルター・ルートヴィヒ(T) ヨハネス・ズツァー(Fg) ルドルフ・ショルツ(Vn)
    ヴァルター・ブローゼ(Va) ヴァルター・ルッツ(Vc) ベルリンSQ /1953年12月19日7
 Lobt Gott, ihr Christen allzugleich / Gelobet seist du, Jesus Christ / Vom Himmel hoch (*) /
 Es ist ein Ros'entsprungen (*) / J.S.バッハ:まぶねのかたわらに立ちて BWV.469
   [ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br;*以外) エリーザベト・グリュンマー(S;*)
    ヨハネス・ズツァー(Fg) フリチョフ・フェスト(Ob) ベルリンSQ ルドルフ・ショルツ(Vn)
    ワルター・ブローゼ(Va) ワルター・ルッツ(Vc) /1953年12月22日-23日7
 作曲者不詳: Ave Maria zart, du edler Rosengart
   [リザ・オットー(S) ギュンター・アルント指揮RIAS室内o./1961年12月10日S
 作曲者不詳/ルドルフ・キューン編曲:「Süßer die Glocken nie klingen
 マルティン・ルター/ルドルフ・キューン編曲 :高き空より
   [リタ・シュトライヒ(S) ハンス・カルステ指揮 RIAS ウンターハルトゥングo./1955年12月10日S
 録音:[/内]、RIAS フンクハウス第7スタジオ7、ベルリン=シェーンベルクBS、ジーメンスヴィラ(ランクヴィッツ)S、すべてベルリン。1950年から1964年にかけてRIASの放送用に収録されたクリスマス・キャロル集。戦後初期、ドイツではクリスマスのお祝いの音楽の使用をひかえていたが、年を重ねるごとに緩和され60年代にはラジオ放送でも積極的に流されることになった。RIASに残された貴重な音源からのこの復刻ではフィッシャー=ディースカウ、リタ・シュトライヒなどの名唱による珠玉のクリスマス・キャロルを聴くことが出来る。RIAS放送が残した歴史的にも価値のある1枚と言えるだろう。
ネルソン・フレイレ~ベルリン放送録音集
 サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.22 (*)
 グリーグ:抒情小曲集 より
  〔第3集第4曲 Op.43 No.4 「小鳥」/第1集第5曲 Op.12 No.5 「民謡」/
   第1集第6曲 Op.12 No.6 「ノルウェーの旋律」/第5集第1曲 Op.54 No.1 「羊飼いの少年」〕

 リスト:ハンガリー狂詩曲集 S.244 より〔第5番 ホ短調/第10番 ホ長調〕/
     ポロネーズ第2番 ホ長調 S.223
 ネルソン・フレイレ(P) アダム・フィッシャー指揮ベルリン放送so.(*)
 録音:1986年3月16日、ベルリン放送局本館 [Haus des Rundfunks RBB] 、ライヴ、ステレオ(*) /1966年6月2日、ジーメンスヴィラ、セッション、モノラル(*以外) 、すべてベルリン。 ブラジルが生んだ巨匠ネルソン・フレイレ、初 CD 化音源の登場。1944年、ブラジル、ボア・エスペランサ生まれのフレイレは4歳のときにリサイタルを開いたという鬼才。神童として注目され自国ではニゼ・オビーノとルシア・ブランコに師事した。1957年リオデジャネイロの国際コンクールで優勝し、その後ウィーンにて研鑽を積み、1964年にはリスボンでヴィアンナ・ダ・モッタ賞を、ロンドンではディヌ・リパッティ・メダルを受けるなど、10代にして国際的にその名が知られ、以後半世紀たった現在も世界屈指のピアニストとして第一線で活躍している。フレイレが最も得意とする作曲家サン=サーンス。1986年にアダム・フィッシャー指揮ベルリン放送so. と共演したサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番は、フレイレの圧倒的なテクニックに裏付けされたスケールの大きな演奏を聴くことが出来る。ピアノ独奏で始まる第1楽章では力強くも切ない旋律を感情をこめて演奏。第2楽章では歯切れの良いピアノとオーケストラが見事に対話。第3楽章のプレストでは、フレイレの卓越した技術を十分に堪能できる圧巻の演奏。グリーグとリストのピアノ作品は1966年6月にベルリンのラジオ・デビューとなった記念すべき放送用録音。当時22歳だったフレイレだが、すでに独自のスタイルを確立しており、艶やかで表情豊かな演奏は聴き手を虜にする。ことに細かく速いパッセージでは驚くべき技巧の持ち主であることを再認識させられる。auditeレーベルが誇る1st Mater Releaseシリーズから最上の形でリリースされる。
究極のチューバ ヴァルター・ヒルガース(Tu)
フーベルト・ドレス(Org)
AU-97407
廃盤
カール・ライネッケ(1824-1910):三重奏曲集
ラヨシュ・レンチェシュ
 ~サティ、ピエルネ、フォーレ、ケックラン:夜の音楽
ラヨシュ・レンチェシュ(Ob)
ギゼーレ・ヘルベルト(Hp)
トロンボーンとオルガンのための作品集 アビ・コナント(Tb)
クレメンス・シュノール(Org)
シューマン:
 ペダルピアノとオルガンのための作品全集
アンドレアス・ロートコップフ
(ペダルピアノ/Org)
ラヨシュ・レンチェシュ
 ~シャルル・ケックラン:
   オーボエ、オーボエ・ダモーレ、
    イングリッシュ・ホルンのための作品集
ラヨシュ・レンチェシュ(Ob)
ショシャナ・ルディアコフ(P)
サロンのオペラ
 ~2本のフルートとピアノによるパラフレーズ集
ミュンヘン・フルート・トリオ
アルトゥール・ダンゲル:作品集 Vol.1 アルトゥール・ダンゲル(P)
ドイツ弦楽トリオ
ラウテンバッハーが登場、
 アルトゥール・ダンゲル:作品集 Vol.2
ズザーネ・ラウテンバッハー(Vn)
フリーダー・ベルニウス指揮
シュトゥットガルト室内cho.
ヨアヒム・ケッケルトSQ
C.R.ランドストレム(P)
ドイツ弦楽三重奏団
フランツ・ラハナー:エディプス王 イェルク=ペーター・ヴァイクレ指揮
ミュンヘン放送o.、バイエルン放送cho.
レーガー&ハインリヒ・カミンスキ:
 チェロ・ソナタ集
クリストフ・フォン・エルファ(Vc)
ゼーレン・ランドストレム(P)
ミロ三重奏団~ベートーヴェン、ブラームス、シェーンベルク
 ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 ハ短調 Op.1 No.3
 ブラームス:ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調 Op.101
 シェーンベルク/フェリクス・グライスル編曲:
  セレナード Op.24 ~ペトラルカのソネット第217番

  ミロ三重奏団
 録音:1994年10月、リューベック音楽大学。 (P) 1996 。
AU-97446
廃盤
パーカッション作品集 マルクス・ハウケ、
マイケル・キーダイシュ(Perc)
エセル・スマイス(スミス;1858-1944):ミサ曲 ニ長調 カトリオナ・スミス(S)
ヘレーネ・シュナイダーマン(A)
スコット・マク・アリステア(T)
アンドレアス・マッコ(B)
ヘルマン・トレフツ(Org)
ヘルムート・ヴォルフ指揮
ヴュルテンベルク・ロイトリンゲンpo.、
シュトゥットガルト・
 フィルハーモニアcho.
 録音:1997年4月20日、ライヴ。世界初録音。
20世紀のマリンバ作品集
 「マリンバ・スピリチュアル」
カテジナ・ミツカ(マリンバ)
ピアノとパーカッションによる20世紀音楽 スーザン・ヴェンクス、
マルクス・スタンゲ、
ルッツ・ビドリングマイア(P)
マルクス・ハウケ、
マイケル・キーダイシュ(Perc)
20世紀無伴奏合唱作品集 デイヴィッド・
 ピットマン=イェニングス(B-Br)
モニカ・マイアー=シュミット(S)
ゲオルク・グリュン指揮
ザールブリュッケン室内cho.
ラファエル・クーベリック
 ヤン・ノヴァーク(1921-1984):
  カンタータ「ディドー」/カンタータ「奇術師」
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 いわゆるチェコの民族精神とは離れた、独自の感性で現代音楽への志を貫いたヤン・ノヴァーク(ヴィーチェスラフとは別人)。ただそのウィットやユーモアは、役人やその取り巻きには過激な挑発として受け取られ、1968年のチェコ事件でついに国外へ。ただここでの作品は彼のそんな意思とは裏腹に前衛っぽさは皆無で、強烈な民俗色がにじみ出たもの。クーベリック指揮と言うのも見逃せない1枚。
バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第3番
エワルト:五重奏曲第2番
ブルジョワ:ブラス五重奏曲ソナタ
クレスボ:スピリチュアル・ワルツ
ミュンヘン・ブラス・
 クインテット
 ミュンヘン・ブラス・クインテットはバイエルンのオーケストラ首席達により結成された団体。
ボッテシーニ:コントラバス作品集
 メンデルスゾーン風の協奏曲/
 ショパン風カプリッチョ/メロディー第1番/
 メロディー第2番/エレジー/他
文屋玄徳(コントラバス)
ムジカ・ヴァリア・アンサンブル
 文屋玄徳は東フィルの首席コントラバス奏者を経て、現在はドイツで活躍している。
リスト:交響詩のオルガン編曲集
 [前奏曲/オルフェウス/プロメテウス/他]
ヘルムート・ドイチュ(Org)
 リストの交響詩をオルガン編曲版で。荘厳な響きがリストの華麗な世界を再構築する。なお、奏者は同姓同名のピアニストとは別人。
カテジナ・ミツカ~マリンバ・ダンス
 安倍圭子:タンブーラン・パラフレーズ
 マティアス・トーマス:ミニアチュール
 ネイ・ロザロ:前奏曲第1番
 ジョン・トローワ:オーロラ/他
カテジナ・ミツカ(マリンバ)
 ポーランド出身、美貌のマリンバ奏者ミツカはマリンバ界では大スターで、来日も果たしている。
パーカッション編曲集
 ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(全曲)
 フォーレ:シシリエンヌ
 シューマン:民謡小品集
 ドニゼッティ:ソナタ
 ブロイアー:アラ・ズルケ
 グリーグ:ワルツ・ブリランテ
デュオ・ヴィヴァーチェ
[アルブレヒト・フォルツ(Perc)
 アンドレア・バウマン(P)]
 壮絶、かつ見事な掛け合いで聞くものを圧倒するパーカッションとピアノ。全曲ムラなく楽しめる。
間奏曲~トロンボーン四重奏のための作品集
 パウル・ポイエルル(1570-1625頃):組曲
  [パドゥアーナ/イントラーダ/ダンツァ/ガリアルダ]
 パッヘルベル:幻想曲とフーガ
 ドビュッシー:
  前奏曲集第2巻~風変わりなラヴィーヌ将軍/
  子供の領分~象の子守歌/
  前奏曲集第2巻より
   [カノープ/ピックウィック卿をたたえて]
 ミッシミリアーノ(マッシミリアーノ?)・
  ネリ:4声のソナタ
 シャイト:来たれ、異教徒の救い主よ
  (1650年ゲルリッツのタブラチュア譜よりの2章)
 J.S.バッハ:コラール前奏曲/フゲッタ
 エーベルハルト・クラウス:
  12音による対位法第4番~コラール前奏曲
 フリーデマン・ヴィンクルホーファー:
  序奏とコラール
 ブクステフーデ:カンツォーナ
 シューマン:
  子供の情景Op.15 より
   [怖がらせ/詩人は語る]
  子供のためのアルバムOp.68 より
   [コラール/サンタクロースのお爺さん]
 シューベルト:軍隊行進曲第1番Op.51 D.733
 ヴェルディ:アヴェ・マリア(なぞの音階)
 フチーク:行進曲「剣士の入場」
 ベルンハルト・エッツェル:ヨーデル歌手
 ウェーバー:「魔弾の射手」序曲
ミュンヘン・トロンボーンQ
 メチャウマ!あきれ返るくらいに超絶! バイエルン放送so.首席ホルヒらによるトロンボーン・カルテットのアルバム。
 バイエルン放送so.の看板奏者ホルヒほか、ドイツの主要オケのトップが居並ぶトロンボーン・アンサンブルのアルバム。有名曲のアレンジから、あまり知られていないものまで、とにかくあきれるほどにうまい!繊細にして大胆な表現力。熱狂的なブラス・マニアはもちろん、オケ好きをもしびれさせる楽しさ満点の内容。
 トーマス・ホルヒ:バイエルン放送so.首席トロンボーン奏者。R.シュトラウス音楽院講師。2008年よりミュンヘン国立音楽大学でも教鞭をとることになっている。
 ダニー・ボンヴァン:ミュンヘン・フィル首席トロンボーン奏者、ミュンヘン・フィル・ブラス・アンサンブルのメンバー。ザルツブルク・モーツァルテウム教授。
 ウルリヒ・プフェルチュ:バイエルン国立歌劇場o.首席トロンボーン奏者
 フォルカー・ヘンジーク:バンベルクso.バス・トロンボーン奏者。ミュンヘン国立音楽大学講師。
 #通常のCDですが、高価格帯の商品です。
ジャン・ギユー(1930-):トッカータ Op.9
J.S.バッハ:
 トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV.564/
 いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV.659/ソナタ ハ長調 BWV.529
ロイプケ:詩篇第94
シュテファン・フランク(Org)
 録音:アウグスブルク、聖ウルリヒ&アフラ・バジリカ教会堂。使用楽器:ザントナー製オルガン。
クーベリック、マーラー・ライヴ Vol.3
 マーラー:交響曲第9番
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1975年6月4日、東京文化会館。ライヴ。収録:NHK、音源提供:バイエルン放送協会。クーベリックのマーラー・ライヴ・シリーズ第3弾。
 1975年の来日公演の伝説のライヴがマスター・テープからの初発売。この演奏会は当初、日比谷公会堂で行われる予定だったが、音響の悪さを理由にクーベリックが拒否(当然でしょう)、急遽東京文化会館に変更された。結果は空前の名演奏。クーベリックのスタジオ録音とライヴの違いはすでに明らかだが、この録音はスタジオ盤を上回るどころか、この作品の最高の名演盤の登場といっても過言ではなかろう。もちろん音質的にも抜かり無し。
妖精の踊り
 ~ジョゼフィーヌ・ラング(1815-1880):歌曲集
(全20曲)
ハイケ・ハラシュカ(S)
ハイディ・コメレル(P)
 歌手にして作曲家でもあったラングは、15歳で自作の歌曲をメンデルスゾーンの前で披露したというエピソードを残している。彼女はメンデルスゾーンが作曲教授を無償で引き受けるほどのお気に入りとなった。
ギターとピアノのための20世紀音楽
 イヴァン・シェコフ(1942-):幻想曲
 グイド・サントルソラ(1904-1994):デュオ・ソナタ第3番
 フランツ・コンスタント(1910-1996):
  平穏 Op.80/版画 Op.81/舞曲 Op.82
 カステルヌオーヴォ=テデスコ:幻想曲 Op.145
 ハンス・ハウク(1900-1967):幻想曲
 バーナード・スティーヴンズ(1916-1983):
  オータム・シークエンス Op.52
 南 聡(みなみ さとし;1955-):
  「コスチュームズ/Aサーキット」Op.45 No.1
山本直人(G)
山本江利子(P)
 「聴くべき技術力と音楽性」と評され、ドイツで人気の高いギタリスト、山本のアルバム。
ヤン・ウェルメルス(1937-):
 オルガンのためのミニマル・ミュージック

 ラウダーテ・ドミニム/セクエンツィア/リタニー/
 インヴォカツィオーネ(祈り)
マルクス・ゲッゲ(Org)
 メミンゲン、聖マルティン教会のゴル製オルガンを使用。
エクス・オリエンテ・ルクス(東方からの光)~
 北欧・東欧の無伴奏合唱名作品集

 クヌート・ニーステッド: Adore te
 ジェルジ・オルバーン: Cor Mundum
 ヨージェフ・カライ: De Profundis
 ラヨシュ・バールドシュ: Libera me
 ラフマニノフ: Bogorodice Djevo
 ウルマス・シサスク: Benedictio
 アルヴォ・ペルト:マニフィカト
 ペトル・エベン:サルヴェ・レジナ
 ミルチェア・ヴァレリウ・ディアコネスク: Lumina Lina
 クシシトフ・ペンデレツキ: Izhe Cheruvimi
 チャイコフスキー: Izhe Cheruvimi
 アレクサンドル・グレチャニノフ: Izhe Cheruvimi
 ドル・ポポヴィチ: Imn Byzantin
ハラルト・ニコル指揮
アーヘン・
 カルミナ・ムンディ(室内cho.)
リスト:オルガン作品集
 B-A-CーHによる前奏曲とフーガ/
 コンソレーション第4番 変ニ長調/
 泣き、嘆き、悲しみ、おののき/
 コンソレーション第5番 ホ長調/
 コラール「アド・ノス、
  アド・サルタレム・ウンダム」による幻想曲とフーガ
ヘルムート・ドイッチュ(Org)
 使用楽器:フェルクリンゲン贖罪教会のヴァルッカー/シュケ・オルガン。
 ドイッチュは1993年ブダペスト・リスト・コンクール第1位。
カテジナ・ミツカ~マリンバ・コンチェルト
 アンデルス・コッペル(1947-):マリンバ協奏曲第1番
 エックハルト・コペツキ(1956-):
  マリンバと弦楽のための協奏曲
 カール=ハインツ・ケペル(1927-):サンバ・クラシーク
 安倍圭子(1937-):プリズム・ラプソディII
カテジナ・ミツカ、
フランツ・バッハ(マリンバ)
ドミニク.ファナル指揮
ザールブリュッケンRSO
 優秀録音。「マリンバの妖精」ミツカの協奏曲アルバム。
 「マリンバ・スピリチュアル」(AU-97450)、「マリンバ・ダンス」(AU-97462)の2枚で、独奏楽器としてのマリンバの可能性を強く印象づけたミツカ。最新録音では協奏曲に挑戦。陰影豊かな表現と起伏の大きなパフォーマンスも冴え渡り、鮮やかなマレットさばきに心が奪われる。
20世紀フランスのトロンボーン・リサイタル
 ボザ:バラード
 ボノー:奇想曲
 ジャン=ミシェル・ドゥファイ:運動
 ブートリー:協奏曲
 ジャック・カステレード:ソナチネ
 デュティユー:コラール/カデンツとフガート
 ブートリー:トロンボネラ
トマス・ホルホ(Tb)
フリッツ・ワルター(P)
 録音:2002年3月18日-21日、バイエルン放送スタジオ2、ミュンヘン。
 22歳でカラヤン時代のベルリン・フィルで、そして現バイエルン放響第1首席奏者を務めるホルホによる、パリ国立高等音楽院のコンクール用応募作品(当然ながら難曲ばかり)を柔らかく吹き上げる録音。コーダ間近で「ワルキューレの騎行」のパッセージが顔を覗かせるボザに始まり、ブラスの名門ギャルド=レピュブリケーヌの指揮者としても有名なブートリーで終わる全7曲。
トゥリーナ:
 ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための幻想曲 Op.91「環」
ヘルマン・ツィルヒャー(1881-1948):
 ピアノ三重奏曲 ホ短調 Op.56
ドヴォルザーク:
 ピアノ三重奏曲第4番 ホ短調 Op.90「ドゥムキー」
トゥリーナ三重奏団
 民俗情緒をピアノ三重奏という媒体を通して反映させた作品集。
AU-97482
廃盤
メンデルスゾーン:無言歌集(20曲) ハイディ・コメレル(Fp)
月・夜・夢~19&20世紀の合唱作品集
 レーガー:
  私は夜、夢を見た/月は昇る/
  どうしてあなたはそんなにも悲しんでいるの?
 コダーイ:夕べ
 ブラームス:
  ダルトゥラの哀悼の歌/ひっそりと月は昇る/夜警I・II
 シューマン:おぼろげな光り
 ブリテン:神聖と世俗~長い夜
 ハラルト・ゲンツマー(1909-):
  悲しい極みの月/黒い月/南米の歌~白い孤独
 ヴォルフ:あきらめ
 ラインベルガー(1839-1901):夕べの歌
ヴォクス・ボナ
(ボン十字架教会室内cho.)
モーツァルト:オルガン作品集
 アダージョとロンドK.617/アダージョ ハ長調K.356/
 アダージョとフーガ ハ短調K.426(546)/
 アンダンテ ヘ長調K.616/組曲 ハ長調K.399/
 トリオ ト長調K.443/フーガ ト短調K.401/
 フーガ 変ホ長調K.153/フーガ ト短調K.154/
 2つのフーガK.154a/アダージョとアレグロ ヘ短調K.594/
 アレグロとアンダンテ ヘ短調K.608
マルティン・ザンダー(Org)
 録音:2001年9月4日~6日、チロル、オーストリア。使用楽器:ブリクセンタールのホプフ・オルガン、聖ヤコプ&聖レオンハルト教区教会のメツラー・オルガン。
 あまり聴く機会が多いとはいえない、モーツァルトのオルガン作品をまとめたアルバム。
マーラー夫妻の歌曲集
 グスタフ・マーラー、アルマ・マーラーの作品
ザビーネ・
 リッダーブッシュ(S)
ハイディ・コメレル(P)
 最近になって発見されたアルマの作品の世界初録音を含む。
ヴュータン:ヴィオラとピアノのための作品全集
 ヴィオラ・ソナタ 変ロ長調Op.36/
 無伴奏ヴィオラのための奇想曲(遺作)/
 ヴィオラ・ソナタ(遺作/未完)/悲歌Op.30
トーマス・
 ゼルディッツ(Va)
ヴラディミル・
 ストゥペル(P)
 録音:2001年10月29日~31日、ベルリン。
 ヴュータンの珍しい「ヴィオラ」のための作品。全曲に濃厚なロマンチシズムが漂い、未完のソナタが含まれているのもポイントが高い。ゼルディッツはゲーデ・トリオの一員としても活躍中で、 ベルリン響の首席やベルリン国立歌劇場管の首席も務めたことがある。
リヒャルト・フランク(1858-1938):
 ピアノ三重奏曲集

 [ロ短調Op.20/変ホ長調Op.32]
クリストフ・シッケダンツ(Vn)
トマス・ブレース(Vc)
ベルンハルト・
 フォグラシェエル(P)
 録音:2002年2月25日-27日、SWRスタジオ。
 AUDITE通算7枚目となる、「有名でない」フランクの作品集。こだわりのシリーズだけあって、そのロマン派の香りをふんだんに吸い込んだ三重奏は、埃を被らせておくのは惜しい。 リヒャルト・フランクの父エドゥアルト(1817-93)は、メンデルスゾーンの友人・弟子であり、ライネッケに学んだ息子リヒャルトと共に父子揃ってすぐれたピアニストだった。 ブラームスやシューマンあたりの室内楽がお好きな方には、きっと歓びと興奮を約束してくれる一枚。
プーランク:
 ヴァイオリン・ソナタ「ガルシーア・ロルカの思い出に」
ファリャ(コハンスキ編):スペイン民謡組曲
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
マスネ:タイースの瞑想曲
デュオ・エステルハージ
[スヴェトラナ・
  フォミーナ(Vn)
 ハネス・ゾンターク(P)]
ラヴェル:ヴァイオリンとチェロのためのソナタ
シュールホフ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲
コダーイ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲
ハルヴォルセン:ヘンデルの主題によるパッサカリア
リー・キュン・スン(Vn)
ティルマン・ウィック(Vc)
 ヴァイオリンとチェロのためにかかれた20世紀の作品集。シュールホフは「頽廃音楽」マニア、ハルヴォルセンは北欧音楽マニア必携。リー・キュン・スンは韓国出身、 1994年のチャイコフスキーコンクールのヴァイオリン部門で6位に入賞している。
アンリ・トマジ(1901-1971):サクソフォン協奏曲
アンドレ・カプレ(1878-1925):伝説
ジャン・アブシル(1893-1974):ファンタジー=カプリス
マリウス・コンスタン(1925-):ムジク・ドゥ・コンセール
ドビュッシー:ラプソディ
ドミニク・タッソ(Sax)
マンフレート・ノイマン指揮
ミュンヘン放送o.
 録音:2002年。
 20世紀フランスの、サクソフォンと管弦楽のための作品を集めたもの。ちなみにコンスタンはトワイライトゾーンのテーマ曲を作曲している。ドミニク・タッソは1960年生まれでパリ音楽院に学んだサックス奏者。
エドゥアルト・フランク(1817-1893):
 弦楽六重奏曲 変ホ長調 Op41/弦楽六重奏曲 ニ長調 Op50
エディンガーSQ
レオ・クレッペル(Va)
マティアス・ドンデラー(Vc)
 Auditeが再評価に力を入れるエドゥアルト・フランクの弦楽六重奏曲を2曲収録。この作曲家は写真を見ると堅実な性格俳優のような渋い風貌で、そして作品がまたそのままの印象。 地味ながら味のあるドイツのロマン主義が染み渡り、 ブラームスの弦楽六重奏曲が好きな方へ特にお勧めできる。
フランス近代のオーボエ曲集
 トマジ:ミレイユの墓(*)
 フランク:小品第5番
 ロパルツ:哀歌
 ラドミロー:アダージョ
 ルーセル:アリア
 プレヴィル:マネ
 ボザ:田園幻想曲/ハーディ=ガーディの歌/
     牧歌風物語/アリア
 ジョルジュ・ユゴン:孤独の歌
 ジャック・ムルジエ:奇想曲
 タイユフェール:ロンド
 デュレ:オーボエ独奏のための3つの小品
 オーリック:即興曲
ラヨシュ・
 レンチェーシュ(Ob)
フランソワ・キリアン(P)
レオ・レンチェーシュ
(タンブラン;*)
 録音:2002年、シュトゥットガルト。
 フランス近代のオーボエ曲だけでまるごと一枚というおしゃれなアルバム。ミュンシュ時代のパリ音楽院管コンマス、ムルジエの珍しい名前がある中、目を惹くのはフランク唯一のオーボエ用オリジナル曲「小品第5番」。馥郁と拡がる甘美でせつない音色に思わず恍惚となる作品。
ブラームス:弦楽四重奏曲第1番 ハ短調 Op.51 No.1
フリードリヒ・ゲルンスハイム(1839-1916):
 弦楽四重奏曲第2番 イ短調 Op. 31
マンデルリングSQ
 最近、大作曲家の友人や同時代人の作曲家の作品がクローズアップされる機会が増えている。たしかに同時代の人の作品と比較をすることで様々な発見があり、もちろん大作曲家ほどではないにせよ名作に出会えたりもする。このアルバムは、ブラームスの友人として知られるゲルンスハイム(この作曲家の国内盤[交響曲全集/Arte Nova。輸入盤は74321-63635-2]で採用されたため、日本でよく見られるゲルンシャイムという表記は輸入元によれば疑問点があるとのことだが、当店では輸入元によるゲルンズハイムという表記も採用せず、ニューグローブ世界音楽大事典・日本語版に従いゲルンスハイムとした)の弦楽四重奏曲を収録。ゲルンスハイムはブラームスより6年遅くドイツのヴォルムに生まれ、若い頃はピアニストとして活躍、ことにショパンとシューマンの演奏では一目置かれる存在であった。1874年にロッテルダム音楽院の院長に就任、1890年以降はベルリンで指導者として活躍した。作曲家としても多数の作品を残している。弦楽四重奏曲第2番はブラームスの作品と2年違い、ブラームスの個性をはかる上でも興味深いす。マンデルリング四重奏団のキッチリした演奏も好感度大。
ブラームス:弦楽四重奏曲第3番 変ロ長調 Op.67
ハインリヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルク(1843-1900):
 弦楽四重奏曲 ト短調 Op.42-1
マンデルリングSQ
 ヘルツォーゲンベルクは近年いろいろなレーベルからアルバムがリリースされ、再評価の気運をみせるドイツ・ロマン派の作曲家。デッソフ(ブラームスの第1交響曲を初演指揮)のもとで1862年-1964年に作曲を学び、またブラームスの弟子でもあり親友でもあったピアノ奏者エリーザベトと結婚したこともあって、ブラームスと生涯にわたる親交を結んでいる。そのブラームスを手本としたとされる四重奏曲は基本的に古典派の様式に拠りながらも、起伏に富み味わいも豊か。なかでも中間2楽章の表現力には心奪われる。ブラームスとそのゆかりの作曲家のカルテットに光をあてるユニークなシリーズの第2弾。
ブラームス:弦楽四重奏曲第2番 イ短調 Op.51-2
フェリックス・オットー・デッソフ(1835-1892):
 弦楽四重奏曲 ヘ長調 Op.7
マンデルリングSQ
 デッソフは、ブラームスに任されて1876年にカールスルーエで第1交響曲を初演したことから音楽史上にその名を残す指揮者。19歳で既にカペルマイスターの地位にあり、1860年ウィーンの宮廷歌劇場に任命されるころにはめざましい経歴を築いていた。指揮者としてブラームスの作品に強く心酔し、ブラームスに献呈されたこの四重奏曲は、「いまこんなにも親密なしぐさで微笑みかけてくるカルテットを、こんなことって初めてみたいだけど、ほんとうにありがとう。」とブラームスがデッソフに言葉を寄せたほど。内容は、リズムや和声もところどころにブラームスを思わせる作風が垣間見られ、陽気で楽しく聴き手にストレートにその魅力が伝わって来る。なお、デッソフは自作の価値について懐疑的なところもブラームスに似ていて、このカルテットをブラームスの同意を確信して初めて出版しようという慎重さもみせている。ブラームスとそのゆかりの作曲家のカルテットに光をあてるユニークなシリーズの第3弾。
ベートーヴェン:弦楽三重奏曲Op.9(全3曲) ジャック・ティボー・トリオ
[ブルクハルト・マイス(Vn)
 フィリップ・ドゥフィア(Va)
 ウーヴェ・
  ヒルト=シュミット(Vc)]
 ベートーヴェンは弦楽四重奏曲が傑作揃いのため、弦楽三重奏曲の人気は今一つ。しかし、ヴァイオリンが一本少ないという制約が偉大な芸術家の意欲をかき立てる原動力となったのか、 これらベートーヴェンの作品は、黙って聞かせたらしばらくは三重奏曲と気付かないほど見事に密な音楽が広がる。偉大なヴァイオリニストの名前を冠したジャック・ティボー・トリオは、 1994年にベルリンで結成され、大変高い評価を得ている団体。
ゴードン・ジェイコブ(1895-1984):
 7つのバガテル(無伴奏オーボエのための)/
 6つのシェークスピアのスケッチ
  (弦楽三重奏のための)/
 四重奏曲(オーボエと弦楽のための)
アンサンブル・ピュウ
 録音:2002年&2003年。
 ジェイコブはロンドン生まれの作曲家で、日本ではブラス作品で知られている人。ここに収録された彼の室内楽作品は、静かで知的な雰囲気を持っている。
序曲~トロンボーン四重奏のための作品集
 プレトリウス:ダンス組曲
  [イギリスのバレエ/ガイヤルド/
   バレエ/クーラント]
 J.S.バッハ:前奏曲とフーガ ハ短調BWV.885
 ボワモルティエ:4声のソナタ
 ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲
 バーバー:弦楽のためのアダージョOp.11
 ドビュッシー:小組曲(?)
  [ミンストレル/亜麻色の髪の乙女/
   ゴリウォーグのケークウォーク]
 ブラームス:ハンガリー舞曲第3番
 同:ハンガリー舞曲第4番
 ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクァーレ」序曲
ミュンヘン・トロンボーンQ
 メチャウマ!あきれ返るくらいに超絶! バイエルン放送so.首席ホルヒらによるトロンボーン・カルテットのアルバム。
 トーマス・ホルヒ:バイエルン放送so.首席トロンボーン奏者。R.シュトラウス音楽院講師。2008年よりミュンヘン国立音楽大学でも教鞭をとることになっている。
 ダニー・ボンヴァン:ミュンヘン・フィル首席トロンボーン奏者、ミュンヘン・フィル・ブラス・アンサンブルのメンバー。ザルツブルク・モーツァルテウム教授。
 ウルリヒ・プフェルチュ:バイエルン国立歌劇場o.首席トロンボーン奏者
 フォルカー・ヘンジーク:バンベルクso.バス・トロンボーン奏者。ミュンヘン国立音楽大学講師。
ジャン・クラ(1879-1932):弦楽三重奏曲
レーガー:弦楽三重奏曲 イ短調 Op.77b
ドホナーニ:セレナード ハ長調 Op.10
コダーイ:間奏曲
ジャック・ティボー・トリオ
[ブルクハルト・マイス(Vn)
 ハンナ・ストライボス(Va)
 ボグダン・〔注:代理店記載ママ〕(Vc)]
 録音:2014年2月18日-20日、ベルリン。チェロ奏者は「ボグダン・ジアヌ」と思われるが、代理店のアナウンスにはファーストネームしか記載されていない。1994年に結成され、結成当時から弦楽トリオの作品で演奏機会に恵まれない、しかし素晴らしい作品も積極的に演奏してきた団体が、 結成20周年となる2014年、2004年1月に発売された前作ベートーヴェンの弦楽三重奏曲集 Op.9(AU-97508)以来、約10年ぶりに録音したアルバム。いずれも頻繁に演奏される作品ではないが、各作曲家の特徴を持った魅力的な作品ばかり。
クラリネットとピアノのための音楽 Vol.1
 シューマン:幻想小曲集 Op.73
 ドビュッシー:クラリネットのための第1狂詩曲
 サン=サーンス:クラリネット・ソナタ 変ホ長調 Op.167
 プーランク:クラリネット・ソナタ
 アーノルド:クラリネットとピアノのためのソナチネOp.29
アーサー・キャンベル(Cl)
ヘレン・マルレー(P)
 録音:2005年6月12日-15日、2011年14日-15日、ロルストン・リサイタルホール(カナダ)。クラリネット界注目の名手アーサー・キャンベルが、シューマンやドビュッシーをはじめとする珠玉のクラリネット・ソナタ集を収録。数多のクラリネット・ソナタの中でも名曲と謳われる曲の数々を一度に堪能できる、聴き応えたっぷりな1枚。どの曲も難易度が高く、自他ともにヴィルトゥオーゾと認められるキャンベルの卓越した演奏技術を堪能できるプログラムと言えるだろう。共演者のマルレーはキャンベルと共に世界各地で演奏活動を行ってきたパートナー。シューマンやドビュッシーのロマンあふれる響きから、ジャズに影響を受けたアーノルドらしい軽快な響きまで、クラリネットの多彩な魅力が存分に詰まった1枚。
マゼール&ベルリン放響 + ケンプ、ライヴ
 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37(*)
 ハイドン:
  交響曲第94番 ト長調 Hob.I-94「驚愕」(#)
ヴィルヘルム・ケンプ(P)
ロリン・マゼール指揮
ベルリン放送so.
 録音:1971年4月5日(*)、1975年6月8日(#)、ベルリン、放送局スタジオ・第1ホール、ライヴ。おそらく共に初出音源。
 ドイチュラントラジオ・クルトゥーアの音源からのCD化。キャリアの最初期より天才の名をほしいままにして、押しも押されぬ現代の巨匠指揮者となったロリン・マゼール。ベルリン放送so.(現:ベルリン・ドイツso.)の首席指揮者時代(1964-1975)、J.S.バッハの管弦楽組曲やブランデンブルク協奏曲をはじめ、おもに当時のフィリップスやオイロディスクに多くの録音を残したが、ことライヴとなるとほとんど知られていない。
 オピッツの師で屈指のベートーヴェン弾きケンプとのベートーヴェンは、おそらくケンプにとって1970年代では初の同曲。他の4曲も全て1960年代までの録音のみだったはずで稀少。覇気に満ちたマゼールのヒロイックな指揮ぶりと、あじわい芸のピアノとの個性の対照が、協奏曲を聴くおもしろさを体現したかのような演奏。カデンツァはケンプ自作。
 いまはめずらしくなったモダーン・オケによる「驚愕」。輝かしい鳴りっぷりとピシッと揃ったアンサンブルにたしかにただものではないマゼールの才気を感じさせる。ベートーヴェンの前に拍手入り。
ホルンとピアノのためのフランス音楽
 サン=サーンス:ロマンス ヘ長調 Op.36 (1874) /ロマンス ホ長調 Op.67 (1885)
 ジャン=ミシェル・ダマーズ(1928-):ホルンとピアノのためのソナタ
 ジャン=ミシェル・デュファイエ(1932-):ホルンとピアノための「 ALPHA 」
 プーランク:エレジー / デュカ:ヴィラネル
  グリエルモ・ペッラリン(Hr;*) フェデリーコ・ロヴァート(P;#)
 録音:2009年7月10日-13日、フィエーラ・ディ・プリミエーロ、トレント、イタリア。使用楽器:パクスマン・モデル 20M (*)/スタインウェイ・モデルD(#)。ローマの聖チェチーリア国立音楽院o.首席ホルン奏者ペッラリンが、目の覚めるテクニックで聴かせるホルン作品集。このジャンル屈指の名曲&難曲「デュカのヴィラネル」をはじめ、ナチュラル・ホルンからバルブ式ホルンにかけての発展過程で、独自の発展を遂げたフランスのホルン作品を取り上げている。なかでも、アルバム独自のカラーを打ち出しているのが、20世紀前半に生まれたダマーズとデュファイエの作品。初録音となるダマーズのホルン・ソナタは、ワーグナーの「ジークフリート牧歌」の第1主題の引用とおぼしきテーマが第1楽章で何度も現われたり、主題と変奏の形式によるアンダンテでは、リズムのせいか、ややジャズ風の香りを漂わせたりするのが特徴的。デュファイエのALPHAは1973年にパリ音楽院のホルン最終試験用に書かれた課題曲。2オクターヴ以上に及ぶ半音階パッセージ、タンギングつきのロング・トーン、さらに超低音域を吹かせたりするいっぽうで、最後のレントのセクションでは、ただピアノはさまざまな和音を鳴らすだけなのに、ホルンには自由な表現を要求したりと、まさしく実力をこれでもかと試してくるかなりの難曲で、こちらもまた、ジャズのエッセンスを取り入れた内容が聞かれる。それにつけても、ペッラリンのホルンは絶品。根っからの管楽器ファンでなくとも、いつしか引き込まれる内容となっている。
 グリエルモ・ペッラリン:1984年イタリア共和国ヴェネト州ヴェネツィア県のポルトグルアーロ生まれのホルン奏者。7歳でホルンを始める。ウーディネのジャコポ・トマディーニ音楽院で学び、優秀な成績で卒業する。在学中に、J.コルティ、I.ジェイムズ、L.シーマン、M.マスクニイティ、A.コルジーニ、L.ヴィニャーリ各氏のホルンと室内楽のマスタークラスを受講。グロッセート室内楽コンクール(第1位)、サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ(1位なしの第2位)、ペルージャ(第2位)、ウーディネのポヴォレットで開催された「若き音楽家のためのコンクール」(第3位)といったコンクールにおいて数多くの入賞を果たす。2008年2月より聖チェチーリア国立音楽院o.首席ホルン奏者。マゼール、メータ、ガーディナー、キタエンコ、ビシュコフ、R.アバドといった指揮者のもと、トスカニーニso.、トリエステのテアトロ・ヴェルディo.、ミラノ・スカラ座ならびにスカラ座po.でも定期的に演奏。
ムファット(1653-1704):ミサ「 IN LABORE REQUIES 」(24声)
アントニオ・ベルターリ(1605-1704):ソナタ(13声)/ソナタ「聖プラテーディ」(14声)
ビーバー(1644-1704):ソナタ(5声)〔第6番/第8番〕
ヨハン・ハインリヒ・シュメルツァー(1623-1680):ソナタ第12番(7声)
 ヨハンネス・シュトロープル指揮カペッラ・ムレンシス&レ・コルネ・ノワール
 録音:2015年8月2日-5日、ムーリ修道院所属教会。メインとなるムファットのミサは、ザルツブルク大聖堂での演奏を想定して作曲された。トランペット5、コルネット2、トロンボーン3、ティンパニ、ヴァイオリン2、ガンバ3、通奏低音、2群の4部合唱を要する。当時の演奏に倣い、この録音では教会の1階正面のほか、4隅にあるバルコニーにそれぞれ演奏者を配置しており、四方から降り注ぐ音楽が感動的。レ・コルネ・ノワールの第1ヴァイオリンは近年名をあげている名手アマンディーヌ・ベイエで、カップリングのソナタも秀逸。
神聖ローマ皇帝レオポルト1世(1640-1705):
 スターバト・マーテル/聖母マリアの7つの悲しみのモテット/死者のためのミサ曲/3つのレッスン~第1番

 ヨハンネス・シュトロープル指揮カペッラ・ムレンシス&レ・コルネ・ノワール
 録音:2015年8月6日-8日、ムーリ修道院所属教会。神聖ローマ皇帝レオポルト1世は音楽にも非常に造詣が深く、教会音楽やオペラの作曲家としても名を残している。1人目と2人目の妻に若くして先立たれた人生でもあり、音楽から悲しみと、平穏な美しさを求める思いが伝わって来る。「スターバト・マーテル」は四部合唱とガンバ3、ヴィオローネ、コルネット、トロンボーン2、ファゴットのための作品で、深い悲しみに満ちたロ短調が支配し、冒頭は弦楽のみの短いソナタでしめやかに始まる。「死者のためのミサ曲」(レクイエム)は、最初の妻のために書かれたもので、声楽、弦楽、管楽それぞれが5声のグループに分かれている。また「3つのレッスン」は2人目の妻のために書かれたもので、こちらもレクイエムの雰囲気を持っている。
ホリガー&ケルン放響~シューマン(1810-1856):交響曲&管弦楽曲全曲集
 交響曲第1番 変ロ長調 Op.38「春」(*) /序曲、スケルツォとフィナーレ(#) /
 交響曲第4番 ニ短調 Op.120 (1841年原典版)(#)
  ハインツ・ホリガー指揮ケルンWDRso.
 録音:2012年1月23日-27日(*)、2012年3月19日-23日(#)、フィルハーモニー、ケルン、ドイツ。audite レーベルから発売されているケルンWDRso.の新シリーズ。指揮は世界的オーボエ奏者のホリガー。新しく至難なオーボエ奏法を開拓し、バロックから現代の作品まで数々のメインを披露してきたが、1980年代に指揮活動に進出後指揮活動がメインとなり、現在では指揮者としてレパートリーを問わず演奏している。ドイツのケルンに本拠を置く放送局所属のオーケストラである名門ケルンWDRso.と巨匠ホリガーが誠実なシューマンの演奏を聴かせてくれる。交響曲 ニ短調(1841年原典版)は初め「交響的幻想曲」という標題をもち、交響曲としては2番目の作品だったが、評判が芳しくなかったために10年後に金管部分を改訂し、交響曲第4番 Op.120として出版された。当シリーズで高水準の演奏で原典版をauditeレーベルが誇る優秀録音で聴けるのも嬉しい限り。
シューマン(1810-1856):交響曲&管弦楽作品全集 Vol.2
 交響曲〔第2番 ハ長調 Op.61 (*) /第3番 変ホ長調 Op.97「ライン」(#) 〕
  ハインツ・ホリガー指揮ケルンWDRso.
 録音:2012年1月23日-27日(*)、2012年3月19日-23日(#)、フィルハーモニー、ケルン、ドイツ。Vol.1:交響曲第1番&第4番 (AU-97677) 。世界的オーボエ奏者のホリガー指揮 ケルンWDRso.によるシューマン・シリーズ第2弾。ホリガーは新しく至難なオーボエ奏法を開拓し、バロックから現代の作品まで数々のメインを披露してきた。1980年代に指揮活動に進出後、指揮活動がメインとなり、現在では指揮者としてレパートリーを問わず演奏している。
ホリガー~シューマン交響作品全集 Vol.3
 チェロ協奏曲 イ短調 Op.129 /
 交響曲第4番 ニ短調 Op.120 (1851年改訂版)
オレン・シェヴリン(Vc)
ハインツ・ホリガー指揮
ケルンWDRso.
 録音:2013年4月8日-11日、ケルン・フィルハーモニー/制作: WDR 。ハインツ・ホリガー&ケルンWDR響による、シューマンの交響曲および、協奏曲、序曲も含めた管弦楽曲を全曲録音するシリーズ第3弾。オーボエ奏者、指揮者として、同時に作曲も手がけるホリガーは、シューマンを長年敬愛しており、その意味ではおおいに力の入ったプロジェクトといえるわけだが、いずれの演奏内容も十分な研究の成果を感じさせる物。なによりひびきが混濁せずにテクスチュアが明快に聴きとれるのがすぐれたところで、指揮者ホリガーの手腕にはたしかなものがある。第3弾の2作は、シューマンがデュッセルドルフの音楽監督時代に作曲、改訂され、全篇切れ目なく演奏される特徴が共通する。交響曲第4番は、既にシリーズ第1集(AU-97677)で通常のヴァージョンとは異なる1841年版、いわゆる初稿が録音済だが、当巻では一般的に知られる1851年版が収録された。第4交響曲が改訂された前年、1850年作曲のチェロ協奏曲は、およそ派手さとは無縁ながら、詩情あふれる独奏チェロとオーケストラとの親密な対話が聴きものといえる作品。ソリストを務めるオレン・シェヴリンは、1969年イングランドのオールダム生まれ。ラファエル・ゾンマー、ボリス・ペルガメンシコフ、フランス・ヘルメルションに師事したのち、1996年のヘルシンキにおけるパウロ・国際チェロ・コンクール第2位、2001年パリのロストロポーヴィチ・チェロ・コンクール優勝第2席という入賞歴を持ち、1998年よりケルンWDR響の首席チェロ奏者を務めている。使用楽器は1850年製英国のジョン・フレデリック・ロット。
エドゥアルド・フランク(1817-1893):管弦楽作品集 Vol.3
 大オーケストラのための序曲「ローマの謝肉祭」Op.21 /
 ヴァイオリンとオーケストラのためのコンツェルトシュトゥック/
 オーケストラのための幻想曲 Op.16 /大オーケストラのための演奏海用序曲 Op.12
  クリスティアーネ・エディンガー(Vn)
  オーラ・ルードナー指揮ロイトリンゲン・ヴュルテンベルクpo.
 録音:2011年7月25日-29日、ロイトリンゲン・ヴェルテンベルク・フィルハーモニー・スタジオ。Vol.1:AU-20025、Vol.2:AU-20034。auditeが誇る密かな人気シリーズ、「エドゥアルド・フランク再評価シリーズ」。好評の弦楽五重奏作品集(AU-92578)に続く今回は、久々となるオーケストラ作品集。 オーケストラ作品の第3集となる本アルバムでは1840年~50年代に作曲された作品を収録。生前はピアニストとして高い評価を受け、作曲家だけでなく教師としても広く活躍したE.フランク。偉大な作曲家たちの世代間を結ぶ橋渡し役としても活躍したE.フランクの音楽は、世代を超えた響きを併せ持っている。本アルバムに収録された作品からも、師であるメンデルスゾーンの古典的な響きと、後のブラームスを思わせる輝かしくも深みのある響きが合わさったフランクならではの魅力を堪能出来る。知る人ぞ知る珠玉の作品の数々を聴くことができる希少な名盤と言えるだろう。
 今回もヴァイオリン・ソロを担当するのはクリスティアーネ・エディンガー!シリーズ初期より参加し、E.フランクの再評価に大きく貢献してきた名手が本アルバムでも卓越した演奏を聴かせてくれる。オーケストラはヴァイオリニストとしても著名なオーラ・ルードナー率いるロイトリンゲン・ヴュルテンベルクpo.。1945年に設立され、2001-2007には飯森範親が音楽総監督に就任したことでも話題となった名門オーケストラ。ドイツが誇る名手らの豪華共演によって、E.フランクの音楽が現代によみがえる。
エドゥアルド・フランク(1817-1893):ピアノ三重奏曲集
 〔ホ長調(1835) /変ホ長調 Op.22 /ニ長調 Op.53 〕
 スイス・ピアノ・トリオ
 [アンジェラ・ゴルベワ(Vn) セバスティアン・ジンガー(Vc) マルティン・ルーカス・シュタウプ(P)]
 録音:2013年4月28日-5月1日、ヌシャテール、スイス。audite の密かな人気シリーズ「エドゥアルド・フランク再評価」シリーズ。近作では弦楽五重奏作品集(AU-92578)、オーケストラ作品集 Vol.3(AU-97686)があったが、今回はピアノ三重奏曲。E.フランクは生前ピアニストとして高い評価を受け、作曲家だけでなく教師としても広く活躍、大作曲家たちの世代間を結ぶ橋渡し役としても、その音楽は世代を超えた響きを持っている。ピアノ三重奏曲も、師メンデルスゾーンの古典的な響きと、後のブラームスを思わせる輝かしくも深みのある響きが合わさっている。演奏は1998年に結成され、数々コンクール受賞歴を誇る若手実力派スイス・ピアノ・トリオ。AUDITEレーベルにはチャイコフスキー:「偉大な芸術家の思い出」(AU-92673)、クララ・シューマン:ピアノ三重奏(AU-92549)をはじめ、質の高い素晴らしい録音をリリースしている。
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲全集 Vol.1
 〔第1番 変ホ長調 Op.1 No.1 /第7番 変ロ長調 Op.97「大公」〕
 スイス・ピアノ・トリオ[アンジェラ・ゴルベワ(Vn)
  セバスティアン・ジンガー(Vc) マルティン・ルーカス・シュタウプ(P)]
 録音:2014年3月9日-10日、4月13日-15日、アッペンツェル、スイス。1998年に結成され、数々のコンクール受賞歴を誇る実力派のスイス・ピアノ・トリオがついにベートーヴェンのピアノ三重奏曲の全曲録音を開始。エドゥアルド・フランク(1817-1893)のピアノ三重奏曲集(AU-97690)をはじめ、チャイコフスキーの「偉大な芸術家の思い出」(AU-92673)、クララ・シューマンのピアノ三重奏(AU-92549)など、質の高い素晴らしい録音をリリースしており、このベートーヴェンの全曲録音も期待が高まる。スイス・ピアノ・トリオが満を持して録音した「大公トリオ」をお楽しみ頂きたい。
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲全集 Vol.2
 〔第2番 ト長調 Op.1 No.2 (*) /第5番 ニ長調「幽霊」 Op.70 No.1 (#) 〕
 スイス・ピアノ・トリオ[アンジェラ・ゴルベワ(Vn) セバスティアン・ジンガー(Vc)
               マルティン・ルーカス・シュタウプ(P)]
 録音:2013年11月24日-26日(#)、2015年1月11日-13日(*)、アッペンツェル、スイス、セッション。1998年に結成され、数々のコンクール受賞歴を誇る実力派のスイス・ピアノ・トリオによるベートーヴェンのピアノ三重奏曲、第1弾(AU-97692)に続く第2弾。スイス・ピアノ・トリオは、ベートーヴェンの他にエドゥアルド・フランク(1817-1893)のピアノ三重奏曲集(AU-97690)、チャイコフスキーの「偉大な芸術家の思い出」(AU-92673)、クララ・シューマンのピアノ三重奏(AU-92549)など、質の高い素晴らしい録音をリリースしている。
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲全集 Vol.3
 ピアノ三重奏曲〔第3番 ハ短調 Op.1 No.3 (*) /第6番 変ホ長調 Op.70 No.2 (#) 〕/
 ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための14の変奏曲 変ホ長調 Op.44 (+)
  スイス・ピアノ・トリオ[アンジェラ・ゴルベワ(Vn) セバスティアン・ジンガー(Vc)
                マルティン・ルーカス・シュタウプ(P)]
 録音:2015年7月15日-17日(*)、2015年10月19日-20日(#)、2015年12月1日-2日(+)、アッペンツェル、スイス、セッション。1998年に結成され、数々のコンクール受賞歴を誇る実力派のスイス・ピアノ・トリオによる好評のベートーヴェン・シリーズ第3弾。
ベートーヴェンピアノ三重奏曲全集 Vol.4
 ピアノ三重奏曲第4番 変ロ長調 Op.11 「街の歌」(*) /
 アレグレット 変ホ長調 Hess.48 (#) /ピアノ三重奏曲 変ホ長調 Op.38 (#)
  スイス・ピアノ・トリオ
   [アンジェラ・ゴルベワ(Vn) セバスティアン・ジンガー(Vc;*)
    アレクサンドル・ネウストロエフ(Vc;#) マルティン・ルーカス・シュタウプ(P)]
 録音:2015年12月1日-2日(*) 、2017年3月11日-13日(#) 、アッペンツェル、スイス。 1998年に結成され、数々のコンクール受賞歴を誇る実力派のスイス・ピアノ・トリオによるベートーヴェンのピアノ三重奏曲全曲録音第4弾。 スイス・ピアノ・トリオならではの緻密なベートーヴェンを聴くことが出来る。なお、長年当団のチェリストをつとめたセバスティアン・ジンガーに変わり、2016年夏よりアレクサンドル・ネウストロエフが新メンバーとなった。スイス・ピアノ・トリオは、ベートーヴェンの他にエドゥアルド・フランク(1817-1893)のピアノ三重奏曲集(AU-97690)、チャイコフスキー「偉大な芸術家の思い出」(AU-92673)、クララ・シューマンのピアノ三重奏(AU-92549)など、auditeレーベルの質の高い録音でリリースを続けている。
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲全集 Vol.5
 ヴェンツェル・ミュラー「プラハの姉妹」から歌曲「私は仕立屋カカドゥ」による変奏曲 ト長調 Op.121a /
 ピアノ三重奏曲〔変ホ長調 WoO.38, Hess49 /変ロ長調 WoO.39, Hess50 〕/
 ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重奏曲 ハ長調 Op.56 (#)

 スイス・ピアノ・トリオ[アンジェラ・ゴルベワ(Vn)
   アレクサンドル・ネウストロエフ(Vc) マルティン・ルーカス・シュタウプ(P)]

 チューリヒ室内o.(#)
 録音:2018年1月20日-22日、アッペンツェル(#以外) /2017年10月10日-11日、ZKO ハウス、チューリヒ(#)、全てスイス。 1998年に結成され、数々のコンクール受賞歴を誇る実力派のスイス・ピアノ・トリオによるベートーヴェンのピアノ三重奏曲の全曲録音。第5集にはトリプル・コンチェルトを含む作品を収録している。「私は仕立屋カカドゥ」による変奏曲はヴェンツェル・ミュラー(1767-1835)が1794年に作曲したジングシュピール風歌劇「プラハの姉妹」のなかでうたわれる1曲を主題にベートーヴェンが変奏曲にしたピアノ三重奏曲(第11番)。ピアノ、ヴァイオリン、チェロと徐々に楽器を増やしながら音型変奏が展開され、技巧的なパッセージが随所に散りばめられている。ピアノ三重奏曲 変ホ長調 WoO.38(第9番)は鍵盤と弦のための三重奏としては、ベートーヴェンではおそらく最初の作品に数えられる。小振りな印象を与えるソナタながら若さあふれる作品。ピアノ三重奏曲 変ロ長調 WoO.39(第8番)はソナタ形式による単一楽章の可愛らしい作品で、ボンのベートーヴェン・ハウスに所蔵されている自筆譜には「ウィーン1812年6月26日。私のちいさな友達、マクセ・ブレンターノに、ピアノを弾く励ましに」とベートーヴェン自らの手で記載されている。そして、ついに録音したトリプル・コンチェルトでは丁々発止で繰り広げられる三人のソロが魅力的。指揮者を立てずにチューリヒ室内o. と熱い演奏を聴かせてくれる。
リアナ・グルジヤ~ストラヴィンスキー
 ロシアの歌/「ペトルーシュカからの3楽章」~ロシアの踊り/ディヴェルティメント/
 イタリア組曲/ブルレスケ/タンゴ/ヴァイオリン協奏曲 ニ調(*)
  リアナ・グルジヤ(Vn) カティア・スカナヴィ(P;*以外)
  ジョルト・ナジ指揮ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送po.(*)
 録音:2015年10月12日-17日、SWRスタジオ、カイザースラウテルン。ロシア生まれのヴァイオリニスト、リアナ・グルジヤによるストラヴィンスキー・アルバム。グルジヤは6歳のときに神童としてモスクワ・テレビにて紹介され話題となり、9歳のときにはオーケストラとの共演で輝かしいデビューを果たした。その後、若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクールをはじめとした数々のコンクールに出場し、華々しい成績をおさめた。幅広いレパートリーをもつグルジヤだが母国ロシアの作品は格別。ことにストラヴィンスキーは最も得意とし、最重要レパートリーとして演奏してきた。どことなくくすんだ音で哀愁に満ちた演奏の「ロシアの歌」「ブルレスケ」、切れ味と絶妙なテンポ感がやみつきになる「ロシアの踊り」「タンゴ」、さらに「ディヴェルティメント」「イタリア組曲」そしてヴァイオリン協奏曲というストラヴィンスキーの代表作を説得力抜群の演奏を聴かせてくれる。実に多彩な表現を駆使したグルジヤの演奏で聴くストラヴィンスキーは絶品の一言に尽きる。
チェン2・デュオ~フランスのチェロ
 ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調 L.135 / フランク/デルサール編曲:チェロ・ソナタ イ長調
 フォーレ:夢のあとに Op.7 /シチリアーナ ト短調 Op.78 /悲歌 ハ短調 Op.24
 サン=サーンス:アレグロ・アパッショナート Op.43 /白鳥

  チェン2・デュオ[ブライアン・チェン(Vc) シルヴィー・チェン(P)]
 録音:2016年2月15日-17日、イエス・キリスト教会、ベルリン。中国系カナダ人の兄妹デュオが audite レーベルよりデビュー。「チェンの2乗 [チェン2] 」と表記する通り、2倍ではなく相乗的な効果で演奏するという二人の思いが込められている。雄弁な語り口が魅力のブライアンとスケールの大きな演奏のシルビー。溌剌さとともに若手とは思えないほどの解釈でアプローチ。ことにフランクのソナタは二人の驚くべき名演で脱帽。デュオとして既に13年ものキャリアをもつチェン兄妹は、2011年に急遽代役として出演したカーネギーでのリサイタルで大成功をおさめ、ニューヨークで話題となった。2015年には母国カナダの CBC 放送による「30歳以下のカナダ出身のクラシックの注目アーティスト」に選出された。今後最も期待される兄妹デュオの衝撃デビュー盤。
ドビュッシー/カルステン・ヴィーブッシュ編曲:オルガン編曲によるピアノ作品集
 前奏曲集第2集/前奏曲集第1集~沈める寺/ベルガマスク組曲
  カルステン・ヴィーブッシュ(Org)
 録音:2013年3月13日-15日、カールスルーエ教会。使用楽器:クライス社、1850年製作(1966/2010修復)。オルガンの優秀録音でも定評のある audite レーベルよりまたも興味深い、ドビュッシーのピアノ作品をパイプオルガンで演奏した録音が登場。オルガンの様々なストップを駆使することでドビュッシーの独特で豊かな色彩感を見事に表現している。演奏のカルステン・ヴィーブッシュはオルガンの魔術師の呼び声高い名手で、前作「バッハのオルガン作品傑作集」(AU-92663)ではシャコンヌを含む大曲をオルガンならではの重厚感を生かした圧倒的な演奏で披露した。今回の録音でもカールスルーエ教会のクライス・オルガンを使用しており、当楽器を知り尽くした絶妙なレジストレーション。
Allusions and Beyond
 J.S.バッハ/レーガー編曲:ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調 BWV.1050(連弾のための編曲版)
 J.S.バッハ/クルターク編曲:コラール前奏曲 より(連弾のための編曲版)
  〔神の時こそいと良い時/主よ、深き悩みの淵より、われ汝に呼ばわる/おお神の子羊よ、罪なくして〕
 ツィンマーマン:モノローグ(2台ピアノのための編曲版)
 ブラームス:2台ピアノ「ハイドンの主題による変奏曲」 Op.56b

  ピアノ・デュオ・タカハシ・レーマン[高橋礼恵、ビョルン・レーマン(P)]
 録音:2016年3月1日-3日、マリーエンミュンスター・コンツェルトザール。 日本人の高橋礼恵とドイツ人ビョルン・レーマン夫妻による実力派ピアノ・デュオ最強のアルバム第3弾。これまで原曲と編曲の関係にこだわってきたが、今回は「すでに存在している楽曲を作品の中に組み入れた音楽」がテーマ。クルタークによるバッハのコラール前奏曲は、全く現代的な要素はない美しく効果的な連弾編曲だが、「おお神の子羊よ、罪なくして」でトリッキーな オルガン的響きに驚かされる。ツィンマーマンの「モノローグ」は2台のピアノと大編成のオーケストラのために書かれた作品の編曲だが、複数のテンポが同時進行する超難物。メインはレーガー編曲によるブランデンブルク協奏曲第5番。レーガーはバッハの精神的後継者の筆頭ゆえ、またとない仕事と言える。レーガーはピアノの名手で、ピアノ曲も数多く作曲しているにもかかわらず、この編曲は効果を追求してピアニズムを無視した机上の空論的なもので、生身の人間が気楽に弾けるものではない。指定のテンポ、指定の音価を厳守するのは非常に困難だが、それができれば目の覚めるような効果を発揮できるとされる。高橋礼恵 &ビョルン・レーマンはまさにそれを実現した。快適なテンポ、錯綜する声部を連弾で相手の手の下をくぐる曲芸のようなこ とまで駆使、さらに第1楽章の長いカデンツァでの輝かしいヴォルトゥオーゾぶりなど、ピアノ好きが聴けば鳥肌が立つほど興奮させられる。これだけでも欲しくなるアルバム。
フルートとピアノのための20世紀作品集
 シュルホフ:フルートとフォルテピアノによるソナタ / レオ・スミット:フルートとピアノのためのソナタ
 ガル:3つの間奏曲 / ラファエル:フルートとピアノのためのソナタ ホ短調
 タンスマン:フルートとピアノのためのソナチネ

  アンネ=カテリーネ・ハインツマン(Fl) トーマス・ホッペ(P)
 録音:2014年9月24日-26日、イエス・キリスト教会、ベルリン、セッション。ドイツのフルート界の中堅を担う名手アンネ=カテリーネ・ハインツマンの audite レーベル第2弾。シュルホフやタンスマンはドビュッシーなどのフランス音楽からインスピレーションを得た作品。ラファエルは古典的な明快さとロマンティックなメロディが魅力の作品。スミットはアムステルダム音楽院で学んだのち1927年にパリに出てラヴェルとストラヴィンスキーから大きな影響を受けた作曲家。1937年にアムステルダムに戻ったが、1943年2月にフルートとピアノのためのソナタを完成させたが、同年4月27日にナチス・ドイツによって強制収容所に送られ、4月30日、殺害された。このソナタはスミットの最後の作品となった。アンネ=カテリーネ・ハインツマンは1999年にフランクフルト歌劇場o. の副首席奏者に抜擢されて以来、世界的躍進を続けている女流フルート奏者。ニコレやマイゼンなど、独仏双方の匠に師事し、粋を継いだ実力派。トーマス・ホッペはパールマンをはじめ世界の著名な演奏者からも信頼の厚いピアニスト。近年はハインツマンとデュオを組んで演奏活動を共にしており、アンサンブルの息もぴったり。フルート・ピアノ双方に高い演奏技術と表現力を求められる難曲尽くしのプログラムだが、常にも増す絶妙なアンサンブルで聴かせてくれる。プーランク、ヒンデミット、デュティユー、ムチンスキ、マルタンの作品を収録したアルバム(AU-92667)と合わせてご堪能頂きたい。
ルケシーニ~スカルラッティ●ベリオ|シューベルト●ヴィトマン
 スカルラッティ●ベリオ
  スカルラッティ:ソナタ ニ長調 K.491 / ベリオ:「6つのアンコール」より〔芽/葉〕
  スカルラッティ:ソナタ ト長調 K.454 / ベリオ:「6つのアンコール」~地のクラヴィア
  スカルラッティ:ソナタ ヘ短調 K.239 / ベリオ:「6つのアンコール」~水のクラヴィア
  スカルラッティ:ソナタ ヘ短調 K.466 / ベリオ:「6つのアンコール」~大気のクラヴィア
  スカルラッティ:ソナタ イ長調 K.342 / ベリオ:「6つのアンコール」~火のクラヴィア
  スカルラッティ:ソナタ ト長調 K.146

 シューベルト●ヴィトマン〔2人の作曲家による曲(全6曲づつ)を交互に演奏〕
  シューベルト:「楽興の時」 D.780 / ヴィトマン:6つのシューベルトの回想「牧歌と深淵」

 アンドレア・ルケシーニ(P)
 録音:2017年10月1日-3日、ルイジ・ボッケリーニ音楽院、ルッカ。 知性派ピアニスト、アンドレア・ルケシーニが“バロック、ロマン派と近代作品との対話 "としてスカルラッティとベリオ、シューベルトとヴィトマンを交互に収録したユニークなアルバムをリリースした。ルケシーニはマリア・ティーポの弟子で、10代でミラノ・スカラ座ディーノ・チアーニ国際コンクールに優勝し世界的な注目を集め、以来シノーポリ、アバド、シャイー、ルイージなどの指揮者の指名のもと、数々のオーケストラと共演してきた。幅広いレパートリーを持ち、当ディスクに収録されている作曲家ルチアーノ・ベリオとも交流が深かったピアニスト。近年はソロ活動の一方、室内楽作品への取り組みも積極的で、ヴァイオリニスト渡辺玲子やチェリスト、マリオ・ブルネロなど名だたる演奏者との共演を誇り、auditeレーベルからはクレモナ弦楽四重奏団との共演でサン=サーンスのピアノ五重奏曲(AU-97728)をリリースしている。第2次大戦後のイタリア前衛音楽を代表する作曲家、ルチアーノ・ベリオは、ダッラピッコラについて12音技法を学び、1955年のミラノの電子音楽スタジオを開 設とともに、そこを中心に精力的に活動した。6つのアンコールは本来単独に書かれたが、その後「地・水・大気・火」のクラヴィーアを4部作とし、さらに「芽」、「葉」を加えてピアノ曲集として出版された作品。一方、1973年ミュンヘン生まれのクラリネット奏者、作曲家、指揮者イェルク・ヴィトマンは、2018年の「サントリーホール サマーフェスティヴァル2018」のテーマ作曲家としても注目されている。2009年に初演、出版された「牧歌と深淵」~ピアノのための6つのシューベルトの回想はシューベルトへのオマージュの作品で、当演奏では楽興の時と交互に演奏することによりその世界観が鮮明に際立つ。バロック、ロマン派と近代作品が対話するようにエレガントに奏でられている。
シューマン
 「マンフレッド」 Op.115 ~序曲(*) /交響曲 ト短調「ツヴィッカウ」(1832-33) (*) /
 序曲「ゲーテのファウストからの情景」/序曲「ヘルマンとドロテーア」 Op.136 /
 序曲「ゲノフェーファ」 Op.81 /序曲「メッシーナの花嫁」 Op.100 /
 序曲「ジュリアス・シーザー」 Op.128
  ハインツ・ホリガー指揮ケルンWDRso.
 録音:2010年4月12日-16日(無印)、2015年3月2日-5日(*)、フィルハーモニー、ケルン、ドイツ。ホリガー&ケルンWDR響によるシューマン・シリーズが当・第6弾で遂に完結。後期序曲集とシューマンの生地名がつけられたツヴィッカウ交響曲。この交響曲は第2楽章までが完成されたが、終楽章は未完。当録音の第1楽章ではライプツィヒ稿が使用されている。
オリジナルと超越~
 作曲者自身の編曲による4手連弾作品集

 シェーンベルク:室内交響曲第1番 Op.9
 ベートーヴェン:大フーガ Op.134
 シューマン:交響曲第2番 ハ長調 Op.61 (*)
ピアノ・デュオ・
 タカハシ/レーマン
[高橋礼恵、
 ビョルン・レーマン(P)]
 録音:2012年5月23日-25日、イエス・キリスト教会、ベルリン。(*)は当版による世界初録音。世界初録音を含む、日本の高橋礼恵とドイツのビョルン・レーマンによる実力派ピアノ・デュオ最強のアルバム。その音色以外想像もできないオーケストラと室内楽の名作中、作曲者自身がピアノ4手連弾用に編曲したものを集めた。いずれも最高度の難曲。ベートーヴェンとシェーンベルクのオリジナル・ピアノ・デュオ作品は、あまり人気がないが、この2篇は悪魔的な輝きと魅力を放っている。シェーンベルクは細かい音の動きによる声部が錯綜するが、ベートーヴェンの大フーガがそれに劣らぬ複雑さで、ほとんど現代音楽。クライマックスの効果も凄まじく、非常に興奮させられる。シューマンの交響曲は、しばしばオーケストレーションの問題が云々されるが、これはピアノのみで、透明っきりとした響きに驚かされる。意外にもオリジナルのピアノ作品のような美しさと効果に富み、交響曲第2番の真の魅力に気付かせてくれる。4手ならではの音の厚みで、充実感も満点。高橋礼恵とビョルン・レーマンは、ともにベルリン芸術大学でクラウス・ヘルヴィヒに師事。レーマンは現在同校教授を務め、高橋とふたりで日本でもマスタークラスをしばしば行うなど、お馴染みとなっている。
グリーグヴァイオリン・ソナタ全集
 〔第1番 ヘ長調 Op.8 /第2番 ト長調 Op.13 /第3番 ハ短調 Op.45 〕
 フランチスカ・ピーチ(Vn|使用楽器:1751年製テストーレ)
 デトレーフ・アイシンガー(P|シュタイングレーバー)
 録音:2014年12月4日-6日、ビブリオテークザール、ポリング、バイエルン。ドイツの実力派ヴァイオリニスト、フランチスカ・ピーチがグリーグのヴァイオリン・ソナタ全曲録音に挑んだ。第3番があまりにも有名なグリーグのソナタだが、近年第1番、第2番も再評価され演奏される機会が増えつつある。第1番は1865年デンマークのロンスダーズに住んでいた頃に作曲され初演は同年の11月にライプツィヒで行われた。一方1867年に作曲された第2番は、ノルウェー出身の作曲家のヨハン・スヴェンセンに献呈された。
 東ドイツ生まれのフランチスカ・ピーチは5歳から父よりヴァイオリンの手ほどきを受け11歳の時にはベルリンでデビューした逸材。その後ニューヨークのジュリアード音楽院にてドロシー・ディレイに師事。またヴァイオリニストとしての個性を磨くためルッジェーロ・リッチからも薫陶を受けた。ソロ活動の一方、1998年から2002年までヴッパータールso. の第1コンサート・マスターをつとめ多方面で活躍するピーチだが、近年は室内楽に積極的に取り組んでいる。トリオ・テストーレの創設メンバーとして主要なピアノ・トリオ作品に取り組み、AUDITEレーベルからリリースされているブラームスのピアノ三重奏曲全集(AU-91668)は高い評価を得ている。今回のグリーグでもピーチの艶やかで毅然としたヴァイオリンの音色が魅力と言え、ピアノのアイシンガーとの息もばっちり。今後このデュオでの録音予定もあるとのこと。
Transcriptions
 ストラヴィンスキー:2台のピアノのための協奏曲 / ナンカロウ/ミハショフ編曲:ソナチネ
 アルヌルフ・ヘルマン(1968-):ハウスミュージック / ストラヴィンスキー/作曲者編曲:バレエ音楽「春の祭典」

  ピアノ・デュオ・タカハシ・レーマン[高橋礼恵、ビョルン・レーマン(P)]
 録音:2014年9月21日-23日、イエス・キリスト教会、ベルリン。日本人の高橋礼恵とドイツ人ビョルン・レーマン夫妻による実力派ピアノ・デュオ最強のアルバム第2弾。シューマンの交響曲第2番を含む第1弾(AU-97706)が好評だった。メインは作曲者編曲による「春の祭典」。アルゲリッチとバレンボイムをはじめ、スターたちがこぞって録音しているが、技巧的にも音楽的にも最高度の難曲。ことに錯綜するリズムに曲芸的なアンサンブル能力が要求されるが、高橋&レーマンはピッタリと息の合っていて驚異的。ピアノを打楽器的に用いた曲ながら、決して叩くことなく、しかもたっぷり鳴らしている。ナンカロウの「ソナチネ」はピアノ独奏曲をミハショフが連弾用に編曲。初期作品で、一応人間が弾くために書かれてはいるが、運動神経を無視したようなリズムが出現する奇作。聴覚的にはバルトーク風で、ストラヴィンスキーの系譜上にある。アルヌルフ・ヘルマンはドイツの作曲家。高橋&レーマン夫妻の友人で、連弾がかつて家庭用に大きな需要があったことを示唆する題名となっている。短い3曲から成り、第3曲目はこれから作る作品の作曲前ピアノ4手編曲というキテレツなものとなっている。高橋礼恵とビョルン・レーマンは、ともにベルリン芸術大学でクラウス・ヘルヴィヒに師事。レーマンは現在同校教授を務め、高橋とふたりで日本でもマスタークラスをしばしば行うなど、お馴染みとなっている。深い楽譜の読み、精巧なアンサンブル、冴えた技巧によるピアノ・デュオの新しいスターの登場。
ラヴェル(1875-1937):弦楽四重奏曲 ヘ長調
フェルナン・ド・ラ・トンベル(1854-1928):弦楽四重奏曲 ホ長調 Op.36
 マンデルリングSQ
  [ゼバスティアン・シュミット(Vn1) ナネッテ・シュミット(Vn2)
   アンドレアス・ヴィルヴォール(Va) ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 録音:2018年10月11日-14日、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザール、ケルン。独auditeレーベルの看板アーティスト、マンデルリング四重奏団。前作「ペニーズ・フロム・ヘヴン」~アンコール作品集(AU-97786)では弦楽四重奏の新たな魅力を伝える、ジャンルを超えた多様な音楽を聴かせてくれた。期待の当アルバムではフランスの作曲家、ラヴェルとラ・トンベルの弦楽四重奏曲を録音した。ラヴェルの弦楽四重奏曲いわずと知れた名曲。その繊細にして情景美あふれる旋律と、きりりとしまった構成が絶妙な作品だが、当団の実に味わい深くも硬派な演奏がこの作品にマッチしている。パリ生まれのフェルナン・ド・ラ・トンベル(1854-1928)は、オルガニストとしても活躍した作曲家。ギルマンやデュボワなどの大オルガニストにして作曲家に師事したラ・トンベルはオルガニストして成功。その後、師ギルマンやダンディとともにスコラ・カントールムの創設に参画し、後進の育成にも力を注ぎた。多彩な芸術家としても知られるトンベルは彫刻家、写真家、詩人、画家そして天文学者としても活躍した。作曲家としては各ジャンルに作品を残したが、演奏機会はごく少なく名団体による録音は大歓迎と言えるだろう。4楽章構成[第1楽章:ラルゴ・マ・ノン・トロッポ―アレグロ、第2楽章:アレグロ・アッサイ・スケルツァンド、第3楽章:アダージョ・コン・モルト・エスプレシオーネ、第4楽章:アレグロ・コン・ブリオ]の弦楽四重奏曲は表現力豊かで極めてカラフルなハーモニーが特徴。またオルガニストらしく、4つの楽器の掛け合いや構成がまるでオルガンを思わせる和声感も現れる。知られざるこの作品を名手が奏でることにより新たな魅力に気づかされることだろう。なお、当団によるフレンチ・アルバムはもう1タイトル、リリース予定とのこと。こちらも期待が高まる。マンデルリング四重奏団のアンサンブルは安定感抜群。激情の中にも決して冷静さを欠かない演奏で、名門の名にふさわしい堂々たる演奏を聴かせてくれる。2015年より新メンバーに迎えられたヴィオラのアンドレアス・ヴィルヴォールはドイツのエアフルト生まれ。ワイマールの音楽学校を卒業後ヴィオラに転向し、ベルリン・ハンス・アイスラー高等音楽院にてアルフレート・リプカに師事。また、キム・カシュカシアン、クリストフ・ポッペンなど著名な演奏家から薫陶を得た。その後、国際的な音楽祭に出演するほかファウスト・クァルテットのメンバーとして、また2001年よりベルリン放送so. 首席奏者として活躍している。
きよしこの夜~グロノスタイ& RIAS 室内 cho. によるクリスマス合唱曲集
 シュトルツェル:聖なるこの日はわれらの上にかがやけり/讃美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ
 ヴィラールト:驚くべき神秘よ / ゼンフル:一人の息子がわれらに与えられた[録音:1981年10月22日]
 プレトリウス:今こそ主エマヌエルは生まれ給う / 作者不詳:ひとり児をほめたたえよ
 シュレーター:主にある人々/キリストたちよいざ喜べ[録音:1974年6月21日]
 カルヴィジウス:喜べ、そして歓呼せよ/天においては神に栄光があるように/愛しいヨセフ、私のヨセフ
 エッカールト:山を越えてマリアが行く[録音:1984年11月27日] / グラバート:若枝[録音:1977年11月24日]
 ヘルツォーゲンベルク:わが魂は主をあがめ[録音:1978年11月30日、イエス・キリスト教会、ベルリン]
 レーヴェ:我が心は、甘き歓喜に酔いしれ[録音:1975年10月14日]
 ヴォルフガング・ジェーン(1937-):ハレルヤ/彼らはひれ伏して拝み、宝の箱を開けて/夜/
                  鳴り響き、とどろくのは[録音:1972年11月30日、1980年12月17日]
 ミケールゼン:雨にはさかえし/あなたは、夜、彼らの前に再び現れる/明日[録音:1974年6月20日]
 ダヴィド:久遠の光の壮麗な輝き、そして正しい太陽[録音:1986年3月10日、イエス・キリスト教会、ベルリン]
 H.W.ツィンマーマン(1930-):農場労働者への賛辞/私たちのために幼子が生まれた[録音:1977年1月27日]
 バルベ(1927-):もみの木、もみの木/マリアはいばらの森を通り[録音:1977年2月15日]
 ペツォールト:闇は深まり[録音:1972年12月18日] / グルーバー:きよしこの夜[録音:1976年12月7日]

 ウーヴェ・グロノスタイ指揮 RIAS 室内cho.
 レジナ・ヤコビ(Ms) クラウス・シュトール(Cb)
 録音:1972年-1986年、特記以外 ハンス・ローゼンタール・プラッツ・フンクハウス第10スタジオ、ベルリン。リマスタリング:ルトガー・ベッケンホーフ(2014年)。audite 社主ベッケンホーフ氏のリマスタリングによるRIAS室内合唱団クリスマス合唱曲集。指揮のウーヴェ・グロノスタイは長年ドイツの合唱音楽に強く影響を与え、当合唱団と多くの演奏会ならびに録音を残してきた。珠玉のクリスマス合唱曲を堪能することが出来る。
ティエントと変奏曲
 ハラバ(1652-1715):ティエント第2番 / コエリョ(1555-1635):5つの連祷(キリエ第1番)/アヴェ・マリア
 アラウホ(1584-1654):8つのティエント/無原罪の御宿りの歌による3つの変奏曲

  マルティン・ノイ(Org) ヴィルフリート・ロンバッハ合唱指揮アンサンブル・オフィチウム
 録音:2014年5月31日-6月2日、聖イポリト教会、コルドバ、聖ペーテル&パウロ教会、メッシンゲン。カルロス1世(1516-1556)の支配の間にはじまり、政治的な力により芸術的・文化的に絶頂期を迎えたイベリア(スペイン)におけるオルガン音楽の黄金時代に活躍した活躍した3人の作曲家によるオルガンと声楽作品集。これらの作曲家が確立したともいえるティエントは非常に華やかな形式で当時の隆盛を実感出来る(ティエントは同一鍵盤上の高音域と低音域でストップを使い分ける楽曲や不協和音を多用する形式で、16世紀中期以降のスペインのオルガン作品にあらわれる特徴)。演奏のマルティン・ノイはJ.S.バッハ国際コンクール入賞の経歴をもち、非常に端正で卓越したアーティキュレーション、そして楽曲と使用するオルガンにあった的確なレジストレーションは現代屈指のオルガニスト。現在ロイトリンゲンの聖エリーザベト教会および聖ペトロ教会と聖パウロ教会の専属オルガニスト。バッハとドイツの作曲者をフィーチャーする好評シリーズ、「J.S.バッハと北ドイツの伝統」(AU-92547)、「J.S.バッハと南ドイツの伝統」(AU-92548)はドイツ内外で高く評価されている。一方、テノールのヴィルフリート・ロンバッハ率いるアンサンブル・オフィチウムは1999年創立の声楽アンサンブルでドイツの実力派メンバーにより構成されている。
レーガー(1873-1916):
 弦楽三重奏曲〔第2番 ニ短調 Op.141b /第1番 イ短調 Op.77b 〕/
 ピアノ四重奏曲第2番 イ短調 Op.133 (#)
 トリオ・リリコ
  [フランチスカ・ピーチ(Vn) ソフィア・ロイター(Va) ヨハネス・クレープス(Vc)]

 デトレーフ・アイシンガー(P;#)
 録音:2016年9月25日-27日(#以外) 、2016年11月21日(#)、イエス・キリスト教会、ダーレム、ベルリン、ドイツ。 ヴァイオリニスト、フランチスカ・ピーチ率いる弦楽三重奏団“トリオ・リリコ "のデビュー・アルバム。注目の第1弾はレーガーを取り上げた。後期ロマン主義の重厚な作風で舞台音楽を除くすべての分野に多数の作品を残したレーガー。室内楽の分野でも注目すべき作品を残した。ここに収録された弦楽三重奏曲とピアノ四重奏曲もレーガーの作品の特徴である大バッハの様式の再現としての擬古典作品。トリオ・リリコの演奏はまるでオルガンを思わせるような堂々たる重音とともに各声部が立体的な響きを作り上げている。トリオ・リリコは2014年結成。古典から現代まで幅広いレパートリーで積極的なコンサート活動を展開している。メンバーそれぞれの個性を引き出しながらトリオ・リリコとしての色を作り上げている。
ブラームス:弦楽六重奏曲全集〔第1番 変ロ長調 Op.18 /第2番 ト長調 Op.36〕
 マンデルリンSQ [ゼバスティアン・シュミット(Vn1) ナネッテ・シュミット(Vn2)
            アンドレアス・ヴィルヴォール(Va) ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 ローラント・グラッスル(Va2) ヴォルフガング・エマヌエル・シュミット(Vc2)
 録音:2016年12月19日-21日、ライプニッツザール、ハノーファー会議センター、ドイツ。 audite レーベルの看板アーティスト、マンデルリング四重奏団。当レーベルからショスタコーヴィチ、シューベルト、メンデルスゾーンなど数々の録音 をリリースし、端正で緻密なアンサンブルが高く評価されてきた。現在遂行中のブラームス録音。前作の弦楽五重奏曲(AU-97724)に続く期待の新録音は弦楽六重奏曲。マンデルリング四重奏団のアンサンブルは今回も安定感抜群。激情の中にも決して冷静さを欠かない演奏で、名門の名にふさわしい堂々たる演奏を聴かせてくれる。なお、1999年から当団のヴィオラ奏者として活躍したローラント・グラッスルは2015年に退団したが、当録音では第2ヴィオラとして共演している。新メンバーに迎えられたアンドレアス・ヴィルヴォールはドイツのエアフルト生まれ。ワイマールの音楽学校を卒業後ヴィオラに転向し、ベルリン・ハンス・アイスラー高等音楽院にてアルフレート・リプカに師事。また、キム・カシュカシアン、クリストフ・ポッペンなど著名な演奏家から薫陶を得た。その後、国際的な音楽祭に出演するほかファウスト・クァルテットのメンバーとして、また2001年よりベルリン放送so.首席奏者として活躍している。今後、マンデルリング四重奏団のメンバーとしての演奏も大注目のヴィオラ奏者。また、今回の第2チェロに抜擢されたのは若手屈指のチェリスト、ヴォルフガング・エマヌエル・シュミット。シュミットはアルド・パリソットやダーヴィド・ゲリンガスに師事。1994年ロストロポーヴィチ・チェロ・コンクールにて第2位を受賞し注目された。ディスクのリリースも多い注目のチェリスト。
マルク・コッペイ&ザグレブ・ソロイスツ
 ハイドン:チェロ協奏曲〔第1番 ハ長調 Hob.VIIb: 1 /第2番 ニ長調 Hob.VIIb: 2 〕
 C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲 イ長調 Wq.172, H.439
  マルク・コッペイ(Vc)指揮ザグレブ・ソロイスツ合奏団〔ザグレブ室内合奏団〕
 録音:2015年2月28日-3月3日、リジンスキー小ホール、ザグレブ。ザグレブ・ソロイスツ合奏団の芸術監督マルク・コッペイが手兵と共に録音した協奏曲アルバム。コッペイはストラスブール生まれ。パリ国立高等音楽院で学んだ後、18歳でJ.S.バッハ国際コンクールにおいて優勝し一躍世界から注目を集めた。その後のキャリアは華々しく、ソリストとしてはインバル、クリヴィヌ、ギルバート、佐渡らの指揮者と共演。室内楽奏者としても、ピリス、ベロフ、デュメイ、ムローヴァ、パユなどから厚い信頼を得ている。またイザイ弦楽四重奏団(1995年から2000年)のメンバーとして数多くの録音を残した。2015年現在はパリの国立高等音楽院で教鞭も執る。当盤では愛器ゴフリラーを使用、手兵とともに名作を雄弁に歌い上げる。
 #2016年1月中旬以降発売予定。
シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 WoO.1 (*) /ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54 (#)
 パトリツィア・コパチンスカヤ(Vn;*) デーネシュ・ヴァールヨン(P;#)
 ハインツ・ホリガー指揮ケルンWDRso.
 録音:2015年2月9日-11日(*)、2015年3月4日-7日(#)、フィルハーモニー、ケルン、ドイツ。 ホリガー&ケルン WDR 響によるシューマンの交響曲・協奏曲・序曲全集第4弾。モルドヴァ出身の人気奏者コパチンスカヤと、玄人好みのハンガリーの実力派ヴァールヨンという魅力的なソロに注目せずにはいられない。
シューマン
 ピアノと管絃楽のための序奏と協奏的アレグロ ニ短調 Op.134 (*) /
 ヴァイオリンと管絃楽のための幻想曲 ハ長調 Op.131 (#) /
 ピアノと管絃楽のための序奏とアレグロ・アパッショナート ト長調 Op.92 (*) /
 4本のホルンと管弦楽のための小協奏曲 Op.86 (+)
  アレクサンダー・ロンクィッヒ(P;*) パトリツィア・コパチンスカヤ(Vn;#)
  パウル・ヴァン・ゼルム、ルートヴィヒ・ラスト、
  ライナー・ユルキェビッチ、ヨアヒム・ぺルトル(Hr;+)
  ハインツ・ホリガー指揮ケルン WDR so.
 録音:2015年2月9日-11日(#) 、2015年2月19日-21日(*) 、2015年3月4日-7日(+)、フィルハーモニー、ケルン、ドイツ。ホリガー&ケルン WDR 響によるシューマンの交響曲・協奏曲・序曲全集第5弾。コパチンスカヤなど魅力的な演奏者がソロをつとめており、注目せずにはいられない。
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第2番 ニ短調 Op.14
シューベルト:4つの即興曲 Op.90, D.899
エリソ・ボルクヴァゼ(P)
 録音:2014年11月17日-19日、ベルリン・フンクハウス、セッション。使用楽器: Steinway D 。「彼女の音楽性と完璧にコントロールされたテクニックに深い感銘を受けた」とズービン・メータが激賞するグルジア出身のピアニスト、エリソ・ボルクヴァゼ、久々のアルバムがAUDITEレーベルよりリリース。彼女のピアニズムは知性と情熱に満ちており、魅力あふれる個性と深く成熟した音楽性で聴き手を虜にする。グルジアでは国民的人気を誇り、政府よりメダルを授与されているボルクヴァゼは、2015年1月に「ユネスコ平和芸術家」(芸術文化を通じて世界の平和の大切さを、特に若い世代の人達に伝えていくために、UNESCO(国連教育科学文化機関)から任命される称号)に任命され、グルジアをはじめ世界各国の音楽家育成にも力を注いでいる。エリソ・ボルクヴァゼ(P):グルジア、トビリシに生まれ。ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール、AXAダブリン国際ピアノコンクールなど多くの国際コンクールでの受賞歴を誇り、ロン=ティボー国際コンクールではフランス音楽の最優秀解釈特別賞を受賞。これまでにチェコ・ナショナルso.、リトアニア国立so.、ウクライナ国立フィルハーモニー、インスブルックso.、ライプツィヒ・ゲヴァントハウスo.、フランス国立o. などと共演。グルジアでは国民的人気を誇り、政府よりメダルを授与。グルジアの音楽家育成にも力を注いでおり、才能ある若いピアニストを支援するリラ財団を設立している。
無伴奏ヴィオラ組曲集
 レーガー:無伴奏ヴィオラ組曲 Op.131d〔第1番 ト短調/第2番 ニ長調/第3番 ホ短調〕
 アドルフ・ブッシュ(1891-1952):組曲 イ短調 Op.16a
 ユストゥス・ヴァインライヒ(1858-1927):無伴奏ヴィオラのための3つの組曲(*)
  〔第1番 変ホ長調/第2番 ホ長調/第3番 ト長調〕
 ローラント・グラッスル(Va)
 録音:2015年7月20日-22日、ミュンヘン。(*)は世界初録音。マンデルリング四重奏団のヴィオラ奏者として、また近年ソロとしても活動しているローラント・グラッスルが、20世紀初頭に活躍したレーガー、ブッシュ、ヴァインライヒが作曲した無伴奏ヴィオラのための組曲を収録した。グラッスルは権威あるライオネル・ターティス国際ヴィオラ・コンクールの優勝をはじめ、数々の国際コンクールの受賞歴を誇る逸材。グラッスルが奏でる音色の美しさには定評がある。今回挑んだ無伴奏組曲はグラッスルが最も大切にしてきたレーガーを中心に満を持しての録音となった。ユストゥス・ヴァインライヒによる3つの組曲は、レーガー、ブッシュの作風とは異なり、ブラームス、メンデルスゾーンを思わせるロマン的で豊かな旋律が魅力的な作品。随所に散りばめられた技巧的なパッセージとヴィオラの音域を生かした深みのある旋律は非常に心地よく、ヴィオラ・ファンならずとも必聴の作品と言えるだろう。
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ〔第1番 ヘ短調 Op.80 /第2番 ニ長調 Op.94b 〕/
         5つのメロディ Op.35b
  フランチスカ・ピーチ(Vn|テストーレ、1751年製
  デトレーフ・アイシンガー(P|シュタイングレーバー
 録音:2015年11月23日-25日、イエス・キリスト教会、ベルリン。ドイツauditeレーベルより積極的なリリースが続く魅惑のヴァイオリニスト、フランチスカ・ピーチ。前作のグリーグ・アルバム(AU-97707)に続いてのリリースはプロコフィエフに挑んだ。濃厚なフレージングと情熱的な歌い回しが魅力のピーチの演奏でお楽しみ頂きたい。東ドイツ生まれのフランチスカ・ピーチは5歳から父よりヴァイオリンの手ほどきを受け11歳の時にはベルリンでデビューした逸材。その後ニューヨークのジュリアード音楽院にてドロシー・ディレイに師事。またヴァイオリニストとしての個性を磨くためルッジェーロ・リッチからも薫陶を受けた。ソロ活動の一方、1998年から2002年までヴッパータールso.の第1コンサート・マスターをつとめ多方面で活躍するピーチは、トリオ・テストーレの創設メンバーとして主要なピアノ・トリオ作品に取り組み、auditeレーベルからリリースされたブラームスのピアノ三重奏曲全集(AU-91668)をきっかけに注目されはじめた。また近年ではピアノのアイシンガーとともに積極的な演奏活動を展開している。
Sounds of Evolution
 ダニエル・シュナイダー:ブラス・シンフォニー / オリオール・クルイサン: Brasserie Mediterrania
 ペーター・デルピングハウス:4つのバガテル / フェルナンド・モライス:原住民の歌
 デリク・ブルジョワ:エアとアトモスフィア Op.367 / マルクス・ガイゼルハルト: A Short Story in Brass
 ピア・マークソン: Sad Doe Eyes / インゴ・ルイス:「アイ・ガット・リズム」による幻想曲(*)

  サラプティア・ブラス
 録音:2015年10月25日-28日、センデザール、ブレーメン、ドイツ。ドイツ国立ユースオーケストラの仲間たちで結成された若手ブラスアンサンブルが、自らの「持ち曲」で AUDITE レーベル・デビュー。スイスのジャズ・サックス奏者兼作曲家、ダニエル・シュナイダーの全5楽章からなるシンフォニーを始め、(*)を除いた7曲がサラプティア・ブラスの委嘱作品で、初録音。まさに彼らの「顔」となる1枚。メンバーは現在、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ケルン・ギュルツェニヒ管、ベルリン・コンツェルトハウス管などにそれぞれ在籍、活躍している名手ぞろい。ジャズの和声やラテンのリズム、シンフォニックな構築まで、見事に対応するハイレベルなアンサンブル。ブラスバンドの可能性、表現力を押し広げる力演が詰まっている。
マンデルリングSQ ~ブラームス:弦楽五重奏曲集
 〔第1番 ヘ長調 Op.88 (1882) /第2番 ト長調 Op.111 (1890) 〕
 マンデルリングSQ [ゼバスティアン・シュミット(Vn1) ナネッテ・シュミット(Vn2)
             アンドレアス・ヴィルヴォール(Va) ベルンハルト・シュミット(Vc)]

 ローラント・グラッスル(Va)
 録音:2016年4月25日-27日、マリエンミュンスター、ドイツ。ドイツ屈指のアンサンブル団体、マンデルリング四重奏団。これまで audite レーベルの看板アーティストとしてショスタコーヴィチ、シューベルト、メンデルスゾーンなど数々の録音をリリースし、それぞれ高い評価を得てきた。アンサンブルは今回も安定感抜群で激情の中にも決して冷静さを欠かない演奏で、名門の名にふさわしい堂々たる演奏を聴かせてくれる。なお、1999年から当団のヴィオラ奏者として活躍したローラント・グラッスルは2015年に退団した。当録音は退団後初の共演。新メンバーに迎えられたアンドレアス・ヴィルヴォールはドイツのエアフルトに生まれ。ワイマールの音楽学校を卒業後ヴィオラに転向し、ベルリン・ハンス・アイスラー高等音楽院にてアルフレート・リプカに師事。また、キム・カシュカシアン、クリストフ・ポッペンなど著名な演奏家から薫陶を得た。その後、国際的な音楽祭に出演するほかファウスト・クァルテットのメンバーとして、また2001年よりベルリン放送so.首席奏者として活躍。今後、マンデルリング四重奏団のメンバーとしての演奏も大注目のヴィオラ奏者。
signals from heaven [(*):Boris Netsvetaev 編曲]
 モンテヴェルディ:「オルフェオ」~トッカータ / ガブリエリ:「サクレ・シンフォニエ」より/ La Spiritata C186
 ガーシュウィン:サマータイム(*) / デューク・エリントン: Come Sunday (*) / 武満徹:シグナルズ・フロム・ヘヴン
 黒人霊歌(*):Sometimes I feel like a motherless child / Nobody Knows the Trouble I 've Seen / Swing Low

 サラプティア・ブラス イェルン・ベルヴァルツ(Tp/Vo) ジュリアン・ワッサーファー(フリューゲルHr)
 録音:2016年6月26日-28日。ドイツ国立ユースオーケストラの仲間たちで結成された、若きブラス・アンサンブル「サラプティア・ブラス」によるアルバム。金管合奏の原点とも言うべきガブリエリの楽曲を点々と配置し、武満、ガーシュウィン、黒人霊歌などとエコーさせる不思議な構成。楽器の音色が十二分に生かされた、様々な曲調の音楽を楽しめる。メルニコフと共にショスタコーヴィチのピアノ協奏曲を録音している名手イェルン・ベルヴァルツも参加しており、トランペットとヴォーカルの二役をこなすという離れ業を見せる。また黒人霊歌ではジャズ畑のトランペッター、ジュリアン・ワッサーファーのたまらないソロが登場する。
シマノフスキ:神話 Op.30 /ロマンス Op.23 / フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
 フランチスカ・ピーチ(Vn|使用楽器:テストーレ、1751年製
 デトレフ・アイシンガー(P|使用楽器:ベーゼンドルファー
 録音:2016年11月22日-24日、イエス・キリスト教会、ベルリン。 今や audite レーベルの看板アーティストの一人、美しきヴァイオリニスト、フランチスカ・ピーチ。プロコフィエフ・アルバム(AU-97722)、グリーグ・アルバム(AU-97707)に続く期待の新録音はフランクとシマノフスキ。前作に続き今回もベルリンのイエス・キリスト教会で収録された。濃厚なフレージングと情熱的な歌い回しでの表現も得意とするピーチと、端正な演奏が魅力のアイシンガーとの渾身の演奏を聴かせてくれる。東ドイツ生まれのフランチスカ・ピーチは 5歳から父よりヴァイオリンの手ほどきを受け 11歳の時にはベルリンでデビューした逸材。その後ニューヨークのジュリアード音楽院にてドロシー・ディレイに師事。またヴァイオリニストとしての個性を磨くためルッジェーロ・リッチからも薫陶を受けた。ソロ活動の一方、1998年から2002年までヴッパータールso. の第1コンサート・マスターをつとめ多方面で活躍するピーチは、トリオ・テストーレの創設メンバーとして主要なピアノ・トリオ作品に取り組み、audite レーベルからリリースされたブラームスのピアノ三重奏曲全集(AU-91668)をきっかけに注目されはじめた。また近年ではピアノのアイシンガーとともに積極的な演奏活動を展開している。
ミヨー(1892-1974):弦楽三重奏曲 Op.274 /三重奏のためのソナチネ Op.221b
マルティヌー(1890-1959):弦楽三重奏曲〔第1番 H 136 /第2番 H 238 〕
 ジャック・ティボー・トリオ
  [ブルクハルト・マイス(Vn) ハンナ・ストライボス(Va) ボグダン・ジアヌ(Vc)]
 録音:2017年3月27日-29日、イエス・キリスト教会、ベルリン。 2014年に結成20周年を迎え、さらなる活躍をみせるジャック・ティボー・トリオ。1994年の結成時より演奏機会が少ないながらも三重奏曲の重要なレパートリーを演奏・録音してきた。当ディスクでは20世紀に活躍したミヨーとマルティヌーの作品に挑んだ。フランス6人組の中心人物ミヨーは、新古典派主義の作品の中にもロマンティックな傾向もみせる独特の香りをもつ多作曲家で、なかでも室内楽作品を多数残した。ここに収録された2篇はともに1940年代の作品で、第2次大戦を避け渡米したころに作曲された。ミヨーらしいおしゃれな旋律が印象的。一方、1890年チェコに生まれ、1920年代にパリにて現代音楽の新古典主義に傾倒し、1950年代にアメリカに移住した作曲家マルティヌー。ミヨー同様あらゆる分野に多数の作品を残したが、ここに収録された2篇もマルティヌーの個性を示した秀作。雄弁な語り口と実に見事なアンサンブルを 聴かせるジャック・ティボー・トリオ、渾身の新録音。ジャン・クラ、レーガー、ドホナーニ、コダーイの弦楽三重奏曲集(AU-97534)、ベートーヴェンの弦楽三重奏曲全集(AU-23430)とあわせてお楽しみ頂きたい。
サン=サーンス
 ピアノ五重奏曲 イ短調 Op.14 (*) /弦楽四重奏曲第1番 ホ短調 Op.112
 クレモナSQ
  [クリスティアーノ・グアルコ(Vn1
    |使用楽器:ニコラ・アマテジョヴァンニ・バティスタ・グァダニーニ(1776)〔代理店記載ママ〕)
   パオロ・アンドレオーニ(Vn2|使用楽器:アントニオ・テストーレ、1750年製作〔制作年代理店記載ママ〕)
   シモーネ・グラマーリャ(Va|使用楽器:ジョアッキーノ・トラッツィ、1680年頃製作)
   ジョヴァンニ・スカリオーネ(Vc|使用楽器:ニコラ・アマティ、1712年製作)]

 アンドレア・ルケシーニ(P;*) アンドレア・ルマーキ(Cb;*)
 録音:2016年3月29日-31日、ポイリーノ、イタリア。 (*)は第3楽章にコントラバスが加わるヴァージョン。今やイタリアを代表するクァルテット、クレモナ四重奏団によるサン=サーンス。ピアノのアンドレア・ルケシーニはミラノ・スカラ座ディーノ・チアーニ国際コンクールで優勝し世界的な注目を集めた。以来ジュゼッペ・シノーポリ、アバド、シャイーなどの指揮者の指名のもと数々のオーケストラと共演、近年はソロ活動の一方、室内楽作品への取り組みも積極的で、ヴァイオリニスト渡辺玲子やチェリスト、マリオ・ブルネロなど、名だたる演奏者との共演を誇る。
ヘンデル
 9つのドイツ・アリア集 HWV.202-210 /ブロッケス受難曲 HWV.48より
  〔裂けよ、私の心/私の罪悪は綱であり/拭き取って下さい刺激的な灰汁の涙を/罪よ、恐れ、怯えて/
   熊の手、ライオンの爪も/イエス!イエス、あなたを我々の魂と結婚させて下さい〕

 イーナ・ジートラツェク(S) ヴォルフガング・カチュナー指揮ラウテン・カンパニー
 録音:2016年6月20日-22日、イエス・キリスト教会、ドイツ。「おどけた幸運」(AU-92703)で注目されたソプラノ歌手、イーナ・ジートラツェクが、ヘンデルの9つのドイツ・アリア集とブロッケス受難曲からの抜粋を収録した。澄み切ったピュアな歌声が魅力のジートラツェクは、現在ドイツを中心に活躍する古楽ソプラノで、今回はヴォルフガング・カチュナー率いるラウテン・カンパニーとの共演した。当団はヘンデルのオペラとオラトリオのアリアを管弦楽編曲したアルバムなど、数多くのタイトルをリリースしているだけに理想の共演といえ、ジートラツェクと実に見事なアンサンブルを披露している。
古楽の忘れられしアヴァンギャルド
 H.アルバート:前奏曲第1番/ワルツ・ファンタジー / アルカデルト:アヴェ・マリア
 J.S.バッハ:教会カンタータ第106番「神の時こそいと良き時」 BWV.106 ~ソナティーナ
 ビゼー:組曲「アルルの女」第1番~メヌエット / デュラン:シャコンヌ Op.62
 ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ長調 Op.35 ~第3楽章「葬送行進曲」 / プレイエル:ポロネーズ
 ラモー:サラバンド / コレッリ:コレンテ / モーツァルト:メヌエット
 スケル: Ein Abend auf dem Priesberg / カレンバッハ: Der Schlaftrunk: Spinnlied
 作曲者不詳: Erchinger Jagd-Marsch / Marsch / Quand mon mari alloit a la guerre /
        Rheinlander / Tyrolienne / Konig-Ludwig-Lied /他

 ティロ・ヒルシュ(トロンバ・マリーナ)指揮アンサンブル・アルチンボルド
 録音:2016年7月8日-10日、リーエン、スイス。 リコーダー、トロンバ・マリーナ、打楽器のアンサンブル、「アンサンブル・アルチンボルド」が奏でる“忘れられしアヴァンギャルド "の世界。バッハ、コレッリ、ラモー、モーツァルト、ビゼーといったルネサンスからロマン派までの作品やバイエルンの伝承曲など、4つのリコーダーとボーゲンギターレ、トロンバ・マリーナ、ティンパニのアンサンブルにアレンジ。いわばワールドミュージックの香りを放ち、躍動感に満ちたリコーダーの超絶を楽しむことが出来る。ティロ・ヒルシュが弾きぶりでのトロンバ・マリーナの音色も注目。アンサンブル・アルチンボルドの卓越したリコーダーが見事な演奏を披露している。
優しい声が
 ジャック・アルカデルト(1507-1568)/アントン・フランチェスコ・ドーニ(1513-1574):銀の優しい白鳥は
 フランチェスコ・ド・レヨル(1492-1540):帆を捨てよ
 アドリアン・ウィラールト(1490-1562):
  愛は私を苦しめる/リチェルカーレ第10番/ある日、彼は私の未亡人を尋ねた/船が通る
 シルヴェストロ・ガナッシ(1492-1565):
  リチェルカーレ〔第1番/第2番〕/リチェルシャル〔第1番/第4番/第3番〕/マドリガル
 ジュリオ・セーニ(1498-1561):リチェルカーレ第15番/第4旋法によるティエント
 ジャコモ・フォグリアーノ(1468-1548):私は愛の神を望む/リチェルカーダ/ア・ラ・グラーヴェ・ペン
 アルカデルト:甘いしらべ〔2種〕/ああ、私の目よ / ジャケ・ド・ベルヘム(1505-1565):ああ、愛する乳房よ
 エンリケス・デ・バルデラーバノ(1500-1557):仔牛のパヴァーヌ
 ディエゴ・オルティス(1510-1570):リチェルカーダ・オッターヴァ

  ウルリケ・ホウバウアー(S) ティロ・ヒルシュ指揮アンサンブル・アルチンボルド
 録音:2017年2月21-10日、2017年7月5日-6日、リーエン、スイス。 アンサンブル・アルチンボルドの最新盤は15世紀初めから16世紀半ばにかけてのルネサンス期を代表する作曲家によるヴェネツィアの音楽を集めたアルバム。透き通るようなウルリケ・ホウバウアーの歌唱と共にアンサンブル・アルチンボルドの躍動感に満ちた演奏を聴かせてくれる。ウルリケ・ホフバウアーはアントニー・ルーリーに師事し、グスタフ・レオンハルトフィリップ・ヘレヴェッヘ、アンドレーア・マルコンなどの演奏にソリストと迎えられている実力派で、2014年よりザルツブルク・モーツァルテウムの古楽研究所で教鞭を執っている。1991年ティロ・ヒルシュにより創設されたアンサンブル・アルチンボルドはヨーロッパの音楽祭でも大活躍のアンサンブル。auditeレーベルよりラートゲーバーの「ムーリのミサ曲」(AU-92559)、「忘れられしアヴァンギャルド」(AU-97730)をリリースしている。auditeによる高品位の録音であることも注目で、オーディオ・ファンにもおすすめのアルバム。
ヴァイオリンとコントラバスのための二重奏曲
 ペンデレツキ(1933-):協奏的二重奏曲(2011) / ユン・イサン〔尹伊桑〕(1917-1995): Together(1989)
 ヤーコ・クーシスト(1974-): Minio Op.23 (2012) / アルフレート・フーバー(1962-):(Re) Actio Op.18 (2012)
 エルッキ=スヴェン・トゥール(1959-):共生 [Symbiosis] (1996)
 クルターグ(1926-):人は花にすぎない(ミヤコに)(2000) / ヴォルフガング・リーム(1952-):ダイアド(2011)

 エリナ・ヴァハラ(Vn) ニーク・デ・グロート(Cb)
 録音:2017年1月9日-11日、ライプニッツザール、コングレス・セントラム、ハノーファー。 「すべての楽器には音色、技術、精神、それぞれの面でアイデンティティがある……」。多くの作曲家が関心を寄せるようになってきた、室内楽の楽器としてのコントラバスとスター楽器であるヴァイオリン。フィンランドの魅惑のヴァイオリニスト、エリナ・ヴァハラとオランダのコントラバス、ニーク・デ・グローンのふたりが、ヨーロッパと韓国の作曲家が作曲した「個人的なテーマ」を扱ったヴァイオリンとコントラバスのためのデュオ作品、7篇を録音した。ペンデレツキの「協奏的二重奏曲」は、「聖ルカ受難曲」「ポーランド・レクイエム」といった大規模で告白的な作品から離れた彼が、独奏作品や室内楽曲を書くようになったころにアンネ=ゾフィー・ムターから委嘱されて書いた作品。また、ユン・イサンの「Together」は曲名が示すとおり、ふたつの楽器が対等な役割を担う作品で1989年に作曲された。フィンランドのヴァイオリニスト、ヤーコ・クーシストは、ラハティso. のコンサートマスターを経験、作曲家、指揮者としての活動が増えてきた。彼の作曲した「Minio」は、ジョン・アダムズの音楽も投影された神秘的な響きの作品。エストニアのエルッキ=スヴェン・トゥールは、ヴァイオリンとコントラバスのデュオを「超楽器」とみなして「共生」を作曲した。このほか、1991年と2003年の二度のイラク戦争を背景にもつという「戦争(Krieg)」と「平和(Frieden)」の2楽章からなる、オーストリアのアルフレート・フーバーの「(Re) Actio」、ハンガリーのクルターグが「人も音楽も、花の移ろい」のメッセージをこめた「Virag az ember (for Miyako)(人は花にすぎない(ミヤコに))」、そして「アダージョ」のエピソードに心の歌が歌われるヴァイオリンとコントラバスの対話を書いたヴォルフガング・リームの「ダイアド(Dyade)」が収録されている。各作曲家の個性のあらわれた興味深いアルバムがここに完成した。音の良さでも知られるauditeレーベル。社主にしてトーンマイスターのルトガー・ベッケンホーフ氏による録音であることも注目。ヴァイオリンの高音からコントラバスの低音まで堪能することができ、オーディオ・ファンにもおすすめの内容。エリナ・ヴァハラは、ラハティso. のコンサートでデビューした。ソリスト、室内楽奏者として活躍。フィンランド、ヨーロッパ、アメリカのオーケストラと共演、日本を含むアジアや南米のツアーに同行してきた。カールスルーエの音楽大学で教授を務めている。共演のニーク・デ・グロートは、王立コンセルトヘボウo. をはじめとする首席奏者を経て、2006年からソリスト、室内楽奏者として活動、エッセンの芸術大学のシニア教授を務めている。
プロコフィエフ(1891-1953):ヴァイオリン協奏曲集
 〔第1番 ニ長調 Op.19 /第2番 ト短調 Op.63 〕
フランチスカ・ピーチ(Vn)
クリスティアン・マチェラル指揮
ベルリン・ドイツso.
 録音:2017年3月13日-16日、イエス・キリスト教会、ダーレム、ベルリン、ドイツ。。 auditeレーベルが最も力を注ぎ録音をしているアーティストの一人、フランチスカ・ピーチがプロコフィエフの協奏曲を録音。第1番は独特の緊張感と宇宙的な広がりをみせる幻想的な和声が展開される個性的な作品。第2楽章スケルツォでの技巧的な独奏の小気味よさと両端楽章の美しい抒情性と浮遊感が絶品。ピーチはこの世界観を濃淡をつけて演奏。オーケストラとヴァイオリン独奏が見事に対話しているかのように演奏を展開している。第2番はヴァイオリン独奏ではじまりヴァイオリニストの個性が冒頭から発揮される作品。ピーチは情熱的ながらも祈るように深い味わいをもって演奏をしている。
マルク・コッペイ
 ブロッホ(1880-1959):チェロと管弦楽のためのヘブライ狂詩曲「ソロモン」
 ドヴォルジャーク(1841-1904):森の静けさ B.182 /チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
  マルク・コッペイ(Vc|使用楽器:ゴフリラー、1711年製
  キリル・カラビツ指揮ベルリン・ドイツso.
 録音:2016年8月29日-9月1日、ベルリン。 硬派なチェリスト、マルク・コッペイがついにドヴォルジャークのチェロ協奏曲を収録した。共演はキリル・カラビツ指揮ベルリン・ドイツso. 。コッペイはストラスブール生まれ。パリ国立高等音楽院で学んだ後、18歳でJ.S.バッハ国際コンクールにおいて優勝し一躍世界から注目を集めることになった。その後のキャリアは華々しく、ソリストとしてはインバル、クリヴィヌ、ギルバート、佐渡裕などの指揮者と共演。室内楽奏者としてのキャリアも充実しており、ピリス、ベロフ、デュメイ、ムローヴァ、パユなどから厚い信頼を得ている。またイザイ弦楽四重奏団(1995年から2000年)のメンバーとして数多くの録音を残している。現在はパリの国立高等音楽院で教鞭を執るほか、ザグレブソロイスツ合奏団の芸術監督として活躍の幅をさらに広げており、手兵と共演したハイドン& C. P. Eバッハのチェロ協奏曲集(AU 97716)では高い評価を得ている。ユダヤ民族主義の立場を強調した作曲家、ブロッホ(1880-1959)のヘブライ狂詩曲「ソロモン」は、標題的にソロモン(古代ユダヤ王国最盛期の王)を扱ったものではなく、ユダヤの象徴として題名を選んだ作品。ブロッホの代表作「ニーグン」と並び、ユダヤ民族主義が最も強烈に発揮された当作品は非常に印象的な旋律をチェロが奏で、オーケストラと壮大な世界を作り上げる。満を持しての録音となったドヴォコン。「ドヴォルジャークのチェロ協奏曲を録音するのが夢だった」と語るコッペイは理想の共演者、録音環境で最高のコンディションで実現することができた。一音一音、端正で伸びやかに奏でる愛器ゴフリラーの音色に聴き惚れてしまう。カラビツの好サポートのもと、現在の充実ぶりをうかがい知ることのできるコッペイの熱演をお楽しみ頂きたい。
Violonchelo del fuego
 グラナドス/カサド編曲:「ゴイェスカス」間奏曲 / ファリャ/ジャンドロン編曲:「はかなき人生」~スペイン舞曲
 ファリャ/チェン編曲:7つのスペイン民謡 / トゥーリナ:「幻想舞曲集」~熱狂 Op.22 No.1
 アルベニス/ストゥチェフスキー=セイラー編曲:「スペイン」~マラゲニャ Op.165 No.3
 グラナドス/カルボ=チェン編曲:「スペイン舞曲集」~アンダルーサ Op.37 No.5
 ファリャ/ピアティゴルスキー編曲:「恋は魔術師」~火祭りの踊り
 カサド:無伴奏チェロ組曲/チェロとピアノのための「愛の言葉」 / サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン Op.20

  チェンデュオ[ブライアン・チェン(Vc) シルビー・チェン(P)]
 録音:2017年10月24日-26日、イエス・キリスト教会、ベルリン。 中国系カナダ人の兄妹デュオ、チェン2・デュオ。チェンの2乗 = Cheng2で表記する通り、デュオが2倍ではなく2乗で相乗的な効果で演奏するという二人の思いが込められている。独auditeからの第2弾は情熱の国、スペインの作品に焦点を当て、グラナドス、ファリャ、アルベニス、トゥーリナ、カサド、サラサーテの作品を収録した。デュオとして既に15年ものキャリアをもつチェン兄妹は、2011年に急遽代役として出演したカーネギーでのリサイタルで大成功をおさめ、ニューヨークで話題となった。その後2015年には母国カナダのCBCが発表した「30歳以下のカナダ出身のクラシックの注目アーティスト」に選出されている。それぞれがソリストとして活躍している実力派の二人の演奏は、阿吽の呼吸から生み出される一糸乱れぬ演奏が最大の魅力で、卓越した技術で聴き手を虜にする。ことにツィゴイネルワイゼンの巧みな演奏には脱帽。今後最も期待されるデュオと言えるだろう。auditeレーベルからリリースされているドビュッシー、フォーレ、フランク、サン=サーンスをおさめたデビュー・ディスク(AU-97698)とあわせてお楽しみ頂きたい。
SEVEN
 始まり/平静〔1-6〕/天と地/海の中道/陸、海、植物そして動物/太陽、月そして星/人/静けさ

  ハンスイェルク・フィンク(Tb) エルマー・レーネン(Org)
 録音:2018年4月16日-17日、聖マリエン教会、ケーヴェラー。 前作レクイエム(AU-92660)でも話題を集めたトロンボーン奏者ハンスイェルク・フィンクとオルガン奏者エルマー・レーネンによる共作第2弾は「SEVEN」。創造された神話をもとにした7つの断片では彼らが生み出した世界が広がり、トロンボーンとオルガンが生み出す奇跡のサウンドを聴くことが出来る。ジャズ的要素もふんだんに取り入れた当作品は刺激的な響きも特徴。教会の響きを非常に効果的に用いた録音で、トロンボーンもオルガンのコンソール横で演奏し、その音はまるで天から舞い降りてくるような空気感に富んでいる。このような素晴らしい録音ができるのも長年教会での録音に携わり、数々の優秀録音をリリースしてきたauditeの社主ベッケンホーフ氏がなせる妙技と言えるだろう。
ホルヘ・ボレット~未発売 RIAS 放送録音集 Vol.2
 リスト:ピアノ協奏曲全集〔第1番 変ホ長調(*) /第2番 イ長調 (#) 〕/
     巡礼の年第2年「イタリア」より ペトラルカのソネット(+)
      〔第47番/第104番/第123番〕
 ワーグナー/リスト編曲:歌劇「タンホイザー」序曲(+)
  ホルヘ・ボレット(P) ローレンス・フォスター指揮(*)
  エド・デ・ワールト指揮(#)  ベルリン放送so.(*/#)
 録音:1971年11月30日(*)、1982年12月19日(#)、ベルリン・ラジオハウス・ゼンデザール、ライヴ(*/#)、1973年10月8日、スタジオ10、 RIAS 放送曲(+) 。 ボレットの未発表スタジオ録音第1弾 (AU-21438) は大反響を呼んだが、待望の第2弾も驚愕の内容。ホルヘ・ボレット(1914-1990)はキューバ出身のアメリカのピアニスト。大柄な技巧と濃厚な表現による19世紀風ピアノ演奏でファンの多い巨匠。独特のコクのある音色を持ち、たっぷりと歌われたリストやショパンは絶品だった。ボレットはゴドフスキに学んだ後、ラフマニノフの従兄でリストとチャイコフスキーの愛弟子だったジロティに師事して仕上げた、まさに血統書付のピアノDNA を持っている。しかしずっと不遇で、1970年代になりようやく世界的な注目を集め、Decca を中心に録音を残した。このアルバムはその注目を集めた時期のもが、いずれも初出音源。当時最先端だった西ドイツの放送局のクオリティにより奇跡的な状態で収録されていた。それをaudite 社主ベッケンホーフが細心のマスタリング技術で、驚異的な世界が蘇った。何よりも嬉しいのがリストのピアノ協奏曲第1番と2番。ボレットは両曲を1979年にジンマン指揮ロチェスター・フィルとVoxに録音、第1番は1960年のEVERST盤やPYE盤があるが、円熟度、オーケストラの質いずれもの点で、この録音は決定盤。リスト直系の物凄いヴィルトゥオジティと絶妙な歌い回しに聴き惚れさせられ、公開収録ならではの聴衆の熱気とボレットのノリも感じられる。「ペトラルカのソネット」全3曲は1980年代にDeccaの録音があるが、これはそれより9年前のもので、若々しい覇気に満ちていて魅力的。さらに凄いのはリスト編曲によるタンホイザー序曲。彼はラスト・コンサートでも同曲を弾くほど愛着を示したが、この演奏は技巧、音楽の大きさ、ピアノの音色の美しさ等充実度満点、凄すぎる内容となっている。ピアノ好きならば心から興奮させられること間違いない稀有の現象。
オルガン編曲によるロシア作品集
 ショスタコーヴィチ/ソフィー・レゾー編曲):弦楽四重奏曲第8番 ハ短調 Op.110
 プロコフィエフ/ソフィー・レゾー編曲:「束の間の幻影」 Op.22 より 抜粋
 ラフマニノフ/ゴードン・ボルチ・ネヴィン編曲:前奏曲 ト短調 Op.23 No.5
 チャイコフスキー/レジナルド・ゴス=カスタード編曲:くるみ割り人形 Op.71 ~あし笛の踊り
 リムスキー=コルサコフ/ソフィー・レゾー編曲:シェヘラザード Op.35
 チャイコフスキー/ソフィー・レゾー編曲:白鳥の湖 Op.20 ~情景
 ラフマニノフ/フレデリック・G.シン編曲:前奏曲 嬰ハ短調 Op.3 No.2「鐘」

 ソフィー・レゾー(Org|使用楽器:カヴァイエ=コル製作
 録音:2017年8月2日-4日、サントメール大聖堂、フランス。 サントメール大聖堂の正オルガニストのソフィー・レゾーが、ロシアの名曲をオルガンで演奏した興味深いアルバムがリリース。まずレゾー編曲によるショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第8番の演奏で驚かされる。D-S (Es)-C-Hの音形が全曲のテーマとして現れる当作品が、レゾーは各楽章でストップを変え立体的に演奏している。第2楽章の畳み掛けるようなフレーズも圧巻。 K.バリモントの序詩に基づく、プロコフィエフの束の間の幻影。レゾーは20の小品のうち9曲を抜粋し編曲した。色彩感豊かに演奏している。この他、どの作品でも楽器の王様パイプオルガンでロシアの名曲を奏でている。ソフィー・レゾーは数々の国際コンクールの入賞歴を誇り、ナイメーヘン国際オルガン・コンクール優勝(オランダ/ 1992年)やトゥールーズ国際オルガン・コンクール第2位(フランス/ 1996年)などで注目を集めた。その後、フランスを中心に演奏活動を続けているが、演奏楽器の中心はカヴァイエ=コル製作のオルガンで、正オルガニストをつとめるサントメール大聖堂はもちろんのこと、ノートルダム大聖堂(パリ)、マドレーヌ寺院(パリ)、サンセヴラン教会(パリ)に据え付けられた名器を演奏してきた。カヴァイエ=コルの楽器を熟知したレゾーだからこそのレジストレーションで各作品の魅力を絶妙に引き出した驚きの演奏を聴くことが出来る。
アメリカン・リサイタル Vol.2
 アレクサンダー・ライナグル(1756-1809):ピアノ・ソナタ第1番 ニ長調「フィラデルフィア」
 マクダウェル:森のスケッチ Op.51 より〔野ばらに寄す/睡蓮に寄す〕/
        12の技巧的練習曲 より〔無窮動/3月の風〕/ニューイングランド牧歌 Op.63(全10曲)
 アンタイル:ジャズ・ソナタ / アイヴズ:3ページ・ソナタ / セッションズ:私の日記から(全4曲)

 ウルリヒ・ロマン・ムルトフェルト(P|使用楽器:スタインウェイ D
 録音:2016年5月24日-26日、イエス・キリスト教会、ベルリン。 1970年フランクフルト・アム・マイン生まれのピアニスト、ウルリヒ・ロマン・ムルトフェルト。ヴェロニカ・ヨッフムやハルトムート・ヘルに師事し、コンサート・ピアニストとして活躍するかたわら、2003年には生物学者の証も受けている知性派。バッハから現代音楽までレパートリーは広く、初演も多く行っている。このアルバムはアメリカのピアノ曲を集めたアンソロジー第2弾。興味深いのはモーツァルトと同年生まれのアレクサンダー・ライナグル(1756-1809)のピアノ・ソナタ。オーストリア人としてイギリスに生まれ、1786年にアメリカへ移民した作曲家。50 篇のオペラを作曲しながらも、すべて1820年の火災で焼失したとされる。ピアノ・ソナタは4作が現存し、その第1番には「フィラデルフィア」と題されている。アメリカ的というよりはC. P. Eバッハかハイドンを思わせる多感様式で、アメリカにこんな古典派的作品があった事実に驚かされる。また、かつてはピアノ・アルバムの定番だったマクダウェルの「野ばらに寄す」ひさびさの新録音が大歓迎。美しいピアノの響きがアウディーテならではの録音の良さでゾクゾクするほど魅力的。1分47秒で終わってしまうアンタイルのジャズ・ソナタ、短いながら恐ろしく難しいアイヴズのソナタなどいずれも個性的。アメリカのピアノ音楽を再認識出来る。
Fantasque
 ガブリエル・フォーレ(1845-1924):ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 Op.13
 クロード・ドビュッシー(1862-1918):ヴァイオリン・ソナタ ト短調 L.14079 '55 "
 モーリス・ラヴェル(1875-1937):ヴァイオリン・ソナタ第2番 ト長調 M.77
 フランシス・プーランク(1899-1963):ヴァイオリン・ソナタFP.119

 フランチスカ・ピーチ(Vn|使用楽器:アントニオ・テストーレ、1751年制作
 ホス・デ・ソラウン(P|使用楽器 Kawai SK-EX(Shigeru Kawai Concert Grand)
 録音:2019年10月28日-31日、イエス・キリスト教会、ダーレム、ベルリン、ドイツ。独アウディーテ・レーベルから積極的にリリースを続けている魅惑のヴァイオリニスト、フランチスカ・ピーチ。「Fantasque」と題された当アルバムはフランスの作曲家に焦点を当て、フォーレ、ドビュッシー、ラヴェル、プーランクのヴァイオリン・ソナタを録音した。この録音でも艶やかにして濃厚で官能的な美音滴るピーチの演奏を堪能出来る。共演は前作ショスタコーヴィチとR.シュトラウスのヴァイオリン・ソナタでも息の合った演奏を聴かせたホス・デ・ソラウン。卓越した技巧と情感あふれる演奏でピーチとともにこれらの傑作を、心をこめて奏でている。演奏の素晴らしさに加えて、アウディーテの社主にしてトーン・マイスターのルトガー・ベッケンホーフ氏による高品位の録音であることも注目。ヴァイオリンとピアノ、ふたつの楽器がもつ音色の美しさを十分にとらえた録音。
ワインベルク:弦楽三重奏曲 Op.48 (1950)
ペンデレツキ:弦楽三重奏曲(1991)
シュニトケ:弦楽三重奏曲(1985)
トリオ・リリコ
[フランチスカ・ピーチ(Vn)
 ソフィア・ロイター(Va)
 ヨハネス・クレープス(Vc)]
 録音:2018年11月5日-7日、イエス・キリスト教会、ベルリン。半世紀前にブームを起こしたペンデレツキ、四半世紀前にブームを起こしたシュニトケ、現在ブームとなっているワインベルクの弦楽三重奏曲を集めたアルバム。いずれも旧共産圏の枠組み内には収まらぬ才能で、見事な作品となっている。3巨匠に共通するのは、ともにユダヤの血をひいていることと、一世を風靡するような個性とオーラを持っていること。とくにシュニトケとヴァインベルクは創作の絶頂期でもあり、音楽が魔力を秘めている。技法だけでない「心の音楽」が聴こえる。近年日本でも熱い注目を集めるドイツの実力派フランチスカ・ピーチ率いるトリオ・リリコ。2014年結成、今後弦楽三重奏界の第一人者となるはずで要注目。
プロコフィエフ:革命20周年のためのカンタータ Op.74
 キリル・カラビツ指揮エルンスト・ゼンフcho.、
 ワイマール・ドイツ国民劇場、エアフルト空軍音楽隊
 録音:2017年8月23日、ワイマール・ホール、ライヴ。 プロコフィエフの作品中でも、前代未聞のキテレツな一篇「革命20周年のためのカンタータ」。1937年に作曲されたが、あまりに大編成すぎるため記念年に初演されることもなく、今日でも演奏機会は極めて稀。4管の大オーケストラに加え混声合唱、軍楽隊にアコーディオン合奏、さらにモスクワ放送の効果音部隊までを駆使し、さらに革命シーンでは機関銃の乱射まであり、祝祭音楽ながらプロコフィエフ本来のアヴァンギャルドな天才性を完全に発揮している。昨2016年にゲルギエフ指揮マリインスキー劇場o. が日本初演を行い、一部で非常な話題となったが、完全な録音はヤルヴィ盤しかなく、このカラビツ盤の登場は大歓迎。多数の出演者のみならず、カンタータとはいえ合唱の歌詞もカール・マルクスの「共産党宣言」冒頭から始まり、レーニン、スターリンの演説を聖書の詩句のように用いているのが時代の異常性を示している。雪解け後はこのスターリンの詩が問題となり、上演の機会を失った。しかし音楽自体はプロコフィエフならではの機知に富み、親しみやすいメロディと強烈な音響であきさせない。1976年生まれのカラビツはスターリンの暗黒時代を知らないため、作品をきわめて客観的に音楽的興味を前面に解釈して充実した世界を創り上げている。曲中、レーニンの演説をメガホンでがなり立てる指示があるが、何とカラビツ自身がロシア語で行っているのも注目。全員が大真面目でこの珍作を力演している。auditeならではの高音質録音で、大編成の複雑な音の綾がクリアに再現される。
R.シュトラウス(1864-1949):
 交響詩「マクベス」 Op.23 (1890) /
 交響詩「ドン・ファン」 Op.20 (1888) /
 交響詩「死と変容」 Op.24 (1889) /祝典行進曲 Op.1
キリル・カラビツ指揮
シュターツカペレ・ワイマール
 録音:2017年12月19日-21日、ワイマール・ホール。 プロコフィエフの革命20周年のためのカンタータ(AU-97754)の録音でも話題のキリル・カラビツ&シュターツカペレ・ワイマール。期待の第2弾はR.シュトラウスの3篇の交響詩と祝典行進曲。ここに収録された交響詩はR.シュトラウスがワイマール宮廷劇場の第一楽長に就任していた時期(1889-1894)に手掛けられ、うち「マクベス」と「ドン・ファン」はワイマールの宮廷で作曲者自身の指揮により初演されている。ウクライナの俊英キリル・カラビツが明晰なタクトで情熱的に演奏している。auditeならではの高音質録音でお楽しみ頂きたい。
フランチスカ・ピーチ~無伴奏ヴァイオリン・ソナタ集
 バルトーク(1881-1945):無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Sz.117
 プロコフィエフ(1891-1953):無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.115
 イザイ(1858-1931):無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
  〔第2番 イ短調 Op.27 No.2 /第3番 ニ短調 Op.27 No.3 「バラード」〕
 フランチスカ・ピーチ(Vn|使用楽器:アントニオ・テストーレ、1751年製
 録音:2018年7月23日-25日、イエス・キリスト教会、ダーレム、ベルリン、ドイツ。 auditeレーベルの看板アーティストの一人、美しきヴァイオリニスト、フランチスカ・ピーチが遂に無伴奏ヴァイオリン作品を録音、超絶技巧で魅了する作品の最高峰に挑んだ。 ピーチはこれらの作品の個性を弾き分け堂々たる演奏を聴かせてくれる。現在のピーチの充実ぶりを示した注目の録音。演奏の素晴らしさに加えて、auditeの社主にしてトーン・マイスターのルトガー・ベッケンホーフ氏による高品位の録音をお楽しみ頂ける。
R.シュトラウス&ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン・ソナタ集
 R.シュトラウス(1864-1949):ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18 (1888)
 ショスタコーヴィチ(1906-1975):ヴァイオリン・ソナタ Op.134 (1968)
  フランチスカ・ピーチ(Vn|使用楽器:アントニオ・テストーレ、1751年制作
  ホス・デ・ソラウン(P|使用楽器: Kawai SK-EX(Shigeru Kawai Concert Grand
 録音:2018年10月1日-3日、イエス・キリスト教会、ダーレム、ベルリン、ドイツ。auditeレーベルの看板アーティストの一人で精力的にリリースを続けているフランチスカ・ピーチがR.シュトラウスとショスタコーヴィチのヴァイオリン・ソナタを録音した。R.シュトラウスのヴァイオリン・ソナタは1887年に作曲をはじめ翌1888年に完成した。R.シュトラウスの若々しく溌剌とした無比の美しい作品。ヴァイオリン、ピアノともに高度な技術が求められるが、作品の随所で聴くことのできる情熱的な美しい旋律がとても印象的。スペイン出身のピアニスト、ホス・デ・ソラウン(第13回ジョルジェ・エネスコ国際ピアノ・コンクールで第1位を受賞)のきらめくピアノも冴えわたる。ショスタコーヴィチ唯一のヴァイオリン・ソナタは、ダヴィド・オイストラフの60歳の誕生日に捧げられた作品。晩年の作風が簡潔化し、人生の深い悲劇性と思考の哲学性が追及された時期の傑作。献呈者オイストラフの芸術にみあう大規模かつ精神の深さにおいて充実したこの作品は、テクニックの面においても最高の難曲として知られる。ピーチは非常に魂のこもった熱演を聴かせてくれる。現在のピーチの充実ぶりを示した注目の録音。演奏の素晴らしさに加えて、auditeの社主にしてトーン・マイスターのルトガー・ベッケンホーフ氏による高品位の録音をお楽しみ頂ける。
リスト(1811-1886):
 交響詩「シラー祭によせる芸術家祝典行進」S.114 (*) /交響詩「タッソ、悲劇と勝利」S.96 /
 ダンテ交響曲(ダンテの「神曲」による交響曲) S.109 (#)

 キリル・カラビツ指揮シュターツカペレ・ワイマール
 マリアンナ・ヴォーザ合唱指揮ワイマール国民劇場cho.(#)
 ベリト・ヴァルター合唱指揮イェーナ・フィルハーモニー少年cho.(#)
 録音:2019年4月14日-15日(#以外)、2018年8月17日-20日(#)、ワイマール・ホール| (*):世界初録音。キリル・カラビツ率いるシュターツカペレ・ワイマールが同団の本拠ワイマールにまつわる作品を演奏する好評のシリーズ。前作ではフランツ・リストの交響詩「マゼッパ」と世界初録音となった未完の歌劇「サルダナパール」(AU-97764)を収録したアルバムをリリースした。当アルバムはリストの第2弾で世界初録音となった「シラー祭によせる芸術家祝典行進」をはじめ「タッソ、悲劇と勝利」と「ダンテ交響曲」を録音した。カラビツによる密度が濃く味わい深い演奏を聴くことが出来る。合唱曲「芸術家に奇す」と交響詩「理想」から主題をとった交響詩「シラー祭によせる芸術家祝典行進」は1859年11月10日、シラー祭への芸術家の祝祭行列に向けての作品でワイマールにて初演された。この度カラビツにより世界初録音が実現した。有名なダンテ交響曲は「地獄」「煉獄」「マニフィカト」の3楽章構成の作品。第3楽章はもともと「天国」にする予定だったものの献呈されたワーグナーがいかなる人声を用いても天国の歓喜を表現しえないとし、マニフィカトの歌詞による合唱に代えた。
ジェルジ・クルターグ(1926-):
 ソプラノ、ヴァイオリン、ツィンバロンとコントラバスのための「ある小説からの15の情景」 Op.19 /
 ヴァイオリンとツィンバロンのための8つの二重奏曲 Op.4 /
 ソプラノとツィンバロンのための7つの歌 Op.22 /
 ソプラノ、ヴァイオリンとツィンバロンのための「ある冬の夕暮れの想い出に」 Op.8 /
 ソプラノとコントラバスのための
  ゲオルク・クリストフ・リヒテンベルクの「スクラップブック」 Op.37a より/
 ツィンバロンのための「フェレンツ・ベレーニ70歳へのオマージュ」

 ヴィクトリア・ヴィトレンコ(S) ダヴィド・グリマル(Vn)
 ルイージ・ガゲーロ(ツィンバロン) ニーク・デ・グロート(Cb)
 録音:2018年12月9日-12日、ライプニツ・ザール、ハノーファー・コングレス・セントラム。2019年に93歳を迎えたルーマニア生まれのハンガリーの作曲家による6つの作品を収録したアルバムの登場。ブダペストで学び、のちにパリでミヨー、メシアンに師事したクルターグは1960年代の前衛音楽を吸収し、ヴェーベルンの音列技法の発展的一翼を担いた。ハンガリー動乱後も祖国にとどまり、現役作曲家として現在も活躍している。クルターグといえば打弦楽器ツィンバロン(ツィンバロム)を多用し、ハンガリーをはじめとする中欧・東欧地域らしさを示した作品を作曲している。なお、ここに収録された「7つの歌」と「ある冬の夕暮れの想い出に」はCDとしては初録音となる。
フランツ・リスト(1811-1886):
 交響詩「マゼッパ」S.100 /
 歌劇「サルダナパール」S.687(未完、4幕)(*)
  [補完&オーケストレーション:デイヴィッド・トリペッド]
 キリル・カラビツ指揮シュターツカペレ・ヴァイマール
 ジョイス・エル=コーリー(S;ミラ) アイラム・エルナンデス(T;サルダナパール)
 オレクサンドル・プシニアク(Br;ベレーソ) マリアンナ・ヴォーザ合唱指揮ヴァイマール国民劇場cho.
 録音:2018年8月17日-20日、ヴァイマール・ホール| (*)は当録音が初演&世界初録音。 キリル・カラビツ率いるシュターツカペレ・ヴァイマールが同団の本拠ヴァイマールにまつわる作品を演奏する好評のシリーズ。当アルバムはフランツ・リストの交響詩「マゼッパ」と未完の歌劇「サルダナパール(サルダナパロス)」を収録した。ヴィクトル=マリー・ユゴーの詩「マゼッパ」による、ピアノのための超絶技巧練習曲集第4曲「マゼッパ」を拡大したこの交響詩は1854年にヴァイマールで作曲、初演された。数奇な運命をたどったコサックの首領マゼッパが、ウクライナ解放の戦いに起ちあがる物語をダイナミックなオーケストラで表現する。イギリスの詩人、ジョージ・ゴードン・バイロンの戯曲「サーダナパラス王」(1821年)を台本にした歌劇「サルダナパール」は、1846年より1851年までヴァイマールの地でスケッチのみ作曲されたが、その後上演されることは無かった。しかし、2017年にヴァイマールのゲーテ・シラー文書館に保管されているスケッチを作曲家デイヴィッド・トリペッドが補完、オーケストレーションし170年たった今、日の目を見ることとなった。リストがヴァイマールに定住した時期に書かれたこの歌劇は生き生きとし、豪華絢爛でスリリングな展開が注目される。
シューベルト:後期ピアノ作品集 Vol.1
 ピアノ・ソナタ
  〔第20番 イ長調 D.959 /第4番 イ短調 D.537 〕/
 アレグレット ハ短調 D.915
アンドレア・ルケシーニ
(P|使用楽器: Steinway D
 録音:2018年11月10日-13日、ライプニッツ・ザール、ハノーファー。知性派ピアニスト、アンドレア・ルケシーニ。スカルラッティとベリオ、シューベルトとヴィトマンを交互に収録したユニークな前作(AU-97704)では"バロック、ロマン派と近代作品との対話" を見事に表現した。期待の新録音ではシューベルトの後期ピアノ作品(全3集でリリース予定)を取り上げる。あらゆるピアノ作品の中でも孤高の存在ともいえるシューベルトの後期ピアノ作品。1828年に作曲されたピアノ・ソナタ第20番は雄大で華麗なシューベルトの最高傑作で、特徴的な第1主題からシューベルトの世界に誘われる。一方、1817年作曲のピアノ・ソナタ第4番の第2楽章の旋律はピアノ・ソナタ第20番で最終楽章に用いられており、この2作品には大きな結びつきがある。ルケシーニが丁寧に紡ぎだす極上の演奏をお楽しみいただける。また、auditeレーベルの社主にしてトーン・マイスターのルドガー・ベッケンホーフ氏による高品位の録音であることも注目。
シューベルト:後期ピアノ作品集 Vol.2
 ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D.960 /
 3つのピアノ曲 D.946
アンドレア・ルケシーニ(P
 使用楽器:ピアノ;Steinway D
 録音:2018年11月10日-13日、ライプニッツ・ザール、ハノーファー。シューベルトの後期ピアノ作品集第2弾がはやくも登場。シューベルト最晩年1828年に作曲されたピアノ・ソナタ第21番と3つのピアノ曲が収録されている。シューベルトの最後のピアノ・ソナタ第21番遺作は俗世界を超越したソナタ。一方、3つのピアノ曲は死の半年前、1828年5月の作品。三部形式あるいはロンド形式をとり、テンポや拍子の変化によってコントラストを形成している。ルケシーニが全身全霊をこめて演奏している。演奏の素晴らしさはもちろんのこと、auditeレーベルの社主にしてトーン・マイスターのルドガー・ベッケンホーフ氏による高品位の録音であることも注目。ルケシーニはマリア・ティーポの弟子で、10代でミラノ・スカラ座ディーノ・チアーニ国際コンクールに優勝し世界的な注目を集め、以来シノーポリ、アバド、シャイー、ルイージなどの指揮者の指名のもと、数々のオーケストラと共演してきた。auditeレーベルよりスカルラッティとベリオ、シューベルトとヴィトマンを交互に収録したユニークなタイトル(AU-97704)、またシューベルトの後期ピアノ作品(全3集でリリース予定)などを録音している。
シューベルト:後期ピアノ作品集 Vol.3 (完結編)
 〔第18番 ト長調 D.894 「幻想」/
  第19番 ハ短調 D.958 〕
アンドレア・ルケシーニ
(P|使用楽器: Steinway D
 録音:2019年10月7日-10日、ライプニッツ・ザール、ハノーファー。知性派ピアニスト、アンドレア・ルケシーニによるシューベルトの後期ピアノ作品の録音集。その最終となる第3弾が登場した。あらゆるピアノ作品の中でも孤高の存在ともいえるシューベルトの後期ピアノ作品。1826年作のピアノ・ソナタ第18番「幻想ソナタ」は全4楽章構成の優雅な大作。一方、最晩年1828年作のピアノ・ソナタ第19番はシューベルトの最高傑作に数えられる作品のひとつ。晩年のシューベルトの個性豊かな響きが充実した名作。ルケシーニが一音一音全身全霊をこめて演奏している。演奏の素晴らしさはもちろんのこと、auditeレーベルの社主にしてトーン・マイスターのルドガー・ベッケンホーフ氏による高品位の録音であることも注目。ルケシーニはマリア・ティーポの弟子で、10代でミラノ・スカラ座ディーノ・チアーニ国際コンクールに優勝し世界的な注目を集め、以来シノーポリ、アバド、シャイー、ルイージなどの指揮者の指名のもと、数々のオーケストラと共演してきた。近年はソロ活動の一方、室内楽作品への取り組みも積極的で、ヴァイオリニスト渡辺玲子やチェリスト、マリオ・ブルネロなど名だたる演奏者との共演を誇る。
ザクセン=ヴァイマール公ヨハン・エルンスト2世(1696-1715):協奏曲集
 〔第3番 ホ短調/第4番 ニ短調/第7番 ト長調/第5番 ホ長調/
  第8番 ト長調/第1番 変ロ長調/第2番 イ短調/第6番 ト短調〕/

 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ハ長調/トランペット協奏曲 ニ長調
  ゲルノート・ジュスムート(Vn)指揮テューリンゲン・バッハ・コレギウム
  ダーヴィット・カストロ=バルビー(Vn) ループレヒト・ドレース(Tp)
 録音:2018年10月29日-31日、ヨハン・セバスティアン・バッハ教会、アルンシュタット。ザクセン= ヴァイマール領主ヨハン=エルンスト公の息子、ヨハン・エルンスト公2世のヴァイオリン協奏曲を集めたアルバムの登場。1696年生まれのエルンスト公2世は幼少時より音楽的才能を開花させた逸材で、作曲をJ. G /ヴァルター、J.S.バッハに習った。1715年、わずか18歳という若さでこの世を去った鬼才エルンスト公2世。彼が遺したヴァイオリン協奏曲6篇はテレマンが出版し、またJ.S.バッハはオルガン協奏曲( BWV.592、 BWV.595)やチェンバロ独奏のための作品( BWV.982、 BWV.984、 BWV.987、 BWV.592a)として編曲した。エルンスト公2世が作曲した協奏曲は10代らしい溌剌さとともにイタリア・バロック風の様式感をもった明るい旋律が魅力で“テューリンゲンのヴィヴァルディ "との異名をもつ。ゲルノート・ジュスムート率いるテューリンゲン・バッハ・コレギウムが見事な演奏を披露している。また、auditeレーベルの社主にしてトーン・マイスターのルドガー・ベッケンホーフ氏による録音であることも注目。
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲全集 Vol.6
 ピアノ三重奏曲 変ホ長調 Op.63 (原曲:弦楽五重奏曲 Op.4 ) (*) /
 交響曲第2番 ニ長調 Op.36(フェルディナント・リース編曲)(#)
  スイス・ピアノ・トリオ[アンジェラ・ゴルベワ(Vn)
    アレクサンドル・ネウストロエフ(Vc) マルティン・ルーカス・シュタウプ(P)]
録音:2020年6月20日-22日(*) 、2020年7月6日-8日(#)、アッペンツェル、スイス。1998年に結成され、数々のコンクール受賞歴を誇る実力派のスイス・ピアノ・トリオによるベートーヴェンのピアノ三重奏曲の全曲録音。第6集は1806年に出版された編曲作品2篇、ピアノ三重奏曲 ホ長調そして、交響曲第2番のピアノ三重奏版。弦楽五重奏曲 Op.4をフランツ・クラインハインツがピアノ三重奏版に編曲したピアノ三重奏曲 ホ長調 Op.63は、ベートーヴェン自身が校訂した作品。ベートーヴェンの作品のよき理解者であったクラインハインツらしい見事な編曲で知られる。一方、交響曲第2番をピアノ三重奏に編曲したフェルディナント・リースはベートーヴェンの弟子。この作品はリースが編曲しベートーヴェン自身が手を加え書き上げられたとされている。交響曲の実演に接する機会があまり無かった一般家庭では、当時このような編曲の需要が高くあった。ピアノ三重奏で聴く軽やかな響きがこの曲のもうひとつの魅力を伝えている。
モーツァルト:弦楽三重奏曲全集
 ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563 /
 6つの前奏曲(アダージョ)とフーガ K.404a より〔第1番-第5番〕(*) /
 弦楽三重奏曲 ト長調第1楽章(断章) K.Anh.66 (K.562e)
  ジャック・ティボー・トリオ
   [ブルクハルト・マイス(Vn) ハンナ・ストライボス(Va) ボグダン・ジアヌ(Vc)]
 録音:2020年2月28日-3月2日、トラウムトン・スタジオ、ベルリン=シュパンダウ、ドイツ| (*)の第6番は『アウディーテのWEBサイトでフリー・ダウンロード可能』とのこと。ジャック・ティボー・トリオは1994年に結成され、結成当時から弦楽トリオの作品で演奏機会に恵まれない、しかし素晴らしい作品も積極的に演奏してきた。2019年には結成25周年を迎え、さらなる活躍をみせている。2020年の最新録音は結成当初からの重要レパートリーであるモーツァルトの弦楽三重奏曲全曲をついに録音した。モーツァルトが作曲した弦楽三重奏の形態をとるディヴェルティメント 変ホ長調 K.563は6楽章構成の大曲。当演奏では44分30秒の演奏時間。1788年9月27日にウィーンで完成したモーツァルト晩年の名曲で、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロそれぞれに高い演奏技術を要する難曲であることでも知られ、時には協奏曲のような妙味も見せる。弦楽四重奏団に比べればもともと常設の弦楽三重奏団が少ないうえに難曲であるこの名作をジャック・ティボー・トリオが密なアンサンブルと雄弁な語り口で聴かせる。バッハのフーガに前奏曲(アダージョ)をつけた構成でモーツァルトが作曲したと言われている6つの前奏曲とフーガ K.404a(当アルバムではアダージョとフーガと記載)。モーツァルトがバッハの作品、特にフーガの研究に没頭するうちに弦楽三重奏曲のための6つの前奏曲とフーガを書いたとも言われている。フーガは主にバッハの平均律クラヴィーア曲集の作品による。当アルバムに収録できなかった前奏曲とフーガ第6番 ヘ短調および弦楽三重奏曲 ト長調第1楽章(断章) K.An H.66( K.562e)はボーナストラックとしてアウディーテのWEBサイト(www.audite.de)からフリー・ダウンロードできる予定。名録音技師ルトガー・ベッケンホーフが手掛けたジャック・ティボー・トリオの録音は、これまでにミヨー&マルティヌー(2017年録音/AU-97727)、ベートーヴェン(2015年録音/AU-23430)、ジャン・クラ(2014年録音/AU-97534)などをリリースしている。
ヴィドール:オルガン交響曲第8番 ロ短調 Op.42 No.4 (1887/1929版)
ロパルツ:大オルガンのための6つの小品~第2曲「祈り」
サン=サーンス:「糸杉と月桂樹」 Op.156 ~糸杉
 ジャン・バティスト・デュポン(Org|使用楽器:カヴァイエ=コル、1889年製作
 録音:2019年11月13日-15日、サン=セルナン教会、トゥールーズ、フランス。このオルガンはもともと1843年にデュクロケが製作した楽器を改修した物。フランスのオルガン・ビルダー、アリスティド・カヴァイエ=コルは1887年にこの改修を依頼され、2年後の1889年に完成した。1932年と1957年に改修されたが、1996年に復元修復が施され、1889年当時の響きを取り戻した。その後2017-18年に現代屈指のオルガン・ビルダー、ロベール・フレールによってオーバーホールされた。当録音ではこの銘器がもつ高貴さと圧倒的な存在感を存分に味わうことが出来る。ヴィドールはフランス各地のオルガニストを務めたのち、1869年にパリのサン=シュルピス教会のオルガニスト(当オルガンももちろんカヴァイエ=コル製作の大オルガン)となり、その後65年間この地位にあった。10つのオルガン交響曲はヴィドールの代表作で、第8番は6楽章構成の大曲。カヴァイエ=コルの楽器と響きを知り尽くしたヴィドールが描く世界は唯一無二の雄大さを誇る。
フランチェスコ・ヴェントゥリーニ(1675-1745):
 室内協奏曲〔第2番 イ短調 Op.1 No.2 /第11番 ロ長調 Op.1 No.11 /第9番 ト短調 Op.1 No.9 〕/
 序曲〔第5番 ホ短調/第6番 イ長調〕

 ラ・フェスタ・ムジカーレ
 録音:2019年10月21日-24日、ゼンデザール、ブレーメン。ベルギーのヴァイオリニストで作曲家のフランチェスコ・ヴェントゥリーニ(1675-1745)。バッハと同時代を生きたヴェントゥリーニはヴァイオリンのヴィルトゥオーソとして知られ、メロディアスかつエレガントそして舞曲を取り入れた作品を残したが、現在ではほとんど演奏されることがなく録音も非常に貴重。ヴェントゥリーニは18世紀に入り、ハノーファーの宮廷で活躍していたころに自身の音楽を形成していった。コンチェルト・ダ・カメラ(室内協奏曲)は1715年頃にアムステルダムで出版され、イタリア様式とフランス様式の混合を試みた「趣味の融合」として知られている様式で作曲された革新的な作品。フランス風の堂々とした序曲とイタリア風の見事な協奏曲、そしてオーケストレーションはバッハ、テレマン、ラモーのような色彩感覚を持ち合わせている。またヴェントゥリーニの協奏曲においての特徴として、ソリストは1つまたは2つではなく実に多様なその組み合わせで書かれていること。例えばオーボエ、リコーダー、ヴァイオリン、ファゴット2本そしてチェロ2本など。それはまるでバッハのブランデンブルク協奏曲を彷彿とさせる。今回、室内協奏曲第2番 イ短調 Op.1 No.2、序曲第5番 ホ短調、序曲第6番 イ長調は世界初録音となる。名手が揃った北ドイツのバロック・アンサンブル、ラ・フェスタ・ムジカーレがヴェントゥリーニの美しい音楽を色鮮やかに奏でる。
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲
 〔第1番 変ホ長調 Op.107 (1959) /
  第2番 ト短調 Op.126 (1967) 〕
マルク・コッペイ(Vc)
ローレンス・フォスター指揮
ポーランド国立放送so.
 録音:2019年12月18日、20日、セッション/2019年12月19日、ライヴ、以上 NOSPR コンサートホール、カトヴィツェ。硬派なチェリスト、マルク・コッペイがショスタコーヴィチの2つのチェロ協奏曲を録音した。コッペイはストラスブール生まれ。パリ国立高等音楽院で学んだ後、18歳でJ.S.バッハ国際コンクールにおいて優勝し一躍世界から注目を集めることになった。その後のキャリアは華々しく、ソリストとしてはインバル、クリヴィヌ、ギルバート、佐渡裕などの指揮者と共演。また室内楽奏者としてのキャリアも充実しており、ピリス、ベロフ、デュメイ、ムローヴァ、パユなどから厚い信頼を得ている。またイザイ弦楽四重奏団(1995年から2000年)のメンバーとして数多くの録音を残している。現在はパリの国立高等音楽院で教鞭を執るほか、ザグレブソロイスツ合奏団の芸術監督として活躍の幅をさらに広げており、手兵と共演したハイドン&C. P. Eバッハのチェロ協奏曲集(AU-97716)では高い評価を得ている。また、キリル・カラビツ指揮ベルリン・ドイツso. との共演でドヴォルジャークのチェロ協奏曲(AU-97734)もリリースしている。ロストロポーヴィチに捧げられたショスタコーヴィチの2つのチェロ協奏曲は今やチェリストの必須レパートリーに数えられる名作。ショスタコーヴィチのもつ独特な世界が広がる渾身作に真っ向から挑んだコッペイの演奏は、新たな名盤呼び声高い充実の内容。ローレンス・フォスター率いるポーランド国立放送so. の演奏も実に味わい深い。
ペニーズ・フロム・ヘヴン~アンコール作品集
 フリッツ・クライスラー(1875-1962)/エリック・ライゼン編曲:ウィーン風小行進曲
 モーツァルト(1756-1791):弦楽四重奏曲第3番 ト長調 K.156 ~第1楽章「プレスト」
 アーサー・ジョンストン(1898-1954)/ビル・ソープ編曲:ペニーズ・フロム・ヘヴン〔黄金の雨〕
 ドヴォルジャーク(1841-1904):ワルツ イ長調 Op.54 No.1
 マリアーノ・モーレス(1918-2016)/ヴェルナー・トーマス=ミフネ編曲:ブエノスアイレスの喫茶店
 フェリシアン・ダヴィッド(1810-1876):弦楽四重奏曲 イ長調~第3楽章「スケルツォ.アレグレット」
 モーツァルト:弦楽四重奏曲第1番 ト長調 K.80 ~第1楽章「アダージョ」
 ボロディン(1833-1887):弦楽四重奏曲第2番 ニ長調~第2楽章「スケルツォ.アレグロ」
 エンリケ・フランチーニ(1916-1978)/ヴェルナー・トーマス=ミフネ編曲:やってきた女
 チャイコフスキー(1840-1893):弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 Op.11 ~第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」
 ルロイ・アンダーソン(1908-1975)/ウィリアム・ジン編曲:シンコペーテッド・クロック
 ショスタコーヴィチ(1906-1975):バレエ音楽「黄金時代」 Op.22 ~第3曲「ポルカ」
 ドヴォルジャーク:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 Op.96「アメリカ」~第2楽章「レント」
 スティーヴィー・ワンダー(1950-) /イェルク・ヴィドモーザー編曲: Sir Duke 〔愛するデューク〕
 ハイドン(1732-1809):弦楽四重奏曲第39番 ニ長調「鳥」 Op.33 No.3 ~第4楽章「フィナーレ:ロンド.プレスト」
 アリアーガ(1806-1826):弦楽四重奏曲第1番 ニ短調~第3楽章「メヌエット」
 エクトル・バレラ(1914-1987) /ヴェルナー・トーマス=ミフネ編曲: El 58
 ウィリアム・クリストファー・ハンディ(1873-1958)/マッテオ・ジャンマリオ編曲:セントルイス・ブルース

 マンデルリングSQ [ゼバスティアン・シュミット(Vn1) ナネッテ・シュミット(Vn2)
           アンドレアス・ヴィルヴォール(Va) ベルンハルト・シュミット(Vc)]
 録音:2020年6月8日-10日、クリンゲンミュンスター、ラインラント=プファルツ州。独auditeレーベルの看板アーティスト、マンデルリング四重奏団。最新盤はありそうでなかった弦楽四重奏曲の名曲を揃えたアンコール作品を集めたアルバム。今回のコンセプトはクラシックにとどまらずタンゴ、ブルースなど、ジャンルを超えた名曲を揃えていること。収録作品はモーツァルト、ハイドンの「鳥」、ドヴォルジャークの「アメリカ」、チャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」など弦楽四重奏曲の最高傑作から抜粋で録音。さらにアルバムのタイトルにもなっている「ペニーズ・フロム・ヘヴン(黄金の雨)」やスティーヴィー・ワンダーの「Sir Duke(愛するデューク)」などの名曲が並ぶ。数々の受賞歴を誇る実力派クァルテット、マンデルリング四重奏団が送る実に楽しいアルバムが完成した。マンデルリング四重奏団のアンサンブルは今回も安定感抜群。激情の中にも決して冷静さを欠かない演奏で、名門の名にふさわしい堂々たる演奏を聴かせてくれる。2015年より新メンバーに迎えられたヴィオラのアンドレアス・ヴィルヴォールはドイツのエアフルト生まれ。ワイマールの音楽学校を卒業後ヴィオラに転向し、ベルリン・ハンス・アイスラー高等音楽院にてアルフレート・リプカに師事。また、キム・カシュカシアン、クリストフ・ポッペンなど著名な演奏家から薫陶を得た。その後、国際的な音楽祭に出演するほかファウスト・クァルテットのメンバーとして、また2001年よりベルリン放送so. 首席奏者として活躍している。今後、マンデルリング四重奏団のメンバーとしての演奏も大注目のヴィオラ奏者。
ヴィルトゥオージ
 J.S.バッハ:3つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ長調 BWV.1064R (#/+) /
 ヴァルター:オルガン協奏曲 ニ短調(*) (原曲:ジュゼッペ・トレッリ「断片」)
 J.S.バッハ:
  オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調 BWV.1060R (**) /
  オルガン協奏曲 ハ長調 BWV.595 (*) (原曲:ヨハン・エルンスト公「ヴァイオリン協奏曲」)/
  ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 BWV.983
   (原曲:ヨハン・エルンスト公「ヴァイオリン協奏曲」|復元:ゲルノート・ジュスムート)/
  オルガン協奏曲 ト長調 BWV.595 (*) (原曲:ヨハン・エルンスト公「ヴァイオリン協奏曲」)/
  2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV.1043 (#)

 ゲルノート・ジュスムート(Vn;*以外)指揮テューリンゲン・バッハ・コレギウム
 ダーヴィット・カストロ=バルビー(Vn2;#) ラファエル・ヘーヴィケ(Vn3;+)
 クララ・ブレッシング(バロックOb;**) イェルク・レディン(Org;*)
 録音:2020年10月5日-8日、オーバー教会、アルンシュタット。1714年、ヴァイマールの宮廷オルガニストであったJ.S.バッハは、ヴィヴァルディの「調和の霊感」 Op.3に出会い、ヴェネツィアの“モダーン "な協奏曲のスタイルを熱心に取り入れ、オルガン独奏曲をはじめとする編曲作品を残した。それらの作品はトゥッティのリトルネロ形式を散りばめ、バッハ独特のポリフォニー・スタイルで原曲を勝るとも劣らない作品に仕上げた。当アルバムではバッハに加えてバッハの同時代の作曲家ヨハン・ゴットフリート・ヴァルター(1684-1748)とザクセン=ヴァイマール公ヨハン・エルンストIV世(1696-1715)のオルガン作品を収録。当時のオルガン文化の繁栄を思わせる色彩豊かな選曲。テューリンゲン・バッハ・コレギウムは貴重なオリジナルの弦楽器、またレプリカを用いて演奏する団体。バッハと同時代の作品を主要レパートリーとし、auditeレーベルからヨハン・エルンスト公の協奏曲集 (AU-97769)、ヨハン・ベルンハルト・バッハ(1676-1749)の管弦楽組曲(AU-97770)をリリースしている。ゲルノート・ジュスムート率いる名手が揃った当団が好演を聴かせてくれる。
ノターリ&フォンタナ
 フォンタナ:ソナタ〔第2番/第6番/第3番/第5番/第1番/第4番〕
 ノターリ:ルッジェーロのアリア/2つのモニカのアリア(*)〔 Modi 8-10 (#) / Modi 1-7 〕/
      チャッコーナ(*/#) /ロマネスカのアリア(*) /別れの時は(#) /カンツォーネ・パッサッジャータ
 ロヴィーゴ:トッカータ(*)

 ユリア・フリッツ(リコーダー) ラインヒルト・ヴァルデク(バロッHp)
 ヨハネス・ヘーメルレ(Org|使用楽器:グラツィアディオ・アンテニャーティ、1565年制作
 マグダレーネ・ハラー(S;#)
 録音:2020年10月12日-16日、聖バルバラ教会(マントヴァ)| (*):世界初録音。16世紀から17世紀にかけ、イタリア、ロンバルディア地方の都市マントヴァは独自の芸術文化を発展させた。音楽の分野ではモンテヴェルディがその代表格だが、当時活躍した音楽家により、マントヴァの名声はヨーロッパ中に広まった。当アルバムにはモンテヴェルディと同時代を生きたジョヴァンニ・バッティスタ・フォンタナ(1589-1630)、アンジェロ・ノターリ(1566-1663)、フランチェスコ・ロヴィーゴ(1541-1597)の作品を収録。リコーダー、バロック・ハープ、オルガンの作品に加えソプラノの声楽曲も収録。世界初録音の作品もあり非常に貴重なアルバム。ボレアス・カルテット・ブレーメンのメンバーでもあるリコーダー奏者ユリア・フリッツと名手が奏でる充実の演奏。この録音では聖バルバラ教会の歴史的なオルガンを使用しているのも注目。グラツィアディオ・アンテニャーティが1565年に制作したこのオルガンは芸術文化の栄えた当時を知れる貴重な有形遺産で、大修復を経て今も色あせることなく奏でられている。
CD-368.412
廃盤
J.S.バッハと、彼の音楽のルーツ [Bach und Seine Musikalischen Wurzeln]
 J.S.バッハ:トリオ・ソナタ BWV 529 /トッカータ、アダージョとフーガ BWV 564
 フレスコバルディ:トッカータ〔第9番/第5番〕 / パッヘルベル:シャコンヌ ヘ短調
 スウェーリンク:「われらみな唯一なる神を信ず」による変奏曲
 ブクステフーデ:前奏曲 BuxWV 153 / ブラームス:前奏曲 ホ短調
  ライナー・マリア・リュッケスシュロス(Org)
LP
 特記が無いものは、基本的に1枚あたり180グラムのヴァージン・ヴィニールを使用してのプレス(もちろん新品)。基本的にはCDと同曲目だが、収録分数の関係で異なる物もある(個別に記載)。なお、LP商品が含まれるご注文の場合、配送料はCDと異なりますので御了承下さい。
 #クーベリックのものは多くが廃盤です。
AUD-80.001
[2LP]
廃盤
クーベリック、マーラー・ライヴ
 マーラー:交響曲第5番
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
AUD-80.402
buyボタン
[2LP]
時価
クーベリックのマーラー・ライヴ
 マーラー:交響曲第2番「復活」
エディト・マティス(S)
ブリギッテ・ファスベンダー(A)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.&cho.
 CD:AU-23402。LP発売:2006年。録音:1982年10月8日、ライヴ。クーベリックのマーラー演奏の総決算というべき演奏で、あの第5番を超えるヴォルテージ。テープの保存状態、マスタリングとも良好で、CDでは代理店が「音質も当シリーズ最高」としていた。
 #当シリーズのCD情報につきましては、SACDの第8番(AU-92551;2007年現在、LP未発売)にアイテムごとへのリンクを設けています。
 #2025年からの国内代理店では扱いなし。昨今の状況を鑑み、ご注文いただいた際に価格をお知らせいたします(価格お知らせ時点でのキャンセルも可能)。ご注文時に入手できなくなっていた場合はご容赦ください。
AUD-80.403
[2LP]
廃盤
クーベリックのマーラー・ライヴ
 マーラー:交響曲第3番
マージョリー・トーマス(A)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.&cho.、
テルツ少年cho.
KKC-1052/53
[AUD. 80.461]
[2LP]
廃盤
フルトヴェングラー「ルツェルンの第9」、スイス放送協会所蔵マスター・テープ使用
 ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125「合唱」
  エリーザベト・シュヴァルツコップ(S) エリザ・カヴェルティ(A)
  エルンスト・ヘフリガー(T) オットー・エーデルマン(B)
  ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮フィルハーモニアo.、ルツェルン祝祭cho.
AUD-80.465
[2LP]
廃盤
クーベリック、マーラー・ライヴ
 マーラー:交響曲第5番
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
AUD-80.467
[2LP]
廃盤
クーベリック、マーラー・ライヴ
 マーラー:交響曲第1番「巨人」
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
AUD-80.476
[2LP]
廃盤
クーベリック、マーラー・ライヴ
 マーラー:交響曲第7番「夜の歌」
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
AUD-80.480
[2LP]
廃盤
クーベリック、マーラー・ライヴ
 マーラー:交響曲第6番「悲劇的」
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
AU-82501
buyボタン
[LP]
価格帯:LP
グリーグ管弦楽作品集 Vol.1 [LP]
 「ペール・ギュント」第1組曲 Op.46 /
 交響的舞曲集 Op.64
アイヴィン・オードラン指揮
ケルン WDR so.
 録音:2010年10月4日-8日、ケルン・フィルハーモニー[WDR 制作]。LP 仕様: DMM|180グラム重量盤|三方見開きジャケット入り。ノルウェーが生んだ大作曲家グリーグの管弦楽曲全曲を、ベルゲン育ちの指揮者オードランがケルンWDR響を率いてレコーディングするauditeのシリーズは、グリーグの音楽語法のつぼを押さえた音楽作りと優秀な録音で評判を呼んでいる。SACDハイブリッド盤仕様による全5巻がまもなく完結予定だが、このたび楽曲を厳選してアナログ・レコードでもリリースがスタート。SACDハイブリッド盤第1集に収録されていた残りの作品、「ペール・ギュント」第2組曲とリカルド・ノルドロークの思い出のための葬送行進曲は、組曲「ホルベアの時代より」と鐘の音(ザイドル編曲)とのカップリングで、2014年11月にリリースされる予定。「ペール・ギュント」のなかの「朝」や「オーゼの死」で聴かれる、美しくみずみずしい弦楽器の質感と厚みは、レコードならではの魅力にあふれたもので、auditeがあえてアナログ化するこだわりがわかるような気がする。また、グリーグと同じノルウェー出身の画家エドヴァルト・ムンクの「魅惑の森」(1903年頃)をアレンジしたジャケットも、LP サイズだからこそよく映える。
AU-82502
[LP]
廃盤
グリーグ管弦楽作品集 Vol.2 [LP]
  アイヴィン・オードラン指揮ケルンWDRso.
AUD-82.542
buyボタン
[LP]
時価
ラファエル・クーベリック
 シューベルト:
  交響曲第9(8)番 ハ長調「グレイト」
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 ハイブリッドSACD:AU-92542(1SACD;ただし収録分数の関係から、SACDに含まれる第3番や、特典サウンド[リマスタリング前の、マスター・テープ生の音質も収録]がカットされている)。LP発売:2005年。録音:1969年3月27日(*)、ミュンヘン、レジデンツ・ヘラルクレスザール、ライヴ。
 弾みかえるリズムと、構え大きく伸び伸びとした歌、これこそがライヴのクーベリック。スタジオ盤(ロイヤル・フィル/1958年、EMI)とは見違えるように生気にあふれている。
 #2025年からの国内代理店では扱いなし。昨今の状況を鑑み、ご注文いただいた際に価格をお知らせいたします(価格お知らせ時点でのキャンセルも可能)。ご注文時に入手できなくなっていた場合はご容赦ください。
KII (AUDITE) SACD (非ハイブリッド)全点廃盤
KKC-10001
(SACD)
[NOT HYBRID]
廃盤/入手不能
フルトヴェングラー「田園」「運命」1947.5.25、SACD化
 ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」/
         交響曲第5番「運命」
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
BPO
KKC-10002
(SACD)
[NOT HYBRID]
廃盤/入手不能
フルトヴェングラー「田園」「運命」1954.5.23、SACD化
 ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」/
         交響曲第5番「運命」
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
BPO
KKC-10003
(SACD)
[NOT HYBRID]
廃盤/入手不能
フルトヴェングラー
 「未完成」「グレイト」1953.9.15、SACD化

 シューベルト:
  交響曲第8番 ロ短調 D.759 「未完成」/
  交響曲第9番 ハ長調 D.944 「グレイト」
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
BPO
KKC-10004
(SACD)
[NOT HYBRID]
廃盤/入手不能
フルトヴェングラー「ブル8」1949.3.15、SACD化
 ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
BPO


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