HOSANNA
ILLUMINATION
JOY
KAPELLMEISTER
(2011年11月末受注分を持って全点廃盤/入手不能)
ALL KARL BOHM FUN CLUB
LANNE HISTORICAL COLLECTION
(2009年秋を持って全点廃盤/入手不能)
LINK
LIVE SUPREME
NAVIKIESE
NEUMA



1CD−Rあたり¥2520(税抜¥2400)





HOSANNA
ベートーヴェン:
 「コリオラン」序曲(*)/「レオノーレ」序曲第3番(#)
ワーグナー:
 ジークフリート牧歌(+)/
 「トリスタンとイゾルデ」〜前奏曲と愛の死(**)
ビルギット・ニルソン(S;**)
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
VPO
 録音:1954年1月17日(*)/1962年5月31日(#)/1963年5月21日(+)/1962年5月31日(**)。いずれも入手がこの盤以外ではかなり難しいものばかりで、クナ・ファンなら手元に置いておきたい。
HOS-02
廃盤
ベートーヴェン:交響曲第3番 ウィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
BPO
 録音:1952年12月7日。TAHRAからFURT-1018で出ている物だが、TAHRAのリマスタリングを取るか、当盤の原盤に忠実な音を取るか、思案の為所だ。
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1960年代後半、ステレオ。非常に珍しい顔ぶれであり、ファンンなら見逃せない。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番(*)
モーツァルト:交響曲第40番
ロベール・カサドシュ(P;*)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮
バイエルン放送so.
 録音:1967年(*)/1966年、ステレオ。これまた珍しい共演。カサドシュの皇帝はロスバウトとの物があったが、今回は晩年のライヴ。 カイルベルトとしても最晩年の録音の一つであり貴重である。
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
ダヴィッド・オイストラフ(Vn)
フリッツ・リーガー指揮
ミュンヘンpo.
 録音:1950年代後半。ブラームスは以前TOPAZIOで出ていた物ではないかと思われる。モーツァルトは5種以上、 ブラームスは何と15種以上の録音があるオイストラフだが、当時の西ドイツのオケとの共演ということで注目できる。彼が西側で名を高めつつあった頃の録音でもあり、見逃せない。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 ウィルヘルム・バックハウス(P)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮
SDR so.
シューマン:ピアノ協奏曲(*) フリードリヒ・グルダ(P)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮
VSO
 録音:1962年/1955年(*)。バックハウスの「皇帝」は、一時期クナッパーツブッシュの指揮と言われ、レコード芸術で特選まで取ってしまった優れもの(?)。 グルダ若き日のシューマン共々ファンには垂涎物だ。
シューベルト:交響曲第8番
ブラームス:交響曲第3番(*)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮
バンベルクso.
ベートーヴェン:交響曲第7番(#)
ドビュッシー:「海」より[雲/祭り](+)
 録音:1956年/1955年(*)/1959年(#)/1958年(+)。ドビュッシー以外はカイルベルトの十八番。ドビュッシーのみはスタジオ録音が存在せず、ファンなら必携であろう。
ベートーヴェン:交響曲第3番 ラファエル・クーベリック指揮
BPO
 録音:1967年、モノラル。DGへのスタジオ録音の4年前のライヴ。彼の同曲はこれが2種め。
ブラームス:交響曲第1番 フランツ・コンヴィチュニー指揮LGO
 録音:1960年4月4日、モノラル。どちらかと言えば堅苦しいスタジオ録音とは全く違う側面をライヴで見せるコンヴィチュニー。 ここではさすが、弦楽器を前面に出した古風な演奏ながら燃焼度は無類。
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 レオニード・コーガン(Vn)
チャールズ・マッケラス指揮
ベルリン・シュターツカペレ
 録音:1962年2月2日、モノラル。露、英(チェコ)、独という国際色豊かなベートーヴェン。無論コーガンの十八番だが、マッケラスの側から見ると、彼の指揮としては正に最初期のもの。 その意味でも非常に興味深い。
HOS-13/4

(2CD)
シューベルト:歌曲集「冬の旅」 ハンス・ホッター(Br)
ハインツ・シュレーター(P)
 録音:1947年。ホッターの冬の旅は、ラウハイゼン(1942年&1943年)、ムーア(1954年)、ウェルバ(1961年)、ドコウピル(1969年)との各録音が知られているが、 この音源は戦後すぐのもの。彼の英雄的な歌声が、この寂寥感だたよう「冬の旅」に美しい光を注ぐ。 FKMから1980年代のライヴも出ているが、既出のものとあわせて是非聴き比べたい。
ブラームス:悲劇的序曲
レーガー:
 ヒラーの主題による変奏曲とフーガ
カール・シューリヒト指揮LSO
 録音:1964年1月31日。ステレオ。以前Disque Refrainから出ていた物だが音質向上。シューリヒトとロンドン響という珍しい組み合わせだが、 ブラームスでは思い切りの良い名演を、そして得意なレーガーもあきさせず聴かせてくれる。
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 パブロ・カザルス(Vc)
アレクサンダー・
 シュナイダー指揮
カザルス祝祭o.
 録音:1960年(おそらく1960年6月14日)、ライヴ。ステレオ。VOX/EVERESTのLPより復刻。CDとしてはAS DISC等から出ていたが現在は廃盤。 ステレオ録音ながらLPのスクラッチ・ノイズが少々あるが、SP期のセルとの有名な盤よりこちらを押す人も多い。正に年の功に支えられた名演といえよう。
HOS-17/8

(2CD)
シューベルト:
 ピアノ・ソナタ第14番(*)/ピアノ・ソナタ第21番(#)/
 幻想曲 ハ長調「さすらい人幻想曲」(*)
マウリツィオ・ポリーニ(P)
 録音:1974年4月(*)/1976年3月(#)、ライヴ。ステレオ。人気の高いポリーニの全盛時代。文句なしの技巧と表現力。ポリーニの解釈が浅薄だというのは全くの誤りであり、 シューベルト演奏で冗長になりがちな部分を完全に払拭している。
HOS-19/20

(2CD)
ベートーヴェン:
 ピアノ・ソナタ第32番/バガテルOp.126/
 ディアベッリ変奏曲
マウリツィオ・ポリーニ(P)
 録音:1976年、ライヴ。ステレオ。ポリーニのベートーヴェン。それも、内容がもっとも深い晩年の作品であるところが嬉しい。音色はどこまでも冴え渡り、 抜群のテクニックを持ってその解釈を余すことなく音にして行く。
HOS-21/2

(2CD)
ショパン:
 24の前奏曲集Op.28/夜想曲 変ニ長調/
 バラード第1番/スケルツォ第3番
シューマン:交響的練習曲/アラベスク
マウリツィオ・ポリーニ(P)
 録音:1976年、ライヴ。ステレオ。ピアノ音楽愛好家には最も好まれるであろうレパートリーがずらりと並んだ1組。ショパンの24の前奏曲はDGへのスタジオ録音と同年なので、 是非聴き比べて楽しみたい。シューマンもさわやか、透明な音色が気持ち良い。
HOS-23/4

(2CD)
シェーンベルク:
 3つのピアノ曲Op.11/ピアノのための3つの小品Op.19/
 5つのピアノ曲Op.23/組曲Op.25/
 ピアノ曲Op.33a/ピアノ曲Op.33b
ベートーヴェン:
 ピアノ・ソナタ第17番/ピアノ・ソナタ第21番
マウリツィオ・ポリーニ(P)
 録音:1974年8月22日、ザルツブルグ音楽祭、ライブ。いずれもスタジオ録音している物ばかりだが、 ベートーヴェンはその十余年前の録音ということで、比較できるのが楽しみ。
モーツァルト:交響曲第35番
ベートーヴェン:交響曲第7番(*)
カール・シューリヒト指揮
VPO
 録音:1956年11月16日/1957年6月2日(*)。以前Disque Refrainから出ていたものだが名演として知られており、 入手不可能になってからもファンが捜し回っていた演奏。以前と音質はあまり変化が無くその点が残念だが、入手が簡単になったというだけでもありがたい。
HOS-26/7

(2CD)
シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集/ピアノ・ソナタ第3番
ショパン:
 バラード第1番/ピアノ・ソナタ第2番/
 夜想曲第8番/練習曲第23番/スケルツォ第3番
マウリツィオ・ポリーニ(P)
 録音:1984年6月7日、ウィーン。ステレオ。ショパンのピアノ・ソナタ第2番が出色の出来。展開が実に優れている。 シューマンの2曲は、2000年にDGへ録音したが、その15年強の隔たりがある演奏の差異も興味深い。
ショパン:
 スケルツォ第3番/夜想曲第13番/夜想曲第14番/
 ピアノ・ソナタ第3番/練習曲第13番/
 練習曲第23番/練習曲第24番
マウリツィオ・ポリーニ(P)
 録音:1986年6月11日、ウィーン。ステレオ。ショパンばかりを並べた名盤。スケルツォの深みは、ポリーニが決してただの技巧派ではないことを物語る。2曲の夜想曲は、 彼による録音が他に存在しない。
ベートーヴェン:
 ピアノ・ソナタ第27番/ピアノ・ソナタ第28番
シューマン:クライスレリアーナ/アラベスク
マウリツィオ・ポリーニ(P)
 録音:1982年8月21日、ザルツブルグ、ステレオ。ベートーヴェンのソナタ第27番は彼による録音が他に存在しない。 また、クライスレリアーナがかなりの名演で、DGへの新録音と合せ愛聴したい。
ブラームス:交響曲第1番 ウィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
トリノ放送so.
 録音:1952年3月7日。LPではROCOCOから出ていた物で、現在入手できるのはこの盤のみ。
 フルトヴェングラーのブラ1も多くの録音があるが、このトリノ放送響ライヴは、それまでの熱情から一歩引いたような晩年様式とでも呼びたい独特の表現となっており、 音質は良く無いもののファン必聴。
シューマン:ピアノ協奏曲 マウリツィオ・ポリーニ(P)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
VPO
 録音:1974年8月15日、ステレオ。以前EXCLUSIVEから出ていたが、その時よりもかなり音質向上。良い演奏だけにこれは嬉しい。
ILLUMINATION
ベートーヴェン:
 ピアノ協奏曲第5番(*)/交響曲第5番(#)
 交響曲第6番(+)/「エグモント」序曲(**)/
 「シュテファン王」序曲(+)
クリフォード・カーゾン(P;*)
ジョージ・セル指揮
クリーヴランドo.
 録音:1967年1月26日(*)/1966年9月22日(#)/1970年1月22日(+)/1968年1月11日(**)。 ステレオ。 最晩年のセルらしい透明な演奏の中にも暖かみを感じさせるベートーヴェン名演集。録音嫌いのカーゾンをソリストに迎えた素晴らしい「皇帝」が聴けるのも嬉しい限り。
ブラームス:
 ピアノ協奏曲第1番(*)/交響曲第1番
ルドルフ・ゼルキン(P;*)
ジョージ・セル指揮
クリーヴランドo.
 録音:1968年4月18日(*)/1966年10月8日。ステレオ。 辛口同士のピアノ協奏曲は骨っぽくて最高。そしてセルの十八番であるブラ1の威容、迫力。スタジオ録音では味わえない。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番(*)/交響曲第41番(#)
シューベルト:交響曲第9番(+)
ロベール・カサドシュ(P;*)
ジョージ・セル指揮
クリーヴランドo.
 録音:1968年12月8日(となっているが、おそらく1966年12月8日が正しい)(*)/1960年代後半(#)/1970年4月25日(+)。ステレオ。 モーツァルトの2曲における真摯さには聞いていて頭が下がる。中でも(*)では、カサドシュの美音とセルの怜悧が見事に合致している。(+)はセルが亡くなった年のライヴながら覇気に富みスケール雄大。
ハイドン:交響曲第92番
シューベルト:交響曲第8番
ジョージ・セル指揮
クリーヴランドo.
 録音:1966年1月27日。ステレオ。ハイドンの交響曲の中でもチェリビダッケのような精密な演奏が成功しやすい名曲であるが、セルだけのことはあり、内容豊かで古典的な完璧演奏。 「未完成」はクリーヴランドの名技に身を任すだけで楽しめる名演。
シューマン:交響曲第3番「ライン」
シベリウス:交響曲第4番(*)
ジョージ・セル指揮
クリーヴランドo.
 録音:1960年代後半/1966年1月11日(*)。ステレオ。巨匠お得意のシューマンから全5楽章で演奏至難な「ライン」を。鳴らせ方のうまさはオケともども立派。 そしてシベリウスの真っ暗な名曲第4番のひんやりしたサウンドもセルならでは。
マーラー:大地の歌(*)/交響曲第9番 ジャネット・
 ベイカー(Ms;*)
リチャード・ルイス(T;*)
ジョージ・セル指揮
クリーヴランドo.
 録音:1970年2月5日(*)/1969年2月6日。ステレオ。直立不動かつ謹厳実直なマーラーを想像すると肩透かしを食らう。凄絶なドラマが描かれた大作2曲だけにセルも奔流のような指揮ぶりで、 作曲家ともども「最晩年」を曝け出す。彼のマーラー9番は珍しく、他には1968年のライヴがあるだけ。大地の歌はCBS(SONY)へは録音しておらず、これを含めて2種の録音があると思われる。
ハイドン:交響曲第99番(*)
モーツァルト:交響曲第40番(#)/ピアノ協奏曲第24番(+)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番(**)
ロベール・カサドシュ(P;+)
エミール・ギレリス(P;**)
ジョージ・セル指揮
クリーヴランドo.
 録音:1966年2月16日(*)/1966年10月15日(#)/1969年10月23日(+)/1966年10月27日(**)。ステレオ。ハイドンは文句なし。モーツァルトのト短調は、 甘さの一切ない厳しい演奏ながら陰りを感じさせるところが凄い。協奏曲ではおなじみカサドシュのモーツァルト第24番が、彼最晩年のライヴとして貴重。 ギレリスのベートーヴェン3番は、EMIに全集録音を入れた後のもの。記念碑的全集の後ということもあってか、聴かせる演奏となっている。
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ムスティスラフ・
 ロストロポーヴィチ(Vc)
ジョージ・セル指揮
クリーヴランドo.
 録音:1969年5月10日。ステレオ。以前伊DOCUMENTSのLV-941で出ていた物ではないかと思われるが、そちらに録音年等の表記がなく詳細は不詳。いずれにせよこの2大巨匠の共演した同曲の音源として貴重な物で、お互い一切妥協が無いのが凄い。
JOY
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(*)
エディト・パイネマン(Vn)
ズデニェク・マーカル指揮
バンベルクso.
カール・アントン・
 リッケンバッハー指揮
ハンブルクNDRso.(*)
 録音:1970年代。ステレオ。1960年代からのファンには懐かしいパイネマンの協奏曲。彼女には新録音もないわけではないが、特に当盤のような有名曲の録音はかなり少ないので、 このような協奏曲音源の発掘は喜ばしい。音色は美しく、表現はどこまでも伸びやかな良い演奏。
チャイコフスキー:交響曲第4番
プロコフィエフ:ロメオとジュリエット(抜粋)
ショスタコーヴィチ:交響曲第9番
ゲオルグ・ショルティ指揮
バイエルン放送so.
 録音:1980年代録音、デジタル。非常に珍しいショルティとバイエルン放送響との顔合わせ。スタジオでは完璧さを求めた人だが、 ここではヨーロッパ・サウンドを受け継ぐバイエルン放送響を駆使し、見事な演奏を聞かせてくれる。
モーツァルト:フルート協奏曲(*)
シューマン:交響曲第4番
イレーナ・
 グラフェナウアー(Fl;*)
ギュンター・ヴァント指揮
バイエルン放送so.
 録音:1980年代。
JOYCD-9004
廃盤
ブルックナー:交響曲第4番 ルドルフ・ケンペ指揮
ミュンヘンpo.
 録音:1970年代。彼の同曲はBASF=ACANTAへの録音と、以前ARTISTSからCDで出ていた物の2種が存在するが、それらとの関係は不詳。 チェリビダッケ時代とはまるでことなるのどかな音色。アンサンブルも緻密ではなく、おおらかそのもので、南ドイツのブルックナーを堪能するのはこれが一番かもしれないと思われるほどの演奏が繰り広げられる。
ブルックナー:交響曲第9番 エーリヒ・ラインスドルフ指揮
フランクフルト放送so.
 録音:1972年。ステレオ。近年やっと再評価の兆しが見えつつある名匠、ラインスドルフの注目盤。堅実、真っ当というボストン響とのスタジオ盤とはまるで違う変化にとんだ名演。 改訂版風のアレンジも多く、旧時代の大指揮者の一人だったことを思い知らされる。
JOYCD-9006/7
(2CD)
廃盤
マーラー:交響曲第2番 ヘレン・ドナート(S)
ビルギット・
 フィンニレ(Ms)
ジョン・バルビローリ指揮
シュトゥットガルト放送so.
 録音:1970年4月5日。ステレオ。彼の同曲として、同年6月19日のアルカディア盤があったが、当演奏は音質が優れており、死の3ヶ月前の彼の名演を十分堪能できる。 なお、当盤発売後、EMIからマスター・テープより復刻された盤が発売となっている(CZS 5 75100 2)。
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8番(*)
パガニーニ:24のカプリース(抜粋/6曲)
マイケル・レビン(Vn)
ロッタール・ブロダック(P;*)
 録音:1961年、モノラル。(*)はDOREMIからマスター・テープからのCD化がなされてしまった(DHR-7715)が、カプリースは今だこの盤でしか聞くことができない。 夭折の天才をしのぶのにふさわしい名演だ。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番(*)
R.シュトラウス:
 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」
マウリツィオ・ポリーニ(P;*)
ハンス・
 シュミット=イッセルシュテット指揮
バイエルン放送so.
 録音:1973年(*)/1967年。ステレオ。ポリーニがショパン・コンクール優賞以来の沈黙を破って世界を又に活躍し始めた頃のベートーヴェンと、 イッセルシュテットが意外にも録音をしていなかったと思われるティルの組み合わせ。
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ラドゥ・ルプー(P)
クルト・ザンデルリング指揮
バイエルン放送so.
 録音:1990年5月25日。ステレオ。非常に相性の良い2人のコンビ。ザンデルリングによる堂々たる序奏には圧倒され、 このままシンフォニーのように続いていくのでは・・・と思わせるほどだが、しかしルプーも負けじと厳しいタッチで全編通す。重量級ながら決して重苦しくはない名演奏。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番
シューマン:ピアノ協奏曲
アルトゥーロ・
 ベネデッティ・ミケランジェリ(P)
モーシェ・アツモン指揮VSO
 録音:1970年代。ミケランジェリのこの2曲のライヴは結構あるが、この音源は初出。繊細そのもののミケランジェリの凄いところは音量もしっかりしていること。 アツモンという鬼才を伴奏に得ていまるが、ミケランジェリの表現にはやはりかなわないようだ。
ブルックナー:交響曲第4番 ハンス・シュミット=
 イッセルシュテット指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:1966年。イッセルシュテット晩年のライヴ。巨匠がブルックナーのなかでも得意とした「ロマンティック」は1960年代の北ドイツ放送響らしい渋い、 暗めの音色と相まって良い出来映え。なお、TAHRAから出ている物と同一と思われる。
ブラームス:二重協奏曲(*)
ワーグナー:
 「さまよえるオランダ人」序曲(#)/「タンホイザー」序曲(+)
エーリヒ・レーン(Vn;*)
アンドレアス・
 トレスター(Vc;*)
ハンス・シュミット=
 イッセルシュテット指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:1970年(*)/1966年(#)/1960年代(+)。「二重協奏曲」は古今東西の名盤にも劣らぬベスト演奏の一つ。ソリストは当時の北ドイツ放送響のトップで、 ふたりともベルリン・フィルからイッセルシュテットが北ドイツ放送響結成時に引き抜いた名人。
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第4番
ダヴィッド・
 オイストラフ(Vn)
クルト・ザンデルリング指揮
ベルリンso.
 録音:1971年4月19日。ステレオ。MELODIYA音源で、音質は悪くないが原盤キズのためのノイズが数ヶ所入る。プロコフィエフが、名演に止めをさす名盤。 オイストラフと盟友ザンデルリングとの組み合わせは至上最高のコンビであり、今後も望めない名演といえよう
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
デュカス:魔法使いの弟子
マルケヴィッチ:バレエ「イカロスの飛翔」
チャイコフスキー:交響曲第6番
イゴール・マルケヴィッチ指揮
フランクフルト放送so.
 録音:1977年。作曲家としてのマルケヴィッチの代表作「イカロス」が聴けるのが珍しいが(いかにもストラヴィンスキー調)、デュカスと「悲愴」は感動の名演。 特に「悲愴」はオーケストラが上手いということもあって巨匠のベスト演奏となった。 第一楽章展開部は鳥肌もの。
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ウィルヘルム・ケンプ(P)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1969年。ステレオ。アラウとクーベリックの同曲ライヴはORFEOから出たが、今回のケンプとの演奏も、葬り去るには全くもって惜しい名演。 ケンプが高齢になってからだけに多少もたつくところはあるものの、語りくちの上手さは素晴らしい。ケンプは1950年代にコンヴィチュニーと同曲をDGに入れていたが、後年の同曲はかなり貴重。
ブラームス:交響曲第2番 ルドルフ・ケンペ指揮
バイエルン放送so.
 録音:1969年、ステレオ。ケンペも案外オーケストラに恵まれなかった人かもしれない。当時のミュンヘン・フィルはお世辞にもうまいオーケストラではなかった。 ここでの共演はバイエルン放送響だけにその心配は全くなし。彼の同曲のスタジオ録音は3種あるが、この音源は2回目と3回目の間のものとなるかと思う。ファンなら必携だ。
バッハ:管弦楽組曲第1番(*)
モーツァルト:
 ディヴェルティメント第2番(#)
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1968年(*)/1970年代(#)。ステレオ。彼は2曲ともスタジオ録音していない。殊にバッハは珍しいと言えるだろう。 どちらも巨匠向きのレパートリーではあるが、普段のような顔を真っ赤にしたような気合よりも風情が楽しめる独自の境地にある演奏。
モーツァルト:交響曲第35番
シューベルト:交響曲第9番「グレイト」(*)
カール・べーム指揮VPO
 録音:1975年/1973年(*)。ステレオ。ベームの「グレイト」はライヴ録音のすべてが名演だが、このライヴも凄い。80歳というのにこの熱気と集中力には脱帽。 それにしてもウィーン・フィルは当時上手かったと改めて思わされる演奏だ。
JOYCD-9021
廃盤
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ウィルヘルム・
 バックハウス(P)
カール・ベーム指揮VSO
 録音:1967年録音、ステレオ。バックハウス死の2年前、このコンビでブラームスの協奏曲第2番の名演が録音された頃のライヴ。 両者の当曲のスタジオ録音は意外にも残されておらず、ファンにはたまらない。 バックハウスによる同曲のスタジオ録音はあまり良い演奏とは言いがたく、当ライヴは非常に価値あるもの。ベームがウィーン響を指揮しているというのもこの名演に貢献している。
モーツァルト:
 ピアノ協奏曲第23番(*)/ピアノ協奏曲第24番(#)
クリフォード・カーゾン(P)
ラファエル・クーベリック指揮(*)
レオポルド・ハーガー指揮(#)
バイエルン放送so.
 録音:1975年6月(*)/1979年6月(#)。2曲ともカーゾンの十八番。 (*)はAUDITEから、元テープよりのCD化がなされているが、(#)は、まだ当盤でしか聞けない。この曲はカーゾン最晩年の録音としても重要であろう。清潔、透明な美しい演奏。
JOYCD-9023/4
(2CD)
廃盤
モーツァルト:交響曲第29番
R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
ブラームス:交響曲第2番
ワーグナー:
 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」〜1幕前奏曲
カール・ベーム指揮VPO
 録音:1977年3月11日。晩年のベームは素晴らしい。体力は衰えたが、その頭脳と解釈は生涯でも最高の時期にあったといっても過言ではない。 ウィーン・フィル最後の輝きを記録した貴重なライヴであり、特にブラームスとモーツァルトはベームにとっても会心の出来だろう。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番
バルトーク:ピアノ・ソナタ
ショパン:24の前奏曲集Op.28/マズルカ ヘ短調
スカルラッティ:ソナタ ニ短調
マルタ・アルゲリッチ(P)
 録音:1976年6月8日。元気溌剌で技巧最高。「これ以上の演奏は望めないでしょう?」とアルゲリッチ自身が言いたげなライヴ。特にベートーヴェンが珍しい録音となる。
JOYCD-9026/7
(2CD)
廃盤
シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化/謝肉祭
ショパン・ピアノ・ソナタ第2番
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第4番
アルトゥーロ・
 ベネデッティ・ミケランジェリ(P)
 録音:1973年10月29日。ミケランジェリとしては珍しいショパンのソナタが聞き物。1970年代の彼らしく、奥深い表現が聞き物だ。
ラヴェル:夜のガスパール/高雅にして感傷的なワルツ アルトゥーロ・
 ベネデッティ・ミケランジェリ(P)
 録音:1973年10月23日。油の乗りきった頃のミケランジェリのラヴェル。このライヴはよほど体調が良かったのか、気分が良かったのか。あまりにも素晴らしい。 JOYCD-9026/7と共に必携のアイテム。
ハイドン:交響曲第92番
シベリウス:交響曲第2番(*)
エルガー:交響曲第2番
ジョン・バルビローリ指揮
ボストンso.
 録音:1964年10月30日(*)/11月7日。円熟の極みに有りながらも大オーケストラとの縁に恵まれなかったバルビローリが、ボストンに客演したときのライヴ。 このコンビでの録音は今まで全く発売されておらず、まさに貴重。曲目も彼の得意としたものばかりであり、特にシベリウスは雄大なスケールで迫る正に十八番の名演。 ファンならずともこれは興味をそそられるCDだ。
KAPELLMEISTER
 往年の巨匠&名匠たちによるレア音源の宝庫として、アメリカのコレクター・グループが立ち上げた「カペルマイスター」。大巨匠クラスはもちろんの事、コアなファン垂涎のマニアックな名匠たちによる名演が特徴。装丁も丁寧な作り。
 # 2011年11月末受注分を持って、全点廃盤となることとなりました。入荷自体は12月以降にずれ込んでいる分がありますが、以降の御注文は、頂いてもお届け不可と考えられますので御了承下さい。
ALL KARL BÖHM FUN CLUB
 #当レーベルは、レーベルと代理店側の都合により今後の入荷予定はございません。
LANNE HISTORICAL COLLECTION(全点廃盤)
 ランヌ・ヒストリカル・コレクション。ランヌとはナポレオンの親友だったフランスの元帥(ただし、綴りは LANNES )の事だろうか?
 なお当レーベルは、レーベル側から全点廃盤&活動停止としたい旨代理店へ連絡があったとの事で、2009年10月22日を持って全点廃盤となりました。今後の入荷はございません。
LINK
ブラームス:交響曲第4番 カルロス・クライバー指揮
スロヴェニアpo.
 録音:1997年6月6日。1999年1月にバイエルン放送so.とカナリア諸島で名演を披露したクライバー。じつに一年半ぶりの指揮台だったが、前回と言うのがこのCDの演奏。 曲は同じくブラームスの4番である。クライバー夫人の故郷がこのスロヴェニアということも、この首都リュブリャナでの演奏に繋がったのかもしれない。無論オケは一流とはいえず、 アントン・ナヌットら指揮による廉価版が巷に溢れていることは皆さん既にご承知のことだが、元々どんなオケでも料理してしまうクライバーのこと、やはり熱血の名演に仕立て上げている。 若干のヒス・ノイズが有るものの、ファンにとってはたまらない。
R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」 フェリシティ・ロット(S)
クルト・モル(B)
アンネ・ゾフィー・
 フォン・オッター(Ms)
バーバラ・ボニー(S)
カルロス・クライバー指揮
ウィーン国立歌劇場o.&cho.
 録音:1994年3月23日。同年の来日公演とほぼ同じキャストの豪華さ。これがカルロスの最後のウィーン公演となっているのが残念。 カルロスのしなやかで繊細で生気に満ちた響きにも感動するが、昔の輝きを瞬時に取り戻すウィーンフィルも凄い。 この年の3月に、クライバーは「ばらの騎士」の公演を3回行った。初日である18日の演奏はDGから映像で発売されているが、今回の物は最後の23日の演奏。なお、映像の方も23日とする資料もあるが、未確認。
ワーグナー:
 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
テオ・アダム、
カール・リッダーブッシュ、
ヴァルデマール・クメント、
ギネス・ジョーンズ、他
カール・ベーム指揮
バイロイト祝祭o.&cho.
 録音:1968年7月25日。ステレオ。戦後の全曲録音が存在せず、誰もが待ち望んだベームのマイスタージンガー。一度はレコード化される予定であったが、 ある歌手の知名度的な問題で断念されたとも伝えられる、この曲初演100周年記念の録音がやっと日の目を見る。ワーグナー・ファンなら見逃せないCDと言えよう。音質良好。
モーツァルト:レクイエム ヘレン・ドナート(S)
I.メイア、W.オフマン、
ハンス・ゾーティン(B)
カール・ベーム指揮
VPO、ウィーン国立歌劇場cho.
 録音:1975年1月27日。ザルツブルグ。ザルツブルグ・モーツァルト週間における知る人ぞ知る伝説的名演。美しい音をそれだけで終わらせずに凄絶に迫る音楽作りには脱帽。
LINK 604-1
廃盤
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」 カルロス・クライバー指揮
VPO
 録音:1993年5月。以前DUMKAから出ていた物と同演奏。カルロス秘蔵のレパートリー「英雄の生涯」。艶やかな表情とリズミカルな展開がまことに素晴らしく、天才の証。 ただ、本人はあまり気に入らなかった演奏とのことで、リスナー側とのギャップが面白い。
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」 ヘルゲ・ブリリオート、
クルト・モル、
イヴォンヌ・ミントン、
ハインツ・ツェドニク、他
カルロス・クライバー指揮
バイロイト祝祭o.&cho.
 録音:1975年7月26日。ほぼ同キャストで、ほぼ一年前の録音がHYPNOSから出ているが、演奏はそれを凌ぐ、弾いていた団員も一生モノの自慢としている「トリスタン」。 精妙な音楽作りはいつもながら、どろどろと底を流れる情念と激情。これこそクライバーの真骨頂であろう。ファンならやっぱり逃せまい。
 #CD4におきまして、トラック1の4分弱など数ヶ所で音が不自然に飛ぶ部分がありますが、マスター起因のものです。御了承のほどお願い致します。
ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」 ヒルデガルド・
 ベーレンス(S)
ジェイムズ・キング(T)
ルチア・ポップ(S)
ドナルド・マッキンタイア(B)
クルト・モル(B)他
カール・ベーム指揮
バイエルン国立歌劇場o.&cho.
 録音:1978年1月30日。彼の最後のフィデリオ演奏となった物。「私の重要な局面にはつねにこのオペラがあった」と本人がいうほどの因縁の名作。 シンフォニーの時と変わらぬ、がちっとした、いい加減さのない名演。
R.シュトラウス:歌劇「ナクソス島のアリアドネ」 エディタ・グルベローヴァ、
ヒルデガルド・ベーレンス、他
カール・ベーム指揮
ウィーン国立歌劇場o.&cho.
 録音:1979年、ザルツブルグ。ライブ。楽屋落ちがテーマのこのオペラもベームの十八番。こういう時はいつもの謹厳実直ではなく、洒脱な音楽作りになるところが嬉しい。 歌手も好調で同曲の本命盤。来日公演を思い起こさせる熱演。
モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」 シェリル・ミルンズ、
アンナ・トモワ・シントウ、
ペーター・シュライアー、
テレサ・ツィリス=ガラ、
ワルター・ベリー、他
カール・ベーム指揮
ウィーン国立歌劇場o.&cho.
 録音:1978年8月13日、ザルツブルグ祝祭小劇場。豪華絢爛ライヴ。ベームにとっても重要なレパートリーだけに、凄まじい演奏を展開。 モーツァルトのオペラの中でも最も悪魔的な作品だが、ベームの指揮に死角なし。
R.シュトラウス:
 交響詩「英雄の生涯」/4つの最後の歌(*)
アンナ・
 トモワ=シントウ(S;*)
カール・ベーム指揮
ドレスデン国立歌劇場o.
 録音:1976年8月11日。ベームの4つの最後の歌のスタジオ録音は1950年代モノラル録音のデラ・カーサ盤のみだったから、今回のステレオ盤は嬉しい。かつてのパートナー、シュターツカペレ・ドレスデンをザルツブルクに招いてのライヴ。 極めつけのリヒャルト・シュトラウスで華やかさより渋みを取った大人の演奏。
プッチーニ:歌劇「ボエーム」 ミレッラ・フレーニ、
ペテル・ドヴォルスキー、他
カルロス・クライバー指揮
ミラノ・スカラ座o.&cho.
 録音:1981年。ECLOGUEの102-2と同一演奏、別音源。絶妙のテンポ設定。そして繊細な音楽作り。クライバーの美質が十二分に発揮された最高の演奏。 フレーニ、ドヴォルスキーのカップルも瑞々しく、同オペラの本命盤。
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」 ヴォルフガング・
 ウィンドガッセン、
ビルギッド・ニルソン、
マルティ・タルヴェラ、
グスタフ・ナイトリンガー、他
カール・ベーム指揮
バイロイト祝祭o.&cho.
 録音:1970年7月24日。ベーム最後のバイロイトの年の録音。気力、体力とも充実していた頃のベームの円熟を味わえる逸品。 オランジュ音楽祭の素晴らしいライヴ等で知られる彼一流の形而上音楽としての「トリスタン」。録音も良好。
ブルックナー:交響曲第7番 カール・べーム指揮VPO
 録音:1974年8月25日、ザルツブルグ。伝説的な日本公演の半年前のライヴ。早めのテンポで進められ、晩年のベームの力量と相なって聞き応えのある見事な演奏となっている。 スケジュールは例年ハードだったが、疲れも見せない巨匠の剛直な指揮ぶりには正直頭が下がる。
ベルク:歌劇「ヴォツェック」 ヴァルター・ベリー、
アニア・シリア、他
カール・ベーム指揮
VPO、
ウィーン国立歌劇場cho.
 録音:1972年8月5日、ザルツブルグ。ライヴ。196565年のベルリン・ドイツ歌劇場との演奏が有名なベームのヴォツェックだが1970年代の物は初登場。 暗い内容に、退廃的な音色がぴったりである。
R.シュトラウス:歌劇「影のない女」 ジェイムズ・キング、
レオニー・リザネック、
ヴァルター・ベリー、他
カール・ベーム指揮
VPO、
ウィーン国立歌劇場cho.
 録音:1975年7月26日、ザルツブルグ祝祭大劇場でのライヴ。自ら監修した2年後の有名なDGへのライヴとほぼ同一キャストだが、 この1975年には日本公演も行い、一番気力が充実していたのではないかという説もある。ウィーン・フィルの音色と相まって雰囲気十分の演奏。
R.シュトラウス:歌劇「ナクソス島のアリアドネ」 グンドゥラ・ヤノヴィッツ、
ジェイムズ・キング、
エディタ・グルベローヴァ、
ヴァルター・ベリー、他
カール・ベーム指揮
VPO、
ウィーン国立歌劇場cho.
 録音:1980年8月10日、ザルツブルグ。ライヴ。1979年の録音も同じくリンクから出ているが(LINK 607-2)、配役に関してはアリアドネがベーレンスからヤノヴィッツにかわったくらい。 ただ、ベームが死の前年、最後の力を振り絞って演奏しただけに、テンポがさらにゆっくりとなったが、 夕映えの輝きとでも呼びたい、実に済みきった音色で徹底した名演に仕上がっている。音質はまあまあ
モーツァルト:フィガロの結婚 トム・クラウゼ(Br)
エリザベス・ハーウッド(S)
ヨセ・ファン・ダム(Br)
エディト・マティス(S)
フレデリカ・
 フォン・シュターデ(Ms)他
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
VPO、
ウィーン国立歌劇場cho.
 録音:1975年7月30日、ザルツブルグ。ライヴ。カラヤンは3年後、彼としては2度目となるスタジオ録音をデッカに残しているが、ライヴとして発売されるのは確かこの演奏が始めて。 よく呼吸が浅いといわれるカラヤンのオペラだが、ここではそれがプラスに働き、軽快な好演になっている。配役的にはデッカ盤と似ているが、スザンナがコトルバシュではなくマティスなのに注目。 やはりこの役に関してはマティスの方が合っているように思われる。また伯爵夫人もデッカ盤ではトモワ=シントウの所、当盤ではハーウッド。このあたりは微妙な線だが、カラヤンの実演というのは、 スタジオ録音の前の実験演奏的な面が結構あるわけで、面白さという意味での興味はつきない。カラヤン・ファン、フィガロ好きは注目の盤である。音質はまあまあ。
LIVE SUPREME
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 アルフレード・
 ブレンデル(P)
デニス・ラッセル・
 デイヴィス指揮
BPO
 録音:1983年9月、ベルリン芸術週間。ライヴ。ステレオ。初出音源。
 現代ピアノ演奏の最高峰、ブレンデル。そのレパートリーの支柱ともいえるベートーヴェンのピアノ協奏曲全集が登場、しかしこれは一味違う。
 彼は全集録音もPHILIPSへだけで3度行っており、このライヴはレヴァインとの全集が成された時期だが、そこで示された「完璧」という二文字がぴったりくる演奏と、 今回のライヴはあまりにも異なる。今回のライヴで、彼はその一打鍵一打鍵へ大きなエネルギーを込め、緩急を大きくつけ、細かい装飾をも各所で行い、その結果が破綻しても構わないと考えているように見える。 装飾はそのほとんどが非常に音楽的に響くながらも、失敗して元のメロディに収まらず、あわててつけ足している箇所すらあり、1950年代までならともかく、1983年と言う年代ではあまり見られないスタイルでの演奏だ。 これらの曲へ新たに立ち向かおうと試行錯誤を繰り返したブレンデルの、その後の巨匠への道程のある時点を、まさに明確に描き出した興味深いライヴであると言えるだろう。 そしてもう一つ特筆すべきは、デニス・ラッセル・デイヴィスの指揮。 「皇帝」の追いまくるような統率振り、緘徐楽章におけるしっとりした味わいなど、まったく不満を感じない。ベルリン・フィルもカラヤン時代のゴージャス、豪胆なサウンドを存分に魅せる。
 音質面はあまり良いとはいえず、元テープ劣化による低域ノイズと、レンジやステレオ感の減少があり、第3番ではピッチ不良(約半音高い)、第4番では冒頭の10秒ほどが欠けるなど問題はあるが、 鑑賞には差し支えない。 ブレンデル・ファンには是非一度聴いて頂きたいライヴであるといえよう。
LSU-1002-2
廃盤
グルダ:コンチェルト・フォー・マイセルフ
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
フリードリヒ・
 グルダ(P)指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:1993年5月。ステレオ。初出音源。
 グルダが晩年に最も活躍した時期の名演。音色はどこまでも美しく、そして技術的にも最高潮だった。ドラムスまで加えた自作に対しては賛否両論があり、本来ディスクではなく会場で聴くべき作品であろうとは思うが、 肩の凝らない音楽であり、その観点で捉えれば悪くない。ベートーヴェンはグルダの繊細なピアニズムが存分に発揮された名演で、正に「豊穣」という言葉がぴったり。終演後の拍手も盛大だ。 確か彼は同曲は晩年には一切録音していなかったはずで、その意味でも貴重なライヴ。
 音質極上。
シューマン:
 ヴァイオリン協奏曲 ニ短調(*)/
 交響曲第3番 変ホ長調「ライン」
トマス・ツェートマイアー(Vn;*)
マルク・ヤノフスキ指揮
ベルリン放送so.
 録音:2002年11月27日。ステレオ。初出音源。
 既に60才を過ぎたヤノフスキだが、正に「巨匠」への道を歩みつつあることを証明するようなディスクの登場。徹底したトレーニングでフランス放送フィルをパリ一番のアンサンブルに仕上げた彼だが、 ここではベルリン放送響との共演が聴ける。 シューマンのヴァイオリン協奏曲は、叙情の香り豊かな名曲ながらディスクが極めて少ないが、名手ツェートマイヤーによる、癖が少なくかつ味わい深いこの演奏は、 シューマン・ファンの渇望を癒すのには十分な名演。「ライン」はかなり早いテンポで始まるが、上すべりすることのない音楽作りはさすが。中間部でのテンポのアップダウンも音楽的要素たっぷりなもので、 聞いていて飽きることがない。最終楽章もテンポは非常に早いが、加えてドイツ的低音部も十分に鳴っており、全体としてはかなりの水準にある名演。
 シューマン・ファンは見逃せない演奏であり、ヤノフスキ入門にも最適のディスクと言えるだろう。音質も極上。
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 マンフレート・
 ホーネック指揮
ベルリン放送so.
 録音:1998年10月。ステレオ。初出音源。
 若手注目株の一人で、ブルックナーも得意とするホーネックによる「悲愴」が登場。特に叙情的な部分を聴かせる演奏であるが、全体のまとまりは良く、管の扱いにも上手さを感じさせられるのは、 様々なオーケストラから引っ張りだこの彼ならではであろう。
 音質まず良好。
ハイドン:交響曲第104番 ニ長調「ロンドン」
エルガー:エニグマ変奏曲
コリン・デイヴィス指揮
バイエルン放送so.
 録音:1990年代。ステレオ。初出音源。
 安定した実力ゆえに却ってアピールに欠けるのか、もう一つその評価が盛り上がらないコリン・デイヴィスだが、その十八番を振らせた時の上手さは格別。 ハイドンはモーツァルトと並んで巨匠お得意だが、上品このうえない素晴らしさ。そしてこちらもよく手がけるエルガーは、退屈さを巧みに隠し、品格と柔らか味、そして切れ味をも感じさせる味わい深い名演。
 音質良好。
ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集(*)
ドビュッシー:夜想曲
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」より
        [前奏曲/愛の死(*)]
ルアナ・
 デフォル(S;*)
ハンス・ツェンダー指揮
南西ドイツ放送so.
 録音:2002年9月13日、ルツェルン。ステレオ。初出音源。
 ギーレンが遅いテンポと叙情性を醸し出してきたのに対し、雰囲気などには全く目もくれない冷淡な演奏を敢えて心掛けているかのような巨匠ツェンダー。 冷蔵庫の中で作曲していると陰口を叩かれるが、演奏でもウルトラ・ドライさは健在。それでいて音楽性は十分なのが人気の秘密であろう。ここでも特にドビュッシーでその乾いた音楽が味わえる。 デフォル(綴りはdeVol(スペース無し)だが、当盤では「de Vol, Messosoprano」と誤記)はサン・フランシスコ生まれでドイツで活躍する中堅。ここでは素直に美声を披露しており、好感が持てる。
 音質良好。
マーラー:交響曲第9番 ギュンター・ヘルビッヒ指揮
ザールブリュッケン放送so.
 録音:2002年3月。ステレオ。初出音源。
 カナダやイギリスで活躍した時は「ドイツ音楽の権威」と目された巨匠ヘルヴィッヒ。メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」等の名演(BERLIN CLASSICS)はあったものの、ディスクの少なさは遺憾ともしがたく、 日本では本領を知られぬまま、既に70歳を越してしまった。ここでも正にドイツ的王道を行く正統派マーラー世界を作り上げている。今からでも遅くはない。こういう名演に触れてほしい。
 音質極上。
ベルリオーズ:レクイエムOp.5 ジョルジョ・アリスト(T)
ラファエル・フリューベック・
 デ・ブルゴス指揮
ハンブルクNDRso.&cho.
 録音:1988年8月28日、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭、リューベック。ステレオ。初出音源。
 巨匠デ・ブルゴスは、広範なレパートリーを持ち、世界各国のオーケストラに常時客演。こういうことが評価と全く繋がらず、却って希少価値を減じて軽んじられさえもするのはまことに惜しい。 元々解釈の水準は非常に高い人であり、円熟の極みとも言える1980年代以降の演奏に非の打ち所はない。こここでも十八番の声楽作品ということもあって、伸びやかな名演を聞かせている。
 音質極上。
モーツァルト:セレナータ・ノットゥルナ
レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」/交響詩「ローマの松」
ラファエル・フリューベック・
 デ・ブルゴス指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:2002年12月14日。ステレオ。初出音源。
 デ・ブルゴスの最新盤。巨匠の名に恥じない名解釈を見せる彼が過小評価されているのは惜しい。真のコスモポリタンに拍手。
ベートーヴェン:交響曲第7番 クラウス・テンシュテット指揮
ミネソタo.
 録音:1989年11月。ステレオ。初出音源。
 テンシュテットの同曲は、1977年のボストン響とのライヴ("000" CLASSICS ADB-0003)と、今回と同月、1989年11月21日のロンドン響とのライヴ(RARE MOTH RM-493S)があったが、 今回は非常に珍しいミネソタ管とのライヴが登場。比較的遅いテンポが採用され、厳格に刻むリズムは普段の激情型演奏とは一味違う。ふつふつと湧き上がるようなパワーが全曲に持続する抜群の演奏。
 各所に傷があり、良い音質とはいえないが、これは聞き逃せない。
バルトーク:管弦楽のための協奏曲 ラファエル・クーベリック指揮
ボストンso.
 録音:1973年1月28日。ステレオ。初出音源。
 クーベリックはこの曲をボストン響とスタジオ録音しているが、当然の如く別人のような燃焼度の高い名演。時折みられる即興的なテンポアップは失敗している部分もあるが、反面人間味溢れるものとなっており、聴いていて清清しいばかり。
 音質はこもりがちだが一般の鑑賞に不足は無い。
マーラー:交響曲第1番「巨人」 ラファエル・クーベリック指揮
LSO
 録音:1975年9月。ステレオ。初出音源。
 あたかも序奏から爆発したくてうずうずしながらもそれに耐え、決め所でド迫力で決めたかのような凄い演奏。第2楽章の快活な音楽表現や金管はもはや野性の雄叫びであり、 第3楽章のメランコリックな味わいも素晴らしい。そして驚愕の終楽章にはこれ以上何を望めようか。
 全般にヒスノイズが多めだが、音質自体はしっかりしたもの。
スメタナ:連作交響詩「我が祖国」 ラファエル・クーベリック指揮
シカゴso.
 録音:1983年10月27日、ステレオ。初出音源。
 クーベリックのテーマ曲ともいえそうな「我が祖国」は演奏のいずれもが感動的なものばかり。六度以上の録音があるが、シカゴ響とはMERCURYへ入れた1952年のモノラル録音があるだけだった。 当ライヴは、巨匠の第一回引退直前のもので、シカゴ響の献身的な協力を得ての艶やかで大胆な変化も散見され、魂に迫る素晴らしいライヴに仕上がっている。 日本での公演と同様に、前半で休憩を取っているのは興味深い。
 音質は、当時としては今ひとつこもりがちで、所により元テープの経年劣化も認められるが、巨匠の真摯な芸術は十分伝わってくる。
ヘンデル:合奏協奏曲 ト短調
ブリテン:シンフォニア・ダ・レクイエム
ラヴェル:クープランの墓
ルーセル:交響曲第3番
ラファエル・クーベリック指揮
シカゴso.
 録音:1983年11月3日、ステレオ。初出音源。
 巨匠クーベリックとシカゴ響はまさに魅力的な組み合わせで、豪快なだけでなく繊細な色合いも見事に表出する名コンビ。今回の4曲はクーベリックとしてはかなり珍しいレパートリーであり、 初レパートリー曲もある模様。特にラヴェルは、意外と思えるほど巧妙な演奏となっている。
LSU-1015-2
廃盤
ブラームス:交響曲第4番 フランツ・
 コンヴィチュニー指揮
ベルリン国立歌劇場o.
 録音:1960年、モノラル。WEITBLICKから出ている1960年10月8日の演奏と同一ではないかと思われる。
 コンヴィチュニーは意外と録音に恵まれなかった指揮者であり、特にブラームスの交響曲のスタジオ録音は第1番しかない。この第4番は初出ではないが、濃厚な弦楽器の表現とどっしりと重いテンポ、 そして音質の良さは特筆すべきものがある。
ホロヴィッツ・イン・ベルリン 1986
 D.スカルラッティ:
  ソナタ ロ短調L.33/ソナタ ホ長調L.23/ソナタ ホ長調L.224
 ラフマニノフ:
  前奏曲 ト長調Op.32-5/前奏曲 嬰ト短調Op.32-12
 スクリャービン:
  練習曲 嬰ハ短調Op.2-1/練習曲 嬰ニ短調Op.8-12
 シューマン:クライスレリアーナ
 リスト:ウィーンの夜会/ペトラルカのソネット
 ショパン:
  マズルカ イ短調Op.17-4/マズルカ へ短調Op.7-3
  ポロネーズ第6番 変イ短調Op.53「英雄」
 シューマン:子供の情景〜トロイメライ
 リスト:忘れられたワルツ
ヴラディーミル・
 ホロヴィッツ(P)
 録音:1986年5月18日、フィルハーモニー大ホール、ベルリン。ステレオ。初出音源。
 ホロヴィッツ最晩年のライヴが2種類登場。
 こちらは、ホロヴィッツ最後の大規模なツアーとなった一連の公演から。高名なモスクワ公演の一ヵ月後のライヴ。明るい雰囲気のベルリン・フィルハーモニーも、ホロヴィッツの陰影豊かな狂気の音色に包まれて一種異常な空気を生み出している。ピアノに最も重要なのは音色、という至上命題が何よりも優先されている演奏。
 音質極上。
ホロヴィッツ・イン・ハンブルク 1987
 モーツァルト:
  ピアノ・ソナタ第13番 変ロ長調K.333
   〜第3楽章の終末部約5分
 リスト:ウィーンの夜会
 シューマン:子供の情景
 ショパン:マズルカ ロ短調Op.33-4/
       ポロネーズ第6番 嬰イ短調Op.53「英雄」
 シューベルト:楽興の時第3番 へ短調
 モシュコフスキ:花火
ヴラディーミル・
 ホロヴィッツ(P)
 録音:1987年6月21日、ムジークハレ、ハンブルク。ステレオ。初出音源。
 ホロヴィッツ最後の公開演奏となった、これまた凄いライヴ。ベルリン・ライヴと聴き比べると、伝統的シューボックス型ホールとワインヤード式ホールにおけるホロヴィッツの音色の違いが楽しい。こちらの演奏も引き締まったもので、ぜひ双方お聞きいただきたい。なお、1曲めは始め「ロンド ニ長調K.485」で案内されていたが、上記曲目が正しいと判明した。音質極上。
 2008年4月追記:こちらの演奏会は、DG から完全版&マスターからの初復刻盤(477 755-8; 2008年5月発売予定、リンクは2008年6月より有効)がアナウンスされていますので、今後のご注文はそちらをお薦め致します。
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」 ビルギット・ニルソン(イゾルデ)
ルート・ヘッセ(ブランゲーネ)
ジョン・ヴィッカーズ(トリスタン)
ワルター・べリー(クルヴェナル)
ベンクト・ルンドグレン(マルケ王)
カール・ベーム指揮
フランス国立放送so.、
ニュー・フィルハーモニアcho.
 録音:1973年7月7日、オランジュ音楽祭。ステレオ。初出音源。
 何よりもベームのベスト・フォームを示した熱気溢れる統率ぶりが凄く、出来そのものはバイロイトを越えるのではと思わせるほど。フランス国立放送響もベームの求める音を出し切っており、 ニルソン、ヴィッカーズ、べリーという大歌手ともども燃焼度は随一。
 音質も当時としては非常に鮮明なもので、舞台公演というハンディは感じられない。
LSU-1019-2
廃盤
ショスタコーヴィチ:交響曲第15番 ヘルベルト・ケーゲル指揮
ライプツィヒ放送so.
 録音:1972年11月。ステレオ。初出音源。彼のショスタコーヴィチの交響曲は、確かこれまで、BERLIN CLASSICSから出ている第1番と、WEITBLICKから出ている第7番しかなかった(SSS-0028-2)。
 ショスタコーヴィチの最高傑作にして最後の交響曲。近年ショスタコーヴィチの名解釈者としても評価が高まりつつあるケーゲル指揮による衝撃的名演。第3楽章以降の深みはちょっと他では考えられない。
 音質も極上。
ドヴォルザーク:交響曲第7番 ロベルト・アバド指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:2001年5月。ステレオ。初出音源。
 もはやクラウディオの甥などという呼び名も必要ないロベルトの最新ライヴ。北ドイツ放送響には、巨匠ザンンデルリンクの代役として初登場以来、毎年招かれるようになった。それだけ信任も厚く、 ブラームス風のほの暗い交響曲に音色がぴったりと来る。
 音質良好。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番(*)
メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」(#)
ヘレン・ホワン(P;*)
クルト・マズア指揮
BPO
 録音:1996年10月23日。ステレオ。初出音源。
 マズアは日本では人気がないが、ベルリン・フィルのような上手いオケとの共演では、その妙技を生かして、生き生きとした演奏を繰り広げることも珍しくない。ここでも、 その天才的腕前をマズア自身が賞賛し、サポートしているホワン(1982-)との(*)では、快活で新鮮な名演が繰り広げられ、(#)ではドイツ気質を生かしたメリハリある佳演が展開する。
 音質まず良好。
ウェーバー:「オイリアンテ」序曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
マリス・ヤンソンス指揮
BPO
 録音:2002年12月19日(当盤では9日と誤記)。ステレオ。初出音源。
 今やベルリン・フィルにとって最重要指揮者の一人であるヤンソンス。癖のない音楽は万人向けであり、レパートリーの広さもこの名門オケには嬉しいのだろう。 無骨さとは正反対の位置にある、美麗なショスタコ。
 音質まず良好。
ストラヴィンスキー:遊戯
バルトーク:ピアノ協奏曲第2番(*)
ラヴェル:クープランの墓
ヴァレーズ:アメリカ
ライフ・オーヴェ・
 アンスネス(P;*)
ピエール・ブーレーズ指揮
BPO
 録音:2003年1月30日。ステレオ。初出音源。日付は、演奏会記録によると同月31日。
 ブーレーズらしいプログラムで、いずれも様々なオケで取り上げた得意曲ばかり。いずれも明快なベルリン・フィルの反応が素晴らしい。「クープランの墓」などの順応性には驚くばかり。
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番
ブラームス:交響曲第2番
レオニダス・
 カヴァコス(Vn;*)
インゴ・メッツマッハー指揮
ハンブルク国立po.
 録音:2003年2月2日。ステレオ。初出音源。
 メッツマッハーは実力のある人だが、不況のあおりを受けCDがさっぱり出なくなったのは気の毒だ。ティーレマンにライヴァル意識を燃やしているという話もあるが、 交響曲指揮にも絶対の自信を見せる彼だけに期待大。バルトークで共演している、BISへのシベリウス「ヴァイオリン協奏曲 原典版」で名を知られたカヴァコスの登場も嬉しい所。
マーラー:交響曲第1番「巨人」 ファビオ・ルイージ指揮
ライプツィヒ放送so.
 録音:2000年3月17日。ステレオ。初出音源。
 着々と進むルイジのマーラー・ツィクルス。この「巨人」では、第2楽章の出だしなどはびっくりするほどのスロー・テンポで開始し、すぐにテンポアップするなど、時折面白い解釈を見せる。 全体的には早めのテンポで進むが、整合性ある指揮ぶりで知られる彼だけに、正統派名演となっている。
 音質まず良好。
ベートーヴェン:
 ピアノ協奏曲第3番(*)/交響曲第3番「英雄」
ルドルフ・ブッフビンダー(P;*)
ロジャー・ノリントン指揮
シュトウットガルトso.
 録音:2002年12月30日。ステレオ。初出音源。
 絶頂期を迎えているノリントン。不釣合いではとも思われた当オケともコンビネーションはばっちり。モダン・オケにピリオド楽器的響きを取り入れ、もちろん以前と同じにならないのは、彼の実力ゆえだろう。 (*)ではドイツ伝統の流れを継ぐブッフビンダーとの共演ゆえ、おとなしめの正統派演奏かとも思われたが、意外にもブッフビンダーがかなりの自主性を発揮、聴いていて飽きない名演となった。 (#)はまさにピリオド楽器奏法を生かした演奏で、ライヴならではの熱気もふんだんに散りばめられており爽快。2曲とも必聴の名演といっても過言ではない。
 音質良好。
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲(*)
シューマン:交響曲第3番「ライン」
トマス・
 ツェートマイアー(Vn;*)
ジョナサン・ノット指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:2003年1月20日。ステレオ。初出音源。
 今や楽壇の寵児となったノットのシンフォニック・レパートリー。この人も不況のあおりを受け、新譜のなかなかない人ゆえライヴの登場は歓迎されよう。効率よい場面運びが素晴らしい。
 音質良好。
ハルトマン:交響曲第1番
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲
シューベルト:交響曲第8番「未完成」
ファビオ・ルイージ指揮
ライプツィヒ放送so.
 録音:1990年代〜2000年代。ステレオ。初出音源。
 才能溢れるルイージによる、彼で聴きたい曲がずらりと並んだ1枚。あからさまな現代音楽としての魅力を今に伝えるハルトマン、往年のミュンシュを思わせる豪快かつ華麗な「ダフニス」、 深々とした叙情を感じる「未完成」など、すべてが好演奏。
プーランク:2台のピアノのための協奏曲(*)
オネゲル:交響曲第3番「典礼風」
ラベック姉妹(P;*)
アントニオ・パッパーノ指揮
バイエルン放送so.
 録音:2002年4月14日。ステレオ。初出音源。
 オペラ界の寵児ゆえにシンフォニーレパートリーの録音に未だ恵まれないパッパーノの最新ライヴ。ガチガチではない音楽作りが面白い。オネゲルは深刻な作品だが、 あまりそういうところに拘らないところも却って特異である。
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」第3幕 デボラ・
 ポラスキ(イゾルデ)
ベン・ヘップナー
(トリスタン)
マルヤーナ・リポヴシェク
(ブランゲーネ)
マッティ・サルミネン
(マルケ王)
アルベルト・ドーメン
(クルヴェナール)
ライナー・ゴールドベルク
(メロート)他
クラウディオ・アバド指揮
BPO
 録音:1998年11月29日(当盤には9日と表記)、フィルハーモニー、ベルリン。ステレオ。初出音源。
 成功裏に終わった演奏会形式での上演から。2001年にも演奏したが、キャストはこちらの方が上かもしれない。ポラスキの軽い歌い方は通常なら妙に映るが、アバドの作る音楽は本来こういう志向なのだろう。 サルミネンのマルケ王の存在感もまた無類である。
モーツァルト:交響曲第34番
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
ミヒャエル・ギーレン指揮
フランクフルト博物館協会o.
 録音:1983年10月。ステレオ。初出音源。
 ギーレンの珍しいモーツァルトが聴けるのは嬉しい。冷たい印象は全くなく、オーソドックスな造形に緻密なリズム感覚が生きた名演となっている。ベートーヴェンも快速なテンポで進む引き締まった好演奏で、 2曲とも20年以上前の演奏ながら、現在のピリオド楽器演奏にも通じる解釈を見せるのはさすが。
 元テープ劣化によると思われるパチパチノイズが散見されるのが残念だが、音質自体は悪くない。
シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」(*)
プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」(#)
リゲティ:ロンターノ(+)
エルネスト・ブール指揮
南西ドイツ放送so.
 録音:1968年(*)/1967年(#)/1970年(+)。初出音源。
 ブールらしい名曲を集めた好企画。力まぬ音楽作りと透明な音色は実に独特で、軽快なテンポも親しみやすい。亡くなった後、ますます尊敬を集めるであろう彼の名演と言える。
シューベルト:交響曲第6番
シューマン:チェロ協奏曲(*)
レーガー:ヒラーの主題による変奏曲
ラズロ・メスゼ(Vc;*)
ハインツ・レーグナー指揮
ベルリン放送so.
 録音:1973年4月。ステレオ。初出音源。
 鬼才レーグナーは奇矯な表現を取る人ではなく、細心の注意を払って曲を面白く聴かせる天才だった。当盤も渋い曲を並べているが、どれもちょっと気の効いた特徴がある点で共通している。
ハイドン:
 交響曲第88番「V字」/交響曲第86番
サイモン・ラトル指揮
エイジ・オヴ・
 エンライトゥンメントo.
 録音:1998年10月、ベルリン。ステレオ。初出音源。ピリオド楽器使用。
 巨匠ラトルがベルリンにて開いたピリオド楽器オケによるハイドン・プロ。シーケンスはモダン・オケと同様であるところがラトル調。もちろん清清しい名演であることに変わりはない。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番(*)
ラヴェル:スペイン狂詩曲/道化師の朝の歌/
      亡き王女のためのパヴァーヌ/ボレロ
ダニエル・
 バレンボイム(P;*)指揮
BPO
 録音:2003年2月6日。ステレオ。初出音源。
 もはや共演する際の定番ともいえる弾き振りモーツァルトは「真珠を転がすような」などという例えが恥ずかしくなるくらいの美しい音色で揃えた美演。そしてカップリングはラヴェルの名曲集。 名妓性云々よりも迫力が勝るベルリン・フィルだが、バレンボイムはかなりメロディを遊ばせている。なお、ベルリン・フィルによる「ボレロ」は意外と少なく、他にはカラヤンやブーレーズくらいではなかろうか。
ベートーヴェン:交響曲第2番(*)/交響曲第7番(#) ハンス・ツェンダー指揮
南西ドイツ放送so.
 録音:2002年5月(*)/2001年(#)。ステレオ。初出音源。
 従来、作曲面でのウルトラ・クールな作風にふさわしい、力みの全くない古典音楽解釈が個性的だったツェンダーの指揮だが、ここでは最新演奏ゆえか結構熱のこもった正統的解釈を見せる。 意外にもこれはこれで素晴らしい仕上がりであり、元々の音楽的力量を実感させられる演奏となっている。
 音質良好(*)/音質まずまず(#)。
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番(*)
シューベルト:交響曲第9番「グレイト」
ティル・フェルナー(P;*)
ハンス・ツェンダー指揮
南西ドイツ放送so.
 録音:2003年1月28日、フライブルク。ステレオ。初出音源。
 1039に続くツェンダーだが、こちらは彼らしいプログラムでの演奏会。こちらでも、特に「グレイト」では抒情に傾斜する部分が垣間見れ、面白い。ひょっとしたら正統派巨匠の名乗りを上げるつもりなのだろうか。
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」 ミヒャエル・ギーレン指揮
南西ドイツ放送so.
 録音:2002年。ステレオ。初出音源。
 円熟の極みにあり、押しも押されぬ「ドイツ語圏の巨匠」となったギーレン。テンポも心持ち遅くなり、じわじわとした味わいもあり、正に敵なし。
ベートーヴェン:交響曲第1番(*)
モーツァルト:
 ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K.503(#)
マレイ・ペライア(P;#)
ロリン・マゼール指揮
バイエルン放送so.
 録音:2001年(*)/1999年3月(#)。ステレオ。(*)は初出音源。(#)はEN LARMESからELS-03-340として出ている物とおそらく同一。
 (*)は現代最高のモーツァルト弾きの一人という評価も高いペライアのソロが聴きものの協奏曲だが、マゼールがかつてのチェリ+ペライアの共演を思わせる、オケの一部としてのピアノ演奏をペライアに強要し成功している。 (*)はマゼールの実験精神が存分に発揮された演奏。
ブラームス:
 交響曲第4番 ホ短調 Op.98/
 交響曲第2番 ニ長調 Op.73
クリストフ・
 フォン・ドホナーニ指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:2003年2月24日、ハンブルク、ライヴ。ステレオ。EN LARMESからELS-03-336/7として出ている物。
 エッシェンバッハの後任として2004年からハンブルク北ドイツ放響の音楽監督に就任するドホナーニ。クリーヴランドでの18年に及ぶ活動を終えドイツに戻る彼への期待はたいへん大きく、聴衆の反応も熱い。 かなり遅めのテンポだが歌い過ぎにならない硬派のブラームスで、スタイリッシュで品格にあふれる第4番もみごとだが、ゆったりとしたテンポで堂々と歌い上げる第2番は、 今年74歳の巨匠の存在感を強くアピールする名演となっている。
ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」
ハンス・
 シュミット=イッセルシュテット指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:1960年代/1970年4月、キール。初出音源。
 剛直そのものの「レオノーレ」、そして構成の見事なメンデルスゾーン。広範なレパートリー全てが十八番だった巨匠イッセルシュテットの名盤登場。
ラヴェル:ピアノ協奏曲(*)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番(#)
マルタ・アルゲリッチ(P)
クラウディオ・アバド指揮
グスタフ・マーラー・
 ユーゲントo.(*)
モーシェ・アツモン指揮
ハンブルクNDRso.(#)
 録音:2002年8月(*)/1974年(#)。(#)は初出だが、(*)はEN LARMESからELS-02-264として出ている物と同一と思われる。
 鍵盤の女王、アルゲリッチ。ライヴで燃えに燃えるピアニスト。情熱的なアプローチと、攻撃的テクニックは健在。最新録音と若き日の名演が並んだ。
シベリウス:タピオラ
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番(*)
ラルス・フォークト(P;*)
ハンス・フォンク指揮
ケルン放送so.
 録音:1990年代。初出音源。
 現在ワシントン・ナショナル響の首席指揮者であるフォンクがケルン放送響時代に残したライヴ。ベルティーニの後任として期待され、良い仕事はしたものの短い在任に終わった。 正しいトレーニングでアンサンブルをまとめる力は並々ならぬものがある。どれも傾聴に値する佳演。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番(*)
ベートーヴェン:交響曲第4番(#)
シューベルト:「ロザムンデ」よりの音楽(#)
オッリ・ムストネン
(P;*)指揮(#)
ドイツ・カンマーpo.(#)
ヒュー・ウルフ指揮
フランクフルト放送so.(*)
 録音:2001年10月(*)/2003年2月(#)。初出音源。
 名手ムストネンの、玲瓏たるピアノが冴えるモーツァルトと、近年意欲を見せている指揮者としての活動を知る好企画。特にベートーヴェンの交響曲第4番は、快速&暴力的アタックがクライバーを思わせるに充分で、 出発の門出にふさわしい仕上がりを見せている。
LSU-1048-2
廃盤
ショスタコーヴィチ:
 交響曲第7番 ハ長調Op.60「レニングラード」
ワレリー・ゲルギエフ指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:2000年6月。ステレオ。初出音源。
 先頃PHILIPSからキーロフ管&ロッテルダム・フィルの合同オケによる盤が発売されたばかりのゲルギエフによる同曲。北ドイツ放響の馬力と名技を存分に駆使した、スケール極大&迫力満点の名演で、 これは是非PHILIPS盤との聴き比べを。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
マーラー:交響曲第10番〜アダージョ
ピエール=ローラン・
 エマール(P)
クリストフ・
 エッシェンバッハ指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:2003年3月。ステレオ。初出音源。当盤発売後、EN LARMESからも2003年3月21日の演奏が発売された(同一の可能性有)。
 今や大人気でひっぱりだこのエマールと、古豪指揮者もかくやと思わせる堂々たる演奏解釈を見せるエッシェンバッハの共演は、近ごろ見逃せないコンビの一つといえる。 今回のカップリングはマーラーで、こちらも聞き逃せない。
 音質良好。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番(*)
チャイコフスキー:交響曲第5番
ルドルフ・ブッフビンダー(P;*)
ドミトリー・キタエンコ指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:2003年4月。ステレオ。初出音源。
 ディスクに恵まれない鬼才、キタエンコの最新ライヴ。ロシア巨匠指揮者の演奏スタイルとは異なり、ドイツ的要素を持った人だけにその活動が伝わらないのはもどかしいが、このライヴはその渇望を癒してくれる。 正統派ブッフビンダーの清廉なモーツァルトも見事。
シューマン:
 歌曲集「詩人の恋」(*)/交響曲第4番(#)
トーマス・クヴァストホフ(Br;*)
ダニエル・バレンボイム(P;*)指揮(#)
シュターツカペレ・ベルリン(#)
 録音:2003年3月16日。ステレオ。初出音源。
 その深深とした叙情が素晴らしいクヴァストホフとバレンボイムのピアノによる極め付けの「詩人の恋」と交響曲第4番。これぞシューマンと呼べるドイツ・ロマン濃厚な名演が揃った。 録音日からすると1日の演奏会であり、これも興味深い点。
 音質良好。
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 エリアフ・インバル指揮
ベルリンso.
 録音:2003年3月11日。ステレオ。初出音源。
 絶好調の新コンビ、インバル+ベルリン響。彼は元来さほど上手くないオケを締め上げて精緻なアンサンブルを作り出す天才だけに期待も大きく、それに見事に応えている。 今回のショスタコは第3楽章以降が圧倒的。
ドビュッシー:牧神の午後の前奏曲
ショーソン:愛の詩
ラヴェル:歌曲集「シェエラザード」(*)
ドビュッシー:交響詩「海」
イヴォンヌ・ネフ(S;*)
クリスティアン・
 ティーレマン指揮
ミュンヘンpo.
 録音:2002年3月13日、ルツェルン音楽祭。ステレオ。初出音源。
 懐古趣味的ドイツ音楽解釈で名を馳せるティーレマンだが、フランス音楽といえどもこってり濃厚な味わいが独特。ミュンヘン・フィルの輝かしいサウンドを得て、チェリビダッケとは全く逆の風情で聴かせる名演。
メンデルスゾーン:歌劇「帰国」序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番(*)
ブラームス:交響曲第2番
アンドレアス・ヘフリガー(P;*)
ハンス・ツェンダー指揮
南西ドイツ放送so.
 録音:2000年4月19日。ステレオ。初出音源。
 まず目を引くのが「帰国」序曲。演奏自体が極めてまれな作品で、これは嬉しいフィル・アップ。ツェンダーも加齢とともにロマン傾向を演奏に示しており、 モーツァルトとブラームスも今までとはちょっと違って大人の演奏である。
シェーンベルク:室内交響曲第1番/室内交響曲第2番 ピエール・ブーレーズ指揮
VPO
 録音:2003年1月25日。ステレオ。EN LARMESからELS-03-331/2として出ているもの。
 「こういう組み合わせで、こういう曲を聴きたかった!」というべき好企画。新ウィーン楽派と言われるながらも、ウィーン・フィルはこのグループの音楽をさほど演奏しておらず、 それほど得意とも言えないかもしれない。しかしブーレーズの締め上げによって、ここでは何とも爽快な仕上がりで聴かせる。
モーツァルト:
 「ティート帝の慈悲」序曲(*)/ピアノ協奏曲第27番(#)/
 アダージョとフーガ(+)
マウリツィオ・ポリーニ(P;#/+)
ピエール・ブーレーズ指揮
VPO
 録音:2003年1月25日。ステレオ。EN LARMESからELS-03-331/2として出ているもの。(+)はアンコール。
 ブーレーズのモーツァルトが聴ける! その上共演はポリーニとくればこれはもう必携盤。演奏会で取上げた曲のスコア・リーディングは完璧なブーレーズゆえ啓蒙的な演奏であり、 完璧なポリーニとの完璧比べも聴きもの。
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(*)
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番(#)
トマス・ツェートマイアー(Vn)
ハンス・ツェンダー指揮
南西ドイツ放送so.(*)
デイヴィッド・シャローン指揮
シュトウットガルト放送so.(#)
 録音:1998年(*)/1989年(#)。ステレオ。初出音源。
 その素直な音楽性が時として生真面目な印象を与えるのか、実力に比して世評はそれほど高くないのは残念。しかし、ツェンダーとのベートーヴェンに見せる堂々とした音楽作りは、 往年の巨匠もかくやと思わせるほどの内容充実である。
 音質良好。
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」 ラファエル・フリューベック・
 デ・ブルゴス指揮
バイエルン放送so.
 録音:1993年。ステレオ。初出音源。
 その実力に比して過小評価され過ぎているデ・ブルゴスのベートーヴェン。ドイツ音楽の牙城バイエルン放送響との共演でその正統的なベートーヴェン解釈が始めて明らかにされている。
ワーグナー:舞台神聖祝典劇「パルジファル」 ヴィオレタ・ウルマナ
(クンドリー)
プラシド・ドミンゴ
(パルジファル)
ファルク・シュトラクマン
(アモフォルタス)
ニコライ・プティリン
(クリングゾル)
ルネ・ラペ(パーぺ?)
(グルネマンツ)
ヴァレリー・ゲルギエフ指揮
メトロポリタン歌劇場o.
 録音:2003年4月12日。ステレオ。初出音源。
 ドミンゴのドイツ音楽、特にワーグナー歌唱についての評価は芳しくないが、このライヴを聴けば、もはやその技術を超えた存在感に圧倒されるだろう。傾倒ぶりが、いよいよ実体を伴って表れた。 そして、ゲルギエフのワーグナーの見事さ。この人も憧れを具現化する音楽作りだけに、異常な遅いテンポはクナッパーツブッシュを思わせる。第3幕の黙示録的な表現は、まさに超常現象のようだ。
 音質は良好だが、ディスク2のトラック4、7分25秒すぎに電気的ノイズがある。
アイヴス:「ロバート・ブラウニング」序曲(*)
ドヴォルザーク:交響曲第7番
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1960年代(*)/1969年11月14日(#)。ステレオ。初出音源。
 ついに登場!クーベリックのドヴォ7・ライヴ!!細かく聴いていくと、常に新鮮な表現を心がけるかのような即興風のパウゼも散見され、さすがの芸に納得。 思い入れたっぷりの歌わせ方などやはり偉大さに、どこまでも頭が下がる。
 音質良好。
クラウディオ・アバド、
 ベルリン・フィル音楽監督退任特別コンサート

  ブラームス:運命の歌
  マーラー:リュッケルトの詩による五つの歌
  ショスタコーヴィッチ:「リア王」
ヴァルトラウト・マイアー(Ms)
エレーナ・ツィドコヴァ(Ms)
アナトリー・コチェルガ(B)
クラウディオ・アバド指揮
BPO、スウェーデン放送cho.、
エリック・エリクソン室内cho.
 録音:2002年4月25日。ステレオ。初出音源。
 退任コンサートに選ぶ曲目がいかにもアバドらしい。普通に考えれば「英雄」やブルックナー第7など、いろいろありそうなものだが、すべて声楽を伴う曲で「リア王」など聴衆も馴染みない曲に違いない。 しかしアバドの虚心坦懐の指揮振りは精緻をきわめ、さすがとうならせるだけの内容を伴っている。
 音質良好。
ラヴェル:ラ・ヴァルス
バルトーク:二台のピアノための協奏曲
ハイドン:交響曲第95番
ピアノ奏者不詳
ガリー・ベルティーニ指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:1990年代/1980年代。ステレオ。初出音源。
 今や巨匠の名を欲しいままにしているベルティーニの腕の冴えがわかる名盤。どちらかというとオケに恵まれない人だが、ここではドイツ有数の名技オケを駆使しており、その点不満なし。
ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」(*)
ラヴェル:パヴァーヌ/高雅にして感傷的なワルツ/
      ラ・ヴァルス
ジャン・イヴ・ティボーテ(P;*)
ジャック・メルシエ指揮
ザールブリュッケン放送so.
 録音:2001年6月17日。ステレオ。初出音源。
 BMG FRANCEへフランスの稀少作品の録音を続けるメルシエによる、彼としては珍しいポピュラーなレパートリー。奇妙な遅いテンポで驚かされることもあるが、情緒纏綿。パヴァーヌは殊に美しい。 そして特筆したいのはザールブリュッケン放送響の音色の美しさ。人数はそれほど多くないが透明で実にきれい。
 音質良好だが(*)と「高雅〜」に電気的ノイズから来る大きな音飛び(マスター・テープに拠る)があるので御了承ください。
ゲルギエフのマラ5!!
 マーラー:交響曲第5番
ヴァレリー・ゲルギエフ指揮
ロッテルダムpo.
 録音:2001年1月2日。ステレオ。初出音源。
 「大袈裟」とか「下品」とか言った陰口など何のその。鳥飛ぶ落とす勢いで大胆演奏を繰り広げる巨匠ゲルギエフには、ドイツ系交響曲の録音が欠けていたが、ついにマーラーの第5交響曲が登場!! テンシュテット、そしてバーンスタイン以来最高のキツイ一発!!
 音質良好。
ブーレーズ&ベルリン・フィルのツアー!!
 ラヴェル:クープランの墓
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番(*)
 バルトーク:管弦楽のための協奏曲
マリア・ジョアン・ピリス(P;*)
ピエール・ブーレーズ指揮
BPO
 録音:2003年5月1日、リスボン。ステレオ。初出音源。EN LAERMESからELS-03/369/70としても案内された(2003年7月新譜;発売は6月)。
 精緻なアンサンブルは一糸乱れず緻密かつ豪胆という言葉がぴったり。互いに熱してくる様子が手に取るように分かって素晴らしい。LSU-1056-2に続き、 ブーレーズとしては珍しいロマンティックな表現が意外なモーツァルトもいいが、「オケ・コン」では、怒れるブーレーズが復活。この進撃は圧倒的。
ブラームス:交響曲第3番 ダニエル・ハーディング指揮
ブレーメン・
 ドイチェ・カンマ―po.
 録音:2002年9月。ステレオ。初出音源。
 いわゆる次代を担うとされる「有能若手指揮者」の問題点を如実に表した演奏。まるで卓越したバトンテクニックと高度な教育で終わることを恐れているかのようで、 クナッパーツブッシュを思わせる奇矯な演奏となっている。しかし、鋭敏な室内オーケストラに荷がかちすぎているんではないか、いやいやこれこそ個性の発露なのだ、など議論百出すること間違いない演奏。
ブラームス:交響曲第4番 ダニエル・ハーディング指揮
ブレーメン・
 ドイチェ・カンマ―po.
 録音:2002年9月。ステレオ。初出音源。
 これまた問題作。郷愁を前面に出しているのかと思えば、時としてはヴァントのような強烈なスケルツォは前衛的でもあろう。ハーディングはますます掴み所が無い。
ブラームス:交響曲第4番 ロジャー・ノリントン指揮
シュトゥットガルト放送so.
 録音:2002年。ステレオ。初出音源。
 最近好調な巨匠ノリントンの話題作。古楽器で演奏できるもっとも新しい作品=ブラームスと言われたのも今は昔。その嚆矢ノリントンは、今や演奏スタイルとしての権威ではなく、演奏解釈の権威として声望を一身に集める。ますます見事な最新作。
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ヴィクトリア・ムローヴァ(Vn)
アダム・フィッシャー指揮
ケルン放送so.
 録音:1990年代。ステレオ。初出音源。
 冷たい風貌にマッチした冷ややかな演奏が多いムローヴァだが、近年は温かみというかヒューマンな香に満ちている。
ゴルドシュミット:チェロ協奏曲(*)
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番
ダヴィッド・ゲリンガス(Vc;*)
スタニスラフ・
 スクロヴァチェフスキ指揮
ベルリン・ドイツso.
 録音:2003年5月3日。ステレオ。初出音源。
 巨匠スクロヴァチェフスキ、ベルリンの聴衆に鉄拳! 並外れた実力者であるスクロヴァチェフスキだが、優秀オケとの共演が少ないのは残念だった。ここに登場する当盤は、ドイツでも有数の名門、 ベルリン・ドイツ響(旧・西ベルリン放送響)との最新ライヴであり。オケ面でのファンの渇望を癒すものとなる。
 ゴルドシュミットの豪奢なサウンドにも痺れるが、まさに歴史的名演といえるのがショスタコーヴィチの第10番。基本はゆっくり目のテンポで、第2楽章における執拗な音形の繰り返し、リズムの厳格な徹底、 弱音の驚くばかりの強調、そして圧倒的なフィナーレの快進撃と爆発など、凄いの一言。どこまでもアンサンブルは見事なもので、統率力の高さにも舌をまく。 聴衆の反応も圧倒的で、ヴァント亡き後、かつザンデルリング引退後の現在、スクロヴァチェフスキこそ、音楽の都ベルリンを感動の坩堝に叩き込むことのできる唯一の大指揮者であることは明白であろう。
スクリャービン:法悦の詩
リスト:ピアノ協奏曲第1番(*)
マーラー:交響曲第10番「アダージョ」
シューラ・チェルカスキー(P;*)
ミヒャエル・ギーレン指揮
北ドイツ放送so.
 録音:1976年11月。ステレオ。初出音源。
 過激派ギーレンがもっとも過激だったころのライヴ。やはり、マーラーに止めを刺すのだろうか。北ドイツ放送響の骨太なサウンドを存分に生かし、抉りに抉る。 ヴィルトゥオーゾ、チェルカスキーとのリストも聴かせる。前衛リストを意図的に表した名演。チェルカスキーの古風な音楽作りも実に懐かしい。
ストラヴィンスキー:三楽章の交響曲
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番(*)
ダニエル・ホーペ(Vn;*)
クリスチャン・ヤルヴィ指揮
ベルリン放送so.
 録音:不詳。ステレオ。初出音源。
 ヤルヴィ・ファミリーの隠し玉。クリスチャンの最新録音。親父さん同様、温かみのある音楽作りである。伴奏もなかなか上手いし、今後が楽しみな名指揮者だ。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 グリゴリー・ソコロフ(P)
ムハイ・タン指揮
ハノーヴァーNDRpo.
 録音:1993年。ステレオ。初出音源。
 OPUS111レーベルへの録音でその腕を再評価された名手、グリゴリー・ソコロフの一筋縄ではいかない音楽性が存分に発揮された濃厚なライヴ。 しつこいくらいの表情付けが実に面白い。伴奏のタンも、ど迫力のティンパニなど故意にやっているとしか思えないほど荒々しく粗暴な音楽で応える。
 音質良好。
LSU-1074-2
廃盤
ホルスト:組曲「惑星」 ロジャー・ノリントン指揮
シュトウットガルト放送so.
 録音:2001年。ステレオ。
 この演奏も凄い。リズムの与え方が異様でノリントンが一皮向けてアーノンクールにも迫ろうかという奇人演奏家であることを証明したライヴ。
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲/交響曲第2番 ヴァディム・レーピン(Vn)
ダニエル・ハーディング指揮
ブレーメン・
 ドイチェ・カンマーpo.
 録音:不詳。ステレオ。初出音源。
 冒頭から懐かしいサウンドで驚かされる。小編成ながら分厚い響きが作れるハーディングは意外や回顧趣味があるのではなかろうか。そしてブラ2もオーソドックスな音楽で巨匠風の落ち着きで終始している。音の塊のようなフィナーレも中々結構。
シベリウス:
 交響詩「タピオラ」/ヴァイオリン協奏曲(*)
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
ヴァディム・レーピン(Vn;*)
ミヒャエル・ギーレン指揮
ベルリンso.
 録音:2003年4月27日。ステレオ。初出音源。
 今や押しも押されもしない巨匠。ギーレンの指揮は全てが聞き逃せない高みに到達している。インバルを首席に迎え意気が上がるベルリン響。ギーレンは首席客演指揮者だけに気心も知れた間柄。 ゴツゴツとした味わい、ドイツ正統派の風格も漂う圧倒的な「運命」が凄い。
ブルックナー:交響曲第7番 ヘルベルト・ブロムシュテット指揮
北ドイツ放送so.
 録音:1998年1月9日。ステレオ。初出音源。
 チェリビダッケの華やかな演奏や、ヴァント晩年の厳しいばかりでなく豊かな広がりを持った音楽に比べると、ブロムシュテットのブル7は、あまりにも硬質でストイックに過ぎるかもしれない。 しかし、一切の誇張がない清潔な音楽表現には好感が持てるし、スケルツォ以降のリズムの軽快さは全く見事である。
モーツァルト:交響曲第36番「リンツ」
マーラー:交響曲第4番(*)
マドレーヌ・ベンダー(S;*)
ルドルフ・バルシャイ指揮
ルクセンブルクpo.
 録音:2003年5月16日。ステレオ。初出音源。
 バルシャイも聞き逃せない巨匠の一人。レパートリーは広いはずだがディスクに恵まれていない。溜飲が下がるようなモーツァルトとマラ4の登場。精緻極まりないモザイクのような美演。
シューベルト(ウェーベルン編):
 6つのドイツ舞曲D.820 より(2曲)
ブルックナー:交響曲第6番
シルヴァン・カンブルラン指揮
南西ドイツ放送so.
 録音:2001年&2002年。ステレオ。初出音源。
 ブルックナーの奇矯な響きにはびっくり。妙に神格化したり、その音楽を絶対視することなく解剖するカンブルランの指揮ぶりは、 過激と言われながらその根底には母国語音楽のルールが厳然と存在していたギーレンを超えるもの。ひょろひょろと軽薄に鳴る金管や突然の停止など、不気味なブルックナー解釈者の登場だ。
 音質良好。
ベルク:3つの管弦楽曲/初期の7つの歌
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」
ミシェル・デヤング(S)
クリストフ・エッシェンバッハ指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:2003年6月16日。ステレオ。初出音源だが、同時にEN LARMESからELS-03-388としても案内されている。
 北ドイツ放響とも最終コーナーに入ったエッシェンバッハ。このポストで名実ともに個性派巨匠の一人に名乗りを上げたことになる。いずれもオケ、指揮者ともに素晴らしい演奏。
 音質良好。
ベルク:ヴァイオリン協奏曲(*/#) ローランド・グロイター(Vn;*)
ギドン・クレーメル(Vn;#)
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮(*)
クリストフ・エッシェンバッハ指揮(#)
ハンブルクNDRso.(*/#)
 録音:1998年1月9日(*)/2003年4月28日(#)。ステレオ。初出音源。
 北ドイツ放響コンサートマスターの重責を長きに渡って務めるグロイターによる演奏は知性的で緻密。こういう優れたコンマスを持っているだけでも信頼に値するオケだ。 そして鬼才クレーメル+エッシェンバッハのコンビによる作為に満ちた演奏は、もちろん面白いことこの上ない。
 音質まず良好。
ショスタコーヴィチ:交響曲第14番「死者の歌」 マティアス・ゲルネ(B)
ソイレ・イソコフスキ(S)
マレク・ヤノフスキ指揮
ベルリン放送so.
 録音:2003年5月19日。ステレオ。初出音源。
 一箇所に腰を落ち着けてじっくりと仕事を進めるタイプの名匠ヤノフスキ。今は、名門旧東ベルリンの放送響の指揮者として端倪すべからざる良い演奏を聞かせている。 アンサンブルを纏める力に長けた人だけに実に引き締まった音楽だ。数少ない「死者の歌」ディスクとても極めて貴重。
 音質良好。
チャイコフスキー:ロメオとジュリエット
プロコフィエフ:交響曲第5番
ユッカ=ペッカ・
 サラステ指揮
ケルン放送so.
 録音:2002年4月。ステレオ。初出音源。
 サラステも実力の割にディスクに恵まれない気の毒な指揮者だ。レパートリーは北欧物に限らず幅広いが、オーケストラ音楽を聴く醍醐味である音色のブレンドが満載で、 特に高度な作曲技巧を誇る作品に威力を発揮する。充実のケルン放送響のサウンドも重厚かつ鋭敏で素晴らしい。プロコフィエフの破壊的迫力に脱帽。
 音質良好。
ハイドン:オラトリオ「天地創造」 ドロテア・レシュマン(S)
ヘルベルト・リッパート(T)
クリスティアン・ゲルハーエル(Br)
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・
 コンツェントゥス・ムジクス、
アルノルト・シェーンベルクcho.
 録音:2003年3月、ウィーン。ステレオ。初出音源。なお、DHMより同月のライヴが出ているが、テノールは異なっている。 アーノンクール・マニア以外にはこちらをお勧めしたい(82876-58340-2)。
 今まさに充実の極み。巨匠アーノンクールの辺りを払うかのような威容。隅々までアーノンクールの音色で埋め尽くされ、特有の音楽運びも今では正に「風格」となっている。
 音質良好。
ストラヴィンスキー:
 スケルツォ・ファンタスティック
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ショスタコーヴィッチ:交響曲第1番
独奏者不詳
ガリー・ベルティーニ指揮
ベルリン・ドイツso.
 録音:2003年5月28日。ステレオ。初出音源。
 ショスタコーヴィッチは名匠ベルティーニ会心の名演。リリカルかつシニカルな曲調を面白く捌いている。ベルティーニもいよいよ全ての演奏会が聞き逃せない巨匠に名乗りを上げている模様。
ブルックナー:交響曲第5番 エリアフ・インバル指揮
ベルリンso.
 録音:2003年5月30日。ステレオ。初出音源。
 全集録音をハイペースで進めたためか、その後ディスクに少々恵まれていない巨匠インバルだが、今や円熟の極みであり、厳しい練習かつ信念を持った個性的解釈で圧倒的演奏を展開し、 弱体といわれたベルリン響を締め上げ、ザンデルリング以降の黄金時代を築きつつあることは間違いない。ゆっくりめのテンポ、豪快なパウゼ、豊かな広がりは朝比奈カラーさえも併呑した巨大なブル5となっている。
ヤナーチェク:シンフォニエッタ(*)
マルティヌー:ヴァイオリン協奏曲第1番(#)
ヨゼフ・スーク(Vn;#)
クラウス・テンシュテット指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:1980年5月3日(*)/1977年11月14日(#)。ステレオ。共にEN LARMESからELS-02-108&ELS-01-82/3として出ている演奏と思われるが、(*)の日付は異なっている(EN LARMES盤は同年3月3日)。
 どちらもテンシュテットとしては珍しいレパートリーとなる曲だが、シンフォニエッタは彼好みの馬力演奏。スークの懐かしい音色とも十分マッチしているのがマルティヌーで、 濃厚なローカリズム溢れる異色の名演。
ベートーヴェン:大フーガ/交響曲第3番「英雄」 クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:2003年7月13日、ステレオ。初出音源。
 ドホナーニと、新しいコンビの北ドイツ放響による、お互い最も得意とするベートーヴェン。実に危な気のない名演で、つややかな弦楽器が実に美しい。
LSU-1089-2
廃盤
ベルリオーズ:幻想交響曲 ロジャー・ノリントン指揮
シュトゥットガルト放送so.
 録音:2003年7月4日、シュトゥットガルト。ステレオ。初出音源。その後EN LARMESからも同日の序曲「宗教裁判官」を加え、発売された(ELS-03-431)。
 近年のノリントンは現在の手兵と共に、ピリオド奏法を取り入れたモダーン・オケという新たな視点にチャレンジし、その成果は確実に「名演」となって表れている。 今回登場するのは、ノリントンの名を広める切掛けとなったともいえる「幻想」。EMIへの録音からは既に10年以上が経過し、その深みを増した音楽におおいに期待したい。
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」 ヴラディーミル・フェドセーエフ指揮
モスクワ放送so.
 録音:2000年代。ステレオ。初出音源。
 今やウィーン響の首席を務めると共に、バンベルク響とも密接な関係を保つなど、ドイツ語圏での活躍が目様しいフェドセーエフだが、ドイツ音楽の演奏は意外と披露されていない。 ベートーヴェンの交響曲中でも難物といわれる「田園」を、彼はマーラーからリヒャルト・シュトラウスに連なるロマン音楽の萌芽として捉えているように思われる。
シベリウス:ポヒョラの娘
プロコフィエフ:交響曲第2番
ヴァレリー・ゲルギエフ指揮
キーロフo.
 録音:2003年7月3日、ミッケリ音楽祭、フィンランド。ステレオ。初出音源。
 巨匠ゲルギエフが今年情熱を持って各地で連続演奏会を展開しているプロコフィエフ。第2交響曲は極めて演奏機会が少なく、日本でもほとんど上演されないが、 実はファンファーレ的な挑発で始まり緊張の途切れること無い名曲。
 少々ヒス・ノイズが目立つが、音質まずまず良好。
ハイドン:オラトリオ「天地創造」 クラウディア・
 バラインスキー(S)
クリストフ・
 プレガルディエン(T)
ラインハルト・ハーゲン(B)
クリスティアン・
 ティーレマン指揮
ベルリン・ドイツ・オペラo.
 録音:2003年7月3日、ベルリン・ドイツ歌劇場。ステレオ。初出音源。
 ティーレマンのスケールの大きさを物語る恐ろしい名演。時には粗雑な音楽作りでやたらと構えが大きい場合がある巨匠だが、規模の大きい作品と風格の必要な名曲では見事にはまり、 前世紀の巨匠を思わせるカリスマ性がある。ピリオド奏法を意識したオケも、なかなかの聴き物。
 音質良好。
ブラームス:交響曲第1番 ギュンター・ヘルビッヒ指揮
ザールブリュッケン放送so.
 録音:2002年11月。ステレオ。初出音源。
 ヘルビッヒは、国内ではまだその実力を十分知られているとはいえないが、欧米ではそのドイツ音楽解釈の見事さはつとに知られる。70歳を超えた彼はまさに正統派マエストロの最右翼でり、 あと数年もすれば「最後の巨匠」などともてはやされること必定だろう。
 一部で音のふらつきがあるが、全体では音質良好。
マーラー:交響曲第1番 ギュンター・ヘルビッヒ指揮
ザールブリュッケン放送so.
 録音:2003年3月。ステレオ。初出音源。
 マーラーをブルックナーの延長、もしくはブルックナーと同列の古典派の最後として捉えたかのような珍しい演奏。実はこういう演奏が50年程前までは主流だったのかもしれない。
 音質まずまず。
ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」(*)
ブラームス:交響曲第3番(#)
ミヒャエル・ギーレン指揮
南西ドイツ放送so.
 録音:不詳(1990年代?)。ステレオ。初出音源。
 ギーレンはやはりこうでなくては、と思わせるギクシャクした演奏。 最近ではその音楽からも人間的温かみを感じさせ、正統派ドイツ音楽の巨匠になってしまったかのような彼だが、ここではブラームス第3番の悲鳴のようなトランペットの咆哮やハイドンのガシャガシャした騒々しさなど、 「前衛」の枕詞が必要だったギーレンらしさが色濃く残っている。
 (*)は音質極上だが、(#)は全体に混信のようなシャワシャワ音が混じっており、音自体はしっかりしているだけに惜しい。
マーラー:交響曲第4番 アグネス・ギーベル(S)
ロリン・マゼール指揮
ベルリン・ドイツso.
 録音:1969年10月16日。ステレオ。初出音源。
 マゼールは同年、ベルリン放送響とConcert Hallへ同曲をスタジオ録音しているが、ソプラノはヘザー・ハーパーだった。そちらもこの時期のマゼールらしい才気ほとばしる演奏だったが、 今回の演奏ではまるで「大地の歌」のような超然とした風情さえ漂い、聴く者を圧倒する魅力を持った名演となっている。
 1980年代と言われても不思議ではないくらいの、極上の音質。
モーツァルト:交響曲第25番/交響曲第39番(*) ロリン・マゼール指揮
バイエルン放送so.
 録音:1990年代/1999年6月(*)。ステレオ。初出音源。
 モーツァルトというと「自然体」という言葉がぴったりくるが、ここで聞かれるのはその路線とは全く正反対。時として過剰と感じられるな表現もマゼールならではのものであり、 無個性の時代に光る強烈な個性を発散。(*)の最終楽章など「爽快」の一言であり、やはりこれが面白い。
 (*)の前半で一部にテープ劣化が感じられるが、全体では音質良好。
LSU-1099-2
廃盤
フルトヴェングラー:交響曲第3番 ヨーゼフ・カイルベルト指揮
BPO
 録音:1956年3月。モノラル。世界初演時のライヴとなっているが、同顔合わせでの1956年1月26日の演奏がドイツ・フルトヴェングラー協会から出ており(TMK-017198)、 詳細不明。同一録音の可能性もある(演奏が異なるならば、今回の音源は初出)。
 フルトヴェングラーの「交響曲第3番」の人気が低い理由は、巨匠自らによる録音がないからに他ならない。ドイツ音楽の正統を行ったカイルベルトの演奏は、この曲の構成力の弱さを見事に補っている。
R.シュトラウス:
 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(*)
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」
ヴァン・クライバーン(P;*)
イシュトヴァーン・ケルテス指揮
ベルリン放送so.
 録音:1961年9月、ベルリン芸術週間。ライヴ。モノラル。初出音源。
 ケルテスはライヴの少ない人だが、引き締まった造詣はさすがであり、ここでも好調。そして、一番脂の乗り切った時期であったクライバーンが凄い。正に時の人だったインパクトというのは強烈だ。
フランク:交響曲 ニ短調 アラン・ロンバール指揮
ルガノ放送so.
 録音:2003年6月。ステレオ。初出音源。
 若いと思っていたロンバールも既に60才を越えた。細かい部分も工夫が行き届き、つややかな音色がどこまでも響く素晴らしい演奏。時折オケを怒鳴って煽り、迫力にも事欠かない。 このところは録音も少ないが、円熟を増して行く時期でもあり、これからが楽しみな人である。
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番(*)
ブラームス:交響曲第1番
レオン・シュピーラー(Vn;*)
ハンス・シュミット=
 イッセルシュテット指揮
BPO
 録音:1972年10月7日。ステレオ。初出音源。
 ドイツ魂の叫び! カイルベルト没後のドイツ王道指揮者ナンバー・ワンとなったイッセルシュテット生涯最高名演、至高のライヴが登場!!
 イッセルシュテットは堂々たる恰幅の演奏を繰広げる巨匠だが、残念ながら録音に恵まれていない。長年のパートナーである北ドイツ放響とのブラームス交響曲全集は名演の呼声高いが、 復刻されているものはオリジナルからは程遠い音質と言われる。今回の演奏は最晩年にベルリン・フィルへ客演した時のライヴで、 揺るがぬ自信に満ちたテンポ設定や気の遠くなるような深深としたティンパニの打ちこみなど、オケもフルトヴェングラー時代を思い出させる鳴りっぷりを見せる名演。 また前半レパートリーのプロコフィエフは、確かイッセルシュテットにとって作曲家として音盤初レパートリーとなるのではないかと思われる。また、名手レオン・シュピーラーにとっては、 コンサートマスターとして最後の演奏となったものだという。
 音質も良好で、これは注目だ。
ベルリオーズ:歌曲集「夏の夜」(*)
ボロディン:交響曲第2番(#)
ジャニス・マーティン(S;*)
ヴァーツラフ・スメターチェク指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:1970年代。ステレオ。初出音源。
 巨匠スメターチェクは、その録音があまりCD化されていないこともあって、現在では話題に上ることも少なくなってしまったが、晩年に録音した「我が祖国」の素晴らしさからもわかるとおり、 その芸術性は非常に高い人だった。(#)はSUPRAPHONにも録音があるが、ここではドイツの名門北ドイツ放響との共演。マタチッチを思わせる豪放なドライヴやポルタメントを随所に多用しての色気、 そしてゲネラル・パウゼの絶妙さなど手練の指揮ぶり。 (*)は意外なレパートリーだが、艶やかな音色と繊細な構成で感動を誘う。
 年代としては良好な音質だが、(*)はヒスノイズが多めで少々テープ劣化も感じられる。
ブルックナー:交響曲第8番 ギュンター・ヘルビッヒ指揮
シュトゥットガルト放送so.
 録音:2003年6月。ステレオ。同顔合わせの同曲演奏としては、EN LARMESからELS-03-404として2003年6月6日の演奏が出ているが、おそらく同一の演奏。
 この演奏を宇野功芳氏が聴いたら「シューリヒト以上にシューリヒト調」と表現するのではないだろうか。ドイツがっしり路線と違い、速めのテンポと拘泥しないさっぱりしたメロディ運びは実に清清しい。 それのみならず、この曲の中核が後半2つの楽章ではなく、第2楽章と読んだ入念な仕上げもまことに結構。
 音質良好。
ブラームス:
 二重協奏曲(*)/交響曲第2番
ユリア・フィッシャー(Vn;*)
ダニエル・
 ミュラー=ショット(Vc;*)
ミハイル・ユロフスキー指揮
ベルリン放送so.
 録音:2003年7月26日。ステレオ、初出音源。
 昇竜の勢い、ユロフスキーのブラームス。オペラの指揮に長じ、パリ・オペラにも常連。実に緻密でスケール雄大、それでいてリズム重視の非の打ち所のない「らしい」ブラームス。
 音質良好。
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ジョナサン・ノット指揮
バンベルクso.
 録音:2003年6月。ステレオ。初出音源。
 先鋭指揮者のトップ、鬼才ノットに相応しいレパートリーながらオケとは相反する組み合わせ。しかしバンベルク響は必死でノットに食いついて行く。聞きモノは第3楽章の深みある音色か。
 残念ながらパチパチ・ノイズが散見される。
チャイコフスキー:交響曲第4番
シューベルト:「ロザムンデ」の音楽
イヴァン・フィッシャー指揮
ブタペスト祝祭o.
 録音:2003年7月。ステレオ。初出音源。
 真面目、緻密型名指揮者として名乗りをあげるイヴァン・フィッシャーだが、ここで聴かせるチャイコフスキーの熱狂感あふれる演奏はなかなか聴き物。 奏者の方があわてて微妙に飛び出してしまうほどだが、最期にはきっちりとまとめ上げるところは、さすがオーケストラ・トレーナーとしての能力の高さを実感させられる。最期の聴衆の反応も熱狂的。 打って変わってシューベルトでは落ち着いた演奏を見せており、こちらも聴かせる。
 音質まず良好。
プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」
バルトーク:中国の不思議な役人
イヴァン・フィッシャー指揮
ブタペスト祝祭o.
 録音:2003年7月。ステレオ。初出音源。
 こういう曲でも手腕に死角は無し。瑞々しい音楽性には心打たれ、ブタペスト祝祭管の名技性にも脱帽。
 音質まず良好。
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(*)
ストラヴィンスキー:春の祭典
ギドン・クレーメル(Vn;*)
エサ=ペッカ・サロネン指揮
スウェーデン放送so.
 録音:2003年8月。ステレオ。初出音源。
 シベリウスは疑いなくクレーメルのベストフォーム。冷たい感触の細い音色と超人的な技巧が生身の人間とは思えない。とかく、最近は諧謔に堕しがちなクレーメルの真剣勝負は聞いていてまことに心地よい。 そして「春の祭典」のエネルギッシュかつ細密な分析は名指揮者の重要な一角をしめつつあるサロネンならではだろう。
 音質良好。
ラヴェル:クープランの墓
モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」(*)
メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」
ライフ・オーヴェ・
 アンスネス(P;*)
アラン・ギルバート指揮
マーラー室内o.
 録音:2003年8月。ステレオ。初出音源。
 いわゆる若手指揮者の中でも、豪快さと思い切りの良さが抜きん出ているギルバートのライヴ。不況ゆえスタジオ録音こそほとんどない状況だが、当盤ではフランス物とドイツ物を上手く織り交ぜた、 コンサート・プログラムとしては理想的とも言える選曲で、その真髄にふれることができる。全体に快速の演奏ではあるが、どの曲でも曲にマッチした雰囲気を見事に醸し出し、 聴かせるべきところはきちんと押えているところからも、その才能は明らかだ。(*)で共演のアンスネスもベスト・フォームで応じており、これは聴かせる。
 何故か拍手になると音が崩れるが、それ以外の音質はまず良好。
モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界」
ズデニェク・マカール指揮
チェコpo.
 録音:2003年8月。ステレオ。初出音源。
 このプログラムは晩年のクーベリックが同じくチェコ・フィルを指揮したものと同一で、インパクトは絶大。当然、表現様式は大いに異なるが、過剰表現を排し整理された解釈で、 実にチェコフィルの美感をわきまえているのはさすが実力派。
 音質良好。
リドホルム:管弦楽のためのリトルネル
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ワーグナー:
 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲
セルジュ・チェリビダッケ指揮
スウェーデン放送so.
 録音:1970年11月、アムステルダム。ステレオ。初出音源。
 スウェーデン時代のチェリビダッケは概ね妥当なテンポ設定を取るが、時としてフルトヴェングラーを思わせる加速も出現、ちらちら顔を出す後年のスタイルとの葛藤も面白い。 これまで、チェリビダッケのリドホルムが聴けるなど誰が想像できたであろうか。これだけでも当アルバムの価値は高いが、絶美の「牧神」、後年のスタイルを予期させる「名歌手」前奏曲の気の遠くなるような広がりも見事。
 残念ながら音質は、混線のようなシャワシャワと持続するノイズが気になるが、音の小さな所では目立ちにくいのが救いか。
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」より
*アンコール集*
  プロコフィエフ:「スキタイ組曲」〜夜の精の踊り
  ファリャ:「三角帽子」〜粉屋の踊り
  エック:大オーケストラによる
       ラモーのフランス組曲〜つむじ風
  ストラヴィンスキー:組曲第2番〜ギャロップ
セルジュ・チェリビダッケ指揮
スウェーデン放送so.
 録音:1970年11月、アムステルダム。ステレオ。初出音源。
 識者はチェリビダッケの小品の妙を称えるが、アンコール曲目にこそ、その真価が発揮されるといってもよい。ファリャの豪快さ、プロコフィエフやストラヴィンスキーにおける皮肉たっぷりの諧謔、 ラモーのクラヴサン曲をモチーフにオケに書き換えたエックの珍品など、アンコールながらも凝った選曲は伊達ではない。
 残念ながらLSU-1112-2同様、混線なのかシャワシャワと持続するノイズが気になるが、音の小さな所では目立ちにくいのが救いか。
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ルドルフ・ブッフビンダー(P)
マルチェロ・ヴィオッティ指揮
ウィーンso.
 録音:2003年8月。ステレオ。初出音源。
 近年評価が急速に高まった感のあるブッフビンダーの最新ライヴ。硬派の中の硬派、一点一画も疎かにしない頑健かつ誠実なピアニズムと、ブラームスにぴったりの、理想的ともいえる様式美には陶酔させられる。
 音質良好。
メシアン:キリストの昇天
オネゲル:交響曲第3番
マルチェロ・ヴィオッティ指揮
ウィーンso.
 録音:2003年8月。ステレオ。初出音源。
 これは面白い。特にオネゲルは得意とする指揮者が少ないだけに期待に背かない。ミュンシュを思わせるざわざわした騒々しさがあり、才気煥発。機を見るに敏な秀才指揮者らしい音楽が展開する。
 音質はテープ劣化が感じられ、今ひとつ。
ヤナーチェク:序曲「嫉妬」
マルティヌー:ピアノ協奏曲第4番「呪文」
スーク:幻想的スケルツォ
ヤナーチェク:タラス・プーリバ
エミル・ライフネル(P)
チャールズ・マッケラス指揮
チェコpo.
 録音:2003年5月22日、プラハの春音楽祭。ステレオ。初出音源。
 チェコ・フィルにとっての大本命とも言える選曲で、マッケラスとのコンビネーションは抜群。チェコ音楽の大家として存在感を誇る彼等は特に民族色を強調しないが、 その分世界的な名曲として解釈していることになり、まことに好ましい。既に中堅から大家となりつつあるライフネル(1938-)も好調で、名演に仕上がった。
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
ヒラリー・ハーン(Vn)
マレク・ヤノフスキ指揮
オスロpo.
 録音:2002年。ステレオ。初出音源。
 いつの間に能力を上げたのか、オスロ・フィルの妙技には驚かされる。「英雄」は重厚さよりも軽快さに傾注したシューリヒト調の颯爽な演奏で、 ドイツ音楽の解釈者としてヤノフスキが重要な一人となった事を感じさせる名演である。ハーンの凄腕を得たメンデルスゾーンも良い出来栄え。
 残念ながら多少のチリチリ・ノイズが入る。
ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」 ヴァルトラウト・マイヤー
(レオノーレ)
ロバート・ディーン・
 スミス(フロレスタン)
アイケ・ヴィルム・シュルテ
(ピッツァロ)
ハンス・チャマー(ロッコ)
エヴァ・リント
(マルツェリーネ)
イリダール・
 アブドゥラザーコフ
(ドン・フェルナンド)
マティアス・クリンク
(ヤッキーノ)
リッカルド・ムーティ指揮
ミラノ・スカラ座o.
 録音:2003年3月28日、ミラノ・スカラ座。ステレオ。初出音源。
 不況の影響をもろに被ったオペラの巨匠ムーティ。製作コストのかかるオペラ録音はメーカーから敬遠され、最円熟期の至芸が記録されないのは惜しいが、今回はちょっと驚きの「フィデリオ」が登場。 ベートーヴェンの交響曲では今ひとつの感があったが、さすがオペラともなると水を得た魚のようで、切れ味鋭いリズム感、合唱の扱いの上手さやカバレッタ調のドライヴが光る。 序曲はクレンペラーもかくやと思わせる重厚なテンポ。歌手は、インターナショナル・キャストでドイツ型演奏ファンの郷愁を満たすものではないが、こういう演奏も実に面白い。
NAVIKIESE
モーツァルト:
 ピアノ協奏曲第27番/2台のピアノのための協奏曲(*)
クリフォード・カーゾン(P;*)
ダニエル・
 バレンボイム(P)指揮
ECO
 録音:1979年9月11日。 カーゾンの至福のモーツァルトに、バレンボイムが共演した二台ピアノの協奏曲が入ったお徳盤。清潔なタッチと透明な表現、どこをとってもモーツァルトにふさわしいアーティスト。なお、当盤発売後、BBC LEGENDSよりマスター・テープからの復刻が発売された。
ベートーヴェン:交響曲第1番/交響曲第2番(*) セルジュ・
 チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.
 録音:1989年6月25日/1986年12月6日(*)。チェリのベートーヴェン「交響曲1番」の録音はこれが初発売。これでチェリビダッケのベートーヴェンがすべて揃う。アプローチはいつもと一緒。 大交響曲として荘重に奏でられるところが素晴らしい。音質は今ひとつながら、チェリ・ファンには待望の録音の登場だ。
マーラー:交響曲第9番 クラウス・テンシュテット指揮
フィラデルフィアo.
 録音:1988年。冒頭から凄い緊張感。並な演奏でない事は初めから決まっていたかのような凄絶ライヴ。大曲と格闘するテンシュテットの姿が目に見えるようである。 こういう演奏こそ生で聴きたかった。音質は今ひとつでヒスノイズ多め。
R.シュトラウス:
 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
ブルックナー:交響曲第8番(*)
クラウス・テンシュテット指揮
シカゴso.、ボストンso.(*)
 録音:1984年11月/1974年12月20日(*)。 この「ツァラ」は凄い。オケがまず金属質なまでに磨き上げられているから、音色と音量にびっくり。そしてテンシュテットの表現の苛烈さにも圧倒される。 ブル8も同様で、名演といわれる北ドイツ放響とのライヴもある同曲だが、それをさらに上まわるパッションが聞こえてくるこの演奏は只者ではない。ドラマティックなブルックナーの成功例だ。 ただ、音質がかなり悪くそれが残念。大きめのヒス・ノイズが全体的にある上、終楽章の最後にはテープの切れ目のような音飛びがある。
 # テンシュテットの同曲異演については、LPO 自主製作盤のページにまとめています
マーラー:交響曲第7番 クラウス・テンシュテット指揮
フィラデルフィアo.
 録音:1987年2月。おどろおどろしい音楽である「夜の歌」も凄い。何かがでてきそうな、恐さのある壮絶演奏。これもヒスノイズはあるがNAV-4005/6程ではない。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(*)
プロコフィエフ:交響曲第6番
ペーテル・ヤブロンスキー(P)
クルト・ザンデルリング指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:1996年9月7日。何とザンデルリングとヤブロンスキーのライヴが登場。ラフマニノフの方では、過去同曲を数限りないほど演奏したザンデルリングならではの重厚なサポートがヤブロンスキーのテクニックを盛り立てる。プロコフィエフは知る人ぞ知るザンデルリングの十八番で、老練な彼ならではの名演。
NAV-4010
廃盤
ベートーヴェン:
 交響曲第1番/交響曲第5番「運命」(*)
クラウス・テンシュテット指揮
LPO
 録音:1989年12月14日/1990年8月30日(*)、プロムス・ライヴ。 病を克服したテンシュテット最晩年のベートーヴェン。彼の初レパートリーとなる録音で、これは見逃せない。豪快で迫力満点。特に5番は彼自身としてはお得意の曲目で、演奏機会も多かったようだ。音質は中。
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」第1幕 ジェシー・ノーマン(S)
ロベルト・シュンク(T)
マリウス・リンツラー(B)
クラウス・テンシュテット指揮LPO
 録音:1981年10月25日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、演奏会形式による。このような形とはいえ、元々はオペラ指揮者としても鳴らした彼の指揮するオペラを、 その一部でも聞けるというのはファンにとって嬉しいことだ。堂々たる音楽運びは感動的で、ノーマンの朗々たる歌唱もあり稀に見る名盤と言える。音質は中。
ブルックナー:交響曲第8番 クラウス・テンシュテット指揮
シカゴso.
 録音:1981年12月3日、オーケストラ・ホール、シカゴ。最高のアンサンブルを駆使して展開するテンシュテットのドラマティックなブルックナー。 こういうアプローチはとかく大騒ぎになりがちだが、そこは巨匠ゆえに崇高なまでの高みを見せる。彼の同曲はスタジオ録音を含め幾つかあるが、シカゴso.との物はこれが初登場。音質は中。
 # テンシュテットの同曲異演については、LPO 自主製作盤のページにまとめています
ワーグナー:
 「タンホイザー」〜序曲とヴェヌスベルクの音楽/
 「リエンチ」序曲/
 「神々の黄昏」〜ジーグフリートの
          ラインへの旅と葬送行進曲/
 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
   〜第1幕前奏曲/
 ワルキューレの騎行
クラウス・テンシュテット指揮
LPO
 録音:1992年8月20日、プロムス。ライヴ。LPO自主製作レーベルからLPO-0003という番号でマスターからの復刻が成されており、さらに1枚物なので、よほどのテンシュテット・マニア以外はそちらをお勧めしたい
 テンシュテットとワーグナーという抜群の組み合わせ。英雄的な指揮者こそこういう音楽がふさわしい。鳥肌ものの「ワルキューレの騎行」、堂々たる「名歌手」、深々とした「ジークフリートの葬送行進曲」が特に良い。たぶん1990年代に残された物としては唯一のものとなるであろう。音質は中。
ハイドン:オーボエ協奏曲(*)
ラヴェル:クープランの墓
ビョルン・
 カール・ニールゼム(Ob;*)
セルジュ・チェリビダッケ指揮
デンマーク放送so.
 録音:1976年9月16日。(*)はチェリビダッケとしてはかなり珍しいレパートリー。緻密な演奏はいつものとおり。そしてラヴェルの美しさはさすが。ファンは必聴。
マーラー:交響曲第9番 オットー・
 クレンペラー指揮
イスラエルpo.
 録音:1970年、ステレオ。現時点ではクレンペラーによる最後の同曲音源と思われる。彼のアポロ的視点がもっとも向いている曲がこのマラ9であろう。清濁併せ呑んだマーラーも、 最晩年には悟りのようなこの曲を作った。弟子に当たるクレンペラーが最晩年に残したライヴということで、これは是非聴いておきたい。イスラエル・フィルとの共演というのも貴重。
バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第1番
モーツァルト:交響曲第41番
オットー・クレンペラー指揮
フィラデルフィアo.
 録音:1962年12月5日、ステレオ。バッハの方は以前As DiscからAS-533として出ていた物ではないかと思われる(そこでは1962年録音とのみ表記)。彼のこの2曲のライヴは少なく、 フィラデルフィアとの共演ということでこれまた非常に貴重。音質は、かなり残響が少なく、あまりいいとは言えない。
ブラームス:交響曲第3番
シューマン:交響曲第4番
オットー・クレンペラー指揮
フィラデルフィアo.
 録音:1962年11月、ステレオ。シューマンの方は、これまた以前As DiscからAS-533として出ていた物ではないかと思われる(上記同様1962年録音とのみ表記)。 巨匠の晩年様式らしい、重みとリズムの強烈さが楽しめ、言うまでもなく非常に貴重。 音質は、かなり残響が少なく、あまりいいとは言えない。
ブラームス:悲劇的序曲/交響曲第1番 ユージン・オーマンディ指揮
ロッテルダムpo.
 録音:1982年9月26日。何とオーマンディとロッテルダムpo.! これは不思議な組み合わせだ。また、オーマンディ晩年の演奏である所にも注目したい。 大ベテラン指揮者だけに、このような日ごろ縁の無いオーケストラであっても、豪奢なオーマンディ・サウンドにしてしまうところが聴きどころ。
ブラームス:交響曲第4番
ワーグナー:
 マイスタージンガー前奏曲
クラウス・テンシュテット指揮LPO
 録音:1984年4月。モノラル。ブラームスは構築的な演奏ながら、さすがに巨匠らしい熱に満ちた良い演奏。ワーグナーもたっぷりした音色に溢れた堂々たる名演。 音質は良く無いが、ファンなら聴くべし。
NEUMA
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲
ブルッフ:スコットランド幻想曲(*)
チョン・キョン・ファ(Vn)
リッカルド・シャイー指揮
ベルリン放送so.
ルドルフ・ケンペ指揮
ミュンヘンpo.(*)
 録音:1990年代/1973年(*)。特にブルッフは同時期に全く同じ顔ぶれでDECCAに録音しており興味深い。熱情のヴァイオリニストらしい、熱い演奏。
ドビュッシー:交響詩「海」
ラヴェル:マ・メール・ロワ
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
スウェーデン放送so.
 録音:1996年4月。非常に珍しい顔合せだが、やはり「海」が良い。極限の遅いテンポで慎重に紡ぎだされる精緻な音楽作りは巨匠ならでは。 スウェーデン放送響も渾身の力で応えており、同時期のSONYへのコンセルトヘボウとの録音との聴き比べを是非。
シューベルト:交響曲第9番 レナード・バーンスタイン指揮
バイエルン放送so.
 録音:1980年代。素晴らしいコンビと言えるバーンスタインとバイエルン放送響。ヨーロッパではトップを争う優秀オケだけに、バーンスタイン流の指揮もらくらく対応できたのだろう。 スケール雄大で素晴らしい演奏。
ブルックナー:交響曲第6番 ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送so.
 録音:1971年4月19日。クーベリック独自の旧型配置が成功し、立体的な音楽作りで魅了する。第6番というと軽く見られがちだが、こういった演奏で聴けばやはり名曲と実感させられる。
ウェーバー:「魔弾の射手」序曲
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番(*)
ハイドン:交響曲第94番(#)
ミッシャ・マイスキー(Vc;*)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
バイエルン放送so.
 録音:1998年/1979年(#)。ジュリーニ正に引退直前のウェーバーが素晴らしい。幽玄な味わいはジュリーニならではで、見事にロマン派音楽の精華を描き尽くす。そしてハイドンもゆっくりした歩みで第2楽章には本当に驚かされる。


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