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マイナー・レーベル
2024年10月新譜情報


・国内盤マイナー・レーベル
・輸入盤マイナー・レーベル
・輸入盤 歴史的アイテム
・映像アイテム
・高音質アイテム


輸入盤の新譜は、基本的には御紹介月の翌月〜翌々月中にリリースされますが、 極端に発売日が遅れることや、初回生産が少なく次回プレスにまわされることがあり、入手に時間がかかるものもございます。 また、発売より時間の経ってからご注文の場合、 中には廃盤や入手不能の商品が出ている場合がありますので、その節は何卒御了承下さい。





輸入マイナー・レーベル




AULICUS CLASSICS (伊) 1CDあたり¥3300(税抜¥3000)

 2021年国内へ新規案内、 RCA イタリアやアリストン・レコーズで活躍したロマーノ・ディ・バーリによって設立されたローマを本拠地とするクラシック・レーベル Aulicus Classics 〔アウリクス・クラシックス〕。
FAB-0001
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(2CD)
ロベルト・ジーニ〜ヴィヴァルディ:協奏曲集「調和の霊感」 Op.3
 〔第1番 ニ長調 RV.549 /第2番 ト短調 RV.578 /第3番 ト長調 RV.310 /第4番 ホ短調 RV.550 /
  第5番 イ長調 RV.519 /第6番 イ短調 RV.356 /第7番 ヘ長調 RV.567 /第8番 イ短調 RV.522 /
  第9番 ニ長調 RV.230 /第10番 ロ短調 RV.580 /第11番 ニ短調 RV.565 /第12番 ホ長調 RV.265 〕

 ロベルト・ジーニ指揮アンサンブル・コンチェルト
 録音:1991年8月、サンタ・マリア・デッラ・ピエタ教会、ヴェネツィア、イタリア|前出: Amadeus, AMS-001, AMS-002 〔分売|当店未案内、廃盤〕。 AULICUS CLASSICSが少し前の録音を復刻するAmadeus Best シリーズの第1弾。ロベルト・ジーニとアンサンブル・コンチェルトは、1990年前後はイタリアで最も注目されたバロック音楽の牽引者だった。その後イタリアでは欧州でも特に刺激の強いバロック音楽団体がいくつも台頭し、穏健なジーニの演奏は陰に隠れてしまった。しかし現代から顧みると彼らの力みなく滑らかな音楽の素晴らしさが改めて実感できるだろう。
ショパン&リスト:ピアノ作品集
 ショパン:幻想曲 ヘ短調 Op.49 /夜想曲〔第8番 Op.27 No.2 /第16番 Op.55 No.2 〕/バラード第1番 ト短調 Op.23
 リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178

 オルガ・ズドレンコ(P)
 録音:2005年5月、ディアパソン録音スタジオ、ローマ。2019年にリリーされた、フランツ・クサーヴァー・モーツァルト(モーツァルトの息子)のピアノと管弦楽のための作品集で話題を呼んだ、アバド& BPOとの共演でも知られるイタリアの女性ピアニスト、オルガ・ズドレンコのアルバム。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.4
 ロンド 変ロ長調 Kinsky-Halm Anh.6 /3つの選帝候ソナタ WoO.47
  〔第1番 変ホ長調/第2番 ヘ短調 第3番 ニ長調〕

 コンスタンティーノ・マストロプリミアーノ(Fp)
 録音:2022年10月28日-29日、ズマラーノ・オルガン・アカデミーコンサート・ホール、トレント、イタリア。ピアノと室内楽を経て、現在はイタリアを拠点にフォルテピアノでの探究を続けているコンスタンティーノ・マストロプリミアーノによる、2019年(第1弾)、2021年(第2弾)&(第3弾)に続く、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ集の第4弾。今回はケルン大司教(選帝侯)に献呈させたことから、後世この名で呼ばれるようになった3つの「選帝候ソナタ」を録音。
マヌエル・ポンセ(1882-1948):ギター作品集
 前奏曲/バレット/クーラント/前奏曲 ホ短調/主題、変奏/スペインのフォリアによる20の変奏曲とフーガ/
 わが人生を行く/スケルツィーノ・メヒカーノ/エストレリータ/しおれた心

 フランシスコ・ギル(G)
 録音:2022年12月29日-31日、ドス・エストレリャス・マイン、トゥラルプハワ、メキシコ。巨匠セゴビアの依頼により書き上げられた20世紀最大のギター作品のひとつ「スペインのフォリアによる20の変奏曲とフーガ」を中心とした、南米が生んだ後期ロマン派〜新古典主義の作曲家、ポンセのギター作品集。メキシコ音楽院の教授で南北アメリカや欧州で活躍する、現代の“ポンセ弾き "としても定評のあるフランシスコ・ギルの演奏。
クアドリヴィウム〜ビアッジョ・ルッソ(1992-):室内楽作品集
 巡礼者たちのため開かれた門(昇天)/小さな言葉で/ INRI /クアドリヴィウム/トランスミッション/対話的移植片/
 神経芽細胞腫 #1 /溝のすきま/インテルメッツォ/神経芽細胞腫 #2 /巡礼者たちのための閉ざされた門

 ビアッジョ・ルッソ(P) ブリエーレ・パリアーノ(Cb)
 ルシオ・ミーレ(Perc) アレクサンダー・クラフィー(Cb)
 南イタリアはサレルノ出身、1992年生まれのコンポーザー・ピアニスト、ビアッジョ・ルッソによる室内楽作品集。本人とガブリエーレ・パリアーノ、ルシオ・ミーレからなるトリオにアメリカ人のダブルベース奏者アレクサンダー・クラフィーを加え(ピアノ、コントラバス×2、パーカッションからなる)非典型的クァルテットの様々な可能性を追究する内容。宗教音楽的な瞑想感を漂わせつつ、メインは即興演奏を重視した60年代のアヴァンギャルド・ジャズを思わせるサウンドに彩られている。
J.S.バッハ(1685-1750):
 ゴルトベルク変奏曲 BWV.988
ルカ・バレリーニ(P)
 録音:2019年4月7日、ヴェルガ・ルーム(テアトロ・スタビーレ)、カターニア、シチリア州、イタリア。ボローニャ生まれのピアニスト、ルカ・バレリーニによるゴルトベルク変奏曲。バレリーニは同市のG. B. マルティーニ音楽院でジノ・ブランディに師事。その後、ジュネーヴ音楽院でマリア・ティーポに学んだ。第16回セニガッリア国際ピアノコンクール第1位・最優秀室内楽特別賞などを受賞。イタリア、スイス、フランス、ドイツでリサイタルを開き、国内外の有名オーケストラと共演している。
モンテヴェルディ:「アリアンナの嘆き」と他の声楽作品集 Vol.1
 アリアンナの嘆き/竪琴の調子を合わせて/恋文/愛の別れ/緑の森の踊りああ私は倒れる/私のトルコ女/
 苦しみがそれほどに甘美なので/ああ! 私は死にそうだ/愛しなさいニンファ

 アントネラ・ジャネーゼ(S) ヴィンチェンツォ・ディ・ドナート(T)
 ヴァレンティーナ・コルテーゼ(歌)ロベルト・ジーニ指揮 アンサンブル・コンチェルト
 録音:2023年4月6日-8日、コルシコ/2007年7月、ミラノ、すべてロンバルディア州、イタリア。ロベルト・ジーニ率いるアンサンブル・コンチェルトによるモンテヴェルディの「アリアンナの嘆き」と他の声楽作品集。数曲歌っているヴァレンティーナ・コルテーゼ(1923-2019)はイタリアの名女優。2007年録音だと84歳の時の歌声ということになる。
ブゾーニ(1866-1924):ヴァイオリン・ソナタ集
 〔第1番 ホ短調 Op.29 /第2盤 ホ短調 Op.36a 〕
ルーカ・ファンフォーニ(Vn)
ルーカ・バッレリーニ(P)
 録音:2011年6月19日-20日、バルトーク・スタジオ、ベルナレッジョ、モンツァ・エ・ブリアンツァ県、ロンバルディア州、イタリア|前出・旧品番: Amadeus, AM-274-2 。#コメント等は Amadeus の国内代理店のもの(2014年時点)を使用。
 ルーカ・ファンフォーニは1964年イタリアのパルマに生まれ、ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院で学んだ後クレモナのウォルター・スタッファー・アカデミーでサルヴァトーレ・アッカルドに師事したヴァイオリニスト。2002年にカーネギー・ホール・デビューし、Dymanic レーベル等からCDをリリース。2014年現在パルマ音楽院ヴァイオリン科教授を務めている。ルーカ・バッレリーニは1965年イタリアのボローニャに生まれ、ボローニャのG.B.マルティーニ音楽院でジーノ・ブランディに、ジェノヴァ音楽院でマリア・ティーポに師事したピアニスト。カターニアのヴィンチェンツォ・ベッリーニ音楽学校で長年ピアノ主任教員を務めている。
ドイツのクラリネット・ソナタ集
 ダンツィ:クラリネット・ソナタ 変ロ長調
 メンデルスゾーン:クラリネット・ソナタ 変ホ長調 MwvQ.15
 ドレーゼケ:クラリネット・ソナタ 変ロ長調 Op.38
  アルド・ボッタ(Cl) ジュゼッペ・ガリアーノ(P)
 録音:2023年5月、ポンテカニャーノ、カンパニア州、イタリア。ロマン派のクラリネット・ソナタを集めたCD 。メンデルスゾーンのクラリネット・ソナタは、1824年、彼が15歳になる年の作品。極めて早熟だったメンデルスゾーンらしくまだ少年だった頃の作品とは思えないほど充実している。フランツ・ダンツィ(1763-1826)はベートーヴェンより少しだけ上の世代のチェロ奏者、作曲家。当時は非常に人気が高く影響力のあった音楽家。クラリネット・ソナタ 変ロ長調は1818年の作。強烈な個性こそないけれどなかなかの佳曲。フェリクス・ドレーゼケ(1835-1913)は19世紀後半から20世紀初頭にかけてのドイツの作曲家。クラリネット・ソナタ 変ロ長調は1887年の作。後期ロマン派色とは無縁の優しく穏やかな作風が良い。アルド・ボッタは1994年生まれのイタリアのクラリネット奏者。ソロ活動を行い、また現在はレッジョ・カラブリアのチレア音楽院でクラリネットを指導している。
シャルモーと通奏低音のためのソナタ集
 ヴェラチーニ、サンマルティーニ&作曲者不詳:シャルモーと通奏低音のためのソナタ ヘ長調
 作曲者不詳:シャルモーと通奏低音のためのソナタ〔変ロ長調(3曲)/ヘ長調〕/ソナタ 変ロ長調
 チャンピ:チェンバロ・ソナタ〔ヘ長調/ハ長調/変ロ長調〕

 エルンスト・シュラーダー(シャルモー)
 エリック・テヤン・マン(Vc) マリオ・アシャウアー(Cemb)
 録音:2022年3月16日-18日、8月3日、ハンツヴィル、テキサス州、 US 。シャルモー独奏の作品集。シャルモーとはクラリネットの前進にあたるシングルリード楽器。長さはクラリネットよりずっと短くキーはないかあっても僅か。クラリネットのように広い音域はなく高音は出せず、しかし素朴で柔らかい中音域が楽しめる。シャルモーは今日ではクラリネットのシャルモー音域で名前だけは知られているが、実際の楽器の音が聞けることは少ないだろう。ウィーンには、ベートーヴェンのパトロンとして高名なルドルフ大公(1788-1831)のコレクションとしてシャルモー曲集が伝わっており、このCDにはその中の9曲が収録されている。作曲者は、フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ(1690-1768)、ジュゼッペ・サンマルティーニ(1695-1750)、ヴィンチェンツォ・チャンピ(1719-1762)らだが、不詳な物も多い。最初に収録されている ヘ長調のソナタは複数作者の曲を寄せ集めたパスティッチョ。エルンスト・シュラーダーはベルリン古楽アカデミーのソロ・クラリネット奏者で、ピリオド・クラリネットの第一人者。古楽系でないクラリネット好きも、ご先祖様の音を聞いておくべきだろう。
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ集
 〔第1番 ヘ短調 Op.80 /第2番 ニ長調 Op.94 〕
デニス・ガサノフ(Vn)
ユーリー・パノフ(P)
 プロコフィエフが戦時下のモスクワでオイストラフの助言を得て完成させた、フルート・ソナタの改作であるヴァイオリン・ソナタ第2番と、それ以前に着手していたヴァイオリン・ソナタ第1番(こちらもオイストラフに捧げられている)のカップリング。演奏はデニス・ガサノフ(Vn)とユーリー・パノフ(P)のコンビで、このレーベルからチャイコフスキーやラフマニノフの作品も発売予定。ガサノフはギドン・クレーメルがファイナルの審査に当たったことも大きな話題を呼んだ、2022年の第8回仙台国際音楽コンクールのヴァイオリン部門第2位の受賞者。
ジャルディーニ:チェンバロとフルートのための6つのソナタ Op.3
 〔第1番 ト長調/第2番 ハ長調/第3番 ヘ長調/第4番 イ長調/第5番 ト短調/第6番 ホ長調〕

 マッシモ・ジャンティリ=テデスキ(Fl) バーバラ・ペトルッチ(Cemb)
 バロックの巨匠コレッリの死から3年後の1716年にトリノで生まれ、ヴァイオリン奏者としてヨーロッパを旅してパリ、ベルリン、特にロンドンで活躍。晩年はロシアにわたり、シューベルトが生まれる前年の1796年にモスクワで亡くなったジャルディーニが残した、軽快で典雅な雰囲気をたたえたフルート・ソナタ。ミラノ生まれのフルート奏者ジェンティリ=テデスキとローマ生まれのチェンバロ奏者ペトルッチの、イタリア人コンビによる演奏。
グリーファ:プリペアド・ピアノのための戦闘舞曲集「カインとアベル」
 クリスティアン・グリーファ(P) アンドレス・モンティーリア=アクレロ(声)
 イタリアのピアニスト、クリスティアン・グリーファによる17曲からなる大作「カインとアベル」の録音。クリスティアン・グリーファは南イタリア、プ―リア州のサン・ジョヴァンニ・ロトンドの生まれ。早くから実験音楽に興味を持ち、作曲あるいは即興演奏で名を上げた。3曲に朗唱が加わり、ベネズエラのテノール、アンドレス・モンティーリア=アクレロが担当している。
17世紀英国のヴィオラ・ダ・ガンバ作品集
 シンプソン:前奏曲〔第2番 ニ短調/第5番 ヘ長調/第6番/第4番/第3番〕
 ノーコム:ディヴィジョンズ〔第7番 ニ長調/第19番 イ長調/第4番 イ長調/第16番 ホ長調/
               第18番 イ長調/第28番 ヘ長調― ハ長調/第11番 ヘ長調〕
 作曲者不詳:ディヴィジョンズ〔第25番 イ長調/第17番 ロ長調/第3番 イ長調/第24番 イ長調/第26番 ニ長調〕

 ロベルト・ジーニ(ヴィオラ・ダ・ガンバ) グイード・アンドレオッリ(Cemb)
 ダーリオ・ランディ(リュート) マルコ・アンジレッラ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 録音:2021年7月15日-17日、コルシコ、ロンバルディア州、イタリア。イタリア古楽界の重鎮、ロベルト・ジーニと仲間たちによる17世紀英国のヴィオラ・ダ・ガンバ作品集。中心となるのはクリストファー・シンプソン(1602/06-1669)とダニエル・ノーコム(1576-1647?)。クリストファー・シンプソンは17世紀の英国を代表するヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、作曲家として知られている。一方ダニエル・ノーコムの生涯はあまりよく分からないが(名前の綴りすら確定していない)、作品を聞けばその非凡な腕前に感嘆するだろう。これまでノーコムの作品を収録したCDは皆無に近かったはずなので、巨匠ジーニによる演奏は歓迎されるだろう。
ジュリオ・ブリッチャルディ(1818-1881):フルートとピアノのための作品集
 「イル・トロヴァトーレ」の主題による幻想曲 Op.87 /アンダンテとポロネーズ Op.62 /
 「ああ、どうしてあなたを憎めないのだろう」の主題による幻想曲 Op.110 /
 「群盗」の主題によるディヴェルティメント Op.50 /ディヴェルティメント Op.44

 パオロ・ダルモーロ(Fl) マウリツィオ・フォルネーロ(P)
 録音:2001年11月21日-22日、トリノ。ジュリオ・ブリッチャルディは19世紀のヴィルトゥオーゾ・フルーティストで作曲家。当時の慣例に従って、当時ヒットしていたオペラの名旋律を使った幻想曲などを多く作曲した。また彼はフルートの演奏法の革新にも努めたと云われる。作曲家としては3つのフルート協奏曲を始め、木管四重奏曲、夥しい数のオペラの名旋律による幻想曲を残している。フルート・ファンは必聴。
ソロ・エレメンツ〜マッツ・ヘドベリ(1962-):
 ブレリアス/再発/スプリング/子供の歌 I /おかしなイベリアの夢 I /
 ランゲルハン細胞/地層 II /アンダルシア/モトリトゥム/ドリーブド I-IV

 マッツ・ヘドベリ(G)
  (C) (P) 2023 。マッツ・ヘドベリはスウェーデンのギタリスト、作曲家。ハード・ロック、プログレシヴ・ロック、実験音楽、電子音楽などあらゆるジャンルの音楽に関わっているが、このアルバムではアコースティック・ギター一本でロック調の曲やスペイン風の音楽、中東風の音楽などエスニックな要素の濃い音楽を奏でている。
ジャン=マリー・バンジャマン(1946-):交響組曲「ヴォイティワ調査書=試み」
 ジャン=マリー・バンジャマン(作曲/シンセサイザー)
  (C) (P) 2023 。ジャン=マリー・バンジャマン(Jean-Marie Benjamin)はフランスの作曲家、指揮者、プロデューサー、作家。クラシックから映画音楽、ポップ・ミュージックまで幅広く手掛けている。政治や国際問題にも深い関心があり、ユニセフのイベント・オーガナイザーを勤めたこともある。この「ドシエ・ヴォイティワ」(ヴォイティワはローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の本名カロル・ユゼフ・ヴォイティワから)は彼自身の小説に基づく交響組曲。敬虔なカトリック教徒であるベンヤミンの心の巡礼の旅を描いた叙事詩を全編自ら弾くシンセサイザーで表現している。テレビ、映画音楽畑で培われた親しみ易い作風。
アレッシオ・ミラーリア:交響曲第1番「混沌〔カオス/Χάος〕」
 アレッシオ・ミラーリア(作曲/コンピュータ/制作)
  (C) (P) 2023 。作曲者ミラーリア(Alessio Miraglia)の生年は公表されていないが、ブックレットの写真から若手と思われる。交響曲第1番「混沌」はインストゥルメンタルとコンピュータ、シンセサイザーで制作された作品。混沌という標題の通り、空虚だとか無秩序な状態といった意味深な標題がつけられた5つの楽章から構成されるが、全体は意外と瞑想的で静かな音楽。むしろペルトやブライアン・イーノを思わせる瞑想的でアンビエントな、この音楽を聴きながら、この世の無秩序や混沌とした状況について沈思黙考せよ、というのが作曲者の狙いかもしれない。
アナクレト・ヴィトロ(1985-):
 流紋岩/セレナイト/玄武岩/ラ・ウナ/白雲母/ラテライト/ボーキサイト/天青石/藍晶石
 アナクレト・ヴィトロ(作曲/コンピュータ/制作)
  (C) (P) 2023 。全曲、鉱物を標題とテーマにしたコンピュータ・ミュージック。鉱物の組成成分をそのまま音に変換したようなノイズがひたすら続く。決して耳当たりのよい音楽とは言えないが、ノイズ系ミュージックの好きな人には垂涎ものだろう。作曲者のヴィトロ(Anacleto Vitolo)は当初ヒップ・ホップなどクラブ系の音楽活動をしていたが、やがてより過激な実験音楽、電子音楽に傾倒、2008年にサレモ音楽院が開催した電子音楽コンクール M. E. I. tech 2008 に優勝した。ルイージ・ルッソロ、エドガー・ヴァレーズに通じる、そのノイズ・ミュージックは20世紀に一時代を築いたイタリア未来派の血を受け継いでいると言えよう。
ピエルルイジ・カロッツィ:「旅」〜古代の調べ
 〔孤独な心/記憶/雲/幻影/天空/真実のための戦い/
  エントロピーの航海/ランニング・ボウ/旅/空想/幻想的な物語/ニンファ〕

 ピエルルイジ・カロッツィ(作曲/シンセサイザー/制作)
  (C) (P) 2023 。作曲家カロッツィ(Pierluigi Carrozzi)の生年は公表されていないが、ブックレットの写真から若手から中堅世代と思われる。ローマの聖ルイス音楽院で作曲と映画音楽を学び、主に舞台のための音楽とサウンド・エンジニアとして活動している。このアルバムは天地創造と世界の神話に霊感を受けて作曲されたもので、全編、シンセサイザーやコンピュータを駆使したニュー・エイジ・ミュージック風の壮大な音のオデッセイが描かれている。メディテーション・ミュージックや喜多郎が好きな人にお薦め。
ヴィルジリオ・マッツォッキ(1597-1646):8声のための「夕べの詩篇」
 〔トッカータ/神は私の救い主/詩篇109、110 /天使は石に言った/詩篇111/
  カンツォーナ/永遠の美しい光/マニフィカト/サルヴェ・レジーナ/他〕(全21トラック)

 ミケーレ・ガスバッロ指揮アンサンブル・フェスティーナ・レンテ
 録音:2018年11月25日、聖アポリナーレ大聖堂、ローマ。マッツォッキは初期バロックのイタリアの作曲家でモンテヴェルディより一世代後に属する。モテット、マドリガル、オペラ、オラトリオの作曲家として一時代を築いたが今日ではほとんど忘れられている。このアルバムは8声の混声合唱とオルガン、リュート、通奏低音からなる宗教楽曲。その荘厳で典雅な響きはイタリアン・バロックの美しい花といえよう。なかなか聴くことのできない貴重なアルバム。
パオロ・ヴィヴァルディ(1964-):
 ファゴットと管弦楽のための組曲「実在しない騎士の夢」/交響詩「人生の詩人パゾリーニ」
 パオロ・ヴィヴァルディ指揮トスカーナ ORT o. パオロ・カルリーニ(Fg)
 録音:2022年10月3日-4日、ヴェルディ劇場、フィレンツェ。パオロ・ヴィヴァルディはイタリアの映画音楽の作曲家。ローマの聖チェチーリア音楽院で学んだ後、映画、テレビの世界で劇音楽の作曲に携わる。おびただしい数の映画、テレビ・ドラマの音楽を手掛けているが、日本で知られているものは少ない。このアルバムはクラシックの演奏会用の作品でファゴットと管弦楽のために書かれたものと交響詩が収められている。映画、テレビの手馴れた仕事ぶりが生かされてか、いずれも親しみ易く、楽しめる内容。どことなく久石譲や坂本龍一を思わせる和声進行もあって微笑ましい。
レスピーギ:ピアノ作品集
 ピアノ・ソナタ ヘ短調 P.16 /6つの小品 P.044 /リュートのための古風な舞曲とアリア
  〔小舞踏曲「オルランド伯爵」/ヴィラネッラ/ガルアルダ/イタリアーナ/シチリアーナ/パッサカリア〕

 ヴィタントニオ・カローリ(P)
 録音:2022年9月、バーリ、プ―リア州、イタリア。レスピーギはローマ三部作があまりに強烈でそのイメージが強いが、彼は生涯の間にかなり作風を変化させた作曲家。1897年、まだ10代だった頃のピアノ・ソナタ ヘ短調にはロマン主義が色濃く残っている。1901年の6つの小品はサロン風の小品集。一方有名な「リュートのための古風な舞曲とアリア」は、彼の古いイタリア音楽への憧れが生み出した傑作。管弦楽曲をレスピーギ自分が4手ピアノ用と独奏ピアノ用の編曲を作っており、これは独奏ピアノ版の演奏。ヴィタントニオ・カローリはイタリアの中堅のピアニスト。かのアルド・チッコリーニの高弟で、チッコリーニはカローリのピアノを絶賛していた。
パイジェッロ(1740-1816):6つのフルート四重奏曲 Op.23 〔ディヴェルティメント Nos.1-6 〕
 シーロ・カヴァレット(Fl) ディーノ・スカラブリン(Vn)
 ダニエラ・パジェッラ(Va) カルロ・ベルトーラ(Vc)
 録音:2000年10月、ピーノ・トリネーゼ、ピエモンテ州、イタリア。ジョヴァンニ・パイジェッロ(1740-1816)はイタリア・オペラの作曲家として高名だが、宗教曲や器楽作品も多数書いている。あまり顧みられることのないそれらの作品の中では、6つのフルート四重奏曲 Op.23が比較的よく知られており、CDも複数出ている。フルートが明るく伸びやかに歌い、それにヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが品よく伴奏をするスッキリした音楽が美しい。オペラ以上にパイジェッロの南イタリア気質がストレートに現れている傑作だろう。シーロ・カヴァレットはヴェネツィア生まれのイタリアのフルート奏者。スイスのヴィンタートゥール音楽院で学んだ後、デンマークで研鑽を積んだ名手。
リントン・ミュージック〜アレクサンドル・チェルダ・ベルダ(1970-):
 雨が降る/月/あなたの所へ飛んでゆきたい/言えないこと/甘い挽歌/娘たち/記憶/時

  アレクサンドル・チェルダ・ベルダ(作詞/Tu/口笛/歌) マルコ・フローレンザーノ(P)
  ウンベルト・レポーレ(Cb/ベル) ステファーノ・コンスタンツォ(ドラムス)他、コーラス
 録音:2022年4月28日-29日、ナポリ。アレクサンドル・チェルダ・ベルダはスペイン出身の作曲家、音楽家。ナポリ音楽院でジャズを学び、ジャズとクラシックを融合した独自のスタイルで活躍している。このアルバムは自ら口笛やテューバを演奏し、バックにピアノ・トリオ、コーラスを従えた豪華なジャズ作品となっている。曲中、自ら作詞した詩を朗読するなど多彩な作風。
ドリーチ・ヴィルビオ〜レオナルド・アミーリ(1990-):
 オーラ/ケノーシス/ヴィルビオ I /ヘテミの記憶/そしてアルカディアで私は/
 カウマ/ウーヌス/ヴェスタリア/ヴィルビオ II

  レオナルド・アミーリ(P/シンセサイザー/Org) アンブラ・キアーラ・ミケランジェリ、
  エレーナ・ビアンケッティ、グエンダリーナ・プルチネッリ、ロッコ・フェデリコ・カステラーニ、
  フランチェスコ・デ・パルマ(弦楽) アレッサンドロ・ディ・サント(Perc)
  アレッシオ・ネリ、エドワルド・M.ベルッチ、ベロニカ・バルトロメイ(Vo)
 録音:2022年、ローマ。作曲者レオナルド・アミーリはローマ出身。聖チェチーリア音楽院で電子音楽を学んだ後、サウンド・エンジニア、ヴィデオ・エンジニアを経て現在は作曲家としてローマを拠点に活動している若手。このアルバムは古代ギリシャ神話を題材としたカンタータともシアター・ピースとも云える作品でヴォーカル、シンセサイザー、電子音響によるイマジナリーな世界が拡がる。喜多郎など(古い言い方だが)ニュー・エイジ・ミュージックの好きな人にお薦め。
ドヴォルジャーク:細密画集 Op.75a
モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 ト長調 K.423
ドヴォルジャーク:2つのヴァイオリンとヴィオラのための三重奏曲 ハ長調 Op.74
 ピエラヌンツィ三重奏団
  [ガブリエーレ・ピエラヌンツィ(Vn) ラウラ・ゴルナ(Vn) フランチェスコ・フィオーレ(Va)]
 録音:2021年1月29日、ミラノ、ロンバルディア州、イタリア。ドヴォルジャークの隠れた名作、細密画集 Op.75aと弦楽三重奏曲 ハ長調 Op.74で、モーツァルトの二重奏曲 ト長調 K.423を挟んだ素敵な選曲のCD 。ドヴォルジャークの室内楽曲はどれも彼持ち前の旋律美が生きた名曲ばかりで、弦楽四重奏曲やピアノ四重奏曲、ピアノ五重奏曲などは有名だが、弦楽二重奏国、三重奏曲はあまり顧みられない。細密画集(ミニチュア集)は、ヴァイオリンとピアノのための4つのロマンティックな小品 Op.75の原曲。こちらも名曲だが、本来の味は原曲の方が勝るだろう。弦楽三重奏曲は2つのヴァイオリンとヴィオラという編成で、CDでは稀に弦楽四重奏曲の余白に収録されるが、ドヴォルジャークの魅力に溢れた名作。一方モーツァルトの二重奏曲は、ミヒャエル・ハイドンの代わりに作曲したエピソードで知られる作品。これもモーツァルトの隠れた名作としてモーツァルティアンには人気がある。こうした曲は得てして弦楽四重奏団の団員で演奏されがちだが、ピエラヌンツィ三重奏団は極めて珍しいヴァイオリン×2とヴィオラの団体。3人ともイタリア人なので明るさと滑らかさはまさにイタリアの味。
ジェンキンズ&ロウズ:ファンタジア組曲集
 ジョン・ジェンキンズ(1592-1678):ファンタジア組曲〔ト短調/イ短調〕/ニューアーク包囲戦
 ウィリアム・ロウズ(1602-1645):ファンタジア組曲 ハ短調(2組曲)

 ロベルト・ジーニ(ディヴィジョン・ヴィオル)指揮アンサンブル・コンチェルト
  [クラウディア・コンブス(Vn) マッシモ・ペルチヴァルディ(Vn)
   マルコ・アンジレッラ(ディヴィジョン・ヴィオル) サラ・ディエーチ(Org)]
 録音:2015年7月29日-31日、パルマ、イタリア。17世紀英国の作曲家、ジョン・ジェンキンズ(1592-1678)とウィリアム・ロウズ(1602-1645)のファンタジア組曲を、イタリアのヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、ロベルト・ジーニ率いるアンサンブル・コンチェルトが演奏している。ジョン・ジェンキンズは主として地方の宮廷で活動したために高い名声を得ることはなかったが、17世紀の英国のリュート奏者、作曲家の中でも傑出した人物であった。一世代下のウィリアム・ロウズは対照的にロンドンの宮廷で華々しく活躍したが、清教徒革命の際の内戦で戦死した。二人は友人だったという。パーセルなども含め英国人作曲家のバロック音楽をイタリアの団体が演奏したCDは多くはなく、特にジェンキンズのようにもともとCDがあまり多くないと極めて珍しい。モンテヴェルディなど17世紀のバロック音楽を主とするロベルト・ジーニの演奏は瑞々しさが際立って魅力的だ。
カルロ・フランチェスコ・デフランチェスキ
  リフレクセズ〔反射神経〕〜チェンバー・ジャズ・インプロヴィゼーション
 フラグメンツ/サイレンス/エクセドラ/恥じらい/素描/ヴェール/ネッカチーフ/儀式/インディゴ/エボニー

 カルロ・フランチェスコ・デフランチェスキ(Fl/アルトSax/Cl/バスCl)
 ステファーノ・カニアート(P) マウロ・セレーノ(Cb) リッカルド・ブランコーリ(ドラムス)
 録音:2020年、 DIGITUBESTUDIO 。作曲者のデフランチェスキがアルト・サックス、フルート、クラリネット、バス・クラリネットを吹き分けてバックをピアノ・トリオ(ピアノ、ベース、ドラムス)が支えたジャズ・セッション。全てデフランチェスキの作曲であるが、テーマを自由に変奏して粋でグルーヴィなインプロヴィゼーションを展開している。純粋なモダーン・ジャズ・アルバム。
ヘドベリ&ポンティネン:ノルディック・エレメンツ  前奏曲/リトム/フィアル・ウーノ/フィアル・フォーク/フィアル・デュオ/フィアル・フィー/ Tkistu /
 ノルディック・エレメント/エレメントB /ノルディック/ノルディック・C /エレメント、D /
 ノルディック・エレメント/ノルディック・エレメントE /

 マッツ・ヘドベリ(G) ステファン・ポンティネン(Vn)
 クラシック・ギターとヴァイオリンのデュオのための12の小品から構成されたアルバム。ヴァイオリンとギターという編成からパガニーニのそれを想起させるが、曲はフィリップ・グラスを思わせるアルペジオのみによるミニマル的な前奏曲に始まり、その後、ジャズ風であったり、民族音楽風、インド音楽であったり、バルトーク風であったりと様々なスタイルの小品が続く。作曲はヘドベリとポンティネンの二人による共作。
グレゴリオ・ストロッツィ(1615頃-1687):オルガン作品集
 トッカータ第1番/リチェルカータ/コレンテ・セッティマ/ソナタ/カプリッチョ第1番/
 第4コレンテ/トッカータ第4番/第2バレット/トッカータ・デ・パッサカーリ/他(全15曲)

 アレッサンドロ・アルベンガ(Org)
 録音:2022年5月17日、聖オレステ・聖ロレンツォ教会、ローマ/2022年7月20日、聖ジョバンニ・プロフィアマ・聖ジョバンニ・バッティスタ教会。バッハと並ぶ多くの音楽家を生み出したストロッツィ家の作曲家の一人、グレゴリオ・ストロッツィのオルガン作品の中から選りすぐりの曲をセレクト。グレゴリオはナポリで修行し、ナポリ大学で教会法の博士と修道院長の資格を取得、教会オルガニストとして活動する一方で多くのオルガン作品を残した。J.S.バッハの前の世代の作曲家として後期バロック音楽の礎を築いた作曲家の一人であるが、作品は必ずしも広く知られてはおらず、このディスクは貴重。オルガンを弾いているアレッサンドロ・アルベンガはローマの聖チェチーリア音楽院で学び、現在ローマのサンタ・マリア・カペラ・ムジカーレ専属オルガニストを務めるベテラン。典雅なオルガンの響きを堪能できる一枚。
パスクアーレ・プンツォ(1987-):室内楽作品集
 「フレア」(2020)〜無伴奏フルートのための3つの小品/「海が割れるように」(2020)〜ピアノのための/
 「ラーシア」(2021)〜無伴奏チェロのための/「亀裂」(2021)〜フルート、チェロとピアノのための/
 「砂利層の岩の間」(2021)〜弦楽三重奏のための/「バニシング・ポイント」(2021)〜弦楽六重奏のための/
 「テイア」(2021)〜アンサンブルのための

 ヴァレリア・ラノーン(Fl) エルヴィラ・ストレーバ(P)
 クリスティーナ・トルトーラ(Vc) アンナローラ・トルトーラ(Vn)
 フランチェスコ・ヴェンガ(Va) ジュゼッペ・スコット・ガレッタ(Cl)他
 録音:2021年11月-12月、2022年3月。パスクアーレ・プンツォはナポリ出身の若手作曲家。地元の音楽院で学んだ後、サルヴァトーレ・シャリーノ、ヘルムート・ラッヘンマン、マルコ・ストロッパ、トリスタン・ミュライユら、それぞれかなり作風の異なる個性的な作曲家たちに師事した。彼の音楽はそうしたヨーロッパ前衛音楽の主流の様式を適度に折衷したスタイルで書かれている。特長としては静けさの中に突然爆発する強烈な音の塊、その後の沈黙と余韻といったところに、この作曲家の美点が聴き取れる。無伴奏フルートから弦楽六重奏、室内アンサンブルの曲まで、編成も多様。
ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」
 〔春 Op.8 No.1 /夏 Op.8 No.2 /
  秋 Op.8 No.3 /冬 Op.8 No.4 〕
ルカ・ファンフォーニ(Vn)
レアーレ・
 コンチェルト・アンサンブル
 録音:2012年6月21日、聖アンドレア教会、パルマ、イタリア。おなじみのヴィヴァルディの「四季」をイタリアのローカルながら味わい深いオーケストラで聴く。弦楽のやや、がさがさした質感、それでいながらジャズのセッションを思わせるソロの即興性溢れる音楽など、一流オーケストラでは聴けない独特の味わいがあってこれはこれで捨てがたい魅力がある。ルカ・ファンフォーニはミラノのヴェルディ音楽院で学んだ後、ニコロ・パガニーニ国際コンクールに入賞後、ヨーロッパを中心に精力的に活動している中堅ヴァイオリニスト。2012年にはレアーレ・コンチェルトと共に日本でコンサート・ツアーを行い「四季」などを演奏して好評を博し、東京での公演はNHKでも放映された。DYNAMICに多数録音があるほか、当AULICUSレーベルにもパガニーニ:24の奇想曲(ALC-0075)を録音して好評を得ている。
ルチアーノ・ディ・ジャンドメニコ(1966-):
 イーテル・シンフォニア〔交響曲の旅〕
アレッサンドロ・ボッテーギ指揮
オーケストラ・デラ・ランテルナ
 録音:時期未記載、ジェノヴァ・ネヴィア・ルーテル派教会、イタリア。ルチアーノ・ディ・ジャンドメニコはイタリアの作曲家、ピアニスト、指揮者。この作品は人生を旅に喩えひとつの交響曲にまとめた物。全13楽章から構成され、それぞれは5分前後の小品からなっている。いわゆる現代音楽ではなく、サロン音楽のように親しみやすいもので、交響曲の本来の原点である舞踊組曲に近い形を取っている。肩肘張らずリラックスして楽しめる内容。
神聖な音楽〜ジャン=マリー・ベンジャミン(1946-):
 アルマ、救世主の母[アラディーノ・プロダクション室内o.&cho.]/
 サルヴェ・レジーナ(あわれみの母)[ローマ「ロマーニ・カントーレ」cho.&室内o.]/
 われらいとも聖なる秘蹟を永遠に崇め奉らん
  [ザウテル・タマレット(B) エリザベート・ブラッスールcho.]
 おお、最も神聖な母[演奏者未記載]
 ジャン=マリー・ベンジャミンはフランスの作曲家、指揮者。音楽だけでなく、作家、映画監督、プロデューサーとしても活動している。1975年よりイタリアに在住。イラク戦争に反対する活動や映画製作、またポール・マッカートニーに作品を提供、非常に多彩な活動をしている。このアルバムは彼の宗教音楽を収録したもので、現代音楽色は一切皆無。18世紀の音楽を思わせる典雅な音楽。
ジャンピエロ・ジェミーニ:ピラゴラスの踊り ジャンピエロ・
 ジェミーニ(電子音響)
 ジャンピエノ・ジェミーニの生年は公表されていない。彼は作曲家、指揮者、電子音楽家、マルチ・メディアの映像作家として多岐に渡る活動をしている。このアルバムも彼の電子音響の技巧が駆使され、アルバムは2分から最大で8分の9つの小品から構成されている。ヴァイオリンやクラリネット、声などアコースティックな音響素材がコンピュータで合成、変調され、コンピュータで制作された音響と合成される。聴き手は夢とうつつの間を徘徊する迷宮のような音楽。古代ギリシャの夢が近未来の音響で蘇る56分。
クリスティアン・グリーファ
 プリペアド・ピアノのための民族舞踏の場面「地球へのオード」
  クリスティアン・グリーファ(プリペアドP)
 録音:2021年5月、デュッセルドルフ。作曲家でピアニストのクリスティアン・グリーファ(生年不詳)の全編プリペアド・ピアノによる全26曲からなる舞曲集。小品で構成されているあたりはジョン・ケージの「ソナタとインターリュード」やテリー・ライリーのプリペアド・ピアノのための作品(「ニューアルビオンのハープ」あたりなど)を思わせる。しかし彼らより世代が若いだけあって、曲はロックやジャズ、ミニマルなどの影響を感じさせ、かなりアクレッシヴな内容。プリペアド・ピアノによるひとりハード・ロック・バンドといった趣。ケージ、ライリー、ポスト・ミニマル、ワールド・ミュージック系現代音楽の好きな人にお薦め。
ベンジャミン・ブリテン
 エレジー/無伴奏ヴィオラ組曲
  〔第1番 Op.72 /第2番 Op.80 /第3番 Op.87 〕
シモーネ・リブラロン(Va)
 録音:2021年7月19日-23日、ヴァレーゼ。
パガニーニ:24 + 1のカプリス ルカ・ファンフォーニ(Vn)
 録音:2021年4月24日-27日、マントヴァ。
ウィーン小修道院写本 714 からの鍵盤音楽集
 フレスコバルディ、ラッスス、マレンツィオ、ヴァレンティーニ、スウェーリンク、ガブリエリ、ザンキ、
 メルーロ、ストリッジョ、デ・モンテ、シーフェルト、ハスラー、作曲者不詳の作品(全15トラック)

 マリオ・アッシャウアー(Cemb/Org)
 録音:2021年12月20日-23日、サム・ヒューストン州立大学。
バッハ・イン・ジャズ〜J.S.バッハ:
 無伴奏チェロ組曲第1番/
 チェロ・ソナタ第1番〜アダージョ/
 チェロ・ソナタ第2番〜アレグロ
マウリツィオ・シモネッリ(Vc)
ジェラルド・イアコウーチ(P)
ショパン
 幻想ポロネーズ Op.61 /4つのスケルツォ
ヴィタントニオ・カローリ(P)
クラウディオ・クァルタローネ
 ヴァイス・ノーテン
クラウディオ・
 クァルタローネ(G)
アントニオ・ノラ(1642-1715以降)、ジョヴァンニ・サルヴァトーレ(1611-1688)、
ピエトロ・アンドレア・ジアーニ(1616-1684)、クリストフォロ・カレサーナ(1640-1709):
 5声楽、2つのヴァイオリン、チェロとオルガンのためのミサ

 ミケーレ・ガスバーロ指揮アンサンブル・フェスティナ・レンテ
 録音:2019年11月24日、ローマ。
ミッキ・ピペルノ:ラルゴ・アパッショナート ミッキ・ピペルノ(G)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ集
 〔第8番 イ短調 K.310 /第2番 ホ長調 K.280 /
  第5番 ト長調 K.283 /第16番 ハ長調 K.545 〕
セバスティアーノ・ブルスコ(P)
 録音:2020年6月、ペルージャ|使用楽器:スタインウェイ D 、A=432hz 。
ソロ・デュオ
 プログレッシヴ・クラシカル・ギター・デュオ
マッツ・エリック・
 ヘドベリ(作曲/G/アレンジ)
ニーノ・ロータ:クラリネット・ソナタ ニ長調
フランコ・マルゴーラ:3つの演奏会用練習曲
カステルヌオーヴォ=テデスコ
 クラリネット・ソナタ Op.128
エルネスト・エスポジート:3つの楽興の時
ニーノ・ロータ:アレグロ・ダンツァンテ
ベルトラミニ・パオロ(Cl)
アロシオ・ロベルト(P)
 録音:2021年12月、アビー・ロッキ・スタジオ、ローマ。
リスト:ダンテ交響曲/オルフェウス ジャコポ・マイ、
ダヴィデ・デ・ルカ(Pデュオ)
アウレリオ・カノニチ:ピアノのための前奏曲集 ジルダ・ブッタ(P)
 録音:2021年12月、ローマ・テレシネサウンド、ローマ。
ロセッラ・クレメンティ:虫のシンフォニア
 (人間の声、楽器、日用品などを素材とした電子音楽)
J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番 BWV.1068
テレマン
 ヴィオラ・ダ・ガンバと弦楽のための組曲 TWV.55: D.6
J.S.バッハ:管弦楽組曲第4番 BWV.1069
ロベルト・ジーニ
(ヴィオラ・ダ・ガンバ)指揮
レマン・バロック・アンサンブル
 録音:2013年2月3日、サル・サン=サーンス、ヴェヴェイ。
アレッシオ・ミラーリア [Alessio Miraglia] :・・・全て死んでしまった
 ミックスド・アンサンブル[弦楽四重奏/P/ラップ・スチールG/Vo/打楽器/アナログ・シンセサイザー]
ブルーノ・カニーノ参加〜シューベルト
 弦楽三重奏曲第2番 変ロ長調 D.581 /ピアノ五重奏曲「ます」 Op.114、 D.667 (#)
  ガブリエーレ・ピエラヌンツィ(Vn)
  フランチェスコ・フィオーレ(Va) ロッコ・フィリッピーニ(Vc)
  フランコ・ペチラッキ(Cb;#) ブルーノ・カニーノ(P;#)
カルロ・メッツァノッテ(1959-):
 バイナリー・カレンツカルロ・メッツァノッテ(電子音楽)
 録音:2021年6月-7月、ローマ。
凛々しいチェロ
 ジョヴァンニ・バッティスタ・チッリ(1724-1808):協奏曲 ト長調 Op.14 No.2
 ヨハン・メルヒオール・マイヤー(1747-1824):ソナタ・コンチェルタンテ第3番 ニ長調
 ローラント・ベノーシ(?-1790頃):チェロ二重奏曲 ト長調 Op.1 No.5
 ジョヴァンニ・バッティスタ・チッリ:協奏曲 ハ長調 Op.14 No.6
  ロベルト・ジーニ(Vc)指揮アンサンブル・コンチェルト
   [ローラ・アルヴィーニ(Cemb) チンツィア・バルバゲラータ、
    ファビオ・ミッサッジャ(Vn) クラウディ・フリジェリオ(Vc)]
 録音:1992年4月。
ピアノ4手連弾作品集
 バーバー:組曲「思い出」 Op.28
 ボロディン:だったん人の踊り
 ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
 ラヴェル:ボレロ
デュオケイラ・ピアノ・デュオ
[ミケーラ・キアーラ・ボルゲーセ、
 サブリナ・デ・カルロ(P4手連弾)]
 録音:2021年1月、アビー・ロッキ・スタジオローマ、イタリア。ギリシャ語で「手」を意味する「DuoKeira」という名前は、芸術と科学の両方に精通し、自然の合理的な側面と直観的な側面を組み合わせたケンタウロスの神話に登場するケイローンにも通じている。ファツィオリのF278モデルで4手連弾を繰り広げるミケーラ・キアーラ・ボルゲーセとサブリナ・デ・カルロのデュオは、規律と開放性を融合させたパフォーマンスでバーバー、ボロディン、ドビュッシーとラヴェルの4作品を披露。ファツィオリの音色との相性の良さ、ボロディンの「だったん人の踊り」でのドライヴ感など聴きどころ十分。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.3
 ピアノ・ソナタ〔第8番 ハ短調 Op.13「悲愴」/第9番 ホ長調 Op.14 No.1 /第10番 ト長調 Op.14 No.2 〕/
 ロンド〔ハ長調 Op.51 No.1 /ト長調 Op.51 No.2 〕

 コスタンティーノ・マストロプリミアーノ(Fp)
 録音:テレシネサウンド・スタジオローマ、イタリア。クレメンティやフンメルのピアノ・ソナタの全曲録音、クラウスのピアノ作品全集を完成させ、チェリストのマルコ・テストリやヴァイオリンのステファノ・バルネスキとのデュオ、トリオで大活躍中のフォルテピアニスト、コンスタンティーノ・マストロプリミアーノによるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲録音の第3巻は、ベートーヴェン自身のパトロンだったリヒノススキー侯爵に献呈された傑作中の傑作「悲愴」に Op.14 No.2曲と Op.51 No.2曲を組み合わせたプログラム。使用楽器は前2作と同じくパレルモの楽器製作者ウーゴ・カシーリアが製作したアントン・ヴァルター1795年頃のフォルテピアノのレプリカでピッチは430Hzに設定。マストロプリミアーノはベートーヴェンのソナタの全曲演奏に取り組むにあたり、作曲者が生きた時代の楽器やその響きと作品の関連付けを行い、様々な資料や筆写譜の比較研究を録音の反映させており、今回の「悲愴」でも作品と楽器の響きの関連性に注目が集まる。
パオロ・ヴィヴァルディ(1964-):母なる自然 パオロ・ヴィヴァルディ指揮
チェコ・ナショナルso.
アルベルト・ミーナ(Vn)他
 録音:2020年12月、テレシネサウンドローマ、イタリア。すべての母たちの母であり、私たちの息吹、光、魂である「母なる自然」をテーマとして、主に映画やテレビの音楽の分野で活躍するイタリアの作曲家パオロ・ヴィヴァルディが作曲した管弦楽組曲。「弦楽オーケストラのサウンド」と「自然の音」との共通点を作品に反映させ、海の波、夏の嵐、砂漠の風、雪山の頂上、荒涼とした人里離れた草原の表現を試みている。
ロレンツォ・カルッリ:感情的な組曲 ロレンツォ・カルッリ(P)
 録音:2020年1月、テレシネサウンドローマ、イタリア。人間を養う力、私たちを打ちのめす力、そして同時に新しい人生や思いがけない喜びへと私たちを立ち上がらせる力を象徴している「感情」。イタリアのコンポーザー=ピアニスト、ロレンツォ・カルッリの「感情的な組曲」は、感情がどの時代、どの場所にも属していることを表現したいという思いから生まれた作品。

BRIDGE (米) 特記以外 1CDあたり¥3080(税抜¥2800)

 旧譜はこちらから
ジョージ・クラム・エディション Vol.21 〜ジョージ・クラム(1929-2022):
 プロセッショナル(1983) [ギルバート・カリッシュ(P)|2019年5月31日]/
 打楽器五重奏のための「クロノス・クリプトス」(2020)
  [カーティス音楽院アンサンブル20/21 |2022年3月26日]/
 無伴奏チェロ・ソナタ(1955) [ティモシー・エディ(Vc)|2006年4月20日]/
 プロセッショナル(1983) (音響効果を付加した別ヴァージョン)
  [マーカントニオ・バローン(P)|2021年6月11日]
 録音:[|内]。2022年に亡くなったアメリカの特異な作曲家ジョージ・クラム作品全集の第21巻。ここではピアノ作品、晩年の打楽器アンサンブルと初期の無伴奏チェロ・ソナタのための作品を収録。独自の神秘思想的世界観をミステリアスな特殊奏法で描いてみせたクラムの面目躍如の打楽器アンサンブル作品「クロノス・クリプトス」では奏者の口笛や掛け声も加わって古代ギリシャの儀式を思わせる。なお、この作品の録音はクラムの死の僅か一か月前に行われた物。

BMOP SOUND (米) 1枚あたり¥3300(税抜¥3000)

 ボストン・モダーン・オーケストラ・プロジェクト [Boston Modern Orchestra Project] (=BMOP) による自主制作レーベル。代理店によると『近現代のアメリカの管弦楽作品の紹介にこだわったラインナップです。』『ハービソン、ガンサー・シュラー、ルーカス・フォス、ジョン・ケージ、ジョージ・アンタイル、ミルトン・バビットといったアメリカ音楽の前衛たちの作品からヴァージル・トムソン、アラン・ホヴァネスといった分かりやすい作風の作曲家まで幅広く取り上げられています。時代も20世紀前半からバリバリの最新作までバラエティに富んでいます。』とのこと。
BMOP-1095
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(HYBRID_SACD)
サミュエル・ジョーンズ(1935-):
 フルート協奏曲(2018) (*) /ヴァイオリン協奏曲(2014) (#) /トロンボーン協奏曲「ヴィタ・アカデミカ」(2009) (+)

 ジェフリー・ケーナー(Fl;*) マイケル・リュドヴィッグ(Vn;#)
 ジョセフ・アレッシ(Tb;+) ギル・ローズ指揮ボストン・モダーンo.・プロジェクト
 録音:2021年11月29日(*)、2020年1月12日(#/+)。サミュエル・ジョーンズはイーストマン音楽院でハワード・ハンソン(交響曲第1番「ノルディックと第2番「ロマンティック」で有名)に作曲を、指揮をウィリアム・スタインバーグに学んだ。シアトルso. のコンポーザー・イン・レジデンスを務めたこともある。彼の作風は師匠ハワード・ハンソンの系譜に連なる新古典主義もしくは新ロマン主義的なもので堅固な様式の上にロマンティックな旋律や劇的な展開が行われる物。管弦楽の機能を存分にいかした3つの協奏曲は聴きごたえ充分の秀作ぞろい。ソリストも豪華でフィラデルフィア首席のフルート奏者ジェフリー・ケーナー、ソリストとしてNAXOSにレコーディングが多数あるマイケル・リュドヴィッグ、NYP首席で名人として知られるジョセフ・アレッシが参加!
BMOP-1096
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(HYBRID_SACD)
ナンシー・ガルブレイス(1951-):
 フルート協奏曲(2019) (*) /ヴァイオリン協奏曲第1番(2016) (#) /打楽器協奏曲「万物は流れる」(2019) (+)

 リンゼイ・グッドマン(Fl;*) アリッサ・ワン(Vn;#) アビー・
  ラングホースト(Perc;+) ギル・ローズ指揮ボストン・モダーンo.・プロジェクト
 録音:2021年6月16日(*)、2021年11月29日(#)、2022年8月25日(+)。ナンシー・ガルブレイスはペンシルヴェニア出身の作曲家。オハイオ大学、カーネギーメロン大学で作曲を学び、現在はカーネギーメロン大学の教授の地位にある。彼女の作風は基本的に調性で書かれ、新ロマン主義的な様式とミニマリズムを折衷したダイナミックな物。ここには3つの楽器のための協奏曲が収められているがいずれも楽器の特性を活かした聴きごたえのある作品。

GEGA (ブルガリア) 1CDあたり¥2750(税抜¥2500)

 旧譜はこちらから
ドヴォルジャーク:スラヴ舞曲集 Opp.46 & 72
 ピアノ・デュオ・デシスラーヴァ・シュテレヴァ&エフゲニア・シメオノヴァ
  [デシスラヴァ・シュテレヴァ、エフゲニア・シメオノヴァ(P)]
 ブラームスのハンガリー舞曲集(GD-396)から6年ぶりのピアノ・デュオ・デシスラーヴァ・シュテレヴァ&エフゲニア・シメオノヴァの gega への新録音は、案の定というべきドヴォルジャークのスラヴ舞曲集。デシスラヴァ・シュテレヴァは、ブルガリア東部の黒海沿岸の街ブルガスで学んだ後、モスクワのチャイコフスキー音楽院に留学、東欧を中心に活躍している。エフゲニア・シメオノヴァはブルガリアの中北部、プレヴェンの音楽院で学んだ後、プラハ音楽アカデミーで研鑽を積み、さらにパリやモスクワでも学んだ。二人のデュオは、2001年にgegaからリリースされた20世紀ブルガリアを代表する作曲家パンチョ・ヴラディゲロフのCD(GD-239)で国際的にも名前が知られるようになった。スラヴ舞曲集ならばその気になればいくらでもエンターテインメント性を煽ることもできそうだが、彼女たちの演奏は極めて誠実一路。有名なフリアントでも派手に盛り上げたりせず、またドゥムカでも大げさに起伏をつけたりせずあくまでしみじみ。一歩間違えると地味になりそうなところだが、曲本来の味わいを大切にするとこんなに良い味になると彼女たちが教えてくれるような素敵な演奏だ。
イリヤ・ヨシフォフ〜テノール・アリアと歌曲集
 プッチーニ:「ボエーム」〜何て冷たい手 / ヴェルディ:「椿姫」〜乾杯の歌(s)
 スメタナ:「売られた花嫁」〜私がマジェンカを売るなんてどうして信じられようか?
  [ヴァシル・ステファノフ指揮ブルガリア国営放送so.|1957年]
 モーツァルト:歌劇「魔笛」〜この美しい絵姿
 チャイコフスキー:「エフゲニー・オネーギン」〜私はあなたを愛す、オリガよ、青春は遠く過ぎ去り
  [アセン・ナイデノフ指揮ソフィア歌劇場o.|1956年、ライヴ&1957年]
 ベルテ:「三人姉妹の家」〜ハンネルルとシューベルトの二重唱(s)
  [ボリス・レヴィエフ指揮ブルガリア国営放送シンフォニエッタ|1967年]
 シューベルト:歌曲集「冬の旅」D.911 より〔春の夢/菩提樹〕/鱒 D.550
 シューマン:歌曲集「詩人の恋」 Op.48 〜美しい5月に、ある若者が娘に恋をした
 ブラームス:子守歌 Op.49 No.4 / チャイコフスキー:騒がしい舞踏会の中で Op.38 No.3
 ピプコフ:愛する娘 / フリストフ:君がやったことを取り消しなさい、ツベータよ
  [リュベン・コンドフ(P)|1956年-1968年]
 ストヤノフ:告別[アンドレイ・ストヤノフ(P)|1960年]

 イリヤ・ヨシフォフ(T) リリヤナ・バレヴァ(S;s)
 gegaの往年のブルガリアの名歌手のシリーズ、今回はテノールのイリヤ・ヨシフォフ(1912-1993)。イリヤ・ヨシフォフはブルガリア東部の山間の町、コテルの生まれ。1943年にウィーンに留学し、ウィーン流儀の発声をしっかり学んだ後、第二次世界大戦後はブルガリアに戻り、ソフィア歌劇場に1945年から1962年まで出演、看板テノールとして大活躍した。レパートリーは広いがウィーン仕込みのモーツァルトは特に人気だった。またこれもウィーン仕込みのシューベルトの歌曲をブルガリアでも盛んに歌った。その後は教師としても名を馳せ、最も高名な教え子にライナ・カバイヴァンスカがいる。このCDには様々な時期の、オペラのアリアと二重唱、ドイツ・リート、そしてブルガリア歌曲が収録されている。ヨシフォフの柔軟で伸びやかな美声と洗練された歌い口が楽しめるだろう。いずれもブルガリア語歌唱と思われる。
ナディヤ・アフェヤン〜アリアと歌曲集
 ビゼー:「カルメン」より
  〔ハバネラ(*) /あんたかい(第4幕カルメンとジョゼの二重唱)(#/t) 〕
 ヴェルディ:「トロヴァトーレ」〜炎は燃えて、鎖につながれて(*) /
       「ドン・カルロ」〜おお、不幸な贈り物よ(+) /
       「アイーダ」〜ああ!死にそうだわ(第4幕の裁判の場面)(*/b)
 ポンキエッリ:「ジョコンダ」〜貴婦人の声か、天使の声か(*)
 サン=サーンス:「サムソンとデリラ」〜愛の神よ、私を助けに来ておくれ(*)
 ムソルグスキー:「ホヴァーンシチナ」〜神秘の力(マルファの予言)(#)
 ピプコフ:「モムチル」〜エフロジーナのアリア(*)
 ヴォルフ:隠棲(p) / ルフェーブル:この世で(p)

 ナディヤ・アフェヤン(Ms) ミハイル・アンゲロフ指揮(*)
 ルスラン・ライチェフ指揮(#/+) ブルガリア国営放送so.(*/#)、ペルニクso.(+)
 リュボミール・ボドゥロフ(T;ジョゼ;t)
 ニコライ・ストイロフ(B;ランフィス;b) リュベン・コンドフ(P;p)
 録音:1960年、1963年、1967年、1974年。 gegaが取り組む往年のブルガリアのオペラ歌手のCDのシリーズ。ナディヤ・アフェヤン(1917-2000)は、第二次大戦直後から長年に渡ってソフィア歌劇場で活躍したメゾ・ソプラノ。主要なメッゾ役はあらかた歌ったようだ。また若い頃にベルリンとウィーンで学んだことから、東ベルリンのベルリン国立歌劇場でも活躍した。暗く深みのある彼女の歌の魅力は、これらの録音からでも十分窺えるだろう。歌唱は概ね原語のようだが、「カルメン」の二重唱はおそらくブルガリア語歌唱と思われる。また1974年の「アイーダ」のみステレオ録音らしき広がりが感じられる(どちらもCDには記載なし)。
GK-03
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6CD価格
ブルガリアの名歌手シリーズ BOX
 ディミタル・ウズノフ(1922-85)(T)アリア集(GD-404)
 ユーリヤ・ヴィエネル・チェニシェヴァ(1929-2010)(S)アリア集(GD-405)
 リュボミール・ボドゥロフ(1925-1992)(T)アリア集(GD-406)
 アセン・セリムスキ(1930-)(Br)アリア集(GD-407)
 リリャナ・バレヴァ(1922-2007)(S)アリア集(GD-408)
 ニコラ・ニコロフ(1925-2007)(T)アリア集(GD-414)
 ナディヤ・アフェヤン(1917-2000)(Ms)アリアと歌曲集(GD-421)
 イリヤ・ヨシフォフ(1912-93)(T)アリアと歌曲集(GD-422)
 分売で発売されていたブルガリアの名歌手シリーズ全8枚をセット化した物。

MSR CLASSICS  (米) 1枚あたり¥3080(税抜¥2800)

 旧譜はこちらから
バーバラ・ハーバック(1946-):作品集 Vol.17 〜合唱音楽集 Vol.1
 ラッパであの方を讃えなさい/歌え、アレルヤを/丘は喜ばしいホザンナを叫ぶ/歌え、歓喜を/ベツレヘムのこの夜/
 歌え!キリストが生まれた/聞こえる光/水浴しなさい、私の魂よ/キリストの暗い杯/向きを変えよ、ああ私の魂よ/
 メアリーの喜びに満ちた叫び/平和と喜びの中私は今旅立つ/私は時々母なし児のように感じる/
 私にイエスを与えなさい/あの川を渡る時/幾千年が過ぎた/ここに私は立つ/愛の酒に酔い/
 セントルイスの日没/女性作曲家/アメリカ、約束された地

 ジェネヴィーヴ・エリス指揮アポロ・ヴォイシズ
 ルイーズ・クレア・マーシャル(A) サラ=ジェイン・ルイス(Ms) ティモシー・エンド(P)
 録音:2023年6月9日、11日-12日、ロンドン、 UK 。 MSR CLASSICSが作曲家としても演奏家としても重用しているバーバラ・ハーバックの作品集 Vol.17、合唱作品集 Vol.1。宗教曲、キリスト降誕と誕生、四旬節と復活祭、霊歌、さらには世俗音楽まで様々。多くは米国の教会合唱に則りながらも響きの新しさを目指した物。アポロ・ヴォイシズはロンドンの合唱団。四半世紀の活動歴があり、クラシック音楽のみならず映画音楽など様々な場で活躍している。
アリストテレスからオペラまでの中世の歌
 作曲者不詳:ポイボスの明るい輝きはまだ昇っていない/豹のように/私が君に歌うことを望んでいるか?
 フィリッペ・デ・ヴィトリ:名前の徳に
 ギヨーム・ド・マショー:喜び、歓喜、そして甘い糧/誰もがただ星を数えるだけだ/
             朝に笑った者が晩に泣いている/愛されることは甘美だ
 ベルナール・ド・ヴァンタドルン:森林が花に満ちる時
 レモン・ヴィダル、アルノ・ダニエル、ベルトラン・ド・ボルン、モンジェ・ド・モントダン:
  おうし座とふたご座の間で

 クリストファー・プレストン・トムソン(T/中世Hp)指揮コンコーディアン・ドーン
  [カリン・ウェストン、ミシェル・ケネディ(S) クリフトン・マシー(CT) デイヴィッド・
    ディッキー(CT/リコーダー) アンドルー・パジェット(B) ニッコロ・セリグマン(ヴィエル)]
 録音:2021年6月-9月、マウント・キスコ、ウェストチェスター郡、ニューヨーク州、 US 。「フォルトゥナ・アンティクワ・エ・ウルトラ〜中世の運命と幸運と恋の歌曲集」(MS-1805)に続く米国の中世音楽団体、コンコーディアン・ドーンのCD 。今回は、米国の中世音楽、詩の研究家、サラ・ケイの協力の元、中世のフランス語およびオック語の歌を取り上げている。コンコーディアン・ドーンは2012年結成。ニューヨークなど米国東海岸を中心に活動している。
ジェイク・ヘギー(1961-):エミリー・ディキンソンの詩による歌曲集(全19トラック)
 愛の顔つき/毎日ではなく/どれほど私は光をよく知っているか/それは狂気かもしれないのか〜これが?/
 冬のバラ/星の多い夜/クリスマスへの途上で/バラが頬の上で飛び回る/他

 メリッサ・デイヴィス(S) ジェリー・ウォン(P)
 録音:2021年3月31日、4月1日、5月12日-13日、メルボルン。オーストラリア。「デッドマン・ウォーキング」などのオペラで知られる米国の作曲家、ジェイク・ヘギー(1961-)が、19世紀半ばの米国の孤高の詩人、エミリー・ディキンソン(1830-1886)の詩に作曲した歌曲を集めたCD 。極めて独特なディキンソンの詩情に、ヘギーが寄り添うような優しい音楽を付けている。メリッサ・デイヴィスは米国生まれのソプラノ。オーストラリアのメルボルンを拠点として活動している。ピアノのジェリー・ウォンは彼女の夫。二人の同じ時期に録音されたヘギーの歌曲集「ガラスの天井」(MS-1783)が発売されている。
カゼッラ:ピアノと管弦楽のためのパルティータ
レスピーギ:ピアノと管弦楽のためのトッカータ
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
ジョシュア・ピアース(P)
アントン・ナヌート指揮
スロヴェニア放送so.
 録音:1991年4月9日-11日、スロヴェニア、DDD 。1990年代初頭に米国のPHOENIXレーベルから発売されたカゼッラ、レスピーギ、ラフマニノフの新古典主義的なピアノと管弦楽のための作品集がMS-R CLASSICSから再発売。ラフマニノフのパガニーニの主題によるラプソディは極めて有名だが、カゼッラとレスピーギのそれぞれ管弦楽のためのパルティータはわりと珍しいだろう。カゼッラのパルティータ(1925年)は、シンフォニア、パッサカリア、ブルレスカの3楽章からなる新古典主義の作品。特に第3楽章がイタリア古典的でカラッと明るい味が利いていて面白い。レスピーギのトッカータ(1928年)は、1928年11月28日にレスピーギのピアノ、ヴィレム・メンゲルベルク指揮NYPの演奏で初演された。バロック音楽を下地にしているものの暗くダイナミックな力作。後にMSR CLASSICSの看板ピアニストになるジョシュア・ピアースが40歳の時の録音。ラフマニノフは緊張感の高い熱演、カゼッラは軽妙に、レスピーギは重厚にと、それぞれの作風をピタリと当てた素晴らしい演奏を聞かせてくれる。また伴奏指揮がスロヴェニアの巨匠アントン・ナヌートというのが嬉しい。ラフマニノフのラプソディはナヌートの指揮も非常に充実している。


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