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マイナー・レーベル
2024年11月新譜情報


・国内盤マイナー・レーベル
・輸入盤マイナー・レーベル
・輸入盤 歴史的アイテム
・映像アイテム
・高音質アイテム


輸入盤の新譜は、基本的には御紹介月の翌月〜翌々月中にリリースされますが、 極端に発売日が遅れることや、初回生産が少なく次回プレスにまわされることがあり、入手に時間がかかるものもございます。 また、発売より時間の経ってからご注文の場合、 中には廃盤や入手不能の商品が出ている場合がありますので、その節は何卒御了承下さい。





輸入マイナー・レーベル




RCD (Russian Compact Disc) (チェコ/露) 1CDあたり¥2970(税抜¥2700)

 旧譜はこちらから
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741):オーボエ協奏曲集
 オーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 イ短調 RV.462 /
 2つのオーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 イ短調 RV.536 (*) /
 オーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ニ短調 RV.454 /
 オーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 イ短調 RV.463 /
 2つのオーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ニ短調 RV.535 (*) /
 オーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 イ短調 RV.461 /
 オーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ニ長調 RV.453 /
 2つのオーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ハ長調 RV.534 (*) /
 オーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ハ長調 RV.451
  オレグ・ヤクボヴィチ(Ob) エドゥアルト・ホフラーチョフ(Ob;*)
  マリア・クレスチンスカヤ、スヴェトラーナ・グリーンフィールド(Vn)
  アレクサンドル・ゴルブーノフ(Va) フィリプ・グリドフ(Vc)
  ヴラディーミル・ヴォルコフ(Cb) エカテリーナ・ビャズロヴァ(Cemb)
 録音:2024年1月26日-28日、レコーディング・スタジオ、サンクトペテルブルク、ロシア、セッション、ステレオ 、DDD |楽器仕様 :モダーン。
 オレグ・ヤクボヴィチ(1966年生まれ)はモスクワのグネーシン音楽学校で学んだ後、ドイツでブルクハルト・グレツナー、ロータ・コッホに師事したロシアのオーボエ奏者。
幻想曲の5つの面
 ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750) /
  アレクサンダー・ゾンデレッガー(1991-)編曲:
  幻想曲とフーガ ト短調 BWV.542(原曲:オルガンのための/ピアノのための編曲版)
 フェルッチョ・ブゾーニ(1866-1924):
  ヨハン・ゼバスティアン・バッハによる幻想曲 ヘ短調 BV 253 (#)
 フレデリック・ショパン(1810-1849):幻想曲 ヘ短調 Op.49 (*)
 アレクサンドル・スクリャービン(1872-1915):
  ピアノ・ソナタ第2番 嬰ト短調「ソナタ幻想曲」 Op.19 (+)
 ミリー・バラキレフ(1837-1910):東洋風幻想曲「イスラメイ」 変ニ長調 Op.18
 アレクサンダー・ゾンデレッガー(P)
 録音:2021年10月31日(無印) 、2021年11月19日(*) 、2022年3月13日(+) 、2022年4月3日(#)、すべて大ホール、シュトゥットガルト音楽大学、セッション、ステレオ、DDD 。
 アレクサンダー・ゾンデレッガーは1991年ロシア連邦カレリア共和国のペトロザヴォーツクに生まれ、同地のグラズノフ音楽院を経てドイツのシュトゥットガルト音楽大学で学んだピアニスト。2024年現在同大学のピアノ教員と弦楽科の伴奏者を務めており、兄のエドゥアルト・ゾンデレッガーとのデュオ活動も行っている。

GENUIN (独) 1CDあたり¥3300(税抜¥3000)

 #下三桁順(上二桁はおそらく発売年)。旧譜はこちらから
ショパン:名曲集
 ポロネーズ イ長調 Op.40 No.1「軍隊」/ワルツ イ短調 K K.IVb-11 /
 夜想曲〔変ロ短調 Op.9 No.1 /変ホ長調 Op.9 No.2 〕/
 ワルツ〔変ホ長調 Op.18「華麗なる大円舞曲」/変イ長調 Op.34 No.1「華麗なる円舞曲」/
     イ短調 Op.34 No.2「華麗なる円舞曲」/変イ長調 Op.69 No.1「告別」/ロ短調 Op.69 No.2 〕/
 夜想曲〔ホ短調 Op.72 No.1 /夜想曲 ヘ短調 Op.55 No.1 〕/
 ワルツ〔ヘ短調 Op.70 No.2 /変ニ長調 Op.64 No.1「小犬」/嬰ハ短調 Op.64 No.2 /ホ短調 K K.IVa-15 〕/
 夜想曲 嬰ハ短調 K K.IVa-16

 ヴィアチェスラフ・アポステル=パンクラトフスキ(P)
 録音:2020年4月14日-16日、2021年4月8日-9日、ライプツィヒ、ドイツ。ヴィアチェスラフ・アポステル=パンクラトフスキはモスクワ生まれのピアニスト。モスクワのグネーシン音楽大学を修了後、2006年にライプツィヒのフェリクス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽演劇大学の大学院に入学。以来ドイツを中心に活躍している。2020年にGEN-UINからシューベルトとリストのピアノ作品集でCDデビュー(GEN-20556)、これは2年ぶりのCD 。全ショパンのアルバムと気合が入っている。アポステル=パンクラトフスキはショパンを技巧的に鳴らすことなく、あくまで詩情を大切にしており、しっとりとした美しさが映えている。
フルートとピアノのためのフランス音楽
 ボザ:アグレスティード Op.44 / カプレ:夢想と小さなワルツ / 鈴木理香:遠いかすかな記憶2
 フォーレ:フルートとピアノのためのコンクール用小品 / 棚田文紀:こだまする森3
 フォーレ:ソナタ第1番 イ長調 Op.13(原曲ヴァイオリン・ソナタ)

 古賀敦子(Fl) 棚田文紀(P)
 録音:2021年7月7日-9日、ドイツライプツィヒ。GENUINの看板アーティスト、フルートの古賀敦子の新譜。今回は棚田文紀の伴奏でフランスとフランス関連の音楽を収録している。アンドレ・カプレの「夢想と小さなワルツ」は19世紀末のフルートとピアノための作品でも特に美しい名曲。ウジェーヌ・ボザのアグレスティードは1942年作ながらロマンティシズムに満ち溢れている。ガブリレル・フォーレの2曲に加え、棚田と鈴木理香というパリで活動する二人の日本人の作曲家の作品を含めているのが特徴。いずれの曲でも古賀のパリ仕込みのフルートの美しく華やかな音色が映え、しかも日本的わびさびも生きている。古賀敦子は福岡県福岡市の生まれ。パリ国立高等音楽院フルート科を第1位で卒業。数々のコンクールで優勝、入賞を果たす。2001年からマクデブルク・po. に所属している。棚田文紀は1961年、岡山県岡山市の生まれ。東京芸術大学作曲家を卒業後、パリ国立高等音楽院を修了。パリを拠点に活躍しており、1991年から同音楽院のフルート科のピアニスト、2014から室内楽教授を務めている。
ハイドン:フルート、ヴァイオリン、チェロのための6つのディヴェルティメント
  (ピリオド楽器とモダーン楽器による、各曲2種の演奏)
 〔第1番 ニ長調 Hob.IV: 6 /第2番 ト長調 Hob.IV: 7 /第3番 ハ長調 Hob.IV: 8 /
  第4番 ト長調 Hob.IV: 9 /第5番 イ長調 Hob.IV: 10 /第6番 ニ長調 Hob.IV: 11 〕

 アンナ・ジュトゥヌヒナ(Fl−tr/Fl) スヴェトラーナ・ラマザノヴァ(バロックVn)
 フロリアン・シュトライヒ(バロックVc) ヘイリー・バロック(Vn) ディミトリ・ゴルノフスキー(Vc)
 録音:2021年8月、フランクフルト・アム・マインドイツ。ハイドンの6つのディヴェルティメントを、ピリオド楽器とモダーン楽器の2種の演奏で収録した興味深いCD 。フルートはどちらもアンナ・ジュトゥヌヒナの演奏。ジュトゥヌヒナはロシア北西部のアルハンゲリスクの生まれ。8歳でフルートを学び始め、地元の音楽院、サンクトペテルブルク音楽院で学んだ後、オランダのマーストリヒト音楽院で学んだ。二つの演奏は、ピリオド演奏とモダーン演奏で、音色やピッチの違いはもちろん、楽器や音楽の在り方という点まで直に比べられるので興味深い。もちろんどちらの演奏も極めて高水準だ。87分の超長時間収録のCD 。プレイヤーによってはうまく再生されない場合があるのでご注意頂きたい。
黒ミサ〜アサセッロSQ
 アルトゥール・ルリエ(1892-1966):弦楽四重奏曲第1番(1915)
 クリストフ・シュタウデ(1965-):弦楽四重奏曲第1番(1986)
 アレクサンドル・スクリャービン(1872-1915)/ジェラール・ペソン編曲:
  黒ミサ(ピアノ・ソナタ第9番|弦楽四重奏のための編曲版)
 イヴァン・ヴィシネグラツキー(1893-1979):弦楽四重奏曲第2番〜四分音による Op.18 (1930/31)

 アサセッロSQ [ロスティスラフ・コジェフニコフ、バルバラ・シュトライル(Vn)
         ユスティナ・シュリワ(Va) テーム・ミョハネン(Vc)]
 録音:2021年7月7日-9日、ライプツィヒ、ドイツ。これは大変珍しい作品集。アルトゥール・ヴァンサン・ルリエはロシア未来派の作曲家でシェーンベルクとは異なる独自の12音技法による作曲を試みたり、世界初の図形楽譜による作品を発表したり、と時代を超越した前衛作曲家。ここに収められた弦楽四重奏曲はまだそこまでの前衛性には到達していないもののスクリャービンの影響を受けつつ自由な無調による濃厚なロマンティシズムの芳香を放つ傑作。スクリャービン自身は弦楽四重奏曲を一切残していないが、ここでは彼のピアノ・ソナタ「黒ミサ」の弦楽四重奏版を収録。最初から弦楽四重奏として作曲されたかのような自然な編曲で、この編曲により、スクリャービンがシェーンベルクの浄夜やベルクの抒情組曲に近い世界を築いていたことが分かる。ヴィシネグラツキーは微分音音楽の先駆者として知られるが、この第2弦楽四重奏曲でも後期ロマン派、民族主義的、表現主義的な語法の中で微分音が使われている。いずれも他では入手困難な作品なので現代音楽ファンは必携。
雨の歌〜ヴィオラ作品集
 チャイコフスキー:涙が震える Op.6 No.4 / ラフマ二ノフ:夜の神秘的な静けさ Op.4 No.3
 ダウランド:もし私の嘆きが / ブリテン:ラクリメ〜ダウランドの歌曲の投影 Op.48
 プロコフィエフ/ボリゾフスキー編曲:歌劇「ロメオとジュリエット」 Op.64〜ジュリエットの死
 ブラームス:余韻 Op.59 No.4 /ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調 Op.78 「雨の歌」(ヴィオラ演奏)

 カロリーヌイ・エレラ(Va) リリト・グリゴリヤン(P)
 録音:2021年5月11日-13日、フランクフルト・アム・マイン、ドイツ。オリジナル、編曲交えたヴィオラ演奏。ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番や、チャイコフスキー、ラフマニノフらの歌曲などをヴィオラで演奏すると、重心が下がって雰囲気がだいぶ変わる。プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」は、ロシアのベートーヴェン四重奏団のヴィオラ奏者、ワジム・ボリソフスキーによる編曲。ヴィオラのオリジナル曲であるブリテンのラクリメも含め、ヴィオラの魅力がいっぱい。カロリーヌイ・エレラは、モスクワ生まれでベルリンを拠点に活動しているヴィオラ奏者。モスクワ中央音楽学校、ベルリンのハンス・アイスラー音楽院を修了。2018年にはユーリー・バシュメット国際ヴィオラ・コンクールで第1位を獲得。タベア・ツィンマーマンの高弟。
自信〜テレマンのカンタータと歌曲
 心配なしに TWV.25: 59 /中産階級 TWV.25: 72 /満足 TWV.20: 29 /孤独 TWV.25: 62 /田舎の喜び TWV.20: 33 /
 勇敢な求婚者 TWV.25: 76 /愛 TWV.20: 32 /苦しみの中で安心して TWV.25: 44 /
 私は笑い、泣き、冗談を言うことができる TWV.20: 15 /誰もが自らの裁判官であるTWV.25: 85 /
 適度な幸せ TWV.20: 31 /金かね TWV.25: 40 /幸運 TWV.25: 71

 ズザンネ・ラングナー(Ms) マティアス・キースリング(横Fl)
 クリスティアン・フォス(Vn) アンナ・ライゼナー(Vc)
 クリストフ・ハーゲマン(Cemb) マグヌス・アンダーソン(リュート)
 録音:2021年4月21日-23日、5月5日、ベルリン・ヴァンゼー、ドイツ。テレマンの膨大な作品の中でも、テレマン作品番号でTWV.20世俗カンタータとTWV.25教育目的の作品には、当時の市民階級向けに道徳を説く面白い小カンタータや歌曲が多々ある。残念ながらこれらは録音ではあまり顧みられることがなかった。ここではドレスデン生まれの古楽メゾ・ソプラノ、ズザンネ・ラングナーが素敵に歌っている。歌詞(ドイツ語のみ掲載)を読ながら聞くのが一番だが、内容なんて分からずともテレマンの音楽はたいへんに魅力的で、ラングナーの美声に酔いしれることができる。
物思い〜独奏ハープのための作品集
 フォーレ:塔の中の王妃 Op.110 / シュポア:「私はまだ春の中にいる」に基づく変奏曲 Op.36
 フンパーディンク:夜曲 / マーラー/プランク編曲):交響曲第5番〜アダージェット
 プロコフィエフ:「束の間の幻影」〜第7曲 絵のような/10の小品 Op.12 〜前奏曲 Op.12 No.7 /エレオノーラ
 デュセク:6つのハープ・ソナタ集 C 162 〜ソナタ第3番 ト長調
 ツァマラ:私の初めての思い/ロマンス / アルヴァーズ:私の若い頃の情景〜ハープのための大幻想曲 Op.75

 エリーザベト・プランク(Hp)
ルドルフ・モーザー(1892-1960):弦楽オーケストラのための作品集
 弦楽オーケストラのための導入 Op.38 No.2 /オーボエと弦楽オーケストラのための協奏曲 Op.86 /
 弦楽オーケストラのための楽曲 Op.57 No.4 /弦楽オーケストラのための小組曲 Op.38 No.1 (1927) /
 弦楽オーケストラのための合奏協奏曲 Op.32

 ゲヴォルク・ガラベキヤン指揮イ・テンピ室内o. マルク・ラハト(Ob)
 録音:2020年9月14日-15日、2021年11月8日-9日、リーヘン、バーゼル=シュタット州、スイス。スイスの作曲家、ルドルフ・モーザー(1892-1960)の弦楽オーケストラのための作品集。ルドルフ・モーザーはスイス、ザンクト・ガレン州のウツヴィルの生まれ、バーゼル育ち。ライプツィヒ音楽院でマックス・レーガーらに学んだ後、バーセルに戻って音楽院の教授を務めるなど、ここを拠点にした。モーザーの作品がまとまったCDはまだごく僅か。ここに収録されている弦楽オーケストラのための作品は1927年から1950年までのもので、いずれも新古典派的作風。穏やかな中にも近代的美感も感じられるモーザーの作品は、今後もっと復活してよいものだろう。ゲヴォルク・ガラベキヤンは、1982年、アルメニアの首都エレバンの生まれ。元々はヴァイオリンを学んでいたが、指揮者に転向、2009年から2011年までルツェルンで学んでいる。2013年からイ・テンピの指揮者を務めている。マルク・ラハトは1987年生まれのオーボエ奏者。2013年からバーゼルso. の首席オーボエ奏者。
深い高み
 ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクァーレ」〜天使のように美しく
 ブージョワ:バス・トロンボーンとバンドのための協奏曲 Op.239a
 チャイコフスキー:「エフゲニー・オネーギン」〜誰でも一度は恋をして
 レベデフ:チューバ/バス・トロンボーンと管弦楽のための協奏曲第1番
 ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」〜彼女は私を愛してはいなかった
 ブルーベック:プラハ協奏曲〜バス・トロンボーンと管弦楽のための
 ワーグナー:「タンホイザー」〜ああお前よ、私の優しい夕星よリ

 ザ・ホッホヴィンマー(Tb) ベンヤミン・ライナース指揮キールpo.
 録音:2021年3月24日-26日、キール、ドイツ。トロンボーンのオリジナルの協奏曲とトロンボーンで吹いた有名オペラ・アリア(いずれもバリトンもしくはバスのアリア)を並べた面白い試みのCD 。どちらの曲においてもドイツのトロンボーン奏者、リザ・ホッホヴィンマーが見事な腕前を披露してくれる。リザ・ホッホヴィンマーはミュンヘンとウィーンで学んだ後、2020年まではまだ就学中だったにもかかわらず、2017年にキールpo. のバス・トロンボーンとコントラバス・トロンボーンの奏者に就任したほどの実力の持ち主。修了後はソリストとしてもドイツ各地で活躍している。
窓〜現代女性作曲家のピアノ作品集
 アルテミス(1980-):窓(7曲) / ライエヴァ(1971-):3つのピアノ小品
 グライム(1981-):10の小曲 / チェルノヴィン(1957-):ファーダンス・クローズ
 マルガレーテ・フーバー(1980-):短い稲妻/太陽/風そして雨(12曲)
 ムンドリー(1963-):転換 / ノイヴィルト(1968-):トルール=ティヒ=ティンクル

 フィダン・アガイエヴァ=エルダー(P)
 録音:2021年9月8日-9日、ハレ、ドイツ。現代の女性作曲家のピアノ作品集。ジャンヌ・アルテミス(1980-)、オリガ・ライエヴァ(1971-)、ヘレン・グライム(1981-)、ハヤ・チェルノヴィン(1957-)、マルガレーテ・フーバー(1980-)、イザベル・ムンドリー(1963-)、オルガ・ノイヴェルト(1968-)の作品を収録。フィダン・アガイエヴァ=エルダーはドイツのピアニスト。ベルリンを拠点に現代音楽を中心に活動している。
J.S.バッハ(1685-1750):
 リュート組曲第2番 ハ短調 BWV.997
マヌエル・ポンセ(1882-1948):24の前奏曲(1928/29)
アンネ・ハーシュ(G)
 録音:2021年7月13日-16日、ベタニエン教会、ライプツィヒ。バッハとメキシコの作曲家ポンスという意外な組み合わせ。アンネ・ハーシュはワイマールを拠点に活動するギタリスト。近年、ソリスト、室内楽奏者として活動している。ここではバッハのリュートのための組曲の精密な多声書法を艶やかな音色で弾きこなしている。対するポンスの24の前奏曲はバッハを意識していると思える多声書法とタレガらスペインの作曲家と通底するラテン的な明晰さ、楽天性が一体となった音楽。ここでもハーシュは美しい音色で見事な演奏を披露している。なおブックレットには武満徹への惜しみない彼女の讃辞が掲載されおり、今後、武満のギター作品の録音が大いに期待される。
ドヴォルジャーク(1841-1904):弦楽のためのセレナード ホ長調 Op.22 (1875)
ネイ・ロサウロ(1952-):マリンバと弦楽のための協奏曲Op.12 (1986) (*)
ディートリヒ・ツェルナー(1965-):ポコ・インサニムス(2019)
 ヴォルフガング・ヘントリッヒ指揮ドイツ弦楽フィルハーモニー
 アレクセイ・ゲラシメッツ(Perc;*)
 録音:2021年7月26日-27日、ブレーメン。ドイツ弦楽フィルハーモニーはなんとドイツの11歳から20歳までの優秀な弦楽奏者を集めた弦楽オーケストラ。才能ある若い演奏家を育てるためのユーゲントo. は数々あるが、10代を中心とした、ここまで優秀な弦楽オーケストラは他に類を見ない(ディスクを一聴した限りではとてもユーゲントo. とは思えない。音程も音色もプロのオーケストラと比べて全く遜色ない)。ここではドヴォルジャークの弦楽セレナード、ロザウロのミニマルとラテンがミックスした軽快なマリンバ協奏曲、この管弦楽のための委嘱作品であるツェルナーの「ポコ・インサニムス」を収録。ツェルナー作品はヒンデミットを若干思わせる現代曲だが、ここでもオーケストラの技術、アンサンブルともに高い完成度を保っており、彼らの技術、音楽性の高さに驚かされる(特殊奏法もしっかりと意図を理解した上で演奏されている)。
ハインツ・ヴィンベック(1946-2019):弦楽四重奏集
 〔第1番「気まぐれな時代」(1979) /第2番「夜の時間」(1979) /第3番「狩の四重奏曲」(1984) 〕

 レオポルト・モーツァルトSQ
  [ダーセ・サルミナ=フリツェン、ジヴァ・チグレネツキ(Vn)
   クリスティアン・デーリング(Va) ヨハネス・グートフライシュ(Vc)]
 録音:2021年3月30日-31日、10月12日。ハインツ・ヴィンベックはドイツの作曲家で指揮者としても活躍した。この世代の作曲家としては珍しく、大編成の標題付きの交響曲を5つも作曲した。ここに収められた3つの弦楽四重奏曲は彼の比較的初期の作品だが、後期ロマン派、調性音楽、新古典主義を折衷しつつ、リゲティなどの音群書法の影響も感じさせるユニークな作品。ドイツのダルムシュタット楽派を中心とした前衛音楽とは一線を画した様式で独自の路線を歩んだ作曲家でもある。レオポルト・モーツァルト四重奏団は2005年にアウグスブルク・フィルハーモニーのメンバーにより結成された弦楽四重奏団。クラシック、現代音楽からジャズまで演奏するマルチな才能を持ったアンサンブル。
シューベルト:3つのピアノ小品 D.946
ブラームス:7つの幻想曲 Op.116
マチェク(1914-2002):即興曲(1937) /
  間奏曲(1935) /前奏曲とトッカータ(1987)
イヴァン・ガリッチ(P)
 録音:2021年12月2日-4日、フランクフルト・アム・マイン、ドイツ。ピサレヴァは1987年モスクワ生まれの若手ピアニスト。モスクワ中央音楽院でタマーラ・コロス、チャイコフスキー音楽院でセルゲイ・ドレンスキに師事した後、ベルリンでマリア・ジョアン・ピリス女史ほかに学んだ。既にヨーロッパの多くのコンペティションで上位入賞を果たし、ヨーロッパ、日本など多くの国々でリサイタルを開催している。端正なタッチと品格のある音楽作りに定評があり、今後の益々の活躍が期待されるホープ。
ヨハン・フリードリヒ・ルーエ(1699-1776):ヴィオラ・ダ・ガンバ作品集
 ヴィオラ・ダ・ガンバ独奏曲〔ハ長調/イ短調〕/
 ヴィオラ・ダ・ガンバとフォンダメントのためのスオナータ〔ト長調/ニ短調〕

 ゲオルク・ツァイケ(ヴィオラ・ダ・ガンバ) ベルナデット・メサロシュ(Fp/Cemb)
 録音:2021年7月1日-3日、フランクフルト・アム・マイン、ドイツ。18世紀ドイツの作曲家、ヨハン・フリードリヒ・ルーエ(1699―1776)のヴィオラ・ダ・ガンバ作品集。ヨハン・フリードリヒ・ルーエはドイツ、ザクセンアンハルト州のハルバーシュタットの生まれ。1733年以降マグデブルク大聖堂の楽長を務め、この町の音楽の重鎮となった。しかし残された作品は非常に少なく、ここに収録されたヴィオラ・ダ・ガンバのための作品は貴重な物。ゲオルク・ツァイケはドイツのガンバ奏者。11歳からチェロを学び、ライプツィヒのフェリクス・メンデルスゾーン・バルトルディ大学では加えてバロック・チェロとヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。その後フリーの奏者として活躍している。
ベルク:7つの初期の歌 / フォーレ:5つの調べ Op.51
バーバー:恨みと沈黙 Op.41 / コルンゴルト:3つの歌 Op.22(5曲)
プーランク:変身(3曲) / トゥーリナ:歌のかたちの詩 Op.19(5曲)
 ナタリア・ラブルデット(S) ヴィクトリア・ゲレーロ(P)
 録音:2021年7月26日-29日、フランクフルト・アム・マイン、ドイツ。ナタリア・ラブルデットの歌う歌曲集。フォーレが19世紀末、バーバーが1969年、他は20世紀前半の作品。ナタリア・ラブルデットはマドリッド生まれのスペインのソプラノ。声楽はベルリン芸術大学で学んでいる。オペラデビューは2016年というのでまだ若い歌手だが、透明感と伸びのある声はたいへん美しく、歌い口もひたむきで好感が持てる。
モーツァルト:交響曲集 Vol.2
 〔第1番 変ホ長調 K.16 /第28番 ハ長調 K.200 /第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」〕

 ヨハネス・クルンプ指揮エッセン・フォルクヴァング室内o.
 録音:2019年9月20日-23日、( K.16、 K.551)、2021年6月24日-27日、( K.200)。ヨハネス・クルンプ率いるエッセンのフォルクヴァング室内o. によるGEN-UINのモーツァルト4枚目、モーツァルトの交響曲集としては2枚目のCD 。(既発はホルン協奏曲全集GEN-18618、交響曲第13、16、29、40番 GEN-19636、ディヴェルティメント K.136-138GEN-22762)。これまでのCDはいずれも好評だったこのコンビのモーツァルト、今回も素晴らしい。ヨハネス・クルンプは1980年、シュトゥットガルト生まれの指揮者。2013年に1958年創立のエッセン・フォルクヴァング室内o. の首席指揮者、音楽監督に就任、この地方オーケストラを注目の楽団へと引き上げた。また2020年からはハイデルベルクso. の芸術監督に就任している。クルンプはピリオド演奏から影響を受けつつ、室内オーケストラならではの透明でキビキビしたモーツァルトを生み出しており、大変魅力的。このCDでは最初と最後の交響曲を収録しており、9歳の作品も32歳の作品もどちらも様式に適った、そして充実した音楽に仕立てている。
フランク:弦楽四重奏曲 ニ長調/ピアノ五重奏曲 ヘ短調
 エリオットSQ [マリャーナ・オジポヴァ、アレクサンダー・ザックス(Vn)
          ドミトリー・ハハリン(Va) ミヒャエル・プロイス(Vc)]
 ディミトリ・アブロギン(P)
 録音:2021年9月7日-10日、カイザースラウテルン、ドイツ。エリオット四重奏団の3枚目のCDは、フランク。2014年結成で、2019年のドイツ音楽コンクールで受賞したエリオット四重奏団がメキメキと実力を高めていることがよく分かる。弦楽四重奏曲の冒頭のなんとも言えぬ豊かな香りからは、彼らが単に優秀な弦楽四重奏団ではないことがよく分かる。ディミトリ・アブロギンが加わったピアノ五重奏曲でも、過度に劇的に演奏することなく、じっくりと作品の近代性とロマンティシズムを滲み出している。ディミトリ・アブロギンはロシア生まれのピアニスト。モスクワのグネーシン・アカデミーを修了後、ドイツ、フランクフルト・アム・マインの音楽舞台芸術大学で学び、ここでフォルテピアノも学んでいる。2018年、川口成彦が第2位となったことで日本でも話題になった第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで名誉賞を受賞。2021年には国際ドイツ・ピアニスト賞を受賞。詩的な表現に冴えを見せるピアニスト。
マグマ〜ドロテー・エーベルハルト(1952-)作品集
 木管五重奏のための「マグマ」(2020)[モネ五重奏団〔木管五重奏〕]/
 ヴァイオリンとバス・クラリネットのための「ユントス」(2015/16) /
 フルートとピアノのための「エクストラヴァガンツァ」(2018) /
 フルートとクラリネットのための「エオス」(2015) /
 クラリネットとピアノのための「ネオン」(2012)
  [カテリナ・レンドル(Vn) ゾルターン・コヴァーチ(Cl)
   アニッサ・バニアーマド(Fl) アクセル・グレメルシュパッハー(P)]/
 ヴァイオリン、ホルンとピアノのための「キマタ〔波〕」 (2014/15)[トリオ・トリコロール]
 録音:2021年6月、フェストブルク教会、フランクフルト。作曲家エーベルハルトは当初ピアノとアコーディオン、サックスを学び、後にロンドン・トリニティ・カレッジでクラリネットを、ゴールドスミス・カレッジで作曲を学んだ。イギリスで学んだせいか、ドイツ流の前衛音楽色は薄く、新古典主義的、あるいは新ロマン派的な傾向の比較的親しみ易い音楽。「エクストラヴァガンツァ」はフランス6人組を思わせる粋で繊細な音楽。
ブラームス(1833-1897):
 クラリネット三重奏曲 イ短調 Op.114 /クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115 (#)
  トリオ・クロノス[アンドレアス・ランゲンブッフ(Cl) サイモン・デフナー(Vc)
             ゴットリーブ・ヴァリッシュ(P)]

  ホセ・マリア・ブルーメンシャイン、クリスティアン・スヴァイアラ(Vn;#)
  村上淳一郎(Va;#)
 録音:2017年4月1-18日、2019年12月22日、クラウス・フォン・ビスマルク・ザール、ケルン。ブラームスのクラリネットを中心とした傑作室内楽を収録。クラリネットのアンドレアス・ランゲンブッフとチェロのサイモン・デフナーはともにケルンWDRso. のメンバー。ピアノのゴットリーブ・ヴァリッシュはソリストとしてジュゼッペ・シノーポリ、ネヴィル・マリナー、イェフディ・メニューインとも共演している俊英。クラリネット五重奏で共演しているヴィオラの村上淳一郎はN響の首席でケルン放送so. の首席も務めたこともある若手のホープ。ブラームス晩年の傑作を今が旬の奏者たちが奏でる珠玉の一枚。
とても美しい牧草地で〜ドイツの民謡・歌曲集ん  北ドイツ民謡:あなたは、あなたは私の心の中にいる / ジルヒャー:タラウのエンヒェン
 フェスカ:ザーレ川の美しい岸で / バーデンのプファルツの学生歌:聞け、外から来るものを
 民謡:昔、二人の王様の子どもがいた / メンデルスゾーン:そっと私の心を通り抜ける Op.19a No.5
 モーツァルト:春への憧れ(来なさい、愛する五月よ) K.596 / ヴェルナー:野ばら
 シューベルト:菩提樹 / ホーネ:黄色い馬車の上に高く / 民謡:とても美しい牧草地で
 ジルヒャー:私はそれが何を意味しているか分からない / シュヴァーベン地方の民謡:すべての泉が流れる時
 ジルヒャー:明日にはここを去らねばならない / F、グルック:ひんやりした大地で
 フロレンティン・フォン・ツッカルマーリオ:今の時代にこれほど美しい国はない
 民謡:陽光溢れる道で/お月様よ、あなたはそんなに静かに歩む / シュルツ:月が昇った
 民謡:荒野はもう暗くなり / ブラームス:こんばんは、おやすみなさい Op.49 No.4

 ダニエル・ブルーメンシャイン(Br) ロベルト・ヴァン・スタイン指揮ライプツィヒso.
 録音:2021年10月20日-22日、ベーレン、ドイツ。ドイツの民謡、歌曲などを、オーケストラ伴奏でバリトンが歌っている。いずれもシュテファン・ケーニヒの編曲。ケーニヒは1963年、ベルリンの生まれ。長年フリーで活躍してきた音楽家で、耳に親しみやすい音楽にうまく仕立てている。かつては日本でも親しまれていたハインリヒ・ヴェルナーの「野ばら」など、懐かしく思われる方も多いろう。ダニエル・ブルーメンシャインは、ドイツ、ハレ出身のバリトン。ライプツィヒのフェリクス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽演劇大学で学び、ドイツ・リートやオペラ、バロック音楽など幅広く活躍している。ロベルト・ヴァン・スタインはオランダの指揮者。2021年からライプツィヒso. の首席指揮者、音楽総監督を務めている。
ティルマン・シレスク(1969-):
 交響曲第1番「夜の光」(2020)
クリスティアン・K.フランク指揮
シュターツカペレ・ワイマール
 録音:2019年12月17日-19日、2021年5月25日-26日、ワイマール、ドイツ|世界初録音。ティルマン・シレスクという名前はルーマニア系を思わせるがドイツ、フランクフルト出身。フランクフルト大学でジャズとポップ・ミュージックで学位を取得、現在は主に映画音楽の世界で活躍している。しかし2001年以来、コンサート用のシリアスな作品を手掛けており、この作品は満を持しての初の交響曲となる。映画音楽での経験を活かし巧みな管弦楽法を駆使した全4楽章42分の聴き応えのある交響曲で明らかにマーラー、特にショスタコーヴィチの影響を色濃く感じさせる大作。
シューベルト:楽興の時 D.780, Op.94
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番
  変ロ長調 Op.106「ハンマークラヴィーア」
ナデジダ・ピサレヴァ(P)
 録音:2021年2月4日-6日、オルベルク教会、ベルリン。ピサレヴァは1987年モスクワ生まれの若手ピアニスト。モスクワ中央音楽院でタマーラ・コロス、チャイコフスキー音楽院でセルゲイ・ドレンスキに師事した後、ベルリンでマリア・ジョアン・ピリス女史ほかに学んだ。既にヨーロッパの多くのコンペティションで上位入賞を果たし、ヨーロッパ、日本など多くの国々でリサイタルを開催している。端正なタッチと品格のある音楽作りに定評があり、今後の益々の活躍が期待されるホープ。
エミリー・マイヤー(1812-1883):ピアノ三重奏曲集
 〔ニ短調/第3番 変ホ長調/イ短調〕
 ハノーファー・ピアノ三重奏団
  [カタリーナ・ゼルハイム(P) ウツィア・マジャール(Vn) ヨハネス・クレプス(Vc)]
 録音:2021年11月22日-23日、ハノーファー、ドイツ。19世紀のドイツの作曲家、エミリー・マイヤー(1812-1883)のピアノ三重奏曲集。エミリー・マイヤーは北ドイツ、フリートラントの生まれ。20代末にシュテッティン(現在のポーランドのシュチェチン)に移り、バラードで有名な作曲家カール・レーヴェ(1796-1869)に学んだ。オペラを含む広い分野の作曲を精力的に行ったという点で、ドイツ音楽史上初の本格的女性作曲家だったと言えるだろう。そして彼女の作品は女性作曲家としてなどという括りがまったく不要な魅力的な物。ここ数年、彼女の交響曲の録音が立て続けに発売されているが、このピアノ三重奏曲集もエミリー・マイヤーの素晴らしい才能を堪能するに打って付けのものだ。ハノーファー・ピアノ三重奏団は、ベートーヴェンのピアノ四重奏曲集(GEN-19673)に続く2枚目のCD 。埋もれていたマイヤーのピアノ三重奏曲の素晴らしさに驚いて演奏会で取り上げ、それがこの録音につながっているという。たしかに共感に溢れた素晴らしい演奏だ。ドイツ・ロマン派の室内楽曲が好きな人にはお勧め。81分強の超長時間収録のCD 。プレイヤーによってはうまく再生されない場合があるのでご注意頂きたい。
ジャズィッシモ
 ローゼンブラット(1956-):カルメン幻想曲 / ピアソラ:タンゴの歴史〜ナイトクラブ 1960
 ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ト長調 / ガーシュウィン:「ポーギーとベス」〜うちの人は逝ってしまった
 コジョカル(1983-):万華鏡 / ミヨー:映画幻想曲 Op.58b(「屋根の上の牛」の原曲)

 マティアス・ヴェル(Vn) リリアン・アコポヴァ(P)
 録音:2021年11月18日-19日、2022年2月10日、フランクフルト・アム・マイン、ドイツ。ジャズの要素を盛り込んだクラシック音楽を集めている。「カルメン幻想曲」は、ハイフェッツの演奏で有名なフランツ・ワックスマンのものではなく、ロシアの作曲家、アレクサンドル・ローゼンブラット(1956-)の曲。元々はクラリネットとピアノのための曲だが、作曲者自身がヴァイオリン用に編曲している。ビゼーの素材をモダーンでお洒落な音楽に仕立て直し、近年人気になっている。ヴラディスラフ・コジョカイ(1983-)はモルドヴァのチミシリア生まれのアコーディオン奏者。2003年からミュンヘンを拠点に活動している。マティアス・ヴェルと度々コンビを組んでいる仲間。「万華鏡」は極めてロマンティックな美しい小品。ミヨーの「屋根の上の牛」は有名だが、その原曲にあたる「映画幻想曲」は案外と録音が少なく、久々の新録音。マティアス・ヴェルは、1993年、ミュンヘン生まれのヴァイオリニスト。彼の父はバイエルンで絶大な人気を誇ったカバレットグルッペ、ビーアメーズル・ブロスンのヴェル3兄弟の一人、ミヒャエル・ヴェルの息子。今や現代ドイツで最も注目されるヴァイオリニストの一人だが、父のバンドの影響か、こうしたジャズ・テイストのクラシック音楽を引かせると借り物ではない生き生きした演奏を聞かせてくれる。リリアン・アコポヴァはウクライナ、キーウ生まれのピアニスト。天才少女として名を知られ、後にドイツに留学、ここで活躍している。
黄金時代の音楽
 アッリゴーニ:マンドリンと通奏低音のためのソナタ / ヴィヴァルディ:マンドリン協奏曲 ハ長調 RV.425
 ル・コック:バロック・ギターのためのシャコンヌ / カステッロ:ソプラノ・マンドリン独奏のためのソナタ第1番
 ウッチェリーニ:ベルガマスカに基づくアリア / D.スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.90
 サンティアゴ・デ・ムルシア:マリサパロス / マレ:スペインのフォリア

 シクスティ1ストリングズ[カテリーナ・ソロヴェイ(バロック・マンドリン)
  コンスタンツェ・クス(スペイン・バロックHp) ネギン・ハビビ(バロックG)]
 録音:2021年9月9日-10月1日、ハノーファークレーフェルト、ドイツ、53'38※3か国の女性3人によるシクスティ1ストリングズsixty1stringsの第2弾で撥弦楽器3台によるバロック音楽。彼女らの演奏は、気品高く落ち着きがあって安らぐ素晴らしい物。朝の目覚めにも、午後の安らぎにも、夜の憩いにも打って付け。(第1集はサン=サーンス〜現代ものまでGEN-20694)カテリーナ・ソロヴェイは、ソ連のスヴェルドロフスク(現在のロシアのエカテリンブルク)生まれのマンドリン奏者。2010年にケルン音楽大学に編入し、瞬く間に若い世代の筆頭マンドリン奏者になった。コンスタンツェ・クスはドイツの音楽一家に生まれ、5歳からハープを学んでいるという筋金入りのハープ奏者。様々なオーケストラでハープ奏者として活躍する一方、ロックやポップスにも参加する多才人。ネギン・ハビビは1982年、イランのテヘラン生まれのギター奏者。12歳からギターを学び、2001年にライプツィヒのフェリクス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽舞台大学に入学。現在は欧米で幅広く活躍している。
レオ・ブローウェルとの出会い〜レオ・ブローウェル(1939-):
 リエージュの思い出/ボセト(下絵、スケッチ)第1番/数世紀にわたるフォリア/
 プロヴァンスのラベンダー畑/時の戦い/タラントス/協奏的三部作

 ルクス・ノヴァ・デュオ
  [リディア・シュミードル(アコーディオン) ホルヘ・パス・ヴェラステギ(G)]
 録音:2021年10月5日-8日、ライプツィヒ、ドイツ。キューバの作曲家、レオ・ブローウェル(1939-)のギター、アコーディオンの作品を集めたCD 。ギター奏者でもあったブローウェルは多数のギター作品を書いているが、ギターとアコーディオンのための作品はそれほど多くない。タンゴの要素が濃い作品が多いものの、総じて刺激と憧れと同居した作風だ。ルクス・ノヴァ・デュオ(新しい光の二重奏という意味)は、ペルーのギター奏者、ホルヘ・パス・ヴェラステギと、ドイツのアコーディオン奏者、リディア・シュミードルによるデュオ。2012年にバルセロナで結成され、現在はハンブルクを拠点に活動している。彼らはブローウェルから絶賛されており、その期待に応えた見事な出来栄えだ。
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番 ニ長調 Op.102 No.2
ブラームス:チェロ・ソナタ第2番 ヘ長調 Op.99
シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 Op.70
 アントアネタ・エマヌイロヴァ(Vc) エンドリ・ニーニ(P)
 録音:2021年、ロストック、ドイツ。ブルガリア生まれのドイツのチェロ奏者、アントアネタ・エマヌイロヴァのおそらく初の独奏CD 。7歳の時にドイツに移住、ベルリンで学んだ後、ニューヨークのジュリアード音楽学校に留学。2007年から2011年までケルン・ギュルツェニヒo. の首席チェロ奏者を務めた後、マーラー室内o. およびオベロン・トリオのチェロ奏者として活動、特に後者でのチェロは注目を浴びていた。満を持してのソロ・アルバムは、ベートーヴェン、ブラームス、シューマンというドイツ王道3曲。彼女のチェロは意外や渋めの音色でじっくり弾き込むタイプ。いずれの曲でも手応えがあるが、特にブラームスの第2番ソナタでの味わい深さは素晴らしい。エンドリ・ニーニはアルバニア生まれのピアニスト。雄弁かつ巧みな伴奏で、エマヌイロヴァのチェロを弾き立てている。
グローリアドイツと世界のクリスマス・ソング集 Vol.3
 ウェイド:ここに来なさい、ああ信心深い者たちよ(神の御子は今宵しも)
 ゲーゼ:幼児イエスは飼い葉桶の中に横たわっていた / ジェイムズ:3人の家畜追い
 作曲者不詳:羊の傍で番をしていると / ロシアの歌:この聖なる夜は / オード:アダムは縛られて横たわり
 レーガー:マリアの子守歌 / マウエルスベルガー:クリスマス / 東ポーランドの歌:羊飼いよ、小屋へ
 テニェール:湖と湖畔を照らす / 伝ディルク・ヤンスゾーン・スウェーリンク:ああクリスマスの夜よ
 フランスの歌:幼児イエス / カールソン:冬の魔法 / エーベル:静かに雪が降り
 ニコラウス・ボイットナーの歌本:私たちの愛する女性の夢 / シレジア民謡:この上なく優しく鐘が鳴る
 クヴェルノ:めでたし海の星 / ラインターラー:この暗い日々に / 伝承歌:もみの木
 ビーブル:アヴェ・マリア / サバテ:グローリア

 フィリップ・アーマン指揮 MDR 放送cho.
 録音:2022年1月25日-28日、ライプツィヒ、ドイツ。第1集(GEN-15381)、第2集(GEN-17484)に続く、フィリップ・アーマン指揮MDR放送cho. による世界のクリスマス曲集、第2集から5年ぶりの第3集が登場。今回も有名曲から渋い選曲まで幅広くクリスマスの歌が美しい無伴奏合唱で楽しめる。フィリップ・アーマンは1974年生まれ。ケルンでマーカス・クリードに学んでいる。2013年から2016年までMDR放送cho. の首席客演指揮者を務めたのち、2020年に同団の芸術監督に就任している。
魔法の音楽箱〜オルガンによる管弦楽名曲集
 ラヴェル:「マ・メール・ロワ」より〔美女と野獣の対話/妖精の園〕
 デュカ/シュヴァルツェ編曲:魔法使いの弟子
 エルガー/シュヴァルツェ編曲:子供の魔法の杖 より
  〔第2組曲 Op.1b 〜飼いならされた熊/第1組曲 Op.1a 〜妖精たちと巨人たち〕
 ストラヴィンスキー/シュヴァルツェ編曲:組曲「火の鳥」より
  〔導入部/カシチェイの魔法の庭園/火の鳥の出現/火の鳥の踊り/王女たちのロンド/
   子守歌/カシチェイの目覚め/カシチェイの死/深い闇/フィナーレ〕
 ダンクザークミュラー(1969-):カリオペ〜魔法の音楽箱

 オルゲルデュオ・マリオン・クラル&ラルス・シュヴァルツェ(Orgデュオ)
 録音:2021年9月21日-24日、ヒルデスハイム、ドイツ。近代管弦楽作品を4手オルガンで演奏した物。パイプオルガンだとオーケストラの生々しさが後退する一方で、幻想味が著しく増して雰囲気が大きく変わる。有名なデュカの「魔法使いの弟子」もまるで教会のステンドグラスに描かれる寓話のようだ。またパイプオルガンの最低音の迫力はオーケストラの低弦が束になっても敵わない迫力で、これはストラヴィンスキーの「火の鳥」で遺憾なく発揮されている。マリオン・クラルはドイツの若いオルガン奏者。現在はマンハイムを拠点に活動している。編曲も受け持っているラルス・シュヴァルツェは、ニーダーザクセン州アルフェルト出身。第5回国際ブクステフーデ・オルガン・コンクールや第8回国際ヘルマン・シュレーダー・コンクールなどで入賞し注目を浴びる。二人は2015年にデュオを結成している。ヒルデスハイム聖堂に2014年に設置されたロマヌス・ザイフェルト・ウンド・ゾーン社制作のオルガンを使用。
ドイツ音楽コンクール2021年受賞者〜マックス・フォルバース(リコーダー)
 バッハ/フォルバース編曲:フルートのためのパスティッチョ協奏曲 ハ長調
 モンテヴェルディ「天も地も風も黙る今こそ」に基づくソナタ
 パレストリーナ:あなたは美しい、私の愛しい人よ
 サケラリディス:どうか地下に入ってください/パーセルの「妖精の女王」のシャコニーによる幻想曲
 ディユパール:第2組曲 / パレストリーナ:丘や野原にまとわせる(野山は花の賑わい)
 シャイン:私たちに教えてください
 ヴィヴァルディ/フォルバース編曲:フラウティーノのための協奏曲 ト長調 RV.312

 マックス・フォルバース(リコーダー)
 アルフィア・バキエヴァ、ジョナタン・ポネ(Vn) マルティン・シュナイダー(Va) 吉田亜莉紗(Cb)
 アクセル・ヴォルフ(アーチリュート) ロバート・スミス(Vc|ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 アンネ=ズーゼ・エンスレ(Fg|リコーダー) アレクザンデル・フォン・ハイゼン(Cemb)
 エリーザベト・ヴィルト、フェリックス・グーチ、ヨナタン・フォルバース(リコーダー)
 録音:2022年2月27日-3月2日、ノイマルクト・イン・デア・オーベルプラッツ、ドイツ。GENUIN恒例のドイツ音楽コンクールの受賞者(このコンクールは複数受賞)によるCD 、2021年の受賞者の一人、リコーダーのマックス・フォルバースのデビューCD 。リコーダーの腕前が見事なのはもちろん、既に指揮者としても活躍している彼の音楽は実に生き生きしており、両面において先々が楽しみな人材。選曲も16世紀の音楽もあればバッハ、ヴィヴァルディもあり、さらには1995年生まれの作曲家の2020年の作品も含まれるという攻めた内容。なおコントラバスに東京芸術大学卒で、現在ウィーンの21世紀アンサンブルでコントラバスを務める吉田亜莉紗が参加している。
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集
 〔第4番 変ロ長調 Op.11 /
  第5番 ニ長調 Op.70 No.1 /
  第6番 変ホ長調 Op.70 No.2 〕
トリオ・アルテルナ
[坂巻貴彦(Fp|使用楽器:
 コンラート・グラーフ、1821/22)
 アンナ・ドミトリエヴァ(Vn)
 アマリリス・
  ドゥエニャス・カスタン(Vc)]
 録音:2022年3月28日-29日、5月16日-17日、クラウス・フォン・ビスマルク・ザール、ケルン、ドイツ。ドイツ在住の鍵盤楽器奏者、坂巻貴彦率いる若きトリオ、トリオ・アルテルナのファースト・レコーディングとなるベートーヴェンのピアノ三重奏曲集。トリオ・アルテルナは2021年にドイツのジークブルクでベートーヴェンの生誕250周年を記念して行われたピリオド楽器のための室内楽コンクール“ベートーヴェン:in his time "で、第2位に加え最も優れたベートーヴェンの演奏解釈に贈られる「ベートーヴェンハウス賞」を受賞しており、その解釈は折り紙つき。坂巻貴彦はケルン音楽舞踏大学で学び、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー等で演奏活動を展開している若手演奏家。
デゲンホーフ・セッションズ
 J.S.バッハ/ケンプ編曲:カンタータ第29番「神よ、われら汝に感謝す」前奏曲
 J.S.バッハ/バウアー編曲::魂はイエスの手にて憩う
 ビゼー/ゴドフスキー編曲:「アルルの女第1組曲」よりアダージェット
 カール・ボーム/ゴドフスキー編曲:夜のように静かに Op.326 No.27
 シューマン/ゴドフスキー編曲:君は花のよう Op.24 No.25
 シューベルト/ゴドフスキー編曲:「ロザムンデ」〜バレエ音楽 D.797
 ショパン/ゴドフスキー編曲:ワルツ第13番 変ニ長調 Op.70 No.3
 ショパン/リスト編曲:「6つのポーランドの歌」〜乙女の願い S.480
 スメタナ:3つのサロン用ポルカ第1番 嬰ヘ長調 Op.7 No.1
 アドルフ・フォン・ヘンゼルト:もしも私が鳥だったら Op.2 No.6
 モンポウ:「歌と踊り」より Nos.1, 4, 6
 モシュコフスキ/アルベルト・ウルリヒ編曲:「5つのスペイン舞曲」 Op.12 より Nos.1-3
 ゴドフスキー:「トリアコンタメロン、三拍子による30の雰囲気と光景」より Nos.11, 19, 18, 13
 ヨハン・シュトラウス II /ゴドフスキー編曲:喜歌劇「こうもり」の主題による交響的変容
 イグナーツ・フリードマン:侯爵と侯爵夫人 Op.22 No.4 / ディルク・シェーフェル:五月の夜 Op.3 No.7

 ヤコブ・ロイシュナー(P)
 録音:2022年7月1日-3日。ヴァイオリニスト漆原啓子とのデュオでも知られる名手ヤコブ・ロイシュナーによるピアノ作品集。1880年頃から第二次世界大戦頃までほとんどのピアニストは、作曲家でもあり編曲家でもあった。そのような編曲作品を中心に集めたこのアルバムではピアノの「黄金時代」に編曲された珠玉の名曲たちをお楽しみ頂ける。
マーラー/ブルーノ・ワルター、グレゴール・マイヤー、ヴァルター・ツォラー編曲:
 交響曲第2番「復活」(室内楽版)
  〔ブルーノ・ワルターによる4手ピアノ版を基に、グレゴール・マイヤーと
    ヴァルター・ツォラーが2台ピアノ、ソプラノ&アルト独唱、トランペットと合唱のために再編曲)

 グレゴール・マイヤー、ヴァルター・ツォラー(P)
 アンニカ・シュタインバッハ(S) ヘンリエッテ・ゲッデ(A)
 エマヌエル・ミュッツェ(Tp)
 フランク=シュテフェン・エルスター指揮ゲヴァントハウスcho.
 録音:2021年12月21日、2022年2月3日-4日、5月9日-10日、ゲヴァントハウス、ライプツィヒ、ドイツ。マーラーの交響曲第2番「復活」が完成された当時、ハンブルクで合唱指揮者としてマーラーの補佐をしていた後の巨匠ブルーノ・ワルターが、1900年頃にマーラーの監視下で編曲した(マーラーの手による注釈や訂正もある)4手ピアノ連弾版。フランク=シュテファン・エルスターが指揮するゲヴァントハウス合唱団とゲヴァントハウスでピアニストとして活動するグレゴール・マイヤーとヴァルター・ツォラーの2人がこのワルター編の4手ピアノ版を拡張し、2台ピアノ+独唱と合唱(とトランペットやフリューゲル・ホルン)版として整えた新たな室内楽版の復活交響曲。作品の先鋭的な性質、冒険的な和声と形式がくっきりと浮かび上がる珍しい小編成バージョンを、ゲヴァントハウスの有力合唱団の歌声でお贈りする。
奏者編曲による〜ベートーヴェン:室内アンサンブル版ピアノ協奏曲集
 ベートーヴェン/アリス・アレクサンダー・ブレッテンベルク編曲:
  ピアノと管弦楽のためのロンド 変ロ長調 WoO.6 (室内アンサンブル版)/
  ピアノ協奏曲(室内アンサンブル版)〔第2番 変ロ長調 Op.19 /第1番 ハ長調 Op.15 〕

 アリス・アレクサンダー・ブレッテンベルク(P)指揮ミュンヘン室内オペラo.
 録音:2023年4月12日-15日。ハンス・フォン・ビューロー国際ピアノ・コンクール第1位、ウィーン国際ベートーヴェン・ピアノ・コンクール第1位の受賞歴を持つ多才なピアニスト、アリス・アレクサンダー・ブレッテンベルクによるベートーヴェンのピアノ協奏曲の室内アンサンブル版! C'Avi Musicからリリースした前作(8553529)でもベートーヴェンの交響曲第7番のリスト編曲版を披露するなど並々ならぬベートーヴェンへの想いを表現してきたブレッテンベルク。今作では全作ブレッテンベルク自身の編曲で挑むという力の入れようだ。オーケストラの輝きを失うことなく、ベートーヴェンの若き日の作品を透明感のある音楽で表現している。
ラヴ・ビヨンド・デス
 シューマン:幻想小曲集 Op.73 / ヴォーン・ウィリアムズ:ヴィオラとピアノのためのロマンス
 プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」 Op.64より
  〔モンタギュー家とキャピュレット家/少女ジュリエット/騎士たちの踊り/ジュリエットの死〕
 ブリテン:ヴィオラとピアノのためのラクリメ Op.48
 フランソワ=ユーグ・ルクレール(1962-):晴れた夜明けから一日の終わりまで
  (De l 'aube claire jusqu ' l a fin du jour /世界初録音)

 ベンジャミン・ベック(Va) マリー・ローザ・ギュンター(P)
 録音:2022年1月-2月、ドイツ。バルセロナso. の首席ヴィオラ奏者であり、2023年7月からはVPOの首席ヴィオラ奏者に就任予定という大器、ベンジャミン・ベックのセカンド・アルバム。あらゆる地平を超え、現世と来世を結びつけ、永遠の愛の可能性を問う、シューマン、ヴォーン・ウィリアムズ、プロコフィエフ、ブリテンのヴィオラ作品集。これらの思慮深い楽曲の絶妙なニュアンスを、ベックのビロードのようなヴィオラの音色で引き出している。世界初録音となるフランソワ=ユーグ・ルクレールの作品は、ベンジャミン・ベックへと捧げられている。
浄められた夜〜ピアノ三重奏のための作品集
 シェーンベルク/エドゥアルト・シュトイアーマン(1892-1964)編曲:
  浄められた夜 Op.4(ピアノ、ヴァイオリンとチェロ版)
 ツェムリンスキー:ピアノ三重奏曲 ニ短調 Op.3
 シューベルト:ピアノ三重奏曲 変ホ長調 D.897, Op.posth.148 「ノットゥルノ」

  ハンブルク・トリオ
   [塩貝みつる(Vn) ウルリヒ・ホルン(Vc) エバーハルト・ハーゼンフラッツ(P)]
 録音:2021年3月15日-16日、フランクフルト、ドイツ。塩貝みつるがヴァイオリン奏者を務め、ハンブルクを拠点に活動するピアノ三重奏団「ハンブルク・トリオ」の新録音が、ドイツのGenuinからリリース。後期ロマン派の情熱的な物語を紡ぐ「浄められた夜」は、シェーンベルクの「ピアノ協奏曲」や「月に憑かれたピエロ」の初演でピアノ・パートを務め、私的演奏協会でもシェーンベルクと活動したピアニスト、エドゥアルト・シュトイアーマンの編曲によるピアノ三重奏版。初期ロマン派の永遠を感じさせるシューマンの「ノットゥルノ」とともに、異なる角度から「夜」というテーマにアプローチし、間にツェムリンスキーの洗練されたピアノ三重奏曲を配置した上質なプログラム。ハンブルク・トリオは2013年にドイツのハンブルクで結成。塩貝みつるはハンブルク国立po. のヴァイオリン奏者、ハンブルク国立歌劇場のアソシエイト・コンサートミストレスを長年務め、ドイツの主要オケにも客演。現在は国内を拠点に、全国主要オーケストラのゲストコンサートミストレスやソリスト、室内楽奏者として日本とヨーロッパで活躍している。ウルリヒ・ホルンはフランクフルト放送so. (hrso. )のチェロ奏者を20年以上務めており、エバーハルト・ハーゼンフラッツはベルリン芸術大学で教鞭を執りながら室内楽奏者として活躍する名手。
(イングリッシュホルンと弦楽三重奏伴奏による)冬の旅〜
  シューベルト
/エドゥアルト・ヴェスリー編曲:
 冬の旅 Op.89, D.911 第1部(バリトン、イングリッシュ・ホルンと弦楽三重奏曲版)/
 ピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D.959 〜第2楽章(イングリッシュ・ホルンと弦楽三重奏曲版)/
 冬の旅 Op.89, D.911 第2部(バリトン、イングリッシュ・ホルンと弦楽三重奏曲版)

 フローリアン・ゲッツ(Br) グルントマン四重奏団
  [エドゥアルト・ヴェスリー(イングリッシュHr) ウルリケ・ティッツェ(Vn)
   ベッティーナ・イーリヒ(Va) ウルリケ・ベッカー(Vc)]
 録音:2022年1月13日-17日、2月7日-11日。シューベルトの名曲「冬の旅」をバリトン、イングリッシュ・ホルンと弦楽三重奏版という非常に珍しい編成でのリリース!カップリングにはイングリッシュ・ホルンと弦楽三重奏によるシューベルトの「ピアノ・ソナタ第20番」の第二楽章を収録。全てグルントマン四重奏団のイングリッシュ・ホルン奏者、エドゥアルト・ヴェスリーによる編曲で、木管楽器の柔らかな響きとフローリアン・ゲッツの豊かな歌声が絡み合いピアノ伴奏とはまた違った「冬の旅」を作り上げている。バリトンのフローリアン・ゲッツは、ロンドンのギルドホール音楽演劇学校と、ワイマール音楽大学で声楽を学んだ。その後パリ・オペラ座、ミュンヘンのガスタイク、ライプツィヒ歌劇場、ダルムシュタット州立劇場などで活躍している。またアムステルダムのコンセルトヘボウなどにも出演している。
バリトンの狂気〜バリトン・サクソフォンのための作品集
 ジェルジ・クルターグ(1926-):ジェルジ・クルーの追憶に / ペーテル・ヴィーグ(1987-):三つ編み
 ジュゼッペ・ルッジェーロ(1909-1977):アンダンティーノ=アレグロ
 ルーカ・フランチェスコーニ(1956-):ノットゥルノ / ヤン・メヌ(1962-): Bit of Bit
 ヤコブ・テル・フェルトハイス(1951-):太陽が昇る遥か前に
 マラン・マレ(1656-1728):「スペインのフォリア」による変奏曲
 吉松隆(1953-):エクローグ・モノローグ / 野田燎(1948-):ダンス・ダンス・ダンス
 ブランフォード・マルサリス(1960-):バリトン・サクソフォンのための小品
 グレゴリー・ワナメイカー(1968-):モノロジー

 アルノ・ボーンカンプ(バリトンSax)
 録音:2022年6月28日-30日、プロテスタント教会、オーステム、オランダ。現代最高のクラシカル・サクソフォン奏者の一人、アルノ・ボーンカンプがバリトン・サクソフォン・アルバムをリリース!コンサートやレコーディングで幅広く活動するほか、1982年に結成し2017年に惜しまれつつ解散した名カルテット、アウレリア・サクソフォン四重奏団のテナーとして長年にわたって活躍してきたボーンカンプ。1840年頃にサクソフォンの生みの親、アドルフ・サックスが作った最初のサクソフォンが現在のバリトン・サクソフォンの音域を持つ楽器であり、サクソフォンの原点は低音域にあるということ、そしてコダーイの「無伴奏チェロ・ソナタ」に大きな衝撃を受け、サクソフォンという楽器にもこのクラスの作品、つまり、楽器が持つ魅力と可能性を最大限に引き出し、しかも幅広い聴衆にアピールできるほど洗練されたレパートリーが必要だと痛感したことを機にこのプロジェクトが生まれた。そしてかつてアウレリアで共に活動していたアンドレ・アレンズと共にマルチメディア・パフォーマンス・プロジェクト「リトル・ビッグ・ホーン」を立ち上げ、オランダの多くの舞台で公演を行い、CDを制作。このアルバムには「リトル・ビッグ・ホーン」のために書かれた新作が多く収録されており、これまでもサクソフォンという楽器のレパートリーの拡大に尽力してきたボーンカンプが今度はバリトン・サクソフォンの新境地を開拓する。5ヶ国から2人ずつ作曲家を選び、まず一方の作曲家の短い曲をいわば「前奏曲」として、その後にもう一方の作曲家の長い曲を演奏してゆくという拘ったプログラム構成にも注目。サクソフォン・プレイヤー、サクソフォン・ファン必携のアルバム。
B-A-C-H “・・・へのオマージュ“
 J.S.バッハ:幻想曲とフーガ ト短調 BWV.542
 ヨハン・ルートヴィヒ・クレープス(1713-1780):「Bach」の名によるフーガ Krebs-WV 434
 リスト: B-A-C-Hの名による幻想曲とフーガS.260/2
 シグモンド・サトマーリ〔サットマリー〕(1939-): B-A-C-H へのオマージュ(大オルガンのための)
 レーガー: B-A-C-H による幻想曲とフーガ Op.46

 アウレル・ダヴィデュク(Org)
 録音:2023年4月11日-13日、シュタットカジノ・バーゼル、スイス。2022年、ドイツの若い音楽家にとって最も重要なコンクールの一つとされるドイツ音楽コンクールのオルガン部門で優勝を成し遂げたアウレル・ダヴィデュクによる初のオルガン・アルバム。2000年にハノーファーに生まれたダヴィデュクはオルガンのほかピアノやチェンバロも弾きこなし、近年では指揮者としても頭角を現すなど溢れる才能でマルチに活躍。このアルバムでは「バッハ」をテーマに掲げ、リスト、レーガーに加えバッハの高弟であったクレープスやハンガリーのオルガン奏者、サトマーリによる珍しい作品も含む、バッハに携わる様々なスタイルのオルガン作品でプログラムを構成した。
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(2CD)
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集 Vol.1
 〔第7番 嬰ヘ短調 Op.108 /第8番 ハ短調 Op.110 /第9番 変ホ長調 Op.117 /第10番 変イ長調 Op.118 /
  第9番(未完)/第11盤 ヘ短調 Op.122 /第12番 変ニ長調 Op.133 /第13番 変ロ短調 Op.138 (初稿断片(*)付)〕

 アサセッロSQ
 録音:2022年4月2日-4日、8日-11日、2022年11月7日-11日、2023年2月15日-19日、ドイツ放送室内楽ホール、ケルン、ドイツ| (*):世界初録音。バーゼル音楽院でラサール弦楽四重奏団の創設者、ヴァルター・レヴィンの室内楽クラスの生徒たちによって2000年に結成されたアサセッロ四重奏団が、ショスタコーヴィチが生涯をかけて取り組んだ交響曲と並ぶ重要な作品、弦楽四重奏曲の全集プロジェクトを始動。第1弾となる今作はショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲における最重要作品ともいわれる第8番を含む、1960年からの約10年間に作曲された第7番〜第13番を収録。最後に収録された第13番の初稿の断片は世界初録音。
モメント・オヴ・エターニティ
 リスト:2つの伝説 S.175
 シマノフスキ:仮面劇 Op.34
 シューマン:謝肉祭 Op.9
ホン・ミンス(P)
 録音:2022年4月、ドイツ。1993年釜山出身のピアニスト、ホン・ミンスのファースト・レコーディング。ブゾーニ国際ピアノ・コンクール、イサン・ユン国際コンクール、ユトレヒトのリスト国際ピアノ・コンクールなど多くのコンクールで入賞を果たしてきたホン・ミンスが、刹那のスケッチ、永遠の瞬間をテーマに魅力的で多様なプログラムを構成。ピアニスティックな技巧を発揮しながら、アイデンティティと外見、芸術と人生についての詩的な考察を提供する。
夜が落ちるまで
 ドビュッシー:「ベルガマスク組曲」〜第3曲 月の光/「版画」〜第2曲 グラナダの夕べ
 ショパン:子守歌 Op.57 / シェーンベルク:4つの歌曲 Op.2 〜期待/あなたの金の櫛を私におくれ
 バルトーク:10のやさしいピアノ小品 Sz.39 〜第5曲 セーケイ人たちとの夕べ/2つのルーマニア舞曲 Op.8a 〜第1番
 シベリウス:6つの歌 Op.50 〜静かな街 / スクリャービン:練習曲 Op.42 No.3 / ヴァイル:ユーカリ
 ラフマニノフ:前奏曲〔ト短調 Op.23 No.5 /嬰ハ短調 Op.3 No.2 〕 / ブラームス:3つの間奏曲 Op.117

 エヴァ・バルタ(P)
 録音:2023年4月3日-4日。ハンガリー系のピアニスト、エヴァ・バルタの夜をテーマにした詩的で親密なプログラムによるGenuinレーベルへのデビューアルバム。学生時代から歌曲にも興味を持った彼女は、ピアノのソリストとしてだけでなく歌曲にも非常に精通しており、このアルバムではシェーンベルクやシベリウスの歌曲を自ら編曲し収録している。多才なピアニスト、エヴァ・バルタの魅力の詰まった一枚となっている。
ラウダーテ・ドミヌム
 マルティン・グスタフ・ノッテボーム(1817-1882):ヨハン・セバスティアン・バッハの主題による変奏曲 Op.17
  (フランス組曲第1番 BWV.812のサラバンドによる)
 フリードリヒ・ニーチェ(1844-1900):2つのモノディ NWV 39(ピアノ4手のための)
 ミヒャエル・デンホフ(1955-):(k)ein Choral (2004/世界初録音)
 ピアソラ/パブロ・ツィーグラー編曲:フーガと神秘(歌劇「ブエノスアイレスのマリア」より)
 ストラヴィンスキー/ショスタコ―ヴィチ編曲:詩篇交響曲 K 052
 J.S.バッハ/クルターグ:「主よ、人の望みの喜びよ」 BWV.147+怒りのコラール(遊戯第4巻より)

 シュテンツル・ピアノ・デュオ[ハンス=ペーター・シュテンツル、フォルカー・シュテンツル(P)]
 録音:2022年8月、2013年3月、ドイツ。「4本の手を持つソリストのような自由」と称賛され、ARDミュンヘン国際音楽コンクール(1986年)やマイアミのドラノフ・コンクール(1989年)を含む11の国際コンクールで優勝してきたドイツの兄弟デュオ、「シュテンツル・ピアノ・デュオ」のニュー・アルバム。大バッハが生涯夢中になり続けてきた「ラウダーテ・ドミヌム(主をほめたたえよ)」に基づく、バロックから現代まで4世紀にまたがる音楽が集められている。ベートーヴェン研究者として知られるノッテボームの「バッハの主題による変奏曲」は、友人ブラームスと共に演奏したとされる作品。思想家として高名なニーチェの作曲作品やショスタコ―ヴィチがアレンジしたストラヴィンスキーの「詩篇交響曲」など注目作品が並び、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」の間にクルターグの「怒りのコラール」を混ぜ込んだ刺激的な作品で締めくくる。
エロスと暴力
 カルロ・ジェズアルド(1566-1613):5声のマドリガーレ(第5巻と第6巻より)
 クロード・ヴィヴィエ(1948-1983):7人の女声と打楽器のための聖歌
 ミケランジェロ・ロッシ:(1601/2-1656):5声のマドリガーレ(第1巻と第2巻より)

 ヴァルター・ナスバウム指揮スコラ・ハイデルベルク ミヒャエル・ロートショプフ(朗読)
 録音:2007年8月、2021年9月。ルネサンスから現代まで幅広いレパートリーを誇るスコラ・ハイデルベルク。このアルバムでもその特徴を活かしたプログラムとなっている。指揮者であるヴァルター・ナスバウムによって設立されたスコラ・ハイデルベルクは、1600年前後のイタリアの音楽と現代音楽は非常に近いものであると考えている。このアルバムではヨーロッパを代表する合唱団であるスコラ・ハイデルベルクの多様なテクニックを活かしたハイレベルな歌唱によって、そのことを体現できるものとなっている。
20-21世紀の無伴奏クラリネット作品集
 イヴァン・オレンチク(1952-):カプリス第18番 / デイヴィッド・ウィリアムズ(1952-): And in a moment (*)
 エイトル・ヴィラ=ロボス(1887-1959):ギターのための5つの前奏曲より第3番 イ短調
 アンテ・グルギン(1945-):カプリス第1番 / イゴール・ドゥルク:詩篇
 ラドスワフ・パラジュ(1973-): Ephesiaka / ジョン・ホーキンス(1949-): Mimes (*)
 クラウディオ・ダッラルベロ: Variazioni su Hijazkar Romani (*) / エフゲニー・オーキン(1977-):ユダヤ組曲
 イサーク・アルベニス(1860-1909):スペイン組曲〜アストゥリアス

 ユリア・ドゥルク(Cl/朗読)
  (*):世界初録音。サンクトペテルブルクとカールスルーエで学んだクラリネット奏者ユリア・ドゥルクによる近現代の無伴奏クラリネット作品集。収録曲はアルベニスを除いて20世紀と21世紀のもので、さまざまな地域のフォークロアにインスパイアされている。各作品は、若き音楽家であり詩人である彼女自身の詩によって彩られている。
L'Astre Bleu 〜無伴奏ヴァイオリン作品集
 パウル・ヒンデミット(1895-1963):ヴァイオリン・ソナタ ト短調 Op.11 No.6 (1917/18)
 エルンスト=ローター・フォン・クノール(1896-1973):無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ ト短調(1946)
 セルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953):無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.115 (1947)
 ジャック=アルフォンス・ド・ゼーガン(1955-):無伴奏ヴァイオリン・ソナタ「青い星 l 'Astre Bleu」(2021)
  (マルケタ・ヤヌシュコヴァーに献呈、世界初録音)

 マルケタ・ヤヌシュコヴァー(Vn)
 チェコやスロヴァキアの民俗音楽から多くのインスピレーションを得て国際的に活躍するヴァイオリニスト、マルケタ・ヤヌシュコヴァーによる近現代の無伴奏ヴァイオリン作品集。1世紀にも及ぶこれらの作品は、それぞれの作曲家の非常に独特な音楽言語で作曲されている一方で、過去と現在を結びつける新古典主義的な様式への回帰という共通点をもっている。ベルギーの現代音楽作曲家、ジャック=アルフォンス・ド・ゼーガンの詩的な「l 'Astre Bleu」はマルケタ・ヤヌシュコヴァーのために作曲されたもので、本作が世界初録音。
宇宙と断片
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調 Op.106「ハンマークラヴィーア」
 ヴェーベルン・ピアノのための変奏曲 Op.27 / ベートーヴェン:6つのバガテル Op.126
 ウルリヒ・カルマイヤー(1963-):チャールズ・ヒューバート・ヘイスティングス・パリーの讃歌
                  「エルサレム」による6つの変奏曲(世界初録音)

 マリー・ローザ・ギュンター(P)
 録音:2022年1月18日、9月24日-25日、メンデルスゾーンザール、ゲヴァントハウス、ライプツィヒ、ドイツ。マリー・ローザ・ギュンターは1991年、ドイツのブラウンシュヴァイク生まれ。バッハに傾倒し、当レーベルからリリースしたソロ・デビュー・アルバムでもいきなりゴルトベルク変奏曲を取り上げていたが、今作は深遠で壮大なテーマを掲げたアルバムでまた違った一面を見せてくれる。ベートーヴェンとヴェーベルンの作品に、彼女と同じブラウンシュヴァイク出身の作曲家、ウルリヒ・カルマイヤーの世界初録音となる作品を組み合わせている。
フルート、ヴァイオリン、チェロのためのセレナーデ
 ベートーヴェン:セレナーデ ニ長調 Op.25 / ボザ:3つの降臨
 ハイドン:ロンドン・トリオ〔第1番 ハ長調 Hob.IV: 1 /第2番 ト長調 Hob.IV: 2 〕
 ヴィラ=ロボス:ショーロ第2番 / ヤセン・ヴォデニチャロフ(1964-):神話 -5つの小品(世界初録音)
 ドビュッシー/古賀敦子編曲:亜麻色の髪の乙女

 古賀敦子(Fl) 植村理葉(Vn) ゲオルギー・ロマコフ(Vc)
 録音:2022年9月25日-28日、ベルリン。これまでの録音でもドイツの主要メディアから高い評価を受けているフルート奏者、古賀敦子のGenuinから8枚目のリリースとなるアルバムは、フルート、ヴァイオリン、チェロという三重奏による作品集。ハイドンやベートーヴェンといった古典からドビュッシーの繊細な華やかさ、ヴィラ=ロボスとボザのモダニズム、そして1964年生まれのブルガリア系フランス人作曲家、ヤセン・ヴォデニチャロフの古代グレコ=ロマンの世界を想起させる小品まで、4世紀にわたる作品の数々を高い音楽性で表現している。過去のレコーディングでも共演してきた世界的チェリスト、ゲオルギー・ロマコフに加え、ソリストとしてベルリン・フィルハーモニーや、ヘラクレスザール、ミュンヘンといったコンサートホールに度々登場するなど国内外で活躍を見せているヴァイオリニスト、植村理葉が参加。ブックレットには古賀克己、古賀敦子による日本語の曲目解説が掲載されている。古賀敦子は福岡市生まれのフルート奏者。桐朋学園音楽科高等学校を卒業後、パリ国立高等音楽院フルート科を満場一致の一等賞で卒業し、同音楽院の大学院に進学した。その後ケルンとミュンヘンの両国立音楽大学を卒業。在学中、数多くの国際コンクールで優勝や入賞を果たしている。現在はドイツのマグデブルグso. に在籍。ドイツを中心にヨーロッパで非常に高く評価されている。
ボヤージュ〜サクソフォン四重奏作品集
 J.C.バッハ/アルベルト・マインズ編曲:シンフォニア 変ロ長調 Op.18 No.2
 エレーナ・カノバス・イ・パレース(1994-): Ich traumte, dass ich in demselben Garten eingeschlafen war
    und den Atem von jemandem auf meiner Wange spurte.
 グラズノフ:サクソフォン四重奏曲 Op.109
 コンスタンティア・グルズィ(1962-):サクソフォン四重奏団のためのボイジャー1号 Op.98

 エテルナム(サクソフォン)四重奏団
 録音:2022年10月31日-11月3日。新進気鋭の若手サクソフォン四重奏団、エテルナム四重奏団のデビュー・アルバム。J.C.バッハの編曲作品から、グラズノフのサクソフォン四重奏曲といったクラシックの作品に、彼女たちのために書かれた現代曲が2曲収録されている。そのうちコンスタンティア・グルズィの「サクソフォン四重奏団のためのボイジャー1号」は、45年前に飛び立った宇宙探査機ボイジャー1号へのオマージュとなっている。
そこに星が昇る・・・〜アルベルト・マリア・ヘルツ(1878-1950):
 シャコンヌ(J.S.バッハ:パルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004の弦楽四重奏版)(*) /
 シュテファン・ゲオルゲの言葉による5つの歌曲 Op.7 (#/+) /弦楽四重奏のための4つの小品 Op.5 (*) /
 弦楽四重奏曲 ロ短調 Op.6 (*) /8つの楽器のためのラジオ音楽 Op.9 (#)

 アサセッロSQ (*) E-Mexアンサンブル(#)  クリスティアーネ・エルツェ(S;+)
 録音:2022年-2023年。1878年ケルンに生まれたユダヤ人作曲家マリア・ヘルツは、1950年ニューヨークで亡くなった。彼女はアルベルト・マリア・ヘルツというペンネームを使い活躍し、このアルバムにはJ.S.バッハの作品を編曲した弦楽四重奏団による作品や、歌曲、室内アンサンブルによる作品など多様な編成を用い、さらにはバロック音楽から自由な調性を用いた作品まで多岐に渡り、この作曲家の幅の広い作品を残していることを示している。
声、シグナル
 アナ・マリア・ロマノ・G. (1971-): Posdomingo 02.10.2016
 カロリーナ・ノゲラ・パラウ(1978-): Canto del ave negra
 カルロス・アンドレス・リコ(1986-): Nacido en el Valle, el Rio y la Montana
 ダニエル・レギサモン(1979-): Signo a cambio / ナタリア・バレンシア・スルアガ(1976-): Brother
 ホルヘ・グレゴリオ・ガルシア・モンカダ(1975-): Un amor, puro e incondicional

 エヴァ・ツェルナー(アコーディオン)
 録音:2020年、2022年。アコーディオン奏者エヴァ・ツェルナーによるコロンビアの作曲家たちの作品集。アコーディオンはコロンビアではポピュラーな楽器でその楽器に環境音や、エレクトロニクスの要素も加えて実験的な音楽を展開し、コロンビア音楽の幅の広さを示している。これらの作品はすべてエヴァ・ツェルナーと作曲家たちの共同制作。
芸術の仲間たち
 クララ・シューマン(1819-1896)ヴァイオリンとピアノのための3つのロマンス Op.22
 ブラームス(1833-1897):ヴァイオリン・ソナタ〔第1番 Op.78 /第2番 Op.100 /第3番 Op.108 〕

 ゾフィア・ヤッフェ(Vn) ビョルン・レーマン(P)
 録音:2016年9月28日-30日、2017年2月24日。エリザベート王妃国際音楽コンクール2005のヴァイオリン部門第3位の実績を持ち、これまでにも「Genuinレーベル」(GEN-89161)や「NMCレーベル」(NMCD189)などからもCDがリリースされている女流ヴァイオリニスト、ゾフィア・ヤッフェ。40年間もの間、芸術面での友情関係にあったクララ・シューマンとヨハネス・ブラームスの作品を取り上げる。このアルバムで共演しているピアニスト、ビョルン・レーマンとは長年の間デュオを組んできたパートナー。ベルリンで生まれたゾフィア・ヤッフェは最初は両親にヴァイオリンを師事し、その後ハンス・アイスラー音楽大学で研鑽を積んだ。エリザベート王妃国際音楽コンクール2005のヴァイオリン部門第3位の他、ドイツ音楽コンクールやコンクール・オブ・ザ・イヤーなどの国際的なコンクールで数々の賞を受賞している。現在は教育者としても活躍しており、フランクフルト音楽・舞台芸術大学の教授を務めている。
Elusive Lights 〜無伴奏チェロ作品集
 ジョヴァンニ・ソッリマ(1962-):ラ・フォリア(2007) /嵐(2001)
 アフメト・アドナン・サイグン(1907-1991):無伴奏チェロのためのパルティータ Op.31(原典版/1955)
 ファジル・サイ(1970-) :無伴奏チェロ・ソナタ Op.92b (2020)
 ガスパール・カサド(1897-1966):チェロ組曲(1926)
 エルネスト・ブロッホ(1880 -1959):無伴奏チェロ組曲第1番(1956)

 ドルカン・ドルク(Vc)
 ヴィトルト・ルトスワフスキ国際チェロ・コンクール第2位、アントニオ・ヤニグロ・国際チェロ・コンクールやリーゼン国際チェロ・コンクール第1位のドルカン・ドルクが、トルコの作品を中心に聴かせる多彩な無伴奏プログラム!サイグンのベールに包まれた音楽からソッリマのヴィルトゥオーゾ的な奇想曲まで、斬新でエキサイティングな音世界をお楽しみ頂きたい。
モーツァルトと彼のヨーロッパ
 C.P.E.バッハ(1714-1788):12の変奏曲 H.263 /ロンド ハ長調 H.260
 J.C.バッハ(1735-1782):ピアノ・ソナタ イ長調 Op.17 No.5
 クレメンティ(1752-1832):ピアノ・ソナタ ヘ短調 Op.13 No.6
 モーツァルト(1756-1791):ピアノ・ソナタ 変ロ長調 K.333 /アダージョ ロ短調 K.540 /
              グルックの主題によるピアノのための10の変奏曲 ト長調 K.455

 アナ・ホミチュコ(P)
 録音:2022年10月24日-27日。 SWR(南西ドイツ放送)の音源を用いたアナ・ホミチュコのデビュー・アルバム!このアルバムでは18世紀の作曲家の作品を集めており、モーツァルトと面識のあったカール・フィリップ・エマヌエル・バッハと、ライバル視していたとされるクレメンティの作品を集めている。作品の違いや共通点はもちろんのこと、作曲家の個性を、そのしなやかでクリアなピアノ演奏で明らかにしていく。ドイツを拠点として活動するロシアのピアニスト、アナ・ホミチュコは、バレンシア国際音楽祭2013音楽賞第1位、アントン・ルビンシテイン国際ピアノコンクール2018第2位などの実績を誇り、YouTubeやInstagramではクラシック音楽のブロガーとしても人気を得ている。
Transcend 〜ギターとアコーディオンのための作品集
 レオ・ブローウェル(1939-):ベートーヴェンによる協奏的変奏曲(2020)、Bomarzos Tales (2022)
 サーシャ・リノ・レムケ(1976-): Atemschaukel (2021) (*)
 エディー・モラ(1965-):ルクス・ノヴァ(2021) / ヘクター・ドックス(1993-):3つの変容(2022)

  ルクス・ノヴァ・デュオ[リディア・シュミードル(アコーディオン) ホルヘ・パス・ベラステギ(G)]
  マルチア・レムケ=ケルン(S;*)
  エディー・モラ指揮ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内o.
 すべて世界初録音。ギターの巨匠レオ・ブローウェルからも絶賛されたギターとアコーディオンのデュオ、ルクス・ノヴァ・デュオのGeniuin3枚目のアルバムは、全曲世界初録音!ルクス・ノヴァ・デュオは、ペルーのギター奏者ホルヘ・パス・ベラステギと、ドイツのアコーディオン奏者リディア・シュミードルによって2012年にバルセロナで結成された。本作の収録曲はすべて彼らのために書かれた2020年以降の作品で、ブローウェルのラテンアメリカ的な色彩からドックスの沈黙の深さを追求した「変容」まで、広大なカラーパレットを楽しめる。
ブラームス:美しきマゲローネのロマンス Op.33
 トマス・キルディシウス(Br)
 アニ・テル=マルティロシアン(P) ヤニケ・リープヴェルト(ナレーター)
 録音:2021年7月。リトアニアとアルメニアのデュオ、トマス・キルディシウスとアニ・テル=マルティロシアンによるブラームスの「美しきマゲローネのロマンス Op.33」全曲録音。このアルバムで「Genuinレーベル」デビューとなる。ルートヴィヒ・ティークの詩に若きブラームスが音楽をつけた美しい歌曲に、ヤニケ・リープヴェルトによるナレーションを加えている。
躍動するリズム
 ヒナステラ:クリオージョ舞踏組曲 Op.15 / ヴィラ=ロボス:ブラジル風連作 W.374
 ムラヴィン・サンディ: Ritmos panteisticos Op.1a / シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集 Op.6

 ホセ・ナバロ=ジルバーシュタイン(P)
 録音:2022年7月21日。アントン・ルビンシテイン・コンクール、クラウディオ・アラウ・ピアノコンクールなど数々の国際コンクールで優勝し、現在はロンドンを拠点に活動している若きボリビアのピアニスト、ホセ・ナバロ=ジルバーシュタインによる「リズム」をテーマにしたアルバム。シューマンの「ダヴィット同盟舞曲集」に南米の作曲家たちの作品を合わせて収録し、ナバロ=ジルバーシュタインは、その卓越した技術で芸術性の高い音楽に仕上げている。
合唱と2つのアコーディオン伴奏〜シューベルト/グレゴール・マイヤー編曲:
  歌曲集「冬の旅」 Op.89, D11(バリトン、合唱と2つのアコーディオン版)
 トビアス・ベルント(Br) ハイディ・シュティーガー、ウーヴェ・シュティーガー(アコーディオン)
 グレゴール・マイヤー指揮ゲヴァントハウス、ライプツィヒcho.
 録音:2022年1月、2023年1月。ゲヴァントハウス合唱団の監督であるグレゴール・マイヤー編曲によるシューベルトの「冬の旅」は非常に珍しい編成となった。バリトンのソロに、合唱団そして2つのアコーディオンという編成。マイヤーはピアノのパートを巧みに2つのパートに分け、2つアコーディオンへと振り分けました。アコーディオンの音色は、驚くほど人間の声、呼吸、叫び、そしてささやきを表現している。またソリストとして参加しているバリトン歌手のトビアス・ベルントは熟練の歌唱を聴かせる。
家の奉献
 ベートーヴェン:「献堂式」序曲 ハ長調 Op.124
 チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 Op.64
 アンドレス・ロイカウフ(1972-):
  南ヴェストファーレン=ファンファーレ(*)
ナビル・シェハタ指揮
南ヴェストファーレンpo.
 録音:2021年5月18日-20日、ベッツドルフ市立ホール、ドイツ| (*):世界初録音。 1957年にジーガーラントo. として発足して以来、ドイツのヴェストファーレン州、ヒルヒェンバッハを拠点に活動するオーケストラ、南ヴェストファーレン・フィルハーモニー。かつて児玉宏も首席指揮者を務めたこのオーケストラは2020年3月に新たな本拠地となる「音楽の家」の建設を開始し、途中建設現場が大規模な水害に襲われるアクシデントがありながらも2023年に完成。それを記念して首席指揮者ナビル・シェハタとの新しいアルバムがリリースされる。ベートーヴェンが新築された劇場のこけら落としのために作曲したまさにこの機会にぴったりな「献堂式」序曲にチャイコフスキーの情熱的な交響曲第5番、そして1972年スイス生まれのドイツ人音楽家、アンドレス・ロイカウフによる快活な「南ヴェストファーレン=ファンファーレ」が初めて録音され、きわめて祝祭的なムードのアルバムとなっている。ナビル・シェハタは1980年、エジプト人の父とドイツ人の母の間にクウェートで生まれ、5歳でドイツへ移住。9歳からコントラバスを始めると2003年に難関ARDミュンヘン国際音楽コンクールで優勝し、翌2004年から2008年までBPOの首席コントラバスとして活躍。様々な名門オーケストラやアンサンブルとともに日本を含む世界各地でツアーやマスタークラスを行ってきた。一方で指揮をクリスティアン・ティーレマンダニエル・バレンボイムらに学び、2007年にドイツで指揮者デビュー。日本のオーケストラの指揮台にも何度も登場している。南ヴェストファーレン・フィルハーモニーには2019年、約200名もの候補の中から選ばれ首席指揮者に就任。新築された「音楽の家」と新しい道を歩み始めたオーケストラを牽引し、今後ますます飛躍してゆくことだろう。
マジカル・クリスマス・ファンタジーズ
 J.S.バッハ: G線上のアリア(管弦楽組曲第3番より)/羊は安らかに草を食み/主よ人の望みの喜びを
 ランゲ:幻想曲「きよしこの夜」/クリスマス幻想曲 / ロベルト・レオナルド:クリスマス幻想曲 Op.99
 カレル・スヴォボダ:灰かぶり姫の3つの木の実 / モーツァルト:きらきら星変奏曲
 J.S.バッハ=グノー:アヴェ・マリア / シューマン:サンタクロース(子供のためのアルバムより)
 チャイコフスキー:行進曲(くるみ割り人形より) / カール・ティーセン:「もみの木」による変奏曲
 フリッツ・ヘルビヒ:クリスマス幻想曲「高き天よりわれは来れ」

 カロリーネ・フィッシャー(P)
 録音:2021年8月21日。ベルリン生まれのピアニスト、カロリーネ・フィッシャーによるクリスマス・アルバム。古いものから新しいものまでさまざまな時代から厳選されたクリスマスにまつわる作品をソロ・ピアノで美しく紡ぎあげる。J.S.バッハの「(G線上の)アリア」に始まり、「きよしこの夜」、「主よ、人の望みの喜びを」やくるみ割り人形の「行進曲」など誰でも知っているメロディも、スタインウェイ国際ピアノ・コンクールなど様々な賞に輝き、国際的に活躍しているフィッシャーの瑞々しいタッチで新鮮にそして時には神秘的に響く。クリスマス・シーズンにじっくりとお聴きいただきたい1枚となっている。
in:cantando
 ヒンデミット:ヴァイオリン・ソナタ Op.31 No.2 / ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ Op.24 No.5
 ヘンリク・ヴィエニャフスキ:グノーの歌劇「ファウスト」による華麗な幻想曲 Op.20
 R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」 Op.59 〜ワルツ・シークエンス

 アンネ・ルイーザ・クラム(Vn) ジョンファン・キム(P)
 録音:2023年3月。ドイツ国際コンクールは多くの偉大なアーティストのキャリアを支援してきた。2022年優勝者のドイツのヴァイオリン奏者アンネ・ルイーザ・クラムもこのコンクールがきっかけとなり今回のアルバムのリリースとなる。このアルバムでは彼女の高い音楽スキルを存分に発揮できるプログラムが選ばれており、難曲ばかりが選ばれているが、この若いアーティストは見事に表現している。伴奏は数々のコンクールで受賞しているジョンファン・キム。
Per aspera ad astra
 J.S.バッハ/ブラームス編曲:シャコンヌ
  (無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV.1004 より|左手ピアノのための)
 ブラームス:7つの幻想曲 Op.116 / シューマン:クライスレリアーナ Op.16

 アンドレイ・デニセンコ(P)
 録音:2023年3月15日-17日。日本でもコンクールやリサイタルを行ったことのある、1992年ロシア生まれのピアニスト、アンドレイ・デニセンコはロシアとドイツのコンクールで受賞経験があり、高く評価されている。今回のアルバムでは、J.S.バッハ、シューマン、そしてブラームスの作品に取り組み、力強さと明晰さを兼ね備えた素晴らしい演奏を披露している。
GEN-24853
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(2CD)
ドヴォルジャーク:交響曲集/他
 交響詩「水の精」 Op.107 /
 交響曲第3番 変ホ長調 Op.10 /
 交響詩「真昼の魔女」 Op.108 /
 交響曲第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」
ナビル・シェハタ指揮
南ヴェストファーレンpo.
 録音:2021年5月18日-20日、ベッツドルフ市立ホール、ドイツ。1957年にジーガーラントo. として発足したドイツのオーケストラ、南ヴェストファーレン・フィルハーモニー。かつて児玉宏も首席指揮者を務めたこの楽団は2023年に新しい本拠地が完成し、それを記念しGenuinレーベルからチャイコフスキー:交響曲第5番のディスクをリリースしていたが、今回はその続編としてドヴォルジャークの「新世界より」をリリース!交響曲第3番と2つの交響詩をカップリングし、首席指揮者ナビル・シェハタとそのタクトに機敏に反応するオーケストラの抜群の関係性を存分に発揮している。ナビル・シェハタは1980年、エジプト人の父とドイツ人の母の間にクウェートで生まれ、5歳でドイツへ移住。2003年に難関ARDミュンヘン国際音楽コンクールのコントラバス部門で優勝し、翌2004年から2008年までBPOの首席コントラバスとして活躍した。一方で指揮をクリスティアン・ティーレマンやダニエル・バレンボイムらに学び、2007年にドイツで指揮者デビュー。日本のオーケストラにも客演経験がある。南ヴェストファーレン・フィルハーモニーには2019年、約200名もの候補の中から選ばれ首席指揮者に就任した。
メタモルフォシス
 ルネ・クワン(1857-1935): The Flow of Time (*) / Imperceptible Change (*)
 エルガー:「エニグマ変奏曲」より〔主題/第1変奏/第2変奏/第5変奏/第8変奏/第7変奏/第9変奏〕
 ミカエラ・リア・カトラニス(1985-): The Space Surrounding (*)
 マーティン・ドノソ・ヴェラ(1991-): En Naufragio Hacia la Anoranza (*)

 デュオ・アマービレ[パウラ・ブレランド(Cl) アンナ=カタリーナ・シャウ(アコーディオン)]
 録音:2022年12月13日-16日、ベルリン、ドイツ| (*):世界初録音。クラリネット奏者のパウラ・ブレランドとアコーディオン奏者のアンナ=カタリーナ・シャウによって2016年に結成されたデュオ・アマービレは古楽から現代音楽まで幅広い楽曲をレパートリーとしている。このアルバムには、ルネ・クワン、ミカエラ・リア・カトラニス、マーティン・ドノソ・ヴェラがこのデュオのために作曲した新作と、エルガーのエニグマ変奏曲(抜粋)が組み合わせられている。
憧れと情熱
 ブラームス:クラリネット・ソナタ ヘ短調 Op.120 No.1
 イェルク・ヴィトマン(1973-):5つの断章
 シューマン:幻想小曲集 Op.73
 ヘルムート・アイセル(1955-)/
  セバスティアン・マンツ(1986-)編曲:
   イスラエル組曲
メドレーリュウタ・
 コバヤシ(Cl)
ユリアン・エマニュエル・
 ベッカー(P)
 録音:2023年8月8日-10日、フランクフルト、ドイツ。クラリネット奏者のリュウタ・コバヤシは2003年にドイツ、デトモルトで生まれ、父親からクラリネットの手ほどきを受けた。ドイツ国内外のコンクールでの数々の受賞を経て、2022年にボンで開催されたドイツ音楽コンクールでは複数の賞を受賞している。また2023年には若干19歳にして、ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送po. の首席クラリネット奏者に就任、今、目が離せないアーティストのひとり。19世紀と20世紀の作品を織り交ぜたこのアルバムでは、2023年のセント・オールバンズ国際オルガンコンクールで最年少出場者として第2位と聴衆賞を受賞したオルガン奏者でピアニストのユリアン・エマニュエル・ベッカーがピアノ伴奏を務めている。
エレメンツ
 ヤコブ・クレメンス・ノン・パパ: Ego flos campi / アグネ・アグネテ・マジュリエネ: Kleine Wunsche
 ミヒャエル・オストシガ: Tall Trees Grove, March 1st 2016
 トマス・モーリー: Hard by a Crystal Fountain / Fyre, Fyre! / バード: This Sweet and Merry Month of May
 ラウラ・マルコーニ: Vorrei / ジェズアルド: Tristis est anima mea
 オルランドゥス・ラッスス(1532-1694): Lagrime di San Pietro / ブラームス:3つの歌 Op.42
  F. H.ボーテ(マックス・レーガー): Es waren zwei Konigskinder
 メンデルスゾーン: Psalm2、Warum toben die Heiden / シュテファン・ホイケ:追憶, Op.100

 ケルン・ヴォーカルゾリステン
 録音:2022年9月20日-23日。ケルン・ヴォーカルゾリステンは6声からなるヴォーカル・アンサンブル。彼らはこのアルバムで16世紀から19世紀に至る幅広い作品を披露している。中でもミヒャエル・オストシガ、ラウラ・マルコーニ、そしてシュテファン・ホイケの作品は世界初録音となっている。彼らの美しいハーモニーでお楽しみ頂きたい。
前奏曲集
 ドビュッシー:
  前奏曲集第2巻より Nos.1, 3-4, 6, 10, 12
 ショスタコーヴィチ:24の前奏曲 Op.34
 マルタン:8つの前奏曲
エリザヴェタ・ドン(P)
 録音:2020年7月14日-16日、フリードリヒ=エーベルト=ハレ、ハンブルク、ドイツ。モスクワに生まれハンブルクを拠点に活動、これまでに17の国際コンクールに入賞し35の国でツアーを開催している多忙なピアニスト、エリザヴェタ・ドンがGenuinからデビュー。ドビュッシーとショスタコーヴィチの有名な2作品に、彼女が絶対的な傑作であると太鼓判を押すフランク・マルタンの1曲を加えたセンスが際立つ「前奏曲集」。最高の音楽体験が保証された38トラックの旅にリスナーを招待する。
フロム・ホーム・ウィズ・ラヴ〜ブラジル、スロヴェニア、ドイツの作曲家による作品集
 ヴィラ=ロボス:前奏曲 Op.20 No.2 / ブラシュ・プチハール(1977-):サマー・ソナタ Op.8
 ブラームス:チェロ・ソナタ第1番 ホ短調 Op.38 / ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番 W 389 〜アリア
 ウルシュカ・オレシッチ(1981-):リトル・ダイヤモンド (*)
 アンドレ・メマーリ(1977-):チェロとピアノのためのブラジル組曲
 シキーニャ・ゴンザーガ(1847-1935): Feijoada do Brasil / Roda Yoyo / Gaucho - Corta Jaca
 ヴィラ=ロボス: O Canto Do Cisne Negro W 122

 カーチャ・ザコトニク(Vc) ナイラ・アルヴァレンガ・ラーマン(P)
 録音:2023年5月25日-28日、フランクフルト、ドイツ| (*):世界初録音。スロヴェニア出身のチェリスト、カーチャ・ザコトニクとブラジル出身のピアニスト、ナイラ・アルヴァレンガ・ラーマンによるこのアルバムには、それぞれの故郷の音楽とドイツの音楽が収録されている。スロヴェニアの作曲家ウルシュカ・オレシッチの「リトル・ダイヤモンド」は世界初録音となっている。
ブリリアンツ
 シューマン(1810-1856):謝肉祭 Op.9 / ヨハネス・オーバーマイヤー(1998-):「A-S-C-H」の主題による変奏曲
 ラヴェル(1875-1937):高雅で感傷的なワルツ
 ショパン(1810-1849):練習曲〔変ト長調「黒鍵」 Op.10 No.5 /変ト長調「蝶々」 Op.25 No.9 〕/
            「3つの新しい練習曲」〜第2番 変イ長調
 レオポルド・ゴドフスキー(1870-1938):「ショパンのエチュードによる53の練習曲」より Nos.7, 12, 47, 45

 ヨハネス・オーバーマイヤー(P)
 録音:2023年4月25日-27日、ウルベルク教会、ベルリン、ドイツ。ARDミュンヘン国際音楽コンクールでカール・ベヒシュタイン特別賞に輝いたことを記念して収録されたこのアルバム。受賞者のヨハネス・オーバーマイヤーは幼少期から特別な才能を持ち多才な音楽家だった。5歳からピアノのレッスンを受け、8歳でサックス、3年後にトランペットを習い始めた。このアルバムのタイトルのように「輝かしい」ピアノの音色を持つオーバーマイヤーのデビュー・アルバムでは、シューマンの「謝肉祭」から始まり、自作の変奏曲、ショパンの練習曲に、難解なことで知られるゴドフスキーの「ショパンのエチュードによる53の練習曲」を取り上げている。
GEN-24861
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(2CD)
ポストスクリプトゥム
  〔編曲:レヴォン・アトフミャン(*)、マリー・ローザ・ギュンター&スタニスラス・キム(#) 〕
 ショスタコーヴィチ:
  2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品〜前奏曲(2つのチェロとピアノのための編曲版)(*/+) /
  スペインの歌 Op.110 (#) /バレエ組曲第2番〜アダージョ(明るい小川) (*)
 レオニード・ゴロホフ(1967-):2つのチェロのためのセレナード(+)
 ショスタコーヴィチ:ユダヤの民族詩から Op.79 より(#) 〔第3曲 子守歌/第9曲 よい暮らし〕/
           チェロ・ソナタ ニ短調 Op.40 /
           ファースト・トレイン〜優しい少女の歌(#) (2つのチェロとピアノのための編曲版)
 アルトゥール・ルリエ(1891-1966):5つのこわれそうなプレリュード Op.1 〜第3番
 ボリス・ティシチェンコ(1939-2010):(無伴奏?)チェロ・ソナタ第1番 Op.18
 ルリエ:ピアノのための「大気のかたち」第1番
 ボリス・ゴルツ(1913-1942):ピアノのための24の前奏曲 Op.2 〜第4番
 アントン・アレンスキー(1861-1906):2つの小品 Op.12
 ガリーナ・ウストヴォーリスカヤ(1919-2006):ピアノのための12の前奏曲 より〔第1番/第7番〕
 ボリス・アラポフ(1905-1992):チェロ・ソナタ

  スタニスラス・エマニュエル・キム(Vc)
  マリー・ローザ・ギュンター(P) レオニード・ゴロホフ(Vc;+)
 録音:2022年2月、9月&2023年1月、ドイツ。ヨーロッパの玄関口として、特にフランス、ドイツ、ロシアの多様な文化が独特に融合した国際都市サンクトペテルブルクの痕跡を音楽で探求するアルバム。ショスタコーヴィチによるスペイン語の歌やユダヤの歌など、外国文化への思慮深いアプローチを象徴する作品に、ボリス・ゴルツ、ガリーナ・ウストヴォーリスカヤ、ボイス・アラポフ、アルトゥール・ルリエらのチェロ作品(一部ピアノ・ソロ)で、政治的抑圧の下で実験的で柔軟な活動を行った作曲家たちの姿を浮き彫りにする。ゴロホフのセレナードと独自の編曲作品は世界初録音。
オルガン作品集
 J.S.バッハ:幻想曲とフーガ BWV.542 /コラール・パルティータ「おお、汝正しくして善なる神よ」 BWV.767 /
         前奏曲とフーガ ハ短調 BWV.546
 ゲオルク・ベーム(1661-1733):コラール・パルティータ「ああ、なんて虚しくて、ああ、なんて儚いのだろう」
 レーガー:コラール幻想曲「目覚めよと呼ぶ声あり」 Op.52 No.2

 グレゴール・マイヤー(Org)
 録音:2003年、2022年、2023年。ゲヴァントハウス合唱団の監督であるグレゴール・マイヤーによるオルガン作品集。J.S.バッハから始まりゲオルク・ベーム、そしてマックス・レーガーまで3つの時代に書かれたオルガン作品を弾き分けている。演奏当時の歴史的背景を活かした演奏の中に演奏者の独自性を持たせた素晴らしい音楽を奏でている。
再発見〜マリア・ヘルツ(1878-1950):
 ショパンの前奏曲 ハ短調
   (Op.28 No.20)による変奏曲 Op.1 /
 12のレントラー(ワルツ) Op.2 /
 ピアノ・ソナタ ヘ短調
オード・サン=ピエール(P)
 録音:2021年、2023年。1878年にケルンで生まれたユダヤ系女流作曲家のマリア・ヘルツの作品集。マリア・ヘルツは第一次世界大戦、第二次世界大戦に翻弄された作曲家の一人だった。彼女はユダヤ系であったこともあり、第二次世界大戦中は迫害されヨーロッパ各地を転々としながら最終的にはアメリカで亡くなっている。最近になってようやく公開された彼女の作品は現在ではあまり知られていないが、生前はその時代の音楽家たちに認められ各地で演奏会を行っていた。そういった作品をカナダのピアニスト、オード・サン=ピエールが再現している。
モーツァルト:交響曲集 Vol.3
 〔第9番 ハ長調 K.73 (75a) /第14番 イ長調 K.114 /
  第20番 ニ長調 K.133 /第24番 変ロ長調 K.182 〕
ヨハネス・クルンプ指揮
エッセン・フォルクヴァング室内o.
 2013年からエッセン・フォルクヴァング室内o. の首席指揮者を務めるヨハネス・クルンプ。両者によるモーツァルトの交響曲集の第3弾が登場した。今回はモーツァルトがわずか13歳で作曲した「交響曲第9番」から始まり、1769年から1773年にかけて作曲された4つの初期交響曲が収録されている。これらの作品は、若かりし頃のものとは思えないほど、充実した内容となっており、聴くものを魅了する。演奏は当時の歴史に基づいた手段を駆使し、完璧なアンサンブルでなされている。今後のリリースも期待せずにはいられない素晴らしいモーツァルト。
朱践耳〔シュ・センジ〕:ピアノ作品集
 前奏曲 Op.4 No.1 /前奏曲 Op.4 No.2 /主題と変奏 Op.6 /世俗的な世界への憧れ Op.115つの雲南民謡 Op.15 /
 子守歌 Op.19 No.1 /リトル・スケルツォ Op.19 No.2 /組曲「イメージズ・オヴ・ザ・サウス」

 謝亞雙子〔 Xie Yashuangzi /シエ・ヤシュアンジ〕(P)
 録音:2022年10月16日-17日。2022年に生誕100周年を迎えた中国の作曲家、朱践耳のピアノ作品集。彼の作品を得意とする謝亞雙子によって演奏されたこのアルバムでは、朱践耳のキャリアの中で作られた様々な時代の作品が含まれている。西洋音楽と中国音楽を制作した作曲家の独自の世界を、完璧なピアノ演奏でお楽しみ頂ける。
透かし模様
 リリ・ブーランジェ:3つの小品〜古い庭から / シモン・ラクス:バラード「ショパンへのオマージュ」
 ラヴェル:「鏡」M.43 〜蛾 / ドビュッシー:版画 / フランク:前奏曲、コラールとフーガ FWV.21

 アドリアーナ・フォン・フランケ(P)
 録音:2023年7月17日-19日。世界的に評価の高いピアニスト、アドリアーナ・フォン・フランケの「Genuin」レーベル、デビュー・アルバムが登場。繊細で詩的な表現に優れた彼女のデビュー・アルバムは、フランスで活動した作曲家の作品を中心にしたものとなった。その明瞭で色彩感のあるピアノの音色で織り成す音楽で聴衆を魅了してくれる。
自然 〜ダヴィド・シャイユ(1971-):作品集
 新生(2021) /シベリウスのピアノに(2020) /鳥(2021) /メキシコ湾流(1998) /ソロ(2018) /
 ヒエログリフ(2022) /森(2022) /砂漠(2022) /シャンポリオンのトンボー(2022)/ 小船(2022)

  ラウラ・ミッコラ(P| Track2, 7, 8, 10) クリストフ・パンティヨンVc| Track3, 5, 6 )
  アーロン四重奏団(track1, 4) モルガン・ラプラス・メルムー、ピエール・トマーシ(Perc| Track 7, 9)
 録音:2009年-2022年、ウィーン&パリ。1971年フランス生まれの作曲家、ダヴィド・シャイユとフィンランドのピアニスト、ラウラ・ミッコラによるプロジェクト、シャイユのモノグラフィック・アルバムの第2弾。フィンランドからイタリア、古代エジプトまで世界中の想像上の風景や空間を巡る一日の旅を没入感のあるサウンドで表現している。
チェルニー4手ピアノ連弾版による「モツレク」
 モーツァルト/フランツ・クサヴァー・ジュスマイヤー補筆完成版/
  カール・ツェルニー編曲:レクイエム K.626 (合唱なし、4手ピアノ連弾版|
   ロバート・レヴィン編曲版アーメン・フーガを、奏者編曲(*)により追加)

 ケアスティン・シュトラスブルク、ユルゲン・アッペル(P)
 録音:2023年7月11日-13日、フェステブルク教会、フランクフルト、ドイツ|当版による世界初ディスク| (*):当版による世界初録音。) 今日も絶大な人気を誇るモーツァルト最後の傑作「レクイエム」はあらゆる音楽家によって様々な編曲が施されてきた。ベートーヴェンに弟子入りし、またリストの唯一の師でもあるカール・ツェルニーもこの作品に魅了され編曲に取り組んだ一人で、ピアノ独奏版やピアノ連弾版を遺している。ツェルニー編曲の4手ピアノ連弾版は合唱やソリスト、ティンパニ等様々な追加のアレンジがなされたものも出版され、過去に録音されてきたのも合唱などを伴ったものがほとんどだった。ここに収録されているそういった追加のアレンジをすべて排除した純粋な4手ピアノ連弾によるヴァージョンは、これまでに自動演奏や配信音源ではリリースされていたが、ドイツのピアニストであるケアスティン・シュトラスブルクとユルゲン・アッペルがピアニスト2人による初のCDレコーディングに挑戦。合唱団や他の楽器がなくともピアノ1台で声楽、オーケストラのパートを完全に表現しており、その明瞭さ、力強さ、芸術性すべてにおいて秀逸なアレンジはツェルニーの持つ技量、そしてツェルニーのモーツァルトに対する敬愛がはっきりと表れている。また近年の補筆に加えられることが多い短いフーガ(アーメン・フーガ)も、ロバート・レヴィンの編曲から奏者が4手ピアノ連弾用にアレンジしたものが加えられており、こちらは世界初録音となる。
夢とトラウマ
 シュルホフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 Op.7 (1913) / ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ(1917)
 ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ(1914) / アンタイル:ヴァイオリン・ソナタ第2番(1923)

 フリーデリケ・シュタークロフ(Vn) エンドリ・ニニ(P)
 録音:2022年11月14日-16日、NDR小ホール、ハノーファー、ドイツ。芸術が激動と革新の時代を迎えた20世紀初頭に生まれた4つのヴァイオリン・ソナタを並置し、それぞれの異なる魅力と音楽性を浮き彫りにする。フリーデリケ・シュタークロフはハノーファー北ドイツ放送フィルの最年少コンサートマスターとしてキャリアをスタート。2023年からはバーゼルso. の第1コンサートマスターを務めている。伴奏のエンドリ・ニニはフレックス・アンサンブルのメンバー。
ボーンカンプ&フレンズ・プレイ・アンリ・ソーゲ(1901-1989):
 花(アルト・サクソフォンとピアノのための)(1985) (*) /
 牧歌的なソナチネ(アルト・サクソフォンとピアノのための)(1963) /
 バラード(セバスティアーン・クーマン編曲|バリトン・サクソフォンとピアノのための)(1960) (*) /
 カンティレーヌ・パストラーレ
  (セバスティアーン・クーマン編曲|ソプラノ・サクソフォンとピアノのための)(1978) (*) /
 アレントゥール・サクソフォニクス(アルト・サクソフォン、2つの木管五重奏とピアノのための)(1976) (*) /
 婚礼の祈り(独奏オルガンのための)(1962) (*) /
 彼は永遠に死ぬことはない(アンドレ・ジョリヴェを悼んで)
  (セバスティアーン・クーマン編曲|ソプラノ・サクソフォンとオルガンのための)(1979)/
 祈り(1人の奏者によるソプラノ、アルト、テナー、バリトン・サクソフォンとオルガンのための)(1976) (*)

 アルノ・ボーンカンプ(ソプラノSax/アルトSax/テナーSax/バリトンSax)
 レオ・ファン・ドゥセラール(Org/P)
 録音:2023年1月30日-31日、ヘット・オルヘルパルク [Het Orgelpark] 、アムステルダム| (*):世界初録音。20世紀フランスの伝統を受け継ぐクラシカル・サクソフォンの巨匠、アルノ・ボーンカンプの新録音。今回はソプラノからバリトンまで4本のサクソフォンを操り、20世紀フランスの作曲家アンリ・ソーゲのサクソフォン作品の魅力を紹介する。サティ、ミヨー、ジョリヴェ、ケクラン、ドビュッシーといったフランスの作曲家のスタイルを融合した作風といわれ、遊び心のあるユニークで活気に満ちた音楽を遺したソーゲの世界初録音作品を多く収録しているほか、他の楽器のために書かれた作品のセバスティアーン・クーマンによるサクソフォンのためのアレンジも聴き物。友人である鍵盤楽器奏者、レオ・ファン・ドゥセラールと共に深い感性でソーゲの音楽の真髄をお届けする。またオランダの音楽院に在籍する優秀な学生で構成され、オランダ管楽アンサンブルによる育成の場でもあるjongNBEが「アレントゥール・サクソフォニクス」に参加している。
一年〜ファニー・ヘンゼル:音楽と文学の出会い
 ピアノのための12の性格的小品「一年」〔後奏曲と6月(オリジナル・ヴァージョン)付〕
 ◆冒頭と曲間に以下の書簡を朗読
  〔 Hochgeehrter Herr und Freund!(フランツ・ハウアーへの手紙[1843年11月24日]より)/
    Felix(フェリクス・メンデルスゾーン=バルトルティへの手紙[1829年5月27日]より)/
    Italienische Reise(フェリックスとセシル・メンデルスゾーン=バルトルディへの
      手紙[1829年9月23日]&旅行記[1840年1月1日]より)/
    Vater(アブラハム・メンデルスゾーンからファニー・ヘンゼルへの手紙[1828年11月14日]
      &ファニー・ヘンゼルからカール・クリンゲマンへの手紙[1820年7月16日、 1829年3月22日]より)/
    Liebste Schwester(レベッカ・ディリクレ、セシル・メンデルスゾーン=バルトルディ
      &メンデルスゾーン・ファミリーへの手紙[1839年12月16日、1839年10月23日、1839年11月28日]より)/
    Venedig(メンデルスゾーン・ファミリーへの手紙[1839年10月13日]より)/
    Hensel(フェリクス・メンデルスゾーン=バルトルディへの手紙[1829年7月6日、1829年7月29日、1829年8月25日]より)/
    Abschied aus Rom(旅行記&レベッカ・ディリクレへの手紙[1840年4月5日]より)

 ソフィア・ヴァイデマン(P) ティンカ・クレフナー(朗読)
 録音:2023年9月、ドイツ。ピアニストのソフィア・ヴァイデマンと女優ティンカ・クレフナーが、ファニー・ヘンゼル(ファニー / メンデルスゾーン)の音楽と文学の出会いを表現。ファニーの人生でもっとも充実した時期のひとつだったとされる1年間のイタリアへの旅の途中と帰国後に書いたピアノのための12の性格的小品「一年」に、ファニーが弟フェリックスやフェリックスの妻セシル、妹レベッカ、父アブラハムらに宛てた手紙や旅行記(日記)を組み合わせたユニークな企画で、その解釈を通じて、19世紀のもっとも重要な女性作曲家であり啓蒙思想家の一人であったファニー・ヘンゼルの生涯と作品を親密に垣間見ることが出来る。
クープラン:コンセール集
 趣味の融合、または新しいコンセール(1724) よりコンセール〔第9番「愛する人の肖像」/第6番/第5番〕/
 王宮のコンセール(1714/15) よりコンセール〔第2番/第4番〕

 エマヌエル・アビュール(Ob/Obダモーレ/コール・アングレ) ダビド・トマス(Fg)
 カルラ・サンフェリクス(バロックVc) ミクローシュ・シュパーニ(Cemb) ブノワ・ファライ(テオルボ)
 録音:2022年8月31日-9月3日、2023年10月5日-6日、フリーデンス教会、マンハイム。アンドレ・ラルドロとハインツ・ホリガーに師事し、バーゼル響、ロッテルダム・フィル、ロンドン響の首席奏者を務めてきたスイス出身の名オーボイスト、エマヌエル・アビュール(エマニュエル・アビュール)が率いるクープランのコンセール集。フランス・バロック音楽のもっとも意義深く重要な作曲家の一人であるフランソワ・クープラン(1668-1733)が、1714年から1724年にかけて作曲した「王宮のコンセール」と「趣味の融合、または新しいコンセール」全14曲のコンセール(フランス・バロックの管弦楽組曲)のうち、5つのコンセールを選択し、ダビト・トマス、ミクローシュ・シュパーニらの優れた仲間たちと協力して美しいコンセールを演奏。スタイル、色彩、テンポを最大限に尊重し、モダーン楽器(オーボエとファゴット)とヒストリカル楽器を組み合わせて使用している。
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バッハ〜エコーズ・オヴ・エターニティ
 J.S.バッハ:羊は憩いて草を食み BWV.208 /フルート・ソナタ第2番 変ホ長調 BWV.1031 〜シチリアーノ/
         主よ、人の望みの喜びよ BWV.147 /神よ、あなたに感謝を捧げます BWV.29 /協奏曲 ニ短調 BWV.974
 ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.141 〜プレスト/ソナタ ホ長調 K.380 〜アンダンテ・コーモド
 J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻第2番〜前奏曲とフーガ ハ短調 BWV.847 /
         フランス組曲第6番 ホ長調 BWV.817
 ボーナスCD; 「バッハ〜スルー・タイム・アンド・サウンド」
  2023年7月23日のライヴ・コンサートより、ピアノと電子楽器(チェンバロ、オルガン、ヴィブラフォン)の演奏

 グオダ・ゲドヴィライテ(P)
 録音:2023年7月23日-24日。リトアニアのクララ・シューマンと呼ばれるピアニスト、グオダ・ゲドヴィライテによるJ.S.バッハとドメニコ・スカルラッティの作品集。彼女は2005年、愛知県で開催された 「愛・地球博」にリトアニア代表として参加した(彼女のバイオでは「日本の名古屋で開かれた万国博覧会」と記載されている)。ボーナスCDではピアノだけではなく、電子楽器(チェンバロやオルガン、ヴィブラフォン)も弾くことで過去と現在の表現で演奏を繰り広げている。
真の喜び〜バロック作品集
 ヨハン・ルートヴィヒ・バッハ:管弦楽組曲 ト長調
 ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第4番 ニ長調 HWV.371, Op.1 No.13
 ルクレール:2本のヴァイオリンのためのソナタ第5番 Op.3 No.5
 J.S.バッハ/マティアス・ミュラー=チャン編曲:
  2声のインヴェンション より Nos.1, 4, 8, 10, 13 (ヴァイオリンとチェロ版)
 ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 ニ短調 RV.407
 サンマルティーニ:2本のアルト・リコーダー(2本のヴァイオリン)のためのソナタ第2番 ヘ長調

 コンソート・リピエーノ・コンチェルティーノ
 録音:2019年5月1日-3日、キリスト教会、ベルヒテスガーデン、ドイツ。著名なオーケストラのメンバーらによって2009年に設立されたアンサンブル、コンソート・リピエーノ・コンチェルティーノが、内なる「真の喜び」を求めて自分たちの考えや感情を輝かしいバロック音楽に注ぎ込む。これらの作品を通して、このアルバムを聴くすべての人が日常生活から解放され、たくさんの喜びを感じてくれることを願っている。このアンサンブルを率いるヴァイオリニスト、マティアス・ミュラー=チャンがアレンジしたヴァイオリン&チェロ版によるJ.S.バッハの「インヴェンション」にも要注目。
マニフェスト・オン・ラヴ
 ヤナーチェク(1854-1928):弦楽四重奏曲第2番「内緒の手紙」
 ドブリンカ・タバコヴァ(1980-):穀物の穂
 シューマン(1810-1856):弦楽四重奏曲第3番 イ長調 Op.41 /もし小鳥ならば Op.43 No.1

 バービカンSQ
 録音:2023年5月23日-25日、11月28日-29日、ライトシュタデル、ノイマルクト、ドイツ。 2022年ARDミュンヘン国際音楽コンクールで見事第1位を獲得したバービカン・クァルテットのデビュー・アルバムが登場。2022年は彼らにとって大きな転機の年だった。第2ヴァイオリンにケイト・マロニーが就任し、4人の演奏者が即座に結びついたことで、独特で甘美な音色が生み出され、彼らの指導者であるエベーヌ四重奏団とギュンター・ピヒラーに認められた。そしてその6か月後には、ARDミュンヘン国際音楽コンクールで優勝を飾り、ドブリンカ・タバコヴァの委嘱作品の最優秀解釈賞などを受賞し、このアルバム・デビューを勝ち取った。このデビュー・アルバムではシューマンの壮大な音楽と、ヤナーチェクの緻密さの両方を見事に表現しており、今後期待されるクァルテットのひとつ。
アウト・オヴ・プレイス
 グリーグ/グリゴリー・ギンズブルク編曲:「ペール・ギュント」第1組曲 Op.46
 コルンゴルト:ドン・キホーテ / シューマン:クライスレリアーナ Op.16

 ニキータ・ヴォロフ(P)
 録音:2023年9月11日-13日。疎外感、世間からの離脱、絶望といったテーマで悲劇的な文学的人物を掘り下げた3人の作曲家のピアノ作品を取り上げた本作。有名な小説に登場する生き生きとした、複雑で、しばしばのけ者にされるキャラクターを取り上げている。ニキータ・ヴォロフの革新的なプログラムには、エドヴァルド・グリーグの「ペール・ギュント」第1組曲の想像力豊かな編曲、エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルトの狂気の理想主義者「ドン・キホーテ」をテーマにした曲、E. T. A. ホフマンの本に登場する悲劇的な指揮者クライスラーを題材としたローベルト・シューマンの「クライスレリアーナ」がある。これらのユニークな「場違い」の人物は、世界中にインスピレーションを与え続けており、ヴォロフは見事な解釈と深い理解で、これらの魅力的な人物に命を吹き込み、時代を超えた関連性を示している。
チャイコフスキーの遺言
 18の小品 Op.72
エフゲニア・ルビノヴァ(P)
 録音:2021年5月6日-8日、ライトシュターデル、ノイマルクト、ドイツ。1977年にウズベキスタンの首都タシケントに生まれ、モスクワでウラジーミル・クライネフやアレクセイ・リュビモフの下研鑽を積み2003年のリーズ国際ピアノ・コンクールで2位入賞を果たしたピアニスト、エフゲニア・ルビノヴァによるチャイコフスキー最晩年の作品「18の小品 Op.72」。死の半年前に作曲されその完成度と内容からまさに「チャイコフスキーの遺言」とも呼ぶにふさわしいこの作品にルビノヴァが新たな命を吹き込む。
キャシー・クリエ〜ピアノ・ポエムズ
 ラヴェル:夜のガスパール
 シューベルト/リスト編曲:糸を紡ぐグレートヒェン D.118 /白鳥の歌 D.957 より〔第11曲 街/第4曲 セレナーデ〕
 コンスタンティア・グルズィ(1962-):イサカ Op.104 (*) / カトリーヌ・コンツ(1976-):マーマレーション(*)
 プロコフィエフ:バレエ「シンデレラ」からの6つの小品 Op.102

 キャシー・クリエ(P)
 録音:2023年10月30日、11月1日、ルクセンブルク・フィルハーモニー室内楽ホール、ルクセンブルク| (*):世界初録音。2015/2016シーズンのECHO(ヨーロッパ・コンサート・ホール協会)ライジングスターにも選出された、国際的に高い評価を得ているルクセンブルク出身のピアニスト、キャシー・クリエがGenuinレーベルに移籍!移籍後最初のリリースとなる本作は、文学、詩、物語からインスピレーションを得て作品を書いた作曲家たちを取り上げ、“作曲家と言語 "の関係に迫る。ラヴェルの「夜のガスパール」やシューベルトの「白鳥の歌」など、文学にインスピレーションを得た象徴的な作品やプロコフィエフの「シンデレラ」で音と言葉の繋がりを呼び起こし、さらにクリエの故郷ルクセンブルクと縁のある2人の女性作曲家の作品を世界初録音している。ギリシャの作曲家コンスタンティア・グルズィの「イサカ」はルクセンブルク・フィルからの委嘱作品で、ギリシャの詩人コンスタンティン・カヴァフィの同名の詩から着想した作品。カトリーヌ・コンツはロンドンの王立音楽大学で教授も務めるルクセンブルク有数の作曲家。「マーマレーション」は鳥の密集飛行を描写し、そこから導かれる詩的認識を探求した作品。
レーガー:無伴奏チェロ組曲全集
 〔第1番 ト長調/第2番 ニ短調/第3番 イ短調〕
クリスティアン・アーベン(Vc)
 録音:2022年1月24日-26日。有名なライプツィヒ・ゲヴァントハウスo. のメンバーであるチェロ奏者、クリスティアン・アーベンによるマックス・レーガーの無伴奏チェロ組曲全集。バロックの壮大さと知的な深み、後期ロマン派のハーモニー、そして見事な対位法。ヨハン・セバスティアン・バッハ以来、マックス・レーガーほど、あらゆる楽器の中で最も人間味あふれる楽器、チェロの独奏の可能性を包括的に探求した人はいない。クリスティアン・アーベンは、この膨大な組曲を細部に至るまで探求し、その音色の複雑さを明らかにする。
ジョイフリー!〜1年で最も楽しい時期のための音楽
 カレル・スヴォボタ:灰かぶり姫の三つの願い / リヒャルト・アイレンベルク:ペテルブルクの橇の旅 Op.57
 ローウェル・メイスン:もろびとこぞりて(*) / アドルフ・アダン:さやかに星はきらめき / 伝承曲:世の人忘るな(*)
 メルヒオール・フランク:もみの木(*) / 伝承曲:ひいらぎかざろう(*) / レーガー:素朴な歌 Op.76 〜マリアの歌
 トーマス・ヘルモア:ウェンセスラスはよい王様 /  ヨハン・アブラハム・ペーター・シュルツ:さあ、おいで子供たち
 ジェイムズ・ロード・ピアポント:ジングル・ベル / ブラームスの間奏曲と子守歌にちなんだヤエルのための子守歌
 ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」 Op.8 〜冬 / ダニエル・ホール(1996-):アプリシティ(*)
 伝承曲:アメイジング・グレイス/神の御子は今宵しも / シューベルト:アヴェ・マリア D.839
 フランツ・クサーヴァー・グルーバー:きよしこの夜 H.145

 デュオ・ジョヴィーヴォ
 [ファビアン・ブロッホ(ユーフォニアム/バスTp/アルプHr/ヴンダーHr/P)
  ミュリエル・ツァイター(P/Fl/Vn)]
 録音:2024年1月24日-25日、ドイツ| (*):世界初録音。 ユーフォニアム&アルプホルン奏者のファビアン・ブロッホとピアニスト&マルチ楽器奏者のミュリエル・ツァイターによるデュオ・ジョヴィーヴォ。Genuin第3弾は、魅惑的なクリスマスの名曲アレンジと、イギリスの作曲家、ダニエル・ホールの世界初録音となる作品をカップリング。スイスをはじめヨーロッパ各地でコンサートを行っているデュオ・ジョヴィーヴォは、ピアノとユーフォニアムというメイン楽器の他に、2人のプロフェッショナルな音楽家は、ヴァイオリン、フルート、アルプホルン、ヴンダーホルン(シャーゲル社製バストランペット)など、様々な楽器を巧みに用いて、音楽的な限界を設けず、クラシック音楽とジャズの垣根を越えて即興演奏や実験的な試みをプログラムに組み込んでいる。本アルバムでもその柔軟性に富んだ音楽性で、「もみの木」のような伝統的な曲から、「ペテルブルクの橇の旅」のような古典的な曲、そして、「灰かぶり姫の三つの願い」まで、情感とグルーヴに溢れ、スウィングと魅力に満ちたクリスマスのひと時をお届けする。
現代アフリカのピアノ作品集
 クレア・ラヴデイ(1967-):ヨハネスブルク練習曲第1番&第2番
 アンディル・クマロ(1978-): Schau-fe[r]n-ster II
 カラー・ミー・インチディ・オビジアク(1990-):霧深い朝の散歩
 エズラ・アバテ・イマム(1961-):5つの短いピアノ小品
 ボンガニ・ンドダナ=ブリーン(1975-): Isiko
 アンドレ・バンガンブラ・ヴィンドゥ(1953-):子守歌(ピアノのための組曲より)

 ヤン・ゲルデス(P)
 録音:2023年11月30日-12月2日、エルベルク教会スタジオ、ベルリン。南アフリカ、エチオピア、ナイジェリア、コンゴ共和国出身の6人の作曲家による、1987年〜2022年に作曲されたピアノ作品の数々を、世界中を旅し伝統と前衛の間を行き来するドイツのピアニスト、ヤン・ゲルデスが紹介する。とてもエキサイティングな作品が並ぶこのアルバムを聴けば、現代アフリカのピアノ作品が国際的に見てもきわめて高いレベルにあることがはっきりとわかることだろう。
オープン〜金管五重奏のための作品集
 ジュロ・ジヴコヴィッチ(1975-):クインテット・ビザンティン(*) / キャシー・ミリケン(不詳):エスパイラル(*)
 モリー・キーン(1979-):ヘアカット変奏曲(*) / マイク・スヴォボダ(1960-):オープン・サークル(*)
 フランシスコ・コーイ(1985-):金管五重奏曲

 ストックホルム・チェンバー・ブラス
 録音:2022年6月-7月、9月、スウェーデン| (*):世界初録音。1988年に5人のスウェーデン人音楽家達によって結成された現代を代表する金管アンサンブルのひとつ、ストックホルム・チェンバー・ブラスは、金管五重奏のための新しいオリジナル・レパートリーの開発に注力しており、これまでに50曲以上の作品を委嘱してきた。その作品の多くは、世界中で最も頻繁に演奏される金管五重奏のオリジナル作品となっている。また、最も名声のあるコンクールの一つである、ナルボンヌ国際金管五重奏コンクールで第一位を獲得している。本アルバムでは、世界トップクラスの音楽家たちが、5人の著名な作曲家(ジュロ・ジヴコヴィッチ、キャシー・ミリケン、モリー・キーン、フランシスコ・コーイ、マイク・スヴォボダ)から特別に委嘱された作品を取り上げている。この五重奏団は、境界を超え、最高レベルのテクニックで新たな音風景を創造する方法を示し、想像力豊かで非常に刺激的な音楽の旅へと誘ってくれるだろう。
人生と愛の歌曲集
 ウド・ベッカー(1956-): Die Welt ist ein offenes Meer / Die Welt ist ein offenes Meer / Die Welt ist ein offenes Meer
 テオ・マッケベン(1897-1953): So oder so ist das Leben / Wir woll 'n doch nicht so tun / Bei dir war es immer so schon
 ゲオルク・クライスラー(1922-2011): Waldemar(Barbara)
 フレデリック・ホランダー(1896-1976): Wenn ich mir was wunschen durfte
 クルト・ヴァイル(1900-1950): Was die Herren Matrosen sagen /ユーカリ/バルバラ・ソング/海賊ジェニー
 ウィリー・エンゲル=ベルガー(1890-1946): In der Bar zum Krokodil
 チャーリー・ニーセン(1923-1990): Ich bin zu mude, um schlafen zu gehen
 トーマス・ピゴール(1956-)&ベネディクト・アイヒホルン(1962-)&ハインリヒ・フォッケ(1967-): Hauptbahnhof
 マルグリット・モノ(1903-1961):愛の讃歌 / アイヒホルン: Was willst du denn in Wien?
 ハンス・ハンマーシュミット(1930-):17Millimeter fehlten mir zum Gluck 、Jene irritierte Auster

 ローラ・ゲルブ[アニカ・ポーリック(S) ミシェル・ベルナルト(P)]
 録音:2023年6月10日。アニカ・ポーリックとミシェル・ベルナルトのデュオ、ローラ・ゲルブ(lola. gelb)の歌曲集。アニカ・ポーリックは主にオペラとオペレッタの分野で活躍する歌手。彼女はその音楽性の高さで、楽曲の細かなニュアンスを伝えることに長けている。ライプツィヒ歌劇場(ライプツィヒ・ゲヴァントハウスo. と共演)、ハレ歌劇場、コットブス州立劇場、オスナブリュック劇場、ライプツィヒ・ミュージカル・コメディ、エストニア現代音楽祭、ベルリン・クラシック・オープン・エアなどの重要な公演に出演し、声楽のコーチとして、ワークショップなども行っている。

 ガーシュウィン/ラーフ・ヘッケマ編曲:パリのアメリカ人
 ベートーヴェン/レナ・イリス・ブレンデル編曲:ピアノ・ソナタ第14番 Op.27 No.2「月光」
 デイヴィッド・ビーデンベンダー(1984-):リフレクション
 グリーグ/ラーフ・ヘッケマ編曲:ホルベルク組曲 Op.40 より

 エアソーヌス五重奏団[Cl/バスCl/Sax/Ob/Fg]
 録音:2022年8月22日-26日、11月1日、ドイツ。2021年に結成されたソーヌス五重奏団は、クラリネット、バス・クラリネット、サクソフォン、オーボエ、ファゴットからなるドイツ初のリード五重奏団。彼らは結成1年目にして既に6つの国際的な賞を受賞し、ドイツのクラシック音楽界で「リード五重奏」のサウンドを開拓するという使命に乗り出している。デビュー盤となる本アルバムでは、ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」、ベートーヴェンの「月光ソナタ」、グリーグの「ホルベルク組曲」の有名な「エア」をこの独自の編成に合わせて編曲したものに加え、2015年にデイヴィッド・ビーデンベンダーが作曲したオリジナル曲「リフレクション」がカップリングされている。この珍しい木管楽器の組み合わせにより、表現力豊かで風通しの良いサウンドが見事に披露されたアルバムとなっている。
クリスティアン・リディル:管弦楽のための音楽
 フルート協奏曲「パンの庭」(1999) /
 交響曲第1番「都市の風景」(1996-98) /
 ファゴット協奏曲「フランスのブラームス」(1994)
ロベルト・ファン・シュタイン指揮
ライプツィヒso./他
 録音:2022年-2023年。すでに「Genuinレーベル」から4枚目の作品集となる作曲家クリスティアン・リディル。2023年に80歳を迎えたポーランド出身の現代作曲家。ロベルト・ファン・シュタインの指揮によってライプツィヒso. が録音したこのアルバムは全て世界初録音。「洗練されたリズムで技術的にも形式的にも完璧」と評価を得ており何度でも聞きたくなる現代音楽。特にフルート協奏曲である「Les jardins de Pan(パンの庭)」は優れた作品。
天才ベートーヴェン〜ベートーヴェン:ピアノ作品集
 ピアノ・ソナタ第4番 変ホ長調 Op.7 /7つのエコセーズ 変ホ長調 WoO.83 /
 スイスの歌による6つのやさしい変奏曲 WoO.64 /「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による7つの変奏曲 WoO.78 /
 失くした小銭への怒り ト長調 Op.129 /ピアノ・ソナタ第21番「ヴァルトシュタイン」 ハ長調 Op.53

 ウルリヒ・ロマン・ムルトフェルト(P)
 録音:2023年9月6日-7日。ドイツの名ピアニスト、ウルリヒ・ロマン・ムルトフェルトが天才ベートーヴェンの作品を厳選し、珍しい曲から有名曲まで収録した。壮大なピアノ・ソナタ第21番「ヴァルトシュタイン」と初期のピアノ・ソナタ第4番を並べ、激情的な「失くした小銭への怒り」と「スイスの歌」や「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」の変奏曲を並べた本作で、ムルトフェルトの洗練された正確なピアノ演奏は、新しい発見と偉大なクラシックの伝統の両方を浮かび上がらせている。
ブラームス:オン・フルート〜ブラームス/アリッサ・ロシウス・ダウスゴー編曲:
  フルートとピアノ版ヴァイオリン・ソナタ集

 〔第1番 ト長調 Op.78「雨の歌」/第2番 イ長調 Op.100 /
  第3番 ニ短調 Op.108 / F. A. E. ソナタ〜第3楽章 スケルツォ ハ短調 WoO.2 〕

 アリッサ・ロシウス・ダウスゴー(Fl) ゲルハルト・フィールハーバー(P)
 録音:2023年12月4日-7日。若きフルート奏者アリッサ・ロシウス・ダウスゴーの「Genuin」レーベル、デビュー・アルバムが登場。ブラームスのヴァイオリン・ソナタを彼女自身がフルート版に編曲し収録するほどの熱の入れようで、これらの曲を秋を思わせるロマンティックな宝物を扱うように、繊細かつ大胆に解釈している。3つの姉妹作品の特徴を細部まで丁寧に浮き彫りにしており、音楽家にとっても聴衆にとっても心躍るレパートリーになっている。
小笠原智子〜ベートーヴェン:後期三大ソナタ集
 ピアノ・ソナタ〔第30番 ホ長調 Op.109 /
         第31番 変イ長調 Op.110 /
         第32番 ハ短調 Op.111 〕
小笠原智子(P)
 録音:2024年3月4日-7日、フライブルク音楽大学、ドイツ。ドイツを中心に活躍する日本人ピアニスト、小笠原智子によるベートーヴェンの後期三大ソナタ集がGenuinレーベルから登場!彼女は今までにベートーヴェンの多くのソナタを演奏してきた中でも後期三大ソナタには特別な意味があると語り、この3曲を形(CD)にしたい、今、この機を外したらいつできるかわからない、という思いと、かつての教え子である録音技師のミヒャエル・ジルバーホルンの協力などもあり今回のレコーディングが実現した。あらゆる面で超越的なこれらの作品を説得力のある解釈で正確かつ繊細に捉えた演奏は圧巻の一言。


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