カール・シュターミッツ(カレル・スタミツ;1756-1801): ヴィオラ・ダモーレ協奏曲第1番 ニ長調 ヴィオラ・ダモーレ協奏曲第2番 ニ長調 ヴィオラ・ダモーレと伴奏合奏によるソナタ 変ホ長調 |
グンター・トイフェル (ヴィオラ・ダモーレ) トーマス・ファイ指揮 ハイデルベルクso. | ||
録音:2002年12月、2003年1月。 モーツァルトとほぼ同世代の作曲家シュターミッツ。渋い中に独特の艶やかさがあるヴィオラ・ダモーレの音色がとても心地よい。グンター・トイフェルはシュトゥットガルト放送交響楽団のヴィオラ奏者で、珍しいヴィオラ・ダモーレの演奏家としても知られている。ファイの伴奏も古楽的要素を取り入れている。 | |||
モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.1 [第5番 ニ長調K.175/第6番 変ロ長調K.238/ 第8番 ハ長調K.246] |
ルドルフ・ブッフビンダー(P)指揮 ウィーンso. | ||
モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.2 [第9番 変ホ長調K.271/第19番 ヘ長調K.459] |
ルドルフ・ブッフビンダー(P)指揮 ウィーンso. | ||
モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.3 [第11番 ヘ長調K.413/第12番 イ長調K.414/ 第13番 ハ長調K.415] |
ルドルフ・ブッフビンダー(P)指揮 ウィーンso. | ||
モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.4 [第14番 変ホ長調K.449/第15番 変ロ長調K.450/ 第16番 ニ長調K.451] |
ルドルフ・ブッフビンダー(P)指揮 ウィーンso. | ||
PH-04006 廃盤 |
モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.5 [第17番 ト長調K.453/第18番 変ロ長調K.456] |
ルドルフ・ブッフビンダー(P)指揮 ウィーンso. | |
PH-04007 廃盤 |
モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.6 [第20番 ニ短調K.466/第21番 ハ長調K.467] |
ルドルフ・ブッフビンダー(P)指揮 ウィーンso. | |
モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.7 [第22番 変ホ長調K.482/第23番 イ長調K.488] |
ルドルフ・ブッフビンダー(P)指揮 ウィーンso. | ||
PH-04009 廃盤 |
モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.8 [第24番 ハ短調K.491/第25番 ハ長調K.503] |
ルドルフ・ブッフビンダー(P)指揮 ウィーンso. | |
PH-04010 廃盤 |
モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.9 [第26番 ニ長調K.537「戴冠式」/第27番 変ロ長調K.595] |
ルドルフ・ブッフビンダー(P)指揮 ウィーンso. | |
モーツァルト: 3台のピアノのための協奏曲 ヘ長調 K.242 2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365 2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448 |
ヴォルフガング・ ブルンナー(Fp)指揮 フローリアン・ビルザク、 レオノーレ・ フォン・シュトラウス(Fp) ザルツブルガー・ホーフムジーク | ||
録音:2003年7月2-3日、9月27日。 複数のフォルテピアノを用いたモーツァルトの作品集。ブルンナーとビルザクは共にウィーン、アントン・ヴァルター製フォルテピアノ・モデルの複製を使用。シュトラウスはケンニッケ・モデルの複製を使用。ザルツブルガー・ホフムジーク(直訳すればザルツブルグ宮廷楽団)のすっきりとした音楽作りも好ましい。 | |||
モーツァルト:ミサ ハ長調 K.257「大ミサ」 他 | バーバラ・シュリック(S) エリカ・シュミット= ヴァレンティン(A) クレメンス・ビーバー(T) トーマス・クヴァストホフ(Br) クラウス・クヌッベン指揮 ケルン・ギュルツェニヒco. リンブルク大聖堂少年cho. | ||
ショパン: ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21(*)/ 幻想曲 ヘ短調 Op.49(*) レスピーギ:交響詩「ローマの松」(+) |
シューラ・チェルカスキー(P;*) ルドルフ・ケンペ指揮 RPO | ||
原盤:RAEDER'S DIGEST。録音:1966年(*)、1964年(+)。 リーダーズ・ダイジェスト録音の復活。ケンペに覇気が漲っていたロイヤルPO時代の代表的録音として知られているもの。チェルカスキーの参加した2曲は、リーダーズ・ダイジェストの音源を多く復刻したCHESKYからはCD化されておらず、久々のCD再発となる。 | |||
シューベルト:ミサ第6番 変ホ長調 D.950 | カミッラ・ニールンド(S) メヒトヒルト・ゲオルク(A) アンドレアス・ワーグナー、 アンドレアス・シューリスト(T) ヨハネス・マンノス(B) ハイコ・ジーメンス指揮 ミュンヘンso. ミュンヘン・モテットcho. | ||
旧 CALIG CAL-51022のレーベル移行再発売。 フィンランドのソプラノ、カミッラ・ニールンドは、1999年からドレスデン国立歌劇場に在籍、シュトラウスなどで評判を上げており、2004年11月のラトル指揮ベルリン・フィルの「フイデリオ」ではレオノーレ役を歌う予定。ハイコ・ジーメンスは北ドイツのシュレスヴィヒ=ホルシュタイン生まれのドイツの指揮者。1998年からミュンヘン・モテット合唱団の指揮者を務めている。 | |||
ヨゼフ・シュミット〜生誕百周年記念アルバム | ヨゼフ・シュミット(T) | ||
ヨゼフ・シュミット(1904-1942)は、現在ウクライナに属するルーマニアの小さな町で生まれた歌手。ベルリンのラジオで歌ったところ人気が出て、ドイツを中心に活躍、アメリカ・ツアーまで行うほどの売れっ子になった。しかしユダヤ系であったため、ナチスの迫害から逃れ合衆国に亡命しようとしたもののうまく行かず、スイスの難民キャンプでわずか38歳で亡くなってしまった。多数の録音を残したため、彼の歌声は特にドイツで戦後も根強い人気が続いているが、亡命が成功していたらショービジネス界で華々しく活躍していのは間違いなかったであろう。 | |||
ヴィヴァルディ: グローリア RV.589(*) サルヴェ・レジナ RV.617(+) スターバト・マーテル RV.621(#) |
マルタ・フィローヴァ(S;*) マルタ・ベナコヴァー(Ms;*) タデウシュ・ストルガワ指揮(*) カルメラ・アポッローニオ、 ダグマール・マシュコヴァー(S;+) エリザベッタ・ アンドレアーニ(A;+) ウラジミール・ドレジャル(T;+) イジー・カレンドツスキ(B;+) フランチェスコ・ファンナ指揮(+) イングリット・ハーバーマン(S;#) マルタ・ベナコヴァー(Ms;#) クルト・アツェスベルガー(T;#) ペテル・ミクラーシュ(B;#) マルティン・ジークハルト指揮(#) ヴィルトゥオージ・ディ・プラハ プラハ室内cho. | ||
録音:1995年(*/#)/1991年(+)。 ヴィヴァルディの宗教曲の中でもポピュラーな3曲をまとめた好企画。指揮者、ソリストはマチマチだが、オーケストラと合唱団は同じ。モダーン楽器の品良いヴィヴァルディが好みならこれはいけるはず。タデウシュ・ストルガワは映画「戦場のピアニスト」で音楽の指揮を担当した人。 | |||
魂を揺さぶる音楽〜おお、大いなる秘蹟 ブスト:アヴェ・マリア(*) パレストリーナ:教皇マルチェルスのミサ〜キリエ(+) ラッスス:ミサ「美しいアンフィトリ」〜アニュス・デイ(+) ラインベルガー:オルガン・ソナタ第1番〜アンダンテ ローリゼン:おお、大いなる秘蹟(*)/ディレトン(*) フォーレ:レクイエム〜ピエ・イエズ(+) J.S.バッハ:カンタータ第147番〜主よ、人の望みの喜びよ シューベルト:アヴェ・マリア D.839 ペルゴレージ:スターバト・マーテル〜 [スターバト・マーテル/クユス・アニマム・ジェメンテン] ローリゼン:おお、光より生まれし光(*) キリレス・クレーク(1889-1962)クレーク: ターベティ・ラウリ(詩篇103による)(*) スナイダー:愛あるところ 伝承曲:茉莉花(江蘇地方の歌)(#)/花落ちて(広東の歌)(#) |
ヨーゼフ・ハンセン 指揮アッカント(cho.)(*) ジェレミー・サマリー指揮 オックスフォード・カメラータ(+)、 スコラ・カントルム・ オヴ・オックスフォード ラン・ラオ(S;#) 他 | ||
ルネサンスから現代まで、魂を揺さぶる音楽ばかりを集めたアルバム。20世紀の最後の10年に現われて瞬く間に合唱ファンを虜にしたローリゼン、そしてブストの作品の清澄な響き、さらにいまや音楽の宝庫であるエストニアの作曲家クレーク)の心洗われる作品、という心憎いまでの選曲。合唱曲やオルガン曲に加え、ラストの2曲ではラン・ラオの美しいソプラノで中国歌曲まで楽しめる。ベートーヴェンやニーチェ、ショーペンハウエルなど大芸術家や哲学者の音楽へのオマージュと心象風景の写真を収めた上製ブックレット付き。プレゼントにも最適。 | |||
ヤナーチェク:弦楽のための組曲/弦楽のための牧歌 ドヴォルザーク:弦楽のためのノットゥルノ ロ長調 Op.40 |
パトリック・シュトループ指揮 アルカータ・シュトゥットガルト | ||
録音:2004年7月。 ヤナーチェクとドヴォルザークの比較的珍しい弦楽合奏作品集。パトリック・シュトループは1947年生まれのドイツの指揮者で、アルカータ・シュトゥットガルトは彼が創設した弦楽アンサンブル。 | |||
ギター協奏曲&ソナタ集 カステルヌォーヴォ=テデスコ:協奏曲第1番 ニ長調 Op.39 トゥリーナ:ギター・ソナタ Op.61 ハイドン:ギターと弦楽のための協奏曲 ニ長調 ソル:グランド・ソロ Op.14 |
フリーデマン・ウットゥケ(G) 二コラシュ・パスケ指揮 ハンガリーco. イーゴリ・ジューコフ指揮 新モスクワco. | ||
録音:1993年10月、1996年9月。 ウットゥケの洗練された語り口、早すぎず遅すぎずのテンポ、しかも弾き崩すようなことは決してしないオーソドックスな演奏が楽曲本来の魅力を引き立てているのがこの録音の一番の魅力といえる。協奏曲→独奏→協奏曲→独奏、時代的には「新」→「旧」としたプログラムでアルバムのまとまりは一層増している。共演者として他のアーティストから人気が高いのもこのCDを聴いたならなるほど頷けるはず。ハイドンの協奏曲のオリジナルは「リュートと弦楽」という編成だが、ギターの特性にあわせたウットゥケの編曲によって実に楽しい聴きものになっている。 | |||
イタリアのギター協奏曲集 カルッリ:ギター協奏曲 イ長調 パガニーニ:ギターと弦楽のためのロマンス イ短調 ヴィヴァルディ:ギター協奏曲 ニ長調 ボッケリーニ:ギターと弦楽四重奏のための五重奏曲 ホ短調 |
フリーデマン・ウットゥケ(G) イーゴリ・ジューコフ指揮 新モスクワco. | ||
録音:1992年、1993年。 ヴィヴァルディからカルッリに至るおよそ200年ほどのイタリアのギター協奏曲を集めたアルバム。かねてより共演を重ねてきたソリストと指揮者、管弦楽が一体となったオーソドックスで爽やかな演奏を楽しめる。 | |||
スペイン舞曲集 グラナドス:スペイン舞曲集 Op.37 No.5 アルベニス:アストゥリアス Op.47 No.5 ソル:魔笛の主題による変奏曲 グランド・ソロ Op.14 ウェドリヒ:ギター・ソナタ ペルナンブーコ:マシセ・チョーロ プホル:悲しみのプレリュード |
フリーデマン・ウットゥケ(G) | ||
録音:1995年6月、2004年10月。 スペインと南米(ブラジル、アルゼンチン)の作曲家の作品を聴き比べることができるアルバム。ペルナンブーコやプホルの南米組の曲は、スペインの作品の暗いパッションとはまた異なった純化されたメランコリーを帯びていて、それがウィットゥケのテンペラメントと殊更に合っているようだ。 | |||
コユンババ ドメニコーニ:コユンババ ヴィラ=ロボス:5つの前奏曲 トゥリーナ:ギターのためのソナタ Op.61 グラナドス:スペイン舞曲第5番 |
フリーデマン・ウットゥケ(G) | ||
録音:1997年、1999年、2003年。 20世紀も押し迫った1990年代にわが国に紹介され、以後ギターソロの定番名曲となったのが、ここで演奏されている「コユンババ」。コユンババとはトルコに実在した隠者の名で、寄せては返すフレーズの繰り返しが心地よい瞑想に誘うかのよう。新時代の名曲をドイツの名ギタリスト、ウットゥケの端正な演奏が引き立てる。 | |||
クレンケSQ〜 モーツァルト:弦楽四重奏曲集 Vol.1 [第14番 ト長調 K.387(*)/第15番 ニ短調 K.421(*)] |
クレンケSQ | ||
クレンケSQ〜 モーツァルト:弦楽四重奏曲集 Vol.2 [第17番 変ロ長調 KV.458「狩」/ 第16番 変ホ長調 KV.428] |
クレンケSQ | ||
クレンケSQ〜 モーツァルト:弦楽四重奏曲集 Vol.3 [第18番 イ長調 KV.464/ 第19番 ハ長調 KV.465「不協和音」] |
クレンケSQ | ||
モーツァルト: 弦楽四重奏曲第20番 ニ長調 KV.499 弦楽四重奏曲第21番 ニ長調 KV.575 「プロシャ王第1番」 |
クレンケSQ [アンネグレート・ クレンケ(Vn1) ベアーテ・ハルトマン(Vn2) イヴォンヌ・ウーレマン(Va) ルート・ カルテンホイザー(Vc)] | ||
ハイドン・セット(PH-04032)につづいて、クレンケ・カルテットのモーツァルトに最新作が登場する。巧みな転調と短調のアクセントが効いたアレグレットや、内省的で奥深いアダージョの魅力で存在感を放つ第20番。被献呈者のプロシャ王がよくしたチェロを念頭に書かれていることや、シンプルで洗練された様式に特徴がある第21番。 クレンケ四重奏団は、メンバーすべてがワイマールのフランツ・リスト音楽大学で学んだ麗しき女性たちによって1994年に結成されたアンサンブル。演奏の美しさはもちろん、ヴィジュアル面でも注目される団体。 | |||
クレンケSQ〜
モーツァルト:弦楽四重奏曲集 Vol.4 〔第22番 変ロ長調 K589/第23番 ヘ長調 K.590〕 |
クレンケSQ [アンネグレート・クレンケ、 ベアテ・ハルトマン(Vn) イヴォンヌ・ウーレマン(Va) ルース・カルテンホイザー(Vc)] | ||
モデルと見まごう美女たちによる弦楽四重奏団クレンケSQ。ワイマールのリスト音楽学校の生徒たちにより1991年に結成され、これまでにリリースしたCDはいずれも高い評価を受けている。今回は「プロシャ王四重奏曲」から第22番と23番。全員が女性とは思えぬ辛口で厳格な演奏は、まるで軍隊のようで、一部の隙も曖昧さのカケラもないのがさすが。ドイツ女性の芯の強さを再認識させる。 | |||
クレンケSQ〜 モーツァルト:弦楽四重奏曲集 Vol.1-3 BOX [第14番 ト長調 KV.387 (*)/第15番 ニ短調 KV.421(*)/ 第16番 変ホ長調 KV.428/ 第17番 変ロ長調 KV.458「狩」/ 第18番 イ長調 KV.464/ 第19番 ハ長調 KV.465「不協和音」] |
クレンケSQ [アンネグレート・ クレンケ(Vn1) ベアーテ・ハルトマン(Vn2) イヴォンヌ・ウーレマン(Va) ルート・ カルテンホイザー(Vc)] | ||
録音:2004年2月&4月(*)/他。 クレンケ四重奏団はワイマールのリスト音楽院を卒業した女性4人によるアンサンブル。1994年にデビューし、着実に力をつけている。驚くほど瑞々しい音色と透明感の優った、甘い音色としなやかな感性が光る繊細な演奏。 | |||
ルドルフ・ショック〜最も美しいオペラ歌手(1947-1953) モーツァルト:「魔笛」〜なんと美しい絵姿 ビゼー:「カルメン」〜[花の歌/私はそこに母を見て] チャイコフスキー:「エフゲニー・オネーギン」〜 どこへ行ってしまったのか、私の青春の黄金の日々よ リムスキー=コルサコフ:「サトコ」〜インド人の歌 オッフェンバック:「ホフマン物語」〜 [クラインザックの伝説/ああ、わが魂がどれほど] ヴェルディ:「トロヴァトーレ」〜 [ただお前にだけわが心は慄く/見よ、薪の恐ろしい火を] マスカーニ:「友人フリッツ」〜真っ赤に熟れて珠のよう プッチーニ: 「トスカ」〜星は光りぬ 「トゥーランドット」〜[泣くな、リュー/誰も寝てはならぬ] マスネ:「マノン」〜目を閉じると マイアベーア:「アフリカの女」〜おお海から現われた楽園よ フロトー:「マルタ」〜ああ、かくも素直で愛らしい ロルツィング: 「ウンディーネ」〜父、母、姉妹、兄弟よ 「ロシア皇帝と船大工」〜さようなら、私の浮気な娘よ |
ルドルフ・ショック(T) ヴィルヘルム・シュヒター指揮 ベルリン・ドイツオペラo. ワルター・ススキンド指揮LPO他 | ||
録音:1947-1953年。 1950年代にドイツ系テノールとして大変な人気を誇ったルドルフ・ショックがまさに成功の階段を駆け上りつつあった時代の貴重なオペラ・アリア集。後に彼はその恵まれた容姿を活かしてスクリーンやブラウン管に活躍の場を替えていったが、このCDではオペラ歌手としてのショックの魅力をたっぷりと味わえる。有名曲目白押しの選曲でドイツ・オペラ界を席巻した甘いテナーを聴けるなんとも贅沢なアルバム。 | |||
祝いの時のための音楽 シャルパンティエ:勝利の行進曲 ヴェルディ:歌劇「アイーダ」〜エジプトの栄光 ヴィヴァルディ: 2つのトランペットのための協奏曲 ハ長調 RV.537〜アレグロ サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン(*)/サパテアード(*) チャイコフスキー:「なつかしい土地の思い出」〜メロディー(*) ドルドラ:思い出(*) ラフ:カヴァティーナ Op.85 No.3(*) ポンセ:エストレリータ(*) クライスラー:愛の喜び(*)/愛の悲しみ(*)/美しいロスマリン(*) イウィエ(+)/チキート/エルサレム/ンバン・サンバ/ ニコシ・シケレラ/3つのアフリカのゴスペル(#) モーツアルト:ラウダーテ・ドミヌム K.339 メンデルスゾーン:結婚行進曲 |
パトリス・フォンタナローザ(Vn;*) ココ・ムバシ(歌;+) 他 ダグラス・ガムリー指揮 シンフォニア・オブ・ロンドン | ||
お祝いのシーンにふさわしい名旋律バロックの壮麗な行進曲に始まり、サラサーテやクライスラーの甘美なメロディをはさんでメンデルスゾーンの結婚行進曲で結ばれるハレの場にふさわしい名曲コレクション。(+)から(#)まではアフリカンテイストやラテンなどのワールドミュージックで思いっきりリラックス。 | |||
パラディージ・グローリア〜スターバト・マーテル プーランク:スターバト・マーテル(1950)(*) シマノフスキ:スターバト・マーテル(1925/1926)(*) ペンデレツキ: スターバト・マーテル(ルカ受難曲 より;1962)(+) リーム: スターバト・マーテル(デウス・パッスス より;1999/2000)(#) |
ジョルジナ・フォン・ベンツァ(S) ヴィオレッタ・ウルマーナ、 イリス・フェルミリオン(Ms) ビルギット・レメート(A) ファビオ・プレヴィアティ(Br) マルチェッロ・ヴィオッティ指揮(*) クシシュトフ・ペンデレツキ指揮(+) ヘルムート・リリング指揮(#) ミュンヘン放送o. バイエルン放送cho. | ||
録音:2000年3月(*)、2001年4月(+)、2002年2月(#)。 聖年西暦2000年に行われ大成功を収めたコンサートシリーズ「パラディージ・グローリア(天国の栄光)」の演目から「スターバト・マーテル」を集めたアルバム。当時ミュンヘン放送管弦楽団の首席指揮者だったヴィオッティが主となり、リリングやペンデレツキ、若杉弘らとともに20世紀の宗教音楽に光を当て、大きな話題となった。戦争に苦しんだ20世紀を反映したプーランクの作品、ポーランド語テクストを用いたシマノフスキ作品、ア・カペラのペンデレツキ作品、リームの無調作の4作品を収録。 ヴィオッティはフェニーチェ劇場との来日公演を控えた2005年2月に倒れ不帰の人となり、多くの音楽ファンが彼の死を悼んだ。 | |||
パラディージ・グローリア〜詩篇 ツェムリンスキー: 合唱と管弦楽のための13の詩篇 Op.24(1935)(*) マルケヴィチ: 詩篇/テヒリム(ソプラノと管弦楽のための(1933)(+) コルンゴルト:過ぎ越しの日の詩篇 Op.30 (ソプラノ、合唱と管弦楽のための;1941)(#) ブロッホ: 詩篇22(バリトンと室内管弦楽のための;1913/1914)(**) |
エレーナ・プロキナ、 エミリー・マギー(S) ヴァンサン・ル・テシール(Br) ペーター・ルジッカ指揮(*) ミュンヘン放送o.(*) ベルリン放送cho.(*) ペーター・ルンデル指揮(+) マルチェロ・ヴィオッティ指揮(#/**) バイエルン放送cho.(#) | ||
録音:2003年3-10月。 マーラーやショスタコーヴィッチの音楽と同じDNAを感じさせるツェムリンスキー、激烈な表現力のマルケヴィッチ作品、宗教曲でありながら後期ロマン派の爛熟した響きが溢れ出るコルンゴルト、ロマン・ロランにささげられたユダヤ的色彩に特徴があるブロッホの作品。 | |||
パラディージ・グローリア フランク・マルタン(1890-1974): オラトリオ「地には平和を」(1944)(*) カンタータ「ピラト」(1964)(+) カンタータ「ゴルゴタの丘」(#) |
クリスティーネ・ブッフェル(S) マルチェロ・ヴィオッティ指揮(*/#) ウルフ・シルマー指揮(+) ミュンヘン放送o. バイエルン放送cho. 他 | ||
録音:2000年(*)、2002年(+/#)、ライヴ。 20世紀の宗教音楽に光を当てるコンサート・シリーズ。スイス生まれのマルタンの主要な宗教音楽作品が収められている。印象派、12音技法を経て独自の思索性の強い世界を構築した作曲家の暗いパッションは、第二次世界大戦終了の日を期して放送された「地には平和を」から、最後に書いたオラトリオ「ピラト」まで一貫して流れている。 | |||
パトリス・フォンタナローザ〜 ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリン小品集 マヌエル・ポンセ(1882-1948):エストレリータ クライスラー(1875-1962):愛の悲しみ サラサーテ(1844-1908): ツィゴイネルヴァイゼン Op.20 No.1 レハール(1870-1948): 「メリー・ウィドウ」 〜Lippen schweigen s'flustern Geigen / パガニーニの主題による幻想曲 クライスラー:美しきロスマリン サラサーテ:スペイン舞曲集 Op.23 〜第2曲「サパテアード」 ドルドラ(1868-1944):思い出 ニ長調 ドヴォルザーク(1841-1904): 我が母の教え給いし歌Op.55 No.4 ラフ(1822-1882):カヴァティーナ ニ長調Op.85 チャイコフスキー(1840-1893): メロディ Op.42 No.3 マルティーニ(1741-1816):愛の喜び |
パトリス・フォンタナローザ(Vn) ダグラス・ギャムリー指揮 シンフォニア・オヴ・ロンドン | ||
J.S.バッハ: カンタータ「われら汝に感謝す、神よ、われら感謝す」BWV.29〜 シンフォニア カンタータ「わが心は血の海に泳ぐ」BWV.199 復活祭オラトリオ BWV.249〜[シンフォニア/アダージョ/アレグロ] カンタータ「すべての地にて歓呼して神を迎えよ」BWV.51 |
ドリス・ハーゲル(S) セイチェント | ||
録音:2002年10月6日-8日。 セイチェントはその名(「600年代」)が示す通り、17世紀のバロック音楽を中心に活動する古楽グループ。彼らの実力が極めて高いことは、冒頭、カンタータBWV.29のシンフォニアのパリッとした鳴りとワクワクするような運動を聴くだけですぐわかる。指揮者なしだが、楽想はみごとなまでに統率されている。 | |||
ザルツブルク・ユヴァーヴム・ブラス〜ザルツブルクの珍しい作品集 [Salzburger Raritäten] ステファノ・ベルナルディ(1577-1637): Sinfonia quarta concertata ゲオルク・ムファット(1690-1770): Sonata 5 Fuga モーツァルト(1756-1791):「後宮からの逃走」K.384〜イェニチェリの行進曲 ヨハン・E.エーベルリン(1702-1762):シンフォニア ト長調〜アンダンテ ハインリヒ・I.F.ビーバー(1579-1704): Fidicinium sacro-profanum ミヒャエル・ハイドン(1737-1806):行進曲 イ長調(ポストホルン独奏) ロマヌス・ヴァイヒライン(1652-1706):ソナタ XI フィリップ・ヤーコプ・リッター(1638-1690):ソナタ á 5 ゲオルク・ムファット:協奏曲 XII 「 Propitia Sydera 」 ステファノ・ベルナルディ: Sonata sesta piena ザルツブルク・ユヴァーヴム・ブラス [ホルスト・ホーファー、エリク・ケルン(Tp) ボスティアン・リポヴセク(Hr) ドゥザン・クラニク(Tb) アウグスト・ポッシュ(Tu)] | |||
録音:詳細記載無し/発売:2004年。 | |||
モニク・アース ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調(*) ドビュッシー:トッカータ第3番(*) バルトーク:ソナチネ(*) ルーセル:ピアノのための3つの小品(*) ラヴェル:ボレロ(+) |
モニク・アース(P) ハンス・シュミット= イッセルシュテット指揮 ハンブルク北西ドイツ放送so.(*) モーリス・ラヴェル指揮 コンセール・ラムルーo.(+) | ||
録音:1949年(*)/1930年(+)。 ラヴェルの演奏に定評のあったモニク・アース(1909-1987)がシュミット=イッセルシュテットと共演。 | |||
マーラー:交響曲「大地の歌」 | シャシュティン・トゥールボリ (キルステン・トルボルイ)(Ms) チャールズ・クルマン(T) ブルーノ・ワルター指揮 VPO | ||
録音:1936年5月24日。 いわずと知れた、戦前のワルター&ウィーン・フィルの伝説的名盤の新復刻。 | |||
グリゴリ・フリート:モノ・オペラ「アンネ・フランクの日記」 | サンドラ・ シュヴァルツハウプト(S) ハンス・デッカート指揮 エムスラント・アンサンブル | ||
録音:2003年11月。 ナチス・ドイツ下のオランダで逃避生活を余儀なくされるなかで綴られた、余りにも有名な日記をテクストとして作曲された独唱オペラの、世界初録音。作曲者のフリート自身も旧ソ連のラーゲリに送られたという経験の持ち主だが、ロシアン・モダニズムの伝統も反映した音楽は思ったほど重くはない。 ソプラノのシュヴァルツハウプトはクラシック界での活躍に止まらず、ポップスのジャンルでもチャートの50位以内にランクするほどの多芸な歌手。ここでは多感な少女の感情の動きを饒舌感なく描き出している。 | |||
ベートーヴェン: 交響曲第3番 変ホ長調「英雄」(*)/ 序曲「コリオラン」(+)/ チャイコフスキー:組曲第3番 ト長調 Op.55〜主題と変奏 |
カール・シューリヒト指揮 BPO | ||
録音:1941年(*)/1943年(+)/1934年(#)。SPからの復刻。 | |||
モーツァルト: 交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」 フャリャ:スペインの夜の庭 ストラヴィンスキー:ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ |
ジャクリーヌ・ブランカール(P)他 エルネスト・アンセルメ指揮 スイス・ロマンドo. | ||
録音:1942年。SPからの復刻。 珍しいアンセルメのモーツァルト。 | |||
モーツァルト: 交響曲第35番 K.384「ハフナー」/ 交響曲第28番 K.200/ 歌劇「劇場支配人」K.486(全曲)(*) |
バーバラ・キルダフ(S;*) エディト・ヴィーンス(S;*) デオン・ファン・デア・ヴァルト(T;*) グイン・ハウエル(B;*) フェルディナント・ライトナー指揮 バイエルン放送so. | ||
録音:1989年6月、ヴュルツブルク宮殿皇帝の間。「ハフナー」には1989年(EN LARMES ELS-04-510)と1988年(000 CLASSICS TH-071)とされる2つの音盤が出ていたが、それぞれ今回と同一演奏の可能性もある。 ヴァントと同年生まれのドイツの巨匠ライトナーが振る得意のモーツァルト。重厚にして肉声部が充実、なおかつヒューマンな味わいは確かに当時「ブルーノ・ワルターの再来」と騒がれただけはある。味わい深いサウンドも魅力。そしてさらに注目は劇場支配人で、全曲が収録されている。1990年代半ばにアーノンクールが名演を録音したが、それ以前の知られざるすばらしい演奏といえる。また、録音もよく、残響豊かなホールの響きが美しくとられて陶然とさせられる。 | |||
ハイドン: 交響曲第6番「朝」/交響曲第7番「昼」/ 交響曲第8番「晩」 |
フェルディナント・ライトナー指揮 バイエルン放送so. | ||
録音:1972年3月28日-30日、ヘラクレスザール、ミュンヘン。おそらく初出となる音源。 ハイドンの傑作交響曲3点セットの「朝・昼・晩」。バイエルン放響によるこの3曲はこれまでCDがなかったそうだが、曲とバイエルン放響の美音がマッチし、ライトナーの指揮のなんとも優雅な指揮のもと、絶品としかいいようのない演奏となっている。音質も良好。 | |||
ヴァント&ギレリス、初出有りか ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」(*) 序曲「コリオラン」/歌劇「フィデリオ」序曲 |
エミール・ギレリス(P:*) ギュンター・ヴァント指揮 ケルン放送so. | ||
録音:1974年12月13日ケルン、放送センター、ライヴ。ステレオ、(*)はSARDANAから発売があったが、マスターからの初復刻。他はおそらく初出音源。 ギレリスとヴァントという夢の様な組み合わせ。ギレリスのうまさ、凄さにも舌を巻くが、特筆すべきはヴァントの気品。ホーエンツォレルンの正しき皇帝を思わせる。音質は大変良好。 | |||
ギュンター・ヴァント・エディション Vol.1 モーツァルト: セレナード第7番 ニ長調K.250「ハフナー」」(*)/ レチタティーヴォとアリア 「私のうるわしい恋人よ、さようなら ・・留まって下さい、ああいとしい人よ」K.528(#) |
エルネ・シェベシュティエーン(Vn) エディット・ヴィーンズ(S;#) ギュンター・ヴァント指揮 バイエルン放送so. | ||
録音:1982年5月21日、ヘラクレスザール、ミュンヘン。バイエルン放送局との共同製作。おそらく(#)は初出となる音源。(*)は同年の録音がFirst Classicsから出ているので、同一のものではないかと思われるが、その場合はマスターからの初発売となる。 地元ドイツのレーベルとしては、初登場となるギュンター・ヴァントのシリーズ。今回のアイテムはバイエルン放送所蔵の音源を使用しているようだ。 没後、日本での人気とは裏腹になかなか目新しい放送音源が登場しなかったヴァントだけに、このシリーズの登場はまことに嬉しい。 | |||
ギュンター・ヴァント、初出あり ストラヴィンスキー: バレエ組曲「火の鳥」(1945年版)(*) バレエ組曲「プルチネッラ」(1949年版)(+) プロコフィエフ: ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 Op.19(#) |
エディト・パイネマン(Vn;#) ギュンター・ヴァント指揮 バイエルン放送so. | ||
1978年10月26日(*)、1981年5月(+)、1983年1月13日(#)、ヘルクレスザール、ステレオ。(#)はおそらく初出となる音源。(*)はFKMからFKM-CDR96で出ている演奏で今回マスターからの初復刻。(+)は EN LARMESから録音年不祥のライヴ(ELS-04-546) が出ており、同一の可能性有。(*)以外の2曲には、(+)は DISCLOSUREから北ドイツ放響との同年9月28日の演奏(DS-0010-2)が、(#)はSOUNDS SUPREMEから1982年のパイネマン&こちらも北ドイツ放響とのライヴ(2S-111)が出ており、演奏時期が近いだけに聞き比べも可能。 ヴァントは「火の鳥」1945年版(フィナーレ・コーダで弦パートがノン・レガートで奏する版)を愛演していたが、意外にもディスク化されたのはこれだけのようだ。リズムの躍動感とヴァントならではの迫力に満ちた表現に打たれる。(+)も得意曲だけに格調典雅。バイエルン放響の風合い豊かなサウンドも堪能できる。(#)がこれまた予想以上の名演奏で、切れ味抜群。録音も素晴らしい。 | |||
ギュンター・ヴァント、初出あり メシアン:神の降臨のための3つの小典礼(*) ウェーベルン: カンタータ第1番(+)/ 管弦楽のための6つの小品 Op.6(#)/ 管弦楽のための5つの小品 Op.10(**) フォルトナー:オーボエと管弦楽のためのアウロディー(++) |
タイニー・ヴィルツ(S;+) ローター・フェイバー(Ob;++) ギュンター・ヴァント指揮 バイエルン放送so. バイエルン放送cho.(*/#) ヴォルフガング・ シューベルト(合唱指揮) | ||
録音:1966年(*/++)、1966年1月21日(+)、1966年5月21日(#)、1968年2月9日(**)、ヘルクレスザール、ステレオ。(*)以外はおそらく初出となる音源。(*)はEN LARMESからELS-01-55として出ている物で、マスターからの初復刻。 BMGにも近現代物のアルバムがあったが、(*)(+)(#)以外はディスク初レパートリー。(+)にはかつてクラブ・フランセーズ・ドゥ・ディスクにヴァント夫人独唱での録音もあった、ヴァントの得意曲。 #レーベルで廃盤となっており、流通在庫限りです。入手出来ない場合はご容赦下さい。 | |||
PH-004058 [PH-04058] 廃盤 |
ギュンター・ヴァント、初出 ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 |
ギュンター・ヴァント指揮 シュトゥットガルト放送so. | |
録音:1979年6月24日 | |||
エフゲニー・コロリオフ〜ハイドン: 変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII: 6 / ソナタ ト長調 Hob.XVI: 11 / ソナタ第23番 ヘ長調 Hob.XVI: 23 / ソナタ第50番 ハ長調 Hob.XVI: 50 / ソナタ第20番 ハ短調 Hob.XVI: 20 |
エフゲニー・コロリオフ(P) | ||
録音:2004年、室内楽スタジオ、シュトゥットガルト。ギレリスと同門でかのネイガウスに師事したコロリオフによるハイドン。ロンドン時代の有名な変奏曲、エステルハージ時代の2つのソナタをはさんで、ディヴェルティメントとも呼ばれる初期のト長調まで、コロリオフの確かな技術は得意のバッハにも通じる存在感。 | |||
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 | カール・シューリヒト指揮 BPO | ||
録音:1938年。 シューリヒトの1930年代の代表的録音の一つ。放送録音を除くとこれがシューリヒトの初のブルックナー録音であった。 | |||
フェルディナント・ライトナー モーツァルト: ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調K.219 (*) ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調Op.26 (#) ベートーヴェン:2つのロマンス(+) [第1番 ト長調Op.40/第2番 ヘ長調Op.50] |
ヴォルフガング・ シュナイダーハン(Vn;*/#) ルドルフ・ケッケルト(Vn;+) フェルディナント・ ライトナー指揮 ウィーンso.(*)、 バンベルクso.(#/+) | ||
録音:1952年(*) /1952年4月28日-30日(#) /1953年2月18日-19日(+) 。 | |||
ライトナー&モニク・アース ブラームス:ハイドンの主題による幻想曲(*) モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調K.488 (#) ヴォルフ=フェラーリ:「マドンナの宝石」より(+) [間奏曲第1番/間奏曲第2番] |
モニク・アース(P;#) フェルディナント・ ライトナー指揮 ヴュルテンベルク州立o.(*)、 BPO(#/+) | ||
録音:1952年(*) /1953年1月23日-25日(#) /1949年4月28日 (+)。原盤:DG (#/+) /他。 | |||
ショパン:ピアノ作品集 バラード ト短調 Op.23/同 ヘ長調 Op.38/ 同 変イ長調 Op.47/同 ヘ短調 Op.52/ 即興曲 変イ長調 Op.29/同 嬰ヘ長調 Op.36/ 同 変ト長調 Op.51/幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66/ ボレロ イ短調 Op.19 |
エフゲニー・ムルスキ(P) | ||
録音:2004年8月13-14日、9月17日。 | |||
ショパン:ピアノ作品集 Vol.2 〜 ワルツ(全20曲;第2番初版付) [第1番 変ホ長調Op.18「華麗なる大円舞曲」/ 第2番 変イ長調Op.34 No.1「華麗なる円舞曲」/ 第3番 イ短調Op.34 No.2/ 第4番 ヘ長調「華麗なる円舞曲」Op.34 No.3/ 第5番 変イ長調Op.42/ 第6番 変ニ長調Op.64 No.1「子犬」/ 第7番 嬰ハ短調Op.64 No.2/ 第8番 変イ長調Op.64 No.3/ 第9番 変イ長調Op.69 No.1「告別」/ 第10番 ロ短調Op.69 No.2/ 第11番 変ト長調Op.70 No.1/ 第12番 ヘ短調Op.70 No.2/ 第13番 変ニ長調Op.70 No.3/第14番 ホ短調/ 第16番 変イ長調/第15番 イ長調/ 第19番 イ短調/第18番 変ホ長調/ 第17番 変イ長調/ 第2番 変イ長調Op.34 No.1 「華麗なる円舞曲」(初版)] |
エフゲニー・ムルスキ(P) | ||
ショパン:歌曲全集(19曲; ドイツ語歌唱) | コンラート・ジャーノット(Br) エフゲニー・ムルスキー(P) | ||
ショパンの歌曲はすべてポーランド語の歌詞により、この言語ならではのリズムと抑揚を生かしているが、ここでは珍しくドイツ語訳による歌唱。1972年生まれのイギリスのバリトンが甘い美声を聴かせてくれる。ショパンの歌曲は女声で歌われることが多いが、「酒宴」や「舞落ちる木の葉」などは男声向きで、その深さに驚かされる。 | |||
ショパン:ピアノ作品集 Vol.3 〜 ポロネーズ集 第1番 嬰ハ短調 Op.26-1/第2番 変ホ短調 Op.26-2 第3番 イ長調 Op.40-1「軍隊」/第4番 ハ短調 Op.40-2 第5番 嬰ヘ短調 Op.44/第6番 変イ長調 Op.53「英雄」 第7番 変イ長調 Op.61「幻想」/第8番 ニ短調 Op.71-1 第9番 変ロ長調 Op.71-2/第10番 ヘ短調 Op.71-3 ト短調/変ロ長調/変イ長調/嬰ト短調/変ロ短調/変ト長調 アンダンテ・スピアナートと 華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22 |
エフゲニー・ムルスキ(P) | ||
ショパン:練習曲 Op.10/練習曲 Op.25 3つの新しい練習曲(遺作) [ ヘ短調/ 変ニ長調/ 変イ長調] |
エフゲニー・ムルスキ(P) | ||
2010年のアニヴァーサリーに向けてProfilで進行中のムルスキーによるショパン・シリーズ。ムルスキーは1975年ウズベキスタンのタシケント生まれ。ガヴリーロフやリュビーモフ、シチェルバコフを教えた名教師レフ・ナウモフに師事、コブリンとは同門にあたる。1994年ロンドン国際ピアノ・コンクール第1位。そして、過去6年間に2000年にオスロで開かれた権威あるグリーグのコンクールほか、2001年にはブレーメン・ピアノ・コンクール、2002年にナポリ・デンツァ・ピアノ・コンクールと幅広く賞を獲得している。第1弾のバラード集(PH-04065)もそうだったが、抜群のテクニックであざやかに聴かせる。 | |||
エフゲニー・ムルスキー〜ショパン Vol.5 ショパン: スケルツォ 全曲 [第1番 ロ短調Op.20/第2番 変ロ短調Op.31/ 第3番 嬰ハ短調Op.39/第4番 ホ長調Op.54]/ 幻想曲 ヘ短調Op.49/ 子守歌 変ニ長調Op.57/舟歌 嬰ヘ長調Op.60 |
エフゲニー・ムルスキー(P) | ||
録音:2007年7月26日-28日、NDRハノーファー、放送局スタジオ大ホール。 004年(代理店記載ママ)のバラード全集(PH-04065)以来、2010年ショパン生誕200周年のアニヴァーサリーに向けて注目を集めるムルスキーによるシリーズ第5弾。スケルツォ第2番に聴く、スタインウェイDを鳴らし切る豪腕は、ガヴリーロフやリュビーモフ、シチェルバコフを世に送り出した名教師レフモフ(代理店記載ママ; おそらくレフ・ナウモフの誤り)によって鍛えられたもの。加えて磨き抜かれた美音も強烈な魅力。NDRハノーファーとの共同制作。 | |||
ショパン・エディション Vol.8〜前奏曲集・変奏曲集 前奏曲全曲〔24の前奏曲集Op.28/嬰ハ短調Op.45/変イ長調〕/「スイスの少年」による変奏曲 ホ長調KK.IVa-4 / 変奏曲「パガニーニの思い出」 イ長調KK.IVa-10 /エロルドの主題による華麗なる変奏曲 変ロ長調Op.12 / 「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲 変ロ長調Op.2 (ピアノ独奏版)(*) エフゲニー・ムルスキー(P) | |||
録音:2009年11月、2010年12月、シュトゥットガルト。(*)は通常管弦楽伴奏付きで演奏されるが、当盤ではピアノ独奏版で収録されている。 | |||
ショパン:ピアノ・ソナタ 全曲〔第1番 ハ短調 Op.4 /第2番 変ロ短調 Op.35 /第3番 ロ短調 Op.58 〕
エフゲニー・ムルスキー(P) | |||
録音:2011年9月、大ゼンデザール、SWRハノーファー。1975年タシケント生まれのウズベキスタンのピアニスト、ムルスキーを起用した Profil 社ショパン・エディション第9弾。モスクワ音楽院でレフ・ナウモフ(リュビモフ、カヴリーロフ、コブリンらの師)に師事した後、ステーン=ノックレベルグやハンス・ライグラフにも就いて研鑽を重ねた。遅めのテンポでじっくり歌い込んだ演奏は独特。 | |||
ロルツィング:歌劇「刀鍛冶」 | ジョン・トムリンソン (B;ハンス・ シュタディンガー) ルート・ツィーザク (S:マリー) ボイエ・スコウフス (Br:騎士グラーフ・ フォン・リーベナウ)他 レオポルド・ハーガー指揮 ミュンヘン放送o. バイエルン放送cho. | ||
録音:1992年3月6日-13日。旧 CALIG レーベルから発売されていた音源(廃盤)の移行再発売。 「皇帝と船大工」などのドイツ・ロマン主義の薫り高いオペラで知られるロルツィング。この「刀鍛冶」は1846年にライプツィヒで初演され、大変な人気を博したオペラ。ドイツでは今でも地方都市でたまに上演されている。ロルツィングらしいツボを抑えた音楽が楽しい。トムリンソン、ツィーザク、スコウフスという豪華キャストに、ベテランのハーガーの指揮で磐石の出来栄え。全曲録音は他にEMI盤があったが、長くく廃盤なのでこのCDの復活は嬉しい。 | |||
シューベルト: ピアノ五重奏曲 イ長調 D.667「ます」 ピアノ三重奏曲 変ホ長調 D.897「ノットゥルノ」 |
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(P) ヤン・ポスピカル(Vn) ヴォルフガング・クロス(Va) ヴィルフリート・レーム(Vc) エルンスト・ ヴァイセンシュタイナー(Cb) | ||
原盤:CALIG。 指揮者サヴァリッシュがピアノの名手であることはつとに知られており、歌の伴奏のみならず、アンサンブルにもしばしば加わっている。「ます」にはエンドレス四重奏団と共演したCDもあった。 | |||
コルンゴルト:ピアノ作品集 ソナタ第1番 ニ短調/同第2番 ホ長調 Op.2/ 同第3番 ハ長調 Op.25/ 子供のための4つの小さな絵 Op.19/ シュトラウス物語 Op.21 |
ミヒャエル・シェーファー(P) | ||
以前CALIG CLASSICS でCD発売されていた録音の復活。コルンゴルトの3つのピアノ・ソナタには他にも録音があるが、このアルバムはさらに愉快な「子供のための4つの小さな絵」と 「シュトラウス物語」を収録しているのが大きな魅力。ことにシュトラウス一家のワルツを素材にした後者はコルンゴルトらしい作品。ミヒャエル・シェーファーは1956年生まれのドイツのピアニスト。 | |||
ディアベッリ: 軍隊風ロンド Op.150/スケルツォ Op.151 No.1/ ソナチネ Op.68/ロマンツェ/ソナチネ Op.163 No.6/ ギターとフォルテピアノのための小品 Op.10/ 華麗な大ソナタ Op.102/ ミヒャエル・ハイドンを悼むギターのための葬送行進曲 Op.20/ ギター・ソナタ Op.29 No.1/ワルツと変奏曲 |
ザルツブルク・ホーフムジーク [ヴォルフガング・ブルンナー、 レオノーレ・フォン・ シュタウス(Fp) クラウス・ヤッケレ(G)] | ||
録音:2000年11月。 時は19世紀初め、所はハプスブルク家の統治するオーストリア帝国の首都ウィーンでは、資本主義の発展で中産階級が勃興しつつあった。ゆとりある生活を実現した彼ら裕福な市民たちが夢中になったのがこのCDに収められているような家庭内での演奏会。「夜11時以降の演奏を禁ず」というお触れをお上が出さなければならないほどの大流行となり、やがてウィーンは「音楽の都」としての地位を確固たるものにしていった。 現在ではピアノやギターの練習曲にその名を残しているディアベッリは音楽出版業者として成功しただけあって、トレンドを読む力は抜群。そこで彼もここにあるようなピアノ連弾やギターとピアノの編成、ギター・ソロなどの家庭向け編成の曲を書いたというわけである。ウォルフガング・ブルンナーの監修による当時を思い起こさせる響きが、聴き手を1830年頃のウィーンのサロンへと誘う。 | |||
PANGEA〜フォー・ステップス・イン・ヘヴン ヨゴロ・マッサ 第1部/グラウンド/オーム・マニペメ・フーム/ ブルガリア組曲/ガヤトリー・マントラ/ フォー・ステップス・イン・ヘヴン/ヨゴロ・マッサ 第2部 |
PANGEA [マリオン・ココット ステファン・ヤーゲマン クリストフ・レンナー] アリ・ケイタ・バラフォン (ゲスト) | ||
国内輸入元はクラシックとして案内しているが、レーベルによれば「クラシックとジャズ」の中間に位置するアイテム。アフリカン・テイストがあればアジアの神秘な響きもあり、マイルスに奉げたとおぼしきピースもある肩の凝らないハッピーな世界がここにはある。五大陸の元になった一つの大きな大陸パンゲアの名をいただくグループの楽しいパフォーマンス。 | |||
VISIONS〜J.S.バッハ、オルガン作品と展開 ティム:WK 1 Cm J.S.バッハ:前奏曲とフーガ BWV.543 ティム:a-m‐Samba ティム:WK 1 E J.S.バッハ:キリストは立ち上がり BWV.627 ティム:キリストは立ち上がり ティム:WK 1 C#m J.S.バッハ:トッカータとフーガ BWV.565 ティム:d-m Swing / d-m Samba |
ダーヴィット・ティム(Org) レイコ・ブロッケルト (A-Sax、A-Fl) | ||
録音:2002年11月、ライプツィヒ、聖トーマス教会。 指揮者・ピアニスト・オルガン奏者として活躍する多才の人ダーヴィット・ティムが、バッハのオリジナル音楽の演奏とジャズのイディオムによるその展開を行ったアルバム。編曲者自身が見事なオルガン演奏でオリジナルの演奏も披露していることがユニークなポイントで、一枚で「本歌」と「本歌どり」を楽しめる興味深い内容。 | |||
インサイド・アウトサイド〜スピリチュアル・スタンダード クリスタルレイン/涙の流れるままに/予言者/サラバンド/ 愛の始まり/ある日の平和な魂の生活/マラソンマン/ 川はそこを流れる/無窮動/クリスタル・レイン/他(全16曲) |
マルクス・ブルガー(P) ヤン・フォン・クレヴィツ(Sax) | ||
録音:2004年6月。国内輸入元はクラシックとして案内しているが、ジャズ系のアイテム。 それは滴り落ちる雨の響きで始まり、雨の響きで閉じられる。癒しの調べもあれば、実験音楽のような作品もあり、古典にインスピレーションを得た作品もある。こう書くとしかつめらしい音楽と思われるかもしれないが、病を瞑想で克服したブルガーの音楽は、聴き手を内省の安らぎへと誘ってくれる穏やかな陽だまりのような音楽である。ピアノとサックスが織りなす安らぎのひと時。 | |||
パールマンの「チャイ・コン」 チャイコフスキー: ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.35 (*)/ 弦楽セレナード ハ長調Op.48 (#) |
イツァーク・パールマン(Vn;*) アルフレッド・ ウォーレンステイン指揮(*) LSO (*) ギルバート・ヴァルガ指揮(#) シュトゥットガルト室内o.(#) | ||
ビゼー: 交響曲第1番 ハ長調(*) 「アルルの女」組曲第1番&第2番(+) |
シャルル・ミュンシュ指揮(*) チャールズ・ゲルハルト指揮(+) RPO | ||
録音:1963年。原盤:Reader's Digest。(*)はCHESKYから発売されているが、(+)は初CD化か。 ミュンシュはビゼーの交響曲第1番を2回録音しているが、この古い方の録音の方が圧倒的に人気が高い。ミュンシュの充実振りが感じられる覇気のある演奏は、いまだこの交響曲の録音中では一、二を争う人気がある。チャールズ・ゲルハルト(1927-1999)は指揮者以外にプロデューサーとしても知られた人。コルンゴルトの映画音楽録音でも知られている。 | |||
メンデルスゾーン: 弦楽四重奏曲第1番 変ホ長調 Op.12 同第4番 ホ短調 Op.44 No.2/フーガ集(4曲) |
フォーグラーSQ | ||
録音:2004年7月。 2005年で結成20周年、既に大ベテランのドイツの弦楽四重奏団、フォーグラーのメンデルスゾーン。古き良き質実剛健のドイツ魂で知られる団体だけに、このメンデルスゾーンも木目調のぬくもり、こ洒落た雰囲気なんて皆無のひたむきさには引き込まれる。 | |||
汝ら羊飼いたちよ、急ぎ来たれ〜 ザルツブルク大司教宮殿におけるキリスト生誕の音楽 ヨハン・ミヒャエル・ハイドン: カンタータ「汝ら羊飼いよ、急ぎ来たれ」 ビーバー:田園のソナタ ゴーラー:羊飼いの歌 アドルガッサー:アリア「去れ、高き石柱」 モーツァルト:教会ソナタ 変ホ長調 K.67 リップ:アリア「われを許したまえ、最も美しき子よ」 ヨハン・ミヒャエル・ハイドン: 「アダムの子のなんとわれらの癒しとなることか」 ヨハン・ミヒャエル・ハイドン:「最も聖なる夜」 レティヒ:「さあ今こそ慕え」 ビーバー:ロザリオのソナタ「キリストの顕現」 レティヒ: 「汝の住まいの牡牛とロバ」/「おおマリア、御身を思うとき」 ビーバー:ロザリオのソナタ「キリストの誕生」 ストミウス:「イエス・キリスト、御身に誓う」 ストミウス:「ベツレヘムに生まれし御子」 |
ウォルフガング・ブルンナー指揮 ザルツブルク・ホーフムジーク | ||
録音:1995年7月。 ピリオド楽器を使用し作曲時の音色の再現を目指す1991年結成のアンサンブル、ブルンナー指揮のSHMが送る一味違ったクリスマス音楽集。16世紀初めから19世紀初めまでザルツブルク大司教座で演奏されていた音楽が収められているが、ドイツバイオリン音楽の父ビーバーの「キリストの誕生」を初め、小編成の器楽と声楽ソロの組み合わせで聴くこのテの音楽はまた格別。高名な兄より5歳下のヨハン・ミヒャエル・ハイドンの曲もアルバムタイトル曲に選ばれるのにふさわしい逸品。兄と同様活力溢れた快活な作風だ。 | |||
PH-004093 [PH-04093] 廃盤 |
クラウス・テンシュテット ブルックナー:交響曲第3番 ニ短調 |
クラウス・テンシュテット指揮 バイエルン放送so. | |
録音:1976年11月4日-5日、ミュンヘン、ライヴ、ステレオ。以前Bells of Saint Florianから出ていた物だが、今回マスターからの初復刻。 | |||
ハイドン:聖チェチリーア・ミサ ハ長調 Hob.XXII:5 | プリシュカ・ エザー=シュトレイト(S) アンネ・ブター(A) クリストフ・ゲンツ(T) トーマス・ハンベルガー(B) ゲルト・ググルヘール指揮 ノイ・ホーフカペレ・ミュンヘン ミュンヘン・オルフェウスcho. | ||
録音:1997年6月19日-21日、ミュンヘン。旧 CALIG レーベルから発売されていた音源(廃盤)の移行再発売。 ハイドンのミサ曲の中でも人気の高い聖チェチーリア・ミサ。ミュンヘンの団体によるこの演奏は、奇をてらうことなく実にしっかりしたもの。オーケストラも歌も、南ドイツ風の柔らかく明るい色彩が快く、ハイドンの音楽をさらに魅力的にしている。 | |||
コントルダンス〜ドレスデンの宮廷から デルペッシュ:3ペアのためのコントルダンス他(全17曲) |
レ・ベルリノワ [ベアトリクス・ヘルハマー(Vn) シルビア・ロージン(Ob、Fl) アンドレアス・フェッター(Vc) クリステン・アギッテ(打楽器) ザビーネ・エルトマン (Cemb、音楽監督)] | ||
録音:2003年7月。 中世以来の選帝侯の地位を誇ったフリードリヒ・アウグスト1世(1670-1733)は自国ザクセンの文化振興に熱心だったため、ドイツの他領からはもとより、遠くアルプスを超えて音楽の先進国イタリアからも多くの音楽家たちが参集した。当時、ドレスイデン宮廷で催されたダンスのための音楽を、ちょうど一夜の宴のように配列して収録したのがこのアルバム。幸い当時使用された楽譜や舞踏法の資料は今日まで伝えられていて、レ・ベルリノワの古楽器演奏はこうした資料を十分に踏まえている。冒頭からうきうきしてくるようなとても生命力豊かな演奏なので、ただ聴いているだけでももちろん幸せな気分を味わえる。 | |||
クラウス・テンシュテット、初出あり プロコフィエフ: 交響曲第5番 変ロ長調 Op.100(*)/ 交響曲第7番 嬰ハ短調 Op.131(+) |
クラウス・テンシュテット指揮 バイエルン放送so. | ||
録音:1977年12月1日-2日(*)、7月12日(+)、ミュンヘン、ライヴ。(*)はおそらく初出となる音源。(+)は、EN LARMESから1970年代とされる演奏が出ており(ELS-01-96)、これと同一の場合はマスターからの初発売となる。 近年続々と発掘されるテンシュテットのライヴはすべて目が離せないものばかり。実演ではしばしば取り上げていたプロコフィエフの2曲は、生前リリースの叶わなかったことがナゾとしかいいようがない超弩級の内容。やはり圧巻は傑作の呼び声高い第5番。トランペットをはじめ輝かしい金管、分厚い弦が生み出す豊潤な響き。シンフォニーを聴く醍 醐味に満ち溢れ、テンシュテットのライヴでもベストに入る出来栄え。スケールの大きさと迫力ともケタ違い。疾走するフィナーレあたり、燃え盛る指揮者のたまらなく熱い意気込みが、バイエルン放送響という現代屈指の楽器を得て見事に表現され尽くされたという感慨を抱かずにはいられない。音質も万全。 | |||
クラウス・テンシュテット、初出 モーツァルト: 交響曲第1番 変ホ長調 K.16(*)/同第32番 ト長調 K.318(+) シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47(#) |
ユヴァル・ヤロン(Vn;#) クラウス・テンシュテット指揮 バイエルン放送so. | ||
録音:1977年7月14日(*)、1977年12月2日(+/#)、ミュンヘン、ライヴ。3曲ともテンシュテットの音盤初レパートリー曲で、(+)はほぼ同時に1977年のボストン響との演奏も案内された(SIBERIAN TIGE ST-013/入手困難)。また、テンシュテットの振ったシベリウスというのは、曲に関らずこれが音盤初登場ではないだろうか。 ひたすら熱いマーラーやベートーヴェンとはガラリと変わり、驚くほど端正なのがテンシュテットのモーツァルト。別のオケとのジュピターもそうだったが、フィナーレに向けて頂点を築くドラマ作りときびきびとした生命力が目の眩むようなすばらしさ。モーツァルトは珍しい選曲だが、ほかならぬテンシュテットに掛かると第1番でさえ神々しいばかりの威容で迫ってくる。一方、独奏を切れ込み鋭いバックで支えるシベリウスでは、冷徹な響きが狂気を感じさせる。録音優秀。 | |||
ギュンター・ヴァント、モーツァルト モーツァルト: セレナード第6番 ニ長調 K.239 「セレナータ・ノットゥルナ」(*)/ フルート協奏曲第1番 ト長調 K.313(+)/ セレナード第9番 ニ長調 K.320「ポストホルン」(#) |
ヴォルフガング・リッター(Fl) ギュンター・ヴァント指揮 ハンブルクNDRso.(*/+)、 バイエルン放送so.(#) | ||
1990年5月(*)、1988年12月(+)、ハンブルク/1978年12月、ミュンヘン、ヘルクレスザール(#)。(*)のみオーケストラの自主制作盤があったが、他はマスターからの初発売。(#)はFKMからFKM-CDR96として発売されている演奏。(+)はEN LARMESからELS-01-48として発売されている演奏(他にSOUNDS SUPREMEの2S-023もおそらく同一演奏)、(*)もTREASURE OF THE EARTHのTOE-2010として発売がある演奏とそれぞれ思われる。ヴァントによるこれらの曲の他ライヴは、(*)は1981年の演奏がCoup d'Etat(CO-501CD)とDISCLOSURE(DS-0010-2)から、、(#)は北ドイツ放響との録音年不祥のステレオ・ライヴがEN LARMESから発売されている(ELS-01-76)。 すべてライヴでしか聞けないレパートリー。「ハフナー・セレナード」(PH-04053)に次ぐバイエルン放送響とのポストホルンは、オケの明るい響きがなんともいえない魅力。手兵北ドイツとの2曲ともどもヴァントの格調高い美があふれている。音質は極上。 #レーベルで廃盤となっており、流通在庫限りです。入手出来ない場合はご容赦下さい。 | |||
ギュンター・ヴァント、初出 サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調(*) ケクラン:交響詩「バンダー=ログ」Op.176(+) ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」Op.9(#) ケルビーニ:歌劇「アナクレオン」序曲(**) |
ルッジェーロ・リッチ(Vn;*) ギュンター・ヴァント指揮 ケルン放送so. | ||
録音:1970年12月1-5日(*)、1973年2月10日(+)、1967年10月27日(#)、1975年10月31日(**)、ケルン。TV放送用の音源と思われ、(**)のみステレオ、他はモノラル。おそらく全て初出となる音源。 ヴァントとしては非常に珍しいレパートリーで、ファン必聴のアルバム。リッチ独奏のサン=サーンスをはじめ、いずれも無骨なまでに引き締まったアンサンブルがヴァントならではの芸と思わせる。 | |||
ドヴォルザーク:ミサ曲 ニ長調 Op.86, B.153 (1887) (*) ヤナーチェク:主の祈り 〔天にいますわれらの父よ〕JW IV/29 (1901/06) (#) プリシュカ・エセル=シュトライト(S;*) バルバラ・ミュラー(A;*) マティアス・レトナー(T;*) トーマス・ハンベルガー(B;*) ローベルト・ヴォルレ(T;#) ハラルト・フェラー(Org) イルムガルト・ゴジャフスキ(Hp;#) ゲルト・グクルヘーア指揮ミュンヘン・オルフェウスcho. | |||
原盤・前出: CALIG (Germnay), CAL-50961(発売:1996年/廃盤)。ボヘミア生まれのドヴォルザークとモラヴィア生まれのヤナーチェクによる宗教曲を収録したアルバム。「ピアノ五重奏曲」と同じ円熟期の1887年に書かれた「ミサ曲 ニ長調」は、小規模ながらも2大傑作「スターバト・マーテル」や「レクィエム」に通じて、敬虔なクリスティアンであったドヴォルザークのストレートで真摯な姿勢がよく表れた物。のちの1893年にロンドンでの演奏に際して管弦楽版に編曲されているが、ここでは当初のオルガン版を採用している。代表作「グラゴル・ミサ」の印象が強烈なヤナーチェクの「主の祈り」は、1901年の作曲時にはピアノもしくはハルモニウムの伴奏指定だったが、1906年の改訂ではハープとオルガンによる伴奏に変更され、ここでは後者による演奏となっている。グクルヘーア率いるミュンヘン・オルフェウス合唱団は、ミュンヘン楽友協会合唱団の選抜メンバーおよそ60名規模のアンサンブルで、1982年の設立以来、ドイツで評価の高い団体。ほかにも珍しい宗教作品も数多くリリースしている。 | |||
アストル・ピアソラ:作品集 ブエノスアイレスの夏/ノヴィタンゴ/ あるヒッピーの頌歌/ ブエノスアイレスのマリア〜受胎告知のミロンガ/ コラール/我らの時代/キチョ/エスクアロ(鮫)/ オブリヴィオン(忘却)/リベルタンゴ/ ミケランジェロ70/ フィナーレ(ブレヒトとブレルの間で) (バンドネオンと弦楽のための編曲) |
フォルトゥナ四重奏団 ベルート・アーベル (バンドネオン) | ||
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35 モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219「トルコ風」 |
ダヴィド・オイストラフ(Vn) フランツ・コンヴィチュニー指揮 シュターツカペレ・ドレスデン | ||
録音:1954年。 ドレスデン・シュターツカペレ・エディション Vol.3。ディスコグラフィによると、どちらもDG やEternaないしはBerlin ClassicsからLP、CDが発売されたものと同じものと思われる。オイストラフの骨太のロマンティシズムがたっぷり楽しめる。 | |||
ヨハン・クロプフガンス(1708-1770頃): リュート協奏曲、ソナタとディヴェルティメント ソナタ ト長調/ディヴェルティメント ヘ長調/ 協奏曲 ハ短調/ディヴェルティメント 変ロ長調/ ソナタ ニ長調 |
ガランテリエ [ジョン・シュナイダーマン(リュート) エリーザベト・ ブルーメンストック(Vn) ウィリアム・スキーン(Vc)] | ||
録音:2004年4月11日/発売:2005年。この団体は、同時期にコハウトの作品集も録音している(PH-05018)。 | |||
J.S.バッハ: カンタータ第56番「われは喜びて十字架を担わん」BWV.56(*)/ カンタータ「われは満ち足れり」BWV.82(*) ブラームス:4つの厳粛な歌(+) |
ディートリヒ・フィッシャー= ディースカウ(Br) ヘルタ・クルスト(P;+) カール・リステンパルト指揮 リステンパルトco.&cho.(*) | ||
録音:1951年6月(*)/1950年1月(+)。 いずれもフィッシャー=ディースカウの比較的初期の録音で、DGのORGINAL MASTERS のシリーズの中で発売されたものと同じ音源。 | |||
シューマン: アベッグ変奏曲 ヘ長調 Op.1/パピヨン(蝶々)Op.2 ダーヴィド同盟舞曲集 Op.6 |
スザンネ・グリュッツマン(P) | ||
録音:2001年11月。 若き日のシューマンを代表するピアノ作品を収録。グリュッツマンは10代からツヴィカウのシューマン・コンクールなど各地で催されるコンクールに入賞し続け、1989年のミュンヘン国際コンクールの優勝で決定的な名声を確立、現代ドイツを代表するピアニストの一人とみなされている。快速なパッセージを涼しく弾き進めていくテクニック、そしてスローパートをじっくり聞かせる奥行きのある解釈。饒舌さとは無縁であることで、却って燃え上がるロマン派の息吹を確かに伝える、そんな演奏がここにある。 | |||
ヨセフ・スーク(1841-1904):弦楽セレナード 変ホ長調 Op.6(*) ドヴォルザーク: 弦楽セレナード ホ長調 Op.22(*)/ スラブ舞曲 ホ短調 Op.72 No.2(+)/同 ハ長調 Op.46 No.1(+) |
フォルカー・ハルトゥンク指揮 ヨーロピアン・ニューpo. | ||
録音:2003年(*)/2004年(+)。 19世紀から20世紀にかけて活躍したチェコの二大作曲家ドヴォルザークとスーク。若き日のスークは偉大な先輩の薫陶を受け、後には師の娘を妻に迎えるなど、まさに血を分けた家族同様の交流があった。 ドヴォルザークのセレナードはこのジャンルの代表的な作品だが、スークのセレナードもそれに遜色ない素晴らしい作品。しかもこの作品を書いた時、スークはまだ18歳だったことを聞いたら驚きも2倍になるというもの。当初メランコリックに傾きがちだった作風が、生きる喜びに溢れた作品へと変貌した蔭には師ドヴォルザークのアドヴァイスがあった。ジュリアード出身でチェリビダッケにも師事したハルトゥングとENPOの淀みなく歌う演奏が、それぞれの作品の魅力をストレートに伝えている。 | |||
チャイコフスキー(1840-1893): 弦楽セレナード ハ長調Op.48/ フィレンツェの思い出 ニ短調Op.70/ チェロと弦楽オーケストラのための夜想曲 |
ヤドランカ・ ガスパロヴィチ(Vc) フォルカー・ハルトゥンク指揮 ヨーロピアン・ニューpo. | ||
この団体は、先にスク(スーク)とドヴォルザークの弦楽セレナード等を録音している(PH-05015)。 | |||
エンゲルベルト・フンパーディンク(1854-1921):歌劇「王様の子供たち」(1910)
トーマス・モーザー(T;王の息子) ダグマール・シェレンベルガー(S;ガチョウ番の娘) ディートリヒ・ヘンシェル(Br;ヴァイオリン弾き) マリリン・シュミージェ(Ms;魔女) アンドレアス・コーン(B;きこり)他 ファビオ・ルイージ指揮ミュンヘン放送o.、 バイエルン放送交響cho.、ミュンヘン少年cho. | |||
録音:1996年3月22日、24日、ヘラクレスザール、ミュンヘン、ライヴ。収録:バイエルン放送。前出:CALIG (Germany), CAL-50968/70。「ヘンゼルとグレーテル」で有名なエンゲルベルト・フンパーディンクは、他にもいくつかオペラを書き残しており、その中ではこの「王様の子供たち〔王の子供たち〕」が比較的知られている。やはりメルヘン調の題材ながら、こちらは悲劇。森の中で魔女に働かされているガチョウ番の娘と、王の息子(継承権のない王の子)が出会い、恋に落ちる。魔女の魔法で森から出られないガチョウ番の娘だったが、彼女も王家の血筋を引いていることを知り、王の息子と結ばれるため自力で魔力を破り町へ向かう。しかしそれぞれ町へ向かった二人は、結局市民たちから追い出され、森の中で魔女の焼いた死のパンを食べて死んでしまう。音楽にもワーグナーの影響が顕著で、「ヘンゼルとグレーテル」に比べ遥かにロマンティックな色彩が豊かな作品になっている。この録音はマイナーオペラとは思えないほどの豪華キャスト、しかも指揮は当時、彼の名声を高める礎となったウィーン・トーンキュンストラーo.の首席指揮者就任直後で、評判が急上昇している所だったファビオ・ルイージ。埋もれてしまいがちな作品をこれだけ充実した面々の演奏で聞けるのはありがたい。 | |||
カール・コハウト(1726-1784頃): リュート協奏曲とディヴェルティメント リュート協奏曲 ヘ長調/ディヴェルティメント 変ロ長調/ リュート協奏曲 ニ長調/同 イ長調/同 変ロ長調/同 ヘ長調 |
ガランテリエ [ジョン・シュナイダーマン (リュート) エリザベスト・ ブルーメンストック(Vn) ウィリアム・スキーン(Vc)] | ||
コハウトはウィーンのオルガン奏者の息子として生まれ、リュート奏者として、また作曲家として広く活躍した。ハイドンよりやや年長の彼は、ウィーン古典派の流儀をリュートという古雅な楽器と融合させることで、独特の魅力を作りあげることに成功している。コハウトの作品だけのCDは非常に珍しい。 | |||
アンナ・マリア・ルイザ・デ・メディチの庭園 エリセンダ・ファブレガス:ヴォセ・デ・ミ・ティエラ (フルート、チェロ、ピアノのための;2003) ヒラリー・タン: アンナ・マリア・ルイザ・デ・メディチの庭園 (フルート、チェロ、ピアノのための;2004)/ ザ・クレセット・ストーン(チェロ独奏のための;1993)/ ウインドホーヴァー(フルート独奏のための;1985)/ リーフ(フルートとチェロのための;1990) エレーナ・カッツ=チェルニン:カラーズ・オブ・ザ・シー (アルト・フルート、チェロとピアノのための;2004) |
マイニンガー・トリオ [クリストファー・ マイニンガー(Fl、A-Fl) フランソワ・グローベン(Vc) ライナー・ゲップ(P)] | ||
録音:2005年。 1994年に結成されたマイニンガー・トリオはスタンダードなレパートリーに加え、現代、というより同時代の作曲家の作品を積極的に取り上げてきた。ここに収録されている3人の女性作曲家とも交流が深く、ファブレガスの作品とカッツ=チェルニンの作品はこのトリオに献呈されている。現代作品といってもいずれの作品も調性がはっきり認められるもので、20世紀初めのスペイン風だったり、ちょっと武満がはいっていたりと聴きやすいものばかり。ちなみにカッツ=チェルニンはウズベキスタン出身で、現在はオーストラリアを本拠として活躍中。シドニー五輪の開会式のための音楽も書いている。 | |||
クルト・ザンデルリング ブルックナー: 交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」 |
クルト・ザンデルリング指揮 バイエルン放送so. | ||
録音:1994年11月4日(後日発売された SACD シングル・レイヤー盤でのデータは1994年11月4日-5日)、ミュンヘン、ヘルクレスザール、ライヴ。当初演奏時間の違いから、Bells of St. FlorianのAB-10(廃盤)、EN LARMESのELS-01-140などで発売されている「1980年代」と記載されたライヴとは別と思われていたが、同一演奏の模様。 冒頭、弦のトレモロに乗って静かに浮かび上がる、深く息の長いホルンのソロ。ここから始まる最初の5分を聴けばたちどころに、この演奏がいかにとんでもないかお分かりいただけるはず。 ザンデルリングのブルックナーでは、シュトゥットガルト放送響との第7番(1999年、ライヴ:hanssler)における自然体の音楽も思い起こされるが、この第4番は格別の出来栄え。とにかくオケがめちゃくちゃにうまい。巨匠スタイルの圧倒的なアプローチに応える、バイエルン放送響の底知れぬ実力。たとえば第2楽章アンダンテ。柔らかく繊細に始まり、やがてあたかも木漏れ日が射しこむかのような優しい表情をみせるあたりなど、言葉を失うほどの美しさ。壮大なフィナーレに至ってはこのうえなく感動的。録音も見事で、これはザンデルリングの至芸が味わえる一枚といえる。 | |||
ジュリーニ追悼、 バイエルン放響とのブラームス、初出 ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 |
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮 バイエルン放送so. | ||
録音:1979年1月26日、ミュンヘン、ヘルクレスザール、ライヴ。初出音源。 追悼盤の相次ぐジュリーニ。ブラームスの第1番は、スタジオ録音ではフィルハーモニアo.[PO](1962年、EMI)、ロサンジェルスpo.[LAPO](1981年、DG)、VPO(1991年、DG)の3種が、ライヴではGNPのGNP-25/6やRE! DISCOVERのRED-56他で発売されている1988年のベルリン・フィルとの演奏が、そして過去にはHALLOOやGREAT ARTISTSから発売された1992年のウィーン・フィルとの演奏があるが、マスターから復刻されたライヴは今回が初登場。しかもオケはバイエルン放送so.[BRSO]という理想的な顔合わせ。 1979年といえばジュリーニがLAPO音楽監督(1978-1984)に就任して、欧米双方の楽壇でもっとも精力的に活動をしていた頃で、巨匠の風格を加え遅めのテンポを特徴とする個性的なスタイルへの傾斜を深めていくのと時期も重なる。悠然たる構えが巨匠の芸というほかないVPO盤、緻密なアンサンブルを聴かせるLAPO盤と、オケと時期の違いもありそれぞれが独特の魅力を放つジュリーニのブラームス。このBRSOとのライヴもまた、いかにも「カンタービレの巨匠」の面目躍如たる内容といえる。すでにジュリーニの美が色濃い第1楽章。ただ情熱と緊張で押し切るようなことはなく、慈しむように旋律を紡ぎ上げてゆくあたりが、まぎれもなく彼ならではの歌いまわし。さらに第2楽章では「ジュリーニらしさ」はピークに達し、弦はもちろん木管の表情などすべてが、たとえようもなく繊細でありながら豊かな歌でいっぱいに満たされる。そしてフィナーレ。およそ力んで煽るようなところは微塵もなく、じわっと自然に湧き上がるような音楽。このように演奏も圧倒的なら録音がまたじつに素晴らしい。すでに四半世紀以上を経過していることをまったく感じさせない驚異的なクオリティは、バイエルン放送の技術水準の高さを物語っている。 [BRSO、1979年] I.15'04"+II10'09"+III.5'04"+IV.18'53" [PO、1962年] I.14'11"+II 9'28"+III.4'55"+IV.18'08" [LAPO、1981年] I.18'53"+II10'27"+III.5'07"+IV.18'34" [VPO、1991年] I.15'49"+II10'49"+III.5'18"+IV.19'46" | |||
R.シュトラウス:歌劇「エレクトラ」 | デボラ・ポラスキ(S:エレクトラ) フェリシティ・パーマー (S:クリテムネストラ) アンネ・シュヴァネヴィルムス (S:クリソテミス) グレアム・クラーク(T:エギスト) フランツ・グルントヘーバー (Br:オレスト)他 セミヨン・ビシュコフ指揮 ケルン放送so.&cho. | ||
録音:2005年。 ビシュコフが手兵ケルン放送交響楽団(ケルンWDR交響楽団)を指揮した「エレクトラ」。タイトルロールには今エレクトラといったらこの人をおいて他にいないデボラ・ポラスキ、迫力と女の情念と優しさとが入り混じった歌はさすがの一言。クリソテミスにはここ数年台頭著しいソプラノ、アンネ・シュヴァネヴィルムス。さらに大ベテラン、フェリシティ・パルマーの不気味なクリテムネストラ、グレアム・クラーク、フランツ・グルントヘーバーと、今日「エレクトラ」を上演するに最上の面々が集められている。ビシュコフの指揮は、ネチーッと濃密に音楽を練り込み、不気味な緊張感で全編を貫いた見事なもの。 | |||
サン=サーンス:クリスマス・オラトリオ Op.12 (1858)
ヴェレナ・シュヴァイツァー、エディト・ヴィーンズ(S) ヘレナ・ユングヴィルト(A) フリートライヒ・メルツァー(T) クルト・ヴィドマー(B) ハンス=ヨアヒム・バルチュ(Org) バルバラ・ビエルマン(Hp) ディートハルト・ヘルマン指揮マインツ・バッハo.&cho. | |||
録音:1976年。以前 独 CALIG から CAL-50512(当店未案内)という品番で発売されていた録音の、レーベル移行再発売。 | |||
コルンゴルト(1897-1957):室内楽作品集 ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための 三重奏曲 ニ長調Op.1/ ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調Op.6 |
レーン・トリオ [アンドレアス・レーン(Vn) カイ・モーザー(Vc) ケルスティン・ヒンダルト(P)] | ||
録音:1990年頃。以前 独 CALIG から CAL-50905(当店未案内)という品番で発売されていた録音の、レーベル移行再発売。バイエルン放送との共同製作。 | |||
モーツァルト: クラリネット協奏曲 イ長調 K.622(*) モテット「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」K.165(+) 交響曲第29番 イ長調 K.201 |
ジリ・リノット(Cl;*) ドリス・ハーゲル(S;+)指揮 カペラ・ヴァイルブルゲンシス | ||
録音:2004年10月。 城の町として、そして城内で行われるコンサートで知られるドイツのヴァイルブルク。その城内教会を根拠として活動するカペラ・ヴァイルブルゲンシスが18世紀の響きでモーツァルトの典雅な世界を再現したアルバム。さながら城で行われた一夜のコンサートのよう。躍動感で一杯の演奏を、素晴らしい録音で楽しめる。 | |||
マンハイム楽派〜協奏曲と交響曲集 スタミツ(シュターミッツ):ヴィオラ・ダモーレと管弦楽のための協奏曲[第1番/第2番](*) [ギュンター・トイフェル(Vaダモーレ) トーマス・フェイ指揮ハイデルベルクso.] リフテル(リヒター):フルート協奏曲 ホ短調(#)/オーボエ協奏曲 ヘ長調(#) [ロバート・ドーン(Fl) ラヨシュ・レンチェシュ(Ob) ボフダン・ヴァルハル指揮スロヴァキア室内o.] ホルツバウアー:交響曲集[ニ長調Op.3 No.4/ニ短調/イ長調Op.2 No.4](+) [ミヒ・ガイク指揮ロルフェオ・バロックo.] カンナビヒ:交響曲集[第63番 ニ長調/第59番 ニ長調/第68番 変ロ長調](**) [ヴィクトル・ルーカス指揮ルーカス・コンソート] | |||
原盤:PROFIL (PH-03001 より)(*)/CPO (999 117-2 より)(#)/CPO (999 585-2 より)(+)/NAXOS (8.553960 より)(**)。 | |||
ラフマニノフ:2台ピアノのための作品集 交響的舞曲Op.45 /組曲第2番Op.17/幻想曲Op.5 |
ピアノ・デュオ・ ウリアルテ&ムロンゴヴィウス [ベゴーニャ・ウリアルテ、 カール=ヘルマン・ ムロンゴヴィウス(P)] | ||
録音:1981年/1998年/2004年、以上バイエルン放送局。バイエルン放送との共同製作。 | |||
グノー:聖チェチーリアのための荘厳ミサ ト長調(1855) (*) ビゼー:テ・デウム(#) ディートリヒ・ヘンシェル(Br;*) アンジェラ・マリア・ブラージ(A;*/#) クリスティアン・エルスナー(T;*/#) ハンス・ルドルフ・ツェベライ指揮ミュンヘンso.、ミュンヘン・モテットcho. | |||
録音:1996年3月13日、27日、ヘラクレス・ザール、ミュンヘン、ライヴ。以前 独 CALIG から CAL-50956(当店未案内)という品番で発売されていた録音の、レーベル移行再発売。 | |||
フランツ・シュミット(1874-1939):オラトリオ「七つの封印の書」
エーベルハルト・ビュヒナー(T) ローベルト・ホル(B) ガブリエーレ・フォンターナ(S) マルガレーテ・ヒンターマイヤー(A) クルト・アゼスベルガー(T) ロベルト・ヘルツァー(B) マルティン・ハーゼルベック(Org) ホルスト・シュタイン指揮ウィーンso.、ウィーン楽友協会cho. | |||
録音:1996年5月、ウィーン・ムジークフェラインザール。以前、活動を停止した CALIG レーベルから発売されていたシュタインによる名盤が、うれしい復活。なお、国内代理店はビュヒナーがソプラノなどと珍妙な事を書いているが、もちろん誤り。 | |||
ファリャ:ピアノ曲全集 4つのスペイン小品集/セレナータ ホ短調/ アンダルシアのセレナータ/ 演奏会用アレグロ/マズルカ/歌/ 小人の行列/ノクターン/ ワルツ=カプリッチョ/ ポール・デュカの墓に捧ぐ/ ベティカ幻想曲 |
ウタ・ヴェヤンド(P) | ||
ファリャのピアノ曲といえば、編曲物の「火祭りの踊り」ばかりが有名で、オリジナル作品は意外に顧みられていない。「スペイン命」の若手ピアニスト、ウタ・ヴェヤンドは女優ばりの美人ながら、なかなか見どころのあるこだわり派。このアルバムもファリャ・アーカイヴ所蔵の自筆譜をチェックし、出版譜の誤りを正して演奏しているとのこと。学術的なだけでなく、熱いスペイン魂も感じさせる演奏が魅力。 | |||
シューベルトの友人たち アルベルト・トニツ(1810頃-1856頃): チェロとピアノのためのロマネスカ(1845頃)/ ピアノ独奏のための「ケルンテン民謡によるパラフレーズ」Op.3 / ピアノとフルートのためのコンソレーション(音詩)Op.18/ ソプラノとピアノのための「 On n’en meurt plus 」Op.4 男声四重唱とピアノのための[「自然に寄す」/「君を愛す」] テナーとピアノのための「 Weiter geh ich, immer weiter 」/ バスとピアノのための「 Des Geistes Nachtlied 」 ヨハン・エドゥアルト・クライナー(1800年前後活躍): ピアノのための6つのドイツ舞曲集 より[第1番 ト長調/第2番 イ長調/第3番 ホ長調] グラーフ・フェルディナント・エッガー(1802-1860): ソプラノとピアノのための3つのロマンスOp.3 (1830頃) より[ L'ange gardien / Stances ] ヨハン・エドゥアルト・クライナー:ピアノのための6つのドイツ舞曲集 より [第4番 ハ長調/第5番 ト長調/第6番 ニ長調] ヨゼフ・トマショヴィツ(1823-1851):男声四重唱のための「 Ihr blauen Augen 」 アンセルム・ヒュッテンブレンナー(1794-1868):ピアノのための「 Nachruf an Schubert in Trauertönen 」 イサーク・アルベルト・ベリ(1803-1886):バスとピアノのための「 Se solen sjunker 」 フランツ・シューベルト(1797-1828):ピアノ三重奏曲第2番 変ホ長調D.929〜第2楽章 ヴォルフガング・ブルンナー(Fp)指揮ザルツブルク・ホフムジーク [ペーター・ジグル(Vc) ラインハルト・チャシュ(Fl) ヴェレーナ・クラウゼ(S) ベルンハルト・ベルフトルト、クラウス・アイベンシュタイナー(T) タデウシュ・ミウェフスキ(Br) ヴェルナー・ビント(B)] | |||
録音:1996年9月26日/2000年5月21日/1997年3月17日/2004年11月14日/1997年10月。ORFとの共同製作。 ヒュッテンブレンナーと本人を除いては、録音のない人達ばかりで大変貴重。 | |||
カルロ・マリア・ジュリーニ ハイドン:交響曲第94番 ト長調「驚愕」(*) ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」(#) |
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮 バイエルン放送so. | ||
録音:1979年1月26日、ミュンヘン、ヘルクレスザール、ライヴ。(*)はNEUMAやEN LARMESから1979年のライヴが出ているのでこれと同一と思われる。マスターからの初復刻。(#)も国内代理店はマスターからの初復刻を謳っているが、EMIの GREAT CONDUCTORS OF THE 20TH CENTURY シリーズ(CZS 5 75462 2)で、1979年1月のライヴが発売されており、この演奏と同一の可能性が高い。 先のブラームスの交響曲第1番(PH-05021)と同日、前半のプログラムであったハイドンとラヴェル。いずれもジュリーニお気に入りの作品だが、こちらも屈指の高機能オケ、バイエルン放送響との相性の良さを物語る素晴らしい内容となっている。 フィルハーモニアとのスタジオ録音(1956年、EMI)やウィーン・フィルへの客演などでも取り上げている名作「驚愕」。なんとも柔らかく開始される木管と弦の序奏は、どこまでも格調高くエレガントな美に彩られている。モダーン・オケの磨き抜かれた響きで、ゆったりとたっぷりと鳴らされたハイドンは、今では失われつつある古き良き伝統を思い起こさせる。まさに次元を超えた美。 やはりフィルハーモニアや、後年のコンセルトヘボウ(1989年、SONY)など数種の録音でも知られる「マ・メール・ロワ」。ファンタジー一色に染め上げられた世界は、触れると壊れてしまいそうな繊細さ。それにしても、このオケの柔軟性にはただ驚かされるばかり。巨匠スタイルへ傾斜を深めてゆくジュリーニの音楽づくりとバイエルン放送響の圧倒的な存在感。バイエルン放送による録音も見事。 | |||
ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスターシンガー」第3幕 | ハンス・ヘルマン・ニッセン (Br:ザックス) オイゲン・フックス (Br:ベックメッサー) トルステン・ラルフ (T:ヴァルター) マルガレーテ・テシェマッハー (S:エーファ) スヴェン・ニルソン (B:ポーグナー) 他 カール・ベーム指揮 ドレスデン・シュターツカペレ ドレスデン国立歌劇場cho. | ||
録音:1938年8月、ドレスデン。 ドレスデン・シュターツカペレ・エディション Vol.2。カール・ベームがその名声を確固たるものにしたのは、1934年から1943年まで音楽監督を務めたドレスデン時代(当時はザクセン国立歌劇場)であった。ここでベームはR.シュトラウスの「無口な女」や「ダフネ」も世界初演するなど、充実した音楽活動を繰り広げた。この時期は録音も多数行われたが、オペラの録音は断片ばかり。しかし唯一の例外というべきものが、この「マイスタージンガー」第3幕の録音。 ニッセン、フックス、ラルフ、テシェマッハーら、当時のドレスデンのベストメンバーを組んで臨み、ことに一世を風靡したニッセンのザックスと、思わず唸ってしまうフックのベックメッサーの上手さは格別、今聞いても実に立派で模範たるもの。加えてベームも細切れ録音の制約を撥ね退けて余りある強い意欲が伝わる指揮。以前にも各社から復刻盤があったが、今回のPROFILのCDは驚くほどノイズが少なく、かといって高音バッサリの鼻詰まり音でもなく、1938年という年代からすると不思議なくらい聞きやすくなっている。SP復刻はノイズが気になって…という方にも、これなら40代のベームの音楽を堪能できるであろう。 | |||
テンシュテットのマーラー・ライヴ! マーラー: 交響曲第4番 ト長調(*)/ 歌曲集「子供の不思議な角笛」より [浮き世の生活/ラインの伝説/ この歌を作ったのはだれ?] |
エヴァ・チャポ(S) クラウス・テンシュテット指揮 バーデン=バーデン 南西ドイツ放送so. | ||
録音:1976年9月18日(*)/1976年8月23日(#)、以上ステレオ。共にEN LARMESから、(*)はELS-02-162、(#)はELS-02-286として出ていた演奏ではないかと思われるが、マスターからの初発売。今回初めて正確な録音日が明らかにされている(EN LARMES盤では不祥(*)、1976年(#)とされていた)。 天上の調べと絶望的な暗さ、そして恐るべき極端なコントラスト。 テンシュテットといえばマーラー、ファンであればこれに異論の余地はまずないだろう。新しいバイエルン放送響とのライヴ・シリーズ発売を実現させたProfilが、再びテンシュテットのリリースにこぎつけた。 親しみ易い魅力にあふれる自作「歌曲」との関連などから、いちはやくマーラーの交響曲では第1番と並び人気を得ていた第4番だが、この曲でも愉悦を描くだけでは終わらないのがテンシュテット。彼にしかない個性の刻印はロンドン・フィルとの全集録音(1982年 / EMI)でも確認できるが、今回のライヴでは南西ドイツ放送といういわば地元のオケを得た強みと、ライヴということで極端なアプローチに断然拍車がかかった印象を受ける。「天国的」に無垢でのどかなときが流れていたかと思うと、激するところでは突如狂ったように興奮し、また次の瞬間には悲痛な嘆きへと急転するこの極端な落差、これこそがまさしくマーラーの本質であり、そのままテンシュテットの音楽と重なる。カップリングのコンセプトも心憎いもので、交響曲と同じ世界観に彩られた「角笛」からのナンバー。名メゾ、エルザ・カヴェルティに師事したハンガリーのチャポは、スタジオ盤のポップとは別の魅力で、陰影豊かな歌唱をじっくりと聴かせてくれる。録音の素晴らしさもポイントで、これはテンシュテットのマーラー演奏のなかでも屈指の内容と言えるだろう。9月上旬入荷予定。 [南西ドイツ放送so./1976年] I.15'45"+II.9'00"+III.19'50"+IV.8'20" [LPO/1982年] I.15'43"+II.8'51"+III.21'09"+IV.9'10" | |||
エルガー:交響曲第1番 変イ長調 Op.55(*) ベルリオーズ: 序曲「リア王」Op.4(+)/ 歌劇「ベアトリスとベネディクト」Op.9 序曲(+) |
コリン・デイヴィス指揮 ドレスデン・シュターツカペレ | ||
録音:1998年(*)、1997年(+)、ドレスデン、ゼンパーオーパー、ライヴ。ドレスデン・シュターツカペレ・エディション第1弾。 選りすぐりの内容がすでにファンの心を掴んで離さないProfilのライヴ・シリーズ。一連のバイエルン放送響シリーズに続いて、なんと今度はドレスデン・シュターツカペレ・エディションがスタート。第1弾は名誉指揮者デイヴィスによるお得意のエルガーとベルリオーズ。デイヴィスとしてはのちにロンドン響と全集(2001年)を完成させるエルガー。本場のオケならではの魅力は尽きないが、このドレスデンの音色もまた重厚な音楽に相応しいもので、馥郁といっぱいに拡がるアダージョなど想像を超えた美しさ。一方で第2楽章のように荒々しい場面でもじつに過不足なく反応するあたりもさすが。さらにフィナーレ。コーダで冒頭のテーマが回帰してくるところなどゾクゾクするくらいに最高の格好よさ。 カップリングは同じオケとのスタジオ盤(1997年)でも聴かれるベルリオーズ。まことに華麗。スペシャリスト・デイヴィスに触発され、こちらも見事というほかない。MDRによる録音も瑞々しさを湛えて極上。 | |||
ギュンター・ヴァント、初出 ブラームス:セレナード第1番(*) ウェーバー:クラリネット協奏曲 Op.74(+) |
ヘルムート・ギーサー(Cl;+) ギュンター・ヴァント指揮 ミュンヘンpo. | ||
録音:1968年10月2日(*)、1977年11月25日(+)、ケルン、ヴァルラフプラッツザール。初出音源。 "Gunter Wand Edition"。素晴らしいステレオ録音。1960年代のブラームスも、ヴァントの伝記作家にして当シリーズ監修人ヴォルガング・ザイフェルト教授の一番のお薦め演奏だけあって、50歳代のヴァントの切れ味の良いリズムと独特の気品を堪能できる。これは大変な名演。ウェーバーもドイツドイツした味わい深さが素晴らしい。管楽器マニアにはもうお馴染みのヘルムート・ギーサーは長年ケルン放響の首席を務めた、かの地の伝説的クラリネット奏者。 | |||
ギュンター・ヴァント、初出あり ストラヴィンスキー: ピアノと管楽器のための協奏曲(1930)(*) B.A.ツィンマーマン:1楽章の交響曲(1953)(#) フォルトナー: 大オーケストラのための交響曲(1947)(+) リゲティ:ロンターノ(1967)(**) |
ニキタ・マガロフ(P;*) ギュンター・ヴァント指揮 北ドイツ放送so.(*/#/**)、 ケルン放送so.(+) | ||
録音:1985年(*)、1987年(#)、1960年(+)、1987年(**)。 "Gunter Wand Edition"。正確無比の冷静な解釈と思いきや、すこぶるヴォルテージの高い演奏に驚き。どの曲もストラヴィンスキーは言うに及ばず、バルトーク級のおもしろさ! 現代オペラの中でも上演数の多い傑作「軍人たち」のツィンマーマン。しかも後年、ヴァントとツィンマーマンは音楽上の見解の相違から交流を断っただけにこの演奏、抜き差しならぬ緊張感に溢れている。現代曲のアルバムとしてはめったに見られない、誰もが楽しめる名盤。 | |||
ギュンター・ヴァント、初出 モーツァルト:リタニア、序曲集、他 聖体の祝日のためのリタニア 変ホ長調 K.243(*)/ コンサート・アリア [みじめな私、ここはどこ K.369(#)/ とどまって下さい、ああ愛しい人よ K.528(#)]/ 歌劇「フィガロの結婚」序曲(**)/ 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲(##)/ 歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」序曲(##)/ 歌劇「魔笛」序曲(##) |
マーガレット・マーシャル(S;*/#) コルネリア・ヴルコップ(A;*) アドルフ・ダラポッツァ(T;*) カール・リッダーブッシュ(B;*) ギュンター・ヴァント指揮 バイエルン放送so.&cho.(*)、 ケルン放送so.(#/**/##) | ||
録音:1982年(*)、1980年(#)、1969年(**)、1968年(##)。以上初出音源。ほとんどがヴァントにとって(少なくともCDでは)ディスク初レパートリー。これまでライヴ演奏も全く出ていなかった作品ばかり。 生涯モーツァルトを愛したヴァントだけあって辺りを払うこの格調は、なかなか現在では聴けぬものとなってしまった。特に声楽作品の品格は無類。また序曲のすばらしさなどを聴くとモーツァルトのオペラ全曲が残っていれば!と、悔やまれる。 | |||
ギュンター・ヴァント・エディション ヴォルフガング・フォルトナー(1907-1987):歌劇「血の婚礼」(全曲) N.ヒンシュ=グレンダール、アニー・シュレム、イルムガルト・ゲルツ、 エミー・リスケン、ヒルデグント・ヴァルター、ヴィルヘルム・オット、 アレクザンデル・シェードラー ギュンター・ヴァント指揮ケルン・ギュルツェニヒo.&cho. | |||
録音:1957年7月16日、WDR。初出音源。 フォルトナーの代表作で、ツィンマーマンの「軍人達」の登場までは現代ドイツを代表するオペラとされていた傑作が、初演直後のヴァントによる録音で登場。ヴァント夫人のアニタ・ヴェストホフが「可憐な少女」役で歌っているのが見逃せない。音質も大変良好。なお、国内代理店には「ヴ『ァ』ルフガング・フォルトナー」という一風変わった表記をしている。 | |||
ギュンター・ヴァント・エディション〜ハイドン ピアノ協奏曲 ニ長調Hob.XVIII-11 (*)/ オーボエ協奏曲 ハ長調Hob.VIIg:C1 (#)/ 交響曲第76番 変ホ長調Hob.I-76 (+) |
ニキタ・マガロフ(P;*) ハンスイェルク・ シェレンベルガー(Ob;#) ギュンター・ヴァント指揮 ハンブルクNDRso.(*)、 ケルン放送so.(#) | ||
1985年12月2日、ムジークハレ、ハンブルク、ライヴ(*)/1980年1月11日(#)&1973年2月10日(+)、以上、WDR第1ホール、ケルン(#/+)。(#)と(+)はおそらく当盤が初出となる音源。(*)はEN LARMESからELS-03-318で出ている演奏で、マスターからの初復刻。 ヴァントの愛奏曲第76番は1980年以降のライヴが何種類か出ていたが、1970年代の物はおそらく今回が初登場。ロンドン交響曲に匹敵する名曲といわれながらも、あだ名がついてないばかりに隠れた存在となっており、生演奏で取り上げられないのが大変勿体無い天下の名品。1912年という同年生まれ(おまけに共に1月生まれで、日付も2週間しか違わない)、当時ともに73歳の名手が組んだ(*)も聴き物一つ。 | |||
モーツァルト: ホルン協奏曲集 [第2番 変ホ長調 K.417(*)/ 第3番 変ホ長調 K.447(*)/ 第4番 変ホ長調 K.495(*)] ホルン五重奏曲 変ホ長調 K.407(+) |
ヴィルヘルム・ブルンズ (ナチュラルホルン) トーマス・ファイ指揮(*) マンハイム・モーツァルトo.(*) クワドリガSQ(+) | ||
録音:2004年3月10日、メルレンバッハ、市民劇場/2004年1月13日-2月2日、バド・デュルクハイム、ナチュラルホルンアカデミー。 かつてナチュラルホルンの名手ヘルマン・バウマンがアーノンクール伴奏で協奏曲を録音していたが、それ以来30年余り経って、ちょうどモーツァルト記念の年に、それぞれの弟子ブルンズとファイとの顔合わせで、また新たにすばらしいモーツァルトが登場。 ベルリン古楽アカデミーやウィーン・コンツェントゥス・ムジクスとも共演を果たしているブルンズは大変に腕の立つ人で、どこかこっけいなナチュラル・ホルンの魅力が全開。このソロを大いに盛り立てているのが、尖ったリズムの刺激的なハイドンやベートーヴェンでおなじみのファイ。2003年に自身が創設したピリオド楽器のオーケストラ(2006年1月27日のモーツァルトの誕生日にコンサート・デビュー)を率いて、喜びと清清しさに満ちた音楽を聴かせてくれる。 | |||
モーツァルト: 交響曲第39番 変ホ長調 K.543/ 交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」 歌劇「皇帝ティートの慈悲」序曲 K.621 |
トーマス・ファイ指揮 マンハイム・モーツァルトo. | ||
モダーン楽器オーケストラとのハイドンやベートーヴェン(Hanssler)で刺激的な演奏を繰り広げてきたファイが、モーツァルト・イヤーの2006年、新たにピリオド楽器のオケを率いて傑作「ジュピター」と第39番をリリース。 ファイが2003年に創設したマンハイム・モーツァルト管弦楽団は、モーツァルトの誕生日に合わせ、2006年1月27日にコンサート・デビューを果たしたばかり。当録音は2年近くにも及ぶ周到な準備期間を経て臨んだもので、完成度の高さが光っている。冒頭ティンパニの強打も鮮烈な「ティート」序曲。過激なほどにリズムが立って、前へと飛び出して来るフレッシュな音楽は、やはり師アーノンクールゆずりというべきか、いやそれ以上かもしれない。そうかと思えば勢いに任せるばかりでなく「ジュピター」のフィナーレなどは威容の一語。これこそピリオド・アプローチの最前線をゆく注目の演奏といえよう。 | |||
メンデルスゾーン: 交響曲第3番 イ短調 Op.56「スコットランド」(*) 交響曲第5番 ニ長調 Op.107「宗教改革」(+) |
コリン・デイヴィス指揮 ドレスデン・シュターツカペレ | ||
録音:1997年8月31日-9月2日(*)、1997年10月28日(+)、ドレスデン、ゼンパーオーパー、ライヴ。初出音源。 ドレスデン・シュターツカペレ・エディション第2弾。デイヴィスのメンデルスゾーンといえば、PHILIPSへのボストンso.との第4番(1975年)、ORFEOへのバイエルン放送so.との第3番(1983年)と第4&5番(1984年)の録音が有名だが、「宗教改革」の冒頭などに顕著なメンデルスゾーンの陰影豊かな美しさを描くのに、ドレスデン固有の響きはやはり底知れぬ魅力である。実際、みずみずしさいっぱいの弦、木管のデリケートな表情など申し分ない。音楽が進むにつれ次第に熱が帯びてゆく「スコットランド」。キャリアの円熟期を迎えたデイヴィスが自らの音楽を表現し尽くした、どこまでもぜいたくな一枚で、録音も万全。 | |||
シベリウス: 交響曲第2番 ニ長調 Op.43(*) 交響詩「エン・サガ」Op.9(+)/同「ルオンノタール」Op.70(#) |
ウテ・ゼルビク(S;#) コリン・デイヴィス指揮 ドレスデン・シュターツカペレ | ||
録音:1988年9月22日(*)、2003年7月7-8日(+)、ドレスデン、ゼンパーオーパー、ライヴ。 ドレスデン・シュターツカペレ・エディション Vol.5。スペシャリスト、デイヴィスの真骨頂というべきシベリウス・アルバム。全交響曲の中でも親しみ易さで随一の人気を誇る第2番。ボストン響(1976年)、ロンドン響(1994年)との間に位置する(*)は、LSO Live で通産3度目の全集に取り組むデイヴィスにとって、交響詩「エン・サガ」とともにこれまでのところ3種目にあたり、初のライヴ。シベリウスのほかの多くの作品と同じく民俗叙事詩「カレワラ」にもとづく「ルオンノタール」のみ、初出のレパートリーとなる。 さて、このたびの演奏では、とにかくオケが圧倒的に雄弁で魅力が尽きない。色数も豊富な弦楽セクション。輝かしく、ときに柔らかい音色を奏でる金管。これを聴くと根強いファンが多いのも頷ける。もちろんデイヴィスの指揮も素晴らしく、もはや多くの言葉を費やすことが空しく思えてくるほど。すべて完全初出で録音状態も抜群。 | |||
ハイドン: 十字架上のキリストの七つの最後の言葉Hob.XX(合唱版) |
インガ・ニールセン(S) ガブリエーレ・ シュレッケンバッハ(A) マーティン・ヒル(T) マティアス・ヘレ(B) フリーダー・ベルニウス指揮 シュトゥットガルト室内cho. ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内o. | ||
原盤:Intercord。作曲者自自身による4つの版が存在する「十字架上のキリストの七つの最後の言葉」。1785年アンダルシアのカディス大聖堂の依頼で最初に管弦楽曲版を作曲した当時からその出来栄えにはかなりの自信をのぞかせていただけに、いつかふたたび使おうとあたためていたのだろう。こののち弦楽四重奏版と鍵盤独奏版を経て、ついにオラトリオ版が誕生するわけ。ハイドンは晩年におもに声楽作品に傾倒して行くが、これはそのなかで手がけたオラトリオのうちのひとつにあたる。その実力の高さがすでに折り紙つきのベルニウスらによる演奏は、作品の真価をしっかりと伝えるもの。 | |||
シューベルト: 弦楽五重奏曲 ハ長調 D.956 Op.163(遺作)/ 弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 D.87 Op.125-1 |
ダニエル・ミュラー=ショット(Vc) フォーグラーSQ | ||
1985年ベルリンでの結成以来、不動のメンバーによりつねに第一線で活躍するフォーグラー・カルテット。メンデルスゾーン(PH-04091)につづくProfil第2弾はシューベルト・アルバム。かの「グレイト」と同じくハ長調で書かれた弦楽五重奏曲は、シューベルト室内楽の掉尾を飾る名作。歴代の名盤においてスター・プレイヤーが務めることが恒例の、要のチェロに抜擢されたのはミュラー=ショット。ムターやプレヴィンとの共演でもっとも注目を浴びている期待の大型チェリスト。ORFEOよりリリースのアルバムでもソリストとしても一級の腕前だが、20年余りの活動で30代後半ながらカルテットとしてはヴェテランの域に入った面々と渡り合い、リードさえする存在感はたいしたもの。結果、惚れ惚れする充実の出来栄えで、シューベルト・ファン、室内楽好きにはこたえられない。さらに、気心のしれた仲間で楽しむハウスムジークを意図したサイズで、次から次へとシューベルトらしい歌があふれ出す第10番も聴きもの。 | |||
ギュンター・ヴァント・エディション ベートーヴェン:ミサ曲 ハ長調Op.86(*) モーツァルト: 主日のためのヴェスペレ ハ長調KV.321(#) |
マーガレット・マーシャル(S;*) コルネリア・ヴルコップ(A;*) アドルフ・ダラポッツァ(T;*) カール・リッダーブッシュ(B;*) ブリギッテ・デューラー(S;#) ユリア・ハマリ(A;#) ヴェルナー・クレン(T;#) 大橋国一(B;#) ギュンター・ヴァント指揮(*/#) バイエルン放送so.&cho.(*)、 ケルン放送so.&cho.(#) | ||
録音:1982年1月21日、レジデンツ・ヘルクレスザール、ミュンヘン、ライヴ(*)/1968年11月22日、WDR第1ホール、ケルン(#)。(#)は今回おそらく初出となる音源。(*)はEN LARMESからELS-04-575(月日は記載無し)で出ている演奏と思われ、だとするとマスターからの初復刻。ヴァントはこの曲を意外にもよく取り上げており、EN LARMESからは1983年6月5日-6日の演奏も発売されている(ELS-02-234)。 Profil のギュンター・ヴァント・エディションには、これまでスタジオ盤では聴けなかった新たなレパートリーが含まれているのも大きな魅力。南ドイツの大御所評論家カール・シューマン博士が激賞した。バイエルン放送so.定期演奏会のベートーヴェンがCD化。合唱のボルテージの高さが印象的で圧倒的迫力のベートーヴェン、モーツァルトのヴェスペレは彼の宗教曲中もともと2、3を争う傑作だが、ヴァントが演奏するとレクイエムより上と思えるのがすごいところである。 | |||
ギュンター・ヴァント・エディション ヴァルター・ブラウンフェルス(1882-1954): テ・デウムOp.32(ソプラノ、テノール、 混声合唱、オルガンと大管弦楽のための)(*) ヒンデミット:演奏会用音楽Op.50(#) (弦楽合奏と金管のための) |
レオニー・リザネク(S) ヘルムート・ メルヒェルト(T) ヘルマン・ヴェルナー(Org) ギュンター・ヴァント指揮 ケルン放送so.、 ケルン・ギュルツェニヒcho. | ||
録音:1952年12月20日(*)/1970年3月6日、ケルン、ライヴ(#)。以上モノラル、おそらく共に初出音源。今や古典! ヴァントの20世紀音楽集。 『彼(ブラウンフェルス)のテ・デウムはものすごい作品でね』(ギュンター・ヴァント;1992年談) ヴァント曰く、1920年代-1930年代においてブラウンフェルスはR.シュトラウスと並び称されたドイツで最も高名な作曲家とのことで、このテ・デウム、確かにブルックナーのそれにもひけをとらぬ名作のよう。作曲者もヴァントの演奏に対し「こんなすごい音楽とは思わなかった!」とコメントのしようのない絶讃のコメントをしている。合唱、オルガン、フルオケが鳴りまくり、確かに大迫力の20世紀の傑作! モノラルながら音質は大変良好。 | |||
ギュンター・ヴァント・エディション モーツァルト:「戴冠式ミサ」K317(*) シューベルト:スターバト・マーテル D.383(#) |
マルゴ・ギヨーム(S) マルギット・コベック(A) ヨハネス・フェーヤーベント(T) エヴァルト・ カルデヴィーアー(B) ギュンター・ヴァント指揮 ケルン放送so.&cho. | ||
録音:1952年7月25日(*)/1953年10月17日(#)。 ヴァントのレコード初レパートリーとなる2曲で、名作「戴冠式ミサ」でのあまりに切々たる誠実な演奏に感動。(#)はドイツ国歌そっくりのメロディが登場する感動作。録音はモノながら大変聴きやすく、奥行きや広がりすら感じさせる良質なサウンド。 | |||
ギュンター・ヴァント・エディション Vol.17 ヴァルター・ブラウンフェルス(1882-1954):エクトル・ベルリオーズの主題による幻影(*) モーツァルト:ホルン協奏曲第3番 変ホ長調 K.447 (#) タデウシュ・バイルト(1928-1981):オーボエと管弦楽のための4つの対話(1964) (+) デニス・ブレイン(Hr;#) ローター・ファーバー(Ob;+) ギュンター・ヴァント指揮ケルン放送so.(*/#)、バイエルン放送so.(+) | |||
録音:1953年12月(*)、1951年1月(#)、放送用セッション・モノラル(*/#) /1968年2月、ライヴ・ステレオ(+)。発売:2012年。(*/+)はおそらく初出音源。(#)は CD-R 使用の TREASURE OF THE EARTH, TOE-2004 で出ていた演奏で、今回がマスターからの初復刻。 (*/#)は放送用のセッション録音というだけあり、音質も高水準で、特にモーツァルトの美音したたるブレインとの共演は品格あふれる逸品。拾いものはブラウンフェルス(デッカ頽廃録音シリーズ「鳥」が有名)。ロマン主義の伝統を尊重した『内省的とは極めて対照的に効果的で劇的な手法』(ニューグローブ音楽事典1994)と評される作風だけあり、リヒャルト・シュトラウスの交響詩ばりに、ひたすら盛り上がる曲調が爽快らある。ヴァントも絶好調の激しさ。バイルドはポーランドの重要作曲家で、『彼の主眼は強烈であふれるばかりの音の美しさなのである』と前掲のニューグローブ音楽事典1994で取り上げられている名曲。多彩なプログラムが魅力的な一枚。 | |||
ギュンター・ヴァント・エディション モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調KV.466(*) R.シュトラウス: 4つの最後の歌(#)/ ホルン協奏曲第1番 変ホ長調Op.11(+) |
ルドルフ・ フィルクシュニー(P;*) マーティナ・アーロヨ(S;#) ヘルマン・バウマン(Hr;+) ギュンター・ヴァント指揮 ケルン放送so. | ||
録音:1969年9月13日(*)/1967年6月15日-16日(#)/1975年10月31日(+)、以上ケルン、ステレオ、ライヴ。おそらく全て初出となる音源。(+)の日には、他にケルビーニの「アナクレオン」序曲が演奏されており、先に当シリーズから発売されている(PH-05007)。 豪華なメンバーの協奏曲集。フィルクシュニーとヴァントの組合せは甘さを徹底的に排し、誰もが待ち望んでも得られなかった、恐ろしい程の格調の高さが空前希有な大演奏で、思わず背筋が伸びる。R.シュトラウスのほのぼのした(+)も、ヴァントにかかると峻厳なる大名曲に早がわり。ホルン大家バウマンもうまさ爆発。 | |||
ヴァント&カサドシュとの共演、初出あり ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58(*) ハイドン:交響曲第92番 ト長調 Hob.I:92 「オックスフォード」(#) J.S.バッハ: ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV.1041(+) |
ロベール・カサドシュ(P;*) ローラント・ グロイター(Vn;+) ギュンター・ヴァント指揮 ケルン放送so.(*/#)、 北ドイツ放送so.(+) | ||
録音:1970年3月6日(*)/1967年4月20日(#)/1992年3月15日-17日(+)、以上ステレオ、ライヴ。(*)と(#)はおそらく今回初出の音源。(+)はEN LARMESから ELS-02-278 で発売されている演奏だが、マスターからの初復刻。 Profilの大看板、ギュンター・ヴァント・エディションの第19集。まずはなんといっても、カサドシュの亡くなる2年ほど前、3種目にして初のライヴによるベートーヴェンの第4番に注目。ヴァントのガッチリした音楽をバックに、カサドシュのダンディズムともいうべきシックなピアノが水のように自在に流れて行く。そこがまたスリリング。 きびきびとしたリズムに、優美な表情をみせる「オックスフォード」。これまでケルン・ギュルツェニヒ管とのスタジオ盤(モノラル)が唯一の録音であっただけに、ステレオ収録による当ライヴは歓迎されるところ。ヴァントの得意としたハイドンこそ、キリッと引き締まった造形美を知るのにうってつけの曲目といえるだろう。 手兵北ドイツ放送so.のコンマス、グロイターをソリストに立てたバッハは、ピリオド派の快速アプローチとは対極にある悠然たるテンポ設定。主役はあくまでヴァントで、これによりバッハの威容がみごとに浮かび上がる仕組み。バッハはオケの自主制作盤でも既出であったようだが、すべて録音状態良好。 | |||
ギュンター・ヴァント・エディション〜 ミュンヘン・レコーディングス Vol.1 ブルックナー:交響曲第8番(*) シューベルト:交響曲第8番「未完成」(+) |
ギュンター・ヴァント指揮 ミュンヘンpo. | ||
録音:2000年9月15日(*)、1999年9月28日(+)、ミュンヘン、ガシュタイク。これまでにCD-R使用の各レーベルなどからも発売の形跡が無い初出音源。 Günther Wand Edition。発売が熱望されたヴァントとミュンヘン・フィルの一連のライヴ録音がついに登場。異様な緊張感が会場を覆い、日本からも数多くのファンがかけつけた伝説となった2000年の第8番。冒頭から尋常ならざる気配。悠揚としながらも、ひたひたと鬼気せまる迫力が恐ろしい終楽章など圧巻で、その証拠に聴衆が曲が終わった後も拍手が出来ず、長い沈黙につつまれ、ヴァントが指揮棒を譜面台に置く音(?)もバッチリ収録。やがて盛大なる喝采に会場がつつまれる様まできちんと収録されているのもライヴ録音ならではの醍醐味。「未完成」も絶品。音質もすばらしい。 | |||
ジュリーニ&ケルン放響 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64 ドビュッシー:交響詩「海」 |
ピンカス・ズッカーマン(Vn) カルロ・マリア・ジュリーニ指揮 ケルン放送so. | ||
録音:1971年1月15日、ケルン、ライヴ。 ふらっと吸い寄せられるような甘美な音色。パールマンと同門でジュリアードのガラミアン仕込みのズッカーマン。メンデルスゾーンはキャリア最初期の1969年にバーンスタイン&ニューヨーク・フィルとの共演で華々しい成功を収めた曲。同年に同じ顔合わせでスタジオ盤も録音している。ここではジュリーニのサポートのもと、伸び伸びと時に官能的でさえあるメンデルスゾーンを聴かせる。 一方、ドビュッシーの「海」はもはや説明不要のジュリーニの十八番。フィルハーモニア(1962年)、ロス・フィル(1979年)、コンセルトヘボウ(1994年、ライヴ)ときて、じつに4種目。こちらもライヴという条件によるものか振幅の大きな表現が印象に残る。 | |||
ジュリーニ&ケルン放響の 「ドヴォ8」他、おそらく初出 ブゾーニ:「ファウスト博士」のための 2つの習作Op.51 [サラバンド/コルテージュ](*) フランク:交響詩「プシシェとエロス」(#) ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調Op.88(+) |
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮 ケルン放送so. | ||
録音:1971年1月11日(*)/1971年1月15日(#)/1958年11月3日(+)、以上ケルン、ライヴ。(*)と(#)はステレオ、(+)はモノラル。おそらく全て初出音源。 カンタービレの巨匠ジュリーニが振ったケルン放送so.とのライヴ集第2弾。彼がもっとも充実していた1970年代のブゾーニとフランクは、既出ズッカーマンとのメンデルスゾーンとドビュッシー「海」と同日のライヴ(PH-06010)。特にフランクでは、後年のBPOとの再録でもみられる幻想的な美しさがたいへん魅力的。メインのドヴォルザークはジュリーニ40代半ばのもの。旋律を歌い尽くした1989年のコンセルトへボウとのライヴとは大きく印象も異なり、第1楽章のコーダやフィナーレでの堰を切ったようにはじけた表現はまことに痛快。WDRアーカイヴの音源使用により音質良好。 | |||
ギュンター・ヴァント・エディション〜 ミュンヘン・レコーディングス Vol.2 ブルックナー:交響曲第5番 |
ギュンター・ヴァント指揮 ミュンヘンpo. | ||
録音:1995年11月29日、12月1日、ディジタル。初出音源(代理店は既出演奏のような書き方をしているが、誤りと思われる)。 "Gunter Wand Edition"。音質もクリアーで温かみがあり最高に素晴らしい。「この頃のヴァントは巨匠ぶりが尋常でないだけに、しかも曲も曲。人知を超えた崇高さで、いつなんどき聴いても無条件で感動させられてしまいましょう。凄い1枚でございます。しかし、当時のミュンヘン・フィルはベルリン・フィルと肩を並べていただけあってその美しさうまさは絶品。形容のしようがございません」と代理店があらゆる言葉を尽くして賛美している。 | |||
ギュンター・ヴァント・エディション〜 ミュンヘン・レコーディングス Vol.3 シューベルト:交響曲第9番「グレイト」 |
ギュンター・ヴァント指揮 ミュンヘンpo. | ||
録音:1999年9月28日、ミュンヘン、ガシュタイク。これまでにCD-R使用の各レーベルなどからも発売の形跡が無い初出音源。 Günther Wand Edition。極上の美しさを讃えた「グレイト」。ミュンヘン・フィルのチェリビダッケに鍛練された美音にヴァントのマッシブな音楽がブレンドされて生まれた、とんでもない名演。第2楽章の気品ある悲しい美しさも印象的。録音もすばらしく、両端楽章も音が前に迫って来る迫力。名録音ながら再生の難しかったNDRものに比べ、厚みがありながらクリアーで再生しやすい素晴らしい音である。 | |||
コロリオフ〜モーツァルト ピアノ・ソナタ第4番 変ホ長調 KV.282/ 幻想曲 ハ短調KV.475/ ピアノ・ソナタ第14番 ハ短調 KV.457/ ピアノ・ソナタ第11番 イ長調 KV.331 「トルコ行進曲つき」 |
エフゲニー・コロリオフ(P) | ||
録音:2005年-2006年、室内楽スタジオ、シュトゥットガルト。1949年生まれ、ネイガウス、ユージナ、オボーリンらたる顔ぶれに師事し、ロシア・ピアニズムの流れを汲む世界的ピアニスト、コロリオフ。2006年のアニヴァーサリーに合わせて、hr musikからはショスタコーヴィチ(HRMK-03306)を、ここProfilからはモーツァルトをそれぞれリリース。同じくネイガウスに師事したギレリスを思わせる硬質のタッチと透徹した響きが印象に残る一枚。 | |||
ハイドン:ピアノ三重奏曲集 [第43番 ハ長調 Hob.XV:27/第44番 ホ長調 Hob.XV:28/ 第45番 変ホ長調 Hob.XV:29/ ハ短調 Hob.XV:13] |
トリオ・オーパス8 [エックハルト・ フィッシャー(Vn) マリオ・デ・セコンディ(Vc) ミヒャエル・ハウバー(P)] | ||
ハイドンは少なくとも40曲以上のピアノ三重奏曲を作曲したが、交響曲や弦楽四重奏にくらべると人気はいまひとつ。それでもここに聴く3楽章構成による後期の3曲ではそれまでの愛好家の音楽から抜け出し、鍵盤パートの充実ぶりなどに完成形を聴く事が出来る。トリオ・オーパス8はシューベルトやブラームス、シューマンの全集録音などでも知られる1986年結成のアンサンブル。 | |||
Blue Train〜リコーダー三重奏のための作編曲集 シルヴィア・ロジン(1965-): ブルー・トレイン レス・ブラウン(1912-2001) &ベン・ホーマー:センチメンタル・ジャーニー モーツァルト(1756-1791): ピアノ・ソナタ第11番 イ長調K.331 〜第3楽章「トルコ行進曲」 リチャード・アドラー(1921-) &ジェリー・ロス(1926-1955): 「パジャマゲーム」〜 Hernando's Hideaway グリーグ(1843-1907): 抒情小曲集第1巻Op.12〜第4番「妖精の踊り」 ハチャトゥリアン(1903-1978): 子供のアルバム第2巻〜第2曲「夕べのお話」 ロバート・シャーマン(1925-): 「ジャングル・ブック」〜 I Wanna Be Like You ドビュッシー(1862-1918):小さな黒人 民謡: Un poquito canto セフトン・コットム(1928-):様々な鱒 II [普通の鱒、又は小川の鱒/小さな魔法の鱒/ ボレロの鱒/子守歌の鱒/青の鱒] メンデルスゾーン(1809-1847): 「エリア」Op.70〜 Engel-Terzett テリー・ギルキソン(1916-1999): 「ジャングル・ブック」〜The Bare Necessities 黒人霊歌:行け、モーゼよ カバレフスキー(1904-1987): 30の子供の小品Op.27〜第10曲「道化」 イルムヒルト・ボイトラー(1966-):三人でお茶を フランク・ギリス: Coon Hollow Capers ジェイムズ・ホーナー(1953-):「タイタニック」 〜マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン ミキス・テオドラキス(1925-): Margarita Margaro 黒人霊歌:ジェリコの戦い モーツァルト(1756-1791):バター付きパン セキンハ・デ・アブレウ(1880-1935) &アロイジオ・デ・オリヴェイラ(1914-1995)/ マルティン・ニッツ編:ティコ・ティコ ガーション・キングズリー(1922-):ポップコーン 黒人霊歌:アメイジング・グレイス |
アンサンブル・ ドライクラング・ベルリン [イルムヒルト・ボイトラー、 マルティン・リッパー、 シルヴィア・ C.ロジン(リコーダー)] | ||
編曲者記載無しは、当団体のボイトラーかロジンによる編曲。この団体はCHANDOSやHANSSLERへもクラシック作品を録音しているが、当盤は曲目からかジャズ系のアルバムとして分類されている。 | |||
バス・クラリネット〜フォルカー・ヘムケン イリス・テル・シフォルスト(1956-): Hi Bill! (*) ベルンハルト・ラング(1957-):海と公爵の物語 (#) デイヴィッド・ラング(1957-):報道発表 シュテフェン・シュライエルマッハー(1960-): Yatz Hatz (+) エルンスト・ベヒャルト(1958-): SIFR マイケル・ゴードン(1960-):The Low Quartet (**) ダニエル・スムートニー(1976-): White Trees |
フォルカー・ヘムケン (バスCl/コントラバスCl;**) トーマス・スターン(Perc;*) ベルンハルト・ラング (エレクトロニクス;#) トーマス・スタール (エレクトリック・ベース;+) | ||
シューベルト(1797-1828):合唱作品集 ミリアムの勝利の歌Op.136 D.942 / 嵐の中の神 Op.112 No.1 D.985 / 詩篇23番 Op.132 D.706 /太陽に寄せて D.439 / 挽歌 Op.52 No.4 D.232 / 無限なるものに寄せる讃歌 Op.112 No.3 D. 232 / 世界の創造主たる神 Op.112 No.2 D. 986 |
クリスティーナ・ラキ(S) フリーダー・ベルニウス指揮 シュトゥットガルト室内cho. アンドレアス・ ロートコップフ(P) | ||
録音:1986年頃。以前、独 SAPHIR (INTERCORD) から、INT-830.832(当店未案内)という品番で発売されていた録音の、レーベル移行再発売。 | |||
ブラームス(1833-1897):四重唱とピアノのための作品集 3つの四重唱曲Op.31 /3つの四重唱曲 Op.64 / 4つの四重唱曲Op.92 / 6つの四重唱曲 Op.112 より [第1曲「憧れ」/第2曲「夜に」] |
フリーダー・ベルニウス指揮 シュトゥットガルト室内cho. アンドレアス・ ロートコップフ(P) | ||
録音:1982年頃。以前、独 SAPHIR (INTERCORD) から、INT-830.809(当店未案内)という品番で発売されていた録音の、レーベル移行再発売。 | |||
ハイドン(1732-1809): ミサ曲第9番 ニ短調 「ネルソン・ミサ」 Hob.XXII: 11 (*) / ラウダ・シオン ハ長調 Hob.XXIIIc: 4 /アヴェ・レジナ イ長調 Hob.XXIIIb:3 (#) クリスティーナ・ラキ(S;*) リア・ボーレン(A;*) ハイナー・ホプフナー(T;*) ギュンター・ライヒ(B;*) インガ・ニルセン(S;#) フリーダー・ベルニウス指揮ハイルブロン・ヴュルテンブルク室内o.、 シュトゥットガルト室内cho. | |||
以前、独 INTERCORD から、INT-860.951(当店未案内)という品番で発売されていた録音の、レーベル移行再発売。 | |||
コンドラシン、ドレスデンでの「ショスタコ4」、初出」 ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 ハ短調 Op.43 |
キリル・コンドラシン指揮 ドレスデン・シュターツカペレ | ||
録音:1963年2月、ドレスデン国立歌劇場大劇場、ライヴ、モノラル。初出音源。 ドレスデン・シュターツカペレ・エディション。Profil がメモリアル・イヤーに放つショスタコーヴィチの問題作、第4交響曲。指揮は、1961年に世界初演を手がけたコンドラシン。前年の1962年には世界初の全集録音をモスクワ・フィルと、同じく4番から開始しているが、今回登場するのはドイツ初演ライヴという、歴史的価値も計り知れない演奏。 シニカルでユーモラスな第4番は政治的な圧力による無力感に苛まれていた歳月を表出したものともいわれている。プラウダ紙で批判を受けたオペラ「マクベス夫人」に続き、1936年に完成したものの、リハーサル後に作曲者自らの手で封印され、これより四半世紀もの間日の目をみることがなかったいわく付きの内容。創作上著しい発展をみせた意欲作であり、それまでに比べ編成も拡大し長大化。レントラー風のスケルツォを中央におきシンメトリカルな3楽章形式をとることや、はっきりとした引用から、マーラーに連なる作品である点も見逃せない。 ショスタコーヴィチとマーラー。第4番というオマージュ的作品に対する、屈指のマーラー指揮者でもあったコンドラシンの正鵠を射たアプローチ。また、ドレスデンがマーラーを奏でるときそうであるように、豊潤な弦に加えて木管の表情の濃さなども語り尽くせぬ魅力。ショスタコーヴィチ演奏史に留め置かれる世紀のライヴは、間違いなく生誕100年を大いに盛り上げるアルバムといえるであろう。 | |||
ミヒャエル・ハイドン:聖ウルスラをたたえるミサ「キームゼー・ミサ」MH.546(*) モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618/レジナ・チェリ K.127(#) ユリアーネ・バンゼ、メヒトヒルト・バッハ(S;*/#) ガブリエーレ・ビンダー(A;*) カール=ハインツ・ランペ(T;*) ヨアヒム・ゲープハルト(B;*) ハンス・ルドルフ・ツェベライ指揮ミュンヘン・レジデンスo.、ミュンヘン・モテットcho. | |||
録音:1990年頃。旧 CALIG CAL-50901(当店未案内/廃盤)のレーベル移行再発売。 | |||
ハインリヒ・シュッツ: われらの主イエス・キリストの生誕(クリスマス・オラトリオ)SWV.435/ シンフォニア・サクレ第3部(抜粋) [息子よ、なぜこんなことを SWV.401/種まきが種をまきに出ていった SWV.408/わたしは目を上げる SWV.399]/ 全地よ、主に向かって喜びの叫びをあげよ SWV.493 ヴォルフガング・ケルバー指揮ミュンヘン・モンテヴェルディo.、 ミュンヘン・ハインリヒ・シュッツ・アンサンブル | |||
録音:1994年。ピリオド楽器使用。旧 CALIG CAL-50941(当店未案内/廃盤)のレーベル移行再発売。 | |||
フランティシェク・クサヴェル・ブリクシ(1732-1771): グローリア・ミサ ニ長調/オルガン協奏曲第1番 ニ長調 フリーデリケ・ヴァーグナー(S) ライナー・シュナイダー=ヴァーターベルク(A) ベルンハルト・ヒルトライター(T) ミヒャエル・マンタイ(B) クリストファー・ハマー(Org) ヴォルフガング・ケルバー指揮モンテヴェルディo.、コンチェルト・ヴォカーレ・ミュンヘン | |||
録音:1993年、修道院付属教会、エンスドルフ。以前、独 CALIG から、CAL-50927(当店未案内)という品番で発売されていた録音の、レーベル移行再発売。 | |||
ドヴォルザーク:歌劇「ルサルカ」(ドイツ語版) | エルフリーデ・トレチェル(ルサルカ) ヘルムート・シンドラー(王子) ゴットロープ・フリック(水の精) 他 ヨゼフ・カイルベルト指揮 シュターツカペレ・ドレスデン ドレスデン国立歌劇場cho. | ||
録音:1948年。 ドイツの偉大な指揮者カイルベルトの貴重な「ルサルカ」。カイルベルトは第二次世界大戦で壊滅的な被害を受けたドレスデンの歌劇場の音楽監督を1945年に引き受け、復興に大きな貢献を果たした。この「ルサルカ」はその頃の貴重な録音。さすがカイルベルト、実にしっかりした名演奏。歌手も実力派が揃い、ドイツ語ながら聴き応え十分。 | |||
アントン・フェルディナント・ ティーツ(1742-1811):弦楽四重奏曲集 [ハ短調 Op.1-4/ニ短調 Op.1-5/ 3つの弦楽四重奏曲集〜第1番 ト長調/ 3つの弦楽四重奏曲集〜第3番 イ短調] |
ホフマイスターSQ | ||
ピリオド楽器使用。ニュルンベルクに生まれたティーツ(ティッツ)は、ロシアに渡って活躍したヴァイオリン奏者、作曲家。1771年にはサンクトペテルブルクの宮廷楽団のメンバーとなり、ロシアで最初に弦楽四重奏を作曲したと考えられている。作風は幅広い音域と独立的な動きをみせる上声部に特徴があり、とりわけアダージョに魅力が凝縮。ここでは1781年作の6つの弦楽四重奏と、1802年に書かれた3つの四重奏からそれぞれ2曲を収めている。 | |||
モーツァルト(1756-1791):初期ピアノ協奏曲集 [第3番 ニ長調K.40/第8番 ハ長調K.246/ ニ長調 K.107 No.1] |
ヴォルフガング・ブルンナー (Cemb/Fp)指揮 ザルツブルク・ホフムジーク | ||
録音:1998年頃。ピリオド楽器使用。以前、オーストリアの felicitas という小レーベルから、34 454 9(当店未案内)という品番で発売されていた録音の、レーベル移行再発売。 | |||
モーツァルト〜 いとしの姉ナンネルのために 連弾のためのソナタ ニ長調 K.381/ 前奏曲とフーガ ハ長調 K.394/ 転調する前奏曲/ 連弾のためのソナタ ハ長調 K.19a/ ピアノ・ソナタ第7番 ハ長調 K.309/ カプリッチョ K.395/ 連弾のためのソナタ 変ロ長調 K.358 |
ヴォルフガング・ ブルンナー、 レオノーレ・フォン・ シュトラウス (Fp デュオ) | ||
モーツァルトが姉ナンネルと共演するために作曲した連弾作品とナンネルがらみの独奏曲をフォルテピアノで奏したアルバム。さまざまなレーベルでフォルテピアノの名演を繰り広げているブルンナーが、ここでもいぶし銀の芸術を聴かせてくれる。 | |||
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125「合唱」 | マルガレーテ・テシェマッハー(S) エリーザベト・ヘンゲン(Ms) トルステン・ラルフ(T) ヨーゼフ・ヘルマン(Br) カール・ベーム指揮 ドレスデン・シュターツカペレ ドレスデン国立歌劇場cho. | ||
録音:1941年、ドレスデン。 ドレスデンの音楽監督時代(1934-43年)のベームが遺した第九。なるほど彼こそはライヴの人などといわれるが、ここでのベームは晩年のスタジオ盤とは別人のような熱く激しい音楽が特徴。独唱陣は同じベーム指揮によるシュトラウスの「ダフネ」世界初演時のキャストだったテシェマッハーやラルフをはじめとする、いずれも当時のドレスデンのベスト・キャスト。この放送用録音は他社からの復刻盤でも広く知られる内容だが、このたび復刻では音質も驚くほど自然で聴きやすいものとなっている。 | |||
コリン・デイヴィスの「グレイト」 シューベルト:交響曲第9番 ハ長調 D.944「グレイト」 |
コリン・デイヴィス指揮 ドレスデン・シュターツカペレ | ||
録音:1996年7月1-2日、ドレスデン、ゼンパーオーパー、ライヴ。 "Dresdner Staatskapelle Edition"。豊かな歌でいっぱいに満たされた、夢のように美しいシューベルト。魅惑のドレスデン・シュターツカペレ・エディションにデイヴィスの「グレイト」が登場。ボストンso.(1980年)以来3種目となるデイヴィスの「グレイト」は、当オーケストラとの全集録音(「グレイト」は1996年7月2-4日、ルカ教会)の直前にあたるもので、ライヴとしては初めて。名誉指揮者デイヴィスそのひとの誠実な音楽作りのもと、ドレスデンの美質が花開いた全集は最良の成果ともいえるたいへん優れた内容であった。 ドレスデンといえばシューベルトはもっとも得意とするところ。主なところだけでも「グレイト」をベーム(1979年、ライヴ)、シノーポリ(1992年)と、さらにサヴァリッシュ(1967年)、ブロムシュテット(1981年)とは全集を残している。そしてこのたびのデイヴィスのライヴ盤。さりげないフレーズのひとつひとつが有機的に絡み合い、やがて大きな音楽を形作るさまがなんとも自然なのはさすが。長い伝統に培われた独特の流儀と腰の落ち着いた響きが極上である。ここにはシューベルト演奏のひとつの理想形があるといって差し支えないであろう。 | |||
コリン・デイヴィス&ドレスデン・シュターツカペレ ベルリオーズ:テ・デウム Op.22 モーツァルト:キリエ ニ短調 K.341 |
ニール・ステュアート(T) ハンス=ディーター・シェーネ(Org) コリン・デイヴィス指揮 ドレスデン・シュターツカペレ、 ドレスデン国立歌劇場cho.、 ドレスデン・シンフォニーcho.、 ドレスデン・ジングアカデミー、 ドレスデン・フィルハーモニック児童cho.、 ドレスデン国立歌劇場児童cho. | ||
録音:1998年10月3-4日、ドレスデン、聖十字架教会、ライヴ。 ドレスデン・シュターツカペレ・エディション。1998年9月22日に創立450周年を迎えたドレスデン・シュターツカペレ。首席指揮者シノーポリのあと、記念シーズンの第2回シンフォニー・コンサートでデイヴィスが取り上げたのはベルリオーズの大作テ・デウム。Philips、LSO Live と一連の録音を通じて自他ともに認めるスペシャリストの手がける期待のプログラムといえるだろう。 さすがは幻想交響曲の鬼才ベルリオーズが書いた宗教曲というべきだろうか。テ・デウムは空間の効果と壮大な規模による圧倒的な音響という点で「レクイエム」と双璧を成す。キリスト教への信仰をもたなかったベルリオーズにとっては宗教色以上に、セレモニアルな巨大で特殊な編成による演奏効果にその特徴があると言える。オルガン、オーケストラ、3声部をもつ2群の合唱、さらには600人の児童合唱という途方もない編成とその配置に、異常ともいえる独特の空間の感覚が冴え渡っている。オルガンはオケと対峙し、児童合唱も2群の合唱とは分離され、オケはオケ、オルガンはオルガンとして独立して用いられている。冒頭のオケの全奏と、これに続くオルガンの重低音から洪水のように押し寄せる大音響。中間楽章の静謐な音楽も魅力だが、圧巻はやはり終曲の「われ信ず、審判に」を迎えるあたり、絶頂が幾重にも折り重なってゆき、ひたすら感動的。 カップリングは、絶筆のレクイエムと同じ調性によるモーツァルトのキリエ。わずか10分にも満たない短い作品だが、こちらもまた哀愁を帯びた美に引き込まれる。かねてより機会にふれて声楽曲への熱い思いを寄せてきた名匠デイヴィスによるベルリオーズとモーツァルト。ドレスデンの豊かな響きを得て、オケのメモリアル・イヤーを飾るにふさわしい出来栄えとなっている。 | |||
ヤナーチェク: 歌劇「カーチャ・カバノヴァー」 (ドイツ語歌唱) |
エルフリーデ・ トレッチェル(S;カーチャ) ヘルムート・シントラー (T;ボリス) ヘレーナ・ロット (A:マルファ) ハインリヒ・プフラァンツル (B;ディコイ) エルンスト・リヒター指揮 ドレスデン国立歌劇場o.&cho. | ||
録音:1949年。 物語はアレクサンドル・オストロフスキーの戯曲「嵐」により、ロシアのヴォルガ河畔を舞台に嫁姑関係のこじれあり、不倫あり、身投げありのまさにヴェリズモといってよい内容。ヤナーチェク作曲のオペラの評価は、1976年からのチャールズ・マッケラスの録音により近年非常に高まりつつあるが、当盤は彼が「カーチャ・カバノヴァー」をイギリスで初演して注目を集めるよりはるか前、そして Supraphon が録音する(1959年クロムプホルツ盤)よりも10年早い1949年、ドレスデン国立歌劇場(ゼンパー・オーパー)による全曲録音。 | |||
ギュンター・ヴァント・エディション〜 ミュンヘン・レコーディングス Vol.5 ブラームス:交響曲第1番 ハ短調Op.68(*) ベートーヴェン:交響曲第1番 ハ長調Op.21(#) |
ギュンター・ヴァント指揮 ミュンヘンpo. | ||
録音:1997年2月18日(*)/1994年2月4日(#)、以上、ミュンヘン、ガスタイク、ライヴ。(*)はおそらく初出音源。(#)は先にEN LARMESから発売された物で、同日に演奏された「英雄」もカップリングされていた(ELS-01-121)。今回がマスターからの初発売となる。揺るぎない巨匠の演奏スタイル、ヴァント&ミュンヘン・フィルによるブラームス&ベートーヴェン第1番。 信頼の厚かった音楽評論家ヴォルフガング・ザイフェルト氏の監修のもと、巨匠の偉大な足跡をたどる壮大な企画、Profil のギュンター・ヴァント・エディション。そのなかでもひときわ注目を集めているのが、晩年に行われた一連のミュンヘン・フィルとのライヴ。ブルックナー、シューベルトに続き、このたび登場するのはレパートリーの重要な一角をなすとされるドイツ音楽の本流ベートーヴェンとブラームス。 ヴァントの芸風の特徴は厳しく引き締まった造形美。「強いて云うなら新古典主義的」(音楽評論家許光俊氏)。そのせいかブラームスの第1番では、たとえば指揮者によっては、よりいっそう重々しく開始されることの多い第1楽章の冒頭のテンポ設定もいたって颯爽として速め。またフィナーレのコーダも大げさなドラマづくりは一切なし。手兵北ドイツ放送so.とのこした 2度の全集中の録音(1982年、1996年、ライヴ)と比べても様式上の変化はほとんどみられない。むろん、こうしたことが可能なのも自らの納得ゆくまでリハーサルを要求できるオケ以外はけっして振らなかった頑固一徹な巨匠と、それにこたえられるオケとの関係性あってこそ。 甘さゼロ。ロマンを排した辛口のブラームスだが、やはりミュンヘンというオケのサウンドカラーの違いからくる魅力ゆえだろうか。これまでのものにはなかったいくつもの新たな発見があることも確か。 そして、こちらも北ドイツ放送so.との2種( 86年、 97年、ライヴ)の録音が知られるベートーヴェン。ここには昨今ベートーヴェン演奏で主流となったピリオド・アプローチの面影はもちろんない。それでも湧き上がる生命力と、出てくる音楽の気高さ、豊かさに心が動かないかたはいないはず。 心底のファンが口を揃えて絶賛するヴァントとミュンヘン・フィルの顔合わせによるブラームスとベートーヴェン。聴いて違いのわかる人のためにある大人の音楽とでも呼ぶべき、巨匠孤高の境地を確かめることができるまたとない内容となっている。 参考データ:タイミング表 *ブラームス第1番* ・ミュンヘン・フィル( 1997年、ライヴ) [I .13'57+II .9'29+III .4'59+IV .16'56(実測値)] ・北ドイツ放送so.( 1996年4月21、22、23日、ライヴ) [I .13'35+II .9 '31+III .4'56+IV .16'55] ・北ドイツ放送so.( 1982年) [I .13'10+II .8'48+III .4 '51+IV .16 '34] *ベートーヴェン第1番* ・ミュンヘン・フィル( 1994年、ライヴ) [I .8'47+II .6'40+III .3'49+IV .5'51(実測値)] ・北ドイツ放送so.(1997年12月7日-9日、ライヴ) [I .9'04+II .6'35+III .3 '51+IV .5'54] ・北ドイツ放送so.(1986年) [I .8'40+II .8'28+III .3'29+IV .5'49] | |||
ギュンター・ヴァント・エディション〜ミュンヘン・レコーディングス Vol.7 ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調(原典版) ギュンター・ヴァント指揮ミュンヘンpo. | |||
録音:1998年4月21日。前出:SARDANA, SACD-105/6 / MEMORIES, ME-1001(以上、共に廃盤)があったものだが、マスターからの初発売だった 8CD BOX:PH-06013(発売:2008年)からの分売。国内仕様盤はKICC-814(製造中止)で1枚物が出ていた。 | |||
ギュンター・ヴァント〜 ミュンヘン・レコーディングス Vol.4 ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」 |
ギュンター・ヴァント指揮 ミュンヘンpo. | ||
録音:2001年9月15日(と代理店からアナウンスされているが、実際には2001年9月13日-15日である模様)、ガスタイク、ミュンヘン。この日付の演奏は初登場。前日14日(ELS-01-138)と一昨日13日(ELS-02-188)の演奏が、それぞれEN LARMESから発売されている。 待望のミュンヘン・フィルとのブルックナーシリーズ。ついに「ロマンティック」 の登場。 この演奏会の半年後2002年2月14日にヴァントは90年の生涯を閉じた。数多いヴァントのブルックナーだが、耳の肥えた方ほどミュンヘン・フィルとの組み合わせに執着するのも道理で、ヴァント晩年の味わい、オーケストラの音色の適度な明るさ、弦の暖かみのある厚い響き、管楽器の比類ない美しさなど他に代え難い魅力にあふれている。これをもって「ロマンティク」の最高峰と言うに憚らぬ大演奏。 | |||
ギュンター・ヴァント・エディション〜ミュンヘン・レコーディングス Vol.6 ブルックナー:交響曲第6番 イ長調(原典版) ギュンター・ヴァント指揮ミュンヘンpo. | |||
録音:1999年6月24日。当演奏の初出だった 8CD BOX:PH-06013(発売:2008年)からの分売。国内仕様盤はKICC-813で1枚物が出ている。 | |||
ヨハネス・ハーナイト(1963-): 室内アンサンブルのための作品集 室内アンサンブルのための26のコラール 「生無き死 [Ohne Leben Tod] 」Op.23 (2004) より [Nos. 1, 2, 8-11, 14, 17, 26] / 三連画 [Triptychon] Op.20 (2003) / 2つのコンツェルトシュトゥックOp.12 (2000?) / Doubles (2005) |
ヨハネス・ハーナイト指揮 ライプツィヒ・シンフォニエッタ | ||
ハーナイトはハンブルク生まれ。ハンブルク音楽舞台芸術大学(=ハンブルク音楽大学)で作曲と指揮法を(後者はクラウスペーター・ザイベルに)学び、オルデンブルク州立劇場を皮切りに、ヴッパータール/ゲルゼンキルヒェン・シラー劇場を経て、2001/2年シーズンからハノーヴァー州立歌劇場の音楽監督を務めている。指揮者としてはバイエルン州立歌劇場、ブレーメン劇場を始め、北ドイツ、南ドイツ、南西ドイツ、そしてデンマークの各放送管も指揮、2005年からは当CDでの演奏団体、ライプツィヒ・シンフォニエッタの監督を務めている。作曲家としては、ドイツ語圏の団体からの委嘱作も多く、クリスティアン・テツラフのためのヴァイオリン協奏曲や、室内オペラ「大馬鹿者 [Idiot] 」といった作品もある。 | |||
モーツァルト(1756-1791):歌曲集と書簡集 春への憧れ K.596 /満足 K.473 /すみれ K.476 / ・モーツァルトと父 父への手紙、1781年5月9日、ウィーン(*) /父への手紙(断片)、1781年12月15日、ウィーン(*) / 父への手紙(断片)、1787年4月4日、ウィーン(*) / 死せる星への追悼 [Elegie auf einen toten Star]、1787年6月4日、ウィーン(*) / ・モーツァルトの仲間 夕べの思い K.523 /ヨーゼフ・ブリンガー神父への手紙、1778年7月3日、パリ(*) / ヴァルトシュテッテン男爵夫人への手紙、1782年10月2日、ウィーン(*) /鳥たちよ、毎年 K.307 / 寂しく暗い森で K.308 /ミヒャエル・プッフベルクへの手紙、1788年6月17日、ウィーン(*) / 希望に寄せて K.390 /いかに不幸なことか K.147 /孤独に寄せて K.391 / ・Mozarts Spiel mit der Sprache 母への手紙、1778年1月31日、ヴォルムス(*) /父への手紙、1777年11月14日、マンハイム(*) / マリア・アンナ・テクラ・モーツァルト〔ベーズレ〕への手紙、1777年11月5日、マンハイム(*) / マリア・アンナ・モーツァルト〔ナンネル〕への手紙、1784年8月18日、ウィーン(*) / 魔法使い K.472 /ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時 K.520 / ・モーツァルトとコンスタンツェ コンスタンツェ・ヴェーバー〔モーツァルト〕への手紙、1782年4月29日、ウィーン(*) / コンスタンツェ・モーツァルトへの手紙、1789年8月中旬以前、ウィーン(*) / コンスタンツェ・モーツァルトへの手紙、1791年10月14日、ウィーン(*) / 小さなフリードリヒの誕生日 K.529 /子供の遊び K.598 クリスティアーネ・ベージガー(S) ヴォルフガング・ブルンナー(Fp;#) カールハインツ・ベーム(朗読;*) | |||
録音:2002年2月12日-14日、モーツァルトの住居(無印)/2002年2月13日、ORF 地域スタジオ(*)、以上 ザルツブルク。発売:2002年。使用楽器:ウィーンのアントン・ヴァルター製作、1785年(モーツァルト自身が使用/モーツァルテウム財団所蔵)。 | |||
ドヴォルザーク:レクィエム Op.89, B 165(*) ブラームス:4つの厳粛な歌 Op.121(#) メヒトヒルト・バッハ(S;*) ステファニー・イラニ(A;*) マルクス・シェーファー(T;*) クラウス・メルテンス(B;*/#) ドリス・ハーゲル(P;#)指揮(*) ヴァイルブルク城教会聖歌隊(*)、カペラ・ヴァイルブルゲンシス(*) | |||
渡米前に創作のピークを迎えていたドヴォルザークは、満ち足りたなかであえてレクィエムという題材をあえて選び取り、安らぎにも似た美しい旋律を素朴に歌い上げた。中世の佇まいをいまに残すヴァイルブルクのアンサンブルは古楽界では名の通った存在。あたたかく清新なピリオド楽器のひびきは、内容的に好ましいものといえるだろう。 | |||
Das klinget so herrlich 〜モーツァルトとザルツブルクの民謡 舞曲、歌曲、Weisen モーツァルト:19のメヌエット集 K.103〜第7番 ニ長調/歌劇「魔笛」 K.620〜 Das klinget so herrlich / 5つのコントルダンス K.609 〜第4番 ハ長調 トービ・ライザー(1907-1974): Rauriser Ländler / Glück auf ihr Bergleut / Murkl-Bairischer / Aberseer Ländler Nr.4 モーツァルト:4つのコントルダンス K.267 〜第4番 ニ長調/6つのドイツ舞曲K.571 〜第1番 ニ長調 トービ・ライザー: Sei net so frech, Bairischer / St. Veiter Geigenländler モーツァルト:歌劇「魔笛」 K.620〜 Bald prangt den Morgen zu verkünden / 2つのコントルダンス K.603 〜第2番 変ロ長調 トービ・ライザー: Sonntagswalzer モーツァルト:4つのドイツ舞曲 K.602 〜第3番 ハ長調/6つのドイツ舞曲 K.567〜第4番 ニ長調 トービ・ライザー: Deine Wangerlan / トビアス・ライザー(1946-1999): Geigenjodler G-Dur モーツァルト:歌劇「魔笛」 K.620〜 Seid zum zweiten Mal willkommen / 6つのコントルダンス K.462 〜第4番 ニ長調 トービ・ライザー: Plattenpolka / Grafenberg Bairischer / Salzburger Bauernmenuett モーツァルト:アンダンティーノとアレグロ ト長調 K.101 (250a) トービ・ライザー: Gedenket liebe Herzen zwei / Geigenjodler Nr.4 / Dreizipfpolka / Fritztaler Bairischer モーツァルト:春への憧れ K.596 /6つのコントルダンス K.462 〜第2番 変ホ長調 トービ・ライザー: Kleingmainer Walzer / モーツァルト:6つのメヌエット K.105 〜第1番 ニ長調 アンサンブル・トビアス・ライザー、ザルツブルク三重唱団 | |||
録音:1991年、Handwerkshaus des Salzburger Heimatwerkes Fürstenbrunn 、ザルツブルク近郊。(P) 1991 Profil-Verlag / (C) 2006 by Profil Medien 。トービ&トビアス・ライザーは、親子二代にわたる民族音楽演奏家。 | |||
ベートーヴェン:民謡編曲集 23の諸国の民謡 WoO.158a〜 [第7番「こんな羽根を背負うものは」 (ティロル民謡) 第8番「おまえなんかご免だ」(ティロル民謡) 第6番「娘さん、まったく娘は」(ティロル民謡)] 10の主題と変奏 Op.107〜第5番 23の諸国の民謡 WoO.158a〜 第5番「ぼくはティロルの男の子」(ティロル民謡) 10の主題と変奏 Op.107〜第1番 23の諸国の民謡 WoO.158a〜 第4番「朝早く起きて」(ティロル民謡) 6つのレントラー WoO.15 オーストリー民謡「深なべと平なべ」 6つの主題と変奏 Op.105〜第3番 スイスの歌による6つの変奏曲 WoO.64 (2テノール版)/同(ピアノ版) 6つのドイツ舞曲 WoO.42 25のアイルランド民謡 WoO.152〜 [第21番「朝は残酷な悩まし手」 第1番「アルスターへの帰郷」] 12のスコットランド民謡 WoO.156〜 第2番「ダンカン・グレイ」 26のウェールズ民謡 WoO.155〜 第1番「エヴァンの息子シオンよ」 12の諸国の民謡 WoO.157〜 第4番「おお、至聖なる」(シチリア民謡) |
ヴェレーナ・クラウゼ、 メヒトヒルト・ゲオルク(S) ヘルマン・オズヴァルト、 オットー・ラストビヒラー(T) ヴェルナー・ビント(B) ヴォルフガング・ブルンナー(P) ザルツブルク・ホーフムジーク | ||
1809年もしくは10年から1816年にかけて、楽譜出版社の依頼でベートーヴェンは散発的に民謡の編曲を手がけている。その民謡編曲をメインに、同じく民謡を主題とした器楽作品も収めたアルバムがこちら。こうしてまとめて聴ける機会はあまりないため貴重な内容といえるだろう。 | |||
シューベルトと民謡 [Schubert und die Volksmusik] シューベルト(1797-1828): グラーツのギャロップ D.925 (*) /4つのレントラー D.814 (*) / 4つのおどけたレントラー ニ長調D.354 (**/##) / 2つのトリオを持つドイツ舞曲と2つのレントラー D.618〜2つのレントラー(*/#) / 9つのレントラー D.370 より[ Nos.1, 3-6, 9 ](**)/ レントラーとシュラウニゲ [ Landler und Schleunige / レントラー集 D.378, 370, 374 より](***)(原曲:ピアノ独奏、又はヴァイオリン独奏/室内合奏版)/ 5月の歌(声楽アンサンブルとツィターのための編曲版)(+/###) / Jodler und Schottisch(D.529, 420, 146 より/室内合奏版)(***) / 雪が融け、5月がはじまる(声楽アンサンブルとツィターのための編曲版)(+/###) / Steyrer und Walzer(D.779, 783, 146, 366, 145, 370, 335 より)(***) (原曲:ピアノ独奏、又はヴァイオリン独奏/室内合奏版)/ ギャロップと8つのエコセーズ D.735 (***) / 12のウィーン(ドイツ)舞曲 D.128 より より[ Nos1, 8 ](*)/ クッペルヴィーザー・ワルツ "D. AI/14" (*) / 12のワルツ D.145 より[ Nos.9, 10, 1, 2, 6 ](*)/ 岩の上の羊飼 Op.129 D. 965 (S/*) / 2つのトリオを持つドイツ舞曲と2つのレントラーD.618 より(抜粋)(*/#)/ ハンガリーのメロディ D.817 (*) イサーク・アルベルト・ベリ(1803-1886):バスとピアノのための「 Se solen sjunker 」(B/*) シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番 変ホ長調 D.929 〜第2楽章(*/**/+++) ヴォルフガング・ブルンナー(Fp;*)指揮ザルツブルク・ホフムジーク レオノーレ・フォン・シュトラウス(Fp;#) ヘルベルト・ラグラー(ツィター;+) ヴェロニカ・クレーナー(Vn;**) ヴェルナー・ノイバウアー(Vn;##) ヴェレーナ・クラウゼ(S;S) ヴェルナー・ビント(BB) ペーター・ジーグル(Vc;+++) アンサンブル・トビアス・ライザー(***) ザルツブルク三重唱団 [Salzburger Dreigesang](###) | |||
録音:1997年10月。(P) 1997 Profil-Verlag / (C) 2006 by Profil Medien 。使用楽器:ベーゼンドルファー、1835年頃製(*)。いくつかのトラックで抜粋選曲集が見られるが、抜粋元の曲は「感傷的なワルツ集」「ドイツ舞曲集とエコセーズ集」「ワルツ集」「レントラー集」など。 以前ご紹介した「シューベルトの友人たち」(PH-05033; 1996年-2004年録音)と対をなすと思われる、ブルンナー&ザルツブルク・ホフムジークのアルバム。 #当録音は、ダウンロード販売こそいくつかのサイトで行われていますが、実際のCDはなぜか当レーベルが一般に販売されているはずのほとんどの国で扱われておらず(日本の代理店でも扱い無し)、本国ドイツでも扱っている業者がほとんどありません。そのため、通常商品の2倍の価格となってしまっておりますので、その旨御了承のほどお願い致します。 | |||
ムジカ・クラシカ〜ギター作品集 ハイドン/ヴットケ編曲:ギター協奏曲 ニ長調(原曲:弦楽四重奏曲 Op.2 No.2) モーツァルト/ヴットケ編曲:ソナタ ハ長調 K.229(原曲:2つのバセットホルンとファゴットのための) モーツァルト/ボッケリーニ編曲:アンダンテ・グラツィオーソ(ピアノ・ソナタ イ長調 K.331 より)/ ソル:モーツァルトの主題による変奏曲 / ボッケリーニ:ギターと弦楽四重奏のための五重奏曲 ニ長調Op.4 No.1 フリーデマン・ヴットケ(G) イーゴリ・ジューコフ指揮モスクワ新室内o. アリオーソSQ カリン・カラーホフ(カスタネット) | |||
録音:1993年10月、2005年11月、場所&曲毎の対比記載無し。発売:2006年。 | |||
トービ・ライザー(1907-1974):Salzburger Volksmusik(全30曲)
アンサンブル・トビアス・ライザー | |||
録音:1992年5月、Handwerkshaus des Salzburger Heimatwerkes Fürstenbrunn 、ザルツブルク近郊。(P) 1992 Profil-Verlag / (C) 2006 by Profil Medien 。 | |||
Oh Happy Day 〜ザ・ゴスペル・コレクション(全29曲) Carry Me / Rock My Soul / Joshua / Amazing Grace / To My Father's House /他 Mahalia Jackson, Edwin Hawkins, Golden Gate Quartet, Zion Gospel Singers, Andrae Crouch /他 | |||
ミヒャエル・ハイドン(1737-1806): 歌劇(ジングシュピール)「アルプスの牧場の婚礼」 MH 107 (1768) (*) / 歌劇(ジングシュピール)「ヴェルグルのコントラバス弾き」 MH 205 (1773-1775頃) ドロテー・ミールズ(S) ミヒャエル・ショッパー(B) イェルク・ヴァシンスキ、マルクス・フォルスター(CT;*) モニカ・ヴェケーレ(Ms;*) ベルンハルト・ベルフトルト(T;*) ヴォルフガング・ブルンナー(Cemb)指揮ザルツブルク・ホフムジーク | |||
録音:2006年7月2日-4日、Salzburg-Anif Gemeindesaal 。発売:2006年。 | |||
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲集 [第7番 ヘ長調 Op.59-1「ラズモフスキー第1番」/ 第9番 ハ長調 Op.59-3「ラズモフスキー第3番」] |
フォーグラーSQ | ||
1985年に結成、ベルリンを拠点にすでにオリジナル・メンバーで20年以上のキャリアを誇る名門フォーグラー・カルテット。最新録音はベートーヴェン中期の傑作ラズモフスキー2曲。第1番はデビュー間もない時期にも録音(92年RCA)しているが、ここでは2曲とも、とくに第9番フィナーレの英雄的で力強いフーガなどに大きな成長のあとを感じさせる。この流れで、ぜひ後期も聴いてみたくなる。 | |||
シューベルト:歌曲集「美しき水車小屋の娘」 (プロローグ&エピローグつき) |
ミヒャエル・ショッパー(Br) ヴォルフガング・ ブルンナー(Fp) | ||
録音:2000年4月、オーストリア、ミルシュタット・ホテル・ポスト。歌曲集の前後に、朗読によるプロローグとエピローグつき。 | |||
こんなお宝音源が存在した! コンドラシン&ドレスデン・シュターツカペレ、 狂気のショスタコ15番 ショスタコーヴィチ: 交響曲第15番 Op.141 (*) ボリス・チャイコフスキー(1925-1996): 主題と8つの変奏(1973) (#) |
キリル・コンドラシン指揮 ドレスデン・シュターツカペレ | ||
録音:1974年1月23日、ドレスデン文化宮殿、ライヴ(*)/世界初演時、ライヴ(#)。共に初出音源。 コンドラシンのショスタコ15番といえば、これまでモスクワpo.との1974年の録音(MELODIYA、ICON等)しか無かったが、これがコンドラシンとしてはイマイチの出来なので、彼2種目の同曲となるドレスデン・シュターツカペレとの当盤は大歓迎の期待盤。カップリングはショスタコーヴィチの愛弟子ボリス・チャイコフスキーがドレスデン・シュターツカペレ創立425周年のために作曲・献呈した「主題と8つの変奏」の世界初演時ライヴ。こちらの曲もコンドラシン2種目の演奏(1978年、モスクワ・フィルとのライヴがGLOBEから出ていた)。オケのヴィルトゥオジティを最大限に発揮するボルテージの高い作品で、聴衆の熱狂ぶりが30年以上を経ても生々しく伝わって来る。 | |||
19世紀のギター音楽 ジュリアーニ:ロッシニアーナ第1番 Op.119 アルベニス:アストゥーリアス/朱色の塔/ サンブラ・グラナディーナ カステルヌォーヴォ=テデスコ: ギター協奏曲第1番 ニ長調 Op.99(*) |
フリーデマン・ヴットケ(G) ニコラ・パスケ指揮(*) ハンガリー室内o.(*) | ||
ドイツの実力派ギタリスト、ヴットケの新録音。「19世紀」と銘打ちながら20世紀のカステルヌォーヴォ=テデスコが入っているのが不思議だが、いずれもロマッティック(代理店記載ママ)な味わいに富む作品ばかり。 | |||
ブルックナー:モテット集 舌もて語らしめよWAB 33/ 乙女らは王の御前に導かれWAB 1/王の旗は翻るWAB 51/ われらがためキリストは死のもとにWAB 10/ この場所は神が造り給うWAB 23/ 正しき者の唇は知恵を語るWAB 30/ 私は僕ダヴィデを選びWAB 20(*)/ 主よ、我を解き放ちたまえWAB 21(#)/ アヴェ・マリアWAB 6/ 愛する者よ、あなたはすべてに美しいWAB 46(+)/ エサイの枝は芽を出しWAB 52/ 見よ、大いなる司祭をWAB 13(#) |
ヴォルフガング・チェルスタ、 クラウス・バウエルレ、 ペーター・レトヴィグ、 フリッツ・レシュ(Tb;*) マンフレート・ フーク(Org;#/+) オリ・ファフ(T;+) ハンス・ザノテッリ指揮 シュトゥットガルト・ フィルハーモニア 声楽アンサンブル | ||
録音:1979年3。以前 独 CALIG から CAL-50477(当店未案内)という品番で発売されていた録音の、レーベル移行再発売。 | |||
ヘルベルト・ブロムシュテット レーガー: モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ Op.132(*) シューマン:4本のホルンと管弦楽のための コンツェルトシュテュック ヘ長調 Op.86(#) ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲(+) ヨハン・ゴットリープ・ナウマン:テ・デウム(**) |
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 シュターツカペレ・ドレスデン ドレスデン国立歌劇場cho.(**) | ||
録音:1990年3月10日(*)、1990年3月14日(+)、1980年12月18日(**)、以上ドレスデン、ゼンパーオーパー、ライヴ/1981年10月15日、ドレスデン、クルトゥアパラスト、ライヴ(#)。 ドレスデン・シュターツカペレ・エディション。1975年から1985年までの首席指揮者在任中、ヘルベルト・ブロムシュテットはベートーヴェンやシューベルト、ブルックナーの優れた録音を残し、今なお分かち難いドレスデン国立歌劇場管との記憶を私たちに刻んだ。その印象を蘇らせるかのように、ここにまた魅力いっぱいのアルバムが Profil よりリリースされる。 まず一曲目は有名な「トルコ行進曲つき」ソナタの第1楽章冒頭主題を用い、管弦楽法を凝らしたレーガーの代表作。次々と交替する各パートの名技が際立つ一方で、それでいながら大きな流れの中でバランスを崩すことなくすべて溶け合うさまが絶妙。つづいて、ドレスデン在住時代の1849年にシューマンが書き上げたコンツェルトシュテュック。首席ペーター・ダムらホルン・セクションの存在感は絶大で、いぶし銀の柔らかい音色と変幻自在のアンサンブルに心躍る。 ドレスデンに生没したナウマンは、宮廷作曲家、宮廷楽長としてウェーバー以前の当地の楽壇において重鎮であった音楽家。壮麗にして祝典ムードに包まれたテ・デウムには、成功したオペラや宗教曲の持ち味が詰まっている。そして、ほとんど世界最古の伝統を誇るオケの指揮台に当時立っていたウェーバー。2006年秋、ミョンフンとの来日公演でのアンコール「魔弾の射手」序曲は語り草となった。ここでも黒い森を思わせる、どこか暗く深みある響きは独特で「実際このオケなくしてはこの曲を描き尽くすことなどかなわないのではないか」とさえ思えてくるほど。気がつくとレーガーを除いたすべてがドレスデンにゆかりあるプログラムというのも大満足。ブロムシュテットはいつものように極上の響きを引き出すにとどまることなく、スタジオ録音だけでは決して窺い知れない躍動感あふれる音楽作りをみせるあたりに新鮮な驚きを覚える。 | |||
シノーポリ&ドレスデン・シュターツカペレ マーラー「第9」と没年の「死と変容」 マーラー:交響曲第9番 ニ長調(*) R.シュトラウス:交響詩「死と変容」Op.24(#) |
ジュゼッペ・シノーポリ指揮 ドレスデン・シュターツカペレ | ||
録音:1997年4月6日-8日、ドレスデン、ゼンパーオーパー、ライヴ(*)/2001年1月10日、11日、ライプツィヒ、ゲヴァントハウス、ライヴ(#)。以上初出音源。 ドレスデン・シュターツカペレ・エディション。2001年4月20日、ジュゼッペ・シノーポリは「アイーダ」の演奏中に心臓発作で倒れ、そのまま帰らぬ人となった。ドラマチックな最期を遂げた彼を語る上で、まず真っ先に思い起こされる究極のレパートリーといえば、当時の手兵フィルハーモニア管と作り上げた全集録音(85-94年)と続くドレスデンとの「大地の歌」(96年)で知られるマーラーをおいてほかにないだろう。 スタジオ盤より3年あまりを経ての第9交響曲。1992年以来首席指揮者を務めたドレスデン国立歌劇場管とのライヴは、極端なテンポ・ルバートを基調とした主情的なアプローチがいっそうの深化を遂げ、えもいわれぬ耽美的世界が繰り広げられている。トロけるような官能と陶酔。93年録音との端的な違いの顕れとしては、第1楽章がおよそ5分、アダージョも2分以上と、すべての楽章の演奏時間が拡大した結果、全曲が10分近くも長くなっていることが挙げられる。 いっぽう、当楽団ととりわけゆかりの深いシュトラウスはシノーポリが世を去る3ヶ月前のもの。いくつかのオペラや「英雄の生涯」「アルプス交響曲」など主要な管弦楽作品を録音している当コンビだが、「死と変容」はこの顔合わせでは初めて。なるほど「シュトラウスのオケ」ドレスデン。こちらも匂い立つような色気がそこかしこに充満して、浄化の動機が歌われるあたり時に退廃的な美を醸し出して替え難い魅力。 いずれにしてもシノーポリのアクの強さもさることながら、“どこまでも精緻で表情も濃厚 "、このオケの底知れぬポテンシャルにはまったく驚かされる。ここに聴く内容から想像するに、シノーポリ&ドレスデンはまだまだ恐ろしく凄絶な音楽をやってのけたであろうはずで、突然の死が惜しまれてならない。 シノーポリ指揮による当2曲の、他盤との演奏時間比較: ・マーラー「第9番」 シュターツカペレ・ドレスデン / 1997年ライヴ [ I. 32'51" + II 16'54" + III 14'12" + IV 28'18"(実測値)]/ フィルハーモニアo. / 1993年 [ I .28'05" + II 15'08" + III 13'14" + IV 25'50" ] ・「死と変容」 シュターツカペレ・ドレスデン / 2001 年ライヴ[ 26'27"(実測値)]/ ニューヨーク・フィル / 1987 年[ 28'22" ] なお、当初PH-07012という型番でご案内しておりましたが、上記へ変更となっております。 | |||
コンヴィチュニー&ドレスデン、初出あり ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77(*) チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 Op.36(#) |
ダヴィド・オイストラフ(Vn;*) フランツ・コンヴィチュニー指揮 シュターツカペレ・ドレスデン | ||
録音:1954年2月(*)/1953年11月6日(#)、以上ドレスデン国立劇場、ライヴ。(#)は今回初出音源で、この顔合わせによる同曲は、同時期にCD-R使用の VIBRATO からも1960年のライヴが発売される。 名匠コンヴィチュニーがドレスデンを振ったチャイコフスキーの4番。DDR ゼンダー・ドレスデン音源による初出という注目の内容。この年1953年にドレスデン国立歌劇場総監督に就任したコンヴィチュニーは、もともとモラヴィア出身のスラヴ系。チャイコフスキーとの相性はとてもよく、加えてドレスデン固有の響きの魅力も尽きない。カップリングのブラームスはチャイコ&モーツァルト第5番(PH-05011)とならんで、初出の独 DGG 以来、ETERNA ほかより出ていた有名演奏。2007年の最新リマスタリング。 | |||
なんと獅子王バックハウスによる 「ハンマークラヴィーア」の別演奏!〜 バックハウス、 ライヴ・アット・カーネギーホール 1956 ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調Op.27-2「月光」/ ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調Op.106 「ハンマークラヴィーア」 [アンコール] シューベルト:即興曲集Op.142 D.935 〜第3番 変ロ長調 ショパン:練習曲第14番 ヘ短調Op.25-2 シューマン:森の情景〜予言の鳥Op.87-7 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番 イ長調KV.331〜トルコ行進曲 |
ヴィルヘルム・バックハウス(P) | ||
録音:1956年4月11日(代理店のインフォメーションに詳細記載がなく、推定)、カーネギー・ホール、ライヴ。モノラル。メインのベートーヴェン2曲はおそらく初出音源。アンコールは OTAKEN RECORDS から DECCA LP の板起こし盤 が出ていた〔TKC-306/廃盤〕物だが、この1956年録音は、一般に知られる1954年のカーネギー・ホールリサイタルとは異なり、本家DECCAでは未CD化ではないだろうか。 1970年、ヘルムート・メルヒェルト(おそらくドイツのテノール歌手)はバックハウス未亡人からここに聴くピアノ・リサイタルが収められた4つのレコードおよびテープを受け取った。これらは“サンプル録音 "としるしを付けられた段ボール箱に入れられ、彼女の家の地下室に保管されていたもの。バックハウスといえば、真っ先に思い浮かぶのがベートーヴェンだが、このメインのソナタ2曲はおそらく初出で、なかでも「ハンマークラヴィーア」は1952年録音がこれまで唯一無二のものとされてきただけに、このたびのライヴの価値ははかりしれない。アンコールはデッカのアナログ復刻で別レーベルより出ていたこともあるが、良好な復刻がうれしいところ。こうしていま、広範囲な調査および復刻作業によって、このかけがえのないドキュメントおよびこの類稀なるピアニストの肖像が日の目をみることとなった。 | |||
ヘルマン・ゲッツ(1840-1876):歌劇「じゃじゃ馬ならし」
ゴットリープ・フリック(B;バプティスタ) アンネリース・クッパー(S;カタリーナ) エリーザベト・リンダーマイアー(S;ビアンカ) ベンノ・クシェ(Br;ホルテンジオ) ヴァルデマル・クメント(T;ルチェンティオ) マルセル・コルデス(Br;ペトルーキオ)他 ヨゼフ・カイルベルト指揮バイエルン放送so.&cho. | |||
録音:1955年。GALA から出ている物だが、マスターからの初復刻か。 ゲッツは、ケーニヒベルクに生まれたドイツの作曲家。ベルリンでハンス・フォン・ビュローに学んだ後、ヴィンタートゥールやチューリヒなど、スイスで暮らした。「じゃじゃ馬ならし」は1874年、マンハイムで初演されたオペラ。題名通り、原作はシェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」で、基本の物語は全く一緒。パドヴァの裕福な貴族バプティスタには二人の娘がいて、姉カタリーナは口やかましい性格、一方妹ビアンカは美しく穏やかな性格。ルチェンティオとホルンテンジオがビアンカに求婚者するも、バプティスタは、姉が結婚しなければ妹は結婚させぬと宣言。それを聞きつけたペトルーキオは、カタリーナを無理やり口説き落として結婚、しかし彼は、カタリーナに厳しい「躾」をして本当の愛を目覚めさせる、というもの。近年は上演がさっぱりない。このカイルベルト指揮の放送用録音は、戦後唯一の録音。フリック、クメント、クッパー、クッシェなど、名歌手が揃っている。 | |||
2本のギターによるグリンカ グリンカ: ポロネーズ〜 歌劇「皇帝に捧げし命」より(モルコフ編)/ カマリンスカヤ(モルコフ編)/ 「皇帝に捧げし命」幻想曲(モルコフ編)/ 「皇帝に捧げし命」ポプリ(モルコフ編)/ 「ルスランとリュドミラ」より [リュドミラのアリア/カヴァティーナ/ リュドミラのカヴァティーナ](モルコフ編)/ 「ルスランとリュドミラ」ポプリ (パレーヴィチ編)/ ノクターン「別れ」(チモフェーエフ編)/ ロマンス/何故泣く、乙女よ/ 騎兵の歩み(チモフェーエフ編) |
皇帝のギター [オレグ・チモフェーエフ、 ジョン・シュナイダーマン (7弦G)] | ||
ロシア人はスペイン人とならんでギターを愛好し、ロシアの民謡や歌謡の重要な音色を成している。独自の7弦ギターはラテン色がなく、スラヴ的な暗く叙情的な味わいに満ちて非常に魅力的。ロシア国民楽派の始祖グリンカは、ギター曲を残していないが、ここに収められた歌劇や歌曲の編曲はまさにその音色にぴったり。グリンカと同時代の名手モルコフらの編曲も絶妙で、しっとりと叙情的な世界は疲れた心を優しく癒してくれる。 | |||
レニングラード攻防戦当時の証人、 アーロノヴィチの「レニングラード」 ショスタコーヴィチ: 交響曲第7番 ハ長調 Op.60「レニングラード」 |
ユーリ・アーロノヴィチ指揮 SWRシュトゥットガルト放送so. | ||
録音:1993年4月20日-21日、シュトゥットガルト、リーダーハレ・ヘーゲルザール、ライヴ。“攻防戦の生き証人 "アーロノヴィチが振ったレニングラード交響曲という注目のアルバムが登場する。 レニングラードに生まれた指揮者アーロノヴィチ(1932-2002)。当作品成立の直接的な出来事であるナチの包囲がまだ始まる以前、彼はまだ子供だったが生地からの避難を強いられた。彼を含む避難民を乗せた列車はレニングラード郊外100キロのあたりで爆撃を受け、数千人の乗客のうちわずかに生き延びたのは70人ほど。九死に一生を得たのち、彼は包囲の真っ最中のレニングラードまで2ヶ月かけて徒歩で帰り着いた。その後包囲が解けるまでは果敢にもレジスタンス活動に身を投じ、1943年には11歳の少年として異例にも国家からレニングラード防衛の功績により勲章を授けられている。アーロノヴィチがこの曲を初めて聴いたのはまさに包囲下にあるレニングラードにおいてだった。数年後に、この作品の演奏を通じて作曲家とともに仕事をしていたとき、彼はショスタコーヴィチに戦時下で同曲の演奏が彼に与えた印象のほどを語り、これを聞いたショスタコーヴィチはたいへん感銘を受けて、ふたりが一緒に仕事をするときはいつも若き指揮者に彼の話を繰り返させたものだったという。アーロノヴィチは作曲者がこの作品について述べたことをつぎのように引用している。「この交響曲は単にファシズムに対する勝利を祝しているわけではない。同時にそれは邪悪にたいする善の、また反啓蒙主義にたいするヒューマニズムの、死にたいする生の勝利をたたえている。」 このように作曲者とも親交があり、録音ではBISの第5番が知られるアーロノヴィチは自他ともに認めるショスタコーヴィチの権威のひとり。上記のような壮絶な実体験が色濃く反映されたシュトゥットガルトとの「レニングラード」ライヴが、緊張感と白熱の度合いにおいてまれにみるほどの演奏内容となっていても少しも不思議ではない。 | |||
プフィッツナー: 大管弦楽のための交響曲 ハ長調 Op.46(*) R.シュトラウス: 交響詩「ドン・ファン」(#) 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」(*) 楽劇「サロメ」〜7つのヴェールの踊り(#) 祝典前奏曲 Op.61(+) |
カール・ベーム指揮(*/#) クルト・シュトリーグラー指揮(+) ハンス・アンデル=ドナート(Org;+) ドレスデン・シュターツカペレ | ||
録音:1941年1月(*)&1939年1月(#)、ドレスデン、ゼンパーオーパー(*/#)/1944年5月17日、ドレスデン、聖母教会(+)。原盤:ELECTROLA SP (*/#)/帝国放送(+)
ベームといえば、いくつものオペラをドレスデン時代に初演した実績からもシュトラウスのスペシャリストとして知られる。音楽監督在任中に吹き込んだこれらの録音では、鮮やかに駆け抜けるドン・ファン、ティルのセンスのよさ、官能的なサロメと、流れるように柔軟な音楽がすばらしいの一語。 父とおじを当オケのヴァイオリン奏者にもつシュトリーグラー(1886-1958)も当オケゆかりの指揮者。1913-45年、52-53年にかけてドレスデン国立歌劇場のカペルマイスターを務めている。マスター・テープは当エディションのために修復されている。 すべてたいへん聴きやすい音質。 | |||
ハイティンク&ドレスデンのブル6 ブルックナー:交響曲第6番 イ長調 |
ベルナルト・ハイティンク指揮 ドレスデン・シュターツカペレ | ||
録音:2003年11月3日、ドレスデン、ゼンパーオーパー、ライヴ。先にEN LARMESからELS-03-452として出ていた演奏の、マスターからの初発売。 ドレスデン・シュターツカペレ・エディション。ハイティンク&ドレスデンによるブルックナー第6番がようやくマスターからリリース。確かな耳を持つProfilレーベルの主宰ギュンター・ヘンスラー氏がアーカイヴのテープを聴きリリースを即決したというのも頷ける内容。ハイティンクにとって第6番はこれまでのところ1970年のセッション録音、1985年のバイエルン放響盤(EN LARMES ELS-01-102/3)に次いで3種目。現在では桂冠指揮者のポストにあるロイヤル・コンセルトへボウo.とともに、キャリアの若い時期に完成させたこの全集によって、以後ブルックナー指揮者としての確固たるポジションを築いてゆくこととなる。 当アルバムは急死したシノーポリの後を受け、ハイティンクがドレスデン国立歌劇場音楽監督に就任した翌年に行なわれたコンサートを収めたもの。ヨーロッパの伝統を体現した最高の楽器との呼び声高いオケを得たことで、より大きく魅力が開花している。いったいどうすればこんな音が出せるのかというほど、ニュアンスいっぱいのオーボエ・ソロが紡ぎ出す哀感がたまらないアダージョ。しなやかで潤いいっぱいの弦の美しさや、分厚いブラスの音。ここを聴いただけでも、これをハイティンク&ドレスデンの最上の仕事に数えることに何のためらいもない。 | |||
ユオン: ピアノ四重奏曲第1番 ニ短調「狂詩曲」Op.37 ドヴォルザーク:ピアノ四重奏曲第1番 ニ長調 Op.23 |
アルティス・ ピアノ四重奏団 | ||
ロシア出身のユオンとチェコのドヴォルザーク、ともに最初のピアノ四重奏曲は、感性のフレッシュさ、3楽章構成、ニ調と、いろいろな点で共通しているとのこと。ブラームスの影響も感じられる重厚で充実した内容が魅力。 | |||
ベルリオーズ:レクイエム Op.5 | キース・ イカイア=パーディ(T) コリン・デイヴィス指揮 シュターツカペレ・ドレスデン、 ドレスデン国立歌劇場cho.、 ドレスデン・ シンフォニーcho.、 ドレスデン・ ジングアカデミー | ||
録音:1994年2月14日、ドレスデン、聖十字架教会、ライヴ。当初、PH-07033という型番でアナウンスされていたが、上記へ変更されている。 第2次大戦中の1945年2月13日から14日にかけて、米英連合軍はドイツの古都ドレスデンに対して無差別爆撃を行った。この爆撃により都市の85パーセントが破壊され、3万とも15万ともいわれる一般市民が犠牲となった。ドレスデン爆撃50周年を翌年に控えた1994年、未曾有の戦禍を被ったのと同じ2月13、14の両日に、デイヴィスとシュターツカペレ・ドレスデンによって演奏されたのがベルリオーズの大作レクイエム。これはその追悼演奏会のドキュメント。なお、2月13日も録音が予定されていたが、当日は氷点下25度という極寒のために録音機材を作動させるためのバッテリー用のディーゼル・エンジンが凍り付いてしまったので録音が出来なかったとのこと。 大空襲からほぼ半世紀前の1897年にドレスデン初演がなされたレクイエム。さすがは異端児の作にふさわしく、まず編成がともかく破格。大オーケストラ&大合唱のほか、ティンパニ8対、大太鼓、タム・タム、シンバル10対、さらに4群のバンダ(各4のトランペットとトロンボーン)が加わるというもの。さらに、これら大音響が鳴り渡る第2曲「怒りの日」や第6曲「ラクリモサ」から一転、アカペラによる第5曲「われをさがしもとめ」では静謐なる音楽という具合に、全10曲の内容も恐ろしく起伏に富み入り組んでいる。「自作でただ一曲だけを残すことが許されるなら迷わずこれを残してもらうように」というほどベルリオーズ自身強く惚れ込んでいたと伝えられている。 また、デイヴィスにとっても過去に2度の録音(LSO/ 1969年、バイエルン放送so. / 1989年、ライヴ)を残す当作品は、“ベルリオーズのエキスパート "がまだクラリネット奏者だった時分に演奏して指揮者を志す啓示を受けた運命の曲でもある。デイヴィスはのちにインタヴューで次のように述べている。「このときの追悼演奏会は私にとってドレスデン時代の最大の出来事だったかも知れない。ほんとうにショッキングだった。それこそぴったりの時、ぴったりの場所、ぴったりの作品だった。ただのアイデアやお膳立てとしてではなく、突如として音楽というものがほんとうにそうでなくてはならないものとしてそこにあった。まさに忘れることの出来ない感動的な体験であった。」彼はまたドレスデン在任期間中2月13日に指揮台に立つ機会が訪れると、ミサ・ソレムニス、モーツァルトのレクイエム、ブリテンの戦争レクイエムといった作品を取り上げていた。 このように爆撃を行った側の人間としての痛切な衝動に駆られて臨んだデイヴィスのもと、時と場所を選ぶ演奏至難のベルリオーズの大作が、ほとんど奇跡的にぴたりとはまったドレスデン追悼演奏会。かくも迫真の内容を持つ演奏に触れる機会はまれといえるのではないだろうか。 | |||
ルーカス・ハーゲン、協奏曲集 ハイドン:ヴァイオリン協奏曲 ト長調 ミヒャエル・ハイドン: ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 モーツァルト:アダージョ ホ長調 K.261 |
ルーカス・ハーゲン(Vn)指揮 カメラータ・ザルツブルク | ||
録音:2005年3月20日-23日、 Große Aula, Alte Universität, ザルツブルク/現地発売:2006年。使用楽器:アントニオ・ストラディヴァリ制作「 Rawark 」、オーストリア国立銀行収蔵。ザルツブルクに生まれ、モーツァルテウムで学んだルーカス・ハーゲンは、卒業後もクレーメルについて学び、指揮者アーノンクールや作曲家リゲティからも多大なる影響を受けた。現代屈指の名カルテット、ハーゲン四重奏団で第1ヴァイオリンを務め、7年に渡りヨーロッパ室内管を率い、さらにアバド指揮のルツェルン祝祭管のメンバーとしても多彩な活躍を繰り広げている。このアルバムはこれまで室内楽録音が中心であった彼が、ソリストとしての高い力量を示した意欲作。モダーン楽器にピリオド・アプローチを採用したスタイルによる精鋭アンサンブルをバックに、師クレーメルのごとくヴァイオリンが鋭く切り込むさまはまことに清清しい。 | |||
ディミトリ・テルツァキス(1938-): 忌まわしい詩曲 [Gedichte der Verdammten] /墓碑銘/ 光/闇/エリネス/サテュロス劇/ヘロとリーンダー |
タチヤーナ・マシュレンコ(Va) アンドレス・マウポイント(P) クリスティアン・ オリベイラ(語り) | ||
録音:2004年-2005年、MDR 放送局、ライプツィヒ/発売:2007年。テルツァキスはギリシャ出身で、ドイツで活躍する作曲家。ピアニストのマウポイントも、チリ出身で同じくドイツで活躍している。 | |||
サヴァリッシュ2001年〜メンデルスゾーン:オラトリオ「エリヤ」
ミヒャエル・フォレ(B) アンドレア・ロスト(S1) マルヤナ・リポヴシェク(A) ヘルベルト・リッペルト(T1) レティツィア・シェレール(S2) トーマス・クーリー(T2) バルバラ・フレッケンシュタイン(S) ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮バイエルン放送so.、バイエルン放送cho. | |||
録音:2001年7月12日、ミュンヘン・ヘルクレスザール、ライヴ。収録:バイエルン放送。日本にもなじみの巨匠サヴァリッシュがバイエルン放送so.を指揮した選りすぐりのライヴ演奏をお届けするシリーズ。ハイドン「四季」(1994)、モーツァルト「ハフナー」&「ジュピター」(1998)、オルフ「アンティゴネ」(1958)に続く第4弾。メンデルスゾーンをたいへん得意にしているサヴァリッシュは、オラトリオ「エリヤ」についても、1968年にゲヴァントハウス管とセッション録音、のち1986年にもNHKso.とライヴ録音を残している。当盤に聞くサヴァリッシュの手慣れた手腕はさすがで、大編成の陣容を率いての音楽運びと感銘の深さも群を抜いている。こうした大編成の作品にとってたいせつなポイントである録音状態もすぐれていることもうれしいところ。なお、終演後に拍手が入る。 | |||
サヴァリッシュ、初出 ハイドン:オラトリオ「四季」 ルート・ツィーザク(S;ハンネ) ロバート・ギャンビル(T;ルーカス) アルフレート・ムフ(B;ジーモン) ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮バイエルン放送so.、バイエルン放送cho. | |||
録音:1994年7月31日、マリー修道院、ディーセン・アム・アンマーゼー、ライヴ。初出音源。 バイエルン州最南部の美しい湖畔の町で行われた、サヴァリッシュによる貴重なライヴが初登場。70歳の彼は円熟の極みにあり、しかも相手が優秀なバイエルン放送so.&合唱団ということから、大変に充実している。加えて18世紀に建築されたバロック様式の修道院での演奏とあって、コンサートホールとは違った雰囲気が音からも伝わって来る。当時国際的名声を急速に高めていたツィーザク、ヘルデンテノールに転向する直前のギャンビル、そして当時45歳のムフの手ごたえのある歌と、歌手も充実。サヴァリッシュとハイドンはいかにも合いそうなのに、録音は少なく、ことに巨匠になってからの録音はほぼ皆無。その点でも貴重な録音の登場。 | |||
サヴァリッシュ&バイエルン放響、1998年のモーツァルト モーツァルト: 交響曲第35番 ニ長調 K.385「ハフナー」(*)/ 交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」(#) |
ヴォルフガング・ サヴァリッシュ指揮 バイエルン放送so. | ||
録音:1998年6月7日、ヴュルツブルク(*)/1998年12月1日、ミュンヘン、プリンツレゲンテン劇場(#)。 かつて、サヴァリッシュのモーツァルトと言えばスタンダード中のスタンダードとして、また理想のモーツァルトと讃えられ、ノリントンなどの古楽過激派の大攻勢の現在でも、いまだ輝き続けている。小細工、ハッタリ一切ろうしない、真の正統的演奏。しかもサヴァリッシュ指揮活動最後期、至芸の味わいがにじみ出ており、心を打つ。優秀録音。 | |||
ブラームス: 愛の歌ワルツ集 Op.52(18曲)/ 新・愛の歌ワルツ集 Op.65(15曲) |
ヘルムート・リリング指揮 シュトゥットガルト・ ゲヒンゲン聖歌隊 ユルゲン・ウーデ、 レナーテ・ヴェルナー (Pデュオ) | ||
原盤:Intercord。合唱のスペシャリスト、リリングがいまから30年以上前に手兵と残したアルバムが復活する。ワルツといえばウィーン。そのスタイルを念頭において、ハンガリー舞曲集やワルツ集作品39といったすぐれた四手用作品で知られるブラームスが、その腕を存分に振るったのがこの「愛の歌ワルツ集」。ひとつひとつが短く曲ごとに重唱の組み合わせは異なるが、すべてワルツのリズムに乗せて歌われるナンバーはじつに気持ちの良いもの。共演のウーデ&ヴェルナーはシュトゥットガルトの師弟デュオ。ウーデはバルトークやベートーヴェンのピアノ全作品といった重要な著作も残している。 | |||
フリッツ・ヴンダーリヒ/ザ・レジェンド 〜アリア、オペラ&オペレッタからの場面、歌曲集 マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」より [マリーズ・ジーメリング(S) インゲボルク・ヴェングロール(S) リヒャルト・クラウス指揮ベルリン・ドイツ・オペラo.、アルントcho.] プッチーニ:「ラ・ボエーム」より [ヘルベルト・ブラウアー(Br) トゥルーデ・アイッペルレ(S) ぺーター・ロート=エーラング(Br) リヒャルト・クラウス指揮ベルリン国立歌劇場o.] J.シュトラウス:「こうもり」より [ヘンリエッテ・ロベルト(S) ローレ・パウル(S) B.ザムラント(Br) アンニ・クレッチュマー(B) ハンス・ミュラー=クライ指揮スタジオo.] フレート・ライモント/ギュンター・シュヴェン:「青い仮面」より [ウルズラ・シルマッハー(S) マティアス・ベッケルト指揮 大o.] ニコ・ドスタル:「号外」〜カップルが踊るように ローベルト・シュトルツ:「シニョリーナ」〜美しきイタリアよ、さようなら シュトルツ:「チチパの王子」〜かつて春に幸福が私に笑いかけた [エメリヒ・スモラ指揮スタジオo.] 以上、フリッツ・ヴンダーリヒ(T) | |||
録音:1955年-1956年、シュトゥットガルト&ベルリン。 ドイツが生んだ名テナー、ヴンダーリヒの甘い声に酔いしれる一枚。マスカーニやプッチーニでの凛とした役どころも素敵だが、SWR音源のアルバム(93-003)にも収録されていたシュトルツ、ドスタルなどオペレッタからのおなじみのナンバーがまた絶品。こんな歌声で愛を囁かれたら、もうイチコロだろう。 | |||
ツァラ・レアンダー生誕100周年記念盤〜 伝説的ドイツ語録音集(全77曲) ビッグ・ショウと映画シリーズ ベナツキー:喜歌劇「天の扉のアクセル」より 縛られた手/今日の女/ ムービースター・シャンソン 1937年製映画「プレミエ」より メルシー/友よ/とても美しかった たぶん私はまだ一度も愛されていない 1937年製映画「世界の涯てに」より 深きあこがれ/雨の中に立つ/イエッサー! 1937年製映画「南の誘惑(ハバネラ)」より 風が私に歌ってくれた/ きみはそれを知ることはできない 1938年製映画「故郷」より 星が3つ光るのを見た/ 女は恋して初めて美しくなる/ 青いキツネ/他 |
ツァラ・レアンダー(Vo) | ||
スウェーデン生まれの女優で歌手のツァラ・レアンダーの生誕100年を記念する伝説的録音集。彼女は1930年代からドイツを中心に活躍した。そのキャリアの中で映画から舞台に活動の中心を移し観客に愛されてきたレアンダーは、戦後に苦しい時代も経験したが、その歌声を人々から忘れられることのない、まさしく「ディーヴァ」だった。彼女の没後25年(2006年)と生誕100年(2007年)にあわせてリリースされるこの録音集は本人出演の映画、舞台からのナンバーに加え、未公開ボーナストラックを含む全77曲からなっている。 1936年から1952年に録音されたものだが、驚かされるのが彼女の声の変化。瑞々しい30代前半の声、そして円熟味を増した40代後半の声。その間にどんな人生を積み重ねたのか、興味をかきたててやまない。 | |||
J.S.バッハ:ミサ曲集 [ヘ長調 BWV.233/イ長調 BWV.234/ト短調 BWV.235/ト長調 BWV.236] エリーザベト・シュパイザー(S) インゲボルク・ルシュ(A) ヤコプ・シュテンプフリ(B) ヨーン・ファン・ケステレン(T) ヘルムート・リリング指揮シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム、ゲヒンゲン聖歌隊 | |||
録音:1967年。原盤:Intercord(当店未案内)。 J.S.バッハ演奏の権威であるリリングがシリーズの総監修を手がけ、宗教作品をはじめとする収録曲の大半の演奏を担当した偉業「バッハ大全集」。 J.S.バッハの特徴のひとつ、自作からの転用を多く含み、器楽伴奏つきの独唱アリアなどの構成から「カンタータ風のミサ曲」とも呼ばれる4つのミサ曲は、 ヘンスラー社より刊行されているその大全集にも収められているが、こちらは別演奏。ここでは 1940年チューリヒ生まれのシュパイザー、1934年ベ ルン生まれのシュテンプフリのスイス勢に、1921年ハーグ生まれのオランダの名テノール、ケステレンといった顔ぶれが換え難い存在感を示しており、ソ リストにシェーファーやクヴァストホフらを迎えた1990年代の再録音とはまた別の趣きが魅力となっている。 | |||
鬼才ビシュコフのラフマニノフ ラフマニノフ: 合唱交響曲「鐘」Op.35/ 交響的舞曲Op.45 |
タチヤナ・ パヴロフスカヤ(S) エフゲニー・ アキーモフ(T) ウラジーミル・ ヴァネーエフ(Br) セミヨン・ビシュコフ指揮 WDR ケルン放送so.&cho.、 レーゲ・アルティス室内cho. | ||
録音:2006年9月、ケルン、フィルハーモニー、ライヴ。DSDマルチチャンネル・ステレオ。濃厚なメランコリーが充満する「鐘」迫力のリズム!シンフォニック・ダンス。 ビシュコフ&手兵ケルン放送so.による最新アルバムはラフマニノフ。晩祷とならび合唱ジャンルの傑作として名高い「鐘」は、1913年ローマ滞在中に象徴派詩人バリモント訳によるポーの詩作にインスパイアされて“熱病のような情熱を傾けて作曲し、全作品の中でもっとも気に入っている "と自身も述べた力作。性格の異なる4つの楽章はそれぞれ、明るい希望と憧れに満ちた「銀の鐘」、華やかな婚礼を表す「黄金の鐘」、恐怖の警鐘である「銅の鐘」、そして死と葬式を象徴する「鉄の鐘」となっている。ビシュコフのラフマニノフ録音では、デビュー間もない頃のパリ管との第2交響曲で聴かせた濃厚な音楽が鮮烈なイメージとして思い起こされるが、やはりねっとりとした味付けはお手のもの。しかもこのたびは手兵に加え、本場から迎えたゲストの声楽陣がめっぽう強力。ラテン語で“芸術の法則に遵って "を意味するレーゲ・アルティスは、ボリス・アバリャン率いるサンクトぺテルスブルクの精鋭アンサンブル(総勢25名・1987年設立)。ソリストもゲルギエフの録音などでおなじみのアキーモフらロシア勢が顔を並べている。とくに彼らの実力が全開となる長大な終楽章は最大の聴きどころ、SACD マルチチャンネル再生では効果も満点。いっぽう、渡米後に書かれた最後の作品である交響的舞曲。1952年レニングラード生まれ、個性派指揮者としてセンセーショナルに登場したビシュコフも2007年で55歳。パワフルなリズムに代表される晩年の様式が詰まった人気曲も、いま脂の乗っている彼の充実ぶりを物語る出来栄えとなっている。 | |||
ドヴォルザーク: 歌劇「ジャコバン党員」Op.84(抜粋) |
ズヴェン・ニルソン (B;ウィルヘルム伯爵 ハラソフ) マシュー・ アーラースマイヤー (Br;ゴットフリート) マルガレーテ・テシェマヒャー (S;ユーリエ) ハインリヒ・プフランツル (B;スチュワード城代) ローレンツ・ フェーエンベルガー (T;ゲオルク) カール・エルメンドルフ指揮 ドレスデン国立歌劇場 o.&cho.、少年cho. | ||
録音:1943年。 18世紀末のボヘミアの田舎を舞台とするこのオペラは、1898年にプラハで初演された。2007年11月に3演目にて来日公演を行うドレスデン国立歌劇場(ゼンパーオーパー)による1943年の演奏。生き生きとした田舎の生活、叙情的な愛のシーン、ドラマティックなクライマックス・・・見事なまでのコントラストをもって表現したメロディ・メーカーの作品を粒ぞろいの演奏家たちが再現する。 | |||
フリッツ・ブッシュ BOX
・1923年アコースティック録音 モーツァルト:「フィガロの結婚」序曲/スメタナ:「売られた花嫁」序曲/J.シュトラウス:「こうもり」序曲/ スッペ:「美しいガラテア」序曲/ウェーバー(ベルリオーズ編):舞踏への勧誘/ メンデルスゾーン::「夏の夜の夢」〜スケルツォ/グルック:「オルフェオとエウリディーチェ」〜精霊の踊り/ モーツァルト:「魔笛」〜僧侶の行進/ビゼー:「カルメン」第3幕への前奏曲/ ワーグナー:「マイスタージンガー」第3幕への前奏曲/チャイコフスキー:「くるみ割り人形」序曲 モーツァルト:交響曲第39番 変ホ長調K.543〜メヌエット/R.シュトラウス:組曲「町人貴族」〜メヌエット[ト長調/イ長調] ・1932年電気録音 プッチーニ:「トゥーランドット」から[舞台転換の音楽/ピン、ポン、パンの三重唱/この宮殿の中には] [アンネ・ローゼレ(S;トゥーランドット) パウル・シェフラー(Br;ピン) ハインリヒ・テスマー(T;パン) オットー・ジグムント(T;ポン)] ヴェルディ:「運命の力」から[序曲/戦いの音楽/タランテラ]/ワーグナー:「タンホイザー」序曲 R.シュトラウス:「エジプトのヘレナ」から [ヘレナの目覚め/夜毎に/ダ=ウドの死/第二の花嫁の歌/魔法の夜] [ローゼ・パウリー(S;ヘレナ) 大スタジオo.(シュターツカペレ・ベルリン団員)] ブラームス:交響曲第2番 ニ長調Op.73[録音:1931年2月25日、ベルリン] ワーグナー:「タンホイザー」序曲[収録:1932年秋] ・短編ドキュメンタリー 「私は指揮台を去った」「電気的トゥーランドット」「ブラームス・オン・エア」 「シュターツカペレ・ベルリン」「終わった!〜1933年3月7日」「残念ながらただ客演のみ」 「フリッツ・ブッシュ、ドレスデンへの帰還 エーベルハルト・シュタインドルフの回想」 「お帰りなさい! ジュゼッペ・シノーポリの演説」 以上特記無しは、フリッツ・ブッシュ指揮シュターツカペレ・ドレスデン | |||
[DVD] リージョン・オール、NTSC、Dolby Digital5.1,dolby Digital Stereo。 これは素晴らしいセット!!ドイツの偉大な指揮者フリッツ・ブッシュ(1890-1951)の貴重な録音、映像を収録している。1923年のアコースティック録音、1932年の電気録音、ベルリンでの「エジプトのヘレナ」の抜粋、さらに1931年にシュターツカペレ・ドレスデンとベルリン楽旅に行った際のブラームスの第2交響曲のライヴ録音。そしてDVDには、貴重な「タンホイザー」序曲の映像に、数々のドキュメンタリー映像と、非情に盛りだくさん。幻の巨匠ブッシュの芸術をたっぷり味わえる。 フリッツ・ブッシュ略歴:1890年3月13日、ドイツ、ジーゲン生まれ。ケルンでフランツ・シュタインバッハに学ぶ。1912-1918年、アーヘン歌劇場の音楽監督。1918-1922年、シュトゥットガルト歌劇場の音楽総監督。1922-1933年、ドレスデン国立歌劇場の音楽総監督。ドレスデン時代はこの歌劇場の黄金時代として知られており、シュトラウスの「インテルメッツォ」と「エジプトのヘレナ」をここで初演している。しかしナチスが才能あるブッシュを取り込もうとしたことを嫌い、ブッシュは英国に亡命、設立したばかりのグラインドボーン音楽祭の音楽監督に就任、世界的な音楽祭に育て上げる。またメトロポリタン歌劇場、ブエノスアイレスのコロン歌劇場、ストックホルム王立po.、デンマーク王立so.などで活動。戦後、本格的にドイツに復帰した矢先の1951年9月14日、ロンドンで亡くなる。 | |||
センパーオパー・エディション Vol.11 〜 ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783):歌劇「アッティリオ・レゴロ」(1750頃) アクセル・ケーラー(CT;レゴロ) マルクス・シェーファー(T;マンリオ) マルティナ・ボルスト(Ms;アッティリア) ジビッラ・ルーベンス(S;プブリオ) カルメン・フッギウス(S;バルチェ) ミヒャエル・フォッレ(Br;リチニオ)他 フリーダー・ベルニウス指揮カペラ・サジタリアーナ・ドレスデン | |||
録音:1997年5月22日、ゼンパーオパー、ライヴ。 「アッティリオ・レゴロ」はメタスタジオの台本。ハッセはドイツ前古典派の作曲家だが、イタリアで学び成功したことから、前半生の作品はナポリ様式的要素が色濃く残されている。1751年にパリへ行き、さらにドレスデンで触れた当時最新の音楽の影響で作風が一転する。ゆえに「アッティリオ・レゴロ」は、彼の旧様式の集大成オペラということが出来る。紀元前3世紀頃のローマとカルタゴの戦争でローマの執政官レゴロは捕虜となるが、和平交渉のため仮釈放されローマに戻る。しかし母国が交渉が決裂したためカルタゴへ戻り処刑される。名誉を守った誇り高き姿をハッセがオペラ化。バロックオペラにありがちな小曲の集合体を避け、合唱と管楽器のオブリガートも控え、美しいアリアと輝かしい弦楽器主体の音楽となっている。ドイツ合唱音楽界の巨匠フリーダー・ベルニウスが美しく再現。キメどころの合唱の効果はさすがの説得力。 | |||
センパーオーパー・エディション Vol.4 〜リヒャルト・シュトラウス:歌劇「ダフネ」 〔全曲 (*) /初演時の独唱者によるアリア(#) [アポロのアリア「神よ!オリンポスの兄弟!」/ダフネのアリア「私は喜んであなたと」/ダフネの変容]/ ダフネの変容(管弦楽曲版)(+) ゴットロープ・フリック(B;ペナイオス) ヘレナ・ロット(A;ゲア) グートルーン・ヴュステマン(S;ダフネ) ヘルムート・シンドラー(T;アポロ) ヴェルナー・リービヒ(T;ロイキッポス)他 (以上、*) トルステン・ラルフ(T;#) マルガレーテ・テシェマッハー(S;#) ルドルフ・ケンペ指揮(*/+) カール・ベーム指揮(#) シュターツカペレ・ドレスデン(*/#/+)、ドレスデン国立歌劇場cho.(*) | |||
録音〔原盤〕:1950年、ライヴ、共に初出?(*/+) /1938年12月、あるいは1939年1月〔エレクトローラ〕(#) 。 ゼンパーオーパー・エディションは何故か長らく Vol.4 のみ未発売の欠番となっていた。2019年ようやくの発売となったが、それがケンペ&シュターツカペレ・ドレスデンによるリヒャルト・シュトラウスの「ダフネ」初出ライヴという驚愕の音源!「ダフネ」はリヒャルト・シュトラウス13番目のオペラ。1936年から37年にかけて作曲カール・ベームに献呈され、翌38年10月にベーム指揮のシュターツカペレ・ドレスデンで世界初演が行われた。1950年にケンペとシュターツカペレ・ドレスデンがニュープロダクションで上演するが、前年に亡くなったリヒャルト・シュトラウスの追悼公演の意味あいも込められていた。それを実況放送した際の歴史的音源が残っていて、今回初めて日の目を見た。ケンペといえばリヒャルト・シュトラウス管弦楽作品全集をものしたほどの権威。そのケンペによる「ダフネ」を聴くことができるのは奇跡。さらに嬉しいのがフィル・アップとして、初演直後に同一キャストによるアリアが3篇収められていること。いずれもエレクトローラ盤の板起こしだが、非常に貴重な演奏を耳にすることが実現した。ことにダフネが樹に変容していく終結部は非常に感動的。もうひとつのフィル・アップは、終結部を管弦楽曲に編曲したものをケンペが指揮したものも収録していること。全集にも収録されていないお宝。 | |||
カール・ベーム〜 R.シュトラウス:オペラからの名場面集 「ばらの騎士」より(*) [第2幕の二重唱/第3幕のワルツ/第3幕の二重唱]/ 「影のない女」より(#) [第1幕終曲/第2幕「ふたたび見つかった鷹よ」]/ 「アラベラ」より(+) [第1幕の場面と二重唱/第2幕の場面と二重唱/ 第3幕の場面と二重唱]/ 「ダフネ」より(**) [アポロのアリア/ダフネのアリア/ ダフネの変容(劇の大詰め)] |
エシュテル・レーティ (S;ゾフィー;*) エリーザベト・ヘンゲン (A:オクタヴィアン;*) ヨーゼフ・ヘルマン (Br;バラク;#) トルステン・ラルフ (T;皇帝;#) マルガレーテ・テシュマッハー (S;アラベラ;+、 ダフネ;**) クリステル・ゴルツ (S;ズデンカ;+) マテュー・アーラースマイア (Br;マンドリーカ;+) トルステン・ラルフ (T;アポロ;**) カール・ベーム指揮 シュターツカペレ・ドレスデン | ||
録音:1938年12月/1940年12月(*)/1938年12月(あるいは1939年1月)(**)//エレクトローラSP復刻(*/**)/1942年6月9日(#)/1942年6月7日-9日(+)。ドイツ帝国放送による放送録音(#/+)。 世界初演を含む豊富な演奏経験が強み、“シュトラウスのエキスパート "ベーム&ドレスデンの理想的な顔合わせ。管弦楽作品(PH-07010)に引き続き、音楽監督時代(1934〜43年)におけるオペラ名場面集がProfilよりリリースされる。じっさいに1938年に当コンビが初演しベームに献呈された「ダフネ」ほか、作品が生みだされた時代の息吹まで聴こえてくるかのような演奏の数々は他にはないリアルな手ごたえがある。ソリスト陣が強力無比で、その「ダフネ」の初演キャストであるテッシュマッハー&ラルフをはじめ、ゾフィーを当たり役としたレーティらすべて当時のドレスデンのベストメンバーが顔を揃えている。前作同様に音質もたいへん聴き易い。なお、ブックレットにはベームとシュトラウスや歌手らのほか、劇場、舞台風景、公演ポスターなど40点を超える写真が掲載されていて、これらを眺める楽しみもある。 | |||
ハイティンク&シュターツカペレ・ドレスデン〜マーラー:交響曲第2番 ハ短調「復活」
シャルロッテ・マルジョーノ(S) ヤルト・ヴァン・ネス(A) ベルナルド・ハイティンク指揮シュターツカペレ・ドレスデン、 ザクセン州立ドレスデン歌劇場cho.、ドレスデン交響cho. | |||
録音:1995年2月13日、ドレスデン、ゼンパーオーパー、ライヴ。ロイヤル・コンセルトヘボウ管首席指揮者時代(1963-1988)の早い段階で、交響曲の全集録音を完成させたハイティンクは、これまでにレコーディングと並行して実演でも数多く、マーラーの交響曲を取り上げてきた。ゆたかな実績から現代屈指のマーラー指揮者として名高いハイティンクは、第2交響曲について第1番とならぶ最多の7種のレコーディングを発表している。このたびProfilより登場する音源は、第2次大戦下の民間人大量殺戮として知られる「ドレスデン爆撃」から50周年の節目にあたる1995年2月13日に、ハイティンクがシュターツカペレ・ドレスデンを指揮して、ドレスデンのゼンパーオーパーでおこなったコンサートの模様を収めたもので、ハイティンクにとって8つ目の録音ということになる。 よく知られるように、ドレスデン爆撃が敢行された毎年2月13日に、レクィエムやミサ曲などのプログラムによる追悼演奏会をおこなうのが、シュターツカペレ・ドレスデンの慣例となっており、この前年1994年には、コリン・デイヴィスの指揮でベルリオーズの「レクィエム」を演奏していた。 マーラーの「復活」は、絶望の淵そのものというべき葬送行進曲に始まり、やがてついには合唱を大掛かりに動員して感動的なフィナーレで閉じられるという、きわめてドラマティックで聴き映えのする作品なので、おそらくはこうしたモニュメンタルなイベントにふさわしいとの判断も働いてのことなのだろう。じっさい、ハイティンクは、上記のように1990年にロッテルダム爆撃50 周年記念演奏会で、この作品を演奏して大成功を収めた経緯から、同じくここでもハイティンクはマーラーの「復活」を取り上げたものとおもわれる。 ちなみに、シュターツカペレ・ドレスデンとの共演にあたり、ハイティンクはソリストに、その1990年のロッテルダム・フィル、1995年のコンセルトヘボウ管とも共通する顔触れ、マルジョーノとヴァン・ネスを起用して本公演に臨んでいるのも興味深いところ。こののち2002年にハイティンクは、急逝したシノーポリの後任として当楽団の首席指揮者に就任しているが、ひたむきな音楽運びから導き出された迫真の内容を通して、当ライヴの充実ぶりがハイティンクへのオファーの少なからぬ要因となったに相違ないと強く実感されることだろう。 | |||
ヒンデミット:歌曲集「若い乙女」Op.23-2(*) トッホ:歌曲集「中国の笛」Op.29(#) [ボーナス・トラック] ランゲのインタビュー(+)/ トレッチェルのインタビュー(**) |
ルート・ランゲ(A;*) エルフリーデ・ トレッチェル(S;#) アルノ・ビル(Fl;#) ヨゼフ・カイルベルト指揮(*) ハンス・レーヴライン指揮(#) ドレスデン国立歌劇場室内o.(*/#) | ||
録音:1948年9月15日(*)、1949年2月22日(#)、以上ドレスデン、衛生博物館・シュタインザール/1963年3月22日、ゼンダー・ドレスデン収録(+)/1957年、RIAS収録(**)。 ヒトラーの第三帝国時代に退廃音楽家の烙印を押され、作品が演奏禁止処分を受けたヒンデミットとトッホ。このふたりが書いた歌曲を収めたアルバムは、戦後ほかならぬドイツ、ドレスデン、ライヴというところに意味があり、それぞれゲオルク・トラークル、マーラーの「大地の歌」で知られるハンス・ベトゲの詩によるもの。ともにドレスデン国立歌劇場のメンバーだったトレッチェル(1934-1944)[年号代理店記載ママ]とランゲ(1945-1975)[年号代理店記載ママ]が歌っている。トッホは世界初演ライヴ。 | |||
シノーポリ、1999年のマーラー「第4」、初出 マーラー:交響曲第4番 ト長調 [ボーナストラック] シノーポリの肉声による マーラー第4交響曲についてのコメンタリー |
ユリアーネ・バンゼ(S) ジュゼッペ・シノーポリ指揮 シュターツカペレ・ドレスデン | ||
録音:1999年、ドレスデン、ゼンパーオーパー、ライヴ。初出音源。 あまりに官能的で陶酔的な美をきわめた97年、ライヴの第9番(PH-07004)が大反響を呼んだシノーポリ&ドレスデンによるマーラー。なんと、これからさらに2年後の第4番ライヴというとんでもない代物がまたしてもProfilより登場する。 ここでもやはり9番のときと同じく、フィルハーモニア管盤(91年)と比較して両端楽章でそれぞれ2分ほど演奏時間が長くなっているのが目立った特徴。なかでもフィナーレはじっさいの時間以上に、出だしから極端に遅く感じられる。ここでソリストに起用されたのはマーラー歌いとしてすでにキャリアも豊富なバンゼ。ブーレーズ盤とはガラリと変わって、停止するかのように息の長いフレージングをシノーポリの意図を汲んで完璧に歌い尽くしている。そうかと思えばシノーポリは第1楽章の主題が回帰するところでは一転、急加速。交替してソプラノの甘美なメロディが登場するとまたもやグッとテンポを落として来る。このあたり、極端なテンポ・ルバートを基調としたシノーポリ美学の真髄といえるだろう。 「音楽というものはいつだって人間がどういう状態であるかを表しています。音楽は人間的ななにかをつたえ、作曲家が自分を取り巻く世界にどのようにかかわっているかの証しです。そして、わたしが届けようとしているのは、そのようなメッセージです。つまり、聴衆に変化のプロセスを誘発するような、思考するための音楽的なかてです。自分のために良い演奏をすることが正しいすべてではありません。−イントネーション、アンサンブルの演奏、アーティキュレーション−音楽がなにかをわたしに語りかけるとき、わたしは考えなくてはならない。そして、わたしはそのためにあらゆるすべてを惜しみません、たとえ身体的にわたしに犠牲を払わせるとしても…。」ージュゼッペ・シノーポリ この言葉のとおりに「アイーダ」の本公演中に心臓発作で倒れ、まさに音楽に殉じたシノーポリの美学が凝縮されたマーラー演奏にかけがえのない一枚がまたひとつ加わった。 | |||
エディション・シュターツカペレ・ドレスデン Vol.23〜 ワーグナー:オペラからの名場面集2 「ワルキューレ」(抜粋) 第1幕第1場より(*) [前奏曲/このかまどが誰のものであろうと/冷たい水が元気づけてくれた/不幸な男をあなたは元気づけて下さった] 第1幕第2場より(*) [かまどのかたわらに、疲れきったこの人を見つけた/フリートムントと名のることは許されない/力強い狩人が私たちに/わしは荒々しき一族のことを知っている] 第1幕第3場より(*) [父が約束したひとふりの剣/お客人、おやすみか?/館の男たちがすべてこの部屋に集まっていた/冬の嵐は去り/ 寒い冬の日々に私が憧れていた春こそあなた/おお、無上の喜び!幸せの女よ!/ジークムントは私の名、私こそはジークムントだ!] 第3幕「さらば、勇ある輝かしき子よ!」(ヴォータンの告別)(#) 「タンホイザー」より(+) 第2幕「おごそかなこの広間よ」(歌の殿堂)/第3幕「マリア様、願いをお聞き入れ下さい」(エリーザベトの祈り) 「さまよえるオランダ人」より(**) 第1幕「あらしと悪しき風に追われ」/第2幕「遠く忘れられた古い時代の中から」 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」〜第2幕「リラの花がなんとやわらかく」(##) 「ジークフリート」〜第1幕「雲の高みへ」(++) 「神々のたそがれ」〜第1幕「輝かしい生命の心地よい熱情」(***) マルガレーテ・テシュマッハー(S;*) マックス・ローレンツ(T;*/***) クルト・ベーメ(B;*/**) ヨーゼフ・ヘルマン(Br;#/**/##/++/***) マリアンネ・シェヒ(S;エリーザベト;+) カール・エルメンドルフ指揮(*/#/+/++) クルト・シュトリーグラー指揮(**/##) シュターツカペレ・ドレスデン | |||
ドレスデンにおけるワーグナー演奏の伝統は、作曲家自身がザクセン宮廷のカペルマイスターを務めていた1840年代にまで遡る。この時期には1842年に「リエンツィ」、1843年には「さまよえるオランダ人」、1845年に「タンホイザー」がドレスデンでそれぞれ初演されている。 Profilより復刻されるワーグナー録音はシュトラウスのオペラと同様に、こうしたドレスデンのめぐまれた背景を強く感じさせるもの。伝統のオケを随えるのはベームの後任としてシュターツカペレ・ドレスデンの音楽監督を務めたエルメンドルフ(1891-1962)、ドレスデンに生まれ当地で学び、当劇場のコレペティートアや指揮者も務めたシュトリーグラー(1886-1958)。なにより、往年のドレスデンのベスト・メンバーらの存在感も圧倒的なものがある。なお、シリーズの恒例として、充実のブックレットには劇場、舞台風景、公演ポスターなどの写真がふんだんに掲載されているのもうれしいところ。 | |||
ティペット:オラトリオ「われらが時代の子」 | ウテ・ゼルビヒ(S) ノラ・グービシュ(A) ジェリー・ハドリー(T) ローベルト・ホル(B) コリン・デイヴィス指揮 シュターツカペレ・ドレスデン、 ドレスデン国立歌劇場cho. | ||
録音:2003年7月7日、8日、ドレスデン、ゼンパーオーパー、ライヴ。 エディション・シュターツカペレ・ドレスデン。ヨーロッパ屈指の伝統と格式を誇るシュターツカペレ・ドレスデンによる選りすぐりのライヴをお届けする大人気のシリーズ。いま充実の時をむかえている巨匠デイヴィス登場の最新リリースは、2007年12月16日と18日にバービカンでLSOとのライヴでも取り上げるティペットの「われらが時代の子」。1930年代に入り世界恐慌による社会不安が蔓延するなか、ティペットは作曲家として、失業や貧困で社会的に虐げられた人々との連帯を表明せねばならないとの使命感に駆られていた。その矢先、1938年11月7日、パリのドイツ大使館三等書記官エルンスト・フォン・ラトが、17歳のユダヤ人ハーシェル・グリンズバンによって銃撃を受け殺害されるという事件が起こる。これが引き金となり、11月9日夜から10日にかけてドイツ全土でかつてない大規模なユダヤ人排斥の暴動の嵐が吹き荒れることになった。「水晶の夜」とよばれるこの大暴動はティペットを怒りと恐怖で大いに震撼させ、戦時の1939年から2年の歳月を費やして書かれたオラトリオ「われらが時代の子」として結実する。親しい詩人T.S.エリオットの強い奨めでティペット自ら手がけたテキストは、人間の本来もつ「光と影」の部分を受け止めたうえで、さらに毅然と非人道的行為に立ち向かおうとする平和主義の哲学が色濃く反映されたものとなっている。3部からなる全曲は、ヘンデルのメサイアととくにJ.S.バッハのマタイ受難曲とをモデルにしつつ、さらにバッハでのコラールに替えて「黒人霊歌」の採用など異なるジャンルの混合がみられるのも特徴的。作曲家の信頼も厚く、この作品では過去にもBBC響と録音を残しているデイヴィスだが、これはまさに別格。さきのベルリオーズのレクイエム(PH-07014)に匹敵する、迫真のドラマを繰り広げている。 | |||
ジュゼッペ・シノーポリ〜エディション・シュターツカペレ・ドレスデン Vol.35 ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲 / ワーグナー:歌劇「リエンツィ」序曲 [1998年9月22日、楽団創立450年記念コンサート] リヒャルト・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」 Op.40[2001年1月10日-11日] リスト:交響詩「オルフェウス」[1998年10月27日] ジュゼッペ・シノーポリ(1946-2001): コスタンツォ・ポルタ讃歌[1994年12月20日]/ チェロと管弦楽のための「愛の墓 III 」[2004年3月5日-6日](#)/ 交響的断章「ルー・ザロメ」[2001年10月6日](+) シューマン:交響曲第4番 ニ短調 Op.120[1993年8月30日] ペーター・ブルーンス(Vc;#) ジュゼッペ・シノーポリ指揮(無印) シルヴァン・カンブルラン指揮(#) ペーター・ルジツカ指揮(+) シュターツカペレ・ドレスデン | |||
録音:[内]、ゼンパーオーパー、ドレスデン、ライヴ。シノーポリが1992年から常任指揮者を務めたシュターツカペレ・ドレスデンとのライヴから得意の5作をセレクト。記念コンサートで演奏された2つの序曲は感動的。さらに精神医学を学んだシノーポリが、リスト、ワーグナー、シューマン、リヒャルト・シュトラウスといずれも常人とは異なる精神構造を持っていた人々の音楽を、独自に解釈しているのが興味津々。MDR KULTURA による録音も鮮明。写真もふんだんに掲載された92ページに及ぶブックレットも貴重。さらにシノーポリの作曲3篇を、自演のほかカンブルラン、ルジツカが指揮を務めているのも興味津々。チェロの協奏作品である「愛の墓 III 」は、ペーター・ブルーンスが独奏なのも魅力。ルジツカ指揮の「ルー・ザロメ」は5分半ほどのオーケストラのみの断章。 | |||
ハイティンク&ドレスデン、2002年ライヴ ブルックナー: 交響曲第8番 ハ短調WAB.108(ハース版)(*) モーツァルト: 交響曲第38番 ニ長調KV.504「プラハ」(#) |
ベルナルト・ハイティンク指揮 シュターツカペレ・ドレスデン | ||
録音:2002年12月3日、ゼンパーオーパー、ライヴ(*)/2002年9月2日、クルトゥーア・パラスト、ライヴ(#)。(#)はおそらく初出音源。(*)は CDーR使用の EN LARMES から ELS-02-303/4 で発売されている物だが、マスターからの初復刻。 極上のライヴが目白押しでProfilの大人気シリーズ、エディション・シュターツカペレ・ドレスデン。ここに、ブルックナーの第8番にモーツァルトの「プラハ」という超強力なプログラムを担当するのは、楽団の首席指揮者(2002-2004)を務めた巨匠ハイティンク。当シリーズでは2003年、ライヴのブルックナー第6番(PH-07011)以来の登場となる。 現在のハイティンクが首席指揮者を務めるCSOとも、2009年2009年4月に取り上げる予定のブルックナーの第8番。ブルックナー指揮者としてすでに誉れ高いハイティンクだが、なかでも第8番については過去にも好んで取り上げている。長きに渡る手兵コンセルトヘボウ管とは、交響曲全集録音シリーズ中の1969年、1981年にディジタルで再録音、さらには2005年、ライヴでも録音しており、また、この間1995年にウィーン・フィルともセッション録音をおこなっている。 そして、9月末の首席指揮者就任から2ヶ月あまりを経過し、あらたなシェフ、ハイティンクに大きな関心が寄せられるなかで迎えたドレスデンとのライヴ。まさしくこれは歳を重ねて円熟味と盤石の安定感を誇る巨匠と、底知れぬ魅力を秘めたオケとの顔合わせが正しかったことを証明する何よりの内容といって差し支えないだろう。 カップリングとなるモーツァルトの「プラハ」もまた、たいへん興味の尽きない内容といえそう。不思議なことに、ハイティンクが PHILIPS や EMI 等メジャーなレーベルへ残したモーツァルトはオペラに限定されていたため、やはりオケが名門ドレスデンということもあり、交響曲の登場は大いに歓迎されるところ。なお、こちらは同年8月にドレスデンを襲った大洪水による深刻な浸水被害で使用不能となったゼンパーオーパーに替えて、演奏会場にはクルトゥーア・パラストが選ばれている。 | |||
カール・ベーム〜 ワーグナー:オペラからの名場面集 「タンホイザー」より(*)[序曲/第2幕の大行進曲]/ 「さまよえるオランダ人」〜序曲(*)/ 「ローエングリン」より [第2幕「エルザの大聖堂への行列」(*)/ 第3幕前奏曲(*)/第3幕「婚礼の合唱」(#)] 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より [第1幕への前奏曲(+)/ 第2幕「ザックスのモノローグ」(**)/ 第3幕前奏曲(##)/ 第3幕「親方たちを蔑んではならぬ」(++)] |
ヨーゼフ・ヘルマン(**) ハンス・ヘルマン・ニッセン (Br;ザックス;++) カール・ベーム指揮 シュターツカペレ・ ドレスデン、 ドレスデン国立歌劇場cho. | ||
録音:1939年8月、9月頃(*)/1939年1月頃(#)/1939年7月(+)/1940年12月(**)/1938年8月頃(##/++)、ドレスデン、シュターツオーパー。すべてエレクトローラSP復刻。 ドレスデン音楽監督時代(1934-43年)のベームによるワーグナーの続篇がProfilより登場。あらたに復刻された音質は良好で、壮年期のベームが溌剌として剛直なスタイルでワーグナーの真髄に迫る。マイスタージンガーのザックスにはベスト・チームからのヨーゼフ・ヘルマンに加え、バイエルン国立歌劇場からのゲスト、ハンス・ヘルマン・ニッセン。かれが歌うのは「マイスタージンガー」第3幕(PH-05038)からのナンバー。ワーグナー歌いとして当時たいへんな人気があった。なお、このたびもブックレットが充実。ベームや歌手らのほか、劇場、舞台風景、衣装、公演ポスターなど多数の写真が掲載されていて、これらを眺める楽しみもある。 | |||
ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」
ローレンツ・フェーエンベルガー(T;マックス) クルト・ベーメ(B;カスパール) マルガレーテ・テシェマッハー(S;アガーテ) アルノ・シェレンベルク(オトカール) ハインリヒ・プフランツル(Br;クーノー) エルフリーデ・トレチェル(S;エンヒェン) カール・エルメンドルフ指揮ドレスデン国立歌劇場o.&cho. | |||
録音:1944年。PREISER から PRCD-90386 [PR-90386] で既出(PREISER盤が初出)の演奏。おそらく当曲の初全曲録音にあたる物(抜粋や短縮版はこれ以前に5種ほどあり、ディスコグラフィでは「全曲」となっている物も含まれているが、すべて1CDに収まっているため、台詞省略などの短縮が成されていると思われる)だが、代理店は特にこの事には触れていない。 『作曲家ウェーバーがかつてドレスデン国立歌劇場の楽長だったことは有名。当然、ウェーバーのオペラの上演も盛んなのですが、意外なことに傑作ドレスデンでの「魔弾の射手」の録音は1973年のカルロス・クライバーのDG 録音までは、この録音と、戦後間もない頃のルドルフ・ケンペ指揮の録音しかありません。この「魔弾の射手」は、古き良きシュターツカペレ・ドレスデンの薫り豊かなウェーバーが楽しには打ってつけの貴重な録音です。指揮は、バイロイト音楽祭で長く活躍し、1943 年にカール・ベームからドレスデンの音楽監督を引き継いだカール・エルメンドルフ。しかも当時のドレスデンの名歌手が総動員。テシェマッハーを筆頭に、フェーエンベルガー、ベーメ、トレチェルら、いずれも当時のスターたちです。PREISER からPRCD-90386 で発売されている録音と同一ですが、音の点で好評を博している Profil のドレスデン国立歌劇場歴史的録音シリーズでの発売は歓迎できるものでしょう。』とのこと(『内』代理店記載ママ)。 | |||
E.T.A.ホフマン:室内楽曲集 ハープ五重奏曲 ハ短調AV.24(*)/ フォルテピアノ・ソナタ [イ長調AV.22(#)/ ヘ短調AV.27(#)]/ グラン・トリオ ホ長調AV.52(+) |
長澤真澄(Hp;*) 荒木紅(Fp;#/+) ホフマイスター四重奏団(*)、 トリオ・マルゴー(+) | ||
録音:2007年11月(*/#)/2006年2月、ベルリン、グリューネヴァルト新教教会(+)。使用楽器:シングル・アクション・ペダル(ハープ)。ピリオド楽器使用。 E.T.A.ホフマンの室内楽作品を収めた注目のアルバム。ハープが幻想的な美しさを醸す五重奏に、モーツァルティアンとしての顔をのぞかせるソナタなど、基本的には古典派のソナタ形式に拠りながらときにハッとさせられるような独自の美を聴かせて惹かれる。インマゼールに師事した荒木紅ら、ピリオド勢の演奏もみごとなもの。録音も楽器の繊細な表情をあますところなく伝えている。 | |||
レーラ・アウエルバッハ(1973-):ピアノ作品集 ピアノ・ソナタ第1番「ラ・フェニーチェ」/ セーニョ/死を忘れるな(メメント・モリ)/ 幻想曲/子供時代の思い出(全12曲) |
クセーニャ・ノシコワ(P) | ||
録音:2006年5月22日-25日、クラップ・リサイタル・ホール、アイオワ州アイオワ市、アメリカ。全曲世界初録音。 天才コンポーザー=ピアニストとして大きな話題となったレーラ・アウエルバッハの作品。アウエルバッハは先にBISから自作自演のピアノ作品集(BIS-1462)を発売しているが、曲は全く重複していない。ノシコワはモスクワ音楽院を卒業後アメリカを中心に活躍している若手で、既に CENTAUR からリストの「巡礼の年」全曲を発売している (CRC-2612, 2518, 2734)。 | |||
イグナーツ・プレイエル(1757-1831): フルート四重奏曲 ロ長調/交響曲 イ長調/ヴァイオリンとチェロのための協奏交響曲 ニ長調 ヴィクトル・ポノマリョフ(Fl) グリゴリー・カッツ(Ob) スヴェトラーナ・オルリョワ(Vn) アンドレイ・サゾーノフ(Va) ヴィクトル・コゾドフ(Vc) パーヴェル・サブリン(Cb)他 エフゲニー・ブシュコフ(Vn)指揮モスクワ・コンチェルティーノ | |||
録音:1993年5月25日-29日、モスクワ。初発売:1994年/発売:2007年。原盤・前出: DISCOVER, DICD 920130(当店未案内/廃盤)。 | |||
Canta in Prato 〜 カペッラ・ストラヴァガンテ ヴィヴァルディ:草原にて歌え RV.623 ヘンリー8世:良き友との気晴らし 伝承曲:グリーンスリーヴス ウィリアム・コーニッシュ: 狩人よ、汝の角笛を吹き鳴らせ プレトリウス:「テレプシコーレ」〜燭台のブランル ホルボーン:メランコリア像 プレトリウス:ヴォルタ ヨハン・ミヒャエル・バッハ:そは偉大なる勝利 モンテヴェルディ: 愛しきクローリ/私の甘いため息/ おお、バラ色の小さなバラよ A.スカルラッティ:愛するクローリから遠く ヴィヴァルディ:いと公正なる怒りの激しさに RV.626 |
カペッラ・ストラヴァガンテ [カトリン・フライブルク(S) クリスティアン・ ハギッテ(Cemb) カトリン・ハギッテ (Fl/ポジティヴOrg) ユリア・プリッゲ(Vn1) マルギット・ ライニッケ(Vn2) ステファノ・マコル(Va) ローリー・ランドルフ (Gamb/G/Perc) ラインハルト・エガー(Vc)] | ||
録音:2006年2月-3月、ホッホマイスター(騎士団長)教会コミュニティ・ホール、ベルリン。 カペッラ・ストラヴァガンテ(・アンサンブル)のデビュー盤。このレコーディングにあたり、ルネサンスからバロックの絶頂期までのきわめて広範囲に及ぶ様式を網羅した、イタリア、イギリスそしてドイツの作品を選んでいる。 | |||
ジャコモ・カリッシミ(1605-1674): ヴィルトゥオーゾ・ソプラノ・モテット集 来たれ、死すべき者たちよ/油はとめどなく流れ/ 明けの明星のように/主よ、わたしの神よ |
ロバート・クロウ(ソプラニスタ) ミヒャエル・エーベルト(Org) | ||
録音:2007年10月1日、3日-5日、ミンデルハイム、“マリアのお告げ "イエズス会教会。バイエルン放送との共同制作。 「驚くべき天賦の才能をもつソプラニスタ(男性ソプラノ)」(ニューヨーク・タイムズ)と絶賛されるロバート・クロウのソロ・デビュー盤。4つのモテットは、おそらく17世紀の中ごろ大家カリッシミがローマの聖アッポリナーレ教会で演奏するために書いたとされるもの。 当時の偉大なるカストラートたちが歌うことを念頭に作曲された内容だが、当時のカストラートにもっとも近いとされるソプラニスタによって感情表現もみごとに歌われると、初めて妖美な魅力の真価が解き明かされてゆくような興奮をおぼえる。なお、収録場所である教会のふりそそぐような残響を体感できるように、マルチチャンネルステレオ再生可能なSACDハイブリッド仕様でのリリースというのも魅力的。 | |||
バッハ・リフレクションズ J.S.バッハ: パルティータ第6番 ホ短調 BWV.830 平均律クラヴィーア曲集第2巻より 前奏曲とフーガ第22番 変ロ短調 BWV.891 ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op.87 〜第24番 ニ短調 リスト:バッハの主題による変奏曲 |
デイヴィッド・ テオドール・ シュミット(P) | ||
1982年エルランゲン生まれの気鋭シュミットによるアルバムは、この若さで彼自身が人生の一部と語るバッハと、その影響を受けた後世の作曲家たちのピアノ曲を収めている。幼少より慣れ親しんだバッハでの共感に満ちた演奏からは、未来の大器を予感させる。 | |||
グルジアの作曲家によるギター音楽 ニコ・ナリマニーゼ (1904-1975): 舞曲/ホルミ/サタマショ/ ギターソナタ/グルジアの歌 ゲルマン・ザパリーゼ (1939-): イメレチの騎兵の歌/輪舞/ シャヴレゴ変奏曲/ギター・ソナタ/ こびとの行進/ アレグロ・コン・ブリオ/ 汝は真の芸術なり、ぶどう畑よ テンギス・シャヴロハシヴィリ (1946-): バラード ワージャ・カランダーゼ (1961-): チェラ/ヤヴナナ |
オレグ・チモフェーエフ (7弦G) | ||
旧ソ連邦コーカサスの共和国だったグルジアは、中東的な異国情緒に満ちた美しい文化を持っている。太陽に恵まれ、むしろラテン的な気質に富むグルジア人にギターという楽器はピッタリ。ここに収められた作品は、血の気の多さと独特の哀感、美しいメロディにあふれた独特の魅力にあふれている。ロシア独特な7弦ギターの響きにも注目。 | |||
スパニッシュ・ヘリテッジ ロドリーゴ:ある貴紳のための幻想曲 アルベニス:スペインの歌 Op.232 トゥーリナ: ギター・ソナタ ニ短調 Op.61(1931) |
フリーデマン・ヴットケ(G) セバスティアン・ テヴィンケル指揮 プファルツハイム 南西ドイツ室内o. | ||
ドイツの名手ヴットケによるスペインのギター曲集。なかでも1998年に97歳の作曲者御前演奏し絶賛されたロドリーゴは絶品。ヴットケはロドリーゴ邸を訪ねた際に、天下のマエストロが有名なアランフェスの第2楽章のテーマをピアノで弾いてくれたことにいたく感銘を受けたと述懐している。 | |||
ノリントンの「天地創造」 ハイドン:オラトリオ「天地創造」Hob.XXI: 2 クリスティアーネ・エルツェ(S) スコット・ウィアー(T) ぺーター・リカ(B) ロジャー・ノリントン指揮ヨーロッパ室内o.、マーカス・クリード合唱指揮RIAS室内cho. | |||
録音:1990年3月、ベルリン、フィルハーモニー・カンマームジークザール、ライヴ。 #コメントは、代理店のインフォメーション作製ミスにより、テキストが画像扱いとなっており取得出来ませんので、省略しております。 | |||
ノリントンのハイドン「四季」 ハイドン:オラトリオ「四季」Hob.XXI: 3 クリスティアーネ・エルツェ(S) スコット・ウィアー(T) ぺーター・リカ(B) ロジャー・ノリントン指揮ヨーロッパ室内o.、マーカス・クリード合唱指揮RIAS室内cho. | |||
録音:1991年9月、ベルリン、フィルハーモニー・カンマームジークザール、ライヴ。 #コメントは、代理店のインフォメーション作製ミスにより、テキストが画像扱いとなっており取得出来ませんので、省略しております。 | |||
ゲリンガス〜 シュニトケ:チェロとピアノのための作品集 チェロ・ソナタ[第1番/第2番]/ ムジカ・ノスタルジカ/ バレエ音楽「ベール・ギュント」のエピローグ |
ダヴィド・ゲリンガス(Vc) タチヤナ・ゲリンガス(P) | ||
超感動的なゲリンガスのシュニトケ。シュニトケはロストロポーヴィチをはじめ、グートマン、イワシキンなど優れたチェロ奏者の友人に恵まれたためか、素晴らしいチェロ作品を多く残している。ロストロポーヴィチの愛弟子ゲリンガスもシュニトケの親しい友人のひとりだった。技巧的にはかなりの難曲ぞろいだが、ゲリンガスの完璧なテクニックと闇を垣間見せる深い音楽性に唖然とさせられる。 | |||
メンデルスゾーン:チェロとピアノのための作品集 チェロ・ソナタ [第1番 変ロ長調 Op.45/第2番 ニ長調 Op.58]/ 協奏変奏曲 Op.17/無言歌 Op.109/ アルブムブラット Op.117/ 無言歌より [甘い思い出/ヴェネツィアの舟歌第2番/五月のそよ風/ 浮雲/ヴェネツィアの舟歌第3番/春の歌] |
ダヴィド・ゲリンガス(Vc) イアン・ファウンテン(P) | ||
代理店案内では、ゲリンガスもピアノを弾いている事になっているが、誤り。 世に美しいチェロ曲はあまたあるが、メンデルスゾーンのチェロ・ソナタは驚くべき美しい歌にあふれている。それも爽やかの極み、聴いていてちょっと幸せになる。ゲリンガスの落ち着いた演奏も曲調にぴったり。ファウンテンの精巧なピアノもメンデルスゾーンならではの華やかさを増してくれる。 | |||
ザンデルリング、初出音源有り ベートーヴェン:交響曲第6番 へ長調 Op.68「田園」(*) ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための 二重協奏曲 イ短調 Op.102(#) [ボーナス・トラック] ベートーヴェン:合唱幻想曲 Op.80(+) |
トーマス・ツェートマイアー(Vn;#) アントニオ・メネセス(Vc;#) スヴャトスラフ・リヒテル(P;+) クルト・ザンデルリング指揮 WDRケルン放送so. (*/#)、 モスクワ放送so. (+)、 ソヴィエト国立アカデミーcho.(+) | ||
録音:1985年10月、ライヴ、WDRアーカイヴ(*/#)/1952年、モスクワ、メロディア原盤(+)。(*)は今回初出となる音源。(#)はVIBRATOから1985年10月18日のライヴが発売されており(VLL-133)、同一演奏とすれば今回マスターからの初復刻。なお、当盤の代理店インフォメーションには(*)と(#)が同一日付であるという記載があるが、VIBRATO盤では18日の同時演奏曲は「ドン・ファン」だった事になっており、矛盾するが詳細は不明。 2002年5月19日、長年の手兵ベルリンso.とのコンサートを最後に公式の活動からの引退を表明した「最後の巨匠」ザンデルリング。まだまだ発掘されるべき演奏を多く残したこの巨匠の名演は、当レーベルから先にバイエルン放送so.との「ロマンティック」(PH-05020)が発売されているが、またしても注目のライヴが登場する。悠然たるテンポで描かれる、まさに風格の美学ともいうべき「田園」。ザンデルリングはこれに先立ちフィルハーモニアとのスタジオ盤全集(1980年-1981年)を完成させているが、まさにこれは破格。第1楽章冒頭おなじみのメロディから、怒濤の嵐を経て、大きく弧を画くように歌うフィナーレまで心底しびれます。さらに、「同日の」(注:代理店インフォ記載ママ)ドッペルコンチェルトがまた強烈。ここでも磐石で貫禄たっぷりの巨匠スタイルのもと、名手ふたりが伸び伸びとそして熱いソロを聴かせている。なお、ボーナスとして巨人リヒテルとのこれまたスケール大きな合唱幻想曲も収められている。文字通り、ザンデルリングの至芸が味わえるぜいたくなアルバムの登場といえるだろう。 「田園」のトラック・タイム=I 11'12+II 13'54+III 6'13+IV 3'45+V 11'36= TT.46'45 | |||
アーロノヴィチのフランク&レスピーギ フランク:交響曲 ニ短調 レスピーギ:交響詩「ローマの松」(*) |
ルドルフ・ショルツ(Org;*) ユーリ・アーロノヴィチ指揮 ウィーンso. | ||
録音:1985年3月20日、ウィーン、ムジークフェライン大ホール、ライヴ。 オーストリー放送協会提供の音源による復刻。戦時の実体験にもとづく迫真の「レニングラード」(PH-07009)が強烈な印象を与えた、アーロノヴィチによる注目のライヴ第2弾。数多くの録音を残し相性の良さをみせるウィーン響との顔合わせによる今回は、鬱蒼とした響きで重く濃い味わいのフランクと豪華絢爛なレスピーギというプログラム。当時 Wiener Zeitung やDie Presse の演奏会評でも大きく取り上げられた。なお、当夜はほかにハインリヒ・シフの独奏でプロコフィエフの交響的協奏曲も演奏されている。 | |||
ショスタコーヴィチ: 交響曲第15番 Op.141a 〜デレヴャンコ編によるピアノ三重奏と打楽器版/ ピアノ三重奏曲第1番 Op.8/同第2番 ホ短調 Op.67 |
トリオ Opus 8 [ミヒャエル・ハウバー(P) エックハルト・ フィッシャー(Vn) マリオ・デ・ セコンディ(Vc)] | ||
ギドン・クレーメルとクレメラータ・アンサンブルも録音しているショスタコーヴィチの交響曲第15番のピアノ三重奏版がドイツのトリオOpus8の最新録音で登場。こちらはクレーメルのような強烈さこそないものの、ショスタコーヴィチらしい軽妙さと毒を前面に出した美演となっている。2曲のピアノ三重奏曲も激しさと闇を兼ね備えていて見事。 | |||
ロッシーニ:歌劇「セビリャの理髪師」
マリア・カラス(S;ロジーナ) ルイジ・アルヴァ(T;アルマヴィーヴァ伯爵) ティト・ゴッビ(Br;フィガロ) メルキオッレ・ルイーゼ(B;バルトロ) ニコラ・ロッシ=レメーニ(B;バジーリオ)他 カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ミラノ・スカラ座o.&cho. | |||
録音:1956年2月16日、ミラノ。モノラル、ライヴ。 1956年、マリア・カラスは舞台では唯一の機会となったロジーナをスカラ座で5公演歌っている。これはその初日の記録であると共に、彼女の同曲唯一のライヴとして貴重な録音。指揮は当時スカラ座の音楽監督だった若きジュリーニ。スカラ座のオーケストラから生き生きしたイタリアの歌を引き出している。さらにアルヴァ、ゴッビと、非常に豪華な顔ぶれだった。 | |||
フリッツ・ヴンダーリヒ / ザ・レジェンド 〜アリア、オペラ&オペレッタからの場面、歌曲集 マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」より プッチーニ:「蝶々夫人」より/「ラ・ボエーム」より モーツァルト:「ツァイーデ」より マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」より ヨハン・シュトラウス2世:「こうもり」より ミレッカー:「乞食学生」より カールマン:「サーカスの女王」より フレート・ライモント/ギュンター・シュヴェン:「青い仮面」より ニコ・ドスタル:「号外」〜カップルが踊るように ローベルト・シュトルツ:「シニョリーナ」〜美しきイタリアよ、さようなら シュトルツ:「チチパの王子」〜かつて春に幸福が私に笑いかけた レハール:「フリーデリケ」〜少女よ、わが少女よ/ 「ロシアの皇太子」〜ヴォルガの歌/「ジュディッタ」〜友よ、人生は生きるに値する 【ボーナス・トラック】 レハール:「美しきかなこの世界」〜美しきかなこの世界 フリッツ・ヴンダーリヒ(T)他、さまざまな演奏家 | |||
録音:1954年-1956年、シュトゥットガルト、ベルリン。 すでにProfilにある同名のタイトル「ヴンダーリヒ / ザ・レジェンド」(PH-07024)に曲を大幅増強し、2枚組として再構成。 | |||
ロジャー・ノリントン〜C.P.E.バッハ シンフォニア ト長調 Wq.182-1 チェンバロ協奏曲 ハ長調 Wq.20 シンフォニア ト長調 Wq.173 シンフォニア ホ長調 Wq.182-6 シンフォニア 変ホ長調 Wq.179 |
フローリアン・ ビルザク(Cemb;*) ロジャー・ノリントン指揮 カメラータ・ザルツブルク | ||
録音:2004年12月20日、ダルムシュタット、市教会、ライヴ。使用楽器:2001年シュタウフェン・イム・ブライスガウ、クリストフ・カーン製作フランコ=フレミッシュ・モデル(*)。 サー・ロジャー・ノリントンが1997年から2006年まで首席指揮者を務め、現在は桂冠指揮者のポストにある“もうひとつの手兵 "カメラータ・ザルツブルクとのシューベルト・ライヴがProfilより登場する。 2004年12月メルク・フィルハーモニーの招聘により、ノリントンと手兵カメラータ・ザルツブルクが‘ダルムシュタット音楽の秋 'で行ったライヴはオール・エマヌエル・バッハという意欲的なプログラムだった。 大胆で独創的、快活で生命力ある音楽が持ち味のエマヌエル・バッハ。近年さまざまな団体が取り上げるようになり再評価の機運が盛り上がりをみせているが、なによりノリントンらによる極上の演奏で聴けるというのが価値あるところ。“同時代の演奏様式により可能なかぎり作品の再創造を標榜する "というノリントンによるテーマが、ほぼ理想的な形で具現化されている。ときに優美にときに攻撃的に前進するアレグロに、深い詩情をたたえた緩徐楽章も魅力のシンフォニア。そして作曲者の名手ぶりがそのまま内容に反映されたコンチェルト。すべてノリントンにとって初レパートリーとなるもの。 | |||
ロジャー・ノリントン〜シューベルト シューベルト: イタリア風序曲第1番 ニ長調 D.590 交響曲第3番 ニ長調 D.200 交響曲第8番 ロ短調 D.759「未完成」 |
ロジャー・ノリントン指揮 カメラータ・ザルツブルク | ||
録音:2002年5月31日、6月1日、ザルツブルク、モーツァルテウム、大ホール、ライヴ。 ノリントンが振ったシューベルトの録音ではこれまでにも、かつての手兵ロンドン・クラシカル・プレイヤーズと「グレイト」(88年、ライヴ)、第5番&「未完成」(89年スタジオ)、第4番&第6番(90年)、また「グレイト」についてはシュトゥットガルト放送so.とのライヴ(01年)など知られている。 すでに50年以上の伝統を有する室内編成のモダーン・オケを起用した当ライヴでも、ノリントンのアプローチはまったくいつもどおり。ノンヴィブラート奏法による弦は舞台両翼に振り分けたヴァイオリンに、中央後方一列にならぶコントラバス、右手にはケトル・ドラムという楽器配置。ただし、編成については旧録音では第1、第2ヴァイオリンがともに10、ヴィオラ8、チェロとコントラバスが各6、ホルンの3をのぞいて管楽器はすべて各2であったのに対して、今回はわずかに弦のパートで縮小変更がみられる。コンパクトなサイズの選択が奏功していることは確かに認められ、たとえば「未完成」。シャープなフォルムでありながら、第1楽章における不気味なコントラバスの動きはかえって際立ち、音を割ったホルンの咆哮をふくめて迫力にも不足しない。そしてもちろん、アンダンテはいっそう透明で研ぎ澄まされ、あたたかく美しいピュア・トーンの本領が申し分なく発揮されている。 録音について。2本のマイクによるワンポイント収録のため、クリアでリアルなおかつ自然な定位が得られ、ノリントンの志向に適ったものとなっている。なお、交響曲第3番の終演後にのみ拍手入り。 | |||
ルーペルト・イグナーツ・マイヤー(1646-1712): 「われ主に感謝せん」〜詩篇、モテット&協奏曲集 Ascendit Deus / Scapulis suis / Jubilate Deo / Meditabor / Dominus regnavit / Confitebor / Credidi / Passer invenit / Laudate Dominum / Gazophylacium musico-sacrum, Confitebor / Sacri concentus psalmorum, antiphonarum, Op.3 より [Confitebor tibi / Beati omnes / In terras descendam / Ave regina coelorum/ Formula votiva sodalium ] |
メヒトヒルト・バッハ(S) エリーザベト・ポピアン(A) ハンス・イェルク・マンメル(T) ゴットホルト・シュヴァルツ(B) ドリス・ハーゲル指揮 カペラ・ヴァイルブク・ヴォカリス ラルパ・フェスタンテ | ||
ピリオド楽器使用。Op.3の各曲は、他曲の間に別れて収録。 ミュンヘンの宮廷で活躍していた時期に、パリに派遣されてリュリのもとで学んだという経歴を持つマイアーは、17世紀末から18世紀初頭にかけて一時代を築いた教会音楽の作曲家、ヴァイオリニスト。声楽と器楽とが等しく主題を受け持つ点や、リズムの躍動感などにその特徴があると云われる。ここでピリオド楽器の演奏陣を率いるハーゲルはザルツブルクのモーツァルテウムで、アーノンクールのもと、歴史的奏法の実践を学んだ指揮者。彼女はまたソプラノ、オルガニスト、音楽学者でもあり、こうした経験を踏まえて各パートへの目の行き届いたアプローチが光る。 | |||
ヘルマン・プライ〜大ベスト モーツァルト:「魔笛」より[可愛い娘か女房がいれば/おいらは鳥刺し](*) 「コジ・ファン・トゥッテ」〜女よ、君らはよく浮気をする(#)/ 「フィガロの結婚」〜もうお前の勝ちだといったな…ため息をつきながら(#) ロルツィング:「密猟者」〜伯爵のアリア「明るく愉快に」(#)/ 「皇帝と船大工」〜皇帝の歌「かつて王笏と王冠と勲章で遊んでいたころ」(#) マルシュナー:「ハンス・ハイリング」〜ハンスのアリア「あの日に」(#) フンパーディンク:「王様の子供たち」〜ヴァイオリン弾きの最後の歌(#) ロッシーニ:「セビリャの理髪師」より [わたしは町のなんでも屋/金をみれば知恵がわくRH/ それじゃ私ね…私をだましたりしない?EK/ああ!何という意外な展開だろう!RH/EK](#) レオンカヴァッロ:「道化師」〜シルヴィオとネッダの二重唱AR(+) ヨハン・シュトラウス2世:「ジプシー男爵」より(**) [徴兵の歌「さあ、手を差しのべて、恋人と別れよ」/ウィーンのように喜びに満ちた町は/第3幕フィナーレ] ヘルマン・プライ(B−Br) リヒャルト・ホルム(T;RH) エリカ・ケート(S;EK/**) アンネリーゼ・ローテンベルガー(S;AR) モニカ・シンクレア(A;**) ヨゼフ・シュミーディンゲル(**) ニコライ・ゲッダ(T;**) エーリヒ・クンツ(Br;**) エリーザベト・シュヴァルツコップ(S;**) ゲルトルード・ブルクシュターラー=シュスター(**)(Vo) アルトゥール・グリューバー指揮大オペラo.(*)、 ヴィルヘルム・シュヒター指揮大オペラo.(北西ドイツpo.)(#/+)、 オットー・アッカーマン指揮フィルハーモニアo.&cho.(**) | |||
録音:1954年-1957年。原盤:COLUMBIA (#)/ ELECTROLA (**)。 ドイツ・オペラやドイツ・リートとくにシューベルトで欠かせぬ存在として活躍し、実演・録音でもおなじみのヘルマン・プライ(1929-1998)。20代の録音を復刻した内容は、2009年に歿後80年を迎える彼を偲ぶにふさわしいものといえるだろう。 | |||
ドニゼッティ:レクイエム
ティツィアーナ・ソイアット(S) ヴィットーリオ・ジャマルスコ(T) マルセル・ロスカ(B) ヤロスラヴァ・ホルスカ=マキソヴァー(Ms) ズデネェク・フラヴカ(Br) アレクサンダー・ラハバリ指揮プラハ室内cho.、ヴィルトゥオージ・ディ・プラハ | |||
旧・ KOCH DISCOVER DICD-920519(当店未案内)の再発売。 わずか33歳の若さで亡くなったベッリーニを追悼して、リコルディ社の委嘱で着手されたドニゼッティのレクイエム。スポンサーの資金援助が打ち切られたために未完に終り、ドニゼッティの死後22年、1870年になって初めて出版され、同年ベルガモ大聖堂で初演されている。ラハバリの演奏は、ゴメス=マルチネス盤(ORFEO-172881)とともに、あまり録音の多くないこの作品を知るうえで貴重なもの。 | |||
メンデルスゾーン:ピアノ作品集 無言歌集(全8巻)(*)/ ピアノ・ソナタ全集[第1番−第3番](#)/ 6つの前奏曲とフーガ Op.35(*)/前奏曲とフーガ ホ短調(*)/ 6つの子どものための小品 Op.72(*)/3つの前奏曲 Op.104(*)/ 3つの練習曲 Op.104b(*)/ロンド・カプリツィオーソOp.14(+)/ カプリツィオーソ 嬰ヘ短調Op.5(+)/3つのカプリス Op.33(+)/ 3つの幻想曲、またはカプリスOp.16(+)/2つの小品(#)/ 7つの性格的小品 Op.7(#)/幻想曲 嬰ヘ短調Op.28(#)/ 「夏の名残のばら」による幻想曲 Op.15(#)/ 厳格な変奏曲 ニ短調Op.54(+)/変奏曲 変ホ長調Op.82(+)/ 変奏曲 変ロ長調Op.83(+)/カプリッチョ ホ長調Op.118(+)/ アンダンテ・カンタービレとプレスト・アジタート ロ長調(+)/ 無窮動 ハ長調Op.119(+)/ヴェネツィアの舟歌 イ長調(+)/ アルバムブラット(無言歌)Op.117(+) |
ダナ・プロトポペスク(P) | ||
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲全集(**) [第2番 ハ短調Op.66/第1番 ニ短調Op.49] |
フロレスタン・ フォルテピアノ・トリオ [ヤン・フェルミューレン(P) ピーター・デシュピーゲラーレ(Vn) カレル・ステイラーツ(Vc)] | ||
録音:1995年(*)、1996年(#)、1997年(+)、以上ブリュッセル/1997年、オランダ、スハラフェンデール(**)。(**)はピリオド楽器使用。旧・ KOCH DISCOVER DICD-920410, DICD-920411, DICD-920412, DICD-920413, DICD-920414, DICD-920415, DICD-920498, DICD-920588(**) (以上当店未案内)のセット化再発売。 メンデルスゾーン生誕200周年のアニヴァーサリー・イヤーに、ブカレスト生まれのプロトポペスクが弾くメンデルスゾーンを Profil が復刻リリース。人気の無言歌全曲はもちろん、ソナタや変奏曲までピアノ独奏曲をほぼすべて網羅している。エドゥアルド・デル・プエヨとカール・エンゲルに師事した彼女は、華麗で技巧的な内容を鮮やかに弾き上げる。なお、オマケにはピリオド楽器のアンサンブルによるピアノ三重奏曲を収録。なお、ここで演奏しているオランダの「フロレスタン・フォルテピアノ・トリオ」は、HYPERIONへの録音があるイギリスの「フロレスタン・トリオ」とは別の団体で、メンバーも全く異なる。 | |||
フリッツ・ヴンダーリヒ、初出 J.S.バッハ:クリスマス・オラトリオ BWV.248(抜粋; 第1部−第3部)(*) [ボーナス・トラック] ヨハン・クリーガー(1652-1735):夕方にどこへ行くのだ(#) フリッツ・ヴンダーリヒ(T) フリーデリケ・ザイラー(S;*) エリカ・ヴィンクラー(A;*) ハンヌ・スヴェドベリ(B;*) ベルンハルト・ミヒャエリス(T;#) ヘルマン・クライス(Vc;#) ヘルマン・ヴェルダーマン(Cemb;#)シュトゥットガルト児童合唱聖歌隊(*) アウグスト・ランゲンべック指揮シュトゥットガルト放送so.(*) | |||
録音:1955年12月18日、シュトゥットガルト、マルクス教会(*)/1956年3月16日(#)。共に初出音源。 夭折の名テナー、ヴンダーリヒが参加する「クリスマス・オラトリオ」。全曲ではないのが惜しまれるが、これはたいへんな代物。 | |||
スラヴァ賛!〜ロストロポーヴィチ記念コンサート ウォルトン:パッサカリア[セバスティアン・ヘス] カンチェリ:涙のあとに[ユリウス・ベルガー] デュティユー:ザッヒャーの名による3つのストローフェ[ラースロー・フェニェー] シュニトケ:インプロヴィゼーション[ホン・エンスン] ルトスワフスキ:ザッヒャー変奏曲[レオナルト・エルシェンブロイヒ] ブリテン:無伴奏チェロ組曲第2番Op.80[ミクローシュ・ペレーニ] シュニトケ:弦楽三重奏のためのメヌエット [ギドン・クレーメル、ウーラ・ジェブリューナイテ、ダーヴィド・ゲリンガス] プロコフィエフ/ロストロポーヴィチ編: シンデレラのワルツ/3つのオレンジへの恋の行進曲 [リン・ハレル、パーヴェル・ギリロフ] ロストロポーヴィチ:ユモレスク Op.5[ガブリエル・シュワーベ、ギリロフ] ロストロポーヴィチ:エチュード[チョー・ヨンチャン] ドビュッシー:夜想曲とスケルツォ[ゲイリー・ホフマン、ダーヴィド・ゼリグ] ピアソラ:グラン・タンゴ[ヨンチャン、ギリロフ] カンチェリ:ほほえみをスラヴァに[ミッシャ・マイスキー、ギリロフ] シャポーリン:ロシアの歌とスケルツォ[アンドレアス・ブランテリト、ギリロフ] シュニトケ:郷愁の音楽[アルト・ノラス、ラルフ・ゴトーニ] ブリテン:チェロ・ソナタ Op.65 [ナターリヤ・グートマン、ヴャチェスラフ・ポプルーギン] シュニトケ:「ペール・ギュント」エピローグ[ゲリンガス、ヤーシャ・ネムツォフ] ミャスコフスキー:チェロ・ソナタ第2番[グートマン、ポプルーギン] プロコフィエフ:チェロ・ソナタ Op.119[ブランテリト、ギリロフ] シチェドリン:スラヴァ、スラヴァ![ネーメ・ヤルヴィ指揮バイエルン放送so.] ヘンツェ:マルガレート・ゲッデス哀悼〜チェロ6本のための プロコフィエフ:チェロ小協奏曲第2楽章〜チェロ6本のための[チェリッシモ] シチェドリン:良い旅を〜スラヴァの思い出に 〜リコーダーとチェロ6本のための(世界初演) [ザビーネ・アムボス、チェリッシモ] カルソンス:アルジヤ[ゲリンガス指揮チェッリシモほか] バーンスタイン:ミサ曲より3つの瞑想曲 [ゲイリー・ホフマン、ゲリンガス指揮クレメラータ・バルティカ] カンチェリ:黙祈〜ロストロポーヴィチ生誕80年とクレーメル生誕60年を祝して(世界初演) [クレーメル、マリー・エリザベス・ヘッカー、クレメラータ・バルティカ | |||
20世紀最大の音楽家のひとりムスチスラフ・ロストロポーヴィチは1927年3月27日に生まれ、2007年4月27日に世を去った。当アルバムは、2007年10月3〜7日にドイツのクロンベルクで行なわれたチェロ・フェスティヴァルから、ロストロポーヴィチに献呈されたもしくは彼が世界初演を行なった27作品を収めた追悼企画。何より出演者が凄い。ペレーニ、マイスキー、ゲリンガス、グートマン、ノラスなどチェロ界の重鎮、さらにクレーメルやヤルヴィまでもが一堂に会し、ロストロゆかりの作品を披露している。有名曲のみならず、シャポーリンやロストロ自身の作などの珍品も入っていて、チェロ・ファン狂喜の内容となっている。このアルバムを聴かずしてチェロを語れない。 | |||
ドン・コサック合唱団〜古いロシアの歌 夕べの鐘/黒い瞳/レズギンカ/木イチゴ摘み/ 愛の力で私は祈る/緑の牧場で〜カリンカ/ 小さい鐘が鳴る/騎兵の行進/2つのコサック歌謡/ 赤いサラファン/森の中で/ボルガの舟歌/ ドン河畔にて/2つのギター/ステンカ・ラージン/ 神よ汝の民を救いたまえ/捕らえられたコサック/出発 |
ドン・コサックcho. | ||
録音:1953年、モノラル。 亡命ロシア人によって結成された男声アカペラ合唱団の名門ドン・コサック合唱団。彼らの歌唱により日本でも数々のロシア民謡がポピュラーになった。彼らの凄さは気持ち悪いくらいの超低音から、女声のような裏声までを駆使した驚異的な音域の広さ。これこそドン・コサックの醍醐味で、肉声だけで交響曲を聴くような充実感を味わえる。当アルバムは1953年DG 盤と57年のMMS盤をリマスターして蘇らせた歴史的録音。 | |||
チェロ・フィエスタ! ハイドン:チェロ協奏曲 ハ長調(*) チャイコフスキー:奇想的小品 Op.62(#) アザラシヴィリ: チェロと室内管弦楽のための協奏曲(#) ヒナステラ: パブロ・カザルスの主題による注解 Op.46(#) チック・コリア:ラ・フィエスタ(+) |
マリー=エリーザベト・ ヘッカー(Vc;*/+) ギオルギ・ハラーゼ(Vc;#/+) クレメラータ・バルティカ | ||
ギドン・クレーメルがその才能を愛でている若手チェロ奏者ふたり、ヘッカーとハラーゼの協奏作品アルバム。古典派のハイドンから現代ジャズまで驚異的な懐の深さを示している。聴きものはグルジアの作曲家アザラシヴィリとチック・コリア作品。溌剌としたフレッシュな音楽性が輝いている。 | |||
コロリオフ〜ヘンデル:クラヴィーア組曲集 [第4番 ニ短調HWV.437/第3番 ニ短調HWV.428/ 第7番 ト短調HWV.432/第8番 ト長調HWV.441] |
エフゲニー・コロリオフ(P) | ||
録音:2007年1月22日-26日、シュトゥットガルト、カンマームジークスタジオ(SWR製作)。 2008年3月におこなわれた来日公演では十八番の「ゴルトベルク変奏曲」を披露して大絶賛を浴びたコロリオフ。最新アルバムはヘンデル、「ディアベッリ変奏曲」ほか(HRMK-00801)にエアと変奏曲が含まれていた第3番の全曲をふくむ、4つのクラヴィーア組曲。作曲家リゲティが熱いコメントを寄せたコロリオフのバッハを聴くと、つぎはヘンデルも聴いてみたくなるのは自然なこと。ネイガウス、オボーリンにレッスンを受け、ロシア・ピアニズムの流れを汲むコロリオフのピアノは、かつてのギレリスに通じて美しく端整。聴き進めるうちに瞑想的な世界が拡がる。 | |||
ファンタジーにも理あり J.S.バッハ: ソナタBWV.529〜リコーダー、ディスカント・ヴィオール、チェロとテオルボ/ ソナタ BWV.1027/1039〜リコーダー、リラ・ヴィオール、チェロとテオルボ/ フーガ BWV.952〜リコーダー、ディスカント・ヴィオール、チェロとテオルボ モーツァルト: アダージョとフーガ K.404a〜リコーダー、リラ・ヴィオール、チェロとリュート アダージョ/フーガ(J.S.バッハ:フーガ BWV.853)/ アダージョ/フーガ(J.S.バッハ:フーガ BWV.883)/ アダージョ/フーガ(J.S.バッハ:フーガ BWV.882) J.S.バッハ: ソナタ BWV.1037〜リコーダー、ディスカント・ヴィオール、チェロとテオルボ アダージョ(モーツァルト:カノン風アダージョ K.410)/アッラ・ブレーヴェ/ラルゴ/ジグ クアドロ・ヒポテーシス [レオポルド・ダゴスティーノ(リコーダー) シンシア・ゾッティ(ヴィオラ・ダ・ガンバ) クラウディア・ポズ(バロックVc) ウーゴ・ナストゥルッチ(テオルボ/リュート/リラ・ヴィオール) | |||
録音:2006年2月、シャルトル会修道院、ヴァルボンヌ、ガール、フランス。ピリオド楽器使用。J.S.バッハのトリオ・ソナタ、ガンバ・ソナタ、オルガン曲を、当時は楽器編成など必ずしも絶対的な意味を持たなかったのではというコンセプトに遵い、原曲とは異なるユニークな形で取り上げている。 とくに、ガンバのパートを、比較的高域を担うディスカント・ヴィオール、低域を担うリラ・ヴィオールと、曲に応じて重心をシフトさせていたりとじつは考え抜かれた楽器の組み合わせがされている。さらに、真作かどうか疑わしいK.404a(オリジナルはバッハの鍵盤作品)を、モーツァルトの弦楽三重奏版からまたまたバロック風に変更というのも、ややこしくて混乱してきそうだが、これが結構いけるのだから、つくづく音楽とは奥深いもの。 | |||
フラグスタートの「アルセスト」、DECCA録音 グルック:歌劇「アルセスト」(1767年ウィーン原典版) キルステン・フラグスタート(S;アルセスト) ラウル・ジョバン(T;アドメート) アレグザンダー・ヤング(T;エヴァンドロ) マリオン・ローヴェ(S;イズメーネ) トマス・ヘムズリー(Br;大祭司/アポロ/死の神) ジョアン・クラーク(S;エウムーロ) ローズマリー・セイヤー(S;アスパージア) ジェイムズ・アトキンス(Br;預言者/神託の声) ゲライント・ジョーンズ指揮ゲライント・ジョーンズ・シンガーズ&o. | |||
録音:1956年、Decca London オリジナル・スタジオ、リマスタリング:2008年、ドアマーゲンTHSスタジオ、ホルガー・ジードラー。 「オルフェオ」に次ぐ、グルックによる改革オペラ第2作として名高い「アルセスト」。この録音は1956年にデッカがオリジナル・セッションで行ない、表題役に20世紀の生んだ大ソプラノ、フラグスタートを起用したことでも広く知られるもの。本家デッカでもCD化(1993年)されているが、現在入手難となっている。いま聴いてもフラグスタートの崇高な佇まいは比類がない。イェンス=ウヴェ・フェルメッケ氏のコレクションより、2008年にTHSスタジオのホルガー・ジードラーがリマスタリングを施している。イタリア語歌唱。 | |||
ビシュコフの「ヴェルレク」〜ヴェルディ:レクイエム
ヴィオレッタ・ウルマーナ(S) オリガ・ボロディナ(A) ラモン・ヴァルガス(T) フェルッチョ・フルラネット(B) セミヨン・ビシュコフ指揮WDRケルン放送so.、 NDRハンブルク放送cho.、トリノ・テアトロ・レッジョcho.、WDRケルン放送cho. | |||
録音:2007年11月12日-16日、ケルン、フィルハーモニー、ライヴ(カデンツァ注:以下代理店コメントと矛盾するが、どちらが正しいかは不祥)。 2008年7月にパリ国立オペラを率いて来日公演予定の鬼才ビシュコフ。Profilのシリーズ最新アルバムはヴェルレク、首席指揮者就任10周年を迎えた手兵ケルン放送so.との充実ぶりをうかがわせる注目の録音。ソリストにベテランのスター歌手を揃えているほか、キャッチな「怒りの日」では増強されたコーラスの破壊力もすさまじいもの。「わざわざセッションを組んでのプロジェクト」(と代理店は記載しているが、上記録音日での記載とは矛盾する)でもあり、まさにSACDの効果は絶大。録音も優秀。 | |||
ライトナー指揮のコルネリウス、初出? ペーター・コルネリウス(1824-1874):歌劇「バグダッドの理髪師」 ハンス・ゾーティン(B;アブル・ハッサン) フリッツ・ペーター(T;ババ・ムスタファ・カーディ) マルガ・シムル(Ms;ボスターナ) デイル・デュージング(Br;カリフ) ヘレン・ドナート(S;マルギアーナ) ホルスト・ラウベンタール(T;ヌレディン)他 フェルディナント・ライトナー指揮WDRケルンso.、 cho. | |||
録音:1974年2月1日,ケルン、ステレオ。音源提供:WDR。初出音源か。 コルネリウスの代表作「バグダッドの理髪師」は、ウェーバーからワーグナーまでのドイツ・オペラ本流の穴を埋める大穴作。永竹由幸教授によると「ユニークな味を持った作曲家で、この曲もとぼけた味をうまく出し大変凝った名曲」とのことでブゾーニのような風合がある。1858年にフランツ・リストの指揮によってワイマールで初演された。コリネリウス自身ワーグナーの助手だったがワーグナーの影響が皆無なのが凄いところ。裕福な青年ヌレディンはマルギアーナを愛しているものの、なかなかうまく進展できずに困っている。そこにお節介でお喋り好きな理髪師アブル・ハッサンが割り込んで、事態は混乱するばかり、というお話。ドイツでは大変な人気作なのだが、録音は、EMIにラインスドルフのモノラル録音、オイロディスク(現在はBMG)にホルライザーの録音などがあったが現在CD入手出来ずで、なんとも寂しい限り。そこにこのライトナー指揮の録音が登場。しかも『厳しく見積もっても現在最高の演奏のようで、初めて曲のすごさ、おもしろさを堪能できた』とは代理店の弁。ハンス・ゾーティンの理髪師アブル・ハッサンをはじめ、ヘレン・ドナート、驚異の美声ホルスト・ラウベンタールら、充実したキャストの演奏。また録音もセッションで大変優秀。 | |||
Impression ウィリアム・オルウィン(1905-1985):オーボエ・ソナタ ヨハン・ウェンツェル・カリヴォダ(1801-1866):サロンの小品 Op.228 アンリ・デュティユー(1916-):オーボエ・ソナタ ニーノ・ロータ(1911-1979):悲歌 アントニオ・パスクッリ(1842-1924): ヴェルディの歌劇「シチリア島の夕べの祈り」の主題による大協奏曲 渡辺克也(Ob) デイヴィッド・ジョンソン(P) | |||
KDC-5051は『日本語帯、解説書つき』とのこと。耳を疑うほどの超絶技巧と、オーボエの限界を超えた美音で聴衆を魅了してやまない、今最も注目と期待の集まる実力派、渡辺克也のオーボエ名曲集。なお輸入盤 PH-08038 は2012年現在、国内代理店からは供給されていません。 『このような名人が活躍をはじめたのだから、世の作曲家達は彼のオーボエのために、新作を書いていただきたいと思う。モーツァルトはミュンヘン宮廷楽団の名手フリードリヒ・ラムのために「オーボエ四重奏曲」を書き、ザルツブルクの奏者フェルナンデスのために「オーボエ協奏曲」を作曲したと言われている。名手の存在が名曲を生む原動力。渡辺克也が彼のために書かれた新作をコンサート会場で披露し、やがてそれがCDとなって世に広まる日が来て欲しいと、私はいま、ひたすら願っている。』(中野 雄) | |||
アーロノヴィチ・ライヴ Vol.3 フランク:交響詩「プシシェ」より [プシシェの眠り/西風にさらわれるプシシェ/ エロスの園/プシシェとエロス] シベリウス:交響曲第2番 ニ長調Op.43 |
ユーリ・アーロノヴィチ指揮 ケルン・ギュルツェニヒo. | ||
録音:1978年2月22日、ケルン、ドイチュラント放送。Profilがおくるアーロノヴィチによる注目のライヴ・シリーズ。戦時の実体験にもとづく迫真の「レニングラード」(PH-07009)、フランクの交響曲とレスピーギの「ローマの松」(PH-08011)につづく第3弾は、首席指揮者(1975-1986)を務めた手兵ケルン・ギュルツェニヒo.とのライヴ。 前回に引き続いて今回も前半は、鬱蒼とした響きで重く濃厚なロマンチシズムをたたえたフランク。そして、たたみかけるような自在なテンポとダイナミックなアプローチが特徴といえる後半のシベリウス。ロシアの指揮者はシベリウスを好むが、アーロノヴィチのこのライヴからもそれは十分に感じられる。指揮にみごとに反応するオケの高い合奏能力も聴きどころ。ドイチュラントラジオ収録、ドイチュラントラジオ・クルトゥーア提供の音源による復刻で音質も万全。 | |||
C.デイヴィス&ドレスデン シューベルト:交響曲第8番 ロ短調 D.759「未完成」 ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 Op.90 |
コリン・デイヴィス指揮 シュターツカペレ・ドレスデン | ||
録音:1992年10月22日、ドレスデン・ゼンパーオーパー、ライヴ。収録: MDR。Profilの呼び物シリーズ、エディション・シュターツカペレ・ドレスデンに注目度満点のタイトルが登場する。長年、シュターツカペレ・ドレスデンの首席客演指揮者を務め上げ、1991年に楽団初の名誉指揮者に任命されたデイヴィスは、超弩級の手ごたえで度肝を抜いたエルガーの交響曲第1番ほか、ベルリオーズの「レクィエム」や「テ・デウム」、ティペットの「われらが時代の子」といったモニュメンタルなライヴ演奏の数々を刻むいっぽうで、同オケとはディスコグラフィの充実ぶりでも知られている。これまでにデイヴィスはシュターツカペレ・ドレスデンとモーツァルトの後期交響曲集、ベートーヴェンの交響曲全集やアラウを独奏に迎えたピアノ協奏曲全集などを録音しており、そのいずれもが深みを湛えた弦に味わいの木管、いぶし銀のブラスから醸し出される腰の落ち着いたひびきで根強い人気を得ている。デイヴィスはシューベルトの交響曲も1994年から1996年にかけてセッションで収録して全集を完成させていた。 デイヴィスはシューベルトの「未完成」を1982年にもボストン響とセッションで録音して作品との相性の良さをうかがわせていたが、それ以上にシュターツカペレ・ドレスデンとのセッション録音の出来栄えがたいへん素晴らしかったので、このたびの内容にもおおいに期待が膨らむところ。シュターツカペレ・ドレスデンのシューベルト録音といえば、過去にすぐれた演奏が多いことでも知られ、「未完成」については、ともに交響曲全集を完成させているサヴァリッシュが1967年にセッション録音、首席指揮者ブロムシュテットが1978年にセッション録音しているほか、やはり首席指揮者シノーポリによる1992年のセッション録音などがあった。 いっぽう、デイヴィスにとってブラームスは、1988年収録の第3番をはじめ、バイエルン放送so.とセッション録音で交響曲全集を完成させているが、ここではサウンドカラーが異なるドレスデンとの顔合わせということでよりいっそう注目される内容といえそう。ちなみに、1992年10月22日と23日の両日とも、デイヴィスとシュターツカペレ・ドレスデンはこのアルバムに収録されたプログラムを演奏しているが、この2曲は直後の同年10月25日から11月12日にかけて計12回行われた日本公演のプログラムにも含まれていたもので、当時詰めかけた聴衆をおおいに沸かせたと伝えられている。 | |||
ルドルフ・ケンペ、初出 ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲 シューマン:ピアノ協奏曲(*) R.シュトラウス:英雄の生涯 |
マルコム・フレージャー(P;*) ルドルフ・ケンペ指揮 ドレスデン・シュターツカペレ (ペーター・ミリング;Vn [コンサートマスター]) | ||
録音:1974年3月15日、クルトゥアパラスト、ドレスデン。DDRドレスデン放送収録。おそらく初出音源。 『待望の発売!』『数少ないケンペ・ドレスデン生協演』『伝説の1974年3月15日クルトゥアパラスト・ライヴ』『ヴァイオリン両翼配置』『ステレオ完全再現!』『ケンペの珍しい写真(オーボエを手入れするケンペ)など40点収録の充実のブックレット!』 『かつてこの演奏の録音を聴いた音楽評論家、金子建志教授は「この英雄の生涯のライヴ盤は<着実な演奏をするが、どちらかというと地味な正統派>といったケンペの先入観をあっさり吹き飛ばしてくれる。」と激賞。1972 年の高名なEMI 録音は通常のヴァイオリン配置でしたが、当盤はヴァイオリン両翼配置がポイント。「戦場」最後の頂点で両ヴァイオリンがスピーカー前回左右一杯に広がり高らかにうたわれる「英雄の主題」の爽快感と高揚感は、これこそスタジオ盤にない異様な感動を呼び起こし、まさに勝利の旗が戦場いっぱいにはためくようなイメージを喚起させる。と前の金子教授も述べておられ、実に聴き所満載の大満足の1 セット!でございます。』とのこと。 | |||
ルドルフ・ショック、フニクリ・フニクラ〜アリア、オペラ&オペレッタからの場面、歌曲集 プッチーニ:「ラ・ボエーム」より(*)/レオンカヴァッロ:「道化師」より(*)/ グノー:「ファウスト」より(*)/サン=サーンス:「サムソンとダリラ」より(*)/ J.シュトラウス2世:「ジプシー男爵」より(*)/「ヴェネツィアの一夜」より(*)/ 「ウィーンのカリオストロ」より(*)/スッペ:「ボッカチオ」より(*) イタリア民謡:サンタ・ルチア(#)/ロッシーニ:踊り(#)/デンツァ:フニクリ・フニクラ(#)/ エンリーコ・トセリ:トセリのセレナード(+)/リスト(フォン・レドヴィッツ編):それは、きっとすばらしい(**) カール・ベーム:夜のごとく静かに(##)/オイゲン・ヒルダッハ:春(##)/J.S.バッハ(グノー編):アヴェ・マリア セバスティアン・イラディエル:ラ・パロマ(++) ルドルフ・ショック(T) ヴィルヘルム・シュヒター指揮(*/**) オットー・ドブリント指揮(##) ヴェルナー・アイスブレンナー指揮(+/++) 大o.(*/+/**/##/++) フランク・フォックス指揮ナポリ・マンドリンo.(#) ギュンター・アルントcho.(#) FFBo.(#) マックス・カイセル(Vn;+) ヘルムート・ヘラー(Vn;**) | |||
録音:1952年-1957年。原盤: EMI ELECTROLA。 ドイツを代表する往年の名テノール、ルドルフ・ショック(1915-1986)。第2次大戦の終結と同時に急速に活躍の場を拡げたかれは、リートやオペレッタからワーグナーの重厚な役どころまで広範なレパートリーを誇り、甘いマスクと、なによりカチッとしたディクションと力強い歌唱で人気を博した。同時にまた、映画やテレビへの出演によってスターとして脚光を浴びている。 ここに収められている録音は絶頂期にエレクトローラに吹き込んだもので、イェンス=ウヴェ・フェルメッケ氏のコレクションより、2008年にTHS スタジオ・ホルガー・ジードラーが最新のリマスタリングを施している。音質はたいへん聴き易くなっており、不世出の大歌手の美声に心ゆくまで浸れる。「冷たい手を」ほかアリアはドイツ語による歌唱、イタリア民謡は原語歌唱。 | |||
タファネル:木管五重奏曲 バーバー:サマー・ミュージックOp.31 ニルセン:木管五重奏曲 Op.43 |
シャンティリー五重奏団 [ピルミン・グレール(Fl) フロリアン・グルーベ(Ob) ヨハネス・ツール(Cl) ドミトリィ・ババノフ(Hr) ベンチェ・ボガーニ(Fg)] | ||
2006年にミュンヘンで行われたARD 国際コンクールで2位と課題新作最高解釈賞を受賞した実力派シャンティリー五重奏団。全員がミュンヘン・フィルやベルリン放送so.ほかの団員も務めているので、アンサンブル能力の高さも完璧。ここではフランス、アメリカ、北欧といった色彩の異なる3作に取り組んでいるが、いずれも唖然とする巧さ。作品の素晴らしさに身をゆだねて楽しむことが出来る。 | |||
イスパニアーダ〜ロシアの作曲家によるスペイン イッポリトフ=イワノフ:スペインのセレナード アルベニス(ストゥチェフスキー編):マラゲニャ グバイドゥーリナ:セレナード ペッテレッティ:カチューシャ ダルゴムィシスキー:スペインのセレナード オビェドフ:ラテンアメリカの歌と踊り シチェドリン:アルベニスを模して シフラ:カチューシャ/スペイン娯楽曲集 モルコフ:サパテアード ゾロタリョフ:イスパニアーダ |
チモフェーエフ・アンサンブル [ナターリヤ・ チモフェーエワ(Vc) オレグ・チモフェーエフ、 ダン・キャラウェイ(G) イヴァノ・バッティストン (アコーディオン)] | ||
ヨーロッパの北と南ながら、ロシアとスペインはひどく近しい感覚を持ち、たいていのロシア人はスペインが大好き。それゆえか、リムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」をはじめ、チャイコフスキー、グリンカ、グラズノフなど、本場以上に濃厚なスペイン色に満ちた作品を残している。当アルバムはロシアの作曲家によるスペイン小品を集めた興味深い企画。チェロとギター、アコーディオンという編成がロシア色を醸すため、どちらの国にも聞こえる不思議な世界となっている。 | |||
ヴァイオリン協奏曲名楽章集 ヨーゼフ・ハイドン:ヴァイオリン協奏曲 ト長調/ミヒャエル・ハイドン:ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調 [ルーカス・ハーゲン(Vn) カメラータ・ザルツブルク] モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調「トルコ風」〜第2、第3楽章 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.35〜第2楽章 [ダヴィド・オイストラフ(Vn) フランツ・コンヴィチュニー指揮シュターツカペレ・ドレスデン] J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調〜第1、第3楽章(*) サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調〜第1、第2楽章(#) [ローランド・グロイター(Vn;*) ルッジェーロ・リッチ(Vn;#) ギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送so.(*)、ケルン放送so.(#)] J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 [フォルカー・ハルトゥング指揮サンクトペテルブルク・シンフォニック室内o.] メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調〜第1楽章 [ピンカス・ズッカーマン(Vn) カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ケルン放送so.] ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調〜第2、第3楽章 [トーマス・ツェートマイアー(Vn) アントニオ・メネゼス(Vc) クルト・ザンデルリング指揮ケルンWDRso.] | |||
フリッツ・ヴンダーリヒ、歌曲集〜最初期録音集、初出多数
エミール・カイザー:Veilchen, Liebe Frühling und du[録音:1953年] ギュンター・グレゴリー=エンゲルハルト:Gondel, gleite du hinaus[録音:1956年] マウルス・カット:Wenn mein Herz Heimweh hat[録音:1955年] カート・ハーセンプフルグ:Von Liebe und Glück[録音:1955年] ハンス・ベルナー:Carissima mia[録音:1955年] レオ・コワルスキ:Singende Gitarre[録音:1955年] ハンス・モルトカウ:Niemals lass ich dich allein[録音:1955年] ヴァルター・メーリング:Ich lebe fur dich[録音:1956年] ハンス・モルトカウ:Geh ' nicht fort[録音:1956年] ルドルフ・カットニヒ:Man sagt sich ≫ Du ≪[録音:1956年] エーリヒ・ベルシェル:Lass mich niemals mehr allein[録音:1955年] ハンス・アンデルス:Wenn der Mund schweigt /Wolken gehen am Himmel[録音:1954年](*) シューマン:踊り歌 Op.78-1/彼と彼女 Op.78-2/君を思う Op.78-3[録音:1956年](#) ベートーヴェン:追想 WoO.136[録音:1956年](+) ブラームス:おお、愛らしい頬よ Op.47-4[録音:1956年](+) フリッツ・ヴンダーリヒ(T) フリーデリケ・ザイラー(S;#) ヴィリー・シュテヒ指揮オーケストラ(*/#/+以外) エメリヒ・スモラ指揮オーケストラ(*) ロルフ・ラインハルト(P;#/+) | |||
無印のシュテヒ指揮分は、おそらく初出。(#)と(+)はベートーヴェンを除きおそらく初CD化。既出CDは HANSSLER (*) と MEDIAPHON (+のベートーヴェンのみ)等から出ていた。リマスタリング:2008年、THSスタジオ、ホルガー・ジードラーによる。 | |||
バルトーク&サイグン: ヴァイオリンとピアノのための作品集 バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第2番 Sz.76 アフメド・アドナン・サイグン(1907-1991): 組曲 Op.3(1956) バルトーク:ラプソディ第1番 Sz.86 サイグン:ソナタ Op.20(1941)(*) |
ティム・フォーグラー(Vn) ヤーシャ・ネムツォフ(P) | ||
録音:2007年12月17日-20日、放送局小ホール、ベルリン=ブランデンブルク放送収録。(*)は世界初録音。 民俗音楽のフィールドワークといえば真っ先に思い浮かぶバルトーク。そのバルトークとの共同研究で知られるトルコの音楽学者、作曲家サイグン。このふたりの作曲家によるヴァイオリン曲を収めたユニークなアルバム。ヴァイオリンは1968年ベルリン生まれのフォーグラー。ピアノはhansslerでユダヤ関連のアルバムを数多く発表しているネムツォフが弾いている。使用楽器はベヒシュタイン。 | |||
モーツァルト、ベートーヴェン:木管五重奏編曲集 モーツァルト/ウルフ=グイド・シェーファー編: アンダンテ ヘ長調KV.616 モーツァルト/モルデハイ・レヒトマン編: セレナード ハ短調KV.388 & KV.406 モーツァルト/ウルフ=グイド・シェーファー編: アレグロとアンダンテ KV.608 ベートーヴェン/モルデハイ・レヒトマン編: 五重奏曲 変ホ長調Op.4 |
シャンティリ木管五重奏団 [ピルミン・グレール(Fl) フローリアン・グルーベ(Ob) ヨハネス・ズール(Cl) ベンチェ・ボガーニ(Fg) ドミトリー・ババノフ(Hr)] | ||
録音:2008年5月2日-4日、ミュンヘン、バヴァリア・ムジークスタジオ。 シャンティリ・クインテットはベルリン響のグレール、ミュンヘン・フィルのボガーニらを中心に結成された木管五重奏団。アルバム1曲目と3曲目はオリジナルのオルガン曲を編曲したもの。 | |||
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」
ヨハン・ボータ(T;ローエングリン) アドリアンヌ・ピエチョンカ(S;エリーザベト) ペトラ・ラング(Ms;オルトルート) クワンチュル・ユン(ハインリヒ王) ファルク・シュトゥルックマン(Br;フリードリヒ・フォン・テルラムント) アイケ・ヴィルム・シュルテ(Br;伝令) セミヨン・ビシュコフ指揮ケルンWDRso.、ケルンWDR放送cho.、NDRcho.、プラハ室内cho. | |||
録音:2008年5月30日-6月14日、フィルハーモニー、ケルン。 最近、充実のワーグナーが聞けないとお嘆きのワグネリアン諸氏に、PROFILから朗報が舞い込んで来た!ビシュコフと手兵ケルンWDRso.による「ローエングリン」。2008年5月28日に演奏会形式で上演した後、エリーザベトとハインリヒ王を交代し、2週間かけて録音したもの。最大の特徴は、たいへんに豪華なキャスト!現時点で最高レベルを揃えている。タイトルロールにはボータ、そしてエリーザベトにはピエチョンカを投入。重要なオルトルートにはラング、そしてテルラムントにシュトゥルックマンと、バイロイト音楽祭じゃ絶対にできない豪華さ。もちろん、ビシュコフの指揮も充実。当代最高の布陣を揃えた「ローエングリン」、逃がす手はない!!! | |||
アナトリユス・シェンデロヴァス(1945-):チェロ作品集 チェロと打楽器のためのソナタ(1972/1992)/ カントゥスI〜チェロとピアノ(1993)/ シュラミスの歌 〜チェロ、バヤン、打楽器、テープ(1992/2001)/ カントゥスII〜チェロ独奏(1993)/ ダヴィデの歌〜チェロと弦楽四重奏(2006) |
ダヴィド・ゲリンガス(Vc) パヴェル・ギュンター(Perc) タチヤナ・ゲリンガス(P) ゲイル・ ドラウグスヴォル(バヤン) ヴィリニュスSQ | ||
リトアニアの作曲家シェンデロヴァスは、ゲリンガスが最初に学んだチェロの師の子息にして幼なじみ。それもあってゲンリンガスが積極的に紹介していることで、世界的に知名度があがっている。作風はそれほど前衛的でなく情感豊か。当アルバムはチェロを主役にした室内楽作品集。ゲリンガスならではの名人芸が光る。 | |||
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調K.466 [第1楽章カデンツァ; リッシェ、ブゾーニ、ブラームス、 フンメル、ベートーヴェン 第3楽章カデンツァ; リッシェ、ブゾーニ、クララ・シューマン、 フランツ・クサヴァー・モーツァルト、 ベートーヴェン |
ミヒャエル・リッシェ(P) ハワード・グリフィス指揮 ケルンWDRso. | ||
純ドイツ風ピアニズムが味のミヒャエル・リッシェ。作曲家としてもミルコ・ケレメン門下の彼が自作のカデンツァでモーツァルトのピアノ協奏曲第20番を弾いているが、自作以外、ベートーヴェンの有名なものからブラームス、ブゾ-ニの各種カデンツァを聴かせてくれる。第3楽章ではモーツァルトの令息フランツ・クサヴァー作が入っているのも注目。 | |||
メンデルスゾーン:オラトリオ「聖パウロ」Op.36
ザビーネ・ゲッツ(S) ドロテー・ツィンマーマン(A) マルクス・ブルーチャー(T) クラウス・メルテンス(B) ドリス・ハーゲル指揮カペラ・ヴァイルブルク、ヴァイルブルク城教会cho. | |||
録音:2008年9月18日-22日、ヴァイルブルク城教会。 音楽史上の偉業、J.S.バッハの「マタイ受難曲」復活蘇演でも知られるように、メンデルスゾーンが創作上の理想としたのはバッハやヘンデル、モーツァルトといった古典への回帰だった。1834年初めから1836年春にかけて作曲された第1作目のオラトリオ「聖パウロ」は、そのヘンデルを規範としたもので、続く「エリヤ」と並んで力強い合唱が生み出す劇的な緊張感が大きな魅力となっている。『1992年結成のアンサンブルと、1986年以来カントリンを務めるヴァイルブルク・シュロス教会合唱団を率いるハーゲルはアーノンクールに学んだ逸材。』とのこと。カントリンはカントルの女性形。 | |||
ライトナーのパルシファル、パリ・ライヴ、初出 ワーグナー:舞台神聖祭典劇「パルシファル」 ヴォルフガング・ヴィントガッセン(パルシファル) マルタ・メードル(クンドリー) グスタフ・ナイトリンガー(アンフォルタス王) オットー・フォン・ロール(グルネマンツ) ヘティ・プリュマッハー(S)/他 フェルディナント・ライトナー指揮ヴュルテンベルク国立歌劇場 (シュトゥットガルト国立歌劇場)o.&cho. | |||
録音:1953年、パリ、オペラ座、ライヴ。 抜群の音質で、とんでもない「パルシファル」が登場した。これ以上望めない歌手、指揮者が戦争の記憶生々しいドイツの旧占領地パリで行った緊迫感あふれる、爆発的ライヴ。パリにおけるワーグナー演奏史に残る大名演とされていた幻の公演が良い音で残されていたことにも驚き。また当時のこれだけの歌手がライトナー音楽総監督のシュトゥットガルトの専属だったという事実もびっくりで、さすが往時「ライトナー黄金のシュトゥットガルト」と呼ばれていただけのことはある。 主な歌手の略歴 ヴィントガッセン:1914年生。世界的ワーグナー歌手として有名。メードル:1912年生。バイロイトの常連。代表的ワーグナーソプラノ。ナイトリンガー:1910年生。バイロイトの常連。ドイツを代表するワーグナーバスバリトン。宮廷歌手。フォン・ロール:1916年生。ワーグナーバスとして高名。宮廷歌手。プリュマッハー:1922年生。ザルツ・バイロイトの常連。ドイツの一時代を代表する名アルト。 | |||
マルセル・デュプレ(1886-1971): オルガン交響曲第2番 Op.26 ジャイルズ・スウェイン(1946-): オルガンのためのリフ-ラフ(1983) ジョセフ・ジョンゲン(1873-1953):英雄ソナタ Op.94 フランク・ブリッジ(1879-1941):アダージョ ホ長調 マルセル・デュプレ:2つのスケッチ Op.41 |
トビアス・フランク(Org) | ||
録音:2007年12月10日-12日、ニーダーバイエルン、シュヴァイクベルク、ベネディクト修道院。使用楽器:クラウス・オルガン。 二つのタイプの近現代オルガン傑作を集めたアルバム。まず、ジョセフ・ジョンゲンとフランク・ブリッジは、オルガンの伝統的なスタイルを持ちながら、シェーンベルク、ベルク、ブーレーズといった現代作曲家のような新しい音楽のパイオニアに感化されていない作風が印象的な作品。一方、デュプレとスウェインは、自国の伝統的スタイルを捨て、オルガンの可能性を追求した、新しいアイディアと概念を含む新たな美学を追求した作品。 中でも注目がマルセル・デュプレの作品。デュプレは20世紀のコンサート・オルガニスト、作曲者として最も重要な存在。彼は特に即興音楽の名手で、オルガンのための数多くの作品を残している。ここで収録されているオルガン交響曲第2番は彼の初期の作品で、フランスのロマン的なメロディをモチーフに壮大なオルガン交響曲に書き上げた。 使用オルガンはシュヴァイクルベルクのベネディクト修道院の2000年建造されたクラウス・オルガン。 オルガン・ビルダーのクラウスは教会建築に理想的な響きを追求した結果、連動オルガンを造った。これは独立した二つのオルガンを教会の両側に配置し、演奏は教会の中央に置かれたコンソールにより演奏できるというもの。音響効果を考慮した選曲に加え、ハイブリッドSACDなので、教会の中央で聴いているかのような臨場感と迫力をお楽しみ頂ける。 演奏のトビアス・フランクはミュンヘン音楽・演劇大学でオルガン演奏を学び、バイエルンのアイヒシュテット教会オルガニストとして研鑽を積んだ。これまでにヴィンセント・ワーナー(フランス)、ジャン=パーカー・スミス(イギリス)、ハンス=オラ・エリクソン(スウェーデン) に師事している。 2008年10月よりノイブランデンブルクの聖ヨハネス教会の専属オルガニストとなり教会の礼拝式をはじめコンサートも行っている。本録音は彼のコンサート・オルガニストとしての実力がわかる19世紀〜20世紀にかけてのフランス・イギリスのオルガン作品の傑作集!! | |||
18世紀のギター音楽 カルッリ:ギター・ソナタ ハ長調 Op.56 ハイドン/ヴットケ編:ギター協奏曲 ニ長調 (原曲:弦楽四重奏曲 Op.2-2)(*) ソル:グランド・ソロ Op.14 |
フリーデマン・ヴットケ(G) イーゴリ・ジューコフ指揮(*) 新モスクワ室内o.(*) | ||
シュトゥットガルト音楽院出身のドイツ人ギタリスト・ヴットケは、バルエコ、ジョン・ウィリアムズ、アンヘル・ロメロらのマスタークラスを受けた。自身の編曲によるハイドンの協奏曲が注目。Op.2の2の弦楽四重奏曲による編曲だが、ハイドンにこんな協奏曲があったと嬉しくなってしまう。ロシアの大ピアニスト、ジューコフの指揮も聴き物。 | |||
モーツァルト: フルートとハープのための協奏曲 ハ長調K.299(*)/ アンダンテ ハ長調K.315(#)/ ハープ協奏曲 K.107-1(+) |
ピルミン・グレール(Fl;*/#) マリア・グラーフ(Hp;*/+) ゲアノート・シュルツ指揮 バート・ブリュッケナウ・ バイエルン室内o. | ||
バイエルン放送との共同制作。 大家グラーフと、新進のグレールとの対話が実に新鮮な感興をさそう名曲「フルートとハープ」ほか、モーツァルトの作品を集めたアルバムで、K.107はJ.C. バッハのピアノ・ソナタ作品5の編曲作として知られるピアノ協奏曲をハープで演奏している。 ピルミン・グレール:カールスルーエとベルリンで、レナーテ・グライス=アルミンとジャック・ズーンに師事したドイツのフルート奏者。2002年にデンマークのオーデンセにおけるカール・ニルセン国際フルート・コンクールで第1位ほか、ドイツ国内および国際的なコンクールでの入賞歴多数。2002年よりベルリン・コンツェルトハウス管の首席奏者。ソリストとして、バイエルン放送so.、ベルリン響に出演、また、ロッケンハウスや、ラインガウ音楽祭といった有名な音楽祭にも招聘を受けている。2006年1月にサントリーホールでの新日本フィルとの共演で日本デビューを果たしている。 マリア・グラーフ:カラヤンやチェリビダッケといった大物指揮者の信頼も厚い、ミュンヘン生まれの世界的なハープ奏者。生地でウルズラ・レントロットに、パリでは、ドビュッシーと仕事を通じて結びつきが深く、作曲者のお気に入りの奏者であったピエール・ジャメに師事。1997年よりベルリン・ハンス・アイスラー音楽大学のハープ科教授。 | |||
グルック(1714-1787): 歌劇「オルフェーとユリディス〔オルフェオとエウリディーチェ〕」(1774年、パリ版) ニコライ・ゲッダ(オルフェー) ジャニーヌ・ミショー(ユリディス) リリアーヌ・ベルトン(アムール) ルイ・ド・フロマン指揮パリ音楽院o.&cho. | |||
録音:1955年、おそらくスタジオ。発売:2009年。原盤: Pathé / Columbia / EMI Angel 。当盤が初CD化となる録音。裏インレイに「1955年 エクサン・プロヴァンス音楽祭のプロダクション」と記載がある。「録音はドイツ・グラモフォンによって成され、ANGEL から発売された」という欧文資料があるが、正しいかどうかは不明。 | |||
アレクサンドル・ダルゴムイシスキー(1813-1869):歌劇「ルサルカ」
エヴェリナ・ドブラチェワ(S;ナターシャ〔ルサルカ〕) アルチュン・コチニヤン(B;粉屋の父) フセヴォロド・グリヴノフ(T;王子) マリーナ・プルデンスカヤ(Ms;王女) エレーナ・ブリレワ(S;侍女オリガ) アンドレイ・テレギン(B;狩人) マルタ・ユロフスキー(S;ルサルチカ) ミハイル・ユロフスキー指揮ケルン南西ドイツso.&cho. | |||
ロシア五人組の精神的父だったダルゴムイシスキーの代表作が最新録音で登場。プーシュキンの原作に基づき、王子と恋に落ちた粉屋の娘が捨てられて投身自殺をし、水の精となって復讐をとげるまでを描いている。とはいっても、国民楽派以前の作品のためムソルグスキーのような生々しいものではなく、音楽自体は古典的で優雅、美しい旋律に満ちている。父ユロフスキーの指揮ぶりも充実。ルサルカの娘役を彼の孫娘マルタ・ユロフスキーが演じているのも聴き物。 | |||
ピアノと室内オーケストラのための作品集 リスト:ピアノと弦楽のための「呪い」 メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲 イ短調(1822) クレメンティ:ピアノ協奏曲 ハ長調 |
クセーニャ・ノシコワ(P) ウィリアム・ラリュー・ ジョーンズ指揮 プロ・コルド室内コンソート | ||
録音:2008年5月21日-23日、クラップ・リサイタル・ホール、アイオワ州アイオワ・シティ、アメリカ(セッション)。使用楽器:スタインウェイD。 現在アイオワ大学でピアノ科の教授を務め、レーラ・アウエルバッハのピアノ曲(PH-07064)で注目されたノシコワが、技巧的でありながら、あまり聴く機会の少ない作品を取り上げたアルバム。「巡礼の年」全曲のアルバム(Centaur)で高い評価を得たリストをはじめ、みごとなテクニック。メンデルスゾーンとクレメンティでは、カデンツァを彼女自ら手がけている。 | |||
ギュンター・ヴァント・エディション Vol.20 ムソルグスキー/ラヴェル編曲:組曲「展覧会の絵」(*) チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23 (#) ホルヘ・ボレット(P) ギュンター・ヴァント指揮ハンブルク NDR so. | |||
録音:1982年9月19日-20日(*)、1985年11月13日-14日(#)、共に ムジークハレ、ハンブルク、ライヴ。発売:2012年。収録: NDR。エグゼクティヴ・プロデューサー:ロルフ・ベック/リマスタリング・エンジニア:ホルガー・ジードラー (THS Studio)。 (#)は以前、 CD-R 使用の EN LARMES, ELS-02-163 で年月日不詳の演奏として、また 000 CLASSICS, TH-029 で1987年(年月不明)出ていた演奏と思われ、今回がマスターからの初復刻。(*)はこの日付の演奏は初出だが、以前 EN LARMES, ELS-01-49 で1987年12月21日の演奏が出ており、これが放送日などだとしたら同一演奏の可能性があり、その場合はマスターからの初復刻。 ヴァント&北ドイツといえば、BMGによる重厚な雰囲気たっぷりの名演の数々が思い浮かぶが、今回の2曲はNDRのオリジナル・テープからCD化されたもので、その音質のあまりのクリアさに驚かされた。音が残響で曇ることなく、細部まではっきり聴き取れるため、いままでの同コンビの印象も新たになるようで、ヴァント首席指揮者就任時の覇気あふれる「展覧会の絵」もバーバ・ヤガーからキエフの大門に至る崇高な盛り上がりなどちょっと無類(ちなみにBMG盤は1999年録音)。チャイコフスキーでのボレットとの共演は圧巻の一語で、こちらも音質抜群。緊迫感ただならぬものがあり、当レーベル社主のギュンター・ヘンスラー氏の自薦する録音のひとつである。 | |||
ヴァント〜ベルリン・ドイツ響ライヴ集成分売 Vol.4 シューベルト:交響曲第9番 ハ長調D.944「グレイト」 |
ギュンター・ヴァント指揮 ベルリン・ドイツso. | ||
録音:1993年6月14日、ベルリン・フィルハーモニー、ライヴ・ステレオ。PH-09068 (8CDs) からの分売。 | |||
ハイティンク、シュターツカペレ・ドレスデン就任記念コンサート 2002 ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61 (#) ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn;#) ベルナルド・ハイティンク指揮シュターツカペレ・ドレスデン | |||
録音:2002年9月29日、ドレスデン文化宮殿、ライヴ。(#)は初出音源。既出CD: Querstand, VKJK-0414 (#以外) 〔廃盤、入手不能〕。「エディション・シュターツカペレ・ドレスデン」シリーズVol.40。 2002年9月29日-30日、10月2日に行われたハイティンク同楽団首席指揮者就任記念コンサートのライヴ。同年夏にドレスデンを襲った洪水のためゼンパーオーパーが浸水して使用不能だったため、ドレスデン文化宮殿にて開催、コンサートは犠牲者に捧げられた。当時73歳のハイティンクの円熟と高揚感が理想的な均衡した神業を堪能出来る。ツィンマーマンとのベートーヴェン協奏曲は初出。オケも含めヨアヒム伝統のドイツ的なベートーヴェンの協奏曲を味わえる。 | |||
ハイドン:歌劇「フィレモンとバウキス(バウチス)、 またはユピテルの地球への旅」Hob.XXIXA; 1(1773) マヌエル・バルブィッツ(T;フィレモン) ナタリー=マリア・ヴィンセント(Ms;バウキス) ベルンハルト・ベルヒトルト(T;アレット) ウルリケ・ホーフバウアー(S;ナルキッサ) ヴォルフガング・ブルンナー指揮ザルツブルク室内cho.、ザルツブルク・ホーフムジーク | |||
録音:2002年5月1日-2日、ザルツブルク、モーツァルテウム大ホール。 ドイツ語のためのマリオネット・オペラ「フィレモンとバウキス」の世界初録音。この作品は、おそらくはエステルハーザ宮殿を訪れた女帝マリア・テレジアも聴き、新設されたマリオネット劇場の杮落としで上演されたと考えられているもの。残念なことにハイドンの音楽は断片的だが、じっさいの物語の肝である中間部はほとんど完全な形で残された。マリオネット劇場のための作品のほとんどが失われた今日でも現存する数少ないもののひとつで、のちにジングシュピールにも改作されている。ハイドン・イヤーにまたとない聞きものといえるだろう。 | |||
ショスタコーヴィチ:24の前奏曲(1933) フセヴォロド・ザデラツキー:24の前奏曲(1934) |
ヤーシャ・ネムツォフ(P) | ||
ショスタコーヴィチをはじめとする芸術家たちが、ソヴィエト時代にどれほどひどい目にあったかが明るみに出ているが、本当に悲惨だったのはここに収められたフセヴォロド・ザデラツキー(1891-1953)のような人。プロコフィエフと同世代で、モスクワ音楽院でタネーエフらに学んだ後、帝政末期にニコライ二世の皇子アレクセイの教師を務めたことなどが原因で、処刑こそ免れたものの生涯の大半を流刑地と牢獄で過ごすこととなった。1926年の逮捕時には音楽作品の草稿すべてを焚書にされ、その音楽は謎につつまれ、音楽辞典にも名がない。ここに収められた「24の前奏曲」はもちろん世界初録音。作風は同時期のショスタコーヴィチよりはショパンに近く、美しい曲が多いのも特徴。ソ連の虐げられた作曲家の復活に力を注ぐネムツォフ入魂の演奏が感動的。 | |||
ヴァント〜ベルリン・ドイツ響ライヴ集成分売 Vol.1 ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調 |
ギュンター・ヴァント指揮 ベルリン・ドイツso. | ||
録音:1991年10月6日、ベルリン・コンツェルトハウス、ライヴ・ステレオ。PH-09068 (8CDs) からの分売。 | |||
アーロノヴィチのライヴ ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 |
ユーリー・アーロノヴィチ指揮 ケルン・ギュルツェニヒo. | ||
録音:1979年9月6日、ケルン、ドイチュラントフンク、ライヴ。初出。ドイチュラントラジオ・クルトゥーア提供の音源使用。 Profilがおくるアーロノヴィチによる注目のライヴ・シリーズ。首席指揮者(1975-1986)を務めた手兵ケルン・ギュルツェニヒo.とのブルックナー第7番は、名匠アーロノヴィチの確かな手腕と、当オケがヴァントゆかりのオケであったということも思い起こされるもの。音質も良好。 | |||
世界初録音 カール・ゴルトマルク(1830-1915):歌劇「メルリン」(1886) ロベルト・キュンツリ(T;メルリン) アンナ・ガブラー(S;ヴィヴァーネ) ブライアン・デイヴィス(Br;ランセロット) フラン・フォン・ホーヴェ(B;デーモン) ガブリエラ・ポペスク(Ms;妖精モルガーナ) ダニエル・ベーレ(T;モドレート) ゼバスティアン・ホレチェク(Br;アルトゥール王) インスン・シム(B;グレンドヴァー) ミヒャエル・マンタイ(Br;ガヴァイン) ウェルナー・ロレンミュラー(B;ベドヴィル) ゲルト・シャラー指揮フェスティヴァpo.、ミュンヘン・フィルハーモニーcho. | |||
録音:2009年4月13日-19日,バート・キッシンゲン。世界初録音。 ゴルトマルクはケストヘイ(現ハンガリー)出身でウィーンで活躍した作曲家。1875年にウィーン宮廷歌劇場で初演された「シバの女王」が大成功を収め、生前は高い名声を誇っていたが、その後忘れられ、現在では交響曲第1番「田舎の結婚」とヴァイオリン協奏曲第1番が比較的知られている程度。「メルリン」は、1886年にウィーンで初演されたオペラ。当時の宮廷歌劇場のスター歌手をズラリと配した初演は大成功を収め、ヨーロッパ各都市の主要歌劇場はもちろん、海を越えてニューヨークでも上演されたほどの人気だった。物語はアーサー王伝説に基づいたもので、メルリンとは魔法使いマーリンのこと。タイトルロールを歌うキュンツリは、シュトゥットガルト歌劇場に所属し、ヘルデンテノールから性格テノールまで幅広く歌う実力派。ヴィヴィアーネのガブラーはミュンヘン出身のソプラノ。近年、バイロイト音楽祭での「ワルキューレ」でオルトリンデを歌い、近い将来のワーグナー・ソプラノとして期待されている逸材。ランセロットのブライアン・デイヴィスは、米国出身で、現在ヨーロッパで人気急上昇のバリトン。指揮者のシャラーは、1965年、バンベルク生まれ。2003-2006年、マグデブルク歌劇場の音楽総監督を務め、ドイツの歌劇場の叩き上げだけに高い実力を持っている。フィルハーモニー・フェスティヴァは、ミュンヘン・フィルなど、在ミュンヘンのオーケストラ団員による混成オーケストラ。世紀末のウィーンの趣味が色濃く反映された幻のオペラが、ついに封印を解かれる! [あらすじ]:第1幕中世、ウェールズ。アルトゥール王は、裏切りによってサクセン人と苦戦を強いられていた。ランセロットとグレンドヴァーは、魔法使いメルリンから勝利の預言を受け、戦いで勝利を収める。メルリンは、デーモンの力でサクソン人を撹乱したのだった。しかし長年メルリンに束縛されていたデーモンは、彼の力から脱したかった。妖精モルガーナによると、女性の愛だけがメルリンの預言の力を奪うことができるという。サクソン人に勝利を収めたアルトゥール王が帰還、一同に感謝の言葉を述べ、勝利に貢献したメルリンに樫の枝の冠を与える。メルリンは、裏切り者がベドヴィルであることを見抜く。そこに、森に住む娘ヴィヴィアーネが突然現れる。メルリンは彼女の美しさに心を奪われるが、しかし彼女がメルリンに樫の枝の冠を被せようとすると、彼は恐怖に襲われ、それを拒んでしまう。ヴィヴィアーネは怒り、冠を放り投げてしまう。第2幕メルリンの魔法の庭園。アルトゥール王の甥モドレートは密かにベドヴィルを逃がしていた。彼は、サクソン人と手を結び、権力を奪取しようと考えていた。そうとは知らないアルトゥール王は、彼を司令官に任命しようとする。だがランセロットはモドレートを裏切り者と非難し、決闘を挑む。アルトゥール王はそれを制止し、メルリンを呼び出す。彼はモドレートを調べるが、預言の力を失っていたメルリンはモドレートの目的が読めず、無罪を言い渡す。アルトゥール王は再び戦いに向かう。一方、デーモンはメルリンの魔法のベールを盗み、ヴィヴィアーネに与える。それを見たメルリンは怒りながら、ベールに触れることで悪霊を追い払うことができるが、額にベールが触れると、その場から永久に動けなくのだと告げる。ヴィヴィアーネは逃げようとするが、しかしやがて二人はお互いの愛を打明ける。そこにグレンドヴァーが、モドレートが権力を奪ったと、メルリンに助けを求めてやって来る。メルリンは預言の力を失って落胆し、ヴィヴィアーネから去ろうとする。そこでヴィヴィアーネはベールをメルリンの額に投げつけてしまう(彼女はそれで二人が結ばれると誤解していた)。メルリンは鎖に巻かれて動けなくなり、デーモンの高笑いが聞こえる。第3幕絶望したヴィヴィアーネの元に妖精モルガーナが現れ、彼女を諭しながら、「死よりも強い愛だけが、悪の力に打ち勝てる」と励ます。モドレートとアルトゥール王の戦いが始まり、ランセロットがメルリンにアルトゥール王への助けを求める。メルリンが鎖を解こうともがいていると、突然デーモンが現れ、鎖を解く。ヴィヴィアーネと抱き合って喜ぶのも束の間、メルリンは戦いへと向かう。だがメルリンは瀕死の重傷を負って勝ってくる。実はメルリンは、デーモンに鎖を解いてもらう代償に自らの命を提供したのだった。妖精モルガーナの言葉を思い出したヴィヴィアーネは、愛の勝利のために自らも命を絶つ。 | |||
メンデルスゾーン:歌曲集 収穫の歌 Op.8-4/魔女の歌(もうひとつの五月の歌)Op.8-8/ 遠く Op.9-9/恋する女の手紙 Op.86-3/巡礼の格言 Op.8-5/ ズライカ Op.57-3/春の歌 Op.34-3/春の歌 Op.8-6/ わたしは木陰に横たわり Op.84-1/夕べの歌 Op.8-9/ 星が見ている Op.99-2/諦め Op.9-11/秋の歌 Op.84-2/ 慰め Op.74-1/日曜の歌 Op.34-5/春の歌 Op.47-3/ だれが知るものか Op.99-6/葦の歌 Op.71-4/ 冬の歌 Op.19a-3/揺りかごのそばで Op.47-6/朝の歌 Op.86-2 |
グードルーン・ シドニー・オットー(S) ヴォルフガング・ ブルンナー(Fp) | ||
シンプルで親しみやすい民謡調だったり、ヴィルトゥオーゾ風のキャラクター・ピースだったりと、それぞれスタイルが大きく異なるメンデルスゾーンの歌曲。このアルバムでは楽しい少年時代が結実した、最初の歌曲集作品8 を中心に21曲を収録している。 透き通る歌声がチャーミングなグードルーン・シドニー・オットーは1979年生まれのドイツのソプラノ。実演でもパートナーを組むブルンナーと息の合ったところをみせている。なお、ボーナス・トラックとしてCDエキストラ仕様により、メディアプレイヤーでは、スタジオ・セッションで収録された「魔女の歌」の映像を楽しめる。 | |||
アントン・フェルディナント・ ティーツ(1742-1810):弦楽四重奏曲集 Vol.2 弦楽四重奏曲 変ホ長調Op.1 No.6/ 3つの弦楽四重奏曲集〜第2番 ヘ長調/ 3つの弦楽四重奏曲集〜第1番 ハ長調/ 弦楽四重奏曲 ト長調Op.1 No.3 |
ホフマイスターSQ | ||
ピリオド楽器使用。Vol.1:PH-06032。 ニュルンベルクに生まれ、ロシアのサンクトペテルブルクの宮廷楽団のメンバーとして活躍したティーツ(ティッツ)による弦楽四重奏曲第2弾。1781年に6曲、1802年に3曲そして1808年に3曲と、全部で12曲が出版されている。前作(PH-06032)が熱心なファンをとりこにしたように、この12曲には、たいへんゆたかな旋律の魅力、センセーショナルで技巧的なパッセージが4つの楽器に均等に与えられていること、ロシア民謡の引用など、ロシアのローカル色が顕著な点に特徴がある。 なお「3つの弦楽四重奏曲集」からの第1番という作品はVol.1にも収められていたが、調性が異なるので、元になった曲集が異なるのだと思われる。おそらく1802年と1808年の出版分のどちらか、という事なのだろうが、インフォメーションに記載が無く、詳細は不明。 | |||
ヴァント〜ベルリン・ドイツ響ライヴ集成分売 Vol.3 シューマン:交響曲第4番 ニ短調 Op.120(*) ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68(#)/ 交響曲第4番 ホ短調 Op.98(+) |
ギュンター・ヴァント指揮 ベルリン・ドイツso. | ||
録音:1995年2月19日(*)/1996年4月9日(#)/1994年11月20日(+)、ベルリン・コンツェルトハウス(*)、ベルリン・フィルハーモニー(#/+)、すべてライヴ・ステレオ。PH-09068 (8CDs) からの分売。 | |||
ヴァント〜ベルリン・ドイツ響ライヴ集成分売 Vol.5 ベートーヴェン:交響曲 〔第1番 ハ長調 Op.21(*)/第4番 変ロ長調 Op.60(#)/ 第3番 変ホ長調 Op.55「英雄」(*)〕/ 序曲「コリオラン」Op.62(+)/ 「エグモント」序曲 Op.84(+) |
ギュンター・ヴァント指揮 ベルリン・ドイツso. | ||
録音:1994年2月15日(*)/1996年4月9日(#)/1994年11月28日(+)、すべて ベルリン・フィルハーモニー、ライヴ・ステレオ。PH-09068 (8CDs) からの分売。 | |||
ヴァント〜ベルリン・ドイツ響ライヴ集成分売 Vol.2 シューベルト:交響曲第8番 ロ短調 D.759「未完成」 ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調(原典版) |
ギュンター・ヴァント指揮 ベルリン・ドイツso. | ||
録音:1993年3月20日、ベルリン・コンツェルトハウス、ライヴ・ステレオ。PH-09068 (8CDs) からの分売。 | |||
ヴィータウタス・ラウルシャス(1930-):作品集 チェロと管弦楽のためのディスコルソ・コンチータート(2003) [ギンタラス・リンキャヴィチュス指揮リトアニア国立so.]/ 2本のチェロのためのコンチェルト・ディ・コルデ(2005) [ヴィータウタス・ソンデツキス(Vc)]/ クラリネット、チェロとピアノのためのマドリガーレ・ストルメンターレ(2009) [アルギルダス・ブドリース(Cl) ピャトラス・ゲニューシャス(P)]/ チェロとチェロアンサンブルのための室内協奏曲(2007) [ロベルタス・シャルヴェニカス指揮アルモナス・チェロアンサンブル] 以上、ダヴィド・ゲリンガス(Vc) | |||
リトアニア出身のゲリンガスは、同時代の故郷の作曲家たちに新作を多数委嘱、積極的に紹介している。ラウルシャスはリトアニア作曲家同盟の議長を務める長老作曲家。ソ連時代にはカンディンスキーの絵画を思わす強烈な色彩の急進的作風でならしたが、近年はロマンティックな要素も感じさせる温和かつ感情的へと変化した。これら最近作をゲリンガスの至芸で聴けるのは贅沢。 | |||
ビシュコフ&ケルン放響、R.シュトラウス: アルプス交響曲 Op.64/ 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの 愉快ないたずら」Op.28 |
セミョン・ビシュコフ指揮 ケルンWDRso. | ||
録音:2007年12月17日-21日、ケルン・フィルハーモニー、セッション。 PROFILより精力的にリリースを続けるビシュコフと手兵ケルン放送so.。最新アルバムは、2005年録音の「エレクトラ」(PH-05022) 以来となるシュトラウスで、「アルプス交響曲」と「ティル」いう組み合わせになる。 キャリアの初期からシュトラウス作品の録音を積極的に行ってきたビシュコフは、1988年にコンセルトヘボウ管と交響詩「ドン・ファン」をセッション録音、1989年にフィルハーモニア管と交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」をセッション録音している。そして、1997年にビシュコフがケルン放送so.の首席指揮者に就任し、2001年に当コンビによる初めてのセッション・レコーディングのプログラムとして選ばれたのが、交響詩「英雄の生涯」とメタモルフォーゼンだった。舞台作品でも当オケとはさきの「エレクトラ」のほか、同じ2005年に「ダフネ」を録音しており、また、2004年のザルツブルク音楽祭での「ばらの騎士」(オケはウィーン・フィル)の公演を収めた映像ソフトも発表している。このようにビシュコフのシュトラウスに対する熱い取り組みはそのディスコグラフィからもうかがい知ることが出来る。シュトラウス特有の開放的で豪奢なサウンドの魅力で人気の2作品をあらたに収録したこのアルバムでは、オペラでのそれをほうふつとさせる艶やかで優美な弦と、ニュアンスゆたかにたっぷりと旋律を歌い上げる管に、シリーズを通じてますますの磨きがかかり、ビシュコフの濃い味付けの音楽づくりを強力に支える形となっている。「アルプス交響曲」で、刻一刻と姿をかえてゆく大自然の驚異を壮大なスケールで一息に聴かせたかとおもえば、ユーモラスで目まぐるしく表情を変える「ティル」ではていねいな物語づくりを心がけているあたり、ビシュコフの非凡なセンスを示すものといえるだろう。 ともに大編成のオーケストラ録音ということで、SACDハイブリッド盤でのリリースと、クオリティ面での配慮もうれしいところ。 | |||
サヴァリッシュの「アンティゴネ」、おそらく初出 オルフ:歌劇「アンティゴネ」(1949) マルタ・メードル(S;アンティゴネ) マリアンネ・ラーデフ(S;イズメーネ) ウィリアム・ドゥーリー(B−Br;コロスを導く者) カルロス・アレクサンダー(Br;クレオン) パウル・クーエン(T;門番) フリッツ・ウール(T;ヘモン) ヨゼフ・トラクセル(T;ティレジアス) クルト・ベーメ(B;使者) リリアン・ベニングセン(S;オイリディセ) ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮バイエルン放送so.、バイエルン放送cho. | |||
録音:1958年6月1日、ミュンヘン、モノラル、放送用。おそらく初出音源。 まだ34歳のサヴァリッシュが指揮したオルフ「アンティゴネ」がCDに! した物。それまでドイツの民話などを題材に採ることが多かったオルフは、ソフォクレスの高名な作品を原作とした当作以降、ギリシャ悲劇へと傾倒していく。サヴァリッシュはオルフを得意としており、既にEMI に「カルミナ・ブラーナ」、「月」、「賢い女」を録音していた。このバイエルン放送への録音はそれに続くものとも言える。知性的で切れ味がよく、オルフ特有のダイナミックな音楽がうまく生かされた優れ物。歌手はメードルのタイトルロールを筆頭に、クーエン、ウール、トラクセル、ベーメと1950年代後半のドイツの名歌手が並んでいる。放送局の録音だけにモノラルながら年代としては良好な音質で聞ける。 | |||
ギュンター・ヴァント、ベルリン・ドイツso.ライヴ集成 ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調[録音:1991年10月6日(*)] シューベルト:交響曲第8番 ロ短調D.759「未完成」[録音:1993年3月20日(*/**)] ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調(原典版)[録音:1993年3月20日(*/**)] シューマン:交響曲第4番 ニ短調Op.120[録音:1995年2月19日(*)] ブラームス:交響曲第1番 ハ短調Op.68[録音:1996年4月9日(#)(+)]/ 交響曲第4番 ホ短調Op.98[録音:1994年11月20日(#)] シューベルト:交響曲第9番 ハ長調D.944「ザ・グレイト」[録音:1993年6月14日(#)] ベートーヴェン: 交響曲第1番 ハ長調Op.21[録音:1994年2月15日(#/##)] 交響曲第4番 変ロ長調Op.60[録音:1996年4月9日(#)] 交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」[録音:1994年2月15日(#)] 序曲「コリオラン」Op.62/「エグモント」序曲Op.84[録音:1994年11月28日(#)] ギュンター・ヴァント指揮ベルリン・ドイツso. | |||
録音会場:ベルリン・コンツェルトハウス(*)/ベルリン・フィルハーモニー(#)、全てライヴ・ステレオ。当初、同一日付で既発売はシューベルト「グレイト」(EN LARMES/ベルリン・ドイツ響友の会非売品CD限定頒布/等)のみだったが、その後(**)の日付訂正(下記)があり、この2曲はSARDANA等で既出と判明。他に既出演奏がある場合でも、マスターからの初復刻。初出もあると思われる。 なお、以下の点につきまして、ブックレット記載や当初の記載に誤りがあることが判明いたしました(誤りがあった部分は太字で記載し、上記曲目一覧の方は修正済)。ただし、ブックレットの印刷誤記部分に関しましては誤ったまま流通となる旨、レーベル&国内代理店から告知されていますので、何とぞ御了承下さい。 ・(+)「ブラームス第1番」の演奏日→「1994年2月15日」と誤記されている ・(**)の「未完成」と「ブルックナー第9番」の演奏日→「1993年4月20日」と誤記されている ・(##)の作品番号誤記→「Op.23」と誤記されている アニタ未亡人の全面協力を得て、Profilのギュンター・ヘンスラー氏が推し進めるギュンター・ヴァント・エディション。ミュンヘン・フィルとならんで、巨匠ヴァントが客演を重ねたもうひとつの手兵ベルリン・ドイツ響との最晩年のライヴ演奏の数々がセットで登場する。 ベルリン・ブランデンブルク放送rbb(当時の自由ベルリン放送SFB)収録のマスターよりよみがえる巨匠ヴァント不滅のドキュメントは、初出音源も多数含まれる貴重なものであるばかりでなく、「グレイト」、ブルックナー、ベートーヴェン、ブラームスにシューマンと崇高にして超弩級の演奏内容ばかり。一説によれば首席指揮者を務めた北ドイツ放送so.以上の結びつきとも謳われ、ヴァントの芸風の真髄、厳しく引き締まった造形美に打ち抜かれたこれらの演奏からは、本物の手ごたえをあらためて実感されるにちがいない。録音もきわめて優秀。 | |||
Summer Song マルコム・アーノルド(1921-2006): オーボエとピアノのためのソナチネ アミルカーレ・ポンキエッリ(1834-1886): カプリッチョ ミゲル・デル・アグイラ(1957-):サマー・ソング アントニオ・パスクッリ(1842-1924): ドニゼッティの歌劇「ラ・ファヴォリータ」の 主題による協奏曲 ガブリエル・ピエルネ(1863-1937):セレナード |
渡辺克也(Ob) デイヴィッド・ジョンソン(P) | ||
録音:2009年6月11日-13日、イエス・キリスト教会(ベルリン)。国際的オーボエ奏者渡辺克也またも快挙。 『「あなたの卓越したテクニックと稀有な音楽性で、オーボエという楽器の魅力を広く世に広めて下さい。そして、オーボエの為に書かれた作品に光を充て、正当な評価を確立すること。それが史上屈指の名手であるあなたに課せられた使命だと思います」という私達の願いを、渡辺克也は着実に果たしてくれているように思う。2 年前にリリースされて世界中の話題になった名盤” Impression” に続く快挙である。』(中野 雄) # KDC-5088は国内仕様盤で『日本語帯、解説書付き』と記載されています。PH-10001は国内代理店での扱いが無いものと思われます。 | |||
コロリオフ〜ハイドン:ピアノ・ソナタ集 [第35番 ハ長調 Hob.XVI-35/第44番 ト短調 Hob.XVI-44/ 第34番 ホ短調 Hob.XVI-34/第48番 ハ長調 Hob.XVI-48/ 第52番 変ホ長調 Hob.XVI-52/ 変ホ長調 Hob.deest〜第2楽章アンダンテ] |
エフゲニー・コロリオフ(P) | ||
録音:2009年2月16日-20日、シュトゥットガルト、SWR室内楽スタジオ(ステレオ・セッション)[SWRとの共同制作]。 名手コロリオフ(1949-)が還暦を迎えた2009年に、同じく歿後200周年のアニヴァーサリーを迎えたハイドンのソナタをレコーディング。有名な変奏曲 ヘ短調と3つのソナタを収めた前作(PH-04060)に次ぐ第2弾は、最後の3曲のうちのひとつで、ハイドンが「大ソナタ」と呼んだ傑作第52番、ブライトコプフ用に改訂を施した第44番と第34番など、1771年から1794年までに書かれたソナタ5曲を収録している。 ネイガウス、ユージナ、オボーリンらに師事して、ロシア・ピアニズムの流れを汲むコロリオフといえば、軒並み高評価を獲得しているJ.S.バッハがまず挙げられるが、あたたかい感触と清潔感が印象的なハイドンも絶品。さらに、なまなましく鮮度抜群の優秀録音が内容をいっそう引き立てる。 | |||
ウェン=シン・ヤン&ヴェルナー・ベルチ〜ベートーヴェン: チェロ・ソナタ〔第1番 ヘ長調 Op.5 No.1 /第2番 ト短調 Op.5 No.2 〕/ ヘンデルの「マカベウスのユダ」による12の変奏曲 WoO.45 / モーツァルトの「魔笛」による12の変奏曲 Op.66 ウェン=シン・ヤン(Vc) ヴェルナー・ベルチ(P) | |||
シュタルケルとゲリンガスに師事し、1991年にジュネーヴ国際コンクール優勝、24歳の若さでバイエルン放送so.の首席奏者となったエリート中のエリートで、マゼールが絶賛するスイス出身の台湾系チェリスト、ウェン=シン・ヤン(1965-)は、すでに何度か来日し、聴いた人々の度肝を抜く大柄な演奏で評判になっている。ベートーヴェンのソナタは驚くべき深みと大きな音楽性を示していて、今後最注目のひとり。代理店は『名手ベルチのピアノも光る』としか記していないが、スイスに生まれ、1972年から本格的に音楽活動を開始、近現代物に強みを見せ、2006年からフェリス女学院大学で客員教授を務めた(既に退官した模様)ピアニスト、作曲家、指揮者、ヴェルナー・ベルチ(1950-)久々の録音としても注目の一枚。ジャケットに写る彼は、晩年のブラームスのような髭をたくわえ、ヤンと15歳しか離れていないとはとても思えぬ風格を醸し出している。 | |||
フセヴォロド・ザデラツキー(1891-1953): 子守歌/暴風/マンドリン/わが光/怠け者と雄猫/オオオニバス/中国のバガテル/占い/10分の1 ルリエ: 2つの子守歌(アフマートワ詩)/ギリシャ歌曲集(全12曲; サッフォー詩、イワノフ露訳)/ ロザリオ(全5曲; アフマートワ詩)/日本組曲(全4曲; 1915) ショスタコーヴィチ:日本の詩による6つのロマンス Op.21(全6曲) フェレーナ・ライン(S) ヤーシャ・ネムツォフ(P) | |||
全曲ロシア語歌唱。ロシア・アバンギャルドの旗手、ルリエの奇作「日本組曲」がついに日の目を見た。19世紀末から革命までの「銀の時代」と呼ばれたロシアの芸術界には、ジャポニスムが流行し、ことに文学で俳句や短歌がロシア語訳され、当時の作家たちに影響を与えた。ルリエの「日本組曲」もロシア語訳された和歌に基づき、「蝉」「桜」「愛」「春」と題された短い4作から成り、典型的なアヴァンギャルドの未来的な音楽を付けている。その15年後にショスタコーヴィチがやはりロシア語訳された和歌に基づいて作曲した歌曲集と聴き比べるのも興味津々。また、ルリエが恋人だった大詩人アンナ・アフマートワの詩に作曲したものも超貴重。さらにスターリンの暗黒政治により人生を台無しにされた作曲家ザデラツキーの歌曲集が初登場。碩学ネムツォフの頭の下がる仕事ぶりに驚嘆のアルバム。 | |||
ヴィルヘルム・バックハウス・イン・ニューヨーク Vol.2〜カーネギー・ホール・ライヴ集 ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第4番 ト長調Op.58(*)/ ピアノ・ソナタ [第5番 ハ短調Op.10-1(#)/第8番 ハ短調Op.13「悲愴」(+)/ 第25番 ト長調Op.79(+)/第17番 ニ短調Op.31-2「テンペスト」(+)/ 第26番 変ホ長調Op.81a「告別」(+)/第32番 ハ短調Op.111(+)] ・アンコール シューベルト:即興曲 変イ長調Op.142-2(+)/シューマン:なぜに? Op.12-3(+) リスト:ウィーンの夜会第6番(+)/ブラームス:間奏曲 ハ長調Op.119-3(+) ヴィルヘルム・バックハウス(P) グイド・カンテッリ指揮NYP(*) | |||
録音:1956年3月18日(*)/1956年4月11日(#)/1954年3月30日(+)、以上カーネギー・ホール、ライヴ、モノラル。(#)はおそらく初出音源。(*)は以前 AS DISC等から発売されていたもので、近年では MEMORIES, OTAKEN, GUILD HISTORICAL 等から復刻があるもの。(+)はDECCAから発売されている。 新発見された「ハンマークラヴィーア・ソナタ」の別演奏をふくむ、1956年のカーネギー・ホール・リサイタル(PH-07006)で絶賛を浴びたProfil より、バックハウスの続篇が登場。前回に引き続き、カーネギー・ホール、ライヴ演奏を収めたもの。ただ一曲、収録時期の異なる(#)だけはおそらくは初出。(*)は、これより8ヶ月あまりのちに飛行機事故で急逝するカンテッリとの顔合わせ(国内代理店は『CD化もされているがこれらはすべて廃盤となっている』と記載しているが、誤り)。また、(+)のDECCA音源は、国内代理店によると『Deccaより輸入、国内ともにリリースされていたが、現状ではいずれも廃盤となっている』とのこと(当店では未確認)。 | |||
神よ!ここはなんと暗いのだ〜ドレスデン国立歌劇場の秘蔵音源集 ベートーヴェン:「フィデリオ」〜神よ!ここはなんと暗いのだ/ ジョルダーノ:「アンドレア・シェニエ」〜ある日、藍色の空に [ハンス・ホップ(T) クルト・シュトリーグラー指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1945年頃] モーツァルト:「フィガロの結婚」〜目を開くんだ [ヴェルナー・ファウルハーバー(Br) ハンス=ヘンドリク・ヴェーディング指揮ドレスデン大放送o./1950年12月10日] モーツァルト:「フィガロの結婚」〜ついにその時が来た [エルフリーデ・トレチェル(S) ハンス・レーヴライン指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1949年5月27日] ニコライ:「ウィンザーの陽気な女房たち」〜やだ、これは本当に厚かましいわ[エルフリーデ・ヴァイトリヒ(S) ヘレナ・ロット(A) ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1950年5月20日] ニコライ:「ウィンザーの陽気な女房たち」〜母の胸に抱かれた赤児の時から [クルト・ベーメ(B) ハンス=ヘンドリク・ヴェーディング指揮ドレスデン大放送o./1948年7月10日] ニコライ:「ウィンザーの陽気な女房たち」〜さあ、決意はできた [エルフリーデ・ヴァイドリヒ(S) ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1950年6月26日] ロッシーニ:「セビリャの理髪師」〜私は町の何でも屋[アルノ・シェレンベルク(Br) ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1950年5月20日] フロトウ:「マルタ」〜さあ、どうしよう[ヘレナ・ロット(A) クルト・ベーメ(B) ハンス=ヘンドリク・ヴェーディング指揮ドレスデン大放送o./1948年1月1日] モーツァルト:「魔笛」〜[俺は鳥刺し/なんと美しい絵姿/おおイシスとオシリス/この神聖な殿堂には/娘か女房か/太陽の光が夜を追い払った] [カール・パウル(Br) ヴェルナー・リービング(T) ゴットロープ・フリック(B) ゲルハルト・プフリューガー指揮ライプツィヒ放送so.ライプツィヒ放送cho./1950年11月18日] モーツァルト:「魔笛」〜ああ私には分かる[エルフリーデ・トレチェル(S) ゲルハルト・ヴィーゼンヒュッター指揮ライプツィヒ放送so./1948年9月26日] モーツァルト:「魔笛」〜パ、パ、パ[リザ・オットー(S) アルノ・シェレンベルク(Br) ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1949年12月22日] ヴェルディ:「運命の力」〜平安を[クリステル・ゴルツ(S) ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1950年5月20日] ヴェルディ:「トロヴァトーレ」〜見よ、恐ろしい炎を[ハンス・ホップ(T) クルト・シュトリーグラー指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1945年頃] ヴェルディ:「仮面舞踏会」〜私はあなたの傍だ[クリステル・ゴルツ(S) ベルント・アルデンホフ(T;リッカルド) ハンス=ヘンドリク・ヴェーディング指揮ドレスデン大放送o./1946年] ヴェルディ:「ドン・カルロ」〜忌まわしいこの贈り物よ[ルート・ランゲ(A) ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1950年6月26日] ヴェルディ:「ドン・カルロ」〜世の虚しさを知る神よ[クリステル・ゴルツ(S) ゲルハルト・ヴィーゼンヒュッター指揮ライプツィヒ放送so./1947年11月22日] ヴェルディ:「オテロ」〜私を恐れるものはない[ベルント・アルデンホフ(T) ハンス=ヘンドリク・ヴェーディング指揮ドレスデン大放送o./不詳] プッチーニ:「ボエーム」〜人は私をミミと呼ぶが[エルフリーデ・トレチェル(S) ゲルハルト・ヴィーゼンヒュッター指揮ライプツィヒ放送so./1947年9月26日] プッチーニ:「ボエーム」〜私が街を歩くと[リザ・オットー(S) ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1949年12月22日] プッチーニ:「トスカ」〜星は光ぬ[ハンス・ホップ(T) クルト・シュトリーグラー指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1945年頃] プッチーニ:「トスカ」〜歌に生き愛に生き[ドラ・ツシレ(S) ゲルハルト・レンセン指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1951年9月15日] ヴェルディ:「アイーダ」〜[第2幕から(約15分)/第4幕フィナーレ] [クリステル・ゴルツ(S) ヘレナ・ロット(A) ベルント・アルデンホフ(T) ロルフ・クライネルト指揮ライプツィヒ放送so.ライプツィヒ放送cho./1947年10月13日] スメタナ:「売られた花嫁」 より[来なさい、若者よ/周りが何と不確かで死んだように [ヴェルナー・リービング(T) ヴェルナー・ファウルハーバー(Br) エルフリーデ・ヴァイドリヒ(S) ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1950年5月20日] チャイコフスキー:「スペードの女王」〜いとしい女友だちよ[ルート・ランゲ(Ms) 不詳指揮者シュターツカペレ・ドレスデン/1947年] R.シュトラウス:「サロメ」〜お前は私にキスさせようとしなかった[クリステル・ゴルツ(S) ベルント・アルデンホフ(T) インガー・カレン(A) ヨゼフ・カイルベルト指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1948年5月20日] プッチーニ:「蝶々夫人」〜魅惑に満ちた眼差しの可愛い娘よ[エルフリーデ・トレチェル(S) ハインツ・ザウエルバウム(T) ハンス・レーヴライン指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1951年4月22日?] プッチーニ:「蝶々夫人」〜ある晴れた日に[エルフリーデ・トレチェル(S) ハンス・レーヴライン、もしくはルドルフ・ノイハウス指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1947年11月19日] プッチーニ:「蝶々夫人」〜あの桜の小枝を揺すって(花の二重唱)[エルフリーデ・トレチェル(S) ヘレナ・ロット(A) ハンス=ヘンドリク・ヴェーディング指揮ドレスデン大放送o./不詳] レオンカヴァッロ:「道化師」〜[そういう冗談は/衣装を着けろ] [ハンス・ホップ(T) クルト・シュトリーグラー指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1945年頃] ドヴォルザーク:「ルサルカ」〜月は白銀に輝き(月に寄せる歌) [エルフリーデ・トレチェル(S) ゲルハルト・ヴィーゼンヒュッター指揮ライプツィヒ放送so./1947年11月22日] ヴェルディ:「シチリアの晩鐘」〜おおパレルモ [ゴットロープ・フリック(Br) ロルフ・クライネルト指揮ライプツィヒ放送so./1948年6月16日] DVD内容: マウエルスベルガー:ドレスデン・レクイエム〜町が何と荒れ果てた姿で横たわっていることか[1952年2月13日]/ 私の0時間(ヨゼフ・カイルベルトの語り)/私のサロメ(クリステル・ゴルツの語り/1957年) クリステル・ゴルツの日常を映した記録映像/ヨアヒム・ヘルツの語り/クリステル・ゴルツの回想[2007年]/ リザ・オットーの回想/ドレスデンの戦災と復興を描いた短編記録映画[1946年]/他 | |||
すべてドイツ語歌唱。リージョン・オール/ NTSC / 38'41 / 字幕なし。 Profil社がたいへんなプロジェクトを始動、瓦礫から蘇ったドレスデンの国立歌劇場の貴重録音集! 先にフリッツ・ブッシュがシュターツカペレ・ドレスデンを指揮した録音集を発掘した(PH-07032 3CD+DVD)同レーベルだが、これは第二次世界大戦直後の音源で、どれこもこれも驚くような内容ばかり。当時40歳前後のゴルツが絶頂期の歌を披露、1950年代にバリバリに活躍をすることになるホップやアルデンホフといったヘルデンテノール、ベーメやフリックといったバスが、それぞれまだ若く瑞々しい歌声を聞かせている、また、ゴルツとアルデンホフが共演した「アイーダ」も貴重。指揮者では、1945年-1950年の音楽監督ヨゼフ・カイルベルト、その後任で1950年-1953年の音楽監督、ルドルフ・ケンペが登場。もちろん、大戦と重なったことで国際的に有名になれなかった名歌手、実力派指揮者の音源も多数収録されている。保存状態の悪い音源も無いわけではないが、総じて当時のドイツの放送曲の録音技術がいかに高かったかを証明する音質。DVDには貴重な映像や音声が収録、そして242ページの豪華解説冊子には、歌手や舞台の写真もドッサリ。作り手の愛情がひしと感じられる素晴らしいセット。 | |||
モスクワ・ジプシーの調べ ミハイル・ヴィソツキー(1791-1837): 川に沿って/花は萎んだ/ ワルラモフの「赤いサラファン」(ワルツ仕立て)/ アリャビエフの「うぐいす」による変奏曲/ ロシア民謡「果実園の梨が好き」による変奏曲/ ロシア民謡メドレー ワルラモフ:赤いサラファン/ 暗いうちに彼女を起こさないで アリャビエフ:うぐいす カーシン:鳩は谷底へ飛ぶ/君よ、美しき乙女/他 |
タリスマン [エティエンヌ・アベラン(Vn) アン・ハーレイ(S) ワジム・コルパコフ、 オレグ・チモフェーエフ(7弦G)] | ||
ロシア音楽らしい響きを特徴付ける重要な楽器が7弦ギター。ラテン諸国とは異なるしっとりと哀愁に満ちた音色が魅力。その名手だったミハイル・ヴィソツキーの作品を中心に、ロシアおよびモスクワのジプシー歌謡を集めている。演じるはオレグ・チモフェーエフ率いる楽団タリスマン。ロシア・ロマンスの世界にひたることが出来る。 | |||
白夜〜ペテルブルクのヴィオラ音楽 Vol.1 ショスタコーヴィチ/ストラホフ編曲:前奏曲集 Nos.10, 14-18, 24 グリンカ/ボリソフスキー補完:ヴィオラ・ソナタ ニ短調 グラズノフ:エレジーOp.44 / ストラヴィンスキー:エレジー ストラヴィンスキー/オズノビシェフ編曲:歌劇「マヴラ」〜ロシアの歌 リムスキー=コルサコフ/ボリソフスキー編曲:歌劇「サトコ」〜インドの歌 リムスキー=コルサコフ/ストラホフ編曲:歌劇「雪娘」〜大道芸人の踊り チャイコフスキー/ボリソフスキー編曲:感傷的なワルツOp.51 No.6 |
タチヤナ・マズレンコ(Va) ログリット・イシャイ(P) | ||
録音:2010年2月16日-19日、ドイツ放送カンマーザール、ケルン。旧レニングラード出身、同音楽院で学んだ後、1991年にドイツへ移り、キム・カシュカシアン、今井信子にも師事した実力派マズレンコが、ロシアのヴィオラ音楽を網羅していくシリーズの第1弾。短調の旋律美に驚かされるグリンカのソナタや、映画音楽調のグラズノフなどオリジナル作品から、ストラヴィンスキーやリムスキー=コルサコフのオペラのアリア、さらにヴァイオリン編曲はレペートリーとして定着した感のあるショスタコーヴィチの前奏曲のヴィオラ版まで目白押し。ヴィオラのややくすんだ音色はロシア音楽に向いていることもあり、シリーズの今後が期待される。 | |||
アントン・フェルディナント・ ティーツ〔ティッツ〕 (1742-1810): 弦楽四重奏曲集 Vol.3(完結編) 3つの弦楽四重奏曲集(1808)〜第3番 変ホ長調/ 6つの弦楽四重奏曲集(1781)〜第2番 イ長調/ 3つの弦楽四重奏曲集(1808)〜第2番 変ロ長調/ 6つの弦楽四重奏曲集(1781)〜第1番 ハ長調 |
ホフマイスターSQ [クリストフ・ハイデマン、 ウッラ・ブンディース(Vn) アイノ・ヒルデブラント(Va) マルティン・ゼーマン(Vc)] | ||
録音:2009年8月、ベルリン、グリューネヴァルト教会(セッション)。ピリオド楽器使用。 前2作(PH-06032、PH-09046)が好評を博したシリーズ完結篇。ロシアのサンクトペテルブルクの宮廷楽団のメンバーとして活躍した経歴から、ティーツのカルテットは、ロシア民謡の引用などロシアのローカル色が顕著な点も魅力。本アルバム収録分では、様式上、変奏曲のスタイルによる第1楽章をもつ イ長調と、中間楽章にロマンスを置く 変ロ長調とがともに3楽章形式で、 変ホ長調が急-急-緩-急の4楽章形式、アレグロ-ロンドの2楽章形式となっている。 ここでのピリオド楽器使用による演奏は、第1ヴァイオリンを曲によって交替しているのも特徴で、 変ホ長調と ハ長調では、ハイデマンが、 イ長調と 変ロ長調ではブンディースが、それぞれ務めている。 | |||
ティーレマンの「ブル8」 ブルックナー: 交響曲第8番 ハ短調 WAB.108(ハース版) |
クリスティアン・ティーレマン指揮 シュターツカペレ・ドレスデン | ||
録音:2009年9月14日、ドレスデン、ゼンパーオーパー、ライヴ。SACD層はマルチチャンネル対応。翌日2009年9月15日のライヴとされる演奏がCD-R使用の DIRIGENT から 出ていた (DIR-0519) が、分数比較の限りでは別演奏の模様。 エディション・シュターツカペレ・ドレスデン。ファビオ・ルイージの後任として、2012年よりシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者に就任する予定のクリスティアン・ティーレマン。これに先立ってブルックナーの第8交響曲がProfilよりリリースされる。 「ドイツの正統的伝統を継承する最右翼」として、期待を一身に背負うクリスティアン・ティーレマンは、日ごろからブルックナーへの熱い思いを語っているとおり、これまでに実演、録音の両面でその存在感を十分に示している。つい最近のリリースでも、2004年以来音楽総監督を務めてきたミュンヘン・フィルと行ったライヴで、2006年の第7番と2008年の第4番「ロマンティック」とを収録した映像作品(C major 70.1908) のなかで、その進境著しい姿を確認することが出来る。 シュターツカペレ・ドレスデンもまた、ミュンヘン・フィルと並んでやはり長らくブルックナー演奏の伝統を培ってきたことで知られる名門。名レコーディングも数多く、第8交響曲については、シュターツカペレ・ドレスデンは、全集として完成した1976年のオイゲン・ヨッフムとセッション録音、1994年のシノーポリとセッション録音、そして2002年のハイティンクとライヴ録音している。ちなみに楽譜について、ヨッフムとシノーポリのノヴァーク版に対して、ハイティンクはハース版を使用している。ティーレマンは過去の実演では、2007年にウィーン・フィルとはハース版を、2008年にBPOとはノヴァーク版を使用していることから、ここでの演奏にハース版を選択しているのも興味深いところ。 ティーレマンが、2010年3月にミュンヘン・フィルとの来日公演でも取り上げて、おおきな話題を提供したブルックナーの交響曲第8番。上記のように実演でも頻繁に取り上げ絶賛を浴びているティーレマン自信のプログラムであり、このたびのドレスデンでの公演も大成功とMusik ニ長調resdenほか地元各紙で大きく報じられている。じっくりと遅めのテンポを基調に途方もないスケールで、さまざまなオケとブルックナーの名演奏を繰り広げてきたティーレマンだが、このたびばかりはシュターツカペレ・ドレスデンの魅力に帰するところが少なくないものとおもわれる。じっさい、深みを湛えた弦楽セクションに特徴的な、このオケの味わいゆたかなひびきには格別のものがあり、この顔合わせの今後に期待をつなぐ注目の内容といえるだろう。 | |||
ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」(*)
ベルント・アルデンホフ(T;マックス) エルフリーデ・トレチェル(S;アガーテ) クルト・ベーメ(B;カスパール) カール・パウル(Br;オットカール) ヴェルナー・ファウルハーバー(Br;クーノ) イルマ・バイルケ(S;エンヒェン) ハンス・クラマー(B;隠者) ハンネス・ヘゲレ(ザミエル)他 ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン、ドレスデン国立歌劇場cho. | |||
ボーナス・トラック 舞台美術家カール・フォン・アッペンのインタビュー(1965年) 歌劇「魔弾の射手」第2幕からの抜粋(#) 〔アガーテとエンヒェンの二重唱/エンヒェンのアリエッテ「すらりとした若者がやってきたら」/ アガーテのアリア「まどろみが近寄るように」/静かに清らかに(エンヒェンの祈り)/ エンヒェンのアリア「死んだ私の従姉の見た夢よ」〕 エルフリーデ・トレチェル(S;エンヒェン) マルガレーテ・テシェマッハー(S;アガーテ) カール・エルメンドルフ指揮シュターツカペレ・ドレスデン | |||
録音:1951年5月20日-22日、ドレスデン(*) /1944年(#)。(*)はおそらくマスターからの初復刻。なお、この録音は従来1949年とされてきたが、今回ウェーバーの没後125年を記念して1951年に録音されたものだと判明した(ちなみにこの直前の5月2日から7日には「マイスタージンガー」が録音されている)。Profil社が力を入れるゼンパーオパー・エディション新刊。名匠ルドルフ・ケンペ(1910-1976)は、1949年から1951年までドレスデン国立歌劇場の音楽監督を務めており、この時期にいくつか優れたオペラ全曲の放送用録音を残している。それらのうちいくつかは直後にテープが米国に流出、LPで発売され、ケンペの名を世界的に広めることになった。この「魔弾の射手」もその一つで、LP時代には繰り返し発売されていたものの、なぜかCDでは DANTE と ARKAGIA GA シリーズから小規模に出回っただけ(共に入手不能)。ケンペのファンから再発が待望されていたものだった。今回、Profil社は中部ドイツ放送(MDR)に秘蔵されていたオリジナルのテープを使用、60年以上前の録音を生々しい音質で蘇らせることに成功した。ドレスデン国立歌劇場はウェーバーと縁が深いにもかかわらず、1960年までレコード会社によるドレスデンでの「魔弾の射手」の録音はなく、このケンペの録音以外には大戦中にカール・エルメンドルフが指揮した放送録音(ProfilからPH-07060、PREISERからPRCD-90386で発売)しかない。昔気質のシュターツカペレ・ドレスデンの音で「魔弾の射手」を楽しむならば、この戦後のケンペの録音は打ってつけ。歌手は当時のドレスデンを代表する名歌手たち。マックスのベルント・アルデンホフは、この録音の二ヶ月後に再会初年度のバイロイト音楽祭で活躍した、1950年代を代表するヘルデンテノール。アガーテのエルフリーデ・トレチェルは、優れた才能を持ったソプラノで若くから活躍していたが、1958年に44歳で早世してしまったため、残された録音は貴重。カスパールを、20世紀ドイツを代表する重量級バスのクルト・ベーメが歌っている。ケンペ・ファン、シュターツカペレ・ドレスデン・ファン、ドイツオペラ・ファン、いずれにも歓迎されるCDだろう。 | |||
ドレスデン国立歌劇場再開公演〜ベートーヴェン:「フィデリオ」(抜粋)(*)
クリステル・ゴルツ(S;レオノーレ) ベルント・アルデンホフ(T;フロレスタン) ヨーゼフ・ヘルマン(Br;ピツァロ) ハインリヒ・プフランツル(Br;フェルナンド) ゴットロープ・フリック(B;ロッコ)エルフリーデ・トレチェル(S;マルツェリーネ)他 ヨーゼフ・カイルベルト指揮シュターツカペレ・ドレスデン、ドレスデン国立歌劇場cho.、 ドレスデン交響cho.、ドレスデン国立音楽舞台アカデミーcho. | |||
DVD (PAL仕様) 「大劇場」〔36'51/国立劇場についてのドキュメント映像〕 [インタビュー出演:ラインハルト・ウルブリヒト(長年シュターツカペレ・ドレスデンの コンサートマイスターを務めたヴァイオリニスト) リザ・オットー(ソプラノ歌手)他] 「1949年ドイツ国家賞授与式」〔4'25/同年から始まった東ドイツのドイツ国家賞の授与式の記録映画〕 「1948年のフィデリオは不完全か?」〔5'18リマスター報告〕 | |||
録音:1948年9月22日、ドレスデン国立劇場(*)。PROFILが力を入れるドレスデンのゼンパーオパー・エディション、終戦直後の録音集(PH-10007 3CD+DVD)に続く第2弾。ヨーゼフ・カイルベルトの指揮する「フィデリオ」抜粋は歴史的に重要な記録。1948年のライヴ録音ながら、ドイツの誇るテープ録音で音の状態は十分良好。ドレスデンは1945年2月の大空襲で甚大な被害に遭い、国立歌劇場であったゼンパーオパーが中心になっている。カイルベルトは1945年から1950年までドレスデン国立歌劇場の音楽監督を務めていた。空襲で伝統ある国立歌劇場(ゼンパーオパー)が崩壊してしまうという困難の中、この歌劇場の復興に大きな力を果たした。1948年9月22日には、やはり爆撃を受けたものの何とか修復なった国立劇場(シュターツテアター・ドレスデン)が「フィデリオ」で再開、これはその時の貴重なライヴ録音。圧政者からの解放を描いた「フィデリオ」は大戦直後にとりわけ好んで上演された作品で、ここでも復興の第一歩に感慨深い出演者、聴衆の感慨が伝わってくるようだ。残念ながら全曲ではなく70分ほどの抜粋だが、それでも記録を超えた感動が伝わって来る。カイルベルトはちょうど40歳。1945年にドレスデン国立歌劇場の首席指揮者に就任、急速に名声を高めている頃で、ここでの演奏も極めてカイルベルトらしい熱のある充実した物。カイルベルトがドレスデン国立歌劇場ないしはシュターツカペレ・ドレスデンを指揮した録音は少なく、有名なのは「サロメ」くらい、あとは最近になって発掘された「ルサルカ」(PH-06031)やヒンデミットの歌曲集「若い乙女」(PH-07043)といった程度。その意味でも貴重な録音。歌手には、ヨーゼフ・ヘルマン、ゴットロープ・フリック、エーリヒ・ツィンマーマン、ハインリヒ・プフランツルといった既に名声を得ていた名歌手に加え、クリステル・ゴルツ、ベルント・アルデンホフ、エルフリーデ・トレチェルといった、戦後に大活躍をする若い歌手が起用されているのが特徴。 DVDにも興味深い映像が収録されているがPAL仕様なので、日本の一般的なDVDプレイヤーでは再生できない。PALのDVDが再生可能なプレイヤーか、DVDドライヴ付パソコンでご覧下さい。 | |||
スワロフスキーの「指輪」、15年ぶりの復活〜 ワーグナー:舞台祝典劇「ニーベルングの指環」 〔ラインの黄金(*) /ワルキューレ(#) /ジークフリート(+) /神々の黄昏(**) 〕 ロルフ・ポルケ(Br;ヴォータン/さすらい人) ロルフ・キューネ(Br;アルベリヒ) フリッツ・ウール(T;ローゲ) オットー・フォン・ロール(B;ファーゾルト/フンディング/ハーゲン) ジェラルド・マッキー(T;ジークムント/ジークフリート) ディータ・ゾンマー(S;ジークリンデ/グートルーネ) ナジェジダ・クニプロヴァー(S;ブリュンヒルデ) ヘロルト・クラウス(T;ミーメ) 岡村喬生(B;ファフナー) ウルズラ・ベーゼ(Ms;エルダ) ルート・ヘッセ(Ms;フリッカ/ヴァルトラウテ) ハーバート・ドーサント(T;フロー) ハイデマリア・フェルヒ(S;フライア/ゲルヒルデ) ルドルフ・クノル(Br;ドンナー/グンター) アンゲリカ・ベルガー(S;ヴェルグンデ/ヴァルトラウテ) リゼロッテ・ベッカー=エークナー(S;ヴォークリンデ/オルトリンデ/ヴェルグンデ) ヒルデ・ローザー(Ms;フロスヒルデ/ジークルーネ) エリカ・シューベルト(Ms;グリムゲルデ/フロスヒルデ) イングリート・ゲーリッツ(Ms;ロスヴァイセ/第1のノルン) マルギット・コーベック=ペータース(Ms;シュベルトライテ/第2のノルン) シウ・エリクスドッティル(S;第3のノルン) ベラ・ヤスパー(S;ヘルムヴィーゲ/森の小鳥/ヴォークリンデ) ハンス・スワロフスキー指揮 大so.(チェコpo.&プラハ国立歌劇場o.団員)&cho. | |||
録音:1968年7月26日-28日(*)、29日-31日(+)、8月1日(+)、3日(*/#/**)、5日(**)、6日(#/**)、8日-11日(#)、12日(*/#)、14日(+)、15日(+/**)、16日-17日(**)、19日(**) 、以上 ニュルンベルク、ドイツ。前出CD :WETLBILD CLASSICS (CALIG?), 703769(発売:1995年/当店未案内、廃盤)。 なお、ディスコグラフィによっては、ラインの黄金のフロスヒルデ役で「ヒルデ・ローズナー [Hilde Rosner] 」という歌手が参加しているが、 LP 発売時にこの名は無い模様で、ワルキューレのジークルーネ(ジーグルンデとしている例があるが、誤訳)役歌手「ヒルデ・ローザー [Hilde Roser] 」と同一人物と思われるため、上記では統一した。ワーグナー録音史上に名高いスワロフスキーの「指環」がProfilから復活。解説書によると、ドイツの Polyband 社とイタリアの Fratelli Fabbri 社の企画だったそうで、1968年8月にニュルンベルクで一気にセッション録音されている。LP は企画元2社の物に加え、米国の WESTMINSTER 社も発売していたが、日本ではあまり知られることなく終った。「指輪」全曲のセッション録音は、既に1965年秋に DECCA 社によるショルティ盤が完結していたが、御存知の通りこれは各作品をバラバラに録音したもので、また当初から全曲録音として企画されたものでは無かった。それに対してこちらは短期間に集中録音されたので「指環」1作として考えるとこれが最初のレコード用セッション録音と言えるかもしれない。また日本が誇る偉大なバス、岡村喬生がファフナーで参加しているのが嬉しい物。ご存知の通り彼は1960-1970年代にドイツ語圏で活躍、時期的にはオーストリアのリンツ市立歌劇場に所属していた頃。ドイツの実力派歌手たちと堂々と渡り合う歌は実に立派で、高い実力を今に伝える貴重な録音。バイロイトで活躍した歌手も多々参加。フリッツ・ウールは1957年から1964年まで毎年出演、特に1961-1964年にはジークムントを歌った。ウルズラ・ベーゼは1958年から1965年にかけて出演、1965年はフリッカを歌っている。ルート・ヘッセは1960年から1966年まで出演した後、1979年にも出演しているほど。ヘロルト・クラウスは1959-1961年まで毎年出演、1960-1961年はミーメを歌っている。ロルフ・キューネは、1971、1974年と出演、1974年はアルベリヒを歌っている。一方、バイロイトには出演していなくともワーグナー歌手として有名な人も多数。ナジェジダ・クニプロヴァーは、1967、1968年とザルツブルク復活祭音楽祭でのカラヤン指揮の「ワルキューレ」でブリュンヒルデを歌っている。この録音でも彼女のブリュンヒルデが一番の聞き物。オットー・フォン・ロールはシュトゥットガルト歌劇場で14年間も大活躍したバスバリトン。ロルフ・ポルケはグラーツ歌劇場の筆頭バリトン。ジェラルド・マッキーは米国から西ドイツに渡って活躍したテノールの一人で、レーゲンスブルク、フランクフルト、カッセルの歌劇場で活躍。ハンス・スワロフスキーは、今日では指揮者以上に名教師として知られている。門下生は、クラウディオ・アバド、ズービン・メータ、マリス・ヤンソンスなど多数。スワロフスキー自身は、理知的で曖昧さを許さない現代風の指揮者で、短期間で「指環」全曲を録音するという大任を見事やりおおせている。今回、ワーグナー生誕200年を記念しての発売。これまで「知っている人がいない」と手を出せなかった方も、この機会にぜひ! | |||
マーラー:交響曲第9番 ニ長調 |
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 ケルンWDRso. | ||
録音:2009年12月6日-7日、ケルン・フィルハーモニー、ライヴ。おそらく初出音源。プロデューサー:シュテファン・ハーン、エンジニア:マルク・ホーン。 Profilより、2010年のマーラー生誕150年のアニヴァーサリーを盛り上げる注目のライヴ録音が登場する。1956年フィンランドに生まれ、着実にキャリアを積み上げているサラステが、2008年より首席指揮者を務める手兵ケルンWDR響を振った第9交響曲。マーラー指揮者として名高いベルティーニが薫陶を授けた同オケは、全集録音などでもその高い実力は広く知られる。名指揮者で名教師であったヨルマ・パヌラに指揮法を学び、堅実な指揮が持ち味のサラステと、マーラー演奏に定評あるオーケストラとの顔合わせということで、たいへん楽しみな内容といえるだろう。 | |||
モーツァルト:バリトンのためのコンサートアリア&序曲集 「コジ・ファン・トゥッテ」序曲 K.588/アリア「彼に目を向けたまえ」K.584/「フィガロの結婚」序曲 K.492/ レチタティーヴォとアリア「もうお前の勝ちだといったな…ため息をついている間に」K.492/ 「ドン・ジョヴァンニ」序曲 K.527/ レチタティーヴォとアリア 「アルカンドロよ、打ち明けてしまおう…わたしはどこから来るのか」K.512/ アリア「そなたを残してゆくとなると、娘よ」K.513/アリア「手に口づけを」K.541/「魔笛」序曲 K.620/ アリア「この美しい手にかけて」K.612/ レチタティーヴォとアリア「このようにあなたは裏切るのか…苦く酷い後悔よ」K.432/ アリア「わたしはあなたに別れを告げます」KV.Anh.245 (621) クラウス・メルテンス(B−Br) ドリス・ハーゲル指揮カペラ・ヴァイルブルゲンシス | |||
録音:2009年9月10日-14日、ヴァイルブルク、シュロス教会。ピリオド楽器使用。 1949年クレーフェに生まれたドイツの名バス・バリトン、メルテンスが歌うモーツァルトをたっぷり味わえるアルバム。ヘレヴェッヘ、ヤーコプス、クイケン、ブリュッヘンらとの仕事でも実績を重ねている彼だが、このアルバムでもピリオド楽器のアンサンブルがバックを務めており、ときに力強く、ときにしっとり甘く表情豊かに歌いあげる。途中、挿入される4曲の有名序曲もうつくしい演奏で、アルバム全体にメリハリを効かせている。 | |||
コンドラシン指揮、世界初演時 ボリス・チャイコフスキー(1925-1996): 交響曲第2番(1967)(*)/ 5つの小品(1938) (#) 〔前奏曲/おとぎ話/追憶/マズルカ/物語〕/ 練習曲(1935)(#)/練習曲(1972)(#)/ 前奏曲(1945)(#)/4つの前奏曲(1936)(#) |
キリル・コンドラシン指揮(*) モスクワpo.(*) ボリス・ チャイコフスキー(P;#) | ||
録音:1967年10月17日、世界初演時、ライヴ(*)/1985年-1986年(#)。全て初出。ソース:B.チャイコフスキー未亡人所有音源。 これは超お宝音源の出現! 近年再評価著しいボリス・チャイコフスキーの最高傑作とされる交響曲第2番の世界初演時の録音が出てきた。コンドラシンに献呈されたこの作品には、コンドラシン指揮モスクワpo.による1969年録音のメロディア盤が存在するが、まさか世界初演時のライヴ音源が残っていようとは。音質も思いのほか明瞭で、初演の緊張感と熱気が伝わって来る。さらに、ボリス・チャイコフスキー自作自演によるピアノ小品集が絶品。もともと彼はオボーリン門下で、ピアニストとしても作曲家の余技を超える腕前の持ち主。アシュケナージなどと共通するオボーリン門下一流の透明な美音で、実に味わい深い演奏を繰り広げている。 | |||
フルート、チェロとピアノ ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(1772-1847):三重奏曲 フンメル:三重奏曲 Op.78 / チェルニー:協奏的幻想曲 Op.256 ベートーヴェン:三重奏曲 WoO.37 トリオ・ヴィーク[クリスティーナ・ファスベンダー(Fl) ユストゥス・グリム(Vc) フロリアン・ヴィーク(P)] | |||
録音:2010年6月、ジーメンス・ヴィラ、ベルリン。フルート、チェロとピアノのために書かれた三重奏曲を集めた珍しいアルバム。ベートーヴェン作品は本来フルート、ファゴットとピアノのために書かれているが、ここではチェロで演奏されている。とても色彩的な響きとなり、オーケストラを思わせる充実感に満ちている。トリオ・ヴィークはエマール門下のピアニスト、フロリアン・ヴィークとジェラール、ニコレ門下のフルーティスト、クリスティーナ・ファスベンダーによって結成された三重奏団。バロックから現代までをこなすドイツきっての団体。 | |||
ギュンター・ヴァント〜ベルリン・ドイツso.ライヴ集成 Vol.2 ベートーヴェン: 交響曲第6番 ヘ長調 Op.68「田園」〔全曲/第1楽章リハーサル〕[1992年10月26日](*)/ 交響曲第5番 ハ短調 Op.67「運命」〔全曲/第1、第3、第4楽章リハーサル〕[1992年11月2日](*)/ 交響曲第6番 ヘ長調 Op.68「田園」/交響曲第5番 ハ短調 Op.67「運命」[1994年11月1日-2日](*) ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」組曲(1945年版)[1987年4月5日-6日] チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 Op.64[1987年4月5日-6日] モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 KV.550[1988年9月18日] チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 Op.74「悲愴」[1988年9月18日] ブルックナー:交響曲第6番 イ長調(原典版)[1995年4月30日、5月1日] 交響曲第8番 ハ短調(1884/90年ハース版)[1994年5月14日-16日] ハイドン:交響曲第76番 変ホ長調 Hob.I-76[1995年4月30日、5月1日] モーツァルト: セレナード第6番 ニ長調 KV.239「セレナータ・ノットゥルナ」[1995年2月19日](#) ムソルグスキー/ラヴェル編曲:組曲「展覧会の絵」[1995年2月19日](#) ギュンター・ヴァント指揮ベルリン・ドイツso. | |||
録音:[内]、シャウシュピールハウス(現・コンツェルトハウス)、ベルリン(*)/フィルハーモニー、ベルリン(*以外)、全てライヴ。収録:ベルリンRIAS & ドイチュラントラジオ・クルトゥーア(無印)/ rbb ベルリン・ブランデンブルク放送(#)。Profilの社主ギュンター・ヘンスラー氏が、故アニタ夫人と御子息の全面協力を得て、推し進める看板プロジェクト「ギュンター・ヴァント・エディション」、ミュンヘン・フィルとならんで、巨匠ヴァントが客演を重ねたもうひとつの手兵ベルリン・ドイツ響との最晩年のライヴをまとめた第1集(PH-09068)の大成功を受けて、ヴァント生誕100年&歿後10年のダブル・アニヴァーサリーを迎える2012年、国内代理店の提案で続篇がリリースの運びとなった。 前回に引き続きブルックナー、ベートーヴェンといった不動のドイツものに加えて、熱心なファンのあいだでCD化の要望の強かったムソルグスキーの「展覧会の絵」、ストラヴィンスキーの「火の鳥」組曲やチャイコフスキーの交響曲も加わり、内容的にさらなる充実ぶりをみせている。さらに、ベートーヴェンの「運命」と「田園」は1992年、1994年と時期の異なる2種ずつの演奏に加え、1992年分については貴重なリハーサル風景までも収めるという徹底したこだわりのつくり。 このたびもマスター使用により録音状態もきわめて優秀で、ベルリンRIAS、ドイチュラントラジオ・クルトゥーア、ベルリン・ブランデンブルク放送(rbb)当時の自由ベルリン放送(SFB)が全面協力。ヴァントの芸風の真髄である、厳しく引き締まった造形美に打ち抜かれた巨匠不滅のドキュメントは、すべてが襟を正して向き合うに足りうるもので、本物の手ごたえをあらためて実感されるにちがいない。 #なお、日本国内大幅先行リリースで、分売は未定とのこと。 | |||
カール・ゴルトマルク: 交響曲第1番 変ホ長調 Op.26「田舎の婚礼」(*)/ 歌劇「メルリン」前奏曲(#) |
ゲルト・シャラー指揮 フィルハーモニー・フェスティヴァ | ||
録音:2008年6月8日(*)/2009年4月19日(#)、以上 マックス・リットマン・ザール、レゲンテンバウ・バート・キッシンゲン、ライヴ。ハンガリー出身のユダヤ系で、ドイツで活躍したカール・ゴルトマルク(またはカーロイ・ゴルドマルク)の代表作交響曲第1番。「婚礼の行進」「婚礼の歌」「セレナード」「庭園にて」「舞曲」の5楽章からなる東欧の田舎の結婚式を描いたカラフルで親しみやすい内容で、ブラームスも激賞したといわれる。指揮のゲルト・シャラーはゴルトマルクの「メルリン」やマイールの「フェドーラ」など埋もれたオペラを蘇演したことで注目されたドイツの中堅。ハノーファー州立歌劇場を経て、ブラウンスヴァイク州立歌劇場の音楽監督を務める実力派。「田舎の婚礼」はプレヴィン盤以来の名盤。 | |||
テンシュテット、おそらく初出あり モーツァルト:協奏交響曲 イ長調 K.Anh.104 (320e) (*) / レチタティーヴォとアリア「うつくしい恋人よ、さようなら」K.528 (#) / アリア「心配しないで愛する人よ」K.505 (+) ハイドン:交響曲第64番 イ長調 Hob.I-64 (**) プロ・アルテ弦楽三重奏団(*) [豊田耕児(Vn) ステーファノ・パッサージョ(Va) ゲオルク・ドンデラー(Vc)] ディーター・クレッカー(Cl;+) ゲルティ・ツォイマー=ペール(S;#/+) クラウス・テンシュテット指揮ベルリン・ドイツso.〔ベルリン放送so.〕(**以外)、 バーデン=バーデン&フライブルクSWRso.〔南西ドイツ放送so.〕(**) | |||
録音・収録:1974年9月11日、ベルリンRIAS (**以外) /1976年8月20日、ハンス・ロスバウト・スタジオ、SWR (**)。(**)を除きおそらく初出音源。(**)は以前、CD-R使用の EN LARMES から ELS-05-652 で日付不祥の演奏が発売されており、これと同一の可能性がある(後述のように、約1ヶ月後の演奏にも録音が残されている可能性があり〔1976年9月18日、この日と確定した演奏は未発売〕、現時点では断定出来ない)。1970年代の半ば、西側に出て注目を集め始めたころのテンシュテットによる貴重な2客演。モーツァルトはすべて彼による初音盤と思われるもので、ハイドンも2012年3月時点においては(EN LARMES盤と同一演奏だとすると)彼唯一の同曲録音。得意としていたマーラーに典型的な落差の激しい表現とは打って変わって、持ち味の思いきりの良さのなかにも意外なほど端正な音楽運びが印象的。協奏交響曲は当時のベルリン放送so.のメンバーにより結成されたアンサンブルで、第1コンサートマスターの豊田耕児、ヴィオラのパッサージョ、首席チェリストのドンデラー(後者2人はドロルツ四重奏団の交代メンバーとしても有名)が起用されている。アリア2曲の独唱は1943年ブラウンシュヴァイク生まれ、1970年以降ベルリン・ドイツ・オペラのメンバーとして活躍し、カール・リヒターとの共演でも知られるツォイマー=ペール。K.505では、通常フォルテピアノのオブリガート独奏を名手ディーター・クレッカーのクラリネットで聴くことが出来る。ハイドンの64番交響曲はテンシュテットが好んで取り上げていたナンバーのようで、1970年代後半にキール歌劇場管、ボストン響、ドレスデン・フィルなどとも演奏記録があるといい、あたかもギュンター・ヴァントにおける第76番の例を思わせる。ちなみに当演奏の約1ヶ月後、同じく南西ドイツ放送so.を指揮したマーラーの第4交響曲(PH-05039/1976年9月18日)の演奏会でも同曲が演奏されたとの事。 | |||
ギターと弦楽四重奏のためのスペイン音楽 Vol.1 ボッケリーニ:ギター五重奏曲第4番 ニ長調G.448「ファンダンゴ」(#) グラナドス/ウルリヒ・ヴェトリヒ編曲: スペイン舞曲集 より〔第1曲−第6曲〕 (ギターと弦楽四重奏のための版)(*) |
フリーデマン・ヴットケ(G) ミンゲSQ フェリックス・マツーラ (カスタネット;#) | ||
録音:2010年4月28日-29日、旧シナゴーグ、フロイデンタール。(*)は当版による世界初録音。ドイツの実力派ギタリスト、ヴットケが、1988年結成のミンゲ四重奏団と組んで注目のシリーズをスタート。12曲のギター五重奏曲中、最高傑作の呼び声高く、民俗舞踊フラメンコを連想させるカスタネットの使用も効果的な(#)は、ボッケリーニの長きスペイン生活を反映した人気作。一方(*)は、ヴットケがギタリストで作曲家のヴェトリヒに前半6曲の編曲を委嘱したもので、スペイン情緒たっぷりのアレンジ。 | |||
Songs To Mary〜マリアのための歌曲(モテット)集 グレゴリオ聖歌:アヴェ・マリア / アレッサンドロ・グランディ:ああ、あなたは何と美しい モンテヴェルディ:シオンの娘よ、喜べ / フレスコバルディ:トッカータ第7番 グランディ:マリア、すべてが美しい御方/いと聡明なる乙女 / カリッシミ:ああ、マリア、汝は何と美しく ヨハン・カスパール・ケルル:トッカータ第1番(オルガン独奏) グランディ:今日、イエスにとって大切な処女が / カリッシミ:お救い下さい、神の子よ モンテヴェルディ:聖母の嘆き(もうわたしは死にそうです、わが子よ) ロバート・クロウ(ソプラニスタ) ミヒャエル・エーベルト(Org) | |||
録音:2010年2月1日-5日、聖昇天教会、ミュンヘン=ゼンドリング。バイエルン放送との共同制作。2008年にリリースされたソロ・デビュー・アルバム「カリッシミ:ヴィルトゥオーゾ・ソプラノ・モテット集」(PH-07069)で、世界的に支持を集めた天才ソプラニスタ(男性ソプラノ)ロバート・クロウ。その成功を受けて制作された本作では、17世紀初期に書かれた聖母マリアにちなんだモテットを集めている。なかでも、最多の4曲を収録するグランディは、モンテヴェルディに次ぐイタリア・バロック期の重要な作曲家とされ、才能に恵まれた独唱モテットの旋律美、抒情美は鳥肌物。古のカストラートたちのやさしく妖美な歌声をほうふつとさせる、クロウのみごとな歌唱にあらためて引き込まれる。 | |||
スペインのギター音楽 アルベニス:アストゥリアス(*)/マヨルカ(#)/ セビリャ(+)/入り江のざわめき(##) グラナドス:アンダルーサ(*) ソル:魔笛の主題による変奏曲(*)/カンタービレ(**) ペルナンブーコ:マシーシェ・ショーロ(*) トゥーリナ:ギターソナタ(*) マラツ:スペインのセレナード(#) タレガ:アデリタ(+)/涙(+) |
フリーデマン・ヴットケ(G;*) ダヴィド・ロレンツ(G;#) リタ・オンティ(G;+) モニカ&ユルゲン・ロスト(G;**) シメオン・シノフ(G;##) | ||
ヴィヴァルディ、テレマン、フリードリヒ2世、他:名フルート協奏曲集 ヴィヴァルディ:フルート協奏曲 〔ヘ長調 RV.433「海の嵐」より[第1楽章/第3楽章](*) /ハ短調 RV.441 より[第1楽章/第3楽章](#) / ト短調 RV.439「夜」(*) /協奏曲 ハ長調 RV.443より[第1楽章/第3楽章](+) /ヘ長調 RV.434 (+) ] [エーベルハルト・チューマッハ(アルトリコーダー;*) コルドゥラ・ブロイアー(リコーダー;#) コンチェルト・ケルン(*/#) ゾルターン・ジェンジェッシ(フラウティーノ;+) カーロイ・ボトヴァイ指揮ブダペスト・ストリングス(+)] グラウン:フルート、ヴァイオリンと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ト長調/C.P.E.バッハ:フルート・ソナタ ニ長調 テレマン:室内協奏曲 ト短調 TWV.43: G3 より〔第1楽章−第3楽章〕 [クリストフ・フントゥゲボールト(アルトリコーダー) ベルリン・バロック・カンパニー]/ ブロックフレーテとトラヴェルソフレーテのための協奏曲 ホ短調より〔第2楽章/第4楽章〕 [ヘラー(リコーダー) ヒュンテラー(Fl−tr) ゲオルク・フィッシャー指揮カペラ・コロニエンシス] フリードリヒ2世:フルート協奏曲〔ト長調より[第1楽章/第3楽章]/ハ長調より[第1楽章/第3楽章]〕/ 2つのフルート、2つのオーボエと2つのホルンのための協奏曲 ニ長調 [マンフレート・フリードリヒ(Fl) ハルトムート・ヘンヒェン指揮C.P.E.バッハ室内o.] ヨハン・バティスト・ヴェントリンク(1723-1797):フラウトトラヴェルソと管弦楽のための協奏曲 ト長調 [マルティン・ザントホーフ(Fl−tr) クリストフ・ハンマー指揮ノイエ・ホーフカペレ・ミュンヘン] モーツァルト/フェルディナンド・カルッリ編曲:ピアノ四重奏曲 ト短調 KV478 〜アレグロ&アレグレット [ヤーノシュ・バーリント(Fl) パール・パウリコヴィチュ(G)] シュポア:九重奏曲 ヘ長調 Op.31〜フィナーレ[リノス・アンサンブル] | |||
さまざまなレーベルの既出音源から取られたコンピレーション。どういうわけか緩徐楽章が割愛され、軽快な両端楽章のみを収録しているナンバーもいくつかあるが、演奏家が名手揃い、これはこれでじゅうぶん楽しめる。 | |||
アーロノヴィチ・ライヴ Vol.5 リスト:ダンテ交響曲 S.109(*) / ワーグナー:「リエンツィ」序曲(#) スクリャービン:交響曲第4番 Op.54「法悦の詩」(+) ユーリー・アーロノヴィチ指揮(*/#/+) hr so.〔フランクフルト放送so.〕(*/#)、 フランクフルト歌劇場o.(+) ユルゲン・ブルーメ合唱指揮フランクフルト・フィグラルコール女声合唱(*)、 アロイス・イックシュタット合唱指揮フランクフルト・フィグラルコール(+) カール・ラリクス合唱指揮フランクフルト・ジングアカデミー(+) | |||
録音:1983年12月1日-2日(*/#)/1989年4月9日(+)、共に フランクフルト・アルテ・オーパー、ステレオ・ライヴ。 Profilが精力的に発掘する名匠アーロノヴィチ(1932-2002) のライヴ・シリーズ第5弾は、フランクフルト放送so.(現hrso.)とのリストとワーグナーを中心にしたプログラム。 リストがダンテの「神曲」にとり憑かれて書き上げた「ダンテ交響曲」。これが『地獄』を描写した音楽だからだろう。怪獣映画のテーマと聞き紛う冒頭の重厚なトロンボーンの咆哮から、息つく間もない緊張感と迫力。中間部では木管のソロのうまさもじつに印象的。 さらにアーロノヴィチは、対照的に第2楽章『煉獄』では、神秘と憂愁が交錯する音楽におけるドラマづくりにも手堅い手腕をみせる。ここでアーロノヴィチは、リストがのちに書き直した、力強く雄大に結ばれるほうのエンディングを採用しており、輝かしくスケールゆたかなワーグナーの「リエンツィ」序曲がこれに続く。ワーグナーは、リストから「ダンテ交響曲」の作曲プランを明かされた際に、『天国』を置くことに強く反対しため、最終的に『地獄』と『煉獄』のあとにマニフィカトを加えるという形が採られた。 アルバム後半は、フランクフルト歌劇場管を指揮したスクリャービンの「法悦の詩」。神秘と幻想、それに官能がドロドロに溶け合った傑作は、レニングラード生まれのアーロノヴィチがもっとも得意とするところで、このくらい奔放かつ大胆にやってくれてこそ、曲の魅力が活きてくるという物。 | |||
バックハウス〜ショパン:練習曲集 12の練習曲 Op.10/12の練習曲 Op.25 |
ヴィルヘルム・バックハウス(P) | ||
録音:1928年1月、モノラル。原盤:HMV 。リマスタリング:ホルガー・ジードラー(2010年、THS シュトゥーディオ)。CDはPEARL と 新星堂から出ていたが共に入手不能、Op.10のみANDANTEもCD化していたが、既に流通在庫限りとなっている。 『ショパンの『練習曲』は非常な名演奏で、私は長い間これをコンサート用の標準レコードにして居たが、…( 中略)…作品25 番の方のエチュードで、第1番『変イ長調のエチュード』などは、電気の初期のコルトーも良かったが、バックハウスの颯爽味はまた格別であった。第11番の『木枯し』や第12番の『ハ短調のエチュード』など、当時の我等には殆ど讃歎の的であった。』(あらえびす「名曲決定盤」より)。 バックハウスの復刻(PH-07006、PH-10006)に力を入れるProfilがお届けするシリーズ第3弾は、ショパンのエチュード。SP期における世界初のエチュード全曲録音であったバックハウスの演奏は、音楽評論家あらえびす(小説家の野村胡堂)が取り上げたことでもたいへん有名な内容。2010年のマスタリングにより音質改善がはかられ、たいへん聴きやすくなっている。また、20ページのブックレットにはバックハウスの貴重な写真と当時のコンサート・ポスターなど貴重な資料が収められているのもうれしいところ。 | |||
ロマンティック・インスピレーションズ〜 ローベルト&クララ・シューマンの音楽 クララ・シューマン:ヴァイオリンとピアノのための 3つのロマンスOp.22(*) ローベルト・シューマン: おとぎの絵本Op.113(#)/3つのロマンスOp.94(#)/ 歌曲集「ミルテの花」〜献呈 Op.25-1 (#)/ 幻想小曲集 Op.73(+)/ アダージョとアレグロ 変イ長調 Op.70(+) |
ハン・スジン(Vn;*) アンナ・ナレット(P;*/#) 徐佩君(Va;#) ガブリエル・アドリアーノ・ シュヴァベ(Vc;+) ニコライ・ゲラシメツ(P;+) | ||
1993年フランクフルトの北西部にクロンベルク国際室内楽アカデミーとして設立され、1999年に改称したクロンベルク・アカデミーは、教授陣にクリスティアン・テツラフや今井信子らを擁し、これまでにアリーナ・イブラギモワや宮田大といったアーティストを輩出している。また、すぐれた教育者としても知られたロストロポーヴィチが亡くなるまでアカデミー財団のパトロンを務めていた。 このアルバムで演奏する、上海出身の徐佩君、韓国出身で英国育ちのハン・スジン、ベルリン出身のガブリエル・アドリアーノ・シュヴァベはいずれもクロンベルク・アカデミーで学んでおり、その国際色豊かな顔ぶれはそのままアカデミーの特色とも重なる。今井信子に師事した徐佩君をはじめ、若き才能を見いだすのもまた楽しみなアルバム。 | |||
スザンネ・グリュツマン〜シューマン Vol.2 クライスレリアーナOp.16 /幻想曲 Op.17 / アラベスクOp.18 /花の曲 Op.19 |
スザンネ・グリュツマン(P) | ||
録音:2006年7月-8月、MDR スタジオ、ライプツィヒ。ドイツの実力派女流グリュツマンのシューマン第2作(Vol.1:PH-05014 [Ops.1, 2, 6] /他にTELDECへ交響的練習曲も録音していたが、廃盤となっている)。ここに収められた4篇は作品番号が連番だが、グリュツマンによる粒立ちのクリアな音色と落着いた情緒が絶品。 | |||
ピアソラ/バルデシオ編:ブエノスアイレスの夏/オブリビオン/リベルタンゴ/昔々/ ブエノスアイレスの春/天使のミロンガ/天使の死/さらばパリ バルデシオ:ウルグアイ三首/告知日/カンドムベアド練習曲 / ヒナステラ:粋な娘の踊り ホセ・フェルナンデス・バルデシオ(G) | |||
ウルグアイ出身のギタリスト、ホセ・フェルナンデス・バルデシオはケルン音大で学び様々なコンクール出場歴を持つ実力派。彼の自作およびピアソラ名曲の編曲を集めた魅力的なアルバムで、情熱と活気にみちたソロを聴かせてくれる。BGMにもピッタリ。 | |||
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125「合唱つき」
エディット・ヴィーンズ(S) ウーテ・ヴァルター(A) ライナー・ゴルトベルク(T) カール=ハインツ・シュトリチェク(B) ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン、ドレスデン国立歌劇場cho. | |||
録音:1985年3月30日、31日、ゼンパーオーパー、ドレスデン(ゼンパーオーパー再開記念演奏会)、ライヴ。前出:CAPRICCIO (DELTA MUSIC) , 10060, 14566, 51036 。 名匠ブロムシュテットによるベートーヴェンといえば、やはりシュターツカペレ・ドレスデンのカペルマイスター&首席指揮者在任中(1975-1985)、ルカ教会で行われたセッション録音による交響曲全集(1975-1980)が有名だが、もともと第九がセレモニアルな内容ということもあり、このライヴもフィナーレの盛り上がりなどに独特の魅力を備え、評価が高い。ソリスト陣の異なるセッション録音との聴き比べなども興味深い作業といえるだろう。 | |||
テレマン(1681-1767):アルトのためのカンタータとオード集 協奏曲 ホ短調〜アダージョ ホ長調/カンタータ「岐路に立つティルシス」/ 歌劇「エマとエーギンハルト」より [アリア「ご婦人がたの歌はいつも調子はずれ」/アリア「何もかも忘れなさい、私の美しい天使よ」〕/ オード「眠ること」/カンタータ「暗闇と死の影の後に」/ 孤独/カンタータ「私に永遠の場所などない」 ルネ・ヤーコプス(CT)指揮ベルリン古楽アカデミー ラファエル・アルパーマン(Cemb) | |||
録音:1989年、(イエス?・)キリスト教会、ベルリン。前出・旧品番: CAPRICCIO, 10338, C5013。ライセンサー: Delta Music, GmbH 。C5013は2012年現在でも入手可能なのだが( PROFIL 盤の国内代理店は『現在では少々入手し辛くなっている』としているが、アナウンス時点では誤り)、今後 CAPRICCIO 盤は廃盤になるのだろうか? 古楽界の大御所コンビ、ルネ・ヤーコプス&ベルリン古楽アカデミーによるテレマンのカンタータとオード集。今では専ら指揮者として知られるヤーコプスがカウンターテナー歌手として活動していた晩期の録音だが、その柔らかく気品あふれる歌声は相変わらず見事な物。テレマンの高雅な旋律にぴったりなヤーコプスの美声を、艶やかな高音域から深みのある低音域にいたるまでたっぷりと堪能することができる。また、この録音が行われた1989年はベルリンの壁崩壊の年。旧東ベルリンの若手演奏家の演奏団体であるベルリン古楽アカデミーにとっては、創立7年目にしてようやく本格的な世界的演奏活動への門戸が開かれた年とも言えるだろう。創立時よりこの団体の大きな持ち味である瑞々しくすっきりとしたアンサンブルが、ヤーコプスの歌を爽やかに彩っている。この後、多くの名演を生むこととなるヤーコプス&ベルリン古楽アカデミーの活躍を思わせる名盤。20年以上前の録音だが、状態も良好。 | |||
シューベルト/リスト編曲:5つの歌曲編曲集 〔どこへ?/菩提樹/セレナード/水車屋と小川/さすらい人〕 シューマン:クライスレリアーナOp.16 |
ダーフィト・ テオドーア・シュミット(P) | ||
録音:2011年5月、ベルリン。なお、代理店記載曲目に『ライムの木』という誤訳があったが、「菩提樹 [Lindenbaum] 」の事。この曲で言及されるセイヨウボダイジュを英語で「 Common Lime (またはそのまま Lime tree )」(シナノキ科。果実を使用するライムはミカン科で全く関係ないのだが)と言うようなので、重訳をしているうちに歌曲愛好家なら噴飯物の結果となってしまったものだろう。「どこへ?(Wohim?)」というタイトルの通り、理性と感情の狭間に揺れる時代に生きたロマン派音楽家たちの探求がテーマとなったCD。新進気鋭のドイツのピアニスト、シュミットは2009年にデビューして以来高い評価を受けている。 | |||
ザンデルリングの名盤、遂に復活! ブラームス:交響曲全集 交響曲〔第1番−第4番〕 アルト・ラプソディ Op.53(*) ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a |
アネッテ・マルケルト(A;*) クルト・ザンデルリング指揮 ベルリンso.、 ベルリン放送cho.(*) | ||
録音:1990年、ベルリン、キリスト教会。前出:CAPRICCIO, 10600, SANDER-1(CAPRICCIO最終プレス時品番), COCO-78497/500(1995年発売国内盤), M10600(前代理店国内仕様盤)〔以上、すべて廃盤&入手不能〕。 発売以来15年以上もベスト・セラーとなりつつも、CAPRICCIO レーベルの業績悪化に伴い再プレスすら成されなくなり、2008年に一年以上の品切を経てようやく最終プレスがアナウンスされると、なんと1日で代理店の確保分500セットが売切れてしまったという伝説の名演が遂に復活する。更に今回は、CAPRICCIO 盤最終プレス時とほぼ同価格という特価でのご提供。初登場以来フル・プライス3〜4枚分の価格という、ブラームスの交響曲全集としては高価な部類に属していたにもかかわらず売れ続けた名盤だけに、お持ちでないリスナーの方は必携と言えるだろう。 『巨匠ザンデルリングが晩年に手兵ベルリン交響楽団を指揮して、ブラームスの交響曲全曲を演奏したセッション録音がカタログに復活いたします。ザンデルリングは 1912 年プロイセンに生まれながら、ナチスによる反ユダヤ政策から逃れて 1936 年にロシアに移り、1936 年から1941年にかけてモスクワ放送響の指揮者、1941年から1960 年までムラヴィンスキー率いるレニングラード・フィルの第 2 指揮者を歴任しています。戦後の1960 年に東ドイツに戻ると、創設まもないベルリン交響楽団 ( 現在のベルリン・コンツェルトハウス管 ) の首席指揮者を1977 年まで務め、同楽団の育成に尽力、その間 1964 年から1967 年にかけてシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者も務めています。ザンデルリングは首席指揮者を退いたあとも、ベルリン交響楽団とは終身客演指揮者、名誉指揮者として緊密な関係を保持し、2002年におこなわれた自身の引退演奏会の際にもベルリン交響楽団を指揮しています。じっくりとしたテンポから生み出される骨太の表現と堅固な造形を基調とする、ザンデルリングによるブラームスの交響曲演奏。上記シュターツカペレ・ドレスデンと、1971、1972 年におこなったセッションによる全集録音のほか、1973 年のシュターツカペレ・ドレスデンとの初来日公演における交響曲第 1番や、1984 年のミュンヘン・フィルとの交響曲第 4 番などライヴ録音もいくつか残されており、長年レパートリーの中核をなしてきた作品にふさわしい内容と点数を示しています。ザンデルリングが信頼を寄せる手兵ベルリン響と取り組んだ 2 度目のブラームス全集は、ドレスデン旧盤との比較ではすべての楽章で演奏時間が拡大する傾向にあり、おおきな音楽の流れとすみずみまで目配りを利かせた演奏内容が、この巨匠の代表盤として筆頭に挙げられるべきもの。ここではイエス・キリスト教会の美しくゆたかな残響もポイントとなっています。オリジナルはドイツのレーベル Capriccioが1990 年にセッションを組んでレコーディングしたものですが、レーベルの解散によりしばらく入手難が続いていました。このたび Profil が正規ライセンスを得てカタログ復活の運びとなりました。』(以上『内』、代理店のインフォメーションより) | |||
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー: ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ第8番 ト長調 Op.30-3 |
ゾフィー・モーザー(Vn) カーチャ・フーン(P) | ||
1984年生まれのドイツ美人ヴァイオリニスト、ゾフィー・モーザー。ザハール・ブロンとヴィクトル・トレチャコフに師事、2005年にオーストリアで行われたベートーヴェン国際コンクール優勝の実力派。1981年生まれのロシア美人ピアニスト、カーチャ・フーンはワシーリー・ロバノフやルドルフ・ケレルに師事。実はこのふたりの美女、熱烈なフルヴェン狂とのことで、その作品を頻繁に演奏するにあきたらず、ヴァイオリン・ソナタ第2番を録音までしてしまったとのこと。フルトヴェングラー42歳の作で、演奏時間43分の大作。クーレンカンプとフルトヴェングラーによりしばしば演奏されたという自信作。フルヴェンの指揮ぶりを彷彿させる諸楽想が興味津々。モーザーとフーンは、さすが愛奏作だけに弾きこまれていて表現も自然で説得力満点。これを超える演奏はちょっと考えられない。 | |||
Le Charme de basson サン=サーンス:ファゴット・ソナタOp.168 ブトリ:アンテルフェランスI タンスマン:ファゴットとピアノのためのソナチネ デュティユー:サラバンドと行列 マルセル・ビッチ:コンチェルティーノ プーランク: オーボエ、ファゴットとピアノのための三重奏曲(*) |
ベンツェ・ボガーニ(Fg) ブリギッテ・エンゲルハート(P) クララ・デント(Ob;*) | ||
BPO八重奏団のメンバーとしても知られる実力派ボガーニ、待望のソロ・アルバム。ハンガリーに生まれ、9歳からファゴットを始め、ベルリンでトゥーネマンに師事。1997年にフィンランドのクルーセル国際コンクールで優勝、2004年にジャン・フランセ国際コンクール2位、2006年にはインディアナポリスのフェルナンド・ジル=フーゴ・フォックス・コンクール優勝という輝かしい経歴を持ち、2007年よりミュンヘン・フィルの首席奏者を務めている。当アルバムはファゴット関係者が必ず手掛ける名作を収めているが、いずれも名だたる難曲揃い。しかしボガーニの驚異的な指回りとタンギング、美しく歌わせる技量など神業の連続。タンスマンのソナチネなど、このスピード感、この美しさで奏されたものを聴いたことがない。 | |||
J.S.バッハ:2つのパルティータ 〔第1番 変ロ長調 BWV825/第2番 ハ短調 BWV826〕/ J.S.バッハ/リスト編曲:3つの前奏曲とフーガ 〔ハ短調 BWV546/ハ長調 BWV547/イ短調 BWV543〕 |
ダーフィト・ テオドーア・シュミット(P) | ||
録音:2010年7月、SWR 室内楽スタジオ。ドイツから凄いピアニストが出現した。テオドーア・シュミット(1982-)はエアランゲンの生まれ、カールスルーエ音楽大学でゾントラウト・シュパイデルに、ロンドンではケヴィン・ケナーに師事、数々の受賞歴を誇っている。彼はバッハと独墺のロマン派作品を得意とするドイツ・ピアノ界の期待を一身に背負う未来の巨匠。このバッハもドイツ伝統の深みにあふれた名演。リスト編での華麗な技巧も見物。今後目の離せないピアニスト。 | |||
アーロノヴィチ&ケルン・ギュルツェニヒ管 ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調Op.88 リスト:交響詩「理想」S.106 |
ユーリー・アーロノヴィチ指揮 ケルン・ギュルツェニヒo. | ||
録音:1979年1月8日-10日、ギュルツェニヒ大ホール、ケルン、ライヴ、ステレオ。収録:ケルン・ドイチュラントフンク。ソース:ドイチュラントラジオ・クルトゥーア提供。 Proilが力を入れる名匠アーロノヴィチ(1932-2002) によるライヴ演奏の復刻シリーズ。アーロノヴィチが首席指揮者 (1975-1986) を務めた手兵ケルン・ギュルツェニヒo.とのライヴは、ブルックナーの第7交響曲(PH-09043)より8か月ほど前に行われたもので、リストとドヴォルザークを取り上げている。リストによる12作目の交響詩で、シラーの同名詩よりタイトルを得た「理想」は、全13曲の交響詩のなかでも大規模なスケールと崇高なムードを特徴とする作品。静かな場面の音楽は甘美で恍惚的なまでの美しさを放っているが、このあたりアーロノヴィチはダンテ交響曲 (PH-10067)でも聴かせたように、作品との相性の良さをうかがわせる。いっぽう、メインのドヴォルザークは、みずみずしい抒情と濃厚なる表現が聴きものとなっており、性格の異なる2曲を描き分けるアーロノヴィチのたくみな手腕を感じさせる内容となっている。ちなみに、3日間ともほかにマルコム・フレージャーをピアノ独奏に迎えて、ウェーバーのピアノ協奏曲第2番が演奏されていた。良好な音質もうれしいところ。 | |||
ブルックナー:交響曲集 〔第4番 変ホ長調「ロマンティック」(1878/80年版)(*)/ 第7番 ホ長調(#)/ 第9番 ニ短調(ウィリアム・キャラガンによる フィナーレ補筆完成2010年改訂版)(+)〕 |
ゲルト・シャラー指揮 フィルハーモニー・フェスティヴァ | ||
録音:2007年7月29日(*)/2008年7月29日(*)/2010年8月1日(+)、大修道院附属教会、エーブラハ、ライヴ(+ の一部を除く?)。(+)は当版による世界初録音。バイエルン放送収録による共同制作。 ブルックナー研究の第一人者キャラガンが2010年にフィナーレを復元した最新改訂版による第9交響曲を、1965年生まれの若手指揮者とミュンヘン・バッハ管を母体とするオケが世界初録音収録した、ファン注目のアルバムが登場。ブルックナーの第9交響曲は、1887年から1894年にかけて第1楽章から第3楽章までが完成されたものの、1896年の作曲者の死によって、未完の交響曲として残されている。遺されたスケッチの数々をもとに、フィナーレを補筆して全曲を完成する試みにはいくつもの版が存在し、キャラガン校訂によるもののほかにも主だったものとして、以下のようなものがある。 ・「サマーレ&マツーカによる1984年フィナーレ復元版」-インバル、ロジェストヴェンスキー ・「サマーレ、フィリップス、コールス、マツーカによる1992年フィナーレ復元版(サマーレ&コールスによる2005年改訂)」-ボッシュ 1981年から83年にかけてフィナーレの復元作業を手掛けた権威ウィリアム・キャラガンによるものとしては、すでにオリジナル版、2003年改訂版、2006年改訂版のレコーディングがそれぞれあるが、このたび登場するのは2010年に行われた最新改訂版。どのような内容かは聴いてのお楽しみだが、トラックタイム22分12秒にも及ぶ聴きごたえ十分のボリュームを有しているのはなんとも見逃せないところ。フィルハーモニー・フェスティヴァは、ミュンヘンの主要なオーケストラ、すなわちミュンヘン・フィル、バイエルン放送so.、バイエルン州立歌劇場管のメンバーと首席奏者たちで構成されるオーケストラ。もともとはカール・リヒターが1953年に創設した世界的アンサンブル、ミュンヘン・バッハ管をその母体とし、偉大な伝統を振り返ることが可能だが、レパートリーを拡大し古典派とロマン派時代の傑作群を網羅しようとして、“フィルハーモニー・フェスティヴァ " の名称のもと、幅広い楽器編成で演奏をおこなっている。1965年バンベルクに生まれたゲルト・シャラーは、1993年にハノーファー州立歌劇場で指揮者としてのキャリアをスタートさせ、ほかにも1998年にブラウンシュヴァイク州立歌劇場、2003年から2006年までマグデブルク劇場の総音楽監督を務めている実績が示すように、劇場たたき上げのマエストロ。とりわけワーグナー、シュトラウス、ヴェルディのオペラを得意として評価も高く、そのいっぽうで、あたらしいレパートリーの開拓にも前向きなシャラーは、最近ではProfilよりリリースされたゴルトマルクの「メルリン」のレコーディングでも注目を集めている。これまではおもに舞台作品のアルバムを発表してきたシャラーだが、ブルックナーのシンフォニーを一挙に3曲、しかもフィナーレ補筆完成版つきの第9番を取り上げているということで、ブルックナー・ファンにもおおいに話題を提供するのはまず間違いないなさそう。 | |||
カルロス・クライバー初コンサート他、初出あり テレマン:ターフェルムジーク第3集 〜管弦楽組曲 変ロ長調(*) 〔序曲/牧歌/喜び/冗談/メヌエット/終曲〕 C.P.E.バッハ: チェロ協奏曲 変ロ長調 Wq.171 (#) カルロス・クライバーのインタビュー(独語・約6分)(+) |
イレーネ・ギューデル(Vc;#) カルロス・クライバー指揮 ハンブルク放送o. 〔ハンブルク北ドイツso.〕 | ||
録音:1960年12月1日-2日、ハンブルクNDRスタジオ、セッション(*)/1960年12月7日、ハンブルクNDRスタジオ・コンサート、ライヴ(#)/1960年(12月?)(+)、すべてモノラル。(#)は初出音源。(*)は CD-R使用の WLC からWLC 1-709 で発売され、1960年12月7日のライヴと思われていた演奏と同一と考えられるが、マスターからの初発売。(+)はC-MAJORから出ているDVD "I am lost to the world" (70-5608)に一部が含まれていた物らしい。 当時29歳、前年にザルツブルク州立劇場にて「売られた花嫁」と「ラ・ボエーム」でオペラの本格的デビューを果たし、音楽界へ船出し始めたカルロス・クライバーの記念すべき第1回録音が残っていた。曲はクライバーが後に手掛ることのなかった珍しいレパートリー。代理店によると『コンサートは1960年12月7日に行われましたが、同月1、2日にNDR スタジオで放送用セッション録音もしていました。状態の良いセッション録音があったためか、コンサートのライヴ録音はC.P.E.バッハ:チェロ協奏曲しか残しておらず、その放送を個人的に録音した音源がこの度初めて日の目をみました。』とのこと(この記載からすると「C.P.E.バッハはもう一種スタジオ録音分もある」とも取れるが詳細不詳)。 ソロは1957年よりデトモルト音楽大学で教鞭をとっていたスイスの女流イレーネ・ギューデルだが国際的には全く無名。本当は他のチェロ協奏曲にしたかったとのことだが、テレマンと合うものがなかったため、仕方なく決まったといわれる。しかし、C.P.E.バッハの「疾風怒濤」スタイルは若きクライバーにぴったり。音源に起因する音ゆれが多少あるが、記録上でだけ認識されていたこの演奏を聴くことができるのは存外の喜び。また、クライバーの協奏曲録音は極めて少なく、他にはリヒテルとのドヴォルザークしかないので貴重。 ターフェルムジークは肩の力が抜け、純化された透明な響き、推進力と流れのあるきびきびしたテンポが魅力。古楽的解釈をすでに先取りしているような印象を受けるのが驚き。「ディ・ヴェルト」紙に掲載された批評では「スウィングし、呼吸するようなテンポ、洗練された音感覚と明瞭なコンセプトが見受けられる鋭敏な音楽性」と賞された。 さらに注目なのはインタビュー嫌いとして有名な彼が、コンサートの合間に行った6分にわたる自分自身や父の話の貴重な録音も収録されていること。他では入手できない超お宝。若きクライバーの声を聴くだけでも感激。 モノラルながら音は鮮明で、クライバー・ファン必携の1枚&2011年秋最大の話題盤が登場。 #2011年10月下旬発売予定。 | |||
Voices of the Rainforest ファブレガス(1955-):ヴォイス・イン・ザ・レインフォレスト / ウェアリング(1953-):アラパナ ラーセン(1950-):スロー・ストラクチャー / 陳怡(1953-):夜想 マイニンガー・トリオ[クリスティアーネ・マイニンガー(Fl) フランソワーズ・グローベン(Vc) ライナー・ゲップ(P)] | |||
録音:2010年1月、ニュルンベルク。マイニンガー・トリオが演奏するエキゾチックな作品集。パプア・ニューギニアの熱帯雨林から始まり、インド、カナダを回って古代中国へ至る音楽の旅を堪能することが出来る。マイニンガー・トリオは2000年に結成されるや否や、その美しいアンサンブルの音色と音楽に対する深い造詣で一躍高い評価を受けたグループ。意欲的なプログラムによるコンサート活動は今もなお大きな注目を集めている。現代音楽演奏に精力的に取り組んできた彼らの卓越した演奏が、各作曲家が描くエキゾチックな情景へと誘う。 | |||
コダーイ・プロジェクト〜ピアノ作品集 (Vol.1 ?) マロシュセーク舞曲/ヴァルセット ピアノのための9つの小品Op.3 /ガランタ舞曲/ クロード・ドビュッシーの主題による瞑想曲 |
青木 美樹(P) | ||
録音:2011年1月6日-10日、ベルリン・ブランデンブルク放送第3スタジオ。晩年のジェルジ・シェベックに学び、コダーイの孫弟子にも当る青木の、おそらくソロ・デビュー盤。既に室内楽の分野で高い評価を得ており、近年はピエール・アモワイヤルに認められ、彼の各国ツアーやローザンヌ音大における彼のクラスでも伴奏を受け持っている。公式サイト:http://www.miki-aoki.com/。 | |||
ストラヴィンスキー: バレエ「火の鳥」(*)/幻想的スケルツォ(#) |
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 ケルンWDRso. | ||
録音:2010年9月17日、18日(*)/2010年12月6日、10日(#)、以上 ケルン・フィルハーモニー、ライヴ。2001年以来、定期的に客演を重ね、2010/11年のシーズンよりケルンWDR響の首席指揮者に就任したサラステ。あらたなシェフを迎え、最初のシーズンにおこなわれたコンサートの模様を収めた注目のアルバムが登場。2010年9月と12月にいずれも本拠ケルンのフィルハーモニーにおいてライヴ収録された内容は、サラステが得意とするストラヴィンスキー作品をカップリングしたもので、「火の鳥」と「幻想的スケルツォ」という強力なラインナップ。フィンランド出身ということや、フィンランド放送so.とシベリウスやニルセンの交響曲全集を完成させる機会を得たこともあり、サラステは北欧音楽のエキスパートとしてのポジションを固めているが、いっぽうで、トロント響とおこなったムソルグスキーやプロコフィエフのレコーディングでは、エネルギッシュな音楽運びとスケールのおおきな押し出しの強い演奏を聴かせていたように、リズムのおもしろさと色彩豊かな作風で知られるストラヴィンスキー作品との相性にもすばらしいものがあった。これまでにもサラステはストラヴィンスキー作品の録音を相当数手掛けており、1985年にアヴァンティ室内管と「ダンス・コンチェルタント」、バレエ「プルチネッラ」組曲(1949年版)、シベリウスの「カンツォネッタ」の室内オーケストラ編曲をセッション録音したのをはじめ、フィンランド放送so.とは、1989年に「ハ調の交響曲」と「3楽章の交響曲」を、1991年に交響詩「うぐいすの歌」をいずれもセッションで録音している。ほかにも、サラステは1990年にスコットランド室内管と、バレエ「ミューズの神を率いるアポロ」(1947年改訂版)、協奏曲 変ホ長調「ダンバートン・オークス」、「弦楽のための協奏曲ニ調」をセッション録音、1996年5月にリュビモフの独奏でトロント響と「ピアノと管楽器のための協奏曲」をセッション録音していることからも、ストラヴィンスキーに一方ならぬ情熱を傾けてきたことがうかがえる。こうしたなかで、高度な技術水準のままに前任ビシュコフよりWDR 響を引き継いだいま、3大バレエに着手していなかったサラステにとって、いよいよリリースされる「火の鳥」の新録音は、ストラヴィンスキー一流の幻想的なドラマをどのような切り口で描いてゆくのかおおいに期待のつながるところといえそう。 | |||
ブラームス:ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調 Op.101 リスト/作曲者編曲:「オーベルマンの谷」〜トリスティア(最終稿) シェーンベルク/シュトイアーマン編曲:浄夜 Op.4 ブーランジェ・トリオ | |||
録音:2011年7月、ドイツ放送カンマーザール、ケルン。2006年に創設されたドイツのピアノ三重奏団ブーランジェ・トリオ。美女3名から成り、珍しいレパートリーにも果敢に取り組む得難い団体となっている。当アルバムではブラームスの傑作を実に堂々と聴かせた後、リストとシェーンベルクの意外な珍品を披露。リストの「トリスティア」は「巡礼の年第1年」の「オーベルマンの谷」を作曲者自身がピアノ三重奏に仕立てたもので、3種あるうちの最終稿。原曲とかなり離れているのも興味津々。シェーンベルクの愛弟子シュトイアーマンによる「浄夜」も、優れた編曲ながら録音に恵まれているとはいえないで歓迎。 | |||
ゼンパーオーパー・シリーズ Vol.3 〜 Wagner again? ワーグナー: 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲 [ヨゼフ・カイルベルト指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1948年9月24日、ドレスデン] 「タンホイザー」から(7場面)[エルンスト・グルーバー(T;タンホイザー) ブリュンヒルト・フリートマン(S;エリーザベト) ドラ・ツシレ(Ms;ヴェーヌス) クルト・レーム(Br;ヴォルフラム) ハンス・クレーマー(B;ヘルマン) ヘルムート・アイレ(B;ビテロルフ) ゲルハルト・プフリューガー指揮ライプツィヒ放送so. ライプツィヒ放送cho./1953年9月25日、ライプツィヒ] 「タンホイザー」〜死の知らせのように(夕星の歌)(*)/「ローエングリン」より〔前奏曲/この上ない信頼を(#) 〕 [カール・パウル(Br;ヴォルフラム;*) ベルント・アルデンホフ(T;ローエングリン;#) ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1949年12月22日、ドレスデン] 「ローエングリン」より〔私と一緒に甘い香りを吸わないか?/遠い国から〕[ハンス・ホプフ(T;ローエングリン) クルト・シュトリーグラー指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1945年4月-6月初旬頃] 「さまよえるオランダ人」〜スン、ブルンと[エミリー・ヴァルター=ザックス(Ms;マリー) ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン、ドレスデン国立歌劇場cho./1950年12月7日、ドレスデン] 「さまよえるオランダ人」〜ヨー・ホー・ホエー!黒いマストの船に出くわしたか[ブリュンヒルデ・フリードラント (S;ゼンタ) ゲルハルト・プフリューガー指揮ライプツィヒ放送so./1953年12月17日、ライプツィヒ] 「ジークフリート」より〔ノートゥング、待ち望まれた剣よ!/鍛えよ、僕の鎚よ!〕/ 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より〔目覚めよ!/マイスターを侮らないでほしい〕 [ベルント・アルデンホフ(T;ジークフリート) ヨゼフ・ヘルマン(Br;ザックス) ハンス=ヘンドリク・ ヴェーディング指揮ドレスデン放送大o.,ドレスデン国立歌劇場cho./1948年1月1日、ドレスデン] 「トリスタンとイゾルデ」〜より〔前奏曲と愛の死(**) /愛の死(##)〕/「タンホイザー」〜ああ、お姫様(++) [クリステル・ゴルツ(S;イゾルデ;++以外/エリーザベト;++) ベルント・アルデンホフ(T;タンホイザー) ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン(**)、 ゲルハルト・ヴィーセンフッター指揮ライプツィヒ放送so.(**以外)/1947年(**)、不詳(**以外)] 「タンホイザー」〜心に熱意を持って(ローマ語り)/「ニュルンベルクのマイスタージンガー」〜朝は薔薇色に輝き/ 「リエンツィ」〜全能の神よ[ベルント・アルデンホフ(T;タンホイザー/ヴァルター/リエンツィ) ヴァルター・シュトーシェク指揮ドレスデンpo./1950年2月5日、ドレスデン] 「パルジファル」〜お前は私の足に香油を注いだ(聖金曜日の場面)[ヨアヒム・ザットラー(T;パルジファル) クルト・ベーム(B;グルネマンツ) アルノ・シェレンベルク(Br;アンフォルタス) クルト・シュトリーグラー指揮ドレスデンpo./1950年4月2日、ドレスデン] | |||
PROFILがお送りするゼンパーオーパー・シリーズ、第3集は、第二次世界大戦が終わった直後のドレスデンとライプツィヒでのワーグナーの録音。これまでほとんど知られなかった録音が多数含まれている。指揮者ではヨゼフ・カイルベルト、ルドルフ・ケンペという、戦後初代、二代目のカペルマイスターの他、ライプツィヒを中心に活躍したゲルハルト・プフリューガーなど、東ドイツで活動したためにあまり国際的知名度を得なかった名指揮者の貴重な録音が多数。彼らの指揮するシュターツカペレ・ドレスデンからは、今では失われてしまった古き良き伝統の薫りがたっぷりする。歌手では、終戦直後からメキメキ頭角を現したベルント・アルデンホフの活躍が目立つ。1950年の「パルジファル」の第3幕の録音では、聖金曜日の奇跡の場面がたっぷり30 分近く収録、クルト・ベーメの渋いグルネマンツが楽しめる。今回も貴重な写真、情報が満載の89ページのブックレット(独英)が嬉しい物。 | |||
ボリス・チャイコフスキー(1925-1996): ヴァイオリン協奏曲(1969) (*) / ヴァイオリン・ソナタ(1959)(#) |
ヴィクトル・ピカイゼン(Vn) キリル・コンドラシン指揮(*) モスクワpo.(*) ボリス・チャイコフスキー(P;#) | ||
録音:1972年、ステレオ(*)/1962年、モノラル(#)。原盤:おそらくMELODIYA。初CD化か。近年再評価著しいボリス・チャイコフスキーの貴重音源。どちらも旧ソ連の名手ヴィクトル・ピカイゼンのために書かれた作品で、協奏曲はピカイゼンの独奏、セロフ指揮オーデンセ響の比較的新しい録音(NORTHERN FLOWERS) があるものの、こちらはコンドラシンとモスクワpo.との共演というのが凄すぎ。かつてメロディア盤LPで出ていたが、幻の音源。ボリス・チャイコフスキーの代表作のひとつで、40分近い大曲ながら単一楽章、早くに亡くした父の思い出を描いたといわれる。ピカイゼンの独奏も恐ろしい気迫に満ち、またコンドラシンの伴奏が神業的なドラマ作りで非常に感動的。これほど凄い演奏は再現できないと思える。カップリングのヴァイオリン・ソナタでは作曲者自身が伴奏を務めているが、非常な名人芸ぶりで、ピカイゼンの独奏ともども絶妙な巧さに酔わされる。 | |||
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ短調(*) ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ長調(#) ゾフィー・モーザー(Vn) カーチャ・フーン(P) | |||
録音:2010年10月26日-28日(*)、2011年5月11日(#)、SWRカイザースラウテルン・スタジオ。第2番のソナタを収録した前作(PH-11023)に続き、熱烈なフルヴェン狂、1984年生まれのヴァイオリニスト、ゾフィー・モーザーと1981年生まれのロシア美人ピアニスト、カーチャ・フーンが遂にフルヴェン作曲のヴァイオリン・ソナタ第1番をリリースする。第1番は1937年に作曲・初演され、演奏時間が55分をこえる4楽章構成の大作。フルヴェンの音楽をこよなく愛する彼女たちの音楽には、並々ならぬ研究から自信と説得力に満ちており、可憐な見た目とは裏腹に骨太で朗々と歌い上げ、完全無比なテクニックでフルヴェンの大作を演奏している。これだけ完成度の高い充実した演奏なので、同曲の決定盤が登場した。またカップリングのベートーヴェンでは、さすがベートーヴェン国際コンクールの優勝者モーザーなだけあり、端正で非常に弾きこまれている名演を聴かせてくれる。 | |||
ハイドン:ミサ曲第12番 変ロ長調「ハルモニー・ミサ」 Hob. XXII: 14
バルバラ・マルティヒ=テュラー(S) リア・ボーレン(A) アダルベルト・クラウス(T) クルト・ヴィトマー(B) ディートハルト・ヘルマン指揮南西ドイツ放送so.、マインツ・バッハcho. | |||
録音:1981年1月29日-31日、バーデン=バーデンスタジオ。原盤・前出: CALIG, CAL-50490(当店未案内)。管楽器のひときわ豊かな響きから、いつしか「ハルモニー・ミサ」と呼ばれるようになったハイドンの名曲。バロック界の牽引者として活躍した今は亡きヘルマン(1928-1999)の指揮が光る名盤。ドイツ屈指の合唱団と歌手達の共演にも注目。 | |||
J.S.バッハ:ミサ曲 ロ短調 BMV232
ウルリケ・ゾンターグ(S1) マルヤーナ・リボヴシェク(S2/A) ハワード・クルック(T) アンドレアス・シュミット(B) ヘルムート・リリング指揮シュトゥットガルト室内o.、ゲヒンゲン聖歌隊 | |||
録音:1988年5月、ルートヴィヒスブルク。原盤・前出: INTERCORD, INT 885.855(当店未案内)。リリングは2011年までにこの曲を5回録音しており、本CDは3度目の録音。どの録音も彼の工夫が光る演奏だが、当盤とその他の録音と聞き比べてみるのもおすすめ。 | |||
ケルビーニ:「荘厳ミサ曲」第2番 ニ短調
モニカ・ヴィーベ(S) ヘレナ・ユングヴィルト(A) ロドリゴ・オレンゴ(T) ヴォルフ・マティアス・フリードリヒ(B) ハンス・ルドルフ・ツェベレイ指揮ミュンヘンso.、ミュンヘン・モテットcho. | |||
録音:1992年3月17日-21日、バイエルン音楽スタジオ、ミュンヘン。原盤・前出: CALIG, CAL-50914(当店未案内)。イタリアの作曲家でありながらフランス音楽、とりわけオペラ界において多大な貢献を残したケルビーニ。彼のオペラ作品において、大きな魅力の一つである豊かな響きは、彼のミサ曲においてもいかんなく発揮されている。屈指の名歌手達とツェベレイの指揮によって生み出される壮麗な響きが魅力。 | |||
白夜〜ペテルブルクのヴィオラ音楽 Vol.2 プロコフィエフ/ボリソフスキー編曲:「ロメオとジュリエット」より 〔前奏曲/街の目覚め/少女ジュリエット/バルコニーの情景/モンタギュー家とキャピュレット家/ジュリエットの死〕 ゲンナジー・バンシチコフ(1943-):ヴィオラ・ソナタ / ショスタコーヴィチ:ヴィオラ・ソナタ Op.147 タチヤナ・マズレンコ(Va) ログリット・イシャイ(P) | |||
録音:2012年10月3日-7日、ドイツ放送カンマーザール、ケルン。Vol.1 (PH-10029) に続き、ロシアのヴィオラ音楽を網羅していくシリーズ第2弾。旧レニングラード出身、同音楽院で学んだ後、1991年にドイツへ移り、キム・カシュカシアン、今井信子にも師事した実力派。ベートーヴェン四重奏団のヴィオラ奏者だったワジム・ボリソフスキーは、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」から13曲をヴィオラとピアノ用に編曲したが、そのうち6曲がここで披露されている。ヴィオラの音色を存分に堪能出来る。バンシチコフはバラサニアンとアラポフの門下で、ソ連時代から新ウィーン楽派風の十二音技法を用い前衛的な作風を展開した。テレビや映画音楽の世界でも活躍しているが、このソナタはバリバリの前衛調で興味津々。さらにロシアのヴィオラ音楽の最高峰ショスタコーヴィチのソナタも挑戦。ロシア人ならではの作品理解の深さと説得力で感動させられる。イシャイのピアノも絶妙。 | |||
チェロのためのアンコール サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン / ラフマニノフ:ヴォカリーズOp.13 No.14 サン=サーンス:アレグロ・アパッショナートOp.43 /白鳥 Op.91 / マスネ:タイスの瞑想曲 ドヴォルザーク:ロンド / フォーレ:夢のあとに / クライスラー:愛のよろこび/愛の悲しみ ブラームス:湖上で Op.59 No.2 / エルガー:エニグマ変奏曲 Op.36より/愛の挨拶 フォーレ:ロマンス イ長調 Op.69 /3つの無言歌 Op.17 No.3 /子守歌 ブラームス:調べのように私を通り抜ける Op.105 No.1 /野の寂しさ Op.86 No.2 /子守歌 Op.49 No.4 ショスタコーヴィチ:ジャズ組曲第2番〜ワルツ / J.S.バッハ:G線上のアリア/アリオーソ ミヒャエル・ヘル(Vc) ミカエラ・ゲリウス(P) | |||
録音:2011年4月、フランツ・リスト・センタ〔代理店記載ママ〕。ミヒャエル・ヘルは音楽家の両親のもとにウィーンで生まれ、7歳でチェロを弾き始めその才能をすぐに開花させた。その後オーケストラでの演奏に非常に興味をもち、わずか16歳でウィーンフィルのメンバーとして演奏した経験をもつ。23歳の時にはミュンヘンフィルの首席チェリストとしてオーケストラの団員として演奏してきたが、この間もソロやウィーンフィル弦楽五重奏団のメンバーとしても活動してきた。まず、ヘルの演奏技術に驚かれる。なんとヴァイオリンの名曲、ツィゴイネルワイゼンをチェロで演奏。ヴァイオリンでも難しい重音の連続やピチカート奏法も完璧なまでに弾いている。ただ技巧ばかりが目立つわけではなく、サン=サーンスの白鳥、ラフナニノフのヴォカリーズなど、雄弁に歌い上げるヘルの演奏には感動を覚えずにはいられない。伴奏のミカエラ・ゲリウスとは音楽のパートナーとして長年共演してきただけにまさに一糸乱れぬ呼吸のあったアンサンブルを奏でている。 | |||
WDR3「お気に入りのクラシック [Lieblingsstücke]」 グリーグ:「ペール・ギュント」第1組曲 Op.46 〔朝の気分/オーゼの死/アニトラの踊り/ソルヴェイグの歌/山の魔王の宮殿にて〕 モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 KV.622 ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」 ブラームス/パーロウ編曲:ハンガリー舞曲第5番 ト短調(*) |
トルステン・ヨハンス(Cl) アイヴィン・オードラン指揮 ケルンWDRso. | ||
録音:2011年6月2日、ヒストーリッシェ・シュタットハレ、ヴッパータール、ライヴ。(*)はアンコール。制作:ケルンWDR3。「お気に入りのクラシック」は、ドイツ最大級のリスナーをかかえる人気番組。ヨーロッパで制作されたテレビ・ラジオ・ネット番組を対象とするPrix Europaで、「2011年度ヨーロッパ最優秀放送音楽番組」にも選ばれている。番組で「あなたの選ぶお気に入りのクラシック名曲」は?とのアンケートを募集したところ3000件の回答が寄せられ、作品数およそ1000曲にも及んだ投票結果をもとに、ベストスリーの楽曲が決定。それらをオードラン指揮でケルンWDRso.がライヴ演奏した。アイヴィン・オードランは、1956年ノルウェーに生まれ、ヘルシンキのシベリウス・アカデミーでヨルマ・パヌラに指揮を師事した。民俗色の強烈な傑作「新世界より」も向いているレパートリーとおもわれるが、なによりオードランによる「ペール・ギュント」といえば、同じケルンWDR響と進行中のグリーグの管弦楽曲全集シリーズ(AU-92579、AU-92651)がすでに知られるところで、祖国の大作曲家グリーグに傾ける情熱と本場の語法によるすぐれた内容が、ここでも期待できそう。ちなみに、当ライヴでは、通常の第1組曲に「ソルヴェイグの歌」を加えた形による演奏となっている。ノルトライン=ヴェストファーレン州のクレーフェルトに生まれ育ったトルステン・ヨハンスは、チェリビダッケ時代のミュンヘン・フィルで首席奏者を務めたラルフ・マンノの直弟子で、1998年にエッセン・フィルの首席クラリネット奏者、さらに2002年にケルンWDR響の首席クラリネット奏者に就任している。なお、それぞれのナンバーの演奏後にはすべて拍手が入る。 | |||
Shloyme コロレンコ:変容歌(詞:新訳聖書)/孤児の歌/追悼歌 チモフェーエフ・アンサンブル:ユダヤのシャコンヌ/シュロイメ/小ユダヤ組曲 チモフェーエフ・アンサンブル [オレグ・チモフェーエフ(7弦G) ナターリャ・チモフェーエワ(Vc) アナート・ピック(Vo) ワジム・コルパコフ、イワン・ニコラーエフ(7弦G) ヴァオルカン・オルホン(Cb) プソイ・コロレンコ(Vo/P)] | |||
ロストロポーヴィチ門下のチェリスト、ナターリャと息子のギタリスト、オレグのチモフェーエフ母子率いるチモフェーエフ・アンサンブル。ユダヤ系ロシア人の彼らが、想像上のユダヤの英雄シュロイメを描く音楽物語を創作、披露している。シュロイメはウクライナのユダヤ村に生まれ、ポグロム(大虐殺)やロシア革命、内戦、第2次世界大戦、スターリンの収容所など、あらゆる20世紀の災厄から生き延びたとされる人生を、プロコフィエフの「ピーターと狼」やストラヴィンスキーの「兵士の物語」のように語り付きで描く。プソイ・コロレンコ自らが歌い演じる3篇以外は同アンサンブルの作曲で、独特の哀感と異国的な匂いはワインベルクの音楽を思わせるものがありエキゾチック。イーディッシュ語の響きも独特で、不思議なひとときを過ごせる。 | |||
マルタ・メードル〜伝説の肖像 [The Portrait of a Legend] ワーグナー: 「リエンツィ」〜正義の神よ [マルタ・メードル(Ms;アドリアーノ) ハインリヒ・ホルライザー指揮RIASso./1951年、ベルリン]/ 「トリスタンとイゾルデ」より〔さあ、ではトリスタンについて/お望みをなんなりと/モロルトがあなたにとって/ 優しくかすかに(愛の死)〕[マルタ・メードル(S;イゾルデ) ズートハウス(T;トリスタン) テッパー(Ms;ブランゲーネ) ヨーゼフ・カイルベルト指揮バイエルン国立o./1958年8月10日、ミュンヘン]/ 「トリスタンとイゾルデ」より〔角笛の音はこんなに優しく響かない/あなたのせいって?/だから離れずに死のう〕 [マルタ・メードル(S;イゾルデ) ヴィントガッセン(T;トリスタン) ホフマン(Ms;ブランゲーネ) ナイトリンガー(B;クルヴェナール) ライトナー指揮ロイヤルpo./1955年9月14日、ロンドン]/ ヴェーゼンドンク歌曲集[マルタ・メードル(S) カイルベルト指揮バンベルクso./1959年5月、バンベルク]/ 「ワルキューレ」より〔一族の男たちが/あなたが春〕[マルタ・メードル(S;ジークリンデ) カイルベルト指揮バイロイト祝祭o./1954年7月25日、バイロイト]/ 「神々の黄昏」〜ブリュンヒルデの自己犠牲[マルタ・メードル(S;ブリュンヒルデ) ジョルジュ・セバスティアン指揮ヴィシーso./1957年7月1日、ヴィシー]/ R.シュトラウス:「エレクトラ」〜何をする気?[シュテーガー(S;エレクトラ) マルタ・メードル (Ms;クリテムネストラ) スウィトナー指揮シュターツカペレ・ベルリン/1967年2月25日、ベルリン] フォルトナー:「血の婚礼」〜近所の女性たちが![マルタ・メードル(Ms;母) ライトナー指揮ヴュルテンベルク国立歌劇場o./1961年5月30日、シュトゥットガルト] ライマン:「メルジーネ」〜今日、ここで今すぐ[マルタ・メードル(Ms;ピティア) グラインドル(B;オガー) ラインハルト・ペータース指揮南ドイツ放送o./1971年4月29日、シュヴェツィンゲン] チャイコフスキー:「スペードの女王」〜ようやく黙った(ドイツ語)[マルタ・メードル(Ms;伯爵夫人) ニクシャ・バレザ指揮グラーツ歌劇場o.&cho./1982年9月18日] ベートーヴェン:ゲレルトによる6つの歌 Op.48 [マルタ・メードル(Ms) ミヒャエル・ラウハウゼン(P)/1950年、ベルリン] | |||
Profilからマルタ・メードル(1912-2001)の貴重な録音集が2CDで発売。メードルは1950年代にはフルトヴェングラーも重用するワーグナーソプラノとして活躍、バイロイト音楽祭でもメインの歌手の一人だった。1960年代にメゾ・ソプラノに戻ると、存在感のある脇役として実に1990年代まで舞台に立ち続けた。丸く温かみのある声は大変魅力的で、しかも様々な役に対応できる舞台魂の持ち主だった。この2枚組は1950年代の録音が中心になっている。ワーグナー・ソプラノとしてのメードルがブリュンヒルデと並んで得意としたイゾルデが、ヨーゼフ・カイルベルトとフェルディナント・ライトナーという両名匠の指揮で聞けるのは嬉しいもの、しかもどちらも。おそらく初出音源。メゾ・ソプラノで得意にした「エレクトラ」のクリテムネストラは、オトマール・スウィトナーの指揮。スウィトナーのベルリン国立歌劇場、ライヴ録音そのものが余りないので、これは大変貴重。ライマンの珍しい「メルジーネ」や、1982年の「スペードの女王」の伯爵夫人なども、舞台人メードルの高い能力を伝えている。 | |||
シューマン:ピアノ・ソナタ第1番 嬰ヘ短調 Op.11 /幻想小曲集 Op.12 / 3つの幻想的小品 Op.111 /ロマンス 嬰ヘ長調 Op.28 No.2 スザンネ・グリュツマン(P) | |||
録音:2009年7月、MDRスタジオ、ライプツィヒ。好評のグリュツマンによるシューマン作品集第2弾。今回は初期の大作「ピアノ・ソナタ第1番」が充実。昨今珍しい純ドイツ的重厚ピアニズムで、じっくり聴かせる。やはりシューマンはこうした純ドイツ・ピアニズムで奏されると素晴らしさが実感出来る。 | |||
J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV.244
エルンスト・ヘフリガー(T;福音史家) キート・エンゲン(B;イエス) イルムガルト・ゼーフリート、アントニア・ファーベルク(S) ヘルタ・テッパー(A) ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br) マックス・プレープストル(B) エッケハルト・ティーツェ、ヘトヴィヒ・ビルグラム(Org) カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハo. & cho.、ミュンヘン少年cho. | |||
録音:1958年6月-8月、ミュンヘン、ヘルクレスザール。原盤:ARCHIV (DGG) 。マスタリング:2012年、ホルガー・ジードラー(ths-studio)。「バッハの権威」カール・リヒターが遺した中でも、とりわけ求道者にも似た表現意欲と、その意図を十全に汲み取るソリスト、アンサンブルとが生み出す厳しくも共感あふれた造形がスタイル・時代を超越し、ひとつの頂点を築いた不朽の名盤「1958年のマタイ」がProfilより登場。Profilの社主ギュンター・ヘンスラー氏によれば「ホルガー・ジードラーによるマスタリングの仕上がりも申し分ない」とのことなので、その出来ばえに期待したいところ。ブックレットには独語によるトラックと独語歌詞のみ掲載。 | |||
ネゼ=セガン、エディション・シュターツカペレ・ ドレスデン〜ブルックナー: 交響曲第3番 ニ短調(1873年稿) |
ヤニック・ネゼ=セガン指揮 シュターツカペレ・ドレスデン | ||
録音:2008年9月21日、ゼンパーオーパー、ドレスデン、ライヴ。「エディション・シュターツカペレ・ドレスデン」シリーズ39作。当時33歳の気鋭がブルックナーに挑戦。ネゼ=セガンは、2014年6月にモントリオールのメトロポリタンo.と同曲を録音している。ラテン的な明るい色彩のメトロポリタン管に比べ、 シュターツカペレ・ドレスデンの渋くコクの深い音色の違いに驚かされるが、テンポも全体で5分以上遅いのが特徴。ことに第2楽章アダージョは3分近く遅く、ブルックナーならではの重厚さが満喫出来る。ブルックナーの伝統を血肉に持つドイツの伝統オーケストラと、伝統を打破し、純音楽としてのブルックナーを再現しようとしている若者のかけひきが刺激的。 | |||
フルート、チェロ、ピアノ ネッド・ローレム:フルート、チェロ、ピアノのための三重奏曲(1960) / サーリアホ:灰(1998) マルティヌー:フルート、チェロ、ピアノのための三重奏曲(1950) / ジョージ・クラム:鯨の歌(1971) トリオ・ヴィーク[クリスティーナ・ファスベンダー(Fl) ユストゥス・グリム(Vc) フロリアン・ヴィーク(P)] | |||
録音:2012年4月2日、ライトシュターデル、ノイマルクト。フルート、チェロ、ピアノという変則ピアノ三重奏曲を集めたアルバム。ヴァイオリンでなくフルートが加わることで、色彩と表現の幅が広がる。いずれもあまり聴く機会のない作品で大歓迎だが、面白いのがジョージ・クラムの「鯨の歌」。ザトウクジラの声(歌)を素材に興味津々の音響世界を繰り広げる。フルート奏者は歌うこと(というか叫び)も指示され、さらに全奏者は顔を半分隠す黒い仮面を着け、暗い青い照明のもとで演奏するようになって妖しい雰囲気をつくりあげている。クジラに興味のある方向き必聴の珍品。 | |||
エフゲニー・ボジャノフ、ワルシャワ・ライヴ ショパン:舟歌Op.60 /マズルカ〔嬰ハ短調Op.41 No.1 /嬰ハ短調Op.50 No.3 〕/ 華麗なる大円舞曲Op.18 /ワルツ〔変イ長調Op.64 No.3 /変イ長調Op.43 〕 シューベルト:12のドイツ舞曲D.790 / ドビュッシー:レントよりも遅く/喜びの島 スクリャービン:ヴァルスOp.38 / リスト:ペトラルカのソネット104番/メフィスト・ワルツ エフゲニー・ボジャノフ(P) | |||
録音:2011年8月19日、ワルシャワ、第7回「ショパンとヨーロッパ音楽祭」、ライヴ。1984年ブルガリア生まれ、6歳からピアノを始め、12歳でオーケストラと共演した神童エフゲニー・ボジャノフ。バシキーロフとシェンク(名ピアニストで、御喜美江の夫君)に師事し、2008年リヒテル・コンクール優勝、2010年エリザベート王妃コンクール第2位、同年ショパン国際コンクール第4位の入賞歴を誇り、ショパン・コンクールではかのアルゲリッチが審査員席から禁断の拍手を贈ったとされる逸材。そのボジャノフがショパン・コンクールの翌年に行われた音楽祭に出演した際のライヴ公演がCD発売。ショパンの名作をはじめ、ショパンより前の作品ながら、どこかショパン風なシューベルトの舞曲、ショパンの親友リスト、ショパンの影響を受けたドビュッシーとスクリャービンの諸作を披露。いずれも個性的で、活き活きとした自発性に満ちているだけでなく、聴き手に不思議な魔法をかけてしまう。はまると抜け出せなくなる麻薬的な音楽性で、人気がでること間違いなしの最注目株。聴き手に魔法をかけてしまう不思議な音楽性。 | |||
ティーレマン&ドレスデン国立管 ブゾーニ:交響的夜曲 Op.43 プフィッツナー:ピアノ協奏曲 変ホ長調 Op.31 レーガー:ロマンティック組曲 Op.125 |
ツィモン・バルト(P) クリスティアン・ティーレマン指揮 ドレスデン国立o. | ||
録音:2011年6月、9月、ゼンパーオーパー、ドレスデン、ライヴ。20世紀初頭のドイツ音楽界に君臨した大物3名の作品を、ティーレマン&ドレスデン国立管の演奏で聴くことのできる豪華ライヴ。いずれも当時大きな影響力を持ちながら、作風は全く異なるうえ、イタリア系のブゾーニと、モスクワ生まれのプフィッツナーは別の国の作曲家と言ってもよいほどで、仲も良くなかったと伝えられている。この3作曲家は晦渋な音楽のイメージがあるが、ここに採りあげられた作品は例外的に親しみやすいものばかり。プフィッツナー唯一のピアノ協奏曲は1923年の作で、ギーゼキングに捧げられた。同じ年のヴァイオリン協奏曲の厭世性とは反対に、明るく英雄的な大曲。ピアノ・パートは両手のオクターヴの連続や分厚い和音奏法が多用される難物で、被献呈者ギーゼキングの古い録音が決定盤とされているが、待望の新録音登場となる。深い森の中を彷徨うような緩徐楽章が魅力的。エッシェンバッハのお気に入りピアニストでもあるツィモン・バルトは、ティーレマンからも可愛がられ絶妙なアンサンブルを繰り広げている。ブゾーニの「交響的夜曲」は1912年の充実期の作。濃密な情感にあふれたお化けが出てきそうな音楽。レーガーの「ロマンティック組曲」も1912年の作だが、重厚長大なレーガーのイメージからほど遠い、ハープを多用したドビュッシーを思わすフランス印象派的な雰囲気に驚かされる。「夜曲」「スケルツォ」「フィナーレ」の3曲から成り1曲目と3曲目の出だしは同一。レーガーならではの錯綜した対位法を駆使しながらも、疑バロック的な所は全くなく、カッコいいの一言に尽きる。 | |||
エルガー:ゲロンティアスの夢 Op.38
ポール・グローヴス(T;ゲロンティアス) サラ・コノリー(Ms;天使) ジョン・レリア(B;司祭/苦悩の天使バス) ドレスデン国立歌劇場cho. コリン・デイヴィス指揮シュターツカペレ・ドレスデン | |||
録音:2010年3月28日、ドレスデン、ゼンパーオーパー、ライヴ。エニグマ変奏曲と並ぶエルガーの代表作として知られる「ゲロンティアスの夢」は、リヒャルト・シュトラウスから絶賛されて評価が高まり、エルガーが国際的名声を得るきっかけとなった壮大なオラトリオ風の声楽曲。ジョン・ヘンリー・ニューマン枢機卿のテクストによる内容は、主人公ゲロンティアスが死の淵で魂の救済について天使や神と問答を繰り広げるというもので、母国の大作曲家エルガーへの熱心な取り組みで知られたコリン・デイヴィスは、この作品について次のように述べている。「死についての音楽を書こうとすると、ふつうならレクィエムあるいは名の通った歴史上の人物の死を描くところだが、ここでは死そのものにまつわる実際のプロセスを扱っている点で独創的。まさに過去に例のないまったく新しいタイプの、真に偉大な作品なのだ。」上記の言葉からもわかるように、作品に熱い共感を寄せるデイヴィスは、2005年12月にロンドン響を指揮して同曲を演奏したライヴ録音盤をすでに発表しており、当ディスクは4年あまりを経ての演奏内容ということになるが、この間ほかにも2008年1月のボストン響との実演で同作を取り上げて成功を収めていた。英国出身のメゾ・ソプラノ、サラ・コノリーは、そのデイヴィスのボストン公演に参加していたひとりで、ここでも引き続き天使役に起用されている。ちなみに、コノリーはアンドルー・デイヴィス指揮BBC響盤(2014年)における同名役の歌唱も記憶にあたらしいところ。ゲロンティアス役のポール・グローヴスは、エルダー指揮ハレ管盤(2008年)でも表題役を務めた米国出身のテノール。グローヴスはまた、同じ2010/11年のシーズンにエディンバラ国際音楽祭におけるゲロンティアス役でも評判を取ったという具合にキャストは万全で、ここにデイヴィスの思い描くドラマ作りに欠かせない顔ぶれが揃ったといってよいだろう。コリン・デイヴィスとシュターツカペレ・ドレスデンの顔合わせによるエルガーと聞いて真っ先に思い浮かぶのが、1998年の交響曲第1番ライヴ。そこではデイヴィスが尋常ではないテンションの高さで、名門ドレスデンより空前絶後のとてつもない響きを引き出して、熱心なファンの間では語り草となっていたものだった。ここでもまたエルガーらしい気高くもやさしくせつない音楽を破格のスケールで聴かせてくれるのではないかとおもわれる。 | |||
スウィトナー&シュターツカペレ・ドレスデン放送録音集、初出〜R.シュトラウス: 組曲「町人貴族」 Op.60 (*) /「サロメ」Op.54〜7つのヴェールの踊り/ 「ばらの騎士」Op.59〜ワルツ第2番/「インテルメッツォ」Op.72〜4つの交響的間奏曲/ 「アラベラ」Op.79〜第3幕への前奏曲/「カプリッチョ」Op.85〜月の光の音楽(間奏曲) ・ドイツ民主共和国国営放送インタビュー・プログラム 「オトマール・スウィトナーを迎えて」(案内役:ヴォルフガング・ヒラー)(+) オトマール・スウィトナー指揮シュターツカペレ・ドレスデン(+以外) | |||
録音:1963年9月24日(*)、1963年11月21日(無印)、共に おそらくドレスデン、ステレオ(+以外) /1964年11月9日、ライプツィヒ放送局、ステレオ? (+)、おそらくすべて放送用セッション。収録: ドイツ民主共和国ラジオ放送局。おそらくすべて初出音源。半数程度はスウィトナーによる初音盤レパートリーと思われる。音楽は1枚で、もう一枚は全てインタビュー(+)の模様。NHKso. の名誉指揮者として客演を重ね、日本のファンにもなじみ深い名指揮者スウィトナー(1922-2010)は、1960年から1964年にかけてゼンパーオーパーの音楽監督を務めている。モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスをはじめ、独墺系のレパートリーに定評があったが、その流れを汲むリヒャルト・シュトラウスの演奏にも素晴らしいものがあった。じっさい、スウィトナーがゼンパーオーパーの音楽監督在任中の1963年にセッション録音された「サロメ」全曲は、この作品の代表的なレコーディングとしてたいへん有名。この「サロメ」のすぐれた内容からも、スウィトナーとドレスデンよるシュトラウス演奏の凄さの一端をうかがい知ることが出来るが、どういうわけか、唯一無二ともいうべき「サロメ」のほかには、この顔合わせによるシュトラウスの演奏としてはセッション録音はもとより、ライヴ音源の存在も知られていなかった。このたびエディション・シュターツカペレ・ドレスデンに登場する、スウィトナー指揮による楽劇からの一連の音楽は、その「サロメ」の名演が遺されたのと同じ1963年に放送用にセッション・レコーディングされた物。こうして聴くと、スウィトナーのみごとな音楽運びもそうだが、なにより表現力ゆたかな楽団のひびきがシュトラウスとは分かち難いものであることがよく分かる。いずれにせよ、こうしてあらたにスウィトナーの指揮、作曲者ゆかりのドレスデンの演奏でシュトラウス作品が味わえるのは朗報といえるだろう。なお、ディスク2には、スウィトナーのインタビューを収録。翌1964年に、DDR製作の番組にゲストとして招かれた際に収録されたもので、こちらも資料的価値の高い内容。 | |||
フェルディナント・ライトナー〜アニヴァーサリー・エディション CD1(PH-04063) ライトナー&モニク・アース(DG原盤他) CD2(PH-04051) ハイドン:交響曲第6番−第8番 CD3(PH-04050) モーツァルト:交響曲第35番&第28番、劇場支配人 CD4(PH-04062) ライトナー&シュナイダーハン&ケッケルト CD5-6(PH-08037) コルネリウス:喜歌劇「バグダッドの理髪師」 CD7-10(PH-09009) ワーグナー:舞台神聖祭典劇「パルシファル」 CD11-12 ・初出音源 ヘンデル:歌劇「タメルラーノ」 [フランツ・マツーラ(B;タメルラーノ) ドナルド・グローブ(T;バヤゼート) ヘレン・ドナート(S;アステーリア) キート・エンゲン(B;アンドローニコ) ライリ・コスティア(イレーネ) カリ・ヌルメラ(Br;レオーネ) フェルディナント・ライトナー指揮カペラ・コロニエンシス、バルメン=ゲマルケ聖歌隊/ 録音:1966年3月25日、ケルン WDR] | |||
ドイツ・グラモフォンに200以上の録音を残したドイツの本流指揮者ライトナーは1912年にベルリンで生まれ、作曲をシュレカー、指揮をブラームスの愛弟子だったプリューヴァーに学んだため、ブラームスの孫弟子にあたる。30年間シュトゥットガルト州立歌劇場の音楽監督を務めた後チューリヒトーンハレ首席、チューリヒ音楽院院長を歴任、1996年にチューリヒで亡くなった。暖かみある弦楽に第2オーボエなどの木管を強調した、独特の立体感のある音色が印象に残る。このセットは既発6アイテム10枚に初出音源の「タメルラーノ」をセットしたものだが、この曲はこれまで1970年以降の録音しか存在せず、同曲の世界初録音ともなる物。なお今後、同レーベルからはライトナー&北ドイツ放送交響楽団ライヴ集も発売予定とのことで、目が離せない。 | |||
オイゲン・ダルベール(1864-1932):歌劇「出立」
ヴィリ・フェレンツ(Br;ギルフェン) ロッテ・シェードル(S;ルイーゼ) エルヴィン・ヴォールファールト(T;トロット) ヤン・クーツィール指揮バイエルン放送so. | |||
録音:1964年4月6日、ミュンヘン。前出: CALIG (Germany), CAL-50964(当店未案内)。製作:バイエルン放送(ダルベール生誕100周年記念)。偉大なピアニストにしてバックハウスの師としても知られるダルベールは、作曲家としてもかなりの成功を収めており、ことにオペラは20作も書いている。中でもドラマティックな「低地」の人気が高いが、この「出立」は1幕ものの軽い喜劇。1898年にフランクフルトで初演され人気を博した。ギルフェンとルイーゼは倦怠期の夫婦。ギルフェンは長旅を計画しているものの、不在の間に妻が浮気するのではないかと心配して決行できない。夫妻の友人トロットがギルフェンに出立を促し、ようやくギルフェンは旅立つ。すぐにトロットはルイーゼを口説き出すが、彼女は彼を拒む。実は偽りの旅立ちだったギルフェンが家に戻ってみると、妻が貞淑だったことが明らかになって、夫妻は愛を取り戻す。 この録音、指揮はヨッフム時代のバイエルン放送so.を補佐した楽長のヤン・クーツィール。ルイーゼのロッテ・シェードルは1926年、フュッセン生まれのソプラノ。娘役を得意とした。ギルフェンのウィリ・フェレンツは1923年、ウィーン生まれのバリトン。個性的な役を得意とした達者な歌手。トロットのエルヴィン・ヴォールファールトは、バイロイトでベームが指揮した「指環」で強烈なミーメを怪演したテノール。彼はこれからという1968年に36歳で早世してしまったので、録音は貴重。 | |||
シェーンベルク: 交響詩「ペレアスとメリザンド」Op.5 (1902-03) (*)/ モノドラマ「期待」Op.17 (1909) (#) |
ジャンヌ=ミシェル・ シャルボネ(S) ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 ケルンWDRso. | ||
録音:2011年1月(*)、3月(#)、ケルン・フィルハーモニー、ライヴ。独Profilレーベルがお届けする首席指揮者サラステとケルンWDR響によるライヴ・シリーズ、シェーンベルク初期を代表する2曲。モノドラマ「期待」には、「エレクトラ」を当たり役とするドラマティック・ソプラノ、シャルボネを起用、夜の森をさまよい恋人を探し求める「名前のない女」の心理をつぶさに追った状況劇という内容に対してまさにうってつけといえそう。1956年フィンランド生まれのサラステは、2010年よりケルンWDRso.の首席指揮者に就任して現在に至る。2009年にライヴ収録されたマーラーの第9交響曲、2010年にライヴ収録されたストラヴィンスキーの「火の鳥」も互いの良好な関係をうかがわせるものだったが、この楽団がかねてよりマーラーやシュトラウスといった後期ロマン派の作品を実演およびレコーディングで数多く手掛けてきたという背景もあり、その流れを汲むシェーンベルク初期のプログラムにも期待が高まるところ。 | |||
ブルックナー:キャラガン校訂版交響曲集 Vol.2 〔第1番 ハ短調(1866/キャラガン校訂版)/第2番 ハ短調(1872/キャラガン校訂版)/ 第3番 ニ短調(1874/キャラガン校訂版) (*)〕 ゲルト・シャラー指揮フィルハーモニー・フェスティヴァ | |||
録音:2011年7月、大修道院附属教会、エーブラハ、ライヴ。(*)は当版による世界初録音。バイエルン放送収録による共同制作。ブルックナー好きから快哉をもって迎えられたゲルト・シャラーによるブルックナー・シリーズに続篇が登場。前作に引き続きフィルハーモニー・フェスティヴァを指揮し交響曲第1番から第3番まで初期の番号付き3曲をすべてキャラガン校訂譜で、2011年7月末に一挙にライヴ収録。ブルックナーの交響曲第3番には、大別すると作曲時期の異なる3つの版が存在する。作曲者が崇拝するワーグナー作品の引用をふんだんに留め、インバルを皮切りに近年、ノリントン、ナガノ、ヤング、ボッシュ、ブロムシュテットら多くの指揮者が選択する傾向にある、1872年から1873年にかけての第1稿。1874年、1876年から1877年にかけての、別名エーザー版ともいわれる第2稿。そして、交響曲第8番の初稿校了後、1888年から1889年にかけての第3稿は、後期の交響曲への接近を随所に感じさせるもので、もっぱらヴァントやチェリビダッケ、ザンデルリングなどが取り上げたのもこの版だった。ここでブルックナー研究の第一人者ウィリアム・キャラガンによると「1874年版は、ワーグナーに献呈された1873年初稿とは対をなす片方の複製スコア、それはブルックナーが取っておいて、1874年におもに第1楽章でテクスチャーにかなりの追加を書き込むことになったスコアに完全にもとづくものであり、剥き出しの1873年初稿よりもいくぶん、カノン風の導入部は増強され、細部のリズムはより複雑に、そして全体の響きがよりあたたかく、洗練されている」とのことなので、その1873年初稿との相違にもおおいに着目したいところ。このシャラー&シンフォニー・フェスティヴァによるライヴ盤がキャラガン校訂譜による『交響曲第3番』1874年版の初録音であるのに対して、キャラガン校訂譜による交響曲第1番には、ティントナー指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管とのセッション録音(1998年)があり、また、キャラガン校訂譜による交響曲第2番には、アイヒホルン指揮リンツ・ブルックナー管(1991年)、ティントナー指揮アイルランド国立響(1996年)によるセッション録音、シモーネ・ヤング指揮ハンブルク・フィル(2006年)、ボッシュ指揮アーヘン響(2010年)によるライヴ録音などがあり、いずれもブルックナー・ファンのあいだでは話題を呼んでいた。前作のすぐれた出来ばえを踏まえると、やはりシャラー&シンフォニー・フェスティヴァの新録音には大きく期待も膨らむ。フィルハーモニー・フェスティヴァは、ミュンヘンの主要なオーケストラ、すなわちミュンヘン・フィル、バイエルン放送so.、バイエルン州立歌劇場管のメンバーと首席奏者たちで構成されるオーケストラ。もともとはカール・リヒターが1953年に創設した世界的アンサンブル、ミュンヘン・バッハ管をその母体とし、偉大な伝統を振り返ることが可能だが、レパートリーを拡大し古典派とロマン派時代の傑作群を網羅しようとして、“フィルハーモニー・フェスティヴァ "の名称のもと、幅広い楽器編成で演奏をおこなっている。1965年バンベルクに生まれたゲルト・シャラーは、1993年にハノーファー州立歌劇場で指揮者としてのキャリアをスタートさせ、ほかにも1998年にブラウンシュヴァイク州立歌劇場、2003年から2006年までマグデブルク劇場の総音楽監督を務めている実績が示すように、劇場たたき上げのマエストロ。とりわけワーグナー、シュトラウス、ヴェルディのオペラを得意として評価も高く、そのいっぽうで、あたらしいレパートリーの開拓にも前向きなシャラーは、同じProfilよりリリースされたゴルトマルクの「メルリン」のレコーディングでも注目を集めている。 | |||
ヤーコプ・シェーンベルク(1900-1956): わが過去の地/6つのヘブライの歌/ピアノのための「ハシドの組曲」/私の中の3つの花/ ヴァイオリン・ソナタ/ソプラノ、フルートとヴィオラのための「2つのヘブライの歌」/ イェフダ・アレヴィによる3つの恋歌/ピアノ四重奏曲/ ソプラノ、フルートとピアノのための「中国の詩による4つの歌曲」 テヒラ・ニニ・ゴルトスタイン(S) フランク・ライネッケ(Vn) シュテファン・フェーラント(Va) シュテファン・フォルク(Vc) エリナー・パメイエール(Fl) ヤーシャ・ネムツィフ(P) | |||
録音:2010年1月、ドイツ放送、ケルン。シェーンベルクといえば、誰もが十二音技法を生み出したアルノルトを思い出すが、ヤーコプ・シェーンベルクなる作曲家も存在した。今日ほぼ忘れ去られ、その作品が演奏される機会も無かったが、各ジャンルの作品をまじえた2枚組CDが登場。ヤーコプ・シェーンベルクは北バイエルンで生まれ、ダルムシュタットとベルリンで学んだ。1933年頃までは映画や放送のための音楽の作曲と指揮で活躍、同時にドイツのシナゴーグ(ユダヤ教会)の音楽を調査し、さらにパレスチナのユダヤ音楽を初めて組織的に研究した。自身の音楽も現代音楽にユダヤの要素を加味させた独特のものとして、ひとつのスタイルを確立するかに思われたが、ナチスの隆盛とともに職を追われ、1939年にはイギリスへ逃れ、1948年にはアメリカに渡りニューヨークのトリニティ・スクールで教鞭をとり、1956年にはニュージャージーのカーネギー音楽学校に招かれるものの、その直前に56歳で脳腫瘍のため歿した。彼は歴史に翻弄され、国を転々としたため今日忘れられたが、ワイルやアイスラーに匹敵する魅力的な作品が眠っており、それがユダヤ系音楽発掘の旗頭ヤーシャ・ネムツォフの情熱で蘇った。エキゾチックな要素と20年代のワイマール文化の爛熟した香りが綯い交ぜになった作風が興味津々。 | |||
ポエム〜渡辺克也 (Vol.3) ドラニシニコワ:ポエム ファルグ: ウェーバーの「魔弾の射手」による幻想曲 Op.7 サン=サーンス:オーボエ・ソナタOp.166 ボザ:田園幻想曲 Op.37 マドセン:オーボエ・ソナタOp.22 |
渡辺克也(Ob) デイヴィッド・ジョンソン(P) | ||
録音:2012年1月-2月、イエス・キリスト教会、ベルリン。ドイツを本拠に活躍する渡辺克也。待望のアルバム第3弾の登場。過去2枚も非常な好評で迎えられたが、今回もオーボエの魅力を存分に味わえる5篇を厳選、至福の一時間を過ごさせる。メランコリックな旋律性に満ちたドラニシコワ、超絶技巧が披露されるファルグ、古典的形式美のサン=サーンス、エスプリあふれるボザ、オスロ・フィルのオーボエ奏者だったマドセンのプロコフィエフ風ソナタまでオーボエの様々な顔と能力を披露してくれる。渡辺克也の鮮やかな技巧と歌心をたっぷりお楽しみ頂きたい。 # KKC-4001 は国内仕様盤と思われますが『輸入盤・日本語解説付』と記載されています。海外発売盤 PH-12024 は、国内代理店での扱いは無い物と考えられます。 | |||
The Belyayev Project リムスキー=コルサコフ:ピアノ・トリオ ハ短調 / グラズノフ:「ライモンダ」〜グランド・アダージョ リムスキー=コルサコフ/ハイフェッツ編曲:熊蜂の飛行 / リャードフ:バルカロール 嬰ヘ長調 Op.44 グラズノフ/ブルーメンフェリト編曲:演奏会用ワルツ Op.47 ブルーメンフェリト:練習曲「海にて」 Op.31 No.2 / リムスキー=コルサコフ:歌 青木美樹(P) アンドレイ・バラーノフ(Vn) アレクセイ・ジーリン(Vc) | |||
録音:2012年4月、11月、RBB(ベルリン・ブランデンブルク放送)スタジオ。『ロシア音楽の普及に非常に重要な貢献を果たしたベリャーエフ。ベリャーエフは出版を設立しましたが、そのきっかけは1882年に当時17歳だったグラズノフと出会い、彼の才能に感激したためと言われています。そのベリャーエフと密接に関係のある作曲家の作品を集めたのがこのアルバム「ベリャーエフ・プロジェクト」です。アルバムにはリムスキー=コルサコフ、グラズノフ、リャードフ、ブルーメンフェルトの作品が収録されております。』『演奏はエリザベート王妃国際コンクールで見事優勝し、今最も期待されているロシアのヴァイオリニスト、アンドレイ・バラーノフ、スイスを拠点にヨーロッパで活躍中のピアニスト青木美樹、そして、ロシアの俊英チェリスト、アレクセイ・ジーリンによる若さみなぎるメンバーです。』(以上、代理店記載ママ) アンドレイ・バラーノフ(Vn):1986年、サンクトペテルブルク生まれ。5歳からヴァイオリンを学び、サンクトペテルブルク音楽院、ローザンヌ音楽院にて研鑽を積む。アモイヤルなどの世界的ヴァイオリニストに師事。2010年仙台国際音楽コンクールにて第2位、2012年5月、エリザベート王妃国際音楽コンクール・ヴァイオリン部門にて第1位受賞し、脚光を浴びる。 青木美樹(P):東京生まれ。9歳で渡英、その後インディアナ大学、イェール大学大学院、ハンブルク音楽演劇大学にてジェルジ・シェベック、ボリス・ベルマン、コロリオフらに師事。2004年イタリア、イブラ国際コンクールを皮切りに、さまざまなコンクールに優勝および入賞。スイスを本拠として国際的に活躍する実力派。 アレクセイ・ジーリン(Vc):1987年レニングラード生まれ。音楽一家に生まれたジーリンは若くして才能を開花させ、サンクトペテルブルクの音楽学校にて研鑽を積んだ。2008年にはムラヴィンスキー・コンクール(サンクトペテルブルク)で第1位を受賞、2010年には ブラームス:コンクール(オーストリア)で第3位受賞など輝かしい経歴をもつ若手期待の実力派チェリスト。 | |||
メンデルスゾーン:オラトリオ「エリヤ」
クリスティーネ・ヴォルフ(S) ブリッタ・シュヴァルツ(A) マルクス・シェーファー(T) クラウス・メルテンス(B) ドリス・ハーゲル指揮カペラ・ヴァイルブルゲンシス、ヴァイルブルク城教会cho. | |||
録音:2011年11月。ピリオド楽器使用。巨匠アーノンクールの下でピリオド奏法の実践を学んだドリス・ハーゲル&カペラ・ヴァイルブルゲンシスによる、「聖パウロ」(PH-09008)に続くオラトリオ三部作。今後最後の「キリスト」(未完)の収録にも期待がかかる。「聖パウロ」に引き続き今回も登場する名手メルテンス、ベルリン古楽アカデミーやムジカ・アンティクヮ・ケルンといった名門からの信頼も厚いヴォルフは、シュヴァルツと共に柔らかくも輝かしい歌声。テノールは、ヤーコプス、クイケン、コープマンなど数々の巨匠と共演する名手シェーファー。ドイツ古楽界に活躍するソリスト達と、カペラ・ヴァイルブルゲンシス&合唱団の明晰かつ鮮烈な演奏に聴き入る。メンデルスゾーン晩年の大作であり、殉教の物語である「聖パウロ」と共に彼の「二大オラトリオ」とも称される傑作「エリヤ」は、異国からもたらされた新興宗教との闘争と勝利を題材とする音楽が劇的で重厚な響きに満ち溢れた物。合唱とオーケストラが織りなす猛々しく荘厳なハーモニーと、小編成のアンサンブルの上でソリストたちが歌いあげる室内楽的なハーモニーの対比が素晴らしく、メンデルスゾーンの多彩な表現力に魅せられる。 | |||
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集 〔第16番 変ホ長調 XVI: 16 /第5番 イ長調 XVI: 5 /第12番 イ長調 XVI: 12 /第13番 ホ長調 XVI: 13 / 第14番 ニ長調 XVI: 14 /第6番 ト長調 XVI: 6 /第2番 変ロ長調 XVI: 2 /変ホ長調 Hob.XVI: Es2 / 変ホ長調 Hob.XVI: Es3 /第1番 ハ長調 XVI: 1 /第7番 ハ長調 XVI: 7 /第8番 ト長調 XVI: 8 / 第9番 ヘ長調 XVI: 9 /第10番 ハ長調 XVI: 10 /ト長調 XVI: G1 /第3番 ハ長調 XVI: 3 /第4番 ニ長調 XVI: 4 / ニ長調 XIV: 5 /第47番 bis ホ短調 XVI: 47 /第45番 変ホ長調 XVI: 45 /第19番 ニ長調 XVI: 19 / 第46番 変イ長調 XVI: 46 /第18番 変ロ長調 XVI: 18 /第44番 ト短調 XVI: 44 /第21番 ハ長調 XVI: 21 / 第22番 ホ長調 XVI: 22 (*) /第23番 ヘ長調 XVI: 23 /第24番 ニ長調 XVI: 24 /第25番 変ホ長調 XVI: 25 / 第26番 イ長調 XVI: 26 /第27番 ト長調 XVI: 27 /第28番 変ホ長調 XVI: 28 /第29番 ヘ長調 XVI: 29 / 第30番 イ長調 XVI: 30 /第31番 ホ長調 XVI: 31 /第32番 ロ短調 XVI: 32 /第35番 ハ長調 XVI: 35 / 第36番 嬰ハ短調 XVI: 36 /第37番 ニ長調 XVI: 37 (*) /第38番 変ホ長調 XVI: 38 /第39番 ト長調 XVI: 39 / 第20番 ハ短調 XVI: 20 /第43番 変イ長調 XVI: 43 /第33番 ニ長調 XVI: 33 /第34番 ホ短調 XVI: 34 / 第40番 ト長調 XVI: 40 /第41番 変ロ長調 XVI: 41 /第42番 ニ長調 XVI: 42 /第48番 ハ長調 XVI: 48 / 第49番 変ホ長調 XVI: 49 /第52番 変ホ長調 XVI: 52 /第50番 ハ短調 XVI: 20 /第51番 ニ長調 XVI: 51 / ニ長調 XIV: 5 /第47番 ヘ長調 XVI: 47 /第15番 ハ長調 XVI: 15 /第17番 変ロ長調 XVI: 17 〕/ 変奏曲ニ長調 XVII: D1 /アンダンテ ト短調 XVI: 11-II /メヌエット ト長調 XVI: 11-III / アレグロ・モルト ニ長調 (断片)/アリア ヘ長調/メヌエット 嬰ヘ長調 エカテリーナ・デルジャヴィナ(P) | |||
録音:1995年-2008年、(*)のみライヴ。ザールラント放送局との共同製作。一部はザールラント放送の自主製作CDがあった可能性があるが、詳細不明。1967年生まれ、グネーシン音楽学校でヴラジーミル・トロップに師事、1993-2006まで母校で教鞭をとり、さらに2003年からはモスクワ音楽院でも教えているデルジャヴィナは、2012年のフォルジュルネ音楽祭に出演し、演奏に接した人々の間で大評判となった。待望の Proil レーベル登場。一見アイドル風の容姿で、当アルバム内にもオシャレな写真が多数掲載されているが、ソ連英才教育を受けた典型的ロシア・ピアニズムの持ち主で、演奏は重く情念に満ちている。ハイドンのソナタは明るく古典的で教材用にも使われるが、そんなイメージ皆無の尋常ならざる演奏を繰り広げていて慄然とさせられる。同じような音楽が続くにもかかわらず、ひとつひとつがドラマを描いていて、聴き手を飽きさせない。とは言え、演奏そのものは正確かつ楷書的。こんなハイドンは聴いたことのない新鮮な驚きの連続。きら星のようなピアニストのひしめくロシア・ピアノ界でも特異な存在として頭角を現していくこと間違いなしの逸材、要注目。 | |||
ヴォルフガング・サヴァリッシュ追悼、バイエルン放送響 BOX ・CD1 (PH-07021) モーツァルト:「ハフナー」「ジュピター」[1998年] ・CD2 (PH-04082) シューベルト:「ます」「ノットゥルノ」[サヴァリッシュ(P)/1997年] ・CD3-4 (PH-07020) ハイドン:オラトリオ「四季」[1994年] ・CD5-6 (PH-07019) ハイドン:オラトリオ「エリヤ」[2001年] ・CD7-8 (PH-09066) オルフ:歌劇「アンティゴネー」[1958年] 以上、ヴォルフガング。サヴァリッシュ(P)指揮 | |||
『ヴォルフガング・サヴァリッシュ(1923-2013)追悼企画盤。これまでに Profil よりリリースされたサヴァリッシュのアルバム5点をまとめたもので、かなりお得な価格設定となっています。独墺系のレパートリーを中心として、日本にもなじみ深い巨匠が得意としたモーツァルトのほか、巨匠のライフワークともいうべきメンデルスゾーンの「エリヤ」など、バイエルン放送響を指揮したライヴの数々はぜひともきいておきたいものばかり。また、シューベルトの室内楽を収めた一枚は、ピアノの名手でもあったサヴァリッシュの姿をよく伝えています。装丁はスリムなクラムシェルBOXタイプとなります。』(以上、代理店のインフォメーションより) | |||
ユーリー・アーロノヴィチ、ライヴ BOX ・CD1 (PH-08011) フランク:交響曲 ニ短調/レスピーギ:交響詩「ローマの松」[VSO/1985年] ・CD2 (PH-10067) リスト:ダンテ交響曲/スクリャービン:交響曲第4番「法悦の詩」他[hrso./他] ・CD3 (PH-07009) ショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」[SWR/1993年] ・CD4 (PH-11026) ドヴォルジャーク:交響曲第8番/リスト:交響詩「理想」[ギュルツェニヒo./1979年] ・CD5 (PH-09043) ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調[ギュルツェニヒo./1979年] ・CD6 (PH-08040) フランク:交響詩「プシシェ」/シベリウス:交響曲第2番[ギュルツェニヒo./1978年] ・CD7(初発売) グラズノフ: 交響曲第5番 変ロ長調 Op.55 /交響詩「ステンカ・ラージン」 Op.13 [バイエルン放送so./1997年4月、バイエルン放送ゼンデザール、放送用セッション] ・CD8(初発売) チャイコフスキー:組曲第3番 ト長調 Op.55 [1997年4月3日-4日、ガスタイク] グリンカ:「ルスランとリュドミラ」序曲[1981年1月22日、ヘラクレスザール] [バイエルン放送so./共にライヴ] 以上、ユーリー・アーロノヴィチ指揮 | |||
2012年は、ロシア出身の名指揮者ユーリー・アーロノヴィチ(1932-2002)の生誕80年と歿後10年のアニヴァーサリーにあたった。それを記念してProfilレーベルの音源をまとめたお買い得セットの登場。アーロノヴィチは生前さほど騒がれなかったものの、残された「爆演」録音が昨今評判となり、熱心な追っかけが激増中。ラフリンとザンデルリングに師事した典型的ソ連指揮者で、精力的なアレグロやオーケストラの全合奏でのエネルギッシュさが持ち味だが、同時にゆっくりした楽曲での緊張感の持続と求心力の凄さなど、生きていれば間違いなく巨匠指揮者として人気が出たはず。当セット全8枚中6枚は既発で、いずれもアーロノヴィチ節全開の快演。特筆すべきは初出となるCD7とCD8の2枚。注目はバイエルン放送so.とのグラズノフの交響曲第5番。これまでアーロノヴィチのグラズノフ録音はひとつも無かったが、驚愕の名演。活気と充実感に満ちながらも決して爆演ではなく、グラズノフの夢あふれる世界が柔らかく描かれる。重心の低さはロシア的だが、ムラヴィンスキーやロジェストヴェンスキー盤に優るとも劣らぬ充実度。セッション録音で、音の良さも光る。チャイコフスキーの組曲第3番は、総演奏時間40分の大曲で壮年期の作ながら、ポピュラーとは言えない。しかしこのバイエルン放送so.との演奏で聴くと、何と魅力的な作品かと認識を新たにしてくれる。チャイコフスキー独特の色彩感、ロシア的な空気感まで見事に再現され、盛り上げ方の巧さもアーロノヴィチの真骨頂。こちらはライヴ録音で、聴衆の熱い興奮が伝わる。最後に置かれたグリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲は期待通りのスピード感あふれるアーロノヴィチ節。それでありながら均整を崩さぬ統率力は驚き。昨今のロシア系指揮者がかすんでしまうオーラに満ちた宝箱、超オススメ。 なお、ディスク7と8の分売時期については未定となっている。 | |||
ギュンター・ヴァント〜ハンブルク NDR so.ライヴ集成 ブルックナー:交響曲 〔第4番 変ホ長調「ロマンティック」WAB 104(1878/80年稿) [録音:1996年10月11日-13日、ブルックナー歿後100周年記念演奏会]/ 第5番 変ロ長調 WAB 105(原典版)[録音:1995年10月8日-10日、NDR響創設50周年記念コンサート]〕 ムソルグスキー/ラヴェル編曲:組曲「展覧会の絵」[録音:1982年9月20日](*) ブラームス:交響曲全集 〔第1番 ハ短調 Op.68 /第3番 ヘ長調 Op.90[録音:1990年2月14日、フィルハーモニー、ケルン]/ 第4番 ホ短調 Op.98[録音:1990年12月17日]/第2番 ニ長調 Op.73[録音:1992年11月29日-12月1日]〕 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23[ホルヘ・ボレット(P)/録音:1985年1月14日](*) 以上、ギュンター・ヴァント指揮 | |||
録音:特記以外 ムジークハレ(現ライスハレ)、ハンブルク、全てライヴ。収録: NDR。(*)の2曲のみ PH-09029 で既出だが、残りは PROFIL レーベルからは初発売となる演奏。ベルリン・ドイツ響ライヴ集成第2集に続く、国内代理店提案によるヴァント生誕100年&歿後10年のダブル・アニヴァーサリー企画第2弾。NDRso.との録音はすべてBMGリリースとは一切重複なしの未発売の内容。音質もNDR提供のオリジナルマスターによりCD化されている。BMG録音とは傾向が異なり、すっきりとクリアな音質に特徴がある。このボックスに収められた1980年代半ばから1996年までは、多くのヴァント好きのあいだで絶頂期と評される時期であり、わけてもブラームスの交響曲全集(DISC3-5)は、同オケとの1度目のセッション録音から、最晩年のライヴ録音のちょうど中間に位置するもので、ヴァントの体力、気力の充実ぶりといった要素が音楽にも表れ、さらには急上昇する人気にも後押しされ、たいへん迫力ある内容となっている。この白熱ぶりは尋常ではない。NDR創立50周年のブルックナーの第5番における雄大なスケール、さらに注目されるのが「ロマンティック」で、この直後ヴァントは病に倒れ、1997年には脳卒中の発作に襲われ、復帰後、その音楽は最晩年の様式へと入って行く。 | |||
ギュンター・ヴァント〜ハンブルク NDR so.ライヴ集成 Vol.2 〜初出あり ブルックナー:交響曲集〔第3番 ニ短調 WAB.103(1889年、ノヴァーク第3稿)[1985年12月23日] (*) / 第7番 ホ長調 WAB.107(1885年、ハース原典版)[1999年4月18日-21日] / 第8番 ハ短調 WAB.108(1884-90年、ハース版)[2000年4月30日-5月3日] / 第9番 ニ短調 WAB.109(原典版)[1998年4月5日-7日] 〕 モーツァルト:セレナード第9番 ニ長調 KV320「ポストホルン」[1989年4月3日] (#) ハイドン:オーボエ協奏曲 ハ長調 Hob.XII G: C1 [パウルス・ヴァン・デア・メルヴェ(Ob)/1992年1月12日-14日](+) シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54 [ゲルハルト・オピッツ(P)/1983年3月3日〔既出盤では1983年3月21日〕](**) モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 KV550[2000年1月29日〔既出盤では1990年12月17日〕](**) ギュンター・ヴァント指揮ハンブルク NDR so. | |||
録音:[内]、すべて ハンブルク、ムジークハレ〔現・ライスハレ〕、ライヴ、ディジタル。収録: NDR /リマスタリング:マルティン・ハンゼン。(*)は日付だけ見れば初出音源だが、以前、SARDANA 等から 1985年12月22日 の演奏が発売されていた(22日の演奏も入手不能)。(#/+)は EN LARMES から ELS-03-329 (#) & ELS-02-287 (+) で CD-R が出ていた物。おそらく以上はマスターからの初復刻だが、他は PROFIL から既出。代理店が『このたびももちろん、ブルックナーを含む収録曲すべてが、BMGリリースとは一切重複なしの未発売の内容で、』としているのは誤り。ところが(**)において、上記の通り既出盤とは録音年月日が異なっているにもかかわらず、代理店は『なお、モーツァルトの交響曲第40番と、オピッツ独奏のシューマンの協奏曲は、先行単発リリース済みのもの(PH-13030)と同一の内容になります。』としており、訳がわからない(PH-13030のリマスタリング担当はホルガー・ジートラーだったので、代理店アナウンスが正しければこの点でも異なっている事になる)。本体表記等も混乱が予想されるので、あらかじめご了承下さい。以下、代理店のアナウンスを上記記載分を除きそのまま掲載。『巨匠ギュンター・ヴァントが手兵ハンブルク北ドイツ放送交響楽団を指揮したコンサートの模様をライヴ収録したセットの第2弾。ここではヴァントの代名詞ともいうべきブルックナーの交響曲が、CD全7枚のうち5枚分、1985年の第3番、1999年の第7番、2000年の第8番、1998年の第9番の4曲も収められており、ヴァントがもっとも信頼を寄せていた楽団との顔合わせでたっぷりと楽しめるのはなによりの魅力といえるでしょう。ハンブルク北ドイツ放送響と合唱団のインテンダントで、NDRの音楽部長も務める「ヴァントの杖」こと、ロルフ・ベックが監修にあたっており、NDR提供のオリジナルマスターによりCD化されているため、音質面も万全の仕上がりとなっています。』 | |||
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲〔第1番 ハ短調 Op.8 /第2番 ホ短調 Op.67 〕 ヴァスクス:エピソードと終わりなき歌(1985) ブーランジェ・トリオ [カーラ・ハルテンヴァンガー(P) ビルギト・エルツ(Vn) イローナ・キント(Vc)] | |||
ナディア&リリー・ブーランジェ姉妹の名を冠して2006年に結成、2007年ノルウェーの第4回トロンハイム国際室内楽コンクール優勝、2008年にはラウヘ賞を授与された実力派女性ピアノ三重奏団ブーランジェ・トリオ。彼女たちの新録音はショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲。彼17歳の若書きの第1番も収録されているのが魅力。現代音楽を得意とするブーランジェ・トリオならではの、初期ショスタコーヴィチの先進性が表れていて新鮮。さらに魅力なのが現代ラトヴィアの作曲家ペテリス・ヴァスクスの「エピソードと終わりなき歌」。メシアン追悼で作曲され、旧ソ連時代のバルト三国独特な前衛性にあふれているが、終曲にヴァスクス独特の静かな祈りが聴かれ感動的。ブーランジェ・トリオが才気煥発な力演を聴かせてくれる。 | |||
バックハウス、レア音源集〜協奏曲、ピアノロール、SP録音珍品 モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番 ニ長調「戴冠式」K.537[フリッツ・ツァウン指揮ベルリン市立o./1940年] モーツァルト/バックハウス編曲:ドン・ジョヴァンニのセレナード[1923年R] R.シュトラウス/バックハウス編曲:セレナードOp.17 No.2[1924年R] ピック=マンジャガッリ:オラフの踊り Op.33 No.2[1923年R] ショパン/バックハウス編曲:ピアノ協奏曲第1番〜ロマンツェ[1925年R] クライスラー/ラフマニノフ編曲:愛の悲しみ[1926年R] ドリーブ/ドホナーニ編曲:ナイラ・ワルツ[1923年R] リスト:演奏会用練習曲「軽やかさ」[1928年R] メンデルスゾーン/リスト編曲:結婚行進曲によるパラフレーズ[1926年R] ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲Op.35より[1924年R] ラフマニノフ:前奏曲 嬰ハ短調 Op.3 No.2 / リスト:愛の夢第3番 ウェーバー:ピアノ・ソナタ第1番〜無窮動 / ショパン:幻想即興曲 Op.66[1908年9月] リスト:ハンガリー狂詩曲第2番 嬰ハ短調[1928年1月] ドリーブ/ドホナーニ編曲:ナイラ・ワルツ[1925年11月] シューベルト/バックハウス編曲:軍隊行進曲 変ホ長調 Op.51 No.1 アルベニス:イベリア〜トゥリアーナ / モシュコフスキ:スペイン奇想曲 Op.37[1928年1月] ショパン:子守歌 Op.57 / メンデルスゾーン/ハッチソン編曲:真夏の夜の夢〜スケルツォ[1925年] リスト:演奏会用練習曲「森のささやき」[1925年11月] / ショパン:小犬のワルツOp.64 No.1[1926年] ブラームス:自作主題による変奏曲 Op.21 No.1[1935年12月] ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲 Op.35[1925年?] ヴィルヘルム・バックハウス(P) | |||
録音:[内]、ピアノ・ロールR。なお 後半のSP録音の内 1925年までの物は、PEARL から GEM-0102 (廃盤)で CD 化されていたと思われるが、前出盤が廃盤のため、2012年現在では貴重なCD。ヴィルヘルム・バックハウスといえば、純ドイツ・ピアニズムの王者で、ベートーヴェンやブラームスをゆるぎなき構築力と深みで再現した「鍵盤の獅子王」。彼のベートーヴェンのピアノ・ソナタ録音は、今日でもベスト演奏とされることの多い決定盤。そのバックハウスの最初期にあたる1908年9月の録音をはじめ、貴重な音源を集めた大歓迎企画盤。バックハウスは意外にも、若い頃は非独墺作品も好んで弾き、技巧的なサロン音楽も得意としていた。実際、ゴドフスキやラフマニノフのように派手なトランスクリプションもいくつか残していて、それらを自演で聴くことができるのも存外の喜び。「ドン・ジョヴァンニのセレナード」は、マンドリン伴奏で歌われる名歌だが、バックハウスの編曲は装飾音の洪水に目が眩むほど。後のバックハウスが弾くことのなかったショパンのピアノ協奏曲第1番、第2楽章ロマンツァの編曲も凝っている。この曲にはバラキレフによる編曲もあるが、原曲に忠実な(物凄く難しい)バラキレフ版に比べ、バックハウス編曲はさらに音を加え、より華麗かつ難しくしている。これが清潔な名演でピアノロールとは言え、バックハウスのショパンの協奏曲を味わえるとは奇跡。さらにラフマニノフ編曲のクライスラーやドホナーニ編曲のドリーブのバレエ音楽でのヴィルトゥオーゾぶりなど、バックハウスの印象が大きく変わること間違いない。アコースティック録音も貴重。ショパンの「小犬のワルツ」は指鳴らし的なイントロを付け、驚くほど軽やかで快速な個性的演奏。1908年当時最新作だったラフマニノフの有名な前奏曲もラフマニノフの自作自演とは全く異なるアプローチが興味津々なうえ、アルベニスの「イベリア」の難曲「トゥリアーナ」、モシュコフスキの演奏効果抜群の「スペイン奇想曲」といった作品をバックハウスの演奏で楽しめるのもピアノ・ファン狂喜。池田理代子の名作「オルフェウスの窓」で描かれていた頃のバックハウスで、切れ味鋭い恐るべき技巧の持ち主だったことを教えてくれる。しかし語り口はバックハウス節炸裂で、モシュコフスキの「スペイン奇想曲」などスケールの大きさは驚きながら、ヨゼフ・ホフマンの奔放自在な魔術的演奏とは別の作品とみまごう、拍を性格にきざんだ伸び縮みのない端正さ。ドイツ・ピアニズム極まれりという貴重な記録。 | |||
ヴァルター・ブラウンフェルス(1882-1954):弦楽五重奏曲 嬰ヘ短調 Op.63 R.シュトラウス/ルドルフ・レオポルド編曲:メタモルフォーゼン(7つの独奏弦楽奏版) グリンゴルツSQ [イリヤ・グリンゴルツ、アナヒット・クルティキャン(Vn) シルヴィア・シモネスク(Va) クラウディウス・ヘルマン(Vc)] ダリウス・ミゼラ(Cb) リシャルド・グロブレフスキ(Va) ダヴィド・ゲリンガス(Vc) | |||
録音:2012年1月28日-30日、ラジオ・スタジオ、チューリヒ。若き巨匠イリヤ・グリンゴルツ率いるグリンゴルツ・クァルテットによる、ブラウンフェルスの弦楽五重奏とR.シュトラウス:メタモルフォーゼンの弦楽七重奏編曲版。両曲は第二次世界大戦終戦の1945年に作曲された。ヴァルター・ブラウンフェルスはドイツ、フランクフルト生まれの作曲家で父親は文学者・翻訳家として名高く、母親はあのシュポアの兄弟の孫娘。ウィーンでレシェティツキーにピアノを学び、その後、ミュンヘンでトゥイレとモットルに師事した。この弦楽五重奏曲 嬰ヘ短調 Op.63は当初弦楽四重奏曲として書き始めたが、作曲が進むにつれ音の厚みや表現の豊かさを求めるようになり最終的に弦楽五重奏の形になった。全4楽章の構成で、悲哀に満ちた旋律と透き通るような響きが印象的。一方、R.シュトラウスのメタモルフォーゼンは23の独奏弦楽器のために書かれたが、ここではルドルフ・レオポルドによる編曲で7つの独奏弦楽奏版を披露している。グリンゴルツ・クァルテットの共演陣も秀逸で、Profilレーベルからもリリースしているチェロのダヴィド・ゲリンガスやクリスティアン・ツィメルマンとの共演でも名高いヴィオラのリシャルド・グロブレフスキと言った実力派の演奏家の好サポートを得ており、原曲の雰囲気を存分に示した素晴らしい演奏を聴かせてくれる。イリヤ・グリンゴルツは弱冠16歳のときにパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝して一躍世界的に有名になった。その後、パガニーニの協奏曲第1番でCDデビュー(BIS-999)し、イザイのバラード等をおさめた無伴奏ヴァイオリン曲集(BIS-1051)などBISレーベルより4タイトルを発売し、その全てが高い評価を得た。レパートリーはバロックから現代までと非常に幅広く、若手を代表するヴァイオリニストとして世界各地で演奏している。近年は特に室内楽に力を入れ、グリンゴルツ・クァルテットとして積極的な演奏活動、録音を行っている。 | |||
ヴァント& NDR 〜オルフ(1895-1982):カンタータ「カルミナ・ブラーナ」
マリア・ヴェヌーティ(S) ウルフ・ケンクリーズ(T) ぺーター・ビンダー(Br) ギュンター・ヴァント指揮 NDR so.& cho.、ハノーファー国立劇場cho.、ハンブルク少年cho. | |||
録音:1984年5月14日、ムジークハレ、ハンブルク、ステレオ。 旧品番:PH-05005〔廃盤〕。前出時がマスターからの初 CD だった物。# なお、付属ブックレットは曲目トラック記載のみで、解説および歌詞などは掲載されておりません。あらかじめご了承下さい。あまりの立派な演奏ぶりにくぎ付け。明確なリズムが堂々たる格調をかもしだし、合唱の弱音部も精妙さの極み。第1部のダンスの低声部の重厚さは北ドイツ放響ならではで、バリトンのビンダーもフィッシャー=ディースカウばりの熱唱。曲が進むにつれ興奮させられる。ヨッフム盤とならぶドイツ本流のオルフ。充実感あふれる大演奏。 | |||
スッペ:レクィエム ニ短調
マリー・ファイトヴァー(S) フランツィスカ・ゴットヴァルト(A) トミスラフ・ムジェク(T) アルベルト・ペーゼンドルファー(B) アンドレアス・ヘルマン合唱指揮ミュンヘン・フィルハーモニーcho. ゲルト・シャラー指揮フィルハーモニー・フェスティヴァ | |||
録音:2012年7月、大修道院附属教会、エーブラハ、ライヴ。バイエルン放送との共同制作。オペレッタ作曲家としてウィーンで初の成功を収めたスッペは、宗教曲にも格別の関心を示し、最晩年にはもっぱらこのジャンルのみを手掛けていたり、そもそも13歳の時に書いた「ダルマツィアのミサ曲」は高く評価され続け、改訂後に出版されたりもしている。「宗教音楽家」スッペの顔を象徴する傑作がこの「レクィエム」であり、録音点数も少なくないが、ここであらたに名乗りをあげるシャラー率いるフィルハーモニー・フェスティヴァは、キャラガン校訂版のブルックナー・シリーズで衝撃を与えたコンビだけに期待も高まるところ。ミュンヘン・フィル合唱団は110年の歴史を誇る名門で、2009年に同じシャラー指揮によるゴルトマルクの「メルリン」演奏会形式の上演(PH-09044)でもすぐれた演奏内容を聴かせていた。ラテン語歌唱、ブックレットにはラテン語・ドイツ語・英語歌詞併記。 | |||
「未完成」4楽章版入り〜シューベルト:交響曲集 〔第7番 ロ短調 D759「未完成」(4楽章版 / 第3楽章スケルツォ:ウィリアム・キャラガン補筆完成&オーケストレーション/ 第4楽章フィナーレ:「ロザムンデ」間奏曲第1番を使用)(*) / 第9番 ハ長調 D944「グレート」(#)〕 ゲルト・シャラー指揮フィルハーモニー・フェスティヴァ | |||
録音:2011年10月30日(*) /2011年6月5日(#)、マックス・リットマン・ザール、レゲンテンバウ、バート・キッシンゲン、ライヴ。ウィリアム・キャラガン校訂譜を使用したブルックナー・シリーズで好評を博したシャラー率いるフィルハーモニー・フェスティヴァの次なる取り組みはシューベルト。このたびの目玉はずばり、4楽章完成版による「未完成」。第3楽章のスケルツォをウィリアム・キャラガンがブルックナーと同様にここでも補筆完成とオーケストレーションを施しており、フィナーレにはシューベルトの「ロザムンデ」間奏曲第1番を流用している。「未完成」完成版の試みはこれまでにも存在したが、ブルックナーで実績を示したキャラガン版による初録音ということで、おおいに期待が高まる。さらに、カップリングの「グレート」も反復実行の情報は不明ながら、全曲で49分を切る快速演奏となっており、清新なアプローチと目の詰んだアンサンブルとが聴きものとなっている。 | |||
プッチーニ:歌劇「外套」(ドイツ語歌唱)
クルト・レーム(Br;ミケーレ) イルムガルト・アルノルト(S;ジョルジェッタ) ヘルミン・エッサー(T;ルイージ) ハラルト・ノイキルヒ(T;イル・ティンカ) ライナー・ジュス(B;イル・タルパ) ゲルトラウト・プレウツラフ(Ms;ラ・フルゴラ)他 ロルフ・クライネルト指揮ベルリン放送so. | |||
録音:1960年2月16日、19日、ベルリン。録音当時、クライネルトはアーベントロートの後任としてベルリン放送so.の首席指揮者に就任したばかり。とはいえ、1957年のイタリア・ツアー、1959年のイギリス・ツアーを成功に導き、このオーケストラと厚き信頼を築きあげた時期の録音でもある。クライネルトの下でさらなる発展を見せる力強いベルリン放送so.の演奏と共に、1960年代のドイツ・オペラ界に活躍する歌手たちによる熱演をたっぷりと堪能できるアルバム。全く題材の異なる3作の1幕オペラからなる「三部作」の中でも、ドラマティックかつショッキングな悲劇的展開が大きな魅力の本作。パリのセーヌ川で貨物船を仕切る船長ミケーレが若き妻ジョルジェッタをめぐって船乗りの青年ルイージと争い、嫉妬から殺してしまうまでを、全1幕で一気に描ききる。劇中盤では愛を語らうイルムガルト・アルノルト(S;ジョルジェッタ役)とヘルミン・エッサー(T;ルイージ役)の甘美な二重唱に舌鼓を打つ一方、終盤にかけて怒りと嫉妬で豹変していく船長ミケーレを演じるクルト・レーム迫真の歌唱に圧倒される。リームは本録音の前年、1959年にケーゲル&ライプツィヒ放送so.の「カルミナ・ブラーナ」でも極上の歌声を披露しているが、かの名演でも魅せた迫真の歌声を本録音でも存分に披露している。 | |||
カルロス・クライバー 1962年録音集、一部初出〜オッフェンバック: 喜歌劇「魔法の横笛〔小さな魔笛〕」 [カール・ディークマン(T;ムシュー) ガブリエル・トレスコフ(S;マダム) エヴァ・カスパー(S;女中) アルフォンス・ホルテ(T;兵士)] 喜歌劇「ランタン灯りでの結婚式〔結婚提灯〕」(1857) (#) [アルフォンス・ホルテ(T;ピエール) エヴァ・カスパー(S;ドニ) ディータ・ゾンマー(S;ファンシェット) エリカ・ヴィエン(Ms;カトリーヌ)] 喜歌劇「チュリパタン島」(1868) (*) [ザンダース・シアー(Br;カカトワ22世) エヴァ・カスパー(S;アレクシー) フリッツ・オレンドルフ(Br;ロンボイダール) アンニ・ケルナー(Ms;テオドリーヌ) エルモーザアルフォンス・ホルテ(T)] カルロス・クライバー指揮デュッセルドルフ・ライン・ドイツ歌劇場o. | |||
録音:1962年12月1日、ライン・ドイツ歌劇場、デュッセルドルフ、ライヴ(テレビ放送日:1963年7月14日)。(*)は初出音源、(#)は冒頭数小節が欠けていたが、今回、同演奏の新発見別音源で修復されている。これらはオリジナルの録音が1980年代初頭に破棄され、個人がエアチェックした物しか残っていないが、今回2種目が発見され、2001年に初出となった GOLDEN MELODRAM 盤 (GM-4.0051) 〔上記初出表示部分以外を収録〕で使用されたソースも参照し、状態の良い部分を併せて復刻されたとの事。詳細は、以下に国内代理店のアナウンスの内該当部分をそのまま掲載しているので、そちらをご覧頂きたい。『「チュリパタン島」は録音に失敗したゆえ収録されていませんでしたが、何とすべてが完全な形で残っていました。アレクサンダー・ヴェルナーの解説によると、コンサートは1963年7月14日にテレビ放送されますが、1980年代初頭に素材が廃棄されたため、オリジナル・マスターは失われたとされていました。しかし2人の音楽愛好家が放送をエアチェックしており、うち1つがゴールデン・メロドラムの音源となりますが、2曲目以降テープレコーダーの不調で上述のような結果となっていました。今回、もうひとりの愛好家を探し出したところ、存在しないと思われた「チュリパタン島」を含む唯一の完全な音源が残っていました。両素材を注意深く検討し、良い所どりの編集を施した音源が復元されました。』とのこと。デュッセルドルフ時代のクライバーの記録は極めて貴重なうえ、同オペラのデビュー初日といういとも貴き逸品。非常な活気と霊感あふれた演奏と、すでにクライバーならではの個性全開で、最初の音からクライバー・ワールドへ引き込まれる。「シャンゼリゼのモーツァルト」と称されたオッフェンバックの機知と流麗さはまさにクライバー向き。広く知られたレパートリーでないものの、クライバーの演奏で聴くと音楽的魅力と水準の高さに感動する。「ランタン灯りでの結婚式」はフランスの農村を舞台に、イケメンの農夫をめぐる二人の未亡人が滑稽に描かれる。「チュリパタン島」は痰壺発明前476年(?)の架空の国を舞台に、女の男性化、男の女性化を風刺的に描いた斬新な作品。いずれも当時大ヒットしたのがうなずける魅力にあふれている。 | |||
オルフ:歌劇「僭主オイディプス」
ヘルムート・メルヒェルト(T;オイディプス) マルタ・メードル(S;イオカステー) パウル・クーエン(T) ゲルト・フェルトホフ、ホルスト・ギュンター(Br) ヴィンフリート・ツィリヒ指揮北ドイツ放送cho.&so. | |||
録音:1961年10月4日-6日。「僭主オイディプス」は、1959年に初演されたオルフの悲劇。「アンティゴネ」、「プロメテウス」と共に三部作をなし、ギリシャ悲劇を題材とする傑作シリーズの第2作に位置づけられる作品。サヴァリッシュ&バイエルン放送so.の「アンティゴネ」(PH-09066)に引き続く今回は、ヴィンフリード・ツィリッヒ&北ドイツ放送so.の1961年録音が登場する。三部作を通して打楽器を中心に据えたオーケストレーションが特徴のギリシャ悲劇三部作。本作でも太鼓やドラ、シンバルなど多様なパーカッションが印象的に用いられ、独特の緊迫感に張り詰める熱演を見せている。録音当時はシュミット=イッセルシュタットと蜜月関係にあった北ドイツ放送so.の演奏もさることながら、歌手陣の豪華な顔ぶれにも注目。主人公オイディプスを演じるのはヘルムート・メルヒェルト。R.シュトラウスやシェーンベルクといった近現代ものを得意とする名テノールで、クラウスやヴァントとの共演を次々と果たした後となる本録音でも、絶頂期の歌声を聴くことが出来る。サヴァリッシュの「アンティゴネ」のアンティゴネ役でも素晴らしい独唱を見せたマルタ・メードルは、今回も絶美の歌唱を披露!陶酔と苦悩に揺れるイオカステーを熱演している。その他にも、パウル・クーエン、ゲルト・フェルトホフ、ホルスト・ギュンターら、当時のオペラ界の第一線で活躍していた名手たちによる万全の布陣が組まれている。 | |||
ゼンパーオーパー・ガラコンサート〜シュターツカペレ・ドレスデン モーツァルト:交響曲第38番 ニ長調 KV.504「プラハ」〜第1楽章[ハイティンク指揮/2002年] レーガー:モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ Op.132〜[主題/第1変奏/第2変奏][ブロムシュテット指揮/1990年] シューベルト:交響曲第8番 ロ短調 D759「未完成」〜第2楽章[コリン・デイヴィス指揮/1992年] ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125「合唱」〜第4楽章[ブロムシュテット指揮/1985年] メンデルスゾーン:交響曲第3番 イ短調 Op.56「スコットランド」〜第2楽章[コリン・デイヴィス指揮/1997年] ベルリオーズ:序曲「リア王」 Op.4[コリン・デイヴィス指揮/1997年] チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲〜第2楽章/ブラームス:ヴァイオリン協奏曲〜第3楽章 [ダヴィド・オイストラフ(Vn) コンヴィチュニー指揮/1954年] シューベルト:交響曲第9番 ハ長調 D944「グレイト」〜第3楽章[コリン・デイヴィス指揮/1996年] ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 WAB.108〜第2楽章[ティーレマン指揮/2009年] マーラー:交響曲第9番 ニ長調〜第3楽章[ジュゼッペ・シノーポリ指揮/1997年] | |||
既出盤からのコンピレーション。ブックレットは各曲のトラックリストおよび演奏家のみ記載。 | |||
詩に触発されたピアノ音楽 リスト:ペトラルカのソネット〔第47番/第104番/第123番〕 / ブラームス:バラード Op.10 シューマン:ピアノ・ソナタ第2番 ト短調 Op.22 /「子供の情景」〜詩人のお話 ダーフィト・テオドーア・シュミット(P) | |||
録音:2011年9月、大ゼンデザール、SWRハノーファー。ロマン派音楽の最大の特徴は、文学的な要素を全面的に採り入れていること。そこに視点を据えたコンセプトによるアルバムだが、作曲家ごとに文学の扱い方の違いが興味深い限り。リストの作品は中世イタリアの詩人フランチェスコ・ペトラルカの詩による1838-39年作曲の歌曲をピアノ用に改作したもので、言葉を用いずともピアノだけで内容を見事に描写している。ブラームスの「バラード」は21歳のブラームスによる初期作品。ヘルター編纂によるスコットランドの民族詩「エドワード」から霊感を得ていて、父親殺しの秘密を母と息子が対話する恐ろしい内容。シューマンはロマン派作曲家中、最も文学的な香りのする音楽を創作している。ピアノ・ソナタ第2番は特定の文学作品に基づいてはいないが、第2楽章に1828年の自作歌曲「秋に」(ケルナー詩)のメロディーが用いられている。ダーフィト・テオドーア・シュミットは1982年生まれのドイツの俊英。ロンドン王立音楽大学でケヴィン・ケナーに師事、リスト作品での腕の冴えはもちろんだが、内証的な音楽性も魅力。 | |||
シューマン夫妻の音楽 ローベルト・シューマン:ピアノ・ソナタ第1番 嬰ヘ短調 Op.11 クララ・シューマン:夜曲 Op.6 No.2 /幽霊のバレエ Op.5 No.4 ローベルト・シューマン:ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 Op.14 クセニヤ・ノーシコワ(P) | |||
録音:2011年6月、セイジ・オザワ・ホール、タングルウッド。レーラ・アウエルバッハのピアノ曲集(PH-07064)やクレメンティのピアノ協奏曲(PH-09028)の名演で注目されたノーシコワ。今回はシューマン夫妻の作品に挑戦している。内容は緻密に計算されていて、シューマンのピアノ・ソナタ第1番の第1楽章の主題がクララの「幽霊のバレエ」からの借用であること、ピアノ・ソナタ第3番の第3楽章もクララの主題による変奏曲であるなど、シューマン作品がごく初期からクララなしでは成立しえなかったことを証明してくれる。クララの「幽霊のバレエ」の後、シューマンのピアノ・ソナタ第1番が続くのをお聴きになれば、すべての方が感心するはず。シューマン初期のピアノ・ソナタ第1番と第3番は、内容もさることながら技術的に極めて至難だが、ノーシコワは曖昧さの全くない堂々たる解釈で、作品の魅力を再認識させる。 | |||
ケンペ&ドレスデン 1951 〜ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
フェルディナント・フランツ(B−Br;ザックス) クルト・ベーメ(B;ポーグナー) ベルント・アルデンホフ(T;ヴァルター) ゲルハルト・ウンガー(T;ダヴィッド) ハインリヒ・プフランツェル(B;ベックメッサー) ティアナ・レムニッツ(S;エヴァ) ルドルフ・ケンペ指揮ドレスデン国立歌劇場o.&cho. | |||
録音:1951年5月2日-7日、ドレスデン、ライヴ。 既出LP: Urania, URLP 206 / VOX, OPBX 142 。 既出CD: MYTO, 4MCD-961.138 / Gebhardt, JGCD-0043〔全て廃盤、入手不能〕。代理店によるとマスターからの初復刻。ゼンパーオーパー・シリーズ Vol.6 。ケンペは1949年から1951年までドレスデン国立歌劇場の音楽監督を務めており、この時期にいくつか優れたオペラ全曲の放送用録音を残している。そのうちひとつ在任末期のマイスタージンガー上演は、フェルディナント・フランツやクルト・ベーメ、テオ・アダムら出演者の魅力もあいまって、伝説となっていた。まだ戦後6年、19世紀からの演奏者も数多く参加しており、独特の味わいに感動させられる。音質も向上。1951年という年としては鮮烈な響きが残っていて貴重。心にしみ入る美しさ。 | |||
チェロ変奏曲 マルティヌー:ロッシーニの主題による変奏曲 H290 / メンデルスゾーン:協奏的変奏曲 Op.17 ベートーヴェン:モーツァルト「魔笛」の「娘か女か」の主題による12の変奏曲 Op.66 マルティヌー:スロヴァキアの主題による変奏曲 H378 / ポッパー:小ロシアの歌による幻想曲 Op.43 ロッシーニ:涙 / パガニーニ:ロッシーニの「モーゼ」による幻想曲 Op.24 イシュトヴァーン・ヴァールダイ(Vc) ワルター・デラハント(P) | |||
録音:2012年9月29日-10月2日、2013年9月30日。1985年生まれのハンガリー・チェロ界のホープ、イシュトヴァーン・ヴァールダイ。ブダペストのリスト音楽学校でラースロ・メゼに師事した後、ウィーン国立音楽大学でラインハルト・ラツコに師事。ブダペストで行なわれたダヴィド・ポッパー国際コンクールに3度入賞、2007年のチャイコフスキー国際コンクールで3位入賞を果たしている。正確な技巧、おおらかで男性的な演奏が魅力。変奏曲ばかり集めた当アルバム、主題の「歌」にこだわった美しい演奏を堪能出来る。 | |||
ブラームス:ドイツ・レクイエム Op.45
クリスティアーネ・カルク(S) トーマス・E.バウアー(Br) ロルフ・ベック指揮 バーゼル室内o.、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン祝祭cho.(リューベック) | |||
録音:2012年7月28日-29日、ムジーク・ウント・コングレスハレ、リューベック、ライヴ。ブックレットにはドイツ語歌詞のみ掲載。1945年生まれ、1968年より合唱指揮者として40年以上のキャリアを築いてきたロルフ・ベックが、手兵シュレスヴィヒ=ホルシュタイン祝祭合唱団を指揮して、ブラームスの「ドイツ・レクィエム」を演奏。ヴィルヘルム・エーマンとヴォルフガング・ゲネンヴァインに師事し、フランクフルト・アン・マインの音楽大学ではヘルムート・リリングのクラスで指揮を学び、合唱指揮の最終課程を修めたのち、バンベルク交響合唱団の指揮者を20年以上に亘り務めたベックは、現在、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン祝祭アカデミー合唱団の創設者で芸術監督のポストにあり、バンベルクso.、シンフォニア・ヴァルソヴィアにもデビューを果たし、近年オーケストラ指揮者としての活躍にも目覚ましいものがある。ベックはまた、ギュンター・ヴァント時代、ハンブルクNDR響のインテンダントとして巨匠の信頼も厚かったことで熱心な日本のファンのあいだでもその名を知られていた。このたび登場する「ドイツ・レクィエム」は、2012年のシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭でのコンサートの模様をライヴ収録したもので、ベックとシュレスヴィヒ=ホルシュタイン祝祭合唱団はやはり、2010年の音楽祭期間中にライヴ収録されたフォーレのレクィエムほかを収めたアルバム(98-628)でも、美しいハーモニーを基調としたすぐれた内容を聴かせていたので、ここでの演奏にもおおいに期待が高まるところ。1984年にスイスのさまざまな音楽院の卒業生により結成されたバーゼル室内管(総勢54名)は、これまでにアントニーニとのベートーヴェン・シリーズをはじめ、ホグウッドやグッドウィンらとのレコーディングを通じておおきな話題を提供してきたことで知られており、フレッシュでみずみずしさが持ち味のアンサンブルと、大家ベックとの顔合わせもたのしみなところといえるだろう。ソリストについて。バイエルン州のフォイヒトヴァンゲンに生まれたクリスティアーネ・カルクは、2006年のザルツブルク音楽祭にデビューして以降、オペラ、コンサート、リートと多方面の活躍で、急速に注目を集めているドイツのソプラノ。幼少期にレーゲンスブルク大聖堂少年合唱団で基礎を積んだトーマス・E.バウアーは、シャイー、ハイティンク、アーノンクール、ヤーコプス、ガーディナー、ヘレヴェッヘ、インマゼール、ベルニウス、クリードらとの共演機会も多数で、巨匠たちの信頼も厚いドイツのバリトン。 | |||
モーツァルト ハ長調 幻想曲 ハ短調 K.475 / ピアノ・ソナタ第14番 ハ短調 K.457 / きらきら星変奏曲 K.265 / ピアノ・ソナタ第16番 ハ長調 K.545 |
塚本聖子(P) | ||
録音:2011年6月13日-15日、ファルテルモント、オンデア・デ・リンデン、オランダ。レコーディング・エンジニア:西脇義訓(N & F)。ドイツ在住ヨーロッパで活躍するピアニスト塚本聖子が、Profilから日本と世界同時デビューを果たす。プログラムは塚本聖子自身のこだわりで選んだモーツァルトのCの調性の作品を集めて収録。塚本聖子のモーツァルトは『真珠のように軽やかで、かつ高貴な音楽性と研ぎ澄まされた感覚の生き生きした素朴なモーツァルト!』とヨーロッパでも高い評価を受けている。2013年7月には新日本フィルハーモニーとクリスティアン・アルミンクとモーツァルトのピアノ協奏曲第26番を演奏する予定。アルミンクが塚本聖子の音源を聴いてオファーし共演することになった。今後注目されること間違いない実力を持つピアニスト。 塚本聖子プロフィール:フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に学び、1994年、審査員満場一致のプルミエ・プリを得て卒業。その後、同音楽院大学院、ハノーファー音楽大学ソリストコースにて研鑽を積む。エリザベート王妃国際音楽コンクールにてファイナリストほか、ダブリン国際ピアノコンクール、ウクライナのヴラディーミル・ホロヴィッツ記念国際ピアノコンクール、ジュネーヴ国際音楽コンクールなど、主要国際コンクールにて上位入賞している。紀尾井ホールや彩の国さいたま芸術劇場の“ピアニスト100 " シリーズをはじめ、ダブリンのナショナル・コンサートホール、テル・アヴィヴ・ミュージアム、ブリュッセルのモネ劇場、ハンガリーのリスト音楽院、北京音楽庁など、ヨーロッパ、アメリカ各地で演奏している。また、イェフディ・メニューイン指揮メニューイン・フェスティヴァルo.、イスラエル室内o.、フィルハーモニック・アンサンブル・ウィーン・“モーツァルティステン " などと共演するほか、ドイツのブラウンシュヴァイク、マイセン、ブラウンラーゲ、イタリアのグッビオ、ハンガリーのセゲド、ギリシャのナフプリオンなどの国際音楽祭に招待され、高く評価されている。1999年には、イスラエルの“モーツァルトとピアノ " シリーズにてイスラエル・カメラータと共演し、エルサレムポスト紙に絶賛された。近年は室内楽にも熱心に取り組み、ヴァイオリンのアンドレイ・ビエロフやクラリネットのシャーリー・ブリル、チェロのタニヤ・テツラフらと共演している。ドイツ在住。 | |||
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調(1888年異版/キャラガン校訂) オットー・キツラー父子:葬送音楽〜アントン・ブルックナーの思い出に (オーケストレーション復元:ゲルト・シャラー) ゲルト・シャラー指揮フィルハーモニー・フェスティヴァ | |||
録音:2012年7月、大修道院附属教会、エーブラハ、ライヴ。シャラー指揮フィルハーモニー・フェスティヴァによるブルックナーの交響曲シリーズは、第1番、第2番、第3番、第4番、第7番、第9番がリリース済みで、キャラガン校訂譜を採用していることでも注目を集めているが、あらたに登場する第8番もまた、キャラガンが校訂した1888年異版にもとづく演奏内容がおおいに話題を呼びそう。第8交響曲の「1888年異版」といえば、Dermot Gaultと川ア高伸の校訂によるアダージョ異版が、熱心なブルックナー好きのあいだでは知られている。これは、いわゆる第1稿と第2稿とのあいだの時期の1888年頃に書かれたと考えられていて、ウィーン国立図書館所蔵の筆写譜をもとにした物。アダージョ異版の録音には内藤彰の指揮で 東京ニュー・シティ・フィル演奏によるライヴ盤もあったが、このたびのシャラーの演奏ではアダージョ異版をそのまま使用しているほかにも、前半2楽章についても、オーストリア国立図書館収蔵のスコアに鉛筆書きで遺されていた数多くの細かい変更点も盛り込んでいるとのことなので、より徹底した「1888年異版」としてのユニークな仕上がりが期待されるところ。アルバムのフィルアップは、オットー・キツラー作曲の葬送音楽。ドレスデンに生まれ、リンツ大聖堂のオルガニストとリンツ劇場の楽長を務めたキツラー(1834-1915)は、ブルックナーが楽式論と管弦楽法を師事したことで知られる人物で、キツラーはまた「タンホイザー」リンツ初演を指揮して、ブルックナーがワーグナーに傾倒するきっかけを与えてもいる。現在ではキツラー父子の共作という扱いの葬送音楽は「アントン・ブルックナーの思い出に」という副題からもわかるように、自らよりも先に逝った弟子ブルックナーに捧げたとされるオーケストラ曲。ここでの演奏に際して、オリジナルの管弦楽版総譜とパート譜が一度も出版されず、1906年に出版されたピアノ・デュオ版のスコアより管弦楽版の復元がなされたが、後期ロマン派の様式を念頭に、ブルックナーの音楽語法に精通したシャラーが手掛けているのもおおいに気になるところ。フィルハーモニー・フェスティヴァは、ミュンヘンの主要なオーケストラ、すなわちミュンヘン・フィル、バイエルン放送so.、バイエルン州立歌劇場管のメンバーと首席奏者たちで構成されるオーケストラ。もともとはカール・リヒターが1953年に創設した世界的アンサンブル、ミュンヘン・バッハ管をその母体とし、偉大な伝統を振り返ることが可能だが、レパートリーを拡大し古典派とロマン派時代の傑作群を網羅しようとして、“フィルハーモニー・フェスティヴァ "の名称のもと、幅広い楽器編成で演奏をおこなっている。1965年バンベルクに生まれたゲルト・シャラーは、1993年にハノーファー州立歌劇場で指揮者としてのキャリアをスタートさせ、ほかにも1998年にブラウンシュヴァイク州立歌劇場、2003年から2006年までマグデブルク劇場の総音楽監督を務めている実績が示すように、劇場たたき上げのマエストロ。とりわけワーグナー、シュトラウス、ヴェルディのオペラを得意として評価も高く、そのいっぽうで、あたらしいレパートリーの開拓にも前向きなシャラーは、同じProfilよりリリースされたキャラガン校訂譜使用によるブルックナーの交響曲シリーズ、キャラガン校訂4楽章版によるシューベルトの「未完成」、ゴルトマルクの「メルリン」のレコーディングでも注目を集めている。 | |||
サラステ&WDR 〜ブラームス:交響曲集 〔第1番 ハ短調 Op.68 /第3番 ヘ長調 Op.90 〕 |
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 ケルンWDRso. | ||
録音:2013年1月23日-27日、フィルハーモニー、ケルン、ライヴ。マーラー、ストラヴィンスキー、シェーンベルクに続く、サラステ&ケルンWDR響シリーズ。当日はアルバムとは逆に、第3番のあと、休憩を挿んで第1番の順で演奏された。北欧作品のエキスパートとしてのイメージで語られることの多いサラステだが、実演では古典から近現代作品まで広範なレパートリーをカバーしており、ブラームスもサラステの得意とする作曲家のひとり。サラステがブラームスに力を入れていることは、演奏会記録からもうかがえる。比較的近いところでは、2009年にロンドン・フィルを指揮して第1交響曲を演奏して、その好評を受けて2011年にもロンドン・フィルに登場して第2交響曲を演奏していたし、2012年3月にかつて音楽監督を務めたトロント響に客演して第3交響曲を取り上げてもいた。なお、ケルンWDR響とは同じく2012/13年のシーズンの2012年10月に、当代屈指のブラームス弾きとして名高いブッフビンダーの独奏で、ピアノ協奏曲第1番を演奏、高い評価を獲得していたので、その良い流れを受けての演奏内容がここでも期待される。このように、サラステがブラームスに取り組んできた成果を確かめられるという意味で、このたびのアルバムの登場は、おおいに歓迎されるところといえるだろう。ケルンWDR響といえば、2002年から2004年にかけて前任のセミヨン・ビシュコフと交響曲全集を完成させているが、ここで2010/11年の首席指揮者就任より3期目を迎えて現在に至るサラステとの顔合わせでは、どのような演奏内容を聴かせてくれるのか興味の尽きないところでもある。 | |||
ギュンター・ヴァント・エディション シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54 (*) モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 KV.550 (#) |
ゲルハルト・オピッツ(P;*) ギュンター・ヴァント指揮 ハンブルク NDR so. | ||
録音:1983年3月21日(*)、1990年12月17日(#)、ムジークハレ〔現・ライスハレ〕、ハンブルク、ライヴ、ディジタル。(#)はおそらく初出音源。(*)はこの日付けでは初出だが、CD-R 使用の EN LARMES から年月日不詳のライヴが (ELS-01-49)、同様に SOUNDS SUPREME から 1983年8月21日とされるライヴが出ており(2S-111)、これらの演奏と同一ではないかと思われ、その場合はマスターからの初復刻。オピッツによるシューマンの協奏曲は近年もリリースされた (TUDOR, TUDOR-7181) が、これは1983年、30歳の時のライヴ。既に巨匠の風格を漂わせ、師のヴィルヘルム・ケンプに代表されるドイツ正統派の流れを受け継いだ演奏で、はったりのない技術でシューマンのロマン的な世界を表現している。ヴァントとの相性も抜群。今後オピッツの80年代の代表盤となるだろう。交響曲第40番はBMG (1994年) とは別演奏。これぞまさに「疾走する悲しみ」を具現化したかのような心に染みる演奏。ヴァントは実に多く40番を取り上げたが、音のクリアーさ、ゆるみのなさ、品格の高さでは最上の演奏と思われる。83年のシューマンも、90年のモーツァルトもムジークハレの豊か過ぎる残響が放送録音らしく適度におさえられ、クリアーなサウンドも魅力。近年リヒターもののリマスタリングなどで評価を上げつつあるジードラー氏の丁寧なマスタリングも聴き物。 | |||
コリン・デイヴィス&シュターツカペレ・ドレスデン・ライヴ BOX エルガー:交響曲第1番 変イ長調 Op.55[1998年] ベルリオーズ:序曲「リア王」 Op.4/「ベアトリスとベネディクト」序曲 Op.9[1997年] メンデルスゾーン:交響曲〔第3番 イ短調 Op.56「スコットランド」[1997年8月31日-9月2日]/ 第5番 ニ長調 Op.107「宗教改革」[1997年10月28日]〕 シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 Op.43[1988年9月22日]/交響詩「エン・サガ」 Op.9/ 交響詩「ルオンノタール」 Op.70[ウテ・ゼルビク(S)/2003年7月7日-8日] シューベルト:交響曲第8番 ロ短調 D759「未完成」 / ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 Op.90[1992年10月22日] ベルリオーズ:レクィエム(死者のための大ミサ曲) Op.5[キース・イカイア=パーディ(T) ドレスデン国立歌劇場cho.、ドレスデン交響cho.、ドレスデン・ジングアカデミー/1994年2月14日、聖十字架教会] コリン・デイヴィス指揮シュターツカペレ・ドレスデン | |||
録音:[/内]、特記以外 ゼンパーオーパー、全てドレスデン、ライヴ。PH-05040、PH-05048(流通在庫限り)、PH-05049(流通在庫限り)、PH-08043、PH-07014のセット化。仕様:6CD用ジュエル BOX(厚手2〜4枚用と同サイズ)とのこと(仕様に関して、この形態でのご提供を保証するものではありません)。英国の名指揮者コリン・デイヴィス(1927-2013)の追悼企画として、Profil の人気シリーズ「エディション・シュターツカペレ・ドレスデン」から、彼が指揮したライヴ中、特に評判の高かった5点分の内容をまとめたもの。エキスパートとして知られたシベリウス作品を筆頭に、当楽団とは交響曲全集録音も完成させているシューベルトなど、収録内容はすべて巨匠の得意としたレパートリーが並ぶが、ここでやはりデイヴィスの業績を語るうえで外せないものがエルガーとベルリオーズ。デイヴィスが指揮したエルガーの第1交響曲の録音はいくつか存在するが、これは破格の内容。デイヴィスの尋常ではないテンションの高さと、ドレスデンの深く濃い音色が重厚な音楽にみごとなまでにはまり、意を決して取り組んだエルガーの思いのたけを語り尽くして間然とするところがない。そして、ベルリオーズのレクィエムは、1994年に聖十字架教会で行われたドレスデン爆撃戦没者追悼演奏会のドキュメント。デイヴィスもまた真に特別な作品として位置づけ、ここでの演奏内容に大満足していた。なお、付属のブックレットにレクィエムの歌詞は掲載されていない。 | |||
カール・リヒター、ARCHIV 録音〜J.S.バッハ: ミサ曲 ロ短調 BWV 232 (*) /カンタータ第147番「心と口と行いと生活で」BWV147 (#) マリア・シュターダー(S;*) ウルズラ・ブッケル(S;#) ヘルタ・テッパー(A) エルンスト・ヘフリガー(T;*) ヨーン・ファン・ケステレン(T;#) ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(B;*) キート・エンゲン(B) カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハcho.、 ミュンヘン・バッハo.(*)、アンスバッハ・バッハ週間o.(#)、 | |||
録音:1961年2月&4月、ミュンヘン(*)、1961年7月、ハイルスブロン(#)、共に セッション、ステレオ。原盤: ARCHIV 。リマスタリング:ホルガー・ジードラー (ths studio) 。『ユーザーの方々より「大成功のリマスタリング!」「過去最高の出来ばえ!」との反響をいただいた「マタイ受難曲(PH-12008)」を受けて、同じくカール・リヒターが遺した不朽の名盤「1961年録音のミサ曲ロ短調」が2013年の最新マスタリングでProfilより登場します。リヒターによる「ロ短調ミサ」には、ほかにも1969年5月に東京文化会館で行われた来日公演時の実況録音盤に、その4カ月後の1969年9月、クロスター教会で収録された映像作品など、いくつものすぐれた演奏内容が存在しますが、いずれもリヒターのバッハ演奏特有の、そのあまりにも厳しく美しい佇まいに抗いがたい魅力が共通するなか、やはり最終的には、この1961年盤に行き着くところがあるようで、半世紀以上の時を経てなお、不滅の遺産として特別の輝きを放ち続けています。前作「マタイ受難曲」に引き続き、今回もリマスタリングをthsstudioのホルガー・ジードラー氏が担当しているので、仕上がりも万全のものと期待されます。ブックレットは独語によるトラックリストと独語歌詞のみの掲載となります。』(以上『内』、代理店記載ママ)。 | |||
クルト・ザンデルリング・エディション ブルックナー:交響曲第4番(1878-80年版)[ BRSO /1994年11月4日-5日、ヘラクレスザール、ミュンヘン、ライヴ] ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」[ケルン放送so./1985年10月、ライヴ] ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 イ短調 Op.102 [トーマス・ツェートマイアー(Vn)アントニオ・メネセス(Vc)ケルン放送so./録音:1985年10月、ライヴ] ・ボーナストラック ベートーヴェン:合唱幻想曲 Op.80 [スヴャトスラフ・リヒテル(P) モスクワ放送so./1952年、モスクワ(メロディア盤 LP からのトランスファー)] ブラームス:交響曲全集〔第1番−第4番〕/アルト・ラプソディ Op.53 (*) /ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a [アンネッテ・マルケルト(A;*) ベルリンso./1990年、ベルリン、イエス・キリスト教会/原盤: CAPRICCIO] ラフマニノフ:ピアノ協奏曲〔第1番 嬰ヘ短調 Op.1 (#) /第2番 ハ短調 Op.18 (+) 〕[スヴャトスラフ・リヒテル(P) モスクワ放送so.(#)、レニングラードpo.(+) /1955年(#)、1956年(+)、モスクワ、モノラル/原盤: MELODIYA ]/ 交響曲第1番 ニ短調 Op.13[レニングラードpo./1950年-1951年、モノラル/原盤: MELODIYA ]/ 交響曲第2番 ホ短調 Op.27[レニングラードpo./1956年5月、ベルリン、モノラル/原盤: DG ]/ 交響曲第3番 イ短調 Op.44[ NDR so./1994年5月8日-10日、ムジークハレ、ハンブルク、ライヴ] クルト・ザンデルリング指揮 | |||
ラフマニノフの交響曲第3番はおそらく初出音源。なお彼の同曲は、CD-R 仕様の DON INDUSTRIALE から、同オケとの1999年10月とされる演奏が発売されていた (DI-05-009A)。レコーディング・ディレクター(と代理店記載):ゲラルト・ゲッツェ。『★巨匠ザンデルリングが指揮した名演奏の数々を収めた注目のセットがProfilより登場します。CD11枚組のセットには、晩年の代表的名盤で、ベルリン響を指揮してセッション録音したブラームスの交響曲全集のほかに、バイエルン放送響とのブルックナーの「ロマンティック」、ケルン放送響を指揮したベートーヴェンの「田園」のライヴ演奏といったベストセラー・アイテムが含まれますが、なかでもラフマニノフを指揮したCD4枚分が見逃せない内容。★メロディア音源からのリヒテルとの協奏曲や、グラモフォン音源の第2交響曲といった、すでに名盤として知られる1950年代の演奏の数々(CD8〜10)は、マスター・テープからのコピーとおもわれる音源を使用しており、モノラルながら復刻状態はきわめて良好。この作曲家をおおいに得意としたザンデルリングの至芸を、聴きやすい音で楽しむことが可能です。★さらに、当セット1番の目玉といえるのが、1994年にザンデルリングが北ドイツ放送響を指揮した交響曲第3番のライヴ。この作品はザンデルリングのディスコグラフィにこれまでなかったもので、NDRアーカイヴのライヴ音源からの正規初CD化となります。やはりザンデルリングがフィルハーモニア管を指揮した第2番のセッション録音に通じる、巨匠晩年の様式がここでも特徴的で、演奏・録音いずれにおいても破格の内容。超弩級のスケールで展開される音楽は、一気にこの曲の演奏史を塗り替えるといっても言い過ぎには当たらないほどで、この1曲のためだけにでも当セットを入手する価値があると断言できます。★BOX仕様:紙製クラムシェル・タイプ。W129×H132×D30(ミリ)、重量250g。★ブックレットはトラック・リスト、録音データのみの記載となります。』 | |||
ギュンター・ヴァント〜放送録音集 1951-1992(既出音源 19点 20CDs の BOX 化)
ギュンター・ヴァント指揮ケルン・ギュルツェニヒo.、ケルン放送so.、北ドイツ放送so.、バイエルン放送so. | |||
PH-04053, PH-04057(廃盤), PH-04056, PH-04052, PH-05005, PH-05006(廃盤), PH-05007, PH-05041, PH-05042, PH-04058, PH-05043, PH-05045, PH-06001, PH-06002, PH-06005, PH-06004, PH-06003, PH-06006, PH-05044 のセット化。『付属のブックレットには、各ディスクの曲目トラック表およびヴァントの略歴(ドイツ語・英語)の記載のみで、歌詞などは掲載されておりません。予め御了解の上、お求めいただきますようお願い申し上げます。』とのこと。 | |||
ヤローミル・ヴァインベルゲル(1896-):歌劇「バグパイプ吹きのシュヴァンダ」
クリストフ・ポール(Br;シュヴァンダ) マージョリー・オウエンズ(S;ドロトカ) ラディスラフ・エルグル(T;バビンスキー) ティチナ・ヴォーン(Ms;女王) ティルマン・レンネベック(B;魔術師) ミヒャエル・エーダー(B;悪魔) シメオン・エスパー(T;裁判官/第1の傭兵/地獄の兵隊長)他 コンスタンンティン・トリンクス指揮シュターツカペレ・ドレスデン、ドレスデン国立歌劇場cho. | |||
録音:2012年3月、ドレスデン。 Profil のゼンパーオーパー・エディション、今回は新音源。2012年3月に新演出上演されたヴァインベルガーの愉快なオペラ「バグパイプ吹きシュヴァンダ」、しかもオリジナルのチェコ語上演。ヴァインベルゲル〔ヴァインベルガー〕は、プラハ生まれのチェコの作曲家。「バグパイプ吹きシュヴァンダ」は民話風のとても愉快な物語に、ボヘミア色豊かな旋律を近代的な響きで彩った音楽が付けられた非常に楽しいオペラ。1927年にプラハで初演されるや大成功を収め、1920年代末から1930年代にかけて各地で盛んに上演され、1931年にはメトロポリタン歌劇場でも上演されたほどだった。しかしユダヤ系のヴァインベルゲルは1939年にナチ政権を逃れて米国へ亡命、1967年に亡くなる。「シュヴァンダ」の上演も下火になるものの、ポルカとフーガは人気曲として度々取り上げられ、カラヤンも録音しているほど。またオペラそのものドイツ語圏でジワリジワリと人気を取り戻している。ドレスデン国立歌劇場では1930年に初演、さらに1950年にも取り上げられていたが、どちらもドイツ語訳上演。今回はオリジナルのチェコ語での初上演。これは大きな評判となり、2014年1月にも再演された。歌手はドレスデン国立歌劇場に所属する今伸び盛りの歌手が起用されている。タイトルロールのクリストフ・ポールは、1976年、ハノーファー生まれのバリトン。2005年からゼンパー・オーパーに所属し、非常に多くの役を歌ってバリバリに活躍している。シュヴァンダの妻ドロトカのマジョリー・オウエンズは米国、ヴァージニア州出身のソプラノ。彼女もゼンパー・オーパーに所属しており、近年はワーグナーやR.シュトラウスなどのドラマティックな役を手掛けて評判になっている。バビンスキーのラディスラフ・エルグルはチェコ出身の若いテノール。ドイツ語圏を中心に活躍しており、ことにウィーンで人気上昇中。女王のティチナ・ヴォーンは米国出身のメゾ・ソプラノ。1998年から2006年までシュトゥットガルト国立歌劇場に所属した後、現在はドレスデン国立歌劇場でドラマティックなメゾ・ソプラノとして大活躍している。指揮のコンスタンンティン・トリンクスは1975年、ドイツ、カールスルーエ生まれの指揮者。2009年から2012年までダルムシュタット国立劇場の音楽総監督を務めた実力のある指揮者。2013年1月には新国立劇場でワーグナー「タンホイザー」を指揮、さらに同年7月にはバイロイトで「恋愛禁制」を指揮している。次世代のドイツのオペラ界を担うであろう逸材。近代オペラとは言え物語も音楽も極めて分りやすいので、あらすじさえ押さえておけば楽に楽しめるオペラ。同じ1927年に初演されたコルンゴルトの「ヘリアーネの奇跡」ともども、ナチが勢力を拡大する直前の時期の旧オーストリア=ハンガリー帝国の音楽の最後の輝きが実感できることだろう。「バグパイプ吹きのシュヴァンダ」簡単なあらすじ:新婚の農家の夫婦シュヴァンダとドロトカの家に大泥棒バビンスキーが逃げて来る。ドロトカに惚れた彼はシュヴァンダを唆して冒険の旅へと出かける。二人は魔術師のせいっかり塞ぎこんでしまった女王の元へと向かう。シュヴァンダがバグパイプを吹いて陽気な音楽を奏でるや、魔法は解け、女王は晴れ晴れとした気持ちになる。喜んだ女王はシュヴァンダに結婚を申し込むが、そこにドロトカが現れて女王を非難するので、二人は捕らえられる。裁判で死刑を宣告されたものの、バビンスキーの助けでシュヴァンダが再びバグパイプを吹いて脱出に成功する。嫉妬の収まらないドロトカに対してシュヴァンダは、もし女王と少しでもキスしていたら地獄に落ちてもいいと慰めるが、実はキスしていたので即座に地獄に落ちてしまう。地獄では悪魔がシュヴァンダにバグパイプを吹くよう求めるが彼はそれを断る。地獄へ下りたバビンスキーは、悪魔を相手にいかさまでカード勝負に勝ち、シュヴァンダを解放する。シュヴァンダはバグパイプを吹き鳴らし、地獄中が陽気に踊り出す。地上に戻ったシュヴァンダをバビンスキーは騙してドロトカを諦めさせようとするが、シュヴァンダは妻と再会して二人は大喜び。彼女を盗めなかった大泥棒バビンスキーは残念がりながら去って行く。 |
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」
ヨハン・ボータ(T;ローエングリン) アドリアンヌ・ピエチョンカ(S;エリーザベト) ペトラ・ラング(Ms;オルトルート) クワンチュル・ユン(ハインリヒ王) ファルク・シュトゥルックマン(Br;フリードリヒ・フォン・テルラムント) アイケ・ヴィルム・シュルテ(Br;伝令) セミヨン・ビシュコフ指揮ケルンWDRso.、ケルンWDR放送cho.、NDRcho.、プラハ室内cho. | ||
録音:2008年5月30日-6月14日、フィルハーモニー、ケルン。既出: PH-09004 (3 HYBRID_SACD) のLP 化 。LP マスタリング:ホルガー・ジードラー(THS-Studio)。当代最強といわれたキャストを得て、セミヨン・ビシュコフによる精妙の限りを尽くした絶美の表現が全開、初出時に各方面から絶賛された、セミヨン・ビシュコフの「ローエングリン」全曲。高級アナログ・プレイヤーの老舗、スイスのトーレンス社の全面監修を得て、180g重量盤仕様のアナログ盤5枚組でリリース。Profil アナログ盤リリース第1弾「ティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデンによるブルックナーの第8交響曲」と同じく、DSDマスター使用により、高域から低域までアナログに近いなめらかな波形で十分なレンジが確保され、情感ゆたかな歌声、弦楽器のこまやかな質感、ふくよかなブラス、極上のホール・トーンなど、アナログ再生の醍醐味を約束してくれる期待度満点の内容となっている。歌詞はドイツ語と英訳詞を掲載。なお、『当セットは全世界 1,000 セットの初回限定生産品となります。追加プレスは行わないとのことですので、お届けできるのは初回輸入分のみとなる見込みです。お早めにお求めいただきますようお願い致します。』とのこと。代理店締切日を過ぎており、入荷しない可能性もありますので、あらかじめご了承下さい。 |
ヨハン・ネポムク・フンメル:フルートとピアノのためのソナタ集 フルート・ソナタ〔ニ長調 Op.50 /イ長調 Op.64 /ト長調 Op.2 No.2 〕/ メユールのロマンスによる変奏曲 ト長調 Op.14 クリスティアーネ・マイニンガー(Fl) ライナー・ゲップ(P) | ||
収録:2011年2月、4月、ドイチュラントラジオ・クルトゥーア。神童で、生前はヨーロッパ最大の作曲家、最高のピアニストと称され、後世にも多大な影響を与えたフンメルの「フルートとピアノのための作品」を収めたアルバム。師モーツァルトから書法的に解放されたころの作で、名手フンメルだけに半ばピアノが主役の、 ニ長調のソナタをはじめ、パリで大成功を収めたメユールの歌劇「愚挙(Une Folie)」のロマンス「わたしはまだ青春」による変奏曲など全4曲を収録。高度な技巧を要するピアノ・パートを担当するゲップは、ケルンでタイニー・ヴィルツに師事し、フランス政府奨学金留学生としてパリでピエール・サンカンとティエリ・ド・ブリュンホフに師事。また、クラウディオ・アラウやタチヤナ・ニコラーエワのマスタークラス、さらには高名なピアノ教育者ペーター・フォイヒトヴァンガーとその芸術的、教育的概念との出会いから、多くの助言を授かっている。アーヘン音楽大学でリカルダ・ブレールに師事、イタリア・シエナの名門キジアーナ音楽院でセヴェリーノ・ガッゼローニのマスタークラスを受講したフルートのマイニンガーは、ゲップとは、自身の名を冠したマイニンガー・トリオで活動を共にしている仲で、アルバム・タイトルの通り“コン・ガルボ(優雅に) "な魅力を的確に伝えている。 | ||
ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」(1878年版「村の祭り」 フィナーレ付/キャラガン校訂) |
ゲルト・シャラー指揮 フィルハーモニー・フェスティヴァ | |
録音:2013年1月、、レーゲンテンバウ、バート・キッシンゲン、ライヴ(注:併せて『シュトゥーディオ・フランケン』『バイエルン放送』とも書かれているが、これは 140 km 以上離れたニュルンベルクのスタジオと思われるので、音源の編集・マスタリングが行われた所ではないかと思われる)。シャラーの第4番は、既に2007年収録の「1878/80年稿、ノーヴァク版」があるが、当盤はブルックナー自身が「 Volksfest 〔村の祭り/民衆の祭り〕」と呼んだフィナーレを採用。市販された録音は、これまでティントナー盤とロジェストヴェンスキー盤があったのみ。このフィナーレは、第1稿の改訂作業中の1878年8月1日から9月30日に作曲されたもの。ところどころで一般的現行版と共通する音型があらわれるものの、全体ではずいぶんと趣きの異なる味わいで、楽章全体の長さが短い替わりに、そのぶんキャッチでユニークな内容。シャラー指揮フィルハーモニー・フェスティヴァによるブルックナーの交響曲シリーズは、アメリカの音楽学者でブルックナー研究の第一人者ウィリアム・キャラガン校訂譜に拠るすぐれた演奏内容で注目を集めており、第1番、第2番、第3番、第4番(当盤が2種目)、第7番、第8番、第9番がリリース済み。 | ||
Elfride Trötschel レーガー:ニワトコ Op.35 No.4 /天が一粒の涙を零した Op.35 No.2 /森の孤独 Op.76 No.3 /眠りに Op.76 No.59 / 子供のお願い Op.76 No.22 /[ハンス・レーヴライン(P)/録音:1949年3月29日、RIAS] R.シュトラウス:3つのオフィーリアの歌 Op.67a [フーベルト・ギーゼン(P)/録音:時期不詳、トレッチェル私邸、ベルリン郊外] マーラー:別れ離れて/私は柔らかな香りをかいだ/美しいがゆえに愛するのなら / シューベルト:ただ憧れを知る人が ヒンデミッ ト:歌曲集「マリアの生涯」 Op.27 より 〔マリアの誕生/ヨゼフの疑い/キリストの誕生/エジプトへの脱出の途上での休息〕 [リヒャルト・クラウス(P)/録音:時期不詳、トレッチェル私邸、ベルリン郊外] シューマン:月の夜 Op.39 No.5[ミヒャエル・ラウハイゼン(P)/録音:1944年] シューベルト:春の想い D686 /君はわが憩い D776 /若い尼 D828 /夜と夢 D827 シューマン:くるみの木 Op.25 No.3 /はすの花 Op.25 No.7 / 美しい見知らぬ土地 Op.39 No.6 /月の夜 Op.39 No.5 /君に捧ぐ Op.25 No.1 ブラームス:秘めごと Op.71 No.3 /森の静寂の中で Op.85 No.6 / 娘の歌 Op.85 No.3 /夜鶯 Op.97 No.1 /娘は語る Op.107 No.3 ヴォルフ:明け方に/心変わりした娘/とりすました娘/楽師/打ち明け シューマン:ジャスミンの茂み Op.27 No.4 /眠りの精 Op.79 No.13 モーツァルト:「フィガロの結婚」〜ついにその時が近づいた(ドイツ語) プッチーニ:「蝶々夫人」〜ある日、見えるのよ(ドイツ語)/「ボエーム」〜私の名はミミ(ドイツ語) ドヴォルジャーク:「ルサルカ」〜月の歌[ハンス・レーヴライン(P)/録音:1956年6月18日、ドレスデン] エルフリーデ・トレッチェル(S) | ||
エルフリーデ・トレッチェル〔トレチェル〕(1913-1958)はドレスデン生まれのドイツのソプラノ。1933年に当時ドレスデン国立歌劇場の音楽総監督だったカール・ベームに認められ、この劇場のプリマドンナとして幅広く活躍。戦後はベルリンやウィーン、さらに英国でも活躍した。温かみのある優しい歌声で一時代を築いた名歌手だが、活動の前半は第二次世界大戦と重なり、また44歳という若さで亡くなってしまったこともあり、録音はそれほど多くない。今回Profilが発掘したのは、1956年6月18日、ドレスデンのビューラウの保養施設で行われたトレッチェルの最後のリサイタルを中心に、私的なものも含めた貴重な録音。トレッチェルの葬儀でのヴァルター・フェルゼンシュタインによる弔辞も収められている。ゼンパーオーパー・エディションの常として、貴重な写真を多数掲載した立派な解説冊子も付いている。 | ||
カール・リヒター・エディション〜J.S.バッハ:器楽曲篇 ブランデンブルク協奏曲 全曲〔第1番−第6番 BWV.1046-1051〕 [カール・リヒター指揮カール・リヒター室内o./1956年-1957年/原盤: TELDEC ]/ 管弦楽組曲 全曲〔第1番−第4番 BWV.1066-1069〕[オーレル・ニコレ(Fl) [カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハo./1960年6月、1961年6月、ミュンヘン/原盤:DG (ARCHIV) ]/ 音楽の捧げ物 BWV.1069[オーレル・ニコレ(Fl) オットー・ビュヒナー、クルト・グントナー(Vn) ジークフリート・マイネッケ(Va) フリッツ・キスカルト(Vc) ヘトヴィヒ・ビルグラム(Cemb) カール・リヒター(Cemb)指揮/1963年1月、ミュンヘン/原盤:DG (ARCHIV) ]/ チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調 BWV.1052 /2台のチェンバロのための協奏曲第2番 ハ長調 BWV.1061 / 3台のチェンバロのための協奏曲第2番 ハ長調 BWV.1064 /4台のチェンバロのための協奏曲 イ短調 BWV.1065 [エドゥアルト・ミュラー、ゲルハルト・エッシュバッハー、ハインリヒ・グルトナー(Cemb) カール・リヒター(Cemb)指揮アンスバッハ・バッハ週間ソリスト/1955年/原盤: TELDEC ]/ トッカータとフーガ ニ短調 BWV.538[カール・リヒター(Org)/ 1954年、バシリカ教会、オットーボイレン、Marienorgel 、モノラル/原盤: TELDEC ]/ ・オルガン・リサイタル」 トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565 /コラール前奏曲「主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる」BWV.639 / パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV.582 /コラール前奏曲「目覚めよ、と呼ぶ声が聞こえ」BWV.645 / 幻想曲とフーガ ト短調 BWV.542 /コラール前奏曲「イエスよ、いまぞ汝御空より降り来たりて」BWV.650 / コラール前奏曲「高き御空よりわれは来れり」BWV.606 /前奏曲とフーガ ホ短調 BWV.548 [カール・リヒター(Org)/収録:1954年10月-11月、ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ/原盤: Decca ] | ||
録音:[内]、すべて セッション、特記以外ステレオ。リマスタリング&サウンド・デザイン:2013年、ホルガー・ジードラー (THS-Studio) 。ブックレットは各曲のトラックリストおよび演奏家のみの記載。1950年代-1970年代にかけて、J.S.バッハの権威として名録音を多く残したカール・リヒターによる名盤を Profil レーベルがライヴ復刻でおなじみの名人ホルガー・ジードラーによる入念なリマスタリングで復刻するシリーズ、DG (ARCHIV) への代表的録音「マタイ受難曲」(PH-12008)、「ミサ曲 ロ短調」(PH-13034)に続く器楽曲篇が登場。名手ニコレを迎えた「管弦楽組曲全曲」に「音楽の捧げ物」といった、前回までの宗教作品同様に同曲のベストにも挙げられる、もはや説明不要のスタンダードがしっかりと押さえてあるのは当然として、リヒター第1回目の「ブランデンブルク協奏曲全曲」録音や、ミュラーら複数の奏者との共演も魅力の「チェンバロ協奏曲集」、さらにはジュネーヴとオットーボイレンにおける「オルガン・リサイタル」という具合に、テルデック(テレフンケン)とデッカの音源から広く選ばれており、この時期特有ともいえる強烈な表現意欲が漲る演奏スタイルや、それぞれのレーベルのサウンド・カラーのちがいも興味深いところ。「リマスタリングが大成功!」「過去最高の仕上がり!」と、絶大なる支持をいただいている前2作とともに、当セットもまた、リヒターの高潔で折り目正しい音楽を愛してやまない方々にとって、かけがいのない宝物となるだろう。 | ||
カール・リヒター・エディション〜J.S.バッハ:教会カンタータ集&マニフィカト 〔イエスよ、あなたはわが魂を BWV 78 S1/A1/T1/B/BA [1961年7月]/ イエス・キリストを脳裡にとどめよ BWV 67 S2/A2/T2/B/Tp1/Org/BS/MBC [1959年](#) / 私が去り行くのは、あなたがたの益となる BWV 108 S2/A2/T2/B/Tp1/Org/Ob/Vn/BS/MBC [1959年](#) / 主イエス・キリスト、真の人にして神 BWV 127 S2/A2/T2/B/Tp1/Org/Ob/Vn/BS/MBC [1959年](#) / 主なる神は太陽にして盾なり BWV 79 A3/B/Tp/Org/Cemb/Ob/Vc/Cb/MBO/MBC [1959年](#) / キリストは死の縄目につながれた BWV 4 B/Org/BS/MBC [1963年](#) /人よ、良きことの 何たるかはすでに汝に告げられたり BWV 45 A1/T3/B/Fl/BA/MBC [1959年7月-8月、アンスバッハ]/ すべての国よ、神を誉め讃えよ BWV 51 S3/Tp2/MBO [1959年8月、ミュンヘン]/ 愛する御神よ、いつ我は死なん BWV 8 S1/A1/T3/B/Fl/BA/MBC [1959年7月-8月、アンスバッハ]/ 私は、哀れな人、罪のしもべ BWV 55 T3/Fl/Ob/MBO/MBC [1959年2月-3月、ライプツィヒ]〕/ マニフィカト ニ長調 BWV 243 S3/A1/T3/BBr/MBO/MBC [1961年6月、ミュンヘン] ウルズラ・ブッケル(SS1) アントニア・ファーベルク(SS2) マリア・シュターダー(SS3) ヘルタ・テッパー(AA1) リリアン・ベニングセン(AA2) ベアトリス・クレープス(AA3) ヨーン・ファン・ケステレン(TT1) ピーター・ピアーズ(TT2) エルンスト・ヘフリガー(TT3) ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(B−BrBBr) キート・エンゲン(BB) ゲオルク・ドンデラー(TpTp1) ヴィリー・バウアー(TpTp2) オーレル・ニコレ(FlFl) エドガー・シャン(ObダモーレOb) フリッツ・ゾンライトナー(VnVn) ヘルマン・ウール(VcVc) フランツ・オルトナー(CbCb) ヘトヴィヒ・ビルグラム(OrgOrg /CembCemb) カール・リヒター指揮 アンスバッハ・バッハ週間o.BA、ミュンヘン国立歌劇場o.団員BS、 ミュンヘン・バッハo.MBO、ミュンヘン・バッハcho.MBC | ||
録音:[内]、ステレオ、セッション。原盤: ARCHIV (無印) / TELDEC (#) 。『★「過去最高のリマスタリング!」「かつてない自然な質感!」と、Profilのライヴ復刻でおなじみの名人ホルガー・ジードラーを起用した音づくりが評判を呼ぶ「カール・リヒター・エディション」。このたびのCD4枚組のセットには、シュターダー、テッパー、ヘフリガー、エンゲンら当時のベスト・メンバーを擁した、教会カンタータ10曲とマニフィカトが収められています。使用音源はアルヒーフを中心に、カンタータのいくつかではテレフンケンに遺した旧録音が選ばれているため、アルヒーフ時代とは趣の異なるリヒターのアプローチや、レーベルのサウンド・カラーのちがいなども聴きどころといえそうです。 シュターダーの張りのある美声。味わいゆたかなオーボエの音色。華やかなトランペットのひびき。透明感と深みを湛えたコーラス。シリーズ第1弾「マタイ受難曲」(PH-12008)以来、絶大なる支持をいただいているなか、当セットもまた期待を裏切らない仕上がりとなっております。なお、ブックレットは各曲のトラックリストおよび演奏家、リヒターの略歴と各曲の簡易解説(ドイツ語・英語)のみの記載となります。』 | ||
カール・リヒター・エディション〜フルート協奏曲集(ニコレとの TELEFUNKEN 録音全集) モーツァルト:フルート協奏曲〔第1番 ト長調 K313 /第2番 ニ長調 K314 〕/ アンダンテ ハ長調 K315 /フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K299 (*) ハイドン:フルート協奏曲 ニ長調 Hob.VIIf-D1 / グルック:オルフェオとエウリディーチェ〜精霊の踊り オーレル・ニコレ(Fl) ローゼ・シュタイン(Hp;*) カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハo. | ||
収録:1960年-1962年、セッション、ステレオ。原盤: TELDEC 。リマスタリング&サウンド・デザイン:ホルガー・ジードラー (THS-Studio) 、2014年。いずれもリヒターにとっては唯一の録音。ブックレットは各曲トラックリストのみの記載。歴史的遺産ともいえる1958年の「マタイ受難曲」(PH-12008)を皮切りに、カール・リヒターの貴重な録音の数々にProfilのライヴ復刻でおなじみの名人ホルガー・ジードラーが入念なリマスタリングを施す「カール・リヒター・エディション」は、真に音楽的で本来の響きを取り戻したと評判を呼んでいる。当盤は名手オーレル・ニコレを迎えたフルート協奏曲集。モーツァルトのほか、この顔合わせでテルデック(テレフンケン)にレコーディングされたすべてを収めている。 | ||
テンシュテット& NDR + ファスベンダー 1980 マーラー: 交響曲第5番 嬰ハ短調(*) / 歌曲集「亡き子をしのぶ歌」(#) |
ブリギッテ・ ファスベンダー(Ms;#) クラウス・テンシュテット指揮 ハンブルク NDR so. | |
録音:1980年5月19日、ライスハレ、ハンブルク(*) /1980年11月11日、キール城、キール(#)、共にドイツ、ライヴ。おそらくマスターからの初復刻。前出 CD-R : LANNE HISTORICAL COLLECTION, LHC-7097〔月日表記無し/廃盤、入手不能〕(*) / EN LARMES, ELS-02-242/3 〔1980年5月20日表記〕(#) / RARE MOTH, RM-430S 〔1981年11月18日表記〕(#) 。 | ||
クレイン一族の音楽 アレクサンドル・クレイン(1883-1951): 小詩集 Op.30 (1920/22) /ユダヤの主題による2つの小品(1925) / トルコの主題による2つの小品 Op.46 (1930) /甘美な詩 Op.18 No.2 (1915)/ 若者のスケッチ Op.2 (1902/11)〔プロローグ/夜想曲/感傷的な時/ワルツ〕 グリゴーリ・クレイン(1879-1957):ピアノ・ソナタ第2番 Op.27 (1924) /幻影 Op.17 No.1 (1912) ユリアン・クレイン(1913-1996):スロヴァキアの主題による小品(1956) / ポール・デュカ追悼の小品(1936) /ピアノ・ソナタ Op.7 (1924) ヤーシャ・ネムツォフ(P) | ||
録音:2012年6月、SWR室内楽スタジオ、シュトゥットガルト。世界初録音。クレイン一族は、20世紀前半のロシア・ソヴィエトのユダヤ系作曲家。ロシア音楽史では名のみ知られながら、作品を聴く機会はほとんど無かったが、グリゴーリとアレクサンドル兄弟と、グリゴーリの息子ユリアンのピアノ曲をロシア系ユダヤ音楽のエキスパート、ヤーシャ・ネムツォフが世界初録音。グリゴーリとアレクサンドルの作風は、当時のロシア音楽界で流行していたアヴァンギャルドな物。スクリャービンの影響下にありながらも、ユダヤ素材を多用しているため、独特な東方的エキゾチシズムに満ちている。革命後、アレクサンドルは社界主義リアリズムに沿った作風に転向し、それなりのポストに就来るが、孤高のグリゴーリは完全なアウトサイダーとして貧困生活を余儀なくされる。彼のピアノ・ソナタ第2番は非常に高度な作曲技法を示す傑作で、ユダヤ色も濃厚、彼の個性がすべて盛り込まれている。グリゴーリの息子ユリアンは2歳からピアノを弾くなど神童ぶりを示するが、両親の経済状況ゆえ養護施設にも預けられるなど苦労し、1928年から32年までパリに留学、エコール・ノルマルでポール・デュカに師事した。彼のピアノ・ソナタ Op.7は11歳の作で、わずか12日間で作曲されたという驚くべき物。いずれも隠れたロシア・ピアノ音楽の宝。 | ||
グスタフ・マーラー・エディション 交響曲〔第1番 ニ長調「巨人」[ワルター指揮コロムビアso./1961年/原盤: CBS ]/ 第2番 ハ短調「復活」[マルジョーノ(S) ファン・ネス(A) ハイティンク指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1995年2月13日、ライヴ]/ 第3番 ニ短調[ワッツ(A) ホーレンシュタイン指揮 LSO /1961年11月16日、モノラル・ライヴ]/ 第4番 ト長調[チャポー(S) テンシュテット指揮バーデン=バーデン南西ドイツ放送so./1976年9月18日、ライヴ]/ 第5番 嬰ハ短調[テンシュテット指揮北ドイツ放送so./1980年5月19日、ライヴ]/ 第6番 イ短調「悲劇的」[ミトロプーロス指揮 NYP /1955年、モノラル・ライヴ]/ 第7番 ホ短調「夜の歌」[ロスバウト指揮バーデン=バーデン南西ドイツ放送so./1953年、モノラル・ライヴ]/ 第8番 変ホ長調「千人の交響曲」[ストコフスキー指揮 NYP/1950年4月6日、モノラル・ライヴ] 第9番 ニ長調[シノーポリ指揮シュターツカペレ・ドレスデン/1997年4月、9月、ゼンパーオーパー、ライヴ]/ 第10番 嬰ヘ長調〜アダージョ[シェルヘン指揮ウィーン国立歌劇場o./1952年/原盤:Westminster] 歌曲集「亡き子をしのぶ歌」[ファスベンダー(Ms) テンシュテット指揮ハンブルク NDR so./1980年11月11日、ライヴ] 歌曲集「子供の不思議な角笛」(全24曲版)[ダムラウ(S) パレイ(Br) ラーデマン(P)/2003年5月、9月] 歌曲集「さすらう若人の歌」[ミラー(Ms) ワルター指揮コロムビアso./1960年/原盤: CBS ] 若き日の歌 より〔思い出/ハンスとグレーテ/春の朝〕[ハルバン(S) ワルター指揮 NYP /1947年12月16日/原盤: CBS ] リュッケルトの詩による歌曲集 より〔私はこの世に忘れられ/私は快い香りを吸い込んだ/真夜中に〕 [フェリアー(A) ワルター指揮 VPO/1952年5月、ウィーン/原盤: Decca ] 大地の歌[テッパー(A) マクラッケン(T) ショルティ指揮ケルン放送so./1961年] 花の章[ハラース指揮ポーランド国立放送so./1993年12月、カトヴィツェ] カンタータ「嘆きの歌」[ヤノヴィッツ(S) ドラクスラー(A) パツァーク(T) クルト・リヒター指揮ウィーン放送so.、オーストリア放送cho./1960年、ウィーン、放送用セッション・モノラル] 大地の歌[スミス(T) パレイ(Br) ラーデマン(P)/2005年3月-4月] ウェーバー/マーラー補筆完成:歌劇「3人のピント」[アリヴァベーニ指揮ベラルーシ国立po./2003年/原盤:NAXOS] | ||
2013年にリリースされ好評を博した「ブルックナー・エディション」に続いて、Profilの社主ギュンター・ヘンスラー氏が自信をもってお届けする「マーラー・エディション」。 BOX仕様:紙製クラムシェル・タイプ。W180×H127×D340(ミリ)、重量500g 。24ページのブックレットにはトラック・リストのほか、マーラーのバイオグラフィが記載されている。 | ||
ベルナルド・ハイティンク&シュターツカペレ・ドレスデン・セット ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調(ハース版)[2002年12月3日、ゼンパーオーパー] モーツァルト:交響曲第38番 ニ長調「プラハ」 K.504 [2002年9月2日、文化宮殿] マーラー:交響曲第2番 ハ短調「復活」[1995年2月13日、ゼンパーオーパー] ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲 / ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61 (*) ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 [フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn;*)/2002年9月29日、文化宮殿] ベルナルド・ハイティンク指揮シュターツカペレ・ドレスデン | ||
録音:[内]、すべてドレスデン、ライヴ。ハイティンクとシュターツカペレ・ドレスデンの共演の音源を6枚にまとめた超お得セットの登場となるベルナルド・ハイティンクは2002年から2004年までシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者を務めた。就任直後の8月にドレスデンは洪水の被害にみまわれ、本拠地ゼンパーオーパーが浸水して使用不可能となった。当アルバムには同年9月2日と29日のハイティンク・シュターツカペレ・ドレスデン首席指揮者就任記念コンサート・ライヴが収録されているが、ドレスデン文化宮殿にて開催され、犠牲者に捧げられた。その2ヶ月後には復旧したゼンパーオーパーでブルックナーの交響曲第8番が演奏された。しずれも〔代理店記載ママ〕当時73歳のハイティンクの円熟と高揚感が理想的な均衡した神業を堪能出来る。嬉しいのがフランク・ペーター・ツィンマーマンを独奏者としたベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。オケも含めヨアヒム伝統のドイツ的なベートーヴェンの協奏曲を味わせてくれる。 | ||
モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 BOX 〔第5番/第6番/第8番/第9番/第11番−第27番〕 |
ルドルフ・ ブッフビンダー(P)指揮 ウィーンso. | |
録音:1997年、ウィーン、コンツェルトハウス、ライヴ。旧品番:PH-04011〔分売:PH-04002〜04010(廃盤あり)〕。原盤・初出: CALIG (1998年) 。付属ブックレットは、トラックリスト、ブッフビンダーとウィーン響の略歴のみ記載。ウィーン様式に貫かれた統一感あるすぐれた演奏内容から、幅広い支持を獲得してきたブッフビンダーのモーツァルトのピアノ協奏曲全集が、各ディスクの収録内容はそのままに10年ぶりに装丁を一新、価格も大幅にお得になって再登場。生まれはチェコながら幼少よりウィーンに学び、ウィーンの伝統を正しく受け継ぐピアニストとして、世界的に高い評価を受けるブッフビンダーが、ウィーンの名門楽団ウィーン響を弾き振りして、ライヴ収録したモーツァルトのピアノ協奏曲全集は、1998年にドイツのCALIG CLASSICSよりリリースされ、その後CALIG CLASSICSの活動終了に伴い、Profilレーベルがライセンス発売した。得意のモーツァルトでみせる、ブッフビンダーの機知に富んだピアニズム、ウィーンの流儀を心得たオーケストラのニュアンスのひとつひとつに、当セットの魅力は息づいており、いつ聴いても新鮮な感動を約束してくれる物。 | ||
オスヴァルダス・バラカウスカス(1937-): ベーツァフタ2(2009) (*) /レトロスペクティヴII (1994) (#) /ルードゥス・モドルム(1972/2002) (+) / ダル・ヴェント(1999) (**) /ボップ・アート(1972/1995) (##) ダヴィド・ゲリンガス(Vc) ヤーシャ・ネムツォフ(P;*/#) フォーグラーSQ (*) ピャトラス・ゲニューシャス(P;**/##) ウラジーミル・タラソフ(Dr;##) ロベルタス・シャルヴャニカス指揮ガイダ・アンサンブル(+) | ||
録音:2002年、2009年、2010年、2013年。現代リトアニア作曲界の重鎮バラカウスカス。ソ連時代から前衛手法で色彩的な音楽を発表してきたが、リトアニア独立時1992-4年、駐仏大使を務めるなど政治家としても活躍した。バラカウスカスは同郷の大チェロ奏者ダヴィド・ゲリンガスと親しく、数々のチェロ作品を産み出している。ここではゲリンガスに捧げられた5作品が収められている。リトアニアは知る人ぞ知るジャズの盛んな国だが、バラカウスカスも1972年に「ボップ・アート」というチェロ、ピアノ、ドラムスの作品を書いている。当アルバムの注目点は、かなりの部分でゲリンガスがヤマハの「サイレント・チェロ」を用いていること。この楽器を世界で普及させるための果敢な挑戦。ピアノ伴奏を務めるピャトラス・ゲニューシャスは、前回の第16回ショパン国際コンクール第2位のルーカス・ゲニューシャスの実父。 | ||
バッハ&ブラームス〜ブゾーニ&ペトリによる編曲集 J.S.バッハ/ブゾーニ編曲:シャコンヌ/コラール前奏曲 より〔目覚めよと呼ぶ声あり BWV645 / いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV659 /今ぞ喜べ、愛するキリスト者の仲間たち BWV734 / 主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ BWV639 /汝のうちに喜びあり BWV615 〕 ブラームス/ブゾーニ編曲:コラール前奏曲 Op.122 より 〔わが心の切なる願い/おお愛する魂よ、汝を飾れ/わが心の切なる喜び〕 J.S.バッハ/ブゾーニ編曲:トッカータ、アダージョとフーガBWV564 J.S.バッハ/ペトリ編曲:狩のカンタータ BWV207 〜羊は安らかに草をはみ ダーヴィッド・テオドーア・シュミット(P) | ||
録音:2013年12月2日-5日、ブリッツ城(ベルリン)。1982年生まれのダーヴィッド・テオドーア・シュミット。正統派ドイツ・ピアニズムの継承者として、SONYやProfilからバッハ、シューベルト、ブラームスらの作品集をリリース、注目されている。今回はバッハとブラームスの作品ながら全て編曲物。「シャコンヌ」はブゾーニのバッハ編曲中もっとも名高いが、シュミットは奇を衒わず、正攻法で立ち向かい、深い感動へ導いてくれる。さらにコラール前奏曲の編曲から5篇を選んでいるが、有名な「目覚めよと呼ぶ声あり」や「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」はもちろん、タルコフスキーが「惑星ソラリス」で使用したため人気の高い「主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ」が入っているのも嬉しい限り。ことに「主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ」は30歳そこそこの若手とは思えぬ老成した深みに満ち、思わず聴き入ってしまう。さらに興味深いのは、ブラームス最後の作品の「コラール前奏曲」編曲。こちらも最晩年のブラームスの諦観を驚くほど表現。ブゾーニの編曲はいずれも恐ろしく難しいが、余裕の技巧で聴かせる。テオドーア・シュミットのドイツ・ピアニズム、目が離せない。 | ||
カルロ・マリア・ジュリーニ〜ライヴ録音集成 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64 / ドビュッシー:3つの交響的スケッチ「海」 フランク:交響詩「プシシェとエロス」 / ブゾーニ:「ファウスト博士」のための2つの習作 Op.51(*) [ピンカス・ズッカーマン(Vn) ケルンWDRso./録音:1971年1月15日、1971年1月11日(*)、ケルン/PH-06010、PH-06011 ] ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 / ハイドン:交響曲第94番 ト長調 Hob.I: 94「驚愕」 ラヴェル:バレエ「マ・メール・ロワ」組曲[ BRSO /録音:1979年1月26日、ミュンヘン/PH-05037、PH-05021 ] ドヴォルジャーク:交響曲第8番 ト長調 Op.88[ケルンWDRso./録音:1958年11月3日、ケルン、モノラル/PH-06011] ロッシーニ:歌劇「セビリャの理髪師」(全曲)[マリア・カラス(S;ロジーナ) ルイジ・アルヴァ(T;アルマビバ伯爵) ティト・ゴッビ(Br;フィガロ)他 ミラノ・スカラ座o.&cho./録音:1956年2月16日、ミラノ、モノラル/PH-08015 ] カルロ・マリア・ジュリーニ指揮 | ||
録音:全てライヴ、特記以外ステレオ。既出盤の BOX 化。2014年に生誕100年を迎えるイタリアの名指揮者、ジュリーニ(1914-2005)の記念 BOX 。なお、代理店は『すべてが放送局の正規アーカイヴ音源使用』としているが、「セビリャ」全曲に関しては誤りではないかと思われる。 | ||
ロマンス〜渡辺克也 シューマン:3つのロマンス Op.94 / ブレヴィーユ:オーボエとピアノのためのソナチネ ルフェーヴル:2つの小品 Op.102 / ヒンデミット:オーボエ・ソナタ / パラディール:ソロ 渡辺克也(Ob) デイヴィッド・ジョンソン(P) | ||
録音:2014年1月、イエス・キリスト教会、ベルリン。 KKC-4029 は『日本語解説書付』とのこと。なお輸入盤 PH-14009 は2014年現在、国内代理店からは供給されておらず、日本先行発売と思われる KKC-4029 より発売が数ヶ月後になる可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。ドイツを本拠に活躍する渡辺克也。待望のアルバム第4弾の登場。今回もオーボエの魅力を存分に味わえる5篇を厳選、至福の一時間を過ごさせる。名作として名高いシューマンの「3つのロマンス」を渡辺克也の美音でたっぷり楽しめるのがうれしい限り。また、オーボエのレパートリー中最重要作のひとつ、ヒンデミットのソナタも注目。渡辺の超絶技巧を満喫出来る。さらに、パリ音楽院オーボエ科の試験曲として作られ、今日もコンクールの課題曲としてしばしば登場するブレヴィユ、ルフェーヴル、パラディールの作品も貴重。参考用としても最適で、鮮やかな技巧と歌心をたっぷりお楽しみ頂きたい。 | ||
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲全集 〔第1番 変ホ長調 Op.6(原典版)/第3番 ホ長調/第2番 ロ短調 Op.7 / 第4番 ニ短調 MS 60 /第5番 イ短調 MS 78 /第6番 ホ短調 MS 75 〕 インゴルフ・トゥルバン(Vn) リオル・シャンバダル指揮 WDR ケルン放送o. | ||
録音:2000年、2005年。原盤・旧品番: TELOS, TLS-049(分売:TLS-046, TLS-047, TLS-048 [2CDs] )〔すべて廃盤〕 。トゥルバンのヴァイオリンは、大向こう受けする技巧の誇示を避け、丁寧で真摯なもので、同時に切れ味と機知にも富んでいる。第5番と第6番のカデンツァはトゥルバンの自作を弾いていおり、これも聞きもの。トゥルバン(1964-)はミュンヘン出身で、12歳でゲルハルト・ヘッツェルの目に留まり、ヴァイオリン・クラスへの編入を許された。21歳の時、セルジュ・チェリビダッケからミュンヘン・フィルの第1コンサートマスターに招かれ、以降チェリビダッケから信頼厚く、ソリストとして何度も共演した事からも、彼の実力がわかる。1995年にはリカルド・オドノポソフの後任としてシュトットガルト国立音楽院の教授に就任、2005年には室内オーケストラ、イ・ヴィルトゥオージ・ディ・パガニーニを自ら組織、2006年からは国立ミュンヘン音楽・演劇大学の教授を務めている。共演者シャムバダルはテル・アヴィヴ出身で、旧西ベルリンso.の首席指揮者。当盤以前には Arte Nova への録音があった。 | ||
シャドウズ〜ジョン・ダウランド: 行け、水晶の涙/わが過ちを許してくれようか?(エセックス伯のガリアード)/ダウランド氏の夜更け/ さあもういちど、愛が呼んでいる/溢れよ、わが涙/ダウランド・シャドウズ[ヨッヘン・フォイヒト曲]/ わが恋人が泣くのを見た/ご婦人向きの素敵な小間物/来たれ、深き眠り/今こそ別れねばならぬ(蛙のガリアード)/ ロバート・ダウランド編「音楽の饗宴」(1610) 第10曲〜「暗闇に住まわしておくれ」/ メランコリー・ガリアード/もう泣くな、悲しみの泉よ サラ・マリア・スン(Vo) ヨッヘン・フォイヒト(Sax) ヴェルナー・マツケ(バロックVc) フリーデマン・ヴットケ(G) | ||
録音:2013年、フロイデンタール、旧シナゴーグ。英国ルネサンス期に活躍したダウランドの静謐な音楽世界を、ソプラノ、ギター、バロック・チェロ、そしてサクソフォンという大胆なアレンジで聴かせるアルバム。かつてグレゴリオ聖歌とサクソフォンの異化効果で大ベストセラーを記録したヤン・ガルバレクとヒリアード・アンサンブルの衝撃をほうふつとさせる。1978年ドイツに生まれたスンのクリスタル・ヴォイスと、なによりここでもサクソフォンが重要なアクセントとなっており、ダウランドのオリジナル・ナンバーから不思議な魅力を引き出し、さらに自由に想像の翼を羽ばたかせている。シュトゥットガルト近郊のユダヤ教会で、セッションを組んで行われた録音はきわめて優秀。オーディオファイルの方々にも広くおすすめ。 | ||
フランスのヴィオラ音楽 ヴュータン:ヴィオラ・ソナタ 変ロ長調 Op.36 / ミヨー:4つの顔 Op.238 / ドビュッシー:月の光 フォーレ:シシリエンヌ Op.78 /夢のあとに Op.7 / フランク:ヴァイオリン・ソナタ(ヴィオラ版) ペイジュン・シュー〔徐沛珺〕(Va) パウル・リヴィニウス(P) | ||
録音:2014年3月、インマヌエル教会、ヴッパータール。ペイジュン・シューは上海出身の女流ヴィオラ奏者。今井信子、タベア・ツィンマーマンに師事し、2010年にモスクワで行われたユーリー・バシュメト国際ヴィオラ・コンクールで優勝。将来を嘱望されるヴィオラ界の新星とみなされている。今回のアルバムは大ヴァイオリニストだったヴュータンの残した珍しいヴィオラ・ソナタと、フランクの名作ヴァイオリン・ソナタのヴィオラ版という大作2編と親しみやすい小品をあわせた魅力的な内容となっている。 | ||
スペインの印象 アルベニス/クライスラー編曲:タンゴ(*) / アルベニス/ストゥチェフスキー編曲:入江のざわめき(#) シチェドリン/デシュパリ編曲:アルベニス風に(#) / サラサーテ:バスク奇想曲 Op.24 (*) グラナドス/カサド編曲:歌劇「ゴイェスカス」間奏曲(#) / ヒナステラ:パンペアナ第1番 Op.16 (*) カサド:無伴奏チェロ組曲/愛の言葉(#) / トゥーリナ:ナバーラを讃えて(*) /ピアノ三重奏曲第2番 ロ短調 Op.76 ニクラス・リーペ(Vn;*) ベネディクト・クレックナー(Vc;#) ニルス・リーペ、ホセ・ガジャルド(P) | ||
録音:2013年1月21日-25日、SWRスタジオ、カイザースラウテルン。最後の作品も含め、ピアニストの分担は国内代理店アナウンスに記載されていない。1990年生まれ、ザハール・ブロン門下のドイツのヴァイオリニスト、ニクラス・リーペと1989年生まれのドイツのチェリスト、ベネディクト・クレックナーによるスペイン及びラテン・アメリカの香りに満ちたシェア・アルバム。ふたりともスペイン音楽好きで、有名なアルベニスのタンゴからトゥーリナの力作までノリの良い、ラテンの燃える情熱の演奏を繰り広げている。ことにサラサーテの「バスク奇想曲」とカサドの「愛の言葉」は彼らにとって思い出の曲とのことで、じっくり聴かせる。 | ||
ベートーヴェン: カカドゥ変奏曲 ト長調 Op.121a / アレグレット 変ロ長調 WoO.39 (1812)/ ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 Op.97「大公」 |
ブーランジェ・トリオ [カーラ・ハルテンヴァンガー(P) ビルギト・エルツ(Vn) イローナ・キント(Vc)] | |
収録:2012年7月16日-19日、カンマームジークシュトゥーディオ、SWRシュトゥットガルト。ブーランジェ姉妹の名を冠して2006年にハンブルクで結成、2007年ノルウェーの第4回トロンハイム国際室内楽コンクール優勝、2008年にはラウヘ賞を授与され、ハイドンから、チェルハ、ラルヒャー、細川俊夫といった同時代作品まで幅広くカバーするトリオのベートーヴェン。すでにベートーヴェンのピアノ三重奏のレパートリーをすべて網羅しているというだけあって、このジャンル屈指の名曲「大公」のほか、全集企画でもあまり聴く機会のない2作品も万全の仕上がりで、有機的で熱っぽい演奏を繰り広げている。 | ||
マーラー:歌曲集「子供の魔法の角笛」(全24曲版)
ディアナ・ダムラウ(S) イヴァーン・パレイ(Br) シュテファン・マティアス・ラーデマン(P) | ||
録音:2003年5月、9月。前出・旧品番: TELOS, TLS-1001 。初版のピアノ伴奏版全24曲の、世界初全曲録音だったもの。通常、「子供の魔法の角笛」は12曲だが、ピアノ伴奏版初版では24曲あり、2004年7月、トープラッハ・グスタフ・マーラー委員会の特別賞を受賞した。若いアルゼンチンのバリトンと若いドイツのソプラノがこの多面的な作品に挑み、新鮮な解釈を聴かせる。彼らは、マーラーが二重唱を想定していたのではないことは認めているが、内在する対話的構造を示すことを妨げるものではないとも考えている。委員会は必ずしもそれに賛成したわけではないが、その実験的試みを評価して決定したとのことだ。 | ||
グレゴリオ聖歌〜教会年による 教会年の音楽的ハイライト(*) /最も古い聖母マリア独自の聖歌、待降節、新年、受胎告知(#) 聖週間、四旬節の第1日曜日(#) /復活祭、聖母被昇天(*) /待降節、クリスマス、年間第9主日(+) ヨハネス・ベルヒマンス・ゲシュル指揮聖オッティーリェン大修道院修道士聖歌隊 | ||
録音:1986年4月7日-9日(+)、1988年9月5日-8日(#)、1992年9月21日-24日(*)、すべて 聖オディール〔ザンクト・オッティーリェン〕大修道院、エレージング、ドイツ。 原盤: CALIG /リマスタリング・エンジニア:フォルカー・リッティングハウス。かつてCALIGよりリリースされていた当シリーズは、質の高い内容で定番アイテムだったが、レーベル活動終了により長らく入手難の状態が続いていた。あらたにリマスタリングが施されて音質面の配慮も万全。 | ||
ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調
ゲルト・シャラー指揮フィルハーモニー・フェスティヴァ | ||
録音:2013年7月、エーブラハ、大修道院附属教会、ライヴ。バンベルク出身の指揮者シャラーが進めるブルックナーの交響曲シリーズ。ブルックナー中期の傑作第5番は、ヴァントやチェリビダッケら名だたるブルックナー指揮者たちがよく取り上げたことでも知られ、効果的な対位法処理、崇高なコラール、圧倒的な感銘を与えるフィナーレという具合に、内容の充実ぶりと聞きごたえでは後期の作品に並ぶ人気作でもある。アメリカの音楽学者でブルックナー研究の第一人者ウィリアム・キャラガン校訂譜に拠るすぐれた演奏内容で注目を集めてきた当シリーズはすでに第1番、第2番、第3番、第4番(フィナーレ異稿2種)、第7番、第8番、第9番がリリース済み。このたびの第5番については、キャラガン校訂譜使用との記載はなく、原典版に拠る演奏とおもわれるが、これまでの演奏がみごとなものだっただけに、やはりブルックナー好きには聞き逃せない内容といえるだろう。 | ||
ゲルト・シャラー〜ブルックナー: 交響曲第6番 イ長調 WAB.106 |
ゲルト・シャラー指揮 フィルハーモニー・フェスティヴァ | |
録音:2013年8月、大修道院附属教会、エーブラハ、ライヴ。バイエルン放送との共同製作。バンベルクに生まれたドイツの指揮者シャラーが進めるブルックナーの交響曲シリーズ。アメリカの音楽学者でブルックナー研究の第一人者ウィリアム・キャラガン校訂譜に拠るナンバーを含むことでも注目を集めてきたが、当第6番で通常全集とされる番号付きの9曲が揃うことになる。第6番は例外的に作曲者による改訂を経ていないこともあり、キャラガン校訂譜使用との記載もないが、シリーズを通じてのすぐれた成果を踏まえると、ブルックナー好きにはおおきな期待を持って迎えられるものとおもわれる。 | ||
ハンガリーのヴィオラ音楽 ファルカシュ:ルーマニア民俗舞曲集(1950) / セーニ:フランス組曲(1984) / ショプロニ:ソナチネ(1964) アンタル・ドラティ:アダージョ(1987) / ラースロー・ヴェイネル:ヴィオラ・ソナタ(1939) ファルカシュ:アリオーソ(1926) / リスト:忘れられたロマンス(1880) / ラヨシュ・スチ:ロマンス(2004/7) マーテ・スチ(Va) オリヴァー・トリエンドル(P) | ||
録音:2014年3月、インマヌエル教会、ヴッパータール。マーテ・スチは1978年生まれのハンガリーのヴィオラ奏者。当初ヴァイオリンを学び、10代の初めにハンガリー国内のコンクールでのきなみ優勝したものの、17歳でヴィオラに転向、2010年のリエージュ・コンクール、ヴィオラ部門で優勝した。同年よりBPOの首席ヴィオラ奏者を務めている。このアルバムは母国ハンガリーのヴィオラ曲を集めているが、注目は大指揮者ドラティのオリジナル作品。深々としたヴィオラの音色に魅せられる。 | ||
ヴェルディ:歌曲集 「6つのロマンスのアルバム」より(*)〔ジプシーの女/石だたみの道(小さな煙突掃除屋)/乾杯〕/ 「6つのロマンス」〜私の安らぎは失せて(*)/ストルネッロ「お前は私を愛さないという」(*)/ 「6つのロマンス」より(#)〔エリザよ、疲れた詩人は死んでゆく/暗い夜を恐れて/ つぼに近寄るな(墓に近寄らないで欲しい)〕/ 誘惑(#)/バラード「亡命者」(#)/哀れな男(#)/ 「6つのロマンスのアルバム」より(+)〔日没/星に/神秘/乾杯〕/ 「6つのロマンス」より(+)〔孤独な部屋で/嘆きの聖母よ、私にあわれみを〕 ディアナ・ダムラウ(S;*) パウル・アルミン・エーデルマン(Br;#) チェーザル・アウグスト・グティエレス(T;+) フリードリヒ・ハイダー(P) | ||
録音:2005年8月(*) /2010年1月(#/+)、以上 テロス・スタジオ|使用ピアノ:Steinway D,1976 (*) / Bösendorfer 280, 1928(#/+) |初出・前出・旧品番: Telos, TLS-1005 。今をときめくソプラノ歌手ディアナ・ダムラウがヴェルディの歌曲を録音していた。当録音でも美しい高音と豊かな表現は聴き物。この他、2010年に録音した2人の男性歌手の録音が収録されている。バリトンのエーデルマンはオットー・エーデルマンの次男でウィーン少年合唱団のソリストだった。その後ウィーン州立オペラ歌劇場での「魔笛」をはじめ世界各地で活躍、今後ますます活躍が期待される若手。そして新進気鋭のテノール、グティエレスは優美にそして情感豊かに歌い上げる。全ての伴奏をグルベローヴァの夫ハイダーが担当し、歌の伴奏者ならではの絶妙な表現も注目。 | ||
反映〜無伴奏ヴァイオリン曲集 ピエール・ブーレーズ:アンテーム(1992) / イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ〔第2番/第4番〕 シャリーノ:6つのカプリッチョ / イェルク・ヴィートマン:エチュード〔第1番−第3番〕 カロリン・ヴィートマン(Vn) | ||
カロリン・ヴィートマンは1976年ミュンヘン生まれの女流ヴァイオリニスト。ケルンでイゴール・オジムに、ボストンでミシェル・オークレールに師事し、現代作品に強いソリストとして活躍している。これまでECMに数枚のアルバムがあったが、今回Profil初登場。技巧的な無伴奏作品のみを集めている。厳しい緊張感と白熱する音楽が魅力。実兄の作曲家イェルク・ヴィートマンも注目。 | ||
洞察〜クリッヒェル・プレイズ・リスト バラード第2番 ロ短調/巡礼の年第2年「イタリア」よりペトラルカのソネット〔第47番/第104番/第123番〕/ 巡礼の年第2年「イタリア」補遺「ヴェネチアとナポリ」〔ゴンドラの漕ぎ手/カンツォーネ/タランテラ〕/ ダンテを読んで(ソナタ風幻想曲) アレクサンダー・クリッヒェル(P) | ||
録音:2011年1月28日-30日、フリードリヒ・エーベルト・ハレ、ハンブルク。1989年生まれながら、すでにソニーからアルバムをリリース、来日公演も行っている期待の若手アレクサンダー・クリッヒェル。Profilレーベル初登場。ハンブルク出身のドイツとイタリアのハーフで、ウラジーミル・クライネフとドミートリー・アレクセーエフからロシアン・ピアニズムを会得したコスモポリタンな音楽性の持主。ことにドイツ的な構築感とイタリア的な歌ごころは大先輩ブゾーニを彷彿させる。リストならではの豪快な技巧も爽快。日本でも人気者になること間違いない注目株。 | ||
ポートレート メシアン:主題と変奏 / シューベルト:ロンド ロ短調 D.895 / ショーソン:詩曲 Op.25 ヒンデミット:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.31 No.1 / ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 Op.108 イタマール・ゾルマン(Vn) クワン・イ(P) | ||
録音:2013年10月5日-6日、ヘッセン放送ゼンデザール、フランクフルト。2011年に行われた第14回チャイコフスキー国際コンクール、ヴァイオリン部門最高位(1位なしの2位)に輝いたイタマール・ゾルマンのデビュー・アルバムの登場。1985年、イスラエルのテル・アヴィヴ生まれ。クリスティアン・テツラフに師事。内田光子が絶賛したことでも話題となった。デビュー・アルバムはドイツとフランスの名作を集めている。技巧もさることながら、ブラームスのソナタ第3番で示す若さに似合わぬ深い音楽性に驚かされる。韓流ピアニスト、クワン・イのピアノも聴き物。 | ||
フォーカス・チェロ ヴィヴァルディ:2つのチェロのための協奏曲 ト短調 RV.531 ロッシーニ/エリオドロ・ソリマ編曲:涙(チェロと弦楽オーケストラのための) パガニーニ/トーマス・デメンガ編曲: ロッシーニの「モーゼ」の主題による一本の弦での変奏曲(チェロと弦楽のための) レスピーギ:アダージョと変奏(*) / ヴォルフ:イタリアのセレナード ロベルト・モリネッリ:ツイン・レジェンズ / ペテリス・プラキディス:パスティッチョ・ア・ラ・ロッシーニ ジャン・カルロ・メノッティ:2つのチェロと管弦楽のための組曲 パブロ・フェランデス、ベネディクト・クレックナー、 アナスタシア・コベキナ、エドガー・モロー(Vc) ハインリヒ・シフ指揮クレメラータ・バルティカ | ||
録音:2013年10月7日-11日、大ホール、ノイハルデンベルク城(*以外) /2013年10月4日、シュタットハレ、クロンベルク(*)。1991年マドリッドに生まれたスペインの気鋭フェランデス、1994年パリ生まれのモローほか、「クロンベルク・アカデミー」に学んだ4人の若きチェリストと、アカデミーのオーケストラ・イン・レジデンスを2008年より務めるクレメラータ・バルティカの出会いによって生み出されたアルバム。過去3世紀に亘るイタリア、およびイタリアにインスパイアされたチェロ曲8篇は、ヴィヴァルディの協奏曲に始まり、ロッシーニ、パガニーニ、ヴォルフによるおなじみのナンバー、さらにはラトヴィアの現代作曲家プラキディスや、ジャズのテイスト薫るモリネッリを経て、最後は、語法は後期ロマン派のものを用い、様式的にはバロック期の伝統的な特徴である舞踊組曲を採用したメノッティの作品で閉じられるという凝った構成となっている。指揮は、自身もやはりチェロの名手で、1985年以降は指揮者としての活躍も目覚ましいハインリヒ・シフ。未来の巨匠の腕前のほどと併せて、チェロをよく知る大家の指揮ぶりにも注目。 | ||
ナッサウ宮廷の音楽 フランツ・クリストフ・ノイバウアー(1760頃-1795):カンタータ「主は素晴らしき方」 ジョヴァンニ・プント(1746-1803):ホルン協奏曲 ホ長調 ジュゼッペ・デマーキ(1732-1791以降):シンフォニア 変ホ長調 ヨハン・パウル・ロートフィッシャー(1727頃-1791以降):アリア「主よ立ち帰り」(詩篇第6番第5-6節) カール・ルートヴィヒ・ユンカー(1748-1797):フォルテピアノ協奏曲 変ロ長調 クラウス・メルテンス(Br) シュテファン・カッテ(ナチュラルHr) マルク・クロル(Fp) ヴァイルブルク・シュロス教会cho. ドリス・ハーゲル指揮カペラ・ヴァイルブルゲンシス | ||
収録:2013年8月30日-9月2日、シュロス教会、ヴァイルブルク(ラーン河畔)、ドイツ。世界初録音。アーノンクールの下でピリオド奏法の実践を学んだハーゲル&ピリオド楽器アンサンブル、カペラ・ヴァイルブルゲンシスが取り上げるのは、ご当地ナッサウ=ヴァイルブルク家の宮廷音楽を集めたもの。ナッサウ=ヴァイルブルク宮廷の栄華は、ここに作品の収録されたいずれ劣らぬ顔ぶれからも容易に想像が出来る。ボヘミア出身ぐれたヴァイオリニストでもあったノイバウアー。同じくボヘミアの生まれで、モーツァルトとのエピソードでも有名な、当代一級のホルン奏者プント。そのモーツァルトによって、指揮者、コンサートマスターとしての才能を高く評価されていたといわれるロートフィッシャー。イタリアのヴァイオリニストで、ナッサウ宮廷の楽士長を務めたとの記述もあるデマーキ。司祭として、また美術の分野でも名を馳せたユンカー。これまでのアルバム同様、曲目の構成も絶妙で、時代考証に基づく演奏は雰囲気も満点で、宮廷演奏会のその場に居合わせたような感覚がたまらない。 | ||
ラフマニノフ:初期作品集 幻想小曲集 Op.3(全5曲)/楽興の時 Op.16(全6曲)/ 組曲 ニ短調(1891年ピアノ版)(全4曲)/ワルツ Op.10 No.2 エカテリーナ・リトヴィンツェワ(P) | ||
録音:2014年1月15日-17日、ハルベルク放送局、ザールブリュッケン。モーツァルトのピアノ協奏曲でデビューを果たしたエカテリーナ・リトヴィンツェワ。1986年オホーツク海沿岸の町マガダンに生まれ、15歳の時に家族とともにモスクワへ移り、イリーナ・ガブリロワ、アレクサンドル・ムンドヤンツ、エカテリーナ・デルジャヴィナに師事。さらにロベルト・クーレク、ルドルフ・ケレル、アンジェイ・ヤシンスキのレッスンも受けた。2枚目のアルバムはラフマニノフの初期作品集。注目は「組曲 ニ短調」。ラフマニノフがモスクワ音楽院の学生時代1891年に作曲したオーケストラ曲。フル編成だったため、学生オケでは演奏できず、ラフマニノフは自分で弾くためにピアノ版を作った。両方のスコアとも行方不明となっていたが、2000年にモスクワのグリンカ音楽図書館でピアノ譜が発見された。ラフマニノフの署名がないため、真偽が決着をみせてはいないが、大歓迎の録音出現。若々しさとピアニスティックな魅力のあふれる作品で、ラフマニノフ・ファンなら気に入ること間違いなし。また、その翌年に作曲し、恩師アレンスキーに献呈した「幻想小曲集」中の「鐘」の愛称で知られる前奏曲 嬰ハ短調もリトヴィンツェワの清新な演奏が光る。 | ||
J.S.バッハ:フランス組曲/他 〔第1番 ニ短調 BWV.812 /第2番 ハ短調 BWV.813 /第3番 ロ短調 BWV.814 / 第4番 変ホ長調 BWV.815 /第5番 ト長調 BWV.816 /第6番 ホ長調 BWV.817 〕/ フランス風序曲 ロ短調 BWV.831 (#) /イタリア風アリアと変奏 BWV.989 (#) /4つのデュエットBWV.802-805 (#) エカテリーナ・デルジャヴィナ(P) | ||
録音:2014年5月5日-6日、SRハルベルク・フンクハウス、ザールブリュッケン(無印) /1996年3月31日-4月1日、国営放送第1スタジオ、モスクワ(#)。フォルジュルネ音楽祭への出演で日本のファンにも印象深いロシアのピアニスト、エカテリーナ・デルジャヴィナが得意のバッハ、フランス組曲をレコーディング。1967年生まれ、グネシン音楽学校でウラジーミル・トロップに師事し、1993年から2006年まで母校で、さらに2003年からはモスクワ音楽院でも教鞭を取るデルジャヴィナは、ソ連英才教育を受けた典型的ロシア・ピアニズムの持ち主。ロシアのピアニストは伝統的にバッハを好み、すぐれた演奏を残しているが、ここに聴く粒立ちのよい音と折り目正しい演奏は格別。深い瞑想へと誘う。 | ||
サラステ〜マーラー: 交響曲第5番 嬰ハ短調 |
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 ケルンWDRso. | |
録音:2013年6月14日-15日、フィルハーモニー、ケルン、ケルンWDRso.定期公演、ライヴ。プロデューサー:シュテファン・ハーン、エンジニア:マルク・ホーン、アシスタント・エンジニア:ヴァルター・プラッテ。 サラステ指揮&ケルンWDR響のマーラー、2009年12月収録の第9番に続く2作目&当コンビによるライヴ・シリーズ5作目。サラステは同曲を、フィンランド放送so.首席指揮者(1987-2001)時代の1990年5月にセッション録音していたので、23年ぶりの再録音。ケルンWDR響といえば、マーラーの直弟子クレンペラーをはじめ、ミトロプーロス、ロスバウト、ショルティら豪華客演陣、さらには全集録音を完成させたベルティーニといったエキスパートらの薫陶のもと、独自のマーラー演奏の伝統が脈々と受け継がれてきたことで知られている。2013年1月にライヴ収録された前作、ブラームスの交響曲第1番&第3番は、2010年のサラステ首席指揮者就任より3シーズン目を迎えて、両者のいっそうの良好な関係をうかがわせるものだった。5か月後にあたるここでの内容にも、同様のすぐれた出来ばえを期待したいところ。 | ||
ヴァント& NDR 〜ブラームス:交響曲全集 1990, 1992 〔第1番 ハ短調 Op.68 (*) /第2番 ニ長調 Op.73 (#) /第3番 ヘ長調 Op.90 (*) /第4番 ホ短調 Op.98 (+) 〕 ギュンター・ヴァント指揮ハンブルク NDR so. | ||
録音:1990年2月14日、フィルハーモニー、ケルン(*)、1992年11月29日-12月1日(#)、1990年12月17日(+)、ムジークハレ〔現・ライスハレ〕、ハンブルク(#/+)、すべてライヴ。収録: NDR 。2012年に PROFIL から既出の 「北ドイツ放送so.ライヴ集成」BOX からブラームスの交響曲のみを抜き出した物。BMG から発売されていた2種の全集(セッション&ライヴ)の丁度中間にあたる。NDR提供のオリジナルマスターにより CD化 、BMG録音とは傾向が異なり、すっきりとクリアな音質に特徴がある。1980年代半ばから1996年までは、多くのヴァント好きのあいだで絶頂期と評される時期。体力、気力の充実ぶりといった要素が音楽にも表れ、さらには急上昇する人気にも後押しされ、たいへん迫力ある内容となっている。この白熱ぶりは尋常ではない。 | ||
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 〔第12番 イ長調 K.414 / 第9番 変ホ長調 K.271「ジュノーム」〕 |
エカテリーナ・ リトヴィンツェヴァ(P) ヘリベルト・バイセル指揮 ボン・クラシックpo. | |
録音:2013年11月7日、メッペン劇場、ライヴ。エカテリーナ・リトヴィンツェヴァは、1986年にロシア連邦の極東管区、オホーツク海に面するマガダンに生まれたピアニスト。1994年から2001年まで同じく極東チュクチ自治管区のアナディリの児童音楽学校で手ほどきを受けて才能を開花させ、15歳の時に家族でモスクワに移住。2002年から2006年までワルシャワの国立ショパン音楽学校でイリーナ・ガブリーロワのクラスで学び、ディプロマを取得している。アレクサンドル・ムンドヤンツ、エカテリーナ・デルジャヴィナにも師事し、ロベルト・クーレック、ルドルフ・ケレル、アンジェイ・ヤシンスキらのマスタークラスも受講しているリトヴィンツェヴァが、2014年にイタリアの「チッタ・ディ・カントゥ国際ピアノコンクール」で弾いて最高位と聴衆賞を獲得したのが、ここに収められているモーツァルトのピアノ協奏曲第12番だった。このアルバムは、その前年に、かねてより実演でコラボを重ねてきたベイセル率いるボン・クラシック・フィルハーモニーと、同じモーツァルトの「ジュノーム」というプログラムでおこなったコンサートをライヴ収録した物。ボン・クラシック・フィルハーモニーは、1959年にボンでヘリベルト・ベイセルが結成したクール・ケルニッシェo. がその前身で、1986年の改称を経て今日に至るオーケストラ。当初は、ボンに置かれていたクール・ケルン宮廷の音楽に光をあてるという理念のもと、現在では、ウィーン古典派の作品もメイン・レパートリーに加えつつ、時代様式に応じて最大60 人規模まで柔軟に編成を発展させ活動している。ここでの演奏は第1ヴァイオリン6、第2ヴァイオリン5、ヴィオラ4、チェロ3、コントラバス1、オーボエ2、ホルン2というもので、見通しのよいサウンドがなんとも魅力。ピアノとの絶妙な距離感はあたかも室内楽を聴くかのような親密な空気でたまらない。レコーディングは、アーティスティック・ディレクターにトンマイスターのマルティン・ルスト、サウンド・エンジニアがホルガー・ジードラーという顔ぶれで、いずれもTHS Medien Dormagenのチームが担当。とくにProfilのライヴ音源の復刻で評価の高いジードラーの名前がクレジットされているのは注目されるところ。 | ||
ダムラウ&パレイ〜シューマン:歌曲集「ミルテの花」 Op.25(全26曲)
ディアナ・ダムラウ(S) イヴァーン・パレイ(Br) シュテファン・マティアス・ラーデマン(P) | ||
録音:2006年2月、テロス・ムジーク・シュトゥーディオ、メッヒャーニッヒ=フロイスドルフ。前出・旧品番: TELOS, TLS-1006 (1CD) から、シューマン夫妻による11の手紙の朗読を省いての再発。 プロデューサー:ヨアヒム・クリスト。バランス・エンジニア&エディター:マンフレート・ダールハウス。いまをときめくドイツの人気ソプラノ、ダムラウが、2006年にマーラーの「子供の不思議な角笛」(2003年/ PH-14018)と同じ顔ぶれで製作したこのアルバムは、たしかなディクションと、共感あふれる歌で、ダムラウの実力を広く知らしめた物。パレイは、アルゼンチン生まれだが、2000年からウィーンに在住してドイツ歌曲にも強い。グルベローヴァに認められ、2007年4月に行われた彼女の来日リサイタルでも共演した。 Telos Music よりリリースされた際には、歌のあいだに「シューマン夫妻の手紙の朗読」が織り込まれる構成となっていたが、当新盤では歌曲のみに変更されている。 | ||
シューベルト/イェンス・ヨーゼフ(1967-)編曲: 歌曲集「冬の旅」D.911(弦楽四重奏伴奏版) Bonus DVD : ペーター・シュライアー「宮廷歌手」としての世界的キャリアとの別れ(#) ペーター・シュライアー(T) ドレスデンSQ [トマス・マイニング(Vn1) バルバラ・マイニング(Vn2) アンドレアス・シュライベル(Va) マルティン・ユングニッケル(Vc)] ベッティナ・フォルクスドルフ(聞き手;# / MDR FIGARO オペラ・エディター) | ||
録音:2005年3月12日-15日、聖ルカ教会、ドレスデン。収録:ムジークサロン、メンデルスゾーン・ハウス、ライプツィヒ(#) 。製作:2014年(#) 。 DVD 仕様: PAL | 16:9 。 1935年ザクセン州マイセン生まれで、2015年7月に80歳を迎える世界的テノール、ペーター・シュライアーの記念アルバム。 2005年いっぱいで歌手活動から引退を表明していたシュライアーが、キャリアの締め括りにレコーディングしたのは、シューベルトの「冬の旅」。2005年3月に音響にすぐれたドレスデンの聖ルカ教会でセッションを組んでおこなわれた。ドイツの作曲家イェンス・ヨーゼフが手掛けた「テノールと弦楽四重奏版」による演奏というところがユニークな試み。ちなみに、同じアレンジでは2001年5月収録のクリスティアン・エルスナー&ヘンシェル四重奏団盤(CPO/廃盤)というのもあったが、ここでのシュライアーは刻んできた年輪を強く感じさせる味わいで、別次元の感動をあたえてくれる。さらに、ボーナスDVD(PAL仕様)には、シュライアーのインタビューが収められており、この不世出の名テノールを深く知る上で価値ある内容。ブックレットも、シュライアーの輝かしいキャリアを辿る構成でつづられ、また、本レコーディング・セッションの模様をはじめ、少年時代のシュライアーが伝説のカントル、マウエルスベルガーのピアノを前にリハーサルを受ける姿など、貴重な写真が何点も収められ、興味の尽きないつくりとなっている。なお、歌詞は掲載されていない。#ボーナス DVD の再生には PAL 方式対応のプレイヤーが必要で、パソコンでの再生保証もございません。 | ||
J.S.バッハ・ザ・コレクション ブランデンブルク協奏曲全集/管弦楽組曲全集/音楽の捧げもの/チェンバロ協奏曲集/ゴルトベルク変奏曲/ パルティータ 全6曲/オルガン名曲集/カンタータ集/クリスマス・オラトリオ [カール・リヒター(Cemb/Org)指揮/原盤:TELDEC, ARCHIV, DECCA ]/ 平均律クラヴィーア曲集 より(抜粋)/ピアノ協奏曲第5番[グレン・グールド(P)/原盤:SONY ]/ ミサ曲 ロ短調 BWV.232 /ミサ曲集 BWV.233-236[ヘルムート・リリング指揮]/ ヨハネ受難曲 BWV.245[カール・フォルスター指揮/原盤:EMI ]/マタイ受難曲[ロイ・グッドマン指揮]他多数 | ||
Profilの社主ギュンター・ヘンスラー氏が、2015年のJ.S.バッハ生誕330周年に向けてお届けする「J.S.バッハ・ザ・コレクション」。CD35枚組のボックスは、膨大な作品の中から、マタイ受難曲、ヨハネ受難曲、クリスマス・オラトリオといった大作をはじめ、教会カンタータ、ブランデンブルク協奏曲、管弦楽組曲のほか、オルガン曲、ギター編曲作品などが、バランスよく選曲されており、偉大なるバッハの魅力を手軽に味わえる内容となっている。なかでも、ヘンスラー氏が幼少期より敬愛してやまない、バッハ演奏の大権威カール・リヒターの録音を多数網羅しているのも特徴。各CDはトラック・リストのみで、ブックレットは付属しない。 | ||
PH-15000 (6CD) 廃盤 |
ムラヴィンスキー・ボックス Vol.1 | |
ヨハン・ヘルベック(1831-1877):大ミサ曲 ホ短調
ヴィーラント・ホフマン(Org) アンドレアス・ヘルマン合唱指揮ミュンヘン・フィルハーモニーcho. ゲルト・シャラー指揮フィルハーモニー・フェスティヴァ | ||
録音:2014年9月、マックス・リットマン・ザール、レゲンテンバウ・バート・キッシンゲン、ライヴ。バイエルン放送との共同制作。ヨハン・ヘルベックはウィーンに生没したオーストリアの指揮者・作曲家。12歳のときにシトー会修道院の聖歌隊員になり、ピアノのちに作曲も学ぶが、1847年にはウィーン大学で哲学と法律を学び始めるも途中で放棄、1852年にウィーンの聖歌隊長に就任したのを皮切りに、ウィーン音楽院教授、ウィーン楽友協会合唱団の監督を経て、ついにはウィーン宮廷歌劇場総監督(1870-75)にまで上り詰めている。なによりこのヘルベックの最大の功績といえるのが、ヒュッテンブレンナーよりシューベルトの「未完成交響曲」の手稿譜を紹介された際に、その価値を認め、1865年の初演に寄与したこと。また、1868年にブルックナーがウィーン音楽院の対位法の教授に任命される際に尽力したのが、その才能を高く評価していたヘルベックだった。このほどヘルベックのミサ曲をリリースするゲルト・シャラーは、キャラガン校訂稿を使用した「ブルックナーの交響曲集」や、同じくキャラガンが補筆完成とオーケストレーションを施した、「シューベルトの『未完成交響曲』4楽章版」をレコーディングして話題を集めてきた実力派の指揮者。ブルックナー、シューベルト双方にゆかりの深いヨハン・ヘルベックの作品にゲルト・シャラーが着目したのもユニークだが、ヘルベックの作品の録音そのものがほとんど皆無といってよい状況だけに、このたびのアルバムの登場は価値あるものとおもわれる。作曲家としてはほぼ独学であったヘルベックは、交響曲4曲や室内楽曲なども手掛けているが、ゲーテの「ファウスト」やシラーの「ヴァレンシュタインの陣営」への付随音楽のほかに、男声声楽曲101(うちア・カペラ71)、混声合唱曲49(うちア・カペラ42)とパート・ソングを主体に、独唱曲も53曲とかなりの声楽曲を残している。このような突出した声楽作品の数は、このジャンルにおける当時の影響力の大きさを示してもいるようだ。同様に、宗教声楽曲も充実していて、ヘルベックはまた7つのミサ曲、7つのオッフェルトリウム、3つの詩篇、7つの聖歌、オラトリオなどを書いており、ようやくヘルベックの代表的ジャンルともいえる声楽曲に光があてられることになる。 | ||
シャラー〜ブルックナー: 交響曲第00番 ヘ短調 |
ゲルト・シャラー指揮 フィルハーモニー・フェスティヴァ | |
録音:2015年9月、エーブラハ大修道院付属教会、ライヴ。 ブルックナーの習作中の習作交響曲。当代きってのマーラー指揮者シャラーによる超期待の新録音の登場となる。習作とはいえブルックナー39歳の作で、すでに未熟な感はない。むしろオーストリアの田舎を彷彿させる牧歌的な叙情美にあふれていて魅力的。弱いとされるフィナーレにも多くの美しい音楽を聴くことが出来る。さすがブルックナーの全作品を手掛けつつあるシャラー、この曲にちりばめられたブルックナーならではの語法と特徴を巧く引き出し、感動的な音楽に仕上げている。滅多に演奏されない作品が、このクオリティのライヴ演奏で現れたことは大歓迎。ゲルト・シャラーは1965年バンベルク生まれ。1993年にハノーファー州立歌劇場で指揮者としてのキャリアをスタートさせ、1998年にブラウンシュヴァイク州立歌劇場、2003年から2006年までマグデブルク劇場の総音楽監督を務めた。ブルックナーのエキスパートで、ついにはオルガン独奏曲まで奏してしまうほどのこだわり。 | ||
Malinconia シベリウス:メランコリー Op.20 /悲しきワルツ Op.44 No.1(ヘルマン編曲) グリーグ:過ぎた春/アレグレット ホ長調/チェロ・ソナタ イ短調 Op.36 /間奏曲 イ短調/ ペール・ギュント より〔朝(ゴルターマン編曲)/アニトラの踊り(ゴルターマン編曲)/ ソルヴェイグの歌(ゲリンガス編曲)〕 ダヴィド・ゲリンガス(Vc) イアン・ファウンテン(P) | ||
録音:2011年2月28日-3月2日、SWR室内楽スタジオ、シュトゥットガルト。充実著しいゲリンガスによる北欧2大巨匠のチェロ作品。興味深いのがグリーグ。「アレグレット ホ長調」は「ヴァイオリン・ソナタ第3番」の第2楽章を、チェロを弾く兄の誕生日のために1887年5月に自編した物。「間奏曲 イ短調」は1866年作で組曲の第1曲とされる。また、チェロ協奏曲で有名なゴルターマンがチェロとピアノ用に編曲した「ペール・ギュント」の「朝」と「アニトラの踊り」も聴き物。「ソルヴェイグの歌」はゲリンガスが同じスタイルで試みたもので、歌い込まれた演奏にじっくり聴き入ってしまう。 | ||
モーツァルト:レクィエム ニ短調 KV.626(ジュスマイヤー版)
マリア・シュターダー(S) ヘルタ・テッパー(A) ヨーン・ファン・ケステレン(T) カール・クリスティアン・コーン(B) カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハo.&cho. | ||
収録:1960年、セッション。原盤: TELEFUNKEN (TELDEC/WARNER)|リマスタリング&サウンド・デザイン:2015年、ホルガー・ジードラー (THS-Studio) 。ブックレットはトラック・リストとラテン語歌詞記載のみ。Profilのライヴ復刻でおなじみの名人ホルガー・ジードラーが入念なリマスタリングを施す「カール・リヒター・エディション」のシリーズ最新作。1960年にテレフンケンでセッション録音されたモーツァルトのレクィエムは、リヒターがバッハの音楽にみせる厳しく真摯なアプローチと、全身全霊を捧げるリヒターのテンションの高さが印象深い物。いまから10年以上前に国内盤もリリースされているが、すでに廃盤で入手難の状態が続いていたので、新マスタリングでのカタログ復活は歓迎されるところ。 | ||
ソフロニツキー、ネイガウス、リヒテル〜スクリャービン:ピアノ・ソナタ全集 〔第1番 ヘ短調 Op.6 〜葬送行進曲[1958年SMM]/第1番 ヘ短調 Op.6 (*)[1951年11月10日GH]/ 第2番 嬰ト短調 Op.19「幻想」[1960年7月12日SMM]/第3番 嬰ヘ短調 Op.23[1958年9月12日SH]/ 第4番 嬰ヘ長調 Op.30[1960年5月13日SH]/第5番 Op.53[1958年6月8日SH]/ 第5番 Op.53[1955年1月4日GH]/第6番 Op.62[1961年1月7日SMM]/ 第7番 Op.64「白ミサ」(#)[1964年7月13日、ベルリン・コーミッシェ・オーパー、ライヴ]/ 第8番 Op.66[1958年6月8日SH]/第9番 Op.68「黒ミサ」[1958年9月12日SH]/ 第10番 Op.70[1960年2月2日SH]〕/幻想曲 ロ短調 Op.28[1959年4月24日、モスクワ、セッション] ヴラディーミル・ソフロニツキー(P;*/#以外) ゲンリフ・ネイガウス(P;*) スヴャトスラフ・リヒテル(P;#) | ||
録音:[内]、スクリャービン博物館SMM、モスクワ音楽院小ホールSH、モスクワ音楽院大ホールGH、上記特記以外 モスクワ、ライヴ。ソース:記載無し。 Profilより作曲者歿後110年の2015年に、スクリャービンのピアノ・ソナタ「全集」が登場。ネイガウスの第1番、リヒテルの第7番をのぞいて、すべてスクリャービンの娘婿ソフロニツキーの弾くライヴ演奏で構成されたアルバム。ショパンの孫弟子アレクサンデル・ミハウォフスキに師事したソフロニツキーは、ショパン弾きとしても名高く、スクリャービン本人に薫陶を受ける機会がなかったものの、ショパンにも通じる詩情豊かなニュアンスと独特のソフトなタッチがスクリャービンのピアノ演奏を思わせたのだろう。未亡人からも認められたほどで、スクリャービン演奏では別格というべき存在だった。さらに、ソフロニツキーによる第1番(葬送行進曲のみ)と第2番、リヒテルによる第7番のライヴ演奏は、スクリャービン博物館でおこなわれており、作曲者自身のピアノを使用している点でも興味の尽きないところ。1912年ベヒシュタイン製のこの歴史的ピアノは、スクリャービンが第8番以降の3曲を作曲した楽器で、ラフマニノフ、ホロヴィッツ、ユージナ、プレトニョフなど現在に至るまで錚錚たる顔触れが弾いていることでも知られる。 | ||
About the Classical Saxophone ポール・クレストン(1906-1985):サクソフォンとピアノのためのソナタ Op.19 (*) イェネー・タカーチ(1902-1990):2つのファンタスティクス Op.88 No.1 (*) シュルホフ:ホット・ソナタ(*) / デニソフ:サクソフォン・ソナタ(*) *以下、サクソフォンなし、ピアノ・パートのみ収録 ポール・クレストン:サクソフォンとピアノのためのソナタ Op.19 イェネー・タカーチ:2つのファンタスティクス Op.88 No.1 〜第2曲 シュルホフ:ホット・ソナタ / デニソフ:サクソフォン・ソナタ より〔第1楽章/第3楽章〕 ファビアン・パブロ・ミューラー(Sax;*) オリガ・サロギナ(P) | ||
録音:2014年。デニーソフ、シュルホフら4人の作曲家たちによるサクソフォンのための代表的なレパートリーを、ミュンヘン音楽・演劇大学で教鞭を取り、官能的な音色とみごとな腕前とを聴かせるドイツのサクソフォン奏者ファビアン・パブロ・ミューラーがセッション録音。ミューラーと、長年デュオ活動を共にして、そのよき理解者であるオリガ・サロギナのピアノは、どのナンバーもお手本と呼ぶにふさわしい仕上がり。しかも、このアルバムは、サクソフォン作品に親しみ、理解をより深めてもらおうと製作された、サロギナが弾くピアノ・パートのみの演奏を収めたディスクがセットされているのもユニークろ。作品鑑賞と演奏とを同時に楽しめるように。教育者として著名なミューラーらしいアイデアで、サクソフォン学習者にもうれしいつくりとなっている。ファビアン・パブロ・ミューラー:1980年ミュンヘン生まれ。オーストリアのフェルトキルヒ在住、アルゼンチン系ドイツ人のサクソフォン奏者。オーストリアのフォアアールベルク音楽院でイェルク・マリア・オルトヴァイン教授に音楽の手ほどきを受けて若き才能を開花させ、続いてバーゼル音楽大学でマルクス・ヴァイス教授のもと大学院課程を修了、ベルリン芸術大学とハンス・アイスラー音楽大学ベルリンで、ヨハネス・エルンスト教授に優等学位課程を師事、2005年にディプロマを取得。現在、母校のフォアアールベルク音楽院でサクソフォンと室内楽の教授を務める。ドイツ国立ミュンヘン音楽・演劇大学の講師としても教鞭を取る、著名な教師であるミューラーは、数多くの国内外のコンクールに名だたる受賞者を輩出している。 | ||
スヴャトスラフ・リヒテル生誕100周年記念〜父による作品 テオフィル・リヒテル(1872-1941):弦楽四重奏曲 ヘ長調 フェリクス・ブルーメンフェリト(1863-1931):弦楽四重奏曲 ヘ長調 Op.26 オデッサSQ | ||
録音:2014年7月11日-13日、ハルベルク放送局、レーゲンスブルク。世界初録音。スヴャトスラフ・リヒテル生誕百年を記念して、彼の生地オデッサ市が贈るアルバム。何と彼の実父テオフィル・リヒテル作曲の弦楽四重奏曲が世界初録音された。リヒテルの父テオフィルは、1872年にウクライナで生まれたドイツ人。ウィーン国立音楽大学で学び、同地に20年以上暮らした後、ウクライナへ帰国。オデッサ音楽院で教鞭をとった。しかし第2次世界大戦中、ドイツ領事館でピアノを教えただけで、スパイ嫌疑をかけられ逮捕される。息子に累が及ぶことをほのめかされ、それを避けて虚偽の自白をし、1941年に処刑された。彼はいくつかの作曲を残しており、その草稿を息子リヒテルが大事に保管していた。これまでリヒテルのためにカガンやグートマン、ボロディン四重奏団がプライヴェートに演奏して、彼を狂喜させたそうだが、ついに録音が登場することとなった。メロディにウクライナ的な歌があるものの、作風はドイツ流でブラームスやグリーグを思わせる。終始美しいメロディに満ちているが、大のワグネリアンだったらしく、和声はワーグナーかリヒャルト・シュトラウス風の近代性を感じさせる。リヒテル自身は、「魅力的で作り物めいたとろがないところが気にいっている。それはパパの作品にもともと備わる長所なのだ」と絶賛している。リヒテルの才能は父親ゆずりで、息子へ伝わった天才のDNAを実感出来る。カップリングは、リヒテルの師匠ゲンリフ・ネイガウスと、作品を愛したシマノフスキの伯父だったフェリクス・ブルーメンフェリトの弦楽四重奏曲。彼はホロヴィッツの師としても知られ、技巧的なピアノ曲を数多く作っているが、室内楽作品はあまり演奏されることがないので大歓迎。弦楽四重奏曲 ヘ長調は初期の作で、ボロディンやグラズノフの作品を思わすキャッチーなメロディにあふれている。オデッサ弦楽四重奏団は、オデッサ・フィルのメンバーにより1981年結成された団体。近現代作品、珍品に興味を示し、高水準の演奏を繰り広げている。 | ||
フレデリック・ショパン〜シンプリー・ザ・ベスト ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11[マウリツィオ・ポリーニ(P) パウル・クレツキ指揮 フィルハーモニアo./1960年4月20日-21日、ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ/ EMI 原盤]/ ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21[アルトゥール・ルービンシュタイン(P) アルフレッド・ウォーレンステイン指揮 シンフォニー・オブ・ジ・エア/1958年1月20日、カーネギー・ホール、ニューヨーク/ RCA 原盤]/ ピアノ・ソナタ〔第1番 ハ短調 Op.4 /第2番 変ロ短調 Op.35 /第3番 ロ短調 Op.58 〕/幻想曲 ヘ短調 Op.49 / 子守歌 変ニ長調 Op.57 /舟歌 嬰ヘ長調 Op.60 /スケルツォ〔第1番−第4番〕/夜想曲第2番 変ホ長調 Op.9 No.2 / ポロネーズ〔第3番 イ長調 Op.40 No.1「軍隊」/第7番 変イ長調 Op.61「幻想」〕/ ワルツ〔第1番 変ホ長調「華麗なる大円舞曲」 Op.18 /第6番 変ニ長調「子犬」 Op.64 No.1 /イ短調(遺作)〕/ 12の練習曲集 Op.10 /12の練習曲集 Op.25 /3つの新練習曲/歌曲全集(全19曲)〔ドイツ語歌唱〕(*) [コンラート・ヤルノット(Br;*) エフゲニー・ムルスキー(P)] | ||
ブックレットは各曲のトラックリストおよび演奏家のみの記載。 | ||
ティーレマン、SKD 就任記念公演&ワーグナー生誕200周年記念特別演奏会ライヴ〜 シュターツカペレ・ドレスデン Vol.38 ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 WAB 107 (1944年ハース版)(*) ワーグナー:使徒の愛餐 WWV 69 (#) クリスティアン・ティーレマン指揮ドレスデン国立歌劇場o.〔シュターツカペレ・ドレスデン〕 ドレスデン国立歌劇場cho.、チェコ国立ブルノ・フィルハーモニーcho.、 ライプツィヒ MDR 放送cho.、ドレスデン・フィルハーモニーcho.、ドレスデン室内cho. | ||
録音:2012年9月2日、シュターツカペレ(*)、2013年5月18日、聖母教会(#)、共にドレスデン、ライヴ。2012年に首席指揮者に迎えられて以来ティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデン(SKD)のコンビは世界中から高く評価されている。本ディスクはクリスティアン・ティーレマンを首席指揮者に迎え、同コンビの新たなステージの開幕を祝った2012年9月の演奏会からブルックナー交響曲第7番、そしてワーグナー生誕200周年記念特別演奏会で上演されたワーグナーの男声合唱とオーケストラのための「使徒の愛餐」の2枚組。ブルックナーの第7番は、当代きってのブルックナー指揮者と言われるだけあってクリスティアン・ティーレマンの指揮はさすがで、音楽に対して真摯であり、細部まで神経を張りめぐらせた丁寧な演奏で、完成度の高いブルックナー演奏となっているクリスティアン・ティーレマン&SKDは本演奏会直後に来日公演を行っており、日本の聴衆を大いに満足させてくれた。本公演でもドレスデンの新しい時代を歓迎する観客の興奮が伝わってくるような渾身の演奏を聴かせてくれる。ワーグナーの「使徒の愛餐」は、「男性合唱と大オーケストラのための聖書の情景」と副題がついた楽曲。ドレスデンの音楽監督となった頃書かれた作品で、1843年ワーグナー自身の指揮により100人のオーケストラと1200人の合唱とともにフラウエン(聖母)教会で初演されたという記録も残っています。キリストの12使徒への聖霊降臨の場面に基づいた内容で、前半は力強いアカペラ合唱によって歌われ、後半に壮麗なオーケストラが登場するワーグナーらしく輝かしく幕を閉じる。「使徒の愛餐」は、CDが少なくティーレマンによる録音は貴重。さらにワーグナー記念の年に初演の場所で行われた歴史的な演奏会となった。 | ||
ティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデン、2014 ライヴ〜リヒャルト・シュトラウス: ホルン協奏曲第1番 変ホ長調 Op.11 (*) /13管楽器のためのセレナード Op.13 / ソナチネ第1番「傷病兵の仕事場より」 Op.135 /メタモルフォーゼン Op.14 ロベルト・ラングバイン(Hr;*) クリスティアン・ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデン | ||
録音:2014年11月23日(*)、2014年5月15日(*以外)、ゼンパーオーパー、ドレスデン、ライヴ。 Profilレーベル「エディション・シュターツカペレ・ドレスデン」シリーズ44作は、2014年5月15日と11月23日のライヴ。この年はリヒャルト・シュトラウスの生誕150年にあたり、ゆかりの深かったシュターツカペレ・ドレスデンとしてはティーレマンの指揮で記念演奏会を何回か行った。当アルバムにはリヒャルト・シュトラウスの初期と最晩年の作品がふたつずつ収められている。17歳の作「セレナード」は翌年にドレスデン宮廷オーケストラにより初演されたもので、モーツァルトのグラン・パルティータと同じ13管楽器から成っている。同時期のホルン協奏曲は名手だった父のために作曲。このアルバムでは2005年から同オーケストラの首席ホルン奏者を務めるロベルト・ラングバインが見事な独奏を繰り広げている。第2次世界大戦中1943年の管楽合奏のためのソナチネ第1番は、疎開していた自分を自嘲して「傷病兵」と称しているが、リヒャルト・シュトラウス最晩年の諸作と共通した透明で力みのないひたすら美しい音楽が続く。そして「メタモルフォーゼン」ではクリスティアン・ティーレマン入魂の指揮に加え、有希マヌエラ・ヤンケ以下シュターツカペレ・ドレスデンの弦楽の美しさが光る。豊富な写真を含める68ページのカラー・ブックレットも貴重。 | ||
ヘンデル:オルガン協奏曲集 Ops.4 & 7(全曲) 〔第1番 ト短調 Op.4 No.1, HWV.289 /第7番 変ロ長調 Op.7 No.1, HWV.306 /第2番 変ロ長調 Op.4 No.2, HWV.290 / 第8番 イ長調 Op.7 No.2, HWV.307 /第3番 ト短調 Op.4 No.3, HWV.291 /第9番 変ロ長調 Op.7 No.3, HWV.308 / 第4番 ヘ長調 Op.4 No.4, HWV.292 /第10番 ニ短調 Op.7 No.4, HWV.309 /第5番 ヘ長調 Op.4 No.5, HWV.293 / 第6番 変ロ長調 Op.4 No.6, HWV.294 /第11番 ト短調 Op.7 No.5, HWV.310 /第12番 変ロ長調 Op.7 No.6, HWV.311 〕 カール・リヒター(Org)指揮カール・リヒター室内o. | ||
録音:1959年。原盤: Telefunken 。ソース:国内代理店アナウンスに『マスター・テープのコピーよりトランスファー』と記載(ライセンスを得た物かどうかは不明)。リマスタリング&サウンド・デザイン: 2015年、ホルガー・ジードラー(THS-Studio)。前出 CD: TELDEC, 4509-97900-2(国内仕様:WPCS-4848/50)〔廃盤、入手不能〕。カール・リヒターが遺した名録音の数々に、Profilのライヴ復刻でおなじみの名人ホルガー・ジードラーが入念なリマスタリングを施して好評のシリーズ。あたかもリヒターの代名詞ともいえるバッハ演奏に通じる格調の高さとシリアスな表現が独特の魅力。1996年にTELDECよりCD復刻されているが、すでに廃盤となっており、このたびのカタログ復活は朗報と言える。 #2016年1月下旬以降発売予定。 | ||
求愛鳴き [Lockrufe] - Meininger Trio ライナー・リシュカ(1943-):求愛鳴き / エリフ・エブル・サカル(1994-):ウィンド・タッチ メフメト・エルハン・タンマン(1989-):ウォーター・ウェイヴズ ジョエル・クーリー(1963-):アラビアン・ファンタジー・イン・ブルー ケイト・ウェアリング(1955-):ロータス / ブラシュ・プツィハル(1977-):フル・ムーン・トリオ マイニンガー・トリオ[クリスティアーネ・マイニンガー(Fl) ミロシュ・ムレイニク(Vc) ライナー・ゲップ(P)] ゲスト:ロゲル・ゴルトベルク(Cb) | ||
録音:2014年。バイエルン放送との共同制作。すべて世界初録音。フルート、チェロ、ピアノという編成によるマイニンガー・トリオは、同時代の作曲家らの作品を積極的に取り上げ、個性的な活動を展開しているアンサンブル。ドレスデンを拠点に活動するリシュカによるタイトル曲「求愛鳴き(独語原題: Lockrufe)」に始まるアルバムは、新作の委嘱でなじみのウェアリング、トルコのタンマン、同じく気鋭のサカル、レバノンのクーリー、スロベニアのプツィハルといった顔ぶれも特徴的。フォークとジャズのあいだを移ろうサウンドと複雑なリズム書法の4つの小品からなるタイトル曲に代表されるように、それぞれのナンバーに共通するのがジャズとクラシック、西洋と極東のあいだに浮かぶ独特の世界。 | ||
エフゲニー・コロリオフ・エディション CD1 ハイドン:ソナタ集&変奏曲 (PH-04060) CD2 モーツァルト:ソナタ集&幻想曲 (PH-06015) CD3 ハイドン:ソナタ集 (PH-10002) CD4 ヘンデル:クラヴィーア組曲集 (PH-08033) エフゲニー・コロリオフ(P) | ||
既出音源のセット化。1949年モスクワ生まれ、ネイガウス、ユージナ、オボーリンらに師事したエフゲニー・コロリオフは、ロシア・ピアニズムの流れを汲む世界的ピアニスト。得意のバッハ同様に、ここでのハイドンやヘンデルもまた「ピアノの哲学者」といった趣で、折り目正しさのなかに温もりが感じられる。いずれのレコーディングもSWRとの共同製作により、2004年から2009年までの間に同一のスタジオでセッションを組んでおこなわれたもので、音質もすぐれている。 | ||
メランコリー プーランク:メランコリー/3つのノヴェレッテ/ナゼールの夜会 / サティ:3つのジムノペディ 6人組のアルバム〔オーリック:前奏曲/デュレ:無言歌/オネゲル:サラバンド/ ミヨー:マズルカ/プーランク:ヴァルス/タイユフェール:パストラール〕 ミヨー:キャラメル・ムー / オネゲル:ショパンの思い出 青木美樹(P) | ||
録音:2015年1月6日-8日、小ホール、ブランデンブルク放送、ベルリン。クラシック音楽と他ジャンルのギャップを狭めようとする試みが、今日いろいろ行われているが、100年前の流行発信地パリではすでに行われ、ジャズやシャンソンをクラシックに採り入れたり、文学、舞踊、美術家との交流で新しい文化が生まれていた。その産物の一端が当アルバムに収められている。それまでの後期ロマン派的な重苦しさや濃厚な感情を捨て、簡素かつ思い入れをしない作風に新しい息吹を感じる。青木美樹は東京生まれ。9歳で渡英、その後インディアナ大学、イェール大学大学院、ハンブルク音大にてシェベック、ボリス・ベルマン、コロリオフらに師事。2004年イタリア、イブラ国際コンクールを皮切りに、さまざまなコンクールに優勝および入賞。スイスを本拠として国際的に活躍する実力派。数年来プーランクの音楽にはまっているというだけに、共感と説得力あふれる演奏を繰り広げている。オシャレな音色も魅力。 | ||
フセヴォロド・ザデラツキー(1891-1953): 24の前奏曲とフーガ(1937-38) |
ヤッシャ・ネムツォフ(P) | |
ザデラツキーはプロコフィエフと生没年が同じ作曲家。生涯は正反対に不幸で、最後のロシア皇帝ニコライ二世の子供の音楽教師だったというだけで、悪い成分に区分けされ、作品は焚書、逮捕、収容所送りの連続だった。彼は1937年に突然逮捕され、オホーツク海沿岸コリマの労働収容所へ送られ、6年間非人道的な扱いを受けた。そこで電報用紙の裏紙に書き続けたのが「24の前奏曲とフーガ」。ショスタコーヴィチの名作の14年前にこれほどバッハ的な熟達した対位法を示す作品がソ連で生まれていたことは驚嘆に値する。近年ようやく日の目を見た作品、ついに録音が登場する。 | ||
ベートーヴェン: 交響曲第3番 変ホ長調 Op.55「英雄」/ 交響曲第4番 変ロ長調 Op.60 (#) / 交響曲第7番 イ長調 Op.92 (+) |
ゲルト・シャラー指揮 フィルハーモニー・フェスティヴァ | |
録音:2014年5月25日(無印)、2013年9月22日(#)、2014年9月21日(+)、シトー会修道院「皇帝の間(歴史的建築)」、エーブラハ、ライヴ。ブルックナーの交響曲シリーズで注目を集めてきたゲルト・シャラー率いる手兵フィルハーモニー・フェスティヴァ。好評のブルックナー・シリーズと並行して、当コンビは2013年初夏以来、ベートーヴェンの第3番から第8番までの交響曲を取り上げてきており、その驚異的な演奏がたいへんな反響を呼んでいる。このたびProfilよりリリースされる「英雄」、第4番、第7番の3曲は、そのコンサートのライヴ録音からのCD化となる。昨今、ベートーヴェンの交響曲演奏では、作曲当時を念頭にした同時代楽器の使用やピリオド様式の演奏が一般的になりつつあるが、何よりここでシャラーが着目したのは“音響効果と雰囲気を備えた演奏会場を採用する "ことだった。アルバム収録の3つの交響曲のうち、第3番と第4番については公開初演に先立って、それぞれ1804年と1807年にウィーンのロプコヴィッツ伯爵邸での私的な演奏会で初演されている。シャラーによるベートーヴェン・シリーズではその伝統に従い、ロプコヴィッツ宮のホールと同様の容積を持ち、程よいサイズ(天井高10m 、幅12.75m×奥行き26.5m)の歴史的建築「エーブラハ修道院皇帝の間」において、ベートーヴェンの時代に一般的であった、およそ35名という比較的小編成の楽員が演奏するスタイルを実践している。こうして生み出された響きについて、シャラーは「現代の演奏会で聴く響きとはまったく異なる」と自信を深めているが、ブルックナー演奏でるます磨きをかけているオケの腕前と併せて、果たしてどのような仕上がりをみせているのか、その出来栄えが大いに気になるところではある。 | ||
フランツ・クサーヴァー・ゲーベル(1787-1843):弦楽四重奏曲集〔ニ長調/変ホ長調 Op.27〕
ホフマイスターSQ [クリストフ・ハイデマン、ウッラ・ブンディース(Vn) アイノ・ヒルデブラント(Va) マルティン・ゼーマン(Vc)] | ||
録音:2014年7月、シュロス・ノルトハイム=インプスハウゼン。ピリオド楽器使用。2曲とも世界初録音。過去にティッツ(1742-1810)の珍しい弦楽四重奏曲集をProfilより発表して注目されたホフマイスター四重奏団が、またもや貴重なアルバムをリリース。シレジアのブレスラウ近郊フュルステナウに生まれたフランツ・クサーヴァー・ゲーベルはモスクワで歿した作曲家、ピアニスト、指揮者。ウィーン古典派、ベートーヴェンと個人的に親交を持ち、その作品に精通していたためモスクワ楽壇で重要なポジションを占めていたいう。これは同団が以前録音したティッツがニュルンベルクに生まれ、ロシアのサンクトペテルブルクの宮廷楽団のメンバーとして活躍した経歴とも共通点がある。グリンカが作曲技法を称賛し、ボロディンがロシアの影響を認めたとされるゲーベルの弦楽四重奏曲は、優美で快活なアレグロ、息の長い緩徐楽章に対して、ピリオド楽器使用のアンサンブルの奏でる音色が絶妙な味わい。 | ||
シェーンベルク:ブレットル・リーダー〔キャバレー・ソング〕 より(7曲) 〔ガラテーア/ジーガーレッテ/満ち足りた恋人/素朴な歌/警告/おのおのに自分のものを/ とても多くの女に出会い(アルカディアの鏡からアリア)〕 R.シュトラウス:歌曲集「商人の鑑」 Op.66 クルト・ヘッセンベルク(1908-1994): ヴィルヘルム・ブッシュの詩による「ごろつきの歌」 Op.51 (1950) ゲルハルト・ジーゲル(T) ガブリエル・ドブナー(P) | ||
録音:2014年7月、フォーブス・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ・コンサート・ホール、ハリソンバーグ、ヴァージニア州、 US 。1963年生まれのドイツのテノール、ゲルハルト・ジードラーが一風変わったドイツ・リートを表情豊かに歌ったアルバム。クルト・ヘッセンベルクの「ごろつきの歌」は、1859年にドイツの風刺画家で風刺詩人ヴィルヘルム・ブッシュ(1832-1908)によって書かれ、イラスト入り風刺雑誌「フリーゲンデ・ブレッター」に掲載された幻滅的な詩に付曲された歌曲集。音楽はプロテスタントの宗教音楽で名を成し、合唱曲を得意とした片鱗をうかがわせて多彩。なかでも第2、第5、第7曲といったゆっくりとしたナンバーに聴かれる詩的な味わいに魅かれる。オーバーバイエルンのトロストベルク出身のジードラーはテノール・ブッフォ、リリック・テノールとしてデッサウ・ザクセン=アンハルト州立劇場でキャリアを積み、ドイツ、ブルガリア、オランダ、スペインで客演を重ねたのち、1998年バイエルン国立歌劇場デビュー。1999年から2006年までニュルンベルク劇場に在籍していたが、2006年以降は欧米の主要な歌劇場を舞台にフリーランスとして活躍している。 | ||
音楽の気晴らし [Récréation de Musique] ボワモルティエ(1685-1755):4つのフルートのための協奏曲第3番 ニ長調〜アレグロ アンドレ・シェロン(1695-1766):トラヴェルソ、リコーダーと通奏低音のためのソナタ ホ短調 フランソワ・クープラン(1668-1733):クラヴサン曲集第9組曲〜2台のクラヴサンのためのアルマンド マレ(1656-1728):組曲 ホ短調 より〔前奏曲/幻想曲/ロンドーによるサラバンド/メヌエット〕 ラモー(1683-1764):カンタータ ニ長調「テティス」 フィリップ・シュペートリング(1979-):歌、トラヴェルソ、ヴォイスフルートと ガンバのためのテティス四重奏曲〜アリア「哀れなニンフ」 フランソワ・ドヴィエンヌ(1759-1803):2つ本のトラヴェルソのためのソナタ第1番 ト長調 ルクレール(1697-1764):音楽の気晴らし第1集 より〔シャコンヌ/パスピエ〕 アンサンブル・アマリッリ[フィリップ・シュペートリング(リコーダー/Cemb) イェンス・ローマン(リコーダー/トラヴェルソ/ヴィオラ・ダ・ガンバ) エヴァ・クーエン(リコーダー/Cemb) アレクサンドラ・コロ(リコーダー/トラヴェルソ)] アリツィア・グルチ(Ms) | ||
アンサンブル・アマリッリはドイツの4人組ピリオド楽器アンサンブル。全員が複数の楽器をこなし、幅広いレパートリーを披露している。 | ||
ドン・コサック合唱団のスリコ 聖人イオアンの連祷/我は汝に歌う/神は我らとともに/神はあなたの家族を救う/ 古いワルツ/森で言われたこと/わが祖国/ピョートル街道に沿って/吹雪/夕べの鐘/ ドン川に沿って/鐘は明るく響く/ステンカ・ラージン/カリンカ/スリコ ヴァーニャ・フリプカ指揮ドン・コサック合唱団セルゲイ・ジャーロフ | ||
録音:2015年1月19日-20日、インマヌエル教会、ヴッパータール。1921年に亡命ロシア・コサックにより結成されたドン・コサック合唱団。ソ連時代に宗教曲を含む帝政ロシアのレパートリーを聴かせてくれる西側の貴重な団体だったが、近年あまり消息を聞くことが無かった。彼らの健在ぶりを示すファン狂喜のアルバム登場。彼らの特徴は地鳴りのように迫力あるバスの響き。これぞロシアの男声合唱という力強さに圧倒されるが、新録音で迫力満点。ストラヴィンスキーが「ペトルーシュカ」で用いた「ピョートル街道に沿って」の底抜けの陽気さ、スターリンのお気に入りのグルジア民謡「スリコ」の甘い歌い回しいずれも最高。 | ||
ブルックナー: 交響曲第0番 ニ短調 WAB100 (1869) |
ゲルト・シャラー指揮 フィルハーモニー・フェスティヴァ | |
録音:2015年3月、レーゲンテンバウ、バート・キッシンゲン、ライヴ。バイエルン放送との共同製作。バンベルクに生まれたドイツの指揮者ゲルト・シャラーが進めるブルックナーの交響曲シリーズに第0番が登場。これまでのシリーズで高水準の演奏内容を示してきたシャラーとフィルハーモニア・フェスティヴァの顔合わせということで、この作品のさらなる認知の拡大も期待されるところ。 | ||
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのための ソナタ&パルティータ BWV1001-1006(全曲) |
ヨハンナ・マルツィ(Vn) | |
録音:1954年-1955年、アビー・ロード・スタジオ、ロンドン、モノラル。原盤:英 Columbia 。リマスタリング&サウンド・デザイン:2015年、ホルガー・ジードラー(THS-Studio)。アナログ盤(LP)からのトランスファー。 | ||
ショパン:ピアノ協奏曲 全曲〔第1番 ホ短調 Op.11 /第2番 ヘ短調 Op.21 〕
エカテリーナ・リトヴィンツェヴァ(P) ヘリベルト・バイセル指揮ボン・クラシックpo. | ||
録音:2015年7月3日-4日、ザンクト・マルティン教会、ゼールツェ、ハノーファー近郊、ライヴ。アーティスティック・ディレクション&エディティング:ディナ・ポール(THS Medien Dormagen)。サウンド・エンジニアリング:ホルガー・ジードラー(THS Medien Dormagen)。モーツァルトの協奏曲集、ラフマニノフの独奏曲のアルバムをProfilよりリリースして注目を集める美人ピアニスト、エカテリーナ・リトヴィンツェヴァ3枚目のアルバム。リトヴィンツェヴァは、ショパン・コンクールの審査員を歴任し、2010年第16回では審査委員長を務めたポーランドのピアニストで名教師のアンジェイ・ヤシンスキに学んだ。師より直伝のショパンは、モーツァルトでの共演以来、再びベイセル率いるボン・クラシック・フィルハーモニーの好サポートのもと、切々と思いのたけを綴って胸に迫る。エカテリーナ・リトヴィンツェヴァは、1986年オホーツク海沿岸の町マガダンに生まれ、15歳の時に家族とともにモスクワへ移り、イリーナ・ガブリロヴァ、アレクサンドル・ムンドヤンツ、エカテリーナ・デルジャヴィナに師事。さらにロベルト・クーレク、ルドルフ・ケレル、アンジェイ・ヤシンスキのレッスンも受けている。2014年チッタ・ディ・カントゥ国際ピアノコンクール最高位。 | ||
フリーデマン・ヴットケ、コントラスト〜ギター独奏曲集 モーツァルト/ヴットケ編曲:アレグロ/アンダンテ/メヌエット/ロンド-アレグロ ソル:モーツァルト「魔笛」の主題による変奏曲 Op.9 / カルッリ:ソナチネ ハ長調 Op.52 ヴィラ=ロボス:5つの前奏曲 / グラナドス:アンダルーサ / アルベニス:アストゥリアス フリーデマン・ヴットケ(G) | ||
録音:2010年5月、シュロス・アムツェル /2014年9月、シュロスカペレ・ソリテュード、シュトゥットガルト。シュトゥットガルト音楽院出身、バルエコ、ジョン・ウィリアムズ、アンヘル・ロメロらのマスタークラスを受けたドイツの実力派ギタリスト、ヴットケによるソロ・アルバム。自身のギター編曲によるモーツァルトの4つのナンバーは、ソナチネ第1番 K.439bの第4楽章(某テレビ局バラエティ番組の節約レシピで流れるあのピアノ曲)をはじめ、さまざまな器楽曲に由来するが、ほとんど手を入れていないにもかかわらず、意外なほどしっくりしていて聴き物。 | ||
Tangologia 、ブエノスアイレスの四季〜ピアソラ:ブエノスアイレスの四季/天使の組曲
ファビアン・パブロ・ミューラー(アルトSax) オリガ・サロギナ(P) カール・ボロメウス・エップ(EG) レベッカ・シュナイダー(Vn) ヨハネス・オクセンバウアー(ベース) | ||
録音:2007年4月、フランツ・リスト・ヴァイマル音楽大学、ヴァイマル。アルゼンチン系ドイツ人のサクソフォン奏者ファビアン・パブロ・ミューラーが自らのルーツともいえる、ピアソラの名作を取り上げたアルバム。エレキギターも参加したクィンテットによる演奏。 | ||
パストラール〜渡辺克也 ウェオルミズリー:ソナチネ第1番 / ラヴェル:ハバネラ形式の小品 プーランク:オーボエ・ソナタ / ヘッド:3つの小品 ディニク:ホラ・スタッカート / ゴダール:レジェンド・パストラール Op.138 渡辺克也(Ob) ウルグベク・パラヴァノフ(P) | ||
録音:2015年10月13日-15日、イエス・キリスト教会、ベルリン。 KKC-4069 は『日本語解説書付』とのこと。なお輸入盤 PH-15049 は国内代理店からは供給されておりません。ドイツを本拠に活躍する渡辺克也、第5弾アルバムの登場。今回もオーボエの魅力を存分に味わえる6篇を厳選、渡辺の超絶技巧を満喫出来る至福の一時間。 | ||
チョン・ミョンフン〜ベートーヴェン: 交響曲第3番 変ホ長調 Op.55「英雄」 |
チョン・ミョンフン指揮 シュターツカペレ・ドレスデン | |
録音:2004年11月27日、ゼンパーオパー、ライヴ|おそらく初出音源。Profilレーベル「エディション・シュターツカペレ・ドレスデン」シリーズ41作は、なんとチョン・ミョンフン指揮の2004年11月27日のライヴ。ミョンフンは2012年からシュターツカペレ・ドレスデンの首席客演指揮者の任にあるが、2001年11月の初登場以来たびたび指揮台に立つたけでなく、ピアニストとしてメンバーたちと室内楽を演奏するなど密接な関係を続けてきた。ミョンフンは東京フィルとベートーヴェンの交響曲全集CD を出しているが、どちらかといえばフランス物を得意とするイメージがあるため、珍しいリリース。さらに今回はドイツの伝統を受け継ぐ名門シュターツカペレ・ドレスデンとの共演というなので、非常に期待出来る。まさにミョンフンならではの「エロイカ」、推進力あふれる熱演で聴く者を釘づけにする。まさにファン待望のリリース、ご期待頂きたい。 | ||
ハンス・ロット:交響曲第1番 ホ長調 | コンスタンティン・トリンクス指揮 ザルツブルク・モーツァルテウムo. | |
録音:2015年11月8日、ザルツブルク大祝祭劇場、ライヴ。日本でも東京フィルや新国立劇場の指揮でおなじみのコンスタンティン・トリンクスは1975年ドイツ生まれ、カールスルーエ国立音大で指揮とピアノを学び、バーデン州立劇場で大野和士のアシスタントを務めた。 そのトリンクスがハンス・ロットの交響曲に挑戦。マーラーを先取りしたような世界、美しいメロディで聴いた人の心を掴んでしまう作品で、近年録音も急増している。トリンクスは超熱演。彼の描くロットは内気な青年ではなく、汗を飛ばし行動する熱血漢のようだ。作品に対する印象が変わる。 | ||
アメリカーナ アラン・ワインバーグ(1952-): アメリカーナ/太洋の音 ライナー・リシュカ(1942-):逆転/エキストラ マイク・モーワー(1958-):ソナタ・ラティーノ |
バロック&ブルー [クリスチアーネ・ マイニンガー(Fl) ライナー・ゲップ(P) ロジャー・ゴールドバーグ(ベース) エンノ・ランゲ(ドラムス)] | |
録音:2014年9月3日-6日、イリンゲン。クラシック演奏家2人と、ジャズ演奏家2人が2005年に結成した異色ユニット、バロック&ブルー。音楽も両者の融合だが、21世紀の音楽の方向性を指し示しているかのような興味深さがある。アメリカの作曲家アラン・ワインバーグ、ドイツのライナー・リシュカ、イギリスのマイク・モーワーの音楽もオシャレ。ノリの良さに満ちている。 | ||
ジュリーニ〜グルック: 歌劇「タウリスのイフィゲニア〔トーリードのイフィジェニー〕」(仏語歌唱) パトリシア・ネウェイ(S;イフィゲニア) レオポルド・シモノー(T;ピュラデス) ピエール・モレ(Br;オレステス) ロベール・マッサール(Br;トアース) カルロ・マリア・ジュリーニ指揮パリ音楽院o.、パリ声楽アンサンブル | ||
録音:1952年、エクサン・プロヴァンス音楽祭、ライヴ、モノラル。原盤: VOX/EMI 。既出CD, CDR: MDV CLASSICS, CANTUS CLASSICS 。国内代理店は『アウリスのイフィゲニア』『初CD化』としているが、誤り。#題名は海外の欧文情報でも誤っている場合があるため、商品内装等に誤記がある可能性がありますが、その場合でも現状のまま供給されます。 | ||
ペルゴレージ:歌劇「奥様女中」(*) [ロザンナ・カルテリ(S;セルピーナ) ニコラ・ロッシ=レメーニ(B;ウベルト) カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ミラノ・スカラ座o.&cho.] チマローザ:歌劇「宮廷楽士長」(#) [セスト・ブルスカンティーニ(Br;楽士長) レナート・ファザーノ指揮 コレギウム・ムジクム・イタリクム(イ・ヴィルトゥオージ・ディ・ローマ)] | ||
録音:1955年5月29日-31日、スカラ座、ミラノ(*) /1957年、ナポリ(#) 。原盤: EMI Italiana (La Voce del Padrone) 。ソース:国内代理店アナウンスに記載無し。既出CD: URANIA, URN22-268〔廃盤、入手不能〕(*) 。 (#)は初CD化か。 (*)はジュリーニが1953年から1956年までミラノ・スカラ座の音楽監督を務めた際、イタリアEMI に遺したいくつかの録音から。彼唯一の同曲録音だが、 EMI, WARNER 系列からはCD化されていないはず。 | ||
カール・リヒター・エディション J.S.バッハ: ブランデンブルク協奏曲(全6曲)/管弦楽組曲(4曲)/音楽の捧げ物/チェンバロ協奏曲集/オルガン・リサイタル/ ゴルトベルク変奏曲/パルティータ(全6曲)/マタイ受難曲/ミサ曲 ロ短調/クリスマス・オラトリオ/ カンタータ集 BWV.78, 87, 108, 127, 79, 4, 45, 51, 8, 55, 147 /マニフィカト ヘンデル:オルガン協奏曲集/アリア集 / モーツァルト、ハイドン、グルック:フルート協奏曲集 J.S.バッハ、C.P.E.バッハ:ソナタ集 / ハイドン:交響曲集 / モーツァルト:レクイエム ヘンデル、J.S.バッハ:組曲、トッカータ、フーガ / ハイドン、メンデルスゾーン、シュッツ:アリア集 カール・リヒター(Cemb/Org)指揮 | ||
原盤: Telefunken (Teldec), DG, Archiv, DECCA 。 Profil の好企画、カール・リヒターが遺した名録音のリマスタリング・シリーズ。当セットはこれまでにリリースされたタイトルを中心とした31枚組の超お買い得ボックス。収録作品はリヒターの代名詞であるバッハの主要作品集からヘンデル、モーツァルト、ハイドンなど、どれをとっても名録音がおさめられている。Profil のライヴ復刻でおなじみの名人ホルガー・ジードラーが入念なリマスタリングを施している。 | ||
テンシュテット& NDR 「英雄」1979 交響曲第3番 変ホ長調「英雄」 Op.55 / 「コリオラン」 Op.62 序曲 |
クラウス・テンシュテット指揮 北ドイツ放送so. | |
録音:1979年7月3日-6日、北ドイツ放送スタジオ10、ライヴ。 この日付とされるディスクは初だが、このカップリングで1979年(あるいは1979年4月)とされる NDR 自主制作の LP が出ており、さらにそのコピーと思われる SUNJAY CLASSICS, SUCD-19-K という CD-R が過去にあり、これらと同一の演奏と思われる。テンシュテット& NDR による同年の「英雄」には、1979年10月3日ロカルノでのライヴ(同日の「エグモント」序曲等とカップリング| DRUM CAN DM-6003, "000" Classics [CD-R] ADB-0004, MEMORIES ME-1069/70 )があった。 驚きの音源の出現クラウス・テンシュテットが最盛期1979年7月に北ドイツ放送so. を指揮したベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」と序曲「コリオラン」。クラウス・テンシュテットのベートーヴェン録音は意外に少ないものの、「英雄」は1982年のVPO、1991年のLSOとの共演が正規発売されていて、いずれも演奏の凄さに注目が集まっていた。しかし当ディスクはさらに若い1979年、オーケストラも北ドイツ放送so.という理想の条件に加え、放送用に行われたライヴ録音というのも非常に価値がある。同時に序曲「コリオラン」が収録されているのも貴重。演奏は期待以上の凄まじさ。強い緊張感とスケールの大きさで、あっと言う間に全曲を聴き通させてしまう。また第2楽章の深い情念の渦巻き、フィナーレの圧倒的な盛り上がりなどクラウス・テンシュテットの真骨頂たる鬼気迫る世界をつくりあげている。北ドイツ放送提供のマスターも良好で、最盛期のテンシュテット芸術を堪能出来る。 | ||
PH-16026 (6CD) 廃盤 |
ムラヴィンスキー・ボックス Vol.2 | |
半数程度が初出、独放送局所蔵マスター使用〜 スヴャトスラフ・リヒテル・プレイズ・ベートーヴェン 1947-1963 ピアノ・ソナタ 〔第3番 ハ長調 Op.2 No.3[1960年5月31日Le/Lv (*) ] /第7番 ニ長調 Op.10 No.3[1960年6月7日Le/Lv]/ 第8番 ハ短調 Op.13「悲愴」(2種)[1947年6月5日Mo/Lv (*) ][1959年6月4日Mo/Se]/ 第9番 ホ長調 Op.14 No.1(2種)[1947年6月5日Mo/Lv (*) ][1963年7月6日Pa/Se]/ 第10番 ト長調 Op.14 No.2(2種)[1947年6月5日Mo/Lv (*) ][1963年7月6日Pa/Se]/ 第11番 変ロ長調 Op.22(2種)[1951年1月8日Mo/Lv (*) ][1963年7月6日Pa/Se]/ 第12番 変イ長調 Op.26「葬送」[1947年6月5日(1947年4月12日?)Mo/Lv (*) ]/ 第17番 ニ短調 Op.31 No.2「テンペスト」(2種)[1951年1月8日Mo/Lv (*) ][1961年8月5日Lo/Se]/ 第18番 変ホ長調 Op.31 No.3[1960年4月1日Mo/Lv (*) ]/ 第19番 ト短調 Op.49 No.1[1963年7月6日Pa/Se]/第20番 ト長調 Op.49 No.2[1963年7月6日Pa/Se]/ 第22番 ヘ長調 Op.54[1960年5月31日Le/Lv (*) ]/ 第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」(2種)[1960年5月31日Le/Lv (*) ]/[1960年11月29日-30日NY/Se]/ 第27番 ホ短調 Op.90[1951年1月29日Mo/Lv (*) ]/ 第28番 イ長調 Op.101[1963年7月24日(とあるが、おそらく1965年7月24日)Ki/Lv]/ 第30番 ホ長調 Op.109[1963年11月28日GL/Lv]/第31番 変イ長調 Op.110[1963年11月28日GL/Lv]/ 第32番 ハ短調 Op.111[1963年11月28日GL/Lv]〕/ ディアベッリ変奏曲 Op.120[1951年1月29日Mo/Lv]/エロイカ変奏曲 Op.35[1951年1月29日Mo/Lv (*) ]/ 創作主題による6つの変奏曲 Op.34[1950年6月23日Mo/Lv]/ 「トルコ行進曲」による変奏曲 Op.76[1950年6月23日Mo/Lv]/2つのロンド Op.51[1951年1月29日Mo/Lv (*) ]/ バガテル集 より Op.33 Nos.3, 5 / Op.119 Nos.2, 7, 9 / Op.126 Nos.1, 4, 6 [1958年11月16日Ki/Lv (*) ]/ ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15[クルト・ザンデルリング指揮モスクワ放送so./1952年3月22日Mo/Lv (*) ]/ ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37[ヘルマン・アーベントロート指揮ソヴィエト国立so./1954年10月25日Mo/Lv]/ ロンド 変ロ長調 WoO.6[キリル・コンドラシン指揮モスクワpo./1962年5月8日Mo/Lv]/ チェロ・ソナタ〔第1番 ヘ長調 Op.5 No.1 (#) /第2番 ト短調 Op.5 No.2 (#) /第3番 イ長調 Op.69 (+) / 第4番 ヘ長調 Op.102 No.1 (+) /第5番 ニ長調 Op.102 No.2 (#) 〕 [ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)/1962年6月、1963年3月Wi/Se (#)、1950年3月1日Mo/Lv (+) ] スヴャトスラフ・リヒテル(P) | ||
録音:[内]、レニングラードLe、モスクワMo、パリPa、キエフKi、ニューヨークNY、ライプツィヒ・ゲヴァントハウスGL、ウィーンWi。 モノラル&ステレオ(個別アナウンス無し)、ライヴLv、セッションSe。(*)は初出音源。 セッション録音は、MELODIYA, PHILIPS (DECCA), EMI (WARNER CLASSICS), RCA (SONY/BMG) から既出。 Profile レーベルが、国内代理店の依頼でドイツの放送局に眠るリヒテルの音源を調査し、当時ソ連の放送局から提供された驚愕のマスターテープを多数発掘した。1947年から1963年まで、ライヴの大半は初出物。やはりリヒテルといえばベートーヴェンを聴きたい物。今回はベートーヴェン作品に限定し、ピアノ・ソナタ18篇のほか、ロストロポーヴィチとのチェロ・ソナタ全曲、協奏作品を3篇という大盤振舞い。それもリヒテルがまだ西側で知られる以前の壮年期の演奏が多く、言葉を失うすさまじさ。3篇の協奏作品も指揮者が豪華。初出のピアノ協奏曲第1番はザンデルリング指揮モスクワ放送so.、3番はアーベントロート指揮、珍品のロンドはコンドラシン指揮と、それだけでも聴いてみたくなる魅力的な共演。既出音源も入手困難な物がある上、新音源を用いているため大歓迎。さらに驚きの価格で、新たなリヒテルの名盤の登場。 | ||
ブルックナー: ミサ曲第3番 ヘ短調 (1893年版) /詩篇146 (1858頃) / オルガン作品全集(#) 〔即興演奏用の主題集(エルヴィン・ホーン編纂)/アンダンテ ニ短調 WAB.130 / 後奏曲 ニ短調 WAB.126 /前奏曲とフーガ ハ短調 WAB.131 / フーガ ニ短調 WAB.125 /前奏曲 ハ長調 WAB.129 〕 ゲルト・シャラー(Org)指揮 フィルハーモニー・フェスティヴァ、ミュンヘン・フィルハーモニーcho. アニア・フェルギ(S) フランツィスカ・ゴットヴァルト(A) クレメンス・ビーバー(T) ティモ・リーホネン(B) | ||
録音:2015年7月、エーブラハ大修道院付属教会&バイエルン放送スタジオ。フィルハーモニー・フェスティヴァと、ブルックナーの全交響曲を録音したゲルト・シャラーがオーケストラ付き宗教作品に挑戦。ミサ曲第3番は60分の大作で、ブルックナーの交響曲的メロディや崇高な響きが現れるファンは素通りできない重要作。もとは 1867-68年の作だが、ブルックナー最晩年の93年に改訂した版を用いているのも興味津々。詩篇146はブルックナーがまだ交響曲を手掛ける以前の作で、あまり聴く機会がない。作曲修行中だったせいか、フーガや展開に力が入っている。オルガン曲がすべて入っているのもアルバムの価値を高めている。それもシャラーが見事なオルガン演奏を披露。交響曲で培ったブルックナーの音の綾を再現する。エルヴィン・ホーン編纂のオーストリア皇女マリー・ヴァレリーの結婚式での即興演奏も収録。交響曲第1番やハイドン作曲のオーストリア国歌、ヘンデルのハレルヤも引用され興味津々。ゲルト・シャラーは1965年バンベルクに生まれ。1993年にハノーファー州立歌劇場で指揮者としてのキャリアをスタートさせ、1998年にブラウンシュヴァイク州立歌劇場、2003年から2006年までマグデブルク劇場の総音楽監督を務めた。ブルックナーのエキスパートで、ついにはオルガン独奏曲まで奏してしまうほどのこだわり。 | ||
ブルックナー: 弦楽五重奏曲 ヘ長調(シャラー編曲/フル・オーケストラ版)/序曲 ト短調 (1863年版) ゲルト・シャラー指揮プラハ放送so. | ||
録音:2018年5月、プラハ放送ホール。指揮者としてのブルックナーの全交響曲はもとより、オルガニストとして全オルガン曲まで録音したゲルト・シャラー。今回は何と弦楽五重奏曲をシャラー自身がフルオーケストラ用に編曲、それをいつものフィルハーモニー・フェスティヴァではなく、プラハ放送so.と録音した。弦楽五重奏曲は交響曲第5番や第6番と同時期の1878-9年の作で、演奏時間40分を超える大作。交響曲作家ブルックナーとしては珍しい室内楽作品ながら、その交響的要素はかねてから指摘され、弦楽オーケストラによる演奏もあった。シャラーはそれを発展させ、ブルックナー12作目の交響曲に仕立てている。シャラー自身「ブルックナーの書いた最も美しい音楽のひとつ」と述べているアダージョは弦楽合奏のみ、その他も弦のパートは極力ブルックナーのオリジナルに従い、各2本の木管、4本のホルン、2本のトランペット、3本のトロンボーン、ティンパニのパートを付加し、内在する交響的音響を現実化した。その結果、交響曲第6番を思わす雰囲気の新交響曲が登場した。弦楽五重奏曲は、初演したヘルメスベルガーがスケルツォ楽章を「演奏不能」としたことで代替えの「間奏曲」が生まれた。シャラーはこの間奏曲もオーケストレーションし、全5楽章としているのも嬉しい限り。さらに初期の「序曲 ト短調」が入っているのも注目。すでにブルックナー節炸裂だが、シャラーによる弦楽五重奏曲のフルオーケストラ版と同じ楽器編成のため、いろいろ共通点が発見できるのも興味津々。 | ||
天を崇め〜宗教合唱曲ベスト Disc 1 (*) エーベリンク:黄金の太陽 /ヴルピウス:夜が明ける/今、明るい陽光が / ガストルディ:汝こそわが喜び プレトリウス:汝の御子によりてのみ我らは感謝す / クリューガー:もろもろの国よ、主を讃えよ J.S.バッハ:汝ヤハウェのために我は歌わん BWV.299 /すべての者よ、神に感謝せよ BWV.192 / 愛するみ神にすべてを委ね BWV.93 /神がなし給うは恵みに満てる御業 BWV.100 / 主を讃えよ、大いなる力に満ち栄光に輝く王を BWV.137 / 神よ、我をみ旨のままに取り計らい給え BWV.514 /わたしはよい羊飼である BWV.85 ジルヒャー:わが手をとり / J.C.F.バッハ:目覚めよと呼ぶ声あり / ヴルピウス:陽光が陰り エッカルト:キリストは我に与え給うた/シュルツ:月がのぼり/作曲者不詳:主にありて憩い給う Disc 2 J.S.バッハ:いざ、はれやかなラッパの鳴りわたる響きを BWV.207a より/主よ人の望みの喜びよ BWV.147 / 力強き栄光の王なる主をたたえよ BWV.137 より/主をたたえよ、すべての異教徒よ BWV.230 シュッツ:主に向かって喜びの声をあげよ/かくのごとく神は世を愛し給う / グリーグ:アヴェ・マリス・ステラ メンデルスゾーン:聖パウロ〜見よ、なんという愛を/エリヤ〜それ、主汝のためにみ使いたちに命じ/ 主に向かって喜びの声をあげよ/交響曲第2番「賛歌」より モーツァルト:主を讃えよ K.339 / テレマン:おのが道を委ねよ ルター:高き天より、我は来たれり/深き淵より / ベートーヴェン:自然における神の栄光 シューベルト:ドイツ語ミサ〜聖なるかな / ギュンター・ヘンスラー:主よ、私はあなたを連れていく ゲルハルト・ヴィルヘルム指揮シュトゥットガルト聖歌児童cho.(*) ヘルムート・リリング指揮ゲヒンゲン聖歌隊、バッハ・コレギウム・シュトゥットガルト エックハルト・ヴェヤント指揮ドイツ少年cho. ルパート・フーバー指揮南ドイツ放送cho.他 | ||
原盤: Hänssler (*) 。Disc 1はヘンスラーから出ていたものをまるまる、Disc2は複数の盤からのコンピによるお買い得セット。ドイツの名門少年合唱団による演奏で、それもドイツ作品中心なため発音、表現も完璧。少年合唱の清純かつあやうい美しさを存分に堪能出来る。 | ||
ヴェルディ:歌劇「椿姫」
マルタ・トルビドーニ(S;ヴィオレッタ) ミハイル・ミハイロフ(T;アルフレード) アントン・ケリミチェフ(Br;ジョルジョ)他 リュプカ・ビアジョーニ指揮ソフィアpo.、国立フィルcho. | ||
録音:2014年4月2日-7日、ブルガリア・ホール、ソフィア。 ギャウロフやカバイヴァンスカを生み出したブルガリアは意外なオペラ大国だが、近年イタリアの若手女流指揮者リュプカ・ビアジョーニの熱心な活動により、イタリア・オペラが充実しているといわれる。それを実証しているのが当アルバム。ビアジョーニはローマ生まれ。最初ピアノを学ぶが指揮に転向し、サンタ・チェチーリア音楽院でバーンスタインとバラッチに学んだ後、シエナのキジアーナ音楽アカデミーでライトナーとゲルギエフに師事、さらにムーシンのもとで仕上げた。2002年にEUフランコ・カプアーナ国際指揮者コンクールに入賞、2013年からブルガリアのソフィア・フィルの首席指揮者を務め、世界的に名が知れ始めている。当アルバムは2014年4月のもので、ブルガリアの実力派によるドスの利いた声とビアジョーニの明るくきびきびした音楽性で魅力満点。 | ||
ジュリーニ〜アレッサンドロ・スカルラッティ:歌劇「貞節の勝利」
サンテ・メッシーナ(T;フラミーニオ) オルネッラ・ロヴェーロ(S;コルネーリア) アマリア・ピーニ(Ms;コルネーリア) ロザンナ・ツェルビーニ(S;ドラリーチェ) アメデオ・ベルディーニ(T;リッカルド) マリオ・ボリエッロ(Br;エルミーニオ) カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ミラノ RAI so. | ||
録音:1950年9月17日、モノラル。原盤: Cetra (WARNER/FONIT) 。ソース [LP] : LPC 1223 。板起しだが、スクラッチノイズはほとんどなく、高音の伸びの良さがイタリアならではのさわやかさ。 | ||
ジュリーニ〜ケルビーニ:レクイエム(第1番) ハ短調
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ローマ聖チェチーリア音楽院o.&cho. | ||
録音:1954年。 | ||
ギュンター・ヴァント〜ミュンヘン・レコーディングス、コンパクト BOX 化 ・Vol.1(PH-06008 [2CDs]) ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調[2000年9月15日]/ シューベルト:交響曲第8番 ロ短調「未完成」[1999年9月28日] ・Vol.2(PH-06012) ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調[1995年11月29日、12月1日] ・Vol.3(PH-06014) シューベルト:交響曲第9番 ハ長調「グレイト」[1993年5月28日] ・Vol.4(PH-06046) ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」[2001年9月13日-15日] ・Vol.5(PH-06044) ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68[1997年2月19日、21日、23日] ベートーヴェン:交響曲第1番 ハ長調 Op.21[1994年2月4日] ・Vol.6(PH-06047) ブルックナー:交響曲第6番 イ長調(原典版)[1999年6月24日] ・Vol.7(PH-06045) ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調(原典版)[1998年4月21日] ギュンター・ヴァント指揮ミュンヘンpo. | ||
録音:[内]、ガスタイク、ミュンヘン、ライヴ。
旧品番: PH-06013(発売:2008年)のコンパクト BOX 化&値下げ再発。
#以下は基本的に PH-06013 発売時のアナウンスママとなります。
Profilが進めている壮大なプロジェクト、ギュンター・ヴァント・エディション。その最大の目玉といえるミュンヘン・フィルとのライヴがついにセットで登場する。きわめつけの独墺系レパートリーがならぶなかで、チェリビダッケの亡きあとヴァントが一年に一曲のペースで取り上げたブルックナー。なんといっても当セットの目玉は音楽評論家許光俊氏をはじめ、かねてよりファンからCD化の要望が強かった第6番と第9番を分売にさきがけて収めていること。第1楽章冒頭、ピシッと徹底した弦のきざみにこれから起こるドラマの全てが凝縮したかのように、ヴァントの芸風の真髄、厳しく引き締まった造形美に打ち抜かれた第6番。そして「この世からの離脱と内なる真理の表現として、彼岸の輝きと恍惚にみち」、建築にたとえて第5番に次いで重きを置いていた第9番。ブルックナーについて、ヴァントは自身の評伝のなかで「ずいぶんと多くの時間を要した」と述懐しているが、じっさいにこうしたものすごい演奏を聴くとこの言葉の重みが実感される。巨匠ヴァントが最晩年に残したミュンヘン・フィルとのきわめつけのライヴ。演奏内容は折り紙つき、録音もきわめて優秀な当セットは末永くファンの宝物となることだろう。 | ||
サラステ〜ブルックナー: 交響曲第8番 ハ短調 (1887年および 1890年ハース版) |
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 ケルンWDRso. | |
録音:2010年11月2日、5日、フィルハーモニー、ケルン、ライヴ。 ユッカ=ペッカ・サラステがケルンWDR 響とブルックナーの 8番に挑戦した。彼は2007年にオスロで同曲を披露した際はノヴァーク版を使用したが、3年を経てハース版を採用するに至ったユッカ=ペッカ・サラステはハース版の追加によりブルックナーの個性は残しつつ、より豊かでイマジネーティヴになったと確信しているとのこと。版の問題という以上に、独墺系指揮者からは聴くことのできない個性的なブルックナー像を作り上げている。最たる違いはテンポ。何と全曲を74分38秒!最速の演奏のひとつと言える。ことにフィナーレの冒頭など驚くべき速さで進む。ケルンWDR 響がしっかりつき、木管が神業的な技巧を発揮しているのも聴き物。ブルックナーの伝統に鉄拳を加えるような衝撃で賛否両論を呼ぶことまちがいなしの刺激的内容。 | ||
ティーレマン〜ブルックナー: 交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」 (1878/80ハース稿) |
クリスティアン・ティーレマン指揮 シュターツカペレ・ドレスデン | |
録音:2015年5月17日、ゼンパーオーパー、ドレスデン、ライヴ。Profil レーベル「エディション・シュターツカペレ・ドレスデン」シリーズ42作はクリスティアン・ティーレマンのブルックナー・サイクル待望の交響曲第4番。当アルバムは2015年5月17日にドレスデン・ゼンパーオーパーで行われた演奏会のライヴだが、数日後のコンサートの模様はC MajorレーベルからDVDで発売され、その名演ぶりが話題となった。シュターツカペレ・ドレスデンといえばワーグナーとリヒャルト・シュトラウスが君臨していたが、1895年にアドルフ・ハーゲン指揮で演奏して以来、独自のブルックナーの交響曲第4番演奏伝統を持っている。エルンスト・フォン・シューフ、フリッツ・ブッシュ、ベーム、カイルベルト、ヨッフムジュゼッペ・シノーポリベルナルド・ハイティンク、ネゼ=セガンと連なっているがクリスティアン・ティーレマンの演奏も21世紀初頭の伝説として刻まれた。ティーレマンのブルックナーの4番は、これまでミュンヘン・フィル、BPOを指揮した演奏に触れることが出来るが、シュターツカペレ・ドレスデンとのものは、近年なだけに円熟著しい点が注目。全体73分という遅めのテンポによる悠然たる歩みながら、起伏に富んでいるため全く飽きさせない。さらにゼンパーオーパーのまろやかな音響とあいまって、オルガンのような、ブルックナーが心に描いていたような壮麗かつ天国的な音楽が構築されている。 | ||
フランツ・クサヴァー・ゲーベル(1787-1843): 弦楽五重奏曲第8番 変ロ長調 Op.27 (*) /チェロ・ソナタ 変ホ長調 ホフマイスターSQ (*) [クリストフ・ハイデマン、ウーラ・ブンディエズ(Vn) アイノ・ヒルデブラント(Va) マルティン・ゼーマン(Vc)] マルティン・フリッツ(Vc2;*) マルティン・ゼーマン(Vc;#) 荒木紅(Fp;#) | ||
録音:2015年、アンドレアス教会、ベルリン。世界初録音。ピリオド楽器使用。フランツ・クサヴァー・ゲーベルはドイツ生まれ。ウィーンのレオポルトシュタット劇場で楽長を務めていたが、1817年にモスクワへ行き、後半生をこの地で過ごした。ロシアでは作曲とピアノを教え、孫弟子にアントン(1829-1894)&ニコライ(1835-1881)のルビンシテイン兄弟〔兄弟共に、ゲーベルの弟子だった Alexander Villoing (1808-1878) に学んでいる〕がいることから、ロシア・ピアノ楽派の祖とも考えられている他、チェロも巧みだったという。2002年創立のホフマイスター四重奏団は、古典派を得意とする団体。ロシアで活躍したドイツ人のシリーズが好評。 | ||
ショパン:ピアノ三重奏曲 ト短調 Op.8 エルスネル:ピアノ三重奏曲 変ロ長調 |
トリオ・マルゴー [荒木紅(Fp) クリストフ・ハイデマン(Vn) マルティン・ゼーマン(Vc)] | |
録音:2015年、アンドレアス教会、ヴァンゼー、ベルリン。ピリオド楽器使用。ショパン初期のピアノ三重奏曲はあまり聴く機会がないが、若々しい感性が捨てがたい作品。これを何とピリオド楽器で演奏したCDが登場する。インマゼールの愛弟子の日本人チェンバロ・フォルテピアノ奏者、荒木紅を中心とするトリオ・マルゴーの演奏で、思いがけない魅力を再発見出来る。さらなる魅力は、カップリングがユゼフ・エルスネル(1769-1854)のピアノ三重奏曲。これまでショパンの師としてのみ語られ、作品を聴く機会がほとんどなかったのでショパン好きは見逃せない。ウィーン古典派風の曲ながら、終楽章にポーランドの民族舞曲の要素が現れるなどショパンの先駆性を感じる。ピリオド楽器の響きがどこか民族楽器を思わせ、目から鱗が落ちる。 | ||
ガット弦使用〜ブラームス対チャイコフスキー ブラームス(1833-1897):弦楽四重奏曲第1番 ハ短調 Op.51 No.1 チャイコフスキー(1840-1893):弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 Op.11 アトリウムSQ [セルゲイ・マーロフ(Vn1) アントン・イリューニン(Vn2) ドミトリー・ピツルコ(Va) アンナ・ゴレロワ(Vc)] | ||
録音:2015年12月15日、17日、19日、21日、福音ルーテル聖カタリナ教会、サンクトペテルブルク。ガット弦|A=430Hz。 現在ベルリンを拠点に活躍するアトリウム弦楽四重奏団が、同時代を生きたブラームスとチャイコフスキーの弦楽四重奏曲第1番をサンクトペテルブルクの福音ルーテル聖カタリナ教会で収録。しかも、今回はじめてメンバー全員がガット弦を張り、ピッチはA=430Hzでの調弦で演奏された。2000年にジョセフ・レヴィンソン氏のもとで学んでいたサンクトペテルブルク音楽院の学生4人により結成された当団は、2003年に開かれたロンドン国際弦楽四重奏コンクール第1位、2007年第5回ボルドー国際弦楽四重奏コンクール優勝など、輝かしいコンクール歴を誇り、以後、世界で活躍する若手四重奏団として注目されている。2009年初来日を機に定期的に来日し、その高度な技術と高い音楽性、そして安定したアンサンブルで絶賛されている。 | ||
リヒャルト・シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」(全曲) [マルガレーテ・ボイマー(S;元帥夫人) ティアナ・レムニッツ(Ms;オクタヴィアン) クルト・ベーメ(B;オックス男爵) ウルズラ・リヒター(S;ゾフィー) ハンス・レーベル(Br;ファニナル) ルドルフ・ケンペ指揮ドレスデン国立歌劇場o.&cho./録音:1950年 or 1951年末] Disc 4 「ばらの騎士」秘蔵録音 ●初演歌手たちによる1911年の録音 元帥夫人のアリア「私もまたある娘のことを思い出すわ」(第一幕) オクタヴィアンとゾフィーの二重唱「目に溢れんばかりの涙をたたえ」(第二幕) オクタヴィアン、元帥夫人、ゾフィーの三重唱「マリー・テレーズ」(第三幕) オクタヴィアンとゾフィーの二重唱「夢だわ、本当ではあり得ない」(第三幕) [マルガレーテ・ジームス(S;元帥夫人) エヴァ・プラシュケ・フォン・デア・オステン (Ms;オクタヴィアン) ミニー・ナスト(S;ゾフィー) 指揮者、オーケストラ不明] ●1936年9月20日、コロン劇場、ブエノスアイレス オクタヴィアン「素晴らしかった、とても!」「僕の美しい恋人」(第一幕)「光栄にもこの私が」(第二幕) オクタヴィアンとゾフィーの二重唱「目に溢れんばかりの涙をたたえ」(第二幕) オクタヴィアン、元帥夫人、ゾフィーの三重唱「マリー・テレーズ」(第三幕) オクタヴィアンとゾフィーの二重唱「夢だわ、本当ではあり得ない」(第三幕) [ジェルマン・エルネ(S;元帥夫人) アレクサンドル・キプニス(B;オックス男爵) ティアナ・レムニッツ (Ms;オクタヴィアン) エディタ・フライシャー(S;ゾフィー) フリッツ・ブッシュ指揮コロン劇場o.] ●1938-40年、ベーム&ドレスデン オクタヴィアンとゾフィーの二重唱「目に溢れんばかりの涙をたたえ」(第二幕) 「夢だわ、本当ではあり得ない」(第三幕)/ワルツ(第三幕) [エステル・レーティ(S;ゾフィー) エリーザベト・ヘンゲン(Ms;オクタヴィアン) カール・ベーム指揮ドレスデン国立歌劇場o.] ●1942年1月20日、ベルリン、放送用ライヴ オクタヴィアン「光栄にもこの私が、大役を仰せつかり」(第二幕) オクタヴィアン、元帥夫人、ゾフィーの三重唱「マリー・テレーズ」(第三幕) [パウラ・ブフナー(S;元帥夫人) ティアナ・レムニッツ(Ms;オクタヴィアン) マリア・チェボターリ(S;ゾフィー) アルトゥール・ローター指揮ベルリン放送o.] | ||
オペラ・ファン驚愕のアルバム登場。リヒャルト・シュトラウスの「ばらの騎士」は1911年1月26日にドレスデン宮廷歌劇場にて初演された。ゆえにマリア・テレジオ治下のウィーンを舞台にしているにもかかわらず、ドレスデンの人々は「自分たちのオペラ」の誇りを持っている。このアルバムにはドレスデンにかかわる「ばらの騎士」の超お宝音源を発掘・収集した。メインは1951年末録音のケンペ指揮の全曲版。ケンペはメトロポリタン・オペラとの1956年録音で知られているが、こちらは本家本元。第2次世界大戦で閉鎖したドレスデン宮廷歌劇場が48年に建設された劇場で再開、新演出で披露された「ばらの騎士」を中部ドイツ放送が放送録音することに決め、当時音楽監督だったケンペの指揮で77.1cm/s&13巻のオープンリールで収録した。そのマスターは1950年代後半にベルリンの放送研究所に移管され「貴重資料」として保管されてきた。それを音源とする当ディスクは当時のドイツの恐るべき技術力を示す鮮明さ。何よりもオーケストラの音色が美しく、ケンペの生気あふれるリズムの冴えが新鮮の極み。超ド級の名演だったことを再認識させる(当録音は、Profil社からの情報にしたがい、1951年録音と記するが、1950年の可能性がある)。さらなるお宝はDisc4。何と「ばらの騎士」が初演された1911年に、初演のメンバーだったマルガレーテ・ジームス、エヴァ・プラシュケ・フォン・デア・オステン、ミニー・ナストの3名がアリアと重唱をした音源。まだラッパ吹き込みの時代ゆえ、オーケストラともいえないバンドが伴奏しているが、初演時の雰囲気を彷彿させる世界遺産的価値のある物。さらにフリッツ・ブッシュがブエノスアイレスのテアトロ・コロンを振ったものからベームとドレスデンの戦前録音、さらに第2次世界大戦中のものまで目を疑う珍品ばかり。それもお求めやすい価格でご提供。リヒャルト・シュトラウス・ファン、オペラ・ファンお見逃しなく! | ||
ティーレマン&ドレスデン・ライヴ 2014 〜ヴェルディ:レクイエム
クラッシミラ・ストヤノヴァ(S) マリーナ・プルデンスカヤ(Ms) チャールズ・カストロノーヴォ(T) ゲオルク・ツェッペンフェルト(B) クリスティアン・ティーレマン指揮 シュターツカペレ・ドレスデン、ドレスデン・シュターツオーパーcho. | ||
録音:2014年2月13日、ゼンパーオーパー、ドレスデン、ライヴ。 Profilレーベル「エディション・シュターツカペレ・ドレスデン」シリーズ46作は、2014年2月13日のライヴ。69年前の1945年の同日、連合軍による「ドレスデン爆撃」があり、25, 000人とも言われる死者のうえ、街の85%が破壊されゼンパーオーパーも全壊した。69年を経て、犠牲者と街へヴェルディのレクイエムが捧げられたコンサート。シュターツカペレ・ドレスデンは1951年2月13日、まだ瓦礫の山のなか、当時の音楽監督ルドルフ・ケンペの指揮でヴェルディのレクイエムを演奏したとされる。その後東西ドイツも統一され、平和となった時代に再度戦争の悲劇を認識するコンサートがクリスティアン・ティーレマンの指揮で実現。独唱もブルガリア、ロシア、アメリカ、ドイツとかつての恩讐を超え、平和への祈りが感動的に歌われるクリスティアン・ティーレマンの充実ぶりも驚異的だが、コンサートの趣旨から、拍手は行なわれず、数分にわたる沈黙で哀悼の意を表している。 | ||
ブルックナー/ゲルト・シャラー校訂:交響曲第9番 ニ短調(完全版/全4楽章)
ゲルト・シャラー指揮フィルハーモニー・フェスティヴァ | ||
録音:2016年7月、エーブラハ大修道院付属教会、ライヴ。 指揮者としてのブルックナーの全交響曲はもとより、オルガニストとして全オルガン曲まで録音したゲルト・シャラー。誰よりもブルックナーの音楽を愛し、熟知するシャラーが未完の交響曲第9番を自身で完成させ世に問う。シャラーは最初期のスケッチまでさかのぼり、できうる限り草稿を比較・検討して現行版に散在するギャップをなくすよう努めたとのこと。11篇の交響曲録音で方法論を見出した彼は、ブルックナーの作曲技法と語法で欠落個所を補筆して完成。加筆箇所に違和感を覚えないよう、首尾一貫した明確なブルックナー的様式を示している。約25分の新フィナーレ。これぞ9番の終楽章の真の姿としか思えぬ説得力で感動させられる。これほどの四楽章版が生まれた以上、重要なレパートリーになりうる可能性を秘めている。 | ||
ババジャニヤン:ピアノ三重奏曲 嬰ヘ短調 アリャビエフ:ピアノ三重奏曲 イ短調 ラフマニノフ:ピアノ三重奏曲 第2番 ニ短調 Op.9「悲しみの三重奏曲」 |
ウリヤナ・ジダーノフ(Vn) ユリヤ・オクルアシヴィリ(P) デニス・ジダーノフ(Vc) | |
録音:2018年10月3日、 SWR ハウス、フライブルク。旧ソ連出身の充実の3奏者によるピアノ三重奏曲集。ババジャニヤン(1921-1983)はアルメニアの作曲家で、ハチャトゥリヤンに通じるエスニックな色彩が魅力。アリャビエフは、チャイコフスキーも愛した名歌「うぐいす」で知られるが、ピアノ三重奏曲はウィーン古典派風のスタイルにロシア的な節回しの現れる魅力的な作品。ラフマニノフはチャイコフスキー追悼に書かれた大作で、協奏曲風のピアノ・パートがラフマニノフならでは。 | ||
ショパン:マズルカ集(全57曲) | エフゲニー・ムルスキー(P) | |
録音:2015年9月15日-17日、2016年9月11日-13日、トロッシンゲン音楽大学大ホール。 Profilレーベルでショパン全作品録音刊行中のエフゲニー・ムルスキー、第10弾はマズルカ全集。ムルスキーは1975年ウズベキスタンのタシケント出身、モスクワ音楽院で名教師レフ・ナウモフに師事。1994年に故ダイアナ妃後援のロンドン国際ピアノコンクールで優勝、同時にベスト・ショパン演奏賞を受賞した。ムルスキーはキーシンやルガンスキーと同世代で、最良のソ連ピアノ教育を受けた最後の世代にあたる。このマズルカも楷書風ながら詩情と味わいに富んでいる。 | ||
霊感と夢〜エネスクを讃えて エネスク:四声のフーガ(1897) /ワルツ ニ長調(1888) / ワルツ集「カーネーション」(全4曲)(1888) /ルーマニア狂詩曲第1番(作曲者編曲) ラヴェル:夜のガスパール/ラ・ヴァルス(作曲者編曲) マルセル・ミハロヴィチ(1898-1985):5つのバガテル Op.27 サラサーテ/エネスク編曲:ツィゴイネルワイゼン Op.20 ドビュッシー:12の練習曲 / シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54 (#) /予感(*) ルイザ・ボラク(P) ホリア・アンドレースク指揮ルーマニア国立放送o.(#) | ||
録音:2016年7月17日-21日。(*)は世界初録音。 1968年生まれのルーマニアの女流ピアニスト、ルイザ・ボラクはこれまでも興味深いCDを多数リリースしてきたが、今回最強のアルバムが登場。母国の偉大な先達エネスコへの敬意が中心となっているが、彼がなんと7歳の時に作曲したニ長調のワルツと「カーネーション」と題されたワルツ集を収録しているのが驚き。また代表作「ルーマニア狂詩曲」をエネスコ自身が技巧的なピアノ曲に仕立てたものも大歓迎。さらに彼がピアノ独奏用に編曲したサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」は、エネスコ自身がピアノ・ロールに残した演奏を聴くことが出来るが、ヴァイオリンもピアノも得意とし、生のジプシー音楽を聞いて育ったエネスコならではの処理が興味津々。サラサーテのメロディが、リストのハンガリー狂詩曲ばりの派手なヴィルゥオーゾ的ピアノ曲に様変わりして新鮮。さらにエネスコの後輩でエコール・ド・パリの一員ながら録音に恵まれないマルセル・ミハロヴィチ(1898-1985)の最高傑作とされる「5つのバガテル」(名ピアニストの妻モニク・アースに献呈)や、ボラクの超絶技巧を示すラヴェルの「夜のガスパール」と「ラ・ヴァルス」も切れ味抜群。もうひとつの注目は、シューマンの未知作品「予感」が収録されていること。「子供の情景」からはずされた作品で、近年発見されボラクが世界初演し、2009年に初出版された。シューマン・ファン必見の宝石のような小品。 | ||
秘密の場所〜ヴァイオリン二重奏による21世紀の音楽 レベッカ・チェヒ(1983- 独):雨になると思う / アンドラーシュ・デレチケイ(1982- 洪):バルカノイド ベニヤミン・ハイム(1994- 墺):トランス第1番 / エドムンド・ジョリッフェ(1976- 英):悪魔的ワルツ イェンス・フバート(1973- 独):ロック・ユー vs バレリーナ /ヨハネス・マイヤーヘーファー(1985- 独):息・光 ニルス・フラーム(1982- 独):ハンマーズ / アレクサンドル・ゴノボーリン(1953- 露):変容 ダヴィド・ルボーヴィチ(1981- 波):カルパチアン / ウラジーミル・トルチンスキー(1968- 露):8つの弦 ベネディクト・ブライダーン(1966- 米):#代理店曲目未記載 アンドレーアス・ホーケスタ(1982- 諾):3つのムード レヴェント・アルトゥンタシュ(1994-独):シラーの夜の飛行 The Twiolins [マリー=ルイーズ・ディングラー、クリストフ・ディングラー(Vn)] | ||
録音:2016年11月、スマート・フォックス・スタジオ、マンハイム。 Twiolins は Twin と Violin の合成語。双子の姉弟によるドイツのヴァイオリン・デュオ。通常のレパートリーではなく、若手作曲家にこの編成による新作を産みださせ紹介している。2009年に「クロスオーバー作曲賞」を設立、これまでに50カ国の作曲家による500以上の作品が作られ、演奏のみならず出版もしている。このアルバムはそのなかから13人の作曲家の新作を披露。国籍は多域に及ぶが、大半は若く、オーストリアのベニヤミン・ハイムとドイツのレヴェント・アルトゥンタシュは1994年生まれ。アルバム・タイトルの「秘密の場所」は、これら作品から妄想の世界での旅行を表している。 | ||
アレクセイ・スタンチンスキー(1888-1914): 12のスケッチ Op.15 /前奏曲(10曲)/ ピアノ・ソナタ第1番/3つの無言歌 |
エカテリーナ・ デルジャヴィナ(P) | |
録音:2004年-2005年。おそらく初出音源。「私はスタンチンスキーの時代が来ると信じている」(エカテリーナ・デルジャヴィナ)アレクセイ・スタンチンスキーはモスクワ音楽院でピアノを学ぶかたわら、作曲をタネーエフに師事し、メトネルやスクリャービンも才能を高く評価したといわれている。しかしメンタルを病み、治療したものの全快せぬまま入水して26年の人生を終えた。アヴァンギャルドの世代で、スクリャービンの影響を強く受けているが、天性の対位法的発想が天寿に恵まれたなら「ロシアのバッハ」になったであろうとされている。Profilレーベルからリリースされたハイドンのピアノ・ソナタ全集が評判となったエカテリーナ・デルジャヴィナ、今回は彼女が特にこだわるスタンチンスキーのアルバムが実現した。デルジャヴィナは1967年生まれ、グネシン音楽学校でウラジーミル・トロップに師事し、1993-2006まで母校で教鞭をとり、さらに2003年からはモスクワ音楽院でも教えている。典型的ソ連英才教育を受けたロシア・ピアニズムの持ち主で、演奏は重く情念に満ち、薄幸の作曲家スタンチンスキーが込めた真摯な思いを音にしている。これまであった録音とは別次元の尋常ならざる芸術に心うたれる。 | ||
クラウス・テンシュテット・ボックス *プロコフィエフ:交響曲〔第5番/第7番〕[BRSO/PH-05003] *マーラー:交響曲第4番/「子供の魔法の角笛」より[チャポ(S) SWF so./PH-05039] *マーラー:交響曲第5番/亡き児を偲ぶ歌[ファスベンダー(Ms) NDR so./PH-13058] *ブルックナー:交響曲第3番[BRSO/PH-04093] *モーツァルト:交響曲〔第1番/第32番〕/シベリウス:ヴァイオリン協奏曲[BRSO/PH-05004] *モーツァルト:協奏交響曲 K.Anh.104 /コンサート・アリア2曲 ハイドン:交響曲第64番[ベルリン放送so.、SWF so./PH-10050] *ベートーヴェン:「英雄」「コリオラン序曲」[NDR/1979年7月3日-6日/PH-16022(2017年4月リリース)] | ||
#詳細データは各既出盤へのリンクでご覧ください。 Profileレーベルからリリースされたクラウス・テンシュテットのライヴ録音は、いずれも彼最良の壮絶な演奏ばかりでファンを狂喜させてきた。定評のあるマーラーが圧巻。天上の世界であるはずの第4番に地獄が見え隠れする恐ろしい演奏。この作品の真意を見る気がする。「亡き子をしのぶ歌」全曲を大歌手ファスベンダーが歌っているのも魅力。あらためてテンシュテットのマーラー演奏の凄さを堪能出来る。生前リリースが実現しなかったプロコフィエフの交響曲はクラウス・テンシュテットとミスマッチかと思いきや、戦勝を祝ったはずの第5番の暴力性と喜ばしさのなさに東ドイツで育った彼の経験が感じられ、目から鱗が落ちる。数少ないテンシュテットのブルックナー演奏を味わえる第3番のすさまじさ、モーツァルト作品で見せる端正なたたずまいも興味津々クラウス・テンシュテットとしては珍しいシベリウスのヴァイオリン協奏曲は、往年のクーレンカンプ盤のフルトヴェングラーの伴奏を彷彿させる怖さ。さらに嬉しいのは、2017年4月にリリースされたばかりである、北ドイツ放送so. とのベートーヴェンの「英雄」がもう入っていること。この価格、買わない手はない。 | ||
スヴャトスラフ・リヒテル・プレイズ・シューベルト 1949-1963 ピアノ・ソナタ〔第6番 ホ短調 D.566(2種)(三楽章版)[1962年11月29日](二楽章版)[1958年2月5日]/ 第13番 イ長調 D.664(2種)[1957年6月27日、キエフ][1963年2月-4月、パリ、セッション]/ 第14番 イ短調 D.784[1957年4月8日]/第17番 ニ長調 D.850[1956年8月11日]/ 第15番 ハ長調 D.840(2種)[1961年11月13日][1961年10月19日-20日、パリ・セッション]/ 第16番 イ短調 D.845[1957年3月2日]/第19番 ハ短調 D.958[1958年2月5日]/ 第21番 変ロ長調 D.960(2種)[1961年11月13日][1957年5月9日、グレン・グールドが会場で実聴]〕/ さすらい人幻想曲 D.760(2種)[1962年11月29日][1963年2月-4月、パリ、セッション]/ 即興曲集〔 D.899 (Op.90) より Nos.2-3[1957年2月19日]/ D.899 (Op.90) Nos.3-4(曲目不確定/第3番はト長調版)[1959年6月12日、キエフ]/ D.935 (Op.142) No.2[1961年10月19日-20日、パリ・セッション〕/ 3つのピアノ小品 D.946[1963年、場所不明]/ピアノ小品 D.946 No.1(短縮版)/アレグレット D.915[1961年11月13日] 楽興の時 Op.94 より Nos.1, 3, 6 /12のワルツ D.145 /2つのエコセーズ D.734 / レントラー集 D.366 Nos.1(2種), 3, 4(2種)-5(2種)[1957年2月19日]/ アレグレット D.915 /楽興の時第3番 Op.94 No.3 / レントラー集 D.366 Nos.1(2種), 3, 4(2種)-5(2種)[1961年10月19日-20日、パリ・セッション]/ 創作主題による8つの変奏曲 D.813[ベンジャミン・ブリテン(P)/1963年、場所不明]/ 挨拶を送ろうD.741 /ミニヨンの歌「ただ憧れを知る者だけが」D.877 No.4 /「冬の旅」より〔郵便馬車/からす〕/ 「白鳥の歌」より〔別れ/鳩の使い〕[ニーナ・ドルリアク(S/ロシア語歌唱)/1953年-1955年]/ 魔王 D.328(リスト編曲)[1949年12月8日] スヴャトスラフ・リヒテル(P) | ||
録音:[内]、特記以外 モスクワ、ライヴ。ソース:ドイツの放送局アーカイヴ。少々データの怪しい物もあるが、正しければ多くが初出。 Profileレーベルが、国内代理店の依頼でドイツの放送局に眠るリヒテルの音源を調査し、当時ソ連の放送局から提供された驚愕のマスターテープを多数発掘した。1949年から1963年ま、ライヴ中心で、大半がディスコグラフィにない初出物。リヒテルの真骨頂といえばシューベルト。これまで知られる録音はいずれも絶品で各曲の決定盤となっていたが、驚くべき作品が日の目をみた。それもリヒテルがまだ西側で知られる以前の壮年期の演奏が多く、言葉を失うすさまじさに満ちたものばかり。ピアノ・ソナタは8作品を聴くことが出来るが、同曲異演が4つあるため12もの演奏を堪能出来る。いずれも絶品だが、ことに第21番変ロ長調の1957年5月9日、モスクワ・ライヴは、かのグレン・グールドが列席し「リヒテルの催眠術でトランス状態へ連れていかれた」と評した伝説の演奏。グールドの受けたショックを追体験出来る。さらに即興曲第3番や遺作の「3つの小品(即興曲)」が他で聴く機会がなく貴重。即興曲第3番は原曲通りの変ト長調版と、半音上げたト長調版の両版を収録。ト長調版は今日弾く人がいないため超お宝音源でもある。また「3つの小品(即興曲)」第1番は、現行版のほかシューベルトが後に削除した別エピソードを含む完全版もリヒテルの演奏で聴くことが出来るのがうれしい限り。これがまた神業の芸術。もうひとつの魅力は、リヒテル夫人でソ連を代表するソプラノ、ニーナ・ドルリアクを独唱にリヒテルが伴奏を務めたお宝音源が収められていること。「冬の旅」や「白鳥の歌」の名作を若きリヒテルのピアノで堪能出来る。またリヒテルと非常に気の合った大作曲家ベンジャミン・ブリテンとの連弾も無二の逸品。大半は入手困難なうえ、新音源を用いているため大歓迎。さらに驚きの価格で、新たなリヒテルの名盤の登場となる。ピアノ音楽の財宝。 | ||
ザンデルリング& NDR 〜 マーラー:交響曲第9番 ニ長調 |
クルト・ザンデルリング指揮 北ドイツ放送so. | |
録音:1987年12月7日、ハンブルク、ライスハレ、ライヴ。既出CD-R: EN LARMES, ELS-01-147/他。マスターからの初復刻。 驚きの音源の出現。ザンデルリングはマーラーの交響曲第9番録音をベルリンso.(1979.2)、BBCフィル(1982)、フィルハーモニア管(1992)のセッション3種が残されているが、4つ目の、それも北ドイツ放送so.との組み合わせによる夢のライヴのマスターテープが、スタジオ・ハンブルク・エンタープライジスに保存されていた。1987年12月の演奏で、BBCフィルとフィルハーモニア管の録音のちょうど間に時期にあたる。ザンデルリングはマーラーの交響曲録音に慎重で、1979年のベルリン響との9番が初セッションだったといわれ、ディスコグラフィも第4番のライヴ以外は第9番と10番しかない。この録音も海賊盤で一部流通したが、オリジナル・マイスターからの正規発売となる。交響曲第9番の演奏時間の違いは第1楽章ベルリン響BBCフィルフィルハーモニア北ドイツ27'29"27'48"26'26"25'39"第2楽章16'43"17'14"16'01"16'45"第3楽章12'48"13'03"13'04"12'19"第4楽章23'24"24'25"23'48"25'53"第1楽章は速く、フィナーレは遅いのが特徴。第3楽章にカットがあるため時間は少し短いものの、テンポ自体は特に変わりはない。各フレーズのコントラストが強く、早い部分でのグロテスクなエネルギーは、ショスタコーヴィチを思わせる。ライヴならではの高揚感に加え、北ドイツ放送so.ならではの熱いものとなっていて、フィナーレは涙なしに聴けない感動的なものとなっている。ようやくザンデルリングのマーラー像を示す演奏が登場したと申せましょう。超オススメ。 | ||
ディヌ・リパッティ生誕100年記念 BOX 1936年初録音(含チェンバロ演奏)〜1950年ブザンソン告別リサイタルまで ディヌ・リパッティ(P) | ||
初出多数〜フリッツ・ヴンダーリヒの芸術 J.S.バッハ:ヨハネ受難曲 BWV.245 (2種)〔ともに初出〕 [ピーター・ピアーズ(T;福音史家) ホルスト・ギュンター(Br;イエス) フリーデリケ・ザイラー(S) マルガ・ヘフゲン(A) フリッツ・ヴンダーリヒ(T) キート・エンゲン(B) カール・リヒター指揮 ミュンヘン・バッハo.&cho.、アンスバッハ週間o./録音:1957年7月31日、聖グンベルト教会、ライヴ]/ [フリッツ・ヴンダーリヒ(T;福音史家) ホルスト・ギュンター(Br;イエス) アグネス・ギーベル(S) マルガ・ヘフゲン(A) ハンス=ヨアヒム・ロッチュ(T) ハインツ・レーフス(B) テオドール・エーゲル指揮南西ドイツ放送o.、 フライブルク・バッハcho./録音:1958年2月23日、フライブルク・シュタットハレ、ライヴ] J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV.244 (2種)〔1種(*)初出〕 [ピーター・ピアーズ(T;福音史家) ホルスト・ギュンター(Br;イエス) フリーデリケ・ザイラー(S) マルガ・ヘフゲン(A) フリッツ・ヴンダーリヒ(T) キート・エンゲン(B) カール・リヒター指揮 ミュンヘン・バッハo.&cho.、アンスバッハ週間o./録音:1957年7月24日、聖グンベルト教会、ライヴ(*)]/ [フリッツ・ヴンダーリヒ(T;福音史家) オットー・ヴィーナー(Br;イエス) ヴィルマ・リップ(S) クリスタ・ルートヴィヒ(A) ヴァルター・ベリー、ヴォルフガング・シェレンベルガー、 ペーター・ヴィムベルガー、ロベルト・シュプリンガー、オットー・ビンダー(B) カール・ベーム指揮ウィーンso.、ウィーン楽友協会cho.、ウィーン少年cho./ 録音:1962年4月18日-19日、ムジークフェラインザール、ウィーン、ライヴ/初出CD: Myto 〔入手不能〕] ヘンデル:メサイア HWV.56 [ティラ・ブリーム(S) マルガレーテ・ベンス(A) フリッツ・ヴンダーリヒ(T) オットー・フォン・ロール(B) ハインツ・メンデ指揮シュトゥットガルトpo.、南西ドイツ放送so./ 録音:1959年3月20日、リーダーハレ、シュトゥットガルト、ライヴ/初出CD: Myto 〔入手不能〕] ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125「合唱」 [フランツィスカ・ヴァッハマン(S) マルガレーテ・ベンス(A) フリッツ・ヴンダーリヒ(T) オットー・フォン・ロール(Br) イサイ・ディーゼンハウス指揮シュトゥットガルトpo.&cho./ 録音:1955年7月17日、シュトゥットガルト、ライヴ?/既出CD-R: Forgotten Records ] | ||
Profileレーベル名物の12枚組Boxにヴンダーリヒ登場。それもドイツ・リートではなく大規模な宗教作品を中心とした内容のうえ、大半は一般流通していない珍しい音源を大盤振舞い。フリッツ・ヴンダーリヒはドイツを代表するリリック・テノールだったが、不慮の事故により36歳で夭折した。それゆえ残された録音はあまり多くないが、ドイツ・リートなどは今日でもベスト盤のひとつに数えられる素晴らしさとなっている。このBoxには2種の「ヨハネ受難曲」と「マタイ受難曲」が収められているが、よく知られるDeccaのミュンヒンガー盤などではないうえ、2種とも違う役を歌っているのも注目。カール・リヒター指揮の両曲ではテノール独唱を務め、エヴァンゲリスト役は作曲家ブリテンの相方だったピーター・ピアーズの名唱を堪能出来る。一方エーゲル指揮の「ヨハネ」とベーム指揮の「マタイ」ではエヴァンゲリスト役を務め、とてつもない存在感に圧倒される。ことに「マタイ」のエヴァンゲリスト役は唯一の録音なのも貴重。リヒターとヴンダーリヒによる2大受難曲は世にも尊い宝だが、ベームの「マタイ」が興味津々。今日の主流であるピリオド奏法とは別世界のドイツ精神を表す熱さで、非常に感動的。ウィーン少年合唱団の天上の響も絶品。わずか半世紀前の演奏とは思えぬ世界がかえって新鮮。これだけ収めて驚きの価格。基本的に限定生産ゆえ、お買い逃しなく! | ||
ザンデルリング〜協奏的作品 BOX 1948-1963 J.S.バッハ:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 BWV.1052 [マリヤ・ユージナ(P) モスクワ放送so./1956年10月8日、モスクワ、ライヴ] ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58 (カデンツァ:ブラームス) [マリヤ・ユージナ(P) レニングラードpo./1948年10月8日、レニングラード] ベートーヴェン:ピアノ協奏曲〔第3番 ハ短調 Op.37 (*) /第5番 変ホ長調 Op.73 「皇帝」(#) 〕 [マリヤ・グリンベルク(P) モスクワ放送so./1952年(*)、1949年(#)、モスクワ、ライヴ] モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216 / フレンニコフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ハ長調 [レオニード・コーガン(Vn) レニングラードpo./録音:1959年、レニングラード、ライヴ] ロクシーン:ハンガリー幻想曲 (1952)[ユリアン・シトコヴェツキー(Vn) モスクワ放送so./1952年、モスクワ、ライヴ] チャイコフスキー:メロディ Op.42 No.3 [ボリス・グートニコフ(Vn) レニングラードpo./録音:1950年、レニングラード、ライヴ] ベートーヴェン:ピアノ協奏曲〔第1番 ハ長調 Op.15 /第2番 変ロ長調 Op.19 /第3番 ハ短調 Op.37 (**) / 第4番 ト長調 Op.58 (##) /第5番 変ホ長調 Op.73 「皇帝」(##) 〕 ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲(++) [エミール・ギレリス(P) レニングラードpo.(**以外)、チェコpo.(**)/1957年(##)、1958年(無印)、 1952年10月29日(++)、レニングラード(**以外)、ライヴ(++) | 1958年11月19日、プラハ、ライヴ(**) ] シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番 Op.35 / タネーエフ:協奏組曲 Op.28 [ダヴィド・オイストラフ(Vn) ソヴィエト国立so./1960年9月20日、モスクワ、ライヴ] ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15 [スヴャトスラフ・リヒテル(P) ゲヴァントハウスo./1963年11月11日、ライプツィヒ、ライヴ] モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466 [スヴャトスラフ・リヒテル(P) モスクワ放送so./1951年3月20日、モスクワ、ライヴ] ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37 /合唱幻想曲 Op.80[スヴャトスラフ・リヒテル(P) モスクワ放送so.、ロシア国立アカデミーcho./1952年4月22日、モスクワ、ライヴ] ベートーヴェン:ピアノと管弦楽のためのロンド 変ロ長調 WoO.6 [スヴャトスラフ・リヒテル(P) ウィーンso./1962年9月29日-30日、ウィーン] シューマン:序奏とアレグロ・アパッショナート Op.92 / ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83 [スヴャトスラフ・リヒテル(P) モスクワ放送so./1951年3月20日、モスクワ、ライヴ] ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21 / ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83 [ヤコフ・ザーク(P) レニングラードpo./1948年、1949年、レニングラード] プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.16[ヤコフ・ザーク(P) モスクワ放送so./1959年、モスクワ] プロコフィエフ:チェロと管弦楽のための交響的協奏曲 Op.125 [ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc) レニングラードpo./1957年、レニングラード] マーラー:さすらう若人の歌(全4曲)[ヘルマン・プライ(Br) ベルリン放送so./1961年、ベルリン] ブリテン:セレナード Op.31 (ロシア語歌唱)(***) / ストラヴィンスキー:ダンバートン・オークス協奏曲(###) [ミハイル・ドヴェンマン(T;***) ヴィタリー・ブヤノフスキー(Hr) ドミートリー・ベーダ(Fl;###) レフ・ペチェルスキー(Fg;###) ヴィクトル・リベルマン(Vn;###) レニングラードpo./1957年、レニングラード、ライヴ] クルト・ザンデルリング指揮 | ||
録音:[/内]、モノラル。含・初出。 『Profileレーベルが、ドイツの放送局に眠る当時ソ連の放送局から提供されたザンデルリンクの音源を中心に発掘。目を疑いたくなるようなラインナップが実現しました。★今回はすべてソリスト、それも超大物が主役で、ザンデルリンクが伴奏を担っているものだけを集めていますが、さすがザンデルリンク、主役に一歩のひけもとらず交響曲のような充実した音楽に仕上げています。★驚くべきは、ソリストたちのディスコグラフィに未掲載のものがあること。グリンベルクとのベートーヴェンの「皇帝」は流布されているガウクとのものではなく1949年のライヴ、ギレリスによるラヴェルの左手の協奏曲もコンドラシンとの盤ではありません。またギレリスと共演したベートーヴェンのピアノ協奏曲全集も現在入手困難なので大歓迎。第3回ショパン国際コンクール優勝者ザークのショパンの2番も超貴重です。★ありがたいのはリヒテル。先日リリースされたProfilレーベルのリヒテルBoxに収められた協奏曲とは別音源。それも1963年のゲヴァントハウスの1番は驚きです。さらにブラームスのピアノ協奏曲第2番は、ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルと称されて売られていたもの。今回正しくザンデルリンクと表示されました。往年のロシアのオーケストラながら、コンドラシンの本場ドイツの解釈を教育され、格段に彫の深い演奏となっているのが注目です。★大半は入手困難なうえ、新音源を用いているため大歓迎。さらに驚きの価格で、誰もが持っていたいBoxの登場となります。』 | ||
ムラヴィンスキー・ボックス Vol.3 チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」(11曲)[1948年4月4日] 〔序奏 カラボス〜リラの精/踊りの情景/パ・ド・シス/終曲/ワルツ/パ・ダクシオン(バラのアダージョ)/パノラマ/ パ・ド・カトル/パ・ド・カラクテール(長靴をはいた猫)/パ・ド・カトル(青い鳥とフロリーネ姫)/パ・ド・ドゥ〕 J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV.1067[ボリス・トリズノ(Fl)/1961年11月21日] ウェーバー:「オイリアンテ」序曲[1948年4月4日]/「魔弾の射手」序曲[1945年](*) / 舞踏への勧誘(ヴァインガルトナー編曲)[1951年1月2日] チャイコフスキー:交響曲〔第5番 ホ短調 Op.64[1948年]/第4番 ヘ短調 Op.36 [1957年]〕 ワーグナー:「タンホイザー」序曲/ジークフリートの葬送行進曲/ワルキューレの騎行[1958年12月8日] スクリャービン:法悦の詩 Op.54[1958年12月22日] / カリンニコフ:交響曲第2番 イ長調[1953年2月2日] ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調[1959年7月24日] / ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ハ短調 Op.65[1947年6月2日] エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラードpo.(*以外)、ソヴィエト国立so.(*) | ||
録音:[内]。Profileレーベルが、弊社の依頼でドイツの放送局に眠るムラヴィンスキーの音源を発掘。当時ソ連の放送局から提供された数多くのテープを初復刻した前2シリーズは非常な好評を博した。今回の第3弾もファン狂喜の内容となっている。今回はすべてセッション録音なうえ彼の録音としては最初期の1940-50年代のものが集められていて貴重。チャイコフスキーの「眠りの森の美女」は有名どころを11曲も披露してくれてうれしい限り。ムラヴィンスキーのみずみずしい若さを感じられる名演。嬉しいのはブルックナーの交響曲第8番、カリンニコフの2番、そして当時最新だったショスタコーヴィチの交響曲第8番なども貴重。かつてのロシアン・ディスクなどより格段に音質が良くなっているのが感激。ムラヴィンスキー十八番のチャイコフスキーの交響曲第5番は、彼の数ある同曲のなかでも最初の全曲録音。録音された頃には悪名高い「ジダーノフ批判」があり、ショスタコーヴィチらムラヴィンスキーの同時代作曲家たちが糾弾された地獄の時代だった。そうした空気への反抗のエネルギーが感じられる演奏となっている。大半は入手困難なうえ、新音源を用いているため大歓迎。さらに驚きの価格で、新たなムラヴィンスキーの名盤の登場となる。 | ||
女の形なるマリア〜ヒルデガト・フォン・ビンゲン(1098-1179): マリアの歌、デンデルモンデの写本より Ave Maria (Responsorium) / O clarissima Mater (Responsorium) / O splendidissima gemma (Antiphona) / Hodie aperuit (Antiphona) / Quia ergo femina (Antiphona) / Cum processit (Antiphona) / Cum erubuerint (Antiphona) / O frondens virga (Antiphona) / O quam magnum (Antiphona) / Ave generosa (Hymnus) / O virga ac diadema (Sequentia) / O tu, suavissima virga (Responsorium) ヨハネス・ベルヒマンス・ゲシュル指揮アンサンブル・メディアトリクス(女声斉唱) | ||
録音:1996年6月19日-20日、「マリア被昇天」教区巡礼教会、ターディング、ドイツ| (C) 2017 。 初出: Calig (Germany), CAL-50982 。 前出: Profil, PH-10011 | (C) 2009 。 #表題、録音データ等詳細は CALIG レーベル国内輸入業者のアナウンス(2013年)に拠ります。 | ||
アントン・ブルックナー・エディション(ゲルト・シャラー指揮版)〔(*)キャラガン校訂〕 交響曲全集〔ヘ短調 WAB.99 /第1番 ハ短調 WAB.101 (1866) (*) /第0番 ニ短調 WAB.100 / 第2番 ハ短調 WAB.102 (1872) (*) /第3番 ニ短調 WAB.103 (1874)(*) /第5番 変ロ長調 WAB.105 / 第4番 変ホ長調 WAB.104「ロマンティック」(「1878/80年版」 + 1878年版「村の祭り」フィナーレ(*) )/ 第6番 イ長調 WAB.106 /第7番 ホ長調 WAB.107 (1885年ノーヴァク版) /第8番 ハ短調 WAB.108 (1888年異版) / 第9番 ニ短調 WAB.109 (キャラガンによるフィナーレ補筆完成版 + シャラー改訂による完全版)〕/ ミサ曲第3番 ヘ短調 WAB.28 (1893) /詩篇146 / オルガン作品集〔即興演奏用の主題集(エルヴィン・ホーン編纂)/アンダンテ ニ短調 WAB.130 /後奏曲 ニ短調 WAB.126 / 前奏曲とフーガ ハ短調 WAB.131 /フーガ ニ短調 WAB.125 /前奏曲 ハ長調 WAB.129 〕 キツラー父子:葬送音楽〜アントン・ブルックナーの思い出(シャラーによるオーケストレーション復元) アニア・フェルギ(S) フランツィスカ・ゴットヴァルト(A) クレメンス・ビーバー(T) ティモ・リーホネン(B) ゲルト・シャラー(Org)指揮フィルハーモニー・フェスティヴァ/他 | ||
録音:2007年-2016年。単売のセット化。ブックレットはトラック・リストのみで、楽曲解説は無し。 2017年8月に23枚組の「ブルックナー・エディション」を出したばかりのProfil 社だが、ゲルト・シャラーとフィルハーモニー・フェスティヴァが全交響曲の録音を終えたため、彼らによる交響曲全集を早くもリリース。シャラーは2007年から2015年まで8年をかけてブルックナーの全9曲の交響曲のみならず、第00番や第0番、第4番の「村の祭り」フィナーレ版、第9番のシャラーによる補筆完成版、さらにはミサ曲第3番、詩篇146まで手掛けるという徹底ぶり。またオルガニストとして現存するオルガン曲をすべて録音しているのも貴重。シャラーは基本ウィリアム・キャラガンの校訂版を使用。またオーケストラはフィルハーモニー・フェスティヴァ、フランコニアにあるエーブラハ大修道院附属教会でのコンサートのライヴ録音となっている。教会の響きはブルックナーの音楽にぴったりで、あたかも巨大なオルガンのような壮麗さに圧倒される。通常これだけの作品を揃えるのは困難なうえ、驚きの価格なため、ぜひとも1セット揃えておきたい魅力のBoxとなっている。 | ||
東京物語〜斎藤高順(1924-2004):ピアノ曲集 小津安二郎映画の音楽(オリジナル・ピアノ版) 〔「東京物語」〜主題曲と夜想曲/「早春」〜主題曲/「東京暮色」〜サセレシア/「浮草」〜主題曲とポルカ/ 「彼岸花」〜主題曲/「秋日和」〜主題曲/「秋日和」〜オルゴール/「秋刀魚の味」〜主題曲とポルカ〕/ 瀬戸口幸吉作曲/斎藤高順編曲:軍艦マーチ 3つの宝石〔エメラルド/サファイア/トパーズ〕/ 「3つの水彩画」〔みどり色の朝/黒と白のエチュード/オレンジ色の空〕/ 行進曲「ブルー・インパルス」(作曲者編曲|ピアノ版)/ 「大宇宙のピアノ・ファンタジー」より 〔星の王子と王女の夜想曲/火星人のロボットのガヴォット/織姫と彦星のスペースロマンス/ ほうき星のビッグパレード/三ツ星のメヌエット/行進曲 偉い大先生/ソファミレドラマーカミナリサンダー/ ワルツ 冠星座の回転木馬/天の川の舟唄/大宇宙遊覧ユーフォー/流星のジェットコースター〕 青木美樹(P) | ||
録音:2017年2月7日、6月22日、キング関口台第1スタジオ。 『★キングインターナショナルとProfilレーベル初の共同制作盤。キングインターナショナルが東京で録音し、Profilがドイツで製造・世界発売します。海外を拠点に活躍する青木美樹が、ヨーロッパで非常に人気が高く海外での需要が大きい小津映画の音楽を弾くうってつけの試みで、全曲世界初録音。★斎藤高順(1924-2004)は、信時潔門下の作曲家。後半生は航空自衛隊中央音楽隊長や警視庁音楽隊長を務めるなど吹奏楽の世界で活躍しましたが、何といっても小津安二郎の「東京物語」から「秋刀魚の味」までの映画音楽を担当、小津芸術のスタイル形成に寄与したことで知られています。★斎藤は、まずピアノ用に書いた各ナンバーを小津安二郎に弾いて聴かせて是非を問うたといいます。その草稿が2015年に遺族のもとで発見されました。小津監督以外耳にしたことのない音を世界初録音。監督は斎藤に「楽譜は大事にとっておきなさい、役にたつ日がくるから」と伝えたとされますが、その予言が50年後に現実となりました。テンポの良い「サセレシア」、某ノンアルコール飲料のCMでも使われている「秋刀魚の味」のポルカももちろん収録。いずれも驚くほど効果的で美しいピアノ曲となっています。★小津映画作品のみならず、斎藤高順作の美しいピアノ小品も集めています。学習用にもよく使われる「3つの宝石」をはじめ、メロディ・メーカーとしての才が光る魅力的なものばかり。吹奏楽分野での代表作・行進曲「ブルー・インパルス」の作曲者自身によるピアノ編曲も発見。こちらは技巧的で華麗なピアノ曲化しました。★青木美樹は東京出身。9歳で渡英、12歳でロンドンのフェスティバルホールにて協奏曲デビュー。英国パーセルスクール卒業後渡米、インディアナ大学、イェール大学大学院に学び、ハンブルク音楽大学演奏家コースを首席で卒業。ジョルジュ・シェベック、ボリス・ベルマン、エフゲニー・コロリオフに師事。ハンブルク、ローザンヌ、グラーツで教鞭もとった。現在ニューヨークを拠点として演奏活躍を繰り広げています。』 | ||
F=ディースカウ&ヴァラディ〜ロマン派二重唱曲ライヴ 1989 メンデルスゾーン:恋人よ打ち明けておくれ Op.63 No.1 /挨拶 Op.63 No.3 /ルイ・ブラスからの歌 Op.77 No.3 / 3つの民謡 WoO.11 /渡り鳥の別れの歌 Op.63 No.2 /秋の歌 Op.63 No.4 ファニー=メンデルスゾーン:ズライカとハーテム Op.8 No.12 コルネリウス:故郷をしのび Op.16 No.1 /裏切られた愛/私とあなた/最高の恋文 Op.6 No.2 シューマン:4つの二重唱曲 Op.34 /春の祭の美しさ Op.37 No.7 /太陽の輝くように Op.37 No.12 / 夜に Op.74 No.4/4つの二重唱曲 Op.78 /私はあなたの木 Op.101 No.3 /千回もの挨拶を Op.101 No.7 *ボーナス・トラック シューマン:私が鳥になれたら Op.43 No.1 /5月の歌 Op.79 No.9 コルネリウス:最高の恋文 Op.6 No.2 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br) ユリア・ヴァラディ(S) ハルトムート・ヘル(P) | ||
録音:1989年2月26日、ローベルト・シューマン協会10周年記念マチネ、ライヴ。おそらく初出音源。 フィッシャー=ディースカウ驚きの初出音源の出現。1989年2月に行われたローベルト・シューマン協会創立10周年記念コンサートのライヴで、夫人のユリア・ヴァラディとロマン派の二重唱曲を聴かせてくれる。珍しいレパートリーなうえ、円熟期の両巨匠による神業的名唱ながら、フィッシャー=ディースカウは生前にCDリリースを禁じたといわれる。その理由は全く同じレパートリーでヴァラディとセッション録音する予定だったためで、演奏の不満などでは無かった。それが今回ようやく日の目を見た。曲はメンデルスゾーン、シューマン、コルネリウスらドイツ・ロマンの薫り高き逸品ばかりで、フィッシャー=ディースカウのさりげない表現が絶品。これほど美しい演奏の録音が残っていたことは奇跡。 | ||
センパーオパー・エディション Vol.10 〜 オペラ合唱曲コレクション、1938年以来の放送録音から * CD 1: カール・ベーム指揮による最初期録音/他 ワーグナー:ニュルンベルクのマイスタージンガー〜第3幕「目覚めよ!」(*) グノー:ファウスト〜第4幕 兵士たちの合唱 / マスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナ〜復活祭の合唱 ワーグナー:ローエングリン より〔第2幕 大聖堂への入場/第3幕 婚礼の合唱〕/ ニュルンベルクのマイスタージンガー〜第3幕「親方を侮らないで下さい」/タンホイザー〜大行進曲 ウェーバー:魔弾の射手〜第3幕「狩人の喜びは」 / R.シュトラウス:影のない女〜第1幕「彼らが言うには」(+) ドニゼッティ:ドン・パスクァーレ〜第3幕 召使いたちの合唱(#) ビゼー:カルメン より(%)〔龍騎兵の合唱/街の子供たちの合唱/女工たちの合唱/ハバネラ/工員たちの合唱/ 女工たちの合唱/2幕「乾杯のお返しを」/4幕 行進と合唱〕 [カール・ベーム指揮(#以外) クルト・シュトリーグラー指揮(#) / 1938年9月(*)、1939年9月(無印)、1942年6月9日(+)、1942年11月26日(#)、1942年12月4日-5日(%) ] * CD 2: 1943年-1945年録音 ドヴォルジャーク:ジャコバン党員〜第1幕 村の若者たちの合唱[1943年3月2日] モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ より[1944年6月20日] 〔第1幕「恋に戯れる娘たち」/急いで急いで、彼が来る前に/第2幕「ああ、もう時間がないぞ」〕 ヴォルフ:お代官様〜第2幕「だからここに二人の」[1944年12月21日] オーベール:フラ・ディアヴォロ より[1944年11月14日] 〔第1幕 冒頭合唱/第1幕フィナーレ/第2幕「もう一度起こして」/第3幕 農民の合唱/第3幕フィナーレ〕 ヴェルディ:ルイザ・ミラー より[1945年2月12日]〔第1幕 序奏と農民の合唱/第3幕 村娘の合唱〕/ イル・トロヴァトーレ〜第3幕 兵士の合唱(#)[1945年] ウェーバー:魔弾の射手 より〔第1幕 冒頭合唱/希望があなたを蘇らせ/山や草地を駆け/第2幕フィナーレ〕[1944年6月1日] [カール・エルメンドルフ指揮(#以外) クルト・シュトリーグラー指揮(#) ] * CD 3: 1948年-2012年録音 ベートーヴェン:フィデリオ〜第2幕「待ち焦がれたこの日」(*) ドヴォルジャーク:ルサルカ〜第1幕「妖精たちの合唱」(#) オルフ:アンティゴネ〜第3幕「テーバイの長老たちの合唱」(+) [ヨーゼフ・カイルベルト指揮/1948年9月22日(*)、1948年10月13日(#)、1950年1月27日(+) ] ヤナーチェク:カーチャ・カバノヴァー〜第3幕「ボルガ河畔嵐の場」[ハンス・リヒター指揮/1949年8月15日] ワーグナー:さまよえるオランダ人〜第1幕「乙女の合唱」(**) / R.シュトラウス:ダフネ〜羊飼いの合唱(##) [ルドルフ・ケンペ指揮/1950年12月7日(**)、1950年(##) ] エック:魔法のヴァイオリン〜第3幕5場&6場[ルドルフ・ノイハウス指揮/1965年12月16日] ウェーバー:アブ・ハッサン より〔預言者の側近たちの合唱/フィナーレ〕 [ハインツ・レーグナー指揮/1971年2月5日-10日] ヴェルディ:椿姫 より〔第2幕ジプシー女の合唱/闘牛士の合唱〕[エーベルハルト・ツィンマー指揮/1985年5月28日] ウェーバー:オイリアンテ より〔第1幕 冒頭合唱/第3幕「五月には美しいバラが」〕 マルシュナー:アンリ4世とドービニェ〜狩人の合唱[ハンス・フォンク指揮/1986年11月20日] ヴェルディ:ナブッコ〜第3幕ヘブライの捕虜の合唱/ヘブライ人の合唱[ファビオ・ルイージ指揮/2004年8月28日] ヴァインベルゲル:バグパイプ吹きのシュヴァンダ より〔第1幕 護衛と召使いの合唱/もう終った/第2幕フーガ〕 [コンスタンチン・トリンクス指揮/2012年3月24日] * CD 4: 非オペラ作品 ベートーヴェン:交響曲第9番 Op.125〜終楽章[マルガレーテ・テシェマッハー(S) エリーザベト・ヘンゲン(Ms) トルステン・ラルフ(T) ヨーゼフ・ヘルマン(Br) カール・ベーム指揮/1941年] ヨハン・ゴットリープ・ナウマン:テ・デウム[ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/1980年12月18日] リスト:ダンテ交響曲〜マニフィカト[ジュゼッペ・シノーポリ指揮/1998年4月5日-6日、ライヴ] マーラー:交響曲第2番「復活」〜終楽章[ベルナルド・ハイティンク指揮/1995年2月13日、ライヴ] モーツァルト:キリエ K.341 / ベルリオーズ:テ・デウム Op.22 〜アレグロ・モデラート [コリン・デイヴィス指揮/1998年10月3日] ロッシーニ:スターバト・マーテル より〔この身滅びるとも/アーメン〕 [チョン・ミョンフン指揮/2015年2月13日、ライヴ] ワーグナー:「使徒の愛餐」より[クリスティアン・ティーレマン指揮/2013年5月18日] ドレスデン国立歌劇場cho.、ドレスデン国立歌劇場o. | ||
センパーオパー・エディション第10弾は、放送用の録音のなかから同団体の合唱ナンバーを集めた魅力アルバム。まず驚かされるのは、オールスター・キャストの大指揮者陣。古くは1938年のベーム指揮によるワーグナーから、エルメンドルフ、カイルベルト、ケンペ、レーグナーといった往年の巨匠からルイージヘルベルト・ブロムシュテットジュゼッペ・シノーポリベルナルド・ハイティンク、コリン・デイヴィスチョン・ミョンフンクリスティアン・ティーレマンまで超 豪 華な名 前が続く。オペラは独唱者たちの美声と演技力が第一義なのはもちろんだが、合唱が魅力を添えているのも事実で、ドイツは聖歌隊の伝統からか清らかで厳かな感覚が独特。ここではその醍醐味を戦前から今日までたっぷり堪能出来る。オペラ作品中でも、最も魅力的な合唱、効果的なシーンを絶妙にチョイスしているのもさすが。 | ||
ラフマニノフ: 7つのサロン小品集 Op.10 / ショパンの主題による変奏曲 Op.22 |
エカテリーナ・ リトヴィンツェワ(P) | |
録音:2016年2月1日-3日、6月20日-22日、ザールランド放送局、ザールブリュッケン。 1986年オホーツク海沿岸の町マガダンに生まれ、15歳の時に家族とともにモスクワへ移り、イリーナ・ガブリロワ、アレクサンドル・ムンドヤンツ、エカテリーナ・デルジャヴィナに師事。若手ながら深い楽譜の読みと堂々とした演奏で、将来が楽しみな逸材。今回のアルバムは得意なラフマニノフ。意外に録音のない7つの小品全曲が大歓迎だが、若きラフマニノフのナイーヴな感性が彼女本人のものと相まって、じっくり聴かせてくれる。30分の大作「ショパンの主題による変奏曲」も技巧はもちろん構成の巧さに感心させられる。 | ||
ユリナッチ〜シューマン:歌曲集 リーダークライス Op.42 /女の愛と生涯 Op.42 |
セナ・ユリナッチ(S) フランツ・ホレチェック(P) | |
録音:1953年5月-6月、コンツェルトハウス、ウィーン。原盤: Westminster 。 セナ・ユリナッチ(1921-2011)はオーストリアのソプラノ。気品のある声で、「ばらの騎士」のアクタヴィアン役や、「フィガロの結婚」のケルビーノ役などで一世を風靡した。彼女が1953年にウェストミンスター・レーベルへ録音した名盤として名高いシューマンの歌曲集、音質向上のうえProfilレーベルから登場となる。 | ||
アイリーン・デイリス(A)リサイタル ジークフリート・オックス/伝・ヘンデル:あなたに感謝する、主よ / ヘンデル:「セルセ」〜オンブラ・マイ・フ ジョルダーニ:カロ・ミオ・ベン / グルック:「アルチェステ」〜ああ地獄の神々よ ロッシーニ:「セミラーミデ」〜うるわしい光が誘惑する / ヴェルディ:「ドン・カルロ」〜むごい運命よ ビゼー:「カルメン」〜セギディリャ / サン=サーンス:「サムソンとダリラ」〜あなたの声にわが心は開く ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」〜夜に一人で見張る [アイリーン・デイリス(A) アルトゥール・ローター指揮ベルリン・ドイツ・オペラo.] *ボーナス ビゼー:「カルメン」(抜粋/独語歌唱)(#) 〔ハバネラ/お母さん、目に浮かぶ/セギディーリャ/闘牛士の歌/花の歌(ドン・ホセ)/ カードの歌/何を恐れることが(ミカエラ)/でもカルメン、俺はまだ愛している〕 [アイリーン・デイリス(A;カルメン) ハインツ・ホッペ(T;ドン・ホセ) カール・シュミット=ヴァルター(Br;エスカミーリョ) クロエ・オウエン(S;ミカエラ、フラスキータ) ヴォルフガング・マルティン指揮ベルリン・ドイツ・オペラo.、ギュンター・アルントcho.] | ||
録音:1957年-1958年、1961年頃(#)、モノラル。原盤: Telefunken 。 アイリーン・デイリス(1925-2014)はアメリカのアルト。メゾ・ソプラノからコントラルトまでの音域を持ち、クナッパーツブッシュのステレオ録音「パルジファル」で、クンドリ役の名唱が知られている。ここに集められたものはいずれもテレフンケン音源で、彼女の最盛期の歌唱を味わえる。ローター指揮によるベルリン・ドイツ・オペラ管の伴奏で、ヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」、ビゼーの「カルメン」の「ハバネラ」などの十八番を披露。ビゼーとサン=サーンスはドイツ語歌唱だが、絶妙な美しさを示している。 | ||
Molters Miniatur-Opern 〜カールスルーエ宮廷の室内音楽 ヨハン・メルヒオール・モルター:カンタータ集 〔私をよく考えよ MWV2.34 /可愛い植物のいとしき新芽 MWV2.25 /小さなひばり MWV2.33 〕/ ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調 セバスティアン・ボディヌス:トリオ・ソナタ ニ短調 ジャチント・スキャッティ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 フリードリヒ・シュヴィンドル:弦楽四重奏曲 ニ長調 ヨーゼフ・アロイス・シュミットバウアー:シンフォニア ト長調 キルスティン・カレス(Cemb)指揮カールスルーエ宮廷楽団 [ハンス=ヨアヒム・ベルク(ソロVn) ベネデッタ・コスタンティーニ(Vn) キリアン・ツィーグラー(Va) ガブリエラ・ブラッドリー(Vc) ヤーネ・ラザロヴィチ(ヴィオローネ) ユリア・メンデ(S)] | ||
録音:2017年7月28日-30日、デュレンビュヒヒ・キリスト教会、カールスルーエ、ドイツ。 バーデン州都カールスルーエは18世紀初頭から宮廷音楽とオペラが盛んだった。ここは外国のカストラート歌手などと契約せず、地元の音楽家で40人のオーケストラ、伝説の「花の乙女たち」と称される70人の女声合唱などを擁する充実した音楽活動が行われていた。その宮廷楽長たちの作品を集めたアルバム。「カールスルーエ宮廷楽団」は7人の若い音楽家による時代楽器団体。いずれもあまり知られていない作品だが、モルターの「小さなひばり」はひばりが飛び立つ所などを描写した興味深い内容。 | ||
チャイコフスキー:歌劇大全集 ヴォエヴォーダ(地方長官)Op.3[アナトーリー・オルヒョーノフ(T) ナターリヤ・ロジェストヴェンスカヤ(S) ダニール・デミャノフ(B)他 アレクセイ・コヴァリョーフ指揮モスクワ放送so.&cho./1952年] ウンディーネ(全4曲)(*) /マンドラゴーラ〜花と虫の合唱[タマーラ・ミラシキナ(S) エフゲニー・ライコフ(T) アレクサンドル・ガウク指揮(*の序奏のみ) エフゲニー・アクロフ指揮モスクワ放送so.&cho./1951年、1963年] オプリチニク(親衛隊)[アレクセイ・コロリョフ(B) ナターリヤ・ロジェストヴェンスカヤ(S) フセヴォロド・チュチュンニク(B)他 アレクサンドル・オルロフ指揮モスクワ放送so.&cho./1948年] チェレヴィチキ(小さな靴)[ゲオルギー・ネレップ(T) エリザヴェータ・アントノワ(Ms) マクシム・ミハイロフ(B)他 アレクサンドル・メリク=パシャーエフ指揮ボリショイ劇場o.&cho./1948年] エフゲニー・オネーギン Op.24[パンテレイモン・ノルツォフ、セルゲイ・レメシェフ(Br) アレクサンドル・ピゴロフ(B) グラフィラ・ジュコフスカヤ(S) ヴァシーリー・ネボリシン指揮ボリショイ劇場o.&cho./1936年] オルレアンの少女[ソフィヤ・プレオブラジェンスカヤ(Ms) ヴィターリー・キルチェフスキー(T) オリガ・カシェワロワ(S)他 ボリス・ハイキン指揮キーロフ歌劇場(マリインスキー)o.&cho./1946年] マゼッパ[アレクセイ・イワノフ(Br) イヴァン・ペトロフ(B) ニーナ・ポクロフスカヤ(S) グリゴリー・ボリシャコフ(T)他 ヴァシーリー・ネボリシン指揮ボリショイ劇場o.&cho./1949年] チャロデイカ[ミハイル・キセレフ(Br) ヴェラ・ボリセンコ(Ms) ゲオルギー・ネレップ(T) アレクセイ・コロリョフ(B)他 サムイル・サモスード指揮モスクワpo.、モスクワ放送大cho./1954年] スペードの女王 Op.68[ニカンドル・ハナーエフ(T) クセニヤ・ジェルジンスカヤ(S) ナデジダ・オブーホワ(A) ファリーナ・ペトロワ(Ms)他 サムイル・サモスード指揮ボリショイ劇場o.&cho./1937年] イオランタ Op.69[ボリス・ブガイスキー(B) パンテレイモン・ノルツォフ(Br) グリゴリー・ボリシャコフ(T) グラフィラ・ジュコフスカヤ(S)他 サムイル・サモスード指揮ボリショイ劇場o.&cho./1940年] ロミオとジュリエットの二重唱(タネーエフ補筆完成/遺作)[2種] [イヴァン・コズロフスキー(T) エリザヴェータ・シュムスカヤ(S) ゴロワーノフ指揮モスクワ放送so./1952年]/ [ウラジーミル・アトラントフ(T) キラ・イゾートワ(S) エドゥアルト・グリクロフ指揮レニングラードso./1963年] スペードの女王 より〔ゲルマンのアリオーソ「許したまえ、天の女神よ」/ゲルマンのアリア「人生とは何か」〕 [ニコライ・ペチコフスキー(T) エフゲニー・ヴォリフ=イズラエリ指揮キーロフ歌劇場(マリインスキー)o./1937年] 雪娘 Op.12 (#) /ハムレット Op.67 (+)[ザラ・ドルハーノワ(A;#) アナトーリー・オルヒョーノフ(T;#) ガリーナ・サハロワ(S;+) ゲオルギー・アブラモフ(Br;+) アレクサンドル・ガウク指揮モスクワ放送so.&cho./1951年9月17日(#)、1951年9月29日(+) ] | ||
録音:[/内]、モノラル。チャイコフスキーはモーツァルトとならび、あらゆるジャンルに傑作を残しているが、オペラも「エフゲニー・オネーギン」や「スペードの女王」は世界中の歌劇場の重要なレパートリーとなっている。実際チャイコフスキーは生涯に未完を含め11篇を手掛けたひとかどのオペラ作曲家であった。ここでは「チェレヴィチキ」の初稿である「鍛冶屋のワクーラ」を除くすべてに加え、オペラ的な規模を持つ劇付随音楽「雪娘」と「ハムレット」も収録。チャイコフスキーは初期の習作を後に使い回して名作に変身させることをいくつか行なっているが、1869年作「ウンディーネ」の二重唱(CD2-4)はバレエ音楽「白鳥の湖」第2幕の「グラン・アダージョ」の原曲で、あの甘美なヴァイオリン独奏のメロディが歌で現れる。「白鳥の湖」関係の記述には現れますが、音で聴く機会が少なかったのでバレエ・ファン、チャイコフスキー・ファン必聴のものとなっている。それ以外でも知 っているメロディが随所に現れる作品ばかり。演奏は1936年から1963年に行われているが、ボリショイ劇場およびそのソリストの演奏が中心となっている。名指揮者ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーの実母ナターリヤ・ロジェストヴェンスカヤをはじめ、テノールのレメシェフ、バスのピゴロフなど伝説の歌唱を堪能出来る。当時のボリショイのレベルは驚異的に高いうえ、得意のチャイコフスキー作品とあっては他の追随を許さぬ凄さで、指揮陣もゴロワーノフ、ガウク、サモスード、ネボリシン、メリク=パシャーエフといった大物ばかり。ゴロワーノフ・ファンには、遺作の「ロメオとジュリエットの二重唱(タネーエフ補筆完成)」が嬉しい登場。これだけの作品を揃えるのは困難なうえ、驚きの価格ゆえ、ぜひとも1セット揃えておきたい魅力のBoxとなっている。 | ||
サラステ〜ブラームス: 交響曲第2番 ニ長調 Op.73 / ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a |
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 ケルン WDR so. | |
録音:2017年7月11日-15日、フィルハーモニー、ケルン、ライヴ。 交響曲第1番&第3番(PH-13028)に続くユッカ=ペッカ・サラステ&ケルンWDR響による待望のブラームス第2弾。今回は第2番と「ハイドンの主題による変奏曲」ユッカ=ペッカ・サラステはブラームスに熱意を示し、協奏曲を含むオーケストラ曲を連続でとりあげて注目されているが、今回の2曲は2017年夏のコンサート・ライヴで、練り上げられた解釈と説得力に驚かされる。基本的には奇を衒わぬ正攻法の演奏で、やや速めのテンポと切れ味の良さが、ブラームスならではの厚い音から涼しげな風を通すような快演をなっている。「ハイドンの主題による変奏曲」も推進力に満ちていてあっという間に聴かせてしまうユッカ=ペッカ・サラステの円熟ぶりが存分に示されたアルバム。 | ||
Primadonna assoluta 〜マリア・カラス歿後40年 BOX プッチーニ:歌劇「トスカ」 [マリア・カラス(トスカ) ジュゼッペ・ディ・ステファノ(カヴァラドッシ) ピエロ・カンポロンギ(スカルピア)他 グィード・ピッコ指揮ベリャス・アルテス劇場o. & cho./1952年7月1日] ベッリーニ:歌劇「ノルマ」 [マリア・カラス(ノルマ) マリオ・デル・モナコ(ポリオーネ) エベ・スティニャーニ(アダルジーサ)他 トゥリオ・セラフィン指揮ローマRAIso. & cho./1955年6月29日、ローマ] ドニゼッティ:歌劇「ランメルムールのルチア」 [マリア・カラス(ルチア) ジャンニ・ライモンディ(エドガールド) ローランド・パネライ(エンリコ)他 フランチェスコ・モリナーリ=プラデッリ指揮サン・カルロ劇場o. & cho./1956年3月22日、ナポリ] ヴェルディ:歌劇「椿姫」 [マリア・カラス(ヴィオレッタ) チェーザレ・ヴァレッティ(アルフレード) マリオ・ザナージ(ジョルジョ)他 ニコラ・レッシーニョ指揮コヴェント・ガーデン王立歌劇場o. & cho./1958年6月] ケルビーニ:歌劇「メデア」 [マリア・カラス(メデア) ジョン・ヴィッカーズ(ジャゾーネ) テレサ・ベルガンサ(ネリス)他 ニコラ・レッシーニョ指揮ダラス市立オペラo. & cho./1958年11月8日] *Disc 12 「稀少録音集 + アリア集」 ベッリーニ:「ノルマ」〜聖らかな女神よ[アルトゥーロ・バジーレ指揮トリノ RAI so./テスト録音:1949年11月8日] モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」〜私を不親切な女と思わないで [トゥリオ・セラフィン指揮フィレンツェ5月音楽祭o./テスト録音:1953年1月27日] ロッシーニ:「イタリアのトルコ人」〜一人の男だけを愛するなんて [ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ指揮ローマ RAI so./1950年10月19日、ライヴ] ポンキエッリ:「ジョコンダ」より〔自殺!/だから約束を守って〕 [パオロ・シルヴェーリ(Br) アントニーノ・ヴォットー指揮トリノ RAI so./1952年9月6日-10日] ヴェルディ:「マクベス」〜早く来て、あかりをつけて [オリヴィエロ・デ・ファブリティース指揮ローマ RAI so./1952年2月18日、ライヴ] ヴェルディ:「運命の力」〜天使の中の聖処女よ [トゥリオ・セラフィン指揮ミラノ・スカラ座o.&cho./1954年8月19日-21日、23日-25日、27日] ロッシーニ:「イタリアのトルコ人」〜一人の男だけを愛するなんて [ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ指揮ミラノ・スカラ座o.&cho./1954年8月31日-9月8日] モーツァルト:「後宮からの誘拐」〜どんな拷問も[アルフレッド・シモネット指揮 RAI o./1954年12月27日、ライヴ] カタラーニ:「ワリー」〜遠い所へ / ヴェルディ:「シチリア島の夕べの祈り」〜ありがとう皆さん [トゥリオ・セラフィン指揮フィルハーモニアo./1954年9月17日-18日、20日-21日] スポンティーニ:「ウェスタの巫女」〜神よ、怖れおののき祈りを捧げます [アルフレッド・シモネット指揮ミラノ RAI so./1956年9月27日、ライヴ] ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」〜イゾルデの愛の死 [アントニーノ・ヴォットー指揮アテネ祝祭o./1957年8月5日、ライヴ] カラス、愛犬のプードルとのデュエット[1968年4月、パリ〔ヘアウッドによるインタビューから〕] ヴェルディ:「運命の力」〜あわれみの聖母[ヴァッソ・デヴェッツィ(P)/ 1977年8月、カラスの自宅、リハーサル/死の一か月前、カラス最後の録音] マリア・カラス(S) | ||
録音:[/内]、モノラル、ライヴ〔除・ Disc 12 〕。 マリア・カラス歿後40周年を記念して、Profileレーベルが12枚組のBox をリリース。カラス研究の世界的権威ディーター・フオシュのセレクションによる最良の演奏を年代順に配列。カラスの真骨頂といえばオペラ。このBoxには5篇の全曲版が収められている。いずれもEMI(現ワーナー)音源ではなく、最近発売された大全集と重複していない。絶頂期のカラスの凄すぎる神業を存分に堪能出来る。1952年メキシコ・シティの「トスカ」、1956年ナポリの「ルチア」、1958年ダラスの「メデア」は現在入手困難なため大歓迎。「メデア」には若き日のテレサ・ベルガンサが出演、カラスと夢の共演を果しているのも豪華のひとことにつきる。注目はお宝音源を集めたDisc12。マリア・カラスのまさに最初の商業録音となるテスト録音から、カヴァッツェーニ指揮によるロッシーニの「イタリアのトルコ人」ローマ、エリセオ劇場、ライヴの一節、さらには1968年4月にパリで行われたインタビューの中で、愛犬のプードルとデュエットしているものなどファン狂喜のものが含まれている。また死の一か月前に自宅で行った「運命の力」の「あわれみの聖母」リハーサルというカラス最後の録音も貴重。疑惑の人物ヴァッソ・デヴェッツィがピアノ伴奏を務めているのも意味深長。驚きの価格で新たなカラスの名盤の登場。アニヴァーサリならではのプレゼント。お買い逃しのないようにご注意頂きたい。 | ||
いつの時代も愛唱歌 マキシモ・ディエゴ・プホル:2つのカンデンベロスの歌/ブエノスアイレス組曲 / シューベルト:アヴェ・マリア ラヴェル:ハバネラ形式による小品 / モーツァルト:ソナタ イ長調 K.331「トルコ行進曲付き」 J.S.バッハ:管弦楽組曲〜アリアとバディネリ / イラディエル:ラ・パロマ グラナドス:アンダルサ / ゴダール:組曲 Op.116 〜ヴァルス / マラン・マレ:スペインのフォリア デュオ・パラティーノ[クリスティアーネ・マイニンガー(Fl) フォルカー・ヘー(G)] | ||
録音:2017年10月3日-5日、回廊礼拝堂、ウメット。 フルートのクリスティアーネ・マイニンガーとギターのフォルカー・ヘーによるデュオ・パラティーノ。彼らの故郷である南西ドイツのラインラント=プファルツ州を意味し、録音もその地で行われた。収録曲は時代と地域をまたいでいて多彩。バロック期のマラン・マレから1957年生まれのアルゼンチンの作曲家マキシモ・ディエゴ・プホールに至る世界史を音楽で俯瞰出来る。バロック期のマレとバッハからモーツァルトの異国趣味を通過し、フランスのオシャレなサロンを楽しんだ後、大西洋を渡る。そしてスペイン起源のハバネラがアルゼンチン・タンゴへと進化し、ピアソラ風世界となる。フルートとギターの組み合わせは相性が良く、ニュアンスあふれる演奏を堪能出来る。 | ||
エミール・ギレリス・エディション 1933-1963 *戦前 (1933-1941) 録音集 リスト/ブゾーニ編曲:「フィガロの結婚」による幻想曲(2種?)〔抜粋(短縮版?)33 /全曲35 〕 ルイエ/ゴドフスキ編曲:組曲第1番 ホ短調〜ジーグ35 シューマン/タウジヒ編曲:スペインの歌遊び Op.74 〜密輸入者35 シューマン:トッカータ Op.7 35 /夢のもつれ Op.12 No.7 37 / ラフマニノフ:前奏曲ト短調 Op.23 No.5 37 ショパン:ポロネーズ第6番 Op.53「英雄」37 / プーランク:パストラール38/トッカータ38 ドビュッシー/ボーウィック編曲:「夜想曲」〜祭39 / リスト/ブゾーニ編曲:パガニーニ練習曲〜狩40 ラフマニノフ:絵画的練習曲「音の絵」 Op.39 No.1 40〔代理店アナウンスでは Op.31 と誤記〕 メンデルスゾーン:スケルツォ ホ短調 Op.16 No.2 40 / チャイコフスキー:無言歌 Op.2 No.3 40 ブラームス:ハンガリー舞曲第1番 ト短調40 アルベニス/カメンスキー編曲:ナバーラ(2台ピアノ版)41[ヤコフ・ザーク(P)] [1933年33、1935年35、1937年37、1938年38、1939年39、1940年40、1941年41] J.S.バッハ:パルティータ第1番 変ロ長調 BWV.825 [1950年11月29日、モスクワ、ライヴ]/ フランス組曲第5番 ト長調 BWV.816 [1959年12月6日、レニングラード、ライヴ]/ イタリア風アリアと変奏 イ短調 BWV.989 [1959年1月22日、モスクワ、ライヴ]/ 半音階的幻想曲とフーガ BWV.903 [1948年11月1日、モスクワ、ライヴ] J.S.バッハ/タウジヒ編曲:トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565 [1954年1月8日、モスクワ、ライヴ] J.S.バッハ/ジロティ編曲:前奏曲 ロ短調[1961年10月10日、モスクワ、ライヴ]/ J.S.バッハ:2台のピアノのための協奏曲 ハ長調 BWV.1061 [ヤコフ・ザーク(P) キリル・コンドラシン指揮ソヴィエト国立so./1948年10月9日、モスクワ、セッション]/ ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調 BWV.1050 [エリザヴェータ・ギレリス(Vn) ニコライ・ハリコフスキー(Fl) キリル・コンドラシン指揮ソヴィエト国立so./1948年、モスクワ、セッション]/ ヘンデル:フルート・ソナタ イ短調 Op.1 No.4 [アレクサンドル・コルネーエフ(Fl)/1958年、モスクワ、セッション] D.スカルラッティ:ソナタ集 〔ホ長調 K.380 「行列」/ハ長調 K.159 「狩」/ヘ長調 K.518 /ヘ短調 K.466 /嬰ハ短調 K.247 /イ長調 K.113 / イ長調 K.433 /ニ短調 K.141 「トッカータ」/ニ短調 K.32「アリア」/ロ短調 K.27 /ト長調 K.125 / ニ短調 K.9 「パストラール」(タウジヒ編曲)/ホ長調 K.20 「カプリッチョ」(タウジヒ編曲)〕 [1955年9月5日、1960年12月26日、1949年、モスクワ、ライヴ] ラモー:鳥のさえずり/タンブーラン/村娘 / C.P.E.バッハ:ソナタ イ長調 W.55 No.4 (H.186) クレメンティ:ピアノ・ソナタ ハ長調 Op.34 No.1 (*)[1960年12月10日(*)、1960年12月26日、モスクワ、ライヴ] ヴィヴァルディ:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 RV.31 / ハイドン:ヴァイオリン・ソナタ ト長調 Hob.XV: 32 [エリザヴェータ・ギレリス(Vn)/1951年、モスクワ] ハイドン:ピアノ協奏曲ニ長調 Hob.XVIII: 11 [ルドルフ・バルシャイ指揮モスクワ室内o./1959年1月16日、モスクワ、ライヴ]/ ピアノ・ソナタ第33番ハ短調 Hob.XVI: 20 [1960年12月26日、モスクワ、ライヴ]/ ピアノ三重奏曲〔第26番 ニ長調 Hob.XV: 16 /第31番 ト短調 Hob.XV: 19 〕 [レオニード・コーガン(Vn) ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)/1951年、1952年、モスクワ] モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467 [フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウスo./1960年11月3日、ライプツィヒ、ライヴ]/ 2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365 [ヤコフ・ザーク(P) キリル・コンドラシン指揮ソヴィエト国立so./49年1月26日、モスクワ] ブゾーニ:協奏的二重奏曲(原曲:モーツァルト「ピアノ協奏曲第19番」終楽章) モーツァルト/ブゾーニ編曲:自動オルガンのための幻想曲ヘ短調 K.608 (2台ピアノ版)/ 歌劇「魔笛」序曲(2台ピアノ版) モーツァルト:フーガ ハ短調 K.426 [ヤコフ・ザーク(P)/1950年、1952年。モスクワ] モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番 ハ短調 K.457 [1950年11月29日、モスクワ、ライヴ]/ ピアノ・ソナタ第16番 変ロ長調 K.570 [1954年3月12日、パリ]/ 幻想曲 ニ短調 K.397 [1960年12月26日、モスクワ、ライヴ]/ ピアノ三重奏曲第1番(ディヴェルティメント)変ロ長調 K.254 [レオニード・コーガン(Vn) ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)/1952年、モスクワ] ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 〔第3番 ハ長調 Op.2 No.3 [1952年1月5日、モスクワ、ライヴ]/ 第23番 ヘ短調 Op.57 「熱情」[1961年1月14日、モスクワ、ライヴ]/ 第27番 ホ短調 Op.90 [1957年4月22日、ロンドン、ライヴ]〕/ バガテル Op.33 No.1 [1952年3月25日、モスクワ、ライヴ]/ ピアノ協奏曲 〔第1番 ハ長調 Op.15 [クルト・ザンデルリング指揮チェコpo./1958年11月19日、プラハ、ライヴ]/ 第2番 変ロ長調 Op.19 [アンドレ・ヴァンデルノート指揮パリ音楽院o./1957年6月20日-22日、パリ]/ 第3番 ハ短調 Op.37 [キリル・コンドラシン指揮ソヴィエト国立so./1951年1月23日、モスクワ、ライヴ]/ 第4番 ト長調 Op.58 [レオポルト・ルードヴィヒ指揮フィルハーモニアo./1957年4月26-27日、5月1日]/ 第5番 変ホ長調 Op.73 「皇帝」[クルト・ザンデルリンク指揮チェコpo./1958年11月21日、プラハ、ライヴ]〕/ ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 Op.97 「大公」 [レオニード・コーガン(Vn) ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)/1956年、モスクワ] シューベルト:ピアノ・ソナタ第17番 ニ長調 Op.53, D.850 [1960年1月16日、22日、ニューヨーク]/ 即興曲 ヘ短調 Op.142 No.1[1959年1月22日、モスクワ、ライヴ]/ 幻想曲 ヘ短調 D.940 (カバレフスキー編曲/ピアノと管弦楽版) [キリル・コンドラシン指揮モスクワpo./1962年10月12日、モスクワ、ライヴ] エミール・ギレリス(P) | ||
録音:[/内]。おそらく初出音源を含む。たとえば、リスト&ブゾーニ編曲の「フィガロの結婚」による幻想曲は、従来1935年の全曲?録音のみとされていたが、今回「1933年の抜粋」とされる録音が含まれている。 Profileレーベルがリヒテル・シリーズに続きドイツの放送局に眠るギレリスの音源を調査し、驚愕のマスターテープを多数発掘した。第2次世界大戦前の1933年から1963年ま、ライヴ中心で、流通されていない秘宝が目白押し。ギレリス20代の戦前録音が貴重。録音はさすがに古いものの、その後録音していない唯一の楽曲も多く、プーランクなど大歓迎。さらにアルベニスの「ナバーラ」をカメンスキーが2台のピアノ用に編曲したものを、朋友で第3回ショパン国際コンクール優勝者のヤコフ・ザークと共演したお宝音源も絶品。ザークとのデュオでは、モーツァルト作品をブゾーニが編曲した諸作を両者の丁々発止な演奏で味わえるのも嬉しい限り。さらにモーツァルトの2台のピアノのための協奏曲は両者の演奏に加え、コンドラシンの指揮と考えられぬ豪華さ。ベートーヴェンのピアノ協奏曲は全5曲が収録されているが、先日リリースされたザンデルリングBoxに収められたギレリス独奏の全曲とは別音源で、第1番と「皇帝」はチェコ・フィルとの共演。2番はヴァンデルノート指揮パリ音楽院o.、3番はコンドラシン指揮ソヴィエト国立so. と、重複しない気配りも万全。コーガン、ロストロポーヴィチと共演した「大公」、ハイドン、モーツァルトのトリオも収録。ハイドンはルドルフ・バルシャイ指揮モスクワ室内o. と共演したピアノ協奏曲も興味津々。さらに興味深いのがバッハ。あの「トッカータとフーガ」をタウジヒが編曲したものの音源があったのに驚愕。妹のエリザヴェタと共演したブランデンブルク協奏曲第5番もコンドラシン指揮というのが凄すぎる。コンドラシンとの共演では、シューベルトの連弾の名作「幻想曲 ヘ短調」をカバレフスキーがピアノ協奏曲に書き直したものも超貴重。単なる編曲でなく、カバレフスキーならではの20世紀ソヴィエト音楽の要素もある「危うさ」が魅力。大半は入手困難なうえ、新音源を用いているため大歓迎。さらに驚きの価格で、ギレリスの凄すぎるピアニズムを満喫出来る。 | ||
PH-17067 (12CD) 廃盤 |
スヴャトスラフ・リヒテル・プレイズ・シューマン&ブラームス 1948-1962
スヴャトスラフ・リヒテル(P) | |
ブラジル幻想曲〜ネイ・ロサウロ(1952-): 2つのマリンバと弦楽オーケストラのための「ブラジル幻想曲(ブラジルのバッハ)」(*/**) / ヴィブラフォン協奏曲第2番(#) /ティンパニ協奏曲(+) / ヴィブラフォン、マリンバと弦楽オーケストラのための「2のセレナータ」(#/**) ネイ・ロサウロ(マリンバ;*/ヴィブラフォン;#) ローランド・ヘルトナー(マリンバ;**/ティンパニ;+) ティモ・ハンドシュー指揮南西ドイツ室内o. | ||
録音:2017年3月15日-17日、ニーフェルン・ヨハネスハウス。すべて世界初録音。 ネイ・ロサウロは1952年リオデジャネイロ生まれ。パーカッション奏者として各国のオーケストラやソロ活動のほか、作曲家としても効果的な作品を100以上も出版、グレニーなども演奏会でとりあげている。ここではマリンバ及びヴィブラフォンと弦楽オーケストラのための協奏作品を4篇収録。うち3作でマリンバとヴィブラフォンの神業を発揮。サンバ等ブラジル音楽の香りのする魅力的な音楽。 | ||
フランツ・クサヴァー・ゲーベル(1787-1843):複弦楽五重奏曲 ニ短調 Op.28 カール・シューベルト(1811-1863):弦楽八重奏曲 ホ長調 Op.23 ホフマイスターSQ ヴロツワフ・バロックo.団員 | ||
録音:2017年、アンドレアス教会、ベルリン。世界初録音。 ロシア音楽史に興味のある向きは見過ごせない。フランツ・クサヴァー・ゲーベルとカール・シューベルトはともにドイツ人ながら、19世紀前半のロシア芸術音楽黎明期に道標を示した重要な作曲家。ゲーベルは1817年からずっとモスクワに住み、ドイツ古典派の作曲技法を教えた。またシューベルトは1840年代にペテルブルクでチェロの名手として活躍した。ともに大編成の室内楽曲を残したが、それがロシアの伝統となり、ショスタコーヴィチにまでつながっている。ホフマイスター四重奏団は2002年創立のドイツの団体。古典派から初期ロマン派作品を中心レパートリーにしている。 | ||
メモリーズ ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ト長調〜アンダンテ・エスプレッシーヴォ / グーセンス:休暇の印象 Op.7〜水車 エリフ・エブル・サカル:メモリーズ / エイミー・ビーチ:ロマンス/ドリーミング リリー・ブーランジェ:夜想曲 / ゴーベール:セレナード / キルヒナー:セレナード フォーレ:ドリー〜子守歌 / シューマン:子守歌 Op.124 No.16 / ステファンス・グローヴェ:深夜の美しき歌声 ホセ・ブラガート:ミロンタン / パキート・ドリベラ:舞曲 / カッツ=チェルニン:なめらかな黒きタンゴ マイニンガー・トリオ [クリステイアーネ・マイニンガー(Fl) ミロシュ・ムレイニク(Vc) ライナー・ゲップ(P)] | ||
録音:2016年11月1日-4日、ザンクトブラジーン学校宴会場。 フルート、チェロ、ピアノという編成によるマイニンガー・トリオ。フルートのリステイアーネ・マイニンガーをリーダーとし、これまで18年にわたりドイツを中 心に人気を博している。アルバム・タイトルにもなっている「メモリーズ」の作曲者エリフ・エブル・サカルは1994年生まれのトルコ人女性作曲家。映画「カサブランカ」のラスト・シーンのような別れの情景を描いたとされる。また南アフリカの作曲家ステファンス・グローヴェ(1902-2014)の「深夜の美しき歌声」はワールドミュージック風なアフリカン・サウンドが魅力的。そのほか、ピアソラの愛弟子ブラガート、南米色濃厚なキューバのトリベラ、ウズベキスタン出身のオーストラリアの女性作曲家カッツ=チェルニンらのいずれも雰囲気たっぷりのタンゴに酔わされる。 | ||
サラステ〜ベートーヴェン:交響曲集 Vol.1 〔第4番 変ロ長調 Op.60 / 第5番 ハ短調 Op.67「運命」〕 |
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 ケルン WDR so. | |
録音:2017年11月20日-25日、フィルハーモニー、ケルン、ライヴ。 ブラームスの交響曲に続きユッカ=ペッカ・サラステ&ケルンWDR響がベートーヴェンの交響曲シリーズを開始した。ブラームスで培った経験で満を持してベートーヴェンに挑戦、期待が高まる。第1弾はブラームス同様に奇を衒わぬ正攻法の演奏で、颯爽としたテンポと切れ味の良さにより、ベートーヴェンの若々しさと情熱が威圧感なしに進む。ものものしさや教条とは無縁のベートーヴェンで、目から鱗が落ちること間違いなしユッカ=ペッカ・サラステの円熟ぶりが存分に示されたアルバム。 | ||
ブラームス: 交響曲第4番 ホ短調 Op.98 / 大学祝典序曲 Op.80 /悲劇的序曲 Op.81 |
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 ケルンW DRso. | |
録音:2017年7月11日-15日、フィルハーモニー、ケルン、ライヴ。 交響曲第1番&第3番 (PH-13028)、第2番 (PH-17057) に続くユッカ=ペッカ・サラステ&ケルンWDR響によるブラームス交響曲の完結篇。サラステはブラームスに熱意を示し、協奏曲を含むオーケストラ曲を連続でとりあげて注目されているが、今回の3曲も2017年夏のコンサート・ライヴで、練り上げられた解釈と説得力に驚かされる。交響曲第4番はブラームス晩年の作風を示す渋く深い瞑想性にあふれているがサラステはやや速めのテンポと威圧感のなさで、シベリウスを思わせる透明感を紡ぎ出している。「大学祝典序曲」も「悲劇的序曲」も推進力に満ちていてあっという間に聴かせてしまうが、やはり北欧の物語を聞いているような描写性を感じる。ついに完結したサラステのブラームス交響曲全集、円熟ぶりと新鮮さでユニークな決定盤が登場した。 | ||
エフゲニー・ボジャノフ ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 Op.35 モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K.453 エフゲニー・ボジャノフ(P) ハンネス・ロイビン(Tp) ラドスワフ・シュルツ指揮バイエルン放送室内o. | ||
録音:2016年6月5日、プリンツレーゲンテン劇場、ミュンヘン、ライヴ。 2010年に行われた第16回ショパン国際コンクールで、アルゲリッチに激賞されたエフゲニー・ボジャノフ、久々の新譜は協奏曲。ボジャノフの協奏曲録音といえば、ショパン・コンクール本選のライヴのみだったので、大歓迎のリリース。それもロマン派作品ではなく、ショスタコーヴィチとモーツァルトという新境地を披露してくれる。驚くべきはショスタコーヴィチ。指さばきや技巧はすさまじいものの皮肉さや軽快さはなく、ショスタコーヴィチ自身が残した録音を彷彿とさせるどす黒い闇をひきずっていて緊張感たっぷり。こんな凄い演奏はめったに聴くことができない。超オススメ。 | ||
メトネル:ヴァイオリンとピアノのための作品全集(2CD) ヴァイオリン・ソナタ〔第1番 ロ短調 Op.21 /第2番 ト長調 Op.44 /第3番「エピカ」 Op.57 〕/ 舞曲を伴う2つのカンツォーナ Op.43 /3つの夜想曲 Op.16 ニキータ・ボリソ=グレプスキー(Vn) エカテリーナ・デルジャヴィナ(P) | ||
録音:2017年3月27日-30日、ドイツ放送室内楽ザール。 メトネルの創作の大半はピアノ曲だが、ここでは珍しい彼のヴァイオリン曲をすべて収めている。これまでもカガンとリヒテル、レーピンとベレゾフスキーなどのCDがあったが、2007年のチャイコフスキー国際コンクール第2位のヴァイオリニスト(1位は神尾真由子)ニキータ・ボリソ=グレプスキーが最新録音。それも注目のエカテリーナ・デルジャヴィナがピアノを受け持っているのも魅力。メトネルはピアノの名手だったため、ヴァイオリン・ソナタでもピアノ・パートが難しく、また重要な役割を演じているが、デルジャヴィナが雄弁かつ表情豊かな快演を繰り広げている。ボリソ=グレプスキーは2017年来日してN響とチャイコフスキーの協奏曲を共演したことも記憶に新しい名手。美しいメロディにあふれる第3番など聴き惚れさせられる。 | ||
シャラー〜ブルックナー: 交響曲第3番 ニ短調(1890年シャルク版) |
ゲルト・シャラー指揮 フィルハーモニー・フェスティヴァ | |
録音:2017年9月23日、エーブラハ大修道院付属教会、ライヴ。 指揮者としてのブルックナーの全交響曲はもとより、オルガニストとして全オルガン曲まで録音したゲルト・シャラー。まだまだ彼の探求は終りません。今回は交響曲第3番。シャラーは2011年7月にも1874年キャラガン校訂版で同曲を録音しているが、今回は第3稿と呼ばれる1890年シャルク版による演奏。ブルックナーの交響曲第3番は彼が48歳だった1872-3年に作曲され、ワーグナーに捧げられた。48歳とはいえ晩成型のブルックナーにとっては初期の作で、1874-77年の第2稿、88-89年の第3稿と改訂を重ねている。推敲を経ていることと、第3稿は交響曲第8番と同時期で後期の円熟味が反映され大きく雰囲気を変えているため、いちばん良いとする向きも多く、フルトヴェングラーやクナッパーツブッシュらもこの版を用いている。解釈は基本的に一貫しているが、各楽章のタイムは以下のようになっている。同一楽曲ながら大きな違いをじっくりと楽しむことが出来る。 | ||
ドイツ・フルート名作集 カルク=エーレルト:フルート・ソナタ 変ロ長調 Op.121 クロンケ:協奏的小品 Op.177 /スペイン奇想曲 Op.113 No.2 / フリューリング:幻想曲 Op.55 レーガー:アレグレット・グラツィオーソ/ロマンス ト長調 / ライネッケ:フルート・ソナタ「水の精」 Op.167 クリスティーナ・ファスベンダー(Fl) フローリアン・ヴィーク(P) | ||
録音:2017年2月11日-13日、ライトシュターデル、ノイマルクト。 クリスティーナ・ファスベンダーはシュトゥットガルトでジャン=クロード・ジェラールに師事した女流フルート奏者。1997年よりバイエルン放送so. の第2奏者、1999年よりベルリン・コーミッシュ・オーパーの首席奏者を務めている。このアルバムはドイツ・ロマン派のフルート作品を集めた嬉しい一枚。学生も多く手掛けるライネッケのソナタやフリューリングの幻想曲が入っているのも万全。三響フルートの音色も冴えている。 | ||
Wings 〜渡辺克也 ライヒャ:オーボエ五重奏曲 ヘ長調 Op.107 クルーセル:ディヴェルティメント Op.9 クロンマー:オーボエ四重奏曲 ハ長調 J.C.バッハ:オーボエ四重奏曲 変ロ長調 武満徹/中原達彦編曲:翼 |
渡辺克也(Ob) クライディ・サハチ、 ステーファノ・ロ・レ(Vn) シモニーデ・ブラコーニ(Va) サンドロ・ ラッフランキーニ(Vc) | |
録音:2017年11月7日-9日、イエス・キリスト教会、ベルリン。 ドイツを本拠に活躍する渡辺克也のアルバム第6弾は、オーボエと弦楽による室内楽。古典派作品4篇をミラノ・スカラ座o. のトップ奏者たちと端正かつ美麗な演奏を繰り広げる。いずれの作品も美しい歌にあふれているが、スカラ座のメンバーによる雰囲気あるバックもあいまり、オペラのアリアを聴いているようだ。アンコールに武満徹の名歌「翼」をオーボエと弦楽四重奏で詩情豊かに奏でる。 | ||
クラシックからタンゴへ ピアソラ:ブエノスアイレスの四季Vn/Cl/P /オブリビオンVn/Cl/P ベニヤミン・ヌス:ヴァイオリン、クラリネットとピアノのための2つの小品 Op.13 Vn2/Cl/P モーツァルト/サヤカ・シュムック編曲: 2つのクラリネットとバセットホルンのための2つのアリアCl/Cl2/BH 〔フィガロの結婚〜恋とはどんなものかしら/ドン・ジョヴァンニ〜お手をどうぞ〕 ドヴォルジャーク/ヨアヒム・クレム編曲: 2つのクラリネットとバセットホルンのための2つのスラヴ舞曲集 Op.46 Nos.1-2 Cl/Cl2/BH シューマン:おとぎ話 Op.132(全4曲)Cl/Va/P2 アンサンブル・シュムック [サヤカ・シュムック(ClCl) ケン・シューマン(VnVn) ベヌヤミン・ヌス(PP) マルヴィーナ・ソスノフスキ(VnVn2/VaVa) ティル・レンナー(ClCl2) オリヴァー・クレンク(バセットHrBH) カタリナ・ゼルハイム(PP2)] | ||
録音:2018年2月13日、3月19日-20日、SWRスタジオ、カイザースラウテルン。 )アンサンブル・シュムックは、日本風の名を持つクラリネット奏者サヤカ・シュムックにより2009年に結成されたトリオ・シュムックが拡大した団体。ドイツを活動の中心とし、古典派からタンゴまで幅広いレパートリーを披露している。高い技術を持つメンバーたちが楽しい曲をたくさん聴かせてくれる。 | ||
ルート=マルグレート・ピュッツ、リサイタル ヴェルディ:リゴレット〜慕わしい御名は(*) / ドニゼッティ:ドン・パスクァーレ〜騎士はあの眼差しを(*) ニコライ:ウィンザーの陽気な女房たち〜さあ早くここに、才気、陽気な移り気(*) モーツァルト:コンサート・アリア「わが憧れの希望よ〜ああ、どんなに苦しいか」 K.416 (*) / 「後宮からの誘拐」より〔何と変わってしまったの(#) /どんな拷問が(#) /ああベルモンテ(+) 〕 リヒャルト・シュトラウス:ナクソス島のアリアドネ〜偉大なる王女様(**) ルート=マルグレート・ピュッツ・リサイタル〔代理店記載ママ〕(S) マルセル・コルデス(Br) レオポルト・クラム、カール=エルンスト・メルカー(T) ベリスラフ・クロブチャール指揮ベルリンso.(*)、ベルリン国立歌劇場男声cho.(*) イシュトヴァーン・ケルテス指揮モーツァルテウムo.(#) ヨーゼフ・トラクセル(ベルモンテ) ゲルハルト・ウンガー(ペドリロ) リゼロッテ・ベッカー=エークナー(S) フェルディナント・ライトナー指揮ヴュルテンベルク州立歌劇場o.(+/**) | ||
録音:1962年、ベルリン(*) /1961年8月4日、ザルツブルク、ライヴ(#) /1962年、シュトゥットガルト/1962年10月6日、ヴュルテンベルク州立歌劇場小劇場、ライヴ(**) |原盤:コロムビア(エレクトローラ)&オイロディスク、初出を含む?|一部データに整合性が無いが、国内代理店記載ママ。 2018年で84歳のドイツのソプラノ歌手ルート=マルグレート・ピュッツのアリア集。1934年デュッセルドルフ近郊に生まれ、1950年にケルン市立歌劇場でデビュー、1957年にシュトゥットガルト歌劇場デビュー、以後同オペラの看板スターとして活躍した。このアルバムはコロムビア(エレクトローラ)、オイロディスクの音源によるが、すべて初CD化、さらにライトナーとの「ナクソス島のアリアドネ」は初出音源というのも注目。 | ||
アンドレ・ナヴァラ・エディション ハイドン:チェロ協奏曲第2番 ニ長調 Op.101 / ボッケリーニ:チェロ協奏曲第9番 変ロ長調 G.482 [ベルンハルト・パウムガルトナー指揮ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ/1958年] ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104[ルドルフ・シュワルツ指揮ナショナルso./1954年] シューマン:トロイメライ/夕べの歌[伴奏者不詳/1942年]/チェロ協奏曲 イ短調 Op.129(2種) [ジョン・バルビローリ指揮ハレo./1962年、自由貿易ホール、マンチェスター、ライヴ| アンドレ・クリュイタンス指揮コロンヌ芸術協会o./1951年] ハチャトゥリヤン:チェロ協奏曲 / ブルッフ:コル・ニドライ Op.47 (#) [ピエール・デルヴォー指揮コロンヌ芸術協会o./1957年10月28日、1957年2月13日(#)] エルガー:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.85[ジョン・バルビローリ指揮ハレo./1957年] C. P. E. バッハ:チェロ協奏曲 イ長調 Wq.172 [ティボール・ヴァルガ指揮ティボール・ヴァルガ室内o./1961年] ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番 イ長調 Op.69 / シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ D.821 [アルトゥール・バルサム(P)/1948年] ラロ:チェロ協奏曲 ニ短調[ジャン・フルネ指揮コロンヌ芸術協会o./1948年] ファリャ/マレシャル編曲:スペイン民謡(全6曲) / ニン:スペイン民謡〜祈り/アンダルサ ロカテッリ:チェロ・ソナタ ニ長調 / ボッケリーニ:チェロ・ソナタ〔第6番 イ長調/第3番 ト長調〕 ヴァレンティーニ:チェロ・ソナタ第10番 ホ長調 / ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 Op.65 (+) リヒャルト・シュトラウス:チェロ・ソナタ ヘ長調 Op.6 (+) [エリカ・キルヒャー(P)/1981年、1984年(+)、ステレオ] グラナドス:スペイン舞曲 より〔第3番/第5番「アンダルサ」/第6番「ロンデーリャ・アラゴネーサ」(ナヴァラ編曲)〕/ 歌劇「ゴイェスカス」間奏曲(カサド編曲) カサド:緑の悪魔の踊り / ショパン:夜想曲集 より〔 Op.9 No.2 /遺作〕 / サン=サーンス:白鳥 フォーレ:蝶々 Op.77 / マスネ:エレジー / グラズノフ:スペインのセレナード シューベルト:楽興の時第3番 ヘ短調 / J.S.バッハ/ポーレーン編曲:ミュゼット ルイ・マングノー:3つの小品[ジャン・ユボー(P)/1941年-1942年、1947年] アンドレ・ナヴァラ(Vc) | ||
録音:[/内]、特記以外モノラル。 Profile〔代理店記載ママ〕レーベルの音源発掘シリーズ、今回はナヴァラ。現在流通されていない秘宝目白押しの期待のBox 。これだけ収めて驚きのうれしい価格となっている。アンドレ・ナヴァラ(1911-88)は、フルニエ、ジャンドロンとならびフランス三大チェリストと賞されている。フランス風の洗練にあふれながらも骨太で力強い芸風に、日本でも人気が衰えることのない巨匠。ナヴァラの十八番だったハイドンやドヴォルジャークの協奏曲はもちろん見事ながら、バルビローリ&ハレ管と共演したエルガーの情念はデュプレをしのぐとまで言 われている。またシューマンはクリュイタンス、ハチャトゥリヤンとブルッフはデルヴォー、ラロはフルネという往年のフランスの大指揮者がバックを務めているのも魅力。小品集も名ピアニスト、ジャン・ユボーの味わい深い演奏を楽しめる。最後の小品集が白眉。小さな曲を満身の感情を込めて歌い、心打たれる。 | ||
ジーナ・バッカウアー〜稀少録音集 グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16[ベイジル・キャメロン指揮 BBC so./1961年9月16日、ライヴ] ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」 / ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83 [スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ指揮 LSO /1962年7月] モーツァルト:ピアノ協奏曲〔第24番 ハ短調 K.491 (*) /第26番 ニ長調「戴冠式」 K.537 (#) 〕 サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.22 (*) / フォーレ:ピアノと管弦楽のためのバラード Op.19 (*) リスト/ブゾーニ編曲:スペイン狂詩曲(#)[アレック・シャーマン指揮ロンドンo./1951年、モノラル(#)、1955年(*)] J.S.バッハ/ブゾーニ編曲:トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV.564 リスト:葬送〜詩的で宗教的な調べ[1949年、モノラル] ラヴェル:夜のガスパール / ドビュッシー:ピアノのために リスト:ハンガリー狂詩曲第12番 嬰ハ短調[1954年] ジーナ・バッカウアー(P) | ||
ジーナ・バッカウアー(1913-1976)はギリシャ出身の女性ピアニスト。現在その名はピアノの国際コンクールを思い出させるが、生前は非常な人気を誇るスターだった。女性ながら、極限の技巧と体力が要求されるブラームスのピアノ協奏曲第2番を十八番とし、誰にも真似のできない見事な演奏で評判となった。ここでは彼女が49歳の時にスクロヴァチェフスキ指揮LSOと共演した貴重な記録が収録されている。スクロヴァチェフスキとの演奏は、同じ時に録音されたベートーヴェンの「皇帝」も堪能出来る。夫君アレック・シャーマンと共演したサン=サーンスやフォーレも絶品。また、1961年のプロムス最終夜に演奏されたグリーグの協奏曲(前出: BBC Music Magazine, BBC MM72 )も聴衆の熱気が伝わる貴重なライヴで、バッカウアーの人気ぶりがうかがえる。貴重なのが1949年にバッカウアーが最初に行った商業レコーディング。ブゾーニ編曲のバッハをはじめ、リスト作品も若々しく切れ味抜群のテクニックで披露している。 | ||
カイルベルト・ボックス ウェーバー:「魔弾の射手」序曲[BPO/1958年]/「オベロン」序曲[ケルン放送so./1953年] モーツァルト:「魔笛」序曲[VPO/1960年、ザルツブルク、ライヴ] R.シュトラウス:「ナクソス島のアリアドネ」前奏曲[ケルン放送so./1954年] ベートーヴェン:序曲「コリオラン」/「フィデリオ」序曲/交響曲第6番 ヘ長調 Op.68「田園」[バンベルクso./1960年] ワーグナー:「さまよえるオランダ人」序曲[バイロイト祝祭o./1955年、ライヴ] シューベルト:「ロザムンデ」序曲[BPO/1960年、ザルツブルク・ライヴ]/ 交響曲第8番 ロ短調「未完成」[バンベルクso./1956年] ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 Op.26[ゲオルク・クーレンカンプ(Vn) BPO/1941年] レーガー:モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ Op.132 /舞踊組曲 Op.130[バンベルクso./1957年]/ ヒラーの主題による変奏曲とフーガ Op.100 [ハンブルク国立po./1957年]/ ベックリンによる4つの音詩 Op.128[プラハ・ドイツpo./1940-42年] ヴォルフ/レーガー編曲:イタリアのセレナード[プラハ・ドイツpo./1940-42年] ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 Op.73[BPO/1962年]/大学祝典序曲 Op.80 [バンベルクso./1957年7月8日]/ 悲劇的序曲 Op.81[バンベルクso./1952年3月3日-5日]/ハンガリー舞曲集 Nos.3, 10, 1 [バンベルクso./1960年] シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54[アニー・フィッシャー(P) ケルン放送so./1958年4月28日、ライヴ]/ 交響曲第4番 ニ短調 Op.120 [ケルン放送so./1952年、ライヴ] プフィッツナー:「パレストリーナ」より〔第1幕への前奏曲/第3幕への前奏曲〕[プラハ・ドイツpo./1940-42年]/ ピアノ協奏曲 変ホ長調 Op.31[ローズル・シュミット(P) ケルン放送so./1951年、ライヴ] ゲッツ:「じゃじゃ馬馴らし」序曲[バイエルン放送so./1955年] コルネリウス:「バグダッドの理髪師」序曲[ケルン放送so./1951] ワーグナー:「ローエングリン」より〔第1幕への前奏曲/第3幕への前奏曲〕[ハンブルク国立po./1957年]/ 「タンホイザー」より〔序曲/第3幕への前奏曲〕[バイロイト祝祭o./1954年]/ 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲[ハンブルク国立po./1957年]/ 「ワルキューレ」〜ワルキューレの騎行[バイロイト祝祭o./1953年、ライヴ]/ 「ジークフリート」より〔第1幕への前奏曲/第2幕への前奏曲〕[バイロイト祝祭o./1953年、ライヴ]/ 「神々のたそがれ」〜ジークフリートの葬送行進曲[バイロイト祝祭o./1953年、ライヴ] ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調(原典版)[BPO/1960年、ザルツブルク・ライヴ] ヨーゼフ・カイルベルト指揮 | ||
Profile〔代理店記載ママ〕レーベルが、ドイツの放送局に眠るヨーゼフ・カイルベルト(1908-1968)の音源を発掘、10枚のBoxにした。カイルベルトは1940年に創立されたプラハ・ドイツ・フィル(バンベルクso. の前身)の指揮者となったが、その当時の録音であるレーガーの「ベックリンによる4つの音詩」やヴォルフの「イタリアのセレナード」のレーガーによる小オーケストラ版、プフィッツナーの歌劇「パレストリーナ」前奏曲などCD 初となるものが興味津々。クーレンカンプを独奏者としたBPOとのブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番、アニー・フィッシャーを独奏者にケルン放送とのシューマンのピアノ協奏曲もファン狂喜。またシューマンの交響曲第4番やプフィッツナーの大作ピアノ協奏曲も初出で超貴重。カイルベルトの演奏で聴くことができるのは慶賀の至り。また、Orfeoから出ているBPOとの1960年のブルックナーの交響曲第9番ザルツブルク・ライヴも収録。ハッタリのない重厚なスタイルは、ドイツ音楽の真髄を感じさせてくれ、今なおファンが多いのも納得出来る。大半は入手困難なうえ、新音源を用いているため大歓迎。さらに驚きの価格で、新たなカイルベルトの名盤の登場。 | ||
クヴァンツ:フルート協奏曲集 〔第109番 変ホ長調 QV 5: 89 /第97番 ト短調 QV 5: 206 /第95番 ホ短調 QV 5: 124 /第146番 ホ長調 QV 5: 108 〕 エリック・ラム(Fl) マイケル・アレクザンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミー | ||
録音:2017年10月30日-31日、インマヌエル教会、ヴッパータル。 1978年生まれのアメリカのフルート奏者エリック・ラムはオーバリン音楽院でミシェル・デボストに師事した後、フランクフルト高等音楽大学で学んだ実力派。インターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブルの奏者を務めるかたわら、古典派のヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ(1697-1773)の第一人者として、その数百曲ある全フルート独奏曲をレパートリーにしている。ここではやはり300曲あるというフルート協奏曲から4篇。三響フルートのハンドメイド木製フルートの柔らかな音色が魅力。 | ||
ギーゼキング〜モーツァルト・ピアノ独奏作品全集 メヌエットとトリオ ト長調 K.1 /メヌエット ヘ長調 K.2 /アレグロ 変ロ長調 K.3 /メヌエット ヘ長調 K.4 / メヌエット ヘ長調 K.5 /グラーフの歌曲「われらは勝てり」による変奏曲 K.24 / 「ウィレム・ヴァン・ナッサウ」による変奏曲 K.25 /アレグレットの主題による変奏曲 K.54 /メヌエット ニ長調 K.94 / サリエリの歌劇「ヴェネツィアの定期市」による変奏曲 K.180 /フィッシャーのメヌエットによる変奏曲 K.179 (189a) / ピアノ・ソナタ〔第1番 ハ長調 K.279 /第2番 ヘ長調 K.280 /第3番 変ロ長調 K.281 /第4番 変ホ長調 K.282 / 第5番 ト長調 K.283 /第6番 ニ長調 K.284 /第7番 ハ長調 K.309 /第8番 イ短調 K.310 / 第9番 ニ長調 K.311 /第10番 ハ長調 K.330 /第11番 イ長調 K.331 /第12番 ヘ長調 K.332 / 第13番 変ロ長調 K.333 /第14番 ハ短調 K.457 /ヘ長調 K.533 + ロンド ヘ長調 K.494 / 第15番 ハ長調 K.545 /ヘ長調 K.547a /第16番 変ロ長調 K.570 /第17番 ニ長調 K.576 〕/ アレグロ ト短調 K.312 /ボーマルシェ「セビリャの理髪師」による変奏曲 K.354 /カプリッチョ ハ長調 K.395 / きらきら星変奏曲 K.265 /「美しいフランソワーズ」による変奏曲 K.353 /ドゼードの「ジュリー」による変奏曲 K.264 / 8つのメヌエットとトリオ K.315a /グレトリー「サムニウム人の結婚」の結婚行進曲による変奏曲 K.352 / アレグロ 変ロ長調 K.400 /前奏曲とフーガ ハ長調 K.394 /フーガ ト短調 K.401 /幻想曲 ハ短調 K.396 / 幻想曲 ニ短調 K.397 /組曲 ハ長調 K.399 /パイジェッロ「哲学者気取り」による変奏曲 K.398 /小葬送行進曲 K.453a / サルティの「とんびに油揚げ」による変奏曲 K.460 /グルック「メッカの巡礼」による変奏曲 K.455 /幻想曲 ハ短調 K.475 / ロンド ニ長調 K.485 /アレグレットとメヌエット K.498a /アレグレットによる変奏曲 K.500 /6つのドイツ舞曲 K.509 / ロンド イ短調 K.511 /アダージョ ロ短調 K.540 /デュポールのメヌエットによる変奏曲 K.573 / 小さなジーグ ト長調 K.574 /アンダンティーノ 変ホ長調 K.236 /メヌエット ニ長調 K.355 / アダージョ ハ長調 K.356 /「女はたいしたものだ」による変奏曲 K.613 /ロンド ヘ長調 K.616 ヴァルター・ギーゼキング(P) | ||
録音:1953年-1954年、モノラル|原盤: Columbia/EMI/Warner |新マスタリング(ホルガー・ジードラー〔 THS スタジオ〕)。 Profileレーベル、好評のBoxシリーズにギーゼキングが登場した。それもモーツァルトのピアノ独奏曲をほぼすべて収録した8枚組が超お買い得価格となっている。ギーゼキング芸術のなかでもとりわけ評価の高いのがモーツァルト。透明かつ崇高な音世界をじっくり聴かせ、60年以上経った今日でも、最高の演奏とする人も多い決定盤中の決定盤。重さや濁り、停滞感といったものが皆無なピアニズムは驚異的。ピアノ・ソナタや変奏曲全曲はもとより、 K.1番代までもおさえているのも嬉しい限り。「トルコ行進曲」や「きらきら星」変奏曲ももちろん収録。以前EMIからリリースされていたが現在入手困難なうえ、今回はTHSスタジオのホルガー・ジードラーが新マスタリングを施しているのも注目。さらに驚きの価格で、新たなギーゼキングの名モーツァルトBoxの登場となる。 | ||
含・初CD〜ヘルマン・プライ&エルナ・ベルガー、歌曲録音集 ヴォルフ:イタリア歌曲集(全46曲)(*/#) GW [1959年9月22日-24日、11月9日-10日] シューマン:歌曲集「女の愛と生涯」 Op.42(全8曲)(#) EGS [1956年9月18日、21日] メンデルスゾーン:歌の翼に Op.34 No.2 (#) EGS /挨拶 Op.19 No.5 (#) EGS [1956年9月20日] レーヴェ:時計 Op.123 No.3 (*) MR /詩人トム Op.135a (*) MR [1952年-1953年] ヴォルフ:散歩(*) MR /郷愁(*) MR [1952年-1953年] シューベルト:セレナード D.889 (*) MR /野ばら D.257 MR[1953年4月22日]/ 「キプロス島のロザムンデ」D.797〜ロマンツェ (*) HH [1955年1月29日] グリーグ:待ちながら Op.60 No.3 (*) MM /君を愛す Op.5 No.3 (*) MM [1957年2月4日] ブラームス:4つの厳粛な歌 Op.121 (*) MM [1957年2月4日] ヘルマン・プライ(Br;*) エルナ・ベルガー(S;#) ギュンター・ヴァイセンボルン(PGW) エルンスト=ギュンター・シェルツァー(PEGS) ミヒャエル・ラウハイゼン(PMR) ヘルベルト・ハイネマン(PHH) マルティン・メルツァー(PMM) | ||
録音:[内]。20世紀ドイツ声楽界を代表したエルナ・ベルガー(1900-1990)とヘルマン・プライ(1929-1998)の貴重な音源を2枚にまとめた。ただし共演ではなく、それぞれの独唱を満喫出来る。エレクトローラ音源によるヴォルフの「イタリア歌曲集」は全46曲のうち24曲をプライが、22曲をベルガーが担当、至高の芸風を聴かせてくれる。名盤の誉れ高いものながら、初CD化となり大歓迎。嬉しいのが、ベルガーの「詩人の恋」やメンデルスゾーンの「歌の翼に」を聴くことができること。さらにプライの20代前半の若々しい歌唱によるシューベルトの「セレナード」「野ばら」も新鮮。最晩年ブラームスの深い世界を描いた「4つの厳粛な歌」を28歳のプライが見事に表現しているのも聴き物。 | ||
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 (ゲルト・シャラーによる完全版の改訂稿) |
ゲルト・シャラー指揮 フィルハーモニー・フェスティヴァ | |
録音:2018年7月、エーブラハ大修道院付属教会、ライヴ。2016年にブルックナーの交響曲第9番のフィナーレを完成させ、世に問うた指揮者ゲルト・シャラー。ブルックナーの音楽を愛し、作品を熟知する彼ならではの説得力で話題となったが、その後も推敲を重ね、満を持してスコアをRies & Erler 社から刊行した。その披露による2018年7月のコンサートのライヴが登場する。交響曲第9番の草稿はいろいろ残されているが、最大の問題はどう作品を終結させるかで、それはブルックナー本人しか知り得なかったこと。ワーグナーから強い影響を受けたブルックナーの音楽は、聴覚以上に大胆な和声と絶え間ない転調に満ちているうえ、19世紀末の作でもあり、かなり時代を先取りした感覚が見受けられる。さらに先に行くにしたがい希薄になっていくスケッチを尊重して、ほとんど神の世界へ至るようなコーダを導き出した。約25分の新フィナーレ(全734小節)。すべてのブルックナー・ファン必聴。 | ||
ブラームス:交響曲全集 〔第1番 ハ短調 Op.68 /第3番 ヘ長調 Op.90 / 第2番 ニ長調 Op.73 /第4番 ホ短調 Op.98 〕/ ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a / 大学祝典序曲 Op.80 /悲劇的序曲 Op.81 |
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 ケルン WDR so. | |
録音:2013年1月23日-27日、2017年7月11日-15日、フィルハーモニー、ケルン、ライヴ。分売: PH-13028, PH-17057, PH-17057 のセット化。 | ||
シューベルト:八重奏曲 ヘ長調 D.803 | ドレスデン八重奏団 | |
録音:2017年4月16日、モーツァルテウム大ホール、ザルツブルク。ドレスデン・シュターツカペレの首席奏者8名で結成されたドレスデン八重奏団。2015年に同オーケストラの香港公演でデビュー。もともと1854年創立の「ドレスデン音楽家協会」は、シュターツカペレが室内楽をしなければならない規約があり、その伝統を復活させた。名手なだけでなく、伝統の重厚なドイツ的解釈を味わえる。 | ||
エディション・シュターツカペレ・ドレスデン Vol.43 〜カール・ベーム ヨハン・シュトラウス:「こうもり」序曲/「千夜一夜物語」間奏曲[1938年] モーツァルト:歌劇「後宮からの逃走」序曲/「フィガロの結婚」序曲[1939年] ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番 Op.72b[1938年]/「エグモント」序曲 Op.84[1935年] ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲[1938年]/「オベロン」序曲[1939年] ロルツィング:「ウンディーネ」〜バレエ音楽/「ロシア皇帝と船大工」〜木靴の踊り[1935年] スメタナ:「売られた花嫁」序曲 / フンパーディンク:「ヘンゼルとグレーテル」序曲[1939年] ヴェルディ:「アイーダ」前奏曲[1939年] / レオンカヴァッロ:「道化師」間奏曲[1938年] マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」より〔間奏曲/復活祭の合唱(*) 〕[1938年] レズニチェク:歌劇「ドンナ・ディアナ」序曲[1938年] ベルリオーズ:「ファウストの劫罰」〜ハンガリー行進曲[1939年] モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525[1938年] シューベルト:軍隊行進曲 D.733 No.1[1939年] / チャイコフスキー:イタリア奇想曲 Op.45(抜粋)[1938年] テオドール・ベルガー:ロンディーノ・ジョコーソ Op.4[1940年] ヨハン・シュトラウス II :皇帝円舞曲 Op.437 / ブラームス:ハンガリー舞曲〔第5番/第6番〕[1939年] クリステル・ゴルツ(S;*) カール・ベーム指揮シュターツカペレ・ドレスデン | ||
録音:[内]、すべて ゼンパーオーパー、ドレスデン。当初ライヴとしておりましたが、代理店から『実際はライヴではなく、エレクトローラ原盤の音源を復刻したものと判明いたしました。誤ったご案内をしましたことをお詫び申し上げます。』とのアナウンスが成されました。 カール・ベーム(1894-1981)は1934年にからシュターツカペレ・ドレスデンの総監督に就任、1943年まで務めた。その間、リヒャルト・シュトラウスの歌劇「無口な女」や「ダフネ」を世界初演、戦前のドイツ音楽界を華やかに飾った。シュターツカペレ・ドレスデンは1935年に最初の録音が行われ、当初はブルックナーの交響曲やワーグナーの歌劇など意欲的だったが、38年に国策でユダヤ人音楽家の排除が始まり、それまでレコード売り上げの中核を成していたレオ・ブレッヒら指揮者によるポピュラー小品がカタログから抹消た。困ったレコード会社はベームら非ユダヤ人指揮者にそれらを再録音させることを決め、路線変更した。ここに収められたものは、ほぼその所産。ゆがんだ歴史のおとし児とも言えるが、その結果ベームによる珍しいレパートリーの貴重な記録が残されたともいえるだろう。いずれも現在では聴くことのできない19世紀の伝統を色濃く残すもので、まさにウェーバーやワーグナーが聴いていた音を満喫できる。ベームの「カヴァレリア・ルスティカーナ」や「道化師」の間奏曲はリヒャルト・シュトラウスのようで興味津々。 | ||
ロマン派の二重唱曲集 メンデルスゾーン:恋人よ打ち明けておくれ Op.63 No.1 /秋の歌 Op.63 No.4 /夕べの歌/舟旅 フェルディナント・ヒラー(1811-1885):6つの室内二重唱曲 Op.121 より 〔夜の平和 Op.121 No.5 /祈り Op.121 No.6 /讃歌 Op.121 No.7 〕 アントン・ルビンシテイン(1829-1894): 天使 Op.48 No.1 /すべての頂に憩いあり Op.48 No.5 /暗雲 Op.48 No.8 /森の歌 Op.67 No.2 ドヴォルジャーク:りんご Op.38 No.2 /もし大鎌が鋭く磨かれていたら Op.32 No.3 /兵士の分れ Op.32 No.6 エミール・マッティセン(1875-1939):夜の二重唱曲集 Op.13 より〔星の多い夜/夜の至福〕 アイルランド民謡/エルンスト・フォン・シュトックハウゼン編曲: 緑の服/わがいとしの弟/ドリナウン・ドゥン/なんと甘く答えることか/パスシーン・フィオン/美しいキティ シューベルト:死と乙女 D.531 /魔王 D.328 カール・レーヴェ(1796-1869):オーディンは海を渡る/アーチボルド・ダグラス/詩人トム クルト・モル、ハラルト・シュタム(B) ヴィルヘルム・フォン・グルネリウス(P) | ||
録音:1983年6月、1986年2月、小ゼンデザール、 SFB 、ベルリン|原盤・前出: KOCH Schwann, 3-6521-2 [(P) + (C) 2001] | (C) 2018 。 | ||
シューラ・チェルカスキー・エディション リスト:ハンガリー幻想曲[ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 BPO /1960年]/ モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」の回想[1953年]/グノー「ファウスト」のワルツ[1956年]/ ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調[アナトール・フィストラーリ指揮フィルハーモニアo./1952年]/ ハンガリー狂詩曲第13番 イ短調[1956年]/愛の夢第3番[1958年]/半音階的大ギャロップ/ラ・カンパネラ[1960年] プーランク:トッカータ / サン=サーンス/ゴドフスキ編曲:白鳥 チェイシンズ:3つの中国小品 / リャードフ:オルゴール Op.32[1956年] チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23[レオポルト・ルートヴィヒ指揮 BPO /1951年]/ ピアノ協奏曲第2番 ト長調 Op.44[リヒャルト・クラウス指揮 BPO /1955年] ショパン:ポロネーズ第5番 Op.44/バラード第4番 Op.52 [1953年]/スケルツォ第4番 Op.54[1951年] 夜想曲第15番 Op.55 No.1 /アンダンテ・スピアナートと華麗なるポロネーズ Op.22 ムソルグスキー:展覧会の絵 / モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番 K.330 バーバー:遠足 Op.20 / シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17[1961年、ザルツブルク、ライヴ] プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 Op.16 / ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 Op.35 [ハーバート・メンゲス指揮フィルハーモニアo./1954年-1955年] メンデルスゾーン:序奏とロンド・カプリチオーソ Op.14 / シューマン:ピアノ・ソナタ第1番 Op.11 ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1 / ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの三楽章[1963年、ルガーノ、ライヴ] ストラヴィンスキー:サーカス・ポルカ[1955年] グリーグ:ピアノ協奏曲 Op.16 / シューマン:ピアノ協奏曲 Op.54[エイドリアン・ボールト指揮 LPO /1962年] ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲 Op.35 / メンデルスゾーン:スケルツォ Op.16 No.2[1953年] メンデルスゾーン:狩人の歌 Op.19 No.3 /無言歌 / ショパン:ワルツ ホ短調 / ラモー:タンブーラン[1925年] メンデルスゾーン:スケルツォ Op.16 No.2 /前奏曲 Op.35 No.1 / チェルカスキー:悲愴前奏曲[1928年] ベートーヴェン:エコセーズ[1923年] / ラフマニノフ:チェロ・ソナタ Op.19[マルセル・ユベール(Vc)/1934年-1935年] シューラ・チェルカスキー(P) | ||
Profileレーベルのドイツ放送局音源発掘シリーズ、今回は往年の名人チェルカスキー。現在流通されていない秘宝がまたまた目白押し。シューラ・チェルカスキー(1909-1995)はオデッサに生まれたが、ロシア革命の際に家族とアメリカへ移住。巨匠ヨゼフ・ホフマンに師事して19世紀風グラウンドマナーを残す貴重な芸風で非常な人気を博した。チェルカスキーの特徴は古いスタイルによる超絶技巧で難曲をバリバリ弾くところにあるが、加えて「蛇の皮のような」と形容されるヌメヌメとした美音を持ち、濃厚な歌い回しで聴き手を陶酔させる、稀代のエンターテナーだった。ここに集められた音源は古いものの、チェルカスキー最盛期の魔術の凄さを目の当たりに出来る。得意のリスト、ショパン、チャイコフスキーはオーラと説得力に圧倒されるが、幅広いレパートリーを誇ったチェルカスキーならではの「香港のラッシュアワー」を含むチェイシンズの「3つの中国小品」やバーバーの「遠足」も絶品。ことにゴドフスキが編曲したサン=サーンスの「白鳥」はピアノの美しさと表現力に気を失いそうになる。加えて嬉しいのが、マルセル・ユベールと共演したラフマニノフのチェロ・ソナタ。ラフマニノフ存命中の1934-5年の録音で、当然本人も聴いたものを共有できるのも感動だが、難しいピアノ・パートを惚れ惚れするようなテクニックと歌い回しで演奏。これだけでも欲しくなる宝物。 | ||
栄光への第一歩〜ダニエル・バレンボイム ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ(*) 〔第8番 ハ短調 Op.13「悲愴」/第14番 嬰ハ短調 Op.27 No.2「月光」/第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」/ 第21番 ハ長調 Op.53「ヴァルトシュタイン」/第32番 ハ短調 Op.111 / 第29番 変ロ長調 Op.106「ハンマークラヴィーア」〕 ヨハン・クリスティアン・バッハ:ピアノ・ソナタ 変ロ長調 Op.17 No.6 ペルゴレージ:ピアノ・ソナタ〔変ロ長調/ト長調〕 / モーツァルト:きらきら星変奏曲 K.265 メンデルスゾーン:カプリッチョ Op.5 / ブラームス:間奏曲 ハ長調 Op.119 No.3 カバレフスキー:ソナチネ ハ長調 Op.119 No.3 ショスタコーヴィチ:24の前奏曲集 Op.34 より Nos.2-3, 24, 10, 12, 21, 5 ダニエル・バレンボイム(P) | ||
録音:1958年、ステレオ(*) /1955年、モノラル(*以外) 。 DG の39枚Boxに含まれる物と同一の録音、とのこと。 指揮・ピアノともに現在音楽界の頂点を極めるダニエル・バレンボイム10代の、1950年後半の貴重な録音を集めたアルバム。初々しい表現が魅力だが、ピアニズムや解釈は基本的に現在と変っておらず、「双葉より芳し」の好例。ことにペルゴレージのソナタや当時現役で活躍していたカバレフスキー、ショスタコーヴィチの作品を弾いているのもさすが。 | ||
スヴャトスラフ・リヒテル・プレイズ・リスト&ショパン 1948-63 リスト: 超絶技巧練習曲集 より〔前奏曲/モルト・アジタート/風景/鬼火/英雄的/ 荒野の狩/夕べの調べ/練習曲 ヘ短調〕[1957年4月8日]/ 演奏会用練習曲「小人の踊り」(2種)[1958年2月5日|1958年2月11日、ブダペスト]/ 超絶技巧練習曲集 より〔風景/鬼火(2種)/夕べの調べ〕[1955年3月16日|1958年3月2日、ソフィア] 巡礼の年 から 第1年「スイス」より〔オーベルマンの谷(2種)(*) /泉のほとりで〕/ 第2年「イタリア」〜婚礼/第2年補遺「ヴェネチアとナポリ」/ 第3年 より〔エステ荘の糸杉に I /ペトラルカのソネット第123番(2種)(#) 〕 [1956年3月2日|1958年2月11日、ブダペスト(#) |1952年1月10日(*) ]/ ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調(2種)[カレル・アンチェル指揮チェコpo./1954年6月3日、プラハ| キリル・コンドラシン指揮 LSO /1961年7月19日-21日、ロンドン、セッション]/ ハンガリー幻想曲[ヤーノシュ・フェレンチク指揮ハンガリー国立o./1961年9月27日、ブダペスト]/ ピアノ協奏曲第2番 イ長調(2種)[キリル・コンドラシン指揮ボリショイ劇場o./1955年3月14日| キリル・コンドラシン指揮 LSO /1961年7月21日、ロンドン、セッション]/ 悲愴協奏曲 ホ短調[アントン・ギンズブルグ(P2)/1959年1月8日]/ ポロネーズ第2番 ホ長調/スケルツォと行進曲/詩的で宗教的な調べ 〜死者の追憶[1957年5月9日]/ 詩的で宗教的な調べ〜葬送(2種)[1948年2月26日|1955年3月16日]/ 暗い雲/メフィスト・ワルツ第1番[1954年10月14日、レニングラード]/ 忘れられたワルツ〔第1番 嬰ヘ長調/第2番 変イ長調/第3番 変ニ長調〕[1948年2月26日]/ 愛の夢第3番 変イ長調(2種)[1948年2月26日|1958年2月11日、ブダペスト]/ 愛の夢第2番 ホ長調(2種)/メフィスト・ワルツ第1番[1956年|1958年2月11日、ブダペスト]/ コンソレーション第6番 ホ長調/ハンガリー狂詩曲第17番 ニ短調[1957年5月9日]/ 歌曲「私の歌は毒されている」[ニーナ・ドルリアク(S)/1956年3月24日、ブカレスト] ショパン: 練習曲集 より〔 Op.10 Nos.1, 12 「革命」, Op.25 No.12「大洋」[1960年5月31日、レニングラード]/ Op.10 No.2, Op.25 No.7[1960年2月21日、プラハ]/ Op.10 No.10[1960年3月3日、キエフ]/ Op.10 Nos.3 「別れの曲」,11, Op.25 No.11「木枯し」[1960年2月26日、ブカレスト]/ Op.10 No.4, Op.25 Nos.5-6, 8 [1952年1月14日]/ Op.10 No.6[1963年1月27日、ロンドン]/ Op.10 No.3 「別れの曲」, Op.25 No.5 [1950年、セッション]〕/ バラード〔第1番 ト短調 Op.23[1960年3月3日、キエフ]/第2番 ヘ長調 Op.38[1950年6月19日]/ 第3番 変イ長調 Op.47(2種)[1950年6月19日|1960年9月24日]/ 第4番 ヘ短調 Op.52(2種)[1949年5月30日|1963年1月27日、ロンドン]〕/舟歌 Op.60 [1961年6月8日]/ 3つのワルツ Op.34 /夜想曲 Nos.4, 16, 12 Op.15 Nos.1, 3, Op.37 No.2 /マズルカ Op.17 No.4 [1950年6月19日]/ ワルツ Op.70 No.3 /マズルカ Op.30 No.3 [1949年5月30日]/4つのマズルカ Op.24[1952年1月14日]/ 夜想曲 Op.9 No.1[1952年]/夜想曲 Op.15 No.1[1963年11月28日、ライプツィヒ]/ ポロネーズ〔 Nos.1, 3-4, 7 [1952年1月10日]/ No.5 [1950年6月19日]/ No.1 [1948年、場所不明、セッション]/ No.7[1962年10月15日、ミラノ]〕/ スケルツォ第1番 ロ短調 Op.20 /前奏曲集 Op.28 より Nos.4-5, 7-8, 6, 9-11, 19, 17, 23-24[1950年6月19日]/ スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31 [1949年5月30日]/前奏曲 嬰ハ短調 Op.45 [1952年1月10日]/ スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54(2種)[1960年9月24日|1961年7月10日、ロンドン]/ アンダンテ・スピアナートと華麗なポロネーズ Op.22[キリル・コンドラシン指揮 LSO /1961月7日、16日、ロンドン] シマノフスキ:ピアノ・ソナタ第2番 イ長調 Op.21 [1959年1月8日]/ マズルカ Op.50 より Nos.12, 17-18[1954年11月11日、ワルシャワ] スヴャトスラフ・リヒテル(P) | ||
録音:[内]、特記以外 モスクワ、特記以外 ライヴ、すべてモノラル。Profileレーベルがドイツの放送局に眠るリヒテルの音源をひきつづき調査した結果、驚愕のショパンとリストを発掘した。1948年から1963年ま、ライヴ中心で、ファンさえ知らない初出物も含まれている。リヒテルは1952年にグリゴーリ・アレクサンドロフ監督の映画「作曲家グリンカ」へ俳優として出演し、リストの再来と見まごう好演をしている。当Boxはその時期のコンサートが中心だが、壮年期のリヒテルならではの強靭なテクニックとみなぎる覇気に圧倒され続ける。ことに1957年4月8日にモスクワ音楽院大ホール出行った「超絶技巧練習曲」、1956年3月2日の「巡礼の年」(いずれも抜粋)の珍しい音源の凄まじさは言葉を失いる。さらに嬉しいのがリヒテルの「愛の夢」が聴けること。1948年2月と1958年2月の2種の音源が収められているが、前者は初出の貴重品。さすがリヒテルと感心させられるほど引き込まれる。リスト以上に驚きなのがショパン。バラード全曲をはじめ、ワルツ、ノクターン、マズルカ、ポロネーズなど、信じ難い初出ないし入手難なものばかり集められている。リヒテルの「別れの曲」と「革命」、バラード第1番とスケルツォ第2番さらに「軍隊ポロネーズ」と夢のようなラインナップが続く。センチメンタリズムのない巨大さがさすがの神業で、リヒテルの凄さを改めて認識させられる。Disc12には、シマノフスキのピアノ・ソナタ第2番とマズルカ抜粋が収められているのも嬉しい限り。ピアノ・ソナタ第2番は身の毛がよだつような難曲だが、リヒテルはピアノを鳴らしっていて、誰も真似のできない効果に言葉を失いる。マズルカの語り口の巧さもまさに絶品。大半は入手困難で、熱心なファンでも持っていないものばかり。さらに驚きの価格で、新たなリヒテルの名盤の登場となる。 | ||
ジョルジュ・シュミット(1821-1900):フランス語歌曲集 まだあなたのもの/夢/法悦/壊れた花瓶/私を思い出して/海辺にて/彼は眠る/忘れな草/すみれ/ 「すみれ」によるアラベスク(ピアノ曲)/去りゆくつばめ/四季のロマンス/夜想曲/五月の歌/ フェスティヴァ/マリエットに/ミミ・パンソン/シードル/ファウスト トリオ・セナクル [イヴリン・チェスラ(S) ニコ・ヴォウテルセ(B−Br) ミシェル・ケルシェンメイヤー(P)] | ||
録音:2017年8月1日-4日、ルクセンブルク市立音楽院。ジョルジュ・シュミット(1821-1900)はドイツ生まれながら、23歳の時にパリへ移りずっとその地に暮らした。14歳から病気の父に代わり大聖堂のオルガニストとなり、パリでもサン・シュルピス教会、サン・ジェルマン・デ・プレ教会の奏者を務めた。1857年にはニデルメイエール音楽学校のオルガン科教授に任命された。ここでは彼のフランス語歌曲の約半分が収録されている。歌詞はユーゴーやミュッセによる。トリオ・セナクルはドイツのソプラノのチェスラ、オランダのバスバリトンのヴォウテルセ、ルクセンブルクのピアニスト、ケルシェンメイヤーにより2015年結成。ドイツとフランスの歌曲にこだわりを示している。 | ||
ムラヴィンスキー・ボックス4 ベートーヴェン:交響曲集 〔第2番 ニ長調 Op.36[ソヴィエト国立so./1940年、モスクワ、セッション]/第7番 イ長調 Op.92[1958年、セッション]/ 第4番 変ロ長調 Op.60[1955年6月3日、プラハ]/第3番 変ホ長調 Op.55「英雄」[1961年6月2日、ベルゲン]/ 第5番 ハ短調 Op.67「運命」[1949年、セッション]/第6番 ヘ長調 Op.68「田園」[1962年3月20日]〕 グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲[1956年9月14日] リャードフ:ババ・ヤガー Op.56[1959年4月21日、モスクワ] リムスキー=コルサコフ: 歌劇「見えざる町キーテジと聖女フェヴローニャの伝説」〜6つの交響的断章[1949年4月4日、セッション] チャイコフスキー:幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミン」 Op.32[1948年3月10日、セッション] ショスタコーヴィチ:交響曲第11番 ト短調 Op.103「1905年」[1957年11月3日]/祝典序曲 Op.96[1955年4月21日] ウストヴォーリスカヤ:子供の組曲[1954年、セッション] ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 Op.77[ダヴィド・オイストラフ(Vn)/1956年11月30日、セッション] ボリス・クリュズネル:ヴァイオリン協奏曲[ミハイル・ヴァイマン(Vn)/1957年3月20日] シューベルト:交響曲第8番 ロ短調「未完成」[ソヴィエト国立so./1959年5月6日、モスクワ] バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽[1962年2月10日、ブダペスト] シベリウス:交響曲第3番 ハ長調 Op.52 [1963年10月27日]/トゥオネラの白鳥 Op.22 No.3 [1961年5月14日] グラズノフ:交響曲第4番 変ホ長調 Op.48 [1948年3月2日、セッション]/ バレエ組曲「ライモンダ」 Op.57a 〜第3幕の間奏曲[1962年2月10日、ブダペスト] ハチャトゥリアン:ピアノ協奏曲 変ニ長調 Op.38[レフ・オボーリン(P) チェコpo./1946年6月1日、プラハ]/ 交響曲第3番 Op.67「交響詩曲」[1947年12月13日] アルチュニアン:祝典序曲 / ババジャニアン:ヴァイオリン協奏曲 イ短調(*) [レオニード・コーガン(Vn;*)/1949年11月15日] ボーナス・トラック ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14 〜第2楽章「舞踏会」[ソヴィエト国立so./1949年、モスクワ、セッション]/ ファウストの劫罰 Op.24 〜妖精の踊り[1962年2月10日、ブダペスト] リスト:メフィスト・ワルツ第1番[1947年2月14日、セッション] ドビュッシー:クラリネットと管弦楽のための第1狂詩曲[ウラジーミル・クラサヴィン(Cl)/1962年4月20日] エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラードpo.(特記以外) | ||
録音:[/内]、特記以外レニングラード、特記以外ライヴ、モノラル。『★Profileレーベルが、弊社の依頼でドイツの放送局に眠るムラヴィンスキーの音源を発掘するシリーズも第3弾(代理店記載ママ)、まだまだ驚きの音源が多数登場します。★今回まず目をひくのはベートーヴェンの交響曲。ムラヴィンスキーはベートーヴェンの全交響曲をレパートリーに入れていましたが、現時点で第8番と第9番は世に出ていないのと、著作隣接権保護中1982年録音の交響曲第1番を除く6篇を収録。第2番以外は手兵レニングラード・フィルとのもので、いずれも推進力に満ちた大きな演奏を味わえます。★ショスタコーヴィチの交響曲第11番は1957年10月30日にラフリン指揮ソヴィエト国立交響楽団が世界初演を行いましたが、その4日後にムラヴィンスキーとレニングラード・フィルがレニングラード初演した際の録音が入っているのも貴重。これが壮絶極まりない演奏で、終楽章などムラヴィンスキーらしからぬ凶暴さで荒れ狂います。オイストラフとのヴァイオリン協奏曲第1番の1956年11月30日ライヴも神がかり的名演で、数ある同曲のディスク中でも特別な価値があると申せましょう。★今回の注目は、ムラヴィンスキーとレニングラード・フィルが1962年2月に行ったブダペスト公演が初めて正式に日の目をみていること。バルトークの「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」、ベルリオーズの「妖精の踊り」、グラズノフの「ライモンダ」の間奏曲など幻の音源が蘇りました。★そのほか、レオニード・コーガンとのババジャニアン、ミハイル・ヴァイマンとのクリュズネルのヴァイオリン協奏曲の初出音源が驚き。また、ハチャトゥリアンの交響曲第3番とアルチュニアンの祝典序曲のともに世界初演時の録音も嬉しい限り。★大半は入手困難なうえ、驚きの価格。ファンさえも持っていない音源続出の超貴重Boxです。』 | ||
PH-18046 (13CD) 廃盤 |
コンドラシン・エディション 1937-1963 | |
クナッパーツブッシュ・ボックス ブラームス: 交響曲第1番 ハ短調 Op.68 (*[シュターツカペレ・ドレスデン/1960年|とあるが、 実際にはクナッパーツブッシュの演奏ではなく、クレンペラーとケルン放送so.による1955年10月17日ライヴ]/ 大学祝典序曲 Op.80[ VPO /1957年、セッション?]/交響曲第2番 ニ長調 Op.73[ミュンヘンpo./1956年10月13日]/ 交響曲第3番 ヘ長調 Op.90 /悲劇的序曲 Op.81 [ VPO /1955年7月26日、ザルツブルク]/ 交響曲第4番 ホ短調 Op.98[ケルン放送so./1953年5月8日]/ ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a [ VPO /1957年6月10-15日、セッション] ブルックナー:交響曲集(すべて改訂版) 〔第3番 ニ短調[バイエルン国立o./1954年10月11日、コングレスザール、ミュンヘン]/ 第4番 変ホ長調[ BPO /1944年9月8日、バーデン・バーデン、放送用]/ 第5番 変ロ長調[ VPO /1956年6月3日-6日、セッション]/第7番 ホ長調[ VPO /1949年8月30日、ザルツブルク]/ 第8番 ハ短調[ BPO /1951年1月8日、ティタニア・パラスト、放送用]/ 第9番 ニ短調[ BPO /1950年1月28日、ティタニア・パラスト(放送用)]〕 ハンス・クナッパーツブッシュ指揮(*以外) | ||
録音:[/内]、モノラル、特記以外ライヴ| # (*)の演奏者、オケ&録音時期が誤記のままで供給されます。Profile〔代理店記載ママ〕レーベルが、クナッパーツブッシュの音源からブラームスとブルックナー作品を10枚のBoxにした。交響曲全4曲と2つの序曲、「ハイドンの主題による変奏曲」というブラームスの主要管弦楽曲が揃っているのも魅力だが、このうち交響曲第1番はクナッパーツブッシュの演奏ではなく、クレンペラーとケルン放送so. による1955年10月のライヴ。とはいえクナッパーツブッシュに間違えられる超弩級の超名演で、これだけでも欲しくなる伝説の音源。VPOとの「大学祝典序曲」と「ハイドンの主題による変奏曲」、さらにブルックナーの交響曲第5番はデッカのセッション、BPOとのブルックナーの4、8、9番は放送用録音。他はライヴ収録となっている。いずれも名演の誉れ高く、クナッパーツブッシュ節全開の大きな音楽性に圧倒される。大半は入手困難なうえ、驚きの価格。クナッパーツブッシュの芸術にたっぷりひたることが出来る。 | ||
アルゲリッチ〜成功のデビュー ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調[エルネスト・ブール指揮南西ドイツ放送so./1960年2月4日、バーデン・バーデン]/ 夜のガスパール[1960年3月16日、ハンブルク]/ソナチネ[1960年9月8日、ケルン]/ 水の戯れ[1960年7月4日-8日、ハノーファー] バルトーク/ジェルトレル編曲:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ / サラサーテ:序奏とタランテラ Op.43 [ルッジェーロ・リッチ(Vn)/1961年4月21日、レニングラード、ライヴ] モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467[ペーター・マーク指揮ケルン放送so./1960年9月5日、ケルン] ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 Op.10 No.3[1960年9月8日、ケルン]/ ヴァイオリン・ソナタ第3番 変ホ長調 Op.12 No.3 [ルッジェーロ・リッチ(Vn)/1961年4月21日、レニングラード、ライヴ] モーツァルト:ピアノ・ソナタ 〔第8番 イ短調 K.310 /第13番 変ロ長調 K.333[1960年4月26日、ミュンヘン]/ 第18番 ニ長調 K.576[1960年9月8日、ケルン]〕/ シューマン:トッカータ Op.7 [1960年9月8日、ケルン] ブラームス:2つのラプソディ Op.79 / リスト:ハンガリー狂詩曲第6番 変ニ長調 ショパン:舟歌 Op.60 /スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39[1960年7月4日-8日、ハノーファー] ショパン:バラード第4番 ヘ短調 Op.52[1960年1月23日、ケルン]/ 練習曲第1番 ハ長調 Op.10 No.1[1955年、ブエノスアイレス] プロコフィエフ:トッカータ Op.11 /ピアノ・ソナタ第3番 イ短調 Op.28[1960年3月16日、ハンブルク] リスト:ハンガリー狂詩曲第6番 変ニ長調[1957年9月、ジュネーヴ国際コンクール、ライヴ] マルタ・アルゲリッチ(P) | ||
マルタ・アルゲリッチはデビュー当時、ドイツのラジオ局にいくつか放送用録音を残している。それをエア・チェックした音源は Doremi レーベルより発売されたが、今回Profileレーベルがドイツの放送局のマスター音源から初CD化した。アルゲリッチは1965年に行われた第7回ショパン国際コンクールで優勝して世界的なスターとなるが、その前から天才ぶりは変りなく、1960年にはDGにセッション録音も果たしている。ここでは1960年頃、20歳前後の若いエネルギーはじける芸術を聴くことが出来る。超貴重なのは、アルゲリッチがその後ほとんど手掛けていない作品が多いこと。モーツァルトのピアノ協奏曲第21番、ショパンのバラード第4番、ブラームスの2つのラプソディはアルゲリッチの唯一の録音。また、モーツァルトやベートーヴェンのピアノ・ソナタやショパンの「舟歌」、リストの「ハンガリー狂詩曲」のように、その後弾かなくなってしまったものが収録され、いずれも天才の輝きまぶしい神業なのが驚き。宝物にしたくなるBoxがこの価格でお求めになれる。一家に1セットは揃えたい文化遺産。 | ||
セミヨン・ビシュコフ&ケルン WDR so.〜共演の歴史 ラフマニノフ:合唱交響曲「鐘」 Op.35 /交響的舞曲 Op.45 [タチヤナ・パヴロフスカヤ(S) エフゲニー・アキーモフ(T) ウラジーミル・ヴァネーエフ(Br) レーゲ・アルティス室内cho.、WDR cho./2006年9月、フィルハーモニー、ケルン、ライヴ] リヒャルト・シュトラウス: 歌劇「エレクトラ」 Op.58 [フェリシティ・パーマー(Ms;クリュテムネストラ) デボラ・ポラスキ(S;エレクトラ) アンネ・シュヴァーネヴィルムス(S;クリュソテミス) グレアム・クラーク(T;エギスト) フランツ・グルントヘーバー(Br;オレスト) WDR cho. 他/2005年]/ アルプス交響曲 Op.64 /交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 Op.28 [2007年12月17日-21日、フィルハーモニー、ケルン、ライヴ] ワーグナー:歌劇「ローエングリン」 [ヨハン・ボータ(T;ローエングリン) アドリアンネ・ピエチョンカ(S;エルザ) ファルク・シュトルックマン(Br;フリートリヒ) ペトラ・ラング(Ms;オルトルート) WDR cho.、NDR cho.、プラハ室内 cho./2008年5月30日-6月14日、フィルハーモニー、ケルン、ライヴ]/ ヴェルディ:レクイエム [ヴィオレッタ・ウルマ−ナ(S) オリガ・ボロディナ(Ms) ラモン・ヴァルガス(T) フェルッチョ・フルラネット(B) WDR cho.、NDR cho.、トリノ・レージョ劇場 cho./ 2007年11月12日-16日、フィルハーモニー、ケルン、ライヴ] セミヨン・ビシュコフ指揮ケルンWDRso. | ||
録音:[/内]。1997年から2010年までケルンWDRso. の首席指揮者を務めたセミョーン・セミヨン・ビシュコフ。彼らの貴重な共演のドキュメントをお届けする。いずれも過去にProfilレーベルから単体でリリースされたが、今回9枚をまとめたBoxとして驚きの価格で再登場。もちろん前と同じく9枚組のうちリヒャルト・シュトラウスの「エレクトラ」が2枚、ワーグナーの「ローエングリン」が3枚、ヴェルディのレクイエムが2枚で全曲を堪能できるのも貴重。フェリシティ・パーマーやデボラ・ポラスキの「エレクトラ」、ヨハン・ボータやアドリアンネ・ピエチョンカの「ローエングリン」も魅力だが、ヴィオレッタ・ウルマ−ナ、オリガ・ボロディナら旧ソ連の実力派たちと共演したヴェルディが圧巻。凄みに満ちている。 | ||
スヴァロフスキー〔スワロフスキー〕・ボックス ハイドン:交響曲〔第70番 ニ長調 Hob.I: 70 [ウィーン・アカデミー室内o./1952年]/ 第93番 ニ長調 Hob.I: 93 [ケルン放送so./1962年2月8日-10日]/ 第100番 ト長調 Hob.I: 100「軍隊」[ウィーンso./1956年5月3日]〕 モーツァルト:ピアノ協奏曲(*)〔第21番 ハ長調 K.467 /第27番 変ロ長調 K.595 〕/ アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525[フリードリヒ・グルダ(P;*) ウィーン国立歌劇場o./1963年6月、ステレオ(*)、1955年12月18日、ウィーン] ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.55「英雄」[ウィーン国立歌劇場o./1955年]/ プロメテウスの創造物 Op.43 序曲/大フーガ Op.133(ヴァインガルトナー編曲) [ケルン放送so./1952年11月2日-4日、1962年9月10日-14日] シューベルト:交響曲〔第9番 ハ長調「グレイト」[ウィーンso./1957年1月2日]/ 第8番 ロ短調「未完成」[ウィーン国立歌劇場o./1957年] メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64 /2台のピアノのための協奏曲 ホ長調 [イヴリー・ギトリス(Vn) オラツィオ・フルゴーニ、エドゥアルト・ムラーツェク(P) ウィーンso./1954年(リリース)] マーラー:交響曲第3番 ニ短調[ソニャ・チェルヴェナー(A) ベルリン放送so./1963年1月21日、ライヴ] シェーンベルク:コル・ニドレ Op.39 /ワルシャワの生き残り Op.46 [ハンス・ヤーライ(語り) ウィーンso./1952年10月28、30日]/ 6つの歌 Op.8 [ゲオルク・イェルデン(T) ケルン放送so./1961年12月16、20日] ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83 /ハンガリー舞曲 Nos.1-3, 5 [エドゥアルト・ムラーツェク(P) ウィーン国立歌劇場o./1956年-1957年、1954年9月12日-14日] リヒャルト・シュトラウス: 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 Op.28 /「ばらの騎士」〜導入曲とワルツ/ 「サロメ」〜7枚のヴェールの踊り/「インテルメッツォ」〜ワルツの情景/交響的断章「ヨセフ伝説」 Op.63 [ケルン放送so./1960年11月18日-21日、1963年12月16日-20日、1961年11月2日-4日] ワーグナー:「リエンツィ」序曲/「タンホイザー」序曲/「トリスタンとイゾルデ」前奏曲/「パルジファル」前奏曲 [チェコpo./1952年7月15日、1951年11月9日、1950年]/ 「ローエングリン」〜第1幕&第3幕への前奏曲/「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲 [ウィーンso./1954年11月30日-12月2日] ヨハン・シュトラウス II : 「ジプシー男爵」序曲/ワルツ「ウィーンの森の物語」 Op.325 /「騎士パスマン」〜チャールダーシュ [ウィーン国立歌劇場o./1951年]/ ポルカ「観光列車」 Op.281 /ポルカ「百発百中」 Op.326 / ワルツ「春の声」 Op.410 /ワルツ「親しき仲」 Op.367 /皇帝円舞曲 Op.437 ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ「憂いもなく」 Op.271[チェコpo./1957年9月19日] ハンス・スヴァロフスキー指揮 | ||
録音(一部発売年):[/内]、特記以外モノラル。Profilレーベルが、現在入手困難な音源をBox化するシリーズ、今回はオーストリアの指揮者ハンス・スワロフスキー。ハンス・スワロフスキー(1899-1975)は指揮者として活躍するかたわら、ウィーン国立音楽大学指揮科教授として、アバド、メータ、マリス・ヤンソンス、アダム&イヴァン・フィッシャーなど錚々たる逸材を育てた。尾高忠明、湯浅卓雄、大町陽一郎ら薫陶を受けた大物日本人も多数いる。教育者としての業績が大きすぎたため、彼自身の芸術像は意外に伝わってこないが、ヴァインガルトナーとリヒャルト・シュトラウスの指揮の弟子として、ドイツの伝統を現代に伝えた職人。いずれも正確なバトン・テクニックで楷書的な演奏を聴かせてくれるが、ワーグナーやリヒャルト・シュトラウス作品での大きな音楽作りに驚かされる。また珍しいマーラーの交響曲第3番の1963年、ライヴ、ギトリスとの共演によるメンデルスゾーンの協奏曲も興味津々。1952年10月のシェーンベルクの「コール・ニドレ」と「ワルシャワの生き残り」はどちらも世界初録音だったとされる。もうひとつの魅力はウィーン物で見せる独特の歌い回しと香り。十八番のヨハン・シュトラウスがたくさん入っているのも嬉しく、またハイドンの交響曲やグルダとのモーツァルトも素晴しいのひとことに尽きる。大半は入手困難なうえ、驚きの価格の超貴重Box 。 | ||
ロストロポーヴィチ〜モスクワ録音集 プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調 Op.119 [スヴャトスラフ・リヒテル(P)/1950年3月1日、世界初演時、ライヴ] チャイコフスキー:ロココ主題による変奏曲 Op.33 / シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 Op.129 ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番 変ホ長調 Op.107 (#) [ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮ソヴィエト国立so./1960年11月30日、1961年2月10日(#) ] ショパン:序奏と華麗なポロネーズ Op.3[アレクサンドル・デデューヒン(P)/1954年] ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ ニ短調 Op.40[D.ショスタコーヴィチ(P)/1960年頃、モスクワ、セッション] カバレフスキー:チェロ・ソナタ 変ロ長調 Op.71[ドミートリー・カバレフスキー(P)/1962年11月6日、世界初演時、ライヴ] サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番 イ短調 Op.33[グリゴーリー・ストリャロフ指揮モスクワ放送so./1953年、場所不明] ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第1番〜前奏曲 / ミヨー/ロストロポーヴィチ編曲:ブラジルの郷愁〜ティジュカ ファリャ/ピアティゴルスキー編曲:恋は魔術師〜火祭りの踊り / グラナドス/ロストロポーヴィチ編曲:ゴイェスカス〜間奏曲 ストラヴィンスキー/ロストロポーヴィチ編曲:妖精の口づけ〜パ・ド・ドゥ / ラフマニノフ:ヴォカリーズ Op.34 No.14 「アレクサンドル・デデューヒン(P)/1962年11月6日、1960年12月11日、1956年] ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc) | ||
録音:[内]、特記以外 小ホール(室内楽)、大ホール(オーケストラ物&末尾小品集の一部)、モスクワ音楽院。ソヴィエト。、ライヴ。ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(1927-2007)は指揮をはじめ多方面で才能を発揮したが、何といってもやはりチェロが一番で、真に偉大な奏者だった。ここでは彼のソ連時代、20代から30代半ばまでの若々しく切れ味の良い妙技を集めている。当時彗星のように現れたロストロポーヴィチは超絶的な技巧に加え、深い大きな音楽性で大スターとなった。同時代の作曲家たちとも親密にかかわり、彼に弾いてもらうために世界中で数多くの作品が生まれた。当Boxに収められた作品のなかでも、プロコフィエフとカバレフスキーのチェロ・ソナタ、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲は彼のために書かれた物。前者の2篇は世界初演時の貴重な記録で、プロコフィエフ作品はリヒテルが、カバレフスキー作品は作曲者自身がピアノを受け持っているのも豪華。ショスタコーヴィチのチェロ・ソナタはロストロポーヴィチのために書かれたものではありませんが、ここではショスタコーヴィチ自身が素晴らしい伴奏を聴かせてくれる。協奏作品は3篇をロジェストヴェンスキー、サン=サーンスのみストリャロフ指揮で披露。旧ソ連の音楽家の驚異的な演奏技術を堪能出来る。 | ||
PH-18063 (10CD) 廃盤 |
ベネデッティ=ミケランジェリ・エディション | |
ヨーゼフ・アロイス・シュミットバウアー(1718-1809): グラスハーモニカのためのロンド/2つの交響曲〔ニ長調/変ロ長調〕/ グラスハーモニカのための前奏曲〔第5番/第4番〕/弦楽のための交響曲 変ロ長調 カールスルーエ宮廷楽団[藤井祥吾(Ob) 廣井明子(Hr)他] | ||
録音:2018年7月23日-27日、デュレンビュヒヒ・キリスト教会。ヨーゼフ・アロイス・シュミットバウアーはドイツの作曲家。1772年にケルン大聖堂の楽長となり、同地の音楽界に大きな影響を残した。彼はグラスハーモニカの製作者としても知られ、4オクターヴの改良型を開発した。日本人奏者を含む時代楽器集団カールスルーエ宮廷楽団がさわやかな音楽を繰り広げている。 | ||
ブラームス: ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15 |
エカテリーナ・ リトヴィンツェヴァ(P) ヘリベルト・バイセル指揮 ボン・クラシックpo. | |
録音:2017年11月29日、メッペン、ライヴ。1986年オホーツク海沿岸の町マガダンに生まれのピアニスト、エカテリーナ・リトヴィンツェヴァ5枚目のディスク登場。15歳の時にモスクワへ移り、イリーナ・ガブリロワ、アレクサンドル・ムンドヤンツ、エカテリーナ・デルジャヴィナに師事。若さに似合わぬ堂々とした演奏ぶりが特徴。リトヴィンツェヴァは2017年にヘリベルト・バイセル指揮ボン・クラシック・フィルハーモニーと、ブラームスのピアノ協奏曲第1番の13回のコンサートを行った。当アルバムはその際のライヴ録音。非常な体力と気力を要求する難曲ゆえライヴ録音は危険ながら、彼女は一発勝負の集中力を重んじたといわれる。良く響く大きな音量と熱い情熱が魅力的だが、バイゼルの老練なバックアップも特筆。 | ||
サラステ〜ベートーヴェン:交響曲全集 〔第1番 ハ長調 Op.21 /第3番 変ホ長調 Op.55「英雄」/第2番 ニ長調 Op.36 / 第6番 ヘ長調 Op.68「田園」/第7番 イ長調 Op.92 /第8番 ヘ長調 Op.93 / 第9番 ニ短調 Op.125「合唱」/第4番 変ロ長調 Op.60 /第5番 ハ短調 Op.67「運命」〕 ラウラ・アイキン(S) インゲボルク・ダンツ(A) マクシミリアン・シュミット(T) タレク・ナズミ(B) ユッカ=ペッカ・サラステ指揮ケルン WDR so.、北ドイツ放送cho.、ケルン放送cho. | ||
録音:2017年11月20-25日 (Nos.1-5)、2018年2月26日-3月3日 (Nos.6-9)、フィルハーモニー、ケルン、ライヴ|初出音源。ブラームスの交響曲全集セットが好評だったユッカ=ペッカ・サラステ。彼がそのシリーズの次に行なったベートーヴェン交響曲全曲シリーズがいきなりBoxで発売される。最新録音ながらお買い得価格での大盤振舞い。注目は、指示のない第9以外、第1楽章提示部の繰り返しをすべて守っていること。ライヴでの繰り返しは珍しい。それでありながら決して長く感じさせず、むしろスピーディであっという間に聴かせてしまう。また重苦しさ皆無で、常に透明で明快な音世界が繰り広げる。にもかかわらずベートーヴェン音楽の素晴らしさを存分に満喫することができる、まさに21世紀的ベートーヴェン像の誕生。 | ||
Turina × Turina 〜トゥーリナ:木管五重奏のための音楽 ホアキン・トゥーリナ(1882-1949): セビリャ Op.2 /闘牛士の祈り Op.34 /ジプシー舞曲集 Vol.1, Op.55(全5曲)/ スペインの女たち第2集 Op.73(全5曲) ホセ・ルイス・トゥーリナ(1952)〔ホアキンの孫〕:トゥーリナの主題による15の変奏曲 アサール・アンサンブル [フレデリク・サンチェス・ムニョス(Fl) マリア・アルバ・カルモナ・トベッラ(Ob) ミゲル・ラモス・サルバドル(Cl) アントニオ・ラギャレス・アベアル(Hr) マリア・ホセ・ガルシア・サモラ(Fg)] | ||
録音:2017年10月31日-11月3日、エールベルク教会、ベルリン。ホアキン・トゥーリナ(1882-1949)はアルベニスやグラナドス、ファリャに次ぎ魅力的なスペイン・ピアノ音楽を残した。ここでは同郷スペインの若い管楽器奏者たちにより2010年に結成されたアサール・アンサンブルが木管五重奏に編曲、カラフルな演奏を繰り広げる。興味深いのはホアキンの孫で作曲家のホセ=ルイス・トゥーリナの、祖父の主題による変奏曲が収められていること。2009年の2台のピアノ用作品を2015年にアサール・アンサンブルのために木管五重奏用に作曲者自身が編曲している。 | ||
リスト: 「詩的で宗教的な調べ」〜パレストリーナによるミゼレーレ/バラード第2番 ロ短調/ 2つの伝説/「詩的で宗教的な調べ」〜孤独のなかの神の祝福/ 「ランメルムールのルチア」の回想/スルタン・アブドゥル・メジド・ハンのための行進曲 アルヴォ・ペルト(1935-):アリーナのために マルティナ・フィリャク(P) | ||
録音:2019年1月30日-2月1日、インマヌエル教会、ヴッパータール。マルティナ・フィリャクは1978年クロアチア出身の女性ピアニスト。2009年クリーヴランド国際、マリア・カナルス国際両コンクールで優勝し、2014年には来日公演も行なっている。今回は得意のリスト作品。「光が多いところは影も深くなる」というゲーテの言葉がモットーに掲げられている。リスト作品のなかでも宗教的なものを中心に選ばれ、最後にペルトの簡素にして絶美な「アリーナのために」で締めくくっている。 | ||
ロリン・マゼール〜愛と悲劇 チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」(抜粋)[ベルリン放送so./1969年] ストラヴィンスキー:交響詩「ナイチンゲールの歌」[ベルリン放送so./1957年] ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」より 〔キャピュレット家の大宴/マブの女王/愛の情景/キャピュレット家の墓地でのロメオ チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」 プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より〔モンタギュー家とキャピュレット家/踊り/ ジュリエットの墓の前のロメオ/アンティル諸島から来た娘たちの踊り/ティボルトの死〕 [BPO/1957年2月、イエス・キリスト教会、モノラル] ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)[ベルリン放送so./1957年11月] ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」より〔ファンダンゴ/セギディリャ/ファルカ/ホタ〕[ベルリン放送so./1965年6月] リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 Op.34[BPO/1958年2月、イエス・キリスト教会、ステレオ] ロリン・マゼール指揮 | ||
録音:[内]|原盤: DG 。若き日のマゼールが、DGに録音した名演を4枚組にまとめたお買い得Box 。オーケストラもベルリン放送so. とBPOと豪華で、いずれもマゼールの天才性を示す個性的演奏。 | ||
ヨーゼフ・クリップス・エディション ハイドン:交響曲〔第94番 ト長調「驚愕」 Hob.I:94 /第99番 変ホ長調 Hob.I:99 〕[VPO/1957年、ステレオ] モーツァルト: 交響曲〔第39番 変ホ長調 K.543[LSO/1953年]/第40番 ト短調 K.550[VPO/1953年]/ 第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」[IPO/1957年]/第31番 ニ長調 K.297「パリ」[LSO/1951年]〕/ 「ドン・ジョヴァンニ」序曲[VPO/1955年、ステレオ]/「後宮からの誘拐」序曲[VPO/1950年]/ ヴァイオリン協奏曲〔第4番 ニ長調 K.218 /第5番 イ長調 K.219「トルコ風」〕 [ミッシャ・エルマン(Vn) ロンドン新so./1955年]/ ピアノ協奏曲〔第24番 ハ短調 K.491[アルトゥール・ルービンシュタイン(P) RCAビクターso./1958年、ステレオ]/ 第25番 ハ長調 K.503[エトヴィン・フィッシャー(P) フィルハーモニアo./1947年]/ 第23番 イ長調 K.488[クリフォード・カーゾン(P) LSO/1953年]〕 チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 Op.64[VPO/1958年9月、ステレオ〔ブックレットに「1953年LSO」と誤記〕] シューベルト:「ロザムンデ」序曲 D.797 /交響曲〔第6番 D.589 /第8番 D.759「未完成」[LSO/1948年、1950年] ベートーヴェン:序曲「コリオラン」 Op.62 /ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61 [アイザック・スターン(Vn) フランス国立放送o./1958年9月18日、ライヴ]/ ああ不実なる人よ Op.65[インゲ・ボルク(S) VPO/1956年6月、ステレオ] シューマン:交響曲第4番 ニ短調 Op.120[LSO/1952年] ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83 [アルトゥール・ルービンシュタイン(P) RCAビクターso./1958年、ステレオ]/ 交響曲第4番 ホ短調 Op.98[LSO/1950年] シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54〔ブックレットに作曲家未記載〕 [アルトゥール・ルービンシュタイン(P) RCAビクターso./1958年、ステレオ] ヨーゼフ・クリップス指揮 | ||
録音:[/内]、特記以外モノラル。ヨーゼフ・クリップス(1902-1974) 全盛期の1950年代の名演を集めたうれしいBox 。評価の高いモーツァルトやハイドンの交響曲、エルマンと共演したモーツァルト、アイザック・スターンとのベートーヴェンの協奏曲も聴き物。いずれもクリップスならではの古き良き味わいに満ちた演奏。この価格で入手できるのは慶賀の至り。 | ||
クライバーン・ボックス チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23 [キリル・コンドラシン指揮モスクワpo./1958年、モスクワ、セッション] リスト:愛の夢第3番 / ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」 [1958年4月18日、モスクワ音楽院大ホール、ライヴ] ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83[キリル・コンドラシン指揮モスクワpo./1962年、モスクワ] リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調[1960年] ショパン:バラード第3番 変イ長調 Op.47 /スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39 / 練習曲〔 Op.25 No.11「木枯し」/ Op.25 No.5 / Op.10 No.12「革命」〕/幻想曲 ヘ短調 Op.49[1959年、モスクワ] ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30 [キリル・コンドラシン指揮シンフォニー・オブ・ジ・エア/1958年、ニューヨーク] ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18 / ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」 シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54 / ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83 [フリッツ・ライナー指揮シカゴso./1962年、1961年、1960年、1961年] プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26 / マクダウェル:ピアノ協奏曲第2番 ニ短調 Op.23 [ワルター・ヘンドル指揮シカゴso./1960年、シカゴ] モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調 K.330 / プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第6番 イ長調 Op.82 ショパン:バラード第3番 変イ長調 Op.47 / リスト:ハンガリー狂詩曲第12番 嬰ハ短調 [1959年6月7日、ロイヤル・アルバート・ホール、ライヴ] ショパン:ポロネーズ第6番 変イ長調 Op.53「英雄」/夜想曲第17番 ロ長調 Op.62 No.1 /幻想曲 ヘ短調 Op.49 / 練習曲〔 Op.25 No.11「木枯し」/ Op.10 No.3「別れの曲」 〕/バラード第3番 変イ長調 Op.47 / ワルツ第7番 嬰ハ短調 Op.64 No.2 /スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39[1961年、ニューヨーク] チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23[キリル・コンドラシン指揮 RCAso./1958年、ニューヨーク] ヴァン・クライバーン(P) | ||
録音:[/内]。 『★Profileレーベルが、クライバーンの音源を集めて10枚Boxにした超お買い得盤。★ヴァン・クライバーン(1934-2013)は、ビルボード誌でクラシック初の7週連続第1位をとるなどアメリカを代表するピアニストですが、さまざまな意味でロシア・ソ連と切っても切れぬ縁がありました。師匠ロジーナ・レヴィーンはロシア人で、彼女からロシア・ピアニズムをみっちりと仕込まれ、明快で大きな音と強靭なテクニックを習得。1958年に行なわれた第1回チャイコフスキー国際コンクールで優勝し、米ソ冷戦時代の友好の懸け橋的存在となりました。当時の人気はすさまじく、クラシックのレコードとしては唯一ビルボード誌7週連続1位となるほどでした。★ここではCD10枚にわたり彼のピアニズムを堪能できます。十八番のチャイコフスキーやラフマニノフの協奏曲は、輝かしい音色とみずみずしい情感が今日でも魅力満点。シューマンやプロコフィエフの協奏曲も興味津々ながら、同国の偉大な先人マクダウェルの協奏曲第2番が嬉しい限り。理想的な名演で、聴けば気にいること間違いなしの美しさです。★さらにショパンやリストの独奏曲も大歓迎。とりわけ「英雄ポロネーズ」や「ワルツ第7番」をはじめ「別れの曲」「革命」「木枯らし」などのほか、リストもピアノ・ソナタと「愛の夢」と人気作を網羅。★基本的にRCAとメロディア音源ですが、超お買い得価格でご提供。必見のBoxです。』 | ||
イグナーツ・プレイエル(1757-1831):2手&4手のためのピアノ作品集 クラヴサンまたはハープのための3つの小品 より(*) 〔アレグロ・モデラート B.613 /アダージョ=プレスト B.617 〕 4手のためのソナタ ロ長調 B.5203 (1789/90)(ヴァイオリン二重奏曲 ロ長調 B.522 (1789) に基づく)/ 2台のピアノのための協奏曲 ニ長調 B.1032 / 4手のためのソナタ ト短調 B.5203 〔レーベル記載ママ〕(ヴァイオリン二重奏曲 ト短調 B.520 (1789) に基づく)/ 4手のためのソナタ ヘ長調 B.5119(ヴァイオリン二重奏曲 ヘ長調 B.516 (1789) に基づく)/ クラヴサン、又はピアノ=フォルテのためのエコセーズ (ヴォルフガング・ブルンナー編曲|2台のピアノのための| B.629-660に基づく) ヴォルフガング・ブルンナー(Fp) レオノーレ・フォン・シュタウス(Fp;*以外) | ||
録音:2005年9月|初出・旧品番: PH-06025 |ピリオド楽器使用|使用楽器:ヴァルター製、ノイペルト製| (P) (C) 2007/2018 。 | ||
チャイコフスキー: 四季 Op.37a /ドゥムカ Op.59 |
アンドレイ・ホテーエフ(P) | |
録音:2008年、ペテルブルク・スタジオ。アンドレイ・ホテーエフは1946年レニングラード生まれのベテラン・ピアニスト。レフ・ナウモフの門下だが、リヒテルに認められ強い影響を受けたといわれる。現在はドイツを本拠に活動。チャイコフスキーに特別な興味を持ち、フェドセーエフと協奏作品をすべて、それもオリジナル版で演奏したり、ラフマニノフが4手用に編曲した「眠りの森の美女」の全曲版を世界初録音したりとこだわりを示している。当アルバムはいわゆる珍品ではないものの、ロシアの風物を描写したピアノ曲を集められている点で興味深く、またそこに育ったロシア人演奏家だからこその絶妙な世界となっている。 | ||
ピアソラ: アディオス・ノニノ/オブリビオン/ブエノスアイレスの夏/ コルドバへのオマージュ/リェージュへのオマージュ/愛/恐怖/バチンの少年 ウィリアム・サバティエ(バンドネオン) フリートマン・ヴュットケ(G) ヴィンフリート・ホルツェンカンプ(Cb) ティモ・ハンドシュー指揮南西ドイツ・プフォルツハイム室内o. | ||
録音:2018年6月、ラウレンティウス教会、オーバーダーディンゲン。フランスのバンドネオン奏者とドイツのギタリスト、ベーシストによるトリオ。2017年結成、ピアソラ作品に特別な思いを寄せ、今回のデビュー盤もオーケストラを従えピアソラ・ワールドを繰り広げている。ヴィンフリート・ホルツェンカンプのベースがジャズ・スピリットに満ちていて、クラシック風解釈のピアソラとはひと味異なる素敵な音世界にひたることが出来る。 | ||
モーリス・ジャンドロン〜魅惑とチェロ シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 Op.129 / チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 Op.33 [クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮 VSO /1962年、ステレオ] シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ D.821 / ブラームス:チェロ・ソナタ第1番 ホ短調 Op.38 ベートーヴェン:チェロ・ソナタ〔第1番 ヘ長調 Op.5 No.1 /第5番 ニ長調 Op.102 No.2 〕 [ジャン・フランセ(P)/1952年、1954年、モノラル] ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104[カール・ランクル指揮 LPO /1946年、モノラル] ハイドン:チェロ協奏曲第2番 ニ長調 Hob.VIIB: 2 / ボッケリーニ:チェロ協奏曲 変ロ長調G.482 [パブロ・カザルス指揮コンセール・ラムルーo./1960年、ステレオ] モーリス・ジャンドロン(Vc) | ||
録音:[内]。20世紀フランスを代表するチェロの名手モーリス・ジャンドロン(1920-1990)は、草津夏季国際音楽アカデミー&フェスティヴァルにもたびたび来講したので日本でもおなじみの存在だろう。現在聴くことのできるジャンドロンの録音の多くは老年期の物。端正で品の良いスタイルの印象があるが、若い頃はたいへん煽情的な演奏をしたとされる。この Box はまさに若きジャンドロンの凄さを堪能出来る。当 Box 中もっとも古いものが、1946年のドヴォルジャークの協奏曲。1944年のメンゲルゲルク&パリ放送大o. との録音より2年後だが、ボルテージの高さと美しい歌い回しが最高。古い録音ながら引き込まれる。興味深いのが恩師カザルスの指揮でハイドンとボッケリーニの協奏曲を共演した物。ジャンドロンの独奏はもちろんだが、カザルスの人間味あふれる伴奏も聴き物。両曲のカデンツァはジャンドロン自作の物。さらに興味深いのは、作曲家ジャン・フランセが伴奏者として名手ぶりを発揮していること。それも自作ではなく、シューベルト、ベートーヴェン、ブラームスのソナタといった難物なのが聴き物。ジャンドロンの独奏にぴったり添いながらも強い存在感を示している。まさに貴重な記録。 | ||
Mozart in Love モーツァルト:「女ほど素晴らしいものはない」による8つの変奏曲 K.613 /ロンド イ短調 K.511 / 「ああ、お母さん聞いて(きらきら星)」による12の変奏曲 K.265 リスト:「ドン・ジョヴァンニ」の回想 / モーツァルト/ビゼー編曲:ドン・ジョヴァンニのセレナード ショパン:「お手をどうぞ」による変奏曲 Op.2 (*) ルイザ・ボラク(P) ホリア・アンドレースク指揮ルーマニア国立放送o.(*) | ||
録音:2010年10月、ブカレスト放送、ライヴ|おそらく初出音源。前作「エネスコを讃えて」で、その高度なピアニズムとマニアックな選曲が話題となったルイザ・ボラク。1968年ルーマニア生まれのベテランで、今回はモーツァルトに挑戦。名作オリジナル作品3篇に加え、難曲として知られるリストの「ドン・ジョヴァンニ」の回想と、ショパンが「ドン・ジョヴァンニ」の「奥様、お手をどうぞ」を主題にしたピアノと管弦楽のための変奏曲も収録という贅沢盤。ボラクならではのマニアックなのが、ビゼーがピアノ用に編曲した「ドン・ジョヴァンニのセレナード」。ビゼーは若い頃生活のために各種の編曲を行ったが、なんと「ドン・ジョヴァンニ」全曲をピアノ独奏用(歌なし)にしている。ビゼーはリストを驚かすほどのピアノの腕前を持っていたため、この編曲も極めてピアニスティックに仕上げられている。アルバムタイトルは「愛のモーツァルト」だが、「モーツァルトを讃えて」であること間違いなし。 | ||
カミラ・ウィックス・エディション ブラームス/ヨアヒム編曲:ハンガリー舞曲第7番 イ長調 メンデルスゾーン/アクロン編曲:歌の翼に[ロバート・レヴィン(P)/1950年、ノルウェー] ショパン/ミルシテイン編曲:ノクターン 嬰ハ短調(遺作) / スカルラテスク:バガテル シューベルト/ヴィルヘルミ編曲:アヴェ・マリア / ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番 嬰ヘ短調 Op.14 [ホレス・マルティネス(P)/1960年8月10日、カリフォルニア] ショパン/ヴィルヘルミ編曲:ノクターン Op.27 No.2 / クライスラー:中国の太鼓 / ベンジャミン:サントドミンゴ [ピアノ伴奏/1948年、放送] メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64 [フリッツ・ブッシュ指揮デンマーク王立so./1949年9月22日、コペンハーゲン] チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35 / ブルースタ:トロールの風車 [ウィリアム・スタインバーグ指揮ハリウッド・ボウルso./1953年8月18日] ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ短調 Op.22 [レオポルド・ストコフスキー指揮ハリウッド・ボウルso./1946年8月14日] ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61[ブルーノ・ワルター指揮 NYP /1953年2月15日、カーネギー・ホール] サラサーテ:序奏とタランテラ Op.43[伴奏団体不明〔指揮者不明サンフランシスコso.?/時期不明スタンダード・アワー?〕] マラゲニャ[ホレス・マルティネス(P)/1960年、サンフランシスコ]/ シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47[シクステン・エールリング指揮ストックホルム放送so./1952年] バーバー:ヴァイオリン協奏曲 Op.14 [シクステン・エールリング指揮? ストックホルムpo.、もしくは ストックホルム放送so.?/時期不明]] ベンジャミン:ジャマイカ・ルンバ[演奏者未記載〔マイケル・クーパー(P)?/時期不明、アナーバー、ステレオ?〕] カミラ・ウィックス(Vn) | ||
既出(推定):多くが Music and Arts, MUA-1282 (6CDs) 。#当盤の代理店アナウンス〔あるいは当盤の本体表記〕には奏者等があいまいな箇所があり、それらは当店の推測で補っています。 Profileレーベルのドイツ放送局音源発掘シリーズ、今回は根強い人気のある女流ヴァイオリニスト、カミラ・ウィックス。ウィックスは1928年生まれのアメリカ人。ノルウェー出身の父に師事、神童として7歳でモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番でデビュー、10歳でジュリアード音楽院に入学してパーシンガーやテミアンカに師事、その後非常な人気を博した。シベリウスは彼女の演奏する自分のヴァイオリン協奏曲を聴き絶賛したといわれる。ウィックスの芸風は、楷書風で緊張感にあふれ、情熱的な迫力に満ちている。2005年に引退したが、現在も元気にアメリカで暮らしているそう。協奏曲も名演の誉れ高いシベリウスやワルターとのベートーヴェンはもちろん収録されているが、ブッシュとのメンデルスゾーンレオポルド・ストコフスキーとのヴィエニャフスキさらにエールリングとのバーバーまで収録されているのも嬉しい限り。 | ||
アーベントロート・ボックス ブルックナー:交響曲〔第4番「ロマンティック」/第5番/第7番(*) /第9番〕 [ライプツィヒ放送so.、ベルリン放送so.(*) /曲順に1951年、1949年、1956年2月 ライヴ、1951年〕 ブラームス:交響曲第1番 Op.68 /ハイドンの主題による変奏曲Op.56a[ライプツィヒ放送so./1949年]/ 悲劇的序曲 Op.81 [ライプツィヒ・ゲヴァントハウスo./1945年3月26日]/ 交響曲第3番 Op.90 [チェコpo./1951年、プラハの春音楽祭、ライヴ] ベートーヴェン: ロマンス Op.40 /ヴァイオリン協奏曲 Op.61 [ダヴィド・オイストラフ(Vn) ベルリン放送so./1952年3月31日、ライヴ]/ 交響曲〔第3番 Op.55「英雄」[ワルシャワpo./1953年10月22日(除去しきれないハム・ノイズあり)]/ 第6番 Op.68「田園」[ライプツィヒ・ゲヴァントハウスo./1945年3月12日]/ 第7番 Op.92[ワルシャワpo./1954年5月16日]/ 第9番 Op.125「合唱」[ブリーム(S) オイストラーティ(A) ズートハウス(T) パウル(B) ベルリン放送so. & cho./1950年1月20日]〕 ヘルマン・アーベントロート指揮 | ||
録音:[/内]。 Profil レーベルの名音源発掘シリーズ、今回はドイツの大指揮者アーベントロート。ヘルマン・アーベントロート(1883-1956)は、フルトヴェングラーより3歳年長で2年早く亡くなった、全くの同時代人。ともにドイツの伝統を担いながら、歴史のいたずらによりフルトヴェングラーは西ベルリン、アーベントロートはライプツィヒで別の国としてそれぞれが最高の指揮者となった。そのアーベントロートが残した独墺作品を10枚組Box化。定評のあるベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーの交響曲を中心としたラインナップが魅力的。当然ながら1940 〜50年代のモノラル録音だが、アーベントロート円熟期の至芸を堪能出来る。大半はターラ、シャルプラッテンと同一音源だが、ベートーヴェンの第9交響曲など宇野功芳氏絶賛のディスクと歌手陣は同じながらも月日が異なっているので興味津々。またオイストラフを独奏者としたベートーヴェンの協奏曲とロマンスでは、ツルツルとしたヴァイオリンの美音に酔わされる。 | ||
ギュンター・ヴァント〜協奏曲エディション J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV.1041 (*) [ローラント・グロイター(Vn) /1992年3月15日-17日] ハイドン:ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII: 11 (*) [ニキタ・マガロフ(P)/1985年12月2日]/ オーボエ協奏曲 ハ長調 Hob.VII: C1 [ハンスイェルク・シェレンベルガー(Ob) /1980年1月11日]/ 交響曲第76番 変ホ長調 Hob.I: 76 [1973年2月10日] モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466 [ルドルフ・フィルクシュニー(P)/1969年9月13日] リヒャルト・シュトラウス:ホルン協奏曲第1番 変ホ長調 Op.11 [ヘルマン・バウマン(Hr)/1975年10月31日] モーツァルト:ホルン協奏曲第3番 変ホ長調 K.447 [デニス・ブレイン(Hr)/1951年1月22日、モノラル] ベートーヴェン:ピアノ協奏曲〔第4番 ト長調 Op.58 [ロベール・カサドシュ(P)/1970年3月6日]/ 第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」[エミール・ギレリス(P)/1974年12月13日]〕 ブラームス:セレナード第1番 ニ長調 Op.11 [1968年10月2日] ウェーバー:クラリネット協奏曲第2番 変ホ長調 Op.74 [ヘルムート・ギーサー(Cl)/1977年11月25日] チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23 (*) [ホルヘ・ボレット(P)/1985年11月13日] プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 Op.19 (+) [エディット・パイネマン(Vn)/1983年1月13日] サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調 Op.61 [ルッジェーロ・リッチ(Vn)/1970年12月1日-5日] ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」 Op.9 [1967年10月27日] ケルビーニ:「アナクレオン」序曲 [1975年10月31日] モーツァルト:「コジ・ファン・トゥッテ」 K.588 序曲[1968年10月2日]/ 「魔笛」 K.620 序曲[1968年2月3日]/「フィガロの結婚」 K.492 序曲[1969年9月13日] ギュンター・ヴァント指揮 NDR so.(*)、ケルン放送so.(無印)、バイエルン放送so.(+) | ||
Profileレーベルといえばギュンター・ヴァント。同レーベル所有の音源から、協奏曲を集めた6枚組Boxが登場する。なによりソリストの豪華さに目を瞠らせられる。ピアノではマガロフ、フィルクシュニー、カサドシュ、ギレリス、ボレット。いずれも絶品ながら、後天性免疫不全症候群を発症する直前で、円熟の極みにあったボレット入魂のチャイコフスキーが聴き物。ヴァントも燃えに燃え、これ以上説得力にあふれたチャイコフスキーの協奏曲は滅多にお目にかかれない。管楽器はオーボエのシェレンベルガー、ホルンのバウマンとブレインが注目。デニス・ブレインとのモーツァルトは、1951年の放送用セッションで、モノラルながら会場ノイズや拍手はない。早いテンポによるきびきびした音運びはヴァントながらだが、ブレインは危なげな所の一切ない完璧な演奏を繰り広げている。ヴァイオリンで注目なのは女流エディット・パイネマンによるプロコフィエフの協奏曲第1番。協奏曲エディションと銘打ちながらも、ヴァント十八番のハイドンの交響曲第76番やブラームスのセレナード第1番、モーツァルトの序曲集など純オーケストラ・ナンバーも堪能出来る。 | ||
ロシア・ロマンスの歴史 Vol.1 グリリョーフ:乙女の悲しみ(*/#) /内なる音楽(*/#) /ワルラモフの思い出(#) / コンデンコ:夕暮れ(*/#) ダルゴムィシスキー:シェラ・ネヴァダは霧に包まれて(*/#) /グラナダは霧に包まれて(*/#) ヴァルラモフ:天使(*/#) /赤いサラファン(*/#) /彼女を起こさないで(*/#) アリャビエフ/アンドレイ・シフラ編曲:ワルツ(*) / 不詳:フランスのロマンス(*/#) /出掛けましょうか(*/#) アリャビエフ/アンドレイ・シフラ&ヴィソツキー編曲:ナイチンゲール(*) / サレンコ:時は…(*) グリンカ:夜のそよ風(*/#) / バフメチェフ/アンドレイ・シフラ編曲:小さな指輪(*) マスロフスキー:でもシルヴィアはここにいない(*/#) /陽は山なみに輝き(*/#) / チトーフ:護符(*) チマローザ:カヴァティーナ(*/#) / アンドレイ・シフラ:スペインのボレロ(*) ダーシコワ・アンサンブル [アンナ・ビネタ・ディウフ(Ms;#) オレグ・チモフェーエフ(7弦G;*)] | ||
録音:2017年9月、セント・ブリッジ教会、アイオワ、 US 。ロシア民謡と呼ばれているもののうち、作者が特定され芸術性も高いものをロマンスとして区別している。18世紀後半から美しい作品がたくさん生まれ、リストやヴィエニャフスキが変奏曲のテーマにさえした。その宝庫を網羅的していくシリーズの第1弾。演奏は1987年生まれのアフリカ系ドイツ人メゾのアンナ・ビネタ・ディウフとロシア人ギタリスト、オレグ・チモフェーエフによるダーシコワ・アンサンブル。アンサンブル名はエカテリーナ女帝の側近として尽くしたロシアきっての才女ダーシコワ女史に由来する。ロシア特有の7弦ギターの響きも美しく、もの悲しいロシアの歌の威力を満喫出来る。 | ||
ジョージ・セル〜協奏曲&交響曲集 メンデルスゾーン:真夏の夜の夢 より〔序曲/スケルツォ/夜想曲/結婚行進曲〕 シューベルト:ロザムンデ より〔序曲/バレエ音楽第2番/間奏曲第3番/間奏曲第1番〕[ ACO /1957年11月] ウェーバー:小協奏曲 Op.79[ロベール・カサドシュ(P)/1952年、モノラル] ハイドン:交響曲〔第88番/第97番/第104番「ロンドン」〕[1954年、1957年] モーツァルト:ディヴェルティメント第2番 K.131 [1963年]/交響曲第33番 K.319 [1962年]/ ピアノ協奏曲〔第26番「戴冠式」/第24番 K.491 [ロベール・カサドシュ(P) コロムビアso./1954年]/ 第25番 K.503[レオン・フライシャー(P)/1959年]〕/ ヴァイオリン協奏曲〔第1番 変ロ長調 K.207 /第2番 ニ長調 K.211 (#) 〕 [アイザック・スターン(Vn)/1961年/ (#)はおそらくセル指揮ではない。コメント欄参照] チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 Op.33[レナード・ローズ(Vc) NYP /1955年] ベートーヴェン:ピアノ協奏曲〔第4番 Op.58 [レオン・フライシャー(P)/1959年]/ 第5番 Op.73「皇帝」[クリフォード・カーゾン(P) LPO /1949年、モノラル] ブラームス:交響曲第3番 Op.90 [ ACO /1951年、モノラル]/ ピアノ協奏曲第1番 Op.15 [レオン・フライシャー(P)/1958年] シューマン:交響曲〔第1番 Op.38「春」/第2番 Op.61 〕/マンフレッド序曲 Op.115 [1958年、1957年]/ シューマン:ピアノ協奏曲 Op.54 / グリーグ:ピアノ協奏曲 Op.16 [レオン・フライシャー(P)/1960年] ドヴォルジャーク:交響曲〔第8番 Op.88 [ ACO /1951年、モノラル]/第9番 Op.95「新世界より」[1959年]〕 ジョージ・セル指揮(#以外) クリーヴランドo.(特記以外) | ||
録音:[/内]。# (#)はセル指揮クリーヴランド管の伴奏だと商品に記されているが、実際にはアレクサンダー・シュナイダー指揮イギリス室内o.と思われる。また、モノラルと思われる中にも特記がないものがあるが、代理店記載ママ。大指揮者ジョージ・セルがSonyやDecca 等に残した音源のうち、現在入手難のものを中心に選んだBoxがお買い得価格で登場する。いずれも名演の誉れ高いものばかり。カサドシュ、カーゾン、フライシャーらを独奏に据えたピアノ協奏曲はどれも絶品。いくつかは「コロムビア交響楽団」と表記されているが、これはクリーヴランドo. が契約の関係で変名を用いた物。Disc5に、アイザック・スターンとのモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第2番が収録されているが、彼はセルとクリーヴランドo. と同曲を録音しておらす、これまで知られているアレクサンダー・シュナイダー指揮イギリス室内o. だと思われる。予めご了承頂きたい。 | ||
クーベリック〜東欧音楽ボックス ドヴォルジャーク:スラヴ狂詩曲第3番 Op.45 No.3 [ RPO /1958年、ステレオ]/ スラヴ舞集曲〔第1巻 Op.46 /第2巻 Op.72 [ VPO /1955年]/ 交響曲〔第9番 Op.95「新世界より」/第7番 Op.70 〕[ VPO /1956年]/ ピアノ協奏曲 Op.33(改訂版)[ルドルフ・フィルクシュニー(P) チェコpo./1944年]/ 序曲集〔自然の中で Op.91 /謝肉祭 Op.92 /オテロ Op.93 〕[チェコpo./1946年3月1日]/ 交響変奏曲 Op.78 [フィルハーモニアo./1957年、エディンバラ音楽祭]/ チェロ協奏曲 Op.104 [ピエール・フルニエ(Vc) RPO /1948年] マルティヌー:フランチェスカのフレスコ[ RPO /1958年、ステレオ] スメタナ:わが祖国(全曲)[ VPO /1959年、ステレオ]/ 「売られた花嫁」より〔序曲/ポルカ/フリアント/道化師の踊り〕[フィルハーモニアo./1951年] ドヴォルジャーク:スケルツォ・カプリツィオーソ Op.66 / バルトーク:管弦楽のための協奏曲 [ RPO /1958年、ステレオ] ヤナーチェク:シンフォニエッタ[チェコpo./1946年]/タラス・ブーリバ[ RPO /1958年、ステレオ] マルティヌー:2群の弦楽、ピアノ、ティンパニのための二重協奏曲 [シドニー・クルック(P) ジェイムズ・ブラッドショウ(ティンパニ) フィルハーモニアo./1950年]/ リディツェへの追悼[チェコpo./1946年、ライヴ]/交響曲第4番[チェコpo./1948年] バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽[シカゴso./1951年]/ 2つの肖像 Op.5 [ RPO /1958年、ステレオ] ムソルグスキー/ラヴェル編曲:展覧会の絵[シカゴso./1950年] ショスタコーヴィチ:交響曲第9番 Op.70 [チェコpo./1945年12月13日] ボロディン:交響曲第2番 / チャイコフスキー:交響曲第6番 Op.74「悲愴」[ VPO /1960年、ステレオ] ラファエル・クーベリック指揮 | ||
録音:[内]、特記以外モノラル、セッション。Profilレーベルが、現在入手困難な音源を主にBox化するシリーズ、今回は人気の巨匠クーベリックで、主にEMIとDeccaの音源によるラファエル・クーベリックのディスクは数多くリリースされているが、やはりドヴォルジャークやスメタナなど故国の大作曲家のものは、他の追随を許さぬ決定的名演となっている。当Boxはドヴォルジャークの「新世界」「スラヴ舞曲集」、スメタナの「わが祖国」、ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」をもらさず収録した優れモノとなっている。さらにドヴォルジャークのピアノ協奏曲はフィルクシュニー、チェロ協奏曲はフルニエを独奏者に迎えた豪華盤。ともに録音は古いものの、若き両巨匠の指さばきの見事さが魅力。多くが古い録音ながら、後の録音では聴くことのできない若々しいクーベリックの熱気と迫力に満ちた演奏を堪能出来る。さらに嬉しいのがロシア作品。ムソルグスキーの「展覧会の絵」やチャイコフスキーの「悲愴」も貴重だが、注目はショスタコーヴィチの交響曲第9番。1945年12月13日の録音で、ムラヴィンスキーがレニングラードで世界初演を行なってからわずか40日、後というのが驚き。以前SupraphonからCDリリースされていたが、今日入手困難となっている幻の演奏。ショスタコーヴィチに関心のある方々必携の録音。 | ||
含・初出、カール・ベーム 1942.6.12 + 1979年告別ライヴ〜 エディション・シュターツカペレ・ドレスデン Vol.45 シューベルト:交響曲第5番 変ロ長調 D.485 (*) / カール・ベーム、自身を語る(#) カール・ベーム、ドレスデン告別演奏会 1979 シューベルト:交響曲〔第8番 ロ短調 D.759「未完成」(+) / 第9番 ハ長調 D.944「グレイト」(++) 〕 聴衆の喝采に対するベームのスピーチ カール・ベーム指揮シュターツカペレ・ドレスデン | ||
録音・放送日:1942年6月12日、ドレスデン衛生博物館、ライヴ又は放送用収録、モノラル〔音源所蔵:ドレスデン衛生博物館〕(*) /1956年10月6日〔放送日|北ドイツ放送局のラジオ番組「音楽的自画像」から〕/1979年1月12日、ドレスデン文化宮殿ホール、ライヴ、ステレオ| (+)は初出音源、(++)は DG より既出。カール・ベーム(1894-1981)は1934年にからシュターツカペレ・ドレスデンの総監督に就任、1943年まで務めた。その間、リヒャルト・シュトラウスの歌劇「無口な女」や「ダフネ」を世界初演、戦前のドイツ音楽界を華やかに飾った。放送用録音はアセテート盤を用いていたため時間の制約があり、小品中心だった。それらは「エディション・シュターツカペレ・ドレスデン Vol.43」にベーム指揮のポピュラー小品が集められているが、1941-2年のシーズンからは磁気テープが開発されたため、交響曲の楽章をカットや中断なし放送が実現した。ドレスデン衛生博物館の舞台を放送スタジオにして新たなページが始まったが、その記念すべき第1号がベーム指揮によるシューベルトの交響曲第5番だったとされる。それをここで聴くことが出来る。興味深いのが、北ドイツ放送が行なっていた1956年10月のラジオ番組でベームが音楽的自画像を語った物。そこではリヒャルト・シュトラウスの思い出などの面白い話が豊富に語られる。そこにはベーム指揮による「ばらの騎士」のワルツや、ベームに捧げられた歌劇「ダフネ」の終曲もかけられている。それ以上に注目なのが、最晩年のベームが1979年1月12日にドレスデン文化宮殿ホールで行った告別演奏会が日の目を見たこと。曲はシューベルトの「未完成」と「グレート」の2大交響曲というのも魅力。これまでは「グレート」のみがDGから発売されていたが、今回は同時に演奏された「未完成」を加えての登場となる。終演後鳴りやまぬ拍手に対してベームが行なった感動的なスピーチが収録しているのも貴重。神々しいまでの「未完成」と「グレート」の名盤が1枚加わった。超オススメ。 | ||
ハイドン:変奏曲と小品集 カプリッチョ ト長調 Hob.XVII: 1 /20の変奏曲 イ長調 Hob.XVII: 2 /12の変奏曲 変ホ長調 Hob.XVII: 3 / 幻想曲 ハ長調 Hob.XVII: 4 /6つの変奏曲 ハ長調 Hob.XVII: 5 /変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII: 6 / 5つの変奏曲 ニ長調 Hob.XVII: 7 /アダージョ ト長調 Hob.XV: 22 - II / 変奏曲 ハ短調「ロクスラーヌ」 Hob.I: 63 /アレグレット ト長調 Hob.XVII: 10 /アダージョ ヘ長調 Hob.XVII: 9 / ドイツ国歌による変奏曲 Hob.III: 77 - II /12のドイツ舞曲 Hob.IX: 12 エカテリーナ・デルジャヴィナ(P) | ||
録音:2016年11月29/30日、ザールラント放送。ピアノ・ソナタ全集 (PH-12037) に続くデルジャヴィナのハイドン第2弾は変奏曲を中心とした小品集。楷書的ながら独自の解釈がユニークで話題となった前作にひきつづき、今回も驚くほど新鮮なハイドン像が出現する。タイトルだけみると同じようだが、「カプリッチョ」はドイツ民謡「8人のへぼ仕立屋」を、「12の変奏曲」は弦楽四重奏曲第20番のメヌエットを主題にしており、「変奏曲 ヘ短調」はハイドンらしからぬ悲痛な感情にあふれている。また、弦楽四重奏曲第77番「皇帝」の第2楽章による変奏曲はオーストリア(現ドイツ)国歌を主題としていて、ピアノ版でも格調高く美しさの極み。エカテリーナ・デルジャヴィナは1967年生まれ、グネシン音楽学校でウラジーミル・トロップに師事、1993~2006まで母校、2003年からはモスクワ音楽院で教えている。フォルジュルネ音楽祭に出演して日本でも注目される逸材。 | ||
フランチェスカッティ&カサドシュ ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集 〔第1番 ニ長調 Op.12 No.1 /第2番 イ長調 Op.12 No.2 /第3番 変ホ長調 Op.12 No.3 /第4番 イ短調 Op.23 / 第6番 イ長調 Op.30 No.1 /第7番 ハ短調 Op.30 No.2 /第8番 ト長調 Op.30 No.3 / 第5番 ヘ長調 Op.24「春」/第9番 イ長調 Op.47「クロイツェル」/第10番 ト長調 Op.96 〕 フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調(*) / ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ(+) フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ〔第2番 ホ短調 Op.108 (#) /第1番 イ長調 Op.13 (+) 〕 ジノ・フランチェスカッティ(Vn) ロベール・カサドシュ(P) | ||
録音:1958年、1961年(無印) /1947年(*)、1952年(#)、1956年(#)、1951年7月13日(+)、エクサン=プロヴァンス音楽祭、ライヴ(無印以外)。フランチェスカッティとカサドシュの超名盤がお買い得価格で登場。ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集はSony 原盤。端正で正確ながらフランス的なエスプリに満ちた名演として長く決定盤とされていた物。全盛期のフランチェスカッティ独特な輝くような美音に聴き惚れさせられるが、カサドシュのニュアンスに富むピアノの最高。さらに嬉しいのが、両者の共演による1947-56年のエクサンプロヴァンス音楽祭のライヴが収められていること。それもフランク、フォーレ、ドビュッシーとフランス物で、古き良き時代を知る両巨匠ならではの良い香りに満ちた演奏を繰り広げている。 | ||
アシュケナージ初期録音集 ショパン: バラード第2番 ヘ長調 Op.38 /マズルカ〔第21番 嬰ハ短調 Op.30 No.4 /第29番 変イ長調 Op.41 No.4 〕/ 夜想曲第3番 ロ長調 Op.9 No.3 /練習曲〔嬰ト短調 Op.25 No.6 /ハ長調 Op.10 No.1 〕/前奏曲 嬰ハ短調 Op.45 / ポロネーズ第6番 変イ長調 Op.53「英雄」/練習曲〔ヘ長調 Op.10 No.8 /ヘ長調 Op.25 No.3 〕/ スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54 /舟歌 Op.60 [1955年、ワルシャワ、第5回ショパン国際ピアノ・コンクール、ライヴ]/ 12の練習曲 Op.10 /12の練習曲 Op.25[1959年、1960年、モスクワ]/ ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58[1961年、モスクワ] リスト:メフィスト・ワルツ第1番/超絶技巧練習曲集〜鬼火 ショパン:マズルカ〔第35番 ハ短調 Op.56 No.3 /第36番 イ短調 Op.59 No.1 〕/ ワルツ〔第2番 変イ長調 Op.34 No.1 /第6番 変ニ長調 Op.69 No.1「小犬」〕 ラフマニノフ:コレッリの主題による変奏曲 Op.42 / プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 Op.83 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ(#)〔第21番 ハ長調 Op.53「ヴァルトシュタイン」/第32番 ハ短調 Op.111 〕 [1957年、1959年(#)、ベルリン] ヴラディーミル・アシュケナージ(P) | ||
録音:[内]。ヴラディーミル・アシュケナージといえば現役最高のピアニストのひとりだが、今から60年ほど前に彗星のように現れた際は世界のピアノ界に衝撃がはしった。まだ高校生だった1955年に第5回ショパン国際ピアノ・コンクールに出場、第2位という結果に審査員のミケランジェリが立腹してその任を辞したことがニュースとなった。まず何より鮮やかなテクニックと若々しい覇気に驚かされる。ショパン・コンクールの実況録音は「英雄ポロネーズ」などこれまでも聴くことができたが、ディスク1枚分もあるのは壮観。 Op.25の6の三度のエチュードは、あまりに早く完璧に弾いたため聴衆や審査員を凍りつかせたと語り草になっていたものを、ここでついに実体験出来る。このほか20歳頃にベルリンで行なったライヴで強烈なリストとプロコフィエフ、さらには端正なベートーヴェンに聴き惚れてしまう。若きアシュケナージは不思議に輝く強音と透明な弱音、旧ソ連派ながらガンガン弾く超絶系ではなく詩的で自然な演奏が新鮮。ピアノ好きなら心から興奮させられる演奏。 | ||
ユゼフ・エルスネル(1769-1854):室内楽作品全集 3つのヴァイオリン・ソナタ Op.10 〔ヘ長調 Op.10 No.1 /ニ長調 Op.10 No.2 /変ホ長調 Op.10 No.3 〕/ ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、クラリネット、ピアノのための七重奏曲 ニ長調(*) / ピアノ三重奏曲 変ロ長調 Op.2 /マズルカ風ロンド ト短調/クラコヴィアク風ロンド 変ロ長調/ ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op.15 (#) / 3つの弦楽四重奏曲 Op.8 (+)〔 ハ長調 Op.8 No.1 /変ホ長調 Op.8 No.2 /ニ短調 Op.8 No.3 〕/ 3つのピアノ・ソナタ〔第1番−第3番〕/4手のためのソナタ 変ロ長調 Op.16 (**) トリオ・マルゴー(+以外) [荒木紅(Fp) クリストフ・ハイデマン(Vn) マルティン・ゼーレン(Vc)] マチアス・キースリング(Fl;*) リサ・シクリャヴェル(Cl;*) アイノ・ヒルデブラント(Va;#) ホフマイスターSQ (+) ミヒャエル・ハーゼル(P;**) | ||
録音:2015年、2018年-2019年、福音アンドレアス教会、ベルリン。ユゼフ・エルスネル(1769-1854)はポーランドの作曲家。何よりショパンの師として知られ、学生時代の習作ピアノ・ソナタ第1番は彼に捧げられている。これまではショパンの師という形容ばかりでエルスネルの作品を聴く機会はあまり無かったが、なんと室内楽をすべて集めた4枚組のセットが登場する。各3篇のヴァイオリン・ソナタと弦楽四重奏曲も嬉しい限りながら、3篇のピアノ・ソナタと1篇の連弾用ソナタが驚き。いずれも古典派的作風で、ショパンのような民族色は薄いもののすっきりとした格調高さが魅力。録音自体貴重ながら、さらにピリオド楽器を用いているのも興味津々。日本人フォルテピアノ奏者・荒木紅を中心としたトリオ・マルゴーが生き生きとした演奏を繰り広げる。4手のためのソナタで連弾相手を務めるのはBPOのフルート奏者でおなじみのミヒャエル・ハーゼル。余技とは思えぬピアニズムを聴かせてくれる。 | ||
モーツァルト:弦楽四重奏曲集 〔第14番 ト長調 K.387 /第15番 ニ短調 K.421 /第17番 変ロ長調 K.458「狩」/ 第16番 変ホ長調 K.428 /第18番 イ長調 K.464 /第19番 ハ長調 K.465「不協和音」/ 第20番 ニ長調 K.499 /第21番 ニ長調 K.575 /第22番 変ロ長調 K.589 /第23番 ヘ長調 K.590 〕 クレンケSQ | ||
録音:2004年2月、4月、9月8日-10日、12月20日-22日、2005年1月31日-2月2日、6月1日-3日、2006年4月11日-13日、12月4日-6日、2007年2月21日-23日、11月5日-7日、すべてハンス・ロスバウト・スタジオ。単売のセット化。クレンケ四重奏団2019年結成29年を迎えるクレンケ四重奏団。メンバー全員が女性で、楷書的かつ辛口な演奏が特徴。彼女たちがモーツァルトの「ハイドンセット」と「プロシャ王セット」を3年かけて録音したディスクは高評を得ていたが、今回5枚組のBox発売。価格もお手頃で、モーツァルトの弦楽四重奏の魅力をたっぷり味わえる。 | ||
7大ロシア・オペラ〜ベオグラード国立歌劇場 from 1955 グリンカ:イワン・スサーニン(**) OD [ミロスラフ・チャンガロヴィチ(B;スサーニン) マリヤ・グラヴァチェヴィチ(S;アントニーダ) ドラゴ・スタルツ(T;ソビーニン) ミリツァ・ミラディノヴィチ(A;ヴァーニャ)/1955年9-10月] + 付録:ソビーニンの合唱付きアリア(旧台本)[ニコライ・ゲッダ(T) イーゴリ・マルケヴィチ指揮 コンセール・ラムルーo.、ベオグラード歌劇場cho./1957年11月-12月、パリ] ムソルグスキー:ボリス・ゴドゥノフ(リムスキー=コルサコフ版)(#) KB [ミロスラフ・チャンガロヴィチ(B;ボリス・ゴドゥノフ) ソフィヤ・ヤンコヴィチ(Ms;フョードル) ズラータ・セサルディチ(S;クセニヤ) ステパン・アンドラシェヴィチ(T;シュイスキー)/1955年3月-4月] + 付録:聖ワシーリー大聖堂の場(イッポリトフ=イヴァノフ編曲版) [マルク・レイゼン(B;ボリス・ゴドゥノフ) イヴァン・コズロフスキー(T;聖愚者) ヴァシーリー・ネボルスキー〔ネボリシン?〕指揮ボリショイ劇場o.&cho./1955年-1956年] ムソルグスキー:ホヴァンシチナ(リムスキー=コルサコフ版)(*) KB [ジャルコ・ツヴェイチ(B;ホヴァンスキー公) アレクサンドル・マリンコヴィチ(T;アンドレイ) ズラータ・セサルディチ(S;クセニヤ) ドラゴ・スタルツ(T;ゴリーツィン公)/1955年2月] リムスキー=コルサコフ:雪娘(*) KB [ビセルカ・ツヴェイチ(S;春の精) ミロスラフ・チャンガロヴィチ(B;氷の精) ソフィヤ・ヤンコヴィチ(Ms;雪娘) ドラゴ・ディミトリエヴィチ(T;森の精)/1955年9月-10月] ボロディン:イーゴリ公(*) OD [ドゥシャン・ポポヴィチ(Br;イーゴリ公) ヴァレリヤ・ヘイバル(S;ヤロスラヴナ) ノニ・ジュネツ(T;ウラジーミル) ジャルコ・ツヴェイチ(B;コンチャク汗)/1955年2月] チャイコフスキー:エフゲニー・オネーギン(*) OD [ミラ・ヴェルチェヴィチ(Ms;ラーリナ) ヴァレリヤ・ヘイバル(S;タチヤナ) ドゥシャン・ポポヴィチ(Br;オネーギン)/1955年9月] チャイコフスキー:スペードの女王(**) KB [アレクサンドル・マリンコヴィチ(T;ゲルマン) ヨヴァン・グリゴリエヴィチ(Br;トムスキー伯爵) ドゥシャン・ポポヴィチ(Br;エレツキー) メラニヤ・ブガリノヴィチ(Ms;伯爵夫人)/1955年] マスネ:ドン・キショットOD [ブレダ・カレフ(Ms;ドゥルシネア) ミロスラフ・チャンガロヴィチ(B;ドン・キショット) レトコ・コロシェツ(B;サンチョ・パンサ)/1965年、場所不明、ステレオ] オスカー・ダノン指揮OD クラシミル・バラノヴィチ指揮KB ベオグラード国立歌劇場o.(特記以外) & cho.(特記&**以外)、ユーゴスラヴィア軍cho.(**) | ||
録音:[/内]、特記以外、ベオグラード文化の家(*/**)、ザグレブ国立劇場(#)、モノラル(**/*/#) 〔記載無しはモノ・ステ不明〕|原盤: Decca /他。 Profilレーベルならではの大盤振舞い。ロシア・オペラを代表する7篇を全曲版で驚きの価格にてご提供する。ロシア・オペラながら演奏はロシア勢ではなく日本にも1965年に来演してクラシック・ファンを狂喜させたベオグラード国立歌劇場(通称スラヴ・オペラ)により、大半がDeccaのモノラル・セッション録音。日本でも観客を沸かせたバスのチャンガロヴィチの魅力を存分に味わえる。さらに注目なのが3つのボーナス。「イワン・スサーニン」はもともと「皇帝に捧げし命」という題だったが、ソ連時代は不適切とされ内容も改ざんされた。もちろんソ連以外は何の問題もなく、ニコライ・ゲッタとイーゴリ・マルケヴィチというロシアの血を引く大物がオリジナル版のソビーニンのアリアを録音。それが収録されている。2つ目は「ボリス・ゴドゥノフ」でリムスキー=コルサコフがカットした聖ワシーリー大聖堂の場を、「コーカサスの風景」で知られるイッポリトフ=イワーノフが復元した物。往年の名バス歌手マルク・レイゼンがボリス役、名テノールのコズロフスキーが聖愚者を演じ、ネボルスキーなる指揮者がボリショイ劇場o. を指揮したテレフンケン音源をCD化。3つ目はベオグラード国立歌劇場によるマスネの「ドン・キショット(ドン・キホーテ)」のEverest音源。マスネはフランスの作曲家だが、「ドン・キショット」はロシア出身のシャリヤピンのために作曲し、バスが主役の貴重なオペラとなっている。ここではチャンガロヴィチの美声と迫真の演技を堪能出来る。大半は入手困難なうえ驚きの価格。オペラ・ファン必携のBox 。 | ||
スヴャトスラフ・リヒテル・プレイズ・ラフマニノフ&プロコフィエフ ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第1番 嬰ヘ短調 Op.1(改訂版)(2種) [オレグ・アガルコフ指揮ソヴィエト国立so./1949年3月9日、セッション] [クルト・ザンデルリング指揮モスクワ放送so./1955年2月18日、セッション]/ ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18(2種) [クルト・ザンデルリング指揮ソヴィエト国立so./1959年2月6日] ニコライ・アノーソフ指揮ソヴィエト国立so./1948年5月19日]/ 絵画的練習曲集より〔嬰ハ短調 Op.33 No.9 /ニ短調 Op.33 No.5 /変ホ短調 Op.33 No.6 /ハ短調 Op.39 No.1 / イ短調 Op.39 No.2 /嬰ヘ短調 Op.39 No.3 /ロ短調 Op.39 No.4 / ニ長調 Op.39 No.9 /ハ短調 Op.39 No.7 〕[1950年代初頭]/ メロディ Op.3 No.3(原典版)[1952年1月10日] / クライスラー/ラフマニノフ編曲:愛の喜び[1947年] ラフマニノフ: ここは素晴しい場所 Op.21 No.7 /ミュッセからの断片 Op.21 No.6 [ニーナ・ドルリアク(S)/1953年11月21日]/ 前奏曲集 より 〔嬰ヘ短調 Op.23 No.1 /イ長調 Op.32 No.9 /ロ短調 Op.32 No.10 /嬰ト短調 Op.32 No.2 / 変イ長調 Op.23 No.8 /ハ長調 Op.32 No.1 /変ロ短調 Op.32 No.2 /ヘ長調 Op.32 No.7 /変ロ長調 Op.23 No.2 / ニ長調 Op.23 No.4 /ト短調 Op.23 No.5 /ハ短調 Op.23 No.7 [1959年2月1日、レニングラード]/ ヘ短調 Op.32 No.6 [1960年3月3日、キエフ]/ 嬰ヘ短調 Op.23 No.1 /変ロ短調 Op.32 No.2 /変ロ長調 Op.23 No.2 /ニ長調 Op.23 No.4 / ト短調 Op.23 No.5 /ハ短調 Op.23 No.7 [1959年4月28日-5月2日、ワルシャワ、セッション]〕 プロコフィエフ ピアノ協奏曲第1番 変ニ長調 Op.10[キリル・コンドラシン指揮モスクワ・ユースo./1952年、セッション?] ピアノ協奏曲第5番 ト長調 Op.55(2種) [キリル・コンドラシン指揮モスクワpo./1961年4月21日] [ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィアo./1961年4月21日、レニングラード] 田園風ソナチネ Op.59 No.3 [1960年7月16日、キエフ]/ピアノ・ソナタ第2番 ニ短調 Op.14 [1961年11月30日]/ ロンド第2番 ロ短調 Op.52 /ピアノ・ソナタ第6番 イ長調 Op.82 [1952年4月4日]/ ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 Op.83 [1958年6月29日]/ ピアノ・ソナタ第8番 変ロ長調 Op.84(3種) [1961年4月17日][1946年][1961年7月-8月、ロンドン、セッション]/ ピアノ・ソナタ第9番 ハ長調 Op.103 [1951年12月24日]/ 悪魔的暗示 Op.4 No.4 /束の間の幻影 Op.22 より Nos.3-6, 8-9, 11, 14-15, 18, 20 / バレエ音楽「シンデレラ」(作曲者編曲)〜ガヴォット Op.95 No.2 / 伝説 Op.6 No.12 /舞曲 Op.32 No.1 /ワルツ Op.32 No.4 [1961年4月17日]/ バレエ音楽「シンデレラ」(作曲者編曲)より〔争い Op.102 No.3 /東洋風 Op.97 No.6 〕[1958年4月16日]/ バレエ音楽「シンデレラ」(作曲者編曲)より 〔冬の精 Op.97 No.3 /シンデレラと王子のワルツ Op.102 No.1 〕[1958年4月16日]/ 風景 Op.59 No.2 [1960年10月23日、ニューヨーク]/思考〜アンダンテ Op.62 No.3 [1960年7月16日、キエフ]/ 「戦争と平和」〜ワルツ Op.96 No.1 [1962年7月10日、キエフ]/悪魔的暗示 Op.4 No.4 [1961年4月27日]/ 交響的協奏曲 Op.125 (*)[1952年2月16日、世界初演時]/チェロ・ソナタ ハ長調 Op.119 [1951年12月16日] [ムスチスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)]/ ユダヤの主題による序曲 Op.34[ボロディンSQ /1951年12月16日]/ 歌曲集〔みにくいあひるの子 Op.18 [1956年]/太陽は部屋にいっぱい Op.27 No.1 [1953年11月21日]/ 緑の小さな林 Op.104 No.2 /丘のガマズミ Op.104 No.3 /国家は発展する Op.66b No.1 / 山の彼方へ Op.66b No.3 /おまえの部屋に Op.73 No.3 /子守歌 Op.76 No.7 [1951年12月16日]〕 [ニーナ・ドルリアク(S)] ミャスコフスキー:ピアノ・ソナタ第3番 ハ短調 Op.19 /チェロ・ソナタ第2番 イ短調 Op.81 [1953年12月3日] [ムスチスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)]/ 彼らは相思相愛だった Op.40 No.6 [ニーナ・ドルリアク(S)/1947年4月29日] スヴャトスラフ・リヒテル(P;*以外)指揮(*) モスクワ・ユースo.(*) | ||
録音:[/内]、モノラル、特記以外モスクワ、特記以外ライヴ。驚きの音源を発掘してファンを狂喜させているProfilレーベルのリヒテル・シリーズ、第5弾も目を疑いたくなるようなお宝が続出。今回はラフマニノフとプロコフィエフに焦点が当てられているが、どちらもリヒテルが得意とした作曲家で、残された録音はそれぞれの曲の決定盤となっている。今回新たな決定盤となる凄すぎる記録が初めて日の目をみている。ザンデルリング&ソヴィエト国立so. と共演したラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は1959年2月6日のモスクワ・ライヴ。同じ組み合わせのレニングラード・ライヴはCD化されているが、こちらも非常に期待出来る。また練習曲集「音の絵」抜粋9曲の1950年代初頭モスクワ・ライヴや、前奏曲集から抜粋12曲の1959年2月1日、キエフ・ライヴなどすべて初出。超絶的なテクニックはもちろん、ラフマニノフの孤高の悲しみを誰にも真似できない深さで再現している。ラフマニノフ編のクライスラー「愛の喜び」のリヒテル録音が残っていたのも驚き。リヒテルはプロコフィエフと親しく、「戦争ソナタ」で知られるピアノ・ソナタ第7番の世界初演を作曲者直々の頼みで行った。「戦争ソナタ」3篇に加え、リヒテルに献呈されたソナタ第9番も入った大盤振舞い。世にも貴重な音源。加えて初期の攻撃的な「悪魔的暗示」がリヒテルの強靭な打鍵にぴったり。こういう爆演でこそプロコフィエフの魅力が光る。反面音数の少ない「束の間の幻影」からの11の抜粋のさりげなさも絶品。プロコフィエフではユージン・オーマンディとフィラデルフィア管がソ連公演を行った際にリヒテルと共演したピアノ協奏曲第5番が注目。リヒテルはモンサンジョンにその時の模様を語ってはいるが、録音が残っているとは思われなかった。同じく、リヒテルが生涯で一度だけ指揮者を務めた、チェロと管弦楽のための交響的協奏曲の世界初演の録音があったのも嬉しい限り。プロコフィエフ・ファンや研究者にとって宝となる歴史的記録。ロストロポーヴィチの独奏も神業。フィル・アップに両者の共演によるチェロ・ソナタが収められ、絶妙な妙技を繰り広げている。チェロ・ソナタといえば、ロストロポーヴィチとリヒテルによるミャスコフスキーの第2番も超お宝。この両者の演奏を前に、どの録音もかすんでしまうほど。リヒテル夫人の大ソプラノ歌手ドルリアクによるラフマニノフ、プロコフィエフ、ミャスコフスキーの歌曲も貴重。リヒテルの雄弁な伴奏が神がかり的素晴しさ。ほとんどが入手困難で、熱心なファンでも持っていないものばかり。さらに驚きの価格で、新たなリヒテルの名盤の登場となる。 | ||
クララ・シューマン:ピアノ独奏作品全集 スケルツォ第2番 Op.14 /ローベルト・シューマンの主題による変奏曲 Op.20 /音楽の夜会 Op.6 / ベッリーニの「海賊」のカヴァティーナによる演奏会用変奏曲 Op.8 /3つのロマンス Op.11 / ピアノ・ソナタ ト短調/ロマンツェ イ短調/4つの性格的小品 Op.5 /4つの束の間の小品 Op.15 / 即興曲「ウィーンの思い出」 Op.9 /スケルツォ第1番 Op.10 /3つのロマンツェ Op.21 / 3つの前奏曲とフーガ Op.16 /4つのポロネーズ Op.1 /ワルツ形式によるカプリス Op.2(全9曲)/ ロマンスと変奏 Op.3 /ロマンティックなワルツ Op.4 /ロマンツェ ロ短調 スザンネ・グリュツマン(P) | ||
録音:1995年2月、10月、ベルリン放送スタジオ10 |旧品番:PH-07065 。 2019年はクララ・シューマンの生誕200周年にあたる。2007年にProfilレーベルよりリリースされていた彼女のピアノ曲全集のBoxを再発売。録音は1995年だが、ベルリン放送との共同制作で丁寧な音作り。演奏のグリュツマンは1964年ライプツィヒ生まれ。1990年代始めに ERATO への録音があった。旧東独の巨匠ピアニスト、ディーター・ツェヒリンに師事し、後に夫人となっている。正統派ドイツ・ピアニズムを存分に味わえる。 | ||
ジュゼッペ・シノーポリ&シュターツカペレ・ドレスデン ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲 / ワーグナー:歌劇「リエンツィ」序曲[1998年9月22日] リヒャルト・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」 Op.40 /死と変容 Op.24[2001年1月10日-11日] ジュゼッペ・シノーポリ:コンスタンツォ・ポルタ賛歌〜第2曲[1994年12月20日]/ 愛の墓 III [2004年3月5日-6日](*) /交響的断章「ルー・ザロメ」[2001年10月6日](#) リスト:交響詩「オルフェウス」[1998年10月27日] / シューマン:交響曲第4番 ニ短調[1993年8月30日] マーラー:交響曲第9番 ニ長調[1997年4月6日]/交響曲第4番 ト長調[1999年5月29日](+) +シノーポリの同曲解説 ジュゼッペ・シノーポリ指揮(*/#以外) シルヴァン・カンブルラン指揮(*) ペーター・ルジツカ指揮(#) シュターツカペレ・ドレスデン ペーター・ブルーンス(Vc;*) ユリアーネ・バンゼ(S;+) | ||
2001年「アイーダ」公演中に54歳で急逝したジュゼッペ・シノーポリ。彼がシュターツカペレ・ドレスデンと共演したProfil音源を5枚組にした。すべて近年 ALTUS からリマスター発売されたものと同一音源だが、こちらはもとの音のままで、お手頃価格にてご提供する。十八番のマーラー、リヒャルト・シュトラウスはシノーポリならではのどぎついまでの分析的解釈が独特。マーラーの交響曲第4番は約17分の解説付きなのも嬉しい限り。注目はシノーポリの作曲作品も含まれていること。「愛の墓III」は日本でもお馴染みのカンブルランが指揮。さらに「ルー・ザロメ」はシノーポリ追悼コンサートのライヴで、親友の作曲家ルジツカが指揮を担っているのも貴重。 | ||
ハイドン:交響曲集 〔第90番 ハ長調 Hob.I: 90 /第91番 変ホ長調 Hob.I: 91 / 第92番 ト長調 Hob.I: 92 「オックスフォード」〕 |
ヨハネス・メーズス指揮 バート・ブリュッケナウ・ バイエルン室内o. | |
録音:2014年4月28日-5月1日、ノイマルクト・ライトシュターデル祝祭ザール。ハイドン50代半ば円熟期の1788年に作られた交響曲3篇。ヴァーラーシュタインのクラフト・エルンスト公からの依頼によるため「ヴァーラーシュタイン交響曲」とも呼ばれている。最後の92番は名作「オックスフォード」として知られている。古典派の交響曲や協奏曲に意欲を燃やすヨハネス・メーズスが、バート・ブリュッケナウ・バイエルン室内o. を率いて挑戦。きびきびしたテンポ、明るい音楽性がハイドンにぴったり。 | ||
コラボレーション *ヴァイオリンとギター[セバスティアン・シュミット(Vn)] モーツァルト:トルコ行進曲 / ピアソラ:オブリビオン/鮫 *タンゴ・プロジェクト[ウィリアム・サバティエ(バンドネオン) ヴィンフリート・ホルツェンカンプ(Cb) ティモ・ハンドシュー指揮南西ドイツプフォルツハイム室内o.] ピアソラ:バチンの少年/アディオス・ノニーノ/リエージュに捧ぐ *ギターと弦楽四重奏[ミンゲSQ フェリックス・マツラ(カスタネット)] グラナドス:オリエンタル/サラバンド / ファリャ:粉屋の踊り *ギターと室内オーケストラ[イーゴリ・ジューコフ指揮新モスクワ室内o.] ハイドン:アダ-ジョ/プレスト *チェロとギター[ベルンハルト・シュミット(Vc)] バルトーク:ルーマニア民俗舞曲 より Nos.1-3 *ギターと弦楽四重奏[ダヴィド・ブラッチーニSQ] ボッケリーニ:ミヌエット/アレグレット *ギターとオーケストラ[セバスティアン・テヴィンケル指揮南西ドイツ・プフォルツハイム室内o.] ロドリーゴ:カナリオ *ダウランド・コンセプト[サラ・マリア・スン(S) ヨッヘン・ファイフト(Sax) ヴェルナー・マツケ(バロックVc)] ダウランド:暗闇に私は住みたい フリーデマン・ヴットケ(G) | ||
ドイツのベテラン・ギター奏者フリーデマン・ヴットケ。彼が他楽器の仲間たちと奏したアンサンブルから聴きどころをピックアップ。ギターをメインに弦楽器やオーケストラと味わい深い音楽作りを見せてくれる。ハイドンの協奏曲は往年のソ連のヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、イーゴリ・ジューコフが指揮を務めているのも興味津々。 | ||
アレンスキー:ピアノ三重奏曲 全集 〔第1番 ニ短調 Op.32 /第2番 ヘ短調 Op.73 〕 |
ミュンヘン・ピアノ・トリオ [アドリアン・ラザル(Vn) ゲルハルト・ツァンク(Vc) ヘルマン・レフラー(P)] | |
録音:1992年3月23日-26日、スタジオ3、バイエルン放送|初出・前出・旧品番: CALIG (GERMANY), CAL-50913 〔当店未案内、廃盤〕。アレンスキーは生涯に2篇のピアノ三重奏曲を残しているが、第1番は美しいメロディと華やかな効果、手ごろな長さなどからロシアのピアノ三重奏を代表する作品としてしばしば演奏されている。それに比べ、最晩年の第2番はあまり演奏されることがないが、やはり華麗なピアノ・パートとチャーミングなメロディにあふれた魅力作。終楽章は主題と6つの変奏によるが、それぞれの変奏が楽章風で、いろいろなスタイルを味わえる。 | ||
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲集 〔第1番 イ短調 Op.77 /第2番 嬰ハ短調 Op.129 〕 |
イワン・ポチェーキン(Vn) ワレンチン・ウリューピン指揮 ロシア・ナショナルo. | |
録音:2019年、モスクワ音楽院大ホール。イワン・ポチェーキンは1987年モスクワ生まれのヴァイオリニストで、2005年にモスクワのパガニーニ・コンクールで優勝。弟ミハイルもヴァイオリニストで、共演盤もある。単独ではnaxosレーベルからパガニーニのヴァイオリン協奏曲第5番のディスクを出していたが、今回Profilレーベルでショスタコーヴィチの協奏曲に挑戦。研ぎ澄まされた音でショスタコーヴィチの神経質な世界を見事に描いている。 | ||
ヴンダーリヒの「ドン・パスクァーレ」!〜 ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクァーレ」(ドイツ語歌唱) フリッツ・ヴンダーリヒ(T;エルネスト) クルト・ベーメ(B;ドン・パスクァーレ) ライムント・グルムバッハ(Br;マラテスタ医師) エリカ・ケート(S;ノリーナ) ハンス・ヘルマン・ニッセン(B;公証人) マインハルト・フォン・ツァリンガー指揮バイエルン国立歌劇場o.&cho. | ||
録音:1962年1月18日、プリンツレーゲンテン劇場、ミュンヘン、ドイツ、ライヴ、モノラル|初出音源|ソース・テープ:フリッツ・ヴンダーリヒ協会〔クーゼル、ラインラント=プファルツ州、ドイツ〕。 ヴンダーリヒによるドニゼッティ録音は、「愛の妙薬」からのアリアが4曲?あるだけだった。また、彼が参加したプリンツレーゲンテン劇場における「ドン・パスクァーレ」公演のうち、1961年2月8日のエレーデ指揮上演の一部が映像で残っている(商業未発売)ようだが、残念ながらヴンダーリヒが参加した部分は全て失われてしまったとされる。 ドイツを代表するリリック・テノール、フリッツ・ヴンダーリヒは不慮の事故により36歳で夭折したため、残された録音はあまり多くない。そのヴンダーリヒに、ドニゼッティの歌劇「ドン・パスクァーレ」の未知の音源があり、初めて日の目を見ることとなった。そのテープはに保管されていた。今回バーデン=ヴュルテンベルクのTechneAudioにより復刻、CD化されたのは喜ばしい限り。この録音は、最新テクノロジーが大好きだったヴンダーリヒ本人により行われたとする専門家もいる。専門スタッフによる録音でないためか、予算をかけ丁寧に修復を施してはいるが数箇所の欠落とノイズがある。にもかかわらず、計り知れぬ価値のある記録として公表を決めたとされる。ヴンダーリヒはドン・パスクァーレの甥エルネスト役で、主役でこそないが、聴衆の関心は彼に集中しているのが明瞭。彼が演じたオペラの諸役同様にここでも恋に病む独身者を熱演、比類なき美声でキャラクターに生命を吹き込んでいる。ドイツのリリック・テノールながら、19世紀のカント・フィオリートの装飾様式のような他ではみられない資質を披露しているのも貴重。ヴンダーリヒ・ファンはもちろん、あらゆるオペラ・ファン必携のアルバム。 | ||
ブルックナー: 交響曲第1番 ハ短調(1891年ウィーン版) |
ゲルト・シャラー指揮 フィルハーモニー・フェスティヴァ | |
録音:2019年5月26日、レゲンテンバウ・マックス・リットマン・ザール、バート・キッシンゲン、ライヴ。ゲルト・シャラーは手兵フィルハーモニー・フェスティヴァと2012年にブルックナーの交響曲第1番1866年リンツ版をリリースしているが、今回1891年ウィーン版に挑戦。ブルックナーの全交響曲録音を完了したシャラーの次なる挑戦は、各交響曲の異版。かつてロジェストヴェンスキーの演奏による18種の版のディスクが発売されたが、シャラーはそれ以上の大企画となる予定。彼はこの企画が単なるブルックナー専門家向けのマニアックなものでなく、一般音楽ファンにも魅力的で、どの版がお気に入りかを選べる楽しみに満ちているとしている。交響曲第1番は1866年に作曲され、77年と84年に細部が修正されたが、交響曲第8番の改訂後の1891年に大幅な改訂が施された。シャラーによれば音楽自体はさほど違いがないものの、オーケストレーションを後期交響曲のように厚くして重厚さと音響効果を増しているとのこと。1866年リンツ版のディスクとの音響的違いを際立たせるため、今回はエーブラハ大修道院付属教会ではなくバート・キッシンゲンのレゲンテンバウ、マックス・リットマン・ザールでのコンサートがライヴ録音された。このホールは各声部を明瞭に引き出す一方、温かみのあるシルクのような音響でロマン派作品に最適、世界最高のホールのひとつであるとシャラーは絶賛している。シャラーの大プロジェクトは、来る2024年のブルックナー生誕200周年に向けてのチクルスで、誕生月であるその9月に完成を目指している。ご期待頂きたい。 | ||
ヤニグロ、レア音源集 ハイドン:チェロ協奏曲第2番 ニ長調 Hob.VII: 2 [ルドルフ・ケンペ指揮 RAI ローマso./1959年] モーツァルト:ディヴェルティメント 変ロ長調 K.137 / ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 ニ長調 Op.3 No.9, RV.230 ザクセン=ヴァイマール公ヨハン・エルンスト二世/J.S.バッハ、ミルコ・ケレメン編曲:チェロ協奏曲 コレッリ:合奏協奏曲 ニ長調 Op.6 No.4 [ザグレブ室内合奏団/1961年、1957年] ボッケリーニ:チェロ協奏曲第9番 変ロ長調 G.482 [フランコ・カラッチオーロ指揮 RAIナポリso./1959年] ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 Op.97「大公」 [パウル・バドゥラ=スコダ(P) ジャン・フルニエ(Vn)/1953年]/ チェロ・ソナタ〔第3番 Op.69 /第4番 Op.102 〕[ヤン・ナテルマン(P)/1956年] ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104[エーリヒ・クライバー指揮ケルン放送o./1955年、ライヴ] ミルコ・ケレメン:協奏的即興曲(*) / ヒンデミット:葬送音楽〜ヴィオラと弦楽のための [ステーファノ・パッサッジョ(Va;*) ザグレブ室内合奏団/1958年] ブラームス:チェロ・ソナタ第1番 ホ短調 Op.38[イェルク・デムス(P)/1957年] リヒャルト・シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」 Op.35 [フリッツ・ライナー指揮 CSO /1959年、ステレオ] アントニオ・ヤニグロ(Vc) | ||
アントニオ・ヤニグロ(1918-1989)は、チェロ奏者としてカザルスの愛弟子でイタリア的な明るくのびやかな演奏で知られたほか、指揮者としてザグレブ室内合奏団を世界的な水準に育てました。ここではチェリストとしての彼の名演を数多く収録。協奏曲をたっぷり聴くことができるのも大歓迎だが、ハイドンはケンペ、ドヴォルジャークはエーリヒ・クライバー、リヒャルト・シュトラウスの「ドン・キホーテ」はライナーといった指揮者との共演なのも聴きごたえ満点。同様にソナタや室内楽でもバドゥラ=スコダやデムスの妙技を楽しめる。いずれの音源も今日入手が難しく、これだけまとめられてお手頃価格でリリースされるのは嬉しい限り。イタリアのチェロの魅力を満喫出来る。 | ||
天才、マイケル・レビン ラヴェル:ツィガーヌ / ブルッフ:スコットランド幻想曲 / ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲[エイドリアン・ボールト指揮 PO /1957年、1954年] パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番 / グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲 [ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮 PO /1955年、1954年] サン=サーンス:ハバネラ / チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲[アルチェオ・ガリエラ指揮 PO /1956年] J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番[1955年] ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8番 / フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 [ローター・ブロダック(P)/1962年、1961年] サン=サーンス:序奏とロンド・カプリツィオーソ[フェリックス・スラットキン指揮ハリウッドボウルso./1959年] ドビュッシー/ロケ編曲:レントよりも遅く / プロコフィエフ/ハイフェッツ編曲:3つのオレンジへの恋〜行進曲 [レオン・ポマーズ(P)/1959年] モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K.218 [サウル・カストン指揮デンヴァーso./1960年、ライヴ] Bクレストン:ヴァイオリン協奏曲第2番 Op.78[ゲオルク・ショルティ指揮ロサンゼルスpo./1960年 世界初演ライヴ] マイケル・レビン(Vn) | ||
録音:[/内]、1959年録音の一部を除きモノラル。マイケル・レビン(1936-1972)はエディト・パイネマンやサルヴァトーレ・アッカルドと同世代のヴァイオリニストながら、1972年に35歳の若さで急逝した。長寿に恵まれていれば巨匠として神業を披露していたであろうことが惜しい限り。幼くして天才と目され、ジュリアード音楽院の名伯楽イヴァン・ガラミアンが「何の欠点もない」と太鼓判を押すほどの才能だった。彼のあまり多くない録音のなかから、絶頂期とされる1950年代後半の音源を4枚にまとめた。大半がエンジェルのもので、超絶的なテクニック、明るい音色とオペラ歌手のような歌ごころに酔わされる。レビンの至芸を4枚でこの価格! ヴァイオリン好き必携。 | ||
森の歌〜マンドリンとピアノ ベートーヴェン:マンドリンとピアノのためのソナチネ ハ長調 WoO.44a /アンダンテと変奏曲 WoO.44b ヴィヴァルディ:マンドリン協奏曲 ハ長調 RV.425 〜第1楽章 アレグロ / メッツァカッポ:タランテラ モーツァルト/ファジル・サイ編曲:トルコ行進曲 / タレガ:アルハンブラの思い出 リャードフ:オルゴール Op.32 / チャイコフスキー:「くるみ割り人形」〜あし笛の踊り ワレリー・イワノフ:森の歌(ベラルーシの歌) / ツィガンコフ:明星(ベラルーシの歌)/マル・デャンデャ ラフマニノフ:イタリアン・ポルカ / ラリオノフ/ゴロドフスカヤ編曲:カリンカ デュオ・インタクト[オリガ・ドゥボフスカヤ(マンドリン/ドムラ)、オレーシャ・サルヴィツカ(P)] | ||
録音:2018年6月16日-17日、7月7日、トーマス・グラマツキ・フロッグスタジオ、ハンブルク。ベラルーシ出身のオリガ・ドゥボフスカヤとウクライナ出身のオレーシャ・サルヴィツカにより2005年に結成されたデュオ・インタクト。ドイツを本拠にマンドリンとピアノのデュオとして活躍中。ロシアにはマンドリンとよく似たドムラという丸型でスチール弦の民俗楽器がある。ピックでトレモロ奏法をするため、バラライカ・アンサンブルの中でまさにマンドリン的な音色を聴かせる。ドゥボフスカヤはもともと生地でドムラを学んだ後、ハンブルク音楽院でステッフェン・トレケルにマンドリンを師事しているため、どちらの楽器も堪能で曲により弾き分けている。当アルバムではベートーヴェンのオリジナル・マンドリン曲からヴィヴァルディの名作協奏曲で実力を披露、さらにギターの名曲タレガの「アルハンブラの思い出」も絶妙に表現。さらにドムラで、この楽器の王と讃えられたツィガンコフの作品に挑戦。こちらはまさにロシア的味わいに富み、ロシア旅行している気分にさせられる。 | ||
KKC-1043/4 [2LP] 入手不能 |
ブルックナー: 交響曲第8番 ハ短調 WAB.108(ハース版) |
クリスティアン・ティーレマン指揮 シュターツカペレ・ドレスデン |
録音:2009年9月14日、ドレスデン、ゼンパーオーパー、ライヴ。ハイブリッドSACD:PH-10031の初LP化。 | ||
PROFIL/KII
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PROFIL/KII
『新マスタリングによる SACD シングルレイヤー・シリーズ』『初回完全限定生産』『ディスクは海外プレス、日本語オビ&解説つき』『美麗紙製デジパックの愛蔵版仕様!』
『★当シリーズは、海外にてプレスしたディスクを直輸入、国内で日本語オビと解説を製作し、美麗紙製デジパック・パッケージに収めた愛蔵版仕様となっております。初回各500セット完全限定生産品となります。』 | ||
KKC-4022 廃盤/入手不能 |
ルドルフ・ケンペ ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲 シューマン:ピアノ協奏曲(*) R.シュトラウス:英雄の生涯 |
マルコム・フレージャー(P;*) ルドルフ・ケンペ指揮 ドレスデン・シュターツカペレ |
録音:1974年3月15日、クルトゥアパラスト、ドレスデン。収録: DDR ドレスデン放送。 CD: PH-08053 (2CDs) 。 | ||
クルト・ザンデルリング ブルックナー: 交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」 |
クルト・ザンデルリング指揮 バイエルン放送so. | |
録音:1994年11月4日-5日(当レーベル CD 初出時のデータは1994年11月4日のみ)、ヘラクレスザール、ミュンヘン、ライヴ。 CD: PH-05020 。 |