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PAN CLASSICS



1枚あたり¥3080(税抜¥2800)

 PAN CLASSICSはスイスのレーベル。
 #当レーベルの商品は日本語解説&オビ付の国内仕様盤が出まわっていましたが、この国内仕様盤を発売していた国内代理店が2018年3月23日をもって事業撤退したため、今後の入荷分は全て輸入盤仕様のままとなり、国内解説とオビは添付されません。また品番の若い物には廃盤も出ており、下記でご注文可能でもお届けできない場合があります。また廃盤となった商品が別品番や別レーベルで再発されている場合は、新ヴァージョンでのお届けとなる可能性もございます。以上、その旨御了承の程お願い致します。

ジョヴァンニ・グヮルベルト・
 ブルネッティ(1706-1787):
  スターバト・マーテル(全曲)
 + 導入唱、昇階唱、聖体拝領唱、アレルヤ
アンサンブル・トゥリクム
エレナ・モシュク(S)
ルイス・アルベス・
 ダ・シルバ(CT)
 ピリオド楽器使用。名曲相次ぐ18世紀の「スターバト・マーテル」にさらなる素晴しい作品が!初期古典派らしい無比の美しさを、気鋭名歌手ふたり&ピリオド楽器で。
 モーツァルトの知人として知られるA.ブルネッティとは別人、後年スペインで活躍したG.ブルネッティではない、南イタリアやトスカーナ地方で活躍したG.G.ブルネッティ。チューリヒの古楽集団と新時代の実力派歌手ふたりが甦らせるこの未知の「スターバト・マーテル」、ペルゴレージの傑作の後に数多書かれた追従作のひとつ・と切って捨てるにはあまりに惜しい絶美の傑作だった! このブルネッティは1706年におそらくナポリで生まれ、同地の名高いカペッラ・デ・トゥルキーニ音楽院で研鑚をつんだ作曲家。本作はバロック・オペラ調の華麗な声楽様式を反映しながらも、決して俗っぽくはならず、清らかで天上的な雰囲気が全体にただよう。ソプラノとアルト(CT)が交互に独唱をつとめ、一部に二重唱を交えるあたりはペルゴレージ作品と一緒ながら、各曲の冒頭にはグレゴリオ聖歌が配されて、これがまた気分を盛り上げてくれる。独唱ソプラノのエレナ・モシュクは、Arte Novaでフランスやルーマニアの近代歌曲、あるいはモーツァルトのアリア集など3作のみごとなアルバムを発表している。
マンハイム楽派の絶品オーボエ協奏曲集
 ルートヴィヒ・アウグスト・ルブラン(1752-90):
  ーボエ協奏曲第7番 ヘ長調
 イグナーツ・ホルツバウアー(1711-83):
  オーボエ協奏曲 ニ短調
 ペーター・フォン・ヴィンター(1754-1825):
  オーボエ協奏曲第2番 ヘ長調
 エルンスト・アイヒナー(1740-77):
  オーボエ協奏曲 ハ長調
クルト・マイアー(Ob)
ハワード・グリフィス指揮
ノーザン・シンフォニア
 バロックものより歌心たっぷり。オーボエの美音と、練り上げられた作曲スタイルモーツァルトもハイドンも一目置いた「ウワサの先輩たち」マンハイムの天才ども。さわやかな叙情を、聴きごたえある曲運びを、スタイリッシュな現代楽器演奏で、じっくりと。
 オーボエ協奏曲集といえば、マルチェッロやヴィヴァルディ、アルビノーニなどヴェネツィア派の名作群にチマローザのチェンバロ・ソナタ編曲協奏曲を、といったCDは多いが、本盤は徹頭徹尾マンハイム楽派。そう、モーツァルトやハイドンが絶賛して必死に模倣していた、初期古典派の偉大な作曲家たちに端を喫する一派。それも初期の名匠ホルツバウアーから19世紀まで生きたフォン・ヴィンターまで、さまざまな世代の音楽家が選ばれて、そのどれもがモーツァルトばりの饒舌な名作意外となかなかない筋の通った企画ながら、バロック晩期から古典派最盛期という、聴き手を選ばぬ聴きやすさ。単純に「モーツァルトのオーボエ協奏曲みたいなのをもっと」という向きにも、玄人筋の古典派好きにもおすすめ、マンハイム楽派の管弦楽曲にはよく「フルート2、ホルン2、オーボエはなし」という編成が出て来るが、ここにもそうした曲がちらほら、オーケストラにオーボエがいないことで、オーボエ独奏の美しさが引き立つ仕組みなのも憎いところ。これも18世紀中盤に世界一にして最先端のオーケストラと謳われたマンハイムの音楽家たちならではの周到さだろう。
 独奏者マイアーは「管の国」スイス出身、大先達ハインツ・ホリガーに学んだ実力派。軽く硬めに引き締まった音の美しさもヴィブラート具合もいかにもホリガー風だが、フレーズの進行ひとつひとつを大切にしたスタイリッシュな感性には忘れ難い味わいが。イギリスの手堅い精鋭集団ノーザン・シンフォニアの温もり具合も絶妙。現代楽器の古典派ものとしても群を抜いた、クールな優良盤。
18世紀、ヴィルトゥオーゾ・ホルンの黄金時代
 ヤン・ヴァーツラフ・シティヒ
  (ジョヴァンニ・プント;1746-1803):
  ホルン協奏曲第5番 ヘ長調
 アントニーン・レスレル
  (アントニオ・ロゼッティ;1746-1792):
  ホルン協奏曲第1番 変ホ長調/
  ホルン協奏曲第6番 変ホ長調
 クリストフ・フェルスター(1693-1645):
  ホルン協奏曲 変ホ長調
ピーター・フランコーム(Hr)
ハワード・グリフィス指揮
ノーザン・シンフォニア
 悠々と広がる、このホルンの伸びやかさ・・・ボヘミアの名手たちが華々しく活躍していた頃の調子良い傑作群の秀演を、みごとな自然派録音で!
 古くはバウマンやタックウェル、最近ではバボラーク、現代版コルノ・ダ・カッチャを吹くトランペット奏者ルートヴィヒ・ギュトラー…らの活躍で、18世紀のホルン音楽はひろく紹介されてきたようながら、その実ホルン協奏曲の現役盤は意外に少ないのでは? ここでは英国の気鋭奏者が滋味朗々とした吹き口で、バロック期からモーツァルトの同時代にかけての、ナチュラルホルン全盛期の愉悦あふれる協奏曲を4篇披露してくれる。ロゼッティの2曲はいうまでもなく立派(例のバボラーク盤との重複曲はなし)、しかし嬉しいのはモーツァルトのパリ時代の友人、名前ばかりはよく目にするプントことJ.V.シティヒの曲が聴けるところ!DHMでの四重奏曲など稀に録音もあるとはいえ、協奏曲は貴重もいいところ―これが期待にたがわず、古典派ならではの歌謡性に富んだ名作なのだ。さらに嬉しいことに、滅多に聴けない「ハイドン以前」つまりバロック後期の稀有な独奏協奏曲の作例であるフェルスターの曲も収録!これも知る人ぞ知る隠れ名曲だ。
 スイスの諸レーベルによく登場する、室内管弦楽指揮の名人ハワード・グリフィスが指揮に立ち、あの忘れがたい英国きっての名団体ノーザン・シンフォニアとともに心浮き立つ端正な伴奏を聴かせるのがこれまた嬉しいところ!広範な活躍をみせるイギリス室内管とはまた違う、伝統美と現代性をかねそなえた求心力あふれる古典派解釈で、手堅くもエキサイティングな演奏に仕立ててくれている。ホルン・ファン、古典派ファンならずとも愛聴盤になるであろう良質アルバム。
 # PC-10102, イザベル・ファウストのハイドン:ヴァイオリン協奏曲集→PC-10353で再発売。
アゾリーノ・ベルナルディーノ・
 デッラ・チアーヤ(1671-1755):
  チェンバロのためのソナタ集 Op.4
  (1727頃出版/全6曲)
アッティーリオ・
 クレモネージ(Cemb)
 ほとんど市場に出回ることなくW幻の名盤“となったPan Classics随一の注目アルバム、ついに新仕様になって再リリース。 バッハさえも凌駕しかねない大胆語法をみごと操る謎の鬼才作曲家。その超越性を強烈に印象づける絶妙のチェンバロ演奏。
 Pan Classicsは21世紀初頭に一度経営体制を整えなおして再スタート、それ以前にリリースされたアルバムは一度すべて廃盤になったが、現体制になってから、重要なアルバムが Digipack 仕様によって装いも新たに少しずつ再登場しているのはご存知の通り。その中でもこのデッラ・チアーヤ作品集はまさに「大本命」ともいうべき貴重な再リリース。
 デッラ・チアーヤという作曲家は18世紀初頭に“斜塔の街 "イタリアのピサを中心に活躍した軍人で、生涯についてはあまり詳しいことはわかっていないが、どうやら海軍生活でハンブルクやマルセイユなど諸外国を訪れ、見聞を広めたとか。そんな背景はともかく、ほぼ唯一の作例として知られる『作品4』のチェンバロ・ソナタ集は、フレスコバルディ以来の伝統的なイタリア・チェンバロ様式をことごとく咀嚼吸収したうえで、いかにも18世紀初頭スタイルを持って、めくるめく超絶技巧と比類ない歌心とのあいだで書き上げた、比類ない傑作の連続。かの大バッハをも凌駕しかねないほどの、大胆さと周到さをあざやかに兼ね備えたユニークきわまる書法はまさにエキサイティングそのもの、バロック通だろうとそうでなかろうと、つい聴き入らずにはおれない。「知る人ぞ知る」その卓越した技量に、かのバルトークが人知れず熱狂していたというのも頷ける。いっとき ACCORD に競合盤があったが今は廃盤、これほどの偉大なバロック芸術が本盤のすばらしい演奏で聴けるのは、まさに僥倖というほかない。演奏はルネ・ヤーコプスの絶大な信頼を得てアシスタントを続けてきた異才クレモネージ。聴き手の心を蕩かし、深くえぐる、そのコントラスト豊かな演奏がまた稀有の仕上がり。何はともあれ、ぜひ傾聴していただきたい希少なリリース。
コルンゴルト、ツェムリンスキー
 弦楽六重奏&五重奏のための作品集

 エーリヒ・ヴォルフガング・
  コルンゴルト(1897-1957):
   弦楽六重奏曲 Op.10
 アレクサンダー・フォン・
  ツェムリンスキー(1871-1942):
   弦楽五重奏のための二つの楽章
  [五月の花/いたるところに咲き乱れ]
 (ルドルフ・レーオポルトによる弦楽六重奏伴奏版)
ウィーン弦楽六重奏団
[エーリヒ・ヘーバルト、
 ピーター・マツカ(Vn)
 トーマス・リープル、
 ジークフリート・
  フュアリンガー(Va)
 ルドルフ・レーオポルト、
 ズザンネ・エーン(Vc)]
ユリアーネ・バンゼ(S)
 鮮烈にして精緻な解釈は、まさに極上。
 コルンゴルト歿後50周年を記念する2007年、またしても注目のリリースが…2004年に解散したウィーン弦楽六重奏団が、長年のキャリアの末2001年にリリースしたものの、Pan Classics 経営再編のためリリース直後に廃盤となっていた「幻の名盤」。ましてや、「ウィーンの面子による」「ウィーンの作品」の演奏で「演奏内容がきわめて素晴しい」となれば…(だからこそ、廃盤直前に聴いたリスナーからの情報で稀少盤としての価値がつくられたのだろう)。
 コルンゴルトの曲は作曲者19歳の作。若書きといったいところだがこの天才少年はすでに第一線の名匠、充実度の並々ならぬ意欲作で、名門ウィーン弦楽六重奏団のエキサイティングな解釈がひときわ際立つ。対するツェムリンスキーの作品はソナタ全楽章として構想されたものの中断され、1894年と96年に書かれた二つの楽章だけが残されたもの。しかしどちらも長大な楽章で、じつに聴き応えがある。これに『浄夜』の原詩作者として有名なデーメルの詩を歌詞にとる歌曲一編を、名花バンゼのインテンスな歌唱と精緻な弦のからみあいで聴ける嬉しさ!ウィーンならではの情緒たっぷり、それでいて甘えのない活力がどこまでも漲っている、至高の室内楽アルバムなのだった。
PC-10124
buyボタン
(2CD)
ハインリヒ・ヴァイセンブルク、
 (通称エンリコ・アルビカストロ; 1661-1730):
  「4声のための12の協奏曲」Op.7(全曲)
   〜1704年、アムステルダムにて出版
リッカルド・ミナージ
 (バロック・Vn)
ヴァーツラフ・ルクス(Cemb)
コレギウム・マリアヌム&
 コレギウム1704
 旧品番:PAN-510124。ピリオド楽器使用。イル・ジャルディーノ・アルモニコの天才児ミナージ、調子づく古楽奏者たちと絶妙コラボ躍進めざましいチェコ古楽界のスーパーアンサンブル二つが結集、充実演奏でスリリングに聴かせる。ヴィヴァルディ直前の超・天才による、極上コンチェルト集。
 イル・ジャルディーノ・アルモニコとアッカデーミア・ビザンティナで暴れまくった名手リッカルド・ミナージによる音盤は、ちょうど ARTSから『ロザリオのソナタ』がアナウンスされたばかりだが、当レーベルからは、2002年初頭?にほんの一時だけ世界に出回っただけで、直後のPan Classics一時休業に伴い廃盤になってしまった「幻の名盤」が復活。
 一般には知られざる作曲家アルビカストロ。しかし、ヴィヴァルディ作品のほとんどを初版発売した楽譜出版社ロジェが、この作曲家の作品をずっと専属販売していたという事実だけでも、いかに18世紀初頭当時のセンスでこの人の曲が熱望されていたか、推して知れようというもの。南独生まれのスイス系人だが活動地はレイデン周辺、オランダ=ベルギー方面の18世紀音楽をとりあげたCDでは結構出てくる人ながら、単体アルバムで扱われる機会はめったにない。この協奏曲集、ヴィヴァルディの傑作『調和の霊感』より10年ばかり前の曲で、基本的にはたった4声部だけなのに、かの“赤毛の司祭 "の作品に比肩しうる構成の妙と面白さは耳を疑うほど。コレッリの感化が強い世代だけに合奏協奏曲風にソロが立つが、演奏陣がとんでもない実力派古楽奏者ばかり。チェコ古楽界の気鋭集団が描き上げてゆく、スピーディでスリリングな瞬間と美しいガット弦のカンタービレが、絶妙のタイミングで交錯、通奏低音のアクセントも最高。コレッリ流行からヴィヴァルディ流行へと移る「後期バロックのミッシング・リンク」をこんな最高の演奏で知り尽くせるとは、なんと贅沢。
ヨーゼフ・トリーベンゼー(1772-1846)、
 管楽作品の達人〜管楽合奏のための作品集

 管楽合奏のためのパルティータ 変ホ長調/
 管楽合奏のための葬送行進曲/
 フォルテピアノと管楽六重奏のための小協奏曲/
 管楽合奏のためのパルティータ第1番 変ロ長調
アンフィオン管楽八重奏団
ミヒャエル・ビール(Fp;*)
 ピリオド楽器使用。使用楽器:N.シュトライヒャー1819年製ウィーン・モデル(*)。知名度は劣れど、作品内容はさらに深い!クロンマーと同時代のウィーンを生きた、もう一人の人気作曲家。フォルテピアノも交えた豪華録音!
 クロンマーと同じ頃の、つまりベートーヴェン時代のウィーンで、さまざまな劇場オーケストラで腕を磨いたのち上流階級の寵児となった人気作曲家、トリーベンゼーにも注目したい!古楽都市バーゼルの気鋭ピリオド楽器集団、アンフィオン管楽八重奏団の Pan Classicsデビュー盤でもあった(PAN-510125という番号で2002年に輸入盤を御紹介したことがあるが、廃盤となっていた)が、このたび堂々 Digipack 美麗ジャケットで生まれ変わった。
 トリーベンゼーの音楽は、クロンマーの音楽から辛辣さを取り除き、モーツァルト流儀の優しい切なさ(1800年頃、あらためて大流行した忘れがたいスタイルである)と、がっちりした構成感覚を伸張したような作風。つまりベートーヴェンの初期のようでもある。時折のぞく短調の陰翳がこれまた繊細で、初期ロマン派というか19世紀的な新機軸が感じられるかも、ピリオド管楽器でこそ映える瞬間もしばしばで、特にナチュラルホルンのメゾピアノやら、鄙びたクラリネットの音色などは晩秋にぴったりな風采が。
 本盤にはピリオド楽器のコントラファゴット(!)も入るし、小協奏曲ではフォルテピアノの瑞々しいサウンドが意趣を添えて、4曲それぞれに異なった楽しみ方が出来るのも嬉しい。ピリオド楽器ファンには絶対に見過ごしてほしくないし、ベートーヴェン・マニアにもお薦めできる充実盤だ。
ヨハンネス・ブラームス(1833-97):
 弦楽五重奏曲第1番 Op.88/
 弦楽五重奏曲第2番 Op.111/
 弦楽六重奏のための「夕べの調べ」Op.42-1
 (合唱曲より編曲:ルドルフ・レーオポルト)/
 弦楽六重奏のための「夜警」Op.104-1
 (合唱曲より編曲:ルドルフ・レーオポルト)
ウィーン弦楽六重奏団
[エーリヒ・ヘーバルト、
 ピーター・マツカ(Vn)
 トーマス・リープル、
 ジークフリート・
  フュアリンガー(Va)
 ルドルフ・レーオポルト、
 ズザンネ・エーン(Vc)]
 旧品番:PAN-510127。ウィーン弦楽六重奏団は1979年の結成以来メンバー固定のまま四半世紀にわたり活躍を続け、幾多の名演の歴史を刻んできたのち2004年に「最も華やかな時に解散する」と活動を休止した。しかし録音リリースは、団体そのものの活動とは別進行。このブラームス・アルバムは2000年1月に録音され、いったんリリースはされたものの間もなく Pan Classics レーベルが活動を休止、その後 Digipack 主体の現状体制で活動再開したさい旧譜はいったん全て廃盤になったため、市場には僅かな期間しか流通しなった「幻の名盤」。かつて同団体がEMIに録音した弦楽六重奏曲集とならぶ重要アルバム、待望のカタログ復活というわけだ。2曲の「おまけ」も絶品な注目盤。
 モーツァルトの弦楽五重奏曲に触発され、ヴィオラ1本を増やした編成で書かれたこれらの2曲、いずれもブラームス円熟の筆致が随所に光る傑作なのはいうまでもなく皆様ご存知の通り。しかしそれがウィーン弦楽六重奏団のメンバーによって、幾倍にもその味わいを増すさまは実際に聴いていただくより他はない。BPO団員らの Philips 録音、近年ではハーゲン四重奏団とコセの Grammophon 録音など決定的名盤もある曲目ながら、それらと悠々肩を並べる、滋味と活気の双方をそなえた名演・と自信をもってお薦めできる。さらに2曲、無伴奏合唱曲からの編曲が含まれているのにもご注目。どちらも妙なる弦音の重なりが繊細至極のニュアンスを描き出す、忘れがたい名編曲になっている。
ステッファーニ〜17世紀ドイツを席巻したイタリア人作曲家
 カンタータ、二重唱、ソナタ...

 アゴスティーノ・ステッファーニ(1654-1728):
 二重唱「この魂を、喜んで鎖に繋がせよう」/
 歌劇「恋神は運命が差し向ける」(1709)〜ゼウスとヴィーナスの対話/
 トリオ・ソナタ第4番 変ロ長調(伝ステッファーニ)/二重唱「穏やかならず、この心」/
 カンタータ「フィレーノ、わが想い人」/ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調(作者不詳)/
 カンタータ「最も幸福にして不運なる恋人」/二重唱「恋神の残酷さよ、わたしはもう死にそう」

  今村泰典(テオルボ) Ens.フォンス・ムジケ フランソワ・フェルナンデス(Vn)
  モニク・ザネッティ(S) パスカル・ベルタン(CT)
 録音:2000年頃。ピリオド楽器使用。旧品番:PAN-510131の、装丁変更再発売。ヨーロッパを拠点に、ますます多角的な活躍を続けるリュート奏者・今村泰典が主宰するスーパープレイヤー集団フォンス・ムジケが、ありあまる実力を見せつける『新盤』(旧・代理店記載)は、ヘンデルにも多大な影響を与えたハノーファーの大巨匠、ステッファーニが主人公。
アントニオ・カルダーラ(1670-1736):
 二重唱カンタータと器楽曲

  カンタータ「ダリーゾとクローリ」
   (ソプラノ、アルト、
     2つのヴァイオリンと通奏低音のための)/
  トリオ・ソナタ ハ短調 Op.1-6/
  カンタータ
   「引き裂かれた恋人たちクローリとティルシ」
    (ソプラノ、アルト、
      2つのヴァイオリンと通奏低音のための)/
  チャッコーナ 変ロ長調
   (二つのヴァイオリンと通奏低音のための)
フォンス・ムジケ
[モニーク・ザネッティ(S)
 パスカル・ベルタン(CT)
 フランソワ・フェルナンデス(Vn)
 サラ・クイケン(Vn)
 ライナー・ツィパーリング(Vc)
 北谷直樹(Cemb)
 今村泰典(テオルボ/バロックG)]
 ピリオド楽器使用。カンタータ2曲は世界初録音。
 邦人芸術家2人を含む、錚々たる実力派面子でおくる盛期バロック豪華盤。幅広い活躍で知られる名リュート奏者、今村泰典が率いる古楽アンサンブル「フォンス・ムジケ」は、1996年結成とはいえ、リチェルカール・コンソートのフランソワ・フェルナンデス(Vn)とライナー・ツィパーリング(Vc)、スイス在住の北谷直樹、さらにはHMFの忘れ難い異色アルバム「3大カウンター・テナー」でヴィスやショルと共演したパスカル・ベルタンといった大物が集う実力派ソリスト集団。彼らの技量を、親しみやすい後期イタリア・バロックの作品であますところなく堪能できるのがこのアルバム。 ウィーン少年合唱団やイル・セミナリオ・ムジカーレ(ジェラール・レーヌ主宰)の名盤をはじめとするさまざまな名録音で古楽ファンには親しみ深い存在となっているイタリアの大家カルダーラ。ヴィヴァルディとヘンデルとコレッリの間をゆくような作風といえばわかりやすいだろうか? ここで聴ける室内二重唱カンタータは声楽パートの扱いにたけた彼の真骨頂が凝縮されたような作品。どちらも30分近い、聴き応えのある名作だ。しかもどちらも世界初録音である。二大作の間に、うまく室内楽曲が組み込まれているのも嬉しい。カルダーラは器楽曲の録音も少なくないとはいえ、こうして声楽曲とあわせて楽しめるとなると魅力倍増。ましてや演奏陣が演奏陣だ。隅々まで「うっかり見過ごせない」要素でいっぱいの一作。
フランツ・フィンツェンツ・
 クロンマー(1759-1831)
 (フランティシェク・ヴィンツェンツ・クラマーシュ):
 管楽八重奏のためのパルティア集

 管楽八重奏のためのパルティータ ヘ長調Op.57/
 管楽八重奏のための
  ハルモニー(パルティータ) ハ長調Op.76/
 管楽八重奏のためのパルティータ 変ホ長調Op.69
アンフィオン
 管楽八重奏団
 ピリオド楽器使用。見過ごしちゃいけない傑作盤!クロンマーの十八番・管楽合奏の面白みを縦横無尽のピリオド演奏で味わいつくせる超名演!
 かつて名手H.ホリガーやP=L.グラーフらがClavesに続々と名盤を作ってくれたおかげで日本でも名が知られるクロンマーは、ベートーヴェンと同時代のウィーンで活躍した名匠だ。とくに当時アマチュア演奏家たちを中心におどろくばかりの人気を誇ったのが、愉悦と皮相のいりまじる管楽合奏のための作品群。録音もS.マイヤーの合奏団やコンソルティウム・クラシクムのものをはじめ名盤もちらほらあるが、このご時世にもかかわらず何故かピリオド楽器録音が意外に少ない!そこにこの録音、たんに「待望のピリオド楽器録音」というだけにとどまらず、ひたすら闊達、自由自在の音楽性を縦横無尽に味あわせてくれる傑作盤なのだ(PAN-510142という番号で2003年に輸入盤を御紹介したことがあるが、廃盤となっていた)! このたび Digipack 美麗ジャケットで再発売。
 収録曲3作は盛期の名作ばかり、ナチュラルホルンを勇壮に(あるいは優美に)ヴイヴイと鳴らし、クラリネットやオーボエが滑らかな吹き口で饒舌に語る、楽器の入れ替わるタイミングもお手の物、時に独特のユーモアをちらつかせ…といったクロンマーならではの作風が存分に発揮されている。録音多数の「作品57」など、調子の良いテンポにひるむどころか益々活気づくピリオド楽器奏者達の実力派ぶりに驚くばかり、既存の名演群を悠々追い抜く、確たる音楽作りだ。ピリオド・コントラファゴットや、知る人ぞ知る野趣あふれる野外楽器セルパン(!)を低音に配しているのも魅力だ。
 「いかにもクロンマー!」といったオーストリア=スラヴ系の諧謔を、ピリオド楽器でここまで本格的に満喫できる機会は滅多にない。20世紀末のモダーン楽器名演群の向こうを張るにふさわしい、新時代の本格的代表盤!
シュトラウス一族のワルツ&ポルカ集
 ヨハン・シュトラウスII:
  ワルツ「芸術家の生涯」Op.316/
  ポルカ「ハンガリー万歳」Op.332/
  ワルツ「レモンの花咲くところ」Op.364
 ヨゼフ・シュトラウス&ヨハン・シュトラウスII:
  ピツィカート・ポルカ
 ヨーゼフ・シュトラウス:
  ワルツ「ディナミーデン」Op.173
 ヨーゼフ・シュトラウス:
  ポルカ・マズルカ「女心」Op.166
 ヨハン・シュトラウスII(ヴェーベルン編):
  宝石のワルツOp.418
 ヨハン・シュトラウスII(ベルク編):
  ワルツ「酒・女・歌」Op.333
ルドルフ・レオポルド
(ハルモニウム)
テレサ・
 ターナー=ジョーンズ(P)
ウィーン弦楽六重奏団
 室内楽編成によるウィンナ・ワルツとポルカ集。2曲以外の編曲者は不詳。
PC-10162
廃盤
アレクサンダー・
 ツェムリンスキー(1871-1942):歌曲集

 7つの歌曲(1889-90)/マーテルランクの詩による七つの歌Op.13/
 5つの歌曲(1895-96)/
 2つのブレットル=リート(1901)(=キャバレー・ソング)
ヘルミーネ・ハーゼルベック(Ms)
フローリアン・ヘンシェル(P)
 旧品番:PAN-510162
モーツァルト、最後の日々〜晩年のピアノ作品、
 オルガンや自動オルガンのための作品集

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-91):
 ピアノ・ソナタ第17番 ニ長調 K.576
 シャック(またはゲルル?)のアリア
  「女ほどすてきなものはない」の主題による変奏曲 K.613/
 自動オルガンのための音楽 ヘ短調 K.593/
 自動オルガンのためのアンダンテ ヘ長調 K.616/
 自動オルガンのための音楽 ヘ長調 K.608/
ミヒャエル・ガイリート(P/Org)
 使用楽器 ピアノ:スタインウェイC、オルガン:パッサウのアイゼンバルト工房、2002年製(ウィーン、聖アウグスティン教会)。見過ごされがちな晩年の隠れ名作群を、現代楽器で歴史的考証をふまえたユニークな奏法で弾く!自動オルガン曲は「原譜どおり」の貴重な解釈。
 モーツァルト晩年の鍵盤独奏曲のなかでも、とくに見過ごされがちな作品を集めた一作、ウィーンの俊英奏者ガイリートが、なんとオルガンとピアノを弾き分けて1人で完成させてしまったアルバムだ。
 ガイリートはウィーンを中心に世界をまたにかけて活躍中の名手で、しばしば一夜のうちにピアノとオルガンを両方弾き分ける演奏会を催しているとのこと。リストの弟子で「ピアノ・ソナタ」と「オルガンのための詩編94番」によって今に名を残しているロイプケについて著書があるというのも何となく納得だ。本盤での彼はフォルテピアノや歴史的オルガンにこだわることなく、ピアノのための作品には現代ピアノを、自動オルガン作品には4段手鍵盤ペダルなしの現代オルガンを用いて普遍的に仕上げて・・・と思いきや、それぞれの楽器でユニークな奏法を展開。「18世紀の楽器は、音域ごとに音色が不均質で、それがまたいい」との見方から、スタインウェイを使っているにもかかわらず音域ごとに微妙にタッチを変え、フォルテピアノ風な味わいをかもし出そうとしている。オルガンの方でも足鍵盤なしの現代楽器を使っているものの、現場的判断から修正されてしまうことの多い二度音程の不協和音なども含め逐一すべて原譜の音符どおりに弾いてみることで、モーツァルトがひそかに狙っていた意外な演奏効果をそのまま提示してみせる(自動オルガン作品の演奏にまで注目している熟練リスナーは必聴!)。
PC-10164
廃盤
ヴァイオリンのための近代音楽傑作集
 レオシュ・ヤナーチェク(1854-1928):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
 ベーラ・バルトーク(1881-1945):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番
 モーリス・ラヴェル(1875-1937):ツィガーヌ
  〜ヴァイオリンとピアノのための演奏会用狂詩曲
 オリヴィエ・メシアン(1908-1992):ヴァイオリンとピアノのための主題と変奏
  ブリギッテ・ラング(Vn) イヴォンヌ・ラング(P)
 旧品番:PAN-510164
PC-10170
廃盤
ジャック・シャンピオン・シャンボニエール(1601/2-1672以前):クラヴサン小品集
 クラヴサン組曲〔ニ短調/ト短調(パリ、1670)/ハ短調/ニ短調/ト短調〕
  フランソワーズ・ランジュレ(Cemb)
 録音:2003年4月、ベニ=シュル=メール荘、フランス北西部カルヴァドース。
PC-10173
廃盤
弦楽六重奏のための作品集
 チャイコフスキー:
  弦楽六重奏曲「フィレンツェの追憶」
 ニコライ・リムスキー=コルサコフ:
  弦楽六重奏曲(1876)
ウィーン弦楽六重奏団
フランソワ・クープラン(1668-1733):ヴィオールのための作品集
 ヴィオールのための組曲〔第1/第2〕/コンセール「ラ・スュルターヌ」/コンセール第10番「嘆き」/
 2本のヴィオールのための第2コンセール/「王宮のコンセール」第3番

 ローレンツ・ドゥフトシュミット(バス・ド・ヴィオール)
 ウルリケ・ベッカー(バス・ド・ヴィオール)
 アンドレアス・ビルガー、ウルリケ・フィッシャー(Vn)
 ボブ・ファン・アスペレン(Cemb)
 録音:2003年6月、ヴァルバック、東フランス/2003年9月、クリーグラハ、オーストリア。録音技師:服部光一郎&ジェンス・ジャマン(MUSICA NUMERIS)
 あまりにも素晴らしい弓さばき。名手ドゥフトシュミットがフランスのエスプリを縦横無尽に弾きこなす。通奏低音にはなんとボブ・ファン・アスペレンが参加。「ドゥフトシュミット」で「クープラン」。もはや何か説明がいるだろうか? ヨーロッパ古楽界に冠たるARCANAレーベルでフックスやテレマンなど数々の傑作アルバムを連発、つい最近ではCPOでマラン・マレの見事なアルバムを製作したドイツ出身の名ヴィオール奏者、ローレンツ・ドゥフトシュミットである。サヴァール、パンドルフォらと並んで現代ヨーロッパを代表する名手である彼が、傑作アルバムも少なくないクープランのヴィオール作品集に乗り出したのである。収録曲は重要な二つの組曲のほか、初期の2作(2本のヴィオールのためのコンセールと、フランソワ・フェルナンデスやA.ベルナルディーニらによるAlphaのクープラン作品集(Alpha-062)にも収録されていた「ラ・スュルターヌ」)ならびに「王宮のコンセール」まで集めるという豪華さ。つまり、ヴィオールを通じてクープランの室内楽世界をその初期から晩年まで一覧できるという内容だ。チェンバロは年々腕が冴えつつある実力者ボブ・ファン・アスペレン。ソロ活動では昨今Aeolusでのフローベルガー全集もかなり順調のようだが、こんなところで気鋭奏者たちを立てつつサビの効いた伴奏を聴かせてくれるあたりが心憎い。ドゥフトシュミットの柔軟な音楽づくりに寄り添うように、あたたかく包み込むような綺麗なサポートが快く、作品の魅力が二倍三倍に増すかのよう。エンジニアリングをつとめるMUSICA NUMERISの仕事ぶりも鮮やか。チェンバロを後退させてドゥフトシュミットの名技をあますところなく愉しませつつも、通奏低音の的確なサポートが要所要所でさりげなく聴こえてくる。音楽内容をよく咀嚼しての好録音といえるのでは。
最後の審判〜M.A.シャルパンティエ:宗教音楽作品集
 イエスのいと甘美なる変容 H.251 /神による最後の審判 H.401 /聖ペテロの否認 H.424 /
 サルヴェ・レジーナ(3重合唱のための) H.24 /
 聖母マリアのリタニア(2つの上声とバスのための) H.86 /死せる者のためのモテ H.311
  グレアム・オライリー指揮アンサンブル・エウロぺーン・ウィリアム・バード
 録音:2003年5月、フォンモリニ修道院、メヌトゥー=クチュール、東フランス。
 柔軟な表現力、複雑きわまる音楽をあざやかに歌いこなす一体感。シャルパンティエの魅力が凝縮された一作。物語性がつよく劇的展開に富む「聖ペテロの否認」と「神による最後の審判」を主軸にすえ、大小さまざまな編成の作品をあつめたシャルパンティエの宗教曲集。どれも非常に力の入った作品ばかりで、この繊細にして技巧に富んだ作曲家の芸術性を隅々まで堪能できるアルバムとなっている。演奏は、バードの名を冠しているにもかかわらずフランス系の奏者が多くめだつアンサンブル・エウロぺーン・ウィリアム・バード。合唱は1パート2人程度で、驚くほど引き締まった演奏をきかせてくれる。いずれ劣らぬ複雑な構造をもつ難曲ばかりを揃えながら、ここまで完璧なアンサンブルを聴かされると、さすがに圧巻だ。通奏低音にはテオルボの名手モンテイエの名もみえる。シャルパンティエ・ファンにはたまらない内容の新アルバムといえるだろう。
ペンティネンのラフマニノフ
 ラフマニノフ:
  絵画的練習曲集Op.33(全8曲)/
  絵画的練習曲集Op.39(全9曲)
ロランド・ペンティネン(P)
 大ヴィルトゥオーゾ晩年の傑作群を細やかなニュアンスで滋味豊かに弾きこなす、名手ペンティネンのラフマニノフ
 名ヴィオラ奏者・今井信子、BIS気鋭のフルート奏者ベザリー、CPOのウルフ・ヴァーリン等々世界各国の実力派奏者たちと共演、たんなる伴奏どころではない名手ぶりを披露してくれるスウェーデンの名手ペンティネンだが、ソロでは一転、すばらしく求心力ある独自の音楽世界を展開してくれる。最近CPOからふっと出したソロ盤がブゾーニの作品集だったり、自作品も披露してみせたりと世紀転換期のヴィルトゥオーゾ主義にも造詣が深いようだが、アムラン系の超絶技巧とはまた異なった、むしろ音楽をどこまでも掘り下げてゆく姿勢が、この「華麗に仕上げることもできるが滋味豊かにも弾ける」ラフマニノフ晩年の2傑作集への静々と落ち着いたアプローチに、よくあらわれているのではないだろうか。
 本来はありあまるほどの技巧を誇る人なのに(グリーグのピアノ協奏曲(初版)など、CD時代初期のBISへの録音をよくご記憶の方もいるだろう)、決してそれを前面に披瀝したりせず、ひたすら音楽を考えて内実豊かな演奏をしているのが非常に心地よい! 細やかなニュアンスをこめて弾き分けられるタッチの妙味は、ピアノのサウンドそのものを生々しく捉えたMUSICA NUMERISのエンジニアリングを得て、どこまでも繊細に、作品の魅力を伝えてくれる。美しいDigipack外装もあわせ、ピアノ音楽ファンはもちろん全ての音楽ファンに愉しんでいただきたい一作だ。
PC-10178
廃盤
ウィーン六重奏団ラスト・レコーディング
 ブルックナー:弦楽五重奏曲 ハ短調
 ワーグナー:ヴェーゼンドンクの五つの歌
   (レオポルト編;弦楽六重奏伴奏版)
ミシェル・ブレート(S)
ウィーン弦楽六重奏団
モーツァルト:セレナーデ集
 〔第11番 ヘ長調 K.375/
  第12番 ハ短調 K.388「ナハトムジーク」/
  第13番 変ロ長調 K.361
   「グラン・パルティータ」
   (管楽八重奏のための縮小 & 4楽章版)〕
アンフィオン
 管楽八重奏団
 ピリオド楽器使用。管楽八重奏のための不朽の名作2作で鮮烈な音楽性を印象づけるだけでなく、「グラン・パルティータ」からの“キモ "まで演奏してしまった嬉しい秀逸アルバム!
 古楽復興全盛の当世ながら、ピリオド楽器による管楽合奏団というもの自体は意外に少ない。バーゼルから燦然と現れた冗談ぬきでウマいアンフィオン管楽八重奏団の存在は貴重きわまりない。メンバーはベルリン古楽アカデミー、コンチェルト・ケルン、レザール・フロリサン...といったヨーロッパ最前線の古楽団体でばんばん活躍中の精鋭たち。見事な一体感あるアンサンブルを通じ、オーボエもクラリネットも快活な吹き回しから弱音の憂愁まで思いのまま、ナチュラルホルンは流々、完璧なテクニックとコシの入った音色で音響にスケールをもたらし、粒立ちの揃ったファゴットは逐一細やかに音楽を彩る、さらにピリオド・コントラバスの低音がアクセントを添え、醸し出される音楽は超一級!その魅力をつぶさに味わうには、モーツァルトの名曲による本盤が最適。
 あくまで自然なテンポ・音楽展開にもかかわらず、描き出される音楽はなんと精彩に富んでいるのだろう!ドラマティックな ハ短調のK.388 では絶妙の陰翳で冒頭から聴き手をつかみ、心地よい長閑さのなかにモーツァルト独特の“さびしさ "が一筋流れる 変ホ長調K.375 はいつまでも聴いていたくなるような至上の美しさ!そして嬉しいことに、超名作ながらあまりにも長大なうえ本来は13もの楽器が必要な「グラン・パルティータ」を“18世紀の演奏事情にかんがみ "、当時の標準編成である管楽八重奏用に編曲、ソナタ的に中核をなす4楽章を抜粋して演奏するという、なんとも豪華な“おまけ "つき! ・・・ちなみに、ジャケットは「単に奏者たちの好みで」なぜか北斎版画。
偉大なるオラトリオの世界〜ジャコモ・カリッシミ(1605-1674):
 オラトリオ集〔ソロモンの裁き/ヨブ/聖母のオラトリオ/カイン/イェフタ〕
  ラファエル・ケネディ、モニク・ザネッティ(S)
  ジャン=フランソワ・ノヴェリ(T) ジェローム・コレアス指揮ル・パラダン/他
 作品の躍動感にあらためて感動、きわめてエキサイティングな快演! 有名・無名の超傑作を集めた、カリッシミ入門にも最適の一作。ラファエル・ケネディやジャン=フランソワ・ノヴェリら実力派の歌手を集めて結成されたアンサンブル・ル・パラダン。Alphaでも活躍する名歌手ジェローム・コレアス(「ベルリオーズのケルト風歌曲」Alpha-024)が指揮をつとめ、最小限の編成にとどめられた室内楽的編成で、それぞれのメンバーが自発性あふれる瑞々しい歌をきかせてくれる傑作アルバム。
 いうまでもなく、カリッシミは17世紀のローマに活躍し、オラトリオ形式(ヒストリア・サクラと呼ばれた)の基礎をきずいた一大巨匠。あのシャルパンティエもローマ留学時代にカリッシミの音楽にうたれて弟子入りしたと言われている。深い滋味あふれるたおやかな音楽性と、きわめて効果的な書法を使いながら躍動感あふれるドラマを作り上げてゆく手腕は他の追従を許さない――「17世紀イタリア宗教音楽のヒッチコック」といった感さえある彼の短く凝縮された傑作オラトリオ群から、古くはミシェル・コルボ、最近ではル・パルルマン・ド・ミュジークのものなど名盤も少なくない「イエフタ」のような有名作と、「ソロモンの裁き」「カイン」など内容に比して滅多に演奏されない作品とをバランスよく集めており、相対的にカリッシミ入門者から手練の17世紀イタリア音楽愛好家まで誰もが楽しめる構成になっている。
 それにしても。演奏しだいで大きく結果が変わってくるカリッシミとはいえ、これほど鮮やかな仕上がりは滅多に望めないのでは? 音楽祭でのライヴ録音とあってか、冒頭から器楽陣のテンションは高く、歌手同士の呼吸のとりかたは絶妙、また各人の技量も耳を疑うほど――イタリア語曲はもちろん、ラテン語作品も死語で歌っていることさえ忘れさせる劇的生々しさは、まさにラテン系歌手随一のものだ。コレアスの指揮がそれらを的確に導いて一貫したドラマを築いているのが素晴らしい。器楽伴奏の細やかな芸まで余さず収めたMUSICA NUMERISの名録音もあって、ほとんど“小オペラ”のごとき躍動感あふれる世界をあますところなく楽しめる。昨今のNAIVEやStradivariusのカリッシミ盤に悠々比肩する、強力にお薦めの一作だ。
幻想世界のほうへ
 チェロとピアノのための精選近代傑作集〜ベートーヴェンからヒンデミットまで

  ベートーヴェン(1770-1827):モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲
  シューマン(1810-1856):幻想小曲集 Op.73(クラリネットまたはチェロとピアノのための)
 フランツ・リスト(1811-1886):エレジー第1番(チェロとピアノのための)
 レオシュ・ヤナーチェク(1854-1928):おとぎ話(チェロとピアノのための)
 クロード・ドビュッシー(1862-1918):チェロとピアノのためのソナタ(1915)
 パウル・ヒンデミット(1895-1963):幻想小品 Op.8-2(1912)(チェロとピアノのための)

  ラファエル・ローゼンフェルト(Vc) デーネシュ・ヴァールヨン(P)
 チューリヒ・トーンハレ管の若き首席ソロ奏者と躍進めざましき気鋭ピアニスト―至高の名作群の闊達な演奏で、めくるめく浪漫的幻想の世界へ!
 今から10年ほど前、スイスの最重要楽団のひとつトーンハレ管の最年少奏者にして首席ソロに就任したラファエル・ローゼンフェルトだが、今は同管での仕事の量を減らし、ソリストとしてどんどん実力を高めているようだ。来日機会も増えてきたハンガリー新世代の名奏者とのタッグでおくる本盤、下手をすれば空中分解しそうな難曲ばかりを集めながら何と鮮やかなドラマと一貫性を体現してゆくのだろう!ごらんのとおり、伝統的なソナタはほぼ皆無(ソナタといってもドビュッシーの1曲だけ)、あとは主役を張ることが少ない「併録作」的小品だったり、意外とチェロで聴けない隠れ名品だったり・・・と(まさに良い意味で)玄人好みの(しかし両方の意味で)渋い選曲なのだが、じっさいアルバムをかけてみると、それらが堂々メインプログラム的な風格をもって聴こえてくる。もちろん選曲の妙もあるだろうが、やはり演奏のみごとさは特筆に価するだろう。過度に派手だったりメロウすぎたりする大衆的音作りとは一線を画す、おだやかでいてしっかりした語り口。硬派ながらに香り高い音響世界に、つい引きずり込まれてしまう。
 注目ポイントはもうひとつ。共演しているピアニストが、2006年S.イサーリスと来日した名手デーネシュ・ヴァールヨンだったりするから見過ごせない。シフとクルターク(!)に師事したという新世代ハンガリー気鋭の名手、小品から大曲まで素晴しいパートナーシップを発揮して積極的に音楽をつくってゆくスタイルがまた痛快!こちらも先が愉しみな逸材なのだ。
PC-10185
廃盤
ベラルーシの近代室内楽
 ヴァレリー・カニンコフ(1940-):フルートと弦楽四重奏のためのフルート五重奏曲(2000)
 ガリーナ・ゴレロヴァ(1951-):フルート、ギターとチェロのための
                 「セクストン邸の上にあるスターリン像」(2004)
 セルゲイ・ベルチュコフ(1956-):弦楽四重奏曲(2003)
 ドミトリー・リビン(1963-):フルート、ギターと弦楽四重奏のための
                「グリンカの主題による7つの小さなファンシー」(2003)
 フセヴォロド・グリツケヴィチ(1947-):
  フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとギターのための「詩曲」(2003)

 ミンスクSQ ブルーノ・マイアー(Fl) ハン・ヨンケルス(G)
PC-10186
廃盤
2人の芸術家の肖像〜クラリネットとピアノのための近代作品集
 バルトーク/ゾルターン・セーケイ編:ルーマニア民俗舞曲
 ズビグニェフ・ランパルト(1953-):断章「 H 」
 シャルル=マリー・ヴィドール:序奏とロンドOp.72
 フェルナンド・C.ラパ:「全てではなく」または「虚無」
 アーサー・ベンジャミン(1893-1960):ラヴェルの墓
 吉松 隆:鳥の形をした4つの小品
  アントニオ・サヨーテ(Cl) 津田理子(P)
PC-10187
廃盤
矢野玲子
 モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219「トルコ風」
 バルトーク:第2狂詩曲
 イザイ:ヴァイオリンとピアノのための「叙情的詩曲」Op.12
 サン=サーンス:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番 Op.75
  矢野玲子(Vn) ウェルナー・エーアハルト指揮
  ジュネーヴ室内o. セルゲイ・クドリャコフ(P)
聖と俗のあいだ〜
 ドメーニコ・マツォッキ
(1592-1665):マドリガーレと宗教ディアロゴ集
 イエス、甘美なる思い出/愛神を屈服させるための戦い/神よ、怒りをしずめて下さい/世の噂話の向こうを張って/
 富の女神よ、その顔に髪が/いと麗しき聖処女マリアに/「雅歌」の対話/涙にくれるマグダラのマリア/
 マリアとイエスについて/愛神にばかり従ってきたことへの悔恨/我らが主イエス・キリストの死に涙せよ/
 すぐさま立ち上がれ、愛する人よ/我らの人生はなんと短い/
 つまらぬ恋で涙してはなりません/神よ、我らの苦節はなんと空しい

 モニク・ザネッティ、ジャン=フランソワ・ロンバール(歌)他
 ジェローム・コレアス(Cemb/Org)総指揮アンサンブル・レ・パラダン
 ピリオド楽器使用。これほど生々しいマツォッキがあっただろうか?!カリッシミ盤でみせた迫真の演劇性そのまま、ことばに躍動感を吹き込むレ・パラダンの鮮やかさ。
 ともすれば堅苦しいか高尚すぎるイメージもあるカリッシミのオラトリオ(PC-10182)を、メンバー各人のオペラ的ポテンシャルの高さを生かした劇的な解釈でおそろしく面白い劇音楽として切り取ってみせたレ・パラダン。今度はさらに時代を遡り、さらに堅苦しく“倫理的 "だの“警句 "だのという言葉のちらつく曲集を編んだ知的作曲家マツォッキに光をあてるという、そして易々、またしてもヴィヴィッドな躍動感をもって作品のイメージを一新するというから驚きだ。バロック音楽をよく知るうえで、17世紀初頭の「高尚かつ知的な」ローマ声楽音楽は欠くべからざるジャンルだから、こうして聴きやすくも本質に迫った、そして何よりエキサイティングな録音が登場するとは本当に有難い。
 マツォッキはランディやM.ロッシ、L.ロッシらと同時代つまり「初期バロックの末期」のローマで活躍した作曲家。音楽内容の深さでは群を抜くジル・フェルドマン盤(ASM-002)はスタンダードな決定盤だが、こちらは演奏機会の多い形而上的声楽曲とあわせ、なんとマツォッキのマドリガーレまで収録しているのもポイント。初期バロックらしい半音階の入り乱れる表現語法で恋について歌うにせよ、レ・パラダンの面々のような劇音楽に強い面子(メンバーは古楽歌劇上演の最前線で活躍している人ばかり)なくしては心に届かないのでは?「初期バロックは難しい」と思っている方々にも安心して勧められる、興奮必至!の珠玉の1枚だ。
フランチェスコ・ガスパリーニ(1661-1727)、
 ヴィヴァルディの先達〜ソナタとカンタータ

 2声と器楽合奏のためのカンタータ「せめて、なぜだか解っていれば」/
 独唱と器楽合奏のためのカンタータ「はなれているということ」/
 シンフォニア=トリオ・ソナタ/
 独唱と通奏低音のためのカンタータ「死とは何かを知らぬ者は」/
 2声と器楽合奏のためのカンタータ「ねえ、やさしいダリーゾ」
  アンサンブル・フォンス・ムジケ
   [今村泰典(テオルボ) フランソワ・フェルナンデス(Vn)
    ロラン・ステヴァール(Org/Cemb) ロベルト・ジーニ(Vc)
    モニク・ザネッティ(S) パスカル・ベルタン(CT)]
 ピリオド楽器使用。ヴェネツィアの楽団におけるヴィヴァルディの先任者。きわめて貴重な新録音。なんとフェルナンデスやベルタンら超絶名手らによる、この演奏の素晴しさ!
 どちらも2006年、来日公演を果たしたリュートの今村泰典とヴァイオリンのフランソワ・フェルナンデスを中心とする器楽陣に、フランスのバロック・オペラ上演には欠かせない気鋭歌手ふたりを加えたフォンス・ムジケ。今回お送りする待望の新録音は、意外と知られていない“ヴィヴァルディの先任者 "で、ヴェネツィア・バロックの転換期を担った巨匠ガスパリーニの作品集。10年前のOPUS111でのカンタータ集以来、どうにも恵まれぬガスパリーニのディスコグラフィを潤してあまりある名トラックの連続だ。
 ガスパリーニはルッカ近郊に生まれ、ボローニャでの修業時代を経てヴェネツィアでレグレンツィに師事。ヴィヴァルディが来る直前まで、同市の孤児院ピエタの音楽監督だった。後年はローマで活躍、オペラを多数残している。A.スカルラッティと殆ど同じ年代を生きた名匠だ。
 本盤が何より嬉しいのは、ただでさえヴァイオリンをフェルナンデスが担当してインテンスな演奏を繰り広げているうえ、さらに通奏低音奏者にチェロのロベルト・ジーニ、鍵盤にローラン・ステヴァールら今もっとも多忙かつ脂の乗った俊英が加わっていること。あざやかな器楽合奏で、壮麗なシャコンヌを含むソナタが聴ける有り難さ!
 ザネッティとベルタンの、芯の通ったしなやかな歌い口もまた美しい。知られざる巨匠への第一歩として、大いにお勧めしたい一枚だ。
PC-10190
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(2CD)
アントワーヌ・フォルクレ(1672-1745)&
 ジャン=バティスト・フォルクレ(1699-1782):
 「ヴィオールのための作品集第1巻」
  (1747年出版 全5編計31曲)
ローレンツ・ドゥフトシュミット、
クリストフ・ウルバネツ(Vg)
ヨハンネス・
 ヘーメルレ(Cemb)
トーマス・
 ボイゼン(G/テオルボ)
 天使のように弾くマレと並んで「悪魔のように弾く!」と讃えられた鬼才フォルクレ。ファン待望、初の“全集録音 "が、超・大本命ガンバ奏者ドゥフトシュミットの名演で登場!バロック後期らしい雄弁・繊細・多彩な音楽は、マレよりも聴きやすく、ひたすら面白い!
 オーストリア随一、いや今やサヴァールやパンドルフォらと並ぶヨーロッパ最高のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のひとりローレンツ・ドゥフトシュミット待望の新譜が登場。しかもガンバ・ファンなら誰もが「誰かやらないか」と思っていたフォルクレ作品の全集というからたまらない! ドゥフトシュミットは ARCANA から Pan Classics に移った後に自身のレーベルまで起こしているが、こういう嬉しい傑作盤を Pan Classics からリリースしてくれたことに大感謝!
 A.フォルクレは1700年前後に活躍したフランスのガンバ奏者で「マレは天使のように、フォルクレは悪魔のように弾く」と並び称された大御所。息子のJ−B.フォルクレも“父とまったく同等の技量をもつ "と絶賛されたガンバ奏者で、父の歿後その作品を整理・1744年に出版したのも息子のほう。出版譜はしかし初期ロココめいた作風をしめしているため父の作か息子の作か判別つきかねるそうだが、なにしろ名盤あまた、バロック・ファンならご存知のとおり「すべての曲が」傑作ばかりな上、フランス大時代様式に偏っているマレよりはるかに自由&多彩な音楽展開は、マレよりもずっと日本のリスナー向きだろう。さしずめガンバのヴィラ=ロボスかアルカンか...といった傑作の数々、しかしクラヴサン編曲版(こちらも有名だが)の全曲盤こそあれ「オリジナルのガンバ版の全集」はこれが初では?何しろサヴァール御代ら成し遂げなかった偉業を、有象無象ではなくドゥフトシュミットが成し遂げたのから感慨至極、ファン必携。ぜひご注目あれ!
PC-10192
廃盤
ルイ・シュヴィッツゲーベル=ワン 〜ヴィルトゥオーゾ・ピアニズムの新世紀
 フェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847):ピアノ協奏曲第2番 ニ短調 Op.40 (*)
 モーリッツ・モシュコフスキ(1854-1925):
  メロディ Op.18 /15のヴィルトゥオーゾ練習曲集 Op.72 〜第11番 変イ長調/
  「性格的小品集」Op.36 より〔第6番「花火」/第4番〕/スペイン風カプリス
 モーツァルト(1756-1791):ピアノ・ソナタ第8番 ニ長調 KV.311
 エルヴィン・シュールホフ(1894-1942):5つのジャズ・エチュード
  ルイ・シュヴィッツゲーベル=ワン(P)
  ロイ・グッドマン指揮ジュネーヴ室内o.(*)
スイス、近代音楽のキーポイント
〜フルート・ソナタさまざま、印象派と新古典主義〜

 ヨーゼフ・ラウバー(1864-1952):
  単一楽章のソナタ(1933)〜
   フルートとピアノのための
 パウル・ユオン(1872-1940):
  フルートとピアノのためのソナタ(1923)
 ラファエーレ・ダレッサンドロ(1911-59):
  フルートとピアノのためのソナタ(1942)/
  フルートとピアノのための五つの掌編(1942/45)
トーマス・シュトレースレ(Cl)
クリスティアン・ツァウク(P)
 オネゲルやマルタンだけじゃない。フランス近代を補いながら、ドイツ語圏との親近性のなかで独自の近代音楽シーンを築いてきたスイスの、忘れがたい3名匠。とくにダレッサンドロは、デュロゾワールにも比肩しうる“発見 "。極上フルート&ピアノでどうぞ。
 ロマン派末期から印象派前後の、スイスの音楽――と聞いて、何をイメージするだろう? ワーグナーのスイス逃避時代?「フランス6人組」のひとり、オネゲル? それともアンセルメが1918年に創設したスイス・ロマンド管? あるいは20世紀の新音楽を育てた、パウル・ザッハーのバーゼル室内管?・・・でも、“スイスで活躍した作曲家 "となると、なかなか思い当たらないのでは(かろうじてフランク・マルタンと、ドイツ語リートの名匠シェックくらいだろうか)。しかし実のところ、上にあげたいくつかの例はある意味、スイス音楽関係事情を代表するものとなっている。ドイツ語とフランス語が双方とも広く使われているこの国では、ドイツ楽壇の流儀をふまえつつ、折々にフランスの近代音楽の語法をうまく吸収、時には(オネゲルやザッハーのように)両国のシーンに影響さえ与えながら、まさに近代音楽の“キーポイント "たるべき立ち回りをみせる音楽家が続出したのだった。
 そんな知られざるシーンの魅力を絶品演奏で端的に教えてくれるのが、スイスのPan Classics から届いたこの新譜。ヨアヒムに呼ばれてベルリン音大を地盤に活躍した“ロシアのブラームス "ことモスクワ生まれのスイス人ユオンや、マルタンの師匠でハープ作品でも知られるラウバーらは、20世紀初頭にあってなおロマン派末期の形式感を守りつつ、そこに近代音楽のテイストをひとたらし、懐古的ながら形式主義的無味乾燥とはおよそほど遠い作風を示した名匠たち。秘曲探しの達人の方々からすれば「なるほど、知ってる」名前だろうが、真の“発見 "は何といっても早世の天才、ダレッサンドロ。パリ音楽院でナディア・ブーランジェに見出されながらも、内気な皮肉屋で世間的な成功から背を向け、ローザンヌで細々と音楽活動を続けたというこの作曲家、クラシカルな様式にラヴェル的な色彩感とバルトーク的リズム遊戯をあざやかにかけあわせ、すばらしいソナタと小品群を書き上げている。知らないでいるのはもったいなすぎる近代の名匠と言えるだろう。演奏のクオリティもきわめて秀逸。ブルーノ・マイアーとオーレル・ニコレの両巨頭から独系・仏系の奥義を受け継ぐ気鋭シュトレースレの吹き口は、まさにヴァイオリン並みの表現力の豊かさ。色彩感とリズムの妙に長けたピアノも、絶妙。
アントーニオ・ロゼッティ(1750頃-1792):
 管楽合奏のためのパルティータ集

 [ヘ長調 Murray B18/変ホ長調 Murray B13/
  ニ長調 Murray B2/ヘ長調 Murray B21]
アンフィオン管楽八重奏団
ヤナ・セメラードヴァー、
ユリー・ブラナー
(トラヴェルソ)
 ピリオド楽器使用。あの流麗なるピリオド管楽合奏団、ふたたび!しかも今度は、固定ファン層のあるロゼッティ。古典派最高の流麗さと緻密さを、ぞんぶんに堪能! モーツァルトのセレナード(PC-10179)やクロンマー、トリーベンゼーら後期古典派の達人たちの管楽合奏曲(PC-10142、PC-10125)で闊達な演奏を披露してきたアンフィオンが、次に放つのは嬉しいことにロゼッティ! 交響曲や協奏曲など管弦楽作品にみられる、あのがっちりした構成感、あの流麗至極なメロディのすばらしさが、ブイブイと鳴るナチュラルホルンや妙音あでやかなピリオド・リード楽器「だけ」で緻密にスマートに、そして味わい深く響きわたる。こんな贅沢な話はない!
 何しろロゼッティは、モーツァルトの時代にあまりの人気を博してしまったため、ただでさえ宮廷楽団づとめがあるにもかかわらずヨーロッパ中の出版社や演奏会企画者から作曲委嘱が殺到、ついに過労で亡くなってしまったという名匠だけに、古典派好きのクラシック・ファンには熱狂的なファンも少なくない。
 今回は管楽八重奏だけでなく、珍しくフルート(トラヴェルソ)がからむ曲もちらほら。この手の曲はやはり、ピリオド楽器でないとうまく面白みが伝わらないもの。そしてアンフィオンの面子はご存知のとおり、コンチェルト・ケルンやアムステルダム・バロック管、フライブルク・バロック管など超・名門古楽オケのメンバーばかりが居並ぶ実力派集団!作品の本質をズバリ突くような、緻密にして流麗な吹き口は誰しも必ずや魅了されるはず!本格派にして聴きやすい、極上の古典派サウンドをお求めの方につよくお薦めしたい逸品だ。
PC-10197
廃盤
ベートーヴェン(1770-1827):
 ピアノ協奏曲第1番 ハ長調Op.15
フランツ・リスト(1811-86):
 「巡礼の年第三年」より3編
 [エステ荘の糸杉/エステ荘の噴水/
  哀れならずや〜ハンガリー風に]/
 ダンテを読んで〜ソナタ風幻想曲
 (「巡礼の年第二年:イタリア」より)
ジル・ヴォンサッテル(P)
ユライ・ヴァルチュハ指揮
ジュネーヴ室内o.
PC-10198
廃盤
ベートーヴェン(1770-1827):
 弦楽四重奏曲第1番 Op.18-1/
 弦楽四重奏曲第2番 Op.18-2
ミケランジェロSQ
[ミハエラ・マルティン(Vn)
 ステファン・ピカール(Vn)
 今井信子(Va)
 フランス・
  ヘルマーソン(Vc)]
アントニオ・ソレル神父(1678-1741):チェンバロのための作品集
 プレリュード第1番 ニ短調/ファンダンゴ/ソナタ ニ長調 SR74/ソナタ ト短調 JN11/
 ソナタ ハ短調 SR18/ソナタ ト短調 SR81/ソナタ ニ長調 SR37/ソナタ ロ短調 SR10/
 パストラル 変ホ長調(ソナタSR96より)/ソナタ 嬰ヘ長調 SR90:アレグロ(快速に)/
 プレリュード第7番 ハ短調/ソナタ ハ短調 SR100/プレリュード第5番 ニ長調/
 ソナタ ニ長調 SR84:アレグロ(快速に)/メヌエット ニ長調(ソナタSR92より)
  ディエゴ・アレス(Cemb)
 使用楽器:セビリャのF.P.ミラバル1734年製作モデル。D.スカルラッティの後をひくスペイン・ロココの大家ソレル、「ファンダンゴ」をはじめとするエキサイティング&エキゾチックな響きだけではなく前古典派随一の「うたごころ」をたおやかに描き出してみせた、同郷の新世代古楽奏者。
ヨハネス・ブラームス(1833-1897):
 ヴィオラ、チェロとピアノのための
  三重奏曲 イ短調 Op.114/
 二つの歌曲 Op.90/
 ヴィオラとピアノのためのソナタ
  第1番 ヘ短調 Op.120-1/
 ヴィオラとピアノのためのソナタ
  第2番 変ホ長調 Op.120-2
トーマス・リープル(Va)
ジルケ・アーフェンハウス(P)
ミシェル・ブレート(Ms)
グスタフ・リヴィニウス(Vc)
 すばらしい集中力で突き進み、底知れないアダージョで聴く者をとりこにする。いかんなきウィーンの名手、完膚なきまでの極上ブラームス解釈。共演陣も実力派揃い、殆ど録音のないクラリネット三重奏曲のヴィオラ版も含め、「本場の響き」は極上そのもの。さりげなく歴戦の実力者ばかり連れてくるスイスの Pan Classics、今度はドイツの気鋭若手陣営に加え、堂々ソリストにザルツブルクの名教師=ウィーン弦楽六重奏団の鉄壁ミッドフィルダー、トーマス・リープル(Va)を迎えてブラームスの傑作ヴィオラ作品集をリリースしてくれた。
 同レーベルではウィーン弦楽六重奏団の一連の名盤のほか、イザベル・ファウストと組みパガニーニの同時代人ロッラのデュオ集を録音(PC-10172)、絶妙の室内楽を聴かせてくれたものだが、やはりブラームスの名曲となると、さらに丹精こめて万全の体制で録音に臨んだもよう。歌曲伴奏でも良い仕事をするアーフェンハウスのピアノをよく引き立てながら、ひたすら身のある音の珠を艶やか&深々と繋げてゆく、ヘンに構えない室内楽的親密さに貫かれながら、どこをとっても全くスキのない解釈。ヴィオラ・ソナタ2曲は気合十分の対決的解釈より、こういう親密極上系の解釈が合うなあと、聴きながら感じ入らずにはおれない。
 ちなみに本盤、ヴィオラ・ソナタ2曲以外の収録曲がそれぞれに素晴らしく。ブラームスの室内楽がいかに歌曲的要素に満ちているかを示すかのごとく、合間に収録された歌曲2編の歌い手はウィーン弦楽六重奏団の『ヴェーゼンドンク歌曲集』で独唱をつとめ、2006年のウィーン国立歌劇場来日にも随行した名歌手ミシェル・ブレート。さらに注目すべきは、クラリネット・ソナタ同様ブラームス自身がヴィオラ版を提案していながらクラリネットでばかり録音される三重奏曲Op.114のヴィオラ版。仕事人リヴィニウスのチェロも美しく、しっとりまとまる充実感あふれる室内楽解釈は、玄人筋にも安心してお勧めできるクオリティ。暖かい室内でじっくり傾聴するのにぴったりの素晴らしい室内楽体験が詰まった一枚。
R.F.エーアヴァイン伯爵の楽譜コレクションより
 エンリーコ・アルビカストロ(1660頃-1706):
  変則調弦ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ
   第9番 ニ短調
 ヨーハン・ヤーコプ・シュネル(1687-1754):
  ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための
   ソナタ ニ長調
 フィリップ・ハインリヒ・エルレバッハ(1657-1714):
  ヴィオリーノ・ピッコロ、ヴィオラ・ダ・ガンバと
   通奏低音のためのソナタ第6番 ヘ長調
 ヨハン・カスパー・フェルディナント・
  フィッシャー(1656-1746):
   チェンバロ独奏のための組曲「ウラニー」
 伝ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750):
  ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ハ短調
 作者不詳(1722年成立の手稿譜より):
  ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための
   6つの小品
 ヨーハン・ゲオルク・ピゼンデル(1687-1755):
  ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調
 ヨーハン・グラーフ(1688-1750):
  ヴァイオリンと通奏低音のためのアレグロ
アンサンブル・コルダルテ
 ピリオド楽器使用。ガット弦の振動が、えもいわれぬ“手触りを感じる "音色をつくりだす。古楽都市ケルンを中心に多くの一流古楽アンサンブルで活躍、きわめて多忙な日々を送るピリオド楽器奏者3人の絶品アルバム。バッハが好きでガット弦の響きがたまらないという人なら、絶対気に入る1枚。18世紀ドイツ中部の古楽愛好家、エーアヴァイン伯爵(プラッティやピゼンデルの重要なパトロンだった人)が溜め込んだ膨大な楽譜コレクションから、バロック・ファンの心をわしづかみにする傑作だけを厳選。ダニエル・ドイターの3種のバロック・ヴァイオリン(グヮルネリとクレモナの秀逸コピー&18世紀ドイツのオリジナル)、マティアス・メルクルのチェンバロ(B.ケネディによるミートケのコピー)、ハイケ・ヨハンナ・リントナーのガンバ(1591年モデルのコピー)それぞれにソロがある、無駄はいっさいなし、この3人編成でできる可能性を極限まで追求しつくして、ひたすら多彩なピリオド楽器特有の魅力を堪能させる。全ての瞬間が「鮮烈」そのもの。作曲年代がだいたいバッハの活動期間とカブっているせいか、すごく馴染み深い曲作りのトラックばかり。バッハ作とは同定していないソナタの作者を聴きあてるもよし、ガンバの渋さに唸るもよし、ヴァイオリンの聴き比べもまた楽し。
PC-10205
(2CD)
廃盤
ベートーヴェン(1770-1827):
 弦楽四重奏曲修 Vol.2

 [第3番 Op.18-3/第4番 Op.18-4/
  第5番 Op.18-5/第6番 Op.18-6]
ミケランジェロSQ
[ミハエラ・マルティン、
 ステファン・ピカール(Vn)
 今井信子(Va)
 フランス・ヘルマーソン(Vc)]
音楽宮殿クロムニェジーシュ城
 〜鳴り響く弦、戦う弦、嘆きの弦

 ケルル:3声のカンツォーナ
 ポリエッティ:4声のソナタ ト短調/
  3声のソナタ ハ長調/2声のソナタ ニ長調
 作曲者不詳:アリア ニ長調
 P.J.リットラー:3声のソナタ ト長調
 J.フィッシャー:4声のバレット
 ベルターリ:3声のソナタ
 ポリエッティ:2声のソナタ ニ短調/
  4声のソナタ ニ長調
 シュメルツァー:嘆きのソナタ 変ロ長調
 伝ケルル:3声のソナタ ヘ長調
 ベルターリ:2声のソナタ ホ短調
 ケルル:3声のソナタ ト短調
ダニエル・ドイター
 (バロック・ヴァイオリン/
  ヴィオリーノ・ピッコロ)
アンサンブル・コルダルテ
 (ピリオド楽器使用)
 古楽都市ケルンの最先鋭アンサンブル、ぐっと南に下ってきた チェコの有名な楽譜コレクションから、めずらしく弦楽器のための作品ばかりを厳選。ヴィオリーノ・ピッコロやガンバなど、羊腸弦の味わいを堪能できるクールなアンソロジー。
 ムジカ・アンティクヮ・ケルンやコンチェルト・ケルンを例にあげるまでもなく、あのゴシック大聖堂で有名なドイツ北西部の都市ケルンは、ドイツでもとくに古楽がさかんな街。そこで熾烈な競争を勝ち抜いてきた気鋭奏者たちが集うアンサンブル・コルダルテ。すばらしい快進撃で早くも3作目となるこのアルバム、テーマは「クロムニェジーシュ城」。かの巨匠ビーバーが、「ロザリオのソナタ」を捧げたザルツブルク司教のところに落ち着く前の勤め先で、今では17世紀ドイツ語圏や北イタリアの器楽作品の膨大な楽譜コレクションがあることで有名なお城。ビーバーを雇った音楽愛好家オルミュッツ司教の蒐集した、ここにしか残存例がない曲も多い貴重な蔵書だが、管楽器のための楽譜で知られるこのコレクションから、コルダルテは弦楽器のための注目すべき秘曲ばかり選び出し、ヴィオラ・ダ・ガンバ、アルト・ヴィオールやヴィオリーノ・ピッコロなど珍しい弦楽器も駆使しながら、丁々発止、あるいは歌心ゆたかに、味わいぶかくもエッジの効いたガット弦サウンドを交錯させて行く。ヴァイオリン一辺倒にはせず、小編成ながらヴァラエティ豊かに飽きさせないのがニクいところ。リュート属はなく撥弦楽器はバロック・ハープのみ、この音色が際立つあたりも楽器フェチにはたまらないところだろう。作品は17世紀中〜後半からのもので、嬉しいことにケルル、ポリエッティなど、鍵盤作品ばかりがとりあげられる作曲家の合奏曲もぞくぞく盛り込まれている。なお、手際よくまとまった解説文執筆はMAKのラインハルト・ゲーベル、もちろん邦訳つき。
ベートーヴェン:三重奏曲 Op.25〜
 フルート、ヴァイオリンとヴィオラのための
モーツァルト:フルート四重奏曲第1番 KV285
ロッシーニ:弦楽ソナタ第4番〜
 フルート、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロによる
バッハ:クラヴィーア練習曲集第3巻〜
 三つのコラール BWV641・659・680
リノルトナー:シュタイアー地方の民謡さまざま〜
 フルート、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための
レナーテ・リンオルトナー(Fl)
服部譲二(Vn)
ヨハネス・フリーダー(Va)
ベルンハルト・直樹・
 ヘーデンボルク(Vc)
 なぜかめったに録音されないベートーヴェン初期のセレナードは、もうマスト。ウィーン暮らし→スイス在住のエンジニアが「これぞウィーンの感じ」と太鼓判を押した雰囲気満点、愉悦とニュアンスあふれる、ぜいたくな極上室内楽のひとときを。
 本盤の主役となるフルート奏者は、ウィーン・フィルのシュルツと名教師ギスラーからウィーン直系の伝統を学び、ウィーン国立歌劇場のピットで活躍しているリンオルトナー。彼女のテンポ感が、このアンサンブルの絶妙室内楽の感じをリードしているのだろう。プログラムで何と言っても嬉しいのは、ベートーヴェンの三重奏セレナードが収録されていること かなり昔にP-L.グラーフが録音して以来、英国勢の新録音がぽつ・ぽつと出たきり録音されないこの充実秘曲を、こんなに高雅な演奏で聴けるのは有難い限り。さらに巻末にはシュタイアー地方(カール・ベームの故郷グラーツの周辺)に伝わるポルカやワルツの編曲も収録、音楽大国オーストリアの「血」を生き生きと感じさせる
トリプル・ハープにのせて歌う、
 イタリア初期バロックの“語り歌 "さまざま

 天におられる神に祝福あれ(ギッゾーロ)
 神は偉大な光を二つ、お造りになった(マロッタ)
 讃えよう、かの人を(カリッシミ)
 トッカータ*(ランバルディ)
 大海原、風は逆巻き(ストロッツィ)
 ヴァニタス・ヴァニタトゥム(カリッシミ)
 もろびと、喜び沸きあがれ(ギッゾーロ)
 誰が、あなたをわたしの兄弟に(マロッタ)
 沸きあがれ、もろびと(トレヴィゾ)
 わたしを放っておいて頂きたい(カプアーナ)
第2トッカータ*(M.ロッシ)
 口づけせよ、祝福されたる罪人よ(ディンディア)
 眠る時間がやってきた(メルラ)
第2ストラヴァガンツァ*(ド・マック)
第1ガリアルダ*(ド・マック)
 いとしい人がわたしに言う(ディンディア)
 わが心は焦がれている(サンチェス)
 今日この日、天の諸聖人は喜びに沸く(ロヴェッタ)
アンサンブル・サヴァーディ
 (ピリオド楽器使用)
ウルリケ・ホフバウアー、
クリスティーネ・ヤウナルクスネ
 (S)
マリー・ブルニジアン(Hp)
カール・マリア・フォン・ウェーバー(1786-1826):
 クラリネット協奏曲第1番 Op.73-1/
 クラリネット五重奏曲 変ロ長調Op.34
ハインリヒ・ヨーゼフ・ベールマン(1784-1847):
 クラリネット五重奏曲 変ホ長調Op.23
シャーリー・ブリル(Cl)
テレプシコルド四重奏団
パトリック・ランゲ指揮
ジュネーヴ室内o.
 余裕綽々にして隆々・端麗。マイヤーの充実度とストルツマンのウィットをみごと受け継ぐ美しき新星、ジュネーヴから登場。初期ロマン派の愉悦とドラマを鮮やかに織り上げる。弦は気鋭集団テレプシコルド、オケも鮮烈・ジュネーヴ室内管。
 ジュネーヴ国際コンクールと、スイス随一の老舗時計メーカー・ブレゲの協賛で制作される Pan Classics のコンクール入賞記念アルバム新作プログラムの2/3 を占める室内楽作品では、先日ピリオド楽器によるシューベルトの弦楽四重奏曲集(MRIC-272)をリリースした新世代集団、テルプシコルド四重奏団が登場。むしろこちらが主役でもおかしくないくらいの抜擢で、立派な立ち回りをみせてくれる。指揮はベルリン・コーミシェ・オーパーの音楽監督、マーラー室内管でアバドのアシスタントも務めた新進パトリック・ランゲ。2008年シーズンからジュネーヴ室内管の音楽監督となった彼のタクトも端正かつドラマティックで、年を追うごとに緊密な音作りをするようになってきた同室内管のうまみを引き出して絶妙。
 シャーリー・ブリルはイスラエル出身、ザビーネ・マイヤーとリチャード・ストルツマンのもとで腕を磨いた才色兼備の気鋭。初めて聴いたら若手とは思えないくらい堂々、貫禄たっぷりの音作りをしてみせる人考えなしに吹くと凡庸の極致となるウェーバーの「俗っぽさと浪漫のはざま」を、かくも周到に読み解き、絶妙の音楽にしてしまう。さらに嬉しいのは、ウェーバーにこれらの曲を書かしめたクラリネットの名手ベールマンの隠れ名作が聴けること。自己主張に終わらぬ新世代の才能、期待
ヴィオラ・ダ・ガンバは、リュートの妹
 無伴奏ガンバで弾く、リュート作品とオリジナル作品

 ダウランド:ダウランド氏の深夜/ラクリメ
 コーキン:ウォルシンガム/
  わたしを傷つけぬ良き人は誰/もし、わたしの不平が
 ヒューム:ピーターの喜び第1部・第2部/死/いのち
 不詳/ゴエス写本より:プレルディウム1
 オトマン:バレ
 ドマシー:プレリュード
 サント=コロンブ2世:ロンド風ファンタジー
 デュフォー:サラバンド
 不詳/ゴエス写本より:プレルディウム2
 ボケまたはゴーチエ:サラバンド
 サント=コロンブ:プレリュードとシャコンヌ
 アーベル:「29の小品集」より3篇
  [アルペッジャータ WK205/アダージョ WK209/
   アレグロ WK208]
 ヴァイス:サラバンド「プラハにて」
 テレマン:「忠実なる音楽の師」第15・16 レッスン:
  無伴奏ガンバのためのファンタジア
レベッカ・ルソー
 (各種ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 これぞ、本物の無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバ。パンドルフォのもとで静かに実力を養い、いまや百戦錬磨のスーパープレイヤーが、ようやくソロ・アルバムを発表。しかも企画からして注目度高し。無伴奏ガンバで聴く、リュート作品の仕上がりとは?。
 原題は英国ルネサンスきってのガンバ作曲家ヒュームの作品名からとって『やさしく触れて』。しかしこの曲、本盤には収録されていない。で、さしあたり上記タイトルを日本語仮題に(原文解説のタイトル)。チェロと同じ向きに立てて、両足ではさんで弓で弾くヴィオラ・ダ・ガンバだが、何しろその最盛期は16〜17世紀で、この頃はまだチェロは“新興楽器 "だった。弦の数でも演奏語法でも、あるいは同属合奏をする点でも、ガンバはむしろ(同じ頃に人気を博した)リュートの方に近い、というのが本盤の立脚点。そしてじっさい、オーストリアにある『ゴエス写本』にはリュート独奏曲をガンバ独奏のために編曲した作品が含まれており、それらをプログラムに編み込みつつ、ヴァイスやダウランドなどのリュート独奏曲を奏者自身が編曲したトラックやガンバ独奏のオリジナル作品もまじえて、リュートとガンバの関連性を“無伴奏 "で探ってゆこうという企画である。アルト・ガンバと2種類のバス・ガンバを駆使して展開される無伴奏のミクロコスモスたるや、息を呑まずにはおれぬほどの精妙さ。「大御所でなくては“無伴奏ガンバ "は難しいか…」とお考えの方にもぜひおすすめ、というかレベッカ・ルソーという人がすでにその大御所の域に達しつつあるのか、静かにさらりと、しかし奥深く。エモーショナルなガンバではなく、こういうのこそ無伴奏の良さなのだろう。
ヴァイオリン、バスと通奏低音
〜17世紀後半、ドイツ中期バロックのすべて〜

 ニコラウス・ブルーンス(1665-97):
  神よ、わが心は揺るぎません
 ディートリヒ・ブクステフーデ(1637-1707):
  ソナタ イ短調 BuxWV272
 フランツ・トゥンダー(1614-67):
  オルガン独奏のためのカンツォーナ/
  めでたし、慈悲あふるる天の父よ
 ハインリヒ・シュメルツァー(1623-80):
  ソナタ第9番 イ短調
 ヨハン・パッヘルベル(1653-1706):
  おお主よ、わたしには敵がなんと多いのだろう
 作者不詳:
  ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ
 ヨハン・ローゼンミュラー(1649-84):
  イェルサレムよ、主を讃えよ
 ヨハン・クリーガー(1651-1735):
  チェンバロ独奏のためのファンタジア ハ長調
 ヨハン・フィリップ・クリーガー(1649-1725):
 第1ソナタ ハ長調
 ハインリヒ・イグナッツ・フランツ・
  ビーバー(1644-1704):
  ニジ・ドミヌス(主が家を建てるのでなければ)
Ens.コルダルテ(ピリオド楽器使用)
ペーター・コーイ(B)
ダニエル・ドイター(Vn)
マルクス・メルクル
 (Cemb/Org)
ハイケ・ヨハンナ・リントナー
 (Vg)
ジョヴァンニ・モッシ(1680-1742):
 ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集 Op.1
 (1716アムステルダム刊)
より
 [第1番 ニ短調/第9番 変ロ長調/第2番 イ長調/
  第10番 ハ短調/第5番 ロ短調/第12番 ニ長調]
ライラ・シャイェーグ(Vn;*)
イルゼ・グラドゥレ(Vc)
イェルク・ハルベク(Cemb)
 ピリオド楽器使用。使用楽器:グァルネリ1675年オリジナル(*)。ヴィヴァルディやタルティーニだけじゃない。 イタリア・バロックのヴァイオリン・ソナタであえて録音されるに至る音楽に、ハズレなし。
ベラ・バルトーク(1881-1945):
 ヴィオラ協奏曲(最新校訂版)
アルノルト・シェーンベルク(1874-1951):
 浄夜(弦楽合奏版)
パウル・ヒンデミット(1895-1963):
 白鳥を焼く男〜ヴィオラと小管弦楽のための
今井信子(Va)
ガボール・タカーチ=ナジ指揮
ジュネーヴ高等音楽学校o.
 世界的ヴィオラ・プレイヤー今井、ついに世に問う王道中の王道、二つの近代傑作――。最初の1音から、明らかに「格」が違う。一瞬にして聴き手をひきつける、この求心力…青少年楽団がどんどん勢いを増す、彼女の存在感の強烈さを感じさせる、稀有の名演!
タドイス・ヴォルフガング・フォン・
 デュルニッツ〔デュルニッツ男爵〕(1756-1807):
  ファゴットとピアノのためのソナタ集

  [第1番 変ロ長調/第2番 変ホ長調/
   第3番 ト長調/第4番 ヘ長調/
   第5番 ト長調/第6番 ハ長調]
セルジオ・
 アッツォリーニ(古典派Fg;*)
エドアルド・
 トルビアネッリ(Fp;#)
 使用楽器:1770年製オリジナル(*)/シュタイン・モデル(#)。モーツァルトと同い年、ミュンヘンで「デュルニッツ・ソナタ」を献呈された男爵さまは支払いは悪いが音楽センスはズバぬけて秀逸、実は作曲まで天才的にウマかった。現代最高の古楽ファゴット奏者、天才古楽鍵盤奏者と愛情たっぷり、超・名演に仕上げる。
ヨハネス・ブラームス(1833-97):
 ヴァイオリンとピアノのための
  ソナタ第1番 ト長調Op.78「雨の歌」(1878)/
 スケルツォ〜「F.A.E.のソナタ」より
ベーラ・バルトーク(1881-1945):
 ヴァイオリンとピアノのためのソナタ Sz.75(1921)
矢野玲子(Vn)
セルゲイ・クズネツォフ(P)
ジュゼッペ・マリア・カンビーニ(1746-1825):弦楽五重奏曲集
 [第1番 変ホ長調/第3番 ハ短調/第23番 ト長調]
 アンサンブル・アントラクト
 [プラメナ・ニキタソヴァ、ファニー・ペスタロッツィ(Vn)
  エマニュエル・カロン(Va) ドゥニ・セヴラン、フェリクス・クネヒト(Vc)]
 ピリオド楽器使用。ウィーン古典派3巨匠の同時代人で、彼らに比しうる腕前を誇った数少ない、名前だけはご存知の方も少なくないだろうラテン系の名匠。木管五重奏曲の先駆者は、弦楽器の扱いの方が巧かった? 精緻さ・爽快感・情感、すべてピリオド楽器演奏で明かする。
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ヨーゼフ・アントン・シュテファン
 (ヨセフ・アントニーン・シュチェパーン
; 1726-1797):
 ディヴェルティメント(ソナタ) 変ホ長調 Op.1-6/ソナタ 変ホ長調/ソナタOp.3 II-1 /
 ソナタ ト長調/カプリッチョ第5番(ハ短調/ ト長調)/ソナタ 変ロ長調/
 カプリッチョ第4番(イ長調)/ソナタ イ長調/カプリッチョ第3番 ト長調/
 ソナタ 変ホ長調 ソナタ ト長調/ ト短調 Op.3 I-1
  エドアルド・トルビアネッリ(Fp)
 この名匠を知らずして、ウィーン古典派は語れない。 おそらく鍵盤書法にかけてはハイドンもモーツァルトも、この先輩作曲家の“二番煎じ "とさえ言えるのでは。名手シュタイアーも一目置いた驚くべき境地を、縦横無尽のシュタイン・ピアノ演奏で。
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アシュケナージ親子〜モーツァルト(1756-91):
 クラリネット協奏曲 イ長調 KV591/
 ピアノと管楽器のための五重奏曲 変ホ長調 KV452
ヴラディミール・
 アシュケナージ(P)指揮
チェコpo.
ドミトリー・
 アシュケナージ(Cl)
フランツィスカ・ファン・
 オーイセン(Ob)
オティス・クレバー(Fg)
マルティン・ロース(Hr)
 名門チェコ・フィルと巨匠アシュケナージ、しかも指揮のみならず、ピアノ独奏までも! 隅々まで磨き抜かれた解釈、パートナーも稀代の才能を誇る息子ドミトリーはじめ、自然体にしてスキのない、さりげなく超一流のモーツァルトを存分に味わえる極上の1枚。
 #レーベルでは廃盤となっており、流通在庫限りの供給のため高額となります。また、ご注文時に入手できなくなっている場合はご容赦下さい。
イタリア、中世からルネサンスへ〜 14-15世紀イタリアのアルス・ノーヴァ芸術
 パオロ・ダ・フィレンツェ(1355頃-1436):喜べフィレンツェ
 作曲者不詳(ロッシ写本):きらめく星よ/おお美しき薔薇、天使の真珠(*) /おお美しい薔薇よ/愛の神が私を歌わせる
 ジョヴァンニ・ダ・フィレンツェ(14世紀):おおやさしいエノキよ
 ヤコポ・ダ・ボローニャ(14世紀):
  おお、世界は何も見えておらず、へつらいに満ちている(*) /力あふれる君主の御世にて/
  あなたの穏やかな瞳の光が/緋色に輝く光の筋が/あなたがたは正義を愛したまえ
 プロヴォスト・ダ・ブレーシア(15世紀初頭):愛らしい天使の瞳が
 フランチェスコ・ランディーニ(1325-1397):恋するおとめ、憐れみを垂れてくれたら(*) /しとやかな乙女よ
 バルトリーノ・ダ・パドヴァ(14-15世紀):新たなる帝国は、星々のあいだ(*)
 アンドレア・ダ・フィレンツェ(14世紀):傷つきやすい少女の年ごろに
 フランチェスコ・ランディーニ(1325-1397):なんと心は痛む、叶わないなら(*)
 作曲者不詳(レイナ写本):ご婦人よ、私がこころを / ベルトラム・フェラギュ(1385頃-1450):フランスの貴族に
 ヨハネス・チコーニア(1370頃-1412):天からもたらされたあらゆる苦難を越えて/パドヴァの偉大な子が

 ロレンツァ・ドナディーニ(歌)総指揮アンサンブル・ペルラーロ
 ジョヴァンニ・カンタリーニ、アニエシカ・ブジィンスカ=ベネット(歌)
 エリザベス・ラムジー、マルク・レヴォン(ヴィエル、ピック式リュート)
 録音:2008年/現地発売:2010年。ピリオド楽器使用。(*)の説明がアナウンスに記載されていないが、おそらく器楽作品を意味している。ネーデルラントばかりがクローズアップされるルネサンスだが、実はすでに14世紀から活況は始まっていた。フランス語圏とのつながりも強かったイタリアのアルス・ノーヴァ芸術を古楽教育の拠点バーゼルで腕を磨いてきた異才たちがあざやかに料理。なんと美しい響き。
ゴットフリープ・ムファット:オルガン作品集〜女帝マリア・テレジアのオルガン芸術家
 第1トッカータ ニ短調/第1リチェルカール ニ短調/第14トッカータ ト短調/第29リチェルカール ト短調/第3トッカータ イ短調/
 第11カンツォーナ ホ短調/ イ短調/第15カプリッチョ イ短調「望みなくして」/第5トッカータ ハ長調/
 第5カプリッチョ ハ長調(足鍵盤付)/第12カンツォーナ ハ長調/第18トッカータ ヘ長調/第18カプリッチョ ヘ長調/
 第28リチェルカール ヘ長調/第6カプリッチョ ヘ長調(足鍵盤付)/第10トッカータ ハ短調/第10カプリッチョ ハ短調/
 第25リチェルカール ハ短調/第7トッカータ ニ長調/第3カンツォーナ ニ長調/第7カプリッチョ ニ長調/第4トッカータ ホ短調/
 第27リチェルカール ホ短調/第20トッカータ ト長調/第5カンツォーナ ト長調/第23リチェルカール ト長調

  イェルク=アンドレアス・ベッティヒャー(Org)
 使用楽器:スイス・ムーリ修道院の三つの歴史的オルガン。少年ハイドンが聖歌隊にいたころのウィーン宮廷には、バッハよりも古めかしく堅固なオルガン芸術家がしっかり活躍していた。センス抜群の自然なタッチでその「音楽としての美しさ」に気づかせてくれるのは、ドイツ気鋭の経験豊かな超実力派。
フランス近代、巨匠たちのクラリネット作品
 ガブリエル・ピエルネ(1863-1937):
  セレナーデOp.7/バレエ音楽「シダリーズと牧羊神」〜アンダンテ・コン・エレガンツァ/
  ト短調の小品/カンツォネッタOp.19
 ウジェーヌ・ボザ(1905-1991):イタリア幻想曲/牧歌/アリア/クラリベル
 フィリップ・ゴベール(1879-1941):幻想曲/二つの小品
 ジェルメーヌ・タイユフェール(1892-1983):
  バレエ「新しきシテール島」〜3つの舞曲/アラベスク
 クロード・ドビュッシー(1862-1918):ささやかな小品/第1狂詩曲
  デュオ・ブリラーナー[シャーリー・ブリル(Cl) ヨナタン・アーナー(P)]
 シャーリー・ブリルの本格録音、クラリネットの艶やかさ、堅固な室内楽的美質、選曲の妙、すべて文句なしの1枚。
パーセル(1659-1695):
 4声部のパヴァーン ト短調 Z.752/4声部の組曲第3番 ト長調 Z.662/3声部のパヴァーン ト短調 Z.751/
 音階によるグラウンドZ.645(*)/3声部のソナタ第7番 ホ短調 Z.796/3声部のパヴァーン イ短調 Z.749/
 4声部のファンタジア第3番 ト長調 Z.734/3声部のソナタ第6番 ハ長調 Z.795/
 4声部のファンタジア第2番 ヘ長調 Z.733/4声部のソナタ第4番 ニ短調 Z.805/
 4声部のチャコニー(シャコンヌ) ト短調 Z.730/プレリュードとグラウンド「汝、歌心あるムーサよ」Z.344/
 4声部のソナタ第5番 ト短調 Z.806/組曲第7番 ニ短調 Z.668(*)/グラウンド上で3声部(4声部のグラウンド)Z.731

  ダニエル・ドイター、マルグレート・バウムガルトル(Vn)他
  Ens.コルダルテ マルクス・メルクル(Cemb)
 (*)はチェンバロ独奏曲。ピリオド楽器使用。これだけ魅力がありながら、どうにも見過ごされがちな英国バロック最大の大家、ヘンリー・パーセルの室内楽曲。イタリア様式をいちはやく咀嚼、しかし上品なウィットはやはり英国独自の物。古楽復興の拠点ケルンの俊才の極上解釈で。
カルロ・ジェズアルド(1566-1613):5声のマドリガーレ集 第6巻(1613)
 アラン・カーティス(スピネット)指揮Ens.イル・コンプレッソ・バロッコ
 [エレーナ・チェッキ・フェーディ、ロベルタ・インヴェルニッツィ(S) ロベルト・バルコーニ(CT)
  ダニエラ・デル・モナコ(A) ジャンパオロ・ファゴット、ジュゼッペ・ザンボン(T)
  ジョヴァンニ・ダニーロ(B) パブロ・ヴァレッティ、カルラ・マロッタ(Vn)
  アンドレア・アルベルターニ(Va) ガエターノ・ナジッロ(小型Vc) アンドレア・フォッサ(Vc)
  マーラ・ガラッシ(トリプルHp) ピエル・ルイージ・チャッパレッリ(テオルボ)]
 録音:1994年。前出: SYMPHONIA (Italy), SY-94133。ピリオド楽器使用。初出当時、世界初のディジタル録音だったもの。
ゲオルク・ヴィルヘルム・グルーバー(1729-1796):
 鍵盤と合奏のための第1協奏曲(ピアノ協奏曲) ニ長調/
 鍵盤、フルートとチェロのためのソナタ第4番 ニ長調/
 鍵盤と合奏のための第2協奏曲(ピアノ協奏曲) ヘ長調
  アルテュール・スホーンデルヴルト(Fp) Ens.クリストフォリ
 ピリオド楽器使用。「Alphaの異才」スホーンデルヴルト。初期古典派時代につちかわれたノウハウをたっぷり詰め込んだ、思わぬ町からの贈り物。職人の町ニュルンベルクは、ウィーンやロンドンよりずっと前から「ピアノの聖地」だった。
フランチェスコ・ジェミニアーニ(1687-1762):
 チェロと通奏低音のための6つのソナタ Op.5 (1746, パリ)
  ガエターノ・ナシッロ(Vc) イェスパー・クリステンセン(Cemb)
  トビア・ボンズ(Vc;通奏低音)
 録音:2000年。前出: SYMPHONIA (Italy), SY-00182。作曲家&奏者表記・曲目・コメント等はSYMPHONIAレーベルの前・代理店に拠ります。
 当時、SYMPHONIAからすでにボッケリーニのチェロ・ソナタ集を2枚リリースし、エンリコ・ガッティ率いるアンサンブル・アウロラのメンバーとしてバッハの「音楽の捧げもの」の超名演(ARCANA)にも参加していたナシッロが、バロック・チェリストとしての真価を問われるジェミニアーニのソナタに挑戦したアルバム。
Baroque Extravagances 〔旧題:コンソナンツェ・ストラヴァガンティ(妙なる調和)〕
 イタリア音楽における〔旧・17世紀ヴェネツィアとナポリの〕ヴィオール・コンソート〔音楽〕

 アントニオ・ヴァレンテ(1520頃-1581): Tenore de Zefiro
 マルコ・アントニオ・フェッロ(1600頃-1662): Sonata 10
 カルロ・ジェズアルド(1566?-1613): Gagliarda del Principe di Venosa
 フランチェスコ・マリア・バッサーニ(1650頃-1700頃): Tocata del Signor Oratio Bassani
 ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ(1575頃-1647): Partite sopra Fedele / Consonanze stravaganti
 G.B.ヴィターリ(1632-1692)、ピッチニーニ(1566-1638頃)、ストラーチェ(17世紀):チャコーナ
 グレゴリオ・ストロッツィ(1615-1687): Gagliarda terza
 ジョヴァンニ・サルヴァトーレ(1610頃-1688): Canzone Francese terza
 ベルナルド・ストラーチェ: Ballo della Battaglia / ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ:Canzoni Francesi
 ジョヴァンニ・バッティスタ・ブオナメンテ(1595-1642): Ballo del Gran Duca
 ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ: Durezze et ligature

  グイード・バレストラッチ指揮ラモローゾ
  [グイード・バレストラッチ(ソプラノ・ヴィオール/Vg) アルバ・フレスノ(テナー・ヴィオール)
   ロドニー・プラーダ(ソプラノ・ヴィオール/テナー・ヴィオール/ヴィオローネ)
   ジョルディ・コメリャス、ロベルト・ランボ(Vg) ジョアッキーノ・デ・パドヴァ(ヴィオローネ)
   今村泰典(テオルボ/バロックG) マッシミリアーノ・ラシェッティ(Cemb/Org)
   アルベルト・マッキーニ(Perc)]
 録音:1998年。初出時の世界初録音。前出: SYMPHONIA (Italy), SY-98161。作曲家&奏者表記等はSYMPHONIAレーベルの前・代理店に拠ります。
 リコーダー奏者で古楽アンサンブル主宰のセルジョ・バレストラッチを父にもつグイードは、パオロ・パンドルフォにヴィオラ・ダ・ガンバを師事した。今村泰典が主宰するフォンス・ムジケのメンバーとして来日したこともある。
トマス・ルイス・デ・ビクトリア(1548頃-1611):死者のための聖務曲集(1605)
 〔わが魂は萎え(レクツィオ;4声)/死者のためのミサ(レクイエム;6声)/
  悲しみのうちに引き戻され(モテット;6声)/われを解き放ちたまえ(レソポンソリウム;6声)〕

 セルジョ・バレストラッチ指揮ラ・スタジオーネ・アルモニカ
 パオロ・トニョン(Fg) アレッシオ・ランドン(グレゴリオ聖歌唱)指揮
 スコラ・グレゴリアーナ・デ・ラ・スタジオーネ・アルモニカ
 録音:2001年頃/初発売:2002年。ピリオド楽器使用。前出: SYMPHONIA (Italy), SY-01190。作曲家&奏者表記・曲目(内)詳細・コメントはSYMPHONIAレーベルの前・代理店に拠ります。
 気鋭のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者グイード・バレストラッチの父、セルジョ・バレストラッチが率いるイタリアのアンサンブルによる、スペイン・ルネサンスを代表する名曲。グレゴリオ聖歌を挿入し礼拝の雰囲気を再現している。
ベルナルド・パスクイーニ(1637-1710):オラトリオ「カインとアベル」
 〔アレッサンドロ・ストラデッラ(1639-1682):ソナタ第6番(*) /
  アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713):4声のソナタ WoO.2 (#) 〕
 アンドレアーナ・ガランテ、ナディア・ラーニ(S) クラウディオ・カヴィーナ(CT)
 ジャン・パオロ・ファゴット(T) フリオ・ザナージ(B) アッティリオ・クレモネージ(Org)
 アレッサンドロ・デ・マルキ(Cemb)指揮イル・テアトロ・アルモニコ
 録音:1990年。初出時の世界初録音。前出: SYMPHONIA (Italy), SY-90S01奏者表記等はSYMPHONIAレーベルの前・代理店に拠ります。(*)を序曲、(#)を楽章別にオラトリオの場面毎に挟んでの構成。
ラインハルト・カイザー(1674-1739):愛されしアドニス(1697)/ヘルクレスとヘベ(1699)
テレマン(1681-1767):
 笑うデモクリトゥス(1704)/はかないマーリオ(1709・4曲)/不幸なアルクメオン(1711・4曲)/
 シリアは落ち着かず(1711)/アリアドネ(1712)/溺れたエポペウス(1715)/
 王室の女羊飼いマルゲニス(1715)/アルカディアの半羊神たち(1718)
メルヒオール・ホフマン(1679-1715):
 エコーとナルキッソス(1712・2曲)/アジアのバニーゼ(1712・3曲)/
 イスメニエとモンタルド(1713)/レア・シルヴィア(1714)
ヨハン・ダーヴィト・ハイニヒェン(1683-1729):忠実な女羊飼いダフネ(1710・2曲)
作者不詳:導入曲・独唱アリア(2曲)/合奏アリア・メヌエット(6曲)/ブーレ
  ヤン・コボウ(T) ユナイテッド・コンティヌオ・アンサンブル
 おそらく新録音。ピリオド楽器使用。母のたっての願いを叶えるため、ライプツィヒ法科大学に入学したテレマン。しかし音楽への情熱やみがたく、明けてもくれても音楽三昧、オペラ三昧。そんな憎めない天才作曲家の青年時代を、ドイツ屈指の古楽歌手があざやかに振り返る。
Insirâf 〜13世紀のアラブ=アンダルシア音楽
 〔旧題:海の波 [Ondas do mar] 〜13世紀地中海地方の愛の歌] 〕

 作曲者不詳(13世紀): Calviv Arabia - La rosa en Florese
 ベレンギエル・デ・パロウ〔パラソル〕(1160頃活躍-1209?): Ai tal domna
 作曲者不詳: San'a darj
 マルティン・コダス(1230頃活躍):「7つのカンティガス・デ・アミゴ」〜第1番「ビゴの海の波」
 ベレンギエル・デ・パロウ: Tant m'abelis / 作曲者不詳: Mishalja - Btahi
 マルティン・コダス:「7つのカンティガス・デ・アミゴ」〜第2番「私は知らせを受け取った」
 作曲者不詳: Amuri amuri - Abenamar / ベレンギエル・デ・パロウ: De la gencor
 作曲者不詳: Peshref / ベレンギエル・デ・パロウ: Totz temoros
 マルティン・コダス:「7つのカンティガス・デ・アミゴ」〜第7番「ああ、波よ」
 作曲者不詳: Insirâf [Insiraf]
 マルティン・コダス:「7つのカンティガス・デ・アミゴ」より
  〔第5番「恋人の愛を知る人は」/第3番「美しい妹よ」〕

 ステファーノ・アルバレッロ指揮アンサンブル・カンティレーナ・アンティクァ
  [ステファーノ・アルバレッロ(Vo/チトーラ/ウード/サズ/ギターン)
   パオロ・ファルディ(Fl/チャラメッロ)
   マルコ・ムッツァーティ(サントゥール/エドゥーフェ/ベンディール/ダルブッカ)
   ジャンフランコ・ルッソ(ヴィエール/リラ)]
 録音:1998年。初出時の世界初録音曲多数。前出: SYMPHONIA (Italy), SY-98157。作曲家&奏者表記・曲目等はSYMPHONIAレーベルの前・代理店に拠ります。
モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り(1610年ヴェネツィア刊)
 モニカ・マウフ、ドロテー・ミールズ他(S) ハンス・イェルク・マンメル他(T)
 シュテファン・シュレッケンベルガー他(B) ローランド・ウィルソン指揮
 Ens. ムジカ・フィアータ、ラ・カペラ・ドゥカーレ[声楽集団]
 録音:2010年10月22日、三位一体教会、ケルン、ライヴ/現地発売:2011年。ピリオド楽器使用。ライヴの躍動感と圧倒的な精緻さ。「出れば買う」のファンも納得できるはず、俊英続々の充実全曲盤。
キューピッドとため息
 G.F.サンチェス(1600頃-1679):カンタータ「簒奪者にして暴君」(パッサカリアに基づく独唱のための)
 カッツァーティ(1616-1678):パッサカリア / カッチーニ(1550頃-1618):泉に野に
 カプスベルガー(1580-1651):トッカータ第1番 / ウッチェリーニ(1603頃-1680):ベルガマスカに基づくアリア第5番
 ダッラ・カーザ(16世紀前半-1601頃):
  チプリアーノ・デ・ローレ作のマドリガーレ「たとえ別れのときにも」のディミニューション(装飾変奏)
 ピッキ:パッサメッツォ / 不詳(16世紀)/アントネッロ編曲:スパニョレッタ
 バルバラ・ストロッツィ(1619-1664頃):ラメント「わが涙よ」(独唱のための/ピエトロ・ドルフィーノ詩)
 G.B.リッチョ(16-17世紀頃):
  フラウティーノ(ソプラニーノ・リコーダー)もしくはコルネットのためのカンツォーナ
 ファルコニエーリ(1585-1656):ああ、比べようもないほど美しい髪
 G.B.フォンターナ(16世紀後半?-1630頃):ソナタ第1番
 ピッチニーニ(1566-1638頃):シャコンヌ(主題と変奏)

  濱田芳通(コルネット/リコーダー)指揮アントネッロ
   [鈴木美登里(S) 石川かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ) 西山まりえ(Cemb/バロックHp)
    ラファエル・ボナビタ(バロックG/テオルボ) 古橋潤一(リコーダー)]
 録音:2002年6月、ピサ、聖ジョルジョ教会、24bit/96KHz 。初出・前出: SYMPHONIA (Italy), SY-0421116−17世紀イタリアの恋にまつわる世俗曲を集めたこのアルバムには、各作曲家の特徴が良く出ている代表的な作品が集められている。中でも、スパニョレッタ(レスピーギが少し変形したものが有名)や、サンチェスの「簒奪者にして暴君」、ストロッツィの「わが涙よ」、ピッチニーニの「シャコンヌ」は、このアルバムの持つ雰囲気を典型的に体現している。
ニコラ・ポルポラ(1686-1768):
 我らが救世主イエス・キリストの受難に寄せる6つのラテン語二重唱曲/
 2つのフーガ〔第5番 ト短調/第6番 ハ長調〕(クレメンティ編曲/オルガン版)
作曲者不詳(18世紀後半):ミゼレーレ
 エマヌエーラ・ガッリ、フランチェスカ・カッシナーリ(S)
 マリーナ・デ・リーゾ(A) フルヴィオ・ベッティーニ(Br)
 ステーファノ・アレージ指揮 Ens.スティーレ・ガランテ
 ピリオド楽器使用。キリスト教の暦では早春向けの作品だが、この濃密な音作りは否応なく、南国ナポリの夏の夜へと心をさそう。イタリア古楽界の押しも押されぬ実力派たちがあふれんばかりの音楽愛を傾けて刻んだ、イタリア版「ルソン・ド・テネブル」に宿る美質。
Francesc Valls: tonos divinos espanoles 〔旧題: Que estruendo 〕
 フランセスク〔フランシスコ〕・バルス(1665 or 1671-1747): A todo correr / Pues oy benignas las Luzes
 パブロ・ブルナ(1611-1679): Obras de falsas de sexto tono
 フランセスク・バルス: Quando Antonio glorioso / Sagrado portento de amor
 パブロ・ブルナ: Obra de medio registro
 フランセスク・バルス: Que estruendo de clarines / Espiritu ardiente en llamas
 ジュアン・カバニリェス(1644-1712): Tiento XII de falsas
 フランセスク・バルス: La que en el jardin serafico
 作曲者不祥(17世紀):1声のパッサカリア

  ロゲリオ・ゴンサルヴェス指揮コルテ・ミュジカル (Ens.)
 録音:2004年6月、サン=ローラン教会、ローザンヌ。前出: SYMPHONIA (Italy), SY-05215。バロック期スペインの音楽集。
PC-10245
(2CD)
廃盤
ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・ビーバー(1644-1704):
 独奏ヴァイオリン(と通奏低音)のためのソナタ集(1681/全8曲)/
 ヴァイオリンと通奏低音のための描写的ソナタ(1669)
 アルス・アンティクァ・アウストリア
 [グナール・レツボール〔グナー・レツボア〕(Vn)
  ローレンツ・ドゥフトシュミット(Gamb/ヴィオローネ)
  ミヒャエル・オーマン(Vg) アクセル・ヴォルフ(テオルボ/Lute)
  ロベルト・センシ(ヴィオローネ) ヴォルフガング・ツェーラー(Cemb/Org)]
 録音:1994年6月、 Eremo di Ronzano, ボローニャ|前出: SYMPHONIA (Italy), SY-94D28〔廃盤〕。
ベルナルド・パスクイーニ(1637-1710):2台のチェンバロのための技巧的音楽
 2台のチェンバロのためのソナタ集〔第1番−第14番〕
  アッティリオ・クレモネージ、アレッサンドロ・デ・マルキ(Cemb)
 録音:1991年5月26日、28日、サロン・ボロニーニ、ボローニャ/初発売:1991年。初出時の世界初録音。前出: SYMPHONIA (Italy), SY-91S06。作曲家&奏者表記・曲目・コメント等はSYMPHONIAレーベルの前・代理店に拠ります。
 これらのソナタはバス・パートしか記譜されておらず、右手パートは即興的に演奏される。
アンドレア・ファルコニエーリ(1585/86-1656):
 カンツォーナ、シンフォニア、ファンタジア集 第1巻 (1650、ナポリ刊)
  アリアーヌ・モレット指揮イザベッラ・デステ
  [アリアーヌ・モレット、C.ホワルド(Gamb/リコーダー) F.ダユブラン(Gamb/ヴィオローネ)
   C.ルミー(リコーダー) I.ポワンテル(Vn) M.フルニエ(Hp) J.テュベリー(コルネット)
   野入志津子、I.パーロ(リュート) F.アイヒェルベルガー(Cemb/Org)]
 録音:1994年。初出時の世界初録音。前出: SYMPHONIA (Italy), SY-94S32。作曲家&奏者表記・曲目等はSYMPHONIAレーベルの前・代理店に拠ります。
PC-10250
buyボタン
(2CD)
アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713):ヴァイオリンと通奏低音のための12のソナタ集 Op.5
 (18世紀の手稿譜によるヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための全曲編曲版/
  編曲者不明:フランス国立博物館の写本MS.VM7 6308 による)
 グイード・バレストラッチ(Vg) パオロ・パンドルフォ、
 ユーニス・ブランダン(Vg;通奏低音) ガエータノ・ナシッロ(Vc)
 エドゥアルド・エグエス(テオルボ) ルチアーノ・コンティニ(アーチリュート)
 マッシミリアーノ・ラシェッティ(Cemb/Org)
 初発売時の世界初録音。前出:SYMPHONIA, SY-98163SY-01189 のセット化。ヴァイオリン・ソナタのチェロ編曲版による演奏。バレストラッチが驚異的なテクニックを聴かせておおいに話題を呼び、ヨーロッパの批評界からも絶賛された。(写本情報、演奏者標記、コメントはSYMPHONIAの前・代理店に多くを拠ります)
ヴィヴァルディ(1675-1741)/編曲者不祥
 〔マンチェスターの「アン・ドーソンの曲集」(1720)に収録〕チェンバロ独奏のため協奏曲集
 「ラ・ストラヴァガンツァ」Op.4より
   〔第1番 RV 383a /第3番 RV 301 /第4番 RV 357 /第6番 RV 316a /第10番 RV 196 〕/
 協奏曲集「調和の霊感」Op.3 より    〔第5番 RV 519 /第7番 RV 567 /第9番 RV 230 /第12番 RV 265 〕
 エンリコ・バイアーノ(Cemb)
 録音:2000年3月、プニャーノ。初出時の世界初録音。前出: SYMPHONIA (Italy), SY-00175。使用楽器:フランソワ=エティエンヌ・ブランシェ、1733年モデルのコピー(オリヴィエ・ファディーニ製作)。作曲家&奏者表記・曲目・コメント等はSYMPHONIAレーベルの前・代理店に拠ります。
 編曲者は不明ながら、イギリスのマンチェスター中央図書館が所蔵する楽譜集に収録されている編曲作品集を、バイアーノが奔放かつ力強く、さらに急速な部分では白熱した演奏で聴かせる。録音も臨場感溢れる優秀な物。
C.P.E.バッハ(1714-1788):
 ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための3つのソナタ
  〔ニ長調 Wq.137 H559/ト短調 Wq.88 H510/ハ長調 Wq.136 H558〕

カール・フリードリヒ・アーベル(1723-1787):
 3つの無伴奏小品〔WK186/ WK187/ WK190〕/
 ヴィオラ・ダ・ガンバまたはチェロと
  鍵盤楽器のためのソナタ ホ短調 WK150
レベッカ・ルソー
(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ゼバスティアン・ヴィーラント
(Fp;ヴァルター型)
 誰よりも切なく、悩ましい音楽を書いた作曲家ふたり――その感性は、他の誰よりもヴィオラ・ダ・ガンバに似つかわしかった。社交の影で自らを見据えつづけたアーベルと、言わずと知れた大バッハの次男。21世紀を代表する超・実力派の、美しき名演でどうぞ。
PC-10253
(2CD)
廃盤
ゲオルク・ムッファト(1645-1704):
 「音楽の花束」〔組曲集〕 第1巻 (1695) (*) /
 「ハーモニーの捧げもの」〔アルモニコ・トリブート/5つのソナタ〕 (1682、ザルツブルク刊) (#)
 グナール・レツボール〔グナー・レツボア〕(Vn)指揮アルス・アンティクァ・アウストリア
 録音:1998年頃(*)/2000年10月(#)。(*)は初出時の世界初録音。原盤・前出: SYMPHONIA (Italy), SY-98160 (*) & SY-00183 (#) のセット化。作曲家&奏者表記・曲目等はSYMPHONIAレーベルの前・代理店に拠ります。
 # (#)のみ、PC-10407で再発済。
アンドレア・ザーニ(1696-1757):4つの楽器による6つのシンフォニア・ダ・カメラと
               コンチェルト・ダ・キエーザさまざま Op.2
(1729出版) より
 4声の協奏曲〔イ短調/ホ短調/ト長調/ト短調/ハ長調〕
  アレッサンドロ・チッコリーニ(Vn) Ens.カンパーニャ・デ・ムジチ
 ピリオド楽器使用。こういう思わぬ注目作があるから、イタリア・バロック未踏領域はほんとうに面白い。ストラディヴァリやグヮルネリの工房が銘器を作っていた頃、クレモナ地方で生まれた作曲家の、スリリングで抒情的なヴァイオリン芸術を「1パートひとりずつ」の正統古楽編成で。
ヴィヴァルディアーナ〜18世紀ヴェネツィア、ヴィヴァルディと同時代人達のリコーダー芸術
 ヴィヴァルディ(1678-1741):リコーダー、ファゴットと通奏低音のためのソナタ イ短調 RV86
 フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ(1690-1768):リコーダーと通奏低音のためのソナタ イ短調 (1716)
 アルビノーニ(1671-1750):教会ソナタ第1番 ホ短調 Op.4 No.1
 J.S.バッハ(1685-1750):前奏曲とフーガ ホ短調 BWV951(アルビノーニの主題による)
 ヴィヴァルディ/イグナツィオ・シエベル(1680以前-1757頃)編曲:リコーダーと通奏低音のためのソナタ ヘ短調
 ベネデット&アレッサンドロ・マルチェッロ(1686-1739/1669-1747):リコーダーと通奏低音のためのソナタ ニ短調
 ヴィヴァルディ:リコーダーと通奏低音のためのソナタ ヘ長調 RV52
 B.マルチェッロ:チャッコーナ(シャコンヌ) ヘ長調 Op.2 No.12

  ミヒャエル・フォルム(各種リコーダー) ディルク・ベルナー(Cemb/Org)
  メラニー・フラオー(Fg) デルフィーヌ・ビロン(Vc)
 ピリオド楽器使用。絶品リコーダー、ここにあり――カフェ・ツィマーマンでも活躍する俊才ふたりを軸に、欧州古楽界の“巧まざる高水準 "をありありと印象づける...素材感が心地良いなめらかな美音もスリリングな掛け合いも、思いのまま。バロック・ファゴットの仕事人ぶりにもニヤリとさせられる。
さようなら、わたしの愛
 オッタヴィアーノ・ペトルッチ(1466-1539)出版のリュート曲集(1507-08、ヴェネツィア刊)より

 ヨアン・アンブロジオ・ダルツァ(1508年頃活躍)、
 フランチェスコ・スピナチーノ(1507年頃活動)の作品
 (作曲者不詳、バルトロメオ・トロンボチーノ、ヨハネス・シュトッケム、
  ジョスカン・デ・プレ、ヨハネス・オケゲム、ヤコブ・オブレヒト?の作品を含む)

 パオロ・ケリーチ(リュート)
 録音:1999年頃。初出時の世界初録音曲多数。前出: SYMPHONIA (Italy), SY-99173。作曲家&奏者表記等はSYMPHONIAレーベルの前・代理店に拠ります。
ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757):鍵盤のためのソナタ集
 〔変イ長調 K.127, L.186/ニ短調 K.213, L.108/ニ長調 K.214, L.65/嬰ヘ短調 K.318, L.31/嬰ヘ長調 K.319, L.35/
  ロ短調 K.87, L.33/ホ長調 K.206, L.257/イ短調 K.175, L.429/ヘ長調 K.274, L.207/ニ短調 K.141, L.422/
  イ長調 K.429, L.132/ト長調 K.454, L.184/ト長調 K.455, L.209/ハ短調 K.11, L.352/ト短調 K.450, L.338/
  ハ長調 K.422, L.451/ハ長調 K.423, L.102/ト長調 K.235, L.154〕
/
 A.スカルラッティ(1660-1725):第4導入曲
 パブロ・ミンゲ・イ・イロル:導入曲「迷宮のなかの迷宮」(1753頃)
  ディエゴ・アレス(Cemb)
 使用楽器:セビリャのF.P.ミラバル、1734年モデル〔1段鍵盤〕に基づくコピー(アムステルダムのジョエル・カッツマン製作)。D.スカルラッティ作以外の2曲は曲間に収録。音の強弱がない楽器とは思えない。なんという変幻自在、ニュアンス豊かなスカルラッティ。スペイン王室を喜ばせた無辺の音楽世界を、スペイン稀代のチェンバロ奏者が、当時のスペインで製作されたモデルの楽器で。艶やかさとコントラスト、一枚上手。
ヨハン・カスパール・ケルル(1627-1693):ミサ・ノン・シネ・クァーレ
 ファビオ・ボニッツォーニ指揮ラ・リソナンツァ
 録音:1999年。初出時の世界初録音。前出: SYMPHONIA (Italy), SY-99171。作曲家&奏者表記・曲目・コメント等はSYMPHONIAレーベルの前・代理店に拠ります。
 コープマンに師事した鍵盤楽器奏者で、イタリア人としてはアレッサンドリーニ以来の逸材として注目されているボニッツォーニが、初めて声楽作品の指揮に手を染めたディスク(その後の指揮者としての活躍も古楽ファンならばご存じのとおり)。しかしながらこの、いわば初録音盤で彼が選んだ曲目はオペラでもマドリガーレでもなく、まったく知られていないケルルのミサ曲。天才の着眼というものはおそろしい。
PC-10260
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(2CD)
ルイージ・ボッケリーニ(1743-1805):チェロと通奏低音のためのソナタ集 Vol.1 & 2
 〔イ長調 G.4/ハ短調 G.2b/変ホ長調(ヴァイオリン序奏付)/ト長調 G.5/イ長調「女帝」/
  変ロ長調 G.565/変ホ長調 G.11/ヘ長調 G.579/変ホ長調 G.566/ハ長調 G.17〕
 ガエターノ・ナシッロ、マルコ・ヴィターリ、ミケーレ・タッツァーリ(Vc)
 アレッサンドロ・チッコリーニ(Vn) イェスパー・クリステンセン(Cemb)
 マーラ・ガラッシ(フック式18世紀Hp)
 原盤・前出: SYMPHONIA (Italy), SY-96148SY-00178のセット化。古典派前夜のイタリアから世界へ。チェロという楽器の可能性を飛躍的に高めた名手、ボッケリーニの音楽世界は、あまりにも見過ごされている。やるなら本気で、本気でやるほど深みを増すソナタの世界を縦横無尽、イタリアの凄腕古楽奏者たちが多角的に愉しませる。
ショスタコーヴィチ(1906-1976):
 ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 Op.35 (*)(ピアノ、トランペットと弦楽合奏のための)/
 ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 Op.102 /2台のピアノのための小協奏曲 Op.94 (#)
  アレクサンドル・トラーゼ(P) ゲオルギー・ヴァチナーゼ(第2P;#)
  ユルゲン・エレンゾーン(Tp独奏;*) パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送so.
 カリスマ指揮者パーヴォ・ヤルヴィ、フランクフルト放送so.の緊密なタッグを印象づける痛快なリリース。しかもピアノ独奏は、知る人ぞ知るロシアの「あの名匠」間違いなく大注目。
PC-10262
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(HYBRID_SACD)
マーラー(1860-1911):
 交響曲第9番 ニ長調(1909-10)
ジャスティン・ブラウン指揮
カールスルーエ・バーデン州立o.
 「第9番」の底知れぬ迫力を精妙にうきあがらせてゆく、痛快名演。迫力満点の打楽器から澄み切ったピアニシモまで、徹底したスコアリーディングの末に打ち立てられた解釈のえもいわれぬダイナミズム、何度も聴きたくなること必至、超注目。
PC-10263
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(2CD)
ヴォーチェス・インティメ〜シューベルト&メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲集
 シューベルト(1797-1828):ピアノ三重奏曲(*)〔第1番 Op.99 D.898 /第2番 Op.100 D.929 〕
 メンデルスゾーン(1809-1847):ピアノ三重奏曲(#)〔第1番 ニ短調 Op.49 /第2番 ハ短調 Op.66 〕

 ヴォーチェス・インティメ
 [ルイージ・デ・フィリッピ(Vn) サンドロ・メオ(Vc) リッカルド・チェケッティ(Fp)]
 録音:1999年頃(*)/2002年10月(#)。96KHz/24bit・ハイリゾリューション(#)。ピリオド楽器使用。原盤・前出: SYMPHONIA (Italy), SY-99172 (*) & SY-02199 (#) のセット化。(*)は初出時、ピリオド楽器による世界初録音だったもの。
PC-10265
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(2CD)
ジュゼッペ・ジョルダーニ(1751-1798):エレミヤ哀歌集とミゼレーレ
 エレミア哀歌集〔 Quomodo sedet / Et egressus / Manum suam / Cogitavit Dominus / Matribus suis /
          Ego vir videns / Misericordiae Domini / Quomodo obscuratum / Recordare Domine 〕
 ミゼレーレ
  アンサンブル・ヴォカーレ・イル・テルツォ・スオーノ
  [マリネッラ・ペンニッキ(S) ジェフリー・ガル(CT) ジャン・パオロ・ファゴット(T)
   フリオ・ザナージ(B) マッシミリアーノ・ラシェッティ(Org)]
 録音:1994年。初出時の世界初録音。前出: SYMPHONIA (Italy), SY-94D31 (2CDs)。作曲家&奏者表記等はSYMPHONIAレーベルの前・代理店に拠ります。
ベルンハルト・ヨアヒム・ハーゲン(1720-1787):ソナタ集
 〔ヘ短調/ニ長調/ト短調/変ロ長調/ハ短調/ヘ長調〕
  ロバート・バルト(リュート)
 使用楽器:アンドレアス・ヤウフのモデルに基づきアンドルー・ラトバーフォード1988年製作。使用楽譜:アウクスブルク市立図書館の手稿譜。日本で最も人気のあるバッハとヴァイスのリュート音楽のスタイルに近い、とてつもなく美しいリュート音楽を綴る人がさらにいた。艶やかで繊細な響きに、古典派前夜の優しい音楽が息づく。俊才バルトの面目躍如。
PC-10269
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(2CD)
ロマーヌス・ヴァイヒライン(1652-1706):音楽の復興祭〔エンケーニア・ムジツェス/
 現・国内代理店訳:5声および多声のソナタ集「音楽による祝宴」(2つのヴァイオリン、2つのヴィオラ、
  通奏低音、および2本のトランペットのための12の合奏ソナタ)/
ENCAENIA MUSICES 〕
   Op.1 (1695) Vol.1 (*) & 2 (#) 〔ソナタ I-XII 〕
 グナール・レツボール〔グナー・レツボア〕(Vn)指揮アルス・アンティクァ・アウストリア
 [ダニエル・ゼペク(Vn) H.リンツベルガー(*)、C.ヌスバウマー(#)、ヨハンナ・ガメリート(#)、
  クリストフ・ビッツィンガー(ヴィオール) ミヒャエル・オーマン、グイード・バレストラッチ(#)(Vg)
  ガエターノ・ナシッロ(Vc) ローベルト・センシ(ヴィオローネ) アンドレアス・ラッカー、
  ヘルベルト・ヴァルサー(Tb) N.キルヒナー、ヴォルフガング・ツェーラー(#)(Cemb/Org)]
 初発売:1993年(*) /1994年(#)(海外代理店の案内に、"Originally released on Symphonia 2008" と記載されているが、誤り)。初出時の世界初録音。ピリオド楽器使用。原盤・前出: SYMPHONIA (Italy), SY-93S23 (*) & SY-94S30 (#) のセット化。特記無しの作曲家&奏者表記・曲目・コメント等はSYMPHONIAレーベルの前・代理店に拠ります。
 ガッティが去った後、SYMPHONIA レーベルの大黒柱となったのが、オーストリアのバロック・ヴァイオリニスト、グナー・レツボア〔グナール・レツボール〕。彼が創設したアルス・アンティクァ・アウストリアはオーストリアを中心に、ドイツ、イタリアの奏者から構成され、室内楽からオーケストラまで柔軟な編成をとる。ドイツ系とイタリア系の両方の特徴を持っており、体格はがっちりしているが足腰が非常に柔軟といった印象である。
テュルーと2人の門弟
 ジュール・ドメルスマン(1833-1866):
  詩のような小幻想曲/ボレロ/ピアノとフルートのためのソナタ第2番 Op.23 /テュルーに捧ぐ
 ジャン・ドンジョン(1839-1912):風の歌/悲歌=練習曲
 ジャン=ルイ・テュルー(1786-1865):2本のフルートとピアノのための協奏的デュオ/王様のコーヒー/
                 ゼルミーラのカヴァティ―ナ(ロッシーニの歌劇「ゼルミーラ」1822/26)による)

  サラ・ファン・コーンウォール(Fl−tr) 向山 朝子(Fl−tr2)
  トーマス・ライニンガー(Fp)
 ベルリオーズやシューマンらと同じ時代のフルートには、今とはまるで違う響きの質感がある――ノンヴィブラートが限りなく美しい、フォルテピアノも美麗、これがロマン派時代のフルート芸術!もちろん解説充実、全訳付。フルートの芸術性を問い直す、極上ピリオド楽器の古雅な魅力。
ジョヴァンニ・ボッテジーニ(1821-1889):
 パイジェッロのアリア「うつろな心」とその主題による変奏曲/エレジア(悲歌)/
 ベッリーニの歌劇「夢遊病の女」による幻想曲/フランス歌曲「愛されている唇は」/
 タランテラ/アリア「すべてこの世の」/ベッリーニの歌劇「ノルマ」による幻想曲/レヴリ(夢想)

  アルベルト・ロ・ガット(Cb;*)
  ルーカ・アントニオッティ(P;#) エマヌエーラ・ガッリ(Ms)
 使用楽器:3弦、19世紀イタリア(*)/エラール、1871年製作 オリジナル(#) 。コントラバス好きなら、誰もが待ち望んでいたはず。「3弦バスでのボッテジーニ」を、ボッテジーニと同郷のイタリア人奏者が、イタリア19世紀の銘器でたっぷり味あわせてくれる。「コントラバス=野趣」の通念を易々と覆すノーブルさ。伴奏もピリオド楽器、名花ガッリの歌も絶妙。
めくるめく通奏低音楽器〜イタリア初期バロック、通奏低音楽器による器楽作品さまざま
 ヴィターリ:B字のルッジェーロ、B字のベルガマスカ
 フレスコバルディ:2声の低音旋律のための第16カンツォーナ / ペッレグリーニ:Xのためのクーラント
 オルティス:「甘き思い出」による第1レセルカーダ / カスタルディ:半音階的コルレンテ
 フレスコバルディ:2声の低音旋律のための第14カンツォーナ「漁村の女」
 セルマ・イ・サラベルデ:低音部独奏のためのファンタジア
 ヴィターリ:B字のトッカータ、B字のチャコーナ/ひとつの数字にもとづくカプリッチョ
 フレスコバルディ:2声の低音旋律のための第4カンツォーナ / ケーニヒスベルク、ヤジェンプスキ:コニスベルガ
 ロニョーニ:オルランドゥス・ラッススの歌「シュザンヌはある日」 / コロンビ:チャッコーナ
 フレスコバルディ:低音部独奏のための第7カンツォーナ「目の覚めるような淑女」と、
           2声の低音旋律のための第15カンツォーナ「ラ・リエヴォラータ」
 カスタルディ:甘美なるタステッジョ/雷に打たれたガリアルダ
 ヴィターリ:E字のパッサガッリ / デ・モデナ:第10リチェルカール

  ユナイテッド・コンティヌオ・アンサンブル
 ピリオド楽器使用。はじく音、こする音、叩く音、それらが入り乱れオーガニックなピリオド楽器サウンドで織りなされてゆく、興奮必至な至福の聴覚体験。欧州随一の精鋭集団が、バロック初期の楽器を堪能させる。同種盤でも、これは出色の仕上がり。
PC-10273
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(3CD)
ヘンデル(1685-1759):歌劇「アレッサンドロ」(1733)
 ローレンス・ザッツォ(CT;アレッサンドロ) イザベル・アリアス・フェルナンデス(S;ロッサーネ)
 ラファエッラ・ミラネージ(S;リザウラ) マルティン・オロ(CT;タッシーレ)
 アンドルー・フィンデン(Br;クリート) ゼバスティアン・コールヘップ(T;レオナート)他
 ミヒャエル・フォルム指揮カールスルーエ・ドイツ・ヘンデル合奏団
 ピリオド楽器使用。ヘンデル歌劇の至宝ともいうべき傑作。この大家の最も脂がのっていた時期の筆致が見事に生きるダイナミックなオペラを、ドイツ古楽界の飛び抜けた水準を示す名演で。指揮はカフェ・ツィマーマンでもおなじみM.フォルム。
ヤン・ディスマス・ゼレンカ(1679-1745):独唱のためのモテット集
 復活祭のモテット「野蛮に残酷に、かつ荒々しいのは」ZWV164 (1733) /
 聖母マリアのアンティフォン「贖罪主のやさしき母なるかた」ZWV126 (1730) /
 2本のオーボエ、ファゴット、2部のヴァイオリン、ヴィオラと
  通奏低音のための「ヒポコンドリア(憂鬱質の人)」ZWV187 (1723) /
 救世主、憐れみたまえ ZWV29 (1740) /「聖金曜日のための第1・第2哀歌集」〜哀歌 III-2 ZWV53-6 (1722) /
 オラトリオ「贖い主の聖墓の前、悔い改める者たち」序曲 ハ短調 ZWV63 (1736) /
 降誕祭のモテット「おお、偉大なる玄義」ZWV171 (1723/28) /
 独唱モテット「炭鉱夫たちは、気をもみながら金鉱をもとめる」ZWV209

  アレックス・ポッター(CT) ドミニク・キーファー(Vn)指揮カプリッチョ・バロック合奏団
 ピリオド楽器使用。バッハも一目置いた、いや人によっては「バッハ以上」と評することさえある幻の名匠ゼレンカ。バッハのカンタータとフランス・バロック教会音楽のあいだをゆくような、あまりに繊細な旋律美とコントラストの魅力を、古楽のメッカ・バーゼルの俊才たちが心ゆくまで。見逃せない1枚。
竪琴からとれた初物の果実〜コンラート・ヘフラー(1647-1705以降):
 「音楽の初歩、ヴィオラ・ダ・ガンバのための12の組曲」(1695)より
  〔第6番(ト長調)/第3番(ニ長調)/第4番(イ長調)/第5番(ニ短調)/第2番(ロ短調)/第1番(ヘ長調)〕
 グイード・バレストラッチ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 ニコラ・デル・マーソ(ヴィオローネ) ラファエル・ボナビタ(アーチリュート)
 マッシミリアーノ・ラシェッティ(Org/Cemb)
 ピリオド楽器使用。原盤・前出:SYMPHONIA, SY-01186(発売:2001年/残りの6曲は2013年現在発売されていない)。ヘフラーはドイツのニュルンベルクに生まれ、バイロイト、アンスバハ、ハレの宮廷などで活躍したヴィオラ・ダ・ガンバ奏者・作曲家。彼の作品で現在知られているものはこの「音楽の初歩」のみ。ヘフラーはこの組曲集の序文において、従来の作曲上の規則にとらわれないことを強調し、きわめて高度で即興的な技法を大胆に導入している。こういう難曲こそ稀代のテクニシャン、バレストラッチの本領発揮というところ。(以上の作曲者名・コメント等は、SYMPHONIAの前国内代理店から提供された物と、当店が独自に代理店担当者に依頼した物を元としています)。
PC-10277
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(2CD)
レツボア&アルス・アンティクァ・アウストリア〜J.S.バッハ(1685-1750):
 ヴァイオリン独奏、2本のリコーダー、弦楽合奏と通奏低音のための
  協奏曲 ヘ長調 BWV1049(ブランデンブルク協奏曲第4番)(*) /
 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043 (*) /
 ヴァイオリン協奏曲〔第2番 ホ長調 BWV1042 /第1番 イ短調 BWV1041 〕(*)/
 詩編第51編「拭って下さい主よ、わが背きの罪を」BWV1083
  (ペルゴレージ「スターバト・マーテル」による)(#)/
 カンタータ第182番「天の王よ、よくぞ来ませり」BWV.182 (#)
 グナー・レツボア〔グナール・レツボール〕(第1Vn独奏)指揮
 アルス・アンティクァ・アウストリア
 [ダニエル・セペク(第2Vn独奏) ケース・ブッケ、ミヒャエル・オーマン(リコーダー)
  ヨハンナ・ガメリート、トーマス・ビーク、アウグスト・コトバウアー、クリストフ・ビッツィンガー(Vn)
  ペーター・アイグナー、C.ブルスマ(Vc) ロベルト・センシ(Cb) N.キルヒナー(Cemb/Org)]

 聖フローリアン少年聖歌隊(#)、ケプラー・コンソート(cho.) (#)
 録音:1994年11月(*) /1995年3月(#) 。ピリオド楽器使用。原盤・前出:SYMPHONIA, SY-94134 (*) & SY-95139 (#) のセット化&レーベル移行再発。 シンフォニア・レーベル初期における唯一のメジャー・レパートリーだった録音だが、発売に踏み切ったのはまさにその演奏のすばらしさゆえと思われ、特に当時(*)は「マンゼ盤に次いでランクされてしかるべき」「一般レパートリー愛好者なら、この一枚を手に入れればシンフォニアのポリシーが理解できるはず」と絶賛されたもの。「詩篇51」の録音は当録音以前にもあったが、ピリオド楽器を用いた本格的なものとしては初録音だった(以上の作曲者名・コメント等は、SYMPHONIAの前国内代理店から提供された物と、当店が独自に代理店担当者に依頼した物を元としています)。
ルクレールの好敵手たち
 ルイ=ガブリエル・ギユマン(1705-1770):ソナタ第4番(1734年ディジョン刊)
 ジャン=バティスト・カルドンヌ(1730-1792):第3ソナタ ホ短調(1765年パリ刊)
 ジャン=ピエール・ギニョン〔ジョヴァンニ・ピエートロ・ギニョーネ〕(1702-1774):
  第1ソナタ ハ短調 Op.1 No.9 (1737年頃?パリ刊)
 ジャック・デュフリ(1715-1789):「クラヴサン曲集第3集」からの3編
  〔序曲/ラ・ド・マリ(優美なロンド)/シャコンヌ〕
 ジャン=マリー・ルクレール(1697-1764):ソナタ第12番 ト長調(第3集、1734年パリ刊)
  ライラ・シャイエーク(Vn) イェルク・ハルーベック(Cemb)
録音:2011年9月27日-28日、チューリヒ放送局スタジオ (DRS 2) 、スイス/ (P) (C) 2012 。バロック末期に花ひらいた、フランス独自のヴァイオリン楽派。古典派型の弓ができる前の、18世紀フランスのヴァイオリン奏法を縦横無尽にに解き明かす。当時の響きの追求はバーゼル仕込み。才人シャイエークとハルーベック、さらなる高雅な領域へ。
PC-10279
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(2CD)
ドシュ・ド・ヴィオール(高音ガンバ)、
 18世紀のフランスのバロックとロココ〜ユドリンヌとブランヴィルの場合

 ルイ・ユドリンヌ(1680以前-1705以後):2つのヴィオールのための3つの組曲(1701) (*)
 シャルル・アンリ・ブランヴィル(1711-1771頃):
  ドシュ・ド・ヴィオールのためのソナタ集第1巻(1750頃) (#)
 ジモーネ・エッケルト(ドシュ・ド・ヴィオール) ハンブルク・ラーツムジーク
 録音:1995年5月15日-19日、スタジオ10、 NDR フンクハウス、ハンブルク(*) /1997年2月14日-16日、ルター派教会、アウミューレ、ハンブルク近郊(#) 。 初出・前出・旧品番: Christophors (GERMNAY), CHR-77181 (*), CHR-77197 (#) 〔共に当店未案内、廃盤〕。当盤現地発売:2012年。ピリオド楽器使用。ヴァイオリン=イタリアから来た野卑な楽器、と退けたフランスのやんごとなき人々の音楽、しなやかな名演。
プロコフィエフ(1891-1953):ピアノ・ソナタ集
 〔第2番 ニ短調 Op.14 /第4番 ハ短調 Op.29 /
  第7番 変ロ長調 Op.83(戦争ソナタ第2番)〕
エフゲニー・コロリオフ(P)
 録音:2002年5月15-17日、2003年1月6-7日、2003年8月19日。前出: hr musik, HRMK-01703(廃盤/入手不能)。原盤:ヘッセン放送局 (hr) 、フランクフルト。コロリオフはモスクワ生まれながら、そのわりには意外なほどロシア物の録音が少ない。プロコフィエフは「束の間の幻影」「ソナタ第5番」などをTACETに録音しているが(TACET-32)、曲は重ならないためこの録音は大歓迎。演奏には、端正な折り目正しさと躍動感が両立したコロリオフの稀有な音楽性が発揮されている。
PC-10282
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(2CD)
フランチェスコ・アントニオ・ピストッキ(1659-1726):
 オラトリオ「聖アドリアーノの殉教」(Modena, 1692)
 パトリツィア・ヴァッカーリ(S;ナターリア)
 アレッサンドロ・カルミニャーニ(CT;聖アドリアーノ)
 ジャンルカ・フェラリーニ(T;クラウディオ)
 セルジョ・フォレスティ(B;マッシミアーノ)
 フランチェスコ・バローニ指揮コンパーニア・デ・ムジチ
 録音:2001年11月、アンティーカ劇場〔オリンピコ劇場〕、サッビオネータ、マントヴァ県、ロンバルディア州、イタリア。原盤・前出: SYMPHONIA (Italy), SY-01192/3。#演奏家詳細等は SYMPHONIA レーベルの旧・代理店に拠ります。
アルデブランド・スビサーティ(1606-1677):ヴァイオリンのためのソナタ集第1集
 (1675年、フォソンブローネ刊)〜ヴァイオリンと通奏低音のための17のソナタ
 アレッサンドロ・チッコリーニ(Vn) ルーカ・スカンダーリ(Cemb/Org)
 ガエターノ・ナジッロ(Vc) カール=エルンスト・シュレーダー(テオルボ)
 ピリオド楽器使用。コレッリ歿後300周年のいま、かの巨匠がどんなイタリア・ヴァイオリン音楽界から生まれたのかあらためて気になるところ。イタリア古楽界の名手たちが、均整のとれた知性あふれる解釈で北イタリアの「バロック初期」と「バロック後期」をつなぐ絶妙の羊腸弦サウンドをお届け。
フックス(1660-1741):ドイツ語による受難オラトリオ(1731年ウィーン初演)
 グナール・レツボール〔グナー・レツボア〕(Vn)指揮アルス・アンティクヮ・アウストリア
 聖フローリアン大聖堂少年聖歌隊(ソリスト)
 録音:2012年3月。ピリオド楽器使用。「皇帝レクィエム」の作曲者、つとに知られたバロック後期の「皇帝たちの作曲家」――。全ドイツ語圏の長、ハプスブルク皇室に仕えたフックスの偉大さは、後期作品ほど強烈に。正体が明らかになったオラトリオの、息をのむ旋律美、スリリングな音楽展開の妙。
ニコラ・ポルポラ(1686-1768):
 室内カンタータ〔ふるえる海の囁きは/セベートの妖精と羊飼い〕/チェロと通奏低音のためのソナタ ヘ長調/
 室内カンタータ〔これがあの森だろうか/ほら、夜明けの光が/恋の素敵な安らぎを〕/四つのパルティメント

  マリーナ・デ・リーゾ(Ms) ステーファノ・アレージ指揮Ens.スティーレ・ガランテ
 ピリオド楽器使用。ヨーロッパは、この人の綴るメロディに酔いしれた。ナポリ楽派の華やかなる巨匠、若きハイドンにまで多大なる影響を与えたポルポラの持ち味は、なんと言っても「歌」にあり。ヴィヴァルディやヘンデル好きなら、知らないなんてもったいない。精選7曲。
レツボール〜J.S.バッハ(1685-1750):無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
 〔第1番 ト短調 BWV1001 /第2番 イ短調 BWV1003 /第3番 ハ長調 BWV1005 〕
 グナール・レツボール〔グナー・レツボア〕(Vn)
 録音:2011年1月、ピサ、イタリア/ (P) (C) 2013。使用楽器:ゼバスティアン・クロッツ、18世紀製オリジナル。ついに...ついに。音楽大国オーストリア最高の凄腕バロック・ヴァイオリン奏者、おどろくべき鮮烈な感性、桁外れの技量、音楽学への通暁、全てが規格外の鬼才が満を持して、バッハ無伴奏へ――もう注目するしかない、新たな名盤に震撼する日は目前。
アントーニオ・ファリーナ(1675年頃活躍):
 セレナータ「星をちりばめた戦車に乗って」/カンタータ「ポジリポにて」/安らぎなさい、美しいひと
ピエートロ・マルキテッリ(通称ペトリッロ/1643-1729):リコーダー、弦と通奏低音のためのソナタ〔第1番/第9番〕
アレッサンドロ・スカルラッティ(1660-1725):リコーダー協奏曲第23番

 アンドレアンヌ・パカン(S) アンナ・シュテークマン(リコーダー)
 アンドレア・フリッジ指揮Ens.オデュセー
 ピリオド楽器使用。南国の「夜のバロック」は、妖艶にして快楽的、そしてとびきりオーガニック。リコーダーは軽やかに飛びまわり、歌い手はまっすぐな美声で静かに恋をうたいあげる。スリルと抒情を、羊腸弦の伴奏に乗せて電撃的に伝わる音の快楽と奥深さ、体感あれ。
パーヴォ・ヤルヴィ〜 ARMONICA
 マウリシオ・カーゲル(1931-2008):練習曲第3番(1996) / ベアト・フラー(1954-): 明暗法 (1983/86)
 イェルク・ヴィトマン(1973-): Antiphon (2007/08) / Armonica (2006) / Souvenir bavarois (2010)
 ペーター・ルジツカ(1948-): Clouds (2012)

 パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト・ヘッセン放送so.
 録音:2008年-2012年、アルテ・オーパー、フランクフルト&ヴィースバーデン、おそらく全てライヴ。 (P) 2008-2012 Produced by Hessischer Rundfunk 〔ヘッセン放送局〕/発売:2014年。おそらく初登場音源。
テレマン(1681-1767)/A.ホフマン校訂:音楽の世界地図
 序曲 変ロ長調/世界について:常動曲/ヨーロッパ:アントレ/ポルトガル:昔と今のポルトガル人たち/
 スペイン:サラバンド/スイス:スイス人たち/北イタリア:イタリア風エール/中部イタリア:イタリア風バディヌリ/
 フランス王国:メヌエット/プロヴァンス:リゴドン/ロートリンゲン、ブルグント(ロレーヌ/ブルゴーニュ):ブレ/
 イングランド、スコットランド、アイルランド:ジグ/スコットランド:ホーンパイプ/オランダ:さざ波/
 スペイン領ネーデルラント(ベルギー):カリヨン/ドイツ語圏:昔と今のドイツ人たち/オーストリア:ロンドー/
 バイエルン:プレリュード/フランケン、シュヴァーベン、ブルグント:ファンタジア/
 オーバーライン、ニーダーライン:ヴィースバーデンの角笛/ヴェストファーレン:メルクリウス/
 ニーダ―ザクセン:甘美なエール/ハノーファー選帝侯国:ガヴォット・アン・ロンドー/
 ヒルデスハイムの修道院:パストラーレ/ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル公国:レジュイサンス/
 オーバーザクセン:フーガ/ベーメン(チェコ):ハナク地方の女/北欧:昔と今のデンマーク人たち/
 スウェーデン:昔と今のスウェーデン人たち/ロシア:モスクワの人たち/ポーランド:ポロネーズ/
 ハンガリー:行進曲/ヨーロッパ側のトルコ:トルコ人たち/アジア:イェニチェリたち/
 アジア側のトルコ:トルコの道化師メゼッティーノ/アフリカ:ムルキー/アメリカ:ミシシッピに期待をかけて/
 最後にコラールを:「今ぞ我ら帆を下ろさん」(今やすべての森は安らぎ)/4声の協奏曲 ニ短調 TWV43-d2

  ダニエラ・ドルチ(Cemb)指揮 Ens.ムジカ・フィオリータ
 ピリオド楽器使用。これは痛快におもしろい&末永く楽しめる。テレマンやバッハの時代、ドイツ人は世界をどう眺めていたのか、当時の世界地図に則して、テレマンの無数の組曲から標題付曲などを厳選。バロック語法のセンスの良さを味わいながら、じっくり解説を読み解く楽しみも。
クリストフ・グラウプナー(1683-1760):
 高みに昇り、網を投げよ(1746) /シャリュモー、弦楽合奏と通奏低音のための組曲 変ロ長調(1737-46) /
 イエスは尊く気高き祭司(1720) /なんと驚くべきことか、神の善とは(1717)

 クラウス・メルテンス(B) ジリ・リノ(シャリュモー)
 シャラフ・アド=エル(Cemb/Org)指揮アカデミア・ダニエル
 ピリオド楽器使用。もしバッハとテレマンを高く評価するなら、グラウプナーに魅了されないはずがない。引き出しの多さ、心とらえる音作りのうまさはテレマン並。しかも音楽の深さはバッハやゼレンカにも匹敵。精鋭集団がドイツで刻んだ名録音、見過ごせない1枚。
C.P.E.バッハ(1714-1788):チェロ協奏曲集
 〔イ短調 Wq.170 /変ロ長調 Wq.171 /イ長調 Wq.172 〕
 アントニオ・メネセス(Vc) ミュンヘン室内o.
 録音:1997年8月、大講堂、エルマウ城、クリュン、ドイツ/初発売:1998年/ (P) 1998 (C) 2013 。旧品番:510 101 [PAN-510101/PC-10101] (当店未案内)。10年以上入手困難だった録音。旧・国内代理店は『 Pan Classics 2003年頃の体制変更直前に録音されていた』としていたが、誤り。
ガスパルト・フリッツ(1716-1783):
 6つのヴァイオリン・ソナタ集 Op.3 [or Op.2] (1755頃) より, Nos.1-5
 〔第1番 ニ長調 Op.3 No.1 /第2番 イ長調 Op.3 No.2 /第3番 ハ長調 Op.3 No.3 /
  第4番 変ホ長調 Op.3 No.4 /第5番 ロ長調 Op.3 No.5 〕
 プラメーナ・ニキタソヴァ(Vn〔Sebastian Klotz, first half of 18th century 〕)
 マヤ・アムライン(Vc〔anonymous, end of 18th century 〕)
 イェルク=アンドレアス・べッティヒャー(Cemb
  〔after Ch. Zell, Hamburg 1728, by B. Kennedy, Château d‘OEx 〕)
 録音:2013年2月5日-8日、スイス/発売:2014年。1756年、パリにおいてロシアのストロガノフ男爵への献呈付きで出版されたヴァイオリン・ソナタ集(1764年、ロンドンで何故か "Op.2" として出版された。実際の Op.2 はフラウト・トラヴェルソのための6つのソナタ集で、調性も異なる別作品)。全6曲だが当盤には第6番が含まれておらず、理由に関してはブックレット等にも全く記載が無い模様。ブルガリア出身のヴァイオリニスト、ニキタソヴァはキアラ・バンキーニの弟子。
アントニオ・カルダーラ(1670-1736):
 レクィエム(現存部分のみ/含「続唱」)/トリオ・ソナタ第5番 Op.1 No.5 /チェロと通奏低音のためのソナタ第15番/
 「悲しみのミサ」(ミサ・ドロローザ)〜サンクトゥス・ベネディクトゥス・アニュス・デイ

 ヨナタン・ペシェク(Vc) ダニエラ・ドルチ(Cemb/Org)指揮
 Ens. ムジカ・フィオリータ(&cho.)
 ピリオド楽器使用。「レクイエム・ファン」必聴。後期バロックの幻の傑作、バッハにも比しうる迫真の表情。ヴィヴァルディとほぼ同時代、ウィーンの皇帝を魅了した音楽史上の巨匠カルダーラが残した「続唱」全編を含む驚くべき逸品、陰鬱な響きと鮮烈な輝きの対比。室内楽曲も粒ぞろい。
レオナルド・ヴィンチ(1690-1730):アルトのためのアリア集
 Gismondo redi Polonia (1727), Oratorio di Maria dolorata (1718-25), Il Medo (1728),
 Ernelinda (1726), Oratorio per la Vergine del Rosario (1727), Astianatte (1725),
 Eraclea (1724), Catone in Utica (1728), La contesa de' Numi (1729) からのアリア

 フィリッポ・ミネッチア(CT) フランチェスカ・カッシナーリ(S)
 ステファノ・アレジ指揮スティーレ・ガランテ
 録音:2013年7月、イタリア/ (P) (C) 2014 。ピリオド楽器使用。
レツボール〜J.S.バッハ(1685-1750):無伴奏ヴァイオリン・パルティータ
 〔第1番 ロ短調 BWV1002 /第2番 ニ短調 BWV1004 /第3番 ホ長調 BWV1006 〕
 グナール・レツボール〔グナー・レツボア〕(Vn)
 録音:2011年1月、ピサ、イタリア/ (P) (C) 2014。使用楽器:ゼバスティアン・クロッツ、18世紀製オリジナル。ソナタ3曲 (PC-10286) に遅れる事約一年半、同時に録音されていたと思しきパルティータ全集が登場、全集完結。「バッハの無伴奏は、ホールの響きで聴くほうがおかしい」――徹底して「作曲当時」の演奏環境にこだわる異才レツボールが、自ら録音技法にまでこだわりぬいて録音してみせた傑作中の傑作。まるでそばで演奏しているような驚異の音で、ついには「シャコンヌ」も。
J.S.バッハ(1685-1750):
 序曲(組曲) ニ短調[BWV1011・1003・814・827・Anh.17]/ソナタ ト長調[BWV1005・1021・590・998]/
 組曲 イ長調[BWV817・815・1010・819・809]/リュート組曲によるパルティータ ハ短調 BWV997 /
 リコーダーと通奏低音のためのソナタ ハ長調 BWV1033 /ソナタ ト短調[BWV198・1024・508・35]

  ミヒャエル・フォルム(アルト&テナー・リコーダー) ディルク・ベルナー(Cemb;ミートケ・モデル)
 バッハの新発見ソナタが、6曲も...しかも使用楽器は、リコーダーとチェンバロ??編曲の達人だった大バッハの傑作から楽章を選び、周到に仕上げられた二重奏の数々は原曲を忘れて恍惚となるほどひカフェ・ツィマーマンでも活躍の二名手、これは必聴。
クロムニェジーシュ城の謝肉祭〜
 ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・ビーバー
(1644-1704):
 ラッパの響き、音楽による食卓のもてなし(4声)/アリア(4声)/ローマ風の音楽/
 バレッティ/アリア(4声)/バレッティ/バレッティ・ラメンタービリ(4声)
  グナール・レツボール〔グナー・レツボア〕(Vn)指揮アルス・アンティカ・アウストリア
  [アウグスト・コトバウアー、ラウラ・ミッリ(Vn) ヨハンナ・ガメリート(Vn/Va)
   ペーター・アイグナー(Va) ガエターノ・ナシッロ(Vc) ロベルト・センシ(Cb)
   ミヒャエル・オマーン(リコーダー/夜警役) ヴォルフガング・グリュクサム(Org)
   ノルベルト・ツァイルベルガー(Cemb)]
 録音:1995年10月、ロンツァーノ庵、ボローニャ、イタリア/初発売:1997年。初出時の世界初録音。原盤・前出: SYMPHONIA (Italy), SY-95143。#演奏家詳細&コメントは SYMPHONIA レーベルの旧・代理店に拠ります。
 ビーバーが宮廷楽士を務めていたボヘミアのクロムニェジーシュ城における謝肉祭の模様を、同城図書館所蔵の "Harmonia romana" 写本からのビーバー作品で再現。はじめはしっかりしていた城の夜警も最後には酔っ払ってしまう。
ゲオルク・ムファット(1653-1704):
 ソナタ(序曲)/24声部のミサ曲「イン・ラボレ・レクィエス(労働と休息に)」
 グナール・レツボール〔グナー・レツボア〕指揮アルス・アンティクヮ・アウストリア
 聖フローリアン少年聖歌隊
 ピリオド楽器使用。オーストリア古楽界の異才レツボール、豪奢編成で!壮麗な5群交唱、ビーバー「53声のミサ」に追い迫る。
PC-10302
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(2CD)
エラム・ロテム(1984-):「ヨセフとその兄弟」
 (初期イタリア・バロック様式によるヘブライ語オラトリオ)
  エラム・ロテム(B/Cemb)指揮 Ens.プロフェティ・デッラ・クインタ
  ドロン・シュライファー、ダヴィッド・フェルドマン(トレブル) ディーノ・リュティ(男声A)
  ダン・ドゥンケルブルム(T) エラム・ロテム(B)
 録音:2013年1月-2月、アドゥラム・カペラ、バーゼル、スイス/ (P) (C) 2014 。古楽器使用。即興とは「その場での作曲術」にほかならない。聖書のことばをそのまま用い、オラトリオ全編を1600年頃の様式で「新たに作曲」!バロック初期の「歌射ながら語る」様式をそのまま伝える、最前線の古楽奏者たちの快挙。
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788):
 ヴァイオリンと鍵盤のためのソナタ ロ短調 Wq.76, H 512 /
 チェンバロとヴァイオリンのためのアリオーソ イ長調 Wq.79, H .535 /
 幻想曲 嬰ヘ短調 ヴァイオリン助奏付きの鍵盤のための Wq.80, H .536 /
 ヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのためのソナタ ニ長調 Wq.71, H .502 /
 ヴァイオリンと鍵盤のためのソナタ ハ短調 Wq.78, H .514
  ライラ・シャイエーク(Vn) イェルク・ハルーベク(タンジェントP/Cemb)
 ピリオド楽器使用。バンキーニ率いるアンサンブル415で確かな活躍をみせてきた俊英シャイエーク。初期フォルテピアノ(タンジェント・ピアノ)との確かなパートナーシップで耳を、心を魅了する。
19世紀バスーンの銘器と作曲家たち
 ジュゼッペ・タンプリーニ(1817-1888):ドニゼッティ「連帯の娘」の主題群による
  ファゴットとピアノのための技巧的幻想曲(ファンタジア・ディ・ブラヴーラ)
 ベートーヴェン(1770-1827):フルート、ファゴットと鍵盤楽器のための三重奏曲 ト長調 WoO.37 (*)
 アントン・ライヒャ〔アントニーン・レイハ〕(1770-1836):ファゴットとピアノのための二重奏曲 変ロ長調
 ロッシーニ(1792-1868)/フレデリク・ベル編曲:ファゴットとピアノのための「どろぼうかささぎ」カヴァティーナ

 リンドン・ウォッツ(Fg; J-N. サヴァリ、1823年モデル)
 エドアルド・トルビアネッリ(Fp;ローゼンベルガー、1840年製オリジナル)
 マリアン・トロイペル=フランク(Ft;グレンザー、1810年頃製作モデル;*)
 ミュンヘン・フィルで、レヴァイン時代から首席を張ってきた若き名手は「ピリオド楽器の達人」だった。「ファゴットのストラディヴァリウス」と呼ばれたサヴァリ2世の稀少な現存銘器を周到に再現製作、えもいわれぬ低音の上品さと高雅な高音部に魅了される、ピリオド楽器を使う意義をつよく感じる名演。
PC-10309
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(2CD)
フランツ・シュミット(1874-1939):
 左手のためのピアノ協奏曲 変ホ長調(*) /
 管弦楽のためのシャコンヌ(作曲者編曲/原曲:オルガンのための)/
 左手ピアノと管弦楽のためのベートーヴェンの主題による協奏的変奏曲(#) /
 左手ピアノと弦楽四重奏のための五重奏曲(+)
  カール=アンドレアス・コリー(P;*, #, +) ヘルベルト・ベック指揮(#, +以外)
  ウィーン・ジュネスo.(#, +以外) ヴェルナー・アンドレアス・アルベルト指揮(#)
  ヴィンタートゥル・ムジークコレギウムo.(#) ザラストロSQ (+)
 録音:1995年3月(*)、1995年7月(無印)、コンツェルトハウス大ホール、ウィーン(*/無印) /1999年3月、シュタットハウス、ヴィンタートゥル(#/+) /初発売:1996年(*/無印) 、1999年(#/+) / (P) 1996, 1999 (C) 2014 。旧品番:510 081 [PAN-510081/PC-10081] (*, 無印/当店未案内)/510 115 [PAN-510115/PC-10115] (#, +)のセット化。10年以上入手困難だった録音。国内代理店は(#)の指揮者を『ヴェルナー・トーマス・アルベルト』としているが、誤り。帯等にも誤記が存在する可能性がありますので、御了承下さい。
ウィーン・フランチェスコ会修道院写本 XIV-726 より
 第94曲:トッカータ イ短調/第87曲:ソナタ/第74曲:ソナタ ヘ長調/第68曲:音楽による時計 イ短調/
 第4曲:ソナタ ニ長調/第77曲:ソナタ イ長調/第73曲:ソナタ イ短調/第69曲:郵便馬車の角笛 ロ長調

 グナール・レツボール〔グナー・レツボア〕(Vn)アルス・アンティクヮ・アウストリア()
 録音:2013年3月、アウグスティン大聖堂、ザンクト・フローリアン、オーストリア/ (P) (C) 2014 。ピリオド楽器使用。作曲家名を知らなくても演奏者で選ぶが正解、それがバロック盤の世界。鬼才レツボールのさらなる超絶技巧ガット弦アルバムは、なんと「作曲者不詳の傑作」ばかりを集めた注目盤。心そそる歌心、胸のすくようなテクニック、標題、ソナタ。オーストリアこそ、弦楽器の天国だった。
PC-10311
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(10CD)
3CD価格
グナール・レツボール〔グナー・レツボア〕、半数以上が新発売音源
 ハプスブルク帝国の近世音楽史〜歴代皇帝の音楽、諸民族の音楽

 CD I-VI ハプスブルク帝国領内の諸地域
  〔 CD I スロヴァキア 宮廷音楽と民俗音楽(*) / CD II スロヴェニア 地中海沿岸、古典派へ向けて/
    CD III ハンガリー 定住者たち、非定住者たち(#) / CD IV ポーランド 北の強国との境で(+) /
    CD V ボヘミア 音楽愛の宝庫(**) / CD VI モラヴィア 諸民族の交叉点 〕

 CD VII-X ハプスブルク帝国と諸外国
  〔 CD VII スペイン 同じ血をひく王家と異国情緒 / CD VIII ヴェネツィア オペラと協奏曲の黄金時代へ/
    CD IX ローマ 「永遠の都」の伝統と新様式 / CD X パリ 宮廷文化の発祥地、舞踏・民俗・影響力〕

 グナール・レツボール(Vn)指揮アルス・アンティクヮ・アウストリア
 ピリオド楽器使用。以前 SYMPHONIA レーベルから「ザ・サウンド・オヴ・カルチャーズ バロック期ヨーロッパを巡る音楽の旅」という名で発売されていた(Vol.1:SY-01191 (*)、Vol.2:SY-02198 (#)、Vol.4:SY-04210 (+)、Vol.5:SY-05216 (**))5枚のシリーズから、Vol.3 の「北ドイツ(リューベック)」を抜いて、新発売分6枚を加えた BOX 。翻場〔代理店記載ママ〕オーストリアの古楽界を担う超・異才レツボール、伝説的名盤群+新録音で送る、キレッキレの充実BOX 。
フランツ&リヒャルト・シュトラウス親子:ホルン協奏曲集
 フランツ・シュトラウス(1822-1905):ホルン協奏曲 ハ短調 Op.8
 リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):ホルン協奏曲〔第1番 変ホ長調 Op.11 /第2番 変ホ長調(1942) 〕

  ザムエル・ザイデンベルク(Hr) ゼバスティアン・ヴァイグレ指揮フランクフルト放送so.
 (P) 2011 / 2013 Produced by Hessischer Rundfunk 〔ヘッセン放送局〕/発売:2014年。おそらく初登場音源。生誕150周年の「息子」R.シュトラウスの2傑作もさることながら、「父」フランツの協奏曲も。ブラームスやワーグナーの同時代に、巨匠たちからも絶賛されたホルン奏者だった父の逸品、息子の新古典主義的傾向、ミュンヘン・フィルでも活躍したドイツの名手、あざやかな名演。
ヴィヴァルディ(1678-1741):
 ヴァイオリン協奏曲〔ニ長調 RV.218 (*) /イ長調 RV.346 (*) /
           ハ短調 RV.771(オリヴィエ・フレ補筆完成版)〕/
 ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ(グラーツ・ソナタ)〔第4番 ハ短調 RV.7 /第3番 ニ長調 RV.11 〕/
 ヴァイオリン協奏曲 ハ短調 RV.202 〜ラルゴ ヘ短調
  (ゲオルク・ピゼンデルによる装飾音が施された版、ドレスデンの手稿譜より)

 リナ・トゥール・ボネ(Vn) Ens. ムジカ・アルケミカ()
 (*)は世界初録音。ピリオド楽器使用。「ヴィヴァルディ新発見」系の痛快アルバム、新たに出て来る。各パートひとりずつの編成であぶり出される、協奏曲とソナタのはざまにある多面的な音世界、めくるめく超絶技巧も、憂愁の影も。演奏極上、興奮と洗練とを兼ね備えた名演。
1610年ミラノ、もうひとつの「聖母マリアの晩課」
 ジョヴァンニ・パオロ・チーマ(1570頃-1630):
  1・2・3・4声のための教会コンチェルト集/5声作品(2曲)/8声作品/ミサ/
  マニフィカト(2曲)/4声のファルソボルドーネ(数曲)/2・3・4声のための器楽ソナタ(6曲)
 アンドレーア・チーマ(1580頃-1627以降):2声のカプリッチョ/4声のソナタ

  ダニエラ・シュライファー(S) ダニエル・カベーナ(CT)
  ダン・ドゥンケルブルム、ディノ・リュティ(T) ライティス・グリガリス(B)
  ダニエラ・ドルチ(Org)指揮 Ens.ムジカ・フィオリータ
  カンティレーナ・アンティクァ声楽 Ens.〔グレゴリオ聖歌〕
 ピリオド楽器使用。モンテヴェルディの傑作「ヴェスプロ」と全く同じ年に同じテーマでさらなる曲集が。ミラノの異才、興奮必至。
ゲオルク・ダニエル・シュペーア(1636-1707):「戦争物語」(1688)〜17世紀ドイツ語圏の音絵巻
 音楽によるトルコ式オイレンシュピーゲル譚、すなわち、風変わりな滑稽譚...
 トルコ帝国のいと慎ましやかなる宮廷つき従軍道化が、ひょんなことから法相となったいきさつについて。
 諸国に知られたるハンガリーの戦争小説にもとづき、ハンガリーの、ギリシャの、モスクワ大公国の、
 ヴァラキア公国の、コサックの、およびポーランドの滑稽な舞踏劇を盛り込み、全体をうまく整え、
 管楽器と弦楽器のための有用なる合奏曲も添えて(1688年)

  マルクス・ミーセンベルガー(T)
  グナール・レツボール(Vn)指揮アルス・アンティクヮ・アウストリア
 ピリオド楽器使用。これぞ17世紀ドイツ語圏バロック。オーストリア随一の古楽集団、躍動感あふれる音楽絵巻を甦らせる。滑稽ドイツ語小説で人気を博したというG.D.シュペーアが、台本のみならず作曲までも自ら手がけた異国情緒と精彩に事欠かない物語音楽。
アントニオ・メネセス〜ダーヴィト・ポッパー(1843-1913):
 チェロ協奏曲(第2番) ホ短調 Op.24 /森のなかで Op.50 /蝶々 Op.3 No.4 /
 タランテラ Op.33 /ハンガリー狂詩曲 Op.86 /妖精の踊り Op.39
  アントニオ・メネセス(Vc) ロナルト・ゾルマン指揮バーゼルso.
 録音:1994年9月、11月(当盤本体記載によるが、1993年となっている資料あり)、バーゼル、スイス/初発売:1995年/ (P) 1995 (C) 2014 。旧品番:510 075 [PAN-510075/PC-10075] (当店未案内)。10年以上入手困難だった録音。
涙と愛と〜セバスティアン・ドゥロン(1660-1716):ソプラノのためのアリア
 Vaya pues rompiendo el ayre (クリスマスのハカラ) /
 サルスエラ「 Las nuevas armas de Amor 」より〔 Auras Suaves / Ondas, riscos, peces, mares 〕/
 サルスエラ「 Coronis 」より〔 El marido que sufrido / Dioses piedad 〕/
 サルスエラ「 El imposible mayor en amor le vence Amor 」より〔 Yo no puedo / Se hacemos treguas 〕/
 La borrachita de amor /サルスエラ「 Veneno es de Amor la envidia 」〜 Llorad infaustos zagales /
 作曲者不詳〔器楽〕: Espanoleta / Chacona / Passacalles de primer tono

  エバ・フアレス(S) ロヘリオ・ゴンサルベス指揮
  ア・コルテ・ムジカルア・コルテ・ムジカル〔古楽アンサンブル〕
 現代ではあまり演奏されることのない、17世紀のスペインの宮廷で人気を誇ったドゥロンの作品。打楽器を効果的に使ったスペイン独特のリズムとスペイン語の響きをピリオド楽器にのせて、バロック・サルスエラをスペインのソプラノが情熱的に、叙情的に歌い上げる。
変則調弦のバロック・ヴァイオリン〜17世紀ウィーンの写本より
 シュメルツァー:ソナタ「恋の小ソナタ」(第1曲/ソナティナ・アモローザ)/ソナタ(第80曲)
 ファーバー:ソナタ(第2曲) / ヴォイタ:ソナタ第2番(第71曲)
 作曲者不詳:ソナタ(第6曲)/ソナタ第3番(第72曲)/ソナタ第1番(第70曲)/ソナタ(第89曲)

 グナール・レツボール(Vn) アルス・アンティクヮ・アウストリア
  [エーリヒ・トラクスラー(Cemb/Org)
   フーベルト・ホフマン(リュート) ヤン・クリゴルスキー(ヴィオローネ)]
 ピリオド楽器使用。出典:オーストリア、ミノリーテン修道院写本、 XIV 726 。 オーストリアの異才レツボールが「生のまま」にたどるバロック・ヴァイオリンの至芸は、オーストリアにあり!
小さな森の歌〜シャインが遺した「森の音楽」 ヨハン・ヘルマン・シャイン(1586-1630):
 いつだってコンコルディアは/気高い羊飼いのコリドン/優しいフィッリの喉が渇いたとき/おお大気よ汝は気高き元素/
 少しも期待をしないとき/イントラーダ/おお絹のような髪の毛よ/クーラント/わたしのミルテッロ、あなたのデーリア/
 ああ、私はキューピッド/パドゥアーナ/この心の痛みを除けるならば/ガリアルダ〜クーラント/涼しい5月/
 おおコルディオン、あなたの幸運は今日開く/おお別れよ、苦い別れよ/パドゥアーナ/
 ナイチンゲール/やった。私と一緒に喜んで!

 ユリア・フォン・ランドスベルク、クリスティーネ・マリア・レムベック(S)
 フロリアン・ゲルツ(Br) トール=ハラルト・ヨンセン指揮
 ユナイテッド・コンティヌオ・アンサンブル
 ピリオド楽器使用。深い深い森の中で、森の精たちと音の森林浴を。ポスト・ルネサンス世代のドイツ声楽は、素朴で高雅。
PC-10328
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(3CD)
ミェチスワフ〔モイセイ〕ヴァインベルク(1919-1996):歌劇「白痴」(1985-86)
 〔ドストエフスキーの小説「白痴」による/台本:アレクサンドル・メドヴェージェフ〕
 ユハン・トララ、シュテーヴェン・シェシャレク、リュドミラ・スレプニェワ、
 ブライアン・ボイス、ラース・メラー、バルトシュ・ウルバノヴィチ、
 アン=テレサ・メラー、エルズビェタ・アルダム、タマラ・バニェシェヴィチ/他
 トーマス・ザンデルリング指揮マンハイム国立歌劇場o.
 録音:2014年1月12日、31日、マンハイム国立歌劇場、ドイツ、ライヴ。ソ連=ロシアに渡った問題作曲家、そのしなやかな感性で綴られた傑作、ドイツでついにヴェールを脱ぐ。
PC-10329
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(2CD)
ビーバー:変則調弦によるヴァイオリンと通奏低音による
 15のソナタ、および無伴奏パッサカーリャ「ロザリオのソナタ集
 リナ・トゥール・ボネート(Vn) アンサンブル・ムジカ・アルケミカ
  [アンネ・マーリエ・ドラゴシッツ(Cemb)
   パッチ・モンテーロ(Vg/Cb/リローネ/ヴィオローネ)
   ラインヒルト・ヴァルデーク(Hp) トーマス・ボイゼン(テオルボ)]
 ピリオド楽器使用。ヴィヴァルディの協奏曲で圧倒的センスをみせた名手、心震える妙技。
PC-10330
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(2CD)
フランチェスコ・カヴァッリ(1602-1674):歌劇「オルミンド」(1644)〔序幕 + 全3幕〕
 マガリ・レジェール、ステファニー・レヴィダ、サンドリーヌ・ピオー(S)
 カリーヌ・デエー(Ms) マルティン・オロ、ドミニク・ヴィス(CT)
 ハワード・クルック、ジャン=フランソワ・ロンバール(T)
 ジャック・ボナ、ブノワ・アルノー(Br)
 ジェローム・コレアス(Cemb)指揮アンサンブル・レ・パラダン
 初発売:2006年。旧品番:PC-10196〔廃盤〕。おそらくピリオド楽器使用による世界初録音だった物。
PC-10331
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(2CD)
ステファノ・ランディ(1586/87-1639):歌劇「オルフェオの死」(1619)
 ジョン・エルヴェス(T;オルフェオ) ヨハンナ・コズロウスキ(S;エウリディーチェ)
 デイヴィッド・コーディエ、マイケル・チャンス(CT)
 ハリー・ファン・デア・カンプ(B)他 スティーヴン・スタッブズ指揮
 アンサンブル・トラジコメディア、クレンデ・ヴォカール・アンサンブル
 録音:1987年8月。原盤・旧品番: Accent (BELGIUM), ACC-8746/47, ACC-30046〔廃盤〕。ローマで活躍した初期オペラ作曲家の一人ランディの作品で、モンテヴェルディの「オルフェオ」 (1607) と比較するといろいろ面白い発見がある。マイケル・チャンスにハリー・ファン・デア・カンプなど、かなりのメンバーが揃った録音。
イタリア初期バロックの金管合奏さまざま
 マルヴェッツィ:第4シンフォニア/恋する男女は優しくあれど
 マレンツィオ:嵐のさなかに歌い、イルカに助けられた者 / パレストリーナ:アヴェ・マリア
 バッサーノ:おお、頼れる師であらせられるかた / 作曲者不詳:エル・ビソンとガリアルダ
 デ・ローレ:シチリアの歌を奏でる / グッサーゴ:第11ソナタ「ラ・マリーナ」(海辺のソナタ)
 G.ガブリエーリ:主よ、耳をかたむけて下さい / A.ガブリエーリ:マリアは立ちつくしていた、その場所で
 ダッラ・カーザ:喜び迎えよ、神を(ユビラーテ・デオ) / S.ロッシ:5声のシンフォニアとガリアルダ
 ヴェッキ:バレット(舞踏曲) / マジーニ:第1シンフォニア
 ペルティ:この星は炎のように / ネーリ:6声のソナタ

  アンサンブル・ヴェントスム ウィリアム・ドンゴワ(Zk) フランク・ポワトリノー(Tb)他
 ピリオド楽器使用。あの世界有数の多忙なコルネット奏者ドンゴワらがイタリア美術に描かれた世界の音に、私たちを誘う。
ルイ王朝の女性作曲家〜エリザベト・ジャケ・ド・ラ・ゲール(1665-1727):
 ヴァイオリン、オーボエ、ヴィオールと通奏低音による第4ソナタ ト短調/
 ヴァイオリン、フルート、ヴィオールと通奏低音による第3ソナタ ニ長調/
 ヴァイオリンと通奏低音による第1ソナタ ニ短調/クラヴサン独奏による第3組曲 イ短調/
 2つのヴァイオリン、チェロと通奏低音による第2ソナタ ハ短調/
 ヴァイオリンと通奏低音による第5ソナタ ト長調/
 ヴァイオリン、オーボエ、ヴィオールと通奏低音による第1ソナタ 変ロ長調
  ダニエラ・ドルチ(Cemb)指揮ムジカ・フィオリータ
 ピリオド楽器使用。17世紀、クープランと同世代の女性作曲家がみせたイタリア趣味への華麗な適合。名手続々の充実盤。
ウィーン17世紀、見出された作曲家たちとヴァイオリンのための音楽〜
 コンヴェツァル聖フランチェスコ会修道院の写本 XIV-726 より

 ボナヴェントゥーラ・ヴィヴィアーニ(1638-1693):ソナタ(第90曲)
 ヨハン・カスパー・トイプナー(1661以前-1697):ソナタ(第88曲)
 アントニオ・ベルターリ(1605-1669):ソナタ(第97曲)
 ヨハン・ハインリヒ・シュメルツァー(1620/23-1680):ソナタ(第100曲)
 ルーペルト・イグナーツ・マイヤー(1646-1712):ソナタ(第67曲)/ソナタ(第78曲)/ソナタ(第102曲)
 ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・フォン・ビーバー(1644-1704):ソナタ(第75曲)/ソナタ(第9曲)

  グナール・レツボール(Vn) アルス・アンティクヮ・アウストリア
 ピリオド楽器使用。 Vol.1: PC-10310, Vol.2: PC-10322 。レツボールの充実企画、ついに堂々の完結編。
ヴィンテージのハルモニウムとピアノで聴く、ワーグナー傑作選〜カルク=エーレルト1914年編曲版
 「タンホイザー」〜ヴァルトブルク城への賓客たちの歓待/「ローエングリン」〜第1幕への前奏曲/
 「さまよえるオランダ人」〜紡ぎ歌/「パルジファル」〜花の乙女たちの合唱/
 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」〜五重唱/「ヴァルキューレ」〜ジークムントの愛の歌/
 「ローエングリン」〜婚礼の合唱/「神々の黄昏」〜ジークフリートの死/「神々の黄昏」〜葬送行進曲/
 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」〜行進曲/「トリスタンとイゾルデ」〜第1幕への前奏曲/
 「トリスタンとイゾルデ」〜イゾルデの愛の死

  ヤン・ヘンニヒ(クンストハルモニウム|ミュステル社、1928年製)
  エルンスト・ブライデンバッハ(P|スタインウェイ&サンズ)
 ハルモニウムは、芸術音楽の楽器!その最高の作曲家による至芸、晩期ロマン派の至宝。
PC-10336
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(2CD)
オイゲン・ダルベール(1864-1932):
 歌劇「即興歌手」序曲(1902) /
 ピアノ協奏曲 (*)〔第2番 変ホ長調 Op.12 /第1番 ロ短調 Op.2 〕/
 チェロ協奏曲 ハ長調 Op.20 (#) /交響曲 ヘ短調 Op.4 (+)
  カール=アンドレアス・コリー(P;*) アントニオ・メネセス(Vc;#)
  ロナルト・ゾルマン指揮バーゼルso.
 録音:1995年7月、スペイン(*/無印) /1993年9月-10月、バーゼル、スイス(#/+) 。初発売:1996年(*/無印) 、1993年(#/+) / (P) 1996, 1993 (C) 2015 。旧品番:510 083 [PAN-510083/PC-10083] (*, 無印)/510 066 [PAN-510066/PC-10066] (#, +)〔共に当店未案内〕のセット化。10年以上入手困難だった録音。
PC-10337
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(4CD)
2CD価格
ヨハン・メルヒオール・グレトレ(1626-1683):
 ラテン語による独唱モテット集 Op.5(1677年アウクスブルク刊/全36曲)
 フェッロ:4声のソナタ第10番 / ベルターリ:5声のソナタ より〔第6番/第4番〕 / リッター:6声のソナタ

 ダニエラ・ドルチ(Cemb/Org)指揮 Ens.ムジカ・フィオリータ
 ジャン=フランソワ・マドゥフ、フィリップ・タール(Tp)
 ウィリアム・ドンゴワ(ツィンク) 今村泰典(テオルボ)
 エンリーコ・パリッツィ、エレーヌ・シュミット 他(Vn)他、多数
 録音:1999年〔モテット 5, 16, 18, 26 28a 30 〕(*) 、2005年〔モテット 10-11, 15, 17a, 19-20, 33 〕(#) 、2014年/ (P) 2000 (*), 2007 (#), 2015 。前出・旧品番(当店推測): Pan Classics, PAN-510130 (*) 〔廃盤、入手不能〕、 ORF, ORFCD-461 (#) 。ピリオド楽器使用。シュッツとブクステフーデを繋ぐ世代の作曲家として注目が高まっているグレトレは、スイス出身、南ドイツのアウグスブルクで大聖堂のオルガン奏者、カペルマイスターとして活躍した作曲家。ドイツ語圏の古楽勢が15年をかけて全曲録音せずにはおれなかった傑作曲集、絶品。
カルロス・ハカール〔カレル・ハッケルト〕(1640-1701):
 12のヴィオール組曲 Op.3 (1686年、ハーグで出版) より
  〔第6番 ニ長調/第8番 ホ短調/第9番 ヘ長調/第10番 イ短調/第11番 ト短調/第12番 ハ長調〕
 グイード・バレストラッチ(Gamb) ニコラ・ダル・マーゾ(ヴィオローネ)
 ラファエル・ボナビタ(アーチリュート)
 マッシミリアーノ・ラスキエッティ(Cemb/Org)
 録音:2003年4月、サン・ジョルジョ教会、ピサ、イタリア/初発売:2004年。 原盤・初出・前出: SYMPHONIA (ITALY), SY-03205ブルッヘに生まれたハカールは生地で音楽教育を受け、1670年頃にアムステルダムに移住、オランダで作曲家として活躍し、高い評価を得た。この組曲集は、パーセルやコレッリのトリオ・ソナタにも匹敵するとされる「パルナス山の調和」Op.2と同様に、彼の代表作。
PC-10340
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(12CD)
4CD価格
カイルベルト、バイロイト 1953 〜ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指輪」
 ハンス・ホッター(B;ヴォータン) ヘルマン・ウーデ(Br;ドンナー)
 ゲルハルト・シュトルツェ(T;フロー) エーリヒ・ヴィッテ(T;ローゲ)
 グスタフ・ナイトリンガー(Br;アルベリヒ) パウル・クーエン(T;ミーメ)
 ルードヴィヒ・ウェーバー(Br;ファゾルト) ヨーゼフ・グラインドル
  (Br;ファフナー/フンディング/ハーゲン) イーラ・マラニウク(Ms;フリッカ/ヴァルトラウテ)
 ラモン・ヴィナイ(T;ジークムント) レジーナ・レズニック(S;ジークリンデ)
 マルタ・メードル(S;ブリュンヒルデ) ヴォルフガング・ヴィントガッセン(T;ジークフリート)

 ヨーゼフ・カイルベルト指揮バイロイト祝祭o. & cho.
 録音:1953年7月25日-27日、29日、バイロイト音楽祭。ライヴ。 他出 CD : GOLDEN MELODRAM , GM-1.0014 / ANDROMEDA, ANDRCD-5000 〔以上、全て廃盤〕。『 Andromedaから出た比較的良質音源(中略)が今回のソース』だとのこと。幻の音源、復活!カイルベルト1953年の「指環」、充実仕様で再登場!豪華歌手陣、圧巻のライヴを!
ドメニコ・アンニーバリのためのアリア集〜
 ドレスデンのスター・カストラート

 ジョヴァンニ・アルベルト・リストーリ(1692-1753):
  「 Le fate 」〜アリア「 Bellezze adorate 」/
  「 Componimento per musica 」〜アコンパニアートとアリア「 Si, rifiorite... A vostro dispetto 」
 ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783):「 Cleofide 」〜アリア「 Cervo al bosco 」/
                    「 Irene 」〜「 Perfidi, sul mio core 」
 ニコラ・アントニオ・ポルポラ(1686-1768):
  「 Germanico in Germania 」〜アリア「 Qual turbine che scende 」/
  「 Filandro 」〜 アコンパニアートとアリア「 Terra e questa... D’esser gia parmi 」
 ヘンデル(1685-1759):「 Arminio 」〜アリア「 Vado a morir 」/
            「 Berenice 」〜二重唱「 Se il mio amor fu il tuo delitto 」(*)
 フランチェスコ・フェオ(1691-1761):「 Andromaca 」〜アリア「 Quel nocchier che vana ogn’opra 」
 ヤン・ディスマス・ゼレンカ(1679-1745):「 Il Serpente di bronzo 」〜 Gia ripiglia vermiglia la rosa
 ガエターノ・ラティッラ(1711-1788):「 Romolo 」〜 Cosi geloso un angue

 フラヴィオ・フェッリ=ベネデッティ(CT) カルラ・ナーディ・バベレゴート(S;*)
 イル・バジリコ〔バロック・アンサンブル〕
 録音:2015年8月、アドゥラム・カペレ、バーゼル、スイス。 ヨーロッパはもちろん、2014年には来日公演でも大好評を博したカウンターテナー〔来日公演招聘元表記:フラヴィオ・フェリ・ベネデッティ〕による、ハッセやヘンデルに好まれてドレスデンを中心に活躍したカストラート、アンニーバリのためのアリア集。
PC-10342
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(2CD)
ドビュッシー/ロバート・オーレッジ再構成:
 歌劇「アッシャー家の崩壊」/歌劇「鐘楼の悪魔」
  ウィリアム・デイズリー、ユージン・ヴィラヌエヴァ(Br)
  ヴァージル・ハ―ティンガー(T) リン・リン・ファン(S)
  ミヒャエル・ドリース(B) クリストフ=マティアス・ミューラー指揮
  ゲッティンゲンso.、ゲッティンゲン聖ヤコビ教会室内cho.
マドリガーレ「 Vestiva i colli 〔丘も野原も〕」による作品集
 バルダッサーレ・ヴィアラルド(1620頃活動):ミサ「 Vestiva i colli 」(1624)
 ミケランジェロ・グランチーニ(1605-1669): Exultate Christo / Quid est, quod dilectus meus
 フランチェスコ・ロニョーニ(1570-1626): Vestiva i colli
 イグナツィオ・ドナーティ(1570-1638): O gloriosa Domina
 ジョヴァンニ・パオロ・チーマ(1570頃-1622):
  Laudate Dominum / Veni sponsa Christi / Iubilate Deo / Cantantibus organis / Confitemini Domino
 アドリアーノ・バンキエーリ(1568-1634): Canzona sesta sopra
 バルトロメオ・デ・セルマ(1605-1650): Vestiva i colli
 ウィリアム・ドンゴワ:「 Vestiva i colli 」によるコルネット即興
 ミケランジェロ・グランチーニ(1605-1669): Confitemini Domino

  ルチダニエラ・ドルチ(Cemb/Org)指揮ムジカ・フィオリータ
   [ウィリアム・ドンゴワ(コルネット)他、
    S/A/T/B/コルネット/2テオルボ/Vn/Va/Gamb/ヴィオローネ/アーチリュート]
 録音:2015年1月、バーゼル、スイス。
PC-10345
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(4CD)
2CD価格
ゴットフリート・フッペルツ(1887-1937):「ニーベルンゲン」(1924)
 〜フリッツ・ラング映画のための音楽
〔ジークフリート/クリームヒルトの復讐〕
 フランク・シュトローベル指揮フランクフルト放送so. [hrso.]
 1920年代、R.シュトラウスやラヴェルらの時代。ドイツ本格管弦楽の粋は、実は映画音楽の世界に。
ゴットフリート・フッペルツ(1887-1937):「ニーベルンゲン」(1924)
 〜フリッツ・ラング映画のための音楽
〔ジークフリート/クリームヒルトの復讐〕(抜粋)
 フランク・シュトローベル指揮フランクフルト放送so. [hrso.]
 上記 PC-10345 から、指揮のフランク・シュトローベルが選曲した抜粋版。
ベネディクト・アントン・アウフシュナイター(1665-1742):晩課 Op.5 (1709)
  〔フランツ・アントン・フーグル(1706-1745)のオルガン作品を曲間に挿入〕
 第五旋法による前奏曲とフーガ/主は言われた(詩篇110) /第四旋法による前奏曲とフーガ/主をほめ讃えよ(詩篇111) /
 第一旋法によるフーガ(または前奏曲)とフーガ/主を恐れるものは幸いなり(詩篇112) /フーガ 変ロ長調/
 第二旋法による前奏曲とフーガ/主の僕たちよ、ほめ讃えよ(詩篇113) /第六旋法による前奏曲とフーガ/
 主をほめ讃えよ(詩篇117) /第五旋法による前奏曲とフーガ/マニフィカト

グナール・レツボール指揮アルス・アンティクヮ・アウストリア、聖フローリアン少年聖歌隊
 ピリオド楽器使用。ビーバーとバッハの間をゆく、この豪華絢爛な音世界!ブルックナーさえ遠く垣間見える、ピリオド楽器金管+合唱。
ルッツァスコ・ルッツァスキ(1545-1607):マドリガーレ集
 Ecco il bel Lauro verde / Cor mio, deh, non languire / Quivi sospiri /
 Deus tu scis insipientiam meam / Ricercar quarto / Dolci sospiri ardenti / Deh, non cantar, donna gentil /
 Filli al partir del suo caro Pastore / In tribulatione mea11 Aura soave /
 Stral pungente d 'Amore / Lucenti e chiare stelle14 Canzona X / Ricercar terzo /
 Toccata del quarto tono / Io veggio pur pietate / Morir non puo 'l mio core

ジョヴァンニ・フランチェスコ・アネーリオ(1567?-1630)〔器楽作品〕:
  Gagliarde in d / Gagliarde in e
 エラム・ロテム指揮プロフェティ・デッラ・クインタ〔古楽アンサンブル〕
  [野田亜希(Org) 坂本龍右(リュート)/他?]
 ほとんどの曲が世界初録音。ルネサンス末期に活躍し、フレスコテバルディ等たくさんの弟子を輩出。バロックへの橋渡し役を担ったルッツァスキ。オルガニストとしてはもちろん、当時は珍しかった女性だけの声楽アンサンブル「コンチェルト・デッレ・ダーメ」の作曲家としても有名だった。当時の空気と響きをそのままにマドリガーレを。
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集
 [第1番 ハ長調 Hob.VIIa-1/
  第3番 イ長調 Hob.VIIa-3「メルク僧院協奏曲」/
  第4番 ト長調 Hob.VIIa-4]
イザベル・ファウスト(Vn)
クリストフ・ポッペン指揮
ミュンヘン室内o.
 録音:1997年4月、エルマウ城大広間。録音技師:服部光一郎&Musica Numeris。編集:クレメント・シュピース。監修:トーマス・プファイファー。旧品番:PC-10102
 躍進めざましいイザベル・ファウスト、HMFとならんでPAN CLASSICSからも登場!
 現代的センスで磨きぬかれた、清々しく確固たる名演!絶妙のバランス感覚と磨きぬかれた輝かしい音、苦労を感じさせないテクニックを武器に、さまざまなコンクールを破竹の勢いで制しつづけ世にあらわれたイザベル・ファウスト(Vn)。harmonia mundi franceではフォーレやシマノフスキらの名演につづいてドヴォルザークの協奏曲を録音、そんな折も折、彼女が20世紀末に録音した名演ディスクがデジパック仕様の“新生”PAN CLASSICSから登場。
 19世紀ロマン派以降の作品での堂々たる演奏もすばらしいが、こうしてハイドンなど聴いていると、イザベル・ファウストという人の音楽性がいかに「ごまかしのない、真正・真摯な芸術」であるかを思い知るのではないだろうか?音符ひとつひとつおろそかにせず、すきっと爽快なアーティキュレーションやフレージングは惚れ惚れするほど。ノーブルで「カッコイイ」ハイドンなのである。
 伴奏はクリストフ・ポッペン指揮のミュンヘン室内管弦楽団。いうまでもなく、ECMでのグバイドゥーリナやバッハ「フーガの技法」、独自の編曲によるシューベルト「死と乙女」などきわめて先鋭的なディスクで知られた顔合わせである。このようにポッペンのもとで先進的な現代音楽のセンスをますます磨いてさらなる成長をみせているミュンヘン室内管だが、前任の指揮者シュタットルマイアのもとでは数限りなく古典派の名演を聴かせてきた団体。「じつは現代的で芸の細かい」ハイドンを演奏するのにはもってこいの面子なのである。じっさい、この録音でも隅々まで神経の行き届いたサウンド作りがじつに心地よい。「ハイドンのヴァイオリン協奏曲のリトルネッロがこんなに素晴らしかったとは!」と耳を疑うに違いない。
ロータ、ブルッフ、ブロッホ:コントラバス協奏曲集
 ニーノ・ロータ(1911-1979):コントラバスと管弦楽のための協奏的ディヴェルティメント(1968)
 マックス・ブルッフ(1838-1920):コントラバスと管弦楽による「コル・ニドライ」
 エルネスト・ブロッホ(1880-1959):コントラバスと管弦楽による「シェロモ」

  ボグスワフ・フルトク(Cb) ペテル・ゼリエンカ指揮ヘッセン放送so.
 コントラバスの歌心、ロータの侮りがたい構築感覚。「前衛」にこだわらない今こそ再訪したい音響世界。


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