KKC-8656/62 (7 HYBRID_SACD) 廃盤 |
J.S.バッハ:管弦楽BOX
鈴木雅明 指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
KKC-8675/8743 (69CD + 特典盤) 廃盤 |
シベリウス大全集(国内独自企画) | ||
シベリウス(1865-1957): 弦楽四重奏曲 ニ短調Op.56「親愛の声」 シューマン(1810-1856): 弦楽四重奏曲第3番 イ長調Op.41 No.3 |
ヴォーチェス・インティメ 〔親愛の声〕四重奏団 | ||
録音:1974年10月、Viks slott [Wik Castle]、ウプサラ、スウェーデン。 | |||
フィンランドの管楽作品集 レオニード・バシュマコフ(1927-2016): フルートと打楽器のための4つのバガテル(1971) [グニッラ・フォン・バール(Fl) ライネル・クイスマ(Perc)]/ フルートと弦楽四重奏のための室内協奏曲(1972) [グニッラ・フォン・バール(Fl) パーヴォ・ポホヨラ、モナ・ヌーディン(Vn) ザハリ・チャフダヴォフ(Va) エレメール・ラヴォタ(Vc)] アハティ・ソンニネン(1914-1984):愛は去り行く Op.40 (1953) [グニッラ・フォン・バール(Fl) ソルヴェイグ・ファリンゲル(S) スティグ・ヴェステルベリ指揮スウェーデン放送so.団員] ヨーナス・コッコネン(1921-1996):木管五重奏曲(1972-73) レイフ・セーゲルスタム(1944-2024):木管五重奏のための「 A NNNNOOOOOWWW 」(1973) [ヘルシンキ(木管)五重奏団] | |||
録音:1974年5月-1974年10月、スウェーデン、 AAD | (C) 1974 (P) 1995 。 | |||
レイフ・セーゲルスタム(1944-2024): 弦楽四重奏曲第6番(1974)[セーゲルスタムSQ/録音:1974年10月]/ 管楽五重奏のための「 A NNNNOOOOOWWW 」(1973) [ヘルシンキ五重奏団〔Hr、Cl、Fg、Fl、Ob〕/録音:1974年6月] レイフ・セーゲルスタム(1944-2024)/ラッセ・ヴェルナー(1934-1992): 2台のピアノのための「 Laの儀式」(1974) [レイフ・セーゲルスタム、ラッセ・ヴェルナー(P)/録音:1974年10月] | |||
ショスタコーヴィチ: ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 Op.67[ハンス・ポールソン(P) アルヴェ・テレフセン(Vn) フランス・ヘルメション(Vc)/1975年4月26日]/ 弦楽四重奏曲第8番 ハ短調 Op.110 [ヴォーチェス・インティメSQ /1976年6月27日]/ アレクサンドル・ブロークによる7つの詩 Op.127 [ジャクリーヌ・デルマン(S) エミール・デーコフ(Vn) オーケ・オーロフソン(Vc) ルシア・ネグロ(P)/1975年8月28日] | |||
録音:[/内]、ナッカ・アウラ、ナッカ、スウェーデン、 AAD / (P) 1993 [CD] 。 | |||
レイフ・セーゲルスタム(1944-2024): 6つの経験の歌(1971)[タル・ヴァルヤッカ(S) レイフ・セーゲルスタム指揮 オーストリア放送so./録音:1976年4月、ウィーン]/ 弦楽四重奏曲第7番(1974-1975)[セーゲルスタムSQ/録音:1975年9月13日、ヘルシンキ] | |||
ジェルジ・リゲティ(1923-2006):作品集 フルートとオーボエのための二重協奏曲 (1971) /サンフランシスコ・ポリフォニー (1973-74) / 弦楽四重奏曲第1番「 Métamorphoses nocturnes 」(1953-54) / チェンバロのための「コンテウム」(1968) /ピアノのための「ムジカ・リチェルカータ」(1951-53) グニラ・フォン・バール(Fl) トーレイフ・ランネルホルム (Ob) エヴァ・ヌールヴァール(Cemb) リーサ・ポヒョラ(P) ヴォーチェス・インティメSQ エルガー・ハワース指揮スウェーデン放送so. | |||
1977年スウェーデン・グラモフォン賞受賞盤。 | |||
フィンランドの室内楽作品集 トイヴォ・クーラ(1883-1918):ピアノ三重奏曲 イ長調 Op.7 (1908) (*) アーレ・メリカント(1893-1958):ヴァイオリンとピアノのための前奏曲(1943) (#) ウスコ・メリライネン(1930-2004):無伴奏ヴァイオリンのための小曲集(1965) (+) レイフ・セーゲルスタム(1944-2024):ヴァイオリンとピアノのための詩曲(1965) (#) リーサ・ポヒョラ(P;*/#) パーヴォ・ポヒョラ(Vn;*/#/+) エンスティ・ポヒョラ(Vc;*) | |||
録音:1976年3月26日-28日(*)、1974年6月21日-22日(#)、1974年12月15日(+)、すべてヴィーク城、スウェーデン、 AAD / (C) & (P) 1974, 1976 & 1989 。(*)は55分半を要する大作。 | |||
エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928-2016):作品集 組曲「ヴァイオリン弾き」 Op.1 (作曲者編曲/原曲:ピアノのための) [レイフ・セーゲルスタム指揮ヘルシンキ室内o./ 1974年12月21日、シベリウス・アカデミー、ヘルシンキ、フィンランド]/ クラリネットとピアノのためのソネット Op.53 (1969) [チェル=インゲ・ステヴェンソン(Cl) エヴァ・クナルダール(P)/ 1976年6月10日、ナッカ・アウラ、ナッカ、スウェーデン]/ フルートとギターのためのソナタ(1975) [グニッラ・フォン・バール(Fl) ディエゴ・ブランコ(G)/ 1975年6月25日、ヴィーク城、スウェーデン]/ 弦楽四重奏曲第4番 Op.87 (1975) [ヴォーチェス・インティメSQ / 1976年6月27日、ナッカ・アウラ、ナッカ、スウェーデン]/ ユニコーンのモノローグ(1980) /ユニコーンのセレナーデ(1977) [ユッカ・サヴィヨキ(G)/ 1982年5月3日、スタジオ BIS 、ユルスホルム、スウェーデン]/ Ludus verbalis (1957) [エイナル・イサクソン指揮ルレオ室内cho./ 1974年2月22日、 Örnäskyrkan, ルレオ、スウェーデン] 子供のミサ曲 [Lapsimessu] (1973) [エルッキ・ポホヨラ指揮タピオラ青少年cho.、 パーヴォ・ポホヨラ指揮エスポー室内o./ 1977年11月25日、ドイツ教会、ヘルシンキ、フィンランド] | |||
録音:[/内]、 AAD / (C) & (P) 1974, 1975, 1976, 1977, 1982 & 1993 。 | |||
トリオ・プロ・アルテ〜メンデルスゾーン&スメタナ メンデルスゾーン(1809-1847): ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.49 (*) スメタナ(1824-1884):ピアノ三重奏曲 ト短調(#) |
トリオ・プロ・アルテ [エリザベト・ヴェステンホルス(P) ミラン・ヴィーテク(Vn) ピエール・ルネ・ホネンス(Vc)] | ||
録音:1977年5月31日(*) 、1977年6月2日(#) 、以上 ルイジアナ近代美術館、 Humlebæk (コペンハーゲン北)、デンマーク、AAD 。CD化:1994年。 | |||
トリオ・プロ・アルテ〜ブラームス(1833-1897): ピアノ三重奏曲全集 Vol.1 〔第1番 ロ長調 Op.8 (*) /第3番 ハ短調 Op.101 (#) 〕 |
トリオ・プロ・アルテ [エリザベト・ヴェステンホルス(P) ミラン・ヴィーテク(Vn) ピエール・ルネ・ホネンス(Vc)] | ||
録音:1978年3月21日、23日(*) 、1978年9月16日-17日(#) 、以上 旧・ホルテ私立高校(現・ folkeskolen Dronninggårdskolen )コンサート・ホール、ホルテ、デンマーク、AAD 。CD化:1994年。 | |||
トリオ・プロ・アルテ〜ブラームス(1833-1897): ピアノ三重奏曲全集 Vol.2 〔第2番 ハ長調 Op.87 (*) /イ長調 (1853?) (#) 〕 |
トリオ・プロ・アルテ [エリザベト・ヴェステンホルス(P) ミラン・ヴィーテク(Vn) ピエール・ルネ・ホネンス(Vc)] | ||
録音:1977年9月19日(*) 、1979年3月31日-4月1日(#) 、以上 旧・ホルテ私立高校(現・ folkeskolen Dronninggårdskolen )コンサート・ホール、ホルテ、デンマーク、AAD 。CD化:1990年。 | |||
C.P.E.バッハ&J.S.バッハ:フォルテピアノとクラヴィコードのための作品集 C.P.E.バッハ:専門家と愛好者のためのロンド付きピアノ・ソナタ から 〔第2集 Wq.56 〜ロンド I ハ長調 Wq.56-1, H.260 / 第5集 Wq.59 より[ソナタ I ホ短調 Wq.59-1, H.281 /ロンド II ハ短調 Wq.59-4, H.283 / 幻想曲 I ヘ長調 Wq.59-5, H.279 ]/ 第2集 Wq.56 より[ロンド III イ短調 Wq.56-5, H.262 /ソナタ III ハ長調 Wq.56-6, H.270 ]/ 第5集 Wq.59 〜幻想曲 II イ短調 Wq.59-6, H.284 〕 J.S.バッハ:組曲〔イ短調 BWV818a (+) /変ホ長調 BWV819a (+) 〕 インゲル・グルーディン=ブラント(Fp;*/クラヴィコード;#) | |||
録音:1979年6月4日-6日(+以外)、1976年8月27日-29日(+) 、すべて Viks slott [Wik Castle]、ウプサラ、スウェーデン。CD発売:1992年。ピリオド楽器使用。使用楽器: Frank Hubbard 製〔ヨハン・アンドレアス・シュタイン、1784製作のコピー〕(*) / Sassmann 製作〔クリスティアン・ゴットロープ・フーベルト、1763年製作のコピー〕 (#) 。なおC.P.E.バッハの作品に関しては、レーベルの資料に "Rondo I (aus Sammlung 2)" といった情報しかなく、上記は当店における推測を含みます。『恐るべき比重と力強さを持った、しかしソフトタッチのサウンド』(「長岡鉄男の外盤A級セレクション」より) | |||
フランツ&カール・ドップラー: フルート作品全集 |
ペール・オイエン、 ロバート・エイトケン(Fl) ゲイル・ ヘンニング・ブローテン(P)他 | ||
Trumpet and Keyboard 〜超絶技巧トランペット ガーシュウィン/チモフェイ・ドクシツェル編曲:ラプソディ・イン・ブルー(1924) マルティヌー:トランペットとピアノのためのソナチネ(1957) ヒンデミット:トランペットとピアノのためのソナタ(1939) アレクサンドル・セリエ(1883-1968):詩篇149「主に向って新しい歌を歌え」による トランペットとオルガンのための主題と変奏曲 フリッツ・ヴェルナー(1898-1977):トランペットとオルガンのためのデュオ Op.53 (1973) スタンリー・ワイナー(1925-1991): トランペットとオルガンのための幻想曲第1番 Op.57 (1974) エドワード・タール(Tp) エリサベト・ヴェステンホルス(Org/P) | |||
録音:1979年9月17日-20日、バンゲゼ教会 [Vangede Church] 、コペンハーゲン、デンマーク。CD発売:1992年。『音がパーッと拡散するのが目に見えるようなトランペット』(「長岡鉄男の外盤A級セレクション」より) | |||
長岡鉄男氏がLPを激賞〜ラ・スパーニャ フランチェスコ・ダ・ミラノ:スパーニャ・コントラプント / プレトリウス:スパニョレッタ フランシスコ・デ・ラ・トーレ:「ラ・スパーニャ」によるダンサ・アルタ/ カルロス・ベラルディ:バエティカの物語 ジョアン・アンブロージオ・ダルツァ:スペイン風カラータ〔第1番−第4番〕 ハンス・コッター:シュパニオール・コッヘスベルガー(#) / ハンス・コンスタンツ:スペインの踊り ジャイルズ・ファーナビー:古きスパニョレッタ/スパニョレッタ / フアン・デル・エンシナ:悲しきスペイン 作者不詳:レ・ディ・スパーニャ / M.グリエルムス:ラ・バッサ・カスティーリャ 作者不詳:ラ・スパーニャ/スペインよ、お前の損失を忘れよ ハンス・ヴェック:スペインの踊り − ホッパー・ダンツ「スパーニャ」 ハンス・コッター:シュパニーラー / 作者不詳:エスパニョレッタ チェーザレ・ネグリ:スパニョレット − ヴィラニッコ・ディ・スパーニャ − パヴァニーリャ・ディ・スパーニャ − スパニョレット ジョスカン・デ・プレ:5声の「ラ・スパーニャ」 ディエゴ・オルティス:「ラ・スパーニャ」の定旋律によるレセルカーダ/Recercada primera - sesta トラバーチ:5声のガリアルダ第4番「スペイン風」 / 作者不詳:ザ・スペイナード ピルキントン:スペイン風パヴァーヌ / エンシーナ:悲しきスペイン / サンス:エスパニョレッタ フランチェスコ・ダ・ミラノ:スペイン風リチェルカーレ (スペインのあることについて) ユーデンキュニッヒ:スペイン風ホッツ・ダンツ / カベソン:「ラ・アルタ」の定旋律による3声部楽曲 エンシーナ:悲しきスペイン カローゾ:マドリーリャ風の新型スパニョレッタ/フリオーソ・アッラ・スパニュオラ 作者不詳:スペイン風パドヴァーナ/ グレゴリオ・パニアグワ指揮アトリウム・ムジケー古楽合奏団 | |||
録音:1980年4月、帝国大学礼拝堂、マドリッド。録音のクリアさで、故・長岡鉄男氏が激賞したアイテム。 #2011年にBISSA-1963でSACD化されており、そちらには LP ( BIS LP 163/164 ) 発売のみで当盤へは未収録(=未CD化)だった3曲(リンク先をご参照)が追加されています。ただしBISSA-1963では収録時間の関係から、上記の内(#)がSACD層のみの収録となっており、CDプレイヤーでは聴くことができません。(#)をCDプレイヤーで聴くためには当 BIS-163 が必要となります。 | |||
ブラームス(1833-1897):チェロ・ソナタ全集 〔第1番 ホ短調 Op.38 /第2番 ヘ長調 Op.99 〕 |
クリストフ・ヘンケル(Vc) エリサベト・ ヴェステンホルス(P) | ||
録音:1981年8月3日-5日(3日、5日?)、BIS スタジオ、Djursholm 、スウェーデン、AAD /CD化:1988年。現代ドイツを代表するチェリストの一人、ヘンケル(1946-) 30歳代台の録音。 | |||
ブラームス(1833-1897):ヴァイオリン・ソナタ全集 (ヴァイオリン・ソナタ&ヴィオラ・ソナタ全集 Vol.1 ) ヴァイオリン・ソナタ〔第1番 ト長調 Op.78 /第2番 ニ長調 Op.100 /第3番 ニ短調 Op.108 〕 ニルス=エーリク・スパーフ(Vn) エリサベト・ヴェステンホルス(P) | |||
録音:1982年5月24日-26日(24日、26日?)、1982年6月17日-18日、1982年8月25日-27日(25日、27日?)、以上 BIS スタジオ、Djursholm 、スウェーデン、AAD /CD化:1988年。 | |||
ブラームス(1833-1897):ヴィオラ・ソナタ全集/他 (ヴァイオリン・ソナタ&ヴィオラ・ソナタ全集 Vol.2 ) ヴィオラ・ソナタ(*) 〔第1番 ヘ短調 Op.120 No.1 /第2番 変ホ長調 Op.120 No.2 〕/ F.A.E.ソナタ〜スケルツォ ハ短調 WoO.2 (#) ニルス=エーリク・スパーフ(Va;*/Vn;#) エリサベト・ヴェステンホルス(P) | |||
録音:1982年5月24日-26日(24日、26日?)、1982年6月17日-18日、1982年8月25日-27日(25日、27日?)、以上 BIS スタジオ、Djursholm 、スウェーデン、AAD /CD化:1988年。 | |||
The Kroumata Percussion Ensemble 〜パーカッションの妙技 ジョン・ケージ(1912-1992):4人の奏者のための 「第2コンストラクション〔セカンド・コンストラクション〕」(1940) ヘンリー・カウエル(1897-1965):5人の奏者のための「パルス [Pulse] 」(1939) トールビョルン・イヴァン・ルンドクヴィスト(1920-2000): 6人の打楽器奏者のための「シス [Sisu] 」(1976) 平義久(1937-2005): 6人の打楽器奏者のための「イエロフォニー V [Hiérophonie V] 」(1974) クロウマータ打楽器アンサンブル | |||
録音:1983年3月26日-27日、コンサート・ホール、ヨーテボリ〔イェーテボリ〕、スウェーデン。国内盤品番:KKCC-2064(廃盤/入手不能)。『情報量が多く、ニュアンスがよく出て、デジタル臭さ皆無』(「長岡鉄男の外盤A級セレクション」より) | |||
ドヴォルザーク: チェロ協奏曲 ロ短調(*) 交響曲第7番 ニ短調(+) |
フランス・ヘルメルソン(Vc;*) ネーメ・ヤルヴィ指揮(*) チョン・ミュンフン指揮(+) エーテボリso. | ||
ヤルヴィとミュンフンの初期録音。 | |||
金管五重奏のための作品集 エヴァルド、ボザ、ホルムボー、アーノルド、 ゲイル・クービック、レイモンド・プレムル、 クリステル・ヘルマンソンの作品 |
スウェーデン金管五重奏団 マルメ金管アンサンブル | ||
ヴィヴァルディ: 「四季」(*) リコーダー協奏曲 ト短調「夜」RV.439(+) |
ニルス=エーリク・ スパルフ(Vn;*) ダン・ラウリン(リコーダー;+) ドロットニングホルム・ バロック・アンサンブル | ||
ピリオド楽器使用。BIS社の累計ベスト・セラー・アイテム。 | |||
ヴィヴァルディ: 2つのヴァイオリンとリュートのための協奏曲 RV.93 / トリオ・ソナタ ト短調 RV.85/トリオ・ソナタ ハ長調 RV.82 / ヴィオラ・ダモーレとリュートのための協奏曲 ニ長調 RV.540 ザンボーニ:アルチリュートのためのソナタ ハ短調 J.S.バッハ:前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV.998 ヤコブ・リンドベリ(リュート) モニカ・ハジェット(ヴィオラ・ダ・モーレ) ニルス=エリク・スパルフ(Vn) ドロットニングホルム・バロック・アンサンブル | |||
旧来の曲目であったヴィヴァルディに加え、2004年春に発売された BIS-1415 からのザンボーニと BIS-587/88 からのバッハを加え、同番号で新装。トロンボーンの超人クリスティアンの兄にしてリュート奏者のヤコブ・リンドベリの類稀な名技を堪能できる。 | |||
ザ・ヴィルトゥオーソ・ハープ フォーレ(1845-1924):即興曲Op.86 マルセル・トゥルニエ(1879-1951): ハープのためのソナチネOp.30 ヤン・ラディスラフ・ドゥシーク (ドゥシェク; 1760-1812):ハープ・ソナタOp.2 ニコラ・フラジェッロ(1928-1994):ハープ・ソナタ(1961) カルロス・サルゼード(1885-1961):火花 プロコフィエフ(1891-1953):前奏曲 ハ長調Op.12 No.7 |
エリカ・グッドマン(Hp) | ||
録音:1985年11月4日-5日、オール・セインツ・アングリア教会、ピーターバラ、カナダ。 1993年に国内盤も発売されたことがある物 (KKCC-2098; 廃盤)。 | |||
グレン・グールド・イン・ストックホルム 1958 モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491 (*) ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 ニ長調 Op.19 (#) ハイドン:ピアノ・ソナタ第49番 変ホ長調(+) ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 Op.110 ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1 グレン・グールド(P) ゲオルク・ルートヴィヒ・ヨッフム指揮スウェーデン放送so.(*/#) | |||
録音:1958年9月30日(*)、1958年10月1日(+)、1958年10月5日(#)、1958年10月6日(無印)、音楽アカデミー、ストックホルム、スウェーデン、ライヴ、モノラル|ソース:スウェーデン放送協会所蔵オリジナル・テープ| (C) (P) 1986 |国内仕様盤: KKCC-2015/16〔廃盤/入手不能〕。 | |||
ニルス・ヴィルヘルム・ ゲーゼ(1817-1890):交響曲全集 Vol.1 [第3番 イ短調Op.15 / 第4番 変ロ長調Op.20] |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 ストックホルム・ シンフォニエッタ | ||
ニルス・ヴィルヘルム・ ゲーゼ(1817-1890):交響曲全集 Vol.2 [第1番 ハ短調Op.5 / 第8番 ロ短調Op.47] |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 ストックホルム・ シンフォニエッタ | ||
ゲーゼ(ガーデ)の交響曲は全8曲で、全4集で完結している。Vol.3:BIS-355、Vol.2:BIS-356。 | |||
エドゥアルド・トゥビン(1905-1982): 交響曲第3番/交響曲第8番 |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 スウェーデン放送so. | ||
トゥビンの交響曲中最も美しく、かつ聞きやすいと言われる2曲をカップリングし、作曲者と親交のあったヤルヴィが熱演したもの。 | |||
ペンティネン〜ベートーヴェン(1770-1827): 「プロメテウスの創造物」の主題による15の変奏曲と フーガ 変ホ長調Op.35(「エロイカ」変奏曲)/ 6つのバガテルOp.126 / ピアノ・ソナタ第12番 変イ長調Op.26 |
ローランド・ペンティネン(P) | ||
発売:1987年1月。 | |||
ニルス・ヴィルヘルム・ ゲーゼ(1817-1890):交響曲全集 Vol.3 [第2番 ホ長調Op.10 / 第7番 ヘ長調Op.45] |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 ストックホルム・ シンフォニエッタ | ||
ニルス・ヴィルヘルム・ ゲーゼ(1817-1890):交響曲全集 Vol.4 [第5番 ニ短調Op.25 / 第6番 ト短調Op.32] |
ローランド・ペンティネン(P) ネーメ・ヤルヴィ指揮 ストックホルム・ シンフォニエッタ | ||
ゲーゼ(ガーデ)の交響曲は全8曲で、全4集で完結している。Vol.1:BIS-338、Vol.2:BIS-339。 | |||
ロシアのヴィオラ(旧・国内盤題:ロシアのヴィオラ曲選) アントン・ルビンシテイン:ノクターン Op.11 No.2 グリンカ:ヴィオラ・ソナタ ニ短調 / グラズノフ:エレジー Op.44 ストラヴィンスキー:無伴奏ヴィオラのためのエレジー ショスタコーヴィチ:ヴィオラ・ソナタ Op.147 今井信子(Va) ローランド・ペンティネン(P) | |||
録音:1986年12月28日-30日、ダンテリド・ギムナジウム|旧・国内仕様盤: KKCC-2054, KKC-5296 〔ともに廃盤〕。ロシア音楽はヴィオラの音色と合うせいか名作に恵まれている。今井信子による当録音は国内盤も2度リリースされた名盤。ヴィオラの美感と表現力を駆使した演奏が驚愕でうならされる。なかでもショスタコーヴィチ絶筆のソナタは、その深い内容と効果ゆえヴィオラ音楽史屈指の傑作。また非常に魅力的なメロディにあふれるグリンカの未完のソナタ、ルビンシテインの甘い抒情いずれも素晴らしく、ヴィオラ音楽、ロシア音楽両方を存分に堪能出来る。 | |||
ガブリエル・ピエルネ(1863-1937): 「ラムンチョ」組曲[第1番/第2番] (ピエール・ロティの小説のための音楽)/ ピアノ協奏曲 ハ短調Op.42 (*) |
ダグ・アシャツ(P;*) ジャック・ウトマン指揮 ロレーヌpo. | ||
発売:1988年。録音:DDD。 「ラムンチョ」は、フランスの作家ピエール・ロティ(1850-1923)作の同名小説による。 | |||
一人ぼっちのトロンボーン〜 トロンボーン独奏のための現代作品集 ルチアーノ・ベリオ(1925-2003): トロンボーン独奏のための 「セクエンツァ V 」(1966) ヤニス・クセナキス(1922-2001): トロンボーン独奏のための「ケレン」(1986) マウリシオ・カーゲル(1931-2008): 独奏管楽器のための「アテム」(1969/70) アンデシュ・エリーアソン(1947-2013): トロンボーンのための「 Disegno 」(1985) ジョン・ケージ(1912-1992): スライド式トロンボーンのための「ソロ」(1957/58) カールハインツ・シュトックハウゼン(1928-2007): トロンボーン独奏のための「友情を込めて」 Werk 46 12/13 (1977/78) |
クリスティアン・ リンドベリ(Tb) | ||
ヘンデル: 9つのドイツ・アリア集/「アチスとガラテア」〜お黙り!愛らしく歌うコーラスよ!/ カンタータ「やさしい忘却のなかで」/トリオ・ソナタ ハ短調 クリスティーナ・ヘグマン(S) イ・クワットロ・テンペラメンティ | |||
スウェーデン出身のソプラノ、クリスティーナ・ヘグマンが歌うヘンデルの声楽作品集。ヘンデルの数少ないドイツ語の作品の一つ、9つのドイツ・アリア集は、傑作のわりに良い録音に恵まれていないので貴重。 | |||
モーツァルト(1756-1791):弦楽五重奏曲全集 Vol.1 〔第3番 ハ長調 K.515 /第5番 ニ長調 K.593 〕 |
今井信子(Va) オルランドSQ | ||
録音:1989年1月1日-7日、旧教会、デルフト、オランダ。 | |||
モーツァルト(1756-1791):弦楽五重奏曲全集 Vol.2 〔第4番 ト短調 K.516 /第6番 変ホ長調 K.614 〕 |
今井信子(Va) オルランドSQ | ||
録音:1989年1月1日-7日、旧教会、デルフト、オランダ。 | |||
モーツァルト(1756-1791):弦楽五重奏曲全集 Vol.3 〔第1番 変ロ長調 K.174 /第2番 ハ短調 K.406 〕 |
今井信子(Va) オルランドSQ | ||
録音:1989年12月11日-13日、旧教会、デルフト、オランダ。 | |||
シュニトケ(1934-1998): イン・メモリアム/ヴィオラ協奏曲(*) |
今井信子(Va;*) レフ・マルキス指揮 マルメso. | ||
録音:1989年4月。国内仕様盤:KKCC-2008(廃盤)。 | |||
ヨーナス・コッコネン(1921-1996):(作品集 Vol.6) 弦楽四重奏曲全集 〔第1番(1958-59) /第2番(1964-66) /第3番(1976) 〕/ ピアノ五重奏曲 Op.5 (1951-53) (*) タパニ・ヴァルスタ(P) シベリウス・アカデミーSQ | |||
録音:1989年10月23日-26日、ヤルヴェンパー・コンサート・ホール、フィンランド| (C) (P) 1989 & 1991 。 | |||
シベリウス(1865-1957):弦楽四重奏曲集 〔イ短調(1889) /ニ短調 Op.56 「内なる声」〕 |
世馴れた婦人たち〔弦楽四重奏団〕 | ||
録音:1989年10月9日-14日、 Petrus 教会、ストックスンド、スウェーデン| (C) (P) 1989 。 演奏団体の Sophisticated Ladies は女性4人による団体だが、既に活動を停止しているようでクラシックの録音もおそらく当盤のみ。同レーベルのシベリウス大全集やシベリウス主要作品全集等に収録された同曲は、2004年に録音されたテンペラSQ の演奏が使用されている。 | |||
ヨーナス・コッコネン(1921-1996): 管弦楽作品全集 Vol.1(作品集 Vol.1) 交響的スケッチ(1968) (*) / チェロ協奏曲(1969) (#) / 交響曲第4番(1971) |
トルレイフ・テデーン(Vc;#) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
録音:1989年11月27日-29日、ラハティ、フィンランド、作曲者臨席| (*):世界初録音| (C) (P) 1989 & 1990 。 | |||
ヨーナス・コッコネン(1921-1996):作品集 Vol.2 弦楽オーケストラのための音楽(1957) / 歌曲集「鳥たちのトゥオネラ」(1958) (*) / 交響曲第1番(1958-60) |
モニカ・グループ(Ms;*) ウルフ・セーデルブルム指揮 ラハティso. | ||
録音:1990年5月28日-31日、ラハティ、フィンランド| (C) (P) 1990 & 1991 。 | |||
ラヴェル:2台ピアノのための音楽 「ダフニスとクロエ」第2組曲 (リュシアン・ガルボン&ダグ・アシャツ編)(*)/ マ・メール・ロワ/スペイン奇想曲/ボレロ(*) |
ダグ・アシャツ、 永井幸枝(P) | ||
録音:1990年7月29日-8月1日、ダンデリード・ギムナジウム、スウェーデン。 1997年に KKCC-9099(製造中止) として (*)とBIS-526のドビュッシー2曲がカップリングされ、国内盤で限定発売された時に非常に話題となり、上記国内盤のお問い合わせを今でも頂く録音。 | |||
ヨーナス・コッコネン(1921-1996):作品集 Vol.3 開式(1971) (*) /交響曲第2番(1960-61) /歌劇「最後の誘惑」(1977) 〜間奏曲(*) / アカデミック・カンタータ「 Erekhteion 」(1970) (#) サトゥ・ヴィハヴァイネン(S;#) ヴァルトン・グロンルース(Br;#) オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティso. | |||
録音:1990年11月22日-23日(#)、1991年1月3日-5日(#以外)、ラハティ、フィンランド| (*/#):世界初録音| (C) (P) 1990 & 1991 。 | |||
シベリウス: ヴァイオリン協奏曲 ニ短調(原典版)/ ヴァイオリン協奏曲 ニ短調(現行版) |
レオニダス・カヴァコス(Vn) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
シベリウスが封印した同曲原典版を、唯一録音した稀少なディスク。 | |||
シュニトケ: チェロ協奏曲第1番(1985/1986)/ 響く文字(1988)/4つの賛美歌(1974/1977) |
トールレイフ・テデーン(Vc) レイフ・セーゲルスタム指揮 デンマーク国立放送so. | ||
ヨーナス・コッコネン(1921-1996):作品集 Vol.4 交響曲第3番(1967) / Opus Sonorum (1965) (*) /レクイエム(1981) (#) イルッカ・シヴォネン(P;*) ソイレ・イソコスキ(S;#) ヴァルトン・グロンルース(Br;#) ウルフ・セーデルブルム指揮ラハティso. サヴォンリンナ・オペラ・フェスティヴァルcho.(#) | |||
録音:1991年5月16日-23日、ラハティ、フィンランド| (*):世界初録音| (C) (P) 1991 。 | |||
ショスタコーヴィチ: 交響曲第7番「レニングラード」 |
ルドルフ・バルシャイ指揮 ユンゲ・ドイチュpo. + モスクワpo.団員 | ||
ニルス・ヴィルヘルム・ゲーゼ(1817-1890): 弦楽四重奏曲集(全集?) Vol.1 [ニ長調Op.63 /ホ短調 Op.5 /ヘ短調] |
コントラSQ | ||
ゲーゼの弦楽四重奏曲は、おそらく全4曲。Vol.2:BIS-545。 | |||
エディソン・デニソフ(1929-1996):協奏曲集 2つのヴィオラ、チェンバロと 弦楽オーケスオトラのための協奏曲 (1984) / ヴィオラ、チェンバロと弦楽のための 室内音楽 (1982) / バッハのコーラル「われ満ち足れり」 の主題による変奏曲 (1984/86) / 室内オーケストラのための「墓碑銘」 |
今井信子、 ペトラ・ヴァーレ(Va) アネリエ・デ・マン(Cemb) レフ・マルキス指揮 アムステルダム・ シンフォニエッタ | ||
発売:1991年。 | |||
ドビュッシー:2台ピアノのための音楽 夜想曲(ラヴェル編)/小組曲(*)/ リンダラハ/海(アンドレ・カプレ編)(*) |
ダグ・アシャツ、 永井幸枝(P) | ||
録音:1991年7月5日-9日、ダンデリード・ギムナジウム、スウェーデン。 1997年に KKCC-9099(製造中止) として (*)とBIS-489のラヴェル2曲がカップリングされ、国内盤で限定発売された時に非常に話題となり、上記国内盤のお問い合わせを今でも頂く録音。 | |||
ヨーナス・コッコネン(1921-1996):作品集 Vol.5 12の弦とハープシコードのためのメタモルフォシス「鏡の向こうへ・・・」(1976-77) (*) 木管五重奏曲(1971-73) (#) /室内交響曲(1961-62) / 室内管弦楽のための音楽「 Il passagio 」(1987) (+) ユッカ・ティエンスー(Cemb;*) シンフォニア・ラハティ木管五重奏団(#) ウルフ・セーデルブルム指揮(*) オスモ・ヴァンスカ指揮(無印/+) ラハティso.(#以外) | |||
録音:1991年9月-10月、ラハティ、フィンランド| (+):世界初録音| (C) (P) 1991 。 | |||
「春」〜木管合奏のためのフランス近代作品集 イベール:3つの小品(1930) / トマジ:管楽六重奏のための「春」(1963) ミヨー:組曲「ルネ王の炉辺」 Op.205 (1939) / ケックラン(1867-1950):七重奏曲 フランセ:管楽五重奏曲(1958) / ボザ(1905-1991):スケルツォ Op.48 (1948) ベルリン・フィルハーモニー木管五重奏団 マンフレート・プライス(アルトSax) ゲルハルト・シュテムプニク(コールアングレ) | |||
録音:1991年10月6日-9日、アンドレアス教会、ドイツ。#2013年発売の「THE SEASONS - berlin philharmonic wind quintet/BIS-2072; 4CDs, 2CD価格」 に全曲含まれています。 | |||
トロンボーンの冒険旅行 マルタン:バラード セロツキ:トロンボーン協奏曲 ブロッホ:トロンボーンと管弦楽のための交響曲 サンドストレム:オートバイ小旅行 |
クリスチャン・リンドベリ(Tb) レイフ・セーゲルスタム指揮 スウェーデン放送so. | ||
ニルス・ヴィルヘルム・ゲーゼ(1817-1890): 弦楽四重奏曲集(全集?) Vol.2 弦楽四重奏曲 ヘ長調/ 八重奏曲 ヘ長調Op.17 |
コントラSQ | ||
ゲーゼの弦楽四重奏曲は、おそらく全4曲。Vol.1:BIS-516。 | |||
ヒンデミット:無伴奏ヴィオラ・ソナタ 全曲 〔 Op.11 No.5 / Op.25 No.1 / Op.31 No.4 /ソナタ (1937) 〕 |
今井信子(Va) | ||
録音:1992年6月11日-14日、マルメ・コンサート・ホール、スウェーデン|旧・国内仕様盤: KKCC-2099, KKC-5293 〔ともに廃盤〕|レコード芸術誌特選盤。1990年代後半、日本にヴィオラ・ブームを巻き起こした今井信子。その彼女がレパートリーの中心に据え、魅力を広めたのがヒンデミットの音楽。なかでも4篇からなる無伴奏ソナタは畢竟の名作で、技巧的にも高度、緊張感あふれる内容となっている。ここでの今井信子の演奏は神業と言っても過言でない凄さ。鋭い解釈とたっぷりとした音、底光りする響きで聴く者に魔法をかける。ヴィオラ、ヒンデミットの先入観が変えられること間違いなしの特別盤。 | |||
エストニアの室内楽 エドゥアルド・トゥビン(1905-1982): 弦楽四重奏曲 ETW 64 (1979) / エレジー (Eleegia) ETW 60 (1946) / ピアノ四重奏曲 嬰ハ短調 ETW59 (1929-30) エルッキ=スヴェン・トゥール(1959-):弦楽四重奏曲 アルヴォ・ペルト(1935-):フラトレス(Fratres) |
タリンSQ [ウルマス・ヴルプ(Vn) トーマス・ネストル(Vn) ヴィルヤル・クースク(Va) テート・ヤルヴィ(Vc)] ルーヴェ・デルヴィンゲル(P) | ||
レイフ・セーゲルスタム(1944-2024): 管弦楽日記の一葉第18番「思考 1989 」(*) [Thoughts 1989 (Orchestral Diary Sheet No.18)] / 独奏者的弦楽四重奏団と管弦楽のための「思考 1990 」(#) [Thoughts 1990 for Soloistic String Quartet and Orchestra] / 記念碑的思考 1989 「マルッティ・タルヴェラの思い出に」(+) [Monumental Thoughts 1989, Martti Talvela In Memoriam] コントラSQ (*) レイフ・セーゲルスタム指揮デンマーク国立放送so. | |||
録音:1989年9月5日、ヘルシンキ、ヘルシンキ音楽祭(*) /1990年11月15日、コペンハーゲン(#) /1989年5月7日、ティボリ、コペンハーゲン(+)、すべてライヴ、 DDD / (C) & (P) 1989, 1990 & 1992 。 | |||
サティ:ギター編曲による作品集 (ギターのサティ) エリック・サティ(1866-1925)/ アンデシュ・ミリオン(1961-)編: 3つのサラバンド/3つのジムノペティ/ 6つのグノシェンヌ/ 薔薇十字会にちなむ音楽 [薔薇十字会の最初の思想/ 修道院長の歌]/ 「星の息子」への3つの前奏曲 [カルデアの夜/大寺院の地下の大広間/ パテシ・グーデアの宮殿のテラス]/ エジナールの前奏曲/ 大いなる苦悩のために (ゴシック舞曲第1番)/ 愛撫/3つの「逃げ出させる歌」/ ノスタルジー(秘めやかな音楽) |
アンデシュ・ミリオン(G) | ||
録音:1992年7月、ダンデリード・ギムナジウム、スウェーデン。使用楽器:11弦アルト・ギター。 1993年に KKCC-2128(廃盤) として国内盤で発売されたこともある録音。ミリオンの国内デビュー盤であった。 | |||
ヤコブ・リンドベリ〜J.S.バッハ/:リュート作品集 (Vol.1) リュート組曲〔(第3番) ト短調 BWV.995 /(第1番) ホ短調 BWV.996 /(第2番) ハ短調 BWV.997 〕/ 前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV.998 /前奏曲 ハ短調 BWV.999 /フーガ ト短調 BWV.1000 / 組曲 ホ長調 BWV.1006a (原曲:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 BWV.1006 ) ヤコブ・リンドベリ(リュート| 使用楽器:13コース・バロック、マイケル・ロー〔オックスフォード〕、1981年製作) | |||
録音:1992年7月1日-10日、 Djursholms kapell 、スウェーデン。 | |||
モーリス・デュリュフレ(1902-1986):合唱のための作品全集 レクイエム Op.9(合唱、オルガンとチェロ独奏のための版)/ グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテット Op.10 (#) /ミサ曲「クム・ユビロ」Op.11 ゲイリー・グラーデン指揮聖ヤコブ室内cho. マティアス・ヴァイェル(Org) ペーテル・マッティ(B) パウラ・ホフマン(Ms) エレメール・ラヴォタ(Vc) | |||
録音:1992年11月9日、12日(無印)、12月2日(#)。1980年創設の聖ヤコブ室内合唱団は女声合唱が白眉で、ハーモニーの透明感は当代随一。 | |||
デュカ:「ペリ」〜ファンファーレ ピエール・マックス・デュボワ: トロンボーンのための四重奏 作者不詳:4人のゴール人 プレトリウス:「テルプシコーレ」〜6つのフランス舞曲 ドビュッシー:3つの歌 フェルナン・デプレ: 3つのトロンボーンのためのトリプティク ボザ:3つの小品 |
トリトン・ トロンボーン四重奏団 | ||
ハインリヒ・イグナツ・ フランツ・フォン・ビーバー(1644-1704): 「技巧的で楽しい合奏」〜パルティータ第3番/ 7つの大ソナタ〜第6番/描写的なソナタ イ長調/ 「技巧的で楽しい合奏」〜パルティータ第5番/ 「ロザリオのソナタ」〜ソナタ第10番/ ヴァイオリン・ソロのためのパッサカリア |
マリア・リンダル(Vn) アンサンブル・サガ | ||
エヴァルド:4つのブラス・クインテット | ストックホルム・室内ブラス | ||
シベリウス:交響曲全集 [第1番−第7番/クッレルヴォ] |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 エーテボリso. | ||
チャイコフスキー:2台ピアノのための音楽 「眠りの森の美女」Op.66 より(ラフマニノフ編) [序奏/リラの精/アダージョ/ パ・ダクシオン/ワルツ]/ 「白鳥の湖」Op.20 より(ドビュッシー編) [ロシアの踊り/スペインの踊り/ナポリの踊り]/ 交響曲第5番 ホ短調Op.64(タニェエフ編) |
ダグ・アシャツ、 永井幸枝(P) | ||
録音:1992年7月29日-30日、ヴェクシャー・コンサート・ホール、スウェーデン。 当店未案内旧譜。1993年に KKCC-2125(廃盤) として国内盤で発売されたこともある録音。 | |||
ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲集 [ハ短調 RV.441/ハ長調 RV.444/ヘ長調「海の嵐」 RV.433/ ハ長調 RV.443/ヘ長調 RV.434/ト短調「夜」 RV.439] |
ダン・ラウリン(リコーダー) ドロットニングホルム・ バロック・アンサンブル | ||
録音:1991年6月。 今やリコーダー奏者の代表格ラウリンによるレコード芸術誌準特選という名盤。軽やかで開放的なリコーダーの響きが魅力。 | |||
一人ぼっちのサクソフォン〜 サクソフォン独奏のための現代作品集 カールハインツ・シュトックハウゼン(1928-2007): ソプラノ・サクソフォンのための「友情を込めて」 Werk 46 9/10 (1977) ルチアーノ・ベリオ(1925-2003): ソプラノ・サクソフォンのための 「セクエンツァ VIIb 」(1969/93) ジャチント・シェルシ(1905-1988): バリトン・サクソフォンのための「 Maknongan 」/ ソプラノ・サクソフォンのための「 Ixor 」(1956) ベツィー・ジョラス(1926-): テナー・サクソフォンのための 「 Episode Quatrième 」(1982) ジャチント・シェルシ: ソプラノ・サクソフォンのための3つの小品(1956) ルチアーノ・ベリオ: アルト・サクソフォンのための 「セクエンツァ IXb 」(1980/81) 武満徹(1930-1996): ソプラノ・サクソフォンのための 「ディスタンス」(1972) |
クロード・ドラングル(Sax) | ||
コントラSQ 〜チャイコフスキー:弦楽四重奏曲集 〔第1番 ニ長調 Op.11 /第3番 変ホ短調 Op.30 〕 |
コントラSQ | ||
録音:1992年12月19日、21日、 Torpen Kapel, Humlebæk, デンマーク/ (C) (P) 1992 & 1998 。同団によるチャイコフスキーは、2016年現在この2曲のみと思われる。 | |||
ヒンデミット:ヴィオラとピアノのための作品全集 ヴィオラ・ソナタ Op.11 No.4 / ヴィオラ・ソナタ Op.25 No.4 / 瞑想曲/ヴィオラ・ソナタ(1939) |
今井信子(Va) ローランド・ペンティネン(P) | ||
録音:1993年10月7日-9日、ヤルヴェンパー・コンサート・ホール、フィンランド|旧・国内仕様盤: KKCC-2151, KKC-5294 〔ともに廃盤〕。ヴィオラの名手としても活躍したヒンデミットは、この楽器のために名作を数多く残している。そのヒンデミットとヴィオラの魅力を日本に広めたのが今井信子。ヴィオラの機能と魅力を最大限に発揮した諸作を、これ以上考えられないレベルで再現。いきいきとした運動性、たっぷりとしたメロディなどの楽しさも豊富。ペンティネンの好サポートとあいまって、存分に堪能出来る。 | |||
ペンティネン〜ショパン:(1810-1849): ボレロOp.19 (1833) / 6つのマズルカ [第20番 変ニ長調Op.30 No.3 /第25番 ロ短調 Op.33 No.4 / 第33番 ロ長調 Op.56 No.1 /第34番 ハ長調 Op.56 No.2 / 第35番 ハ短調 Op.56 No.3 /第51番 ヘ短調Op.68 No.4]/ バラード第2番 ヘ長調Op.38 /舟歌 嬰ヘ長調Op.60 / スケルツォ第4番 ホ長調Op.54 /2つの夜想曲Op.62 |
ローランド・ペンティネン(P) | ||
発売:1996年1月。 | |||
ヨスタ・ニューストレム(1890-1966): 交響詩「北氷洋」/ ヴィオラ協奏曲「フランス讃歌」(*) / チェロと管弦楽のための協奏交響曲(#) |
今井信子(Va;*) ニルス・ウルネル(Vc) パーヴォ・ヤルヴィ指揮 マルメso. | ||
録音:1994年8月(*以外)/1993年5月(*) |旧・国内仕様盤:KKCC-2117(廃盤)。 | |||
フランスの美女とスウェーデンの野獣 [French Beauties and Swedish Beasts]〜 フランスとスウェーデンの クラリネットとピアノのための作品集 ドビュッシー(1862-1918):ラプソディ第1番 サン=サーンス(1835-1921): クラリネット・ソナタOp.167 プーランク(1899-1963):クラリネット・ソナタ(1962) イングヴァル・リードホルム(1921-2017): クラリネット独奏のための「 Amicizia 」 (1981) アンデシュ・ヒルボリ(1954-): Tampere Raw (1991) ローランド・ペンティネン(1963-): Mercury Dream (1994) |
マッティン・フロースト(Cl) ローランド・ペンティネン(P) | ||
発売:1994年11月。 | |||
ルドルフ・トビアス(1873-1918):弦楽四重奏曲全集 〔第1番 ニ短調 (1899) /第2番 ハ短調 (1902)〕 |
タリンSQ | ||
録音:1994年12月、聖ペテロ&パウル教会、タリン、エストニア。トビアスはエストニア初の職業作曲家で、リムスキー=コルサコフの弟子。 | |||
アルヴェーン: スウェーデン狂詩曲第1番「夏至の徹夜祭」/ ウプサラ狂詩曲/ダーラナ狂詩曲/ 交響詩「岩礁の伝説」 |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 ロイヤル・ストックホルムpo. | ||
エルガー:交響曲第1番/序奏とアレグロ | 尾高忠明指揮 BBCウェールズ・ ナショナルso. | ||
ヨウン・レイフス(1899-1968):管弦楽曲作品集 Vol.1 交響曲第1番Op.26「サガ・シンフォニー」 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 アイスランドso. | ||
戦後アイスランド音楽界の指導者であるレイフス、BISからの第1作。激烈な大音量とすさまじいデュナーミクの効果にBISのストレートかつダイレクトな録音が長岡鉄男に激賞されていた。 Vol.2:(BIS-830)、Vol.3:(BIS-930)、Vol.4:(BIS-1030)。 | |||
オルフ: カンタータ「カルミナ・ブラーナ」(室内楽版) |
レーナ・ヌーディン(S) ハンス・ドゥーンブッシュ(T) ペーテル・マッテイ(Br) セシーリア・ リューディンゲル=アリーン指揮 ウプサラ合唱学校児童cho. ローランド・ペンティネン、 ルーヴェ・デルヴィンゲル(P) クロウマータ打楽器アンサンブル | ||
ブリテン: テンポラル・ヴァリエーション/ オウィデウスによる6つの変容/2つの虫の小品 アンタル・ドラティ: 無伴奏オーボエのための5つの小品/協奏的二重奏曲 クシェネク:ソナチネ/4つの小品 |
ヘレン・ヤーレン(Ob) エリーザベト・ ヴェステンホルツ(P) | ||
ホリガーの愛弟子、スウェーデンの美人オーボエ奏者ヤーレンのリサイタル盤。現代作品を得意とし、多くの作品を献呈されている彼女ならではの選曲。注目は大指揮者ドラティの作品。彼はバルトークやコダーイに作曲を師事した本格派で、ハンガリーの民族色香る佳品を残している。 | |||
作曲家の肖像〜ミルコ・ケレメン(1924-2018): サライェヴォのためのレクイエム「ドラマティコ」(1991) [ジークフリート・パルム(Vc) アルトゥーロ・タマヨ指揮 バイエルン放送so./1991年2月22日、ヘラクレスザール、ミュンヘン、ライヴ](*) / 弦楽四重奏のためのソネット(1987) [メロスSQ /1988年2月17日]/ フルート奏者と3つの合唱グループのためのパッショナート [カール=ベルンハルト・ゼーボン(Fl) ハインツ・メンデ指揮バーデン=バーデン南西ドイツ放送cho./ 1979年5月18日、ヘラクレスザール、ミュンヘン、ライヴ]/ チェロと管弦楽のための「 Changeant 」(1968) [ジークフリート・パルム(Vc) エルネスト・ブール指揮 バーデン=バーデン南西ドイツ放送o./1972年11月](#) | |||
録音:[/内]、 AAD (*以外) 、DDD (*) / (C) 1972, 1979, 1988 & 1991, (P) 1995 。ケレメンはクロアチア生まれでメシアンとフォルトナーに学び、ドイツで活躍した作曲家。 発売当時の南ドイツ放送 [SDR] や南西ドイツ放送 [SWR] からのライセンス音源と思われるが、ブックレットにも明確な記載は無い。 | |||
「秋」〜近代ドイツ木管五重奏曲集 ヒンデミット(1895-1963):小室内音楽 Op.24 No.2 /5人の管楽奏者のための「秋」 ヘンツェ(1926-2012):木管五重奏曲/管楽七重奏曲 ベルリン・フィルハーモニー木管五重奏団 マンフレート・プライス(バスCl) トーマス・クラーマー(Tp) | |||
録音:1995年9月11日-14日、ベルリン。#「THE SEASONS - berlin philharmonic wind quintet/BIS-2072; 4CDs, 2CD価格」 に全曲含まれています。 | |||
ヨハン・スヴェンセン(1840-1911): 弦楽四重奏曲 イ短調 Op.1 (1865) (*) /弦楽八重奏曲 イ長調 Op.3 (1866) (#) コントラSQ (*/#) ラース・ビョルンシェル、ペール・ルンド・マドセン(Vn;#) ビャーネ・ボイエ・ラスムセン(Va;#) ラース・ホルム・ヨハンセン(Vc;#) | |||
録音:1991年11月(*)、1994年2月(#)、 Torpen Kapel, フムレベック、デンマーク/発売:1997年。 | |||
エルネスト・レクオナ(1896-1963):ピアノ作品全集 Vol.1 ピアノと管弦楽のための「黒のラプソディ」(*) /スペイン組曲「アンダルシア」/ エル・エスコリアルの前で/サンブラ・ヒタナ/アラゴネサ/ サンフランシスコ・エル・グランデ/アラゴン/夜の前奏曲/ハバネラ/ グリサンド・マズルカ/農夫の歌/3つの小品/歌曲編曲〔シボネイ/青い夜〕 トマス・ティリノ(P) ミハエル・バールトス指揮ポーランド放送so.(*) | |||
録音:1993年-1995年/発売:1995年。#ピアノ作品全集BOX (BIS-1854 / 6CDs) に含まれています。 | |||
シベリウス:歌曲集 7つの歌 Op.13/6つの歌 Op.50/6つの歌 Op.90/ 森の精(1889)/ユダヤの少女の歌/相似/ 一つの歌/セレナード/思い |
アンネ・ソフィ・ フォン・オッター(Ms) ベングト・フォシュベリ(P) | ||
エルネスト・レクオナ(1896-1963):ピアノ作品全集 Vol.2 ピアノと管弦楽のための「アルゼンチン・ラプソディ」(*) /ある子供の日記/ 塹壕よさらば/キューバとアメリカ/黒猫/武器をとるキューバ/菊の花/エル・セナのワルツ/ 狂気/青ひげ/海原のワルツ/勝ちほこる瞳/くちづけを/君を夢みて/ヴォアラ/ 「ヤレイ椰子の帽子」組曲/歌曲編曲〔ボレロ風に/薔薇を賜え〕 トマス・ティリノ(P) ミハエル・バールトス指揮ポーランド放送so.(*) | |||
録音:1993年-1995年/発売:1996年。#ピアノ作品全集BOX (BIS-1854 / 6CDs) に含まれています。 | |||
ヤコプ・ファン・エイク:「笛の楽園」全曲 | ダン・ラウリン(リコーダー) | ||
天才ダン・ラウリンが2年の歳月を費やし完成させた快挙。有名な作品ではあったが、2巻144曲の全曲録音は初めて。有名なダウランドの「涙のパヴァーヌ」やカッチーニ「アマリリうるわし」などの編曲を始めとする、17世紀オランダで知られていた歌曲や旋律を編曲したリコーダーの祭典。 | |||
ジェルジ・リゲティ(1923-2006):ピアノ音楽全集 Vol.1 練習曲集第1巻/練習曲集第2巻/インヴェンション(1948)/ 2つのカプリチオ(1947)/ D.テュードアのための3つのバガテル(1961)/ 半音階的幻想曲(1956) |
フレデリク・ウレーン(P) | ||
Vol.2:BIS-983。 | |||
エルネスト・レクオナ(1896-1963):ピアノ作品全集 Vol.3 ピアノと管弦楽のための「キューバ・ラプソディ」(*) /アフロ・キューバ舞曲集/ 7つの典型的なキューバ舞曲/そこを退くんだ、マリア!/幻想的ワルツ集/中国の陶器/ ナイル河のワルツ/ガルデニア〔くちなし〕/歌曲編曲〔星月夜/いつだって君が好き〕 トマス・ティリノ(P) ミハエル・バールトス指揮ポーランド放送so.(*) | |||
録音:1993年-1995年/発売:1996年。#ピアノ作品全集BOX (BIS-1854 / 6CDs) に含まれています。 | |||
シベリウス: 交響曲第5番 変ホ長調(オリジナル1915年版)/ 交響詩「エン・サガ」Op.9(オリジナル1892年版) |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
バッハ:無伴奏チェロ組曲 | トルレーヴ・テデーン(Vc) | ||
モダーン楽器使用。 | |||
武満徹:ピアノ曲全集 | 小川典子(P) | ||
C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲集 | 鈴木秀美(Vc)指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
シベリウス: 交響詩「森の精」Op.15/メロドラマ「森の精」/ 孤独なスキー道/付随音楽「白鳥」Op.54(完全版) |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. ラッセ・ポユスティ(語り) | ||
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 | 鈴木雅明(Cemb) | ||
録音:1997年4月。天下のバッハ権威、鈴木雅明のゴルトベルク!。 | |||
ライナル・グリッペ(1951-):レクィエム | マドレーヌ・ クリストフェション(S) ライナル・グリッペ (シンセサイザー) | ||
発売当時、BISがCDシングルでサンプラーまで作製し、話題となったもの。 | |||
ダウランド:リュート曲選選集 ラクリメ/デンマーク王のガリヤード/ 蛙のガリヤード/他 |
ヤコブ・ リンドベリ(リュート) | ||
鳥が道に降りてきた〜ヴィオラ・レボリューション(旧題:オリジナル・ヴィオラ作品集) エネスク:演奏会用小品 / シベリウス:ロンド ブリテン:反映/エレジー(ヴィオラ独奏のための) 武満徹:鳥が道に降りてきた / ニーノ・ロータ:間奏曲 / ミヨー:4つの顔 Op.238 パーシケッティ:マリーナ姫 Op.83 / ヴィエニャフスキ:夢 ブリッジ/ブリテン編曲:小川を斜めに横切って生えている柳の木がある リスト:忘れられたロマンス 今井信子(Va) ローランド・ペンティネン(P) | |||
録音:1996年11月1日-3日、ダンテリド・ギムナジウム|11曲中7曲:発売時における世界初録音|レコード芸術特選盤|旧・国内仕様盤: KKCC-2242, KKC-5295 〔ともに廃盤〕。オリジナル作品に恵まれないと思われるヴィオラにも、有名作曲家による素敵な作品があった。最晩年の武満徹が今井信子へのプレゼントとして作った「鳥が道に降りてきた」の初録音のほか、彼女が蘇らせたシベリウスとブリテンの小品など興味深いプログラム満載。渋いイメージの強いヴィオラだが、エネスコの流麗、ミヨーの洒脱、ヴィエニャフスキのロマンティシズム、ニーノ・ロータの甘美さ等、多彩な表現力に驚かされる。作曲家たちがヴィオラの音色と機能を念頭に作ったオリジナルならではの魅力、ヴィオラの女王・今井信子が底光りする凄みを見せてくれる。 | |||
ヨウン・レイフス(1899-1968):管弦楽曲作品集 Vol.2 ゲイジル(間欠泉)Op.51/小三部作 Op.1/ 「ロフトル」序曲/アイスランド民俗舞曲集 Op.11/ 3つの抽象画 Op.44/慰め〜間奏曲 Op.66 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 アイスランドso. | ||
Vol.1:(BIS-730)、Vol.3:(BIS-930)、Vol.4:(BIS-1030)。 | |||
アルヴォ・ペルト: BACHによるコラージュ/フラトレス/ ベンジャミン・ブリテンへの追悼歌/スンマ/ フェスティナ・レンテ/タブラ・ラサ |
ジャン=ジャック・ カントロフ指揮 タピオラ・ シンフォニエッタ | ||
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集 | ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
本体記載品番: (BIS) CD-835/837 |旧・国内代理店管理品番: BIS6-835|# BIS-835 は同全集の1枚目分売のみを指しますのでご注意ください。 | |||
滝廉太郎:メヌエット(1899)/憾(うらみ) 箕作秋吉:夜の狂詩曲/さくらさくら/春のやよい 菅原明朗:水煙 橋本國彦:雨の道/踊り子の稽古帰り/夜曲 清瀬保二:琉球舞踊 金井喜久子:琉球舞踊「月夜の乙女たち」 早坂文雄:秋 小山清茂:かごめ変奏曲 矢代秋雄:夜曲 中田喜直:変奏的練習曲 坂本龍一:ピアノ組曲/ぼく自身のために |
小川典子(P) | ||
シベリウス: 交響曲第1番/交響曲第4番 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
シベリウス: 交響曲第2番 ニ長調/交響曲第3番 ハ長調 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
シベリウス: 交響曲第5番[オリジナル版/現行版] |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
シベリウス: 交響曲第6番 ニ短調/交響曲第7番 ハ長調/ 交響詩「タピオラ」 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
カレヴィ・アホ: ファゴットと弦楽四重奏のための五重奏曲/ アルト・サックス、ファゴット、ヴィオラ、 チェロとコントラバスのための五重奏曲 |
シンフォニア・ ラハティ室内アンサンブル | ||
難解な作品の多いフィンランド現代音楽にあって、比較的聞きやすい音楽作りのアホによる室内アンサンブル作品。独特の楽器編成にも注目。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲全集 Vol.8 | ミクローシュ・シュパーニ (タンジェントP)指揮 ペーテル・スツ指揮 コンチェルト・アルモニコ | ||
C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲全集 Vol.9 協奏曲[変ホ長調/ハ短調]/ ソナチネ[ニ長調/ト長調] |
ミクローシュ・シュパーニ (タンジェントP) コンチェルト・アルモニコ | ||
ニーノ・ロータ:作品集 | ギドン・クレーメル(Vn) オレグ・マイセンベルク(P) シャロン・ベザリー(Fl) ハーゲンSQ/他 | ||
エルネスト・レクオナ(1896-1963):ピアノ作品全集 Vol.4 ピアノと管弦楽のための「ルンバ・ラプソディ」(*) /キューバ舞曲集/アモローサ/ 未来派のダンサ/19世紀のキューバ舞曲集/ジプシー・ワルツ/真夜中に/パリの女/ ムセッタ/ドナウ河のワルツ/散りしく花/春の夜な夜な/ 蝶のワルツ/歌曲編曲〔青のワルツ/マントンのパソドブレ〕 トマス・ティリノ(P) ミハエル・バールトス指揮ポーランド放送so.(*) | |||
録音:1993年-1997年/発売:1997年。#ピアノ作品全集BOX (BIS-1854 / 6CDs) に含まれています。 | |||
コダーイ: ガランタ舞曲/ ハンガリー民謡「孔雀」による変奏曲/ マロシュセーク舞曲/ 「ハーリ・ヤーノシュ」組曲 |
ホセ・セレブリエール指揮 ブルノ国立po.、 バーデン=バーデンso. | ||
セレブリエールはストコフスキーのアシスタントだったこともあり、師匠譲りのダイナミックな演奏を聞かせてくれる。そんな彼の個性からするとコダーイはまさにはまり役。 | |||
日本のチェロ作品 武満徹:オリオン、 平井康三郎:さくらさくらパラフレーズ 諸井誠:オルドル、 庄野ひろひさ:Z−パラフレーズ 菅野由弘:星団II |
テデーン(Vc) 小川典子(P) | ||
BISおかかえの大家二人が競演。小川典子のために捧げられた庄野と菅野の作品を始めとする日本人によるチェロ曲集。ただし平井作品以外はみな超前衛。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.3 ソナタH.5-16/6つのソナティナ |
ミクロシュ・シュパーニ (クラヴィコード) | ||
再評価の気運たかまるC.P.E.バッハの80曲に上る独奏作品のすべてを網羅しようとする企画の第3弾。クラヴィコードによる演奏というのがまた聴き物。 | |||
ラヴェル:ギター編曲による作品集 (ギターのラヴェル) モーリス・ラヴェル(1875-1937)/ アンデシュ・ミリオン(1961-)編: 前奏曲(*)/ハバネラ形式による小品/ 「鏡」〜道化師の朝の歌/ 亡き王女のためのパバーヌ(*)/ マ・メール・ロワ(全5曲)/ フォーレの名による子守歌(*)/ ハイドンの名によるメヌエット(*)/ 組曲「クープランの墓」より [前奏曲/フォルラーヌ/ メヌエット/リゴードン]/ 「夜のガスパール」〜絞首台/ ドゥルシネア姫に思いを寄せる ドン=キホーテ 〜ロマンティックな歌 |
アンデシュ・ミリオン(G) | ||
録音:1997年2月、レンナ教会、スウェーデン。使用楽器:10弦ギター(*以外)/11弦アルト・ギター(*)。 1998年に KKCC-2264(廃盤) として国内盤で発売されたこともある録音。1999年録音の「ギターによるドビュッシー」(BIS-986/国内盤[KKCC-2296]は廃盤)は既に御紹介済。 | |||
北欧のトロンボーン協奏曲集 クリスティアン・リンドベリ: トロンボーンと弦楽のための「アラベンヌ」 ホルンボー:協奏曲第12番 ラーション:トロンボーン協奏曲 アホ:交響曲第9番(トロンボーンのための) |
クリスティアン・ リンドベリ(Tb) カントロフ指揮 ヒューズ指揮 ベーク指揮 ヴァンスカ指揮 | ||
うぐいす〜米良美一、日本を歌う | 米良 美一(CT) 小倉 貴久子(P) | ||
ヘンデル:オラトリオ「メサイア」 | 鈴木美登里(S) 米良美一(CT) ジョン・エルヴィス(T) デヴィッド・トーマス(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
録音:1996年12月。 BCJが初めてバッハ以外の作品を録音したもので、これまたレコード芸術誌の特選、BCJの活動の幅を広げる先駆けとなった録音だった。米良の声には圧倒される。 | |||
モーツァルト:ピアノ作品全集 Vol.10 デュポールのメヌエットによる変奏曲/ 「我が愛しのアドーネ」による変奏曲/ 「リゾンは森で眠っていた」による変奏曲/ 5つの変奏曲つき主題K.Anh138a/ ナッサウのオランダの歌 「子羊のように」による変奏曲 ロンドK.485 |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
ソフィア・グバイドゥーリナ: ピアノ五重奏曲(1957) [相沢吏江子(P) カイ・フォーグラー、ミラ・ワン(Vn) ウルリヒ・アイヒェンナウアー(Va) ペーター・ブルンス(Vc)]/ ピアノと室内管弦楽のための協奏曲「イントロイトゥス」(1978) [ベアトリス・ロシュ(P) ウラディーミル・コジュハー指揮キーウ〔キエフ〕室内プレイヤーズ]/ 綱渡りの踊り子(1993) [ギドン・クレーメル(Vn) ワディム・サハロフ(P)] | |||
ドレスデン・シュターツカペレへの在籍やソロでも知られるフォーグラーとブルンス、そして何と言ってもクレーメルの参加と、豪華な演奏陣が聞き物。 | |||
スペインのギター音楽 ガスパル・サンスとサンティアゴ・デ・ムルシアの作品 |
ヤコブ・リンドベリ(バロックG) | ||
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集 Vol.1 〔第2番/第3番〕 |
小川典子(P) オーワイン・ アーウェル・ヒューズ指揮 マルメso. | ||
ニコス・スカルコッタス(1904-1949):作品集 Vol.1 ヴァイオリン協奏曲(1938) /ラルゴ・シンフォニコ(1944) / 弦楽のための7つのギリシャ舞曲(#) ゲオルギオス・デメルツィス(Vn) ニコス・フリストドーロー指揮マルメso. | |||
録音:1997年6月、マルメ・コンサート・ホール、スウェーデン| (C) & (P) 1997, 1998 。(#)の内、5曲を除き世界初録音。 グラモフォン誌と BBC ミュージック・マガジンにおける1998年CDオヴ・ザ・イヤーの1枚。 | |||
ムソルグスキー:歌劇「ボリスゴドゥノフ」〜 [戴冠式の場/ポロネーズ]/ 歌劇「ホブァンシチーナ」〜[モスクワ川の夜明け/ ペルシャの女奴隷の踊り/4幕2場への前奏曲]/ 歌劇「ソロチンスクの定期市」〜 [定期市の情景/ゴパーク]/ 展覧会の絵 |
小川典子(P) | ||
母の唄〜日本歌曲集 花の街/母の唄/浜千鳥/城ケ島の雨/宵待草/ 小さい秋見つけた/叱られて/赤とんぼ/里の秋/ 待ちぼうけ/出船/荒城の月/蘇州夜曲/他 |
米良美一(CT) 内山夏子(P) | ||
タンゴ・リブレ | タンゴ・リブレ | ||
マレ:ヴィオール曲集 第2巻(1701)
マルク・ルオラヤン=ミッコラ、ヴァルプ・ハーヴィスト(ヴィオラ・ダ・ガンバ) エリナ・ムストネン(Cemb) エーロ・パルヴィアネン(リュート) | |||
ヴィオール曲集第2巻マレが45歳の時に出版されたもので、9つの組曲からなる。とりわけスペインのフォリアはマレの代表作とされる名曲で、サント・コロンブ氏のトンボーとリュリ氏のトンボーという、二人の恩師への追悼曲も含まれている。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲全集 Vol.10 協奏曲 ト長調H.419(W16)/協奏曲 ハ短調H.407(W5)/ 協奏曲 ロ長調H.447(W36)/ソナチネ ヘ長調H.452(W99) |
ミクローシュ・シュパーニ (タンジェントP) ペーテル・スツ指揮 コンチェルト・アルモニコ | ||
シベリウス: 付随音楽「カレリア」(オリジナル全曲版)/ 「クオレマ(死)」(オリジナル劇場版、 「悲しいワルツ」オリジナル版付き)/ 「クオレマ」Op.44(現行版) |
キルシ・ティーホネン(Ms) ライモ・ラウッカ(Br)他 オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
ヴァウン・ホルムボー(1901-1996): 協奏曲第8番 Op.38(協奏交響曲) 協奏曲第10番 Op.40 陽気で真摯な協奏曲 Op.132 バレエ組曲「怒りっぽいトルコ人」Op.32b(1944) |
オーワイン・ アーウェル・ヒューズ指揮 オールボーso. | ||
シベリウス: カレリア組曲(原典版)/ 「クリスティアン2世」(劇場版初稿)/ 「ペレアスとメリザンド」(劇場版初稿) |
ヤコブソン(Ms) ラウッカ(Br) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
常にセンセーショナルな選曲で我々を楽しませてくれるBISだが、当盤もシベリウス・ファンには見逃せないオリジナル版。 | |||
バロック・アリア集 J.S.バッハ、ブクステフーデ、 シュッツ、ヘンデル |
米良美一(CT) バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
武満徹:室内楽作品集 ビトゥイーン・タイズ(1993)/ランドスケープI(1961)/ 妖精の距離(1951)/揺れる鏡の夜明け(1983)/ 悲歌(1966)/ア・ウェイ・ア・ローン(1980) |
アンサンブルかい [永野英樹(P) 小川英知香(Vn) 竹澤健(Vn) 飛澤浩人(Va) 酒井淳(Vc)] | ||
フランスで活躍する日本人団体による武満の作品集。 | |||
バッハ:ヨハネ受難曲 | 米良美一、 シュミットヒューゼン 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
アルベニス:ピアノ作品全集 Vol.1 「イベリア」第1集/ 12の性格的小品集 Op.92 / マジョルカ島(舟歌)Op.202 |
ミゲル・バセルガ(P| 使用楽器: Steinway D ) | ||
録音:1998年2月、ダンデリード・ギムナジウム、スウェーデン。 # BIS-2613 (9CDs) で全集化。 | |||
トシュテン・ニルソン: ソプラノとオルガンのための作品全集 |
モナ・ユルスルード(S) ビョルン・カーレ・モエ(Org) | ||
ユニークで前衛的な作風で知られるスウェーデンの作曲家ニルソン。教会作品とは思えぬ、劇的でドラマティックな作品群。 | |||
獅子のリュート〜現代イギリス・ギター作品集 ウォルトン:5つのバガテル ローソーン:エレジー バークリー:ソナティナ/主題と変奏 ティペット:ザ・ブルー・ギター ブリテン:夜の曲 |
ミオリン(G) | ||
マニャール:交響曲全集 Vol.1 [第1番/第3番] |
トマス・ザンデルリング マルメso. | ||
マニャール:交響曲全集 Vol.2 [第2番/第4番] |
トマス・ザンデルリング指揮 マルメso. | ||
ドイツ兵に撃ち殺され悲劇の死を遂げたフランスの作曲家マニャールの重厚で荘厳な交響曲。トマスの指揮もそろそろ父を超えようと言うしっかりしたもの。 | |||
時の深みへ〜今井信子&御喜美江デュオ 細川俊夫:ヴィオラとアコーディオンのための「時の深みへ」(1994) 入野義朗:無伴奏ヴィオラ組曲(1971) 高橋悠治:ヴィオラとアコーディオンのための「白鳥が池を捨てるように」(1995) / 水牛のように(1985) /アコーディオンのための「谷間へおりてゆく」(1995) 尹伊桑:ヴィオラとアコーディオンのための二重奏曲(1976, rev.1993) 今井信子(Va) 御喜美江(アコーディオン) | |||
録音:1998年4月、レンナ教会|旧・国内仕様盤: KKCC-2272, KKC-5297 〔ともに廃盤〕。日本というより世界の第一人者であるヴィオラの今井信子とアコーディオンの御喜美江。両者の夢の共演盤。ともにヨーロッパ在住で、世界を舞台にする国際人ながら、日本とアジアに強いアイデンテティを示したのが当アルバム。ほとんどが非西洋的な情念の世界だが、とりわけ高橋悠治の「白鳥が池を捨てるように」では、この天下の二大器楽奏者が歌というか語りというか、悩ましげな肉声を聴かせ、独特の密教的な世界を創り出しているのも聴き物。 | |||
ヨウン・レイフス(1899-1968):管弦楽曲作品集 Vol.3 オルガン協奏曲/ベートーヴェンの主題による変奏曲/ ヴィヴラフォンとオーケストラのための「ファインII」/ バリトン、混声合唱と オーケストラのための「テディフォス」 |
エン・サーオ指揮 アイスランドso. | ||
戦後アイスランド音楽界の指導者であるレイフス。BISからの第1作「サガ・シンフォニー」(BIS-730)は激烈な大音量とすさまじいデュナーミクの効果にBISのストレートかつダイレクトな録音が長岡鉄男に激賞されていたが、当然、当盤もスーパー・ウルトラ・ダイナミズム録音。BIS社長のバール氏いわく「CD史上最もエキサイティングなサウンド」とのこと。 Vol.1:(BIS-730)、Vol.2:(BIS-830)、Vol.4:(BIS-1030)。 | |||
バッハ:カンタータ全集 Vol.9 〔第24番/第76番/第167番〕 |
鈴木美登里(S) ブレイズ(A) テュルク(T) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
ジョン・フォールズ:ピアノ作品集 | キャサリン・ストット(P) | ||
イギリス後期ロマン派の作曲家ジョン・フォールズのピアノ作品集。東洋、特にインドを愛した彼はカルカッタで没している。ここでの作品もイギリスの保守的なロマンティシズムにインド的な神秘性を綯い交ぜにしたような不思議な曲ばかり。 | |||
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲集 [ホ短調(1844年初演版)/ニ短調(1822年)/ スケルツォ(八重奏曲Op.20より作曲者編)] |
イザベル・ ファン・クーレン(Vn) レフ・マルキス指揮 新アムステルダム・ シンフォニエッタ | ||
メンデルスゾーンヴァイオリン協奏曲の初演版とは、名曲異版の発掘でも名をはせるBISの面目躍如とも言えるタイトル。 もちろん世界初録音であり、こちらも珍しい八重奏曲のスケルツォの協奏曲編曲は作曲者自身によるもの。 | |||
カレヴィ・アホ: 交響曲第2番(1970/1995)/ 交響曲第7番「蟲の生活」(1988) |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
ルトスワフスキー:チェロ協奏曲 ペンデレツキ:チェロ協奏曲第2番 |
トルレイフ・テデーン(Vc) レイフ・セーゲルスタム指揮 スウェーデン放送so. | ||
ロストロポーヴィチのために書かれた二人のポーランド作曲家のチェロ協奏曲を、テデーンが爽快に弾き切る。 | |||
バッハ:クリスマス・オラトリオ | モニカ・フリンマー(S) 米良美一(A) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・ コレギウム・ジャパン | ||
録音:1998年1月、彩の国さいたま芸術劇場。 | |||
クラリネットによるシューマン作品集 シューマン: 3つのロマンス Op.94/5つの民謡風小品 Op.102/ 幻想小曲集 Op.73/心の痛み Op.107 No.1/ 紡ぎ女 Op.107 No.4/歌手の慰め Op.127 No.1/ 私の美しい星 Op.101 No.4/ あなたの顔は Op.127 No.1/夜の歌 Op.96 No.1/ 夕べの歌 Op.107 No.6 |
マルティン・フレスト(Cl) ローランド・ペンティネン(P) | ||
オーボエ、チェロ、歌のために書かれた作品をスウェーデンの名手フレストがクラリネットで演奏。舌をまく巧さで、歌曲での歌心も満点。 | |||
18世紀イタリアのリコーダー・ソナタ集 コレッリ:ソナタ ホ長調 Op.5 No.11 ビガリア:ソナタ イ短調 サンマルティーニ: 2つのリコーダーのためのソナタ ニ短調/ ソナタ ヘ長調 ボーニ:ソナタ ニ短調 Op.2 No.2 ヴェラチーニ:ソナタ第6番 イ短調 バルサンティ:ソナタ ハ長調 マルチェッロ:ソナタ ニ短調 Op.2 No.2 |
ダン・ラウリン(リコーダー) パルナッスス・ アヴェニュー・バロック | ||
天才ラウリンと、アメリカのサンフランシスコに拠点を置くパルナッスス・アヴェニュー・バロックの注目の共演。全体に即興性の強い演奏で、新鮮な音楽を聴かせる。 | |||
ブルックナー/ロッグ編曲: 交響曲第8番 ハ短調(オルガン版) |
リオネル・ロッグ(Org) | ||
クリスマス・ソング集 フォーゲル:ホザンナ/グルーバー:きよしこの夜 キースキ:クリスマスの言葉 シベリウス:雪は深く積もって/栄誉はいらない 他、コティライネン、バーナード、ソンニネン、 サマロ、ヴァンスカ、プレトリウス、 ルロイ・アンダーソン、民謡等 全12曲 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. ラハティ・ ラウルプーcho. | ||
ポピュラー・クリスマス・ソングをはさみながらも、サンタの本場フィンランドの珍しい作品を中心にしたクリスマス・アルバム。 | |||
ペーテル・エトヴェシュ: 詩篇第151番(フランク・ザッパの思い出)/ プシ〜マリンバ、フルート、チェロのための/ トリエンジェル |
ゾルターン・ ラーチ(Perc) ペーテル・エトヴェシュ指揮 U.M.Z.E.室内Ens. | ||
1993年&1996年作曲の作品集。 | |||
ベートーヴェン(ワーグナー編): 交響曲第9番「合唱」(ピアノ版) |
緋田芳江(S) 穴澤ゆう子(A) 桜田亮(T) 浦野智行(B) 小川典子(P) 鈴木雅明指揮 バッハ・ コレギウム・ジャパン | ||
1998年年末の話題を独占したワーグナー版の「合唱」。ワーグナーが17歳のときに挑んだかなり無茶な編曲であり、その演奏は小川典子の技巧とBCJのテクニックにより可能となった。BISが創業25周年を記念してリリースした盤でもあった。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ大全集 Vol.10 第105番「主よ、裁かないでください」BWV.105/ 第179番「心せよ、神を恐れることが」BWV.179/ 第186番「つまずくな、おお魂よ」BWV.186 |
ミア・パーション(S) ロビン・ブレイズ(CT) 櫻田亮(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
ケーテンからライプツィヒ・トーマス教会に移ってきた最初の年に作られた作品。 | |||
「夏」〜夏の音楽 バーバー(1910-1981):夏の音楽 / エリオット・カーター(1908-2012):木管五重奏曲 ガンサー・シュラー(1925-2015):組曲 / カジミエシュ・マハラ(1948-):アメリカ民謡組曲 フリオ・メダリア(1938-):南米のベル・エポック / ヴィラ=ロボス(1887-1959):ショーロ形式の五重奏曲 リドゥイノ・ピトンベイラ(1962-):Ajubete jepê amô mbaê / メダリア:ブラジル俗謡組曲 ベルリン・フィルハーモニー木管五重奏団 ナイジェル・ショア(コールアングレ) | |||
録音:1998年4月、ベルリン。#「THE SEASONS - berlin philharmonic wind quintet/BIS-2072; 4CDs, 2CD価格」 に全曲含まれています。 | |||
ラシエ・サクソフォン四重奏団 ウォリネン、スターラー、アドラー、コーベット、ピーターソン、フロリオの作品 | |||
世界最高のサックス・クアルテット、ラシエ四重奏団の芸術、と題されたアルバム。ほとんどが彼らに捧げられた作。 | |||
ニコス・スカルコッタス(1904-1949):作品集 Vol.2 妖精劇「5月祭りの呪文」からの交響的組曲(1944/49) / コントラバス協奏曲(1942) /弦楽のための3つのギリシャ舞曲(1936) ヴァシリス・パパヴァシリオウ(Cb) ニコス・フリストドーロー指揮アイスランドso. | |||
ヘンデル:リコーダー・ソナタ集 [イ短調 HWV.62/ヘ長調 HWV.69/ハ長調 HWV.65/ ニ短調 HWV.67a/変ロ長調 HWV.77/ト短調 HWV.360] |
ダン・ラウリン(リコーダー) 鈴木雅明(Cemb/Org) 鈴木秀美(Vc) | ||
天才リコーダー奏者ダン・ラウリンと鈴木兄弟による緊迫感ある演奏。 | |||
サン=サーンス: チェロ協奏曲第1番 イ短調Op.33/ チェロ協奏曲第2番 ニ短調Op.119/ チェロと管弦楽のためのロマンスOp.36/ 交響曲 イ長調(c.1850) |
トルレイヴ・ テデーン(Vc) ジャン=ジャック・ カントロフ指揮 タピオラ・ シンフォニエッタ | ||
イ長調の交響曲はかなり貴重な録音。 | |||
カレル=エリク・ヴェリン:弦楽四重奏曲集 [第1番「本当じゃない」/第6番/第7番/第9番] |
ターレSQ | ||
過激なオルガニスト、ヴェリンの室内楽曲は、意外にもロマンティックな作品。 | |||
イスラエル・コネクション〜フルート小品集 ラヴェル:カディッシュ シュルホフ:フルート・ソナタ ノアム・シェリフ: フルート独奏のためのアラベスク 他、タルミ、アムザラッグ、ブラウン、 シェメル、ゲフェン、ラジチの作品 |
シャロン・ベザリー(Fl) デヤン・ラジッチ(P) | ||
シューマン: 謝肉祭/トッカータ/アラベスク/フモレスケ |
フレディ・ケンプ(P) | ||
1998年チャイコフキー・コンクールで第3位入賞ながら、聴衆から圧倒的な人気を博し、急遽審査員特別賞が贈られたF.ケンプ。母親が日本人のため、一見すると彫りの深い日本人のように見える。 大ピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプの遠縁だが、ヴァイオリンの腕前もパガニーニをひきこなすプロ級で、最後までどちらを取るか悩んだというからさすがただものではない。 | |||
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調BWV1041/ ヴァイオリン協奏曲 ホ長調BWV1042/ 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調BWV1043/ オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調BWV1060 |
寺神戸亮(Vn) 若松夏美(Vn) マルセル・ポンセール(Ob) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
ハラール・セーヴェルー(1897-1992): ピアノ協奏曲/交響曲第9番/ファンファーレと讃歌 |
小川典子(P) アレクサンドル・ ドミトリエフ指揮 スタヴァンゲルso. | ||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.4 ソナタ集[Wq.62-1/Wq.65-1/Wq.62-2/ Wq.65-10/Wq.65-11/Wq.65-6] |
ミクローシュ・シュパーニ (クラヴィコード) | ||
作品の思わぬ優秀さもあいまって、かなりの人気シリーズ。ここでシュパーニが弾くのは、ピアノの前身というよりおもちゃのピアノに近いクラヴィコード。しかし名手にかかるとチェンバロよりはるかに繊細で豊かな感情を表現することができる。 | |||
メンデルスゾーン:協奏曲大集成 2台のピアノのための協奏曲(ホ長調&変イ長調)/ ヴァイオリンとピアノのための協奏曲/ 華麗なロンド/華麗なカプリッチョ/ セレナードとアレグロ・ジョコーソ/ ピアノと弦楽のための協奏曲/ ピアノ協奏曲第1番&第2番/ ヴァイオリン協奏曲 ホ短調(オリジナル版)/ ヴァイオリン協奏曲 ニ短調/ スケルツォ(八重奏曲より作曲者自身の編曲) |
ローランド・ペンティネン、 ロヴェ・デルヴィンエル、 ロナルド・ブラウティハム(P) イザベル・ ファン・クーレン(Vn) レフ・マルキス指揮 ニュー・アムステルダム・ シンフォニエッタ | ||
これまでBISからリリースされたメンデルスゾーンの協奏曲をまとめたもの。 | |||
春の海〜 フルートとギターのための日本作品集 宮城道雄:春の海 武満徹:海へ、フルートのためのエア 野田暉行:こきりこ変奏曲 他、宮田小八郎、横尾幸弘、長沢勝俊の作品 |
スーザン・ヘップナー(Fl) ラケル・ガウク(G) | ||
さしずめフルートは尺八で、ギターは琴か。熱烈な日本マニアのBIS社長が自信を持って贈る日本のフルート作品集。 | |||
サリー・ビーミッシュ: ヴィオラ協奏曲/チェロ協奏曲「川」/ オーボエと管弦楽のための「タム・リン」 |
フィリップ・デュークス(Va) ロバート・コーエン(Vc) ゴードン・ハント(Ob) オラ・ルドネル指揮 スウェーデン室内o. | ||
イギリスを代表する演奏家が参加する、スコットランドの女性作曲家サリーの作品集。1999年の発売時「いずれもこの10年の作品」とされていた。 | |||
セーヴェルー: チェロ協奏曲/交響曲第8番「ミネソタ」(1958) |
トゥルルス・モルク(Vc) クリスティアン・ルード指揮 スタヴァンゲルso. | ||
セーヴェルー・チクルス第五弾。チェロ協奏曲は驚異的なテクニックを要するらしい。一方の「ミネソタ」はミネソタ州創立100周年記念委嘱作品。 | |||
ショスタコーヴィチ:交響曲集 [第5番/第6番/第10番] |
マーク・ウィッグルスワース指揮 ウェールズBBC国立o. | ||
ウィッグルスワースによるショスタコーヴィチ・チクルス第2弾。若手に似合わず、オケを強引といえるほど縦横無尽に振り回す様は聞いていて快感。また硬質の録音のBISにあっては、めずらしくなめらかでゴージャスな音作りを意識。 | |||
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集 Vol.2(完結編) 〔第1番 嬰ヘ短調 Op.1(改訂版)/ 第4番 ト短調 Op.40(最終版)〕/ パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43 |
小川典子(P) オーワイン・ アーウェル・ヒューズ指揮 マルメso. | ||
録音:1998年6月、11月、2001年6月、マルメ・コンサート・ホール/初発売:2012年。第2番&第3番:BIS-900。小川典子がBISへ録音したラフマニノフのピアノ協奏曲といえば、15年前にリリースされた第2番と3番がロングセラーを続けているが、なぜか10年以上お蔵入りになっていた残りの3作が登場。第1番は改訂版、第4番は最終版とあるが、いずれも通常演奏されるもので、小川典子ならではのスピード感と強靭なヴィルトゥルジーに満ちた演奏を楽しめる。人気曲「パガニーニの主題による狂詩曲」も期待にたがわぬ名演。華麗かつ壮麗な世界に酔いしれる。 | |||
2台ピアノによるワーグナー 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」〜前奏曲/ 「タンホイザー」序曲/ 「トリスタンとイゾルデ」〜前奏曲と愛の死/ 「ワルキューレ」〜ヴォータンの別れと魔の炎の音楽 (以上レーガー編曲) 「タンホイザー」 〜ヴェヌスベルク・バッカナール(デュカ編曲) |
永井幸枝(P) ダグ・アシャツ(P) | ||
ワーグナーの楽劇中のナンバーをレーガーとデュカが2台ピアノ用に編曲したもの。若い頃のレーガーは相当なワグネリアンだったそうで、その思い入れが爆発したようなとんでもない曲になっている。なお、録音中にフルトヴェングラー未亡人(アシャツとは親戚になる)が訪れ「ヴォータンの別れ」を聞いて感動のあまり涙を流したとか。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.4 ソナタ ハ長調 H.120(Wq62/20) ソナタ ト短調 H.118(Wq62/18) 6つの小ソナタ〜第4番/第5番/第6番 |
ミクローシュ・シュパーニ (クラヴィコード) | ||
グリンカ:ピアノ曲全集 Vol.1 夜想曲/フーガ 変ホ長調/フーガ イ短調/フーガ ニ長調/ ワルツ幻想曲/ノクターン「別れ」/マズルカの思い出/他 |
ヴィクトル・ リャプチコフ(P) | ||
単純ではあるが美しく情感に満ちたグリンカのピアノ作品。第一集は代表曲「ワルツ幻想曲」を含む12曲の小品集。 第2集(BIS-980)と第3集(BIS-981)も発売中。 | |||
グリンカ:ピアノ作品全集 Vol.2(全9曲) | ヴィクトル・リャプチコフ(P) | ||
Vol.1:BIS-979。Vol.2はケルビーニ、ドニゼッティ、ベッリーニのオペラ、民謡などからの変奏曲が中心。 | |||
グリンカ:ピアノ作品全集 Vol.3 | ヴィクトル・リャプチコフ(P) | ||
Vol.3は舞曲中心の小品集。 | |||
ルイ・クープラン: 組曲イ短調&ハ長調/ 組曲 ロ短調より [悲しむ人/ブリュイル家の人々] フランソワ・クープラン: クラヴサン曲集第13組曲より [フランス人気質、またはドミノ/煉獄の魂]他 |
広沢麻美(Cemb) | ||
ジェルジ・リゲティ(1923-2006):ピアノ音楽全集 Vol.2 ムジカ・リチェルカーラ/練習曲[第15番/第16番]/ 2台のピアノのためのソナチネ/ 2台のピアノのためのトレファス・インドゥロー/ 2台のピアノのためのポリフォニック・スタディ/ 3つの婚礼舞曲(初期作品)/4手のためのアレグロ/ 2台のピアノのための3つの小品 |
フレデリク・ウレーン(P) | ||
Vol.1:BIS-783。 | |||
ハインシウス:6つの交響曲 レンツ:2つのハープシコード協奏曲 |
赤津眞言(Vn)指揮 オーケストラ・ヴァン・ ヴァッセナール | ||
バッハ・コレギウム・ジャパンのヴァイオリン、赤津眞言の率いるオーケストラ・ヴァン・ヴァッセナールのデビュー盤。ほとんど空白だったといって良いオランダのバロック後期から古典派にいたる時代の埋もれた作曲家二人を取り上げる。貴重。 | |||
サンマルティーニ:リコーダー協奏曲集 | ダン・ ラウリン(リコーダー) 赤津眞言 指揮 オルケストラル・ファン・ ワッセナール | ||
バッハ・コレギウム・ジャパンのヴィオラ奏者赤津眞言の率いるオーケストラ・ヴァン・ヴァッセナールの第2弾。バロック後期から古典派にいたる時代の埋もれた作曲家を取り上げようという彼らが取り上げたのは、バロックのイギリスの作曲家。非常な技巧作品が並ぶ中、ラウリンの技は冴え渡る。 | |||
10弦ギターによるドビュッシー作品集 | アンデシュ・ミオリン(G) | ||
サティ、ラヴェルと続いたミオリンのギター編曲集第3弾。前2作がいまだにベストセラーであることも、彼の作品が単なるキワモノ・アイテムではなく、すぐれた芸術作品としての価値があることを物語る。ドビュッシーは特にスペインへの思い入れが強く、原曲とギターの響きにいくつもの関連性があるだけに、非常に興味深い。 | |||
ゲイル・トヴェイト: ハルダンガーの民謡による組曲第1番&第2番 |
ルート指揮 スタヴァンガーso. | ||
「最も豊かでノルウェー的」と評された、1908年生まれのトヴェイトの管弦楽曲集。スカンジナビア旋法を用いた独自の作曲理論で当時の音楽界を席巻した彼の音楽は、素朴でリズミカル且つダイナミック。 | |||
トロンボーンの犯罪 Vol.2.5 リンドベリ:盗賊たち ムソルグスキー(リンドベリ編):展覧会の絵 バッハ(リンドベリ編): ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ シューマン(リンドベリ編):幻想小曲集 ストラヴィンスキー(リンドベリ編): 「火の鳥」〜3つの断章 |
クリスティアン・ リンドベリ (トロンボーン) ロランド・ペンティネン(P) | ||
1990年頃リリースされた「トロンボーンの犯罪」に次ぐ第2弾。「2と2分の一」というのも変っているが、今回はさらに「展覧会」と「火の鳥」というとんでもない編曲作品を収録。 | |||
マクミラン: 世界の解放(復活祭三部作第一部)/ チェロ協奏曲(復活祭三部作第二部) |
ペンドリル(Hr) ウォルフィッシュ(Vc) オスモ・ヴァンスカ指揮 BBCスコティッシュso. | ||
マクミラン:交響曲「ヴィジェル(徹夜課)」 (復活祭三部作第三部) |
ファイン・アーツ・ブラス・ アンサンブル オスモ・ヴァンスカ指揮 BBCスコティッシュso. | ||
スコットランドの若手作曲家マクミラン。「熱烈なカトリック信仰とストレートなエモーションを特徴」としている彼の作品は、常に宗教的な厳格さと人間的な情熱を持つ。 | |||
バッハ:カンタータ全集 Vol.11 [第136番/第138番/第95番/第46番] |
鈴木美登里(S) カイ・ヴェッセル(CT) 桜田亮(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
比較的知られていない作品ばかりを集めた第11巻。 | |||
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集 Vol.1 〜アウエンブルッガー・ソナタ集 [第48番−第52番] |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集 Vol.2 [第53番 ホ短調/第54番 ト長調/第55番 変ロ長調/ 第56番 ニ長調/第57番 ヘ長調/第58番 ハ長調] |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集 Vol.3 [第49番/第50番/第51番/第52番] |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
シェーグレン(1853-1918): ヴァイオリン・ソナタ第1番&第2番/ 詩曲/2つの抒情小品 |
ベル・エノクソン(Vn) キャスリン・ストット(P) | ||
スウェーデン・ロマン派を代表するシェーグレンの作品。北欧ならではの透明感の中にほのかにフランス印象派の香りがする。 | |||
カリン・レーンクヴィスト: 大地の上を歩く時/太陽の歌/ティンパニの歌 |
ニクラス・ウィレン指揮 スンドスヴァル室内o. | ||
レーンクヴィストは北欧民族音楽を用いて新たな音楽技法を見出そうとしているスウェーデンの女流作曲家。 | |||
フェーンストレム: 交響曲第12番/海の歌/ ラオ・ナイ・ナイの歌(チャイニーズ・ラプソディ) |
ラン・シュイ指揮 マルメso. | ||
中国生まれ、中国育ちのスウェーデン作曲家フェーンストレム。初期シベリウスを思わせる作風は親しみやすいものだが、当時の音楽界からは不当に無視された。 ジャケットの絵は、画家でもあった彼のもの。 | |||
シベリウス: 混声、または女声合唱のための作品集 |
アストリド・リスカ指揮 ユビラーテcho. | ||
無伴奏合唱作品集(BIS-825)に続く第2弾。全集としては第44弾。ハーモニウムなどが加わり、北欧系合唱ファンにはもちろん、それ以外の人も暑い夏にはもってこいのアルバム。 | |||
パガニーニ: ヴァイオリン協奏曲第1番/ラ・カンパネッラ/ カンタービレ/「モーセ」の主題による幻想曲/ 「うつろな心」による序奏と変奏曲 |
イリヤ・グリンゴルツ(Vn) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. イリーナ・リューミナ(P) | ||
1998年のパガニーニ・コンクールに史上最年少16歳で優勝したイリヤ・グリンゴルツ。その後DGに移籍した彼のデビュー・ディスクだったもの。 | |||
バッハ:マタイ受難曲 | ゲルト・テュルク、 ペーター・コーイ、 ナンシー・アージェンタ/他 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
先行発売された国内盤が各音楽誌で絶賛、しばらく品切れが続いたという名盤。しかも "BIS-1000" という記念すべき番号でのリリース。 | |||
ケルビーニ(1760-1842):弦楽四重奏曲全集 Vol.1 〔第1番 変ホ長調(1814) /第2番 ハ長調(1829) 〕 |
ダーヴィドSQ | ||
録音:1998年10月、レンナ教会、スウェーデン/ (C) 1998 (P) 1999 。 | |||
ケルビーニ(1760-1842):弦楽四重奏曲全集 Vol.2 〔第3番 ニ短調(1834) /第4番 ホ長調(1835) 〕 |
ダーヴィドSQ | ||
録音:1998年10月、レンナ教会、スウェーデン/ (C) 1998 (P) 1999 。 | |||
ケルビーニ(1760-1842):弦楽四重奏曲全集 Vol.3 〔第5番 ヘ長調(1836) /第6番 イ短調(1837) 〕 |
ダーヴィドSQ | ||
録音:1998年10月、レンナ教会、スウェーデン/ (C) 1998 (P) 2000 。シューマンが「交響曲と呼ぶにはあまりに四重奏的、四重奏曲と呼ぶにはあまりに交響的」と批評した傑作第2番は、交響曲 ニ長調の編曲版。イタリア人ながらパリ音楽院の院長を20年務めフランス音楽界を支え、ベートーヴェンにも強く影響を与えた大物ケルビーニの傑作。ただの古典派の埋もれた弦楽四重奏曲ではない。 | |||
ヴェルディ&プッチーニ:弦楽四重奏のための音楽(全集) ヴェルディ(1813-1901):弦楽四重奏曲 ホ短調(1873) プッチーニ(1858-1924): 菊(1890) /3つのフーガ(1880-83) /スケルツォ イ短調(1880-83) / 3つのメヌエット イ長調(1892, [Nos.1 & 3: rev.1898]) / 弦楽四重奏曲 ニ長調〜アレグロ・モデラート(1880-83) ダーヴィドSQ | |||
録音:2001年3月、レンナ教会、スウェーデン/ (C) & (P) 2002 。 イタリア・オペラの2大作曲家による弦楽四重奏作品集。このジャンルで現存する、両君の全作品を収めている。オペラ作曲家ならではの歌にあふれ、ことにプッチーニの「3つのメヌエット」は後に「マノン・レスコー」などに流用されているのも面白い所。ダーヴィド SQ は1994年に創立されたイタリアの団体で、当 BIS レーベルへの4点の録音と前後して、ルドヴィコ・エイナウディのアルバム "Eden Roc" (1999) に参加し名をあげた。ただ2016年までの録音はこれら5枚分のみの模様。 | |||
ヴィドール: オルガン交響曲第2番/オルガン交響曲第8番 |
ハンス・エファンス(Org) | ||
モーツァルト:ホルンボーン協奏曲 全集 [第1番−第4番] |
クリスティアン・リンドベリ (ホルンボーン[=Tb]) ジャン=ジャック・カントロフ指揮 タピオラ・シンフォニエッタ | ||
ホルンではなくホルンボーンによるホルン協奏曲全集。BISのバール社長曰く「これまで誰も聞いたこともなく、今後も絶対聞けないだろう」・・・つまりはトロンボーンでホルン協奏曲を演奏した企画だが、徹底ぶりが面白い。 | |||
バッハ:インヴェンションとシンフォニア | 鈴木雅明(Cemb) | ||
東京芸大古楽科教授として活躍中の鈴木雅明。BISから次々とリリースされるCDによってその人気、評価は高まる一方だが、こうした素朴なチェンバロ演奏でも決して手を抜かないで立派な演奏を聞かせてくれるのはさすが。 | |||
モーツァルト: セレナード第10番変ロ長調 K.361「グラン・パルティータ」 セレナード第1番 ニ長調 K.100 |
ジャン=ジャック・カントロフ指揮 タピオラ・シンフォニエッタ | ||
BISとしては意外な、一般的レパートリーのごく普通の楽譜を用いたモダーン楽器による演奏。 | |||
マニフィカート集 クーナウ:マニフィカート ハ長調 ゼレンカ: マニフィカート ハ長調 ZWV107/マニフィカート ニ長調 ZWV108 バッハ:マニフィカート ニ長調 BWV243 |
ミア・パーション(S) 野々下由香里(S) 太刀川昭(CT) ゲルト・テュルク(T) 浦野智行(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
聖母マリアが預言者ヨハネの母エリザベトを訪ねた際に口にした神への讃歌が「マニフィカト」。ここではほぼ同世代に活躍したクーナウ、ゼレンカ、J.S.バッハ3人の作品を集めている。驚くべきは、傑作として名高いバッハのマニフィカトと比肩しうるクーナウとゼレンカの作品。美しくも壮麗なこの二つの曲であるが、なぜか今までほとんど録音されていなかった。鈴木雅明の慧眼には恐れ入る。国内仕様盤発売時にレコード芸術誌で特選となり、さらには1999年度レコード・アカデミー賞音楽史部門を受賞。当時のドイツ式ラテン語の発音を採用した歌唱も話題となった。 | |||
ヴィラ=ロボス;ピアノ作品全集 Vol.4 | デボラ・ハラス(P) | ||
世界初録音曲も収録。 | |||
マルクス・ツァーンハウゼン: ルクス・エテルナ/叙情的情景/ 無伴奏リコーダー・ソナタ/ 「四季」(リコーダー独奏のための) |
スサンナ・ラウリン(リコーダー) | ||
スサンナ・ラウリンはダン・ラウリン夫人。 | |||
スカルコッタス: バレエ組曲「乙女と死」/ピアノ協奏曲第1番/ 協奏的序曲 |
ジェフリー・ダグラス・マッジ(P) ニコス・クリストドゥルゥ指揮 アイスランドso. | ||
ギリシャが生んだ最大の作曲家でありながら、不当な扱いを受け生前はほとんど評価されることなく死んで行ったスカルコッタスのシリーズ第3作。さまざまな音楽技法をミックスしながらギリシャの古典音楽への傾倒も感じさせる、まさに独特の作風。ピアノに、マニアック・ファンにはおなじみのマッジが登場。 | |||
シベリウス: レンミンカイネン組曲〜4つのカレワラ伝説 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
「レンミンカイネンと島の乙女たち」と「レンミンカイネンの帰郷」はオリジナル版を使用。 | |||
ヴィエニアフスキ:エチュード・カプリース アラール:華麗な二重奏曲 モシュコフスキ: 2つのヴァイオリンとピアノのための組曲 |
イリヤ・グリンゴルツ(Vn) アレクサンドル・ブーロフ(Vn) イリーナ・リューミナ(P) | ||
デビュー作パガニーニで衝撃的デビューを飾ったグリンゴルツの第2弾は同郷の後輩ブーロフとのヴァイオリン二重奏。ヴィエニアフスキのエチュード・カプリースは、パールマン&ズーカーマンやオイストラフ親子がその中の数曲録音していたが、全曲登場は初めて。 | |||
チェレプニン:交響曲全集 Vol.1 [第1番/第2番]/ピアノ協奏曲第5番(*) |
小川典子(P;*) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
チェレプニン:交響曲全集 Vol.2 [第3番/第4番]/ピアノ協奏曲第6番(*) |
小川典子(P;*) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
伊福部昭を教えるなど日本音楽の大恩人であるチェレプニンだが、交響曲全集はこれが初録音。第3番は彼の得意とする「東洋風」の音楽。ラン・シュイは中国人だったチェレプニン夫人たちとも親しかった人。小川典子久々の登場によるピアノ協奏曲も聴き物。 | |||
マクミラン: 逢引き/金管合奏のための「アダムの肋骨」/ 彼らは石が転がり行くのを見た/ f(アイオナでの黙想) |
ジョセフ・スウェンセン指揮 スコットランド室内o. スコットランド室内o.ブラス | ||
スコットランドの若手作曲家マクミラン。「熱烈なカトリック信者」ということだが、その感情爆発の激烈な作品はなんとも裏腹。それが宗教的表現の真の姿なのか。 | |||
レディーのためのサックス ドビュッシー:狂詩曲(*/#) カプレ:伝説曲(*/#) ダンディ:コラール変奏曲(*/#) ラヴェル:ソナチネ(#) |
クロード・ドゥラングル(Sax;*) オディール・ドゥラングル(P;#) | ||
誕生して間も無いサックスのために、当時の大物作曲家が残した作品群。 | |||
現代スウェーデンのトランペット協奏曲集 ダニエル・ベルツ(1943-): トランペット協奏曲「歌と踊り」(1994/5) ヤン・サンドストレム(1954-): トランペット協奏曲第2番(1996) フォルケ・ラーベ(1935-): サーディン・サーコファクス(1994) |
ホーカン・ ハーデンベルガー(Tp) ギルバート・ヴァルガ指揮 マルメso. | ||
シベリウス: ヴァイオリンとピアノのための初期作品集 Vol.1 ヴァイオリン・ソナタ(1884)/ アンダンテ・グラツィオーソ(1884)/ソナタ楽章(1885)/ モデラート〜プレスト(1886)/メヌエット(1886)/ メヌエット(1886/7)/アンダンティーノ(1886/7)/ アレグレット(1886/7)/ワルツのテンポで(1886/7)/ マズルカ(1887)/アンダンテ・モルト(1886/7)/ オバド(1886/7)/スケルツィーノ(1887)/ アンダンテ・エレジアーコ(1887)/ アンダンテ・カンタービレ(1887)/ ソナタ・アレグロ(1887)/組曲(1887/8) |
ヤーッコ・クーシスト(Vn) フォルケ・グレスベック(P) | ||
すべて未発表、世界初録音。ヴァイオリニストを目指していた20才代前後のシベリウスが残した習作。彼の小品は、交響曲以上に美しさ、せつなさ、寂しさを感じさせてくれる。 | |||
スカルコッタス:ヴァイオリン作品集 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ/ソナチネ[第1番−第4番]/ 小コラールとフーガ/メヌエット・カンタート/ 小さい兵隊の行進曲/夜想曲/ロンド/ガヴォット/スケルツォ |
ゲオルギオス・デメルツィス(Vn) マリア・アステリアドウ(P) | ||
今日ではギリシャを代表する作曲家とされているが、生前はギリシャ音楽界から冷たく扱われ、かろうじて田舎オケのヴァイオリニストとして生計を立てそのまま世を去ったスカルコッタス。BISのスカルコッタス・シリーズ第4弾は、第3弾までの管弦楽曲から転じて、珍しいヴァイオリン小品集。複雑なオケ作品と異なり素朴で愛らしい曲が多く、彼の隠れた個性を知る上では非常に興味深い。 | |||
ヴィヴァルディ: 室内ソナタ集 Op.1/ トリオ・ソナタ 変ロ長調 Op.5-5/ トリオ・ソナタ ト短調 Op.5-6/ シンフォニア ロ短調/ 「聖墓に寄せるシンフォニア」R.169/ 協奏曲 変ホ長調「聖墓によせるソナタ」R.130/ ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 Op.2-3/ 協奏曲 ハ長調 R114 |
ロンドン・バロック | ||
ハルモニア・ムンディでおなじみのロンドン・バロックがBISに録音開始。メインであるOp.1の第12曲は有名な“ラ・フォリア”。円熟味のある美しい弦の響きが名曲の魅力を生き生きと伝える。 | |||
ゲイル・トヴェイト(1908-1981):管弦楽曲集 Vol.2 プリラール(1931)/太陽神交響曲(1958) |
オーレ・ クリスチャン・ルード指揮 スタヴァンゲルso. | ||
トヴェイトはノルウェーの作曲家。自国の民族音楽から着想を得てはいるが、オーケストレイションはラヴェルやリムスキー=コルサコフばりである。 | |||
アッラン・ペッテション:室内楽作品集 2つのヴァイオリンのための7つのソナタ/ ラメント(ピアノ独奏のための)/ 2つの悲歌(ヴァイオリンとピアノのための)/ ロマンツァ(ヴァイオリンとピアノのための) アンダンテ・エスプレシーヴォ (ヴァイオリンとピアノのための) |
デュオ・ジェラン [マルティン・ジェラン(Vn) セシリア・ジェラン(Vn)] レンナルト・ヴァリーン(P) | ||
バロック・アリア集 Vol.2 ヘンデル:「メサイア」より バッハ:カンタータより アーレ、ブクステフーデ、シュッツの作品 |
米良美一(CT) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
米良の既存の録音からの自選アルバム第2弾。 | |||
ヨウン・レイフス(1899-1968):管弦楽曲作品集 Vol.4 「アイスランド」序曲/レクイエム/ 「ルフトゥル」組曲/北の思い出/ヘクラ/エレジー |
エン・サーオ指揮 アイスランドso. | ||
オーディオ面で大評判となった当シリーズ第4弾。この巻に収録された曲は、アイスランドの民族性をやや前面に押し出した親しみやすいもの。 Vol.1:(BIS-730)、Vol.2:(BIS-830)、Vol.3:(BIS-930)。 | |||
バッハ:カンタータ全集 Vol.12 [第147番「心と口と行いと」/ 第21番「我が心には憂い多かりき」] |
野々下由香里(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テユルク(T) ペーター・コーイ(Bs) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
セーヴェルー:管弦楽作品集 Vol.8 熱情的序曲 Op.2b /愛のロンド Op.14 No.7 /ヤギの歌 変奏曲 Op.15 /小鳥のワルツ Op.18 No.2 / 農夫のブローチの調べ Op.14 No.2 /水車の調べ Op.22 No.2 /シルユの踊り Op.22 No.2 / ディヴェルティメント第1番 Op.13 /彼女の最後の子守歌 Op.22 No.3 ウーレ・クリスチャン・ルード指揮スタヴァンゲルso. | |||
シリーズ最終巻。「熱情的序曲」は習作交響曲のフィナーレだったもので、ロマンティックながら彼の語法もすでに現れている。彼の作品中最も愛されたピアノ小品「愛のロンド」の作曲者自身による小管弦楽版が聴けるのも魅力。 | |||
シューベルト:男声合唱曲集 [森の夜の歌/夜/ゴンドラを漕ぐ人/あこがれ/ 昔を今に/愛/墓と月/詩篇第23番/隠棲/ 夜の静けさ/14世紀の酒宴の歌/水の上の精霊の歌] |
ロベルト・スンド指揮 オルフェイ・ ドレンガル男声cho. | ||
シューベルトの中でもマイナーな一群の曲だが、何故かと言えば技巧的に難曲だからとか。スウェーデンの名門である同合唱団ならその点全く大丈夫。純粋に音楽に浸れること請けあい。 | |||
バッハ:フーガの技法 BWV1080 | ハンス・ファユス(Org) | ||
バッハを中心に録音を続けてきたファユスが、長年の研究成果と演奏活動を結実させた録音。 | |||
プレトリウス:クリスマス・ミュージック | ヴィヴァ・ヴォーチェ | ||
ヴィヴァ・ヴォーチェの若くみずみずしい歌唱に導かれるプレトリウスの荘厳な世界。 | |||
カレヴィ・アホ: オーボエ五重奏曲/ オーボエとチェロのための 7つのインヴェンションと協奏曲/ フルート、オーボエ、ヴァイオリン、 ヴィオラとチェロのための五重奏曲 |
ラハティ交響楽団 室内アンサンブル | ||
フィンランド若手作曲家の中でももっとも注目されているカレヴィ・アホ。昔の作品に比べて最近は緊張感に富む難解なものが多くなってきたが、当アルバムではオーボエを中心とした高密度なアンサンブルが楽しめる。 | |||
バッハ:チェンバロ曲集 Vol.4 半音階的幻想曲とフーガBWV.903/ 幻想曲とフーガBWV.904/906/944/ 幻想曲BWV.917/918/前奏曲BWV.921/922/ アルビノーニの主題によるフーガ/ アルビノーニの主題による前奏曲とフーガBWV.923&951/ J.C.バッハを称えてのカプリッチョBWV.993/ 最愛の兄の旅立ちによせるカプリッチョBWV.992 |
鈴木雅明(Cemb) | ||
今や日本を代表するチェンバリスト、鈴木の最新作。その充実ぶりは見事。 | |||
エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928-): 交響曲第7番「光の天使」/ フルート協奏曲「ダンス・ウィズ・ザ・ウィンズ」/ 鳥と管弦楽のための協奏曲 「カントゥス・アルクティクス」(極北の歌) |
ペトリ・アランコ(Fl) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
BIS社長バールの依頼で書かれたフルート協奏曲「ダンス・ウィズ・ザ・ウィンズ」、代表作「交響曲第7番」、そしてNAXOSでベストセラーとなった「鳥たちと管弦楽のための協奏曲」、という3つの話題作を全てカップリング。 | |||
フルーティッシモ〜〜オペラ編曲集 ブリッチャルディ:ヴェネツィアの謝肉祭 タファネル:「ミニヨン」による大幻想曲/ 「魔弾の射手」による幻想曲 ショパン:「シンデレラ」の主題による変奏曲 バッツィーニ: 妖精のロンド/スケルツォ・ファンタスティーク ボーヌ:「カルメン」による華麗なる幻想曲 |
シャロン・ベザリー(Fl) エルヴィン・ナジ(P) | ||
村松特製の黄金フルートを奏でるシャロン・ベザリーのヴィルトスオーゾ・アルバム。もちろん選曲もかなりの難曲揃い。 | |||
サン=サーンス: ピアノ協奏曲第1番/ピアノ協奏曲第2番/ 管弦楽組曲Op.49 |
小川典子(P) ジャン=ジャック・ カントロフ指揮 タピオラ・シンフォニエッタ | ||
サン=サーンスのピアノ協奏曲の中でもメジャーな2番とマイナーな第1番、それに輪をかけて珍曲である管弦楽組曲という、面白いCD。 | |||
バッハ:カンタータ全集 Vol.13 第64番「見よ、いかなる愛を父は示されたるか」 BWV64 第25番「わがからだすこやかならず」 BWV25 第69a番「わが魂よ、主をほめたたえよ」 BWV69a 第77番「汝の主なる神を愛すべし」 BWV77 第50番「今ぞ救いと力は来たれり」 BWV50 |
野々下由香里、緋田芳江(S) ロビン・ブレイズ(CT) キルシュテン・ ゾレク=アヴェラ(A) ゲルト・テュルク、櫻田 亮(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明 指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン コンチェルト・パラティーノ | ||
ラフマニノフ: ピアノ・ソナタ第2番(原典版)/ 絵画的練習曲集 クライスラー(ラフマニノフ編):愛の悲しみ |
フレディ・ケンプ(P) | ||
アルベニス:ピアノ作品全集 Vol.2 「イベリア」第2集/ 白鍵上の長調による7つの練習曲 Op.65 / ラ・ベガ(1897年2月版)/ アマリア(サロン風マズルカ) Op.95 / リコルダッティ(サロン風マズルカ) Op.96 / スペイン(思い出) |
ミゲル・バセルガ(P) | ||
録音:1999年7月。#2021年7月、 BIS-2613 (9CDs) で全集化。 | |||
モーツァルト:フルート四重奏曲集[第1番−第4番] | シャロン・べザリー(Fl) ザルツブルク・ゾリスデン | ||
BISの社長、バールが惚れ込むイスラエルの若手ベザリー(現在はバール氏夫人だが、録音当時はどうだったのだろう?)の第3弾だったもの。村松楽器特製の純金(!)フルートでの演奏。 | |||
ジャポニズム〜世界の作曲家の目に映った日本 ジル・マルシェックス:吉原帰り/出雲の秋月 タンスマン:日光の哀しみ サーントー: 組曲「日本にて」/歌劇「台風」〜日本の歌 ニーマン:組曲「日本」 サン・サーンス:「黄色い姫君」序曲 シラス:東京行進曲 シリル・スコット:日本の宵 ポルディーニ:日本練習曲 グレインジャー:プラットホームの鼻歌 ケテルビー:日本の屏風から |
小川典子(P) | ||
日本贔屓のBISならではの画期的アルバム。海外の作曲家が日本からインスパイアされて作曲した作品を集めたもの。ほとんどが今まで知られていなかった作品ばかりで、このラインナップには感動すら覚える。聞いてみるとその不思議さ(珍妙さに)ちょっと戸惑いもあるが、これが印象主義へのある種の起爆剤ともなっているのだからあながち馬鹿にもできない。ジャケットは小川典子の浴衣 姿。 | |||
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 全曲 | レオニダス・カヴァコス(Vn) | ||
シベリウスのオリジナル版ヴァイオリン協奏曲で大いに話題を呼んだカヴァコスが、BISへ久々の登場となったディスク。 | |||
ルチアーノ・ベリオ: 2つのヴァイオリンのための小ニ重奏曲集(全34曲) デニーソフ:2つのヴァイオリンのためのソナタ |
アレクサンドル・ブーロフ、 イリヤ・グリンゴルツ(Vn) | ||
ロシアが生んだ二人の天才少年によるデュオ。 | |||
ハムブレウス:合唱作品集 | ステファン・パルクマン指揮 スウェーデン放送cho. | ||
スウェーデン現代音楽の父ハムブレウス。混沌とした力強い合唱作品集。 | |||
米良美一(CT)、プレシャス〜クリスマス・アルバム | |||
国内盤:KICC-261 の海外発売盤。 | |||
ヨウン・レイフス:管弦楽付き声楽作品集 流氷 Op.63(混声合唱と管弦楽のための)/ 2つの歌曲 Op.14a[月の歌/子守歌] (メゾソプラノと管弦楽のための)/ グズルーンの歌 Op.22 (メゾソプラノ、テノール、バスと管弦楽のための)/ 夜 Op.59(テノール、バリトンと小管弦楽のための)/ フィーネT Op.55(管弦楽のための) |
L.Y. ヨウンスドウッティル(Ms) G.グズビエルンソン(T) O.K.シグルザルソン(Br) L.エルリングソン(B) アンネ・マンソン指揮 アイスランドso. | ||
アイスランドの生んだ大作曲家レイフスの、BISからの5枚目の作品集。今までの、たとえば「サガ・シンフォニー」などとは違った側面、すなわちまぎれもなくレイフス的といえる落ち着いた抒情的な面をうかがうことができるアルバムである。 | |||
ヒンデミット:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番/ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番 グリンゴルツ:ソナタ・バッキアーナ シュニトケ:ア・パガニーニ |
イリア・グリンゴルツ(Vn) | ||
BISの社長、バールが惚れ込むロシアの天才グリンゴルツの第3弾だったもの。無伴奏曲集だが、自作まで収めており(何と15才のときの作だとか)、その他の曲もこの手の曲では有名曲ばかり。さぞや自信が在ると見た。 | |||
オペラの笛吹き ロッシーニ:「湖上の美人」による序奏、主題と変奏 ハルストレム:歌劇「山の王の花嫁」から ダンツィ:「ドン・ジョヴァンニ」の「奥様お手をどうぞ」による幻想曲 モーツァルト:「魔笛」〜ああ、愛の喜びは露と消え ウェーバー:「魔弾の射手」〜静かに、静かに、敬虔な調べよ ロヴレリオ:「椿姫」のモチーフによる演奏会用幻想曲 サン=サーンス:「サムソンとダリラ」〜春は目覚めて ヒラー:歌劇「ハーメルンの笛吹き」から マルティン・フレスト(Cl) ラン・シュイ指揮シンガポールso. | |||
スウェーデンの若手フレストがオペラの旋律による作品からアリアそのものまで吹きまくった、グルベローヴァも真っ青のベル・カント・クラリネット。 | |||
北欧のブラス音楽 ラウタヴァーラ、シベリウス、 グリーグ、ニーステッドの作品 |
ブラス・バルトゥ | ||
北欧の大作曲家による珍しい金管アンサンブル作品のアルバム。まぎれもいないオリジナル作品。北欧ファンにもその晴れやかな金管サウンドがたまらないはず。 | |||
シューマン: 交響曲第2番/子供の情景(アドルノ編)/ 「謝肉祭」より(ラヴェル編) |
ディルク・ユレス指揮 RPO | ||
シューマンの交響曲第2番だが、カップリング曲がただでは終わらない。「否定弁証法」のアドルノの編曲による「子供の情景」とラヴェル編曲の「謝肉祭」。オケ・ファンならずとも興味津々。イギリスやドイツで評価が高いユレスは、ピアニストとしてもLARGOなどに録音があった。 | |||
フランク: ヴァイオリン・ソナタ イ長調 (コルトー編曲によるピアノ独奏版)/ 前奏曲、フーガと変奏 (フリードマン編曲によるピアノ独奏曲)/ 前奏曲、アリアと終曲 |
永井幸枝(P) | ||
フランクのヴァイオリン・ソナタといえば、ティボーと残した不滅の名盤でのお相手、アルフレッド・コルトーが思い出されるが、何と彼がこの曲をヴァイオリン・パートまで含めてピアノ独奏用に編曲していた。さすがに曲を知り尽くしているだけあって、信じられない程美しく、かつ自然なピアノ曲になっており、フランクのオリジナルのピアノ曲より魅力的かも。また、併録の「前奏曲、フーガと変奏」もイグナツィ・フリードマン版で世界初録音となる。ベテラン、永井幸枝の語り口の巧みさとヴィルトゥオーゾぶりに圧倒されるオススメ盤。 | |||
レオナルド・レーオ(1694-1744):6つのチェロ協奏曲(1738-39) [第4番 イ長調/第5番 ヘ短調/第1番 イ長調/ 第3番 ニ短調/第2番 ニ長調]/ 協奏交響曲(チェロ協奏曲第6番) ハ短調 |
鈴木秀美(Vc/ピッコロVc) 赤津眞言指揮 オルケストラ 「ファン・ワセナール」 | ||
録音:1999年7月 ピリオド系チェリストとして押しも押されぬ大家となった鈴木秀美久々の協奏曲録音だったもの。レーオは18世紀前半にナポリで活躍した作曲家で、大スカルラッティの後継者と目された。 チェロ協奏曲6曲は他にユリウス・ベルガーやアンナー・ビルスマが録音している程度で、鈴木秀美があえて取り上げただけあって充満の名演。なお、オーケストラの実態はバッハ・コレギウム・ジャパン。 | |||
オスヴァルダス・バラカウスカス(1937-): ヴァイオリンと管弦楽のためのコンチェルト・ブリオ(1999) (*) / オーボエとチェンバロのための二重協奏曲(1981) (+) / チェロと室内管弦楽のためのルードゥス・モドルム(1972) (#) / ピアノ小協奏曲(1966, rev.1994) ルネス・マタイティテ(Vn;*) ロムアルダス・スタシュクス(Ob;+) セルゲユス・オクルシュコ(Cemb;+) エドムンダス・クリカウスカス(Vc;#) マルグリト・カウクス指揮ヴィリニュス聖クリストファー室内o. | |||
日本のフルート 山田耕筰:「この道」による変奏曲(1930) 江 文也:祭典ソナタ Op.17(1937) 菅原明朗:笛吹き女(*)(1931) 弘田龍太郎:「靴が鳴る」による変奏曲(1943) 山田一雄:夜曲 Op.23(1945) 金井喜久子:「てぃんさぐぬ花」による変奏曲 中田喜直:日本の秋 (「小さい秋見つけた」による変奏曲) 三枝成章:青い天使(1999) 吉松 隆:デジタルバード組曲(1982) |
マヌエラ・ヴィースラー(Fl) 小川典子(P、朗読;*) | ||
日本のピアノ曲を取り上げ大ヒットした「Just for me」の小川典子がふたたび貴重な邦人作品を。今回の主役はフルートで、BISではおなじみ、ウィーンの美人奏者マヌエル・ヴィースラーとの共演。作品はどれも前衛的ではなく、民族色の現れた美しいものばかり。このような音楽がいままで不当にも無視されてきた。アルバムを貫くテーマは「歌」である。日本人ならだれでも知っているメロディが次々と現れるが、いずれも完全なオリジナル作品。現役作曲家である三枝と吉松はBIS初登場となる。山田耕筰の作品は日本で書かれた最初のフルート曲とされている。江 文也は1999年日本で伝記が出版された、台湾出身の悲劇の作曲家。「祭典ソナタ」はホテル・オークラの大倉喜七郎男爵に献呈された3楽章構成の作品。菅原の作品は高踏派の詩人、深尾須磨子の詩によるフルートと朗読のためのデュオで、ここでは小川の肉声を聴くことができる。弘田の作品は“お手々つないで…”の歌詞で始まる有名な童謡に基づくもの。父親の仕事の関係で少女時代を東京で過ごしたヴィースラーは、当時NHKの番組「おかあさんといっしょ」に出演し、この童謡を歌ったのだという。指揮者として多くのファンに支持された山田一雄の作品は、驚くほど充実した「隠れた名品」。最近話題の金井の作品は、美しい沖縄民謡に基づく。先ごろ亡くなった中田の作品には、この作曲家らしい抒情美にあふれている。三枝の曲は彼の最新作。吉松の作風が小川のポップな感覚と抜群の相性を示す。全体を通して、日本の美再発見ともいうべき驚きの連続である。 | |||
サン=サーンス: ヴァイオリン協奏曲第2番 Op.58(*) 序曲「スパルタクス」(+) 「ミューズと詩人」 Op.132(#) |
トルレーヴ・テデーン(Vc;#) ジャン=ジャック・カントロフ (Vn;*/#)指揮(+) トゥオマス・オリッラ指揮(*/#) タピオラ・シンフォニエッタ | ||
カントロフのサン=サーンスの管弦楽作品シリーズ。(+)は珍品。 | |||
バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集 [BWV.1030a/BWV.1027/BWV.1028/BWV.1029] |
マルック・ ルオヤラン(ガンバ) ミクローシュ・シュパーニ (タンジェントP) | ||
ソラブジ:オーパス・クラヴィチェンバリスティクム | ジェフリー・ダグラス・マッジ(P) | ||
録音:1983年頃。オランダのみのローカル・レーベルでLP発売されていた録音の初インターナショナル発売だった物。史上最長のピアノ曲としてギネス・ブックにも載っている、演奏時間4時間に及ぶ超大作。 | |||
ヘンデル:教会カンタータ集 サルヴェ・レジナ/モテット「おお天からの声のごとく」/ モテット「天にいます者が息をはくならば」/ 詩篇第112番「子らよ、主をたたえよ」/ トリオ・ソナタ ト短調 |
エマ・カークビー(S) ロンドン・バロック | ||
カレヴィ・アホ: 中国歌曲集(*)(1987)/ 交響曲第4番(1972/73) |
ティーナ・ヴァヘヴァーラ(S;*) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
親しみやすい北欧諸国の現代音楽を世に出すことでBISはファン層を広げていったといえるが、その産物のひとつがアホのチクルス。シベリウス、クラミなどの演奏でおなじみのヴァンスカの指揮も万全。「中国歌曲集」では新進ソプラノ、ヴァヘヴァーラの魅力も加わり、印象深い仕上がりとなっている。 | |||
シベリウス:習作時代の未発表ピアノ曲集 Vol.1 スケルツォ ホ長調/コン・モート 変ニ長調/3つの小品 スケルツォ ホ長調(以上 1885)/11の変奏曲(1886) 50の小品の主題カタログ サッカルナス・ミステリー(ピアノと朗読のための幻想曲) * アンダンテ 変ホ長調/オバド 変イ長調 黄昏に(以上 1887) 5つの小品/3つの小品(以上 1888) |
フォルケ・グラスベック(P) ラッセ・ボイスティ(語り;*) | ||
シベリウスの完全全曲録音を目指すBISならではのマニアックな企画。作曲者が20-23歳の頃に書いた習作で、未出版。自己のスタイル確立以前とはいえ、意外な宝石が隠れていそう。 | |||
ヘイクル・トウマソン(1960-;アイスランド): ヴァイオリンと室内管弦楽のための協奏曲(*)(1997)/ 年輪(1994)/渦巻(1992)/ステンマ(1997) アイスランドの民族音楽「ステンマ」の現地録音(1996) |
シグルーン・ エズヴァルドドウッティル (Vn;*) グヴズムンドゥル・ グンナルソン指揮 キャプト・アンサンブル 他 | ||
きわめて独特な性格を持つアイスランド民族音楽に基づく作品と、その基礎となった音楽の現地録音を併録した興味深い構成。 | |||
ジェイムズ・マクラミン: トランペット協奏曲/クラリネット協奏曲 |
ジョン・ウォーラス(Tp) ジョン・カッシング(Cl) アレクサンデル・ラザレフ指揮 スコティッシュ・ナショナルo. | ||
最近BISが力を入れ始めたイギリスの現代作曲家マクミランの第4弾。2曲めは献呈者がソロを担当。 | |||
ニーノ・ロータ: 交響曲第3番(1956/57)/祝祭協奏曲(1958/61) バレエ組曲「幻想のモリエール」(1976) |
オーレ・クリスティアン・ルード、 ハンヌ・コイブラ指揮 ノールショピングso. | ||
ロータの交響曲シリーズ第2弾。第3番はショスタコーヴィチ顔負けの凄い曲とのこと。祝祭協奏曲とともにロータが映画監督フェリーニとの仕事で最も脂の乗っていた時期の作品だけに、 メロディーが豊富でオーケストレーションも色彩的。「幻想のモリエール」はモーリス・ベジャールのために書かれた作品。 | |||
モンテヴェルディ: 聖母マリアの夕べの祈り/6声のマニフィカト/ ミサ曲「イエスにこれらのことを言いたまいし時」 鈴木美登里、野々下由香里、緋田芳江(S) 波多野睦美(S/A) ゲルト・テュルク、シュテファン・ファン・ダイク、谷口洋介(T) スティーヴン・マクロード、小笠原美敬(B) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン、コンチェルト・パラディーノ | |||
バッハ演奏で名をあげたBCJだが、そのモンテヴェルディもまた見事。その大傑作「聖母マリア〜」から信じがたいまでの感動を引き出す。 | |||
チャイコフスキー:シェイクスピアによる管弦楽作品集 幻想序曲「ハムレット」 Op.67/ 幻想曲「テンペスト」 Op.18/ 幻想序曲「ロメオとジュリエット」 |
ホセ・セレブリエール指揮 バンベルクso. | ||
ニコス・スカルコッタス(1904-1949): 作品集 Vol.5 〜弦楽四重奏曲全集 Vol.1 〔第3番(1935) /第4番(1940) 〕 |
新ヘレニズムSQ | ||
録音:1999年9月、メガノン・コンサート・ホール、アテネ、ギリシャ/ (C) 1999 (P) 2000 。 弦楽四重奏曲全集 Vol.2 (弦楽四重奏曲第1番、他/作品集 Vol.7 ):BIS-1124 。 シェーンベルクに学んだ12音主義者で、いまではギリシャを代表する作曲家スカルコッタス。しかしその作品は生前、母国においてほとんど評価されなかった。 BIS がリリースした作品シリーズ17枚の内の5枚目。 2曲とも、おそらく2016年現在入手可能な唯一の録音。第3番はいくつかの録音があるが、完全な12音セリー音楽の第4番は珍しく、他録音は存在しないかもしれない。彼の「弦楽四重奏曲」は当盤の2曲以外に、無番(1926)、第1番(1928)、第2番(1929-30)があるが、第1番を除き消失している。 演奏団体〔新ギリシャSQ /ニュー・ヘレニックSQ / New Hellenic Quartet 〕 は 1991年創設、2016年現在も活動中。 | |||
武満 徹:ギター作品全集 すべては薄明のなかに/エキノクス/ フォリオス/森のなかで/ ギターのための12の歌 [虹の彼方に/ミッシェル/イエスタデイ/他]/ 2つのワルツ |
フランツ・ハラース(G) | ||
ハラースはブラジル出身の若手ギタリスト。 | |||
ショパン:チェロソナタOp.65 シューマン: アダージョとアレグロOp.70/ 幻想小品集Op.73/ 民謡のスタイルによる5つの小品Op.102 |
トルレーヴ・テデーン(Vc) ローランド・ ベンティネン(P) | ||
楷書風な演奏が光る。 | |||
カール・ヴァイグル(1881-1949): 交響曲第5番「黙示録」(1945)/ 幻想的間奏曲 Op.18(1921) |
トマス・ ザンデルリング指揮 ベルリン放送so. | ||
一部ではポスト・マーラーとも目される、オーストリア後期ロマン派の作曲家ヴァイグルの作品集が遂に登場。R.シュトラウス、シェーンベルク、ワルター、 フルトヴェングラーらが賞賛を惜しまなかったといわれる彼の作風は、美しいメロディーにあふれ魅力的。マーラー好きには特に聞き応えがあると思われる大規模な交響曲は一聴の価値あり。 | |||
武満徹:作品集 雨ぞ降る(1982)/群島S(1993)/ トロンボーンと管弦楽のための 「ファンタズマ/カントゥスII」(1994)(*)/ 弦楽のためのレクイエム(1957)/ ハロー・スロー・ザ・ウィンド(1991)/ トゥリー・ラインズ(1988) |
クリスティアン・ リンドベリ(Tb;*) 尾高忠明指揮 紀尾井シンフォニエッタ | ||
BISSA-1078 (HYBRID_SACD) 廃盤 | |||
日本の室内オーケストラを代表する名人集団、紀尾井シンフォニエッタのデビューCDだったもの。このアンサンブルの演奏を聴いたBISのバール社長がその水準の高さに驚嘆し、実現した録音。武満作品集は尾高自身の希望による。(*)はリンドベリに献呈された作品。 | |||
ニルセン:交響曲全集 Vol.1 交響曲第1番 ト短調Op.7/交響曲第6番「素朴」 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 BBCスコティッシュso. | ||
2002年に読売日響も振る予定のヴァンスカがニールセンの交響曲に挑戦。シベリウスの交響曲に新しいスタイルを示した彼がニールセンをどう料理するか見もの。 | |||
ヨウン・レイフス(1899-1968): ヴァイキングの返答 Op.54 (管弦アンサンブルと打楽器、ヴィオラ、コントラバスのための)/ フンディング殺しのヘルギの歌 Op.61 (アルト、バスと小オーケストラのための)/ グロウアの呪文 Op.62(アルト、テノールと管弦楽のための)/ ヨウナス・ハトルグリムソン追悼 Op.48(合唱と管弦楽のための)/ 春の歌 Op.46(合唱と管弦楽のための)/ 「地すべり」序曲 Op.41〜(合唱と管弦楽のための)/ アイスランド・カンタータ Op.13(合唱と管弦楽のための) グドルーン・エッタ・グンナルスドウッティル(A) フィンヌル・ビャルナソン(T) オウラヴル・シグルダルソン(B) ヘルマン・ボイマー指揮アイスランドso.、ハトルグリム教会モテットcho./他 | |||
物凄い音響と原始的魅力で熱狂的ファンを持つアイスランドの作曲家ヨウン・レイフス。ここに収められた曲は「ヴァイキングの返答」を除いて声楽を伴っており、全体的に凶暴さは後退。「ヴァイキングの返答」は4本のサクソフォンを含む管楽アンサンブルが主役で、独特な響きを作り上げている。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.14 〔第148番「主に向かいてその御名の栄光をたたえよ」 BWV.148 / 第48番「われは幸うすき者、だれかわれを救わん」 BWV.48 / 第89番「エフライムよ、われ汝をいかにせん」 BWV.89 / 第109番「われは信ず、愛する主よ」 BWV.109 〕 鈴木美登里(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) 浦野智行(B) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
ヨースタ・ニューストレム(1890-1966): 交響曲第4番(シェイクスピアリアーナ交響曲)(1951/2)/ 北風交響曲(交響曲第6番)(1965) |
B.トミー・アンデション指揮 マルメso. | ||
スウェーデンの作曲家の中で、珍しく近代フランスの影響が強いヨースタ・ニューストレム。彼の作品は録音が少なく、待望の交響曲の登場。各楽章にシェイクスピアの引用がモットーとして掲げられている第4番、遺作となった第6番ともに、画家でもあった彼の描写的で色彩豊かな音楽は独特。アルヴェーンともステンハンマルとも異なる味わいのスウェーデン交響曲をお楽しみあれ。 | |||
超絶のショパン〜限界の編曲(超絶技巧的に編曲されたショパン) [Got a minute? Aspects on Chopin´s Minute Waltz] アレクサンデル・ミハウォフスキ(1851-1938): ショパン「小犬のワルツ 変ニ長調 Op.64 No.1 」によるパラフレーズ ラファエル・ジョセフィ(1852-1915): ショパン「小犬のワルツ」による演奏会用練習曲/ ショパンによる演奏会用練習曲第2番(練習曲 Op.10 No.5 による) モーリツ・モシュコフスキ(1854-1925)編曲:小犬のワルツ Op.64 No.1 レーガー(1873-1916):5つの特別な練習曲(ショパン作品の編曲) 〔ワルツ 変ニ長調 (Op.6 No.1) /ワルツ 変イ長調 (Op.42) /即興曲 変イ長調 (Op.29) / 練習曲 嬰ト短調 (Op.25 No.6) /ワルツ 嬰ハ短調 (Op.64 No.2) 〕 カイホスルー・シャプルジ・ソラブジ(1892-1988): ショパン「小犬のワルツ」によるパスティーシュ(1922) / ショパン「小犬のワルツ」による気まぐれなパスティッチョ(1933) レオポルド・ゴドフスキー(1870-1938)編曲:ショパン「小犬のワルツ 変ニ長調 Op.64 No.1 」 ブラームス(1833-1897):5つの練習曲 Anh.Ia/1 〜 第1番 Fr.ショパンによる練習曲(ショパン「練習曲 Op.25 No.2 」による)(1852) イジドール・フィリップ(1863-1958): ショパン「子犬のワルツ Op.64 No.1 」による左手のための演奏会用練習曲/ ショパン「子犬のワルツ Op.64 No.1 」による演奏会用練習曲第1番 アルフレッド・コルトー(1877-1962)編曲:ショパン「チェロ・ソナタ Op.65 」〜ラルゴ マウリツィ・ロセンタル〔モーリッツ・ローゼンタール〕(1862-1946)編曲: ショパン「小犬のワルツ Op.64 No.1 」による練習曲 ジュゼッペ・フェッラータ(1856-1928):ショパン「小犬のワルツ Op.64 No.1 」による練習曲第2番 ルイス・グルーエンバーグ(1884-1964):ジャズ・マスク Op.30a 〔ショパン、夜想曲 Op.9 No.2 /ショパン、ワルツ Op.64 No.2 〕 ジョー・ファースト〔ジョセフ・E.ファーステンバーグ〕(1898-1973):ショウパン・ブギ [Showpan Boogie] ショパン(1810-1849):ワルツ 変ニ長調 Op.64 No.1 「小犬」 フレドリク・ウレーン(P|使用楽器:スタインウェイ D ) | |||
録音:2000年1月、旧・音楽アカデミー、ストックホルム、スウェーデン|旧・国内仕様盤:KKCC-2301, KKC-5084〔ともに廃盤〕。ショパンのピアノ曲に啓発、あるいは挑発されたコンポーザー=ピアニストたちは、たたでさえ容易とはいえないそれらにみずから手を加えてさらに演奏を困難にした、尋常ならざるヴァージョンを作りだした。超絶技巧ピアニスト・ブームの昨今、そのような楽曲を収集したアルバムの登場は予測し得たが、現実問題、いったいだれが弾くというのか? ・・・その問題を解決したのは、やはりBISであった。何人かのピアニストに打診しては辞退された(ある女性ピアニストには涙まじりに拒絶された)企画を受け入れたのは、本業が精神科医というピアニスト、ウレーンであった。演奏至難なリゲティのピアノ作品の全集を録音、作曲家をすら驚嘆させたスーパー・ヴィルトゥオーゾである彼はこの打診に対し「容易ではないが可能だ」と答えたという。日本の供給元の言うには「アムラン以上のテクニックと申せましょう」。作曲家的にも、孤高の作曲家ソラブジ、名教師としてミハウォウスキや、フィリップ等、この手のアルバムとしてはめずらしめの名前がずらり。ピアノ・オタクも十分満足のCD。 | |||
ジークフリート・カルク=エーレルト(1877-1933): オルガン作品集 Vol.1 コラール即興曲「ああ、汝の恩寵もて」 「コンスタンツェの湖」〜7つのパストラール Op.96 8つの小品 Op.154/3つの印象 Op.72 BACHによるパッサカリアとフーガ Op.150 |
ハンス・ファユス(Org) | ||
カルク=エーレルトは、バロック様式に基本を置きながら印象主義や表現主義の要素を取り入れた作品を書いたオルガン音楽界の大物。 あまり録音に恵まれていなかったので、当シリーズの開始は歓迎されよう。 | |||
北風の歌〜フェロー諸島の作曲家による作品集 アトリ・ペテルセン:三重奏曲/木管五重奏曲 サンダゲルズィ: 木管五重奏のための間奏曲第1番 カーリ・ベグ:木管五重奏のための幻想曲 クリスティアン・ブラーク:星座 エドワルド・デベス: 両サイドで(クラリネットのための) ラスムッセン:北風の歌(木管五重奏のための) |
レイキャヴィク木管五重奏団 ウズリズル・ シグルザルドッティル(P) | ||
北太平洋に浮かぶフェロー諸島は、デンマーク領ながら古代の形態を明確に示す独自の文化をもった地域。その地の作曲家の作品をアイスランドの作曲家が演奏したもの。ラスムッセンくらいしか名前を聞いたことがある人はいないが、「特殊な音楽が聞ける」と紹介されている。ほとんどが1990年代の作品。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.7 ソナタ ト長調 W.65/22(H.56)/ソナタ イ短調 W.65/25(H.61) ソナタ ヘ長調 W.62/8(H.55)/ソナタ ニ短調 W.62/23(H.57) ソナタ ハ長調 W.62/10(H.59) |
ミクローシュ・シュパーニ (クラヴィコード) | ||
1748年から1749年にかけて作曲されたソナタを収録。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏作品全集 Vol.8 ソナタ ホ長調 W.62/17 (H.117)/変ホ長調 W.65/28 (H.78)/ 気まぐれな人 W.117/33 (H.113)/追従者 W.117/28 (H.109)/ 恋わずらい W.117/30 (H.110)/日々の移ろい W.117/32 (H.112)/ 優柔不断な人 W.117/31 (H.111)/ガウゼ W.117/37 (H.82)/ ポット W.117 (H.18)/ボルヒヴァルト W.117/17 (H.17)/ ベーマー W.117 (H.26) |
ミクローシュ・シュパーニ (クラヴィコード) | ||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.9 御婦人のためのソナタ集 W.54〜 [第1番 ヘ長調/第2番 ハ長調/第3番 ニ短調/ 第4番 変ロ長調/第5番 ニ長調/第6番 イ長調] |
ミクローシュ・シュパーニ (クラヴィコード) | ||
シューベルト:水の歌集 海の静けさ Op.3 No.2/海に潜る若者 D77/ 水の上で歌う D72/海/船乗り/ ドナウ河にて/湖上で/人質 |
ペーター・コーイ(B) レオ・ヴァン・ドゥセラー(Fp) | ||
BCJの常連、またヘレヴェッヘお気に入りのソリストとして常に安定した歌唱を聴かせ、いまやバスのバッハ歌いとしてはクラウス・メルテンスと双璧を成す観のあるコーイが、 シューベルトのリートに挑戦。バス歌手によるリートがそもそも珍しい。 | |||
夜々〜現代合唱作品集 細川俊夫:アヴェ・マリア シェルシ:8声のための3つの聖なる歌 シェーンベルク:深き淵より(詩篇第50) Op.50b レイボヴィツ:2つの曲 Op.71 ウェーベルン:3つの歌 Op.17/2つの歌 Op.19 シュヴェーア:ドイツ舞曲集(女声5部のための) クセナキス:夜々 リゲティ:永遠の光 |
ヴァルター・ヌシバウム指揮 スコラ・ハイデルベルク | ||
難曲ぞろいだが、演奏の完成度は驚くほど高い。 | |||
バッハ:クラヴィーア練習曲集 第3部 (ドイツ・オルガン・ミサ) |
鈴木雅明(Org) バッハ・コレギウム・ ジャパン(cho.) | ||
教理問答コラールを定旋律とし、ルター派ミサの曲順に組まれた曲集。オルガン独奏後に、オリジナルのコラールが合唱で歌われる。 | |||
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集 Vol.5 第45番イ長調 Hob.XVI.30/第46番ホ長調 Hob.XVI.31 第47番ロ短調 Hob.XVI.32/第31番変イ長調 Hob.XVI.46 |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集 Vol.6 第35番変イ長調 Hob.XVI 43/第36番ハ長調 Hob.XVI 21 第37番ホ長調 Hob.XVI 22/第38番 ヘ長調 Hob.XVI 23 |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
ベートーヴェン/テリエ・トンネセン編曲:弦楽四重奏曲集(管弦楽編曲版) 〔第12番 変ホ長調 Op.127 [2005年4月14日-17日](*) /第14番 嬰ハ短調 Op.131 [2005年1月25日-27日]/ 第13番 変ロ長調 Op.130 [2001年11月29日-12月2日]/第15番 イ短調 Op.132 [2003年9月18日-20日]/ 第16番 ヘ長調 Op.135 [2002年9月20日-22日]]/大フーガ Op.133 [2001年11月29日-12月2日] テリエ・トンネセン指揮カメラータ・ノルディカ | |||
録音:[内]、ヴィシェルム教会(*以外、アルグツルム教会、エランド(*)、すべてスウェーデン。原盤?・前出: ALTARA (UK?), ALT-1024 。BIS レーベルによる新リマスタリングだとの事。マックス・ロスタルに師事し、これまでオスロ・フィルやノルウェー室内管のリーダーをつとめたトンネセンが編曲したオーケストラ編曲版ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を、彼が率いるカメラータ・ノルディカ(旧名称:カメラータ・ルーマン)の演奏で。もともと指揮者を置かないスタイルで活動していた団体だが、合奏協奏曲タイプの新編曲で、そのままカルテットが拡大したような効果を生んでいる。凄みと深みが増し、また新たな魅力に気付かされる名演。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤楽器のための協奏曲集 Vol.11 協奏曲 ハ短調 H.448(W.37)/ソナチネ ト長調 H.450(W.97)/ 協奏曲 変ロ長調 H.413/ソナチネ ホ長調 H.455(W.100) |
ミクローシュ・シュパーニ (タンジェントP) ペーテル・スツ指揮 コンチェルト・ アルモニコ | ||
バッハ一族のファンには聞き逃せないこのシリーズ、遂に11集まで到達。 | |||
ネボイサ・ジョヴァンツ・ツィコヴィツ: アルティマトゥムII/ばか殿の城/イリアス/ 愛は悲しみじゃないでしょ/ノース・ウィンド/ バイエルン・レントラー/1のためのトリオ/ ゴンドラの歌/スオミナイト/「小」パガニーニ |
ネボイサ・ジョヴァンツ・ ツィヴコヴィツ(Per) ベンジャミン・トス(第2マリンバ) | ||
ほとんどが1999年の作品。 | |||
アンタル・ドラティ: 管弦楽のための7つの小品(1961)/ フルートと小管弦楽のための「夜の音楽」(1968)(*)/ 弦楽のためのアメリカン・セレナード(1941) |
シャロン・ペザリー(Fl;*) モーシェ・アツモン指揮 オールボーso. | ||
バルトーク、コダーイ、ヴェイネル門下の作曲家でもあったドラティの作品を、指揮の愛弟子アツモンが振った一枚。 | |||
モーツァルト: セレナード第4番 ニ長調K.203/ セレナード第5番 ニ長調K.204/ 4つのコントルダンス(セレナード第2番) ヘ長調K.101 |
ジャン=ジャック・ カントロフ指揮 タピオラ・ シンフォニエッタ | ||
BISとしては珍しい王道名曲。特に欧米で好評を得た第1弾に次ぐ強力リリース。 | |||
シベリウス:2つの小品 Op.111(イントラーダ/葬送音楽) フリーメイソンの儀式の音楽 Op.113 〜開始の讃歌と葬送行進曲 ドヴォルザーク:前奏曲とフーガ(全8曲) グラズノフ:前奏曲とフーガ(ニ長調Op.93/ニ短調Op.98) 幻想曲 Op.110 |
ハンス=オーラ・ エーリクソン(Org) | ||
主として管弦楽曲で知られる3人のロマン派の巨匠が書いた、珍しいオルガン曲集。シベリウスの作品は未出版で、遺族提供の草稿に基づいて演奏。録音強烈につき再生要注意。 | |||
知られざるオリジナル・オルガン曲集 Vol.2 レスピーギ:前奏曲 ニ短調/イ短調/変ロ短調 グノー:オフェルトリウム ベッリーニ:オルガン・ソナタ ト長調 スメタナ:6つの前奏曲 エルガー: 晩課のための11のヴォランタリー/頌歌 Op.3 No.1 |
ハンス=オーラ・ エーリクソン(Org) | ||
オルガンの大家ではない大作曲家たちのオルガン曲を紹介するシリーズの第2弾。 ベッリーニのソナタは彼のオペラ・アリアそのもののような美しいメロディに満ちた、隠れた逸品。 | |||
王室付き楽器のための王室音楽 アンドレアス・デューベン:前奏曲 グスタフ・デューベン:組曲 マルティン・デューベン:前奏曲 シャイデマン:ユダヤ舞曲 |
ハンス=オーラ・ エーリクソン(Org) | ||
エーリクソンの熱意で復元されたストックホルムのドイツ教会にあったオルガンによる演奏。 | |||
エルネスト・レクオナ(1896-1963):ピアノ作品全集 Vol.5(完結編) アフロ・キューバ舞曲集/キューバ舞曲集/3つのワルツ/ワルツ・アルバム/薔薇のワルツ/ ライン川のワルツ/道化師のワルツ/「コスタリカの謝肉祭」〜パサ・カレとハバ/ アフリカ人の嘆き/サルスエラ「マリア・ラ・オ」より〔愛のロンド/貧民のムラート女〕 トマス・ティリノ(P) | |||
録音:1993年-1999年/発売:1999年。永らく中断していたレクオナの全集 Vol.5(完結編)。代表作「アフロ・キューバ(ン)舞曲集」を含む。#ピアノ作品全集BOX (BIS-1854 / 6CDs) に含まれています。 | |||
ドビュッシー:ピアノ作品全集 Vol.1 映像第1集/映像第2集/ 忘れられた「映像」/版画/マスク/喜びの島 |
小川典子(P) | ||
オーソドックスなレパートリーでピアニストとしての真価を問いたいと語る小川典子が取り組んでいるドビュッシーのピアノ作品全集。全7集か予定されている。 | |||
アガーテ・バッケル・グロンダール(1847-1907):ピアノ曲集 6つの演奏会用練習曲 Op.11/3つの小品 Op.15 4つのスケッチ Op.19/組曲 Op.20/3つの練習曲 Op.22 |
ゲイル・ヘニング・ ブローテン(P) | ||
バッケル・グロンダールはノルウェーの女性作曲家。リストにピアノを師事、グリーグから作曲を絶賛された。ブローテンはノルウェーの名ピアニスト。 風貌はちょっととぼけた感じの人だが非常にテクニシャン。アルカンなども楽々弾きこなす。 | |||
ユハニ・ヌオルヴァラ: カンテレとクラリネットのための3つの即興曲/ 弦楽四重奏曲第1番&第2番/ あんたがこういった小品で 示した和音は何と素晴らしい/ 引き戸 |
ヘイッキ・ニクラ(Cl) アヴァンティSQ ケラヴァSQ、他 | ||
フィンランドの伝統音楽のイディオムを用いながら超斬新な世界を繰り広げる若手、ヌオルヴァラの作品集。 | |||
庭の音 〜クラリネットとパーカッションのための即興音楽 |
リチャード・ストルツマン(Cl) ネクサス・パーカッション・ アンサンブル | ||
武満徹も魅了されたと言うネクサスとストルツマンの即興演奏。 | |||
BIS-1109 (CD) 廃盤 |
トランペットとオルガンのためのフランス音楽 コンスタン:アレルヤ・・・/トマジ:クスコの聖週間 ジョリヴェ:バロック風アリオーソ/ソーゲ:永遠なる命 ジャンサン:行列/サティ:再発見された像/ダマース:3つの黙祷 ナジ・ハキム:トランペットとオルガンのためのソナタ |
ホーカン・ハーデンベルガー(Tp) サイモン・プレストン(Org) | |
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.15 [第40番「神の御子現れたまいしは」 BWV40/ 第60番「ああ永遠、御身雷の言葉」 BWV60/ 第70番「目を覚まして祈れ、祈りて目を覚ましておれ」 BWV70/ 第90番「御身らを、おぞましき言葉がひきさらう」 BWV90] |
野々下由香里(S) ロビン・ブレイズ(CーT) ゲルト・テュルク(T) 浦野智行(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・ コレギウム・ジャパン | ||
クリスマスのための書かれた第40番はホルンとトランペットが大活躍する華やかな作品。 | |||
チェル・メイジェリン:座っているアヒル 廣瀬量平: オードI/オードII/ラメンテーション/イディールI バルト・デ・ケンプ:リエト ダーン・マンネケ:アルキペルエ |
シレナ・リコーダーQ | ||
ロンドンで行われたモエック・リコーダー協会コンクール優賞の当団体による演奏。 | |||
バッハ: フランス組曲 BWV.812-817/ 組曲 イ長調 BWV.818a/ 組曲 変ホ長調 BWV.819a (アルマンドの異版を含む) |
鈴木雅明(Cemb) | ||
好評のシリーズに「フランス組曲」が登場。相変わらず過激な演奏で、新鮮な驚きに満ちている。 | |||
シベリウス:愛国心に基づく作品集 新聞祭典の催しの活人画のための音楽/ 即興曲「ウレオ川の氷解け」(#) レンミンカイネンの歌/ おまえに勇気があるか/アテネ人の歌(##) |
ヘルシンキ大学cho. ラッセ・ボイスティ(朗読;#) ラハティ少年cho.(##) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
「新聞祭典の催しの活人画のための音楽」はなんと「フィンランディア」の原曲。タイトルどおり「愛国心」を基調とした、めずらしい作品を中心にあつめたマニア必聴のアルバム。 | |||
グラナドス/ミリオン編曲: スペイン舞曲集 Op.37(全12曲) |
アンデシュ・ミリオン (10弦アルトG) | ||
サティ、ラヴェル、ドビュッシーに続くミリオンの編曲シリーズ第4作。原曲にギター的な要素があるので一部をギターで演奏したギタリストはセゴビア他数多いが、全曲の編曲録音は初めて。 | |||
リスト:管弦楽曲全集 Vol.1 〈交響詩集〉 「前奏曲」/「オルフェウス」/ 「タッソ、悲哀と勝利」/「祭りのどよめき」 |
ラファエル・フリューベック ・デ・ブルゴス指揮 ベルリン放送so. | ||
日本でもおなじみの指揮者フリューベックがBISに登場。注目の全集がスタートした。 | |||
レスポンス グインホアン:テンション-リラックス 安部圭子:桜騎行め サグランド:ヘッダ セーヴェルー(サグランド編): ロンド・アモローノ 田中利光:マリンバのための二章 ノルドハイム:レスポンス |
オッド・B.サグランド (パーカッション) | ||
超絶的なテクニックを持つというサグランドのデビュー盤。 | |||
マクミラン:管弦楽作品集 Vol.5 シンフォニエッタ(1991) クムノックの定期市(1998/99)* 交響曲第2番(1999) |
グレーム・マクノート(P;*) マクミラン指揮 スコティッシュco. | ||
ベートーヴェン:最後期ピアノ・ソナタ集 [第30番ホ長調 Op.109/第31番変イ長調 Op.110/ 第32番ハ短調 Op.111] |
フレディ・ケンプ(P) | ||
シリーズ第3弾。ケンプは「クライバーンの再来」と称されているようだが、 このフレーズをいただいて大成したピアニストはかつて居ただろうか・・・。そんなことにはかまわず、大家への道を歩む彼を聴こう。 | |||
ブラジリアーナ〜ブラジル・ピアノ音楽の300年 ルイス・アウヴァリス・ピント: ソルフェージュ練習第21番 ニ短調/第24番 イ短調 フランシスコ・ブラーガ:風車(ヴァルス・カプリス) フランシスコ・ミニョーニ:街角のワルツ第1番/コンガーダ ヴィラ=ロボス:道化師/苦悩のワルツ オスカル・ロレンゾ・フェルナンデス:ブレジレイラ組曲第2番 から ラダメス・ニャターリ:ワルツ第7番 ジョゼ・シケイラ:ワルツ第3番 クラウジオ・サントーロ:パウリスターナ第1番/第4番 セザル・ゲーラ・ペイシ:トロピカル・プレリュード第2番 アルベルト・ネポムセーノ:古代組曲〜歌 カマルゴ・グァルニエーリ:ニグロの踊り/ポンテイオ第49番 レオポルド・ミゲス:12の性格的小品 から エンリケ・オズヴァウド:雪 エドゥアルド・デュトラ:前奏曲 嬰ヘ短調 エルネスト・ナザレー:オデオン/捕まえたぞ/カヴァキーニョ チクイナ・ゴンザーガ:ガウチョ/ブラジル・タンゴ オッタヴィオ・ピント:子供の情景 から |
アルナルド・コーエン(P) | ||
18世紀から20世紀にかけて書かれたブラジルの作品集。ヴィラ=ロボス、他はせいぜいナザレーやニャターリくらいしか日本では知られていないが、ブラジルにはピアノ音楽の歴史が脈々と息づいてきたことがわかる。 | |||
ブライト・シェン: チャイナ・ドリームズ/フルート・ムーン/ ポストカード |
シャロン・ベザリー(Fl) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
中国の作曲家、シェンの作品集。 | |||
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集 第1番 ト長調 K.379(K.373a)/第2番 ヘ長調 K.376(K.374d) 第4番変ホ長調 K.380(K.374f)/第7番ハ長調 K.296 |
若松夏美(Vn) 小島芳子(P) | ||
バッハ・コレギウム・ジャパンのコンサート・ミストレス、18世紀o.のメンバーなどを務める日本を代表するピリオド・ヴァイオリン奏者、若松夏美のソロ・アルバムがついにBISから登場。 共演は鈴木秀美とのデュオで世界的に名を上げた小島芳子。 | |||
ニコス・スカルコッタス(1904-1949):作品集 Vol.7 〜弦楽四重奏曲全集 Vol.2 他 弦楽四重奏曲第1番(1928) /弦楽(四重奏)のための10の小品(スケッチ)(1940頃) / 八重奏曲(1931) (*) /弦楽三重奏曲第2番(1935) / 弦楽四重奏のための「ゲロ・ディモス」(1949) 新ヘレニズムSQ ヴァドー五重奏団員[Fl/Ob/Cl/Fg](*) | |||
弦楽四重奏曲全集 Vol.1 (弦楽四重奏曲第3番&第4番/作品集 Vol.5 ):BIS-1074。 シェーンベルクに学んだ12音主義者で、いまではギリシャを代表する作曲家スカルコッタス。しかしその作品は生前、母国においてほとんど評価されなかった。 BIS がリリースした作品シリーズ17枚の内の7枚目。弦楽四重奏曲第1番はおそらく唯一の録音。彼の弦楽四重奏曲第2番(1929-30)、弦楽三重奏曲第1番(1926)は、共に消失し現存していない。 新ヘレニズムSQ 〔新ギリシャSQ /ニュー・ヘレニックSQ / New Hellenic Quartet 〕 は 1991年創設、2016年現在も活動中。 | |||
ヴァンスカ〜シベリウス・ベスト フィンランディア/トゥオネラの白鳥/ 春の歌/「カレリア組曲」〜行進曲風に/ 伯爵夫人の肖像/悲しきワルツ/ 「テンペスト」 より[アントニオ/シャープスの踊り]/ ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための組曲/ 「ペレアスとメリザンド」より [間奏曲/メリザンドの死]/ 交響詩「タピオラ」 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
ヴァンスカの録音から人気曲を選んだ編集アルバム。 | |||
カレヴィ・アホ:室内交響曲集 〔第1番(1976) (*) /第2番(1991/2) (*) /第3番(1995/6) (#)〜アルト・サクソフォンと弦楽のための〕 ジョン=エドワード・ケリー(アルトSax) ステファン・アスバリー指揮(*) ジャン=ジャック・カントロフ指揮(#) タピオラ・シンフォニエッタ | |||
録音:2009年4月、2005年10月、タピオラ・コンサート・ホール(フィンランド)。現代フィンランドを代表する作曲家は、今日までに15篇の大規模な交響曲を作曲しているが、弦楽のための室内交響曲も3篇残している。大作とは異なる制限された響きを堪能出来る。(#)は実質的にサクソフォン協奏曲で、当ディスクで演奏するジョン=エドワード・ケリーに献呈されている。 | |||
C.P.E.バッハ: 鍵盤楽器のための協奏曲集 Vol.12 協奏曲 ヘ長調 H.454(W.38) 協奏曲 ハ長調 H.423(W.20) ソナチネ ニ長調 H.456(W.102) |
ミクローシュ・シュパーニ (タンジェントP)指揮 ペーテル・スツ指揮 コンチェルト・アルモニコ | ||
1760年代初頭、ハイドンのピアノ協奏曲と同時代に書かれた作品を収録。 | |||
北欧のトロンボーン協奏曲集 クリスティアン・リンドベリ:庭隅の彼岸花 ヨアンセン:組曲(1926) ホヴラン:トロンボーン協奏曲 Op.76(1972) サンドストレーム:ラ・マンチャの歌 |
クリスティアン・リンドベリ(Tb) ラン・シェイ指揮 シンガポールso. | ||
デンマークの作曲家ヨアンセンの組曲がロマンティック。 | |||
米良美一、バッハを歌う ヨハネ受難曲/クリスマス・オラトリオ/カンタータ[第22番/第23番第72番/第75番]/から | |||
米良のこれまでの録音から抜粋されたバッハ・コンピレーション・アルバム。 | |||
フランス風サクソフォン作品集 デクリュック:ソナタ 嬰ハ短調(1942) デルヴァンクール:クロッカンブッシュ(1926) ピエール・サンカン:ラメントとロンド(1973) ポール・モーリス:プロヴァンスの絵(1956) ケクラン:アルト・サクソフォンと ピアノのための練習曲集 Op.188(抜粋) ドサンクロー:前奏曲、カデンツァとフィナーレ(1956) |
クロード・ ドラングル(Sax) オディール・ドラングル(P) | ||
サクソフォンの第一人者ドラングルがすばらしい技巧を聴かせるアルバム。ジャポニズム作曲家デルヴァンクールの作品は菓子の名前がタイトルになっている。 | |||
バッハ:カンタータ全集 Vol.16 第194番「こよなき望みなる祝賀の宴」 BWV.194 第119番「エルサレムよ、主をたたえよ」 BWV.119 |
野々下由香里、緋田芳江(S) キルシテン・ ソレク=アヴェラ(A) 櫻田亮(T) ヨッヘン・クプファー(Br) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
モーツァルト: ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 K.452(*)/ アダージョとアレグロ ヘ短調 K594(木管五重奏版)/ アダージョ 変ロ長調 K411(木管五重奏版)/ 音楽時計のための小品ヘ短調 K608(木管五重奏版)/ アダージョ ハ長調 K580a/ (イングリッシュホルン、 バセットホルンとファゴットのための版)/ 自動オルガンのためのアンダンテ K616(木管五重奏版)/ アダージョとロンド K617(*)/ (ピアノ、フルート、オーボエ/ クラリネット、ファゴットのための版) |
ベルリン・フィル管楽五重奏団 スティーヴン・ハフ(P;*) | ||
スカルコッタス:ピアノ作品集 32の小品(1940)/4つの練習曲(1941)/組曲第1番(1936) |
二コラオス・サマルタノス(P) | ||
スカルコッタスはシェーベルクに師事したギリシャの作曲家。彼のピアノは技巧的難易度が高く、内容的にも過激。 | |||
エマ・カークビーのクリスマス ボデッカー:イエスが生まれた アレッサンドロ・スカルラッティ: カンタータ・パストラーレ「私にはわからない」(*)/ クリスマス・カンタータ「おお、ベッレヘムの誇り高き貧しさ」(*) パッヘルベル:カノンとジーク J.S.バッハ: カンタータ第61番 「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」〜「開け」(*)/ カンタータ第147番 「心と口と行いと」〜我が心の全て(*)/ 管弦楽組曲第3番〜アリア コレッリ:合奏協奏曲 Op.6-8「クリスマス協奏曲」 |
エマ・カークビー(S;*) ロンドン・バロック | ||
声楽曲を中心にクリスマス関係のバロック名曲を揃えた構成が心憎いが、やはりなんといっても永遠の天使の歌声、カークビーが最高。 | |||
チェロと吹奏楽のための作品集 マッツ・ラーション・ゴーデ:チェロと管楽のための協奏曲(1999) マルティヌー: チェロ、管楽とピアノのためのコンチェルティーノ(1924) イベール:チェロと管楽のための協奏曲(1925) ルーセンベリ:管楽と打楽器のための交響曲(1966) |
トルレーヴ・テデーン(Vc) ヘルマン・バウマー指揮 オストヨータ・ シンフォニック・ウィンドo. | ||
珍しい組み合わせのためのオリジナル作品集。 | |||
シマノフスキ:ピアノ作品集 ピアノ・ソナタ第3番 Op.36/仮面劇 Op.34/ メトープ Op.29/2つのマズルカ Op.62/ マズルカ Op.50より[第9番−第12番] |
ローランド・ペンティネン(P) | ||
シマノフスキのピアノ曲は、独特のひんやりとした感触と神秘的な響きが特徴だが、技法的には複雑で、その演奏には恐ろしく高度な技巧を要求される。そのシマノフスキにピッタリなピアニストはペンティネンをおいて考えられないほど。余裕の技巧、いつも冷静で計算され尽くした造形美、理想的演奏を味わうことが出来る。 | |||
ブライト・シェン(1955-): ピアノ三重奏のための4章(1990)(*)/ 弦楽四重奏曲第3番(1993)(+)/ 琵琶とチェロのための3つの歌(#)/ 弦楽四重奏曲第4番「静寂の寺院」(2000)(+) |
上海SQ(+) ブライト・ シェン(P;*) ウィ・マン(琵琶;#) | ||
ブライト・シェンは上海生まれの中国人作曲家で、2002年には指揮者として来日した。タカーチSQに捧げられた弦楽四重奏曲第3番にはチベットの民俗音楽が使われている。 | |||
パウトル・イーソウルヴソン(1893-1974):ピアノ作品全集 3つの小品 Op.5/ユモレスク/アルバムのページ イーソウル・パウルソンの主題による変奏曲 |
ニーナ=マルガリェーテ・ グリームスドウッティル(P) | ||
パウトル・イーソウルヴソンはアイスランドを代表する作曲家。伝統的なドイツ様式によりながら強い民族色に彩られた作風が個性的。 | |||
ブラームス: ピアノ四重奏曲第1番(管弦楽版;シェーンベルク編曲) 4つの厳粛な歌 Op.121 (管弦楽伴奏版;エーリヒ・ラインスドルフ編曲)(*) 2つのコラール前奏曲 Op.122 (管弦楽版;エーリヒ・ラインスドルフ編曲) |
ウッレ・ぺッション(Br;*) リュー・ジア指揮 ノールショーピングso. | ||
往年の名指揮者ラインスドルフによるオーケストレイションが珍しい。 | |||
ラウタヴァーラ:歌曲集 夢の世界/シェイクスピアの3つのソネット/ 私の愛の庭で/神の道/聖なる祭/ オルフェウスの5つのソネット/愛しいひとに/旅 |
ユルキ・コルホネン(B) イーッカ・バーナネ(P) | ||
コルホネンは何と通常のバスの音域より低いファの音まで出せるため、ラウタヴァーラは作品を改訂、低域を拡張したという。その面でも聞き物のディスクだ。 | |||
スクリャービン: ピアノ・ソナタ第4番 Op.30/練習曲 Op.2 No.1 /練習曲 嬰ニ短調 Op.8 No.12 / 24の前奏曲 Op.11 〜 10曲/5つの前奏曲 Op.16〜2曲/アルバムの綴りOp.45 No.1 / 2つの小品 Op.57 /3つの練習曲 Op.65 〜2曲/前奏曲 Op.67 No.1 /詩曲「炎に向かって」Op.72 ソフィア・リソフスカヤ(P) | |||
フレディ・ケンプ夫人、リソフスカヤの BIS デビュー盤。ロシア出身でロンドン王立アカデミーで学んでいる。 | |||
アルベニス:ピアノ作品全集 Vol.3 「イベリア」第3集/グラナダのサンブラ(東洋舞曲)/小さな手のための非常に容易なパヴァーヌ Op.83 / スペイン(6つのアルバム) Op.165 /舟歌 Op.23 /キューバ狂詩曲 Op.66 (ピアノ独奏版)/アングスチア(無言歌) ミゲル・バセルガ(P) | |||
録音:2000年12月6日-8日。#2021年7月、 BIS-2613 (9CDs) で全集化。 | |||
日本のアコーディオン 菅原明朗:牧歌風カプリッチョ(1983)/せせらぎ(1980) 細川俊夫:メロディア(1979)/メロディアII(2000) 林光:蜜蜂は海峡を渡る(1988) 石井眞木:失われた響きIIOp.33b(1978/84) 高橋悠治:水牛のように(1985) AYUO:ユーラシアン・タンゴ(1998) |
御喜美江(アコーディオン) | ||
御喜美江がBISのアーティストに。第1弾は邦人作品集。 | |||
ペテリス・ヴァスクス:合唱作品集 コアムジーク(アカペラ)/チェスワフ・ミウォシュの3つの詩 ゼムガーレ/マドリガル/連祷/ドナ・ノビス・パーチェム |
シグヴァルズ・クラヴァ、 カスパルス・プトニンス指揮 ラトヴィア放送cho. アイヴァルス・カレイシュ(Org) | ||
ヴァスクスは現代のラトヴィアを代表する作曲家。ラトヴィアの民族調も感じられるが、合唱は北欧文化圏ならではの透明さ。 | |||
アルトゥルス・マスカッツ(1957-): ラクリモーサ(合唱、弦楽とオルガンのための;1995)/ コンチェルト・グロッソ (ヴァイオリン、チェロ、弦楽と打楽器のための;1996)/ ヴェルレーヌによる3つの詩 (声楽アンサンブル、オーボエとチェロのための;1996)/ チェロ協奏曲(1992)/ サルヴェ・レジーナ (メゾソプラノ、チェロと弦楽のための;1996) |
ノルムンズ・スネ指揮 リガ室内プレイヤーズ シグヴァルズ・クラヴァ指揮 ラトヴィア放送cho. アイヴァルス・カレイス(Org) サンディス・ステインベルグス(Vn) レイニス・ビルズニックス(Vc) エドガルス・サクソンス (Perc) アントラ・ビガーツァ(Ms) アグネセ・ルゲーヴィツァ(Vc) | ||
マスカッツはラトヴィアの作曲家。透明感の高い美しさに驚かされるが、現代音楽らしい、またBIS好みのフォルティッシモも現われ、オーディオ的にも興味深い。 | |||
モーツァルト/フンメル編曲: 室内楽版ピアノ協奏曲 ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466 / ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K.503 |
白神典子(P) ヘンリク・ヴィーゼ(Fl) ペーター・クレメント(Vn) ティポル・ベーニ(Vc) | ||
国内企画商品。世界初録音。ショパンやベートーヴェンのピアノ協奏曲を室内楽版で録音して話題となった白神典子(しらがふみこ)(1967-2017) 。モーツァルトの後期協奏曲7篇を愛弟子ヨハン・ネポムク・フンメルがフルート、ヴァイオリン、チェロ、ピアノの四重奏に編曲したもので、その第1弾となる本作は第20番と第25番。フンメルはオーケストラ・パートを室内楽用に直しているだけでなく、ピアノのパートも自分の時代流(つまりロマン派風)に変更しており、単にピアノの音域が拡大されているだけではなく、「モーツァルト」の音楽からは考えられないような装飾音が多用されているのには驚かされる。これほど興味深い編曲が世界初登場なのは、楽譜が極めて入手困難だったためだという。ロマン派の装いによるモーツァルト、これは面白そうだ。 | |||
クリスティアン・リンドベリ:作品集 4匹のカエルのためのファフナー・ファンファーレ(*) 庭隅のトリカブト(トロンボーンと管弦楽のための)(+) 歯科医デッカー博士 (4本のトロンボーンと2人の語り手のための)(*) 猫マニア(2本のトロンボーンと語り手のための)(*) 変態創造主たち(4本のトロボーンのための)(*) ソーセージ協会へのあいさつ (3本のトロンボーンのための)(*) まくらの下(4本のトロボーンのための)(*) コカコカ(トロンボーンと朗読のための) アラビア女(トロンボーンと弦楽合奏のための) 恐ろしくみにくい調べ (6本のトロンボーンと語り手のための)(*) キット・ボーンズのバラード (6本のトロンボーンと語り手のための)(*) |
クリスティアン・ リンドベリ(Tb、語り) トロンボーン・ユニット2000(*) ラン・シュイ指揮(+) シンガポールso.(+) ジャン=ジャック・ カントロフ指揮(#) タピオラ・シンフォニエッタ(#) | ||
トロンボーンの超人リンドベリは、作曲家としてもいろいろな意味で超人的というか、狂人的な作品を書いている。演奏するのはむちゃくちゃ難しそうだが、聴いているとメチャクチャおもしろいのはこの人ならでは。 | |||
フィンランド聖歌 祝祭の城/神の恩にあるイエス/時の瞬間だけ ハレルヤ、イエスに歌う/明けの明星が現われる時 ゲッセマネに小道あり/これは素晴らしき日 私を抱きしめて、聖なる魂よ/月と息子/今世は繁栄し 祝福されし日/シオンへ行き汝の王に会え/他 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
プロテスタントであるフィンランドには美しい聖歌がたくさんあるが、今盤ではそれをオーケストラ編曲したものをヴァンスカとラハティso.が演奏している。 | |||
ペトリス・ヴァスクス(1946-): ヴァイオリン協奏曲「遠い光」(1996/7)/ ムジカ・ドロローサ(1983)/旅人(2001) |
カタリナ・アンドレアソン(Vn)指揮 スウェーデン室内o. | ||
録音:2003年1月、エンブロ・コンサートホール、スウェーデン。 ラトヴィアを代表する作曲家ヴァスクスの作品集。いずれも作曲者立会いのもとで録音された決定盤で、透明ながら独特のメランコリーを秘めた作風が個性的。 | |||
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第1番−第6番 第5番〜第1楽章初版 |
鈴木雅明(Cemb)指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン ソリスト: ダン・ラウリン(リコーダー) 寺神戸亮(Vn) 鈴木秀美(Vc) 他 | ||
待ちに待ったBCJによるブランデンブルクがついに登場。 | |||
ヨーロッパ〜ラシェル・サクソフォン・クァルテット クセナクス:XAS(サクソフォン四重奏のための)(1987) ペンデレツキ:クラリネット四重奏曲(サクソフォン四重奏版) ヒンデミット: 2つのアルト・サクソフォンのためのコンツェルトシュトゥック クリストバル・アルフテル:フラクタル協奏曲 |
ラシェル・サクソフォンQ | ||
キャバレー・ソング集 ブリテン:キャバレー・ソング集 ヴァイル:ナナの歌/ユーカリ/セーヌ川哀歌/ あんたなんか愛してないわ ボルコム:12の歌/ホルレンダー:4つの歌 |
マレーナ・エルンマン(Ms) ベングト=オーケ・ ルンディン(P;*) | ||
古くはマレーネ・ディートリヒ、最近ではウテ・レンパーの名唱で人気のキャバレー・ソング。20世紀初頭の退廃的雰囲気を漂わせながらも高い芸術性が魅力である。エルンマンはスウェーデン出身で、ヤーコプスも起用した期待の若手。 | |||
カリンニコフ: 交響曲第1番 ト短調/交響曲第2番 イ長調 |
ケース・バケルス指揮 マレーシアpo. | ||
録音:2000年12月、デワン・フィルハーモニク・ペトロナス・ホール、クアラルンプール(マレーシア)。尽きせぬ絶美のメロディと、不思議なボルテージの高さで昨今人気のカリンニコフの交響曲第1番、ついにBIS初登場。オケは何とマレーシア・フィル。この曲にぴったりの爆演を聴かせてくれる。牧歌的な第2番も美演で、対照的な味を出している。リムスキー=コルサコフ作品集で解釈の光ったバケルスの指揮が冴える。 | |||
アレクサンドル・ロクシーン(1920-1987):作品集 交響曲第4番「シンフォニア・ストレッタ」(1968) ゲーテの「ファウスト」からの3つの情景(1980) |
ヴァンダ・タベリー(S) ミハウ・ シフェルチェフスキ指揮 ブレーメン国立o. | ||
ロクシーンは、ショスタコーヴィチが天才と呼び、クルト・ザンデルリング、アルヴィド・ヤンソンス、ユリアン・シトコヴェツキーが絶賛、ルドルフ・バルシャイが亡命する際にスコアを大切に持って出たほどの作曲家でありながら、徹底した反共産主義であったためスターリンから嫌われ、作品が演奏される機会がなかった。収録2作品ももちろん世界初録音。輸入元によれば、「とんでもない音楽が展開する」とのこと。 | |||
自然の声 シュニトケ: 合唱協奏曲(*)/ 自然の声(10人の女声とヴィブラフォンのための)(#) ペルト:小カンタータ「勝利の後で」(#)/聖母と乙女(#)/ 私は本物のワイン(#) |
トヌ・カユステ指揮 スウェーデン放送cho. | ||
録音:2000年1月24-27日、スウェーデン放送第2スタジオ、ストックホルム(*)/2000年3月14-16日、ヘガリツキルヘン、ストックホルム、スウェーデン(#)。 合唱の神様エーリク・エーリクソンが育てたスウェーデン放送合唱団は、北欧ならではの比類無き透明な合唱が特徴。今回のアルバムの作品はいずれも宗教的テーマによっており、 ペルトの小カンタータ「勝利の後で」は同団体に献呈されている。シュニトケ作品はロシア正教的要素が強すぎるため、作曲者自身外国人による演奏は不可能と考えていたが、 この録音ならばシュニトケは考えを改めたに違いないと代理店絶賛。 | |||
ギャレット・フィッシャー:聖トマス・モア受難曲 | アンナ・ ヴィンティン=ヨハンセン、 クリスティーナ・ヘグマン(S) オーレ・ペーション(Br) ターニャ・カー(Ehr) ギャレット・フィッシャー (インディアン・ ハーモニウム)他 | ||
「ユートピア」「ユートピア」の著者にしてイギリスの哲学者、人文学者トマス・モア(1478-1535)。当作品は、愛人と結婚するために王妃と離婚しようとした国王ヘンリー八世に反対し、 処刑された彼の生涯と受難を現代アメリカの作曲家フィッシャーがオペラ仕立てにしたもの。 | |||
ベザリーのフルート大百科 Vol.1 アホ:ソロ III C.P.E.バッハ:無伴奏フルート・ソナタ W.132 アーノルド:幻想曲 Op.89 アンドリーセン:夏の牧歌 ボザ:映像 Op.38 バッハ:無伴奏フルートのための パルティータ イ短調 BWV1013 |
シャロン・ぺザリー(Fl) | ||
現在のBIS社長夫人にして驚異的テクニックを持つイスラエルの天才フルーティスト、ぺザリーが古今のフルート独奏曲を網羅的に録音するシリーズ。作曲家のイニシャル順にアルバムを作るというプロジェクトで、当盤はAとBで始まる作曲家の作品を収録。とにかく難曲ばかりというのが凄い。 | |||
フレディ・ケンプ・プレイズ・ショパン ショパン: バラード第1番−第4番 Op.23/38/47/52 アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22 幻想ポロネーズ Op.61/幻想即興曲 Op.66 |
フレディ・ケンプ(P) | ||
サリー・ビーミッシュ: カレドニア街道/夜明け いいえ、怖れてないわ(イリーナ・ラトシンスカヤの6つの詩) * 想像上の太陽の音 + |
サリー・ビーミッシュ(朗読;*) ジョン・ハール(Sax;+) オラ・ルドネル指揮 スウェーデンco. | ||
現代スコットランドを代表する女性作曲家のアルバム第2弾。 | |||
セーヴェルー:管弦楽曲集 Vol.6 交響曲第5番(幻想曲風)Op.16(1941)/ オーボエ協奏曲Op.15(1939) 王の入場Op.41(1960)/ ソナタ・ジュビラータOp.47(1969) |
ゴードン・ハント(Ob) ウーレ・クリスチャン・ ルード指揮 スタヴァンゲルso. | ||
現代ノルウェーの大作曲家ハラール・セーヴェルー。ナチス占領下のノルウェーで作曲された交響曲第5番は「戦争交響曲」とも呼ばれ、初演ではノルウェー人の民族意識を煽ったとのこと。 ノルウェー版のショスタコーヴィッチ「レニングラード」と言えるだろう。 | |||
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集 Vol.7 [第39番 ニ長調Hob.XIV-24/ 第40番 変ホ長調Hob.XIV-25/ 第41番 イ長調Hob.XIV-26/第33番 Hob.XIV-20] |
ロナルド・ ブラウティハム(Fp) | ||
ピアノ・ファンの間で隠れた話題となっているシリーズ。フォルテピアノの味わいある音色が魅力。 | |||
夕べの鐘〜クリスマス・ピアノ曲集 バッハ(ケンプ編曲): 甘き喜びのうちに/いざ来たれ、異教徒の救い主よ メシアン:ノエル/幼子イエスの口づけ リスト:クリスマス・ツリー(全12曲) ステファン・ペンティネン:カリヨン(2000) レーガー: マリアの子守歌 Op.76 No.52(作曲者編曲) ブゾーニ:クリスマスの夜 |
ローランド・ペンティネン(P) | ||
クリスマス・アルバムといってもまったく通俗的でないところがBISらしい。リストの「クリスマス・ツリー」は名手が弾いた盤がほとんど無いから、リスト・ファンにも喜ばれよう。 | |||
パーセル:ファンタジア集 3声のファンタジア ニ短調/ヘ長調/ト短調 4声のファンタジア 変ロ長調/ヘ長調/ハ短調/ニ短調/イ短調 ホ短調/ト長調/ニ短調/イ短調(断片) 4声のパヴァン/4声のシャコンヌ 1つの音に基づく5声のファンタジア ヘ長調 6声の無題 ト短調/7声の無題 ニ短調 |
ロンドン・バロック | ||
ロンドン・バロック得意のパーセル。BISならではの行き届いた選曲も魅力。 | |||
フレスコバルディ: スピネットとヴァイオリンのためのトッカータ アリア「そよ風吹けば」/アリア「されど私のせねばならぬは」 カンツォーナ「ベルナルディーナ」/3声のトッカータ アリア「かくも私を蔑むか」/カンツォン第2番 宗教的ソネット「十字架の下のマグダラのマリア」 カンツォーナ「ニコリーナ」/「主よ、顧みてください」 トッカータ第9番/カンツォーナ「ポヴィジア」 アリア「ああ、この目からあふれる涙が」 カンツォーナ「トロンボンチーナ」/アリア「私の青ざめた顔」 カンツォーナ「ルッケジーナ」/コッレンテ第4番 アリア「ついにわが嘆き」 |
アントネッロ [濱田芳道(コルネット、 リコーダー) 鈴木美登里(S) 石川かおり(Vg) 西山まりえ(Cemb)] | ||
日本を代表するコルネット(=ツィンク、ピリオド楽器)奏者でコンチェルト・パラティーノのメンバーでもある濱田芳道が率いるアントネッロのBISデヴュー盤。 濱田のとてつもないテクニックに驚かされる。BCJのソリスト鈴木美登里が花を添える。 | |||
カール・ヴァイグル(1881-1949): 交響曲第6番(1947)/古都ウィーン(1939) |
トーマス・ザンデルリング指揮 | ||
ヴァイグルの交響曲第2弾。ヴァイグルはウィーンに生まれ、ツェムリンスキーに作曲を師事、マーラーとシェーンベルクをつなぐべき存在であったが、ユダヤ人だったためアメリカへ移住した。彼の音楽はブルックナーやマーラーの強い影響を受けている。「古都ウィーン」はヨハン・シュトラウス未亡人邸の常連だったヴァイグルのウィーン賛歌。 | |||
オルガンによる「新世界」 ドヴォルザーク: 交響曲第9番「新世界より」(サットマリー編曲オルガン版) シルエット Op.8〜アンダンティーノ 詩的な音画 Op.85〜夜の道、古い城 |
ジグモンド・サットマリー(Org) | ||
サットマリーはハンガリーの名オルガニスト。「新世界より」の編曲はロッグのブルックナーの交響曲第8番にいて京都コンサート・ホールの委嘱によるもので、1999年に京都で初演された。作品とオルガンの相性は意外にも抜群。 | |||
ジェイムズ・マクミラン: イゾベル・ゴーティの告白/ トゥレド(クラリネットと弦楽のための)(*)/ リオ・スムブールの悪魔払い |
マルティン・フレスト(Cl;*) オスモ・ヴァンスカ指揮 BBCスコティッシュso. | ||
マクミラン・シリーズ第7弾。17世紀スコットランドの魔女イゾベル・ゴーティや、アイルランドの伝説マグ・トゥレドを題材に、中性的雰囲気を醸し出している。 | |||
パリ、ブエノスアイレス ピアソラ:フーガと神秘/チキリン・デ・バチン セナネス:モンパルナスの小さな独身寮で ストラスノイ:力強い手/絶壁 ビエラ:私の祖父母の小屋/グリセータ/変人/炎 ガンディーニ:音楽カフェ(クロードのためのタンゴ) ナオン: 月並みなほめ言葉/苦労の熱意/高いヴォルタンゴ ベイテルマン:タンゴ周辺の3つの歌 グレッツェル:トランスムタンゴ ボッサーニ:白婦人 |
タンゴ・フトゥル [マックス・ボンナイ (バンドネオン) エリック・ シャラン(Cb) オディール・カトラン= ドラングル(P) クロード・ ドラングル(Sax) ジャン・ ジュオフロワ(Perc)] スサンナ・モンカーヨ(Ms) | ||
ほとんど最近の作品ながら、20世紀初頭のパリの雰囲気をたたえたおしゃれなタンゴ集。サクソフォンの名手ドラングルを中心としたグループがセンス抜群の演奏を繰り広げる。 | |||
サリー・ピーミッシュ:作品集(Vol.3) ゲイラ・ウォーター(無伴奏チェロのための;1994) ブリッジング・ザ・デイ(チェロとピアノのための;1998) 犬と狼(ピアノ独奏のための;1979) オーウィンのための子守歌(ピアノ独奏のための;1985) カイルの歌(ピアノ独奏のための;1993) イアスグ(チェロとピアノのための;1993) 利口な娘(無伴奏チェロのための;2000) チェロ・ソナタ(2000) |
サリー・ピーミッシュ(P) ロバート・アーヴィン(Vc) | ||
ピーミッシュはイギリスの現役女性作曲家。チェリストのアーヴィンは夫君であり、チェロのための収録作品は彼のために書かれた。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集 [第3番 ハ短調 Op.1-3/第7番 変ロ長調 Op.97「大公」] |
ケンプ・トリオ | ||
録音:2003年4月、ストックホルム旧ストックホルム音楽アカデミー、スウェーデン。 フレディ・ケンプ率いる若き団体ケンプ・トリオ、第1弾のチャイコフスキーとラフマニノフ(BIS-1302)に続き、第2弾はベートーヴェン。フレッシュで伸び伸びした音楽性を生かし、若き-ベートーヴェンの世界を描く。 | |||
ショスタコーヴィチ:交響曲第14番「死者の歌」 Op.135 | ジョアン・ロジャース(S) ジョン・トムリンソン(B) マーク・ウィグレスワース指揮 BBCウェールズ・ナショナルso. | ||
ハイドン・ピアノ・ソナタ全集 Vol.8 [第28番 ニ長調 Hob.XBI(*)5a/ 第29番 変ホ長調 Hob.XVI:45/ 第30番 ニ長調 Hob.XVI:19] |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
大作3曲。名作の変ホ長調ソナタに注目。 | |||
タンゴ・イン・ブルー ホセ・セレブリエール:タンゴ・イン・ブルー バーバー:ためらいのタンゴ ピアソラ:オブリビオン/タンガーサ ストラヴィンスキー:タンゴ サティ:果てしないタンゴ モートン・グールド:弦楽音楽〜タンゴ集/ ラテンアメリカ・シンフォニエッタ ワイル:マトロセン・タンゴ/ユーカリ フェルディナンド・コンドン:アストルの印象 ガーデ:ジェラシー ロドリゲス:ラ・クンパルシータ |
ホセ・セレブリエール指揮 バルセロナso. キャロル・ファーレイ(S) エンリケ・テレリア(バンドネオン) | ||
ピアソラやラ・クンパルシータの他、ドイツ、ロシア、デンマーク、アメリカといった非ラテン系作曲家、そしてセレブリエール自身の作品を収録した注目盤。 | |||
ヴァウン・ホルムボー(1909-1996): 協奏曲第1番 Op.17 (P)(*)/ 協奏曲第3番 Op.21 (クラリネット)(#)/ 協奏曲第7番 Op.37 (オーボエ)(+)/ ベアトゥス・パルヴォ Op.117(合唱)(**) |
小川典子(P;*) マルティン・フレスト(Cl;#) ゴードン・ハント(Ob;+) オーワイン・アーウェル・ヒューズ指揮 アールボルクso.、 デンマーク王立歌劇場cho.(**) | ||
現代デンマークを代表する作曲家ヴァウン・ホルムボーは多作家で、21の協奏的作品を残している。厳しい作風ながら、合唱のための「ベアトゥス・パルヴォ」はさすが北欧作品、純粋で自然な美しさを湛えている。 | |||
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15(室内楽版) ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19(室内楽版) |
白神典子(P) ブレーベン・ ストリング・ソロイスツ | ||
白神典子のショパンの協奏曲に続く室内楽版協奏曲第2弾。ピアノと弦5部による。世界初録音。 | |||
グイド・サントルソラ(1904-1994): ギター作品集 3つの宮廷の歌(1966) ソナタ第4番「イタリアーナ」(1977)〜 夢とタランテラ 前奏曲第2番(1959) ラテンアメリカの4つの小品(1971)〜 ヴァルサ・ショロサとマランボ 古代組曲(1945/1975) ショーロ第1番(1944/1975) ヴァルサ=ショーロ(1960/1975) コンチェルティーノ (マリア・イザベル・ジーヴァース編曲; 2つのギターのための)(*) |
マリア・イザベル・ ジーヴァース(G) ダニエラ・カナレ(G;*) | ||
サントルソラはイタリア生まれのウルグアイのギター音楽作曲家。ウルグアイやブラジルの民俗音楽をバロック音楽の対位法で処理した作風が独特。アルゼンチンの若手ジーヴァースのBISデビュー盤。 | |||
スウェーデンのクリスマス | 様々な演奏者 | ||
スウェーデン人にとってワクワクするようなクリスマス音楽ばかり集められているとのこと。 | |||
ショスタコーヴィチ/バルシャイ編曲: 室内交響曲 Op.83a(弦楽四重奏曲第4番) 弦楽と管楽のための交響曲(弦楽四重奏曲第3番) |
ジャン=ジャック・ カントロフ指揮 タピオラ・シンフォニエッタ | ||
ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲を大指揮者ルドルフ・バルシャイがオーケストレーションした「交響曲」にカントロフが挑戦。「カントロフはフランス生まれのフランス人だが、名前が示すように先祖はロシア系」だと代理店は記載している。 | |||
ノルディック・ライト グリーグ:ホルベア組曲〜前奏曲/エア 2つの旋律 Op.53〜初めての出会い 「ペール・ギュント」〜オーゼの死/アニトラの踊り 2つの悲しい旋律 Op.34〜晩春 ニルセン:小組曲 Op.1〜間奏曲/ヘンリケス:蚊の踊り ラーション:田園組曲 Op.19〜ロマンス第2番 ヴィレーン:弦楽セレナード Op.11〜行進曲風 ヤンソン:教会マーチ/ヴェルムランド民謡 タウロ:秋の歌/シベリウス:栄誉はいらない Op.1 No.4 ブル:羊飼娘の日曜日 アルヴェーン:「山の王」〜羊飼娘の踊り ヤルネフェルト:子守歌 |
マグヌス・エーリクソン指揮 ロイヤル・ストリングス | ||
ロイヤル・ストリングスはロイヤル・ストックホルムpo.の弦のメンバーによるアサンブル。北欧音楽入門用にも最適のアルバム。 | |||
シベリウス:ピアノ四重奏曲全集 ピアノ四重奏曲 ニ短調 JS.157(1884)/ 歌劇「リュンガ・ヴィルギニア」からの断片 (ヴァイオリン、チェロとピアノ4手のための;1885)/ スケルツォ ホ短調 JS.165 (ヴァイオリン、チェロとピアノ4手のための;1887)/ アンダンテ・カンタービレ 変ホ長調 JS.30 (ピアノとハルモニウムのための;1887)/ ヴァイオリン、チェロ、ピアノと ハルモニウムのための四重奏曲 ト短調 JS.158(1887)/ ピアノ四重奏曲 ハ短調 JS.156(1891) |
ヤーッコ・クーシスト、 サトゥ・ヴァンスカ(Vn) タネリ・トゥルネン(Vc) フォルケ・グラスベック、 ペーテル・レンクヴィスト(P) ハッリ・ヴィータネン (ハルモニウム) | ||
シベリウスが1884年から1991年にかけて作曲した珍品の世界初録音。オーケストラ曲に手を染める前の彼が、さまざまな楽器の組み合わせによる音色と効果を探求していたことがよくうかがえる。ハルモニウムやピアノ連弾など、後年彼が手掛けなかったジャンルも興味津々。なかでも6曲から成る歌劇「リュンガ・ヴィルギニア」(台本は消失)断片を聴けるのがファンにとってはたまらない。 | |||
ブロッホ: 交響曲 変ホ長調(1954/1955)/ 交響組曲「エヴォカシオン」/3つのユダヤの詩 |
アンドレイ・ボレイコ指揮 マルメso. | ||
「エヴォカシオン」は中国をはじめとする東洋文化から芸術表現のインスピレーションを受けて書かれた作品。 | |||
カルク=エーレルト(1877-1933):オルガン作品集 Vol.2 交響的コラール「わが喜びなるイエス」 Op.87 No.2/ カンツォーネ 変ト長調 Op.46b/ グレゴリオ聖歌による6つの小品「大聖堂の窓」 Op.106/ 交響曲 嬰ヘ短調 Op.143 |
ハンス・ファユス(Org) | ||
レーガーと並ぶ20世紀最大のオルガン作曲家カルク=エーレルトの250曲にもおよぶオルガン作品は、スクリャービンの影響を感じさせるものもあるなど、いずれも個性的。 死の3年前に書かれた交響曲 嬰ヘ短調は、聴く者に圧倒的な感銘を与える彼の最高傑作。 | |||
テレマン: 序曲 イ短調/リコーダー協奏曲 ヘ長調/ リコーダーとヴィオラ・ダ・ガンバのための協奏曲 イ短調/ リコーダー協奏曲 ハ長調 |
ダン・ラウリン(リコーダー) マーク・コードル(ガンバ) アルテ・デイ・スオナトーリ | ||
ラウリンの「巧さ」をとことん味わうための一枚。 | |||
カレヴィ・アホ(1949-): 交響曲第3番(ヴァイオリンと 管弦楽のための協奏交響曲)(1971/1973)(*)/ ムソルグスキー/カレヴィ・アホ編曲: 歌曲集「死の歌と踊り」(管弦楽伴奏版;1984)(+) |
ヤーッコ・クーシスト(Vn;*) マッティ・サルミネン(Br;+) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
交響曲第3番はもともとヴァイオリン協奏曲として構想されたもので、ヴァイオリン独奏の「個」とオーケストラ集団との戦いを目指した作品。 | |||
エセキエル・ビニャオ(1960-): アルカヌム(声と室内アンサンブルのための;1996) |
ジャネット・ヤングダール(S) クリスチャン・ヤルヴィ指揮 アブソリュート・アンサンブル | ||
アルゼンチン生まれの作曲家ビニャオ。この作品は聖書をテーマに、聴き手を中世的な世界へ誘う。ネーメの息子にしてパーヴォの弟、クリスチャン・ヤルヴィ率いるアブソリュート・アンサンブルは11名から成り、ジャズ、ロック、ヒップホップなどの素養も持つ先鋭的団体。 | |||
ホロヴィッツを讃えて ホロヴィッツ:ワルツ ヘ長調/変わり者の踊り/カルメン変奏曲 エチュード・ファンタジー変ホ長調「波」 リスト/ホロヴィッツ編曲:ハンガリー狂詩曲第19番 リスト/ホロヴィッツ、クレショフ編曲:オーベルマンの谷 ムソルグスキー/ホロヴィッツ編曲:水辺で サン=サーンス/ホロヴィッツ編曲:死の舞踏 スーザ/ホロヴィッツ編曲:星条旗よ永遠なれ メンデルスゾーン/リスト、ホロヴィッツ編曲: 結婚行進曲による変奏曲 |
ワレーリー・クレショフ(P) | ||
ホロヴィッツは自らの作曲・編曲楽譜を公開しなかったが、彼が残した録音から聴き取りで譜面を起こす試みはいろいろと行われている。この録音もその成果の現れ。 ロシア出身で技巧派として知られるクレショフが、ホロヴィッツそのもののヴィルトゥオーゾぶりを披露する。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏作品全集 Vol.10 ソナタ ヘ長調 W.62/9(H.58)/ ソナタ ト長調 W.65/26(H.64)/ 組曲 ホ短調 W.62/12(H.66)/ ソナタ ト短調 W.65/27(H.68)/ ソナタ ニ長調 W.62/13(H.67) |
ミクローシュ・シュパーニ (クラヴィコード) | ||
ギャラントなスタイルによりながらも、当時増えてきたアマチュア愛好家の需要に応えて技巧的には平易なものに抑えた作品集。 | |||
イングヴァル・リードホルム(1921-2017): 管弦楽作品集 1944-1958 トッカータと歌(1944)/弦楽のための協奏曲(1945/48)/ 3つの歌(1940-45)/弦楽のための音楽(1952)/ リトルネル(1954) |
レーナ・ヌルディン(S) リュー・ジア指揮 ノールショピングso. | ||
スウェーデン寡作家リードホルムの初期管弦楽作品集第3弾 | |||
BIS-1191 (CD) 廃盤 |
グリーグ:管弦楽作品集 Vol.1 演奏会用序曲「秋に」Op.11/ ピアノ協奏曲 イ長調 Op.16(*)/ 交響曲 ハ長調 |
小川典子(P;*) ウーレ・クリスチャン・ルード指揮 ベルゲンpo. | |
SACDはマルチチャンネル。BISの初期録音にあったグリーグのピアノ協奏曲と交響曲の再録音。ベルゲンはグリーグの生まれ故郷。 | |||
われらの時代の舞曲 スティーヴン・スタッキー:ドリーム・ワルツ(1986) イ・チェン:デュオ・イェ(1985) アルトゥーロ・マルケス:ダンソン第2番(1993) ブルース・マッコンビー:チェルシー・タンゴ(1991) ヴォイチェフ・キラール:交響詩「クシェサニ」(1974) |
ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
チェレプニン作品の録音で意外なまでの巧さを世に知らしめたシンガポール響による、世界各国の現代の舞曲集。クラシックにおけるワールド・ミュージックともいうべき内容。 | |||
エルッキ・メラルティン(1875-1937): 歌劇「アイノ」(2幕/1908) |
リトヴァ=リーサ・ コルホネン(S) サウリ・ ティーリカイネン(Br) リリ・パーシキヴィ(Ms) ピア・フロイント(S) アキ・ アラミッコテルヴォ(T) ウルフ・セデルブロム指揮 ラハティso.、 ドミナンテcho. | ||
北欧的なピアノ曲で知られるメラルティンのオペラが初登場。カレワラに基づく民族的テーマをワーグナー風に描いているという。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏作品全集 Vol.11 幻想曲 変ホ長調 H.348/ソナタ 変ロ長調 W.65 No.20/ ソナタ ハ長調 W.65 No.16/同 ト短調 W.65 No.17 |
ミクローシュ・シュパーニ(Fp) | ||
順調なシリーズにいよいよ大規模作品の登場。楽器もフォルテピアノに代わった。意外にもほとんどの作品が世界初録音。 | |||
クライスラー: ウィーン狂詩曲/中国の太鼓/ジプシー奇想曲/ ジプシー女/道化師のセレナード/ オーカッサンとニコレット/ロマンティックな子守歌/ 愛の悲しみ/愛の喜び/ウィーン奇想曲 クライスラー編曲(原作曲者): 蓮の国(スコット)/スペイン舞曲(ファリャ)/ スペイン舞曲(グラナドス)/ タンゴ(アルベニス)/カプリス(ヴィエニャフスキ)/ スラヴ舞曲第1番/第3番(ドヴォルザーク)/ スラヴ幻想曲(ドヴォルザーク) |
レオニダス・カヴァコス(Vn) ペーテル・ナジ(P) | ||
シベリウスのヴァイオリン協奏曲(原典版世界初録音&現行版)の圧倒的名盤(BIS)で知られるギリシャ出身のヴァイオリニスト、カヴァコスによるクライスラー。 | |||
エイナル・エングルンド(1916-1999): ピアノ五重奏曲(1941)(*)/弦楽四重奏曲(1985-6) |
ペーテル・レンンクヴィスト(P;*) ラハティso.室内アンサンブル | ||
録音:ADD。フィンランドの作曲家エングルンドはあまり録音に恵まれないが、新古典主義的な手法が他のフィンランド作曲家と一味違う大物。初期作品であるピアノ五重奏曲はシベリウスにも褒められたもので、戦争で亡くなった兄に捧げられ、悲痛な感情に満ちている。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.12 ソナタ ロ短調 H.132/プリンツェッテ H.91/ アリ・ルーパリヒ H.95/グライム H.89/ ソナタ ホ短調 H.106/シュタール H.94/ベルギウス H.90/ ブーフホルツ H.93/ヘルマン H.92/ソナタ イ短調 H.131 |
ミクローシュ・ シュパーニ(クラヴィコード) | ||
録音:2000年7月、ルミヨキ青年連合の家、フィンランド。 全集の第12弾は小品が中心。C.P.E.バッハの友人たちを「音による肖像画」として表したものだとのことで、彼の多面的な作風をよく示している。 | |||
スウェーデン民謡による7つの組曲 (ヤコブ・リンドベリ編): ダーラナ組曲第1番/ダーラナ組曲第2番/ イェムトランド地方組曲/ ヴェルムランド地方組曲/ウプサラ地方組曲/ ヘルシング組曲第1番/ヘルシング第2番 |
ヤコブ・リンドベリ (リュート/G) | ||
リュートの鬼才リンドベリが、自ら故国スウェーデンの美しい民謡を編曲し奏でる。編曲のスタイルはガスパール・サンスやサンティアゴ・デ・ムルシア、さらに17世紀イギリスのリュート音楽家たちが自国の民謡に行なったことを規範にしており、淋しげな叙情に翳る絶美の世界が楽しめる。 | |||
イングヴァル・リードホルム(1921-2017): 管弦楽作品集(1958-1963) ムタンツァ(1959/1965)(*)/ ノットゥルノ(1958/2000)/ モトゥス−色彩(1960)/ リター(1959) |
レナ・ヌルディン(S;*) リュー・ジア指揮 ノールショッピングso. | ||
寡作のスウェーデン作曲家リードホルムの初期作品を収録。中国人指揮者リュー・ジアの力量に注目。 | |||
シューベルト: 弦楽四重奏曲第14番 ニ短調「死と乙女」D.810/ 弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 Op.125 No.1 |
イグドラシルSQ | ||
白神典子が弾いたショパンのピアノ協奏曲の室内楽版で共演していたスウェーデンの新進クァルテットによる王道レパートリー。 | |||
シベリウス:習作時代の未発表ピアノ作品集 Vol.2 3つのワルツ/アンダンテ、2つのスケッチ/2つの小品 アレグロ断章/3つのソナタ楽章(以上 1888) 3つのフーガ提示部/ポルカ/組曲「フロレスタン」 アレグレット/ベッツィ・レルケのためのワルツ(1889) 「ソナタ ニ短調」のアレグロ提示部と展開部 (カレヴィ・アホ復元;1999) ベッカーのためのソナタ断片/2つのソナタ・スケッチ 11のソナタ・スケッチ/ソナタ・アレグロ 「ソナタ ヘ短調」のアレグロ提示部(アホ復元;1999) 「ソナタ ハ短調」のアレグロ提示部(アホ復元;1999) ポルカ断片(1892)/マズルカのスケッチ(1894) スケルツォ(1891) |
フォルケ・グラスペック(P) | ||
シベリウスの全作品刊行を目指すBISならではの、初期作品をスケッチから断片まですべて録音してしまった超マニアック企画。 | |||
サクソフォン四重奏と管弦楽のための協奏曲集 アンデシュ・ニルソン: コンチェルト・グロッソ(1995) シェティル・ヴォースレフ: サクソフォン四重奏協奏曲(1996) ユオニ・カイパイネン: 春の協奏曲「春分から夏至まで」(1996) |
ラシェル・サクソフォンQ ペッテル・スンドクヴィスト指揮 スウェーデンco. | ||
ラシェル・サクソフォン四重奏団が北欧の3人の作曲家に委嘱した作品集。キング・クリムゾンに多大な影響を受けたというニルソン、メロディックなヴォースレフ、能天気なカイパイネンと、それぞれ個性的。 | |||
ニコス・スカルコッタス(1904-1949):ヴァイオリン作品集 ヴァイオリン・ソナタ(1943)/ 小組曲第1番/小組曲第2番(1949)/ ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲(1947)/ ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲(1942)/ 4つの楽器のためのスケルツォ(1940)/ 3つのギリシャ民謡編曲(1948) |
ゲオリギオス・ デメルツィス(Vn) マリア・ アウテリアドゥー(P) チャラ・シラ(Va) マリア・キツォプーロス(Vc) | ||
シェーンベルク門下のギリシャの作曲家スカルコッタスは、自身ヴァイオリニストでもあったため、ヴァイオリン作品には独特のおもしろさがある。難しい技巧の要求される作品にギリシャの若手たちが挑戦。 | |||
ドビュッシー:ピアノ曲全集 Vol.2 前奏曲集第1巻/スケッチブックから/ コンクール用小品/ハイドンをたたえて/ 小さな黒人の子供/子供の領分/レントより遅く |
小川典子(P) | ||
Vol.1の評価の高かった小川典子によるドビュッシー。再録音となる(代理店によると6年ぶり)前奏曲集第1巻の円熟ぶりは目を見張るほど。 | |||
デュリュフレ:レクイエム Op.9 フォーレ:レクイエム Op.48 (マティアス・ヴァグナー編曲、オルガン伴奏版) |
ミア・パーション(S) マレーナ・エルンマン(Ms) オッレ・パーション(Br) マティアス・ヴァグナー(Org) フレドリク・マルムベリ指揮 スウェーデン放送cho. | ||
BISにはグラーデン&聖ヤコブ教会cho.による素晴らしいデュリュフレのレクイエムがあるが、また素敵な盤が加わった。BCJ のカンタータ録音でもおなじみのパーション、キャバレーソング集で静かな人気を読んだエルンマンという独唱の豪華さ、また北欧ならではの冷たいまでに透きとおった合唱も見事。オルガン伴奏版のフォーレも予想を上回る良さ。 | |||
ゲイル・トヴェイト(1908-1981): ハルダンゲル・フィドル協奏曲第1番 Op.163(1955)/ ハルダンゲル・フィドル第2番 Op.252(1965)/ 交響的絵画「ニッケン」 Op.187(1956) |
アーヴェ・ モエン・ベリセット (ハルダンゲル・フィドル) ウーレ・クリスチャン・ ルード指揮 スタヴァンゲルso. | ||
ノルウェーの作曲家トヴェイトがヴァイオリン風の民族楽器ハルダンゲル・フィドルのために書いた、素朴な民俗色と美しいメロディーにあふれた協奏曲。 トヴェイト入門にも最適な一枚で、北欧音楽ファンにおすすめ。 | |||
トランペット協奏曲集 ペルト:B-A-C-Hによる小協奏曲(1994) マルティンソン: ブリッジ(トランペット協奏曲第1番)Op.47(1998) タンベルク:トランペット協奏曲第1番 Op.42 |
ホーカン・ ハーデンベルガー(Tp) ネーメ・ヤルヴィ指揮 エーテボリso. | ||
ペルトの作品は、1964年作曲の「バッハの名によるコラージュ」を、ヤルヴィの要請でトランペットを加え改作したもの。タンベルクの作品は北欧らしからぬ脂ぎった音楽。 名手ハーデンベルガーの技巧が冴える。 | |||
ニルセン: 交響曲第4番「不滅」/ 交響曲第3番「ひろがりのある交響曲」 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 BBCスコティッシュso. | ||
ヴァンスカのニルセン・シリーズから「不滅」が登場。北欧の交響作品に常に新鮮な解釈を示すヴァンスカだけに、人気作品だとなおさら興味深い。 | |||
リスト: 超絶技巧練習曲集(全12曲) |
フレディ・ケンプ(P) | ||
2002年6月に来日するケンプが昨年の来日公演でも披露したレパートリー。技巧と音量感に圧倒させられる。 | |||
レーガー:無伴奏ヴィオラ組曲集 第1番 ト短調 Op.131d No.1/ 第2番 ニ長調 Op.131d No.2/ 第3番 ホ短調 Op.131d No.3/ ロマンス(1901)(*)/ ヴィオラ・ソナタ 変ロ長調(*) |
今井信子(Va) ロナルド・ブラウティハム(P) | ||
国内仕様盤:KKCC-2352(廃盤)。円熟の極みにある今井が、レーガーにしては過激な内容を持つ無伴奏ソナタに挑戦。決定盤になりそう。 | |||
アーネ・ヌールハイム(1931-):作品集 ヴァイオリン協奏曲(1996)(*) 二重(ヴァイオリンとチェロのための)(1991/99)(+) パウルのためのパルティータ (ヴァイオリンと電子楽器のための)(1985)(#) |
ペーター・ヘレスタール(Vn) E.オードラン指揮(*) スタヴァンゲルso.(*) O.スンステッド(Vc;+) マッツ・ クレーソン(電子楽器;#) | ||
ノルウェーの作曲家、ヌールハイム70歳の年(2001年)の発売。(#)のパウルは画家パウル・クレーのことで、作風はかなり前衛的。 | |||
チェンバーブラス・ナウ アンデシュ・ヒルボルイ:金管五重奏曲(1998) エイノ・タンベルク:5つのための音楽Op.86(1992) ペル・メルテンソン:イ=チン変奏曲(1998/9) 〜金管五重奏と電子音楽のための(*) ポール・ルーザース:ブレイク・ダンス(1984)(#) ルチアーノ・ベリオ:コール(1985) ヨアキム・アグナス:タンゴ(1996) スン・ヨンウォン:パンドラゴン(2000) フレドリク・ヘグベルィ:メランコリー・タンゴ(2000) |
ストックホルム・ チェンバー・ブラス ペル・メルテンソン (電子楽器;*) フレドリク・ ウレーン(P;#) | ||
かつてエヴァルドの金管五重奏曲集がベスト・セラーになったストックホルム・チェンバー・ブラスによる現代作品。ルーザースとベリオ作品以外は彼らのために書かれたもので、「超絶のショパン」で話題となったウレーンのピアノも聴ける。 | |||
ペータ・エラスムス・ランゲ=ミュラー(1850-1926): 舞台音楽集 「昔々」Op.25 から/「ルネサンス」Op.59 から/ 「海辺の歌」Op.54〜2つの歌/「とても寒い晩遅く」/ 「ヴァイキングの血」Op.50 から |
スサンネ・エルマルク(S) ミハエル・クリステンセン(T) ヨハン・ロイター(Br) モーシェ・アツモン指揮 オルボーso. コーロ・ミスト(cho.) | ||
ランゲ=ミュラーはデンマーク・ロマン派の作曲家。美しいメロディを紡ぐ才能に恵まれ、その音楽は聴けば誰もが気に入る魅力をはらんでいる。ことに代表作「昔々」ではアンデルセンの童話を思わせる絶美な世界が広がる。日本でもおなじみのアツモンの指揮にも期待。 | |||
シベリウス:クレルヴォ交響曲 Op.7 | リリ・パーシキヴィ(Ms) ライモ・ラウッカ(Br) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. ヘルシンキ大学男声cho. | ||
シベリウスの交響曲解釈に新境地を開いたヴァンスカ&ラハティso.が残していた「クレルヴォ」を録音し、完全全集完結。(いや、まだ異版が続くか?)小編成による透明感のある響きが新鮮。 | |||
エネスコ:ヴァイオリンとピアノのための作品集 子供の印象Op.28/ヴァイオリン・ソナタ第2番Op.6/ ヴァイオリン・ソナタ第3番Op.25「ルーマニア民俗風に」 |
ミハエラ・ マルティン(Vn) ローランド・ ペンティネン(P) | ||
大ヴァイオリニストだったエネスコのヴァイオリン曲には、魅力的な作品も多いがその録音の少なさゆえあまり知られていない。同郷の女流マルティンは民俗的な要素も絶妙に浮き立たせている。 | |||
シュニトケ: 交響曲第8番(1994)/ 交響的前奏曲(1993)/リヴァプールへ(1994) |
リュー・チア指揮 ノールショピングso. | ||
BIS久々のシュニトケ・アルバムは、彼の音楽が世界でブームになっていた1993/4年の作品。彼最後の交響曲にあたる第8番(第9交響曲は未完で終わっている)は、深遠にして荘厳な作風。中国人指揮者チアのエネルギッシュな解釈が聴きもの。 | |||
ベートーヴェン: 大フーガOp.133(弦楽合奏版)/ 弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調Op.131(弦楽合奏版) |
ペーター・ウンジャン指揮 新アムステルダム・ シンフォニエッタ | ||
もと東京カルテットの第1ヴァイオリンだったウンジャンが指揮を務めているのに注目。オリジナル版を熟知している名作2篇を、交響的にどう処理しているか興味津々。 | |||
オープン〜パーカッションのための作品集 クセナキス:リバウンド(1987/1989) ハンス=クリスティアン・ヨス・セレンセン: オープンI/II/III(即興) ヘドストレム:マリンバのための「フロウ」(1990) ケージ:18回目の春を迎えたすばらしい未亡人(1942)/花(1950) ドナトーニ:オマール(ヴィブラフォンのための2つの小品;1985) ロルフ・ヴァーリン:ストンウェイヴ(ソロ・パーカッション版) |
ハンス=クリスティアン・ ヨス・セレンセン (Perc) | ||
ノルウェーの若きパーカッショニスト、セレンセンのソロ・アルバム。一人でここまでできるのはまさに驚異。オーディオ効果も抜群。 | |||
カマルゴ・グアルニエリ(1907-1993):交響曲集 交響曲第2番「ウィラプール」(1945)/ 協奏的序曲(1942/51)/交響曲第3番(1952) |
ジョン・ネシュリング指揮 サンパウロ州so. | ||
ブラジル国民楽派の中心人物カマルゴ・グアルニエリの交響曲がついに登場。パリでケクランやブーランジェに学び、帰国後は民俗音楽やポピュラー音楽に刺激された民族的色彩の濃い作品を残した。なかでも傑作とされる交響曲が録音されたのは快挙。トスカニーニやシェルヘンも認めた知られざる天才の音楽にご期待頂きたい。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.17 第153番「愛する神よ、みそなわせ、 わが敵のいかにあるやを」BWV.153/ 第154番「わが最愛のイエスは失われリ」BWV.154/ 第73番「主よ、汝の御心のままにわれはあらん」BWV.73/ 第144番「汝のものを取り去りてゆけ」BWV.144/ 第181番「軽薄なる心をもっている者は」BWV.188 |
野々下由佳里(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・ コレギウム・ジャパン | ||
BCJの当シリーズ第17巻。あまり有名作品は含まれていないが、どれも美しいものばかり。 | |||
オリエンタル・ランドスケイプ イ・チェン:打楽器協奏曲(1998) シア・マズグレイヴ(1928-):日本の風景をめぐる旅(1994) ロン・ジョウ:タン宮廷から(2000) ホヴァネス:日本の版画による幻想曲 Op.211(1965) |
イヴリン・ グレニー(Perc) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
BMGでおなじみのグレニーがBISに登場、日本と中国にまつわる協奏作品を録音。スコットランドの女性作曲家マズグレイヴの作品は春・夏・秋・冬の4部から成り、 管楽合奏が伴奏するという異色作。チェレプニンの交響曲で名を上げたシンガポールso.が熱演。 | |||
ロベルト・カヤヌス(1856-1933): フィンランド狂詩曲第1番 ニ短調 Op.5(1881)/ クレルヴォの葬送行進曲 Op.3(1880)/ シンフォニエッタ 変ロ長調 Op.16(1915)/ 交響詩「アイノ」(1885/1916)(*) |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso.、 ヘルシンキ大学cho.(*) | ||
シベリウスの作品の擁護者・解釈者・普及者であった指揮者カヤヌスは、シベリウスの一世代前のフィンランドを代表する作曲家の一人でもあった。「アイノ」はシベリウスを刺激し 「クレルヴォ交響曲」を書くきっかけを与えた合唱付き交響詩。カヤヌスの作品をまとまった形で、それもこの演奏家たちで聴けるのは北欧音楽ファンには大朗報だ。 | |||
スカルコッタス:ピアノ三重奏とチェロ作品集 ピアノ三重奏(1936)(*)/ラルゴ(1940)/ ボレロ(1949)/セレナータ(1949)/ソナチネ(1949)/ 優しいメロディ(1949)/ ピアノ三重奏のための8つの変奏曲 (ギリシャ民謡による)(1938)(*) |
マリア・キツォプールス(Vc) マリア・アステリアド(P) ゲオルギオス・ デメルツィス(Vn;*) | ||
BISが力を入れるギリシャの大物スカルコッタス。このディスクは最晩年の作品が中心で、民謡の引用など興味深い手法が見られる。 | |||
シベリウス:交響詩集 「エン・サガ」 Op.9(現行版)/「木の精」 Op.45 No.1/ 舞踏間奏曲 Op.45 No.2/「ポヒヨラの娘」 Op.49/ 「夜の騎行と日の出」 Op.55/ 「吟遊詩人」 Op.64/「大洋女神」 Op.73 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
交響曲シリーズで新しいシベリウス像を創り出したヴァンスカ&ラハティso.による待望の交響詩集。これら作品の決定盤を作り出すだけの才能を持った彼だけに、その新解釈には期待したい。 | |||
テレマン: 組曲 ト長調「ドン・キホーテ」/組曲 イ短調 ヴァイオリンと弦楽のための協奏的組曲 イ長調/ 弦楽のための協奏曲 ニ長調/ ヴィオラ・ダ・ガンバと弦楽のための組曲 ニ長調 |
ドロットニングホルム・ バロックo. | ||
BISの活動初期にヴィヴァルディの「四季」を録音したドロットニングホルム・バロック・アンサンブルの久々の録音。収録作品の多くがウプサラ大学図書館に所蔵されていた草稿に基づく蘇演とのこと。 | |||
ゲイル・トヴェイト(1908-1981): 100のハルダンゲル民謡 Op.151〜 組曲第4番「婚礼組曲」 組曲第5番「トロールの調べ」 |
ウーレ・クリスチャン・ ルード指揮 スタヴァンゲルso. | ||
グリーグ以後最大のノルウェー作曲家トヴェイトは母国の民俗音楽を採集し、独自の方法で作品に使用した。 | |||
デイヴィッド・マスランカ(1943-): 木管五重奏曲第1番(1984)/ 木管五重奏曲第2番(1986)/ 木管五重奏曲第3番(1999) |
ベルゲン木管五重奏団 | ||
マスランカはアメリカの作曲家。第1番には小鳥のさえずりやニューヨークの地下鉄の音の模倣、第3番にはバッハのコラールの引用など興味深い試みが採り入れられている。 | |||
アンティクィティズ〜ヴィオラとアコーディオン ギヨーム・ド・マショー: 幸いな処女は(モテット)(*/#)/ わが終わりはわが始まり(ロンドー)(*/#) バッハ: イタリア協奏曲 BWV.971(#)/ パルティータ第3番 ホ長調 BWV.1006(+)/ ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第1番 ト長調 BWV.1027(*/#)/ マタイ受難曲〜[汝の行くべき道と/ 心から私は憧れる(コラール)] (*/#) イザーク:ミサ「悲しみを背負って」から(*/#) ダウランド: ラクリメ(*/#)/彼女は許してくれるだろうか(*/#)/ もしも私の悲しみが(*/#) |
今井信子(Va;*、Vn;+) 御喜美江(アコーディオン;#) | ||
録音:2001年7月。国内仕様盤:KKCC-2359(廃盤)。夢の饗宴第2弾はバロック以前の音楽。ヴィオラ・ダ・ガンバとオルガンの組み合わせを思わせる魅力をたたえながら、自由自在な表現を聴かせる。今井が録音においてヴァイオリンに初挑戦した(+)も注目どころ。 | |||
ヨウン・レイフス(1899-1968): 舞踏劇「バルドル」 Op.34(1943/1947) |
グンナル・ グイビェルンソン(T) カリ・コロブス指揮 アイスランドso. スコラ・カントルム | ||
世界初録音。尋常ならざる打楽器の使用法でとてつもない音響を生み出した「サガ・シンフォニー」で知られるアイスランドの作曲家レイフスらしい、期待を裏切らない猟奇的な楽器法が目を引く舞台作品。金床、複数のピストル、大砲、石、金属チェーンなどが暴力的音響をうならせる。アイスランドの神話に基づきながら、ナチスの謀略を批判する内容となっている。優秀録音で、オーディオ・ファイルにもお勧めしたい。 | |||
リチャード・ヤルドゥミアン(1917-1985): ヴァイオリン協奏曲(*)/ 交響曲第2番「詩篇」(+)/ アルメニア組曲 |
アレクサンドル・ ブーロフ(Vn;*) ナンシー・ モールツビー(Ms;+) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
ヤルドゥミアンはアルメニア系アメリカ人作曲家。ストコフスキーやオーマンディも愛奏した彼の作品はまったく現代的でなく、 ハチャトゥリアンら旧ソ連のコーカサス系作曲家そっくりの原色的民族色に彩られている。 | |||
ダイアモンド〜オルフェイ・ドレンガルの芸術 プーランク: アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り ミヨー:詩篇第121篇 ダニエル・ボルツ:夜明けの微風 トルミス:古代の海の歌 クーラ:夕べの雲 サン=サーンス:サルタレッロ R,シュトラウス::夢の光 トンプソン:タランテラ 間宮芳生:コンポジション第6 スホニュ:スロヴェニアの歌 クリチカ:明けの明星の歌 ヒルボルイ:ムオアアイイオウム |
ロベルト・スンド、 フォルケ・アリン指揮 オルフェイ・ドレンガル (男声cho.) | ||
エーリクソンの薫陶を受け、世界一の男声合唱団とも称えられるオルフェイ・ドレンガルによる、各国の民族色あふれるアルバム。日本の男声合唱レパートリーとしてよく知られる間宮の日本民謡編曲作品「コンポジション第6」の収録がうれしいが、何だか北欧民謡のように響くとか。 | |||
シレーナ ヨハン・クリスティアン・シックハルト: 4本のリコーダーのための協奏曲 [第1番 ハ長調/第2番 ニ短調/第3番 ト長調] ボワモルティエ: 5本のフラウト・トラヴェルソのための協奏曲 [第2番 イ短調/4番ロ短調]/ ソナタ第6番 イ短調 テレマン:4声の協奏曲 ホ長調/4声の協奏曲 ヘ長調 |
シレーナ・リコーダーQ [カリーナ・アゲルブー、 マリト・エルンスト、 ピア・ルーマン、 ヘッレ・ニルセン (以上リコーダー)] ダン・ラウリン(リコーダー) フレドリク・ブック (バロックG/テオルボ) モエンス・ラスムッセン (ヴィオラ・ダ・ガンバ) レイフ・メイエル (Cemb/Org) | ||
「座っているアヒル」(BIS-1112)で衝撃のデビューを果たしたシレーナ・リコーダーQの第2弾。現代音楽ばかりだった前作と対照的にバロック作品ばかり。ダン・ラウリンがゲストというのにもご注目。 | |||
ヘンデル:グローリア(*) | エマ・カークビー(S) ローレンス・カミングズ指揮 王立音楽アカデミー・バロックo. | ||
ヘンデル:ディクシト・ドミヌス(+) | ヒレヴィ・マルティンペルト(S) アンネ・ソフィ・ フォン・オッター(Ms) アンデシュ・オールヴァル指揮 ドロットニングホルム・ バロックo. ストックホルム・バッハcho. | ||
(*)は2000年9月にイギリスの王立音楽アカデミーの図書館で発見された世界初録音作品。コロラトゥーラの技巧的パッセージが散りばめられた華麗な音楽に、カークビーの起用は絶好。カプリングの(+)はオッターがメジャーになる直前に録音された名演。マルティンペルトもメジャーとなった今から思えばなんと豪華な起用か。合唱もみごと。 | |||
ニキータ・コシュキン(1956-):ギター作品集 ポルカ・パパンドレウ(2000)/ アッシャー・ワルツ(1984)/パレード(1983)/ 組曲「バラード」(1998)/糸杉(1998)/ 前奏曲とワルツ(1987)/ギター・ソナタ(1998) |
エレーナ・パパンドレウ(G) | ||
BIS初期に自作自演盤を出していたロシアのコンポーザー=ギタリスト、コシュキンの最近作を含むアルバム。ギタリストの人気レパートリーになっている「アッシャー・ワルツ」をはじめ、 みごとな演奏を聴かせるパパンドレウは作曲者のお気に入りで、「ポルカ・パパンドレウ」、「ギター・ソナタ」、「糸杉」は彼女に献呈された作品。 | |||
モーツァルト/フンメル編曲: 室内楽版ピアノ協奏曲集 Vol.2 ピアノ協奏曲第10番 変ホ長調 K.365/ ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491 |
白神典子(P) ヘンリク・ヴィーゼ(Fl) ペーター・クレメント(Vn) ティボル・ベーニ(Vc) | ||
世界初録音。好評だったVol.1(BIS-1147)に続く第2弾。フンメルは単に編成を四重奏にするだけでなく、音域を拡大するなど原作を歪めない範囲でピアノ・パートをロマン派流に直してもいる。さらに今回収録のK.365は2台のピアノのための協奏曲を1台2手用に直しているので、まさにフンメルの編曲の腕の見せ所。 | |||
たかの舞俐: Woman's Paradise(1988-1991)/ 2つのシャンソン (ソプラノとピアノのための)(1997)/ 無限の月、夢幻の星 (琴、十七弦、笙、篳篥、ヴァイオリンのための)(1998)/ 花のアリア(ソプラノ、ヴァイオリン、 ギターとピアノのための)(1993)/ イノチェント(ピアノのための)(2000) |
森川 栄子(S) フベルトゥス・ドライヤー (P/シンセサイザー) たかの舞俐(シンセサイザー) 西 陽子(琴) 丸田 美紀(十七弦) 石川 高(笙) 中村 仁美(篳篥) 本多 優之指揮/他 | ||
BISのバール社長が発見し激賞している日本人作曲家、たかの舞俐(まり)。桐朋学園大学作曲科卒業後、ドイツでリゲティとファーニホーに師事。1988年よりリゲティ門下で結成されたカオスマのメンバーとして活動しており、作風は師譲り。BISではこれ以降も意欲的に彼女の作品をリリースして行く予定とのこと。 | |||
フルート・カフェ・オレ ルネ=バトン:パサカイユOp.35 ゴーベール:幻想曲 エネスコ:カンタービレとプレスト ノブロー:メロディ ドップラー:ハンガリー田園幻想曲 グリフェス:詩曲 ブゾーニ:アルバムのページ フォーレ:シシリエンヌOp.78/幻想曲Op.79 タファネル:アンダンテ・パスタラーレと スケルツェッティーノ |
シャロン・ベザリー(Fl) ローランド・ ペンティネン(P) | ||
シャロン・ベザリーは現役トップクラスのテクニックもさることながらエキゾチックで可憐な美少女ぶりでも人気。このアルバムはポピュラーで甘口な作品を集めていて、往年の名曲「ハンガリー田園幻想曲」が久々の新録音で登場するのも注目。村松楽器特製フルートの音色も魅力。 | |||
イングヴァル・リードホルム(1921-2017): ボエシス(1963)(*)/ 旧世界からの挨拶状(1976)(+)/ 時、いつかおまえの魂が(1998)(#)/ コンタキオン(1978)(**) |
グンナル・イデンスタム(P;*) ビョルン・マルムクヴィスト(Cb;*) ニクラス・ヴェルトマン(Vc;+) ペーテル・マッテイ(Br;#) オディン・ハーゲン(Tp;**) エヴァ・ペッテション= ヴェルトマン(Fg;**) リュー・ジア指揮 ノールショッピングso. | ||
主として声楽作品で知られてきた、スウェーデンを代表する現代作曲家リードホルムの、管弦楽を伴う作品集。 | |||
サリー・ビーミッシュ(1956-):作品集 ヴィオラ協奏曲第2番「船乗り」(2001) ホワイトスケープ(2000)/サングスターズ(2002) |
タベア・ツィンマーマン(Va) オーラ・ルドネル指揮 スウェーデン室内o. | ||
ビーミッシュはイギリスの女性作曲家。このアルバムに収められた3篇は、彼女がスウェーデン室内管のレジデント・コンポザーを務めていた4年間の作。自身がヴィオラ奏者でもある彼女がツィマーマンのために書いたヴィオラ協奏曲第2番が聴きもの。「ホワイトスケープ」はイギリスの女流作家メアリー・シェリー(フランケンシュタインの原作者な)の人生と作品から霊感を受けたという作品。いずれも叙情性とドラマ性に満ちている。 | |||
レーラ・アウエルバッハ(アヴェルバフ;1973-): ヴァイオリンとピアノのための 24の前奏曲Op.46(1999)(*)/ 無伴奏ヴァイオリンのための 「T'filah(祈り)」(1996)/ ヴァイオリンとピアノのための後奏曲(1999)(*) |
ワジム・グルツマン(Vn) アンジェラ・ヨッフェ(P;*) | ||
新しい才能を発見することにかけては天才的な、BISのバール社長ならではの逸材の登場。レーラ(ヴァレリアの愛称)はロシアのチェリヤビンスクに生まれた若き詩人・小説家で、1996年に国際プーシキン協会の「ポエト・オヴ・ジ・イヤー」に選ばれ、ノーベル文学賞にもノミネートされる(若すぎるという理由で受賞はならず)など、20代にして名声を確立した。そのかたわら、ジュリアード音楽院でピアノと作曲も学び、クレーメル主宰のクレメラータ・アンサンブルに参加するなど音楽面でも才能を発揮、美貌も加えてまさに「天が三物を与えた」としか言いようのない才色兼備の女性である。ロシア五人組や、やはり詩人・小説家にして音楽にも才能を発揮した「ドクトル・ジバゴ」の著者パステルナークといった、マルチタレント的ロシア知識人の系譜を継いでいる、といったらよいだろうか。9・11のニューヨーク・テロを題材としたヴァイオリン・ソナタの。諏訪内晶子とボリス・ベレゾフスキーによるヴァイオリン・ソナタの世界初演が中止になってしまったのは残念であったが、この初の作品アルバムによって注目が集まるのは必至であろう。「24の前奏曲」はすべての長・短調のために書かれた技巧的な作品で、すでに鬼才ノイマイヤーの目にとまり、バレエ化が予定されているとのこと。未来のノーベル賞作家の音楽作品を「先物買い」しておくのもよろしいのでは? | |||
アルベニス:ピアノ作品全集 Vol.4 「イベリア」第4集 Torres 105 /6つの小ワルツ T.47 / ピアノ・ソナタ第3番 T.69 /古風な組曲第1番 T.62 /アラブのセレナード T.60 ミゲル・バセルガ(P) | |||
録音:2002年5月。#2021年7月、 BIS-2613 (9CDs) で全集化。 | |||
ニコス・スカルコッタス(1904-1949): 室内楽作品集 2つのヴァイオリンのための協奏曲 オーボエ、トランペット、 ファゴットとピアノのための四重奏曲 オーボエとピアノのための小協奏曲 トランペットとピアノのための小協奏曲 オーボエ、トランペット、ファゴットと ピアノのためのタンゴとフォックストロット ファゴットとピアノのための協奏的ソナタ |
千々岩英一、 ニーナ・ジンバリスト(Vn) アレクセイ・ オグリンチュク(Ob) エリク・オビエ(Tp) マルク・トレネル(Fg) ニコラオス・サマルタノス、 フリストフ・シロドー(P) | ||
シェーンベルクの弟子で、ギリシャにおける十二音技法の創始者であるスカルコッタスの演奏困難な作品に新たな光を当てるアルバム。 | |||
エイミー・ビーチ(1867-1944):作品集 法悦 Op.19 No.2(ソプラノ、ヴァイオリンとピアノのための)/ 愛の歌(ソプラノ、チェロとピアノのための)/ 蜃気楼 Op.100 No.1(ソプラノとピアノ三重奏のための)/ 星空の旅人 Op.100 No.2(ソプラノとピアノ三重奏のための)/ ランデヴー(ソプラノ、ヴァイオリンとピアノのための)/ 3つのブラウニングの詩 Op.44/ (ソプラノ、ヴァイオインとピアノのための)/ ロマンス(ヴァイオリンとピアノのための)/ 3つのシェイクスピア歌曲 Op.37/ ピアノ三重奏曲イ短調 Op.150/愛する者のそばに Op.35 No.3/ 暗黙の愛 Op.51 No.1/われら3人 Op.51 No.2/ 小鳥に聞いてみましょう Op.51 No.4/ カンツォネッタ Op.48 No.4/彼女と私 Op.21 No.3 |
エマ・カークビー(S) ロンドン・ロマンティック・ 室内グループ | ||
カークビーが話題の女性作曲家に挑戦。美しい作品が彼女の美声によってさらに魅力を増す。チェロ・パートはロンドン・バロックのチャールズ・メドラムが担当。 | |||
ヘイニオ:歌劇「騎士と龍」(1999/2000) | ヘレナ・ユントゥネン(S) ルーニ・プラッタベリ(B) 他 ウルフ・セデルブロム指揮 トゥルクpo. トゥルク歌劇場cho. | ||
フィンランドのトゥルク市大聖堂建立700年を記念して、聖ゲオルギーの伝説に基づくオペラ。光と陰が作曲の基調となっている。 | |||
アレクサンドル・チェレプニン(1899-1977): ピアノ協奏曲第2番 Op.26(*) ピアノ協奏曲第4番「幻想曲」Op.78(*) 交響的祈り Op.93/偉大なる聖母 Op.41 |
小川典子(P;*) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
伊福部昭や松平頼則の師として日本のクラシカル音楽界に多大な貢献をしたA.チェレプニン。3年前にBISからリリースされた交響曲全集は隠れたベストセラーになっている。 今回のメインは2つのピアノ協奏曲だが、小川はまさに適任だったようで、これまでの彼女のどの録音よりも雄弁で華麗な演奏を聴かせてる。ロシア的蛮性とエネルギーに満ちた第2番、 曲全体が桃源郷を思わせる中国的色彩に満ちた第4番、ともに絶品。 | |||
古典派のトロンボーン協奏曲集 ミヒャエル・ハイドン: トロンボーン協奏曲 ニ長調(1764) ワーゲンザイル:トロンボーン協奏曲 変ホ長調 アルブレヒツペルガー:トロンボーン協奏曲 変ロ長調 レオポルト・モーツァルト: トロンボーン協奏曲 ニ長調(1755) [ボーナス・トラック] リンドベリ:アルカンディアの夢(*) マッツ・ラーション・グーテ:前奏曲と舞曲(*) |
クリスティアン・ リンドベリ(A-Tb) リチャード・トニェッティ指揮 オーストリアco. シャロン・ベザリー(Fl;*) クリスティアン・リンドベリ 指揮スウェーデンco.(*) スウェーデン管楽アンサンブル(*) | ||
トロンボーンの超人クリスティアン・リンドベリが久しぶりに古典派作品に取り組んだ。ここに挙げられている作品は、かねて日本のファンからも録音を強く希望されていたもので、
それがやっと実現したことになる。自在な名人芸は健在なうえ円熟味も加わり、まさにいぶし銀の芸術。どの曲もリンドベリが慎重に研究、校訂した結果が反映され説得力満点。 ボーナス・トラックに収められているのは、リンドベリのBISデビュー20周年である2004年リリース盤の予告編だったもの。 | |||
エルヴィン・シュルホフ(1894-1942): ピアノ作品集 ジャズによる舞踊組曲 WV.98(1931)/ ピアノ・ソナタ第1番 WV.69(1924)/ 5つのジャズ・エチュード集 WV.81(1926)/ 第2組曲 WV.71(1924)/ エルフ・インヴェンション WV.57(1921)/ ホット音楽 WV.92(1928) |
キャスリン・ストット(P) | ||
ナチスにより「頽廃音楽作曲家」と決め付けられたシュルホフの再評価は近年著しい。これはジャズの語法で書かれたピアノ曲を、イギリスの人気女流ピアニスト、 ストットが抜群のセンスを生かして弾いたアルバム。 | |||
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ Vol.1 [第2番(1930)/第3番(1938)(*)/第4番(1941)] |
ロベルト・ミンチュク指揮 サンパウロso. ジャン=ルイ・ シュトイアマン(P) | ||
本場ブラジルの音楽家によるシリーズ第1弾。さすがお国もの、独特の「暑さ」は過去のどの録音でも感じられなかったものだ。事実上ピアノ協奏曲である「第3番」ではブラジルの実力派シュトイアマンが華麗な妙技を繰り広げている。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.18 [第66番「喜べ、汝らの心」BWV.66/ 第134番「イエスの存在知りし者は」BWV.134/ 第67番「イエス・キリストを記憶にとどめよ」BWV.67] |
ロビン・ブレイス(A) 櫻田 亮(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明 指揮 バッハ・ コレギウム・ジャパン | ||
復活祭用の3篇を収めた盤。とても明るく喜ばしさに満ちた演奏。名人 島田俊雄氏のトランペットが華やかさに彩りを添える。 | |||
ゲイル・トヴェイト(1908-1981): ピアノ協奏曲第5番 Op.156 ハルダンゲル民謡による 2台のピアノと管弦楽のための変奏曲(*) |
ニルス・モーテンセン(P) スヴェイヌング・ビェランズ(P;*) ウーレ・クリスチャン・ ルード指揮スタヴァンゲルso. | ||
グリーグに次ぐノルウェーの作曲家でピアノの名手でもあったトヴェイトのピアノ協奏作品集。 | |||
リスト: ピアノソナタ ロ短調/葬送〜詩的で宗教的な調べより/ スペイン狂詩曲/オーベルマンの谷 |
アルナルド・コーエン(P) | ||
録音:2003年7月4-7日、旧ストックホルム音楽アカデミー。 ブラジル出身のヴィルトゥオーゾ、アルノルド・コーエンの真骨頂というべきリスト作品集。無類のテクニシャンながら、独特の骨太な音楽が魅力。 | |||
メンデルスゾーン: 弦楽五重奏曲第1番 イ長調 Op.18/第2番 変ロ長調 Op.87 |
ロバート・マン(Va) メンデルスゾーンSQ | ||
BISSA-1254 (HYBRID_SACD) 廃盤 | |||
ジュリアードSQでの活動で知られるマンが参加した録音。 | |||
ジュゼッペ・マルトゥッチ(1856-1909): 交響曲第1番 ニ短調 Op.75(1888/1895)/ 交響曲第2番 ヘ長調 Op.81 |
ケース・バケルス指揮 マレーシアpo. | ||
イタリア器楽派の大物マルトゥッチの交響曲は、トスカニーニが愛奏していたことで知られる、ブラームス風のがっしりとした力作で、聴き応えじゅうぶん。マレーシアpo.の熱演も聴きもの。 | |||
ショスタコーヴィチ: フィンランド主題による組曲 〜ソプラノ、テノールと小管弦楽のための(1939)(*) 弦楽のための交響曲Op.118a (弦楽四重奏曲第10番のバルシャイによる編曲)(#) 弦楽のための交響曲Op.110b (弦楽四重奏曲第8番のバルシャイによる編曲) |
アヌ・コムシ(S;*) トム・ナイマン(T;#) ユハ・カンガス指揮 オストロボスニアco. | ||
研究家の間でも未知の作品「フィンランド主題による組曲」の世界初録音が注目。1939年にレニングラード軍管区の委嘱で作曲&演奏されたらしいが、その後完全に忘れられて作品表にも載っていない。フィンランド民謡に基づいている曲だが、ロシアとフィンランドは地理的にごく近い上、彼はシベリウスを尊敬していたので興味津々。ショスタコ・ファンは無視できない。 | |||
グリーグ:歌曲全集 Vol.4 5つの詩 Op.26/12の詩 Op.33/わたしの小さな鳥(1865)/ こけもも/教会へ彼女は歩いていった(1864)/ オダリスクの歌(1870)/ハマルの廃墟にて(1880)/ トンスベリの副領事へ(1873)/他 |
モニカ・グロープ(S) ロジャー・ ヴィニョールズ(P) | ||
Op.33には「二つの悲しい旋律」の原曲を含む。中でも作品番号無しの曲の録音は珍しく、CDで聴けるのは全集ならでは。 フィンランドの若手実力派グロープ(グループ)は近年FINLANDIA等にも録音を増やしている。 | |||
メトネル:ピアノ協奏曲全集 [第1番 Op.33(*)/第2番 Op.50(*)/ 第3番 Op.60「バラード」]/ ピアノ・ソナタ Op.22/ソナタ「回想」/悲劇的ソナタ |
ジェフリー・ダグラス・マッジ(P) イリヤ・ストゥペル指揮(*) アルトゥール・ ルビンシテインpo.(*) | ||
ここ数年録音が急増しているメトネルだが、ついにBISも触手を伸ばし始めた。起用されたのはブゾーニ、ゴドフスキ、ソラブジといった超難曲を専門に録音しているマッジ。これだけ収録されて1枚分の価格とはなんともお買い得。 | |||
ペザリーのフルート大百科2 B−C ボワモルティエ:第1組曲 ホ短調(1731) スヴェン=エーリク・ベック: 無伴奏フルート・ソナタ(1949) イェヘツキエル・ブラウン: フルート・ソナタ(1955/1987) ダニエル・ベルツ:淡彩画(2001) エリオット・カーター:風に書く(1991) カルディーニ: セレマのホット・マシーンOp.33(1986) グロリア・コーツ:月にとどけ(1988) レオンハルト・フォン・カル:ファンタジアI |
シャロン・ペザリー(Fl) | ||
バロックから現代まで、ブレスを感じさせない美音が魅力。 | |||
プロコフィエフ: ピアノ・ソナタ第1番 Op.1/ ピアノ・ソナタ第6番 Op.82/ ピアノ・ソナタ第7番 Op.83 トッカータ Op.11/練習曲 Op.2 No.1 |
フレディ・ケンプ(P) | ||
大半が速くメカニカルな作品を、ケンプが何の曖昧さもなくスポーツ的爽快さで弾き切る。 | |||
バッハ:カンタータ全集 Vol.19 [第18番「まことに。まことに、われ汝らに告ぐ」 BWV.86/ 第37番「信じて洗礼を受けし者は」 BWV.37/ 第104番「汝イスラエルの羊飼いよ、聞け」 BWV.104/ 第166番「汝いずくにか行くや」 BWV.166] |
野々下由香里(S) ロビン・ ブレイズ(CT) 櫻田亮(T) ステファン・ マクラウド(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・ コレギウム・ジャパン | ||
1724年4月から5月にかけて作曲されたカンタータを収録。第86番の、バラの園を暗示させる部分における若松夏美のヴァイオリン・ソロがきわめて美しい。 | |||
ハーラル・セーヴェルー(1897-1992): 交響曲第2番 Op.4(1934年版)/同第4番 Op.11/ ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス Op.23a(*)/ 夏の夜の舟歌 Op.16 No.6/50の小変奏曲 Op.8 |
カトリーネ・ブヴァルプ(Vn;*) ウーレ・クリスチャン・ルード指揮 スタヴァンゲルso. | ||
現代ノルウェー音楽を代表する作曲家セーヴェルーの第7弾。後期ロマン派的な交響曲第2番をはじめ、親しみやすい作品が集められている。 | |||
モーツァルト: クラリネット協奏曲 イ長調K.622/ クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581 |
マルティン・フレスト(Cl) ペーテル・ウンジャン指揮 アムステルダム・ シンフォニエッタ、 ヴェルターヴォSQ | ||
モーツァルト最晩年の清らかな世界をスウェーデンの若手フレストが奏でている。対抗盤の多い名作だが、フレストの歌ごころと弱音の美しさは特筆できる。 | |||
ハーバード・コンポーザーズ ウォルター・ピストン(1894-1976): 弦楽四重奏曲第1番(1933) レオン・カークナー(1919-): 弦楽四重奏曲第2番(1958) アール・キム(1920-1998): ソプラノと弦楽四重奏のための 3つのフランス語歌曲(1989)(*) バーナード・レインズ(1935-): 弦楽四重奏曲第2番(1994) マリオ・ダヴィドフスキー(1934-): 弦楽四重奏曲第5番(1998) |
メンデルスゾーンSQ ルーシー・シェルトン(S;*) | ||
アメリカ合衆国の名門ハーバード大学は、収録作品の作曲者たちを教授として招くなどして音楽文化にも貢献している。このアルバムは、同校のレジデント・ミュージシャンであるメンデルスゾーンSQが、この系譜の作曲家の65年にわたる弦楽四重奏曲を演奏したもの。 | |||
シベリウス: スネフリード Op.29(語り手、混声合唱と管弦楽のための)/ 序曲 イ短調(1902)/ ニコライ2世の戴冠式のためのカンタータ(1896)/ 組曲「恋する人」Op.14/ カンタータ「わが祖国」Op.92/ アンダンテ・フェスティヴォ |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. ユピラーテcho. | ||
合唱を含むシベリウスの比較的珍しい作品を集めたアルバムで、どれもシベリウスならではの音世界にひたれる。さらに嬉しいのが、ヴァンスカ初の「アンダンテ・フェスティーヴォ」。シベリウス・ファンの多くが最愛の曲とみなすこの曲をヴァンスカとラハティがどう料理しているか聴きもの。 | |||
モーツァルト:変奏曲全集 | ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
既発売のピアノ独奏作品全集から変奏曲のみをまとめたお徳用セット。 | |||
誕生、指揮者リンドベリ アルヴェーン(ヘグステット編): 「山の王」組曲/祝典序曲 Op.26 ヴァレーズ(チュウ・ウェンチュン編):アンテグラル マッツ・ラーション・グーテ:前奏曲と舞曲 クリスチャン・リンドベリ: ブラスと打楽器のための協奏曲(2002/3) |
クリスチャン・リンドベリ指揮 スウェーデン・ ウィンド・アンサンブル | ||
トロンボーンの超人リンドベリがついに指揮者デビュー。コンサートでは2000年デビュー以来しばしば指揮台に上ってきたが、CDは初。作曲もこなすスコアの読譜力と、団員の心を掴むカリスマ性、大らかな音楽性は今後指揮者に化ける可能性大。今回はウィンド・オーケストラで、彼の知識が万全に活かされている。 | |||
ジェイムズ・マクミラン:室内楽作品集 弦楽四重奏曲第1番「小春日和の光景」(1990/91)/ 弦楽四重奏曲第2番 「どうして今夜は違うんですか」(1998)/ 弦楽四重奏のための「メメント」(1994)/ クラリネットと弦楽のための「哀歌」(1991) |
ロバート・ ブレイン(Cl) エンペラーSQ | ||
BISが力を入れるマクミランの第5弾。いつもどおり霊的要素の強い音楽。 | |||
ヒストリック・サクソフォン ドゥメルスマン:自主主題による幻想曲/ ソロ第1番(アンデンテとボレロ)/ ソロ第2番(カヴァティーナ) サヴァリ:魔弾の射手のモチーフによる幻想曲 ジュナン: スペイン主題による変奏曲(コンクール用ソロ) サンジュレー: カプリス/幻想曲/協奏曲/ソロ・ド・コンセール アルバン:奇想曲と変奏 レオン・シック:チロリアンヌによるソロ クローゼ:ダニエル |
クロード・ドゥラングル(Sax) オディル・ドゥラングル(P) | ||
サクソフォンは1846年に発明された歴史の新しい楽器。この楽器創生期の古典名作(すべてオリジナル)を集めた好企画。それも名人ドゥラングルの演奏なのだから大歓迎。 モダンなイメージのある楽器ながら、こうしたロマンティックな音楽や技巧的なショウピースも十分にこなせるのが驚き。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.20 [第184番「待望みたる喜びの光りぞ」BWV.184/ 第173番「高められし肉と血と」BWV.173/ 第59番「われを愛する者は、わが言葉を守らん」BWV.59/ 第44番「かれらは汝らを追放せん」BWV.44] |
野々下 由香里(S) 波多野 睦美(A) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木 雅明指揮 バッハ・コレギウム・ ジャパン | ||
BCJのカンタータ・シリーズも全60巻のうち、3分の1が終了。最初の3篇が精霊降臨祝日週間(クリスマス週間)用に、第44番が昇天後の主日用に書かれた作品である。 | |||
シベリウス:ピアノ曲全集 Vol.3 ピアノ・ソナタ ヘ長調 Op.12/6つの即興曲 Op.5/ カレリア組曲 Op.11〜[間奏曲/バラード]/森の精 Op.15/ 悲しき行進曲 JS.124/メヌエット 変ロ長調/ワルツ 変ニ長調/ アレグレット ヘ長調 JS.23/カプリッチョ 変ロ短調/ レント ホ長調 JS.119/アレグレット ト短調 JS.225/ カプリス Op.24 No.3(初版)/アンダンティーノ Op.24 No.7/ メヌエット 変ロ長調/アレグロ ト短調/カヴァリェーレン JS.109 |
フォルケ・グラスベック(P) | ||
シベリウスの未発表ピアノ曲をすべて録音するシリーズの第3弾。いずれも珍しいものだが、管弦楽曲として有名な「カレリア組曲」の間奏曲とバラード、さらに「森の精」のシベリウス自身によるピアノ版が入っているの驚き。実に魅力的なピアノ曲になっている。 | |||
チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 Op.36 幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」 Op.32 |
ホセ・セレブリエール指揮 バンベルクso. | ||
BISにしては意外な一般的レパートリーでバンベルクso.はこのレーベル初登場。 | |||
ロシアのブラス リャードフ: ファンファーレ[第1番/第2番/第4番] グラズノフ: ファンファーレ[第3番/第5番]/教会旋法で ベーメ: トランペット六重奏曲 変ホ長調 Op.30/ 夜の音楽 Op.44 No.1 リムスキー=コルサコフ:夜曲 ハチャトゥリアン:祝典ファンファーレ デニーソフ:6つの小品 |
ヘルマン・ボイマー指揮 ブラス・パートアウト | ||
ベーメをのぞきロシア作曲家による金管のための作品を収録。ロシアの管弦楽曲には金管の咆哮がつきものだが、金管アンサンブル曲はなぜか多くない。 | |||
フランソワ・クープラン: パルナッソス山、またはコレッリ讃 リュリ賛/スルタン妃/スタンケルク |
ロンドン・バロック | ||
フランソワ・クープランはフランス音楽に積極的にイタリアの様式を導入したことで知られており、その精神に則った題名からしてユニークな傑作をいくつも残している。コレッリ讃は、イタリアの大ヴァイオリニスト、アルカンジェロ・コレッリがミューズに導かれてパルナッソス山のアポロの元へ行く、という表題。その続編リュリ讃では、今度はリュリがパルナッソス山に導かれる。どちらの作品でもイタリア流儀のトリオ・ソナタが重要な働きをしている。 | |||
ドヴォルザーク: チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104(*)/ 交響詩「水の魔物」 Op.107/ 序曲「謝肉祭」 Op.92 |
トルレーヴ・テデーン(Vc) キース・ベイクルス指揮 マレーシアpo. | ||
1998年に創設されたマレーシアのオーケストラが予想外とも思える爆演を聴かせる。 | |||
ファンタシティック〜すばらしいフィンランド音楽 シベリウス:フィンランディア讃歌(混声合唱のための) ブラスのためのアンダンティーノ/レミンカイネンの歌 Op.31 No.1 チェロとピアノのためのロマンス Op.78 No.2 交響曲第6番〜スケルツォ ノルドグレン:世界中が嘆くことだろう Op.26b コッコネン:鳥の冥府から/レクイエム〜サンクトゥス、ベネディクトゥス クラミ: 小管弦楽のための組曲 Op.37〜軍隊行進曲/スオメンリンナ序曲 Op.30 ラウタヴァーラ:田舎教師の肖像 Op.1 アホ:蟲の交響曲(交響曲第7番)〜蝶々 クルーセル:クラリネット四重奏曲第1番〜ロマンス |
さまざまな演奏家たち | ||
既発売音源編集盤。フィンランド音楽入門に最適。 | |||
スンレイヴ・ラスムッセン(1961-):作品集 サラウンデッド(2000)/北極(1998)/ モザイク集(1999)/献呈(1995)/哀しみと喜び |
ヘレーネ・イェリス(Ms) グズムンドゥル・オリ・ グンナルソン指揮 カプト・アンサンブル | ||
デンマーク領ながら独自の文化を持つフェロー諸島。この地を代表する若手作曲家スンレイブ・ラスムッセンは、北欧系ながらどことも異なる作風が魅力。 中でもフェロー民謡を多用した「モザイク集」はお勧めの曲。カプト・アンサンブルは1987年創立のアイルランドの室内オーケストラ。 | |||
ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 Op.27 | オーウェン・ アーウェル・ヒューズ指揮 ロイヤル・スコティッシュ・ ナショナルo. | ||
小川典子のピアノによるラフマニノフの協奏曲で好伴奏をみせたヒューズ&RSNOによる交響曲。近年人気が出ている曲だが、イギリス的な格調の高さで迫る。 | |||
アントニオ・フランシスコ・ブラーガ(1868-1945): 悪夢(1895)/ 歌劇「ジュピーラ」(1900初演、イタリア語)(*) |
エリアーネ・ コエージョ(S;*) ロザーナ・ラモーサ(S;*) マリオ・カハーラ(T;*) フィリプ・ジョル(Br;*) ジョン・ネシュリング指揮 サンパウロo.&cho. | ||
ブラジルのオペラ作曲家としてはゴメスに注目が集まっているが、リオデジャネイロ生まれのブラーガも重要。パリでマスネに師事した後ドイツ語圏で活躍し、 バイロイト音楽祭で助手を務めたこともあった。「ジュピーラ」(*)はドイツで上演するために書かれたものの果たせず、ブラジル帰国後にリオデジャネイロで初演された、 マスネ風プラスちょっぴりワーグナー調の美しいオペラ。「悪夢」はパリで発表された後期ロマン派的管弦楽作品。指揮者シュネリングはリオデジャネイロ生まれのオーストリア系で、 バーンスタインの弟子。歌手ともども高水準の演奏を聴かせる。 | |||
HK.グルーバー:喉開陳(2000) ダニエル・ベルツ:ペインティング(2000) ポウル・ルーザス:ルヴェイユ&ルトラ(2003) ロバート・ヘンダーソン:変奏楽章(1967) ロビン・ホロウェイ:無伴奏トランペットソナタ(1999) |
ホーカン・ハーデンベルガー(Tp) | ||
名トランペット奏者ハーデンベルガー久々の新譜。大半が彼のために書かれた作品で、グルーバーの「喉開陳」は単音楽器であるトランペットにポリフォニックな音楽をさせているそうだ。ハーデンベルガーだからできる名人芸にひたることが出来る。 | |||
シベリウス:ピアノ三重奏曲全集 Vol.1 2つのヴァイオリンとピアノのための 三重奏曲 ト長調 JS.205(1883)/ メヌエット ニ短調(1882/1885)/ メヌエット ヘ長調 JS.126(1883)/ アンダンテ、アダージョと アレグロ・マエストーソ(1883/1885)/ ピアノ三重奏曲 イ短調 JS.206(1884)/ モデラート イ短調(1885)/ アレグロ ハ長調(1885)/ アレグロ ニ長調 JS.27(1886)/ アンダンティーノ イ長調(1886)/ ピアノ三重奏曲 イ短調 JS.207(1886) |
ヤーッコ・クーシスト、 サトゥ・ヴァンスカ(Vn) マルコ・イーロネン(Va) フォルケ・グレスベック(Vc) | ||
シベリウスが書いたピアノ三重奏のための全作品を録音する、BISならではの企画のスタート。当巻は作曲者10代後半から20歳までの習作(ほとんどが断章)を収録。後年の作風の萌芽やシベリウスらしいメロディも散見される。 | |||
チャイコフスキー:管弦楽作品集 幻想曲「運命」Op.77/サマーリンのための悲歌/ スラヴ行進曲 Op.31/ アンダンテ・カンタービレ(セレブリエール編曲)/ イタリア奇想曲 Op.45/序曲「1812年」 |
ホセ・セレブリエール指揮 バンベルクso. | ||
優秀録音のBISから「1812年」が登場。当然ながらカノン砲炸裂につきヘッドホンでの鑑賞は危険。 セレブリエールはウルグアイの生まれだが、両親はロシア系とポーランド系、またストコフスキーに 高く評価されていたので、収録曲のような音楽にはまさにうってつけといえよう。 | |||
ニルセン:ヴァイオリン作品集 ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 Op.9/ ヴァイオリン・ソナタ第2番 ト短調 Op.35/ 前奏曲、主題と変奏曲 Op.48/ 前奏曲とプレスト Op.52 |
ゲオルギス・ デメルツィス(Vn) マリア・ アステリアドゥ(P) | ||
あまり演奏される機会のないニルセンのヴァイオリン曲だが、旋律的な魅力にも欠けていない。スカルコッタスの作品集で好演を聴かせたギリシャの若手デメルツィスがハイフェッツばりのヴィルトゥオジティを発揮している。 | |||
チューバの謝肉祭 バーズヴィク:Fnugg(2002) ヴィヴァルディ:「四季」〜冬 グリーグ:アニトラの踊り/ノルウェー舞曲第1番 アリルド・プラウ:チューバ協奏曲(1990) ルンデン=ヴェルデン:ケシュ・ジグ トーマス・スティーヴンス: 古風な様式による変奏曲(バッハによる) アーバン:ヴェネツィアの謝肉祭 モンティ:チャルダーシュ |
エイステイン・ バーズヴィク(Tu) ビェルン・サグスター指揮 ムジカ・ヴィタエ | ||
ソロ楽器としてはあまり日のあたらないチューバに驚愕の奏者が出現。ノルウェー出身のエイステイン・バーズヴィクは2002年に来日してチューバ界を騒がせたが、 1991年にジュネーブ国際コンクールでふたつの賞を受賞という実力派。さらに自作FNUGGではノルウェーの民族音楽とオーストラリアのアボリジニの楽器ディジリドゥを模した不可思議な世界を創り出している。 腕とエンターテイメント性を兼ね備えたチューバの星の登場だ。 | |||
シベリウス:交響曲全集 第1番 Op.39/第2番 Op.43/第3番 Op.52/第4番 Op.63 第5番 Op.82(オリジナル版)/第5番 Op.82(現行版) 第6番 Op.104/第7番 Op.105/交響詩「タピオラ」 Op.112 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
シベリウスの交響曲解釈に新たなスタンダードを打ちたてたヴァンスカ&ラハティによる全集セット。話題を読んだ第5番オリジナル版に「タピオラ」まで加わって特別価格。 | |||
ニルセン: 交響曲第2番Op.16「四つの気質」/ 交響曲第5番Op.50 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 BBCスコティッシュso. | ||
カマルゴ・グアルニエリ(1907-1993):交響曲集 Vol.2 交響曲第1番(1944)/交響曲第4番(1963)/祝祭序曲(1971) |
ジョン・ネシュリング指揮 サンパウロso. | ||
カマルゴ・グアルニエリはブラジル民族楽派の作曲家だが、適度に20世紀風味付けも見られる。交響曲第1番はクーセヴィッツキーに、第4番はバーンスタインに献呈されているが、 どちらも世界初録音。 | |||
グリーグ: ノルウェー舞曲集o.35/交響的舞曲集 Op.64/ 抒情組曲 Op.54 |
ウーレ・クリスチャン・ ルード指揮 ベルゲンpo. | ||
グリーグの地元オーケストラによる新シリーズ第2作。 | |||
シベリウス:ピアノ三重奏曲全集 Vol.2 ピアノ三重奏曲 ニ長調 JS.209(1887)/ アンダンティーノ ト短調 JS.43(1887/8)/ アレグレット 変イ長調(1887/8)/ ピアノ三重奏曲 ハ長調 JS.208(1888)/ アレグロ ニ短調(1889;アレヴィ・アホ補筆完成版)/ アレグレット 変ホ長調 (1891/2;ヤーッコ・クーシスト補筆完成)/ アラ・マルチア ハ長調(1892/5) |
ヤーッコ・クーシスト(Vn) マルコ・イロネン(Vc) フォルケ・グラスベック(P) | ||
全曲世界初録音。全集完結篇。ほとんどの曲はシベリウスならではの雰囲気をたたえた作品だが、唯一「アラ・マルチア」はシベリウス的なところのまったく無い、 サン=サーンスの「動物の謝肉祭」のような音楽。これは珍品。 | |||
ハイドン:ピアノ・ソナタ全集 Vol.9 [第1番−第20番] |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
すべて長調で書かれた初期の作品集。 | |||
シベリウス〜コイヴサロの映画音楽から シベリウス: フィンランディアOp.26/ 「交響曲第1番」〜第1楽章&第2楽章/ 「ヴァイオリンとピアノのための組曲」 〜アレグロ・モルト(*/#) 間奏曲 ハ短調(#)/マエストーソ ハ短調(*/#)/ ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調〜アンダンテ(*/#)/ 「カレリア組曲」〜行進曲風に/ トゥオネラの白鳥Op.22-2/悲しきワルツOp.44-1/ 「交響曲第2番」〜第1楽章/ アンダンテ・フェスティーヴォ(+) |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. ヤーッコ・クーシスト(Vn;*) ファルケ・グレスベック(P;#) | ||
(+)のみ新録音。近年日本でも人気の高いフィンランド映画。若手監督ティモ・コイヴサロの最新作はシベリウスの生涯を描いた映画で、サウンドトラックとしてこのCDが使用されている。 ほとんどがコンピレーションだが、映画のために「アンダンテ・フェスティーヴォ」が新たに録音された。有名曲が多くシベリウス入門用にも好適。 | |||
ラロ:管弦楽作品集 チェロ協奏曲 ニ短調(*) 交響曲 ト短調/バレエ「ナムーナ」から |
トールライフ・テデーン(Vc;*) キース・バケルス指揮 マレーシアpo. | ||
有名なわりに「スペイン交響曲」以外あまり聴く機会のないラロの作品だが、豊富なメロディーと独特のエキゾチックな色彩は魅力。マレーシア・フィルの予想外な巧さが驚き。 | |||
ブルックナー:ピアノ独奏曲全集 秋の夕べの静かな思い(1864)/ シュタイアルメルカー(1850頃)/ ランシエ=カドリユ(全4曲)(1850頃)/ ピアノ曲 変ホ長調(1856頃)/ 幻想曲 ト長調(1868)/思い出(1868頃)/ ピアノ・ソナタ ト短調〜第1楽章(1862)/ 交響曲第7番のアダージョ(オリジナル・ピアノ版) |
白神典子(P) | ||
国内盤が朝日新聞の「クラシック試聴室」(2001年12月)でも選ばれた白神典子のブルックナー「ピアノ独奏曲全集」の輸入盤。交響曲史上の大物で、およそピアノのイメージから遠いブルックナーに、こんな愛らしい小品があったとは意外な驚き。シューベルトを思わせる親しみやすいものばかりで、あくまでもピアノ的にさらりと書かれている。興味深いのが、交響曲第7番のあの絶美なアダージョのオリジナル・ピアノ版。オーケストラ版を聴くのとは全く違った印象を与えてくれる。白神が聴かせる純ドイツ的なピアノも聞き物だが、さらに「ウェルクマイスターIII」という非平均調律法を用いているのにも注目。 | |||
アトリ・インゴウルヴソン(1962-): 弦楽四重奏のための「小妖精のアクセント」(1998)/ エレクトロニクスのための「スラッシュ」[1−4]/ 恐怖の的 (2000)/HZH(弦楽四重奏曲第1番)(1999)/ 叫びの距離 (1996)/ クラリネットとサンプリング・ピアノのための 「フレクテ・ラピスII」(1998) |
アトリ・インゴウルヴソン (エレクトロニクス) グヴズ・フランソン(Cl) マッシミリアーノ・ ヴィエル(キーボード) アルディッティSQ カプート・アンサンブル | ||
アイスランドの作曲家アトリ・インゴウルヴソン。作曲者自身が録音・編集に大きく絡んでいるディスクで、代理店曰く「凄いオーディオ効果を発揮しています」「これは面白い音響効果。オーディオ・ファン必聴」 | |||
ラフマニノフ: 交響曲第3番 イ短調 Op.44/ ユース・シンフォニー(1891)/ ヴォカリーズ(作曲者編曲) |
オーウェン・ アーウェル・ヒューズ指揮 ロイヤル・スコティッシュ・ ナショナルpo. | ||
交響曲第2番に続くヒューズのラフマニノフ第2弾。ユース・シンフォニーはモスクワ音楽院時代の習作で1楽章しかないが、若者らしいナイーヴな感性に満ちた佳作。 | |||
武満徹: ア・ストリング・アラウンド・オータム(1989)(*)/ ウォーター・ドリーミング(1987)(+)/ ア・ウェイ・アローンII(1981)(#)/ リヴァラン(1984) |
フィリップ・ デュークス(Va;*) シャロン・ペザリー(Fl;+) 小川典子(P;#) 尾高忠明指揮 BBCウェールズ・ ナショナルo. | ||
尾高による武満第3弾。豪華ソリストたちとの共演が聴きもの。 | |||
プロコフィエフ: バレエ音楽「ロメオとジュリエット」 [第1組曲/第2組曲/第3組曲] |
アンドルー・リットン指揮 ベルゲンpo. | ||
名指揮者アンドルー・リットンが BIS 初登場。それもベルゲン・フィルとの共演というのが興味津々。曲は Softbank のCFで使われて人気が出たプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」。グリーグで名を売った同オケだが、プロコフィエフでも絶妙なリズム感を聴かせてくれる。 | |||
チャイコフスキー: ピアノ三重奏曲 イ短調 Op.59 「偉大な芸術家の思い出のために」 ラフマニノフ: ピアノ三重奏曲第1番 ト短調「悲しみ」(1892) |
ケンプ・トリオ [フレディ・ケンプ(P) ピエール・ バンセー(Vn) アレクサンダー・ チャウシャン(Vc)] | ||
人気ピアニスト、フレディ・ケンプが盟友二人と結成、2003年に来日予定もあるケンプ・トリオのデビュー盤。ラフマニノフの作品は19の時に書かれたもので、 若々しい演奏が音楽に輝きを与えている。 | |||
末吉保雄:ミラージュ 石井眞木:サーティーン・ドラムス 三善晃:風紋 小櫻秀樹:ジョハリ 一柳慧:森の肖像 三木稔:マリンバの時 |
竹原美歌(Perc) | ||
安倍圭子の弟子にしてスウェーデン在住の若手パーカッショニスト竹原美歌、邦人作品でBISデビュー。非常に和風で、日本人なら癒されること間違いない世界。 千手観音を思わせるジャケットも奇抜。 | |||
モーリス・デュリュフレ(1902-1986): オルガン作品全集 ソワッソン大聖堂の カリヨン時計の主題によるフーガ Op.12/ 前奏曲、アダージョとコラール 「来たれ、創造主」の主題による変奏曲 Op.4/ 顕現日のイントロイトゥスによる前奏曲 Op.13/ アランの名による前奏曲とフーガ Op.7/ スケルツォ Op.2/瞑想曲/組曲 Op.5 |
ハンス・ファユス(Org) | ||
透明度の高いヒーリング音楽的作風で人気の高いデュリュフレ。コンポーザー=オルガニストでありながら、自作に対して厳格であった彼が残したオルガン作品は少ないが、 それらはすべて珠玉の輝きを放つ名作である。 | |||
ビゼー: 「アルルの女」第1組曲/「アルルの女」第2組曲/ カルメン(セレブリエル編) |
ホセ・セレブリエル指揮 カタルーニャ国立バルセロナso. | ||
セレブリエルがオーケストラのみ用に編曲した「カルメン」が聴きもの。スペインのオーケストラがむせかえるように濃厚な色彩を見せる。 | |||
カイクシュルー・ソラブジ(1892-1988): ピアノ作品集 ヴェネツィア散歩 (オッフェンバックの「ホフマンの舟歌」による)/ ピアノと管弦楽のための交響的変奏曲 (ショパンのピアノ・ソナタ第2番の終楽章による) 〜第56変奏(ピアノ独奏版)/ ハバネラ風に Op.8/ スペイン狂詩曲(ラヴェル原曲)/ ショパンの「小犬のワルツ」による 気まぐれなカプリッチョ/ バッハの「半音階的幻想曲」と別のフーガを チェンバロ技巧の見地で現代ピアノに応用した トランスクリプション |
マイケル・ヘーバーマン(P) | ||
ポスト・ゴドフウスキとして今ピアノ・マニアが最も強い感心を向けている作曲家、ソラブジ。インドの血を引く彼は、演奏不可能と思われる曲をたくさん書き、さらに公開演奏を禁じたが、その猟奇的なまでに複雑な音楽にはある種の麻薬性があり、それは他人の作品に基づく編曲作品においても変わらず、原曲はそれをたどることが不可能なほど変容させられ、きわめてソラブジ的な音楽に変貌している。このような破天荒な作風ながら、音楽自体がきらめくように美しいのもさらなる魅力である。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲 Vol.13 ソナチネ ヘ長調 H.463/ピアノ協奏曲 ニ短調 H.425/ ソナチネ ハ長調 H.457 |
ミクローシュ・シュパーニ(タンジェントP) ペーテル・スツ指揮 コンチェルト・アルモニコ | ||
欧米で非常に評価の高いシリーズの第13弾。エマヌエル・バッハならではの活気と激越ぶりがショッキング。 | |||
グラズノフ:交響曲全集 Vol.1 交響曲第2番 嬰ヘ短調 Op.16/マズルカ ト長調 Op.18/ 幻想曲「闇から光明へ」Op.53 |
尾高忠明指揮 BBCウェールズ・ ナショナルo. | ||
ロジェストヴェンスキー、フェドセーエフ、スヴェトラーノフ、ヤルヴィ、アニシモフといった旧ソ連系指揮者以外では初めてとなるグラズノフの交響曲全集に尾高が挑む。 | |||
ラフマニノフ: 交響曲第1番 ニ短調 Op.13 交響詩「ロチスラフ王子」(1891) |
オーソン・ アーウェル・ヒューズ指揮 ロイヤル・ スコティッシュ・ナショナルo. | ||
イギリスで高い評価を受けているシリーズ。今回は2つの最初期作品を収録。 | |||
ルース・クロフォード・シーガー(1901-1953):ピアノ作品集 小ワルツ(1922)/小さな子守歌/なわとび/カブリス/渦巻き/ クロー氏とウレン嬢が散歩に行く(短いトリルノための小練習曲)/ 主題と変奏(1923)/ピアノソナタ(1923)/5つのカノン前奏曲/ 5つの前奏曲(1924/5)/4つの前奏曲(1927/8)/ 異なる調子による練習曲/一緒に踊ろう(1926)/ トム・サムの冒険(1925)(*) |
ジョニー・リン(Pf) ティモシー・ ジョーンズ(語り;*) | ||
アメリカの女性作曲家ルース・クロフォード・シーガー。初期の可愛らしいピアノ曲が年代を経るごとに驚くべき前衛的な作風へと発展していくのが面白い。 全く名が知られなかったのが不思議なほどの進歩的な音楽で、多くの女性作曲家のなかでも白眉といえる。 | |||
バッハ:カンタータ全集 Vol.21 第65番「彼らはみなシバより来たらん」BWV.65/ 第81番「イエス眠りたまえば、 われ何に頼るべきや」BWV.81/ 第83番「新しき契約の喜びのとき」BWV.83/ 第190番「主に向かって新しき歌を歌え」BWV.190 |
ロビン・ブレイズ(CT) ジェイムズ・ギルクリスト(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
1724年に書かれた4曲を収録。第190番は楽譜の一部が消失しており、その部分はアーノンクール&レオンハルトによる全集録音でも省略されているが、 当録音では鈴木雅明父子による補筆版が用いられている。もちろん世界初録音。 | |||
エイヴィン・グローヴェン(1901-1977): 「ヒャラル・リョド」序曲 Op.38/ 交響曲第1番「山脈に向いて」Op.26(1938)/ ノルウェー交響舞曲第1番 Op.43(1956)/ ノルウェー交響舞曲第2番 Op.53(1967) |
エイヴィン・アードラン指揮 スタヴァンゲルso. | ||
エイヴィン・グローヴェン(1901-1977)はノルウェーの作曲家にして民族音楽学者。民俗音楽の豊かな伝統を持つ地方に生まれ育ち、民俗楽器も巧みに演奏した。作曲家としてはあまり顧みられていないが、その作品は民謡本来の旋律的・リズム的性格を保ちつつも、独自の和声的な音楽を展開していて興味津々、北欧音楽ファンは無視できない。 | |||
バッハ:パルティータ BWV.825-830 | 鈴木雅明(Cemb) | ||
鈴木雅明のバッハ・チェンバロ作品シリーズ。相変わらずの過激な解釈に驚かされる。 | |||
ラウタヴァーラ: ヴァイオリン協奏曲(1977)(*)/交響曲第8番「旅」(1999) |
ヤーッコ・クーシスト(Vn;*) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
ヴァイオリン協奏曲は、ニューヨーク滞在中摩天楼や五番街の強烈な印象がそのままオーケストラ曲になったものとのこと。 | |||
カレヴィ・アホ: ピアノと弦楽のための協奏曲 (ピアノ協奏曲第2番)(2001/2)/ 交響曲第13番(交響的気質)(2003) |
アンティ・シーララ(P) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
現在までに15篇の交響曲を作曲しているフィンランドの巨匠カレヴィ・アホ。交響曲第13番は2003年に5周年を迎えたシベリウス・ホール(ラハティso.の本拠地)を祝って作曲、同ホールの音響効果を追求しているそう。人間の気質を分類して描いているそうで興味津々。カップリングのピアノ協奏曲はフィンランドの名手シーララを想定して作曲された物。ここではもちろんシーララの演奏で堪能出来る。 | |||
チェレプニン: ピアノ協奏曲第1番 Op.12/ ピアノ協奏曲第3番 Op.48/ 祝祭音楽 Op.45a/交響的行進曲 Op.80 |
小川典子(P) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
小川典子とシンガポール響のチェレプニン・シリーズの第4弾。ピアノ協奏曲はこれで全部揃った。戦前の上海に住み、たびたび日本を訪れて伊福部昭、早坂文雄、江文也、松平頼則などの民族主義作曲家を教えたアレクサンドル・チェレプニンは、まさに日本作曲界の大恩人。当シリーズで大規模な管弦楽作品に触れることができるようになり、急速に再評価が進んでいる。ピアノ協奏曲第1番は後期ロマン派的、第3番にはナイル川の船乗りの歌が引用されている。いずれもヴィルトゥオーゾ的な作品だが、小川典子の華麗な演奏が光る。日本の民族主義作曲家に興味のある方ははずせない一枚。 | |||
ハイドン:ピアノ協奏曲集 ニ長調 Hob.XVIII:11/ヘ長調 Hob.XVIII:3/ ヘ長調 Hob.XVIII:2/ト長調 Hob.XVIII:4 |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) ラース・ウルリク・ モーテンセン指揮 コンチェルト・コペンハーゲン | ||
ピリオド楽器使用。ハイドンのピアノ曲全曲録音をしたブラウティハムならではの至芸が味わえる。 | |||
ユーセフ・マッティン・クラウス(1756-1792):ピアノ作品全集 ソナタ ホ長調 VB.196/ソナタ 変ホ長調 VB.195/ ロンド ヘ長調 VB.191/スケルツォと変奏曲 VB.193/ スウェーデン舞曲 VB.192/2つの興味深いメヌエット VB.190/ ラルゲット VB.194 |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
モーツァルトとほぼ生涯が重なるスウェーデンの作曲家クラウスも、やはり2006年が生誕250年。古典派的作風ながらロマン派の要素の萌芽がみられ興味津々。ブラウティハムの演奏が絶妙。 | |||
カマルゴ・グァルニエリ(1907-1993): 交響曲集 Vol.3 交響曲第5番「合唱付き」(1977)/ 「ビラ・リカ」組曲(1957/1958)/ 交響曲第6番(1981) |
ジョン・ネシリング指揮 サンパウロso.&cho. | ||
ブラジル民族楽派の作曲家グァルニエリの、いずれも世界初録音となる作品。南米的味わいに富み、ポップス的センスも感じられる。打楽器を多用した「ビラ・リカ」はオーディオ的にも注目される。 | |||
バッハ:カンタータ集 Vol.22 第20番「おお永遠、そは雷の言葉」BWV.20 第7番「われらの主イエス・キリスト、 ヨルダン川に来たれり」 BWV.7 第94番「われらいかで世のことを問わん」 BWV.94 |
野々下由香里(S) ロビン・ブレイズ(CT) ヤン・コボウ(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
1724年ライプツィヒ・カンタータ第3作で、比較的大規模な、三位一体の祝日のための作品集。 | |||
ジョウ・ロン(周龍)(1953-): 韻(タンの詩による)〜弦楽四重奏とOrchのための(1995)/ タイグの韻〜Orchのための(2003)/ ダ・ク〜打楽器とOrchのための(1990/1)/ 炎の未来からChoとOrchのための(2001/3) |
上海SQ ジョナサン・フォックス(Perc) シンガポール・フィル室内cho. ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
録音:2003年8月、ヴィクトリア・コンサートホール、シンガポール。 北京出身、アメリカ在住の中国人作曲家周龍の作品集。古代中国の典礼音楽に基づく世界は全く独自のもので、荘厳。シンガポール響が抜群の巧さを見せている。 | |||
ハイドン:鍵盤作品全集 Vol.10 カプリッチョ「8人のへぼ職人に違いない」/ アリエッタと12の変奏曲 変ホ長調/ アリエッタと12の変奏曲 イ長調/ ファンタジア ハ長調/6つの易しい変奏曲/ アンダンテと変奏 ヘ短調/アダージョ ヘ長調/ 20の変奏曲 ト長調/アンダンテと変奏 ニ短調/ アンダンティーノと変奏 イ長調/アレグレット ト長調/ アンダンテと変奏 変ロ長調/アリアと変奏 ハ長調/ アダージョ ト長調/アレグレットと変奏 イ長調/ アレグレット ト長調/ 「神よ、皇帝を守りたまえ」による変奏曲/ 12のメヌエット/12のドイツ舞曲/ 24のメヌエット/連弾曲「先生と生徒」(*) |
ロナルド・ ブラウティハム(Fp) インゴ・ペトリ(Fp;*) | ||
海外で絶賛のブラウティハムによるハイドン全集の第10弾。比較的珍しい小品や舞曲が集められている。 連弾曲のパートナーを務めいるのはBISのプロデューサーにして名エンジニアのインゴ・ペトリ。余技とは思えぬ名手ぶり。 | |||
ハイドン: 十字架上のキリストの最後の七つの言葉(ピアノ版) |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
オラトリオ版、管弦楽版、弦楽四重奏版もあるハイドンの人気作品。 | |||
シネマ・ミュージック ニーノ・ロータの主題による3部の即興演奏 ロータの思い出(フェリーニ監督「アマルコルド」による即興演奏) ロッシーニ/プレンツィオ編曲:小荘厳ミサ〜アニュス・デイ ドビュッシー: 雪の上の足音/月の光(フェリーニ監督「そして船は行く」) ショパン:マズルカ イ短調 Op.17 の4 (ベルイマン監督「叫びとささやき」) ヤナーチェク: フリーデクの聖マリア/ふくろうは飛び去らなかった (カウフマン監督「存在の耐えられない軽さ」) ショパン:前奏曲第2番 イ短調(ベルイマン監督「秋のソナタ」) コスマの「感傷的なプロムナード」による即興演奏 (ベネックス監督「ディーヴァ」) J.S.バッハ:平均率クラヴィア曲集第1巻第1曲 (アドロン監督「バグダッド・カフェ」) リゲティ:ムジカ・リチェルカータ第2番 (キューブリック監督「アイズ・ワイド・シャット」) ステファン・ペンティネン:シネマ・ミュージック シューベルト:楽興の時 D.780 No.2 (ルイ・マル監督「さよなら子供たち」) ショパン:ノクターン 嬰ハ短調 (ポランスキー監督「戦場のピアニスト」) |
ローランド・ペンティネン(P) | ||
映画にクラシック音楽が使われることは多いが、このアルバムはそのなかから特にピアノ独奏曲を集めたもの。最近話題の「戦場のピアニスト」からニーノ・ロータのフェリーニものまで、ちょっと凝った選曲が光る。聴きものはペンティネンによるニーノ・ロータのメロディによる即興演奏。独特の艶あるピアノの音色がたまらない。 | |||
フィンランド民謡集 サッキヤルヴィのポルカ/カッコー、カッコー/ フィンランド、わが祖国/コネヴィスタの教会の鐘/ 他、全17曲 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
フィンランド民謡をオーケストレーション。ヴァンスカ自身による編曲も含み、北欧音楽好きにはたまらない内容。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.13 シンフォニア ト長調 W.122-1/ソナタ ニ短調 W.65-24/ アレグレットと変奏 KW.188-5/シンフォニア ヘ長調 W.122-2/ 幻想曲とフーガ ハ短調 W.119-7/ソナタ ハ長調W.65-29 |
ミクローシュ・シュパーニ(Fp) | ||
使用楽器:ジルバーマン製のコピー。 シリーズ第13弾は1741-55年の作曲で、フォルテピアノならではの効果を狙ったものが多く見受けられる。代理店曰く「これは珍しい、エマヌエル・バッハのフーガ」。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏作品全集 Vol.14 メヌエット ハ長調 W.116 No.15/ アラ・ポラッカ ハ長調 W.116 No.4/ ソナタ イ長調 W.65 No.37/メヌエット ニ長調 W.116 No.3/ アラ・ポラッカ ニ長調 W.116 No.6/ソナタ ホ短調 W.65 No.39/ メヌエット 変ホ長調 W.116 No.1/ ポロネーズ 変ホ長調 W.116 No.2/ソナタ 変ロ長調 W.65 No.38 |
ミクローシュ・シュパーニ (クラヴィコード) | ||
好評の同シリーズも折り返し点に達した。ここには1756年から66年までに作られた舞曲とソナタが収められている。使用楽器は1785年ゴットフリート・ヨーゼフ・ホーン作のコピー。 | |||
J.S.バッハ: パルティータ第4番 ニ長調 BWV.828/同第6番 ホ短調 BWV.830 |
フレディ・ケンプ(P) | ||
人気者フレディ・ケンプのソロ第9弾はバッハ。それもパルティータの4番と6番というこだわり。彼ならではの超絶技巧と颯爽とした解釈が新鮮。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.23 [第10番「わがこころは主をあがめ」 BWV10/ 第93番「尊き御神の統ベしらすままにまつろい」 BWV93/ 第178番「主なる神われらの側にいまさずして」 BWV178/ 第107番「汝なんぞ悲しみうなだるるや」 BWV107] |
野々下由香里(S) マシュー・ホワイト(A) 櫻田亮(T) ぺーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
第93番はBCJ発足コンサートの最初に演奏された、彼らにとって特別な思い出の曲で、世界的な存在となった現在、初心に帰る思いでの演奏。 第10番では島田俊雄のナチュラル・トランペット、第107番では前田りり子のフルートが、えも言われぬ美しさを見せている。 | |||
冬の歌〜木管五重奏のための作品集 ニルセン:木管五重奏曲Op.43 ペルト:小五重奏曲Op.13 ヴァスクス:亡き友に捧ぐ音楽(1982) エルッキ=スヴェン・トゥール: アルキテクトニクス I(1984) ブレット・ディーン:冬の歌(1994/2000)(*) |
ベルリン・フィルハーモニー 木管五重奏団 ダニエル・ノルマン(T;*) | ||
録音:2002年4月、10月。「四季」シリーズ完結編。オーストラリアの作曲家ディーンの「冬の歌」は1989年の「ベルリンの壁崩壊の日」をテーマとした作品。壁崩壊後に独立したバルト諸国の作曲家の作品も収めた、メッセージ性を感じさせるアルバム。 #2013年発売の「THE SEASONS - berlin philharmonic wind quintet/BIS-2072; 4CDs, 2CD価格」 に全曲含まれています。 | |||
ニコス・スカルコッタス(1904-1949): 36のギリシャ舞曲(全曲/異版) 序曲「ウリッセの帰郷」 |
ニコス・フリストドゥル指揮 BBCso. | ||
「ギリシャ舞曲」の全曲盤が初登場、それも異版付きというのがBISらしい徹底ぶり。謎に包まれた作品がこれで陽の目をもみることに。 | |||
初期イタリアのリコーダー音楽 ダリオ・カステッロ:ソナタ第1番 フォンタナ:ソナタ第2番 バルトロメオ・モンタルバーノ: シンフォニア[第1番/第2番] ジョヴァンニ・チーマ:ソナタ[第1番/第2番] タルクイニオ・メルラ:ソナタ第1番 ジョヴァンニ・バッサーノ:リチェルカータ第8番 アンジェロ・ベラルディ:カンツォーネ第6番 ジョヴァンニ・コンフォルティ:ラウダーテ・プエリ フレスコバルディ: カンツォーナ第3番/2つのカンツォーナ ジョヴァンニ・パンドルフィ:ソナタ「ベルナベア」 |
ダン・ラウリン(リコーダー) 鈴木雅明(Cemb/Org) | ||
「北欧の虚無僧」ことダン・ラウリンが、鈴木雅明の伴奏でイタリア・バロック作品をまとめた豪華盤。技巧の冴えはもちろん、イマジネーション豊かな世界を繰り広げている。 | |||
カレヴィ・アホ: 交響的舞曲集「ウーノ・クラミ讃歌」(2001)/ 交響曲第11番(6人の打楽器奏者と管弦楽のための(1997/8) |
クロマータ打楽器合奏団 オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
現代フィンランドを代表する作曲家、カレヴィ・アホの新作集。アホは故国の大先輩ウーノ・クラミ(1900-1961)の未完のバレエ音楽「渦巻き」を補筆完成させたが、 加筆した部分だけを「交響的舞曲集」と独立させた。交響曲第11番は打楽器を主役とした協奏作品で、スウェーデンきっての名人集団、クロマータが久々に登場している。 | |||
ゲイル・トヴェイト(1908-1981): 抽象劇「バルドゥルの夢」(1935)/ カンタータ「テレマルキン」 |
ソルヴェイ・ クリンゲルボルン(S) トリーネ・ウィエン(Ms) ウルフ・ウィエン(T) マグネ・フレメルリド(B) アルヴェ・モエン・ベルグセト (ハルゲンダル・フィドル) ウーレ・クリスティアン・ ルード指揮 スタヴァンゲルso. | ||
グリーグに次ぐノルウェーの大作曲家トヴェイト。「ボルドゥルの夢」は古代スカンジナヴィアの神話に基づき作曲された秘曲。北欧音楽に興味のある向きは絶対にはずせないディスク。 | |||
ウルヤス・プルッキス(1975-):作品集 魅惑の園(2000)〜VnとOrchのための/ フルート協奏曲(2001)/ 交響的ダリ〜3つの絵画(2002) |
ヤーッコ・クーシスト(Vn) シャロン・ベザリー(Fl) スサンナ・マルッキ指揮 スタヴァンゲルso. | ||
フィンランド作曲界で最も若い世代に属する俊才プルッキス待望の作品集。たいへんな才能の持ち主であることはこのアルバムからもうかがえる。クーシストやベザリーを独奏者にした協奏曲も興味深いが、あのサルバドール・ダリの絵画3点(「ロードス島の要塞」「夜のとばりの陰」「暁」)を大管弦楽で描いたキテレツな作品が聴きもの。シュールの極みの世界にひたることが出来る。 | |||
フレドリク・パーシウス(1809-1891): 付随音楽「キプロスの王女」(オリジナル・スウェーデン語版) |
トゥーヴェ・オーマン(S) アグネタ・アイヘンホルツ(Ms) リーッカ・ランタネン(Ms) ユーハン・ストルゴーズ(語り) ウルフ・セデルブロム指揮 タピオラ・シンフォニエッタ、 ユビラーテcho. | ||
世界初録音。パーシウスはシベリウスの偉大な先達にしてフィンランド国歌の作曲者。「キプロスの王女」はカレワラを題材としたトペリウスの劇のための音楽で、1860年に発表されたものの埋もれてしまい、2001年に復活蘇演された。 | |||
ハインツ・カール・グルーバー (HK.グルーバー)(1943-): チェロ協奏曲/ タイムスケープ/ マンハッタン・ブロードキャスツ |
ロベール・コーエン(Vc) ハインツ・カール・グルーバー指揮 スウェーデンco. | ||
アンサンブル・モデルンの指揮者として知られるHK.グルーバーの作品。 | |||
バッハ/リチャード・グウィルト編曲: トリオ・ソナタ(ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための版) 第1番 ヘ長調(BWV.525)/第2番 ハ短調(BWV.526)/ 第3番 ニ短調(BWV.527)/第4番 ホ短調(BWV.528)/ 第5番 ハ長調(BWV.529)/第6番 ト長調(BWV.529) |
ロンドン・バロック | ||
オルガン用のトリオ・ソナタを、ロンドン・バロックのメンバー、グウィルトがオリジナル作品級に名編曲。 | |||
クープラン:マニフィカト/ルソン・ド・テネブル | シアター・オヴ・ アーリー・ミュージック [ロビン・ブレイズ、 ダニエル・テイラー(CT) ジョナサン・マンソン (ヴィオラ・ダ・ガンバ) ロレンス・カミングス(Org)] | ||
BCJの録音でもおなじみのカウンターテナー歌手ロビン・ブレイズとダニエル・テイラーがクープランの宗教曲に挑戦。彼らの美声をたっぷり堪能できる。 | |||
ピアノ・デュオによるディーリアス名作集 ディーリアス/ワーロック編曲: 春初めてカッコウを聞いて/川辺の夏の夜/ 夏の庭で/夜明け前の歌/北国のスケッチ/ ダンス・ラプソディ第1番/同第2番 |
小川典子、 キャスリーン・ストット(P) | ||
小川=ストット・デュオのデビュー盤。ディーリアスの管弦楽作品を、彼に可愛がられ、その精神的を引き継いだ息子的存在であるワーロックが編曲したたいへん珍しい版の世界初録音。ピアノへの編曲により音楽がドビュッシーに近似して聞こえるのはある程度予想がつくが、代理店によれば武満のピアノ曲にもそっくりとのこと。 | |||
チャイコフスキー: 交響曲第6番「悲愴」 Op.74/ 幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」 Op.32 |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 エーテボリso. | ||
録音数の多さはギネス・ブック級のネーメ・ヤルヴィだが、意外にもチャイコフスキーの「悲愴」はこれまで録音が無かった。円熟のヤルヴィがまさに満を持して臨みんだ当録音、 ムラヴィンスキーの流れを汲む彼がどう伝統を受け継いでいるか興味津々。 | |||
管弦楽版・フィンランド聖歌集 Vol.2 アレヴィ・アホ、オッリ・コルテンカンガス、 ヤーッコ・クーシスト、オスモ・ヴァンスカ編曲 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
輸入元によれば、シベリウスの曲のように聞こえるとのこと。 | |||
ヨウン・レイフス(1899-1968): オラトリオ「エッダ」第1部〜天地創造 |
グンナル・ グヴズビョルンソン (T) ビャルニ・ソウル・ クリスティンソン (BBr) ヘルマン・ボイマー指揮 アイスランドso.、 スコラ・カントルム | ||
アイスランドの作曲家レイフスは、巨大な打楽器群を含む強烈な音響と、母国の伝統音楽に基づく不思議な音楽が特徴。彼畢生の大作にして幻のオラトリオ「エッダ第1部」が初めてその姿を現す。彼は若い頃からアイスランド伝承文学「エッダ」をテキストに大規模なオラトリオを夢見ていた。第1部のテーマを「天地創造」と決め、1939年にようやく第1部を完成するが、難しすぎる合唱が原因で彼の存命中に演奏されることはなく、当ディスクの録音に際し2006年に世界初演された。全部で13の楽章から成り、各楽章は北欧神話従い「海」「地球」「天」「太陽」などの創造を描写する。レイフスの特徴である平行五度と変拍子の自由な使用などにより、強烈な色彩と霊感に満ちた世界を繰り広げる。 | |||
バッハ:カンタータ全集 Vol.24 第113番「主イエス・キリスト、 この上なく貴き宝よ」BWV.113/ 第33番「ただあなたにのみ、 主イエス・キリストよ」BWV.33/ 第8番「愛する神よ、いつわれは死なん」BWV.8/ 第8番〜開始合唱(第2稿) |
野々下由香里(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
1724年に書かれたコラール・カンタータを収録。 | |||
イ・チェン(陳怡): モメンタム(管弦楽のための;1998) 中国民族舞踊組曲 (ヴァイオリンと管弦楽のための;2000) 敦煌幻想曲 (オルガンと管楽アンサンブルのための;1999) ロマンスと舞曲(2つのヴァイオリンと 弦楽合奏のための;1995/1998) トゥ(2つの管弦楽のための;2002) |
チョーリャン・リン、 イジャ・スザンヌ・ホウ(Vn) キンバリー・マーシャル(Org) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
イ・チェンは中国の注目すべき作曲家。台湾出身のチョーリャン・リンの録音の登場は久々だ。 | |||
ブラームス: クラリネット・ソナタ第1番 ヘ短調 Op.120 No.1 クラリネット・ソナタ第2番 変ホ長調 Op.120 No.2 クラリネット三重奏曲 イ短調 Op.114(*) |
マルティン・フレスト(Cl) ローランド・ペンティネン(P) トルレーヴ・テデーン(Vc;*) | ||
スウェーデンの若手クラリネット奏者フレストがブラームス晩年の名作に挑戦。淡々としながらも滋味あふれる解釈がなかなかの良さ。ドイツ的でないブラームスをお求めの向きにすすめ。 | |||
エルガー:セヴァーン組曲 Op.87 アーサー・バターワース:トリトン組曲 Op.46 デレク・ブルジョワ:ウィリアムとメアリー Op.106 タヴァナー:トリサジョン(1981) ピッカード:黒城(2002) ターネイジ:Set To(1992/3) |
ヘルマン・バウマー指揮 ブラス・パートアウト | ||
ドイツの各オーケストラの金管奏者たちが集まって1991年に結成した名人集団「ブラス・パートアウト」。北欧作品集(BIS-1054)、ロシア作品集 (BIS-1274)に次ぐ第3弾は英国作品集。親しみやすい曲ばかりだが、同時発売のリンドベリ・アルバム(BISSA-1638)に収録のターネイジ作品の元ネタをここで聴くことができるのも貴重。 | |||
ドビュッシー:ピアノ作品全集 Vol.3 前奏曲集第2巻(全12曲)/英雄の子守歌/ アルバムのページ/エレジー/おもちゃ箱 |
小川典子(P) | ||
Vol.1、2はともにレコード芸術誌特選。このアルバムには小川の十八番である「前奏曲集第2巻」に、比較的珍しい3曲が収められている。 | |||
ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-): ロック・スコア Op.100(1997) チェロ協奏曲第1番 Op.50(1980)(*) トランス・コラール Op.67(1985) |
マルコ・イロネン(Vc;*) ユハ・カンガス指揮 オストロボスニアco. | ||
現代フィンランドを代表する作曲家のひとりノルドグレンは、1970年から3年間、日本に留学した異色の経歴を持つ。ここに収められた3篇に特に日本的な要素はみられないが、独特な感情の吐露がうかがえる。 | |||
太陽の徴の下に イベール:室内小協奏曲 トマジ:アルト・サクソフォン協奏曲 ラヴェル:なき王女のためのパヴァーヌ モーリス:プロヴァンスの風景 フロラン・シュミット:伝説 Op.66 ミヨー:スカラムーシュ Op.165c |
クロード・ドゥラングル(Sax) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
グラズノフ: 交響曲第3番 ニ長調Op.33/ バラードOp.78 |
尾高忠明指揮 BBCウェールズ・ ナショナルo. | ||
シリーズ第2弾。交響曲第3番のスケルツォは極彩色のバレエ音楽風で、グラズノフ入門に最適の1枚。 | |||
アペリティフ〜フランスのフルート協奏曲集 グノー:小協奏曲 ドヴィエンヌ:協奏曲第7番 ホ短調 サン=サーンス: ロマンス Op.37/アスカニオのバレエの調べ(主題と変奏)/ フルートとクラリネットのためのタランテラ Op.6(*)/ 抒情的小品 Op.162 フォーレ/ヨアフ・タルミ編曲:幻想曲 Op.79 |
シャロン・ベザリー(Fl) ハッリ・マキ(Cl;*) ジャン=ジャック・ カントロフ指揮 タピオラ・シンフォニエッタ | ||
次世代のフルート界をになうシャロン・ベザリーの待望の協奏曲アルバム。グノーの「小協奏曲」は近年になってスウェーデンの図書館で草稿が発見されたもので、 グノーならではの甘美なメロディとオペラ的な盛り上がりを聴かせる魅力作。他にも、難曲として知られる「アスカニオのバレエの調べ」や指揮者タルミ編曲によるフォーレ作品など興味深い曲が並ぶ。 | |||
レポ・スメラ(1950-2000): チェロ協奏曲(1999)(*)/ ムジカ・プロファーナ(1997)/ 交響曲第6番(2000) |
ダヴィド・ゲリンガス(Vc) パーヴォ・ヤルヴィ指揮 エストニア国立so. | ||
エストニア共和国独立時の政権で文化大臣を務めたスメラだが、50歳の若さで亡くなってしまったのは惜しまれる。最後の交響曲となった第6番は、波乱の歴史の証言者である彼ならではの、 謎に満ちた遺言状のような作品で、パーヴォ・ヤルヴィとエストニア国立so.の白熱した演奏が聴きもの。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.25 [第78番「イエスよ、あなたはわが魂を」 BWV.78/ 第99番「神の業こそ、麗しい」 BWV.99/ 第114番「ああ、愛するキリスト者、 慰めを受けよ」 BWV.114] |
野々下由香里(S) ダニエル・テイラー(A) 櫻田亮(T) ぺーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
録音:2003年2月14-17日、神戸松陰女子学院大学教会。 BCJの教会カンタータ・シリーズも、ついに25集。それを記念し、今回は別刷り20ページ&フルカラーのBCJ美麗アルバム付。ドイツの名高いバッハ学者によるBCJ礼賛が日本語で印刷されている。 演目も珠玉の78番が入っている事に注目。鈴木雅明本人や礒山雅氏をバッハの世界に引きずり込むきっかけになったといわれる作品だけに思い入れも尋常ではなく、まさに入魂の演奏。 有名な二重唱を野々下由香里と当シリーズ初参加のダニエル・テイラーが限りなく美しく演じているのも魅力。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ作品全集 Vol.1 〜ピアノ・ソナタ [第8番 ハ短調「悲愴」/第9番 ホ長調 Op.14-1/ 第10番 ト長調 Op.14-2/第11番 変ロ長調 Op.22] |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
ハイドンとモーツァルトの全ピアノ曲をピリオド楽器で録音したオランダの実力派ブラウティハムが、今度はベートーヴェン全集に着手。全部で17枚となる予定で、この第1巻には人気作「悲愴」が入っている。 サラウンド効果で聴く豊かなフォルテピアノの音世界はSACD盤ならでは。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ曲全集 Vol.2 第1番ヘ短調 Op.2 No.1/第2番イ長調 Op.2 No.2/ 第3番ハ長調 Op.2 No.3/第19番ト短調 Op.49 No.1/ 第20番 ト長調 Op.49 No.2 |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
今回は最初期の3曲と初歩学習者が必ずやらされる小さな2篇も収められた長時間盤。 | |||
スカルコッタス: ピアノ協奏曲第3番 (ピアノと管楽十重奏のための;1939)(*)/ バレエ音楽「グノームス」 |
ジェフリー・ダグラス・マッジ(P;*) ニコス・フリストドゥルー指揮 キャプト・アンサンブル | ||
ピアノ協奏曲は何と演奏時間65分。作曲者お気に入りの作品だったそうだが、1969年まで初演されなかった。10本の管楽器だけで伴奏する点もユニークで、 独奏パートはとんでもなく複雑難解。難曲好きなマッジが恐怖の演奏を繰り広げている。 | |||
シベリウス:カンタータ集 大地の歌 Op.93/放たれた女王 Op.48/大地の賛歌 Op.95/ フリーメーソンの典礼音楽 Op.113〜行列/ 1894年のプロモーション・カンタータ JS.105/ 偵察行進曲 Op.91b/2つのコラール(1889)(*) |
ヘレナ・ユントゥネン(S) ユハ・ホスティッカ(Br) オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティso. ミナーテcho. | ||
シベリウスの声楽を含む管弦楽曲を集めたもので、かなり珍しく、(*)は世界初録音。初期から晩年までシベリウスの全創作期を網羅しており、作風の変遷と不変さを知るのも一興。 | |||
ロラン・ディアンス:ギター作品集 タンゴ・アン・スカイ(1978/1985)/ トリアエラ(2001/2002)/カプリコーンの夢想(1994)/ ヴィラ=ロボス讃歌(1987)/ 数ヶ国語で書かれた3つの手紙(2000)/ 返信(2000)/リブラ・ソナチネ(1986) |
エレナ・パパンドロウ(G) | ||
フランスのギタリストで作曲家のロラン・ディアンス。ブラジル風味をフランス的に処理した南国風味が魅力。ギリシャ出身の若手女流パパンドロウはディアンスとも親しく、世界初録音の「トリアエラ」は彼女に捧げられている。 | |||
ノルウェー・ラプソディ〜オーケストラ名曲集 ハルヴォルセン:ボヤールたちの入場/野生舞曲 グリーグ:過ぎし春/「ペール・ギュント」〜朝/ ノルウェー舞曲第2番 トヴェイト: ハルダンゲル民謡組曲第1番 Op.151より スヴェンセン: ノルウェーの芸術家のカーニヴァルOp.14 セーヴェルー: ロンド・アモローソOp.14-7/反乱のバラードOp.22a-5 ブレーイン:海に向かって グローヴェン:「ヒャラルリョド」序曲 イルゲンス:ホルの歌 ブルースタ:昨日は遅かったんだ ハンセン:ヴァルドルの行進 |
エイヴィン・ アードランド指揮 スタヴァンゲルso. | ||
グリーグばかりが有名なノルウェーだが、ほかにも魅力的なオーケストラ曲は多い。スタヴァンゲル響はさすがお国物と言う上手さ。ロマンティックなもの、 民俗色豊かなものなどバラエティに富んだ選曲も魅力。 | |||
グラズノフ: 交響曲第1番 ホ長調Op.5「スラヴ」/ 交響曲第6番 ハ短調Op.58 |
尾高忠明指揮 BBCウェールズ・ ナショナルso. | ||
シリーズ第3作。第6番は出だしこそ暗いものの、すぐにグラズノフらしいバレエ音楽的な世界が現れる。第1番は16歳での作だが、その天才はすでに明らか。 | |||
フィンランド聖歌集 Vol.3 ヤーッコ・クーシスト、オスモ・ヴァンスカ、 カリ・ティッカ、オッリ・コルテンカンガス、 イーッカ・クーシスト、ハッリ・アーマス、 カレヴィ・アホらの編曲 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
同シリーズ第3弾にして最終巻。フィンランドで歌われる聖歌をヴァンスカを含む7人の同国作曲家がオーケストレーション。決して特殊なCDではなく、シベリウスの管弦楽曲が好きな向きは必ず気に入るはず。 | |||
クラウジオ・サントーロ(1919-1989): 交響曲第4番「平和」(1954)(*)/同第9番(1982) ポンテイウ(1953)/フレヴォ(1953/82) |
ジョン・ネシリング指揮 サンパウロso. 同cho.(*) | ||
ブラジルの作曲家クラウジオ・サントーロは14篇の交響曲を残した大シンフォニスト。12音技法にも関心を示したが、このアルバムに収められているものはブラジルの民族主義的なものばかり。左寄りだった彼は旧ソ連と親しく、交響曲第4番は1956年にモスクワで演奏され、ハチャトゥリア ンに激賞された。感動的な内容。 | |||
マルティヌー:交響曲全集 第1番(1942)/第2番(1943)/第3番(1944) 第5番(1946)/第6番「交響幻想曲」(1951/1953) |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 バンベルクso. | ||
既発売盤(BIS-362、363、402)のセット化。 | |||
カイクシュルー・ソラブジ: 100の超絶技巧練習曲(1940-1944)〜第1−25番 |
フレドリク・ウレーン(P) | ||
インドの血を引く音楽史上の奇人にして天才カソラブジ。「100の超絶技巧練習曲」は全曲の演奏時間が7時間かかるという一大奇作。これに挑むは本業は医者というスウェーデンの超絶名手フレドリク・ウレーン。難解ながらも麻薬的美しさに満ちた音楽。 | |||
エルネスト・レクオナ(1896-1963):歌曲集 いつも私の心の中に/感じるままに/あの遠い山の中で/つれないあなた/私の心は消えた/ あなたはバラの貴婦人/あなたはそれをしてはだめ/目的/愛の貴婦人/私を笑って/女優/ 最後に/花が咲いた/キューバの蟻/晩熟の愛/そんな夜に/心が戻る/幻の春/ 愛を手に入れる/コスタリカのカーニバル/私は残された/私はだまされない/ 進歩したルンバ/私を見ずに話す/私の愛は花になった/悲しい愛の歌 キャロル・ファーリー(S) ジョン・コンスタブル(P) | |||
録音:2002年8月/発売:2004年。#ピアノ作品全集BOX (BIS-1854 / 6CDs) に含まれています。BISからピアノ曲のシリーズが出たレクオーナの歌曲はピアノ曲以上に有名。アメリカ出身で他レーベルからも数枚ディスクが出ているキャロル・ファーリーは、ポップなムードもたっぷり。 | |||
ファン・エイク:「笛の楽園」ベスト(全16曲) 英国のナイチンゲール/麗しのアマリリ/最も美しい少女ダフネが/人は夜何をする/道化師/ ファンタジアとエコー/彼女は許してくれるだろうか/フランスのエア/ブラヴァーデ/ 聖母マリアへの賛歌/戻っておいで/私から消えた喜び/ガブリエルは私に語った/他 ダン・ラウリン(リコーダー) | |||
ダン・ラウリンの吹く「笛の楽園」といえばリコーダー界の偉業だが、なにぶん全9枚・10時間半もかかる大作なのが難だった。そこで、人気の高い16曲を厳選、一枚にまとめたベスト盤が登場。入門盤としても最適で、ラウリンの至芸を楽しめる。 | |||
シベリウス:弦楽四重奏曲全集 Vol.1 モルト・モデラートとスケルツォ JS134(1885)/ スケルツォ ロ短調(1885)/ 弦楽四重奏曲 変ホ長調 JS184(1885)/ 4つの主題(1887)/3つの小品(1888)/ 主題と変奏 嬰ハ短調 JS195(1888)/ 33の小品(1888/1889)/アレグロ ト短調(1888/89)/ アンダンテとアレグロ・モルト JS32(1888/89)/ アンダンテ・モルト・ソステヌート JS37(1888/89) |
テンペラSQ | ||
シベリウスがこんなに弦楽四重奏作品を残していたとは驚き。全部で3枚のシリーズとなる。Vol.1はシベリウス20代前半の諸作で、いずれも世界初録音。習作的傾向が強いものの、「スケルツォ ロ短調」では「レミンカイネン組曲」の、「主題と変奏」では「フィンランディア」の萌芽が見られる。 | |||
リムスキー=コルサコフ: 交響組曲「シェエラザード」Op.35/ 交響曲第2番「アンタール」Op.9 |
ケース・バルケス指揮 マレーシアpo. | ||
アラビアを舞台にしたオリエンタリズムあふれる作品を、イスラム教国マレーシアのオーケストラが演奏。 | |||
グラズノフ: 交響曲第4番 変ホ長調Op.48 交響曲第8番 変ホ長調Op.83 |
尾高忠明指揮 BBCウェールズ・ナショナルo. | ||
シリーズ第4作。同じ調性ながら叙情的な第4番と壮大な第8番。 代理店によると、グラズノフの第8番を指揮した日本人指揮者は朝比奈隆以来2人目らしい。 | |||
ヴィオラ・スペース〜10周年記念アルバム 細川俊夫:ヴィオラと管弦楽のための「旅VI」(2002)(*/+) ペンデレツキ:カデンツァ(1984)(#) クルターグ:ローベルト・シューマンへのオマージュ Op.15/b(1990)(**) ネアゴー:信子の本(特)&(監)(1992)(*) クインシー・ポーター:無伴奏ヴィオラ組曲(1930)(++) パルトシュ:イズコール(イン・メモリアム)(1947)(##/+) リゲティ:無伴奏ヴィオラ・ソナタ(1991-1994)(*) ジョージ・ベンジャミン:ヴィオラ、ヴィオラ(1997)(***) 林光:ヴィオラ・ソナタ「プロセス」(2002)(##/+++) シュニトケ:三人組の協奏曲(1994)(++/###/+) 今井信子(Va;*) 原田幸一郎指揮桐朋学園o.(+) 川本嘉子(Va;#) 村井祐児(Cl;**) 菅沼準二(Va;**)野平一郎(P;**) 川崎雅夫(Va;++) 店村眞積(Va;##) 須田祥子(Va;***) 柳瀬省太(Va;***) 小山京子(P;+++) 豊嶋泰嗣(Vn;###) 上村昇(Vc;###) | |||
旧・国内盤品番:KDC-5001/2, KKC-5454/55 〔ともに廃盤〕。 カザルス・ホール主催宰公演のひとつとして1992年にスタートした「ヴィオラ・スペース」10周年を記念して、今井をはじめ日本を代表するヴィオラ奏者を世界へ向けて発信すべく、BIS がカザルス・ホールで録音したアルバム。今井によるリゲティの難曲と細川の真作、店村による林の新作とパルトシュのユダヤ色濃厚な作品にご注目。極上の演奏でヴィオラの魅力を満喫できる。 | |||
クロード・ロヨラ・アルゲーン(1920-1990): 無伴奏ヴァイオリンソナタ(1989) |
ウルフ・ヴァリーン(Vn) | ||
スウェーデンの作曲家アルゲーンは20世紀後半の作曲家のなかでもとびきりの変人で、数々の奇行や謎めいた死(狂焼死)など、今後注目されそうな要素をたくさん持っている。彼の音楽の多くは悪魔的な雰囲気に満ち、非常識なまでの長さと複雑さが特徴で、アルカンやソラブジの後継者といえるかもしれない。「無伴奏ヴァイオリンソナタ」は全曲の演奏に2時間40分を要し、異常なまでに複雑でありながら妖しい美しさを放つ一大奇作。 | |||
ヒルディング・ルーセンベリ(1892-1985):交響曲集 [第3番(1939)/ 第6番「シンフォニア・センプリーチェ」(1951)] |
マリオ・ヴェンツァーゴ指揮 イェーテボリso. | ||
スウェーデンの巨匠ルーセンベリは8篇の交響曲を残したシンフォニストだが、録音に恵まれているとは言いがたい現状。そこにBISが最新録音で参入という嬉しいニュース。第3番は当初、男の一生を「幼年」「少年」「青年」「壮年」の4楽章で描いていたが、後に標題を取り除いたといういわくつきの作品。ルーセンベリの作風は現代手法を用いながら人間味あふれ、感動的。 | |||
ニコス・スカルコッタス: バレエ組曲「海」(1948/1949)/4つの映像 (1948)/ ギリシャ舞曲 ハ短調 (1949)/ ミトロプーロス/スカルコッタス管弦楽編曲:クレタの饗宴 |
バイロン・フィデツィス指揮 アイスランドso. | ||
シェーンベルク門下の過激な作風で知られるギリシャの作曲家スカルコッタスだが、当アルバムには意外にも調性のあるロマンティックなものばかり集められている。「海」はエーゲ海そのもの、「4つの映像」はギリシャの田園風景が目に浮かぶ。大指揮者ミトロプーロスのピアノ曲をスカルコッタスがオーケストレーションした「クレタの饗宴」も聴きもの。 | |||
ラモー: コンセールによるクラヴサン曲集 |
ロンドン・バロック | ||
クリストファー・ラウス(1949-):作品集 イスカリオテ(1989)/クラリネット協奏曲(2001)(*)/ 交響曲第1番(1986) |
マルティン・フレスト(Cl;*) アラン・ギルバート指揮 ロイヤル・ストックホルムpo. | ||
現在最も精力的に活動するアメリカ人作曲家のひとりクリストファー・ラウス[ラウズ、ルーズ]は、大管弦楽曲が創作の中心で、アナログ的作風が特徴。交響曲第1番はもちろん現代の作品ながら19世紀風要素たっぷりで、主要主題がブルックナーの7番のアダージョに由来していたり、ワーグナーチューバ4本使用など時代錯誤ぶりがオシャレ。スウェーデンの名手フレストのクラリネットと、日本でもおなじみのアラン・ギルバートの好演が光る。 | |||
リムスキー=コルサコフ: スペイン奇想曲 Op.34/ピアノ協奏曲 嬰ハ短調 Op.30(*)/ 「皇帝サルタンの物語」組曲 Op.57/ 音楽的絵画「サトコ」 Op.5/序曲「ロシアの復活祭」 Op.36 |
小川典子(P;*) ケース・バケルス指揮 マレーシアpo. | ||
録音:ADD。意外な巧さで話題となっているマレーシア・フィルのリムスキー=コルサコフ・シリーズ第2弾。「皇帝サルタンの物語」には「熊蜂の飛行」も収められている上、比較的珍しいピアノ協奏曲で小川典子がソリストを務めるのもポイント。極彩色のオーケストラ・サウンドを。 | |||
グラズノフ: 交響曲第5番 変ロ長調 Op.55(*)/ 交響曲第7番 ヘ長調 Op.77(#) |
尾高忠明指揮 BBCウェールズ・ナショナルo. | ||
録音:1995年4月28日(*)/1998年2月5日(#)、ブラングウィン・ホール、スワンシー、ウェールズ。 尾高&BBCウェールズによるグラズノフ交響曲の完結盤。「第5番」はムラヴィンスキーと正反対の解釈なのが興味津々。 | |||
マルティヌー: 弦楽四重奏曲第3番 H.183(1929)/ 弦楽四重奏曲第4番 H.258(1937)/ 弦楽四重奏曲第5番 H.268(1938) |
エンペラーSQ | ||
録音:2002年8月5日-8日、ウェントワース聖三位一体教会、サウス・ヨークシャー、、イングランド。 新校訂楽譜による録音。強烈なリズムが特徴の第3番、チェコの民謡風なメロディによる第4番、夭折の愛弟子カプラロヴァーへの思いを込めているという意味深な第5番と、イギリスの新鋭エンペラーSQの演奏が光る。 | |||
ショパン: 12の練習曲 Op.10/12の練習曲 Op.25 |
フレディ・ケンプ(P) | ||
すでにバラード全曲や幻想即興曲の名演を世に出してるケンプによるエチュード集。鮮やかなテクニックが冴える。 | |||
グリーグ: 付随音楽「十字軍の兵士シグール」Op.22/ 陸地を見ること Op.31/ ペルグリョット Op.42/ リカルド・ノルドロークのための葬送行進曲 (ハルヴォルセン編曲)/ 山に捕らわれし者 Op.32 |
ホーカン・ハーゲゴード(Br) ゲリルド・マウセズ(語り) ウーレ・クリスチャン・ルード指揮 ベルゲンpo.&男声cho. | ||
ルードによるグリーグの管弦楽作品シリーズ第3作で、声楽を含むものが集め られている。グリーグの生地ベルゲンのオーケストラと合唱団よる演奏。 | |||
シュニトケ: 古風な様式による組曲(1972)/フーガ(1953) ペルト:フラトレス(1980)/鏡の中の鏡(1978) ヴァスクス:小さな夏の音楽(1985) カンチェリ:時・・・そして再び(1996) |
ワジム・グルツマン(Vn) アンジェラ・ヨッフェ(P) | ||
レーラ・アウエルバッハ作品集(BIS-1242)でBISデビューしたグルツマン&ヨッフェ夫妻の第2弾は、旧ソ連のヴァイオリンとピアノのための作品集。透明で絶美なペルトの「鏡の中の鏡」、 カルト映画「キン・ザ・ザ」の映画音楽で注目されたグルジアのカンチェリの作品などが、いずれも独特な世界を作り上げている。 | |||
フレドリク・パーシウス(1809-1891): 歌劇「ローレライ」(1887/オリジナル・ドイツ語版) |
ソイレ・イソコスキ(S) リーッカ・ランタイネン(Ms) ライモ・シルキア(T) トピ・レーティブー(T) コルネリウス・ハウプトマン(B) アルットゥ・カタヤ(B) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso.、 ドミナンテcho. | ||
シベリウスの先駆的人物にしてフィンランド国歌の作曲者でもあるフレドリク・パーシウスの幻のオペラ「ローレライ」が復活。もともとドイツ系だったパーシウスは、 このオペラをドイツ語台本で作曲している。当時主流だったワーグナーよりも古いフランス・オペラの影響を受けているのが面白い。 | |||
ナポリの風変わり フランチェスコ・マンチーニ: ソナタ第8番 ト短調/同第2番 ホ短調 コレッリ:主題とフーガ ニ短調 ドメニコ・サッリ:ソナタ第11番 イ短調 A.スカルラッティ:ソナタ第9番 イ短調 フランチェスコ・バルベッラ:ソナタ第3番 ハ長調 ドメニコ・ガッロ:トリオ/ソナタ第1番 ト長調 ジョン・レーヴェンスクロフト:ソナタ第8番 |
ダン・ラウリン(リコーダー) ロンドン・バロック | ||
ダン・ラウリン久々の新録音はロンドン・バロックとの初顔合わせ。ここに集められた作品は、ナポリのサン・ピエトロ音楽院図書館に所蔵されているミステリアスな草稿集から選ばれた。いずれもこれまで知られなかったのが不思議なほど優れたものばかり。 | |||
カリン・レーンクヴィスト(1957-): 遠い岸辺(クラリネット協奏曲;2002)(*) ビギニング(ピアノ三重奏のための;2003)(+) 北極(管弦楽のための;2000/2001)(#) 天国にて(三重合唱と独唱のための;1998)(**) |
マルティン・フレスト(Cl;*) クングスバッカ・ピアノ三重奏団(+) ペッテル・スンドクヴィスト 指揮アドルフ・ フレドリク少女cho.(**) ヨン・ストゥールゴールズ 指揮スウェーデンco.(*/#) | ||
レーンクヴィストはスウェーデンの女性作曲家。ファーニホウの弟子で、師の特異な作風とスウェーデンの民俗音楽の要素を融合させた興味深い作品を発表している。 | |||
ゲイル・トヴェイト: ピアノ協奏曲第1番 Op.5(*)/ 亀(メゾ・ソプラノと管弦楽のための)(#)/ ピアノ協奏曲第4番「オーロラ」(+) |
スヴァイヌング・ピュラン(P;*) インゲピュルグ・コスモ(Ms;#) ホーコン・アストベー(P;+) ウーレ・クリスチャン・ルード指揮 スタヴァンゲルso. | ||
グリーグ以後のノルウェー最大の作曲家トヴェイト。ピアノ協奏曲第4番ではオーロラの下を彷徨うような幻想的な美しさが光る。「亀」はスタインベックの「怒りの葡萄」をテキストとし、 同郷の大歌手フラグスタードのために作曲された。 | |||
チャイコフスキー: 交響曲第1番 ト短調 Op.13「冬の日の幻想」/ 付随音楽「雪娘」Op.12 から/ 劇的序曲「ロミオとジュリエット」 |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 エーテポリso. | ||
ヤルヴィのチャイコフスキー交響曲シリーズの第2弾。今回の交響曲第1番をはじめ初期作品を集めている。付随音楽「雪娘」はオーケストラ・ナンバーを抜粋したもので、北国オーケストラらしい響きが魅力。 | |||
パウル・クレツキ(1900-1973): 交響曲第3番「イン・メモリアル」(1939) フルート小協奏曲(1940)(*) |
シャロン・ベザリー(Fl;*) トーマス・ザンデルリング指揮 ノールショピングso. | ||
世界初録音。ポーランド出身の大指揮者パウル・クレツキ。彼は作曲も残していたが、ほとんどが初演すらされていなかった。ここに収められた2篇も今回がおそらく世界初演。 交響曲は第2次世界大戦のユダヤ人犠牲者への追悼とのことだが、1939年という作曲年表記が正しいならば、ナチスの強制収容所が現れる以前の作である。いずれにしろ痛切な感情が胸を打つ。同じユダヤ系でるザンデルリングとシャロン・ベザリーが入魂の演奏を聴かせる。 | |||
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ Vol.2 ブラジル風バッハ第7番(1942)/同第8番(1944) 同第9番(1945)〜弦楽オーケストラ版 同第9番(1945)〜無伴奏合唱版 |
ロベルト・ミンチュク指揮 サンパウロSO.&Cho. | ||
ヴィラ=ロボスの名作を作曲者故郷ブラジルのオーケストラが演奏した好企画の第2集。「ブラジル風バッハ第9番」は作曲者による弦楽オーケストラ版とアカペラ(声のオーケストラ)版の両方を収めているのも注目。南米的熱気を味わえる。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.26 [第180番「装いせよ、おお、わが魂よ」BWV.180/ 第122番「新たに生まれし嬰子」BWV.122/ 第96番「主キリスト、神の独り子」BWV.96] |
野々下由香里(S) ティモシー・ ケンワージー=ブラウン(A) 櫻田亮(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
BCJのカンタータ・シリーズ第26弾は1742年の3作。第180番の冒頭合唱はバッハのカンタータのみならず、あらゆる宗教音楽中最も美しい曲と言われている。 | |||
トゥビン:交響曲全集 [交響曲第1番−第10番]/ バレエ「クラット」/トッカータ |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 スウェーデン放送so.、 バンベルクso.、 ベルゲンpo.、エーテボリso. | ||
BISの名盤が廉価でセット化。 | |||
ドビュッシー:ピアノ曲全集 Vol.5(完結編) 2つのアラベスク/ベルガマスク組曲/ピアノのために/ 舞曲/バラード/ロマンティックなワルツ/夢想/ マズルカ/夜想曲/ボヘミア舞曲 |
小川典子(P) | ||
録音:2000年1月、旧ストックホルム音楽アカデミー。小川典子のドビュッシー・ピアノ曲全集完結編は初期作品集。最初のピアノ曲にあたる「ボヘミア舞曲」から人気曲「2つのアラベスク」や「月の光」を含む「ベルガマスク組曲」まで、ドビュッシーの最も親しみやすい作品ばかり。小川典子の硬質でクリアな響きが独特のドビュッシー世界を作り上げている。 | |||
アンデシュ・ヒルボリ(1954-): キング・タイド(1999)(*)/ 優美な屍骸(2002)(#)/ ドリーミング・リヴァー(1998)(+)/11の門(+) |
サカリ・オラモ指揮(*) アラン・ギルバート指揮(#) エサ=ペッカ・サロネン指揮(+) ロイヤル・ストックホルムpo. | ||
録音:2007年9月(#)/2009年12月(+)/2010年11月(*)、ストックホルム・コンサート・ホール。スウェーデンの中堅作曲家ヒルボリの音楽は複雑にして単純、深刻なようでユーモラス、ヒーリング的なようでリズミックなど、様々な要素を含んでいる。オーケストラを「音の動物」とのたまったヒルボリの作をオラモ、ギルバート、サロネンの3巨匠が驚愕の精密さで再現している。 | |||
シェーンベルク:ヴァイオリン曲全集 幻想曲(1949)/ ヴァイオリンとピアノのための小品 ニ短調(1893/4) 木管五重奏曲に基づくヴァイオリン・ソナタ (フェリックス・グライスル編曲)/ ヴァイオリンとピアノのための断章(1927) |
ウルフ・ヴァリーン(Vn) ローランド・ペンティネン(P) | ||
シェーンベルクのヴァイオリン曲といえば、最晩年の「幻想曲」を除くと録音に恵まれていない。当アルバムに収められたものは、最初期のロマンティックな「小品」や、孫の誕生を祝って書いた「木管五重奏曲」を娘婿のグライスルがヴァイオリンとピアノ用に編曲したものまで盛りだくさん。難解ではなく、十分楽しめる。 | |||
チャイコフスキー: 交響曲第5番 ホ短調 Op.64/ 交響的バラード「地方長官」Op.78/ イタリア奇想曲 Op.45 |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 エーテボリso. | ||
SACDハイブリッド、5.0サラウンド。 第6番「悲愴」/他(BISSA-1348)、第1番/他(BISSA-1398)に続くネーメ・ヤルヴィのチャイコフスキー第3弾。ムラヴィンスキーの弟子でもあるヤルヴィが、師といかに異なる解釈をしているかが見もの。「イタリア奇想曲」もオーディオ効果満点。 | |||
スウェーデン聖歌集 | オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
ヴァンスカ&ラハティ響によるオーケストラ編曲版聖歌集。今回はスウェーデンのものを集めている。かの地では有名なものばかりだとのことだが、 「まるでアルヴェーンのオーケストラ曲のよう」とは代理店の弁。 | |||
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ [第5番(ソプラノと チェロ合奏のための)(*)/ 第4番(ピアノ独奏のための)(#)/ 第6番(フルートとファゴットのための)(+)/ 第1番(チェロ合奏のための) |
ドナ・ブラウン(S;*) アントニオ・メネセス、 ロベルト・ミンチュク指揮 サンパウロso. ・チェロ・パート ジャン=ルイ・ ストイアーマン(P;#) サト・ムガリアン(Fl;+) アレクサンドル・ シルヴェリオ(Fg;+) | ||
サンパウロso.によるお国物のヴィラ=ロボス・シリーズ、待望の「ブラジル風バッハ第5番」の登場。あの官能的なアリアをカナダ出身の注目株ドナ・ブラウンが務めているのも嬉しいところ。同4番はピアノ独奏版(しかも、1980年代に PHILIPS へ録音したバッハで注目されたストイアーマンの独奏)で収録されているのも大歓迎、期待を裏切らぬ内容となっている。 | |||
J.S.バッハ:世俗カンタータ集 結婚カンタータ 「おお、やさしき日、待ち望みし時」 BWV.210/ コーヒー・カンタータ 「そっと黙って、お喋りなさるな」 BWV.211 |
キャロリン・サンプソン(S) 櫻田亮(T) シュテファン・ シュレッケンベルガー(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
BCJがついに世俗カンタータに挑戦。「結婚」と「コーヒー」という俗っぽさ満点のテーマがは教会カンタータの厳粛さに比べ、ほとんどバロック・オペラのような世界。加えコミカルな表現も多いものの、さすがBCJ、見事な芸達者ぶりを披露している。BCJの新境地にご期待あれ。 | |||
シベリウス: ピアノ五重奏曲とメロドラマ ピアノ五重奏曲 ト短調 JS159(1890)/ ヴィヴァーチェ JS31(1890)/ アンダンテ〜アレグロ JS31(1888/9)/ ナッケンの歌(水の精)JS138 (Sop, 朗読, Vn, Vc, Pf)(1888)/ ああ、あなたに見られたなら JS141 (朗読とPf )(1888)/ 孤独なシュプール JS77a(朗読とPf)(1925)/ メロドラマ「嫉妬の夜」JS125 (Sop, 朗読, Vn, Vc, Pf )(1893) |
ヤーッコ・クーシスト、 ラウラ・ヴィクマン(Vn) アンナ・クレーッタ・ グリバイツェヴィチ(Va) ヨエル・ラークソ(Vc) フォルケ・グラスベク(P) モニカ・グロープ(Ms) ラッセ・ポイスティ(朗読) | ||
初期の習作的作品ながら、演奏時間38分を要する「ピアノ五重奏曲 ト短調」。若い腕達者たちの熱演もあって、意外なほどの曲の良さに驚かされる。朗読付ピアノ曲も独特の味わい。かつてオーケストラ伴奏でリリースされた「孤独なシュプール」のピアノ版も興味津々。フィンランド語の朗読もたいへん音楽的。 | |||
サムイル・フェインベルク(1890-1962): ピアノ・ソナタ全集 Vol.1 [第1番Op.1(*)/第2番Op.2(#)/第3番Op.3(#)/ 第4番Op.6(*)/第5番Op.10(*)/第6番Op.13(#)] |
ニコラオス・サマルタノス(P;*) クリストフ・シロドー(P;#) | ||
Vol.2:BIS-1414。旧ソ連最大のバッハ弾きにして、大ピアニストとして活躍したフェインベルク。チャイコフスキーの「悲愴交響曲」のスケルツォの超絶的編曲などでも知られている彼は、作曲家としても12曲のソナタをはじめ興味深いピアノを数多く残している。ここでは初期の6番までが収められており、スクリャービンの影響の濃い、不思議な感覚の世界が広がる。技術的に難曲ながらギリシャの若手が好演。 | |||
サムイル・フェインベルク(1890-1962): ピアノ・ソナタ全集 Vol.2 [第7番Op.21(1924/8)(*)/第8番Op.21a(1933/4)(*)/ 第9番Op.29(1939)(#)/第10番Op.30(1940/4)(#)/ 第11番Op.40(1952)(#)/第12番Op.48(1962)(*)] |
ニコラオス・サマルタノス(P;#) クリストフ・シロドー(P;*) | ||
Vol.2:BIS-1413。旧ソ連最大のバッハ弾きにして、大ピアニストとして活躍したフェインベルク。チャイコフスキーの「悲愴交響曲」のスケルツォの超絶的編曲などでも知られている彼は、 作曲家としても12曲のソナタをはじめ興味深いピアノを数多く残している。 完結編となる当巻では後期作品が収められているが、スクリャービンの強い影響から独自の作風を確立していくさまがわかり、超絶技巧と忘我的感覚の混合が不思議な魅力となっている。 1巻同様技術的に難曲ながらギリシャの若手が好演。 | |||
カタルド・アモデーイ(1650頃-1695頃): カンタータ; 解き放たれた足と草原の間/地平に夜明けの光が/ すでに夜の帳が/あなたが私にしたことが/ 足元に光を、荘重な歩みで/セベートと引いた所 ザンボーニ:リュート・ソナタ ハ長調 ストラーチェ:チェンバロのためのパッサカリア |
エマ・カークビー(S) ヤコブ・リンドベリ(テオルボ) ラース・ウルリク・ モーテンセン(Cemb) | ||
シチリアに生まれナポリで活躍したアモデーイの小オペラ的カンタータ集。これらきわめて珍しい作品を、円熟の境地にあるカークビーの歌唱で聴けるのがすごい。 | |||
ベートーヴェン:交響曲全集 Vol.1 [第4番 変ロ長調 Op. 60/第5番 ハ短調 Op.67「運命」] |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
新しいシベリウス像を創りあげたヴァンスカ、次なる挑戦は何とベートーヴェンの交響曲全集。それも彼が2003年に十代目音楽監督となったミネソタ管というのが驚き。シベリウスで見せた斬新な解釈がここでも光り、ベートーヴェン解釈に一石を投じる1枚となっている。 | |||
シェーンベルク: 3つのピアノ曲 Op.11/6つの小さなピアノ曲 Op.19/ 5つのピアノ曲 Op.23/組曲 Op.25/ピアノ曲 Op.33ab/ ピアノ曲断片 I,II ベルク:ピアノソナタ Op.1/ソナタ断片(ヴォツェック断片) |
ローランド・ペンティネン(P) | ||
独特な色香のある音が魅力のペンティネンが、シェーンベルクとベルクの主要なピアノ独奏曲をまとめて録音。興味深いのはベルクの断片。ピアノソナタとして構想されながら完成しなかったもので、後にほぼそのまま歌劇「ヴォツェック」に流用されている。 | |||
チャイコフスキー: 交響曲第2番 ハ短調「小ロシア」Op.17(改訂版) 序曲 ヘ長調(改訂版)/デンマーク国歌による祝典序曲 Op.15 序曲「嵐」Op.76 |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 エーテボリso. | ||
ヤルヴィのチャイコフスキー交響曲全集第4弾。ポピュラーでない作品が集められているが、これだけ丁寧な仕上げで録音も良いと曲の魅力をたくさん発見できる。認識を新たにすること間違いなしの一枚といえるであろう。 | |||
ヘイクル・トウマソン(1960-): フルート協奏曲第1番(1997)/ フルート協奏曲第2番(2001)/ 2本のコントラバスのための協奏曲 「微光」(2001/2) |
シャロン・ベザリー(Fl) ハヴァルズル・ トリュグヴァソン、 ヴァルル・パウルソン(Db) ベルンハルズル・ ヴィルキンソン指揮 アイスランドso. | ||
現代アイスランドを代表する中堅作曲家トウマソンの、BIS 3枚目の作品集。非常に知的な作風が特徴。シャロン・ベザリーのために作曲した「フルート協奏曲第2番」のみBIS-CD-1499 と同音源だが、2曲に協奏曲ともども彼女ならではの神業を聴くことが出来る。2本のコントラバスを主役とした協奏曲も着想の妙が光る。 | |||
フランシスコ・ミニョーネ(1897-1986): 教会の祭り(1940)/トロピカル交響曲(1958)/ バレエ音楽「奴隷王シコのマラカトゥ」(1933) |
ジョン・ネシリング指揮 サンパウロso.&cho. | ||
フランシスコ・ミニョーネはヴィラ=ロボスと同世代のブラジルの作曲家。日本で知られているのはピアノ曲くらいではないだろうか。ここに収められた3作は待望の登場となる本格的な管弦楽作品で、いずれも南米的な民族主義の様式により、まるでワールド・ミュージックをオーケストラで演奏しているかのよう。そのメロディもまた魅力的。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.27 第80番「われらの神は堅き砦」BWV.80 第5番「われいずこにか逃れゆくべき」BWV.5 第115番「備えて怠るな、わが霊よ」BWV.115 |
スサンネ・リデーン(S) パスカル・ベルタン(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
マルティン・ルターのコラール「神はわが櫓」が全篇に現れる人気作品である第80番を収録。ハルモニア・ムンディ盤「三大カウンターテナー」のひとりパスカル・ベルタンが当シリーズ初登場。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤作品全集 Vol.15 ピアノ協奏曲 ニ短調 Wq.23 (H.427)/同 変ロ長調 Wq.39 (H.427)/ ソナチナ 変ホ長調 Wq.105 (H.464)/ ソナタ イ短調 Wq.65 33 (H.143)/同 ニ短調 Wq.62 15 (H.105)/ ガブリエル Wq.117 35 (H.97)/フィリピーヌ Wq.117 34 (H.96)/ カロリーヌ Wq.117 39 (H.98)/ アレグレット ヘ長調 Wq.116 19 (H.301)/ アレグロ ニ長調 Wq.116 20 (H.302)/ セノフォンとシビル Wq.117 29 (H.123)/ ソフィ Wq.117 40 (H.125)/オーギュスト Wq.117 22 (H.122)/ エルネスティーヌ Wq.117 38 (H.124)/ アンダンティーノ Wq.116 18 (H.108)/ ルイーズ Wq.117 36 (H.114) |
ミクローシュ・シュパーニ (タンジェント・ピアノ、 クラヴィコード) オーパスXアンサンブル | ||
シュパーニによるエマヌエル・バッハの鍵盤作品全集シリーズには協奏曲篇と独奏曲篇があるが、ともに第15集となる今回は両者あわせて1枚価格という大サービス。シュパーニの演奏も手馴れ、曲も充実感を増し、疾風怒濤の音楽に存分にひたらせてくれる。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.16 ヴュルテンベルク・ソナタ [第1番 イ短調 Wq49-1 (H30)/ 第2番 変イ長調 Wq49-2 (H31)/ 第3番 ホ短調 Wq49-3 (H33)) |
ミクローシュ・シュパーニ (クラヴィコード) | ||
好評シリーズの第16巻。C.P.E.バッハは1740年代初頭に、6曲のソナタを作曲し、ヴュルテンベルク公カール・オイゲンに捧げました。これらはプロの演奏家を想定して書かれていて技術的にも難しく、交響曲やオペラのようなスケールの大きさを誇る、ほとんどロマン派風の作品。うち3曲をシュパーニが恰幅良く堂々と演奏している。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.17 〜ヴュルテンベルク・ソナタ 2 ソナタ第4番 変ロ長調 Wq 49-4/ 同第5番 変ホ長調 Wq 49-5/ 同第6番 ロ短調 Wq 49-6/ |
ミクローシュ・シュパーニ (クラヴィコード) | ||
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの全鍵盤作品を録音するという偉業を達成中のシュパーニ。今回のアルバムにはC.P.E.円熟期の3作が収められている。この時期の作は限りなくロマン派の音楽に近づいていて、充実度満点。クラヴィコードの重量感ある音色も魅力。 | |||
21世紀のリコーダー音楽 ダニエル・ベルツ:ジョーカーの物語(1999-2000)(*) イングヴァル・カーコフ: リコーダーと吹奏楽のための協奏曲(2000)(+) フレドリク・エステルリング: 沈黙の声−リコーダー三重奏のための6章(2003)(#) |
ダン・ラウリン(リコーダー) アラン・ギルバート指揮 ロイヤル・ストックホルムpo.(*) ペッテ・スンドクヴィスト指揮 オストヨータ・ シンフォニック・ウィンドバンド(+) パラドックス・トリオ(#) | ||
いずれも2000年代の最新作。リコーダーと言えば小学校の教材か古楽の物と思われがちだが、このアルバムのように大編成のオーケストラやブラスバンドを向うにまわしても全然ひけをとらぬ潜在能力を秘めているのに驚かされる。日本でもお馴染のアラン・ギルバートがBIS初登場。 当初SACDハイブリッド盤でご案内しておりましたが、代理店のミスでCD盤と判明いたしました。 | |||
ヴィヴァルディ: 悲しみの晩祷、1727年9月15日に ヴェネツィアのピエタ孤児院で行われた 悲しみの聖母を讃える空想上の式典の音楽 スターバト・マーテル RV.621/ 聖墓に寄せるソナタ RV.130/ 詩篇127「主が家を建てられるのでなければ」RV.608/ マニフィカト RV611/サルヴェ・レジーナ |
ヤクブ・ブジンスキ(CT) ラ・テンペスタ | ||
ヴィヴァルディが、縁深かったピエタの孤児院で1727年9月15日に行なった聖母マリアの晩祷を再現したアルバム。キリストが十字架にかけられ埋葬されるまでのマリアの悲しみを、 それにふさわしいヴィヴァルディ作品で綴っている。注目はポーランドの新進カウンターテノール、ブジンスキ。このアルバムではソプラノとアルトの両パートを歌い、さらに彼が結成した古楽アンサンブル、ラ・テンペスタは打楽器まで含んでいる。興味津々。 | |||
シュニトケ:チェロとピアノのための作品集 チェロ・ソナタ第1番(1978)/ チェロ・ソナタ第2番(1993/4)/ 無伴奏チェロのための即興曲(1993)/ ムジカ・ノスタルジカ(1992)/ バレエ音楽「ペール・ギュント」〜エピローグ(1993) |
トルレイフ・テデーン(Vc) ローランド・ペンティネン(P) | ||
BIS 久々の新録音によるシュニトケ作品。シュニトケには大物チェロ奏者の友人が多かったため、優れたチェロ曲を残している。テデーンとペンティネンによる余裕の演奏で、暗く病的なシュニトケの世界を愉しむことが出来る。 | |||
クリスチャン・リンドベリ:作曲家の肖像 ヘリコン・ワスプ (指揮するトロンボーン奏者と管弦楽のための;2003) フルート協奏曲「モントウアグレッタの世界」(2001/02) コンドル峡谷(トロンボーンと金管五重奏のための;2000) 朝日は昇る(トロンボーンと男声合唱のための;1999) ベハック・ムンロー (トランペット、トロンボーンと管弦楽のための;2004) |
クリスチャン・リンドベリ (Tb、声)指揮 シャロン・ベザリー(Fl) ウーレ・エドヴァルド・ アントンセン(Tp) ロベルト・スンド指揮 スウェーデンco. ストックホルム室内ブラス オルフェイ・ドレンガル男声cho. サンパウロso. バスク国立o. | ||
トロンボーンの怪人クリスチャン・リンドベリの作曲集。彼の究極の野心は作曲家になることで、尊敬するグロボカールの跡を継ごうとしているようである。リンドベリならではの健康的なユーモアにあふれた音楽。 | |||
フルート名曲集 プロコフィエフ:フルートソナタ ニ長調 Op.94 シューベルト:「しぼめる花」による変奏曲 D.802 デュティーユ:ソナチネ ジョリヴェ:リノスの歌 |
シャロン・ベザリー(Fl) ロナルド・ブラウティハム(P) | ||
国内仕様盤: KDC-5010 〔廃盤〕。精力的な録音を繰り広げるシャロン・ベザリー。今回はフルート・レパートリー中でも王道中の王道の名作ばかりを集めた魅力的なラインナップ。いずれも難曲ばかりだが、シャロンは余裕の解釈。さらにプロコフィエフのようにピアノがフルートと互角に渡り合う作品では、ブラウティハムの巧さと音楽性がシャロンに全くひけをとらない名手ぶりを示している。 | |||
ブラジル舞曲 アウベルト・ネポムセーノ(1864-1920):前奏曲「いたずら小僧」/バトゥーキ アレシャンドル・レヴィ(1864-1892):サンバ / ヴィラ=ロボス:凶暴な踊り ミニョーネ:コンガーダ / フェルナンデス:バトゥーキ グァルニエリ:3つの舞曲 / クリーゲル:新世紀へのパッサカリア(1999) ジョビン:カンダンゴの到来 / ペレイラ/ゲーハ=ペイシェ:モウラン ロベルト・ミンチュク指揮サンパウロso. | |||
録音:2003年4月、12月、サンパウロ・ザール。これは理屈抜きに楽しめるアルバム。ブラジル人作曲家たちが、サンバやバトゥーキなど自国に伝わる舞曲を題材としたオーケストラ曲を集めている。古くはネポムセーノやレヴィから、1999年12月に初演されたクリーゲル作品まで多彩。録音も良く、いずれも原色的で強烈な生命力に満ちているのが特徴。アフリカ起源のリズムを持つヴィラ=ロボスからボサノヴァで有名なカルロス・ジョビンの洗練まで、オーケストラ曲ながらクラシックっぽくない初めての世界。 | |||
J.S.バッハ:管弦楽組曲(全4曲) | 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
長く録音が待たれていたBCJの管弦楽組曲がついに登場。これが期待を裏切らない素晴らしい出来で、BCJ器楽メンバーたちの名人芸が光る。フルート・ソロが重要な働きをする第2番では前田りり子が大活躍。SACDサラウンドによるハイブリッド盤、最新録音の2枚組ながら1枚価格。 | |||
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35 チャイコフスキー/グラズノフ編: なつかしい土地の思い出 Op.35 グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調Op.82 |
ワジム・グルズマン(Vn) アンドルー・リットン指揮 ベルゲンpo. | ||
レーラ・アウエルバッハ作品の演奏で注目のグルズマン。彼はイスラエル国籍ながら旧ソ連の出身で、チャイコフスキーもグラズノフもまさにお国物。両協奏曲はロシア・ヴァイオリン楽派の創始レオポルド・アウアーに献呈すべく作曲されたが、チャイコフスキー作品はそれを拒否されたことが知られている。当アルバムはアウアーの愛器1690年製ストラディヴァリウスでそれら因縁の作品を奏した。艶のある音色が魅力。 | |||
BIS-1432/4 (5CD) 廃盤 |
バッハ: ヨハネ受難曲 BWV.245/ マタイ受難曲 BWV.244 |
鈴木雅明指揮 バッハ・ コレギウム・ジャパン | |
名盤のお徳用セット化。 | |||
シベリウス:男声合唱曲集 無伴奏合唱曲 [6つの無伴奏合唱曲 Op.18/ 賛歌「苦しみの世界に生まれたもう」Op.21/ 月光を浴びて/祖国に/異郷にいる兄弟/ 海辺へ Op.84-5/2つの合唱曲 Op.108/ フィンランディア賛歌] 伴奏付合唱曲 [恋する人 Op.14/急流下りの名人の花嫁たち Op.33/ 火の起源 Op.32/カンタータ「放たれた女王」Op.48/ お前に勇気があるか Op.31-2/ レミンカイネンの歌 Op.31-1/ フィンランド白軍行進曲 Op.91-1] |
マッティ・ヒヨッキ指揮 YL(ヘルシンキ大学男声cho.) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. トム・ナイマン(T) トンミ・ハカラ(Br) | ||
フィンランドの名門YL(ヘルシンキ大学)男声cho.は1883年創立で、シベリウスもごく若い頃から意気投合し、「クレルヴォ交響曲」を含む多くの魅力的な男声合唱曲を彼らのために書き下ろした。シベリウスといえば交響曲や管弦楽曲に人気が集まりがちだが、実は男声合唱こそシベリウスの心の声だったといわれている。いずれも力強く、オトコの哀しみに満ちた作品ばかり。YLの自信に満ちた演奏も超魅力。 | |||
アルヴォ・ペルト(1935-): フラトレス(ヴァイオリンとピアノのための版)/ 鏡のなかの鏡/小カンタータ/神の母/私は真のワイン/ 来る日も来る日も/アリヌシカの回復による変奏曲/ アリーナのために/小五重奏曲/BACHによる小協奏曲/ フラトレス(弦楽四重奏版)/ ベンジャミン・ブリテン追悼のカントゥス |
ワジム・グルーズマン(Vn) アンゲラ・ヨッフェ(P) ハンス=オーラ・エーリクソン(Org) アレクセイ・リュビーモフ(P) ホーカン・ハーデンベルガー(Tp) タリンSQ ネーメ・ヤルヴィ指揮ベルゲンpo. スウェーデン放送cho. | ||
2005年が生誕70年となるアルヴォ・ペルト。BISがこれまでに録音した彼の作品から選りすぐりの逸品をあつめたコンピレーション盤。 | |||
17世紀イギリスの歌曲集 ヘンリー・ローズ、ブロー、ジョン・ウィルソン、 キャンピオン、エクルズ、フェラボスコII、 グリーン、ボイス、ウェルドンの作品 |
エマ・カークビー(S) アントニー・ ルーリー(リュート) | ||
ヘンデル:オラトリオ二重唱曲集 「エフタ」〜これら労働は終わり 「ヨシュア」〜おお、無比の娘/われららが澄んだ流れ 「ベルシャザール」〜偉大なる勝者、あなたの足元に跪きます 「スザンナ」〜汝、芸術よ近くへ/私の貞節なスザンナを称えよ 「テオドーラ」〜汝、輝かしき富の息子/喜びの流れは永久に 「ソロモン」〜夜明けよ、ようこそ/賢者が知るあらゆる喜び 「アン王女の誕生日のための頌歌」〜親切な健康は降ち 「サウル」〜一万のけがれなさうち、最たるもの/ 私は笑って迫害を受けよう 「デボラ」〜あなたの熱意はどこに私を育てますか/ 微笑ましい自由、すてきな客人 「アレクサンダー・バルス」〜夫婦愛ばんざい 「アレクサンダーの饗宴」〜彼女を真似よう 「エステル」〜誰が私の離れた心を |
キャロリン・サンプソン(S) ロビン・ブレイズ(CT) ニコラス・クレーマー指揮 エイジ・オブ・エンライトンメントo. | ||
BCJのソリストとしてもおなじみのイギリス人歌手二人デュエット。テーマはずばり「愛」。ほとんどが宗教作品中のものではあるが、開放的で甘口な作風のヘンデルらしく、まるでオペラのような愉悦感に満ちている。 | |||
シュニトケ:ヴァイオリン作品集 クワジ・ウナ・ソナタ (ヴァイオリン&室内管弦楽版;1968/1987)(*)/ モーツ=アルト・アラ・ハイドン (2つのヴァイオリン&管弦楽版;1977)(+)/ 古風な様式による組曲(室内管弦楽版;1972/1987)(#)/ 合奏協奏曲第6番(1993)(*) |
ウルフ・ヴァリーン(Vn;*) テロ・ラトヴァラ(Vn;+) メリ・エングルンド(Vn;#) ラルフ・ゴトーニ (P)指揮 タピオラ・シンフォニエッタ | ||
シュニトケ・ブームのきっかけを作ったBISにしてはこのところずっと新録音が途絶えていたが、ここに充実のアルバムが登場。シュニトケの作品中で全く古典派風で聴きやすい「古風な様式による組曲」の室内管弦楽版をはじめ、美しいものばかり。フィンランドのピアノの名手ゴトーニが指揮を務めているのも注目。 | |||
フォリエーションズ ジャン・バック(1937-):フォリエーションズ (「ラ・フォリア」による18の変奏曲)(*) アーノルド:金管五重奏曲 Op.73 ボザ:金管五重奏のためのソナチネ クリスティアン・リンドベリ:コンドル峡谷(#) リンコラ:金管五重奏曲第2番 |
クリスティアン・ リンドベリ(Tb) ストックホルム・ チェンバー・ブラス | ||
現在世界屈指の金管五重奏団ストックホルム・チェンバー・ブラスの最新盤。Bachと綴ってバックと読むアメリカ人作曲家による(*)が聴きもの。また元気のいいアーノルド、ユーモアと敏捷性あふれるボザ、リズミックで活気あるフィンランドのリンコラなどいずれも魅力たっぷり。さらに超巨匠リンドベリによる(#)は天高く舞うコンドルのような気宇壮大な曲。作曲者自身も演奏に参加している。 | |||
デュリュフレ: 前奏曲、レチタティフと変奏Op.3 タチヤナ・ニコラーエワ: フルート、ヴィオラとピアノのための三重奏曲Op.18(*) ヴァインベルク: フルート、ヴィオラとピアノのための三重奏曲Op.127(*) レイナルド・アーン: ロマネスカ(フルート、ヴィオラ、ピアノのための)/ ある女神のための踊り(フルートとピアノのための)(*)/ 魔法使い(フルートとピアノのための)(*)/ 画家の肖像(ピアノのための) |
シャロン・ベザリー(Fl) 今井信子(P) ロナルド・ブラウティハム(P) | ||
(*)は世界初録音。フルートの美神シャロン・ベザリーとヴィオラの女王今井信子による夢の共演が実現。これが予想以上の素晴らしさで、あまりの美しさに失神しそうなほど。 ブラウティハムの名人ぶりも驚きで、2人に一歩のひけもとらない。「レクイエム」で知られるフランスの寡作家モーリス・デュリュフレの「前奏曲、レチタティフと変奏」はフルート、ヴィオラ、 ピアノのための貴重なオリジナル作品。グレゴリオ聖歌に基づく絶美の変奏が続く世界は、全く現代的でなく、フォーレ風のエレガンスに満ちている。何故知られていないのか理解に苦しむ逸品。 大ピアニスト、ニコラーエワの珍しい作曲もオリジナル作品。8楽章から成る本格作品で、現代的な所は全くなく、透明で美しい叙情はムード音楽風でさえある。 交響曲や協奏曲で知られるヴァインベルクもオリジナル。フルートが超高音域を駆け回るミニマル風書法の不思議な作品。この録音のため遺族から草稿を提供してもらったという。 レイナルド・アーンもとびきりの美しさ。ことにフィル・アップのフルートとピアノのための「ある女神のための踊り」と「魔法使い」は世界初録音で、フルート関係者にさえ知られていない珍品。 ムラマツ特製24金フルートによるシャロンの魔術のような音色とテクニックに心奪われる。 | |||
ヴィラ=ロボス:ショーロ全集 Vol.1 [第1番(1928)〜 Pf とOrch のための/ 第5番(1926)〜 Pf 独奏のための/ 第7番(1924)〜管楽とVn, Vc のための] |
クリスティーナ・ オルティス(P) ジョン・ネシリング指揮 サンパウロso. | ||
ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ」シリーズで、お国物ならではの演奏が注目されたネシリングとサンパウロ響。次なるシリーズは同じヴィラ=ロボスの「ショーロ」。ショーロ(よく複数形で「ショーロス」と表記される)とは19世紀中頃にリオデジャネイロで生まれた大衆音楽。ヨーロッパの舞曲がアフリカの要素で様変わりしたもので、非常に個性的。ブラジルの音楽家ならではの血の通った演奏が楽しめる。また、かつて人気のあったブラジルの美人ピアニスト、オルティスが健在ぶりを示してくれる。 | |||
グリーグ:劇付随音楽「ペール・ギュント」(全曲) | スヴァイン・ストゥルラ・ フングネス(語り:ペール) カリ・シモンセン (語り:オーゼ) アンドレア・ブレイン・ホヴィグ (語り:アニトラ) ホーカン・ハゲゴード(Br) マリタ・ソルベルグ(S) 他 ウーレ・クリスチャン・ルード 指揮ベルゲンpo. | ||
BIS がついに「ペール・ギュント」全曲版をリリース。それもルードとベルゲン・フィルというお国もの。さらにSACDハイブリッド高音質録音なのだから言うことなし。組曲では珍妙な曲ばかりというイメージのこの作品、全曲聴いて初めて真価がわかるといえる。ノルウェー語の台詞でさえ、とても音楽的に響く。 | |||
アルベニス:ピアノ作品全集 Vol.5 スペイン組曲 T.61 /ピアノ・ソナタ第4番 T.75 / 古風な組曲第2番 T.66 /ソルチーコ T.84 / パバーナ・カプリッチョ T.48 |
ミゲル・バセルガ(P) | ||
録音:2004年4月。#2021年7月、 BIS-2613 (9CDs) で全集化。 | |||
ニルセン:初期室内楽曲集 ヴァイオリン・ソナタ ト長調(1881/2)/ 2つのヴァイオリンのための 二重奏曲第1番(1883)/ ロマンス ニ長調(1883頃)/ 弦楽四重奏曲(第1番) ニ短調(1883)/ 弦楽四重奏曲(第2番) ヘ長調(1887)/ 2つの弦楽四重奏断章(1887)/ ロマンス Op.2(ヴァイオリンとピアノ版) |
ゲオルギオス・デメルツィス(Vn) マリア・アステリアドウ(P) 新ヘレニックSQ | ||
いずれも辞典にさえ載っていない作品だが、カール・ニルセンが10代半ば、正式に作曲を学ぶ以前の習作集。ニルセンというと晦渋なイメージがあるが、いずれもナイーヴな感性と人好きするメロディにあふれている。北欧音楽ファン必聴の一枚。 | |||
シベリウス:管弦楽作品集 交響詩「海の精」Op.73(現行版)/同(エール版)/ 管弦楽組曲の断章(「海の精」の原曲;1914)/ カッサシオン Op.6(初版)/ ある情景のための音楽(1904)/戴冠式行進曲(1896)/ ジャコブ・ド・ジュラン氏のモチーフによる ロマンティックな小品(1925)/ ポリライステン行進曲(1900)/ 行列(1905)/春の歌(1895年版) |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティo. | ||
「海の精」の3つの版を収録。現行版以外は世界初録音で、この名作がたどってきた道を知ることができる。他にも初版や未知の小品が盛りだくさん。 | |||
愛は私を歓迎してくれた〜歌、二重唱、器楽曲 ダウランド:あふれよわが涙/ 愛の神よ、見つけたことがあるなら話して/ラクリメ/ 誰よりも私だけをあの世に送り返して/ もう一度帰っておいで、優しい恋人よ ジョーンズ:あなたの異常さにもかかわらず/ 私は不平を言うふりをしているだけ/他 ジョンソン:ハットン夫人のアルメン/他 |
シアター・オヴ・ アーリー・ミュージック [ジェイムズ・ボーマン、 ダニエル・テイラー(CT) フランシス・ケリー(Hp) エリザベス・ケニー(リュート) マーク・レヴィ(ガンバ)] | ||
BCJ のカンタータ・シリーズでもお馴染のカウンターテナー、ダニエル・テイラーが歌うイギリス黄金時代の音楽。ダウランドの「ラクリメ」の味わい深さは格別。 | |||
海洋画 ドビュッシー:交響詩「海」 周龍(ジュー・ロン):深い、深い海 フランク・ブリッジ:組曲「海」 グラズノフ:幻想曲「海」 |
シャロン・ベザリー (アルトFl/ピッコロ) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
シンガポールはイギリス東インド会社が1819年に到来して以後、急速にアジアのハブ港として発展した。海とは切っても切り離せない同国のオーケストラが、4つの国の作曲家たちの描いた海の音楽を再現。極彩色のサウンドを楽しめる。さらに、フルートの女神シャロン・ベザリーの独奏が聴けるのも嬉しい限り。 | |||
ナサニエル・シルクレット(1889-1982): トロンボーン協奏曲(1945) フレードリク・ホーグベリ: トロンボーン協奏曲第1番「キットボーンの帰郷」(2001) クリスチャン・リンドベリ:ヘリコン・ワスプ(2003) |
クリスチャン・リンドベリ(Tb) ジョン・ネシリング指揮 サンパウロso. | ||
トロンボーンの怪人クリスチャン・リンドベリ久々の協奏曲録音。ナサニエル・シルクレットはアメリカのブロードウェイで活躍した大物。映画「摩天楼」や「踊らん哉」の音楽監督も務め、また指揮者としてはガーシュウィンの「パリのアメリカ人」を作曲者がチェレスタ・パートで参加した古い録音があった。シルクレットのトロンボーン協奏曲は1945年にストコフスキーの依頼で作曲され、トミー・ドーシーの独奏で演奏されたものの、その後スコアが行方不明となり、60年を経てこのたびの復活となった。ジャズ風、ブロードウェイ風で、アメリカン・ドリームの世界が広がる、超カッコイイ作品。 | |||
グバイドゥーリナ: フルート協奏曲「希望と絶望の偽りの顔」(2005) (*) / チェロ、バヤンと弦楽合奏のための「七つの言葉」(1982) (+) シャロン・ベザリー(Fl;*) トーレイヴ・テデーン(Vc;+) 御喜美江(アコーディオン) マリオ・ヴェンツァーゴ指揮エーテボリso. | |||
国内仕様盤: KDC-5011 〔廃盤〕。グバイドゥーリナがシャロン・ベザリーのために書き下ろした2005年の新作協奏曲(*)が聴きもの。タイトルはT.S.エリオットの詩「聖灰水曜日」の一節。通常・アルト・バスの3本のフルートを駆使して超大編成のオーケストラと極彩色の絵巻物を繰り広げる。「七つの言葉」ではアコーディオンの女王・御喜美江がソロを務めている。 | |||
ヴィラ=ロボス:ショーロ全集 Vol.2 [第1番 (1920; ギター独奏のための)/ 第4番 (1926; 3本のホルン、トロンボーンのための)/ 第6番 (1926; 管弦楽のための)/ 第8番 (1925; 2台のピアノと管弦楽のための)/ 第9番 (1929; 管弦楽のための)] |
ファビオ・ザノン(G) ダンテ・イェンクェ、 オゼアス・アランテス、 サムエル・ハムゼム(Hr) ダリン・コールマン(B−Tb) リンダ・ブスターニ、 イラン・レヒトマン(P) ジョン・ネシリング指揮 サンパウロso. | ||
お国物ならではの味わいで高い評価を受けているネシリングのヴィラ=ロボスのシリーズ、最新譜はショーロの第2集。ギター独奏の第1番、金管四重奏の第4番といった特殊な編成から、大管弦楽まで多彩。ヴィラ=ロボスならではの生命力と南国的カラーで、類のない音の万華鏡を創りあげている。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.28 第62番「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」BWV.62/ 第139番「幸いなるかな、おのが御神に」BWV.139/ 第26番「ああいかにはかなき、ああいかに空しき」BWV.26/ 第116番「汝平和の君、主イエス・キリスト」BWV.116 |
野々下由香里(S) ロビン・ブレイズ(CT) 櫻田亮(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
BCJの教会カンタータ・シリーズも折り返し点に来て、今回からジャケット・デザインも新たにSACDハイブリッド盤での発売となる。このアルバムには有名曲「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」が入っているのも魅力。 | |||
クロマータ・アンコール カールソン:タンゴ/ジプシー・サーカス風に ジョージ・ハミルトン・グリーン:半音階的フォックストロット ジャスパー:ハミング・バード アルント:ノラ シルヴマルク:ヴィタベリの歌 ペッテション=ベリエル:ベリエブィヴァルス ログイン:無題 エングストレム:リスポルスカ アルヴェーン:眠りの森 ホルダル:町の祭り ジョンソン:ディルのピクルス |
クロマータ打楽器合奏団 ジヤ・アイテキン(トルコの民俗管楽器) ホーカン・ハーゲゴール(Br) | ||
スウェーデンが誇る名人打楽器集団クロマータ久々の新譜。アンコール的な小品を集めているが、効果は満点。BISならではの超優秀録音がSACDハイブリッドでさらにパワーアップ。音響が襲いかかるので、要注意。 | |||
たかの舞俐:作品集 Vol.2 ソプラノ・サックス、テナー・サックスとピアノのための「リガリアンI」(2003) / オーボエ、十七絃とヴァイオリンのための「リガリアン II 」 (2003) / ヴァイオリンとハープのための「リガリアン III 」 (2007) / ソプラノ・サックス、テナー・サックスとピアノのための「リガリアン IV 」 (2007/8) / ピアノのための「ジャンゲビリティー」(2005/6) / ヴァイオリンとエレクトロニクスのための「フルムーン」 (2008/9) (#) / フルート協奏曲「ジェルジ・リゲティの思い出」(2004/6) (+) ネイサン・ナブ(S-Sax) 杉原真人(T-Sax) ウィンストン・チョイ(P) 安田紀生子(Vn) 南原和子(Hp) 池田昭子(Ob) 丸田美紀(十七絃) 木村まり(Vn;#) シャロン・ベザリー(Fl;+) アンネ・マンソン指揮スウェーデン室内o.(+) | |||
録音:2010年2月、彩の国さいたま芸術劇場(無印) /2009年10月、ハーヴェストワークス・ディジタル・メディア・アーツ・センター、ニューヨーク(#) /2007年5月、エレブロ・コンサート・ホール、スウェーデン(+)。Vol.1:BIS-1238。既出:BIS-1649(+)。リゲティの愛弟子にして、BISのバール社長が惚れこむ作曲家、たかの舞俐。強烈な印象を残した第1弾に続く作品集が登場。収録曲中(+)のみは既出音源だが、大半は2010年彩の国さいたま芸術劇場にてセッション録音された。彼女の作風はワールドミュージックやポップスの要素も採り入れたオシャレなもので、いわゆるゲンダイオンガクではない。師のリゲティから「女性ホルモンの塊」と称された不思議な色気もたっぷりで、美術、ファッション、映像等、総合芸術にピッタリな世界が広がる。演奏陣も豪華。 | |||
レスピーギ: 日没(*)/弦楽四重奏曲 ニ短調/ドリア調四重奏曲 |
ステラ・ドウフェクシス(Ms;*) ニュー・ヘレニックSQ | ||
レスピーギはローマ三部作のようなド派手音楽で人気があるが、自身ヴァイオリンの名手だっただけに、室内楽作品にはより真摯な情感がある。1991年創立のギリシャのニュー・ヘレニックSQがレスピーギの古代的な美しさを味わせてくれる。 | |||
17世紀イギリスのトリオソナタ集 ギボンズ:3声のファンタジー(3曲) コプラリオ:ファンタジア組曲 ウィリアム・ロウズ:セット第1番 ジェンキンス:ファンシーとエア/3声のファンタジア マシュー・ロック:組曲 ニ短調 クリストファー・シンプソン:組曲 ニ長調 ジョン・ブロウ:ソナタ イ長調/グラウンド ト短調 パーセル:ソナタ第20番 ニ長調 |
ロンドン・バロック | ||
ロンドン・バロックによる17世紀イギリスのトリオソナタ集。HMFにも録音がなかったほど、かなり珍しいものも多くファン注目。 | |||
アレクサンドル・ロクシーン(1920-1987): 交響曲第5番「シェイクスピアのソネット」(1969) 同第9番(レオニード・マルティノフの詩による;1976) 同第11番(ルイス・デ・カモンイスの詩による;1976) |
ジェフリー・ブラック(Br) ヴァンダ・タベリィ(S) ミハウ・シフェルチェフスキ指揮 グラーツ大o. レクリエーション | ||
旧ソ連の作曲家のうちでも特に不遇だったロクシーン。ショスタコーヴィチ、バルシャイ、ザンデルリングらに天才と激賞されながらも、体制に反抗的だったため迫害され、これまでほとんど作品を聴くことができなかった。このアルバムに収められた交響曲はいずれも独唱を含んでいる。体制をオブラードに包んで非難したマルティノフの詩による第9番は当局のブラックリストに載せらた問題作。ロシア音楽ファンは見逃せない重要作品である。 | |||
グリーグ:歌曲集 Vol.5 4つのデンマーク語のロマンス Op.10 「ペール・ギュント」からの3つの歌 Op.23/ 山とフィヨルドからの思い出 Op.44/ ドラックマンの6つの詩 Op.49/シンプルな歌 EG.147 |
モニカ・グロープ(Ms) ロジャー・ヴィニョールズ(P) | ||
フィンランドのベテラン歌手グロープによるグリーグ歌曲シリーズ。「ペール・ギュントからの3つの歌」には、グリーグ自身がピアノ伴奏にした「ソルヴェイグの歌」が入っているのが嬉しい。滋味溢れる名唱。 | |||
チャイコフスキー:交響曲全集 Vol.5 交響曲第4番 ヘ短調Op.36 弦楽セレナード Op.48 サマーリン追悼の悲歌 |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 エーテボリso. | ||
父ヤルヴィのチャイコフスキー・シリーズ第5弾は交響曲第4番と弦楽セレナードという魅惑のカップリング。交響曲第4番は2006年7月に京都市so.を振った兇暴な演奏が話題となったので、非常に期待が持てる。ヤルヴィの音楽性に向いていると思える弦楽セレナードも楽しみな限り。 | |||
ベザリーのフルート大百科 Vol.3 ブレット・ディーン:デモンズ ドナホーニ:パッサカリア カルル=アクセル・ドミニク:ソングラインズ シャミナード:ロマンティックな小品 カスパル・ディートヘルム:黄道十二宮 ジャン・ドンジョン:風の歌 ドヴィエンヌ:ソナタ第4番 ト長調 ドビュッシー:シランクス |
シャロン・ベザリー(Fl) | ||
好評の大百科シリーズ第3弾。ドビュッシーの「シランクス」のような有名作から、最新作までベザリーの黄金フルートの妙技で楽しめる。注目はドナホーニの「パッサカリア」。彼最後の作で、無伴奏フルートながら大規模でフーガ的書法を見せる超難曲。ドナホーニの最高傑作の声も高いものの、あまりの難曲ゆえ録音がほとんど存在しなかった。ベザリーの演奏でこの作品の真価が明らかにされる。 | |||
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調「悲愴」 同第14番 嬰ハ短調「月光」/同第23番 ヘ短調「熱情」 |
フレディ・ケンプ(P) | ||
「ケンプの三大ソナタ」といえば誰しもヴィルヘルムを思い出すが、技巧、若々しさの点ではもちろんフレディの方が勝っている。久々に輝かしい三大ソナタ録音の登場といえよう。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.29 第2番「ああ神よ、天よりみそなわし」BWV.2/ 第3番「ああ神よ、いかに多き胸の悩み」BWV.3/ 第38番「深き悩みの淵より、われ汝に呼ばわる」BWV.38/ 第135番「ああ主よ、哀れなる罪びとわれを」BWV.135 |
ドロシー・ミールズ(S) パスカル・ベルタン(A) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン コンチェルト・パラティーノ | ||
今回収録の4作品には、すべてコルネット(ツィンク)とトロンボーンが登場するのが特徴。この録音ではブルース・ディッキー率いるフランスの名人集団コンチェルト・パラティーノが担当しているのが嬉しいところ。いつものBCJの響きと一味異なる荘重さが新鮮。 | |||
レーラ・アウエルバッハ: 24の前奏曲 Op.41(1999)/10の夢 Op.45(1999)/ コラール、フーガと後奏曲 Op.31(1994/2003) |
レーラ・アウエルバッハ(P) | ||
天才レーラ・アウエルバッハの自作自演集。彼女のピアノの巧さは「たまゆら」レーベルのアルバム「トルストイのワルツ」(KKCC-3007→ BIS-1502, KKC-041)でも実証済みだが、ここでも変幻自在なピアニズムを披露。ショスタコーヴィチやシュニトケを思わせる旧ソ連的作風で、メロディにも事欠かない。「10の夢」はBIS 社長ロベルト・フォン・バールに献呈されている。 | |||
ニルセン:クラリネット協奏曲 カレヴィ・アホ:クラリネット協奏曲 |
マルティン・フレスト(Cl) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
スカルコッタス: 16の歌曲(1941)(*)/15の小変奏曲(1927)/ ソナチネ(1927)/エコー(1946)/子守歌(1941) |
アンゲリカ・カタリウ(Ms;*) 二コラオス・サマルタノス(P) | ||
初の全曲録音となる(*)は非常に実験的で、ギリシャ語の響きも神秘的。併録のピアノ小品も驚くほど大胆な作風。 | |||
17世紀フランスのトリオ・ソナタ集 リュリ:王を眠らせるためのトリオ ジョフロワ:クラヴサンとヴィオルのためのディアローグ ルイ・クープラン:サンフォニー/ディアローグ フランソワ・クープラン:トリオ・ソナタ「壮大なもの」 ガスパール・ル・ルー:組曲第2番 ニ長調 クレランボー:ソナタ ト長調 マレ:組曲 ト短調 ルベル:リュリ氏のトンボー |
ロンドン・バロック | ||
トリオ・ソナタはコレッリに代表されるイタリア的な形式。これがフランスで花開くのは17世紀末で、イタリア人リュリがもたらしたとされる。いずれも典雅の極みだが、ルイ14 世を寝かせるために書かれた作品が特に聴きもの。 | |||
シベリウス:弦楽四重奏作品集 アダージョ ニ短調 SJ12(1890)/ 弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.4(1890)/ 弦楽四重奏曲 ニ短調 Op.56「親愛の声」〜 予備用エンディング世界初録音付/ アンダンテ・フェスティヴォ JS34a(1922) |
テンペラSQ | ||
シベリウスが作った弦楽四重奏曲をすべて集めるシリーズの第3弾。今回は名作「親愛の声」が収録されているが、未知の別エンディングも併録されている点でシベリウス・ファンは見逃せない。4人のうら若きフィンランド美人によるテンペラSQがフレッシュな演奏を繰り広げ、ことに「アンダンテ・フェスティヴォ」は感動的な美しさ。 | |||
シェーンベルク: 浄夜 Op.4(シュトイアマン編曲によるピアノ三重奏版) ペトラルカのソネット第217番 (グライスル編曲によるピアノ三重奏版) ウェーベルン: チェロとピアノのための2つの小品(1899)/ チェロ・ソナタ(1914)/ チェロとピアノのための3つの小品 Op.11/ ピアノ・ソナタ楽章(ロンド)(1906)/ ピアノのための楽章(1906)/ピアノのための変奏曲 Op.27/ ピアノ小品(1925)/子供のための小品(1925)/ ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 Op.7 |
ローランド・ペンティネン(P) ウルフ・ヴァリーン(Vn) トーレイヴ・テデーン(Vc) | ||
シェーンベルクの作品を室内楽用に編曲したものと、ウェーベルンの主要な作品を集めた好アルバム。北欧出身の名手3人が全く隙のない演奏を繰り広げている。 | |||
チャイコフスキー: 交響曲第3番 ニ長調「ポーランド」Op.29/ 歌劇「地方長官」〜[間奏曲/侍女の踊り]/ 付随音楽 「偽ドミートリーとワシリー・シュイスキー」より [序奏/マズルカ]/ ニコライ・ルビンシテインの 命名日のためのセレナード/ 歌劇「エフゲニー・オネーギン」より [序奏/ワルツ/ポロネーズ] |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 イェーテボリso. | ||
ヤルヴィによるチャイコフスキー交響曲シリーズの完結篇。 彼の交響曲中もっともバレエ音楽的で華やかな第3番をメインに、やはりゴージャスな「オネーギン」のワルツとポロネーズも収められているのが魅力。さらにヤルヴィならではなのが滅多に聴く機会のない作品を採り上げているところ。ボリス・ゴドゥノフの一場面である付随音楽「偽ドミートリーとワシリー・シュイスキー」、破棄された初期のオペラ「地方長官」など、聴けばいずれも明瞭なチャイコフスキー節に、ファン狂喜の一枚。 | |||
J.S.バッハ: イタリア協奏曲 BWV.971/フランス風序曲 BWV.831/ ソナタ ニ短調 BWV.964(無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番より) |
鈴木雅明(Cemb) | ||
鈴木雅明のバッハ・チェンバロ曲シリーズ第5弾はお待ちかねの「イタリア協奏曲」。演奏は極めて過激にして大胆、これまでの作品観を全く覆してしまう。 | |||
サン=サーンス: ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調 Op.61(*)/ ワルツ形式による練習曲による カプリス(イザイ編曲)(*)/ アンダルシア奇想曲 Op.122/ 「ノアの洪水」序曲 Op.45 (弦楽オーケストラ)/ ウェディング・ケーキ Op.76 (ピアノと弦楽オーケストラ)(#)/ アレグロ・アパッショナート Op.70 (ピアノとオーケストラ)(#) |
ジャン=ジャック・ カントロフ(Vn;*) ヘイニ・カルッカイネン(P;#) キース・バケルス、 ジャン=ジャック・ カントロフ指揮 タピオラ・シンフォニエッタ | ||
カントロフによるサン=サーンスの管弦楽曲シリーズの最新盤。ここではカントロフが指揮のみならず、名作ヴァイオリン協奏曲第3番の独奏も務め、名人芸を発揮しているのも注目。ピアノの協奏的小品も入っているが、「アレグロ・アパッショナート」の真摯さは非常に感動的。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.30 第51番「すべての国よ、神を誉め讃えよ」BWV.51 アリア「神と共にすべての事に当り」BWV.1127(*) [ボーナス・トラック] 結婚カンタータ BWV.210〜歌たちよ |
キャロリン・サンプソン(S) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
2005年6月にワイマールで発見されて話題となった大バッハ未知のアリア(*)。ガーディナーにより一部が世界初録音されたが、今回BCJが全12節すべてを録音。キャロリン・サンプソンの美声で堪能できる。 ボーナス・トラックは「結婚カンタータ」(BIS-1411)からのアリアですが、通常ステレオ層のみに入っていますので、ご注意下さい。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.3 第4番 変ホ長調 Op.7/第5番 ハ短調 Op.10 No.1/ 第6番 ヘ長調 Op.10 No.2/第7番 ニ長調 Op.10 No.3 |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
評判の高いブラウティハムのベートーヴェン・シリーズ第3弾。フォルテピアノならではの滋味とブラウティハムならではの颯爽とした音楽が絶妙にブレンドされている。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.4 ピアノ・ソナタ 第12番 変イ長調 Op.26/第13番 変ホ長調 Op.27-1/ 第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」/ 第15番 ニ長調 Op.28 |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
欧米で絶賛されているブラウティハムのベートーヴェン第4弾。今回は「月光」を含む幻想曲風の2曲が含まれているのに注目。フォルテピアノによる清新な解釈は新たな発見も多く、目からウロコが落ちる連続。 | |||
ストラヴィンスキー: ペトルーシュカ(1911年版)(*)/春の祭典(#) |
アンドルー・リットン指揮 ベルゲンpo. | ||
録音:2008年8月(#)、2009年6月(*)、グリーグ・ホール、ベルゲン。好評のリットン&ベルゲン・フィル・シリーズ。「春の祭典」ともども極彩色のオーケストレーションがBISならではの超優秀録音で再現。 | |||
蜂の巣からの蜜〜ダウランド:リュート歌曲集 あふれよ、わが涙/悲しみよ、とどまれ/ 彼女は私の過ちを許してくれるだろうか/彼の金髪も時が銀髪に/ 私は見た、あの人が泣くのを/早まって死んではならない/ 悲しめ、昼は闇に去った/時の長男、すなわち老い/ おお優しい森/さようなら、あまりに美しく貞節な人/ 時は静止して/愛の神の目を閉じた/ ダフネはあまり純潔ではなかった/誰よりも私だけをあの世に/ アポロが初めてダフネを/愛の神よ、見つけたことがあるなら/ 愚かな蜜蜂が |
エマ・カークビー(S) アントニー・ルーリー(リュート) | ||
婦唱夫随のカークビーとルーリーが彼らに最もふさわしい音楽を録音。円熟のカークビーの、さりげなくも魔術のような巧さ、その優しさ、透明さは感動もの。 | |||
シベリウス:弦楽四重奏曲集(1888-1889) モデラートとアレグロ・アパッショナート 嬰ハ短調 JS.131/ アレグロ ホ短調 JS.28/アレグレット イ短調 JS.17/ ピウ・レント ヘ長調 JS.149/アダージョ ヘ短調 JS.14/ アレグレット 変ロ長調/ マルティン・ヴェゲリウスのためのフーガ JS.85/ 弦楽四重奏曲 イ短調 JS.183 |
テンペラSQ | ||
ヘルシンキ音楽院で修行中のシベリウスが試作した弦楽四重奏曲集。もちろん世界初録音で、シベリウスの全作品を断片まで録音しようというBISならではの企画。中には美しいメロディもあり、ファン必携。 | |||
リムスキー=コルサコフ: 交響曲第1番 ホ短調 Op.1(第2稿) 交響曲第3番 ハ長調 Op.32(第2稿) セルビア主題による幻想曲 Op.6(第2稿) |
キース・バケルス指揮 マレーシアpo. | ||
バケルス&マレーシア・フィルによるリムスキー=コルサコフ第3弾。比較的珍しい作品の、いずれも改訂版を用いているのが特徴。この作曲家ならではのゴージャズなオーケストラ・サウンドに酔わされる。 | |||
アルヴェーン:交響曲&管弦楽曲集成 交響曲第1番 ヘ短調 Op.7/交響曲第2番 ニ長調 Op.11/ 交響曲第3番 ホ長調 Op.23/ 交響曲第4番 ハ短調 Op.39「海辺の岩礁にて」/ 交響曲第5番 イ短調 Op.54/ スウェーデンの狂詩曲第1番「夏至の徹夜祭」 Op.16/ スウェーデンの狂詩曲第2番「ウプサラ狂詩曲」 Op.24/ スウェーデンの狂詩曲第3番「ダーラナ狂詩曲」 Op.47/ 宗教的アンダンテ Op.31/「放蕩息子」組曲/ 岩礁の伝説 Op.20/「山の王」組曲 Op.37/ 「グスタフ2世アドルフ」〜エレジー |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 ロイヤル・ストックホルムpo. | ||
華麗なオーケストレーションで人気のアルヴェーンの特価セット。主要作品は全て含んでいるといっても過言ではないだろう。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.31 第91番「讃美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ」BWV.91/ 第101番「われらより取り去りたまえ、主よ」BWV.101/ 第121番「キリストをわれらさやけく頌め讃うべし」BWV.121/ 第133番「われ汝にありて喜び」BWV.133 |
野々下由香里(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン コンチェルト・パラティーノ | ||
バッハはライプツィヒ時代、15曲のカンタータにコルネット(ツィンク)とトロンボーンのアンサンブルを用いた。コルネットは人声のようにしなやかで、トランペットの輝かしさとヴァイオリンの細やかさを併せ持つ理想的な楽器として、16〜17世紀に盛んに用いられた。バッハの時代には既にその最盛期は過ぎていたが、トロンボーンとのアンサンブルは依然活躍しており、重要な楽器であった。 このアンサンブルを用いたバッハのカンタータの冒頭合唱は古風な厳格対位法によっている。その結果、続くアリアやレチタティーヴォとの対比はより強くなり、表現は全体としてより劇的となっている。現代にコルネットを復活させたブルース・ディッキー率いるコンチェルト・パラティーノが、カンタータの中でも特別に荘厳な響きのこれら作品に華を添える。 | |||
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲 [第1番 ハ短調 Op.8/第2番 ホ短調 Op.67] シュニトケ:ピアノ三重奏曲(1985 rev.1992) |
ケンプ・トリオ [フレディ・ケンプ(P) ピエール・バンセー(Vn) アレクサンドル・ シャウシヤン(Vc)] | ||
人気ピアニストF.ケンプ率いるピアノ・トリオによる最新盤。 ショスタコーヴィチの第1番は彼最初の室内楽作品で、生前は未発表だったもの。初期ショスタコーヴィチならではの尖った音楽が楽しめる。シュニトケの作品は、アルバン・ベルク生誕百年を記念して書かれた弦楽三重奏を7年後にピアノ三重奏へ編み直したもの。若くて切れ味の良い三人組が、屈折した世界を見事に演じている。 | |||
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ハ短調 Op.65 | マーク・ウィグレスワース指揮 オランダ放送po. | ||
好評のウィグレスワースのショスタコーヴィチ交響曲シリーズの第4弾。ムラヴィンスキーに捧げられ彼により初演されたこの作品は、どうしてもムラヴィンスキー&レニングラード・フィルの圧倒的名演が決定盤となってしまうが、このウィグレスワース盤も感動的。ショスタコーヴィチの書いた最も恐ろしい世界がSACDサラウンドで広がる。 | |||
スカルコッタス(1904-1949): ピアノ協奏曲第2番 (1937)/主題と変奏/4つの映像 |
ジェフリー・ダグラス・マッジ(P) ニコス・フリストドルー指揮 BBCso. | ||
SACDハイブリッド、5.0サラウンド。 ギリシャの作曲家スカルコッタスのピアノ協奏曲第2番は、十二音技法によりながらも熱っぽく英雄的な大作。ピアノ・パートは難物で、それを難曲ばかりに挑戦する恐怖のピアニスト、マッジが攻めている。 | |||
世界初録音も多数、あの曲の異稿が聴ける 〜シベリウス:管弦楽作品集 イン・メモリアム(葬送行進曲) Op.59(1909年版/1910年版;2種)/ チェロと管弦楽のための「2つの荘重な旋律」Op.77(*)/ 弦楽のためのプレスト (1894)/ トゥオネラのレミンカイネン Op.22-2 (1896年版、コリン・デイヴィス版に基づく 2004年の復元)/ ヴァイオリンと管弦楽のための「ユモレスク」 Op.87-1(初版)/ 3つの小品 Op.96[叙情的なワルツ/昔々/騎士のワルツ] |
マルコ・イーロネン(Vc) ヤーッコ・クーシスト(Vn;*) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
BIS ならではのこだわりを見せるシベリウスのオーケストラ曲集。「イン・メモリアム」は初版と現行版の2種が、「2つの荘重な旋律」はヴァイオリン曲だったものをシベリウス自身がチェロ用に書き直した版、「トゥオネラのレミンカイネン」は初版を復元したもの、さらにヴァイオリンと管弦楽のための「ユモレスク」の第1曲も初版による演奏と、興味深いものばかりである。ヴァンスカの説得力あふれる演奏も光る。 | |||
ハンス=オーラ・エーリクソン(1958-): 四獣奏のアーメン(1999/2000) 亡き友追悼のメロディ XIII(1985) 王侯のカンツォン(2002) 歌劇「雅歌」(2004)〜[観音開き/ヴォカリーズ] |
ハンス=オーラ・エーリクソン(Org) スサンネ・リデーン(S) トミー・ビョーク(打楽器) アンデシュ・ハンヌス (エレクトロニクス) | ||
現代作品の演奏で定評のあるオルガン奏者ハンス=オーラ・エーリクソンは作曲家でもあり、オルガンの新しい機能と可能性を追求した作品を産み出している。このアルバムで彼は電子楽器と競演、まるでシンセサイザーのような宇宙的・未来的なサウンドを作り出している。SACDハイブリッドによるオーディオ的効果も満点。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲集 Vol.14 協奏曲 イ短調 H.430(W.26)/ ソナチネ ハ長調 H.460(W.101)/ 協奏曲 変ホ長調 H.467(W.40) |
ミクローシュ・シュパーニ (タンジェント・ピアノ)指揮& ペトリ・タピオ・マットソン指揮 Opus X | ||
好評のシリーズ。これまではハンガリーの古楽団体コンチェルト・アルモニコとの共演だったが、今回からフィンランドの新鋭Opus X に変わった。驚くほど新鮮な演奏。 | |||
テレマン:リコーダー音楽大集成 12の幻想曲 TWV40: 2-13/通奏低音なしの6つのソナタTWV40: 101-106/二重奏曲(ソナタ)TWV40: 107/ 二重奏による6つのソナタTWV40:118-123/二重奏曲第2巻 TWV124-129/通奏低音付8つのソナタ/ 通奏低音付2つのソナチネ/リコーダー、ファゴットのための協奏曲 TWV52: F1/ 2つのリコーダーのための協奏曲 TWV52: B1/リコーダーとヴィオラ・ダ・ガンバのための協奏曲 TWV52: Al/ 2つのリコーダーのための協奏曲 TWV52: A2/リコーダーとフルートのための協奏曲 TWV52: E1/ リコーダーと弦楽のための組曲 イ短調 TWV55: A2/2つのリコーダー協奏曲〔ハ長調 TWV51: C1/ヘ長調 TWV51: F1〕 クラース・ペーション、ダン・ラウリン(リコーダー) マイケル・マックロー(Fg) ペネロープ・エヴィソン(トラヴェルソ) ミーメ・ヤマヒロ・ブリンクマン(Vc) オラフ・ラーション(Gamb) 鎌田真由美(Cemb) ドロットニングホルム・バロック・アンサンブル | |||
録音:1982年-2008年、スウェーデン。生前は大バッハやヘンデル以上に人気があったというテレマン。たしかに人好きするメロディと親しみやすさは独特の魅力。そのテレマンが生涯力を注いだリコーダーのための作品を集大成した。テレマンはリコーダーの機能と魅力を熟知しており、いずれも名人芸と心地よい響きに満ちたものばかり。演奏はペーションとラウリンというスウェーデンの名手。このレベルで聴くことができるのは奇跡。 | |||
グリーグ:弦楽のための作品集 組曲「ホルベアの時代より」Op.40/2つの悲しい旋律 Op.34/ 2つのメロディ Op.53/2つのノルウェーの旋律 Op.63/ 2つの叙情小曲 Op.68 |
ウーレ・クリチスチャン・ ルード指揮ベルゲンpo. | ||
透明な高音、微妙な色合いの変化する中低域など、グリーグの作品ほど弦楽オーケストラに合った音楽はちょっと考えられない。涙が出るほど美しい「過ぎし春」、叙情小曲集の「山の夕べ」をグリーグ自身がオーボエ、ホルンと弦楽オーケストラ用に編曲した絶品まで、すべて収められている。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.18 ソナタ 変ロ長調 Wq65/44(H211)/ ロマンスと変奏 ト長調 Wq118/6(H226)/ 幻想曲 ト短調 Wq117/13(H225)/ メヌエット ハ長調 Wq116/5(H216)/ ポロネーズ風に Wq116/8(H219)/ ソナタ イ長調 Wq65/43(H192)/ メヌエット ヘ長調 Wq116/7(H218)/ ソナタ ホ長調 Wq65/46(H213) |
ミクローシュ・シュパーニ (タンジェント・ピアノ) | ||
静かな人気を保っている同シリーズの第18巻。今回は1766年の作品で、メヌエットやポロネーズなどの舞曲が目を引く。疾風怒濤時代の音楽をたっぷり味わえる。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vo.19 「私は眠り、夢を見た」による変奏曲 Wq118/1/ ソナタ 変ホ長調 Wq65/42/ ポロネーズ ト短調 Wq116/22/ アレグロ ハ長調 Wq116/21/ アリエッタによる変奏曲 イ長調 Wq118/2/ シンフォニア ヘ長調 Wq112/5 |
ミクローシュ・シュパーニ (タンジェントP) | ||
好評のシリーズ第19弾は学習者用の教材的作品や交響曲のピアノ用自編、さらには音楽時計用に作曲したアレグロなど多彩。シュパーニのタンジェント・ピアノがオーケストラ的色彩を放っている。 | |||
ルードヴィグ・ニルセン(1906-):オルガン作品集 古いオスロのメロディによる幻想曲 Op.4/ コラール・カプリス Op.50/ノルウェー民謡による変奏曲 Op.2/ 独唱とオルガンのための聖歌集/他 |
ビョルン・コーレ・ムー(Org) モナ・ユールスルード(S) | ||
ノルウェーの作曲家ルードヴィグ・ニルセンは40年以上も教会オルガニストを務めた人で、「1日に25時間もオルガンの練習をした」とも言われている。彼の作品の中心は宗教音楽で、オルガン曲も数多い。北欧色と荘厳さがないまぜになった独特の味わいがある。 | |||
ラモー&カンプラ:カンタータ集 ラモー: 見捨てられた恋人たち(*)/ アキロンとオランティ/ テティス/酒の歌(*) カンプラ:女たち |
ピーター・ハーヴィー(Br) フィリッパ・ハイド(S;*) ロンドン・バロック | ||
ラモー初期の珍しいカンタータを集めた好企画。器楽は最実力派のロンドン・バロック担当なのも頼もしい限りながら、独唱に古楽界注目のバリトン、ピーター・ハーヴィーがBIS初登場している点も嬉しさ満点。 | |||
北欧五天王 スヴェンセン: 交響曲第1番 ニ長調(*)/交響曲第2番 変ロ長調(*)/ 2つのスウェーデンの調べ(*) ステンハンマル:セレナード(#)/ピアノ協奏曲第2番(+)/間奏曲(**) ニルセン:交響曲第4番「消しがたきもの」(##)/交響曲第6番(++) シベリウス: 交響曲第2番 ニ長調(***)/カレリア組曲(###)/ポヒヨラの娘(+++) トゥビン:交響曲第9番(****)/交響曲第10番(####)/ トッカータ(++++)/エストニア舞踊組曲(*****) |
クリスティーナ・オルティース(P) ネーメ・ヤルヴィ指揮 エーテポリso.. | ||
録音:1986年9月(*)/1985年8月(#)/1989年5月(+)/1989年3月(**)/1990年9月(##)/1992年3月(++)/1983年9月(***)/1983年5月(###)/1985年8月(+++)/1981年9月(****)/
1986年10月(####)/1984年2月(++++)/1984年1月(*****)。 スヴェンセン(ノルウェー)、ステンハンマル(スウェーデン)、ニールセン(デンマーク)、シベリウス(フィンランド)、トゥビン(エストニア)という北欧五ケ国を代表する作曲家たちのオーケストラ曲を集めたお買い得盤。 いずれも充実した内容。 | |||
ノルディック・スペル カレヴィ・アホ:フルート協奏曲(2002)(*) ヘイクル・トウマソン:フルート協奏曲第2番(2002)(+) クリスチャン・リンドベリ: モントゥアレグレッタの世界(2001/2002)(#) |
シャロン・ベザリー(Fl) オスモ・ヴァンスカ 指揮ラハティso.(*) ベルンハルドゥル・ウィルキンソン 指揮アイスランドso.(+) クリスチャン・リンドベリ 指揮スウェーデンco.(#) | ||
腕の点では世界屈指のテクニシャンなうえ、美貌にも恵まれたフルート奏者シャロン・ベザリー。彼女のためにフルート協奏曲を作曲して捧げたいと思うのは、男性作曲家なら当然のことか。フィンランドのアホ、アイスランドのトウマソン、スウェーデンのリンドベリ(もちろんあのトロンボーンの超人)という北欧の大物がシャロンに捧げた新作集。シャロンの超人的なテクニックに唖然とさせらる。 | |||
J.S.バッハ:マタイ受難曲〜抜粋 | ゲルト・テュルク(T:福音史家) ペーター・コーイ(B:イエス) ナンシー・アージェンタ(S) ロビン・ブレイズ(CT) 櫻田亮(T) 浦野智行(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
BCJの名盤からの聴き所だけを集めたお得盤SACD。合唱とオーケストラのからみ、微妙な音色変化がSACDならではの驚くべき精度で再現され、この演奏の凄さが体感できる。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.32 〔第111番「わが神の御心のままに、常に成らせたまえ」 BWV.111 /第123番「いと尊きインマヌエル」 BWV.123 / 第124番「わがイエスをばわれらは放さず」 BWV.124 /第125番「平安と歓喜もて」 BWV.125 〕 野々下由香里(S) ロビン・ブレイズ(CT) アンドレアス・ヴェラー(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
珠玉のライプツィヒ・カンタータ四作品。バッハ音楽の真髄とも言うべき「愉悦」と「祈り」の魅力をたっぷりと聴くことができる。名人芸的フルートが活躍し、シュヴァイツァーも「神秘家バッハの最も素晴らしい作品のひとつ」と評した第123番、華やかな二重唱が魅力の第111番、124番。ひときわメランコリックな美しさに満ちた名作の第125番など、心揺さぶる響きの連続。 | |||
トルストイのワルツ〜ロシア文豪の音楽 トルストイ(作家):ワルツ ヘ長調 / パステルナーク(作家):ピアノ・ソナタ/2つの前奏曲 グリボエードフ(作家):2つのワルツ / オドエフスキー(作家):カノン/センチメンタルなワルツ/子守歌/ワルツ ポレーノフ(画家):別れの歌/海へ(*)/わが心は暗く(*) / フェドートフ(画家):いとしい女(*)/カッコウ(*) ディアギレフ(バレエ):憶えているかい、マリア(*) / バランシン(バレエ):ヴァルス・レント レーラ・アウエルバッハ(P) 浦野智行(Br;*) | |||
録音:2004年1月27日-30日、キング関口台第1スタジオ。原盤・初出・他出:たまゆら〔キング〕, KKCC-3007〔廃盤〕, KKC-041(2016年3月再発)。 2004年6月に国内リリースされ話題になった、たまゆらレーベルの「トルストイのワルツ」。これを聴いたBISのバール社長がライセンスを希望、BISレーベルから世界発売となるもの。作家、画家、バレエ界で第一級の成功を収めたロシアの偉人たちが、何と作曲を試みていた。「戦争と平和」のトルストイ、「ドクトル・ジバゴ」のパステルナークなど、いずれも素人の余技とは言えない見事な作品を仕上げている。ことにトルストイ唯一音楽作品「ワルツ」は驚くほどの美しさ。これらの作品は作曲家・ピアニストでありながらノーベル文学賞にもノミネートされた作家でもあるレーラ・アウエルバッハ以上にふさわしい演奏家はいない。国内盤発売時に朝日新聞視聴室で取り上げられた。 | |||
2001年リゲティの旅[1948-2001 A Ligeti Odyssey] リゲティ:インヴェンション(1948)[フレドリク・ウレーン(P)]/6つのバガテル(1953)[BPO木管五重奏団] ヴォルーミナ(1961-66)[ハンス=オラ・エリクソン(Org)]/10の小品(1968)[BPO木管五重奏団] ルクス・エテルナ(1966)[ヴァルター・ヌシュバウム指揮スコラ・ハイデルベルク] 無伴奏ヴィオラ・ソナタ(1991/94)[今井信子(Va)]/3つの練習曲(1985/2001)[フレドリク・ウレーン(P)] | |||
既出録音からのコンピレーション。現代作曲家の中で破格の人気を誇るリゲティ。難解な作風ながら、ロックやフュージョンのようなノリの良さと高尚でない猟奇性が現代人の感覚にフィットしている。ここでは彼25歳、ブダペスト時代の処女作「インヴェンション」から最後の作品となった2001年の「3つの練習曲」まで、彼の芸術を1枚のアルバムで俯瞰する好企画。彼の名を一般的にしたのは、キューブリックの「2001年宇宙の旅」に無伴奏合唱曲「ルクス・エテルナ」が使われたため。誰もが聴きたいこの名曲も、もちろんぬかりなく収録。創作が2001年に終ったこととあわせ、タイトルも映画にあやかり「2001年リゲティの旅」としている。全7作品いずれも既存アルバムからのコンピレーションだが、演奏者の豪華さが目をひ来る。管楽五重奏作品はBPO木管五重奏団、ヴィオラは今井信子、ピアノは化け物的超絶技巧の持ち主ウレーンと、演奏の難しさで名高いリゲティ作品に不足はない。 | |||
アッテルベリ:チェロ協奏曲 Op.21 ブラームス/アッテルベリ編: 弦楽六重奏曲第2番 ト長調 Op.36 (弦楽オーケストラ版) |
トルルス・モルク(Vc) クリスティアン・ヤルヴィ指揮 ノールランド歌劇場so. | ||
スウェーデン後期ロマン派の作曲家クット・アッテルベリ(1887-1974)の珍しい2篇。チェロ協奏曲は技巧的な作品だが、1923年に行なわれた初演ではアッテルベリ自身が独奏を務めたといういわくつきのもの。さらに、ブラームスの弦楽六重奏曲第2番をアッテルベリが弦楽オーケストラ用に編曲したという超珍品が驚き。マーラーの精神で行なった編曲、といった趣で、フルオーケストラばりの重量感に大満足。 | |||
音楽と甘美な詩〜 1600年頃の歌とリュート独奏曲 ジョンソン:アルメン/五尋の深みに/パヴァン モーリー:ティルシスとミルラ/悲しみよ来たれ ダウランド: 訴えるべきか、慈悲を請うべきか/ 行け、透き通った涙よ、言葉で心を動かしてみようか カプスベルガー:トッカータ ディンディア:あの真っ赤な薔薇/私の涙の海から ヒューウェット:ファンタジーア シンメルプフェニック:懐かしい昔 シュッツ:神よ、われを助けに急ぎたまえ ゲドロン:人間よ、嘆くのはやめなさい ボエセ:フィリスは呑気者 ムリニエ:穏やかな暗い夜 |
エマ・カークビー(S) ヤコブ・リンドベリ(リュート) | ||
2007年2月に来日ツアーが予定されているカークビーとリンドベリ。公演曲と非常に重なるアルバムが登場する。プログラムも魅力的ながら、注目なのはリンドベリの用いているリュート。16世紀前半の作らしく、保存の難しいこの楽器としては、使用可能な最古のものとされる。ルターの宗教改革期の音を聴くことが出来る。 | |||
「9日目」 〜フォルカー・シュレンドルフ監督作品の音楽 シュニトケ:コンチェルト・グロッソ第1番(*)/ チェロ協奏曲第1番(#) |
トルレーヴ・テデーン(Vc;*) レフ・マルキス指揮(*) 新アムステルダム・シンフォニエッタ(*) レイフ・セーゲルスタム指揮(#) デンマーク国立so.(#) | ||
「ブリキの太鼓」や「スワンの恋」で知られるドイツの名監督シュレンドルフ。彼の新作映画「9日目」はナチの収容所で地獄を味わったルクセンブルクの聖職者の話で、そのサントラとしてBISのシュニトケ2作が使用された。もともとシュレンドルフはこの映画に一切音楽を使わない予定だったが、偶然手にしたBIS盤に驚き、即座に使用を決断したという。 | |||
D.スカルラッティ:ソナタ集 変ロ長調 K.545/ヘ短調 K.466/ヘ短調 K.365/ ニ長調 K.435/ロ短調 K.87/ハ長調 K.487/嬰ヘ短調 K.448/ ニ長調 K.492/ト短調 K.30/ト長調 K.455/ホ長調 K.20/ イ長調 K.429/ト短調 K.426/ト長調 K.427/ロ短調 K.197/ ロ短調 K.27/イ長調 K.24 |
エフゲニー・スドビン(P) | ||
1980年生まれのロシア人ピアニスト、スドビンのデビュー盤。尋常ならざる感性の持ち主で、将来を期待される逸材。スカルラッティのソナタを驚くほど端正に弾いている。 | |||
ジ・ガンリュ(1954-): 中華狂詩曲(1992) ピアノと管弦楽のための「Wu」(1986)(*) 5音音階による6つの曲 |
マーガレット・レン・タン(P;*) ホセ・セレブリエール指揮 ロイヤル・ スコティッシュ・ナショナルo. | ||
上海に生まれ1983年以来アメリカ在住の作曲家ジ・ガンリュ。中国の伝統音楽を西洋的な手法で処理した個性的音楽で注目されている。YMOや女子十二楽坊が好きならばハマること間違いなしの世界。 | |||
ブリテン:歌曲集 冬の言葉 Op.52 /バーンズの4つの詩/ この子たちは誰? Op.84 /かつて再び春が/ ドーチエの献身/小谷/子供たちと名なし卿/ 伝統/雌羊を呼べ |
ダニエル・ノーマン(T) クリストファー・グールド(P) | ||
ブリテンにとって歌曲は公私のパートナー、ピーター・ピアーズのために作るということもあって、特別の感情にあふれた作品が多く、彼の創作上重要なものとなっている。ここに収められた歌曲の多くはトマス・ハーディの詩に基づき、独特の厭世観、孤独感に満ちている。エリザベス女王の依頼で1975年に作曲された「ロバート・バーンズの4つの詩」も繊細な美しさにあふれている。 | |||
サリー・ビーミッシュ:弦楽四重奏曲第1番(1999) 同:同第2番「カリフォルニア」(2000) ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番 ハ短調 Op.18 No.4 |
エンペラーSQ | ||
ヴィオラ奏者でもあるイギリスの女性作曲家サリー・ビーミッシュ。弦楽四重奏曲第1番はウクライナやトルコ、アフリカの民謡の引用が面白く、ベートーヴェンの第4番から霊感を得て作られた第2番はカリフォルニア旅行から受けた印象(2つの大橋)が盛り込まれている。 | |||
ウーラヴ・アントン・トメセン(1946-): ブルの眼(ヴァイオリンと群の管弦楽のための;2003) 私の耳を受け入れてよ(ヴァイオリンとピアノのための;1981) カンタービレ (エチュード=カデンツァ;ヴァイオリンのための;1995) |
ペーテル・ヘレスタール(Vn) ロルフ・グプタ指揮 オスロpo. ゴンサロ・モレーノ(P) | ||
現代ノルウェーの作曲家トメセン。「ブルの眼」は同郷の大ヴァイオリニストで作曲家だったオーレ・ブル(810-1880)のヴァイオリン協奏曲第1番の失われた独奏パートの復元を試みたもの。巨匠性とイタリア風の伸びやかなメロディが魅力。 | |||
J.S.バッハ: 平均律クラヴィーア曲集第2巻 BWV870-893 |
鈴木雅明(Cemb) | ||
鈴木雅明は1996年に平均律クラヴィーア曲集第1巻をリリースし、非常に高い評価を受けたが、なかなか第2巻に取り組まず、ファンをやきもきさせていた。しかしこの度、10年以上の時を経て録音を実現させた。バッハのカンタータ連続演奏・録音をはじめ、主な大作の大半を手掛けた経験が反映され、作品の理解の深さと円熟味が他の追随を許さぬ出来となっている。とは言え、演奏はいたって過激で、驚くほど刺激的な時間を与えてくれる。 | |||
20世紀のチューバ協奏曲 ヴォーン・ウィリアムズ:チューバ協奏曲(1954) アルチュニアン:チューバ協奏曲(1992) トルビヨーン・イヴァン・ルンドクヴィスト: 風景(1978) ジョン・ウィリアムズ:チューバ協奏曲(1985) |
オイスタイン・ ボーズヴィーク(チューバ) アンネ・マンソン指揮 シンガポールso. | ||
ノルウェーのチューバの怪人ボーズヴィーク。恐るべきテクニックと深い音楽性、聴衆を釘付けにするエンターテナー性も兼ね備えた、この楽器の新しいヒーロー。待望の新録音は、チューバのためのオリジナル協奏曲集。チューバを学ぶ人なら必ず手掛けるヴォーン・ウィリアムズの名作から、トランペット協奏曲で知られるアルチュニアン、さらには「ハリー・ポッター」や「スターウォーズ」の音楽で人気の大御所ジョン・ウィリアムズまで多彩。超人的技巧に唖然とさせられるが、豊かな歌心も誰にも真似できない。 | |||
ベートーヴェン: 交響曲第3番 変ホ長調「英雄」Op.55 交響曲第8番 ヘ長調 Op.93 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
世界的に高い評価を受けるヴァンスカ&ミネソタ管のベートーヴェン交響曲シリーズ、期待の第2弾登場。個性的、刺激的なベートーヴェンの交響曲演奏が多い昨今のなかで、これほどノーマルかつ正統的なものはかえって新鮮といえるかもしれない。「英雄」の葬送行進曲でのドラマ作りも圧巻。 | |||
グレアム・フィトキン(1963-): サーキット〜2台のピアノと管弦楽のための(2003)(*)/ T1〜2台のための/T2〜2台のための/ 白〜2台のための/やすらぎ〜独奏のための/ 肉体〜独奏のための/黄色から黄色へ〜独奏のための/ 家具〜独奏のための |
小川典子、 キャスリン・ストット(P) 大友直人指揮(*) 東京so.(*) | ||
録音:2007年9月、ミューザ川崎(*)。 ストラヴィンスキー、マイルス・デイヴィス、ウェーベルン、ライヒ、シナトラ、ペット・ショップ・ボーイズをレスペクト、ロックをクラシック楽器で演じるような作風のイギリス中堅の作曲家グレアム・フィトキン。小川&ストット・ピアノ・デュオのために作曲した(*)は、BIS録音スタッフが来日し録音が実現した。小川典子ならではの切れ味良いリズムと『スペード感』(代理店記載ママ)で強烈な仕上がりとなっている。 | |||
ラフマニノフ: ショパンの主題による変奏曲 Op.22 ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.36 ライラック Op.21 No.5/ひな菊 Op.38 No.3 クライスラー/ラフナニノフ編曲:愛の喜び/愛の悲しみ |
エフゲニー・スドビン(P) | ||
スカルラッティのソナタ集で衝撃のデビューを飾った1980年生まれの新人スドビンの第2弾。今回はお国もののラフマニノフで、いずれも難技巧と高いボルテージが要求される曲目だが、スドビンはここで誰にも似ていない不思議な感性を示している。注目の新人といえるだろう。 | |||
ダウスゴーのシューマン シューマン: 交響曲第2番 ハ長調 Op.61/ 交響曲第4番 ニ短調 Op.120(原典版)/ 「ゲーテのファウストからの情景」序曲 序曲「ジュリアス・シーザー」Op.128 |
トーマス・ダウスゴー指揮 スウェーデン室内管 | ||
期待の俊英トーマス・ダウスゴー、BIS初登場。ダウスゴーとスウェーデン室内管といえば、SIMAXレベールに録音したベートーヴェンの交響曲全集が高い評価を受けているが、今回はシューマン・シリーズ。第4番は原典版による演奏なうえ、あまり聴く機会のない序曲も含まれていて貴重。小編成で透明なサウンドを持つスウェーデン室内管の響きが、「灰色の管弦楽法」と評されるシューマンのイメージを一新させる。 | |||
ヴィラ=ロボス:ショーロス全集 Vol.3 ショーロへの序章(1929)〜ギターとorch/ ショーロ追補2曲(1928)〜VnとVc/ ショーロ [第2番(1924)〜FlとCl/ 第3番「きつつき」(1925)〜男声Choと管楽/ 第10番「愛情の破れ」(1925)〜混声Choとorch/ 第12番(1929)〜orch] |
ジョン・ネシリング指揮 サンパウロso.&cho. ファビオ・ザノン(G) クラウディオ・クルス(Vn) ヨハネス・グラムシュ(Vc) エリザベート・プルンク(Fl) | ||
ヴィラ=ロボスの「ショーロ」は番号付のもので14曲あるが、楽器編成がバラバラなため、すぐれた演奏でまとめて聴く機会がなかなか無かった。ゆえにこのBISのシリーズはファンにとって、またとない朗報。いずれも地元ブラジルの若手名手の快演というのも魅力だが、ショーロのための追補と序章までも含めている徹底ぶりが嬉しい限り。ヴィラ=ロボス・ファン必携の一枚。 | |||
ヘンデル:オラトリオ「メサイア」(抜粋) | 鈴木美登里(S) 米良美一(CT) ジョン・エルヴィス(T) デヴィッド・トーマス(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
録音:1996年12月。 全曲:BIS-891/2から発売されたハイライト盤。BCJが初めてバッハ以外の作品を録音したもので、これまたレコード芸術誌の特選、BCJの活動の幅を広げる先駆けとなった録音だった。米良の声には圧倒される。 | |||
ファッテイン・ヴァーレン:管弦楽曲集 Vol.1 パストラール Op.11/ ミケランジェロのソネット Op.17-1/ 感謝の祈り Op.17-2/交響曲第1番 Op.30/ ヴァイオリン協奏曲 |
エリセ・バトネス(Vn) クリスティアン・エッゲン指揮 スタヴァンゲルso. | ||
近代ノルウェーの作曲家ファッテイン・ヴァーレン(1887-1952)。存在の重要さに比べ、あまり録音に恵まれているとは言えない彼の管弦楽曲を、BISが全3枚のシリーズでお送りする。その第1弾は1930-32年に作られた比較的小規模な作品集。コラール「イエスはわが信条」に基づくヴァイオリン協奏曲など感動的。 | |||
ウェーバー: クラリネット協奏曲第1番 ヘ短調 Op.73 クラリネット協奏曲第2番 変ホ長調 Op.74 クラリネット小協奏曲 変ホ長調 Op.26 クラリネット五重奏曲 変ロ長調 Op.26 (弦楽オーケストラ版) |
マルティン・フレスト(Cl) ジャン=ジャック・カントロフ指揮 タピオラ・シンフォニエッタ | ||
オペラ風なロマン的な香りに満ちたメロディと華やかな技巧で知られるウェーバーのクラリネット作品。それをスウェーデンの名人フレストの演奏で楽しめるのだから嬉しい限り。クラリネット五重奏曲は弦楽オーケストラの伴奏で、さらなる充実が味わえる。 | |||
ヴァイス(1687-1750):リュート作品集 前奏曲 変ホ長調/チャコーナ 変ホ長調/ソナタ ハ短調/ 同 変ロ長調/前奏曲 ニ短調/フーガ ニ短調/ソナタ イ短調 |
ヤコブ・リンドベリ(リュート) | ||
ヤコブ・リンドベリが15年前に入手したというシクストゥス・ラウヴォルフ製作(1590年頃)のリュートを使用。マンドリンのような形をしたこのリュートは、おそらく唯一現存するとされる超珍品楽器。 | |||
シベリウス:秘曲集 火の起源 Op.32 (2版;1902年オリジナル版/1910年改訂版)/ サンデルス Op.28 (2版;1898年オリジナル版/1915年改訂版)/ おまえに勇気があるか Op.31-2 (2版;1911年第2版/1914年第4版)/ カンタータ「放たれた女王」 Op.48 (1910年女声合唱版)/ フィンランド狙撃兵行進曲 Op.91-1 (1918年男声合唱と管弦楽版)/ 急流下りの花嫁たち Op.33(1943年合唱版)/ 恋する人(1894年テノール、男声合唱と弦楽版) |
トムミ・ハカラ(Br) トム・ナイマン(T) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso.、イール男声cho. | ||
BISならではのあっぱれ徹底企画。声楽を含む管弦楽作品を集めているものの、いずれも通常聴くことのできない版によるのが特別。全10曲中7曲が世界初録音。なかでも「恋する人」の1894年テノール、男声合唱と弦楽オケ版が絶品。まるで初めて聴くような新鮮さ。 | |||
レイフスタ・ブルークの音楽秘宝 ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調「狩り」(*) シャフラート:フルート・トラヴェルソと チェンバロのためのデュエット第4番 マルチェッロ:チェロ・ソナタ 第6番 ペープシュ:協奏曲第1番 コルベット:2つのヴァイオリンのためのソナタ第4番 「ブール舞曲コレクション」〜6曲 フルレブッシュ:チェンバロ独奏のための序曲第1番 タルティーニ:ヴァイオリン協奏曲 ト短調(*) |
ニルス=エーリク・スパーフ(Vn;*) ドロットニングホルム・ バロック・アンサンブル | ||
ストックホルムの北西約140kmにあるレウフスタ・ブルークは18世紀、鉄鋼業に沸いた。その発展に貢献したベルギーの資本家ルイ・ド・ゲールは稀代の楽譜マニアで、膨大な自筆譜をコレクションにしていた。当アルバムはそのコレクションによるもので、ほとんど聴くことの出来ない作品ばかりという貴重盤。BISレーベル世界的ベスト・セラー盤「四季」でおなじみの古楽器団体スパーフとドロットニングホルム・バロック・アンサンブルが久しぶりに健在振りを示している。 | |||
J.S.バッハ:オルガン作品全集 (「フーガの技法」を含む) |
ハンス・ファユス(Org) | ||
かつてCD17枚で発売されていたバッハのオルガン曲全部を、何とSACD 2枚に収めてしまった脅威のアルバム。 このディスクの再生にはSACD対応プレイヤーが必要です。通常のCDプレイヤーでは再生出来ません(ハイブリッド盤ではありません)。 | |||
モーツァルト:オペラ&コンサート・アリア集 すでにやさしき春は微笑み K.580/ どうしてあなたが忘れられよう K.505/ わが感謝をうけたまえ K.383/ 「ポントの王ミトリダーテ」〜あなたから遠く離れて/ 「フィガロの結婚」〜喜びに躍りて/愛の歓びよ早く来い 「コシ・ファン・トゥッテ」〜岩のように動かず 「ツァイーデ」〜おやすみなさい安らかに 踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ K.165 |
ミア・パーション (S) エフゲニー・スドビン(P) セバスティアン・ヴィーグル指揮 スウェーデンco. | ||
バッハ・コレギウム・ジャパンのカンタータ録音にも参加し評価の高いスウェーデンの新進ソプラノ、ミア・パーションが期待のモーツァルトに挑戦。「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」をはじめとする選曲も魅力的。パーションの透明な声質はモーツァルトにぴったり。心洗われるひととき。 | |||
リスト: ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調/ ピアノ協奏曲第2番 イ長調/死の舞踏 |
アルナルド・コーエン(P) ジョン・ネシリング指揮 サンパウロso. | ||
オール・ブラジル・キャストによるリストの協奏曲集。BIS 3枚目のCDとなるアルナルド・コーエンはリスト弾きとして定評のある名手。骨太な超絶技巧を味わえる。 | |||
グリーグ:オーケストラ伴奏歌曲集 歌劇「オラヴ・トリグヴァソン」からの場面 Op.50/ 南の僧院の門にて Op.20/ 6つの歌曲 [ソルヴェイグの歌/ソルヴェイグの子守歌/ モンテ・ピンチョから/白鳥/過ぎし春/ ヘンリク・ヴェルゲラン] ルンダルネにて Op.33-9(ハルヴォルセン編曲) |
スールヴェイ・ クリンゲンボルン(S) インゲビョルグ・コスモ(Ms) トロン・ハルスティン・ モーエ(Br) マリタ・ソルベア(S) コール・ヴェスト ウーレ・ クリスティアン・ルード指揮 ベルゲンpo.&cho. | ||
グリーグはピアノの名手で魅力的な作品を多く残しているが、オーケストラから絶妙な色彩を引き出す才にも恵まれていた。当CDには未完の歌劇をはじめ、オーケストラ伴奏付き独唱曲がすべて収められている。歌手はいずれもノルウェー人で、表現は絶品。ことに「ソルヴェイグの歌」や「過ぎし春」は涙なしでは聴けない。2007年のグリーグ・イヤーのさきがけとなる一枚。 | |||
タファネル:木管五重奏曲 ト短調 プーランク:ピアノと管楽のための六重奏曲 ジョリヴェ:セレナード トマジ:世俗的な舞曲と神聖な舞曲 |
BPO木管五重奏団 スティーヴン・ハフ(P) | ||
超名人集団BPO木管五重奏団久々の新録音。全員がBPOのメンバーで、その超絶技巧とアンサンブルの精密さは類がない。今回も管楽アンサンブル界の定番作品が『集め大歓迎』(代理店記載ママ)だが、プーランクの名作のピアノ・パートをスティーヴン・ハフが担っているのも贅沢の極み。管楽器にかかわる人すべて必聴の一枚。 | |||
カイホスルー・ソラブジ(1892-1988): 100の超絶技巧練習曲 Vol.2 [第26番−第43番] |
フレドリク・ウレーン(P) | ||
Vol.1:[第1番−第25番](BIS-1373)。 インドの血をひくイギリスの異色作曲家ソラブジは、前代未聞の複雑な技巧と非常識な長さで畏れられるピアノ作品で知られるが、なかでもとりわけ猟奇的なのが「100の超絶技巧練習曲」。この全曲録音に挑んでいるのがスウェーデンの超絶ピアニスト、フレドリク・ウレーン。第1集で世間を驚愕させたが、今回の第2弾もすさまじい出来。肉体の不可能ぎりぎりにある難しさ。 | |||
ジルヴィウス・レオポルト・ヴァイス(1687-1750): リュート作品集 Vo.2 ソナタ[第39番 ハ長調/第50番 変ロ長調]/ ロジー伯の死を悼むトンボー |
ヤコブ・リンドベリ (バロック・リュート) | ||
ドイツのリュート奏者&作曲家ヴァイスは若い頃イタリアに滞在し、スカルラッティと働き、後半生はドイツで大バッハと親交を結んだ。リュート作品を非常に多数残し、それらは今日重要なレパートリーとなっている。スウェーデン出身の名手ヤコブ・リンドベリが静かに奏でる癒しのひとときを与えてくれる。 | |||
アッティリオ・アリオスティ(1666-1729): ヴィオラ・ダモーレのための練習曲集 第1番 変ホ長調/第2番 イ長調/第3番 ホ短調/第4番 ヘ長調/ 第5番 ホ短調/第6番 ニ長調/第7番 ニ長調 |
トーマス・ゲオルギ (ヴィオラ・ダモーレ) ルーカス・ハリス(テオルボ、 アーチリュート、バロックG) ジョエル・モートン (ヴィオラ・ダ・ガンバ) | ||
イタリア・バロックの作曲家アリオスティは今日ヴィオラ・ダモーレ作曲家としての感が強いものの、生前はヘンデルと名声を競うほどで、その独特な叙情性は絶大な人気を誇ったといわれる。このアルバムに収められた作品は、彼の弟子の作曲家ルーマンが写譜してスウェーデンに持ち帰った楽譜による。 | |||
キャロリン・サンプソン〜パーセル:歌曲集 薔薇より甘く/運命の時が/ アミンタスが初めて唇を求めてきた時/ 悲嘆/彼らはあなたの偉大な力を語ってくれた/ 男は女のために作られ/静寂な闇より/束の間の音楽/ 今や闇は払われ/音楽が愛の糧であるならば/ この上なく幸せな恋人たち/内気なテムズ河/ 恋の病から自由になろうと/ おお、美しいチェダリアよ/こよなく美しい島/ おお孤独よ/もし恋が甘い情熱なら/ 聖処女の戒め/夕べの賛歌 |
キャロリン・サンプソン(S) ローレンス・カミングス (Cemb/スピネット) エリザベス・ケニー (アーチリュート/テオルボ) アンヌ=マリー・ラスラ (バスヴィオール) サラ・セクストン、 アンドレア・モリス(Vn) ジェーン・ロジャース(Va) | ||
BCJのカンタータ・シリーズでもおなじみのイギリスのソプラノ、キャロリン・サンプソン。彼女の最新盤はお国物のパーセル。それも「薔薇より甘く」など名作をはじめとする歌曲を19曲も収録した嬉しいアルバム。サンプソンの極めて軽やかで天使のような声質はパーセルのピュアな世界にピッタリ。世にも美しい音空間が実現した。 | |||
モーツァルト/フンメル編曲: ピアノ協奏曲第26番 ニ長調 K.537「戴冠式」(室内楽版) ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 K.482(室内楽版) |
白神典子(P) ヘンリク・ヴィーゼ(Fl) ペーター・クレメント(Vn) ティボル・ベーニ(Vc) | ||
白神典子によるモーツァルト=フンメル第3弾。フンメルは編成を室内楽にするだけでなく、ピアノ書法もロマン派風に手を加えている。その点で不完全なピアノ譜しか残っていない第26番「戴冠式」の編曲は要注目。というのも、フンメルはモーツァルト自身が独奏を務めた初演を聴いており、抜群の記憶力を誇った彼がそれを反映させ充実したソロ・パートを完成させているから。どのようになったか興味深い。 | |||
北のショーケース ニルセン:小組曲 Op.1 スヴェンセン: ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス Op.26 ヴェッストレム:アルミーダ序曲 ヨウン・レイフス:田園的変奏曲 (ベートーヴェンの主題による変奏曲)Op.8 ブー・リンデ:小協奏曲 Op.35 (木管五重奏と弦楽オーケストラのための) シベリウス:弦楽のための即興曲 |
リチャード・ トニェッティ(Vn) クリスティアン・ リンドベリ指揮 ノルディック室内o. | ||
トロンボーンの超人クリスティアン・リンドベリは近年指揮者としてもメキメキ頭角を現している。2007年6月に来日するノルディック室内管を振って北欧作品を披露している。それも得意の管ではなく、弦楽合奏主体のものが多いのに彼の自信の表れが感じられる。たっぷり歌う健康的な音楽性は将来を期待させる。 | |||
モーツァルト:フルート協奏曲全集 フルート協奏曲 [第1番 ト長調 K.313/ 第2番 ニ長調 K.314/] フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299 (*)/ アンダンテ ハ長調 K.315/ロンド ニ長調 K.Anh.184 |
シャロン・ベザリー(Fl) ジュリー・パロック(Hp;*) ユハ・カンガス指揮 オストロボスニア室内管 | ||
録音:2005年4月11-15日、フィンランド(*以外)。前出:BISSA-153901(*以外; 2005年カタログ付き/廃盤)。シャロン・ベザリーのモーツァルトの協奏曲は、2005年にカタログ付SACDとして発売され、ベストセラー商品となった。今回、名作「フルートとハープのための協奏曲」も加え、80分を超える長時間収録盤として再登場する。ハープ独奏は、もとウィーン・フィルのジュリー・パロック。シャロンとともにモーツァルトならではの溌剌とした音楽を聴かせてくれる。各協奏曲のカデンツァはフィンランドの大作曲家カレヴィ・アホ書き下ろし。 | |||
ブリテン: 弦楽四重奏曲第2番 ハ長調/ 3つのディヴェルティメント(1936)/ 小組曲(1929)(*)/弦楽四重奏曲 ニ長調(1931/74) |
エンペラーSQ | ||
(*)は世界初録音。 ブリテンはピアノの名手であると同時にヴィオラにもかなりの腕前を持っていた。ゆえに彼の弦楽アンサンブルの書法は自然で効果満点、弾く者も聴く者も喜ばせる要素を持っている。ここに収められた「小組曲」は16歳の時の作で世界初録音。ブリテンの神童ぶりを証明してくれる。イギリス期待の俊英エンペラーSQ、生き生きとした躍動感と緻密なアンサンブルが魅力。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.33 〔第41番「イエスよ、いま讃美を受けたまえ」 BWV.41 /第92番「われは神の御胸の思いに」 BWV.92 / 第130番「主なる神よ、われらこぞりて汝を頌め」 BWV.130 〕 野々下由香里(S) ロビン・ブレイズ(CT) ヤン・コボウ(T) ドミニク・ヴェルナー(B) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
1725年のカンタータ集。第41番「イエスよ、いま讃美をうけたまえ」は、新年の祝日用カンタータで、トランペット、オーボエ各3本を伴う華やかな作品。チェロ・ピッコロが彩りを添えるテノールの美しいアリアも聴きもの。第92番「われは神の御胸の思いに」は、ゲルハルトの優美なコラールに基づく大曲で、コラール旋律が様々な形で現れる秀逸な作品。天使ミカエルの祝日用カンタータである第130番「主なる神よ、われらこぞりて汝を頌め」とあわせてお楽しみ頂きたい。 | |||
アルヴィド・クレーヴェン(1899-1929): 交響的幻想曲 Op.15/眠れる森 Op.9/ 蓮の国 Op.5/シンフォニア・リベラ |
スザンナ・マルッキ指揮 スタヴァンゲルso. | ||
アルヴィド・クレーヴェンは非常な才能に恵まれながら、それを開花させる前に夭折したノルウェーの作曲家。オスロ・フィルのフルート奏者を務めながら作曲を試みるが、斬新すぎて当時のノルウェーでは理解されることなく、同国の音楽史本道からはずれてしまった。いずれもフランス印象派風で、デリケートな色彩が広がる。さらにグリーグに通じる北欧的な澄んだ空気も感じられ非常に魅力的。 | |||
ショスタコーヴィチ:交響曲第13番 Op.113「バビ・ヤール」 | ヤン=ヘンドリク・ローテリング(B) マーク・ウィグレルワース指揮 オランダ放送po.&cho. | ||
ショスタコーヴィチの交響曲のなかでも、バス独唱とバスのみの合唱を含む特異な作品である「バビ・ヤール」。ロシアのバス歌手ならではの声量と芝居がかった表現の要求される難曲だが、ここではオランダ人ローテリングが挑戦。重量感あふれる演奏。 | |||
J.S.バッハ:オルガン作品集 トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565/ バビロンの流れのほとりにて BWV.653/ マニフィカト「わが心は主をあがめ」 BWV.733/ トリオ・ソナタ ニ短調 BWV.527/ オルガン協奏曲 ト長調 BWV.592/ 前奏曲とフーガ イ短調 BWV.543/ フーガ ト短調 BWV.578(小フーガ)/ フーガ ト長調 BWV.577/ 「オルゲルビュヒライン」より [かくも喜び満たれる日 BWV.605/ 汝こそ喜びあり BWV.615/ 我汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ BWV.639/ 主よ、われは汝に望みを抱けり BWV.640/ 我ら悩みの極みにありて BWV.641]/ 前奏曲とフーガ ホ短調 BWV.548 |
ハンス・ファユス(Org) | ||
ファユスが弾いたバッハのオルガン作品全集から名曲ばかりを抜粋したコンピレーション。 | |||
17世紀のトリオソナタ集 フィアダンク:組曲 イ長調 ニコラウス・ア・ケンピス: シンフォニア第2番「ドロローサ」 シュメルツァー:ランターリー ベッカー:ソナタ第26番 イ長調 ローゼンミュラー:ソナタ ホ短調 ヴェックマン:ソナタ ト長調 ハッカルト:ソナタ第6番 ニ短調 ブクステフーデ:トリオソナタ ト長調 ケルル:トリオソナタ ヘ長調 ビーバー:パルティータ第6番 ニ長調 |
ロンドン・バロック [イングリッド・ザイフェルト、 リチャード・グィルト(Vn) チャールズ・メドラム (バスヴィオール) テレンス・チャールストン (Cemb/Org)] | ||
名人集団ロンドン・バロック最新譜はドイツ圏作曲家のトリオソナタ集。BISでリリースされている彼らのイギリス、フランスに次ぐ「17世紀トリオソナタ集」第3弾。あえて大バッハを避けているのが彼らのこだわりだろう。いずれも滋味に満ちた逸品ばかりで、ロンドン・バロックのいぶし銀の芸風が光る。 | |||
ヴィヴァルディ: ソナタ 変ホ長調「聖墳墓」RV130/ スターバト・マーテル RV621 ペルゴレージ:サルヴェ・レジーナ J.S.バッハ: いと高きにある者よ、わが罪を贖いたまえ (ペルゴレージのスターバト・マーテルの編曲;*) |
ダニエル・テイラー(CT) エマ・カークビー(S;*) シアター・オブ・ アーリー・ミュージック | ||
ペルゴレージの心に染み入るような美しい「スターバト・マーテル」を大バッハがドイツ語版にして手を加えた版を、女王カークビーが歌唱する超豪華盤。また人気カウンターテナーのダニエル・テイラーによるヴィヴァルディの「スターバト・マーテル」が聴けるのも嬉しい限り。カナダのピリオド楽器団体シアター・オブ・アーリー・ミュージックもピュアな響きを聴かせてくれる。 | |||
マーラー:大地の歌(中国語歌唱版) | ニン・リャン(Ms) ウォーレン・モク(T) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
マーラーの「大地の歌」は、李白や孟浩然の漢詩をドイツ人ベトゲが自由に独語訳したとされている。ここではその歌詞を香港在住のダニエル・ングがオリジナルの漢詩に戻した中国語で歌唱している注目盤。さらに独唱、オーケストラ、指揮者ともに中国系という点も徹底していて、マーラーが込めた中国的色彩がより濃厚となっている。「七言絶句的マーラーと申せましょう(何のこっちゃ?)」と国内代理店は記載している。 | |||
北斗のトランペット協奏曲集 ハッリ・ヴェスマン:トランペット協奏曲(1987) ブリッタ・ビストレム:妄想協奏曲(2005) アルフレド・ヤンソン:ノルウェー舞曲 (ノルドロークへの感謝を添えて)(1996) クリスティアン・リンドベリ: アクバンク・ブンカ〜 Tpと室内o.のための(2004) |
ウーレ・エドヴァルド・ アントンセン(Tp) クリスティアン・リンドベリ指揮 ノルディック室内o. | ||
2006年6月来日公演を行なったアントンセンとリンドベリ&ノルディック室内管が、各地で演奏して話題となり、問い合わせが殺到したトランペット協奏曲「アクバンク・ブンカ」が、ようやくご案内。 これは最近作曲家としても注目されているトロンボーンの超人リンドベリが2004年にアントンセンのために書いたもの。「アクバンク・ブンカ」とは「文化の銀行」というリンドベリ自身の造語で、現代的ではなく、とにかく面白い作品。フィンランドのヴェスマン、スウェーデンのビストレム、ノルウェーのヤンソンいずれも個性的で、アントンセンの金の音色が光る。 | |||
イングヴァル・リードホルム(1921-2017):無伴奏合唱曲集 ラウディ/4つの合唱曲/3つの歌/カント LXXXI /ペルシャ人たち/リベラ・メ/ 2つのギリシャ警句/ギリシャの墓石/3つのストリンドベリ歌曲/ドリーム・プレイ エーリク・エーリクソン指揮エーリク・エーリクソン室内cho. | |||
録音:2003年、2005年。 現代スウェーデンの作曲家リードホルム。彼の作品中重要なのが合唱曲で、多くが合唱の神様エリク・エーリクソンのために書かれている。これはまさにそのエーリクソンとその手兵による演奏で、合唱の美しさ、深さなど驚くほどの世界が作り上げられている。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.34 [第1番「何と美しいことだろう、 暁の星が照り輝くのは」BWV.1/ 第126番「我らを保たせたまえ、 主よ、あなたの御言葉のもとに」BWV.126/ 第127番「主イエス・キリスト、 真の人にして神」BWV127] |
キャロリン・サンプソン(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
127番「主イエス・キリスト、真の人にして神」が聴きもの。とりわけ美しいのが第3曲のアリアで、2本のリコーダーと弦のピツィカートが刻む「死の鐘」に乗ってオーボエとソプラノが歌う「天国での安らぎ」。これは全カンタータ中、最も美しいアリアと言っても過言でない。続くトランペットとバスが語るこの世の終わりの描写とあいまって、劇的に音楽化されたキリスト教の奥義を目の当たりにすることが出来る。 | |||
モーツァルト: ピアノと木管のための五重奏曲 変ホ長調 K.452/ アダージョとロンド ハ短調 K.617〜五重奏曲版 ベートーヴェン: ピアノと木管のための五重奏曲 変ホ長調 Op.16(*) |
スティーヴン・ハフ (P;*) BPO木管五重奏団 | ||
世界最高の木管五重奏団と最高のピアニストによる夢の共演。モーツァルトが父に宛てた手紙で、自身の最高傑作とみなした五重奏曲と、ピアノが協奏曲風に活躍するベートーヴェンがこれ以上ない完璧な演奏での登場となった。モーツァルトの五重奏曲は、2000年にリリースされ高い評価を受けたBIS-1332と同音源。 | |||
ショスタコーヴィチ: 交響曲第4番 ハ短調Op.43 (1935-36) |
マーク・ウィグレスワース指揮 オランダ放送po. | ||
ショスタコーヴィチの交響曲第4番は歌劇「ムツェンスクのマクベス夫人」後の、彼の初期集大成として作曲されたが、「〜マクベス夫人」が党から猛烈に攻撃されたことに恐れをなして初演が先延ばしにされ、何と25年間もお蔵になっていたといういわくつきの作。前衛的かつ難解で、オーケストラもとりわけ大編成なのが特徴。ウィグレスワースの緊張感あふれる音楽性がピッタリ。 | |||
スカルコッタス:作品集 2つのヴァイオリンのための協奏曲(1944/5) (コスティス・デメルツィスの オーケストレーションによる)/ 2台のピアノのための協奏曲(1935)/ 夜の愉しみ(1949)〜木琴と管弦楽のための |
ゲオルギオス・デメルツィス、 シモス・パパナス(Vn) マリア・アステリアドウ、 ニコラオス・サマルタノス(P) ドミトリウス・デシラス(Xyl) ヴァシリス・フリストプーロス指揮 テッサロニキ国立so. | ||
BISが全貌紹介に心血を注ぐギリシャの奇才作曲家スカルコッタス。シェーンベルクの弟子にして十二音主義者だった彼の作品はかなり過激だが、ここに収められた3作はギリシャの旋律を用いたり、軽かったりと聴きやすいものばかり。未完で残されたものを、スカルコッタス研究の第一人者デメルツィスが完成させているのも注目。 | |||
アッティリオ・アリオスティ(1666-1729): ストックホルム・ソナタ集 Vol.2 [第8番 ニ短調/第9番 ト短調/第10番 ヘ長調/ 第11番 イ短調/第12番 ホ短調/ 第13番 ハ長調/第14番 変ホ長調] |
トマス・ゲオルギ (ヴィオラ・ダモーレ) ルーカス・ハリス (アーチリュート/ バロックG) ミーメ・ヤマヒロ・ ブリンクマン(Vc) | ||
スウェーデン古典派の作曲家ルーマンが師匠のイタリア人作曲家アッティリオ・アリオスティ(1666-1729)の作品を筆写した「ストックホルム・ソナタ」第2弾。ほぼ200年間忘れられていた作曲家と作品とは思えぬ美しさと充実度に驚かされる。 | |||
アレクサンドル・ロクシーン(1920-1987):作品集 Vol.3 悪の華(ボードレール詩)(1939)(*/+)/ ハンガリー幻想曲(1952)(#/+)/ 詩の芸術(ザボロツキー詩; 1981)(*/+)/ シンフォニエッタ第2番(ソログープ詩; 1985)(*/+)/ 交響組曲「ジャングルにて」(1960)(+) |
ヴァンダ・タベリー(S;*) ヴォルフガング・ レディク(Vn;#) ミハウ・シフェルチェフスキ指揮 グラーツ大o.「レクリエーション」 | ||
近年ようやく名誉回復した感のある旧ソ連の作曲家アレクサンドル・ロクシーン(1920-1987)の作品集第3弾。 モスクワ音楽院作曲科卒業制作の「悪の華」は当時の教授陣から「デカダン的」「ブルジョワ的」と非難され、受理されなかった。最晩年の1980年代の2篇のうち、「詩の芸術」はロクシーンの最高傑作のひとつと称されている。いずれも驚くべき内容と才能で、不幸な創作人生が惜しまれる。 | |||
ジャン・シベリウス伝説 シベリウス: フィンランディア Op.26/カレリア組曲 Op.11/ ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47(*)/ 交響詩「海の精たち」Op.73/悲しいワルツ Op.44 No.1/ アンダンテ・フェスティヴォ/交響詩「エン・サガ」Op.9/ 同「ポホヨラの娘」Op.49/同「森の精」Op.15/ 同「タピオラ」Op.112/ポリの人々の行進曲(シベリウス編曲) |
レオニダス・カヴァコス(Vn;*) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
名盤の誉れ高いヴァンスカとラハティによるシベリウスのシリーズから、人気の作だけを2枚にまとめたアルバム。5ヶ国語(英・独・仏・フィンランド・スウェーデン)による96ページの豪華ブックレット付き。 | |||
ロドリーゴ:田園協奏曲 ボルヌ:カルメンの歌による華麗な幻想曲 イベール:フルート協奏曲 |
シャロン・ベザリー(Fl) ジョン・ネシリング指揮 サンパウロso. | ||
フルートの美神シャロン・ベザリーが近代の難曲として知られるロドリーゴとイベールに挑戦した。ブラジルのオーケストラがラテン的情熱を込めたバックを務めているのも魅力。鮮烈さと生命感に満ちた世界を堪能できる。 | |||
レポ・スメラ(1950-2000):合唱作品集 混声合唱と弦楽のための協奏曲(1997) 汝の祖国は長く暗黒にあるかもしれないが(1985) マッシュルーム・カンタータ(1979/1983) 島の乙女の海の歌 |
トヌ・カリユステ指揮 エストニア・ フィルハーモニー室内cho. タリンco. | ||
惜しくも50歳の若さで急逝したスメラ。優れた作曲家であると同時に、1988年から1992年まではエストニアの文化大臣も務める政治家でもあった。ここに収められた合唱曲はトヌ・カリユステのために書かれたもので、透明な美しさに加え、「協奏曲」では超絶的な言葉遊びが楽しめる。 | |||
J.S.バッハ: 復活祭オラトリオ BWV.249 カンタータ第11番「御国にまします神をたたえよ」BWV.11 (昇天祭オラトリオ) |
野々下由香里(S) パトリック・ヴァン・ゲーテム(CT) ヤン・コボウ(T) 浦野智行(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
キリストの復活をテーマとした2作品。受難と死をテーマとする教会カンタータとは一線を画した明るさが感じられる。BCJと初共演のパトリック・ヴァン・ゲーテムに期待。 | |||
こどものチェロ 〔初歩用〕 ルートヴィヒ・レベル:東洋の子守歌 シャイラ・ネルソン:完全ガイキチ アルフレッド・アーンショウ:タランテラ ヨアヒム・ストゥチェフスキー:キンネレスとさすらい人の歌 〔中級用〕 アダム・カース:楽しいダンス フランシス・パーセル・ウォーレン:秋の日曜の晩/子守歌 ジョン・グレーヴス:主教宮殿の堀を泳ぐ白鳥たち ウィリアム・ヘンリー・スカイアー:田舎舞曲 ボッケリーニ:メヌエット ギャヴィン・ブライヤーズ:ミリアムと川辺で アーノルド・トロウェル:ガヴォット シベリウス:ルル・ワルツ ジョージ・ダイスン:メロディ フランク・ブリッジ:春の歌 エイミー・ビーチ:子守歌 ガブリエル・マリー:金婚式 ゲオルク・ゴルターマン:信仰 〔少年チェリスト〕 プーランク:セレナード ジョゼフ・タビー:セレナード フォーレ:子守歌 ポッパー:ガヴォット メンデルスゾーン:無言歌 カサド:愛の言葉 〔ガブリエルの領分〕 ハワード・ブレイク:大天使の子守歌 オリ・ムストネン:睡蓮の上で踊るカエルたち スティーヴン・ハフ:天使の歌/天使の踊り スティーヴン・イッサーリス:お化け屋敷 |
スティーヴン・イッサーリス(Vc) スティーヴン・ハフ(P) | ||
人気・実力ともにチェロ界屈指のスティーヴン・イッサーリスがBIS初登場。名手ハフとの共演で古今東西の美しいチェロ曲を30曲も披露。ボッケリーニの「メヌエット」やマリーの「金婚式」など、なつかしの名曲にも再会できる。さらにイッサーリスの愛息ガブリエルのためにムストネンやハフ、そしてイッサーリス自身が作曲した小品も収録。殊にイッサーリスの朗読付の「お化け屋敷」が聴きもの。チェロの不気味な効果を最大限に生かしている。 | |||
ショスタコーヴィチ: 交響曲第9番 変ホ長調 Op.70/ 交響曲第12番 ニ短調 Op.112「1917年」 |
マーク・ウィグレスワース指揮 オランダ放送po. | ||
ウィグレスワースのショスタコーヴィチ交響曲シリーズの第7弾。今回は彼の交響曲中でも第2次世界大戦の勝利(スターリン)にまつわる9番と、レーニン(ロシア革命)に捧げられた12番という政治的意味あいの強い2作をとりあげている。独特のスピード感と集中力はウィグレスワースならでは。白熱した演奏を聴かせてくれる。 | |||
ニコス・スカルコッタス(1904-1949): ピアノのためのバレエ音楽集 バレエ組曲「ギリシャの地と海」(1948)/ バレエ組曲「島々の映像」(1943)/ バレエ組曲「乙女と死」(1938)/ アケロンへの行列/小舞曲「エコー」 |
ロレンダ・ラモウ(P) | ||
ギリシャの大物作曲家スカルコッタスによるエキゾチックな響きのバレエ音楽は、まずピアノで書かれ、後にオーケストレーションされた。「島々(海)の映像」と「乙女と死」はオーケストラ版がすでにBISからリリースされているが、ここではオリジナルのピアノ版で楽しめる。 | |||
シベリウス:大気の精 序曲 ホ長調 JS.145/バレエの情景 JS.163/ クレルヴォの嘆き(クレルヴォ交響曲 Op.7 から)/ セレナード JS.168(バリトンと管弦楽のための)/ 夜に Op.38 No.3(バリトンと管弦楽のための版)/ 即興曲 Op.19(女声合唱と管弦楽のための; オリジナル版と改訂版の2種の演奏)/ パンとエコー Op.53/ 秋の夕べ Op.38 No.1(ソプラノと管弦楽のための版)/ マグヌス大公 Op.57 No.6(ソプラノと管弦楽のための版)/ 大気の精 Op.70/ヴァイノ賛歌 Op.110(合唱と管弦楽のための) |
ユルキ・コルホネン(B) トムミ・ハカラ(Br) ヘレナ・ユントゥネン(S) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. ドミナンテcho. | ||
シベリウスのかなり珍しい作品集。「序曲」と「バレエの情景」はまるでグラズノフのようなロシアのバレエ音楽的世界で夢にあふれている。その他は声楽とオーケストラの作品集で、自身による歌曲の管弦楽伴奏化をはじめ、清新で澄み切った独特の世界を堪能できる。 | |||
ダウスゴーの「新世界」 ドヴォルザーク: 交響曲第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」/ 交響曲第6番 ニ長調 Op.60 |
トーマス・ダウスゴー指揮 スウェーデン室内o. | ||
現在もっとも勢いのある指揮者のひとりダウスゴー。彼がドヴォルザークの「新世界」交響曲に挑戦した。同曲ではこれまで聞いたことのない小編成により、両翼配置の効果がSACDハイブリッド5.0サラウンド録音で驚くほど鮮烈な効果をあげている。小気味のよいテンポも彼ならでは。目から鱗の落ちることの連続の1枚。 | |||
モーツァルト(フンメル編): ピアノ協奏曲第18番 変ロ長調 K.537(室内楽版)/ 交響曲第40番 ト短調 K.550(室内楽版) |
白神典子(P) ヘンリク・ヴィーゼ(Fl) ピーター・クレメント(Vn) ティボール・ベーニ(Vc) | ||
モーツァルトのピアノ協奏曲を愛弟子フンメルが室内楽用に編曲したシリーズの最終巻。フンメルは編成だけでなく、ピアノ・パートも原曲を歪めない範囲内でロマン派風に書き直している。フンメル編曲のピアノ協奏曲は全部で7作あり、今回で完了だが、フィルアップに同編曲者・同編成による交響曲第40番が入っているのも魅力。2006年モーツァルト・イヤーの最後を飾る注目盤。 | |||
エフゲニー・スドビン〜 スクリャービン:作品集 練習曲 嬰ニ短調 Op.8-12/ ピアノ・ソナタ第2番 嬰ト短調 Op.19/ 練習曲 嬰ハ短調 Op.2-1/ マズルカ(4曲)Op.3より/ ピアノ・ソナタ第5番 Op.53/ ニュアンス Op.56-3/詩曲 Op.59-1/ ピアノ・ソナタ第9番「黒ミサ」Op.68/ ワルツ Op.38 |
エフゲニー・スドビン(P) | ||
BISが現在最も力を入れているロシア出身のピアニスト、スドビン。彼はスクリャービンの音楽にゾッコンなのだそうで、不思議な選曲もライナーノーツの執筆も自ら行なっているとのこと。もともとアブないスクリャービン後期作品だが、スドビンの解釈のアブなさは、ホロヴィッツに匹敵するほどのレベル。これぞまことのロシアの狂気世界。 | |||
シューマン: 交響曲第1番 変ロ長調 Op.38「春」 ツヴィッカウ交響曲 序曲、スケルツォとフィナーレ Op.52 歌劇「ゲノヴェーヴァ」序曲 序曲「メッシーナの花嫁」Op.100 |
トマス・ダウスゴー指揮 スウェーデン室内管 | ||
非常な期待を持って迎えられているダウスゴーのシューマン交響曲シリーズ。第2弾は第1番「春」のほか彼が20代の初めに試作した「ツヴィッカウ交響曲」も入っているのが嬉しい限り。ダウスゴーの引き締まった音楽作りとスウェーデン室内管の透明な響きで、「灰色」と称されるシューマンの管弦楽曲の印象が一新される。2篇の序曲も美演。 | |||
ブリテン(1913-1976):弦楽四重奏曲集 Vol.2 弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 Op.25 /アラ・マルシア(1933) /弦楽四重奏曲第3番 Op.94 エンペラーSQ [マーティン・バージェス(Vn1) クレア・ヘイズ(Vn2) フィオナ・ボンズ(Va) ウィリアム・スコフィールド(Vc)] | |||
録音:2005年5月、ポットン・ホール、サフォーク、UK 。Vol.1: BISSA-1540〔第2番 ハ長調/ニ長調(1931/74) /3つのディヴェルティメント(1936) /小組曲(1929) 〕。生き生きとした躍動感と緻密なアンサンブルが魅力で、既にBISからマルティヌー(BIS-1389)、ビーミッシュ&ベートーヴェン(BIS-1511)をリリースしているイギリス期待の俊英エンペラー四重奏団によるブリテンの弦楽四重奏曲集第2弾。弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 Op.25は1941年の作品。国際現代音楽祭に数回入選後、渡米した際の作品で初演もロサンゼルスで行われた。この時代はブリテンにとってはあまり良い時期とは言えず、彼の作品、オペレッタ「ポール・バニヤン」を初演するもあまりよい評価を得ずニューヨークからカリフォルニアへ言わば“逃げてきた " 時期となる。作風は当時としては鮮烈で非常に幻想的で各パートそれぞれ違う高さの音を何小節も全音をのばし、徐々に変化してくような冒頭。その後、第1ヴァイオリンの躍動的なメロディが続き、各パートが不協和音とともに絡み合っていく。激しさと美しさを兼ね備えたブリテンが28歳の時の作品。一方、弦楽四重奏曲第3番 Op.94は晩年にあたる1975年の作品。アマデウス弦楽四重奏団による委嘱作で緩急緩急緩の5楽章からなる。歌劇「ベニスに死す」直後の作品ということから全体的にマーラーへのオマージュが見られる。響きや構成は、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏を思わせ、ブリテン晩年の世界観が表現されている。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集Vol.35 第128番「ただキリストの昇天のみが」BWV128/ 第176番「傲慢な、そして臆病なものが」BWV176/ 第87番「今までは、あなたがたは 私の名によって」BWV87/ 第74番「私を愛する人は、私の言葉を守る」BWV74 |
野々下由香里(S) ロビン・ブレイズ(CT) 櫻田亮(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ ジャパン | ||
BCJカンタータ第35弾は1725年にライプツィヒで初演された4篇を収めている。いずれも女流詩人マリアーネ・フォン・ツィーグラーの詩により、敬虔な感情が歌われるが、器楽面では管楽器の名人芸が楽しめる。第87番のコラールはモテットBWV227でよく知られる「イエスよ、わが喜び」の旋律にのせて歌われるのが興味津々。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.5〜 3つのピアノ・ソナタ Op.31 [第16番 ト長調 Op.31-1/ 第17番 ニ短調「テンペスト」Op.31-2/ 第18番 変ホ長調 Op.31-3 |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
フォルテピアノによる独自の境地で評価の高いブラウティハムのベートーヴェン・シリーズ第5弾。今回は作品31の3作が収められているが、これらは「ハイリゲンシュタットの遺言」で知られる1802年頃の所産で、ベートーヴェンの苦悩が影を落としている。ブラウティハムはごく自然体ながら苦味がにじみ出る巧さを見せてくれる。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ曲全集 Vol.6 ピアノ・ソナタ [第21番 ハ長調 Op.53 「ワルトシュタイン」/ 第22番 ヘ長調 Op.54/ 第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」/ 第24番 嬰ヘ長調 Op.78「テレーゼ」/ 第25番 ト長調 Op.79「かっこう」] |
ロナルド・ ブラウティハム(Fp) | ||
使用楽器:1819年製グラーフのコピー。世界中で極めて評価の高いブラウティハムのフォルテピアノによるベートーヴェン。今回は「熱情」や「ワルトシュタイン」など人気作に挑戦している。インターナショナル・レコード・レビュー誌で「切れば血の出るような演奏だ。楽器の限界までに挑みながらも、いつもコクのある結晶化した響き…」と絶賛されている。 | |||
カレヴィ・アホ: チューバ協奏曲 (2000/1)(*)/ コントラファゴット協奏曲 (2004/5)(#) |
オイスタイン・ ボーズヴィーク(Tu;*) マッツ・ルンディン指揮(*) ノールショピングso.(*) ルイス・リプニック(コントラFg;#) アンドルー・リットン指揮(#) ベルゲンpo.(#) | ||
オーケストラ内では縁の下の力持ち的存在で、どちらかと言えばグロテスクやコミカルな効果を出すイメージのあるコントラファゴットとチューバがカッコいい主役を演じるアルバム。それも当代一の名手ボーズヴィークとリプニックが悪魔的な超絶技巧を駆使しているのが聴きもの。ふたつの楽器の意外な表現力に驚かされる。 | |||
クープラン: 聖水曜日のためのルソン・ド・テネブレ デラランド: 聖水曜日のための第3テネブレ/ 聖木曜日のための第3テネブレ |
エマ・カークビー(S) アニエス・メロン(S) チャールズ・メドラム (バス・ヴィオール) テレンス・チャールストン (Org) | ||
一見ハルモニア・ムンディを思わす曲目と演奏者ながら、正真正銘のBIS最新録音。ルソン・ド・テネブレとはカトリック暦で復活祭前の3日間、深夜から早朝に行なわれる聖務日課のための音楽。これを女王エマ・カークビーと、ドミニク・ヴィス夫人のアニエス・メロンという大ベテランがひそやかに歌唱。いぶし銀の至芸が存分に味わえる。 | |||
ブレット・ディーン:作品集 Vol.2 田園交響曲(2002)(*)/ シドリの舞〜Flと弦楽orch(2007)(#)/ 水の音楽〜sax四重奏と室内orch(2004)(+)/ カルロ(1997)(**) |
HK.グルーバー指揮(*/#/**) ブレット・ディーン指揮(+) スウェーデン室内o. シャロン・ベザリー(Fl;#) ラシェル・サクソフォンQ | ||
オーストラリア出身で、BPOのヴィオラ奏者を務めていた作曲家ブレット・ディーン。(+)には奏者たちが水槽で録音した気泡やしぶきなどの音も使われている。(#)はギルガメシュのシドリ姫の舞をイメージした曲で、シャロン・ベザリーの妖艶な演奏を楽しめる。 | |||
リムスキー=コルサコフ:管弦楽曲全集 Vol.4 歌劇「皇帝の花嫁」序曲/ 「パン・ヴォエヴォーダ(地方長官殿)」組曲/ 「クリスマス・イヴ」組曲/ ロシアの主題による序曲 Op.28/「雪娘」組曲 |
キース・バケルス指揮 マレーシアpo. | ||
バケルス&マレーシア・フィルによる全集の最終巻。この巻には主にオペラ中の管弦楽ナンバーが収められている。「ロシアの主題による序曲」はオペラと無関係だが、ムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」の戴冠式の場で用いられた旋律が現れる。華麗な極彩色のオーケストラ・サウンドを楽しめる。 | |||
ジョン・ピッカード(1963-):作品集 イカルスの飛行(1990)/ 必然の女神の紡錘〜 トロンボーン、打楽器、弦楽のための(1998)(*)/ チャンネル・ファイアリング(1993) |
クリスティアン・ リンドベリ(Tb;*) マーティン・ブラビンズ指揮 ノールショピングso. | ||
堅固な構築性で注目されているイギリスの作曲家ジョン・ピッカード(1963-)。ここに収められたオーケストラ曲3篇も興味深いものばかり。プラトンの「国家」中の幽体離脱の話に基づく「必然の女神の紡錘」ではあのリンドベリがトロンボーン独奏を務める豪華さ。トマス・ハーディの詩に基づく「チャンネル・ファイアリング」の暗さも独特。 | |||
ニコラ・バクリ(1961-): オーボエ、ヴァイオリンと弦楽合奏のための 愛の協奏曲「春」(2004/5) / フルート協奏曲(1999)/ オーボエ、ヴァイオリンと弦楽合奏のための 郷愁の協奏曲「秋」(2000/2)/ チェロと弦楽合奏のためのノクターン(2004)/ 交響曲第4番「疾風怒濤」(1995) |
リサ・バティアシヴィリ(Vn) フランソワ・ルルー(Ob) シャロン・ベザリー(Fl) リーッタ・ペソラ(Vc) ジャン=ジャック・カントロフ指揮 タピオラ・シンフォニエッタ | ||
現代フランスの中堅作曲家ニコラ・バクリは、これまでに6曲以上の交響曲を書き、現代音楽ながらメロディの重要性を説く新世代の注目株で、日本にもファンが増えて規定ます(代理店記載ママ/カデンツァ注:おそらく「来ています」の誤植)。このアルバムは女性向け恋愛小説を思わすタイトルがオシャレだが、ヴァイオリンのバティアシヴィリ、オーボエのルルー、フルートのベザリーといった独奏者の豪華さに驚嘆させられる。バクリの人気と評価を反映した人望。 | |||
ムソルグスキー:展覧会の絵 ラヴェル:夜のガスパール バラキレフ:イスラメイ |
フレディ・ケンプ(P) | ||
人気ピアニストのフレディ・ケンプ。待望の最新譜はピアノ・レパートリーのなかでも難曲として恐れられている3作品。技巧派ケンプは余裕で曲を征服しているだけでなく、こうしたものでの巧さは他の追随を許さないものがある。特に「イスラメイ」はかつて浜松国際コンクールで弾いて、審査員たちの度肝を抜いた自信作。轟き渡るピアノ、華麗な演奏姿、いずれもケンプ芸術の真骨頂。 2008年6月に来日公演が予定されている。 | |||
ダンツィ:木管五重奏曲全集 木管五重奏曲 Op.56(全3曲)/同 Op.67(全3曲) 同 Op.68(全3曲)/ピアノと木管のための五重奏曲 ニ短調 Op.41 同 ヘ長調 Op.53/同 ニ長調 Op.54 |
BPO木管五重奏団 ルーヴェ・デルヴィンエル(P) | ||
管楽器を学ぶ人々が必ず手掛けるダンツィの五重奏曲。その全9篇がセットになり、さらに3枚で2枚価格というお求めやすいものとなった。演奏は全員がBPOの2番奏者。完璧なアンサンブルの妙に興奮させられる。 | |||
ショスタコーヴィチ: 交響曲第11番 Op.103「1905年」 |
マーク・ウィグレスワース指揮 オランダ放送po. | ||
1905年、皇宮に請願行進をした労働者たちに政府当局が発砲、数千人の死傷者を出した「血の日曜日」事件。これを音で描いたショスタコーヴィチの交響曲第11番は非常に描写的で、シリアスな大作映画を観る趣がある。労働者の行進や有名な銃撃のシーンが、BISならではの録音の良さで恐ろしいまでにリアルな音像で広がる。 | |||
メンデルスゾーン:交響曲集 Vol.2 交響曲第1番 ハ短調 Op.11/ 交響曲第4番 イ長調「イタリア」Op.90/ 序曲「ルイ・ブラス」Op.95 |
アンドルー・リットン指揮 ベルゲンpo. | ||
リットンが現在の手兵ベルゲン・フィルと進めるシリーズ、今回は15歳の時の第1番と名作「イタリア」。大規模作品に巧いところを見せるリットンだが、メンデルスゾーンの流麗かつ爽やかな音楽も向いている。 | |||
チューバの怪人ボーズヴィーク 〜チューバ・ダンス ニクラス・シヴェレーヴ:3つの舞曲 (2005) ヒンデミット:チューバ・ソナタ ゴードン・ジェイコブ:チューバ組曲 (1972) バーンスタイン:ミッピイ三世のためのワルツ (1948) アンソニー・プログ:3つの小品 (1990) ピアソラ:天使のミロンガ/アディオス・ノニーノ/ ブエノスアイレスの冬 |
オイスタイン・ボーズヴィーク(Tu) ニクラス・シヴェレーヴ(P) | ||
珍しいチューバのソリストで、悪魔的なテクニックとリンドベリ流のエンターテナー性を併せ持つノルウェーの怪人ボーズヴィークの第2弾。ヒンデミットのソナタをはじめ、チューバを学ぶ人が必ず通る作品をまとめている。その凄さ、面白さは代理店も太鼓判。2006年9月5日に川口リリアホールでリサイタルが予定されている。 | |||
クリストファー・ラウス(1949-): フルート協奏曲(1993)/ 交響曲第2番(1994)/悦び(2000) |
シャロン・ベザリー(Fl) アラン・ギルバート指揮 ロイヤル・ストックホルムpo. | ||
ロイヤル・ストックホルム・フィルの音楽監督だったアラン・ギルバートが、連続演奏と録音を計画しているアメリカの作曲家ラウス作品の第2弾。今回は1990年代の作品で、死がテーマとなっている。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲全集 Vol.16 チェンバロ協奏曲 ニ長調(第2版) Wq27 (H433) チェンバロと管弦楽のためのソナチネ 変ロ長調 Wq110 (H.459)(*) タンジェント・ピアノ協奏曲 イ短調 Wq.21 (H.424) |
ミクローシュ・シュパーニ (タンジェントP/Cemb)指揮 メンノ・ファン・デルフト (Cemb;*) ペトリ・タピオ・マッツォン指揮 アンサンブル・オーパスX | ||
シュパーニが続けてきたC.P.E.バッハの鍵盤協奏曲全集シリーズがついに完結となった。18世紀音楽史の穴を埋める、前人未到のまさにエポックメイキングな世界を打ち立てた。最終巻はとりわけ珍品が集められていて、ファン感涙の一枚。 | |||
エフゲニー・スドビン チャイコスフキー: ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23 メトネル:ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 Op.33 メトネル/スドビン編:愛らしき子 Op.6 |
エフゲニー・スドビン(P) ジョン・ネシリング指揮 サンパウロso. | ||
BISイチオシのピアニスト、スドビンの第3弾にして初の協奏曲が登場する。曲は超有名なチャイコフスキーと、最近人気のメトネルのともに第1番。スドビンはロシア・ピアニズムの伝統を強く受け継ぎながらも、爽快このうえない演奏を聴かせてくれる。ネシリングとサンパウロ響も好サポート。スドビン自身の編曲によるメトネルの歌曲も聴きもの。 | |||
エルガー:弦楽セレナード Op.20/エレジー Op.58 ウォーロック:カプリオル組曲 ディーリアス:春初めてカッコウを聞いて/川辺の夏の夜 ホルスト:セントポール組曲 Op29-2 アーウェル・ヒューズ(1909-1988):幻想曲 |
オーワイン・ アーウェル・ヒューズ指揮 カメラータ・ウェールズ | ||
イギリスの音楽のなかでも特に珠玉のような作品を集めたアルバム。各所に民俗色を示しつつも、はかなく悲しげな旋律は気絶するほどの美しさ。エルガーやディーリアスの名作のほか、当アルバムの指揮者の父君であるウェールズの作曲家、アーウェル・ヒューズの作品が入っているのも嬉しいところ。 | |||
アッラン・ペッテション(1911-1980): 弦楽のための協奏曲集 Vol.2 [第3番(1956/7)] |
クリスチャン・リンドベリ指揮 ノルディック室内o. | ||
悲痛で厳しい作風に根強いファンを持つスウェーデンの作曲家ペッテション。3篇ある彼の弦楽のための協奏曲のうち、第1、第2番を収めた盤(BIS-1690)に続く第2弾。弦楽のみで協奏曲と銘打ながら演奏時間が54分もかかる交響曲級の大作で、恐ろしく念入りな書法によるが、内容的には私小説風でおそらく自身の生涯のどこかを描いているようだ。トロンボーンの魔王クリスチャン・リンドベリが一切管楽器を含まないこの純音楽作品で指揮者としての力量を証明している。 | |||
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリンソナタ Op.134 同/ミハイル・グルズマン編曲:ジャズ組曲第1番 レーラ・アウエルバッハ:孤独の組曲 Op.70(2002) 同:ヴァイオリンソナタ第2番「9月11日」Op.63(2001) |
ワジム・グルズマン(Vn) アンジェラ・ヨッフェ(P) | ||
たまゆらレーベルのアーティストでもある天才レーラ・アウエルバッハ待望の作品集。ロシア出身ながらニューヨーク在住の彼女は、2001年9月11日の同時多発テロを間近で体験、その義憤をソナタ第2番に込めた。2002年2月に諏訪内晶子とボリス・ベレゾフスキーが大阪で世界初演を予定しながら中止した因縁作、ようやくの日本登場となる。ショスタコーヴィチの機知にあふれる「ジャズ組曲」は演奏者の実父による編曲。 | |||
ジョージ・フリン:トリニティ 地下水道(1976)/負傷(1968)/救出(1993) |
フレドリク・ウレーン(P) | ||
アムランと並んで人間離れした超絶技巧ピアニストとして知られるフレドリク・ウレーン期待の新譜はこれまた超難物。アメリカの作曲家のジョージ・フリン(1937-)の「トリニティ」で、3部分で114分もかかる大曲。全体には1968年から1993年の25年をかけて作曲され、タイトルは三部分構造と1945年に最初の核実験が行われたニューメキシコの地名を表している。作曲者自身によれば、「地下水道」と「負傷」は20世紀の暴力の時代(第二次世界大戦中のポーランドと1960年代のベトナム)を表し、「救出」で和解を探りそれに立ち向うとのこと。曲は長さ、技術的難関、およびその内容に関して演奏者と聴き手に多くを求める。実際、あまりの難物ゆえ、過去3回、ウレーンにより各回一部ずつしか実演されていない。こうした超難曲は、必ず挑戦したがる猛者がいるが、嬉しいことに全曲の楽譜付き。超絶ピアノ楽譜ファン必携の一枚。 | |||
スコットランドの歌とロンドンのソナタ ジョン・スタンリー:リコーダーと 通奏低音のためのソロ第4番 ロ短調Op.4-4 ヘンデル:リコーダーソナタ ロ短調HWV376/ ソナタ ホ短調HWV375〜ミヌエット ジェミニアーニ:チェロ・ソナタ ハ長調Op.5-3 ルーマン:リコーダーソナタ第10番 スコットランドの調べ〜「流れは広く」他(全8曲) |
パルナッスス・アヴェニュー [ダン・ラウリン(Rec) デーヴィド・テイラー (アーチリュート/テオルボ/ バロックギター) ハンネケ・ヴァン・プロースジー (Cem/Rec) ターニャ・トムキンズ(Vc)] ウィリアム・スケーン(Vc) | ||
1700年代初頭のロンドンには、今日と同じく音楽家が集まり、ドイツ人ヘンデルをはじめイタリア人ジェミニアーニやスウェーデン人ルーマンなど、諸国の有能な作曲家たちが、互いに創作を刺激し合った。さらに、当時イギリスと合体したスコットランド文化が流行し、ことに伝統音楽のリズムや色彩に作曲家たちは魅せられた。ここにはスコットランド民謡編曲が、そこから霊感を受けてヘンデルやスタンリーの作品と聴き比べられる。北欧の虚無僧ラウリンのリコーダーが冴えまくる。 | |||
ヴァウン・ホルムボー(1909-1996): カイロス (弦楽のためのシンフォニア第1番ー第3番)Op.73/ シンフォニア第4番 Op.73d |
オーワイン・ アーウェル・ヒューズ指揮 カメラータ・ウェールズ | ||
ニルセン以降デンマークでもっとも重要な作曲家のひとりヴァウン・ホルムボー。2009年が生誕百年にあたる彼は極めて多作家で、13篇の交響曲を残したが、ここに収められたのは「カイロス(時)」と名付けられた弦楽オーケストラのためのシンフォニア全曲。第1から3番までは単一楽章だが、4番は4楽章構成。ホルムボーの交響曲全集を録音したスペシャリスト、ヒューズが真似の出来ない至芸を披露してくれる。 | |||
シェック: チェロ協奏曲 Op.61/ チェロ・ソナタ/6つの歌曲編曲 |
クリスティアン・ポルテラ(Vc) トゥオマス・オッリラ指揮 マルメso. ジュリアス・ドレイク (P) | ||
若手チェロ界で注目著しいクリスティアン・ポルテラ。BISと契約を結び、第1弾として母国スイスの作曲家オトマール・シェック(1886-1957)のチェロ曲に挑戦した。伸びやかな歌ごころと美しい音が魅力で、魅力的なメロディが豊富なシェック作品にピッタリ。目の離せない新人。 | |||
コルネットの黄金時代 ハーバート・クラーク:お披露目/波の花嫁 カール・ヘーネ:スラヴ幻想曲 グリーグ:ロンダーネにて パーシー・コード:ゼルダ テオドル・ホーホ:北欧幻想曲 ジョン・ハートマン:ファシリータ オスカル・ボルグ:夏の気分 ディニク:ホラ・スタッカート フランク・サイモン:柳のさざめき ヘルマン・ベルシュテット:ナポリ |
ウーレ・エドヴァルド・ アントンセン(コルネット) インガル・ベルグビィ指揮 王立ノルウェー海兵バンド | ||
「モーリス・アンドレ以来の逸材」と称されたアントンセン。スーザ・バンドのコルネット奏者として名を馳せたハーバート・クラークをはじめ、この楽器の名手たちが作曲したものを集めており、さすが楽器の機能を熟知した人たちならではの沸き立つような魅力に酔わされる。アントンセンの香り高く完璧な演奏も驚愕。 | |||
グリーグ:「ペール・ギュント」組曲第1番 Op.46 「ペール・ギュント」組曲第2番 Op.55 リカルド・ノルドロークのための葬送行進曲(吹奏楽版) 古いノルウェーの歌と変奏 Op.51/鐘の音 Op54-6 |
ウーレ・クリスティアン・ルード指揮 ベルゲンpo. | ||
新しいグリーグ管弦楽全集を進めるルードとベルゲン・フィル。かつてリリースされた「ペール・ギュント」全曲版から抜き出された2つの組曲の登場。2006年は「ペール・ギュント」の原作者イプセンの、2007年はグリーグの没後百年にあたっていた。グリーグの地元ベルゲンのオケの透明で素朴な響きが魅力。 | |||
法悦の太鼓〜打楽器と中華楽団の饗宴 鐘耀光:打楽器と中華楽団のための協奏曲/秦王の敵隊撃破 安部圭子/鐘耀光 編曲:プリズムラプソディー ジフコヴィチ: ボーン・トゥ・ビート・ワイルド〜スオナと打楽器のための 黛敏郎/江賜良 編曲:シロフォン小協奏曲 |
イヴリン・グレニー(Perc) 鐘耀光 指揮 台北中華楽団 林子由(スオナ) | ||
録音:2010年11月、中山ホール、台北。英国の名パーカッショニスト、イヴリン・グレニーが何と中国民族楽器と共演した協奏曲集の登場。台湾作曲界の重鎮・鐘耀光の作品2篇では、中国伝統の音世界とグレニーの超絶技巧が楽しめる。日本の安部圭子と1962年セルビア生まれのジフコヴィチはともに自身が打楽器奏者なため、華々しい効果に満ちた注目作。さらに驚きなのが、黛敏郎の「シロフォン小協奏曲」をグレニーの演奏で聴けること。中国民族楽器伴奏なのが不思議だが、師・伊福部昭ゆずりのエスニックな感覚が増して興味津々。さすがグレニー、これだけでも持っていたくなるアルバム。 | |||
マーラー: 亡き子をしのぶ歌/さすらう若人の歌/ リュッケルトの5つの歌 |
カタリナ・カルネウス(Ms) スサンナ・マルッキ指揮 イェーテボリso. | ||
録音:2007年6月、2010年1月、8月、イェーテボリ・コンサート・ホール。ストックホルム出身、ロンドンのトリニティ音楽院で学んだメゾ、カルネウスのマーラー歌曲集。彼女は期待のマーラー歌手で、ティルソン・トーマスの交響曲全集でも素晴らしい歌唱を聴かせている。今回は彼女の独壇場で、美しい声と迫真の表現を堪能出来る。フィンランドの女性指揮者スサンナ・マルッキの好サポートも特筆で、女性の眼から見たマーラーを実感出来る。 | |||
サリー・ビーミッシュ(1956-): ヴァイオリン協奏曲(1994)/ フルート協奏曲「カリスト」(2005)/ 交響曲第1番(1992) |
アンソニー・マーウッド(Vn) シャロン・ベザリー(Fl) マーティン・ブラビンズ指揮 ロイヤル・ スコティッシュ・ナショナルo. | ||
BISが力を注ぐイギリスの女性作曲家ビーミッシュが、大管弦楽に挑んだ最初期作品に当たる交響曲第1番が聴き物。テインパニーの超低音など管弦楽法も凝っているうえ、スコットランドの民俗調が盛り込まれているのも興味津々。シャロン・ベザリーのために作曲されたフルート協奏曲は、ギリシャ神話でゼウスに愛されたため熊に変身させられた妖精カリストの逸話を描いている。 | |||
ユーハン・ヘルミク・ルーマン(1694-1758): ドロットニングホルムの音楽(1744/全24曲) |
アンドルー・マンゼ指揮 ヘルシングボリso. | ||
何とアンドルー・マンゼがBISに登場! それも「スウェーデン音楽の父」と称されるルーマンの代表作なので興味津々。スウェーデン国王とプロイセン王女の婚礼を祝って作られた管弦楽曲で、華やかかつ貴族的な音楽はマンゼにぴったり。さらに彼ならではの引締ったサウンドで、ますます曲の良さを再認させる。 | |||
ショスタコーヴィチ:交響曲集 〔第1番 ヘ短調 Op.10 (*) /第2番 変ロ長調「十月革命に」Op.14 /第3番 変ホ長調「メーデー」Op.20 〕 マーク・ウィグレスワース指揮オランダ放送フィル&cho. | |||
録音:2006年10月(*)、2010年10月(無印)、オランダ放送音楽センターMCO5スタジオ。今回は初期の3篇。いずれもかなり急進的な内容で、若きショスタコーヴィチの才気が迸る音楽。けたたましいサイレンで始まり、混沌とした響きの後、合唱が社会主義讃美を謳いあげる第2番、一見体制讃美のようでありながら腹にイチモツあるのを感じる第3番と、ショスタコーヴィチの凄さを実感出来る。ウィグレスワースの卓抜な統率力、オランダ放送cho.の絶叫ともに、BISの超優秀録音がすさまじい効果を生む。 | |||
メンデルスゾーン:交響曲全集 Vol.3(完結) 交響曲第3番 イ短調「スコットランド」Op.56/ 交響曲第5番 ニ短調「宗教改革」Op.107 |
アンドルー・リットン指揮 ベルゲンpo. | ||
メンデルスゾーン・イヤーの最期を飾るリットンとベルゲン・フィルの交響曲シリーズ完結篇。全交響曲を SACD 5.0 サラウンドで聴くことができるようになった。音の水彩画家と称されたその音楽を実感出来る。 | |||
ポーランドのピリオド楽器オーケストラによる「四季」 ヴィヴァルディ: 四季/弦楽のための協奏曲 ニ長調 RV124/ リコーダー協奏曲 ト長調 RV437(*)/ リコーダー協奏曲 ハ短調 RV441(*) |
ダン・ラウリン(リコーダー;*) アルテ・デイ・スォナトーリ | ||
SACD ハイブリッド盤。ポーランドのピリオド楽器オーケストラ、アルテ・デイ・スォナトーリは、鈴木秀美が首席客演指揮者でもある団体。フレッシュな感性が独特で、また新たな「四季」の名盤登場。「北欧の虚無僧」ことダン・ラウリンによる協奏曲も快演。 | |||
ブラームス:チェロ・ソナタ集 [第1番 ホ短調 Op.38/第2番 ヘ長調 Op.99/ ニ長調(P.クレンゲル編曲/原曲: ヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」)] |
トーレイヴ・テデーン(Vc) ローランド・ペンティネン(P) | ||
BIS創業以来の古株演奏家テデーンとペンティネン。さすがベテランらしく堂々した至芸を聴かせてくれる。注目はヴァイオリン・ソナタ第1番のチェロ用編曲。ブラームスの響きをたっぷり堪能出来る。 | |||
グリーグ:歌曲全集 4つのドイツ語の歌 Op.2/6つのドイツ語の歌 Op.4/4つのデンマーク語の歌 Op.5/ロマンスとバラード Op.9/ 4つのデンマーク語のロマンス Op.10/4つのロマンス Op.15/9つのロマンスと歌 Op.18/4つの詩 Op.21/ ペール・ギュントからの3つの歌 Op.23/6つの詩 Op.25/5つの詩 Op.26/山の精にとらわれし者 Op.32/ 12の歌 Op.33/6つのロマンス Op.39/山とフィヨルドの旅の思い出 Op.44/6つのドイツ語の歌 Op.48/ 6つの詩 Op.49/ノルウェー Op.58/悲歌的な詩 Op.59/5つの詩 Op.60/子供の歌 Op.61/山の妖精 Op.67/ 5つの詩 Op.69/5つの詩 Op.70/ 私の愛する君! EG127/ 兵士 EG125/涙 EG128/ ブロンドの少女 EG130, EG138(2種)/ため息 EG134/素朴な歌/狩人 EG157/私は愛した EG153/ クリスマスの子守歌 EG155/めでたし、海の星 EG150/王女様 EG133/オダリスクの歌 EG131/ トンスベリの総領事へ EG136/復活祭の歌 EG146/わたしの小さな鳥 EG126/ハマルの廃墟にて EG140/ 歌う会衆 EG122/教会へ彼女は歩いて行った EG123/少年EG129/クララの歌 EG124/オールドミス EG142/ クリスマス・ツリーの下で EG144/こけもも EG145/L.M.リンデマンの銀婚式に EG135/白と赤のバラ EG137/ 学校での朝の祈り EG139/ラインヒルド EG181/選挙の歌 EG149/悪魔へ EG154/イェンタ EG141/ 祖国讃歌 EG151/ふつうの殿方 EG156/あなたは海を見ている EG121/ 山の娘〜6曲[雀/干草の山で/ヴェスレモイの旅/不運/ヴェスレモイの憧れ/牛を呼ぶ声] モニカ・グロープ(Ms) ロジャー・ヴィニョールズ、 イーモ・ランタ、ルーヴェ・デルヴィンエル(P) | |||
BIS-637, 787, 957, 1257, 1457, 1657, 1757のセット化。3桁品番のものは当店未案内。 オーケストラ曲やピアノ曲の人気に及ばないものの、宝石のように美しいグリーグによる歌曲をすべて網羅したセット。多くは歌手だった愛妻のために作曲され、彼ならではの優しく親密な雰囲気に満ちている。フィンランドの実力派グロープの落ち着いた声も作品の魅力をあますことなく表現している。 | |||
最も偉大なる死 ジョージ・バターワース:ブレドンヒルとその他の歌/「シュロップシャーの若者」〜6つの歌 アイヴァー・ガーニー:フランダースにて/セヴァーンの牧草地/眠れ/二羽のカラス/そんな時に/棺台脇で ヴォーン・ウィリアムズ:旅の歌 ジェイムズ・ラザフォード(Br) ユージン・アスティ(P) | |||
録音:2008年9月、12月、ポットン・ホール、イギリス。第1次世界大戦の犠牲となった3人の英国作曲家の作品を集めている。ジョージ・バターワース(1885-1916)はその将来を嘱望されながら、ソンム戦役にて狙撃され、31歳の若さで戦死。アイヴァー・ガーニー(1890-1937)は詩人としても才能を示しながら、フランス戦線で毒ガスを吸引したことによる後遺症で精神を病み、後半生を精神病院で送った。ヴォーン・ウィリアムズも従軍中に大砲で聴覚を損傷し、後に影を落としている。彼らの歌曲をワーグナー歌手として頭角を現してきた英国の俊英ジェイムズ・ラザフォードが美しく再現。詩の素晴らしさも含め、涙なしで聴くことができない感動的な出来となっている。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.36 第42番「この同じ安息日の夕べ」BWV42 第108番「わが去るは汝の益なり」BWV108 第6番「われらと共に留まりたまえ」BWV6 第103番「汝らは泣き叫び」BWV103 |
野々下由香里(S) ロビン・ブレイズ(CT) ジェイムス・ ギルクリスト(T) ドミニク・ヴェルナー(B) ダン・ラウリン(Rec) ディミトリー・バディアロフ (ヴィオロンチェロ・ ダ・スパッラ) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ ジャパン | ||
1725年の美しいカンタータ4篇は叙情的なアリアに加えて、数々の器楽のソロが華やかな色合いを添える。カンタータ第6番のオブリガートは今回初登場の「肩のチェロ」Violoncello da spalla。当時の文献を基に初めて復元された弦楽器で、自ら研究復元したディミトリー・バディアロフを迎えての演奏となった。第103番には華麗なソプラニーノ・リコーダー・ソロが登場するが、あの「北欧の虚無僧」ダン・ラウリンが担当しているのも注目。今回も色鮮やかなカンタータの世界をどうぞ。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.7〜 ピアノ・ソナタ集 [第26番 変ホ長調「告別」Op.81a/第27番 ホ短調Op.90/ 第29番 変ロ長調「ハンマークラヴィーア」Op.106] |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
オランダの名手ブラウティハムによるシリーズ第7弾。今回は超難物「ハンマークラヴィーア」を含むソナタ集を、余裕の技巧で驚くほど明快な世界として描いている。これまでの印象が全く変わる。 | |||
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ全集 Vol.8(完結編) [第28番 イ長調 Op.101/第30番 ホ長調 Op.109/ 第31番 変イ長調 Op.110/第32番 ハ短調 Op.111] |
ロナルド・ ブラウティハム(Fp) | ||
ブラウティハムのベートーヴェン・ソナタ・シリーズの最終巻。単なるフォルテピアノ演奏のベートーヴェンのソナタとは一線を画する充実ぶりで、最後の3つのソナタなど、物々しさや押しつけがましさ皆無で、これまで聴いたことのないような不思議な感動を覚える。 | |||
スヴェーリンク:オルガン曲集 トッカータ イ短調/同 ト短調/同 ハ長調/詩篇23/詩篇36/詩篇116 詩篇140/半音階的幻想曲/エコー幻想曲 コラール変奏曲「いと高きにある神のみに栄光あれ」 コラール変奏曲「幼子我らに生まれ」 |
鈴木雅明(Org) | ||
神戸・神港教会のマルク・ガルニエ制作のオルガン使用。ヤン・スヴェーリンク(1562-1621)は初期バロックのオランダの作曲家。彼の音楽は強固な構成力による壮大さと、情緒に溺れることのない精神的な強さが特徴。しかも人間的な温かみも欠けていない。すべての点で鈴木雅明にうってつけ。世にも尊いアルバムとなった。 | |||
ヘンデル: 9つのドイツ語のアリア HWV202-10/ トリオ・ソナタ ヘ長調 HWV392/新発見のグローリア |
エマ・カークビー(S) ロンドン・バロック | ||
ヘンデルといえばイタリア語や英語の声楽作品がポピュラーだが、母国語のドイツ語による9つのアリアは彼40代半ばの作品で、親しみやすく個性的な内容。カークビーとロンドン・バロックの滋味あふれる演奏が絶品。さらに2001年に発見された「グローリア」も再録。より表現に深みが加わり、凄みさえ感じさせる。 | |||
オスモ・ヴァンスカ 〜ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125「合唱付」 |
ヘレナ・ユントネン(S) カタリナ・カルネウス(Ms) ダニエル・ノルマン(T) ニール・デイヴィス(B) ミネソタ・コラーレ オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
シベリウスで名を売ったヴァンスカがアメリカのオーケストラと始めたベートーヴェンの交響曲シリーズ、楷書風ながらボルテージの高い演奏が世界中で評判を呼んでいる。今回は待望の「第9」。これが予想以上に個性的で、物凄い面白さ。比較的小編成なうえSACDハイブリッドによる抜群の録音の良さで隅々まで見通せるうえ、リズムの切れ味が良いため迫力とスピード感(殊に第1楽章とフィナーレ)にも欠けていない。まさに21世紀の「第9」出現。 | |||
オネゲル:チェロのための作品集 チェロ協奏曲(1929)(*)/チェロ・ソナタ(1920)(#)/ チェロとピアノのためのソナチネ(1921/2)(+)/ ヴァイオリンとチェロのためのソナチネ(1932)(**) |
クリスティアン・ ポルテラ(Vc) トゥオマス・オッリラ= ハンニカイネン指揮(*) マルメso.(*) キャスリン・ ストット(P;#/+) クリスティアン・ テツラフ(Vn;**) | ||
スイスの期待の新鋭クリスティアン・ポルテラの第2弾。今回は母国の大物オネゲルのチェロ曲集。「パシフィック231」と同時代のチェロ協奏曲をはじめ、ヴィルトゥオーゾ的な難技巧が要求される辛口音楽ばかり。クラリネットとピアノとためのソナチネのチェロ版も、こちらの方がむしろ味わいを増しているかのよう。ポルテラの腕が冴える。 | |||
モーツァルト: 2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365(第10番)/ 2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365/ (クラリネット、トランペット、ティンパニを含む版)/ 3台のピアノのための協奏曲 ヘ長調 K.242(第7番) |
ロナルド・ブラウティハム、 アレクセイ・ リュビーモフ(Fp) マンフレート・ フス(Fp)指揮 ハイドン・シンフォニエッタ・ ウィーン | ||
フォルテピアノのよるモーツァルトの独奏曲全集録音で評価の高いブラウティハムが、同じモーツァルトの2台および3台のピアノのための協奏曲に挑戦。それも共演は奇才リュビーモフなのが興味津々。演奏は期待にたがわず強い個性がぶつかりあい、驚くほどいきいきとした世界を創りあげている。さらに興味深いのは、2台のピアノのための協奏曲が、通常版とクラリネット、トランペット、ティンパニで増強されたオーケストレーションによるものと2種収録されていること。BIS初登場のピリオド楽器オーケストラ「ハイドン・シンフォニエッタ・ウィーン」が好演を見せている。 | |||
ダウスゴー〜 シューマン:交響曲全集 Vol.3(完結編) 交響曲第3番 変ホ長調「ライン」Op.97/ 交響曲第4番 ニ短調Op.120(現行版)/ 「マンフレッド」序曲 Op.115/ 序曲「ヘルマンとドロテア」Op.136 |
トーマス・ダウスゴー指揮 スウェーデン室内o. | ||
ダウスゴーとスウェーデン室内管による超新鮮なシューマンの交響曲シリーズの完成。 シューマンの原作に忠実ながら、オケを小さく刈り込むことで「灰色のオーケストレーション」を見事に払拭、新しい彼の交響曲像を創りあげている。交響曲第4番は原典版が既出(BISSA-1519; +第2番)だが、今回は現行(改訂)版。「ライン」ともども充実度満点。第1番:BISSA-1569 | |||
ウェーバー: 交響曲[第1番 ハ長調/第2番 ハ長調]/ アンダンテとハンガリー風ロンド/ ファゴット協奏曲 ヘ長調 |
ヤーッコ・ルオマ(Fg) ジャン=ジャック・カントロフ指揮 タピオラ・シンフォニエッタ | ||
オペラ作曲家として名高いウェーバーには2篇の交響曲がある。いずれも初期の作だが、ロマン的な色彩、流麗なメロディなど「魔弾の射手」の萌芽が明瞭に見られる魅力作。名ヴァイオリニストのカントロフがタピオラ・シンフォニエッタから爽やかな響きを引き出している。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.37 第169番「神にのみ、わが心を捧げん」BWV169 第170番「満ち足りた安らぎ、魂の歓び」BWV170 第35番「霊魂は乱れ迷いる」BWV35 第200番「告白する、あの方の御名を」BWV200 |
ロビン・ブレイズ(CT) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ ジャパン | ||
バッハの教会カンタータ中、独唱者がアルトのみというものを4篇集めたアルバム。アルト・パートはカウンターテナーのロビン・ブレイズが好演。「霊魂は乱れ迷いる」BWV35 では、アルトがオルガンのソロと絡みつつ、思い乱れた魂の救われ行く道筋を見事に描来る。華麗なオルガンコンチェルトとロビンの突き抜けるような明るい歌声が絡み合う様が聴きもの。 | |||
スティーヴン・スタッキー(1949-): スピリット・ヴォイセズ(2002/3) (打楽器と管弦楽のための)/ タマヨの絵画(1995)/ 管弦楽のための協奏曲第2番(2003) |
イヴリン・グレニー(Perc) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
アメリカの作曲家スティーヴン・スタッキーの作品集。メキシコを代表する画家ルフィーノ・タマヨの絵画5点から霊感を受けた管弦楽曲が聴き物。原色的かつ独特な画風が音楽化されている。また英国の人気パーカッショニスト、イヴリン・グレニー久々の新録。アメリカン・インディアンのコヨーテや日本の山姥など、シャーマニズム的な世界を描いている。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.20〜 1760-1766年のソナタ [変ロ長調 Wq65-34 (H152)/ニ長調 Wq65-40 (H177)/ ト短調 Wq62-23 (H210)/ハ長調 Wq65-41(H178)/ 変ロ長調 Wq65-45(H212)(異版付き)] |
ミクローシュ・ シュパーニ(クラヴィコード) | ||
シリーズ第20集は円熟期の作品。当時C.P.E.バッハはフリードリヒ大王のもとを離れた頃。さまざまなストレスから解放され、新しい試みも盛込み、筆致にはますますの冴えが見られる。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.21 6つのソナタWq 50〔ヘ長調 H136/ト長調 H137/イ短調 H138/ ニ短調 H139/変ロ長調 H126 /ハ短調 H140〕 |
ミクローシュ・シュパーニ (クラヴィコード) | ||
録音:2007年6月、ヘイッキ・サルヴェラ・ホール(フィンランド)。 C.P.E.バッハの時代以前、ある作品が曲中で反復される際、演奏者が自由に即興するのが普通だった。しかし、演奏家が必ずしも即興をできなくなった世となり、CPEがそのやり方を示す目的で作曲したのがこの6篇のソナタ。そのような条件下ながら、非常に芸術的で表情に富んでいるのがさすが。 | |||
もののけチューバ〜ボーズヴィーク バーンスタイン:前奏曲、フーガとリフス ボーズヴィーク&ギスケ: 青いフヌグ〜チューバと吹奏楽(*) ボリス・ディエフ:チューバと吹奏楽のための協奏曲 ターネイジ:急発進 フレドリク・ホグベリ: トロルチューバ〜チューバと吹奏楽 ダニエル・ネルソン: メタルフォニック・リミックス〜チューバと吹奏楽 |
オイスタイン・ ボーズヴィーク(Tu) クリスティアン・リンドベリ指揮 (Tu;*)指揮 スウェーデン・ウィンド・ アンサンブル | ||
ノルウェーのチューバ奏者ボーズヴィークはその超絶的テクニックとエンターテイメント性で人気急上昇中。今回は協奏作品を集めているが、吹奏楽伴奏というのがユニーク。さらにその指揮を彼の兄貴筋リンドベリが務めているのも豪華。リンドベリはゲストでトロンボーンの妙技も見せてくれる。いずれも現代作品ながらワールドミュージック風でもあり、たっぷり愉しませてくれる。 | |||
御喜美江、自身の日本語解説付き〜 アコーディオンで弾くグリーグ グリーグ: 「ペール・ギュント」より [アニトラの踊り/オーゼの死]/ 「25のノルウェーの歌と踊り」より [春の踊り/白鳥/婚礼の調べ]/ 「抒情小曲集」より [ノルウェーの旋律/ワルツ/夜警の歌/ 妖精の踊り/アルバムの綴り/祖国の歌/ 民謡/ワルツ/蝶々/孤独なさすらい人/ 故郷にて/小鳥/ハリング/小人の行進/ 幻影/秘密/郷愁/感謝/農夫の歌/ バラード風に/おばあさんのメヌエット/ ゆりかごで/昔々/小妖精] |
御喜美江 (アコーディオン) | ||
アコーディオンによるグリーグというのは世界初録音。 グリーグの歿後百年にあたる2007年、アコーディオンの女王・御喜美江から素敵なプレゼントが届いた。彼の作品から24曲をアコーディオンで絶妙に奏でている。有名な「蝶々」など、オリジナルのピアノ譜をそのまま用いているのに、これまで聴いたことのない新鮮な衝撃を与えてくれる。ノルウェーの民俗舞曲のリズムやグリーグ一流の息の長いメロディは、アコーディオンにぴったり。自由闊達、まるで民俗楽器のように響く。 オジリナル・ブックレットに御喜自身による日本語解説を掲載、さらに日本語オビも付き、国内盤と同様の形態ながら、お値段は輸入盤のまま据え置きという超サービス品。 | |||
グリーグ:ピアノ作品全集 ピアノ独奏曲 全曲/ ノルウェー舞曲集(4手)(*)/ ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16(現行版)(#)/ ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16(オリジナル版) |
エヴァ・クナルダール(P) シェル・インゲブレツェン(P;*)指揮(#) RPO(#) ルーヴェ・デルヴィンエル(P;#/+) 広上淳一指揮(+) ノールショピングso.(+) | ||
曖昧さのかけらもない楷書風の演奏ながら、なんともいえない滋味にあふれたクナルダール(1927-2006)のグリーグ。BIS初期のベストセラーが12枚組3枚価格。2006年9月に79歳で死去した女史の追悼盤でもあるが、デルヴィンエルによるピアノ協奏曲のオリジナル版と初期未発表ピアノ曲まで含まれサービス満点。2007年はグリーグの歿後百年でもあり、ピアノ好きなら是非持っていたいセット。 | |||
日本の恋歌 夏田昌和:良寛による二つの詩(2005) 細川俊夫:恋歌I〜III(2004) 伊福部昭:アイヌの叙事詩に依る対話体牧歌(1956) 棚田文紀: メゾソプラノとサクソフォンのためのデュオ 野田燎:インプロヴィゼーションI(1971-3) 野平一郎:舵手の書(2003) ハセン・ラルビ:松風(2006) ベルトラン・デュブドゥ: それを起動させると、開始される(2004) 島崎藤村:君が心は(日本語朗読) |
小林真理(Ms) クロード・ドゥラングル(Sax) ジャン・ジオフロワ(Perc) | ||
小林真理は東京藝術大学卒業後フランスで活躍するメゾソプラノ歌手。彼女が日本オタクのフランス人サクソフォン奏者・ドゥラングルと組んで邦人及びジャポニスム作品に挑戦。ティンパニーのみで伴奏する伊福部昭の名作、和泉式部の詩による細川俊夫作品、超絶技巧の要求される野平一郎作品まで盛りだくさん。最後に島崎藤村による片思いの詩を朗読している。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.38 第52番「偽りの世よ、われは汝に頼まじ」BWV52(*) 第82番「われは足れり」BWV82(#) 第55番「われ哀れなる人、われ罪の下僕」BWV55(+) 第58番「ああ神よ、いかに多き胸の悩み」BWV58(*) |
キャロリン・サンプソン(S;*) ペーター・コーイ(B;#) ゲルト・テュルク(T;+) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
BCJ第38弾は合唱が登場しないソロ(独唱)カンタータ集。いずれもシリアスで重厚な内容ながら、第52番の冒頭がブランデンブルク協奏曲第1番第1楽章と同素材だったり、82番ではオーボエの三宮正満、第55番では前田りり子のフルート・ソロの大活躍を満喫できるなど興味満載。キャロリン・サンプソン、ペーター・コーイ、ゲルト・テュルクというおなじみの三名が名人芸を聴かせてくれる。 | |||
ファッテイン・ヴァーレン:管弦楽作品集 Vol.2 ネニア(嘆きの歌)Op.18-1/希望に Op.18-2/ 祝婚歌 Op.1/ 交響曲第2番 Op.40/交響曲第3番 Op.41 |
クリスティアン・エッゲン指揮 スタヴァンゲルso. | ||
近代ノルウェーの作曲家ヴァーレンは、重要な存在ながらあまり録音に恵まれておらず、このBISのシリーズは北欧音楽ファンを狂喜させている。好評の第1集(BIS-1522)に次ぐ当盤は、2篇の交響曲をはじめ力作揃い。新ウィーン楽派の影響を受けながらも、北欧独特の透明感と優しさに満ちた作風が独特。 | |||
モールァルト:ピアノソナタ&変奏曲全集 | ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
最新録音10枚組が何と4枚価格で手に入ってしまうという驚きのセット。フォルテピアノによるオーセンティックなモーツァルトがこの価格ですべて手元に置ける。 | |||
フランク・マルタン(1890-1974):作品集 チェロ協奏曲(1966)/ バラード〜 Vc とPf のための(1949)/ 8つの前奏曲〜 Pf 独奏のための |
クリスティン・ポルテラ(Vc) トゥオマス・オッリラ= ハンニカイネン指揮 マルメso. キャスリン・ストット(P) | ||
スイスの作曲家によるチェロ作品のCDをリリースし続けるポルテラ、今回はマルタン。現代的な書法を用いつつも、独特のひんやりとした感触がくせになる一枚。あまりディスクに恵まれない「8つの前奏曲」も、名手ストットの演奏で大歓迎。 | |||
ベリオ:ソロ〜トロンボーンと管弦楽のための(1999/2000) クセナキス:Trpprkh〜トロンボーンと管弦楽のための(1991) ターネイジ:Yet Another Set To(2004/5) |
クリスティアン・リンドベリ(Tb) ペーター・ルンデル指揮 オスロpo. | ||
トロンボーンの超人クリスティアン・リンドベリは80以上の協奏作品を現代作曲家から献呈されているが、ここに収められたのは特に大物3名がリンドベリにプレゼントした難曲。クセナキスの曲名はTromboneとOrkhestraを組合わせた造語。いずれも超人ならではの恐るべきテクニックを堪能出来る。 | |||
仏蘭西の喜び サンカン:ソナチネ(1946) ヴィドール:フルートとピアノのための組曲 Op.34 ルーセル:笛吹きたち Op.27/ ロンサールの2つの詩 Op.26 (*) ミヨー:ソナチネ(1922) ゴダール:3つの小品の組曲 Op.116 |
シャロン・ベザリー(Fl) ルーヴェ・デルヴィンエル(P) バーバラ・ ヘンドリックス(S;*) | ||
今秋に来日公演が予定されているフルートの女王、シャロン・ベザリーの最新録音。ファッショナブルで美しいフルート曲といえば、やはりフランスものだろうが、選曲そのものはかなり凝っている。マルク・ラフォレや花房晴美の師だった名ピアノ教師サンカンをはじめ、オルガンの大家ヴィドールなども魅力的なフルート曲を残していたのに驚かされる。フルートの助奏付の「ロンサールの2つの詩」では何とヘンドリックスの歌まで楽しめる。 | |||
Le creation du monde ジョン・ウィリアムズ/ボコック編曲:キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(*) ミヨー:世界の創造 Op.81 / クレストン:サクソフォンと吹奏楽のための協奏曲(*) ロジェ・ブトリ:サクソフォンと管楽合奏のためのディヴェルティメント(*) アンデシュ・エミルソン:挨拶 / ピアソラ/テホ編曲:鮫〜Saxと吹奏楽(*) クロード・ドラングル(アルトSax;*) クリスチャン・リンドベリ指揮スウェーデン・ウィンド・アンサンブル | |||
録音:2007年5月、11月、ナツカ・アウラ、ストックホルム。管楽器好き興奮のアルバム。1923年作のミヨーから2006年作のエミルソンまで、80年にわたる管楽アンサンブル作品6篇が集められている。うち4作はサクソフォンと管楽アンサンブルのための協奏作品で、当代一の名手クロード・ドラングルが独奏、トロンボーンの超人クリスチャン・リンドベリが指揮という夢の共演が実現している。サクソフォンといえばジャズの重要楽器。ここでも1960年代のフリー・ジャズにインスパイアされたジョン・ウィリアムズの映画音楽「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」や、ミヨーが1920年代ニューヨークのハーレムで聴いた音楽から触発された「世界の創造」など、ジャズ・テイストの強いものをドラングルが驚きの巧さで再現。また、ロジェ・ブトリの「ディヴェルティメント」は1961年作の弦楽オーケストラ伴奏を、当録音のために作曲者自身が管楽合奏用に編曲。管楽器の効果と魅力を存分に味わえる。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集Vol.39 第68番「げに神はかくまで世を愛して」BWV68/ 第175番「彼はおのれの羊の名を呼びて」BWV175/ 第28番「神は頌むべきかな!いまや年は終り」BWV28/ 第183番「人々汝らを除名すべし」BWV183/ 第85番「われは善き牧者なり」BWV85 |
キャロリン・サンプソン(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) コンチェルト・パラティーノ 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
このところソロ・カンタータの続いていた同シリーズ、久々の通常編成版の登場。1725年作の5篇が収められているが、各曲とも変化に富み飽きさせない。特に183番では4本のオーボエのほか、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラというヴァイオリンのように弾く小型チェロが用いられているのがユニーク。この楽器の当代一の名手・バディアロフが妙技を聴かせてくれる。また、おなじみの名人金管集団コンチェルト・パラティーノが壮麗な響きを作り出し、声楽陣もサンプソン、ブレイズが堂に入った歌唱を披露している。 | |||
ファッテイン・ヴァーレン:管弦楽曲全集 Vol.3 海辺の墓地 Op.20/静寂の島 Op.21/孤独に寄す Op.35/ 交響曲第4番 Op.43/ピアノ協奏曲 Op.44 |
クリスティアン・エッゲン指揮 スタヴァンゲルso. アイナル・ ヘンニング・スメビ(P) | ||
ノルウェー近代の重要作曲家ファッテイン・ヴァーレン(1887-1952)の管弦楽曲全集の最終巻。あまり録音に恵まれなかった巨匠の全貌が明らかになった。聴きものは彼最後の作品でもある交響曲第4番。ブラームスの同番交響曲を思わすシャコンヌで曲を閉じているのも謎めいている。またモーツァルトの協奏曲学習のために書かれた非ヴィルトゥオーゾ風ピアノ協奏曲も独特。 | |||
ショスタコーヴィチ:交響曲全集 Vol.10(完結編) 〔第1番 ヘ短調 Op.10 (*) /第15番 イ長調 Op.141 (#) 〕 |
マーク・ウィグレスワース指揮 オランダ放送po. | ||
録音:2006年10月、MCO 5 スタジオ、オランダ放送音楽センター。(#)は初出音源。既出 SACD : BISSA-1603(*) 。1997年より録音が開始されたウィグレスワース指揮によるショスタコーヴィチの交響曲全曲録音が遂に完結。最初 BBC ウェールズ・ナショナルso. (第5、6番(BIS-973)、第7番(BIS-873)、第14番(BIS-1173))と、その後はオランダ放送po. (第1〜3番(BISSA-1603)、第4番(BISSA-1553)、第8番(BISSA-1483)、第9&12番(BISSA-1563)、第11番(BISSA-1583)、第13番(BIS SA-1543))と2つのオーケストラで録音された。ウィグレスワースの卓抜な統率力による高水準の演奏でBISならではの優秀録音によりショスタコの立体感を楽しめる。15番は形式的には第1番、第4番、第10番の各交響曲につながり、特に第1番同様、曲中にソロや重奏など、室内楽的な扱いの部分が多いので、大作ながら重厚巨大感はない。一方、第1番は習作時代の跡をもとどめているが、新しい音感の追求、新鮮な洒脱な味など、既にショスタコーヴィチのスタイルを示している。 | |||
アメリカ残像 マイケル・ドアティ:日没の街路 ジョン・ウィリアムズ:いたずら (映画「キャッチ・ミー・イフ・ユーキャン」より) ネッド・ローレム:ライオン(夢) 〜ジャズ・カルテットと管弦楽 クリストファー・ラウス:フリアンディーズ(菓子) |
グラント・ルウェリン指揮 ノース・カロライナso. ブランフォード・ マルサリス(Sax) ブランフォード・マルサリスQ | ||
1963年から2005年までの間に作られたアメリカのオーケストラ作品4篇が収められている。ラウス(ラウズ)以外はジャズの影響が濃厚で、ヨーロッパの作品とは一線を画する個性に満ちている。ディカブリオとトム・ハンクスが共演したスピルバーグ監督作品「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」は大御所ジョン・ウィリアムズの音楽。「いたずら」はサクソフォンを独奏とした協奏的なナンバーとなっていて、映画から切り離されても聴き応え満点の魅力作。 | |||
シベリウス: カレリア組曲 Op.11/森の精 Op.15/ トゥオネラの白鳥 Op.22-2 (*)/ レミンカイネンの帰郷 Op.22-4 (*)/春の歌 Op.16/ 悲しいワルツ Op.44-1/鶴のいる風景 Op.44-2/ フィンランディア Op.26 (*) |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
(*)は初出音源。 伝説となった感のあるヴァンスカのシベリウス、魅力的なコンピレーション盤と思いきや、(*)の3曲は今回初出の未発表音源。他はシベリウス完全全集に通常のステレオ録音の形で収録されているが、ここではオリジナルの5.0サラウンドSACD(ハイブリッド)となっているのがポイント。シベリウスならではの透明で深遠なサウンドが、BISの極上録音で存分に堪能でき、ご家庭のオーディルームが北欧の自然に様変わりする。 | |||
ウォルトン: 交響曲第1番(1931/5)/交響曲第2番(1957/60) |
オーワイン・ アーウェル・ヒューズ指揮 リール国立o. | ||
20世紀イギリス音楽の大物ウィリアム・ウォルトンの交響曲2篇の最新録音。ウォルトンの交響曲は華麗な管弦楽法で映画音楽のような迫力。BISの優秀録音でこれまで味わったことのない豊麗な音の洪水に酔わされる。ウェールズ人ヒューズこだわりの演奏は説得力満点。ウォルトン・ファン必携の1枚。 | |||
シュニトケ: 交響曲第0番 (1956/7)/ オラトリオ「長崎」(1958) (メゾ・ソプラノ、 混声合唱と管弦楽のための) |
ハンネリ・ルペルト(Ms) オーワイン・アーウェル・ ヒューズ指揮 ケープpo.、 ケープタウン歌劇場声楽パート | ||
シュニトケの作品中でも、日本人にとって最も興味があるものながら、これまで全く聴くことのできなかったオラトリオ「長崎」が約50年ぶりに蘇った。彼最初期の作で、アメリカの非人道性を訴えた冷戦時代ならではのプロパガンダ色濃厚なものだが、あの反体制的なシュニトケもこうした御用達作品を書いたことに不思議な感慨を覚える。原爆の悲劇をテーマにした島崎藤村、米田栄作らの詩(ロシア語訳)がメゾソプラノ独唱と合唱で歌われ、後の作に見られるようなシニカルさの全くない極めて真摯な作風で心を動かされる。初演時にショスタコーヴィチに激賞された。 カップリングは学生時代の習作の交響曲。ショスタコーヴィチの影響が濃いものの、すでにシュニトケならではの個性も現れていて聴き応え満点。ロシア音楽ファン必聴の超オススメ盤。 | |||
ヴァインベルグ(1919-1996):チェロ・ソナタ集 チェロ・ソナタ第1番 Op.21 (1945)/ チェロ・ソナタ第2番 Op.63 (1959)/ 無伴奏チェロ・ソナタ第1番 Op.72 (1960) |
アレクサンドル・ シャウシヤン(Vc) エフゲニー・スドビン(P) | ||
ショスタコーヴィチが最も信頼を寄せた作曲家ミェチスワフ(モイセイ)・ヴァインベルグ 。歿後10年を経て、世界中のレーベルから新録音が続々リリースされている。彼の2曲のチェロ・ソナタはワシーリエワのチェロ、作曲者自身のピアノによる超名盤がメロディアにあったが、「ケンプ・トリオ」のアルメニア人シャウシヤンが最新録音。ウワサの新人スドビンがピアノパートを担当しているのも超魅力。若々しさにあふれている。 | |||
魅せられて〜女性作曲家によるフルート協奏曲集 グバイドゥーリナ:希望と絶望の偽りの顔 (2005)(*) たかの舞俐:フルート協奏曲 (2004/6)(#) サリー・ビーミシュ: フルート協奏曲「カリスト」 (2005)(+) |
シャロン・ベザリー(Fl) マリオ・ヴェンザーゴ指揮(*) エーテボリso.(*) アンネ・マンソン指揮(#) スウェーデン室内o.(#) マーティン・ブラビンズ指揮(+) ロイヤル・スコティッシュ・ ナショナルo.(+) | ||
(*)はBISSA-1449から取られた物。フルートの女神シャロン・ベザリーには、現代の作曲家から献呈された協奏曲が15曲以上ある。その中から女性作曲家による3篇、ロシアのグバイドゥーリナ、日本の「リゲティの愛弟子」たかの舞俐、イギリスのビーミシュ作品で、いずれも作曲者が録音に立会った上ブックレットの欧文解説も執筆している。(#)の第2楽章は「世界でたった一つの花」と題されているが、これはSMAPの大ヒット曲のタイトル。スキャンダルで叩かれつつも復活したクリエイター槙原敬之に共鳴して、大きな力の前で犠牲になる弱者が、それぞれの命(歌)を持っていることを表現したかったとのこと。ベザリーはどんな難所も余裕でこなし、旧ソ連、西ヨーロッパ、東洋の3女性の思いを見事に再現している。 | |||
追憶 シェーンベルク:コル・ニドレ Op.39 バーンスタイン:ハリル(1980/1) 〜フルート、打楽器、ハープ、弦楽のための ブロッホ:バール・シェム〜ヴァイオリンと管弦楽版 ツァイスル:ヘブライのレクイエム |
シャロン・ベザリー(Fl) ワジム・グルズマン(Vn) ガブリエラ・パーチェ(S) ルイザ・ フランチェスコーニ(Ms) ロドリーゴ・エステベス(Br) スティーヴン・ ブロンク(B-Br/語り) ジョン・ネシリング指揮 サンパウロso. | ||
ユダヤ民族の歴史にかかわる様々な「追憶」がテーマ。ヴィラ=ロボスやグアルニエリの録音で注目された指揮者ネシリングは何とシェーンベルクの孫。さらにユダヤ系のベザリーとグルズマンを独奏者に招き、濃い世界を描いている。南米サンパウロのオーケストラが驚くほど東欧ユダヤの響きとなっている。 | |||
アンリ・デュティユー:作品集 バレエ「狼」全曲版(+) /ジャン・カスーの3つのソネット(オーケストラ版)(*) / 映画音楽「弾痕」〜抜粋(#) /4つの歌(オーケストラ版)(*) /3つの交響的絵画(#) ヴァンサン・ル・テクシエ(Br;*) ヴァレリー・アールマン=クラヴリー(オンドマルトノ;#) パスカル・ロフェ指揮フランス国立ロワールo.〔コンサートミストレス:パク・チユン〕 | |||
録音:2015年7月、ナント。(+)を除き 世界初録音、あるいは同版による世界初録音。20世紀フランス音楽界を代表する作曲家、アンリ・デュティユー。2013年に亡くなったこの巨匠は、2曲の交響曲や管弦楽作品「メタボール」などの名作でその地位を揺るぎないものにした。そんな彼の作品のうち、このディスクでは世界初録音を含むあまり知られていない作品に焦点が当てられている。バレエ「狼」は、ジプシー女に夫を誘惑され、サーカス小屋から狼を夫だと騙されて連れて帰った妻が、狼に愛情を抱く話。そのユニークな筋書きは「美女と野獣」の物語のヴァリエーションとも言われている。公演は3か月に渡る大成功で、バレエ音楽の分野での彼の名声を高めた。親しみやすく、ユーモラスながら洗練されている響きが魅力的な作品。デュティユーはまた5本の映画にも関わっている。彼が初めて手掛けた映画音楽が、当ディスクにおさめられているアンリ・ドコワン監督の「弾痕(La Fille du diable)」。曲の開始早々、20世紀前半に発明された電子楽器、オンドマルトノの不気味な音色が聴こえてくる。この楽器は、エミリーブロンテの名作「嵐が丘」の劇音楽をコンサート形式にした「3つの交響的絵画」でも使われ、荒野の犬の遠吠えを思わせる効果を出している。オーケストラと声楽のための「ジャン・カスーの3つのソネット」の2、3曲目と「4つの歌」全曲は、オーケストラ版での録音は世界初。フランス歌曲の系譜が感じられる色彩感で聴き手を虜にする。あまり知られていないデュティユーの作品で、彼の魅力を再発見できるディスク。 | |||
超絶のヴァイオリン曲集 カステルヌオーヴォ=テデスコ:フィガロ メトネル(ハイフェッツ編):おとぎ話 フランチェスカッティ:ポルカ シューマン:トロイメライ クラスラー:ジプシー女 リース:気まぐれ女 アルフテル(シェリング編):ハバネラ ヴィエニャフスキ:ファウスト幻想曲 ガードナー:前奏曲 ニーノ・ロータ:即興曲 ニ短調 ジョン・ウィリアムズ: 屋根の上のヴァイオリン弾きより ブロッホ:ニーグン ラヴェル:ツィガーヌ |
ワジム・グルズマン(Vn) アンジェラ・ヨッフェ(P) | ||
レーラ・アウエルバッハ作品の演奏で注目されたグルズマンの小品集。いずれもヴィルトゥーゾ的なものを集めているが、冴えた技巧と蜂蜜のように甘い音色が魅力。映画「屋根の上のヴァイオリン弾き」のテーマでは、彼の父ミハイル・グルズマンの凝った編曲が聴きもの。 | |||
ダニエル・ボルツ(1943-): オラトリオ「彼の名はオレステス」(2002)/ リコーダー協奏曲「ジョーカーの物語」(2000) |
アニータ・ビョルク(朗読) アンナレーナ・ペーション、 イングリド・トビアソン、 マリアンネ・エクローヴ、 アンナ・ラーション、 アンデシュ・ラーション/他 エーリク・エーリクソン室内cho. ダン・ラウリン(リコーダー) アラン・ギルバート指揮 ロイヤル・ストックホルムpo. | ||
現代スウェーデンの作曲家ダニエル・ボルツ。彼がギリシャ悲劇の名作、アイスキュロスの「オレステイア三部作」をオペラ化。父を殺害した実母を、復讐のため殺すという心理描写が巧みになされている。カップリングはダン・ラウリンの独奏によるリコーダー協奏曲「ジョーカーの物語」(BIS-1425と同音源)。 | |||
ドビュッシー:ピアノ曲全集 Vol.4 12の練習曲(1915)/ 新発見の練習曲(「組み合わされたアルペジオ のための練習曲」の初稿)(1915)/ 間奏曲(ピアノ三重奏曲からの編曲)(1880/1882)/ 6つの古代の墓碑銘(1914/15)/ 燃える炭火に照らされた夕べ(1917) |
小川典子(P) | ||
日本語仕様盤(KDC-5037 )がひと足先にリリースされ、「レコード芸術」4月号で特選かつ大絶賛されている小川典子のドビュッシー第4集。難物として知られる練習曲集に小川が挑戦。技巧の鮮やかさはいつもながら、曲の良さを再認識させられる語り口の巧さが光る。近年発見された2篇も含め、ドビュッシー・ファン必聴の一枚。 | |||
ダウスゴー〜シューベルト:交響曲集 [第8番 ロ短調「未完成」/ 第9番 ハ長調「グレート」] |
トマス・ダウスゴー指揮 スウェーデン室内o. | ||
現在もっとも旬の指揮者のひとりトマス・ダウスゴーがシューベルトの交響曲に挑戦した。その第1弾は「未完成」と「グレート」という最高に魅力的なカップリング。室内オーケストラ編成で現代的感覚満点の解釈は超斬新。これまで未完成交響曲に持たれていた暗く儚い世界が、若々しく前向きなものとなっているのが興味津々。 | |||
グリーグ:歌曲全集 Vol.6 ノルウェー Op.59(全5曲)/ 9つのロマンスと歌 Op.18/ 悲劇的な詩 Op.59(全6曲)/ 兵士/涙/祖国賛歌/少年/ふつうの殿方 |
モニカ・グロープ(Ms) ロジャー・ ヴィニョールズ(P) | ||
グリーグ歌曲全集の第6巻はメゾソプラノ用作品。グリーグは若い頃、ある声楽家の美声に魅了されてすっかり一目ぼれし、その思いを「9つのロマンスと歌 Op.18」に込め、彼女に献呈した。それが後のグリーグ夫人とのこと。グリーグならではの旋律の美しさに加え、ナイーヴで一途な思いが心を打つ感動作。 | |||
作曲家クリスティアン・リンドベリII Asa〜エレキ・ヴァイオリン、トロンボーン、 増幅されたチェンバロと弦楽のための/ ジョー・ジャック・ビングルバンディット 〜トロンボーン独奏のための/ アクバンク・ブンカ〜トランペットと管弦楽のための/ ジプシー・キングダム 〜トロンボーンと弦楽四重奏のための/ 血がとっても赤いから/ ボンベイ湾のバラクーダ〜トロンボーンとテープ |
クリスティアン・リンドベリ (Tb/指揮/朗読) リチャード・トニェッティ(Vn) ニール・ペレス・ダ・ コスタ(Cemb) ウーレ・エドヴァルド・ アントンセン(Tp) オーストラリア室内管 ノルディック室内管 スウェーデン室内管 | ||
リンドベリの作品、といってもマグヌスではなく、最近すっかり作曲づいているトロンボーンの超人クリスティアンの方。トロンボーンの機能を追及したもの中心なのは当然だが、陽気で健康的な性格のリンドベリらしく、音楽も深刻なところはなく、どこか不真面目な感さえ漂わせてなかなかのもの。ストリンドベリ原作による「血がとっても赤いから」では朗読までこなす多才ぶり。天才、といわざるを得ない。 | |||
ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871-1927):弦楽四重奏曲集 Vol.1 弦楽四重奏曲〔第4番 イ短調 Op.25 (1904-1909) (*) /第3番 ヘ長調 Op.18 (1897-1900頃) (#) 〕/ 組曲「ロドレッシの歌」〜エレジーと間奏曲 Op.39 (1919) (#) ステーンハンマルSQ [ペータ・オロフソン(Vn1) ペール・エマン(Vn2) トニー・バウアー(Va) マッツ・オロフソン(Vc)] | |||
録音:2011年4月、10月(*)、2012年6月(#)、スウェーデン。スウェーデンを代表する作曲家で、オペラ、交響曲、協奏曲、声楽曲など、様々な形態の作品を残し、ピアニストとしても成功したステーンハンマルが残した名作、弦楽四重奏曲。ステーンハンマルの芸術を知る上で最も優れた作品群。弦楽四重奏曲第3番 ヘ長調 Op.18は1897年に書き始めたが、歌劇「ティルフィング」の制作があったことから手掛けてから3年ほどの1900年頃に完成されている。豊かなユニゾンと各声部に際立つメロディをもつ美しい作品。弦楽四重奏曲第4番 イ短調はサン=サーンスの弦楽四重奏第1番を思わせる第1ヴァイオリンの優美さとアンサンブルの緻密さが特色。組曲『ロドレッシの歌』よりエレジーと間奏曲はすすり泣くようなヴァイオリンのメロディと温かなヴィオラ、チェロの低音部が絶妙に絡み合う作品。2002年に結成されたステーンハンマル弦楽四重奏団はその名の通りステーンハンマルの作品を中心に演奏しており、スウェーデン国内外で高い評価を得ている。近年、現代音楽にも力を入れアメリカ、イギリスなどの作曲家から多くの委嘱作品を依頼されている。圧倒的な技術と解釈でこのシリーズにおいても今後期待されるクァルテット。 | |||
ヴィラ=ロボス:アマゾンの森(1958) | アンナ・コロンディ(S) ジョン・ネシュリング指揮 サンパウロ国立so.&cho. | ||
ヴィラ=ロボスの死の前年、最後の大作となった「アマゾンの森」は声楽を含む大編成の作品。もともとは1959年公開のオードリー・ヘップバーン、アンソニー・パーキンス主演の映画「緑の館」(メル・ファーラー監督)の音楽をヴィラ=ロボスが担当したものの興行的に失敗、それに落胆した彼が素材を演奏会用の作品にまとめ直した。その秘曲が待望の最新録音で登場、それも地元サンパウロ国立響というのが最高。最晩年の作ながら熱と生命力に満ち、ノスタルジックなメロディと情感に胸を打たれる。 | |||
グリーグ:無伴奏合唱曲集 ロンダーネにて/私は夕べに身を横たえ/ 2つの宗教的合唱曲/マルグレーテの子守歌/ 駄馬よ、おやすみ/故郷への帰還/ 過ぎし春/民謡調に(抒情小曲集より)/ 4つの詩篇 Op.74 |
グレーテ・ペダーシェン指揮 ノルウェー・ソリストcho. | ||
グリーグ歿後百年記念に贈る好企画。2007年9月に初来日、8日の横浜みなとみらいホールをはじめツアーが予定されているペダーシェン&ノルウェー・ソリスト合唱団。女性指揮者ペダーシェンはバロックから現代まで高い評価を受ける北欧最注目の実力派。グリーグの合唱曲はかなり珍しいものの、彼ならではの独特の美しさに満ちている。ことに「4つの詩篇」は最晩年のグリーグが到達した超進歩的な響きに驚かされるが、あまりの難曲ゆえ満足のいく演奏になかなか出会えなかった。このペダーシェン&ノルウェー・ソリスト合唱団の演奏は絶句するほどの素晴らしさ。ノルウェー語歌唱もさすが母国語、この幻の傑作の真価を説得力たっぷりに味わせてくれる。 | |||
バーンスタイン:セレナード (プラトンの「饗宴」による) ブロッホ:バール・シェム (ハシディズムの生活のよる3つの情景) バーバー:ヴァイオリン協奏曲 Op.14 |
ワジム・グルーズマン(Vn) ジョン・ネシリング指揮 サンパウロso. | ||
BISが力を入れるグルーズマンがアメリカの協奏作品に挑戦。ジャズのテイストも加味されたバーンスタイン、ユダヤ色濃厚なブロッホ、叙情的なバーバーまで盛りだくさん。グルーズマンの濃い味わいも独特でシェーンベルクとボダンツキーの血を引くネシリングの指揮も冴える。 | |||
グラズノフ: 交響曲全集 [第1番 ホ長調「スラヴ」 Op.5/ 第2番 嬰ヘ短調 Op.16/ 第3番 ニ長調 Op.33/ 第4番 変ホ長調 Op.48/ 第5番 変ロ長調 Op.55/ 第6番 ハ短調 Op.58/ 第7番 ヘ長調「田園」 Op.77/ 第8番 変ホ長調 Op.83]/ マズルカ Op.18/暗黒から光明へ Op.53/ バラード Op.78 |
尾高忠明指揮 BBCウェールズ・ ナショナルo. | ||
東洋人としてただ一人グラズノフの交響曲全集を録音した尾高忠明。その記念碑的な全5枚がたった2枚の価格でまとめられた。甘口でチャーミングなメロディの洪水にひたることが出来る。家庭に一セットは置きたいスグレモノ。 | |||
ラフマニノフ:交響曲全集 [第1番 ニ短調 Op.13/第2番 ホ短調 Op.27/ 第3番 イ短調 Op.44/ユース・シンフォニー]/ 交響詩「ロスチスラフ王子」/ ヴォカリーズ(作曲者編) |
オーワイン・ アーウェル・ヒューズ指揮 スコティッシュ・ナショナルo. | ||
壮大な演奏と欧米で絶賛されているヒューズのラフマニノフの交響曲が待望のセット発売。2枚分価格なうえ、若書きの「ユース・シンフォニー」や交響詩「ロスチスラフ王子」も入っているのが魅力。 | |||
リムスキー=コルサコフ:管弦楽曲大集成 交響組曲「シェヘラザード」 Op.35/ 交響曲第1番 ホ短調 Op.1/ 交響曲第2番「アンタール」Op.9/ 交響曲第3番 ハ長調 Op.32/スペイン奇想曲 Op.34/ ピアノ協奏曲 嬰ハ短調 Op.30(*)/ 「皇帝サルタンの物語」のための音画 Op.57/ 音画「サトコ」Op.5/ロシアの復活祭序曲 Op.36/ 歌劇「皇帝の花嫁」序曲/ 組曲「パン・ヴォエヴォーダ」Op.59/ 組曲「クリスマス・イヴ」/ ロシア主題による序曲 Op.28/ セルビアの主題による幻想曲 Op.6 |
ケース・バケルス指揮 マレーシアpo. 小川典子(P;*) | ||
オーケストレーションの魔術師リムスキー=コルサコフは有名なわりに管弦楽曲を網羅したセットが意外になく、4枚組2枚価格で手に入るとあっては、もう拒否出来ようはずがない。協奏曲は小川典子の独奏、おまけに全体を通じてマレーシア・フィルが非常な好演を見せているのも意外な収穫。 | |||
スクリャービン:オーケストラ作品全集 交響曲 [第1番 ホ長調 Op.26(*)/ 第2番「悪魔的な詩」Op.29/ 第3番「神聖な詩」Op.43/ 法悦の詩 Op.54]/ プロメテウス Op.60(#)/夢想 Op.24/ ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 Op.20(+) |
ルーヴェ・ デルヴィンエル(P;#) ローランド・ ペンティネン(P;+) インゲル・ブロム(Ms;*) ラーシュ・マグヌソン(T;*) レイフ・セーゲルスタム指揮 ロイヤル・ ストックホルムpo.& cho. | ||
スクリャービンはピアノ的な作曲家だったゆえ、管弦楽曲の数は少ないものの、大規模なものばかり残している。ロシア的な抒情が美しい交響曲第1番やピアノ協奏曲にはじまり、「法悦の詩」や「プロメテウス」のような神秘主義的アブナい世界へと進化していく過程が3枚のCDで味わえる。それが何と2枚価格。巨匠セーゲルスタムがロシア系指揮者とはひと味異なるひんやりとした幻想世界を創りあげている。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.40 [第137番「主を讃えよ、」 BWV137/ 第164番 「汝らキリストのものと自称する者たちよ」BWV164/ 第168番 「申し開きをなせ、とは雷鳴のごとき言葉」BWV168/ 第79番「主なる神は太陽にして盾なり」BWV79] |
野々下由香里(S) ロビン・ブレイズ(CT) 櫻田亮(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
BCJのカンタータ・シリーズもついに40集に至った。今回は1725年作の4篇が選ばれている。いずれも力強く明るいものばかり。コラールに重点を置いたものが多く、BCJの魔術的な合唱にひたることが出来る。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.9 3つの選帝候ソナタ WoO47/ソナチネの2楽章 WoO 50/ 2つのソナチネAnh.5/2つの作品(オルフィカ)/ やさしいソナタWoO51 |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
使用楽器:1788年アンドレアス・スタイン作のレプリカ。シリーズ第9弾。今回は初期の「選帝候ソナタ」をはじめソナタと題されながら32篇に組み込まれていない作品を集めている。少年時代のものや擬作の可能性のあるものまべて収録。フォルテピアノのマイルドな音にも酔わされる。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.11 〜変奏曲集 Vol.1 ヴラニツキー「森の乙女」のロシア舞曲による12の変奏曲 WoO.71/グレトリー「燃える情熱」による8の変奏曲 WoO.72/ サリエリ「まさにその通り」による10の変奏曲 WoO.73/ヴィンター「子よ、おやすみ」による7の変奏曲 WoO.75/ ジュスマイアー「ふざけと戯れ」による8の変奏曲 WoO.76/創作主題による6の変奏曲 WoO.77/エロイカ変奏曲 Op.35 ロナルド・ブラウティハム(Fp) | |||
録音:2010年8月、エステローケル教会(スウェーデン)。4巻続く変奏曲シリーズの第1巻。ベートーヴェンは当時流行していたオペラの旋律に基づく変奏曲をたくさん残しているが、初期作品とはいえベートーヴェンらしさが横溢していて聴き応え満点。ブラウティハムの誠実かつエネルギッシュな演奏に魅せられる。 | |||
アーウェル・ヒューズ(1909-1988): 前奏曲/伝説曲「オーワイン・グリンダー」(1979)/ 歌劇「恋する博士」序曲/管弦楽組曲/ アネイショメイロス(1943)/歌劇「メンナ」前奏曲 |
オーワイン・ アーウェル・ヒューズ指揮 ロイヤルpo. | ||
録音:2009年4月、カドガン・ホール、ロンドン。最近BISレーベルで続々とCDをリリースしているウェールズの指揮者O.A.ヒューズが、その父(オーワインは付かず、上記でフルネーム)の作品を録音。レスペクトあふれる演奏を繰り広げていて感動的。ヴァーン・ウィリアムズ(代理店記載ママ)とホルストに師事し、ウェールズ人としての自覚と誇りを終生熱烈に守り続けた。ここに収められた作品も、ウェールズの古譚に基づく標題的なものが中心で聴き応え満点。 | |||
アッティリオ・アリオスティ(1666-1729): ストックホルム・ソナタ集 Vol.3 [第15番 ヘ短調/第16番 ト長調/第17番 変ロ長調/ 第18番 ニ短調/第19番 イ短調/ 第20番 ト短調/第21番 イ短調]/ カンタータ「やさしいアルフィンに」 |
トマス・ゲオルギー (ヴィオラ・ダ・ガンバ) ルーカス・ハリス (アーチリュート/バロックG) ミメ・ヤマヒロ・ ブリンクマン(Vc) エマ・カークビー(S) | ||
イタリア出身でロンドンで活躍した作曲家、アリオスティの「ストックホルム・ソナタ集」も今回で完結。イマジネーションと生気に富む音楽は非常な見つけ物。カークビーが参加してのソプラノとヴィオラ・ダ・ガンバのためのカンタータも絶品。 | |||
カレヴィ・アホ:交響曲第12番「ルオスト」(2002/3) | タイナ・ピーラ(S) アキ・アラミッコテルヴォ(T) ハンヌ・レートネン(Sax) ヨン・ストルゴーズ指揮 ラハティso.、 ラップランド室内o. | ||
現代フィンランドの大物作曲家カレヴィ・アホの交響曲第12番は、フィンランド領ラップランドにあるルオスト山の斜面で演奏するために作曲された。そのため2群のオーケストラと独唱者を必要とし、金管と打楽器はさまざまな距離間隔で配置されるため、自然サラウンド効果が生まれるという興味深いもの。地元ラップランドのオーケストラの演奏というのもユニーク。オーディオ・ファイルにも効果満点。 | |||
エイノ・タンベルク(1930-): バレエ組曲「尼僧ヨアンナ」Op.37a (イヴァシキェヴィチ原作)/ 交響的舞曲 Op.6/コンチェルト・グロッソOp.5 |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 ハーグ・レジデンティo. | ||
ソ連時代のエストニアを代表する作曲家タンベルクの作品を、同郷のヤルヴィ父が振ったファン狂喜の1枚。出世作「コンチェルト・グロッソ」、エストニアの民族色濃厚な「交響的舞曲」も個性的だが、カヴァレロヴィチ監督のポーランド映画で知られる「尼僧ヨアンナ」のバレエ組曲が入っているのも注目。 | |||
マルチ音楽家リンドベリ 2篇のドキュメンタリー映画 演奏映像 [サンドストレム:オートバイ協奏曲/ ベリオ:セクエンツァV/ カーゲル:アテム/ケージ:ソロ] 2篇の音楽映画 [ボンベイ湾のバラクーダ/ブラスボーンズ] |
クリスティアン・ リンドベリ(Tb) チャールズ・ ヴァーノン(バスTb) オーレ・エドヴァルド・ アントンセン、 ホーカン・ ハーデンベルガー(Tp) ミゲル・ハース=ベドヤ指揮 シカゴso. スウェーデン・ウィンド・ アンサンブル ノルディック室内o./他 | ||
ついにBISもDVDに進出を果たした。その第1弾はトロンボーンの超人リンドベリ。3時間40分に及ぶ長時間収録の中には、1時間もののドキュメンタリー映画2篇、演奏姿など、お宝映像満載。アントンセンやハーデンベルガーなど豪華共演陣にも注目、トロンボーン関係者必携の一枚。 | |||
フルートと管弦楽のための偉大なる作品集 カール・ニルセン(1865-1931):フルート協奏曲(*) / チャールズ・グリフェス(1884-1920):詩曲(1918) カール・ライネッケ(1824-1920):フルート協奏曲 ニ長調 Op.283 / リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行 セシル・シャミナード(1857-1944):フルートと管弦楽のためのコンチェルティーノ チャイコフスキー:フルートと弦楽のためのラルゴとアレグロ / プーランク:フルート・ソナタ(管弦楽伴奏版) シャロン・ベザリー(Fl) ネーメ・ヤルヴィ指揮ハーグ・レジデンティo. | |||
録音:2007年8月(*以外)、2008年6月(*)、オランダ。フルート界の女王シャロン・ベザリーによるフルート協奏曲の名作ニルセン、ライネッケのフルート協奏曲を主軸にプーランクのフルート・ソナタのオーケストラ伴奏版や、リムスキー=コルサコフの熊蜂の飛行など。フルート尽くしの1夜のコンサートのような充実の内容。ニルセンのフルート協奏曲は1926年(1927年改訂)した2楽章制のカール・ニルセンの2作目の協奏曲。協奏曲というよりも室内楽的な作品で、オーケストラにフルートとトランペットを参加していないのが特徴で、フルートがオーケストラと絶妙なアンサンブルを作り上げる。ライネッケは近年再評価され多くの世界的フルーティストにより演奏されている。後半のプーランクの作品は原曲はソナタだがここではオーケストラ伴奏版で収録されている。ピアノだけでは表現できないプーランクの世界観に合ったアレンジとなっている。最後の熊蜂の飛行はとてつもない速さで飛びまわっているように感じるほど、見事な表現力。これぞベザリーだからこその演奏と言えるだろう。 | |||
ラロ:ヴァイオリン協奏曲 Op.20/ ノルウェー幻想曲/スペイン交響曲 Op.21 |
ジャン=ジャック・ カントロフ(Vn) ケース・バケルス指揮 グラナダ市管 | ||
かつては定番レパートリーだったのに、昨今新録音が非常に少ないラロのスペイン交響曲。名人カントロフの独奏で久々の新録音登場。さらにラロのヴァイオリン協奏作品2篇も収められているのが豪華。爆演指揮者バケルスのボルテージの高い伴奏ぶりも聴きもの。 | |||
ハインツ・カール・グルーバー: ラフ・ミュージック(打楽器協奏曲)(*) 時勢(ハンス・カール・アルトマン詩)(#) 大騒ぎ(シャリヴァリ)〜J.シュトラウスの常動曲に基づく |
マーティン・グルビンガー(Perc)(*) HK.グルーバー(シャンソニエ)(#) クリスティアン・ヤルヴィ指揮 トーンキュンストラーo. | ||
アンサンブル・モデルンの指揮者としてもお馴染みのHK.グルーバー。彼は最近どこかネジがはずれてしまったのか、やたら歌いたがるが、当アルバムも「時勢」でやらかしている。これが下品極まりない歌唱で、軽犯罪法ギリギリのヤバさ。ネーメの息子クリスティアン・ヤルヴィが巧妙な指揮振りを示している。恐怖の | |||
ヨースタ・ニューストレム(1890-1966): 短い交響曲(1929/31)/海の交響曲(1947/8)(*) |
マレーナ・エルンマン(Ms;*) クリストフ・ケーニヒ指揮 マルメso. | ||
録音:2006年3月、2007年1月、マルメ・コンサート・ホール。近代スウェーデンの作曲家ニューストレムは生涯に6篇の交響曲を残していて、BISではすでに4篇をリリースしてロングセラーを続けているが、ついに今回で全集完結する。第1交響曲にあたる「短い交響曲」はニューストレムのパリ時代の作。印象派の影響が感じられる。ニューストレムの代表作とされる「海の交響曲」は7つの海で活躍する水夫に捧げられたもので、彼の海と岸への偏愛の印が明瞭に刻まれている。スウェーデンの詩人エッバ・リンドクヴィストの詩による歌唱をエルンマンが好演している。 | |||
リゲティ:ピアノ作品全集 練習曲集(全3巻)/ファラッケの心(1994)/ 4つの初期小品(1941)/行進曲(4手連弾用;1942)/ ポリフォニー練習曲(4手連弾用;1943)/ アレグロ(4手連弾用;1943)/ 2つのカプリッチョ(1947)/インヴェンション(1948)/ ソナチネ(4手連弾用;1950)/ 3つの婚礼舞曲(4手連弾用;1950)/ ムジカ・リチェルカータ(1951/3)/ 半音階的幻想曲 (1956)/3つのバガテル(1961)/ 記念碑・自画像・運動(2台ピアノ用;1976) |
フレドリク・ウレーン(P) | ||
2006年6月12日に世を去った、20世紀最大の作曲家のひとりリゲティは、面白さゆえに現代音楽としては図抜けた人気を誇る存在だった。特にエチュードをはじめとする彼のピアノ曲は、たとえば両手の速いユニゾンが一音符だけずれるような、ゾッとするほどの難しさに満ちている。この組み物は、いかなる難しい曲も楽々と弾きこなす精神科医ピアニスト、フレドリク・ウレーンが以前BISに録音した分売商品をセットにした物。録音当時これを聴いた作曲者リゲディは、ウレーンのテクニックに驚嘆したと伝えられる。デュオ作品は多重録音されており、初期のノーマルな作品までリゲティのピアノ曲がこれですべて網羅できる。 | |||
21世紀のチューバ協奏曲 フレドリク・ホーグベリ: ロッキー・アイランド・ボート・ベイ(2006) ヤン・サンドストレム:レモン・ハウス(2002) カレヴィ・アホ:チューバ協奏曲(2000/1) |
オイスタイン・ ボーズヴィーク(Tu) マッツ・ロンディン指揮 ノールショピングso. | ||
ノルウェーから現れたチューバの怪人ボーズヴィーク。日本でも人気急上昇中の彼の新譜は北欧作曲家がこの楽器のために書き下ろした協奏曲集。いずれも今世紀になってからの作品というのが仰天。もうひとつ仰天なのが彼の演奏。チューバという楽器のイメージが変わる凄まじい指さばきと肺活量。思わず興奮させられるエンターテナーぶりが光る。 | |||
カレヴィ・アホ(1949-):作品集 メゾソプラノと室内管弦楽のための組曲 「質問状」(2006)/ ヴィオラ協奏曲 (2006) 交響曲第14番「儀式」(2007) |
モニカ・グロープ(Ms) アンナ=クレーッタ・ グリバイツェヴィチ(Va) ヘルマン・レフバーガー (ダブラッカ/ジェンベ/銅鑼) ヨーン・ストゥールゴールズ指揮 ラップランド室内o. | ||
BIS が力を注ぐ現代フィンランドの大作曲家カレヴィ・アホの最新作集。交響曲第14番は室内管弦楽ながら、アフリカやアラブ起源の打楽器を用い、不可思議な音響を作り上げている。北極圏ラップランドのオーケストラも興味津々。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲全集 Vol.17 チェンバロ協奏曲 ヘ長調 Wq42(H471)/ ピアノ協奏曲 [変ホ長調Wq41(H469)/ハ短調Wq31(H441)] |
ミクローシュ・シュパーニ (Cemb/タンジェントP)指揮 ペトリ・タピオ・マッツォン指揮 アンサンブル・オーパスX | ||
今回は1770年代円熟期の『2篇』(代理店記載ママ)が収められている。堂々として激しさも持つ隠れた逸品。シュパーニ熟達のソロが聴きもの。 | |||
バロック・トロンボーン ダリオ・カステッロ:3つのソナタ 作者不詳:3声のソナタ/ジグ フレスコバルディ:4つのカンツォン ビーバー:3声のソナタ ジョヴァンニ・チェーザレ:ラ・ヒエロニマ ベルターリ:3声のソナタ |
クリスティアン・リンドベリ (サックバット) オーストラリア室内o.団員 | ||
トロンボーンの怪人リンドベリがバロック期のトロンボーンであるサックバットを駆使。超絶技巧を誇る彼からすれば、いずれも平易な曲ばかりだが、30年前にサックバットを初めて手にした時から、いつか録音したいと夢見ていたとのこと。今、円熟期を迎えたリンドベリが満を持して挑んだ渾身のアルバム。 | |||
ヘンデル:フルート・ソナタ ロ短調HWV367b J.S.バッハ:フルート・ソナタ [イ長調 BWV1032 (テレンス・チャールストン完成版)/ ホ短調 BWV1034/変ホ長調 BWV1031/ ホ長調 BWV1035] テレマン:フルートソナタ ヘ長調 TWV41:F4 |
シャロン・ベザリー(Fl) テレンス・チャールストン (Cemb) チャールズ・メドラム (ヴィオラ・ダ・ガンバ) | ||
シャロン・ベザリーが本格的バロックに挑戦した。バッハの名作に加え、第1楽章が不完全にしか残っていないBWV1032 をチェンバロ奏者チャールストンが補筆完成させたものまで収録しているのが興味津々。さすがシャロン、バロックを演奏しても凄いのひとことに尽来る。 | |||
アッラン・ペッテション(1911-1980): 弦楽のための協奏曲集 Vol.1 8つの裸足の歌 (オーケストレーション:アンタル・ドラティ)/ 弦楽のための協奏曲 [第1番(1949/50)/第2番(1956)] |
アンデシュ・ラッション(Br) クリスティアン・リンドベリ指揮 ノルディック室内o. | ||
現代スウェーデンの作曲家アッラン・ペッテションは17曲も交響曲を残したシンフォニスト。DVの父親のもと貧困な家庭に育った彼の芸術は非常にペシミスティックで暗く、しばしば暴力的な独自なもので、はまると抜け出せなくなる力を持っている。当アルバムでは、いたって健康的で陽性なクリスティアン・リンドベリがトロンボーンを指揮棒に持ち替えてペッテションに挑戦しているのが注目。恐るべき深みを垣間見せてくれる。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.41 第56番「われは喜びて十字架を負わん」BWV56/ 第82番「われは足れり」BWV82/ 第84番「われはわが命運に満ち足れり」BWV84/ 第158番「われは行きて汝をこがれ求む」BWV158 |
キャロリン・サンプソン(S) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
BCJの最新盤はソプラノとバスによるソロ・カンタータ集。キャロリン・サンプソンとペーター・コーイ両名人の至芸を堪能出来る。ソプラノ用の82番はもともとバスのための作品(Vol.38に収録)で、当盤では ホ短調に移調され新たな魅力を放っている。オーボエが活躍する84番では三宮正満の美演が楽しめる。バス用の158番は恐らくバッハ自身でない編曲者により、様々な素材から寄せ集められたとされる。至難なヴァイオリン独奏を伴う大規模なアリアが聴きもの。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 Vol.1 [第1番 ハ長調 Op.15/第3番 ハ短調 Op.37] |
ロナルド・ブラウティハム(P) アンドルー・パロット指揮 ノールショピングso. | ||
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 Vol.2 ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58(1808年改訂版)/ ピアノ協奏曲 ニ長調 Op.61 (作曲者自身によるヴァイオリン協奏曲の編曲) |
ロナルド・ブラウティハム(P) アンドルー・パロット指揮 ノールショーピングso. | ||
フォルテピアノでベートーヴェンのピアノ独奏曲全集を刊行中のブラウティハムが、協奏曲全集も始めた。意外にもモダーン・ピアノとモダーンo.という組合せ。ブラウティハムはモダーン・ピアノの機能を最大に生かしつつも、オーケストラとのバトルというよりは室内楽的親密さの絶妙な名人ぶりを繰り広げている。 ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番は1808年に作曲者自身の独奏で初演されたが、譜面に書かれているものよりはるかに多くを弾いたと弟子のチェルニーも証言している。この改訂稿は、ベートーヴェン研究で名高いバリー・クーパーが書き写したもの。通常版より煌きに満ち、ヴィルトゥオジックで洗練されているとのこと。カップリングは4番と同時期に作曲されたヴァイオリン協奏曲を後年ピアノ協奏曲に書き直したもの。両方をブラウティハム(通常のコンサートグランド使用)で味わえるのも豪華。 | |||
フレドリク・パーシウス:男声合唱曲集 希望の日/学生歌/北の若者/フィロメラ/ヨナス・ペロンに/ C.M.ベルマンの3つの歌(パーシウス編)/不安/フィンランド主題による幻想曲/ 春の想い/私は今一度/山から響く晩鐘/美しき水車小屋の娘/憂鬱に/子守歌/ フィンランドの歌/フィンランド賛歌/わが祖国(フィンランド国歌)他 ヘンリク・ヴィクストレム指揮アカデミスカ・ソングフェレニンゲン シャロン・ベザリー(Fl) 4z and Audio 四重唱団 | |||
2009年はフィンランド国歌(エストニア国歌も)の作曲者フレドリク・パーシウスの生誕200年にあたる。もともとドイツ人ながら60年近くフィンランドに住んだパーシウスは、「フィンランド音楽の父」と称されている。彼の作品の録音は、あまり多いとは言えなかったが、ここでまとまった合唱曲集が歓迎の登場となる。歌詞もスウェーデン語、フィンランド語、ドイツ語、フランス語と多様。パーシウス自身が1838年に創立した合唱団アカデミスカ・ソングフェレニンゲンが充実の響きで酔わせてくれる。 | |||
ヘンデル:ソロ・カンタータ集 静かな穏やかな夜 HWV142/恋する魂は HWV173/ 高い望みをかけられた子 HWV113/ 死に瀕するアグリッピーナ HWV110/ 4声の協奏曲 ニ長調 |
エマ・カークビー(S) ロンドン・バロック | ||
ヘンデルが20代の初め、イタリアに滞在していた時期の所産。すべてイタリア語により、当時のイタリア大物作曲家たちの影響が感じられる。いずれもヘンデルならではの甘く美しいメロディに富み、たいへん魅力的。カークビーの演技力で、極上の劇音楽を聴いているような満足にひたることが出来る。 | |||
ブレット・ディーン〜作曲家・演奏家 ヴィオラ協奏曲(2005)(*)/ 12人の怒れる男たち(1996)(#)/ 親密な決定〜無伴奏ヴィオラのための(1996)/ コマロフの墜落(2006)(+) |
ブレット・ディーン(Va;*) シドニーso. チェロ・アンサンブル(#) ヒュー・ウォルフ(語り;+) シモーネ・ヤング指揮 シドニーso. | ||
オーストラリア出身の作曲家ブレット・ディーン(1961-)作品集。彼はヴィオラの名手としても知られ、BPOの団員を14年も務めた。自身で独奏を演じる(*)、12人の陪審員を12本のチェロが演じる(#)、ラトルの委嘱で作曲された1967年のソユーズ1号事故をテーマとした(+)など、タイトルだけで興味をそそられる作品ばかり。シモーネ・ヤングが指揮を担っているのも注目。 | |||
シベリウス大全集 交響曲、管弦楽曲、劇音楽、室内楽曲、 ピアノ曲、声楽曲すべてを網羅 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. ネーメ・ヤルヴィ指揮 エーテボリso. レオニダス・カヴァコス(Vn) アンネ=ソフィ・ フォン・オッター(S) 他、多数 | ||
2007年はシベリウス歿後50年にあたる。この作曲家に執念を燃やしてきたBISが、ついに「シベリウス大全集」をまとめた。全15枚、総収録時間19時間という浩瀚なものが、CD4枚分の価格という廉価でお求めいただけることとなった。 演奏はヴァンスカ、ヤルヴィといった今日のシベリウス演奏像を作り上げた人々により、もちろん最高水準。さらに英・独・仏・フィンランド語・日本語による132ページの充実解説書つき。これを買わない手はない。 | |||
J.S.バッハ:ミサ曲 ロ短調 BWV.232
キャロリン・サンプソン(S) レイチェル・ニコルズ(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
BCJ発足当初から、ファンの間で最もリクエストの多かった ロ短調ミサ。それがカンタータ連続録音13年目、まさに満を持しての実現となった。教会カンタータをはじめ、マタイ、ヨハネなどバッハの大作、重要作全ての経験がこの ロ短調演奏に全て結実していると思われる凄みに満ちた内容となっている。合唱を極力小さくし、独唱者がそこに加わるのも独特。鈴木秀美、若松夏美をはじめとする器楽陣も精密の極み。「わび・さび」の美学を思わせさえする、厳しいまでに純化された ロ短調ミサの世界に感動させられる。 | |||
ワレンチン・シリヴェストロフ (シルヴェストロフ)(1937-): 交響曲第4番(1976)/交響曲第5番(1980/2) |
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 ラハティso. | ||
現役ウクライナ人作曲家シリヴェストロフには7篇の交響曲がある。初期は旧ソ連的現代音楽を書いていたが、交響曲第5番あたりから作風を変え、現在では旋律美にあふれた癒し系の音楽で人気を呼んでいる。ラハティso.が現首席指揮者サラステのもと、シリヴェストロフの重要作2篇に挑戦。マーラー風の第5番はこれ以上ない極上の仕上がりとなっている。 | |||
メンデルスゾーン:交響曲第2番 変ロ長調 Op.52「讃歌」
ジュディス・ハワース(S) ジェニファー・ラーモア(Ms) クリストフ・プレガルディエン(T) コール・ヴェスト、デンマーク国立cho. アンドルー・リットン指揮ベルゲンpo.&cho. | |||
録音:2008年4月23日-24日、ベルゲン、ノルウェー、ライヴ。 メンデルスゾーンの交響曲第2番は、他の4作と異なり3人の独唱と合唱を含み、作曲者自身「交響カンタータ」と称している。印刷発明400 周年の祝典のために作曲され、歌詞は旧約聖書のドイツ語訳によっている。ラーモア、プレガルディエンといった古楽界のスターが参加、絶妙な効果をあげている。 | |||
ヘンデル:合奏協奏曲集 Op.6(全12曲) | マルタン・ジェステル指揮 アルテ・デイ・スオナトーリ | ||
ヘンデルはオペラや宗教作品など声楽曲が代表的だが、初期のコンチェルト・グロッソもみずみずしくて颯爽としていて非常に魅力的。いずれもヘンデルならではの甘いメロディ、活気と明るさに満ち、いつまでも聴いていたくなる。1993年創設の「ポーランドの古楽器が」(代理店記載ママ)フレッシュきわまりない演奏を繰り広げている。 | |||
セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-): クラリネット協奏曲(2005/6) / 弦楽と打楽器のためのパルティータ(2007/9) / イソラ(2006/7) |
クリストファー・ サンドクヴィスト(Cl) ディーマ・スロボジェニュク指揮 イェーテボリso. | ||
録音:2008年6月、2010年6月、イェーテボリ・コンサート・ホール。歌劇「デーベルン」で注目を集めたスウェーデンの作曲家ファーゲルルンド待望のオーケストラ・アルバム。色彩的で変化に富むクラリネット協奏曲、内的、霊的な祈りの気持ちに満ちた感動的なパルティータ、さらにかつてハンセン氏病や精神病患者を隔離していたトゥルク諸島の島を描いたイソラなど、いずれも興味津々。 | |||
ドヴォルザーク: ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53/伝説 Op.59 |
リチャード・トニェッティ(Vn) クリスチャン・リンドベリ指揮 ノルディック室内o. | ||
オーストラリア室内管の音楽監督だったリチャード・トニェッティを独奏に迎えたドヴォルザークの協奏曲。バックを務めるのは何と「トロンボーン」の魔王クリスチャン・リンドベリ。堂々たる指揮ぶりを披露してくれる。リンドベリは過去にトロンボーン奏者として古典派の協奏曲集をBISに録音しているが、その際の指揮がトニェッティだった。 | |||
R.シュトラウス歌曲集 赤いバラ AV76/マルフェン AV304/ ひそやかな歌 Op.39-1/若い魔女の歌 Op.39-2/ 解き放たれて Op.39-4/ツェツィーリエ Op.27-2/ 明日の朝 Op.27-4/オフェーリアの3つの歌 Op.67/ ひそやかな歌 Op.39-1/万霊節 Op.10-8/ 私は漂う Op.48-2/お母さんの戯れ Op.43-2/ 同じこと Op.69-3/悪天候 Op.69-5/ バラの花環 Op.36-1/ 子供の不思議な角笛より Op.36-3/ 思いのすべて Op.21-1/私の心の王冠 Op.21-2/ わが子に Op.37-3/我が目 Op.37-4 |
カミラ・ティリング(S) ポール・リヴィニウス(P) ウルフ・ヴァリーン(Vn) | ||
マーラー:交響曲第9番 ニ長調 | アラン・ギルバート指揮 ロイヤル・ストックホルムpo. | ||
日本の血を引くアラン・ギルバートとロイヤル・ストックホルム・フィルの関係は1997年のマーラーの1番に始まった。以来2000年から2008年まで同オーケストラの首席指揮者を務めたが、幕引きに選んだのがマーラーの9番。現在彼が音楽監督を務めるNYPの委嘱作なことも特別な感情になっているようだ。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.42 第72番「すべてはただ神の御心のままに」BWV72/ 第32番「いと尊きイエス、わが憧れよ」BWV32/ 第13番「わがため息、わが涙は」BWV13/ 第16番「主なる神よ、汝をわれらは讃えまつらん」BWV16 |
レイチェル・ニコルズ(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
カンタータ第42集は1726年新年顕現節のために作られた4篇。第32番など、どのオペラ作品も及ばない華やかさと美しさに息を呑むほど。声楽の充実ぶりはいつもの通りだが、今回は第16番でのホルン、13番での2本のリコーダーやオーボエ・ダ・カッチャの妙技も光る。 | |||
ラフマニノフ: 交響曲第2番 ホ短調Op.27/ ヴォカリーズ Op.34-14 |
ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
チェレプニンやリムスキー=コルサコフのシリーズで注目されたシンガポールso.。予想外の巧さと熱い爆演が魅力。今回は甘美なメロディとエネルギーに満ちた傑作を、輝かしい音色でたっぷり堪能できる。 | |||
ソラブジ: 100の超絶技巧練習曲より〔第44-62番〕 |
フレドリク・ウレーン(P) | ||
身の毛のよだつ難曲で、全部通すと7時間かかる超大作ソラブジの「100の超絶技巧練習曲」。この前人未到の難事業に挑戦中のウレーン。3枚目は第44曲から62曲を収めている。いずれ狂気じみた音楽ながら、ピアノならではの妖しい美しさに満ちている。これだけ弾けるのはウレーンしかいない。 | |||
響き〜スウェーデン合唱音楽の新たな展望 ヤン・サンドストレム:山風の歌 カリン・レーンクヴィスト:光の場 天の間で アーレ・モーレル:コップのポルスカ 伝承曲/ガルデマル編:スロングポルスカ ステーンハンマル:3つの合唱曲 ヴィカンデル:谷間の百合王 伝承曲/スタッファン・リンドベリ編:収穫の歌 ヒルボルイ:夏至の夜の夢 ヘルマン・パルム:ナナカマドからライラックへ アルヴェーン:夕べ アドルフ・リンドブラド:子供の祈りの言葉で 伝承曲/ヴィレマルク編:婚礼歌 |
セシーリア・ リューディンゲル=アリーン指揮 ウプサラ大学cho. アンデシュ・ヴィドマルク(P) | ||
北欧混声合唱の魅力満載。1830年創立のウプサラ大学合唱団「アルメンナ・ソンゲン」による最新アルバム。スウェーデンを代表する合唱団による同国の民謡から前衛作品までを俯瞰した好企画。彼らの魅力は若々しく新鮮な覇気に満ちていること。もちろん北欧合唱ならではの、水晶のように透明で純粋な響きに思わず聞き惚れてしまう。 | |||
女王の音楽〜17世紀イギリスの二重唱と三重唱 カリッシミ:船上のふたり チェスティ:私はすでに死んでいる ルイージ・ロッシの作品 フレスコバルディ: トッカータ〔第2番/第8番/第9番〕/ カンツォーナ第7番「スペルバ」 |
エマ・カークビー、 スサンネ・リュデーン(S) ピーター・ハーヴィー(Br) ミメ・ヤマヒロ・ ブリンクマン(Vc) ラース・ウルリク・ モーテンセン(Cemb) | ||
スウェーデン17世紀のクリスティーナ女王はスウェーデンの文化水準を高めた偉人。当時バルストロード・ホワイトロックに贈られた写本には女王がかかわった曲も含まれており、その収録曲で構成したのが当アルバム。フレスコバルディ作品は器楽曲だが、他は声楽曲で、カークビーの魔術のような至芸で陶酔出来る。 | |||
ベートーヴェン: 交響曲第6番 ヘ長調 Op.68「田園」 交響曲第1番 ハ長調 Op.21 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタ管 | ||
ますます充実度の深みを増すヴァンスカ。来日時にも読売日本so.と個性的な「英雄」交響曲を披露してくれた。期待のベートーヴェン・シリーズの新譜は「田園」。あたかも北欧の田園風景、シベリウスの自然描写曲のように響いて個性的。古典的なたたずまいの第1番も異様な活気に満ちていて一気に聴かせる。 | |||
チェレプニン:交響曲&ピアノ協奏曲全集 交響曲 [第1番 ホ長調Op.42(1927)/第2番 変ホ長調Op.77(1947-51)/ 第3番 嬰へ長調Op.83(1952)/第4番 ホ長調Op.91(1958-9)]/ ピアノ協奏曲 [第1番Op.12(1918-9)/第2番Op.26(1923)/ 第3番Op.48(1931-2)/第4番「幻想曲」Op.78(1947)/ 第5番 Op.96(1963)/第6番Op.99(1965)]/ 偉大なる聖母Op.41(1926-7)/祝典音楽 Op.45a(1930)/ 交響的行進曲Op.80(1951)/交響的祈りOp.93(1959) |
小川典子(P) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
ロシア出身で、戦前たびたび来日して伊福部昭、早坂文雄、松平頼則、江文也を教え、民族主義的作曲を鼓舞した、わが国音楽界の大恩人アレクサンドル・チェレプニン。これまでほとんど録音のなかった彼の交響曲とピアノ協奏曲を、高水準演奏でリリースしたBISの記念碑的シリーズが、何とセット組にての発売となった。それも4枚組2枚価格というお得さ。6曲のピアノ協奏曲では小川典子の独奏なのが豪華。切れ味抜群。チェレプニンの代表作である4篇の交響曲はいずれも力作。ショスタコーヴィチやプロコフィエフの交響曲が好きな向きに超オススメ。 | |||
ジェイムズ・マクミラン: 無伴奏合唱のための「幻日」(2006)(*)/ 合唱と室内管弦楽のための「墓参り」(1992/3)(#) |
セルソ・アントゥネス指揮(*) ジェイムズ・マクミラン指揮(#) オランダ放送室内po.&cho. | ||
宗教的、瞑想的な情緒と現代的リズムの融合が特徴のマクミラン。(#)は45分の大作で、新約聖書でキリストが磔になった後、墓参りした3人の女性のエピソードを描いたもの。(*)は現代作家マイケル・シモンズ・ロバーツの詩に基づいたもので、全編アカペラ合唱のみ。どちらもチベット仏教の発声や奇声等、面白い声楽の技法を駆使しており興味津々。 | |||
レスピーギ: ローマの噴水/ローマの松/ローマの祭 |
ジョン・ネシュリング指揮 サンパウロso. | ||
シェーンベルクとボダンツキーの血をひくブラジルの指揮者ネシュリングの「ローマ三部作」。もともとエネルギッシュで血の気の多い作品だが、南米のオーケストラならではのボルテージの高さで、ローマというよりリオのカーニバルばり、理想的な名演となっている。 | |||
J.S.バッハ: ブランデンブルク協奏曲(全6曲)(新録音)/ 管弦楽組曲(全4曲)(既発売) |
鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
BCJのブランデンブルク協奏曲といえば2000年録音のものがベストセラーになっているが、わずか8年で再録音に踏み切った。今回はミューザ川崎でSACDハイブリッド5.0サラウンド方法にて収録。BCJのますます円熟したいぶし銀の芸術を堪能出来る。今回の新機軸は小型のヴィオロンチェロ・ダ・スパラを用いていること。5番のチェンバロ独奏はもちろん鈴木雅明。 | |||
クルーセル:クラリネット協奏曲集 [第1番 変ホ長調Op.1/ 第2番 ヘ短調Op.5/第3番 変ロ長調Op.11] |
マルティン・フレスト(Cl) オッコ・カム指揮 エーテボリso. | ||
フィンランド出身で、自身クラリネットの名手として名を馳せたベルンハルト・ヘンリク・クルーセル (1775-1838)の協奏曲3篇に、スウェーデンの名手フレストが挑みた。クルーセルの協奏曲は技巧的にはたいへん難しく、北欧的色彩のほとんど感じられない端正な古典派風作風。フレストもごまかしや曖昧さの全くない正攻法の演奏を繰り広げている。 | |||
ダウランド:リュート曲全集 | ヤコブ・リンドベリ(リュート) | ||
1995年のリリース以来、高い評価を受け続けてきたリンドベリのダウランド全集。全92曲、演奏時間4時間に及ぶ浩瀚なアルバムが、SACD1枚に収まってしまった。もちろん価格はSACD1枚分。 このディスクはSACD専用機でのみ再生可能です。通常のCDプレイヤーでは再生できませんので、ご注意下さい。 | |||
イングランドのオルフェウス ダウランド:いつまでも蔑んでおくれ/僕の悲しみに耳をかしてくれ/来たれ、深き眠り/プレルーディオ/ エセックス伯爵のガリアード/羊飼いが木陰で/泉のそばに僕は横たわっていた/去れ自己愛の若者たちよ/ ラクリメ/タールトンの復活/もし僕の溜息が/ファンタジー/僕の魂を弄ぶな/暗闇に住まわせておくれ パーセル:彼女は恋し、愛をうちあける/彼らはあなたの偉大な力を語った/シベル風トランペット・チューン/ 復讐の三女神のエコー・ダンス/リトルネロ「木立」/速やかに飛び去れ/ああ、私を穏やかな薄闇へ/ 何と悲しきわが運命/リリバーレロ/新しいスコットランドの調べ/ ホーンパイプ/新グラウンド/静寂の闇より/束の間の音楽 エマ・カークビー(S) ヤコブ・リンドベリ(Lute) | |||
録音:2008年11月、レンナ教会(スウェーデン)。 イングランドが生んだ作曲家ダウランドとパーセルは約百歳の違いながら、オルフェウス物語でつながっている。「イングランドのオルフェウス」と呼ばれたダウランドと、歌曲集「オルフェウス・ブリタニクス」のパーセル。ここではイギリスの歌女王カークビーとスウェーデンの名人リンドベリが世にも美しいデュエットで両者の作品を披露。ダウランドの静かな世界、パーセルの輝かしくかつ楽しい作品、いずれも絶品。 | |||
スティーヴン・ポールズ(1949-):オラトリオ「夜明けは来るはず」(2005)
バリー・アベルソン(カントル) エリザベス・フートラル(S) クリスチーナ・ボルドウィン(Ms) ジョン・テシェール(T) フィリップ・ココリノス(B-Br) オスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタo.、ミネソタ・コラール、 ミネソタ少年cho.、バシリカ大聖堂cho. | |||
スティーヴン・ポールズはオペラ「郵便配達人は二度ベルを鳴らす」で知られるアメリカの作曲家。声楽作品が特に高い評価を得ている。オラトリオ「夜明けは来るはず」はミネソタのカトリック団体からの委嘱作で、第2次世界大戦のホロコーストから生還した60周年のためにユダヤ人共同体への贈り物となっている。無垢な児童合唱を多用することで残忍さが一層強調される。 | |||
シュニトケ: コンチェルト・グロッソ第1番 (Fl、Ob、Cem、Pr-Pf、弦楽版; 1988) (*)/ 交響曲第9番(ラスカトフ補筆完成版) |
シャロン・ベザリー(Fl) クリストファー・ コーウィー(Ob) グラント・ブラスラー(Cemb) アルバート・ コンブリンク(プリペアドP) オーワイン・ アーウェル・ヒューズ指揮 ケープpo. | ||
(*)は当版による世界初録音。 シュニトケの交響曲第9番は、最晩年にスケッチがなされたが、度重なる卒中の発作で半身不随となり、不自由な左手で書かれたため、判読不可能とされていた。それを未亡人から依頼されたアレクサンドル・ラスカトフが解読し、再構築。デイヴィスのユニバーサル盤もあるが、ヒューズも説得力満点。シュニトケの代表作のひとつ「コンチェルト・グロッソ第1番」にフルートとオーボエのパートが加わった興味深い版の世界初録音。シャロン・ベザリーが演じているのも話題。 | |||
メトネル:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.50 ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第4番 ト短調 Op.40(1926年原典版) ラフマニノフ/スドビン編:春の洪水 Op.14-11 |
エフゲニー・スドビン(P) グラント・レウェリン指揮 ノースカロライナso. | ||
BISのイチオシピアニスト、スドビンの協奏曲第2弾。ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番は3種の版が存在する。初版は1926年に完成され、メトネルに献呈されたが、長すぎるのと音楽が難解なため大幅な改訂を施し、その第2版を出版したが、やはり評判が悪く、最晩年に再改訂をして現行版に至った。ここに収められたのは初版で、他にはギンジンによるオンディーヌ盤があるのみ。現行版より長く、さらに超絶的となり、ピアノ協奏曲第3番と近い様相となっている。メトネルのピアノ協奏曲第2番は、ラフマニノフから4番の協奏曲を献呈されたお礼に返した作品。これも長くて難しい曲だが、スドビンの颯爽とした演奏で一気に聴けてしまう。 | |||
プーランク:フルート・ソナタ マルタン:バラード ライネッケ: フルート・ソナタ「ウンディーネ(水の精)」 マルティヌー:フルート・ソナタ メシアン:黒つぐみ |
シャロン・ベザリー(Fl) ロナルド・ブラウティハム(P) | ||
フルート界の王道名作を集め、ベザリーがムラマツ特製の24kフルートでお贈りする超豪華企画。曲芸的に難しいマルタンも、オシャレな歌に満ちたプーランクもシャロンの美点が存分に発揮されている。ピアノ・パートも難しい曲ばかりだが、名手ブラウティハムが絶妙なサポートを披露している。 | |||
ヒンデミット: 交響曲「画家マティス」/ バレエ組曲「いとも気高き幻想」/ ウェーバーの主題による交響的変容 |
ジョン・ネシリング指揮 サンパウロso. | ||
録音:2008年8月、サラ・サンパウロ。ヒンデミットの作品というと、アカデミックでドライかつ薄味で、あまり聴きたくない…という印象をよく聞くが、実は聴き手を楽しませようというサービス精神に満ちた、職人芸光る面白さの連続。ここに収められた3作は彼の代表作で、それをシェーンベルクの子孫であるネシリングが熱血に指揮しているのも不思議な因縁を感じる。急速楽章のノリの良さが最高。 | |||
ハイドン:ピアノ曲全集 | ロナルド・ ブラウティハム(Fp) | ||
オランダの実力派ロナルド・ブラウティハムのハイドン・ピアノ曲全集がBOXセットに。ソナタはもとより、変奏曲や舞曲多数、さらに連弾曲から「十字架上のキリスト最後の7つの言葉」のピアノ版まで収めるという徹底ぶり。さらにさらにピリオド楽器使用というのも魅力で、これさえ持っていればハイドンのピアノ曲は万全。 何と15枚組3枚価格というお買い得品。 | |||
カークビーの至芸 A.スカルラッティ:常になく我が心を占めるはいずれか」/ クリスマス・カンタータ「おお、ベツレヘムの誇り高き貧しさ」 J.S.バッハ:カンタータ[第61番〜「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」/147番〜アリア] ダウランド:おお優しき森/私は見た、あの人が泣くのを/ダフネはあまり純潔ではなかった/ さようなら、あまりに美しく貞淑な人/時の長男/言葉で訴えるべきか ヘンデル:新発見のグローリア/サルヴェ・レジーナ/おお、天からの声のごとく/ 天にいる者が息を吐くならば/詩篇112「子らよ、主を讃えよ」 クープラン:聖水曜日のためのルソン・ド・テネブレ[第1番/第3番] ドラランド:聖水曜日のためのルソン・ド・テネブレ第3番 アモデーイ:地平に夜明けの光が/あなたが私にしたことが/足元に光を、荘重な歩みで アリオスティ:優しいアルフィンに/ベデッカー:イエスがお生まれになった グラウプナー:カンタータ「ああ、神と主よ」/ジョンソン:五尋深き水底に ディンディア:私の涙の海から/シンメルプフェニック:懐かしい昔 シュッツ:神よ、我を助けに急ぎたまえ/ムリニエ:穏やかな暗い夜/ボエセ:フィリスは呑気者 ブロウ:愛の女神に寄せるサッフォー/ロウズ:オルフェウスの神への賛歌 グリーン:リュートを持つオルフェウス/他 エマ・カークビー(S) ロンドン・バロック、ヤコブ・リンドベリ、アンソニー・ルーリー(Lute) ラース・ウルリク・モーテンセン(Cemb) シアター・オヴ・アーリー・ミュージック アニェス・メロン(S) ロイヤル・アカデミー・オヴ・ミュージック・バロックo. | |||
バロック声楽界の女王エマ・カークビーが還暦を迎えたのを記念して、BISの音源から彼女の魅力を最大限に生かした作品を選りすぐり、4枚組で発売する。バッハのカンタータからイギリスのリュート歌曲まで、その老練な巧さはさすが大ベテラン。共演陣の豪華さも注目。未リリース音源、グラウプナーのカンタータ「ああ、神と主よ」が入っているのもBISならではの大サービス。 | |||
ヘンデル:グレート・コーラス 「エジプトのイスラエル人」〜民は聞きて/「アレクザンダーの饗宴」〜空に轟き 「陽気の人、ふさぎの人、温和の人」〜ならば陽気な鐘を鳴らせ 「サムソン」より[ヤコブの神エホバよ/輝かしいセラフィムよ] 「ベルシャザル」〜おお王よ、思い出せ/「アタリア」〜御神の力を 「ヘラクルス」〜嫉妬、地獄の悪病/「ヨシュア」〜見よ、勇者は帰りぬ 「ユダス・マカベウス」〜敵は倒れる/「ソロモン」〜ナイチンゲールの合唱 「テオドラ」〜彼はすてきな若者を見た/「メサイア」〜ハレルヤ 「ジョージ2世のための戴冠式アンセム」より「司祭ザドク」 キャロリン・サンプソン(S) ロビン・ブレイズ(CT) デイヴィッド・ヒル指揮イングリッシュ・コンサート、 バッハ・コアイアー(代理店記載ママ) | |||
様々な分野で傑作を残したヘンデルだが、やはり合唱作品に格別な魅力がある。ここでは「メサイア」のハレルヤ・コーラスをはじめ、彼の合唱を満喫出来る。また、「ユダス・マカベウス」の楽曲として知られる「見よ、勇者は帰りぬ」のオリジナルである「ヨシュア」などが聴けるのも貴重。独唱部にはBCJ でもおなじみのサンプソンとブレイズが参加しているのも豪華の極み。 | |||
スイスのチェロ協奏曲 フランク・マルタン:チェロ協奏曲(1966) (*) オネゲル:チェロ協奏曲(1929) (*) シェック:チェロ協奏曲 Op.61(1947) (#) |
クリスティアン・ポルテラ(Vc) トゥオマス・ハンニカイネン指揮 マルメso. | ||
録音:2006年1月(#)、2007年6月(*)、マルメ・コンサートホール(スウェーデン)。BIS-1637、BIS-1617、BIS-1597からの編集盤。スイスの名手ポルテラが2007-8年にリリースした3枚のデイスクから、母国の偉大な作曲家3名のチェロ協奏曲を集めて編み直したアルバム。いずれもあまり聴く機会のない作品なだけに貴重。鮮烈な演奏が光る。 | |||
メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲全集 [第1番 ハ長調/第2番 ニ長調/第3番 ホ短調/ 第4番 ハ長調/第5番 変ロ長調/第6番 変ホ長調/ 第1番 ニ短調/第8番 ニ長調/第9番 ハ長調/ 第10番 ロ短調/第11番 ヘ長調/第12番 ト短調/ 第13番 ハ短調(交響的楽章)(*)/ 第8番 ニ長調(フル・オーケストラ版)] |
レフ・マルキス指揮 アムステルダム・シンフォニエッタ | ||
かつてCD4枚で発売されていたメンデルスゾーン若書きの弦楽交響曲全集が、何と1枚で再登場。これはSACDをサラウンド効果等を無視し、通常ステレオとして4時間以上を収録した驚異のアルバム。第8番はフルオーケスオラ版も入っている。旧ソ連出身の巨匠マルキスの颯爽とした演奏が快適。なお、(*)が国内代理店の案内では「第1番」とされているが、おそらく上記の誤り。 このディスクはSACD専用機でのみ再生可能です。通常のCDプレイヤーでは再生できませんので、ご注意下さい。 | |||
中国系アメリカ作曲家のフルート協奏曲 ゾー・ロン〔周龍〕:五輪/百尋千尋 ブライト・シェン〔盛宗亮〕:フルート・ムーン チェン・イ〔陳怡〕:金笛 |
シャロン・ベザリー(Fl) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
アメリカに定住してはいるものの、中国出身の3人の作曲家のフルート協奏曲をシャロン・ベザリーが演奏。もともと中国には伝統楽器としての笛があるため、ナチュラルで中華風味満点の作品となっている。チェン・イの「金笛」では中国の土鈴シュンの語法を西洋のフルートに吹かせるという興味深い試みが見られる。ラン・シュイ指揮シンガポール響のバックも万全。ベザリーのフルートに不可能の文字はない。 | |||
グリーグ:管弦楽曲全集 序曲「秋に」Op.11 /ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16/交響曲 ハ短調/十字軍王シグル Op.22/ 陸地を見ること Op.31 /ベルグリョット Op.42/ リカルド・ノルドローク追悼のための葬送行進曲 (グリーグ編曲による吹奏楽版とハルヴォルセン編曲によるフルオーケストラ版の2種)/ 山にとらわれし者 Op.32/オラヴ・トリグヴァソンからの場面 Op.50/ 南の僧院の門にて Op.20/ソルヴェイグの歌 Op.23-18/ソルヴェイグの子守歌 Op.23-23/ モンテ・ピンチョから Op.39-1 /白鳥 Op.25-2/春 Op.33-2/ ヘンリク・ヴェルゲラン Op.58-3/ロンダーネにて Op.33-9/ 付随音楽「ベール・ギュント」全曲版 Op.23/「ベール・ギュント」第1組曲 Op.46/ 「ベール・ギュント」第組曲 Op.55/古いノルウェーのロマンスと変奏 Op.51/ 鐘の音 Op.54-6/ホルベアの時代より Op.40/2つの悲しい旋律 Op.34/2つの旋律 Op.53/ 2つのノルウェーの旋律 Op.63/2つの叙情小曲/ノルウェー舞曲集 Op.35/ 交響的舞曲 Op.64/叙情組曲 Op.54 ウーレ・クリスティアン・ルード指揮ベルゲンpo.&cho.、小川典子(P) ソルヴェイグ・クリンゲルボーン(S) ホーカン・ハーゲゴード(Br)他 | |||
「ベール・ギュント」やピアノ協奏曲をはじめ、北欧ならではの透明感と爽やかさ、優しさに満ちたグリーグのオーケストラ曲は誰もが大好きなはず。それを彼の故郷ノルウェーはベルゲンのオーケストラによる最新録音8枚分がなんと3枚価格という破格値で。ピアノ協奏曲の独奏は小川典子、「ベール・ギュント」は台詞(ノルウェー語)も全部含まれるという周到さ。ノルウェーのオーケストラならではの独特な空気感とリズムも最高。これさえ持てばグリーグのオーケストラ曲は完璧かつ十分。 | |||
アルベニス:ピアノ作品全集 Vol.6 スペイン狂詩曲 T.16 (作曲者自身によるオリジナル・オーケストレーション|ハシント・トーレス校訂)(*) / ナバーラ T.106 (ピラール・バヨーナ補筆完成版)(#) /ピアノ・ソナタ第5番 T.85 /古典組曲第3番 T.76 / アスレホス T.107 (グラナドス補筆完成版)/ピアノ協奏曲第1番「幻想協奏曲」 T.17 (+) ミゲル・バセルガ(P) リュー・ジア指揮テネリフェso.(*/+) | |||
録音:2007年12月| (*/#)当版による世界初録音。#2021年7月、 BIS-2613 (9CDs) で全集化。 スペインのピアニスト、バセルガによるアルベニス全集の第6巻は珍品揃い。エネスコやアルフテルによるオーケストレーションで知られるスペイン狂詩曲が作曲者自身のオリジナル・オーケストレーションというのが興味津々。もちろん世界初録音。またアルベニスが未完のまま残した2篇のうち「アスレホス」は通常のグラナドス補筆完成版によるが、「ナバーラ」は通常のセヴラック版でもアムランが録音しているボルコム版でもない、スペインの大ピアニスト、ピラール・バヨーナ(1897-1979)による補筆完成版を用いているのも注目。超難曲のオンパレードながら余裕の技巧で征服している。 | |||
息の合ったパートナー クライスラー:前奏曲とアレグロ J.S.バッハ: ヴァイオリン・ソナタ ホ長調BWV1016 モーツァルト: ヴァイオリン・ソナタ第17番 ハ長調 K.296 グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ト長調Op.13 チャイコフスキー:メロディ バルトーク:6つのルーマニア舞曲 |
タスミン・リトル(Vn) ジョン・レネハン(P) | ||
20年以上も続くイギリスのTV番組のパーソナリティでもある女性ヴァイオリニスト、タスミン・リトル。本国ではお茶の間の非常な人気者で、他社からリリースされたアルバムが2008年にクラシックFMグラモノフォン賞を受賞したりもしている。彼女が気の会った伴奏者のレネハンと、ポピュラーな作品を用いてヴァイオリン音楽の歴史を紹介してくれる。 | |||
シベリウス: レンミンカイネン組曲 Op.22(現行版)/ 森の精 Op.15 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
録音:2006年11月、2007年10月、シベリウス・ホール、ラハティ、フィンランド。 CD: BIS-1900/02 (シベリウス完全全集 Vol.1 /5CDs) からの初SACD化。新リマスタリング、SACD層は 5.0 サラウンド。シベリウスの演奏で世界的に評価の高いオスモ・ヴァンスカ。第56回グラミーのオーケストラ部門受賞で話題となっているミネソタ管とのシベリウスの交響曲第1番&第4番(BISSA-1996)をはじめ、シベリウスの諸作品の演奏に定評がある。既にリリースされているシベリウスの完全全集(通常CD)の中からとりわけ評価の高い名演で知られる2曲をSACD化。 | |||
ブルックナー: 交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」 (1888年版/2004年コーストヴェット校訂版) |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
ヴァンスカと手兵ミネソタ管によるブルックナーの交響曲シリーズが開始。第1弾は第4番「ロマンティック」だが、2004年に出版されたコーストヴェット版を用いている(内藤彰指揮東京ニューシティo.盤に次ぐ2つ目の録音)のが注目。一般的に「第3稿」と呼ばれる悪名高き1888年版に基づくものだが、それが偏見にすぎなかったことを証明してくれる。欧文ブックレット解説はコーストヴェットの書き下ろし。重厚さや濃厚さと無縁の21世紀的ブルックナー演奏の歴史の始まり。 | |||
フィンランドのクリスマス ジングルベル/サンタ・ルチア/サンタが街にやってきた/ 赤鼻のトナカイ/ホワイト・クリスマス/ リトル・ドラマー・ボーイ/喜べ、シオンの娘よ/ クリスマスの朝の教会/トントゥたち/クリスマスの福音/ オレのクリスマス/うまやのなかに/他 |
エサ・ヘイッキラ指揮 ラハティso.、ラウルプーcho. リキ・ソルサ、 パウリ・ピエティライネン(Org) ウッラ・ライスキオ(Ms) ユッシ・ミールンパロ、 ペトリ・レーノ(T) マルコ・プースティネン(Br) ヴェリ=ペッカ・ヴァイサネン(B) | ||
これは凄い、ラハティso.による最高のクリスマス・メドレー。サンタクロースが住む国として有名なフィンランドから、最高のクリスマス・アルバムの登場。「ジングルベル」や「サンタが街にやってきた」、さらにはアーヴィン・バーリンの「ホワイト・クリスマス」までをフィンランドの歌手や合唱団でたっぷり楽しめる。さらに豪華なのはシベリウスの交響曲シリーズで名をはせたラハティso.がサポートしている。どこから見てもクリスマスはこれで決まり。 | |||
ヤン・サンドストレム(1954-): インドリ/猛犬注意(1988)/エラ(1979/80)/ 大洋少年(1999/2004)/地主館奇談(1987/2004) |
クリスチャン・リンドベリ指揮 アイスランドso. | ||
スウェーデンの中堅作曲家サンドストレムは、クリスチャン・リンドベリのために作曲した「オートバイ協奏曲」で知られるが、管弦楽曲を4篇集めたアルバムが登場。初期作品にはミニマルや音列などの前衛手法も見られるが、描写力に長けた彼の本領は「大洋少年」に良く表されている。愛娘とのタイ旅行中のダイビングの印象を綴っていて、音楽の冒険を楽しめる。 | |||
ペーテル・マッテイ、バリトン・アリア集 モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」より〔シャンパンの歌/半分はこっちへ〕/ 「フィガロの結婚」〜もう訴訟に勝っただと/演奏会用アリア「彼に目を向けたまえ」K.584 チャイコフスキー:「エフゲニー・オネーギン」より〔あれがあのタチヤナ/あなたは手紙をくれた〕/ 「スペードの女王」〜あなたを愛している」 ワーグナー:「タンホイザー」より〔この貴きまどいを/夕星の歌〕 グノー:「ファウスト」〜この土地を去る前に / ロッシーニ:「セビリャの理髪師」〜私は町のなんでも屋 ヴェルディ:「ドン・カルロ」〜私だよ、カルロ / ブリテン:「ビリー・バッド」〜見ろ、船窓から月光が ペーテル・マッテイ(Br) ローレンス・レネス指揮ロイヤル・ストックホルムpo. | |||
録音:2008年11月、2009年3月、2010年10月、ストックホルム・コンサートホール。1965年生まれ、今日最高のバリトン歌手のひとりペーテル・マッテイ待望のアリア集。これまでなかったのが不思議で、要望の声が非常多かったと言われる。すべて得意な作品ばかりだが、もともとモーツァルトで注目されたマッティのフィガロの伯爵役がさすがに白眉。魅力を存分に堪能出来る。 | |||
ゲルギエフが登場、ドイツ・レクイエム映像版! ブラームス:ドイツ・レクイエム Op.45 ソールヴェイ・クリンゲルボルン(S) マリウシュ・クフィエチェン(Br) ワレリー・ゲルギエフ指揮ロッテルダムpo.、スウェーデン放送cho. | |||
収録:2008年5月25日、ロッテルダム、ドーレン・コンサート・ホール、ライヴ。初出音源。 ついにゲルギエフがBIS登場。それもDVDというこのレーベルの新機軸。彼が13年務めたロッテルダム・フィル首席指揮者として最後に行ったコンサートのライヴで、曲も彼としては珍しいブラームスの「ドイツ・レクイエム」。合唱が重要なこの作品のために、かのエーリク・エーリクソンが育てたスウェーデン放送cho.が招かれ、清純な響きを聴かせるのも魅力。ノルウェーのクリンゲルボルン、ポーランドのクフィエチェンも好演。合唱主体の宗教曲とはいえ、ゲルギエフならではの大きくて深い音楽を満喫出来る。 | |||
ラフマニノフ: 交響的舞曲 Op.45 /交響詩「死の島」Op.29 / 幻想曲「巌」Op.7 |
アンドルー・リットン指揮 ベルゲンpo. | ||
録音:2008年3月、2009年6月、グリーグ・ホール、ベルゲン。充実ぶり著しいリットン&ベルゲン・フィルによるラフマニノフ。「怒りの日」を引用した「死の島」と「交響的舞曲」を並べているところに意図が感じられる。初期の幻想曲「巌」はロシア流の意味ありげなポーズはなく、バレエ音楽のように軽やかで感覚的な美しさに満ちていて、曲の魅力を再発見出来る。「死の島」も同様で、陰鬱さよりは旋律の美しさを実感出来る。また、晩年の傑作「交響的舞曲」も颯爽としたスピード感が魅力で、この曲がアメリカで作曲されたことを実感させる。 | |||
グバイドゥーリナ: 今この時の中で(ヴァイオリン協奏曲)(2007)(*)/ 栄光のパーカッション(打楽器アンサンブルと管弦楽のための協奏曲)(2008)(#) ワジム・グルズマン(Vn) ジョナサン・ノット指揮ルツェルンso. グロリアス・パーカッション [アンデシュ・ログイン、アンデシュ・ヘーグ、竹原美歌、アイリク・ラウデ、ロビン・シュルコフスキー] | |||
録音:2011年3月16日-17日、ルツェルンKKL (*) / 2008年12月3日-4日、公開コンサート、ライヴ(#)。2011年80歳を迎え、ますます旺盛な創作力をみせるグバイドゥーリナ。ムターの委嘱で書かれ、2007年にルツェルン音楽祭で初演され話題となったヴァイオリン協奏曲「今この時の中で」が登場。ここではウクライナ出身のイスラエルの名手グルズマンが独奏を務め、ムターとは異なる解釈を示しているのが興味津々。もう1曲はスウェーデンの名人打楽器アンサンブルのために書かれた協奏曲で、彼らの名が曲名となっている。グバイドゥーリナの音楽の特徴であるリズムの力を堪能出来る。 | |||
アルマス・ヤルネフェルト(1869-1958): 交響幻想曲(1895)/組曲 変ホ長調(1897)/ セレナード(1893)/ ヴァイオリンと管弦楽のための子守歌(1904) |
ヤーッコ・クーシスト(Vn)指揮 ラハティso. | ||
シベリウスの義兄で美しい「子守歌」1曲のみで知られるアルマス・ヤルネフェルト(1869-1958)。他の作品にも関心がつのるが、待望のオーケストラ曲アルバムの登場。これが期待以上に魅力的なものばかり。パリ時代の「セレナード」は恩師マスネの影響の濃いチャーミングな作品。一方「交響幻想曲」はバイロイト詣直後の作で、まるでワーグナー。名ヴァイオリニスト、ヤーッコ・クーシストの指揮も光る。 | |||
モーツァルト: ヴァイオリン協奏曲 〔第3番 ト長調 K.216/第5番 イ長調 K.219〕/ 協奏交響曲 変ホ長調 K.364 |
リチャード・トニェッティ(Vn) クリストファー・ムーア(Va) オーストラリア室内管 | ||
オーストラリア室内o.のリーダーにしてヴァイオリニストのトニェッティによるモーツァルト・ヴァイオリン協奏曲全集の第1弾。「ビタミン・ドリンクをがぶ飲みするよう」と称されるトニェッティの爽快なソロをご堪能頂きたい。 | |||
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集 Vol.2(完結編) 〔第1番 変ロ長調 K.207/第2番 ニ長調 K.211/第4番 ニ長調 K.218〕/ アダージョ ホ短調 K.261/ロンド ハ長調 K.371 リチャード・トニェッティ(Vn)指揮オーストラリア室内o. | |||
録音:2010年2月、2009年2月、ACOスタジオ、シドニー。Vol.1:BIS-1754 に続く好評シリーズ完結篇。協奏曲以外にもアダージョとロンドが入っているのが嬉しい限り。さらにトニェッティはガット弦とピリオド楽器系管楽器を採用し、ピッチも幾分下げることでピリオド的解釈を志向している。はつらつとした解釈が魅力。 | |||
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 /愛の歌 Ops.52 & 65 〜9曲(作曲者編曲)/ ハンガリー舞曲集 より Nos.1, 3, 10 トーマス・ダウスゴー指揮スウェーデン室内o. | |||
録音:2011年3月、エレブルー・コンサートホール、スウェーデン。出すものすべてが衝撃的なダウスゴーとスウェーデン室内管が、ついにブラームスの交響曲に挑戦した。小編成のオーケストラでブラームスの交響曲を演奏することはさほど珍しくないが、さすがダウスゴー、単なる見通しや運動性の良さに終っていない。もちろん音色はすっきりとしてブラームス特有のにごりはないが、意外なほど重厚な第1楽章とフィナーレなど音楽作りは大きくて感動的。カップリングは声楽つきピアノ連弾曲として有名な「愛の歌」から9曲をブラームス自身がオーケストレーション(声楽なし)にした物。意外に録音がないので大歓迎。さらにオーケストラ曲として人気作である「ハンガリー舞曲」の中から、やはりブラームス自身のオーケストレーションによる3曲が収められているのも注目。王道ながらこだわりに満ちたアルバム。 | |||
グリーグ:歌曲集 Vol.7 王女様 EG133/クララの歌 EG124/復活祭の歌 EG146/ 学校での朝の祈り EG139/ ブロンドの少女 EG130 &138(2種)/ 山にとらわれし者 Op.32/逢引き(Op.67-4の初稿)/ ため息 EG134/5つの詩 Op.69/5つの詩 Op.70/ ラインヒルド EG181/歌う会衆 EG122/ 選挙の歌 EG149/悪魔へ EG154 |
モニカ・グロープ(Ms) ロジャー・ヴィニョールズ(P) | ||
グリーグ歌曲集シリーズも7枚目となった。フィンランドの実力派グロープは近年発見されたものを含め、当シリーズに172篇ものグリーグ歌曲を録音している。それゆえグリーグ歌曲の性格と美点を知り尽くしてして、当アルバムも美しさに引き込まれる。大半は初めて接する作品だが、グリーグならではの優しさと爽やかさに満ちている。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 Vol.1 〔第4番 ト長調 Op.58(*)/ 第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」(#)〕 |
エフゲニー・スドビン(P) オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
録音:2009年1月(*)、2010年6月(#)、ミネアポリスo.ホール。 ベートーヴェンの交響曲シリーズを完成させたヴァンスカとミネソタ管がピアノ協奏曲全集のプロジェクトを開始。ソリストはBISが現在最も力を入れているロシア出身の天才スドビン。ヨーロッパではすでに非常な人気を得ており、当録音はヴァンスカともども生気にあふれ新鮮の極み。いかなる巨匠にも勝るとも劣らず凄演で、単なる音階を弾いても感動させてしまうような魔術を秘めている。 2011年1月の初来日も見逃せない。 | |||
フルートと中国民族合奏団の競演 鐘耀光:旋回舞曲/フルート協奏曲 伝承曲/周成龍編:帝女花 馬水龍/陳シュアンホ編:竹笛協奏曲(ピッコロ版) 黄翊 /彭修之編:花好月円(ピッコロ版) ケ雨賢/瞿春泉編:望春風 |
シャロン・ベザリー(Fl) 鐘耀光指揮 台北中国楽団 劉宏祐(古筝) 蔡郁芬(揚筝) 葉淑禎(中阮) | ||
作曲者名等の漢字表記に少々怪しい点があるが、代理店記載ママ。 今や世界屈指のフルート奏者となったシャロン・ベザリーが驚きの企画に挑戦した。中国伝統の竹笛に基づく作品を現代フルートで演奏、さらにバックは中国民族楽器のオーケストラ。東洋の伝統と西洋の楽器の不思議なコラボがオシャレ。親しみやすい曲ばかりで、BGM としてもスグレモノ。 | |||
ウェーバー:序曲集 魔弾の射手/精霊の支配者/トゥーランドット/ アブ・ハッサン/オベロン/オイリアンテ/ ペーター・シュモル/プレチオーザ/ シルヴァーナ/祝典序曲 |
ジャン=ジャック・カントロフ指揮 タピオラ・シンフォニエッタ | ||
録音:2006年5月、2009年11月、タピオラ・ホール。ウェーバーの序曲集は芳醇なロマンの香りに満ち、演奏効果抜群なため、かつてはドイツ系指揮者の定番レパートリーだったが、なぜか近年新録にも恵まれず、急激に縁遠い音楽となりつつある。しかし、カントロフとタピオラ・シンフォニッタ待望の新録音が登場となる。オペラ的な美しいメロディ、異常なまでのボルテージの高い演奏を楽しめる。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.43 第151番「甘き慰め、わがイエスが来られる」BWV151/ 第57番「幸いなるかな、試練を耐え忍ぶ者は」BWV57/ 第110番「我らの口には笑いが満ち」BWV110 |
ハナ・ブラシコヴァー(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
円熟のBCJ、今回も魅力作満載。管弦楽組曲第4番の序曲が合唱に生まれ変わった第110番の壮麗さ、バッハ作品の中でもひときわ美しいアリアで光る第151番いずれも絶品。151番ではチェコの若手ソプラノ、ハナ・ブラシコヴァーがまるで天使のように澄明な声を聴かせてくれる。癒される。 | |||
C.P.E. バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.22〜 6つのソナタによる18の例題 (1753) ソナタ〔第1番 Wq63 No.1 (H70) /第2番 Wq63 No.2 (H71) / 第3番 Wq63 No.3 (H72) /第4番 Wq63 No.4 (H73) / 第5番 Wq63 No.5 (H74) /第6番 Wq63 No.6 (H75) 〕 |
ミクローシュ・シュパーニ (クラヴィコード) | ||
録音:2008年6月、ヘルシンキ・サルヴェラ・ホール(フィンランド)。まだC.P.E.バッハがフリードリヒ大王の宮廷に仕えていた時代の作で、著書「正しいクラヴィーア奏法についての試論」の付録として出版された。6曲のソナタながら、楽章分けすると18曲になり、個々にタイトルが付いている。これらをシュパーニの名演で聴くことができるのは嬉しい限りで、超貴重。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.23 片手のみのピアノ曲 Wq117 No.1 (H 241) /幻想曲 ニ短調 Wq117 No.12 (H 224) / ソナタ ト長調 Wq62 No.11 (H 63) /フーガ ニ短調 Wq119 No.2 (H 99) / 幻想曲 ト長調 Wq117 No.12 (H 223) /ソナタ ト長調 Wq62 No.14 (H 77) / 幻想曲 ニ長調 Wq117 No.14 (H 160) /ソルフェッジオ イ長調 Wq117 No.4 (H 222) / ソナタ ハ短調 Wq65 No.31 (H 121) /ソルフェッジオ 変ホ長調 Wq117 No.3 (H 221) / ソルフェッジオ ハ短調 Wq117 No.2 (H 220) /ソナタ イ長調 Wq65 No.32 (H 135) ミクローシュ・シュパーニ(クラヴィコード) | |||
録音:2008年6月、ヘイッキ・サルヴェラ・ホール(フィンランド)。当巻はC.P.E.バッハが弟子のレッスン用に書いたソルフェッジオと幻想曲がメイン。いずれも優美かつ個性的。珍品は片手(右手でも左手でもどちらでもよい)用の小品。このジャンルのものの最古のひとつ。シュパーニの演奏はますます自由闊達になり、C.P.E.バッハの魅力を存分に示してくれる。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.24〜ソナタ集 〔ニ長調 Wq62-3 (H22) /ニ短調 Wq62-4 (H38) /ホ長調 Wq62-5 (H39) /ロ短調 Wq65-13 (H32.5) 〕 ミクローシュ・シュパーニ(クラヴィコード) | |||
録音:2011年2月、キーゼル・ホール、シント・トロイデン(ベルギー)。シュパーニのC.P.E.バッハ・シリーズ24弾。今回は1740年代前半、C.P.E.が20代後半の3篇(代理店記載ママ)。これらはいずれも規模が大きく、刺激的で鮮やかな色彩に満ちた力作ばかり。シュパーニのクラヴィコードが光る。 | |||
18世紀イギリスのトリオ・ソナタ集 レーヴェンスクロフト:ソナタ ト長調 Op.1-8 ヘンデル:ソナタ ト短調 Op.2-5/同 ニ長調 Op.5-2 エイヴィソン:ソナタ ニ短調 Op.1-1 ボイス:ソナタ ニ長調 Op.1-5 トマス・アーン:ソナタ ト短調 Op.3-2 アベル:ソナタ ト短調 Op.3-1 アースキン:ソナタ第6番 ト長調 |
ロンドン・バロック | ||
ロンドン・バロックBIS 4枚目のアルバム。さわやかかつ上品、夏にピッタリの音楽神業的妙技をご堪能頂きたい。 | |||
メンデルスゾーン:協奏曲全集 ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64 (オリジナル1844年版)/同 ニ短調 ヴァイオリンとピアノのための協奏曲 ニ短調 ピアノ協奏曲第1番 ト短調 Op.25 同第2番 ニ短調 Op.40/同 イ短調 2台のピアノのための協奏曲 ホ長調/同 変イ長調 華麗なカプリッチョ Op.22/華麗なロンド Op.29 セレナードとアレグロ・ジョコーソ Op.43 |
イザベル・ファン・ クーレン(Vn) ロナルド・ブラウティハム、 ローランド・ペンティネン、 ルーヴェ・デルヴィンエル(P) レフ・マルキス指揮 アムステルダム・シンフォニエッタ | ||
メンデルスゾーンの全協奏曲を1枚に収めた驚異盤。美貌の名手クーレンによるヴァイオリン協奏曲 ホ短調は1844年オリジナル版による世界初録音で、通常発売当時話題となった。独奏者はほかにブラウティハムやペンティネンなどヴィルトゥオーゾをあつめ、爽やかな演奏を繰り広げる。 #SACD単体盤でハイブリッドではなく、通常CDプレーヤーでの再生は出来ません。ご注意下さい。 | |||
シュニトケ:交響曲全集 第0番(1956/7)[オーワイン・アーウェル・ヒューズ指揮ケープpo.]/ 第1番(1972)/第2番「聖フロリアン」(1979/80)/第3番(1981)(*)/ [レイフ・セーゲルスタム指揮、エリ・クラス指揮(*) ロイヤル・ストックホルムpo.]/ 第4番(1984)[オッコ・カム指揮ストックホルム・シンフォニエッタ]/ 第5番「コンチェルト・グロッソ第4番」(1988)[ネーメ・ヤルヴィ指揮イェーテボリso.]/ 第6番(1992)/第7番(1993)[尾高忠明指揮BBC ウェールズ・ナショナルo.]/ 第8番(1994)[リュー・ジア指揮ノールショーピングso.]/ 第9番(ラスカトフ補筆完成)(1997)[オーワイン・アーウェル・ヒューズ指揮ケープpo.] | |||
かつて知る人ぞ知る存在だったシュニトケを1990年代に世界的ブームにした大きなキッカケとなったBISの全曲録音シリーズが待望のセット発売。彼の交響曲は完成されたもので8作あるが、学生時代の習作(0番)と、スケッチで残されたものを現代作曲家ラスカトフが判読して補筆完成させた第9番まで全10篇をまとめて聴くことができる超スグレモノ。シュニトケの作品は大編成のものが多く、この先、これ以上の水準で全集が出るのも難しい時勢である。20世紀の歴史として持っていたいセット。 | |||
J.S.バッハ:オーボエ協奏曲集 オーボエ協奏曲〔ヘ長調/ニ短調〕/ オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調/ オーボエ、ヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調/ 復活祭オラトリオよりアダージョ |
アリーナ・イブラギモワ(Vn) アレクセイ・ オグリンチュク(Ob)指揮 スウェーデン室内o. | ||
かつてベートーヴェンの未完のオーボエ協奏曲を世界初録音して話題を呼んだオグリンチュク。ロイヤル・コンセルトヘボウ管の首席奏者も務める彼による大バッハのオーボエ協奏曲集。もちろんバッハの作品表にオーボエ協奏曲はないが、カンタータ等で絶美なソロを多用している所からも、好んでいたといわれている。当アルバムの ヘ長調作品はチェンバロ協奏曲第2番、オーボエ・ダモーレのものは同4番、ヴァイオリンとの二重協奏曲は2台のチェンバロのための協奏曲に基づ来るが、いずれも原曲がオーボエ協奏曲だったという説があり、それを復元。オグリンチュクの妖艶な美音もさることながら、イブラギモワとの共演も注目。 当初オケを『オーストラリア室内o.』としておりましたが代理店のミスで、上記が正しい記載となります。 | |||
メシアン:オルガン曲全集 キリストの昇天(1934)/天上の宴(1928)/ 永遠の教会の出現(1932)/二連画(1930)/ 主の降誕(1935)/栄光の御体(1939)/ 献堂式のための唱句(1960)/ 精霊降臨祭のミサ(1950)/オルガンの書(1951)/ 聖三位一体の神秘への瞑想(1969)/ 聖体秘跡の書(1984)/献堂式のための唱句(1960)/ モノディ(1963)(*)/前奏曲(1928)(*)/ 聖体秘跡の捧げもの(1935)(*) |
ハンス=オーラ・ エーリクソン(Org) | ||
2008年が生誕百年だったメシアン。あらゆるジャンルに及ぶ彼の創作のなかで、やはりオルガン作品は特別に力が入った逸品揃い。それをスウェーデンきっての名手ハンス=オーラ・エーリクソンが全曲演奏、何と7枚組3枚価格で御提供。『著作権のうるさい現代曲としてはあり得ない価格』と代理店。さらに既出録音ばかりではなく、(*)の3曲は新たに録音。鳥の鳴き声まで収録されている。 | |||
パヴァーヌ〜フランス・ヴィオラ編曲集 ラヴェル/ボリソフスキー編曲:亡き王女のためのパヴァーヌ / フォーレ/ハーワット編曲:夢のあとに フォーレ/リサノフ編曲:エレジーOp.24/ロマンスOp.69/パヴァーヌOp.50 ドビュッシー/ボリソフスキー編曲:月の光/亜麻色の髪の乙女 / ドゥビュニョン/作曲者編曲:呪文/リートOp.44b マクシム・リサノフ(Va) アシュリー・ウェイス(P) | |||
録音:2011年12月、ポットン・ホール、サクスンダム。1978年生まれのイケメン・ヴィオラ奏者リサノフ。今後のヴィオラ界を背負う期待の星の彼が、フランス系作品に挑戦。ラヴェルとドビュッシーはピアノの名作を、旧ソ連の名門ベートーヴェンSQのヴィオラ奏者だったボリソフスキーがヴィオラ用に編曲したもの、フォーレは英国のフランス音楽研究家ロイ・ハーワット編曲による「夢のあとに」と、リサノフ自身の編曲によるチェロ曲と合唱曲の編曲いずれも効果的。ヴィオラ独特の深く沈んだ音色がシックなフランス音楽にピッタリ。リサノフと親しいスイスの作曲家リシャール・ドゥビュニョン(1968年生まれ)の「呪文」はチェロ曲を、「リート」はコントラバス曲を作曲者自身がヴィオラ用に編曲。ラヴェルを思わす作風が魅力。秋に聴きたいアルバム。 | |||
ダニエル・シュナイダー(1961-): バス・トロンボーンと弦楽五重奏のための「島」/アラビア序曲「シュローク」/ トロンボーンと管弦楽のための組曲/ピアノのための「ダン変奏曲」/ ソプラノ・サクソフォン、バス・トロンボーンとピアノのための「世界一周」/ バス・トロンボーン協奏曲「零下」/ ソプラノ・サクソフォンとバス・トロンボーンのための「靴職人行進曲」〜/ バス・トロンボーンとピアノのための「島」 ヴィヴァルディ/シュナイダー編曲:「忠実な羊飼い」より J.S.バッハ/シュナイダー編曲:フゲッタ ハ短調 BWV961 シュテファン・シュルツ(B-Trb) ダニエル・シュナイダー(S-Sax) 沢野智子(P) ミヒャエル・ザンデルリング指揮 ミヒャエル・ヘルムラート指揮ベルリン放送so. | |||
録音:2009年10月、ゲルトナーシュトラッセ・スタジオ/2010年3月、RBBゼンダザール放送館、ベルリン。スイス生まれ、ニューヨーク在住の作曲家ダニエル・シュナイダー(1961-)。才気煥発な人で、ジャズからクラシックまで縦横無尽な活動を見せている。さらにアフリカやアラブのワールドミュージックからも影響を受け、非常にオシャレな作品を数多く発表している。自身がソプラノ・サックスとフルートの名手でもあり、ここでは自作自演も披露している。さらに魅力なのが、BPOの名手シュテファン・シュルツが共演していること。今後目の離せない逸材。 | |||
シューマン: ヴァイオリンとオーケストラのための作品全集 ヴァイオリン協奏曲 イ短調 (チェロ協奏曲 Op.129より/作曲者自編)/ 幻想曲 ハ長調 Op.131/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 |
ウルフ・ヴァリーン(Vn) フランク・ベーアマン指揮 ローベルト・シューマンpo. | ||
録音:2009年6月、ルカ教会、ドレスデン。ありそうであまりないシューマンのヴァイオリンとオーケストラのための作品全集。いずれもシューマン晩年の精神に変調をきたしてからの作品で、アブナい世界へ足を踏み入れてしまっているからだろう。ヨアヒムが初演して好評を博したという幻想曲の新録音も貴重。シュニトケや、狂焼死した奇行作曲家アルゲーンなど、どうもその筋の音楽が得意なようなスウェーデンの名手ヴァリーンのソロが冴える。 | |||
ヨゼフ・スク(スーク; 1874-1935): 交響曲第2番 ハ短調「アスラエル」Op.27 |
クラウス・ペーター・フロール指揮 マレーシアpo. | ||
チェコの作曲家スクはドヴォルザークの娘婿で、同名のヴァイオリニストの祖父。アスラエルは死の天使で、1904年、師にして義父のドヴォルザーク追悼のために作曲を開始したものの、愛妻までも急逝してしまい、絶望のなか完成させたといわれる。演奏時間1時間に及ぶ大曲で、R.シュトラウスばりの華麗な管弦楽法により、悲痛かつ美しい音楽が繰り広げられる。マレーシア・フィルのボルテージの高さに注目。 | |||
デュティユー: 遥かなる遠い国へ/ザッハーの名による3つの詩節 ルトスワフスキ:チェロ協奏曲/ザッハー変奏曲 |
クリスティアン・ポルテラ(Vc) ヤーク・ヴァン・ステーン指揮 ウィーン放送so. | ||
若手注目株のポルテラが、同時代の偉大な先人たちへのレスペクトでかためたアルバム。デュティユーとルトスワフスキの協奏曲はロストロポーヴィチのために作曲され、彼の決定的名演の残る作品。小品はスイス出身で20世紀音楽の大擁護者となったパウル・ザッハーの70歳の誕生日を祝って1976年に競作されたもの。20世紀音楽に鋭い感性を示すポルテラの腕が光る。 | |||
O.E.アントンセン〜フランスのトランペット協奏曲集 アンリ・トマジ(1901-1971):トランペット協奏曲(1944) アンドレ・ジョリヴェ(1905-1974):トランペット、 弦楽とピアノのコンチェルティーノ(1948) (*) ロベール・プラネル(1908-1994):トランペット協奏曲 アルフレッド・デザンクロ(1912-1971):祈祷、呪詛と踊り |
ウーレ・エドヴァルド・ アントンセン(Tp) ラン・シュイ指揮 サン・パウロso.(OSESP) オルガ・コピロヴァ(P;*) | ||
録音:2010年2月、サラ・サンパウロ、ブラジル。BISレーベルの数々の優秀録音で知られるトランペット奏者、ウーレ・エドヴァルド・アントンセンによる最新アルバムはフランス人作曲家によるトランペット協奏曲集。卓越した技術と抜群の表現力が持ち味のアントンセンだがBISレーベルならではの高音質録音によりトランペットとオーケストラの奏でる音楽がホール全体に響き渡り、非常に立体的なサウンドを作り上げている。アンリ・トマジはパリ音楽院で学び、パリ放送をはじめ1930-1935年までフランス領インドシナ放送の音楽監督を務めた。このトランペット協奏曲は1944年の作品でトマジらしいエネルギッシュなサウンド。アンドレ・ジョリヴェは非ヨーロッパ地域の神秘的題材を好みこのトランペット、弦楽とピアノのコンチェルティーノでもその作風が反映されている。次のロベール・プラネルは1945年からパリ市の音楽教育の総括監察官として活躍した作曲家で、パリ地方音楽院を創設した功績がある。このトランペット協奏曲はプラネルの代表的作品。最後のアルフレッド・デザンクロはサクソフォン四重奏曲が有名な作曲家だが、この「祈祷、呪詛と踊り」はタイトルの通り、祈るようなトランペットの旋律が印象的。 | |||
葛甘孺〔ゲ・ガンリュ〕(1954-): フルートと管弦楽のための「美女・孟姜女」(2008) (*) /組曲「悩める恋人たち」(2009) シャロン・ベザリー(Fl;*) エンリケ・ディエメッケ指揮カスティリャ・イ・レオンso. | |||
録音:2009年3月、ミゲル・デリベス文化センター。上海生まれ、アメリカのコロムビア大学で博士号を修得した葛甘孺。中国最初の前衛作曲家で、近年作品を聴く機会の多くなっている注目株。「美女・孟姜女」は秦の始皇帝時代の伝説上の賢女。イケメンの夫が万里の長城建設の人夫として徴用されたものの、人柱にされ殺されてしまう。悲嘆にくれた孟姜女が慟哭すると長城が崩壊。そこを訪れた始皇帝は、彼女を咎めるどころか一目惚れしてプロポーズする。彼女は夫の埋葬など要求をつきつけ、すべて達成されたところで始皇帝を批判する捨て台詞を残して姿を消す、というカッコ良さの極みのヒロイン。その話をゲ・ガンリュはフルートと管弦楽のための協奏曲に仕立て、4つの楽章で描写する。シャロン・ベザリーがフルートでヒロインを演じ、中国色豊かな世界を描いている。「悩める恋人たち」は、それに続く時代の項羽と虞美人の悲劇を題材としている。武勲の誉れ高かった項羽が追い詰められた際、夫の足手まといにならぬよう自害した虞美人を3つの楽章で描く。スペインのオーケストラ、カスティーリャ・イ・レオンso.が原色的に情熱を描いている。 | |||
セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-):歌劇「デーベルン」
アヌ・コムシ、アンニカ・ミッラリ(S) ラッセ・ペンッティネン(T) ソレン・リルクング(Br) ロバート・マクロード(B) サカリ・オラモ指揮西海岸コッコラ歌劇場、コッコラ歌劇祝祭o. | |||
ファーゲルルンドはフィンランドの作曲家。作風は現代音楽にありがちな厳しい音使いと一線を画した豊かで多層的な響きが特徴。彼初のオペラは1808-9年の「第2次ロシア・スウェーデン戦争」での歴史的英雄ゲオルク・カール・フォン・デーベン将軍を主役に、戦時中実際の起きた出来事を扱いつつ幻想と幻覚をないまぜにした興味深い作品となっている。これを5人の歌手と15人の器楽(ピアノ、弦楽五重奏、管楽七重奏、打楽器)で表現。サカリ・オラモの統率力が光る。歌詞はフィンランド語(一部スウェーデン語)による。 | |||
ハインツ・カール・グルーバー〔HK.グルーバー〕(1943-): トランペット、アコーディオン、バンジョーと弦楽のための「大道芸」(*)/ ネーベルシュタインの音楽(ヴァイオリン協奏曲第2番)(*)/ヴァイオリン協奏曲第1番(#) ホーカン・ハーデンベルガー(Tp) マッツ・ベルイストレム(バンジョー) クラウディア・ブデル(アコーディオン) カタリナ・アンドレアソン(Vn) HK.グルーバー指揮スウェーデン室内o. | |||
録音:2008年5月(#)、2009年5月-6月(*)、エレブロ・コンサートホール(スウェーデン)。現代オーストリアの作曲家HK.グルーバー(1943-)はスウェーデンの名トランペット奏者ハーデンベルガーと親しく、彼と生み出したトランペット協奏曲「エアリアル」は非常な成功をおさめた。ここでは2007年作の両者の新たなコラボ「大道芸」が収録されている。また自作のラブソングに基づくヴァイオリン協奏曲の叙情も魅力的。 | |||
ドビュッシー/ビーミッシュ編: チェロと管弦楽のための組曲 ラヴェル/トニェッティ編:2つのヘブライの歌 プロコフィエフ/ブローク編:チェロ小協奏曲 Op.132 ブロッホ/パーマー編:ユダヤの生活から |
スティーヴン・ イッサーリス(Vc) ガボール・タカーチ=ナジ指揮 タピオラ・シンフォニエッタ | ||
ドビュッシー19歳の作で、第4曲「間奏曲」を除いて失われたとされるチェロと管弦楽のための組曲がついに復活。といっても、楽譜が発見されたのではなく、イギリスの女性作曲家サリー・ビーミッシュが想像で創造した物。ビーミッシュは「間奏曲」を第1曲に置き、同時期の作品「ボヘミア舞曲」や「夢想」をチェロと管弦楽のために編み直している。また、プロコフィエフが未完のまま残し、カバレフスキーとロストロポーヴィチが補筆完成させた小協奏曲も、プロコフィエフ研究家ウラジーミル・ブロークによる版という珍品。さらにブロッホのユダヤ色濃厚な組曲を映画音楽の大家クリストファー・パーマーがオーケストレーションしたものなど、興味深いものばかり。イッサーリスならではの冴えたチェロが光る。 | |||
J.S.バッハ/サイモン・ローランド=ジョーンズ編曲: 無伴奏チェロ組曲集(ヴィオラ版) [第1番 ト長調 BWV1007/第4番 変ホ長調 BWV1010/第5番 ハ長調 BWV1011] マクシム・リサノフ(Va) | |||
ジャニーヌ・ヤンセンとの CD やアムラン、クレーメルらとの共演で注目のヴィオラ奏者マクシム・リサノフ、BIS デビュー盤。1978年ウクライナ出身、現在ロンドン在住で、2008年にはグラモフォン誌ヤング・アーチスト・オブ・ジ・イヤーに選ばれている。ニヒルなイケメンで、早くもファンが急増。バッハの無伴奏チェロ組曲のヴィオラ版に挑戦しているが、技巧、深み、音楽性いずれも驚異的。今後最注目のひとり。 | |||
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ全集 〔第1番 イ短調 Op.105 /第2番 ニ短調 Op.121 / 第3番 イ短調 WoO 2 〕 |
ウルフ・ヴァリーン(Vn) ローランド・ペンティネン(P) | ||
録音:2009年7月、旧ストックホルム音楽アカデミー。シューマン「ヴァイオリン協奏曲」のディスクが好評のヴァリーン、今度は3篇のヴァイオリン・ソナタに挑戦。1851年から53年、シューマンがすでに心を病んで以降の作品だけに、快活さは後退して独特のくどさに満ちているが、シューマン好きにはたまらない。「F.A.E.ソナタ」のために書いた2つの楽章に、さらに2つの楽章を追加した第3番も入っているのも嬉しく、曲の良さを実感出来る。ヴァリーンは協奏曲以上に屈折したシューマンの心の闇を巧みに表現、危うい美しさを醸している。 | |||
昨日のうた〜カール・ドルメッチ委嘱による作品集 ヨーク・ボウエン:リコーダーとピアノのためのソナチネOp.121 ラッブラ:リコーダーとチェンバロのためのソナチネOp.128/ 「いくばくかの後悔」に基づくパッサカリアOp.113 シリル・スコット:オバド ハーバート・マリル:リコーダーとチェンバロのためのソナタ ウォルター・リー:リコーダーとピアノのためのソナチネ バークリー:リコーダーとピアノのためのソナチネOp.13 ダン・ラウリン(リコーダー) アンナ・パラディソ(P/Cemb) | |||
北欧の虚無僧ことダン・ラウリンがたいへん興味深いジャンルに挑戦した。リコーダーといえば古楽か現代音楽が主だが、イギリスの名手カール・ドルメッチ(1911-97) が自身のウィグモア・ホールでのコンサート用に当時の大物作曲家たちへ新作を委嘱、その結果不思議なリコーダー曲がいろいろ生まれた。ヨーク・ボウエンやシリル・スコットらが芸風を変えることなく作ったリコーダー曲はラフマニノフ風の濃厚なロマンやドビュッシー風の印象主義、さらにプロコフィエフ風の運動性まで、あの素朴な楽器とは思えぬ変貌を遂げている。ラウリンも舌を巻く巧さで堪能させる。 | |||
シューベルト:交響曲全集 Vol.3 〔第3番 ニ長調 D.200 (*) / 第4番 ハ短調「悲劇的」D.417 (#) / 第5番 変ロ長調 D.485 (+) 〕 |
トーマス・ダウスゴー指揮 スウェーデン室内o. | ||
録音:2009年5月(+)、2010年1月(*)、2010年5月、2011年8月(#)、エレブルー・コンサートホール、スウェーデン。ダウスゴーとスウェーデン室内o. によるシューベルト交響曲シリーズ第3弾。今回は歌曲作曲家としてのシューベルトの面目をはっきりと示し全体的に明るさと朗らかさが漂う第3番、「悲劇的」の副題で知られる名曲第4番、ロココ的で小市民的な生活感情を象徴しているとも言われる第5番が収録されている。今回も現代的感覚満点の鮮烈オーケストレーションでシューベルトの交響曲における新たな魅力を引き出している。ダウスゴーは1997年にスウェーデン室内o. の音楽監督し就任して以来BISやSIMAXレーベルに積極的に録音している。中でもシューマン、ベートーヴェンの交響曲集は極めて大胆な解釈は絶賛されている。当シューベルトのシリーズも彼らの代表録音となる充実の演奏内容。 | |||
C.P.E.バッハ:チェンバロ協奏曲全集 Vol.18 〔ヘ長調 Wq43 No.1 (H471) /ニ長調 Wq43 No.2(H472) /変ホ長調 Wq43 No.3 (H473) /ハ短調 Wq43 No.4 (H474) 〕 ミクローシュ・シュパーニ(Cemb) マールタ・アーブラハーム指揮コンチェルト・アルモニコ・ブダペスト | |||
録音:2011年11月、フェニックス・スタジオ、ハンガリー。独奏曲とならび、C.P.E.バッハの全鍵盤協奏曲を録音中のシュパーニ、前作から3年を経て第18巻が登場。今回はハンガリーの美人ヴァイオリニスト、マールタ・アーブラハームを指揮者とする同国のピリオド楽器団体コンチェルト・アルモニコ・ブダペストとの共演。チェンバロ協奏曲ながら、オーケストラには管楽器も含むという当時としては大編成で、色彩的な世界を描いていて魅力的。ハンガリーの団体ゆえか、舞曲的なリズムの巧さも光る。 | |||
エフゲニー・スドビン〜ハイドン: ピアノ・ソナタ集 [第47番 ロ短調 Hob.XVI: 32/ 第60番 ハ長調 Hob.XVI: 50/ 第53番 ホ短調 Hob.XVI: 34]/ 幻想曲 ハ長調 Hob.XVII: 4/ アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII: 6 |
エフゲニー・スドビン(P) | ||
BISが現在もっとも力を入れ、これまでメトネルやラフマニノフなど、ピアニズムを追及した作品をリリースしてきた、エフゲニー・スドビンによる、意外な古典派ハイドン。これが実に端正で清潔の極みなのに驚かされる。またユーモアの感覚も抜群で、スドビンが単なる剛腕ピアニストではないことを示してくれる。 | |||
笛は夢見る〜南半球のフルート協奏曲 ホセ・セレブリエール:フルート協奏曲(2008) アディーナ・イザラ: キバラオオタイランチョウ(1987, 2007) カール・ヴァイン:笛は夢見る(2003) アルベルト・ヒナステラ:プーナの印象(1934) |
シャロン・ベザリー(Fl) リチャード・トニェッティ指揮 オーストラリア室内o. | ||
新しい領域を次々と開拓していくフルートの女神シャロン・ベザリー。次なる挑戦は南米とオーストラリアの作曲家によるフルートの協奏作品集。指揮者としても高名なウルグアイ出身のセレブリエールがベザリーのために作曲した協奏曲は、「タンゴ付」と題されたピアソラを思わすノリの良さ。ベネズエラの女性作曲家アディーナ・イザラの作品は、黄と茶色の美しい小鳥の学名。南米の夏の午後のアンニュイな雰囲気を醸し出している。1987年の作だが、今回シャロンのためにカデンツァを加筆した。現代オーストラリアの作曲家カール・ヴァイン作品もフルートの機能を最大限に追求した興味深い物。トニェッティとオーストラリア室内管も自国の作品として、いつも以上に熱い演奏を聴かせてくれる。 | |||
気韻〜サクソフォンと中華民族楽器オーケストラの饗宴 鐘耀光(1956-):サクソフォン協奏曲〔第1番/第2番〕/タシュクルガンの陽光 民謡/彭修文編曲:悲しみの川 田蕾蕾(1971-):サクソフォン協奏曲「オープン・シークレット」(*) クロード・ドゥラングル(Sax) 邵恩 指揮台北中華楽団 | |||
フランス・サクソフォン界を代表する名手ドゥラングルが、台湾の中華民族楽器オーケストラと共演。いずれも台湾の作曲家によるオリジナルで、若手女性作曲家、田の(*)はドゥラングルに献呈されている。時に民族楽器風、時に人の声風で自由自在の名人芸を繰り広げているドゥラングルに加え、約50名からなる台北中華楽団も絶妙な表現で、魔術のように聴く者の心をとらえてしまう。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.44 [第146番「われらは多くの苦難を経て」BWV146/ 第88番「見よ、私は多くの漁師を遣わし」BWV88/ 第43番「神は天へと昇る、歓喜の声とともに」BWV43] |
レイチェル・ニコルズ(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
146番は第1曲が有名な「チェンバロ協奏曲 ニ短調」の第1楽章、第2曲も同曲の第2楽章と同一の音楽なのが興味津々。さらに珍しく大オルガンが活用されて壮麗な作品となっている。当録音では鈴木優人演奏による神戸松蔭女子大学チャペルのマルク・ガルニエの銘器がすさまじい効果をあげる。43番での華麗なトランペットの妙技とともに、BISならではの録音の良さが光る。 | |||
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19/ ピアノ協奏曲 変ホ長調 WoO.4 (ブラウティハム再構成)/ ロンド 変ロ長調 WoO.6 |
ロナルド・ブラウティハム(P) アンドルー・パロット指揮 ノールショピングso. | ||
モダーンピアノを弾くブラウティハム&パロットのベートーヴェン協奏曲シリーズの第2弾。ベートーヴェン13歳の作である珍しい 変ホ長調協奏曲で、ブラウティハムはイマジネーションに満ちた演奏を繰り広げている。地味なオーケストレーションをブラウティハム自身が再構成しているのも注目。ピアノ協奏曲第2番と、そのフィナーレ用に作られたとされるロンドも快演。 | |||
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」/ 合唱幻想曲 ハ短調 Op.80 |
ロナルド・ブラウティハム(P) アンドルー・パロット指揮 ノールショーピングso. エーリク・エーリクソン室内cho. | ||
ブラウティハムのベートーヴェン・ピアノ協奏曲シリーズ締めくくりは「皇帝」。ブラウティハムは「リヒテルの輝きとポリーニの賢さ、ミケランジェリの覇気を併せ持つピアニスト」と称されていて、評価に偽りのない巨大華麗な「皇帝」となっている。カップリングは「合唱幻想曲」。エーリク・エーリクソンの合唱団が参加しているのも注目。 | |||
モーツァルト: ピアノ協奏曲〔第9番 変ホ長調 K.271「ジュノム」/ 第12番 イ長調 K.414〕/ ピアノと管弦楽のためのロンド イ長調 K.386 |
ロナルド・ ブラウティハム(Fp;*) マイケル・ アレクザンダー・ウィレンズ指揮 ケルン・アカデミー | ||
録音:2009年11月、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザール。使用楽器:1795年製アントン・ヴァルター・フォルテピアノのコピー(*)。 プロジェクト進行中のベートーヴェンの協奏曲シリーズではスタインウェイのモダーンピアノを用いているブラウティハムが、ピリオド楽器で挑んだモーツァルトの協奏曲。評価の高いソナタ集と同じく、楷書的ながら愉悦と滋味あふれる演奏を繰り広げている。ヴィレンズ指揮ケルン・アカデミーも好演。 | |||
17世紀イタリアのトリオ・ソナタ チーマ:3声のソナタ / トゥリーニ:第2旋法による3声のソナタ ブオナメンテ:「ラ・ロマネスカ」によるソナタ第8番 / カステッロ:3声のソナタ第10番 / メルラ:チャコナ ウッチェリーニ:「ラ・プロスペリーナ」によるソナタ第26番 / ファルコニェロ:フォリア カッザティ:チャコンナ / マリーニ:「逃れよ、悲しい心よ」によるソナタ / カヴァッリ:3声のカンツォン レグレンツィ:3声のソナタ / パンドルフィ:マルケッタ第2番 / ボノンチーニ:ソナタ第5番 ヴィターリ:チャコンナ / ペストロッツァ:ソナタ第12番 / コレッリ:ソナタOp.1 No.12 ロンドン・バロック | |||
録音:2010年9月、聖マーティン教会、イギリス。これまでフランス、ドイツ、イギリス17世紀と続いたロンドン・バロックのトリオ・ソナタシリーズ、ついにその発祥の地イタリアへ辿り着いた。「トリオ・ソナタ」という名称は後に使われたもので、17世紀イタリアでは「2声のソナタ」もしくは「3声のソナタ」が一般的だった。ロンドン・バロックは、この形態最初期のチーマの「3声のソナタ」(1610)からコレッリの名作「ソナタOp.1の12」まで、発生から発展の好例16篇を厳選。学術的にも価値があるが、いずれもイタリアならではの美しいメロディに満ち、リッチな気分にひたれるものばかり。 | |||
ハイドン: エステルハージ公とナポリ王のための音楽集 6つのスケルツァンド Hob/II :33-38/ 7つのバリトン八重奏曲 Hob/X :1-6/ バリトン五重奏曲 Hob/X :10/ 2本のリラのための協奏曲(全5曲)Hob/VII H; 1-5/ 8つの夜曲 Hob/II :25-32 |
マンフレート・フス指揮 ハイドン・シンフォニエッタ・ ウィーン | ||
以前、KOCH SCHWANN から出ていた音源(品番:3-1250-2、3-1492-2[以上バリトン八重奏曲集]など)のレーベル移行再発売。 ハイドンが仕えていたエステルハージ家とナポリ王のために作った管弦楽曲をCD6枚にまとめたアルバム。主人の嗜んでいたリラとかバリトンといった、今日一般的に用いられなくなった楽器を主役にしたものが多いのも興味津々。いずれも明るく快活、極上の娯楽作品となっている。BISから非常にお買い得な価格での再登場登(代理店記載ママ)となった。 | |||
シャロン・ベザリー・プレイズ ニコラ・バクリ:フルート協奏曲(1999)[ジャン=ジャック・カントロフ指揮タピオラ・シンフォニエッタ] バーンスタイン:ハリル(1880/1)[ジョン・ネシリング指揮サンパウロso.] ブレット・ディーン:シドリの舞(2007)[ブレット・ディーン指揮スウェーデン室内o.] クリストファー・ラウス:フルート協奏曲(1993)[アラン・ギルバート指揮ロイヤル・ストックホルムpo.] 以上、シャロン・ベザリー(Fl) | |||
BISの既出音源からフルートの女王シャロン・ベザリーによる協奏作品を厳選したコンピレーション。 | |||
ヤニック・ネゼ=セガン登場〜ベルリオーズ: 幻想交響曲/劇的情景「クレオパトラ」 |
アンナ・カテリーナ・ アントナッチ(S) ヤニック・ネゼ=セガン指揮 ロッテルダムpo. | ||
録音:2010年3月、オランダ放送音楽センター、スタジオMCO5。注目の1975年生まれのカナダ人指揮者ヤニック・ネゼ=セガンがBISに登場。フィラデルフィア管の次期音楽監督にも決まっている彼が、ゲルギエフより引き継いだ手兵ロッテルダム・フィルと興味深いシリーズをBISで展開していくという予定で乞うご期待。 第1弾はベルリオーズ。名曲中の名曲「幻想交響曲」と、ローマ賞課題曲として作った珍しい「クレオパトラ」。どちらも主人公の自殺前の想いがテーマで、ベルリオーズならではの複雑で異常な心理的美学が反映されている。ネゼ=セガンの演奏は鮮烈その物。驚くほど若々しいエネルギーに満ち、「幻想交響曲」をまるで初めて聴く音楽かのように再現する。目の離せないシリーズの開始。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.45 [第39番「割いて与えよ、飢えた者にあなたのパンを」BWV39/ 第129番「主に誉れあれ」BWV129/第187番「すべての者はあなたを待ち望む」BWV187]/ ヴァイオリンと管弦楽のためのシンフォニア ニ長調 BWV1045 野々下由香里(S) ロビン・ブレイズ(CT) ペーター・コーイ(B) 若松夏美(Vn) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
1726年頃のカンタータ3篇を収録。この頃バッハは新しいカンタータを量産するのをやめ、既存の作を再利用している。第39番は彼のはとこの作曲家ヨハン・ルートヴィヒ・バッハの作品も流用されている。さらに興味深いのは、未知のカンタータの序曲ではないかとされるシンフォニアが収められている。ヴォルトゥオーゾ的なヴァイオリン独奏を含むのが特徴。若松夏美の名人芸が光る。 | |||
ライヒャ〔レイハ〕: 木管五重奏曲 変ホ長調 Op.88 No.2/イングリッシュホルンと木管四重奏のための3つの小品 マルティヌー:ピアノと木管のための六重奏曲 ヤナーチェク:ピッコロとピアノのための「青い鳥の行進」/青春 BPO木管五重奏団 マリオン・ラインハルト(Fg) マンフレート・プライス(B-Cl) ヘンドリク・ハイルマン(P) | |||
録音:2005年10月、2009年10月、BPO 室内楽ザール。BPO木管五重奏団久々の新録音は、チェコの作曲家の管楽アンサンブル作品をまとめた魅力的なアルバム。ライヒャ(レイハ)の木管五重奏曲中でも、特に親しまれている Op.88 No.2をBPO木管の妙技で聴けるのは最高の贅沢。管楽器学習者からプロまで必携のアルバム。ヤナーチェクの珍品ピッコロ曲も聴き物。木管六重奏のための「青春」とならんで、若き日の思い出の回想的作品。いずれもあまりの巧さに絶句。指回りだけでなく、超絶的なアンサンブル能力を示している。 | |||
リスト:聖ドロテアS.187 /小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ/ 6つのコンソレーション/不運! S.208 /水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ メシアン:鳥の小スケッチ(全6曲)/カンテヨジャージャー(1949) フレドリク・ウレーン(P) | |||
録音:2009年4月、6月、旧ストックホルム音楽アカデミー。世界のピアニスト中屈指のテクニックを誇るフレドリク・ウレーン。本業は神経科学の権威ながら、演奏不可能な作品をいとも涼しげにこなす怪物。これまで同僚たちが避けて通ってきたレパートリーを開拓してきたウレーンが、リストの名作とメシアンに挑戦。この両者はカトリック信仰で結びついていて、ウレーンはそれらを並列することで近似性を証明しようとしている。ことに鳥の描写の共通性と違いは、目から鱗の落ちる思いがする。鮮やかなテクニックももちろん、さすがウレーン、真の奇才。 | |||
シル・ヴ・プレ〜ヴィルトゥオーゾ・アコーディオン ダカン:カッコウ / ラモー:リゴードンI&II / スカルラッティ:ソナタ ハ短調 K.11 ヘンデル:調子の良い鍛冶屋 / ジャコビ:セレナード / シューベルト:楽興の時 D.780 Nos.3, 5 ブラームス:一輪のバラ咲きて / イベール:年老いた乞食/白い小さなロバ ストラヴィンスキー:タンゴ / フィリップ・グラス:モダーン・ラヴ・ワルツ アスティア&ロケ:カーティング嬢 / アスティア&ロッシ:ノヴェルティ・ポルカ ルグラン:シェルブールの雨傘 / ピアソラ: S.V.P(シル・ヴ・プレ)/バチンの少年/白い自転車 ゼズ・コンフリー:ディジー・フィンガース / ジョン・ゾーン:ロード・ランナー オギンスキ:ポロネーズ「祖国との別れ」 / ショスタコーヴィチ:別れのワルツ 御喜美江(アコーディオン) | |||
録音:2009年10月、レンナ教会(スウェーデン)。 日本語解説付。アコーディオンの女王・御喜美江。その辞書に「不可能」の文字のない彼女は、これまで数多くの現代作品やバッハなど、シリアスな作品演奏で高い評価を受けてきたが、コンサートの合間に奏でるポップな小品にこそ、彼女の優しさや陽気な魅力を感じさせるものだった。ファンの要望にお応えして、それらをまとめたアルバムを新録音。バロック期のポジティフ・オルガンのようなダカンやラモー、フランスのミュゼットのようなオシャレなルグランとアスティア、バンドネオンのようなピアソラなど変幻自在。ノリの良さとカッコ良さはまったくクラシック的でなく、御喜美江の懐の深さに驚嘆させられる。アンジェイ・ワイダの「灰とダイヤモンド」のテーマでもあるオギンスキのポロネーズも絶品。 | |||
スメタナ:わが祖国(全曲) |
クラウス・ペーター・フロール指揮 マレーシアpo. | ||
録音:2009年8月、デワン・フィルハーモニック・ペトロナス、クアラルンプール。同年9月に来日し、「モルダウ」も演奏したこのコンビが、その前月に録音していたもの。2008年以来マレーシア・フィルの音楽監督を務める旧東独出身のフロールは、クーベリックとザンデルリングの薫陶を受けており、バンベルク響やベルリン響などを振った録音が、1980年代後半から1990年代中ごろまでに、EURODISC (BMG) や BERILIN CLASSICS へ多く残された。 なお代理店は『かつてコシュラーに鍛えられたオーケストラだけにツボをおさえた自然な演奏がさすが。』と書いているが、これは2ちゃんねる掲示板の「マレーシアフィルって、どう??」に書込まれた「最初はコシュラーが振ってたみたいだね。>チェコ・ナショナル」(チェコ・ナショナル・フィルの掲示板と勘違いしての書込みで、すぐ後に書込みした人自身が訂正している)を早合点したものと思われる。このオーケストラは1997年(資料によっては1998年とも)設立であり、1995年に亡くなったコシュラーが関っているはずもなく、お粗末な話である。 | |||
ハイドン:初期ディヴェルティメント全集 (Vol.2) ディヴェルティメント〔ト長調 Hob.II: 2 (+) /ト長調 Hob.II: 9 (#) /ヘ長調 Hob.II: 20 (*) / ト長調 Hob.II: G1 /ト長調 Hob.II: 3 〕/ フェルトパルティータ〔ハ長調 Hob.II: 7 /ヘ長調 Hob.II: 15 /ハ長調 Hob.II: 14 (**) / ヘ長調 Hob.II: 23 /変ロ長調 Hob.II: 46(偽作)〕/ プリンス・オヴ・ウェールズのための行進曲Hob.VIII: 3 / 王立音楽家協会のための行進曲 Hob.VIII: 3bis / フェルトパルティータ〔ヘ長調 Hob.II: 16 (**) /ニ長調 Hob.II: 8 (**) 〕/ 変奏曲〔変ホ長調 Hob.II: 24 (+) /ハ長調 Hob.II: 17 (+) /変ホ長調 Hob.XIV: 1 (**) 〕/ 夕べの音楽〔変ホ長調 Hob.II: 21 (*) /ニ長調Hob.II: 22 (*) 〕/ カッサシオン〔ニ長調 Hob.II: D22 (#) /ト長調Hob.II: 1 (#) 〕/ 誕生日〔ハ長調 Hob.II: 11/変ホ長調 Hob.IV: 5〕/ ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 Hob.VII A: 1 サイモン・スタンデイジ(Vn) マンフレート・フス指揮ハイドン・シンフォニエッタ・ウィーン | |||
録音:1993年(*/#)、1994年(#/+)、1996年(**)、カジノ・ツェゲルニッツ、ウィーン(*/#/+/**)/2005年5月、フィナンツァムテス・フェストザール(オーストリア)/2008年8月、エステルハージィ・シュロスカペレ(オーストリア)。無印の曲はおそらく初出。前出:KOCH SCHWANN , 3-1274-2 [Vol.1] (*), 3-1286-2 [Vol.2] (#), 3-1481-2 [Vol.3] (+) , 3-6483-2 [Vol.5] (**)。なお、これらディヴェルティメントは、KOCH 時代は全5枚分売で発売されていたものだが Vol.4 (3-1482-2) のみ、BISから先に再発売された「エステルハージ公とナポリ王のための音楽集」(BIS-1796/8)に含まれているので、当セットは実質全集のVol.2といったほうがよいかもしれない(以上、3-6483-2を除き当店未案内/分売は全点廃盤)。現在は中古盤でも高値で取引きされるハイドン・シンフォニエッタ・ウィーンのディヴェルティメント集が BISからお買い得価格で再リリースとなる。もちろんBISが腕によりをかけてリマスタリング。さらに数曲(代理店記載ママ。上記が正しければ、半数近く)の新録音も加わり、全5枚組。サイモン・スタンデイジがソロをつとめているのも豪華。初期の作で溌剌とした若さはじけるような曲が多く、またハイドンならではの優しさにもあふれた健康的な音楽ばかり。極上の癒し音楽でもある。超オススメ。 | |||
鈴木雅明〜ブクステフーデ:オルガン曲集 トッカータ ヘ長調 BuxWV156/前奏曲 イ短調 BuxWV153/チャコーナ ホ短調BuxWV160/ テ・デウム BuxWV218/われ神より離れず BuxWV220/われ神より離れず BuxWV221/ 前奏曲 ト短調BuxWV148/トッカータ ニ短調 BuxWV155/ 主、汝まことの神よ、われらから取り去り給え BuxWV207/ 主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ BuxWV196/第1旋法のマニフィカト BuxWV203 鈴木雅明(Org) | |||
使用楽器:聖ニコライ教会のクラップマイヤー・オルガン、北ドイツ、アルテンブルッフ/聖ヤコビ教会のシュニットガー・オルガン、ハンブルク。 かの大バッハも夢中になったというブクステフーデのオルガン曲を鈴木雅明が最新録音。驚異的名器を駆使して凄まじい効果を発揮させているのも注目だが、鈴木雅明ならではの敬虔な祈りの感情も感動的。バッハのオルガン音楽を知る上でも必聴の一枚。 | |||
ラフマニノフ:コレッリの主題による変奏曲 Op.42 J.S.バッハ/ブゾーニ編曲:シャコンヌ ラヴェル:優雅で感傷的なワルツ ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの三章 |
フレディ・ケンプ(P) | ||
録音:2010年7月、旧ストックホルム音楽アカデミー。スポーツ的な指回りと力強い演奏が魅力のF.ケンプならではの真骨頂アルバム。いずれも最高度に難しいものばかりだが、ケンプの演奏だと何の不安もなく音楽を楽しめる。バッハの「シャコンヌ」ではケンプの成長を伺える深みを感じる。 | |||
ハイドン:エステルハージ宮のアリア集 運命に見放された哀れな女〜チマローザの歌劇「2人のニセ伯爵」/ 泣かずにはいられずに/あなたはご存知で〜アルフォッシの歌劇「偽装結婚」のための/ ひとり物思いに沈み/よく言われるように〜サリエリの歌劇「ジェラシー学校」のための/ 結婚しようと思ったら〜ガスマンの歌劇「職人の恋」のための/ お前が私を蔑むなら〜サルティの歌劇「ニセ相続人」のための/ わが美しき人よ、帰ってきておくれ/美しい瞳が〜歌劇「月世界」のための/ ああ、君にはわからない〜トラエッタの「タウロイのイフゲネイア」のための/ パスティッチョ・オペラ「キルケー」の3篇 ミア・パーション(S) ベルナール・リヒター(T) キルスティン・チャベス(Ms) イヴァン・パレイ(Br) マンフレード・ヘム(B) クリストフ・ゲンツ(T) マンフレート・フス指揮ハイドン・シンフォニエッタ・ウィーン | |||
ハイドンは主としてエステルハージ公の劇場のために20以上のオペラを作曲したが、 『ほとんど閉却されています』(代理店記載ママ; 「忘却」とでもしたかったのか?)。当ディスクには彼が他人のオペラ用に書いたいわゆる「挿入アリア」の現存6篇と、複数の作曲家の音楽によるパスティッチョ・オペラ「キルケー」が収められている。なかでも「運命に見放された哀れな女」はハイドン最高のアリアの1つ。また「ああ、君にはわからない」はヒッチコック流の背筋の凍る恐怖に満ちている。対照的に「キルケー」はモーツァルトかロッシーニばりの機智に富み、エネルギッシュで劇的、ハイドンの多才ぶりに驚嘆させられる。 | |||
ハイドン:祝祭劇「アチデ」Hob.XX VIII :1
ベルナルト・リヒター(T;アチデ) ラファエラ・ミラネージ(S;ガラテア) ジェンファー・オローリン(S;ガウチェ) アドリネ・シモニヤン(Ms;テティデ) イヴァン・パレイ(Br;ポリフェーモ/ネットゥーノ) マンフレート・フス指揮ハイドン・シンフォニエッタ・ウィーン | |||
ハイドンは交響曲や弦楽四重奏など、もっぱら器楽曲に人気があるが、オペラを21も作曲している。1763年にエステルハージ候の結婚式で初演された最初期の「アチデ」は、断片しか現存しない幻の作品だが、オウィディウスの「変身物語」中のアーキスとガラテイアの話に基づき、ハイドンならではの明るく溌剌とした音楽が魅力。ハイドンに心血を注ぐ指揮者マンフレート・フスが研究の末に再構築し、64分の作品に蘇らせた。ハイドン・イヤーの幕開けにふさわしい重要作の登場。 | |||
ハイドン:人形歌劇「フィレモンとバウチス」(1773)
クリストフ・ゲンツ(T;フィレモン) マレン・エンゲルハルト(Ms;バウチス) ヤン・ペトリカ(T;アレト) アレクサンドラ・ラインプレヒト(S;ナルチッサ) マンフレート・フス指揮ハンドン・シンフォニエッタ・ウィーン、 ヴォーカルフォラム・グラーツ | |||
18世紀のウィーンでは人形劇が大流行した。ハイドンが使えていたエステルハージー侯の屋敷には特製の人形劇場があった。ハイドンが作ったとされる6作品のうち唯一現存する「フィレモンとバウチス」はマリア・テレジア女王(マリー・アントワネットの母堂)へのレスペクトとして作曲された。筋は、地球を訪問したジュピターとメルキュールが地球人の恐ろしさと邪悪さにショックを受けるものの、フィレモンとバウチスの美徳とホスピタリティが神の罰から人類を救うという道徳的なもの。音楽はハイドンらしく明るく溌剌としていて魅力的。 | |||
Both Sides, Now ピアソラ:忘却 / ジョニ・ミッチェル:ボース・サイド・ナウ リチャード・ロジャース:マイ・ファニー・ヴァレンタイン / サン=プルー:アンダンテ ヤン・ルンドグレン:かもめ / クルト・ワイル:スピーク・ロウ ミシェル・ルグラン:「5時から7時までのクレオ」〜サン・トワ トーマス・ニューマン:エンジェルス・イン・アメリカ / モリコーネ:「ミッション」〜ガブリエルのオーボエ ニーノ・ロータ:「ゴッドファーザー」〜ワルツと愛のテーマ / ロルフ・ヴァリーン:エレジー ホーカン・ハーデンベルガー(Tp) ケネス・シリトー指揮ASMIF ローランド・ペンティネン(P) | |||
録音:2011年6月、聖ジョン教会(ロンドン)。スウェーデンの名トランペット奏者、ハーデンベルガーが意外なレパートリーに挑戦。ポップスと映画音楽からの名旋律を朗々と吹きまくっている。それもさすがハーデンベルガー、巧さはまさに神業で、並みのトランペッターとは格が違う。誰もが知る「ゴッドファーザー愛のテーマ」の哀切極まりない甘美さが失神するほどの美しさなうえ、ルグランやロジャースの歌い回しも、どの歌手にもひけを取らない。プレゼントにもぴったりなオシャレ・アルバム。 | |||
ハイドン:交響曲集 [第50番 ハ長調「神々の怒り」/ 第12番 ホ長調「アチデ」/ 第60番 ハ長調「うっかり者」] |
マンフレート・フス指揮 ハイドン・シンフォニエッタ・ ウィーン | ||
ハイドンは雇い主エステルハージ公のためにオペラを量産し、その演奏が日課となっていた。それらの多くは現存しないが、後に素材を交響曲に利用している。それがこの3篇。優秀なハイドン学者でもある指揮者マンフレート・フスは原作を考慮しながら聴かせ所満載の演奏でこれらを再現している。 | |||
ヴァンスカ〜 ベートーヴェン交響曲シリーズ完結編 ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調 Op.36/ 交響曲第7番 イ長調Op.92 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
ヴァンスカとミネソタ管によるベートーヴェンの交響曲シリーズ最後の2曲が登場し、ついに完成となった。今回は陽性な2番と7番だが、一聴して感心させられるのはリズムの良さで、ヴァンスカならではのボルテージの高い推進とあいまって、驚くほど生気にあふれたベートーヴェンとなっている。 | |||
モーツァルト:ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563(*) シューベルト:弦楽三重奏曲第1番 変ロ長調 D.471(#) トリオ・ツィンマーマン[フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn) アントワーヌ・タムスティ(Va) クリスティアン・ポルテラ(Vc)] | |||
録音:2009年7月(*)/2010年7月(#)、旧ストックホルム音楽アカデミー。 弦楽三重奏ながら演奏時間50分、各奏者に協奏曲ばりの演奏技術を要求するモーツァルトのディヴェルティメントK.563。ならばこそ、フランク・ペーター・ツィンマーマン、アントワーヌ・タムスティ、クリスティアン・ポルテラで結成したトリオに役者の不足はない。実際、久々の充実演奏で、モーツァルト晩年の心のひだを絶妙に表現している。驚異の弦楽トリオの出現。 | |||
ハイドン:序曲全集 アチデ/薬剤師/漁師の娘たち/裏切られた誠実/ 神々の忠告/フィレモンとバウキス/トビアの帰還/ 突然の出会い/大火事/月の世界/真の貞節/無人島/ 報われた誠/騎士オルランド/アルミーダ/ 十字架上のキリスト最後の7つの言葉/ オルフェオとエウリディーチェ/天地創造/ 四季〜「秋」の序曲(オリジナル版)/ 四季〜「冬」への序曲(オリジナル版) |
マンフレート・フス指揮 ハイドン・シンフォニエッタ・ ウィーン | ||
録音:1990年代中頃。以前、KOCH SCHWANN から出ていた音源(品番:3-1723-2、3-1484-2のレーベル移行&セット化再発売。 彼は多くの歌劇を残したが、今日親しまれているものはほとんどない。ここではそれらの序曲を集めた好企画。ハイドンならではの快活で明るい音楽に魅せられる。またこの多くが、後に交響曲へ転用されているのを実感するのも興味深い楽しさ。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤独奏曲全集 Vol.25 〜ソナタ集 〔ニ長調 Wq65 No.14 (H42) /ト長調 Wq65 No.12 (H23) /ヘ短調 Wq62 No.6 (H40) / ヘ長調 Wq65 No.21 (H52) /ハ長調 Wq62 No.7 (H41) 〕 ミクローシュ・シュパーニ(クラヴィコード) | |||
録音:2011年2月、シント=トロイデン・カイザーホール、ベルギー。シリーズ第25巻は、前巻に引き続き1744年に作曲されたソナタ3篇と、1740年の H23 、そして1747年に作られた H52。1740年と1947年の2作は軽快で優雅な様式に感じられ、シリアスで重厚ソナタが多いなか、意外な作風が清涼剤のような爽やかさをもたらしてくれる。 | |||
プロコフィエフ: ピアノ協奏曲 [第2番 ト短調Op.16/第3番 ハ長調Op.26]/ ピアノ・ソナタ第2番 ニ短調Op.14 |
フレディ・ケンプ(P) アンドルー・リットン指揮 ベルゲンpo. | ||
意外にもケンプ初の協奏曲録音。難曲として知られるプロコフィエフだが、フレディならではの強靭な指さばきと速いテンポで、爽快極まりない演奏を聴かせてくれる。バックを務めるのは「ロメオとジュリエット」で絶妙なプロコフィエフを聴かせたリットン。両者が火花散る共演を繰り広げている。 | |||
The Eight Sounds サリー・ビーミッシュ: サクソフォン四重奏と弦楽のための室内協奏曲 スティーヴン・スタッキー:音楽 / 陳怡:八音 |
ラシェル・ サクソフォン四重奏団 ロビン・エンゲレン指揮 シュトゥットガルト室内o. | ||
録音:2008年11月、リーダークランツ・ホール、シュトゥットガルト。現代の三作曲家が違った方法で、サクソフォン四重奏と弦楽オーケストラにアプローチ。イギリスのビーミッシュはバッハのブランデンブルク協奏曲に規範とし、4本のサクソフォンが弦と協奏、バロック風ながらスコットランドの伝統音楽の要素も採り入れている。アメリカのスタッキー作品はビーバップ・スタイルを思わすノリの良い音楽。陳怡作品のタイトルは、8つの素材(金属、石、絹、竹、瓢箪、土、革、木)からなる伝統楽器を意味し、作曲者がかつて中国の村で聴いた民俗音楽の印象を再現しようとした。すべてラシェル・サクソフォン四重奏団のために書かれ、さすが効果満点。 | |||
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35 ドヴァリョーナス(1897-1957): ヴァイオリン協奏曲 ロ短調(1948)/ 悲歌的小品/湖のほとりで |
ヴァディム・グルズマン(Vn) ネーメ・ヤルヴィ指揮 ハーグ・レジデンティo. | ||
イスラエルの実力派ヴァディム・グルズマンが、第2次世界大戦後の作ながら甘美な旋律と鮮烈な抒情に満ちたヴァイオリン協奏曲2篇に挑戦。ハイフェッツのために書かれたコルンゴルト作品は、ハリウッド映画音楽調の華麗なオーケストレーションと豊富なメロディで最近多くの名手がとりあげる人気作。ソ連邦リトアニア共和国国歌の作曲者で、戦後のリトアニア音楽界を牽引したバリス・ドヴァリョーナスの作品はリトアニア民謡調のメロディに満ち、熱っぽく感動へ盛り上げる典型的な社会主義リアリズム音楽で、スターリン賞受賞。不思議な感動を呼び起こす音楽で、涙なしには聴けない。父ヤルヴィの信頼感満点の伴奏も特筆。 | |||
マルティン・フレストと仲間たち〜アンコール集 スクリャービン:前奏曲 ロ短調 Op.16-1 / J.S.バッハ/グノー:アヴェ・マリア バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ト短調BWV.1001〜プレスト ブラームス:調べのように私を通り抜ける Op.105-1 / 伝承曲:楽しくいこう リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行 / クライスラー:愛の喜び メサジェ:コンクール小品 / ラフマニノフ:ヴォカリーズ ショパン:ノクターンOp.9-2 / シューマン:あなたの顔は Op.127-2 モンティ:チャルダーシュ / ヒルボリ:ピーコックモーメント マルティン・フレスト:マルコム・アーノルドの主題による即興 チャップリン:スマイル / ヨラン・フレスト:カリンとマルティンのための婚礼ワルツ ヘンリーソン:オフピステ / エーベ:ネイチャー・ボーイ マルティン・フレスト(Cl) ローランド・ペンティネン(P) マレーナ・エルンマン(Ms) トーレイヴ・テデーン(Vc) クリスティアン・スヴァルフヴァル、アサ・テデーン(Vn) ヨラン・フレスト(Va) スヴァンテ・ヘンリーソン(Cb) ヘルマン・ステファンソン、ソルヴェ・キングステット(Cl)他 | |||
スウェーデンの名クラリネット奏者マルティン・フレストはシリアスな名作の演奏はもとより、本国では歌って踊るステージや多彩なアンコールで非常な人気がある。当アルバムではその一端を披露してくれるもので、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」やクライスラーの「愛の喜び」のような定番から、クレズマー音楽の「楽しくいこう」やナット・キング・コールの十八番だった「ネイチャー・ボーイ」までを、ピアノのペンティネンやメゾソプラノのエルンマン、チェロのテデーンといった豪華共演者と楽しんる。テクニックと音色の冴えもさることながら、そのエンターテナーぶり、日本でも人気になりそう。 | |||
ベルリン・リサイタル〜シュテファン・シュルツ ブラームス:4つの厳粛な歌 Op.121 シュレック:ソナタ「ガブリエリの声」 レベデフ:バス・トロンボーン協奏曲第1番 ダニエル・シュナイダー: バス・トロンボーン協奏曲「零下」 ヤン・サンドストレム:ロッタに捧ぐ歌 |
シュテファン・ シュルツ(バスTb) 沢野智子(P) アレクサンダル・イヴィチ(Vn) マリア・シュナイダー(マリンバ) ユリアン・ ズルツベルガー(Perc) | ||
録音:ライヴ。2002年以来BPOのバス・トロンボーン奏者を務めるシュルツ。現在世界最高のバストロ奏者と称される彼初のソロ・アルバム。2008年にBPO室内音楽ホールで行われたコンサートのライヴで、興奮と熱気が伝わって来る。ロマンティックな旋律を歌うレベデフとシュレックからブラームスの歌曲までシュルツの歌ごころ満点。ジャズ風なシュナイダーの協奏曲も個性的。いずれも舌を巻く巧さ。 | |||
ヴァンスカ&ミネソタ管〜ベートーヴェン:交響曲全集
ヘレナ・ユントゥネン(S) カタリナ・カルネウス(Ms) ダニエル・ノーマン(T) ニール・デイヴィス(Br) オスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタo.、ミネソタ・コラール | |||
BISSA-1416、1516、1616、1716、1816のセット化。 オーディオ・ファイルが絶賛する優秀録音。聴き手に鮮烈な印象を与えたヴァンスカ&ミネソタ管のベートーヴェン交響曲シリーズが、早くもセットに。ベートーヴェン交響曲演奏の伝統に縛られない独自の解釈は、誰にも似ておらず、ヴァンスカならではの生気あふれるエネルギーを満喫出来る。 | |||
バーバー: チェロ協奏曲 Op.22 (1945) (*) / チェロ・ソナタOp.6 (1932) (#) / 弦楽のためのアダージョ(+) |
クリスティアン・ ポルテラ(Vc;*/#) アンドルー・リットン指揮(*/+) ベルゲンpo. (*/+) キャスリン・ストット(P;#) | ||
録音:2009年10月(+)、2012年1月(*)、グリーグ・ホール、ベルゲン /2009年7月、旧ストックホルム音楽アカデミー(#)。トリオ・ツィンマーマンのメンバーとしても評価の高いクリスティアン・ポルテラ。興味深い協奏曲録音を続々とリリースする彼の新作は、バーバーのチェロ作品集。チェロ協奏曲は1945年の作で、バーバーならではの叙情性と旋律美に満ちている。技術的には非常な難曲だが、ポルテラは余裕で征服し、曲の魅力を再発見させる。リットン&ベルゲン・フィルも好演。特に「弦楽のためのアダージョ」の豊麗な響きとピュアな情感は真に感動的。考えてみればリットンはアメリカ人、バーバーの音楽への並々ならぬ共感が滲み出ている。バーバー学生時代のチェロ・ソナタではイギリスの名手キャスリン・ストットの名伴奏ぶりが光る。 | |||
Yevgeny Sudbin plays Liszt, Ravel & Saint-Saens リスト:「詩的で宗教的な調べ」〜葬送曲/超絶技巧練習曲より〔第10番 ヘ短調/夕べの調べ〕/ ペトラルカのソネット〔第47番/第104番/第123番〕 ラヴェル:夜のガスパール / サン=サーンス/リスト&スドビン編曲:死の舞踏 エフゲニー・スドビン(P) | |||
録音:2009年2月、2010年7月、10月、2011年1月、2012年4月、セント・ジョージ、ブリストル。2012年10月に待望の日本ツアーが実現したスドビン。恐るべきテクニック、音階を弾くだけで聴衆を魅了するという音楽性とオーラを持ち、自ら編曲を手掛けることなど、まさに先祖がえりしたような19世紀型ヴィルトゥオーゾ。今回のアルバムもスドビンの魅力を余す所なく伝えてくれる。リスト作品は豪快さと語り口の巧さが光り、溜飲さがる演奏。ラヴェルの「夜のガスパール」も超難曲だが、技術的な面に何の問題もないスドビンは、きらめく音色の変化や化け物めいた物語を見事に再現。さらにリストが編曲した「死の舞踏」をさらにスドビンが効果的にした版まで、まさに「ホロヴィッツの再来」の評を傷つけぬ悪魔的なピアノ音楽の愉しみを堪能出来る。 | |||
ブルックナー: 交響曲第2番 ハ短調(1877年ノヴァーク版) |
トーマス・ダウスゴー指揮 スウェーデン室内o. | ||
録音:2009年1月、エレブロ・コンサートホール(スウェーデン)。 コンサートもCDも評価の高いダウスゴーがブルックナーに挑戦。それも壮大で重厚、大音量が売りの交響曲をわずか40名余りの室内o.で料理するという驚きの試み。ダウスゴーはこの作品に、ブルックナーがオルガンで瞑想、即興するような非常に個人的な祈りの心情を見出し、それを念頭に交響楽を底流とした室内楽的即興の集合体を描いたと述べている。その結果、かつて聴いたことのないようなブルックナー像が出現しているとのこと。室内オーケストラによるブルックナー、このアルバムが成功すれば全集も夢ではない、画期的企画の胎動を感じる。 | |||
ヴィラ=ロボス: 「ショーロ」&「ブラジル風バッハ」全集 ブラジル風バッハ(*) [第1番−第8番/第9番「弦楽オーケストラ版」/ 第9番「無伴奏合唱版」]/ ショーロ(#) [第1番−第12番/序章/2つのショーロス]/ ショーロス形式による木管五重奏曲(+)/ ギター独奏曲全集(**) [5つの前奏曲/ブラジル民謡組曲/12の練習曲] |
ロベルト・ミンチュク指揮(*) ジョン・ネシリング指揮(#) サンパウロso &cho. ファビオ・ザノン(G) クリスティナ・オルティーズ、 ジャン=ルイ・ストイアマン(P) ドンナ・ブラウン(S) BPO 木管五重奏団(+) アンデシュ・ミオリン(G;**) | ||
意外なほどファンが多いサンパウロ響のヴィラ=ロボス・シリーズがお買い得BOXで登場。「ブラジル風バッハ」は全曲に加え、第9番は弦楽オーケストラ版と無伴奏合唱版の2種、「ショーロ」も全曲に加え、ギターと管弦楽のための序章とヴァイオリンとチェロのための「2つのショーロス」まで収録。さらに「ショーロス形式による木管五重奏曲」は名人集団BPO木管五重奏団の演奏という豪華盤。 | |||
クリスマス・ソングス 聖夜/話さねばならぬ驚き/クリスマス、クリスマス、輝くクリスマス/ 聖しこの夜(グルーバー)/いとふさわしきかな(ロシアのキャロル)/ お告げの天使よ、歌え/明日はダンスの日/他 イダ・ファルク・ヴィンランド(S) リンネ金管五重奏団 チェチーリア・リディンエル・アリン指揮オルフェイ・ドレンガル男声cho. | |||
スウェーデンの名門男声cho.オルフェイ・ドレンガルによるクリスマス・ソング集。スウェーデン民謡から古典的クリスマス・キャロル、英国やロシアのキャロルからブロードウェイの歌まで盛りだくさん。力強い男声合唱によるクリスマス・キャロルもおつなもの。 | |||
ローベルト・シューマン: ミルテの花 Op.25 より〔6曲〕(1940)/メアリー・ステュアート女王の詩 Op.135(1852)/ 民謡 Op.51 No.2(1840)/天は一滴の涙を落とし Op.37 No.1(1840)/女の愛と生涯 Op.42(1840) クララ・シューマン:歌曲集 Op.13 より〔3曲〕(1840)/ローレライ(1852)/3つの歌曲 Op.12(1852) ミア・パーション(S) ヨーゼフ・ブラインル(P) | |||
録音:2010年6月、旧ストックホルム音楽アカデミー。おしどり夫婦としても名高いふたりが同じ年に作曲したものを、並べて比較するという興味深い試み。BCJのソリストとしてもおなじみのスウェーデンの名花ミア・パーションが挑戦している。シューマンの「歌の年」と呼ばれる1840年は、ふたりが結婚した年でもあり、作品にも幸せオーラが感じられるが、新妻クララの歌曲も幸せ感を倍増させる。またシューマン晩年の、精神的にきつい時期の歌曲も収録。両者の心の機微がうかがえ興味津々。パーションはノン・ヴィブラートの清潔な歌唱で、ふたりのピュアな感情を見事に再現している。 | |||
ニルス・W.ゲーゼ(1817-1890):交響曲全集 [第1番 ハ短調 Op.5(*)/第2番 ホ長調 Op.10(*)/第3番 イ短調 Op.15(*)/第4番 変ロ長調 Op.20(*)/ 第5番 ニ短調 Op.25(#)/第6番 ト短調 Op.32(*)/第7番 ヘ長調 Op.45(*)/第8番 ロ短調 Op.47(*)]/ ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.56(+)/カンタータ「十字軍」Op.50(**) ネーメ・ヤルヴィ指揮ストックホルム・シンフォニエッタ(*/#) ローランド・ペンティネン(P;#) アントン・コントラ(Vn;+) パーヴォ・ヤルヴィ指揮マルメso.(+) クルト・ヴェスティ(T;**) マリアンネ・ロルホルム(Ms;**) ウルリク・コルド(B;**) コンツォーネ・コレト(**) フランス・ラスムセン指揮アールスso.(**)、コール72(**) | |||
北欧音楽の父ニルス・ゲーゼ(ガーデ)は交響曲を8篇も手がけたシンフォニストでもあった。全篇に甘口のメロディがあふれ、メンデルスゾーン風の爽やかなロマンからグリーグを予感させる郷土色や透明な叙情まで予想以上に多彩な内容を持つ逸品ばかり。父ヤルヴィの滋味あふれる演奏も聴き物。さらにヴァイオリン協奏曲のバックをパーヴォ・ヤルヴィが務めているのも注目。 これほどの豪華演奏が5枚組でたったの2枚価格!躊躇することなく買わねばならぬセット。 | |||
ドビュッシー: 管弦楽のための「映像」(*) / 牧神の午後への前奏曲(#) / 海〜3つの交響的スケッチ(+) |
ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
録音:2004年8月(+)、2009年7月(*)、2013年7月(#)、エスパラネード・ホール、シンガポール。(+)は既出音源。今やBISレーベルを代表する演奏者となったラン・シュイ(水藍)とシンガポールso.のドビュッシー。明るくきらめくような音色はドビュッシーの作品にもマッチしており好印象を受ける。シンガポールを代表する国立オーケストラである当団は、1997年、アメリカでの活動にも実績があった中国人指揮者、ラン・シュイを音楽監督に迎え、世界的に活躍するオーケストラに成長した。レコーディングにも積極的で、チェレプニンの交響曲全集の世界初録音は特に高い評価を得た。今後も活躍にも注目。 | |||
Yevgeny Sudbin plays Chopin〜ショパン: 幻想曲 ヘ短調 Op.49/夜想曲〔嬰ハ短調 Op.27 No.1/ハ短調 Op.48 No.1〕/ マズルカ〔ヘ短調 Op.7 No.3/ニ長調 Op.33 No.2/ロ短調 Op.33 No.4〕/ バラード第3番 変イ長調 Op.47/マズルカ〔変ロ短調 Op.24 No.4/嬰ハ短調 Op.50 No.3〕/ ノクターン 変ホ長調 Op.55/バラード第4番 ヘ短調 Op.52 スドビン:ア・ラ・ミヌート(ショパン「小犬のワルツ」によるパラフレーズ) エフゲニー・スドビン(P) | |||
録音:2009年2月、2010年7月、セントジョージ、ブリストル。2011年1月に待望の初来日公演を行ったスドビンがショパンに挑戦。こだわり派スドビンらしく、通常のショパン・アルバムに入るような曲を避け、基本的に甘くない短調の曲を多く選んでいる。彼のアプローチは、ショパン自身の「あらゆる困難を克服し、最後に目指すべきはシンプルさ」という言葉に影響されているとのことだが、フリードマンやモイセヴィチなど往年のヴィルトゥオーゾの解釈も彷彿させもする。その端的な例が、自身の編曲による「小犬のワルツ」。まさに20世紀初頭の伝説的名手風の超絶技巧を駆使したド派手ピアニズムで、ピアノ好きは鳥肌が立つほど興奮すること間違いなしの逸品。かつてウレーンがBIS から小犬のワルツの編曲集を出したが、それらの錚々たる編曲陣に全くひけをとらず、さらに手が込んでさえいる。21世紀の感性を持つ19世紀風ピアニスト。 | |||
ニルセン:交響曲全集 〔第1番 ト短調 Op.7/ 第2番「4つの気質」Op.16/ 第3番「ひろがり」Op.27/第4番「不滅」Op.29/ 第5番 Op.50/第6番 FS166〕/ 序曲「ヘリオス」Op.17/夢の古譚 Op.39/ パンとシュリンクスOp.49 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 BBCスコテッシュso. ラハティso. | ||
ベストセラーのシベリウスやベートーヴェンの交響曲と並んでヴァンスカの名を高めたニルセンの交響曲が全集となり、さらにニルセンの代表作「ヘリオス」含む新録音の管弦楽曲3篇も収められた嬉しいアルバムとして登場。いずれもヴァンスカならではのボルテージの高さで、さらに楽しめる。 | |||
J.S.バッハ:モテット全集 御霊は我らの弱さを支え助け給う BWV.226/おおイエス・キリスト、わが命の光よ BWV.118/ 恐れるな、私はあなたと共にいる BWV.228/イエス、わが喜びよ BWV.227/ 私はあなたを離さない、私を祝福してくださらなければ BWV Anh.159/ 主を讃えよ、すべての異邦人よ BWV.230/ 来たれ、イエスよ、来たれ BWV.229/歌え、主に向かい新しい歌を BWV.225 野々下由香里、松井亜希(S) ダミアン・ギヨン(A) 水越啓(T) ドミニク・ヴェルナー(B) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
発売を切望されていた BCJ 初のバッハ・モテット集が、満を持してのリリース。大半が葬儀用に作曲されたものだが、極めて高度な技巧の要求される合唱の壮麗な響きが魅力。人間の声の素晴しさを再認識させられ、まさにBCJ円熟の魔術に酔わされる。 | |||
カール・ゴルトマルク(1830-1915):交響曲全集 〔第1番「田舎の婚礼」 Op.26 (1875) (*) / 第2番 変ホ長調 Op.35 (#) 〕 |
ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
録音:2009年8月(*)、2011年7月-8月(#)、エスパラネード・ホール、シンガポール。BISレーベルでおなじみの指揮者ラン・シュイとシンガポールso.による、とりわけヴァイオリン協奏曲が有名なハンガリーの作曲家ゴルトマルクがによる2つの絶品交響曲。特出すべきゴルトマルクの才能と言えば豊かなオーケストレーション、先祖から受け継がれたユダヤの民族色に富むメロディで、これらの交響曲でも反映されている。第1番「田舎の婚礼」はゴルトマルクの最も有名な作品の一つ。初演時より観客に称賛され、ゴルトマルクの友人ブラームスが「明確で完全無欠な作品」と激賞したと言われる。全5楽章には、順に「婚礼の行進」「婚礼の唄」「セレナーデ」「庭園にて」「舞踊」と副題がついており、民族色豊かなメロディアスな組曲のよう。かつてビーチャムやバーンスタインも頻繁に演奏するなど巨匠も愛した傑作。第2番は第1番ほどは演奏されないが、より形式で、牧歌的要素に富んだ、やはりゴルトマルクの民族色に富んだ作品。 | |||
シューベルト/タバコワ編曲: アルペジオーネ・ソナタD.821(ヴィオラと弦楽版) チャイコフスキー/リサノフ編曲: ロココの主題による変奏曲(ヴィオラ独奏版) ブルッフ:ロマンスOp.85 |
マクシム・リサノフ(Va) ムハイ・タン〔汤沐海〕指揮 スウェーデン室内o. | ||
録音:2010年2月、エレブルー・コンサート・ホール(スウェーデン)。「ヴィオラの貴公子」として人気急上昇のリサノフ、待望の協奏作品の登場。シューベルトの「アルペジオーネ・ソナタ」はブルガリア出身の女性作曲家ドブリンカ・タバコワが伴奏部を弦楽オーケストラにした物。さらなるイマジネーションが広がる。また、チェロの名作「ロココの主題による変奏曲」もリサノフ自身によるヴィオラ独奏用編曲で、チャイコフスキーの叙情をヴィオラでたっぷり堪能出来る。 | |||
シューベルト:歌曲集 ただあなたのそばに D866-2/デルフィーネの歌 D857-1/フローリオの歌 D857-2/ズライカI D720/ズライカII D717/ シルヴィアに D891/小人 D771/秘めごと D719/秘められた恋 D922/糸を紡ぐグレートヒェンD118/春の思い D686/ 春に D882/岩のそばの歌びと D482/墓掘人の郷愁 D842/万霊節のための連祷 D343 カミラ・ティリング(S) パウル・リヴィニウス(P) | |||
録音:2010年9月、ポットン・ホール(イギリス)。オペラ界では大人気のスウェーデンの名花ティリング、ここではシューベルトのリートをしっとりと聴かせてくれる。超高域でも清純な美しさを失わないのはさすが。優しい声質が耳に心地よい1時間を楽しめる。リヴィニウスの絶妙なサポートも光る。 | |||
ヴィヴァルディ:弦楽のための協奏曲 協奏曲 ハ長調RV114/4声のソナタ 変ホ長調「聖なる墓にて」RV130/協奏曲 ト短調RV152/ 協奏曲 ニ短調RV128 /協奏曲 ニ短調「マドリガル風」RV129 /セーヌ川に祝うRV693〜序曲/ 協奏曲 ヘ短調RV143 /協奏曲 ト短調RV157 /協奏曲 ホ短調RV134 /協奏曲 イ長調RV158 アルテ・デイ・スオナトーリ | |||
録音:2009年10月、カトリック高等神学校、ゴシチコヴォ・パラディス(ポーランド)。ポーランドのピリオド楽器団体アルテ・デイ・スオナトーリがヴィヴァルディの弦楽合奏のための協奏曲に挑戦。これらは1720年代から30年代の所産で、主に野外でのレクレーション用に書かれたとされるが、ヴィヴァルディのフーガ書法の好例となっている。フランス王ルイ15世へのレスペクトで書かれた「セーヌ川に祝う」の序曲が入っているのも嬉しい限り。 | |||
ニキータ・コシュキン(1956-): メガロン協奏曲(2005) (*) /リステッソ・テンポ(チェロとギターのための)(2010) / ギター五重奏曲(2004) /ポルカ・パパンドレウ(ギターと弦楽オケのための)(2006) エレナ・パパンドレウ(G) ラン・シュイ指揮シンガポールso. ニュー・ヘレニックSQ アンゲロス・リャカキス(Vc) | |||
録音:2009年8月、エスプラネード・コンサートホール (*) /2010年10月、ミトロプーロス・ホール、アテネ(*以外)。ロシアのギタリスト兼作曲家コシュキン。近年はギリシャの女流ギタリスト、エレナ・パパンドレウとのコラボで興味深い作品を続々と生み出している。彼の作風は現代ロシア的ながら、幼時より親しんだポップスやロックの影響も受けた親しみやすさに満ち、さらにユーモアとパロディのセンスにも溢れている。大作「メガロン協奏曲」はアテネのコンサートホールの委嘱で生まれた作品。メガロンとは古代ギリシャの建築様式で、コシュキンは古代ギリシャの音楽と近代の西洋音楽を対話させている。 | |||
イルッカ・クーシスト(1933-): 交響曲第1番(1998)(*)/ ヴァイオリンと小管弦楽のための コンチェルティーノ・インプロヴィサンド(2006)(#)/ バリトンと管弦楽のためのカンタータ 「家が鳴り響き始める時」(1992)(+) |
ペッカ・クーシスト(Vn;#) ヨルマ・ヒュンニネン(Br;+) ヤーッコ・クーシスト指揮 ラハティso. | ||
録音:2010年1月(*/#)、9月(+)、シベリウス・ホール、ラハティ。15歳でジャズ・ピアニストとして出発し、オルガン奏者、合唱指揮者などを務めたこともあり、その作風は多様でいろいろな要素が詰まっているフィンランドの作曲家イルッカ・クーシストの作品を、ふたりの息子たちヤーッコとペッカが演奏したアルバム。オスモ・ヴァンスカの薦めで作曲された交響曲第1番は、夏の魅力を描いたカラフルな作品。冒頭のカッコウの鳴き声から惹かれてしまう。 | |||
エフゲニー・スドビン〜メトネル&ラフマニノフ メトネル: 情景画 Op.1〜プロローグ/おとぎ話〔 Op.51 No.3 / Op.20 No.1 / Op.26 No.1 〕/ 回想ソナタ Op.38 No.1 /朝の歌 Op.39 No.4 /悲劇的ソナタ Op.39 No.5 ラフマニノフ:6つの前奏曲 〔ニ長調 Op.23 No.4 /ト短調 Op.23 No.5 /ト長調 Op.32 No.5 / ヘ短調 Op.32 No.6 /嬰ト短調 Op.32 No.12 /変ニ長調 Op.32 No.13 〕 エフゲニー・スドビン(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2009年2月、6月、2012年4月、2014年7月、10月-11月、セント・ジョージ、ブリストル、UK 。スドビンが得意とするメトネルとラフマニノフの独奏曲を集めたアルバム。いずれも技術的難度が高いものの、メトネルの作品中最も人気の高い「回想ソナタ」と「悲劇的ソナタ」、ラフマニノフの前奏曲 ト短調が収録されている点が魅力。スドビンはロシア人ながら、ロシアン・ピアニズムとは異質なふんわりと軽いタッチが魅力で、音色の多彩な変化を楽しめる。ことにメトネルの「回想ソナタ」のデリケートな曲作りと内省的な解釈は絶品。また「おとぎ話 Op.51 No.3」は、ホロヴィッツの録音を聴いて腰を抜かしたスドビン少年が、いつの日か弾いたいと目標にしていた作品。これも説得力満点。 | |||
ジョージ・バタワース(1885-1916):管弦楽作品集 牧歌「緑鮮やかな柳の堤」(1913) / 「シュロプシャーの若者」の6つの歌(オーケストレーション:クリス・ラスマン)(*) / 「シュロプシャーの若者」ラプソディ/2つのイギリス牧歌(1911) / 弦楽四重奏のための組曲(弦楽オーケストラ版編曲:クリス・ラスマン)(*) / 歌曲集「風が吹くように愛が」/管弦楽のための幻想曲(補筆完成:クリス・ラスマン)(*) ジェイムズ・ラザフォード(Br) クリス・ラスマン指揮BBCウェールズ・ナショナルo. | |||
録音:2015年1月、2015年9月、ホディノット・ホール。(*)は世界初録音。 ロンドン生まれのヨークシャー育ち、第一次世界大戦中の1916年8月5日にフランスのソンムで戦死した作曲家ジョージ・バタワースの作品集。 収録曲は、彼のもっとも愛されている作品のひとつ「緑鮮やかな柳の堤(青柳の堤)」、A.E.ハウスマン(1859-1936)の詩集「シュロプシャーの若者」(1896年出版)から選んだ詩による「シュロプシャーの若者」の6つの歌、この歌曲集の「管弦楽エピローグ」として作られた「シュロプシャーの若者」ラプソディ、ウィリアム・アーネスト・ヘンリー(1849-1903)の詩に作曲、バタワース自身が管弦楽共演版を作っておいた「風が吹くように愛が」他。最後に収録された管弦楽のための「幻想曲」は、バタワースが大戦勃発前に着手、92小節を書いたところで作曲が止まっていた作品。入隊を控えた彼が内容に不満のある作品を破棄した際、この作品は捨てられず、手書きのフルスコアが残された。作曲家でもある指揮者のクリス・ラスマンは、残された92小節の手稿譜を基に「バタワースのオリジナルの着想を展開させ、彼の他の作品を分析した追加素材を結合」し、約9分の作品に作り上げた。管弦楽版の初演は2015年11月19日。マーティン・ブラビンズ指揮BBCスコットランドso.によって行われた。クリス・ラスマンは、ロンドンの王立音楽大学を卒業、ケンブリッジ大学で音楽博士号を取得した。指揮をヨルマ・パヌラとノーマン・デルマー、作曲は王立音楽大学のアラン・リドゥーに学んでいる。BBCTVにプロデューサーとして在職中、ラトヴィア国立オペラの「ラ・椿姫」と「道化師」で初めてオペラを指揮。現在、指揮者、作曲家として国際的に活躍している。2つの歌曲集のソロを歌うジェイムズ・ラザフォードはイギリスのバリトン歌手。「シュロプシャーの若者」の6つの歌」のオリジナルのピアノ共演版やバタワースと親しかったヴォーン・ウィリアムズの「旅の歌」などを歌った「Most Grand to Die」(BISSA-1610)を2012年にリリースしている。 | |||
ネゼ=セガン〜ラヴェル: ダフニスとクロエ(全3部)(*) / 亡き王女のためのパヴァーヌ(#) |
ヤニック・ネゼ=セガン指揮 ロッテルダムpo. | ||
録音:2012年6月(*)、2014年3月(#)、デーレン・ホール、ロッテルダム、セッション。近年、目覚ましい活躍の指揮者ネゼ=セガン。BISレーベルからリリースを続けているロッテルダム・フィルとの第3弾は待ちに待ったラヴェルで、収録曲は「ダフニスとクロエ」と「亡き王女のためのパヴァーヌ」。精妙な音色をオーケストラから引き出す天才ネゼ=セガンのラヴェルは天下一品!極めて自然なテンポで活気と躍動感に満ちているネゼ=セガンのダフニスとクロエは、流石!!とうならせるタクトと言え、ロッテルダム・フィルの音楽監督としての実力を存分に発揮した名演。一方、カップリングの亡き王女はこの上なく美しい響きを追求し、ネゼ=セガンの繊細な一面を垣間見ることが出来る。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.46 第102番「主よ、汝の目は信仰を顧みるにあらずや」BWV102/ 第19番「かくて戦いおこれり」BWV19/第17番「感謝の供えものを献ぐる者は」BWV17/ 第45番「人よ、汝はさきに告げられたり」BWV45 ハナ・ブラシコヴァー(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
今回は1726年ライプツィヒで作られた4篇。伸びやかなテーマに始まり、終始晴れやかな気分に満ちた第17番や、この上なく美しい第102番など絶品の連続。BCJの魔術的な演奏はもとより、チェコの若き名花ブラシコヴァーの透明な歌唱も聴き物。 | |||
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 Op.26(*)/ ロマンス ヘ長調 Op.85(ヴァイオリン版;*)/弦楽五重奏曲 イ短調(遺作;#) ワジム・グルズマン(Vn) アンドルー・リットン指揮ベルゲンpo.(*) サンディス・シテインベルグス(Vn) マキシム・リサーノフ、 イルゼ・クリャーヴァ(Va) レイニス・ビルズニェクス(Vc) | |||
録音:2009年10月、グリーグ・ホール、ベルゲン(*)/2009年9月、ノルトキルヒェン城、ヴェストファーレン(#)。グルズマンのブルッフ作品集。甘美な協奏曲第1番を彼ならではの陶酔的な演奏で楽しめる。オリジナルがヴィオラと管弦楽のための「ロマンス」は作曲者自編のヴァイオリン版による演奏。さらに遺作の弦楽五重奏曲を話題のヴィオラ奏者リサーノフやラトヴィアの若手たちと組んだ最強五重奏団で披露。1918年の作とは思えぬロマンにあふれている。 | |||
ソラブジ:100の超絶技巧練習曲 Vol.4 〔第63番−第71番〕 |
フレドリク・ウレーン(P) | ||
録音:2005年12月(第66番)、2014年7月(第63-65番、第67-71番)、ストックホルム。独学で作曲とピアノを学んだソラブジは、あのブゾーニに才能を見出され、その才能を開花させた。超大作の「100の超絶技巧練習曲」は身の毛のよだつ難曲で、全100曲通すと7時間かかる。第4集は第63番から第71番が収録された。いずれも狂気じみた音楽ながら、ピアノならではの妖しい美しさに満ちている。名手フレドリク・ウレーン超絶の演奏をお楽しみ頂きたい。 | |||
エルネスト・レクオナ(1896-1963):ピアノ作品集成 ・CD1 (BIS-754) ピアノ作品全集 Vol.1 / ・CD2 (BIS-774) ピアノ作品全集 Vol.2 ・CD3 (BIS-794) ピアノ作品全集 Vol.3 / ・CD4 (BIS-874) ピアノ作品全集 Vol.4 ・CD5 (BIS-1104) ピアノ作品全集 Vol.5 / ・CD6 (BIS-1374) ピアノ伴奏歌曲集(#) トマス・ティリノ(P;無印) ミハエル・バールトス指揮ポーランド放送so.(無印/一部) キャロル・ファーリー(S;#) ジョン・コンスタブル(P;#) | |||
録音:1993年-1999年(無印)、2002年8月(#)。曲目詳細は上記リンク先単売の項目をご覧ください。1995年にリリースが始まり、世界中で話題となったティリノのレクオナ作品集。「シボネイ」「そよ風と私」で名のみ高かった彼の音楽の全貌を示す好企画だった。レクオナの歿後50周年を記念して、その5タイトルと、ソプラノのファーリーによる歌曲集を加えた全6枚をBOX化して3枚価格でご提供。レクオナはキューバ最大の作曲家で、民族音楽を魅力的なピアノ音楽に昇華させた。バンドマスターなど、ポピュラー音楽界での活躍が目立ったため、クラシック音楽とみなさない向きもあるが、作品のいくつかはアルベニスを想わせる複雑さと完成度を示している。もちろんラグタイム風のポップな曲調もたくさんあり、BGM としても最高。レクオナのメロディ・メーカーとしての天賦の才をたっぷり楽しめる。 | |||
18世紀フランスのトリオ・ソナタ フランソワ・クープラン:神聖ローマ帝国の人々 / ドレ:ソナタ ト短調 Op.1 No.6 ルクレール:ソナタ第3番 ト短調 Op.13 No.6 ボワモルティエ:トリオ ホ短調 Op.32 No.2 / ギニヨン:ソナタ ニ長調 Op.4 No.2 ロンドン・バロック | |||
録音:2010年10月、セント・マーティン教会、ハンプシャー。大ベテラン団体、ロンドン・バロックによる「17世紀フランスのトリオ・ソナタ」(BIS-1855)に続くフランス作品集。今回はバロックの魅力を最大限に持つ作曲家を集めている。老練な巧さはまさに神業、爽やかな世界を楽しめる。 | |||
ドヴォルジャーク: 交響曲第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」/ チェコ組曲 Op.39 /序曲「わが家」Op.62 |
クラウス・ペーター・フロール指揮 マレーシアpo. | ||
録音:2009年8月、2010年9月、デワン・フィルハーモニック・ペトロナス・ホール、クアラルンプール。好評のフロール&マレーシア・フィルによるドヴォルジャーク、待望の「新世界」登場。期待通りの爆演、エネギッシュで、これほど熱っぽく脂ぎった「新世界」演奏は久々。カップリングも民族舞曲のオンパレード「チェコ組曲」や民謡を主題とした序曲「わが家」など魅力作ばかり。マレーシア・フィル恐るべし。 | |||
ベートーヴェン:弦楽三重奏曲集 〔第2番 ト長調 Op.9 No.1 /第3番 ニ長調 Op.9 No.2 /第4番 ハ短調 Op.9 No.3 〕 トリオ・ツィンマーマン [フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn) アントワーヌ・タムスティ(Va) クリスティアン・ポルテラ(Vc)] | |||
録音:2010年7月-8月、旧ストックホルム音楽アカデミー/2011年8月、ポツダマー・マイスターザール、ベルリン。F.P.ツィンマーマン率いるトリオ・ツィンマーマンの第2弾。ベートーヴェンの弦楽三重奏曲は初期を代表する傑作ながら、弦楽四重奏に比べると録音はずっと少ないので大歓迎。それどころか、同曲の筆頭に挙げられる充実の名演。それぞれがソロイスティックでありながらアンサンブルも完璧という理想的な形で、ベートーヴェン作品の素晴らしさを改めて納得させる。 | |||
ラフマニノフ:チェロ・ソナタOp.19/ヴォカリーズ ボロディン:チェロ・ソナタ ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタOp.40 |
アレクサンドル・ シャウシヤン(Vc) エフゲニー・スドビン(P) | ||
録音:2010年1月、ブリストル聖ジョージ。アルメニア出身のシャウシヤンと待望の初来日公演を果たしたスドビンによる、超豪華ロシアのチェロ・ソナタ集。ラフマニノフやショスタコーヴィチのようなピアノが大活躍する名作をスドビンで聴くことができるのは嬉しい限りだが、珍しいボロディンのソナタが注目。バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番BWV.1001のフーガ主題を素材とし、自身の交響曲第2番第1楽章の主題も現れる珍品。スドビンのピアノが光る。 | |||
ブラームス:ホルン三重奏曲 変ホ長調Op.40 カレヴィ・アホ:ソロ X (2010) リゲティ:ホルン三重奏曲 |
マリー=ルイーズ・ノイネッカー(Hr) アンティエ・ヴァイトハース(Vn) シルケ・アヴェンハウス(P) | ||
録音:2010年7月、ゲルトナーシュトラッセスタジオ、ベルリン/2011年7月、エステローケル教会(スウェーデン)。ドイツの名女流ホルン奏者ノイネッカーがBIS初登場。1983年ミュンヘン国際コンクール2位(1位はヴラトコヴィチ)の実力派で、リゲティからも絶大な信頼を寄せられていた彼女の円熟芸を楽しめる。ホルン、ピアノ、ヴァイオリンの編成で書かれたブラームスの三重奏と、同編成でブラームスへのオマージュとして書かれたリゲティの2篇は1996年録音が名盤の誉れ高いものの、今回15年ぶりに再録音。共演にアルカント・カルテットで知られるヴァイトハースと、アヴェンハウスが共演というのも豪華。リゲティの緩徐楽章での胸をえぐるような感情表現が凄まじいのひとことに尽きる。 | |||
アッラン・ペッテション(1911-1980): 交響曲第1番(1951)(クリスチャン・リンドベリ校訂版)/交響曲第2番(1952/3) クリスチャン・リンドベリ指揮ノールショーピングso. | |||
録音:2010年5月-6月、ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノールショーピング。現代スウェーデンの作曲家アッラン・ペッテションは17篇の交響曲を残したが、第1番はこれまで封印されてきた。1940年代後半から着手され、アイディアだけは膨らんだものの、作曲技術が足りず迷宮入りしたと言われる。しかし破棄せず残された240ページに及ぶ草稿を、クリスチャン・リンドベリが入魂の校訂を施し、ついに演奏できる形に完成させた。DV 父親のいる貧困家庭に育ったペッテションの芸術は非常にペシミスティックで暗く、しばしば暴力的で個性的。はまると抜け出せなくなる魔力を持っている。陽性で健康的という正反対のキャラのクリスチャン・リンドベリがペッテションに私淑し、紹介に力を注ぐのは意外な感じもするが、真摯かつ情熱的な解釈で胸が熱くなる。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.47 第36番「嬉々として舞い上がれ、星々の高みまで」BWV.36/ 第47番「誰であれ、高ぶるものは低くせられ」BWV.47/ 第27番「誰が知ろう、いかにわが終りの時が迫り来るかを」BWV.27/ 第27番のアルト・アリア別稿(オルガン版) ハナ・ブラシコヴァー(S) ロビン・ブレイズ(CT) 水越啓(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
第47弾は1726年の作品を集めている。いずれも珠玉の名品だが、ルターのコラール「いざ来たれ、異邦人の救い主よ」に基づく第36番は世俗カンタータ「喜びわき起こり」のパロディで、オペラ風のアリアが異色。BCJ の演奏も躍動感に満ち、元気を与えてくれる。 | |||
シューベルト:オペラ序曲集 ヒュドラリウスを弾く悪魔(1811/2) /鏡の騎士(1811/2) /悪魔の悦楽城(1814) / 四年間の哨兵勤務(1815) /ベッラ荘のクラウディーネ(1815) / サラマンカの友人たち(1815) /双子の兄弟(1919) /アルフォンソとエストレッラ(1821) / 謀反人たち(家庭戦争)(1823) /フィエーラブラス(1823) マンフレート・フス指揮ハイドン・シンフォニエッタ・ウィーン | |||
録音:1997年5月、カジノ・ツェゲルニッツ、ウィーン。原盤・前出: KOCH SCHWANN, 3-1121-2(当店未案内/廃盤)。かつてKoch Schwannレーベルからリリースされていたものの、カタログから消えた後、マニアの間で非常な高額取引がなされているというウワサの盤が復活。シューベルトはあらゆる分野に傑作を残した天才で、「歌曲王」と称されながら、オペラは成功せず、何度か復活の試みがなされたものの、レパートリーとして定着するに至っていない。ここに収められたのはオペラ10篇の序曲。いずれも初めて聴くようなものばかりながら、さすがシューベルト、豊富なメロディと美しい響きに聴き惚れてしまう。ロッシーニやウェーバーの序曲集にひけをとらぬ魅力に満ちた、お宝発見的ディスク。 | |||
フレスト、黒パイプのダンス コープランド:クラリネット協奏曲(原典版・改訂版両終結部付き) ブラームス/ヨラン・フレスト編曲:ハンガリー舞曲集〔第1、12、13、21番〕 ヨラン・フレスト:クレズマー舞曲 ルトスワフスキ:ダンス・プレリュード(第2版) ピアソラ:オブリヴィオン(ヴァイオリン・ソロ付き) ヒルボリ:孔雀物語(室内楽版) / ヘグベリ:暗黙の目的の踊り マルティン・フレスト(Cl) リチャード・トニェッティ(Vn)指揮オーストラリア室内o. | |||
録音:2011年5月-6月、ユージン・グーセンス・ホール、シドニー。クロスオーヴォー的エンターテナーぶりで、世界中の人気者となっているスウェーデンのクラリネット奏者マルティン・フレスト。今回のアルバムは世界のダンスにまつわる作品を集めた好企画。コープランドの協奏曲は「スウィングの王様」ベニー・グッドマンに献呈されたジャジーな物だが、滅多に聴くことのできないオリジナル・エンディングも併録されているのに注目。現代スウェーデンの作曲家ヒルボリの協奏曲「孔雀物語」では、フレストがローラースケートで8の字走行をしながらバッハ=グノーの「アヴェ・マリア」を吹くという曲芸も披露。また彼の実兄ヨラン・フレストが編曲したブラームスのハンガリー舞曲に、東欧ユダヤ人のクレズマー音楽など多彩。ピアソラの「オブリヴィオン」もカッコ良さ満点。来日公演を行い絶賛されたトニェッティとオーストラリア室内管が、絶妙な伴奏を付けている。 | |||
ビオンディの「イェフタ」〜ヘンデル:オラトリオ「イェフタ」(1751)
ジェイムズ・ギルクリスト(T) モナ・ユルスルード、エリーザベト・ラップ(S) エリーザベト・ヤンソン、マリアンネ・シェラン(Ms) ホヴァール・ステンスヴォルド(Br) ファビオ・ビオンディ指揮スタヴァンゲルso.、コレギウム・ヴォカーレ・ヘント | |||
録音:2008年2月7日、8月29日、9月1日、12月8日、9日、スタヴァンゲル・コンサート・ホール(ノルウェー)、セッション&ライヴ。モダーン楽器使用。1990年代、エウローパ・ガランテを率いた「四季」で鮮烈な印象を残したビオンディが2005年以来芸術監督を務めるノルウェーのスタヴァンゲル響を率いてヘンデルのオラトリオに挑戦。「イェフタ」はヘンデル失明前最後の大作で、初期の傑作に匹敵する面白さと美しさに満ちている。イスラエルの指導者イェフタは戦い勝利して凱旋したものの、最初に会う人間を生贄に捧げるという神への誓いを守るため愛娘を失う運命を描いている。イェフタ役はBCJにも参加しているイギリスのテノール、ギルクリストが好演。モダーン・オケながら、ビオンディならではのピリオド解釈ときびきびした音楽作りが新鮮。 | |||
ミシェル・ピニョレ・ド・モンテクレール(1667-1737):独唱カンタータ集 平和の再来/パンとシランクス/コンスタンスの勝利/ディドンの死/ルクレツィアの死 エマ・カークビー(S) ロンドン・バロック | |||
録音:2010年2月、レンナ教会(スウェーデン)。モンテクレールはフランス後期バロックの作曲家で教育家。時代に先んじた作曲法(ことにオーケストレーション)で後世に影響を与えた。ここに収められた5篇のカンタータは独唱と小編成のアンサンブルによるが、描写的な金管やヴィオールの用い方に驚かされる。旋律もオシャレで美しく、カークビーの名人芸に聴き惚れる至福のひとときを与えてくれる。 | |||
カレヴィ・アホ:ミネア(管弦楽のための協奏曲)(2008) (*) / コントラバス協奏曲(2005) (#) /交響曲第15番(2009-10) (+) エーロ・ムンテル(Cb;#) オスモ・ヴァンスカ指揮(*) ヤーッコ・クーシスト指揮(#) ディーマ・スロボデニュク指揮(+) ラハティso. | |||
録音:2011年2月(*)、2010年5月(#)、2011年5月(+)、シベリウス・ホール、ラハティ。「ミネア」は、ヴァンスカが音楽監督を務めるミネソタo.の委嘱で2008年に作曲された、オーケストラの名人芸を披露する作品。インドのラーガ、日本の尺八音楽の要素を採り入れているだけでなく、アラビアのリズム、東洋の音階を多用していて、まるでワールド・ミュージック。新作の交響曲第15番は霧のかかったようなオーケストラから、チェレスタがまたたく印象的な曲。まさに北欧ならではのひんやりとした幻想性に満ちている。 | |||
オッター&フォシュベリ〜スウェーデン・ロマン派歌曲集 アードルフ・フレードリク・リンドブラード: 夕べ/まどろむキューピッド/どうして?ああ、そうか!/白鳥姫の歌/警告/夜のラン/ 求婚(*)/昔は(*)/子守歌/夏の日/道ばたの老人/少女の朝の瞑想/花嫁の旅 エーリク・グスタフ・イェイエル:花を摘んだ娘/恋人たちの喧嘩は口づけが/私の駆け引き/ナイフ研ぎの少年 フランス・ベールヴァルド:ロマンス/さようなら、山々よ/夢/あなたの歳では/ のどかな日は気の向くままに散歩して/1844年7月4日(オスカル国王万歳) アウグスト・セーデルマン:バラ園の娘/緑の服を着た娘/罪、死/私は夢の中で泣いた/ 美しい五月に/森の娘/バラード/セレナード/五月の歌 アンネ・ソフィ・フォン・オッター(Ms) ベンクト・フォシュベリ(P) フレードリク・セッテルストレム(Br;*) | |||
録音:2010年2月、4月、5月、旧ストックホルム音楽アカデミー。(*)は二重唱作品。これは魅力的なアルバム。オッターが母国スウェーデンの作曲家による美しい歌曲集を録音した。スウェーデンの作曲家といえば、アルヴェーンやステーンハンマルなどが知られているが、ここに収められた4名は、それよりも100年ほど前に生まれ、初期ロマン派的な作風による歌曲を数多く残している。当時、スウェーデン出身の伝説的なソプラノ歌手ジェニー・リンド(1820-1887)がヨーロッパを席巻していて、ここに収められた作品の多くも、彼女に歌ってもらうために作られたとされる。「現代のジェニー・リンド」、オッターが叙情の世界を透明に謳いあげる。スウェーデン語の響きも心地よく、北欧を旅しているような気分にひたることが出来る。 | |||
グンナル・イデンスタム:ユッカスイェルヴィの歌 ポエムI/夜の歌(サーミ語版)/八季/初雪の踊り/風神/フィンランド人の踊り/水の精の歌/ 夜の歌(スウェーデン語版)/冬至/サーリ・ポルスカ/ハリング/凍った川上のトナカイ/ 春の踊り/夏の風/夜の歌(フィンランド語版)/夜の歌II/ポエムII/エピローグ シモン・マライネン(ヨイク) ブリタ=スティナ・シャッゴ(Vo) サンドラ・マルテレウル(Vn) トルビョルン・ヤコブソン(Sax) グンナル・イデンスタム(Org/テープ) | |||
録音:2010年3月、キルナ教会(スウェーデン)。 オルガニストとしても高名なイデンスタムがスウェーデンの北極圏ラップランドにある教会の400周年を記念して作曲した組曲。この地にはサーミ(ラップ人)、スウェーデン人、フィンランド人が混在し、その多彩な文化風習と自然を描いている。まさにワールドミュージック的な内容で、北欧に興味のある方すべてにオススメ。 | |||
秋に〜ブラームス、シューベルト合唱曲集 ブラームス:ジプシーの歌 Op.103〜9曲/5つの歌 Op.104/何ゆえ悩む者に光が Op.74 No.1/宗教的歌曲 Op.30 シューベルト:詩篇23番 D706/水上の精霊たちの歌 D714 グレーテ・ペデーシェン指揮ノルウェー・ソリストcho. イングリ・アンスネス(P) コーレ・ノールストーガ(Org) キャスリン・ブロック、マデレン・ベルグ(Va) オイスタイン・ビルケランド、ウーレ=アイリク・リー(Vc) ダン・ステュッフェ(Db) | |||
録音:2010年11月、リス教会、オスロ。ノルウェーの合唱作品を集めたアルバム「白夜」で衝撃のデビューを飾ったペデーシェン率いるノルウェー・ソリスト合唱団。今回はシューベルトとブラームスという独墺ロマン派作品集。あくまでも透明ながら、ブラームスの北ドイツ的な色調を巧みに表出しているのが見事。じっくりと味わいたい、いぶし銀のアルバム。 | |||
ブリテン(1913-1976):弦楽四重奏作品集 Vol.3 シンプル・シンフォニー Op.4 (1933-34) / ラプソディ(1929) /小弦楽四重奏曲(1930) / 幻想曲 ヘ短調(1932) /弦楽四重奏曲 ヘ長調(1928) |
エンペラーSQ [マーティン・バージェス(Vn1) クレア・ヘイズ(Vn2) フィオナ・ボンズ(Va) ウィリアム・スコフィールド(Vc)] | ||
録音:2011年4月、ポットンホール、サフォーク、イングランド。生き生きとした躍動感と緻密なアンサンブルが魅力の、イギリス期待の俊英エンペラー四重奏団によるブリテンの弦楽四重奏曲集第3弾は、初期の傑作シンプル・シンフォニー Op.4を含む、20歳までに作曲された作品。エンペラー四重奏団はブリテンの弦楽四重奏曲集第1弾(BISSA-1540)、第2弾(BISSA-1570)、マルティヌー弦楽四重奏曲(BIS-1389)、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲集(BIS-1511)など、BISレーベルに様々な作品を収録したアルバムをリリースしている。 | |||
白夜〜ノルウェーの民俗音楽の印象 伝承曲:イェンディーネの子守歌/夜更かしをした/イエス、汝優しき友よ/優雅なイエスよ/ イエスは自らの考えに従う/イエス、私は参ります/ヴァルソイフィヨルドの結婚行進曲 イェルムン・ラーシェン:ポロネーズ/グローペン/ソルベン/ソリストヴァルス アイヴィン・グローヴェン:マルギート・ヒュークセOp.48 アイヴィン・ビューエネ:アルルサング グレーテ・ペデーシェン指揮ノルウェー・ソリストcho. ベリト・オフェイム(Vo) イェルムン・ラーシェン(ハルダンゲル・フィドル) | |||
録音:2009年11月、リス教会、オスロ。ノルウェーの民俗音楽は特異なリズムとハーモニーを持つ個性的なもので、グリーグの音楽にも効果的に用いられている。ここでは民俗合唱やハルダンゲル・フィドルによる伝統音楽と、それらからインスパイアされた近作を集めている。伝統音楽はまるでグリーグ、現代作品も前衛的でなく、不思議な哀感と素朴さにあふれた独特の味わいに満ちた世界が広がる。ワールドミュージック・ファンも必聴。 | |||
ペーア・ネアゴー:ヴァイオリン協奏曲集 明るい夜(ヴァイオリン協奏曲第1番) (ヴァイオリンと室内管弦楽版)(1986/2002)/ 時空(1991)/ ヴァイオリン協奏曲第2番「境界線」 |
ペーテル・ヘルスタール(Vn) ロルフ・グプタ指揮 スタヴァンゲルso. | ||
録音:2010年8月、スタヴァンゲル・コンサート・ホール(ノルウェー)。ニルセン以後デンマーク最大の作曲家ペーア・ネアゴー2012年の生誕80年を記念して、作曲者立会いのもと3篇の協奏作品が新録音。「明るい夜」は当録音のためにヴァイオリンと室内管弦楽用に特別作られた版により、この曲の持つ不思議な音の薄い層の効果が増している。ヴァイオリン協奏曲第2番「境界線」は、ふたつの異なる調性形態によるオーケストラ伴奏と独奏の関係を考慮したタイトルとなっている。一方は西洋平均律音階、もう一方は低弦のハーモニックスが引き起こす微分音で、作曲者によればリスナーの耳に「月の暗部のような」未知な感覚を与えてくれるとのこと。 | |||
ジョン・ピカード(1963-): ピアノ協奏曲(1999/2000) (*)/ 激変(1988/9) /テネブレ(2008/9) |
フレドリク・ウレーン(P;*) マーティン・ブラビンズ指揮 ノールショーピングso. | ||
録音:2010年3月、2011年12月、ルイス・デ・ギア・ホール、ノールショーピング。21世紀を代表する作曲家になるだろうと熱い期待を寄せられるジョン・ピカード。2013年50歳となる彼の音楽はゆるぎない構成力と高いテンションが特徴。このアルバムには約10年間隔の3 篇が収められている。非常に技巧的なピアノ協奏曲は、驚異の名手ウレーンを独奏者としているのも魅力。意外にもこれが協奏曲デビュー。ウレーンは重厚なオーケストレーションと真っ向から対決している。指揮はことしから名古屋フィルの常任指揮者に任命されたマーティン・ブラビンズ。見事な統率力を示している。 | |||
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」全曲(1910年版) /グリーティング・プレリュード チャイコフスキー/ストラヴィンスキー編曲:「眠りの森の美女」〜青い鳥のパ・ド・ドゥ シベリウス/ストラヴィンスキー編曲:カンツォネッタOp.62a ショパン/ストラヴィンスキー編曲: 夜想曲第10番 変イ長調Op.32 No.2 /華麗なる大ワルツ 変ホ長調Op.18 アンドルー・リットン指揮ベルゲンpo. | |||
録音:2009年10月、2010年6月、グリーグ・ホール、ベルゲン。録音の素晴らしさも相まってベストセラーを続けるリットンのストラヴィンスキー、待望の「火の鳥」と編曲集。SACDの効果を駆使した大編成の1910年版がとてつもないエネルギーで迫る。ストラヴィンスキーとディアギレフのコラボは、1910年の「火の鳥」に始まると思われがちだが、実はその1年前にショパンの2作品をオーケストレーションする仕事を頼まれている。当アルバムではそれを聴くことができるのが超貴重。ショパンの人気作が極彩色の管弦楽をまとっている。また、チャイコフスキーがピアノ譜のまま残した「青い鳥のパ・ド・ドゥ」を1941年にオーケストレーションしたものも、まさにチャイコフスキーのバレエ音楽の響きで惹きつけられる。意外な珍品はストラヴィンスキーの同時代人シベリウスの弦楽合奏曲「カンツォネッタ」の木管とハープ用に編曲。「グリーティングプレリュード」・はピエールモントゥ80歳の誕生日に贈ったもので、「ハッピーバースデー」がストラヴィンスキー流に調理されている。ストラヴィンスキーが不協和音と強烈なリズムだけでないことを真に納得させるアルバム。 | |||
フェリー・テールズ ボーズヴィーク:大丈夫/ブルーリボン踊り/タンゴ エルレン・スコムスヴォル:イーゴリ公(ボロディンの主題による幻想曲)/ シンプルなメロディ/賛歌/無言/歌 ハロルド・アーレン/スコムスヴォル編曲:虹の彼方に ビャーネ・アムダール/スコムスヴォル編曲:挽臼ワルツ ケティル・ビョルンスタド/スコムスヴォル編曲:フィヨルドの夏の宵 クヌーズ・トムセン/スコムスヴォル編曲:芝生摘み ボーズヴィーク/スコムスヴォル編曲:大丈夫II オイスタイン・ボーズヴィーク(Tu) エルレン・スコムスヴォル(P) トロンドヘイム・ソロイスツ | |||
「チューバの怪人」として人気急上昇中のオイスタイン・ボーズヴィーク。技巧、音楽性の高さはもちろんながら、エンターテナー性と圧倒的な存在感を誇る大器。今回はノルウェーのジャズ・ピアニスト、作曲家、編曲家として有名なエルレン・スコムスヴォルと組んで破天荒なプレイを聴かせてくれる。以前、ふたりがジョイント・ツアーを行った際、フィヨルドをめぐるフェリーの旅でアルバム・コンセプトをひらめいたという物。ボロディンの「だったん人」やオズの魔法使いの「虹の彼方に」が予想もしないアレンジで、チューバが哀しくも甘い美音でフェロモンを撒き散らする。 | |||
カレヴィ・アホ:オーボエ作品集 オーボエ協奏曲(2007) (*) /ソロ IX (2010) / オーボエ・ソナタ(1984/5) (#) |
ピート・ ヴァン・ボックスタル(Ob) マーティン・ブラビンズ指揮(*) ラハティso.(*) 大宅裕(P;#) | ||
録音:2010年9月、シベリウス・ホール、ラハティ & ポットン・ホール、イギリス。フィンランドの巨匠カレヴィ・アホがオーボエのために書いた作品を集めたアルバム。いずれもベルギーの名手ピート・ヴァン・ボックスタルとの交流により、非常に貴重な北欧レパートリーが誕生した。オーボエ協奏曲にはアラビア古典音楽の音階や打楽器ダブラッカ、さらにアフリカの打楽器ジャンベまで用いられ、オーボエの東洋的な音色と相まって異教的な世界を作り上げている。ソロ\は循環呼吸を含むオーボエのあらゆるテクニックを駆使した10分に及ぶ無伴奏曲。ボックスタルがまさに神業を披露。旧作のソナタでは日本のピアニスト大宅裕が参加、息のあったアンサンブルを聴かせてくれる。 | |||
グリーグ:弦楽オーケストラのための作品集 弦楽四重奏曲第1番 ト短調 Op.27(トニェッティ編)/2つの悲しき旋律 Op.34/ 恋愛詩 Op.43 No.5(トニェッティ編)/ホルベア組曲 Op.40 リチャード・トニェッティ(Vn)指揮オーストラリア室内o. | |||
録音:2010年10月、ユージン・グーセンス・ホール、シドニー。グリーグ自身の楽器はピアノだったが、ノルウェーの民俗弦楽器ハルダンゲル・フィドルを聴きながら育った彼の音楽は非常に弦楽器的で、弦楽オーケストラの豊麗な響きで奏されると、痺れるほど魅力的な世界となる。水晶のようにひんやりと透明でありながら、暖かな優しさにも満ちた、涙を誘う魔術と効果音楽。2011年初来日して聴衆の度肝を抜く完璧なアンサンブルを示したオーストラリア室内管、トニェッティの独奏とともに弦楽合奏の美しさを満喫させる。 | |||
リンドベリ、エクストラヴァガンツァ タッロディ編曲:ドーシー、ミラー、ティーガーデンへの捧げもの ヘグステット編曲:ユッシ・ビョルリングへの捧げもの ヤン・サンドストレム:ロッタに捧ぐ歌/クリスティアンの歌 ヘグステット編曲:ア・ナイト・アット・ジ・オペラ リチャード・ロジャース:マイ・ファニー・ヴァレンタイン ヴィヴァルディ:春 / オスカル・リンドベリ:ダーラナ地方の古い賛歌 クリスチャン・リンドベリ(Tb) ハンス・エク指揮 スウェーデン・ウィンド・アンサンブル | |||
録音:2009年11月、ナツカ・アウラ、スウェーデン。2011年6月にも来日し、健在ぶりを示したリンドベリ。神業的テクニックに加え、ジャンルに関係なくトロンボーンの魅力をふりまき、聴衆を熱狂させるホスピタリティにあふれたエンターテナーでもある。当アルバムはトミー・ドーシーやグレン・ミラーといったビッグ・バンドのトロンボーンの名手や母国スウェーデンの大歌手ビョルリングへのレスペクトに始まり、全篇「歌」に終始している。ポップ調からジャズ、さらにオペラ・アリアのメドレーから聖歌まで、その芝居気たっぷりの巧さと豊かな歌ごころに舌を巻かれる。さらにヴィヴァルディの「四季」の春をトロンボーンで吹いているのも驚愕。ヴァイオリンの細かい動きを超絶のテクニックで征服している。 | |||
オラモ〜エルガー: 交響曲第2番 変ホ長調 Op.63 (*) / ため息 Op.70 (*)/悲歌 Op.58 (#) |
サカリ・オラモ指揮 ロイヤル・ストックホルムpo. | ||
録音:2011年6月(*)、2012年8月(#)、ストックホルム・コンサート・ホール、スウェーデン。スウェーデンを代表するオーケストラ、ストックホルム・フィルと2008年より首席指揮者をつとめるサカリ・オラモとの新録音はエルガー。主軸は交響曲第2番。この曲は1909-11年に作曲され、初演は1911年ロンドンでエドワード7世の追悼に捧げられた。当録音は初演からちょうど100年経った記念すべきアルバム。この他に収録されたのは、ほぼ同時代に作曲された弦楽、ハープとオルガンのために書かれた「ため息」、そして「悲歌」でいずれも哀愁に満ちた美しい演奏。サカリ・オラモはフィンランド出身の指揮者ということからシベリウスをはじめとする北欧の作曲家作品を得意のレパートリーとしているが、イギリスの音楽、とりわけエルガーのオーケストレーションに魅了され近年積極的に取り組んでいる。この録音でもサカリ・オラモらしくオケを意欲的に駆使しながら見事にコントロールしている。2013年BISレーベルとスウェーデンを代表するストックホルム・フィルとのコラボレーションは30年目を迎え、その記念に相応しい新録音。 | |||
R.シュトラウス: 英雄の生涯 Op.40/4つの最後の歌 |
ドロテア・レシュマン(S) ヤニック・ネゼ=セガン指揮 ロッテルダムpo. | ||
録音:2010年6月、デーレン・ホール、ロッテルダム。注目のネゼ=セガンとロッテルダム・フィル第2弾はR.シュトラウス、それもオーケストラの機能を最大限に駆使させる「英雄の生涯」なのでいやがおうにも期待が高まる。ネゼ=セガンの統率力と語り口の巧さがロッテルダム・フィルの名人芸とあいまって、このうえなく華麗な音の絵巻を描いている。カップリングは最晩年の「4つの最後の歌」。対象的にネゼ=セガンは無駄のない透明な世界を創り出している。ドイツの名花ドロテア・レシュマンの真摯な歌唱が感動的。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.48 〔第34番「おお永遠の炎、おお愛の源よ」BWV34/第117番「讃美と栄光が至高の善にあれ」BWV117/ 第98番「神がなすのは恵みに満ちた御業」BWV98/第120番「神よ、シオンにて、安らかにあなたを讃美し」BWV120〕 ハナ・ブラシコヴァー(S) ロビン・ブレイズ(CT) 水越啓(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2010年6月、神戸松蔭女子学院大学チャペル。1720年代後半に作られたと推測されるものの、資料のきちんと現存しない4作品。いずれも祝祭的で明るく、美しいアリアを含んでいるのが特徴。ブレイズ、ブラシコヴァーの美声をたっぷり堪能出来る。鈴木雅明の指揮はますます円熟を深め、魔術的な凄さとなっている。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.10〜バガテル全集/他 7つのバガテルOp.33/11のバガテルOp.119/6つのバガテルOp.126/ アレグレット ハ短調 Hess69/バガテル ハ長調 Hess73/バガテル 変ホ長調 Hess74/ アレグレット ハ短調 WoO.53/バガテル「楽しい―悲しい」WoO.54/バガテル ハ長調 WoO.56/ バガテル ハ短調 WoO.52/エリーゼのために WoO.59/やや生き生きと WoO.60/ アレグレット ロ短調 WoO.61/ピアノ曲 ト短調 WoO.61a/バガテル ハ長調 Hess57 ロナルド・ブラウティハム(Fp) | |||
録音:2010年8月、エステローケル教会(スウェーデン)。 好評のブラウティハム・ベートーヴェン全集の第10巻は、バガテル全曲。もちろんあの「エリーゼのために」も入っているのが嬉しい限り。フォルテピアノで奏されると新鮮さもひとしおで、初めて聴くような印象を受ける。また、普段聴くことのできない初期作も多数含まれているのも秀逸。ブラウティハムが驚きの巧さで、ベートーヴェン・ファンは絶対にはずせない一枚。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.12〜変奏曲 Vol.2 ドレスラーの行進曲による9の変奏曲 WoO.63 /スイスの歌による6の変奏曲 WoO.64 / 「恋人よ来たれ」による24の変奏曲 WoO.65 /デッタースドルフの「赤ずきん」による13の変奏曲 WoO.66 / ヴァガノのメヌエットによる12の変奏曲 WoO.68/パイジェッロ「田舎者の恋は何と美しく」による9の変奏曲 WoO.69 / パイジェッロの「うつろな心」による6の変奏曲 WoO.70 ロナルド・ブラウティハム(Fp) | |||
録音:2011年8月、エステローケル教会、スウェーデン。使用楽器:ヴァルター、1805年製作のレプリカ。「ドレスラーの行進曲による9の変奏曲」はベートーヴェン13歳の作で、後に「ディアベッリ変奏曲」や第9交響曲の第3楽章等で魔術的な域にまで至る変奏曲という分野第1号という記念碑的作品。「恋人よ来たれ」による24の変奏曲は演奏時間20分の大規模な作品で、後年の作風の萌芽が見られる。ブラウティハムの演奏は大らかで説得力満点。楽器の響きも美しく、じっくり堪能出来る。 | |||
HK.グルーバー:3つの MOB 小品(トランペットと室内管版)/ バスキング(トランペット、アコーディオン、バンジョーと弦楽オーケストラのための) クルト・シュヴァーツィク:ディヴェルティメント・マッキアートOp.99 (2007) ホーカン・ハーデンベルガー(Tp) マッツ・ベリストレム(バンジョー) クラウディア・ブデル(アコーディオン) HK.グルーバー指揮スウェーデン室内o. | |||
録音:2009年5月、11月、12月、エレブルー・コンサートホール、スウェーデン。新ウィーン楽派に続く第3次ウィーン楽派を代表するふたりの作曲家HK.グルーバーとクルト・シュヴァーツィク。彼らのトランペットのための協奏作品をハーデンベルガーが演奏した超豪華アルバム。と言っても難解な音楽ではなく、ポップスの影響濃いコラージュ風な手法にバンジョーやアコーディオンも響く。シュヴァーツィクのモーツァルト風マーラーといったスタイルも面白さ満点。 | |||
雪片〜クラシック・クリスマス 神の御子は今宵しも/星に願いを/アヴェ・マリア/デンドン高らかに/いとしき大地/ベツレヘムの星/ 世の人忘るな/クリスマスの歌/輝かしきクリスマス/雪片/「わが思い果てしなく駆け巡り」による幻想曲/ マリアの男子/もうじきクリスマス/聖ステファンの祝日/聖夜/この世はうるわし オイスタイン・ボーズヴィーク(Tu) カントゥス女声cho. トロッド・ヴィグム指揮トロンハイムso. | |||
録音:2011年5月、フリキルケ、トロンハイム。チューバの怪人ことオイスタイン・ボーズヴィークからの心あたたまるクリスマス・プレゼント。大柄でコワモテのボーズヴィークが、超低音のチューバでクリスマス・キャロルを、というと悪趣味に思う向きもあるかもしれないが、まずは聴いてみて頂きたい。ボーズヴィークの歌手顔負けの歌い回しに加え、弱音のチューバが意外にまろやかで甘い音を出しているのに驚かされる。あたかも優しいお父さんの歌声のようだ。 | |||
カレヴィ・アホ: クラリネット五重奏曲(1998) / クラリネット、ヴィオラ、ピアノのための三重奏曲/ 2台のアコーディオンのためのソナタ(1984/9) |
オスモ・ヴァンスカ(Cl) サラ&ジーナ・クヮク(Vn) トマス・ターナー(Va) アンソニー・ロス(Vc) スーザン・ビルマイヤー(P) ヴェリ&スサンネ・クヤラ (アコーディオン) | ||
録音:2010年6月、ミネアポリス・オーケストラ・ホール。ヴァンスカ演奏のカレヴィ・アホ、といっても指揮ではなく何とクラリネット奏者として参加したディスクの登場。ピアノの腕前を披露する指揮者は多いが、クラリネットはなかなか貴重。ヴァンスカは指揮者としてブレイクする前、1971年から76年までトゥルク・フィル、77年から87年までヘルシンキ・フィルの首席奏者を務めた名手で、現在でも練習を欠かさぬとのこと。アホの作品とあらば、クラリネット奏者としても参加したいと思うのが人情、名手ぶりに驚かされる。ミネアポリス管のメンバーたちと室内楽奏者としても一級のところを示している。 | |||
時を超える光 ガリーナ・グリゴリエヴァ(1962-):祈り(2005/13)(チェロと男声合唱のための版)(*) [ミック・ウレオヤ指揮エストニア国立男声cho./ 2014年2月20日、エストニア・コンサートホール、タリン、エストニア]/ 無伴奏チェロ・ソナタ「レチタティーヴォ・アコンパニャート」(2003) (*) [2014年3月3日、エストニア・コンサートホール] クルダル・シンク(1942-1995)/アッラル・カーシク補筆完成: チェロ独奏のための「主よ、われらを憐れみたまえ」(1994/2012) (*) [2016年5月9日、聖ヤコブ教会、ヴィームシ、エストニア] トヌ・コルヴィツ(1969-):チェロと合唱のための「七羽の鳥の七つの夢」(2009)(抜粋)(#) [マリス・シルマイス指揮ラトヴィア国立cho./2014年4月4日、パルヌ・コンサートホール、パルヌ、エストニア] アルヴォ・ペルト(1935-):チェロ協奏曲「プロ・エ・コントラ」(1966) (#) [ペーテル・リリエ指揮エストニア国立so./1988年、エストニア・コンサートホール] エルッキ=スヴェン・トゥール(1959-):チェロとオルガンのための「スペクトラム IV 」(2004) (#) [クリスティーネ・アダマイテ(Org)/時期未記載、聖ヨハネ教会、ヘルシンキ、フィンランド] アッラル・カーシク(Vc| 使用楽器: Benoit Fleury, 1763年製(*) / Justin Derazey, 1869年製(#) ) | |||
録音:[/内]。 「音楽は、つねに比類なく、光と同じように私たちに触れ、そのスペクトルいっぱいに私たちを豊かにする」。エストニアのチェロ奏者、アッラル・カーシクが、「時を超える価値」を求めつづけた旅の跡をエストニアの作曲家の作品でたどるアルバム『時を超える光』。ウクライナ出身のガリーナ・グリゴリエヴァGalina Grigorjevaの作品が2曲。祭壇の前に跪き、祈りを捧げる人の姿を音楽イメージとしたサクソフォンとオルガンのための曲を改作した「祈り」。チェロという楽器の色彩と表現をいっぱいに活用し、「無伴奏チェロの個人的な告白」の音楽とした「レチタティーヴォ・アコンパニャート」(管弦楽をともなうレチタティーヴォ)。クルダル・シンクの「主よ、われらを憐れみたまえ」は、田舎の静かな暮らしと丘の散歩をこよなく愛したという作曲家の「真理を求めた人間の音楽による遺言」。トヌ・コルヴィツの「はるか遠い国を舞台にした音楽による童話」「七羽の鳥の七つの夢」から選んだ4曲を「切れ目なく演奏される4楽章」としたチェロと合唱のための作品。アルヴォ・ペルトがロストロポーヴィチに献呈した「プロ・エ・コントラ」は、作曲者から手稿譜の写しを渡されていたカーシクが、「歌う革命」(1987年-1991年)の際、ペーテル・リリエ(1950-1993)指揮エストニア国立so. の共演でエストニア初演した作品。エルッキ=スヴェン・トゥールの「スペクトラムIV」は、チェロがオルガンを設置したロフトではなく祭壇の前で演奏、チェロとオルガンを隔てる「教会の空間」を「アンサンブルの第3の演奏者」とした作品。「私にとって、教会に響く音楽はミサの一部」(カーシク)。シンク、コルヴィツ、トゥールは新録音、その他は、ERR(エストニア公共放送)とForte Recordsの新旧録音をリマスタリングして収録。2018年のエストニア独立100周年に捧げるアルバムとして制作された。 | |||
リンドベリ〜トロンボーン・ファンタジー 鐘耀光:蒙古幻想曲/トロンボーンと中華楽器オーケストラのための小協奏曲「瞑想」 伝承曲/鐘耀光編曲:呪われし曹操 クリスチャン・リンドベリ:語りと中華楽器オーケストラのための「野薔薇」/クンドラーン クリスチャン・リンドベリ(Tb/語り) 邵恩 指揮台北中国楽団 | |||
録音:2009年11月、ジョンシャン・ホール、台北。最近のBISは中国系とのコラボに熱心だが、トロンボーンの超人リンドベリもこの分野に挑戦。台湾の作曲家・鐘耀光は京劇の名作「呪われし曹操」も編曲、月琴や胡弓、銅鑼などがいかにもという調子でトロンボーンをサポートする。「蒙古幻想曲」はホーミー歌唱の技法をトロンボーンに応用しているのが斬新。「瞑想」はボードレールの詩に基づく中国的印象主義作品で、滅多に聴けないトロンボーンの驚異的な音域と奇妙な効果を用いている。リンドベリの名人芸健在。 | |||
シベリウス:合唱作品集 恋する人 Op.14 /歌いつぶした声 Op.18 No.1 /船の旅 Op.18 No.3 /島の火 Op.18 No.4 /わが心の歌 Op.18 No.6 / つぐみのように慌ただしく/祖国に/イタリア民謡編曲〔トリッポーレ/おお、カロリーネ〕/水車を聞け/嘆くことなく/ 陸と海から来た人たち Op.65 No.1/幼子の飼葉桶に/ようこそ、王女よ/大地は息づく/響け、神への栄誉を讃え/ 対位法練習 より〔朝と夕べの門/王は夢みた/主の日は来たれり/船乗りは主に感謝せよ/主よ、あなたは岩〕/ 3つのアンティフォナ/フィンランディア讃歌 ヨルマ・ヒュンニネン(Br) モニカ・グロープ(Ms) セッポ・ムルト指揮 ドミナンテcho. フォルケ・グラスベック(P) ハッリ・ヴィータネン(Org) | |||
録音:2009年10月、2010年1月、2月、4月、パヴィリョンゲン、グランクッラ、フィンランド。シベリウスの合唱作品は「シベリウス大全集Vo.11」(BIS-1930/2) で全曲聴くことが出来るが、ここではフィンランド屈指の名門合唱団ドミナンテの名技で楽しめる。うれしい驚きは、名バリトンのヒュンニネンとメゾソプラノのグロープが参加していることで、一段と華やかさを増している。グラスベックのピアノやヴィータネンのオルガンも雄弁だが、最後に唱されたアカペラによる「フィンランディア讃歌」は稀代の名演。涙なしには聴けない。 | |||
ラロ:ロシア協奏曲 Op.29 /ロマンス・セレナード(1877) /ファンタジー=バレエ(1885) / ギターOp.28(ピエルネによるオーケストレーション)/ピアノ協奏曲 ヘ短調 ジャン=ジャック・カントロフ(Vn) ピエール=アラン・ヴォロンダ(P) ケース・バケルス指揮タピオラ・シンフォニエッタ | |||
録音:2011年5月、タピオラ・コンサート・ホール。エドゥアール・ラロの協奏作品5点を収録。ヴァイオリンを主役とする4篇では、名手カントロフが独奏を務めている。「ロシア協奏曲」は4曲あるラロのヴァイオリン協奏曲の最後のもので、リムスキー=コルサコフが採取したロシア民謡が用いられた異国情緒あふれる作品。ラロならではの華麗なヴァイオリン技巧も聴き物。「ギター」はヴァイオリンとピアノのための作品をガブリエル・ピエルネが伴奏部をオーケストレーション。華麗な協奏作品に仕立てた。さらに嬉しいのが、ラロ最後の大作「ピアノ協奏曲」。フランスの名ピアニスト、ルイ・ディエメルのために作曲されたが、いわゆるヴィルトゥオーゾ協奏曲ではないため、滅多に演奏されない。しかし忘れ難い映画音楽のようなメロディにあふれ、上品でオシャレな感覚に満ちた、人に教えたくない「秘密の宝」的魅力にあふれている。フォーレのピアノ曲の名演で有名なヴォロンダが洗練の極みを聴かせてくれる。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.49 〔第188番「われはわが確き望みを」BWV188/ 第156番「わが片足すでに墓穴に入りぬ」BWV156/ 第159番「見よ、われらがエルサレムにのぼる」BWV159 第171番「神よ、汝の誉れはその御名のごとく」BWV171〕 |
レイチェル・ニコルズ(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
録音:2010年9月、神戸松蔭女子学院大学チャペル。BCJのカンタータもいよいよ終盤となり、各国の有力音楽誌での絶賛ぶりも激しさを増し、向かうところ敵なしの独走状態。今回は1728-1729年頃のいわゆるピカンダー年巻といわれるシリーズ。マタイ受難曲やクリスマス・オラトリオを手掛けたピカンダーことクリスティアン・ヘンリチのテクストによるカンタータで、多くは消失し、現在9篇が現存するが、自筆譜等はなく、研究の的となっている。第188番と156番の冒頭シンフォニアのオルガンとオーボエの華やかな名人芸も聴き物。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.13 ロンド〔ハ長調 WoO.48 /イ長調 WoO.49 /変ロ長調 Kinsky-Halm Anh.6 /ハ長調 Op.51 No.1 /ト長調 Op.51 No.2 〕/ ロンド・ア・カプリッチョ「失くした小銭への怒り」 Op.129 /エコセーズ 変ホ長調 WoO.86 / 6つのエコセーズWoO.83 /アンダンテ「アンダンテ・ファヴォリ」 ヘ長調 WoO.57 /幻想曲 Op.77 / ポロネーズ ハ長調 Op.89 /エリーゼのために(1822年版)/最後の楽想 ハ長調(アンダンテ・マエストーソ)(1826) ロナルド・ブラウティハム(Fp) | |||
録音:2013年8月、エステローケル教会、スウェーデン。使用楽器:ポール・マクナルティ、2011年製作〔1800年年代製作のレプリカ〕。『マクナルティは古い楽器を研究して、それを新しく作り出してくれるという点だけでなく、彼の製作したレプリカを演奏していると、演奏解釈の面でもなんか新しいインスピレーションを得ることができる』(ロナルド・ブラウティハム)。ブラウティハムによるフォルテピアノのベートーヴェンのピアノ独奏曲全集第13弾は、ロンド集とあの「エリーゼのために」「失くした小銭への怒り」、最後の楽想 ハ長調(原曲:弦楽五重奏のための冒頭のスケッチ)やアンダンテ・ファヴォリ ヘ長調 WoO.57 などを含む小品集。フォルテピアノならではの温かみのある音とブラウティハムの研ぎ澄まされたタッチがこの名曲に新たな光を与える。演奏機会に恵まれない、しかし素晴らしい作品を名手によりその魅力を最大限に引き出してくれる。ブラウティハムがイメージする新しくも最善の状態の楽器を使用することで、ごく自然な雰囲気を作り出していることがわかる。 | |||
マルティン・フレスト〜モーツァルト:クラリネット作品集 クラリネット協奏曲 イ長調 K.622 (1791) (*) / ピアノ、クラリネットとヴィオラのための 三重奏曲 変ホ長調「ケーゲルシュタット・トリオ」 K.498 (#) / クラリネットと弦楽四重奏のためのアレグロ 変ロ長調 K.Anh.91 (516c) (+) マルティン・フレスト(バセットトCl;*/Cl;#, +)指揮(*) ブレーメン・ドイツ室内po.(*) レイフ・オヴェ・アンスネス(P;#) アントワーヌ・タムスティ(Va;#) ジャニーヌ・ヤンセン、 ボリス・ブロフツィン(Vn;+) マクシム・リサノフ 〔マキシム・リザノフ〕(Va;+) トルレイフ・テデーン(Vc;+) | |||
録音:2010年7月、ブレーメン、ドイツ(*) /2012年7月、ヤール教会、ヤール、ノルウェー(#) /2013年2月、ストックホルム・コンサートホール、スウェーデン(+)。BIS レーベルより数多くの録音をリリースしてきた天才クラリネット奏者マルティン・フレストのオール・モーツァルト・プログラム、共演陣が豪華絢爛なのにも注目。クラリネット協奏曲はフレストにとって非常に思い入れ深い作品で、ウンジャン指揮アムステルダム・シンフォニエッタとの共演盤(BISSA-1263)に次ぐ2度目の録音。今回はドイツ・ブレーメンに本拠を置く室内オーケストラ、ブレーメン・ドイツ室内po.との共演で吹き振りに挑戦。抜群のテクニックと輝かしい音色に加え音楽表現の幅が拡がり、ひと際音楽性の高い演奏。オケもフレストの演奏に親和するような美しさ。クラリネットとオーケストラが寄り添うような演奏。なお、この協奏曲で使用しているバセット・クラリネットは、A管クラリネットの低音域をバセットホルンの最低音である記音ハ(C3)まで拡張した楽器で、モーツァルト没後200周年を記念して1991年に復元された物。「ケーゲルシュタット・トリオ」は世界的ピアニスト、レイフ・オヴェ・アンスネスがピアノを、俊英奏者アントワーヌ・タムスティがヴィオラをそれぞれ担当している。アレグロ も、今や大人気のヴァイオリニスト、ジャニーヌ・ヤンセンを筆頭にヤンセンとの室内楽録音でも度々共演している、ヴァイオリンのブロフツィン、チェロのテデーン、そしてリサノフと、この上ないメンバーが揃った。期待をはるかに超える、当曲の決定盤になること間違いなしの演奏であり、BISが誇る優秀録音。 | |||
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.2 〔第24番 ハ短調 K491/第25番 ハ長調 K503〕 |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) マイケル・ アレクザンダー・ウィレンズ指揮 ケルン・アカデミー | ||
録音:2010年12月、インマヌエル教会、ヴッパータール。ブラウティハムのモーツァルト、ピアノ協奏曲第2弾。演奏は雄大かつ正確で充実感満点。まるでモーツァルト本人が弾いた録音が発見されたかと錯覚させられる説得力。 | |||
テレマン:トリオ・ソナタ ニ短調 TWV42;d7 / チェロ・ソナタ ニ長調 TWV41;D6 / トリオ・ソナタ ト短調 TWV42;g9 J.S.バッハ:リコーダー・ソナタ ロ短調 BWV1030 C.P.E.バッハ:トリオ・ソナタ ヘ長調 Wq163/ ヴィオラ・ソナタ ト短調 Wq88 |
パラディソ・ムジカーレ [ダン・ラウリン(Rec) ヘンリク・フレンディン(Va) マッツ・オロフソン(Vc) アンナ・パラディソ(Cemb)] | ||
録音:2010年4月、レンナ教会(スウェーデン)。父(J.S.バッハ)、子(C.P.E.バッハ)、名付親(テレマン)の大物3名が教会や宮廷の要請ではなく、家庭で楽しむために作った室内楽を集めたアルバム。優雅で親しみやすいものばかり。テレマン作品はポーランドやフランス、イタリアの民俗音楽を採り入れていて、ワールドミュージックを先取りしたような感覚に満ちている。「北欧の虚無僧」ダン・ラウリン率いるパラディソ・ムジカーレの初アルバム。リコーダー、ヴィオラ、チェロ、チェンバロという変った編成で、メンバーはクラシックのみならずプリンスやフランク・ザッパとも共演したことのあるマルチタレント揃いで、今後要注目。 | |||
ドヴォルジャーク: 交響曲第7番 ニ短調 Op.70 (*) / 序曲「オセロ」Op.93 (#) /交響詩「野鳩」Op.110 (#) |
クラウス・ペーター・フロール指揮 マレーシアpo. | ||
録音:2010年9月(#)、2011年7月(*)、デワン・フィルハーモニク・ペトロナス・ホール、クアラルンプール(マレーシア)。爆演で評判のマレーシア・フィルによるドヴォルジャーク。名作の交響曲第7番もスケールの大きさ、熱気が強烈。また、夫殺しの若妻がハトの鳴き声で狂乱していく様を描いた「野鳩」も不気味さ満点で、聴き手を離さない。 | |||
チャイコフスキー:交響曲・管弦楽曲集 交響曲〔第1番−第6番〕/付随音楽「雪娘」Op.12(抜粋)/序曲 ヘ長調/ 幻想序曲「ロメオとジュリエット」/デンマーク国歌による祝典序曲 Op.15/ 序曲「嵐」Op.76/「地方長官」Op.3〜間奏曲と侍女の踊り/ 付随音楽「偽ドミートリーとワシリー・シュイスキー」/ ニコライ・ルビンシテインの命名日のためのセレナード/ 歌劇「エフゲニー・オネーギン」Op.24 より〔間奏曲/ワルツ/ポロネーズ〕/ 弦楽セレナードOp.48/サマーリン追悼エレジー/交響的バラード「ヴォエヴォーダ」Op.78/ イタリア奇想曲 Op.45/幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」Op.32 ネーメ・ヤルヴィ指揮イェーテボリso. | |||
録音:2002年6月-2005年3月、イェーテボリ・コンサート・ホール。ヤルヴィとイェーテボリ響によるチャイコフスキー作品集が通常CDでセット化。それも6枚組2枚価格という嬉しさ。交響曲全曲を始め、イタリア奇想曲、ロメオとジュリエット、弦楽セレナードなどの人気作から珍品まで非常な高水準の演奏で楽しめる。7時間半たっぷりチャイコフスキーの世界にひたることが出来る。 | |||
イタリアのキタローネ・ヴィルトゥオーゾたち カプスペルガー〔カプスベルガー〕: アルペッジアータ/カンツォーナ/ベルガマスカ/カナリオ/パッサカリア/トッカータ/ 二部によるガリアルダ/三部によるコレンテ/前奏曲/トッカータ/カポーナ/コラシオーネ/カプスペルガー カスタルディ:ペガサス・ファンタジー/アルペスカ・ガリアルダ/チェッキーナ・コレンテ/ お気に入りの旋法によるアルペッジアータ/半音階的コレンテ/ラ・フォリア/狂乱のコレンテ ピッチニーニ:半音階的トッカータ/変奏部付きロマネスカ/コレンテ/トッカータ/ ラ・フォリアによる変奏的パルティータ/フィオレンツェの歌/コレンテ ヤコブ・リンドベリ(キタローネ) | |||
録音:2011年3月、レンナ教会、スウェーデン。リュートの名手ヤコブ・リンドベリがキタローネに挑戦。キタローネはリュート族の低音楽器で、長いネックが特徴。その長さは160cm を超え、弦は16本という巨大な体躯から発せられる音は深みに満ち、表情豊か。オーディオ効果も抜群。このアルバムはキタローネがもてはやされた1604年から1640年の名手たちによる作品が集められている。ドイツ人ヨハン・カプスベルガーはイタリアに渡りジョヴァンニ・カプスペルガーと名乗り、キタローネの名手として名を成した。いずれの曲も典雅ながら琵琶を想わせる寂寥感も漂い、日本人の琴線に触れる感性。 | |||
音詩〜シベリウス:完全全集 Vol.1 エン・サガ Op.9(原典版)/ レンミンカイネン組曲 Op.22(原典版)/即興曲/ 春の歌Op.16 /森の精 Op.15/ エン・サガ Op.9(現行版)/ カッサツィオーネ Op.6(原典版)/ ある情景への音楽/フィンランドは目覚める/ フィンランディア Op.26/春の歌Op.16/ 葬送行進曲「イン・メモリアム」Op.59(現行版)/ レンミンカイネン組曲 Op.22(現行版)/ ポホヨラの娘 Op.49/夜の騎行と日の出 Op.55/ 森の精 Op.45の1/舞踏間奏曲 Op.45の2/ 吟遊詩人Op.64/大洋の女神 Op.73(現行版)/ タピオラ Op.112/ルオンノタール Op.70/ 大洋の女神 Op.73( 1914年版)/ 葬送行進曲「イン・メモリアム」Op.59(原典版)/ カッサツィオーネOp.6(現行版)/ 「歴史的情景」第1組曲 Op.25(*)/ 「歴史的情景」第2組曲 Op.66(*) |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. ネーメ・ヤルヴィ指揮(*) エーテボリso.(*) | ||
シベリウスの没後50年を記念してBISが送る「シベリウス完全全集」。全体を13のジャンルに分け、全65枚、世界初の浩瀚な大全集の完成となる。第1弾は「音詩」と題され、交響曲以外の管弦楽曲を網羅している。同一曲の異版まで収められている完璧さ。演奏は大半がヴァンスカ&ラハティ響というのも魅力。英・独・仏・フィンランド・日本語の五カ国語による77ページ豪華解説書と伝記(それぞれ別冊)つき。最高の演奏と録音が美麗化粧函入りで5枚組3枚価格。「アンタこれを買わないと必ず後悔するよ!」と代理店が記すセット。 | |||
シベリウス完全全集 Vol.2〜 室内楽(四重奏・三重奏)編 弦楽四重奏曲 モルト・モデラート〜スケルツォ JS134/ [スケルツォ] ロ短調// 弦楽四重奏曲 変ホ長調 JS184 (1885)/ [4つの主題] (1887)/アラ・マルチア ホ短調 JS16/ プレスト ヘ長調 JS154/主題と変奏 ト短調 JS197/ アレグレット ニ長調 JS20/ アンダンティーノ ハ長調 JS39/ 主題と変奏 嬰ハ短調 JS195/[33の小品] (1888-89)/ [アレグロ] ト短調/ アンダンテ〜アレグロ・モルト ニ長調 JS32/ アンダンテ・モルト・ソステヌート ロ短調 JS37/ モデラート 〜アレグロ・アパッシオナート 嬰ハ短調 JS131/ アレグロ ホ短調 JS28/アレグレット イ長調 JS17/ アダージョ ヘ短調 JS14/ アレグレット 変ロ長調 (1889)/ マルティン・ウェゲリウスのためのフーガ JS85/ 弦楽四重奏曲 イ短調 JS183/ アダージョ ニ短調 JS12/ 弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.4/ 弦楽四重奏曲 ニ短調「親愛の声」Op.56/ 弦楽四重奏曲 ニ短調「親愛の声」の終結部異稿/ アンダンテ・フェスティヴォ JS34a/ ピアノ三重奏曲 ピアノ三重奏曲 ト長調 JS205/ [メヌエット]ニ短調 (1882)/ メヌエット ヘ長調 JS12/ [アンダンテ]〜アダージョ 〜アレグロ・マエストーソ(1883-85)/ ピアノ三重奏曲 イ短調 JS206/ [モデラート] イ短調/ [アレグロ] ハ長調/アレグロ ニ長調 JS27/ [アンダンティーノ] イ長調(1886)/ ピアノ三重奏曲 イ短調「ハフトラスク」JS207/ ピアノ三重奏曲 ニ長調「コルポ」 JS209/ アンダンティーノ ト短調 JS43/ ピアノ三重奏曲 ハ長調「ロヴィサ」 JS208/ [アレグレット] 変イ長調 (1888)/ [アレグレット] 変ホ長調 (ヤーッコ・クーシスト補完)/ [アレグロ]ニ短調(カレヴィ・アホ補完)/ ヘルシンキ大学解剖学学院の 華麗な行進曲 JS116/ ピアノ四重奏曲 ピアノ四重奏曲 ニ短調 JS157/光の乙女 (1885)/ スケルツォ ホ短調 JS165/ アンダンテ・カンタービレ 変ホ長調 JS30b (ピアノとハルモニウムのための)/ ヴァイオリン、チェロ、ハルモニウム、 ピアノのための四重奏曲 ト短調 JS158/ ピアノ四重奏曲 ハ短調 JS156 |
テンペラSQ ヤーッコ・クーシスト、 サトゥ・ヴァンスカ(Vn) マルコ・イロネン、 タネリ・トゥルネン(Vc) フォルケ・グラスベック、 ペテル・ レンクヴィスト(P) ハッリ・ヴィータネン ハルモニウム | ||
シベリウスの没後50年を記念してBISが送る「シベリウス完全全集」。全体を13のジャンルに分け、全65枚、世界初の浩瀚な大全集の完成となる。第2弾は室内楽作品のうち、四重奏と三重奏曲を網羅している。交響曲や管弦楽曲にくらべて、どうしても地味な印象の室内楽作品だが、ヴァイオリンの名手だったシベリウスが、幼い頃から家族や友人と楽しんだ極めて近しいジャンルでもある。学生時代の未出版作品から断片的なスケッチまで収められている完璧さなので、これ1セット持っていれば十分なスグレもの。演奏もフィンランドの新鋭テンペラSQのほか、クーシスト、グラスベックなどフィンランドの実力派が担っているのも魅力。英・独・仏・フィンランド・日本語の五カ国語による80ページ豪華解説書、さらに別冊伝記(連載)つき。美麗化粧函入りで6枚組3枚価格という超お買い得品。 | |||
シベリウス完全全集 Vol.3〜声楽付管弦楽曲編 クレルヴォ交響曲 Op.7/ 大学祝典のカンタータ JS105(1894)/ 恋する人〜Ten、男声Cho、弦楽orch版 JS160(1894)/ 2つのコラール〜混声ChoとOrch(1889)/ 森の精 Op.15〜朗読とPf(1894/5)/ セレナード JS168(1894/5)/ ニコライ二世の戴冠式のためのカンタータ JS104(1896)/ 歌劇「塔の中の乙女」JS101(1896)/ レンミンカイネンの歌 Op.31-1〜男声Choとorch/ いかだ流しの花嫁たち Op.33〜Barとorch/ 「クリスティアンニ世」より 蜘蛛のこっけいな歌 Op.27-4〜Barとorch/ サンデルス Op.28〜男声Choとorch/ アテネ人の歌 Op.31-3(初版)〜Choと管打楽器/ ウレオー川の氷解け Op.30〜朗読、男声Choとorch/ アテネ人の歌 Op.31-3(改訂版)〜Choと管打楽器/ スネフリド Op.29〜朗読、Choとorch/ 即興曲 Op.19(原典版)〜女声Choとorch/ 火の起源 Op.32(原典版)〜Bar、男声Choとorch/ あれ以来私は尋ねたことがなかった Op.17-1〜Sopとorch/ 秋の夕べ Op.38-1〜Sopとorch/ 海辺のバルコニーで Op.38-2〜Barとorch/ 夜に Op.38-3〜Sopとorch/ お前に勇気があるか Op.31-2〜男声Choとorch/ 秋の夕べ Op.38-1〜Sopと弦楽orch/ 解放された女王 Op.48〜Choとorch/ 伯爵夫人の肖像 JS88〜朗読とorch(1906)/ 即興曲 Op.19(改訂版)〜女声Choとorch/ 解放された女王 Op.48〜男声Choとorch/ 火の起源 Op.32(改訂版)〜Bar、男声Choとorch / お前に勇気があるか Op.31-2(第2版)〜男声Choとorch/ アリオーソ Op.3〜Sopと弦楽orch/ お前に勇気があるか Op.31-2(第3版)〜男声Choとorch/ マグヌス大公 Op.57-6〜Sopとorch/ 大気の精 Op.70〜Sopとorch/ 日の出 Op.37-3〜Sopとorch/ 春は急ぎゆく Op.13-4〜Sopとorch/ お前に勇気があるか Op.31-2(第4版)〜男声Choとorch/ サンデルス Op.28(改訂版)〜男声Choとorch/ 三月の雪の上のダイヤモンド Op.36-3〜Barとorch/ イェーガー隊行進曲 Op.91a〜男声Choとorch/ 少年団行進曲 Op.91b〜混声Choとorch/ わが祖国 Op.92〜混声Choとorch/ 大地の歌 Op.93〜混声Choとorch/ 昔々 Op.96b〜 Sop, Altとorch/ 大地讃歌 Op.95〜混声Choとorch/ ヴァイノ賛歌 Op.110〜混声Choとorch/ 行列 Op.113-6〜混声Choとorch/ いかだ流しの花嫁たち Op.33〜男声Choとorch版/ 孤独なシュプール JS77b〜朗読と弦楽orch/ クレルヴォの嘆き Op.7〜Basとorch/ 来たれ、死よ Op.60-1〜Barと弦楽orch |
ヘレナ・ユントネン、 マリアンネ・ハッガンデル(S) リリ・パーシキヴィ(Ms) エルランド・ハゲゴード(T) ヨルマ・ヒュンニネン(B) スティナ・エクバルド、 ラッセ・ポイスティ(朗読) YL男声cho.、ドミナンテcho. ユビラーテcho. ネーメ・ヤルヴィ、 ヨルマ・パヌラ指揮 エーテボリso. オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
シベリウスの没後50年を記念してBISが送る「シベリウス完全全集」。全体を13のジャンルに分け、全65枚、世界初の浩瀚な大全集の完成となる。第3弾は声楽付管弦楽曲を網羅している。名作「クレルヴォ交響曲」はもちろん、大規模なカンタータから歌曲の管弦楽曲伴奏編曲、さらには同一曲も異版があるだけ全部収録という完璧さ。初めて聴くような作品も、シベリウスならではの味わいに富んでいて、思わぬ拾い物の連続。演奏も大物ヒュンニネンをはじめ新鋭まで多数。管弦楽はヤルヴィやヴァンスカが担当しているのも魅力。英・独・仏・フィンランド・日本語の五カ国語による80ページ豪華解説書、さらに別冊伝記(連載)つき。美麗化粧函入りで6枚組3枚価格という超お買い得品。 | |||
シベリウス完全全集 Vol.4〜ピアノ曲 Vol.1 スケルツォ JS134a/コン・モト・センプレ JS52/ アンダンテ JS74/メヌエット JS5/ テンポ・ディ・ヴァルス JS2/ スケルツォ JS134b/11の変奏曲/ ワルツとアンダンティーノ(118の和声課題より)/ 主題カタログ(50の小品)/あこがれ JS293(朗読付)/ アンダンテ JS30a/朝の歌 JS46/黄昏に JS47/ テンポ・ディ・メヌエット 嬰ヘ短調/ アレグロ ホ長調/モデラート ヘ短調/ ヴィヴァーチェ 変ホ長調/アンダンティーノ ハ長調/ アンダンティーノ ロ長調JS44/ アレグレット 変ロ短調 JS18/アレグロ ヘ短調/ ワルツ ホ長調/ ピウ・レント〜テンポ・ディ・ヴァルス JS150/ ワルツ断片 ヘ短調/アンダンティーノ ホ長調 JS41/ 2つのスケッチ JS6/アレグレット JS24/ モデラート〜プレスト JS133/アレグロ断片 ホ長調/ ああ、あなたが見たなら JS141(朗読付)/ ラルゴ JS117/ヴィヴァーチェ JS221/ アダージョ JS11/3つのフーガ呈示部/ポルカ JS75/ 組曲「フロレスタン」JS82/アレグレット JS21/ ワルツ「ベッツィ・ルルーシュのために」JS1/ ソナタ・アレグロ ニ短調(呈示部と展開部)JS179a/ ベッケルのためのソナタ断片(1889)/ 2つのソナタ・スケッチ/11のソナタ・スケッチ/ ソナタ・アレグロ ヘ短調(呈示部)JS179b/ ソナタ・アレグロ ハ長調(呈示部)JS179c/ ソナタ・アレグロ ホ長調 JS179d/ ソナタ・アレグロ ハ短調(呈示部)JS179e/ ポルカ断片/マズルカのスケッチ/スケルツォ JS164/ メヌエット 変ロ長調/ワルツ 変ニ長調/ 6つの即興曲 Op.5/ 「カレリア組曲」より間奏曲とバラード Op.11/ ピアノ・ソナタ ヘ長調 Op.12/森の精 Op.15/ アレグレット JS23/カプリッチョ 変ロ短調/ レント JS119/アレグレット JS225/カプリス ロ短調/ アンダンティーノ Op.24-7(初稿)/ メヌエット 変ロ長調/悲しき行進曲 JS124/ アレグロ ト短調/騎士 JS109/ アンダンティーノ ヘ長調/10の小品 Op.24/ 牧歌 Op.24-6(第2稿)/フィンランディア Op.26/ 付随音楽「クリスティアン2世」Op.27/3つのスケッチ/ ラルガメンテ ニ短調/お前に勇気があるか?Op.31-2/ アテネ人の歌 Op.31-3/ フィンランド民謡集のピアノ編曲 JS81/ 私の恋人の何と美しきこと/アダージョ ハ長調/ ポルカ「アイノ」 ハ短調/クプレ Op.34-4(初稿)/ 10のバガテル Op.34/アンダンテ 嬰ハ短調 (交響曲第1番第2楽章の試作的スケッチ)/ 10の叙情的瞑想Op.40/キュリッキ Op.41/ 悲しきワルツ Op.44-1(編曲試作)/ 悲しきワルツ Op.44-1(編曲決定稿)/ 森の精 Op.45-1/舞踏間奏曲 Op.45-2 |
フォルケ・グラスベック(P) ラッセ・ポイスティ(朗読) | ||
大好評のシベリウス完全全曲シリーズ第4弾はピアノ曲その1。初期の習作、あるいはスケッチや断片まで収めるというBISならではの偏執狂ぶりが嬉しい限り。この巻、ただありものをまとめたのではなく、「フィンランディア」や「悲しきワルツ(複数稿)」などポピュラーな作品、さらに交響曲第1番第2楽章の試作的スケッチなどというお宝中のお宝の新録音が多数含まれている。 5枚組3枚価格、これは買わなきゃもったいない、box。 | |||
シベリウス完全全集 Vol.5〜劇音楽 クリスティアン2世 Op.27 (オリジナル完全版と演奏会用組曲の2種)/ クオレマ Op.44(完全版)/悲しきワルツ Op.44-1/ 鶴のいる風景 Op.44-2/カンツォネッタ Op.62a/ ロマンティックなワルツ Op.62b/ ペレアスとメリザンド Op.46 (オリジナル完全版と演奏会用組曲の2種)/ ベルシャザール王の饗宴 Op.51 (オリジナル完全版と演奏会用組曲の2種)/ 白鳥姫 Op.54 (オリジナル完全版と演奏会用組曲の2種)/ 白鳥姫〜第9曲の予備的スケッチ/ 十二夜 Op.60〜来たれ、死よ/ 鳥の言葉〜結婚行進曲 JS62/スカラムーシュ Op.71/ 誰も彼も Op.83/ テンペスト Op.109 (オリジナル完全版と演奏会用組曲の2種)/ テンペスト〜カノン(1927)と前奏曲 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ヤーッコ・クーシスト指揮 ラハティso. ネーメ・ヤルヴィ指揮 ヨルマ・パヌラ指揮 エーテボリso. ラハティ室内cho. ラハティ歌劇場cho. キルシ・ティーホネン(S) リリ・パーシキヴィ、 アンナ=リサ・ヤコブソン(Ms) ヨルマ・ヒュンニネン、 ライモ・ラウッカ、 サウリ・ティーリカイネン、 ヘイッキ・ケイノネン(Br)他 | ||
大好評のシベリウス完全全集第5弾。今回は劇付随のための管弦楽曲を集めたもの。全曲版と演奏会用組曲が存在する作品はその両者を、異版のあるものはそのすべてを含んでいる。さらに「白鳥姫」第9曲の予備的スケッチ、「テンペスト」のカノンはこのアルバムのための新録音、ヴァンスカ&ラハティの「悲しきワルツ」「鶴のいる風景」の未発売音源という貴重なものもここだけで聴ける。 | |||
シベリウス完全全集 Vol.6〜ヴァイオリンとピアノのための作品全集 ヴァイオリン・ソナタ イ短調 JS177(1884)/アンダンテ・グラツィオーソ JS35(1884/5)/ソナタ断章 ニ短調(1885)/ プレスト JS7(1886)/メヌエット ニ短調(1886)/メヌエット ホ長調 JS67(1886/7)/アンダンティーノ JS8(1886/7)/ アレグレット ト長調 JS86(改訂稿)/テンポ・ディ・ヴァルス ロ短調JS89(ヤーッコ・クーシスト完成)/ マズルカ イ長調 JS4/アンダンテ・モルト JS49/朝の歌 JS3/スケルツィーノ JS78/アンダンテ・エレジアーコ(1887)/ アンダンテ・カンタービレ JS33/ソナタ・アレグロの提示部 JS90/組曲 ニ短調 JS187/モデラート 変ホ長調 JS132/ 間奏とマエストーソ(1887/8)/レント 変ホ長調 JS76/アレグレット 変ホ長調 JS22/アレグレット ハ長調 JS19/ テンポ・ディ・ヴァルス イ長調 (1888)/組曲 ホ長調 JS188/アレグロ イ短調 JS26/ラルゲット(断片)(1889)/ ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 JS178/ラルガメンテ(断片)(1889/91)/アダージョ ニ短調(1890)/ グラーヴェ(断片)(1891/4)/2つの小品 Op.2(1911年の改訂版)/ ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47 (オリジナル版/作曲者自身によるヴァイオリンとピアノ版/第1楽章のピアノ・パート:カレヴィ・アホ補筆)/ ヴァイオリン協奏曲 ニ短調Op.47(現行版/作曲者自身によるヴァイオリンとピアノ版)/ 愛の情景〜スカラムーシュ Op.71より (1925編曲)/2つの荘重な旋律 Op.77/4つの小品 Op.78/6つの小品 Op.79/ アンダンテ・ソステヌート(1915)/ソナチネ ホ長調 Op.80/5つの小品 Op.81/ノヴェレッテ Op.102/ 5つの田園舞曲 Op.106/4つの小品 Op.115/3つの小品 Op.116/マズルカ ハ長調(1883)(*)/ 即興曲 ト短調(1884)(*)/練習曲 ニ長調 JS55(*)/アレグレット(1889)(*)/めでたき楽師 JS70(*)/ アレグレット ト長調(初稿)(*)/2つの小品 Op.2(初版)(*)/ロマンス Op.78-2(初版)(*) ヤーッコ・クーシスト、ニルス=エリク・スパルフ、佐藤まどか(Vn) フォルケ・グラスベック、ベングト・フォシュベルイ(P) | |||
(*)は無伴奏作品。これら作品のossia(別項)もすべて収録。 大好評のシベリウス完全全集、第6巻の登場。今回は無伴奏ヴァイオリンおよびピアノ伴奏付きヴァイオリン曲を網羅している驚愕のBOX。既発の同ジャンル作品はもちろんすべて収録されているが、加えてヴァイオリン協奏曲のオリジナル版と現行版の作曲者自身によるヴァイオリンとピアノ版も新録音して収録しているのにも注目。演奏は同曲オリジナル版を本邦初演、ピアノ伴奏版を世界初演し、2つの版についての論文で東京藝術大学にて博士号を得た佐藤まどか。ほかにも「アレグレット」「ロマンス」ほかのオリジナル版、断片や曲途中の「ossia」(別項)まで含めた徹底ぶり。 | |||
シベリウス完全全集 Vol.7〜歌曲全集 セレナード JS167/セレナード JS167(初稿)/5つのクリスマスの歌 Op.1/雪は深く積もって Op.1-5(作曲者編二重唱版)/ アリオーソ Op.3/クレルヴォの嘆き Op.7(作曲者編ピアノ伴奏版; 1917/8)/クレルヴォの嘆き Op.7(原典版; 1892)/ 7つの歌 Op.13/キスの願い Op.13-2(初稿)/心のあけぼの Op.13-3(初稿)/夢 Op.13-5(初稿)/7つの歌 Op.17/ あれ以来私は Op.17-1(草稿)/夕べに Op.17-6(草稿)/愚者の蜘蛛の歌 Op.27-4(作曲者編ピアノ伴奏版)/ 急流下りの名人の花嫁 Op.33(作曲者編ピアノ伴奏版)/2つの歌 Op.35/テオドラ Op.35-2(初稿)/6つの歌 Op.36/ 5つの歌 Op.37/5つの歌 Op.38/3人の盲目の姉妹 Op.46-4(作曲者編ピアノ伴奏版)/6つの歌 Op.50/ ユダヤ人の少女の歌 Op.51-2(作曲者編ピアノ伴奏版)/ユダヤ人の少女の歌 JS48-2b(原典版)/8つの歌 Op.57/ シェイクスピアの「十二夜」による2つの歌 Op.60/8つの歌 Op.61/暇を楽しむ Op.61-6(初稿) シェイクスピアの「十二夜」による2つの歌 Op.60(オリジナル・ギター伴奏版)/大気の精 Op.70/4つの歌 Op.72/ 百の道 Op.72-6(初稿)/6つの歌 Op.86/6つの歌 Op.88/6つの歌 Op.90/昔々(田園風情景 Op.96b)/ 田園曲 Op.96b(作曲者による二重唱編曲)/ファーストキス JS57 (1891/2)/おいでおいで、いとしい人 JS211(1892)/ 喪失(1906)/タイスへの賛歌(1909年初版)/タイスへの賛歌(1948年改訂版)/帆走(1899)/泳げ、青鴨よ(1899)/ 森の精 JS171(1889)/相似 JS120(1890)/ひとつの歌 JS71(1888)/北風が荒れる間(1888)/水の精 JS138(1888)/ 世がまだ創られていなかった頃 JS56(1888)/太陽が空を赤らめ(1888 断片)/酒神祭 JS143(1888)/秋の宵 JS71(1888 断片)/ 乙女は冬の朝出て行った(1890/2 断片)/俺はお前に飽きずキスする(1889/91)/知恵は家なし(1890/1)/ アンダンティーノ 変ホ短調 JS42(1900)/日の出 JS87(1902)/私がインドにいたならば(1903/4)/友情の花 JS215(1909)/ 思い(1915)/おばあさんの誕生日の歌 JS136(1919)/若い娘たち JS174(1920)/水仙 JS140(1925) ヘレナ・ユントネン(S) アンネ=ソフィ・フォン・オッター、モニカ・グロープ(Ms) ダン・カルルストレム(T) ガブリエル・スオヴァネン、ヨルマ・ヒュンニネン(Br) フォルケ・グラスベック、ベングト・フォシュベリ、ルーヴェ・デルヴィンエル(P) ヤーッコ・クーシスト(Vn) マルコ・イーロネン、ヨエル・ラークソ(Vc) ラッセ・ポイスティ(朗読) | |||
シベリウスには驚くほど美しい歌曲が多く、当盤にも収められているオッターのアルバムは1988年度レコード・アカデミー賞声楽部門を受賞している。当BOXは5枚組だが3枚価格。さらに日本語解説まで付いている(ただし日本語歌詞訳は付いていない)。既発の盤だけでなく、多くの新録音が含まれているのが注目。それもすべてが世界初録音で、これを買わねば聴けない。演奏もオッター、グロープ、ヒュンニネンといった北欧のベテラン揃い。冬の日に静かで極上の時を与えてくれる。 | |||
シベリウス完全全集 Vol.8〜管弦楽曲集 序曲 ホ長調 JS145/バレエの情景 JS163/ 劇音楽「カレリア」JS115(カレヴィ・アホ補作による完全版)/ カレリア序曲 Op.10/カレリア組曲 Op.11/伯爵夫人の肖像 JS88/ 弦楽のための即興曲(原典版と改訂版の2種)/ 弦楽のためのプレスト/新聞祭典の音楽 JS137/メヌエット JS127/ 戴冠式行進曲/ポリ行進曲 JS152/序曲 イ短調 JS144/ 弦楽のためのロマンス Op.42/行列 JS54/パンとエコー Op.53/ ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47(原典版と現行版の2種)/ 恋する人 Op.14(原典版とパリ版の2種)/ 管弦楽組曲断章(「海の精」の原案)/特徴的な組曲 Op.100/ 2つのセレナード Op.69/2つの荘重な旋律 Op.77/ ユモレスクOp.87, 89(全6曲+Op.87-1の原典版)/ アカデミー行進曲 JS155/イェーガー隊行進曲 Op.91a/ 3つの小品 Op.96/可愛い組曲 Op.98a/田園組曲 Op.98b/ ジャコブ・ド・ジュラン氏のモチーフによるロマン的小品 JS135a/ ヴァイオリンと弦楽のための組曲 JS185/ アンダンテ・フェスティヴォ JS34b/行列 Op.113-8 |
ネーメ・ヤルヴィ指揮 イェーテボリso. オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. レオニダス・カヴァコス、 ドンスク・カン、 ヤーッコ・クーシスト(Vn) マルコ・イーロネン(Vc)/他 | ||
シベリウスはあらゆるジャンルに作品を残しているが、やはりオーケストラ曲は真骨頂。ここでは交響曲、交響詩、劇付随音楽を除く作品をすべて収めている。演奏は大半がヴァンスカ指揮ラハティ響。さらに嬉しいのは大ヒットしたヴァイオリン協奏曲原典版を含む協奏作品も網羅されている。さらにさらに当BOXのための新録音(「行列 Op.113-8」や「恋する人 Op.14 パリ版」ほか5作品)が含まれていて、ここでしか聴くことができない。とは言え、6枚組3枚価格というお買い得品。1セットは持っていたい逸品。 | |||
シベリウス完全全曲 Vol.9〜弦楽室内楽曲集 水滴 JS216/空中楼蘭 JS65(#)/アンダンティーノ JS40/アンダンテ・モルト JS36/セレナータ JS169(#)/ メヌエットとアレグロ JS128(#)/テンポ・ディ・ヴァルス JS193(ピアノ・パート;カレヴィ・アホ補作;#)/ デュオ JS68(#)/無伴奏チェロのための主題と変奏(第4変奏は2種)JS196(*)/レント JS76(#)/ モデラート(1885/9)(#)/マズルカ(1887/9)(2種;#)/アンダンテ JS91(#)/アンダンティーノ JS92(#)/ アンダンテ・モルト(1888/9)(#)/ピアノ五重奏のためのアンダンテ〜アレグロ JS31/カノン JS50(#)/ 弦楽三重奏のためのアンダンティーノ(1889)(#)/弦楽三重奏のための組曲 JS186(*)/ チェロとピアノのための幻想曲 JS79(#)/アダージョ JS15(#)/ルルのワルツ JS194/ 序曲 ヘ短調 JS14(6金管合奏)/アレグロ JS25(金管合奏)/アンダンティーノとメヌエット JS45(金管合奏)/ ピアノ五重奏のためのヴィヴァーチェ(1890)/ピアノ五重奏曲 ト短調 JS159/メヌエット(1891)(#)/ 前奏曲(金管合奏とトライアングル)/ヴァイオリンとヴィオラのためのデュオ JS66(*)/ メロドラマ「嫉ましき夜」JS125/弦楽三重奏曲 JS210(*)/ヴィオラとピアノのためのロンド/ 弦楽三重奏のためのカノン(#)/カンテレのためのモデラート JS130(#)/カンテレのためのドルチッシモ JS63(#)/ カンテレとヴァイオリンのためのワルツ JS222/ティエラ(金管合奏と打楽器)JS200/2つの荘重な旋律 Op.77/ 行進曲(金管合奏と打楽器)(1897/9)(#)/マリンコニア Op.20/付随音楽「とかげ」Op.8(*)/4つの小品 Op.78 トーレイヴ・テデーン、タネリ・ツルネン、ヨエル・ラークソ(Vc) ヤーッコ・クーシスト、ラウラ・ヴィクマン(Vn) 今井信子、アンナ・クレーッタ・グリバイチェヴィチ(Va) フォルケ・グラスベック(P) スヴィ・レートネン=グラスベック(カンテレ) ブラスパートアウト/他 | |||
(*)初リリース/(#)世界初録音。 交響曲や管弦楽曲に比べると人気がやや劣る室内楽だが、シベリウスはもともとヴァイオリニストを目指しただけあり、その効果的な書法と彼の言いたいことの伝わり方の雄弁さなど、独特の魅力に富んでいる。また驚くほど美しいメロディが発見できるのも喜び。珍しいブラス作品も収められ、さらに初リリースと世界初録音が多数ふくまれている。 | |||
シベリウス:完全全集 Vol.10〜ピアノ曲 Vol.2 付随音楽「ペレアスとメリザンド」Op.46/ベルシャザールの饗宴組曲 Op.51/10の小品 Op.58/ パンとエコー Op.53*/3つのソナチネ Op.67/2つのロンディーノ Op.68/カリオの教会の鐘 Op.65b/ 付随音楽「スカラムーシュ」より2曲 Op.71/スパニュオロ JS181(1913)/あこがれに JS202(1913)/ 4つの叙情的小品 Op.74/樹の小品集 Op.75/ライラック Op.75-の6(1914)*/13の小品 Op.76/ 付随音楽「誰も彼も」〜5曲 Op.83*/花の小品集 Op.85/マンドリナート JS123(1917)/ フィンランド狙撃兵行進曲 Op.91a/デンマークの少年団の行進曲 Op.91b/6つの小品 Op.94/ アンダンティーノ JS201(1919)*/コン・パッショーネ JS53(1919)*/3つの小品 Op.96/ 6つのバガテル Op.97/可愛らしい組曲 Op.98a/田園組曲 Op.98b/8つの小品 Op.99/特徴的な組曲 Op.100/ 5つのロマンティックな小品 Op.101/5つの特徴的な印象 Op.103/付随音楽「テンペスト」〜3曲 Op.109/ ジャコブ・ド・ジュランのモチーフによるロマンティックな小品 JS135b(1925)/孤独なシュプール JS77a/5つのスケッチ Op.114/ 連弾のためのアダージョ「わが愛するアイノに」JS161(1931)*/付随音楽「ベルシャザールの饗宴」〜2曲 JS48*/ バラード(樹の小品集 Op.75第3曲「ポプラ」の下書き)*/樅の木(樹の小品集 Op.75-5の下書き/1914)*/ 叙情的ワルツ(Op.96aの下書き/樹の小品集の「ライラック」と「樅の木」の組み合わせ素材。1919)*/ 騎士のワルツ(Op.96cの下書き/1921)*/歌(Op.97-2の下書き/1920)*/即興曲(Op.97-5の下書き/1920)*/ アンダンティーノ〜アレグロ(ロマンティックな情景 Op.101-5の下書き/1923-4)*/ 悲しみに沈んで(Op.103-5の下書き/1923-4)*/森の中の歌(Op.114-4の下書き/1929)* フォルケ・グラスベック(P) | |||
シベリウスにはかなりのピアノ曲がある。管弦楽作品ほど人気・知名度のあるものはないが、本当に綺麗な曲も多く、「ロマンティックな情景Op.101-5」などシベリウスの作品中最愛の1曲として挙げるファンもかなりいる。今回は第2集だが、世界初録音、初出音源のオンパレードに仰天させられる。管弦楽曲のピアノ版も多く含まれるが、すべてシベリウス自身の手により、いずれもオーケストレーションに先立つオリジナル稿なのが興味津々。いくつかの作品は、その下書きまで収録されている徹底さ。さらに全5曲で知られる「樹の小品集 Op.75」に第6曲「ライラック」などというものが存在していたり、彼最後のピアノ曲が唯一の連弾曲だったりと思わず目が輝くことばかり。1931年作曲の初公開の連弾曲「わが愛するアイノに」は謎めいた作品で、メロディらしきものはなく調性も大胆で、交響曲第8番の作風はかくありきと推定できる内容とのこと。シベリウス・ファン必聴の作品。シベリウスの碩学グラスベック渾身の集大成。 | |||
シベリウス完全全集 Vol.11〜合唱曲 【男声合唱曲】 クッレルヴォOp.7(*)/愛する人JS160a/6つの合唱曲 Op.18/止め豪雨、汝泡たてりJS94(ベルイマン補筆完成)/ 苦しみのうちに生れし御子Op.21/月光をあびてJS114/アテネ人の歌Op.31-3/サンデルスOp.28(*)/ おまえに勇気があるかJS93(*)/嘆くことなくJS69(*)/歌の力JS118(ヤーゼプス・ヴィートルス原曲)/ 異郷にいるわが兄弟JS217/祖国にJS98b(最終版)/火の起源Op.32(*)/おまえに勇気があるかOp.31-2(改訂版)(*)/ ウースマーの人々の歌JS214b/5つの合唱曲Op.84/フリードリンの愚行JS84/ヨナの航海JS100/ シベリソンの2つの歌JS224/肖像JS121/イェーガー隊行進曲Op.91a(*)/ヴィープリ合唱団の祝賀行進曲(2種)/ 2つのパートソングOp.108/スキドスコル行進曲JS173/橋の警備兵JS170a/カレリアの運命JS108(*)/ 栄誉はいらないOp.1-4(フィンランド語版)/フィンランディア賛歌 【混声合唱曲】 森の奥にひとりJS72/ふたたび春めばえし時JS139/ごらん、鳥が舞い降りるのをJS191/すべてがかくも色褪せてJS96/ 空気中に立ち昇るJS213/ああ、聞いてギレンボリ嬢/労働者の行進曲JS212/遊べ、可愛い乙女よJS176/ 「大学祝典カンタータ」〜祝典行進曲/イタリア民謡編曲(2曲)JS99(*)/ 1897年ヘルシンキ大学祝典のためのカンタータOp.23/カルミナリアJS51a(混声三部版)/愛する人JS160c/ 歌いつぶした声Op.18-1/船の旅Op.18-3/島の火Op.18-4/わが心の歌Op.18-6/つぐみのように慌ただしくJS129/ 祖国にJS98a/朝霧にぬれてJS9a/1902年10月25日テレーゼ・ハールに(2種)/嘆くことなくJS69(現行版)/ 水車を聴き(断片)JS122(*)/2つの合唱曲Op.65/ウースマーの人々の歌JS214a/ アメリカン・スクールのための3つの歌JS199/夢JS64/少年団行進曲Op.91b/学校への道JS112/学校歌JS172/ 高貴な天JS58a/赤子がわれらに生まれりJS142/嘆くことなくJS69/フィンランディア賛歌(ヘ長調版) 【女声、児童合唱曲】 パパ、どうして私の鳥にキスするのJS218/カルミナリアJS51c/郷愁JS111/即興曲Op.19(ピアノ伴奏版)(*)/ 小学生行進曲JS103/コノウの詩によるカンタータJS107/朝霧にぬれてJS9b/少年団行進曲Op.91b/ 「ニコライ2世の戴冠式のためのカンタータ」〜ようこそ王女/「ウレオ川の氷解け」〜風景が息づき/ 「1897年ヘルシンキ大学祝典のためのカンタータ」〜敬いの賛歌が/栄誉はいらないOp.1-4/雪は深く積もってOp.1-5 【学生時代の課題、習作】〔全曲(*)〕 マルティン・ヴェゲリウスのための10のコラール(1887-9)/アルベルト・ベッカーのための24のコラール(1889-90)/ 897年ヘルシンキ大学祝典のためのカンタータJS106(代理店記載ママ; 年号は1897年か?)/ 苦しみのうちに生れし御子Op.21(原典版)/カルミナリアJS51b/祖国にJS98a(原典版)/ アテネ人の歌Op.31-3(児童、男声合唱版)/即興曲Op.19(原典版)/おまえに勇気があるかOp.31-2(原典版)/ 風景が息づき(別エンディング)/海辺へOp.84-5(原典版)/栄誉はいらない(児童三部合唱用 1954年編曲)/ 栄誉はいらない(女声四部合唱用 1942年編曲)/栄誉はいらない(女声三部合唱用 1942年編曲)/ 主よ、汝は偉大なりJS58b/フィンランディア賛歌(男声合唱用 1938年編曲)/ フィンランディア賛歌(混声合唱用 変イ長調版 1948年編曲) マッティ・ヒヨッキ指揮 YL(ヘルシンキ大学)男声cho.、 ロベルト・スンド指揮オルフェイ・ドレンガル、セッポ・ムルト指揮ドミナンテcho.、 ヘンリク・ヴィクストレム指揮アカデミカ・ソングフェレニンゲン、 アストリド・リスカ指揮ユビラーテcho.、ウルフ・ラングバツカ指揮フローラcho.、 フォルケ・グラスベック、イーモ・ランタ(P)他 | |||
(*)は世界初録音。 次作が待ちきれないシベリウス・ファンの多いシリーズ、合唱曲の登場。シベリウスといえば交響曲や管弦楽曲の人気が高いものの、合唱作品も北欧の作曲家だけに独特の美しさと味わいに富む作品が多く、やはり代表作といえるだろう。ここでは無伴奏合唱と、ピアノもしくはハルモニウムの伴奏による作品を集め、北欧を代表する合唱団が絶妙に再現。いつものように同曲異版や断片まで網羅。さらにヘルシンキとベルリンでの作曲修業時代に課題として書かされたコラールまで収める徹底ぶり。しかし、そのどれにも光るメロディ・メーカーとしての天凛と、男声合唱曲での恐さを孕む力強さから女声、児童合唱の水晶のような純粋・透明な世界まで、暑い日に一服の清涼剤のように爽やかなひとときを提供してくれる。 | |||
シベリウス:完全全集 Vol.12〜交響曲全集 〔第1番 ホ短調 Op.39(*)/第2番 ニ長調 Op.43(*)/第3番 ハ長調 Op.52(*)/ 第4番 イ短調 Op.63(*)/第5番 変ホ長調 Op.82(2種; 原典版/現行版)(*)/ 第6番 ニ短調 Op.104(*)/第7番 ハ長調 Op.105(*)/ 第1番〜第3楽章初稿(完全版)と断片(#)/第2番断片(#)/ 第3番〜第2楽章初稿(完全版)と断片(#)/ 第4番〜第2楽章初稿(完全版)と断片(#)/第7番断片(#)〕 オスモ・ヴァンスカ指揮(*) ヤーッコ・クーシスト指揮(#) ラハティso. | |||
毎巻好評で、心待ちにしている方々も多いシベリウス完全全集シリーズ、大本命の交響曲が発売となる。何よりも興味津々なのは各交響曲の別稿断片や初稿の初録音で、交響曲第1番第3楽章、交響曲第3番第2楽章、交響曲第4番第2楽章は完成された形で演奏されている。これらの曲に異版が存在していたとは驚きの限りだが、ヴァイオリニストとしても有名なヤーッコ・クーシストがラハティso.を指揮して見事に再現している。 いずれも現行版と異なる点が多く、別作品を発見したような価値がある。このセットでしか聴くことができないが、お買い得価格なのも大歓迎。シベリウス・ファン、交響曲ファン必聴のセット。 | |||
シベリウス完全全集 Vol.13〜さまざまな作品 ・オルガン、合唱曲 2つの小品 Op.111[Org]/2つの小品 JS153(1925/6)[Org] 3つのアンティフォナJS110(1925)[混声合唱とOrg]/主の恵み JS95(1925)[Br, Org] / フリーメイソンのための儀式の音楽 Op.113(オリジナル・フィンランド語版) ・管弦楽 大気の精〜ホホヨラの娘の断片/無題の断片 イ長調(1907-10) ・室内楽 人魚姫 JS59(1888/9)(アンデルセン台本)[朗読とSQ] ・ピアノ曲 クッレルヴォ第2楽章のスケッチ(1891)/交響曲第2番終楽章のスケッチ(1899)/交響曲第5番のスケッチ/ 子どものためのピアノ曲集(全21曲)JS148(1898/9)/キュリッキ Op.41 全3曲のスケッチ/ 風景2のための2つのスケッチ(1928/9)/「おお、主の恵みの」スケッチ(1930年代) ・オルガン曲 4つの音楽例(1886)/即興演奏のための主題(1933)/ 2つの小品 Op.111のスケッチ/2つの小品 Op.111(異版) ・その他 2つの対位法例[混声合唱と管弦楽]/カッリオ教会の鐘のメロディの案2種[グロッケンシュピール](1911)/ カッリオ教会の鐘 Op.65b/フリーメイソンのための儀式の音楽 Op.113 [1, 2, 7,9曲の異版、1, 5曲のハルモニウム版、4, 10曲のピアノ版] ・シベリウス本人の記録: アンダンテ・フェステーヴォJS34b[ジャン・シベリウス指揮フィンランド放送so./1939年1月1日放送]/ くつろぐシベリウス[動画/撮影:1927年&1945年] ハッリ・ヴィータネン(Org) ヨルマ・ヒュンニネン(Br) セッポ・ムルト指揮ドミナンテcho. ハンヌ・ユルム(T) マッティ・ヒョッキ指揮ヘルシンキ大学男声cho. オスモ・ヴァンスカ指揮 ヤーッコ・クーシスト指揮ラハティso. ユーハン・シムベリ(朗読) テンペラSQ フォルケ・グラスベック(P) アンドルー・バーネット(グロッケン) | |||
シベリウスの手によるものならばどんな断片までも音にする、というBISならではの意気込みで始めたシベリウス完全全集、ついに完結。第13巻はこれまでのシリーズからもれたものが集められているが、どれもシベリウス・ファンの琴線に触れるナミダのラインナップ。珍しいオルガン曲も多数聴けるうえ、交響曲第2番や第5番のスケッチをピアノで演奏したり、教会の鐘の音楽をグロッケンシュピールで奏でたりと凄すぎ。シベリウス研究の碩学アンドルー・バーネットがグロッケン演奏家として登場しているのも興味津々。 さらに、シベリウス唯一の自作自演の記録とされる1939年1月1日放送の「アンダンテ・フェステーヴォ」も収録されているうえ、さらにさらに、1927年と1945年に撮影されたシベリウスの動画(約6分/おそらくマルチメディアファイルとして収録)という極めつけのお宝に絶句。1927年の方はアイノラの自宅やトゥースラ湖でくつろぐ姿や、ピアノを弾くところまでキャッチ。1945年の方は、80歳にならんとする巨匠の晩年を描いていて、シベリウス・ファンが拝みたくなること間違いなしの興奮モノ。 | |||
エルガー: 交響曲第1番 変イ長調 Op.55 (*) / 演奏会用序曲「コケイン」 Op.40 (#) |
サカリ・オラモ指揮 ロイヤル・ストックホルムpo. | ||
録音:2012年5月(*)、2013年11月(#)、ストックホルム・コンサートホール、スウェーデン。スウェーデンを代表するオーケストラ、ストックホルム・フィルと2008年より首席指揮者をつとめるサカリ・オラモの、交響曲第2番 (BISSA-1879) に続くエルガー第2弾。前作では自信と誇りに満ちた堂々たる演奏を披露してくれたが、当録音も快演で、サカリ・オラモらしい透き通ったなめらかな美しさを引き出した素晴らしい演奏。 | |||
ガーシュウィン: ピアノ協奏曲 ヘ調/ラプソディ・イン・ブルー(オリジナル・ジャズバンド版)/ セカンド・ラプソディ(オリジナル版)/「アイ・ゴット・リズム」による変奏曲 フレディ・ケンプ(P) アンドルー・リットン指揮ベルゲンpo. | |||
録音:2011年8月、グリーグホール、ベルゲン。フレディ・ケンプによるガーシュウィンのピアノとオーケストラのための作品全集。全集とはいえケンプならではのこだわりを見せている。有名な「ラプソディ・イン・ブルー」は、通常の大オーケストラ版ではなく、珍しい初演時のジャズ・バンド版。響きの印象も異なるうえ、バンジョーなどの特殊楽器も入っているのが興味津々。通常行われているカットも一切ない完全全曲版というのも貴重。この曲の「柳の下のドジョウ」を狙って失敗した「セカンド・ラプソディ」もオリジナルのオーケストレーションによる。ゴージャスなピアノ協奏曲と近年CFで使われ人気の出たキャッチーな「アイ・ゴット・リズム」による変奏曲いずれも魅力的で、ケンプのスウィング感たっぷりのピアニズムを楽しめる。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.50 〔第149番「喜びと勝利の歌声で」BWV149 / 第145番「われは生く、わが心よ、汝の憂いは喜びと化さん」BWV145 / 第174番「われいと高き者を心尽くして愛をまつる」BWV174/ 第49番「われは行きて汝をこがれ求む」BWV49〕 ハナ・ブラシコヴァー(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2011年2月、神戸松蔭女子学院大学チャペル。BCJのバッハ・カンタータ全曲シリーズの記念すべき50巻目には1729年頃のいわゆるピカンダー年巻といわれる、ピカンダーことクリスティアン・ヘンリチのテクストによるカンタータのうちの3篇と、1726年作の第49番が収められている。興味深いのが第174番冒頭のシンフォニア。何とブランデンブルク協奏曲第3番第1楽章の流用で、新たに3本のホルンのパートを加筆し、全合奏部も2つのヴァイオリン、ヴィオラと3本のオーボエで構成される。また第149番のソプラノ・アリアも当時オシャレの最先端だったポロネーズのリズムを用いていたりと聴き所満載。チェコの名花ブラシコヴァーの美声が光る。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.14 創作主題による6つの変奏曲 ヘ長調 Op.34 /「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による7つの変奏曲 ハ長調 WoO.78 / 「ルール・ブリタニア」による5つの変奏曲 ニ長調 WoO.79 /創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO.80 / 創作主題による6つの変奏曲 ニ長調 Op.76 /2つの前奏曲 Op.39 /フーガ ハ長調 Hess.64 /前奏曲 ヘ短調 WoO.55 / メヌエット ヘ長調 WoO.217 /アルマンド イ長調 WoO.81 /アングレーズ ニ長調 WoO.212 / メヌエット 変ホ長調 WoO.82 /ワルツ 変ホ長調 WoO.84 /ワルツ ニ長調 WoO.85 ロナルド・ブラウティハム(Fp) | |||
録音:2014年8月、エステローケル教会、スウェーデン、セッション。使用楽器:ポール・マクナルティ、2007年製作〔モデル:1819年代製作〕。鬼才フォルテピアノ奏者ロナルド・ブラウティハムによるベートーヴェンのピアノ独奏曲全曲録音の第14弾は変奏曲を中心に収録。ベートーヴェンはイギリスの歌による変奏曲を2つ作曲し、そのひとつがイギリス国歌が主題の「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による7つの変奏曲 ハ長調 WoO.78、もうひとつはT.アーンの仮面劇「アルフレッド」の主題を用いた「ルール・ブリタニア」による5つの変奏曲 ニ長調 WoO.79。ベートーヴェンらしい見事な変奏曲。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.15 ディアベッリのワルツの主題による33 の変奏曲(ディアベッリ変奏曲) ハ長調 Op.120 / 6つの国歌による変奏曲 Op.105 ロナルド・ブラウティハム(Fp|使用楽器:ポール・マクナルティ製作〔モデル:1822年代製作〕) | |||
録音:2015年8月、エステローケル教会、スウェーデン。 | |||
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.3 〔第17番 ト長調 K.453 /第26番 ニ長調 K.537「戴冠式」〕 ロナルド・ブラウティハム(Fp) マイケル・アレクザンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミー | |||
録音:2011年7月、ドイツ放送カンマームジーク・ザール、ケルン。ブラウティハムのモーツァルト協奏曲全集、第3弾は待望の「戴冠式」協奏曲登場。いわゆる典雅なモーツァルト像とは一線を画する強烈な演奏で、モーツァルト本来の高すぎるボルテージ、尖った感覚を実感出来る。フォルテピアノの音色も独特で雄弁。ブラウティハムとケルン・アカデミーの推進力で、あれよあれよという間に聴き進んでしまう面白さ。超新鮮。 | |||
シベリウス: 劇付随音楽「テンペスト」より 〔序曲/組曲第1番 Op.109/組曲第2番 Op.109〕/ 交響詩「吟遊詩人」Op.64/交響詩「タピオラ」Op.112 |
オッコ・カム指揮 ラハティso. | ||
録音:2011年1月、シベリウス・ホール、ラハティ。シベリウスの権威となったラハティso.が、また新たなシベリウス録音を開始した。それもヴァンスカではなく、新音楽監督となった巨匠オッコ・カムと、というのが興味津々。第1弾は劇付随音楽「テンペスト」と「タピオラ」という後期の作品を中心としている。カムならではの颯爽としたスマートな快演で、期待のシリーズ開始。 | |||
カレヴィ・アホ(1949-): 3つのインタリュード(1993) /オルガン交響曲「すべてうつろいゆくものは」(2007) ヤン・レヘトラ(Org) | |||
録音:2010年10月、聖ヨハネス教会、マルメ、スウェーデン。カレヴィ・アホといえば交響曲をはじめとするオーケストラ曲のイメージが強いが、興味深いオルガン曲もものして〔カデンツァ注:代理店記載ママ。「物する」(=文章・詩を作る)という動詞があるが・・・〕いる。オルガンは高性能シンセサイザーばりの宇宙的、未来的音響を持っているが、まさにアホの作品は真夏の北極海や白夜を描いていてこの世のものとは思えぬ音響を生み出している。フィンランドの名手レヘトラの懇願で生まれたオルガン交響曲は、ゲーテの「ファウスト」の一節をタイトルとし、天国と地獄をオルガンで描いている。 | |||
ドヴォルジャーク:チェロとピアノのための作品集 ソナチネ ト長調 Op.100 /ロンド ト短調 Op.94 /森の静けさ Op.68 No.5 / わが母の教えたまいし歌 Op.55 No.4/おやすみ Op.73 No.1 /ポロネーズ イ長調/ ラルゲットOp.75a No.4 /歌劇「ルサルカ」〜月の歌/私にかまわないで Op.82 No.1 クリスティアン・ポルテラ(Vc) キャスリン・ストット(P) | |||
録音:2011年1月、ゲルトナーシュトラッセ・スタジオ、ベルリン。トリオ・ツィンマーマンのメンバーとしても評価の高いクリスティアン・ポルテラが、ドヴォルジャークのチェロとピアノの作品集に挑戦。とは言っても、オジリナル作品は少なく、フィルアップとしてヴァイオリン曲もしくは声楽曲の編曲も集めた。いずれもドヴォルジャークならではのメロディにあふれていて、ポルテラの歌ごころが発揮されている。イギリスの名手キャスリン・ストットの伴奏の巧さも光る。 | |||
アルメニアン・ラプソディ ハチャトゥリアン: チェロと管弦楽のためのコンチェルト・ラプソディ スーレン・ザカリアン(1956-):モノグラフ ヴァーチェ・シャラフィヤン(1966-): チェロと管弦楽のための組曲 コミタス(1869-1935)/シャラフィヤン編曲:鶴 |
アレクサンドル・ シャウシアン(Vc) エドゥアルド・トプチヤン指揮 アルメニアpo.、 エマヌエル・ ホヴァネシヤン(デュデュク) ヴァーチェ・シャラフィヤン(P) | ||
録音:2010年4月、アラム・ハチャトゥリヤン・ホール、エレバン。旧ソ連邦だったコーカサスの国アルメニア。ハチャトゥリアンの故郷として有名だが、精力的でエキゾチックな音楽が独特な魅力。かつてフレディ・ケンプとトリオを組んでいたアルメニアのチェロ奏者アレクンドル・シャウシアンが故郷のチェロ曲を集めたアルバムの登場。ハチャトゥリアンがロストロポーヴィチのために書いた1963年作のコンチェルト・ラプソディから新しい世代までの創作を俯瞰出来る。最後に「アルメニア音楽の父」と称されるコミタス作品が民俗楽器デュデュクとピアノとトリオで奏したものが入っているのも嬉しい限り。 | |||
私の終りは私の始まり ブリュメル(1460-1520頃):死者のためのミサ曲/主よ、私を解き放って下さい クレキヨン:エレミアの哀歌 / クレメンス・ノン・パパ:悲しみがわれを悩ましぬ ジョスカン・デプレ:アブサロム、わが息子/楽園にて ジャクソン・ヒル(1942-):私の終りは私の始まり ニューヨーク・ポリフォニー [ジェフリー・ウィリアムズ(CT) ジェフリー・シルヴァー(T) クリストファー・ディラン・ハーバート(Br) クレイグ・フィリップス(B)] | |||
録音:2011年10月、レンナ教会(スウェーデン)。2006年結成、アメリカを本拠に活躍する男声4名のアンサンブル、ニューヨーク・ポリフォニー。Avieレーベルから出たアルバムも激賞されたが、今回BIS初登場。当アルバムではフランドル楽派の巨匠によるポリフォニー作品を中心に選曲。ブリュメルの死者のためのミサ曲は有名な「怒りの日」をポリフォニー化した最初の例といわれていて興味津々。いずれも古雅な美しさに満ちている。最後はヒルによるギヨーム・ド・マショーの「私の終りは」パラフレーズが歌われるのもセンス抜群。要注目の団体。 | |||
R.シュトラウス:アルプス交響曲 Op.64 / 交響幻想曲「影のない女」(1947) |
フランク・シップウェイ指揮 サンパウロso. | ||
録音:2012年2月-3月、サラ・サンパウロ。イギリスのベテラン指揮者フランク・シップウェイ BIS 初登場。それも爆演で知られるサンパウロ響とのリヒャルト・シュトラウス。大オーケストラの機能を極限まで追求した「アルプス交響曲」が物凄い原色で迫る。雪をいだくアルプスの雄大さというより、アマゾンの密林のような濃密さで興味津々。歌劇「影のない女」を最晩年のR.シュトラウスがオーケストラ作品に仕立て直した交響幻想曲も聴き物。晩年のシュトラウス独特の清明な世界を味わえる。 | |||
クリスマスから宗教改革記念日まで〜バッハのカンタータで教会暦をたどる J.S.バッハ:教会カンタータ/他よりの冒頭合唱集 いざ来たれ、異教徒の救い主よBWV61(待降節用)/われらが口を笑いにてBWV110(降誕節用)/主に向かって新しき歌を歌えBWV190(新年用)/ 彼らみなシバより来たらんBWV65(公現祭用)/すべてただ神の御心のままにBWV72(公現後第3主日用)/ 安らぎと喜びもてわれは逝くBWV125(聖母の清めの祝日用)/マタイ受難曲BWV244/キリストは死の絆にBWV4(復活祭用)/ 鳴り響け、汝らの歌声BWV172(聖霊降臨後第1主日用)/貧しき者は饗せられんBWV75(三位一体後第1主日用)/ 神よ、われを調べBWV136(三位一体後第8主日用)/主よ、汝の目は信ずる者をBWV102(三位一体後第10主日用)/ わが魂なるイエスよBWV78(三位一体後第14主日用)/愛する神よ、われいつの日にBWV8(三位一体後第16主日用)/ われらが神はかたき砦BWV80(宗教改革記念日用)/ロ短調ミサBWV232 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンが BIS でバッハのカンタータ・シリーズを始めて、2010年で 15年になる。それを記念して敬虔なクリスチャンである鈴木雅明が特別に編んだコンピレーション・アルバム。ルター派の教会暦に従い、待降節(クリスマス前)から宗教改革記念日(10月31日)までの14 の祭日用に書かれたカンタータの冒頭合唱を集めた。いずれも美麗なメロディと壮麗な響きに満ち、非常に感動的。BCJ 芸術の真骨頂を味わえる。鈴木雅明執筆による日本語解説も興味津々。お買い得な価格も魅力。なお、『このCDはBIS-9036/9にも附録として同じものが入っています』とのこと。 | |||
Broken branches〜スティーヴン・ハフ:作曲作品集 ピッコロ、コントラバス、ピアノのための三重奏曲/ピッコロ・ソナチネ/ ファゴットとピアノのための「ブリッジウォーター」/ バリトンとピアノのための「秋の歌」(詩:リルケ)/ピアノ・ソナタ「折れた枝」/ チェロと管弦楽のためのエレジー「最深の孤独の荒野」 ミヒャエル・ハーゼル(Picc) マリオン・ラインハート(Db/Fg) ジャック・インブライロ(Br) スティーヴン・イッサリス(Vc) スティーヴン・ハフ(P) ガーボル・タカーチ=ナジ指揮タピオラ・シンフォニエッタ | |||
録音:2011年3月、テルデックス・スタジオ、ベルリン。現代イギリスを代表するピアニスト、スティーヴン・ハフの作曲を集めたアルバムの登場。それもピアノ曲のみならず、歌曲、管楽器のための曲、オーケストラ曲まである本格派。今回、ハフの生誕50周年を祝って録音された自選集で、いわゆる前衛的な作風のものはない。ピアノはハフ自身というのも嬉しいが、共演が凄い面々。BPO木管五重奏団のハーゼルとラインハート、チェロをイッサリスが受け持っている。 | |||
アルベニス:ピアノ作品全集 Vol.5 スペインの歌 Op.232, T.101 /6つのサロン風マズルカ T.68 /演奏会用練習曲「願い」 T.53 / ワルツ「秋」 T.96 /軍隊行進曲 T.45 /即興演奏 T.115 B (1903) /イヴォンヌの訪問! T.104 ミゲル・バセルガ(P) | |||
録音:2010年12月、サラゴサ会議宮、スペイン。#2021年7月、 BIS-2613 (9CDs) で全集化。アルベニスのピアノ曲全集刊行中のバセルガ、今回も凝った選曲が光る。アルベニス9歳の作「軍隊行進曲」に驚愕。その完成度の高さと、人好きのするメロディの才は恐るべきものがある。また、名作「コルドバ」や「セギディーリャ」を含む「スペインの歌」も独特のリズムの良さと語り口に惹き込まれる。興味深々なのは1903年にアルベニスが録音した即興演奏を2009年に採譜、出版された作品の演奏も含まれていること。自作自演の録音が古く、良く聴きとれなかった同曲を最新録音とバセルガの名演で、アルベニス未知の小品として蘇えらせた。 | |||
ペーテル・マッテイ〜万華鏡 オルフ:カルミナ・ブラーナ(室内楽版)より デュリュフレ:「レクイエム」〜犠牲と祈りを/ ミサ「クム・ユビロ」 〜グリーリアとベネディクトス ステーンハンマル: フローレスとブランセフロールOp.3〜バラード アダン:オー・ホーリー・ナイト コルネリウス:三人の王 ヴェンネルベリ:詩篇24 シベリウス:栄誉はいらない 伝承曲:ロンドンデリーの歌/他 |
ペーテル・マッテイ(Br) オルフェイ・ドレンガル 聖ヤコブ室内cho. ルヴェ・デルヴィンエル、 ローランド・ペンティネン(P) ロベルト・スンド、 パーヴォ・ヤルヴィ、 ゲイリー・グラーデン指揮/他 | ||
録音:1991年-2006年。 1965年生まれのスウェーデンのバリトンでまさに脂の乗り切ったベテラン、ペーテル・マッテイのベスト盤が登場。メトやスカラ座でも活躍する彼だが、ここではオペラ・アリアではなく名盤の誉れ高いグラーデン指揮によるデュリュフレのレクイエムほかを絶美に歌うものが集められている。柔らかく甘い歌声に酔わされる。 | |||
世界初録音&初出音源あり 小川典子〜ドビュッシー:ピアノ曲全集 2つのアラベスク/ベルガマスク組曲/ピアノのために/舞曲/バラード/ロマンティックなワルツ/夢想/マズルカ/夜想曲/ ボヘミア舞曲/忘れられた映像/映像第1集/映像第2集/版画/仮面/喜びの島/前奏曲集第1巻BOX仕様/前奏曲集第2巻/ スケッチブックから/コンクール用小品/ハイドン賛歌/小さい黒人/子供の領分/レントよりも遅く/英雄の子守歌/ アルバムのページ(傷病兵のための小品)/エレジー/おもちゃ箱/12の練習曲/間奏曲(1880/2)/6つの古代の墓碑銘/ 新発見の練習曲「組み合わされたアルペジオのための練習曲」の初稿(1915) /燃える炭火に照らされた夕べ(1917)/ フーガ集(1881/3) (*/#) /ピアノと管弦楽のための幻想曲 (*) 小川典子(P) ラン・シュイ指揮シンガポールso. | |||
録音:2000年1月、8月、2002年2月、7月、2004年6月、2005年7月、2007年7月、旧ストックホルム音楽アカデミー/2009年7月、ポットン・ホール(イギリス)/2011年8月、エスプラネード・ホール(シンガポール)。(#)は世界初録音。(*)の2曲は初出音源。小川典子が10年の時をかけて完成させたドビュッシー・ピアノ曲全集。各巻発売のたびに高い評価を受けてきたが、今回すべてが揃い、セット発売となった。廉価の上さらに分売では発売されていないピアノと管弦楽のための「幻想曲」と、パリ音楽院の学生時代に課題で書かされたフーガ5篇が収録されているのも大注目。フーガはもちろん世界初録音。ドビュッシー・ファンははずせない重要音源。また初期の瑞々しさに満ちた「幻想曲」も、意外と録音に恵まれておらず貴重。小川典子の明快なピアニズムとBISならではの録音の良さで、曲の良さを再認識させる。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲全集 Vol.19 チェンバロ協奏曲〔ト長調 Wq43-5 (H475) /ハ長調 Wq43-6 (H476) / ニ長調 Wq45 (H478) 〕/ピアノ協奏曲 ト長調 Wq44 (H477) ミクローシュ・シュパーニ(Cemb/P)指揮 マールタ・アーブラハーム指揮 コンチェルト・アルモニコ・ブダペスト | |||
録音:2012年4月、フェニックス・スタジオ、ハンガリー。協奏曲全集 Vol.18 (BIS-1787) に続くWq43の残り2篇と Wq44、45を集めた充実アルバム。シリーズもいよいよ大詰め。今回使用しているチェンバロは1745年のコピー。バッハ時代に北ドイツへ大量に輸入されたイギリス製の音の増幅装置付き楽器。チェンバロにもかかわらず、C.P.E.バッハが楽譜にクレッシェンドやディミヌエンドの指示をつけているのは、この楽器を想定しているゆえで、作曲者の思い描いた音響が再現される。Wq.44は1798年製イギリス、ブロードウッド社のフォルテピアノを使用。シュパーニの名人芸が光る。 | |||
脳みそ崩壊 アダム・ゴーブ:イーディッシュ舞曲集 クリスチャン・リンドベリ:ガラマンタ組曲/脳みそ崩壊 ガーシュウィン/ギルス編曲:パリのアメリカ人 フェッレロ/ヘーグステット編曲:ホアキン・ソロラ賛歌 |
クリスチャン・リンドベリ指揮 スウェーデン・ ウィンド・アンサンブル | ||
録音:2010年1月、ラジオホール・スタジオ2、ストックホルム。トロンボーンの超人クリスチャン・リンドベリが指揮を務めるスウェーデン・ウィンド・アンサンブル。イギリスの作曲家アダム・ゴーブの「イーディッシュ舞曲集」は東欧ユダヤのクレズマー音楽に基づくエキゾチックな作品。さらにアメリカ的なガーシュウィン、スペインの画家ソロラの美術作品から霊感を受けたフェッレロ作品も魅力的。リンドベリ自身の脳みそも崩壊しそうな作品も興味津々。スウェーデン・ウィンド・アンサンブルの妙技に驚愕のひとときを味わえる。 | |||
チャイコフスキー: 交響曲第6番 ロ短調「悲愴」/ 幻想序曲「ロメオとジュリエット」 |
トーマス・ダウスゴー指揮 スウェーデン室内o. | ||
録音:2011年9月、ウレブルー・コンサートホール、スウェーデン。話題となった交響曲第2番(BISSA-1829)に次ぐダウスゴーのチャイコフスキー第2弾。悲愴交響曲はロシア音楽ならではの物々しく分厚い響きで奏されるのが常識となっているが、それをダウスゴーは全38名の室内o.で初披露。まさに目から鱗の落ちる内容となっている。何より驚くのはその軽快さと爽やかさ。まるでバレエ音楽で、「悲愴」が「くるみ割り人形」と同時期の作品であることを再認識させるだけでなく、あの威圧的な第3楽章のマーチでさえバレエの舞台を彷彿させる。ダウスゴーの指揮は全く粘らず、さらさらと軽いので、チャイコフスキーの音楽がメンデルスゾーンに聴こえてくるかのようだ。とにかく驚きの発見の連続で、「悲愴」に興味のある向き必聴。この名作のイメージを完全に一新してくれる。 | |||
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集 Vol.1 〔第1番 変ホ長調 Op.12 /変ホ長調 MWV R18 /第4番 ホ短調 Op.44 No.2 〕 エッシャーSQ [アダム・バーネット=ハート(Vn1) アーロン・ボイド(Vn2) ピエール・ラポイント(Va) デイン・ヨハンセン(Vc)] | |||
録音:2014年4月、ポットンホール、サフォーク、 UK 。ニューヨークを拠点として活動しているアメリカのカルテット、エッシャー弦楽四重奏団がBISレーベルよりメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲全曲録音を開始した。2013年のエイヴリー・フィッシャー・キャリアグラントの受賞をはじめ、近年目覚ましい活躍の当団は世界各国で演奏会を成功させている。端正なアンサンブルはこのメンデルスゾーンと最も相性がよく、極上の室内楽を展開させる。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.51 〔第120番a「主なる神、万物の支配者よ」BWV120a /第157番「汝われを祝せずば」BWV157 / 第192番「いざやもろ人、神に感謝せよ」BWV192 /第195番「光は義しき人のために射し出で」BWV195 〕 ハナ・ブラシコヴァー(S) ダミアン・ギヨン(CT) クリストフ・ゲンツ(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明 指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2011年6月、神戸松蔭女子学院大学チャペル。BCJのカンタータ第51集は1730年前後に作られた4篇を収録。結婚式用の第120番aと195番、葬儀用の第157番などの機会作品のため、華やかだったり憂愁に満ちていたりと、通常の教会カンタータとは異なる味わいが新鮮。ことに第157番でのオーボエ・ダモーレとヴィオラ・ダモーレの憂いに翳る音色は魅力的。第120番aの真ん中に置かれたオルガンと管弦楽により奏されるシンフォニアは、何と「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ホ長調BWV1006」の前奏曲と同じ音楽であるのも興味津々。鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンの魔術的妙技をたっぷり堪能出来る。 | |||
コロラチューラ グリエール:コロラチューラ・ソプラノと管弦楽のための協奏曲 Op.82 トマ:歌劇「ハムレット」〜オフェーリア狂乱の場 / ドリーブ:歌劇「ラクメ」〜鐘の歌 アリャビエフ/コスキミェス編曲:ナイチンゲール(ロシア語歌唱) モーツァルト:歌劇「魔笛」〜夜の女王のアリア ジョン・ゾーン:存在の機械(2011) / シベリウス:交響詩「大気の精」Op.70 アヌ・コムシ(S) サカリ・オラモ指揮ラハティso. | |||
録音:2011年9月-10月、シベリウス・ホール、ラハティ。今や絶頂期にあるフィンランドのソプラノ、アヌ・コムシ。北欧ならではの透明で輝くような艶のある声は無二の魅力。当アルバムはコロラチューラの美しさと超絶技巧を存分に味わえる。グリエールの協奏曲は、歌詞のない母音歌唱でオーケストラと競うもので、20世紀の作品ながら非常に美しいメロディに満ちている。コムシの歌唱はオーロラが燃えるような幻想性にあふれている。「オフェーリア狂乱」ではアブナい人のオーラ、夜の女王のアリアでは悪い人のオーラ全開。さらにジョン・ゾーンがコムシのために2011年に作曲した「存在の機械」(アントナン・アルトー原作)も興味津々。シベリウスの「大気の精」はキラキラと輝き、もう美しさの極み。サカリ・オラモが見事な婦唱夫随ぶりを見せている。 | |||
長岡鉄男氏がLPを激賞したパニアグアの名盤がSACDで復活、 初CDフォーマット化の曲もあり〜ラ・スパーニャ フランチェスコ・ダ・ミラノ:スパーニャ・コントラプント / プレトリウス:スパニョレッタ フランシスコ・デ・ラ・トーレ:「ラ・スパーニャ」によるダンサ・アルタ/ カルロス・ベラルディ:バエティカの物語 ジョアン・アンブロージオ・ダルツァ:スペイン風カラータ〔第1番−第4番〕 ハンス・コッター:シュパニオール・コッヘスベルガー(#) / ハンス・コンスタンツ:スペインの踊り ジャイルズ・ファーナビー:古きスパニョレッタ/スパニョレッタ / フアン・デル・エンシナ:悲しきスペイン 作者不詳:レ・ディ・スパーニャ / M.グリエルムス:ラ・バッサ・カスティーリャ 作者不詳:ラ・スパーニャ/スペインよ、お前の損失を忘れよ ハンス・ヴェック:スペインの踊り − ホッパー・ダンツ「スパーニャ」 ハンス・コッター:シュパニーラー / 作者不詳:エスパニョレッタ チェーザレ・ネグリ:スパニョレット − ヴィラニッコ・ディ・スパーニャ − パヴァニーリャ・ディ・スパーニャ − スパニョレット ジョスカン・デ・プレ:5声の「ラ・スパーニャ」 ディエゴ・オルティス:「ラ・スパーニャ」の定旋律によるレセルカーダ/Recercada primera - sesta トラバーチ:5声のガリアルダ第4番「スペイン風」 / 作者不詳:ザ・スペイナード ピルキントン:スペイン風パヴァーヌ / エンシーナ:悲しきスペイン / サンス:エスパニョレッタ フランチェスコ・ダ・ミラノ:スペイン風リチェルカーレ (スペインのあることについて) ユーデンキュニッヒ:スペイン風ホッツ・ダンツ / カベソン:「ラ・アルタ」の定旋律による3声部楽曲 エンシーナ:悲しきスペイン カローゾ:マドリーリャ風の新型スパニョレッタ/フリオーソ・アッラ・スパニュオラ 作者不詳:スペイン風パドヴァーナ/ 作曲者不詳(ブリュッセルの写本):La Basse danse du roy de Spaingne (*) /他2曲(*) グレゴリオ・パニアグワ指揮アトリウム・ムジケー古楽合奏団 | |||
録音:1980年4月、帝国大学礼拝堂、マドリッド。CD:BIS-163 のSACD化だが、LP (BIS LP 163/164 ) 発売のみで未CD化だった3曲(*)を追加。ただし(#)は今回、収録時間の関係からSACD層へのみ収録されているため、CDプレイヤーでは聴くことができない(CDプレイヤーで聴くためには BIS-163 が必要)。詳細曲名は国内盤発売時の資料を元に当店独自に訂正・補完したが、追加分は代理店資料にも詳細が無い上、他の資料も少なく、収録曲順も上記とは異なると思われるので御了承下さい。 LP時代に長岡鉄男氏が激賞し、BISの高音質録音の代表とされた「ラ・スパーニャ」がSACDで初登場。初期にCD化されたものが現在もロングセラーを続けているが、今回はアナログ・オリジナル・マスターテープから最新の技術を駆使してDSDフォーマットへダイレクト変換。さらに嬉しいのが、LPは2枚組で発売されながらCD化の際に時間の関係でカットされた3作品も収録されていることで、ようやく画竜点睛。パニアグワの音世界も今なお斬新で、まるで眼前で演奏されているかのような錯覚にとらわれる。LP時代に長岡氏が「ハイエンドが爽快に伸びきってしかも歪み感ゼロ」と評したことを実感できる驚きの超高水準。BIS社長ロバルト・フォン・バール渾身の録音中でもベスト盤であることが、今更ながら納得出来る。とにかく凄いのひとことに尽き、あらゆるオーディオ・ファン必携の1枚であると断言出来る。 | |||
モーツァルト:ピアノ協奏曲集 Vol.5 〔第19番 ヘ長調 K.459 /第23番 イ長調 K.488〕 |
ロナルド・ブラウティハム(P) マイケル・アレクザンダー・ ウィレンズ指揮 ケルン・アカデミー | ||
録音:2011年12月、ドイツ放送カンマームジークザール、ケルン。ブラウティハムのフォルテピアノによるモーツァルト・ピアノ協奏曲シリーズ、今回は第19番と23番という魅力的なカップリング。1790年のレオポルト2世の戴冠式でも演奏された第19番は華麗で推進力に満ちた傑作。行進曲調の第1楽章でのブラウティハムのリズム感と切れ味の良さが光る。また爽やかな第23番でのフォルテピアノの美しさも特筆。哀切極まりないアダージョ楽章では、ピアノなのに声楽のような表現力を見せ絶品。 | |||
カメレオン〜チューバとファンファーレ・バンドの音楽 オイスタイン・ボーズヴィーク: Did You Do? / アンナ・ボーズヴィーク:バラの思い出 ロバート・ジャガー:チューバと吹奏楽のための協奏曲 ロブ・ホールハイス:チューバとファンファーレ・バンドのための協奏曲 パット・メセニー&ライル・メイズ/ファー編曲:ミヌアノ モーリス・ハマーズ:カメレオン / ロイ・ニューサム:舞踏場のベース オイスタイン・ボーズヴィーク(Tu/ディジリドゥ) ティーメン・ボトマ指揮オランダ王立陸軍軍楽隊 | |||
録音:2010年11月、12月、ヴァン・ブレデローデ・バラックス(オランダ)。チューバの怪人オイスタイン・ボーズヴィーク、今回はウィンドo.をバックに超人的テクニックの連続。自作「Did You Do?」では、オーストラリアのアボリジニの民俗楽器ディジリドゥも見事に演奏している。タイトルは「ディド・ユー・ドウ」→「ディジュードゥ」→「ディジリドゥ」とつながる加齢臭漂的駄洒落ながら、エンターテイメント性あふれる超オモシロ作品。愛妻アンナ・ボーズヴィークが彼に捧げた「バラの思い出」も素敵な作品で、さらにジャズのスタンダード、パット・メセニーの「ミヌアノ」までオシャレの極み。チューバがかくも甘い音を出すとは驚き。ハマーズの「カメレオン」では七変化するチューバの音色と性格を楽しめる。 | |||
カレヴィ・アホ:オルガン作品集 Vol.2 幻想曲風に(2011) (*) /エピローグ(1998) (#) /イン・メモリアム(1980) /地上の歌(2002) (##) / 「フーガの技法」〜コントラプンクトゥス XIV(原曲:J.S.バッハ/カレヴィ・アホ編曲; 2011) (+) / 結婚行進曲〔1(1973) /2(1976) 〕/婚礼の音楽(1999) /ルドゥス・ソレムニス(1978) ヤン・レヘトラ(Org) ペトリ・コムラネン(Hr;*) ユッシ・ヴオリネン(Tb;#) カイヤ・サーリケットゥ(Vn;##) アンナ=カイサ・ピップリ(Ob;##) | |||
録音:2013年5月、聖ポール教会、ヘルシンキ(+, 無印以外)、2013年5月、コトカ教会(+)、フィンランド(無印以外) /2010年10月、聖ヨハネス教会、マルメ、スウェーデン(無印)。現代フィンランドを代表する作曲家、カレヴィ・アホはBIS社が積極的に録音した事で知られるようになったと言っても過言ではない。オルガン交響曲『すべてうつろいゆくものは』 を含むオルガン作品集(BISSA-1946)に続く第2弾。ホルンとの掛け合いが美しい「幻想曲風に」、アホの近親者のために作曲された結婚行進曲1&2、婚礼の音楽、オルガンの荘厳な世界が表現されたルドゥス・ソレムニス、アホの父にささげられた「地上の歌」、そして、アホ編曲によるバッハのフーガの技法より「コントラプンクトゥスXIV」など様々な作品が収録された。演奏はフィンランドを代表する世界的オルガン奏者ヤン・レヘトラ。アホの前作はもちろんのことフィンランドのALBAレーベルからも多数リリースしている。抜群のテクニックと安定感を誇る演奏者だが、ことに自国フィンランドの作品は定評がある。 | |||
C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲全集 Vol.20(完結編) チェンバロとピアノのための二重協奏曲 変ホ長調 Wq.47 (*) / 2つのチェンバロのための二重協奏曲 ヘ長調 Wq.46 (#) /ソナティナ Wq.109 (+) ミクローシュ・シュパーニ(Cemb) クリスティアーノ・ホルツ(Cemb;#) タマーシュ・セケンディ(Fp;*) ペーテル・スュツ指揮(+) マールタ・アーブラハーム指揮コンチェルト・アルモニコ・ブダペスト | |||
録音:2012年4月(*)、2013年8月(#/+)、フェニックス・スタジオ、ハンガリー。1995年より開始、2014年に生誕300周年を迎えるC.P.E.バッハの鍵盤楽器協奏曲シリーズが、2台の巻で遂に完結。録音を開始した際、シュパーニは「全集を実現することは決して単純な課題ではなく、ことにそれが初期の作曲家の作品を含めばなおさら。このシリーズで私たちは、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの、鍵盤楽器独奏と伴奏アンサンブルのための、疑いない正統な作品のすべてをご紹介する。私たちの目標は、これらの作品演奏の可能性への全般の見通しを与えることなので、この録音は作品の現存する資料と正統的な演奏習慣の徹底した研究に基づいている。私たちはオリジナルの資料をもとに“正統性 "である楽器を選択して演奏している。」と語っており、まさに正真正銘、本物の解釈のもと演奏された。これら膨大な作品に対して時間をかけ、着実に録音活動をしてきたシュパーニにでしか表現することのできない解釈で演奏された。2014年、C.P.E.バッハの生誕300周年を記念すべきアルバムの中でも随一の全集が完成した。ミクローシュ・シュパーニ:1962年にブダペスト生まれ。フランツ・リスト音楽アカデミーで、フェレンツ・ゲルゲイとヤーノシュ・セバスティエーンに師事し、オルガンとチェンバロを学んだ。さらにフレミッシュ王立音楽院でジョス・ファン・インマゼールに、ミュンヘン音楽大学でヘトヴィヒ・ビルグラムにも学んだ。4つの鍵盤楽器(オルガン、チェンバロ、クラヴィコード、フォルテピアノ)のソリストとしてヨーロッパ各国で演奏するほか、通奏低音奏者としても様々なオーケストラやバロック・アンサンブルと共演している。1984年ナント及び1987年パリで開かれた国際チェンバロ・コンクールで第1位に輝いている。この何年にもわたって、C.P.E.バッハの作品の演奏・録音と研究のスペシャリストとして世界各国で高い評価を得ている。 | |||
ウーレ・オルセン(1850-1927): アースガルズの騎行 Op.10/ トロンボーン協奏曲 ヘ長調 Op.48(46)(*)/ 交響曲第1番 ト長調 Op.5 |
クリスチャン・ リンドベリ(Tb)指揮 ルネ・ハルヴォシェン指揮(*) アークティックpo. | ||
録音:2011年2月、ハルスタド文化会館(ノルウェー)。ウーレ・オルセンはグリーグより一世代後のノルウェーの作曲家。グリーグやスヴェンセンと共通するカラフルで爽やかな情感あふれる作風が特徴。「アースガルズの騎行」は北欧神話の巨人族を描いたもので、円谷プロ風の迫力に満ちた音楽が物凄い効果で伝わる。当アルバムがデビューとなるノルウェー北部北極圏の街トロムソ・ボドに本拠を置く新進オーケストラ、アークテック・フィル、高水準のアンサンブルに注目。首席指揮者のクリスチャン・リンドベリの指揮ぶりも光る。さらに嬉しいのは、美しいトロンボーン協奏曲の独奏を務めていること。酔わされる。 | |||
Pétur Sakari シャルル・トゥルヌミール(1870-1939)/マルセル・デュプレ編曲:コラール即興曲「復活のいけにえに」 ルイ・ヴィエルヌ(1870-1937):24の幻想的小品集 より〔月の光/トッカータ/即興曲/ウェストミンスターの鐘〕 オリヴィエ・メシアン(1908-92):天上の宴 / マルセル・デュプレ(1886-1971):前奏曲とフーガ ロ長調 Op.7 No.1 モーリス・デュリュフレ(1902-86):組曲 Op.5 ペトゥル・サカリ(Org) | |||
録音:2013年4月、サンテティエンヌ・デュ・モン教会、パリ、フランス。天才若手オルガニスト、ペトゥル・サカリによる珠玉のフランス、オルガン作品集。当録音時、サカリは20歳だったが信じられないほどの完成度と若々しさ満ちた大迫力の演奏を披露。BISならではの高音質録音により空気感と立体感をお楽しみ頂ける。1992年フィンランド生まれのペトゥル・サカリは音楽家の両親のもと、幼少のころよりチェロを習っていたが、両親とともにロードス島でのオルガン・リサイタルに聴きに行った際にオルガンに魅了され、故郷のヘルシンキに戻りすぐに鍵盤楽器を習い始めた。2005年、サカリがわずか13歳でリサイタル・デビュー、その後はヨーロッパを中心に積極的に演奏活動をしている。近年はフィンランドのオルガンの名手、カレヴィ・キヴィニエミの助言によりフランス作品も積極的に取り組んでいる。類まれな才能は当演奏でも証明されている。当ディスクではフランスを代表するオルガニストが作曲した傑作が収録されているが、中でもヴィエルヌのウェストミンスターの鐘は圧巻。誰もが一度は耳にしたことのある鐘の音。曲の冒頭は遠くから聴こえてくる小さな鐘の音だが、その音に導かれるように教会に近づいていくような感じ。徐々に音量は増し、最後に教会内で大オルガンを目の前にしたかのような大迫力サウンドは一度聴いたら忘れられない。この演奏効果は音量の強弱を調性することができるペダルが備え付けられているフランス・オルガンならではの特徴。この他、メシアン、デュプレ、デュリュフレなど、いずれも名曲が収録されている。 | |||
屈折 ファッテイン・ヴァーレン:アヴェ・マリアOp.4 /美しきかな神の子よ Op.12 / 高きところに雨よ降れ Op.25 /詩篇121 (1911) メシアン:5つのルシャン(12声のための)/おお聖餐(1937) ヴェーベルン:軽い小舟で逃れよ Op.2 /2つの歌 Op.19 / ベルク:ナイチンゲール(1907) ベリート・ノルバッケン・ソルセト(S) グレーテ・ペーデシェン指揮 ノルウェー・ソリストcho.、ノルウェー放送o.、オスロ・シンフォニエッタ団員 | |||
録音:2011年11月、2012年5月、リス教会/2012年5月、ノルウェー放送、全て オスロ。北欧合唱の美しさを満喫できる1枚。アルバム・タイトルは4名の作曲家を各面にしたプリズムが、光の屈折により七色に輝く合唱の魅力を示しているとのこと。大半の作品は宗教的テーマにより、しばしば霊的な様相さえ呈する。北欧合唱ならではの澄みきった響きはこの世のものとは思えぬ清浄さで、まさに心洗われるひとときを味わえる。 | |||
J.S.バッハ:世俗カンタータ Vol.2 シンフォニア ヘ長調 BWV1046a-1 / 狩のカンタータ「わが楽しみは、元気な狩のみ」BWV208 / セレナータ「時は日と年をつくりて」BWV134a ソフィー・ユンカー(S;ディアナ) ジョアン・リン(S;パラス) 櫻田亮(T;エンデュミオン/時) ロデリック・ウィリアムズ(Br;パン) ダミアン・ギヨン(A;時の摂理) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2011年7月、しらかわホール、名古屋。Vol.1:BIS-1411 (CD)。BCJの世俗カンタータは第1弾が大絶賛だったが、約8年を経てようやく第2弾の登場。「狩のカンタータ」は、狩を趣味としたザクセン=ヴァイセンフェルス公クリスティアンのために1712年に作曲されたもので、ローマ神話の狩猟の女神ディアナと、その恋人エンデュミオンを主人公としている。オペラを残さなかったバッハの作品中、最もオペラ的な内容を持ち、バロック・オペラ・ファンも必聴。また、このカンタータ初演の際に序曲として用いられたとされる「シンフォニア ヘ長調BWV1046a-1」を置いているのも興味津々。「ブランデンブルク協奏曲第1番」の初稿でもあり、楽器編成の違いを実感出来る。BCJメンバーの芸達者ぶりも楽しめる。 | |||
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ〔第2番 ニ短調 BWV1004 /第3番 ホ長調 BWV1006 〕 レーラ・アウエルバッハ:パル・ティ・タ(2007) / イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 Op.27 No.2 ワジム・グルズマン(Vn) | |||
録音:2011年12月、センデザール、ブレーメン。BISが力を入れるヴィルトゥオーゾ、グルズマンがバッハのパルティータに挑戦した。本人も得意としている「シャコンヌ」はまさに圧巻、金縛りにあったような緊張の12分間を体験出来る。さらに、20世紀と21世紀の作曲家がバッハの無伴奏パルティータから霊感を受けて産み出した作品を配置している。アウエルバッハ作品はグルズマンに捧げられたもので、バッハからの引用はないものの、精神的な影響濃厚な作品。イザイの名作も近代のバッハという趣に満ちている。グルズマンの技巧と求心力の凄さに圧倒される。 | |||
アルベニス:ピアノ作品全集 Vol.8 スペイン組曲第2集 T.90 /6つのスペイン舞曲 T.78 /即興練習曲 T.50 /四季 T.100 /サロン風マズルカ T.81 / 思い出(マズルカ)T.80 /即興曲 T.115C /サロン風ワルツ T.83 /秋(サロン風ワルツ)/子守歌 T.114 bis ミゲル・バセルガ(P) | |||
録音:2013年3月、サラゴサ会議宮、スペイン。#2021年7月、 BIS-2613 (9CDs) で全集化。ルクセンブルク出身で、スペインの作品を長きにわたり研究、アルベニスの演奏には定評があるバセルガによるアルベニス・シリーズ。まるでスペインの陽光のごとくきらきらと輝くような小品ばかり。リズムの良さと独特の語り口が求められるが、超絶技巧を物ともせずに演奏できる彼でなければ表現できない世界をご堪能頂きたい。 | |||
サ・チェン〜 Memories Lost 〔琴懐〕 ファジル・サイ(1970-)/陳明志編曲:アナトリアの静寂(ピアノ協奏曲第3番) Op.11 (2001) 蕭泰然(1938-):告別練習曲 / 于京君(1957-):即興曲 Op.9 (1982/86) / 陳其鋼(1951-):京劇の瞬間(2004) 王笑寒(1980-):子供時代の歌 / 蕭泰然:思い出 / 王西麟(1937-)/江賜良編曲:ピアノ協奏曲 Op.56 サ・チェン(P) 鐘耀光 指揮台北中国楽団 | |||
録音:2013年11月、中山ホール、台北、台湾。日本でも人気の中国出身の女流ピアニスト、サ・チェンが中国人の作曲家によるピアノ独奏曲、協奏曲を収録。どの作品も中国節炸裂で、ピアノの技巧を随所に散りばめた作品ばかり。また、1曲目に収録されている「アナトリアの静寂」はトルコが生んだ鬼才ピアニスト、ファジル・サイが作曲した作品だが、当録音では陳明志が中国の楽器も取り入れたオーケストレーションで編曲している。豪華絢爛な響きをお楽しみ頂きたい。サ・チェンは、ユンディ・リも師事したダン・ジャオイの門下で、17歳のときにリーズ国際ピアノコンクールに最年少で4位入賞。2000年のショパン・コンクールで4位入賞(このときユンディ・リが優勝)、同年、ベートーヴェン国際ピアノコンクールで優勝など、華やかなコンクール歴を誇る。今や、技巧と表現力を兼ね備えた、中国を代表するピアニストの一人として、世界各国で演奏している。 | |||
レウヴスタ・ブリュークの音楽秘宝 II タルティーニ:ヴァイオリン協奏曲〔第2番 ホ短調 D55/第4番 ニ長調 D15〕 ケーラー:2本のフルートのためのソナタ ヘンデル:歌劇「オットーネ」〜2本のフルートのための二重奏 ルーマン:フルート・ソナタ第4番 ト長調 ヒンリヒ・フィリップ・ヨンセン:チェンバロ・ソナタ第3番/ 1757年復活祭のための教会音楽(抜粋) 作者不詳:チェロ・ソナタ ハ短調 ドロットニングホルム・バロック・アンサンブル | |||
録音:2010年10月、2011年1月、2月、レウヴスタ教会。第1集:BIS-1526。ストックホルム北西約140kmに位置するレウヴスタ・ブリュークは、18世紀鉄鋼業で栄えた街だった。この街の発展に寄与したベルギーの実業家ルイ・ド・イェールは数多くの楽譜を蒐集し、コレクションにしていた。当シリーズははその膨大なコレクションから選ばれたものを披露するもの。スウェーデンのピリオド楽器団体ドロットニング・バロック・アンサンブルが精密かつ愉悦にあふれる演奏を繰り広げる。 | |||
ドヴォルジャーク: 交響曲第8番 ト長調 Op.88 / 交響詩「金の紡ぎ車」Op.109 / スケルツォ・カプリツィオーソOp.66 |
クラウス・ペーター・フロール指揮 マレーシアpo. | ||
録音:2010年9月、2011年7月、デワン・フィルハーモニク・ペトロナス・ホール、クアラルンプール、マレーシア。爆演系で人気のマレーシア・フィルによるドヴォルジャーク待望の第2弾。第8番はドヴォルジャークの交響曲中最もさわやかな魅力に満ちた作品だが、フロールの解釈ではマーラーへの近似が感じられ興味津々。さらに興味深いのが交響詩「金の紡ぎ車」。カレル・エルベンの詩に基づき、欲に目のくらんだ継母によりバラバラ殺人される少女と、魔法使いによる再生、切断された片足を隠し持つ義姉などを描いた、童話的なタイトルとはほど遠い猟奇的内容の作品。フロールとマレーシア・フィルが不気味に演じる。 | |||
Sibelius: Masonic Ritual Music シベリウス:テノール、男声合唱とオルガンのための「フリーメイソンの儀式音楽」 Op.113 (*) / シベリウス/ヤーッコ・クーシスト編曲:テノール、管弦楽とオルガンのためのフリーメイソンの儀式音楽 Op.113 (#) ハンヌ・ユルム(T;*) マッティ・ヒュオッキ指揮ヘルシンキ大学男声cho.(*) ハッリ・ヴィータネン(Org;*) ミカ・ポホヨネン(T;#) パウリ・ピエティライネン(Org;#) ヤーッコ・クーシスト指揮ラハティso.(#) | |||
録音:2010年4月、ヘルシンキ大聖堂〔使用オルガン:マークセン製〕(*) /2008年5月、シベリウスホール、ラハティ(#)、フィンランド。(#)は初出音源。(*)はシベリウス作品全集 Vol.13 (BIS-1936/38) に収録されているもの。(#)はシベリウス・ホールで行われる祝賀コンサートのため、フリーメイソンがヤーッコ・クーシストに編曲を依頼したもの。18世紀の中期、スウェーデン経由でフィンランドに伝わった友愛団体フリーメイソンは、ロシア支配の時代には禁止され、独立後の1922年初頭、「フィンランド・ロッジ」が新たに設置されることになった。シベリウスは最初のメンバー27人のひとり。ロッジの設立当初はオルガニストも務め、モーツァルト、ベートーヴェン、ヘンデルの曲や即興を演奏していた。シベリウスがフィンランド・フリーメイソンの委嘱を受けて作曲した儀式音楽は、交響詩「タピオラ」(1926)の翌年の作品。「冒頭の讃歌」「思考はわれらが励み」「行列と讃歌「若葉は緑なれど」」「行列と讃歌「パンに涙を流したことのなきもの」」「なんと美しき大地」「サレム「進め、兄弟よ」「憧れ熱き魂はみな」「葬送行進曲」が1927年1月12日に初演され、1946年、彼の最後の創作とされる「友愛の讃歌「ともにする兄弟のすばらしさよ」」と「讃歌「御名を讃える声よ響け」」の2曲が追加された。「フリーメイソンの儀式音楽」は、ハルモニウムの伴奏する歌を中心に書かれ、その後、男声合唱のための版を含む改訂も行われた。手稿譜と出版譜によって曲と曲順が異なり、ハンヌ・ユルム、ハッリ・ヴィータネン、マッティ・ヒュオッキ指揮のヘルシンキ男声cho.は、別の機会に作曲された「頌歌「高きところの主よ」」と、初演のソロを歌い作品を献呈されたヴァイノ・ソラの詩による「フィンランディア讃歌」を加えた「12曲」をダールストレムのシベリウス作品目録の順序で演奏している。 | |||
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491 (*) (カデンツァ:エフゲニー・スドビン) ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37 (#) |
エフゲニー・スドビン(P) オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
録音:2011年6月(#)、2012年5月-6月(*)、オーケストラ・ホール、ミネアポリス。日本でも人気のピアニスト、スドビンと、ヴァンスカ&ミネソタ管によるハ短調協奏曲2曲。ベートーヴェンの交響曲シリーズを完成させたヴァンスカとミネソタ管はピアノ協奏曲全集のプロジェクトも開始しており、これまで第4番と第5番「皇帝」(BISSA-1758)をリリースしている。今回は第3番。言わずもがなの名演でスドビンの一切ぶれることのない圧倒的なテクニックと煌めくようなタッチは一度聴いたら忘れられない。ベートーヴェンのカデンツァでは超人的なテクニックと色彩豊かな演奏を聴かせてくれる。また第2楽章の歌心に魅了され、第3楽章の切れ味よい演奏は爽快の一言。スドビンの演奏はヴァンスカの効果的なティンパニや輪郭のはっきりとした歯切れのよい解釈と非常にマッチした演奏。カップリングはモーツァルトの第24番。レパートリーの広いスドビンだが、モーツァルトも得意な作曲者の一人。この作品ではスドビン自身のカデンツァを披露。随所に技巧を散りばめた非常に情熱的で雄大作品に仕上げている。音階を弾いても感動させてしまうような魔術を秘めたピアニスト、スドビンでしか表現のできない唯一無二のモーツァルト。 | |||
テレマン: 3本のオーボエと弦楽、通奏低音のための組曲 ニ長調 TWV55: D15 / 組曲 変ロ長調「民族」TWV55: B5 /ポーランド協奏曲 変ロ長調 TWV43: B3 / ポーランド協奏曲 ト長調 TWV43: G7 /組曲 ニ長調「悲喜劇」TWV55: D22 マルタン・ジェステル指揮アルテ・デイ・スオナトーリ | |||
録音:2012年10月、ミハウ・アルハニョウ教区教会、ポーランド。ピリオド楽器使用。1993年設立のポーランドの団体アルテ・デイ・スオナトーリがテレマンに挑戦。生前は大バッハよりも人気があったというテレマンは、誰よりも早くポーランドの民俗音楽に興味を示した先駆者でもあった。彼の「ポーランド協奏曲」はバロック音楽ながら、ポーランドの民謡や舞曲を多用して異彩を放っている。これをテレマンの意図通りに再現できるのはポーランドの団体であるアルテ・デイ・スオナトーリをおいて他はない。これほど活き活きとしたテレマン演奏は珍しく、リズムも歌い回しも抜群。また組曲 ニ長調「悲喜劇」は爆笑ものの描写音楽で、各曲に「痛風」「治療法」「病気と思い込む人」「伊達男」「売春宿」と標題が付いている。 | |||
アッラン・ペッテション(1911-1980): 交響曲第6番 (1963-66) |
クリスチャン・リンドベリ指揮 ノールショーピングso. | ||
録音:2012年1月、ルイス・デ・ギア・コンサートホール、ノールショーピング。アル中でDVの父と病弱な母の間で、悲惨な成長期をたどったアッラン・ペッテション。その人生が反映されたような、暗く激しい音楽は長く不当に無視されてきたが、BIS が最新録音で次々日の目を見せてくれている。彼の作品はひたすら露悪的で、聴き手を楽しませたり美しい時を供給しようという気の全くない私小説的音楽。中でも最凶作品のひとつに数えられる交響曲第6番は1968年の作〔カデンツァ注:上記と異なるが、代理店記載ママ〕で、74分にわたり暗黒か鋭い牙で襲いかかってくる、世にも珍しい音楽的暴力。陽性で優しいクリスチャン・リンドベリが驚くほどの凶暴性を発揮しているのも聴き物。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.52 〔第140番「目覚めよとわれらに呼ばわる物見らの声」BWV140 / 第112番「主はわが信実なる牧者」BWV112 /第29番「われら汝に感謝す、神よ」BWV29 〕 ハナ・ブラシコヴァー(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2011年9月、神戸松蔭女子学院大学チャペル。BCJのバッハ・カンタータ・シリーズも終盤戦に入ったが、注目の新譜の出現。シリーズ開始時から、リリースについての問合わせの多かった人気作・第140番がようやく登場。これが非常に感動的。録音はその半年前の東日本大震災への痛恨と祈りの気持ちで臨んだとされ、いつも以上に深く熱い情念が感じられ、厳粛な心持にさせられる。また第29番は「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番」の前奏曲がオーケストレーションされ「シンフォニア」として流用されていることで有名。これをBCJの演奏で聴くことができるのも存外の喜び。BCJのカンタータ・シリーズ中でも特別の1枚。 | |||
メンデルスゾーン:無言歌 Vol.1 〔第1巻 Op.19b /第2巻 Op.30 /第3巻 Op.38 / 第4巻 Op.53 /5つの無言歌〕 |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
録音:2011年8月、エステローケル教会、スウェーデン。絶好調のブラウティハムがメンデルスゾーンの無言歌に挑戦。これまでも彼はBISレーベルに協奏曲を録音、メンデルスゾーンを得意としているようだ。メンデルスゾーンのピアニズムはリストやショパンに比べると古典派風だが、厳格な指の訓練上に成立しているため、ごまかしのきかない難しさと恐ろしさがある。その点ブラウティハムは完璧。1830年プレイエル製のフォルテピアノのレプリカから端正で、清潔感にあふれた音楽を紡ぎだしている。メンデルスゾーンならではの美しいメロディの歌いまわしも絶妙で、幸福な時間にひたることが出来る。 | |||
メンデルスゾーン:無言歌集 Vol.2 〔第5巻 Op.62 /第6巻 Op.67 /第7巻 Op.85 /第8巻 Op.102 〕/ 5つの無言歌/6つの子供の小品 Op.72 /E.べネッケへの献呈作品集〜2つの小品 ロナルド・ブラウティハム(Fp) | |||
録音:2014年8月、エステローケル教会、スウェーデン。Vol.1: BISSA-1982 。使用楽器: ポール・マクナルティ、2010年製作〔モデル:プレイエル、1830年製作〕。 モーツァルト、ベートーヴェン、ハイドンのピアノ独奏曲全曲録音など幾多の偉業を成し遂げているフォルテピアノ界の鬼才、ロナルド・ブラウティハムによるメンデルスゾーン無言歌集第2弾。メンデルスゾーンのピアニズムはリストやショパンに比べると古典派風で、厳格な指の訓練上に成立しているためごまかしのきかない難しさと恐ろしさがあるが、その点ブラウティハムは完璧。全体を通してニュアンスに富んだ愛らしい演奏を披露しており、ことに第5巻第6曲「春の歌」Op.62No.6 はブラウティハムでしか表現することのできない繊細なタッチとペダリングで聴き手を魅了する。 | |||
メンデルスゾーン: ヴァイオリン、ピアノと弦楽のための協奏曲 ニ短調/ 弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20 |
ポリーナ・レスチェンコ(P) リチャード・トニェッティ(Vn) オーストラリア室内o. | ||
録音:2012年2月、ユージン・グーセンス・ホール、シドニー。アルゲリッチが絶賛するロシア出身のピアニスト、ポリーナ・レスチェンコがBISデビュー、リチャード・トニェッティとともにメンデルスゾーンを披露。同曲は師匠アルゲリッチもクレーメルと名盤を残しているが、レスチェンコ&トニェッティもそれに劣らぬ力演。この珍品に新たな生命を与えている。カップリングはトニェッティが手兵オーストラリア室内管のメンバー7名とメンデルスゾーンの「弦楽八重奏曲」を共演。これも精密なアンサンブルに加えボルテージも高い演奏で惹きつけられる。 | |||
小川典子〜モーツァルト:ピアノ・ソナタ集 〔第10番 ハ長調 K330 /第12番 ヘ長調 K332 / 第11番 イ長調 K331「トルコ行進曲付」〕 |
小川典子(P) | ||
録音:2011年8月-9月、ポットン・ホール、イギリス。小川典子がモーツァルトに挑戦。極めてストレートかつピュアな演奏がモーツァルトにぴったり。アレグロ系音楽に無類の巧さを示す小川典子ならではのモーツァルト像を作り上げている。 | |||
ヴァンスカの再録音〜シベリウス:交響曲全集 Vol.1 〔第2番 ニ長調Op.43 /第5番 変ホ長調Op.82 〕 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
録音:2011年6月、オーケストラ・ホール、ミネアポリス。かつてラハティso.と記念碑的なシベリウスの交響曲全集を完成させたヴァンスカが再録を決定。今回は手兵ミネソタo.を率いての挑戦。同オーケストラとはベートーヴェンやシベリウスの名演を繰り広げており、さらに旧録音から約20年を経て、ヴァンスカの円熟ぶりとさらなる深さを堪能出来る。続編も乞うご期待。 | |||
シューベルト: 交響曲第6番 ハ長調「小ハ長調」/ 劇付随音楽「ロザムンデ」より 〔間奏曲第1番−第3番/バレエ音楽第1番−第2番〕 |
トーマス・ダウスゴー指揮 スウェーデン室内o. | ||
録音:2012年2月、エレブルー・コンサートホール、スウェーデン。ダウスゴーによるシューベルトの交響曲集第2弾。第1弾である「未完成」と「グレート」(BISSA-1656)では現代的感覚満点の解釈で斬新なシューベルトを聴かせてくれた。ダウスゴーならではの歯切れ良く、明るく煌めくようなオーケストレーションはこのアルバムでも炸裂。すっきりとした演奏をすることによって見通しがよくなりシューベルトの音楽がもつ自然さが聴こえてくる。 | |||
ラフマニノフ: パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43 / 交響曲第3番 イ短調 Op.44 |
エフゲニー・スドビン(P) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
録音:2011年7月-8月、エスパラネード・ホール(シンガポール)。2011年初来日を果たしたエフゲニー・スドビン。彼がラン・シュイ率いるシンガポール響とラフマニノフのパガニーニ・ラプソディに取組んだ。スドビンの切れ味抜群のピアノはぴったりだが、シンガポール響も熱演。絶美の第18変奏も清潔で、ナイーヴな盛り上がりに心打たれる。 | |||
シューベルト:交響曲全集 Vol.4(完結編) 交響曲第1番 ニ長調 D.82 /歌劇「アドラスト」D.137 (未完)〜葬送行進曲/ 交響曲第2番 変ロ長調 D.125 /「ロザムンデ序曲」D.644 トーマス・ダウスゴー指揮スウェーデン室内o. | |||
録音:2013年6月、エレブルー・コンサートホール、スウェーデン。鮮烈オーケストレーションで現代的感覚満点のシューベルトを表現しているダウスゴーとスウェーデン室内o. による交響曲シリーズの最終となる第4弾が早くも登場。ダウスゴーは1997年にスウェーデン室内o. の音楽監督し就任して以来BISやSIMAXレーベルに積極的に録音している。シューマン、ベートーヴェンの交響曲集は極めて大胆な解釈は絶賛されており、このシューベルトの交響曲集もダウスゴーの代表の一つとなるだろう。 | |||
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集 Vol.2 弦楽四重奏曲〔第2番 イ短調 Op.13 /第3番 ニ長調 Op.44 No.1 〕/ 弦楽四重奏のための4つの小品 Op.81 より〔アンダンテ(変奏曲) ホ長調/スケルツォ イ短調〕 エッシャーSQ [アダム・バーネット=ハート(Vn1) アーロン・ボイド(Vn2) ピエール・ラポイント(Va) デイン・ヨハンセン(Vc)] | |||
録音:2014年9月、ポットンホール、サフォーク、 UK 。Vol.1:第1番、第4番、変ホ長調 MWV R18 (BISSA-1960) 。ニューヨークを拠点に活動しているエッシャーSQ によるメンデルスゾーン全集第2弾。2013年のエイヴリー・フィッシャー・キャリアグラントの受賞をはじめ近年目覚ましく活躍、世界各国で演奏会を成功させ、端正なアンサンブルはこのメンデルスゾーンと非常に相性がよく、極上の室内楽を展開させている。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.53 〔第97番「わがなす、すべての業に」BWV97 /第9番「われらに救いの来たれるは」BWV9 / 第177番「われ汝に呼ばれる、イエス・キリストよ」BWV177 〕 ハナ・ブラシコヴァー(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明 指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2012年2月、神戸松蔭女子学院大学チャペル。BCJのカンタータ第53巻は後期の3篇。注目は第177番「われ汝に呼ばれる、イエス・キリストよ」で、この終曲の主題から同名の名作コラール前奏曲(BWV639)が生まれている。タルコフスキーの映画「惑星ソラリス」に使用されたことで、特別な思いを持つファンも多い作品の原曲を、BCJの演奏で聴くことができるのは奇跡の喜び。BCJの演奏も崇高の極みで、凄みさえ感じさせる。また、イザークの「インスブルックよさらば」をコラールに用いている第97番「われらに救いの来たれるは」も絶品。バッハの魅力全開で、気を失わんばかりの美しさ。 | |||
戦争の影で ブロッホ:ヘブライ狂詩曲「シェロモ」(1916) ブリッジ:悲歌的協奏曲「オーレイション」(1930) スティーヴン・ハフ:孤独の荒野(2005)(#) |
スティーヴン・ イッサーリス(Vc) ヒュー・ウルフ指揮(無印) ベルリン・ドイツso.(無印) ガーボル・タカーチ=ナジ指揮(#) タピオラ・シンフォニエッタ(#) | ||
録音:2012年1月、イエス・キリスト教会、ベルリン。スティーヴン・イッサーリスBIS第3弾は協奏作品集。作曲年代は異なるが、いずれも第1次世界大戦を背景にしている。ブロッホの名作「シェロモ」は賢人ソロモン王を描いているものの、まさに第1次世界大戦中に作曲され、旧約聖書中伝道の書における果てしない絶望を表したともいわれる。イギリス近代作曲家ブリッジの「オーレイション」は1930年の作ながら第1次世界大戦の犠牲者への祈りとなっている暗く深い作品。イッサーリスとしては再録で、表現力の深みをさらに増している。現役の大ピアニストでもあるハフの「孤独の荒野」はハーバート・リードの1919年出版の詩から題材を得た作品。およそ90年を経ながらも、第1次世界大戦への苦悩がまざまざと響いて来る。 | |||
ヴェルヨ・トルミス(1930-): 嵐の海への呪文/我らはもう一度出現するだろう/私は美しい言葉を3つ持っている/四旬節の歌/ 雷への連梼/ヴィルの誓い/幼時の思い出/鉄への呪い/古代の海に寄せる歌/ハムレットの歌/二連画 セシーリア・リューディンゲル・アリーン(シャーマン太鼓)指揮オルフェイ・ドレンガル男声cho. | |||
録音:2012年2月、ウプサラ大学ホール、スウェーデン。エストニアの作曲家トルミスの名は、わが国でも合唱界で広く知られている。彼の合唱作品はエストニアの伝承音楽に基づくものが多く、独特の音世界を作り上げている。代表作の「鉄への呪い」は1972年の作だが、そのあふれる原始的シャーマニズムゆえソ連時代は演奏禁止とされていた。ほとんどワールドミュージックのようで、伊福部昭の声楽作品を思わす骨太な霊的エネルギーに満ち溢れている。スウェーデンの名門合唱団オルフェイ・ドレンガルは驚きの巧さで、決定盤の風格を示している。女性指揮者セシーリア・リューディンゲル・アリーンは自らシャーマン太鼓を打ち鳴らし、巫女的存在も担っている。 | |||
プロコフィエフ: 交響曲第6番 変ホ短調 Op.111 / 交響組曲「キージェ中尉」 Op.60 (*) / 組曲「3つのオレンジへの恋」 Op.33b |
アンドレイ・ ボンダレンコ(Br;*) アンドルー・リットン指揮 ベルゲンpo. | ||
録音:2012年1月、グリーグ・ホール、ベルゲン。「ロメオとジュリエット」(BISSA-1820)、フレディ・ケンプとのピアノ協奏曲(BISSA-1301)に続くリットン&ベルゲン・フィルのプロコフィエフ第3弾。今回は大作の交響曲第6番がメイン。作曲時の社会状況とプロコフィエフの複雑な性格を表すような一筋縄にはいかぬ難物だが、リットンは衒いなく再現。さらに嬉しいのは、「キージェ中尉」の「ロマンス」と「トロイカ」にオリジナル通りバリトン独唱入りなこと。注目の若手アンドレイ・ボンダレコによるロシア語で、「トロイカ」など日本語なら放送禁止間違いなしのエッチな内容となっている。リットンの指揮はゴージャスで、プロコフィエフの色彩豊かなオーケストラ・サウンドを満喫出来る。 | |||
18世紀ドイツのトリオ・ソナタ ヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルク(1727-1756):トリオ・ソナタ ハ長調 ヨハン・フリードリヒ・ファッシュ:トリオ・ソナタ ハ短調 FWV N; c2 ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ:トリオ・ソナタ ヘ長調 W.VII.3 ヨハン・ゴットリープ・グラウン:トリオ・ソナタ 変ロ長調 ゲオルク・フィリップ・テレマン:トリオ・ソナタ ト長調 TWV42: G10 カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ:トリオ・ソナタ 変ロ長調 Wq.158 ロンドン・バロック | |||
録音:2011年9月、聖マーティン教会、イングランド。ロンドン・バロックの好評シリーズ、トリオ・ソナタの第8弾は18世紀ドイツの作曲家。J.S.バッハが様々な形態のトリオ・ソナタを作曲したがここで紹介されているのは大バッハ以外の18世紀に活躍した作曲家。J.G.ゴルトベルクは優れたクラヴィーア奏者として活躍した。J.S.バッハに学んだこともあり、かの有名な「ゴルトベルク変奏曲」は彼のための作品と言われている。今回もロンドン・バロックの質の高い素晴らしい演奏。 | |||
シベリウス:交響曲集 Vol.2 〔第1番 ホ短調 Op.39 /第4番 イ短調 Op.63〕 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
録音:2012年5月、6月、オーケストラ・ホール、ミネアポリス。Vol.1〔第2番&第5番/BISSA-1986〕に続くヴァンスカの新シベリウス交響曲シリーズ第2弾。約20年を経ての再録音だが、SACDの高音質もあいまってヴァンスカの円熟ぶりに驚かされる。ミネソタ管の技術の高さとゴージャスな響きで、ラハティ響との旧録音とは別の作品のように聴こえる。ことに第1番のスピード感と迫力はカッコ良く痛快の極み。21世紀のシベリウス交響曲像の出現。 | |||
ロンドン・コーリング ヘンデル:「ゴールのアマディージ」HWV11 より 〔第1幕へのシンフォニア/アリア「汝を愛す」/アリア「準備万端」/ アリア「返して下さい」/第3幕へのシンフォニア/アリア「喜びを聞き」]/ 「ヘラクレス」HWV68 より〔第3幕へのシンフォニア/レチタティーヴォ「どこへ飛びましょうか」〕/ 「テオドーラ」HWV68〜エール「バラ色の歩みで」 コレッリ:合奏協奏曲 ニ長調 Op.6 No.4 / ヴェラチーニ:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op.2 No.9 ジェミニアーニ:合奏協奏曲 ニ短調「ラ・フォリア」 テューヴァ・セミングセン(Ms) ビャッテ・アイケ指揮バロックソリステーネ | |||
録音:2010年9月、城塞教会、コペンハーゲン。1710年頃のロンドンは最新のイタリア・オペラを展開させようとする興行主によって、非常な活気に満ちていた。コレルリ、ヴェラチーニ、ジェミニアーニといったイタリアの音楽家に加え、5年間をイタリアで過ごしたドイツ人ヘンデルも招かれ、オシャレなオペラを披露。しかしヘンデルはその後、非常にイギリス的な「ヘラクレス」や「テオドーラ」などへ作風を変化。そうしたカメレオン的相貌変化を示したアルバム。2005年結成のノルウェーのピリオド楽器団体バロックソリステーネとメゾソプラノのセミングセンが美しい世界を繰り広げる。 | |||
謝肉祭〜ヴァイオリンとギターのための作品集 ヴィヴァルディ(1678-1741):12のヴァイオリン・ソナタ集 Op.2 〜ソナタ第2番 イ長調 RV.31 ロカテッリ(1695-1764):12の室内ソナタ Op.6 〜ソナタ第12番 ニ短調 パガニーニ(1782-1840): チェントーネ・ディ・ソナタ Op.64, MS.112 〜ソナタ第1番/ ヴァイオリンとギターのための6つのソナタ Op.2, MS.26 〜ソナタ第1番/ブラヴーラ変奏曲 コレッリ(1653-1713):12のヴァイオリン・ソナタ集 Op.5 〜ソナタ第12番 ニ短調「ラ・フォリア」 パガニーニ:ギターとヴァイオリンのためのグランド・ソナタ イ長調 Op.39, MS.3 より 〔ロマンス/アンダンティーノ・ヴァリアート。スケルツァンド―第1〜6変奏〕/ ヴェネツィアの謝肉祭 Op.10, MS.59 五明カレン(Vn|使用楽器:ストラディヴァリウス「オーロラ」、1703年製) イスモ・エスケリネン(G|使用楽器:ロディ、2011年製) | |||
録音:2015年9月、トロイ貯蓄銀行ホール、ニューヨーク。麗しのヴァイオリニスト五明カレンが銘器ストラディヴァリウス「オーロラ」を用いて演奏したヴァイオリンとギターのための作品集をリリースする。五明カレンは1982年東京生まれで2歳の時にモントリオールに移住、5歳でヴァイオリンをはじめ、わずか9歳でカナダ音楽コンクール第1位受賞した才華。その後名教師ドロシー・ディレイに師事しジュリアード音楽院で学び研鑽を積んだ。現在アメリカを拠点にソリストとしてヨーロッパでも高い評価を受けている。2013年11月にNHKスペシャル「至高のバイオリン ストラディヴァリウスの謎」でイタリアのクレモナを訪れヴァイオリンの史上最高の名器ストラディヴァリウスの秘密に迫るドキュメンタリーに出演し、愛器「オーロラ」の音色を名曲に乗せて披露したことでその名が知られている。当番組内で“楽器自体に独特の声を持っている "とその魅力を語る五明カレンが美しい音色を聴かせてくれる。共演のイスモ・エスケリンはティモ・コルホネン門下で現在フィンランドを代表するギタリスト。ALBAレーベルより数多くのディスクをリリースしている名手。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集(全32曲) ピアノ・ソナタ〔第1番−第32番〕/3つの選帝候ソナタWoO.47 /ソナチネの2楽章 WoO.50 / 2つのソナチネAnh.5 /2つの作品(オルフィカ)/やさしいソナタWoO.51 ロナルド・ブラウティハム(Fp) | |||
録音:2003年8月、2004年8月、2005年8月、2007年8月、2008年8月、エステローケル教会、スウェーデン。使用楽器:ポール・マクナルティ製作(作品作曲年代の3台の楽器のレプリカ)。 ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.1-8、及び初期作品集(ピアノ独奏曲全集 Vol.9)の BOX 化(その他の様々な作品集〔ピアノ独奏曲全集 Vol.10 - 15 /2014年8月時点で Vol.13までリリース〕は含まれていない)。 フォルテピアノ界の巨匠で、快活明瞭なアプローチが魅力のロナルド・ブラウティハムによるベートーヴェン・シリーズから、ピアノ・ソナタ全集が BOX 化。当シリーズは2003年よりスウェーデンのエステローケル教会にて毎年8月に録音されソナタは2008年に完成した。作品年代に合った解釈で、当時の趣きを表現している。ブラウティハムは『マクナルティは古い楽器を研究して、それを新しく作り出してくれるという点だけでなく、彼の製作したレプリカを演奏していると、演奏解釈の面でも新しいインスピレーションを得ることができる』と語っており、イメージする最善の状態の楽器を使用することで、ごく自然な雰囲気を作り出していることがわかる。フォルテピアノによるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集決定盤。 | |||
J.S.バッハ:世俗カンタータ Vol.4 破れ、砕け、うち壊て(鎮まりしアイオロス)BWV 205 /鳴り交わす絃の相和せる競いよ BWV 207 ジョアン・ラン(S) ロビン・ブレイズ(CT) ヴォルフラム・ラトゥケ(T) ロデリック・ウィリアムズ(B) 鈴木雅明 指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2013年7月、しらかわホール、名古屋。バッハの教会カンタータの全曲演奏・録音を達成したバッハ・コレギウム・ジャパン。また第45回サントリー音楽賞受賞でも話題となるなか、期待のバッハ世俗カンタータ・シリーズの第4集が登場。「破れ、砕け、うち壊て」(鎮まりしアイオロス)BWV205はライプツィヒ大学の哲学講師、アウグスト・フリードリヒ・ミュラーの命名日を祝って書かれた作品で初演は1725年8月3日。学芸の女神パラス、果樹の女神ポモナ、西風の神ゼピュロス、風の神アイオルス、そして「風ども」の演ずる「音楽劇」。編成から見て戸外で演奏されたものと考えられている。「鳴り交わす絃の相和せる競いよ」BWV207はライプツィヒ大学の法学博士、ゴットリープ・コルテの教授就任祝賀用として作曲され初演は1726年12月とされている。歌詞の内容から察して、コルテを慕う、裕福な学生の依頼で作曲されたと言われている。曲は「幸福」「感謝」「勤勉」「名誉」という寓意的人物を中心に繰り広げられる音楽劇。曲中にはブランデンブルク協奏曲第1番 ヘ長調の第3楽章の改作も含まれており華麗な協奏楽章が含まれるのも当作品の魅力のひとつ。 | |||
メンデルスゾーン:交響曲、協奏曲全集 交響曲〔第1番 ハ短調 Op.11 /第2番 変ロ長調 Op.52「讃歌」/第3番 イ短調「スコットランド」Op.56 / 第4番 イ長調「イタリア」Op.90 /第5番 ニ短調「宗教改革」Op.107 〕/序曲「ルイ・ブラス」Op.9 [ジュディス・ハワース(S) ジェニファー・ラーモア(Ms) クリストフ・プレガルディエン(T) アンドルー・リットン指揮ベルゲンpo.&cho.、ベルゲン・ヴォーカル・アンサンブル、デンマーク国立声楽アンサンブル] 弦楽のための交響曲〔第1番 ハ長調/第2番 ニ長調/第3番 ホ短調/第4番 ハ短調/第5番 変ロ長調/ 第6番 変ホ長調/第7番 ニ短調/第8番 ニ長調/第8番 ニ長調(フル・オーケストラ版)/ 第9番 ハ長調/第10番 ロ短調/第11番 ヘ長調/第12番 ト短調/第13番 ハ短調〕/ ヴァイオリン協奏曲 ニ短調/八重奏曲のスケルツォOp.20 /ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64(オリジナル1844年版)/ ピアノ協奏曲 イ短調/ピアノ協奏曲第1番 ト短調 Op.25 /ピアノ協奏曲第2番 ニ短調 Op.40 /華麗なロンドOp.29 / ヴァイオリンとピアノのための協奏曲 ニ短調/華麗なカプチッチョOp.22 /セレナードとアレグロ・ジョコーソOp.43 / 2台のピアノのための協奏曲 ホ長調/2台のピアノのための協奏曲 変イ長調 [イザベル・ファン・クーレン(Vn) ロナルド・ブラウティハム(P) ローランド・ペンティネン、 ロヴェ・デルヴィンエル(Pデュオ) レフ・マルキス指揮アムステルダム・シンフォニエッタ] | |||
メンデルスゾーンの交響曲と協奏作品の全集11枚組。それも13曲からなる弦楽のための交響曲(第8番はフルオケ版も併録)まで入っている万全さ。演奏陣も豪華で、二重協奏曲や協奏的小品までももれなく収められている。 | |||
パヌフニク父娘 アンジェイ・パヌフニク(1914-1991):12の小練習曲/ショパン讃歌(3曲)(ロクサンナ・パヌフニク編曲) ペンタソナタ(1984) /リフレクションズ(1968) アンジェイ&ロクサンナ・パヌフニク:祈り / ロクサンナ・パヌフニク:第2の故郷/ Glo (2002) クレア・ハモンド(P) | |||
録音:2013年9月、ポットン・ホール、イギリス。2014年生誕百年を迎えるアンジェイ・パヌフニクは、ルトスワフスキ、セロツキと並ぶ20世紀ポーランド音楽史の巨星。1954年に英国へ亡命し、この地で音楽活動を行なったものの、終生故国とその文化への愛着を断ち切らずにいた。近年では美人作曲家ロクサンナ・パヌフニクの父としても知られている。パヌフニクのピアノ・アルバムは初登場で大歓迎。パヌフニクはピアニストとして、ルトスワフスキの2台のピアノのための「パガニーニの主題による変奏曲」を作曲者とともに世界初演したほどだが、ピアノ曲は意外に少なく、1947年の「12の小練習曲」、1968年の「リフレクションズ」、1984年の「ペンタソナタ」3作しかない。いずれも技巧的でダイナミック。このアルバムでは、愛娘ロクサンナが、父の作品の編曲もしくは父の精神を受け継いで作ったピアノ曲も収められている。興味深いのは、パヌフニク初期1949年の作で、もともと女声ヴォカリーズとピアノのために書かれ、後にフルートと弦楽オーケストラ用に編曲された「ショパン讃歌」全5曲中3曲のピアノ独奏用編曲。ポーランド民謡に基づき、きびきびとしたマズルカの第4曲などピアノ曲としても非常に魅力的。「祈り」はパヌフニクが未完で残した歌曲をロクサンナが完成させ、ピアノ曲にした物。死を前にしたパヌフニクの望郷の念と透明な思いが感動的。さらに興味深いのは、ロクサンナが2003年に作曲し、2006年に改訂した彼女最初のピアノ曲「第2の故郷」。タイトルはもちろんポーランドのことで、ポーランド民謡「森のすみれよ」を主題にした変奏曲となっている。演奏は若きイギリスの女性ピアニスト、クレア・ハモンド。イギリスには独特なピアニズムの伝統があるにもかかわらず、若いピアニストがほとんど現れないので非常に貴重。高度な技巧を駆使したフレッシュな演奏を繰り広げている。要注目の逸材。 | |||
エチュード リャプノフ:超絶技巧練習曲集 より〔テレク川/夏の夜/嵐〕 チン・ウンスク〔陳銀淑〕:6つの練習曲(1995-2003) / シマノフスキ:12の練習曲 Op.33 カプースチン:異なる音程による5つの練習曲 Op.68 クレア・ハモンド(P) | |||
録音:2013年9月、ポットン・ホール、イギリス。イギリス若手ピアニストを代表するクレア・ハモンドのBIS第2弾は、超絶技巧ぶりに唖然とさせられる。「エチュード」と題されたアルバムで、文字通り練習曲を集めているが、創作は古今東西120年にわたり、性別も多様なプログラミングは非常に計算されていて感心させられる。ピアノのための練習曲は、指の独立や運動性、難しい奏法の習熟を目的とし、ほとんどが難曲だが、ここに収められた作曲家たちはそこに芸術性や個性を盛り込み、魅力的な世界を作り出している。リャプノフの3曲は「超絶技巧練習曲」からのもので、師匠バラキレフ譲りのボルテージの高いダイナミックな世界。国民楽派らしいロシア色とメロディに魅かれる。現代韓国の女性作曲家チン・ウンスクの練習曲は大井浩明氏が日本で披露し、「(第3曲は)アジアで最も難しいピアノ曲」と評している。このハモンドの演奏には作曲者の絶賛の一文を寄せていて、とにかく凄いの一言に尽きる。続くポーランド近代のシマノフスキ作品は、彼が独自の美意識に目覚めた時期のもので、やたらと難しい技巧を要求しながらも、交響曲第3番やヴァイオリン曲「神話」と共通するBL趣味を示している。さらに日本にもファンの多いカプースチン。彼のピアノ曲はジャズ語法によるカッコ良さに満ちているが、技巧的にはどれも難しく、とりわけ練習曲はその頂点に位置する。しかしハモンドは余裕の技術に加え、若さあふれるジャズの乗りで最高。要注目の若手ピアニスト。 | |||
オイステイン・ボーズヴィーク:チューバと室内管弦楽のための協奏曲(2012) ヨン・オイヴィン・ネス:チューバ協奏曲「悪魔収穫機」(2011) クリスチャン・リンドベリ:チューバ協奏曲「恋するパンダ」(2007-11) オイステイン・ボーズヴィーク(Tu) クリスチャン・リンドベリ指揮アークティックpo. | |||
録音:2012年1月、2013年2月、ハーシュタ文化センター。「チューバの怪人」ボーズヴィーク待望の協奏曲第3弾。今回は自作、「トロンボーンの超人」リンドベリ、現代ノルウェーのネスなど「身内」作品を集めている。リンドベリのAKB風タイトルの作品は、「捜し物をするパンダ」「仔ライオン」「恋するパンダ」「抵抗するパンダ〜天安門広場へ行く」「パンダの演説」「丘を登るパンダ…自由の世界へ」という、多分に政治色を匂わせながらもフマジメに展開するリンドベリらしい物で、一聴の価値ある奇作。 | |||
ヴァンスカ&ミネソタ管〜シベリウス:交響曲全集 Vol.3(完結編) 〔第3番 ハ長調 Op.52 /第6番 ニ短調 Op.104 /第7番 ハ長調 Op.105 〕 オスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタo. | |||
録音:2015年5月-6月、オーケストラ・ホール、ミネアポリス。 Vol.1:第2番&第5番 (BISSA-1986)、Vol.2: 第1番&第4番 (BISSA-1996 /2014年1月に発表されたグラミー賞で最優秀オーケストラ・パフォーマンス賞を受賞)。オスモ・ヴァンスカとミネソタ管によるシベリウスの交響曲全曲録音が遂に完結。もともと全集を視野に入れてスタートした当シリーズだが、ミネソタ管の理事会と楽団員たちの労使紛争が紛糾し決裂状態となり、さらに2013年10月にヴァンスカが辞任したことにより予定されていた第3弾の実現は難しい状態となっていた。しかし、多くの要望とヴァンスカの全曲録音への思いから遂に録音。かつてラハティso.と記念碑的なシベリウスの交響曲全集を完成させたヴァンスカ。「フィンランドの風景を思い起こさせる」と評されるヴァンスカの再録には大きな期待が集まっていた。ミネソタ管を率いての挑戦となった今回の全曲録音だが、近年のヴァンスカの円熟ぶりとさらなる深さを堪能出来る。充実の全曲録音がここに完成。 | |||
オグリンチュク〜モーツァルト: オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370 (*) /オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314 (#) / ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調(オーボエ編曲版)(+) ボリス・ブロフツィン(Vn;*) マキシム・リザノフ(Va;*) クリスティーヌ・ブラウマネ(Vc;*) アレクセイ・オグリンチュク(Ob)指揮リトアニア室内o.(#) レオニード・オグリンチュク(P) | |||
録音:2012年4月、リトアニア・ナショナル・フィルハーモニー・ホール、ヴィリニュス(*/#) /2011年8月、ブレーメン、ドイツ(+)。使用ピアノ:スタインウェイD (+) 。ロイヤル・コンセルトヘボウo.の首席奏者アレクセイ・オグリンチュク。BISレーベルから発売したバッハのオーボエ作品集(BIS SA-1769)では妖艶な美音を聴かせてくれたが、今回もより磨きのかかったふくよかなオーボエを披露している。期待の新譜はモーツァルトのオーボエ作品集。内容は名曲オーボエ協奏曲を筆頭にオーボエ四重奏曲そしてヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調のオーボエ編曲版。この協奏曲はオーボエ奏者ジュゼッペ・フェルレンディス(1755-1805)のために作曲された作品で、オーボエの魅力を引き出した名曲。また、オーボエ四重奏曲では共演陣にも注目!近年目覚ましい活躍のヴィオラ奏者マキシム・リザノフ。バシュメットの後継者との呼び声も高く世界各地で幅広い活躍をしている。そして、ヴァイオリンのブロフツィンとチェロのブラウマネの若手演奏家が加わりオグリンチュクの豊かなオーボエの音色が一層際立つ。今後の活躍にも大注目。 | |||
フランセ:木管五重奏曲〔第1番(1948) /第2番(1987) 〕/木管四重奏曲(1933) / 木管三重奏のためのディヴェルティスマン(1947) ベルゲン木管五重奏団 | |||
録音:2008年4月、ヘルドラ教会、ノルウェー。2012年生誕100年を迎えるジャン・フランセ。管楽アンサンブルの世界では定番となっているフランセ作品。軽妙洒脱、シャンパンのように発泡する刺激にあふれていて楽しく聴きやすいものの、早いテンポ、細かい音の動き、錯綜する声部など技術的には非常な難曲。ベルゲン・フィルの奏者たちによる名人集団ベルゲン木管五重奏団のスタイリッシュな演奏でお楽しみ頂きたい。 | |||
ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871-1927):弦楽四重奏曲集 Vol.2 〔第5番 ハ長調 Op.29「セレナード」(1910) /ヘ短調(1897) (#) /第6番 ニ短調 Op.35 (1916) 〕 ステーンハンマルSQ [ペータ・オロフソン(Vn1) ペール・エマン(Vn2) トニー・バウアー(Va) マッツ・オロフソン(Vc)] | |||
録音:2011年10月(#)、2012年12月(無印)、スウェーデン。(#)は世界初録音。第1集[弦楽四重奏曲第3、4番、組曲『ロドレッシの歌』よりエレジーと間奏曲(BISSA-1659)]に続き、演奏はステーンハンマル弦楽四重奏団。ステーンハンマルはオペラ、交響曲、協奏曲、声楽曲など、様々な音楽形態の作品を残しているが、ここに収録された弦楽四重奏はステーンハンマルの芸術を知る上で最も優れた作品群。世界初録音の弦楽四重奏曲 ヘ短調は1897年に作曲、ステーンハンマルの記念すべき作品1であるピアノ協奏曲第1番 変ロ長調(1893)や作品番号が付番されている弦楽四重奏曲第1番(1894)、第2番(1896)と同時代の作品。若かりし勢いや情熱が伝わるが、既に自身のスタイルが確立されていると言えるほど構成・内容ともに充実している。2002年に結成されたステーンハンマル弦楽四重奏団はその名の通りステーンハンマルの作品を中心に演奏しており、スウェーデン国内外で高い評価を得ている。近年、現代音楽にも力を入れアメリカ、イギリスなどの作曲家から多くの委嘱作品を依頼されている。2011年にはステーンハンマルの40ほどの作品をスウェーデン放送へ録音し、スウェーデンを中心に演奏活動を行っている。当クァルテットは圧倒的な技術と的確な解釈を披露しており、今後期待されるクァルテット。 | |||
シューマン: 交響的練習曲 Op.13〔遺作変奏5篇&1834年の2篇入〕/ 幻想小曲集 Op.12 /花の曲 Op.19 |
フレディ・ケンプ(P) | ||
録音:2012年9月、ポットン・ホール、イギリス。フレディ・ケンプの 1998年 CD デビューはシューマン作品集だったが、約14年を経て第2弾が実現。「交響的練習曲」は通常の12の変奏に加え、遺作の5つの変奏と1837年の2つの変奏まで入れるこだわりを見せている。余裕の技巧で明快な演奏を繰り広げるが、音楽の陰影の深さは近年の成長ぶりを表している。語り口の巧さ、深み、多様なニュアンス、そして少しの狂気、まさにシューマンにピッタリ。 | |||
Bach for Japan 〜J.S.バッハ: カンタータ第156番「わが片足はすでに墓穴の中にあり」BWV.156〜〔シンフォニア/アリアとコラール[テュルク(T)]〕/ カンタータ第106番「神の時こそ、最上の時(追悼の式典)」BWV.106〜ソナティナ/ カンタータ第127番 BWV.127〜アリア「魂は、主の御手のうちに、安らいでいる」[キャロリン・サンプソン(S)]/ オルガン・コラール「心よりわれこがれ望む」BWV.727(新録音)/ カンタータ第106番 BWV.106 〜〔アリア「あなたの御手に、私の魂を委ねます」/ アリオーソとコラール「あなたは今日私と一緒に楽園にいるであろう」[ゲルト・テュルク(T) 米良美一(CT)]〕/ 管弦楽組曲第3番 ニ長調〜エア/カンタータ第115番 BWV.115〜アリア「そのような時でも」[スザンヌ・リディーン(S)]/ オルガン・コラール「われら悩みの極みにありて」BWV.641(新録音)/ カンタータ第170番 BWV.170〜アリア「満ち足りた安らぎ、魂の愉しむ悦びよ」[ロビン・ブレイズ(CT)]/ カンタータ第151番 BWV.151〜アリア「甘き慰め、わがイエスが来られる」[ハナ・ブラシコヴァー(S)]/ オルガン・コラール「私はあなたに叫び求める、主イエス・キリストよ」BWV.639(新録音)/ カンタータ第105番 BWV.105〜アリア「なんと震えまたゆらぐことか」[ミア・パーション(S)]/ カンタータ第159番 BWV.159〜アリア「成し遂げられた」[ペーター・コーイ(B)]/モテット「来たれイエスよ来たれ」BWV.229 鈴木雅明(Org)指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2011年11月、神戸松蔭女子学院大学チャペル(新録音3曲)。『ここに上梓するCDは、特別な意図をもって作られたものです。2011年3月11日におこった、東日本大震災およびそれに伴う津波は、私たち日本の誰にとっても、かつてない衝撃であり、直接被災した地域の人々のみではなく、日本という国を根こそぎ変えてしまったと言っても過言ではありません。(中略)そのような中にあって、J.S.バッハの音楽が、18世紀のみならず21世紀の現代においても、大きな慰めと励ましを与えてくれることを、私たちは実感してきました。そこで今、震災で亡くなった数え切れないほど多くの犠牲者を悼み、大きな喪失感の中にある被災した方々に寄り添い、心の傷が少しでも癒されるように、さらに、この国を次世代へ受け継ぐことができるような活力を得られるように、と、そのような思いを持って、このCDを作成いたしました。死に瀕し、不安におののく弱き人間の姿、天国への希望、魂の安らぎと慰め、苦難にもめげず続けられる祈りと瞑想、神の摂理の成就とイエス・キリストへの希求をキーワードとしてプログラムを構成し、最後に、これらすべての概念を包含するモテットBWV229で締めくくっておきました。これらの音楽によって、思い乱れる心に、たとえ一瞬でも、安らぎと希望の光がさせば、それに優る喜びはありません。』(鈴木雅明) 『このCDは、東日本大震災被災者のための「BCJ震災義援プロジェクト(2011年4月〜)」の一環として、鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンにより企画されました。バッハの音楽と素晴らしい演奏を通して被災者の方々にエールを送ると同時に、CDの印税収入を寄付することを目的としています。大半は既発のカンタータ中のナンバーで、米良美一やミア・パーションなど懐かしい面々も総動員。さらに鈴木雅明がこのアルバムのために2011年11月に神戸松蔭女子学院大学チャペルのオルガンを用いて3篇のオルガン・コラールを新録音しているのも聴きもの。鈴木雅明の熱い想いが伝わる感動的な名演となっています。』 | |||
ラフマニノフ: 交響曲第1番 ニ短調 Op.13 (*) / ピアノ協奏曲第1番 嬰ヘ短調 Op.1 (#) |
エフゲニー・スドビン(P;#) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
録音:2012年8月、エスパラネード・ホール、シンガポール。ラン・シュイ&シンガポール響によるラフマニノフ作品集第3弾。交響曲第1番 ニ短調は1897年に初演されたが、それが不成功に終わり、以後ラフマニノフの生前には演奏されず、1945年に復活上演された作品。ラン・シュイは若きラフマニノフの漲るエネルギーを感じさせるこの作品をパワフルに演奏している。カップリングは1980年サンクトペテルブルク生まれのエフゲニー・スドビンによるラフマニノフの記念すべき作品1であるピアノ協奏曲第1番 嬰ヘ短調。スドビンによるラフマニノフは定評がありパガニーニの主題による狂詩曲 Op.43を収録したアルバム(BISSA-1988)でも強靭でロマンティックなロシアン・ピアニズムを聴かせてくれた。スドビンは信じられないほどの技巧の持ち主で、特にこのカデンツァは驚きを隠せない。これほど情感豊かな演奏は30歳にして巨匠の域に達していると言えるだろう。ラン・シュイ率いるシンガポール響のオーケストラの盛り上げ方も素晴らしく、最終楽章の歯切れのよいトランペットなど爆演と言えるほど熱気に満ちている。 | |||
エミリア・アムペル:魔法の鳥 マリアに/アンデシュ・グスタフ・イェルンベリによるポルスカ ト短調/暗い夜へ/サドラの地/魔法の鳥/ ホッフスミランのポルスカ/ランゲル氏と別嬪さん/トルソスの酒の歌/乙女のポルスカ/忘れられたポルスカ/ 若い女性が嫁いだ時/乗っ取られ/ブレダルのネツカポルスカ/ガラティ川/ヴァルデブーのワルツ エミリア・アムペル(ニッケルハルパ/歌) ユーハン・ヘディム(ニッケルハルパ) アンデシュ・レフベリ(Vc) ダン・スヴェンソン(Perc/G/Vo) ウーレ・リンデル(Perc/G) ヘルゲ・アンデシュ・ヌールバッケン(Perc) トロンヘイム弦楽ソロイスツ | |||
録音:2012年4月、レンナ教会、スウェーデン&フリキルケ、ノルウェー。ニッケルハルパはスウェーデンの民俗楽器。中世に北欧で用いられていたが、スウェーデンのウップランド地方でのみ伝承され、今日に至っている。ヴァイオリン型の擦弦楽器で、4本の弦と12本の共鳴弦を持ち、フレットのかわりに鍵盤風のものが付いているのが特徴。民俗色豊かで素朴な音色が魅力。この楽器の2010年ワールド・チャンピオンの若き名手エミリア・アムペルがBIS初登場。ニッケルハルパ当代一の巨匠ユーハン・ヘーディンも参加、アルヴェーンの音楽を想わせる民俗色のほか、中世の古楽風だったり、アムペル自作のロック調のものなど多彩、ワールドミュージック・ファンにもオススメ。 | |||
ブラウティハム〜モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.5 〔第20番 ニ短調 K.466(カデンツァ:ブラウティハム)/ 第27番 変ロ長調 K.595(カデンツァ:モーツァルト)〕 ロナルド・ブラウティハム(Fp) マイケル・アレクザンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミー | |||
録音:2012年7月、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザール、ケルン、ドイツ。2013年5月にマイケル・アレクザンダー・ウィレンズ率いるケルン・アカデミーと来日し、モーツァルトのピアノ協奏曲を演奏、各公演ともにアンサンブルの密度の高い熱演を聴かせてくれたブラウティハム。全体的に快活で歯切れのよい演奏はモーツァルトのピアノ協奏曲の新たな一面をのぞかせてくれる。今回は傑作第20番 ニ短調K.466と第27番 変ロ長調K.595が収録されている。第20番は同曲のイメージを一新するような全体的に早めのテンポで設定されている。モーツァルトの短調の作品が持つ独特の雰囲気を壊すことなく、オーケストラの強弱やフォルテピアノのタッチを絶妙に変化させることで、聴き手にとって心地さを与えてくれる。またブラウティハムによるカデンツァは彼の演奏イメージ通り、煌びやかさと明るさを持った演奏でブラウティハムでしか表現できない素晴らしいカデンツァを披露している。一方、第27番はブラウティハムのうっとりしてしまうほど美しいタッチとケルン・アカデミーと繊細にニュアンス美しく演奏を展開している。こちらはモーツァルトのカデンツァを使用している。楽器はアントン・ワルター(1752-1826)製作のレプリカで2011年ポール・マクナルティ製作によるフォルテピアノを使用している。マクナルティ製作の楽器を使用して演奏・録音していることについてブラウティハムは「マクナルティは古い楽器を研究して、それを新しく作り出してくれるという点だけでなく、彼の製作したレプリカを演奏していると、演奏解釈の面でもなんか新しいインスピレーションを得ることができる」と語っており、ブラウティハムがイメージする最善の状態の楽器を使用することで、ごく自然な雰囲気を作り出していることがわかる。今後の録音にも注目。 | |||
18世紀イタリアのトリオ・ソナタ アルビノーニ:バレット ト長調 Op.3 No.3 / ボンポルティ:ソナタ ト短調 Op.6 No.7 ヴィヴァルディ:ラ・フォリア Op.1 No.12 / ボノンチーニ:室内ソナタ第2番 ポルポラ:ソナタ Op.2 No.3 / サンマルティーニ:ソナタ第5番 ヘ長調 ロカテッリ:ソナタ ニ長調 Op.8 No.8 / ガッロ:ソナタ第1番 ト長調 / タルティーニ:3声のソナタ ニ短調 ロンドン・バロック | |||
録音:2012年4月-5月、セント・マーティン教会、ハンプシャー。「17世紀イタリアのトリオ・ソナタ」(BIS-1795)の続編にして、ロンドン・バロックのトリオ・ソナタシリーズ第7弾。17世紀にイタリアで発祥したトリオ・ソナタ形式の、約百年後の進化の様を示してくれる。良く知られたヴィヴァルディの「ラ・フォリア」のほか、ストラヴィンスキーの「プルチネッラ」または「イタリア組曲」の原曲がペルゴレージではなくドメニコ・ガッロの作で、ここに収められた「ソナタ第1番 ト長調」第1楽章はまさに「プルチネッラ」序曲と同じメロディが響くのに感動させられる。このほか、当時の大ヴァイオリニストでもあったロカテッリとタルティーニ、ハイドンやファリネッリの師としても知られるポルポラの作品など、トリオ・ソナタの伝統がロココ様式へと変化していく様子を実感させる。 | |||
ブレット・ディーン(1961-): ヴァイオリン協奏曲「 The Lost Art of Letter Writing 」(2006, rev.2007) 〔I.ハンブルク 1854 /II. ハーグ 1882 /III.ウィーン 1886 /IV. ジェリルデリー 1879 〕/ [フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn) ジョナサン・ノット指揮シドニーso.] 12人のヴィオラ奏者のための「遺書」(2002) [BBCso.の12人のヴィオラ奏者] / 4声合唱、児童合唱、オーケストラ、エレクトのための「無念と愛情」(2005) [デイヴィッド・ロバートソン指揮 BBC so.&cho.、ゴンドワナcho.] | |||
ヴィオラの名手としても知られ、BPOの団員を14年も務めたオーストラリア出身の作曲家ディーンの作品集。BISレーベルにはこれまでに自作自演のヴィオラ協奏曲(2005)、十二人の怒れる男たち(1996)、親密な決定〜無伴奏ヴィオラのための(1996)、コマロフの墜落(2006)をおさめたアルバム(BIS-1696)が発売されている。当アルバムに収録されたヴァイオリン協奏曲「The Lost Art of Letter Writing」のヴァイオリン独奏はドイツ正統派ヴァイオリニスト、ツィンマーマン。既に40代後半で今や巨匠の名にふさわしい風格を醸し出しているツィンマーマンだが、近年はBISレーベルより勢力的にレコーディングをしている。安定したテクニックと美音が魅力のツィンマーマンだが、レパートリーの広さでも有名で現代曲も得意としている。全4楽章のこのヴァイオリン協奏曲は、随所に技巧が散りばめられた作品で非常に新鮮な響きが楽しめる。「遺書」はベートーヴェンが甥であるカールと弟のヨハン宛に書いたあの有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」よりインスピレーションを得て作曲された作品で、ディーンがかつて所属していたBPOのヴィオラ奏者のために書かれた物。非常に立体感のある旋律はオーディオ的にも楽しめる作品。 | |||
ルネサンスのエールとダンス フランシスコ・デ・ラ・トーレ/ウルバン・アグナス編曲:ラ・スパーニャを低音に持つ舞曲 ティーレマン・スザート/ウルバン・アグナス編曲: バス・ダンス「私の願い」/ガイヤルド第2番/アルマーニュ第8番/王の舞曲/ 千々の悲しみ/上着のない羊飼い/パッセ・メディオ/ガイヤルド第15番 ジェズアルド/ウルバン・アグナス編曲:お前は私を殺す、残酷な人よ/愛している、あなた/わが愛しの人よ ダウランド/ヨアキム・アグナス編曲: もしも私のうけた苦しみが/サー・ジョン・スミスのアルマイン/ラクリメ/蛙のガイヤルド ダウランド/クリスチャン・リンドベリ編曲: デンマーク王のカイヤルド/ジャイルズ・ホビー氏のガイヤルド/エセックス伯のガイヤルド/ダウランドは常に悲しむ モンテヴェルディ/ウルバン・アグナス編曲:歌劇「オルフェオ」〜シンフォニアとモレスカ/ただあなたを見つめ/ 歌劇「オルフェオ」〜7声のシンフォニア/本当に美しいダミジェッラ 作者不詳/ステファン・グスタヴソン編曲:ルネサンス組曲 ストックホルム・チェンバー・ブラス | |||
録音:2012年3月、ヨハネス教会、フェルクセン、ドイツ。エヴァルドの金管五重奏曲全集がロング・ヒットのストックホルム・チェンバー・ブラス。金管五重奏と打楽器から成り、スウェーデンを代表する1985年結成の団体。ルネサンスから現代まで広範なレパートリーを持ち、隙のないアンサンブルを聴かせる。今回はルネサンス期の有名作品をトロンボーンの神クリスチャン・リンドベリや当アンサンブルのトランペット奏者ウルバン・アグナスの効果的な編曲で披露。ダウランドの人気作「ラクリメ」や、現代音楽のようなジェズアルドまで神業を聴かせてくれる。 | |||
チャイコフスキー: 交響曲第5番 ホ短調 Op.64 / バレエ組曲「白鳥の湖」より 〔第2幕第10番「情景」/第2幕第2番「ワルツ」/第3幕第13番「白鳥の踊り」/ 第2幕第13番〜変奏第5「情景」(*) /第3幕第20番「ハンガリーの踊り」/第4幕第28番、第29番「情景」〕 ミハイル・シモニアン(Vnソロ;*) クリスチャン・リンドベリ指揮アークティックpo. | |||
録音:2012年1月、2月、2013年2月、ハルスタド文化会館、ノルウェー。BISレーベルが誇る天才トロンボーン奏者で、近年指揮活動に力を入れているクリスチャン・リンドベリが何とチャイコフスキーの交響曲第5番をレコーディング。彼の代表盤となりうる素晴らしい出来栄え。トロンボーン奏者だけあって金管の歯切れのよさ、オーケストレーションの華やかさは一際光る。またアークティック・フィルの見事なアンサンブル能力の高さも好印象。カップリングのバレエ組曲「白鳥の湖」も洗練された美しさで演奏されている。中でも注目は俊英ヴァイオリニスト、ミハイル・シモニアンがヴァイオリン・ソロをつとめた第2幕第13番の「情景」。シモニアンはノヴォシビルスク生まれのヴァイオリストで、今最も期待されている若手ヴァイオリニストの一人。ソリストとして世界の主要なオーケストラとの共演をはじめ、来日公演でも高い評価を得ている。落ち着いた硬派な演奏で、のびやかな高音域の音色が魅力。才能豊かなヴァイオリニストのソロが当録音で加わることにより一層素晴らしい演奏となっている。 | |||
ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871-1927):弦楽四重奏曲集 Vol.3 〔第1番 ハ長調 Op.2 (1894) (*) /第2番 ハ短調 Op.14 (1896) (#) 〕 ステーンハンマルSQ [ペータ・オロフソン(Vn1) ペール・エマン(Vn2) トニー・バウアー(Va) マッツ・オロフソン(Vc)] | |||
録音:2013年9月(#)、2013年12月(*)、スウェーデン。スウェーデンを代表する作曲家、ヴィルヘルム・ステーンハンマルが残した弦楽四重奏曲集の第3弾が早くも登場。第1集[弦楽四重奏曲第3、4番、組曲『ロドレッシの歌』よりエレジーと間奏曲(BIS SA-1659)]、第2集[弦楽四重奏曲第5、6番(BIS SA-2009)]に続き、今回も演奏はステーンハンマル弦楽四重奏団。ステーンハンマルはオペラ、交響曲、協奏曲、声楽曲など、様々な音楽形態の作品を残しているが、ここに収録された弦楽四重奏はステーンハンマルの芸術を知る上で最も優れた作品群。弦楽四重奏曲第1番(1894)、第2番(1896)は当シリーズの第2集に収録されている弦楽四重奏曲 ヘ短調(1897)やステーンハンマルの記念すべき作品1であるピアノ協奏曲第1番 変ロ長調(1893)などと同時代の若きステーンハンマルの情熱が伝わる作品だが、既に独自のスタイルが確立されていると言えるほど構成・内容ともに充実している。2002年に結成されたステーンハンマル弦楽四重奏団はその名の通りステーンハンマルの作品を中心に演奏しており、スウェーデン国内外で高い評価を得ている。近年、現代音楽にも力を入れアメリカ、イギリスなどの作曲家から多くの委嘱作品を依頼されている。2011年にはステーンハンマルの40ほどの作品をスウェーデン放送へ録音し、スウェーデンを中心に演奏活動を行っている。当クァルテットは圧倒的な技術と的確な解釈を披露しており、今後期待されるクァルテットと言えるだろう。 | |||
The Red Violin ヤーッコ・クーシスト(1974-):ライカ Op.24 (1998, rev.2010) (*) /ヴァイオリン協奏曲 Op.28 (*) ジョン・コリリアーノ(1938-):ヴァイオリン協奏曲「レッド・バイオリン」(#) エリナ・ヴァハラ(Vn) ヤーッコ・クーシスト指揮ラハティso. | |||
録音:2012年4月(#)、2012年8月(*)、シベリウス・ホール、ラハティ、フィンランド。使用ヴァイオリン:グァダニーニ、1780年製。美人ヴァイオリニスト、エリナ・ヴァハラが奏でる情熱のヴァイオリン!収録曲は指揮をつとめたヤーッコ・クーシスト(1974-)作曲のライカとヴァイオリン協奏曲、カップリングはコリリアーノのレッド・バイオリン。ヤーッコ・クーシストのライカ Op.24(2010)はもともと四重奏(ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、Cl)のために書かれた作品(1998)。オーケストラ・アレンジの当録音は冒頭の派手さから一変、クラリネットの技巧的パッセージと幻想的なハープのメロディが続き最後は壮大なクライマックスを迎える魅力的な作品。同じくクーシストのヴァイオリン協奏曲 Op.28は2000年より構想をあたためてきた満を持しての協奏曲で、自身が名ヴァイオリニストであるが故にヴァイオリン協奏曲に対するただならぬ思いがあった。この作品はカレヴィ・アホの交響曲第3番に触発されて作曲されたとのこと。まず驚きが冒頭。演奏開始から3分半ほどまでヴァイオリンの独奏で始まり、その後スケールの大きなオーケストラが登場する。非常に技巧的なパッセージがヴァイオリン・ソロとオーケストラ・パートに随所にあらわれ、シンフォニックな構成をとる大作。カップリングはアメリカの現代作曲家ジョン・コリリアーノ(1938-)の“レッド・バイオリン " を引用したヴァイオリン協奏曲。数奇な運命を背負ったそのヴァイオリンの情熱を伝える名作。ヴァイオリンがもつ可能性を最大限に生かした技巧が随所に散りばめられている。ダイナミックなサウンドはオーディオ・ファンも必聴のアルバム。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.54 〔第100番「神なしたもう御業こそいと善けれ」BWV100 /第14番「神もしこの時われらと共にいまさずば」BWV14 / 第197番「神はわれらの確き望みなり」BWV197 /「いと高き神に栄光あれ」BWV197a(断片) ハナ・ブラシコヴァー(S) ダミアン・ギヨン(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明 指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2012年9月、神戸松蔭女子学院大学チャペル。バッハ・コレギウム・ジャパンによるカンタータ集もいよいよ大詰めの第54集が登場。今回は「ライプツィヒ時代1730〜1740年代のカンタータ」より。バッハの音楽の円熟期であるライプツィヒ時代の名作をBCJの演奏でお楽しみ頂ける。「神なしたもう御業こそいと善けれ」BWV100は三位一体後第15または第21主日用に作曲され初演は1734年頃、再演は1742年頃とされている。S.ローディがストのコラールによる3曲のカンタータ(他にBWV98、BWV99)中、最後の作品。ティンパニとトランペットが活躍する非常に華やいだ冒頭、終曲をはさみ、美しいアリアまたは二重唱の中間諸曲で構成された全6曲の作品。第14番「神もしこの時われらと共にいまさずば」BWV14は公現後第4主日用の全5曲で構成された作品で、初演は1735年とされている。ルターの同名コラールに基づくコラール・カンタータで現存するバッハの作品のうちでは、バッハが全楽章を新作した最後のカンタータと推定されている。言わばバッハのカンタータの中で、最も円熟して密度が高く、冒頭楽曲などにみられる驚嘆すべき技法の練達が示されている。第197番「神はわれらの確き望みなり」BWV197は1736/7年頃の作品。全2部、全10曲構成で、大規模な婚礼用のカンタータ。第6曲及び第8曲は、ピカンダーの台本によるクリスマス用カンタータ「いと高き神に栄光あれ」BWV197aからの転用が見られる。 | |||
ダウスゴー〜ワーグナー: 「さまよえるオランダ人」序曲(初稿版)/ 女声のための5つの詩(ヴェーゼンドンク歌曲集/管弦楽伴奏版)(*) / 「さまよえるオランダ人」序曲(最終稿版)/ジークフリート牧歌/ 「ヴェーゼンドンク歌曲集」〜夢(ヴァイオリン独奏&管弦楽版)(#) / 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」〜前奏曲 ニーナ・シュテンメ(S;*) カタリナ・アンドレアソン(Vn;#) トーマス・ダウスゴー指揮スウェーデン室内o. | |||
録音:2012年5月、6月、8月、エレブルー・コンサートホール。近年、BISレーベルより勢力的にリリースを続けているダウスゴー。まるでバレエ音楽のような演奏のチャイコフスキーの第6交響曲(BIS SA-1959)や透き通るようなブラームスの第1交響曲(BIS SA-1756)など、これまでリリースしたアルバムでは名曲に新たな一面を見出し、聴き手に衝撃を与えてきた。大期待の新譜は2013年生誕100周年のワーグナー作品集。同番でもダウスゴーならではの大胆なオーケストレーションとエネルギーに満ちあふれている。2004年よりスウェーデン室内管の首席指揮者をつとめているダウスゴーはオケからも絶大なる信頼を得ており、その結果、自由自在なオーケストレーションを聴かせてくれ、自身が目指す音楽を最大限に表現できていると言えるだろう。注目はニーナ・シュテンメがソロをつとめたヴェーゼンドンク歌曲集(マティルデ・ヴェーゼンドンクの詩)。シュテンメは堂々たる存在感を示し、ヴェルディのアイーダ(BAC-022)をはじめ高い評価を得ている。ビロードのような美しい声がワーグナー作品にもマッチしており、オーケストラの伴奏版ということもあり、よりドラマティックに歌い上げる。 | |||
20世紀のリサイタル ヒンデミット:オーボエ・ソナタ(1938) / ブリテン:世俗的変奏曲(1936) / アンタル・ドラティ:協奏的二重奏曲 パヴェル・ハース:オーボエとピアノのための組曲 Op.17 (1939) / パウル・ベン=ハイム:3つの無言歌(1952) アレクセイ・オグリンチュク(Ob;Marigaux 2001) レオニード・オグリンチュク(P;Steinway D) | |||
録音:2013年8月、ストックホルム、スウェーデン。オーボエ奏者のアレクセイ・オグリンチュクが父レオニードとの共演で20世紀の作曲家によるオーボエとピアノのための作品集を録音。指揮者ドラティの作品まで実にヴァラエティに富んだ選曲。親子ならではの息の合った演奏でオグリンチュクの妙技があますところなく堪能できる。 | |||
F.P.ツィンマーマン〜ヒンデミット(1895-1963): ヴァイオリン協奏曲(1939) (*) /無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.31 No.2 (1924) (#) / ヴァイオリン・ソナタ(+)〔変ホ長調 Op.11 No.1 (1918) /ホ調 (1935) /ハ調(1939) 〕 フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn) パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送so.(*) エンリコ・パーチェ(P;+) | |||
録音:2009年9月、アルテ・オーパー(旧オペラ座)、フランクフルト、ドイツ(*) /2012年5月、ドッビアーコ文化センター、イタリア(#/+)。使用ヴァイオリン:ストラディヴァリウス、1711 クレモナ‘Lady Inchiquin' /使用ピアノ:Steinway D。1965年ドイツのデュイスブルク生まれのドイツ正統派ヴァイオリニスト、フランク・ペーター・ツィンマーマン。BISレーベルからは近年、アントワーヌ・タムスティ(Va)クリスティアン・ポルテラ(Vc)との「トリオ・ツィマーマン」でベートーヴェン(BISSA-1857/KKC-5222)、モーツァルト、シューベルト(BISSA-1817/KKC-5202)を発売、いずれもレコード芸術特選盤でベストセラーとなっている。ヒンデミットは作曲者としてだけでなくヴァイオリニスト、ヴィオリストとして活動していた関係から弦楽器の作品を多く残した。1934年、ナチスにより無調的作風など、その現代的傾向の音楽が腐敗した芸術であるとされ圧迫をうけたために翌35年に休職、38年にスイスに移り、大戦を避けて40-47年にはアメリカに移り住みた。このアルバムに収められた作品はアメリカに亡命する以前の1918年から1939年に作曲された作品。ヴァイオリン協奏曲は指揮者メンゲルベルクの委嘱作品で初演は1940年、メンゲルベルク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウo.、ヴァイオリン独奏はコンサートマスターのフェルディナント・ヘルマンだった。ヒンデミット独特の流れるような旋律ではじまるこのヴァイオリン協奏曲。当録音ではツィンマーマンらしい非常に柔らかいボーイングと煌めくような美しい演奏を聴かせてくれる。またヴァイオリンとオーケストラが対話するような旋律が随所にあらわれるパートでは、パーヴォ・ヤルヴィ指揮hrso.が寄り添うようにサポートし音楽表現も難しいとされるこの作品を見事に演奏している。同曲の決定盤が登場したと言えるだろう。カップリングのヴァイオリン・ソナタでピアノをつとめたのはツィマーマンと数々の録音をし、絶大な信頼関係にあるエンリコ・パーチェ。歯切れのよいリズムなど一糸乱れぬ演奏をしている。 | |||
フラミニス・アウラ〜トミー・ハーグルンド(1959-): チェロ、テープと管弦楽のための「フラミニス・アウラ」(2001, rev.2004) (*) / 弦楽四重奏のためのための「魂の国」(2001) (#) / 弦楽三重奏のための「(嵐のあとの)和らぎ」(2013) (+) / 弦楽のための「ディオティマのためのセレナータ」(2014, rev.2015) エルンスト・シモン・グラーセル(Vc;*) ダーヴィト・アフカム指揮ヨーテボリso.(*) シリアクス=ペーション=ライティネン[トリオ〔Vn/Va/Vc〕](#/+) ユリア・クレツ=ラーション(Vn2;#) ヨアキム・グスタフソン指揮マルメso.(無印) | |||
録音:2012年9月、ヨーテボリ・コンサートホール(*) /2015年4月、マルメ・コンサートホール、スウェーデン(無印) /2015年9月、ペトロ教会、ストックスンド(#/+)、すべてスウェーデン。 トミー・ハーグルンドは、スウェーデン、カルマル生まれの作曲家。クラシカルギターをブー・ストロムベリとジョン・ミルズの下で学び、ヨーテボリのスヴェン=エーリク・ユーハンソンとロンドンのエリック・フェンビーに作曲法を師事した。室内楽と器楽のための作品を中心に作曲を手がけ、彼の音楽については、絶えず変化を繰り返す宇宙が鳴り響くイメージという表現がしばしば使われてきた。ハーグルンドの作品集。神に捧げるいけにえを祭壇で焼く「神官」とその「息」を意味するラテン語に由来する曲名の「フラミニス・アウラ」。ハーグルンドが心酔するスウェーデンの科学者、哲学者のエマヌエル・スヴェーデンボリの「魂の世界」と、結婚を前にして死んだアメリカ先住民の酋長の娘の伝説を題材にした「魂の国」は、 イギリスのメディチ四重奏団の委嘱作。「シリアクス=ペーション=ライティネン」トリオ(ZPR)のために書かれた「和らぎ(嵐のあとの)」は、オルランド・ディ・ラッソとパレストリーナからインスピレーションを得たとされる音楽。プラトンの『饗宴』でソクラテスが言及するマンティネイアの巫女の名を曲名に採った「ディオティマのためのセレナータ」は、彼が前の年に生まれた初めての孫娘の眼差しを思いながら作曲したという、「内省」の作品。 | |||
13弦ギターによるクリスマスの夢 聖しこの夜/慈しみ深き王ウェンセスラス/幼子イエスよ眠れ(ポーランドのキャロル)/ クリスマスの知らせ(フランスのキャロル)/松明、ジャネット、イザベル(プロヴァンスのキャロル)/ 森の中でヨーラチカが生まれた(ロシアのキャロル)/幾千ものクリスマスの光に彩られ(スウェーデンのキャロル)/ もうすぐ暗くなる(ドイツのキャロル)/神の御子は今宵/夜は招く(メキシコのキャロル)/ わが村に天使が(フランスのキャロル)/マリアはいばらの道を通り(ドイツのキャロル)/ ザンポニャーロたちの歌(イタリアのキャロル)/サリヴァン:天なる神には/甘き喜びのうちに(中世のキャロル)/ 三艘の船が(イギリスのキャロル)/バルー・ラミー(ケルトのキャロル)/ウォーロック:バルラロー/ ミオリン:青いクリスマス/冬の夜の夢見る星たち アンデシュ・ミオリン(13弦G) | |||
録音:2012年3月、レンナ教会、スウェーデン。独自の13 弦ギターでサティやドビュッシーを演奏して話題となったミオリン久々の録音は、自身の編曲による世界のクリスマス・キャロル集。「聖しこの夜」「慈しみ深き王ウェンセスラス」「神の御子は今宵」といった誰もが知るポピュラーなものから、スウェーデン、ロシア、フランス、メキシコなどでは誰もが愛唱する地元のキャロルまで20篇が収めれらている。ポーランドの「幼子イエスよ眠れ」はショパンが名作「スケルツォ第1番」の中間部に引用したメロディの原曲なのも興味津々。表現力豊かなギターでしっとりと奏でられたキャロルは不思議な温かみに満ち、静かなクリスマスの晩を素敵に演出してくれる。 | |||
ヘンデル:水上の音楽 HWV348-350 / 「オケイジョナル・オラトリオ」HWV62〜序曲 |
マンフレート・フス指揮 ハイドン・シンフォニエッタ・ ウィーン | ||
録音:2012年3月、オーストリア。団体名の通り、初期ディヴェルティメント全集(BIS-1806) や序曲全集(BIS-1818) 等、ハイドンの作品を中心レパートリーとしてきた同団が、ついにヘンデルに挑戦。2007年に改定修正された完全版で演奏、当盤でも簡潔でストレートな解釈を聴くことが出来る。 | |||
ニルセン:交響曲集 〔第4番「不滅」 Op.29 (1914) (*) / 第5番 Op.50 (1922) (#) |
サカリ・オラモ指揮 ロイヤル・ストックホルムpo. | ||
録音:2012年8月(*)、2013年6月(#)、ストックホルム・コンサートホール、スウェーデン。スウェーデンを代表するオーケストラ、ストックホルム・フィルと2008年より首席指揮者をつとめるサカリ・オラモとのニルセン。期待以上の熱演。第4番「不滅」が作曲された1914年は、第一次世界大戦の前半期に当たり、中立を宣言したデンマークも決して安泰な年月を過ごすことができなかった時代。拡大する戦争への不安と、戦争に伴う経済状態の悪化の中でこの作曲は続けられたが、そうした暗黒の日々のなかにあって人間の不滅への確信を高く揚げたこの作品はのちにニルセンの代表作となった。一方、第5番はニルセンの木管五重奏曲 Op.43の完成年でもある1922年で、ニルセンの創作力の頂点に達していた時期。曲中に効果的に使用されている小太鼓の用法は、少年時代に家の貧しさゆえ、軍楽隊に入ってやっと音楽への渇望をいやしていたころの、軍隊調の小太鼓の音に対する成人後の遠いノスタルジアとともに解釈されている。 | |||
バラ〜クリスマスの歌 ミヒャエル・プレトリウス(1571-1621):一輪のバラが咲いた 伝承曲/ロルフ・リスレヴァン編曲:ヴァイオリンとリュートのための「古いマリアの歌」 ヴェスト・アグデル民謡(スコットランド伝承曲由来)/ ヨー・アスゲイル・リ&グレーテ・ペーデシェン編曲:神の天使たちがやってくる ディエゴ・オルティスのリチェルカータ第2番によるヴァイオリン、リュートとコントラバスのための即興 グレーテ・ペーデシェン(1960-):クリスマス組曲「バラ」 〔ヒルデガルト・フォン・ビンゲン(1098-1179):おお永遠の力よ/おお、青々とした小枝よ/ 伝承曲/グレーテ・ペーデシェン編曲:ベツレヘムに御子が生まれた/ ヒルデガルト・フォン・ビンゲン/トリスパン、オルヤン・マトレ編曲:めでたし、気高き方/ オーラ・O.ファーゲルハイム:愛らしいこのクリスマスの時に/ 伝承曲/オルヤン・マトレ編曲:もっとも清らかなバラ/ 伝承曲、ヘルゲ・ディラン、オスカル・フォルデン/ロルフ・リスレヴァン編曲: ヴァイオリン、リュートとベースのための「マリアは無垢の娘」/ ヴォス民謡/オルヤン・マトレ編曲:つねに待ち望む心を/ ヒルデガルト・フォン・ビンゲン/グレーテ・ペーデシェン編曲:おお永遠の力よ〕/ ペーア・ネアゴー(1932-):クリスマスの喜び イタリア・バロックの旋律/ロルフ・リスレヴァン編曲:ヴァイオリン、リュートとコントラバスのためのタランテラ ノールモーレ&ヴォス民謡/ロルフ・リスレヴァン、オルヤン・マトレ編曲:クリスマスの詩「それは愛らしい幼子が」 グスタフ・ヌードクヴィスト(1886-1949):クリスマス、輝くクリスマス グレーテ・ペーデシェン指揮ノルウェー・ソリストcho. ベーリト・オプハイム(Vo) イェルムン・ラーシェン(Vn) ロルフ・リスレヴァン(リュート) ビョルン・シェッレミュル(Cb) | |||
録音:2013年4月、リス教会、オスロ、ノルウェー。このディスクは「ノルウェーの大地と空気」の感じられる音楽で知られる、スカンディナヴィア屈指のアンサンブル、オスロ・ソリスト合唱団のクリスマス・アルバム。題名にもなっている「バラ」だが、バラの花は、キリスト教の教義では「秘跡」と密接なつながりがある。もっとも大きな秘跡はイエス・キリストの生誕。「エッサイの根から一輪のバラが咲いた」…プレトリウスの単旋聖歌ではキリストはバラにイメージされ、バラはまた、三位一体につながる聖母マリアの象徴とされる。ヒルデガルト・フォン・ビンゲンや伝承曲など9つの曲を指揮者のペーデシェンが編纂し、古北欧語の「バラ(Rós)」をタイトルとする組曲「バラ」をプログラムの中心に、多様な曲がアカペラ合唱と器楽をともなう合唱で歌われ、あるいは、器楽のアンサンブルで演奏される。ノルウェーでもっとも名高い女性フォークシンガーのひとり、ソグネフィヨルドのヴォス生まれのベーリト・オプハイム(1967-)と、オスロの国立音楽アカデミーに学びジャンルを越えて活躍する、ノルウェーの音楽シーンを代表するフィドル奏者、イェルム・ラーシェン(1981-)のふたりが、前作『白夜—ノルウェー民俗音楽の印象』(BISSA-1871)に次いで参加。テリエ・リプダール、ヨン・バルケ、シェティル・ビョルンスタとコラボレーションを行い、ジョー・ヘンダソン、チェット・ベイカー、パット・メセニーと共演したジャズ・ベーシストのビョルン・シェッレミュルと、ノルウェー国立音楽アカデミーとバーゼルのスコラ・カントールムに学び、ジョルディ・サバールのグループで長年演奏したリュート奏者のロルフ・リスレヴァンも加わり、独自のカラーをもったペーデシェンとオスロ・ソリスト合唱団の音楽に新たな色彩を添える。「クリスマス、輝くクリスマス、白い森の上にきらきらと、天の冠は光り輝き、神の家の窓にはみな、あかあかと灯がともる」。スウェーデンのキャロルでプログラムを閉じる。それぞれに趣向を凝らした北欧のクリスマス・アルバムが多い中でももっともユニークな一枚に挙げられるだろう。 | |||
マルティヌー(1890-1959): ヴィオラとオーケストラのための協奏曲「ラプソディ・コンチェルト」H.337 (1952) (*) / ヴァイオリンとヴィオラのための3つのマドリガル(二重奏曲第1番)H.313 (1947) (#) / ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第2番 H.331 (1950) (#) / ヴィオラ・ソナタH.355 (1955) (+) マクシム・リサノフ〔マキシム・リザノフ〕(Va|使用楽器:1780年製グァダニーニ) イジー・ビエロフラーヴェク指揮 BBCso. (*) アレクサンドル・シトコヴェツキー(Vn;#|使用楽器:1753年製グァダニーニ) カーチャ・アペキシェワ(P;+|使用楽器:Steinway D ) | |||
録音:2011年11月10日、バービカン・センター、ロンドン、ライヴ(*) /2012年12月、ポットン・ホール、サフォーク州、セッション(#/+)。世界が注目する若手ヴィオラ奏者、マクシム・リサノフ。期待のマルティヌーは、名曲ラプソディ・コンチェルトなどが収録された。共演陣にも注目で、協奏曲はイジー・ビエロフラーヴェク指揮BBC響と、二重奏曲はクラシック界のサラブレッド、アレクサンドル・シトコヴェツキーと、ヴィオラ・ソナタでは2014年5月の来日リサイタルも話題となったカーチャ・アペキシェワとで、それぞれ豪華な顔ぶれとなっている。 | |||
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ集 〔第1番 ヘ短調 Op.80 /第2番 Op.94 bis 〕/ ロメオとジュリエット Op.64 より 〔モンターギュー家とキャピュレット家/ 百合の花を手にした娘たちの踊り/仮面〕 |
ワジム・グルズマン(Vn) アンジェラ・ヨッフェ(P) | ||
録音:2012年12月、ドイツ。使用ヴァイオリン:ストラディヴァリウス 'ex-Leopold Auer'、1690年製。抜群の音程感とテクニックで魅了する、鬼才ヴァイオリスト、ワジム・グルズマンのオール・プロコフィエフ・プログラム。今回もグルズマンらしい歯切れの良さを披露し、近年急速に人気曲となったプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタの決定盤が登場したと言えるだろう。伴奏のアンジェラ・ヨッフェとは超絶のヴァイオリン曲集(BISSA-1652)でも息の合った演奏を聴かせてくれた。グルズマンの圧倒的なテクニックに負けも劣らずで、難曲プロコフィエフを軽々と弾いてしまう。 | |||
J.S.バッハ/サイモン・ローランド=ジョーンズ編曲: 無伴奏チェロ組曲(ヴィオラ用編曲版)Vol.2 〔第3番 ハ長調 BWV1009 /第2番 ニ短調 BWV1008 (#) /第6番 ニ長調 BWV1012 〕 マクシム・リサノフ(Va) | |||
録音:2012年6月(#)、2013年5月(無印)、スウェーデン。使用楽器:J.B.グァダニーニ、1780年製。Vol.1: 第1番、第4番、第5番(BISSA-1783)。同郷で世界的ヴィオラ奏者のユーリー・バシュメトからも激賞され、近年目覚ましい活躍で日本でも人気急上昇の若手ヴィオラ奏者マクシム・リサノフ〔マキシム・リザノフ〕の待望のバッハのチェロ組曲ヴィオラ編曲版第2弾。組曲でも非常に柔らかい運弓でいわゆるバロック奏法のスタイルをとっており、当ディスクでも曲ごとの的確な解釈で聴き手に心地よい演奏を披露している。当ディスクでの注目はヴィオラでの演奏が極めて難しい第6番も収録されているところ。原曲では通常のチェロに(E弦)を足した5弦楽器用に書かれているため音域の広さ、効果的な重音の取り方など、4弦での演奏は技術的に難しい箇所が多く含まれるが、リサノフの圧倒的なテクニックと抜群の音楽性、さらにはヴィオラならではの特性を生かし、非常に暖かくのびやかな演奏を聴かせてくれる。ヴィオラ編曲版の決定盤登場。 | |||
アンドルー・リットン〜 A Tribute to Oscar Peterson "Lulu’s Back in Town / Harry Warren" / "’Round Midnight / Thelonius Monk Cootie Williams" / "Body and Soul / Johnny Green" / "A Child is Born / Thad Jones" / "Little Girl Blue / Richard Rodgers" / "Take the ‘A’ Train / Billy Strayhorn" / "Basin Street Blues / Spencer Williams" / "How Long Has This Been Going On / George Gershwin" / "The Nearness of You / Hoagy Carmichael" / "Over the Rainbow / Harold Arlen" / "Things Ain’t What They Used to Be / Mercer Ellington" / "Perdido / Juan Tizol" アンドルー・リットン(P) | |||
録音:2012年11月、ポットン・ホール、サフォーク州、イギリス。使用楽器:ベーゼンドルファー。なお、国内代理店記載の題名は「 Andrew Litton plays Oscar Peterson Improvisations 」だが、ジャケット写真では確認出来ない。アメリカを代表する指揮者でピアニストのリットンが、16歳の誕生日プレセントだった LP を聞いて、世界の名だたるクラシックの演奏者からは受けたことのない「神」の存在とも思える強烈な印象を得たというジャズ・ピアニスト、オスカー・ピーターソンへ捧げるピアノ・アルバムを発表。ピーターソンが演奏していた曲の数々を収録。演奏はピーターソンの特徴とも言えるストライドピアノ、さらにゴスペルらしいハーモニーも取り入れており、超絶だけではなく優雅でもあったピーターソンの世界観を表現。ジャズでありながらクラシックの演奏者らしいタッチで、ガーシュウィンなどを彷彿とさせる古き良きアメリカがこの1枚に凝縮されている。なお、当録音はピーターソンが愛奏していたことでも知られているベーゼンドルファー社製のピアノを使用している。アンドルー・リットン(1959-):ニューヨーク生まれのリットンは、これまでボーンマスso.、ダラスso. を歴任、またベルゲンpo. の音楽監督を務めるなどその実力を発揮してきた。優れたバランス感覚でもて手堅く全体をまとめながら、作品の美質を自然に表し出すところに特徴がある。古典から現代までとレパートリーも広く、ピアニストとしてもその実力を発揮している。 | |||
ダン・ラウリン〜ヴィヴァルディ: ピッコロ協奏曲 ト長調 RV.443(原曲:ハ長調)/ リコーダー、2つのヴァイオリンと通奏低音の協奏曲 イ短調 RV.108 / リコーダー協奏曲 ヘ長調 RV.442 /ピッコロ協奏曲 ハ長調 RV.444 / ピッコロ協奏曲 ホ短調 RV.445(原曲:イ短調)/ フルート、ヴァイオリン、ファゴット、チェロと通奏低音のための協奏曲 ニ長調 RV.92 / リコーダー協奏曲 ハ短調 RV.441(ダン・ラウリン編曲) ダン・ラウリン(リコーダー)指揮 1B1 室内o. ヤン・ビョーランゲル(リーダー) アンナ・パラディソ(Cemb) | |||
録音:2014年6月-7月、スタヴァンゲル・コンサートホール、ノルウェー。モダーン楽器使用。BISレーベルより積極的なリリースを続けるリコーダー界の鬼才ダン・ラウリンがヴィヴァルディを収録した。神業とも言える超絶技巧を交え、ラウリンしか表現できない快活かつ爽快なヴィヴァルディの心地よさは一聴の価値がある。目(耳)にもとまらぬ変幻自在なテンポと表情豊かな装飾音はヴィヴァルディの新たな魅力を発見できるだろう。ヤン・ビョーランゲル率いる 1B1 室内o.の好演も光る。当団はビェルグステ1番地を本拠とするモダーン楽器アンサンブルで、スタヴァンゲルが2008年の「ヨーロッパ文化の首都」に選ばれた際にスタヴァンゲル大学で教える音楽家とスタンヴァンゲルso.のメンバーを加え創設された注目のアンサンブル。 | |||
カレヴィ・アホ: ホルン協奏曲 (2011) (*) / テルミン協奏曲「八季」 (2011) (#) |
アンヌ・サルミネン(Hr;*) カロリナ・アイク(テルミン;#) ヨン・ストゥールゴールズ指揮 ラップランド室内o. | ||
録音:2013年1月、コルンディ文化センター、フィンランド。ボーナス:ヴィデオ・クリップ「カロリナ・アイク、カレヴ・アホの協奏曲を弾く」。精力的な作曲活動を行うカレヴィ・アホ。オーケストラすべての楽器のために協奏曲を書くことをライフ・ワークとしていて、18作目が2011年のホルン協奏曲。2009年4月に創立100周年を迎えたラッペーンランタ市o. のコンサートを聴いたアホは、同オーケストラのホルン奏者アンヌ・サルミネンの演奏に強い印象を受けた。そこでアホは彼女のためにホルン協奏曲を作りたいと申し出て、2011年の5月から6月にかけて作曲、2012年1月に初演された。独奏者は指揮者の脇に立つのではなく、最初は舞台裏、さらにオケの背後を左から右に動き、舞台前面に登場する。音像の動きも効果的。テルミン協奏曲は、2010年2月にワシントンでレーラ・アウエルバッハの交響曲第1番の初演を聴いたアホが、作品中でテルミン演奏を披露したカロリナ・アイクから頼まれ、彼女から楽器の機能と効果の教えを受けつつ2011年秋に作曲。テーマにしたのは四季ではなく八季。「秋」「秋の色」「黒い雪」「闇のクリスマス」「冬の霜」「雪塊」「雪解け」「真夜中の太陽」という冬もしくは北欧独特の季節感をテルミンの非現実的な響きが表現。カロリナ・アイクの魔術的演奏に陶酔させられる。 | |||
Times Go By Turns ウィリアム・バード(1540-1623):4声のためのミサ / リチャード・ロドニー・ベネット(1936-2012):神との対話 ジョン・プラマー(1410-1483):ミサ・シネ・ノミネ / アンドルー・スミス(1970-):キリエ「全能なる創り主」 トーマス・タリス(1505-1585):4声のためのミサ / ガブリエル・ジャクソン(1962-):ミサ ニューヨーク・ポリフォニー [ジェフリー・ウィリアムズ(CT) スティーヴン・カルディコット・ウィルソン(T) クリストファー・ディラン・ハーバート(Br) クレイグ・フィリップス(B)] | |||
録音:2013年1月、レンナ教会、スウェーデン。2006年結成、アメリカを本拠に活躍する男声4名のアンサンブルで、前作「私の終りは私の始まり」(BISSA-1949) がBIS初登場だったニューヨーク・ポリフォニーによる、バード、タリスなどの16世紀の作品とベネット、ジャクソンなど21世紀の作曲家によるポリフォニー作品をカップリングしたアルバム。時代は違えど不変の魅力をもつ声楽の力を感じる。 | |||
アッラン・ペッテション(1911-1980):交響曲第9番(1970) ・特典DVD:「The Voice of Man」(制作:スウェーデン・テレビ) 【ペッテションについてのドキュメンタリー(1973-78)】 クリスチャン・リンドベリ指揮ノールショーピングso. | |||
録音:2013年1月、ルイス・デ・ギア・コンサートホール、ノールショーピング。第1&2番(BIS-1860)、第6番(BISSA-1980)に続く、現代スウェーデンの作曲家ペッテションの交響曲シリーズ。第9番は、アンタル・ドラティによって演奏され成功をおさめた交響曲第7番の2年後、1970年に作られた。この時期、それまでにないほど彼の作品は世に知られることになったが、第9番を作曲して9カ月後、ペッテションは体調を崩しついに入院してしまった。ペッテションの音楽はその生い立ちから彼の音楽には暴力的でまるで暗黒に突き落とされたような、聴いているだけで寒気がするような旋律が多くふくまれる。この第9番も叫び・苦しみを感じさせるパッセージが随所に現れる。ボーナスDVDにはスウェーデン・テレビが制作した1973年から78年の作曲家ペッテションにせまる非常に貴重なドキュメンタリー映像が収録されている(字幕:英語)。リンドベリの熱意と強い希望により、この貴重なドキュメンタリーがDisc化された。 | |||
ラフマニノフ: 晩禱 Op.37 /神の母(1893) |
カスパルス・プトニンシュ指揮 オランダ放送cho. | ||
録音:2012年11月、MCO5スタジオ、オランダ。前作、マクミランの合唱曲作品集(BISSA-1719)に続く、オランダ放送cho. のアルバムは、ラフマニノフ。無伴奏4声からなる晩禱 Op.37は1909年に没したロシア正教音楽の権威、S.V.スモレンスキーを追悼して作曲された作品で初演は1915年モスクワで、ニコライ・ダニリンの指揮する宗務院合唱団により行われた。曲の構成は晩課から6曲、早課から8曲、一時課から1曲をそれぞれ選んで作曲された全15曲の大作。一方「神の母」は1893年に作曲された作品。神の母[Theotokos]とは、キリスト教の用語で、聖母マリアに対する称号。ピアノ協奏曲や交響曲が有名なラフマニノフだが、このような声楽作品にこそラフマニノフの豊かなメロディを堪能出来る。また、BISならではの優秀録音でオーディオ的にも楽しめる1枚。 | |||
C.P.E.バッハ(1714-1788):鍵盤独奏曲全集 Vol.26 6つのソナタWq.51 より 〔第1番 ハ長調 Wq51-1 (H 150) /第2番 変ロ長調 Wq51-2 (H 151) /第3番 ハ短調 Wq51-3 (H 127) / 第2番 Wq51-2〜第2楽章(装飾版)/第3番 ハ短調 Wq51-3〜第2楽章(装飾版)〕/ ソナタ ハ長調 Wq65-35 (H 156) ミクロシュ・シュパーニ(クラヴィコード) | |||
録音:2012年7月、キーゼル・ホール、シント・トロイデン、ベルギー。Vol.25 (BIS-1819) に続くシュパーニのC.P.E.バッハ第26弾。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンも高く評価していたC.P.E.バッハは「感覚派」として知られており、研ぎ澄まされたセンスの作品ばかりを残した。J.S.バッハとその次の世代をつなぐ必要不可欠な音楽であることがこれら鍵盤独奏曲を聴いてもわかる。またミクロシュ・シュパーニの非常に清潔な解釈により曲のもつ素晴らしさがダイレクトに伝わる。 | |||
J.S.バッハ:世俗カンタータ集 Vol.3 〔いとも尊きレオポルト殿下よ BWV173a /しりぞけ、もの悲しき影 BWV202 / 喜び勇みて羽ばたき昇れ BWV36c /クォドリベット(断片)BWV524 〕 ジョアン・ラン(S) 青木洋也(CT) 櫻田亮(T) ロデリック・ウィリアムズ(Br) 鈴木雅明 指揮バッハ・コレギウム・ジャパン 三宮正満(Ob/オーボエ・ダ・モーレ) 若松夏美(Vn/ヴィオラ・ダ・モーレ) | |||
録音:2012年7月、しらかわホール、名古屋。BCJの世俗カンタータの第3集は通称「結婚カンタータ」で知られる「しりぞけ、もの悲しき影」BWV202を含む至福のカンタータ集。今回も充実ソリスト陣で澄み切った美しい声が魅力のジョアン・ランや実力派バリトン歌手ロデリック・ウィリアムズなど満を持してのキャスティング。「いとも尊きレオポルト殿下よ」BWV173aはケーテン侯レーオポルトの誕生日祝賀用の作品。バッハのカンタータの中で横型フルートが用いられるのは、この作品が初めてとされている。「しりぞけ、もの悲しき影」BWV202はソプラノ独唱のための結婚カンタータ。ジョアン・ランの透き通るような声とそれを包み込むようなBCJの演奏には脱帽。「喜び勇みて羽ばたき昇れ」 BWV36cはBWV36関連作品の第1稿で、年配の大学教授の誕生日を祝うための作品と考えられており、1725年ライプツィヒで書かれた作品とされている。最後の「クォドリベット」BWV524は複数の俗謡を同時に歌って、即興的なハーモニーを作り出す曲で、誰かの結婚祝いの際に歌われたと推測されている。偽作説もあるがそれぞれの声部のかけ合いが美しい曲。 | |||
マルティヌー(1890-1959):チェロ・ソナタ集 〔第1番 H.277 (1939) /第2番 H.286 (1941 )/第3番 H.340 (1952) 〕 オリ・ムストネン(1967-):チェロ・ソナタ(2006) (*) / シベリウス(1865-1957):「憂鬱」 Op.20 スティーヴン・イッサーリス(Vc;ストラディヴァリウス、 1726年「 Marquis de Corberon 」) オリ・ムストネン(P; Steinway D ) | |||
録音:2013年7月、ポットン・ホール、サフォーク州、イングランド。(*)は世界初録音。 BISレーベルから イッサーリスのマルティヌー、ムストネン、シベリウスが登場。マルティヌーは400作を残した大変に多作な作曲家で知られている。ここに収められたチェロ・ソナタだが、第1、2番はいわゆるパリ時代1939年に、第3番はアメリカ時代最後の年1952年にそれぞれ作曲された。様々な実験的書法を試た1930年代から創作活動の頂点にあたる1950年代と世界各国を渡り歩いたマルティヌーの変化に富んだ多彩な作風を楽しむことが出来る。世界的チェリスト、ハインリヒ・シフに献呈されたオリ・ムストネンのチェロ・ソナタはダニエル・ミュラー=ショットとムストネン自身の演奏により2006年に初演された。超絶技巧を伴う変幻自在のメロディが魅力の作品で、イッサーリスならではの冴えたチェロが光る。 | |||
ブラウティハム〜モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.6 〔第18番 変ロ長調 K.456(カデンツァ:モーツァルト)/第22番 変ホ長調 K.482(カデンツァ:ブラウティハム)〕 ロナルド・ブラウティハム(Fp) マイケル・アレクザンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミー | |||
録音:2012年12月、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザール、ケルン、ドイツ。シリーズ第6弾もブラウティハムらしい快活で明瞭なタッチによりモーツァルトのピアノ協奏曲の新たな一面をのぞかせてくれる。ピアノ協奏曲第18番は盲目の女性ピアニスト、マリア・テレジア・フォン・パラディーヌの依頼によって作曲されたと言われており、中間楽章における変奏曲形式、最終楽章における狩のロンドの採用点などK.450と密接な共通性を持っている。一方、ピアノ協奏曲第22番はモーツァルトの 変ホ長調による4つ目のピアノ協奏曲にあたり、先行の3曲に比べて、規模も大きく堂々たる交響的構築をもち、後期の成熟した筆致を示した作品。なお、この作品でブラウティハムは自作のカデンツァを披露している。 | |||
C.P.E.バッハ(1714-1788):鍵盤独奏曲全集 Vol.27 〜6つのソナタ第2続編 Wq.52 他 〔第1番 変ホ長調 Wq.52 No.1 (H.50) /第2番 ヘ長調 Wq.52 No.2 (H.142) /第3番 ト短調 Wq.52 No.3 (H.158) / 第3番 Wq.52 No.3 〜第1楽章異稿/ヘ長調 Wq.62 No.24 (H.240) /ハ短調 Wq.60 (H.209) 〕 ミクローシュ・シュパーニ(クラヴィコード) | |||
録音:2013年7月、キーゼル・ホール、シント・トロイデン、ベルギー。シュパーニによる、作品の現存する資料と正統的な演奏習慣の徹底した研究に基づいた賜物のシリーズ。 | |||
C.P.E.バッハ(1714-1788):鍵盤独奏曲全集 Vol.29 6つのソナタ第2続編 Wq.52 より〔第4番 嬰ヘ短調 Wq.52 No.4 (H.37) /第5番 ホ長調 Wq.52 No.5 (H.163) / 第6番 ホ短調 Wq.52 No.6 (H.129) 〕/ ソナタ ハ長調 Wq.65 No.47 (H.248) /ソナタ ハ短調 Wq.65 No.48 (H.298) ミクローシュ・シュパーニ(クラヴィコード) | |||
録音:2013年7月、キーゼル・ホール、シント=トロイデン、ベルギー。C.P.E.バッハ鍵盤独奏曲全集第29弾。これら膨大な作品に対して時間をかけ、着実に録音活動をしてきたシュパーニにでしか表現することのできない解釈で演奏。 | |||
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 Op.5 / ヘンデルの主題による変奏曲 Op.24 |
ジョナサン・プロウライト(P) | ||
録音:2011年8月、ポットン・ホール、イギリス。ハイペリオン・レーベルでバッハの興味深いピアノ編曲やポーランド系作曲家の珍品などを世界初録音し、注目されているイギリスの名手ジョナサン・プロウライトがBISに初登場。最もBIS向きな嗜好を持つピアニストのはずの彼が選んだのは、意外にもブラームスの大作2篇。これが実に堂々とした名演。近年ロシア・ピアニズムが世界のピアノ界を席巻しているイメージがあるが、もともとイギリスにはヘスやカーゾンに代表される明確なイギリス・ピアニズムが存在していた。1959年生まれのプロウライトは、今日稀少になりつつあるこの渋く味わい深い独特な芸風を受け継ぐ名手として貴重。非常に新鮮。 | |||
ニルセン:交響曲全集 Vol.2〔第1番 ト短調(*) /第3番 ニ短調「おおらかな交響曲」(#) 〕
アヌ・コムシ(S;#) カール=マグヌス・フレードリクソン(Br;#) サカリ・オラモ指揮ロイヤル・ストックホルムpo. | |||
録音:2013年1月(*)、2014年5月(#)、ストックホルム・コンサートホール、スウェーデン。スウェーデンを代表するオーケストラ、ロイヤル・ストックホルム・フィルと2008年より首席指揮者をつとめるサカリ・オラモとのニルセン交響曲集の第2弾。近年、同フィルの首席指揮者としての自信と誇りに満ちるます躍進するサカリ・オラモだが、このニルセンの交響曲全集シリーズも期待以上と言え、美しい響きを追求した熱演。第1番は1890-92年に作曲され、その作風はブラームスやスヴェンセンの影響がみられる。初演は1894年3月、ヨハン・スヴェンセン指揮のコペンハーゲン宮廷劇場o. によって行われた。若かりしニルセンの勢いを感じる作品。一方、交響曲第3番 ニ短調「おおらかな交響曲」は1910-1911年にかけて作曲され、第2楽章にはソプラノとバリトンのヴォカリーズが入り、豊かな響きの終楽章はブラームスの交響曲第1番のフィナーレを連想させる堂々たる作品。 | |||
ドビュッシー&ラヴェル/グンナル・イーデンスタム編曲:オルガン作品集 ドビュッシー:管弦楽のための3つの交響的素描「海」 ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ より〔第2曲「かなりゆっくりと」/第3曲「中庸の速さで」〕/ ダフニスとクロエ〜夜明け/ラ・ヴァルス/亡き王女のためのパヴァーヌ/ボレロ グンナル・イーデンスタム(Org) | |||
録音:2013年9月、聖マルティン教会、デュドランジュ、ルクセンブルク。これはすごい。なんとラヴェルのボレロ、ラ・ヴァルスをはじめとした作品がオルガンに独奏による編曲版で登場。大迫力のサウンドを楽しむことが出来る。編曲はすべて演奏のイーデンスタムによる物。オルガンの構造を熟知した上での絶妙なレジストレーションで、とても一人で演奏しているとは思えない、オルガンならではの大迫力サウンドを楽しむことが出来る。ボレロは圧巻の締めくくり。グンナル・イーデンスタムは1961年スウェーデン生まれ。ストックホルムのロイヤル音楽アカデミーに入学、86年特別賞を得て卒業。在学中、パリ国立音楽院に留学し、マリー=クレール・アランのもとで学び、84年優秀賞、85年ヴィルトゥオジテ賞を授与された。84年には、オルガンの即興演奏のコンクールである、フランスのシャルトル国際オルガン・コンクールで優勝。以後、コンサート・オルガニストとして世界的に活躍しており、バロックから現代曲までの幅広いレパートリー、そして非常に優れた即興演奏で高い評価を受けている。また、近年は作曲にも力を入れている。 | |||
レスピーギ:ブラジルの印象/風変わりな店 | ジョン・ネシュリング指揮 リエージュpo. | ||
録音:2013年4月、フィルハーモニーホール、リエージュ、ベルギー。ローマ三部作(BISSA-1720)に続く、シェーンベルクとボダンツキーの血をひくブラジルの指揮者ジョン・ネシュリングが、華麗で豊かな色彩感に満ちているリエージュ・フィルハーモニー管を見事にコントロールするレスピーギ第2弾。「ブラジルの印象」はレスピーギが1927年にブラジルに旅行し、その際の印象を3曲にまとめたもので、初演は翌1928年サンパウロで行われた。いかにもブラジルらしい明るさに満ちた作品だが、第2曲のブタンタンでグレゴリオ聖歌の「怒りの日」のメロディが出てくるところが印象的。一方、「風変わりな店」は1918年に、バレエ・リュスを率いるセルゲイ・ディアギレフから作曲の依頼を受け、ロッシーニの小品集「老いのいたずら」より編曲されたバレエ音楽。レスピーギらしい和声やオーケストレーションは原曲を上回るほどの作品で、全8曲が物語を読んでいるかのように進行していく。 | |||
J.S.バッハ:2台のチェンバロのための協奏曲集 〔第3番 ハ短調 BWV1062 (*) /第2番 ハ長調 BWV1061 (#) /第1番 ハ短調 BWV1060 (*) 〕 / 管弦楽組曲第1番 ハ長調 BWV1066(鈴木優人編曲/2台のチェンバロのための)(+) 鈴木雅明(Cemb1;*, + /Cemb2;#) 鈴木優人(Cemb1;# /Cemb2;*, + ) バッハ・コレギウム・ジャパン(+以外) [若松夏美(Vn1) 荒木優子(Vn2) 山口幸恵(Va) 武澤秀平(Vc) 西澤誠治(ヴィオローネ)] | |||
録音:2013年1月、コンサートホール、彩の国さいたま芸術劇場。バッハ・コレギウム・ジャパン&鈴木雅明・優人親子共演によるJ.S.バッハの2台のチェンバロのための協奏曲集、そして鈴木優人編曲による管弦楽組曲第1番 ハ長調 BWV1066の2台チェンバロ版。当ディスクに収録された作品はすべて「ハ」調の楽曲で、全曲に統一感のあるアルバムとなっている。第1番 BWV1060の原曲はオーボエとヴァイオリンのための協奏曲と見なされている作品で、整った楽節構成に愛嬌のあるエコーをまじえた魅力が際立った作品。第2番 BWV1061は他のチェンバロ協奏曲と異なり、全体がクラヴィーア的な発想によっ ていることから編曲ではなくオリジナル作品と考えられている。2つのチェンバロの掛け合いが美しく協奏曲の彩りを与えられた作品。第3番 BWV1062は、かの有名な2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043のチェンバロ編曲版。2つの楽器が互いに拮抗する関係に立ち、絶えず模倣し合いながら演奏を続けるこの名曲だが、チェンバロでの演奏ではより装飾的な煌びやかさを呈する。管弦楽組曲第1番 ハ長調 BWV1066は鈴木優人編曲による2台チェンバロ版。伝統的なフランス風管弦楽組曲の様式にもっとも忠実なこの作品だが、2台のチェンバロでの掛け合いによって見事に表現されている。鈴木優人(Cemb):1981年オランダ生まれ。東京藝術大学作曲科卒業、同大学院古楽科修了後、2007年オランダ・ハーグ王立音楽院修士課程オルガン専攻を首席で修了。同年9月より同音楽院即興演奏科を栄誉賞付きで日本人として初めて修了。アムステルダム音楽院チェンバロ科にも学ぶ。現在、バッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーとして、また室内楽やチェンバロやオルガンソロなど国内外で演奏活動を展開している。 | |||
ワーグナー/ヘンク・デ・フリーハー(1953-)編曲:「ニーベルングの指環」より ラインの黄金〔前奏曲/ラインの黄金/ニーベルハイム/ヴァルハラ〕/ ワルキューレ〔ワルキューレ/魔の炎の音楽〕/ ジークフリート〔森のささやき/ジークフリート牧歌/ブリュンヒルデ〕/ 神々のたそがれ〔ジークフリートとブリュンヒルデ/ジークフリートのラインへの旅/ ジークフリートの死/葬送行進曲/ブリュンヒルデの自己犠牲〕 ローレンス・レネス指揮王立スウェーデンo. | |||
録音:2013年2月、ストックホルム・コンサートホール、スウェーデン。ワーグナー「指環」の中からオランダ人作曲家ヘンク・デ・フリーハーが抜粋編曲した管弦楽編曲版。オーケストラ・アレンジは非常に的確で、曲順にそれぞれ重要な作品をまとめ、「指環」を1枚のディスクに凝縮したような構成。音響効果抜群でオーディオ的にも聴きごたえ十分。指揮は1970年生まれのオランダ人レネスで、オランダ放送po.でデ・ワールトのアシスタントをつとめ、現在は王立スウェーデン・オペラ管の常任指揮者。ワーグナーはもちろんのこと、プッチーニ、ヴェルディの各オペラ作品を得意としている。BISの優秀録音による、ワーグナーイヤーに相応しいディスク。 | |||
オルフェイ・ドレンガル〜深き淵より [De Profundis] エストニアの賛美歌/グンナル・イーデンスタム(1961-)編曲: おおキリストよ、汝は光なり(男声合唱とオルガンのための)(*) ツィリルス・クレーク:ダヴィデの詩編137番 ルネ・エースペレ(1955-):栄化(ソプラノ、男声合唱とオルガンのための)(#) アンドレス・レムバ(1968-):グローリア アウグスト・セーデルマン(1832-1876)/エイナル・ラルフ(1888-1971)編曲:キリエ(+) /ドミネ スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム(1942-):サンクトゥス ジェルジュ・オルバーン(1947-):忍び寄る悪魔 / グリーグ:アヴェ・マリス・ステッラ ニルス=エーリク・フォウグステット(1910-1961):夜のマドンナ フランツ・クサヴァー・ビーブル(1906-2001):アヴェ・マリア(主の天使/7部の男声合唱のための)(**) ミヨー(1892-1974):詩編121番 / ロッシーニ(1792-1868):祈り ボブ・チルコット(1955-):ニュートンの「アメイジング・グレース」 ジャン・ラングレ(1907-1991):詩編150番「主を賛美せよ」(3人の男声とオルガンのための)(*) ペルト(1935-):深き淵より(男声合唱、オルガンと打楽器〔任意〕のための)(##) セシーリア・リューディンゲル・アリーン指揮オルフェイ・ドレンガル男声cho. アンドルー・カニング(Org;*/#/##) エリーン・ロムブー(S;#/+) ウッレ・エングルンド(T;**) エーリク・ハートマン(B;**) マグヌス・エイナション(Perc;##) | |||
録音:2013年2月、ベーリンゲ教会、ウプサラ、スウェーデン。北欧でもっとも古い大学のあるスウェーデンの都市ウプサラ。1853年、この街に男声cho.のオルフェイ・ドレンガル(OD)が結成され、160年が経った。作曲家として知られるアルヴェーン、合唱指揮者のエーリク・エーリクソンとロベルト・スンドの後、2008年からセシーリア・リューディンゲル・アリーン(1961-)が芸術監督を務め、20歳から55歳まで、約80名の歌手が集まった「ヴォーカル・シンフォニー」は、「オルフェウスの僕(しもべ)たち」として、さらなる深みを目指した活動を続けている。オルフェイ・ドレンガルのコンサートでは、「カプリース」に代表される愉しいステージとともに、宗教作品もプログラムに取り上げられる。『深き淵より』は、彼らの宗教作品のレパートリーから16曲を選び、「一夜のコンサート」のスタイルに制作したアルバム。プログラムは、オルガニストのイーデンスタムが編曲したエストニアの賛美歌に始まり、クレーク、エースペレ、レムバと、エストニアの作曲家の美しい作品、躍動する作品がつづいて歌われる。後期ロマンティズム時代スウェーデンのセーデルマンのラテン語のミサ曲から2曲。国際的に人気が高く、スウェーデンでもっとも多作の作曲家とされるスヴェン=ダーヴィド・サンドストレムは、近年、バッハの伝統に倣った一連の宗教作品を発表している。「サンクトゥス」は、オルフェイ・ドレンガルとリューディンゲル・アリーンのために作曲され、彼らの国内と海外のツアーの曲として定着した。ルーマニア生まれ、ハンガリーのジェルジュ・オルバーンの「忍び寄る悪魔」は、中世の賛美歌がテクスト。ノルウェーのグリーグは、豊かなハーモニーの優美な音楽で聖母マリアを讃える。31歳で亡くなったエーディト・セーデルグランの詩を同じフィンランドのフォウグステットが合唱曲にした「夜のマドンナ」では、聖母マリアと御子イエスの最初のクリスマスの情景が描かれる。フランツ・クサヴァー・ビーブルの「アヴェ・マリア」は、バスとテノールのソロをともなう男声合唱が歌う、天使の受胎告知と聖母マリアへの祈り。美しい和声進行の音楽。「主の家に行こう、と人々が言ったとき、わたしはうれしかった」(詩編122番・新共同訳による)をテクストとするミヨーの曲。ロッシーニ「祈り」はイタリア語による、室内楽の雰囲気をもった作品。この詩編150番をフランスのオルガニストで作曲家のラングレはオルガンをともなう内省的な歌に作った。イギリスの作曲家チルコットの「ニュートンの『アメイジング・グレース』」は、南米ガイアナの詩人ジョン・アガード(1949-)がジョン・ニュートン作詞の「アメイジング・グレース」に触発されて書いた詩に曲を書いた2節を「アメイジング・グレース」とひとつにした作品。カナダの男声cho.コール・レオーニとオルフェイ・ドレンガルが共同委嘱し、オルフェイ・ドレンガルとリューディンゲル・アリーンに献呈された。「深い淵の底から、主よ、あなたを呼ぶ」(新共同訳)。さまざまな作曲家にインスピレーションを与えた「詩編130番」をペルトが男声合唱のために書いた作品を歌い、このアルバムの終曲にふさわしい幻想的な雰囲気を作り上げている。 | |||
モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.7 〔第21番 ハ長調 KV.467(カデンツァ;ブラウティハム)/第14番 変ホ長調 K.449(カデンツァ;モーツァルト)〕 アリア「どうしてあなたを忘れられよう」K.505 (*) ロナルド・ブラウティハム(Fp) キャロリン・サンプソン(S;*) マイケル・アレクザンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミー | |||
録音:2013年7月、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザール、ケルン、ドイツ。世界的フォルテピアノ奏者、ロナルド・ブラウティハムによるモーツァルトのピアノ協奏曲集の第7弾。ソプラノ歌手のキャロリン・サンプソンを迎えて「どうしてあなたを忘れられようか」K.505も収録。今回もブラウティハムらしい快活で明瞭なタッチによりモーツァルトのピアノ協奏曲の新たな一面をのぞかせてくれる。 | |||
Jacobean Lute Music ジョン・ダウランド(1563-1626):ファンシー/バトル・ガリアード/ジョン・ダウランドのパヴァーヌ トーマス・ロビンソン(1560頃-1610): うれしい憂鬱/ガリヤード/田舎を歩く/ジーグ/スペインのパヴァン/おもちゃ/ Row Well, you Mariners ロバート・ジョンソン(1583頃-1633):パヴァン/幻想曲 作曲者不詳:スコティッシュ・ダンス/私の方に近づいて、私を愛して/スコットランド伝承曲/ スコットランドを求め/前奏曲/ジョンは今私にキスをする ダニエル・バチェラー(1572-1610):ムッシューのアルメイン/前奏曲/伝承曲/クーラント/パヴァン ヘリー・カスバート(1620-48):幻想曲/サラバンド / ジャック・ゴーティエ(活躍:1617-1652):クーラント/鐘 ヤコブ・リンドベリ(リュート) | |||
録音:2012年11月、スウェーデン。名手リンドベリならではの素晴らしい演奏とBISが誇る録音による、エリザベス朝からチャールズ1世朝にかけてのイギリスを代表するリュート奏者であったダウランドの作品を筆頭にリュートの隠れた名作を集めたアルバム。幅広い音楽愛好家に親しまれる1枚に仕上がった。 | |||
ソフィヤ・グバイドゥーリナ: チェロ、3本のギターとコントラバスのための「悔い改め」(2008) /ギターのためのセレナード(1960) / ピアノ・ソナタ(1965)/ヴィオラ、コントラバスと2本のギターのための「ソット・ヴォーチェ」(2010/3) フランツ・ハラース、ヤコブ・ケレルマン、ルーカス・ブラル(G) デボラ・ハラース(P) フィリップ・シュトゥーベンラウフ(Cb) ハリオルフ・シュリヒティヒ(Va) | |||
録音:2013年6月、バイエルン放送・スタジオ2。グバイドゥーリナの器楽や室内楽は、大規模なオーケストラ作品に比べそれほど聴く機会がない。ここでは彼女が30歳頃、1960年代の独奏曲と最近の室内楽が収められている。ギターのための「セレナード」はロシアのギター音楽の権威マターニャ・オフィーに捧げられた作品で、前衛的な所はなく、しっとりした情緒あふれる叙情曲。一方「ピアノ・ソナタ」はいきなり内部奏法で始まる十二音作品。ヴィルトゥオーゾ的なピアノ書法も注目。室内楽2篇は、キテレツな奏法発想がグバイドゥーリナならでは。「悔い改め」では、ギターの弦にスーパーボールを落とすなど、遊んでいるようにしか見えない演奏が斬新。 | |||
憂鬱の影像 ビャッテ・アイケ(1972-):寂しさ(シグネの旋律) アントニー・ホルボーン(1547頃-1602):パヴァーヌ「憂鬱の影像」/ガイヤルド「浮気者」/ ガイヤルド「とてもかわいい」パヴァーヌ「遺言」 ジョン・ダウランド(1563-1626):悲しみよとどまれ(*) /流れよ、わが涙、昔の涙(*) /ガイヤルド「スザンナ」 ノルウェー伝承曲/ビャッテ・アイケ編曲:ビョルンソンの結婚行進曲 ノルウェー伝承曲/ヨン・バルケ(1955-)、ビャッテ・アイケ編曲:イェンディーネの子守歌(*/#)/子守歌(*/#) ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・フォン・ビーバー(1644-1704):十字架を担う(ソナタ) ディートリヒ・ブクステフーデ(1637頃-1707):嘆きの歌(*) スロヴァキア伝承曲/ミロシュ・ヴァレント(1960-)編曲:いとしい母さん(+) スウェーデン伝承曲/ビャッテ・アイケ編曲:エヴェルツベリの昔の結婚行進曲 Ruaidri Dáll Ó Catháin (1570頃-1650頃):どうぞ、お手を(#) ヨン・バル(1955-):シュザンヌを紹介(「ある日シュザンヌが」による瞑想)(#) ヨハン・ゾンマー(1570-1627):パヴァーヌ「シュザンヌを想像する」 ウィリアム・バード(1540-1623):汝、聖なるミューズよ(*) ニール・ガウ(1727-1807)/ビャッテ・アイケ編曲:ふたり目の妻の死を嘆くニール・ガウ ビャッテ・アイケ(芸術監督/Vn)バロックソリステネ [ベーリト・ノルバッケン・スールセット(S;*) ヨン・バルケ(Org、サウンドスケープ;#) ミロシュ・ヴァレント(Va、Vo;+)] | |||
録音:2011年10月、2012年3月、セルビュ教会、セルビュ、ノルウェー。『深い森を通り、いつ果てるとも知れない下り坂の泥道を車で行く。時折、右手下に湖が一瞥できる。古い校舎がどこからともなく姿を現す。湖のほとりに、もうひとつ建物がある。どちらもさびれ、悲しげだ。誰かいるのか。音はしない。さわやかな空気。日没。静寂。最初の食事をみんなで一緒に作る。携帯電話は通じず、インターネットが使えるのも一カ所だけだ。かつて教室だったところに輪になって座る。器楽奏者が六人、歌い手がひとり、ひとつに積み重ねた楽譜、おおいのない暖炉に薪が燃える……音。これがシェービグダ。音楽のもつ『憂鬱』のさまざまな姿を探ろうと私が友人たちを誘ってきた場所がここだ』(ビャッテ・アイケ)。2005年、ベルゲンに創設された古楽アンサンブル、バロックソリステネ(バロック・ソロイスツ)。バロック・ヴァイオリンの第一人者のひとり、ビャッテ・アイケが芸術監督を務めるアンサンブルは、ベルゲン国際フェスティヴァル、ストックホルム古楽フェスティヴァル、ロンドンのプロムスなど、ヨーロッパ各地の音楽祭で演奏、デンマークのエスビェアのニューオペラ、デンマーク放送ヴォーカルアンサンブル、ノルウェーのヴェストフォル音楽祭との協力活動を通じ、独自の音楽をアピールしてきた。『憂鬱の影像』は、ヘンデルと彼と同時代の作品を演奏した2012年の『ロンドン・コーリング!』(BISSA-1997) につづくBISレーベル第2弾。アルバムは、アイケの「寂しさ」にはじまり、ホルボーンとダウランドの曲、ノルウェーとスウェーデンとスロヴァキアの伝承曲、17世紀アイルランドの古謡「どうぞ、お手を」を交え、「ふたり目の妻の死を嘆くニール・ガウ」に終る。ヴァイオリン、ヴィオラ、リュート、テオルボ、バロックギター、チェロ、ヴィオリーネ、オルガン、チェンバロのアンサンブル。ノルウェー音楽アカデミーを2005年に卒業し、ノルウェーとヨーロッパのアンサンブルとオーケストラに客演をつづけるソプラノ歌手、ベーリト・ノルバッケン・スールセットがソロを歌い、ピアニスト、作曲家としてノルウェーのジャズシーンを中心に活躍するヨン・バルケがオルガンとアルバムの「サウンドスケープ(音風景)」を担当した。ビャッテ・アイケは、シェービグダに近いセルビュの教会で行われた録音セッションとポストプロダクションの共同制作も担い、「ライヴ・ミュージシャン」の立場から「音楽の生まれる瞬間」の再現を願い、ポストプロダクションの段階で、異なるテークのミックス、ソロ楽器のダビング、ミュージシャンがそれぞれに感じ考えた「憂鬱」を反映した自由な即興による録音を加えるといった手法を取り入れたと言う。「場所と音楽とプロジェクトに関係した音楽家たちと響き合った、私の個人的『憂鬱の影像』」が描きあげられた。ワールド・ミュージック風なメロディもあり、オーディオ・ファンも楽しめる内容。 | |||
ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871-1927): 交響的序曲「天の高みに昇らん [Excelsior!] 」 Op.13 (1896)/ カンタータ「歌」〜間奏曲/セレナード ヘ長調 Op.31 クリスチャン・リンドベリ指揮ロイヤル・フランダースpo. | |||
録音:2013年3月、アントワープ、ベルギー。スウェーデンの最も重要な作曲家の一人ステーンハンマルのオーケストラ作品。天の高みに昇らんは壮大な交響的作品で雄大なオーケストレーションが特徴的。一方、カンタータからの間奏曲は祈りに満ちた心に染みわたる作品。セレナードは全5楽章からなるオーケストラ作品で、ステーンハンマルらしい弦楽器と金管楽器の掛け合いが絶妙。指揮のリンドベリとの相性もぴったりの作風。 | |||
ドヴォルジャーク:ピアノ三重奏曲第3番 ヘ短調 Op.65 スメタナ:ピアノ三重奏曲 ト短調 Op.15 / スク:エレジー Op.23 シトコヴェツキー・トリオ [アレクサンドル・シトコヴェツキー(Vn) レオナルト・エルシェンブロイヒ(Vc) 吴倩(P)] | |||
録音:2013年4月、ポットン・ホール、サフォーク州、 UK 。クラシック界のサラブレッド、シトコヴェツキー・トリオによる、チェコを代表する作曲家の名作集。ヴァイオリンのアレクサンドル・シトコヴェツキーは祖父にユリアン・シトコヴェツキー、祖母にショパン・コンクールの覇者ベラ・ダヴィドヴィチ、そして父にドミトリー・シトコヴェツキーという音楽的に恵まれた環境に生まれた。既に世界的に活躍するヴァイオリニストでディスクとしてはORFEOレーベルからはメンデルスゾーンの初期の協奏曲作品を集めたアルバム(ORFEO-761092)などをリリースしている。明瞭なアーティキュレーション、抜群のアンサンブル能力そして豊かな音楽性はさすが生まれもった才能と言えるだろう。また、チェロのレオナルト・エルシェンブロイヒ、ピアノの吴倩もそれぞれソロのアルバムをリリースしている。才能豊かなこのピアノ・トリオの今後の活躍に注目。 | |||
ジョン・ピカード(1963-): ブラス・バンドのための「エデン」(2005) /交響曲第4番「ガイア交響曲」(1991-2003) アンドレアス・ハンソン指揮アイカンゲル=ビョルスヴィーク・ムシークラーグ | |||
録音:2013年6月、アイッツボーグ教会、ベルゲン。注目の英国作曲家ジョン・ピカード。今回はブラス作品集だが、神話を題材にしていて興味津々。「エデン」は2005年の全英ブラスバンド選手権の決選用課題曲として作曲されたもので、スコアにはミルトン「失楽園」の最終行が記され、アダムとイヴがヘビにそそのかされてチエの実を食べてしまう有名なエピソードなどが描かれている。「ガイア交響曲」はブラスと打楽器のための演奏時間65分に及ぶ大作。最初は1991年にウェールズ・ユース・ブラスバンド振興会からの委嘱で、第2楽章「野火」を作ったことに始まり、増築するように拡大し、12年かけてこの形に落ち着いた。ガイアとはギリシャ神話の女神で、人類の祖先ともいわれる。興味深いのは、「野火」の4年後に同振興会から委嘱された第4楽章「石の男たち」。イギリス南部の有名なストーンヘンジを題材とし、「秋の朝」「冬の午後」「春の夕暮れ」「夏の夜/夜明け」の4部に分かれている。ストーンヘンジとは巨大な石を並べた古代遺跡で、おそらく信仰か儀式のためのものと言われているが、夏至の朝、太陽の最初の光が、石の配置の中央に直接当たることとなっていて、この作品もその光線の描写で終結する。 | |||
ブラームス: クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115 (*) / 6つの歌(フレスト編曲/クラリネット版)(#) 〔5月の夜 Op.43 No.2 /おとめの歌 Op.107 No.5 / 私の眠りはますます浅くなり Op.105 No.2 / 調べのように私を通り抜ける Op.105 No.1 / 甲斐なきセレナード Op.84 No.4 / 野の寂しさ Op.86 No.2 〕/ クラリネット三重奏曲 イ短調 Op.114 (+) |
マルティン・フレスト(Cl) ジャニーヌ・ヤンセン、 ボリス・ブロフツィン(Vn;*) マクシム・リサノフ [マキシム・リザノフ](Va;*) トルレイフ・テデーン(Vc;*/+) ローランド・ペンティネン(P;#/+) | ||
録音:2013年2月(*)、2013年11月(#)、以上 ストックホルム・コンサートホール、スウェーデン(+以外)/2004年6月、ニーブローカイエン、ストックホルム、スウェーデン(+)。(+)は BISSA-1353 からの再収録。フレストによるブラームス作品。名作、クラリネット五重奏曲を主軸に、フレスト選曲・編曲による6つの歌、そしてクラリネット三重奏曲。今回の録音でも豪華共演陣に注目。五重奏曲では、前作のモーツァルト作品集(BISSA-1893)でも共演したジャニーヌ・ヤンセンをはじめ、俊英ヴィオラ奏者マクシム・リサノフなど輝かしい才能が集結。極上のアンサンブルを聴かせてくれる。また、6つの歌と題された作品集はブラームスの歌曲集からフレスト自身が6 Op.を選曲し、編曲も行った。フレストの妙技によりまるで歌っているかのように奏でる。極上のブラームスクラリネット作品が完成した。なお、最後のクラリネット三重奏曲は既に発売されているブラームスのクラリネット作品集(BISSA-1353)と同録音。 | |||
ブラウティハム〜モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.8〔カデンツァ:モーツァルト〕 〔第16番 ニ長調 KV.451 /第15番 変ロ長調 KV.450 〕/ ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調 KV.382 ロナルド・ブラウティハム(Fp) マイケル・アレグザンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミー | |||
録音:2013年12月、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザール、ケルン、セッション。使用フォルテピアノ:ポール・マクナルティ、2011年製作〔モデル:アントン・ヴァルター(1752-1826)製作〕。好評のシリーズ8弾。今回もブラウティハムらしい快活で明瞭なタッチで明るいモーツァルトを聴かせてくれる。マクナルティ製作の楽器を使用して演奏・録音していることについてブラウティハムは「マクナルティは古い楽器を研究して、それを新しく作り出してくれるという点だけでなく、彼の製作したレプリカを演奏していると、演奏解釈の面でもなんか新しいインスピレーションを得ることができる」と語っており、ブラウティハムがイメージする最善の状態の楽器を使用することで、ごく自然な雰囲気を作り出していることがわかる。 | |||
知られざるシベリウス〔含初出音源&世界初録音〕 ・初出音源&世界初録音 4つのフラグメント(1930-57)[オッコ・カム指揮ラハティso./録音:2012年5月]/ アンダンティーノ ニ長調(1889) /即興曲 ロ短調(1893頃) / アダージョ ホ長調 JS13[フォルケ・グラスベック(P)/録音:2013年1月&2012年8月] ・以下は既出音源(既出盤から珍しい作品をカップリング) フィンランドは目覚める(「フィンランディア」原典版)/交響詩「海の精」 Op.73 (1914年エール版)/ 行列聖歌 Op.113 No.6(管弦楽版)(1927/1938)[オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティso.]/ 2つのヴァイオリンとチェロのためのセレナータ JS169/劇付随音楽「トカゲ」 Op.8 [ヤーッコ・クーシスト、ラウラ・ヴィクマン(Vn) タネリ・トゥルネン(Vc)]/ アダージョJS161 (*) /2つのイタリア民謡編曲 JS99 (#) /君に口づけしたい(1889-91) (+) /来たれ恋人よ来たれ JS211 (**) [フォルケ・グラスベック(P) ペテル・レンクヴィスト(P2;*) ヨルマ・ヒュンニネン(Br;#) セッポ・ムルト指揮ドミナンテcho.(#) ヘレナ・ユントゥネン(S;+) ガブリエル・スオヴァネン(Br;**)]/ 思い(1915) JS192[アンネ・ソフィ・フォン・オッター、モニカ・グロープ(Ms) ベングト・フォシュベリ(P)]/ フリードリンの愚行 JS84 (1917) /ヨナの航海 JS100 (1918) [ロベルト・スンド指揮オルフェイ・ドレンガル] | |||
録音:1995年-2010年1月(既出分)。世界初録音分は約15分強。解説(アンドルー・バーネット)の日本語訳付き(歌詞等は原語と英訳のみ)。BISの執念で、徹底録音が続けられるシベリウス・シリーズだが、さらなる未知作品が出現した。過去未収録のオーケストラ曲4篇とピアノ曲3篇収録。他は既存のアルバムからよりぬきの珍品を集めている。4つのフラグメントは、草稿がフィンランド国立図書館に所蔵されているものの、解読困難なうえ、オーケストレーションのわずかな手掛かりしか残っていない状態だった。それをティモ・ヴィルタネンの尽力で演奏可能な形となったが、いずれも20秒から1分強の断片のみ。おそらく1930年代前半の所産だが、ピアノ曲「ロマンス Op.24の2」の編曲である第3曲を除くと、シベリウス後期の大胆な和声感が広がり、かの交響曲第8番にかかわる可能性が指摘されている。シベリウス・ファン必聴の重要作。ピアノ曲「アンダンティーノ ニ長調」と「即興曲 ロ短調」は2012年までハーバード大学の音楽資料館に草稿が人知れず所蔵されていた作品。前者は1889年7月28日に家族と友人のために作曲した3分程の小品。後者は1893年頃の作で、後の「6つの即興曲 Op.5」の第5曲と6曲が組み合わされた7分の作品。「アダージョ ホ長調」は1907年の作で、草稿は長らく個人蔵だったが、2012年にフィンランド国立図書館に所有権が移ったため日の目を見た。主題の一部が、後に弦楽四重奏曲「親愛の声」の緩徐楽章に用いられている。いずれも驚きの連続で、数あるシベリウスのアルバム中でも最重要の一枚の登場。 | |||
テノール、テノーレ!〜フランスとイタリアのオペラ・アリア集 プッチーニ:星は光りぬ / ドニゼッティ:ああ、友よ!なんと楽しい日 ヴェルディ:女心の歌/椿姫〜第1幕への前奏曲(*) /おそらく彼女は到着している/清きアイーダ アダン:友よ、物語を聞け / グノー:私を貫いているのはなんという未知の不安なのだろう?/ああ、太陽よ、昇れ ビゼー:おまえの投げたこの花を/カルメン組曲第1番〜間奏曲(*) マスネ:春風よ、なぜ私を目覚ますのか/僕は独りきりだ…消え去れ優しい面影よ / ドニゼッティ:人知れぬ涙 プッチーニ:妙なる調和/マノン・レスコー〜間奏曲(*) /冷たき手を/誰も寝てはならぬ インジア・ゴン(T;*以外) マルクス・レヘティネン指揮ラハティso. | |||
録音:2013年5月、2014年8月、シベリウス・ホール、ラハティ。中国、貴州省生まれのテノール、インジア・ゴンは、祖父が京劇の歌手であったことから歌への興味を持ち、四川省音楽学院にてポピュラー音楽を学んだ後、本格的にオペラを学びオペラ歌手としての才能を開花させ、今や中国期待のオペラ歌手となるまでに成長した。満を持してのアルバムは「誰も寝てはならぬ」や「星は光りぬ」など珠玉の名曲を集めた。 | |||
ブレット・ディーン(1961-):トランペットと管弦楽のための「ドラマティス・ペルソネ」(2013) ルカ・フランチェスコーニ(1956-):トランペット協奏曲「ハード・ペース」(2007) (#) ホーカン・ハーデンベリエル〔ハーデンベルガー〕(Tp) ヨン・ストゥールゴールズ指揮ヨーテボリso. | |||
録音:2014年11月、2015年10月(#)、ヨーテボリ・コンサートホール、スウェーデン。 スウェーデンを代表するトランペット奏者のひとり、ホーカン・ハーデンベリエル(ハーデンベルガー)(1962-)のために作曲された2つの「トランペット協奏曲」。ブレット・ディーンは、オーストラリアのブリスベン生まれ。ベルリン・フィルハーモニーのヴィオラ奏 者を14年間務め、1988年から作曲を始めた。クラリネット協奏曲「エアリエルの音楽」で UNESCO の作曲賞を受け、BBCso.、シドニーso.、トロントso.をはじめとするオーケストラと関わってきた。「ドラマティス・ペルソネ」(劇の登場人物たち)は、輝かしくエネルギーにあふれ、時に深い内省に耽るトランペットを「ヒーロー」に見立てた、劇場的な性格の協奏曲。「スーパーヒーローの転落」「独白」「偶 然の革命家」の3楽章。この作品は、2015年11月、ハーデンベリエルがハーディング指揮の新日本フィルハーモニーと共演して日本初演している。ルカ・フランチェスコーニはミラノ生まれ。アツィオ・コルギ、カールハインツ・シュトックハウゼン、ルチアーノ・ベリオに作曲法、ボストンでジャズを学んだ。マルチメディアのテクノロジーをパリのIRCAMと共同で研究。2004年からスウェーデンのマルメ音楽大学で作曲科の教授を務めている。「ハード・ペース」は「困難な長旅」の物語。「音を実体のあるものとして語ることはできるだろうか?表現と実体の深い断絶を生み出した電気とテクノロジー……『内なるものを聴く』能力……もっとも偉大なジャズ・ミュージシャンであり、20世紀音楽に巨大な影響を与えてきたマイルス・デイヴィス……」。 さまざまな思いが音楽に反映される。第1楽章、第2楽章「アダージョ」、間奏曲「マイルス)」と「フィナーレ」。この作品には、作曲者がエレクトロニクス製作した3つの「サウンドスケープ(音風景)」が使われた。LP レコードの「スクラッチノイズ(パチパチノイズ)」を模した音を含む最初の2つが第1楽章に現れ、3つ目が間奏曲「マイルズ」で聞こえてくる。この協奏曲は、ハーデンベリエルのために作曲され、ヨーテボリso. をはじめとするオーケストラと共同委嘱したアントニオ・パッパーノとサンタ・チェチーリア国立アカデミーo. に献呈された。 | |||
エルガー(1857-1934):エニグマ変奏曲 Op.36 (*) ホルスト(1874-1934):組曲「惑星」 Op.32 (#) |
アンドルー・リットン指揮 ベルゲンpo.&cho.(#)、 エドヴァルド・ グリーグ合唱団女声cho.(#) | ||
録音:2013年6月(*)、2017年2月(#)、グリーグ・ホール、ベルゲン、ノルウェー。名コンビぶりを発揮しているアンドルー・リットン率いるベルゲンpo. 。当アルバムではイギリスを代表する2大作曲家エルガーとホルストの名曲に挑んだ。リットンが得意とする色彩豊かなでゴージャスな演奏が冴えわたる注目盤。 | |||
ウルフ・ヴァリーン〜ブルッフ: ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ短調 Op.44 (1877) / イン・メモリアム Op.65 (1893) / コンツェルトシュトゥック 嬰ヘ短調 Op.84 |
ウルフ・ヴァリーン(Vn) オッコ・カム指揮 ベルリン・ドイツso. | ||
録音:2014年5月、イエス・キリスト教会、ベルリン。使用ヴァイオリン:ドメニコ・モンタニアーナ製作。ブルッフの代表作といえばヴァイオリン協奏曲第1番だが、彼は3つのヴァイオリン協奏曲を残した。当ディスクに収録された第2番 ニ短調は、1877年春から夏にかけてボンで作曲され、あのサラサーテに捧げられた。ヴァイオリンの演奏技巧を誇示したこの作品は、出版社が管弦楽総譜および声部譜を購入した演奏者のみに公開演奏を許可するという制限をしたため、当時広くは知られることは無かった。しかし、第1番の協奏曲同様、独奏ヴァイオリンが哀愁をたたえた主題を提示し、管弦楽との対話も美しいこの作品は近年再評価されつつある。ブルッフは付番されている協奏曲以外にもスコットランド幻想曲などこの上なく美しいヴァイオリンの旋律とオーケストラを伴う雄大な作品を残した。ここに収録されたイン・メモリアム、コンツェルトシュトゥックもブルッフらしい哀愁と安らぎが交錯する絶品の作品。BISレーベルでおなじみのウルフ・ヴァリーンはこれまでに多くのレコーディングを行ってきたが、ヒンデミットのヴァイオリン・ソナタ全集(BIS-761)、シェーンベルクのヴァイオリン曲全集(BIS-1407)、シューマンのヴァイオリン・ソナタ全集(BISSA-1784)など、そのどれもが濃密かつ良質な演奏で高い評価を得ている。 | |||
ヨウン・レイフス(1899-1968):歌曲全集 ヨウナス・ハトルグリームソンの死に寄せる追悼の歌 Op.45 (1958) 〔郷愁/孤独/心よ、立ち上がれ〕/ 交響曲「サガの英雄たち」からの歌 Op.25 (1941) 〔燃えるスカルプヒェージンの歌/作男たちへの訓告/ソルモウズルの死の歌〕/ 2つのアイスランド民謡 Op.19b (1934頃-1935頃)〔ねんねん坊や/ブレイジフィヨルド〕/ 2つの歌 Op.18a (1931-1933) 〔おやすみ/韻〕/ ハウヴァマウルの3つの詩 Op.4 (1924) 〔王の子/私は若く/獣は死ぬ〕/ 立て、石の家 Op.47a (1958) /2つの歌 Op.14a (1929-1930)〔月はゆっくりと動き/子守歌〕/ サガの3つの歌 Op.24 (1941) 〔私の母はお代を払ってほしい/ステインゲルズルに寄せる愛の詩/グンナルの丘の歌〕/ 3つの歌 Op.23(1941) 〔 詩/幽霊の踊り/春の詩〕/思い出の国 Op.27 No.3 (1927-1928) / 「エッダ」の愛の詩 Op.18b(1931-1932) 〔長きは一夜/ギミルの庭で〕/ 古アイスランドのスカウルド詩 Op.31(1944-1945) 〔ホグヴィンスマウル・ソウリル氷河/船旅の歌/ワタリガラスの言葉〕/ 3つのアイスランド賛美歌 Op.12a(1929) 〔天にまする父よ/花を見よ/魂よ、立ち上がれ〕/ トルレクOp.33a (1947) フィンヌル・ビャルナソン(T) オットルン・マグヌーソン(P) | |||
録音:2000年12月、2001年1月、4月、サルリン音楽ホール、コウパヴォーグル、アイスランド。原盤・前出・旧品番: Smekkleysa (ICELAND), SMK-20 (2CDs) 。リマスタリング& 80分28秒を1枚に収めた長時間収録で安価となっての再発。 | |||
ヨウン・レイフス(1899-1968):悲歌 スケルツォ・コンチェルトOp.58(室内アンサンブルのための;1964) / フルートとピッコロ、クラリネット、 ファゴット、ヴィオラとチェロのための五重奏曲 Op.50 (1960) / 田園変奏曲(ベートーヴェンの主題による弦楽四重奏のための)Op.8 (1920-1930) / 悲歌(男声合唱、メゾ・ソプラノとヴァイオリンのための)Op.35 (1947) 〔悲嘆/悲しみの踊り/海の詩〕 ソウルン・グヴズムンスドウッティル(Ms) マルシャル・ナルドー(Fl/ピッコロ) エイナル・ヨウハンネソン(Cl) ルーナル・H.ヴィルベルグソン(Fg) シーグルレイグ・エズヴァルスドウッティル、ルート・インゴウルスドウッティル(Vn) ソウルン・オウスク・マーリノウスドウッティル(Va) インガ・ロウス・インゴウルスドウッティル(Vc) 男声歌手たち(cho.) ベルンハルズル・ヴィルキンソン指揮レイキャヴィーク室内o. | |||
録音:2002年5月、2004年11月、2005年5月、ヴィージスターザ教会、ハブナルフィヨルド & ラングホルト教会、レイキャヴィーク、以上 アイスランド。原盤・前出: SMEKKLEYSA (Iceland), SMK-46 /リマスタリング: BIS 。#上記曲目、演奏者標記は SMEKKLEYSA レーベルの国内代理店に拠ります。BISレーベルが力を入れているアイスランドの作曲家ヨウン・レイフス。当盤は Smekkleysa レーベルからのライセンス盤で、室内楽作品を中心にレイフスの中期、後期の作品が収録された。レイフスの音楽の特徴である独特な楽器選択、強烈な音響、そして母国の伝統音楽に基づく不思議な世界がこれら室内楽作品にも表れている。1920年から作曲にとりかかった「田園」の主題による変奏曲はベートーヴェンの交響曲第6番「田園」をモティーフにしたレイフス、ライプツィヒ時代の作品。また「エレジー」は1947年に娘を水難事故で亡くした悲しみから作曲された作品でメゾ・ソプラノとヴァイオリンとのかけあいが非情な悲しみを表現した作品。アイスランドの民俗音楽を取込んで作曲したはじめての作曲家として言われているレイフスの独自の世界をお楽しみ頂きたい。 | |||
ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 Op.27 (*) / リャードフ: お伽話の絵「魔法にかけられた湖」Op.62 (#) |
アンドルー・リットン指揮 ベルゲンpo. | ||
録音:2014年6月(*)、2013年6月(#)、グリーグ・ホール、ベルゲン。 | |||
THE SEASONS - berlin philharmonic wind quintet ・「春」〜木管合奏のためのフランス近代作品集 イベール:3つの小品(1930) / トマジ:管楽六重奏のための「春」(1963) ミヨー:組曲「ルネ王の炉辺」 Op.205 (1939) / ケックラン(1867-1950):七重奏曲 フランセ:管楽五重奏曲(1958) / ボザ(1905-1991):スケルツォ Op.48 (1948) [マンフレート・プライス(アルトSax) ゲルハルト・シュテムプニク(コールアングレ)/ 録音:1991年10月6日-9日、アンドレアス教会、ドイツ/単売:BIS-536] ・「夏」〜夏の音楽 バーバー(1910-1981):夏の音楽 / エリオット・カーター(1908-2012):木管五重奏曲 ガンサー・シュラー(1925-):組曲 / カジミエシュ・マハラ(1948-):アメリカ民謡組曲 フリオ・メダリア(1938-):南米のベル・エポック / ヴィラ=ロボス(1887-1959):ショーロ形式の五重奏曲 リドゥイノ・ピトンベイラ(1962-):Ajubete jepê amô mbaê / メダリア:ブラジル俗謡組曲 [ナイジェル・ショア(コールアングレ)/録音:1998年4月、ベルリン/単売:BIS-952] ・「秋」〜近代ドイツ木管五重奏曲集 ヒンデミット(1895-1963):小室内音楽 Op.24 No.2 /5人の管楽奏者のための「秋」 ヘンツェ(1926-2012):木管五重奏曲/管楽七重奏曲[マンフレート・プライス(バスCl) トーマス・クラーマー(Tp)/録音:1995年9月11日-14日、ベルリン/単売:BIS-752] ・「冬」〜冬の歌 ブレット・ディーン(1961-):冬の歌(1994/2000) / ヴァスクス(1946-):亡き友に捧ぐ音楽(1982) エルッキ=スヴェン・トゥール(1959-):アルキテクトニクスI(1984) / ペルト(1935-):小五重奏曲 Op.13 ニルセン(1865-1931):木管五重奏曲 Op.43[ダニエル・ノルマン(T)/録音:2002年/単売:BIS-1332] ベルリン・フィルハーモニー木管五重奏団 [ミヒャエル・ハーゼル(Fl) アンドレアス・ヴィトマン(Ob) ヴァルター・ザイファース(Cl) ファーガス・マクウィリアム(Hr) ヘニング・トローク(Fg)] | |||
ベルリン・フィルハーモニー木管五重奏団はBPOの長い歴史の中で、初めて定常的に設けられたアンサンブルで、1988年に創設された。レパートリーは古典から現代までの幅広い領域をカヴァーしており、BISレーベルの当シリーズをはじめ数多くの録音を行っている。当団は演奏技術が求められる現代の作品でも完璧なまでの緻密なアンサンブルを構築し、BPOの響きで室内楽を楽しめる極上の音楽を堪能出来る。 #発売後に国内代理店より『当セットの Disc 2 [Summer Music] および Disc 3 [L'AUTUNNO] のレーベル面に印字されている内容と録音内容が逆になっております。正しくは・ Disc 2 と表記されている盤の収録内容は Disc 3 [L'AUTUNNO] 、・ Disc 3 と表記されている盤の収録内容は Disc 2 [Summer Music]となります。レーベルに確認をしましたところ現状、再プレスの予定無しとの回答でございます。特約店様・お客様におかれましては大変ご迷惑をおかけしますが何卒ご了承の程、 よろしくお願い申し上げます。』とのアナウンスが来ております。レーベル側のミスながら、商品の仕様ということになりますので、御了承のほどお願い致します。 | |||
遊牧の民(Nomaden)〜ヨエル・ボンス(1952-): 遊牧の民(Nomaden)〜チェロと異文化交流大アンサンブルのための(2015-16) 「チェロと異文化交流大アンサンブルのための38楽章のバラエティ豊かなモザイク」 ジャン=ギアン・ケラス(Vc) エド・スパンヤード指揮アトラス・アンサンブル [ラファエラ・ダンクサグミュラー(ドゥドゥク〔アルメニア〕) ウー・ウェイ(笙〔シェン/中国〕 佐藤尚美(笙〔日本〕) ハリー・スターレヴェルド(尺八〔日本〕) キヤ・タバッシアン(セタール〔ペルシャ〕) エルシン・ナギジェフ(タール〔コーカサスから中東〕) シャオ・ユアンチュン(二胡〔中国〕) エルシャン・マンスロフ(ケマンチェ〔イラン、コーカサス〕) アンゲル・ヒメノ(Vn) ネヴァ・オズゲン(ケメンチェ〔トルコ〕) ドゥルバ・ゴーシュ(サーランギー〔インド、ヒンドゥスターニー音楽〕) ダリオ・カルデローヌ(Cb)〕 | |||
録音:2016年10月28日、11月5日、アムステルダム・ムジークヘボウ。もはや押しも押されぬ世界的チェリスト、ジャン=ギアン・ケラス。バロックから現代作品、さらには「トラキアの音楽」プロジェクトでの異文化奏者たちとのコラボレーションと、おそるべき精確さと知性で圧巻の演奏で世界を魅了している。このたびBISから登場するのは、「遊牧の民(Nomaden)」と題した、ケラスと18人の音楽家による異文化交流アルバム。主人公(ケラス)が、様々な土地で、様々なバックグラウンドを持つ18人の音楽家と「出会い」、彼らと対話をする、という旅の物語。チェロとアンサンブルの協奏曲なのではなく、むしろチェロと、異文化のソリストたちのためのコンチェルタンテ(複数の楽器が<対抗>的に用いられる)的作品。序奏につづき、11のパサージュと様々な土地の音楽を思わせる25の楽曲が並び、エピローグで幕となる全38楽章から成る。この「遊牧の民」は、アムステルダム・チェロ・ビエンナーレの委嘱を受け、ジャン=ギアン・ケラスとアトラス・アンサンブルのために作曲された物。2016年10月28日に初演され、この初演時の録音(および11月5日のセッション録音)をディス化したのが当盤。チェロと二胡によるミニマル・ミュージック的なパッセージの丁々発止のかけあい、インドの擦弦楽器サーランギーとチェロの微分音合戦など、ケラスと様々な楽器の世界的奏者たちによる演奏は実に刺激的。これらの高難度の楽曲はケラスだからこそ実現可能だったのだろうと思わずにはいられない。アトラス・アンサンブルは、中国、日本、インド、イラン、アゼルバイジャン、アルメニア、トルコとヨーロッパ各地で、その土地特有の楽器を演奏している奏者たちによって結成されている。全篇を通じてボンスによる書き下ろし作品から成り、伝統音楽は挿入されない。ボンスはアトラス・アンサンブルと実に14年にわたりコラボレーションしており、この作品はいわばその総決算といえる物。アンサンブルの中には西洋音楽の楽譜はまったく読めないが素晴らしい即興をする奏者もいれば、西洋音楽の楽譜はどんなに難しいものでも演奏するが即興はあまりしない、という奏者もいる。こうした彼ら一人一人の可能性を超越した領域で、すべてのメンバーが音楽を展開する、というのがボンスのねらい。ケラスと世界トップ奏者たちによる丁々発止のアンサンブル、聴き逃せない! パッケージについてBISレーベルの社主、ロベルト・フォン・バール氏が環境に配慮した「BIS ecopak パッケージ」を採用。こちらのパッケージは、森林認証制度のFSC 及びPEFC を取得している素材、また環境に配慮された接着剤や大豆油インク、水性ニスを使用しリサイクル性に優れており、プラスチックは使用されていない。今後、当レーベルではこちらのパッケージでのリリースが増えていく予定。 | |||
ブラウティハム〜モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.9 〔第13番 ハ長調 KV.415 /第11番 ヘ長調 KV.450 /第8番 ハ長調 KV.246 〕 ロナルド・ブラウティハム(Fp) マイケル・アレグザンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミー | |||
録音:2014年7月、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザール、ケルン。使用フォルテピアノ:ポール・マクナルティ、2011年製作〔モデル:アントン・ヴァルター(1752-1826)製作〕。好評のシリーズ9弾。 | |||
菅野由弘(1953-): 光の残像 III 「天使の梯子」(ピアノとコンピュータのための)(2006) (*) / 光の粒子(ピアノと南部鈴のための)(2009)/水の粒子(ピアノと明珍火箸のための)(2010) / 虹の粒子(ピアノと歌舞伎オルゴールのための)(2011) /天使のための前奏曲(ピアノのための)(1985) / 月夜の虹(ピアノ、トイ・ピアノとコンピュータのための)(2012) (*) 小川典子(P|使用楽器:Steinway D ) 菅野由弘(コンピュータ;*) | |||
録音:2014年6月18日-20日、ギルドホール音楽演劇学校、ロンドン、セッション。イギリスを本拠に世界各国で演奏活動を続けている小川典子。モーツァルトのピアノ・ソナタ集(BISSA-1985)以来約3年ぶりとなるアルバムは、日本の現代音楽作曲家 菅野由弘によるピアノ作品集。菅野由弘は1953年10月東京生まれ。1979年にモナコ・プランス・ピエール国際作曲賞に入賞した弦楽四重奏曲(1976)が話題となり、その名が世界に知られるようになった。多作家でオーケストラ、舞台作品、室内楽、器楽、合唱、歌曲と多岐に渡る。また伝統楽器を用いた作品や電子音楽、コンピュータ音楽にも積極的に作曲し、実験的、挑戦的なこれらの作品は国内外で高い評価を得ている。このディスクにはピアノとその他楽器を伴う作品が収録されている。光の残像III「天使の梯子」は武満徹歿後10周年となる2006年に武満作品のスペシャリスト、大竹紀子の委嘱により作曲された。ピアノとコンピュータという菅野の独自の世界を堪能出来る。「粒子三部作」は菅野由弘がミューザ川崎シンフォニー・ホールと小川典子に共同で委嘱された作品集で2009年-2011年にかけて作曲された。「日本的な何かを持った作品を弾いたい」という小川の挑戦でもあるこの三部作は、イギリスをはじめノルウェー、ニュージーランド、フランスでも演奏され、既に高い評価を得ている。南部鈴、明珍火箸、歌舞伎オルゴールの響きが非常に独創的。 | |||
カム&ラハティso.〜シベリウス:交響曲全集 〔第1番 ホ短調 Op.39 (*) /第4番 イ短調 Op.63 (#) /第2番 ニ長調 Op.43 (+) /第5番 変ホ長調 Op.82 (**) / 第3番 ハ長調 Op.52 [第1、2楽章(*) /第3楽章(##) ]/第6番 ニ短調 Op.104 (++) /第7番 ハ長調 Op.105 (##) 〕 オッコ・カム指揮ラハティso. | |||
録音:2012年5月(*)、2013年1月(##)、2013年5月(+)、2014年1月(**)、2014年1月、2月(++)、2014年5月(#)、シベリウス・ホール、ラハティ、フィンランド。2015年はシベリウスの生誕150周年だが、アニヴァーサリーにふさわしいカム指揮ラハティso.によるシベリウス交響曲全曲が一挙全集でリリース。1999年に初来日したラハティso.は、すみだトリフォニーでシベリウス交響曲全曲演奏会を大成功させ、日本でも一躍名を上げた。今回の録音は2011年より当団の音楽祭芸術監督兼首席指揮者となったオッコ・カムとともに2012年から2014年まで本拠地シベリウス・ホールで行なったセッション。 フィンランド国立歌劇場o. のコンサートマスターを務め、1969年の第1回カラヤン・コンクールで第1位となったカム。弦楽奏者出身らしく澄み渡る弦の美しさと統率されたオーケストレーションは見事の一言で、ことに母国フィンランドの作曲家シベリウスの解釈は絶品。シベリウス・イヤー最大のリリースと言えるだろう。 | |||
クリスティアン・ポルテラ〜ウォルトン&ヒンデミット ウォルトン:チェロ協奏曲(1955-56) (*) /無伴奏チェロのためのパッサカリア(1979-80) ヒンデミット:チェロ協奏曲(1940) (*) /無伴奏チェロ・ソナタOp.25 No.3 (1922-23) クリスティアン・ポルテラ(Vc) フランク・シップウェイ指揮サンパウロso.(*) | |||
録音:2013年7月、サラ・サンパウロ、ブラジル(*) /2013年8月、ストックホルム音楽アカデミー、スウェーデン(無印)。トリオ・ツィンマーマンのチェリストとして近年目覚ましい活躍のクリスティアン・ポルテラ。BISレーベルでの前作、バーバーのチェロ協奏曲(BISSA-1827)では圧倒的な技術と豊かな表現力で作品の魅力を再発見させてくれた。ウォルトンとヒンデミットは親交が深く、1929年10月にヒンデミットがウォルトンのヴィオラ協奏曲の世界初演を行って以来良好な友人関係が続き、音楽家としてお互いに尊敬し合っていた。ここに収められたチェロ協奏曲はともにピアティゴルスキーに捧げられた。ウォルトンのチェロ協奏曲は、ミュンシュ指揮ボストンso.の定期で行われ、その後もピアティゴルスキーによって知名度を高めた作品。一方、ヒンデミットのチェロ協奏曲(1940)は大戦を避けてアメリカに移住した年の作品で、初演は翌1941年2月にセルゲイ・クーセヴィツキーの指揮で行われた。これら20世紀を代表するチェロ協奏曲をポルテラの安定した技術と抜群の表現でお楽しみ頂ける。このアルバムには両者の無伴奏チェロ作品も収録されている。ヒンデミットのソナタはバロック時代の形式に現代音楽の響きを融和させた作品。一方、瞑想的なウォルトンのパッサカリアは、晩年の作品の一つ。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 Vol.3 (完結編) 〔第1番 ハ長調 Op.15(カデンツァ:第1楽章 フリードマン=スドビン編曲/第3楽章 スドビン)/ 第2番 変ロ長調 Op.19(カデンツァ:ベートーヴェン)(#) 〕 エフゲニー・スドビン(P|使用楽器: Steinway D) オスモ・ヴァンスカ指揮タピオラ・シンフォニエッタ | |||
録音:2014年9月、2015年12月(#)、タピオラ・コンサートホール、フィンランド。 スクリャービンとメトネルのピアノ協奏曲を収録したアルバム(BISSA-2088)がインターナショナル・クラシック・ミュージック・アワード(ICMA)2016の協奏曲部門を受賞、世界が最も注目するピアニスト、エフゲニー・スドビン。ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集がついに完成した。ベートーヴェンの交響曲シリーズを完成させたヴァンスカとミネソタ管は、2009年よりスドビンを迎えてピアノ協奏曲全集のプロジェクトも開始しておった。第4番と第5番「皇帝」をおさめた第1弾(BISSA-1758)と第3番とモーツァルトの第24番を収めた第2弾(BISSA-1978)はいずれも好評を博している。完結となる第3弾はタピオラ・シンフォニエッタとの共演で第1番、第2番が収録された。当録音でも一切ぶれることのない圧倒的なテクニックと煌めくようなタッチで聴かせる。など、第1番の第1楽楽章ではフリードマン作のカデンツァをもとにより煌びやかにアレンジ。さらに第3楽章では自身のカデンツァを披露している。音階を弾いても感動させてしまうような魔術を秘めたピアニスト、スドビンでしか表現のできない唯一無二のベートーヴェンをお楽しみ頂きたい。 | |||
ヘンデル:6つの合奏協奏曲 Op.3 〔第2番 変ロ長調 Op.3 No.2, HWV.313 /第3番 ト長調 Op.3 No.3, HWV.314 / 第5番 ニ短調 Op.3 No.5, HWV.316 /第6番 ニ長調 Op.3 No.6, HWV.317 / 第4番 ヘ長調 Op.3 No.4, HWV.315 /第1番 変ロ長調 Op.3 No.1, HWV.312 (*) 〕 マルタン・ジェステル(Org;*)指揮ヴァン・ディーメンズ・バンド | |||
録音:2019年10月29日-11月2日、聖カニス教会、サンディ・ベイ、タスマニア島、オーストラリア。オーストラリア最南端のタスマニア島を拠点とする古楽アンサンブル「ヴァン・ディーメンズ・バンド(VDB)」がヘンデルの6つの合奏協奏曲(合奏協奏曲) Op.3を録音した。VDBのメンバーはこれまでにレザール・フロリサン、アンサンブル・ピグマリオン、イル・ポモ・ドーロ、イングリッシュ・コンサート、18世紀オーケストラ、アムステルダム・バロックo. など、世界の主要な古楽アンサンブルとの共演またメンバーとして演奏したことのある名手が揃った団体で、メルボルン出身のヴァイオリニストのジュリア・フレダースドルフによって2016年に結成された。これまでにニコラ・フィオレンツァのチェロ協奏曲、バッハのカンタータ集の録音はあるが、当盤はVDBの本格的なデビュー・アルバムといえ、その注目が集まる。指揮は鍵盤奏者にしてVDBの客演指揮者も務めるマルタン・ジェステル。ジェステルはポーランドの古楽アンサンブル「アルテ・デイ・スオナトーリ」とヘンデルの12の合奏協奏曲 Op.6(BISSA-1705)を録音しており、フレッシュな演奏で高評価を得た。VDBとの当演奏でも現代におけるHIPを十分に堪能できる楽しい1枚。合奏協奏曲(合奏協奏曲)とはバロック時代特有の協奏曲で、複数の独奏者によって編成される独奏楽器群と、オーケストラ全員による大合奏群との間の音量的、技巧的対比を楽しむ音楽。1734年頃に作曲された6つの合奏協奏曲 Op.3は、小規模ながら管楽器を効果的に取り入れた編成をとりヘンデルらしい豊かな旋律に加えて合奏協奏曲ならではの華やかな響きが魅力と言える。 | |||
ジェイムズ・ラザフォード、ワーグナーを歌う〜ワーグナー: さまよえるオランダ人 より〔序曲(*) /期限が来た(オランダ人)〕/ タンホイザー より〔この貴きまどいを見渡せば(ヴォルフラム)/ 死の予感のごとく夕やみが地をおおい(ヴォルフラム)〕/ ローエングリン〜恐ろしい女だ(テルラムント)/ ニュルンベルクのマイスタージンガー より〔リラの花の何とかぐわしく(ハンス・ザックス)/ 第3幕への前奏曲(*) /迷いだ。迷いだ。どこも迷いだ。(ハンス・ザックス)]/ パルジファル〜そうだ。むごい。惨すぎる。我が身に災いあれ!(アンフォルタス)/ ワルキューレ〜ヴォータンの告別と魔の炎の音楽「さらば、勇敢で素晴らしい我が子よ」(ヴォータン) ジェイムズ・ラザフォード(Br;*以外) アンドルー・リットン指揮ベルゲンpo. | |||
録音:2013年4月、5月、グリーグ・ホール、ベルゲン、ノルウェー。2010年のバイロイト音楽祭でマイスタージンガーのハンス・ザックスを歌って大成功、近年ワーグナー歌手として頭角を現す英国の俊英バリトン歌手ジェイムズ・ラザフォード、満を持してワーグナー録音。リットン率いるベルゲン・フィルハーモニー管の好サポートのもと、のびやかで抜群の安定感を誇る歌声の持ち主ラザフォードの代表盤が遂に誕生した。 | |||
鈴木雅明& BCJ 〜J.S.バッハ:ルター派ミサ曲集 Vol.1 ミサ曲〔ト短調 BWV.235 (*) /ト長調 BWV.236 (#) 〕/ サンクトゥス〔ト長調 BWV.240 (*) /ホ長調 BWV.241 (*) /ニ長調 BWV.238 /ハ長調 BWV.237 〕/ クリステ・エレイソン ト短調 BWV.242 (+) ハナ・ブラシコヴァー(S;#) ジョアン・ラン(S;+) ロビン・ブレイズ(CT;+) ゲルト・テュルク(T;+) ペーター・コーイ(B;+) 鈴木雅明 指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2013年9月、神戸松蔭女子学院大学チャペル(*/#) /2014年9月-10月、コンサートホール、彩の国さいたま芸術劇場(+/無印) 。バッハ・コレギウム・ジャパンのルター派ミサ曲の第1弾。7篇が収録された。ミサ曲 ト短調 BWV235はBWV187の主要楽曲を母体に、BWV72そしてBWV102からそれぞれ1曲ずつを転用してできた作品、またミサ曲 ト長調 BWV236は、BWV17, 79, 138, 179の諸楽章を転用してまとめた作品。これらの作品はバッハの既作のカンタータからの引用で成り立っており小編成ながらそのどれもが美しい作品でコンパクトかつ凝縮された内容となっている。その他、サンクトゥス4篇とクリステ・エレイソンが録音された。鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンの妙技をたっぷりご堪能頂きたい。 | |||
Nocturnal ホルボーン(1547頃-1602):すいかずら/私のリンダ/夜警/ペンブローク伯爵夫人のパラダイス/妖精のラウンド エドワード・コラード(1595頃-1599頃活躍):わが窓辺より去れ/ヒュー・アシュトンのグラウンド ダニエル・バチェラー(1572-1619):パヴァーヌ ジョン・ダニエル(1564-1626頃):アン・グリーン夫人の葉はグリーン 作曲者不詳(ジョン・スキーニーの17世紀初めのマンドラ手稿譜)(#): 森の花/夕暮れのとき、私を忘れないで/イギリスのナイチンゲール バード(1543-1623)/フランシス・カッティング(1583頃-1603頃活躍):子守歌 ベンジャミン・ブリテン(1913-1976)/ヤコブ・リンドベリ(1952-)編曲:ジョン・ダウランドによる夜の曲 Op.70 ダウランド(1563-1626):夢/ファンシー/オーランドは眠る/ラクリメのガイヤルド/ダウランド氏の真夜中/別れ ジョン・ジョンソン(1545頃-1594):パッシングメジャーズ・パヴァーヌ/御者の口笛/さようなら、おやすみなさい ヤコブ・リンドベリ(リュート;#以外|使用楽器: 8-course Renaissance lute by Michael Lowe, Wootton-by-Woodstock, 1981 / ソプラノ・リュート;#|使用楽器: 7-course so-prano lute (inmandora tuning) by Michael Lowe, Wootton-by-Woodstock, 1992 ) | |||
録音:2017年8月、レンナ教会、ノルテリエ、スウェーデン。 ヤコブ・リンドベリ(1952-)は、スウェーデンのユーシュホルム生まれ。ビートルズを聴いて音楽への情熱を育み、ストックホルム大学に進みた。ロンドンの王立音楽大学でダイアナ・ポウルトンに学んでいたころ、ルネサンスとバロックの音楽に主眼を置いた活動を選択。このジャンルでもっとも幅広いレパートリーをもつリュート奏者として知られ、「ジェイムズ一世時代のリュート音楽」 (BISSA-2055), 「ルネサンス期イタリアのリュートの名手たち」 (BISSA-2202), 「シクストゥス・ラウヴォルフのリュート」 (BISSA-2265) など、30を超す数のアルバムをBISレーベルに録音している。新しいアルバム「夜の曲(Nocturnal)」は、彼がギターとリュートを平行して学んでいた最後の年に取り組んだブリテンの「ジョン・ダウランドによる夜の曲」を核に、主にエリザベス一世時代に作られた、夜を想起させる小品を配置する構成で作られている。「ジョン・ダウランドによる夜の曲」は、ブリテンが、1963年、イギリスのギタリスト、ジュリアン・ブリームのために作曲した作品。ダウランドの歌曲「来たれ深き眠りよ(Come Heavy Sleep)」に基づく変奏曲のスタイルをとった、8つの部分(楽章)からなる「壮大な」音楽。「この曲があったから、ギターを捨ててリュートに専念すると決めた時には後ろ髪を 引かれる想いだった」(ヤコブ・リンドベリ)。ブリテンが「リュートを崇め」、この楽器のための作品を書くことも考えていたことから、出版社とブリテン・エステートが協力。エステートからは励ましとともに最初の草稿の提供も受けることができた。アントニー・ホルボーン、エドワード・コラード……詩人サミュエル・ダニエルの弟、ジョン・ダニエル……。「ジョン・スキーニーの17世紀初めのマンドラ手稿譜」の3曲は、「マンドラ調弦」のソプラノ・リュートで演奏される。「リュートは、静寂と深い集中を必要とする」。録音セッションは、ストックホルムの北、ノルテリエのレンナ教会で行われた。 | |||
イェ・シャオガン〔葉小鋼〕(1955-): 交響曲第3番「楚」 Op.46 (2004/07) (*) / ヴァイオリンと管弦楽のための 「最後の楽園」(1993) (#) |
ヒラ・プリットマン(S;*) チョーリャン・リン(Vn;#) ホセ・セレブリエール指揮 ロイヤルpo. | ||
録音:2015年6月、カドガン・ホール、ロンドン。中国出身の作曲家イェ・シャオガンは中央音楽院で学んだのち、1987年からはニューヨークに留学し研鑽を積んだ。世界に知られることとなったのは2008年、北京オリンピック開会式にピアノ協奏曲「 Starring Sky 」が使用され、独奏をラン・ランが務めた事による。(*)は武漢o.の創設10周年を祝うための委嘱作品で7楽章構成。春秋時代に存在した王国「楚」から名づけられたこの作品には、随所に中国らしさが散りばめられており民族的旋律が魅力。内2楽章で加わるソプラノ独唱も非常に効果的。(#)はヴァイオリン独奏の微分音からはじまり、ヴァイオリンの旋律にあわせてダイナミックなオーケストレーションが魅力。独奏はチョーリャン・リン。セレブリエール率いるロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のキレのある演奏で。 | |||
モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.10 〔第5番 ニ長調 K.175(カデンツァ 第1楽章:モーツァルト、第3楽章:ブラウティハム〕/ 第6番 変ロ長調 K.238(カデンツァ モーツァルト)/3つのピアノ協奏曲 K.107 〔J.C.バッハ「ピアノ・ソナタ」 Op.5 Nos.2-4 に弦楽三部を加えた編曲〕 (カデンツァ 第1番:モーツァルト、第2番&第3番:ブラウティハム) ロナルド・ブラウティハム(Fp) マイケル・アレクザンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミー | |||
録音:2014年12月、カンマームジークザール、ドイッチュラントフンク、ケルン。 使用楽器:ポール・マクナルティ製作〔モデル:アントン・ヴァルター&アンドレアス・シュタイン〕。 ブラウティハムらしい快活で明瞭なタッチで明るいモーツァルトを披露。 | |||
リスト:ヴァイオリンとピアノための作品集 協奏的大二重奏曲 S128 (1835, rev.1849) /尼僧院の僧房 S382bis /E.レメーニの結婚式への祝婚歌 S129 (1872) / ハンガリー狂詩曲第12番 嬰ハ短調 S379a /悲歌第2番 S131bis /忘れられたロマンスS132 /悲しみのゴンドラS134bis ウルフ・ヴァリーン(Vn|使用楽器:ドメニコ・モンタニアーナ制作) ローランド・ペンティネン(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2014年4月、イエス・キリスト教会、ベルリン。リストといえばピアノ曲とオーケストラ曲のイメージが強いが、ヴァイオリンとピアノのための作品も残していた。当アルバムに収められたのはいずれも珍しいものばかりで貴重。例えばハンガリー狂詩曲第12番のヴァイオリン版はリストならではの凝った工夫が見られる興味深い作品、また後期の最重要作「悲しみのゴンドラ」は神秘的でどこか夢想するような作品。ヴァリーンとペンティネンはこれまでにヒンデミットのヴァイオリン・ソナタ全集(BIS-761)、シェーンベルクのヴァイオリン曲全集(BIS-1407)、シューマンのヴァイオリン・ソナタ全集(BIS SA-1784)など、そのどれもが濃密かつ良質な演奏。 | |||
ハダメス・ニャタリ(1906-1988): ソナチネ第2番(*) /ブラジルの魂/ブラジル舞曲/小組曲/サンバのリズムによるトッカータ〔第1番/第2番〕/ サウダデ/チェロとギターのためのソナタ(#) /モト・コンティヌオ(+) /誘惑のショーロ(+) / カニョート(+) /見栄っ張り(+) /カポエイラ(+) /ずる(+) /器用に(+) /バトゥキ(+) /トッカータ(+) フランツ・ハラース(G;+以外) デボラ・ハラース(P;*/+) ウェン・シン・ヤン(Vc;#) | |||
録音:2013年2月、2014年2月(無印)、すべてミュンヘン。ブラジル生まれの作曲家、ハダメス・ニャタリの作品集。クラシック、ジャズ、ポピュラーと垣根なく携わり、独自の世界観を作りだしたニャタリの作品は聴き手にダイレクトに訴えかける魅力的・情熱的な旋律が特徴。フランスの印象派の影響を受けつつ、自国ブラジルの民族音楽を積極的に取り入れた。そのどれもがおしゃれな作品で、聴き手は心地よいひと時を味わうことが出来る。 | |||
ベートーヴェン:弦楽三重奏曲集 Vol.2 弦楽三重奏曲第1番 変ホ長調 Op.3 /セレナード ニ長調 Op.8 トリオ・ツィンマーマン [フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn;ストラディヴァリウス、1711年「 Lady Inchiquin 」) アントワーヌ・タムスティ(Va;ストラディヴァリウス、1672年「 Mahler 」) クリスティアン・ポルテラ(Vc;ストラディヴァリウス、1711年「 Mara 」)] | |||
録音:2013年6月-7月、旧ストックホルム音楽アカデミー、スウェーデン。Vol.1:第2番−第4番 (BISSA-1857) 。2007年結成のトリオ・ツィンマーマンによるベートーヴェン第2弾。「トリオは自分にとってベストなアンサンブル」と語るツィンマーマン。長年演奏者を探していたが、若き天才ヴィオラ奏者のタムスティの演奏に感銘を受け、直々にトリオ結成を懇願した。そして、タムスティの友人であったチェロのポルテラとともに念願のトリオを結成。これまでに発売されているベートーヴェンの弦楽三重奏曲第2〜4番及びモーツァルトのディヴェルティメント 変ホ長調&シューベルトの弦楽三重奏曲第1番(BISSA-1817)はレコード芸術特選盤をはじめ、各誌で絶賛されている。見事なまでに完成されたトリオ・ツィンマーマンのアンサンブルをお楽しみ頂きたい。なお、トリオ・ツィンマーマンはすべて名器ストラディヴァリウスを使用しており、特にツィンマーマンが使用している楽器はかつてクライスラーが所有していたものでエレガントの極みともいえるこの上なく美しい音色。 | |||
スクリャービン:ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 Op.20 メトネル: ピアノ協奏曲第3番 ホ短調「バラード」 Op.60 |
エフゲニー・スドビン(P) アンドルー・リットン指揮 ベルゲンpo. | ||
録音:2013年11月、グリーグ・ホール、ベルゲン。スドビンがスクリャービンのピアノ協奏曲に挑戦した。カップリングはスクリャービンの兄弟弟子メトネルの3番。前者はペンティネンとセーゲルスタム、後者はマッジ盤がBISのカタログにあるが、スクリャービンのナイーヴで若々しい情感はスドビンにピッタリで、彼に弾いて欲しい作品の筆頭となっていた。演奏は期待以上で、スクリャービンの初期作品ならではの透明な美しさを精巧な指さばきで再現、感動的。メトネルのピアノ協奏曲第3番は晩年の作で、レールモントフの詩「ルサルカ」からインスピレーションを受けたとされる。スクリャービンに比べ饒舌な内容で、ピアノはスポーツ的な技巧に終始する。スドビンの明快かつスピーディな演奏で魅力を再発見。リットンのサポートも万全で、ゴージャスな響きに酔いしれる。 | |||
ヴェネチアのクリスマス ヴィヴァルディ:アンダンテRV.270a (*/#) /「ユスティヌス」RV.717 〜運命よ、おまえは私を招いたが(+) / プサルテリーとオルガンのための協奏曲 RV.744 (#) /ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV.266 (*) / サルヴェ・レジナ ヘ長調 RV.617 (+) ハッセ:救い主のうるわしき母(+) / ペロッティ:ソナタ ト長調 / トレッリ:合奏協奏曲 ト短調 Op.8 No.6 エヴァ・ゴリンスカ(Vn;*) コマレ・アカクポ(プサルテリー;#) ルビー・ヒューズ(S;+) マルタン・ジェステル(Org;+)指揮アルテ・デイ・スオナトーリ | |||
録音:2013年10月、ミハウ・アルハニョウ教区教会、ポーランド。1993年設立のポーランドのピリオド楽器団体アルテ・デイ・スオナトーリによる、ヴィヴァルディと同時代に生きたハッセ、ペロッティ、トレッリのいずれもイタリアの作曲家による作品集。ヴェネチアのクリスマスと題されたこのアルバムは煌びやかな作品ばかりが集められ、擦弦楽器プサルテリー演奏の作品も収録した興味深い内容。弦を指や烏の羽ではじいて演奏するプサルテリーは主に14世紀から15世紀に愛用されており、机や膝の上に置いたり首から紐でつるしたりと奏法は様々だった。若手プサルテリー奏者アカクポにいる妙技で、ヴィヴァルディの作品に新鮮な風が吹きこまれる。 | |||
鈴木雅明& BCJ の「モツレク」〜モーツァルト: レクイエム ニ短調 K.626(アイブラー、ジュスマイヤー + 鈴木優人補筆校訂編)/ 証聖者の荘厳な晩課(ヴェスペレ)K.339 /レクイエム〜奇しきラッパの響き(鈴木優人による異稿) キャロリン・サンプソン(S) マリアンネ・ベアーテ・シェラン(A) 櫻田亮(T) クリスティアン・イムラー(B) 鈴木雅明 指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2013年12月、神戸松蔭女子学院大学チャペル、セッション。J.S.バッハ教会カンタータ全曲録音完遂に対し、ヨーロッパ版グラミー賞ともいわれるドイツの音楽賞、「エコー・クラシック賞 2014」を受賞(エディトリアル・アチーブメント・オブ・ザ・イヤー部門)、今や世界が注目する鈴木雅明率いる古楽オーケストラ&合唱団バッハ・コレギウム・ジャパンがついにモーツァルトのレクイエムを録音。BCJは2006年12月にモーツァルト生誕250年記念特別演奏会で同プログラムを披露しているが、2013年12月に7年の月日を経て満を持しての演奏会、そして録音となった。今回の録音ではモーツァルトの自筆譜に未完の作品を補筆したアイブラー及びジュスマイヤーの手稿譜をもとにして、鈴木優人が補筆校訂したバッハ・コレギウム・ジャパン版のモツレクを披露してくれた。キャロリン・サンプソン、マリアンネ・ベアーテ・シェランの澄み切った透明な女声と、櫻田亮、クリスティアン・イムラーの力強い男声とが溶け合い、さらに鈴木雅明率いる BCJの見事な演奏により新たなモツレクに出会うことが出来る。前半に演奏される「ヴェスペレ」とあわせて2013年の演奏会の感動が蘇る。なお、鈴木優人による「奇しきラッパの響き」の異稿も収録致した。 | |||
モンポウ:コンポステラ組曲(1962) /歌と踊り〔第10番(1953) /第13番(1972) 〕 リョベト:13 のカタルニャ民謡(1899-26) / マネン:ギターのための幻想ソナタ Op.22 フランツ・ハラース(G) | |||
録音:2014年12月、2015年3月、ミュンヘン。フランツ・ハラースがスペインの情熱香るギター作品を収録した。バルセロナで学びパリに留学したモンポウの「コンポステラ組曲」、タレガに学び、出身地であるカタルーニャ地方の民謡の編曲を多く手がけたリョベートの「13 のカタルーニャ民謡」、バルセロナ出身でヴァイオリニストとしてサラサーテと比較されるほどの評価されたマネンの「幻想ソナタ」など、色とりどりの作品で構成されている。 | |||
セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-): ヴァイオリン協奏曲「光の中の闇」(2012) (*) / 管弦楽のための「点火する」(2010) (#) |
ペッカ・クーシスト(Vn;*) ハンヌ・リントゥ指揮 フィンランド放送so. | ||
録音:2013年8月(#)、2013年12月(*)、ヘルシンキ・ミュージックセンター、フィンランド、セッション。フィンランド生まれのセバスティアン・ファーゲルルンドは、21世紀の世界にどう「存在」するかを管弦楽作品によって探る、精神的ポスト=モダニズム作曲家のひとり。豊かな音と速い動き、多面的でありながらもモダニズムの激烈さは嫌い、よく響く、色彩的で洗練された音と、明快でエネルギッシュなリズムといったことが、彼の音楽の主要な要素として挙げられている。BISレーベルによるファーゲルルンドの作品集は、クラリネット協奏曲、パルティータ、管弦楽のための「島」(BISSA-1707)、歌劇「デーベルン」(BISSA-1780)に続き3作目。(*)はペッカ・クーシストのためにタンペレpo.がファーゲルルンドに委嘱した作品。テューバ、バスクラリネット、ティンパニの「鼓動」を使った管弦楽の「漆黒の動き」に始まり、ソリストが「情熱的に」即興することを許されるカデンツァで閉じる第1楽章「エネルジコ(エネルギッシュに)」。タルコフスキーの映画「惑星ソラリス」をイメージ、「潜在意識下の存在(未知なる理性的存在)」を探る第2楽章「レント・インテンソ(激しくゆるやかに)」。「研磨するように耳障りな」主題を弾くソリストとオーケストラの楽器群を幅広い配置に対比させた第3楽章「ブルスカメンテ(荒々しく)」。「光の中の闇」の副題は、村上春樹の「とらえにくい叙述スタイル」を指してつけられたという。(#)は「らせん状に進む」構造がとられ、外側の「プレスト、フリオーソ(きわめて速く、熱狂的に)と「エネルジコ、モルト・リトミコ(エネルギッシュ、きわめてリズミカルに)の2つの楽章から始まり、中央の「レント・ミステリオーソ、モルト・カルモ(神秘的にゆるやか、きわめて穏やかに)を通り、 「エサルタート(意気揚々と)」でふたたび外に出る。バッカナーレのリズムも現れる「旋回」……「『ブレードランナー』牧歌」とでも言えそうなフィルム・ノワールのスタイルをもつSF的印象主義……ダウランドの「悲しみよ、来れ」を想わせるメランコリー……渦は広がり、音の聞こえない領域へ。4つの楽章は「エスプレッシーヴォ」(2曲)と「インテンソ」の3つの「間奏曲」により結ばれ、ヴァイオリン協奏曲と同様、切れ目なく演奏される。「点火する」はフィンランド放送の委嘱により作曲され、サカリ・オラモに献呈された。 | |||
ブラウティハム〜モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 Vol.11 〔カデンツァ:モーツァルト(*)、ブラウティハム(*以外) 〕 〔第3番 ニ長調 K.40 (*) /第1番 ヘ長調 K.37 /第2番 変ロ長調 K.39 /第4番 ト長調 K.41 〕 ロナルド・ブラウティハム(Fp) マイケル・アレクザンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミー | |||
録音:2015年8月、カンマームジークザール、ドイッチュラントフンク、ケルン。使用フォルテピアノ: ポール・マクナルティ、2007年製作〔モデル:ヨハン・アンドレアス・シュタイン、1788年製作〕。シリーズ第11弾。演奏機会の少ない初期ピアノ協奏曲だが、ブラウティハムは快活かつ明瞭なタッチでアプローチ、神童モーツァルトの魅力再発見と言える名演を披露。ブラウティハムがイメージする最善の楽器を使用することで、自然な雰囲気を作り出している。 | |||
ユーハン・ヘルミヒ・ルーマン(1694-1758):7つのソナタ集 〔第1番 変ホ長調 BeRI 225 /第2番 ニ長調 BeRI 226 /第3番 ト長調 BeRI 227 / 第4番 ニ長調 BeRI 228 /第5番 ト短調 BeRI 229 /第6番 変ロ長調 BeRI 230 /第7番 ヘ長調 BeRI 231 〕 アンナ・パラディソ(Cemb) | |||
録音:2013年11月、レンナ教会、スウェーデン。ルーマンはストックホルムに生まれ、ロンドンに留学しヘンデルからイタリア・バロック様式の薫陶を受けた18世紀スウェーデンの音楽界における重鎮作曲家。後に宮廷楽長を務め「スウェーデン音楽の父」「スウェーデンのヘンデル」と呼ばれた。当チェンバロ・ソナタ集はバロック時代の様式に従い、またイタリア・バロックの影響を呈し、明快で華やかなアルペッジョは実に優美。名手アンナ・パラディソによる華麗な演奏をお楽しみ頂きたい。 | |||
ビーバー:16のソナタ〔ロザリオのソナタ集〕 〔第1番「お告げ」/第2番「訪問」/第3番「降誕」/第4番「キリストの神殿への拝謁」/ 第5番「神殿における12歳のイエス」/第6番「オリーヴ山での苦しみ」/第7番「鞭打ち」/第8番「いばらの冠」/ 第9番「十字架を背負うイエス」/第10番「イエスのはりつけと死」/第11番「復活」/ソナタ第12番「昇天」/ 第13番「聖霊降臨」/第14番「聖母マリアの被昇天」/第15番「聖母マリアの戴冠」/パッサカリア ト短調〕 ムファット:ソナタ ニ長調 アリアドネ・ダスカラキス(Vn) ジェラルド・ハンビッツァー(Cemb/Org) ライナー・ツィパーリンク(ヴィオラ・ダ・ガンバ) シモン・マーティン=エリス(テオルボ) アンサンブル・ヴィンテージ・ケルン | |||
録音:2013年9月、ヘッセン放送ゼンテザール、フランクフルト。アンサンブル・ヴィンテージ・ケルンによるはロザリオ・ソナタ集。名手アリアドネ・ダスカラキスのヴァイオリン独奏は煌めくような美音を聴かせてくれる。ビーバーの代表作、ロザリオ・ソナタ集は作曲者自身の献辞のなかで、「マリアとキリストの生涯から15のミステリウムを讃えるために」と記しているようにイエス・キリストと聖母マリアの喜び、苦しみ、栄に関わる各5つ、計15のミステリウムへの「ロザリオの祈り」が込められている。 | |||
C.P.E.バッハ(1714-1788): 2台のフォルテピアノのための協奏曲 ヘ長調 Wq.46 (H 408) (*) / フルート協奏曲 イ短調 Wq.166 (H 431) (#) / ハンブルク交響曲〔第1番 ニ長調 Wq.183 No.1 (H 663) (+) / 第4番 ト長調 Wq.183 No.4 (H 666) (**)〕 J.C.バッハ(1735-1782):大序曲 変ホ長調 Op.18 No.1 (C26) FR アレクセイ・リュビモフ、ユーリー・マルティノフ(Fp;*) ラインハルト・クジャッシュ(Fl;#) マンフレート・フス指揮 ハイドン・シンフォニエッタ・ウィーン | |||
録音:2006年9月、聖フローリアン教会(*)、2005年5月、バード・ラートカルスブルク(#/+)、2006年2月、ライヒェナウ(**/ FR )、いずれもオーストリア。原盤・前出: VMS (ZAPPEL MUSIC), VMS-155 ( + モーツァルト) (*/**) & VMS-166 ( + ハイドン) (#/+) からC.P.E.バッハ作品を抜き出し、同時期の録音で初出と思われるFRを足して、BIS による新リマスターを行った移行再発売。ハイドン・シンフォニエッタ・ウィーンは名プライヤーが集まった古楽アンサンブルで、BISレーベルをはじめ数多くレコーディングしている。バロック&古典派からジャズまで幅広く弾きこなすロシアのベテラン奏者リュビモフと、1997年モーツァルト国際コンクール第1位のマルティノフも参加、C.P.E.バッハ生誕300周年に嬉しい1枚が(再)リリース。 | |||
ニューヨーク・ポリフォニー、ノエルを歌う アンドルー・スミス(1970-):久しく待ちにし主よとく来たりて ジェフリー・ウィリアムズ(1976-):アダムは囚われ横たわり フィリップ・ヴェルドロ(1485-1530):大天使聖ガブリエル 伝承曲/アレクサンダー・クレイグ(1971-)編曲:ガブリエルのお告げ/たいまつ手に手に トリニティ・ロール、サミュエル・セバスティアン・ウェズリー、ジョン・スコット(1956-):かくも麗しいバラはない バイテリング:おとこを知らぬ母 / マイケル・マッグリン(1964-):われらの祈り ノエル:眠りから覚めなさい/アライズ・アンド・ウェイク / R.R.ベネット(1936-2012):5つのキャロル(*) クレイグ:スリープ・ナウ / ビクトリア(1548-1611):おお、大いなる神秘 / 伝承曲:羊飼いたちはみ使いらの歌 リチャード・パイゴット(1485-1549):幼子イエスをあやす聖母マリア ピーター・ウォーロック(1894-1930):ベツレヘム・ダウン(*) / ヤコブ・クレメンス(1500-1556):東方より博士達が ルイス・H.レドナー(クレイグ編):ああベツレヘムよ ニューヨーク・ポリフォニー [ジェフリー・ウィリアムズ(CT) スティーヴン・カルディコット・ウィルソン(T) クリストファー・ディラン・ハーバート(Br) クレイグ・フィリップス(B)] サラ・ブライレイ&エリザベス・バーバー・ウェイバー(S;*) | |||
録音:2014年3月、アメリカ少年合唱団学校チャペル、ニュージャージー。2006年に結成された男声4名のアンサンブル、ニューヨーク・ポリフォニーのBISレーベル第3弾となる当アルバムはクリスマスにまつわる作品を集めた。カウンターテナー、ジェフリー・ウィリアムズの透き通った歌声はまるで天から舞い降りてくるようだ。また、BISレーベルによる優秀録音だけにオーディオファンにもお薦めの内容。 | |||
リスト: ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調 S.124 / 呪い〜ピアノと管弦楽のための協奏曲 S.121 / ピアノ協奏曲第2番 イ長調 S.125 |
アレクサンドル・カントロフ(P) ジャン=ジャック・カントロフ指揮 タピオラ・シンフォニエッタ | ||
録音:2014年11月、タピオラ・コンサートホール、フィンランド。使用ピアノ:;Steinway D 。名ヴァイオリニストにして指揮者のジャン=ジャック・カントロフを父に持つピアニスト、アレクサンドル・カントロフが BIS レーベルよりリストのピアノ協奏曲で堂々デビュー。1997年生まれのアレクサンドルは父親譲りの音楽的才能の持ち主で、16歳のときにはナントでのラ・フォルジュルネでシンフォニア・ヴァルソヴィアと共演し、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を披露。抜群のテクニックと情感豊かな演奏で聴衆を熱狂させた。ディスク・デビューとなったこのアルバムに超絶技巧のリストを選ぶところからも期待せずにはいられない若き才能と言えるだろう。この豊かな才能を近年指揮活動に積極的なオーギュスタン・デュメイは高く評価しており頻繁に共演している。 2015年9月にはデュメイ指揮関西フィルとリストのピアノ協奏曲第1番を演奏予定。 世界が注目する豊かな才能がついにディスクで登場。 | |||
エンゲゴールSQ 〜グリーグ、シベリウス、トンメセン:弦楽四重奏曲集 グリーグ:弦楽四重奏曲 ト短調 Op.27 シベリウス:弦楽四重奏曲 ニ短調「親愛なる声」 Op.56 オラヴ・アントン・トンメセン(1946-):弦楽四重奏曲第4番「 FELIX REMIX 」(2014) (メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第4番 ホ短調 第2楽章」に基づく) エンゲゴールSQ [アルヴィド・エンゲゴール(Vn1) アレックス・ロブソン(Vn2) ジュリエット・ジョプリング(Va) ヤン・クレメンス・カールセン(Vc)] | |||
録音:2015年4月、ブリン教会、ノルウェー。2006年ノルウェーのロフォーテンで結成、高音質録音で知られる 2L レーベルより録音をリリースしているエンゲゴール四重奏団が BIS レーベルに初登場。当団にとってグリーグは2度目の録音だが、第2ヴァイオリン、およびチェロが創設時のメンバーと異なる。続くシベリウスの「親愛ある声」は北欧の室内楽作品の中でも代表作の一つと言えるが、当団による演奏は聴くだけで温度が変わってしまうと錯覚するほど表現力に富んでいる。シベリウス・イヤーにふさわしい録音と言えるだろう。ノルウェーの作曲家トンメセンによる弦楽四重奏曲第4番は、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第4番 ホ短調第2楽章に基づく新作。メンデルスゾーンを縦糸にトンメセンを横糸に編んだかのような立体的な構造を示した刺激的な作品。 | |||
花々〜キャロリン・サンプソン *「バラ」にまつわる作品 パーセル:ばらの花よりも甘く / シューマン:私のばら Op.90 No.2 /ばらよ、ばらよ! Op.89 No.6 クィルター:ダマスクのばら / ブリテン:ナイチンゲールとばら / グノー:ばらの咲くころ フォーレ:イスパハーンのばら Op.39 No.4 / R.シュトラウス:ばらの花環 Op.36 No.1 /乙女の花 Op.22 *「植物」にまつわる作品 シューベルト:花の言葉 Op.173 No.5, D.519 /森で Op.56 No.3, D.738 シューマン:ジャスミンの木/献身の花 Op.83 No.2 /松雪草 Op.79 No.26 *フランス人作曲家による「花」にまつわる作品 プーランク:花 FP.101 No.6 / フォーレ:蝶と花/捨てられた花 Op.39 No.2 / アーン:贈り物 ドビュッシー:花 L.90 No.3 / ブーランジェ:去年咲いていたリラの花は / シャブリエ:ありったけの花 キャロリン・サンプソン(S) ジョセフ・ミドルトン(P|Steinway &Sons D) | |||
録音:2014年2月、ポットン・ホール、サフォーク州、イギリス、セッション。バッハ・コレギウム・ジャパンのソリストとしてもおなじみの「名花」サンプソンが、バラ、花、植物にまつわる美しき歌曲を収録した。著名な作曲家の多くはこれらの作品を残しているが、当ディスクでは“バラ "にまつわる作品を筆頭に“植物 "にまつわる作品、そして、フランス人作曲家による“花 "にまつわる作品で構成した。美しい世界をサンプソンが歌い上げる。キャロリン・サンプソンは「完璧なコロラトゥーラ技術と豊かにのびる輝かしい声」と評され、世界の聴衆を魅了し続けている。バロック・古典派の歌曲からオペラまで幅広いレパートリーを持っており、特にバッハ・コレギウム・ジャパンの結婚カンタータ&コーヒーカンタータ集はサンプソンの代表盤のひとつで、澄み切ったその歌唱は官能的で、聴くものを魅了してやまないと評価されている。サンプソンの美声をご堪能頂きたい。 | |||
トニェッティ&オーストラリア室内o.「四季」〜ヴィヴァルディ: ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み」 Op.8 より「四季」〔春 RV269 /夏 RV315 /秋 RV293 /冬 RV297 〕/ ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV226 〜ラルゴ/4つのヴァイオリンのためのヴァイオリン協奏曲 ロ短調 RV580 (*) / ヴァイオリン協奏曲 イ短調 RV356 /合奏協奏曲「聖ロレンツォの祝日のために」 ニ長調 RV562 〜グラーヴェ/ 歌劇「試練の中の真実」RV739 〜シンフォニア リチャード・トニェッティ(Vn;#)指揮オーストラリア室内o. ヘレナ・ラスボーン、 サトゥ・ヴァンスカ、アイク・シー(Vn;*) ティモ・ヴェイッコ・バルブェ(Vc) | |||
録音:2014年3月、チャッツウッド・コンコース・コンサート・ホール、シドニー。使用楽器:グァルネリ・デル・ジェズ、;1743年製(#)。リチャード・トニェッティ率いるオーストラリア室内o.による「四季」を含むヴィヴァルディ・アルバム。既出のメンデルスゾーン:ヴァイオリン、ピアノと弦楽のための協奏曲、弦楽八重奏曲(BISSA-1984)、グリーグの弦楽オーケストラのための作品集(BISSA-1877)、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲全集(BISSA-1754、1755)など、いずれも好評。 トニェッティは1965年オーストラリア生まれ。スイスで研鑽を積み、1989年帰国後はオーストラリア室内管の客演リーダーとして数公演に出演しその後リーダーに任命され、同室内管の芸術監督に就任した。卓越した技術と軽やかな奏法で、バロックから現代まで幅広く弾きこなす。オーストラリアの複数の大学より名誉博士号を贈られ、1999年には人間国宝に認定されているオーストラリアが生んだ逸材。使用楽器は1743年製のグァルネリ・デル・ジェズで、鋭く野太い低音からきらめく高音まで、実に多彩な音色でヴィヴァルディを奏でている。 | |||
梁祝 [The Butterfly Lovers] クライスラー/江賜良 編曲:中国の太鼓 Op.3 / ヴィエニャフスキ/王辰威 編曲:伝説曲 Op.17 サラサーテ/鍾耀光 編曲:ツィゴイネルワイゼン Op.20 / チャイコフスキー/馬翠妤 編曲:メロディ Op.42 No.3 伝承曲/陳鋼 編曲:タジクの太陽 / 馬思聰/吳瑞呈 編曲:ノスタルジア 陳鋼、何占豪/鍾耀光 編曲:ヴァイオリン協奏曲「梁山伯と祝英台〔バタフライ・ラヴァーズ〕」 吕思清〔呂思清〕(Vn) 鍾耀光 指揮台北中国楽団 | |||
録音:2014年3月、中山ホール、台北、台湾。中国の天才ヴァイオリニスト、吕思清の最新ディスクは「バタフライ・ラヴァーズ」を含むヴァイオリン名曲集。1969年中国生まれの吕思清は、1981年11歳でメニューイン音楽院に留学。1987年17歳のときに第34回パガニーニ国際コンクールに優勝し、これは当時アジア人初となる快挙だった。その後、世界から注目されるなか1990年ジュリアード学院入学し名教師ドロシー・ディレイのもとさらなる高みを目指し、独自の音色を追求するために研鑽を積んだ。抜群の安定感を誇るテクニックで中国の太鼓やツィゴイネルワイゼンを披露、またヴィエニャフスキの伝説曲やチャイコフスキーのメロディは情感豊かな音色で演奏している。そして、メインとなるヴァイオリン協奏曲「梁山伯と祝英台」〜バタフライ・ラヴァーズはあのヴァネッサ・メイが演奏し世界中で知られることとなり、今ではフィギュアスケートでもおなじみの楽曲となっている。 | |||
ユーハン・ヘルミヒ・ルーマン(1694-1758):フルートと通奏低音のためのソナタ集 〔第1番 ト長調 BeRI 201 /第2番 ニ長調 BeRI 202 /第3番 ハ短調 BeRI 203 / 第4番 ト長調 BeRI 204 /第5番 ホ短調 BeRI 205 〕 ダン・ラウリン(リコーダー) パラディソ・ムジカーレ [アンナ・パラディソ(Cemb) マッツ・オロフソン(Vc) ヨナス・ノルドベルグ(バロックG)〕 | |||
録音:2013年10月、12月、ストックスンド、スウェーデン。前作、チェンバロ・ソナタ集(BISSA-2095)に続きアンナ・パラディソが参加したルーマンの続編は、ダン・ラウリンをソロに迎え、フルート・ソナタ集をリコーダーで演奏。ラウリンの驚異的なテクニックもお楽しみ頂ける。ルーマンは1694年ストックホルム生まれの作曲家で、宮廷楽長を務め、北欧では「スウェーデン音楽の父」や「スウェーデンのヘンデル」とも呼ばれ、18世紀スウェーデンの音楽界における重鎮だった。ロンドンに留学したルーマンはヘンデルにイタリア・バロック音楽の様式について薫陶を受けた記録も残されている。 | |||
カレヴィ・アホ(1949-): 19の前奏曲(1965-68) /3つの小さなピアノ曲(1971) /子供のための2つの優しいピアノ曲(1983) / ソナチネ(1993) /ソロ II (1985) /ピアノ・ソナタ(1980) ソニヤ・フラキ(P〔使用楽器: Steinway D 〕) | |||
録音:2013年1月、フィンランド。現代フィンランドを代表する作曲家、カレヴィ・アホは BIS 社が積極的に録音をしていることにより知られるようになったと言っても過言ではない。このアルバムでは1965年から1993年までにアホがピアノ独奏のために書いた作品を集めた。そのどれもが透き通るようなきらめきを持った作品ばかり。1965年から68年にかけて作曲された19の前奏曲はアホが本格的に作曲の勉強を始めたころの作品集で、非常に親しみやすい旋律が魅力。3つの小さなピアノ曲は1971年に作曲され、交響曲第3番を作曲していた時期と重なる。響きはそれ以前の作品にくらべ複雑化するが、旋律が美しいアホらしい小品。1980年作曲のピアノ・ソナタはアホの代表作の一つに数えられる。この時期に非常に技巧的でヴィルトゥオーゾなピアノ練習曲を書いており、このソナタも随所に技巧的なパッセージが散りばめられている。演奏のソニヤ・フラキはフィンランド出身の女性ピアニストで、2003年のシューベルト・コンクールで第4位、2008年のリスト・コンクールで第3位など、実力を兼ね備えたピアニストで、現在フィンランドを中心にヨーロッパで活躍している。 | |||
トリオ・タンゴフォリア(全曲? トリオ・タンゴフォリア編曲) ピアソラ:ブエノス・アイレスの四季/天使のミロンガ/リベルタンゴ/デカリシモ/忘却/さよなら、父さん ファン・カルロス・コビアン:私の隠れ家 / アニバル・トロイロ:最後の酔い/スーロ ルシオ・デマーレ:マレナ / ガルデル:帰郷 / クリスチャン・リンドベリ:冬至祭 トリオ・タンゴフォリア [クリスチャン・リンドベリ(Tb) イェンス・リンドベリ(バンドネオン) ローランド・ペンティネン(P)] | |||
録音:2013年12月、ストックホルム音楽アカデミー。BISレーベルを代表するクリスティアン・リンドベリがトリオによるタンゴ尽くしのアルバムをリリース。バンドネオンの神、ピアソラをはじめ、ガルデル、コビアンなど充実の選曲。またリンドベリ作の「冬至祭」はピアソラへのオマージュで、このトリオでの演奏のために書かれた力作。熱い熱いタンゴの世界をご堪能頂きたい。 | |||
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲集〔第2番 ハ短調 Op.66 /第1番 ニ短調 Op.49 〕
シトコヴェツキー・トリオ[アレクサンドル・シトコヴェツキー(Vn) レオナルト・エルシェンブロイヒ(Vc) ウー・チェン〔吴倩〕(P)] | |||
録音:2014年1月、セント・ジョージ・ブリストル、イングランド。 クラシック界のサラブレッドで結成されたシトコヴェツキー・トリオ、デビュー盤となったドヴォルジャーク、スメタナ、スーク(BISSA-2059)では、若手ながら長年のキャリアを感じさせる奥深い演奏を聴かせてくれた。期待の名曲メンデルスゾーンは、ひと際美しいトリオ作品を抜群のアンサンブルで情熱的に歌い上げている。ヴァイオリンのアレクサンドル・シトコヴェツキーは祖父にユリアン・シトコヴェツキー、祖母にショパン・コンクールの覇者ベラ・ダヴィドヴィチ、そして父にドミトリー・シトコヴェツキーという音楽的に恵まれた環境に生まれた。既に世界的に活躍するヴァイオリニストで、メンデルスゾーンの初期の協奏曲作品を集めたアルバム(ORFEO-761092)、ブラームス、グリーグ、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ集(CDVD018-C018)など、数多くリリースしている。明瞭なアーティキュレーション、抜群のアンサンブル能力そして豊かな音楽性はさすが生まれもった才能と言えるだろう。また、チェロのレオナルト・エルシェンブロイヒ、ピアノのウー・チェンもそれぞれソロのアルバムをリリースしている。才能豊かなこのピアノ・トリオの今後の活躍にも注目。 | |||
アッラン・ペッテション:交響曲第4番(1959) /交響曲第16番(1979) ・ボーナス DVD「アッラン・ペッテション、お前は一体何者?」 (1974年スウェーデン放送制作。英語字幕付) ユルゲン・ペッテション(A−Sax) クリスチャン・リンドベリ指揮ノールショーピングso. | |||
録音:2013年1月、ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノールショーピング。熱烈な支持者のいるBISペッテション・シリーズの第6弾は、交響曲第4番と16番。アル中DV父と宗教中心の母のもと貧困家庭に育ち、プロの作曲家となってからは周囲の無理解と関節リューマチに苦しみながら「私小説音楽」とも言うべき凄絶な作風を展開させた。交響曲第4番はペッテションの大半の交響曲と同様に単一楽章形式をとり、37分半延々と続く。後の病的で暗い要素はさほど濃くなく、伝統的と言える。コラール風の動機は、彼の母が歌った救世軍の賛美歌だが、ペッテションは生涯のある時点を描いたのではないと記している。最後の交響曲となった第16番はやはり単一楽章による27分ほどの作品で、アルト・サクソフォンの独奏を持つ協奏曲的な様相を呈している。サクソフォン独奏は超絶技巧が要求されるが、現代音楽の寵児ユルゲン・ペッテションが圧巻な演奏を繰り広げる。最晩年、病魔に侵されていた時期だが、天国的な救いが感動的。陽気で前向きなリンドベリと作風の不思議なギャップが眩暈に似た緊張感を生んでいる。DVDではペッテション本人の映像と語りに触れることが出来る。 | |||
J.S.バッハ: トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 /パストラーレ ヘ長調 BWV590 / 「おお、汝正しくして善なる神よ」によるパルティータBWV767 / 幻想曲 ト長調 BWV572 /前奏曲とフーガ ト短調 BWV535 / 「高き天よりわれは来れり」によるカノン風変奏曲 BWV769 /前奏曲とフーガ ホ短調 BWV548 鈴木雅明(Org|使用楽器:アルプ・シュニットガー製|a'=465Hz) | |||
録音:2014年7月、マルティン教会、フローニンゲン、オランダ。鈴木雅明がトッカータとフーガを含むJ.S.バッハのオルガン傑作集を録音した。1990年にバッハ・コレギウム・ジャパンを創設して以来、音楽監督として、またバッハ演奏の第一人者として名声を博した鈴木雅明だが、大バッハのオルガンを集めたアルバムは1991年以来、実に23年ぶりの録音となる。収録作品は名曲トッカータとフーガ ニ短調 BWV565をはじめ、バッハの傑作。さらに使用楽器はオランダのフローニンゲンにあるマルティン教会のシュニットガー制作の名器での録音というのもうれしい限り。カンタータ全曲録音を終え、2012年6月に世界的音楽家に贈られる「バッハ・メダル」を受賞した鈴木雅明のバッハは本質に直結したアプローチで、洗練された演奏を聴くことが出来る。BISレーベルによる高音質録音で臨場感あふれる演奏をお楽しみ頂ける。 | |||
ミア・パーション〜花から花へ ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクァーレ」〜あの目に騎士は…私もその不思議な力は知ってるわ(*) グノー:歌劇「ファウスト」〜宝石の歌「なんと美しいこの姿…ああ、私はこの鏡に映る」(*) ベッリーニ:歌劇「カプレーティ家とモンテッキ家」〜ああ、幾たびか…私はここよ、幸せの衣装をまとって(*) グノー:歌劇「ロメオとジュリエット」〜私は夢に生きたい(*) ビゼー:歌劇「カルメン」より〔私は言った、何も怖くはないと(*) /第1幕間奏曲〕 ドリーブ:歌劇「ラクメ」〜おいでマリカ…白いジャスミンとバラ(#) プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」〜私が街をあるけば(*) / マイアベーア:歌劇「ディノーラ」〜軽やかな影よ(*) オッフェンバック:「ホフマン物語」〜美しい夜、おお、恋の夜よ(#) メサジェ:歌劇「お菊さん」〜恵みの太陽が輝く日」(*) / ヴェルディ:歌劇「椿姫」〜不思議だわ…花から花へ(+) プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」〜私のお父さん(*) ミア・パーション(S;*/#/+) カタリナ・カルネウス(Ms;#) アンドルー・ステイプル(T;+) ダニエル・ハーディング指揮スウェーデン放送so. | |||
録音:2014年3月31日-4月4日、ベールヴァルド・ホール、ストックホルム。バッハ・コレギウム・ジャパンのカンタータ・シリーズでの独唱でもおなじみのミア・パーション。現在古今のオペラ両道でひっぱりだこのパーションだが、期待の新譜は「花から花へ」「私のお父さん」など名曲ばかりを集めたオペラ・アリア集。レパートリーを問わず美声を聴かせてくれる名唱ならではの仕上がりで、それぞれの楽曲を、表情を変えて歌い上げている。ダニエル・ハーディング指揮スウェーデン放送so. の好サポートも得たパーションの代表盤の呼び声高き1枚が誕生した。 | |||
イェ・シャオガン〔葉小鋼〕(1955-): バスバリトンと管弦楽のための「悲しみと喜びの歌」 Op.67 (2012) (*) GV / フルートと管弦楽のための「12月の菊の花」 Op.52b (2006) (#) JS / 管弦楽のための「冬」 Op.28 (1988) JS / ヴァイオリンと管弦楽のための「西涼の輝き」 Op.16 (1983) (+) GV / ピアノ、児童合唱、女声合唱と管弦楽のため「星空」 Op.56 (協奏曲版) (2008) (**) JS シェンヤン〔瀋陽〕(B−Br;*) シャロン・ベザリー(Fl;#|使用楽器: Muramatsu 24k All Gold Model) ウェン・ウェイ〔劉薇〕(Vn;#|使用楽器:ジュゼッペ・ロッカ、1843年製作) 小川典子(P;**|使用楽器:スタインウェイ D ) ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルo. cho.(**) ギルバート・ヴァルガ指揮GV ホセ・セレブリエール指揮JS ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルo. | |||
録音:2018年8月GV、2016年8月JS 、すべて RSNO センター、グラスゴー、イギリス。1955年生まれの中国を代表する作曲家イェ・シャオガン。中央音楽院で学んだのち、1987年からはニューヨークに留学し研鑽を積んだ。そのシャオガンの名が世界に知られることとなったのは2008年の北京オリンピック開会式に使用されたピアノ協奏曲「Starring Sky(星空)」で、ラン・ランが演奏したことにより話題となった。この度世界的ピアニスト小川典子が演奏!「人生の幻想と情熱」をテーマに書かれたこの作品には生命力あふれる旋律が印象的。小川典子の圧倒的な表現力で聴かせる。「Winter(冬)」はシャオガンがニューヨーク留学中1988年の作品。どこか暗くて憂鬱な気分を表現したこの作品は1991年にイーストマン音楽学校でハワード・ハンソン賞を、翌1992年には国立台湾so. の第1回交響曲作曲コンクールで金賞を受賞しているシャオガン出世作。このほか「悲しみと喜びの歌」(シェンヤン独唱)、「12月の菊の花」(シャロン・ベザリー独奏)、「西涼の輝き」(ウェン・ウェイ独奏)と豪華ソリスト陣を迎えたシャオガンの作品を堪能すること出来る。 | |||
セイレーン〜アンデシュ・ヒルボリ(1954-): 管弦楽のための「獣のサンプラー」(2014) /ソプラノと弦楽のための「おお、この眼よ」(2011) (#) / 冷熱〜管弦楽のための(2010) (+) /2人のソプラノ、混声合唱と管弦楽のための「セイレーン」(2011) (*) ハンナ・ホルゲション(S;#/*) イーダ・ヴィンランド(S;*) サカリ・オラモ指揮(無印/#) デイヴィッド・ジンマン指揮(+) エサ=ペッカ・サロネン指揮(*) ロイヤル・ストックホルムpo. エーリク・エーリクソン室内cho.(*)、スウェーデン放送cho.(*) | |||
録音:2013年11月(+)、2014年11月(+以外)、ストックホルム・コンサートホール。ストックホルム生まれ。合唱と即興音楽を経験した後、1976年にストックホルムの王立音楽大学に入学。グンナル・ブクト、ラーシュ=エーリク・ロセル、アルネ・メルネス、ペール・リンドグレーンの下で対位法と作曲法と電子音楽を学び、ブライアン・ファーニホウのクラスにも参加したスウェーデンを代表する作曲家、アンデシュ・ヒルボリが委嘱により作曲した4篇。「獣のサンプラー」は、王立ストックホルムpo.、ヨーテボリso.、北ドイツ放送so. の委嘱作。オーケストラを「音の動物」とみなし、電子音楽の経験から得た技法を器楽の書法に応用したことを反映する曲名がつけられ、クセナキスとリゲティ、ジャズなど、ヒルボリが出会いインスピレーションを得た音楽の姿がさまざまに映される。ソプラノと弦楽オーケストラのための歌曲「おお、この眼よ」は、グンナル・エーケレーヴの詩に作曲された。芸術のパトロンとして知られる財政家アンデシュ・ヴァールの80歳の誕生日プレゼントとするためウプサラ大学がヒルボリに委嘱した作品。BPO、チューリヒ・トーンハレo.、フィンランド放送so. から委嘱された「冷熱」は、木管楽器のにぎやかなカノンに始まり、「シベリウスを思わせる弦楽器対位法で描く広大な牧草地」と厳しいチェロの独白に終わる、ヒルボリが好む「非現実の風景」をたどる作品。「セイレーン」は、ロサンゼルス・フィルハーモニックとシカゴso. から、写真家ベティ・フリーマンの思い出とエサ=ペッカ・サロネンに捧げる作品として委嘱された。「オデュッセウス! こちらへいらっしゃい。わたしたちの声は蜜の味。わたしたちのところへ……」。ホメロスの『オデュッセイア』第12巻から採った英訳詩にヒルボリが加筆、作曲した。編成、曲の長さ、感情の深さと、ヒルボリがこれまでに書いたもっとも大きな作品。 | |||
Now & Then〔(*):シレナ・リコーダー四重奏団による編曲版〕 ヴィヴァルディ:合奏協奏曲 ニ短調 Op.3 No.11 RV.565 (*) J.S.バッハ:3つのコラール前奏曲 〔いと尊きイエスよ、われらはここに集いて BWV.731 /甘き喜びのうちに BWV.608 /イエス、わが喜び BWV.610 〕(*) ボワモルティエ:5本のフルートのための6つの協奏曲〜第3番 ニ長調 Op.15 No.3 (*) キエル・マイエリング(1954-):サンクトゥス(2003) / ディック・コーマンス(1957-):ザ・ジョガー(1994) スタファン・モッセンマルク(1961-):幼少時代(1998/2003) フルヴィオ・カルディーニ(1959-):時計トッカータ Op.68C (1999) / シャイト:ファンタジア メールラ:カンツォン集 より〔うぐいす/ラ・メールラ〕 / 作者不詳(14世紀):ペトローネ シレナ・リコーダー四重奏団[カリーナ・アゲルブー、ピア・イェンセン、 マーリト・エルンスト・ボック、ピア・ルーマン、ヘッレ・ニルセン] | |||
録音:2013年12月、バレラップ(デンマーク)。なぜか奏者が5人記載されているが、詳細不明。シレナ・リコーダー四重奏団久々のアルバム。14世紀の作者不詳の作品からバッハ、ヴィヴァルディのバロック、そして現代の作品までを収録しており、リコーダー・アンサンブルの可能性を最大限に発揮した内容。冒頭に収録されたヴィヴァルディの合奏協奏曲 ニ短調 Op.3 No.11 RV.565 は、J.S.バッハがオルガン協奏曲 ニ短調 BWV596に編曲していることでも有名だが、当演奏はまるでポジティフオルガンの演奏を聴いているかのようで、4人の見事なアンサンブルを聴かせてくれる。バッハのコラール前奏曲も同様に素晴らしい編曲。また、現代作曲家マイエリングのサンクトゥスでは、細かいタンギングの中に効果的な声も交え、それらの響きは非常に刺激的。SACDならではの優秀録音でオーディオ・ファンにもおすすめ。シレナ・リコーダー四重奏団による妙技をご堪能頂きたい。 | |||
ヴィクトル・ウルマン:ピアノ作品全集 ピアノ・ソナタ〔第1番 Op.10 (1936) /第2番 Op.19 (1938-9) /第3番 Op.26 (1940) /第4番 Op.38 (1941) / 第5番「わが青年時代から」 Op.45 (1943) /第6番 Op.49 (1943) /第7番(1944) 〕/ シェーンベルクの主題による変奏曲と二重フーガ Op.3a (1933-4) クリストフ・シロドー(P) | |||
録音:2010年2月-3月、2012年9月-10月、サン・マルセル福音教会、パリ。ヴィクトル・ウルマンはナチスから「頽廃音楽」のレッテルを貼られ、アウシュヴィッツ収容所のガス室で殺されたチェコ系ユダヤ人作曲家。46歳の生涯に7篇のピアノ・ソナタを残した。1番から4番までがプラハで、5番から7番が収容所で作曲。ウルマンはシェーンベルクに作曲を師事したため、作風は無調的で表現主義的。第1番は、第2楽章が「グスタフ・マーラー追悼」と題された葬送行進曲となっている。また第3番の第2楽章は、モーツァルトが6歳の時に作曲した「アレグロ K.3 」に基づく7つの変奏曲とフーガなのが興味津々。悲惨な人生を歩みながらも、彼の音楽は生命力にあふれている。BISレーベルでフェインベルクのピアノ・ソナタ全集をリリースして注目されたクリストフ・シロドーはウルマンの研究家でもあり、深い理解と解釈で曲を再現している。 | |||
ブラームス: ピアノ・ソナタ第2番 嬰ヘ短調 Op.2 /創作主題による変奏曲 Op.21 No.1 / 3つの間奏曲 Op.117/スケルツォ 変ホ短調 Op.4 ジョナサン・プロウライト(P) | |||
録音:2014年1月、ポットン・ホール。使用楽器: Steinway D 。「優しさと力強さを兼ね備えたピアニスト」と称されるジョナサン・プロウライト。近年は、イギリスのレーベルより珍しい編曲物を積極的にレコーディングしているが、BISレーベルから第1弾(ピアノ・ソナタ第3番、ヘンデルの主題による変奏曲; BISSA-2047)に続くブラームスのピアノ独奏曲をリリース。1959年生まれのプロウライトは既に30歳の頃ブラームスのアルバムをリリースし、またリサイタルでも定期的にとりあげていることから重要なレパートリーであることがわかる。50代中ごろとなった今、とりわけ晩年の傑作3つの間奏曲 Op.117では渋みと味わいを堪能出来る。 | |||
ウォルター・ピストン(1894-1976):交響曲第6番(1955) サミュエル・ジョーンズ(1935-)交響曲第3番「パロ・デュロ・キャニオン」(1992) スティーヴン・アルバート(1941-92):交響曲第2番(1992) ランス・フリーデル指揮 LSO | |||
録音:2017年4月、ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン。 ハーバード大学で音楽を学び、パリでブーランジェやデュカに師事したウォルター・ピストンは、紺古典派の様式による構成力のある作風で知られている。交響曲第6番はボストンso. 創立75周年記念の委嘱作品。シェパード音楽学校の創立者でもあるサミュエル・ジョーンズ。交響曲第3番は“テキサスのグランド・キャニオン "とも称される「パオ・デュロ・キャニオン」と題され、その名にふさわしく雄大で野性味あふれる魅惑的な作品。スティーヴン・アルバートの交響曲第2番は最晩年の未完の遺作。NYPの創立150周年記念、150シーズン目を祝う作品として作曲された。しかしアルバートはマサシューセッツ州の自宅近くでの悲惨な自動車事故により死亡。セバスティアン・クーリニにより補筆完成され初演された。現在ヨーロッパ、アメリカで精力的に演奏活動を行っているフリーデルは、90年代半ばよりチェコで活躍し以後国際的に活躍している。譜読みを徹底した真摯な姿勢から生み出される丁寧な音楽づくりに定評のある演奏家。 | |||
新しい建築 エイドリアン・ジョーンズ(1978-):サクソフォンと弦楽四重奏のための民謡協奏曲「新しい建築」 〔新しい建物のワルツ「ペルニッラのポルスカ」/トロルダンス、スプリングレク/ 新しい建物のガンガル〔渡り鳥のポルス/シリヤンのポルスカ〕/間奏曲〜静寂/終曲のロンド〕 ダニエル・リード(1977-)/ジョーンズ管弦楽編曲:波紋 / 伝承曲/ジョーンズ編曲:巡回裁判所行進曲 ダニエル・リード(ソプラノSax/テナーSax/バリトンSax) シャネット・エーリクソン、セルジオ・クリソストモ(Vn) エイドリアン・ジョーンズ(Va) アンナ・ヴァルグレーン(Vc) | |||
録音:2015年2月、文化の家、イッテルイェーナ、スウェーデン。スウェーデン中部、ダーラナ地方は、スウェーデンの人たちの心の故郷であり、民謡の宝庫とも呼ばれる。このディスクは、フォークミュージックの音楽家、作曲家として活動するエイドリアン・ジョーンズ(1978-)とストックホルムのアカデミーで出会ったダニエル・リード(1977-)とのコラボレーションによる物。ジョーンズは、ダーラナ地方、シリヤン湖を望むレクサンドに生まれた。ストックホルムの王立音楽アカデミーで修士号を取得し、ヤッラルフーン、ボウイング9といったグループに参加。さまざまなジャンルの音楽家と交流し、活動の幅を広げてきている。一方、リードはスウェーデン南東部の小さな村に生まれ、王立音楽アカデミーをはじめとする学校でクラシカル音楽、ジャズと、あらゆるジャンルの音楽を学び、在学中に興味を深めたフォークミュージックの分野に進出。フォークミュージックのジャンルにおけるサクソフォン奏者のパイオニアと呼ばれ、フリーランスのプレイヤー、ワールドミュージック・バンドのゴルバングのメンバー、妻とのデュオなど、精力的な活動を行っている。「新しい建築」は、ソプラノ、テナー、バリトンの3種類のサクソフォンが弦楽四重奏と共演する「室内楽形式のフォーク・サクソフォン協奏曲」。ペルニッラ・ヴィルマンに捧げるポルスカの「ペルニッラのポルスカ―新しい建物のワルツ」、底抜け大騒ぎするトロルたちの「トロルダンス」、ガンガルとフィンスコーゲンのポルスに新しい衣装をまとわせた「新しい建物のガンガル―渡り鳥のポルス」、シリヤン湖の風景からインスピレーションを得た羊飼いのポルスカ「新しい建物のガンガル―シリヤンのポルスカ」、インスピレーションを与えてくれたモッテン・ハーグストレムへの感謝をこめた「間奏曲―静寂」、そして「終曲のロンド」。パートナーと踊る4分の3拍子の「ポルスカ」、ノルウェーとノルウェーの国境と接する地域で踊られるポルスカの一種「ポルス」と「スプリングレク(スプリングライク)」、4分の2拍子ないし8分の6拍子の「適度に穏やかな速度」のガンガル(歩き踊り)と、いずれもスウェーデンの人たちの生活の根付いた舞曲。「新しい建築」の曲名は、ウプサラのエルブカーレビューに新しい教会の建築が進められていた時、フィドル弾きのビュス=カッレが、男たちの作業が終わるまでにフィドル曲をふたつ作ってみようかと賭けをし、そのときに生まれた一曲、ポルスカ「建築」に因んでつけられた。「波紋」は、ダニエルの妻、ヴァイオリニストのエマ・リードがツアーで留守にしていた、ある雨の日に生まれた。ピアノの側にひとり座り、外の水たまりに雨の雫の落ちる様子を窓から眺めていた……。「エマに寄せるワルツ」。ジョーンズがオーケストレーションを担当している。「巡回裁判所行進曲」は、レクサンドの伝承曲による作品。年に二回、レクサンドの町で開かれる巡回法廷は、厳粛な儀式であり、にぎやかな祝典……。ジョーンズによる編曲は、クニス・カール・アロンソンをはじめとするフィドル弾きが伝えてきた伝承曲の部分と、即興を加え自由に展開する部分から構成されている。 | |||
グリーグ:チェロ・ソナタ イ短調 Op.36 /間奏曲 イ短調 EG.115 / アレグレット(作曲者編曲/ヴァイオリン・ソナタ第3番 Op.45 の第2楽章)/ アンダンテ・コン・モート EG.116 (*) グレインジャー:スカンジナヴィア組曲(1902) ニルセン:頭を垂れよ、汝、花よ Op.21 No.4 アンドレアス・ブランテリド(Vc|ストラディヴァリウス「ボニ・へーガル」、1707年製作) クリスティアン・イーレ・ハドラン(P|Steinway &Sons D) ラース・ビャアンケーア(Vn;*) | |||
録音:2014年3月、ポットン・ホール、サフォーク州、イギリス、セッション。チェロの貴公子ブランテリド、期待の新譜はハドランとの共演で、グリーグ、グレインジャー、ニルセンを収録した。ブランテリドは1987年スウェーデン人とデンマーク人の両親のもとに生まれ。父より手ほどきを受け14歳のときコペンハーゲンでエルガーのチェロ協奏曲をデンマーク王立o. と演奏し協奏曲デビューし、この演奏会を機に演奏家としてのキャリアがはじまった。室内楽にも力を入れ、若手ヴァイオリニストのヴィルデ・フラングとも度々共演し、アルバムもリリースしている。新時代を担う、情熱的なブランテリドの演奏に今後も注目。 | |||
J.S.バッハ:ミサ曲〔イ長調 BWV 234 (*) /ヘ長調 BWV 233 (#) 〕 マルコ・ジュゼッペ・ペランダ(1625-1675):ミサ曲 イ短調(+) 鈴木雅明 指揮バッハ・コレギウム・ジャパン 若松夏美(Vn) 三宮正満(Ob) ハナ・ブラシコヴァー(S;*/#) ペーター・コーイ(B;*/#) ロビン・ブレイズ(CT;*) 中嶋克彦(T;*) ジョアン・ラン(S;+) 松井亜希(S;+) ゲルト・テュルク、藤井雄介(T;+) ドミニク・ヴェルナー(B;+) | |||
録音:2014年2月(*/#)、2015年2月(+)、神戸松蔭女子学院大学チャペル。バッハ・コレギウム・ジャパンのルター派ミサ曲第2弾。カップリングはマルコ・ジュゼッペ・ペランダのミサ曲 イ短調。イタリア生まれのペランダの作品の特徴は、ソロとアンサンブルを問わず美しい旋律線を展開させる。また、モテット様式の基礎を築いたと考えられている。中・北部ドイツの同時代の作曲家にも大きな影響を与えた作曲家のひとりでバッハの作品を理解するうえでも重要な作曲家。鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンによる豊かな演奏でお楽しみ頂きたい。 | |||
ヨープ・セリス〜グラナドス(1867-1916): 組曲「ゴイェスカス」/詩的な情景〔第1集/第2集〕/ 歌劇「ゴイェスカス」〜間奏曲/「ゴイェスカス」への追加「わら人形(ゴヤ風な情景)」 ヨープ・セリス(P|使用楽器: Steinway D 274 ) | |||
録音:2014年7月、マーストリヒト音楽院、オランダ。ヨープ・セリスは、1958年生まれのオランダ生まれ。10代で国内コンクールにて優勝。その後、ブゾーニ国際コンクールで3位を受賞するなど輝かしい経歴の持ち主。パウル・バドゥラ= スコダに師事した後にマーストリヒト音楽院、レメンス音楽院にて後進の育成に励み、現在ヨーロッパを中心に演奏活動を続けている。 | |||
Martin Fröst - Nordic Concertos アンデシュ・ヒルボルイ:クラリネット協奏曲「孔雀物語」(*) [エサ=ペッカ・サロネン指揮 スウェーデン放送so./録音:2001年12月、ベールヴァルド・ホール、ストックホルム、スウェーデン] ホルムボー:協奏曲第2番〜クラリネット[オーワイン・アーウェル・ヒューズ指揮 オルボーso./録音:1998年1月、オルボー・ホール、オルボー、デンマーク] カリン・レーンクヴィスト:クラリネット協奏曲「遠い岸辺」(2002)[ヨン・ストゥールゴールズ指揮 スウェーデン室内o./録音:2003年5月、エレブルー・コンサート・ホール、スウェーデン] クルーセル:スウェーデンの歌による序奏、主題と変奏 Op.124[アリエ・ヴァン・ベーク指揮 エストエータ・ブラスso./録音:1996年5月、リンシェーピング・コンサート・ホール、スウェーデン] マルティン・フレスト(Cl) | |||
原盤: ONDINE (*)。おそらくすべて既出音源からのコンピレーション。このディスクはスウェーデンの天才クラリネット奏者、マルティン・フレストによるベスト盤とも言えるノルディック・コンチェルト集。フレストの才能をいち早く見出した BIS の社主、ロベルト・フォン・バールにより、これまで約20タイトル程のアルバムをリリースしてきた。フレストはレパートリーが非常に広く、バロックから現代まで多岐に渡る。このアルバムには北欧の現代作曲家による作品が集められた。 | |||
プロコフィエフ: 交響曲第5番 変ロ長調 Op.100 (1944) (*) / スキタイ組曲「アラとロリー」 Op.20 (1914-15) (#) |
アンドルー・リットン指揮 ベルゲンpo. | ||
録音:2014年1月(*)、2014年6月(#)、グリーグ・ホール、ベルゲン、ノルウェー、セッション。リットン&ベルゲンpo.による好評シリーズ、プロコフィエフ作品集、「ロメオとジュリエット」(BISSA-1301)、フレディ・ケンプとのピアノ協奏曲集(BISSA-1820)、交響曲第6番(BISSA-1994)に続く第4弾。リットンの指揮はゴージャスで、当録音もプロコフィエフの色彩豊かなオーケストラ・サウンドを満喫出来る。 | |||
C.P.E.バッハ(1714-1788):鍵盤独奏曲全集 Vol.30 変化する再現部を持ち、初心者のための指使いの付いたやさしいクラヴィーア小曲集第1巻 Wq.113 〔アレグロ ト長調 H.193 /アリオーソ イ長調 H.194 /ファンタジア ニ短調 H.195 /メヌエット ヘ長調 H.196 / アラ・ポラッカ ハ長調 H.197 /アレグレット ニ短調 H.198 /アラ・ポラッカ ニ長調 H.199 /アレグレット H.200 / アンダンテ・エ・ソステヌート ト短調 H.201 /プレスト 変ロ長調 H.202 /アレグロ ニ短調 H.203 〕/ アンダンディーノ ハ長調 Wq.116 No.23, H.249 /アレグロ ヘ長調 Wq.116 No.24, H.250 / アレグロ ニ長調 Wq.116 No.25, H.251 /アレグロ ト長調 Wq.116 No.26, H.252 / アンダンテ ト短調 Wq.116 No.27, H.253 /アレグロ ニ長調 Wq.116 No.28, H.254 / 6つのソナタ(新たに加えたソナティナ)〜正しいクラヴィーア奏法の試み Wq.63 Nos.7-12 〔第1番 ト長調/第2番 ホ長調/第3番 ニ長調/第4番 変ロ長調/第5番 ヘ長調/第6番 ニ短調〕/ 4つの鍵盤作品 Wq. deest 〔アレグロ ニ長調 H.255 /メヌエット ヘ長調 H.258 /アレグロ ヘ長調 H.256 /アレグレット ニ長調 H.257 〕/ 変化する再現部を持ち、初心者のための指使いの付いたやさしいクラヴィーア小曲集第2巻 Wq.114 〔アレグロ・ディ・モルト ヘ長調 H.228 /アンダンティーノ ト短調 H.229 /プレスト ハ短調 H.230 / メヌエットI & II ト長調 H.231 /ポラッカ ニ長調 H.232 /ファンタジア ニ短調 H.233 / ポラッカ 変ホ長調 H.234 /アレグロ ホ長調 H.235 /アレグレット イ長調 H.236 / アンダンテ ハ長調 H.237 /ポコ・アレグロ ホ短調 H.238 〕/ 4つの鍵盤作品(アレグロ) Wq.116 Nos.53-56〔ハ長調 H.327 /ト長調 H.328 /変ホ長調 H.329 /ニ長調 H.330 〕/ わがジルバーマン・ピアノへの別れ Wq.66, H.272 ミクローシュ・シュパーニ(クラヴィコード) | |||
録音:2014年7月、キーゼル・ホール、シント・トロイデン、ベルギー。C.P.E.バッハの鍵盤独奏曲全集第30弾は「変化する再現部を持ち、初心者のための指使いの付いたやさしいクラヴィーア小曲集」他小品集。録音を開始した際、シュパーニは「全集を実現することは決して単純な課題ではなく、ことにそれが初期の作曲家の作品を含めばなおさら。このシリーズで私たちは、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの、鍵盤楽器独奏と伴奏アンサンブルのための、疑いない正統な作品のすべてをご紹介する。私たちの目標は、これらの作品演奏の可能性への全般の見通しを与えることなので、この録音は作品の現存する資料と正統的な演奏習慣の徹底した研究に基づいている。私たちはオリジナルの資料をもとに " 正統性 " である楽器を選択して演奏している。」と語っており、まさに正真正銘、本物の解釈のもと演奏された。これら膨大な作品に対して時間をかけ、着実に録音活動をしてきたシュパーニにでしか表現することのできない解釈で演奏された。 | |||
弦楽のための作品集 プロコフィエフ/ルドルフ・バルシャイ編曲:束の間の幻影 Op.22(全15曲) ヒンデミット:弦楽のための5つの小品 Op.44 No.4 / ヴェーベルン:弦楽のための5楽章 Op.5 バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント(#) テリエ・トンネセン指揮カメラータ・ノルディカ | |||
録音:2006年2月(#)、2012年3月(無印)、スウェーデン。弦楽オーケストラの神様テリエ・トンネセンが、手兵カメラータ・ノルディカの能力を最大限に発揮させたアルバムの登場。ルドルフ・バルシャイの編曲と言えばショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第8番による「室内交響曲」が有名だが、1962年にプロコフィエフのピアノ小品集「束の間の幻影」の全20曲中15曲を弦楽オーケストラ用に編曲した。これもも凝りに凝った素晴らしい出来。BISの高音質録音により、不思議な音響効果を堪能出来る。ヒンデミットの教育用作品も抜群の巧さ。またバルトークの名作の激しさが圧巻、爆発するようなエネルギーで迫って来る。オーディオ・チェック用にも最適。 | |||
プロウライト〜ブラームス: ハンガリーの歌の主題による変奏曲 Op.21 No.2 / 8つの小品 Op.76 /ワルツ集 Op.39 / 6つの小品 Op.118 |
ジョナサン・プロウライト(P) | ||
録音:2015年1月、ポットン・ホール、サクスンダム。使用楽器: Steinway, D 274 。「優しさと力強さを兼ね備えたピアニスト」と称されるイギリスのピアニスト、ジョナサン・プロウライトによる BIS レーベルからのブラームス第3弾。 | |||
ニルセン:交響曲全集 Vol.3(完結編) 〔第2番 ロ短調「4つの気質」/ 第6番「素朴な交響曲」〕 |
サカリ・オラモ指揮 ロイヤル・ストックホルムpo. | ||
録音:2014年6月、ストックホルム・コンサートホール、スウェーデン、セッション。スウェーデンを代表するオーケストラ、ロイヤル・ストックホルム・フィルと2008年より首席指揮者をつとめるサカリ・オラモとのニルセンの交響曲全曲録音完結編。近年、ますます躍進を続けるサカリ・オラモだが、このニルセンの交響曲全集シリーズも期待以上と言え、美しい響きを追求した熱演を聴かせてくれる。これまでに発売された交響曲第1番&第3番「ひろがりの交響曲」(BISSA-2048)、第4番「不滅」&第5番(BISSA-2028)とあわせてお楽しみ頂きたい。 | |||
ジェイムズ・マクミラン(1959-):室内オペラ「慈悲」(2009/10) シューベルト:ハガルの嘆き(オーケストレーション:デイヴィッド・アングス) デイヴィッド・クラヴィッツ(Br;アブラハム) ミシェル・トレイナー(S;ハガール) クリスティーン・エイブラハム(S;サラ) デイヴィッド・マクファーリン(Br;3人の旅人) ニール・フェッレイラ、サミュエル・レヴァイン(T;3人の旅人) ブレット・ホジドン(P) デイヴィッド・アングス指揮ボストン・リリック・オペラo. | |||
録音:2013年2月6日-7日、13日、アーチスツ・フォー・ヒューマニティ・エピセンター、ボストン。マクミランは日本でも宗教合唱曲で人気を誇っている。彼がボストン・リリック・オペラの依頼で作曲した室内オペラ「慈悲」も旧約聖書創世記のアブラハムとサラの逸話に基づいた、マクミランらしい作品。内容は、アブラハムとサラ夫妻は子宝に恵まれず、サラの提案で女奴隷ハガルにアブラハムの子を孕ませますが、母となったハガルはサラを侮り始める。その後3人の旅人が現れ、89歳のサラが妊娠することを予言する。10歳年上(!)のアブラハムは99歳で割礼を受け(!!)、100歳(!!!)で子作りに成功する。ここでは、サラ母子を侮蔑したかどで追放されたハガル母子が砂漠を彷徨いながら、子供に水をと嘆くエピソードをシューベルトの同名の歌曲で提示した後、上記の受胎話を5人の出演者でマクミランが淡々と描く。真面目な聖書の話ながら、思わず聴いてみたくなるストーリー。 | |||
レスピーギ:第12旋法によるメタモルフォーゼ(1930) / 地と精のバラード(1920) / シバの女王ベルキス(1934) |
ジョン・ネシリング指揮 リエージュpo. | ||
録音:2014年6月、フィルハーモニーホール、リエージュ。1930年にボストンso. からの委嘱で作曲された第12旋法によるメタモルフォーゼにはじまり、レスピーギが最後に手がけたバレエ音楽で終わる3篇。ベルギーのオーケストラでありながらフランスを思わせる華やかなサウンドが魅力のリエージュ・フィルだが、ネシリングの熱いタクトで一層華々しい演奏となっている。 | |||
C.P.E.バッハ(1714-1788):鍵盤独奏曲全集 Vol.31 専門家と愛好者のための6つのクラヴィーア・ソナタ第1集 より ソナタ〔第1番 ハ長調 Wq.55 No.1(H.244) /第2番 ヘ長調 Wq.55 No.2(H.130) / 第3番 ロ短調 Wq.55 No.3(H.245) /第5番 ヘ長調 Wq.55 No.5(H.243) 〕/ 専門家と愛好者のためのロンド付きクラヴィーア・ソナタ集第2集 より ソナタ〔第1番 ト長調 Wq.56 No.2(H.246) /第2番 ヘ長調 Wq.56 No.4(H.269) / 第3番 イ長調 Wq.56 No.6(H.270) 〕 ミクローシュ・シュパーニ(クラヴィコード) | |||
録音:2014年7月、キーゼル・ホール、シント・トロイデン、ベルギー。 | |||
Folke Gräsbeck plays Sibelius on the Ainola Piano 〜シベリウス: アンダンティーノ ロ長調 JS44 (1888) /アレグレット 変ロ短調 JS18 (1888) /ラルゴ イ長調 JS117 (1888) / 6つの即興曲 Op.5 (1893) より〔第2曲 ト短調/第5番 ロ短調〕/ 10の小品 Op.24 より〔第3番「カプリース」(1898) /第9番「ロマンス」 変ニ長調(1901) 〕/ フィンランディア Op.26(作曲家編曲/ピアノ独奏版)/ミュゼット Op.27 No.3 (1898) /樅の木 Op.75 No.5 / ポルカ「アイノ」 ハ短調(1902-05) /悲しきワルツ Op.44 No.1(作曲家編曲/ピアノ独奏版)/ パンとエコー Op.53 (1907)(作曲家編曲/ピアノ独奏版)/ロンディーノ 嬰ト短調 Op.68 No.1 (1912) / 13の小品 Op.76 より〔第2番「練習曲」(1911) /第9番「アラベスク」(1914) /第10番「悲劇的に」(1916) / 第12番「小カプリッチョ」(1914) /第13番「道化」(1916) 〕/5つの小品(草花の組曲) Op.85 / アンダンティーノ JS 201 (1919) /コン・パッショーネ JS 53 (1919) / 8つの小品 Op.99 (1922) より〔第3番「思い出」/第7番「ワルツの時間」〕/ ロマンティックな情景 Op.101 No.5 (1923-24) /村の教会 Op.103 No.1 /風景 II (1928-29) フォルケ・グラスベック(P) | |||
録音:2014年5月、アイノラ、フィンランド。使用楽器: Steinway, No.171261(シベリウス自邸〔アイノラ〕の愛器)。 シベリウス・イヤーにふさわしい1枚が登場。シベリウスが長年家族と住み続けたアイノラの自邸の愛器を使用したシベリウスのピアノ作品集で、演奏はシベリウス作品の研究者としても名高いフォルケ・グラスベック。グラスベックはこれらの作品の一部をシベリウス完全全集 (BIS-1927) でも録音しているが、当ディスクとは別録音。管弦楽曲のピアノ版である「フィンランディア」、「悲しきワルツ」など、シベリウスの代表作を楽しめるばかりでなく、シベリウス初期の小品も含まれており、シベリウス・ファンならずとも興味深い1枚。なお、当録音の使用楽器はシベリウス50歳の誕生日プレゼントでもらったスタインウェイで、以後シベリウスはこの楽器を大切にしたという。 | |||
ロルフ・マッティンソン(1956-): オープンマインド Op.71 (2005) /エミリ・ディキンソンの詩による管弦楽歌曲集 Op.82a (2009/11) (*) / A.S.追悼 Op.50b (1999 rev.2001) (弦楽オーケストラ版)/管弦楽のための協奏曲 Op.81 (#) リサ・ラーション(S;*) アンドルー・マンゼ指揮(#以外) サカリ・オラモ指揮(*) 王立ストックホルムpo. | |||
録音:2015年5月(*/#)、2017年8月(無印)、ストックホルム・コンサートホール、スウェーデン。 ロルフ・マッティンソン(1956-)は、スウェーデンのスコーネ地方の生まれ。マルメ音楽大学とルンド大学でブライアン・ファーニホー、ハンス・エークルンド、スヴェン=エーリク・ベック、スヴェン=エーリク・ユーハンソン、スヴェン=エーリク・サンドストレム、ステーン・インゲルフといった、スタイルと語法の異なる作曲家たちに学んだ。自分の美意識よりも他者とのコミュニケーションを考える彼の音楽は、多くの聴き手から支持され、現代スウェーデンでもっとも人気の高い作曲家のひとりに挙げられている。「オープンマインド」は、スウェーデン放送so. が、2005年の「バルト海フェスティヴァル」のために委嘱。「コンサートを「開始する」ための短く、効果的な導入音楽」と「楽想、言葉によらない表現、スタイルを「心を開いて」選ぶ」を重ねた曲名がつけられている。南北戦争とその戦後の時代を生き、マサチューセッツの大学町アマストの家で隠遁者のように過ごしたエミリ・ディキンソン(1830-1886)の詩をテクストに採った歌曲は、アメリカのコープランドやネッド・ローレムの作品が知られている。マッティンソンの「エミリ・ディキンソンの詩による管弦楽歌曲集」は、10 篇の詩をテーマによって「愛」「自然」「人生」の3グループに分け、彼女の詩の光と陰影を表現するためグロッケンシュピール、ヴィブラフォーン、チェレスタ、ハープを際立たせたオーケストレーションによる作品に仕上げられている。アンネ・ソフィ・フォン・オッターが初演、リサ・ラーションに献呈された。「アルノルト・シェーンベルク」と1899年作曲の「浄められた夜」のNX-100周年を記念する「A.S.追悼」の「弦楽オーケストラ版」は、ネーメ・ヤルヴィに献呈され、ヨーテボリso. が2002年の日本ツアーでも演奏している。「管弦楽のための協奏曲」は、マッティンソンの音楽を特集した2008年の「ストックホルム国際作曲家フェスティヴァル」のための作品。このディスクの3曲を含む、フェスティヴァルで演奏される彼の作品、そしてシェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」の断片が引用された、「Con forza(力強く)」「Molto espressivo(きわめて表情ゆたかに)」「Amabile e dolcissimo ? Tumultuoso(愛らしく、きわめて甘く-騒然と)」の3つの対照的な楽章から構成されている。 | |||
リットン&ベルゲン・フィル〜プロコフィエフ:作品シリーズ Vol.5 − 交響曲集 Vol.3 〔第4番 ハ長調 Op.112 (1947) (*) /第7番 嬰ハ短調 Op.131「青春」/ 第7番 嬰ハ短調 Op.131「青春」〜第4楽章(異稿)〕 アンドルー・リットン指揮ベルゲンpo. | |||
録音:2014年1月(*)、2015年5月(*以外)、グリーグ・ホール、ベルゲン、ノルウェー。アンドルー・リットン指揮ベルゲンpo.によるプロコフィエフ作品集。『ロメオとジュリエット』(BISSA-1301)、フレディ・ケンプとのピアノ協奏曲集(BISSA-1820)、交響曲第6番(BISSA-1994)、交響曲第5番(BISSA-2124)に続く第5弾。 交響曲第7番は、終楽章の終結部を弱奏のピチカート奏法で終わるものと、サムイル・サモスードの要望によりオリジナルの終結部に20小節ほどが追加された異稿も収録している。今回もリットンのプロコフィエフはゴージャスで、色彩豊かなオーケストラ・サウンドを満喫出来る。 | |||
ユーハン・ヘルミク・ルーマン(1694-1758):12のチェンバロ・ソナタ集 Vol.2 〔第8番 イ長調 BeRI 232 (*) /第9番 ニ短調 BeRI 233 /第10番 ロ短調 BeRI 234 / 第11番 ヘ短調 BeRI 235 /第12番 ホ短調 BeRI 236 〕/ソナタ ハ長調 BeRI 215 ユーハン・アグレル(1701-1765):ソナタ第2番 ハ長調 アンナ・パラディソ(Cemb) | |||
録音:2013年11月(*)、2014年10月(*以外)、レンナ教会、スウェーデン。 Vol.1: BISSA-2095 。ストックホルム生まれで、18世紀スウェーデンの音楽界における重鎮作曲家のルーマンは、 ロンドンに留学してヘンデルにイタリア・バロック音楽様式について薫陶を受け、帰国後宮廷楽長を務めた。北欧では「スウェーデン音楽の父」「スウェーデンのヘンデル」等と呼ばれる。当チェンバロ・ソナタ集はバロック時代の様式に従い、またイタリア・バロックの影響を呈し、明快で華やかなアルペッジョは実に優美。演奏のアンナ・パラディソはルーマンの作品を積極的に演奏・録音しており、当チェンバロ・ソナタ集のほか、ダン・ラウリンと共演したフルートと通奏低音のためのソナタ集(BISSA-2105)もある。 | |||
High, Low or In Between 1) Come Down in Time (Elton John/Bernie Taupin)/ 2) We Walk in a Fog(Jussi Chydenius/Eino Leino/Jaakko Mäntyjärvi)/ 3) Here Comes the Sun(George Harrison)/ 4) Green(Svante Henryson)(instrumental)/ 5) A Little Kindness (Katarina Henryson/Svante Henryson)/ 6) Eyes of a Child(Katarina Henryson/Svante Henryson)/ 7) The Dry Cleaner from Des Moines (Charlie Mingus/Joni Mitchell)/ 8) High(cello improvisation)/ 9) I Found the Key (Katarina Henryson)/ 10) So Long, Frank Lloyd Wright (Paul Simon)/ 11) In between(cello improvisation)/ 12) Everybody’s Got to Learn Sometime (James Warren)/ 13) Kiss (Prince Rogers Nelson)/ 14) Low(cello improvisation)/ 15) Det växer från Edens tider (Ture Gudmundsson/trad.)/ 16) Siv Larssons dagbok (Chega de Saudade)(Antonio Carlos Jobim/Tage Danielsson)/ 17) Monicas vals (Waltz for Debby)(Bill Evans/Gene Lees/Beppe Wolgers) カタリーナ・ヘンリソン(Vo) スヴァンテ・ヘンリソン(Vc/チェロ編曲) | |||
録音:2014年4月、アーティペラーグ、グスタフスベリ、スウェーデン。人気アカペラ・アンサンブル「リアル・グループ」のカタリーナ・ヘンリソンと、元オスロ・フィルハーモニックの首席コントラバス奏者のスヴァンテ・ヘンリソンがチェロを弾く夫婦デュオのファースト・アルバム。『選曲は二人にとって大事な作品で構成されております。1999年の夏、最初の子が生まれた時にふたりで作り、デュオで演奏した最初の歌《EyesofaChild》、テューレ・グードムンドソンが伝承の詩に曲を書いた《DetväxerfrånEdenstider(エデンの時より育ち)》は娘の命名式、サイモン&ガーファンクルのアルバム『明日に架ける橋』の《SoLong,FrankLloydWright》(フランク・ロイド・ライトに捧げる歌)はスヴァンテの建築家の妹の誕生日、プリンスの《Kiss》はクラリネット奏者マルティン・フレストの結婚式、フィンランドの歌に英語歌詞がつけられた《WeWalkinaFog》は、ピアニストのローランド・ペンティネンの誕生パーティで、それぞれ演奏されました。★ビートルズのアルバム『アビイ・ロード』に収録されたジョージ・ハリソンの《HereComestheSun》は、「ライト・ライブリフッド賞」が太陽エネルギー研究の先駆者に授与された、スウェーデン議会で行われた授与式で歌った曲。「ザ・コーギス」のジェームズ・ウォーレンが作った《Everybody’sGottoLearnSometime》(永遠の想い)は、ノルウェーの「ヤイロ・アイスミュージック・フェスティヴァル」で演奏されました。このときスヴァンテは、ミトンを手にはめ、氷で作ったチェロを弾いたといいます。★リアル・グループのナンバーからは、カタリーナの書いた《ALittleKindness》と《IFoundtheKey》。ジャズシンガーのモニカ・セッテルルンドが歌った2曲、アントニオ・カルロス・ジョビンの《ChegadeSaudade》にスウェーデン語歌詞をつけた《SivLarssonsdagbok(シヴ・ラーションの日記)》とビル・エヴァンスの《WaltzforDebbie》による《MonicasVals(モニカのワルツ)》も、リアル・グループがレパートリーにしています。エルトン・ジョンとバーニー・トーピンの『TheTumbleweedConnection(エルトン・ジョン3)』から《ComeDowninTime》(遅れないでいらっしゃい)と、シンガーソングライターのジョニ・ミッチェルがアルバム『Mingus(ミンガス)』で歌った《TheDryCleanerfromDesMoines》は、お気に入りの作品として収録されました。★スヴァンテが作曲した《Green》は、チェロのソロのための曲。スヴァンテは、プログラムの途中、《High》《InBetween》《Low》を即興で演奏し、それがアルバム・タイトルに採られました。彼が弾く楽器は、フランソワ・シャノが1818年に製作したチェロ。ギターに似た形の胴体、独特の形状の糸倉とf字孔と、ユニークな楽器です。カタリーナのヴォーカルとスヴァンテの多彩な「チェロ」のコラボレーションをお楽しみ下さい。カタリーナ&スヴァンテ・ヘンリソン(プロフィール)カタリーナ・ヘンリソン(1964–)はストックホルム生まれ。王立音楽アカデミーで学び、1984年の創設時、リアル・グループに加わり、「アルト」を担当しています。スヴァンテ・ヘンリソン(1963–)もストックホルム生まれ。北部のウメオで育ち、ジャズとロックのベーシストとしてキャリアをスタートさせました。プラハ音楽アカデミーで学んだ後、最年少の首席コントラバス奏者としてオスロ・フィルハーモニックに入団。その後「Uターン」し、ユングヴィ・マルムステーンのヘヴィメタル・バンドにベーシストとして参加、世界をまわるツアーの間に独学でチェロを身につけました。チェロ、ベースギター、コントラバス。三つの楽器を使い分けながら、エルヴィス・コステロ、チコ・フリーマン、シェティル・ビョルンスタ、パレ・ミケルボー、アンネ・ゾフィー・フォン・オッターをはじめ、ロック、ジャズ、クラシカルの音楽家と共演し、作曲家としても知られます。』 | |||
ブラームス:ピアノ独奏曲全集 Vol.4 パガニーニの主題による変奏曲 Op.35 /4つのバラード Op.10 /2つの狂詩曲 Op.79 /4つの小品 Op.119 ジョナサン・プロウライト(P|使用楽器: Steinway D 274 ) | |||
録音:2016年1月、ポットン・ホール。 「優しさと力強さを兼ね備えたピアニスト」と称されるイギリスの名手、ジョナサン・プロウライト。BISレーベルで遂行中のブラームスのピアノ独奏曲全集、期待の第4弾はパガニーニの主題による変奏曲を主軸にバラード集、2つの狂詩曲、4つの小品が収録された。情緒の深みに加えてブラームスらしい威厳に満ちたパガニーニの主題による変奏曲は超絶技巧を要求されるが、プロウライトは卓越した技術と研ぎ澄まされた感性で表現している。 | |||
スドビン〜D.スカルラッティ:鍵盤楽器のための18のソナタ集(ソナタ集 Vol.2) 〔ニ短調 K.417 /イ長調 K.208 /ハ長調 K.159 /ハ短調 K.56 /ニ短調 K.213 /ト長調 K.125 / ト短調 K.373 /ニ長調 K.119 /ヘ短調 K.69 /ト長調 K.425 /ニ長調 K.29 /ハ短調 K.99 / ト短調 K.12 /ニ長調 K.479 /ニ短調 K.9 /嬰ヘ長調 K.318 /ニ短調 K.141 /ニ短調 K.32 〕 エフゲニー・スドビン(P) | |||
録音:2014年7月、2015年2月、2015年7月、聖ジョージ、ブリストル、 UK 。スクリャービンとメトネルのピアノ協奏曲を収録したアルバム(BISSA-2088)がインターナショナル・クラシック・ミュージック・アワード(ICMA)2016 の協奏曲部門を受賞、世界が注目するピアニスト、エフゲニー・スドビンによる、代名詞ともなった2004年録音のデビュー盤(BIS-1508)以来のD.スカルラッティ。前作は発売時にヨーロッパで大騒ぎとなり、日本でもレコード芸術特選盤になるなど話題となった。あれから10年。光り輝く音色、歯切れのよいタッチ、流れるような推進力、絶妙な歌い回しを持ち味とするスドビンから紡ぎだされるスカルラッティは絶品の極みで、欧米で「ホロヴィッツの再来」とも評されているのも納得の出来栄え。現在の充実ぶりをうかがえる大注目盤。 | |||
夢と同じ糸で ペア・ネアゴー(1932-):混声合唱と任意の打楽器のための「夢の歌」(1981) / 8部合唱と8つの楽器のための「歌え、わが心よ、お前の知らぬ庭の歌を」(1974) ヘルムート・ラッヘンマン(1935-):16部混声合唱のための「慰め II 」(ヴェッソブルン祈祷書)(1968) アルフレード・ヤンソン(1937-):二重合唱、2つのチェロ、ハープと2人の打楽器奏者のための夜想曲(1967) カイヤ・サーリアホ(1952-2023):女声3人、クロタル、ヴァイオリンとチェロのための「確信」(1967) / 混声合唱と4 人の独唱者のための「夜、さらば」(1991/96) ヤニス・クセナキス(1922-2001):12部の混声または混声合唱のための「夜」(1967-68) ノルウェー・ソリストcho. グレーテ・ペーデシェン指揮オスロ・シンフォニエッタ | |||
録音:2015年6月、ソフィエンベルグ教会、オスロ、ノルウェー。ノルウェー・ソリスト合唱団はオスロを本拠とする室内合唱団。1950年に作曲家クヌート・ニューステットが創設、1990年からグレーテ・ペーデシェンが芸術監督を務め、洞察にもとづく解釈とひろがりのある深い響きを特徴とする音楽により、高い評価と人気を得てきた。当ディスクはニューステットへの墓碑銘とした「わが命の光」(BISSA-2184)に続くBISレーベル第8弾。★「我々は夢と同じ糸で織り上げられている」(シェイクスピア「テンペスト」(第4幕第1場)松岡和子訳・ちくま文庫)。プロスペローの台詞をアルバム・タイトルに「それぞれの時代だけでなく、私たちの前にひらけてゆく時代に向けた、前向きで望みにあふれた作品」による「夜と夢」を枠組みとしたプログラムが組まれた。デンマークのペア・ヌアゴー(ペーア・ネアゴー)の作品が2曲。デンマークの作家フィン・メトリングが中国の詩を基本にして作った「少年が夢に見た将来の自分の姿を語る」詩を民謡を思わせる旋律を織りまぜながら歌う「夢の歌」。リルケの「オルフェウスに寄せるソネット」(第2部・第21番)をテクストに、シューベルトの「君はわが憩い」と「アヴェ・マリア」の断片も引用した「歌え、わが心よ、お前の知らぬ庭の歌を」。ラッヘンマンの「慰めII」は、ドイツ語による最古のキリスト教祈祷書「ヴェッソブルン祈祷書」にテクストを求めた作品。ノルウェーのアルフレード・ヤンソンの「夜想曲」は、ニーチェの「ツァラトゥストラはこう語った」から「……深い真夜中は何を語るか。「私は眠った、眠った--深い夢から私は目覚めた……」と歌う「ツァラトゥストラのラウンドレイ」を使い、実験的な語法も交えたネオロマンティックな歌に作っている。クセナキスは「シュメール語、アッカド語、古代ギリシャのアカイアの言語とその他の音素」をコラージュしたテクストによる「夜」を作曲、祖国ギリシャの政治犯に捧げる作品とした。フィンランドのサーリアホは、ヘルダーリンの「光と闇の対照」を語る詩を「過去と現在が昏睡状態のように交差する姿」として表現した小曲「確信」に作り、ジャック・ルボーの小説「光の交換」とバルザックの「セラフィタ」の抜粋をテクストに使い、2つの部分に分かれる「夜、さらば」に書きあげた。 | |||
チャイコフスキー: グランド・ソナタ ト長調 Op.37 (1878) / 「四季」〜12の性格的描写 Op.37b (1876) |
フレディ・ケンプ(P |使用楽器: Fazioli, F 278) | ||
録音:2014年11月、バヴァリア・スタジオ、ミュンヘン。BISレーベルの看板アーティスト、フレディ・ケンプがついにチャイコフスキーのピアノ独奏作品に挑む。F.ケンプは1998年にチャイコフスキー国際コンクールピアノ部門第3位受賞後注目され、BISレーベルの社主ロベルト・フォン・バール氏はその豊かな才能に惚れ込み、シューマン、ベートーヴェン、ショパン、ラフマニノフといった主要レパートリーを収録してきた。F.ケンプにとってチャイコフスキーの作品には格別の思いを持っており、これまでにピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出」(BIS-1302)を録音している。近年の成長ぶりを表した語り口の巧さで名作「四季」、難曲「グランド・ソナタ」に挑む。なお当録音ではイタリアのファツィオリを使用。多様なニュアンスを表現している。 | |||
ストックホルムのファゴット… フランス・ベールヴァルド(1796-1868): クラリネット、ホルン、ファゴット、ヴァイオリン、ヴィオラ、 チェロとコントラバスのための七重奏曲 変ロ長調(1817, rev.1828) / ピアノ、クラリネット、ホルンとファゴットのための四重奏曲 変ホ長調(1819) エドゥアール・ドゥピュイ(1770頃-1822):ファゴットと弦楽のための五重奏曲 イ短調 ドンナ・アグレル(Fg) ロレンツォ・コッポラ(Cl) トイネス・ヴァン・デア・ツヴァルト(Hr) マルク・デストリュベ、 フランク・ポールマン(Vn) 森田芳子(Va) アルベルト・ブリュッヘン(Vc) ロベルト・フラネンベルク(Cb) ロナルド・ブラウティハム(Fp) | |||
録音:2015年1月、ドープスヘヅィンデ教会、オランダ。 19世紀初期にストックホルムで作曲され、ドイツに生まれ19世紀のはじめからスウェーデンで活躍したファゴットのヴィルトゥオーゾ、フランス・プロイマイヤー(1782-1853)が演奏した室内楽作品集。 1981年の創設時から18世紀オーケストラで演奏したオランダのファゴット奏者、ドンナ・アグレルと友人たちによる録音。プログラムは、先進性と独創性にあふれた音楽がスウェーデンの保守的な音楽界に受け入れられず、没する前年になって王立音楽アカデミーの会員に選ばれた「風変わりなロマンティスト」フランス・ベールヴァルドの作品が2曲。ベートーヴェンの 変ホ長調の作品と同じクラリネット、ホルン、ファゴット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとコントラバスの楽器編成をとり、“プレスティッシモ "の音楽を中間部にはさむ緩徐楽章が特徴的な七重奏曲 変ロ長調。クラリネット協奏曲や四重奏曲の作曲家としても有名なクルーセルが参加した初演のあとベールヴァルドが批評家と激しくやりあったという、ピアノ、クラリネット、ホルンとファゴットのための四重奏曲 変ホ長調。ジングシュピール「若さと愚かさ」の作曲者として知られ、スウェーデンとデンマークでヴァイオリニスト、歌手、作曲家として活躍したスイス生まれのエドゥアール・ドゥピュイの作品からは、ベールヴァルドの作品と同じくオペラのようなメロディに彩られた、ファゴットと弦楽のための五重奏曲 イ短調が演奏される。このアルバムでアグレルは、プロイマイヤーがこよなく愛したというグレンザーの楽器に極めて近いと思われる、1820年頃製作のグレンザー・ファゴットを演奏に使用している。ロナルド・ブラウティハム、森田芳子など豪華共演陣にも注目。 | |||
グルズマン〜プロコフィエフ: ヴァイオリン協奏曲〔第1番ニ長調 Op.19 (*) / 第2番ト短調 Op.63 (#) 〕/ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.115 (+) |
ワジム・グルズマン(Vn) ネーメ・ヤルヴィ指揮(*/#) エストニア国立so.(*/#) | ||
録音:2015年7月(*/+)、2014年5月(#)、エストニア・コンサート・ホール、エストニア(*/#)、センデザール、ブレーメン、ドイツ(+) 。使用ヴァイオリン:ストラディヴァリウス 'ex-LeopoldAuer'、1690年製。 抜群の音程感とテクニックを持つ鬼才ヴァイオリスト、ワジム・グルズマンのプロコフィエフ第2弾。ネーメ・ヤルヴィ率いるエストニア国立so.の好サポートのもとグルズマンらしい歯切れの良さを披露している。 | |||
ハインリヒ・ハイネの詩による歌曲集 シューマン:歌曲集「リーダークライス」Op.24 フランツ(1815-1892):15の歌「失恋」 〔素晴らしく美しい五月に Op.25 No.5 /赤い唇のおとめ Op.5 No.5 /青い若芽 Op.20 No.1 / 聖なるラインの流れに Op.18 No.2 /僕の心をひたしたい Op.43 No.4 /床に就くと Op.37 No.6 / 鳴り響き吹きすさぶ Op.8 No.4 /毎晩夢の中で Op.9 No.4 /あの子は今日は来てくれるだろうか? Op.25 No.4 / 夕べに森をさまよえば Op.39 No.4 /失恋 Op.20 No.3 /明るい夏の朝に Op.11 No.2 / ぼくは夢の中で泣いた Op.25 No.3 /いとしい恋人よ かわいい手 Op.17 No.3 /私の大きな苦しみから Op.5 No.1〕/ 8つの歌「黒い航海で」 〔黒い航海で Op.18 No.6 /海の旅 Op.18 No.4 /海の上で Op.5 No.3 /海の上で Op.11 No.5 / 海の上で Op.25 No.6 /海の上で Op.6 No.3 /海の上で Op.9 No.6 /輝く海 Op.39 No.3 〕 リスト:5つの歌 〔ラインの美しき流れに S.272 /朝ぼくは起きるとこう問いかけてみる S.290 /ローレライ S.273 / はじめはぼくはほとんどだめだと思っていた S.311 /一本のとうひの木がひとりぼっちで立っている S.309 〕 クリスティアン・イムラー(Br) ジョルジュ・スタロビンスキ(P) | |||
録音:2014年9月、バーゼル音楽院、スイス。バッハ・コレギウム・ジャパンにも度々登場するバリトン歌手イムラーがハインリヒ・ハイネの詩による歌曲を録音。 | |||
コペンハーゲン・リサイタル グリンカ:エレジー / ダルゴムィシスキー:私は悲しい チャイコフスキー:舞踏会のざわめきの中で/ただ憧れを知る者が レベデフ:演奏会用アレグロ / テレマン:ソナタ ヘ短調 TWV 41: F1 シューマン:アダージョとアレグロ Op.70 / ダニエル・シュニーダー:1941年冬 セーアン・ヒュルゴー:コンチェルト・ボレアリス / トーラ・ボルク:空が暗くなり シュテファン・シュルツ(バス・Tb) 富所小織(P) | |||
録音:2012年11月、スタジオ4、DR コンサートホール、コペンハーゲン。BPOのバス・トロンボーン奏者を務め、名実ともに世界一のバストロ奏者であるシュテファン・シュルツが、2008年の「ベルリン・リサイタル」(BIS-1824)から4年を経て、第2弾「コペンハーゲン・リサイタル」をリリース。叙情的なロシア歌曲を一流の歌ごごろで披露した後、難技巧とラフマニノフ調の旋律美にあふれたレベデフで妙技をたっぷり堪能。スイス出身のシュニーダー作品は、第2次世界大戦中の出来事を題材とし、激しい戦闘とその後の不気味な静けさを対比させている。デンマークのヒュルゴーは、映画や商業音楽の世界で活躍する中堅作曲家。2001年作曲のトロンボーンとウィンドo. のためのラプソディを、シュルツのリクエストでバス・トロンボーンと管弦楽のために書き直し、「コンチェルト・ボレアリス」とした。バス・トロンボーンの優しく甘い音を堪能出来る。バストロ関係者必携の1枚。 | |||
ロック・ザット・フルート〜 キエル・マイエリング(1954-):イーグル・リコーダーと弦楽のための協奏曲(2012-13) ダン・ラウリン(リコーダー) ヤン・ビョーランゲル(リーダー) 1B1(室内o.) | |||
録音:2014年2月、スタヴァンゲル・コンサートホール、ノルウェー。リコーダー界の鬼才ダン・ラウリンが現代作曲家マイエリングの超絶技巧作品に挑戦。リコーダーの限界に挑戦したかのように超絶技巧が随所に散りばめられている。イーグル・リコーダーとは2008年に開発された楽器で、通常のリコーダーの音域に加えサクソフォンのキーと同じ機能がついており、リコーダーの温かい音色に加え、弦楽の音量にも負けないクリアで鋭い音色を奏でることが出来る。第8曲「ロック・ザット・フルート」の名の通り、当作品はタテのりでガンガン攻めまくり、無窮動のパッセージが随所にあらわれる。弦楽との対話も刺激的で一度聴くと不思議な魅力にとりつかれる。マイエリングの作風らしく細かいパッセージが続き、さらには効果的な声も交えそれらの響きは非常に新鮮。オーディオ的にも注目の1枚。演奏の1B1はビェルグステ1番地(Bjergsted 1)を本拠とするモダーン楽器アンサンブルで、スタヴァンゲルが2008年の「ヨーロッパ文化の首都」に選ばれた際にスタヴァンゲル大学で教える音楽家とスタンヴァンゲルso. のメンバーを加え創設された注目のアンサンブル。 | |||
ススリン&グバイドゥーリナ:室内楽作品集 ヴィクトル・ススリン(1942-): 無伴奏ヴァイオリンのための「モビリス」(1995) /ヴィオラとチェンバロのためのソナタ・カプリッチョーザ(1986) / ヴィオラ、チェロ、コントラバスのための「国境を越えて」(1990) / 無伴奏ヴァイオリンのための「 1756 」(2005) /2つのヴァイオリンのための「旅立ち」によるカプリッチョ(1979) グバイドゥーリナ:ヴァイオリン、コントラバス、ピアノ、打楽器のための「ご勝手に」(2013) ヌリト・スターク(Vn/Va) セドリック・ペシャ(Cemb/P) オリガ・ドヴブシュ=ルボツキー(Vc) アレクサンドル・ススリン(Cb) レベッカ・バイヤー(Vn) 齋藤易子(Perc) | |||
録音:2013年4月、10月、ヴィラ・エリーザベト、ベルリン。ヴィクトル・ススリンは旧ソ連時代に前衛作風を繰り広げ、グバイドゥーリナらと即興演奏集団「アストレイア」を結成、1981年に西ドイツへ亡命し、現在も同地で活躍している。このアルバムには疑古典的手法による作品が集められ、チェンバロの用い方など彼の同志だったシュニトケを思わせる。最近作「1756」は2005年に行われた第6回レオポルト・モーツァルト・ヴァイオリンコンクールの課題曲として作られ、後に当演奏者のヌリト・スタークに献呈された。タイトルはヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの生年を意味し、弦楽四重奏曲「不協和音」K.465の導入部やレクイエムのラクリモーサが引用される。ヴァイオリンのヌリト・スタークは1979年生まれのイスラエルの新進。ジュリアード音楽院でロバート・マンに、ケルンでアルバン・ベルクSQに師事した今後再注目の一人。 | |||
ブラームス:ピアノ独奏曲全集 Vol.5 ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 Op.1 / 幻想曲集 Op.116 / シューマンの主題による変奏曲 嬰ヘ短調 Op.9 |
ジョナサン・プロウライト (P|使用楽器: Steinway D 274 ) | ||
録音:2016年1月、ポットン・ホール。 「優しさと力強さを兼ね備えたピアニスト」と称されるイギリスの名手、ジョナサン・プロウライト。BISレーベルで遂行中のブラームスのピアノ独奏曲全集、期待の第5弾にはピアノ・ソナタ第1番、幻想曲集、そしてシューマンの主題による変奏曲が収録された。ブラームスらしい情緒の深みに加えて威厳に満ちた作品が並ぶ。プロウライトは卓越した技術と研ぎ澄まされた感性で表現している。 | |||
キャスリン・ストット〜 Solitaires, French Piano Music ジャン・アラン(1911-1940):前奏曲とフーガ(1935) / デュティユー:ピアノ・ソナタ(1946-48) ラヴェル:クープランの墓(1914-17) / メシアン:幼子イエスに注ぐ20の眼差し(1944) 〜幼子イエスの口づけ キャスリン・ストット(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2014年8月、セント・ピーターズ・ハレ、マンチェスター。イギリスの実力派女性ピアニスト、キャスリン・ストットが4人のフランス人作曲家が20世紀前半に残した作品を収録。音楽一家に生まれたジャン・アラン(1911-40)は、20世紀音楽の中でも独創的な音楽作品を残したが、第2次世界大戦に従軍して戦死した。しかし、妹でオルガニストのマリー=クレール・アランが兄ジャンの作品「連祷」を演奏会の度に取り上げ、その名を後世に残した。マリー=クレールによると、ここに収録された前奏曲とフーガのフーガはオルガンのために編曲もされたが、前奏曲があまりにピアニスティックな奏法が多かったためにこの形で完成したようだ。リズミカルで自由な前奏曲と非常に簡潔なフーガとの絶妙なバランスが魅力の小品。デュティユーの代表作にして記念すべき作品1としたピアノ・ソナタは、第2次世界大戦後の1947-48年に作曲、同年パリで初演され、夫人でピアニストのジュヌヴィエーヴ・ジョワに献呈された。神秘的かつ官能的な作品。ラヴェルの代表曲の一つであるクープランの墓はクープランの様式を借りた擬古典主義の作品で、各曲(1. 前奏曲/フーガ/フォルラーヌ/リゴードン/メヌエット/トッカータ)に第1次大戦で没した若い人への献辞がある。メシアンの幼な子イエスの口づけは、1944年に作曲した独奏ピアノのために作曲した組曲「幼な子イエスにそそぐ20の眼差し」の1曲で、カトリック神秘主義的題材に基づいた作品。初演はこの曲を献呈されたピアニスト、イヴォンヌ・ロリオによって1945年パリで行われた。 | |||
ジョン・ケージ: アリア〜フォンタナ・ミックス(1958) /拍手の付いた聖歌/ソネクス² (1985) / 8つのウィスクス/花(1950) /18回目の春を迎えたすばらしい未亡人(1942) / ナウス・アポン・ナハト(1984) /経験第2番(1945-48) /龍安寺(1983-85)(声とパーカッション版) ニコラス・イシャーウッド(B−Br)他? | |||
録音:2014年5月、キュステン、ドイツ。20世紀のクラシック界に衝撃をもたらしたアメリカの作曲家、ジョン・ケージ。実験的音楽とも言える作品を数多く残したが、このディスクには声楽作品がおさめられた。アリアは1959年ローマで初演され、楽譜は彩色によって表わされた図形楽譜を用いた作品。花は1952年にニューヨークで初演され、声とふたを閉じたピアノをげんこつでたたく奏法という衝撃的な作品はケージの真骨頂と言える名作。ケージの作品を得意としたニコラス・イシャーウッドによる充実のアルバム。 | |||
a la russe - Alexandre Kantorow ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第1番 ニ短調 Op.28 チャイコフスキー:18の小品 Op.72 より〔第5曲「瞑想曲」/第17曲「遠い昔」〕/ 2つの小品 Op.1 〜第1曲「ロシア風スケルツォ」 変ロ長調 ストラヴィンスキー/アゴスティ編曲:バレエ「火の鳥」 / バラキレフ:イスラメイ Op.18 アレクサンドル・カントロフ(P|使用楽器:YAMAHA) | |||
録音:2016年4月、 Studio 4'33、イヴリー=シュル=セーヌ、フランス。ジャン=ジャック・カントロフの子息であるピアニスト、アレクサンドル・カントロフ。フランスのレヴューで“リストの生まれ変わり " と評されたその輝かしい才能が紡ぎだす BIS レーベル第2弾は、ロシアの作曲家に焦点を当てた。冒頭のラフマニノフのピアノ・ソナタ第1番から10代とは思えぬほど思慮深い演奏を披露。またグイド・アゴスティ編による『火の鳥』や超絶技巧作品のイスラメイで聴く圧倒的なテクニックには脱帽。さらにチャイコフスキーで聴く感受性豊かな表現も持ち合わせており、輝かしい才能に無限の可能性を感じさせる。1997年生まれのアレクサンドルは父親譲りの音楽的才能の持ち主で、16歳のときにはナントおよびワルシャワでのラ・フォルジュルネでシンフォニア・ヴァルソヴィアと共演し、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を披露。抜群のテクニックと情感豊かな演奏で聴衆を熱狂させた。衝撃のデビュー盤リストの協奏曲(BISSA-2100)でも話題となった。 | |||
J.S.バッハ(1685-1750): 「音楽の捧げもの」 BWV.1079 /ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 〜アリア/ 「ゴルトベルク変奏曲」の主題に基づく14のカノン BWV.1087 / フルート、ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV.1038 鈴木雅明(Cemb) バッハ・コレギウム・ジャパン・メンバー [菅きよみ(Fl) 寺神戸亮(Vn) 山口幸恵(Vn/Va) エマニュエル・バルサ(Vc)] | |||
録音:2016年8月、旧カトリック教会、ハーグ、オランダ。 鈴木雅明率いるバッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーによるバッハの「音楽の捧げもの」「、14のカノン」が登場。プロイセン王フリードリヒ2世が提示したといわれる単一主題に基づく「音楽の捧げもの」は1747年夏にライプツィヒにて成立。この曲集はバッハの作品の中でもとりわけ高度なポリフォニー技巧が駆使されており、整然としてしかも謎に満ちた楽譜の印象は「音による幾何学」とも言われる。「14のカノン」はゴルトベルク変奏曲の主題低音部に基づく14曲のカノンで1747〜1748年8月成立と推定されている。主題とその逆行形による2声のカノンの第1曲にはじまり、主題と対位主題、およびそれぞれの転回形による4声の二重カノン(第5曲)、基礎音上の5声の二重カノン(第11曲)、6声の三重カノン(第13曲)など、全14曲がさまざまな形を示す興味深い作品。そして、ソナタ ト長調 BWV.1038はブランデンブルク協奏曲第3番の終楽章を思わせる軽快な第2楽章のフガートやフルートとヴァイオリンの憂いに満ちた二重奏が聴かせる第3楽章が印象的な作品。鈴木雅明率いるBCJメンバーによる極上のアンサンブルでお楽しみ頂きたい。 | |||
ヘルステニウス&マトレ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集 ヘンリク・ヘルステニウス(1963-): 管弦楽のための「暗い部屋にある物体のように」(2007, rev.2014) / ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための「追悼」(ヴァイオリン協奏曲第2番)(2012, rev.2013) オルヤン・マトレ(1979-):ヴァイオリン協奏曲(2014)(ヴァイオリンと管弦楽のための版)/ 管弦楽のための「 preSage 」(2013, rev.2015) ペーテル・ヘッレスタール(Vn) ロルフ・グプタ指揮スタヴァンゲルso. | |||
録音:2014年8月、2015年4月、スタヴァンゲル・コンサートホール、ノルウェー。ノルウェーのヴァイオリニスト、ペーテル・ヘッレスタールと作曲家でもあるロルフ・グプタ指揮のスタヴァンゲルso.による、ノルウェーの作曲家2人による4作。ヘルステニウスの「暗い部屋にある物体のように」は、異なる物体が異なる速度で回っているメリーゴーランドをイメージした作品。一方、父「エーリク・ヘルステニウス(1930-2011)の思い出に捧げる」「追悼」は、ヘルステニウスがヘッレスタールのために作曲したヴァイオリン協奏曲第2番。鮮やかでありながらも目立たない美しさと、もろいものの、力、音域、表現の幅が極めて広い音世界が特徴の音楽。マトレのヴァイオリン協奏曲は、ヘッレスタールがノルウェー作曲家基金から支援を受け、委嘱した作品。紗のように繊細な倍音、長音で自由に動きま わる旋律線といった、ヘッレスタールの技巧と音域を念頭に置いて作曲された。「ヴァイオリンとアンサンブル」と「ヴァイオリンと管弦楽」の2つの 版のうち、ヘッレスタールが演奏する機会の多い管弦楽版で録音された。最後の管弦楽のための「preSage」は、コンサートの始まりの「小品」と してオスロ・フィルハーモニックが委嘱した作品。メインプログラムに予定されたストラヴィンスキーの「春の祭典」の第1部のエピソード「長老(The Sage / Le Sage)」から素材を採り、それを曲名に反映した作品(“preSage " =「“Sage " の前」、“presage " =前兆)。 | |||
クリストファー・シンプソン(1605-1669): 20のエア〔第1番−第3番 ハ長調/第4番−第7番 変ロ長調(*) /第8番−第13番 ニ長調/ 第14番−第16番 ニ短調(*) /第17番−第20番 ト短調 〕/ 2つのディヴィジョン ヘ長調 & イ短調/2つのディヴィジョン ハ長調 & イ短調 チェリーズ・コンソート・オブ・ヴァイオルズ | |||
録音:2013年7月、ガートン・カレッジ・チャペル、ケンブリッジ。(*)は世界初録音。とりわけヴァイオル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)やコンソート音楽の作曲家や音楽理論家として名を残しているイングランドの作曲家クリストファー・シンプソンの世界初録音も含む作品集。代表作としてエアとディヴィジョンがあげられる。これらの作品は熟達したヴァイオル奏者がその技巧を誇示できるような創意にあふれており技巧的で華やか。ヴァイオルの演奏団体、チェリーズ・コンソート・オブ・ヴァイオルズによる素晴らしい演奏をお楽しみ頂きたい。 | |||
カミッラ・ティリング、森で〜北欧歌曲集 シベリウス:北の国 Op.90 No.1 /6つの歌 Op.50 /春の歌/あこがれ/ 野原でおとめが歌っている/不安な胸から/静かな街/ばらの歌/森の精 JS 171 グリーグ:6つのドイツ語の歌 Op.48 /挨拶/いつの日か、わが思いは/この世のならわし/ 口をきかないナイチンゲール/ばらの季節に(青春時代に)/ある夢/白鳥 Op.25 No.2 ステーンハンマル:「歌とバラッド」〜森で/歌と気分 Op.26 から/さすらい人/胡蝶蘭/一隻の船が行く/ ブロンド嬢とブルネット嬢/逢い引きから帰ってきた娘 Op.4 No.1 アルヴェーン(1872-1960):森は眠る Op.28 No.6 カミッラ・ティリング(S) パウル・ラヴィニウス(P) | |||
録音:2014年9月、バイエルン音楽スタジオ、ミュンヘン、ドイツ。スウェーデンのソプラノ歌手カミッラ・ティリング。1999年、ロッシーニの「ランスへの旅」の女性詩人コリンナを歌ってニューヨークシティ・オペラにデビューし国際的に注目された。彼女は、ヨーテボリ大学とロンドンの王立音楽大学で学び、コヴェント・ガーデンの王立オペラの「ばらの騎士」のゾフィー役でデビュー。同じ役をシカゴのリリックオペラ、モスクワのボリショイ劇場、ベルギーのモネ劇場、ミュンヘン音楽祭で歌い、「魔笛」のパミーナや「仮面舞踏会」のオスカルをはじめとするリリックソプラノのレパートリーで再びコヴェント・ガーデンの舞台に立った。ニューヨークのメトロポリタン・オペラでは「ドン・ジョヴァンニ」のツェルリーナと「ファルスタッフ」のナンネッタを歌い、ベルリン・フィルハーモニーやボストンso. などのコンサートにも出演している。R.シュトラウスの歌曲集「赤いばら」(BISSA-1709)とシューベルトの歌曲集「ただあなたのそばに!」(BISSA-1844)をドイツのピアニスト、パウル・ラヴィニウスと共演して録音、2007年8月のグラインドボーン・オペラ公演、家庭教師役を歌ったブリテンの「ねじの回転」(エドワード・ガーティナー指揮)もライヴ録音(GFOCD-011)がリリースされている。シベリウスのお気に入りの詩人のひとり、ルーネベリのスウェーデン語の詩による「北の国」に始まり、ドイツ語の詩による「6つの歌曲」が歌われる。「森の精」はシベリウスの初期の作品のひとつ。「ビョルンは、腕っぷしの強い、眉目秀麗な若者だった……ある秋の夕暮れ、彼は宴の集まりに出かけた、月の光が木と岩を照らし、ヒューヒューと風が吹く……」。森の精に魅せられた若者ビョルンの運命を語ったヴィクトル・リュードベリのこの詩はシベリウスの心をとらえ、交響詩「クッレルヴォ」の数年後には、朗読と小編成のアンサンブルのためのメロドラマ「森の精」と管弦楽のための音詩「森の精」の2曲を新たな着想で作曲している。グリーグの作品からは、物言わず、動かず、その最後にだけ声を発する白鳥を詠んだイプセンの詩にグリーグが芸術家としての姿を重ねたと言われる「白鳥」と、ハイネ、ガイベル、ゲーテたちの詩による「6つのドイツ語の歌」。ステーンハンマルの作品は、彼のこのジャンルの代表作とも言える6曲が歌われる。牧歌的な作風で知られるイェッレルステットの詩を息の長いメロディに乗せた「森で」。歌曲集「歌と気分」からエーケルンド、カールフェルト、ブー・ベリマンの詩による4曲。歌曲集「ルーネベリの『牧歌と墓碑銘』から」の第1曲、シベリウスも歌曲に書いた「逢い引きから帰ってきた娘」も歌われる。「娘が恋人との逢い引きから帰ってきた 手を赤くしている 母は言った どうしてお前の手は赤いんだい、娘よ……」。プログラムの最後は「森は眠る」。「森は眠る。空が大地と接するところ、一筋の光が力なくあえぐ」。6月の夜、愛する人を見守る詩人の心を詠んだエルンスト・ティールの詩にアルヴェーンが作曲した。 | |||
ユーハン・ヘルミヒ・ルーマン(1694-1758): フルートと通奏低音のためのソナタ集 Vol.2 〔第6番 ロ短調 BeRI 206 (*) /第10番 ホ短調 BeRI 210 /第7番 ト長調 BeRI 207 / 第11番 ト短調 BeRI 211 /第8番 イ長調 BeRI 208 /第12番 ニ長調 BeRI 212 /第9番 ハ長調 BeRI 209 〕 ダン・ラウリン(リコーダー) パラディソ・ムジカーレ [アンナ・パラディソ(Cemb) マッツ・オロフソン(Vc) ヨナス・ノルドベルグ(バロックG)] | |||
録音:2013年10月(*)、2014年12月(*以外)、ストックスンド、スウェーデン。ダン・ラウリンをソロに迎えた、パラディソ・ムジカーレによるルーマンのフルート(リコーダー)・ソナタ集第2弾は、第6番から第12番を収録。ルーマンはストックホルム生まれの作曲家。宮廷楽長を務め北欧では「スウェーデン音楽の父」や「スウェーデンのヘンデル」とも呼ばれ、18世紀スウェーデンの音楽界における重鎮だった。ロンドンに留学したルーマンはヘンデルにイタリア・バロック音楽の様式について薫陶を受けた記録も残されている。ダン・ラウリンの卓越した技術によりルーマンの作品の奥深さがより伝わる演奏を披露。 | |||
サリー・ビーミッシュ(1956-): アコーディオンとオーケストラのための協奏曲「歌」(2006) (*) /ア・ケージ・オブ・ダヴス(2007) (#) / アルト・サクソフォンと弦楽のための「アンダー・ザ・ウィング・オブ・ザ・ロック」(2006/2008) (+) / 室内オーケストラのための「無謀」(2012) (#) /トランペット協奏曲(2003) (**) ジェイムズ・クラブ(アコーディオン;*) ブランフォード・マルサリス(Sax;+) ホーカン・ハーデンベルガー(Tp;**) マーティン・ブラビンズ指揮 ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルo.(*/#/+)、スコットランド・ナショナル・ユースo.(**) | |||
録音:2014年8月、ヘンリー・ウッド・ホール、グラスゴー、セッション。BISレーベルが積極的に録音を続けているイギリスの作曲家サリー・ビーミッシュ。今回はアコーディオン、サクソフォン、トランペットのための協奏的作品が収録された。もともと王立ノーザン音楽大学でヴィオラを学んだビーミッシュは、ラファエロ・アンサンブルのメンバーとして演奏・録音を積極的に行ってきたが、スコットランドに移ったあとは作曲への関心が強くなり、膨大な数の作品を残している。とりわけソリストをともなう協奏的作品を得意とし、BISレーベルからリリースされているヴァイオリン協奏曲、フルート協奏曲(BIS-1601)をはじめ数多く作曲している。今回収録された作品では豪華ソリスト陣にも注目!まず、現代最高のジャズサクソフォン奏者、ブランフォード・マルサリスがアンダー・ザ・ウィング・オブ・ザ・ロックで演奏している。ブランフォードは音楽一家に生まれ、その類まれな才能と感性で演奏活動を続けており来日公演でもおなじみのアーティスト。トランペット協奏曲のソリスト、ホーカン・ヘルデンベルゲルは15歳でフンメルのトランペット協奏曲でデビューした才能の持ち主で、パリ、ロンドン、ジュネーヴ、ミュンヘンの国際音楽コンクールを制覇し、「地上で最高のトランペット奏者」(タイムズ紙)や「モーリス・アンドレ以来の大器」などと評されている。アコーディオンのジェイムズ・クラブはジャンルを超えて活躍しており、同楽器界の逸材として活躍している。 | |||
ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 マルティヌー:チェロ協奏曲第1番(第3稿) |
クリスティアン・ポルテラ(Vc) トーマス・ダウスゴー指揮 ベルリン・ドイツso. | ||
録音:2014年8月、イエス・キリスト教会、ベルリン、ドイツ。トリオ・ツィンマーマンのチェリストとして近年目覚ましい活躍のクリスティアン・ポルテラ。ソロとしてはウォルトン&ヒンデミッ トのチェロ協奏曲(BISSA-2077)、バーバーのチェロ協奏曲(BISSA-1827)で圧倒的な技術と豊かな表現力で作品の魅力を再発見させてくれた。今回ついにドヴォルジャークに挑んだ。ダウスゴーの好サポートを得て、雄弁に歌い上げる。カップリングは多作曲家として知られる マルティヌーによる代表作のひとつ。1930年に室内オーケストラ版として作曲されるも完成後たびたび改訂された。才気あふれるポルテラの演奏をご堪能頂きたい。 | |||
キアロスクーロ四重奏団〜ハイドン(1732-1809):弦楽四重奏曲集 〔第31番 変ホ長調 Op.20 No.1 /第32番 ハ長調 Op.20 No.2 /第33番 ト短調 Op.20 No.3 〕 キアロスクーロSQ [アリーナ・イブラギモワ(Vn1) パブロ・エルナン・ベネディ(Vn2) エミリー・ヘルンルンド(Va) クレア・ティリオン(Vc)] | |||
録音:2014年2月、センデザール、ブレーメン。 今をときめくヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモワが率い、 仏 Aparte レーベルよりベートーヴェン、モーツァルト、シューベルト、メンデルスゾーンのディスクをリリースしているキアロスクーロ四重奏団が BIS レーベルへ初登場。2016年4月、団としての初来日は大成功をおさめた。キアロスクーロ四重奏団のキリっとしまった演奏はハイドン向き。美術用語で、コントラストを印象づける明暗法そして陰影法を意味する「 Chiaroscuro(キアロスクーロ) 」らしい陰影に富んだ演奏。 | |||
踊り J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004(2つのコラール付き) スヴァンテ・ヘンリソン(1963-):無伴奏ヴァイオリン・ソナタ(2009) スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム(1942-):声とヴァイオリンのための「踊り [Dansa] 」(2011) セシリア・シリアクス(Vn) レーナ・ヴィッレマルク(声/Vn) | |||
録音:2015年4月、レンナ教会、レンナ、スウェーデン。「踊り。人類のもっとも古い表現手段のひとつ。狩猟民族やその後の農耕民族は、獲物の取れた狩や豊かな収穫を喜び、神や精霊をなだめるため踊った……」。20世紀スウェーデンのヴァイオリン・ソナタを演奏したアルバムで1999年のスウェーデン・グラミー賞を受賞したセシリア・シリアクスと、ダーラナ生まれのトラッド・ミュージシャン、現代音楽シーンのソプラノ歌手としても知られるレーナ・ヴィッレマルクのコラボレーションは「踊り」がテーマに採られた。J.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番は、「第2番のパルティータ、特に「シャコンヌ」は、1720年夏に亡くなった最初の妻マリア・バルバラを悼んで書かれた」という説を唱えるデュッセルドルフのヘルガ・テーネ博士の研究に基づくスタイルで演奏している。シリアクスの弾く「アルマンド」「クーラント」「サラバンド」「ジーグ」「シャコンヌ」の楽章間にヴィレマルクの歌うヨハン・クリューガー(1598-1662)のコラール「いざ、もろびと神に感謝せよ」とヤコブ・ルニャール(1540-1599)のコラール「われいずこに逃れ行かん」がはさまれる。スウェーデンの音楽家スヴァンテ・ヘンリソンは、オスロ・フィルハーモニックの首席コントラバスからキャリアを始めた。クラシック音楽のベーシスト、チェリスト、ヘビーメタルのベーシスト、アレンジャー、作曲家と、さまざまな顔を持つことで知られ、リアル・グループのヴィーカリスト、妻のカタリーナ・ヘンリソンとのデュオアルバム「 High, Low or in Between 」 (BISSA-2136)も最近リリースされた。「セシリア・シリアクスのための」ソロ・ヴァイオリン・ソナタは2009年の作曲。ダンスミュージックや「シチリアーノ」など、7つの楽章から構成された作品。スヴェン=ダーヴィド・サンドストレムの「踊り」は、2010年にバッハの「シャコンヌ」で初めて共演したシリアクスとヴィッレマルクの依頼により作曲された。ヴィッレマルクが提案したデンマーク生まれの詩人マリア・ヴィーネ(1912-2003)の『踊り』(1948)をテクストに、オペラを書いた経験のあるサンドストレムが、「ヴァイオリンと声」が語り、歌い、ささやき、叫ぶ、7つの情景-「前に(隠された)」「踊り」「中間に1(開かれた)」「お踊りよ」「中間に2(並んで)」「踊りの残忍」「後に(忘れられた)」-の音楽に作り上げた。現代フィンランドの作曲家ふたりがファゴットのために書いた作品集 | |||
エッシャーSQ 〜メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集 Vol.3(完結編) 〔第5番 変ホ長調 Op.44 No.3 /第6番 ヘ短調 Op.80 〕/ 弦楽四重奏のための4つの小品 Op.81 より〔カプリッチョ ホ短調/フーガ 変ホ長調〕 エッシャーSQ [アダム・バーネット=ハート(Vn1) アーロン・ボイド(Vn2) ピエール・ラポイント(Va) デイン・ヨハンセン(Vc)] | |||
録音:2015年5月、ポットンホール、サフォーク、 UK 。 Vol.1:第1番、第4番 + 変ホ長調(BISSA-1960)、Vol.2:第2番&第3番 + Op.81 の他の2曲(BISSA-1990) 。 ニューヨークを拠点として活動しているアメリカのカルテット、エッシャー弦楽四重奏団によるメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲 全曲録音が完結。2013年のエイヴリー・フィッシャー・キャリアグラントの受賞をはじめ、近年目覚ましい活躍の当団は世界各国で演奏会を成功させている。端正なアンサンブルはこのメンデルスゾーンと非常に相性がよく好評を博している。 | |||
J.S.バッハ:世俗カンタータ Vol.5 カンタータ「われら心を配り、しかと見守らん」BWV.213(岐路にたつヘラクレス)/ カンタータ「とどろけ太鼓、高鳴れラッパ」BWV.214 ジョアン・ラン(S) ロビン・ブレイズ(CT) 櫻田亮(T) ドミニク・ヴェルナー(B) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2014年9月-10月、彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール。BCJの世俗カンタータの第5集。今回も充実ソリスト陣で澄み切った美しい声が魅力のジョアン・ランや実力派バス歌手ドミニク・ヴェルナーなど満を持してのキャスティング。 | |||
ドビュッシー: バレエ音楽「遊戯」(*) /バレエ音楽「カンマ」(#) / バレエ音楽「おもちゃ箱」(#) |
ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
録音:2014年11月(#)、2015年11月(*)、エスパラネード・ホール、シンガポール。 躍進を続ける指揮者ラン・シュイ。BISレーベルのリリースのなかでもとりわけ評価の高いドビュッシーの録音で、「管弦楽のための映像」、「牧神の午後への前奏曲」、「海」を収録したアルバム(BISSA-1837)は明晰な解釈で注目された。当ディスクにはドビュッシーのバレエ音楽を収録。1912年作曲、翌1913年パリ、シャトレ劇場で初演されたドビュッシー最後のバレエ音楽であり管弦楽曲の「遊戯」、ケクランによりオーケストレーションされた「カンマ」(カンマは伝説上のエジプトの踊り子の名)、そしてもともとピアノ連弾用に作曲された「おもちゃ箱」をカプレによりオーケストレーションされた3篇が収録された。細部まで神経の行き届いたラン・シュイのカラフルな演奏が躍動するバレエ音楽を見事に表現している。シンガポールを代表する国立オーケストラである当団は、1997年、アメリカでの活動にも実績があった中国人指揮者、ラン・シュイを音楽監督に迎え、世界的に活躍するオーケストラに成長した。レコーディングにも積極的で、チェレプニンの交響曲全集の世界初録音、ラフマニノフの交響曲は特に高い評価を得た。 | |||
R.シュトラウス(1864-1949): オーボエ協奏曲 ニ長調 TrV.292 (*) / セレナード 変ホ長調 TrV.106 /ソナティナ第2番 変ホ長調「楽しい仕事場」TrV.291 アレクセイ・オグリンチュク(Ob;*|使用楽器: Marigaux 2001) アンドリス・ネルソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウo.(*) ロイヤル・コンセルトヘボウo.管楽メンバー(*以外) | |||
録音:2014年10月8日-9日、12日、コンセルトヘボウ、アムステルダム、ライヴ(*) /2016年7月、シンゲル教会、アムステルダム、セッション(*以外)。 ロイヤル・コンセルトヘボウo. の首席奏者アレクセイ・オグリンチュクがR. シュトラウス・アルバムをリリース。RCOとの共演で協奏曲はなんとアンドリス・ネルソンス指揮というのも注目アルバム。カップリングにはセレナード 変ホ長調とソナティナ第2番「楽しい仕事場」を 収録した。1945年の第二次世界大戦終戦をカルミッシュで迎えたR. シュトラウス。このオーボエ協奏曲は同年の10月8日にスイスへ移住し、翌1946年にかけてチューリヒ近郊のバーデンに滞在した時期にスイスの美しい風光に憩いつつ書かれた晩年の傑作。オーボエの幻想曲ともいうべききわめて自由な第1楽章、いかにもオーボエらしいカンタービレである第2楽章、勢いよく機智にあふれた第3楽章で構成されている。本作もオグリンチュクの美音を堪能することが出来る。 | |||
コープランド(1900-1990): 戸外の序曲(1938)/ バレエ音楽「ビリー・ザ・キッド」(1幕)(1938) / エル・サロン・メヒコ(酒場メキシコ)(1933-36) / バレエ音楽「ロデオ」(1幕2場) |
アンドルー・リットン指揮 コロラドso. | ||
録音:2014年11月、ベッチャー・コンサートホール、コロラド洲、 US 。アンドルー・リットン、今回はコロラドso.との共演で、明確なアメリカ的個性をもった作風を確立したコープランドのバレエ及び管弦楽作品。今回も持ち味である見通しがよく非常にゴージャスなサウンドを作り上げている。 | |||
ギターラ・ミア アストル・ピアソラ(1921-1992): 天使の死/ブエノスアイレスの春/南へ帰ろう/最後のグレラ/勝利/ギターのための5つの小品 カルロス・ガルデル(1890-1935):わが懐かしのブエノスアイレス/ギターラ、ギターラ・ミア/彼女の瞳は閉ざされた/ Criollita de mis amores /想い届く日/ポル・ウナ・カベサ/あなたのいない時/帰郷 フランツ・ハラース(G) | |||
録音:2016年2月、ミュンヘン。 BIS レーベルより積極的なリリースの続くギタリスト、フランツ・ハラース。今回はアルゼンチンが生んだ2大巨匠ピアソラとガルデルの作品を収録した。カルロス・ガルデルはタンゴ歌手、タンゴの作曲家、そして俳優として名を馳せたアルゼンチンが生んだ国民的英雄。人気絶頂だった1935年、ガルデルが45歳のときに飛行機事故により亡くなってしまったが、今もなお“レジェンド"として絶大なる人気を誇る。ガルデルに扮したジャケット写真からもわかる通り今回もハラースは全身全霊を込めて演奏。ピアソラの作品とともに情熱的で甘く切なくギターを奏でる。 | |||
メンデルスゾーン: 序曲「美しいメルジーネの物語」 Op.32 / 付随音楽「夏の夜の夢」 Op.61 / 序曲「フィンガルの洞窟」 Op.26 |
カミラ・ティリング、 マグダレーナ・リスベリ(S) トマス・ダウスゴー指揮 スウェーデン室内o. スウェーデン放送cho.(女声) | ||
録音:2014年9月、エレブルー・コンサートホール。鮮烈なオーケストレーションで現代的感覚満点のトマス・ダウスゴー率いるスウェーデン室内o. 。シューベルトの交響曲シリーズを終えたばかりだが、注目の「夏の夜の夢」を含むメンデルスゾーン作品集が登場。煌めくような弦楽器、明快な管楽器、そして切れ味抜群のティンパニというダウスゴーならではの解釈で新鮮な空気を吹き込む。 | |||
シューマン、ブラームス:ソナタと歌曲 ローベルト・シューマン(1810-1856): ソナタ第2番 ニ短調 Op.121(原曲:ヴァイオリンとピアノのための)/ 「F.A.E.ソナタ」〜第2楽章 間奏曲(原曲:ヴァイオリンとピアノのための) ヨハネス・ブラームス(1833-1897): 「F.A.E.ソナタ」〜第3楽章 スケルツォ WoO.2(原曲:ヴァイオリンとピアノのための)/ ソナタ第3番 ニ短調 Op.108(原曲:ヴァイオリンとピアノのための)/旋律のように Op.105 No.1 クララ・シューマン(1819-1896):ふたりは愛し合っていた Op.13 No.2 クリスティアン・ポルテラ(Vc|使用楽器: Antonio Stradivarius 「 Mara 」 1711 ) キャスリーン・ストット(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2018年8月、ライトシュダーデル、ノイマルクト・イン・デア・オーバープファッツ、ドイツ。「トリオ・ツィンマーマン」のメンバーとしても活動するクリスティアン・ポルテラの新しい「ソロ・リサイタル・アルバム」。シューマン夫妻とブラームスのヴァイオリンとピアノのための「ソナタ」と歌とピアノのための「歌曲」をチェロとピアノで演奏している。クリスティアン・ポルテラは、スイスのチューリヒ生まれ。ザルツブルクとウィーンでハインリヒ・シフに学んだ。オーケストラにソリストとして客演、ギドン・クレーメル、ヘンニング・クラッゲルード、内田光子をはじめとする音楽家たちと共演する室内楽の演奏でも知られる。シューマンが、1851年の秋に作曲、青年のころを回想した音楽とも解釈されている ニ短調の「ヴァイオリン・ソナタ」。ブラームスが、1886年夏、シューマンの第2番ソナタと同じ調性で作曲、「カヴァティーナ」の第2楽章「アダージョ」と「タランテラ」を思わせる第4楽章「プレスト・アジタート」が印象的な第3番の「ヴァイオリン・ソナタ」。シューマンがアルベルト・ディートリヒとブラームスと1楽章ずつ作曲、ヨーゼフ・ヨアヒムに献呈した「F.A.Eソナタ」の「間奏曲」と「スケルツォ」。「低声のための5つの歌曲」からクラウス・グロートの詩による第1曲。「旋律のように そっと私の心を通り 春の花のように咲き 香りを漂わせる」。クララ・シューマンがハイネの詩に作曲した歌曲。「ふたりは愛し合っていた だが、ふたりとも、そのことを口にしたいと思わなかった…」。すべて、ヴァイオリンと歌のパートをポルテラがチェロ用に改作した版による演奏。ポルテラとキャスリーン・ストットはたびたび共演。「抗えないほど美しい歌の流れに聴く人を誘い、その記憶は、何週間となく残りつづける」(BBC Music Magazine)と評されたドヴォルジャークの作品集「静かな森(Silent Woods)」(BISSA-1947)のほか、バーバー(BISSA-1827)とオネゲルの「チェロ・ソナタ」(BISSA-1617)をBISレーベルに録音している。 | |||
ハイドン(1732-1809):6つの弦楽四重奏曲 Op.20 Vol.2 〔第34番 ニ長調 Op.20 No.4, Hob.III: 34 / 第35番 ヘ短調「レチタティーヴォ」 Op.20 No.5, Hob.III: 35 / 第36番 イ長調 Op.20 No.6, Hob.III: 36 〕 キアロスクーロSQ [アリーナ・イブラギモワ(Vn1) パブロ・エルナン・ベネディ(Vn2) エミリー・ヘルンルンド(Va) クレア・ティリオン(Vc)] | |||
録音:2015年12月、センデザール、ブレーメン。 Vol.1: BISSA-2158 。 今をときめくヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモワ率いるキアロスクーロ四重奏団。2016年4月、団としての初来日は大成功をおさめた。BIS 初登場となった前作に続くハイドン第2弾。古典派と初期ロマン派のレパートリーを 演奏する当団は仏 Aparteレーベルよりベートーヴェン、モーツァルト、シューベルト、メンデルスゾーンのディスクをリリースし、いずれも好評。前作に続くハイドンの6つの弦楽四重奏曲 Op.20。当ディスクには第4〜6曲(弦楽四重奏曲第34〜36番)が収録された。キアロスクーロ四重奏団のキリっとしまった演奏はハイドン向き。美術用語で、コントラストを印象づける明暗法そして陰影法を意味する"Chiaroscuro(キアロスクーロ)"らしい陰影に富んだ演奏と言えるだろう。 | |||
エルランド・フォン・コック(1910-2009): 交響曲第3番 Op.38 (1948) (*)/ 交響曲第4番「シンフォニア・セリア〔厳粛な交響曲〕」 Op.51 (1962) (#) / 衝撃(1964) (#) /北欧カプリッチョ Op.26 (1943) (+) ペール・ハンマシュトレム指揮スウェーデン放送so. | |||
録音:2011年5月(*)、2013年6月(#)、2010年5月(+)、ベールヴァルド・ホール、ストックホルム。2曲の交響曲は世界初録音。ラーションやヴィレーンと同じ1930年代にデビューしたスウェーデンの作曲家エルランド・フォン・コック。メロディを重視し、簡素で明快、民謡の要素も交えた作風による作品を、交響曲、管弦楽曲、協奏曲、イングマル・ベルイマン作品をはじめとする映画の音楽、器楽曲など、幅広いジャンルに渡って作曲した。彼の作風がもっともはっきりと見られる作品のひとつ、「北欧カプリッチョ」は、ダーラナ地方の民謡からインスピレーションを得て書かれ、「トロルの太鼓」を想わせるティンパニ、リングダンスのリズム、おおらかに歌う弦楽のメロディで、広く親しまれている。「衝撃」は、「善と悪」の主権をめぐる決着のつかない争いを明らかなメロディとリズムとともに描く音楽。管弦楽のための三部作の最初の作品。1948年の交響曲第3番は、バルトークとヒンデミットの影が感じられ、反抗する態度、抒情、解放感といった主題のコントラストが特徴的。「厳粛な」第4番は、交響曲を書くという「感謝されることのない仕事」に取り組む作曲者のほろ苦い気分が反映している。いずれも初録音の作品。指揮者のペール・ハンマシュトレムは、ヴァイオリニストからキャリアを始め、ストックホルムの王立音楽アカデミーでヨルマ・パヌラに学んだ後、2007年に指揮者としてデビューした。スウェーデン放送so. で第1ヴァイオリンを担当、アシスタント・コンダクターに任命された。 | |||
鈴木雅明& BCJ 〜モーツァルト: ミサ曲 ハ短調 K.427 (1782-83) /踊れ、喜べ、幸いなる魂よ K.165 (#) 〔全曲(1773) /アリア「歌え、歓べ」(1779?/ザルツブルク版) 〕 キャロリン・サンプソン(S) オリヴィア・フェアミューレン(Ms) 櫻田亮(T) クリスティアン・イムラー(Br) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2015年11月、彩の国さいたま芸術劇場。2014年リリースの鈴木優人補筆「レクイエム」(BISSA-2091)に続く BCJ モーツァルト第2弾。 | |||
ブラームス: ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77〔カデンツァ:ヨーゼフ・ヨアヒム〕(*) / ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調 Op.78「雨の歌」(#) /F.A.E.ソナタ 〜スケルツォ ハ短調(#) ワジム・グルズマン(Vn|使用楽器:ストラディヴァリウス 'ex-Leopold Auer'、1690年製作) ジェイムズ・ガフィガン指揮ルツェルンso.(*) アンジェラ・ヨッフェ(P|使用楽器: Steinway D ;#) | |||
録音:2015年11月、ルツェルン文化総合センター、スイス(*) /2015年7月、センデザール、ブレーメン(#)。 BIS レーベルの看板アーティスト、ヴァイオリニスト、ワジム・グルズマン。プロコフィエフ、チャイコフスキー、ショスタコーヴィチなどロシアの作品を得意とし、2016年10月の来日公演ではグラズノフのヴァイオリン協奏曲を披露。情熱的な演奏で聴衆を沸かせた。当ディスクでは満を持してブラームスを収録した。いずれもヨーゼフ・ヨアヒムが初演に関わったブラームスの名作。グルズマンはかつてレオポルト・アウアーが使用していた1690年製ストラディヴァリウス'ex-Leopold Auer'(シカゴのストラディヴァリ協会の厚意により長期貸与されている)で演奏している。艶やかで優美な音色でブラームスの最高傑作に挑んだ。 協奏曲の共演は、ジェイムズ・ガフィガン指揮ルツェルンso.。ガフィガンは、1979年生まれのアメリカの指揮者。2004年のショルティ国際指揮コンクールで優勝したのを皮切りに、世界の名だたるオーケストラと演奏、2011/12のシーズンからルツェルンso.の首席指揮者、およびオランダ放送フィルや、ケルン・ギュルツェニヒ管などで首席客演指揮者を務めている。 | |||
アルベニス:ピアノ曲全集 Vol.9(完結編) 旅の思い出 T.72 /マズルカ「比類なき歌姫」T.63 /メヌエット第3番 変イ長調 T.74 /メヌエット T.73 /夢 T.99 / メヌエット T.89A /スケルツォ T.57 /即興曲 T.115A /タンゴ T.94B /ポルカ「バルビナ・バルベルデ」 T.64 ミゲル・バセルガ(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2015年4月/サラゴサ会議宮、スペイン。#2021年7月、 BIS-2613 (9CDs) で全集化。 バセルガによるアルベニスのピアノ曲全集がついに完結する。第9巻でもまるでスペインの陽光のごとくきらきらと輝くような作品を収録。リズムの良さと独特の語り口が求められるアルベニスの作品だが、ルクセンブルク出身のミゲル・バセルガはスペインの作品を長きにわたり研究しており、とりわけアルベニスの演奏には定評がある。超絶技巧を物ともせずに演奏できるバセルガでなければ表現できないアルベニスの世界がひろがる。 | |||
プロコフィエフ:交響曲全集 Vo.4 〔第1番 ニ長調 Op.25「古典」(1916-17) (*) /第2番 ニ短調 Op.40 (1924-25) /第3番 ハ短調 Op.44 (1928) 〕 アンドルー・リットン指揮ベルゲンpo. | |||
録音:2015年5月(*)、2017年8月-9月(無印)、グリーグ・ホール、ベルゲン、ノルウェー。ベルゲンpo. の音楽監督を務めるアンドルー・リットン指揮によるプロコフィエフの交響曲全曲録音。優れたバランス感覚と作品の持つ美質を引き出すタクトには非常に定評のあるリットン。幅広いレパートリーの中でもプロコフィエフは特に相性がよく、これまでのリリースでも好演が光る。有名な「古典交響曲」はプロコフィエフらしさがあらわれた和声法、突然の転調など軽快で解り易く美しい作風が特徴。第2番、第3番は1920年代のプロコフィエフを象徴する作品。当録音でもゴージャスかつ、色彩豊かなオーケストラ・サウンドを満喫出来る。86分33秒長時間収録。 | |||
ジェルジ・クルターグ(1926-):ソプラノとヴァイオリンのための「カフカ断章」Op.24 〔第1部:19曲/第2部1曲/第3部:12曲/第4部:8曲〕(1985) キャロライン・メルツァー(S) ヌリット・スターク(Vn) | |||
録音:2012年10月、ベルリン。ハンガリーの作曲家クルターグが多彩な手法で、フランツ・カフカの詩を4部計40曲の作品にまとめたもの。ソプラノのキャロライン・メルツァーはマンハイムにてルドルフ・ピエルネに師事し若くして才能を開花させた。その後オペラ歌手として活躍し、美声に磨きをかけている。一方、ヌリット・スタークは1979年イスラエル生まれのヴァイオリニストで、これまでに CLAVES からブゾーニ、エネスコのヴァイオリン・ソナタ集(50-2811)、シューマンヴァイオリン・ソナタ集(50-1502)などをリリースしている。 | |||
カレヴィ・アホ(1949-):木管五重奏曲集〔第1番(2006) (*) /第2番(2014) (#) 〕
ベルリン・フィルハーモニー木管五重奏団 [ミヒャエル・ハーゼル(Fl) アンドレーアス・ヴィトマン(Ob) ヴァルター・ザイファルト(Cl) ファーガス・マクウィリアム(Hr) マリオン・ラインハルト(Fg)] | |||
録音:2014年10月、フィルハーモニー室内楽ホール、ベルリン(*) /2016年10月、トラウムトン・スタジオ、ベルリン=シュパンダウ(#)、ドイツ。 カレヴィ・アホは、1949年、南フィンランドのフォルッサ生まれ。シベリウス・アカデミーのヴァイオリンとラウタヴァーラの作曲クラスで学び、卒業後、ベルリンの音楽舞台芸術大学でボリス・ブラッハーに師事した。2017年までに5つのオペラ、17の交響曲、28の協奏曲、3つの室内交響曲を作曲。現代フィンランドを代表する作曲家のひとりに挙げられる。木管五重奏曲第1番は、トゥルク・フィルハーモニックの委嘱作。「Agitato ? Cantando(強い感情で激しく-歌うように)」「Vivace, leggiero ? アレグロ marcato(活発に、軽く-速く、一つひとつの音をはっきりと)」「Marziale, pesante ? Furioso(行進曲風に、重く-猛烈な勢いで)」「アンダンテ con tristezza(歩く速度で、悲しみとともに)」の4楽章で構成。最後の楽章の一部ではプレイヤーが交代でオフステージで演奏、空間の感覚と遠い「ピアニッシモ」の効果を生んでいる。第2番は、ベルリン・フィルハーモニー木管五重奏団の依頼で作曲された作品。「速く、短いフレーズで呼吸する」第1番に対し、この曲は、いくつかの長い線に沿って音楽が進み、「5人の管楽器奏者によるシンフォニー」ともいう感覚をもった作品。「Ruhig beginnend ? Bewegte(静かに始まる-)動く」「Schnell, wild(速く、荒々しく)」「Ruhig flisend(流れるように穏やかに)」「Lebhaft(活きいきと)」。ベルリン・フィルハーモニー木管五重奏団は、オーケストラ内の室内楽活動の一環として1988年に創設された。ダンツィの木管五重奏曲とピアノと木管の五重奏曲 (BIS-1581) などのアルバムをBISレーベルに録音している。 | |||
グリンゴルツSQ タネーエフ:弦楽五重奏曲第1番 ト長調 Op.14 (1911) グラズノフ:弦楽五重奏曲 イ長調 Op.39 グリンゴルツSQ [イリヤ・グリンゴルツ、アナヒット・クルティキャン(Vn) シルヴィア・シモネスク(Va) クラウディウス・ヘルマン(Vc)] クリスティアン・ポルテラ(Vc2) | |||
録音:2014年12月、SRFスタジオ、チューリヒ。1998年パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールを16歳という若さで優勝したロシアの俊英ヴァイオリニスト、イリヤ・グリンゴルツがBISレーベルに久々登場。自身のクァルテットとゲストにクリスティアン・ポルテラを加えて、ロシアの作曲家タネーエフとグラズノフの弦楽五重奏曲を収録した。 | |||
リンドベリ〜チャイコフスキー:後期交響曲集 〔第4番 ヘ短調 Op.36 (*) /第5番 ホ短調 Op.64 (#) / 第6番 ロ短調 Op.74「悲愴」(+) 〕 |
クリスチャン・リンドベリ指揮 アークティックpo. | ||
録音:2012年1月-2月、ハルスタド文化会館(#) /2015年4月(*)、2016年2月(+)、ボードー、(#以外)、すべて ノルウェー。 (#)は既出(BISSA-2018)、他は初出音源。 トロンボーンの神様、クリスチャン・リンドベリによるチャイコフスキーの後期交響曲集が完成。近年、リンドベリは指揮活動に力を入れているが、その中でも当録音は指揮者としてのリンドベリの実力を実感できる素晴らしい出来栄え。トロンボーン奏者であるリンドベリだけあって金管の歯切れのよさ、オーケストレーションの華やかさは一際光った演奏。またアークティック・フィルの見事なアンサンブル能力の高さも好印象。 | |||
ヨハン・ゴットフリート・ミューテル(1728-1788):鍵盤楽器のための協奏曲集 〔第1番 ハ短調/第2番 ニ短調/第4番 ニ長調/第3番 ト長調/第5番 変ロ長調〕 マルチン・シフィオントキェヴィチ(Cemb) アルテ・デイ・スオナトーリ | |||
録音:2013年5月、ルトスワフスキ・スタジオ、ポーランド放送、ワルシャワ、セッション。1993年設立のポーランドのピリオド楽器団体アルテ・デイ・スオナトーリが、同団の通奏低音奏者としても活躍するマルチン・シフィオントキェヴィチをソリストに迎え、J.S.バッハ(1685-1750)最後の弟子J.G.ミューテル(1728-1788)の鍵盤協奏曲集を録音。ミューテルはニコライ教会でオルガニストを務めていた父よりオルガンの手ほどきを受け、その後リューベックでクンツェンに師事。作曲家としての転機は1750年にライプツィヒにJ.S.バッハを訪れ その音楽に直に触れたこと。主に鍵盤楽曲を中心に作曲、またオルガニストとしても成功をおさめた。作風はバッハの影響を呈するが、高度な技巧、名人芸的妙技、そして奔放なパッセージ・ワークはミューテルの独創性を表わしている。シフィオントキェヴィチはポーランド期待の若手鍵盤奏者で、チェンバロ、フォルテピアノ、オルガンを演奏する。ソリストとして活躍する一方、アルテ・デイ・スオナトーリのメンバーとして古楽界の女王レイチェル・ポッジャーとも共演し多くの録音に参加している。 | |||
ラザフォード〜シューベルト:歌曲集「白鳥の歌」 D.957 + 秋 D.945 愛の便り/戦士の予感/春のあこがれ/セレナード/わが宿/秋 D.945 /遠い国で/ 別れ/アトラス/彼女の絵姿/漁夫の娘/都会/海辺で/影法師/鳩の使い/ ます D.550 /ブルックの丘にて D.853 /タルタロスの群れ(第2作)D.583 /音楽に寄す D.547 ジェイムズ・ラザフォード(Br) ユージン・アスティ(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2015年1月、ポットン・ホール、サフォーク州、 UK 。ワーグナー歌手として頭角を現してきた英国の俊英ジェイムズ・ラザフォード。満を持してリリースしたワーグナー・アルバム(BISSA-2080)が好評を博しているが、当盤ではシューベルトに挑んだ。ラザフォードは2010年のバイロイト音楽祭でニュルンベルクのマイスタージンガーのハンス・ザックスの配役で大成功、近年注目のバリトン歌手としてヨーロッパを中心に活躍している。のびやかで抜群の安定感を誇る歌声の持ち主ラザフォードはシューベルトとも相性がよく、丁寧な歌唱には好印象を受ける。 | |||
J.S.バッハ:世俗カンタータ Vol.6 カンタータ〔公妃よ、さらに一条の光を BWV.198 (*) / いざ打てかし、願わしき時の鐘よ BWV.53(偽作)(#) 〕/ 詩篇 51番 BWV.1083(原曲:ペルゴレージ「スターバト・マーテル」)(+) ジョアン・ラン(S;*) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T;*) ドミニク・ヴェルナー(B;*) キャロリン・サンプソン(S;+) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2015年2月(+以外)、2005年9月(+)、神戸松蔭女子学院大学チャペル。(+)は初単売&初 SACD 化〔2014年初出、既出BOXは廃盤〕。BWV.198 はザクセン選帝侯アウグスト1世の夫人であるクリスティアーネ・エーバーハルディーネのための追悼音楽で、バッハ自身が通奏低音パートを弾きながら指揮をとったと伝えられている作品。後に失われた「マルコ受難曲」BWV.247 やレーオポルト侯のための葬送 音楽BWV.244a へ転用されている。BWV.53は偽作で、真の作曲者はゲオルク・メルヒオル・ホフマンと考えられている。アルト独唱の葬儀用作品。最後に収録されている BWV.1083は2014年7月の「教会カンタータ全集」(KKC-8501/廃盤)の特典 CD が初出だった秘蔵音源だが、この度 SACD ハイブリッド盤にてリリースされる。 | |||
Let Beauty Awake 〜イギリス・アルバム〔(*):エレン・ニスベト編曲〕 ヴォーン・ウィリアムズ:「旅の歌」〜5つの歌(*) /ヴィオラとピアノのためのロマンス レベッカ・クラーク:ヴィオラ・ソナタ(1919) / ブリテン:無伴奏チェロ組曲第3番 Op.87 (*) /ラクリメ Op.48 エレン・ニスベト(Va|使用楽器: Amati, 1714 ) ベンクト・フォシュベリ(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2016年5月、ストックホルム・コンサートホール、小ホール。 スウェーデン出身のヴィオラ奏者、エレン・ニスベトの録音はイギリスの作曲家に焦点を当て収録した。ニスベトはスウェーデン放送so.ベルゲン・フィルなどとソリストとして共演。また、室内楽にも積極的に取り組み、マルティン・フレスト、レイフ・オヴェ・アンスネス、諏訪内晶子、ダニエル・ホープ、アレクサンドル・メルニコフなど、世界の名だたる演奏家との共演を誇り、ヴェルビエ音楽祭にも出演、ヨーロッパを中心に積極的な演奏活動を展開している。当ディスクではニスベト自身によるヴィオラ編曲作品が収録している。雄弁な語り口でヴィオラを朗々と歌わせるニスベトならではの選曲で、ヴォーン・ウィリアムズの『旅の歌』から5曲を編曲し、歌曲を丁寧かつ情熱的に奏でる。また、ブリテンの無伴奏チェロ組曲第3番では独特の世界観を研ぎ澄まされたセンスで演奏している。抜群のセンスの持ち主ニスベト。注目のヴィオラ奏者の登場。 | |||
夢のあとに フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op.13 (*) / 夢のあとに Op.7 No.1(パブロ・カザルス編曲)/初見視奏曲 イ長調 ドビュッシー:ミンストレル L.125-12 /美しい夕暮れ L.84(ヤッシャ・ハイフェッツ編曲) ラヴェル:ハバネラ形式の小品(*) /フォーレの名による子守歌/ヴァイオリン・ソナタ ト長調 クリスティアン・スヴァルフヴァル(Vn|使用楽器: J. & A. Gagliano ) ローランド・ペンティネン(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2014年12月(*以外)、2015年6月(*)、ストックホルム・コンサートホール、スウェーデン。スウェーデンきっての実力派ヴァイオリニスト、クリスティアン・スヴァルフヴァルが名手ローランド・ペンティネンと組んだアルバム。音楽一家に生まれたスヴァルフヴァルは5才でヴァイオリンをはじめ、12歳の時にはスウェーデン室内管との共演でデビューを飾った逸材。国際的に その名が知られるようになったのは、2008年にヨーロッパコンサート協会が発表した「ライジングスター」に選出されたことがきっかけで、以後マルティン・フレスト、ジュリアン・ラクリン、ジャニーヌ・ヤンセン、マクシム・リサノフ、タベア・ツィンマーマンなど世界の名だたる演奏家との共演歴を誇る。とりわけペンティネンとの共演歴は長く、寄り添うように密なアンサンブルは、近年ますます評価を上げている。瑞々しいフォーレ、哀愁に満ちたドビュッ シー、鋭さの中に繊細さが際立つラヴェルとフランスのエスプリ漂う表現は圧巻。 | |||
わが命の光 クヌート・ニューステット(1915-2014): 混声合唱のための「わたしは、平和をあなたがたに残し」 Op.43 No.2 / 混声合唱のための「恐れることはない」 Op.146 / ヴァイオリンと混声合唱のための「アヴェ・マリア」 Op.110 / 混声合唱のための「おお十字架よ」 Op.79 / 合唱と弦楽オーケストラのための「不滅のバッハ」(1987)(グレーテ・ペーデシェン編曲)(*) J.S.バッハ:モテット「おおイエス・キリスト、わが命の光」BWV118 (*) / モテット「イエス、わが喜び」 BWV227 (*) グレーテ・ペーデシェン指揮ノルウェー・ソリストcho. マリア・アンゲリカ・カールセン(リーダー/Vn)アンサンブル・アレグリア(*) [ヤン・ベッテルセン、マグダレーナ・オルロフスカ(Ob) アレッサンドロ・カプロッティ(Fg) クヌート・ヨハンネセン(Org)] | |||
録音:2015年2月、リス教会、オスロ、ノルウェー。ニューステット作品とバッハ作品をほぼ交互に収録。オスロを本拠とするノルウェー・ソリスト合唱団は1950年、作曲家クヌート・ニューステットにより創設、彼らの洞察にもとづくひろがりのある深い響の解釈は高く評価され、ノルウェーと北欧を代表する合唱アンサンブル、ヨーロッパ屈指の室内合唱団に挙げられてきた。1990年からはグレーテ・ペーデシェンが芸術監督を務め、彼女の個性を映しつつ、ニューステットの目指した「芸術」をさらなる高みへと導く努力を続けている。 BIS Records への第6作は、2014年12月8日に99歳で亡くなった創設者ニューステットへの「墓碑銘」ともみなされる、主に哀悼の音楽で構成されアルバム。収録作品は、ニューステットの代表的作品と彼がボーイソプラノだったオラヴ少年合唱団の時代から親しみ、その後のキャリアに深く関わってきたJ.S.バッハの2作品とニューステット作曲した5作品。1957年に出版された混声合唱のための「3つのモテット」のうちもっとも広く知られる一作となった『ヨハネの福音書』による「わたしは、平和をあなたがたに残し」。バビロニアに捕らえられたユダヤ人の解放を予言する『イザヤ書』の2つの章がテクストの「恐れることはない」。『ルカによる福音書』(1章28節)の天使ガブリエルによる「受胎告知」をテクストとしたヴァイオリンと混声合唱のための「アヴェ・マリア」。イエス・キリストの体を担い「どの星よりも輝かしい」十字架を讃える聖ヴェナンティウス・フォルトゥナトゥスの詩による「おお十字架よ」。バッハのコラール「甘き死よ来れ」を素材に、和声、歌手の配置、声部の受け継ぎに工夫を凝らし「時間を超越し永遠に生きるバッハ」を印象づけることを試みた「不滅のバッハ」。ラテン語、ドイツ語、英語と異なる言語をテクストに採った、ニューステットの多様なスタイルと技法を示す5曲が選ばれた。バッハは、ある葬儀のために1736年から1737年にかけ作曲されたとされる「おおイエス・キリスト、わが命の光」と、バッハの現存するモテットのうちもっとも長い「イエス、わが喜び」の2つのモテット。ノルウェー・ソリスト合唱団と共演する弦楽オーケストラ、アンサンブル・アレグリアは、2007年、ノルウェー国立音楽アカデミーの学生たちによって創設された。オスロの国立音楽アカデミーとコペンハーゲンの王立音楽アカデミーで学び、2011年8月からスタヴァンゲルso. のコンサートマスターを務めるマリア・アンゲリカ・カールセン(1988-)がリーダーと芸術監督。ノルウェーの石油会社スタトイルの主宰するスタトイル・タレント賞をアンサンブルとしては初めて受賞している。アルバムの録音セッションはオスロのリス教会で行われた。1990年のニューステット・フェアウェルコンサートでノルウェー・ソリスト合唱団が歌った「不滅のバッハ」は、この録音では、ペーデシェン編曲の混声合唱と弦楽オーケストラための版が使われている。 | |||
ダン・ラウリン〜バロック時代のソナタ&組曲 シェドヴィル:ソナタ第6番 / シャルル・デュパール:組曲第1番 フィリドール:フルート・トラヴェルソ、リコーダー、ヴァイオリンと通奏低音のための作品集第1巻 〜アルト・リコーダーと通奏低音のためのソナタ ニ短調 マレ/ラウリン編曲曲:ヴィオール曲集第2巻〜スペインのフォリア / オトテール:組曲第3番 ルクレール:ソナタ第11番 / ブラヴェ:ソナタ第2番 / ショロン:ソナタ第3番 ダン・ラウリン(リコーダー) アンナ・パラディソ(Cemb) ドメン・マリンチチ(Vc) | |||
録音:2015年3月、ストックスンド、スウェーデン。リコーダー界の鬼才ダン・ラウリン。BIS レーベルから精力的にリリースを続けているが、当アルバムではバロック時代の作曲家によるソナタ、組曲の作品をとりあげた。ラウリンの天才ぶりをうかがい知ることのできる表現力豊かかつ即興的な演奏は当ディスクでも堪能することが出来る。パラディソ、マリンチチとの刺激的な演奏をお楽しみ頂きたい。 | |||
カレヴィ・アホ(1949-)の室内音楽 チェロとピアノのための前奏曲、トッカータと後奏曲(1974) /2つのヴァイオリンのための哀歌(2001) (*) / ヴァイオリンとピアノのための「霜」(1992) /無伴奏ヴァイオリン・ソナタ(1973) / 無伴奏ヴァイオリンのための「ペール・ヘンリク・ノルドグレン追悼」/ ピアノ・ソナタ第2番(ベートーヴェンへのオマージュ) (2016) サムリ・ペルトネン(Vc) ソニヤ・フラキ(P) ヤーコ・クーシスト(Vn) ペッカ・クーシスト(Vn;*) | |||
録音:2017年4月、2018年10月、カレヴィ・アホ・ホール、ラハティ、フィンランド。カレヴィ・アホは、フィンランドでもっとも委嘱の多い作曲家のひとりと言われる。彼は、7曲の交響曲や31曲の協奏曲のような規模の大きい管弦楽作品の他に室内楽曲やソロ楽器のための音楽も数多く手がけてきた。ソニヤ・フラキとヤーコ・クーシストを中心にした新しいアルバムではアホがこのジャンルに作った6曲が演奏されている。チェロとピアノのためのヴィルトゥオーゾ的な「前奏曲、トッカータと後奏曲」。ヤーコとペッカのクーシスト兄弟が演奏する「哀歌」は、若いヴァイオリニスト、サカリ・ラウコラの死を悼む音楽として作曲された。 "Sakari Laukola "の名を音形とするモチーフを基に書かれた小品。フィンランド語の美しい言葉「Halla」を曲名につけたヴァイオリンとピアノのための「霜」。「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」は、アホがペルニオのアルコール依存症ケア・チームで奉仕していた時の自由時間に作った、バッハとバルトークのソロ・ソナタを「ロール・モデル」にした演奏時間約20分の作品。「ペール・ヘンリク・ノルドグレン追悼」は、2008年8月25日に亡くなった作曲家を追悼する音楽としてヨン・ストゥールゴールズの依頼で作曲。「ベートーヴェンへのオマージュ」「ピアノ・ソナタ第2番」は、ベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア」ソナタを主要なモチーフにした5楽章で書かれている。カレヴィ・アホのピアノ音楽をシベリウス・アカデミーの博士課程で研究したソニヤ・フラキへの修了記念の贈り物として作曲された。 | |||
メンデルスゾーン:チェロとピアノのための作品集 協奏的変奏曲 ニ長調 Op.17, MWVQ 19 (1829) /無言歌 ニ長調 Op.109, MWVQ 34 (1847) / チェロ・ソナタ〔第1番 変ロ長調 Op.45, MWVQ27 (1838) /第2番 ニ長調 Op.58, MWVQ 32 (1843) 〕/ アッサイ・トランクィロ ロ短調 MWVQ 25 (1835) クリスティアン・ポルテラ(Vc|使用楽器:ストラディヴァリウス「 Mara 」、1711年製作) ロナルド・ブラウティハム(P| 使用楽器:ポール・マクナルティ、2010年製作〔モデル:プレイエル、1830年製作〕) | |||
録音:2016年8月、ノイマルクト、ドイツ。 トリオ・ツィンマーマンのチェリストとして目覚ましい活躍のクリスティアン・ポルテラ。当ディスクでは鬼才ピアニスト、ロナルド・ブラウティハムとメンデルスゾーンを録音。2篇のチェロ・ソナタを主軸に協奏的変奏曲、無言歌、アッサイ・トランクィロを収録した。雄弁に歌い上げるポルテラの音色と天才的な感覚で音楽的対話を楽しむブラウティハム。ドイツ・ロマン派を代表するメンデルスゾーンを朗々と奏でる。 | |||
エミール・ユーナソン、クラリネット クリスチャン・リンドベリ(1958-):クラリネット協奏曲「グローンステット氏のとっぴな夢」(2011-13) (*) オスバルド・ゴリホフ(1960-):クレズマー・クラリネットと弦楽四重奏のための「盲目のイサクの夢と祈り」(1994) エミール・ユーナソン(Cl) クリスチャン・リンドベリ指揮ノルショーピングso.(*) ヴァムリングブーSQ (無印) [アンジェイ・パワー(Vn1) エーリク・アルヴィンデル(Vn2) リーカ・レポ(Va) エーリク・ヴァールグレーン(Vc)] | |||
録音:2016年1月、ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノルショーピング、スウェーデン(*) /2015年7月、ムシカリスカ、ストックホルム(無印) 。 スウェーデンのクラリネット奏者、エミール・ユーナソンのBISレーベル最初の単独アルバム。クリスチャン・リンドベリの「グローンステット氏のとっぴな夢」は、スウェーデンの財政家で産業家のアンデシュ・ヴァールが主宰する基金がユーナソンに奨学金を授与した際の委嘱により作曲された。独特の「ユーモア」で知られるリンドベリは、ボウタイとチェック柄ブレザー姿をした、「ごくありふれた男性」の見た「とっぴな夢」という設定をイメージし、「サトゥルヌス(土星)の鏡」「グローンステット氏、春の舞踏会の装いをする」「リサと魔法のケープ」「グローンステット、ごみの山で宝を探す」「カデンツァ:幸せいっぱいの夢の世界」「ヴィーナス(金星)の夢」の6つの楽章の「クラリネット協奏曲」に書き上げた。2013年、ユーナソンが、カブリッロ現代音楽祭に出演してアメリカ・デビューした後、ヨーテボリso.の共演で初演した作品。オスバルド・ゴリホフはアルゼンチンの作曲家。ラプラタの東欧系ユダヤの家庭に生まれ、クラシックの室内楽、ユダヤ教の音楽とクレズマー、アストル・ピアソラのニュータンゴに囲まれて育ったという。イスラエルの音楽学校に留学後、ペンシルヴェニア大学でジョージ・クラム、タングルウッドでオリヴァー・ナッセンの下で学んだ。弦楽四重奏、そして、記譜法の異なるクレズマー・クラリネットのための「盲目のイサクの夢と祈り」は、12世紀から13世紀、プロヴァンスのカバラ研究者ラビの名がタイトルにとられた。「前奏曲」「パート1」「パート2」「パート3:K'vakarat」「後奏曲」。最初に作曲された「パート3」の“K'vakarat"は、クロノス・カルテットとミーシャ・アレクサンドロヴィチのために書いた「カントル」の音楽を「クラリネット」のバージョンに改めた作品。ユーナソンと共演するヴァムリングブー四重奏団は、ストックホルムの王立音楽大学に学んだプレイヤーのアンサンブル。在学中、ストックホルムの沖合、ゴットランド島のヴァムリングブー教会で行われたフェスティヴァルをきっかけに結成、スウェーデンの音楽シーンで活動を続けている。 | |||
ボリス・ティシチェンコ(1939-2010): ピアノ・ソナタ集 〔第7番 Op.85 (1982) (*) /第8番 Op.99 (1986) 〕 |
ニコラ・スタヴィ(P) ジャン=クロード・ ジャンジャンブル(鐘;*) | ||
録音:2014年12月、サン=マルセル福音教会、パリ。ティシチェンコは旧ソ連の作曲家。ショスタコーヴィチ門下で、「ショスタコーヴィチの証言」の著者ソロモン・ヴォルコフを師に紹介した(ティシチェンコ自身、後に同書を偽作として連名で告発した)人でもある。彼はピアノの名手でもあり、生涯に11篇のピアノ・ソナタを作曲しているが、1982年作の第7番は演奏時間40分に加え、鐘が独奏楽器のように活躍する前代未聞の奇作。発表直後に作曲者自作自演によるメロディア盤がリリースされた際には、一部で話題になった。とにかくこんな音楽は聴いたことがなく、物凄い面白さ。一転1986年作の第8番は通常の書法による約30分の力作。変奏曲の第2楽章に、師ショスタコーヴィチの交響曲第4番から意味深な引用がある。フランスの名手ニコラ・スタヴィはドミニク・メルレに学んだ後、ブレンデルやシェバクの薫陶も受けた。ユンディ・リが優勝した2000年のショパン・コンクール特別賞、2001年ジュネーヴ国際音楽コンクール第2位の実力派。ティシチェンコのピアノ作品は難曲揃いだが、新世代らしい感性で披露してくれる。 | |||
アッラン・ペッテション(1911-1980): 交響曲第13番(1976) |
クリスチャン・リンドベリ指揮 ノールショーピングso. | ||
録音:2015年1月、ルイス・デ・ギア・コンサートホール、ノールショーピング。 BIS レーベルが力を入れている、スウェーデンの作曲家ペッテションの交響曲シリーズ。第13番は、アンタル・ドラティによって演奏され成功をおさめた交響曲第7番から経ること8年、70年代に入り病魔におそわれ体調もすぐれない状態が続いていた時期の作。作曲に対する強い意志から作曲活動を続けた第13番も、ペッテションの人生をあらわしたかのような暗黒で暴力的なパッセージが随所にあらわれるが、一方で澄みきった弦の響きや天国を夢見ているかのような美しい旋律も印象的。強烈なインパクトの中に祈りも感じられる魅力的な作品。 | |||
鈴木雅明&BCJ〜J.S.バッハ:世俗カンタータ集 Vol.7 〔われらの新しいご領主に BWV.212 /悲しみのいかなるかを知らず BWV.209 /裏切り者なる愛よ BWV.203 〕 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン モイツァ・エルトマン(S) ドミニク・ヴェルナー(B) | |||
録音:2015年9月、白寿ホール。麗しのモイツァ・エルトマンとドミニク・ヴェルナーを迎えた鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンによる世俗カンタータの第7集。 | |||
ヤーコ・クーシスト(1974-): 弦楽四重奏のための「プレイ III 」 Op.21 (2008) [ META 4 〔アンティ・ティッカネン、ミンナ・ペンソラ(Vn) アッテ・キルペライネン(Va) トマス・ユプショバカ(Vc)〕]/ ヴァイオリンとピアノのための「光」 Op.23 (2009) [ヤーコ・クーシスト(Vn) パーヴァリ・ユンパネン(P)]/ ピアノ四重奏のための「プレイ II 」 Op.16 (2005-06) [ヤーコ・クーシスト(Vn) リータ=リーサ・リスティルオマ(Va) ヤン=エーリク・グスタフソン(Vc) ヘイニ・カルッカイネン(P)]/ ヴァイオリンとピアノのための「輝き」 Op.12 (2000) [ヤーコ・クーシスト(Vn) ヘイニ・カルッカイネン(P)]/ 独奏ピアノのための「ユルモ」 Op.31 (2013)[パーヴァリ・ユンパネン(P)] | |||
録音:2015年2月、ヤルヴェンパー・ホール、ヤルヴェンパー、フィンランド。ラハティso.でコンサートマスターを務めたフィンランドのヴァイオリニスト、ヤーコ・クーシストは、作曲家、指揮者としても知られる。作曲家としての名を高めた作品が、2004年のサヴォンリンナ・オペラ・フェスティヴァルで初演されたファミリーオペラ「犬のカレワラ」。エリナ・ヴァハラが初演したヴァイオリン協奏曲(2011-12)(BISSA-2020)も、よく知られた作品のひとつに挙げられる。このディスクは、シュスマ夏の音楽フェスティヴァルやアメリカのラヴィニア音楽祭などの委嘱を受け、クーシストが作曲した室内楽作品を5篇、クーシストと親交のある音楽家たちによって収録。一連の劇的なエピソードが予想外な展開をみせる「プレイ III 」。「外見の雰囲気がフィルム・ミュージックの世界」のような「プレイII」。印象主義をうかがわせる全音階のハーモニーをベースにポスト・ミニマル風のリズミックな動きがつづく「光」、そして、主に抒情的な性格のさまざまなモチーフが交錯し全体を構築していく「輝き」。「ユルモ」は、パーヴァリ・ユンパネンの委嘱による。フィンランドの最南端、群島にあるユルモ島の風景からインスピレーションを得て作曲された。 | |||
ケネス・ヘスケス(1968-):ピアノ作品集 魔法の扉を通して (2008) /ホーラ(クララのために)(2011/12) /暗い夜 (2002) / 3つの日本の小品 (2002) 〔寺の音楽/揺籠(雪女より)/ぶんぶく〕 クレア・ハモンド(P) | |||
録音:2015年8月、カーディフ大学コンサートホール。ケネス・ヘスケスはリヴァプール生まれの作曲家。少年時代はリヴァプール大聖堂の聖歌隊を務め、87年から92年までロンドン王立音楽大学でジョゼフ・ホロヴィッツやサイモン・ベインブリッジに作曲を師事した。さらにアンリ・デュティユーにも学んでいる。作品は多域に及ぶが、劇音楽とブラス作品が世界中で愛奏されている。作風はいわゆる「ゲンダイオンガク」で、日本やロシアの題材を扱っていても、民族的な色彩は感じられない。圧巻はクレア・ハモンドに捧げられた「ホーラ(クララのために)」で、全12曲42分の大作。「魔法の扉を通して」はキーツの詩「ナイチンゲール寄す」「、暗い夜」は2002年のオペラ「外套」(ゴーゴリ原作)の間奏曲のピアノ用編曲など、文学との結びつきも興味津々。さらに「3つの日本小品」は人形劇バレエの素材に基づき、「揺籠」は雪女、「ぶんぶく」は分福茶釜を題材としている。クレア・ハモンドはこれまでパヌフニク作品集やシマノフスキなどで鋭敏な感覚を聴かせるが、今回は母国イギリスの現代作品。貴重なイギリス・ピアニズムを聴かせてくれる。 | |||
影の音楽〜ブレット・ディーン(1961-): 弦楽とオブリガートつきのピアノのための「 Etudenfest 」(2000) / 小管弦楽のための「 Shadow Music 」(2002) /弦楽合奏団のための5つの幕間「 Short Stories 」(2005) / 管弦楽のための「遺言 [Testament] 」(2008) ベートーヴェン/ブレット・ディーン編曲:弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調 「ラズモフキー第1番」 Op.59 No.1 〜アダージョ・モルト・エ・メスト(管弦楽のための) (2013) ブレット・ディーン指揮スウェーデン室内o. マグヌス・ショルド(P) | |||
録音:2015年5月-6月、エレブルー・コンサートホール、スウェーデン。 BIS レーベルより積極的なリリースが続いているオーストラリア出身の作曲家ブレット・ディーンの作品集。ディーンはヴィオラの名手としても知られ、BPOの団員を14年も務めたキャリアをもつが、近年は作曲活動に力を注いでいる。当ディスクに収録された作品はさすが弦楽器奏者によるもの と言え、弦楽パートには効果的な奏法を取り入れている。ベートーヴェン「ラズモフスキー第1番」の第3楽章オーケストラ編曲版はソロとトゥッティの絶妙なコントラストが魅力的。 | |||
ハチャトゥリヤン/ジャン=ピエール・ランパル編曲:フルート協奏曲(*) ラウタヴァーラ(1928-): フルート協奏曲 Op.69「風と踊る」(2種)〔オリジナル版(1975) /改訂版〕 シャロン・ベザリー(Fl) エンリケ・ディーメケ指揮サンパウロso.(*) ディーマ・スロボデニュク指揮ラハティso.(*以外) | |||
録音:2010年2月、サンパウロ(*) /2014年11月、シベリウス・ホール(*以外) 。 イスラエル出身のフルーティスト、シャロン・ベザリーによるハチャトゥリヤンとラウダヴァーラのフルート協奏曲。ハチャトゥリヤンの協奏曲は、フルーティストのジャン=ピエール・ランパルがヴァイオリン協奏曲をフルートのために編曲した作品。1938年、ハチャトゥリヤンはアルメニア芸術週間の行事のため、アルメニア共和国首都エレヴァンに赴き、同地の歌劇場のためにバレエ音楽「幸福」を作曲しながら、周辺の民族音楽を研究した。その成果とも言えるのが原曲のヴァイオリン協奏曲。作曲は1940年モスクワ郊外ルーザの「作曲家同盟休息の家」で一夏をついやし書きあげられた。オイストラフに献呈されたこの作品はハチャトゥリヤンの最高傑作のひとつ。この難曲をベザリーの卓越した技術と表現力でお楽しみ頂ける。ラウタヴァーラのフルート協奏曲「風と踊る」は、スウェーデンのグニッラ・フォン・バールのために作曲された4楽章の作品。オリジナル版は、4種のフルートのために書かれ、第1楽章と第4楽章が通常のフルート(グランドFl)とバスフルート、第2楽章がピッコロ、第3楽章がアルトフルートで演奏される。当録音では、バスフルートをアルトフルートに置き換えた改訂版も演奏される。ラハティso.との共演で新たに首席指揮者に就任したロシアのディーマ・スロボデニュクが指揮している。 | |||
カレヴィ・アホ(1949-): トロンボーンと管弦楽のための協奏曲(2010) (*) / トランペットとシンフォニック・ウィンド管弦楽のための協奏曲(2011) (#) ヨルゲン・ファン・ライエン(Tb;*) アラン・ド・リュデ(Tp;#) マーティン・ブラビンズ指揮アントワープso. | |||
録音:2015年7月、アントワープ、ベルギー。フィンランドの作曲家カレヴィ・アホのシリーズ。「ティンパニと管弦楽のための協奏曲」と「ピアノと管弦楽のための協奏曲第1番」(BISSA-2306)につづく新作は、金管楽器のための2つの協奏曲。「トロンボーン協奏曲」は、ヨルゲン・ファン・ライエンが、2006年に受けたボルレッティ=ブイトーニ・トラスト賞の賞金を原資にカレヴィ・アホに委嘱。2012年3月2日、フィンランドのサントゥ=マティアス・ロウヴァリ指揮ハーグ・レジデンティo. の共演で初演した。アホがトロンボーンのための協奏的作品を手掛けるのは、「協奏交響曲」のスタイルによる交響曲第9番(BIS-706)に続いて二度目。作曲に先立って彼はアムステルダムを訪れ、ライアンから教わった楽器の可能性と彼の技巧と個性を投影する作品に作りあげた。4楽章の作品。トロンボーンの「歌」とソリストの実際の「歌」を共鳴させるコラール風パッセージが組みこまれた、抒情的な第1楽章と、ジャンベと2つのコンガの複雑なリズムが支配する「プレスト」の第2楽章。第3楽章「アダージョ」の間奏曲と、ジャンベとコンガがさらに複雑なリズムで演奏する「ヴィヴァーチェ」そして「トランクィッロ」の第4楽章。楽章を2つずつ休止なく(アタッカ)演奏する構成がとられている。「トランペットとシンフォニック・ウィンド管弦楽のための協奏曲」は、ロンドン・ブラス・ヴィルトゥオージとのプロジェクトとして始まり、計 画が撤回されたため、フィンランドのシンフォニック・ウィンドオーケストラ「Sisu」とヘルシンキの「衛兵バンド(Kaartin soittokunta)」が共同で委嘱、王立フランダース・フィルハーモニック(現、アントワープso. )も参加して作曲が実現した作品。中規模のso. の管楽器セクションにアルトとテナーのサクソフォン、バリトン・ホルン、3人の打楽器奏者を加えた編成。ソロ・トランペットには特殊奏法を含む高度な技巧とセンスが求められる。「ミステリオーソ」の第1楽章。ジャズの要素が織りこまれる「ヴィヴァーチェ」の第2楽章。第3楽章「間奏曲とカデンツァ」からアタッカで「カプリッチョ」(気まぐれに)の第4楽章「終曲」へ。終幕、ソロ・トランペットが最初の楽章の余韻を響かせる。ウィンドオーケストラのテクスチュアとハーモニックスが活かされた、美しい彩りの音楽。アラン・ド・リュデのトランペット、アントワープso. とマーティン・ブラビンズの指揮。2012年3月31日の初演メンバーによる録音。 | |||
クーシスト〜J.S.バッハ(1685-1750):無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ 全曲 〔ソナタ第1番 ト短調 BWV.1001 /パルティータ第1番 ロ短調 BWV.1002 / ソナタ第2番 イ短調 BWV.1003 /パルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004 / ソナタ第3番 ハ長調 BWV.1005 /パルティータ第3番 ホ長調 BWV.1006 〕 ヤーコ・クーシスト(Vn|使用楽器:マッテオ・ゴフリラー、1702年制作) | |||
録音:2015年1月、2016年5月、2017年5月、オステルローケル教会、オステルローケル、スウェーデン。制作・録音:インゴー・ペトリ。フィンランドのヴァイオリニスト、ヤーコ・クーシスト(1974?)は、オスモ・ヴァンスカが音楽監督のラハティso. でコンサートマスターを務め、現在、指揮者、作曲家としても活動している。2018年8月からクオピオso. の首席指揮者、また2019年にはフィンランド国立オペラで彼の新作歌劇「氷」の初演を指揮することが決まっている。彼は、BISレーベルへの録音が多く、「シベリウス作品全集」ではヴァイオリニストとして、初録音の曲も含む室内楽を中心とする作品を手がけた。クーシストの久しぶりのソロ・アルバムは、J.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータの全曲。彼は、ヴァイオリンを習っていた10歳の時に ホ長調のパルティータを課題として与えられ、5年から6年後には、いろいろなフーガを日課のように弾くようになったと言う。「技巧と音楽表現と目的の折り合いをつけるという、いつ終わるともしれない仕事には、なんというかスリルのような感覚がある。そのことが理解できたのも、鋭い洞察力を備えた先生たちの下で練習できたおかげだ。……これほど演奏しがいのある美しいヴァイオリン音楽は、他にない」とクーシストは語り、制作と録音を担当したインゴー・ペトリに感謝の言葉を贈っている。録音セッションは、ストックホルム市の北、ストックホルム群島に面したオステルローケルの教会で行われた。名器ゴフリラーで奏でる野太い音色をご堪能頂きたい。 | |||
チャイコフスキー・オン・ザ・ピアノ グリンカ/スドビン編曲:「ルスランとリュドミラ」序曲 チャイコフスキー/スドビン編曲:くるみ割り人形〜花のワルツ(*) チャイコフスキー:ドゥムカ Op.59 /四季 Op.37 より〔11月 トロイカ/6月 舟歌〕/ 2つの小品 Op.10 〔夜想曲/ユモレスク〕/夜想曲 Op.19 No.4 / 18の小品 Op.72 より〔優しい非難/5拍子のワルツ/悲しい歌〕 チャイコフスキー/スドビン編曲:眠りの森の美女〜ワルツ(*) /幻想序曲「ロメオとジュリエット」 エフゲニー・スドビン(P) ベッラ・スドビン(P;*) | |||
録音:2020年2月、ゼンデザール、ブレーメン放送/2021年6月、ヴェステロス・コンサート・ホール/2022年7月29日、リストツェントルム、オーストリア。スドビンのチャイコフスキー・アルバム。でありながらグリンカ「ルスランとリュドミラ」序曲に始まる。これはチャイコフスキーがモスクワ音楽院の開校式で「新音楽院で最初に響く音楽は、グリンカじゃなければダメ!」と自らピアノに向かい弾いた逸話を再現。当然即興で楽譜にもしていないため、スドビンが想像で編曲している。原曲自体が急速でボルテージが高く、これまでヴィルトゥオーゾ編曲がなかったのがむしろ不思議で、スドビンの華麗な編曲で新たな生命を得たと申せましょう。アルバムの中心はスドビン編曲の幻想序曲「ロメオとジュリエット」。ドラマチックな迫力と中間部の甘美なメロディの歌いまわしが絶品。同じく「くるみ割り人形」の「花のワルツ」と「眠りの森の美女」の「ワルツ」は4手用編曲で、12歳の愛娘ベッラ(高音部)と連弾している。非常に華やかで、スドビンの編曲の才能をうかがえる。「眠りの森の美女」はラフマニノフの編曲にさらに手を加え華麗にしている。そのほかチャイコフスキーのオリジナル・ピアノ曲を9篇披露、チャイコフスキーのメルヘンの世界をたっぷり堪能出来る。時にパッセージを変更し、より効果的にするなど往年のロシアの巨匠たちを思わせる。 | |||
ザ・ブランデンブルク・プロジェクト〜 J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全6曲) BWV.1046-1051 マーク=アンソニー・ターネジ(1960-):独奏チェロ、2つのオーボエ、コーラングレ、 コントラファゴット、2つのホルンと弦楽のための「マヤ」(2016) スティーヴン・マッキー(1956-):ピッコロ・トランペット、フルート、オーボエ、 ヴァイオリン、チェンバロと弦楽オーケストラのための「トリケロス」(2015) アンデシュ・ヒルボリ(1954-):ヴァイオリンと弦楽のための「バッハ・マテリア」(2017) オルガ・ノイヴィルト(1968-):フルート、2つのトランペット、弦楽アンサンブル、 キーボードとタイプライターのための「アエロ〜ハインリヒ・シフの思い出に」(2016-17) ウリ・ケイン(1956-):フルート、ヴァイオリン、ピアノと弦楽オーケストラのための「ハムサ」(2015) ソリスト: モッテン・ラーション(Ob) アンティエ・ヴァイトハース(Vn) マハン・エスファハニ(Cemb) マヤ・ベイザー(Vc) ホーカン・ハーデンベルガー(Tp) フィオーナ・ケリー(Fl) ペッカ・クーシスト(Vn) クレア・チェイス(Fl) ウリ・ケイン(P) タベア・ツィンマーマン、ブレット・ディーン(Va)他 トーマス・ダウスゴー指揮スウェーデン室内o. | |||
録音:2017年5月、オルブレー・コンサートホール/2017年8月、2018年3月、7月、9月、オレブルー大学音楽劇場芸術学部コンサートホール、すべてオレブルー、スウェーデン。トーマス・ダウスゴー率いるスウェーデン室内o. がブランデンブルク協奏曲全曲と6人の作曲家による新作委嘱を交えた大注目盤をリリースする。このアイディアの構想は2001年にさかのぼる。ダウスゴーが同団のアーティスティック・マネージャーのグレゴール・ズビッキーとの会話で「ヴィヴァルディの「四季」、ベートーヴェンの「運命」、バッハのブランデンブルク協奏曲などの有名な作品は、私たちが日々の生活を送る中で単に心地よい“仲間 "となってしまう危険性があり、それらを当たり前のものと捉えてしまう傾向すらある。」という問いからはじまる。そこでバッハのブランデンブルク協奏曲と現代の作曲家たちの委嘱作品を交えたプログラムで構成した「ザ・ブランデンブルク・プロジェクト」のアイディアがうまれた。このプロジェクトは2018年にロイヤル・アルバート・ホールで開催されるBBCプロムスでこれらの全作品を1日、で上演することによってクライマックスを迎えるという予定で進められた。このプロジェクトではそれぞれのブランデンブルク協奏曲の対になるように個性異なる6人の作曲家(マーク=アンソニー・ターネジ(1960-)、スティーヴン・マッキー(1956-)、アンデシュ・ヒルボリ(1954-)、オルガ・ノイヴィルト(1968-)、ウリ・ケイン(1956-)、ブレット・ディーン(1961-))の新作を収録。名曲の魅力再発見とともに全12篇が非常に大きな宇宙を描く。構想から17年後の2018年、このプロジェクトは大成功を収めた。当演奏ではなんといっても超豪華ソリスト陣に注目!ヴァイオリンのアンティエ・ヴァイトハースとペッカ・クーシスト、ヴィオラのタベア・ツィンマーマン、チェンバロのマハン・エスファハニ、トランペットのホーカン・ハーデンベルガーなどの名手が集い、これ以上ないほどの極上の演奏を堪能することが出来る。今世紀にうまれたブランデンブルク協奏曲全曲録音の必聴盤になること間違いなしの注目盤。 | |||
瞑想 [Meditatio] ジェイムズ・マクミラン(1959-):子供の祈り / ジョン・タヴナー(1944-2013):子羊 フーギ・グヴズムンソン(1977-):休息 / ヨウン・レイフス(1899-1968):レクイエム(愛しい娘に捧げる哀歌) モーテン・ローリドセン(1943-):光より生まれし光よ / エリック・ウィテカー(1970-):黄金の光 ソルケトル・シーグルビョルンソン(1938-2013):今、太陽が沈む シーグルズル・セーヴァルソン(1963-):主よ、今こそあなたは エリクス・エシェンヴァルズ(1977-):おお、救いのいけにえよ アンナ・ソルヴァルスドウッティル(1977-):お聞き下さい、天の高みにいる神よ ソルケトル・シーグルビョルンソン(1938-2013):お聞き下さい、天の創り主よ ホルズル・アウスケルソン(1953-):休息 / フレイザル・インギ・ソルステインソン(1978-):主よ、今こそあなたは アルヴォ・ペルト(1935-):主よ、今こそあなたは ホルズル・アウスケルソン指揮レイキャヴィーク・スコラ・カントルム | |||
録音:2015年10月、ハトルグリーム教会、レイキャヴィーク、アイスランド。11月の第1日曜日、アイスランドの首都レイキャヴィークのハトルグリーム教会では、11月1日の「諸聖人の祝日(万聖節)」11月2日の「死者の日(万霊節)」が、ひとつの祝日として祝われる。この教会を活動の本拠とする合唱団、1996年に合唱指揮者ホルズル・アウスケルソンが創設したレイキャヴィーク・スコラ・カントルム(スコラ・カントルム室内合唱団)の新しいアルバム『瞑想』では、この行事で歌われる合唱作品から、死別の深い悲しみを希望と慰めととらえた、20世紀と21世紀の曲を集めたプログラムが組まれた。1996年、スコットランドの町ダンブレインの小学校で起きた無差別殺傷事件で犠牲になった生徒と先生を悼むマクミランの「子供の祈り」。ウィリアム・ブレイクの詩によるタヴナーの「子羊」。アメリカのローリドセンが、1977年、母の死に際して作曲した「永遠の光(ルクス・エテルナ)」の第3曲「光より生まれし光よ」。アメリカ合唱界をリードするもうひとり、ウィテカーEricWhitacreが、キリストの誕生を詠んだエドワード・エッシュの詩のラテン語訳に作曲した「黄金の光」。聖トマス・アクィナスが聖体拝領式のために書いた聖歌からテクストを採った、ラトヴィア、エシェンヴァルズの「おお、救いのいけにえよ」。ペルトの代表作のひとつ、『ルカによる福音書』(第2章29節?32節)に基づく「主よ、今こそあなたは」。「平行五度」が特徴的なアイスランドの曲も、ハトルグリーム教会の行事に欠かせないレパートリー。「タンポポは眠る、野に美しく……」とアイスランドのヨウナス・ハトルグリームソンが詠んだ伝承詩にテクストを求め、水の事故で失くした娘リーヴをしのんだヨウン・レイフスの「レクイエム(愛しい娘に捧げる哀歌)」。アイスランドの古い旋律に基づくアンナ・ソルヴァルスドウッティルの「お聞き下さい、天の高みにいる神よ」。ホルズル・アウスケルソンとフーギ・グヴズムンソンの「休息」は、スノルリ・ヒャルタルソンの同じ詩に作曲された--「静寂の湖がおおい隠す 山越えの私の道を 静けさのうちに 夜の暗がりのうちに……」。スコラ・カントルムのバス・パートを歌うシーグルズル・セーヴァルソンとフレイザル・インギ・ソルステインソンの曲も歌われる。ペルトの曲と同じテクストによる「主よ、今こそあなたは」。フレイザル・インギの作品は、アイスランド現代音楽の先駆者のひとり、このアルバムの「今、太陽が沈む」と「お聞き下さい、天の創り主よ」の作曲者ソルケトル・シーグルビョルンソンを追悼するため作曲された。マクミラン、ウィテカー、エシェンヴァルズ、インギ、ペルトの曲では、スコラ・カントルムのメンバーが独唱と重唱を担当。録音セッションは、広い空間をもつハトルグリーム教会で行われた。ブックレットに英語、アイスランド語、ラテン語の歌詞が、英語対訳と合わせて掲載されている。 | |||
鈴木&BCJ 〜 Gloria in excelsis Deo〔いと高きところには神に栄光あれ〕 J.S.バッハ:カンタータ〔第69番「わが魂よ、主を讃え」 BWV.69 / 第30番「喜べ、贖われし者たちの群れよ」 BWV.30 / 第191番「いと高きところには神に栄光あれ」 BWV.191 〕/ ミサ曲 ロ短調 BWV.232 〜我らに平和を与えたまえ(#) *インタビュー:鈴木雅明、鈴木環、鈴木優人、鈴木秀美、三宮正満、寺神戸亮、若松夏美、高田あずみ、青木洋也、 緋田芳江、ペーター・コーイ、 ロビン・ブレイズ、ハナ・ブラシコヴァー、ゲルト・テュルク、 ロベルト・フォン・バール(BISレコード最高経営責任者)、 ロビン・A.リーヴァー(音楽学/イェール大学宗教音楽研究所)、 郡司隆男(神戸松蔭女子学院大学学長)※出演者の肩書きは収録当時。 *特典映像:あなたにとって「教会カンタータ」とは? 三宮正満、寺神戸亮、緋田芳江、鈴木優人、若松夏美、青木洋也、鈴木秀美、ロビン・ブレイズ、 ハナ・ブラシコヴァー、ペーター・コーイ、ゲルト・テュルク、 イェンス・ブラウン(サウンド・プロデューサー)、トーレ・ブリンクマン(サウンド・プロデューサー) *ロビン・A.リーヴァー氏による曲目解説|●舞台裏I|●舞台裏II ハナ・ブラシコヴァー(S) ロビン・ブレイズ(CT) ゲルト・テュルク(T) ペーター・コーイ(B) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン 菅きよみ(Fl−tr) 三宮正満(Obダモーレ) 寺神戸亮(Vn) | |||
収録:2013年2月、神戸松蔭女子学院大学チャペル| (#):初出| (#以外):初映像商品化| 16:9 HD, 1920 x 1080/94i / LPCM ステレオ、LPCM 5.0 Surround, 24bit/96kHz(演奏)/ LPCM ステレオ、 24bit/48kHz(インタビュー&特典映像)| 133分(演奏 68分+インタビュー&特典映像 25分)|字幕:英独日|旧・国内仕様盤: KKC-9206 〔廃盤〕。
BCJによるJ.S.バッハのカンタータ全集録音、その最終となった第55巻を映像収録したブルーレイが登場! 音楽監督鈴木雅明をはじめとした演奏者、関係者のインタビュー映像も満載。1995年に開始したバッハ・コレギウム・ジャパンによる大偉業、J.S.バッハのカンタータ全集録音は18年を経て2013年に完結した。当ブルーレイ・ディスクはその最終となった第55巻を映像収録(ミサ曲ロ短調BWV.232からの「我らに平和を与えたまえ」は第55巻に収録されていないので初出!)したもので、映像商品のリリースはBISレーベルからは初となる。しかも、本編にあたる演奏は24bit/96kHz、インタビュー&特典映像は24bit/48kHzでの収録でハイレゾであることも注目。日本の団体としては初で、まさに世界に誇る偉業は、録音当初より神戸松蔭女子学院大学チャペルで行われてきた。カンタータ全集録音の最後を飾った2013年2月の収録は、カンタータ第69番「わが魂よ、主を讃え」、第30番「喜べ、贖われし者たちの群れよ」、第191番「いと高きところには神に栄光あれ」、そして「我らに平和を与えたまえ」〜ミサ曲ロ短調だった。たくさんの思いがつまった演奏に加え、音楽監督の鈴木雅明をはじめ、鈴木秀美、鈴木優人、寺神戸亮、若松夏美、高田あずみ、三宮正満といった演奏者、ハナ・ブラシコヴァー、ロビン・ブレイズ、ゲルト・テュルク、ペーター・コーイ、鈴木環といった歌手陣のインタビューも収録。さらにBISレーベルの社主、ロベルト・フォン・バールがこのプロジェクトの始まりから、「彼ら(BCJ)がバッハの音楽の持つ意味を正しく伝えられると知り圧倒された」体験から大偉業の成功の確信までを熱く語っている。演奏者、関係者が人生をかけて作り上げたカンタータ大全集の締めくくりに相応しい充実の内容。 # DVD はアナウンスされておりません。また、2025年4月からの国内代理店で取り扱いがなく、海外からお取り寄せするため高額になります。 | |||
ルネサンス期イタリアのリュート・ヴィルトゥオーソたち フランチェスコ・ダ・ミラノ(1497-1543): ファンタジア〔第15番/第22番/第33番/第34番「ラ・コンパーニャ」/第55番/第66番〕/ リチェルカーレ〔第3番/第51番〕/クアンタ・ベルタ(原曲:アルカデルト)/ 私の悲しい不満(原曲:リシャフォール)/君は私が死んだといった(原曲:セルミジ) アルベルト・ダ・マントヴァ(1500頃-1551): ラ・ロマネスカ/ファンタジア〔第13番/第16番/第20番〕/ さあおいで(原曲:ジャヌカン)/おお、散り散りの歩み(原曲:フェスタ) マルコ・ダッラクイラ(1480頃-1544): リチェルカーレ〔第30番/第32番/第33番〕/ファンタジア第19a番/サルタレッロ「 La Traditora 」/ うちの亭主はお人好し(原曲:パスロー)In te Domine speravi(原曲:ジョスカン・デ・プレ)/ Nous bergier(原曲:ジャヌカン)/ Plus nulz regrets(原曲:ジャヌカン) ヤコブ・リンドベリ(リュート) | |||
録音:2015年5月、レンナ教会、スウェーデン。 | |||
Roma aeterna フランシスコ・ゲレロ(1528-1599):天の女王、喜びませ パレストリーナ(1525-1594):教皇マルチェルスのミサ曲/汝はペテロなり/泉の水を求める鹿のように ビクトリア(1548-1611):ミサ曲「おお、なんと栄えあることか」 ニューヨーク・ポリフォニー [ジェフリー・ウィリアムズ(CT) スティーヴン・カルディコット・ウィルソン(T) クリストファー・ディラン・ハーバート(Br) クレイグ・フィリップス(B)] ティム・ケラー(CT) アンドルー・フックス(T) ジョナサン・ウッディー(B−Br) | |||
録音:2015年8月、聖セシリア大聖堂内教会、オハマ、ネブラスカ州、 US 。2006年に結成された男声4名のアンサンブル、ニューヨーク・ポリフォニー。当ディスクではルネサンス期の教会音楽を取り上げた。 | |||
ヘレーナ・ムンクテル(1852-1919)の音楽 ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.21 (1905) / 10の歌曲(Dix Melodies)(声とピアノのための)(#) / 小三重奏曲(Kleines Trio)(ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための)/ ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.21(初稿) トビアス・リングボリ(Vn) ソフィ・アスプルンド(S) クリスティーナ・ヴィニアルスキ(Vc) ペーテル・フリース・ユーハンソン(P) | |||
録音:2019年9月(#以外) 、2019年11月(#)、イレスタ教会、オールスンツブルー、スウェーデン|使用楽器: Violin: Niccolo Gagliano / Cello: Italian, Anon. , probably mid-18th Century / Piano: Fazioli F278 concert grand 。 Helena Munktell (1852-1919)は、スウェーデンのダーラナ地方、グリュークスブーに生まれた。ストックホルム音楽院(現、王立ストックホルム音楽大学)で、ライプツィヒ音楽院に留学したルードヴィーグ・ノルマンたちに学び、ウィーンのユリウス・エプシュタイン、パリのバンジャマン・ゴダールとヴァンサン・ダンディに師事。1885年にスウェーデンで作曲家としてデビューした。交響的絵画「砕ける波」や「ダーラナ組曲」などの管弦楽曲、室内楽曲、歌曲、オペラを中心に作品を発表。ダンディが委員長を務めていたパリの国民音楽協会(SNM)と、王立スウェーデン音楽アカデミーの会員に選ばれ、1918年には女性作曲家としてただひとり、スウェーデン作曲家協会の共同創設者に名を連ねました。BISレーベルが初めて制作するムンクテルの作品集。彼女の代表作とされている「10の歌曲」と2つの室内楽曲が収録されている。「ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調」は、循環形式と和声の書法などから、セザール・フランクの イ長調のソナタからインスピレーションを得て書かれたとされる4楽章の作品。1905年の秋にストックホルムでフランクのソナタと同じコンサートで初演された後、第2楽章「スケルツォ・ブルスコ」の58小節が作曲者の手で削除され、フランスで出版された。このアルバムの最後に追加収録された「スケルツォ・ブルスコ」は、初演時の初稿による演奏。「小三重奏曲」は、作曲年の記載がなく、ドイツ語の曲名がつけられたことから、パリ留学の前、ストックホルムで作曲されたと考えられている作品。「10の歌曲」は、なかば私的な集まりや公のコンサートで歌われて好評を博した歌をパリの著名な出版者、アルフォンス・ルデュックが曲集として1900年に出版した作品。ムンクテルの友人サークルの詩人、アメデ=ランデリ・エティシュAmedee-Landely Hettich (1856-1937)が、ダニエル・ファルストレムやエマ・スパッレたちのスウェーデン語の詩をフランス語に訳してテクストにした7曲、エティシュ自身の詩による「ゆりかごから」と「あなたが望むなら」。ムンクテルの作曲したコミック歌劇「フィレンツェにて(I Firenze)」の「カンティレーナ」は、アルマン・シルヴェストルArmand Silvestre (1837-1901)によるフランス語訳がテクストに使われている。BISは、このアルバムの録音にスウェーデンのベテランと若手の優れた音楽家を起用した。ヴァイオリニスト、コンサートとオペラの指揮者として活動、ムンクテルの管弦楽作品集(Sterling)を含む約20枚のディスクを録音しているトビアス・リングボリTobias Ringborg 。2019年のバーバラ・ハンニガン率いる「放蕩児の遍歴」のツアーでアン・トルーラブ役を歌い、12月のノーベル賞授賞式コンサートに出演したソプラノのソフィ・アスプルンドSophieAsplund 。ザグレブ音楽アカデミーのヴァルター・デシュパリとスウェーデンのトゥールレイフ・テデーンに学び、室内楽のチェリストとして活動するクリスティーナ・ヴィニアルスキKristina Winiarski 。アンデシュ・シールストレム、マッツ・ヴィードルンド、イタリアのコンスタンティン・ボジーノに学び、スウェーデン放送 P2のアーティスト・イン・レジデンスを務めるピアニスト、ペーテル・フリース・ユーハンソンPeter Friis Johansson 。彼が音楽財団の監督を務めているイレスタ教会でのセッション録音。「スウェーデン・ロマンティシズム」の香るアルバム。 | |||
C.P.E.バッハ(1714-1788):鍵盤独奏曲全集 Vol.32 専門家と愛好者のための6つのクラヴィーア・ソナタ第1集 Wq.55 より ソナタ〔ハ長調 Wq.55 No.1, H.244 /イ長調 Wq.55 No.4, H.186 /ト長調 Wq.55 No.6, H.187 〕/ 専門家と愛好者のためのロンド付きクラヴィーア・ソナタ第2集 Wq.56 より ロンド〔ハ長調 Wq.56 No.1, H.260 /ニ長調 Wq.56 No.3, H.261 /イ短調 Wq.56 No.5, H.262 〕 ミクローシュ・シュパーニ(クラヴィコード) | |||
録音:2015年7月、キーゼル・ホール、シント・トロイデン、ベルギー。第31弾(BIS-2131)に続き、ソナタ集 Wq.55 からソナタ& Wq.56 からのロンドを交互に収録。 | |||
セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-): Mana (2013-14)(ファゴット協奏曲)(*) /ファゴット・ソロのための「森林地帯」(2012) カレヴィ・アホ(1949-): ファゴットのための「ソロ V 」(1999) /ファゴット協奏曲(2004) (#) ブラム・ファン・サムベーク(Fg) オッコ・カム指揮(*) ディーマ・スロボデニュク指揮(#) ラハティso.(*/#) | |||
録音:2015年1月(*)、2016年1月(#)、シベリウスホール、ラハティ、フィンランド(*/#) /2015年11月、スウェーデン放送第2スタジオ、ストックホルム、スウェーデン(無印)。国際的にも知られる現代フィンランドの作曲家ふたりがファゴットのために書いた作品集。セバスティアン・ファーゲルルンドはシベリウス・アカデミーで学び、管弦楽曲、室内楽曲、器楽曲を中心に作曲してきた。声楽曲も手がけはじめ、2009年に歌劇「デーベルン」(BISSA-1780)を発表している。「とがったリズムに長くゆったり弧を描く旋律を組み合わせた、確固とした響きとゆたかな色彩」に特徴があり、モダニズムの厳格な手法に反対する立場をとっていると言われる。協奏曲は、彼が継続して手がけるジャンルのひとつ。クラリネット協奏曲(BISSA-1707)、サクソフォン協奏曲(Jase)、ヴァイオリン協奏曲「光の中の闇」(BISSA-2093)につづいて書かれたファゴット協奏曲は、スウェーデン語で「呼び起こす」、フィンランド語では「死と悪魔払い」を暗示、ポリネシアの文化圏では「目に見えない、超自然の力」を示すという「Mana」を曲名にとった、「緩-急-緩」の単一楽章の協奏曲。ヨーテボリso.とラハティso.とボルレッティ=ブイトーニ・トラストの共同委嘱による作品。ファゴット・ソロのための「森林地帯」は、協奏曲に先立って書かれた。「神秘の領域」をイメージ。協奏曲と同じくブラム・ファン・サムベークが演奏することを想定した作品。ブラム・ファン・サムベーク(1980-)はオランダの奏者。2002年から2011年までロッテルダム・フィルハーモニックの首席奏者を務め、2015年からはハーグの王立音楽院で教えながら、LSOやヨーテボリso.をはじめとするオーケストラに首席奏者として客演している。2011年にボルレッティ=ブイトーニ・トラスト賞を受賞、ニューヨークのリンカンセンター室内楽協会に参加した。カレヴィ・アホのファゴット協奏曲は、ヘルシンキ・フィルハーモニックのソロ・ファゴット奏者のベンツェ・ボガーニのために書かれた作品。「アンダンテ」「ヴィヴァーチェ」「パッサカリア(アダージョ)エ・カデンツァ」「プレスト」。「ソロV」は、ラハティso.のソロ奏者ハッリ・アハマスのために作曲された。ファゴットの最高音域から最低音域まで使った、劇的な性格の音楽。2曲の協奏曲にはラハティso.が共演した。アホの協奏曲は、オッコ・カムの後任として2016年から首席指揮者を務めるディーマ・スロボデニュクが指揮。スロボデニュクは、ロシア生まれ。シベリウス・アカデミーでセーゲルスタムとヨルマ・パヌラに学んだ。ヨーテボリso.を指揮したファーゲルルンドの管弦楽作品集(BISSA-1707)やトゥルク・フィルハーモニックとのマトヴェイェフのチェロ協奏曲とリンコラのピアノ協奏曲(ABCD-364)などの録音も高く評価されている。 | |||
トリオ・ツィンマーマン ヒンデミット(1895-1963):弦楽三重奏曲〔第1番 Op.34 (*) /第2番(#) 〕 シェーンベルク(1874-1951):弦楽三重奏曲 Op.45 (+) トリオ・ツィンマーマン[フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn) アントワーヌ・タメスティ(Va) クリスティアン・ポルテラ(Vc)] | |||
録音:2016年1月(*) 、2016年8月(#) 、 SRF スタジオ、チューリヒ(*/#) /2015年8月、ライトシュターデル、ノイマルクト(+) 。 トリオ・ツィンマーマン。BISレーベルからリリースされた、ベートーヴェン(BISSA-1857)、モーツァルト、シューベルト(BISSA-1817)はいずれもレコード芸術特選盤となった。期待の新アルバムでは20世紀を代表する作曲家、ヒンデミット、シェーンベルクの作品を取り上げた。なお、F. P. ツィンマーマンはヒンデミットの歿後50年にあたる2013年にヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリン・ソナタを収録したアルバム(BISSA-2024)をリリースし、各誌で絶賛されている。F. P. ツィンマーマンが認めるタメスティ、ポルテラのアンサンブルは驚くほど緻密で、美しさ、鋭さなど豊かな表情を乱れぬ演奏でお楽しみ頂ける。 | |||
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 〔第31番 変イ長調 Op.110 (*) / 第32番 ハ短調 Op.111 (*) 〕/ 6つのバガテル Op.126 (#) |
エフゲニー・スドビン(P) | ||
録音:2016年7月、セント・ピーターズ・ハレ、マンチェスター(*) /2014年11月、セントジョージ、ブリストル(#) 。繊細にして強靭なピアニズムが魅力のBISレーベルの看板アーティスト、エフゲニー・スドビン。欧米では「ホロヴィッツの再来」とも評されているほど高い評価を得ている。期待の新譜では満を持してベートーヴェンの後期ソナタに挑んだ。ベートーヴェンの作品について、ピアノ協奏曲は全曲録音いるものの、ピアノ独奏作品ははじめての録音となる。エフゲニー・スドビンといえば、光り輝く音色、歯切れのよいタッチ、流れるような推進力、そして絶妙な歌い回しを持ち味が最大の特徴で、このベートーヴェンでも彼の持ち味が発揮されている。味わい深いベートーヴェンをご堪能頂ける。スドビンは1980年サンクトペテルブルク生まれ。90年にベルリンで研鑽を積んだ後、王立音楽院でクリストファー・エルトンに師事。その間にイタリア、コモ湖国際ピアノアカデミー参加、マレイ・ペライヤ、クロード・フランク、レオン・フライシャー、スティーヴン・ハフ、アレクザンダー・ザッツにも師事している。BISレーベルの社主ロベルト・フォン・バール氏が惚れ込み、スカルラッティのソナタ集(BIS-1508)でデビュー。このディスクが欧米で大絶賛され、その後ベートーヴェン、ラフマニノフ、チャイコスフキー、メトネルなどの録音で高い評価を得た。今最も注目されるピアニストのひとり。 | |||
リゲティ(1923-2006): チェロ協奏曲(1966) (*) /13人の奏者のための室内協奏曲(1969-70) / 管弦楽のためのメロディ(1971) (#) /ピアノ協奏曲(1985-88) (+) クリスティアン・ポルテラ(Vc;*|使用楽器:ストラディヴァリウス「 Mara 」、1711年製) ヨーナス・アホネン(P;+|使用楽器:スタインウェイ D ) バルドゥア・ブレニマン指揮 BIT 20 アンサンブル | |||
録音:2014年4月、グリーグ・ホール(+) /2015年10月(+以外)、ランドス教会(*/#)、オセアナ芸術文化センター(無印)、ベルゲン(*/#/+)、オセアナ(無印)、すべて ノルウェー。ブダペスト音楽院でヴェレシュらに師事したリゲティの協奏曲集、歿後10年を記念したアルバム。リゲティは1956年のハンガリー動乱ののち亡命し、ウィーンに永住した。ダルムシュタット夏期講習の指導者、ストックホルムの王立音楽アカデミーの教授などを兼ねつつ前衛音楽を推進した作曲家の一人として知られている。リゲティの代名詞とも言える「アトモスフェール」と音群作法の総決算とも言える傑作「ロンターノ」の間である1966年に作曲されたチェロ協奏曲は、 音響と旋律の波が去来する20世紀を代表するチェロ協奏曲。ピアノ協奏曲は最も複雑で難解なスコアだと述べていたほどの大曲で、オカリナ、スライドホイッスル、ハーモニカを含んでいるのも特徴的。 | |||
レスピーギ 劇的交響曲(1913-14) / 歌劇「ベルファゴール」序曲(1924) |
ジョン・ネシリング指揮 リエージュpo. | ||
録音:2015年4月、フィルハーモニーホール、リエージュ。ジョン・ネシリング指揮リエージュ・フィルによるレスピーギの管弦楽作品集シリーズ。1914年に完成した劇的交響曲は演奏時間1時間ほどの3楽章構成の大曲。冒頭のティンパニの連打から強烈なインパクトをあたえ、そのテーマがリズムのパターンとして幾度も登場する重厚なオーケストレーションが魅力的。歌劇「ベルファゴール」序曲も冒頭からエネルギーが大爆発。レスピーギらしいキャッチーな旋律が印象的。ベルギーのオーケストラでありながらフランスを思わせる華やかなサウンドが魅力のリエージュ・フィルだが、ネシリングの熱いタクトで一層華々しい演奏を展開している。 | |||
鈴木雅明&タピオラ・シンフォニエッタ〜ストラヴィンスキー: プルチネルラ組曲(1924/1949) /バレエ音楽「ミューズをつかさどるアポロ」(1928/1947) / 弦楽のための協奏曲 ニ調(1946) 鈴木雅明指揮タピオラ・シンフォニエッタ | |||
録音:2015年4月、タピオラ・コンサートホール、フィンランド。1990年にバッハ・コレギウム・ジャパンを創設して以来、音楽監督として名声を博した鈴木雅明がなんとタピオラ・シンフォニエッタと共演し、ストラヴィンスキーを録音。研ぎ澄まされたアプローチにより雄弁かつ透明なサウンドを聴かせてくれる新感覚のストラヴィンスキーがここに誕生。J.S.バッハ演奏の第一人者として活躍する鈴木雅明だが、近年はBCJ以外との共演で様々なレパートリーを披露しており、2010年10月の東京シティ・フィルの定期演奏会ではマーラーの巨人を演奏し、ノンヴィブラートによる透明度の高い演奏で話題となった。 また2016年6月には東京交響楽団との共演でサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」(オルガンは鈴木優人)を演奏予定。 | |||
フランツ・シュレーカー(1878-1934): 楽劇「宝捜し」〜交響的間奏曲/歌劇「烙印を押された人々」前奏曲/歌劇「おもちゃ」前奏曲/ ある大歌劇のための前奏曲(未完の楽劇「メムノン」より)/楽劇「はるかなる響き」〜夜曲 ローレンス・レネス指揮王立スウェーデンo. | |||
録音:2015年6月、ストックホルム・コンサートホール、スウェーデン。 ワーグナー主義に印象主義を加味した作風で知られ、旋律性よりも多彩な和音の音色や響きを重視したフランツ・シュレーカーによる、歌劇からの管弦楽作品集。オペラ作品を得意とする指揮者ローレンス・レネス(1970-)はオランダ人。オランダ放送po.でエド・デ・ワールトのアシスタントをつとめ、2016年現在は王立スウェーデン・オペラ管の常任指揮者を務めている。BIS レーベルからは、ワーグナー・アルバム(BISSA-2052)がリリースされている。 | |||
C. P. E. バッハ(1714-1788):鍵盤独奏曲全集 Vol.33 〜 専門家と愛好者のためのロンド付きピアノ・ソナタ集 Vol.3 ロンド第1番 ホ長調 Wq.57 No.1(H.265) /ソナタ第1番 イ短調 Wq.57 No.2(H.247) / ロンド第2番 ト長調 Wq.57 No.3(H.271) /ソナタ第2番 ニ短調 Wq.57 No.4(H.208) / ロンド第3番 ヘ長調 Wq.57 No.5(H.266) /ソナタ第3番 ヘ短調 Wq.57 No.6(H.173) / カンツォネッタと6つの変奏曲Wq.118 No.8(H.275) ミクローシュ・シュパーニ(クラヴィコード) | |||
録音:2015年7月、キーゼル・ホール、シント・トロイデン、ベルギー。 | |||
チェロ・ライジング ドメニコ・ガッリ(1649-1697):無伴奏チェロ・ソナタ第3番 ジョヴァンニ・バッティスタ・デリ・アントーニ(1636-1696):無伴奏チェロのためのリチェルカータ・デチーマ ドメニコ・ガブリエリ(1659-1690):チェロと通奏低音のためのソナタ ト長調 ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767):チェロと通奏低音のためのソナタ ニ長調 TWV 41: D6 ジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエ(1689-1755):チェロと通奏低音のためのソナタ ト長調 ルイジ・ボッケリーニ(1743-1805):チェロと通奏低音のためのソナタ〔変ロ長調 G.8 /イ長調 G.4 〕 ミメ・ヤマヒロ・ブリンクマン(バロックVc) ビョルン・ガフヴァルト(Cemb) カール・ニューリーン(バロックG) | |||
録音:2015年6月、ダンデリード、スウェーデン。17世紀チェロ黎明期の作品から、チェロ音楽史におけるひとつの頂点を築いたボッケリーニまで、チェロ音楽の大いなる発展をたどる1枚。ミメ・ヤマヒロ・ブリンクマンは桐朋学園大学でモダーン・チェロを学んだ後、ハーグ王立音楽院でバロック・チェロとヴィオラ・ダ・ガンバを学んだ。ラ・プティット・バンド、バッハ・コレギウム・ジャパン、ターフェルムジーク・バロックo.などと共演し、ソリストとしても活躍する才能あふれる古楽奏者。ガッリ、アントーニ、ガブリエリはチェロ音楽最初期の作品。この時代の作品は調弦の音程も現在とは異なり、第1弦がgに合わされていた。ガブリエリの作品ではこの調弦の音色を生かした重音が聴ける。収録曲を順番に聴いていくと、ボッケリーニのソナタ2曲の歌の雄弁さと技術の革新的な高まりに驚かされる。変ロ長調ソナタの終楽章など本当に楽しい音楽で、ドローン風の重音や、高音域での速弾きの演奏効果が絶大。楽器の限界をまったく感じさせない自在な音運びとスケールの大きさに魅了される。 | |||
小川典子〜サティ(1866-1925):ピアノ独奏曲全集 Vol.1 グノシエンヌ〔第1番−第7番〕/ピカデリー/あらゆる意味で でっちあげられた数章/最後から2番目の思想/ 太った木の人形のスケッチとからかい/官僚的なソナチネ/金の粉/ひからびた胎児/自動記述法/ジュ・トゥ・ヴ/ 1世紀ごとの時間と瞬間的な時間/壁掛けとしての前奏曲/嫌な気取り屋への3つのワルツ/3つのジムノペディ 小川典子(P) | |||
録音:2015年8月-9月、Jスタジオ、東京音楽大学。使用楽器:エラール、1890年製。 BIS レーベルを代表する世界的ピアニスト小川典子。ドビュッシーのピアノ曲全集(BIS-1955)でも高い評価を集める中、新たに挑むのは2015年に歿後90年をむかえたサティのピアノ独奏曲全曲録音。彼女が2016年現在客員教授を務める東京音楽大学のスタジオでのセッション録音、使用楽器は1890年製エラールピアノで、ちょうどサティがピアノ曲の多くを次々に作曲した同時代の楽器で演奏。当時の響きを追求した期待のシリーズ。 | |||
カレヴィ・アホ(1949-): ソプラノ・サクソフォンと室内管弦楽のための協奏曲(2014-15) [アンデシュ・パウルソン(ソプラノSax) ヨン・ストゥールゴールズ指揮ラップランド室内o.]/ 木管楽器とピアノのための五重奏曲(2013) (#) [ヴァイノ・ヤルカネン(P) ラップランド室内o.団員 〔マルック・モイラネン(Ob) ペッカ・ニスカネン(Cl) アンタル・モイゼル(Fg) イルッカ・ププッティ(Hr)〕]/ ヴァイオリンのための「ソロ I 」(1975)[ヤーコ・クーシスト(Vn)] | |||
録音:2015年11月、コルンディ文化の家、ロヴァニエミ(#以外) /2017年4月、カレヴィ・アホ・ホール、ラハティ(#)、すべてフィンランド。 カレヴィ・アホは、フィンランド南部のフォルッサ生まれ。シベリウス・アカデミーでラウタヴァーラ、ベルリンのボリス・ブラッハーに作曲を学んだ。「虫の生活」をはじめとする5曲のオペラ、16曲の交響曲など、大規模な管弦楽作品と、室内楽、声楽のための作品を中心とする作曲活動を行っている。「ソプラノ・サクソフォンと室内管弦楽のための協奏曲」は、2016年までにアホが完成させた28曲の協奏曲のひとつ。ラップランド室内o. がアンデシュ・パウルソンのために委嘱、2014年秋から2015年の2月にかけて作曲された。「ソプラノ」の誘いかけるような旋律をもつ長い序奏に始まる「インヴォカティオ(祈り)-プレスト-カデンツァ」、「ネバーエンディング」の旋律が「神秘」を語る「ミステリオーゾ、ラルゴ」、「ヴィルトゥオーゾ」のパッセージから「沈黙」へと消えゆく「アレグレット・マルカート-プレストークワジ・エピローゴ」の3楽章構成。ソリストのアンデシュ・パウルソン(1961?)は、スウェーデンのサクソフォン奏者。マンハッタン音楽学校、ストックホルムの王立音楽大学、ボルドーの音楽院で学び、クラシカル、ジャズ、ワールド・ミュージックのプレイヤーとして活動。珊瑚礁と熱帯雨林を保護する基金に捧げられた合唱曲「ダニュガン・サンクチュアリ」などの作曲でも知られる。彼はソプラノサックスのトップランナーと目され、アホの作品の他、アメリカのジュディス・クラウドやスウェーデンのロルフ・マッティンソンたちも彼の楽器のために協奏曲を作曲している。「木管楽器とピアノのための五重奏曲」は、ドイツ、ロットヴァイル夏の音楽祭の芸術監督を務めるオーボエ奏者のインゴ・ゴリツキのために作曲された作品。モーツァルトの「五重奏曲 変ホ長調」(K.452)と同じ「オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、ピアノ」の編成。「トランクィッロ-アレグレット・オンデッジャンテ(やや速く、波立って)」「トッカータ」「ノクトゥルノ」「ブルレスコ」の4楽章から構成されている。「ソロI」は、ファゴットのための「ソロV」(BISSA--2206)など、これまでに12曲が書かれた一連の「独奏曲」の最初の作品。ゆったりした序奏につづく「プレスト」の音楽に、原始的で鋭利なリズムによる手法にストラヴィンスキーの影がうかがえる、シベリウス・アカデミーでアホが作曲とともに学んだ楽器「ヴァイオリン」のヴィルトゥオーゾ性の高い小品。 | |||
御喜美江〜J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 抜粋 前奏曲とフーガ〔第1巻第1番 ハ長調 BWV.846 /第1巻第2番 ハ短調 BWV.847 /第2巻第22番 変ロ短調 BWV.891 / 第1巻第5番 ニ長調 BWV.850 /第2巻第11番 ヘ長調 BWV.880 /第1巻第22番 変ロ短調 BWV.867 / 第1巻第13番 嬰ヘ長調 BWV.858 /第2巻第14番 嬰ヘ短調 BWV.883 /第2巻第15番 ト長調 BWV.884 / 第1巻第16番 ト短調 BWV.861 /第2巻第5番 ニ長調 BWV.874 /第1巻第24番 ロ短調 BWV.869 〕 御喜美江(アコーディオン|使用楽器: Giovanni Gola / Hohner 1972) | |||
録音:2016年10月、レンナ教会、スウェーデン|旧・国内仕様盤: KKC-4099 [廃盤〕。 日本が誇るアコーディオンの女王・御喜美江。BISレーベルからの5年ぶりの新譜は、バッハの平均律クラヴィーア曲集からの抜粋。90年代半ばにリリースしたバッハのアルバムでも非常に高い評価を得ただけに期待が高まる。「数限りなくたくさんの美しさ、驚き、魔力、冒険が隠されていて、弾けば弾くほど新しい発見が絶えない」と御喜美江が語るバッハの平均律は録音の構想から実に5年、満を持してついに実現した。ピアニストならば必ず演奏するこの曲集は、第1巻、第2巻とそれぞれ24の全ての調による前奏曲とフーガで構成されており、ハンス・フォン・ビューローが“音楽の旧約聖書"と呼び賞賛したことでも有名。御喜美江のアコーディオンの演奏は、実に多彩な表情を見せ、ことにフーガの各声部の表現は圧巻でバッハへの敬愛と音楽への真摯な姿勢を聴くことが出来る。温かみのある美しいアコーディオンの音色がスウェーデンのレンナ教会に響き渡る。 | |||
モーツァルト:3つのザルツブルク交響曲集 交響曲〔第21番 イ長調 K.134 (*) /第27番 ト長調 K.199 (162a) (*) 〕/ 交響曲第34番 ハ長調 K.338 (#) + メヌエット ハ長調 K.409 (#) マンフレート・フス指揮ハイドン・シンフォニエッタ・ウィーン | |||
録音:2006年2月、ライヒェナウ(*) /2015年4月、ブルックナーハウス(#)、すべてオーストリア。原盤・前出: VMS, VMS-155 (*) 。(*)は新リマスター。フス率いるハイドン・シンフォニエッタ・ウィーンによる「3つのザルツブルク・シンフォニー」。新録音に加え、かつて VMS/Zappel Music レーベルよりリリースされていた2曲の BIS レーベルによるリマスター版を収録。 | |||
シトコヴェツキー・トリオ
ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調(1914) サン=サーンス:ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 Op.92 (1892) シトコヴェツキー・トリオ [アレクサンドル・シトコヴェツキー(Vn) イサン・エンダース(Vc) ウー・チェン〔吴倩/呉倩〕(P)] | |||
録音:2019年9月1日-4日、ブリストル聖ジョージ、イングランド。2007年に結成されたアレクサンドル・シトコヴェツキー率いるピアノ三重奏団「シトコヴェツキー・トリオ」。メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番をおさめたアルバム(BIS SA-2109)はレコード芸術誌の特集「新時代の名曲名盤500」(2021年5月号掲載)にて同曲のベスト・ワン・ディスクに選ばれるなど、その精緻な演奏は各誌で評価されている。当アルバムはフランスを代表する作曲家ラヴェルとサン=サーンスを組み合わせた録音。芳醇な香り漂う美しい演奏には脱帽で、明瞭なアーティキュレーション、抜群のアンサンブル能力そして豊かな音楽性が魅力のシトコヴェツキー・トリオが溌剌とした演奏を聴かせてくれる。2021年はサン=サーンスの没後100周年だけにさらなる注目を集める新譜と言えるだろう。ベートーヴェンのピアノ三重奏曲集 Vol.1[第3番&第6番 ](BISSA-2239)、ドヴォルジャーク、スメタナ、スークの作品集(BISSA-2059)、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲集(BISSA-2109)もあわせてお楽しみ頂きたい。 | |||
フォーレ(1845-1924):チェロ作品集 ロマンス イ長調 Op.69 /蝶々 イ長調 Op.77 /セレナード ロ短調 Op.98 /子守歌 ニ長調 Op.16 / チェロ・ソナタ〔第1番 ニ短調 Op.109 /第2番 ト短調 Op.117 〕/2つのチェロのための初見視奏曲(1897) (*) / 「ドリー」〜子守歌 Op.56 No.1 /シチリアーナ ト短調 Op.78 /悲歌 ハ短調 Op.24 / アンダンテ〜チェロとハルモニウムのための(ロマンス Op.69 のオリジナル版) アンドレアス・ブランテリド(Vc|使用楽器:ストラディヴァリウス「ボニ・へーガル」、1707年製) ベンクト・フォシュベリ(P|使用楽器: Steinway & Sons D) フィリップ・グラデン(Vc;*) | |||
録音:2015年11月、スウェーデン放送第2スタジオ、スウェーデン。チェロの貴公子ブランテリド。2015年の初来日公演ではバッハの無伴奏チェロ組曲を披露。大器を予感させるスケールの大きな演奏で好評を博した。グリーグ、グレインジャー、ニルセンのアルバム(BISSA-2120)に続く BIS レーベル第2弾はフォーレの作品集。2つのチェロ・ソナタを主軸に輝かしく艶やかな美音で演奏をしている。ブランテリドは1987年スウェーデン人とデンマーク人の両親のもとに生まれ ました。父より手ほどきを受け、14歳のときコペンハーゲンでエルガーのチェロ協奏曲をデンマーク王立o. と演奏し協奏曲デビューし、この演奏会を機に演奏家としてのキャリアが始まった。室内楽にも力を入れ、若手ヴァイオリニストのヴィルデ・フラングとも度々共演し、アルバムもリリースしている。新時代を担う、ブランテリドの演奏に注目。 | |||
鈴木雅明〜J.S.バッハ(1685-1750):トッカータ集 〔ト短調 BWV.915 /ニ短調 BWV.913 /ト長調 BWV.916 /ハ短調 BWV.911 / ホ短調 BWV.914 /ニ長調 BWV.912 /嬰ヘ短調 BWV.910 〕 鈴木雅明(Cemb|使用楽器:ヴィレム・クルスベルヘン、1982年制作〔モデル:リュッケルス〕) | |||
録音:2018年2月、神戸松蔭女子学院大学チャペル。好評を博しているイギリス組曲全曲(BISSA-2281)につづく鈴木雅明のチェンバロ演奏最新録音はバッハのトッカータ集。チェンバロのためのトッカータ集は全7曲存在し、成立はアルトシュタット時代の末期からヴァイマル初期の1706年から1709年頃の作品と考えられている。作風は自由な表現衝動に満ちており、ブクステフーデ体験を経たバッハ青年期の溌剌さを携える。バッハの権威、鈴木雅明が満を持して録音した注目盤。なお、楽器は2台のチェンバロのための協奏曲全集(BISSA-2051)、イギリス組曲全集でも使用した1982年ヴィレム・クルスベルヘン制作によるリュッケルスのレプリカで演奏しており、自在にして優美な表現が印象的。 | |||
コンソレーション〜ウクライナの魂の忘れられし宝 ルィセンコ:ドゥムカ=シュムカ(ウクライナ民謡主題による狂詩曲第2番)/ チェロとピアノのための「悲しみ」 Op.39 /私には同じこと(シェフチェンコ詩) コセンコ:練習曲 Op.8 No.8 /コンソレーション Op.9 No.1 / 彼らは無言で立っていた Op.7 No.2(ストラジェフ詩) /私は悲しい Op.7 No.10(レールモントフ詩) スコリク:クラリネットとピアノのためのカルパチア狂詩曲/ソプラノ、ヴァイオリンとピアノのためのメロディ メイトゥス:ヴァイオリンとピアノのためのアレグロ / レヴツキー:前奏曲 Op.4 No.1 /前奏曲 Op.7 No.2 リャトシンスキー:シェフチェンコ 組曲 Op.38 より/ヴァイオリンとピアノのためのメロディ ステツェンコ:私は立って春の声を聞く(ウクラインカ詩) / コレッサ:3つのコロムイキー(カルパチア舞曲) バルヴィンスキー:前奏曲 Op.1 No.2 / シルヴェストロフ:バガテル Op.1 No.1 / フィリペンコ:トッカータ ナターリヤ・パシチニク(P) ヤコブ・コラーニ(Vc) ツサンド・クァーヴェ(Br) エミール・ヨナソン(Cl) クリスティアン・スヴァルフヴァル(Vn) オリガ・パシチニク(S) | |||
録音:2015年8月-9月、スウェーデン放送スタジオ2。今日ウクライナは独立国ながら、日本においてロシアとの違いが周知されているとは言い難い。当盤にはウクライナ人作曲家たちによる、前衛的でなく民族色豊かな作品が集められている。ウクライナ音楽の父ミコラ・ルィセンコ(1842-1912)は愛国者でもあり、ウクライナとロシアの民謡の違いを示す著書も記している。「ドゥムカ=シュムカ」はリストのハンガリー狂詩曲の手法でウクライナの民族的モチーフを処理した魅力的なピアノ曲。一方「ウクライナのショパン」ことヴィクトル・コセンコ(1896-1938)は、ウクライナ音楽ならではのメランコリックな情感が魅力。またリャトシンスキー(1895-1968)、メイトゥス(1903-1997)、フィリッペンコ(1912-1983)らソ連時代を代表する人々の民謡を多用した絶美の世界も貴重。 | |||
ソラブジ:100の超絶技巧練習曲 Vol.5 〔第72番−第83番〕 |
フレドリク・ウレーン(P) | ||
録音:2014年7月(第72番-74番)、2015年4月(第75-83番)、ストックホルム。独学で作曲とピアノを学んだソラブジは、あのブゾーニに才能を見出され、その才能を開花させた。超大作の「100の超絶技巧練習曲」は身の毛のよだつ難曲で、全100曲通すと7時間かかる。いずれも狂気じみた音楽ながら、ピアノならではの妖しい美しさに満ちている。名手フレドリク・ウレーン超絶の演奏をお楽しみ頂きたい。 | |||
現代女性 リビー・ラーセン(1950-):若さと快楽の歌(1986) / アンナ=カーリン・クロッカル(1960-):スピーチ(2015) アンドレーア・タッロディ(1981-):光(2007) / レーラ・アウエルバッハ(1973-):子守歌(2002) アンナ・セーデルベリ=オッレテーグ(1958-):女声合唱のための「地に降り」(2013) セシリア・マクドウォール(1951-):天の元后(2004) / テボホ・モナコトラ(1972-):オレンジが熟した(2000) ナナ・フォルテ(1981-):二重混声合唱のための「解き放ちたまえ」(2003) ガリーナ・グリゴリエワ(1962-):男声合唱のための「天国に」(2012) マリア・ローヴベリ(1968-):砂に書いた文字(2014) / カーリン・レーンクヴィスト(1957-):合唱劇「Tilt」(1985) スサンネ・ルーセンベリ(1957-):息(1998) / クララ・リンドショー(1991-):見つけたもの(2010) マリヤ・グンドーリナ指揮ウプサラ大学cho. | |||
録音:2015年9月、2016年3月、ベリンゲ教会、ウプサラ、スウェーデン。スウェーデンのウプサラ大学合唱団が歌った13人の現代女性作曲家による混声合唱曲集。ウプサラ大学合唱団は混声cho.になって50周年を記念した2013年にウプサラ大学合唱団&アンデシュ・ヴァール作曲賞を創設した。応募資格は女性作曲家に限られ、男性作曲家のような活動機会にめぐまれない女性の創作を援助するとともに、今日の合唱音楽の発展に貢献することを目的としている。2014年にはマリア・ローヴベリ(1968-)の「砂に書いた文字」、2016年にはアンナ=カーリン・クロッカル(1960-)の「スピーチ」が同賞を受賞。ふたりともスウェーデンの作曲家。当ディスクには先の2つの受賞作に加え、ロシアの天才作曲家、レーラ・アウエルバッハの子守歌、1983年の声楽曲「Davidsnimm」で認められ国際的にも活躍するようになったカーリン・レーンクヴィスト、教会音楽家でもあるローヴベリが、人生の意味を内省するクリスティーナ・グラーセルの詩『砂に書いた文字』に作曲した作品、ダーラナ生まれのクロッカルがアメリカ原住民チーフ・ジョセフたちの印象に残る3つの「スピーチ」をテクストにした作品、ラーセンがルネサンス期の詩によるテクストをマドリガル形式で作曲した「若さと快楽の歌」など、テクストも作曲スタイルも多彩な作品が収録されている。ストックホルムから約1時間、旧都ウプサラはスウェーデンでもっとも古いウプサラ大学を擁し、今日も研究都市として栄えている。「みんなの歌」の名前をもつウプサラ大学合唱団は、1830年に男声cho.として設立された。その後、1963年から混声cho.に変わり、1988年から2009年までセシリア・リューディンゲル・アリーンが芸術監督を務め、彼女が同じウプサラのオルフェイ・ドレンガルの芸術監督に就任した後、ロシアのノヴォルソコルニキ生まれ、マリヤ・グンドーリナが2010年から芸術監督として指揮している。 | |||
エリック・サティ(1866-1925):ピアノ独奏曲全集 Vol.2 「天国の英雄的な門」への前奏曲/スポーツと気晴らし/3つのサラバンド/犬のためのぶよぶよした前奏曲/ 犬のための本当にぶよぶよした前奏曲/ばら十字団のファンファーレ/「子供の曲集」〜短い子供のお話/ 「星の息子」への前奏曲/「子供の曲集」〜迷惑な軽い罪/新子供の曲集 小川典子(P|使用楽器:エラール、1890年制作) | |||
録音:2015年8月-9月、Jスタジオ、東京音楽大学。 BIS レーベルを代表する世界的ピアニスト小川典子。2015年の歿後90年を記念して始動したサティのピアノ独奏曲全曲録音。 各誌で絶賛された第1弾(BISSA-2215/KKC-5644)に続き早くも第2弾が登場する。19世紀末から20世紀初頭のフランスで活躍したエリック・サティ(1866-1925)。10代のときパリ音楽院で学ぶも馴染めず、自由な発想の芸術家が集うモンマルトルで作曲活動を行った。1905年には作曲法を学び直すためにスコラカントルムでダンディに師事。作曲家としての知名度が上がるにつれ、ジャン・コクトーやピカソといった著名な芸術家たちから注目され親交を深めていった。やがて独自の世界を作り出し標題の風刺性とともに、何ものにもとらわれない純粋な音楽的感性の奔放な表現を追求していった。当ディスクに収録されている「犬のためのぶよぶよした前奏曲」など奇抜なタイトルの作品も多く、聴き手の興味をかきたてるサティ独自の世界が広がる。2015年8月から9月にかけて行われた当録音は現在客員教授を務める東京音楽大学のスタジオでのセッション録音。使用楽器は 1890年製エラールピアノで、ちょうどサティがピアノ曲の多くを次々に作曲した同時代の楽器で演奏した。当時の響きを追求した小川典子渾身の録音。 | |||
マーラー(1860-1911): 交響曲第5番 嬰ハ短調 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
録音:2016年6月、オーケストラ・ホール、ミネアポリス。 シベリウスの交響曲全曲録音でも高い評価を受けたオスモ・ヴァンスカ率いるミネソタo. がついにマーラーを録音、第1弾は第5番。2003年にミネソタ管の音楽監督に就任したヴァンスカは、ベートーヴェンの交響曲全集などで評価を高めた。しかし、当団では経営悪化に伴う労使対立が激しさを増し、2012年10月に経営側はロックアウトを決行。その後の2012/13年のシーズンは全てキャンセルとなり、当団の存続そのものも危ぶまれる状況となった。ヴァンスカは、労使の合意が成立した2014年1月に首席指揮者に復帰し、以後、団結力の増したミネソタ管の演奏は一層密度の濃いものとなっている。期待のマーラーの録音。流石ヴァンスカ!と思わせる緻密な構成と細部にまで注意が払われた圧巻の仕上がり。BISレーベルで数多くの録音を残してきたヴァンスカが最上級の演奏に達した大注目の録音。ことにドラマティックに歌い上げるアダージェットは涙なしには聴けない。ベートーヴェン、シベリウスなど数々の名盤をリリースしてきただけに非常に期待の高まる録音と言えるだろう。 | |||
ショスタコーヴィチ + ショスタコーヴィチ/ルドルフ・バルシャイ編曲:室内交響曲 Op.73a /室内交響曲 Op.83a 伝承曲/ネデア編曲:トルコ舞曲とゴイチャ舞曲/ルーマニア旋律組曲/ロシアのクレズマー舞曲 ロベルト・ベルトラン=ザバラ指揮 RE o. | |||
録音:2014年8月、スタジオ MCO 5 、オランダ放送。2009年創設の RE o. [the re:orchestra] は、ロッテルダム・フィル、オランダ放送フィル、フランス国立放送フィルのメンバーを含むオランダの団体。ヴィデオ・アーチストやダンサー、役者とのコラボで若者に人気がある。ここで取り上げているのはルドルフ・バルシャイ編曲によるショスタコーヴィチの室内交響曲2篇と、ルーマニアのツィンバロンの名手ヴァシレ・ネデアが編曲したエキゾチックな作品集。ルーマニアのロマ舞曲と、ロシアのユダヤ人の舞曲が狂乱の盛り上がりを見せるが、知らないで聴くとショスタコーヴィチの作品に思える。オランダで活躍するメキシコ人指揮者ロベルト・ベルトラン=ザバラが熱血系指揮を繰り広げている。 | |||
ノーブルでメランコリーな楽器〜19世紀のホルンとピアノのための作品集 ベートーヴェン(1770-1827):ホルン・ソナタ ヘ長調 Op.17 (1800) シューマン(1810-1856):アダージョとアレグロ Op.70 (1849) フランツ・シュトラウス(1822-1905):夜想曲 Op.7 (1864) ロッシーニ(1792-1868):前奏曲、主題と変奏曲(1860) サン=サーンス(1835-1921):ロマンス ホ長調 Op.67 (1866) グラズノフ(1865-1936):夢 Op.24 (1890) / デュカ(1865-1935):ヴィラネッラ(1906) ギルバート・ヴィンター(1909-1969):ハンターズ・ムーン(1942) アレック・フランク=ゲミル(Hr) アラスデア・ビートソン(P) | |||
録音:2016年1月、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザール、ケルン。 19世紀に生きた作曲家によるホルンとピアノのための作品集(ギルバート・ヴィンターのみ20世紀生まれ)。ベートーヴェンにはじまり、シューマン、フランツ・シュトラウス(リヒャルト・シュトラウスの父で、ホルンを中心に数多くの作品を残した作曲家)、ロッシーニ、サン=サーンス、グラズノフ、デュカと、19世紀に活躍した作曲家は実に多彩で、それぞれの作曲家の個性をホルンという楽器を通して堪能することができる充実の選曲・内容と言える。アレック・フランク=ゲミルは現在スコットランド室内管弦楽団の首席ホルン奏者をつとめる俊英。高度な技術を要するホルンだが、フランク=ゲミルは非常に完璧ともいえる技術を武器に実に雄弁に歌い上げ、聞き手を魅了する。 | |||
リシャール・デュビュニョン(1968-): 室内交響曲〔第1番 Op.63 (2013) /第2番 Op.77 (2017) 〕/ ピアノ、オーケストラとオブリガート・チェレスタ付きのための ピアノ協奏曲「クラヴィーアリアーナ」 Op.70 (2015) (*) 小川典子(P;*|使用楽器:スタインウェイ D ) ラファエル・リュッティ(チェレスタ;*) トーマス・ツェートマイアー指揮 ヴィンタートゥル・ムジークコレギウム[ロベルト・ゴンザレス=モンハス(コンサートマスター)] | |||
録音:2019年9月、シュタットハウス、ヴィンタートゥール、スイス。ローザンヌ生まれの作曲家リシャール・デュビュニョンによる2つの室内交響曲とピアノ協奏曲「クラヴィーアリアーナ(Klavieriana)」を収録したアルバム。演奏はトーマス・ツェートマイアー率いるヴィンタートゥル・ムジークコレギウム、ピアノ独奏は世界的ピアニスト小川典子。現在最も注目を集めている現代作曲家デュビュニョンは、パリ音楽院とロンドンの王立音楽院で作曲を学び修士号を取得。その後2002年にはパリの美術アカデミーよりピエール・カルダン賞、2014年にはスイスのヴォードワ文化財団賞を受賞。その活躍が評価され2015年にはSACEMグランプリを受賞している。ニューヨーク・タイムズ紙が「遊び心のある現代的感覚に牽引されている」と評、その音楽は現代作曲家の作品の中でも異彩を放つ。これまでに80を超える作品を発表し、ゴーティエ・カピュソン、ジャニーヌ・ヤンセン、レオニダス・カヴァコス、ジュリアン・ラクリン、ラベック姉妹、ジャン=イヴ・ティボーデなどのソリストパーヴォ・ヤルヴィ、ケント・ナガノ、アントニオ・パッパーノ、エサ=ペッカ・サロネンなどの指揮者によって演奏されてきた。デュビュニョンの代表作といえば「神秘交響曲」(2001-07)、「ヘルヴェティア交響曲」(2013-19)など、大規模で豊かなオーケストレーションで知られるが、当アルバムではそれらにくらべれば小規模ながら独特の響きと色彩感が際立つ作品でまさに唯一無二。ここに収められた作品でもドイツ音楽の複雑な構造ながらバルトークやメシアンを連想させる独特な手法で書かれている。「室内交響曲」といえばシェーンベルク、フランツ・シュレーカー、ミヨーがこのジャンルに取り組んだが、デュビュニョンもその存在を意識しながらもカラフルなオーケストレーションで仕上げた。第1番は1楽章構成、第2番は4楽章構成の作品。注目は小川典子独奏の「クラヴィーアリアーナ(Klavieriana)」。シューマンの「クライスレリアーナ」を想起させるこの作品は3楽章構成のピアノ協奏曲で超絶技巧作品。ピアノのパーカッシヴな性質を織り交ぜながらもリストを思わせるようなテクニックが散りばめられた第1楽章、叙情的で色彩豊かなピアノとその鏡のような役割で登場するチェレスタが魅力の第2楽章、1970年代のファンクを彷彿とさせるリズムに乗って、遊び心のあるバーレスク的なテーマが展開される第3楽章と、実に個性的なピアノ協奏曲。世界初演は2016年2月26日、小川典子ピアノ独奏、ファビアン・ガベル指揮 BBCso. により行われた。その小川典子が2019年9月にツェートマイアー率いるヴィンタートゥル・ムジークコレギウムとともに渾身の演奏を披露してくれた。様々な顔を見せてくれる唯一無二のピアノ協奏曲、ご期待頂きたい。 | |||
アッラン・ペッテション(1911-1980):交響曲第14番(1978) *特典DVD:ペッテションについてのドキュメンタリー 「The Song of Life」(1987年|制作:スウェーデンTV|118分|字幕:英) クリスチャン・リンドベリ指揮ノールショーピングso. | |||
録音:2016年1月、ルイス・デ・ギア・コンサートホール、ノールショーピング。 現代スウェーデンの作曲家アッラン・ペッテション(1911-1980)の交響曲シリーズ最新盤は第14番。晩年、病魔に襲われながらも交響曲を中心に精力的に作曲したペッテション。1978年には第14番、15番のふたつの交響曲を完成させている。ペッテションの生い立ち、生活環境から彼から生み出される音楽は暴力的で、まるで暗黒に突き落とされたような、聴いているだけで寒気がするような旋律が多くふくまれる。この第14番もペッテションの心の中の叫びや苦しみを感じさせるパッセージが随所に現れる。特典DVDにはスウェーデン・テレビが1987年に制作したペッテションの貴重なドキュメンタリー映像が収録されている。リンドベリの熱意と強い希望により、この貴重なドキュメンタリーが特典として付けられることが実現した。 | |||
J.S.バッハ:世俗カンタータ集 Vol.8 〔汝の果報を称えよ、祝福されしザクセンよ BWV.215 / 静かに流れよ、たわむれる波よ BWV.206 〕 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン ハナ・ブラシコヴァー(S) 青木洋也(CT) チャールズ・ダニエルズ(T) ロデリック・ウィリアムズ(B) | |||
録音:2016年2月、彩の国さいたま芸術劇場。 BCJ の世俗カンタータの第8集は、ザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト2世のために書かれた2篇で「汝の果報を称えよ、 祝福されしザクセンよ」 BWV.215 と「静かに流れよ、たわむれる波よ」 BWV.206 が収録された。今回も充実のソリスト陣が魅力のひとつで、澄み切った美しい声が魅力のハナ・ブラシコヴァーや実力派バス歌手ロデリック・ウィリアムズなど満を持してのキャスティング。「汝の果報を称えよ、祝福されしザクセンよ」は、ザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト2世のライプツィヒ訪問に際して、同地の学生の依頼により書かれた作品。テクストには当時の政治情勢の反映が見られる。一方、「静かに流れよ、たわむれる波よ」は 1734年の侯の誕生日に上演されるべく書かれたが、侯のライプツィヒ訪問が早まったため、36年に延期され上演された作品。ポーランド、ザクセン、オーストリア、ライプツィヒのそれぞれの流れる4河川をヴァイクセル河(B) エルベ河(T) ドナウ河(A) プライセ河(S)が擬人化されて登場する音楽劇。圧倒的な技術と豊かな表現が魅力。 | |||
ドビュッシー(1862-1918): 交響組曲「春」/サクソフォンのための狂詩曲(*) / スコットランド行進曲(民謡の主題による)/ 英雄の子守歌/ 神聖な舞曲と世俗的な舞曲(#) /夜想曲(+) |
クロード・ ドゥラングル(アルトSax;*) グルハラ・マシュロヴァ(Hp;#) ヨーロッパ室内cho.(+) ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
録音:2015年11月(*/+)、2017年5月、エスパラネード・ホール、シンガポール。ラン・シュイ指揮シンガポールso. によるドビュッシー作品集。「管弦楽のための映像」、「牧神の午後への前奏曲」、「海」を収録したアルバム(BISSA-1837)やバレエ音楽集(BISSA-2162)で明晰な解釈で注目される中、期待の第4弾では交響組曲「春」、神聖な舞曲と世俗的な舞曲など全6曲を収録した。当録音でも繊細で洗練された表現が持ち味のラン・シュイが透明度の演奏を披露している。シンガポールを代表する国立オーケストラである当団は、1997年、アメリカでの活動にも実績があった中国人指揮者、ラン・シュイを音楽監督に迎え、世界的に活躍するオーケストラに成長した。レコーディングにも積極的で、チェレプニンの交響曲全集の世界初録音、ラフマニノフの交響曲は特に高い評価を得た。BIS ecopak パッケージ。 | |||
ヴェルレーヌ・ソングブック〔ヴェルレーヌの詩による歌曲集〕 ドビュッシー:艶なる宴第1集 / ポルドフスキ:キティラ島/秘めやかに/小鳩/魅惑の時/マンドリン ラヴェル:草の上で / シュルツ:月の光 Op.83 No.1 / セヴラック:屋根の上の空 フォーレ:やさしき歌 Op.61 / ショーソン:4つの歌〜なぐさめ Op.13 No.1 / サン=サーンス:野を渡る風 アーン:「灰色の歌」より〔ふたりきり/素敵な時〕 / フォーレ:月の光 Op.46 No.2 キャロリン・サンプソン(S) ジョセフ・ミドルトン(P|使用楽器: Steinway D) | |||
録音:2016年1月、ポットン・ホール、サフォーク州、 UK 。バッハ・コレギウム・ジャパンのソリストとしてもおなじみの「名花」キャロリン・サンプソン。前作、花にまつわる歌曲集(BISSA-2102)に続き、ヴェルレーヌ(1844-1896)の詩による歌曲を録音した。名作曲家による美しい歌曲集。キャロリン・サンプソンは「完璧なコロラトゥーラ技術と豊かにのびる輝かしい声」と評され、世界の聴衆を魅了し続けている。バロック・古典派の 歌曲からオペラまで幅広いレパートリーを持っており、特にバッハ・コレギウム・ジャパンの結婚カンタータ&コーヒーカンタータ集はサンプソンの代表盤のひとつで、澄み切ったその歌唱は官能的で、聴くものを魅了してやまないと評価されている。サンプソンの美声をご堪能頂きたい。 | |||
オペラ・アリア集 モーツァルト:「イドメネオ」より〔序曲/ Quando avran fine omai - Padre, germani, addio / Solitudini amiche - Zeffiretti lusinghieri 〕/ 「フィガロの結婚」より〔 Giunse alfin -Deh vieni, non tardar / E Susanna non vien! 〕/ 「コシ・ファン・トゥッテ」より〔 Temerari, sortite / Ei parte 〕 グルック:「オルフォとエウリディーチェ」〜 Qual vita - Che fiero momento / 「アルミード」より〔 Enfin, il est en ma puissance / Ah! Si la liberte 〕/ 「トーリードのイフィジェニー」 〜 O malheureuse Iphigenie カミラ・ティリング(S) チェチーリア・ベルナルディーニ(Vn/リーダー) フィリップ・フォン・シュタインエッカー指揮ムジカ・セクロルム | |||
録音:2015年10月。ピリオド楽器使用。 スウェーデンのソプラノ歌手、カミッラ・ティリングによるグルックとモーツァルトのオペラ・アリア集。ティリングは BIS レーベルから既に3枚のアルバムをリリースしており、他にもラトル& BPOの『マタイ受難曲』の映像などに参加している。その確かな実力を裏付ける、美しく愛にあふれた透明な歌声が堪能出来る。オーケストラはドイツの逸材シュタインエッカー率いる南チロルのピリオドo.、ムジカ・セクロルム。バロック・オーボエの神アルフレード・ベルナルディーニの娘でもあるチェチーリア・ベルナルディーニがヴァイオリニスト兼リーダーを務めている古楽ファン注目の団体。 | |||
ラウリン〜J.S.バッハ、コレッリ、テレマン テレマン:組曲 ハ長調「水の音楽」TWV.55: C3 /協奏曲 ハ長調 TWV.54: B2 コレッリ:合奏協奏曲(*) 〔ニ長調 Op.6 No.4 /ト短調 Op.6 No.8「クリスマス協奏曲」〕 J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第6番 ヘ長調 BWV.1057 (*) ダン・ラウリン(リコーダー;*)指揮ヘーエー・バロック エミリー・ロース(リコーダー;*) アンナ・パラディソ(Cemb) | |||
録音:2015年10月、エースレーブ教会、スウェーデン。 BIS の看板アーティスト、ダン・ラウリン。あっと驚かせる妙技で聴き手を魅了し続けている。ラウリンらしい快活で明瞭な解釈は当録音でも冴えわたり、キラキラとしたリコーダーの音色を堪能することが出来る。 | |||
シベリウス:メゾ・ソプラノ、バリトン、男声合唱と管弦楽のための「クレルヴォ」 Op.7
オスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタo.、ヘルシンキ大学男声cho.(YL) リッリ・パーシキヴィ(Ms) トンミ・ハカラ(Br) | |||
録音:2016年2月4日-6日、オーケストラ・ホール、ミネアポリス、ミネソタ州、ライヴ|既出SACD: BISSA-9048 「フィンランドから北アメリカへの移民の始まった150周年を記念するコンサート」 (2 Discs) からクレルヴォのみ再発売(交響曲全集 BISSA-2506 にも含有)。クレルヴォは、オスモ・ヴァンスカの2度目の録音。2000年、新築のシベリウスホールで録音したラハティso. との最初のアルバム (BIS-1215)は、「カレワラ」の深い世界を洞察した演奏が高く評価され、この作品のレファレンス・ディスクのひとつになった。ミネソタo. のコンサートには、前のアルバムと同じメゾ・ソプラノのリッリ・パーシキヴィとヘルシンキ大学男声cho. (YL)が参加、フィンランドのバリトン歌手トンミ・ハカラがクレルヴォを歌っている。 | |||
歌、われらの歌〜テグネール&ヌードクヴィスト:混声合唱のための音楽 アリス・テグネール(1864-1943): 天国の神を賛美せよ幸いなり/恵まれし我ら/顕現日の賛美歌/聖金曜日のモテット/主はわが羊飼い/ 「デクシッポス」から/幸いなのは/羊飼いたちは幼児イエスに楽の音を/ベツレヘムの星/星への賛歌 グスタフ・ヌードクヴィスト(1886-1949): ダヴィデの詩編23番/歌、われらの歌/夜明けへの祈り/賛美の歌/祝祭の音楽(器楽のための)/ ダヴィデの詩編100番/わたしの魂は沈黙して/夏の歌/野の百合がどのように育つのか/ スズラン/クリスマスに/クリスマス、輝くクリスマス/ベツレヘムの星 リカルド・カールソン指揮ダンデリード・ヴォーカルアンサンブル イーダ・ファルク・ヴィンランド(S) アンデシュ・オールンド(Org) ステーンハンマル四重奏団 カタリーナ・リンドグレーン(Cb) | |||
録音:2014年11月、ノッルビュー教会、ヴェステロース、スウェーデン。12月のスウェーデン。クリスマスの季節が近づくと、どこからともなくキャロルの調べが聞こえてくる。さまざまなキャロルの中で、スウェーデンで生まれ、北欧の各国でもっともよく歌われるようになったのが、「湖と岸の空に輝く、遠くからの星 東方のあなたは、主の灯せしあかり……」と歌う「ベツレヘムの星」、そして、「クリスマス、クリスマス、輝くクリスマス。白い森の上、天の王冠に煌き、あまねく神の家に輝きを……」の「クリスマス、輝くクリスマス」。ストックホルムに近い都市、ダンデリードの合唱団と客演の音楽家たちによる「歌、われらの歌」は、「ベツレヘムの星」を作曲したテグネールと「クリスマス、輝くクリスマス」のヌードクヴィストの曲を特集したアルバム。アリス・テグネールは、スウェーデン南部のカールスハムン生まれ。スウェーデンの学校で学び、結婚後暮らした、郊外の新興住宅地ユーシュホルムでオルガニストのグスタフ・ヘッグとユーハン・リンデグレーンに学んだ。海難事故で亡くなった父の音楽の才能を受け継いだといわる彼女は、町の教会のための作品をはじめ、多くの合唱曲と歌曲を書いた。グスタフ・ヌードクヴィストはストックホルム生まれ。音楽院でオルガンとピアノと作曲を学び、オルガニストや映画館の楽士を務めた後、ベルリンに留学。第一次世界大戦が始まるとともに帰国し、アドルフ・フレードリク教会のオルガニストに任命された。亡くなるまで35年間このポストを務め、作曲家協会の創設にも参加している。教会行事のためのオルガン曲、ピアノの小品、そして、スウェーデンとスウェーデン系フィンランドの詩人の作品をテクストとする歌曲を作曲。ピアノ曲と歌曲は、そのほとんどが出版された。ダンデリード市の音楽活動の一翼を担うダンデリード・ヴォーカルアンサンブルは、2008年、ストックホルムの王立音楽大学でオルガンと合唱指揮を学んだリカルド・カールソンにより創設された。 | |||
Haochen Zhang plays シューマン:子供の情景 Op.15 / リスト:バラード第2番 ロ短調 S.171 ヤナーチェク:ピアノ・ソナタ 変ホ長調「1905年10月1日、街頭にて」 / ブラームス:3つの間奏曲 Op.117 ハオチェン・チャン(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2016年2月、ノイマルクト。 世界が注目する中国出身のピアニスト、ハオチェン・チャンがBISレーベルより本格的デビュー・ディスクをリリースする。「まるで巨匠の様な演奏だ。」と激賞した故マゼールをはじめ、巨匠をもうならせるハオチェン・チャンは、繊細な叙情性と聴衆を魅了する力強さをあわせもつ、若手随一のピアニスト。注目の選曲はシューマンの子供の情景にはじまり、リストのバラード第2番、ヤナーチェクのピアノ・ソナタ第1番「1905年10月1日、街頭にて」、そしてブラームスの3つの間奏曲という充実の構成。テクニックを前面に押し出すピアニスト若手が多い中、ハオチェン・チャンは既に成熟した音楽を紡ぎだしている。ヤナーチェクのピアノ・ソナタは、チェコ人のための大学創設を請願したデモに参加して殺された労働者を悼む作品で、10月1日、はその日付。3楽章の作品だったが、紛失により2楽章の作品として残された。詩的な表現力と卓越したハオチェン・チャンならではのこの選曲は若手にして既に成熟した音楽性の証明と言え、2015年6月の来日公演でも披露し絶賛されている。無限の可能性を感じさせる大型新人の演奏をお楽しみ頂きたい。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集 Vol.1 ピアノ三重奏曲〔第3番 ハ短調 Op.1 No.3 /第6番 変ホ長調 Op.70 No.2 〕/ アレグレット 変ロ長調 WoO.39 シトコヴェツキー・トリオ[アレクサンドル・シトコヴェツキー(Vn) イサン・エンダース(Vc) ウー・チェン〔吴倩/呉倩〕(P)] | |||
録音:2018年5月、ポットン・ホール、サフォーク。アレクサンドル・シトコヴェツキー、チェロのレオナルト・エルシェンブロイヒ、そしてピアノのウー・チェンで2007年に結成されたシトコヴェツキー・トリオ。その後2018/2019シーズンよりチェロのエルシェンブロイヒに変わりイサン・エンダースが新メンバーに加わった。当盤は新メンバー加入後初の録音で2020年の生誕250周年を記念してベートーヴェンのピアノ三重奏曲全曲録音を開始した。その第1弾として第3番、第6番とアレグレットが収録されている。明瞭なアーティキュレーション、抜群のアンサンブル能力そして豊かな音楽性が魅力の溌剌とした演奏を聴かせてくれる。 | |||
アッラン・ペッテション(1911-1980): 交響曲第5番(1960-62) /交響曲第7番(1966-67) |
クリスチャン・リンドベリ指揮 ノールショーピングso. | ||
録音:2017年6月、2017年1月、ルイス・デ・ギア・コンサートホール、ノールショーピング。 クリスチャン・リンドベリがノールショーピングso. と録音を続けている現代スウェーデンの作曲家アッラン・ペッテションの交響曲シリーズ。当ディスクには1960年代に作曲された交響曲第5、7番が収録された。この時期ペッテションは関節の痛みから体調は一向にすぐれない状態が続いていたが、その中でも交響曲を中心に精力的に作曲し続けており、ペッテションの作品の特徴といえる異様なまでに激しく暗い作品を残した。交響曲第5番はそうしたペッテションの特徴を色濃く呈した作品で、第7番はアンタル・ドラティによって初演され国際的にもその名が知られるようになったペッテションの傑作。ともにペッテションの人生をあらわしたかのような暗黒で暴力的なパッセージが随所にあらわれるが、一方で澄みきった弦の響きや天国を夢見ているかのような美しい旋律も印象的。強烈なインパクトの中に祈りも感じられる唯一無二の世界が広がる。 | |||
鈴木雅明〜J.S.バッハ(1685-1750):オルガン作品集 Vol.2 前奏曲とフーガ ト長調 BWV.541 /コラール「いと尊きイエスよ、われらはここに集いて」 BWV.730 / 協奏曲 ニ短調 BWV.596 /コラールと11のパルティータ「喜び迎えん、慈しみ深きイエスよ」/ おおイエス、汝尊き賜物 BWV.768 /協奏曲 ハ長調 BWV.594 / コラール「いと尊きイエスよ、われらはここに集いて」 BWV.731 /前奏曲とフーガ ハ長調 BWV.547 鈴木雅明(Org|使用楽器:マルク・ガルニエ製作) | |||
録音:2016年1月、 神戸松蔭女子学院大学チャペル|旧・国内仕様盤: KKC-4098
『松蔭は、私とバッハ・コレギウム・ジャパンの原点です。1981年にチャペルが完成、83年にガルニエのオルガンが完成して後、今にいたるまで230回以上にわたるチャペルコンサートが催されてきました。そのプロセスで、バッハ・コレギウム・ジャパンが生まれ、全教会カンタータが録音され、またあらゆるバロックオルガン作品が演奏されてきました。ここに、神戸松蔭女子学院の125周年にあたって、このオルガンを用いたバッハの作品の初めてのCDが上梓される運びに至ったことは、大きな喜びです。』(鈴木雅明「神戸松蔭女子学院大学のオルガンについて」/ライナーノートより)。鈴木雅明による J.S.バッハのオルガン作品集第2弾は、2016年現在客員教授を務める神戸松蔭女子学院大学のチャペルに据え付けられたマルク・ガルニエ製作のオルガンを用いての録音。1990年にバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)を創設して以来、音楽監督として、またバッハ演奏の第一人者 として名声を博した鈴木雅明。 BCJ とともに1995年に開始し、18年を経て2013年に完結した J.S.バッハの教会カンタータ全集は、まさに世界に誇る偉業として高く評価された。その録音会場となったのがこのチャペル。当会場におけるオルガン演奏の録音は東日本大震災へのチャリティCD「バッハ・フォー・ジャパン」(BIS-2011)で3篇のオルガン・コラールを録音している以外にはなく、オルガン作品だけを収録したものは今回がはじめてとなる。収録作品は、喜ばしく輝かしい前奏曲とフーガ ト長調 BWV.541、バッハの名作「いと尊きイエスよ、われらはここに集いて」 BWV.730&731、大曲コラール・パルティータ「おおイエス、汝尊き賜物」 BWV.768、すべての楽想が主題から導き出される快活な前奏曲とフーガ ハ長調 BWV.547、そして、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲をオルガン独奏に編曲した協奏曲 ニ短調 BWV.596 と ハ長調 BWV.594 。極めて高度な技術と表現力が要求される大曲を含む当録音だが、長きに渡り演奏し続けてきたこのガルニエ・オルガンで見事な演奏を披露している。日本語解説付ブックレット。 #国内代理店は国内仕様盤のみを扱い、輸入盤としては取り扱いません。 | |||
ロルフ・ヴァリーン(1957-): ヴァイオリン、弦楽オーケストラとサラウンドサウンドのための「都会の肌の下に」(2009/17) (*) / 出現(15の楽器のための版)(2003/07) (+) アイヴィン・ビューエネ(1973-): アンサンブルのための「ミニチュア」(2009/16) (**) /ヴァイオリン協奏曲(2013-16) (#) ペーテル・ヘッレスタール(Vn;*/#) オイヴィン・ビョロー指揮 アークティック・フィルハーモニック室内o.(*)、 アークティック・フィルハーモニック・シンフォニエッタ(*以外) | |||
録音:2016年3月-4月(#/+)、2016年12月(*/**)、ストルメン・コンサートホール、ボードー(*以外)、アークティック大学音楽院、トロムソ(*)、すべてノルウェー。 アヴァンギャルド・ロック、ジャズ、古楽から、伝統的なクラシカル音楽まで、幅広いジャンルを背景に作曲、クラリネット協奏曲(1996年)でNOMUS(北欧音楽委員会)賞を受賞したロルフ・ヴァリーン(1957-)。「あり得べき諸都市 /本質を衝く風景」(2L083SABD)など「思索」を背景とする作品を発表、作家としての活動でも知られるアイヴィン・ビューエネ(1973-)。世代もスタイルも異なるノルウェーの作曲家ふたりの作品を2曲ずつ収めたアルバム。ヴァリーンの「都会の肌の下に(Under City Skin)」は、ヴィオラを独奏者とした作品を「ヴァイオリニスト、弦楽オーケストラとサラウンドサウンド」のために改作。「都会の実在の音」を織りこんだ「ハイヒール(High-heeled Shoes)」「夜の公園(The Park at Night)」「機関車(Locomotive)」「田園詩(Pastorale)」の4つの楽章から構成された「詩的な音の旅」。「現れては消える感覚」と作曲者が語る「出現(Appearances)」は、アンサンブル・アンテルコンタンポランの委嘱で書いた作品を15人の小アンサンブルのために改訂した版で演奏される。ビューエネの「ヴァイオリン協奏曲」は、繊細で詩的な音の織りなすページを中心とする作品。「堕ちていく天使たち(Falling Angels)」「ぐっすり眠る(Sound Asleep)」「死者の声の間で(Among Voices of the Dead)」の3楽章に作曲者の音楽的、文学的な素養が濃く反映している。シューベルトのソナタの断片など、思いつくままにアイデアを投げ入れた6つの「小品」による「ミニチュア(Miniatures)」。ヴァイオリニストのペーテル・ヘッレスタール(1970-)は、現代の作品を主なレパートリーとし、彼がBISレーベルに録音したヌールハイム、トンメセン、ヘルステニウス、マトレ、デンマークのヌアゴー、イギリスのトマス・アデスの作品は、メディアから注目されてきた。 | |||
光 [Lux] 〜エミリア・アムペル(1981-)作・編曲: Spelpuma (戯れるピューマ)/ Halling etter Bråta Per (ブロータ・ペールのハリング)/ Ljus i mörkrets tid(暗黒の時代の光)/ Johanna’s bike ride (ヨハンナの自転車乗り)/ Den melancoliska pollonessen(メランコリックなポロネーズ)/ Lux (光)/ Elden(火)/ Polska efter Sven Donat (スヴェン・ドゥーナトのポルスカ)/ Näckens polska från gamla tider (昔の水の精のポルスカ)/ Trueman(トルーマン)/ Sälen(アザラシ)/ Butterfly bazaar (バタフライ・バザール) エミリア・アムペル(ニッケルハルパ/Vo) ブリジット・マーズデン(Vn) エンマ・アールベリ・エーク (5弦Vn) アンデシュ・ローヴベリ(Vc/バッキングVo) ウッレ・リンデル(ベース/バッキングVo) ダン・スヴェンソン(Perc/Vo) フレードリク・イッレ(Perc) | |||
録音:2016年3月、第2スタジオ、スウェーデン放送(SR)、ストックホルム、スウェーデン。スウェーデンのニッケルハルパ(キー付きフィドル)は、4本の弦と12本の共鳴弦と鍵盤をもち、澄んでいながら温もりの感じられる、よく響く個性的な音色が特徴の民俗楽器。この楽器は、20世紀の中頃に廃れかけたことがあるものの、復活を果たし、若い世代の奏者たちがさまざまなジャンルの音楽に使うようになっている。エミリア・アムペル(1981-)は、そうしたミュージシャンのひとり。スウェーデン南東部のトルソスで育ち、10歳のころニッケルハルパを弾き始めている。トロンハイムのノルウェー工科自然科学大学(NTNU)で音楽学と作曲を学び、ストックホルムの王立音楽大学、シベリウス・アカデミー、南デンマーク音楽演劇アカデミー、オーレ・ブル・アカデミーで民俗音楽を修めました。2010年には、ニッケルハルパの国際チャンピオンに選ばれ、彼女の作曲したニッケルハルパと弦楽オーケストラのための民謡組曲「Abrege(短縮)」を収めたトロンハイム・ソロイスツのアルバム「民謡の調子で」(2L-068SABD)がグラミー賞にノミネートされた。「光」は、2012年の「魔法の鳥(Trollfageln)」(BISSA-2013)に次ぐ彼女のソロアルバム第2作。前作と同様、彼女のオリジナル作品と伝承曲の編曲を組み合わせたプログラム構成がとられた。「すべての女性音楽家に捧げる」「戯れるピューマ」、クリスマスに先立つ「光の女神」ルシアの祭に際して作詞、作曲した「世界が外国人嫌い、不寛容、他人への冷たさに覆われる」「暗黒の時代の光」、親友の自転車事故から学んだ「ヘルメットは必ずかぶりましょう」という教訓を音楽にした「ヨハンナの自転車乗り」、瞑想しながら即興していて湧いてきたメロディがヴォカリーズの歌になった「輝く光の音楽」「光」、第一次世界大戦兵士の追悼式のために作曲した「トルーマン」、グループ「バザール」を率いたイラン出身のハープ奏者、アシタ・ハミディを偲んで書いた「バタフライ・バザール」。「私の歌はすべて、日常の生活、人々や土地や文化や運命との出会い、感情と思考といったものから生まれたエピソードだったり物語だったり……」。それぞれの曲は、ミュージシャン全員の合奏、小アンサンブル、彼女のソロで演奏され、「4つのニッケルハルパのため」に彼女が編曲した「スヴェン・ドゥーナトのポルスカ」は、彼女がソプラノとテノールのニッケルハルパのパートも弾き、多重録音された。 | |||
モーツァルト: 2つの行進曲 K.335 / セレナード〔第9番 ニ長調 K.320「ポストホルン」/ 第13番 ト長調 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 (+ 弦楽四重奏曲第1番 ト長調 K.80 〜メヌエット)〕 マイケル・アレグザンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミー | |||
録音:2015年12月、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザール、ケルン。 鬼才フォルテピアノ奏者、ロナルド・ブラウティハムによるモーツァルトのピアノ協奏曲全曲録音シリーズでもおなじみのマイケル・アレグザンダー・ウィレンズ率いるケルン・アカデミーがモーツァルトの管弦楽作品を収録した。1996年にマイケル・アレグザンダー・ウィレンズによって設立されたケルン・アカデミー。幅広いレパートリーの中でも最も得意とするのがこのモーツァルト。ここで聴くポストホルンやアイネ・クライネ・ナハトムジークは実に軽やか。アンサンブルの響きを大切にし、明るく彩ったモーツァルトを堪能することが出来る。なお、アイネ・クライネ・ナハトムジークは本来5楽章構成だったが、第2楽章が紛失している。当録音では弦楽四重奏曲第1番のメヌエットを第2楽章として演奏している。 | |||
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン作品集 パストラール/「火の鳥」より〔王女たちのロンド/子守歌/スケルツォ〕/歌劇「マヴラ」〜ロシアの歌/ 「ペトルーシュカ」〜ロシア舞曲/プルチネッラ組曲(全5曲)/協奏的二重奏曲/ 「ナイチンゲール」より〔ナイチンゲールの歌/中国行進曲〕 ルジェ・ド・リール/ストラヴィンスキー編曲:ラ・マルセイエーズ イリヤ・グリンゴルツ(Vn) ペーテル・ラウル(P) | |||
録音:2016年2月、ポットン・ホール、サフォーク、 UK 。 グリンゴルツによるストラヴィンスキーのヴァイオリン・アルバム。名ヴァイオリニストによる編曲ではなく、ストラヴィンスキーのオリジナルおよび彼自身の編曲を集めている。ストラヴィンスキーは弦楽器を「あまりに人声を連想させる」として好んでいなかったが、ヴァイオリニストのコハニスキとドゥシュキンとの出会いで彼らのためにヴァイオリン曲が産みだされた。「火の鳥」では「王女たちのロンド」と「子守歌」をコハニスキのために、「スケルツォ」をドゥシュキンのためにそれぞれ編曲している。興味深いのが「プルチネッラ組曲」。1933年にストラヴィンスキーがドゥシュキンと共作した「イタリア組曲」はしばしば演奏されるが、それではなく1925年にコハニスキのために編曲したいわば初版。全5曲から成り、「イタリア組曲」より技巧的でまばゆい効果を発揮する。グリンゴルツの技巧とつややかな音色で、ストラヴィンスキーが最初に構想していた音世界を再現してくれる。 | |||
エルビョルグ・ヘムシング ドヴォルジャーク(1841-1904):ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53 スク(1874-1935):ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲 ト短調 Op.24 / 愛の歌 Op.7 No.1(シュテファン・コンツ編曲/ヴァイオリンと管弦楽のための版) エルビョルグ・ヘムシング(Vn|使用楽器: G. B. グァダニーニ、ミラノ、1754年製) アラン・ブリバエフ指揮アントワープso. | |||
録音:2016年9月、アントワープ、ベルギー。 ノルウェーの期待の星、エルビョルグ・ヘムシング(エルドビョルク・ヘムシン)。BISデビュー盤となったショスタコーヴィチ&ボルグストレムの協奏曲(BISSA-2366)も記憶に新しいところだが、早くも第2弾が登場、ドヴォルジャークとスーク。ヘムシングは11歳でベルゲン・フィルとの共演でデビュー。ジュリアン・ラクリンやニコライ・スナイダーを育てたことでも知られるボリス・クシュニールに師事しその才能を開花させた。優雅な音色にしてスケールの大きな演奏が魅力のヘムシングは、今最も期待のされるヴァイオリニストの一人として注目されている。ドヴォルジャークでは第1楽章の冒頭から堂々たる存在感を放ち、終始発音よくスケールの大きな演奏を展開する。美しい抒情性が名高い第2楽章では情熱的に歌い上げる。終楽章ではいかにもドヴォルジャークらしい雄大な音楽が広がり、ヘムシングは楽しみながら演奏しているのが伝わって来る。ドヴォルジャークとともに20世紀のチェコを代表する作曲家スークは師ドヴォルジャークの娘と結婚。国民主義の作風から出発し、晩年は主観主義的・宗教的傾向を強めました。1902年から1903年にかけて作曲された幻想曲ではスークの豊かな音楽性を証明させる旋律が魅力で当演奏では23分たっぷりと弾いている。オーケストラの掛け合いと堂々たる独奏ヴァイオリンが印象的。一方、ピアノ作品として作曲された「愛の歌」はスークの初期の傑作。甘く優美な旋律をヘムシングは自由に歌い上げる。なお当演奏ではBPOのチェロ奏者にして編曲も手掛けるシュテファン・コンツによる“ヴァイオリンと管弦楽版 "で録音している。俊英指揮者アラン・ブリバエフの好サポートも光る注目盤。透き通るようなオーケストレーションが魅力。 | |||
F.P.ツィンマーマン〜 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲集 〔第1番 イ短調 Op.77 (*) / 第2番 嬰ハ短調 Op.129 (#) 〕 |
フランク・ペーター・ ツィンマーマン(Vn) アラン・ギルバート指揮 北ドイツ放送エルプpo. 〔旧・北ドイツ放送so.〕 | ||
録音:2012年12月6日、9日(*)、2015年10月29日-30日(#)、ハンブルク、ライヴ。使用ヴァイオリン:ストラディヴァリウス、「 Lady Inchiquin 」、1711年製(*)、「 ex Rodewalt 」、1713年製(#) 。 フランク・ペーター・ツィンマーマンが自身はじめてとなるショスタコーヴィチの2つ協奏曲を録音。 卓越したテクニックと、圧倒的な魅力である美音を武器に見事に歌い上げている。 なお、第1番の第3楽章と第4楽章との間におかれた長大なカデンツァだが、ツィンマーマンは自筆譜を元に演奏しているとのこと。通常演奏されているオイストラフ版との違いも興味深い。2つの協奏曲でそれぞれ違うストラディヴァリウスを使用しているのも注目。第1番の1711年製は、かつてクライスラーが所有していたもの。 | |||
ヒロインの「愛」と「喪失」 ジョヴァンニ・カプスベルガー(1580-1651):トッカータ・アルペッジャータ パーセル(1659-1695):おお、静かな小暗い場所へ連れていっておくれ/歌劇「ディドの嘆き」より ヴィヴァルディ(1678-1741):チェロ・ソナタ ト短調 RV.42 / ジョン・ベネット(1575-1614):ヴィーナスの鳥 バルバラ・ストロッツィ(1619-1677):恋するエラクレイト/私の涙 アレッサンドロ・ピッチニーニ(1566-1638):チャッコーナ クラウディア・セッサ(1570-1619): Occhi io vissi di voi / 作曲者不詳(17世紀):柳の歌 フランチェスカ・カッチーニ(1587-1640):私を独りにしておいて ルクレツィア・ヴィッツァーナ(1590-1662):おお、大いなる神秘 / 作曲者不詳(16世紀):おお死よ、われを眠りに ルビー・ヒューズ(S) ミメ・ヤマヒロ・ブリンクマン(Vc) ヨナス・ノルドベリ(テオルボ/リュート) | |||
録音:2016年4月-5月、レンナ教会、スウェーデン。 17世紀の女性作曲家とクラシック音楽のヒロインにまつわる作品を集めたアルバム。ジュリオ・カッチーニの長女フランチェスカの「私を独りにしておいて」やイタリア初期バロック音楽の作曲家・声楽家であるバルバラ・ストロッツィの「恋するエラクレイト」など、女性作曲家独特のふくよかで甘くも切ない旋律が魅力的。ルビー・ヒューズの透き通るような歌声でお楽しみ頂きたい。 | |||
アイヴズ(1874-1954): ヴァイオリン・ソナタ第4番「キャンプ・ミーティングの子供の日」(*) / ピアノ・ソナタ第2番「マサチューセッツ州コンコード 1840-1860 」(#) ヨーナス・アホネン(P) ペッカ・クーシスト(Vn;*/Va;#) シャロン・ベザリー(Fl;#) | |||
録音:2016年6月-7月、セッロホール、セッロサリ、エスポー、フィンランド。 リゲティの音楽と歴史的ピアノを弾いたベートーヴェンが評価されたフィンランドのピアニスト、ヨーナス・アホネン(1984-)のリゲティ:ピアノ協奏曲(BISSA-2209)次ぐ BIS 第2作。「ローカル」と「ノスタルジック」の「アメリカ」を超え、広く世界で理解されるようになったアイヴズの作品2曲が収録された。 「キャンプ・ミーティングの子供の日」の副題をもつヴァイオリン・ソナタ第4番は、彼の生まれたコネティカット州で19世紀後半に活発に行われていた夏のキャンプの記憶をインスピレーションに作曲された。第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ラルゴ」。第3楽章「アレグロ」に「まもなくかなたのながれのそばで」の讃美歌の旋律が「音が消え去ったあとにも、聞き手の想像力をさらに飛翔させる」(奥田恵二『「アメリカ音楽」の誕生』河出書房新社 p.230)と思わせる形で引用される。『コンコード・ソナタ』として知られるピアノ・ソナタ第2番「マサチューセッツ州コンコード、1840年-1860年」は、ニューイングランド気質の原点ともいえるコンコードに住んだ先人への共感を「音」として示した作品。超絶主義の作家で哲学者の「エマソン」、小説家「ホーソーン」の「スケルツォ」、コンコード・ヴィレッジの象徴といわれる「オーチャード・ハウス」の「オルコット父娘」(ブロンソン・オルコット、ルイーザ・メイ・オルコット)、ウォールデン・ポンドの森で試みた自給自足の日々を『ウォールデン森の生活』にまとめた思想家「ソロー」。アイヴズが「ベートーヴェンのもっとも偉大なメッセージのある」とみなす、第5交響曲を開始する「4つの音」が引用され、4つの楽章を通して主題として使われている。ヴァイオリン・ソナタのヴァイオリンと「エマソン」の「オプション」ヴィオラは、フィンランドのペッカ・クーシスト(1976-)が弾いている。ソリスト、室内楽奏者、指揮者としてフィンランドと世界を舞台に活躍。ACO Collective(オーストラリア室内o. )の芸術監督やミネソタ州のセントポール室内o. のアーティスティック・パートナーを務めている。 | |||
ネシリング〜レスピーギ: ボッティチェリの三連画/黄昏(*) / 交響的印象「教会のステンドグラス」 |
アンナ・カテリーナ・ アントナッチ(S;*) ジョン・ネシリング指揮 リエージュpo. | ||
録音:2016年3月-4月、フィルハーモニーホール、リエージュ。 好評を博しているジョン・ネシリング&リエージュ・フィルによるレスピーギの管弦楽作品集。当盤にはボッティチェリの三連画、黄昏、交響的印象「教会のステンド・グラス」が収録された。近代イタリア復古主義の一翼を担った作曲家であるレスピーギ。流麗なオーケストレーションと甘美な旋律を特徴とし、中世、ルネサンス、バロックのイタリア音楽の要素と民族主義的立場を結びつけた。ここに収録された3篇もレスピーギらしい煌びやかな世界が広がる。ベルギーのオーケストラでありながらフランスを思わせる華やかなサウンドが魅力のリエージュ・フィルだが、今回もネシリングの熱いタクトで一層華々しい演奏を展開している。 | |||
J.S.バッハ(1685-1750):モテット集 来たれ、イエスよ、来たれ BWV.229 /恐れるなかれ、われ汝とともにあり BWV.228 /わが喜びなるイエス BWV.227 / 主をたたえよ、すべての異教徒よ BWV.230 /聖霊はわれらの弱きを助けたもう BWV.226 / 主に向かって新しい歌をうたえ BWV.225 /おおイエス・キリスト、わが生命の光 BWV.118 グレーテ・ペーデシェン指揮ノルウェー・ソリストcho.、アンサンブル・アレグリア | |||
録音:2015年2月、2016年6月、2017年2月、リス教会、オスロ、ノルウェー。 A'=415 (BWV.226, 228, 229), A'=440 (BWV.118, BWV.225, BWV.227, BWV.230) 。オスロを本拠とするノルウェー・ソリスト合唱団は、1950年、作曲家クヌート・ニューステットにより創設された。彼らの洞察にもとづく解釈をひろがりのある深い響きに実現した音楽は、高く評価され、ノルウェーと北欧を代表する合唱アンサンブル、ヨーロッパ屈指の室内合唱団に挙げられてきた。1990年からはグレーテ・ペーデシェンが芸術監督を務め、彼女の個性を映しつつ、ニューステットの目指した「芸術」をさらなる高みへと導く努力を続けている。当合唱団の魅力である非常に澄み切った歌声がオスロのリス教会に響き渡る。ノルウェー・ソリスト合唱団と共演する弦楽オーケストラ、アンサンブル・アレグリアは、2007年、ノルウェー国立音楽アカデミーの学生たちによって創設された。オスロの国立音楽アカデミーとコペンハーゲンの王立音楽アカデミーで学び、2011年8月からスタヴァンゲルso. のコンサートマスターを務めるマリア・アンゲリカ・カールセン(1988-)がリーダーと芸術監督。ノルウェーの石油会社スタトイルの主宰するスタトイル・タレント賞をアンサンブルとしては初めて受賞している。 | |||
エーリク・ベリマン(1911-2006):合唱作品集 1936-2000 バリトンと混声合唱のための「ペトラルカ組曲」 Op.118 (1991) / アルト、バリトンと混声合唱のための「神々の轍跡」 Op.88 (1978) / 混声合唱と語り手のための「西風」 Op.73a (1973) /ラメント=ブルレッタ(1957) / 混声合唱のための4つの歌 Op.38a (1952) より〔子供は積み上げ/スクリプト/春の歌〕/ わたしの木はカサマツ Op.12 No.5 (1944) /混声合唱のための4つの歌 Op.44b (1956) /賛美歌 Op.50a (1959) / バリトンと混声合唱のための「青春」 Op.60 (1966) /語り手と混声合唱のための「我らの地」 Op.146 (1999) / 語り手と室内合唱のための「生の不安に否」 Op.120 (1991) / 室内合唱と独唱者のための「ベーラ・バルトークへのオマージュ」 Op.132 (1995) /夏の夜(1945) / 夏がやってきた(1943) /岩礁の海の少年の歌(編曲)(1938) / 愛する友を失くし(編曲)(1936) /少年は朝、出かけていき(編曲)(1937) / 混声合唱と独唱者のための3つのフィンランド民謡「娘たち」 Op.73b (1973) / 語り手、混声合唱と4人の独唱者のための「ヴァイナモイネン」 Op.147 (2000) ニルス・シュヴェケンディーク指揮ヘルシンキ室内cho. イーダ・アントラ、ピーア・コムシ(S) シルック・リンタマキ、スサンナ・トレット、 トゥーラ・パーヴォラ(A) ヤルモ・レヘトラ、トゥオマス・カタヤラ(T) ヘルマン・ヴァレーン、 マルクス・ニエミネン(Br) ヴァルテル・マーサロ(B) リコ・エークルンド、サンポ・ハーパニエミ(語り) | |||
録音:2011年12月、2012年10月、2013年11月、 YLE〔フィンランド放送〕スタジオM2、ヘルシンキ、フィンランド。 スウェーデン系フィンランドの作曲家エーリク・ベリマンは、ロマンティックなスタイルから出発、1940年代後期からは十二音技法、音列、シュプレヒゲザングといったモダニズムの手法による作品によりフィンランド音楽の発展に大きく貢献した。ベリマンは合唱指揮者としても活躍、彼が指揮者を務めた男声cho.のために作曲し、没後10年の2016年にリリースされた『ベリマニアーナ』(Alba ABCD-392)にも収録された作品や、混声合唱と児童合唱のための作品など、多くの合唱曲を手がけ、なんらかの形で合唱の関わる作品は、彼の作品リストの約半分を占めている。BISの新しいアルバム『エーリク・ベリマン合唱作品集1936年-2000年』で歌われるのは混声合唱を中心とした作品。オストロボスニアの民謡を編曲、1936年に初演された「愛する友を失くし」、最初のオリジナル作品、1943年の「夏がやってきた」、ペール・ラーゲルクヴィストの詩に作曲、枝を広げていくカサマツの姿をポリフォニーによる「優美な音画」として示した「わたしの木はカサマツ」、1950年代、彼が調性から距離を置き始めたころに書かれた「ラメント」と「ブルレッタ」の一対の作品、スウェーデンのエーディト・セーデルグラーンの詩による「神々の轍跡」、ペトラルカの抒情詩集『カンツォニエーレ』による「ペトラルカ組曲」、ドイツの心理学者ペーター・ラウスターのテクストからインスピレーションを得た「生の不安に否」、ベリマンの気に入りの作曲家のひとり、バルトークへの「オマージュ」、J.L.ルーネベリ作詞のフィンランド国歌の歌詞を「モダニストの音楽アプローチ」による朗読と混声合唱のための作品とした「我らの地」、フィンランド叙事詩集『カレワラ』の第41章、「不滅の賢者」がカンテレを手に歌う歌をラーシュ・ヒュルデーンのスウェーデン語訳テクストに作曲した2000年の「ヴァイナモイネン」。「わたしの木はカサマツ」、「混声合唱のための4つの歌」の第1曲「水彩画」、フィンランド民謡による「娘たち」の3曲をのぞき、初めてCDで紹介される。ヘルシンキ室内合唱団は1962年創設のアンサンブル。指揮のニルス・シュヴェケンディークはドイツ生まれ。ケンブリッジのクレア・カレッジで音楽、フライブルクとヘルシンキで管弦楽と合唱の指揮を学び、フィンランド国立オペラ、SWRヴォーカルアンサンブル、オランダ放送cho.などに客演し、2007年からヘルシンキ室内合唱団の芸術監督。ヘルシンキ芸術大学のシベリウス・アカデミーで教授として合唱指揮を教えている。 | |||
ダウスゴー〜ブラームス: 交響曲第2番 ニ長調 Op.73 /ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a / ハンガリー舞曲集 より Nos.5-7(トマス・ダウスゴー編曲)/大学祝典序曲 Op.80 トマス・ダウスゴー指揮スウェーデン室内o. | |||
録音:2016年5月-6月、エレブルー・コンサートホール、スウェーデン。 透き通るようなオーケストレーションかつ刺激的なダウスゴーとスウェーデン室内管による演奏。注目のブラームス第2弾には交響曲第2番、ハイドンの主題による変奏曲、大学祝典序曲、そしてハンガリー舞曲集より第5-7番が収録された。当演奏でもダウスゴーらしい単なる見通しや運動性の良さに終わらず、大胆でダイナミックな音楽づくりを展開。音色はすっきりとした“純度の高い "ブラームスを聴くことが出来る。ダウスゴーは1997年にスウェーデン室内o. の音楽監督し就任して以来 BISやSIMAXレーベルに積極的に録音している。シューマン、ベートーヴェン、シューベルトの交響曲録音における極めて大胆な解釈は絶賛されている。ブラームスの交響曲全曲録音も期待の高まるところ。 | |||
C. P. E. バッハ(1714-1788):鍵盤独奏曲全集 Vol.34 〜 専門家と愛好者のためのロンド付きピアノ・ソナタ集 Vol.4 ロンド第1番 イ長調 Wq.58-1(H276) /ソナタ第1番 ト長調 Wq.58-2(H273) / ロンド第2番 ホ長調 Wq.58-3(H274) /ソナタ第2番 ホ短調 Wq.58-4(H188) / ロンド第3番 変ロ長調 Wq.58-5(H267) /ファンタジア 変ホ長調 Wq.58-6(H277) / ファンタジア イ長調 Wq.58-7(H278) /ソナタ ヘ長調 Wq.65-19(H49) / アリオーソと9つの変奏曲 ハ長調 Wq.118-10(H259) ミクローシュ・シュパーニ(タンジェントP) | |||
録音:2015年7月、キーゼル・ホール、シント・トロイデン、ベルギー。 | |||
ヴィト・パルンボ(1972-): チェンバロと弦楽のためのバロッコ協奏曲(2006) (*) /チェロ協奏曲(2007) (#) / イーグル・リコーダーと大管弦楽のための「リコーダー協奏曲」(2013) (+) アンナ・パラディソ(Cemb;*) マッツ・オロフソン(Vc;#) ダン・ラウリン(リコーダー;+) ストリング・アンサンブル(*) ハイメ・マルティン指揮イェヴレso.(#/+) | |||
録音:2017年3月、ストックスンド(*) /2016年5月、イェヴレ・ホール(#/+)、すべてスウェーデン。イタリア生まれのヴィト・パルンボ作曲による3つの協奏曲。2013年にイェヴレ響の首席指揮者兼芸術監督に就任したハイメ・マルティンとイェヴレso. による演奏。バッハのチェンバロ協奏曲を思わせる旋律ではじまるバロッコ協奏曲は、その後ペルトのような世界観が広がる。パラディソの華麗なチェンバロとヴァイオリンが掛け合いを繰り返し、パルンボの独特の世界に誘う。2007年に作曲されたチェロ協奏曲は全3楽章構成の雄大な作品。ステーンハンマル弦楽四重奏団のチェロ奏者マッツ・オロフソン初の独奏での録音となる。リコーダー協奏曲では天才リコーダー奏者ダン・ラウリンが神業とも言える超絶技巧を交え、ラウリンしか表現できないし唯一無二の世界を作り上げている。 | |||
響きと怒りの物語〜ミシェル・フーコー(1926-1984)とその著作「狂気の歴史」より ホーコン・ステーネ(1977-):即興(「ホーランスダーレンの婚礼の歌」による) 作曲者不詳:新・ベドラムの気違いトム(*) / ビーバー(1644-1704):楽しいソナタ C.App.121 (#) ホーコン・ステーネ:即興(「メルフースの太鼓連打」による) / ビーバー:バッターリア C.61 (+) ジョン・エクルズ(1668-1735):絶えず不安に苛まれ(**) / ビーバー:描写的なソナタ C.146 (##) パーセル(1659頃-1695):狂気のベスZ.370 (**) / ホーコン・ステーネ:即興(「ガントレット」による) テレマン(1681-1767):組曲 ト長調「ドン・キホーテのブルレスカ」 TWV.55: G10 テリエ・トンネセン(Vn;##)指揮カメラータ・ノルディカ カーリン・ダールベリ(S;*/**) トゥールビョーン・ヴェストマン(ニッケルハルパ;#/+) ラーシュ・ヘンリク・ユーハンセン(Cemb;+) クヌート・ヨハンネセン(Cemb;+以外) ホーコン・ステーネ(Perc) バラージュ・ソコライ・ドンゴー(Fl、タロガトー;#) フェレンツ・キシュ(ハンガリー3弦Va、ガルドン;#) ミハーイ・フサール(Cb、バスドラム;#) ミケル・ケレム(語り;##) | |||
録音:2006年2月(#)、2008年10月(+)、2012年1月(##)、2015年1月(#, +, ## 以外)、アルグツルム教会、エーランド、スウェーデン。 スウェーデン南東部のスモーランド地方、オスカーシュハムンを本拠とする室内o.カメラータ・ノルディカの新作。「白痴のしゃべる物語だ、わめき立てる響きと怒りはすさまじいが、意味はなに一つありはしない」(小田島雄志 訳)。シェイクスピア『マクベス』の第5幕第5 場、マクベスの台詞を引用したタイトルをつけた『響きと怒りの物語』は、フランスの哲学者ミシェル・フーコーと彼の著作『狂気の歴史』からインスピレーションを得て着想され、制作が進められた。プログラムは、スウェーデンのソプラノ、カーリン・ダールベリ(カーリン・ルーマン)がソロを歌う、王政復古時代イギリスの狂気の歌と、ビーバーとテレマンの作品。ビーバーは3曲。ハンガリーのフォーク・トリオとスウェーデンのニッケルハルパの加わる「楽しいソナタ」、「フォーク」の要素をさらに強調したという「バッターリア」、ナイチンゲールとカッコウの鳴き声や、ソロヴァイオリンが軍楽隊の横笛と太鼓を模すという趣向の「描写的なソナタ」。テレマンは、スペインの騎士の「誇大妄想を完璧にとらえた」「ドン・キホーテのブルレスカ」が演奏される。編曲は、「描写的なソナタ」がエストニアの作曲家ミケル・ケレム(1981-)、その他の作品は、カメラータ・ノルディカを率いるテリエ・トンネセン(1955-)が手がけた。アルバム全体の「劇」を強調するため冒頭と作品の間に挟まれる「太鼓ソロ」による3曲の「即興」を、ノルウェーの打楽器奏者、現代音楽アンサンブル“asamisimasa " にも参加するホーコン・ステーネが担当している。 | |||
ショスタコーヴィチ(1906-1975):チェロ協奏曲第2番 ト短調 Op.126 マルティヌー(1890-1959):チェロ協奏曲第2番 H 304 クリスティアン・ポルテラ(Vc|使用楽器:ストラディヴァリウス "Mara"、1711年制作) ギルバート・ヴァルガ指揮ベルリン・ドイツso. | |||
録音:2016年2月、イエス・キリスト教会、ベルリン、ドイツ。トリオ・ツィンマーマンのチェリストとして目覚ましい活躍のクリスティアン・ポルテラ。BIS レーベルからのリリースも積極的で、 ドヴォルジャーク&マルティヌー第1番(BISSA-2157)、ウォルトン&ヒンデミット(BISSA-2077)、バーバー(BISSA-1827)の協奏曲録音をリリース。圧倒的な技術と豊かな表現力で作品の魅力を再発見させてくれた。期待の新録音は、ショスタコーヴィチとマルティヌーのチェロ協奏曲第2番。1966年に作曲されたショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第2番は、 緩徐楽章から始まる3楽章構成。内省的な第1楽章、チェロ独奏の短い序奏から始まる第2楽章、印象的なホルンのファンファーレ第3楽章からなり 軽やかな第1番とは全く異なる作風。初演はショスタコーヴィチ60歳の誕生日コンサートにて、ロストロポーヴィチ独奏、マキシム・ショスタコーヴィチ指揮にて行われた。カップリングは多作曲家として知られるマルティヌーのチェロ協奏曲第2番。抒情的な旋律が印象的なこの作品は、作曲者 の望郷の念がうかがわれる代表作の一つ。才気あふれるポルテラの演奏にご期待頂きたい。 | |||
シューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op.47 ブラームス:ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34 (#) エフゲニー・スドビン(P) ラチャ・アヴァネシヤン(Vn/Vn2;#) ディームート・ポッペン(Va) アレクサンダー・チャウシャン(Vc) ボリス・ブロフツィン(Vn1;#) | |||
録音:2016年5月、ザ・シュー・ファクトリー、ニコシア、キプロス。 スクリャービンとメトネルのピアノ協奏曲を収録したアルバム(BISSA-2088)がインターナショナル・クラシック・ミュージック・アワード(ICMA)2016の協奏曲部門を受賞、世界が注目するピアニスト、エフゲニー・スドビン。光り輝く音色、歯切れのよいタッチ、流れるような推進力、そして絶妙な歌い回しを持ち味とするスドビンから紡ぎだされるピアノの音色は絶品の極みで、欧米では「ホロヴィッツの再来」とも評されているほど高い評価を得ている。期待の新録音ではシューマンのピアノ四重奏曲とブラームスのピアノ五重奏曲を収録した。共演はメニューイン、ニルセン、ヴュータンの国際コンクールを制し、オーギュスタン・デュメイも激賞するラチャ・アヴァネシヤン、ジャニーヌ・ヤンセンをはじめとする世界的演奏家から絶大なる信頼を得ているボリス・ブロフツィン、チャイコフスキー国際コンクール、ミュンヘン国際音楽コンクールなど多数の受賞歴を誇るアレクサンダー・チャウシャンなど、俊英揃いのメンバーで構成されている。シューマンのピアノ四重奏曲は傑作ピアノ五重奏曲と同様に 変ホ長調で書かれており、ロマン的な輝きと旋律的な創意にあふれた作品。一方ブラームスのピアノ五重奏曲は当編成の最高傑作であり、ブラームスの代表曲の一つ。巨大でありながら精緻な構成、若さみなぎる情熱などブラームス特有のやわらかさと諦観が流れている。スドビンのきらめくタッチと実力派揃いのアンサンブルでおくる注目の録音。 | |||
べザリー&アシュケナージ フランク/ジャン=ピエール・ランパル編曲:ヴァイオリン・ソナタ イ長調(フルート版) フォーレ/シャロン・ベザリー編曲:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調(フルート版) プロコフィエフ:フルート・ソナタ ニ長調 Op.94 (#) シャロン・ベザリー(Fl|使用楽器: Muramatsu 24k All Gold Model ) ウラディーミル・アシュケナージ(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2016年3月(#)、2016年11月(#以外)、ポットン・ホール、サフォーク州、 UK 。 フルート界の女王シャロン・ベザリーの期待の新譜はフランク、フォーレ、プロコフィエフのソナタで、共演はなんとアシュケナージという超強力盤。ランパル版のフランクのソナタはフルート奏者の必須レパートリーの一つでありベザリーも大切にしてきた最重要作品。また、パールマンなど様々な演奏者と演奏してきたアシュケナージも同様にフランクのソナタは最も得意な室内楽作品の一つ。第1楽章の冒頭から透き通るような美音でフルートとピアノが対話するかのように音楽を展開。堂々たる二人の演奏はまさに圧巻の仕上がり。フォーレのソナタはベザリーによるフルート版。流麗洗練の極みであるフォーレの旋律。冒頭から音楽に対する敬愛を感じるアシュケナージの美しきタッチに驚かされる。そして、ベザリーの圧倒的なテクニックと雄弁な語り口で極上のフォーレを聴かせてくれる。当演奏により当作品の魅力を再認識することができるだろう。プロコフィエフのフルート・ソナタは、オイストラフが依頼したヴァイオリン・ソナタ第2番の原曲。ウィットに富む明快な旋律と均整のとれた構成のこのフルート・ソナタはドラマティックな描写やダイナミックな迫力をもつ。アシュケナージはプロコフィエフのピアノ協奏曲の全曲録音をはじめピアノ・ソナタも録音しており、アシュケナージにとってプロコフィエフは母国ロシアの最も得意とする作曲家の一人。雄弁なベザリーのフルートとアシュケナージのピアノが見事なアンサンブルを生み出す。 | |||
C.P.E.バッハ(1714-1788):鍵盤独奏曲全集 Vol.35 〜 専門家と愛好者のためのロンド付きピアノ・ソナタと自由な幻想曲 Vol.5 ソナタ〔第1番 ホ短調 Wq.59 No.1(H.281) /第2番 変ロ長調 Wq.59 No.3(H.282) 〕/ ロンド〔第1番 ト長調 Wq.59 No.2(H.268) /第2番 ハ短調 Wq.59 No.4(H.283) 〕/ 幻想曲〔第1番 ヘ長調 Wq.59 No.5(H.279) /第2番 ハ長調 Wq.59 No.6(H.284) 〕/ 「私は眠り、夢を見た」による変奏曲 Wq.118 No.1: 2 (H.69) /アリオーソ イ長調 Wq.79(H.535)(独奏版) ミクローシュ・シュパーニ(タンジェントP) | |||
録音:2016年7月-8月、キーゼル・ホール、シント・トロイデン、ベルギー。 | |||
ジョン・ピカード(1963-): 交響曲第5番(2014) /16の日の出(2013) /トッカータ(モンテヴェルディ)(1998) / 木管五重奏、ティンパニと弦楽のための協奏的変奏曲(2011) マーティン・ブラビンズ指揮 BBC ウェールズ・ナショナルo. | |||
録音:2016年6月、ホディノット・ホール、カーディフ、ウェールズ。 21世紀を代表する作曲家になるだろうと熱い期待を寄せられるジョン・ピカード。当ディスクには交響曲第5番を主軸に4篇が収録された。注目は2013年作曲の「16の日の出」。当作は名古屋po.の委嘱で、名フィルの常任指揮者に任命されたマーティン・ブラビンズが2014年5月30日、名古屋で世界初演した作品。ゆるぎない構成力と高いテンションが特徴のピカードならではの世界が広がる。 | |||
パスカル・デュサパン(1955-): 「風に耳をすませば」〜ハインリヒ・フォン・クライスト原作の 歌劇「ペンテジレーア」からの3つの場面(2014) (*) / ヴァイオリン協奏曲「上昇」(2011) (#) /ピアノ協奏曲「何故なら」(2002) (+) ナターシャ・ペトリンスキー(Ms;*) カロリン・ヴィトマン(Vn;#) ニコラス・ハッジス(P;+) パスカル・ロフェ指揮フランス国立ロワールo. | |||
録音:2017年7月、シテ・デ・コングレ、ナント、フランス。フランスを代表する作曲家パスカル・デュサパンによるソリストをともなうオーケストラ作品3篇。デュパサンはソルボンヌ大学にて造形芸術、科学、アート、美学を学び、その後、1974年より78年までクセナキスの講義を受講し多大な影響を受けた異色の作曲家。「風に耳をすませば」はサントリーホール国際作曲委嘱シリーズで2014年8月21日に初演された。ハインリヒ・フォン・クライスト原作のオペラ「ペンテジレーア」からの3つの場面からの作品でメゾ・ソプラノとオーケストラのために書かれた。ヴァイオリン協奏曲「上昇」はマレク・ヤノフスキの提案により2008年より手がけ、その後ルノー・カピュソンによって初演することが決まり2011年に完成。ヴァイオリンとオーケストラが絶妙な魅力。2002年作曲のピアノ協奏曲「何故なら」は、ピアノとオーケストラにより緊張感のもと対話するデュパサンの代表作のひとつ。絶え間なく続く対話からうまれる独自の世界を楽しめる。 | |||
C.P.E.バッハ(1714-1788):鍵盤独奏曲全集 Vol.36 〜 専門家と愛好者のためのロンド付きピアノ・ソナタと自由な幻想曲 Vol.6 ロンド第1番 変ホ長調 Wq.61 No.1, H.288 /ソナタ第1番 ニ長調 Wq.61 No.2, H.286 / 幻想曲第1番 変ロ長調 Wq.61 No.3, H.289 /ロンド第2番 ニ短調 Wq.61 No.4, H.290 / ソナタ第2番 ホ短調 Wq.61 No.5, H.287 /幻想曲第2番 ハ長調 Wq.61 No.6, H.291 / ソナタ ト長調 Wq.65 No.48, H.280 /ラ・フォリアによる12の変奏曲Wq.118 No.9, H.263 / ソナタ ト長調 Wq.65 No.50, H.299 /幻想曲 嬰ヘ短調 Wq.67, H.300 ミクローシュ・シュパーニ(タンジェントP) | |||
録音:2016年7月-8月、キーゼル・ホール、シント・トロイデン、ベルギー。 | |||
メンデルスゾーン(1809-1847): 華麗なロンド 変ホ長調 Op.29 /ピアノ協奏曲第1番 ト短調 Op.25 /華麗なカプリッチョ ロ短調 Op.22 / ピアノ協奏曲第2番 ニ短調 Op.40 /セレナードとアレグロ・ジョコーソ ロ短調 Op.43 ロナルド・ブラウティハム(P| 使用楽器:ポール・マクナルティ、2010年製作〔モデル:プレイエル、1830年製作〕) マイケル・アレクザンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミー | |||
録音:2016年7月、2017年7月、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザール、ケルン。鬼才ピアニスト、ロナルド・ブラウティハム。当ディスクではメンデルスゾーンのピアノ協奏曲を収録。共演はもちろん、ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ率いるケルン・アカデミー。密度の高いアンサンブルとブラウティハムのしなやかに奏でるメンデルスゾーンは絶品の一言に尽きる。楽器はプレイエル1830年製作のレプリカで2010年にポール・マクナルティ製作によるピアノを使用している。マクナルティ製作の楽器を使用して演奏・録音していることについてブラウティハムは「マクナルティは古い楽器を研究して、それを新しく作り出してくれるという点だけでなく、彼の製作したレプリカを演奏していると、演奏解釈の面でもなんか新しいインスピレーションを得ることができる」と語っており、ブラウティハムがイメージする新しくも最善の状態の楽器を使用することで、ごく自然な雰囲気を作り出していることがわかる。モーツァルトのピアノ協奏曲でもはっきりと示したブラウティハムとウィレンズ率いるケルン・アカデミーの確かな解釈。メンデルスゾーンのピアニズムはリストやショパンに比べると古典派風だが、厳格な指の訓練上に成立しているため、ごまかしのきかない難しさと恐ろしさがあるが、鬼才ブラウティハムはこの作曲家でも完璧で清潔感にあふれた音楽を紡ぎだしている。メンデルスゾーンならではの美しいメロディの歌いまわしも絶妙で、幸福な時間にひたることが出来る。 | |||
フランス&ドイツ・バロック音楽 ロイスナー:パドアナ / デュフォー:前奏曲/アルマンド/クーラント「傲慢な女」/クーラント/サラバンド/ジーグ ムトン:前奏曲「プロムナード」/アルマンド/カナリー「ムートン」/クーラント/ガリアード/サラバンド/メヌエット ケルナー:カンパネッラ(プレスト・アッサイ)/クーラント/サラバンド/エア(ラルゴ)/ジーグ/ガヴォット Mr.パッヘルベル(ヨハン・パッヘルベル):「アルマンド/クーラント/サラバンド/ジーグ ヴァイス:前奏曲/アルマンド/クーラント/ブーレ/サラバンド/メヌエット/ジーグ/チャコーナ ヤコブ・リンドベリ(リュート) | |||
録音:2016年5月、レンナ教会、スウェーデン。 リュートの名手、ヤコブ・リンドベリの最新盤はフランス&ドイツ・バロック音楽を集めた。17世紀のバロック音楽に彩りを添えたこれらのリュート作品。色彩感の異なるフランス、ドイツの作品をご堪能頂ける。名手リンドベリならではの素晴らしい演奏とBISが誇る録音により幅広い音楽愛好家に親しまれる1枚に仕上がった。 | |||
マーラー(1860-1911):交響曲第6番 イ短調 | オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
録音:2016年11月、オーケストラ・ホール、ミネアポリス。 オスモ・ヴァンスカ率いるミネソタo. によるマーラー第2弾は交響曲第6番。当演奏でも流石ヴァンスカ!と思わせる緻密な構成と、細部にまで注意が払われた圧巻の仕上がりで、繊細かつ丁寧な音楽づくりをしている。BISレーベルで数多くの録音を残してきたヴァンスカが最上級の演奏に達した大注目の録音。ベートーヴェン、シベリウスなど数々の名盤をリリースしてきただけに非常に期待の高まるリリースといえよう。好評の交響曲第5番(BISSA-2226)と併せてお楽しみ頂きたい。 | |||
シェーンベルク(1874-1951):弦楽四重奏曲集 〔第2番 嬰ヘ短調 Op.10 (1907-08) (*) /第4番 Op.37 〕 |
マリン・ハルテリウス(S;*) グリンゴルツSQ [イリヤ・グリンゴルツ、 アナヒット・クルティキャン(Vn) シルヴィア・シモネスク(Va) クラウディウス・ヘルマン(Vc)] | ||
録音:2016年6月、 SRF スタジオ、チューリヒ。 ロシアの俊英ヴァイオリニスト、イリヤ・グリンゴルツ。ソリストとしてだけでなく室内楽にも積極的に取り組んでおり自身のクヮルテットでも多くの録音がある。当ディスクではシェーンベルクの弦楽四重奏曲を収録した。 生涯12音音楽の旗手として重きをなす存在であったシェーンベルクの大きな功績を知る上でも重要なこの2篇をグリンゴルツ・クァルテットの卓越した技術と表現力で聴ける。 | |||
シューベルト(1797-1828):弦楽四重奏曲集 〔第14番 ニ短調 D.810「死と乙女」 /第9番 ト短調 D.173 〕 キアロスクーロSQ [アリーナ・イブラギモワ(Vn1) パブロ・エルナン・ベネディ(Vn2) エミリー・ヘルンルンド(Va) クレア・ティリオン(Vc)] | |||
録音:2017年3月、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザール、ケルン。 今をときめくヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモワ率いるキアロスクーロ四重奏団。BISレーベルからリリースしているハイドンの弦楽四重奏曲第31-33番(BISSA-2158)、第34-36番(BISSA-2168)が高く評価される中、期待の新譜はシューベルトの弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」と第9番。古典派と初期ロマン派のレパートリーに特化して当団の期待の高まる録音。1815年作曲の第9番 ト短調。同年、歌曲、教会音楽、ピアノ・ソナタなど多数の作品を残した実りの年だった。ハイドン、モーツァルトの影響が見受けられるものの、シューベルトの個性も明確になりつつある作品で、本格的な短調の作品はこれが最初となる。そして、シューベルトの傑作の一つである第14番 ニ短調「死と乙女」。第2楽章に歌曲「死と乙女」 Op.7 No.3, D531のピアノ伴奏部を借用したのでこの通称を持つ。全体を通じ、ロマン的な情趣に満ちており、ことに第1楽章の主題のもつインパクトと悲愁が印象的。2005年に当時英国王立音楽大学(RCM)で学んでいた友人を中心に結成し、近年アンサンブルが成熟してきたキアロスクーロ四重奏団。団体名の“Chiaroscuro(キアロスクーロ) "は美術用語で、コントラストを印象づける明暗法や陰影法を意味するが、その名の通りシューベルトの溢れる魅力を再発見させてくれているような見事な解釈を披露している。 | |||
ノルドセンディング〜弦楽三重奏と二重奏のための作品集 ベント・セーアンセン(1958-):ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための「ゴンドラ」(2010) ペア・ネアゴー(1932-):ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための「ストリングズ」(2010) / ヴァイオリンとチェロのための6つの楽章「チャンプアン、川の出会うところ」(1992) / ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための田園詩(「バベットの晩餐会」(1988)から) カイヤ・サーリアホ(1952-):ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための「雲のトリオ」(2009) ヘンリク・ヘルステニウス(1963-):ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための「裂け目」(2014) トリオ・アリストス[シモン・クジェソヴィエツ(Vn) アレクサンダー・ウレゴー(Va) ヤコブ・クルベア(Vc)] | |||
録音:2009年12月(ストリングズ)/2010年3月(田園詩)/2012年6月(チャンプアン)/2013年1月(ゴンドラ)/2013年6月(雲のトリオ)/2014年3月(裂け目)、カロル・シマノフスキ・コンサートホール、カトヴィツェ、ポーランド。 「中世の後期から近世のノルウェー南部の人々は、北極圏から送られてくる呪術攻撃に『ノルドセンディング』の名を与えた。『北からの送信』」。トリオ・アリストスのアルバム『ノルドセンディング』は、「音楽そのものの魔術性」を「送信」することをイメージして制作され、トリオのメンバーと縁の深い北欧の作曲家4人の作曲した6つの作品によるプログラムが組まれた。デンマークの作曲家、独創的な音風景で知られるサーアンセンの「ゴンドラ」。ペア・ヌアゴーは3曲。「ストリングズ」、インドネシア、バリ島の渓谷と曲名に採った「チャンプアン-川の出会うところ」、ゲーブリエル・アクセル(ガブリエル・アクセル)監督の映画『バベットの晩餐会』の音楽のために彼が書いたフィルムスコアから短く抒情的な「田園詩」。フィンランドのサーリアホの「雲のトリオ」は、彼女がフランス・アルプスの高地で作曲したという音楽。ノルウェーのヘルステニウスの「裂け目」は、彼が1990年代に手がけ『時の跡』の総合タイトルを与えた一連の作品のひとつに「即興」の性格を与え、改作した作品。トリオ・アリストスは、2005年、ペア・ヌアゴー作品の録音をきっかけに創設された。ポーランドのヴァイオリニスト、シモン・クジェソヴィエツ(1974-)、デンマーク王立o.のヴィオラ奏者アレクサンダー・ウレゴー、デンマークのチェリストでOpenStringsAcademyの芸術監督を務めるヤコブ・クルベア(1976-)。デンマーク放送をはじめとするコペンハーゲンの主要な施設のアンサンブル・イン・レジデンスを務め、ヨーロッパ各地のフェスティヴァルに参加している。 | |||
4 x 〜アンデシュ・エリーアソン(1947-2013): バスクラリネット、チェロとピアノのための「ノットゥルノ」(1981) / フルート、ヴァイオリン、チェロとピアノのための「センツァ・リスポステ」(1983) / ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとピアノのための「フォリアーメ」(1990) / ヴァイオリン、ヴィブラフォンとピアノのための「トリオ」(2010) ノルボッテン NEO [サラ・ハンマルストレム(Fl) ローベット・エーク(Cl) ダニエル・サウル(ヴィブラフォン) モッテン・ランドストレム(P) ブルスク・ザンギャネ(Vn) キム・ヘルグレーン(Va) エレメール・ラヴォタ(Vc)] | |||
録音:2016年5月、大ホール、スタジオ・アクースティクム、ピテオー、スウェーデン。 アンデシュ・エリーアソンは、ダーラナ地方のボーレンゲ生まれ。スウェーデンの音楽シーンでもっとも個性的な音楽スタイルをもつ作曲家の一人。ストックホルムのヴァルデマル・セーデルホルムに対位法と和声学を教わり、ストックホルムの王立音楽大学でイングヴァル・リードホルムの下で作曲法を学んだ。1972年から1973年にかけてストックホルムのEMS(国立電子音楽研究所)の芸術委員を務め、1979年の「放浪者の歌」で大きな成功を収めた。交響曲第1番(1989)が、1991年の北欧音楽委員会(NOMUS)賞を受賞している。主にオラトリオ、交響曲、協奏曲、弦楽オーケストラと室内楽のための作品を手がけ、リディア旋法とドリア旋法を自身の「音楽のアルファベット」に「表現性、焦燥感、憂愁、優美」といった性格に特徴付けられる作品を100曲程度残した。1981年から2010年までの作品を4曲集めた『4xアンデシュ・エリーアソン』。「流れに抗うかのような動き」の際立った「ノットゥルノ(夜想曲)」、内省的な性格の「センツァ・リスポステ(答えのない)」、友人ベンクト・エミール・ヨンソンの「エコ=ポエトリー」の詩作からインスピレーションを得たと推測されている「フォリアーメ(群葉)」、「瞑想」ないし「自由な空想」の性格をもつ、ヴァイオリン、ヴィブラフォーンとピアノのための「トリオ」。スウェーデンの最北部で活動するオーケストラのひとつ、ノルボッテン室内o.の首席奏者7人が、2007年、現代の室内楽作品の普及に努めるため結成した「ノルボッテンNEO」による新録音。 | |||
ニコラウス・ブルーンス(1665-1697):カンタータ集とオルガン作品集 Vol.1 バス、2つのヴァイオリンと通奏低音のためのカンタータ(教会コンチェルト)「深き淵よりわれ汝を呼ぶ」/ テノール、2つのヴァイオリンと通奏低音のためのカンタータ(教会コンチェルト)「全地よ、主を歓喜せよ」/ オルガンのための大前奏曲 ホ短調(*) / バス、ヴァイオリンと通奏低音のためのカンタータ(教会コンチェルト)「われは心を確かにし」/ 2人のテノール、バス、ヴァイオリン、2つのヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための カンタータ(教会コンチェルト)「わが心、定まりて」/ オルガンのためのコラール・ファンタジア「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」(*) / バス、2つのヴァイオリン、2つのヴィオラと通奏低音のための カンタータ(教会コンチェルト)「主は天に御座を堅く据え」(ト長調に移調)/ 2人のテノール、2つのヴァイオリンと通奏低音のための カンタータ(コラール・コンチェルト)「聖なるキリストは甦りたまえり」 ポール・マックス・ティプトン(B−Br) ジェイムズ・テイラー、ダン・コークウェル(T) 鈴木雅明(Org)指揮イェール大学宗教音楽研究所 [ロバート・ミーリー、ダニエル・リー(Vn) ジェシカ・トロイ、カイル・ミラー(Va) ジョシュア・ケラー、ガイル・アン・シュローダー(ヴィオラ・ダ・ガンバ) エズラ・セルツァー(Vc) グラント・ヘレイド(テオルボ) レイチェル・ベグリー(ドゥルシアン)] | |||
録音:2016年5月1日-2日(*)、2017年3月23日-25日(*以外)、マーカンド・チャペル、イェール大学、ニューヘイブン、 US 。鈴木雅明がイェール大学宗教音楽研究所とブルーンスのカンタータとオルガン作品を録音。その第1集がリリースされる。ニコラウス・ブルーンス(1665-1697)は父からオルガンの手ほどきを受け、ブクステフーデにオルガンを学んだ。リューベックでは叔父ペーターからヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバを師事。同地の聖マリア教会および師ブクステフーデの推薦でコペンハーゲンのオルガニストを務めた。また、オルガン曲とカンタータ(教会コンチェルト)を作曲しており、ドイツ・バロックのオルガン音楽と教会カンタータの発展に貢献した。32歳という若さで亡くなってしまったが、その才能はブクステフーデに迫るほどで、残された作品は傑作ばかり。イェール大学宗教音楽研究所は1928年、ニューヨークのユニオン神学校内に設置された宗教音楽学校を母体とし、1974年よりイェール大学の専門大学院としてスタートした。宗教音楽、礼拝、芸術の研究などの実践を目的とし、演奏家、教会音楽、牧師としてのキャリアに向けた厳しいトレーニングを行っている。当録音メンバーも古楽の名手が揃っており、鈴木雅明の指揮とオルガン演奏とともに質の高い演奏をお楽しみ頂ける。使用オルガンは2007年に同チャペルに据え付けられたチャールズ・クリングバウム(1929-2020)製作の楽器。 | |||
リスト:15の歌曲 3つのペトラルカのソネット/金色の髪の天使 S.269/2 /どうした、と彼らは言った S.276/2 / おお!私が眠りにつくときには S.282 /わが子よ、私がもし王だったら S.283/2 / もし美しい芝生があるなら S.284/2 /幸福な日よ、行かないで S.335 /やさしく響け、わが歌 S.301/2 / 青春の幸福 S.323 /シラーの「ウィリアム・テル」よりの3つの歌 S.292/1 /汝マールリングの鐘 S.328 ティモシー・ファロン(T) アミエル・ブシャケヴィッチ(P|スタインウェイ D ) | |||
録音:2015年7月、イェルサレム・ミュージック・センター、イスラエル。 鈴木雅明、リリング、オルソップなど、世界の名だたる指揮者と共演、マレク・ヤノフスキもその実力を認め、エレガントでビロードのように明るい声を持つテノール、ティモシー・ファロンによるリストの歌曲。豊かな音色を武器にリストの歌曲を歌い上げる。 | |||
旅〜ラクシュミナラヤナ・スブラマニアム(1947-): インドヴァイオリンとテューバのための協奏曲(2016) (*) / 旅(1987) (#) /蝕(2010) (+) /バッハへの捧げ物(1987) (**) ラクシュミナラヤナ・スブラマニアム(Vn) オイスタイン・ボーズヴィーク(Tu) カヴィタ・クリシュナムルティ(Vo;+) アムビ・スブラマニアム(Vn;**) ドゥリパーラ・スピラマ・ムルティ(ムリダンガム〔インド太鼓〕;*/**) トムス・ミカーリス(キーボード;#/+) ヤーッコ・クーシスト指揮トロンハイムso.(*/**) | |||
録音:2016年6月、オラヴホール、トロンハイム、ノルウェー(*/**) /2017年9月、サウンド・ディヴィジョン・スタジオ、リガ、ラトヴィア(#/+) 。 ヴィルトゥオーゾ性の高い演奏で知られるノルウェーのテューバ奏者、オイスタイン・ボーズヴィーク(1966-)、「インド古典音楽のパガニーニ」とも呼ばれるインドヴァイオリン・プレイヤーで作曲家のラクシュミナラヤナ・スブラマニアム(1947-)。2014年の「Global Music Festival」で初めて共演、「プロフェッショナルの音楽家として活動した30年で、演奏する姿にこれほど強烈な存在感のある音楽家に初めて出会った」とボーズヴィークが語るスブラマニアムとのコラボレーション・アルバム「旅」。ボーズヴィークが委嘱した「二重協奏曲」(演奏時間、約33分)と「バッハへの捧げ物」の2つの管弦楽共演作品を中心に、ヴォーカルとキーボードを加えた小品によるプログラム。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 〔第1番 ハ長調 Op.15 (*) /第2番 変ロ長調 Op.19 (*) /第3番 ハ短調 Op.37 (*) / 第4番 ト長調 Op.58 (#) /第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」(#) 〕 ロナルド・ブラウティハム(Fp|使用楽器:ポール・マクナルティ、2012年(*)&2007年(#) 制作 〔モデル:アントン・ヴァルター、1805年(*) /コンラート・グラーフ、1819年(#) 〕) マイケル・アレクザンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミー | |||
録音:2017年7月、2018年7月、カンマームジークザール、ドイッチュラントフンク、ケルン。鬼才フォルテピアノ奏者ロナルド・ブラウティハムが2020年のベートーヴェン・イヤーに合わせてピアノ協奏曲全曲録音をリリースする。ブラウティハムは2003年から2015年にかけてベートーヴェンのピアノ独奏曲全曲録音を完成させ快活明瞭なアプローチによる演奏で高い評価を得た。共演は信頼関係も厚いマイケル・アレクザンダー・ウィレンズ率いるケルン・アカデミー。当団とはモーツァルト、メンデルスゾーンの録音でも丁々発止の演奏を聴かせ注目されている。 ベートーヴェンのピアノ協奏曲でもブラウティハムとケルン・アカデミーの推進力にあふれた瑞々しい演奏を披露。ここにフォルテピアノ演奏による決定盤が登場した。 | |||
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン作品集 Vol.2 ヴァイオリンと4つの木管楽器のためのパストラール(*) /「妖精の口づけ」〜バラード(#) / イタリア組曲(全6曲)(#) /ディヴェルティメント(#) / 「ミューズを率いるアポロン」〜アポロンのヴァリアシオン(*) /ヴァイオリン協奏曲 ニ長調(*) / 無伴奏ヴァイオリンのためのエレジー(+) /タンゴ(ドゥシュキン編曲)(#) イリヤ・グリンゴルツ(Vn) ペーテル・ラウル(P;#) ディーマ・スロボデニュク指揮ガリシアso.(*) | |||
録音:2016年2月、ポットン・ホール、サフォーク、 UK (*) /2017年4月、コルーニャ歌劇場、スペイン(#) /代理店アナウンスに未記載(+) グリンゴルツによるストラヴィンスキーのヴァイオリン・アルバム第2弾。第1弾 (BISSA-2245)はストラヴィンスキーのオリジナルおよび彼自身の編曲を集めていたが、第2弾はオーケストラを伴うものや、バレエ音楽からドゥシュキンと共作した「ディヴェルティメント」や「イタリア組曲」、ドゥシュキン編曲による「タンゴ」も収められた、まさに完全版。「ディヴェルティメント」はチャイコフスキー、「イタリア組曲」は伝ペルゴレージが原作ゆえ、旋律的な魅力にも不足はない。ストラヴィンスキーは弦楽器を「あまりに人声を連想させる」として好まず、つややかに歌う要素を極力排除した独特の音世界を作っている。グリンゴルツの技巧でストラヴィンスキーが思い描いた音響を再現してくれる。 | |||
Sonnengesang 〜グバイドゥーリナ(1931-): 混声合唱とオルガンのための「神の前で歓呼せよ」(1989) (*) / オルガン独奏のための「光と闇」(1976) (#) / チェロ、室内合唱と打楽器のための「太陽の賛歌」(1997/98) (+) フィリップ・アーマン合唱指揮 NDR cho.(*/+) クリスティアン・シュミット(Org;*/#) イヴァン・モニゲッティ(Vc;+) エルボトナル・パーカッション(+) | |||
録音:2012年10月23日-24日、聖ニコライ教会(*)、2011年11月16日、聖アルトナ教会(#)、2011年10月30日、ロルフ・リーバーマン・スタジオ(+)、全てハンブルク。(*)は世界初録音。 BISレーベルが積極的に録音を行っているタタールスタン共和国出身の女流作曲家、グバイドゥーリナ。カザン音楽院を経てモスクワ音楽院に進み、ペイコに作曲を師事したグバイドゥーリナはヨーロッパの前衛的技法を取り入れた作風を確立し、独自の世界観を創り出した。ソ連崩壊後の1992年にハンブルクに移住し、以後当地にてなおも精力的に作曲活動を行っている。当ディスクでも深遠な世界へと誘われる。 | |||
そして太陽は光を失った〜受難節の音楽 ロワゼ・コンペール(c.1445-1518):モテット「勝利した十字架」DSD ジョスカン・デ・プレ(c.1450/1455-1521):モテット「御身は貧しき者の隠れ家」 アンドルー・スミス(1970-):詩編55番 アドリアン・ウィラールト(c.1490-1562):天にまするわれらの父よ - アヴェ・マリア ツィリルス・クレーク(1889-1962):詩編22番 ロワゼ・コンペール(c.1445-1518):モテット集「十字架の聖務日課」 ピエール・ド・ラ・リュー(c.1452-1518):おお、救いのいけにえよ ニューヨーク・ポリフォニー [ジェフリー・ウィリアムズ(CT) スティーヴン・カルディコット・ウィルソン(T) クリストファー・ダイラン・ハーバート(Br) クレイグ・フィリップス(B)] | |||
録音:2018年6月、プリンストン・アビー、プリンストン、ニュージャージー州、 US 。「ニューヨーク・ポリフォニー」は、ジェフリー・ウィリアムズ、スティーヴン・カルディコット・ウィルソン、クリストファー・ダイラン・ハーバート、クレイグ・フィリップスの4人が2006年に結成。顧みられることの少ないルネサンスと中世の作品をレパートリーに活動をつづけ、室内ヴォーカルアンサンブルとして真っ先に挙げられるグループのひとつとしての地位を確立してきた。CD録音も継続的に行い、2012年の「endBeginning -フランドル楽派のポリフォニー音楽」(BISSA-1949)をはじめとする5枚のアルバムをBISレーベルからリリース。ルネサンス期スペインの作品を歌った「哀歌(Lamentationes)」(BISSA-2407)は、イギリスの音楽誌が主宰する「グラモフォン賞」の「アーリーミュージック部門」の「2020年最優秀アルバム」に選ばれ、アメリカの「Fanfare」からは「内面の光に照らされたかのような輝かしい演奏。このうえ何が望めるのか、わからない…」と評された。「And the sun darkened(そして太陽は光を失った) 」は、ニューヨーク・ポリフォニーの6作目のアルバム。「受難節」をテーマに「古い音楽と新しい音楽の交差するところを探る」という彼らの活動に沿った新旧7つの作品を取り上げている。フランス北部、アルトワのロワゼ・コンペール(c.1445-1518)の作品が2曲。中世後期の宗教詩に作曲したモテット「勝利した十字架」と、彼がミラノ公ガレアッツォ・マリア・スフォルツァの宮廷に滞在した1470年代に書いたとされる、「フィリピの信徒への手紙」(2節)「聖金曜日のアンティフォン」、14世紀の賛美歌「Pater sapientia(父の英知)」がテクストの「十字架の聖務日課」。ジョスカン・デ・プレ(c.1450/1455-1521)の祈りのモテット「御身は貧しき者の隠れ家(汝、貧しき者の憩いよ)」。アンドルー・スミス(1970-)は、イギリスに生まれ、ノルウェーを本拠に作曲家、歌手、著作家として活動している。「詩編55番」(「神よ、わたしの祈りに耳を向けて頂きたい。嘆き求めるわたしから隠れないで頂きたい」)(新共同訳)は、ヴェストフォル音楽祭で上演される劇「Notes for a レクイエム(レクイエムのための記録)」のために委嘱を受けて作曲した音楽を改作した「アカペラ男声四重唱曲」。フランドルのアドリアン・ウィラールト(c.1490-1562)がグレゴリオ聖歌の旋律も引用して書いた「天にまするわれらの父よ?アヴェ・マリア」。エストニアの作曲家、合唱指揮者のツィリルス・クレーク(1889-1962)の「詩編22番」(「わたしの神よ、わたしの神よ なぜわたしをお見捨てになるのか」)は、彼が「詩編」をテクストに作曲した、国際的に知られる作品のひとつ。フランドル楽派のピエール・ド・ラ・リュー(c.1452-1518)の「おお、救いのいけにえよ」は、聖トマス・アクィナスの賛美歌「Verbum supernum pro-diens(天上の御言葉)」に作曲された輝かしい作品。 | |||
バーンスタイン(1918-1990): 「キャンディード」序曲(1956) /「ウェスト・サイド物語」〜交響的舞曲(1961) / 「ファンシー・フリー」〜3つのダンス変奏曲(1944) /「波止場」〜交響組曲(1954) / 「オン・ザ・タウン」〜3つのダンス・エピソード」(1946) クリスチャン・リンドベリ指揮ロイヤル・リヴァプールpo. | |||
録音:2016年8月、リヴァプール・フィルハーモニック・ホール。 クリスチャン・リンドベリ(クリスティアン・リンドバーグ)が2018年に生誕100周年を迎えたバーンスタインの代表作を録音した。トロンボーンの神様リンドベリは近年指揮活動に力を入れており、アークティック・フィルと来日した2017年10月の来日公演も大きな話題となった。リンドベリはBISレーベルからリリースを続けているアッラン・ペッテションの交響曲集やチャイコフスキーの後期交響曲集などの録音でも指揮者としての才能を発揮し、すっきりとした極めて正攻法の演奏で高く評価されている。バーンスタインの作品はリンドベリの音楽性とも相性がよく、とりわけ金管の歯切れのよさ、オーケストレーションの華やかさは一際光った演奏。ロイヤル・リヴァプールpo. の見事なアンサンブル能力の高さも好印象。バーンスタイン・イヤーにふさわしい1枚がリリースされる。 | |||
私の安らぎは消え失せた〜デュエットと独唱曲集 パーセル:ラッパを吹き鳴らせ(*/#) /私の安らぎは消え失せた(*/#) /音楽が恋の糧なら(*) / しばしの間の音楽(#) /だめよ抵抗してもだめ(*/#) /セリメーヌ(*/#) メンデルスゾーン:我が愛を伝えたい Op.63 No.1 (*/#) /挨拶 Op.63 No.3 (*/#) /民謡 Op.63 No.5 (*/#) / すずらんと小さな花 Op.63 No.6 (*/#) /旅立ち Op.9 No.6 (#) / 新しい恋 Op.19 No.4 (*) /3つの二重唱曲 Op.77 (*/#) シューマン:3つの二重唱曲 Op.43 (*/#) /夜の歌 Op.96 No.1 (#) /ひそかな愛 Op.35 No.8 (*) / 世捨て人 Op.83 No.3 (#) /ことづて Op.77 No.5 (*) /まさに太陽が輝くように(*/#) ロジャー・クィルター(1877-1953):好いた同士の彼氏と彼女 Op.23 No.3 (*/#) /もう泣かないで悲しみの泉よ(*/#) / 音楽は、優しい声が消えても Op.25 No.5 (#) /君が眼にて酒を汲めよ(*) / 愛の哲学 Op.3 No.1 (*) /愛は夏の夜を通じて呼びかける (*/#) キャロリン・サンプソン(S;*) イェスティン・デイヴィス(CT;#) ジョゼフ・ミドルトン(P) | |||
録音:2016年9月、ポットン・ホール、サフォーク州、 UK 。 バッハ・コレギウム・ジャパンのソリストとしてもおなじみのキャロリン・サンプソンとイギリス系カウンターテナーの伝統を受け継ぐイェスティン・デイヴィスが夢の共演を果たした。収録曲はパーセル、メンデルスゾーン、シューマン、そしてクィルターで構成された。当録音は2016年9月にポットン・ホールにてセッション録音されたが、同時期にBBCプロムスのランチコンサートの一環でカドガン・ホールでもライヴ収録しラジオ放送され絶賛されている。イギリスが生んだ二人の名唱の歌声が見事に溶け合う。キャロリン・サンプソンは「完璧なコロラトゥーラ技術と豊かにのびる輝かしい声」と評され、世界の聴衆を魅了し続けている。バロック・古典派の歌曲からオペラまで幅広いレパートリーを持っており、澄み切ったその歌唱は官能的で聴くものを魅了してやまないと評価されている。一方、清らかな歌声が聴き手の心に響き渡るイェスティン・デイヴィスは「グラモフォン賞(ライヴCD部門)」(2012年、2014年)を受賞、現代随一のカウンターテナー。声楽ファン必聴のアルバムがここに完成した。驚異の2重唱をご堪能頂きたい。 | |||
エッシャーSQ ドヴォルジャーク:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 Op.96「アメリカ」 チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 Op.11 ボロディン:弦楽四重奏曲第2番 ニ長調 エッシャーSQ [アダム・バーネット=ハート(Vn1) アーロン・ボイド(Vn2) ピエール・ラポイント(Va) ブルック・シュペルツ(Vc)] | |||
録音:2017年3月、ライトシュターデル、ノイマルクト、ドイツ。 ニューヨークを拠点として活動しているアメリカのカルテット、エッシャー弦楽四重奏団。メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲全曲録音でも注目を集める。各プレーヤーの確かな技術により演奏が非常に立体的なのが当団の特徴といえ実に軽やかな演奏が好印象を与える。2013年のエイヴリー・フィッシャー・キャリアグラントの受賞をはじめ、近年目覚ましい活躍の当団は世界各国で演奏会を成功させている。 | |||
鈴木雅明〜J.S.バッハ(1685-1750):イギリス組曲(全曲) 〔第1番 イ長調 BWV.806 /第2番 イ短調 BWV.807 /第3番 ト短調 BWV.808 / 第4番 ヘ長調 BWV.809 /第5番 ホ短調 BWV.810 /第6番 ニ短調 BWV.811 〕 鈴木雅明(Cemb|使用楽器:ヴィレム・クルスベルヘン、1982年制作〔モデル:リュッケルス〕) | |||
録音:2016年7月-8月、松蔭女子学院大学チャペル、、神戸|録音プロデューサー&バランスエンジニア:トーレ・ブリンクマン|楽器調律:林彰見。待ちに待った鈴木雅明のチェンバロ演奏によるイギリス組曲全曲がリリースされる。鈴木雅明によるバッハ作品のチェンバロ演奏といえば、平均律クラヴィーア曲集第1巻(1996年録音/ BIS813)にはじまり、ゴルトベルク変奏曲(1997録音/ BIS-819)、インヴェンションとシンフォニア(1998年録音/BIS-1009)、ファンタジアとフーガ集(1998年録音/BIS-1037)、フランス組曲(1999年-2001年録音/ BIS-1113)、6つのパルティータ(2001年録音/BIS-1313)、イタリア協奏曲、フランス風序曲、他(2002年録音/BIS-1469)、そして平均律クラヴィア曲集第2巻(2005年録音/BIS-1513)とそのどれもが高い評価を得てきた。その後、しばらくチェンバロ独奏による録音は無かったが、約10年を経た2016年にイギリス組曲が録音された。フランス組曲、パルティータと並ぶ、バッハの舞踊組曲の代表作であるイギリス組曲。フォルケルが、「この作品がある高貴なイギリス人のために書かれた」と言ったことからこの名がつきた。6作品に共通するのがアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグの4曲が必ず含まれ、1曲目が長大なプレリュードになっているのが特徴。鈴木雅明の演奏は驚くべき集中力と内容の濃さで、聴き手の心をつかむ魅力に満ちている。楽器は2台のチェンバロのための協奏曲全集(BISSA-2051)でも使用した1982年ヴィレム・クルスベルヘン制作によるリュッケルスのレプリカで演奏。自在にして優美な表現が印象的。大注目の録音がついに登場。 | |||
パガニーニ:24のカプリス Op.1 | スーイエ・パク(Vn) | ||
録音:2016年9月-10月、スタジオ・アクースティクム、ピテオー、スウェーデン。使用楽器〔弓〕:グァルネリ・デル・ジェス、1739年製〔ハインリヒ・カール・クノッフ、1865年製〕。 2000年生まれの韓国人ヴァイオリニスト、スーイエ・パクがなんとパガニーニの24のカプリスで堂々のデビュー。2000年生まれということなので16歳で録音を完成させたことになる。4歳の時にヴァイオリンをはじめたパクは2009年よりベルリンにて名ヴァイオリニスト、ウルフ・ヴァリーンに師事。彼女の驚くべき才能に惚れ込んだヴァリーンはハンス・アイスラー音楽大学ベルリンで学ぶように薦め、すぐさまその才能を開花させた稀有な存在。五嶋みどりやサラ・チャンを思わせる神童ぶりで10代とは思えないほどの完成されたテクニックと成熟した音楽を聴かせてくれる。ヴァイオリンのあらゆる技術が要求されるパガニーニの24のカプリス。低音から高音まで音域の広いアルペッジョ、左手のピツィカート、オクターヴ、ダブル・トリルなど、超絶技巧のオンパレードだが、パクは技術的な難解さを感じさせず、聴き手を音楽に没入させる表現力を持ち合わせている。21世紀の要注目ヴァイオリニスト、スーイエ・パク。大注目のヴァイオリニスト。 | |||
心地よき憂鬱 ジョン・ダウランド(1563-1626): 昔の涙/流れよ、わが涙/新たにした昔の涙/もし涙の洪水が/ため息の涙/悲しみの涙/悲しめ、昼は闇の中に去った/ ジョージ・ホワイトヘッド氏のアルマンド/「パドゥアン/ヴォルタ」/「強いられた涙/愛するひとの涙」/真実の涙/ 悲しみよ、来れ(ウィリアム・ウィグソープ(1570頃-1610頃)編曲) ロバート・ジョーンズ(1577頃-1615頃):横たわれ、悲しい心よ トバイアス・ヒューム(1579頃-1645):どれほどの悲しみが ジョン・ダニエル(1564-1625頃):うつろな瞳/望まぬまま扉を閉ざすことができたなら アントニー・ホルボーン(1545頃-1602)/イブラヒム・アジズ編曲:わが重き魂は チェリス・コンソート・オブ・ヴァイオルズ [エミリー・アシュトン、イブラヒム・アジズ、ジェニファー・ブロック、 アリソン・キンダー、サム・ストールデン] エマ・カークビー(S) ジェイムズ・エイカーズ(リュート) | |||
録音:2016年3月、ガートン・カレッジ・チャペル、ケンブリッジ、 UK 。 使用楽器: Treble viol: Kazuya Sato, Japan, 2006 / Robert Eyland, Totnes, England, 1988 Tenor viol: Joe Lotito, West Dean, England, 2012 / Robert Foster, England, 2004 | Bass viol: Renate Fink, Osterwieck, Germany, 2007 / Wang Zhi MIng, Beijing, 2010 | Great bass viol: Robert Eyland, Totnes, England, 2006 | 10-course lute: Stephen Gottlieb, London, 2002 。 古代ギリシャの弦楽器をグループ名とする「チェリス」は、イギリスのヴィオール・コンソート。クリストファー・シンプソンのエアとディヴィジョンを演奏した『Ayres & Graces』(BISSA-2153)を2015年にリリース、「素晴らしくしなやか、推進力と活気のある」と「ガーディアン」紙から評されるなど、高い評価を得た『。心地よき憂鬱(A;Pleasing Melancholy)』と題した第2作アルバムは、ジョン・ダウランドの「7つの情熱的なパヴァーヌの姿をした」コンソート曲集「ラクリメ、または7つの涙」(涙のパヴァーヌ)の「流れよ、わが涙」の旋律による7曲とその他の器楽曲、そしてエマ・カークビーの歌う「流れよ、わが涙」をはじめとするダウランドと彼の同時代の作曲家の歌曲によるプログラム。アルバムを覆う悲しみの気分を変えるため、「ラクリメ」から「ジョージ・ホワイトヘッド氏のアルマンド」とトマス・シンプソンの『ターフェル・コンソート』(ハンブルク、1621年出版)に収められた「パドゥアン」と「ヴォルタ」の「今の調性感覚では『長調』」の作品が3曲挟まれる。ケンブリッジ、ガートン・カレッジのチャペルでのセッション録音。 | |||
反響 R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18 / マイケル・ブラウン(1987-):ビザンチウムの反響 ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ 遺作(1897) / エイミー・ビーチ(1867-1944):ロマンス Op.23 エレナ・ウリオステ(Vn|使用楽器:アレッサンドロ・ガリアーノ、1706年制作) マイケル・ブラウン(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2013年11月、ヨンカーズ、ニューヨーク。エレナ・ウリオステはカーティス音楽院で名教師ジョゼフ・シルヴァースタインに師事。またパメラ・フランク、イダ・カヴァフィアンなどから薫陶を得て、現在はアメリカを中心に活躍している。ピアノのマイケル・ブラウンとは2009年のラヴィニア音楽祭での共演をきっかけに意気投合。その後、ブラウンの作品を含む幅広いレパートリーを演奏している。 | |||
J.S.バッハ(1685-1750):リュート組曲集 組曲 ト短調 BWV.995 /組曲(パルティータ) ハ短調 BWV.997 / 組曲(パルティータ) ホ長調 BWV.1006a /組曲 ホ短調 BWV.996 フランツ・ハラース(G|使用楽器:ジュリアン・ダマン製作) | |||
録音:2017年12月、2018年2月、ミュンヘン音楽・演劇大学、大ホール、ミュンヘン。BISレーベルでもおなじみギターの名手フランツ・ハラースがバッハのリュート作品に挑んだ。今回の注目は原調による演奏であること。クラシック・ギターによる演奏では世界初録音とのこと。ハラースの卓越した技術で紡ぎだされるバッハのリュート作品をご堪能頂きたい。組曲 ト短調 BWV.995は無伴奏チェロ組曲第5番 BWV.1011の編曲した作品。ギターで奏でることにより哀愁に満ちた旋律がより引き立つ。組曲 ハ短調 BWV.997は真摯な美しい曲想をもつ作品。オクターヴを駆け上がるパッセージが印象的。組曲 ホ長調 BWV.1006aはあの有名な無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番全曲のリュート編曲版。そして組曲 ホ短調 BWV.996はバッハのリュート曲の中では最初期の作品で流麗な旋律が特徴。 | |||
ラーシュ・カールソン(1953-): バリトンと管弦楽のための「ペール・ラーゲルクヴィストの詩による7つの歌」(2010-12) (*)/ クラリネット協奏曲(2013-15) (#) ガブリエル・スオヴァネン(Br;*) クリストフェル・スンドクヴィスト(Cl;#) ヨン・ストゥールゴールズ指揮ラップランド室内o. | |||
録音:2016年9月-10月、コルンディ文化の家のホール、ロヴァニエミ、フィンランド。 ラーシュ・カールソン(1953-)は、スウェーデンとフィンランドに挟まれたバルト海、フィンランド自治領のオーランド諸島に生まれた。シベリウス・アカデミーで作曲法、ピアノとオルガンを学び、フリーランスの作曲家として活動している。ネオロマンティックで表現的なスタイルに始まり、「調性と旋律」を意識しながら半音階的語法や自由調性といった手法を模索。1990年代の初頭、伝統的な長調と短調の調性による、全音階的メロディで彩色したヴァイオリン協奏曲を発表したころ、現在のスタイルにたどり着いたと言われる。「ペール・ラーゲルクヴィストの詩による7つの歌」は、スウェーデン生まれのバリトン歌手、ガブリエル・スオヴァネン(1977-)のアイデアから生まれた作品。1951年のノーベル文学賞を受賞したスウェーデンの作家、劇作家、詩人、エッセイストのラーゲルクヴィスト(1891-1974)の詩がテクスト。「岸に打ち寄せる波のように」は、1976年の合唱曲につづき再びテクストに選ばれた。クラリネット協奏曲は、「レント-アレグレット」「アンダンテ」「プレスト」の3楽章構成。初期の作品の素材も再使用され、伝統的手法により書かれている。この作品のアイデアを提供したクリストフェル・スンドクヴィスト(1964-)は、フィンランド放送so. 首席クラリネット奏者。ラップランド室内o. の芸術監督を務めるヨン・ストゥールゴールズ(1963-)は、カールソンとの交流が深く、2つの交響曲やフィンランド国立オペラによる「ロードハムン」の初演を指揮。2007年にヘルシンキ・フィルハーモニックがセーゲルスタムの指揮でカールソンのヴァイオリン協奏曲を演奏した際にはヴァイオリンのソロを担当した。 | |||
ペンデレツキ(1933-2020):ルカ受難曲
ルーカス・ミーチェム(B;キリスト) サラ・ウェゲナー(S) マシュー・ローズ(B) スワヴォミル・ホランド(福音史家) ケント・ナガノ指揮モントリオールso.、 ワルシャワ児童cho.、クラクフ・フィルcho.[ラテン語歌唱] | |||
録音:2018年7月20日、フェルゼンライトシューレ、ザルツブルク、ライヴ。2020年3月29日に86歳で逝去されたクシシュトフ・ペンデレツキ。代表作「広島の犠牲者のための哀歌」で日本とも縁の深い作曲家だった。彼の音楽はいわゆる典型的な「ゲンダイオンガク」で、一定間の音をすべて鳴らす「トーンクラスター」の効果を編み出し、20世紀作曲家に多大な影響を及ぼした。それはクラシック音楽界のみならず、今日ホラー映画やサスペンスなどでの効果音として耳にする音響となっています。ペンデレツキの「ルカ受難曲」は「広島の犠牲者による哀歌」から3年後の1963年から3年かけて作曲された。オーケストラ、声楽ともに破格の大編成ゆえ、なかなか実演される機会はないが、2018年7月14日にモントリオールso. とカナダ初演を果したケント・ナガノがその一週間後にザルツブルクのフェルゼンライトシューレで行なったコンサートのライヴ録音。ポーランドから合唱団を招き、映画俳優スワヴォミル・ホランドがエヴァンゲリストを務めているのも注目。演奏は非常に感動的で、当コンサートに臨席した作曲者ペンデレツキが終演後の喝采に応じている体験を共有できます。「受難曲」といえばまずバッハの2大傑作が思い浮かぶが、ペンデレツキ作品はミュンスター大聖堂の建立700周年のためにケルン南西ドイツ放送から依頼された。基本的に十二音技法によるが、その音列のなかにB-A-C-H(シ♭・ラ・ド・シ?)の4音が含まれていたり、バッハが多用した下降2音の「ため息のモチーフ」で始めるなど、ペンデレツキのバッハに対する深い敬意が明瞭に感じられる。ペンデレツキは後年スタイルを変え、ロマン的とさえ言える作品を生み出すが、やはりこの頃の尖った音楽こそ真骨頂。 | |||
アンジェラス [Angelus] 〜ヴィクトリア・ボリソワ=オッラス(1969-):管弦楽作品集 アンジェラス(2008) (*) /沈黙の王国(2003) (#) /山々が生まれる前から(2005) (##) / 賛歌の創造(2013)(弦楽オーケストラのための)(**) /開いた地面(2006) (+) アンドレイ・ボレイコ指揮(*/**) マーティン・ブラビンズ指揮(#/##) サカリ・オラモ指揮(+) ロイヤル・ストックホルムpo. アンドレーアス・アリーン(Fl;##) ペール・アンデション(Ob;##) ユーハン・フランセーン(Cl;##) イェンス=クリストフ・レムケ(Fg;##) ヨアキム・スヴェンヘーデン(Vn;**) ヨハネス・ロスタモ(Vc;**) | |||
録音:2016年8月(+)、2017年11月(*/**)、2019年8月(#/##)、すべてストックホルム・コンサートホール、スウェーデン、ライヴ(*)、セッション(*以外)。「鳥が歌わず、鐘が鳴らない都市は、死んでしまっている。毎日、どんな強さで鐘が鳴っているかを基準にすれば、ミュンヘンこそ間違いなく現代ヨーロッパでもっとも躍動する都会だろう」(ボリソワ=オッラス)。ミュンヘン市の850周年に際しミュンヘン・フィルハーモニーとミュンヘン市議会から委嘱を受けた管弦楽作品に始まる「アンジェラス」は、スウェーデンの作曲家ボリソワ=オッラスの管弦楽曲による「ポートレート」として制作されたアルバム。ヴィクトリア・ボリソワ=オッラスVictoria Borisova-Ollasは、1969年、モスクワ生まれ。モスクワ中央音楽学校とチャイコフスキー音楽院を卒業後、スウェーデンのマルメ音楽大学とロンドンの王立音楽大学で学んだ。1993年からスウェーデンに住み、作曲活動を行っている。彼女の作品は、ロンドンso. をはじめとする各国のオーケストラで演奏され、王立スウェーデン歌劇場で初演された2017年の歌劇「ドラキュラ(Dracula)」は、2シーズンのチケットが完売し、話題になった。スウェーデン作曲家協会のメンバー。王立スウェーデン音楽アカデミーの会員に選ばれている。カトリック教会の「お告げの祈り」の始まりを知らせる「鐘」を曲名にとった「アンジェラス」は、「古い時代からのごく漠然とした挨拶」として、ケルト聖歌を思わせるメロディに始まる約22分の作品。ボリソワ=オッラスは、「「われわれの主への信仰がどれほど多くの機会に失われようと、われわれへの信念を決してなくさない」ひとりの孤独な修道士が、将来ミュンヘン市となる町の中心で初めて鳴らした鐘」に思いを馳せて作曲。ペータース教会の早朝の鐘やマリエン広場のラートハウス・グロッケンシュピールを模した旋律を織りこみながら、さまざまな歴史をもつ都会の姿を描いて行く。2008年6月8日、シルヴァン・カンブルランがミュンヘン・フィルハーモニーを指揮して初演した。ボリソワ=オッラスは、イギリスの「マスタープライズ国際作曲コンペティション」(1998年)の2位に選ばれ、彼女が最初に国際的に知られるきっかけとなった「詩編104番」に基づく交響詩「風の翼(Wings of the Wind)」(1997)をはじめ、「旧約聖書」の「詩編」に関連する作品をいくつか書いている。「一生を終えた後、私たちが行く神秘の国」を示す「沈黙の王国」は、自由な翻訳によるロシア語版「聖書」の「詩編94番」から曲名のアイデアを得たという作品。グロッケンシュピールとチェレスタによる「子守歌」に始まり、「夢」の中に入って行く。ロシアの作曲家ニコライ・コルンドルフ(1947?2001)を追悼して作曲され、作品を委嘱したヨーテボリ・アート・サウンド(GAS)のフェスティヴァルで初演された。「山々が生まれる前から」は、「詩編90番「主よ、あなたは代々にわたしたちの宿るところ。山々が生まれる前から 大地が、人の世が、生み出される前から」」(新共同訳による)をインスピレーションに作曲された。シュトゥットガルト放送so. の委嘱で作られ、作品の後半に木管楽器の首席奏者4人による「カデンツァ」が配されている。アンドレイ・ボレイコAndrey Boreyko 指揮のシュトゥットガルト放送so. が初演。作品は彼に献呈された。「賛歌の創造」は、カナダ放送協会の室内楽フェスティヴァルのための「ヴィルトゥオーゾ」弦楽四重奏曲として作られていた作品。2013年1月、ストックホルム・コンサートホールの「作曲者の週末」のために弦楽オーケストラの版に改作。ミケール・バットシュ指揮ムシカ・ヴィテにより初演された。「調性と無調をめぐるゲーム……現代音楽で何が「現代的」で何が「伝統的」かというテーマ……どちらが「美女」でどちらが「野獣」か……まったくの混沌から何か美しい物を創り出すことは簡単にできるだろうか……」といったことに思いをめぐらしたという作品。「開いた地面」は、サルマン・ラシュディの小説「The Ground Beneath Her Feet(彼女の足下の地面)」をインスピレーションに作曲された。「私たちが存在するこの瞬間、足下にある地面は、安定したものだろうか……地面が突然動きだしたら、どんな感じがするか、想像しようとする者はいるだろうか」。スウェーデン放送so. の委嘱作マンフレート・ホーネックの指揮で初演された。このアルバムの演奏は、ロイヤル・ストックホルムpo. をアンドレイ・ボレイコ、マーティン・ブラビンズMart ロ長調rabbins 、首席指揮者サカリ・オラモSakari Oramoが指揮してストックホルム・コンサートホールで作曲者が立ち会って収録された。「アンジェラス」のみ、コンサートのライヴ録音。ロバート・サフRobert Suffがエグゼクティヴ・プロデューサーを担当、ミュンヘンの「Der Frieアーウィン・デンセンgel(自由の天使)」像の写真がアルバム・アートワークに使われている。 | |||
マッツ・リドストレム(1959-):リゴレット・ファンタジー ショスタコーヴィチ(1906-1975):チェロ協奏曲第1番 変ホ長調 Op.107 マッツ・リドストレム(Vc) ウラディーミル・アシュケナージ指揮オックスフォードpo. | |||
録音:2016年12月、アビー・ロード・スタジオ、ロンドン。 スウェーデンを代表するチェリスト、マッツ・リドストレム。カバレフスキーのチェロ協奏曲第2番、ハチャトゥリヤンのチェロ協奏曲のデビュー盤(BIS-719)以来の久々の新録音は、リドストレムの自作「リゴレット・ファンタジー」とショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番を録音した。共演はアシュケナージ指揮オックスフォード・フィル。リドストレムはイェーテボリでマーヤ・ヴォーグルに師事。その後はジュリアード音楽院でレナード・ローズの下で研鑽を積み、ノールショポング響、ロイヤル・フィルの首席チェリストをつとめるなどで活躍し、現在はソリストとしても幅広く活動を行っている。リドストレムの自作リゴレット・ファンタジーはチェリスト、作曲家のマッツ・ロンディンに捧げられた全11曲の作品で2009年に初演された。ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲とともにリドストレムの熱演を聴くことが出来る。 | |||
アッラン・ペッテション(1911-1980): ヴァイオリン協奏曲第2番(1977 /改訂版)(*) / 交響曲第17番(断章)(1980) (#) 〔マルクス・ブリルカ&クリスチャン・リンドベリ補完〕 ウルフ・ヴァリーン(Vn;*) クリスチャン・リンドベリ指揮ノールショーピングso. | |||
録音:2017年1月(#)、2018年1月(*)、ルイス・デ・ギア・コンサートホール、ノールショーピング。クリスチャン・リンドベリがノールショーピングso. と録音を続けている現代スウェーデンの作曲家アッラン・ペッテションの交響曲シリーズ。当ディスクには交響曲第17番(断章)とヴァイオリン協奏曲第2番を収録した。ヴァイオリン協奏曲第2番は、ヴァイオリン独奏と大編成のオーケストラのために書かれた演奏時間50分をこえる作品。独奏パートはほぼ弾きっぱなしといえるハードにしてパワフルな作品。緊迫した空気とテンション高い作風はペッテションならではと言えるだろう。BISレーベルでおなじみのウルフ・ヴァリーンが鬼気迫る演奏を披露している。なお、当作品の初稿版は1980年1月25日、イダ・ヘンデルが初演したことでも知られる。ペッテション未完の交響曲第17番。この度、ドイツの作曲家マルクス・ブリルカとリンドベリによる補筆完成版が録音された。晩年の作風の特徴であり、ペッテションの人生をあらわしたかのような暗黒で暴力的なパッセージが随所にあらわれるが、一方で澄みきった弦の響きや天国を夢見ているかのような美しい旋律も印象的。強烈なインパクトの中に祈りも感じられる唯一無二の世界が広がる。 | |||
きよしこの夜〜 BCJ のクリスマス ことばは肉となった(2種)〔ソプラノ・ソロ/三重唱〕//いけるものすべて/まぶねのかたえに(2番歌詞日本語)/ きよしこの夜/もろびと声あげ/まきびとひつじを/あめにはさかえ」(1番歌詞日本語)/神の御子は今宵も/ キャロル・メロディ〔人里離れた飼葉桶のなかで/天なる神にはみさかえあれ/ディン・ドンほがらかに〕/ 優しくも愛らしく/ひさしくまちにし/ ルイ=クロード・ダカン:オルガンのための新ノエル集から[オルガン・ソロ] 〔第1番/第2番/第3番/第6番/第7番/第10番/第12番「スイスのノエル」〕 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン〔合唱&ソロ(歌唱:アカペラ)〕 鈴木優人(編曲/Org) | |||
録音:2018年2月-3月、神戸松蔭女子学院大学チャペル|旧・国内仕様盤: KKC-4148 〔廃盤〕。クリスマス・キャロルとダカンのオルガン作品を、ほぼ交互に収録。バッハ・コレギウム・ジャパンが、サントリーホールの「クリスマス・オルガンコンサート」に登場したのが2013年のクリスマス・イヴ。以来、鈴木優人の企画・構成・演出で、毎年この時期に同ホールで2017年までの5年間に渡り、楽しいクリスマス・コンサートが行われた。今回のディスクには2013年から2017年までのコンサートで演奏された曲のなかから、選りすぐりのクリスマス・キャロルが収められている。これらのキャロルは、すべて鈴木優人の手による編曲。彼の作曲家としての手腕が冴え、いずれの編曲も原曲の美しさに、さらなる新しい魅力が添えられている。そしてキャロルとキャロルの間には、フランスの作曲家ダカンによる素敵なクリスマス用のオルガン曲も収録されている。また「まぶねのかたえに」は2番が、「あめにはさかえ」は1番が日本語歌詞での歌唱ということも大注目。クリスマスの大決定盤登場と言えるだろう。音楽学者・加藤拓未氏による日本語解説付(歌詞対訳はつかない)。サントリーホールのコンサートのために鈴木優人が編曲したキャロルの楽譜は2015年12月にショット・ミュージックより、合唱曲集「 Bach CollegiumJapan Christmas Carol Book 」として発売されている。 ※国内品番のみのご案内。 | |||
シュニトケ、ペルト:合唱作品集 アルフレート・シュニトケ(1934-1998): 悔悛の詩編(1988) アルヴォ・ペルト(1935-): マニフィカト(1989) /主よ、今こそあなたは(2001) |
カスパルス・プトニンシュ指揮 エストニア・ フィルハーモニック室内cho. | ||
録音:2017年1月、聖ニコラス教会、タリン、エストニア。 エストニア・フィルハーモニック室内合唱団(EPCD)は、1981年、トヌ・カリユステにより創設された。2001年からポール・ヒリヤーが芸術監督と首席指揮者を務め、ハルモニアムンディUSAの制作した3枚の「バルトの声」をはじめとするCD録音や2007年ベルゲン国際フェスティヴァルなどへの出演により、もっとも国際的に知られるエストニアのアンサンブルのひとつになった。2008年からダニエル・ロイスが指揮。そして2014年、ラトヴィア放送cho. の常任指揮者を務めるラトヴィアのカスパルス・プトニンシュ(1966-)が新しい芸術監督、首席指揮者に任命された。シュニトケが16世紀の作曲者不詳の四旬節のための詩編に作曲した「悔悛の詩編」。「ルカによる福音書」をテクストとするアルヴォ・ペルトの「マニフィカト」と「主よ、今こそあなたは」。ラトヴィア放送cho. を指揮した「ヴァスクス合唱作品集-母なる太陽」(BIS-1145)とラフマニノフの「晩祷」(BISSA-2039)がBBC Music Magazineなどのメディアから高く評価されたプトニンシュが、エストニア・フィルハーモニック室内合唱団を指揮する初めてのアルバム。 | |||
物語 ベッツィ・ジョラス(1926-):ピアノ、トランペットと管弦楽のための協奏的組曲「真実の物語」(2015) (*) サリー・ビーミッシュ(1956-):トランペット協奏曲(2003) (#) オルガ・ノイヴィルト(1968-):トランペットと管弦楽のための「 ...miramondo multiplo... 」(2006) (+) ホーカン・ハーデンベルガー(Tp) ロジェ・ムラロ(P;*) マーティン・ブラビンズ指揮(*/#/+) マルメso.(*/+)、スコットランド・ナショナル・ユースo.(#) | |||
録音:2017年6月、マルメ・ライヴ・コンサートホール、マルメ、スウェーデン(*/+) /2014年8月、ヘンリー・ウッド・ホール、グラスゴー、スコットランド(#) | (#)は既出。スウェーデンのトランペット奏者、ホーカン・ハーデンベルガー(ハーデンベリエル)(1962-)のために書かれた音楽。ブレット・ディーンとルカ・フランチェスコーニの協奏曲(BISSA-2067)につづき、ベッツィ・ジョラスとオルガ・ノイヴィルトの協奏的作品のアルバムがリリースされる。ベッツィ・ジョラス(1926-)は、パリ生まれ。1940年からアメリカで一般教育を受けた後、ポール・ベップルに作曲、ヘレン・シュナーベルにピアノ、カール・ワインリックにオルガンを学んだ。1946年、ベニントン大学を卒業後、パリ音楽院でミヨー、シモーヌ・プレ=コサード、メシアンの下で作曲の研究を続けた。「ピアノ、トランペットと管弦楽のための協奏的組曲」として書かれた「真実の物語」は、2015年の作品。「ピアニスト」のミュラロと「トランペッター」のハーデンベルガーのふたりから寄せられた、一緒に演奏したいという願いを叶えたという「真実」、「私たちが聞かないようにしている音」を意識して使ってみせたという「真実」。「モンテカルロの芸術の春」フェスティヴァルの委嘱で作曲された。オーストリアの作曲家オルガ・ノイヴィルト(1968-)は、子供ころからトランペットの音に魅せられ、プロのジャズ・トランペッターをめざしたものの、15歳の時、交通事故で顎を負傷したため夢を実現できなかったという。「世界を眺める時の見方の多様性」を意味する曲名をもつ「…miramondomultiplo…」は、トランペットと大編成の管弦楽のために書かれた、夢幻的とも言える瞬間をさまざまに示した作品。「空気」ないし「雰囲気」と「旋律」を意味する“aria "(アリア、エア)のタイトルを共通して与えられた5つの楽章で構成されている。「天使のアリア(aria dell ' angelo)」「記憶のアリア(aria della memoria)」「冷血のアリア(aria del sangue freddo)」「平安のアリア(aria della pace)」「喜びのアリア(aria del piacere)」。2006年ザルツブルク音楽祭、ハーデンベルガーとピエール・ブーレーズ指揮VPOの共演で初演された。ジョラスとノイヴィルトの間に置かれたサリー・ビーミッシュ(1956-)のトランペット協奏曲は、彼女のオーケストラ作品集(BISSA-2156)に入っていたものと同じ録音。イタロ・カルヴィーノの「見えない都市」、「12歳の息子が家で鳴らしていたジャズ・プレイヤー、クリフォード・ブラウンのトランペットの豊かな音」と「もちろん、ハーデンベルガーの素敵な演奏」をインスピレーションに作曲された「前奏曲:アダージョ-アレグロ」「アンダンテ」「アレグロ-プレスト」の3楽章の音楽。 | |||
モーツァルト: フリーメイソンのための小カンタータ「我らの喜びを高らかに告げよ」 K.623 / ドイツ語の小カンタータ「無限なる宇宙の創り主を崇敬する汝らが」 K.619 / フリーメイソンの喜び K.471 /歌曲「結社員の旅」 K.468 /歌曲「おお聖なる絆よ」 K.148 / エジプト王ターモス K.345 /カンタータ「宇宙の霊なる君」(未完) K.429(468a)/ 合唱付歌曲「汝ら、われらが新しき指導者よ」 K.484 / 合唱付歌曲「親しき友よ、今日こそ」 K.483 /フリーメイソンのための葬送音楽 K.477 ジョン・ホイツェンローダー(T) マリオ・ボルジョーニ(B) アレクサンドル・プリャーエフ(Fp) ヴィリー・クローネンベルク(Org) マイケル・アレグザンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミーo. & cho. | |||
録音:2016年12月、ドイッチュラントフンク・カンマームジークザール、ケルン。 鬼才フォルテピアノ奏者、ロナルド・ブラウティハムによるモーツァルトのピアノ協奏曲全曲録音シリーズでもおなじみのウィレンズ率いるケルン・アカデミーがモーツァルトのフリーメイソンのための作品を収録した。1996年にウィレンズによって設立されたケルン・アカデミーは、幅広いレパートリーの中でも最も得意とするのがこのモーツァルト。当録音でもすっきりとした見通しのよい演奏でまとめている。 | |||
セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-): 管弦楽のための「吹きだまり」(2017) (*) / 管弦楽のための「石造物」(2015) (#) / ギター協奏曲「通過」(2013) (+) |
イスモ・エスケリネン(G;+) ハンヌ・リントゥ指揮 フィンランド放送so. | ||
録音:2016年2月-3月(#)、2016年8月(+)、2017年6月(*)、ヘルシンキ・ミュージックセンター、フィンランド。 セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-)は、フィンランドの作曲家。モダニズムの厳しさに対抗するかのような豊かな色彩と響きのスタイルで書かれた管弦楽作品や、ヴァイオリン協奏曲「光の中の暗黒」(BISSA-2093)やファゴット協奏曲(BISSA-2206)など、大きな規模と高度な技巧の協奏曲で知られ、2016年から2017年にかけてアムステルダム・コンセルトヘボウのコンポーザー・イン・レジデンスを務めた。タンペレとベルゲンのフィルハーモニックの委嘱による「石造物」は、シャーマニズムの儀式のために造られたとされる建造物からインスピレーションを得て作曲された作品。風や水に吹き寄せられてできる「吹きだまり」は、フィンランド放送so. とヨーテボリso. とガリシアso. の共同委嘱作。暗い彩りの「ラルゴ・ミステリオーゾ」に始まる、ゆっくりしたテンポを基本とする音楽には、ベルイマンの映画を基に作曲した歌劇「秋のソナタ」(2014-16)のメロディも使われている。この2曲とともに「三部作」を構成する最後の作品は、2018年4月にアムステルダムで初演される予定で準備が進められている。ギターと管弦楽のための協奏曲「通過」は「ギターの静かな音は管弦楽の響きにかき消されてしまう」ことをあえて強みと考えて作曲したという作品。ギター奏者イスモ・エスケリネン(1971-)によって初演された独奏曲「Kromos」の素材が使われ「モデラート・コン・アニマ」「インテンソ、リベラメンテ」「エスプレッシヴォ」「リトミコ」「ブリランテ」「インテンソ」の6つの楽章が切れ目なく演奏される。フィンランド放送so. の首席指揮者を務めるハンヌ・リントゥ(1967-)は、デンマーク国立so. を指揮して録音したソンライフ・ラスムセンの交響曲第1番「海洋の日々」がNOMUS(北欧音楽委員会)賞を受賞、今日の音楽の解釈でも高い評価を獲得している。 | |||
マーラー(1860-1911):交響曲第2番 ハ短調「復活」
ルビー・ヒューズ(S) サーシャ・クック(Ms) オスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタo. & cho. | |||
録音:2017年6月、オーケストラ・ホール、ミネアポリス。好評を博しているオスモ・ヴァンスカ率いるミネソタo. によるマーラー・シリーズ。第3弾は交響曲第2番「復活」。当演奏でも流石ヴァンスカ!と思わせる緻密な構成と、細部にまで注意が払われた圧巻の仕上がりで、繊細かつ丁寧な音楽づくりをしている。BISレーベルで数多くの録音を残してきたヴァンスカが最上級の演奏に達した大注目の録音。ベートーヴェン、シベリウスなど数々の名盤をリリースしてきただけに非常に期待の高まるリリースと言えるだろう。 | |||
ORBI - 陽の目を見ない楽器たちの動揺する仕返し 1. Uprising(Matthew Bellamy)− Muse (ミューズ) 2. Since I've Been Loving You(貴方を愛しつづけて)(Jimmy Page/Robert Plant/John Jones) − Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン) 3. Octavarium(John Petrucci/Michael Portnoy/John Myung/Kevin Labriel/Jordan Rudess) − Dream Theater (ドリーム・シアター) 4. Fight Fire with Fire (Cliff Burton/James Hetfield/Lars Ulrich)− Metallica (メタリカ) 5. Hey You(Roger Waters)− Pink Floyd(ピンク・フロイド) 6. Orion(Cliff Burton/James Hetfield/Lars Ulrich)− Metallica (メタリカ) 7. Proclamation(Kerry Minnear/Derek Shulman/Ray Shulman)− Gentle Giant (ジェントル・ジャイアント) 8. Motivy (Emil Tabakov)(コントラバス・ソロのための) 9. (Anesthesia) Pulling Teeth(Cliff Burton) − Metallica (メタリカ) 10. Supermassive Black Hole (Matthew Bellamy) − Muse (ミューズ) 11. Cthulhu(Florian Magnus Maier (Morean)/Hannes Grossmann) − Alkaloid(アルカロイド) 12. Alambama Song (Whisky Bar) (アラバマ・ソング)(《マハゴニー市の興亡(Aufstieg und Fall der Stadt Mahagonny)》から)(Bertolt Brecht,Kurt Weill)− The Doors (ドアーズ) ORBI [ブラム・ファン・サムベーク(Fg) リック・ストーティン(Cb) スヴェン・フィへー(ハモンドOrg) マレイン・コルフ・デ・ヒッツ(ドラム/Perc//プリペアドP)] 編曲:マレイン・ファン・プローイエン、ブラム・ファン・サムベーク(Pulling Teeth)、 フローリアン・マグヌス・マイアー(Morean) (Cthulhu) | |||
録音:2017年3月、7月、2018年2月、 Marmalade Music 、デルフト、オランダ。 ブラム・ファン・サムベーク、リック・ストテイン、スヴェン・フィへー、マレイン・コルフ・デ・ヒッツ。4人のオランダのミュージシャンが「一風変わった」ロックバンドを結成した。「ORBI」(The Oscillating Revenge of the Background Instruments)。「陽の目を見ない楽器たちの動揺する仕返し」。ファゴット、コントラバス、ハモンドオルガン、パーカッションという、オーケストラやロックバンドの奥に押しやられがちな楽器のアンサンブル。このバンド演奏するため彼らが選んだのはプログレッシヴ・ロックとメタルのレパートリー。イギリスのロックバンド、マシュー・ベラミーがヴォーカルの「ミューズ」、ジミー・ページがギターの「レッド・ツェッペリン」、プログレッシヴ・ロックバンド「ジェントル・ジャイアント」、アメリカのプログレッシヴ・ロックバンド「ドリーム・シアター」とヘヴィメタル・バンド「メタリカ」、ドイツのプログレッシヴ・デス・メタルバンド「アルカロイド」。「ピンク・フロイド」は「ロックオペラ」アルバム「The Wall」の「Hey You」。ロックグループ「ドアーズ」がオリジナルに手を入れてデビューアルバム「ハートに火をつけて(The Doors)」で歌った、ブレヒトとヴァイルの歌劇「マハゴニー市の興」の「アラバマ・ソング」。コントラバス・ソロのための「Motivy」は、ブルガリアのタバコフEmily Tabakovが、ブルガリアの民謡とショスタコーヴィチの音楽から影響を受けて作曲した1968年の作品。こうした「ハード」な音楽のゴツゴツした感覚や「シャウト」をファゴットで表現するにはどうするかといった、それぞれの楽器の限界との「戦い」をメンバー全員が楽しんだという。「メタリカ」の「Pulling Teeth」は、ファゴットのサムベークの編曲。「Cthulhu」は、「アルカロイド」の作曲、ギター、ヴォーカルを担当、「現代クラシカル音楽の作曲家が、その気になれば、うなり声で歌うデスメタルのシンガーに変貌」(サムベーク)するフローリアン・マグヌス・マイアーFlorian Magnus Maier(Morean)が編曲、その他の曲はオランダのコントラバス、マレイン・ファン・プローイエンMarijn van ProoijenがORBIのための編曲を引き受けた。 | |||
レナード・バーンスタイン(1918-1990):交響曲全集 〔第1番「エレミア」(1939-43) (管弦楽とメゾ・ソプラノのための) (*) / 第2番「不安の時代」(1945-49, rev.1965) (ピアノと管弦楽のための) (#) 〕 アンナ・ラーション(Ms;*) ローランド・ペンティネン(P;#) クリスチャン・リンドベリ指揮アークティック・フィルハーモニック | |||
録音:2017年5月-6月、ストルメン、ボードー、ノルウェー|制作:インゴ・ペトリ|録音:ファビアン・フランク。「指揮者」クリスチャン・リンドベリの「バーンスタイン・アルバム」第2作。「キャンディード」序曲、「ウェストサイド・ストーリー」の「シンフォニックダンス」、「オン・ザ・タウン」の「3つのダンスのエピソード」などの前作「波止場」(BISSA-2278)につづき、交響曲を2曲、アークティック・フィルハーモニックを指揮して演奏している。「旧約聖書」の予言者の名を副題にした交響曲第1番「エレミア」は、1939年、ハーバード大学を卒業後に作曲した「ヘブライ語」による「哀歌」を最後の楽章に使った、3楽章の作品として書かれた。「予言者から人々への強い嘆願」「予言(Prophecy)」、「異教の堕落がもたらす破壊と混沌」の「スケルツォ」「冒涜(Profanation)」、「エレミアの哀歌」の詩をメゾ・ソプラノが歌う「哀歌(Lamentation)」。ニューイングランド音楽院の作曲コンペティションには落ちたものの、バーンスタインが指揮法を教わったフリッツ・ライナーに認められ、1944年、ライナーが音楽監督を務めていたピッツバーグ交響楽団をバーンスタイン自身が指揮して初演した。交響曲第2番「不安の時代」は、1948年のピューリツァー賞を受賞したW. H.オーデンの詩「不安の時代」からインスピレーションを得て作曲された作品。第二次世界大戦中のニューヨーク、酒場を舞台に3人の男とひとりの女が、それぞれの不安を語り、意味とアイデンティティを求めている。バーンスタインは、オーデンの詩の構造とタイトルに倣い、「第1部」「プロローグ(The Prologue)」「7つの時代(The Seven Ages)」(第1変奏-第7変奏)「7つの段階(The Seven Stages)」(第8変奏-第14変奏)と「第2部」「挽歌(The Dirge)」「仮面劇(The Masque)」「エピローグ(TheEpilogue)」の構成の作品とした。この作品にはブルースやジャズの要素も織りこまれ、バーンスタインの楽器「ピアノ」が重要な役割を担わされている。1949年4月8日、バーンスタインがピアノを弾き、作曲を委嘱したクーセヴィツキーがボストンso. を指揮して初演された。2010年にスウェーデン宮廷歌手に指名されたアンナ・ラーションと、ウルフ・ヴァリーンやトゥールレイフ・テデーンと共演したBISレーベルの室内楽録音でも知られるローランド・ペンティネンをソリストに起用。ノルウェー、ボードーのコンサートホール「ストルメン」でのセッション録音。 | |||
「ハウス・オブ・カード 野望の階段」の音楽〜ジェフ・ビール(1963-): 「ハウス・オブ・カード」交響曲(*) /フォワード・マーチ/裏切り/新たな取引/クレア・アンダウッド/ロシア/ 結婚の肖像/権力/威厳/人形使い/歴史作り/フルートと管弦楽のための「ハウス・オブ・カード」幻想曲(#) / ギターと室内管弦楽のための「シックス・シクスティーン」(+) / 弦楽オーケストラのための「頌歌」(**) /フルートと管弦楽のための協奏曲(##) ジョーン・ビール(S;*) ヘンリー・ビール(ベースG;*/##) ヨアキム・ルンドストレム(G;*) マッティン・オッラリード(ドラムキット;*) フレードリク・インゴー、エーリク・モンソン(P;*) シャロン・べザリー(Fl;#/##) ジェイソン・ヴィオー(G;+) ヘンリク・ユン・ペーテシェン(Vn;**) ジェフ・ビール(フリューゲルHr即興;*)指揮ノルショーピングso. | |||
録音:2017年6月、ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノルショーピング、スウェーデン|旧・国内仕様盤: KKC-4144/5 〔廃盤〕。 Netflix が配信した大ヒット・テレビ・ドラマ・シリーズ「 House of Cards 」をテーマにした作品集。 「ひとりの下院議員が、彼に劣らず狡猾な妻と手を携え、裏切り者たちへの復讐を進めていく」(IMDb)。ケヴィン・スペイシー主演のNetflixテレビ・シリーズ「House of Cards」(邦題「ハウス・オブ・カード野望の階段」)は、2013年から2018年まで6シーズン、66のエピソードが制作された。「ポリティカル・スリラー」のドラマは人気を集め、テレビを変えたとまでいわれる評価を獲得した。このシリーズの音楽は、ロサンゼルスを本拠にテレビの分野を中心に活躍するジェフ・ビール(1963-)が担当。シリーズのクリエーター、ボー・ウィリモンは、急展開するドラマの中で移ろう人々の心理を各エピソードの全体像を見据えながら「独自の声」で表現した音楽がシリーズに欠かせない要素だったと語っている。「ハウス・オブ・カード」交響曲は、シリーズの音楽を約83分の管弦楽曲とした作品。ワシントンのジョン・F.ケネディ・センター、マイアミ、オランダ、デンマーク、イェルサレムで行われた「「ハウス・オブ・カード」イン・コンサート」を基に創られた。作曲者ビールは、「Forward March(フォワード・マーチ)」から「Making History(歴史作り)」まで10の楽章を、時系列によらず、アンダウッド家を取りまくドラマの情緒的、劇的な流れに沿って配置。サウンドトラックの演奏に使われたエレクトリックベース、ギター、フリューゲルホルンといった楽器とソプラノの声を残しながらフル管弦楽のためのオーケストレーションを行なっている。「ハウス・オブ・カード」幻想曲は、メインタイトル、フランクとクレアの「愛と策略」のテーマ、フランク・アンダウッドの人形使いのモチーフを素材に使い、「シャロン・べザリー・フォン・バールのため」に「フルート協奏曲」のアンコールとして作られた小品。「シックス・シクスティーン」は、ギターと室内管弦楽のための「急-緩-急」3楽章の作品。曲名は、室内楽のために書かれた原曲の「弦の数」(ギターの6本、弦楽四重奏の楽器の弦の数4本の4倍)からとられ、「白日夢」や「記憶の感覚」のストーリーをイメージした、時刻(午前6時16分)、部屋番号、番地、特別の日なども示している。「クラシカル・ギタリストのエリート」のひとり、アメリカのジェイソン・ヴィオー(1973-)がソロを弾いている。弦楽オーケストラのための「頌歌」は、憧れや大きな喪失といった気分を歌った「ショートストーリー」あるいは「祈り」の音楽。「フルート協奏曲」は、2015年6月、北欧の夏の太陽に照らされたストックホルム港で作曲者のビールがシャロン・ベザリーとコーヒーを飲みながら雑談していて浮かんだアイデアにより作曲された。「テスラを運転しながらアクセル性能の良さを見せびらかすベザリーとフルートを吹くべザリー」のイメージされた「喜び、活力、リズムにあふれた協奏曲」。ミネソタo. の「American Voices(アメリカの声)」と題するコンサートで、ベザリーのソロ、オスモ・ヴァンスカの指揮で初演された。「ハウス・オブ・カード」に熱中したというBISレーベルのオーナー、ロベルト・フォン・バールのたっての願いで制作された。 | |||
サン=サーンス(1835-1921):ピアノ協奏曲集 〔第3番 変ホ長調 Op.29 (*) / 第4番 ハ短調 Op.44 (#) / 第5番 ヘ長調 Op.103「エジプト風」(#) 〕 |
アレクサンドル・カントロフ (P|使用楽器: Steinway D ) ジャン=ジャック・カントロフ指揮 タピオラ・シンフォニエッタ | ||
録音:2016年9月(#)、2018年1月-2月(*)、タピオラ・コンサートホール、フィンランド。ジャン=ジャック・カントロフの子息であるピアニスト、アレクサンドル・カントロフ。デビュー盤のリストのピアノ協奏曲(BISSA-2100)は「リストの生まれ変わり」とフランスのレヴューで評され、ロシアの作曲家に焦点を当てた第2弾(BISSA-2150)では、10代とは思えないほどの完成度と紛れもない個性をしめした演奏としてレコード芸術誌特選盤をはじめ各誌で話題となった。期待の第3弾ではサン=サーンスのピアノ協奏曲第3番、第4番、第5番「エジプト風」を収録。共演は父ジャン=ジャック・カントロフ指揮タピオラ・シンフォニエッタ。2歳でピアノをはじめ、3歳でかなりのレベルでピアノを弾きこなし、5歳で作曲をはじめた神童サン=サーンス。ピアノ協奏曲は生涯5曲を作曲し、いずれもサン=サーンスらしい華麗なテクニックときらめく旋律が特徴の作品と言える。驚くべき才能の持ち主アレクサンドル・カントロフは、余裕綽々ともいえるテクニックを武器に雄弁な語り口でサン=サーンスを華麗に歌い上げる。1997年生まれのアレクサンドルは父親譲りの音楽的才能の持ち主で、16歳のときにはナントおよびワルシャワでのラ・フォルジュルネでシンフォニア・ヴァルソヴィアと共演し、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を披露。抜群のテクニックと情感豊かな演奏で聴衆を熱狂させた。今後の活躍が最も期待されるピアニストのひとり。 | |||
プロコフィエフ(1891-1953): 歌劇「賭博者」による4つの描写と終結 Op.49 (*) /交響的スケッチ「秋」 Op.8 (#) / バレエ音楽「石の花」からの組曲 (+) 〔バレエ音楽「石の花」のプロローグ「銅山の女王」 +「結婚組曲」[恋の歌/女友達の踊り/娘たちの踊り/結婚/結婚の歌] Op.126 +ジプシー幻想曲[序奏/ジプシーの踊り/セヴェリアンの踊り/ジプシーの独舞/全体の踊り] Op.127 〕 ディーマ・スロボデニューク指揮ラハティso. | |||
録音:2016年10月(+)、2017年9月(*)、2018年3月(#)、シベリウス・ホール、ラハティ。期待の指揮者ディーマ・スロボデニュークがプロコフィエフの管弦楽作品を録音した。スロボデニュークは1975年モスクワ生まれ。17歳でフィンランドに移住しシベリウス音楽院でレイフ・セーゲルスタム、ヨルマ・パヌラから指揮を学んだ。2016年秋のシーズンからラハティso. の首席指揮者に就任し、その後ロイヤル・コンセルトヘボウo.、BPOにもデビューをしている期待の指揮者。BISレーベルからリリースされているハオチェン・チャンのプロコフィエフ&チャイコフスキーの協奏曲の録音でも知られる。手兵ラハティ響との期待の新録音ではプロコフィエフをとりあげた。歌劇「賭博者」の音楽をプロコフィエフ自身が再編集した5曲からなる組曲「「賭博者」による4つの描写と終結」。終曲の第5曲は同歌劇第4幕で登場するルーレットの場面の前後を編集した曲で、ルーレットの回転をあらわす動機が実に印象的。「バレエ音楽「石の花」からの組曲」はバレエ音楽「石の花」のプロローグ「銅山の女王」に「石の花」の改編である結婚組曲 Op.126とジプシー幻想曲 Op.127を併せた演奏した物。スロボデニュークは手兵ラハティ響とともに抜群の構成力で秀演を聴かせる。 | |||
ルイ・シュポア(1784-1859):ヴァイオリンとハープのためのソナタ集 〔ニ長調 Op.113 /ト長調 Op.115 /ニ長調 Op.114 〕 チェチーリア・ベルナルディーニ(Vn|使用楽器:カミッリ、1743年製作) 長澤真澄(Hp|使用楽器:ナーデルマン、1815年製作) | |||
録音:2016年10月、ヴォウト・プロテスタント教会、スヒップライデン、オランダ。 シュポアはヴァイオリンの名手であったことから協奏曲をはじめとする多数のヴァイオリン作品がある。また愛妻がハープ奏者だったため、彼女と共演するためにハープとヴァイオリンのための二重奏曲も作った。それらのハープは伴奏でなく、しばしば主役として扱われている。ここではそのなかでも特に重要な3篇を収録。どれも美しいだが、ソナタ ニ長調 Op.114の第2楽章はモーツァルトの「魔笛」によるポプリとなっていて、良く知られたメロディが次々と現れる。ヴァイオリンもハープのオリジナル・ピリオド楽器を使用。ハープを愛したマリー・アントワネットお抱えのナーデルマン製作による1815年のシングル・アクション・ハープを用いている。演奏しているのは何と長澤真澄。かつて多くのアルバムを国内リリースしていたが、BIS 初登場となる。温かな人柄が表れるような癒しのひとときを味あわせてくれる。 | |||
イェ・シャオガン(1955-):(CD) 管弦楽のための交響的絵画「四川の映像」 Op.70 (2013-14) (*) / ピアノと管弦楽のための「命の協奏曲」 Op.23c (2000) (#) シュエ・ヤン〔楊雪〕(二胡&中胡;*) ユエ・リー〔李楽〕(笛&簫;*) ヤン・ジン〔楊静〕(中国琵琶;*) レイ・ワン〔王磊〕(笙;*) 小川典子(P) ホセ・セレブリエール指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルo. | |||
録音:2018年8月21日-25日、 RSNO センター、グラスゴー、イギリス。1955年生まれの中国を代表する作曲家イェ・シャオガン[葉小鋼]。中央音楽院で学んだのち、1987年からはニューヨークに留学し研鑽を積んだ。そのシャオガンの名が世界に知られることとなったのは2008年の北京オリンピック開会式に使用されたピアノ協奏曲「Starring Sky(星空)」で、ラン・ランが演奏したことにより話題となった。この作品はアルバム「Winter(冬)」(BIS-2113)で小川典子演奏の録音でも知られる。期待の当アルバムでは「四川の映像」と「命の協奏曲」の2篇を収録した。四川po. の委嘱により作曲された交響的絵画「四川の映像」は、中国西部の風光明媚な地方の旅行記をまとめた映画のために作られた、29からなる短い曲をまとめた管弦楽のための作品。作曲の依頼を受けたイェ・シャオガンは四川の山、川、村、町、少数民族の住む地域を実際に訪れ、中国西部特有の自然の風景や千年の歴史を持つ史跡を「音」にした。大編成のオーケストラには打楽器の独奏パートに加えて中国の伝統楽器群も加わり、作品に独特の色彩を添えている。「命の協奏曲」は2000年に同名の映画のために作曲した音楽をもとに再構成した7楽章からなるピアノと管弦楽のための組曲。生徒を指導するために病気との苦難を乗り越えてきたピアニストとこの映画の感動的な瞬間がこの音楽に凝縮されており、ソロをつとめる小川典子が情感を込めて美しい演奏を披露している。 | |||
エントロピア〜ラウリ・ポッラ(1977-): ラッパーと管弦楽のための「コホタ」(2016) (*) / ソリストと管弦楽のための「ドミノ組曲」(2017)〔ステイシス(**) /ドミノ(***) /降伏(**) 〕/ エレクトリックベースのための協奏曲「エントロピア」(2015) (+) /コホタ(器楽ヴァージョン)〔ボーナス〕 パペリ・T(Vo;*) ヴィリ・オッリラ(Org;*) アキ・リッサネン(P;**) サムリ・コスミネン(追加Perc;*/サウンドプロセシング;**/***) ファティマ・ボイクス・カント(Cl;*) ヨーナス・リーパ(ドラム・セット;***) ラウリ・ポッラ(エレクトリックベース†/オムニヴェルク;*) ヤーコ・クーシスト指揮ラハティso. | |||
録音:2017年1月(**, ***以外)、2017年5月(**, ***)、シベリウスホール、ラハティ、フィンランド。 「曽祖父は作曲家ジャン・シベリウス、祖父は指揮者ユッシ・ヤラス、母はオーケストラのミュージシャン、父はアマチュアでジャズを演奏していた……」。ラウリ・ポッラ(1977-)は、作曲家、さまざまな楽器のプレイヤーとして国際的にも知られる。彼の管弦楽作品は各国のオーケストラが演奏、2016年のヘルシンキ・フェスティヴァルではフィンランド放送so. の委嘱による「コホタ」がオープニング・コンサートで初演された。プレイヤーとしての活動もめざましく、「ラウリ・ポッラ・フライオーバー・アンサンブル」では、ロックとジャズから、クラシカル、エレクロトニック、映画音楽まで、さまざまな音楽を演奏。2005年からは、フィンランドを代表するメタルバンド「ストラトヴァリウス」でベースを弾いている。「熱力学第二法則: S>0 エントロピーは、乱雑さと時間方向を測るために使うことができる……」(ヘルシンキ大学物理学部教授シモ・フオタリ)。アルバム・タイトルにもなっている「エントロピア」は、オーケストラとベースギターという対照のはっきりしたふたつを結合させた協奏曲。「エントロピーの寓意(アレゴリー)として、ふたりの人間の出会いと関係の分担を使った」(ラウリ・ポッラ)。「ふたつ」から生じる乱雑、破壊、混沌、そして何かが生まれる。4つの楽章の第3楽章は、2017年12月、フィンランド独立100周年を祝いヘルシンキで行われたコンサートでも、ポッラのベース、ヤーコ・クーシスト(1974-)の指揮で演奏された。「点、場所、位置、セクション、パラグラフ、条項、すぐに」と文脈によって異なる意味をもつフィンランド語がタイトルの「コホタ」は、「ラッパー」をソリストとする管弦楽作品。「とてもおもしろいテクストを作る、表現性の素晴らしいアーティスト」とポッラが語る、パペリ・T(ヘンリ・プルッキネン)のラップ、サムリ・コスミネンのパーカッション。ラウテンヴェルク(リュート=チェンバロ)とヴィオラ・オルガニスタ(レオナルド・ダ・ヴィンチの描画に基づく)という2つの歴史的楽器を組み合わせた「オムニヴェルク」をポッラが担当している。「ドミノ組曲」は「Stasis(ステイシス)「」Domino(ドミノ)」「Surrender(降伏)」の3曲。記譜された音楽に即興が組み込まれ、サムリ・コスミネンの担当するサウンドプロセシングが印象的に使われる。 | |||
カレヴィ・アホ(1949-):2つの協奏曲 ティンパニと管弦楽のための協奏曲(2015) (*) /ピアノと管弦楽のための協奏曲第1番(1988-89) (#) アリ=ペッカ・マエンパー(ティンパニ;*) ソニヤ・フラキ(P;#) エルッキ・ラソンパロ指揮(*) エヴァ・オッリカイネン指揮(#) トゥルクpo.(*/#) | |||
録音:2017年1月、トゥルク・コンサートホール、トゥルク、フィンランド。 フィンランドの作曲家カレヴィ・アホの協奏曲シリーズ。「ティンパニと管弦楽のための協奏曲」は、トゥルク・フィルハーモニックが首席ティンパニ奏者のアリ=ペッカ・マエンパーのために委嘱した作品。作曲にあたりアホは、トゥルクのマエンパーから楽器の特性と可能性について綿密な説明を受け、ティンパニが管弦楽の「アクセント」や「スパイス」として以上の存在感を示す「ソロ楽器と管弦楽の協奏曲」とする構想を練ったと言う。「 舟歌-プレスト-カデンツァ」「 間奏曲(アンダンテ)」「アレグロ・リトミコ」「メスト」「プレスト-エピローグ」の5つの楽章は、切れ目なく(アタッカで)演奏される。「ピアノと管弦楽のための協奏曲第1番」は、アホが比較的早い時期に手がけた協奏曲の一作。この作品に取り組んでいたころアホが研究していた「数秘術」からヒントを得て、彼が強く興味を惹かれたという「巡回数」が曲の素材と構成に応用された。速いテンポが支配的な第1楽章と遅いテンポの第2楽章に続き、アレグロ・モルトの「トッカータ」をもつ第3楽章と緩やかな終楽章がアタッカで演奏される。ヴィルトゥオーゾ性の高い作品。ソロを担当するソニヤ・フラキは、シベリウス・アカデミーで博士号を取得したフィンランドのピアニスト。アホの音楽のスペシャリストとして定評があり、彼女が録音したアホのソロ・ピアノ作品集(BISSA-2106)が各国のメディアから注目された。 | |||
パースペクティヴ7 ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1 / リスト:伝説 S.175 〜第1曲「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番 イ長調 Op.101 / ムソルグスキー:展覧会の絵(1874) アンドレアス・ヘフリガー(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2017年7月、モーツァルトザール、コンツェルトハウス、ウィーン。 1962年にベルリンで生まれ、テノール歌手の父エルンスト・ヘフリガーの母国スイスで育ったピアニスト、アンドレアス・ヘフリガーによるベートーヴェンのピアノ・ソナタと他の作曲家の作品を組み合わせた独創的なプログラム「パースペクティヴ」シリーズ。これまで英Avieレーベルで第6集までリリースされていたが、この度第7集からBISレーベルでのリリースとなる。アンドレアス・ヘフリガーはジュリアード音楽院でハーバート・ステッシンに師事し、1988年にニューヨーク・デビューを大成功させ、のちに欧米の主要オーケストラへの客演、ソロのリサイタル、またマティアス・ゲルネなど世界的歌手とのリート伴奏などか多岐に渡る活動を展開している。当ディスクではベートーヴェンのピアノ・ソナタ第28番とベルクのピアノ・ソナタ、リストの伝説、そしてムソルグスキーの展覧会の絵が組合わせられた。強靭なテクニックでスケールの大きな演奏をお楽しみ頂ける。 | |||
荒野のおおかみ〜クリスチャン・リンドベリ(1958-): ヴィオラと管弦楽のための協奏曲「荒野のおおかみ」(2010-11) (*) / 管弦楽のため「ガラマンタ物語」(2013-14) /管弦楽のため「北京のたそがれ」(2010-12) ラファエル・アルティーノ(Va;*) クリスティアン・リンドベリ指揮オーゼンセso. | |||
録音:2017年3月、オーゼンセ・コンサートホール、オーゼンセ、デンマーク。 スウェーデンのトロンボーン奏者クリスチャン・リンドベリは、近年、作曲と指揮に力点を置いた活動を行い、各国のオーケストラやプレイヤーからの作曲依頼が増えてきている。アルバム「荒野のおおかみ」には彼が委嘱により作曲した管弦楽作品が3曲収録された。「荒野のおおかみ」は、デンマークのオーゼンセso. が、ブラジル出身のヴィオラ奏者、オーゼンセのデンマーク国立音楽アカデミーとマルメ音楽アカデミーで教えるラファエル・アルティーノの発案を受けて委嘱した「ヴィオラと管弦楽のための協奏曲」。「無人地帯」「心地よい共感」「光の探求」の3楽章は、「孤立感を押し流そうとする悲しい狼」をイメージした、孤独、同情、生きる闘いをテーマに書かれ、作品の姿がほぼ完成したころ、「ヘルマン・ヘッセの書いた美しい物語」の思い浮かぶ曲名がつけられた。「ガラマンタ物語」は、ラトヴィア国立so. と十代のダンス・グループによるテレビ・プロジェクトのため「ラトヴィア・コンセルティ」から委嘱された作品。空想の小都市「ガラマンタ」を舞台に若者たちの恋と争いを描き、デンマークのラース・フォン・トリアー監督がブレヒトの「三文オペラ」からインスピレーションを得て作ったという映画「ドッグヴィル」が重要な要素としてイメージされている。「北京のたそがれ」は、ノルショーピングso. の創設100周年コンサートのための委嘱作。ノルショーピング市のニックネーム「北京」とリンドベリが「詩的な気分」を覚えるという「たそがれ」を組み合わせた「シュールで痛烈な性格」のタイトル。リンドベリが子供のころからファンだったノルショーピングのサッカーチームの応援歌や「ノルショーピング市」からインスピレーションを得たモチーフを素材に作曲された音楽。 | |||
ジャルバート|バッハ|ペルト|ヴァスクス ピエア・ジャルバート(1967-):ヴァイオリン協奏曲(2017) (*) J.S.バッハ(1685-1750):ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV.1041 アルヴォ・ペルト(1935-):フラトレス(1977/92)(ヴァイオリン、弦楽オーケストラと打楽器のための版) ペーテリス・ヴァスクス(1946-):孤独な天使(1999/2006) マーガレット・ベイチャー (Vn|使用楽器:ストラディヴァリウス「 Milstein ex Goldman 」、1716年製作) ジェフリー・カヘイン指揮ロサンゼルス室内o. | |||
録音:2018年3月17日、アレックス・シアター、グレンデール&2018年3月18日、UCLA 、ロイスホール、ともにライヴ(*) /2018年9月15日、コルバーン音楽学校、ジッパーホール、セッション(*以外)、すべてロサンゼルス、カリフォルニア州、 US 。ロサンゼルス室内o. (LACO)は、1968年の創設。ネヴィル・マリナー、ジェラード・シュワルツ、アイオナ・ブラウン、クリストフ・ペリック、ジェフリー・カヘインが音楽監督を歴任、アメリカ屈指の室内o. のひとつと呼ばれるようになった。2019年/ 2020年のシーズンからハイメ・マルティンが音楽監督を務めている。ロサンゼルス室内o. の初めてのBISレーベルへの録音は、コンサートマスターのマーガレット・ベイチャーのソロで、J.S.バッハの イ短調の協奏曲など「ヴァイオリンとオーケストラ」の作品4篇を収録。当録音ではあのナタン・ミルシティンの愛器、1716年製作のストラディヴァリウスMilstein ex Goldmanで演奏している。エレガントで艶やかな音色が魅力。ピエア・ジャルバート(1967-)は、ニューハンプシャー州マンチェスターのフランス系カナダの家系生まれ。オハイオ州のオーバリン音楽院でピアノと作曲を学び、ペンシルべニア大学の主任教授ジョージ・クラムの下で作曲の博士号を取得した。アーロン・コープランドを「ヒーロー」と呼び、ジャルバート自身、色彩感のある、すばらしく巧みに作られた、人好きのする音楽を発表している。初録音の「ヴァイオリン協奏曲」は、「Soulful, mysterious - Scherzando(感情のこもった、神秘的な-スケルツァンド)」と「With great energy(大きなエネルギーとともに)」の2楽章の作品。2002年から2005年までコンポーザー・イン・レジデンスを務めたロサンゼルス室内o. と、セントポール室内o.、ミルウォーキーso. の共同委嘱で作曲。2017年6月にミネソタ州セントポール、2018年2月にウィスコンシン州ミルウォーキーで演奏され、3月、ロサンゼルス室内o. により西海岸初演された。アルヴォ・ペルトの「フラトレス(兄弟たち)」は、1977年、室内アンサンブルのために作曲され、ギドン・クレーメルが「ヴァイオリンとピアノ」の版を演奏して以来、ペルト自身が編曲した版のほか、アーティストたちが自分たちの楽器のために作った版もあり、ペルトのもっとも演奏されることの多い「クラシック」になったと言われる。このアルバムでは、作曲者自身が1992年に作った「ヴァイオリン、弦楽オーケストラと打楽器」の版が演奏される。ラトヴィアの作曲家ペーテリス・ヴァスクスの「孤独な天使」は、1999年に作曲した弦楽四重奏曲第4番の終楽章を「悲しい目で見つめながら世界の空 を 飛ぶ天使」をイメージして改作、ギドン・クレーメルにより初演された作品。マーガレット・ベイチャーは、1998年からロサンゼルス室内o. のコンサートマスターを務め、ソリスト、室内楽奏者として活動、南カリフォルニア大学ソーントン音楽学校とコルバーン音楽アカデミーで教えている。ジェフリー・カヘイン(1956-)とロサンゼルス室内o. が共演したヒラリー・ハーンのバッハの協奏曲集(DG)で「2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV.1043」の第2ヴァイオリンを担当した。私生活では、数多くの映画とテレビの音楽を書いている作曲家ジョエル・マクニーリーの夫人。 | |||
アンドレアス・ヘフリガー〜ピアノ協奏曲集 ディーター・アーマン(1962-):ピアノ協奏曲(グラン・トッカータ)(2016-19)[世界初録音](*) ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲(1929-30) (#) / バルトーク:ピアノ協奏曲第3番 ホ長調(1945) (+) アンドレアス・ヘフリガー(P) スザンナ・マルッキ指揮ヘルシンキpo. | |||
録音:2019年3月(#)、2019年6月(+)、2019年11月6日-7日(*)、セッション(#/+)、ライヴ(*)、すべてヘルシンキ音楽センター。1962年にベルリンで生まれ、テノール歌手の父エルンスト・ヘフリガーの母国スイスで育ったピアニスト、アンドレアス・ヘフリガー。ベートーヴェンのピアノ・ソナタと他の作曲家の作品を組み合わせた独創的なプログラム「パースペクティヴ」シリーズでも好評を博している。当アルバムには世界初録音となったヘフリガーと同い年の作曲家ディーター・アーマンのピアノ協奏曲(グラン・トッカータ)、ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲、そしてバルトークのピアノ協奏曲第3番という豪華な内容。アンドレアス・ヘフリガーはジュリアード音楽院でハーバート・ステッシンに師事し、1988年にニューヨーク・デビューを大成功させ、のちに欧米の主要オーケストラへの客演、ソロのリサイタル、またマティアス・ゲルネなど世界的歌手とのリート伴奏など、多岐に渡る活動を展開している。ヘフリガーに捧げられたアーマンのピアノ協奏曲(グラン・トッカータ)はまるで万華鏡のように変化する色彩感と超絶技巧が融合した注目作。2019年のBBCプロムスで初演され、その後ボストン、ミュンヘン、ヘルシンキで演奏されている。当ディスクにはヘルシンキにおける2019年11月6日、7日のライヴが収録されている。色彩感といえばラヴェル!ヘフリガーは雄弁に歌いながらも非常に完成度の高い演奏を披露している。最後のバルトークはまさに圧巻の演奏。強靭なテクニックでスケールの大きな演奏をお楽しみ頂ける。 | |||
J.S.バッハ:世俗カンタータ Vol.9 〔「急げ、渦巻く風よ」「フェーブス(ポイボス=アポロン)とパンの争い」 BWV.201 (*) / さあ、晴れやかなトランペットの高らかな音よ BWV.207a 〕 ジョアン・ラン(S) ロビン・ブレイズ(CT) ニコラス・パン(T) ドミニク・ヴェルナー(B) 中嶋克彦(T;*) クリスティアン・イムラー(B;*) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン 菅きよみ(Fl−tr) 三宮正満(Ob/Obダモーレ) | |||
録音:2016年9月、神戸松蔭女子学院大学チャペル。 BCJの世俗カンタータの第9集は、コレギウム・ムジクムのための劇音楽「急げ、渦巻く風よ」「フェーブス(ポイボス=アポロン)とパンの争い」 BWV.201とザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト2世の祝賀用の作品「さあ、晴れやかなトランペットの高らかな音よ」 BWV.207aが収録された。今回も充実のソリスト陣が魅力のひとつで、おなじみのジョアン・ラン、ロビン・ブレイズ、ドミニク・ヴェルナーに加えて2017年のグラミー賞にノミネートされたテノール、ニコラス・パンも参加、満を持してのキャスティングでの収録。「急げ、渦巻く風よ」 BWV.201は1729年秋のライプツィヒ見本市期間中に作曲されたとされるコレギウム・ムジクムのための劇音楽で、台本は牧神パンとフェーブス(ポイボス=アポロン)がリディアのトモルス山で歌を競い合ったという、ギリシャ神話に基づく作品。パンとフェーブスのパートは対立的な様式でくっきりと書き分けられており、単純で民衆的なパンのアリアに対して、フェーブスのアリアは、精密な筆致による格調の高いものとなっております。「さあ、晴れやかなトランペットの高らかな音よ」 BWV.207aはザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト2世の命名日祝賀用作品。3つのレチタティーヴォ以外は BWV.207の音楽がほぼそのまま転用されている。当日付けの「ライプツィヒ新聞」によれば、コレギウム・ムジクムにより、ツィンマーマンの庭園で上演したとされている。 | |||
ゲオルギー・ルヴォヴィチ・カトワール(1861-1926):ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.28 (1914) イグナツィ・フリードマン(1882-1948):ピアノ五重奏曲 ハ短調(1918) ベンクト・フォシュベリ(P) ニルス=エーリク・スパルフ(Vn1) ウルフ・フォシュベリ(Vn2) エレン・ニスベト(Va) アンドレーアス・ブランテリード(Vc) | |||
録音:2017年1月、アルヘルゴナ教会〔万聖人教会〕、ストックホルム。制作・録音:マリオン・シュヴェーベル。2つのヴァイオリン、ヴィオラとチェロの「古典的」弦楽四重奏とピアノ組み合わせによる五重奏は、ボッケリーニの作品の後、19世紀になってローベルト・シューマン、ブラームス、フランク、ドヴォルジャーク、フォーレたちによるインスピレーション豊かな作品が作られた。ベンクト・フォシュベリと「仲間たち」のアルバムでは、ポスト=ロマンティシズムとモダニズムの間に書かれた、あまり知られていない2曲のピアノ五重奏曲が演奏される。ゲオルギー・ルヴォヴィチ・カトワール(1861-1926)は、フランスの家系に生まれたロシアの作曲家。モスクワ音楽院でカール・クリントヴォルトにピアノを学び、ドイツに留学。帰国して数年後、モスクワから離れた田舎に移り、1916年にモスクワ音楽院の教授に任命されるまで、タネーエフやアレンスキーたちと会う以外は、作曲の研究と創作に専念したといわれる。「ピアノ五重奏曲 ト短調」は、1921年に出版された作品。アレグロ・モデラート、アンダンテ、アレグロ・コン・スピリト・エ・カプリッチョーゾの3楽章。独創的な和声とリズム構造、哀愁にみちた雰囲気のため、カトワールの作品の中でもっとも際立った魅力をもつ作品とされている。ポーランド生まれのイグナツィ・フリードマン(1882-1948)は、作曲家としてよりも20世紀を代表するピアニストのひとりとして知られる。「ピアノ五重奏曲 ハ短調」は、1918年に書かれた作品。第一次世界大戦が影を落としたともいわれる厳粛な気分の第1楽章、主題と個性的な6つの変奏の第2楽章、ポーランド民謡を主題にした第3楽章「エピローグ」。ロマンティックあるいはサロン・スタイルのピアノ曲や歌曲の多い彼の作品の中で最良の音楽とみなされている作品。BISレーベルへの多くの録音で知られるヴァイオリニスト、王立スウェーデン音楽アカデミー会員のニルス=エーリク・スパルフ、スウェーデン放送so. のメンバーの者ウルフ・フォシュベリ、アルバム「美しい人よ目覚めよ」(BISSA--2181)のエレン・ニスベト、グリーグとグレインジャーとカール・ニルセン(BISSA-2120)とフォーレ(BISSA--2220)を録音したアンドレーアス・ブランテリード。フォシュベリと室内楽を楽しんでいる仲間たちによるアンサンブル。 | |||
戦時のチェロ曲 ドビュッシー(1862-1918):チェロ・ソナタ L.144 / ブリッジ(1879-1941):チェロ・ソナタ H.125 フォーレ(1845-1924):チェロ・ソナタ第1番 ニ短調 Op.109 ヴェーベルン(1883-1945):チェロとピアノのための3つの小品 Op.11 サン=サーンス(1835-1921):白鳥(#) / ヒューバート・パリー(1848-1918):イェルサレム(#) アイヴァー・ノヴェロ(1893-1951): Keep the Home Fires Burning (#) / 民謡:神よ国王を護り賜え(#) スティーヴン・イッサーリス (Vc;無印|使用楽器:ストラディヴァリウス「 Marquis de Corberon 」1726年製/ トレンチVc;#|使用楽器: W. E. Hill and Sons, 1900年頃製) コニー・シー(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2016年11月、ポットン・ホール、サフォーク州、 UK 。 毎回趣向を凝らしたテーマでアルバムを発表しているスティーヴン・イッサーリス。今回は「戦争の影で」(BISSA-1992)の続編で「戦時のチェロ曲」をリリースする。「戦争の影で」は協奏作品集であったのに対し、今回は室内楽作品を集めた。当作品も作曲年代は異なるが、いずれも世界大戦を背景にしている作品を収録。注目は(#)の4篇を、第一次世界大戦時にイギリス陸軍兵士が戦場で弾いたトレンチ・チェロを用いて録音をしていること。この楽器はイギリス陸軍に従軍していたアマチュアのチェリストが作ったもので弾薬箱を胴に使い、持ち運びの際には弓などを箱の中にしまえるようにしたもの(楽器の写真はブックレットに掲載されている)。イッサーリスは以前よりトレンチ・チェロに注目しておりこの楽器がもつ心を打つ音色を大事にしながら思いを込めて演奏した。イッサーリスが描く戦時に思いを馳せた興味深いアルバム。 | |||
郊外の話〜アルベット・シュネルツェル(1972-):管弦楽作品集 チェロ協奏曲「狂気のダイアモンド」(2011) (*) /管弦楽のための「郊外の話」(2012) / 管弦楽のための協奏曲「ブレイン・ダメージ」(2014) クレース・グンナション(Vc;*) ベンジャミン・シュウォーツ指揮ヨーテボリso. | |||
録音:2017年5月、ヨーテボリ・コンサートホール、スウェーデン。 アルベット・シュネルツェル(1972-)は、スウェーデンの彼の世代でもっとも注目を集める作曲家のひとり。国際的に知られるきっかけとなったのは、2004年、ラジオ・フランスの委嘱で作曲した「捕食の踊り(Predatory Dances)」のパリでの初演。ダイナミックな流れのなかに静謐の時と空間を挟む簡潔な音楽が、高い支持を得た。シュネルツェルは、音楽創造を「現代音楽にふさわしいあり方に専念することではなく、もっとも自分らしい表現を求めること」と言う。彼は、マルメ音楽大学で作曲を学び、ロンドンの王立音楽カレッジでは作曲法と指揮法を修めました。近作のひとつ、映画作家ティム・バートンへの「オマージュ」とした「A Freak ロ長調urbank(バーバンクの奇人)」は、2010年の「プロムス」で演奏され、その後、スウェーデンの現代作品としてもっとも演奏機会の多い一作になった。チェロ協奏曲「狂気のダイアモンド(Crazy Diamond)」は、ヨーテボリso. の委嘱作。「You shone like the sun(君は太陽のように輝いていた)」「If the cloud bursts, thunder in your ear(土砂降りになったら、君の耳に雷が)」「Re-arrange me 'til I 'm sane(正気に戻るまで私を組み替えてくれ)」「Trade your heroes for ghosts?(君のヒーローを幽霊と交換するか?)」の4楽章。「(「The Dark Side of the Moon」(邦題「狂気」)の)ピンク・フロイドやジェネシスといったグループが、ベートーヴェンとストラヴィンスキーと同じスペースを占めていた十代」を過ごした音楽家の作った音楽。「郊外の話(Tales from Suburbia)」は、「郊外」への個人的な思いを背景に作曲された。「田舎の牧歌的風情の農家でもなく、都会のファッショナブルな地区のトレンディなアパートメントでもなく、ずっと郊外で育ち、オフィスこそストックホルムにあるものの、「ある種の愛憎関係」をもちつづけながら今も郊 外に住んでいる」。「ブレイン・ダメージ(Bra ニ長調amage)」は、個性をもった「個」の集合体「オーケストラ」のための協奏曲。「狂気のダイアモンド」で始めた探求を押し進める作品。「If Your Head Explodes(君の頭が破裂したら)」「Folded Faces(くしゃ顔)」「Dam Breaks Open(ダムが決壊する)」。「TheDark Side of the Moon」に収録されたロジャー・ウォーターズ作詞の「ブレイン・ダメージ(Bra ニ長調amage)」(邦題「狂人は心に」)(脳損傷)の歌詞が3つの楽章のタイトルに採られている。指揮者のベンジャミン・シュウォーツ(1979-)は、ロサンゼルス生まれ。カーティス音楽院でオット=ヴェルナー・ミュラーに指揮を学び、2013年から2016年までヴロツワフ・フィルハーモニックの音楽監督を務めた。新しい音楽のエクスパートと目されているひとり。クレース・グンナション(1976-)は、ヨーテボリso. の首席チェロ奏者。シュネルツェルの「捕食の踊り」などの室内楽作品の初録音に参加している。 | |||
W. A. モーツァルト以前の初期ホルン協奏曲集 クリストフ・フェルスター(1693-1745):ホルン協奏曲第1番 変ホ長調 テレマン(1681-1767):ホルン協奏曲 ニ長調 TWV.51: D8 ヨハン・バプティスト・ゲオルク・ネルーダ(1708頃-1780頃):ホルン協奏曲 変ホ長調 レオポルド・モーツァルト(1719-1787):シンフォニア・ダ・カメラ ニ長調 ハイドン(1732-1809):ホルン協奏曲第1番 ニ長調 Hob.VIId: 3 アレック・フランク=ゲミル(Hr) ニコラス・マッギガン指揮スウェーデン室内o. | |||
録音:2017年2月、エレブルー・コンサートホール、スウェーデン。 注目のホルン奏者アレック・フランク=ゲミルがW. A. モーツァルト以前の作曲家、フェルスター、テレマン、ネルーダ、レオポルド・モーツァルト、そしてハイドンのホルン協奏曲5篇を録音した。ホルン協奏曲といえばモーツァルトのそれが有名だが、モーツァルト以前の作曲家も魅力的な作品を残している。フランク=ゲミルは各作品の個性を十分に引き出した見事な演奏を聴かせてくれる。アレック・フランク=ゲミルは現在スコットランド室内o. の首席ホルン奏者をつとめる俊英。高度な技術を要するホルンだが、フランク=ゲミルは完璧ともいえる技術を武器に実に雄弁に歌い上げ、聞き手を魅了する。BISレーベルからの前作、19世紀に生きた作曲家の作品を集めた「ノーブルでメランコリーな楽器」(BISSA-2228)でもそれぞれの作曲家の個性をホルンという楽器を通して堪能することができる充実のアルバムをリリースしている。 | |||
フラトレス〔編曲:ヨルゲン・ファン・ライエン(*) 〕 アルヴォ・ペルト(1935-):フラトレス〜トロンボーン、弦楽オーケストラと打楽器のための(1977/2017) J.S.バッハ(1685-1750):協奏曲 ニ短調 BWV.974(マルチェッロ「オーボエ協奏曲 ニ短調」による)(*) ペルト:天にいるわれらの父よ〜トロンボーンと弦楽オーケストラのための(2005/2017) J.S.バッハ:協奏曲 ニ長調 BWV.972(ヴィヴァルディ「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」による)(*) ペルト:バビロン川のほとりで〜トロンボーンと室内管弦楽のための(1976/2017) J.S.バッハ:協奏曲 ハ短調 BWV.981(マルチェッロ「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調」による)(*) ペルト:断続する平行〜クラリネット、トロンボーンと弦楽オーケストラのための(1976/2017) ヨルゲン・ファン・ライエン(Tb)指揮カメラータ RCO | |||
録音:2016年10月、2017年6月、シンゲル教会、アムステルダム。 オランダのトロンボーン奏者ヨルゲン・ファン・ライエン(1975-)は、ロイヤル・コンセルトヘボウo. の首席奏者を務め、現代とバロック期の楽器のスペシャリストとして常に新しいレパートリーを開拓、ソリストとしても活躍している。そのファン・ライエンの新作アルバム。「アルヴォ・ペルトは、今のわれわれの時代のバッハか?」。このアルバムでファン・ライエンは、「聖トーマス教会のカントル」の音楽と、彼の作品を愛し、「WennBach Bienen gezuchtet hatte」や「Collage uber BACH(BACHによるコラージュ)」といった作品を書いたエストニアの作曲家アルヴォ・ペルトの音楽を並べて演奏、「時代の違う兄弟たち(フラトレス)」に共通するところ、異なるところを探っていく。ヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品は、イタリアの作曲家たちのソロ楽器とアンサンブルのための協奏曲を鍵盤楽器の独奏曲に編曲した「協奏曲」。この3曲は、マルチェッロ兄弟とヴィヴァルディの原曲とバッハの編曲を照らし合わせながらファン・ライエンが行った編曲で演奏される。ペルトの「フラトレス」「バビロン川のほとりで」「断続する平行」は、クリスチャン・リンドベリが1990年代に手がけた編曲に基づいてファン・ライエンが編曲した版、ボーイソプラノとピアノのための「天にいるわれらの父よ」は、ペルトがアンドレーアス・ショルの依頼でアレンジした「カウンターテナーと弦楽」の版をファン・ライエンが編曲した版による演奏。ペルトの4曲は、当編成ではこれが世界初録音。カメラータRCOは、ロイヤル・コンセルトヘボウo. (RCO)のプレイヤーたちが、小編成の演奏を楽しむために結成、オランダ国内のほか、ニューヨーク、ワシントン、東京、ソウル、ウィーン、ローマ、リスボン、マドリッドで演奏してきた。 | |||
ロッシーニ&ホフマイスター:四重奏曲集 ロッシーニ(1792-1868):「6つの四重奏のソナタ」より(*) 〔第1番 ト長調/第2番 イ長調/第3番 ハ長調〕 ホフマイスター(1754-1812):独奏四重奏曲(#)〔第1番 ニ長調/第2番 ニ長調〕 ミンナ・ペンソラ(Vn1) アンッティ・ティッカネン(Vn2;*/Va;#) トゥオマス・レヘト(Vc) ニーク・デ・グロート(Cb) | |||
録音:2017年1月-2月、シャウマン・ホール、ヤコブスタード、フィンランド。 セビリャの理髪師やオテロなどオペラ作曲家として有名なロッシーニ。少年時代には古典派様式の器楽曲、室内楽を作曲しその類まれな才能はすぐさま開花した。ここに収録された6つの四重奏のソナタからの3篇でもわかるように10代からロッシーニらしい雄弁で美しい旋律が現れ、溌剌さと輝きをもつ魅力的な作品を残した。一方、ウィーンで活躍し、古典派の多くの器楽曲、歌劇を作曲したホフマイスターも実に輝かしい旋律を呈する。ミンナ・ペンソラをはじめとする俊英揃いの演奏にも注目。 | |||
ロッシーニ(1792-1868):「6つの四重奏のソナタ」より(*) 〔第4番 変ロ長調/第6番 ニ長調/第5番 変ホ長調〕 ホフマイスター(1754-1812):独奏四重奏曲(#)〔第3番 ニ長調/第4番 ニ長調〕 ミンナ・ペンソラ(Vn1) アンッティ・ティッカネン(Vn2;*/Va;#) トゥオマス・レヘト(Vc) ニーク・デ・グロート(Cb) | |||
録音:2017年10月、シャウマン・ホール、ヤコブスタード、フィンランド。 ミンナ・ペンソラをはじめとする俊英揃いの演奏によるロッシーニとホフマイスターを組み合わせた弦楽四重奏曲集。前作(BISSA-2317)に続き第2弾が登場した。セビリャの理髪師やオテロなどオペラ作曲家として有名なロッシーニは、少年時代に古典派様式の器楽曲、室内楽を作曲し、その類まれな才能はすぐさま開花した。ここに収録された6つの四重奏のソナタからの3篇でもわかるように10代からロッシーニらしい雄弁で美しい旋律が現れ、溌剌さと輝きをもつ魅力的な作品を残した。一方、ウィーンで活躍し、古典派の多くの器楽曲、歌劇を作曲したホフマイスターも実に輝かしい旋律を呈する。 | |||
ブラームス(1833-1897): 交響曲第3番 ヘ長調 Op.90 /ハンガリー舞曲集 WoO.1 Nos.11-16 〔トーマス・ダウスゴー編曲〕(+) / アルト独唱と男声合唱および管弦楽のための「アルト・ラプソディ」 Op.53 (#) シューベルト/ブラームス編曲:6つの歌(*) 〔御者クロノスに D.369 /メムノン D.541 /秘めごと D.719 /老年の歌 D.778 / エレンの歌(初稿) D.838 /タルタロスから来た群れ D.583 〕 アンナ・ラーション(A;*/#) ヨハン・ロイター(Br;*) トーマス・ダウスゴー指揮スウェーデン室内o.、スウェーデン放送cho.(#) | |||
録音:2016年11月(+)、2017年3月(+以外)、エレブルー・コンサートホール、スウェーデン。 透き通るようなオーケストレーションかつ刺激的なダウスゴーとスウェーデン室内管による演奏。注目のブラームス第3弾には交響曲第3番、6つの歌、ハンガリー舞曲第11-16番、そしてアルト・ラプソディが収録された。当演奏でもダウスゴーらしい単なる見通しや運動性の良さに終わらず、大胆でダイナミックな音楽づくりを展開。音色はすっきりとした純度の高いブラームスを聴くことが出来る。 | |||
ムソルグスキー:歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」(1869年原典版)
アレクサンドル・ツィムバリュク(B;ボリス・ゴドゥノフ) マクシム・パステル(T;シュイスキー) ミカ・カレス(B;ピーメン) セルゲイ・スコロホドフ(T;グリゴーリー) オレグ・ブダラツキー(B;警史) アントン・リュングクヴィスト(B−Br;農夫ミチューハ) ワシーリー・ラデューク(Br;シチェルカーロフ) アレクセイ・チホミロフ(B;ワルラーム) ボリス・ステパノフ(T;ミサイール、聖愚者) オッカ・フォン・デア・ダメラウ(Ms;旅籠の女将) マルガリータ・ネクラソワ(Ms;乳母) ハンナ・フサール(S;クセニヤ皇女) ヨハンナ・ルドストレム(Ms;フョードル皇子) ケント・ナガノ指揮イェーテボリso.、イェーテボリ歌劇場cho.、ブルンスブー音楽学校cho. | |||
録音:2017年3月2日-11日、イェーテボリ・コンサートホール(ライヴをメインにセッションを部分編集)。ケント・ナガノがBISレーベル初登場。それもムソルグスキーの歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」というオペラをほとんど出さないBIS 異例の演目に二度驚かされる。しかし演奏がBISと縁の深いイェーテボリso.、また名作「ボリス・ゴドゥノフ」も珍しい1869年原典版ということで、このレーベルらしさ満載となっている。ムソルグスキーは1869年に「ボリス・ゴドゥノフ」を完成させ、帝室マリインスキー劇場委員会に提出すものの、上演を却下される。その大きな理由は登場人物が男ばかりで、オペラの醍醐味であるヒロインの魅力や男女の悲恋が全くなく、男臭い歴史悲劇なのが受けないと判断されたためとされる。その意見を受け、ムソルグスキーは1871-2年に大改訂を施し、ヒロインの悪女マリーナを登場させ、1時間ほど拡大させた。それが今日知られる版の中心だが、ムソルグスキーの時代を先んじた天才性と狂気は1869年原典版にこそ最も強く現れている。これまでCDはゲルギエフとマリインスキー劇場、映像ではヴァイグレとバルセロナ・リセウ大劇場のものがあり、ケント・ナガノも2014年にBelAirレーベルからバイエルン国立歌劇場のDVD をリリースしていた。そこでも当ディスクと同じアレクサンドル・ツィムバリュクがボリスを演じているが、映像ではスーツとネクタイをキメた現代のサラリーマン風で、民衆が安部首相をはじめとする各国の首脳のポートレートを掲げ抗議するシーンが話題となった。今回はその3年後、スウェーデンの団体との演奏だが、演奏はさらに練れて説得力満点。ムソルグスキーの凄すぎる才能を全開、恋愛エピソードがなくともオペラ・ファンを満足させる魔力に満ちている。 | |||
BCJ 〜ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス ニ長調 Op.123
アン=ヘレン・モーエン(S) ロクサーナ・コンスタンティネスク(A) ジェイムズ・ギルクリスト(T) ベンジャミン・ベヴァン(B) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン 寺神戸亮(Vn独奏) | |||
録音:2017年1月-2月、音楽ホール、川口総合文化センター・リリア、埼玉。 鈴木雅明率いるバッハ・コレギウム・ジャパンがついにベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」を録音した。BCJによるベートーヴェンといえば1998年に録音したワーグナー編曲による第9(ピアノ版)があるが、今回満を持してベートーヴェンの最大の傑作に挑んだ。古今のミサ曲中最も偉大な作品である「ミサ・ソレムニス」は、ベートーヴェン自身が書簡中にたびたび「この「ミサ・ソレムニス」は私の最大の作品である」と記しており、たんに大規模な編成をもち、長い演奏時間を要するということを示すだけでなく、ベートーヴェンがこの作品の芸術的価値の高さに強い確信を抱いていたことを示している。鈴木雅明&BCJの「ミサ・ソレムニス」は表情豊かで華やかな演奏。そして、ソプラノのアン=ヘレン・モーエン、アルトのロクサーナ・コンスタンティネスク、テノールのジェイムズ・ギルクリスト、バスのベンジャミン・ベヴァンと豪華なソリスト陣に加え、ベネディクトゥスでの寺神戸亮の美しいヴァイオリン独奏にも注目。極上の「ミサ・ソレムニス」をご堪能頂きたい。 | |||
祝え喜べ!〜フィンランドのクリスマス J.S.バッハ(1685-1750):コラール「目覚めよと呼ぶ声あり」BWV.645 シベリウス(1865-1957):クリスマスの歌「私には富も名声もいらない」 Op.1 No.4 レーヴィ・マデトヤ(1887-1947):日々の苦労を忘れ Op.20b No.5 「ピエ・カンツィオーネス」/ミヒャエル・プレトリウス(1571-1621)、ザムエル・シャイト(1587-1654)、 ディートリク・ブクステフーデ(1637頃-1707)、ヨハン・ヘルマン・シャイン(1586-1630)、 J.S.バッハ(BWV.603) (*):御子はベツレヘムに生まれたもう タネリ・クーシスト(1905-1988):パストラーレ Op.18 No.2(オルガン独奏のための)(*) ベルリオーズ(1803-1869)(オルガン・パート編曲:ニルス・シュヴェケンディーク): 「キリストの幼時」〜羊飼いたちへの別れ(*) アルマス・マーサロ(1885-1960):クリスマスの鐘(*) 「ピエ・カンツィオーネス」/シベリウス:見よ、新しき喜びを(*) 「ピエ・カンツィオーネス」/シベリウス、ヘイッキ・クレメッティ(1876-1953):天使が遣わされる(*) シベリウス:クリスマスの歌「幼子の飼い葉桶に」 JS 142 (1929) マシュー・ウィットール〔ホイットール〕(1975-):クリスマスイブ J.S.バッハ、ミヒャエル・プレトリウス(1571-1621)、ハンス・レオ・ハスラー(bap.1564-1612)、 カスパル・オトマイアー(1515-1553)、レーガー(1873-1916):高き天より、われは来たり(*) エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928?2016):クリスマス・キャロル アハティ・ソンニネン(1914-1984):クリスマスの賛美歌 アルヴィ・カルヴォネン(1888-1969):パストラーレ(オルガン独奏のための)(*) チャイコフスキー(1840-1893):伝説「少年イエスの作った庭にバラの花が咲き誇っていた」 伝承曲(シレンスク民謡):この世はうるわし(*) ニルス・シュヴェケンディーク指揮ヘルシンキ室内cho. ヤン・レヘトラ(Org;*|使用楽器: カンガサラ・オルガン工房、1931年製作〔2005年修復/大Org?〕/ マルッティ・ポルトハン、2005年製作〔クワイアOrg/18世紀中期北イタリア様式|コラール前奏曲〕) | |||
録音:2016年11月/聖パウロ教会、ヘルシンキ、フィンランド。 「エーリク・ベリマン合唱作品集1936年-2000年」(BIS-2252)が好評のヘルシンキ室内合唱団と芸術監督ニルス・シュヴェケンディークの期待の新譜はフィンランドのクリスマス。「「高き天より、われは来たり」から「クリスマスイブ」へ」と銘打ち、ヨーロッパ聖歌を集めたフィンランド最古の楽譜集「ピエ・カンツィオーネス」とフィンランドの作曲家による「クリスマスの歌」に加え、バッハのオルガン・コラール前奏曲、ベルリオーズとチャイコフスキーの合唱曲を演奏する「フィンランド・クリスマス音楽の祝宴」。コラール前奏曲「目覚めよと呼ぶ声あり」に始まり、シロンスク(シレジア)民謡の旋 律にフィンランド語歌詞がつけられ「フィンランド賛美歌」(第30番)として歌われる「この世はうるわし」に終わるプログラム。「御子はベツレヘムに生まれたもう」と「高き天より、われは来たり」は、「ピエ・カンツィオーネス」に収められたバージョンを歌う節(ヴァース)と、ドイツとデンマーク(ブクステフーデ)の作曲家によるバージョンと「コラール前奏曲」の節を「メドレー」に似たスタイルで演奏。「ピエ・カンツィオーネス」とシベリウスが1898年に混声三部のために作曲した「カルミナリア」(JS51a)の第1曲と第2曲のトラックも同じスタイルで歌われる。ヘルシンキ室内合唱団は、1962年創設のアンサンブル。ドイツ生まれ、ケンブリッジのクレア・カレッジ、フライブルクとヘルシンキで学び、ヘルシンキ芸術大学シベリウス・アカデミー教授のニルス・シュヴェケンディークが、2007年から芸術監督を務めている。オルガン共演の作品、コラール前奏曲と「パストラーレ」は、シベリウス・アカデミーで教えるヤン・レヘトラがオルガンを担当した。 | |||
永遠に向かって〜ロルフ・マッティンソン(1956-): 管弦楽のための「オープニング・サウンド」 Op.94 (2012) / ソプラノと管弦楽のための「君を思う…」 Op.100 (2014) (*) / 管弦楽のための「力わざ」 Op.95 (2013) / ソプラノと管弦楽のための「永遠に向かって」 Op.103 (2015) (*) リサ・ラーション(S;*) パウル・マギ指揮マルメso. | |||
録音:2017年5月、9月、「マルメ・ライヴ」コンサートホール、マルメ、スウェーデン。スウェーデンの作曲家ロルフ・マッティンソン(1956-)の「オープン・マインド」や「エミリ・ディキンソンの詩による管弦楽歌曲集」などを収録した「予感」(BISSA-2133)に続く作品集。ロイトリンゲン・ヴュルテンベルクpo. から2013年1月の新しいコンサートホールの落成のため委嘱された、ファンファーレ風の音楽に始まる「オープニング・サウンド」。「君を思う…」は、リサ・ラーションのためチューリヒ・トーンハレ管弦楽団、フィルハーモニアo.、オランダpo.、ヘルシンキpo.、ヨーテボリso. が共同委嘱した、ゲーテ、リルケ、アイヒェンドルフの「愛」を共通テーマとする詩による歌曲集。コンサートのオープニングに演奏するためヨーテボリso. から委嘱された、エネルギッシュで劇的な小品「力わざ」。「永遠に向かって」は、マルメso. が新しい本拠地「マルメ・ライヴ」コンサートホールのオープニングのためマッティンソンに委嘱。スウェーデンの詩人カーリン・ブーイェの「その時」と「夜の深遠なチェロ」の2つの詩をテクストに作曲され、最初の詩の第2行“In i evigheten "が曲名に採られている。この作品集のセッションにはエストニア出身の指揮者、パウル・マギ(1953-)が起用された。王立スウェーデン音楽アカデミーの会員、2004年からウプサラ室内o. の芸術監督と首席指揮者を務めている。 | |||
海洋〜セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-): ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための「海洋」(2011) vn1/va/vc / クラリネット、チェロとピアノのための6つの小品「燃料」(2010) (#) cl/vc/p / ホルン、ヴァイオリン、チェロとピアノのための「瞬間の光」(2013) hr/vn1/vc/p / クラリネットとピアノのためのソナタ(2010) (+) cl/p / ヴィオラとチェロのための「スケルツィック」(2008) va/vc / 弦楽四重奏曲第1番「内に向かって」(2007) vn1/vn2/va/vc Meta4 [ミンナ・ペンソラ(Vnvn1) アンティ・ティッカネン(Vnvn2) アッテ・キルペライネン(Vava) トマス・ユープシェーバカ(Vcvc)] クリストフェル・スンドクヴィスト(Clcl) パーヴァリ・ユンパネン(Pp) エルヴェ・ジュラン(Hrhr) | |||
録音:2017年4月17日-19日、カレヴィ・アホ・ホール、ラハティ(#, +以外) /2019年4月13日(#, +以外)、2019年9月17日-18日(#, +以外)、ヤルヴェンパー・ホール、ヤルヴェンパー(#/+)、すべてフィンランド。フィンランドだけでなくヨーロッパの彼の世代を代表する作曲家のひとり、セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-)の新作。管弦楽作品集「ノマド・水の世界地図」(BIS SA-2455)につづき、彼の才能が思う存分に発揮されたと定評のある「クラリネット協奏曲」(2006)の後、2007年から2013年にかけて作曲した室内楽の作品が当アルバムで紹介される。このアルバムでは「機械を思いわせるテクスチュアを機動力とする」といった、いくつかの共通する特徴も備わった作品群が収録された。弦楽三重奏のための「Oceano(海洋)」は、フィンランドのトゥルクからオーランド諸島を経由してストックホルムという、かつての郵便船の航路の都市で行われたコンサート・シリーズの委嘱作。「Sonore(朗々と響かせて)」「Agitato(激しく)」の2楽章で構成されている。クラリネット、チェロとピアノのための6つの小品「Fuel(燃料)」は、クフモ室内楽音楽祭の委嘱作。ホルン、ヴァイオリン、チェロとピアノのための四重奏曲「Transient Light(瞬間の光)」は、フランスのホルン奏者、エルヴェ・ジュランから依頼を受けて書かれた作品。「メロディによる表現」を重視、曲名は「異なる強烈さとニュアンスで「時」を貫いて輝く光」をイメージしてつけられたといわれる。「クラリネットとピアノのためのソナタ」は、「クラリネット協奏曲」(BIS SA-1707)を初演した、フィンランド放送so. の首席クラリネット奏者、クリストフェル・スンドクヴィストのために作曲された作品。「Meccanico con forza(力強くメカニックに)」「Lento misterioso(ゆっくりと神秘的に)」「Introduzione quasi libero -Esaltato(ほぼ自由な序奏-熱狂して)」の3楽章で構成されている。「スケルツォに似た、活発に動きまわる」を示す曲名の「Scherzic(スケルツィック)」は、Meta4が大曲の合間に演奏する「間奏曲」として作られた。弦楽四重奏曲第1番「Verso l 'interno(内に向かって)」は、6楽章で書かれた作品。「トランクイッロ」の「Prologo(プロローグ)」と「Eilogo(エピローグ)」の間に「フェローチェ」「アジタート」「アジタート・カプリッチョーゾ」の3つの「Danza(踊り)」と「メスト」の「Canto(歌)」をはさむ構成をとっている。 | |||
サティ(1866-1925):ピアノ独奏曲全集 Vol.3 ヴェクサシオン(142回分を収録) |
小川典子(P| 使用楽器:エラール1890年) | ||
録音:2018年8月、Jスタジオ、東京音楽大学。 840回休まず繰り返すようにとの作曲者の指定があり、そのとおり演奏すると十数時間〜25時間程度かかる同曲。 CDに収録するにはあまりにも長いため、数回繰り返して1トラックとするか、ディスク1枚分に収まるように限られた回数を演奏したものしか無い(ダウンロード・リリースやネット上の映像等には全840回演奏したものが複数ある)。有名な1983年録音のアラン・マークス盤 (Decca→Salon Recordings→Les Disques Du Crépuscule) は40回繰り返しで約69分半、当盤は142回繰り返しで80分半と、ディスクとしてはこれまでで最も多く繰り返している演奏になるかもしれない(回数の数え方には差異がある可能性あり)。 BISレーベルを代表する世界的ピアニスト小川典子。2015年の歿後90年を記念して始動したサティのピアノ独奏曲全曲録音。各誌で絶賛された第1弾 (BISSA-2215)、第2弾 (BISSA-2225)に続く第3弾では「ヴェクサシオン」を収録。当録音は現在特任教授を務める東京音楽大学のスタジオでのセッションによる録音。使用楽器は1890年製エラールピアノで、ちょうどサティがピアノ曲の多くを次々に作曲した同時代の楽器で演奏した。当時の響きを追求した小川典子渾身の録音。 | |||
モーツァルト: アダージョとフーガ ハ短調 K.546 / セレナード〔第13番 ト長調 K.525 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」/ 第6番 ニ長調 K.239 「セレナータ・ノットゥルナ」(*) 〕/ ディヴェルティメント〔 K.136 / K.137 / K.138 〕 テリエ・トンネセン(Vn)指揮カメラータ・ノルディカ | |||
録音:2015年1月(*以外)、2016年1月(*)、アルグツルム教会、エーランド、スウェーデン。 世界的弦楽オーケストラのテリエ・トンネセン率いるカメラータ・ノルディカの最新作は「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」を含む、モーツァルトのセレナード&ディヴェルティメント集。カメラータ・ノルディカはスウェーデン南東部のスモーランド地方、オスカーシュハムンを本拠とする室内o. で、BISレーベルより『響きと怒りの物語』(BISSA-2256)、プロコフィエフ、ヒンデミット、ヴェーベルン、バルトークの弦楽のための作品集(BISSA-2126)、ブリテン・アルバム(BISSA-2060)など、多くのディスクをリリースしている。今回のモーツァルトはまさに満を持しての録音といえ、当団の能力を最大限に発揮させた注目盤。テリエ・トンネセンはマックス・ロスタルに師事し、これまでオスロ・フィルやノルウェー室内管のリーダーをつとめた。卓越した技術とともに指揮を置かないスタイルによる活動を行なってきた当団と明朗快活なモーツァルトを聴かせてくれる。 | |||
シンプル・ソング バーンスタイン(1918-1990):「ミサ曲」(1971) 〜シンプル・ソング コープランド(1900-1990):オルガンが話すのを時々聞いた / アイヴズ(1874-1954):静穏 マーラー(1860-1911):「子供の不思議な角笛」より〔3人の天使がやさしい歌を歌い/原光 リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):たそがれの夢/あした / リスト(1811-1886):アヴェ・マリア S.60 アルヴォ・ペルト(1935-):わが心はハイランドにあり(2000) /何年もの昔、歌っているのを聞いた(1985) モーリス・デュリュフレ(1902-1986):「レクイエム」〜ピエ・イエズ / メシアン(1908-1992):3つの歌(1930) プーランク(1899-1963):平和への祈り / マルタン(1890-1974):「レクイエム」〜アニュス・デイ リチャード・ロジャーズ(1902-1979):「サウンド・オブ・ミュージック」〜すべての山に登れ アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(Ms) ベンクト・フォシュベリ(マルキュッセンOrg) ファビアン・フレードリクソン(エレクトリックG) シャロン・べザリー(Fl) マルガレータ・ニルソン(Hp) ニルス=エーリク・スパルフ(Vn) マリー・マクラウド(Vc) エレン・ニスベト(Va) | |||
録音:2016年12月、聖ヤコブ教会、ストックホルム、スウェーデン。 スウェーデンの宮廷歌手アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(1955-)のキャリアは、彼女が生まれたストックホルムの聖ヤコブ教会から始まった。教会の青少年cho. で歌い、教会で行われているバッハの「マタイ受難曲」コンサートのソロに起用。1982年、最初のソロ・コンサートをこの教会で行った。この時に共演したベンクト・フォシュベリ(1952-)とは、その後30年以上に渡る共演が続いている。歌劇「秋のソナタ」(BISSA2357)をリリースしたばかりのフォン・オッターの「シンプル・ソング」は、この聖ヤコブ教会でセッション録音されたアルバム。タイトルにとられたバーンスタインの「ミサ」のナンバーから、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の「すべての山を登れ」まで、「宗教」と「心」でつながる17の曲。「典礼の手かせ足かせを逃れ、自然に湧き出る賛美の心を高らかに歌え」を基本のスタンスに歌われる。コープランドの「エミリ・ディキンソンの12の詩」の第10曲、ジャズの和声とゴスペルの歌唱を取り入れた「オルガンが話すのを時々聞いた」。ホイッティアーのクエーカーの賛美詩によるアイヴズの曲。マーラーが交響曲第3番と第2番の楽章とした「子供の不思議な角笛」の詩による2曲。陽が昇り、愛する人と結ばれる……マッケイのドイツ語詩にシュトラウスが作曲した「あした。」。デュリュフレとフランク・マルタンの「レクイエム」から1章ずつ。メシアンがデュカに学んでいた頃に作曲した「3つの歌」とプーランクの「平和への祈り」。リストが「巡礼の年第2年:イタリア」の第1曲「婚礼」に基づいて書いた「アヴェ・マリア」は、オルガンの長い序奏で始まる。ペルトが2曲。スコットランドの詩人ロバート・バーンズの詩にペルトが作曲した「わが心はハイランドにあり」。「子供の不思議な角笛」の編者のひとり、ブレンターノがナイチンゲールの歌を詠んだ詩による「何年もの昔、歌っているのを聞いた」は、原曲どおり、ヴァイオリンとヴィオラの共演で歌われる。「すべての山に登れ」は、フォン・オッターがブラッド・メルドーの共演で素敵に歌った「何かいいこと」(naive V-5241)に次ぐ「サウンド・オブ・ミュージック」のナンバー。ピアニストとして知られるフォシュベリは、ヨーテボリの音楽大学でオルガンを学んだ。聖ヤコブ教会に1976年に設置されたマークセン・オルガンを弾き、彼の子息ミケール・フォシュベリがレジストレーションを担当した。フォン・オッターの子、ファビアン・フレードリクソンが「シンプル・ソング」のエレクトリックギターを弾いている。 | |||
バルトーク(1881-1945): バレエ音楽「かかし王子」 Op.13 (1917/24) (*) / バレエ音楽「中国の不思議な役人」 Op.19 (1924/27) |
スサンナ・マルッキ指揮 ヘルシンキpo. | ||
録音:2017年5月(*)、2018年2月(無印)、ヘルシンキ・ミュージック・センター、フィンランド。2017年9月にBPOに正式初登場し話題となったフィンランドの指揮者スサンナ・マルッキ。当ディスクではヘルシンキ・フィルとの共演でバルトークのバレエ音楽2篇の管弦楽組曲版を収録した。マルッキはシベリウス音楽院、ロンドン・ロイヤル・アカデミーなどでチェロを学び、フィンランド・チェロ・コンクールで優勝し、1995年から98年までイェーテボリo. の首席チェリストをつとめた実力派。指揮は1995年より、シベリウス音楽院にてレイフ・セーゲルスタム、エリ・クラスらに師事しその才能を開花させた。以後、指揮者としての活動を中心に世界各国で活躍する現代フィンランドを代表する演奏家のひとり。メリハリのきいたバルトークを熱演している。 | |||
ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871-1927): 交響曲第2番 ト短調 Op.34 (1911-15) / 劇音楽「夢の劇 [Ett dromspel] 」演奏会組曲(ヒルディング・ルーセンベリ編曲(1970) ) クリスチャン・リンドベリ指揮アントワープso. | |||
録音:2017年4月、エリザベート王妃ホール、アントワープ、ベルギー。 クリスチャン・リンドベリ(1958-)の指揮者としてのキャリアは、2010年、イギリスのノザーン・シンフォニアに口説かれて指揮したところから始まった。「ガーディアン」の好意的な批評にも後押しされ、一年も経たないうちにノルディック室内o. とスウェーデン・ウィンド・アンサンブルの音楽監督に任命されるまでになった。トロンボーン奏者としてのアルバムをリリースしてきたBISレーベルは、彼が各地のオーケストラを指揮するアルバムも制作。スウェーデンのアッラン・ペッテションの交響曲シリーズ、リンドベリの自作管弦楽作品などが継続的にリリースされてきた。彼の新作アルバムは、スタイルも作風も対照的なペッテションとは対照的なステーンハンマルの作品。ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871-1927)は、ストックホルム生まれ。指揮者、ピアニストとして活動しながら、管弦楽曲、室内楽曲、歌曲と合唱曲などを作曲。温かい人間性に裏打ちされた高貴な香りの漂う、凛とした容貌の音楽は、広く愛され、カンタータの楽章「スウェーデン」は「もうひとつの国歌」のように歌われてきた。彼はシベリウスと親しく、シベリウスは交響曲第6番を彼に献呈している。交響曲第2番は、後期ロマンティシズムに古風な様式を融合させた作品。「アンダンテ・エネルジーコ」「アンダンテ」「スケルツォ」「フィナーレ」の4楽章。「歌」の旋律とリズムを基本に、ドリア旋法を思わせる処理も見られる。「アウグスト・ストリンドベリの「夢の劇」のための音楽」( Op.36)は、1916年、ヨーテボリのローレンスベリ劇場のこけら落とし上演の際に作曲された。「演奏会組曲」は、作曲家ヒルディング・ルーセンベリ(1892-1985)がアレンジ、「前奏曲」から最後の「幻想曲」までを作曲者の意図した流れを尊重しながらまとめた約11分半の作品。アントワープso. (旧、王立フランダース・フィルハーモニック)の演奏、2017年4月にセッション録音された。 | |||
チェロの蔵書〜ジェフリー・ゴードン(1968-): チェロ協奏曲(トーマス・マン「ファウストゥス博士」による)(2014) (*) / 尋(ひろ)〜チェロとピアノのための(2015) (#) / ナイチンゲールへの頌歌〜混声合唱と独奏チェロのための(ジョン・キーツの詩による)(2017) (+) トーケ・ムルドロプ(Vc|使用楽器: David Teccler, Rome, 1697 ) ラン・シュイ指揮コペンハーゲンpo.(*) スティーヴン・ベック(P;#|使用楽器: Steinway D ) モーウンス・デール指揮モーウンス・デール室内cho.(+) | |||
録音:2018年5月、デンマーク王立音楽アカデミー、コンサートホール、コペンハーゲン。アメリカの作曲家ジェフリー・ゴードンが、デンマークのチェリスト、トーケ・ムルドロプ(1980-)のために書いた作品集。「チェロ協奏曲」は、ゴードンとムルドロプのふたりが気に入っているというトーマス・マン「ファウストゥス博士」からインスピレーションを得た作品。マンの小説の「精神」と「無邪気から狂気へと大きく弧を描くストーリー展開」が「プロローグ」、2つの「カデンツァ」を含む7つのエピソード、「エピローグ」の9楽章で語られていく。ムルドロプが首席奏者を務めるコペンハーゲン・フィルの委嘱による作品。「シェイクスピアの「テンペスト」による5つの印象」の副題をもつ「尋(ひろ)」は、チェロ・ソナタのスタイルで書かれた作品。「前奏曲と嵐(Prelude andStorm)」「ファーディナンドとミランダ(Ferdinad and Miranda)」「エアリエルとすべての彼の資質(Ariel and all his quality)」「キャリバン(とシコラクス)(Caliban (and Sycorax))」「島は騒音でいっぱいだ(The Isle is Full of Noises)」「プロスペローは本を沈める(Prospero Drowns His Book)」。ムルドロプとアメリカのスティーヴン・ベックが、2015年12月17日、カーネギー・ホールのワイル・リサイタルホールで初演した。「ナイチンゲールへの頌歌」は、デンマークの合唱指揮者モーウンス・デールの委嘱で書かれた作品。イギリスのロマンティシズム詩人ジョン・キーツ(1785-1821)の「ナイチンゲールへの頌歌」の8つの節が8つの曲に作られている。「My heart aches…(わたしの心は痛み…)」「O for a draught ofvintage!…(ぶどう酒の一杯に…)」「Fade far away, dissolve…(消え去ってしまえ、溶けてしまえ…)」「Away! away! for I will fly to thee…(遠く、遠くへ!おまえのところに飛んで行こう…)」「I cannot see…(どんな花がわたしの足元に咲いているのか…)」「Darkling I listen…(暗がりの中に聞こえる…)」「Thou wast not born for death…(おまえは生まれ、死ぬことはない…)」「Forlorn…(寂寞…)」。2018年5月16日、デールが2005年に創設した室内合唱団とムルドロプによる初演は、デンマーク放送により海外へも伝えられた。 | |||
C.P.E.バッハ(1714-1788): 鍵盤独奏曲全集 Vol.37 〜ソナタ、変奏曲とフーガ集(1745-55) メヌエットによる5つの変奏曲 Wq.118-3(H44) /フーガ ヘ長調 Wq.119-3(H100) / アンダンテ イ短調 Wq.65-10(H19) /フーガ イ長調Wq.119-4(H101.5) /ソナタ ト長調 Wr.65-15(H43) / アリオーソと7つの変奏曲Wq.118-4(H54) /ソナタ ヘ長調 Wq.65-18(H48) / ラルゲット 変ロ長調 Wq.65-9(H18) /ソナタ ニ短調 Wq.69(H53) ミクローシュ・シュパーニ(Cemb) | |||
録音:2017年1月、フォニックス・スタジオ、ディオーシュド、/ハンガリー。 | |||
ジェイムズ・マクミラン(1959-):トロンボーン協奏曲(2016) (*) テオ・ファーベイ(1959-):トロンボーンと管弦楽のための「リート」(2007) (#) ルチアーノ・ベリオ(1925-2003):トロンボーンと管弦楽のための「ソロ」(1999, rev.2000) (+) ヨルゲン・ファン・ライエン(Tb|使用楽器: Courtois 420 Legend ) イヴァン・フィッシャー指揮(*) マルクス・シュテンツ指揮(#) エド・スパンヤード指揮(+) ロイヤル・コンセルトヘボウo. | |||
録音:2017年4月20日-21日、23日(*) /2007年9月18日-19日(#)、2014年12月16日-17日(+)、すべてコンセルトヘボウ、アムステルダム、ライヴ。名門ロイヤル・コンセルトヘボウo. の自主レーベルRCO LIVEの好評シリーズ、同時代音楽を取り上げる“ホライズン "からのライセンス盤で現代屈指のトロンボーン奏者、ヨルゲン・ファン・ライエンが現代トロンボーン協奏曲3篇を披露している。スコットランド出身の作曲家、ジェイムズ・マクミランのトロンボーン協奏曲は、ヨルゲン・ファン・ライエンがマクミランにトロンボーンのための協奏曲を書いてほしいとお願いしたところ、元々トロンボーンという楽器に夢中だったマクミランは断ることなく作曲したという。5つのオーケストラの共同委嘱作品として書かれ2017年4月にコンセルトヘボウで初演され好評となった作品。テオ・ファーベイはベルクのピアノ・ソナタをオーケストラ編曲するなどでも有名な作曲家。2007年作曲の「リート」ではファーベイの個性が発揮された意欲作。そして、20世紀イタリアを代表する作曲家、ルチアーノ・ベリオの晩年の「ソロ」は1999年作曲の作品。ここでは翌2000年の改編版で演奏された。ロッテルダム音楽院にてジョージ・ヴィーゲルに、リヨン国立高等音楽院にてミシェル・ベッケにそれぞれ師事したヨルゲン・ファン・ライエンは、ロッテルダムpo. の首席奏者を経て、1997年よりロイヤル・コンセルトヘボウo. の首席奏者を務める世界トップクラスのトロンボーン奏者。ソロ活動やマスタークラスも積極的で日本での公演でも高い評価を得ている。 | |||
フォーク・クリスマス II バスク伝承曲:天使ガブリエルが訪れ[スウェーデン語歌詞:エーヴァ・ノルベリ=ハーグベリ] フィリップ・ニコライ(1556-1608):ようこそ、美しい朝の時間よ[スウェーデン語歌詞:J.O.ヴァリーン] 伝承曲:マールングの物乞い歌/星がひとつ明るく輝き/スタファンの歌/スタファンのハリング II /祝福された日 キャロル(14世紀):甘き喜びのうちに / ヴィクトル・ガブリエルソン:ヴィクトル・ガブリエルソンのポルスカ アリス・テグネール(1864-1943):神の天使たちが歌っている サンドラ・マットルール:コーヒーのガンガル(ヴァイオリンとオルガンのための) エミ・シェーレル(1858-1925):たくさんのキャンドルに灯がともった グンナル・イーデンスタム(1961-):クリスティーネのポルスカ(ヴァイオリンとオルガンのための) アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳〜ミュゼット / 中世クリスマスの賛美歌:星がひとつ空を横切っていった ソフィア・サンデーン(1973-):すべてあの明るい星に マッツ・ヴァルマンポルスカ:クリスマスの朝(ヴァイオリンとオルガンのための) マルティン・ルター(1483-1546):高き天より[スウェーデン語歌詞:J.O.ヴァリーン] ウルリカ・ブーデーン(Vo/リコーダー) サンドラ・マットルール(Vn) グンナル・イーデンスタム(Org) ギャリー・グレイデン指揮聖ヤコブ室内cho. | |||
録音:2017年6月、エーリク・エーリクソン・ホール、ストックホルム。フォークミュージシャンのイーデンスタム(1961-)がストックホルムの聖ヤコブ室内合唱団とコラボレートした「スウェーデンのフォーク・クリスマス(Folkjul)」(BISNL-5031)の第2作。2007年にリリースされた最初のアルバムは、イーデンスタムがシールナの教会の聖歌隊やイギリスの大聖堂のオルガンと出会った思い出をインスピレーションに創り上げた「ユニークなクリスマス」が、フォークミュージックが身近なスウェーデンの人たちから広く愛されたといわれる。第2作も前作と同じスタイルのアルバムとして作られた。バスクの伝承曲をスウェーデン語で歌う「天使ガブリエルが訪れ(ガブリエルのみ告げ)」。「スタファン(聖ステファノ)」を歌った「マールングの物乞い歌」「スタファンの歌」「スタファンのハリング(その2)」。ダーラナ地方エルヴダーレンのヴィクトル・ガブリエルソンの「ポルスカ」は、合唱、ヴォーカル・ソロ、リコーダー、ヴァイオリン、オルガンが共演。サンドラ・マットルールが友人の結婚式のコーヒータイムに演奏するために作り、プレゼントした「コーヒーのガンガル」(歩き歌)、イーデンスタムの「クリスティーネのポルスカ」、ダーラナ地方サクスダーレンのフォークミュージシャン、マッツ・ヴァルマンの「クリスマスの朝」の3曲は、ヴァイオリンとオルガンのデュオで演奏される。美しいメロディの「すべてあの明るい星に」は、イーデンスタムの友人でレークサンドの歌手、フォークミュージシャンのソフィア・サンデーンが伝承の詩に作曲した。ウルリカ・ブーデーンは、スウェーデン北東部、ヘルグム生まれのフォークミュージシャン。フィラデルフィア出身のギャリー(ゲーリー)・グレイデン(1955-)は、王立ストックホルム音楽大学でエーリク・エーリクソンに学び、1984年から聖ヤコブ室内合唱団の芸術監督を務めている。 | |||
ルラーシュ=シネマ〜サティ(1866-1925):ピアノ独奏曲全曲録音 Vol.4 バレエ音楽「メルキュール」(1924) /風変わりな美女(ピアノ・ソロ版)(1920) / 操り人形は踊っている(1913) /操り人形は踊っている(初稿版)(1913) /蝿氏の死への前奏曲(1900) / ピアノのための7つの小品「メドゥーサの罠」(1913) /びっくり箱(1899) / バレエ音楽「ルラーシュ(本日休演)」(1924) /シネマ(1924) 小川典子(P|使用楽器:エラール、1890年製) | |||
録音:2018年8月、Jスタジオ、東京音楽大学。 BIS レーベルを代表する世界的ピアニスト小川典子。2015年の歿後90年を記念して始動したサティのピアノ独奏曲全曲録音でも高い評価を得ている。当アルバム第4集は「ルラーシュ-シネマ」。19世紀末から20世紀初頭のフランスで活躍したサティ。10代のときパリ音楽院で学ぶも馴染めず、自由な発想の芸術家が集うモンマルトルで作曲活動を行った。1905年には作曲法を学び直すためにスコラカントルムでダンディに師事。作曲家としての知名度が上がるにつれ、ジャン・コクトーやピカソといった著名な芸術家たちから注目され親交を深めていった。やがて独自の世界を作り出し標題の風刺性とともに、何ものにもとらわれない純粋な音楽的感性の奔放な表現を追求していった。当アルバムではギリシャ神話のヘルメスを題材にした「メルキュール(ヘルメス)」、消防士、霊柩車、そのほか群像の登場する「ルラーシュ(本日休演)」を収録。サティのバレエ音楽を小川典子が見事に演奏している。2018年8月にかけて行われた当録音は現在特任教授を務める東京音楽大学のスタジオにおけるセッション。使用楽器は1890年製エラールピアノで、ちょうどサティがピアノ曲の多くを次々に作曲した同時代の楽器で演奏している。当時の響きを追求した小川典子渾身の録音。 | |||
カレヴィ・アホ(1949-): 独奏打楽器と管弦楽のための協奏曲「シエイディ [Sieidi] 」(2010) (*) / 交響曲第5番(1975-76) (#) ディーマ・スロボデニューク指揮ラハティso. コリン・カリー(Perc;*) ヤーン・オツ第2指揮(#) | |||
録音:2020年1月(*)、2017年1月(#)、シベリウスホール、ラハティ、フィンランド。多作で知られるフィンランドの作曲家カレヴィ・アホの作品をリリースするシリーズ。「前奏曲、トッカータと後奏曲」や「ピアノソナタ第2番」を収めた室内楽作品集 (BISSA-2186) につづき、管弦楽作品のアルバムが制作された。珍しい形をした岩など、古代の祭儀の場所を意味するサーミの言葉を曲名とする「シエイディ」は、イギリスの「ヴィルトゥオーゾ」打楽器奏者コリン・カリーから委嘱を受け、「独奏打楽器と管弦楽のための協奏曲」として作曲された。この作品は、一般の打楽器協奏曲と異なり、打楽器奏者がオーケストラの前面で演奏するスタイルで作られている。アフリカのジャンベ、アラビアのダラブッカ(コブレット・ドラム)、トムトム5個、スネアドラム、5オクターブ・マリンバ、ウッドブロック、テンプル・ブロック、ヴィブラフォーン、タムタムと、9つの打楽器が右から左に並べられ、順番に「ソロ楽器」として演奏される。この曲は、ティンパニ奏者をはじめとする3人の打楽器奏者を擁するオーケストラにも重要な役割を担わせ、「管弦楽のための協奏曲」と言えるほど存在を主張させている。一楽章の構成。速いテンポ、遅いテンポ、荒々しいリズム、抒情、静謐と、音楽が、さまざまに表情を変えて行く。2012年4月14日、オスモ・ヴァンスカ指揮LPOとの共演でロンドンにて初演を行った。その後作品は人気を集め、2020年3月の時点までで80回近い演奏を重ね、今後も5大陸の打楽器奏者たちによる演奏が予定されている。交響曲第5番は、フィンランド放送の委嘱により、1975年から1976年にかけて作曲された。「この世界や私たちの生活には、完全だとか明確だとか言い切れるものは一切ない。喜びには悲しみがまぎれこみ、悲痛は滑稽と愛は怒りと入り交じっている。人々の互いの興味はぶつかり合い、コミュニケーション問題と理解不足が発生する。国と国の関係は矛盾にあふれ、異なる社会的イデオロギーや宗教が張り合い、たびたび戦争という結果をもたらす」(カレヴィ・アホ)。作品は一楽章で書かれ、作曲者の語る「ビジョン」を反映する「混沌」と「矛盾」が全曲を支配していく。途中、何度かオーケストラが2つの部分に分かれるため、演奏にはメインの指揮者とは別にもうひとりの指揮者が必要とされる。1977年4月19日、オッコ・カム指揮のフィンランド放送so. によりヘルシンキで初演。作品を完成させたことにより「作曲家」カレヴィ・アホが大きな躍進を遂げることができた、記念碑的な作品。 | |||
C. P. E. バッハ(1714-1788):鍵盤独奏曲全集 Vol.38 〜初期作品集 ソナタ(組曲) ト長調 Wq. H.deest.〔アルマンド/ポロネーズ BWV An H.125 /メヌエット〕/ 「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」からの3つの小品 〔マーチ ニ長調 BWV An H.122 /ポロネーズ ト短調 BWV An H.123 /マーチ ト長調 BWV An H.124 〕/ メヌエット 変ホ長調Wq. H.deest. /メヌエット ハ長調 Wq.111 / 組曲 変ホ長調[アレグロ Wq. H.deest. /マーチ Wq. H.deest. /メヌエットWq.116 No.1i 〕/ 楽章 ト長調 (全曲 Wq. H.deest.)〔前奏曲/ポロネーズ I-II /エア I-II /メヌエット〕/ 組曲 ホ短調 Wq.65 No.44(H6) /カンタービレ ホ短調(組曲 ホ短調 Wq.65 No.4 初稿版より)/ マーチ 変ホ長調 BWV An H.127 /メヌエットと21の変奏曲 Wq.118 No.7(H14)(ロカテッリによる) ミクローシュ・シュパーニ(Cemb) | |||
録音:2017年7月-8月、キリスト教会、ザンクト・イングベルト、ドイツ。ミクローシュ・シュパーニによるC. P. E. バッハの鍵盤独奏曲全集第38弾は、アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳からの作品などC. P. E. バッハの最初期の作品が収録された。 | |||
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲集 〔第2番 ハ短調 Op.18 /第3番 ニ短調 Op.30 〕 |
エフゲニー・スドビン(P) サカリ・オラモ指揮 BBC so. | ||
録音:2017年2月、 BBC メイダ・ヴェイル・スタジオ、ロンドン。 BISレーベルの看板アーティスト、エフゲニー・スドビンが満を持してピアノ協奏曲第2& 3番を録音した。スドビンによるラフマニノフの協奏曲の録音はラン・シュイ指揮シンガポールso. との第1番(BISSA-2012)&パガニーニの主題による狂詩曲(BISSA-1988)、そしてグラント・レウェリン指揮ノースカロライナso. との第4番(BISSA-1728)をリリースしており、このたびピアノ協奏曲の全曲録音が完成したことになる。スドビンによるラフマニノフは定評があり繊細かつ強靭ピアニズムを披露している。スドビンは信じられないほどの技巧の持ち主で情感豊かな演奏は30代にして巨匠の域に達していると言えるだろう。サカリ・オラモ指揮BBCso. との相性も良く、音色の多彩な変化とともに情熱的なラフマニノフを聴かせてくれる。 | |||
相乗効果 テレマン(1681-1767):リコーダー、フルート、弦楽とチェンバロのための協奏曲 ホ短調 TWV.52: e1 (*) サン=サーンス(1835-1921):フルート、クラリネットと管弦楽のためのタランテラ Op.6 フランツ・ドップラー(1821-1883)/アンドラーシュ・アドリアーン(1944-)編曲: 2つのフルートと管弦楽のための協奏曲 ニ短調(#) エイトル・ヴィラ=ロボス(1887-1959):フルートとファゴットのためのブラジル風バッハ第6番 J.S.バッハ(1685-1750)/マーラー(1860-1911)編曲:J.S.バッハの管弦楽作品による組曲 〔序曲/ロンドー - バディヌリー - ロンドー(管弦楽曲第2番 ロ短調 BWV.1067より)/ エール(アリア)/ガヴォット I & II (管弦楽曲第3番 ニ長調 BWV.1068より)/ バディヌリー(アンコール)〕 シャロン・ベザリー(Fl) ミカラ・ペトリ(リコーダー) マイケル・コリンズ(Cl)指揮(*/#以外) ワルター・アウアー(Fl;#) ブラム・ファン・サムベーク(Fg) ビョーン・イェーヴェット(Cemb/Org) ウルバン・スヴェンソン指揮(*) トーマス・ダウスゴー指揮(#) スウェーデン室内o. | |||
録音:2017年6月(#)、2021年8月(#以外)、エレブルー・コンサートホール/2021年10月、2022年3月24日、ユーシュホルム礼拝堂(オルガン・パート)、すべてスウェーデン。楽器: Muramatsu 24 carat All Gold Model, No. 60600, specially built for her by the Muramatsu team /フルート(アウアー):Sankyo 24 carat. Head joint by Werner Tomasi /リコーダー:Mollenhauer Modern Alto, ebony and Moeck Ehlert Alto, ebony /クラリネット:Yamaha SE Artist Model /ファゴット:Heckel 1970, serial number 11174 。1973年創業のBISレーベルは2023年に50周年を迎える。現在も精力的なリリースが続く老舗レーベルだが、今後も注目新譜がリリースされる。当ディスクはフルート奏者シャロン・ベザリーの記念すべき50枚目のアルバムで、ミカラ・ペトリ、マイケル・コリンズ、ワルター・アウアーら超豪華アーティストとの共演で生まれる「相乗効果」をテーマとした充実の内容。収録内容はテレマン、サン=サーンス、フランツ・ドップラー、ヴィラ=ロボス、そしてマーラー編の「J.S.バッハの管弦楽作品による組曲」と実に多彩!テレマンの協奏曲ではリコーダーの女王ペトリと絶妙なアンサンブルを展開する。サン=サーンスの「タランテラ」はフルートとクラリネットが終始絡み合いながらも丁々発止のやり取りがたまらないサン=サーンスの初期作品。マイケル・コリンズと息の合った掛け合いが魅力。フランツ・ドップラー(アドリアーン編)の2本のフルートと管弦楽のための協奏曲ではVPOの首席フルート奏者ワルター・アウアーと共演!当録音では第2楽章の途中まではワルターが第1フルートを、その後はベザリーが第1フルートを演奏している。フルートの名手だったドップラーらしく華麗なパッセージとフルートの美観を前面に押し出した作品で、名手2人が対話を楽しむように演奏している。ヴィラ=ロボスのバキアナ・ブラジレイラは「ブラジル風のバッハ」という意。9つの作品を残しており、さまざまな楽器の組み合わせで書かれており、バッハへの賛 辞とともにバロック組曲の現代化の試みと言える。フルートとファゴットために書かれた第6番は、華やかなフルートと豊かでビロードのようなファゴットの対照的な音色を持った両楽器のコントラストがなんともいえぬ魅力を放っている。そして最後にはマーラーが編曲した「J.S.バッハの管弦楽作品による組曲」を収録!管弦楽曲第2、3番から4楽章構成に再編したこの作品は、現代オーケストラの厚みを持ちながらも通奏低音はチェンバロ、オルガンが登場する。フルート大活躍の第2番の「序曲」、「ロンドー-バディヌリー」、第3番の有名な「アリア」と「ガヴォット」という美味しいとこ取りの作品!マーラーのフィルターを通したゴージャスなオーケストラが最大の魅力。当演奏では最後にもう一度「バディヌリー」を演奏している。バッハ×マーラーは締めくくりにふさわしく、このアルバムのテーマ「相乗効果」を総括しているようだ。 | |||
マントラ 細川俊夫(1955-):ドローイング〜8人の奏者のための(2004) ベント・サーアンセン(1958-):愛の歌 − 第二の愛の湖〜室内アンサンブルのための(1994) エレン・リンクウィスト(1970-):マントラ〜ガムランとシンフォニエッタのための協奏曲(2016) (#) クリスティン・ノーダーヴァル(1957-):チャペル・メディテーション〜声とピアノのための(2001) (+) カイ・グリンデ・ミューラン指揮トロンハイム・シンフォニエッタ(+以外) エスペン・オールベルグ(ガムラン;#) クリスティン・ノーダーヴァル(S;+) エルセ・ボー(P;+) | |||
録音:2017年12月、ヒーメン・クルトゥルフス(文化の家)、スチョルダール、ノルウェー。 トロンハイム・シンフォニエッタは、トロンハイムso. とノルウェー空軍音楽隊のプレイヤーたちが20世紀と21世紀の音楽を演奏するため1998年に設立したアンサンブル。「マントラ」は、シンフォニエッタの創設20周年の記念アルバム。「より深い過去に取り憑かれた」ことを思わせる4つの作品によるプログラムが組まれている。細川俊夫(1955-)の「ドローイング」は、「まだ母の胎内にいることを私は夢に見た」ときに経験した沢山の原始的な感覚を音で描画(ドローイング)。フルート(ピッコロ、アルトフルート持ち替え)、オーボエ、クラリネット、ピアノ、打楽器、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの8人の奏者で演奏される。デンマークのベント・サーアンセ(1958-)は他にない音の世界をもった創作で知られ、ノルウェーの作曲家アーネ・ヌールハイムは彼の音楽について「かつて聞いたことのない何かを思い出させる」と語っている。「愛の歌-第二の愛の湖」は、アイスランドのCaput Ensembleの委嘱作。14世紀オーヴェルニュで起きた農民反乱を扱った本からインスピレーションを得た六重奏曲「Les Tuchins」を15人の奏者のために改作した「愛の歌」を、14人のアンサンブルのために再作曲した作品。アメリカの作曲家エレン・リンクウィスト(1970-)は、ヴァーモント州とニューヨーク州の大学で学び、トロンハイムのノルウェー工科自然科学大学(NTNU)の作曲科で准教授として教えている。「マントラ」は、シンフォニエッタとシンフォニエッタの打楽器奏者エスペン・オールベルグ(1975-)がノルウェー・アーツカウンシルの後援を受け、共同委嘱。インドネシア伝統のガムラン音楽の背景にある宗教性と楽器に特有の響きを念頭に置いた「ガムランとシンフォニエッタのための協奏曲」として作られた。クリスティン・ノーダーヴァル(1957-)もアメリカの作曲家。「チャペル・メディテーション」(礼拝堂の瞑想)は、彼女の参加するヴォーカルアンサンブルがメイン州ブランズウィックのボウディン大学チャペルでジョスカン・デ・プレの曲を録音したセッションの合間に「即興」で作られた作品。このアルバムの録音にはノーダーヴァルが参加、ピアノの弦を弾く「プラックト・ピアノ」をシンフォニエッタのピアニスト、エルセ・ボーが担当した。指揮者のカイ・グリンデ・ミューラン(1987-)は、ノルウェー国立音楽大学とベルリンのハンス・アイスラー音楽大学で学び、作曲家としても活動している。 | |||
風は思いのままに吹く〜アルフレード・ヤンソン(1937-):合唱のための音楽 混声合唱のための「エバ・リンドクヴィストの3つの詩」(1975-80) (*) / 混声合唱、ヴァイオリン、チェロとファゴットのための「風は思いのままに吹く」(2016) / 混声合唱とピアノのための「今は暮らしがとても楽しい時」(1983) / 混声合唱、ピアノとメロディカのための「母なる小さな地球」(1983) / 二重合唱、2つのホルン、2人の打楽器奏者、 オルガン、2つのヴァイオリン、2つのチェロのためのサラバンド(1995) (#) / 合唱、バリトン・ソロまたはシンギング・アクターのためのソネット76番(2000) / 混声合唱と器楽のための「建造」(1963)〔グンナル・エーリクソン(1936-)編曲〕/ 混声合唱、ピアノとメロディカのための「キーと美しいマダム・キー」(1967) / 混声合唱、ピアノとメロディカのための「風よささやけ」(1973) / 二重合唱、2つのチェロ、ハープと2人の打楽器奏者のための夜想曲(1967) (#) グレーテ・ペーデシェン指揮ノルウェー・ソリストcho. アルフレード・ヤンソン(メロディカ即興/メロディカ) エミーリエ・ヘルダール・リースハイム、マリア・アンゲリカ・カールセン(Vn) ヤン・クレメンス・カールセン(Vc) エムブリーク・スネルテ(コントラフォルテ) ヘルゲ・リーエン(P) ラーシュ・ノット・ビルケラン(Org) アンデシュ・クレグネス・ハンセン(Perc) オスロ・シンフォニエッタ団員 | |||
録音:2014年6月(*)、2017年6月(無印)、リース教会(#以外) /2015年6月、ソフィエンベルグ教会(#)、すべてオスロ。 ノルウェー・ソリスト合唱団のBISアルバム第9作「風は思いのままに吹く」。ノルウェーの作曲家アルフレード・ヤンソンの作品のアンソロジー。ヤンソン(1937-)は、ジャズとポピュラー・ミュージックのピアニスト、アコーディオン・プレイヤー、作曲家として活動しながらクラシカルのピアノを学び、ビョルン・フォンゴールとフィン・モッテンセンから音楽理論を教わった。ヨーロッパ・アヴァンギャルド、後期ロマンティシズム、ジャズ、民俗音楽など、さまざまなジャンルからインスピレーションを得て、多様なスタイルの音楽を作りつづけている。ヤンソンの作曲の中心のひとつ、ヴォーカルのための作品は、ノルウェー・ソリスト合唱団も1950年の創設以来、重要なレパートリーにしている。初期のモダニスト・スタイルの作品から近作まで、創作の全段階から選ばれた合唱のための音楽。スウェーデンのニューストレムが「シンフォニア・デル・マーレ」や歌曲集「魂と風景」に使ったスウェーデンの女性詩人の詩をテクストにした「エバ・リンドクヴィストの3つの詩」。「ヨハネによる福音書」(第3章第8節)の一節をヤンソンが「事実上盗み」自由にアレンジしたテクストに作曲した「風は思いのままに吹く」。ノルウェーの作家アーリル・ニュークヴィスト(1937-2004)の詩による2つの曲、「……だってカラーテレビがあるもの」と戦争や飢餓でさえ美しく見せるメディアを皮肉たっぷりに謳った詩による「今は暮らしがとても楽しい時」と、思慮のない人類による破壊が止まない地球へ賛歌「母なる小さな地球」は、簡素なメロディで書かれている。「キーと美しいマダム・キー」は、ノルウェーの詩人ハーラル・スヴェードルプ(1923-1992)が、ベトナム戦争時代の政争を暗喩的に詠んだ詩がテクスト。エミリ・ディキンソンの「In this short Life(この短い人生の中で)」に作曲した「サラバンド」とシェイクスピアの「ソネット76番」(「Why is my verse sobarren of new pride(なぜ私の詩は誇れる新しさに欠けるのか)」)は、「風は思いのままに吹く」と同じく、ペーデシェンとノルウェー・ソリスト合唱団の委嘱で作曲された。「建造」は、管弦楽のための「建造と賛美歌(Konstruksjon och Hymne / Construction and Hymn)」(1963)(AuroraNCD-B4941)を、ヨーテボリ室内合唱団の指揮者グンナル・エーリクソンGunnar Erikssonが混声合唱と器楽のために書き直した作品。エーリクソンとヤンソンの共同作業は長く、エリーサベト・ヘルムードソン(1927-2017)の詩による「風よささやけ」もヨーテボリ室内合唱団のために書かれた作品。ニーチェの「ツァラトゥストラはこう語った」の「ツァラトゥストラのラウンドレイ」による実験的な語法も交えたネオロマンティックな「夜想曲」は、ノルウェー・ソリスト合唱団の創設者ニューステットの指揮で録音(NCD-B4941)したあと、ペーデシェンが指揮してアルバム「夢と同じ糸で(AsDreams)」(BISSA-2139)に録音している。 | |||
R.シュトラウス(1864-1949): 交響詩「マクベス」 Op.23 (1887-88) (*) / 歌劇「ばらの騎士」〜組曲 TrV227d (1945) (#) / 交響詩「死と変容」 Op.24 (1888-89) (+) |
ラン・シュイ指揮 シンガポールso. | ||
録音:2017年5月(#)、2017年8月(+)、2018年7月(*)、エスパラネード・ホール、シンガポール。シンガポールを代表する国立オーケストラ、シンガポールso. は1997年、アメリカでの活動にも実績があった中国人指揮者ラン・シュイを音楽監督に迎え、世界的に活躍するオーケストラに成長した。レコーディングにも積極的で、BISレーベルよりリリースされているチェレプニンの交響曲全集の世界初録音やラフマニノフの交響曲で高い評価を得ており、近年はドビュッシーのオーケストラ作品集でも知られる。当アルバムではリヒャルト・シュトラウスの作品をとりあげた。R.シュトラウスのオーケストラ作品を実に美しく奏でる。 | |||
サンプソン〜シューベルト(1797-1828): ズライカ〔 I 「東風」 D.720 / II 「西風」 D.717 〕/「ロザムンデ」のためのロマンツェ D.797 / ブロンデルからマリアへ D.626 /「ヴィルヘルム・マイスター」からの歌より 〔ミニョン I 「私に言わないで」 D.877-2 /ミニョン III「ただあこがれを知る者だけが」 D.877-4 / ミニョン II「大人になるまでこのままに」 D.877-3 /ミニョン「君よ知るや南の国」 D.321 〕/ 糸を紡ぐグレートヒェン D.118 /塔の中のグレートヒェン D.564(補完:ベンジャミン・ブリテン)/ テューレの王 D.367 /すみれ D.786 /エレンの歌〔 I D.837 / II D.838 / III D.839 〕 キャロリン・サンプソン(S) ジョゼフ・ミドルトン(P) | |||
録音:2017年8月、ポットン・ホール、サフォーク州、 UK 。 バッハ・コレギウム・ジャパンのソリストとしてもおなじみの“名花 "キャロリン・サンプソン。当ディスクではシューベルトを収録した。サンプソンは「完璧なコロラトゥーラ技術と豊かにのびる輝かしい声」と評され、世界の聴衆を魅了し続けている。バロック・古典派の歌曲からオペラまで幅広いレパートリーを持っており、BISレーベルより「花にまつわる歌曲集」(BISSA-2102)、「ヴェルレーヌの詩による歌曲集」(BISSA-2233)などのソロ・アルバム、またバッハ・コレギウム・ジャパンの結婚カンタータ&コーヒーカンタータ集など、澄み切ったその歌唱は官能的で聴くものを魅了してやまないと評価されている。このシューベルトのアルバムでもサンプソンの実力を十分に堪能できる内容。 | |||
天使たちの声 ブレット・ディーン(1961-): ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスとピアノのための「天使たちの声」(1996) ソフィア・グバイドゥーリナ(1931-):メゾ・ソプラノとコントラバスのための「天使」(1994) ラフマニノフ(1873-1943):14の歌曲 Op.34 〜第8曲「音楽」 J.S.バッハ(1685-1750):コラール前奏曲「汝の御座の前に、われ進み出で」 BWV.668 (ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとコントラバスのための編曲版) グバイドゥーリナ:チェンバロ、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとコントラバスのための バッハのコラール「汝の御座の前に、われ進み出で」による瞑想曲(1993) ワーグナー(1813-1883):ヴェーゼンドンク歌曲集 WWV 91 〜第1曲「天使」 ラフマニノフ:12の歌 Op.21 〜第7曲「ここはすばらしい場所」 アルフレート・シュニトケ(1934-1998):チェロとコントラバスのための4つの賛歌〜第2番(1974) ストックホルム・シンドローム・アンサンブル [マリン・ブロマン(Vn) マリン・ウィリアム=オルソン(Vn/Va) ヨハネス・ロスタモ(Vc) リック・ストテイン(Cb) サイモン・クロフォード=フィリップス(P/Cemb) アンドレイ・パワー(Vn) ローレンス・パワー(Va) クリスティアーネ・ストテイン(Ms)] | |||
録音:2017年9月、ベールヴァルド・ホール/2018年10月、スタジオ2、ラジオホール/2019年6月、ヴェステロース・コンサートホール、すべてストックホルム。ブレット・ディーン(1961-)の「天使たちの声」にはじまる当アルバムは、グバイドゥーリナ、ワーグナーの歌曲「天使」とともに“天使 "にまつわる作品を主軸にバッハ、ラフマニノフ、シュニトケの作品を織り交ぜ構成されている。ディーンはヴィオラの名手としても知られ、BPOの団員を14年務めたキャリアをもつが、近年は作曲活動に力を注いでおり、BISレーベルからもディーンの自作自演集などをリリースしている。「天使たちの声」は1996年、イギリスの名ピアニスト、イモジェン・クーパーとディーンを含むベルリン・フィルの演奏者によって初演された2楽章構成の作品。オーストリアの詩人ライナー・マリア・リルケ(1875-1926)の連作詩「ドゥイノの悲歌」の最初の詩からインスピレーションを与えられ作曲した。シューベルトの「鱒」と同じ演奏形態であるピアノ五重奏で書かれ、驚くほど多彩な表現に満ちている。演奏はローレンス・パワーとのデュオでも名高いピアニスト、サイモン・クロフォード=フィリップスとスウェーデンをはじめヨーロッパのオーケストラの首席奏者で結成されたストックホルム・シンドローム・アンサンブル、ヴァイオリンのアンドレイ・パワー、ヴィオラのローレンス・パワー、そしてメゾ・ソプラノのクリスティアーネ・ストテイン。 | |||
小川典子〜サティ:ピアノ独奏曲全曲録音 Vol.5 「エソテリック・サティ」 4つの前奏曲〜エジナール(アインハルト)の前奏曲(1893) /冷たい小品(1897) 〔3つの逃げ出させる歌[第1番/第2番(より半音階的に)]/3つのゆがんだ踊り[第1番/第2番]〕/ 新しい冷たい小品(1907) 〔壁について/木について/橋について]/4つの前奏曲〜ナザレ人の第1の前奏曲(1893) / ユスピュ(3幕のキリスト教的バレエのための)(1892) /ゴシックの舞曲(1893) / [多分貧しい人々のために](1893) /3つのハーモニー(1895) /祈り(1894) / 「パンテ」のライトモティーフ(1892) /若い令嬢のためにノルマンディの騎士によって催された祝宴(1892) / 4つのオジーヴ(1886?) /バラ十字教団の最初の思想(1891) 小川典子(P|使用楽器:エラール、1890年製) | |||
録音:2018年8月、Jスタジオ、東京音楽大学。BISレーベルを代表する世界的ピアニスト小川典子。2015年の歿後90年を記念して始動したサティのピアノ独奏曲全曲録音。各誌で絶賛された第1弾 (BISSA-2215) 、第2弾 (BISSA-2225) 、第3弾「ヴェクサシオン」 (BISSA-2325) 、第4弾「ルラーシュ-シネマ」 (BISSA-2335) に続く第5弾「エソテリック・サティ」の登場。19世紀末から20世紀初頭のフランスで活躍したサティ。10代のときパリ音楽院で学ぶも馴染めず、自由な発想の芸術家が集うモンマルトルで作曲活動を行った。1905年には作曲法を学び直すためにスコラカントルムでダンディに師事。作曲家としての知名度が上がるにつれ、ジャン・コクトーやピカソといった著名な芸術家たちから注目され親交を深めていった。やがて独自の世界を作り出し標題の風刺性とともに、何ものにもとらわれない純粋な音楽的感性の奔放な表現を追求していった。第5集では初期および秘儀的作品を収録。楽譜に小節線のない「バラ十字教団の最初の思想」、あまり録音のない「ユスピュ」など、サティのオリジナリティに溢れた世界が広がる。2018年8月にかけて行われた当録音は現在特 任教授を務める東京音楽大学のスタジオにおけるセッション。使用楽器は1890年製エラールピアノで、サティがピアノ曲の多くを作曲した同時代の楽器で演奏している。当時の響きを追 求した小川典子渾身の録音。 | |||
マーラー(1860-1911): 交響曲第1番 ニ長調「巨人」 |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
録音:2018年3月、オーケストラ・ホール、ミネアポリス。オスモ・ヴァンスカ率いるミネソタo.によるマーラー・シリーズ第4弾。当演奏でも流石ヴァンスカと思わせる緻密な構成と、細部にまで注意が払われた圧巻の仕上がりで、繊細かつ丁寧な音楽づくりをしている。BISレーベルで数多くの録音を残してきたヴァンスカが最上級の演奏に達した録音。ベートーヴェン、シベリウスなど数々の名盤をリリースしてきただけに非常に期待の高まるリリースと言えるだろう。 | |||
J.S.バッハ(1685-1750)/ トリオ・ツィンマーマン編曲:ゴルトベルク変奏曲(弦楽三重奏版) トリオ・ツィンマーマン [フランク・ペーター・ツィンマーマン (Vn|使用楽器:ストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」、1711年製) アントワーヌ・タメスティ(Va|使用楽器:ストラディヴァリウス「マーラー」、1672年製) クリスティアン・ポルテラ(Vc|使用楽器:ストラディヴァリウス「マラ」、1711年製)] | |||
録音:2017年8月-9月、2018年6月、聖オスターグ教会、ノイシュタット、マンデルスロー。トリオ・ツィンマーマンが遂にゴルトベルク変奏曲を録音した。トリオ・ツィンマーマンは2007年に結成。「トリオは自分にとってベストなアンサンブル」と語るツィンマーマンが、長年ベストなアンサンブルができる演奏者を探し、若き天才ヴィオラ奏者のアントワーヌ・タメスティの演奏に感銘を受けたツィンマーマンが直々にトリオ結成を懇願。その後、タメスティが信頼を寄せるチェリスト、ポルテラにオファーしたことによりトリオ・ツィンマーマンが結成した。BISレーベルからのリリースはそのどれもが絶賛されており、今回のゴルトベルクの録音も非常に期待が高まる。J.S.バッハの作品には並々ならぬ思いをもつツィンマーマン。念願のゴルトベルクの演奏ではメンバー全員によるアレンジを採用。立体的かつ重厚感に満ちた演奏を聴かせてくれる。見事なまでに完成されたトリオ・ツィンマーマンのアンサンブルで聴く極上の演奏をお楽しみ頂きたい。なお、トリオ・ツィンマーマンはすべて名器ストラディヴァリウスを使用している。エレガントの極みともいえるこの上なく美しい音色をご堪能頂ける。 | |||
ハイドン:弦楽四重奏曲集 Vol.3 〜「エルデーディ四重奏曲」Vol.1 〔第75番 ト長調 Op.76 No.1 Hob.III: 75 /第76番 ニ長調 Op.76 No.2 Hob.III: 76 「五度」/ 第77番 ハ長調 Op.76 No.3 Hob.III: 77 「皇帝」〕 キアロスクーロSQ [アリーナ・イブラギモワ(Vn|使用楽器: Anselmo Bellosio, c.1780 ) パブロ・エルナン=ベネディ(Vn|使用楽器: Andrea Amati, 1570 ) エミリー・ホーンルンド(Va|使用楽器: Willems, c.1700 ) クレール・チリヨン(Vc|使用楽器: Carlo Tononi, 1720 )] | |||
録音:2017年12月、ゼンデザール、ブレーメン。今をときめくヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモワ率いるキアロスクーロ四重奏団(団名の“Chiaroscuro(キアロスクーロ) "はコントラストを印象づける明暗法そして陰影法を意味する)。BISレーベルで録音を続けているハイドンのシリーズ第3弾はエルデーディ四重奏曲より第75番、第76番「5度」、第77番「皇帝」を収録した。エルデーディ伯爵に捧げられたことによりその名がついたハイドンの6つの弦楽四重奏曲(第75番〜第80番)。全6曲中、もっともくだけた雰囲気を持ち溌剌とした旋律が印象的な第75番、第1楽章第1主題が下行5度音程を特色とする第76番「5度」、そして第2楽章が自作の「皇帝賛歌」の主題による変奏曲であるためにその名がついた第77番「皇帝」をキアロスクーロ四重奏団のキリっとしまった演奏で聴くことが出来る。当団は2016年4月、カルテットとして初来日を果たし大成功をおさめた。古典派と初期ロマン派のレパートリーを演奏する当団はこれまでにハイドン、ベートーヴェン、モーツァルト、シューベルト、メンデルスゾーンのディスクをリリースし、いずれも好評をしている。 | |||
フランク: オルガンのための3つの小品 FWV35-37 (1878) 〔幻想曲 イ長調/カンタービレ ロ長調/英雄的小品 ロ短調〕/ オルガンのための3つのコラール FWV38-40 (1890) 〔第1番 ホ長調/第2番 ロ短調/第3番 イ短調〕 ペトゥル・サカリ(Org|使用楽器:カヴァイエ=コル、1880年製作) | |||
録音:2020年1月、サン=クロワ大聖堂、オルレアン市、ロワレ県、フランス。天才若手オルガニスト、ペトゥル・サカリがフランクの3つの小品と、大作3つのコラールを録音した。1992年フィンランド生まれのペトゥル・サカリは音楽家の両親のもと、幼少のころよりチェロを習っていたが、両親とともにロードス島でのオルガン・リサイタルに聴きに行った際にオルガンに魅了され、故郷のヘルシンキに戻りすぐに鍵盤楽器を習い始めた。2005年、サカリはわずか13歳でリサイタル・デビュー、その後はヨーロッパを中心に積極的に演奏活動をしている。フィンランドのオルガンの名手、カレヴィ・キヴィニエミの助言によりフランスの作品も積極的に取り組み、20歳のときに録音したフランス人作曲家によるオルガン作品集(BISSA-1969)をリリースし、信じられないほどの完成度と若々しさ満ちた大迫力の演奏で高い評価を得た。フランクの3つのコラールは最晩年の1890年に作曲したオルガン曲で、フランクが完成させた最後の作品。名オルガニストでもあったフランクがオルガン・ビルダーのカヴァイエ=コルが製作した手鍵盤3段を擁する最新鋭のオルガンから着想を得て作曲した。豊かな響きと祈りに満ちたこの作品はフランクの傑作であることはもちろんのこと、オルガン作品の頂点に君臨する圧倒的な存在感を示している。サカリの圧倒的な表現力はもちろんのことBISレーベルならではの高音質録音により空気感と立体感をお楽しみ頂ける。 | |||
レスピーギ編曲によるバッハ&ラフマニノフ作品集 J.S.バッハ/レスピーギ編曲: 前奏曲とフーガ ニ長調 (BWV.532) P 158 (1929) /パッサカリア ハ短調 (BWV.582) P 159 (1930) / 3つのコラール P 167 (1930) 〔レント・アッサイ「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」 (BWV.659) / アンダンテ・コン・モート・エ・スケルツァンド「わが魂は主をあがめ」 (BWV.648) / アンダンテ「目覚めよと呼びわたる物見の声」 (BWV.645) 〕 ラフマニノフ/レスピーギ編曲:5つの絵画的練習曲「音の絵」 P 160 (1930) 〔海とかもめ (Op.39 No.2) /祭り (Op.33 No.4) /葬送行進曲 (Op.39 No.7) / 赤ずきんと狼 (Op.39 No.6) /行進曲 (Op.39 No.9) 〕 ジョン・ネシリング指揮リエージュ王立po.〔リエージュpo.〕 | |||
録音:2017年9月、フィルハーモニーホール、リエージュ、ベルギー。好評のジョン・ネシリング指揮によるレスピーギの管弦楽作品集。当アルバムにはバッハとラフマニノフの編曲作品を収録している。バッハのオーケストラ編曲版といえばレオポルド・ストコフスキー編のトッカータとフーガ ニ短調 BWV.565、シェーンベルク編の前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV.552「聖アン」、エルガー編の幻想曲(前奏曲)とフーガ ハ短調 BWV.537などが有名だが、レスピーギもバッハのオルガン作品を編曲している。前奏曲とフーガ ニ長調 BWV.532は、前奏曲の豪快なペダルと同一音型をたたみかけるように反復する主題が印象的なフーガの非常に技巧的かつ煌びやかな作品だが、レスピーギは巧みなオーケストレーションで立体的かつ豪華サウンドに仕上げた。木管、金管、弦楽器、そしてピアノも登場し、各パートの主題の掛け合いが聴きどころ。パッサカリアも実に見事。あの低音主題による変奏曲の奥義を極めた最高傑作を、まるで「ローマ三部作」を思わせる優美で色彩的なオーケストレーションが魅力。3つのコラールはライプツィヒ・コラール「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」およびシュープラー・コラール「わが魂は主をあがめ」「目覚めよと呼びわたる物見の声」の3曲をオーケストラ版にした作品。3楽章形式の組曲に仕上げており、レスピーギのセンスのよさを感じさせる。ラフマニノフの音の絵も聴き物。作品33と作品39の2巻からなるピアノ曲からレスピーギが5曲を組曲形式にした作品。ラフマニノフの叙情的な旋律をレスピーギの見事なオーケストレーションで聴くことが出来る。1947年サンパウロ生まれの指揮者ブラジルのジョン・ネシリングは、ボダンツキーやシェーンベルクの血を引くという逸材で、バーンスタインやスワロフスキーの薫陶を受けている。自身の持ち味である情熱的かつ抜群のリズム感で、色彩豊かにレスピーギを振っている。 | |||
J.S.バッハ:世俗カンタータ Vol.10(完結編) 〔たのしきヴィーダーアウよ BWV.30a (*) /わたしは自分に満ち足りている」 BWV.204 (#) 〕 キャロリン・サンプソン(S;*/#) ロビン・ブレイズ(CT;*) 櫻田亮(T;*) ドミニク・ヴェルナー(B;*) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン 菅きよみ(Fl−tr) 三宮正満(Ob/Obダモーレ) 若松夏美(Vn) | |||
録音:2017年7月、彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール。 BCJによるバッハの世俗カンタータ録音がついに完結。この世俗カンタータの第10集には、「たのしきヴィーダーアウよ」 BWV.30aと「わたしは自分に満ち足りている」 BWV.204が収録された。当シリーズの完結にふさわしく、名唱キャロリン・サンプソンをはじめ、BCJでもおなじみのジョアン・ラン、櫻田亮、ドミニク・ヴェルナーをソリストに迎えた満を持してのキャスティングによる収録。「たのしきヴィーダーアウよ」 BWV.30aは、ヴィーダーアウの荘園領主に就任したザクセン選帝侯国宰相ブリュールの家臣であるヘニッケを表敬するために作曲された音楽劇で、「農民カンタータ」 BWV.212の姉妹作。躍動感に富む音楽で軽やかなシンコペーションや整然とした舞曲風の楽節構造などは当時ドレスデン宮廷に流れ込んでいたイタリアの新様式からの影響を示している。一方、ソプラノ独唱と小管弦楽のためのカンタータである「わたしは自分に満ち足りている」 BWV.204は現世の富に心惑わされず、おのれの内に平安を求めよという内容で、終始この命題に寄り添って進む。サンプソンの透き通るような歌声とBCJの極上のアンサンブルが光る。 | |||
ペーテリス・ヴァスクス: ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための協奏曲「遠き光」(1996-97) (*) / 2つのヴァイオリンのための「サマー・ダンス」(2017) (#) / ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとピアノための四重奏曲(2001) (+) ワジム・グルズマン(Vn) ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送so.(*) サンディス・シテインベルグス(Vn;#) イルゼ・クリャーヴァ(Va;+) レイニス・ビルズニェクス(Vc;+) アンジェラ・ヨッフェ(P;+) | |||
録音:2018年4月、ヘルシンキ音楽センター、フィンランド(*) /2018年10月(#)、2017年7月(+)、ゼンデザール、ブレーメン(#/+) 。鬼才ヴァイオリニスト、ワジム・グルズマン。NHKso. との共演でも知られる実力派ヴァイオリニスト。BISレーベルから多くのディスクをリリースしているが、期待の新譜はラトヴィアの現代作曲家ヴァスクスの作品3篇をとりあげた。コントラバスとして音楽活動を開始したヴァスクスはリトアニアにて作曲を学んだ。現在も現役の作曲家として活躍している。ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための協奏曲「遠き光」はギドン・クレーメルのために作曲された作品。3つのカデンツァを含む5部構成をとるヴァスクスの代表作。サマー・ダンスは2つのヴァイオリンのための作品。壮大な美しさと瞑想的なスピリチュアルを感じさせる。そしてピアノ四重奏曲は2001年に初演されて以降多くの演奏家が演奏している注目作品。母国ラトヴィアの音楽を取り入れた多彩な色彩感をもち6楽章構成で書かれている。グルズマンの素晴らしい演奏が光る注目盤。 | |||
狂気のなかの正気 ブラームス:「5つのオフェーリアの歌」〜人々は彼をむき出しの台で運んだ シューマン:心の痛み Op.107 No.1 / リヒャルト・シュトラウス:3つのオフェーリアの歌 Op.67 ケクラン:アスタルテの讃歌/ビリティスの墓碑銘 / ドビュッシー:ビリティスの歌 デュパルク:ミニヨンのロマンス / ヴォルフ:ミニヨンの歌(全3曲)/「ゲーテ歌曲集」〜君を知るや南の国 シューベルト:糸を紡ぐグレートヒェン D.118 / ブラームス:乙女の歌 Op.107 No.5 シューマン:糸を紡ぐ女 Op.107 No.4 / サン=サーンス:オフェーリアの死 ショーソン:オフェーリアの歌 / ブラームス:5つのオフェーリアの歌(全曲) デュパルク:戦争の起こった国へ / プーランク:モンテカルロの女 キャロリン・サンプソン(S) ジョゼフ・ミドルトン(P) | |||
録音:2018年1月、ポットン・ホール、サフォーク。オペラでは「狂乱もの」は名作揃いだが、歌曲でも愛に殉じて狂死もしくは自ら命をたつヒロインを題材としたものがある。それをまとめた好企画。これまでバッハの宗教作品などで「品行方正」ぶりを示していたサンプソンが、開き直って女の性(さが)を露骨に表現しているのに驚かされる。これを十八番にした文豪がシェイクスピア。ことに「ハムレット」のオフェーリアは父を恋人ハムレットに殺され狂乱するさまが有名で、多くの作曲家がとりあげている。ブラームスやリヒャルト・シュトラウスの心理描写も流石ながら、サン=サーンスの落ちつきのない伴奏やショーソンの非現実的な美しさがむしろオフェーリアの乙女心を巧みに表現している。もうひとりの文豪ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」のミニヨンも、愛するヴィルヘルムが他の女性とキスしているのを見てショック死してしまいる。また「ファウスト」のグレートヒェンも、愛するファウストに会えないあまりわが子を手にかける狂母。フランスのピエール・ルイスの「ビリティスの歌」は、同性愛まで含め愛の遍歴を繰り返す悲しい女性を主人公にし、ドビュッシーやケクランが名曲に仕立てている。圧巻はコクトーの詩によるプーランクの「モンテカルロの女」。自殺する女性がひとりで語り続ける狂気のモノローグ劇だが、女言葉により興奮していくさまは演劇のようで引き込まれる。サンプソンの女優的資質がいかんなく発揮され、女性の悲しさ、怖さを伝えてくれる。 | |||
レウヴスタ・ブリュークの音楽秘宝 Vol.3 「スウェーデン賛美歌本(Den svenska psalmboken)」(1695)の5つの賛美歌 F.I.ド・ブーク(生没年不詳):ソナタ第5番 ト短調 コンラート・フリードリヒ・フルレブッシュ(1691-1765):カンタータ第1番 ヒンリク・フィリップ・ヨンセン(1716/17-1779):1757年復活祭当日の教会音楽 ピエール=アレクサンドル・モンシニー(1729-1817):アリエッタ「どんなに微細なことにでも 作曲者不詳:アリア「こよなく美しき太陽よ」/あなたを信頼する、愛する主よ イーリン・ロムブ(S) リバロック(Rebaroque) [マリア・リンダール(Vn/芸術監督) エリーアス・ガメルゴード(Vn) ダニエル・ホルスト(Vc) ユーナス・ドミニク(Cb) ペーテル・ロンネルベリ(Org)] | |||
録音:2018年2月、ローヴスタブリューク教会、ローヴスタブリューク、スウェーデン。ストックホルムの北西、中世からの大学都市ウプサラに近いレウヴスタ・ブリューク(ローヴスタブリューク)は、17世紀から18世紀、鉄鋼業で栄えた。町の発展に貢献したひとり、ベルギー生まれの資本家ルイ・ド・イェールは楽譜マニアとしても知られ、その膨大な楽譜コレクションは音楽史の貴重な遺産とみなされてきた。このコレクションを「コンサート」スタイルのアルバムに作るBISレーベルのシリーズ。ドロットニングホルム・バロックアンサンブルとニルス=エーリク・スパルフによる第1集(BIS-1526)、第2集(BIS-1975)に続き、バロックアンサンブル「Rebaroque」とソプラノのイーリン・ロムブの共演した第3集がリリースされる。プログラムの最初は、町の教会や領主館で歌われた賛美歌を代表する5曲。アントワープのオルガニスト、ヨアネス・ド・ブークと同一人物だろうと推測されている生没年不詳のF.I.ド・ブークは、レウヴスタ・ブリュークのコレクションに2つのキーボード曲集の出版譜が所属されている。「クラヴィチェンバロまたはオルガンのための6つの組曲」の「第5番ト短調」は4楽章の作品。オルガンによる演奏。ドイツ生まれのコンラート・フリードリヒ・フルレブッシュ(1691-1765)は、フレードリク一世の招きで1723年から1725年までスウェーデンに滞在した。「独唱と通奏低音の2つのカンタータ」の第1番は、「あなたは去っていくのか、愛しい人…どうぞ行って頂きたい、恩知らずの人(Tu parti ido-lo mio?…Vanne ingrata)」と「だが、私は戸惑っている…ああ、私を憐れんで下さい(Mafol-le!…Deh! Muovetevi a pieta)」の2つのレチタティーヴォとアリアの作品。ヒンリク(ヘンリク)・フィリップ・ヨンセン(1716/17-1779)もドイツ生まれ。1743年にスウェーデンに渡り、1779年、ストックホルムで没した。「1757年復活祭当日の教会音楽」は、「グラーヴェ」「アレグロ」「信仰の創始者また完成者であるイエスを見つめながら(Lat oss se pa Jesum)」(「ヘブライ人への手紙」12章2節)「御救いを喜び歌う声が(Mansjunger med gladje om seger)」(「詩編118番15節-18節)「退出の音楽(Till utgang)」の5曲。ド・イェール家と同じ社会階級に属するフランスの作曲家ピエール=アレクサンドル・モンシニー(1729-1817)のコミック歌劇「On ne s ' avise jamais de tout」のアリエッタの後、手稿譜の残る作曲者不詳のアリアとアルバム最初の賛美歌「あなたを信頼する、愛する主よ」が歌われる。イーリン・ロムブは、スウェーデンの宮廷歌手。ストックホルム・オペラ大学在学中に王立スウェーデン歌劇場にデビュー。ベルリン、フランクフルト、オランダ、パリの歌劇場の舞台に立ち、各国のオーケストラと共演している。モダーン・バロックアンサンブル「Rebaroque」は、1998年にストックホルム・バロックo. として1998年に創設。マリア・リンダールがコンサートマスターと芸術監督を務め、聖ヤコブ室内合唱団やスウェーデン放送cho. とのコラボレーションをはじめ、さまざまな活動と試みを行っている。 | |||
ゴロヴィンの音楽〜 ユーハン・ヘルミク・ルーマン(1694-1758):ゴロヴィン伯爵の祝宴のための音楽(1728) ダン・ラウリン(リコーダー)指揮ホール・バロック | |||
録音:2017年11月、ショーナルプ教会、ホール、スウェーデン。制作・録音:ファビアン・フランク。ユーハン・ヘルミク・ルーマン(1694-1758)は、フレーデリク一世の時代、宮廷の楽士長を務め、スウェーデン音楽の最初の重要な作曲家として歴史に名前を残した。ストックホルム生まれ。父ユーハンから最初の音楽教育を受け、1711年に宮廷楽団のヴァイオリニストに就任。1715年から1721年までをロンドンで過ごし、ヘンデルのオーケストラでヴァイオリン奏者を務めた。帰国後、副楽士長に就任。スウェーデン音楽の新時代を開いていった。「ゴロヴィン伯爵の祝宴のための音楽」は、彼の代表作のひとつ「ドロットニングホルムの音楽」(1744)に先立って作曲された作品。ロシア公使ゴロヴィン伯爵が、1728年、ピョートル二世のロシア皇帝即位を祝う宴会のためルーマンに作曲を依頼。「ロシア公使ゴロヴィン伯爵主催の祝宴のための音楽」と記された、「アレグロ」と「 序曲」に始まり、ジグ、ブレ、メヌエット、ルール、ガヴォットといった舞曲、アリア、シンフォニア、ホーンパイプ、シチリアーノなど45曲の極めてモダーンなバロック様式の音楽が作られた。この作品は、王立音楽アカデミー制作のスウェーデン音楽アンソロジーに22曲の抜粋が収められ、今回、ピリオド楽器アンサンブル「ホール・バロック」とリコーダー奏者ダン・ラウリンにより初めて全曲が録音される。使われた楽譜は、ルーマンの手稿譜と、イングマル・ベンクトソンとラーシュ・フリデーン校訂編纂の出版譜。楽器指定が確かでないため、宮廷楽団の記録から推定した編成を元に各楽章の性格と全体の姿、そしてホール・バロックの編成を考慮して、リコーダー属とオーボエ・ダ・カッチャなどオーボエ属の楽器、ファゴット、コントラバスを加えた弦楽五重奏、チェンバロ、マンドラとバロックギターのアンサンブルにより演奏される。ホールのショーナルプ教会でのセッション録音。ブックレット裏表紙に、祝宴の行われた伯爵の公邸「Baatska Palatset」が遠景に描かれた18世紀初頭の作とされる絵が使われている。 | |||
マーラー:交響曲第4番 ト長調 | キャロリン・サンプソン(S) オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
録音:2018年6月、オーケストラ・ホール、ミネアポリス。好評を博しているオスモ・ヴァンスカ率いるミネソタo. によるマーラー・シリーズ。第5弾は名唱キャロリン・サンプソンを迎えた交響曲第4番。当演奏でもヴァンスカならではの緻密な構成と、細部にまで注意が払われた圧巻の仕上がり。繊細かつ丁寧な音楽づくりが魅力。 BISレーベルで数多くの録音を残してきたヴァンスカが最上級の演奏に達した大注目のマーラー・シリーズ。マーラーの交響曲は第1番「巨人」(BISSA-2346)、第2番「復活」(BISSA-2296)、第5番(BISSA-2226)、第6番(BISSA-2266)がリリースされている。 | |||
映画監督ベルイマン生誕100年記念、映画「秋のソナタ」に基づく歌劇 セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-):歌劇「秋のソナタ」(2014-16) アンネ・ソフィ・フォン・オッター(Ms;シャルロッテ) エリカ・スンネゴード(S;エヴァ) トンミ・ハカラ(Br;ヴィクトル) ヘレナ・ユントゥネン(S;ヘレナ) ニコラス・ソーデルルンド(B;レオナルド) ヨン・ストゥールゴールズ指揮フィンランド国立歌劇場o.&cho. | |||
録音:2017年9月19日、23日、30日、フィンランド国立歌劇場、ヘルシンキ、ライヴ。 スウェーデンの映画監督ベルイマン(1918-2007)の生誕100年を記念する2018年、ローランド・ペンティネンの「イングマール・ベルイマン監督作品の音楽」(BISSA-2377)につづくアルバムが、BISレーベルからリリースされる。フィンランド国立歌劇場の委嘱で制作された歌劇「秋のソナタ」。イングリッド・バーグマンとリヴ・ウルマンが主演したベルイマンの1978年の映画「秋のソナタ(Hostsonaten)」に基づきフィンランドの作家グニッラ・ヘンミング(1955-)がスウェーデン語の台本を執筆、フィンランドのセバスティアン・ファーゲルルンド(1972-)が作曲した作品。「秋。牧師館に住むエヴァと夫ヴィクトルは、彼女の母シャルロッテの訪問を心待ちにしている。シャルロッテはコンサート・ピアニストとして忙しく、7年の間、娘たちと会っていない。エヴァとヴィクトルは3歳の息子エーリクを水の事故で亡くし、シャルロッテもパートナーのレオナルドに先立たれている。シャルロッテが牧師館に着くと、障害をかかえ、彼女が施設に入れたはずのヘレナをエヴァが引き取っていた。母と娘の間の緊張が次第に高まっていく……」。ヘンミングとファーゲルルンドは、このストーリーを序曲、第1景「牧師館で」から第13景「ヘレナの部屋の外で」までの第1幕、第14景「ヘレナの部屋の外で」から第19景「エピローグ」の第2幕に構成。牧師館の「現在」の中に「コンサートホールで」(第3景)「シャルロッテと聴衆」(第5景)、「シャルロッテ、エヴァと聴衆」(第7景)、「墓地で」(第9景)、口のきけないヘレナが突然、語り始める場面(第17景)と、異なる時と時間の出来事が多層的に組みこまれ、ベルイマンが「現実」の中で描いた相克が、現実と空想を極限まで広げたステージに表現される。作曲者ファーゲルルンドの音楽は「豊かな響き、速い動き、多面的でありながらモダニズムの厳格さを嫌う」スタイルが特徴として指摘されている。「秋のソナタ」は、第2次ロシア・スウェーデン戦争(1808-09)に題材を採った「デーベルン」(BISSA-1780)に次ぐ彼のオペラ第2作。初演は、2017年9月8日、フィンランド国立歌劇場。注目はシャルロッテをメゾ・ソプラノのアンネ・ソフィ・フォン・オッター(1955-)が歌っている。また「フィデリオ」のタイトルロールでメトロポリタン歌劇場にデビューしたソプラノのエリカ・スンネゴード(1966-)がエヴァを歌っている。指揮者のヨン・ストゥールゴールズ(1963-)は、2015年までヘルシンキ・フィルハーモニックの首席指揮者を務め、現代音楽を主なレパートリーに欧米のオーケストラを指揮している。このアルバムは、フィンランド国立歌劇場で初演に続いて行われた3回の公演をライヴ収録して制作された。 | |||
ハイドン:弦楽四重奏曲集 Vol.4 〜「エルデーディ四重奏曲」Vol.2 〔第78番 変ロ長調 Op.76 No.4, Hob.III: 78 「日の出」/ 第79番 ニ長調 Op.76 No.5, Hob.III: 79 「ラルゴ」/第80番 変ホ長調 Op.76 No.6, Hob.III: 80 〕 キアロスクーロSQ [アリーナ・イブラギモワ(Vn|使用楽器: Anselmo Bellosio, c.1780 ) パブロ・エルナン=ベネディ(Vn|使用楽器: Andrea Amati, 1570 ) エミリー・ホーンルンド(Va|使用楽器: Willems, c.1700 ) クレール・チリヨン(Vc|使用楽器: Carlo Tononi, 1720 )] | |||
録音:2018年1月、ライトシュターデルラ、ノイマルクト、ドイツ。『今をときめくヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモヴァ率いるキアロスクーロ四重奏団(団名の“Chiaroscuro(キアロスクーロ)”はコントラストを印象づける明暗法そして陰影法を意味します)。BISレーベルで録音を続けているハイドンのシリーズは、レコード芸術誌の特集「新時代の名曲名盤500」で弦楽四重奏曲第77番「皇帝」が第1位となるなど、現在最も注目されている演奏です。★エルデーディ伯爵に捧げられたことによりその名がついたハイドンの6つの弦楽四重奏曲(第75番〜第80番)。第78番「日の出」は第1楽章の冒頭の印象から名づけられました。第79番「ラルゴ」は第2楽章のラルゴが有名でこの名がついております。★ピリオド奏法で繊細にしてしなやかな演奏が持ち味の当団。この演奏でも溌溂とした演奏とともにイブラギモヴァの妙技が光る名演を聴かせてくれます。★当団は2016年4月、カルテットとして初来日を果たし大成功をおさめました。古典派と初期ロマン派のレパートリーを演奏する当団はこれまでにハイドン、ベートーヴェン、モーツァルト、シューベルト、メンデルスゾーンのディスクをリリースし、いずれも好評をしております。』 | |||
歌 [Sangen] 〜ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871-1927): 「ロメオとジュリエット」組曲 Op.45(ヒルディング・ルーセンベリ編曲/管弦楽版)/ 管弦楽のための「レヴェレンツァ」(1911-13) / ヴァイオリンと管弦楽のための2つの感傷的なロマンス Op.28 (1910) (*) / 独唱、合唱と管弦楽のための交響的カンタータ「歌」 Op.44 (1921) (#) ネーメ・ヤルヴィ指揮ヨーテボリso. サラ・トルーベック(Vn;*) カルロッタ・ラーション(S;#) マッティーナ・ディーケ(A;#) ラーシュ・クレーヴェマン(T;#) フレードリク・セッテシュトレム(Br;#) ノルショーピング音楽クラス(#)、ヨーテボリso.ヴォーカルアンサンブル(#) | |||
録音:2018年2月-3月、ヨーテボリ・コンサートホール、ヨーテボリ、スウェーデン。 ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871-1927)は、19世紀から20世紀の変わり目の時代、スウェーデンでもっとも重要な作曲家のひとりだった。ピアニスト、指揮者としても尊敬を集め、彼が作曲した2曲のピアノ協奏曲と交響曲、6曲の弦楽四重奏曲、歌曲、管弦楽をともなう大規模の合唱曲といった作品は、人々から広く愛されてきた。彼の作曲する音楽は、和声の独創性以上に旋律の個性が際立っていることから、ステーンハンマルは、しばしば「歌の作家」と呼ばれる。彼の「メロディ」は、細やかなニュアンスに満ち、このうえなく繊細な詩の朗読にも例えられてきた。「4人の独唱者、混声合唱、児童合唱と管弦楽」による交響的カンタータ(En symfonisk kantat)「歌」は、1921年、スウェーデン王立音楽アカデミーの設立150年記念のために作曲された作品。作曲家テューレ・ラングストレム(1884-1947)が詩を作り、第1部「わが歌、祖国-わが歌を生みし国よ!(Min sang, mitt land - du mina sangers land!)」と第2部「神殿が輝く。天空が鳴っている(Templet stralar / Rymder ljuda. )」から構成され、「歌の国スウェーデン」の最初の偉大な歌曲作家へのオマージュとしてリンドブラード Adolf Fredrik Lindblad (1801-1878)の歌曲「夏の日(Ensommardag)」が「モチーフ」として引用される。第2部の冒頭に置かれた「間奏曲(Mellanspel)」は、ステーンハンマルの温かい人間性の生んだ「モルト・アダージョ、ソレンネ」の音楽が美しく、単独の作品としても演奏されている。「ステーンハンマルのオーケストラ」と王立音楽アカデミーの会員でもあるネーメ・ヤルヴィによる新録音。このアルバムの曲はすべて、設立から間もないso. の首席指揮者に就任するためステーンハンマルが、1907年、ヨーテボリに移ってからの作品。演出家ペール・リンドベリがヨーテボリの劇場で上演した「ロメオとジュリエット」のための音楽は、ストリンドベリ、ヤルマル・ベリマン、タゴール、シェイクスピア、ゴッツィの劇のために書いた付随音楽の一作。作曲家ヒルディング・ルーセンベリ(1892-1985)がアレンジした、「田園詩(Pastorale)」「クラント(Corrente)」「ガヴォット(Gavotte)」「ピーターの笛(Petters pipa)」「サラバンド(Sarabanda)」の5曲の組曲版が演奏される。「レヴェレンツァ」(イタリア語「尊敬、敬意」)は、「セレナード」第1稿の第2楽章として作曲され、1919年の改訂の際に省略された。ウィーン古典音楽の「スケルツォ」の伝統へのオマージュといわれる音楽。「2つの感傷的なロマンス」は、抒情的な「 イ長調」と情熱的な「 ヘ短調」の2曲。1911年ヨーテボリ、ステーンハンマルと長年の友情で結ばれたヴァイオリニストのトゥール・アウリンが聴衆を前に演奏した最後のコンサートで初演されました。この録音のソリスト、サラ・トルーベック(1978-)は、ヨーテボリso. 第一コンサートマスター。楽器は、G. B. ガダニーニ(パルマ1753年)。2008年に王立音楽アカデミーの会員に選ばれた。 | |||
バーバー&アイヴズ:弦楽四重奏曲集 バーバー:弦楽四重奏曲 ロ短調 Op.11 〔通常版全曲(第3楽章:モルト・アレグロ)/ 第3楽章オリジナル初稿版:アンダンテ・モッソ、ウン・ポコ・アジタート〕 アイヴズ:弦楽四重奏曲〔第1番「信仰復興伝道会」または「救世主軍から」/第2番〕/ 3つの短い小品集〜第2番 スケルツォ(弦楽四重奏版) エッシャーSQ [アダム・バーネット=ハート(Vn1) ダンビ・ウム(Vn2) ピエール・ラポイント(Va)、ブルック・シュペルツ(Vc)] | |||
録音:2019年2月1日-4日、ポットン・ホール、サフォーク、 UK 。ニューヨークを拠点として活動しているアメリカのカルテット、エッシャー弦楽四重奏団が自国の作曲家バーバーとアイヴズを録音!バーバーの弦楽四重奏曲 ロ短調は1936年、バーバー26歳の作品。当作品の第2楽章「アダージョ」をバーバー自身が弦楽合奏用に編曲した「弦楽のためのアダージョ」が有名だが、今回はその原曲の弦楽四重奏曲を録音した。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第1番や第11番「セリオーソ」を思わせるダイナミックなメロディとリズムが印象的。なお当録音では最終楽章の初稿版も収録。原曲で聴く若かりしバーバーの思いのつまった作品。カップリングのアイヴズの弦楽四重奏曲とスケルツォとともに20世紀のアメリカを代表する作曲家の弦楽四重奏曲をご堪能頂きたい。 | |||
シューマン(1810-1856):弦楽四重奏曲全集 〔第1番 イ短調 Op.41 No.1 /第2番 ヘ長調 Op.41 No.2 /弦楽四重奏曲第3番 イ長調 Op.41 No.3 〕 エンゲゴールSQ [アルヴィド・エンゲゴール(Vn1) アレックス・ロブソン(Vn2) ジュリエット・ジョプリング(Va) ヤン・クレメンス・カールセン(Vc)] | |||
録音:2016年12月、ブリン教会、ノルウェー。 2006年、白夜のノルウェー、ロフォーテンで結成されたエンゲゴール四重奏団。グリーグ&シベリウス・アルバム (BISSA-2101) に続くBISレーベル第2弾はシューマンを取り上げた。シューマンが残した3つの弦楽四重奏曲は1842年6月から7月にかけて短期間に書き上げられた。ベートーヴェン後期の弦楽四重奏曲からの影響を受けたシューマンの代表作のひとつで、第1番 イ短調はロマン的かつ詩的な情緒に満ち溢れている。第2番 ヘ長調は明るくなめらかな抒情性をもっている。そして第3番 イ長調は3曲の中で最も演奏される機会が多く、明朗で美しい作品。当演奏ではエンゲゴール四重奏団らしくきりっとしたスタイルながらじっくりと聴かせるアンサンブルを披露している。 | |||
シンガポール響のスクリャービン 法悦の詩 Op.54 (*) /ピアノ・ソナタ第5番 Op.53 (#) /プロメテウス Op.60 (+) エフゲニー・スドビン(P;#/+) ラン・シュイ指揮シンガポールso.(*/+)、 シンガポール響cho.(+)、シンガポール響青年cho.(+) | |||
録音:2017年7月-8月、エスプラネード・コンサート・ホール、シンガポール(*/#) /2006年8月、ヴェステロース・コンサート・ホール(#) |既出: BISSA-1568 (#) 。スドビン久々の新譜、それもファン狂喜のスクリャービン・アルバム。録音は2017年に行われていたもので、ラン・シュイ指揮シンガポールso. と問題作「プロメテウス」を披露。さらに「法悦の詩」も興味津々。オルガンを含む大編成のオーケストラ(「プロメテウス」はさらに混声合唱とピアノ独奏も含む)というカオスの世界だが、BISの超優秀録音で各楽器の主張と綾がはっきり見えて新鮮。どんなに複雑な部分でも透明で音の美しさを満喫出来る。「法悦の詩」と同時期の作で共通点の多いピアノ・ソナタ第5番もスドビンの演奏でカップリング。ただしこちらは2006年の録音でBISSA-1568に収録されているものと同ソース。プロメテウスともどもスドビンの色彩とニュアンスにあふれる弱音の妖しい魅力に酔わされる。 | |||
シューベルト(1797-1828):ヴァイオリンのための作品集 Vol.1 ロンド イ長調 D.438 (*) /協奏曲 ニ長調 D.345 (*) /ポロネーズ 変ロ長調 D.580 (*) / ソナタ ト短調 D.408 (#) /幻想曲 ハ長調 D.934 (#) アリアドネ・ダスカラキス(Vn|使用楽器:グァダニーニ、1754年製作) マイケル・アレクサンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミー(*) パオロ・ジャコメッティ(Fp;#) | |||
録音:2017年12月、カンマームジークザール、ドイッチュラントフンク、ケルン(*) /2018年2月、ライデン音楽堂、ライデン(#) 。ビーバーの「ロザリオのソナタ」全曲録音(BISSA-2096)でも名高いピリオド・ヴァイオリン奏者のアリアドネ・ダスカラキスがシューベルトのヴァイオリンのための作品集の録音を開始。もちろん、ピリオド楽器による演奏。共演メンバーも注目。ヴァイオリンとピアノのための作品ではパオロ・ジャコメッティがフォルテピアノを、またヴァイオリンと管弦楽のための作品ではマイケル・アレクサンダー・ウィレンズ率いるケルン・アカデミーが演奏いう最良のメンバーで挑む。シモン・ゴールドベルクやトーマス・ブランディスらに師事したダスカラキス。ソリストとして活躍する傍ら、2002年よりケルンの音楽大学でも後進の育成にも力を入れている。また、2009年に自身が結成したアンサンブル・ヴィンテージ・ケルンとともにさまざまなレパートリーに取り組んでいる。名手ダスカラキスが銘器グァダニーニを用いてシューベルトの作品を美しく奏でる。なんと温かみのある音色! | |||
ベルリンからアテネへ〜ニコス・スカルコッタス(1904-1949):ピアノ作品集 ギリシャ組曲(1924) (*) /組曲(1924) (*) /ソナティーナ(1927) /15の小変奏曲(1927) / 組曲〔第2番(1940) /第3番(1941) /第4番(1941) 〕/舞踏組曲「グノームス」(1939?) (*) ロレンダ・ラモウ(P) | |||
録音:2017年10月-11月、ライトシュターデル、ノイマルクト| (*)は世界初録音。 ギリシャ出身の作曲家ニコス・スカルコッタスのピアノ作品集。スカルコッタスは1904年エヴィア島ハルキス生まれ。2歳の時にアテネに家族とともに移り住み、5歳でヴァイオリンを習い始める。その後、10歳のときにアテネ音楽院に入学し、10年間同学院にて研鑽を積みます。1921年にベルリンに留学し、ヴァイオリンを学ぶもヴァイオリニストとしての将来を断念し作曲に専念。その後、作曲家としての道に進むも生活上の問題から精神的に不安定な状態が続き、1933年5月にアテネに戻った。1949年、45歳の若さで同地で死去した。「ベルリンからアテネへ」と題された当アルバムにはベルリンとアテネで作曲されたピアノ作品を収録。ベルリン時代の代表作であるソナティーナや15の小変奏曲、アテネ時代の晩年の傑作組曲などスカルコッタスを語るうえで欠かさない作品が収められた。また、世界初録音となったギリシャ組曲なども収録しているのも嬉しい限り。演奏はスカルコッタスのピアノのためのバレエ音楽(BIS-1564)をリリースしているロレンダ・ラモウ。87分長時間収録。 | |||
ロシアの仮面舞踏会 プロコフィエフ/ルドルフ・バルシャイ編曲:束の間の幻影(全15曲) スクリャービン/ヨウニ・カイパイネン編曲:前奏曲 Op.11 より(全13曲) アレンスキー:チャイコフスキーの主題による変奏曲 Op.35a チャイコフスキー:エレジー サカリ・オラモ指揮オストロボスニア室内o. | |||
録音:2017年12月、スネルマン・ホール、フィンランド。ロイヤル・ストックホルム・フィルの首席指揮者を務めるサカリ・オラモが故国フィンランドのオストロボスニア室内管を振ってのロシアの弦楽オーケストラ作品集。内容の大半は編曲で、ルドルフ・バルシャイが編曲したプロコフィエフの「束の間の幻影」と、現代フィンランドの作曲家ヨウニ・カイパイネンによるスクリャービンの前奏曲集がメインとなっている。どちらもオリジナルはピアノ曲で、両者の初期作品。プロコフィエフは全20曲のうち15曲、スクリャービンは全24曲中13曲が選ばれ編曲され、曲順も変えられている。スクリャービンの前奏曲集 Op.11は、まだ神秘主義語法を確立する前のもので、ショパン風な繊細さと初期スクリャービンならではの透明な叙情が美しい作品。サカリ・オラモの歌い回しとつややかな弦楽オーケストラの響きで新たな魅力が発見出来る。スクリャービンの師だったアレンスキーの「チャイコフスキーの主題による変奏曲」は、もともと弦楽四重奏曲第2番の第2楽章として作ったものをアレンスキー自身が弦楽合奏用に編曲した。チャイコフスキーの歌曲「伝説」 Op.54の5を主題に、ロシア的な情感豊かな変奏が繰り広げられる。最後に収められたチャイコフスキーの「エレジー」はオリジナルの弦楽オーケストラ曲。ガ劇「エフゲニー・オネーギン」初演の演出を務めたイワン・サマーリンのお祝いに書きながら出版を許可せず、サマーリン逝去の際に「サマーリンの思い出のエレジー」として世に出た。 | |||
ヤルマル・ボルグストレム(1864-1925):ヴァイオリン協奏曲 ト長調 Op.25 ショスタコーヴィチ(1906-1975)ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 Op.77 エルドビョルク・ヘムシン(Vn) オラリー・エルツ指揮ウィーンso. | |||
録音:2015年9月、ムート・コンサートホール、ウィーン。 ノルウェーの期待の星、エルドビョルク・ヘムシンがボルグストレムとショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲の録音をした。ヘムシンは11歳でベルゲン・フィルとの共演でデビュー。ジュリアン・ラクリンやニコライ・スナイダーを育てたことでも知られるボリス・クシュニールに師事しその才能を開花させた。優雅な音色にしてスケールの大きな演奏が魅力のヘムシンは、今最も期待のされるヴァイオリニストの一人。ヤルマル・ボルグストレムはクリスチャニ(現オスロ)生まれ。ヨハン・セルメルの音楽に強い印象を受けたボルグストレムは、スヴェンセン、 L.M. リンデマン、オーレ・オルセンらに学んだ後、ライプツィヒやベルリンに留学した。1903年に帰国してからは、作曲家、教育者、批評家として活動、二十世紀初頭のクリスチャニアの文化をリードするひとりになった。ボルグストレムの作品は第二次世界大戦後、50年以上にわたって忘れられてしまっていた。そして新しい世紀を迎えるころからふたたび演奏されるようになる。ここに収録されたヴァイオリン協奏曲は明るい気分と活気にみちた美しい作品。ダヴィド・オイストラフに献呈されたショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番は、1947年から1948年にかけて作曲されたが、12音技法を使うなどの前衛的な書法により、1948年2月に共産党による作曲家批判を受け、発表を控えた。その後、ジダーノフ批判が一段落したと考えられた1955年に日の目を見ることとなった。全4楽章の当作品は沈鬱とした瞑想曲、切れ味抜群で軽妙なスケルツォ、かつてないほど壮大なパッサカリア、そして打楽器群大活躍のブルレスクで構成されている。ヘムシンは情感豊かにダイナミックに演奏している。 | |||
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番 ニ長調(1938-43) フィンジ:クラリネットと弦楽のための協奏曲(1948-49) マイケル・コリンズ(Cl|使用楽器:Yamaha Vmaster SE Artist )指揮フィルハーモニアo. | |||
録音:2019年7月、コロセウム、ワトフォード、 UK 。2015年に大英帝国五等勲爵士を受章したクラリネット奏者、指揮者のマイケル・コリンズがフィルハーモニアo. との共演で母国の作曲家ヴォーン・ウィリアムズの交響曲第5番とフィンジのクラリネット協奏曲を録音した。コリンズは8歳でクラリネットをはじめ、16歳のときにBBCヤング・ミュージシャン・オブ・イヤーを受賞。さらにニューヨークのコンサート・アーティスツ・ギルド・コンクールで優勝しカーネギー・ホール・デビューを飾った逸材。故・ジュゼッペ・シノーポリ率いるフィルハーモニアo. の首席クラリネット奏者を長年務めた一方、ソリストとしても活躍。現在は指揮者としてもその活躍の場を広げている。 | |||
アンデシュ・エリーアソン(1947-2013): 交響曲第3番(ソプラノ・サックスと管弦楽のための) (1989/2010) [アンデシュ・パウルソン(ソプラノSax) ユハンネス・グスタフソン指揮ヨーテボリso./ 2017年11月8日-10日、ヨーテボリ・コンサートホール] トロンボーン協奏曲(2000) (#) /交響曲第4番(2005) (+) [クリスチャン・リンドベリ(Tb;#) サカリ・オラモ指揮ロイヤル・ストックホルムpo./ 2011年9月23日(#)、2020年1月(+)、ストックホルム・コンサートホール、スウェーデン] | |||
世界初録音。アンデシュ・エリーアソンは、1947年、スウェーデンのダーラナ地方、ボルレンゲの労働者階級の家庭に生まれた。「わたし自身の歌とラジオで耳にした曲」が、もっとも早い音楽体験だったと言う。9歳のときトランペットを習い、まもなくしてジャズバンドのリーダーになると編曲も手がけはじめた。地元のオルガニストに和声法と対位法を教わり、1966年から1972年まで王立ストックホルム音楽大学でイングヴァル・リードホルムに作曲法、ヴァルデマル・セーデルホルムに対位法を学んだ。1972年からは、一年間、ストックホルムの「電子音楽スタジオ(Elektronmusik studion)(EMS)」にメンバーとして在籍した。音楽大学では、十二音技法からミュジーク・コンクレートまで、さまざまな技法と「旬の」モダニズムを研究したものの、「千年以上の伝統と決別すること」はできないと知り、「音楽は水(H2O)のような物。メロディ、ハーモニー、リズムが一体となって流れなければならない」という信念のもと、数多くの作品を創り出していった。1992年、「交響曲第1番」で「NOMUS(北欧音楽委員会)賞」を受賞。1993年から1994年まで、ヘルシンキのシベリウス・アカデミーの客員教授を務めた。 BISレーベルの新しいアルバムの3曲は、すべて初録音の作品。「交響曲第3番」は、アルトサックス奏者のジョン=エドワード・ケリーのためにノルウェーのトロンハイムso. が委嘱、最初「シンフォニア・コンチェルタンテ」の副題がつけられていた。「アジタート」の「Cerca(探究)」に始まり、「Solitudine(孤独)」「Fremiti(震え)」「Lugubre(悲痛)」「エピローグ」が「Nebbie(霧)」の「極端に対照的な5幕のドラマ」として書かれた作品。1989年11月16日、ケリーのアルトサックス、ロナルド・ゾルマン指揮トロンハイムso. により初演。2010年に「ソプラノサックスと管弦楽のため」の版が作られた。1992年のカーネギー・ホールのデビュー以来、ソプラノサックスの第一人者のひとりとして認められ、エリーアソンと親しかったアンデシュ・パウルソンのソロによる録音。「トロンボーン協奏曲」は、クリスチャン・リンドベリのために作曲され、彼に献呈された作品。エリーアソンは、彼の通常の協奏曲の「急-緩-急」ではなく「アダージョ-アレグロ・モデラート-レント、カンタービレ」の1楽章の作品として作り、「交響的議論」の中にトロンボーンを組みこみた。2000年9月のマルメso. との初演の際、外交的な性格のリンドベリに「カゴに入れられた鳥のように演奏」することをエリーアソンが求めたと言う。「交響曲第4番」は、ミュンヘンのコンサートシリーズ「musica Viva」のためバイエルン放送からと、ヨーテボリso. から委嘱を受けて作曲された。2005年に完成。2007年にバイエルン放送so. とヨーテボリso. が初演した後、サカリ・オラモ、アンドルー・マンゼ、ヨン・ストゥールゴールズがそれぞれ、この作品を取り上げた。「アレグロ-アダージョ-コン・モート、ミナッチョーゾ(脅かすように)-アダージョ」の4つの楽章がつづけて演奏される。この交響曲は、2013年5月20日、エリーアソンが病死したため実現しなかったものの、三部作の最初の曲として構想され、最後の数小節が「大きく開けた場所への戸口」のようだと言われる。 | |||
ヨハネス・ブラームス(1833-1897):ヴァイオリンとピアノための5つのソナタ Vol.1 ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調 Op.120 No.1(原曲:クラリネット・ソナタ第1番)/ F. A. E. ソナタ WoO.2 〜スケルツォ/ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調 Op.78「雨の歌」/ 5つの歌 Op.72〜「おお涼しき森よ」/4つの歌 Op.46〜「ナイチンゲールに寄す」 ウルフ・ヴァリーン(Vn|使用楽器:ドメニコ・モンタニャーナ、1746年製) ローランド・ペンティネン(P|使用楽器:スタインウェイD) | |||
録音:2017年5月、スタジオ・アクースティクム、ピテオー、スウェーデン。シューマンやヒンデミットのヴァイオリン・ソナタ全曲録音でも知られるウルフ・ヴァリーンとローランド・ペンティネンの最強コンビが遂にブラームスの録音を開始した。ヴァイオリンとピアノための“5つ "のソナタと題された当シリーズ。オリジナルのヴァイオリン・ソナタは3篇とF. A. E. ソナタだが、ここではクラリネット・ソナタのピアノ・パートを改訂したヴァイオリン・ソナタの版も収録している。ヴァリーンが奏でるイタリアの名器ドメニコ・モンタニャーナの艶やかな音色とペンティネンの細やかなピアノが絶妙にマッチした一際美しい演奏。 | |||
C.P.E.バッハ(1714-1788): 鍵盤独奏曲全集 Vol.39 〜クラヴィーアのためのさまざまな小品 Wq.112 より 〔協奏曲 ハ長調 Wq.112/1(H190) /幻想曲 ニ長調 Wq.112/2(H144) / メヌエットI & II ニ長調 Wq.112/3(H165) /ソルフェッジョ ト長調 Wq.112/4(H145) / アラポラッカ イ短調 Wq.112/5(H166) /ソナタ ニ短調 Wq.112/7(H179) /幻想曲 変ロ長調 Wq.112/8(H146) / メヌエットI & II ニ長調 Wq.112/9(H167) /ソルフェッジョ ハ長調 Wq.112/10(H147) / アラポラッカ ト短調 Wq.112/11(H168) /シンフォニア ト長調 Wq.112/13(H191) / 幻想曲 へ長調 Wq.112/15(H148) /メヌエットI & II イ長調 Wq.112/16(H169) / アラポラッカ ニ長調 Wq.112/17(H170) /ソルフェッジョト長調 Wq.112/18(H149) / フーガ ト短調 Wq.112/19(H101.5) 〕 ミクローシュ・シュパーニ(Cemb| 使用楽器: Double manual harpsichord built in 2007 by Michael Walker, Neckargemunt, Germany, after Johannes Daniel Dulcken, Antwerp 1745 ) | |||
録音:2018年7月-8月、キリスト・ザ・キング教会、ロージャドンブ、ブダペスト、ハンガリー。ミクローシュ・シュパーニによるC.P.E.バッハの鍵盤独奏曲全集の第39集。ベルリンのゲオルク・ルートヴィヒ・ウィンターが1765年に出版した「クラヴィーアのためのさまざまな小品」の声と鍵盤楽器のための3つの「頌歌」(Wq.112/6, 12, 14)をのぞく全曲の演奏。この曲集には、演奏技術と音楽的洗練のレベルの異なる顧客の求めに応えるため、C.P.E.バッハの作品の中でもっとも多様な曲が収められ、そのことが「さまざまな」のタイトルに示されている。それぞれ3楽章の「協奏曲」「ソナタ」「シンフォニア」、自由に演奏する「幻想曲」、知識の求められる「フーガ」の他、いろいろな難易度と興趣の小品が13曲。シュパーニは、1765年の「第1刷」を使い、ヨハネス・ダニエル・ドゥルケンが1745年に製作した二段鍵盤のチェンバロの「レプリカ」で演奏している。 | |||
カレワラの情景 レーヴィ・マデトヤ(1887-1947):交響詩「クッレルヴォ」 Op.15 (1913) ウーノ・クラミ(1900-1961):カレワラ組曲 Op.23 (1933, rev.1943) (*) ジャン・シベリウス(1865-1957):トゥオネラのレンミンカイネン Op.22 No.2 (1897年版) (#) タウノ・ピュルッカネン(1918-1980):クッレルヴォの出征(1942) ディーマ・スロボデニューク指揮ラハティso. | |||
録音:2017年9月(*) 、2018年1月(#) 、2020年1月(無印)、すべてシベリウス・ホール、ラハティ| (#):当版による世界初録音。フィンランドがロシア帝国の支配下にあった1935年、医者で文献学者のエリアス・リョンロート(1802-1884)が収集、編纂した民族叙事詩集「カレワラ(カレワラ)(Kalevala)」が出版された。1849年には50のルーノ(章)からなる増補版(最終版)が出版され、フィンランドの民族意識を刺激するとともに、世界の創造の物語や、冒険者と英雄と詩人のエピソードがフィンランドの文化と芸術にインスピレーションを与えつづけてきた。ラハティso. と首席指揮者ディーマ・スロボデニュークのこのアルバムでは、「カレワラ」に関連する1897年から1943年の間に作曲された管弦楽作品が4曲収録している。レーヴィ・マデトヤ(1887-1947)の「クッレルヴォ」は、シベリウスが1892年に作曲したメゾ・ソプラノ、バリトン、男声合唱と管弦楽のための作品と同じ「カレヴァラ」第33章から第36章のエピソードを基に交響詩(音詩、または演奏会序曲)として書かれた。印象的な旋律と風通しのいいオーケストレーションによる哀愁と感傷に彩られた作品。ウーノ・クラミ(1900-1961)の「カレワラ組曲」[大地の創造(Maan synty)/春の芽吹き(Kevaan oras)/テルヘンニエミ(Terhenniemi)/レンミンカイネンの子守歌(Kehtolaulu Lemminkaiselle)/サンポの鋳造(Sammon taonta)]は、フィンランドのこのジャンルの一里塚とみなされている作品。無限の宇宙の光景を描いた「大地の創造」、穏やかな田園詩の「春の芽吹き」、夏の夜のスケルツォ「テルヘンニエミ」、哀調のメロディの「レンミンカイネンの子守歌」、金属ハンマーの響きがクライマックスに導くフィナーレ「サンポの鋳造」。ストラヴィンスキーの「春の祭典」にもくらべられる「原色」のオーケストレーションを大胆に使い、シベリウスの影響から離れた、新しい「カレワラの世界」を創造した作品。タウノ・ピュルッカネン(1918-1980)の「クッレルヴォの出征」は、彼が歌劇「マレと息子」で成功を収める3年前、24歳の時に作曲した作品。馬の疾走を思わせるリズムの主題、クッレルヴォの好戦的な性格を表すエネルギッシュな音楽、コールアングレのソロが醸し出すメランコリックな気分。画家アクセリ・ガッレン=カッレラの同名のフレスコ画をインスピレーションに作曲された。シベリウスの交響詩「レンミンカイネン」(4つの伝説曲)は、「クッレルヴォ」とともに彼の初期を代表する作品のひとつ。1895年の初稿が翌1896年4月に初演され、2年後の1897年に最初の改訂が行われた。この改訂で第2曲の「トゥオネラのレンミンカイネン」は、32小節の序奏部が完全にカットされ、中間部も大幅に短縮。オーケストレーションにも手が加えられた。通常の演奏に使われているのは、1897年版をさらに凝縮した1939年の改訂版。1897年版はこのアルバムが世界初録音。 | |||
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 Op.50「偉大な芸術家の思い出に」(1881-82) ババジャニャン:ピアノ三重奏曲(1952) シュニトケ/スドビン編曲:「ある阿呆との生活」(1992) 〜タンゴ ワジム・グルズマン(Vn|使用楽器:ストラディヴァリウス 'ex-Leopold Auer' 、1690年製) ヨハネス・モーザー(Vc|使用楽器:アンドレア・グァルネリ、1694年製) エフゲニー・スドビン(P|使用楽器:スタインウェイ D ) | |||
録音:2017年12月、ゼンデザール、ブレーメン。プロデューサー&サウンド・エンジニア:マリオン・シュヴェーベル(Take5Music Production)。BISレーベルの看板アーティスト、ワジム・グルズマンとエフゲニー・スドビン、そして実力派チェロ奏者ヨハネス・モーザーがチャイコフスキーのピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出に」、ババジャニャンのピアノ三重奏曲、そしてスドビン編のシュニトケのタンゴを録音した。ピアノ三重奏曲の最高傑作の一つであるチャイコフスキーの「偉大な芸術家の思い出に」は1881年パリで急死したニコライ・ルビンシテインの追悼のために作曲。ルビンシテインの思い出を綴った長大な12の変奏曲が実に印象的でことにピアノに高度な技術が要求される。当録音では流石名手が揃っただけあり音楽に没入できる見事な演奏を聴くことが出来る。アルメニア出身のアルノ・ババジャニャン(1921-1983)はエレヴァン音楽院、モスクワ音楽院で学んだ作曲家、ピアニスト。民俗的語法による作品を残し、このピアノ三重奏曲もそういった民族的な色彩の強い作品。 | |||
シューベルト(1797-1828):ヴァイオリンのための作品集 Vol.2 ロンド ロ短調 Op.70, D.895 (1826) /ヴァイオリン・ソナティナ 〔第1番 ニ長調 Op.posth.137 No.1, D.384 (1816) / 第2番 イ短調 Op.posth.137 No.2, D.385 (1816) /第3番 イ長調 Op.posth.162, D.574 (1817) 〕 アリアドネ・ダスカラキス(Vn|グァダニーニ、1754年製作) パオロ・ジャコメッティ(Fp) | |||
録音:2018年2月、カンマームジークザール、ドイッチュラントフンク、ケルン。ビーバーの「ロザリオのソナタ」全曲録音(BISSA-2096)でも名高いピリオド・ヴァイオリン奏者のアリアドネ・ダスカラキスがシューベルトのヴァイオリンのための作品集の録音を開始。好評の第1弾(BISSA-2363)に続く第2集が登場した。シモン・ゴールドベルクやトーマス・ブランディスらに師事したダスカラキス。ソリストとして活躍する傍ら、2002年よりケルンの音楽大学でも後進の育成にも力を入れている。また、2009年に自身が結成したアンサンブル・ヴィンテージ・ケルンとともにさまざまなレパートリーに取り組んでいる。名手ダスカラキスが銘器グァダニーニを用いて、名手ジャコメッティとともにシューベルトの作品を美しく奏でる。 | |||
シューベルト:ヴァイオリンとギターのためのソナタ集 アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D.821 (1824) (*) /ヴァイオリン・ソナタ イ長調 D.574 (1817) (*) / ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ ニ長調 D.384 (1816) (#) (全てヴァイオリンとギターのための編曲版|編曲:ヤコブ・ケラーマン(*)、マッツ・バーリストレーム(#) ) デュオ・ KeMi [ダニエル・ミグダル(Vn) ヤコブ・ケラーマン(G)] | |||
録音:2016年10月、ロースンダ教会、スウェーデン。 ヴァイオリンのダニエル・ミグダル、ギターのヤコブ・ケラーマンの苗字の頭文字をとったスウェーデンで最も人気のデュオ・KeMiがシューベルトの作品を収録した。デュオ・KeMiは2006年結成。現在、母国を中心にドイツ、チェコ、フランス、オランダ、韓国、中国などの様々な音楽祭にも出演の注目のアンサンブル。ヴァイオリンとギターといえばパガニーニの作品が有名だがここに聴くシューベルトもこの組み合わせならではの軽やかなアンサンブルを聴くことが出来る。シューベルトの室内楽作品の新たな魅力に気づかせられる見事な編曲版。 | |||
マーラー(1860-1911)/ミケーレ・カステレッティ補完: 交響曲第10番 嬰ヘ長調(室内オーケストラ版) |
ヨン・ストゥールゴールズ指揮 ラップランド室内o. | ||
録音:2017年10月、コルンディ文化の家のホール、ロヴァニエミ、フィンランド。作曲家の死により未完に終わったため第1楽章のみを演奏する場合が多いものの、残された草稿から曲の全貌がある程度想像可能なマーラー最後の交響曲第10番。それゆえにクック版が主流のほか、カーペンター版、マゼッティ版、ルドルフ・バルシャイ版、ホイーラー版、そして話題のガムゾウ版(WER-5122)など、数々の補筆完成版が存在する。当録音は作曲家、指揮者として活躍するミケーレ・カステレッティ補筆完成版で編成は室内オーケストラ。「交響曲第10番はマーラーの作品中、最も情熱的で感情的である」と述べるカステレッティ。当作品の補完のきっかけとなったのはシェーンベルクが編曲したマーラーの交響曲第4番の室内オーケストラ版で、第10番でも同様の楽器を使用している。ヨン・ストゥールゴールズ率いるラップランド室内o. が当作品の新たな魅力を伝えてくれる。 | |||
生誕100年記念〜イングマール・ベルイマン監督作品の音楽 J.S.バッハ(1685-1750):無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調 BWV.1011 〜サラバンド(*) [「叫びとささやき」「サラバンド」] シューマン(1810-1856):「幻想小曲集」 Op.12 〜飛翔 [「闇の中の音楽」「夏の夜は三たび微笑む」] ショパン(1818-1849):夜想曲第7番 嬰ハ短調 Op.27 No.1 [「ファニーとアレクサンデル」]/ 前奏曲第24番 ニ短調 Op.28 No.24 [「闇の中の音楽」] J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV.1010 〜サラバンド(*)[「秋のソナタ」] モーツァルト(1756-1791):幻想曲 ハ短調 K.475 (#) [「鏡の中の女」] ショパン:マズルカ イ短調 Op.17 No.4 (#) [「叫びとささやき」] シューベルト(1797-1828):ピアノ・ソナタ 変ロ長調 D.960 〜第2楽章[テレビ映画「大騒ぎしてごまをする」] D.スカルラッティ(1685-1757):ソナタ〔ニ長調 K.535 /ホ長調 K.380 〕[「悪魔の眼」] ショパン:前奏曲第2番 イ短調 Op.28 No.2 [「秋のソナタ」] J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲」 BWV.988 〜第25変奏[「沈黙」]/ 無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV.1008 〜サラバンド(*) [「鏡の中にある如く」] シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44 〜第2楽章(#) [「ファニーとアレクサンデル」] ローランド・ペンティネン(P;*以外) トゥールレイフ・テデーエン(Vc;*) ステーンハンマルSQ (#) [ペータ・オロフソン、ペール・オーマン(Vn) トニー・バウアー(Va) マッツ・オロフソン(Vc)] | |||
録音:2017年12月、グリューネヴァルトホール、ストックホルム・コンサートホール、スウェーデン。 イングマール・ベルイマン(1918-2007)は、監督、脚本家、プロデューサー、作家として、映画、テレビ、ラジオ放送、劇場の分野で活動。「不良少女モニカ」「夏の夜は三たび微笑む」「第七の封印」「野いちご」といった1950年代に手がけた作品が国際的に評価され、スウェーデンを代表する映画監督とみなされるようになった。このディスクはスウェーデンの音楽家たちがベルイマンの生誕100年を記念して制作した「オマージュ」アルバム。「映画と劇場の演出家になっていなかったら、指揮者になりたいと思っていただろう」と、ベルイマンは常々語り、スウェーデン放送のために制作した「魔笛」のようなオペラの映像化にかぎらず、彼の作品ではクラシック音楽が沈黙とともに表現の重要な要素として使われた。「闇の中の音楽」や「秋のソナタ」はピアニスト、「Till gladije / To joy」(邦題「歓喜に向かって」)はヴァイオリニストが物語の主人公。「夏の夜は三たび微笑む」では登場人物のひとり、ヘンリクがチェロを弾き、ベルイマンの最後のドラマ作品「サラバンド」には主人公がブルックナーの交響曲第9番を大音量で聴いている場面が現れる。当演奏のローランド・ペンティネンのアイデアから生まれたこのアルバムでは、彼がシューマンやショパンのピアノ曲を弾き、友人のトゥールレイフ・テデーエンがバッハの無伴奏チェロ組曲の「サラバンド」を演奏。ペンティネンとステーンハンマル四重奏団によるシューマンのピアノ五重奏曲の楽章が最後に演奏されている。 | |||
バルトーク: 弦楽器、打楽器と チェレスタのための音楽 Sz.106 (1936) (*) / 管弦楽のための協奏曲 Sz.116 (1943) (#) |
スサンナ・マルッキ指揮 ヘルシンキpo. | ||
録音:2018年5月30日-6月1日(#)、2019年5月27日-28日、31日(*)、ヘルシンキ・ミュージックセンター、ヘルシンキ、フィンランド。ヘルシンキpo. (ヘルシンキ・フィルハーモニック)と首席指揮者スサンナ(スザンナ)・マルッキのバルトーク第3弾は弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽と管弦楽のための協奏曲。1936年夏ブタペストで完成したに弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽は、弦楽5部のパートを2群に分け、チェレスタと打楽器その他の楽器を中央に配置する特異な編成。バルトークらしい民俗色を色濃く呈したリズムとチェレスタの音色が最大の魅力。5つの楽章からなる管弦楽のための協奏曲はバルトーク晩年の傑作。各楽器がソロとトゥッティのように室内アンサンブルのように交錯する楽曲構造をとっており、その立体的な音楽はバルトークならではと言える。当ディスクのSACD層では5.0 Surround sound 、マルチチャンネルで収録されており、SACD層で再生することによりその音響効果も存分にお楽しみいただける。マルッキはシベリウス音楽院、ロンドン・ロイヤル・アカデミーなどでチェロを学び、フィンランド・チェロ・コンクールで優勝し、1995年から98年までエーテボリo. の首席チェリストをつとめた実力派。指揮は1995年よりシベリウス音楽院にてレイフ・セーゲルスタム、エリ・クラスらに師事しその才能を開花させた。2016年よりヘルシンキpo. の常任指揮者として活躍する現代フィンランドを代表する演奏家のひとり。BISレーベルよりバルトークの録音を続けてリリースしており、これまでバレエ音楽「かかし王子」「不思議なマンダリン」(BISSA-2328)、歌劇「青ひげ公の城」(BIS SA-2388)をリリース。英グラモフォン誌などで絶賛されている。 | |||
バック・トゥ・ストックホーム ブリッタ・ビューストレム(1977-): ヴィオラとコントラバスのための「シューベルトへの散歩」(2018) (***) / ヴィオラとコントラバスのための「ブルックナーへの散歩」(2017) (*) / ヴァイオリンまたはヴィオラ、コントラバスと管弦楽のための「無限の部屋」 (2016) (*/**) / ヴィオラとコントラバスのための「シュトラウスへの散歩」 (2018) (*) イェスペル・ヌーディン(1971-): ヴァイオリン、コントラバスとピアノのためのピアノ三重奏曲(2003, arr.2009) (#/##) エドゥアルド・トゥビン(1905-1982):コントラバス協奏曲 ETW 22 (1948) (+) カーリン・マルムレーヴ=フォシュリング(1916-2005) /リック・ストテイン(1982-)編曲: 「追悼」(1999)(コントラバスのための編曲) リック・ストテイン(Cb) マーリン・ブルーマン(Vn;#/Va;*, ***) ジェイムズ・ガフィガン指揮スウェーデン放送so.(+) サイモン・クロフォード=フィリップス(P;##)指揮(**) ヴェステロース・シンフォニエッタ(**) | |||
録音:2018年4月18日-20日〔19日:ライヴ〕(***)、2020年6月14日(***/+以外)、ヴェステロース・コンサートホール、ヴェステロース、スウェーデン(+以外) /2019年10月10-12日、ベールヴァルドホール、ストックホルム〔11日-12日:含・ライヴ〕(+) 。オランダのリック・ストテイン(1982-)は現在ストックホルム在住。スウェーデン放送so. の首席コントラバスとして活躍しているストテインにとってストックホルムは第二の故郷。新しいアルバムのタイトルは「Back to StockHome」。「丸太の小島(stock-holm)」ではなく「丸太のホーム」に戻る、という意味をもつこのアルバムには、かつてこの街を創作の場とした作曲家と、今ここで活動する作曲家の作品を演奏している。アルバムに参加したマーリン・ブルーマン(1975-)は、スウェーデン放送so. のコンサートマスター、サイモン・クロフォード=フィリップスは、ヴェステロース・シンフォニエッタの首席指揮者。ストテインの所属する「天使たちの声」(BISSA-2244)の「ストックホルム・シンドローム・アンサンブル」のメンバー。このアルバムでもっともよく知られた作品はトゥビンの「コントラバス協奏曲」。エストニアの作曲家エドゥアルド・トゥビンは、第二次世界大戦中の1944年9月、家族を連れてタリンを逃れ、ストックホルムに亡命。1982年に亡くなるまでこの街で暮らした。この協奏曲は、エストニア出身のコントラバス・ヴィルトゥオーゾ、ボストンso. のルトヴィク・ユフト(1894-1957)の委嘱で作曲された。大戦後の時代の空気を反映し気分の4つの楽章が、つづけて演奏される作品。ホーカン・エーレーン(BIS-337)に次ぐBIS録音。スウェーデン放送so. を指揮しているジェイムズ・ガフィガン(1979)は、アルバム「Americans」(HMM-902611)など数多くの録音でも知られるアメリカの指揮者。ブリッタ・ビューストレム(1977-)の「ヴァイオリン/ヴィオラ、コントラバスと管弦楽のための二重協奏曲」「Infinite Rooms(無限の部屋)」は、草間彌生のアート「Infinity Morror Rooms(無限の鏡の部屋)」からインスピレーションを得て作曲された。「infinite Room(無限の部屋)」「a rromof figures(人影の部屋)」「pizzicato room(ピッツィカートの部屋)」「whistling room(口笛を吹く部屋)」「staccato room(スタッカートの部屋)「chorale room(コラールの部屋)」「combination room(コンビネーションの部屋)」の7楽章。ストテインとブルーマンとのコラボレーションで作曲され、ふたりに献呈された。もっとも重要なスウェーデン作品に与えられる「Stora Christ Johnson-priset」の2020年の受賞作。このアルバムには、初演の翌年、2018年4月19日にヴェステロース・シンフォニエッタが行ったコンサートのライヴ録音が収録されている。「Walks(散歩)」は、デュオから大編成のオーケストラまで、約20曲のシリーズとして作られた。このアルバムの「ヴィオラとコントラバスのため」の「3つの散歩」は、シューベルトの「交響曲第5番」、ブルックナーの「交響曲第3番」、リヒャルト・シュトラウスの「ドン・キホーテ」の「アンコール」として作曲され、各曲の短い引用が「余韻」のように使われている。イェスペル・ヌーディン(1971-)の「ヴァイオリン、コントラバスとピアノのための三重奏曲」は、2003年の「ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための二重協奏曲」をアレンジした作品。素材に使ったスウェーデン北部の「結婚行進曲」の元の性質を少し残しながらコンピューターで変形、ドローンや、スウェーデン民謡の「ブルーノート」に関係する四分音も使い、1楽章で書かれている。ストテインがブルーマンとクロフォード=フィリップスと演奏するためヌーディンに依頼して作られたアレンジ。アルバムの最後、カーリン・マルムレーヴ=フォシュリング(1916?2005)の「ソプラノのためのヴォカリーズ」をストテインが編曲した「In memoriam(追悼)」が演奏される。 | |||
アレクサンドル・カントロフ ブラームス(*):ラプソディ第1番 ロ短調 Op.79 No.1 /ピアノ・ソナタ第2番 嬰ヘ短調 Op.2 バルトーク:ラプソディ Op.1 / リスト:ハンガリー狂詩曲第11番 アレクサンドル・カントロフ(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2019年9月、ルイ・ヴィトン美術館、フォンダシオン・ルイ・ヴィトン(無印) /2020年1月、タピオラ・コンサート・ホール(*) 。2019年に開催された16回チャイコフスキー国際コンクールで優勝を果たしたアレクサンドル・カントロフ。本選ではチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番を演奏し、有名な第1番を上回る高度なテクニックを要する難曲をコンクールの場で見事に披露したことでも話題となりました。そんなアレクサンドル・カントロフの才能に惚れ込んだBISレーベルの社長バール氏は、カントロフが10代より録音を行っており、既に4枚のディスクをリリースしている。期待の新録音はコンクールを挟んだ2019年9月(フランス)と2020年1月(フィンランド)にそれぞれセッションにて収録した。当アルバムではブラームスのラプソディ第1番、ピアノ・ソナタ第2番、バルトークのラプソディ、そしてリストのハンガリー狂詩曲第11番を録音した。彼が最も得意とするブラームス、リストでは20代にしてこの深みはやはり大物であることを証明しているかのような出来。また、バルトークも感性豊かに演奏している。「若きスター」カントロフの今を知れる充実のアルバムが完成した。ジャン・ジャック・カントロフの子息で1997年生まれのアレクサンドルは父親譲りの才能の持ち主。 | |||
プロコフィエフ(1891-1953):ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.16 チャイコフスキー(1840-1893):ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23 ハオチェン・チャン(P|使用楽器: Steinway D ) ディーマ・スロボデニューク指揮ラハティso. | |||
録音:2018年3月、2018年1月、シベリウス・ホール、ラハティ。世界が注目する中国出身のピアニスト、ハオチェン・チャンのBISレーベル第2弾はプロコフィエフとチャイコフスキーのピアノ協奏曲。「まるで巨匠の様な演奏だ。」と激賞した故ロリン・マゼールをはじめ、巨匠をもうならせるハオチェン・チャンは、優しい抒情性と聴衆を魅了する強靭なテクニックをあわせもつ若手随一のピアニスト。1912年末から1913年4月にかけて作曲された4楽章からなるプロコフィエフのピアノ協奏曲第2番。超絶技巧を要する当作品はピアノ協奏曲第1番に増して、より野性的で斬新なアイディアを交えた意欲作。ピアノの名手でもあったプロコフィエフらしく終始ピアノが支配的かつ効果的に活躍する。ハオチェン・チャンは「完璧」という言葉では足らないほどの次元の違う完成度でこの難曲を演奏している。その完璧さは技術面だけではなく、抜群の表現力を持ち合わせており、一聴の価値あり。言わずと知れた名曲、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。チャイコフスキーらしいこの上なく美しいメロディと圧倒的な存在感を示す超絶技巧が最大の魅力。ハオチェン・チャンの詩的な表現力が光る名演。共演の指揮者ディーマ・スロボデニュークは1975年モスクワ生まれ。17歳でフィンランドに移住しシベリウス音楽院でレイフ・セーゲルスタム、ヨルマ・パヌラから指揮を学んだ。2016年秋のシーズンからラハティso. の首席指揮者に就任し、その後ロイヤル・コンセルトヘボウo.、BPOにもデビューをしている期待の指揮者。 | |||
愛の挨拶〜ヴァイオリン小品集 サラサーテ:序奏とタランテラ Op.43 / エルガー:愛の挨拶 Op.12 クライスラー:ジプシーの女 /中国の太鼓 Op.3 ドヴォルジャーク/クライスラー編曲:我が母の教えたまいし歌 Op.55 No.4 ミルシティン:パガニーニアーナ / チャイコフスキー:メロディ Op.42 No.3 ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテラ Op.16 ラフマニノフ/横山真一郎編曲:ヴォカリーズ Op.34 No.14 ファリャ/クライスラー編曲:スペイン舞曲 / グラース:ウェーブス・アット・プレイ エルンスト:名残のばら / ブラームス/ハイフェッツ編曲:コンテンプレーション スーイエ・パク(Vn|使用楽器:フェルディナンド・ガリアーノ、1758年製) ラヴ・デルウィンガー(P|使用楽器:スタインウェイD) | |||
録音:2017年8月、スタジオ・アクースティクム、ピテオー、スウェーデン。2000年生まれの韓国人ヴァイオリニスト、スーイエ・パク。16歳で録音した衝撃のデビュー盤「パガニーニの24のカプリス」(BISSA-2282)も記憶に新しいところだが、期待の第2弾はパクがセレクトした珠玉のヴァイオリン作品13曲。2000年生まれということので録音当時17歳ということになる。4歳の時にヴァイオリンをはじめたパクは2009年よりベルリンにて名ヴァイオリニスト、ウルフ・ヴァリーンに師事。彼女の驚くべき才能に惚れ込んだヴァリーンはハンス・アイスラー音楽大学ベルリンで学ぶように薦め、すぐさまその才能を開花させた稀有な存在。五嶋みどりやサラ・チャンを思わせる神童ぶりで10代とは思えないほどの完成されたテクニックと成熟した音楽を聴かせてくれる。パクといえば完全無欠のテクニックの持ち主で知られる。サラサーテの序奏とタランテラ、ヴィエニャフスキのスケルツォ・タランテラ、ミルシティンのパガニーニアーナ、エルンストの名残のばらなどの超絶技巧作品でもしっかりと構築された音楽とともに細かなパッセージもクリアに聴かせる。技術だけではなく雄弁な語り口も魅力のパク。エルガーの愛の挨拶やチャイコフスキーのメロディでは大家を予感させる音楽を聴かせる。今後の活動も大注目の期 待の星。 | |||
ブラームス:交響曲全集 Vol.4(完結編) 交響曲第4番 ホ短調 Op.98 (*) /ハンガリー舞曲集 WoO.1 より(トーマス・ダウスゴー編曲) 〔第2番 ニ短調/第4番 ヘ短調/第8番 イ短調/第9番 ホ短調/ 第17番 嬰ヘ短調/第18番 ニ長調/第19番 ロ短調/第20番 ホ短調/第21番 ホ短調〕/ 悲劇的序曲 Op.81 (*) トーマス・ダウスゴー指揮スウェーデン室内o. | |||
録音:2018年4月(*)、2018年9月(*以外)、エレブルー・コンサートホール、スウェーデン。透き通るようなオーケストレーションかつ刺激的なダウスゴーとスウェーデン室内管による演奏。ついにブラームスの交響曲全4曲が録音された。当アルバムには交響曲第4番、ハンガリー舞曲第2、4、8、9、17-21番(ダウスゴー編曲による管弦楽版)、そして悲劇的序曲が収録された。当演奏でもダウスゴーらしい単なる見通しや運動性の良さに終わらず、大胆でダイナミックな音楽づくりを展開。音色はすっきりとしたダウスゴーらしい純度の高さが際立ったブラームスを聴くことが出来る。ダウスゴーは1997年にスウェーデン室内o. の音楽監督し就任して以来 BISやSIMAXレーベルに積極的に録音している。シューマン、ベートーヴェン、シューベルトの交響曲録音における極めて大胆な解釈は絶賛されている。 | |||
ウェーバー:ピアノと管弦楽のための作品全集 ピアノ協奏曲〔第1番 ハ長調 WeVN.9 (Op.11) (1810) /第2番 変ホ長調 WeVN.15 (Op.32) (1811-12) 〕/ コンツェルトシュトゥック(ピアノ小協奏曲) ヘ短調WeVN.17 (Op.79) (1821) ロナルド・ブラウティハム(Fp| 使用楽器:ポール・マクナルティ、2007年製作〔モデル:コンラート・グラーフ、1819年製作〕) マイケル・アレグザンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミー | |||
録音:2018年11月、ドイツ放送室内楽ホール、ケルン、ドイツ。鬼才フォルテピアノ奏者ブラウティハムがウェーバーのピアノと管弦楽のための作品全集を録音した。ロナルド・ブラウティハムは、2019年、マイケル・アレクサンダー・ウィレンス率いるケルン・アカデミーと共演したベートーヴェンのピアノ協奏曲全集(BISSA-2274)をリリース。ドイツやフランスのメディアから最高の評価を与えられ、イギリスの「Gramophone」誌から「素晴らしい演奏と、それを捉えたBISのエンジニアたちの洗練された感覚が、新鮮で爽快な気分をもたらした」と評された。モーツァルトの協奏曲をモデルにしたと思われる「ピアノ協奏曲第1番」は、ヴィオラ、チェロ、ホルン、ティンパニという小さな編成のオーケストレーションから繊細さとロマンティックな温もりが生まれる第2楽章「アダージョ」と、舞曲の性格をもった「プレスト」の終曲にウェーバーの個性が見られると言われる。「ピアノ協奏曲第2番」は、ウェーバーが楽譜を入手したベートーヴェンの「皇帝」と同じ 変ホ長調で書かれた作品。最初の協奏曲を超えた完成度と輝かしさをもち、とりわけ精 細なオーケストレーションで書かれた「アダージョ」の第2楽章は、ウェーバーの作曲したもっとも美しい楽章に数えられ、終曲「ロンド」には「 魔弾の射手」を予感させるページも見られる。3曲のうちもっともよく知られる「コンツェルトシュトゥック」(ピアノ小協奏曲)は、「魔弾の射手」が初演される1821年6月18日に完成した作品。約16分の「演奏会の小品」は、大きく4つの部分に分かれ、十字軍で出征した騎士の帰還を待つ貴婦人をイメージして作曲されたと言われる。このアルバムでブラウティハムは、明確な音の輪郭と美しく豊かな響きをあわせもった、マクナルティ製作のコンラート・グラーフによるレプリカ楽器を弾いている。ピリオド楽器のオーケストラと共演してウェーバーを弾くブラウティハムの微笑む姿を想像できる、チャーミングな演奏。ベートーヴェンの協奏曲全集と同じインゴー・ペトリの制作、ケルンのドイツ放送室内楽ホールでのセッション録音。 | |||
ピアソラ三部作〜ピアソラ: ブエノスアイレスの秋(レオニード・デシャトニコフ編曲|ヴァイオリンと弦楽合奏版)(*) / タンゴ風エチュード(ヴァイオリン独奏)〔第3番/第4番/第5番〕/タンゴの歴史(ヴァイオリンとギター版)(+) 五明カレン(Vn|使用楽器:ストラディヴァリウス「 Healy 」、1711年頃製作)指揮(*) ジュリアン・ズルマン指揮フランス国立ロワールo.(*) ステファニー・ジョーンズ(G;+) | |||
録音:2020年6月26日-27日、ナント(*) /2020年8月10日-13日、ニコデモ教会、ベルリン(*以外) 。麗しのヴァイオリニスト五明カレン、BISレーベル第2弾はピアソラ生誕100周年を記念した注目盤。五明カレンは1982年東京生まれで2歳の時にモントリオールに移住。5歳でヴァイオリンをはじめ、わずか9歳でカナダ音楽コンクール第1位受賞した才華。その後名教師ドロシー・ディレイに師事しジュリアード音楽院で学び研鑽を積んだ。現在アメリカを拠点にソリストとして活躍。日本ではル・ポン国際音楽祭2019にも出演している。2013年11月にNHKスペシャル「至高のバイオリン ストラディヴァリウスの謎」でイタリアのクレモナを訪れヴァイオリンの史上最高の名器ストラディヴァリウスの秘密に迫るドキュメンタリーに出演し、名器「オーロラ」の音色を名曲に乗せて披露したことでその名が知られている。当アルバムでは五明の洗練された表現力でピアソラの情熱と官能の世界を披露。この名曲を表現するのはやはりストラディヴァリウス。当録音では1711年頃に製作された銘器“Healy "で雄弁に奏でる。 | |||
マーラー:交響曲第7番 ホ短調(1904-05) | オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
録音:2018年11月、オーケストラ・ホール、ミネアポリス|プロデューサー:ロバート・サフ。好評を博しているオスモ・ヴァンスカ率いるミネソタo. によるマーラー・シリーズ。当録音は交響曲第7番。当演奏でもヴァンスカならではの緻密な構成と、細部にまで注意が払われた圧巻の仕上がり。繊細かつ丁寧な音楽づくりが魅力。また録音にも注目。オーケストラ全体の響きを自然にとらえ、演奏の一体感を堪能することのできる録音。 | |||
C.P.E.バッハ(1714-1788):鍵盤独奏曲全集 Vol.40 〜鍵盤用編曲集 Vol.1 メヌエット〔ニ長調 Wq.116/35, H.309 /ト長調 Wq.116/29, H.303 /ニ長調 Wq.116/35, H.309 / ニ長調 Wq.116/40, H.314 /ハ長調 Wq.116/47, H.321 /ニ長調 Wq.116/33, H.307 〕/ ポロネーズ〔イ長調 Wq.116/34, H.308 /変ロ長調 Wq.116/43, H.317 / イ長調 Wq.116/42, H.316 /ヘ長調 Wq.116/41, H.315 /ニ長調 Wq.116/49, H.323 〕/ アレグレット・グラツィオーソ ハ長調 Wq.116/57, H.331 /マーチ ト長調 Wq.116/31, H.305 / シンフォニア〔ニ長調 Wq.176, H.303 /ホ短調 Wq.122/3, H.652 〕/プレスト イ短調 Wq.116/39, H.313 / アレグロ〔ハ短調 Wq.116/51, H.325 /変ロ長調 Wq.116/38, H.312 〕/協奏曲 ヘ長調 Wq.Deest., H.242 / アレグロ・ディ・モルト イ長調 Wq.116/36, H.310 /ゆっくりと、そして悲しい イ短調 Wq.116/50, H.324 ミクローシュ・シュパーニ(Cemb|使用楽器: Double manual harpsichord built around 1965 by the workshop Ammer, Eisenberg, Germany, inspired by 18th century harpsichords from the Thuringian and Saxon tradition ) | |||
録音:2019年7月28日-8月1日、ハールト福音教会、ノイシュタット・アン・デア・ヴァインシュトラーセ、ドイツ。ミクローシュ・シュパーニによるC.P.E.バッハの鍵盤独奏曲全集の第40集。この巻ではC.P.E.バッハが別の楽器のために書いた作品を鍵盤用に編曲したものを集めた。18世紀後半には、上流階級の人々が鍵盤楽器を演奏することが増え、それにより編曲作品も多く残した。ここではシンフォニアのチェンバロ版も収録している。シュパーニはオリジナルの資料をもとに、最も適した楽器を選択して演奏。C.P.E.バッハの膨大な作品に対して時間をかけ、着実に録音活動をしてきたシュパーニにでしか表現することのできない明晰な解釈で演奏されている。 | |||
バルトーク:歌劇「青ひげ公の城」 Op.11 (ハンガリー語歌唱)
ミカ・カレス(B;青ひげ公) シルヴィア・ヴェレシュ(Ms;ユーディット) ゲーザ・シルヴァイ(ナレーション) スサンナ・マルッキ指揮ヘルシンキpo. | |||
録音:2020年1月、ヘルシンキ・ミュージックセンター、ヘルシンキ、フィンランド、ライヴ&セッション。ヘルシンキpo. (ヘルシンキ・フィルハーモニック)と首席指揮者スサンナ・マルッキ(1969-)によるバルトークの第2弾。バレエの音楽「かかし王子」と「不思議なマンダリン」を収めた2019年のアルバム(BISSA-2328)は、イギリスの「グラモフォン」誌から「(スサンナ・マルッキは)ヘルシンキ・フィルハーモニックから鮮明な、リズムの統制のとれた演奏を引きだしている……登場人物たちに新鮮な命を吹きこみ生き生きと動かす、素晴らしいストーリーテラーでもある」と評され、各国のメディアからも高い評価を獲得した。新しいバルトーク・アルバムの「青ひげ公の城」は、シャルル・ペローの「青ひげ」に基づいてベーラ・バラージュが執筆した台本による1幕のオペラ。場の区切りがなく、ナレーターによる「プロローグ」、青ひげ公に連れられたユーディットが城に到着するオープニング、「拷問部屋」につづく第1の扉から、3人の妻が現れる第7の扉まで、物語の展開とバルトークの音楽に従い、一般的に、大きく9つの場面に分けられる。このアルバムには、ヘルシンキのミュージックセンターで2010年1月に行われた上演のライヴ録音と追加セッションで録音された演奏が収録された。「青ひげ」を歌うミカ・カレス(1978-)は、シベリウス・アカデミーで学んだ、フィンランドのバス歌手。2005年から2010年までカールスルーエ・バーデン州立歌劇場のアンサンブルに所属、バイエルン国立歌劇場、シカゴ・リリック・オペラ、ザルツブルク音楽祭、ロイヤル・オペラ・ハウスなど、各国のオペラハウスの舞台に立ってきた。ケント・ナガノとヨーテボリso. が上演した「ボリス・ゴドゥノフ」(BISSA-2320)に参加、ピーメン役を歌った。「ユーディット」役には、ハンガリーのメゾ・ソプラノ歌手シルヴィア・ヴェレシュが起用されている。フェレンツ・リスト音楽大学でエヴァ・マルトンに学び、2014年にハンガリー国立歌劇場でデビュー。2016年、ザルツブルク音楽祭の「ヤング・シンガー・プロジェクト」のメンバーに選ばれ、アンナ・ネトレプコ、プラシード・ドミンゴと共演した。2018年からウィーン国立歌劇場のアンサンブルのメンバー。コンサートではバッハ、ペルゴレージ、モーツァルト、アルヴォ・ペルト、ペーテル・エトヴェシュたちの作品を歌っている。「プロローグ」のナレーションは、ハンガリー出身のヴァイオリニスト、ゲーザ・シルヴァイ(1943-)が担当した。指揮者としても活動、シベリウス・アカデミーで教えて多くのヴァイオリニストを育てたことで知られる。「青ひげ公の城」のスサンナ・マルッキは、前作と同様、バルトークの作品を「現代音楽」のから捉え、ヘルシンキ・フィルハーモニックの輝かしい音色と深い響きを活かしながら「無」の幕切れに向けて音楽を展開させていく。マルッキは、2021年5月、ベルリン・フィルハーモニーのコンサートでこのオペラを指揮する予定。 | |||
フォーレ(1845-1924): 3つの夜想曲 Op.33 〜第1番 変ホ長調(1879頃) /3つの無言歌 Op.17 N.52 /ソナタ N.5 (1863) (*) / マズルカ N.8 (マズルカの形式による小品)(1865頃)(*) /夜想曲第6番 変ニ長調 Op.63 (1894) / 夜想曲第13番 ロ短調 Op.119 (1922 /バラード Op.19 (1879) ニコラ・スタヴィ(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2018年3月、ライトシュターデル、ノイマルクト、ドイツ| (*)は世界初録音。フランスの名手ニコラ・スタヴィが、母国フランスが生んだ作曲家フォーレのピアノ作品を収録。今回の注目は世界初録音となったソナタとマズルカの2曲を収録していること。1863年4月6日と記載されている未発表のソナタN.5の自筆譜はイェール大学のバイネッケ図書館に所蔵されている。3楽章構成で書かれたこの作品をフォーレは生前発表することを考えてはいなかったが、当録音で日の目を見ることとなった。一方、マズルカは巻頭に「マズルカの形式による小品」と書かれた作品。習作ながらフォーレらしく豊かな旋律と味わい深い香りを呈する。演奏のニコラ・スタヴィはドミニク・メルレに学んだ後アルフレート・ブレンデル、ジェラール・フレミー、クリスティアン・イヴァルディらの薫陶も受けた。ユンディ・リが優勝した2000年のショパン・コンクール特別賞、翌2001年のジュネーヴ国際音楽コンクールでは第2位を受賞した実力派。 | |||
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ集 〔第3番 イ短調 Op.28 / 第8番 変ロ長調 Op.84 / 第9番 ハ長調 Op.103 〕 |
フレディ・ケンプ(P| 使用楽器:スタインウェイ D ) | ||
録音:2018年4月、ゼンデザール、ブレーメン。プロデューサー&サウンド・エンジニア:イェンス・ブラウン(Take5Music Production)。BISレーベルの看板アーティスト、フレディ・ケンプがプロコフィエフのピアノ・ソナタ第3番、第8番、第9番を収録した。フレディ・ケンプは1998年にチャイコフスキー国際コンクールピアノ部門第3位受賞後注目され、BISレーベルの社主ロベルト・フォン・バール氏はその豊かな才能に惚れ込み、シューマン、ベートーヴェン、ショパン、チャイコスフキー、プロコフィエフ、ラフマニノフといった主要レパートリーを収録してきた。プロコフィエフのソナタでも圧倒的な技術に裏付けされた快演を聴かせてくれる。 | |||
ルチアーノ・ベリオ(1925-2003):合唱作品集 声と楽器のための「コーロ」(1975-76) (*) /8人の声のための「ロンドンの呼び声」(1973-74, rev.1975) (#) グレーテ・ペーデシェン指揮(*/#) ノルウェー・ソリストcho.(*/#)、ノルウェー放送o.(*) | |||
録音:2019年2月(含・2月2日の公開コンサート)、ノルウェー放送(NRK)コンサートホール、大スタジオ(*) /2018年9月、オスロ・コンサートホール、小ホール(#)、すべてオスロ|制作:ハンス・キプファー(*)、イェンス・ブラウン(#) |録音:アンドレーアス・ルーゲ(*)、リタ・ヘルマイアー(#) 。ルチアーノ・ベリオは、ルイジ・ノーノ、フランコ・ドナトーニ、ブルーノ・マデルナとともに、第二次世界大戦後に注目されたイタリア・モダニズムの国際性を示した世代のひとりとして広く知られる。J.S.バッハの「モテット集」(BISSA-2251)をはじめとするアルバムがどれも高く評価されたノルウェー・ソリスト合唱団とグレーテ・ペーデシェンが、このベリオの作品を手がける。「コーロ」と「ロンドンの呼び声」。ベリオの名が現代音楽シーンに定着した後、1973年から1977年の間に書かれた2曲。「コーロ」は、それぞれ10人のソプラノ、アルト、テノール、バスと、44人の器楽奏者(弦楽器14人、木管楽器15人、金管楽器11人、打楽器2人、ピアノと電子オルガン)のために書かれた、「声と楽器のためのコーロ」が正式曲名の作品。さまざまな国と人種の名もない作家たちの詩とチリの詩人パブロ・ネルーダの「地上の住処」の詩がテクストに使われ、「Today is mine…Wake up, woman, reise up, woman(今日はわたしのもの…目覚めよ、女よ、立ち上がれ、女)」から「Spin, colours, spin…El dia palido se asoma(回れ、色よ、回れ…青ざめた日が現われる)」まで、31の部分に分かれている。異なる声と器楽の音色を最大にブレンドするため演奏者の配置に工夫が凝らされ、指揮者の左に第1ソプラノと第1フルート、その左に第8ソプラノと第1ヴァイオリンといった具合に歌手と器楽奏者を「4つの層」に分けるよう指示されている。「ロンドンの呼び声」は、街頭で売り子たちが道行く人たちにかけるロンドン名物の「呼び声」をテクストに、7つの部分で構成した作品。「シンフォニア」で成功した後、キャバレーソング、マドリガルやパートソングをレパートリーとするイギリスの男声グループ、キングズ・シンガーズのために作曲。ノルウェー・ソリスト合唱団は、1975年に改訂された「8人の歌手」の版で歌っている。 | |||
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61 (*) (カデンツァ:シュニトケ) シュニトケ:ヴァイオリン協奏曲第3番(1978) (#) |
ワジム・グルズマン(Vn| 使用楽器:ストラディヴァリウス 「 ex-Leopold Auer 」、1690年製) ジェイムズ・ガフィガン指揮 ルツェルンso. | ||
録音:2017年11月(#)、2019年12月(*)、2020年1月(*)、ルツェルン文化・会議センター、ルツェルン。 N響との共演でも知られるグルズマンがベートーヴェンとシュニトケのヴァイオリン協奏曲を録音。ベートーヴェンのカデンツァはシュニトケ版を演奏している。クレーメルの依頼で書かれたこのカデンツァではブラームス、ベルク、バッハ、バルトーク、ショスタコーヴィチの作品とベートーヴェンの協奏曲の旋律がコラージュのように編まれている力作。非常に技巧的なカデンツァであるため、クレーメル以外ではなかなか聴くことができず、グルズマンによる新録音は大歓迎と言えるだろう。シュニトケのヴァイオリン協奏曲第3番はオレグ・カガンのために1978年に書かれ、翌1979年モスクワで初演された作品。13の管楽器と弦楽四重奏という極めて特異な編成のこの作品は、2重のコントラストからなる緩?急―緩の3楽章構成で、休みなく演奏される。シュニトケ自身が「オープニング・カデンツァ」と呼んだように冒頭からヴァイオリンのソロで始まり、また、第1楽章と第3楽章終わりのコラールにはロシア正教の教会音楽の面影が見られるのが特徴。グルズマンの愛器、アウアーが使用していた1690年製のストラディヴァリウスの美音とともにガフィガン率いるルツェルンso. の好サポートも得て熱演を聴かせてくれる。 | |||
ヨゼフ・ミスリヴェチェク(1737-1781):鍵盤楽器のための作品全集 鍵盤楽器のための協奏曲〔第1番 変ロ長調(*) /第2番 ヘ長調(#) 〕/ 鍵盤楽器のための6つのやさしいディヴェルティメント/ 鍵盤楽器のための6つのやさしいレッスン クレア・ハモンド(P) ニコラス・マッギガン指揮スウェーデン室内o.(*/#) | |||
録音:2018年3月、エレブルー・コンサートホール、スウェーデン|(*)は世界初録音。プラハ近郊ホルニー・シャールカに生まれ、ローマで没したヨゼフ・ミスリヴェチェクの鍵盤のための作品全集がリリースされる。ヴェネツィアでジョヴァンニ・ペシェッティに師事したミスリヴェチェクは軽快な声部書法と旋律面での豊かな創意によってイタリア歌劇の作曲家として名声を博したほか、古典派の交響曲、室内楽曲を多数作曲した。ここに収録された鍵盤のための作品集では、チェコの音楽性とイタリアの影響を融合した、独自の作曲様式を表しており、その形式上のバランス感覚と多彩な和声はウィーン古典派の巨匠たちの先駆けとなった。この度、協奏曲第2番が世界初録音されたことにより全集が完成した。名手クレア・ハモンドが軽快に奏でる。 | |||
モーツァルト: 行進曲 ニ長調 K.249 (1776) /セレナード第7番「ハフナー」 ニ長調 K.250 (1776) /音楽の冗談 K.522 (1787) マイケル・アレクザンダー・ウィレンズ指揮ケルン・アカデミー | |||
録音:2018年5月、カンマームジークザール、ドイッチュラントフンク、ケルン。1996年にマイケル・アレクサンダー・ウィレンスによって設立されたケルン・アカデミー。幅広いレパートリーの中でも最も得意とするのがこのモーツァルト。ここに聴く管弦楽作品も実に軽やか。アンサンブルの響きを大切にし、明るく彩ったモーツァルトを堪能することが出来る。 | |||
クロモス〜21世紀ギター音楽 セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-):クロモス〜ソロ・ギターのための(2011) カレヴィ・アホ(1949-):ソロXI〜ギターのための(2013) オッリ・ムストネン(1967-):ギター・ソナタ第2番(2017) タン・ドゥン(1957-):7つの欲望〜ギターのための(2002) ユッカ・ティエンスー(1948-):白昼夢〜ギターとエレクトロニクスのための(2016) ティモ・アラコイティラ(1959-)/イスモ・エスケリネン(1971-)編曲:詩編(2015) イスモ・エスケリネン(G|使用楽器: Gabriele Lodi, 2011 ) | |||
録音:2018年4月、フュヴィンカーホール、フュヴィンカー、フィンランド。フィンランドのイスモ・エスケリネン(1971-)は、20世紀スペインのギター音楽を弾いた「魔法の円」(ABCD-153)や現代作品を集めた「第七感覚」(ABCD-213)など、主にAlbaレーベルに録音したユニークなアルバムで知られる。新作の「クロモス」は、フィンランドの5人の作曲家と中国のタン・ドゥンの作品を演奏したアルバム。太陽の彩層の「活動」をイメージしたというファーゲルルンドの「クロモス」。エスケリネンからソロ曲を頼まれていたカレヴィ・アホが、イラクの伝説的ウード奏者ムニール・バシールのレコードを聴いてインスピレーションを得て作った「ソロXI」。「作曲家」ムストネンの「ドラマティコ、コン・ルバート」「ミステリオーゾ、コン・ルバート」「コン・フォーコ」の3楽章の「ギターソナタ第2番」。タン・ドゥンの「7つの欲望」は、彼のギター協奏曲第2番「Yi2」に付随する「音楽ミニドラマ」として作られた。「モダニスト」ユッカ・ティエンスーが、変則チューニングのギターとエレクトロニクスを使い「おとぎ話の色彩」の音世界に作った「白昼夢」。ティモ・アラコイティラが「瞑想的コードにより穏やかに終わる」ピアノ曲として書いた「詩編」をエスケリネンが編曲して演奏している。 | |||
マーラー:交響曲第10番 嬰ヘ長調 (クック版第3稿(第2版/1989) ) |
オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
録音:2019年6月、オーケストラ・ホール、ミネアポリス。 好評を博しているオスモ・ヴァンスカ率いるミネソタo. によるマーラー・シリーズ。当録音は交響曲第10番。当演奏でもヴァンスカならではの緻密な構成と、細部にまで注意が払われた圧巻の仕上がり。繊細かつ丁寧な音楽づくりが魅力。また録音にも注目。オーケストラ全体の響きを自然にとらえ、演奏の一体感を堪能することのできる録音。この未完の大作第10番の全貌が世に知られるきっかけとなったのは、BBCが企画したマーラー生誕100周年記念演奏会のためにその前年の1959年、デリック・クックに草稿をもとに補筆を依頼したためだった。ヴァンスカが使用したのはこのクック版(1976)の最終稿であるクック版第3稿(第2版)(1989)。これはクックの没後、ゴルトシュミットとマシューズ兄弟により1989年に出版された。 | |||
パウル・ベン=ハイム(1897-1984):ヴァイオリン作品集 ヴァイオリンと管弦楽のための詩曲「降霊」(1942) (*) / ヴァイオリンとピアノのための3つの無言歌(1951) (#) /ヴァイオリン協奏曲(1960) (*) / 無伴奏ヴァイオリンのための3つの練習曲〜(1981) / ヴァイオリンとピアノのための「ユダヤの子守歌」(1945) (#) / 5つの小品 Op.34 〜トッカータ(1943) (*) 〔モシェ・ゾルマン編曲/ヴァイオリンと管弦楽のための版〕 イタマール・ゾルマン(Vn) エイミー・ヤン(P;#) フィリップ・バッハ指揮 BBC ウェールズ・ナショナルo.(*) | |||
録音:2017年12月、ホディノット・ホール、カーディフ、ウェールズ。俊英ヴァイオリニスト、イタマール・ゾルマンの久々のアルバムが登場!母国イスラエルのパウル・ベン=ハイム作曲のヴァイオリンのための作品集。1985年イスラエルのテル・アヴィヴ生まれのゾルマンはクリスティアン・テツラフに師事。2011年に行われた第14回チャイコフスキー国際コンクール、ヴァイオリン部門最高位(1位なしの2位)輝き世界から注目される存在となった。また、その豊かな音楽表現を内田光子が絶賛したことでも知られ、ドイツとフランスの名作を集めた独Profilレーベルからのデビュー・アルバム(PH-14039)も話題となった。1897年ミュンヘンに生まれ1984年イェルサレムで亡くなったイスラエルの作曲家パウル・ベン=ハイムは、1915年から5年間、ミュンヘン芸術アカデミーにてピアノ、作曲、指揮を学び、その後ブルーノ・ワルターとハンス・クナッパーツブッシュのもとで副指揮者を務めた経歴を持つ。1933年にナチスの統治がはじまったことによりドイツを離れ、テル・アヴィヴに移り住み、名前をヘブライ語風のベン=ハイムと改めた。作風は後期ロマン派的傾向を持ち、さらにイスラエルからの影響も吸収した作曲家として評価を集め、1957年にはイスラエル賞を受賞した。ここに収録されたヴァイオリンのための作品は1940年代から晩年の80年代までと多岐に渡り、彼の代表作であるヴァイオリン協奏曲に加え、イェフディ・メニューインに捧げられた3つの練習曲も収録している。形式と様式は保守的ながらも独特なリズムや変動する調性など、ベン=ハイムならではの作風が現れた作品を楽しむことが出来る。親譲りの天才肌。 | |||
アコーディオンによる「ゴルトベルク」〜 J.S.バッハ(1685-1750): ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 (ベーレンライター版楽譜使用) |
アンドレーアス・ボーアゴー (アコーディオン| 使用楽器: Jupiter‘Extra') | ||
録音:2016年7月、ドルフ教会、ラーンスドルフ、ベルリン|収録時間:90分6秒。『※当ディスクですが SACD Hybrid 層で再生する場合には Disc 1 のみで全曲お聴きいただけます。CD 層で再生する場合にはアリアから第15変奏までが Disc 1、第16変奏以降は Disc 2 に収録されております。』と代理店からアナウンスされています。 1981年デンマークのエラルド生まれのアコーディオン奏者、アンドレーアス・ボーアゴーがゴルトベルク変奏曲を録音した。デンマーク音楽アカデミーにて名手ジェイムズ・クラッブ(1967-)に師事し、アコーディオン奏者のとしての道を切り開いたボーアゴーはジャンルにとらわれない“音楽家 "として幅広いレパートリーを演奏してきた稀有なアーティストだが、17〜18世紀の作品の演奏には定評があり、同時代の鍵盤作品に新たな色彩感を与える唯一無二の演奏を披露してきた。その中でもボーアゴーの最も重要なレパートリーのひとつがこのゴルトベルク変奏曲。当録音では一音一音を大事にして楷書的ながらたっぷりと90分かけて歌い上げる雄大な演奏を聴かせてくれる。各変奏ではボーアゴーにしかできない豊かな表現で、ときにオルガンのストップを自在に変えるような、またときにハーモニカで演奏しているような、アコーディオンでしか表現することのできない細かなニュアンスときらめくような音色を奏でている。アコーディオンの魅力が十二 分に味わうことのできる当ディスクは、アコーディオン・ファンはもちろんのこと、ゴルトベルク変奏曲の愛好家の必聴盤になること間違いなしの注目のディスクと言えるだろう。 | |||
サン=サーンス:ピアノ協奏曲全集 Vol.2 ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.22 (1868) (+) / カプリス・ワルツ 「ウェディング・ケーキ」 Op.76 (1886) (*) / アレグロ・アパショナート 嬰ハ短調 Op.70 (1884) (#) / ピアノ協奏曲第1番 ニ長調 Op.17 (1858) (#) / オーヴェルニュ狂詩曲 Op.73 (1884) (*) / 幻想曲「アフリカ」 Op.89 (1891) (#) |
アレクサンドル・カントロフ (P|使用楽器: Steinway D ) ジャン=ジャック・カントロフ指揮 タピオラ・シンフォニエッタ | ||
録音:2018年1月28日-2月2日(*)、2020年1月13日-17日(#)、2021年9月6日-8日(+)、タピオラ・コンサートホール、フィンランド。2021年11月の来日リサイタルも記憶に新しいアレクサンドル・カントロフ。ブラームスの「4つのバラード」、リストの「ダンテを読んで-ソナタ風幻想曲」、そしてブラームスのピアノ・ソナタ第3番という重量級プログラムに挑んだ日本初リサイタルだったが、異次元の集中力と情熱的な演奏で聴衆を魅了させた。まさに天才降臨といえるカントロフ!当アルバムはサン=サーンスのピアノと管弦楽のための作品第2集で、ピアノ協奏曲第1番&第2番、「ウェディング・ケーキ」、「アレグロ・アパショナート」、「オーベルニュ狂詩曲」、そして幻想曲「アフリカ」を収録。共演は父ジャン=ジャック・カントロフ指揮タピオラ・シンフォニエッタ。2歳でピアノをはじめ、3歳でかなりのレベルでピアノを弾きこなし、5歳で作曲をはじめたという神 童サン=サーンス。ピアノ協奏曲は生 涯5つを作曲した。いずれもサン=サーンスらしい華麗なテクニックときらめく旋 律が魅力。驚くべき才 能の持ち主アレクサンドル・カントロフが母国の天才作曲家の難曲を、余裕綽々ともいえるテクニックを武器に雄弁な語り口で華麗に歌い上げる。!1997年生まれのアレクサンドルは父親譲りの音楽的才能の持ち主。16歳のときにはナントおよびワルシャワでのラ・フォルジュルネでシンフォニア・ヴァルソヴィアと共演し、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を披露。抜群のテクニックと情感豊かな演奏で聴衆を熱狂させた。そして、2019年に開催された16回チャイコフスキー国際コンクールでフランス人としてはじめて優勝。本選ではチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番を演奏し、有名な第1番を上回る高度なテクニックを要する難曲をコンクールの場で見事に披露したことでも話題となった。現在フランスの英雄として全世界から注目される気鋭のピアニストの活躍が大いに期待される。親譲りの天才肌。 | |||
鈴木優人&バッハ・コレギウム・ジャパン〜 J.S.バッハ(1685-1750):チェンバロと弦楽のための協奏曲集 Vol.1 〔第1番 ニ短調 BWV.1052 /第5番 ヘ短調 BWV.1056 / 第8番 ニ短調 BWV.1059R(鈴木優人復元版)/第2番 ホ長調 BWV.1053 〕 鈴木優人(Cemb|使用楽器: Willem Kroesbergen, Utrecht 1987. after J. Couchet; 2 manuals, 8'8'4' )指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン [三宮正満(Ob) 若松夏美(Vn|コンサートマスター) 高田あずみ、竹嶋祐子(Vn) 山口幸恵(Va) 山本徹(Vc) 西澤誠治(ヴィオローネ)] | |||
録音:2018年7月、ヤマハホール、銀座、東京。2018年9月よりバッハ・コレギウム・ジャパン首席指揮者に就任した鈴木優人がバッハのチェンバロと弦楽のための協奏曲全集録音を開始、その第1弾のリリースとなる。すでに鈴木雅明と演奏した2台のチェンバロのための協奏曲集(BISSA-2051)はリリースしているが、この度鈴木優人がソロ・チェンバロと弦楽のための8つの協奏曲を録音した。独奏チェンバロと弦楽オーケストラのための協奏曲集はその大半がバッハや他者の作曲家による他の楽器のための協奏曲を編曲したが、チェンバロという楽器を通奏低音から独奏楽器へと引き上げた注目すべき作品群。消失したヴァイオリン協奏曲の編曲である第1番 ニ短調 BWV.1052、同じく消失したオーボエ協奏曲の編曲である第2番 ホ長調 BWV.1053、美しいラルゴの旋律が有名な第5番 ヘ短調 BWV.1056はいずれもバッハの類まれな才能により華やかなチェンバロ独奏と弦楽との掛け合いが魅力。また協奏曲第8番 ニ短調 BWV.1059Rは第1楽章の冒頭8小節半しか現存しないため、鈴木優人が復元した版で録音した。カンタータ第35番 BWV.35の導入シンフォニアを第1楽章、第2楽章を BWV.35の第2曲「アリア」、同じく第3楽章を第5曲のシンフォニアから復元で演奏。急-緩-急のイタリアの協奏曲風に仕上げた。また BWV.35の原曲では3つのオーボエのパートがあるが、ここではオーボエは1本に編曲。その結果、とくに第2楽章はオーボエとチェンバロの掛け合いで美しく奏でられる。鈴木優人の多才ぶりを発揮した唯一無二のアルバム、大注目。 | |||
カイヤ・サーリアホ(1952-2023): ヴァイオリンと管弦楽のための「はるか遠くのあなたへ」(2000, arr.2018) / 管弦楽とエレクトロニクスのための「円周写像」(2012) /雪(1998) (12のチェロのための版) / 聖杯劇場(1994) (ヴァイオリンと管弦楽のための版) ペーテル・ヘッレスタール(Vn|使用楽器: G. B. Guadagnini, Milan (1753)) クレマン・マオ=タカーチュ指揮オスロpo. | |||
録音:2018年6月、オスロ・コンサートホール、オスロ、ノルウェー|#収録時間が87分12秒となっており、これが正しければCDプレイヤーでは再生出来ないトラック(=SACD層のみのトラック)が存在する可能性がありますが、商品バックインレイや代理店アナウンスには特記がありません。 カイヤ・サーリアホ(1952-)は、フィンランドでもっとも国際的に知られる作曲家のひとり。彼女がフランスを本拠に活動するようになってから作曲した管弦楽のための作品を4曲、オスロpo. が演奏したアルバムがリリースされる。ヴァイオリンと管弦楽のための「Verstoi qui es si loin(はるか遠くのあなたへ)」は、12世紀の吟遊詩人ジョフレ(ジャウフレ)・リュデルの物語による歌劇「L ' Amour de loin(はるかな愛)」(2000)の終幕のアリアを「ペーテル・ヘッレスタールのために」編曲した作品。「Circle Map(円周写像)」は、13世紀ペルシャの詩人ルミの6つの詩からインスピレーションを得て「管弦楽とエレクトロニクス」のために作曲された。「Morning Wind(朝の風)」「Walls closing(壁が迫ってくる)」「 Circles(円)」「Daysare sieves(昼は篩(ふるい))」「Dialogue(対話)」「Day and Night, Music(昼と夜、音楽)」の6曲。アルシア・コントが朗読したルミの詩がエレクトロニクス処理され、織りこまれる。「Neiges(雪)」は、サーリアホがシベリウス・アカデミーの客員教授を務めた1997年から1998年の冬のヘルシンキを思い出し、8つのチェロのために作曲された。「Nuages de neige(雪の雲)」「Etoile de neige1(雪の星1)」「Etoile de neige2(雪の星2)」「Aguillesde glace(つらら)」「Fleurs de neige(雪の花)」の5曲。「12のチェロの版」は、今回、初めて録音される。「Graal Theatre(聖杯劇場)」は、サーリアホが初めて手がけた協奏曲。イギリスBBCとオランダのVara Radio4が委嘱、ギドン・クレーメルにより初演された。ジャック・ルボーの著書「GraalTheatre」から曲名をとり、「Graal(聖杯)」の内向的、神聖な性格と「theatre(劇場)」の外向的、芝居がかった性格を反映する「Delicato(繊細に)」と「Impetuoso(猛烈な)」の2楽章の作品に作っている。ノルウェーのヴァイオリニスト、ペーテル・ヘッレスタール(1970-)は、BISレーベルに録音したヌアゴーのヴァイオリン協奏曲(BIS-1872)やヴァリーンとビューエネの協奏曲(BISSA-2242)など、現代の作品をレパートリーの中心に活動。サーリアホの「Graal Theatre(聖杯劇場)」は、2016年から2019年の間にヨーロッパとアメリカで15回以上演奏している。指揮者のクレマン・マオ=タカーチュは、パリ国立高等音楽舞踊学校とシエナのアカデミア・ムジカーレ・チギアナで学び、ピアニスト、作曲家としても活動。「La Passion de Simone(はるかな愛)」「La Passion de Simone(シモーヌの受難)」の室内バージョンをはじめとするサーリアホ作品の初演を指揮、彼女の音楽のスペシャリストとみなされている。 | |||
ベートーヴェン: 変奏曲、バガテル、小品全集 |
ロナルド・ブラウティハム(Fp) | ||
録音:2010年-2015年、エステローケル教会、スウェーデン|ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.10 〜 15 (BISSA-1882, 1673, 1883, 1892, 1942, 1943 | 各分売) のセット化。 | |||
ブルックナー: 交響曲第6番 イ長調(1879-81) |
トーマス・ダウスゴー指揮 ベルゲンpo. | ||
録音:2018年6月、グリーグ・ホール、ベルゲン、ノルウェー。スウェーデン室内o. の音楽監督として多くの録音でも知られるデンマークの指揮者トーマス・ダウスゴー。当アルバムではノルウェーのベルゲンpo. を振りブルックナーの交響曲第6番を録音した。ダウスゴーといえば鮮烈なオーケストレーションで現代的感覚満点。一方でピリオド・アプローチも取り入れなど、独自の解釈のもとダイナミックな音楽づくりが魅力。大期待のブルックナーでも抜群のセンスでダウスゴーならではの解釈で新鮮な空気を吹き込む。ベルゲン・フィルの新たな一面をのぞかせる注目のリリース。 | |||
ハンス・エーリヒ・アポステル(1901-1972): ココシュカの絵からピアノ変奏曲 Op.1 (1928) (*) / クービニアーナ Op.13 (1945) /クビーンの絵から Op.13a (1948-49) (*) テレーズ・マレングロー(P|使用楽器: Fazioli, F 278 No.2780649 ) | |||
録音:2013年8月、サン=マルセル福音教会。新ウィーン楽派の代弁者と言われたドイツの作曲家ハンス・エーリヒ・アポステル(1901-1972)の最初期のピアノ曲集。アポステルは1916年から1919年まで、故郷のカールスルーエにてピアノ、音楽理論、及び指揮をアルフレート・ローレンツに学んだ。その後1920年にカールスルーエのバーデン劇場の楽長になる。アポステルは表現主義絵画に非常に興味を持ち、オスカー・ココシュカ、アルフレート・クービン、エミール・ノルデらと友人関係にあった。ここに収録された作品は友人であったココシュカ、クビーンの絵画からインスピレーションを得て作曲されたピアノ作品で世界初録音を含む興味深い内容となっている。彼の作品はナチ政権時代には彼の音楽は退廃音楽とされていたために演奏は禁止されていた。独特な世界が広がる。 | |||
タン・ドゥン(1957-): ヴァイオリン協奏曲「ラプソディとファンタジア」(2009、2018改訂)/ ヴァイオリン協奏曲「火の儀式」(2018) エルビョルグ・ヘムシング(Vn|使用楽器: G. B. グァダニーニ〔ミラノ〕、1754年製) タン・ドゥン指揮オスロpo. | |||
録音:2018年9月、オスロ・コンサートホール、ノルウェー。ノルウェーの期待の星、エルビョルグ・ヘムシング。BISレーベルからリリースされたショスタコーヴィチ&ボルグストレムのヴァイオリン協奏曲(BISSA-2366)、ドヴォルジャークのヴァイオリン協奏曲、スークの幻想曲、愛の歌(BISSA-2246)で注目を浴びているが、期待の第3弾では中国を代表する作曲家タン・ドゥンのヴァイオリン協奏曲を収録した。母、姉(ラグンヒル・ヘムシングは2Lレーベルからリリースしている)、弟がヴァイオリニストという音楽一家に生まれたエルビョルグは、11歳でベルゲン・フィルとの共演でデビュー。ジュリアン・ラクリンやニコライ・スナイダーを育てたことでも知られるボリス・クシュニールに師事し、その才能を開花させた。優雅な音色にしてスケールの大きな演奏が魅力のヘムシングは、今最も期待のされるヴァイオリニストの一人として注目されており、欧州を中心に積極的な演奏活動を展開している。ヘムシングとタン・ドゥンとの出合いは2010年。上海国際博覧会で共演したことがきっかけぐに意気投合し、その後頻繁に共演を重ねてきました。ヴァイオリン協奏曲「ラプソディとファンタジア」は2009年にチョー・リャン・リンの独奏、ジュリアードo. により初演された2部構成の作品。この度ヘムシングとともに改訂した版を採用している。1楽章にあたる「ロック・ザ・ヴァイオリン・イン・ラプソディ」はヒップホップ―マリンコニーア―ヒップホップから成り、パワフルかつ強烈なインパクトを与える。2楽章にあたる「京劇の夢」はドルチェ・モルト―アンダンテ―アダージョ-アレグロと続く作品で、タイトル通り北京オペラから旋律を用い流麗な旋律が印象的。一方、ヴァイオリン協奏曲「火の儀式」はオスロ・フィルとの共演で2018年9月に初演された作品。モデラート―アンダンテ―モデラート―モデラート―モデラートの5部で構成されている。罪なく戦争で亡くなった人々に捧げる思いで書かれたこの作品は作曲家と演奏者の思いが強く込められており、悲痛な叫びや生きようとする強い魂を感じる渾身の作品。管楽器の一部をステージ外で演奏させるなど、音響にもこだわりを持って配置されている。両作とも作曲家タン・ドゥン作曲家のシャーマニズムとスピリチュアルな世界を北京オペラの要素をふんだんに取り入れた注目作と言える。 | |||
ペニャロサ:哀歌集 フランシスコ・デ・ペニャロサ(1470-1528): 聖金曜日のためのエレミアの哀歌/聖土曜日のためのエレミアの哀歌/ ミサ曲「武装した人」より〔天のいと高きところには神に栄光あれ/我は信ず、唯一の神/神の子羊〕/ 聖マリア、哀れな者たちを助けに急ぎ来て下さい/ Unica est columba mea ペドロ・デ・エスコバル(1465頃-1535):悲しみの聖母は立ちぬ [Stabat mater dolorosa] フランシスコ・ゲレロ(1528-1599):それは誰か/ Antes que comais a Dios ニューヨーク・ポリフォニー [ジェフリー・ウィリアムズ(CT) スティーヴン・カルディコット・ウィルソン(T) クリストファー・ディラン・ハーバート(Br) クレイグ・フィリップス(B)] | |||
録音:2018年6月、プリンストン・アビー、ニュージャージー、 US 。2006年に結成された男声4名のアンサンブル、ニューヨーク・ポリフォニー。BISレーベル第5弾は15世紀後半から16世紀にかけてのスペイン盛期ルネサンス音楽の作曲家、フランシスコ・デ・ペニャローサ、ペドロ・デ・エスコバル、フランシスコ・ゲレーロの作品を収録した。ニューヨーク・ポリフォニーによる極上の声楽アンサンブルを聴かせてくれる。 | |||
クリュタイムネストラ マーラー(1860-1911):歌曲集「リュッケルトによる5つの歌曲」(1901-02) アルバン・ベルク(1885-1935):アルテンベルク歌曲集 Op.4 (1912) リーアン・サミュエル(1944-):ソプラノと管弦楽のための「クリュタイムネストラ」(1994) 〔連なる炎/夫の不在を嘆き悲しみ/アガメムノンの帰還/行動/告白/反抗/エピローグ:哀歌〕 ルビー・ヒューズ(S) ジャック・ヴァン・スティーン指揮 BBC ウェールズ・ナショナルo. | |||
録音:2018年4月、BBC ホディノット・ホール、ウェールズ・ミレニアム・センター、カーディフ、ウェールズ。「ヴェネツィアのクリスマス」(BISSA-2089)と「愛と喪失のヒロインたち」(BISSA-2248)をリリースしたイギリスのソプラノ歌手、ルビー・ヒューズのBISレーベルのソロ・アルバム第3作。前作では、聖母マリア、カルタゴの女王ディドー、デズデモーナ、アン・ブリーンたち「悲しみのヒロイン」をテーマにした歌と17世紀イタリアの女性作曲家の曲を歌い、「ルビー・ヒューズのソプラノはさりげなく美しい。しなやかで、細やかな表情に富み、無理を感じさせない」(BBC MusicMagazine)と評され、聴き手からも支持された。新しいアルバムで彼女は、管弦楽共演による3つの曲集を取りあげている。マーラーの「リュッケルトによる5つの歌曲」、ペーター・アルテンベルクが集めていた絵葉書に綴った5つの詩にアルバン・ベルクが曲をつけた「アルテンベルク歌曲集」、そして、彼女が2011年から2013年にかけてBBCの「ニュージェネレーション・アーティスト」として活動した時に出会い、「啓示」と考えたというリーアン・サミュエルの「クリュタイムネストラ」。リーアン・サミュエル(1944-)は、ウェールズのアバデア生まれ。イギリスのレディング大学とアメリカのセントルイス・ワシントン大学で学び、室内楽、声楽、合唱のための作品、BBCの委嘱による「風景(Tirluniau / Landscapes)」に代表される管弦楽曲を手がけてきた。「クリュタイムネストラ」は、トロイ戦争でギリシャ軍を率いたミケーネ王アガメムノンの后を題材にとり、アイスキュロスの「オレステイア」三部作から彼女自身が集めた英語版をテクストとする6つの歌と管弦楽だけで演奏される「行動」から構成された作品。「1950年代ハリウッドの叙事詩映画の音楽も思い出してしまう、信じられないほど視覚的な作品…明るい太陽に照らされ、大きな線で描く絢爛豪華な感じ」(ルビー・ヒューズ)。BBCウェールズ・ナショナルo. の共演。2005年から2013年まで首席客演指揮者を務めたオランダのジャック・ヴァン・スティーン(ヤック・ファン・ステーン)(1956-)が指揮している。 | |||
アイヴズ:ピアノ・ソナタ第1番 ガンダー:ピーター・パーカー アイヴズ:3ページのソナタ(*) |
ヨーナス・アホネン (P;*以外/チェレスタ;*) | ||
録音:2019年8月15日-18日、ゼンデザール、ブレーメン、ドイツ。フィンランドのピアニスト、ヨーナス・アホネン(1984-)のアイヴズ第2弾。ピアノ・ソナタ第1番は讃美歌やラグタイムの使用、またポリリズムや多調の使用など、アイヴズ初期の作品ながらすでに自身のキャラクターが現れている作品。一方、アイヴズの手書きの楽譜が3ページだったことからその名がついた「3ページのソナタ」。BACHをモチーフにした音型が幾度も出てくるユニークな作品でチェレスタも登場する。アイヴズの間にベルンハルト・ガンダー(1969-)に「ピーター・パーカー」も収録している。 | |||
シューベルト: 連作歌曲集「冬の旅」 Op.89, D.911 (1827) |
ジェイムズ・ラザフォード(Br) ユージン・アスティ (P|使用楽器: Steinway D ) | ||
録音:2018年8月20日-24日、ポットン・ホール、サフォーク州、イングランド、 UK 。ワーグナー歌手として定評のある英国のバリトン、ジェイムズ・ラザフォード。BISレーベルからのデビュー盤、ワーグナー・アルバム(BISSA-2080/2013年録音)でのびやかな歌声を聴かせてくれた。その後、挑んだのはシューベルトの白鳥の歌を含む歌曲集(BISSA-2180/2015年録音)でドイツ・リート歌手としても評価を高めた。期待が高まる当アルバムはシューベルト第2弾で「冬の旅」。シューベルト晩年、死を前に書き上げた24曲からなるこの傑作を、魂を込めて歌っている。なお、この演奏では全曲を短3度下に移調して歌っている。 | |||
ロシアン・スペクタキュラー ムソルグスキー/リムスキー=コルサコフ編曲:交響詩「禿山の一夜」 ムソルグスキー/ラヴェル編曲:組曲「展覧会の絵」 / バラキレフ/リャプノフ編曲:イスラメイ ボロディン/リムスキー=コルサコフ、リャードフ編曲:ダッタン人の踊り(合唱付き)(*) ラン・シュイ指揮シンガポールso. エウデニセ・パラルアン合唱指揮シンガポール交響cho.(*)、 ウォン・ライ・フーン合唱指揮シンガポール交響ユースcho.(*) | |||
録音:2018年7月、エスパラネード・ホール、シンガポール。ロシアを代表する作曲家の名作を大作曲家が編曲した管弦楽作品集!なんといっても編曲した作曲家の個性が反映され、原曲を勝る魅力を放っているのが興味津々。交響詩「禿山の一夜」はムソルグスキー没後、未発表だった作品からリムスキー=コルサコフが編曲し有名になった作品。ムソルグスキーへの敬愛と思いがつまった名編曲。バラキレフの「イスラメイ」の原曲は、コーカサスの民族舞曲をもとにしたエキゾティシズムを華やかな技巧で表現したピアノ独奏の超難曲。この作品を同じくピアノの超絶技巧作品を残したリャプノフが管弦楽にアレンジした。この編曲版はゲルギエフ指揮キーロフ歌劇場o.(現マリインスキー劇場o.)が録音しその知名度があがった。オーケストラ版もやはり高度な技巧を要する、独特の魅力を持った唯一無二の存在。メインはやはりラヴェル編の「展覧会の絵」!ラヴェルのキラキラとした眩い編曲は圧巻の一言。そして、リムスキー=コルサコフ―リャードフ編の「ダッタン人の踊り」は合唱付!アルバム・タイトル通りのロシアの壮観さ、華やかさを堪能できる内容。当団は色彩豊かかつ明瞭にこれらの名曲を演奏している。1997年にシンガポールso. の音楽監督に就任し、今や一流のアンサンブルにしあげたラン・シュイ。ラン・シュイは2019年まで当団の音楽監督をつとめ、現在は桂冠指揮者として共演を続けている。BISレーベルから数多くの録音を発表しており、リヒャルト・シュトラウスの管弦楽曲集 (BISSA-2342) はレコード芸術特選盤ほか、各誌で絶賛されている。 | |||
コントラスト〜イギリス名詩の歌曲集 ウィリアム・ウォルトン(1902-1983):大市長のテーブルのための歌 レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872-):リュートを弾くオルフェウス/屋根の上のあの空/沈黙の正午 フランク・ブリッジ(1879-1941):幸せな日よ、去ることなかれ/目を閉じているとき/崇拝/おいで、私のもとへ/ わが夢の中/年をとったら/青いマントル/愛がやってきた、馬に乗って ヒュー・ワトキンス(1976-):5つのラーキンの歌(世界初録音) ロジャー・クィルター(1877-1953): ドリーム・バレー Op.20 No.1 /喜びの美しき家 Op.12 No.7 /泉のほとりで Op.12 No.6 / 「アラブの愛の歌/秋の夜」 Op.14 No.1 /わが人生の喜び Op.12 No.2 ウォルトン:ファサードの3つの歌 キャロリン・サンプソン(S) ジョゼフ・ミドルトン(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2018年8月、ポットン・ホール、サフォーク。バッハ・コレギウム・ジャパンでもおなじみの名唱キャロリン・サンプソン。前作「狂気のなかの正気」(BISSA-2353)では愛に殉じて狂死もしくは自ら命をたつヒロインを題材とした作品を集めた興味深いアルバムで話題となった。当アルバムはイギリスの作曲家がシェイクスピア、ジョーダン、ワーズワースなどが残した名詩に曲をつけた好企画。4人の作曲家がそれぞれ描く、イギリス名詩が輝く歌曲集。ピアノのミドルトンがサンプソンに寄り添うような演奏を披露している。 | |||
『名唱カミラ・ティリングが歌う』〔代理店記載ママ〕 ユーゲントシュティール〜1898年-1916年の歌曲集」 コルンゴルト(1897-1957):素朴な歌 Op.9 より〔雪割草/セレナード/恋文/夏〕/ 5つの歌 Op.38 〜幸せを願い ベルク(1885-1935):7つの初期の歌 / ツェムリンスキー(1871-1942):ワルツの歌 Op.6 シェーンベルク(1874-1951):4つの歌 Op.2 / マーラー(1860-1911):リュッケルトによる5つの歌曲 カミラ・ティリング(S) パウル・リヴィニウス(P) | |||
録音:2018年2月-3月、バイエルン音楽スタジオ、ミュンヘン、ドイツ。スウェーデンのソプラノ、カミラ・ティリングとドイツのピアニスト、パウル・リヴィニウスのコラボレーション。1896年にドイツで刊行された雑誌「ユーゲント」から生まれた言葉「ユーゲントシュティール(青春様式)」をアルバム・タイトルに、19世紀からに20世紀への変わり目の時代に作られた歌曲が歌われる。コルンゴルトが1911年から1916年にかけて作曲した「素朴な歌」の4曲と、そのころのスタイルを留めた1948年の「5つの歌」の「幸せを願い」。ベルクがシェーンベルクに学んでいたころに作曲した、後期ロマンティシズムとモダニズムの共存する「7つの初期の歌」。イタリア、トスカーナ地方の民謡がグレゴロヴィウスのドイツ語訳によりワルツのメロディで歌われるツェムリンスキーの「フェルディナント・グレゴロヴィウスのトスカーナの歌によるワルツの歌」。シェーンベルクの「ユーゲントシュティール」美学を反映する「4つの歌」。マーラが芸術家として人間としての主要なテーマをリュッケルトの詩に託した「リュッケルトによる5つの歌曲」。最後の「私はこの世に捨てられて」にはアーティストたちのアイデアにより管弦楽共演版に基づくヴァイオリン・ソロが加わる。バイエルン放送so. の第1ヴァイオリン奏者、ニコラ・ビルクハンの演奏。 | |||
ピエトロ・ドメニコ・パラディエス(1707-1791):「チェンバロのための12のソナタ」より 〔第10番 ニ長調/第1番 ト長調/第4番 ト短調(*) /第5番 ヘ長調(*) /第6番 イ長調(#) / 第3番 ホ長調/第2番 変ロ長調(*) /第7番 変ロ長調/第8番 ホ短調/第9番 イ短調(#) 〕 アンナ・パラディソ(Cemb;無印/クラヴィコード;*/Fp;#) | |||
録音:2018年11月、ストックスンド、スウェーデン。伊作曲家パラディエスが作曲したチェンバロのための12のソナタより第1〜10番をおさめたアルバムをアンナ・パラディソがリリースした。ポルポラに学び、1746年よりロンドンに居住したパラディエスはオペラ作曲家として活躍した一方、チェンバロおよび歌唱の教師としても知られる。ここに収録されたソナタは1754年に作曲したパラディエスの代表作。当録音では作品によってチェンバロ、クラヴィコード、フォルテピアノを弾き分けており、名手パラディソの妙技をご堪能頂ける。87分長時間収録。 | |||
無伴奏ヴァイオリンまたはヴィオラのための作品集 バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Sz.117 リゲティ:無伴奏ヴィオラ・ソナタ(1991-94) / ヴェレシュ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ(1935) エトヴェシュ:無伴奏ヴァイオリンのための「属七の和音への冒険」(2019)[世界初録音] ヌリット・スターク(Vn|使用楽器:ピエトロ・グァルネリ(1710年)&弓:アルバート・ニュルンベルガー Va|使用楽器:アルフレッド・ライヒト& 弓:プロスパー・コーラ) | |||
録音:2019年1月23日-25日、2021年10月12日-13日、アンドレーアス教会、ヴァンゼー、ベルリン。ハンガリーの4人の作曲家バルトーク、リゲティ、ヴェレシュ、エトヴェシュによるヴァイオリンまたはヴィオラのための独奏作品をヌリット・スタークが録音した。バルトークはヴェレシュの師であり、ヴェレスはリゲティの師だった。またリゲティはエトヴェシュの直接の師ではないが、リゲティの助言によりエトヴェシュがブダペストのリスト音楽院に入学することができた。西洋音楽の伝統と東欧を中心とした民族音楽が融合した彼らの音楽は有機的なつながりを持ちながらも独自のスタイルを築いていている。イスラエル生まれのスタークはジュリアード音楽院でロバート・マンに師事。さらにケルン音楽大学でアルバン・ベルク四重奏団にも師事したのち、いくつものコンクールで優秀な成績を収めている。Clavesレーベルよりブロッホ(50-1705)、ブゾーニ&エネスコ(50-2811[廃盤])、シューマン(50-1502)などをリリース。またBISレーベルからはクルターグの「カフカ断章」(BISSA-2175)をリリースしている。 | |||
ジョヴァンニ・ジローラモ・カプスペルガー(1580-1651): キタローネのためのタブラチュア曲集 より 第4巻より〔トッカータ 1ma /パッサカリア 1ma /ガリアルダ 1ma /カンツォーネ 1ma / トッカータ 2da /パッサカリア [2da] /ガリアルダ 8va /カナリオ/トッカータ 9na / パッサカリア [4ta] /ガリアルダ [7ma] /バーロ第1番/バタリャ/カプスペルガー〕/ 第1巻より〔フィレンツェのアリア/トッカータ 5ta /ガリアルダ 11a, 12a /トッカータ・アルペジアータ〕 ユーナス・ヌードベリ(テオルボ) | |||
録音:2018年9月、レンナ教会、スウェーデン。バロックギターの名手ユーナス・ヌードベリがカプスペルガーのキタローネのためのタブラチュア曲集をテオルボで録音した。テオルボは16世紀にあらわれその後、バロック末期まで多く使用されたリュート族の14弦の撥弦楽器(14コース・テオルボ)。イタリア初期バロック音楽の代表的な作曲家カプスペルガー(1580-1651)はテオルボの名手としても活躍し、数多くの作品を残した。哀愁におびた温かみのあるテオルボの音色が実に心 地よく奏でられる。現在ヨーロッパを中心に活躍するユーナス・ヌードベリはザルツブルク・モーツァルテウム、ストックホルム音楽大学にて研鑽を積み、16世紀初頭から18世紀中ごろまでのテオルボ、リュート作品を中心に膨大なレパートリーを誇るバロックギターの名手。当演奏では当時の響きを携えた心温まる演奏を披露。 | |||
2017 〜クリスチャン・リンドベリ(1958-):管弦楽のための作品集 9本のトロンボーンと管弦楽のための「ウロンゴンの波」(2006-09) (*) / トロンボーン、打楽器と管弦楽のための「リヴァプールの子守歌」(2015-16) (**) /管弦楽のための「 2017 」 クリスチャン・リンドベリ(Tb;**)指揮アントワープso. ニュー・トロンボーン・コレクティヴ(*) [アレクサンデル・フェルベーク、アレックス・ガルシア、ダニ・キエレス・カスカント(アルトTb) セバスティアン・ケムネル、ホセ・ルナ・アグード、バネッサ・バイレーン(テナーTb) ブラント・アッテマ、マルク・ボーンストラ、ロエル・アーフォンズ(バスTb)] イヴリン・グレニー(Perc;**) | |||
録音:2018年9月、エリザベートホール(アントワープ、ベルギー。スウェーデンのトロンボーン奏者、クリスチャン・リンドベリChristian Lindbergは、近年、「作曲家」として注目されることが多くなり、各国のオーケストラやプレイヤーから委嘱される音楽の作曲に意欲的に取り組んでいると言う。彼がアントワープso. を指揮して2018年に録音した新しいアルバムでは、10年以内に作曲された3つの管弦楽曲が演奏される。「ウロンゴンの波」は、オランダの若いプレイヤーたちが2001年に結成した「ニュー・トロンボーン・コレクティヴ」と共演するための作品としてロッテルダム・フィルハーモニックから委嘱を受け、作曲されました。作曲のヒントとなったのは、オーストラリア南東部沿岸の都市ウロンゴンで実際に目にした、ニュージーランドのホークス・ベイからタスマン海を越えて押し寄せる波。その大小さまざまな波の姿をニュー・トロンボーン・コレクティヴの9本のトロンボーンに変える音楽が生まれる。「祝いの花火」に終わる音楽をリンドベリは、BIS RecordsのCEO 、フォン・バールに献呈した。「リヴァプールの子守歌」は、デイムの称号を授かった打楽器奏者イヴリン・グレニーEvelyn Glennieとリンドベリ自身のトロンボーンの「二重協奏曲」として指揮者ジョン・ラボックから依頼を受けた作品。クリスティアンが6歳の時、ビートルズの大ファンだった母親が子守歌に歌ってくれた歌の「胚芽」をベースに作曲。名高い音楽祭のひとつ「チェルトナム・フェスティヴァル」で、グレニーとリンドベリが、ラボックのオーケストラ、セント・ジョンズ・スミス・スクエアo. と共演して初演した。「2017」は、2013年、フランダース・フィルハーモニック(現、アントワープso. )のヘールト・リームとハンス・フェルブークトからストラヴィンスキーの「春の祭典」をモデルにした同規模の管弦楽曲について打診され、さまざまな状況から作曲が延び延びになってしまっていた作品。作曲のきっかけは、2016年11月のアメリカ大統領選挙だったと言う。「世界が、突然ひっくりかえり……2016年11月8日、から2017年1月1日、までの間、あまりのショックに心理的に麻痺してしまった」。そして「2017年」の最初の日にアイデアが浮かび、一年かけて作品を完成させる。「The World Upside Down(ひっくりかえった世界)」「Lonely Creatures(孤独な生き物)」「Fake News(フェークニュース)」「Inner Soul(内なる魂)」「The Bragger(自慢屋)」「Reflection(反響)」「Train from Hell(地獄発の列車)」の7曲で構成した約33分の作品。アメリカ、MS-NBCのテレビ番組のキャスターを務めるジャーナリストのレイチェル・マドウ(マドー)に献呈された。 | |||
ブラームス:ヴァイオリンとピアノための5つのソナタ Vol.2 〔変ホ長調 Op.120 No.2(原曲:クラリネット・ソナタ第2番)/第2番 イ長調 Op.100 /第3番 ニ短調 Op.108 〕 ウルフ・ヴァリーン(Vn|使用楽器:ドメニコ・モンタニャーナ、1746年製) ローランド・ペンティネン(P|使用楽器:スタインウェイ D ) | |||
録音:2017年5月、スタジオ・アクースティクム、ピテオー、スウェーデン。ウルフ・ヴァリーンとローランド・ペンティネンの最強コンビによるブラームスの録音シリーズ第2弾の登場。ヴァイオリンとピアノための“5つ "のソナタと題された当シリーズ。オリジナルのヴァイオリン・ソナタは3篇とF. A. E. ソナタだが、ここではクラリネット・ソナタ第2番のヴァイオリン版とヴァイオリン・ソナタ第2番、第3番を収録している。ヴァリーンが奏でるイタリアの名器1746年製のドメニコ・モンタニャーナの艶やかな音色とペンティネンの細やかなピアノが絶妙にマッチした一際美しい演奏。第1集(BISSA-2369)も併せてお楽しみ頂きたい。 | |||
ヨウン・レイフス(1899-1968):オラトリオ「エッダ」第2部〜神々の生涯 Op.42
ハンナ・ドウラ・ストゥルルドウッティル(Ms) エルマル・ギルベルトソン(T) クリスティン・シグムンソン(B) スコラ・カントゥルム ヘルマン・ボイマー指揮アイスランドso. | |||
録音:2018年4月、ハルパ・コンサートホール、レイキャヴィーク、アイスランド|世界初録音。古代北欧歌謡集「エッダ」に基づくヨウン・レイフス(1899-1968)のオラトリオ「エッダ」は、4部の作品として構想され、彼が大規模な作品を中心に作曲活動を行ったころ、1935年から作曲が始められた。1939年に第1部「天地創造」が完成。1951年に第2部に着手したあと作業が中断、1966年になって最後の4つの楽章を完成させた。第3部「神々のたそがれ」に取り掛かったものの、作曲者が亡くなったため第3部は未完成、第4部「復活」はテクストだけが残された。「幻のオラトリオ」とされた作品の第1部「天地創造」(BISSA-1350)は、2006年に初演され、史実をあえて無視して使った北欧青銅器時代と同じタイプの青銅ホルンや巨大な打楽器群をともなう大胆なオーケストレーションと、アイスランドのアイデンティティを刻んだ音楽により、アイスランド音楽史の貴重な遺産と呼ばれる作品になった。第2部「神々の生涯」は、「オーディン(Odinn)」「オーディンの息子(SynirOdins)」「女神(Asynjur)」「ワルキューレ(Valkyrjur)」「ノルン(Nornir)」「戦士(Einherjar)」の6楽章で構成した作品。3人の独唱者、混声合唱と管弦楽を要する大規模な音楽に作られていることもあり、作曲者の存命中には演奏されず、2018年、アイスランド著作権協会(STEF)とアイスランド独立100周年記念委員会の資金援助により初演が実現した。 | |||
J.S.バッハ(1685-1750):オルガン作品集 Vol.3 前奏曲とフーガ ハ長調 BWV.531 /幻想曲とフーガ ハ短調 BWV.537 / コラール前奏曲「いと高きところには神にのみ栄光あれ」 BWV.717 / コラール前奏曲「いと高きところには神にのみ栄光あれ」 BWV.711 / コラール前奏曲「いと高きところには神にのみ栄光あれ」 BWV.715 / コラール・パルティータ「ああ、罪人なるわれ、何をなすべきか」 BWV.770 /トッカータ ハ長調 BWV.566a / 前奏曲とフーガ ハ短調 BWV.546 /コラール前奏曲「主イエス・キリストよ、われらを顧みて」 BWV.709 / コラール前奏曲「いと高きところには神にのみ栄光あれ」 BWV.726 /パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV.582 鈴木雅明(Org|使用楽器:ゴットフリート・ジルバーマン、1714年製) | |||
録音:2018年5月、聖マリア大聖堂、フライブルク。鈴木雅明によるJ.S.バッハのオルガン作品集第3弾は、フライブルクの聖マリア大聖堂に据え付けられた銘器ジルバーマン・オルガンを使用しての録音。1990年にバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)を創設して以来、音楽監督として、またバッハ演奏の第一人者として名声を博した鈴木雅明。BCJとともにJ.S.バッハの教会カンタータ、世俗カンタータ全集は、まさに世界に誇る偉業として高く評価されている。オルガニスト鈴木雅明としても多くの録音を残しており、BISレーベルからリリースが続いているバッハのオルガン作品集は特に注目されている。「ハ」の調性の作品と「 ト長調」のコラール前奏曲を中心に「長調」と「短調」が交互に収録された当アルバムはオルガンの重厚感とともに美しい旋律が印象的な作品で構成。極めて高度な技術と表現力が要求される名曲パッサカリアとフーガも収録されており、鈴木雅明にしか表現することのできない圧倒的な演奏を披露している。バッハと同時代を生きたゴットフリート・ジルバーマン(1683-1753)が製作した聖マリア大聖堂の大オルガンは、壮麗な装いとともに今もなお華やかな響きを聴くことができる銘器。鈴木雅明の卓越した演奏でジルバーマン・オルガンの輝かしい音色を堪能することが出来る。 | |||
エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928-2016): 混声合唱のための「ヴィジリア」(洗礼者聖ヨハネ追悼の徹夜の祈り)(1971-72, rev.1996) ナイル・コレル(T) トゥーカ・ハーパニエミ(B) ニルス・シュヴェケンディーク指揮ヘルシンキ室内cho. | |||
録音:2018年8月、ヤルヴェンパー教会、ヤルヴェンパー、フィンランド。ヘルシンキ・フェスティヴァルとフィンランド正教会の共同委嘱で作曲された作品。「おお来たれ、神を賛美しよう」と詩篇103番「わたしの魂よ、主をたたえよ」に始まる第1部「晩祷(Ehtoopalvelus / Vespers)」と「聖なる三位一体に栄光あれ」から「最後の祝福」までの第2部「朝祷(Aamupalvelus / Matins)」から構成され、厚い合唱書法、微分音、ウィスパーボイス、グリッサンドを用いた、ビザンティン聖歌の伝統に近い音楽に作られた。ラウタヴァーラによると、1939年「冬戦争」の直前にラドガ湖のヴァラモ修道院を訪れた子供のころの思い出がインスピレーションになったといわれる。この作品は、本来、典礼のために作曲され、「晩祷」が1971年、「朝祷」が1972年にウスペンスキ大聖堂で初演された後、1996年に「演奏会版」が作られた。フィンランド放送室内合唱団による最初のCD録音もシュヴェケンディークとヘルシンキ室内合唱団の新録音も、この演奏会版による演奏。アイルランドのダブリン生まれ、シベリウス・アカデミーでヨルマ・ヒュンニネンとトム・クラウセに学んだナイル・コレルがテノール・ソロ、ヘルシンキ大学男声cho. (YL)をはじめとするフィンランドの合唱団で歌い、ヴォーカル・アンサンブル「Club For Five」の創設メンバーのひとり、トゥーカ・ハーパニエミ(1978-)がバスのソロを担当している。 | |||
ホセ・セレブリエール(1938-): ピアノと管弦楽のための交響的「バッハ」変奏曲」(2017-18) FR[アレクサンドル・カントロフ(P)]/ 合唱と管弦楽のための「ラメントとハレルヤ」〜(2018) FR (*) [エコーズ・デル・マル cho. ]/ フルートと管弦楽のための「フルート協奏曲、タンゴとともに」(2008) (#) [シャロン・ベザリー(Fl)]/ 管弦楽のための「タンゴ・イン・ブルー」(2001) (+)/ イングリッシュホルンと管弦楽のための「カシとタンゴ」(2002) (+)[モリー・ジャドソン(イングリッシュHr)]/ 管弦楽のための「日の出の前の最後のタンゴ」(2018) /管弦楽のためのアダージョ(2014) チャイコフスキー/セレブリエール編曲:管弦楽のための「ただ憧れを知る人だけが」(2018) FR 独奏、共演:上記[内] ホセ・セレブリエール指揮(#以外) アイルランド国立so.(無印/*)、カタルニャ国立バルセロナso.(+) テリエ・トンネセン指揮オーストラリア室内o.(#) | |||
録音:2018年10月、ナショナル・コンサートホール(無印/*) /2019年1月、レッド・ドット・スタジオ、マイアミ(*:合唱パートのみ ) /2009年10月、ユージン・グーセンス・ホール、シドニー(#) /2003年7月、サン=クガ講堂、バルセロナ(+) |世界初録音、あるいは当編曲による世界初録音FR 。ウルグアイ、モンテビデオ出身の指揮者そして作曲家のホセ・セレブリエール自作自演を含む録音集!セレブリエールは10代の頃より頭角をあらわし11歳のときには自国ウルグアイにおける最初のユースo. を組織し、同団の指揮者としてデビュー。同団結成後わずか4年間でNX-100回以上の公演を行った。また作曲家としての才能も開花させ、15歳のときに母国の作曲コンクールで優勝した。その後さらなる研鑽を積むためタングルウッド音楽センターにてコープランドに作曲をアンタル・ドラティ、ピエール・モントゥーに指揮をそれぞれ師事した。20世紀を代表する音楽家からその才能が認められたセレブリエールだが、中でも17歳の時に作曲した交響曲第1番をレオポルド・ストコフスキーが注目し1957年ヒューストンso. によって初演されたことにより世界的な音楽家への一歩を歩み始めた。指揮者、作曲家として現在も精力的な活動を展開しているセレブリエール。ここに収録された作品はいずれも今世紀に入ってからの新作で世界初録音も含みます。「交響的“BACH " 変奏曲」のピアノ独奏はチャイコフスキー国際コンクールの覇者アレクサンドル・カントロフが演奏している。オーケストラと独奏ピアノが格闘するかのような掛け合いが魅力の作品。豊かなメロディが魅力の「フルート協奏曲、タンゴとともに」ではベザリーが表情豊かに演奏する。最後に収録されたのはセレブリエールがオーケストラ版としてアレンジしたチャイコフスキーの歌曲「ただ憧れを知る人だけが」。作曲家、指揮者双方の才能からうまれるこの上なく美しい演奏が印象的。 | |||
ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871-1927): 交響曲第2番 ト短調 Op.34 (1911-15) (*) / セレナードへ長調 Op.31 (1911-13, rev.1919) (#) |
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 ヨーテボリso. | ||
録音:2013年12月(*)、2014年6月(#)、ヨーテボリ・コンサートホール、ヨーテボリ、スウェーデン、ライヴ。 ステーンハンマル(1871-1927)は、ストックホルムに生まれ、ピアニスト、指揮者、作曲家として活躍した。2つの歌劇、2曲のピアノ協奏曲と交響曲、6曲の弦楽四重奏曲、「森で」「逢い引きから帰ってきた娘」をはじめとする多くの歌曲、第2曲の「スウェーデン」が「もうひとつの国歌」のように歌われている「ひとつの国民」や「歌」といったカンタータなどを作曲。高貴さと温かみをあわせもつ音楽が、「歌の作家」ステーンハンマルの手による細やかなニュアンスに満ちたメロディとともに広く愛されてきた。彼はシベリウスと親しく、ステーンハンマルは弦楽四重奏曲第4番をシベリウスに、シベリウスは交響曲第6番を彼に献呈している。交響曲第2番は、後期ロマンティシズムに古風な様式を融合させて書かれ、「ドリア旋法の交響曲」とも呼ばれる。4分の3拍子の踊りのステップで始まる「アンダンテ・エネルジーコ」の第1楽章。変奏曲にソナタ風のエピソードを組み込んだ「アンダンテ」の第2楽章。第3楽章「スケルツォ」は、スウェーデンの軽快な踊り。第4楽章「終曲」は、序奏、対位法と声楽ポリフォニーに基づく3つの部分、コーダから構成されている。1915年4月22日、ヨーテボリのオーケストラの創立10周年コンサートで初演。ステーンハンマルの献辞がスコアの冒頭に記されている--「わが愛する友人たちヨーテボリso. メンバーに」。「セレナード」は、交響曲第2番とともにスウェーデンのオーケストラのレパートリーとして定着した作品。1907年、「憧れの地」イタリアに休暇で滞在していた時にアイデアが浮かび、交響曲第2番と同じ1911年ごろから作曲に着手。1914年1月30日、王立スウェーデンo. をステーンハンマルが指揮して初演したものの、それほどの成功を収めず、1919年になって改訂され、1920年3月3日、ヨーテボリで初演された。「とても速く快活に」の「序曲」、「ワルツのテンポで、少し静かに」の「カンツォネッタ」と「スケルツォ」と「少し遅めのアンダンテ」の「夜想曲」が切れ目なく演奏され、最後が「控えめなテンポ」の「終曲」。改訂に際してカットされた「メヌエットのテンポで」の第2楽章は、「レヴェレンツァ」(BISSA-2359)の曲名の独立した作品とされた。マサチューセッツ州スプリングフィールド生まれ、スウェーデンの指揮者ヘルベルト・ブロムシュテット(1927-)は、ブルックナーやベートーヴェンの作品とともに、カール・ニルセンをはじめとする北欧の作品も数多く手がけてきた。ステーンハンマルの作品は、ネーメ・ヤルヴィとヨーテボリ交響楽団による新録音(BISSA-2359)がリリースされた「歌」を、スウェーデン放送so. を指揮して1982年に全曲録音している。 | |||
カレヴィ・アホ(1949-): コールアングレ、ハープと管弦楽のための二重協奏曲(2014) (*) / ヴァイオリン、チェロ、ピアノと室内管弦楽のための三重協奏曲(2018) (#) ディミトリー・メストダグ(コールアングレ;*) アンネレーン・レナエルツ(Hp;*) ストリオーニ三重奏団(#) [ヴァウテル・フォッセン(Vn) マルク・フォッセン(Vc) バルト・ファン・デア・ルール(P)] オラリ・エルツ指揮アントワープso.(*/#) | |||
録音:2019年6月25日-28日、エリザベートホール、アントワープ、ベルギー|使用楽器: Cor anglais: Buffet Crampon, semi-automatic, No.12547 / Harp: Camac, type Oriane / Violin: Laurentius Storino, Cremona 1794 / Cello: Giovanni Francesco Celoniato, Turin 1730 / Piano: Steinway D 。コールアングレがソロの協奏曲はほとんどなく、ハープの協奏曲も、たくさん作られているとは言えない。カレヴィ・アホの「コールアングレ、ハープと管弦楽のための二重協奏曲」は、このふたつの楽器をソロとする、おそらく唯一の作品。アントワープso. が、ソロ・プレイヤーふたり、ディミトリー・メストダグとアンネレーン・レナエルツのために委嘱。2014年に作曲された。「タイトルのない」楽章、ハープのための「カデンツァ」、コールアングレの技巧を際立たせた「アレグロ」、「アダージョ」の終楽章と、5つの部分が切れ目なく演奏される。「空(くう)」に始まり「沈黙」に終わる音楽。アホがこれまでに書いた30を超す協奏曲と同様、ソロ楽器のコールアングレとハープの「音」の可能性を最大限に引き出し、オーケストラの色彩パレットをいっぱいに使う、さまざまな要素を含む音楽に作られている。アントワープso. がアホの作品を録音するのは、ヨルゲン・ファン・ライエンとアラン・ド・リュデがそれぞれソロを担当した「トロンボーン協奏曲」「トランペット協奏曲」(BIS SA-2196)につづいて、これが2作目。「ヴァイオリン、チェロ、ピアノと室内管弦楽のための三重協奏曲」は、アントワープso. とオランダのアンサンブル「ストリオーニ三重奏団」の共同委嘱で作曲された作品。アホが作曲に取りかかったころ、彼の孫娘が生まれ、そのとき彼女のために書いた「子守歌」が、この協奏曲のメロディ素材の核として使われている。「調性のある、夢のような」アンダンテの「子守歌」に始まり、「プレスト」「トランクィッロ・ミステリオーソ」「アンダンテ-アレグロ・モルト」とつづく4楽章の作品。「全体の雰囲気は喜びと(時には、かなりヴィルトォーゾ的な)前向きなエネルギーにあふれ、それでいてメランコリックな瞬間もある」(カレヴィ・アホ)。2019年5月11日にアントワープでマーティン・ブラビンズの指揮で初演された後、「二重協奏曲」と一緒にエリザベートホールでセッション録音された。 | |||
エストレリータ クライスラー:祈る女/ウィーン奇想曲 Op.2 / ドヴォルジャーク:我が母の教えたまいし歌 リスト/ミルシテイン編曲:コンソレーション第3番 / ポンセ/ハイフェッツ編曲:エストレリータ アクロン/アウアー編曲:ヘブライの旋律 Op.33 / パラディス/ドゥシュキン編曲:シシリエンヌ グルック/クライスラー編曲:メロディ / ドビュッシー/ハイフェッツ編曲:美しき夕暮れ エンゲル/ジンバリスト編曲:貝がら / エルガー:夜の歌/愛の挨拶 / スティル:母と子供 ホイベルガー/クライスラー編曲:真夜中の鐘 / ファリャ/コハニスキ編曲:アストゥリアス地方の歌 ガーシュウィン/ハイフェッツ編曲:うちの人は逝ってしまった / マンシーニ/ポスター編曲:ムーン・リヴァー(#) ヤング/ポスター編曲:恋に落ちた時 / アーレン/ポスター編曲:虹の彼方に エレナ・ウリオステ(Vn|使用楽器:アレッサンドロ・ガリアーノ、1706年製) トム・ポスター(P|使用楽器:スタインウェイD) マグナス・ジョンストン(Vn;#) | |||
録音:2017年1月、 SJE アーツ、オックスフォード。 魅惑のヴァイオリニスト、エレナ・ウリオステ。R.シュトラウスのヴァイオリン・ソナタを主軸にしたアルバム「反響」(BIS-2284)に続くBIS第2弾はウリオステ選曲のヴァイオリン愛奏曲集。作品は19?20世紀を代表するヴァイオリニスト、アウアー、ジンバリスト、ハイフェッツ、ミルシテイン、クライスラー編曲の珠玉の小品と、ウリオステが録音を強く希望した「ムーン・リバー」、「恋に落ちた時」、「虹の彼方に」といった作品を収録。懐かしいヴァイオリン名曲とともにアメリカ出身のウリオステならではの新鮮な感覚の選曲。クライスラーの「祈る女」はあまり知られない作品ながらとても温かく美しい小品。クライスラー死去した数日後にミッシャ・エルマンがカーネギーホールのリサイタルでクライスラーのオマージュとして演奏したことでも知られる隠れた名曲。ウリオステはうっとりするような美音で奏でる。アクロン作曲、アウアー編曲の「ヘブライの旋律」はハイフェッツやハシッドが愛奏したことでも知られる代表作。民族色を色濃く呈したこの作品をウリオステは思いを込めて演奏する。カーティス音楽院にて学んだウリオステは名教師ジョゼフ・シルヴァースタインに師事。またパメラ・フランク、イダ・カヴァフィアンなどから薫陶を得て、現在はアメリカを中心に活躍している。 | |||
ハイドン(1732-1809): 十字架上のキリストの最後の7つの言葉 Hob.XX: 1C / アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII: 6, Op.83 |
ニコラ・スタヴィ(P| 使用楽器: Steinway, D-274 ) | ||
録音:2006年1月、サン=マルセル寺院、パリ|初出・旧品番: Mandala (FRANCE), MAN-5106) 世界初録音のフォーレのピアノ作品集(BISSA-2389)や難曲揃いで知られる旧ソ連の作曲家ティシチェンコのピアノ作品集(BISSA2189)でも注目を集めるニコラ・スタヴィ。当録音はかつてMandalaレーベルからリリースされていたハイドンのアルバムで、この度BISレーベルによりリマスタリングし同レーベルからSACDハイブリッド盤で再発売する。ハイドンの代表作「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」は1785年に管弦楽作品のために作曲されたが、その後1787年には四旬節にスペインのカディスで演奏するために弦楽四重奏版を、さらに1794年に歌詞をつけたオラトリオ版を編曲している。当録音ではハイドンが監修したクラヴィーア用の編曲版をピアノで演奏している。演奏のニコラ・スタヴィはドミニク・メルレに学んだ後アルフレート・ブレンデル、ジェラール・フレミー、クリスティアン・イヴァルディらの薫陶も受けた。ユンディ・リが優勝した2000年のショパン・コンクールで特別賞、翌2001年のジュネーヴ国際音楽コンクールでは第2位を受賞した実力派。 | |||
2018年第10回浜松国際ピアノコンクール第1位〜ジャン・チャクムル ベートーヴェン/リスト編曲:アデライーデ S.466, R.121 シューベルト:ピアノ・ソナタ第7番 変ホ長調 D.568 ハイドン:アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII: 6 ファジル・サイ(1970-):ブラック・アース(黒い大地) Op.8 バルトーク:戸外にて Sz.81 / 佐々木冬彦(1965-): SACRIFICE (2017) ジャン・チャクムル(P|使用楽器 Kawai SKEX(Shigeru Kawai Concert Grand ) | |||
録音:2019年1月、アクトシティ浜松コンサートホール、セッション|旧・国内仕様盤: KKC-4169 〔廃盤〕。 2018年第10回浜松国際ピアノコンクール第1位のほか、同コンクールの室内楽賞、札幌市長賞など数々の賞に輝いたジャン・チャクムルのデビュー盤がBISレーベルより緊急リリース!2019年1月、コンクールの会場となったアクトシティ浜松におけるセッション録音。収録作品は予選でも絶賛されたハイドンのアンダンテと変奏曲、バルトークの戸外にて、当コンクールの委嘱作品である佐々木冬彦作曲のSACRIFICE 、さらにはベートーヴェン(リスト編曲)のアデライーデ、シューベルトのピアノ・ソナタ第7番、そしてチャクムルの母国であるトルコ出身のピアニスト、ファジル・サイ作曲のブラック・アース。繊細で透き通るように美しいチャクムルの演奏を堪能することが出来る。1997年トルコのアンカラ生まれのジャン・チャクムルはレイラ・ベケンシル及びアイシェ・カプタンのもとで音楽を学び始め、6年間師事した菅野潤やエムレ・シェンに多大な影響を受けた。2012年にアンカラの高校を卒業後、パリのスコラ・カントルムにてマルセラ・クルデリに師事し2014年に首席で卒業。現在、ワイマールにてグリゴリー・グルツマンに師事し研鑽を積んでいる。2017年にはスコットランド国際ピアノコンクールで第1位、翌2018年には第10回浜松国際ピアノコンクールで第1位を受賞、現在その活躍が最も期待される若手ピアニストのひとり。 なお、チャクムルは同コンクールの優勝者ツアーとして2019年4月より全国20公演をこえる演奏会が予定されている。 BIS ecopak パッケージについて: BISレーベルの社主、ロベルト・フォン・バール氏が環境に配慮した「 BIS ecopak パッケージ」を採用。こちらのパッケージは、森林認証制度のFSC 及びPEFC を取得している素材、また環境に配慮された接着剤や大豆油インク、水性ニスを使用しリサイクル性に優れており、プラスチックは使用されていない。今後、当レーベルではこちらのパッケージでのリリースが増えていく予定。 | |||
嘆き [Lament] ラーシュ・ペッテル・ハーゲン(1975-):嘆き(2015)(合唱、エレクトロニクスと打楽器ソロのための)(*) ニルス・ヘンリク・アスハイム(1960-): 雪(Muohta - Language of Snow)(2017)(合唱と弦楽オーケストラのための)(**) アーネ・ヌールハイム(1931-2010): オーロラ(Aurora)(1984)(独唱者、合唱、2つの打楽器グループと電子音のための版)(***) グレーテ・ペーデシェン指揮ノルウェー・ソリストcho. ハンス=クリスティアン・ショス・ソーレンセン(Perc;*) アンサンブル・アレグリア(**) ダニエル・パウルセン、テリエ・ヴィーケン(Perc;***) | |||
録音:2018年8月-9月、オストレ・フレドリクスタ教会、オストフェル、ノルウェー(*/***) /2019年6月、リス教会、オスロ(**)。オスロのヴォーカルグループ「ノルウェー・ソリスト合唱団Det Norske Solistkor」は、1950年の創設以来、意欲的なプログラムによる活動でノルウェーを中心とする現代音楽シーンをリードしてきた。1990年、グレーテ・ペーデシェンGrete Pedersenが芸術監督に就任、創設者ニューステットの意思を継いだ活動を続けている。近年、BISレーベルとのコラボレーションが始まってからは、アカペラ合唱作品とともに、器楽と共演する作品の録音も継続して行うようになった。ヘルゲ・リーエンをはじめとするジャンルを超えたプレイヤーが参加したアルフレード・ヤンソンの作品集「風は思いのままに吹く」 (BISSA-2341)、ノルウェー放送o. と共演したルチアーノ・ベリオの「コーロ」 (BISSA-2391)など、いずれも注目され人気を呼んだアルバム。新しいアルバムのタイトルに採られたラーシュ・ペッテル・ハーゲン Lars Petter Hagenの「嘆き」は、打楽器奏者のハンス=クリスティアン・ショス・ソーレンセン Hans-Kristian Kjos Sorensenが、ノルウェー・アーツカウンシルの支援を受けて委嘱した作品。アメリカの詩人、自由なスタイルでウィットとユーモアを交えながら愛にあふれる詩を書いた E.E.カミングズ(1894-1962)が6歳の時に作った詩をテクストとする「無題-空虚 -無題(Untitled - Void - Untitled)」「空虚(Void)」「嘆き(Lament)」の3曲で構成した、静けさとゆっくりした足取りが特徴的な音楽。ニルス・ヘンリク・アスハイムNils Henrik Asheimの「雪」は、「ulahat」(雪に覆われてかろうじて見える冬の道)、「-adgit」(雪が降だす時の軽くまばらな雪片)といった、「雪」にちなむサーミ語の18の単語が合唱によって歌われる、ハイドンの「四季」への「応答」として作曲された合唱と弦楽オーケストラの作品。ノルウェー・ソリスト合唱団の委嘱で作曲され、2018年の「北欧音楽委員会賞」を受賞した。J.S.バッハの「モテット」(BISSA2251)の「アンサンブル・アレグリアEnsemble アレグリa」の共演による録音。「オーロラ」は、アーネ・ヌールハイムArne Nordheimが、1984年、前年に亡くなった「キャシー・バーベリアン追悼(In memoriam Cathy Berberian)」の音楽として書いた作品。「神が天上から人類を見つめる」「ダヴィデの詩編」139番「主よ、あなたはわたしを究め、わたしを知っておられる」と「ダンテが神と天の光を見上げる」「神曲」の最終歌をテクストに、合唱、4人の独唱者、2人の打楽器奏者とエレクトロニクスにより演奏される。フリーランスのプレイヤー、ダニエル・パウルセンDaniel Paulsenと、オスロ・フィルハーモニック副首席奏者のテリエ・ヴィーケンTerjeVikenが打楽器を担当して録音された。 | |||
デュカ:「ポリュークト」序曲(1891) / スケルツォ「魔法使いの弟子」(1897) ルーセル:バレエ「蜘蛛の饗宴」 Op.17 (1912-13) |
パスカル・ロフェ指揮 フランス国立ロワールo. | ||
録音:2018年7月、ナント、フランス。デュカが、ゲーテのバラードを基に「管弦楽のためのスケルツォ」として作曲した「魔法使いの弟子」。ジャック・ルシェの委嘱を受けたルーセルがファーブルの「昆虫記」に基づいて作曲、夏の一日、庭の片隅で虫たちが戦う姿をバレエの音楽にした「蜘蛛の饗宴」。異教徒のキリスト教への改宗をテーマにしたコルネイユの劇によるデュカの演奏会序曲「ポリュークト」。フランス国立ロワールo. (ONPL)は、1971年9月、ピエール・デルヴォーが指揮してナントとアンジェで最初のコンサートを行い、1996年から「国立」として活動している。パスカル・ロフェは、パリ音楽院で学び、アンサンブル・アンテルコンタンポランでブーレーズとコラボレートした。2014年から音楽監督を務めている。 | |||
ソラブジ:100の超絶技巧練習曲 より (完結編)〔第84番−第100番〕 |
フレドリク・ウレーン (P|使用楽器:スタインウェイ D ) | ||
録音:2018年6月、2019年5月、2019年12月、アウラ・メディカ、カロリンスカ研究所内、ストックホルム、スウェーデン。イギリスの作曲家、ピアニストのカイクシュルー・シャプルジ・ソラブジ(1892-1988)の超大作「100の超絶技巧練習曲」の全曲録音がついに完成。対位法と和声はある程度基本的な教育は受けたものの、ほとんど独学で作曲とピアノを学んだソラブジ。その優れた手腕で独奏会を開いていたものの、やがてコンサート活動を放棄し、その後は作曲家、批評家としても活躍した。「100の超絶技巧練習曲」は身の毛のよだつ難曲で、全100曲通すと7時間かかる。第6集には第84番から第100番が収録されている。いずれも狂気じみた音楽ながら、ピアノならではの妖しい美しさに満ちている。名手フレドリク・ウレーンが挑んだ全録音は一大偉業達成とも言えるだろう。第1-25番(BIS-1373)、第26-43番(BIS-1533)、第44-62番(BIS-1713)、第63-71番(BIS-1853)、72-83番(BIS-2223)、好評発売中。 | |||
ニコス・スカルコッタス(1904-1949)/ヤニス・サンプロヴァラキス編曲: シンフォニエッタ 変ロ長調(1948) (#) /ヴァイオリン、ピアノと管弦楽のための協奏曲(1930) / ヴァイオリンと室内管弦楽のための組曲(1929) / Digenes in his Last Agony (1935) (*) /2つの行進曲と9つのギリシャ舞曲(1946-47) ゲオルギオス・デメルツィス(Vn) ヴァシリス・バルブァレソス(P) バイロン・フィデツィス指揮アテネpo. エレフテリオス・ヴェニゼロス(Vo[1930年収録の歴史的録音より];*) | |||
録音:2017年9月(#)、2018年2月(#以外)、アルテミス・マライアラス・ホール、アテネ。 BISレーベルが力を注いで世界初録音に取り組んでいるシェーンベルク門下のギリシャの作曲家ニコス・スカルコッタス(1904-1949)。当ディスクにはヴァイオリンやピアノのソロが伴う協奏的管弦楽曲が収録されている。スカルコッタス自身がヴァイオリニストでもあったため、とりわけヴァイオリン作品には独特の面白さがあるが全作品共通して言えるのが、難技巧が要求されること。また当録音で注目のひとつといえるのが「Digenes in his Last Agony」。この作品には20世紀前半、ギリシャを代表する政治家エレフテリオス・ヴェニゼロスの肉声をディジタル編集し当作品に加えている。ギリシャの演奏家がスカルコッタスの作品を全身全霊で演奏している。 | |||
エレキギターによるグルジェフ サイイドと踊り〔3種〕/嵐の月日が過ぎ去ったように/ブハラのデルヴィシュ/祈り/ ガファルとゼイナブが夢遊病状態で歩いた時/チベット・ダンス/ モルト・レント・エ・リベラメンテ/フラグメント第4/キリストの復活/瞑想/聖書を読んで ギュンター・ヘルビヒ(エレキG) | |||
録音:2017年3月、2018年4月、音楽制作会社ハタイタニ、ウェリントン、ニュージーランド。アルメニア生まれの神秘主義思想家にして稀代の奇人ゲオルギー・グルジェフ(1866頃-1949)。多才な彼の遺産のひとつに作曲がある。実際は一本指で弾いたものを友人の作曲家トーマス・ド・ハルトマンが曲に仕立ているが、膨大な数が残され一部でカルト的な人気を誇っている。彼が放浪のさなか中央アジアやアフガニスタン、チベットで接した民俗音楽の要素を採り入れた個性的作品ばかりで、時代を先んじた感性に驚かされる。キース・ジャレットをはじめ音源はいくつかあるが、前代未聞な演奏が登場。ニュージーランドのギタリストギュンター・ヘルビヒが自ら編曲したグルジェフのピアノ曲13篇をなんとエレキギターで演奏。それもグレッチの銘器ホワイトファルコンの美しい音色で響く。ヘルビヒはドイツ出身で、10代の頃にスピリチュアルに興味を持ちグルジェフの著作に強い影響を受けて以来、彼にとって大事な存在だったとのこと。エレキギターだとより幻想的な音世界が広がり、情感を込めるのが容易なうえ、ピアノではできない微分音を出せるため、民俗音楽独特なメリスマを絶妙に表現している。ワールドミュージック・ファンにもオススメ。 | |||
アラム・ハチャトゥリアン(1903-1978):ピアノ作品集 ピアノ・ソナタ(1961) /2つの小品(1926) /子供のアルバム第1巻(1947) / 詩曲(1927) /ソナチネ ハ長調(1959) /トッカータ(1932) イヤード・スギャエル((P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2018年12月、チータム音楽学校内ストーラー・ホール、マンチェスター、 UK 。1993年、ヨルダン・ハシミテ王国の首都アンマンに生まれ、現在欧米で活躍する俊英ピアニスト、イヤード・スギャエルがハチャトゥリアンのピアノ作品を収録した。バレエ音楽「ガイーヌ」の「剣の舞」など、民族音楽が明確に継承された名作を数多く残したハチャトゥリアンだがピアノ作品でもアルメニア、グルジア、トルコ、アゼルバイジャンなどの民族音楽と西洋音楽とを融合させた情感豊かで強いリズムが印象的な作品を残している。ここに収録されたトッカータでは打楽器的な手法と東洋的な旋律が用いられるなど、華やかな演奏効果でハチャトゥリアンのピアノ作品の中では最も演奏される作品として知られる。 | |||
シューマン:ピアノ三重奏曲集 Vol.1 ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.63 / 幻想小曲集 Op.88 / ピアノ三重奏曲第2番 ヘ長調 Op.80 |
クングスバッカ・ピアノ三重奏団 [マリン・ブロマン(Vn) イェスパー・スヴェドベリ(Vc) サイモン・クラウフォード= フィリップス(P)] | ||
録音:2018年9月、セントジョージ、ブリストル。1997年創設のクングスバッカ・ピアノ三重奏団がシューマンのピアノ三重奏曲集の録音を開始した。当団はメルボルン国際室内楽コンクールで最優秀賞を受賞後、BBCラジオに出演しヨーロッパを中心に活躍の場を広げてきた。精緻なアンサンブルが魅力の当団が真正面からとらえたシューマンの演奏には説得力とともに雄弁に語る歌い口も印象的。シューマンはヴァイオリン、チェロ、ピアノための三重奏曲として、ピアノ三重奏曲の名で3作品、「幻想小曲集」1曲を残した。 | |||
モーリス・ラヴェル(1875-1937): クープランの墓(*) 〔プレリュード/フーガ/フォルラーヌ/リゴドン/メヌエット/トッカータ〕 (フーガ、トッカータ:ケネス・ヘスケス管弦楽編曲| 1914-17/19, 2013 )/ 道化師の朝の歌(1904-05/18) /海原の小舟(1904-05/06?) (*) / 亡き王女のためのパヴァーヌ(1899/1910) (#) /古風なメヌエット(1895/1929) (#) /ラ・ヴァルス(1919-20) マルクス・マスクニッティ(Hr;*) サカリ・オラモ指揮ロイヤル・ストックホルムpo. | |||
録音:2020年2月12日-15日(#以外)、2021年3月24日-26日(#)、ストックホルム、コンサートホール、スウェーデン、セッション&ライヴ。サカリ・オラモ率いるロイヤル・ストックホルムpo. 。ニルセンの交響曲録音でも人気を集めているが、当録音ではラヴェルの管弦楽曲に挑んだ。「クープランの墓 」は同名のピアノ曲から「 @ . プレリュード/B . フォルラーヌ/D . メヌエット/C . リゴドン」の4曲をラヴェル自 身が管弦楽編曲。当演奏ではラヴェルが省略した「A . フーガ」と「E. トッカータ」の2つの楽章をケネス・ヘスケスが管弦楽編曲したものを加え、原曲のピアノ作品の通りの順番で演奏している。ラヴェルの代表曲「亡き王女のためのパヴァーヌ」ではホルン奏者マルクス・マスクニッティがソロを務めている。マスクニッティは1994年開催のミュンヘン国際コンクールなど、数々のコンクールに入賞している実力派。BPOの首席奏者を務めたキャリアをもつマスクニッティがこの上なく美しいあの旋律を奏でている。このほか、「道化師の朝の歌」、「海原の小舟」、「古風なメヌエット」、そして「ラ・ヴァルス」と、サカリ・オラモの冴えわたるラヴェルをお楽しみ頂きたい。 | |||
affinities - Greek and German art songs ヤニス・コンスタンティニディス(1903-1984):「ギリシャ人の20の歌」より 〔第2番 Young Irene /第19番 The Break of Day /第10番 The Black Headscarf /第16番 Tonight at Midnight 〕 ツェムリンスキー(1871-1942):乙女の嘆き/ Mädel, kommst du mit zum Tanz? / Nun schwillt der See so bang マノリス・カロミリス(1883-1962) (*): I neraidoparméni / I neráida / Rumeliótissa シェーンベルク(1874-1951):期待 Op.2 No.1 /乙女の歌 Op.48 No.3 ディミトリ・ミトロプーロス(1896-1960):船員の死(*) /アプロディーテーへ ヴァイル(1900-1950):別れの手紙/ Klops Lied / フィリップ・ヤルナッハ(1892-1982):子供の不思議な角笛 ニコス・スカルコッタス(1904-1949): I lafina (*) / ルートヴィヒ・トゥイレ(1861-1907):嘆き アントン・ベーア=ヴァルブルン(1864-1929): Mariæ Sehnsucht エミリオス・リアディス(1880-1935):「9つの短いギリシャの歌」より 〔 Magissa / Missiriotissa 〕 ドミトリス・リャリオス(1869-1940): Es erklingt wie Liebestone (*) ファニー・アントネルー(S) ケルスティン・モルク(P) | |||
録音:2017年8月/ライツターデル、ノイマルクト(ドイツ)| (*):世界初録音。ギリシャとドイツの芸術にまつわる歌曲。注目はギリシャ人の指揮者ディミトリス・ミトロプーロス作曲による歌曲も収録していること。ミトロプーロスは大指揮者にしてピアニスト、作曲家としても活躍。ここに収録した歌曲はミトロプーロスの多才さを示した作品と言える。≪haenssler≫スピリチュアルな世界。 | |||
チャイコフスキー(1840-1893):ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35 (1878) バーバー(1910-1981):ヴァイオリン協奏曲 Op.14 (1939) ユーハン・ダーレネ(Vn) ダニエル・ブレンドゥルフ指揮ノルショーピングso. | |||
録音:2019年1月、ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノルショーピング、スウェーデン。BISレーベルの社主ロベルト・フォン・バール氏はこれまでエフゲニー・スドビン、アレクサンドル・カントロフなど数多くの若き才能を見出してきた。今回はバール氏大推薦のヴァイオリニスト、ユーハン・ダーレネが堂々のデビュー録音をリリースする。バール氏はダーレネが9歳の時からその才能に注目していたという逸材。ユーハン・ダーレネは、2000年スウェーデンのノルショーピングに生まれた。4歳からヴァイオリンを習い、3年後、初めてプロのso. と共演した。王立ストックホルム音楽大学でペール・エーノクソンに学び、ドラ・シュヴァルツベルク、パメラ・フランク、ゲルハルト・シュルツ、デトレフ・ハーン、ヘンニング・クラッゲルードのマスタークラスに参加している。ヨーロッパ、中国、南アフリカのオーケストラにソリストとして客演、ローランド・ペンティネン、イングリ・アンスネスたちの共演でリサイタルに出演。2018年には「ノルウェー・クレッシェンド」プログラムでジャニーヌ・ヤンセン、レイフ・オヴェ・アンスネス、ギドン・クレーメルに教わった。デンマークのオーゼンセで行われたカール・ニルセン国際コンクール、2019年ヴァイオリン部門で第1位。2020年/ 2021年のシーズン、スウェーデン放送so. の「アーティスト・イン・レジデンス」を務めることが決まっている。彼の弾くヴィオリンは、1736年製のアントニオ・ストラディヴァリウス。オスロの「アンデシュ・スヴェオース公益基金」から貸与された楽器。ダーレネのBISレーベルへの初めての録音に選んだ作品はチャイコフスキーとバーバーのヴァイオリン協奏曲。ダーレネは抜群のテクニックと10代とは思えないほどの堂々たる演奏を披露している。ダーレネが、2018年/2019年シーズン、「アーティスト・イン・レジデンス」として共演したノルショーピングso. は、1912年に設立されヘルベルト・ブロムシュテット、オッコ・カム、広上淳一、オーレ・クリスティアン・ルード、リュー・チャーたちが首席指揮者を務め、スウェーデンを代表するオーケストラのひとつと呼ばれるようになった。指揮者のダニエル・ブレンドゥルフ(1981-)は、ストックホルム県ハーニンゲ生まれ。トゥールレイフ・テデーンとハインリヒ・シフにチェロを学び、2005年、ヨルマ・パヌラの勧めで指揮を始めた。マルメso. とスウェーデン放送so. を指揮したブリッタ・ビューストレムの作品集「見えざる都市」が代表的アルバム。現在、ダーラナ・シンフォニエッタの首席指揮者を務めている。スウェーデンの音楽家たちが共感を寄せるバーバーの音楽。木々の紅葉が青空に映えるアメリカ東海岸の抒情とも異なる、みずみずしい若葉のような抒情が薫る。 | |||
春がやってくる〜フィンランド大公国の希少合唱曲集 エルッキ・メラルティン(1875-1937):朝に(J.H.エルッコの詩) カール・コッラン(1828-1871):朝の歌(ルートヴィヒ・ウーラントの詩) ヘンリク・ボレニウス(1840-1909):歌うつがいの鳥に寄せて(サクリス・トペリウスの詩、フィンランド語訳者不詳) カール・ヨハン・モーリング(1832-1868): 待つ者(カール・ユーハン・モーリングの詩)/復讐(ユーハン・ルードヴィーグ・ルーネベリの詩) ベルンハード・ヘンリク・クルーセル(1775-1838): 幸あれ、なんじ気高き北の国!(フレードリク・ベルンハード・コステルの詩) 「ピエ・カンツィオーネス」/ヘイッキ・クレメッティ(1876-1953):緑の季節に/来たれ、祝福されし春 フレードリク・パーシウス(1810-1891):春の朝(ユーハン・ルードヴィーグ・ルーネベリの詩) ラファエル・レテーン(1845-1898):夕べの歌(作曲者不詳の詩) フレードリク・アウグスト・エールストレム(1801-1850):白鳥(ユーハン・ルードヴィーグ・ルーネベリの詩) ロベルト・カヤヌス(1856-1933):セレナード(エーリク・ユーハン・スタグネリウスの詩) 伝承曲/エミール・シヴォリ(1864-1929)編曲:喜びと悲しみ(フィンランド民謡) ルードヴィーグ・シーリヤンデル(1851-1911):森の中で(作曲者不詳の詩) ペッカ・ユハニ・ハンニカイネン(1854-1924):プンカハルユの歌う娘(A.オクサネンの詩) エーリク・アウグスト・ハーグフォシュ(1827-1913):春のポルスカ(A.O.ヴィアレーンの詩) 伝承曲/マルティン・ヴェゲリウス(1846-1906)編曲:娘は踊りの輪に入る(ウーシマーの輪踊り) ルードヴィーグ・シーリヤンデル(1851-1911):静かに!(作曲者不詳の詩) プリムス・レッパネン(1872-1934):一度だけ夏の夢を見た(エイノ・レイノの詩) エミール・ゲネツ(1852-1930):静かな国へ(ヨハン・ガウデンツ・フライヘル・フォン・ザーリス=ぜーヴィスの詩) アルマス・ヤルネフェルト(1869-1958):孤児と小鳥/恋しい人の小道(「カンテレタル」の詩) エルッキ・メラルティン(1875-1937):ダルトゥラの葬送歌(「オシアン」/J.L.ルーネベリ/ユリヨ・ヴェイヨラ) オスカル・メリカント(1868-1924):東から吹く風の中に(セヴェリ・ヌオルマーの詩) エルッキ・メラルティン:輪踊りの歌(作曲者不詳の詩) 伝承曲/リカルド・フレデリク・ファルティン(1835-1918)編曲:輪踊りの歌(フィンランド民謡) ガブリエル・リンセーン(1838-1914):収穫作業人の歌(サクリス・トペリウスの詩) ニルス・シュヴェケンディーク指揮ヘルシンキ室内cho. | |||
録音:2017年3月-4月、ヤルヴェンパー教会、ヤルヴェンパー、フィンランド。 ヘルシンキ室内合唱団と芸術監督ニルス・シュヴェケンディークの「エーリク・ベリマン合唱作品集1936年-2000年」(BIS-2252)と「祝え喜べ!-フィンランドのクリスマス」(BISSA-2322)に続くアルバム。フィンランドがロシア支配の大公国だった1809年から1917年の時代に作曲され、シベリウスの音楽やナショナル・ロマンティシズムが主流になるとともに忘れられていった後期ロマンティシズムのスタイルの合唱曲。アルバムのテーマは「春」。ロシア帝国の自治領だった「冬の時代」から解放された「フィンランドの春」が重ね合わせられている。フィンランド国歌を作曲したパーシウスの「春の朝」、クラリネットの協奏曲と四重奏曲で知られるクルーセルの「幸あれ、なんじ気高き北の国!」、混声cho. 「シルヴィア・クラブ」を創設したカール・ヨハン・モーリングの「待つ者」と「復讐」、彼の合唱団で歌っていたガブリエル・リンセーンの「収穫作業人の歌」とヘンリク・ボレニウスの「歌うつがいの鳥に寄せて」、ヘルシンキ音楽学校(現、ヘルシンキ芸術大学シベリウス・アカデミー)を創設したマルティン・ヴェゲリウスが民謡を編曲した「娘は踊りの輪に入る」、後任として校長を務めたメラルティンの3曲。人気のあった歌を当時のスタイルで再現するため、フィンランド化の進む中でフィンランド語の歌詞に置き換えられスウェーデン語やドイツ語の歌は、一部の曲をのぞき、オリジナルの詩が歌われる。エールストレムの「白鳥」とコッランの「朝の歌」は、オリジナルの詩による楽譜が見当たらず、フィンランド語の歌詞からそれぞれウェーデン語とドイツ語に復元。ボレニウスの「歌う番いの鳥に」は、トペリウスの詩が紛失したため、最初に出版されたフィンランド語歌詞の楽譜が使われた。 | |||
ヴァスクス(1946-): ヴィオラと弦楽オーケストラのための協奏曲(2014-15) (*) / 弦楽オーケストラのための交響曲「声」(1991) マクシム・リサノフ(Va|使用楽器:グァダニーニ、1780年製)指揮シンフォニエッタ・リガ | |||
録音:2018年10月、セント・ジョーンズ教会、リガ、ラトヴィア| (*):世界初録音。 世界が注目するヴィオラ奏者、マクシム・リサノフ[マキシム・リザノフ]。ソリストとして活躍するほか、ジャニーヌ・ヤンセン、マルティン・フレストなど世界の名だたる演奏家から絶大なる信頼を寄せられている演奏家。近年は指揮活動にも積極的に取り組み活躍の場を広げている。注目の新録音はシンフォニエッタ・リガとの共演でラトヴィアの現代作曲家ヴァスクスの作品2篇を作曲家立会いの下、録音した。コントラバスとして音楽活動を開始したヴァスクスはリトアニアにて作曲を学んだ。現在も現役の作曲家として活躍している。リサノフに献呈され世界初録音となったヴィオラと弦楽オーケストラのための協奏曲は、ヴィオラの低音域ではじまる「アンダンテ」、弦楽オーケストラとヴィオラが印象的なコントラストをうむ「アレグロ・モデラート」、ヴィオラの旋律美を堪能できる「アンダンテ」、情熱的なクライマックスを迎えやがて暗闇へと誘う「アダージョ」の全4楽章で構成された作品。カップリングはギドン・クレーメル率いるクレメラータ・バルティカが演奏・録音したことによりヴァスクスの名が世界的に知れることとなった代表作、弦楽オーケストラのための交響曲「声」。この作品は「沈黙の声」、「生命の声」、「良心の声」の3楽章からなり、ヴァスクスらしい抒情的な音楽が特徴。演奏は2006年に創設され、これまでにグラミー賞などの受賞歴を誇るシンフォニエッタ・リガ。母国の作品を積極的に演奏・録音している室内オーケストラ。 | |||
シューベルト(1797-1828): 歌曲集「冬の旅」 D.911(全24曲) |
ペーテル・マッテイ(Br) ラーシュ・ ダーヴィド・ニルソン(P) | ||
録音:2018年11月、スタジオ・アクースティクム、ピテオー、スウェーデン。1965年スウェーデン生まれのバリトン歌手のペーテル・マッテイが満を持して「冬の旅」を録音した。オペラ作品を中心に幅広いレパートリーを誇るマッテイだが、50代半ばとなった今、ドイツ・リートの代表作にして最高傑作「冬の旅」を驚くほど美しい歌声で披露。マッテイの現在の充実ぶりを示した注目盤のリリース。ピアノのニルソンもマッテイにぴたりと合わせ好演を聴かせてくれる。録音はピテオーのスタジオ・アクースティクムで行われた。 | |||
ロカテッリ(1695-1764):「ヴァイオリンの技法」 Op.3 より ヴァイオリン協奏曲〔ト長調 Op.3 No.9 /イ長調 Op.3 No.11 /ニ長調 Op.3 No.12 〕 イリア・グリンゴルツ(Vn|使用楽器:フェルディナンド・ガリアーノ、1770年頃制作/ 使用弓:ルイス・エミリオ・ロドリゲス制作)指揮フィンランド・バロックo. | |||
録音:2019年1月、ヤルヴェンパー教会、ヤルヴェンパー、フィンランド。鬼才イリア・グリンゴルツがロカテッリの「ヴァイオリンの技法」から3曲を録音!1733年に出版されたピエトロ・ロカテッリの代表作、独奏ヴァイオリン、弦楽器と通奏低音のための「ヴァイオリンの技法」 Op.3は12曲のヴァイオリン協奏曲と24のカプリッチョ(随意)による各3楽章構成の作品。のちのパガニーニの24の奇想曲の先駆をなし、その美しい旋律と独奏ヴァイオリンの華麗な技巧が最大の魅力。注目はなんといってもグリンゴルツの圧倒的な技巧で聴くカプリッチョ。第11番 イ長調の第3楽章ではなんと第17ポジションまで到達する驚きの高音部まで演奏。確固たる技術を武器にグリンゴルツは流麗に奏でる。フィンランド・バロックo. との対話も実に見事でアンサンブルを楽しみながら優美に演奏している。イリア・グリンゴルツは弱冠16歳のときにパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝して一躍世界的に有名になった。その後、パガニーニの協奏曲第1番でCDデビュー(BIS999)し注目を集め、以後バロックから現代まで幅広いレパートリーを、BISレーベルをはじめとする様々なレーベルから積極的なリリースを続けているヴァイオリニスト。当録音では1770年ごろに制作されたフェルディナンド・ガリアーノの名器を使用。温もり感じる艶やかな音色が魅力。 | |||
ソロ〜カレヴィ・アホ(1949-): ソロ〔 IV (チェロのための) (1997) [サムリ・ペルトネン(Vc)/ 2018年10月、カレヴィ・アホ・ホール、ラハティ、フィンランド]/ XII - EJR 追悼(ヴィオラのための)(2016) [戸川ひより(ヒヨリ・トガワ)(Va)/ 2020年1月/アンドレーアス教会、ベルリン=ヴァンゼー、ドイツ]/ IX (オーボエのための)(2010) [ピート・ヴァン・ボクスタル(Ob)/ 2010年9月、ポットン・ホール、サフォーク、イングランド、 UK ]/ XIV (クラリネットのための)(2018) [シモン・ライトマイアー(Cl)/ 2019年2月、ポットン・ホール、サフォーク、イングランド、 UK ]/ V (ファゴットのための)(1999) [ブラム・ファン・サムベーク(Fg)/ 2015年11月、スウェーデン放送第2スタジオ、ストックホルム、スウェーデン]/ X (ホルンのための)(2010) [マリー=ルイーズ・ノイネッカー(Hr)/ 2011年7月、オステローケル教会、スウェーデン]/ III (フルートのための) (1990-91) [シャロン・ベザリー(Fl)/ 2000年10月、フルビー教会、スウェーデン]〕 | |||
録音:[/内]|3曲が初出、4曲は既出音源。フィンランドのカレヴィ・アホ(1949-)は、17曲の交響曲と32曲の協奏曲を2020年までに完成させ、今日、管弦楽のための作品をもっとも多く手がける作曲家のひとり。また、長いキャリアの中で室内楽と器楽の作品も数多く作曲し、特に1975年のヴァイオリンのための作品に始まる「ソロ(Solo)」のシリーズは、すでに17曲を書きあげている。カレヴィ・アホのエッセンスが凝縮された「ソロ」のシリーズは器楽奏者たちの貴重なレパートリーとして演奏されている。BISレーベルは協奏曲と組み合わせてリリースされた作品も含め、全17曲をまとめることを企画。その第1弾となる当アルバムには7曲を収めている。「ソロIV」は、トゥルク音楽協会のコンペティションのための委嘱で作曲された。チェロの「技巧」よりも「旋律線の美しさの表出と演奏の純度の高さ」に重点を置いて作曲された作品。フィンランドのサムリ・ペルトネンによるこの演奏が、初録音。「ソロXII」は、アホが作曲を学んだエイノユハニ・ラウタヴァーラ(EJR)の訃報に接した後、ラップランドのフェスティヴァルでヴィオラ奏者の戸川ひよりと出会い、作曲が決まった。「ヴィオラのハーモニックス」と「普通のヴィオラの音」の音に「人生」が重ねられ、戸川ひよりに結婚のプレゼントとして贈られた。アホは、この後、彼女のソロ・アルバム「孤独の歌」(BISSA-2533)のために「地平線にて」を作曲している。「ソロXIV」は、オーストリアのクラリネット奏者、シモン・ライトマイアーのたっての願いで作曲が実現した作品。「マルチフォニック・サウンド」のための高い技術が求められ、アホは、すべてうまくいけば「とてもいい感じの曲」と言っている。この録音の翌年、2019年10月12日、インスブルックで初演された。残りの4曲は、過去のアルバムに収録されていた作品。「オーボエ協奏曲」(BISSA-1876)を録音したベルギーのオーボエ奏者ピート・ヴァン・ボクスタル(1963-)にアホが献呈した「ソロIX」。オランダのブラム・ファン・サムベーク(1980?)が、「ファゴット協奏曲」(BISSA-2206)と組み合わせるために録音した「ドラマチックな」「ソロV」。ドイツのホルン奏者マリー=ルイーズ・ノイネッカー(1955-)のブラームスとリゲティのホルン三重奏曲のアルバム(BISSA-1859)のための「ソロX」。「ソロIII」は、シャロン・ベザリーが「ソロ・フルートA - Z Vol.1」(BIS-1159)のために委嘱した作品。 | |||
グリンゴルツSQ & META4 メンデルスゾーン(1809-1847):八重奏曲 変ホ長調 Op.20 エネスク(1881-1955):弦楽八重奏曲 ハ長調 Op.7 グリンゴルツSQ [イリヤ・グリンゴルツ、アナヒット・クルティキャン(Vn) シルヴィア・シモネスク(Va) クラウディウス・ヘルマン(Vc)] META4 [アンティ・ティッカネン、ミンナ・ペンソラ(Vn) アッテ・キルペライネン(Va) トマス・デュプシェバッカ(Vc)] | |||
録音:2018年12月、セッロホール、エスポー、フィンランド。これはすごい。グリンゴルツ・クァルテットとMETA4がメンデルスゾーンとエネスコの八重奏曲を録音した。イリア・グリンゴルツは弱冠16歳のときにパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝して一躍世界的に有名になった。その後、パガニーニの協奏曲第1番でCDデビュー(BIS-999)し、イザイのバラード等をおさめた無伴奏ヴァイオリン曲集(BIS-1051)などで高い評価を得た。レパートリーはバロックから現代までと非常に幅広く世界各地で演奏している。近年は室内楽に力を入れ、グリンゴルツ・クァルテットとして積極的な演奏活動、録音を行っている。 META4は2001年に結成されたフィンランドの弦楽四重奏団。結成当初からのメンバー変更もなく着実にキャリアをのばし、現在フィンランドを代表する弦楽四重奏団として活躍している。一糸乱れぬアンサンブルが魅力で4人の音楽的方向性が整った四重奏団として評価されている。この最強2団体のタッグで実現したメンデルスゾーンとエネスコ、大注目の録音が完成した。 | |||
トマス・シマク(1958-):室内楽作品集 Catena I (2019) (*) /弦楽四重奏曲第5番(2015) (#) /ドビュッシーの忘れられた映像(2018) (*) / con-ri-sonanza (2018) (*/#) /クルターグへのオマージュ(2011) (*) /弦楽四重奏曲第4番(2010-11) (#) ジョーセフ・ヒューストン(P;*) ディオティマSQ (#) [ユン=ペン・チャオ(Vn1) レオ・マリリエ(Vn2) フランク・シュヴァリエ(Va) ピエール・モルレ(Vc)] | |||
録音:2019年12月、ヨーク大学、サー・ジャック・ライオンズ・コンサートホール、ヨーク、イングランド。アルバニア出身、イギリスの作曲家トマス・シマクの室内楽作品集。シマクトーマス Simaku (1958?)は、アルバニアのティラナ音楽院を卒業、イギリスのヨーク大学でデイヴィッド・ブレイクに学び、1996年に作曲の博士号を授与された。タングルウッドでバーナード・ランズ、カリフォルニア州立大学の「作曲家ワークショップ」でブライアン・ファーニホウに学んでいる。ヨーク大学作曲科の教授。作品は、ヨーロッパやアメリカで演奏され、緊迫感とモダニズムを独特の方法で融合させた表現力豊かな音楽に対して称賛が寄せられてきた。ラテン語の「鎖」が曲名の「Catena I」は、「音楽的なもの、そうでなければ、曲の冒頭の反復音の「行列」のようなものと、さまざまなレベルのものが関連するネットワーク」。ディオティマ四重奏団により初演された、ハッダスフィールド現代音楽祭の委嘱作「弦楽四重奏曲第5番」。「ドビュッシーの忘れられた映像」は、2018年、「York Late Music」のドビュッシー没後100年を記念するコンサート・シリーズのため「ドビュッシーの曲をひとつ選び、1分程度引用、各自のスタイルでその先を続ける」という求めに応じて作曲された小品。「con-ri-sonanza」は、音楽出版界の「偉大な君主」だった「ビル・コレラン追悼(Bill Colleran in Memoriam)」の曲。コレランの名からとった4つの音を中心に作曲されている。「クルターグへのオマージュ」は、“GyorgyKurtag "に因む「AとG」の2音によるコードを軸にした作品。「ディオティマ四重奏団のために作曲、献呈された」「弦楽四重奏曲第4番」は、4つの楽章と2つの「間奏曲」で構成した約22分の音楽。イギリスのピアニスト、ジョーセフ・ヒューストンJoseph Houstonは、ベルリンに住み、現代音楽と実験音楽のジャンルで主に活動している。ロンドン本拠のニューミュージック・グループ、1945年以降の作品をレパートリーとする「オクタンドル・アンサンブル」のピアニスト。ディオティマ四重奏団Quatuor Diotimaは、1996年、パリ国立高等音楽学校の卒業生により結成された。各国の音楽祭に参加。2018年、フランス政府から「ヨーロッパ文化遺産賞」を授与されている。ユン=ペン・チャオYun-Peng Zhaoとコンスタンス・ロンザッティConstance Ronzattiのヴァイオリン、フランク・シュヴァリエFranche Chevalierのヴィオラ、ピエール・モルレPierre Morletのチェロ。この録音ではコンスタンス・ロンザッティの替わりにレオ・マリリエLeoMarillierが、第2ヴァイオリンを弾いている。 | |||
ペッテション(1911-1980): 交響曲第12番「広場の死者」 (詩:パブロ・ネルーダ) |
クリスチャン・リンドベリ指揮 ノールショーピングso.、 エーリク・エーリクソン室内cho.、 スウェーデン放送cho. | ||
録音:2019年3月、2020年1月、ルイス・デ・ギア・コンサートホール、ノールショーピング。クリスチャン・リンドベリがノールショーピングso. と録音を続けている現代スウェーデンの作曲家アッラン・ペッテションの交響曲シリーズ。当ディスクには交響曲第12番「広場の死者」を収録している。この作品はパブロ・ネルーダ詩に基づく合唱を伴う交響曲。ネルーダはチリの詩人、外交官、政治家。彼の詩と政治的行動の両方において、貧困層、抑圧された人々を突き動かす非常に影響力のある人物だった。1971年にノーベル文学賞を受賞している。恵まれない人々への同情とともにペッテションがもつ暗黒で暴力的なパッセージが随所にあらわれるが、この作品でも一方で澄みきった弦の響きや天国を夢見ているかのような美しい旋律も印象的。強烈なインパクトの中に祈りも感じられる唯一無二の世界が広がる。 | |||
鈴木雅明& BCJ 〜ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125「合唱付」
アン=ヘレン・モーエン(S) マリアンネ・ベアーテ・シェラン(Ms) アラン・クレイトン(T) ニール・デイヴィス(B) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2019年1月、東京オペラシティコンサートホール「タケミツメモリアル」、ライヴ。1990年に鈴木雅明によって設立され、1995年以来スウェーデンBISレーベルより数多くのディスクをリリースしてきた世界の第一線で活躍するバッハ・コレギウム・ジャパン。2020年のベートーヴェン生誕250周年と当団結成30周年を記念して第九を東京オペラシティ・コンサートホールにてライヴ収録した。当団は1998年にワーグナー編のピアノ独奏版(ピアノ:小川典子)を録音し、少人数による清楚な合唱が高く評価されたBCJのベストセラー盤がありますが、この度アン=ヘレン・モーエン、マリアンネ・ベアーテ・シェラン、アラン・クレイトン、ニール・デイヴィスという豪華なソリスト陣を迎えてBCJの管弦楽と合唱による演奏でオリジナルの第九を録音することが実現した。鈴木雅明の巧みなコントロールで緊張感を維持しながら快活なテンポで推進力のある演奏を展開。BCJの卓越した技術と豊かな表現力を再認識できる充実のアルバムが完成した。レコーディングは長年BCJの録音を手掛けているハンス・キプファーが担当。ライヴならではの臨場感をとらえた極上の録音を堪能することが出来る。2019年1月の感動の演奏会を収めたアルバム・リリースは2020年のベートーヴェン・イヤーを前に話題必至の大注目盤と言えるだろう。 | |||
報告〜ペルットゥ・ハーパネン(1972-):合唱作品集 Kullervo Clusters 〜混声合唱のための(2010/16) / Strophes 〜混声室内合唱のための(2006, rev.2010) / Readymade Alice 〜混声合唱のための(2011) / Report 〜室内合唱、打楽器とギターのための(2012, rev.2016) / Taxidermic Peter 〜室内合唱と「オブジェ」のための(2014, rev.2016) / Strophes II 〜混声合唱のための(2007, rev.2009) / ...sino phonia, paranonomasia 〜16声のための(2005, rev.2006/16) ニルス・シュヴェケンディーク指揮ヘルシンキ室内cho. ペトリ・クメラ(G) ヘイッキ・パルヴィアイネン(Perc) | |||
録音:2016年2月、4月、セッロホール/2016年11月、オラリ教会、すべてエスポー、フィンランド。制作:マルック・ヴェイヨンスオ、セッポ・シーララ|録音:マルック・ヴェイヨンスオ、アヌ・カハコネン。ペルットゥ・ハーパネンは、遊び心と人間の声のあらゆる可能性に対する鋭い耳を持ち、北欧諸国で活躍する、もっとも探索的、知的興味をそそるヴォーカルミュージックの作曲家として存在感を確立した音楽家。1972年、フィンランド生まれ。シベリウス・アカデミーとパリのIRCAMで学び、「合唱」がどう響き、どう聞こえるかについのて深い知識と理解をモダニズムの多種の技法と厳格な構造とポストモダーン的なテクストの「脱構築」と結びつけ、洗練された、個性的な表現の作品を発表してきた。「私にとって作曲することは、既存の解答を組み立てて作品に作り上げるだけでなく、ファウスト的情熱で探求し世界観を広げることでもある」(ハーパネン)。大公国時代のフィンランド合唱曲集「春がやってくる」(BIS-2442)をはじめ、ユニークなコンセプトのアルバムを制作してきたヘルシンキ室内合唱団と芸術監督のシュヴェケンディークの新しいアルバムでは、ハーパネンが21世紀になって作曲した作品を7曲演奏している。「カレワラ」と「古代エジプト、現代の中東、西洋の映画優位文化のニュースフラッシュ(など)」をハーパネンが自由に編集したテクストによる「Kullervo Clusters(クッレルヴォ・クラスター)」。水の事故で死んだ愛娘を悼んで作曲されたヨウン・レイフスの「哀歌」「レクイエム」を「音素材」にした「Strophes(歌章)」と、その素材をさらに展開させた「Strophes II(歌章II」は、ハーパネンのもっとも実験的な手法の作品。ルイス・キャロルの「アリス」の「サイバースペース」でのさまざまな「定義」をテクストにした「Readymade Alice(レディメイドのアリス)」。出所不明の「医学報告(medical report)」から採った単語や短文を「エコー」の素材にした「Report(報告)」。J.M.バリーの「ピーター・パン」を「解剖」したテクストによる「Taxidermic Peter(剥製のピーター)」。フィンランドの詩人マルック・パーソネンの「Boujaafar Beach II(ボウジョワール・ビーチIi)」による「…sino phonia, paranonomasia. 」。多才なギタリスト、「変化はやってくる」(Alba, ABCD-313)「不思議な仲間がいて」(ABCD-366)などのアルバムを録音したペトリ・クメラが「Report(報告)」のギターを担当している。 | |||
ヨリス・ルーロス(1984-):万人のための軽快な音楽「ループ・ダンス」(2015-20) 〔道化師には気をつけろ!/スウィート・スーパーマン/ループ・ダンサー/足は十分に軽い?/ 奈落の底を長く見つめていれば・・・/オフ・バランス/永劫回帰/3つのメタモルポーセース/ ・・・奈落の底があなたを見つめ返す/ザ・マスター・キャント・ダンス/快癒に向かう者/笑う子供〕 ブラム・ファン・サムベーク(Fg) ヨリス・ルーロス(バスCl/Cl) ブラム・ド・ローズ(P) クレメンス・ヴァン・デル・フィーン(ダブル・ベース) マタイン・ヴィンク(ドラム) | |||
録音:2020年1月、放送音楽センター第2スタジオ、ヒルフェルスム、オランダ。クラリネット奏者で近年作曲家としても確かな地位を築いているオランダ生まれのヨリス・ルーロスがニーチェの哲学に触発されたアルバムを制作。プロイセン王国出身の哲学者フリードリヒ・ニーチェ(1844-1900)は若いころから音楽と哲学について興味を持ち、作曲、音楽理論の研究。フックス、ワーグナーらと親交をもち自身の哲学に欠かせない音楽とのつながりを発展させていった。ルーロスはニーチェが遺した言葉や哲学から触発され、ひとつの組曲のようにまとめた12の作品を作曲した。ジャズのテイストを存分に散りばめ、実に完成度の高い演奏で魅了する。ルーロスといえば、ピアノのアーロン・ゴールドバーグやドラムのアリ・ホーニグらが参加したデビュー作「Introducing JorisRoelofs」でも注目を集めた逸材。現在ニーチェと即興音楽についての論文もまとめているルーロスが問う注目アルバム。共演者はいずれもヨーロッパで活躍する人気アーティスト。ジャンルを超えた表現に注目。 | |||
セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-): チェロと管弦楽のための「ノマド [Nomade] 」(2018) (*) / 管弦楽のための「水の世界地図 [Water Atlas] 」(2017-18) (#) ニコラ・アルトシュテット(Vc;*) ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送so. | |||
録音:2019年4月10日-11日、ライヴ(*) /2019年8月(#)、ともにヘルシンキ・ミュージックセンター、フィンランド。セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-)は、シベリウス・アカデミーのエルッキ・ヨキネンのクラスで学んだ。2004年、作曲のディプロマを取得。人生の「根本的疑問」と「実存経験」を深い洞察に基づく音楽表現に作った管弦楽作品が注目され、フィンランドの彼の世代を代表する作曲家のひとりとして認められるようになった。フィンランド放送so. とハンヌ・リントゥによるファーゲルルンドの音楽の第3作。2018年の作品が2曲、収録されている。チェロ協奏曲「ノマド」は、NDRエルプpo. とフィンランド放送so. から委嘱を受けて作曲された作品。「探求」と「移動」を抽象的に言う「ノマド」を曲名にとり、「チェリスト=放浪者」が、管弦楽によって描かれるさまざまな景色と気分と出来事の間を旅してゆくスタイルの音楽として作られている。第1部分「エスプレッシーヴォ(表情豊かに)」、第2部分「アジタート、モルト・リトミーコ(激して、きわめてリズミカルに)」、「ミステリオーソ(神秘的に)」の「間奏曲I」、第3部分「ヴィヴァーチェ・カプリツィオーソ(生き生きと、気ままに)」、第4部分「レント・コンテンプラティーヴォ(ゆったりと、瞑想するように)」、「ミステリオーソ、ポコ・テヌート(神秘的に、テヌート気味に)」の「間奏曲II」、第5部分「エスプレッシーヴォ、リベラメンテ(表情豊かに、自由に)」、第6部分「エザルタート、モルト・アジタート(熱狂し、きわめて興奮して)」。8つの曲が切れ目なく演奏される。この協奏曲は、多才なアーティストとして注目される、ドイツ系フランスのチェリスト、ニコラ・アルトシュテットのために書かれ、2019年2月15日、彼とリントゥによりハンブルクで初演された。「水の世界地図」は、「吹きだまり(Drifts)」「石造物(Stonework)」(BISSA-2295)とともに「三部作」として構想された最後の作品。3作は、共通の音楽素材を基礎につながりながら、それぞれが独立、自己完結した曲として書かれた。ファーゲルルンド毎年、長い時間を過ごすというバルト海沿岸の夏の家から望むフィンランド群島とごつごつした岩盤の島々の広大な姿からインスピレーションを得て、一般的、哲学的、抽象的要素としての「海」を「人間の目」で描いた作品。アムステルダムのコンサートホール「コンセルトヘボウ」、BBCso.、フィンランド放送so. の共同委嘱作。2018年4月、オスモ・ヴァンスカ指揮のオランダ放送フィルハーモニックo. により初演された。チェロ協奏曲「ノマド」は、2019年4月、ヘルシンキ・ミュージックセンターで行われた「ヘルシンキ初演」のライヴ録音。「水の世界地図」は、8月、ミュージックセンターでのセッションの録音。 | |||
エドヴァルド・グリーグ(1843-1907):ヴァイオリン・ソナタ全集 〔第1番 ヘ長調 Op.8 (1865) /第2番 ト長調 Op.13 (1867) /第3番 ハ短調 Op.45 (1886-87) 〕 エルビョルグ・ヘムシング(1990-): ヴァルドレスの民謡によるヴァイオリン・ソロのための変奏曲「帰郷」(2019) (*) エルビョルグ・ヘムシング(Vn|使用楽器:グァダニーニ、1754年製) シモン・トルプチェスキ(P|使用楽器:スタインウェイ D ) | |||
録音:2018年12月、2019年3月、ゼンデザール、ブレーメン、ドイツ(*以外) /2019年9月、アウルダール教会、ヴァルドレス、ノルウェー(*) |制作・録音:インゴ・ペトリ。2018年、ショスタコーヴィチとヤルマル・ボルグストレムのヴァイオリン協奏曲(BISSA-2366)でデビューしたエルビョルグ・ヘムシングのアルバム第4作。グリーグのヴァイオリン・ソナタと彼女がヴァイオリン・ソロのために書いた作品を組み合わせたプログラムを演奏している。グリーグは、ヴァイオリンとピアノのためのソナタを3曲作った。「素朴で、さまざまな音楽をモデルにした第1番、民族的な響きの第2番、より広い地平線をもつ第3番(グリーグ)。彼の作曲家としての展開と成長の示された作品群と言われる。とりわけ、セザール・フランクの イ長調のソナタやブラームスの ニ短調の曲とほぼ同じ時期に書かれた ハ短調の第3番は「このうえなく高貴なロマンティシズムの表現と力強さを独自のやり方で結合した」(エルリング・ダール)とも評され、各国のヴァイオリニストが気に入りのレパートリーにしている作品。グリーグのソナタは、テリエ・トンネセン、アルヴェ・テレフセン、ゲイル・インゲ・ロツベルグ、ヘンニング・クラッゲルードなど、ノルウェーのヴァイオリニストも多く録音している。またエルビョルグの姉ラグンヒル・ヘムシング(1988-)もグリーグのヴァイオリン・ソナタ第3番を含む「北国の音色」(2L-138SABD)をリリースしており高く評価されている。「ノルウェー」の色濃い第2番にかぎらず、ノルウェーのヴァイオリニストの弾くグリーグは、リズムやアーティキュレーションに独自性があり、グリーグが歌曲集に作ったガルボルグの「ハウグトゥッサ」の神秘の世界を垣間見せる表現も現れる。エルビョルグ・ヘムシング(1990-)の生まれたヴァルドレスは、ノルウェー南部、グーブランスダールとハリングダールの間にあり、さまざまな伝説と民俗音楽の故郷としても知られる地域。グリーグの後に演奏される「帰郷」は、彼女がヴァルドレスの民謡を主題にして作曲した変奏曲。共演者のシモン・トルプチェスキ(1979-)は、マケドニアのピアニスト。高いヴィルトゥオジティと深い表現のアプローチが評価され、BBC Next Genera-tion Artistにも選ばれた。 | |||
F.P.ツィンマーマン〜マルティヌー&バルトーク マルティヌー:ヴァイオリン協奏曲全集〔第2番 H.293 (*) /第1番 H.226 (#) 〕 バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Sz.117, BB 124 (+) フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn| 使用楽器: Antonio Stradivarius, Cremona1711, Lady Inchiquin ) ヤクブ・フルシャ指揮バンベルクso.(*/#) | |||
録音:2018年10月27日(#)、2019年10月4日-5日(*)、コンツェルトハレ・バンベルク(ヨーゼフ・カイルベルト・ザール)、ライヴ(*/#) /2019年9月、2020年2月、ジーメンス・ヴィラ、ベルリン、セッション(+) 。1965年ドイツ、デュイスブルク生まれの正統派ヴァイオリニスト、フランク・ペーター・ツィンマーマン。BISレーベルより積極的な録音が続いているが、当アルバムではヤクブ・フルシャ率いるバンベルクso. との共演でマルティヌーのヴァイオリン協奏曲2篇、そしてバルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタを録音した。 多作曲家で知られるチェコの作曲家ボフスラフ・マルティヌー(1890-1959)。マルティヌーは一時期、チェコ・フィルの第2ヴァイオリン奏者を務めていたことでも知られるヴァイオリン奏者でもあった。そのマルティヌーがパリ時代に名手サミュエル・ドゥシュキンのために書いたヴァイオリン協奏曲第1番は、1933年完成となるも、原稿を紛失してしまった。その後アメリカで完全な形で発見され、世界初演されたのは1973年のことで、ヨゼフ・スークを独奏に迎えショルティ指揮シカゴso. により行われた。一方、1943年完成のヴァイオリン協奏曲第2番はミッシャ・エルマンの委嘱により作曲された作品。両協奏曲とも実にエネルギッシュな力作。雄大なオーケストラを従え、技巧にあふれたヴァイオリン独奏が印象的。マルティヌーの作風らしくチェコの民族的な旋律を色濃く呈しているが、母国の作曲家であるヤクブ・フルシャがその語法を捉え、見事に演奏しているのも注目。ツィンマーマンは実に雄弁に語りながら演奏しており、同作品の新たな名盤登場。カップリングにはバルトーク最晩年の傑作、無伴奏ヴァイオリン・ソナタを収録した。この作品はイェフディ・メニューインの委嘱によって1944年に完成し、メニューインに献呈された。バッハへのオマージュ的な要素を強く感じさせる4楽章構成の作品だが、その作風はバルトークの語法と新たな響きを追求した意欲作とも言える。第2楽章では「バルトーク・ピツィカート」と言われる弦を指板と垂直に強く引っ張る奏法や、第3楽章ではフラジョレット奏法を多用、ヴァイオリンの奏法の可能性を最大限引き出した難曲。ツィンマーマンの圧倒的なテクニックで魅了するバルトークの無伴奏にも要注目。演奏はもちろんのこと、楽器にも注目。ヴァイオリンはツィンマーマンの愛器1711年製のストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」。この楽器はかつてクライスラーが所有していた銘器でまるでビロードのような音色。ツィンマーマンが長年ともにしてきた愛器で奏でる演奏をご堪能頂きたい。 | |||
サン=サーンス:交響曲集 〔イ長調(1850頃) /第1番 変ホ長調 Op.2 (1853) /第2番 イ短調 Op.55 (1859) 〕 ジャン=ジャック・カントロフ指揮リエージュ王立po. [ジェオルジェ・トゥドラケ(コンサートマスター)] | |||
録音:2019年4月、12月、サル・フィルハーモニック、リエージュ。サン=サーンス(1835-1921)は2021年(2021年)に歿後100年を迎えた。その記念すべき年にジャン=ジャック・カントロフ率いるリエージュ王立po. が交響曲3篇を録音!3篇といっても「オルガン付き」ではなく、10代から20代半ばに書かれた、作品番号を付番する前の交響曲 イ長調と交響曲第1番、第2番を収録している。才能豊かなサン=サーンスはわずか13歳でパリ音楽院に入学。ドイツ、オーストリアの偉大な作曲家たちの交響曲に触発され、はやくもこのジャンルに挑戦し始めました。ここに収録された イ長調の交響曲は16歳ごろの作品。4楽章構成で書かれており、なんといっても第1楽章冒頭から非常に美しい旋律が印象的でやがて雄大な広がりを見せる。まさに溌溂さが光る交響曲。そのわずか3年後に書き上げた交響曲第1番はベルリオーズとグノーが称賛しており、サン=サーンスが作曲家として確固たる地位を築き上げることを証明しているかのような力作。そして25歳のときに書かれた交響曲第2番では循環形式を導入し、簡素ながらサン=サーンスの独創性を堪能出来る。記念すべき年だからこそ、聴いてみたくなる注目の録音。 | |||
アレッポの園芸商〜ジョン・ピカード(1963-):室内楽作品集 フルート、ヴィオラとハープのための「アレッポの園芸商」(2016) / メゾ・ソプラノと室内アンサンブルのための「シオンの娘」(2016) (*) / バスクラリネット、チェロとピアノのための「雪に閉ざされ」(2010) / ソロ・フルートと室内アンサンブルのための「セレナータ・コンチェルタータ」(1984) / ソロ・オーボエのための「3つの鶏の研究」(2008) / ファゴットとピアノのためのカプリッチョ「アフラニオのファゴトゥス」(1992) / 室内アンサンブルのための「幽霊列車」(2016) マーティン・ブラビンズ指揮ナッシュ・アンサンブル [フィリッパ・デイヴィス(Fl/ピッコロ/アルトFl/バスFl) ギャレス・ハルス(Ob) クリス・ブラニック(Perc) リチャード・ホスフォード(Cl/ E ♭Cl/バスCl) マーティン・ロバートソン(バスCl/コントラバスCl) アーシュラ・ルヴォー(Fg) ルーシー・ウェイクフォード(Hp) イアン・ブラウン(P) ベンジャミン・ナバロ(Vn) スコット・ディキンソン(Va) エイドリアン・ブレンデル(Vc) グレアム・ミッチェル(Cb)] スーザン・ビクリー(Ms;*) | |||
録音:2018年9月、オール・セインツ教会、イースト・フィンチリー、ロンドン。イギリスの作曲家ジョン・ピカードは、ウィリアム・マタイアスとルイ・アンドリーセンに学び、5曲の交響曲などの管弦楽作品と器楽・室内楽作品を主に手がけてきた。ピカードがさまざまな機会に書いた室内楽作品をナッシュ・アンサンブルが演奏したアルバム。オクタンドル・アンサンブルの委嘱で作曲された「アレッポの園芸商」が、アルバムのタイトルにとられた。「2016年8月22日、イギリスの「チャンネル4」が、アブー・アル=ワードの話を伝えた。「花の父」と訳される名の彼は、シリア内戦の大虐殺とシリア軍とロシア軍の爆撃が止むことのない5年間、反政府軍の支配する東アレッポの破壊された市街で最後に残されたガーデンセンターを息子のイブラヒムと営んでいた……」。「繊細さと脆さを備えたフルートとヴィオラとハープという楽器の組み合わせ」により「アブー・アル=ワードと戦火の中で彼が育てた花の弱さ」が表現される。「シオンの娘」も、戦いと暴力をテーマに作曲された。ブリストル大学のピカードの同僚、カトリック神学部教授ギャヴィン・ドコスタのテクストをメゾソプラノが歌い、ピッコロ、フルート、アルトフルート、クラリネット、ピアノ、打楽器、ヴァイオリン、チェロ、コントラバスのアンサンブルで演奏される。大雪のために外出できなかった2009年のクリスマスから新年にかけて作曲された「雪に閉ざされ」は、「閉所恐怖症の感覚と見慣れた景色が深い雪でいつもとかけ離れて見える感じ」をバスクラリネット、チェロとピアノの「より暗い色」で探ったという作品。「セレナータ・コンチェルタータ(協奏セレナード)」は、ピカードがバンガー大学の学部を卒業する1984年夏に作曲した作品。2つの「カデンツァ」、2つの「アリア」と「スケルツォ-ノットゥルノ」。ウェールズ・アーツカウンシルの資金援助を得た大学の現代音楽アンサンブルから依頼を受けた、初めての委嘱作品。「産卵(Laying)」「給餌(Feeding」「戦い(Fighting)」の「3つの鶏の研究」は、ピカードがペットにしていた鶏の一日を描き、友人のオーボエ奏者への誕生日プレセントとされた。16世紀初期にフェラーラのアフラニオが発明したとされるバグパイプとチェンバーオルガンを足した楽器「ファゴトゥス」を曲名にした「アフラニオのファゴトゥス」は、「演奏者がそこかしこでトラブルに見舞われる」ファゴットとピアノのための「カプリッチョ」。「幽霊列車」は、グレゴリオ聖歌の「ディエス・イレ(怒りの日)」を使った「無窮動」。フランスの現代音楽グループ「アンサンブル・ヴァリアンス」の委嘱を受けて作曲された。 | |||
黄金の音符〜ヤン・アントニーン・ロジー(1650頃-1721):組曲集/他 組曲〔イ短調/へ長調/ト長調/ニ短調/ト短調/変ロ長調〕/メヌエット ハ長調/シャコンヌ へ長調 ヤコブ・リンドベリ(リュート|使用楽器: Sixtus Rauwolf, Augsburg 、1590頃) | |||
録音:2018年9月、レンナ教会、ノルテリエ、スウェーデン。スウェーデンのリュート奏者、ヤコブ・リンドベリは、ルネサンスとバロックを中心とするリュート音楽の分野で今日、もっとも幅広いレパートリーをもち、深い知性に支えられた情感豊かな音楽が高い評価を獲得、人気を集めてきた。ブリテンの「ジョン・ダウランドによる夜の曲」をリュートで演奏した「夜の曲-ダウランドからブリテンまで」(BISSA-2082)につづくアルバム。「ロジー伯爵」として知られるヤン・アントニーン・ロジーの作品から4つの組曲、「メヌエット」「シャコンヌ」が演奏される。「ロージンタール伯爵」ヤン・アントニーン・ロジー(c.1650-1721)(ヨハン・アントン・ロジー・フォン・ロージンタール)は、ボヘミアの貴族の家に生まれた。幼少のころアカツィウス・カジミル・ヒュルゼからリュートを教わり、興味が芽生えたと言われる。プラハのシャルル・フェルディナント大学で哲学を専攻。博士号を取得した後、ヨーロッパを旅して回った。ロジーは、フランスとイタリアのリュート音楽を研究、ボヘミアでもっとも優れたリュート奏者、作曲家として名を馳せた。彼はドイツのリュート奏者ヴァイスにも影響を与えたと言われる。1721年にロジーがプラハで亡くなった後、ヴァイスは「ロジー伯爵の死を悼むトンボー」を書き、彼を追悼している。リンドベリが「ヴァイス-リュート音楽第2集」(BIS-1534)で演奏した作品。ロジーは主に、舞曲による「組曲」を作曲。フランスの「自由奔放な様式(Style brise)」とイタリアの「カンタービレ」のスタイルを結合した、膨大で創造性の高い作品の手稿譜が、チェコをはじめとする各国のアーカイヴで保存されている。2018年9月、ノルテリエのレンナ教会での録音。リンドベリは、バロック期ドイツとフランスの音楽を演奏した「シクストゥス・ラウヴォルフのリュート」(BISSA-2265)と同じ、1590年頃にアウグスブルクで製作された7コースあるいは8コースの楽器を弾いている。 | |||
モーツァルト:セレナード第10番 変ロ長調「グラン・パルティータ」 K.361 (370a) (*) ベートーヴェン:モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」の 「お手をどうぞ」の主題による変奏曲 ハ長調 WoO.28 (#) アレクセイ・オグリンチュク(Ob;*/#)指揮ロイヤル・コンセルトヘボウo.管楽団員(*) ニコリーネ・アルト(Ob;#) ミリアム・パストール・ブルゴス(コーラングレ;#) | |||
録音:2019年3月-4月、クライネ・ザール、コンセルトヘボウ、アムステルダム、オランダ。ロイヤル・コンセルトヘボウo. の首席オーボエ奏者アレクセイ・オグリンチュク。BISレーベルより積極的なリリースが続いているが、当アルバムではモーツァルト「グラン・パルティータ」とベートーヴェンの「モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲」を収録した。全7楽章構成の大曲「グラン・パルティータ」は有名作ながらも名手揃いでないと演奏できないため、この新録音は大歓迎と言える。近年指揮活動でも着実なキャリアを積むオグリンチュクだが、やはり室内楽アンサンブルは絶品の一言に尽きる。気心の知れたRCOの管楽メンバーと共に音楽の対話を楽しみながら大作に挑んだ。カップリングは2020年(2020年)に生誕250周年を迎えたベートーヴェン20代後半の作品。ベートーヴェンの語法で書かれたモーツァルトも実に聴き物。 | |||
ブルックナー:交響曲第3番 ニ短調 WAB.103 (1873年原典版ノーヴァク校訂第1稿) |
トーマス・ダウスゴー指揮 ベルゲンpo. | ||
録音:2019年6月17日-21日、グリーグ・ホール、ベルゲン、ノルウェー。数多くの録音で評価を集めるトーマス・ダウスゴー。ベルゲンpo. を振った交響曲第6番 (BISSA-2404) は、レコード芸術誌(2020年5月号)の特集「新時代の名曲名盤500」にて同曲のベスト・ワン・ディスクに選ばれており、数多の名盤が揃う同曲でダウスゴー盤がその筆頭として注目されている。期待の新録音は交響曲第3番。当録音では1873年の原典版のノーヴァク校訂第1稿を使用して演奏している。「私がこの交響曲を知ったのは第3稿(1889年稿)だったが、1873年の原典版のスコアに立ち返ったとき、自分自身と完全に調和し、そのユニークで実験的なスタイルは最初から最後まで光り輝いていた。絶望と恍惚を感じる、これこそがブルックナーの最も崇高な部分であり、どの版を選択すべきかを自然と導いてくれるものだと思う」と語るダウスゴー。ワーグナーに献呈されたこの交響曲第3番をダウスゴーらしい刺激的にして繊細な緩急を交えた演奏で聴かせる。交響曲第3番の演奏時間は第1楽章:19'15、第2楽章:15'51、第3楽章:6'05、第4楽章:14'28=56'35。 | |||
シャルル・ヴァランタン・アルカン(1813-1888):短調による12の練習曲 Op.39 (1857)より 〔第4曲−第7曲「交響曲」/第8曲−第10曲「協奏曲」〕 ポール・ウェー(P|使用楽器: Steinway D, No.582243 ) | |||
録音:2017年8月、2018年5月、ホール・ワン、キングス・プレイス、ロンドン。シンガポール人とマレーシア人の両親のもとオーストラリアに生まれ、現在ロンドンを拠点に活躍するポール・ウェーはなんとロンドン大手の法律事務所の現役弁護士の顔をもつ異色のピアニスト! ザ・リーガル500では第一級弁護士としてランク付けされる敏腕弁護士。そんなキャリアをもつウェーだが現役ピアニストとしても確かな評価を集めている。4歳でピアノをはじめたウェーは12歳の時にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでデビュー・コンサートを開くなど神童として注目を集めた。その後、ニューヨークのマンハッタン音楽学校にてニーナ・スヴェトラノワに師事し研鑽を積むも、ピアニストだけではなく弁護士も目指し、ロンドンの名門オックスフォード大学法学部で法律を学び、現在のキャリアを築いている。19世紀に活躍したヴィルトゥオーソ・ピアニスト、作曲家のアルカンはリストに劣らぬテクニックの持ち主として知られた音楽家。しかし内気な性格が人嫌いに転じていき、20歳で主だったコンサート活動から身をひきた。アルカンが生涯残した作品のほぼすべてがピアノ曲で作風は独創的かつ異端児的。超絶技巧の作品が主立つ。短調による12の練習曲 Op.39はアルカンの大規模な代表作で全12曲から構成されている。ここに収録された第4曲〜第7曲「交響曲」と第8曲〜第10曲「協奏曲」はそれぞれ大編成のオーケストラを思わせるピアノ独奏のための作品で、最高難度の作品としても知られる。ウェーの卓越した技術と語り口でこの難曲をものともせず演奏している。 | |||
カレヴィ・アホ(1949-): ヴァイオリン協奏曲第2番(2015) (*) / チェロ協奏曲第2番(2013) (#) |
エリナ・ヴァハラ(Vn;*) ヨナタン・ローゼマン(Vc;#) オラリ・エルツ指揮 キュミ・シンフォニエッタ | ||
録音:2019年4月24日-26日(*)、2021年12月2日-4日(#)、ともにクーサンコスキ・ホール、コウヴォラ、フィンランド。フィンランドを代表する作曲家カレヴィ・アホ。当アルバムにはヴァイオリン協奏曲第2番、チェロ協奏曲第2番を収録している。アホは1980年代前半にヴァイオリン、チェロそれぞれの協奏曲を書いているが、20年ほどの歳月を経て、ついに新作の登場。長年ヴァイオリン協奏曲を書いていなかったアホがエリナ・ヴァハラの依頼により作曲した第2番は、アホ独特の美しい旋律が魅力。ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストのヴァハラへ捧げた注目作。一方、チェロ協奏曲第2番はナーンタリ音楽祭とラハティso. との共同企画で生まれた新作委嘱。初演は2014年6月5日、ナーンタリでアルト・ノラスのチェロ独奏、オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. によって行われた。5つの楽章からなるこの作品はシンフォニエッタのように書かれており、楽章間がとぎれることなく演奏され、終楽章の非常に印象的なカデンツァも聴き物。当録音では2015年にはチャイコフスキー国際コンクールのチェロ部門で第6位に入賞した1997年生まれのフィンランド系オランダ人ヨナタン・ローゼマンがチェロ独奏をつとめている。 | |||
ファゴット協奏曲集 モーツァルト(1756-1791):ファゴット協奏曲 変ロ長調 K.191 (1774) ウェーバー(1786-1826):ファゴット協奏曲 ヘ長調 Op.75 (1811/22) DSD エドゥアール・ドゥピュイ(1770頃-1822):ファゴット協奏曲 ハ短調(1812) (*) ブラム・ファン・サムベーク(Fg) アレクセイ・オグリンチュク指揮スウェーデン室内o. | |||
録音:2019年9月、エレブルー・コンサートホール、スウェーデン|(*):世界初録音。1980年オランダ生まれのファゴット奏者ブラム・ファン・サムベーク注目の新譜はモーツァルト、ウェーバー、ドゥピュイのファゴット協奏曲集。サムベークは2002年から2011年までロッテルダム・フィルハーモニックの首席奏者を務め、2015年からはハーグの王立音楽院で後進の育成にも取り組みながらLSOやイェーテボリso. などのオーケストラで首席ファゴット奏者として客演している。またBISレーベルから現代フィンランドの作曲家アホ、ファーゲルルンドのファゴット協奏曲の録音(BISSA-2206)をリリースしている。注目はドゥピュイのファゴット協奏曲の世界初録音。ドュピュイはスウェーデンとデンマークでヴァイオリニスト、歌手、作曲家として活躍したスイス生まれの音楽家。このファゴット協奏曲でもドゥピュイならではの豊かなメロディが印象的。近年指揮活動も積極的に取り組むオグリンチュクの好サポートを得てサムベークが自由自在に歌い上げる。ファゴット・ファンにはたまらない新録音の登場。 | |||
新しい人生と愛のための歌 マーラー:さすらう若人の歌(1883-85) /亡き子をしのぶ歌(1901-04) アイヴズ:ストックブリッジのフーザトニック川(1921) /霧(1910) / 平穏(1919) /子供の時間(1901) /母さんがあたしに教えて(1895) ヘレン・グライム(1981-):ブライト・トラベラーズ(2017) / ウェールズ民謡/ハウ・ワトキンス編曲:子守歌 ルビー・ヒューズ(S) ジョセフ・ミドルトン(P) | |||
録音:2019年9月、ポットン・ホール、サフォーク、 UK 。 BISレーベルより積極的なリリースが続く、イギリスの名唱ルビー・ヒューズがマーラー、アイヴズ、グライムを歌ったアルバムをリリースする。ヒューズは2009年ロンドン・ヘンデル歌唱コンクールで第1位および聴衆賞を受賞し国内で話題となり、その後2011年と2013年にBBCニュー・ジェネレーション・アーティストに選ばれ、以後は精力的な活動が続いている。「新しい人生と愛のための歌」をテーマに「さすらう若人の歌」、「亡き子をしのぶ歌など名曲を連ねたこのアルバムでヒューズは一層の輝きをみせる歌唱を披露。最後に収録されたウェールズ民謡「子守歌」で温かくそしてしっとりとアルバムを締めくくる。ピアノのジョセフ・ミドルトンはこれまでにキャロリン・サンプソン、フェリシティ・ロット、サラ・コノリーなど多くの著名な歌手との共演を誇るピアニスト。歌唱を引き立てながら見事なデュオを聴かせる。 | |||
ダウスゴー〜メンデルスゾーン:交響曲集 〔第1番 ハ短調 Op.11 / 第3番 イ短調「スコットランド」 Op.56 〕 |
トーマス・ダウスゴー指揮 スウェーデン室内o. | ||
録音:2019年6月9日-14日、エレブルー・コンサートホール、スウェーデン。これまでシューマン、シューベルト、ブラームスなどBISレーベルより積極的なリリースが続いているダウスゴー率いるスウェーデン室内o. 。2021年にリリースした「ザ・ブランデンブルク・プロジェクト」(BISSA-2199)ではブランデンブルク協奏曲と6人の作曲家による新作委嘱を交えた構想18年の大企画を録音し、レコード芸術誌「特選盤」、朝日新聞 For your collection「推薦盤」など高く評価されている。期待の新録音はメンデルスゾーンを取り上げた。メンデルスゾーンといえば序曲「美しいメルジーネの物語」、付随音楽「夏の夜の夢」、序曲「フィンガルの洞窟」を収めたアルバム(BIS SA-2166)をリリースしており「メンデルスゾーンの比類なき精神を捉えた演奏」としてヨーロッパで話題の録音となった。期待の交響曲第1弾は第1番と第3番「スコットランド」。第1番はメンデルスゾーン15歳の時の作品で、既に12曲の「弦楽のための交響曲」を書いていたとはいえ2管編成フルo. を用いた初の交響曲。早熟の天才ぶりが眩しい音楽だが、ダウスゴーは見通しのよさと生命力あふれる演奏を展開している。一方、美しく抒情的な旋律が魅力の「スコットランド」も実に見事!手兵スウェーデン室内管はダウスゴーが作り出す細かなニュアンスも表現しており、刺激的で繊細な緩急を交えた演奏はここでも光る。1997年以来長きに渡る信頼関係から生まれる圧倒的な演奏をお楽しみ頂きたい。 | |||
サン=サーンス:交響曲全集 Vol.2 〔ヘ長調「首都ローマ」(1856) (*) /DSD 第3番 ハ短調「オルガン付き」 Op.78 (1886) (#) 〕 |
ティエリー・ エスケシュ(Org;#) ジャン=ジャック・カントロフ指揮 リエージュ王立po. | ||
録音:2020年4月9日-13日(#)、2020年10月26日-31日(*)、サル・フィルハーモニック、リエージュ。サン=サーンス(1835-1921)は2021年、歿後100年を迎えた。その記念すべき年にジャン=ジャック・カントロフ率いるリエージュ王立po. が交響曲全曲録音をリリース。交響曲第1番、交響曲第2番、交響曲 イ長調をおさめた第1弾(BISSA-2460)に続く第2弾は交響曲第3番「オルガン付き」と交響曲 ヘ長調「首都ローマ」。才能豊かなサン=サーンスはわずか13歳でパリ音楽院に入学。ドイツ、オーストリアの偉大な作曲家たちの交響曲に触発され、10代からジャンルに挑戦しました。交響曲 ヘ長調「首都ローマ」はサン=サーンス21歳の1856年6月2日、から7月25日、フランス・ボルドーで開かれた聖セシル協会作曲コンクールに応募するために短期間に仕上げた作品。天才サン=サーンスらしく4楽章構成の大規模な作品に仕上げた。初演は1857年2月、パリで行われ、同年6月10日、ボルドーでサン=サーンス自身の指揮で再演が行われている。「オルガン付き」のオルガン独奏は作曲家としても高名なオルガニスト、ティエリー・エスケシュ。パリのサン=テティエンヌ・デュ・モン教会の専属オルガニストを務めている演奏家。フランスの名作を世界的名手が流麗にそして雄大に奏でる。 | |||
ハイドン:スコットランド民謡編曲集 ハイドン編曲: O Poortith Cauld / Auld Rob Morris / The Mucking of Geordie 's Byer/ The Siller Crown / Up in the morning early / Deil tak ' the Wars / MacGregor of Ruara 's Lament / Morag / Lizae Baillie / Oran Gaoil / Tullochgorum - Puirt A Beul - Tullochgorm 's Reel ジョン・エロイーズ作曲・編曲:2つの前奏曲〔ハ短調/ト長調〕/ハイドンのロクセラーナ/ハイドンのロマンス フランソワ・デ・フォッサ:ハイドンの作品による2つのギターのためのグラン・デュオ ニール・ガウ:ニール・ガウのラメント、2番目の妻の死のために ザ・ポーカー・クラブ・バンド [ジェイムズ・グレアム(Vo) エディン・カラマゾフ(G) ザビーネ・ストッファー(Vn) ピエール=オーギュスタン・レイ(Vc) マサコ・アート(Hp/ディレクション)] | |||
録音:2016年7月、聖ドイツ教会、スウェーデン。古楽・音楽史からロマン派まで伝統音楽・民謡に焦点を当てて演奏活動を展開するザ・ポーカー・クラブ・バンド。当アンサンブルはヴォーカル、ギター、ヴァイオリン、チェロ、ハープで構成されている。当アルバムではハイドンのスコットランド民謡編曲作品に焦点をあてた。素朴で温かみのあるメロディをザ・ポーカー・クラブ・バンドが色彩豊かに演奏する。 | |||
リットン〜ショスタコーヴィチ: ジャズ・オーケストラのための第1組曲(1934) / バレエ音楽「黄金時代」組曲 Op.22a (1930/35) / バレエ音楽「明るい小川」組曲 Op.39a (1935/45)(チタレンコ編曲)/ ステージ・オーケストラのための組曲(1950年代)/ 「タヒチ・トロット」(1927) |
アンドルー・リットン指揮 シンガポールso. | ||
録音:2019年8月20日-23日、エスパラネード・ホール、シンガポール。ラン・シュイ〔水藍〕が世界的なオーケストラへ育て上げたシンガポールso. 。BISレーベルからリリースしている多くの録音でも知られるが、当アルバムではアンドルー・リットンを迎えてショスタコーヴィチの管弦楽作品を録音した。ショスタコーヴィチは交響曲、オペラ、映画音楽、バレエ音楽などあらゆるジャンルに名作を残しているが、30代以降は時代背景を表した重々しく暗い作品のイメージがある。当アルバムでは若かりしショスタコーヴィチの明るい側面をあらわした作品ばかりを集めた。ジャズo. のための第1組曲(ジャズ組曲第1番)は1934年に「ソビエト・ジャズ」の評価を高めることを目的として作られた3つの短い楽章からなる組曲で、当ディスク唯一のオリジナル作品。このほかは既存の作品からのアレンジ物。「ポルカ」が有名なバレエ音楽「黄金時代」組曲、コルホーズの農民と芸術家たちとの相互理解を描いたバレエ音楽「明るい小川」組曲、様々な作品から8つの楽章にまとめられたステージo. のための組曲、そしてヴィンセント・ユーマンス(1898-1946)の大ヒット曲「二人でお茶を」を管弦楽用に編曲した「タヒチ・トロット」を収録している。ゴージャスなサウンドを見事にとらえたBISレーベルが誇る技術陣渾身の録音。 | |||
女性のためのアルバム〜ロベルト&クララ・シューマンのリート集 ローベルト・シューマン(1810-1856)&クララ・シューマン(1819-1896) (*): *プロローグ 子供のためのアルバム Op.68 〜第21曲 ゆっくりと、そして表情豊かに遊ぶ(#) / 3つの詩 Op.12 〜第2曲 美しいために私を愛するのなら(*) *彼に会って以来 女の愛と生涯 Op.42 〜第1曲 彼に会って以来/ユクンデによる6つの歌 Op.23 〜第6曲 おお、歓喜よ(*) リートと歌第2集 Op.51 〜第2曲 民謡/6つの歌曲 Op.13 〜第3曲 愛の魔法(*) *彼は誰よりも素晴らしい人 女の愛と生涯 Op.42 〜第2曲 彼は誰よりも素晴らしい人/ユクンデによる6つの歌 Op.23 〜第2曲 ある明るい朝に(*) / 3つの詩 Op.12 〜第3曲 なぜ他の人にたずねるのか(*) /リートと歌第2集 Op.51 〜第5曲 恋の歌 *分からない、信じられない 女の愛と生涯 Op.42 〜第3曲 分からない、信じられない/ 5つのリート Op.40 〜第5曲 露見した恋/6つの歌曲 Op.13 〜第6曲 無言のはすの花(*) *わたしの指の指輪よ 女の愛と生涯 Op.42 〜第4曲 わたしの指の指輪よ/6つの歌曲 Op.13 〜第4曲 月は静かに昇った(*) / ミルテの花 Op.25 より〔第11曲−第12曲 花嫁の歌 I-II 〕/子供の情景 Op.15 〜第5曲 満足(#) *手伝って、妹たち 女の愛と生涯 Op.42 〜第5曲 手伝って、妹たち/ ミルテの花 Op.25 〜第7曲 はすの花/12の詩 Op.35 〜第1曲 あらしの夜の楽しみ *やさしい人、あなたは見つめる 女の愛と生涯 Op.42 〜第6曲 やさしい人、あなたは見つめる/ミルテの花 Op.25 〜第10曲 ハイランド地方の人びとの別れ/ 子供のための歌のアルバム Op.79 〜第12曲 眠りの精/子供の情景 Op.15 〜第12曲 眠りに入る子供(#) *わたしの心に、わたしの胸に 女の愛と生涯 Op.42 〜第7曲 わたしの心に、わたしの胸に/子供の情景 Op.15 〜第9曲 木馬の騎士(#) / 5つのリートと歌 Op.127 〜第2曲 あなたの顔は/4つの歌 Op.142 〜第3曲 おとめの憂い *今、あなたは初めてわたしを悲しませる 女の愛と生涯 Op.42 〜第8曲 今、あなたは初めてわたしを悲しませる/ レクエム、6つの詩 Op.90 〜第7曲 レクイエム *後奏曲 子供のためのアルバム Op.68 〜第38曲 冬の時 I (#) キャロリン・サンプソン(S;#以外) ジョセフ・ミドルトン(P|使用楽器:スタインウェイ D ) | |||
録音:2018年8月、聖ジョージ、ブリストル、 UK 。バッハ・コレギウム・ジャパンのソリストとしてもおなじみでBISレーベルから積極的なリリースが続いている名ソプラノ、キャロリン・サンプソンが「ロベルト&クララ・シューマンのリートからの女性のためのアルバム」を録音した。当アルバムでは8曲からなるローベルト・シューマンの連作歌曲「女の愛と生涯」の曲間にロベルトとクララがそれぞれ作曲したリート、さらにピアノ独奏曲を組み合わせた内容となっており、まるで一つの物語を聴いているかのようなコンセプトで仕上げている。共演はサンプソンが「対等なデュオのパートナーシップ」と語るジョセフ・ミドルトン。サンプソンと同じくバーミンガム大学で学んだミドルトンはこれまでにフェリシティ・ロット、セーラ・コノリーなど多くの著名な歌手との共演を誇り、現在サンプソンが最も信頼を置くピアニストのひとり。ピアノの独立性が高くさらには声楽と対等な音楽表現が特徴である「女の愛と生涯」はもちろんのこと、そのほかの演奏も素晴らしいの一言に尽きる。名唱サンプソンとの最強デュオがまたひとつ名盤を完成させた。 | |||
彷徨いながら不思議に思う ブリテン:彷徨いながら不思議に思う/民謡編曲第3集「イギリスの歌」〜なぐさめる人もなく/ 民謡編曲第4集「アイルランドの歌」より〔真夜中に/庭の千草/セイル・オン、セイル・オン〕 シューベルト:さすらい人 D.489 /さすらい人 D.649 /ドナウ川の上で D.553 /戸外にて D.880 /夕星 D.806 ベートーヴェン:アデライーデ Op.46 /五月の歌 Op.52 No.4 /遥かなる恋人に Op.98 マーラー:シュトラスブルクの砦/惨殺された鼓手/原光 ジェイムズ・ニュービー(Br) ヨーゼフ・ミドルトン(P) | |||
録音:2019年10月、ポットンホール、サフォーク州、イギリス。イギリス期待のバリトン歌手ジェイムズ・ニュービーがベートーヴェン、シューベルト、マーラー、ブリテンの歌曲を録音した。ニュービーはこれまでにキャサリン・フェリア賞(2016年)、ウィグモア・ホール/インディペンデント・オペラ・ヴォイス、フェローシップ(2016年)、リヒャルト・タウバー賞(シューベルトのリートの解釈における最優秀賞)、グラインドボーンのジョン・クリスティ賞(2017年)など名誉ある数々の受賞歴を誇る。また、ヨーロッパの権威ある新人賞エコー・ライジングスターに選ばれ2020/2021シーズンにはヨーロッパ各地での演奏会が予定されている。リート歌手としてだけでなくオペラでも注目されており、2017年のグラインドボーン音楽祭では「椿姫」、「ハムレット」、「皇帝ティートの慈悲」に出演。さらに「ドン・パスクァーレ」ではドン・パスクァーレ役に抜擢され、大絶賛された。ピアノのヨーゼフ・ミドルトンは、声楽曲のピアニストとして引っ張りだこの存在。 | |||
マーラー:交響曲第9番 ニ長調(1909-10) | オスモ・ヴァンスカ指揮 ミネソタo. | ||
録音:2022年3月21日-25日、オーケストラ・ホール、ミネアポリス。好評を博しているオスモ・ヴァンスカ率いるミネソタo. によるマーラー・シリーズ。当アルバムは交響曲第9番を収録!当演奏でもヴァンスカならではの緻密な構成と、細部にまで注意が払われた圧巻の仕上がり。繊細かつ丁寧な音楽づくりが魅力。また録音にも注目。オーケストラ全体の響きを自然にとらえ、演奏の一体感を堪能することのできる録音。アルバン・ベルクが「マーラーが書いた中で最も輝かし作品」と激賞した交響曲第9番。形式、主題、調性あらゆる面で広大で感情的な第1楽章、喜びと遊び心に満ちた第2楽章、辛辣な皮肉と怒りを表した第3楽章、そして神秘的なアダージョで締めくくる第4楽章で構成されたマーラー最大の傑作。BISレーベルで数多くの録音を残してきたヴァンスカが最上級の演奏に達したマーラーの交響曲シリーズ。これまでに第1番「巨人」(BISSA-2346)、第2番「復活」(BISSA-2296)、第4番(BISSA-2356)、第5番(BISSA-2226)、第6番(BISSA-2266)、第7番(BISSA-2386)、第10番(BISSA-2396)がリリースされている。2003年にミネソタo. の音楽監督に就任したヴァンスカは、ベートーヴェンの交響曲全集などで評価を高めた。しかし、当団では経営悪化に伴う労使対立が激しさを増し、2012年10月に経営側はロックアウトを決行。その後の2012/13年のシーズンは全てキャンセルとなり、当団の存続そのものも危ぶまれる状況となった。ヴァンスカは、労使の合意が成立した2014年1月に首席指揮者に復帰し、以後、団結力の増したミネソタ管の演奏は一層密度の濃いものとなっている。 | |||
ブラームス:室内楽曲集 F. A. E. ソナタ〜スケルツォ ハ短調 WoO.2 [原曲:ヴァイオリン・ソナタ|編曲:サイモン・スミス]/ ソナタ ト短調 Op.38 [原曲:チェロ・ソナタ ホ短調|編曲:ダニエル・グリムウッド]/ ホルン三重奏曲 変ホ長調 Op.40 アレック・フランク=ゲミル(Hr|使用楽器: トリプル・ホルン、パックスマン社、1970年製(#以外) /ナチュラルホルン、ロー-ラブバイ、1871-76年製、 ウィリアム・ブラウン作ピストン・バルブ・セクション付き;# ) ダニエル・グリムウッド(P|使用楽器:ハンブルク・スタインウェイD、2009年製) ベンジャミン・マーキス・ギルモア(Vn|使用楽器:アンニバル・ファニオラ、1921年製) | |||
録音:2019年5月-6月、パモジャ・ホール、セブンオークス・スクール、ケント、イングランド。注目のホルン奏者アレック・フランク=ゲミル。当アルバムではブラームスの室内楽に挑んだ。アレック・フランク=ゲミルは現在スコットランド室内o. の首席ホルン奏者をつとめる俊英。高度な技術を要するホルンだが、フランク=ゲミルは完璧ともいえる技術を武器に実に雄弁に歌い上げ、聴き手を魅了している。録音ではBISレーベルから19世紀に生きた作曲家の作品を集めた「ノーブルでメランコリーな楽器」(BISSA-2228)、フェルスター、テレマン、ネルーダ、レオポルト・モーツァルト、そしてハイドンのホルン協奏曲5篇を収録した「W. A. モーツァルト以前の初期ホルン協奏曲集」(BISSA-2315)をリリースしている。今回のブラームスでは楽器にも注目。ホルン三重奏曲の演奏では作曲された同時代、ロー-ラブバイ(1871-76年製)のナチュラルホルンを使用。この名器はフランスでナチュラルホルンとして製作されたが、後にロンドンに輸入され取り外し可能なバルブ・ブロックが追加された。現在この楽器はブレイン家が所有しており、今回の録音にあたり、デニス・ブレインの姪ティナと王立音楽院の許可を得て使用した。当時の響きを追求した注目盤。 | |||
アッラン・ペッテション(1911-1980): 交響曲第15番(1978) (*)/ ヴィオラ独奏のための幻想曲(1936) (#) / ヴィオラ協奏曲(1979) (*/#) (独奏パート補完:エレン・ニスベト) |
エレン・ニスベト(Va;#| 使用楽器:ニコロ・アマティ、1714年製作) クリスチャン・リンドベリ指揮(*) ノールショーピングso.(*) | ||
録音:2020年1月13日-17日、ルイス・デ・ギア・コンサートホール、ノールショーピング(#以外) /2020年5月29日、聖ペテロ教会、ダンデリード(#)、すべてスウェーデン。クリスチャン・リンドベリがノールショーピングso. と録音を続けている現代スウェーデンの作曲家アッラン・ペッテションの交響曲シリーズ。当アルバムでは交響曲第15番とヴィオラ協奏曲を収録した。交響曲第15番は冒頭から尋常ならぬ緊張感ではじまる作品。冒頭のホルンとトロンボーンが簡潔ながらインパクトの強い和音が特徴的。亡くなる2年前の1978年、晩年の集大成ともいえる大作。カップリングは1979年に書かれたヴィオラ協奏曲。未完のため当録音ではスウェーデンのヴィオリスト、エレン・ニスベトが独奏パートを補完させて演奏。ペッテションの初期作品ヴィオラ独奏のための「幻想曲」(1936年6月、作曲者自身がヴィオリストとしての道を歩み始めた頃の作品)とあわせてペッテションのヴィオラの世界もお楽しみ頂きたい。 | |||
J.S.バッハ(1685-1750): チェンバロと弦楽のための協奏曲集 Vol.2 〔第6番 ヘ長調 BWV.1057 / 第7番 ト短調 BWV.1058 / 第4番 イ長調 BWV.1055 / 第3番 ニ長調 BWV.1054 〕 |
鈴木優人(Cemb)指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン [アンドレアス・ベーレン、 水内謙一(リコーダー) 若松夏美(Vn;コンサートマスター) 高田あずみ(Vn) 山口幸恵(Va;コンティヌオ) 山本徹(Vc) 西澤誠治(ヴィオローネ)] | ||
録音:2019年7月22日-26日、ヤマハホール、銀座|使用チェンバロ: Willem Kroesbergen, Utrecht 1987 〔 after J. Couchet, 2 manuals, 8', 8', 4', FF−f''' 〕。2018年9月よりバッハ・コレギウム・ジャパン首席 指揮者に就任した鈴 木優人がバッハのチェンバロと弦楽のための協奏曲査集録音を開始!バッハの独奏チェンバロと弦楽オーケストラのための協奏曲集はその大半がバッハや他者の作曲家による他の楽器のための協奏曲を編曲したものが、チェンバロという楽器を通奏低音から独奏楽器へと引き上げた注目すべき作品群。チェンバロ協奏曲第1、2、5、8番を収めた第1弾 (BISSA-2401) はレコード芸術「特選盤」、毎日新聞「特薦盤」、読売新聞「推薦盤」など各誌・各紙で高く評価された。第2弾となる当アルバムにはブランデンブルク協奏曲第4番 ト長調 BWV.1049のヴァイオリンがチェンバロに置き換えられたチェンバロ協奏曲第6番 BWV.1057、原曲がオーボエ・ダモーレをソロとした協奏曲と考えられるチェンバロ協奏曲第4番 BWV.1055、ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV.1041が原曲のチェンバロ協奏曲第7番 ト短調 BWV.1058、そしてヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV.1042が原曲のチェンバロ協奏曲第3番 ニ長調 BWV.1054の4篇を収録している。おなじみのヴァイオリン協奏曲などがチェンバロ編曲によりまた違った魅力を放っており、鈴木優人の雄弁なチェンバロとBCJの弦楽メンバーとの音楽的対話が実に見事な演奏を展開している。鈴木雅明と演奏した2台のチェンバロのための協奏曲集 (BISSA-2051) も好評発売中。 | |||
ミシェル・ジャレル(1958-): ヴィオラと管弦楽のための協奏曲「緊急対応 [Emergences-Resurgences] 」(2016) (*) / 管弦楽のための「…大空は今なお、とても澄み渡っているのに、急に不安がこみ上げて来る」(2009) / ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲「4つの印象 [4 Eindrucke] 」(2019) (+) タベア・ツィンマーマン(Va;*) ルノー・カピュソン(Vn;+) パスカル・ロフェ指揮フランス国立ロワールo. | |||
録音:2019年7月(+以外)、2019年12月(+) 、コンベンションセンター、アンジェ、フランス。現代最高峰のスイスの作曲家ミシェル・ジャレルの作品3篇を収録したアルバムの登場!ジャレルは歴史あるサントリーホール国際作曲家 委 嘱シリーズの2019年の「テーマ作曲家 」としても登場しており、日本でも注目度が増している。ここに収められた作品ではタベア・ツィンマーマンとルノー・カピュソンという豪華ソリストが登場した2つの協奏曲、そして管弦楽のための作品が収録されている。「緊急対応」〜ヴィオラと管弦楽のための協奏曲は2016年10月に開かれたストラスブールの音楽祭において、献呈されたタベア・ツィンマーマンとパスカル・ロフェ指揮フランス国立ロワールo. によって初演された作品で、アンリ・ミショーの絵画からインスピレーションを得て書かれている。「…大空は今なお、とても澄み渡っているのに、急に不安がこみ上げて来る…」は、2009年ジュネーヴでマレク・ヤノフスキ指揮のスイス・ロマンドo. によって世界初演された作品。同曲は先に記したサントリーホールサマーフェスティヴァル2019でロフェ指揮東京so. によって日本初演されている。「4つの印象」〜ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲はサントリーホール、フランス国立ロワールo. そして、ケルン・ギュルニッヒo. からの委嘱を受けルノー・カピュソンに献呈された、ジャレル4作目となるヴァイオリン協奏曲で、2019年8月30日、サントリーホールにてカピュソン独奏、ロフェ指揮東京so. にて世界初演されている。「協奏曲の作曲とは、特定のアーティストのために作品を書くことを意味し、その人物を知ることでもある。つまり、作品は一種の肖像画となる。」と語るジャレル。ヴァイオリニスト、ルノー・カピョソンの存在から生まれた4楽章構成の当作品は音色と響きを追求したジャレルの独自の世界が広がる。 | |||
バーバンクの変わり者〜アルベット・シュネルツェル(1972-):室内楽&管弦楽作品集 管弦楽のための「バーバンクの変わり者」(2007) /ピアノのための「悪魔と踊る」(2000) (*) / 室内管弦楽のための「私の手紙を燃やして - クララの思い出」(2019) / ヴァイオリンとピアノのための「アポロンの踊り」(2003) (#) / チェロとピアノのための「凍りついた景色」(2002) (+) /ヴァイオリン協奏曲第2番「夜の歌」(2018) (**) サイモン・クロフォード=フィリップス指揮ヴェステロース・シンフォニエッタ(無印/**) ヘンリク・モーヴェ(P;*) セシリア・シリアクス(Vn;#) ヤコブ・コラーニ(Vc;+) ダーヴィド・フアン(P;#/+) イリア・グリンゴルツ(Vn;**) | |||
録音:2019年11月26日-29日(**)、2020年6月15-17日(*/#/+)、2021年4月6日-8日(無印)、ヴェステロース・コンサートホール、ヴェステロース、スウェーデン。アルベット・シュネルツェルは、1972年生まれ。スカンディナヴィアの彼の世代でもっとも広く注目を集める作曲家のひとり。チェロ協奏曲「狂気のダイアモンド」など3つの管弦楽作品を収めた「郊外の話」(BISSA-2313)に次ぐシュネルツェルの作品集。アルバム・タイトル曲の「バーバンクの変わり者」は、「今日の音楽に影響を及ぼしたはず」のヨーゼフ・ハイドンと、ロサンゼルス郊外のバーバンクで子供時代を過ごし、「シザーハンズ」や「マーズ・アタック」といった映画を作ってきたティム・バートン監督という、「遊び心とバーレスクをこよなく愛する」ところで似ている2人の芸術家をテーマに作曲された。この作品は、ニュー・ストックホルム室内o. による2008年の初演以後、30を超すオーケストラがベルリン・フィルハーモニーやアムステルダム・コンセルトヘボウといったホールで70回以上演奏してきた人気曲。サイモン・クロフォード=フィリップスとヴェステロース・シンフォニエッタによる2021年4月のセッションが、世界初録音。ヴァイオリン協奏曲第2番「夜の歌」は、ウプサラ室内o.、スウェーデン室内o.、ヨンショーピング・シンフォニエッタがイリア・グリンゴルツのために共同委嘱した作品。「覚醒状態と睡眠という2つの異なる世界にはさまれた、重力のない浮遊する感覚」を背景にした4楽章で書かれている。空間に漂う感覚をとらえることを試みた「空中に浮遊する(Levitate)」、1393年にフランス王シャルル六世がパリで開催した「燃える人の舞踏会(Bal desArdents)」、シュネルツェルの夢に現れた「奇妙な想像上の動物たち」の「行列(Procession)」、夢から脱出したいと思いながらも行き場のない「逃げろ(Run)」。2019年4月11日、ウプサラで初演。この曲も、この演奏が世界初録音。もうひとつのオーケストラ曲「私の手紙を燃やして-クララの思い出」は、シュネルツェルがクララ・シューマンのエネルギーと「生への渇望」を表現することを試みた作品。ひとつの主要主題が「クララ・シューマン」を表す「荒々しく自由な」フルートと「ヨハネス / ブラームス」の「思慮深い」ファゴットに分かれ、対話していく。「室内管弦楽」の版を使った、世界初録音。室内楽作品が3曲。「リストたちのロマンティックなヴィルトゥオーゾ曲と「われわれの時代」のヘヴィメタル音楽という、2つの「悪魔的」伝統を交配させた」ソロ・ピアノのための「悪魔と踊る」。異なるクレズマースケールをハーモニー素材に使った「アポロンの誕生(The Birth of Apollo)」「青年期のアポロン(Adolescent Apollo)」の2楽章で書かれたヴァイオリンとピアノのための「アポロンの踊り」は、ギリシャ神話の神からイスピレーションを得た作品。「凍りついた景色」は、シュネルツェルが若い頃。スウェーデン北部の山脈で過ごした冬のある日の鮮やかな記憶を描いたチェロとピアノのための作品。 | |||
アランフェス協奏曲〜ヤコブ・ケッレルマン ロドリーゴ:アランフェス協奏曲(*) フランシスコ・コル(1985-):ギターとアンサンブルのための協奏曲「トゥリア」(#) ファリャ:クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌 アルベニス/クリスティアン・カールセン編曲:「イベリア」〜エボカシオン ピート・ハーデン(1979-):ギターとアンサンブルのための「慰めと煌めき」(#) ヤコブ・ケッレルマン(G|使用楽器:マティアス・ダマン製) クリスティアン・カールセン指揮 LPO (*)、ノルボッテン NEO (#/+) | |||
録音:2019年10月、ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン(*) /2017年12月、スタジオ・アクースティクム、ピテオー、スウェーデン(#) /2019年9月、スタジオ3、スウェーデン・ラジオ、ストックホルム、スウェーデン(無印/+) 。現在ヨーロッパを中心に活躍するギタリスト、ヤコブ・ケッレルマンがロドリーゴのアランフェス協奏曲を録音した。ストックホルム生まれのケッレルマンは母国スウェーデンをはじめスペイン、オランダ、ドイツで研鑽を積み、BISレーベルでもおなじみの名手フランツ・ハラースのマスタークラスのディプロマも取得した実力派ギタリスト。ヴァイオリンのダニエル・ミグダールとのデュオ「デュオKeMi」とても活躍し、BISレーベルから「シューベルトのアルペジオーネ・ソナタ」(BISSA-2375)をリリースしている。期待のソロ・アルバムでは情熱あふれるアランフェス協奏曲をはじめ、現代作曲家コル、ハーデンの作品も収録。ケッレルマンの巧みな演奏をお楽しみ頂きたい。 | |||
キアロスクーロSQ 〜ベートーヴェン:弦楽四重奏曲集 Vol.1 〔第1番 ヘ長調 Op.18 No.1 /第2番 ト長調 Op.18 No.2 「挨拶する」/第3番 ニ長調 Op.18 No.3 〕 キアロスクーロSQ [アリーナ・イブラギモワ(Vn|使用楽器: Anselmo Bellosio, c.1780 ) パブロ・エルナン=ベネディ(Vn|使用楽器: Andrea Amati, 1570 ) エミリー・ホーンルンド(Va|使用楽器: Willems, c.1700 ) クレール・チリヨン(Vc|使用楽器: Carlo Tononi, 1720 )] | |||
録音:2019年6月23日-26日、ゼンデザール、ブレーメン、ドイツ。 現代屈指のヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモワ率いるキアロスクーロ四重奏団がついにベートーヴェンを録音開始。第1弾は弦楽四重奏曲第1-3番を収録した。2005年結成の当団は結成当初から楽曲の深い解釈で注目を集め、演奏活動とともに録音にも積極的に取り組んできた。BISレーベルからはこれまでにハイドンとシューベルトを録音。そのいずれのディスクも高い評価を得ており、なかでもハイドンの弦楽四重奏曲第77番「皇帝」はレコード芸術誌の特集「新時代の名曲名盤500」で同楽曲の第1位に選ばれた。結成当時から変わらぬメンバーで、さらなる進化を遂げている名団体。弦楽四重奏曲の第1番から第3番は作品18として第4番から第6番を含む6つの弦楽四重奏曲からなり、1798年から1800年頃までに書き上げ1801年に出版されている。30歳になろうかというベートーヴェンがついに挑んだこのジャンルではその生き生きとしたアンサンブルを楽しめる作品群。初期作品ながらベートーヴェンの個性と編み込まれた楽曲構成はさすがの一言。キアロスクーロ四重奏団ならではのシャープにして実に温かみのある演奏は同曲集の新たな名盤誕生。今後のリリースにも期待が高まる。(団名の“Chiaroscuro(キアロスクーロ) "はコントラストを印象づける明暗法そして陰影法を意味する)。 | |||
サン=サーンス: ヴァイオリン・ソナタ(*) 〔第1番 ニ短調 Op.75 /第2番 変ホ長調 Op.102 〕/ 幻想曲 イ長調 Op.124 (#) / 子守歌 変ロ長調 Op.38 (#) (フィッツパトリック編曲|ヴァイオリンとハープ版) |
セシリア・シリアクス(Vn) クリスティアン・ イーレ・ハドラン(P;*) スティーヴン・ フィッツパトリック(Hp;#) | ||
録音:2021年5月11日-12日、リッラ・サレン(*) /2021年8月16日、ストックホルム(#)、すべてスウェーデン|使用楽器:ヴァイオリン: N. Gagliano (on loan from the Jarnaker Foundation) /ピアノ: Steinway D /ハープ: Lyon & Healy 。「弦楽トリオ ZPR 」でも知られるスウェーデンの名ヴァイオリニスト、セシリア・シリアクスがオール・サン=サーンス・プログラムに挑んだ。共演はユーハン・ダーレネとのアルバム「北欧ラプソディ」(BISSA-2560)の録音でも知られる若手ピアニスト、クリスティアン・イーレ・ハドラン、そしてハープのスティーヴン・フィッツパトリック。サン=サーンスの代表作ヴァイオリン・ソナタ第1番は終始ヴァイオリンとピアノの技巧的な掛け合いが魅力。ことに無窮動の終楽章の最終パート「アレグロ・モルト」は一度聴いたら忘れられないほど煌びやか。シリアクスとハドランは驚くべき演奏を展開している。幻想曲と子守歌(フィッツパトリック編曲)ではハープとヴァイオリンの美しいデュオをお楽しみ頂ける。 | |||
フィリップ・ルルー(1959-):ソプラノ・サクソフォンとピアノのための作品集 SPP (2000) (*/#) / AMA (2009) (#) / "Conca Reatina? Ruban de Mobius" (2018) (*/#) / 反復…反対(2018) (#) /密集している…沈める(2011) (#) /理性(2019) (*/#) クロード・ドゥラングル(ソプラノSax;*) オディル・ドゥラングル(P;#) | |||
録音:2019年10月、サル・モーツァルト、県立音楽院講堂、オルネ=ス=ボワ、セーヌ=サン=ドニ県、フランス。サクソフォン奏者のクロード・ドゥラングルとピアニスト、オディル・ドゥラングルによる最新盤は、1959年生まれの現代作曲家フィリップ・ルルー立会いの下、録音が実現した。ルルーとは30年の付き合いというドゥラングル。彼らは相互にインスプレーションを与えあいその中で生まれた音楽がこのアルバムに凝縮されている。スペクトル楽派第二世代のルルーの音楽語法はまさに独自の路線を貫いた作風。それは奏法にも表れており、ピアノではハーフペダルを効果的に用い、空間の響きを大事にしている。2020年のコロナ禍において彼らが伝えたい「音楽を通じて友情を語り、困難な時代でも人々を団結させたい」という思いが込められたアルバムが完成した。 | |||
J.S.バッハ:世俗カンタータ全集 | 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
録音:2003年-2017年。2003年から2017年にかけて収録した鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンによるJ.S.バッハの世俗カンタータ全集がついにセットになって登場した。キャロリン・サンプソン、ジョアン・ラン、ハナ・ブラシコヴァー、ソフィー・ユンカー、ロデリック・ウィリアムズ、モイツァ・エルトマン、ドミニク・ヴェルナーなど豪華なソリスト陣を迎えた充実の録音はレコード芸術誌特選盤をはじめ国内外で高い評価を得た。教会カンタータと併せてBCJの大偉業を堪能することができる注目のリリース。なお、第1集リリース時は通常CDだったが、今回の限定ボックスではSACDハイブリッド化しているのも嬉しいところ。全10集がSACDハイブリッド盤となっている。教会カンタータ全集(完売)同様、今回の世俗カンタータ全集も限定ボックスとしてのリリース。この機会をお見逃しなく! | |||
世紀を越える旅 レーガー:前奏曲とフーガ ニ短調 Op.117 No.6 (1909) クライスラー:レチタチーヴォとスケルツォ・カプリス Op.6 (1910) イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番 ホ長調 Op.27 No.6 (1923) R.シュトラウス:ダフネ練習曲 TrV 272b (1945) プロコフィエフ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.115 (1947) ワインベルク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 Op.92 (1967) 尹伊桑〔ユン・イサン〕:大王の主題(J.S.バッハ「音楽の捧げもの」による)(1976) シュニトケ:ア・パガニーニ(オリジナル版) (1982) ペンデレツキ:カプリッチョ(2008) スーイエ・パク(Vn| 使用楽器:フェルディナンド・ガリアーノ、1785年製|弓:ニコラ・マリーン、1850年製) | |||
録音:2019年9月9日-13日、イエス・キリスト教会、ベルリン。2000年生まれの韓国人ヴァイオリニスト、スーイエ・パク。16歳で録音した衝撃のデビュー盤「パガニーニ:24のカプリス」(BISSA-2282)、その翌年収録した「愛の挨拶〜ヴァイオリン愛奏曲集」(BIS SA-2382)と、次々と話題盤をリリースしている。期待の第3弾「世紀を越える旅」では、レーガーからペンデレツキまで20世紀から21世紀の無伴奏ヴァイオリンの世界を堪能出来る。4歳の時にヴァイオリンをはじめたパクは2009年よりベルリンにて名ヴァイオリニスト、ウルフ・ヴァリーンに師事。彼女の驚くべき才能に惚れ込んだヴァリーンはハンス・アイスラー音楽大学ベルリンで学ぶように薦め、すぐさまその才能を開花させた稀有な存在。五嶋みどりやサラ・チャンを思わせる神童ぶりでまだ19歳とは思えないほどの完成されたテクニックと成熟した音楽を聴かせてくれる。当録音の注目は1967年に書かれたワインベルクの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番。この作品は7つの部分から成り、ワインベルクの幅広い表現力が前面に出ている力作。超絶技巧を要し、その難しさはバルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ以上ともいわれる。厳しい緊張感と怒りの表現に満ちたこの作品をパクは集中力を切らすことなく演奏している。 | |||
変奏曲 カロル・シマノフスキ(1882-1937):ポーランド民謡の主題による変奏曲 Op.10 (1900-04) ヘルムート・ラッヘンマン(1935-):フランツ・シューベルトの主題による5つの変奏曲(1956) ハリソン・バートウィッスル(1934-):ゴールドマウンテン変奏曲(2014) ジョン・アダムズ(1947-):「 I Still Play 」(2017) アーロン・コープランド(1900-1990):ピアノ・ヴァリエーション(1930) パウル・ヒンデミット(1895-1963):変奏曲(1936) / ソフィア・グバイドゥーリナ(1931-):シャコンヌ(1963) クレア・ハモンド(P|使用楽器:スタインウェイD) | |||
録音:2019年、ポットン・ホール、サフォーク州、 UK 。今やイギリスを代表するピアニストの一人として活躍するクレア・ハモンド。圧倒的なテクニックと感性豊かな演奏で人気のピアニストだが、今回は「変奏曲」に焦点を当てたアルバムをリリースした。ここに収録された作品は超絶技巧ぶりに唖然とさせられるものばかり。物悲しくも幻想的で美しい旋律の主題と10の変奏曲から構成されているシマノフスキの「ポーランド民謡の主題による変奏曲」は高度なテクニックを要求され、また同時に抒情的な旋律を歌い上げる感性を要するがハモンドは雄弁に演奏しており驚かされる。ドイツの現代作曲家ラッヘンマンの「フランツ・シューベルトの主題による5つの変奏曲」はシューベルトの「ドイツ舞曲とエコセーズ」 D.643から着想を得た作品。コープランドの「ピアノ・ヴァリエーション」はアメリカのピアノ・レパートリーの最高傑作と評される作品で、4つの音を核とし11小節の主題をもとに20もの変奏がついている。このほか、バートウィッスルの「ゴールドマウンテン変奏曲」、ジョン・アダムズの「I Still Play」、ヒンデミットの「変奏曲」、グバイドゥーリナの「シャコンヌ」と、20世紀から現代まで様々な顔を見せる変奏曲の世界に名手ハモンドが誘う。 | |||
ベルント・アーロイス・ツィンマーマン(1918-1970):ピアノ独奏曲全集 3つの初期ピアノ曲(1940) /5つの小品「エクステンポラーレ」(1946) / 民謡の主題による即興「カプリッチョ」(1946) /手引書 I (1949) / 手引き書付録(1949-51) /手引書 II (1951) /8つの小品「構成」(1956) エドゥアルド・フェルナンデス(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2019年7月-8月、テルデックス・スタジオ、ベルリン。ドイツが生んだ鬼才作曲家ベルント・アーロイス・ツィンマーマンのピアノ独奏曲全集の登場。B. A. ツィンマーマンは1918年ケルン生まれ。ダルムシュタット夏期講習でフォルトナーやレボヴィツに学び、12音技法、図形楽譜、電子音楽などのさまざまな前衛技法を用いて作曲するも独自の世界を切り開き、どの派閥にも属さない個性を作り上げた。しかし晩年は苦悩し、1970年にピストル自殺した悲 劇の作曲家として知られる。没後、B. A. ツィンマーマンの音楽の評価が高まり、歌劇「兵士たち」をはじめ、現在は演奏・録音ともに増えつつある作曲家。ここに収録されたピアノ作品はB. A. ツィンマーマンらしい繊細さに加えてドラマティックな展開をみせる音楽が特徴。鬼才作曲家の強いメッセージを受け取ることのできる内容。 | |||
パリのクラリネット ドビュッシー:第1狂詩曲(1909-10) / ヴィドール:序奏とロンド Op.72 (1898) サン=サーンス:クラリネット・ソナタ Op.167 (1920) アンドレ・メサジェ(1853-1929):コンクールのための独奏曲(1899) アンリ・ラボー(1873-1949):コンクールのための独奏曲(1901) プーランク:2つのクラリネットのためのソナタ FP 7 (1918) (#) /クラリネット・ソナタ FP 184 (1962) マイケル・コリンズ(Cl|使用楽器:ヤマハ、 B ♭管カスタム「 YCL-SE Artist Model 」) 小川典子(P;#以外|使用楽器:スタインウェイ D ) セルジオ・フェルナンデス・ピレス(Cl;#|使用楽器:セルマー、パリ、 A 管「レシタル」) | |||
録音:2019年11月、ポットン・ホール、ウェストルトン、サフォーク州。クラリネットの鬼才マイケル・コリンズがイギリスを中心に活躍する世界的ピアニスト小川典子と夢の共演のアルバム「パリのクラリネット」をリリースする。クラリネットのレパートリーは1900年頃まではドイツ語圏が主 流でありアントン・シュタードラ(1753-1812)、ハインリヒ・ヨーゼフ・ベールマン(1784-1847)、リヒャルト・ミュールフェルト(1856-1907)というクラリネットの名手の存在によりモーツァルト、ウェーバー、ライネッケ、ブラームスなどの作曲家が名作を残した。一方、フランスは1870-71年、フランス帝国とプロイセン王国の間で行われた普仏戦争の敗戦後に自国の文化育成に力を入れ始め、19世紀末以降音楽の分野でも数多くの名作が書かれている。ここに収録されている作品は19世紀後半以降に書かれたドビュッシー、ヴィドール、プーランク、サン=サーンスなどフランス音楽界の重要な役割を果たした作曲家の作品で構成。その中でもパリに焦点を当て、フランス音楽独特の色彩感にあふれた作品を堪能することができます。ドビュッシーの「第1狂詩曲」やパリ音楽院の試験曲として書かれたアンドレ・メサジェそしてアンリ・ラボーの「コンクールのための独奏曲」では軽やかかつ華麗でエスプリあふれるパリを感じられる。また、2021年(2021年)に歿後100年を迎えたサン=サーンスが晩年に作曲したクラリネット・ソナタやプーランクの2つのソナタでもパリらしい皮肉に満ちた旋律とおしゃれさを誇る。ドビュッシーやサティのピアノ独奏曲でも高い評価を得る小川典子がマイケル・コリンズと演奏した決 定盤の登場。プーランクの2つのクラリネットのためのソナタで共演のセルジオ・フェルナンデス・ピレスは1995年ポルトガル生まれの俊英。2016年よりヴィンタートゥーア・ムジークコレギウムの首席クラリネット奏者を務めている。 | |||
キアスクーロSQ 〜ベートーヴェン:弦楽四重奏曲集 Vol.2 〔第4番 ハ短調 Op.18 No.4 /第5番 イ長調 Op.18 No.5 /第6番 変ロ長調 Op.18 No.6 〕 キアロスクーロSQ [アリーナ・イブラギモワ(Vn|使用楽器: Anselmo Bellosio, c.1780 ) パブロ・エルナン=ベネディ(Vn|使用楽器: Andrea Amati, 1570 ) エミリー・ホーンルンド(Va|使用楽器: Willems, c.1700 ) クレール・チリヨン(Vc|使用楽器: Carlo Tononi, 1720 )] | |||
録音:2019年9月9日-12日、ゼンデザール、ブレーメン、ドイツ。現代屈指のヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモワ率いるキアロスクーロ四重奏団のベートーヴェンの第2弾がはやくも登場。当アルバムには弦楽四重奏曲第4-6番を収録している。2005年結成の当団は当初から楽曲の深い解釈で注目を集め、演奏活動とともに録音にも積極的に取り組んできた。BISレーベルからはこれまでにハイドンとシューベルトを録音。そのいずれのディスクも高い評価を得ており、なかでもハイドンの弦楽四重奏曲第77番「皇帝」はレコード芸術誌の特集「新時代の名曲名盤500」で同楽曲の第1位に選ばれた。結成当時から変わらぬメンバーで、さらなる進化を遂げている名団体。作品18の6つの弦楽四重奏曲。第1-3番を収めたアルバム(BISSA-2488)はレコード芸術特選盤となり演奏・録音の両面から絶賛された。1798年から1800年頃までに書き上げ1801年に出版された作品18。30歳になろうかというベートーヴェンがついに挑んだこのジャンルではその生き生きとしたアンサンブルを楽しめる作品群で初期作品ながらベートーヴェンの個性と編み込まれた楽曲構成はさすがの一言。キアロスクーロ四重奏団ならではのシャープにして実に温かみのある演奏は同曲集の新たな名盤誕生。(団名の“Chiaroscuro(キアロスクーロ) "はコントラストを印象づける明暗法そして陰影法を意味する)。 | |||
ディヴェルティスマン! イベール:室内管弦楽のためのディヴェルティスマン(1930) ベルナール:管楽器のためのディヴェルティスマン Op.36 (1894) バルトーク:弦楽オーケストラのためのディヴェルティメント Sz.113, BB.118 (1939) (*) イッポリート:室内管弦楽のためのディヴェルティメント(2017) "c/o" 室内o. | |||
録音:2018年8月、イエス・キリスト教会、ダーレム(*以外) /2020年10月、キリスト教会、オーバーシェーネヴァイデ(*)、すべてベルリン。指揮者を立てない「 c/o 室内オーケストラ」。当団はヨーロッパを中心とする10か国以上から集結した若手の精鋭が集い、室内オーケストラの高みを目指す注目の団体。「 c/o 」は英語の「care of」の略で、郵便や宅配など、本人に直接届けることが出来ず他の人が代わりに預かってくれる場合に「 c/o (日本語では「様方」)」と記する。このイメージから当団は「作曲家が作曲しただけでは音楽を聴衆に届けることはできず、音楽家が演奏することによりはじめて音楽に命が宿る」という思いを込め「 c/o 室内オーケストラ」と名付けた。このアルバムでは4人の作曲家の「ディヴェルティメント(ディヴェルティスマン)」を収録。ディヴェルティメントといってもその演奏形態は実に様々。バルトークは弦楽オーケストラ、エミール・ベルナール(1843-1902)は管楽合奏、イベールとマイケル・イッポリート(1985-)は室内オーケストラとその作品は多彩。また、アンサンブルの作品ながらメンバーの個性も発揮されるのがこれらの作品の魅力でもある。名手が揃った当団のメンバーが自由に楽しく演奏している。 | |||
バッハ・コレギウム・ジャパン創立30周年記念、 マタイ受難曲再録音〜J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV.244 ベンヤミン・ブルンス(福音史家) キャロリン・サンプソン、松井亜希(S) ダミアン・ギヨン、クリント・ファン・デア・リンデ(CT) 櫻田亮、ザッカリー・ワイルダー(T) クリスティアン・イムラー(B;イエス) 加耒徹(B;ユダ/ピラト/大祭司カヤパ/祭司長 I ) 鈴木優人(Org) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
録音:2019年4月、彩の国さいたま芸術劇場。2020年、バッハ・コレギウム・ジャパンは創立30周年を迎えた。これを記念して2019年にマタイ受難曲を再録音した。今回の録音を機に大胆な試みに挑戦したい、という鈴木雅明率いるバッハ・コレギウム・ジャパンの思いがあった。それは通奏低音用に用いるオルガンのこと。再録音をきっかけに鈴木雅明は数年前より現代最高のオルガンビルダー、マルク・ガルニエと綿密な相談をし、開管のプリンツィパルを持つ通奏低音用のオルガンを建造してもらった。当録音ではBCJの首席指揮者鈴木優人がそのオルガンを演奏している。充実のソリスト陣を迎えたこのマタイ受難曲の再録音はBCJ30周年にふさわしい話題盤と言えるだろう。 | |||
Amavi 〔私は愛した〕〜マイケル・イースト(1580-1648):ヴィオールと声のための音楽 *私は絶望した アンセム「ダビデは、アブサロムが殺されたと聞き(サムエル記下)」(*/**) *私は罪を犯した わたしの罪に御顔を向けず(詩編51番)(*/**) / 御救いの喜びを再びわたしに味わわせ(詩編51番)(*/**) *私は見た マドリガル「星の光が弱すぎて」(*) / *私は飲んだ マドリガル「さようなら優しい森」(*) *私は信じた おお主よ、あなたを信頼している / *私は生きた 人生よ教えてくれ *私は勝利した すべての民よ、手を打ち鳴らせ(詩編47番)(*) /神は歓呼の中を上られる(詩編47番)(*) *私は愛した マドリガル「わたしが嘆くと」(*) ジル・ジャーマン(1959-):心穏やかに思うこと(*) フィエリ・コンソート(*)[ハナ・イーリー、ルシンダ・コックス、ヘレン・チャールストン、 ナンシー・コール、ジョッシュ・クーター トム・ケリーベン・マッキー] チェリス・ヴィオール・コンソート [イブラヒム・アジズ(トレブル・ヴィオール) アリソン・キンダー(トレブル・ヴィオール/テナー・ヴィオール) ケイト・コンウェイ(テナー・ヴィオール) サム・スタドレン(テナー・ヴィオール/バス・ヴィオール) ジェニファー・ブロック(バス・ヴィオール)] エミリ・アシュトン(テナー・ヴィオールß;**s) | |||
録音:2018年8月、ガートン・カレッジ・チャペル、ケンブリッジ、イングランド、 UK 。16世紀と17世紀初頭のイギリスでは、ヴィオールのコンソートがもてはやされ、作曲を手がけるイギリスの音楽家たちはこのレパートリーのための音楽を最優先に作曲していったと言われる。マイケル・イーストMichael East(c.1580-1648)も、そのひとり。ケンブリッジ大学の音楽学士号を取得、イーリー大聖堂とスタフォードシャーのリッチフィールド大聖堂で作曲家、オルガニスト、聖歌隊指揮者として働いた。彼の作曲したヴィオールと声楽のための音楽は7巻の曲集として出版され、当時もっとも多く作品が出版された作曲家のひとりだった。代表作とされる「5声のファンタジー(ファンシー)」にアンセムとマドリガルをちりばめた構成によるイーストの作品集「Amavi(私は愛した) 」。プログラムの中心、「Desperavi(私は絶望した)」「Peccavi(私は罪を犯した)」などラテン語の曲名がつけられた8曲の「5つのヴィオールのためのファンタジア(ファンシー)」は、この録音のちょうど400年前、1618年に出版された「第4巻」に収録され、極めて高い評価を受けた。声楽のためのアンセムとマドリガルは、同じ曲集と1610年のコレクションの曲が選ばれた他、トマス・モーリーが1601年に編纂した「オリアーナの勝利」に収録されたマドリガル「Hence stars too dim of light(星の光が弱すぎて)」が加えられている。「フィエリ・コンソート(Fieri Consort)」は、2012年の創設されたイギリスのヴォーカルグループ。16世紀と17世紀のイタリア音楽を主なレパートリーとし、アカペラ作品とピリオド楽器をともなう作品を指揮者を置かずに歌う。2017年のヨーク・アーリーミュージック・フェスティヴァルで「ケンブリッジ賞」を受賞した。「チェリス・ヴィオール・コンソート(Chelys Consort of Viols)」(チェリス・コンソート・オブ・ヴァイオルズ)は、イギリスを代表するプレイヤーを集めて結成されたアンサンブル。BBC Radio3に出演。クリストファー・シンプソンのエアとディヴィジョンを演奏した「Ayres & Graces」(BIS-2153)ダウランドと彼の時代の作曲家の作品を集めた「心地よき憂鬱(A;Pleasing Melancholy)」(BISSA--2283)を BISレーベルに録音している。チェリスは、2019年、「心地よき憂鬱」で共演した「デーム・エマ・カークビー」の70歳誕生日を祝って開催されたウィグモア・ホールのコンサートにフィエリ・コンソートとともに出演した。このアルバムの最後、イギリスの作曲家でジャズ・ピアニストのジル・ジャーマンJill Jarman (1959?)が、マイケル・イーストと同時代の詩人サー・ヘンリー・ウォットンSir Henry Wotton (1568-1639)をテクストに作曲した新作「Now are my thoughts at peace(心穏やかに思うこと)」が演奏される。 | |||
ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(1772-1847):ピアノ協奏曲全集 Vol.1 〔ホ長調 Op.3 (ピアノ、またはチェンバロと管弦楽のための)/ハ長調 Op.12 (#) /ニ長調 Op.26 〕 ロナルド・ブラウティハム(Fp) マイケル・アレクサンダー・ウィレンス指揮ケルン・アカデミー | |||
録音:2021年4月-5月(無印)、2021年8月(#)、すべてインマヌエル教会、ヴッパータール、ドイツ。ベートーヴェンと同時代を生きた作曲家ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(1772-1847)が2022年に生誕250年、歿後175年を迎えた。ライン川中流部右岸のベルギッシェスラント地方の小さな村に生まれ父や兄からピアノと作曲の手ほどきを受け、フルートを独学で学んだヴィルムスは19歳のときにアムステルダムに渡り、フルート奏者、ピアニスト、オルガニストそして興行師としても活躍。その後、アムステルダムの裕福な美術収集家の娘と結婚し、彼も大きな恩恵を受ける。当時彼の作品はアムステルダムをはじめライプツィヒなどでも頻繁に演奏されていた。ヴィルムスはオランダ国歌も作ったことでも知られるが、交響曲、室内楽曲、協奏曲を中心に、のどかで心地よい作品を残している。生誕250周年を記念してロナルド・ブラウティハムとマイケル・アレクサンダー・ウィレンス率いるケルン・アカデミーが“オランダのベートーヴェン" ヴィルムスの現存する5つのピアノ協奏曲を録音。当アルバムはその第1集で3篇を収録している。当演奏では現存する楽譜からウィレンスの助言をとともにブラウティハムが再構築しており、軽やかで優美な旋律を充分にご堪能頂ける。 | |||
ベートーヴェン:ギターとピアノのための作品集 セレナード ニ長調 Op.41 (1803)(原曲:フルートとピアノのための)/ ソナティナ ハ短調 WoO.43a (1796)(原曲:マンドリンとピアノのための)/ モーツァルト「フィガロの結婚」から「もし伯爵様が踊るなら」の主題による12の変奏曲 ヘ長調 WoO.40 (1792-93) / ソナティナ ハ長調 WoO.44a (1796)(原曲:マンドリンとピアノのための)/ アダージョ・マ・ノン・トロッポ 変ホ長調 WoO.43b (1796)(原曲:マンドリンとピアノのための)/ アンダンテと変奏曲 ニ長調 WoO.44b (1796)(原曲:マンドリンとピアノのための)/ 音楽時計のための5つの小品集(1794/99-1800) 〔アダージョ ヘ長調 WoO.33a No.1 /アレグロ・ノン・ピウ・モルトハ長調 WoO.33b No.1(ピアノ独奏)/ スケルツォ・アレグロ ト長調 WoO.33a No.2 / アレグレット ハ長調 WoO.33b No.2(ギター独奏)/アレグロ ト長調 WoO.33a No.3 〕/ モーツァルト「魔笛」から 「娘っ子でも女房でも」の主題による12の変奏曲 ヘ長調 Op.66 (1796)(原曲:チェロとピアノのための) フランツ・ハラース(G|使用楽器: Matthias Dammann ) デボラ・ハラース(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2018年12月、2019年2月、大ホール、ミュンヘン音楽・演劇大学、ミュンヘン。BISレーベルでもおなじみギターの名手フランツ・ハラースとピアニスト、デボラ・ハラースが2020年ベートーヴェン生誕250周年を記念してベートーヴェンの作品に挑んだ。原曲は弦楽器またはフルートと鍵盤楽器のための作品とハラースが卓越した妙技で演奏。ギターの奥深い音色とピアノとの掛け合いが絶妙。 | |||
シベリウス:交響曲全集、クレルヴォ BISSA-1996 〔第1番/第4番|2012年5月-6月〕、BISSA-1986 〔第2番/第5番|2011年6月〕、 BISSA-2006 〔第3番、第6番、第7番|2015年5月-6月〕、BISSA-2236〔クレルヴォ|2016年2月〕(*) のセット オスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタo.、ヘルシンキ大学男声cho.(YL)(*) リッリ・パーシキヴィ(Ms;*) トンミ・ハカラ(Br;*) | |||
録音:〔|内〕、オーケストラ・ホール、ミネアポリス、ミネソタ州| (*):ライヴ。かつてラハティso. と記念碑的なシベリウスの交響曲全集 (BIS-1286|1995-97年録音)を完成させたヴァンスカ。その後2011年より手兵ミネソタo. を率いて2度目の全曲録音を開始した。同オーケストラとはベートーヴェンの交響曲全集(BISSA-1825)の名演でも知られる。シベリウスの2度目の録音完成には苦難が伴った。第1弾のリリースとなった第2番&第5番(2011年録音)が好評を博し、続く第1番&第4番(2012年録音)が順調にリリースされたが、その後ミネソタo. の理事会と楽団員たちの労使紛争が紛糾し決裂状態となり、さらには2013年10月にヴァンスカが一時辞任したため、予定されていた第3弾の録音の実現が難しい状態となり中断してしまった。しかし、多くの要望とヴァンスカの全曲録音への思いから2015年5月、6月に第3番、第6番&第7番を録音する運びとなり、ついに完成に至った。「フィンランドの風景を思い起こさせる」と評されるヴァンスカの再録は高く評価された。ヴァンスカの円熟ぶりとさらなる深さを堪能出来る。さらに嬉しいのが、「フィンランドから北アメリカへの移民の始まった150周年を記念するコンサート」におけるライヴ(2016年2月録音)で披露されたクレルヴォも収録している。当作品もヴァンスカの2度目の録音。1度目は2000年に当時新築のシベリウスホールで録音したラハティso. との最初のアルバム(BIS-1215)でリリースされた。ヴァンスカ率いるミネソタo. の代表録音がついにセットで登場。 | |||
ハイドン: チェロ協奏曲〔第1番 ハ長調 Hob.VIIb: 1 / 第2番 ニ長調 Hob.VIIb: 2 〕/ 交響曲第13番 ニ長調 Hob.I: 13 〜第2楽章 アダージョ ヒンデミット:チェロと 弦楽オーケストラのための葬送音楽(1936) |
クリスティアン・ ポルテラ(Vc)指揮 ミュンヘン室内o. | ||
録音:2021年4月6日-9日、昇天教会、ゼンドリング、ミュンヘン。トリオ・ツィンマーマンのチェリストとしても活躍する名手ポルテラが弾き振りで挑むハイドンのチェロ協奏曲とヒンデミットの「葬送音楽」!クリスティアン・ポルテラは1977年チューリヒ生まれ。ザルツブルクとウィーンでハインリヒ・シフに師事した。これまでギドン・クレーメル、ヘンニング・クラッゲルード、内田光子ら世界的アーティストとの共演を重ねる室内楽の名手として知られる一方、ソリストとして数多くのディスクをリリースしている実力派。ハイドンのチェロ協奏曲は全部で6曲作曲されたといわれているが、紛失、偽作疑惑などで、現在残っているのは2曲。1761〜65年ころに作曲したとされる第1番は長きに渡り楽譜は失われていたが、1961年にプラハで筆写譜が発見され翌1962年に蘇演。現在ではチェロ協奏曲の必須レパートリーの一つに数えられる。一方、第2番はチェロの魅力が十分に引き出された優雅な雰囲気をもつ名作。そして交響曲第13番の第2楽章「アダージョ」は独奏チェロが大活躍の美しい楽章。ハイドンが書いた魅力的な旋律をポルテラが伸びやかに演奏している。カップリングはヒンデミットの「葬送音楽」。イギリス国王ジョージ5世の訃報を知ったヒンデミットが追悼のために急遽書いた作品。悲しくも凛とした魂を感じるこの名曲を歌心に満ちたポルテラの演奏でお届けする。 | |||
ドッピオ・エスプレシーヴォ ヴィヴァルディ/マレイン・ファン・プローイエン、コントラバス用編曲: チェロ、コントラバス、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ト短調 RV.531 / 歌劇「ジュスティーノ」RV.717 〜アリア「喜びと共に会わん」/ チェロ、コントラバス、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ホ短調 RV.409 ボッテジーニ/ボグスワフ・フルトク弦楽アンサンブル用編曲: ロッシーニのファンタジアからのカンツォネッタ「ラ・セレナータ」/パッショーネ・アモローサ エルンスト/ボッテジーニ、マレイン・ファン・プローイエン編曲:エレジー(弦楽アンサンブル版) ボッテジーニ/マレイン・ファン・プローイエン編曲:ファゴット、コントラバスと弦楽のためのデュエット リック・ストテイン(Cb) ヨハネス・ロスタモ(Vc) オリフィエル・テエリー(Cb2) ブラム・ファン・サムベーク(Fg) カメラータ RCO[シャーン・オーメン(Vn1) クーン・スタペルト(Vn2) エーディット・ ファン・モエルガステル(Va)、フレット・エデーレン(Vc) フェリックス・ラシュマル(Cb)] クリスティアーン・エデーレン(Cemb) ゼーレン・ロイポルト(テオルボ) | |||
録音:2021年10月、ジンゲル教会、アムステルダム、オランダ。名コントラバス、リック・ストテインがイタリアの作曲家ヴィヴァルディとボッテジーニに焦点を当てたアルバムをリリース!「コントラバスのパガニーニ」の異名をとったジョヴァンニ・ボッテジーニ(1821-1889)。ストテインは常々ヴィヴァルディとボッテジーニが同時代に生まれていれば、技巧的で魅力的なコントラバス協奏曲を沢山書いていただろうと確信しており、このアルバムのコンセプトが生まれた。共演はカメラータRCOとブラム・ファン・サムベークらオランダの名手が揃った。ストテインの演奏は何といってもその美しさが魅力。これまでもコントラバス=通奏低音というイメージを一新してきた彼でしかできない唯一無二の世界が広がる。アンサンブルに長けた名人たちの演奏でお楽しみ頂きたい。 | |||
来たれ〜クリスマスの歌 II ジョン・フランシス・ウェイド(1711-1786)/デイヴィッド・ウィルコックス(1919-2015)編曲、 グレーテ・ペーデシェン(1960-)、イェルムン・ラーシェン(1981-)追加編曲:神の御子は今宵しも トマス・ベック(1899-1963)/イェルムン・ラーシェン・トリオ編曲:聖なるクリスマスイブ チャールズ・アイヴズ(1874-1954):クリスマス・キャロル アルネ・ムデーン(1936-2015)/イェルムン・ラーシェン(1981-)編曲:教会の旋律 伝承曲/アンドレーアス・ユートネム(1973-)編曲:クリスマスの酒を作ろう ブルガリア、ノルウェー、バスク伝承の子守歌/デイヴィッド・ウィルコックス(1919-2015)編曲、 グレーテ・ペーデシェン(1960-)追加:幼子イエス/ねんねんダミヤンチョ 伝承曲/スチャン・カーシュテンセン(1971-)、イェルムン・ラーシェン(1981-)、 ソンドレ・マイスフィヨルド(1975-)編曲:ディンドン、空高く 伝承曲/グンナル・エーリクソン(1936-)編曲:見失った羊 ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750):モテット「イエスよ、来たれ」 BWV.229 伝承曲(セテスダール民謡)/ヨハン・クヴァンダール(1919-1999)の編曲に基づき、ヨン・ロルマルク(1967-)、 グレーテ・ペーデシェン(1960-)編曲:おお、ここではたくさんのものが ウィリアム・ジェイムズ・カークパトリック(1838-1921)/アンデシュ・オールヴァル(1932-2012)、 デイヴィッド・ウィルコックス(1919-2015)編曲:まぶねの中で 伝承曲/グンナル・エーリクソン(1936-)、トロン・クヴェルノ(1945-)編曲:見よ、太陽の美しい光と輝きを マルコ・アンブロジーニ(1964-)、ソンドレ・マイスフィヨルド(1975-):即興「カリヨン」 ジョン・ゴス(1800-1880)/デイヴィッド・ウィルコックス(1919-2015)編曲:ごらん、静かな冬の夕べに 伝承曲(セテスダール民謡):クリスマスの歌 / 伝承曲/テリエ・クヴァム(1944-)編曲:この世はうるわし イェルムン・ラーシェン(1981-):歩き歌 グレーテ・ペーデシェン指揮ノルウェー・ソリストcho. イェルムン・ラーシェン(Vn) マルコ・アンブロジーニ(ニッケルハルパ) ソンドレ・マイスフィヨルド(ベース) アンドレーアス・ユートネム、クヌート・ヨハンネセン(ハルモニウム) スチャン・カーシュテンセン(アコーディオン) ケート・ハーン(Vc) ヨアキム・ペーテション(ヴィオローネ) クリスティアン・ショス(Org) インゲボルグ・ダールハイム、 ハンネ・マーリト・モルダール(S) マーリ・アスクヴィーク(A) デイヴィッド・マッキューン(B) | |||
録音:2021年12月、ロヴィーセンベルグ教会、オスロ、ノルウェー。ノルウェー・ソリスト合唱団とグレーテ・ペーデシェンは、初めてのクリスマス・アルバム「バラ(Ros)」(BISSA-2029)を2013年にリリースした後、毎年クリスマス・コンサートを開催してきた。ノルウェーの人たちと子供たちからもっとも愛されている音楽家のひとり、イェルムン・ラーシェンもアルバムにつづいて参加するコンサートは、聴衆が心待ちにする、寒い季節の暖かい時間として定着したと言われる。「12月は期待の時。私たちは待ち、望む」。ノルウェー・ソリスト合唱団のクリスマス・アルバム第2作「来たれ(Veni)」も「芸術音楽とトラッド・ミュージックがひとつになって」という同じコンセプトで作られた。「トラッド」からは、イェルムン・ラーシェンの他、キーフィドルのヒッケルハルパを弾くマルコ・アンブロジーニとベーシストのソンドレ・マイスフィヨルドが参加。「神の御子は今宵しも」「まぶねの中で」「この世はうるわし」といった広く親しまれたキャロルにノルウェーの民謡、アイヴズの「クリスマス・キャロル」、ニッケルハルパとベースによる「即興」などを交えた、ユニークな編曲も加えたプログラムを、変化をつけた編成で演奏している。 | |||
ラフマニノフ:交響曲&管弦楽曲集 交響曲第1番 ニ短調 Op.13 (1895) (+) 12 /交響曲 ニ短調「ユース・シンフォニー」(1891) 13 / 交響詩「ロスティスラフ公」(1891) 13 /交響曲第2番 ホ短調 Op.27 (1906-07) (*) 08 / ヴォカリーズ Op.34 No.14 (1912)(作曲家自身によるオーケストラ版)(*) 08 / 交響曲第3番 イ短調 Op.44 (1935-36) (#) 11 /交響的舞曲 Op.45 (1940) 14 /幻想曲「岩」 Op.7 (1893)15 / 歌劇「アレコ」からの4つの作品(1893) 〔序奏、アンダンテ・カンタービレ13 /男たちの踊り13 /間奏曲12 /女たちの踊り12 〕/ ジプシーの主題による奇想曲 Op.12 (1894) 12 /スケルツォ ニ短調(1887) 13 / 歌劇「けちな騎士」への前奏曲 Op.24 (1904)13 /交響詩「死の島」 Op.29 (1908)13 ラン・シュイ指揮シンガポールso. | |||
録音:2008年7月08、2011年7月-8月11、2012年8月12、2013年7月-8月13、2014年11月14、2015年11月15、すべてエスパラネード・ホール、シンガポール| (*/#/+)以外:初出音源|既出SACD: BISSA-1712 (*), BISSA-1988 (#), BISSA-2012 (+) 。ラン・シュイ率いるシンガポールso. によるラフマニノフの交響曲集&管弦曲集の登場。これまで交響曲とピアノ協奏曲とのカップリングでリリースされてきたラフマニノフのシリーズだが、このセット化では3つの交響曲とヴォカリーズ以外は初出音源となる管弦楽曲との組み合わせで4枚組となる。1997年にシンガポールso. の音楽監督に就任し、今や一流のアンサンブルにしあげたラン・シュイ。ラン・シュイは2019年まで当団の音楽監督をつとめ、現在は桂冠指揮者として共演を続けている。ここに録音したラフマニノフの交響曲はBISレーベルが誇る名演として知られ、色彩豊かかつ明瞭な演奏が魅力。交響曲ばかりでなく、管弦楽曲も丁寧に練り上げており実に聴き物。当団の充実ぶりを知ることのできる注目の録音がうれしいセット化で登場。 | |||
カントルーブ:「オーヴェルニュの歌」より(抜粋) 第1集〔野原の羊飼いのおとめ/バイレロ―高地オーヴェルニュの羊飼いの歌/3つのブレー [泉の水/どこへ羊を放そうか/あちらのリムーザンへ]〕/ 第2集より〔羊飼いのおとめ/捨てられた女/2つのブレー[私には恋人がいない/うずら]〕/ 第3集〔紡ぎ女/牧場を通っておいで/背こぶの人/子守歌/女房持ちはかわいそう〕/ 第4集より〔ミラベルの橋のほとりで/おーい/子供のために/しっ、しっ静かに/かっこう〕/ 第5集より〔私が小さかったころ/向こう、岩山の上で/さあ、ロバにまぐさをおやり/ 野良犬め、あっちへ行け/一人のかわいい羊飼い娘/いいよと言った〕 キャロリン・サンプソン(S) パスカル・ロフェ指揮タピオラ・シンフォニエッタ | |||
録音:2020年3月9日-13日、タピオラ・ホール、エスポー、フィンランド。スコラ・カントルムでダンディに師事した作曲家カントルーブの「オーヴェルニュの歌」をイギリスの名唱キャロリン・サンプソンが録音した。ダンディの生まれ故郷はオーヴェルニュの東南端の山地アノネー。フランス民謡の収集とその器楽伴奏付き編曲で知られるカントルーブは1923年から1930年にこの歌曲集を書き上げた。全5集からなるこの曲集は素朴な歌の旋律そして卓越した管弦楽書法による伴奏が実に見事で、香り高き色彩と芸術的な美しさに満ちている。この「オーヴェルニュの歌」をサンプソンとパスカル・ロフェ指揮タピオラ・シンフォニエッタが実に表情豊かに演奏している。キャロリン・サンプソンは「完璧なコロラトゥーラ技術と豊かにのびる輝かしい声」と評され、世界の聴衆を魅了し続けている。バロック・古典派の歌曲からオペラまで幅広いレパートリーを持っており、特にバッハ・コレギウム・ジャパンとの録音はサンプソンの代表盤で、澄み切ったその歌唱は官能的で聴くものを魅了してやまないと評価されている。 | |||
シューベルト:交響曲全集 交響曲〔第1番 ニ長調 D.82 (1813) /第2番 変ロ長調 D.125 (1814-15) / 第3番 ニ長調 D.200 (1815) /第4番 ハ短調「悲劇的」 D.417 (1816) / 第5番 変ロ長調 D.485 (1816) /第6番 ハ長調「小ハ長調」 D.589 (1817-18) / 第8番 ロ短調「未完成」 D.759 (1822) /第9番 ハ長調「グレイト」 D.944 (1825-26) 〕/ 歌劇「アドラスト」D.137 (1819-20) (未完) 〜葬送行進曲/「ロザムンデ」序曲 D.644 (1820) / 劇付随音楽「ロザムンデ」 D.797 (1823) より〔間奏曲第1番 ロ短調/間奏曲第3番 変ロ長調/間奏曲第2番 ニ長調/ バレエ音楽第2番 ト長調/バレエ音楽第1番 ロ短調 + ト長調〕 トーマス・ダウスゴー指揮スウェーデン室内o. | |||
録音:2006年10月、2007年12月、2009年5月、2010年1月、2011年8月、2012年2月、2013年6月、すべてエレブルー・コンサートホール、スウェーデン|既出・初出: BISSA-1656, BISSA-1786, BISSA-1987, BISSA-1989 のセット化|クラムシェル・ボックス仕様。『ベーレンライター社から出版している「新シューベルト全集 [Neue Schubert-Ausgabe] 」の原典版に基づいて演奏しています。「新シューベルト全集」では「未完成」が第7番、「グレイト」が8番となっていますが、当アルバムでは従来の番号を踏襲しています。』ダウスゴーとスウェーデン室内o. によるシューベルト交響曲全集が遂にセットになって登場する。現代的感覚満点の鮮烈オーケストレーションが評価されるきっかけとなったシューベルト録音。なかでも交響曲第5番 変ロ長調 D.485(BISSA-1786)と交響曲第8番 ロ短調「未完成」 D.759(BISSA-1656)の両曲は、レコード芸術誌の特集「新時代の名曲名盤500」で同曲のベスト・ワン・ディスクに選ばれており、数多の名盤が揃う同曲の筆頭として注目されている。シューベルトの交響曲は亡くなってから数週間後の1828年11月19日に開かれた追悼演奏会で披露されるなど、シューベルトの死後に日の目を見た。「グレイト」は1838年、「未完成」は1865年にそれぞれ初演されている。交響曲第1番から第6番は1813年から1818年にかけての作品。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンといった諸先輩作曲家からの影響を受けながらも歌曲作曲家としての面目をはっきりと示し全体的に明るさと朗らかさが漂う第3番、「悲劇的」の副題で知られる名曲第4番、ロココ的で小市民的な生活感情を象徴しているとも言われる第5番など、シューベルトの独創性がいたるところにあらわれているのが魅力。室内オーケストラ編成によるダウスゴーの解釈はまさに唯一無二。すがすがしく透き通るような音に込められたシューベルトの世界が広がる。同コンビの録音は名盤揃い。ブラームスの交響曲全集(BISSA-2556)、メンデルスゾーンの交響曲第1番&第3番「スコットランド」(BISSA-2469)、ブランデンブルク協奏曲と6人の作曲家による新作委嘱を交えた「ザ・ブランデンブルク・プロジェクト」(BISSA-2199)はいずれもレコード芸術誌「特選盤」となっている。 | |||
ジギスモント・タールベルク(1812-1871): ピアノに応用された歌の技法 Op.70(全26曲) 第1巻〔第1番「君に、ああ いとしい人よ」〜ベッリーニ「清教徒」より/ 第2番「ニーナは三日間」(伝・ペルゴレージ)/第3番「アデライーデ」(ベートーヴェン)/ 第4番「主よ、哀れみを(教会のアリア)」(ストラデッラ)/ 第5a番「ラクリモーサ」〜モーツァルト「レクイエム」より/ 第5b番「西風がなんと優しく」〜モーツァルト「フィガロの結婚」より/ 第6番「なぜあなたは私を見て泣くの」〜ロッシーニ「ゼルミーラ」より〕/ 第2巻〔第7番「見知らぬ美しい愛する女性」〜メルカダンテ「誓約」より/ 第8番「沈黙の中で、名誉の中で」〜マイヤベーア「エジプトの十字軍」より/ 第9番「私は寂しい」〜ウェーバー「プレチオーザ」より/ 第10番「水車職人と小川」〜シューベルト「美しき水車小屋の娘」より/ 第11番「いたずら者、しっかりしなさい」〜ウェーバー「魔弾の射手」より/ 第12番「私の宝の人を」〜モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」より〕/ 第3巻〔第13番「もし私の名前を知りたければ」〜ロッシーニ「セビリャの理髪師」より/ 第14番「愛を知る男の人たちは」〜モーツァルト「魔笛」より/ 第15番「小舟が水を切って海を行く」〜ドニゼッティ「ジャンニ・ディ・カレ」より/ 第16a番「正義の天よ、お守りください」〜モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」より/ 第16b番「あそこで手を取り合おう」〜モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」より/ 第17番「すべてがまどろむ間に」〜グレトリー「嫉妬深い恋人」より/ 第18番「柳の下に座って」〜ロッシーニ「オテロ」より〕/ 第4巻〔第19番「清らかな女神」〜ベッリーニ「ノルマ」より/ 第20番「愛が何であるかご存じのあなた方よ」〜モーツァルト「フィガロの結婚」より/ 第21番「喜ばしい音楽、踊り、歌が」〜ウェーバー「オイリアンテ」より/ 第22番「白い岩のデイヴィッド」(ウェールズ伝承歌)/ 第23番「名誉を重んずる娘が」〜ハイドン「四季」より/第24番「低い窓」(ナポリ地方カンツォーネ)〕/ 3つのシューベルトの歌曲 Op.79a 〔まぼろし(冬の旅より)/知りたがる男(美しき水車小屋の娘より)/郵便馬車(冬の旅より)〕/ 歌の翼に(メンデルスゾーン作曲/タールベルク編曲)/ 10のピアノのための小品 Op.36 〜第3曲「声もでない」(ロッシーニの歌劇「エジプトのモーセ」より) ポール・ウェー(P|使用楽器: Steinway D, 607184 ) | |||
録音:2020年3月、ワイアストン・コンサートホール、モンマス、ウェールズ、 UK 。シンガポール人とマレーシア人の両親のもとオーストラリアに生まれ、現在ロンドンを拠点に活躍するポール・ウェーはなんとロンドン大手の法律事務所の現役弁護士の顔をもつ異色の天才ピアニスト! ザ・リーガル500では第一級弁護士としてランク付けされる敏腕弁護士。そんなキャリアをもつウェーだが現 役ピアニストとしても確かな評価を集めている。4歳でピアノをはじめたウェーは12歳の時にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでデビュー・コンサートを開くなど神童として注目を集めた。その後、ニューヨークのマンハッタン音楽学校にてニーナ・スヴェトラノワに師事し研鑽を積むも、ピアニストだけではなく弁護士も目指し、ロンドンの名門オックスフォード大学法学部で法律を学び、現在のキャリアを築いている。ウェーの才能に惚れ込んだBISレーベルが録音を実現した。その第1弾となったアルカンの「短調による12の練習曲 Op.39より」(BISSA-2465)では度肝を抜く超絶技巧を披露。技巧だけに走ることなく情感豊かな演奏で聴き手を虜にした。期待の第2弾ではロマン派時代に活躍したスイスの出身のピアニスト、作曲家のジギスモント・タールベルク(1812-1871)のピアノ作品を録音した。タールベルクはリストやショパンと並ぶピアノの名手として活躍した逸材。作曲の才にも恵まれ、生涯ピアノ作品はもちろんのこと、歌劇、声楽曲、室内楽曲などを残した。ここに収録された「ピアノに応用された歌の技法 Op.70」は全4巻26曲からなるピアノ独奏作品集で、モーツァルト、ベッリーニ、ウェーバー、ロッシーニなどのオペラ・アリアをもとにピアノ編曲したユニークな曲集。全曲での録音が少ないこの作品集を名手ウェーが手掛けたことにより光り輝いた演奏を聴くことが出来る。 | |||
クラス・トシュテンソン(1951-):シンフォニエッタのための「ランタン・レクチャー」(1999-2002) 〔ブラス・リンク I - IV /ランタン・レクチャー I - IV 〕 クリスティアン・カールセン指揮ノルボッテン NEO [サラ・ハンマシュトレム(Fl) クリストファー・バウマン(Ob/コールアングレ) ローベット・エーク(Cl) ソウム・ハウイー(バスCl) ベルトルト・グローセ(Fg) ソーレン・ヘルマンソン(Hr) マシュー・サドラー(Tp) ミーケル・ルドルフソン(Tb) ダニエル・ザウアー(Perc) モッテン・ランドストレム(P) ブルスク・ザンガネ(Vn1) カルロッタ・グラーン・ヴェッテル(Vn2) キム・ヘルグレーン(Va) エレメール・ラヴォタ(Vc) シモン・マルチニアク(Cb)] | |||
録音:2018年12月3日-6日、スタジオ・アクースティクム、ピーテオー、スウェーデン。クラス・トシュテンソン Klas Torstensson (1951-)は、スウェーデン南東部のネッシェーに生まれ、1970年代の初めにユトレヒト大学内の電子音楽スタジオ、ソノロジー研究所で学んだ。オランダのハーレムを拠点に活動。オランダのマッテイス・フェルミューレン賞と王立スウェーデン音楽アカデミーの賞を受けた「Stick on Stick」をはじめとする管弦楽曲、室内アンサンブル曲、声楽曲と、幅広く手がけている。彼の音楽は、スタイル的にヴァレーズ、クセナキス、ストラヴィンスキーを思わせ、粗い花崗岩や海、凍ったバルト海の入江の氷、北極の氷帽、北極光など、彼が経験した「自然」からインスピレーションを得た楽想と表現に独自性がみられると言われる。サミュエル・アウグスト・アンドレーの悲劇的結末に終わった北極への気球旅行を題材にした歌劇「The Expedition(探検)」は、そうした特徴が顕著に現れ、トシュテンソンの代表作のひとつに挙げられている。「Lantern Lectures(ランタン・レクチャー)」は、「The Expedition(探検)」の作曲を終えた後、小編成の「もっと軽い」音楽を書きたいという思いから作られた作品。「幻灯機とスライドを使った講義」に見立てた「岩盤I」「岩盤II」「北極光」「ポットホール(甌穴)」のタイトルをもつ4つの「レクチャー」と、それを繋ぐ、トランペットとホルンとトロンボーンによる3つの「ブラス・リンク」で全曲が構成されている。それぞれの「レクチャー」は、2001年から2003年にかけてモントリオール、シュトゥットガルト、ストックホルム、ウィーンで初演され、2003年2月26日、アムステルダムでスサンナ・マルッキがアスコ・アンサンブルを指揮して、初めて全曲演奏された。ノルボッテンNEO(Norrbotten NEO)は、2007年、現代の室内楽作品をプロモートする目的で設立された。フルート、クラリネット、打楽器、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロは、ピーテオー室内オペラでも演奏するノルボッテン室内o. の首席奏者が固定メンバー。作品の楽器編成に合わせ、各国の首席クラスのプレイヤーが招かれる。アンデシュ・エリーアソンの室内楽作品(BISSA-2270)の他、クリスティアン・カールセンChristian Karlsen (1985-)が指揮した、スウェーデン・グラミー賞を受けた「アランフェス協奏曲」(BISSA-2485)の3つの作品を演奏していた。 | |||
F.P.ツィンマーマン&ヘルムヒェン〜ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集 Vol.1 〔第1番 ニ長調 Op.12 No.1 (1798) /第2番 イ長調 Op.12 No.2 (1798) / 第3番 変ホ長調 Op.12 No.3 (1798) /第4番 イ短調 Op.23 (1800) 〕 フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn| 使用楽器: Antonio Stradivarius, Cremona 1711, Lady Inchiquin ) マルティン・ヘルムヒェン(P|使用楽器:クリス・マーネ制作「平行弦」グランド・ピアノ) | |||
録音:2019年9月、ジーメンス・ヴィラ、ベルリン。1965年ドイツ、デュイスブルク生まれの正統派ヴァイオリニスト、フランク・ペーター・ツィンマーマンがマルティン・ヘルムヒェンとともにベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲録音を開始した。ベートーヴェンはこれまでヴァイオリン協奏曲、ロマンス第1番、ロマンス第2番、弦楽三重奏曲第1番、セレナード ニ長調の録音はあるものの、ヴァイオリン・ソナタは当録音が初めてとなる。現在50代半ばのツィンマーマンが長いキャリアを経て丁寧に練り上げてきた名作を名手ヘルムヒェンとともに録音した。ツィンマーマンと言えば圧倒的なテクニックと優美で香り高き音色を奏でるが、このベートーヴェンではピアノとの対話を大切にし、随所に聴くことのできる絶妙なバランス感覚と抜群のセンスの良さを携えた演奏を聴くことが出来る。共演のマルティン・ヘルムヒェンは1982年ドイツ、ベルリン生まれ。2001年に開かれたクララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝し、一躍世界から注目されるピアニストなった。ソロはもちろんのこと、ユリア・フィッシャーなど世界的ヴァイオリニストからも絶大なる信頼を得ており、この度フランク・ペーター・ツィンマーマンとの初共演盤になる。ヘルムヒェンは近年ベートーヴェンの作品を集中的に演奏・録音しており、当盤も注目すべき録音となる。演奏はもちろんのこと、楽器にも注目。ヴァイオリンはツィンマーマンの愛器1711年製のストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」。この楽器はかつてクライスラーが所有していた銘器でまるでビロードのような音色。ツィンマーマンが長年ともにしてきた愛器で奏でるベートーヴェンは格別。一方、ピアノはベルギーのピアノ製作者クリス・マーネの平行弦ピアノを使用。このピアノは2013年ダニエル・バレンボイムの依頼により製作された楽器で、その特徴は一般的なグラウンドピアノのように弦が交差して張られておらず、チェンバロやフォルテピアノのようにすべての弦が平行に張られている。これにより音量はもちろんのこと、細かなニュアンスの表現、そして弾き心地の良さを兼ね備えている。このグラウンドピアノは2015年にバレンボイムによる演奏でお披露目され、以後ピエール=ローラン・エマールやエマニュエル・アックスなど世界的なピアニストにも認められた楽器として注目されている。近年この楽器を愛奏するヘルムヒェンがベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタを挑むに当たり、現在望みうる最も理想的な楽器で録音を実現させた。今後のリリースも期待せずにはいられない全曲録音始動と言えるだろう。 | |||
テオドル・レシェティツキ:ピアノ作品集 2つのピアノ曲 Op.38 〔気まぐれなメヌエット/即興的マズルカ〕/ 4つの小品 Op.36 〔アリア/ジグ/ユモレスク/泉〕/2つの小品 Op.43 〔セレナータ/ラ・ピッコラ〕/ パステル画 Op.44 〔前奏曲/古風なジグ/ユモレスク/オクターヴの間奏曲〕/ 2つのピアノ曲 Op.47 〔ノクターン/スケルツォ〕 トビアス・ビッガー(P) | |||
録音:2019年7月、インマヌエル教会文化センター、ヴッパータール。テオドル・レシェティツキはポーランドに生まれ、ウィーンでチェルニーにピアノを師事したピアニスト・コンポーザー。アントン・ルビンシテインが開設したペテルブルク音楽院のピアノ科教授に招かれ1862年から78年まで教え、ロシア・ピアニズムの基礎を作った。彼は独特なメソードを持つ名伯楽として知られ、弟子にはパデレフスキ、フリードマン、ガブリロヴィチといった伝説の名手を筆頭に、シュナーベル、エリー・ナイ、ブライロフスキー、ホルショフスキ、左手のヴィトゲンシュタインまで錚々たる大物が顔を揃えている。レシェティツキはピアノ曲を中心に作曲も残していて、ほとんどがサロン的小品だが、華やかで技巧的、弟子の大ピアニストたちが演奏会や録音で披露していたが、今日であまり聴く機会がない。ゆえに待望のディスク登場となる。演奏のトビアス・ビッガーは1962年生まれのドイツの個性派ピアニスト。1982年にイタリアのコンクールで入賞しながらも弁護士として働き、1998年にピアノへ専念することを決めた。知られざる技巧作品に熱心で、編曲も数多く行うなど19世紀風芸風が興味津々。 | |||
モンテヴェルディ:歌劇(音楽による寓話)「オルフェオ」 SV.318 (1607)
ユーハン・リンデロート(T;オルフェオ) クリスティーナ・ヘルグレーン(S;ムジカ/プロセルピナ/合唱) クリスティーネ・ノンボー・アナセン(S;第1のニンフ/エウリディーチェ/合唱) マリア・フォシュストレム(Ms;使者/合唱) アンナ・サンデル(Ms;第1の羊飼い/希望/合唱) エーダム・リース(T;第2の羊飼い/アポロ/エコー/合唱) ダニエル・オーベリ(Br;第3の羊飼い/第2の冥界の精霊/合唱) ステフェン・ブルーン(B;渡し守カロンテ) カール・ペーテル・エーリクソン(Br;第4の羊飼い/冥界の王プルトーネ/合唱) アン=マルグレート・ニューベリ(S;第2のニンフ/合唱) ラスムス・グラーヴァス・ニルセン(T;第1の冥界の精霊、合唱) ヘッドヴィグ・フォン・シャンツ(S;合唱) スタファン・アルトヴェーグ(B;第3の冥界の精霊/合唱)スタファン・スレーン、ペッテル・オストベリ(T;合唱) フレードリク・マルムベリ(Org)指揮 アンサンブル・ルンダバロック、ホール・バロックアンサンブル・アルタプンタ | |||
録音:2019年7月-8月、エースレーヴ教会、ルンド、スウェーデン。モンテヴェルディが1607年に作曲した「音楽による寓話」「オルフェオ」は、5幕という構成、登場人物の多さ、明確なオーケストラの書法、後の時代のオペラと同様に古典的神話に基づく台本といったことから、真の意味での最初の歌劇と言われている。1607年の初演の後、長い空白の期間を経て、1904年、パリのスコラ・カントルムでの演奏会形式での上演をきっかけに演奏機会が次第に増え、21世紀までにはスタンダードのレパートリーとして定着した。 BISレーベルがリリースする新しい録音は、スウェーデン南部の3つのアンサンブルのコラボレーションから生まれた。テノール歌手ユーハン・リンデロートをはじめ、ソプラノのクリスティーナ・ヘルグレーン、クリスティーネ・ノンボー・アナセン、マリア・フォシュストレムたち、ルネサンスや初期バロックの声楽作品の経験豊富な歌手が集まった、大学都市ルンドの古楽シーンで活動するヴォーカルグループ「アンサンブル・ルンダバロック」。2012年から毎夏、ホールの町で開催される「ホール・バロックフェスティヴァル」のアンサンブル・イン・レジデンスとして結成された「ホール・バロック」は、2016年に「テレマン、コレッリ、J.S.バッハの組曲と協奏曲」(BISSA-2235)をリリース。ルーマンの「ゴロヴィンの音楽」(BIS SA-2355)でスウェーデン・グラミー賞を獲得した。そして、金管楽器のグループ「アンサンブル・アルタプンタ」。3つのアンサンブルをまとめるフレードリク・マルムベリは、マルメ音楽大学で学び、現在、王立ストックホルム音楽大学の合唱指揮の教授とエーリク・エーリクソン室内合唱団の首席指揮者を務めている。この録音に参加したアンサンブルには、アンサンブル・アルタプンタでトロンボーンとコルネットを担当するオーレ=クリスティアン・アンデシェンのように、「オルフェオ」の上演と録音を何度となく経験したプレイヤーも多数含まれている。2019年夏、ルンドのエースレーヴ教会でのセッション録音。 | |||
シュニトケ:無伴奏合唱のためのコンチェルト(1984-85) /3つの聖歌(1984) ペルト:7つのマニフィカト・アンティフォナ(1988/91) カスパルス・プトニンシュ指揮エストニア・フィルハーモニック室内cho. | |||
録音:2020年1月27日-31日、聖ニコラス教会、タリン、エストニア。プトニンシュ率いるエストニア・フィルハーモニック室内合唱団によるシュニトケ&ペルトの合唱作品集第2弾の登場!BISレーベルからリリースされている「シュニトケ:悔悛の詩編、ペルト:マニフィカト&主よ、今こそあなたは」(BIS SA-2292)は2018年英国グラモフォン賞の声楽部門を受賞しており、当アルバムも非常に期待が高まる。シュニトケの「無伴奏合唱のためのコンチェルト」は10〜11世紀に活躍したアルメニアの詩人グレゴールのテクストを用いた4部の作品。一方、「3つの聖歌」は1984年に当時国立シンフォニー・カペレ合唱団の指揮者だったヴァレリー・ポリャンスキーの依頼で作曲したものでやはりテクストはグレゴールの詩を用いている。ソ連時代ながらロシア聖歌の様式にのっとっているのが非常に斬新。ペルトがRIAS 室内合唱団設立40周年を記念して作曲した「7つのマニフィカト・アンティフォナ」。当時の西ベルリンで初演され、その後1991年に改訂版を発表。当録音ではその改訂版で演奏している。テクストは、クリスマス・イヴまでの12月17日、から23日のローマ・カトリック教会の「夕べの祈り」の典礼に基づき、ペルト独自の崇高な世界が広がる。エストニア・フィルハーモニック室内合唱団の純度の高い歌声をお楽しみ頂きたい。 | |||
プルーストのサロン音楽 アーン:ヴァリアシオン・シャンタント〔歌謡的変奏曲〕(1905) / フォーレ:ロマンス Op.69 /エレジー Op.24 サン=サーンス:チェロ・ソナタ第1番 ハ短調 Op.32 / アレグロ・クアジ・プレスト(チェロ・ソナタ第1番最終楽章初稿版)83'17 デュパルク(1848-1933):チェロ・ソナタ イ短調(c.1867) 〜ラメント オルメス/イッサーリス編曲:レチタシオンと歌 / フランク/デルサール編曲:ソナタ イ長調 スティーヴン・イッサーリス(Vc|使用楽器 1726年製ストラディヴァリウス‘Marquis de Corberon' ) コニー・シー(P|使用楽器:スタインウェイ D ) | |||
録音:2019年10月、ポットン・ホール、サフォーク。毎回趣向を凝らしたテーマでアルバムを発表しているイギリスを代表する名チェロ奏者スティーヴン・イッサーリス。「プルーストのサロン音楽」と題されたアルバムではフランスの作家マルセル・プルースト(1871-1922)に焦点を当てた内容で構成されている。同プログラムは2018年11月の来日公演でも披露され大絶賛された。また2020年10月にはウィグモアホールでも演奏されている。共演は来日公演でも息の合った演奏を聴かせたコニー・シー。プルーストは、あらゆる芸術の信奉者で熱狂的な音楽愛好家だったことでも知られる。ここに収録した作品にはプルーストが賛辞を惜しまず文通もしていたフォーレや、サン=サーンス、フランクのソナタ、そしてアーン、デュパルク、オルメスと充実の作品が並ぶ。非常に繊細で研ぎ澄まされた感性の持ち主プルーストが愛した音楽をイッサーリスの卓越した演奏で聴くことが出来る。 | |||
フランスのトランペット協奏曲集 トマジ:トランペット協奏曲(1944)(フランク・ヴィラール復元によるオリジナル版)[世界初録音] ジョリヴェ:トランペット、弦楽とピアノのコンチェルティーノ(1948) シュミット:ランペットと管弦楽のための組曲 Op.133 (1955) ジョラス:11の歌(1977)[カデンツァ:ホーカン・ハーデンベルガー] ジョリヴェ:トランペット協奏曲第2番(1954) ホーカン・ハーデンベルガー(Tp) ファビアン・ガベル指揮ロイヤル・ストックホルムpo. | |||
録音:2021年8月23日-27日、ストックホルム・コンサートホール、スウェーデン。スウェーデンのトランペット奏者、ホーカン・ハーデンベルガーがフランスの20世紀のトランペット協奏曲集をリリース!1944年作曲のトマジのトランペット協奏曲はオリジナル版の復元で演奏された。これはピアノ・リダクションとしてのみ残されていた欠落部分のオーケストレーションを含む復元で、ハーデンベルガー、ガベルそしてトマジの作品を研究するフランク・ヴィラールが共同で完成した。ハーデンベルガーの卓越した演奏で聴く世界初録音。1977年に作曲、初演されたベッツィ・ジョラス(1926-)の「11の歌」は当アルバムでは一番新しい作品。タイトルはジョラスの作風の基本にある“音楽の声楽的な性質 "を想起させる。トランペットによって“歌われる "この作品は、室内オーケストラがまるで万華鏡のごとく変化し、ジャズやポピュラーあるいは感傷的な音楽を思い起こさせる。当作品の初演者で献呈されたピエール・ティボーはハーデンベルガーの師であり、指揮者ファビアン・ガベルはトランペット奏者でもあることから並々ならぬ思いで演奏している。 | |||
ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(1772-1847):ピアノ協奏曲全集 Vol.2 〔ヘ長調 Op.32 /変ホ長調 Op.55 〕 ロナルド・ブラウティハム(Fp) マイケル・アレクサンダー・ウィレンス指揮ケルン・アカデミー | |||
録音:2021年8月、インマヌエル教会、ヴッパータール、ドイツ。 ベートーヴェンと同時代を生きた作曲家ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(1772-1847)が2022年に生誕250年、歿後175年を迎えた。ライン川中流部右岸のベルギッシェスラント地方の小さな村に生まれ父や兄からピアノと作曲の手ほどきを受け、フルートを独学で学んだヴィルムスは19歳のときにアムステルダムに渡り、フルート奏者、ピアニスト、オルガニストそして興行師としても活躍。その後、アムステルダムの裕福な美術収集家の娘と結婚し、彼も大きな恩恵を受ける。当時彼の作品はアムステルダムをはじめライプツィヒなどでも頻繁に演奏されていた。ヴィルムスはオランダ国歌も作ったことでも知られるが、交響曲、室内楽曲、協奏曲を中心に、のどかで心地よい作品を残している。生誕250周年を記念してロナルド・ブラウティハムとマイケル・アレクサンダー・ウィレンス率いるケルン・アカデミーが“オランダのベートーヴェン:"ヴィルムスの現存する5つのピアノ協奏曲を録音。当アルバムはその第2集で2篇を収録している。当演奏では現存する楽譜からウィレンスの助言をとともにブラウティハムが再構築しており、軽やかで優美な旋律を充分にご堪能頂ける。第1集(BISSA-2504)と併せてお楽しみ頂きたい。 | |||
チャッコーナ(シャコンヌ)〜バッハ、ジェラール、ホリガー、ポゼ ハインツ・ホリガー(1939-):3つの小さな場面(2014) (*) ロベルト・ジェラルド〔ジェラール〕(1896-1970):シャコンヌ(1959) (#) ブリス・ポゼ(1965-):ヴァイオリンのための「コントラパルティータ」 (ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)の 無伴奏ヴァイオリン・パルティータの楽章で点綴された)(2008) (+) 〔 I. プレルーディオ/バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 ハ長調 BWV.1006 〜プレルーディオ/ II. アレマンダ/バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番 ト短調 BWV.1002 〜アレマンダ/ III. コレンテ/バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番 〜コレンテ/ IV. サラバンド/バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番 〜サラバンド/ルール V. ルール/ VI. ジガ/バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004 〜ジガ/ VII. チャッコーナ/バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 〜チャッコーナ(シャコンヌ)〕 イリア・グリンゴルツ(Vn|使用楽器: アントニオ・ストラディヴァリ、‘ex-Prove '、1718年制作(*/#) /作者不祥、ドイツ、19世紀初頭(+) | 弓:ヘルゲ・ネットランド、2017年制作(*) /ドミニク・ペカット、1850年頃制作、バロック弓(#) / ルイス・エミリオ・ロドリゲス・キャリントン、2017年制作(+) ) | |||
録音:2020年7月7日-10日、改革派教会、マルタレーン、スイス。近年目覚ましい活躍を見せるイリア・グリンゴルツ。そのレパートリーの広さはヴァイオリニストの中では随一。とりわけバロック奏法を取り入れた演奏には定評が高く、BISレーベルからリリースしたロカテッリの「ヴァイオリンの技法」(KKC-6325 / BIS SA-2445)では切れ味鮮やかな演奏を披露してくれた。当アルバムではバッハのチャッコーナ(シャコンヌ)に焦点を当て、この名曲からインスピレーションを得て作曲されたハインツ・ホリガー(1939-)、ロベルト・ジェラール(1896-1970)、ブリス・ポゼ(1965-)、そしてJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン作品を編んだ内容。ホリガーの「3つの小さな場面」は2014年、イザベル・ファウストのために書いた3部構成の作品。ジェラールの「シャコンヌ」は1959年、イフラ・ニーマンのために書いた十二音技法を用いた12曲からなる作品。そしてポゼの「コントラパルティータ」はダヴィド・グリマルのために書いた7曲からなる作品。バッハの無伴奏から着想を得て書かれたこの作品をグリンゴルツはバッハの作品を挟み込む形で録音。前衛的なポゼの作品とバッハが見事に融和している。数多くの録音でも知られるグリンゴルツながらシャコンヌのレコーディングはこれがはじめて。彼ならではの心地よいテンポ感と歯切れのよい演奏は無伴奏でも一層輝く。また当録音では曲に合わせて楽器と弓も変えて演奏しており、これもまたグリンゴルツならではと言えるだろう。 | |||
コルネットと鍵盤楽器のための音楽 ジョヴァンニ・バッティスタ・フォンタナ(1571-1630):ソナタ第3番 ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643):カンツォーナ第3番「ラ・ルッケジーナ〔ルッカの女〕」 アンニーバレ・パドヴァーノ(1527-1575):第6旋法によるトッカータ ダリオ・カステッロ(?-1658頃):ソナタ第1番 アンドレア・ガブリエーリ(1532/33頃-1585):「キ・ラ・ディーラ」によるフランス風カンツォン ジョヴァンニ・ジローラモ・カプスベルガー(1580頃-1651):シンフォニア第13番 アンドレア・ファルコニエーリ(1585頃-1656):ラ・モナルカ(君主) リッカルド・ロニョーニ(1550頃-1620以前):陽気な羊飼い アンジェロ・ノターリ(1566-1663):ああ、いつもの情熱が燃えあがってくる / 作曲者不詳:旅立ちの歌 ジローラモ・ダッラ・カーサ(?-1601):ある日シュザンヌが ジョヴァンニ・サルヴァトーレ(1611-1688):第9旋法によるトッカータ第2番 ジョヴァンニ・マルティーノ・チェーザレ(1590頃-1667):ラ・フォッカリーナ フランチェスコ・ロニョーニ・タエッジョ(1580以降-1626以降):恋人よ、あなたは美しい ジョヴァンニ・バッティスタ・フォンタナ(1571-1630):ソナタ第2番 ビアージョ・マリーニ(1594-1663):オルガンとヴァイオリンまたはコルネットのためのソナタ セイチェント・ストラヴァガンテ [ダーヴィド・ブルッティ(コルネット) ニコラ・ラモン(Org/Cemb)] | |||
録音:2019年11月14日-17日、パッロキアーレ・ディ・モンテ・サン・ジョヴァンニ教会、ボローニャ/2020年6月24日-25日、サン・マルティーノ・ヴェスコヴォ教会、ヴェーシャ、ペルージャ/2020年8月26日-27日、サン・バルトロメオ教会、カプリーレ、ベッルーノ、すべてイタリア|使用楽器: Cornetto: Straight Cornetto by Andrea Inghisciano 2019 / Curved Cornetto by Paulo Fanciullacci 2018 / Mute Cor-netto by Andrea Inghisciano / Organ: Anonymous Organ built in Venice around 1660 / Regal: Nicola Ferroni 2017 / Harpsichord: Romain Legros after Giovanni Battista Giusti, 1681 。ルネサンスの時代には声楽曲を楽器で演奏することがよく行われたと言われている。「言葉がないと、甘美な音楽に流れる感情はどう表現されるだろう」。このアルバムは、そうした「素晴らしくバロック的な思いつき」から作られた。フォンタナの2つの「ソナタ」、パドヴァーノとサルヴァトーレの「トッカータ」、カプスベルガーの「シンフォニア」などの間に、ヴェネツィアのオルガニスト、エイドリアン・ガブリエーリが、アドリアン・ウィラールトのシャンソン「Quila dira la peine de mon coeur(わが心の痛みを誰が語れよう)」を編曲した「「キ・ラ・ディーラ」によるフランス風カンツォン」といった曲をはさむプログラム。「セイチェント・ストラヴァガンテSeicento Stravagante」(贅沢な17世紀)は、コルネット奏者のダーヴィド・ブルッティと鍵盤楽器奏者のニコラ・ラモンがルネサンスと初期バロックの音楽を演奏するために結成したデュオ。2018年6月のラヴェンナ音楽祭期間中にサン・ヴィターレ聖堂で3回のコンサートを行ってデビューし、高い評価を獲得した。ブルッティはこのアルバムで、ストレート・コルネット、カーブド・コルネット、ミュート・コルネットの3種の楽器を使い分けている。 | |||
F.P.ツィンマーマン&ヘルムヒェン〜ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集 Vol.2 〔第5番 ヘ長調「春」 Op.24 (1800-01) / 第6番 イ長調 Op.30 No.1 (1801-02) /第7番 ハ短調 Op.30 No.2 (1801-02) 〕 フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn| 使用楽器: Antonio Stradivarius, Cremona 1711, Lady Inchiquin ) マルティン・ヘルムヒェン(P|使用楽器:クリス・マーネ制作「平行弦」グランド・ピアノ) | |||
録音:2020年2月、ローベルト・シューマン・ザール、クンストパラスト美術館、デュッセルドルフ。 フランク・ペーター・ツィンマーマンとマルティン・ヘルムヒェンによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ査曲録音、第2弾は第5番「春」、第6番、第7番。ツィンマーマンといえば卓越したテクニックと繊細にして優美で香り高き音色で奏でるが、このベートーヴェンではピアノとの対話を大切にし、随所に聴くことのできる絶妙なバランス感覚と抜群のセンスの良さを携えた演奏を披露している。まばゆく流麗な第5番「春」、きめ細かく温かみのある音色で奏でる第6番、そして厳しさとともに表情豊かな第7番と、当録音もその圧倒的な出来栄えの演奏を聴くことが出来る。マルティン・ヘルムヒェンは1982年ドイツ、ベルリン生まれ。2001年に開かれたクララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝し、一躍世界から注目されるピアニストなった。ソロはもちろんのこと、ユリア・フィッシャーなど世界的ヴァイオリニストからも絶大なる信頼を得ており、ツィンマーマンとの共演もツィンマーマンからのアプローチで実現した。演奏の素晴らしさはもちろんのこと、楽器にも注目。ヴァイオリンはツィンマーマンの愛器1711年製のストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」。この楽器はかつてクライスラーが所有していた銘器でまるでビロードのような音色。ツィンマーマンが長年ともにしてきた愛器で奏でるベートーヴェンは格別。一方 、ピアノはベルギーのピアノ製作者クリス・マーネの平行弦ピアノを使用 。このピアノは2013年ダニエル・バレンボイムの依頼により製作された楽器で、その特徴は一般的なグラウンドピアノのように弦が交差して張られておらず、チェンバロやフォルテピアノのようにすべての弦が平行に張られている。これにより音量はもちろんのこと、細かなニュアンスの表現、そして弾き心地の良さを兼ね備えている。このグラウンドピアノは2015年にバレンボイムによる演奏でお披露目され、以後ピエール=ローラン・エマールやエマニュエル・アックスなど世界的なピアニストにも認められた楽器として注目されている。近年この楽器を愛奏するヘルムヒェンがベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタを挑むに当たり、現在望みうる最も理想的な楽器で録音を実現させた。 | |||
In Motion シューベルト(1797-1828)/ジュリアン・アズクール編曲:弦楽四重奏曲第12番 ハ短調 D.703 「四重奏断章」(*) マシュー・ハインドソン(1968-):マラリンガ(2009/11)(ソロ・ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための)(**) ルイジ・ボッケリーニ(1743-1805)/ジュリアン・アズクール編曲:マドリッドの通りの夜の音楽(*) アルトゥーロ・コラレス(1973-):殿方よ、あなたがたに話そう…(2010) (***) ギャレス・ファー(1968?)/ジュリアン・アズクール編曲:モンド・ロンド(1997)(*) ユナイテッド・ストリングズ・オブ・ヨーロッパ フランク・フォンクベルト指揮(**/***) アマーリア・ホール(Vn;**) ジュリアン・アズクール(ディレクター&コンサートマスター;*) | |||
録音:2020年3月、セント・シラス教会、ケンティッシュ・タウン、ロンドン、イングランド。近年、弦楽オーケストラの水準は、めざましい向上を遂げてきたといわれる。楽譜を響きのある音にする技術、なによりも重要な、楽譜の奥にある「作曲家の音楽」を表現する技術をもったアンサンブルが多く現れ、世界の音楽シーンを豊かなものにしている。BISレーベルは、こうした優れたグループの紹介に努め、カメラータ・ノルディカ、ムシカ・ヴィテ、オストロボスニア室内o.、 オーストラリア室内o.、アムステルダム・シンフォニエッタといったアンサンブルのアルバムを積極的にリリースしてきた。BISが新しく紹介する「ユナイテッド・ストリングズ・オブ・ヨーロッパ(United Strings of Europe)」(USE)は、ロンドンに本拠を置くアンサンブル。ヨーロッパ連合とスイスの若いプロフェッショナルたちが音楽と文化の協力を最高度の水準で促進することを目標に集まり、「独創的なプログラムと「高度な技術による表現豊かな」演奏」(「ザ・タイムズ」)といった賛辞をすでに得ている。リーダーは、レバノン系イギリスのヴァイオリニスト、ジュリアン・アズクールJulian Azkoul 。彼は、スウェーデンのカメラータ・ノルディカの客演ディレクターのほか、各国のオーケストラに客演している。副指揮者のフランク・フォンクベルトFranck Fontcouberteは、打楽器奏者から転向、デイヴィッド・ロバートソンピエール・ブーレーズたちに指揮法を学んだ。「In Motion」(動いている)は、ユナイテッド・ストリングズ・オブ・ヨーロッパのデビュー・アルバム。シューベルトの「四重奏断章」は、第2楽章をスケッチしたところで作曲が放棄されたため、「アレグロ・アッサイ」の楽章が単独の曲として出版された。シューベルトの円熟期を告げる、劇的、表現的な音楽。オーストラリアのマシュー・ハインドソンMatthew Hindson (1968?)の「マラリンガ」は、イギリスが大気中核実験を行い、アボリジニとオーストラリア軍兵士に放射線被害を与えた、現地の言葉で「雷」を意味する場所を曲名にした音楽。このアルバムでは、ウェリントンo. のリーダー、ニュージーランドのアマーリア・ホールAmalia Hallがソリストを務め、オーストラリア室内o. の委嘱による「ソロ・ヴァイオリンと弦楽オーケストラ」の版 を演奏している。ボッケリーニの「マドリッドの通りの夜の音楽」は、彼の数少ない標題音楽のひとつ。弦楽五重奏のために作曲され、「アヴェ・マリアの鐘(La campane de L'Ave Maria)」「兵士たちの太鼓(Il tamburo dei Soldati)」「盲目の物乞いたちのメヌエット(Minuetto dei Ciechi)」「ロザリオ(Il Rosario)」「流しの歌手たちのパッサカリア(Passa Calle)」「太鼓(ll tamburo)」「マドリッドの夜の帰営ラッパ(La Ritirata di Ma-drid)」の7曲で構成。アズクールの編曲では第1曲と第2曲、第5曲と第6曲がつづけて演奏される。アルトゥーロ・コラレス(1973?)は、エルサルバドル出身。作曲家、指揮者としてスイスで活動している。「Senores, les voy a contar…(殿方よ、あなたがたに話そう…)」は、母国エルサルバドルの人々が伝えるさまざまな物語、神話、伝説、伝承歌を思い描きながら作られたという、約5分の小品。「Mondo Rondo(モンド・ロンド)」は、ニュージーランドの作曲家ギャレス・ファー(1968?)のもっとも演奏されることの多い作品に挙げられている。「Mondo Rondo(モンド・ロンド)」「Mumbo Jumbo(マンボ・ジャンボ)」「Mambo Rambo(マンボ・ランボ)」の短い3曲の中に、エキゾティックなメロディと打楽器的なファンキーなリズムを組み合わせ、独特の音世界を作り上げた作品。この作品とシューベルト、ボッケリーニの曲は、アズクールが「今日の」発想で取り組んだ、弦楽オーケストラのための編曲で演奏される。 | |||
ジャン・チャクムル〜リスト(1811-1886): 白鳥の歌 S.560(原曲:シューベルト|ジャン・チャクムル再編成): 〔愛の便り/戦士の予感/彼女の絵姿/春の憧れ/別れ/遠い国で/ セレナード/アトラス/漁師の娘/海辺で/我が宿/町/影法師/鳩の便り〕/ 4つの忘れられたワルツ S.215 ジャン・チャクムル(P|使用楽器: Kawai SKEX(Shigeru Kawai Concert Grand) ) | |||
録音:2020年1月、ワイアストン・コンサートホール、モンマス、ウェールズ、 UK |プロデューサー&サウンド・エンジニア:インゴ・ペトリ(Take5 Music Production)|エグゼクティヴ・プロデューサー:ロバート・サフ。2018年第10回浜松国際ピアノコンクール第1位のほか、同コンクールの室内楽賞、札幌市長賞など数々の賞に輝いたジャン・チャクムル。優勝者の副賞としてBISレーベルからの録音デビューが決定し、2019年1月にコンクールの会場となったアクトシティ浜松におけるセッション収録でデビュー盤(KKC-4169)をリリースし、一躍注目を集めた。同コンクールの優勝者ツアーとして2019年4月より全国20 公演をこえる演奏会も成功させ、現在最も期待されている若手実力派ピアニストの一人として注目されている。高い評価を集めたデビュー盤の録音から早1年、2020年1月にイギリス、ワイアストン・コンサートホールにおけるBISレーベル第2弾の録音ではリストに挑んだ。収録作品はリストがピアノ独奏用に編曲したシューベルトの「白鳥の歌」S560そして、「4つの忘れられたワルツ」 S215。シューベルトの3大歌曲集の一つ「白鳥の歌」は、シューベルト自身が編んだ「美しき水車小屋の娘」、「冬の旅」とは異なり死後に出版社や友人たちがまとめたもので、歌曲集としての連続性は持っていない。そのためチャクムルは自身の感性で演奏順を変えている。新たな物語を提示した注目の演奏。一方、1881年から1884年にかけて作曲された「4つの忘れられたワルツ」S215はリスト晩年の穏やかな曲調が印象的。チャクムルの研ぎ澄まされた感性と歌心に満ちた演奏でお楽しみ頂ける。今後より一層の活躍を期待せずにはいられない注目盤の登場。 | |||
孤独の歌 [Songs of Solitude] 〜ヴィオラ・ソロの音楽 細川俊夫(1955-)[横浜]:「 Sakura/Solitude 〔さくら/孤独〕」(2020) ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750):無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV.1010 〜サラバンド ヨハンナ・ドーデラー(1969-)[シュミダタル、オーストリア]: Shadows 〔影〕(2020) ホセ・セレブリエール(1938-)[ニューヨーク]: Nostalgia 〔郷愁〕(2020) J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV.1007 〜サラバンド ティグラン・マンスリアン(1939-)[イェレヴァン(エレバン)、アルメニア]: Ode an die Stille 〔沈黙に寄せる頌歌〕(2020) 大島ミチル(1961-)[ニューヨーク]: Silence 〔沈黙〕(2020) J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV.1009 〜サラバンド カレヴィ・アホ(1949-)[ヘルシンキ]: Am Horizont 〔地平線にて〕(2020) ジョン・パウエル(1963-)[ロサンゼルス]: Perfect Time for a Spring Cleaning 〔噴水清掃にうってつけの時〕(2020) J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調 BWV.1011 〜サラバンド クリスティーナ・スピネイ(1984-)[ナッシュヴィル、テネシー州]: Keep Moving 〔動きつづけろ〕(2020) リーアン・サミュエル(1944-)[プルヘリ、ウェールズ]: Salve Nos 〔われらを救いたまえ〕(2020) J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV.1008 〜サラバンド ゲイブリエル〔ガブリエル〕・プロコフィエフ(1975-)[ロンドン]: Five Impressions of Self-Isolation 〔自己隔離で思う5つのこと〕(2020) J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV.1012 〜サラバンド フェデリコ・ガルデッラ(1979-)[ミラノ]: Consolation 〔慰め〕(2020) ヒヨリ・トガワ〔戸川ひより〕(Va|使用楽器:アントニオ・カッシーニ、1690年頃製作) | |||
録音:2020年6月、9月、10月、アンドレーアス教会、ベルリン=ヴァンゼー、ドイツ。 『2020年の春、わたしはまだ、空っぽのベルリンのスタジオで座っていました。そして、晩夏が訪れるころ、わたしの机には新しい楽譜がいっぱい置かれ、壁には私が新しく描いた絵が掛かっていました。音と色彩に囲まれていることで、孤立しているという感覚はまったくありません。むしろ、支えられ、守られていると感じました。コンサートの聴衆がいないと音楽家としては孤独だと感じることが多かったと思います。でも、この古い音楽と新しい音楽のおかげで、これっぽっちも孤独感はありません。このことも私は「孤独の歌」で表現しました』(ヒヨリ・トガワ「エピローグ」より) 「孤独の歌(Songs of Solitude)」のプロジェクトは、ひとつのウィルスのせいで世界中の人々が隔離状態に追いこまれた時、ヴィオラ奏者ヒヨリ・トガワ(戸川ひより)の思いつきから生まれた。細川俊夫、ヨハンナ・ドーデラー、ホセ・セレブリエール、ティグラン・マンスリアン、大島ミチル、カレヴィ・アホ、ジョン・パウエル、クリスティーナ・スピネイ、リーアン・サミュエル、ゲイブリエル・プロコフィエフ、フェデリコ・ガルデッラという世界各コクで活躍する作曲家たちが、彼女のたっての願いを受け、さまざまな場所で「孤独の時」を過ごしながら作曲したヴィオラ・ソロの曲が、曲間にはさまれるバッハの「無伴奏チェロ組曲」の「ヴィオラ」による6つの「サラバンド」と一緒に演奏される。 ヴィオラ奏者のヒヨリ・トガワ(Hiyoli Togawa)は、日本とオーストラリアをルーツにもち、ドイツのラインラントで育ちました。ヴァイオリンを習っていた幼少のころ、父親が大切にしていた古いヴィオラをこっそり弾いたことが、人生を捧げるに値する「声」をもつ楽器との出会いだったと言う。ライナー・モーク、アントワン・タメスティ、ハリオルフ・シュリヒティヒに学び、アルテミス四重奏団からは室内楽を学んだ。シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭をはじめとするフェスティヴァルに定期的に出演、ハンブルク・カメラータ、ノルディック室内o. などのアンサンブルと共演している。2014年に開かれたヨハネス・ブラームス国際コンクール第2位を受賞し注目を集めた。2017年8月、フィンランドのカレヴィ・アホが彼女の演奏からインスピレーションを得て作曲した「Solo XII - In memoriam EJR」を初演、翌年2月にハンブルク・カメラータのコンサート・シリーズ「Krypta」で再演した。オンスロウ、メンデルスゾーン、カリヴォダの曲を弾いた「ヴィオラのためのロマンティック・ソナタ」がデビュー・アルバム。ヒヨリ・トガワは、モデナのアントニオ・カッシーニが1690年ごろに製作したとされるヴィオラを弾いている。「孤独の歌」に似合った深い響きを生む楽器。このアルバムにつけられた44ページのブックレットには、彼女がプロジェクトについて綴った「プロローグ」と「エピローグ」、それぞれの作曲家についての覚書(英語、ドイツ語、フランス語)が、写真や絵(トガワが描いている)と一緒に掲載されている。 | |||
モーツァルト、シューマン、ブルッフ、ストラヴィンスキー:クラリネット三重奏曲集 モーツァルト:三重奏曲 変ホ長調 K.498 「ケーゲルシュタット」 シューマン:おとぎ話 Op.132 / ブルッフ:8つの小品 Op.83 ストラヴィンスキー/作曲家編曲:組曲「兵士の物語」(*)(クラリネット、ヴァイオリンとピアノのための三重奏版) ウィグモア・ソロイスツ[マイケル・コリンズ(Cl) イザベル・ファン・クーレン(Va;*以外/Vn;*) マイケル・マクヘイル(P)] | |||
録音:2020年8月24日-26日、ウィグモア・ホール、ロンドン、 UK 。2020年に結成された「ウィグモア・ソロイスツ」はイザベル・ファン・クーレンとマイケル・コリンズが中心となりウィグモア・ホールのディレクターであるジョン・ギルホリーとのコラボレーションによって生まれた可変室内アンサンブル。シューベルトの八重奏曲(BISSA-2597)のデビュー盤に次ぐ第2弾はコリンズ、ファン・クーレン、マイケル・マクヘイル演奏によるクラリネット三重奏曲の主要作品集。モーツァルトの「ケーゲルシュタット三重奏曲」は、ボウリングの原型ケーゲルンをしているときに作曲されたと言われる作品。クラリネットはもちろんのことヴィオラ、ピアノにも魅力的な旋律があらわれる名作。気さくで遊び心にあふれた雰囲気をもつシューマンの「おとぎ話」。気ままで快活な作品ながらシューマン晩年の1854年の作品。ブルッフ晩年の郷愁に溢れた「8つの小品」。ヴァイオリン協奏曲第1番があまりにも有名なブルッフだが、この上なく美しい旋律は「8つの小品」にも随所にあらわれる。ストラヴィンスキーの「兵士の物語」は第一次世界大戦で多くのアーティストたちが困窮していた中、少人数で演奏可能、かつ巡業しやすいことを念頭に置いて書かれた作品。しかし当時流行したスペイン風邪に、ストラヴィンスキー自身や関係者たちが次々と倒れ、巡業の計画は実現しなかったという、現代のコロナ禍とも奇しくも重なって見える背景をもつ。当録音では作曲家編曲によるクラリネット、ヴァイオリン、ピアノ三重奏版で演奏。タンゴやジャズなどさまざまな要素を取り入れた、ストラヴィンスキーの個性あふれる作品。現代最高峰の名手による新たな名盤登場。 | |||
F.P.ツィンマーマン&ヘルムヒェン〜 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集 Vol.3(完結編) 〔第8番 ト長調 Op.30 No.3 (1801-02) / 第9番 イ長調「クロイツェル」 Op.47 (1803) /第10番 ト長調 Op.96 (1812) 〕 フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn| 使用楽器: Antonio Stradivarius, Cremona 1711, Lady Inchiquin ) マルティン・ヘルムヒェン(P|使用楽器:クリス・マーネ制作「平行弦」グランド・ピアノ) | |||
録音:2020年8月21日-24日、ジーメンスヴィラ、ベルリン。 フランク・ペーター・ツィンマーマンとマルティン・ヘルムヒェンによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ査曲録音がついに完結。コロナ禍の2020年8月、ベルリン、シーメンスヴィラにおけるセッション録音。ツィンマーマンといえば卓越したテクニックと繊細にして優美で香り高き音色で奏でるが、このベートーヴェンではピアノとの対話を大切にし、絶妙なバランス感覚と抜群のセンスの良さを携えた演奏を披露している。マルティン・ヘルムヒェンは1982年ドイツ、ベルリン生まれ。2001年に開かれたクララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝し、一躍世界から注目されるピアニストなった。ソロはもちろんのこと、ユリア・フィッシャーなど世界的ヴァイオリニストからも絶大なる信頼を得ており、今回の共演もツィンマーマンからのアプローチで実現した。演奏の素晴らしさはもちろんのこと、当録音では楽器にも注目。ヴァイオリンはツィンマーマンの愛器、1711年製のストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」。この楽器はかつてクライスラーが所有していた銘器でまるでビロードのような音色。ツィンマーマンが長年ともにしてきた愛器で奏でるベートーヴェンは格別。一方 、ピアノはベルギーのピアノ製作者クリス・マーネの平行弦ピアノを使用 。このピアノは2013年ダニエル・バレンボイムの依 頼により製作された楽器で、その特徴は一般的なグランド・ピアノのように弦が交差して張られておらず、チェンバロやフォルテピアノのようにすべての弦が平行に張られている。これにより音量はもちろんのこと、細かなニュアンスの表現、そして弾き心地の良さを兼ね備えている。このグランド・ピアノは2015年にバレンボイムによる演奏でお披露目され、以後ピエール=ローラン・エマールやエマニュエル・アックスなど世界的なピアニストにも認められた楽器として注目されている。近年この楽器を愛奏するヘルムヒェンがベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタを挑むに当たり、現在望みうる最も理想的な楽器で録音を実現させた。 | |||
レスピーギ: 組曲「鳥」/リュートのための古風な舞曲とアリア〔第1組曲/第2組曲/第3組曲〕 ジョン・ネシリング指揮リエージュ王立po.〔リエージュpo.〕 | |||
録音:2021年7月5日-9日、フィルハーモニーホール、リエージュ、ベルギー。好評のジョン・ネシリング指揮によるレスピーギの管弦楽作品集。当アルバムには組曲「鳥」と「リュートのための古い舞曲とアリア」を収録している。組曲「鳥」はパスクィーニ、ラモーなどのクラヴサン曲より編曲した管弦楽作品。「ナイチンゲール」「かっこう」など鳥のさえずりの表現した5曲からなるこの作品は聴き手を色彩豊かな音風景へと誘う。「リュートのための古い舞曲とアリア」組曲は16世紀後半から17世紀初頭のイタリアとフランスの作曲家によるリュートまたはギターのための作品からの編曲だが、こちらも新鮮な響きで彩った組曲。繊細で洗練された音色が特徴のこの作品はイタリアのオーケストレーションの巨匠レスピーギが贈る名作。1947年サンパウロ生まれの指揮者ブラジルのジョン・ネシリングは、ボダンツキーやシェーンベルクの血を引くという逸材で、バーンスタインやスワロフスキーの薫陶を受けている。自身の持ち味である情熱的かつ抜群のリズム感で、色彩豊かにレスピーギを振っている。 | |||
隠れた宝物〜ハンス・ガル(1890-1987):未出版の歌曲集 レディ・ローザ(1910) /夜(1911) /夜の船室にて〔1/2/3〕(1912) /星の対話(1911) /考えてみよ、魂よ(1911) / 五月の月(1912) /愛の歌(1913) /朝の祈り(1913) /黄昏時(1913) /信じてくれ(1913) /愛に倦んで(1911) / まったく新しい悪党の歌(1915) /森の喜び(1915) /雲の木(1917) /十一月の日(1917?) /なんという静けさ(1917) / 夜の嵐(1918) /花の歌(1921) /羊飼いの歌(1921) /夕べの歌(1921) /邪悪な日(1914) /訊くな!(1914) / 撤回した言葉(1914) /夜の会話(1914) /5つの歌 Op.33 (1917-21) クリスティアン・イムラー(B−Br) ヘルムート・ドイチュ(P) | |||
録音:2016年4月、ドイツ放送室内楽ホール、ケルン、ドイツ。オーストリア=スコットランドの作曲家ハンス・ガルハンス・ガル(1890-1987):は、1890年、ウィーンに近いブルン・アム・ゲビルゲの東欧系ユダヤ人の家に生まれた。ブラームスと親しかった音楽学者でもあるオイゼビウス・マンディチェフスキに対位法と形式を学び、1920年代、2作目の歌劇「Die heilge Ente(神聖なアヒル)」をはじめとする作品で作曲家として成功を収めた。1929年にマインツの音楽学校の校長に就任したものの、1933年、ナチスの台頭にともない解任。ウィーンに戻り、1938年、ナチス・ドイツによるオーストリア併合の後、イギリスに移住した。1945年、ドナルド・トーヴィに招かれたエディンバラで大学の講師の職に就き、指揮者、ピアニスト、音楽学者としても活動し、1987年にエディンバラで没した。歌劇、4つの交響曲を含む管弦楽曲と協奏曲、大規模なカンタータ、室内楽曲、ピアノ曲、声楽曲を作り、約140の作品が出版されている。ガルの作曲したソロ歌曲は、67の作品が現存するといわれる。その多くは、「見習いの年」と彼が呼んだ、マンディチェフスキの下で私的に学んだ2年につづく1910年ごろから1916年の間の作品。ガルは、その後も折にふれて歌曲を作りながらも出版せず、1929年、要請を重ねてきたシムロック出版から、1917年から1921年にかけて作曲した5曲を「5つの歌」として出版した。BISレーベルのこのアルバムには、この「5つの歌」と、1910年から1921年に作曲された未出版の26曲が収録されている。テクストは、ヘルマン・ヘッセ、カール・ブッセ、ハインリヒ・ハイネ、エドゥアルト・メーリケ、マックス・ダウテンダイ、ヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデ、フリードリヒ・アドラー、オットー・ユーリウス・ビーアバウム、リヒャルト・デーメル、クリスティアン・モルゲンシュテルン、ラビンドラナート・タゴール、C. H.フォン・ホーフマンスヴァルダウの詩と、ハンス・ベートゲがドイツ語に訳した中国の詩。テーマとスタイルの多様な詩が、彼の作品のインスピレーションとなっている。シューベルト、シューマン、ブラームス、ヴォルフ、あるいはマーラー、リヒャルト・シュトラウスといった作曲家たちの歌曲の伝統に沿った旋律と和声。ピアノ・パートの書法については、シューマンやブラームスたち、さらにはグリーグの曲から学んだと思われる跡のあることも指摘されている。ドイツのバスバリトン歌手、クリスティアン・イムラー Christian Immlerは、テルツ少年合唱団のボーイAのソリストとしてコンサートとオペラを経験、ロンドンのギルドホール音楽学校でルドルフ・ピエルネに学んだ。パリの国際ナディア=リディア・ブーランジェ国際コンペティションで優勝してキャリアをスタートさせ、アーノンクール、ルネ・ヤーコプス、鈴木雅明、ウィリアム・クリスティをはじめとする指揮者の下で歌い、グラミー賞にもノミネートされたディスクを含む、50 を超す数のアルバムを録音している。共演のピアニストは、ミュンヘンの音楽演劇大学で教授として28年間、歌曲解釈を教えたヘルムート・ドイチュHelmut Deutsch 。「隠れた宝物」のタイトルに示されるとおりのアルバム。 | |||
モーツァルト:ピアノ協奏曲全集 〔第1番−第6番/第7番(3台のための)(*) /第8番−第9番/ 第10番(2台のための|2種)(#) /第11番−第27番〕/ 3つのピアノ協奏曲 K.107 (+) ロナルド・ブラウティハム(Fp) アレクセイ・リュビーモフ(Fp1;#/Fp2;*) マイケル・アレクサンダー・ウィレンス指揮ケルン・アカデミー(*/#/+以外) マンフレート・フス(Fp3;*)指揮ハイドン・シンフォニエッタ・ウィーン(*/#) ピーター・ハンソン(Vn;+) マリー=ルイーズ・ハルトマン(Vn;+) アルベルト・ブリュッヘン(Vc;+) | |||
録音:2006年、2009年-2015年|既出単売のセット化。 鬼才フォルテピアノ奏者ロナルド・ブラウティハムによるモーツァルトのピアノ協奏曲全集がついにセットになって登場した。ブラウティハムといえばハイドンやベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集でも快活にして明瞭なタッチで高い評価を得てきた。モーツァルトのピアノ協奏曲全集は2006年から2015年の10年の歳月をかけて完成。共演は2台、3台のピアノ協奏曲を除き、すべてマイケル・アレクサンダー・ウィレンス率いるケルン・アカデミーとの演奏。その演奏は繊細な感覚を随所に交えながらも瑞々しい響きが印象的。彼らの深い信頼のもと絶妙なアンサンブルで快演を聴かせてくれる。ブラウティハムといえば演奏楽器へのこだわりでも知られる。このシリーズでも現代の名工ポール・マクナルティが製作したアントン・ ヴァルター(1752-1826)を中心とする銘器のレプリカを使用している。 | |||
岐路〜アメリカのヴァイオリン・ソナタ集 アンドレ・プレヴィン(1929-2019):ヴァイオリン・ソナタ第2番(2011) トニー・シェンマー(1946-):ヴァイオリン・ソナタ(1981/2011) ポール・ゲイ(1931-):ヴァイオリン・ソナタ(1984) (#) アレクセイ・セメネンコ(Vn) アルテム・ベログロフ(P) | |||
録音:2018年7月24日-25日、ウェストヴェスト90、スキーダム、オランダ(#以外) /2015年11月17日、メカニクス・ホール、ウースター、マサチューセッツ州、 US (#) 。ウクライナのオデッサ生まれのヴァイオリニスト、アレクセイ・セメネンコとラトヴィアのリガ生まれでオデッサで幼少期を過ごしたアルテム・ベログロフがアメリカのヴァイオリン・ソナタ3篇に挑戦した。彼らはオデッサのストリャルスキー特別音楽学校の朋友。プロになってからはそれぞれの拠点は違うものの定期的に共演を重ねてきた。それぞれのキャリアの「岐路」に立たされてもその友情は一切変わることはなく、かたい絆で結ばれている。アンドレ・プレヴィンが2011年にアンネ=ゾフィー・ムターのために書いたヴァイオリン・ソナタ第2番はよく知られている。トニー・シェンマー(1946-)とポール・ゲイ(1931-)は共にボストンを拠点に活躍する作曲家。ジャズとクラシックが融合したおしゃれな音楽でいずれも80年代に作曲された。この2つの作品はこの度初録音となり、それぞれ作曲家立ち合いのもと録音が実現した。 | |||
影 メル・ボニ:祈り/起き上がれ、わが魂(*) /夢/夕べ/アヴェ・マリア セシル・シャミナード:ヴィラネル/銀の指輪/美しきニース アルマンド・ド・ポリニャック:愛の歌/王の庭園/私を見ないで ジュリエット・フォルヴィユ:夢 / ポリーヌ・ヴィアルド:深夜の影/2本のバラ/アイ・リュリ/星(*) マルゲリート・ベラクール・ダルクール:谷間の夢想 / エレーヌ=フレデリック・ド・ファーユ=ジョザン:春 ガブリーユ・フェラーリ:流浪者の歌 / オーギュスタ・オルメス:未開の森の鳥/洗濯女/トリアノンで レティシア・グリマルディ(S) アミエル・ブシャケヴィチ(P) タリア・エルダル(Vc;*) | |||
録音:2019年2月24日-26日、エルサレム音楽センター、イスラエル。1900年代初頭、ベルエポック期のパリでは美しい芸術が花開いた。しかし作曲家としての女性の地位はあいかわらず正当に受け入れられるものではなく、さまざまな困難がありながら見事な歌曲を残した。それらはマスネやアーンら人気作曲家の影に隠れてしまってはいるものの、彼女たち独自な創意工夫や感情表現、美しいメロディに驚かされる。レティシア・グリマルディはフランス生まれのソプラノ。ベルガンサ門下で多くの声楽コンクールに入賞している注目株。フランス歌曲に定評があり、これらの作品にも絶妙な表現を示している。 | |||
リニューアル ジョアナ・マーシュ(1970-) /ジュリアン・アズクール編曲:弦楽オーケストラのための「冬の家には」(2019) キャロライン・ショー(1982-):間奏曲(2011/14)(弦楽オーケストラのための版) オスバルド・ゴリホフ(1960-):ソプラノと弦楽オーケストラのための3つの歌(*) メンデルスゾーン(1809-1847)/ジュリアン・アズクール編曲:弦楽四重奏曲第6番 ヘ短調 Op.80, MWV R37 (1847) キャロライン・ショー(1982-)/ジュリアン・アズクール編曲:つばめは巣をかけて ルビー・ヒューズ(S;*) ユナイテッド・ストリングズ・オブ・ヨーロッパ(USE) ジュリアン・アズクール(ディレクター、コンサートマスター) | |||
録音:2021年3月8日、9日、25日、26日、セント・シラス教会、ケンティッシュ・タウン、ロンドン、イングランド。ロンドンに本拠を置くアンサンブル「ユナイテッド・ストリングズ・オブ・ヨーロッパ(United Strings of Europe)」(USE)は、2020年、デビュー・アルバム「In Motion(動いている)」(BISSA-2529)をリリース。「独創的なプログラムと「高度な技術による表現豊かな」演奏」(「ザ・タイムズ」)と称賛された活動を録音という形で示してみせた。アルバム第2作「Renewal(リニューアル)」。「喪失と変質」をテーマに据え、リーダーのジュリアン・アズクールが「USE」のスタイルに合わせて編曲、選曲したプログラムが組まれている。ジョアナ・マーシュが、「テネブレ」合唱団から委嘱を受け、「暗闇と光、再生の心象をおとぎ話の風景に詠んだ」ジェーン・ドレイコットの詩に作曲した「冬の家には」の弦楽オーケストラのための編曲。キャロライン・ショーが、メヌエットとトリオという古典の形式を「独創性と楽しさを等分」して現代に「再生」した弦楽四重奏のための作品を彼女自身が弦楽オーケストラのために編曲した「間奏曲」。オスバルド・ゴリホフの「3つの歌」は、ソプラノと弦楽オーケストラのための作品。彼が音楽を担当したサリー・ポッターの映画「The Man Who Cried」(邦題「耳に残る君の歌声」)のために書いた「Close Your Eyes」のバリー・デイヴィスによるイディッシュ語の子守歌から始まる「空駆ける馬の夜」。ロサリア・デ・カストロのガリシア語の詩による「色褪せた月」。エミリ・ディキンソンの詩をテクストにした「なんとゆっくりと風は」。メンデルスゾーンが、姉ファニーの突然の死に突き動かされて作曲したといわれる「弦楽四重奏曲第6番 ヘ短調」。キャロライン・ショーが、シリア難民とアメリカとメキシコの国境に押しよせた難民の姿からインスピレーションを受け、「詩篇84番」をテクストに作曲した「つばめは巣をかけて」。「In Motion」と同じスタッフが制作と録音を担当した。 | |||
日の目を見た作品集〜ショスタコーヴィチ: 交響曲第14番 Op.135「死者の歌」(作曲者編曲|ソプラノ、バス、ピアノと打楽器版)/ 未完のヴァイオリン・ソナタ(1945) /革命の犠牲者追悼の葬送行進曲(1917?)(ピアノ曲)/ 郷愁(1918?)(ピアノ曲)/森の歌(1919)(ピアノ曲) /バガテル(1919)(ピアノ曲) マーラー/ショスタコーヴィチ編曲:交響曲第10番断片(ピアノ・デュオ版)(#) ニコラ・スタヴィ(P/チェレスタ) エカテリーナ・バカノワ(S) アレクサンドロス・スタヴラカキス(B) フロラン・ジョデレ(Perc) パク・スーイエ(Vn) セドリック・ティベルギアン(P;#) | |||
録音:2021年12月7日-10日、ゼンデザール、ブレーメン放送|含・世界初録音。ショスタコーヴィチ・ファン狂喜のアルバムが登場する。すべて稀少作品のうえ、収録時間76分のうち63分が世界初録音なのも驚き。世界初録音2点のひとつ目は交響曲第14番「死者の歌」のショスタコーヴィチ自身によるピアノと打楽器用編曲。声楽と打楽器はそのまま、弦楽オーケストラのパートをピアノに書き換えている。弦とは全く異なる音響が衝撃で、原作以上に尖った暴力性が聴き物。単なる歌手の勉強用や作曲家同盟のプレゼン用ではないのは打楽器が加わっていることからも伺え、独特な刺激と色彩を添える。ここではフランス国立o. の名打楽器奏者フロラン・ジョデレがひとりで健闘、第3楽章と4楽章の重要なチェレスタ・パートはピアノのスタヴィが原作通り奏し、効果をあげている。もうひとつはマーラーの交響曲第10番第1楽章のピアノ4手編曲。1920年代、彼の親友の音楽学者ソレルチンスキーがレニングラードに協会を設立するほどマーラーに関心が高まっていた。ショスタコーヴィチも衝撃を受け、以後強い感化をうけることとなった。編曲は1920年代後半と思われるが、全曲ではなく最初の3分の1まで約8分の未完作品。仕事というよりは個人的な研究目的と協会員に聴かせるためで、最近ようやく日の目を見た。マーラーとショスタコーヴィチをつなぐ絆なうえ、セコンドをティベルギアンが受け持っているのも豪華。フィルアップは、ショスタコーヴィチが正式に作曲を学び始めた少年時代に試作した4つのピアノ曲。ショパンやラフマニノフを思わす作風のなか、ピアニスティックな技法やグロテスクさも垣間見せ興味津々。さらに1945年に取り組みながら中止したヴァイオリン・ソナタの断章も貴重。ユン・イサンのヴァイオリン協奏曲第3番ディスクで好演した韓国出身の若手パク・スーイエの熱演を楽しめる。ニコラ・スタヴィは1975年生まれのフランスのピアニスト。ドミニク・メルレ門下で2000年の第14回ショパン国際コンクール入賞の実力派。ソプラノのバカノワは1984年生まれ。2013年のフェニーチェ劇場の来日公演で注目された。ギリシャのバス、スタヴラカキスは2019年第16回チャイコフスキー国際コンクール声楽部門優勝の注目の若手。両者とも新鮮な歌唱ぶりを堪能させる。 | |||
バッハ・コレギウム・ジャパン、ケルン 2020.3 〜 J.S.バッハ:ヨハネ受難曲 BWV.245 (1739/49版) ジェイムズ・ギルクリスト(福音史家) ハナ・ブラシコヴァー(S) ダミアン・ギヨン(CT) ザッカリー・ワイルダー(T) クリスティアン・イムラー(B;イエス) 松井亜希(S;召使の女) 谷口洋介(T;下役) 浦野智行(B;ペトロ) 渡辺祐介(B;ピラト) 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン [寺神戸亮(コンサートマスター) 鈴木優人(Cemb)] | |||
録音:2020年3月14日-17日、フィルハーモニー、ケルン大ホール。『CD録音セッションは、ライブ・ストリーミングの前後一両日、ヨーロッパの各国が順次国境を閉鎖しフライトも次々のキャンセルされていく、大変緊張した雰囲気の中で行われました。ホテルのカフェやレストランも徐々に営業場所を狭めていき、最終日には、ついに警察官がホールに現れ、直ちに立ち退いて建物を閉鎖するよう求められました。しかし幸い、その警察官もBCJの演奏を聞いて下さっていたことから私たちの活動を理解してくださり、1時間だけ猶予が与えられたのでようやく最後まで収録することができたのです。皮肉なことに、ヨハネ受難曲は、このような緊迫した雰囲気の中で演奏するのに誠に相応しい受難曲と言わざるを得ません。イエス・キリストの逮捕と処刑という緊迫した物語を、マタイ受難曲より遙かに劇的に映し出したこの音楽は、私たちが今回経験した大きな苦難に際し、この世に生きることの意味を、改めて考え直すことを私たちに迫るかのようです。』(鈴木雅明:バッハ・コレギウム・ジャパン音楽監督(バッハ・コレギウム・ジャパン公式ホームページより) 2020年3月、バッハ・コレギウム・ジャパンは創立30周年の一環でヨーロッパ・ツアーを全11公演の日程で予定していたが、新型コロナウイルスが急激に蔓延したために8公演がキャンセルとなってしまった。しかしツアー予定最後に数日滞在していたケルンにおいて、ヨハネ受難曲の録音とライヴ・ストリーミングが実現した。録音はフィルハーモニー、ケルン大ホールにてセッションで行われた。苦難な状況下の中で実現したこの記録は、BCJが世界に発信する2020年最大の注目盤がリリースと言える。奇しくも創立30周年を迎えたBCJが全身全霊を尽くした録音となった。演奏のすばらしさはもちろんのこと、名録音技師マルティン・ザウアーによる録音であることも注目。また、レコーディング・コーディネーターはBCJの首席指揮者鈴木優人がつとめている。 | |||
ヤコブ・リンドベリ〜J.S.バッハ/:リュート作品集 (Vol.2) (ヤコブ・リントべり編曲(*以外) ) 前奏曲 ニ短調 BWV.999(原曲:ハ短調)(*) / 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ長調 BWV.1005 より〔第2楽章 フーガ ハ長調/第3楽章 ラルゴ ヘ長調〕/ 組曲 ハ長調(無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV.1007 )/リュート組曲 ヘ長調 BWV.1006a(原曲:ホ長調)/ ソナタ ト短調(無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調 BWV.1001 )/ 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004 〜第5楽章 ヤコブ・リンドベリ(リュート| Pitch a=392 |使用楽器:シクトゥス・ラウヴォルフ〔アウグスブルク〕、1590年頃製作) | |||
録音:2020年9月6日-10日、レンナ教会、スウェーデン。BISレーベルを代表するリュート奏者ヤコブ・リンドベリが約30年ぶりにオール・バッハ・プログラムに挑戦! 1992年に録音した旧盤 BIS-587/588 は BWV.が付番されているリュート曲を集めた2枚組で、偽作の疑いも多いバッハのリュート作品をリンドベリの長年の研究と考察の一つの結論としてリリースし、現在も同曲集の決定盤として評価されている。待望の新録音ではリンドベリの編曲を中心に無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番、無伴奏チェロ組曲第1番そしてシャコンヌと充実の選曲となっている。使用楽器はシクトゥス・ラウヴォルフが1590年頃に製作した非常に珍しいオリジナルの歴史的銘器で近年リンドベリが愛奏している。製作された当初、この楽器は7コースまたは8コースのルネサンス・リュートで13本または15本の弦が対になって張られていた(一番上の弦のみ単弦)。当器は1715年にニュルンベルクのレオンハルト・マウジールにより新しいネックが付け替えられ、17世紀末から18世紀初頭のドイツのリュート音楽を演奏するために11コースのバロック・リュートへと改修された。なお当楽器の響板は1418年から1560年頃のマツが使用されており、オリジナルの響板で演奏可能な状態のリュートとしては最古の物。その独特の音色は、バッハがワイマールとケーテンで過ごした時代(1703年から23年)の音楽と完璧に調和しており、その響きを21世紀の現在も聴くことができるのはまさに奇跡。88分長時間収録。 | |||
フーゴ・ヴォルフ(1860-1903): イタリア歌曲集 全曲〔第1巻/第2巻〕(全46曲) |
キャロリン・サンプソン(S) アラン・クレイトン(T) ジョセフ・ミドルトン(P) | ||
録音:2020年9月21日-23日、2021年7月6日-8日、ポットン・ホール、サフォーク。ヴォルフの「イタリア歌曲集」を名歌手キャロリン・サンプソンとアラン・クレイトンが録音した。パウル・ハイゼのドイツ語訳詩にイタリア民謡になぞらえて編曲した全2巻46曲からなる「イタリア歌曲集」。この曲集はトスカーナの風景を背景に恋する男女の嫉妬、浮気、喜び、絶望などを描いた短編の愛の詩で構成されている。ハイゼの翻訳はしばしば原詩のシンプルなイタリア語を強調しており、ヴォルフは詩のもつ力と感情をさらに高めるように魅力的な旋律にのせた。幅広いレパートリーを誇りBCJの客演でもおなじみのキャロリン・サンプソンとアラン・クレイトンが男女の愛や恋の起伏に富んだ感情を生々しく表現しております。圧倒的な歌唱力と表現力を持ち合わせた二人による新録音。ご期待頂きたい。 | |||
ニコス・スカルコッタス(1904-1949): ヴァイオリン協奏曲 A/K 22 (1937/38) / ヴァイオリン、ヴィオラと管楽オーケストラのための協奏曲 A/K 25(?1939-40) (*) ジョージ・ザカリアス(Vn|使用楽器: 'GeorginaJoshi' by Sanctus Seraphin, 1719 ) アレクサンドロス・コウスタス(Va;*|使用楽器: Bohemian School, early 1900s ) マーティン・ブラビンズ指揮 LPO | |||
録音:2022年4月19日-20日、2020年1月5日-6日(*)、ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン、イングランド、 UK 。シェーンベルクに学んだ「エリート」弟子のひとり、ギリシャの作曲家ニコス・スカルコッタスのシリーズ。「ヴァイオリン協奏曲」は、「シェーンベルクの限界」にとらわれまいとする大胆なアイデアも導入されたとされる作品。シリーズ第1作として制作されたゲオルギオス・デメルツィスの演奏 (BIS-904)に次ぐ録音。エヴァ・マンツォーラニによる新校訂版を使った演奏。「ヴァイオリン、ヴィオラとウィンド管弦楽のための協奏曲」は、スカルコッタスがアテネ国立o. でヴァイオリンを弾いていた時の同僚、ヴィオラのジョン・パパドプロスのために書いたのではないかと推測される作品。「アレグロ」「アンダンティーノ」「アレグロ・ヴィーヴォ」。クラシカル音楽で初めてソプラノ、アルト、テナーというサクソフォン属の楽器を揃って使った作品のひとつ。世界初録音。ジョージ・ザカリアスが編纂した校訂版による演奏。ヴァイオリンのジョージ・ザカリアスは、アテネ生まれ。アテネ音楽院で学び、1997年の卒業後、ロンドンの王立音楽アカデミーでヨッシ・ツィヴォーニの下で学びました。「ヴァイオリニスト、作曲家スカルコッタス」をテーマとする論文で王立音楽アカデミーの博士号を取得。イギリスを本拠に活動している。ヴィオラのアレクサンドロス・コウスタスもギリシャ生まれ。イギリス・ナショナル・バレエ・フィルハーモニックの首席ヴィオラ奏者を務め、アカデミー室内o. でも団員として演奏している。 | |||
テレマン:リコーダー・ソナタ集 〔ハ長調 TWV.41: C5 /ヘ長調 TWV.41: F2 /イ短調 TWV.41: a4 /ニ短調 TWV.41: d4 / ヘ短調 TWV.41: f2 /ヘ短調 TWV.41: f1 /ハ長調 TWV.41: C2 〕/ソナチネ ハ短調 TWV.41: c2 ダン・ラウリン(リコーダー) アンナ・パラディソ(Cemb) マッツ・オロフソン(Vc) | |||
録音:2021年4月19日-21日、スンドビュベリ、スウェーデン|使用楽器: Alto recorders by Philippe Lache, Fred Morgan and Francesco Livirghi Harpsichord by Francois Paul Ciocca (2008) after Nicolas & Francois Blanchet (1730) Cello by Johan Oberg the elder, Stockholm c.1765 。リコーダー界の鬼才ダン・ラウリン。BISレーベルからリコーダーのありとあらゆるレパートリーを精力的にリリースしているが、当アルバムでは後期バロックのドイツの大作曲家テレマンのリコーダー・ソナタを録音した。当演奏でもラウリンの天才ぶりをうかがい知ることのできる表現力豊かで自由な“歌い方 "を堪能出来る。パラディソ、オロフソンとの刺激的な演奏をお楽しみ頂きたい。 | |||
ダウスゴー〜ブラームス:交響曲全集 ブラームス:交響曲〔第1番 ハ短調 Op.68 /第2番 ニ長調 Op.73 /第3番 ヘ長調 Op.90 /第4番 ホ短調 Op.98 〕/ ハイドン変奏曲 Op.56a /大学祝典序曲 Op.80 /アルト・ラプソディ Op.53 (#) /悲劇的序曲 Op.81 ブラームス/作曲者編曲:愛の歌 Op.52 & 65 より9曲/ハンガリー舞曲集 より Nos.1, 3, 10 ブラームス/トーマス・ダウスゴー編曲:ハンガリー舞曲集 より Nos.2, 4, 5-9, 11-21 シューベルト/ブラームス編曲:6つの歌(*) 〔御者クロノスに D.369 /メムノン D.541 /秘めごと D.719 /老年の歌 D.778 / エレンの歌(初稿) D.838 /タルタロスから来た群れ D.583 〕 トーマス・ダウスゴー指揮スウェーデン室内o.、スウェーデン放送cho. アンナ・ラーション(A;*/#) ヨハン・ロイター(Br;*) | |||
録音:2011年3月、2016年5月-6月、11月、2017年3月、2018年4月、9月、すべてエレブルー・コンサートホール、スウェーデン|クラムシェル・ボックス仕様。 BISSA-1756, 2253, 2319, 2383 の BOX 化。透き通るようなオーケストレーションかつ刺激的な演奏で注目を集めるトーマス・ダウスゴー率いるスウェーデン室内o. 。ブラームスの交響曲全4曲とハンガリー舞曲集などを組み合わせたアルバム4枚がお買い得なセットになって登場する。小編成のオーケストラで演奏されるダウスゴーのブラームスは絶品の一言。またダウスゴーが編曲によるハンガリー舞曲集も聴き逃せない!そして、声楽つきピアノ連弾曲として有名な「愛の歌」から9曲をブラームス自身がオーケストレーションした作品、そして「6つの歌」と、そのカップリングにも注目。ダウスゴーは1997年にスウェーデン室内o. の音楽監督し就任して以来BISやSIMAXレーベルに積極的に録音している。シューマン、ベートーヴェン、シューベルトの交響曲録音における極めて大胆な解釈は絶賛されている。また、2021年にリリースされた「ザ・ブランデンブルク・プロジェクト」も注目を集めた。そしてメンデルスゾーンの交響曲録音も開始している。 | |||
モーツァルト:弦楽四重奏曲集「プロシャ王セット」 〔第21番 ニ長調 K.575(プロシャ王第1番)/第22番 変ロ長調 K.589(プロシャ王第2番)/ 第23番 ヘ長調 K.590(プロシャ王第3番)〕 キアロスクーロSQ [アリーナ・イブラギモワ(Vn|使用楽器: Anselmo Bellosio, c.1780 ) パブロ・エルナン=ベネディ(Vn|使用楽器: Andrea Amati, 1570 ) エミリー・ホーンルンド(Va|使用楽器: Willems, c.1700 ) クレール・チリヨン(Vc|使用楽器: Carlo Tononi, 1720 )] | |||
録音:2020年11月23日-27日、ザ・ブリテン・スタジオ、スネイプ・モルティングス、 UK 。現代屈指のヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモワ。ソリストとしてだけでなく、自身が率いるキアロスクーロ四重奏団も現代最高の弦楽四重奏団として非常に高く評価されている。期待の当アルバムは「プロシャ王セット」の名で知られるモーツァルトの弦楽四重奏曲第21〜23番の3篇。この3篇はプロイセン(プロシャ)王フリードリヒ・ヴィルヘルム2世からの依頼により作曲したとされ、メロディアスな第21番、チェロを弾いた王のためにチェロの旋律の美しさが際立つ第22番、そして物理学者でモーツァルト研究者でもあったアインシュタインが「モーツァルトのハイドンへの告別」と評した、弦楽四重奏曲最後の作品第23番と、それぞれの個性が際立つ最高傑作。一切隙のないキアロスクーロ四重奏団の演奏はこのモーツァルトでも本領発揮。シャープにして実に温かみのある演奏は彼らでしか表現することのできない唯一無二の世界が広がる。当曲集の新たな名盤登場。 | |||
イェスペル・ヌーディン(1971-): クラリネット、管弦楽とライヴ・エレクトロニクスのための「潮流と波浪の間から出現する」(2018) マルティン・フレスト(Cl/ジェストルメント) マグヌス・ホルマンデル(Clソロ) エサ=ペッカ・サロネン(ジェストルメント)指揮スウェーデン放送so. | |||
録音:2018年8月31日、ベールヴァルドホール、ストックホルム、スウェーデン、ライヴ。コンピューター・ミュージック・デザイン:セバスティアン・リヴァス スウェーデンの音楽シーンでは、ロック、即興音楽、民俗音楽といったジャンルを背景にもち、情感に強く訴えかける音楽を作る「バーバンクの変わり者」(BISSA-2483)のアルベット・シュネルツェルに代表される1970年代生まれの作曲家たちが注目を集めている。イェスペル・ヌーディンもそのひとり。スウェーデン放送so. が初演した「RosteR; trilogy for orchestra(声:管弦楽のための三部作)」(2015)のような北欧のアンサンブルのための作品のほか、ストラスブールの「フェスティヴァル・ムジカ」で初演された「Visual exfor-mation」(2016)など、海外の音楽祭やオーケストラの委嘱作も手がけている。2010年には「独創性と不屈の好奇心をもち、アコースティック空間を探求し拡大する音の魔術師」として王立スウェーデン音楽アカデミーの賞も受けた。ヌーディンの「Emerging from Currents and Wave(潮流と波浪の間から出現する)」は鬼才クラリネット奏者のマルティン・フレスト(マッティン・フロースト)、指揮者エサ=ペッカ・サロネンのコラボレーションから生まれた作品。「ソーシャル・メディア、バーチャル・リアリティ、AIの出現は、われわれの文化にかぎらず社会の全体に変化をもたらしている……そうした変化の真っただ中にいるわれわれは、どんなやり方をすれば、芸術と芸術表現とその実践に新しいテクノロジーの力を利用することができるのか……」とヌーディンは語っている。大編成の管弦楽、ソロ・クラリネット、指揮者とライヴ・エレクトロニクスのために書かれた本作は、コンサートではリアルタイムのヴィジュアル効果も用いられた。エサ=ペッカ・サロネンに献呈された「Currents(潮流)」と「Waves(波浪)」の間にフレストに献呈された「Emerging(出現する)」をはさむ3つの部分による構成。「クラリネット協奏曲」の「Emerging(出現する)」では、作曲者のデザインした対話式(インタラクティブ)音楽ツール「Gestrument(ジェストルメント)」(「gesture instrument(ジェスチュア・インストルメント)」)をクラリネット奏者と指揮者が「演奏」するようスコアに指定されている。2018年8月31日にストックホルムのベールヴァルドホールで行われた初演にはIRCAMのサウンド・マネージャーとしてカイヤ・サーリアホたちのコンサートに協力したマルタン・アンティフォンと作曲家のセバスティアン・リヴァスの技術チームが参加。「無限の可能性をもつように見えるテクノロジーが、伝統への架け橋としても使えるのか」という問いへの答えが探られた。 | |||
北欧ラプソディ クリスティアン・シンディング(1856-1941):古風な様式の組曲 イ短調 Op.10 ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871-1927):2つの感傷的なロマンス Op.28 (1910) シベリウス(1865-1957):6つの小品 Op.79 より 〔第1曲 思い出(1915/19) /第5曲 牧歌的舞曲(1917) /第6曲 子守歌(1917) 〕 ニルセン(1865-1931):ロマンス ニ長調 CNW 61 (1883頃) エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928-2016):夜想曲と踊り(1993) グリーグ(1843-1907):ヴァイオリン・ソナタ第1番 ヘ長調 Op.8 (1865) ユーハン・ダーレネ(Vn|使用楽器:ストラディヴァリウス、1736年製) クリスティアン・イーレ・ハドラン(P|使用楽器: Steinway D ) | |||
録音:2020年9月、クルトゥルム、ニューショーピング、スウェーデン。ノルショーピング生まれのスウェーデンのヴァイオリニスト、ユーハン・ダーレネ Johan Dalene (2000-)は、BISレーベルの社主ロベルト・フォン・バール氏がダーレネ9歳の時からその才能に注目していたという逸材。2019年にはサミュエル・バーバーとチャイコフスキーの協奏曲(BISSA-2440)でアルバム・デビュー。「ここ10年の間でもっとも素晴らしいヴァイオリニストのデビュー作のひとつ」(「BBC Music Magazine」)、「ダーレネの演奏には、彼が特別な感受性をもった音楽家だとわかる「存在」が感じられる」(「Gramophone」)など、各国のメディアから高く評価された。2019年11月にはニコライ・スナイダー指揮日本po. との共演でニルセンのヴァイオリン協奏曲を披露。その圧倒的な演奏で聴衆を沸かせた。ダーレネのアルバム第2弾は、北欧の19世紀から20世紀を代表する作曲家のヴァイオリンとピアノのための作品を演奏している。シンディングの「古風な様式の組曲」は、ライプツィヒに留学した彼が、バロック音楽、18世紀ドイツ音楽の装飾、バッハのスタイルに「デザイン」した作品。技巧的なパッセージも織りこまれ、クライスラーやハイフェッツが好んで演奏したと言われる。ステーンハンマルが、僚友アウリンとの友情に触発されて書いた、胸をうつリリシズムと明るい陽の光に満ちた「アンダンティーノ」と感情の起伏の激しい「アレグロ・パテティコ」の「2つの感傷的なロマンス」。シベリウスが「交響曲第5番」と同じころに作曲した「6つの小品」から「思い出」「牧歌的舞曲」「子守歌」。カール・ニルセンの「ロマンス」は、彼がコペンハーゲンのアカデミーで学ぶ以前に作曲したと推測されている作品。ラウタヴァーラの「夜想曲と踊り」は、「ガラスのハーモニー」の上をヴァイオリンが「さまよう」夜の音楽と、白昼のダンス。「夜想曲」の素材は、後に、交響曲「光の天使」に再使用される。プログラムの最後、グリーグの「ソナタ第1番」は、ノルウェーの民俗音楽とその心を「芸術作品」のうちに再生する道を選んだ彼の「一里塚」とみなされる作品。ダーレネのこのアルバムのためBIS Recordsは、ノルウェーのハドランChristian Ihre Hadland (1983-)を共演者に起用した。ハドランは、ソリストとしての活動とともに室内楽のピアニストとして忙しく、ヴァイオリニストのクラッゲルードやメゾ・ソプラノのスーザン・グレアムたちと共演。アンドレーアス・ブランテリードと録音したグリーグとグレインジャーの「チェロ作品集」(BISSA-2120)は、「グラモフォン」誌の「エディターズ・チョイス」に選ばれている。グリーグの「ソナタ」の第2楽章「アレグレット・クワジ・アンダンティーノ」。2019年から2022年のBBC Radio3「次世代アーティスト」のひとり、ダーレネと、2011年から2013年のアーティストだったハドランのふたりがグリーグの音楽に共感を寄せ、こよなく美しい「音楽の時」が生まれる。アルバムの制作と録音をイェンス・ブラウンJens Braunが担当、ニューショーピング市の「クルトゥルム(Culturum)」でセッション録音された。 | |||
ハリソン・バートウィッスル(1934-): ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重奏曲(2011) /8弦(ヴィオラとチェロ)のための二重奏曲(*) / オーボエと打楽器のための「パルス・サンプラー」(1981/2018) /オーボエ四重奏曲(2009-10) ナッシュ・アンサンブル | |||
録音:2021年1月4日-6日、キングズ・プレイス、ロンドン| (*):世界初録音。1934年生まれの作曲家サー・ハリソン・バートウィッスルは、イギリスの代表的な現代作曲家。1965年作曲の「トラゴエディア」で注目を集めた。「トラゴエディア」は古典から現代に至るまでの雰囲気と強烈な暴力性、そして脆い力強さを併せ持っており、イギリス音楽に新たな感性を提示したものとして高く評価されている。その「トラゴエディア」が作曲された同時期の1964年創立にされたナッシュ・アンサンブルがバートウィッスルの室内楽作品を録音した。ナッシュ・アンサンブルはウィグモア・ホールのレジデント・チェンバー・アンサンブルを務める名人集団。可変アンサンブルとして、多様な作品、編成で演奏し、これまで300を超える世界初演も行ってきた。当団は創設時よりバートウィッスルの作品を取り上げ現在も非常に良好な関係が築かれている。その蜜月な関係から生み出された委嘱作品も多く、内容度の濃い高水準の演奏をお届けする。感性豊かな表現で魅了。 | |||
ひとりひとりがちがって〜小さな子供と大きな子供のための歌 ▼グンローグ・ルーセーン作詞、グスタフ・ルーセーン作曲:こんにちはの歌 ▼伝承曲:親指さんどこ?/ヤーコプ修道士(フレール・ジャック) ▼グンローグ・ルーセーン、グスタフ・ルーセーン作詞、グスタフ・ルーセーン作曲:足さん、足さん ▼ユッヤ&トゥーマス・ヴィースランデル作詞・作曲:ゴーポートー〔つまさき歩き〕 ▼マリアンネ・アスペリーン作詞、ベッティル・ハッリーン作曲:ひとりひとりがちがってて/ノーゴン・ゴングロート ▼伝承歌詞、ブリット・ハルクヴィスト作詞・伝承曲:ねずみがいっぴきやってくる/ねずみちゃん、おうちはどこ? ▼伝承歌詞・アリス・テグネール作曲:ねことしっぽ / ▼伝承曲:ゆらゆらクモちゃん/ちいさなかたつむり ▼ユッヤ&トゥーマス・ヴィースランデル作詞・作曲:ぼくのちいさなカラスの歌 ▼マーリン・ブリング作詞・編曲・伝承曲:バルト海 - ちいさなニシン ▼ジェイムズ・ホリングワース作詞・作曲:ぼくはちいさなウグイ ▼ユッヤ&トゥーマス・ヴィースランデル作詞・作曲:ちょっとだけブランコゆらして ▼伝承曲:どんよりしたよる/ちいさなボート ▼バーブルー・リンドグレーン作詞、ゲオルク・リーデル作曲:くぎをみつけた ▼伝承曲:ぼくはかなづちでくぎをうつ ▼レッナールト・ヘルシング作詞、クヌート・ブルーディン作曲:はさみがチョキチョキ ▼モニカ・フォシュベリ作詞、シェシュティン・アンデビュー・ヴァングレーン作曲:ワニがくるまに ▼伝承曲:バスのしゃりん ▼レッナールト・ヘルシング作詞、クヌート・ブルーディン作曲・伝承曲:グルカさん/ちいさいケーキをやいて ▼伝承曲:にじゅうのうた/ゾウさんがバランスをとって ▼ラーシュ・オーケ・ハーグルンド、ベンクト・リンネ、マグヌス・ヘーレンスタム、 ラーシュ・エーリク・ブレンストレム作詞、ベンクト・エーンリュード作曲:ゾウさんのうた ▼ボルグヒルド・アルネール作詞・作曲:よんのうた / 伝承曲:にじゅうのうた(つづき) ▼グンネル・リンデ作詞、ブー・スンドブラード作曲:ゆうこときかないふうせん ▼アストリッド・リンドグレーン作詞、アンデシュ・ベリルンド作曲:きみがいてくれてよかった ▼伝承曲:キンコンカンコンとけいがなる ▼伝承歌詞・アリス・テグネール作曲、ブー・リッデルストレム編曲:いえにかえってくさをおたべ ▼アンナ・セーデルベリ=オッレテーグ作詞・作曲:ぼくのパジャマはおばけのもよう ▼ジェイムズ・ホリングワース作詞・作曲:はぶらしのうた ▼バーブルー・リンドグレーン作詞、ゲオルク・リーデル作曲:ぼくのかわいいおもちゃのくまさん ▼サミュエル・ヘードブム作詞、アリス・テグネール作曲、 アンナ・セーデルベリ=オッレテーグ編曲:外は夏の風が吹き ▼伝承曲:きらきらひかる小さなおほしさま ▼マルギット・ホルムベリ作詞・作曲:トロルのかあさんのこもりうた ▼クリスティーナ・ラーゲルレーヴ作詞、伝承曲:月がさまようと ▼伝承曲、アンナ・セーデルベリ=オッレテーグ編曲:ビュッサン・リュル(子守歌) マリア・ゴウンドリーナ、アンナ・セーデルベリ=オッレテーグ、 マルクス・ユーセフソン指揮アドルフ・フレードリク音楽学校の生徒たち ニンニス・ヴァーダーグスルム [ニンニ・バウティスタ(Fl/Perc/歌) アンドレーアス・ランデグレーン(P/キーボード/プログラミング) コンラード・ブークヴィスト(G) セバスティアン・ハンケシュ(ベース) イーサク・アンデション(ドラム/Perc)] | |||
録音:2020年9月25日-26日、ファシュタ小学校講堂、ストックホルム。スウェーデンでは合唱団で歌う人のほうがサッカーをやる人より多いと、言われることがある。スウェーデンの人たちは、世代に関係なく、歌うことが大好きで、夏至祭のお祝いやクリスマスのコンサートだけでなく、多くの人たちが合唱団の週末練習に足を運ぶ。アルヴェーンやエーリクソンが指揮した男声cho. 「オルフェイ・ドレンガル(OD)」のメンバーたちも、週末になるとそれぞれの仕事を離れ、素朴な「春の歌」からヒルボリ(ヒルボルイ)やサンドストレムの「現代曲」まで、さまざまな曲の練習を楽しんでいるという。スウェーデンの「子供の歌」も歴史が長く、たくさんの歌が歌い継がれてきた。1960年代から1970年代には、ラジオやテレビの子供番組のおかげもあって、新しい歌がたくさん作られ、子供の歌の世界は、いっそう豊かになった。当アルバム「ひとりひとりがちがってて」では、伝統の歌から新しい歌まで39曲が歌われている。こうしたレパートリーは、音域の関係から、シンガーソングライターたち大人による録音が一般的だが、このアルバムでは、ストックホルムの中学校「アドルフ・フレードリク音楽学校」の生徒たちが、経験豊富な音楽家たちの指揮で歌っている。5人のバンド「ニンニス・ヴァーダーグスルムNinnis Vardagsrum」(ニンニのリビングルーム)が共演。生徒たちと、プロデューサーのインゴ・ペトリとエンジニアのトーレ・ブリンクマンが、「子供の歌は、これでなきゃ」と自信をもって作ったアルバム。 | |||
スペイン レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ(1896-1981): ロンデーナ/4つのオリジナル作品〜第2番 瞑想曲/ソレア エンリケ・グラナドス(1867-1916):昔風スペイン歌曲集〜ゴヤの女 ルイス・デ・ミラン(1500年頃-1561年頃):6つのパヴァーヌ フェルナンド・ソル(1778-1839):歌劇「マルボロー」の主題による序奏付き変奏曲 Op.28 マヌエル・デ・ファリャ(1876-1946): クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌/三角帽子〜粉屋の踊り(ハラース編曲) フェデリコ・モレーノ・トローバ(1891-1982):スペインの城〜トリハ フランシスコ・タレガ(1852-1909):涙/アルハンブラの思い出 イサーク・アルベニス(1860-1909):スペイン組曲第1集 Op.47 より〔第1曲 グラナダ/第4曲 カディス 〕/ カタルーニャ奇想曲 Op.165 〜第5楽章 スペイン ホアキン・トゥーリナ(1882-1949):セビリャ風 Op.29 /ギター・ソナタ Op.61 フランツ・ハラース(G|使用楽器:マティアス・ダマン製作) | |||
録音:2020年11月、十字架教会内アルベルト・レンプ・ザール、シュヴァービング、ミュンヘン。名手フランツ・ハラースがスペイン・アルバムをリリースする。1922年6月、グラナダのアルハンブラ宮殿のアルヒベス広場でマヌエル・デ・ファリャ、フェデリコ・ガルシア・ロルカ、サンティアゴ・ルシニョールなど著名な芸術家、知識人が列席した「カンテ・ホンド」が開かれた。このイヴェントの目的はフラメンコ芸術の純粋さを示すことを目的とし、当時29歳だった名ギタリスト、アンドレス・セゴビアがオープニング演奏を飾り、ファリャの「クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌」を演奏した。この作品は20世紀のスペイン音楽の重要な特徴を示す傑作として現在も演奏されている。ハラースは16世紀から20世紀まで純粋なスペインのギター作品を凝縮したアルバムを完成させた。収録作品はミラン、サインス・デ・ラ・マーサ、グラナドス、ファリャ、アルベニス、ソル、タレガ、トゥーリナとギター・ファン狂喜の内容。最後のトゥーリナのギター・ソナタは、スペイン自治協会の写本の複製をもとにした現存する最も古いスコアで演奏している。演奏されている。華麗なテクニックと情熱的な旋律はスペイン音楽の象徴ともいえる作品。 | |||
メメント・モリ(死を忘るなかれ) 作曲者不詳(14世紀) /クリングツォイク・バロックアンサンブル編曲:トリスタンの哀歌 ヨハン・ハインリヒ・シュメルツァー(1623頃-1680):フェルディナント3世の死に寄せる哀歌 ラインバウト・デ・ヴァケイラス(13世紀):プラーニュ〔哀悲歌〕〜即興 ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・フォン・ビーバー(1644-1704):4声の嘆きのバレット ヘンリー・パーセル(1659-1695):ディドの嘆き / シュメルツァー:嘆きのソナタ ヨハン・ショップ(1590-1667):涙のパヴァーヌ / ジャコモ・アントニオ・ペルティ(1661-1756):2声のフーガ ピエトロ・ロカテッリ(1695-1764):シンフォニア・フネーブレ ヨハン・パッヘルベル(1653-1706):すべての人は死ななければならない クリングツォイク・バロックアンサンブル [クラウディア・デラゴ=ノルツ、ルーカス・プラクスマラー(Vn) ナディーネ・ヘンリヒス(Va) アンナ・ラウシュ(Vc/リコーダー) ヨハネス・エツブリューガー(テオルボ) マルティン・リッカボナ(Org/Cemb)] | |||
録音:2020年7月16日-18日、シュタムス修道院、オーストリア)。#当盤は代理店アナウンスの一部に『 CD 』と表記されており、予告なくフォーマット記載や品番を訂正させて頂く可能性があります。「メメント・モリ(死を忘るなかれ)」。この言葉は古代ローマに起源を持つが、自分の死を忘れてはならないということは、いつの時代も宗教を超えた永遠のテーマであり、死が普遍的である事実を念頭に置いて人生を考えることも必要。哀歌、悲歌と訳される「ラメント」は13世紀からバロック時代初頭まで、数多の作曲家が声楽曲、器楽曲を残した。当アルバムでは13世紀初頭のデ・ヴァケイラスの「プラーニュ」からロカテッリの「シンフォニア・フネーブレ」まで、5世紀にわたる「ラメント」を録音。古楽の名手が揃ったクリングツォイク・バロックアンサンブルが多彩なプログラムをお届けする。 | |||
グリンゴルツSQ 〜シェーンベルク:弦楽四重奏曲集 Vol.2 〔第1番 ニ短調 Op.7 (1904-05) /第3番 Op.30 (1927) 〕 グリンゴルツSQ [イリヤ・グリンゴルツ(Vn|使用楽器:アントニオ・ストラディヴァリウス ex-Prove 、クレモナ、1719年製作) アナヒット・クルティキャン(Vn|使用楽器:カミッロ・カミッリ、マントヴァ、1733年製作) シルヴィア・シモネスク(Va|使用楽器:ヤコブス・ヤヌアリウス、クレモナ、1660年製作) クラウディウス・ヘルマン(Vc|使用楽器:ジョヴァンニ・パオロ・マッジーニ、ブレシア、1600年頃製作)] | |||
録音:2021年3月24日-27日、 SRF スタジオ、チューリヒ。精力的な演奏・録音活動で知られるロシアの名手イリア・グリンゴルツ。ソロ活動のほか室内楽にも積極的に取り組んでおり自身のクヮルテットでも多くの録音がある。シェーンベルクの第2番と第4番を収めたアルバム(BISSA-2267)の録音から約5年、ついに第1番と第3番を録音した。十二音音楽の創始者として20世紀音楽に最も大きな影響を残した作曲家の一人、シェーンベルク。1908年頃より無調を試みたが第1番は1905年の作品。調性に基づいた作品だが、その対位法的な技巧と単一楽章形式の試みなど、注目すべき点の多い初期作品。単一楽章といっても当演奏では46分ほどの大曲。緊張感をもったこの作品だが当団は集中を切らすことのない演奏を展開している。第1番作曲から四半世紀弱。第3番は1927年の作品。十二音の技巧によって作られた4楽章構成のこの作品だが、第1番同様主要主題の音形によって静かに終る。当団の引き締まった演奏はシェーンベルクの作品にマッチしている。 | |||
エコー〜時代を越える歌 J.S.バッハ(1685-1750):パルティータ第4番 ニ長調 BWV.828 〜サラバンド/ フランス組曲第3番 ロ短調 BWV.814 〜サラバンド/ パルティータ第6番 ホ短調 BWV.830 〜コレンテ J.S.バッハ/ベンジャミン・ブリテン編曲:5つの宗教的歌曲 より 〔第1曲 思え、わが心よ/第4曲 甘き死よ来たれ/第3曲 いと尊きイエスよ〕 ヒュー・ワトキンズ(1976-):ソプラノとピアノのための「エコー」(2017) ヘンリー・パーセル(1659頃-1695)/トーマス・アデス編曲:美しい柔和さが(2017) ヘンリー・パーセル/マイケル・ティペット、ウィルター・バーグマン編曲:しばし楽の音に〔つかの間の音楽〕(1949) 伝承曲/ベンジャミン・ブリテン(1913-1976)編曲: 彷徨いながら不思議に思う(1941頃) /民謡の編曲第4巻(1957) 〜なんと優しいエコーの答え 伝承曲/ベンジャミン・ブリテン(1913-1976)、コリン・マシューズ編曲: 8つの民謡の編曲(1976) 〜ホワイト・ロックのデイヴィッド(ピアノ版) デボラ・プリチャード(1977-):世界(2021) / シェリル・フランシス=ホード(1980-):嘆き(2012) エロリン・ウォーレン(1958-):地に平和を(2006) ルビー・ヒューズ(S) ヒュー・ワトキンズ(P) | |||
録音:2021年4月28日-5月1日、ポットン・ホール、ウェスルトン、サフォーク、 UK 。イギリスのソプラノ歌手、2011年から2013年の BBC New Generation Artistsに選ばれたひとり、ルビー・ヒューズ Ruby Hughes は、2014年の「ヴェネツィアのクリスマス」(BISSA-2089)、ヴァンスカとミネソタso. のマーラーの「復活」(BISSA-2296)、ユナイテッド・ストリングズ・オブ・ヨーロッパの「リニューアル」(BISSA-2549)の録音に参加、「愛と喪失のヒロインたち」(BISSA-2248)に始まる3枚のリサイタル・アルバムをリリースしてきた。作曲家でピアニストのヒュー・ワトキンズHuw Watlkins (1976-)と共演した新作の「エコー(Echo)」は、「時代を越える歌(songs across theages)」の副題をもち、それぞれの音楽で語り、たがいに愛情をこめて「響きあう」17世紀から現代の作曲家たちの作品によるプログラムのアルバム。「時を越える感情の結びつきを示唆する」バッハのソロ・キーボードのための「サラバンド」と「コレンテ」、ベンジャミン・ブリテンがバッハの曲を「現代の音楽」に作った「5つの宗教的歌曲」と、イギリスの民謡の編曲。「8つの民謡の編曲」の「ホワイト・ロックのデイヴィッド」は、ウェールズ生まれのヒューズとワトキンズに敬意を払って選ばれ、コリン・マシューズが作ったピアノ共演版で演奏される。パーセルの「美しい柔和さが」と「しばし楽の音に」は、トーマス・アデス、マイケル・ティペットとウィルター・バーグマンによる版による演奏。ヒュー・ワトキンズの歌曲集「エコー」は、クリスティーナ・ロゼッティ、エミリ・ディキンソン、フィリップ・ラーキン、W ・B ・イェイツ、デイヴィッド・ハーセントの詩がテクストに使われている。メイン・プログラムにふさわしい、詩情と内省の音楽。カーネギー・ホールとウェールズのプレスティン音楽祭からルビー・ヒューズのために委嘱され、2017年10月にニューヨークで初演された。プログラム最後の3つの歌は、イギリスの作曲家による作品。デボラ・プリチャードDeborah Pritchard (1977-)が、ヘンリー・ヴォーンHenryVaughan (1621-95)の詩に作曲した、ルビー・ヒューズのための「The World(世界)」。シェリル・フランシス=ホードCheeryl Frances-Hoad (1980-)のアンドルー・モーションAndrew Motion (1952-)の詩による「Lament(嘆き)」。エロリン・ウォーレンErrollyn Wallen (1958-)が自身で詩を書いた「クリスマスキャロル」の「Peace on Earth(地に平和を)」。前作の「新しい命と愛の歌(Songs for New Life and Love)」(BISSA-2468)に「ガーディアン」紙が呈した「美しい演奏による、想像力あふれるリサイタル」の賛辞が「こだま」するアルバム。 | |||
チャイコフスキー/アズクール編曲(*以外): 弦楽セレナーデ Op.48 (*) /弦楽四重奏曲第1番 Op.11〜アンダンテ・カンタービレ/ 弦楽六重奏曲 Op.70「フィレンツェの思い出」/眠る前に夢見て(1963/4) (#) ユナイテッド・ストリングズ・オヴ・ヨーロッパ[ジュリアン・アズクール(リーダー)他] | |||
録音:2020年8月12日-13日(*/#)、2021年11月9日-10日(無印)、セント・サイラス教会、ケンティッシュタウン、ロンドン。レバノン系イギリス人ヴァイオリニスト、ジュリアン・アズクール率いるユナイテッド・ストリングズ・オブ・ヨーロッパ。民族を問わぬ若い奏者を集めたロンドンの団体で、BISレーベルからこれまで2枚のコンセプト・アルバムをリリースしたが、今回は単独の作曲家チャイコフスキーに捧げるアルバム。弦楽オーケストラのオリジナルは「弦楽セレナーデ」のみで、他はアズクールがこの団体のために編曲した。セレナーデを含め、いずれも第1、第2ヴァイオリン、ヴィオラ4、チェロ3、コントラバス1という編成で、チェロ以外は起立で演奏するという古楽アンサンブルのような様相を見せている。「フィレンツェの思い出」の急速なユニゾン的動きも恐ろしいまでの精度と緊張感で、チャイコフスキーの心の闇を垣間見せてくれる。つややかで迫力ある弦の世界をBISならではの高音質録音がとらえ、オーディオ的にも最適。最後にチャイコフスキー学生時代の最初期作「眠る前に夢見て」が収められているのも感動的。もとは聖歌風な無伴奏混声合唱曲だが、アズクールの巧みな編曲で弦楽器の音色と良くあっている。 | |||
アントン・エドヴァルド・プラテ(1796-1875):ハープ作品集 ハープと管弦楽のためのグラン・コンセール ト短調(*) /スウェーデン民謡による主題と変奏曲/ ロマンティック幻想曲「ノルウェーの思い出:山と谷から」 デルフィーヌ・コンスタンタン=レズニク(Hp|使用楽器: Lyon and Healy, Style 23 ) ダニエラ・ムスカ指揮ノルショーピングso.(*) | |||
録音:2020年8月20日-24日、ルイ・ド・イェール・コンサートホール、ノルショーピング、スウェーデン。ハープ・ファン必聴!ボヘミア生まれのアントン・エドヴァルド(アントワーヌ・エドゥアール)・プラテ(1796-1875)は、ハープ奏者と作曲家として、彼が生き、活動した19世紀には名の知れた存在だったと言われる。しかし、死後、彼の作品も音楽家としての名声も忘れられ、ノルショーピングso. の首席ハープ奏者に就任したデルフィーヌ・コンスタンタン=レズニクが、ハープのための新しいレパートリーを探るうちに彼の作品に出会ったことから、プラテの名と音楽がふたたび日の目を見ることになった。プラテは、1796年ボヘミアの旅回りの人形芝居の一家に生まれた。成人すると彼も公演に加わり、「ダビデの竪琴」と呼ばれる小型のハープを演奏して幕間に観客を楽しませたという。その後、紆余曲折を経て、彼はスウェーデンに渡り、ハープ奏者としての名を高めた。ノルウェーとフィンランドにツアー、1840年代にはヨーロッパを広く回り、ベルリン、ウィーン、プラハでも演奏している。活動の範囲は広かったものの、ノルショーピングを中心とする地域でもっぱら活動し、裕福な地主の娘たちを教え、ノルショーピングso. の前身、ノルショーピング管弦楽協会の指揮者も務めたこともある。1875年5月23日、ノルショーピング西のレードベリの村で生涯を閉じた。彼の死は、ヘルシンキ、ヨーロッパの都市、遠くシカゴでも報じられたといわれる。コンスタンタン=レズニクのこのアルバムでは、プラテの3つの作品が演奏される。ハープと管弦楽のための「グラン・コンセール(Grand Concert)」は、雄大な「アレグロ・コン・スピリト」、誠実な心を伝える「アンダンテ・アリオーゾ」の「ロマンツァ」、民俗音楽からインスピレーションを得た「ポラッカ・ア・ラ・スヴェデーズ(スウェーデン風ポラッカ)」の「ロンド」の3楽章の作品。このアルバムの演奏には、スウェーデン音楽アカデミーが2018年に出版した「スウェーデン音楽遺産(Levande Musikarv)」の版が使われている。「スウェーデン民謡による主題と変奏曲」は、「ラ・フォリア」を替え歌にして歌われることの多かった童謡「Katten och killingen(猫と子猫)」を主題にした「サラバンド」と7つの変奏の作品。「ノルウェーの思い出:山と谷から(Souvenir de NorvegE; Fra Fjell og Dale)」は、「En liten Gut ifra Tistedal 'n(ティステダーレンの少年)」「A kjore vatten og kjore ved(川を越え、森を進み)」「I fjolgjett je gjeita(去年、山で山羊の番をしていると)」「Stusle Sundagskvelden(もの悲しい日曜の夕べ)」の4曲を素材にした「ロマンティック幻想曲」。フランスのハープ奏者、デルフィーヌ・コンスタンタン=レズニクは、ブーローヌ=ビヤンクール国立音楽院とチューリヒ音楽劇場大学でアニー・フォンテーヌとカトリーヌ・ミシェルに学んだ。2008年からノルショーピングso. で首席ハープ奏者として演奏、各国のオーケストラに客演している。2019年、「プラテ・リヴァイヴァル」を記念してノルショーピングに「国際プラテ・ハープ音楽祭コンペティション」を創設、芸術監督を務めている。 | |||
ラフマニノフ: 聖金口イオアン聖体礼儀 Op.31 |
カスパルス・プトニンシュ指揮 エストニア・ フィルハーモニー室内cho. | ||
録音:2021年1月11日-15日、ニコライ教会、タリン。大ピアニストだったラフマニノフとしては珍しい、一切ピアノを用いない作品。もともとロシア正教の礼拝音楽には家元制度があり、自由な創作が許されなかった。それを打ち破ったのがチャイコフスキーで、ラフマニノフも1910年に挑戦した。ラフマニノフならではのメロディにあふれながらも、その新しい感覚ゆえ当時の教会からは使用を拒絶された。1981年創立のエストニア・フィルハーモニー室内合唱団はトリ・カリユステとの録音で知られるが、注目のラトヴィア人合唱指揮者カスパルス・プトニンシュに率いられての登場。重さのないクリアな声の響きを堪能出来る。 | |||
ミッシー・マッツォーリ(1980-): ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための協奏曲「暗く明るすぎる」(2021) (*) / 軌道を周る天体のためのシンフォニア (2013) /われらのうちにある世界(2006) /破滅したオルフェウス(2021) / ソロ・ヴァイオリンとエレクトロニック・サウンドトラックのための晩祷(2014) (#) / 「暗く明るすぎる」(2021)(ソロ・ヴァイオリンと弦楽五重奏のための編曲版)(+) ペーテル・ヘッレスタール(Vn;*/#/+) ジェイムズ・ガフィガン指揮ベルゲンpo.(*) ティム・ワイス指揮アークティック・フィルハーモニック(無印) アークティック・フィルハーモニック団員(+) [オガネス・ギルニヤン(Vn1) オイヴィン・メフース(Vn2) ナターリャ・ギルニヤン(Va) メアリー・オナー(Vc) イングリ・マリーア・メフース(Cb)] | |||
録音:2021年6月4日、グリーグホール、ベルゲン、ノルウェー(*) /2022年3月、ストルメン・コンサートホール、ボードー、ノルウェー(*以外)。アメリカの作曲家ミッシー・マッツォーリMissy Mazzoliは、「黙示録的イマジネーション」(アレックス・ロス「The New Yorker」)と称賛され、インディロックの感覚とクラシカル音楽の流儀の混ざり合った精巧で神秘的なサウンド・ワールドの作品を作りつづけている。このアルバムには、アーネ・ヌールハイム、カイヤ・サーリアホ、ペア・ヌアゴーたちの音楽の「チャンピオン」として活動するノルウェーのヴァイオリニスト、ペーテル・ヘッレスタールPeter Herresthal (1970?)のための「協奏曲」を中心に彼女の管弦楽曲とソロ曲が収録されている。「Dark with Excessive Bright」(暗く明るすぎる)は、オーストラリア室内o. とロンドンのオーロラo. の委嘱で書いた「コントラバス協奏曲」をヘッレスタールの依頼で改作した作品。曲名は、ミルトンの「失楽園」からとられた。「視力を奪われた者が神の衣を語ったシュールで刺激的な言葉が、ぼんやりとした、胸の張り裂けるような弦の響きにぴったり」(マッツォーリ)。「ソロ・ヴァイオリンと弦楽五重奏のための編曲」は、ヘッレスタール、アークティック・フィルハーモニックの指揮者ティム・ワイスTim Weissとオーバリン音楽院の共同委嘱で行われた。「Vespers for Violin」(ヴァイオリンのための晩祷)は、「Vespers for a New Dark Age」(新たな暗黒の時代のための晩祷)を作り直したという作品。ソロ・ヴァイオリンと、キーボード、古オルガン、声と弦楽器の「サンプリング」を「エレクトロニクス」処理した録音が共演。2014年に初演され、2019年のグラミー賞「コンテンポラリー・クラシカル作曲部門」にノミネートされている。「Sinfonia (for Orbiting Spheres)」(シンフォニア(軌道を周る天体のための))は、「より大きな軌道の中で互いに巻きつくロココループの集合体」太陽系の形をした音楽。曲名は、楽曲の種類の「シンフォニア」と「ハーディ・ガーディ」を表す古いイタリアの用語の二重の意味を示している。ロサンゼルス・フィルハーモニックの委嘱で作曲され、その後、ボールダー・フィルハーモニックのために改訂が行われた。「These Worlds in Us」(われらのうちにある世界)の曲名は、第二次世界大戦で戦死した父に思いを巡らせたジェイムズ・テートの詩「The Lost Pilot」からとられた。「音楽は、ひとつの音やジェスチャーだけで痛みと幸せの感情を移すことができるという考えが好き」(マッツォーリ)。ベトナム戦争に従軍した、彼女の父に捧げられた作品。 | |||
楽園〜シューベルト・リサイタル 妹の挨拶 D.762 /ガニュメート D.544 /月に寄せて D.193 /水の上で歌う D.774 /若い尼僧 D.828 / 春の神 D.448 /夜と夢 D.827 /星 D.939 /月に寄せて D.259 /万霊節の連祷 D.343 /ナイチンゲール D.497 / ミューズの子 D.764 /愛らしき星 D.861 /子守歌 D.867 /君はわが憩い D.776 /楽園 D.584 /別れ D.829 キャロリン・サンプソン(S) ジョゼフ・ミドルトン(P) | |||
録音:2020年9月21日-23日、2021年7月6日-8日、ポットン・ホール、サフォーク州、 UK 。バッハ・コレギウム・ジャパンのソリストとしてもおなじみの名歌手キャロリン・サンプソン。BISレーベルから数多くのディスクをリリースしているが、当アルバムは「ズライカ」(BISSA-2343)に続く、シューベルトの第2弾となる。サンプソンは「完璧なコロラトゥーラ技術と豊かにのびる輝かしい声」と評され、世界の聴衆を魅了し続けている。バロック・古典派の歌曲からオペラまで幅広いレパートリーで積極的な演奏活動を展開しているが、なかでもシューベルトは非常に評価が高く美しい発音と歌声で魅了する。共演は名ピアニスト、ジョゼフ・ミドルトンで、サンプソンとはヴォルフの「イタリア歌曲集」(BISSA-2553)、「女性のためのアルバム〜ロベルト&クララ・シューマンのリート集」(BISSA-2473)、「「コントラスト」〜イギリス名詩による歌曲集」(BISSA-2413)、「狂気のなかの正気」(BISSA-2353)、「「私の安らぎは消え失せた」〜デュエットと独唱曲集」(BISSA-2279)、「花にまつわる歌曲集」(BISSA-2102)、「ヴェルレーヌの詩による歌曲集」(BISSA-2233)など、数多くの録音でも共演している。 | |||
リットン・デュオ コルナウト:ヴィオラ・ソナタ 嬰ハ短調 Op.3 (1912) フックス:幻想小曲集 Op.117 /ヴィオラ・ソナタ ニ短調 Op.86 朝鮮民謡/ハフ編曲:アリラン リットン・デュオ [カタリーナ・カン・リットン(Va|使用楽器: Robert Clemens, Saint Louis, 2014 ) アンドルー・リットン(P|使用楽器: Bechstein D Concert Grand )] | |||
録音:2020年10月23日-25日、ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン。2020年春、新型コロナウイルスが急激に蔓延したために相次いで演奏会がキャンセルとなったアンドルー・リットン。そのため、リットンはニューヨーク・シティ・バレエ団の首席ヴィオラ奏者をつとめる妻カンタリーナ・カン・リットンと自宅で演奏をする機会が増えた。ブラームスのソナタを弾いていたリットン夫婦はブラームスと同時代を生きたローベルト・フックス(1847-1927)とフックスの弟子エゴン・コルナウト(1891-1959)という2人のウィーンの作曲家に興味を持ち録音を決めた。ブラームスが称賛したフックスのヴィオラ・ソナタは1909年、幻想小曲集は最晩年1927年の作品。シェーンベルクやバルトークが活躍していた20世紀初頭だがフックスの音楽は旋律の美しさが魅力で、洗練された響きが印象的。一方、現チェコ領のオロモウツに生まれウィーンで活躍したコルナウトのヴィオラ・ソナタは1912年の作品。最後に収録したのは朝鮮民謡「アリラン」は名ピアニストで作曲も手掛けるスティーヴン・ハフがリットン夫婦の結婚のプレゼントとして二人のために編曲した。韓国にルーツをもつカタリーナはドイツで育ち9歳よりローベルト・シューマン大学デュッセルドルフでローザ・ファインにヴァイオリンを師事。その後渡米しマンハッタン音楽学校ではピンカス・ズッカーマンから薫陶を受けている。ヴァイオリニストとしては、モスクワ、サンクトペテルブルク、フランクフルト、アムステルダム、ベルゲン、ボルティモア、ベルリン、ケルン、ハンブルク、ニューヨーク、リオデジャネイロなど、世界の主要なオーケストラでソリストとして活躍している。 | |||
ヒューゴ・アルヴェーンの家で〜歌曲とピアノの小品 ヒューゴ・アルヴェーン(1872-1960): 夕べ R.187 (1942)(声とピアノのための)/エルンスト・ティールの7つの詩 Op.28 (1908) / レークサンドの4つの歌(1914)(ピアノのための)/3つのオステルリングの歌 Op.22 (1905) / 岩礁の描画 Op.17 (1901-02) /2つの抒情的な気分 Op.8 (1899) /わが心を汝(な)が御手に Op.54, R.203 (1946) イーリン・ロムブ(S) ペーテル・フリース・ユーハンソン(P) | |||
録音:2021年6月15日-18日、アルヴェーンゴーデン、ティブレ、スウェーデン|使用ピアノ: Steinway Hamburg grand model A 188, 1908頃, ebonized, originally shipped to Stockholm on 6th August 1910 。 ヒューゴ・アルヴェーンは、1945年から亡くなる年まで、「アルヴェーンゴーデンAlf-vengarden」と名づけたレークサンドの家に住んだ。ここを訪れる者は、足を踏みいれるなり、作曲家アルヴェーンがそこにいることを感じる。書斎とサロン、イタリア風の廊下……。アルヴェーンの生誕150年記念の年にリリースされるペーテル・フリース・ユーハンソンの「ヒューゴ・アルヴェーンの家で」は、彼のそうした体験から生まれたアルバム。プログラムは、「夏至祭の夜明かし」をはじめとする3つの「スウェーデン・ラプソディ」や「羊飼いの娘の踊り」「エレジー」といった管弦楽曲や「海辺の夜明け」「ふたりだけの牧場で」などの合唱曲で世界的に親しまれているアルヴェーンの作品から、初期の作品を中心にした歌曲とピアノ曲。彼の数少ないピアノのソロ曲でもっとも知られる「岩礁の描画」。ヘルマン・セーテルベリの詩に作曲した合唱曲をアルヴェーン自身が編曲した「夕べ」。第6曲「森は眠る」がアルヴェーンの「名刺代わり」の「エルンスト・ティールの7つの詩」。ユッシ・ビョルリングの愛好曲のひとつ「わが心を汝(な)が御手に」。歌曲のパートナーには、「レウヴスタ・ブリュークの音楽秘宝第3集」(BISSA-2354)のスウェーデン王国宮廷歌手、イーリン・ロムブが選ばれた。ユーハンソンは、ストックホルム王立音楽大学のアンデシュ・シールストレムとマッツ・ヴィードルンド、イタリアのコンスタンティン・ボギーノに学び、ウィグモア・ホールやアムステルダム・コンセルトヘボウなどの演奏歴をもっている。イェーナ・フェスティヴァル・アカデミーを創設、芸術監督を務めている。アルヴェーンゴーデンの書斎にあるスタインウェイ・ピアノは、1908年ごろハンブルクで作られ、黒檀加工をしてスウェーデンに送られたという楽器。 | |||
スウェーデンのピアノ協奏曲 ラウラ・ネーツェル(1839-1927):ピアノ協奏曲 Op.84 スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム(1942?2019):ピアノと管弦楽のための5つの小品(2016) アンドレーア・タッロディ(1981-):ピアノ協奏曲第1番「星の雲 [Stellar Clouds] 」(2015) ペーテル・フリース・ユーハンソン(P) ライアン・バンクロフト指揮ヨーテボリso. | |||
録音:2021年10月4日-7日、ヨーテボリ・コンサートホール、ヨーテボリ、スウェーデン。「偉大な作曲家の音楽と素晴らしい解釈」 (BR Klassk) と評されたアルバム「ヘレーナ・ムンクテルの音楽」(BISSA-2204)のセッションに参加したアーティストのひとり、スウェーデン放送P2のアーティスト・イン・レジデンスを務めたピアニスト、ペーテル・フリース・ユーハンソンPeterFriis Johansson (1983-)の新作。彼が近年、一層の興味をもつようになったという「わが国スウェーデン」の初録音のピアノ協奏曲を3篇、ライアン・バンクロフトRyan Bancroft 指揮のヨーテボリso. の共演で録音した。ラウラ・ネーツェルLaura Netzel (1839-1927)は、フィンランドのランタサルミで生まれ、1歳の時にストックホルムに移住した。「女性作曲家」に対する偏見をきらい、「N.ラーゴ(N / Lago)」のペンネームで作品を発表。スウェーデンでもっとも国際的に認められた作曲家のひとりとして、特にドイツとベルギーとフランスで頻繁に作品が演奏された。「ピアノ協奏曲」は、そのころに作曲された、彼女の書いたもっとも規模の大きい、ロマンティックな作品。手書きによる版がいくつか、しかも不完全な状態でしか残されていないため、過去に全曲演奏されたことがなかったとされる。今回の録音は「スウェーデン音楽遺産」のクラース・ガッゲKlas Gaggeの校訂版に基づいて行われ、さらに、第3楽章「プレスト」の終結に向けて欠けた部分をユーハンソンが補筆完成して演奏された。スヴェン=ダーヴィド・サンドストレムSven-David Sandstrom (1942-2019)の「ピアノと管弦楽のための5つの小品」は、アンデシュ・ヴァール・ファウンデーションの委嘱により2016年に作曲された。彼が、初期の前衛的な手法から離れ、ネオロマンティックないしネオバロックな語法をめざすようになった1980年代以降のスタイルの最良の例のひとつ。独奏ピアノが「ずっと高いところ、天の高みにあるといってもいい何か」(サンドストレム)を追い求め、美と調和をとりもどす……。「5つの小品」というさりげない曲名がつけられながら、作曲者がイマジネーションを自由に羽ばたかせた音楽。2017年3月22日にヨーテボリで初演され、ペーテル・フリース・ユーハンソンに献呈された。アンドレーア・タッロディAndrea Tarrodi (1981?)の「Stellar Clouds(星の雲)」は、彼女が初めて作曲した「ピアノ協奏曲」。「Introduction(序奏」「Star Formation(星形成)」「Constellations(星座)」「Cosmic Nursery(宇宙の育児室)」「Hpernova(極超新星)」「Solo Cadenza(ソロ・カデンツァ)」「Recapitulation(要約)」の7楽章で書かれた「天の旅」は、「爆発」や「スターダスト」といった宇宙のさまざまな事象が音楽に織りこまれ、SF映画のサウンドトラックを連想させる作品。ロイヤル・ストックホルムpo. の委嘱で書かれ、2018年4月12日、ユーハンソンがソロを弾いてストックホルムで初演された。指揮者のバンクロフトは、ロサンゼルスで育ち、2021年からBBCウェールズ・ナショナルo. の首席指揮者を務めている。 | |||
F. P. ツィンマーマン〜 J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ Vol.1 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番 イ短調 BWV.1003 / 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004 / 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ホ長調 BWV.1006 (#) フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn| 使用楽器:ストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」、1711年製) | |||
録音:2020年6月8日-12日、ホンラート福音主義教会、ドイツ(無印) /2021年3月27日-28日、ストックホルム・コンサートホール、スウェーデン(#)。これはすごい。現代最高のヴァイオリニスト、フランク・ペーター・ツィンマーマンが遂にバッハの無伴奏を録音した。1980年代半ばから世界の第一線で活躍してきたツィンマーマン。バロックから現代まで幅広いレパートリーを見事に、そして自由自在に演奏し、これまで数多くの録音でも高い評価を得てきた。J.S.バッハの録音といえば、ヴァイオリン・ソナタ全集をエンリコ・パーチェと録音。2006年のセッション録音(Sony Classical)と2008年にライヴ収録したDVD(EUROARTS (20-64068))をリリースしている。ヴァイオリン協奏曲は、1988年録音のジェフリー・テイト指揮イギリス室内o. (旧EMI 、現Warner Classics)と、2017年録音のベルリン・バロック・ゾリステンと共演したアルバム(hanssler Classic(HC-17046))をリリース。この他、トリオ・ツィンマーマン編曲による弦楽トリオ版のゴルトベルク変奏曲(BIS, BISSA-2347) 、「フーガの技法」から「12度のカノン」(ECM)を録音している。しかし、無伴奏ヴァイオリン曲は演奏会では取り上げるものの、録音に関しては実に慎重な姿勢をとってきた。そのツィンマーマンが50代半ばとなった2020年と2021年についに録音!ディスクとして初披露となる。圧倒的なテクニックと優美で香り高い音色を奏でるが、このバッハでもその魅力が最大限現れており、完璧なアーティキュレーションと歌心に溢れる演奏は当代最高峰と言えるだろう。使用楽器はツィンマーマンの愛器1711年製のストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」。この楽器はかつてクライスラーが所有していた銘器でその音色はうっとりするほど美しく、ツィンマーマンが長年ともにしてきた愛器で奏でるバッハは格別の一言に尽きる。 | |||
20指のトーナメント〜イギリスのピアノ・デュオ作品集 レノックス・バークリー:パーム・コート・ワルツ Op.81 No.2 / 4手のためのソナチネ 変ホ長調 Op.39 /主題と変奏曲 Op.73 リチャード・アーネル:4手のためのソナチネ Op.61 スティーヴン・ドッジソン:20指のトーナメント/4手のためのソナタ コンスタント・ランバート:白鍵のための3つの黒人小品 エマ・アバーテ、ジュリアン・パーキンス(Pデュオ) | |||
録音:2020年11月16日-17日、セント・ジョージズ、ブリストル。連弾または2台ピアノはフランス、ドイツ、ロシアに魅力作が豊富なイメージがあるが、意外にも発祥は16世紀のイギリス。20世紀のイギリス作品を集めた意欲的なアルバムの登場。20世紀といっても前衛的なものではなく、いずれもメロディアスで聴きやすいものばかり。原曲はオーケストラのレノックス・バークリーの「パーム・コート・ワルツ」ノスタルジックな情感は特にオススメ。またコンスタント・ランバートは全体で約9分の間、一度も黒鍵が現れない作品。南米風のリズムが心地よく、驚くほど豊かな音で盛り上がる。アーネルのソナチネ、ドッジソンの2篇は世界初録音。ナポリ出身のエマ・アッバーテと、古楽指揮とクラヴィコード、チェンバロ奏者として著名なジュリアン・パーキンスによるピアノ・デュオがBIS登場。これまで他レーベルからフォルテピアノ連弾によるモーツァルト集をリリースしてきたが、今回はスタインウェイDを存分に鳴らして充実した世界を作り上げている。古楽界の大物パーキンスは近代作品でも新鮮な解釈を聴かせてくれる。 | |||
クルト・ヴァイル(1900-1950): 音楽劇「銀の湖」(1932-33)(抜粋)〔序曲/第3番 セーヴェリンの歌「パン屋は夜明けにパンを焼く」(*) / 「ちょっとした助言」の口頭による紹介(*) /第7番 宝くじ取次人の歌「ちょっとした助言のお代は?」(*) 〕/ 一楽章の交響曲(交響曲第1番「ベルリン交響曲」)(1921) /交響的幻想曲(交響曲第2番) (1933-34) HK.グルーバー(Vo;*)指揮スウェーデン室内o. | |||
録音:2021年8月16-21日、オレブルー・コンサートホール、オレブルー、スウェーデン。オーストリアの作曲家 HK.グルーバー(1943-)は、クルト・ヴァイルの世界に心酔し、クルト・ヴァイル財団の名誉終身理事を務めている。「マンハッタン・ブロードキャスト」 (BIS-1341)や「バスキング(大道芸)」 (BIS-1781)など自作の録音で指揮したスウェーデン室内o. との新しいアルバムでは、指揮者と歌手として、ヴァイルの3つの作品を演奏している。「一楽章の交響曲」(交響曲第1番「ベルリン交響曲」は、ヴァイルが21歳の時、フェルッチョ・ブゾーニの修士課程で学んでいた1921年に作曲され、ヴァイルの死後、1958年2月12日にNDRso. によるハンブルクのラジオ放送で初めて演奏された。ヨハネス・R.ベッヒャーの叙事劇「ArbeiterBauern Soldaten. Der Aufbruch eines Volkes zu Gott(労働者農民軍人. 人民の神への覚醒)」からインスピレーションを得て書かれたといわれる。ジェイムズ・ホームズの校訂版による演奏。「交響的幻想曲」(交響曲第2番)は、ヒトラーが権力を掌握しヴァイルがベルリンからパリに逃れる1933年3月までに第1楽章が書かれ、翌年2月、ルーヴシエンヌで全曲が完成された。ブレヒトとの共同作業の最終作「七つの大罪(Die sieben Todsunden)」の引喩が散見され、「ラルゴ」の第2楽章をグルーバーは「一種の「葬送タンゴ」」とみなしている。1934年10月11日ブルーノ・ワルター指揮コンセルトヘボウo. により初演された。音楽劇「銀の湖」は、古典的均整美とジャズ風リズムとメロディが融合した生気あふれる「序曲」と16のナンバーによる作品。「ある冬の物語(EinWintermarchen)」の副題をもち、「食糧不足に苦しむ社会の現実と人々を社会不安から解放する奇跡の可能性の間をさまよう」ストーリーと歌詞を「ロシア皇帝は写真を撮らせ給う(Der Zar lasst sich photographieren)」など2作のオペラで共同したゲオルク・カイザーが執筆した。ヴァイルがドイツを離れる前に完成。1933年2月18日にライプツィヒとエアフルトとマグデブルクで同時初演された。この抜粋では「パン屋は夜明けにパンを焼く」と「ちょっとした助言のお代は?」の2つの歌を、マグデブルク初演のエルンスト・ブッシュと、ヴァイル夫人のロッテ・レーニャの録音からアイデアを得て、グルーバーが歌っている。 | |||
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集(全5曲) 〔第1番 ハ長調 Op.15 /第2番 変ロ長調 Op.19 /第3番 ハ短調 Op.37 / 第4番 ト長調 Op.58 /第5番 変ホ長調 Op.73 「皇帝」〕 ハオチェン・チャン(P|使用楽器: Steinway D, No.989 ) ナタリー・シュトゥッツマン指揮フィラデルフィアo. | |||
録音:2021年10月26日-29日、ベライゾンホール、キンメル舞台芸術センター、フィラデルフィア。「まるで巨匠の様な演奏だ。」と激賞した故ロリン・マゼールをはじめ、多くの名指揮者もうならせてきたピアニスト、ハオチェン・チャン。2009年、第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにて史上最年少優勝(当時)して以来、世界各地で積極的な演奏活動を展開している、人気・実力を兼ね備えた若手ピアニスト。録音ではこれまでBISレーベルから「シューマン、リスト、ヤナーチェク、ブラームス」(BISSA-2238)、「プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番、チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(BISSA-2381)をリリースし好評を博している。2021年10月に収録した当アルバムはナタリー・シュトゥッツマン指揮フィラデルフィアo. との共演で、ベートーヴェンのピアノ協奏曲集(カデンツァ:ベートーヴェン)。チャンは2019年11月にヤニック・ネゼ=セガン指揮で同団と来日し、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を披露したが、その劇的な演奏は聴衆を虜にし、割れんばかりの拍手で大熱狂となった。期待の高まるベートーヴェンではクリスタルに輝く美音と極めて発音のよいタッチで演奏。まるでオーケストラとの対話を楽しむように自由に奏でているが、強靭なテクニックだけではなく繊細な叙情性を表現できるチャンの唯一無二の魅力に満ち満ちている。また、フィラデルフィアo. の演奏の素晴らしさにも注目。歌うようなフレージングと情感豊かな表現はコントラルト歌手でもあるシュトゥッツマンの指揮ならではと言える。コロナ禍に生きる私たちへの希望と祈りに満ちた注目のアルバムが完成した。 | |||
パスカル・ロフェ〜ラヴェル:ローマ大賞のためのカンタータ集 〔アリッサ(1903) (*) /アルシオーヌ(1902) (#) /ミルラ(1901) (+) /オーロラ(1905) (**) / 夜(1902) (##) /踊り子たち(1900) (##) /プロヴァンスの朝(1903) (##) /全ては光明(1901) (##) 〕 ヴェロニク・ジャンス(S;*) ソフィー・コシュ(S:#) ヴァンニーナ・サントーニ(S:+) クラリス・ダレ(S;**) ヤニナ・ベヒレ(Ms:#) ジュリアン・ベーア(T;*/#) マイケル・スパイアーズ(T:+) マティス・ラジエ(T;**) ジャック・インブライロ(Br;*/+) パスカル・ロフェ指揮フランス国立ロワールo. ヴァレリー・ファイエ合唱指揮フランス国立ロワールcho. | |||
録音:2020年9月3-5、8、10日-11日、シテ・デ・コングレ、ナント(*/#/+) /2021年9月10日-11日、コンベンションセンター、アンジェ(**/##)、ともにフランス|クラムシェル・ボックス仕様。ラヴェルが「ローマ大賞」に応募した作品をロフェ率いるフランス国立ロワール管が録音!「ローマ大賞」とは芸術を専攻する学生に対してフランス国家が授与した奨学金付留学制度。1663年にルイ14世によって創設され、1968年に廃止されるまで300年ほど続いた歴史ある賞。創設当初は建築、絵画、彫刻、版画の各分野に与えられていたが、音楽賞は1803年に追加。予選はフーガと合唱作品、本選は三人の独唱者と管弦楽による大規模なカンタータ作品で審査される。ラヴェルは1901年に「ミルラ」で3位を受賞したもののグランプリを獲ることはできず、1904年には不参加、さらに1905年は本選に進めなかった。しかし、五度も落選した結果とは反し、ラヴェルらしい色彩感豊かな作品の数々は流石の一言に尽きる。20代のラヴェルが「ローマ大賞」に向けて直向きな思いで取り組んだそれぞれの作品の充実度は天才ラヴェルだからこそと言える。パスカル・ロフェはオーケストラの音色を色鮮やかに変化させる魔術師のようだ。ラヴェルの煌めく世界をご堪能頂きたい。 | |||
パーセル: 6声のファンタジア ト短調「イン・ノミネ」 Z.746 (*) /4声のファンタジア〔ト短調 Z.735 /変ロ長調 Z.736 〕/ 歌劇「妖精の女王」〜ロンドー 変ロ長調/4声のファンタジア〔ヘ長調 Z.737 /ハ短調 Z.738 〕/ 歌劇「妖精の女王」〜シャコンヌ「中国の男女の踊り」/4声のファンタジア〔ニ短調 Z.739 /イ短調 Z.740 〕/ 歌劇「預言者、またはダイオクリージャンの物語」〜グラウンドによる3声のシャコンヌ 4声のファンタジア〔ホ短調 Z.741 /ト長調 Z.742 /ニ短調 Z.743 /イ短調 Z.744 〕/ 1音に基づく5声のファンタジア ヘ長調 Z.745 /シャコニー ト短調 Z.730 / 3声のファンタジア〔ニ短調 Z.732 /ヘ長調 Z.733 /ト短調 Z.734 〕/7声のファンタジア ト短調 Z.747 (#) チェリス・ヴィオール・コンソート [イブラヒム・アジズ(トレブル・ヴィオール) アリソン・キンダー(トレブル&アルト・ヴィオール) ケイト・コンウェイ(テナー・ヴィオール) サム・スタドレン(テナー&バス・ヴィオール) ジェニファー・ブロック(バス・ヴィオール)] エミリー・アシュトン(テナー・ヴィオール;*/#) ハリー・バーコック(テナー・ヴィオール;#) | |||
録音:2019年8月14日-16日、ガートン・カレッジ・チャペル、ケンブリッジ、イングランド、 UK 。古代ギリシャの弦楽器をグループ名とする「チェリス」は、イギリスのヴィオール・コンソート。16世紀から17世紀初頭にかけて、イギリスではヴィオールのコンソートがもてはやされ、同時代に活躍したイギリスの作曲家たちはこのレパートリーのための音楽を残した。イギリス・バロック音楽の最大の作曲家ヘンリー・パーセルもその一人。3声から7声まで実に多彩なヴィオールの作品を作曲している。このアルバムにはパーセルのファンタジアとイン・ノミネの全曲を収録。大英図書館に保管されている自筆譜には1680年6月10日から8月31日までの日付の書き込みがある。このときパーセルは20歳。若くして作曲家としての確固たる地位を確立していたと言える出来栄え。 | |||
裸足の歌〜アッラン・ペッテション(1900-1980): 中声とピアノのための6つの歌(1935) / 裸足の歌(1943-45) (20トラック?) |
ペーテル・マッテイ(Br) ベンクト=オーケ・ルンディン (P|使用楽器: Steinway D ) | ||
録音:2021年3月11日-14日、オレブルー・コンサートホール、オレブルー、スウェーデン。スウェーデンの作曲家アッラン・ペッテションは、もっぱら彼が1950年以降に集中して書いていった堅固なつくりの交響曲で知られる。しかし、それより以前、ストックホルムの音楽大学の学生だったころとストックホルム・フィルハーモニックのヴィオラ奏者だったころ、彼は、室内楽曲や歌曲集を作曲していた。その歌曲集のひとつ、1943年から1945年にかけて書かれた「裸足の歌」は、いくつかの歌を後の交響曲に引用、生涯、彼にとって重要な意味をもつ作品になった。この「裸足の歌」は、貧しい労働者階級人々の住む界隈で育った子供時代を反映した作品など、自伝的内容をもち、きわめて個人的で古風な言葉も使いながらペッテション自身が書いた24の詩に作曲された作品。うち22曲は、すべて、短調で書かれ、民謡、賛美歌、流行歌を暗に示す語法が使われている。1935年の「6つの歌」は、グンナル・ビョーリングやインゲボリ・ビョークルンドたち5人の詩をテクストに使い、「歌曲集」を意図せず書かれた作品。バリトンのペーテル・マッテイと、30年近くにわたりコラボレーションをつづけるピアニスト、ベンクト=オーケ・ルンディンによる録音。マッテイが録音した、「痛み」という基調の共通するシューベルトの「冬の旅」(BISSA-2444)は、ペッテションの音楽の熱心な聴き手が多いといわれるドイツのメディアから高く評価されたアルバム。 | |||
カストラポリス〜ナポリのカンタータとアリア ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783):歌劇「認められたキュロス(1751) 第1幕〜泣かないで、愛しい目よ ジュゼッペ・ポルジーレ(1680-1750):歌劇「ウリッセの祖国への帰還」より 〔第2幕第19場 エルヴィラのアリア「哀れ、心を射られた者」/ 第2幕第10場 クレオンテのアリア「おまえはなんと残酷な」/ 第1幕第8場 テレーマコのアリア「目を開けろ、キュレネ」/ 第1幕第15場 テレーマコのアリア「戦士の魂の高慢な侮蔑が」/ 第2幕第5場 クレオンテのアリア「あの美しい顔が」/ 第3幕第7場 テレーマコのアリア「勝ち誇る準備はできている」〕 アレッサンドロ・スカルラッティ(1660-1725):カンタータ「かの心地よき平安は」 ドメニコ・アウレッタ(1723-1753):チェンバロ、2つのヴァイオリンと通奏低音のための協奏曲 ハ長調 ドメニコ・ナターレ・サッロ(1679-1744):カンタータ「話しておくれ、美しいほくろよ」(曲前に同名詩の朗読付) 伝承曲:声とバロック・ギターのための「ガルガーノのタランテラ」 ニコロ・バルドゥッチ(CT) ダン・ラウリン(リコーダー/音楽監督) アンナ・パラディーゾ(Cemb/共同音楽監督)ドルチ・アフェッティ [ケート・ハーン(リコーダー/Vc) シェシュティン・フローディン、 イーア・ノイミュラー(Ob) マッツ・クリングフォシュ(Fg) マリア・リンダール(Vn/リーダー) カロリーナ・ウェーバー・ エークダール(Vn) ヨエル・スンディーン(Va) アンナ・パラディーゾ(Cemb;通奏低音) トゥーマス・イェットンソン(Cb) ドーヒョ・ソル(アーチリュート/バロックG)] | |||
使用楽器:チェンバロ: Francois Paul Ciocca, Riccia 2008, after Nicolas & Francois Blanchet 1730 /リコーダー: Alto recorder by Francesco Livirghi 。スウェーデンのバロック・アンサンブル「ドルチ・アフェッティ」のアルバム第1作がリリースされる。リコーダー奏者のダン・ラウリンと夫人のアンナ・パラディーゾが、ナポリ音楽院図書館の所蔵するナポリ音楽コレクションを探求する目的で結成。ヴァイオリンのマリア・リンダールやオーボエのシェシュティン・フローディンといったスウェーデンのバロック音楽シーンで活躍する音楽家たちが参加した。ナポリのカンタータとアリアを歌ったアルバム。フランスの小説家ドミニク・フェルナンデスが1974年の小説「ポルポリーノ(Porpolino ou les mysteresde Naples)」で「数多くのカストラート・ソプラノが結集した南の首都」を表すために使った言葉「カストラポリス」が、アルバム・タイトルに採られた。プログラムの最初は、アレッサンドロ・スカルラッティに学ぶためナポリを訪れたヨハン・アドルフ・ハッセがメタスタージオの台本に作曲した「認められたキュロス」から、リコーダーとオーボエを2つずつともなって歌われる「Non piangete, アマティrai(泣かないで、愛しい目よ)」。ジュゼッペ・ポルジーレの「ウリッセの祖国への帰還(ウリッセの帰還)」は、当時23歳だったカストラート歌手のドメニコ・ゴッツィがプロ・デビューで歌った作品。モンテヴェルディの歌劇と同じホメロスの「オデュッセイア」の物語を題材にしながら、別の作家による台本に作曲されている。アレッサンドロ・スカルラッティの「かの心地よき平安は」は、リコーダーの他、ソロ・ヴァイオリン、チェロと通奏低音をともなう、ソプラノのためのソロ・カンタータ。ドメニコ・アウレッタは、ナポリで生まれ、30歳で没した。チェンバロ、2つのヴァイオリンと通奏低音のための「協奏曲 ハ長調」は、ナポリ音楽院図書館が楽譜を保存している作品。ドメニコ・ナターレ・サッロは、トラーニで生まれ、サントオノフリオのナポリ音楽院で学んだ。声と通奏低音のためのカンタータ「話しておくれ、美しいほくろよ」も、ナポリ音楽院図書館の所蔵する作品。カンタータの演奏に先立って最初のレチタティーヴォ「Dimmi bel neo chefai」の朗読がはさまれる。アルバムの最後、サッロ、カストラート歌手ファリネッリ、アンナ・パラディーゾ、ニコロ・バルドゥッチが生まれたアプリア(プーリア)地方に伝わる「タランテラ」が歌われる。バロック音楽を得意とするソプラニスタ、カウンターテナーのニコロ・バルドゥッチは、1999年、イタリアのカノーザ・ディ・プーリア生まれ。ソプラノ歌手アンア・マリア・ステッラ・パンジーニに最初に教わり、マテーラの音楽院の学士号を、バロック歌唱をジェンマ・ベルタニョッリに学んだヴィチェンツァ音楽院の修士号を取得した。ヴェネツィアのジョルジョ・チーニ財団やヴィテルボのストラデッラ音楽祭に招かれ、第1位に選ばれたニコロ・ピッチンニなどのコンペティションに参加してきた。ヴィテルボの「フェスティヴァル・ストラデッラ」でダン・ラウリンと出会ったことが、2020年から2021年のシーズンのコンサートへの出演とこの録音につながった。 | |||
ハチャトゥリヤン: ピアノ協奏曲 変ニ長調 / 「仮面舞踏会」組曲(ドルハニアン編曲/ピアノ独奏版) 〔ワルツ/ノクターン/マズルカ/ロマンス/ギャロップ〕/ ピアノと管弦楽のためのコンチェルト・ラプソディ |
イヤード・スギャエル(P) アンドルー・リットン指揮 BBC ウェールズso. | ||
録音:2021年10月20日-22日、 BBC ホディノット・ホール、カーディフ。 ハチャトゥリヤンは旧ソ連を代表する作曲家だが、近年ロシアでは以前ほど演奏されないとされる。しかしその反面、中近東系の演奏家たちが積極的に採り上げ重要なレパートリーとなりつつある。ハチャトゥリヤンの音楽はロシア伝統の手法によりながらも精神は東方的なため、彼らにとり近しい音楽として演奏欲求を刺激されるようだ。1993年ヨルダン出身のピアニスト、イヤード・スギャエルはこれまでハチャトゥリヤンのピアノ・ソナタと「子供のアルバム第1集」を中心としたソロ・アルバム (BISSA-2436) をリリースし高い評価を受けた。今回は2篇の協奏作品をアンドルー・リットン指揮BBCウェールズso. と共演。BISならではの高音質録音でハチャトゥリヤンのオーケストレーションの妙をあますところなく再現。ピアノ協奏曲の第2楽章で指定されたフレクサト-ンは韓国出身のチェロ奏者リ・スアがミュージカルソーで効果的に彩りをそえている。さらに嬉しいのは、ハチャトゥリヤンの作品中でも特に人気の高いワルツを含む「仮面舞踏会」組曲のドルハニアン編によるピアノ独奏版も収録されていること。スギャエルの爽快な解釈がフレッシュ。イヤード・スギャエルはヨルダン系パレスチナ人としてアンマンに生まれ。生地の音楽院で学んだ後、15歳からマンチェスターのチェタム音楽学校、王立ノーザン音楽大学でマレー・マクラクラン、マルティノ・ティリモほかに師事。今後が期待される注目の若手。 | |||
夜もすがら リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)/エリック・ムーレ編曲:メタモルフォーゼン ArV290 AV142 (1944-45) マッダレーナ・カスラーナ(1544頃-1590頃)/サイモン・パーキン編曲:マドリガーレ集第1巻(1566)〜わが心は死ねぬ ダニエル・キダン(1986-):弦とクロタルのための「じっとして(Be Still)」(2020) カルロ・ジェズアルド(1560頃-1613)/ミチ・ウィアンコ編曲: わが魂は死ぬばかりに悲しい(Tristis est anima mea)(1611) シェーンベルク(1874-1951):浄められた夜 Op.4[1943年弦楽オーケストラ版] ヘンリー・パーセル(1659頃-1695)/レオポルド・ストコフスキー編曲:「ディドとエネアス」〜ディドの嘆き ジュリアン・アズクール指揮ユナイテッド・ストリングズ・オヴ・ヨーロッパ ベイベイ・ワン(クロタル) | |||
録音:2020年8月12日、2021年11月9日、セント・シラス教会、ケンティッシュ・タウン、ロンドン/2022年5月26日-27日、2022年10月10日-11日、オール・セインツ教会、ダラム・ロード、ロンドン|マシュー・ベネット|録音エンジニア:デーヴ・ローウェル、マイク・ハッチ。ジュリアン・アズクールがリーダーを務める「ユナイテッド・ストリングズ・オブ・ヨーロッパUnited Strings of Europe」(USE)は、王立音楽アカデミーの学生により結成され、2012年から活動を始めた。2020年に最初のアルバム「In Motion(動いている)」(BIS SA-2529)をリリース。「巧みな演奏と注目されるプログラム」("BBC Music Magazine ")「魅惑的なぬくもりのあるビロードの音色」("The Strad ")と表された。「Renewal(リニューアル)」(BIS SA-2549)、「弦楽セレナード」や「フィレンツェの思い出」の「チャイコフスキー」(BIS SA-2569)とBISレーベルでアルバムを作り、いずれも高く評価された。第4作「Through the Night(夜もすがら)」は「夜」をコンセプトに制作されたアルバム。「主要テーマが、夜は変化と変形のための空間と時間になりえるという考え」(ジュリアン・アズクール)。16世紀から21世紀まで、500年ほどの時間を隔てた6作品のプログラムが組まれた。リヒャルト・シュトラウスが第二次世界大戦の末期に作曲した「メタモルフォーゼン」。「23のソロ弦楽器」のための原曲をヴァイオリニストのエリック・ムーレが「8つのヴァイオリン、4つのヴィオラ、3つのチェロ、コントラバスのため」に編曲した「オリジナルの荘重さとテクスチュアの多彩さを保ちながら、対位法が的確にわかる」(アズクール)版による初録音。イギリスの作曲家サイモン・パーキンが「弦楽四重奏をともなう弦楽オーケストラ」のために編曲したマッダレーナ・カスラーナの「Morir non puo il miocuore(わが心は死ねぬ)」。イギリスのダニエル・キダンが作曲した「Be Still(じっとして)」は、COVID-19のロックダウン下、「過ぎゆく一年の「時」を深く考えた」という作品。弦と打楽器のクロタル(アンティークシンバル)によって演奏される。アメリカの作曲家でヴァイオリニストのミチ・ウィアンコが「弦楽オーケストラ」用に編曲したカルロ・ジェズアルドの6声のモテット「Tristis est anima mea(わが魂は死ぬばかりに悲しい)」。シェーンベルク自身の「1943年弦楽オーケストラ版」による「浄められた夜」。パーセルの「ディドーとエネアス」からのアリア「ディドーの嘆き」はレオポルド・ストコフスキーが「個性的な響きに変容させた」版による演奏。 | |||
液体が変化する〜ウロ・クリグル(1978-):合唱作品集 合唱とエレクトロニクスのための「水は」(2015) /合唱と弦楽のための「湖は荒れ始めた」(2019) (*) / アカペラ合唱のための「だが、常に上を向け」(2019) /合唱とエレクトロニクスのための「液体が変化する」(2020) カスパルス・プトニンシュ指揮エストニア・フィルハーモニック室内cho.、タリン室内o.(*) | |||
録音:2021年8月16-21日、メソジスト教会、タリン、エストニア。タリン生まれのウロ・クリグル(1978-)は、活気に満ちたダイナミックな表現の音楽で注目され、21世紀エストニアの音楽を作曲家として注目されている。彼はロックとジャズ・アンサンブルのキーボード・プレイヤーとアレンジャーを10代で経験した後、エストニア音楽アカデミーとウィーン国立音楽大学で学んだ。ジャズ、ポスト・ミニマリズム、ソノリズムなどの影響も受けた広い領域の技法と語法による作品を発表。国内とドイツ、オーストリア、チェコ、ラトヴィア、ウクライナといった各国の音楽祭で演奏されてきた。クリグルは、今も、実験的音楽グループとロックバンドのメンバーとして活動している。このアルバムの3つの曲は、クリグルがエストニア・フィルハーモニック室内合唱団のコンポーザー・イン・レジデンスだった2019年から2020年の間に作曲された作品。3作は、共通のコンセプト(「水」「光」「霊」)と音楽素材のリサイクルという点で繋がる「三部作」とみなされ、エストニア・フィルハーモニック室内合唱団と指揮者プトニンシュ(1966-)のために彼が初めて作曲した「Vesi ise(水は)」は、共通する「旅」への「前奏曲」の役割を担っている。「Vesi ise(水は)」は、作曲者のクリグルが「瞑想習慣とコンサート・ミュージックの中間領域に位置する」と語る作品。エストニア・フィルハーモニック室内合唱団の委嘱を受け、特定のテクストのないまま作曲され、初演の数週間前になって、エストニアのシュルレアリスム詩人、イルマル・ラーバン(1921-2000)の詩が歌詞として追加された。「And the Sea Arose(湖は荒れ始めた)」は、「水」「イエス」「聖ペテロ」を主役とする「小劇」を思わせる作品。「ヨハネによる福音書」(6章18節)(「強い風が吹いて、湖は荒れ始めた」)と「マタイによる福音書」(14章29節-32節)をヘディ・ロスマHedi Rosmaが編集した英語のテクストが使われている。「Aga vaata aina ules(だが、常に上を向け)」は、「われわれを囲む物理的世界とわれわれの内にある哲学的世界を結ぶ」をコンセプトにエストニアの哲学者ウク・マシングUku Masingの「Vaatlusi maailmale eoloogi seisukohalt(神学者の視点による世界の観察)」の文章をヘディ・ロスマがアセンブルしたテクストが歌われる。「Hingamisi(呼吸)」「Oo on pime(夜は暗い)」「Puud aina kasvavad(木々は育つ)」「Ainuski pilv ei tule tagasi(雲は戻らない)」「Lahkuda onnidest(小屋を離れろ)」「Kui canasta raagiti tuulest(むかし風のことを話したとき)」の6楽章の作品。「liquid turns(液体が変化する)」は、この2つの作品のテクストと音楽の断片を抽出して「新たな全体」として再創造した作品。IRCAMとエストニア・フィルハーモニック室内合唱団の委嘱で作曲され、「液体が変化する-融解と凝固」を表す「凍った川のフィールド・レコーディング」と「氷の溶ける音と水の凍る音の録音」を素材とするコンピューター・ミュージック・デザインをIRCAMのカルロ・ラウレンツィが担当した。 | |||
アレックス・フリーマン(1972-):混声合唱のための作品集 アーチ形の天空、レクイエム(2018) (*) /海の原野(2016) (#) ニルス・シュヴェケンディーク指揮ヘルシンキ室内cho. | |||
録音:2016年10月(#)、2018年6月(*) 、ニュー・パヴィリオン、カウスティネン、フィンランド。 Nils Schweckendiek が芸術監督を務めるヘルシンキ室内合唱団は、意欲的なプログラムのアルバムを定期的に作ってきた。「報告(Reports)-ハーパネンの合唱作品」(BIS-2452)とラウタヴァーラの「ヴィジリア」(BISSA-2422)につづく新作ではフィンランドの作曲家アレックス・フリーマンのアカペラ混声合唱作品を取り上げている。「Under the Arching HeavenS; A レクイエム(アーチ形の天空:レクイエム)」は、1918年のフィンランド内戦の終結100年を記念する音楽としてシュヴェケンディークとヘルシンキ室内合唱団から委嘱を受けて作曲された。フリーマンは、「レクイエム」の典礼文に加え、フィンランドのアレクシス・キヴィ、エーディト・セーデルグラン、ヴィルヨ・カヤヴァ、イギリスのジーグフリード・サスーン、アメリカのホイットマンの詩をテクストに採り、内戦の続くシリアとイエメンの惨たらしい姿をイメージしながら筆を進めた、と語っている。「A Wilderness of Sea(海の原野)」は、「人間という存在に共通する「水とはかなさ」を語った」シェイクスピアの作品からテクストが採られた。「テンペスト(The Tempest)」の「水底深く父は眠る(Full fathom five thy father lies)」と「あの音楽はどこから?(Where should this music be?)」、ソネット64番「いまは埋もれ朽ちはてたいにしえの時代の(When I have seen by Time 's fell hand defaced)」、「間違いの喜劇(A;Comedy of Errors)」の「おれはこの世にとっては一滴の水のようなもの(I to the world am like a drop of water)」。2016年、シュヴェケンディーク指揮ヘルシンキ室内合唱団が、ヘルシンキのテンペリアウリキオ教会で初演した。アレックス・フリーマンAlex Freeman (1972?)は、ノースカロライナ州ローリーの育ち。イーストマン音楽学校からジュリアード音楽院の博士課程に進み、「シベリウスの第4交響曲の第1楽章;スケッチ研究とスタイル分析」をテーマとする博士論文を書くため、ヘルシンキのシベリウス・アカデミーに留学。その後、フィンランドに帰化。家族とともにフィンランドに住み、作曲家として活動している。 | |||
ショスタコーヴィチ:交響曲全集 〔第1番 へ短調 Op.10 /第2番 ロ短調 Op.14 「10月革命に捧ぐ」/第3番 変ホ長調 Op.20 「メーデー」/ 第4番 ハ短調 Op.43 /第5番 ニ短調 Op.47 (*) /第6番 ロ短調 Op.54 (*) /第7番 ハ長調 Op.60 「レニングラード」(*) / 第8番 ハ短調 Op.65 /第9番 変ホ長調 Op.70 /第14番 ト短調 Op.135 「死者の歌」 (*) /第10番 ホ短調 Op.93 (*) / 第11番 ト短調 Op.103 「1905年」/第12番 ニ短調 Op.112 「1917年」/第15番 イ長調 Op.141 /第13番 変ロ短調 Op.113 〕 ヤン=ヘンドリク・ローテリング(B;No.13) ジョアン・ロジャース(S;No.14) ジョン・トムリンソン(B;No.14) マーク・ウィグレスワース指揮 BBC ウェールズ・ナショナルso.(*)、オランダ放送po.(*以外) セルソ・アントゥネス合唱指揮(No.3) サイモン・ハルゼー合唱指揮(No.13) オランダ放送cho. (Nos.3, 13) | |||
録音:1996年12月(Nos.5, 7) 、1997年11月(Nos.6, 10) 、ブラングィン・ホール、スウォンジー、ウェールズ (Nos.5-7, 10) /1999年3月、セント・ジョージ教会、ブランドン・ヒル、ブリストル(No.14) /2004年10月(No.8) 、2004年12月(No.9) 、2005年4月(Nos.12-13) 、2005年9月(No.4) 、2006年3月(No.11) 、2006年10月(Nos.1, 15) 、2010年10月(Nos.2-3) 、オランダ放送音楽センター MCO 5 スタジオ、オランダ(*以外) | (*):初SACDフォーマット化&マティアス・シュピツバルトによる最新リマスタリング。 マーク・ウィグレスワースによるショスタコーヴィチの交響曲全曲録音が遂に全集として登場!1996年より録音開始した当シリーズは最初にBBCウェールズ・ナショナルso.、その後はオランダ放送po.と2つのオーケストラで録音され2010年に全曲録音された。 BBCウェールズ・ナショナル響との録音は、オリジナル盤はCDでのリリースだったが、この全集化でリマスタリングが施され、すべてSACDハイブリッド盤でのリリースとなる。リリース当初からウィグレスワースの卓抜な統率力による高水準の演奏が評価されてきたが、BISレーベルの優秀録音によりショスタコーヴィチの交響曲全曲をより立体的にお楽しみいただける充実の内容になっている。 | |||
リットン&ベルゲン・フィル〜プロコフィエフ(1891-1953):交響曲全集/管弦楽作品集 交響曲〔第1番 ニ長調 Op.25「古典」(1916-17) /第2番 ニ短調 Op.40 (1924-25) /第3番 ハ短調 Op.44 (1928) / 第4番 ハ長調 Op.112 (1947) /第7番 嬰ハ短調 Op.131「青春」(1951-52) [全曲/第4楽章異稿]/ 第5番 変ロ長調 Op.100 (1944) /第6番 変ホ短調 Op.111 (1945-47) 〕/ スキタイ組曲「アラとロリー」 Op.20 (1914-15) /交響組曲「キージェ中尉」 Op.60 (1933) (*) / 組曲「3つのオレンジへの恋」 Op.33b (1921) /バレエ音楽「ロメオとジュリエット」 〔第1組曲 Op.64bis (1936) /第2組曲 Op.64ter (1936) /第3組曲 Op.101 (1936) 〕 アンドルー・リットン指揮ベルゲンpo. アンドレイ・ボンダレコ(Br;*) | |||
録音:2005年6月(バレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲)、2012年1月(交響曲第6番、交響組曲「キージェ中尉」、組曲「3つのオレンジへの恋」)、2014年1月(交響曲第4番&第5番)、2014年6月(スキタイ組曲「アラとロリー」)、2015年5月(交響曲第1番&第7番)、2017年8月-9月(交響曲第2番&第3番)、すべてグリーグ・ホール、ベルゲン、ノルウェー|既出単売のセット化|クラムシェル・ボックス仕様。2003年から2015年までノルウェーの名門オーケストラ、ベルゲンpo. の音楽監督兼首席指揮者をつとめたアンドルー・リットン。その間、同団を率いてツアー、そしてレコーディングを積極的に行い国際的な評価を得た。このセットはプロコフィエフの交響曲全曲(付番されている交響曲第1番〜第7番)と主要な管弦楽曲を収めた5枚組。当セットでは交響曲全曲はもちろんのこと管弦楽曲にも注目。交響組曲「キージェ中尉」では第2曲「ロマンス」と第4曲に「トロイカ」にオリジナル通り、ロシア語のバリトン独唱(アンドレイ・ボンダレコ(Br) )入りで演奏している。優れたバランス感覚と作品の持つ美質を引き出すタクトには非常に定評のあるリットン。名曲だけでなく隠れた佳作も丁寧な音楽づくりで聴き手に届けており、その手腕は称賛され続けている。幅広いレパートリーの中でもプロコフィエフは特に相性がよく、当録音でもプロコフィエフの色彩豊かなオーケストラ・サウンドを満喫出来る。ゴージャスなサウンドを見事にとらえたBISレーベルが誇る技術陣渾身の録音。 | |||
灰燼に帰す ジョナサン・ダヴ(1959-):今夜眠るものはみな / ジョージ・バタワース(1885-1916):死者のための祈り レベッカ・クラーク(1886-1979):シールマン〔海から来た男〕 ジェラルド・フィンジ(1901-1958):歳月の時計/花輪をささげよう(5曲) ジョン・アイアランド(1879-1962):三羽のカラス / アイヴァー・ガーニー(1890-1937):棺台の脇で エルガー(1857-1934):心からの願い / ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):空は屋根の上にあって アーサー・サマヴェル(1863-1937):シュロプシャーの若者(10曲) ブリテン(1913-1976)編曲:トム・ボウリング / アイヴァー・ガーニー:最愛のあなた、私が死んでも リザ・レーマン(1862-1918):ヘンリー王 / エロリン・ウォーレン(1958-):このあたりは ウォルズリー・チャールズ(1889-1962):緑色の目をした竜 ジェイムズ・ニュービー(Br) ジョーセフ・ミドルトン(P) | |||
録音:2022年1月31日-2月3日、ゼンデザール、ブレーメン。「BBC New Generation Artists (2018-2022)」のひとりに選ばれたイギリスのバリトン歌手、ジェイムズ・ニュービー(1993-)は、2020年、デビューアルバム「彷徨いながら不思議に思う」(BIS SA-2475)をリリース。「素晴らしく均質なバリトンの声は、ビロードのようになめらかで、ゆるぎない技術により全声域で安定している」("Opera Today ")と好意的な評価を受け、共演のジョーセフ・ミドルトンのピアノとともに、「りっぱなデビューディスク」("BBC Music Magazine ")と言われた。アルバム第2作「灰燼に帰す」は、イギリスの作曲家たちの音楽によるプログラムで作られた。「2015年、姉妹のローラが亡くなった。それからというもの、何か彼女に捧げることをしたいと願ってきた。そして、彼女の葬儀でジェラルド・フィンジの「照りつける太陽をもう恐れるな」を歌ったことから、この曲の入った曲集「花輪をささげよう」をメインにしたプログラムがふさわしいのではないかと思った」(ジェイムズ・ニュービー)。「十二夜」「ヴェローナの二人の紳士」「お気に召すまま」といったシェイクスピアの戯曲をテクストにしたフィンジの曲集とともに、A.E.ハウスマンの「シュロプシャーの若者」の10の詩に曲をつけたアーサー・サマヴェルの作品も「ハイライト」。 | |||
アミール・マヤル・タフレシプール(1974-):室内歌劇「カーテンの後ろにいる人形」(2015)
ヨーナタン・フォン・シュヴァーネンフリューゲル(T;メールダード) シーネ・スネー・ドゥーアホルム(S;ビーター) エレノー・ヴィーマン(Ms;母) ヤコプ・ブロク・イェスパセン(B−Br;父) ペア・バク・ニセン(B;校長先生) トマス・ストーム(Br;トンボー) マリーエ・ドライシ(S;ジゼル) アイリク・ハウコース・オーデゴール指揮アテラス・シンフォニエッタ カロリーナ・レード(Fl) ライザ・ギブズ・フォックス(Ob) アナ・クレト(Cl) ニルス・アナス・ヴェステン・ラーセン(Fg) トアビャアン・B.グラム(Hr) ティーネ・レーリング(Hp) アネ・スー(Vn1) イディナ・リュツフフト(Vn2) テーア・ヤーアンセン(Va) キム・バク・ディニセン(Vc) アストル・コルタバリア(Cb) | |||
録音:2020年12月14日、 YMCA フェスティヴァルホール、コペンハーゲン。イラン系デンマークの作曲家アミール・マヤル・タフレシプール(1974-)の「カーテンの後ろにいる人形(The Doll behind the Curtain)」は、イラン初の現代室内オペラ。舞台は1930年代のフランスのル・アーブルとテヘラン。2幕の作品。「イランからの学生、恥ずかしがり屋で内向的な性格のメールダードは、ル・アーブルでリセの課程を終えたばかり。イランに帰る日を待っているころ、ジャンクショップで美しいマネキン人形を見つける。世知に長けた校長から別れ際の説教を聞かされた後、止むに止まれぬ気持ちで、トンボーという名の謎めいた店主と孫娘ジゼルのいる店を訪れ、雪花石膏でできたマネキンを買う……」。イラン現代文学を代表する作家サーデク・ヘダーヤト(1903-1951)の同名の短編に基づきイギリスの劇作家ドミニク・パワー(1947-)が英語台本に執筆。2015年8月にロンドンのキングズ・プレースで行われた「テータテート・オペラ・フェスティヴァル」で初演、2020年にコペンハーゲンのデンマーク王立歌劇場で上演された。細タフレシプールの音楽は、ヨーロッパのモダニズムと東洋の伝統の音楽の間を自在に行き来しながら、「文明の衝突」の中べての個人が直面せざるを得ない選択の姿を確実に描いていく。メールダードを歌うテノールのヨーナタン・フォン・シュヴァーネンフリューゲルや婚約者ビーター役のソプラノのシーネ・スネー・ドゥーアホルムをはじめ、王立デンマーク歌劇場の公演と同じキャスト。ノルウェーのアイリク・ハウコース・オーデゴールも同公演の指揮者。コペンハーゲンのYMCAフェスティヴァルホールでセッション録音された。アミール・マヤル・タフレシプール(作曲家)イラン系デンマークの作曲家。デンマークのエスビェア音楽アカデミー、ロンドンのトリニティ音楽カレッジとギルドホール音楽演劇学校でピアノと作曲を学び、2016年、ロンドンのブルネル大学の作曲博士課程を修了。2003年、ソロ・ピアノ作品の「Images of Childhood(幼年時代の映像)」でテヘラン大学の新音楽作曲コンペティションで第1位を獲得。各国の主要なアンサンブル、ソリスト、オーケストラからの委嘱が多い。2022年、アングロ・ペルシャン石油会社とイラン在住イギリス人のストーリーに基づく歌劇「The Black Gold」を作曲中。 | |||
シューベルト:八重奏曲 ヘ長調 D.803, Op.166 (1824)
ウィグモア・ソロイスツ [イザベル・ファン・クーレン(Vn1) ベンヤミン・ギルモア(Vn2) ティモシー・リダウト(Va) クリスティーヌ・ブラウマネ(Vc) ティム・ギブス(Cb) マイケル・コリンズ(Cl) ロビン・オニール(Fg) アルベルト・メネンデス・エスクリバーノ(Hr)] | |||
録音:2020年12月11日-13日、ウィグモア・ホール、ロンドン、 UK 。豪華メンバー集結!2020年に結成された「ウィグモア・ソロイスツ」はイザベル・ファン・クーレンとマイケル・コリンズが中心となりウィグモア・ホールのディレクターであるジョン・ギルホリー(1973-)とのコラボレーションによって生まれた可変室内アンサンブル。歴史ある当ホールの名を冠した初めての団体。当団はバロックから現代まで様々な形態で演奏していくことを目的とし、今後は現代作曲家に委嘱新作も演奏していくとのこと。また、今最も注目されているヴィオラ奏者ティモシー・リダウトら、次世代を担う優れた若手の音楽家たちも参加しており、今後の活動が注目される。結成後、コロナ禍の影響で予定されていた演奏会は延期となったため、当録音は2020年12月にセッション収録された。記念すべき第1弾はシューベルトの傑作「八重奏曲」。クラリネット、ホルン、ファゴット、弦楽四重奏、そしてコントラバスという特異な編成の当作品はこれまでも名手が録音してきたがここにまた新たな名盤が登場。ベートーヴェンの七重奏曲 ホ長調 Op.20 (1799-1800)に影響され、シューベルトは八重奏曲を作曲。クラリネットや第1ヴァイオリンを筆頭に格調高いブリリアントな旋律が魅力の当作品は室内楽の匠シューベルトの最高傑作に数えられる。マイケル・コリンズ、イザベル・ファン・クーレンを筆頭に名手が奏でる贅沢な音色をご堪能頂ける。 | |||
ブラームス: 4つのバラード Op.10 / ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 Op.5 (1853) / 左手のための「シャコンヌ」(1879) |
アレクサンドル・カントロフ (P|使用楽器: Steinway D ) | ||
録音:2021年3月6日-9日、ドミニカ教会、ゲブヴィレール、フランス。2019年に開催された16回チャイコフスキー国際コンクールでフランス人としてはじめて優勝したアレクサンドル・カントロフ。本選ではチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番を演奏し、有名な第1番を上回る高度なテクニックを要する難曲をコンクールの場で見事に披露したことでも話題となった。現在フランスの英雄として全世界から注目される気鋭のピアニストだが、BISレーベルの社長バール氏はカントロフの才能にいち早く惚れ込み、10代より録音を行ってきた。期待の新録音は2021年3月、フランス、ゲブヴィレールのドミニカ教会におけるセッションでオール・ブラームス:プログラム。前作(BISSA-2380)ではブラームスのラプソディ第1番、ピアノ・ソナタ第2番を収録したが、今回はバラード集、ピアノ・ソナタ第3番、そして左手のための「シャコンヌ」を録音した。ロマン派のなかにありながら純音楽の伝統を固執するブラームスのピアノ作品は特に若手ピアニストにとって難曲といえる。しかし、カントロフは劇的な情感を見事に表 現している。バラード集とピアノ・ソナタ第3番はブラームスが20歳から21歳にかけて書き上げた作品。初期の作品でありながら音楽的な深みと高度なテクニックを要するこの作品をカントロフは圧倒的なスケールで演奏を展開しており、ブラームスが作曲した年齢と同年代にあたるカントロフが査身 査霊で演奏している。そして、左手のための「シャコンヌ」は研ぎ澄まされた感性と集中力の高さを感じる入魂の演奏。カントロフはドミニカ教会の残響も考慮し、17分半ほどの演奏時間でたっぷりと歌い上げる。 | |||
シンフォニエッタ集 プーランク:シンフォニエッタ FP 141 (1947) プロコフィエフ:シンフォニエッタ イ長調 Op.5 (1909/14, rev.1929, Op.48) ブリテン:シンフォニエッタ Op.1 (1932/36)(小管弦楽版) ディーマ・スロボデニューク指揮ラハティso. | |||
録音:2021年1月4-9日、シベリウスホール、ラハティ。注目の指揮者ディーマ・スロボデニュークがプーランク、プロコフィエフ、ブリテンのシンフォニエッタを録音した。スロボデニュークは1975年モスクワ生まれ。17歳でフィンランドに移住しシベリウス音楽院でレイフ・セーゲルスタム、ヨルマ・パヌラから指揮を学んだ。2016年秋のシーズンからラハティso. の首席指揮者に就任し、BISレーベルから「カレワラの情景」(BISSA-2371)、「プロコフィエフ:歌劇「賭博者」による4つの描写と終結、バレエ音楽「石の花」からの組曲」(BISSA-2301)などを続々リリース。ロイヤル・コンセルトヘボウo.、 BPO にもデビューしている今注目の指揮者。弦楽四重奏曲の作曲を試みていたものの試奏段階でイメージがあわず断念。この弦楽四重奏曲を出版予定だった出版社からの依頼で曲を書き直したのがプーランクのシンフォニエッタ。4楽章構成で当演奏では26分半ほどの長さ。プーランクらしい洒落た旋律と豊かな内容をもっている。プロコフィエフが1909年に師チェレプニンに献呈したシンフォニエッタ。その後1914年、1929年に改訂。プロコフィエフの最も陽気な作品の一つだが当演奏では最終改訂版で演奏している。ブリテンの記念すべき作品1のシンフォニエッタは1932年、王立音楽院の学生だった18歳のときの産物。1927年から作曲を個人的に学んでいたフランク・ブリッジに捧げられたこの3楽章の作品。もともとは管楽五重奏と弦楽五重奏のための作品だった。1933年の初演後、1936年2月にホルンと小弦楽オーケストラを加えて改訂。当演奏では小管弦楽版で演奏している。当アルバムに収録のシンフォニエッタは元々別の編成や改訂を重ねたことが共通するが、作曲家の作品に対する思いはより凝縮され、独自の個性を発揮しており、スロボデニュークの奥深い解釈がその演奏にも表れている。 | |||
忘れない ペア・ヌアゴー(1932-):チェロ協奏曲第1番「ふたつの間で」 (1985) (*) カイヤ・サーリアホ(1952-2023):チェロと管弦楽のための「光についての覚書」 (2006) (#) ヌアゴー/ヤコブ・クルベア(1976-)編曲: ヴィオラ協奏曲第1番「子供を忘れない」(チェロと管弦楽のための版)(1986, adap.2013) (+) ヤコブ・クルベア(Vc) マイケル・フランシス指揮(*) ヨン・ストゥールゴールズ指揮(#) BBC フィルハーモニック(*/#) シモン・ビヴァレツ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィア(+) | |||
録音:2015年12月17日(*)、2016年11月6日(#)、フィルハーモニック・スタジオ、 MediaCityUK 、ソルフォード、イングランド、 UK (*/#) /2015年8月31日、9月1日、ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートスタジオ、ワルシャワ、ポーランド(+) 。 BIS-2269 の「トリオ・アリストス」のチェリスト、ヤコブ・クルベアのBISレーベル第2弾。彼がコラボレーションをつづけるふたりの作曲家、デンマークのペア・ヌアゴーとフィンランドのサーリアホの「チェロ協奏曲」を「ソリスト」として演奏したアルバム。ヤコブ・クルベアは、1976年、デンマークのオーフス生まれ。オーフス王立音楽アカデミーのハッロ・ラウセナールスに学んだ後、ドミートリー・フェルシュトマン、ヴァルター・デシュパリ、マッツ・リードストレム、コリン・カーに師事、コペンハーゲンのデンマーク王立音楽アカデミーのモーテン・ソイテンの指導を受けてソリスト・ディプロマを取得した。ヨーロッパ各地のオーケストラとの共演、音楽祭への出演とつづき、2016年からはロンドンの王立音楽大学の教授も務めている。ヌアゴーのチェロ協奏曲第1番「Between(ふたつの間で)」は、3楽章の作品。「内に秘めた感情の表現」(Vc)と「外部要因」(オーケストラ)が対立、そこにソリストが巻き込まれる「In Between(間にはさまれ)」、ソリストが優位に立つ「Turning Point(転換点)」、ソリストとオーケストラが対等の関係になる「Among(囲まれて」。「人の成長」になぞらえた音楽ともみなされ、最後の楽章ではチェロが、ガムランの「スレンドロ」によるメロディを弾き、「ヒューマンタッチ」を加える。クルベアが教わったソイテンも録音した作品。「Remembering Child(子供を忘れない)」は、東西冷戦の時代、核戦争に反対し、1985年に飛行機事故で亡くなった13歳のアメリカの少女、サマンサ・スミスへの「祈り」、そして、大人の愚行と戦っている「子供異端者」への「トリビュート」として書かれた作品。2つの楽章で構成され、2曲のグレゴリオ聖歌も引用して書かれている。ミネソタ州のセントポール室内o. の委嘱で作曲されピンカス・ズッカーマンに献呈された。クルベアは、このヴィオラ協奏曲第1番をチェロのために編曲、作曲者の考えを求めながら「カデンツァ」も作曲した。フィンランドのサーリアホもクルベアが共同作業を行う作曲家のひとり。「Notes on Light(光についての覚書)」は、ボストンso. が委嘱、アンシ・カルットゥネンがソロを弾いてボストンとヘルシンキで初演した作品。「Translucent, secret(半透明、秘密)」「On fire(白熱して)」「Awakening(目覚め)」「Eclipse(蝕)」「Heart of Light(光の核心)」の5楽章。「ソリストが重要なことを語ろうとすると、オーケストラは彼にスペースを開ける」。チェロの「技巧」を発揮させる書法で作曲され、スコアの最後、T. S. エリオットの詩「荒地」が引用されている。 | |||
ピアノ教育のための完全教程〜エレーヌ・ド・モンジュルー:「ピアノ教育のための完全教程」より 〔第37番 ト長調/第36番 ヘ長調/第35番 ハ短調/第34番 ヘ長調/第28番 ホ長調/第26番 ト長調/第38番 イ短調/ 第41番 変ホ長調/第51番 ヘ短調/第53番 ホ短調/第52番 ハ長調/第55番 ヘ短調/第66番 ハ短調/ 第62番 変ホ長調/第65番 変ホ短調/第67番 ロ長調/第74番 ハ短調/第89番 変イ短調/第82番 ハ短調/ 第97番 ト短調/第99番 ハ短調/第100番 変ロ短調/第101番 嬰ハ長調/第103番 嬰ヘ短調/ 第106番 ロ長調/第104番 嬰ト短調/第107番 ニ短調/第110番 イ長調/第111番 ト短調〕 クレア・ハモンド(P) | |||
録音:2021年12月17日-20日、ワイアストーン・コンサート・ホール。エレーヌ・ド・モンジュルー(1764-1836)はフランス革命期の女性作曲家。ベートーヴェンより6歳年長だが、すでにロマン派的な感覚を見せているのに注目。モンジュルーはパリ音楽院女性教授第I号とされ、フランスのピアノ教育に多大な貢献を残した。練習曲集「ピアノ教育のための完全教程」は全114曲から成り、非常に実践的な効果があがるとされている。しかしロマン派にリストやショパンらの登場によりピアノ技法が革新され、より合理的な術が編まれたこともあり、今日用いられることはほとんどない。しかしモーツァルトとショパンをつなぐピアノ音楽の宝石として再注目が起こりつつある。イギリスのクレア・ハモンドは知られざる作品に熱心な名手だが、ここでは「ピアノ教育のための完全教程」から29曲を披露。的確な技巧と清潔なタッチでフレッシュなフルーツのようなみずみずしさを引き出している。 | |||
アストル・ピアソラ(1921-1992): ブエノスアイレスの春/孤独/タンゴ組曲(ギター&ピアノ版)/バンドネオン、ギターとベース/ アディオス・ノニーノ/フラカナーパ/タンゴの歴史(アコーディオン、ギターとコントラバス版)/コントラバス エスクアロ5 [ヤソン・ケラミディス(Vn) アレクサンダー・クラリオノク(アコーディオン) フランツ・ハラース(G) デボラ・ハラース(P) フィリップ・シュトゥーベンラウフ(Cb)] | |||
録音:2021年2月25日-28日、十字架教会内アルベルト・レンプ・ザール、シュヴァービング、ミュンヘン。 ピアソラを愛する世界的名手が揃った室内アンサンブル「エスクアロ5」がピアソラ生誕100周年を記念してオール・ピアソラ・プログラムを録音!当アンサンブルはバンドネオン、ヴァイオリン、ピアノ、ギター、コントラバスという「キンテート・タンゴ・ヌエヴォ」のオリジナル編成を再編しており、ピアソラの名曲「エスクアロ(鮫)」からその名がつけられた。メンバーはドイツ、ブラジル、ギリシャ、ベラルーシから集結。ギターのフランツ・ハラース、ヴァイオリンのケラミディス、アコーディオンのクリオノクなど名手が揃った。当アンサンブルはピアソラのオリジナル編成を再現しつつもそれぞれのアーティストが持つ個性を尊重し、当アンサンブル独自のアレンジでピアソラの音楽の新たな世界へと誘う。 | |||
ベートーヴェン:3つのピアノ・ソナタ Op.31 〔第16番 ト長調 Op.31 No.1 /第17番 ニ短調 Op.31 No.2 「テンペスト」/第18番 変ホ長調 Op.31 No.3 〕 アンドレアス・ヘフリガー(P|使用楽器: C. Bechstein Grand Piano, D282 ) | |||
録音:2021年1月8日-10日、ラ・ショー=ド=フォン、スイス。1962年にベルリンで生まれ、テノール歌手の父エルンスト・ヘフリガーの母国スイスで育ったピアニスト、アンドレアス・ヘフリガーは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタと他の作曲家の作品を組み合わせた独創的なプログラム「パースペクティヴ」シリーズで注目されてきた。当アルバムではベートーヴェンの作品31のソナタ3篇を録音。「作品31の3篇はベートーヴェンのピアノ・ソナタの中で非常に特別な位置を占める」と語るヘフリガー。悲しみ、優しさなど人間の心理を探求することができるこの作品を全身全霊で演奏する。ヘフリガーは1988年にニューヨーク・デビューを大成功させ、のちに欧米の主要オーケストラへの客演、ソロのリサイタル、またマティアス・ゲルネなど世界的歌手とのリート伴奏などか多岐に渡る活動を展開。強靭なテクニックでスケールの大きな演奏をお楽しみ頂ける。 | |||
ベント・サーアンセン(1958-):マタイ受難曲(2019)
ディテ・マリーエ・ブレイン(S) マーリ・アスクヴィーク(A) オイスタイン・ステンスハイム(T) ハルヴォル・フェステルヴォル・メリン(B) グレーテ・ペーデシェン指揮アンサンブル・アレグリア、ノルウェー・ソリストcho. | |||
録音:2022年3月24日-26日、リス教会、オスロ、ノルウェー。デンマークのベント・サーアンセン(1958-)は、北欧の音楽シーンでもっとも作品が演奏され、もっとも賞賛を集めている作曲家のひとり。三重協奏曲「都市の島(L 'isolda della Chitta)」で2018年のグローマイアー音楽賞を受賞した。イプ・ヌアホルムとペア・ヌアゴーに学び、早い時期に見つけた自身の「声」に忠実に作曲をつづけている。「マタイ受難曲」は、2014年ごろの「なによりも「マタイ受難曲」を作曲したい」という思いが発端となって生まれた。構想を練り、作品の姿が整ってきたころ、受難曲のことを発表。オスロ国際教会音楽祭とデンマーク国立so. の共同委嘱が決まった。「霧の中の旅-光に入り、光から出る。磔刑に向かう旅、さらにいえば復活に向かう旅。自信を信じること、死というより復活を信じることを感じた」(サーアンセン)。「霧のヴェールの中に」から「霧の中」まで10章による音楽として作られ、一部ラテン語の部分をのぞく、基本的に英語によるリブレットは、王立デンマーク音楽アカデミーのヤコブ・ホルツェがサーアンセンの意図を汲み、まとめあげた。「聖書」のほか、エーディト・セーデルグラン、アンナ・アフマートヴァ、エミリ・ディキンソン、セーアン・ウルリク・トムセン、オーレ・サーヴィー、フランク・イェーヤの作品が引用され、第4章「嵐の夜」は、ディキンソンの「嵐の夜、嵐の夜に」の全詩と「イザヤ書」の「恐れるな、わたしはあなたを贖う……」(43章)がテクストに使われた。「磔刑と復活によるキリストの人類すべてへの愛の表明というだけでなく、つましく美しい愛」(サーアンセン)。サーアンセンの音楽に固有の「光と影のグラデーション」と「静寂」のテクスチュアによる「愛の情熱(lovepassion)」の作品。2022年3月27日、グレーテ・ペーデシェン指揮のノルウェー・ソリスト合唱団とアンサンブル・アレグリアがオスロ大聖堂で初演。アルバムは、J.S.バッハの「モテット」(BISSA-2251)と同じオスロのリス教会で初演に先立って行われたセッションで録音された。 | |||
アルヴォ・ペルト(1935-): 独唱者、混声合唱、器楽奏者とオルガンのための「ヨハネ受難曲」(1982) サンポ・ハーパニエミ(Br;イエス) マルッティ・アンティラ(T;ピラト) リンネア・スンファール・カサリー(S;福音史家) シルック・リンタマキ(Ms;福音史家) マッツ・リルハンヌス(T;福音史家) ユッシ・リンナンマキ(B−Br;福音史家) ヤン・レヘトラ(Org) ラウラ・ヴィークマン(Vn) アンニ・ハーパニエミ(Ob) マルコ・ユロネン(Vc) ミッコ=ペッカ・スヴァラ(Fg) ニルス・シュヴェケンディーク指揮ヘルシンキ室内cho. | |||
録音:2020年10月26日-27日、29日、聖パウロ教会、ヘルシンキ、フィンランド。プロデューサー&サウンド・エンジニア:ハンス・キプファー(Take5Music Production) アルヴォ・ペルトの音楽は、古くからの宗教的伝統と結びつきながら、現代の精神性を言葉で表明することに大きな特徴があると言われる。彼は、1960年代にモダニスト・スタイルの作品から出発、1970年代を経たころから、禁欲的で内省的な作品を多く手がけるようになった。その簡素化と黙考が頂点に達した作品が、1982年に完成された「ヨハネ受難曲」。正式曲名「《ヨハネによる福音書》によるわれらがイエス・キリストの受難(Passio Domini Nostri Jesu Christi secumdum Joannem)」。この作品では、「受難曲」と結びつけられることが一般的な「ドラマ」と「感情の高ぶり」を避け、キリストの受難という物語は「厳粛な瞑想」の枠組みとしてだけ使われている。バリトンがイエス、テノールがピラトの言葉を歌い、ストーリーを語る福音史家は、ソプラノ、アルト(またはカウンターテナー、メゾ・ソプラノ)、テノール、バスの四重唱が、ヴァイオリン、オーボエ、チェロとファゴットの合奏をともなって歌う。ペルトの音楽は、中世のモノフォニックなスタイルを顧みながら進み、キリストの磔刑で頂点を迎える。シュヴェケンディークとヘルシンキ室内合唱団は、ラウタヴァーラの「ヴィジリア」(BIS SA-2422)を録音、「強烈な体験……誠実で人の心に強く訴えかける作品の素晴らしい新録音」と「MusicWeb Internationao」から評された。ペルトの「ヨハネ受難曲」は、2020年10月、ヘルシンキの聖パウロ教会にてセッション録音された。バリトンのサンポ・ハーパニエミは、フィンランド国立オペラ・バレエに所属、テノールのマルッティ・アンティラは、ヘルシンキ室内合唱団でマネージャーとヴォイス・トレーナーを務めている。オルガニストのヤン・レヘトラは、シベリウス・アカデミーの教会音楽科を卒業後、アムステルダム、シュトゥットガルト、リヨン、パリで学んだ。サン=サーンスの「前奏曲とフーガ」と「幻想曲」を弾いたアルバム(Alba, ABCD-225)をはじめとする多くの録音でも知られる。 | |||
アルベニス:ピアノ作品全集 単売: BIS-923, BIS-1043, BIS-1143, BIS-1243, BIS-1443, BIS-1743, BIS-1953, BIS-1973, BIS-2173 のセット化 ミゲル・バセルガ(P|使用楽器: Steinway D ) リュー・ジア指揮テネリフェso. | |||
録音:1998年-2015年|クラムシェル・ボックス仕様。スペインのピアノ作品の演奏と研究をライフワークとしているルクセンブルク出身のミゲル・バセルガ。バセルガといえばファリャ(1876-1946)の没後50周年を記念して1996年にピアノ作品全曲録音(BIS-773)したことで注目された。その後、1998年から2015年にかけて録音したのがアルベニスのピアノ曲全集。全9枚がついにお買い得なボックスで登場する。ロマン後期を代表するスペイン民族音楽の作曲家、ピアニストのアルベニス(1860-1909)の作風はスペインの民族音楽の色彩豊かな旋律と強い踊りのリズムを基礎にしたもので、スペイン的な情熱にあふれている。じっくりと時間をかけ取り組んだこの全集では、どの作品でもスペインの陽光のごとくきらきらと輝くような美しい演奏を披露。超絶技巧を要する作品も多く、リズムの良さと独特の語り口が求められるアルベニスの作品を見事に演奏している。バセルガでなければ表現できないアルベニスの世界がひろがる。※当ボックスでは分売時全9冊のブックレットがそのまま入っている形で、ディスクとともにクラムシェル・ボックスに収められている。 | |||
ポール・ウェー〜ベートーヴェン&リスト、モーツァルト&アルカン ベートーヴェン/リスト編曲:交響曲第3番 変ホ長調 Op.55 「英雄」 モーツァルト/アルカン編曲:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466 ポール・ウェー(P) | |||
録音:2021年9月10-15日、ワイアストーン・コンサート・ホール。ロンドンの敏腕弁護士として高名なポール・ウェー。ピアノの腕も一級どころか、腕扱きのピアニストたちでさえ尻込みするような恐るべき難曲に挑み余裕の技巧と明快な解釈で高く評価されている。今回はベートーヴェンとモーツァルトの名作に挑戦。それも前者はリスト編曲による交響曲、後者はアルカン編曲によるピアノ協奏曲をどちらもピアノ独奏で披露している。リスト編の「英雄」はその技巧的要求もさることながら、聴き手を50分惹きつける集中力と説得力も必要な難物。ウェーは余裕の技巧と歌心で感動的に再現していて聴き物。アルカン編のモーツァルトのピアノ協奏曲第20番は1861年に出版された。とてつもなく難しいのはもちろんながら、第1楽章と3楽章のために書かれたカデンツァがアルカンの真骨頂。交響曲第41番「ジュピター」の引用など凝りに凝った技法を駆使しながら、時代を半世紀以上先んじたような調性概念による異常なものとなっていて、まるで第1楽章主部がカデンツァの前奏であるかのようにさえ感じさせられる。 | |||
鏡像 ブライス・デスナー(1976-):トロンボーン五重奏曲〜第1楽章 ダウランド/ニコ・ミューリー〔マーリー〕編曲:私の愛しい人が泣くのを見た ニコ・ミューリー〔マーリー〕(1981-): ダウランド「わが窓より行け」による変奏曲「オール・パーフェクションズ・キープ」 バルトーク/ディミタール・ボドゥロフ編曲:ミクロコスモス より 〔第113番 ブルガリン・リズム1/第149番 ブルガリン・リズムによる6つの舞曲第2番〕 ディミタール・ボドゥロフ(1979-):内なる声 / フォーレ/スティーヴン・フェルヘルスト編曲:漁師の歌 JT.フェルトハイス(ヤコブ・テル・フェルトハイス)(1951-):シラキューズのブルース サティ/ヨルゲン・ファン・ライエン編曲:グノシエンヌ第1番 / フローリアン・マグヌス・マイアー(1973-):糸 シューマン/へールト・ヴァン・クーレン編曲:幻想小曲集 Op.12 マルティン・パディング(1956-):シューマンの最後の行列 キエル・マイエリング(1954-):ロック・ザット・トロンボーン ヨルゲン・ファン・ライエン(Tb) アルマSQ [マルク・ダニエル・ファン・ビーメン(Vn1) ベンジャミン・ペレド(Vn2) イェルン・ヴァウトストラ(Va) クレモン・ペニエ(Vc)] | |||
録音:2021年10月14-19日、ジンゲル教会、アムステルダム、オランダ。「トロンボーンの歴史は15世紀にさかのぼるが、この楽器のために書かれた室内楽のレパートリーは限られている。特に室内楽の沢山の名曲が生まれた古典派からロマン派の時代、同時代の偉大な作曲家たちがトロンボーンのために書いた室内楽はない」と語る鬼才トロンボーン奏者イェルゲン・ファン・ライエンが、トロンボーンの新たなレパートリーの開拓に挑んだ。ファン・ライエンは室内楽の“王様 "である弦楽四重奏との共演こそバロックから現代まで幅広いレパートリーを開拓できると考えこの録音を決意。ダウランド、バルトーク、フォーレ、サティから新作委嘱まで実にカラフルな作品で構成している。ロッテルダム音楽院にてジョージ・ヴィーゲルに、リヨン国立高等音楽院にてミシェル・ベッケにそれぞれ師事したヨルゲン・ファン・ライエンは、ロッテルダム・po. の首席奏者を経て、1997年よりロイヤル・コンセルトヘボウo. の首席奏者を務める世界トップクラスのトロンボーン奏者。「マクミラン、ファーベイ、ベリオ:トロンボーン協奏曲集」(BISSA-2333)がレコード芸術誌の特選盤に選出されるなど、多くのディスクでも高い評価を得ている。 | |||
瞑想 II ダニエル・エルダー(1986-):エレジー(ダニエル・アダムズ・バタフィールドの「Taps」による) アウズル・グヴズヨンセン(1975-):アヴェ・ヴェルム・コルプス(2019) ガリーナ・グリゴリエヴァ(1962-):天国に(2012) フレイザル・インギ・ソルステインソン(1978-):ルクス・エテルナ(2018) ヘイクル・トウマソン(1960-):私たちの最後の日が(2004) オーラ・ヤイロ(1978-):サンクトゥス:ロンドン(2008) ソウラ・マルテインスドウッティル(1978-):主よ、わたしの手を取りお導きください(2011) ポール・ミーラー(1975-):慈しみと愛のあるところ(2011) 伝承曲/ハフステイン・ソウロウルソン(1977-)編曲:ねんねん坊や ビョルン・ソーラレンセン(1962-):アニュス・デイ シーグルズル・セーヴァルソン(1963-):アヴェ・ヴェルム・コルプス(2018) 伝承曲/ジョン・ハーン(1937-)編曲:谷は美しくとも パヴェル・ウカシェフスキ(1968-):主よ、今こそあなたは(2007) パルト・ウースベリ(1986-):天国に(2016) / エリック・ウィテカー(1970-):眠り(2000) ホルズル・アウスケルソン指揮レイキャヴィーク・スコラ・カントルム | |||
録音:2021年9月23日-26日、スカウルホルト教会、スカウルホルト、アイスランド。アイスランドの合唱団「レイキャヴィーク・スコラ・カントルム」(スコラ・カントルム室内合唱団)は、2016年、「瞑想(Meditatio)-休息(Hvild)」(BISSA-2200)と題したアルバムをリリースした。このアルバムでは「諸聖人の祝日(万聖節)」と「死者の日(万霊節)」に毎年行われるコンサートで歌われる、死別の深い悲しみを希望と慰めととらえた、20世紀と21世紀の曲によるプログラムが組まれた。新しいアルバム「瞑想 II(MeditatioII)」も「死に対する人間の思考と感覚」をテーマにした曲によるプログラムで歌われる。アメリカの作曲家ダニエル・エルダーが、アメリカ合衆国陸軍の葬儀や追悼式で演奏されるラッパ信号「Taps(葬送のラッパ)」にホレス・ロレンゾ・トリムが後につけた歌詞による「エレジー」。「グヴズルーンの第4の歌」 (BIS-908) を作曲したアイスランドを代表する作曲家のひとり、ヘイクル・トウマソンの「私たちの最後の日が」は、ノーベル文学賞受賞者ハトルドウル・ラクスネスの「愛と後悔、別離と死」を詠んだ詩による作品。ユリー・ハウスマンのドイツ語詩のシーグルビョルン・エイナルソによるアイスランド語訳をテクストにしたソウラ・マルテインスドウッティルの「主よ、わたしの手を取りお導き頂きたい」。ウェールズのポール・ミーラーがグレゴリオ聖歌の歌詞に作曲した「慈しみと愛のあるところ」。ポーランドのパヴェル・ウカシェフスキの「ルカによる福音書」による「主よ、今こそあなたは」。エリック・ウィテカーの「眠り」。「死者のためのミサ」「ミサ通常文」による作品も歌われる。聖体拝領の讃美歌「めでたし、乙女マリアより生まれ給いしまことの御体よ」をテクストにしたアイスランドのアウズル・グヴズヨンセンと、スコラ・カントルムのメンバーだったシーグルズル・セーヴァルソンの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。ラテン語のアンティフォン「天使があなたを天国に運んでくださるように」によるウクライナのガリーナ・グリゴリエヴァとエストニアのパルト・ウースベリの「天国に」。スコラ・カントルムのメンバー、フレイザル・インギ・ソルステインソンの「ルクス・エテルナ(永遠の光)」とビョルン・ソーラレンセンの「アニュス・デイ(神の子羊)」。アメリカ在住のノルウェーの作曲家オーラ・ヤイロの「サンクトゥス:ロンドン」は、単独の曲として作られた作品。アイスランドの伝承曲「ねんねん坊や」と「谷は美しくとも」は、それぞれ、ハフステイン・ソウロウルソンとジョン・ハーンの編曲で歌われる。レイキャヴィーク・スコラ・カントルムの創設者ホルズル・アウスケルソンの指揮。アイスランドの南部、スカウルホルトの教会でのセッション録音。 | |||
BIS 創業者バール大推薦、ユーハン・ダーレネ ニルセン:ヴァイオリン協奏曲 Op.33, FS 61 シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47 |
ユーハン・ダーレネ(Vn) ヨン・ストゥールゴールズ指揮 ロイヤル・ストックホルムpo. | ||
録音:2021年6月7日-10日、ストックホルム・コンサートホール、スウェーデン。スウェーデンのBISレーベルの社主ロベルト・フォン・バール氏大推薦のヴァイオリニスト、ユーハン・ダーレネ。バール氏はダーレネが9歳の時からその才能を見出し、高く評価してきた。また「ここ10年の間でもっとも素晴らしいヴァイオリニストのデビュー作のひとつ」(「BBC MusicMagazine」)、「ダーレネの演奏には、彼が特別な感受性をもった音楽家だとわかる「存在」が感じられる」(「Gramophone」)など、各国のメディアからも高く評価されている。BISレーベルからはチャイコフスキーとバーバーのヴァイオリン協奏曲(BISSA-2440)と北欧の19世紀から20世紀を代表する作曲家のヴァイオリンとピアノのための作品を集めた「北欧ラプソディ」(BISSA-2560)をリリースしている。期待の高まる第3弾では北欧を代表するニルセンとシベリウスのヴァイオリン協奏曲を録音した。ダーレネは2019年に開かれたカール・ニルセン国際音楽コンクールで優勝。同年11月には初来日を果たし、ニコライ・スナイダー指揮日本po. との共演で、ニルセンを披露。その圧倒的な演奏で聴衆を沸かせており、日本のファンも待望の録音と言える。カップリングのシベリウスも圧巻。こちらもダーレネお得意の作品で、天性の音程感とブリリアントな音色で驚くべき演奏を聴かせてくれる。ダーレネは2000年スウェーデンのノルショーピング生まれ。4歳からヴァイオリンを習い、3年後、初めてプロのso. と共演した。王立ストックホルム音楽大学でペール・エーノクソンに学び、ドラ・シュヴァルツベルク、パメラ・フランク、ゲルハルト・シュルツ、デトレフ・ハーン、ヘンニング・クラッゲルードのマスタークラスに参加している。ヨーロッパ、中国、南アフリカのオーケストラにソリストとして客演、ローランド・ペンティネン、イングリ・アンスネスたちの共演でリサイタルに出演。また、2018年には「ノルウェー・クレッシェンド」プログラムでジャニーヌ・ヤンセン、レイフ・オヴェ・アンスネス、ギドン・クレーメルに教わった。新時代、クラシック界を牽引する逸材、要注目。彼の弾くヴァイオリンは、1736年製のアントニオ・ストラディヴァリウス。オスロの「アンデシュ・スヴェオース公益基金」から貸与された楽器。 | |||
ドビュッシー: 小組曲 L.65 (アンリ・ビュッセル編曲) / バレエ音楽「おもちゃ箱」 L.128(アンドレ・カプレ編曲)(*) / 子供の領分 L.113(アンドレ・カプレ編曲) パスカル・ロフェ指揮フランス国立ロワールo. | |||
録音:2020年10月20日-21日(*)、2021年1月7日-8日(無印)、コンヴェンションセンター、アンジェ、フランス。フランス近現代を得意とするパスカル・ロフェがドビュッシーの管弦楽作品を録音!といっても「海」や「牧神の午後への前奏曲」ではなく、管弦楽曲に編曲された「小組曲」、「おもちゃ箱」、「子供の領分」の3篇を収録している。「小組曲」はピアノ4手連弾のための作品でアンリ・ビュッセル(1872-1973)により管弦楽曲に編曲。「おもちゃ箱」は全4場からなる子供のためのバレエ音楽。こちらもピアノ4連弾作品で、管弦楽版は未完ながら残っているがアンドレ・カプレ(1878-1925)により補完されている。最後の「子供の領分」はドビュッシーの娘エマのために作曲したピアノ独奏曲。こちらもカプレにより管弦楽曲に編曲されている。印象主義音楽の開拓者ドビュッシーの万華鏡のごとく色鮮やかに変化する色彩感を見事に表現したこの編曲版をパスカル・ロフェが音楽監督をつとめるフランス国立ロワールo. とカラフルに演奏している。ロフェと同団はこれまでにミシェル・ジャレルの作品集(BISSA-2482)、ルーセル&デュカの管弦楽作品集(BISSA-2432)、パスカル・デュサパンの管弦楽作品集(BISSA-2262)、デュティユーの作品集(BISSA-1651)をリリースしている。 | |||
「別れ」〜別れの歌 ヘルビング:「音楽の試み」〜モンタンとララゲ / フライシャー:眠りに/クラヴィーア曲 モーツァルト:別れの歌 K.519 /クローエに K.524 / ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき K.520 /夕べの想い K.523 ヴォルフ:クラヴィーア曲へ ハイドン:見捨てられた少女 Hob.XXVIa: 5 /私を忘れないで Hob.XXVIa: 46 /人生は夢 Hob.XXVIa: 21 / カンタータ「ナクソスのアリアンナ」 Hob.XXVIb: 2 キャロリン・サンプソン(S) クリスティアン・ベザイデンホウト(Fp|使用楽器: ポール・マクナルティ、2009年製作〔モデル:アントン・ヴァルター、1805年製作〕) | |||
録音:2021年4月22日-24日、殉教者聖サイラス教会、ケンティッシュ・タウン、ロンドン。フォルテピアノ奏者のクリスティアン・ベザイデンホウトがBISレーベルに初登場!キャロリン・サンプソンと18世紀のドイツ、オーストリアで活躍した作曲家の歌曲を録音した。ここでの注目はモーツァルトやハイドンだけでなく、彼らと同時代を生きた作曲家の作品も収録していること。現在演奏される機会がほとんどないアウグスト・ベルンハルト・ヴァレンティン・ヘルビング(1735-66)、フリードリヒ・ゴットロープ・フライシャー(1722-1806)、ミヒャエル・クリスティアン・ヴォルフ(1707-1789)の作品もとりあげている。ヘルビング、フライシャー、ヴォルフはともにドイツのオルガニスト、作曲家として活躍。ヘルビングは父から音楽の手ほどきを受け、10歳のときにはマクデブルク大聖堂聖歌隊学校に入学。その後同大聖堂のオルガニストとなるものの31歳の若さで没した。70曲の歌曲を集めた2つの曲集「音楽の楽しみ」「音楽の試み」を残しており、当アルバムに収録した「モンタンとララゲ」は「音楽の試み」からの作品。フライシャーは当時、歌曲を広く流布したものの現在は演奏される機会がほとんどない。ヴォルフはシュテッティンの教会オルガニストを長く務めた作曲家。彼の作品がベルリンやライプツィヒでも出版されていたことからその名がある程度知られていたことはうかがえるものの、現在では演奏されることはほとんどない。鍵盤楽器書法は非常に斬新でヴォルフ独自の作風と言える。サンプソンとベザイデンホウトはそれらの作品とモーツァルトとハイドンを演奏。当時の音楽がいかに優れていたかを表している。楽器はアントン・ヴァルター製作のレプリカで、ポール・マクナルティ製作によるフォルテピアノを使用している。 | |||
織られた光〜ヴィート・パルンボ(1972-): ヴァイオリン協奏曲(2015) (*) / エレクトリック・ヴァイオリンとエレクトロニクスのためのシャコンヌ〔織られた光/闇の中の輝き〕(2019-20) (#) フランチェスコ・ドラツィオ(Vn;*/エレクトリックVn;#) リー・レイノルズ指揮 LSO 、フランチェスコ・アブレシア(ライヴ・エレクトロニクス) | |||
録音:2016年9月17日、アビーロード・スタジオ第1スタジオ、ロンドン(*) /2021年1月19日-20日、モーラ・ディ・バーリ、イタリア(#) |使用楽器:ヴァイオリン: Giuseppe Guarneri, Cremona 1711 /エレクトリック・ヴァイオリン(5弦): Alter Ego (2007) /エレクトロニクス: Csound, Cycling '74 Max MS-P 。イタリアの作曲家ヴィート・パルンボは、シエナのキジアーナ音楽院を卒業、ローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミアの大学院でアツィオ・コルギに学びました。特別奨学生としてルチアーノ・ベリオに師事。ポストモダーンの実験的作品からキャリアをスタートさせ、高評価を獲得するとともに数々の賞を受けた。室内楽の作品、イタロ・カルヴィーノの「木のぼり男爵」によるオペラ=モノローグ「Sinforosa」やエミリ・ディキンソンの詩に基づく室内歌劇「Comuni-canti」といった声楽作品を発表。近年は、大編成の管弦楽作品やソロ楽器とオーケストラの協奏曲などを数多く手がけ、RAI国立so.、LSO、スウェーデンのヤヴレso. によって演奏されている。パルンボは天文学に関心を寄せ、「無限の宇宙エネルギーにくらべれば、われわれは小さな孤立する点でしかない」ことを示すように、単一の長大な楽章の内に抽象的な「コア・サウンド」を見出すことに狙いを定めていると言われる。このアルバムには、イタリアのバーリ生まれのヴァイオリニスト、フランチェスコ・ドラツィオのソロによるパルンボのヴァイオリン作品が2曲、収録されている。「ヴァイオリン協奏曲」は、単一楽章で書かれた演奏時間約31分の作品。「ベルクの名残」(ヴィート・パルンボ)のある「ほろ苦いリリシズム」の音楽。「「無」に始まり「無」に帰る」循環構造のスタイルがとられている。LSOがリー・レイノルズの指揮で共演している。「シャコンヌ」は、パルンボが緻密で正確な作曲技術とともに師コルギから受け継いだ、作曲の中心に音楽的「歴史の記憶」を置くという考えが、「過去の余韻」を思い起こさせる曲名に反映されている。「Woven Lights(織られた光)」と「The Glows in the Dark(闇の中の輝き)」の2楽章で書かれ、5弦エレクトリック・ヴァイオリンとエレクトロニクスにより演奏される。バーリのニコロ・ピッチンニ音楽院で作曲と電子音楽を学んだフランチェスコ・アブレシアがライヴ・エレクトロニクスを担当している。2010年に「イタリア音楽評論家協会」の最優秀ソリストに授与されるアッビアーティ賞(Premio Abbiati)を受賞したドラツィオの初めてのBIS録音。 | |||
「レッスンズ」〜ジョン・ダウランド:リュート作品集 プレリュード P 98 /ファンシー P 73 /蛙のガリアード P 23a /別れ(イン・ノミネ) P 4 / ファンシー P 6 /エリザベス女王のガリアード P 41 /失われし望みのファンシー P 2 / ダービー伯爵ファーディナンド閣下のガリアード P 44a /去り行く定め P 69 /彼女は許してくれようか P 42 / 男ひとりに女ひとり P 10 /ジョン・スミス卿のアルメイン P 47 /オルランドは眠る P 61 / レディー・ハンズドンのパフ P 54 /いつもダウランド、いつも悲しく P 9 /デンマーク王のガリアード P 40 / ファンタジア P 1a /艦長パイパーのパヴァン P 8 /ファンシー P 5 /ラクリメ P 15 /ラクリメによるガリアード P 46 ユーナス・ヌードベリ(リュート|使用楽器:9コース・バロックリュート、弦長 65cm 、a'= 392 Hz 、 Built in 2015 by Lars Jonsson after an original by Magno Tieffenbrucker, strung in gut with mineral-loaded bass strings) | |||
録音:2021年3月8日-10日、 15日-17日、デヴボ教会、スウェーデン。カプスペルガーのキタローネのためのタブラチュア曲集(BISSA-2417)でも高く評価されたバロックギターの名手ユーナス・ヌードベリがついにジョン・ダウランドのリュート作品を録音した。ヌードベリはザルツブルク・モーツァルテウム、ストックホルム音楽大学にて研鑽を積み、16世紀初頭から18世紀中ごろまでのテオルボ、リュート作品を中心に膨大なレパートリーを誇る名手で現在ヨーロッパを中心に活躍している。ジョン・ダウランドの息子ロバートが1610年に出版した「さまざまなリュート練習曲集からの音楽」。この曲集にはジョンの「エリザベス女王のガリアードP41」「ダービー伯爵ファーディナンド閣下のガリアードP44a」「ジョン・スミス卿のアルメインP47」「デンマーク王のガリアードP40」「ファンタジアP1a」が含まれている。「(練習曲集)レッスンズ」ながらいわゆる練習曲ではなく高い演奏技術を要する。ヌードベリの心温まる演奏でダウランドの世界をご堪能いただきたい。 | |||
国境なきピアノ曲 バルトーク:ピアノ・ソナタ Sz.80 ミトロプーロス:パッサカリア、間奏曲とフーガ(1924) サイグン:ピアノ・ソナタ Op.76 エネスク:ピアノ・ソナタ第3番 ニ長調 Op.24 No.3 |
ジャン・チャクムル(P| 使用楽器:シゲル・カワイ SK-EX コンサート・グランド) | ||
録音:2021年5月17日-20日、テスマー・トンスタジオ、ハノーファー。2018年浜松国際ピアノ・コンクール優勝者ジャン・チャクムル。1997年トルコ生まれの彼にぴったりなレパートリーによる意 欲的アルバムの登場。いずれも興味深い曲で、バルトークの「ピアノ・ソナタ」のような名作や、リパッティの名録音で知られるエネスクのピアノ・ソナタ第3番をチャクムル最新の若さはじける演奏で聴けるのは大歓迎。 注目なのが大指揮者ミトロプーロスのピアノ曲「パッサカリア、間奏曲とフーガ」。ミトロプーロスはピアノの名 手としてプロコフィエフやクシェネクの協奏曲を弾き振りで録音したほか、ブゾーニ門下の作曲家としても先鋭的感覚の作品を残している。「パッサカリア、間奏曲とフーガ」はベルリン国立歌劇場でエーリヒ・クライバーの助手を務めていた時期の作で、複雑な技法に驚かされる。さらに嬉しいのがチェクムル同郷の偉大な先達アフメド・アドナン・サイグン(1907-91)のピアノ・ソナタ。サイグンはトルコ最大の作曲家で、バルトークのように自国の民俗音楽を研究して作品に採り入れた。「ピアノ・ソナタ」は4楽章23分の大作で、死の数日前に完成した最後の作品。民俗音楽を見事に昇華させているが、さすがチャクムルはそれを肌で理解し、最高の説得力豊かな世界を語っている。4曲いずれも難技巧とエネルギーが要求され、構成力が試される多楽章形式ながら、チャクムルは余裕の指さばきで、全く新しい生命力を作品に吹き込んでいる。 | |||
黄昏〜レスピーギ:歌曲集 森の神々 P 107 (1917) (5曲)/6つのメロディ P 89 (1909) より〔第1曲 深い海の底で/第2曲 あきらめ〕/ 対照 P 66 (1906) /最後の陶酔 P 8 (1896) /ストロネッロを歌う女 P 69 (1906) /5つの古風な歌 P 71 (1906) / 短いお話 P 52 (1904) /6つの歌第2集 P 97 (1912) 〜第4曲 古のクリスマス祝歌/ 6つの歌第1集 P 90 (1909) より〔第6曲 雨/第1曲 三日月よ〕/涙 P 9 (1896) / 4つのスコットランド民謡 P 143 (1924) /夜想曲 P 11 (1896) /霧 P 64 (1906) ティモシー・ファロン(T) アミエル・ブシャケヴィッチ(P) | |||
録音:2021年7月6日-9日、バイエルン放送、ミュンヘン、ドイツ。 マレク・ヤノフスキもその実力を認めるテノール、ティモシー・ファロン。リストの歌曲集(BISSA-2272)でも注目されたが今回はレスピーギを録音した。レスピーギといえば「ローマ三部作」があまりにも有名だが、色彩豊かな旋律が魅力の美しい歌曲も多く作曲している。詩はアントニオ・ルビーノ(1880-1964)、アダ・ネグリ(1870-1945)、カルロ・ザンガリーニ(1874-1943)、象徴主義者ガブリエーレ・ダンヌンツィオ(1863-1938)など、レスピーギの多彩なスタイルと幅広い文学的インスピレーションが発揮されている。ティモシー・ファロンはジュリアード音楽院で学んだアメリカ系のテノール歌手。マリリン・ホーンに師事したあと、2013年に開かれたウィグモア・ホール歌曲コンクールで優勝した実力派で、これまで鈴木雅明、ヘルムート・リリング、マリン・オルソップなど世界の名だたる指揮者と共演している。エレガントでビロードのような明るさからダイナミズムの幅が広い声の持ち主。豊かな表現力でレスピーギの歌曲を歌い上げる。 | |||
ギティ・ラザズ(1986-): チェロ八重奏のための「 The Strange Highway 」(2011) [オール・アメリカン・チェロ・バンド〔ジュリー・アルバース、ジェイク・ブラウン、 デニス・ジョキッチ、ポール・ドワイヤー、ケン・オルセン、ディヴィッド・レクイロ、サリナ・チャン、 サイウン・ソルステインスドッティル(Vc)〕/2010年11月11日、アイ湾音楽堂、アムステルダム、ライヴ]/ ヴァイオリンとピアノのためのデュオ(2007) [フランチェスカ・デパスケール(Vn) スコット・ケラー(P)/ 2021年1月28日、オーバリン大学、オーバリン、セッション]/ 録音されたチェロと電子楽器のための「 Legend of Sigh 」(2015) (*) / 無伴奏ヴィオラのための「 Spellbound 」(2020) (#) [インバル・セゲフ(Vc;*) カタリーナ・カン・リットン(Va;#)/2021年2月20日(*)、2021年9月16日(#)、 オクターヴェン・オーディオ、ニューヨーク、セッション(*/#) ]/ 室内オーケストラと電子楽器のための「 Metamorphosis of Narcissus 」(2011) [アンドルー・シア指揮 メトロポリス・アンサンブル/2011年1月27日、ル・ポワソン・ルージュ、ニューヨーク、ライヴ] | |||
録音:[/内]。『中東のルーツが西洋の感性と融合して、オリジナルかつ驚くべき音楽を生み出すユニークな作曲家』(ジョン・コリリアーノ)。師コリリアーノが激賞する若手女性作曲家ラザズの作品集。1986年生まれのイラン系アメリカ人女性作曲家ギティ・ラザズ。ジュリアード音楽院でジョン・コリリアーノ、サミュエル・アドラー、ロバート・ビーザーら著名な作曲家に師事し、作曲の学士号と修士号を取得し卒業した。2016/2017シーズンにはアートやサブカルチャーを牽引する場所として知られるニューヨーク、ブルックリンのウィリアムズバーグ地区の小さなホール「ナショナル・ソーダスト」のコンポーザー・イン・レジデンスを務め注目された。師コリリアーノは「中東のルーツが西洋の感性と融合して、オリジナルかつ驚くべき音楽を生み出すユニークな作曲家」と激賞している。当アルバムには5篇を収録。電子楽器も交えた彼女の音楽はまさに唯一無二。今後要注目の作曲家。 | |||
ペーパームーン〜ギターのための歌曲編曲集 マノス・ハジダキス(1925-1994) / ローラン・ディアンス(1955-2016) (*)、オレスティス・カランパリキス(1981-)編曲: ペーパームーン/草地の浮浪児たち/ヒュメットゥス/郵便配達夫は死んだ(*) /高貴なご婦人/このボートの中で/ 月へ散歩に出かけよう/御者/わたしには秘密がある/かわいいラルー/大海原(*) /ジャスミンの甘い香り レオ・ブローウェル(1939-):郷愁への前奏曲(2020) エレナ・パパンドレウ(G|使用楽器: La Anorada, 1992, Jose Luis Romanillos ) | |||
録音:2022年2月6日-10日、聖ニコデモ教会、ベルリン。「ワシントン・ポスト紙」から「ギターの詩人」と呼ばれたアテネ生まれのエレナ・パパンドレウのBISレーベル第4弾!ニキータ・コシュキンのギター作品を弾いた第1作(BIS-1236)につづいて録音した「エレナ・パパンドレウ、ローラン・ディアンスを弾く」(BIS-1366)は、「われわれの時代のもっともインスピレーション豊かなギター作品の決定的な演奏が含まれる」(Classical Guitar Magazine)といった好評を得てきた。「ペーパームーン」と題した新作は、彼女が若いころから友人たちに歌っては感動させたというマノス・ハジダキス(1925-1994)の作品とキューバのレオ・ブローウェル(1939-)の作品によるプログラムが組まれた。ハジダキスは、映画「日曜はダメよ」の主題歌が1961年の第33回アカデミー賞歌曲賞を受賞し世界的に知られ、映画音楽の作曲を手がけるとともに多くのポップソングを作った。このアルバムでパパンドレウは、ハジダキスのポップソングの中からフランスの有名なギタリストで作曲家のローラン・ディアンス(1955-2016)と彼にパリ国立高等音楽舞踊学校で学んだギリシャのギタリスト、オレスティス・カランパリキス(1981-)による「ギター編曲」の12曲を演奏している。ディアンスが1997年の初めてのギリシャ・コンサートでアンコールに弾いた「The Postman Is Dead(郵便配達夫は死んだ)」と彼がカランパリキスに手稿譜を献呈した「Wide Open Sea(大海原)」。ロマンティックな夜の香りの「Paper Moon(ペーパームーン)」。現代ギリシャ社会を批判した「The Urchinsdown in the Meadow(草地の浮浪児たち)」。アテネを取り囲む山脈「Hymettus(ヒュメットゥス)」。女の悲しい物語「Noble Dame(高貴なご婦人)」。恋する人をひとり想う「In This Boat(このボートの中で)」と「A Stroll to the Moon(月へ散歩に出かけよう)」。恋の歌「The Coachman(御者)」。恋に落ちたティーンエイジの娘の「I Have a Secret(わたしには秘密がある)」。40人の勇ましい若者がひとりの美女の心をつかもうとする「Little Rallou(かわいいラルー)」。「決して甘くはない」とカランパリキスが語る「Sweet Smell of Jasmine(ジャスミンの甘い香り)」。「ハジダキスの歌を一枚のアルバムに作る」というディアンスとの夢を引き継いだカランパリキスが10曲の編曲を手がけた。プログラムの最後、ブローウェルがハジダキスの「Nanourisma(子守歌)」からインスピレーションを得て作曲しパパンドレウに捧げた「郷愁への前奏曲」が演奏される。 | |||
バッハ・オン・ザ・ファゴット〜J.S.バッハ(1685-1750): パルティータ第2番 ハ短調 BWV.826 (ブラム・ファン・サムベーク編曲|ファゴット八重奏版[多重録音])/ フランス組曲第5番 ト長調 BWV.816 (ティーモ・ウィンド編曲|ファゴット版)/ 無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV.1013 (ウィリアム・ウォーターハウス編曲|ファゴット版)/ 無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV.1007 (ブラム・ファン・サムベーク編曲|ファゴット版) ブラム・ファン・サムベーク(Fg|使用楽器: Heckel, 1970 ) | |||
録音:2021年6月、9月、ドゥシュホルム・カペル、ダンデリード、スウェーデン。BISレーベルから非常に積極的なリリースが続いているファゴット奏者ブラム・ファン・サムベーク。ファゴットの新たな可能性を引き出したユニークな企画で注目を集めている。今回はオール・バッハ・プログラムに挑戦。鍵盤、フルート、チェロに書かれた独奏作品をファゴットで演奏した。注目はパルティータ第2番 ハ短調 BWV.826。バッハの鍵盤作品中、最も有名かつ人気の作品だが、サムベークは自身の編曲でなんと8重奏版で多重録音した。長引くコロナ禍、「美しい曲や、実際のハーモニーを奏でたい」という、アンサンブルをこよなく愛するサムベークの強い思いがありこの編曲に挑戦したとのこと。多重録音の場合、通常はメトロノームやクリック・トラックで合わせて録音するが、それで出来上がる音楽はいくら自分自身の演奏といえどもニュアンス、フレージングの面での問題があり、ましてや8つのパートを豊かなアンサンブルにしあげるのは至難の業。そこでニュアンス、フレージングだけでなく音程を保つ上でも重要となる、いわば骨組みとなる“第9パート "「fagotto hypothetico= 仮設のファゴット」を作曲。それはベースラインを示すだけでなく、複雑に絡み合う声部、バッハの精巧な対位法を表現するために重要な物。これを最初に録音し、各パートの録音の際にこれを聴きながら演奏した。それで仕上がった演奏は、まるで8人いるサムベークがアンサンブルを楽しみながら演奏しているような驚きの出来栄え。「当曲は自分にとって、今回の災禍を象徴するものとなった」と語るサムベーク、渾身の演奏。(完成した録音には「fagotto hypothetico」は収録されていないが、ブックレット裏にその一部の楽譜が掲載されている)。このほかフランス組曲第5番 ト長調 BWV.816(ウィンド編)、無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV.1013(ウォーターハウス編)、無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV.1007(サムベーク編)の3篇はファゴット独奏での編曲版。多重録音したパルティータ第2番での大きな成果もあり、演奏はより自由に、原曲の魅力を持ち合わせながらファゴットが持つ音域とサムベークでしか表現することのできない驚きの演奏を披露している。独奏楽器としてはなかなか主役にはならないファゴットだが、このアルバムを聴けばその魅力に気づかされる。 | |||
ブリテン:弦楽四重奏のための作品全集 弦楽四重奏曲〔第2番 ハ長調 Op.36 (1945) /ニ長調(1931/74) / 第1番 ニ長調 Op.25 (1941) /第3番 Op.94 (1975) /ヘ調(1928) 〕/ 3つのディヴェルティメント(1936) /小組曲(1929) /アラ・マルシア(1933) / シンプル・シンフォニー Op.4 (1933-34) /ラプソディ(1929) /小弦楽四重奏曲(1930) /幻想曲 ヘ短調(1932) エンペラーSQ [マーティン・バージェス(Vn1) クレア・ヘイズ(Vn2) フィオナ・ボンズ(Va) ウィリアム・スコフィールド(Vc)] | |||
録音:2005年5月、2007年3月、2011年4月、すべてポットンホール、サフォーク州、 UK | BISSA-1540, BISSA-1570, BISSA-1870 のセット化|クラムシェル・ボックス仕様。エンペラー四重奏団によるブリテンの「弦楽四重奏のための音楽」がお買い得なセットになってリリース。イギリスが誇るエンペラー四重奏団が生き生きとした躍動感と緻密なアンサンブルでブリテンの世界を魅力的に演奏している。 | |||
ヴァンスカのユン・イサン〜尹伊桑: 管弦楽のための伝説「新羅」(1992) / ヴァイオリン協奏曲第3番 (1992) (*) / 室内交響曲第1番 (1987) |
パク・スーイエ(Vn;*) オスモ・ヴァンスカ指揮 ソウルpo. | ||
録音:2021年8月30日-9月3日、ロッテコンサートホール、ソウル。ヴァンスカが尹伊桑作品に挑戦した。それも2020年から音楽監督を務めているソウル・フィルとの共演という興味深い物。ユン・イサン(1917-1995)は現代作曲家としては珍しく録音に恵まれているが、オーケストラ曲はドイツをはじめとする外国の団体ばかりだった。彼はスパイ容疑で1967年にKCIAに拉致・強制送還され死刑宣告を受けた。69年に特赦で釈放されたものの、国外追放となり二度と祖国の地を踏むことはできなかった。今日では韓国でも大作曲家とみなされているが、ソウル・フィル級のオーケストラによるセッション録音の登場は画期的で、歴史的快挙とさえ言えよう。収録された3曲はいずれも後期作品で、1992年の「新羅」は最後のオーケストラ曲。ヴァンスカのどこか東洋的な静謐さと透明感がユン・イサン作品にぴったりで、シベリウスさえ思わせる。同年のヴァイオリン協奏曲第3番は2000年生まれの若手パク・スーイエが独奏を務めているのが注目。彼女の初協奏曲録音ともなり、驚くべき成熟と激しい気質を示しているのが驚き。 | |||
愛の痛み〜カウンターテナーによるオペラ・アリア集 リッカルド・ブロスキ(1698頃-1756): 歌劇「アルタセルセ」第3幕第1場〜アルバーチェのアリア「私は波間に揺れる船のようだ」/ エジーディオ・ロムアルド・ドゥーニ(1708-1775):歌劇「トラキアの王デモフォンテ」よりティマンテのアリア 〔第3幕第5場 哀れな子/第1幕第4場 嵐が弱まることを〕 ヘンデル(1685-1759): 歌劇「ジュリオ・チェーザレ」HWV.17 序曲/ 歌劇「リナルド」 HWV.7 〜第2幕第4場 アルミレーナのアリア「私を泣かせて下さい」/ 歌劇「セルセ」 HWV.40 より セルセのアリア 〔第1幕第1場 オンブラ・マイ・フ/第3幕第9場 恐るべき冥府の復讐の女神よ〕 ヴィヴァルディ(1678-1741): 歌劇「ファルナーチェ」 RV.711 〜第2幕第6場 ファルナーチェのアリア「凍りついたようにあらゆる血管を」/ 歌劇「怒れるオルランド」 RV.728 より〔第1幕第5場 オルランドのアリア「真っ暗な深淵の世界に」/ 第1幕第12場 ルッジェーロのアリア「あなただけに、僕の愛しい人」〕/ 歌劇「狂えるファルナーチェ」 RV.711 〜第1幕シンフォニア/ 歌劇「ティエテベルガ」 RV.737 〜第2幕第13場 ロターリオのアリア「私の胸の中に」 ニコロ・バルドゥッチ(CT) ダン・ラウリン(リコーダー)指揮 バロック・アカデミー・ヨーテボリ・シンフォニー ソル・ドヒョ(テオルボ/バロックG) アンナ・パラディソ(Cemb) | |||
録音:2022年3月7日-11日、ヨンセレード教会、パーティレ、スウェーデン。ナポリのカンタータとアリアを集めた「カストラポリス」(BISSA-2585)のソリストに起用されたニコロ・バルドゥッチ(1999-)のアルバム第2作。カストラート歌手ファリネッリの兄、リッカルド・ブロスキの歌劇「アルタセルセ」のアリア、エジーディオ・ロムアルド・ドゥーニのロンドンで上演された歌劇「トラキアの王デモフォンテ」からティマンテの2曲のアリア、ヘンデルの歌劇「セルセ」の「オンブラ・マイ・フ」の名で親しまれているアリア、失われた歌劇「ティエテベルガ」のためにヴィヴァルディが書いたロターリオのアリア「私の胸の中に」などに序曲とシンフォニアを加えたプログラムを歌っている。「楽しそうにのびのびと歌う」(「Opera Wire」)。前作を企画したダン・ラウリンの指揮。「バロック・アカデミー・ヨーテボリ・シンフォニー」は、2008年ごろに設立された約20人のピリオド楽器アンサンブル。 | |||
モーツァルト: クラリネット協奏曲 イ長調 K.622 (*) /クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581 (#) リチャード・バーチャル(1984-):バセット・クラリネット協奏曲「マイケル・コリンズのために」(2020) (+) マイケル・コリンズ(バセットCl)指揮(*) ロビン・オニール指揮(+) フィルハーモニアo.(*/+) ウィグモア・ソロイスツ(#) [アレクサンドル・シトコヴェツキー(Vn1) アナベル・メアー(Vn2) イザベル・ファン・クーレン(Va) エイドリアン・ブレンデル(Vc)] | |||
録音:2021年4月8日-9日、ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン(*/+) /2021年8月21日、メニューイン・ホール、メニューイン音楽学校、ストーク・ダバノン(#) 。クラリネットの鬼 才マイケル・コリンズがモーツァルトのクラリネット協奏曲とクラリネット五重奏曲を録音!カップリングはイギリスの作曲家リチャード・バーチャルの協奏曲。モーツァルトは当時の名手アントン・シュタードラー(1753-1812)のために、バーチャルはコリンズのために作曲。それぞれ名手のために捧げられた曲を組み合わせた注目作。楽器は全曲バセット・クラリネットを用いて演奏している。この楽器はA管クラリネットよりも4つの低音(Es 、D 、Des 、C)までの音域を出せるのが特徴 。バセット・ホルンの名 手だったシュタードラーが同じ音域を出せるバセット・クラリネットを演奏したことで名曲が誕 生した。クラリネット五重奏曲はコリンズ、イザベル・ファン・クーレンが中心となり2020年に結成した可変アンサンブル「ウィグモア・ソロイスツ」が演奏している。当演奏ではイザベル・ファン・クーレンがヴィオラを、アレクサンドル・シトコヴェツキーが第1ヴァイオリンをアルフレート・ブレンデルの息子エイドリアンがチェロを務めるなど、名手が揃ったアンサンブルの演奏でお楽しみ頂ける。1984年生まれのリチャード・バーチャルはケンブリッジ大学とギルドホール音楽演劇学校で学んだ音楽家。2010年までpo. のチェリストとして活躍し、現在は作曲家、編曲家としての活動を中心に多彩なキャリアを築いており、チェロ協奏曲「ラビリンス」、語りとチェロ八重奏のための「不思議の国のアリス」などで評 価されている。バセット・クラリネットと管弦楽のための協奏曲はコリンズに捧げた2020年の作品。3楽章構成(I. Metamorphosis / II. Still Life / III. ImpossibleConstruction)、演奏時間約20分のこの作品は非常にドラマティックに展開し、バセット・クラリネットとオーケストラとの絡みがなんとも魅力的。当楽器にしか出せない音域が随所に現れ、コリンズが情感豊かに演奏する。 | |||
シマノフスキ: 神話 Op.30 /ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 Op.9 /ロマンス ニ長調 Op.23 / 夜想曲とタランテラ Op.28 /アイタコ・エニアの子守歌 Op.52 スーイエ・パク(Vn|使用楽器:アントニ・ストラディヴァリウス、1724年製 〔使用弓:ハインリヒ・カール・クノッフ、1865年製〕) ローランド・ペンティネン(P|使用楽器:スタインウェイ D, 1929 ) | |||
録音:2021年11月22日-25日、2022年4月11日-12日、ニコデマス教会、ベルリン。韓国若手期待のヴァイオリニスト、スーイエ・パク。BISレーベルから非常に積極的なリリースが続いているが、当アルバムでは名手ローランド・ペンティネンとオール・シマノフスキ・プログラムに挑戦した。ヴァイオリン・ソナタ ニ短調は初期作ながら既に独自の個性があらわれた作品。「ロマンス」や「夜想曲とタランテラ」はシマノフスキらしい独特の音楽表現が実に魅力的。そしてギリシャ神話を題材にした「神話」は、ヴァイオリンのあらゆる技巧が散りばめられた意欲作。別次元の音楽世界に誘われるシマノフスキの作品は技巧面での難しさ故、録音が少ないだけに名手2人による当盤登場は大歓迎。 | |||
サウンズ・アンド・スウィート・エアズ〜シェイクスピア歌曲集 アイアランド:五尋の深みに(テンペスト)(s/br) ヴォーン=ウィリアムズ:フィディーリのための挽歌(シンベリン)(s/br) モーラン:恋に落ちた若者とその彼女(お気に召すまま)(s/br) カステルヌオーヴォ=テデスコ:昇れ(シンベリン)(s) スミス/グレイヴス編曲:舌の割れたまだらの蛇(真夏の世の夢)(s/br) ティペット:エアリエルの3つの歌(テンペスト)(br) / トマス・アーン:緑の森の木陰で(お気に召すまま)(s) ガーニー:緑の森の木陰で(お気に召すまま)(br) パリー:ソネット87 (br) アイアランド:水仙が咲きだしゃあ(冬物語)(br) ハイドン:彼女は決して恋心を語らなかった(十二夜)(s) シューベルト:シルヴィアに D.891(ヴェローナの二紳士)(s) /セレナード D.889(シンベリン)(未記載) / 酒の歌 D.888(アントニーとクレオパトラ)(br) シューマン:狂人の最後の歌 Op.127 No.5(十二夜)(br) / ヴォルフ:鳥づくしの歌(真夏の世の夢)(br) コルネリウス:死よ、来たれ(十二夜)(s/br) フランシス=ホード:彼は死化粧もされず棺に入れられた(ハムレット)(s) ハンナ・ケンドール:ロザリンド(全5曲)(s/br) / プーランク:恋する心は(ヴェニスの商人)(s) ブリテン:恋する心は(ヴェニスの商人)(s) オネゲル:エアリエルの2つの歌(テンペスト)(s) ブリッジ:吹け、吹け、冬の風よ(お気に召すまま)(br) マデリーン・ドリング:さあ持って行け、この唇を(尺には尺を)(br) / ジョン・ダンクワース:ソネット18 (br) マーヴィン・ホーダー:緑の森の木陰で(お気に召すまま)(s) / コールリッジ=テイラー:柳の歌(オテロ)(s) エイミー・ビーチ:妖精の子守唄(真夏の世の夢)(s) ロデリック・ウィリアムズ:溜息なさるな、御婦人方(空騒ぎ)(s/br) アーサー・サリヴァン:リュートを持ったオルフェウス(ヘンリー8世)(s/br) キャロリン・サンプソン(S;s) ロデリック・ウィリアムズ(Br;br) ジョゼフ・ミドルトン(P) | |||
録音:2022年6月27日-28日、ワイアストーン・コンサートホール。バッハ・コレギウム・ジャパンのソリストとしても人気のキャロリン・サンプソンの最新盤はお国もののシェイクスピア。古典派から現代まであらゆる性別と国にまたがる27人の作曲家による作品を集めている。これらをプロローグとエピローグ付き5幕の劇に仕立てた。シューベルトの名作をはじめ同じテクストに他の作曲家が付曲しているのも興味津々。シェイクスピアということでイギリスの作曲家が中心ではあるが、ハイドンやプーランク、オネゲル、カステルヌオーヴォ=テデスコ、エイミー・ビーチなど諸外国の作曲家によるものも味わえる。またマデリーン・ドリングやジョン・ダンクワースのジャズ・テイスト、マーヴィン・ホーダーのタンゴ調も個性的。さらに1984年生まれのハンナ・ケンドールの現代的な「ロザリンド」までさまざまなスタイルの音楽が並ぶ。サンプソンと魅力的な二重唱のほか独唱も聴かせるバリトンのロデリック・ウィリアムズもBCJのソリストとしておなじみ。何と彼が12歳の時に作曲した「溜息なさるな、御婦人方」があるのも驚き。多才なところを見せてくれる。演奏者すべてがイギリス人なため説得力は誰も太刀打ちできぬ神業。演劇的要素も芸達者な彼らならではの巧さにうならされる。 | |||
ローベルト・シューマン(1810-1856):交響曲全集、序曲集 交響曲〔第1番 変ロ長調 Op.38 「春」/第2番 ハ長調 Op.61 /第3番 変ホ長調 Op.97 「ライン」/ 第4番 ニ短調 Op.120(原典版)/第4番 ニ短調 Op.120(現行版)〕/ツヴィッカウ交響曲/ 序曲、スケルツォとフィナーレ Op.52 /歌劇「ゲノヴェーヴァ」序曲/序曲「メッシーナの花嫁」 Op.100 / 「ゲーテのファウストからの情景」序曲/序曲「ジュリアス・シーザー」 Op.128 / 「マンフレッド」序曲 Op.115 /序曲「ヘルマンとドロテア」 Op.136 トーマス・ダウスゴー指揮スウェーデン室内o. | |||
録音:2005年3月、2006年3月、10月、12月、2007年5月、8月、エレブルー・コンサートホール、スウェーデン|既出・初出: BISSA-1519, BISSA-1569, BISSA-1619 のセット化|クラムシェル・ボックス仕様。ダウスゴーとスウェーデン室内o. によるシューマンの交響曲&序曲集がセットになって登場する。現代的感覚満点の鮮烈オーケストレーションで独自のカラーを打ち出したシューマンの録音。交響曲第4番は原典版と現行版を収録。また、あまり聴く機会の少ない序曲も含まれていているのも当セットのポイント。小編成で透明なサウンドを持つスウェーデン室内o. の響きが「灰色の管弦楽法」と評されるシューマンのイメージを一新させている。 | |||
トリオ・ツィンマーマン|「回顧録」〜弦楽三重奏曲集 [BISSA-2347] J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 [BISSA-1817] モーツァルト:ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563 / シューベルト:弦楽三重奏曲第1番 変ロ長調 D.471 [BISSA-2087, BISSA-1857] ベートーヴェン:弦楽三重奏曲〔第1番−第4番〕/セレナード ニ長調 Op.8 [BISSA-2207] ヒンデミット:弦楽三重奏曲〔第1番 Op.34 /第2番〕 / シェーンベルク:弦楽三重奏曲 Op.45 トリオ・ツィンマーマン[フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn) アントワーヌ・タメスティ(Va) クリスティアン・ポルテラ(Vc)] | |||
録音:2009年-2018年。フランク・ペーター・ツィンマーマン、アントワン・タメスティ、クリスティアン・ポルテラによるトリオ・ツィンマーマン。これまでBISレーベルに録音してきた5枚のアルバムがお買い得なセットになって登場する。トリオ・ツィンマーマンは2007年に結成。「トリオは自分にとってベストなアンサンブル」と語るツィンマーマンは長年ベストなアンサンブルができる演奏者を探していたが、若きヴィオラ奏者のアントワン・タメスティの演奏に感銘を受け、ツィンマーマンが直々にトリオ結成を懇願。その後タメスティが信頼を寄せるチェリスト、クリスティアン・ポルテラにオファーしたことによりトリオ・ツィンマーマンが結成した。作品の真価を伝えてくれる彼らの演奏は結成当初から高く評価され、これまでJ.S.バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シェーンベルク、ヒンデミットを録音している。バッハのゴルトベルク変奏曲では「できる限り編曲やオクターヴ移動を施さず、基本的にバッハのスコアを詳らかにするような弦楽三重奏版を提案したい」と考え彼ら自身の編曲版で録音。弦楽器で奏することの意義が明確に伝わって来る快演を披露してくれた。モーツァルトのディヴェルティメントではレコード芸術誌の特集「新時代の名曲名盤500」で、ほぼすべての撰者が満点をつけた名録音。「緻密なアンサンブルで最高水準の成果を示した演奏史の馬鹿でも出色の出来」と評されている。ヒンデミットの弦楽三重奏曲第1番は1924年、第2番は1933年の産物。この年代の作品は新即物主義、新古典主義への移行とともに弦楽奏者ヒンデミットならではの各楽器の特性を熟知した非常に豊かな響きが魅力的。単一楽章からなるシェーンベルクの弦楽三重奏曲は1946年の作品。生涯12音音楽の旗手として重きをなす存在であったシェーンベルク晩年の傑作。F. P. ツィンマーマンが厚い信頼を寄せるタメスティ、ポルテラとともに極上の弦楽トリオの演奏をお楽しみ頂きたい。ブックレットはオリジナルの5冊がクラムシェル・ボックスに封入されている。 | |||
ステーンハンマル:弦楽四重奏曲全集 弦楽四重奏曲〔第1番 ハ長調 Op.2 (1894) /第2番 ハ短調 Op.14 (1896) /第3番 ヘ長調 Op.18 (1897-1900) / 第4番 イ短調 Op.25 (1904-09) /第5番 ハ長調 Op.29「セレナード」(1910) / 第6番 ニ短調 Op.35 (1916) /ヘ短調(1897) 〕/ 組曲「ロドレッシの歌」〜エレジーと間奏曲 Op.39 (1919) ステーンハンマルSQ [ペータ・オロフソン(Vn1) ペール・エマン(Vn2) トニー・バウアー(Va) マッツ・オロフソン(Vc)] | |||
録音:2011年4月、10月、2012年6月、12月、2013年9月、2013年12月|既出・初出: BISSA-1659, BISSA-2009, BISSA-2019 のセット化|クラムシェル・ボックス仕様。スウェーデンを代表する作曲家、ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871-1927)。その名を冠したステーンハンマル弦楽四重奏団による弦楽四重奏曲全集がセットになって登場する。ステーンハンマルは交響曲、協奏曲、声楽曲、オペラなど様々な音楽形態の作品を残しており、巨匠ヘルベルト・ブロムシュテットが積極的に演奏していることで、日本でも人気を高めている作曲家。その中でも弦楽四重奏曲はステーンハンマルの芸術を知る上で最も優れた作品群。当セットには世界初録音となった1897年作曲の ヘ短調の四重奏曲も収録しており、全集としての価値を非常に高めている。2002年に結成したステーンハンマル弦楽四重奏団はその名の通りステーンハンマルの作品を中心に演奏しており、スウェーデン国内外で高い評価を得ている。近年、現代音楽にも力を入れアメリカ、イギリスなどの作曲家から多くの委嘱作品を依頼されている。当クァルテットならではの的確な解釈は、同作品群を知る上で必聴。※ブックレットはオリジナルの3冊がクラムシェル・ボックスに封入されている。 | |||
BIS-9020/2 (10CD) 廃盤 |
鈴木雅明&バッハ・コレギウム・ジャパン〜J.S.バッハ:6大宗教曲BOX
鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
BIS-9024/6 (10CD) 廃盤 |
J.S.バッハ:カンタータ Box 1 [第4番/第150番/第196番/第71番/第131番/第106番/第12番/第54番/第162番/第182番/第163番/第165番/ 第185番/第199番/第18番/第143番/第152番/第155番/第161番/第21番/第31番/第61番/第63番/第132番/ 第172番/第22番/第23番/第75番/第24番/第76番/第167番/第179番/第105番/第186番] 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
BIS-9027/9 (10CD) 廃盤 |
J.S.バッハ:カンタータ Box 2 [第136番/第138番/第95番/第46番/第147番/第21番/第64番/第25番/第69a番/第77番/第50番/第148番/第48番/ 第89番/第109番/第40番/第60番/第70番/第90番/第194番/第119番/第153番/第154番/第73番/第144番/ 第181番/第66番/第134番/第67番/第86番/第37番/第104番/第166番/第184番/第173番/第59番/第44番] 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
BIS-9030/2 (10CD) 廃盤 |
J.S.バッハ:カンタータ Box 3 [第65番/第81番/第83番/第190番/第20番/第7番/第94番/第10番/第93番/第178番/第107番/第8番/ 第33番/第113番/第78番/第99番/第114番/第180番/第122番/第96番/第5番/第80番/第115番/第26番/ 第62番/第116番/第129番/第2番/第3番/第38番/第135番/第51番/第1127番〔代理店記載ママ〕] 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
BIS-9033/5 (10CD) 廃盤 |
J.S.バッハ:カンタータ Box 4 [第91番/第101番/第121番/第133番/第111番/第123番/第124番/第125番/第41番/第92番/第130番/第1番/第126番/ 第127番/第74番/第87番/第128番/第176番/第6番/第42番/第103番/第108番/第35番/第169番/第170番/第200番/ 第52番/第55番/第58番/第82番/第28番/第68番/第85番/第175番/第183番/第79番/第137番/第164番/第168番] 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
バッハと大作曲家たち モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り/6声のミサ シュッツ:宗教的合唱曲全集SWV369-397/イエス・キリストの十字架上の7つの言葉 アーレ:「新たに植え込まれたテューリンゲンの遊歩庭園」から ブクステフーデ:連作カンタータ「われらがイエスの四肢」 / クーナウ:マニフィカト ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲集 〔ハ長調RV443/ニ長調RV428/イ短調RV108/ハ長調RV444/ト長調RV435/ニ長調RV92/イ短調RV445〕 ゼレンカ:2つのマニフィカト J.S.バッハ:マニフィカトBWV234a/ゴルトベルク変奏曲BWV988/結婚カンタータBWV210/ コーヒー・カンタータBWV211/ヴァイオリン協奏曲〔第1番イ短調BWV1041/第2番ホ長調BWV1042〕他 ヘンデル:メサイア C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲集 ダン・ラウリン(リコーダー) 寺神戸亮(Vn) 鈴木秀美(Vc) キャロリン・サンプソン(S)他 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | |||
バッハ・コレギウム・ジャパンの創立20周年を記念して超大企画の登場。これまでリリースされた名盤を15枚組BOXで発売するが、何と4枚価格という驚愕の低価格、それもすべてレコード芸術誌特選、いくつかはレコード・アカデミー賞受賞の超名盤で、ソリストも鈴木秀美や寺神戸亮、ダン・ラウリンなどオールスター・キャスト。まだバッハ・コレギウム・ジャパンをお聴きになられたことのない向き、カンタータしか買われなかった向きに大オススメ。極上のBGMとしてもリッチな空間を創造する。 #レーベル&国内代理店の扱いは終了しており、流通在庫限りとなります。入荷しない場合はご容赦下さい。 | |||
モーツァルト/フンメル編曲:「室内楽版」ピアノ協奏曲集&交響曲第40番 ピアノ協奏曲〔第20番 ニ短調 K.466 (*) /第25番 ハ長調 K.503 (*) /第10番 変ホ長調 K.365 (#) / 第24番 ハ短調 K.491 (#) /第26番 ニ長調 K.537「戴冠式」(+) / 第22番 変ホ長調 K.482 (+) /第18番 変ロ長調 K.537 (**) 〕/ 交響曲第40番 ト短調 K.550(室内楽版)(**) 白神典子(P) ヘンリク・ヴィーゼ(Fl) ピーター・クレメント(Vn) ティボール・ベーニ(Vc) | |||
録音:2003年6月(*)、2004年6月(#)、2005年5月(+)、2006年6月(**)、バイエルン・スタジオ、ミュンヘン。使用ピアノ: Bösendorfer (*), Fazioli (#/+), Yamaha S6 (**) 。BIS-1147 (*)、BIS-1237 (#)、BIS-1537 (+)、BIS-1567 (**) の廉価セット化。白神典子の代表盤、モーツァルト=フンメルの室内楽版によるピアノ協奏曲集&交響曲第40番が4枚組のボックスセットで登場。モーツァルトの弟子として言わば「正統的な継承者」であったフンメルは編成を室内楽にするだけでなく、ピアノの魅力を一層引き出すためにロマン派風に手を加えている。またこの録音で白神は3台の異なるピアノを使用しており、それぞれの音色の違いを聴くことが出来る。原曲との違いを楽しめるばかりではなく、モーツァルトの名曲に新たな魅力を発見出来る。同編曲版の名盤であることは間違いなしのお買い得BOX。 | |||
ピアノ・ラプソディ〜バッハからサティまでの遍歴をローランド・ペンティネンと共に J.S.バッハ:平均律第一巻〜第1番前奏曲 ハ長調 BWV846 / ベートーヴェン:エリーゼのために / ウェーバー:無窮動 シューベルト:楽興の時 変イ長調 D.780 No.2 / ヘンデル:メヌエット ト短調 / ショパン:夜想曲第9番 ロ長調 Op.32-1 ロッシーニ/プレンツィオ編曲:小荘厳ミサ曲〜アニュス・デイ / ショパン:前奏曲 変ニ長調「雨だれ」/ボレロ Op.19/ マズルカ第20番 変ニ長調 Op.30 No.3/マズルカ第25番 イ短調 Op.33 No.4/夜想曲第18番 ホ長調 Op.62 No.2 スカルラッティ:ソナタ ヘ短調 L118 / メンデルスゾーン:ロンド・カプリッチョーゾ Op.14 / シューマン:トロイメライ ショパン:夜想曲 嬰ハ短調 遺作 / ルビンシテイン:ワルツ・カプリス 変ホ長調 / ラフマニノフ:リラの花/ひな菊/ V.R.のポルカ/前奏曲 嬰ハ短調 Op.3 No.2 / ショパン:マズルカ イ短調 Op.17 No.4/バラード第2番 ヘ長調 Op.38 リスト:夕べの鐘 / クライスラー:愛の喜び / リスト:愛の夢〔第1番−第3番〕/忘れられたワルツ第1番 J.シュトラウスII /タウジヒ編曲:ワルツ「人生はただ一度だけ」 / モシュコフスキ:火花 / ドビュッシー:月の光 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23 (*) / チャイコフスキー/ラフマニノフ編曲:子守歌 ステーンハンマル:幻想曲 ロ短調 Op.11 / グリーグ:トロルドハウゲンの婚礼の日/ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16 (*) ニーノ・ロータの主題による三部の即興演奏 / ファリャ:アンダルシア舞曲 / サティ:ジュ・トゥ・ヴ コスマの「感傷的なプロムナード」による即興演奏(ベネックスの「ディーヴァ」) / サティ:3つのジムノペディ アルベニス:タンゴ イ短調 Op.164 / セイメル:太陽の目 / サティ:幻想曲=ワルツ / ペンティネン:映画音楽 ブゾーニ:クリスマスの夜 / プロコフィエフ:トッカータ ニ短調 Op.11 / サティ:グノシエンヌ〔第1番/第4番/第5番〕 ヒナステラ:いきな娘の踊り / グラナドス:嘆き又はマハと夜鳴きうぐいす / アルベニス:「イベリア」〜エボカシオン ヤナーチェク:フリーデクの聖マリア / ロータの思い出(フェリーニの「アマルコルド」による即興演奏) ローランド・ペンティネン(P) レイフ・セーゲルスタム指揮バンベルクso.(*) | |||
録音:1984年-2003年、ストックホルム、スウェーデン/1987年、バンベルク(*)。既出盤からのコンピレーション。紡ぎ出す一音一音に独特な色気があり、非常に美しいタッチが魅力のローランド・ペンティネンがBIS レーベルのこれまでの録音から選りすぐりの名演を集めたお買い得4枚組BOX。ペンティネンはレパートリーも広く技巧はもちろんのこと、清潔で品のある演奏が最大の魅力。バッハ、ショパン、リスト、ラフマニノフの作曲したピアノ名曲から現代作品まで、また自作を含む即興演奏も得意とし、いろいろな顔を持ち合わせたピアニスト。ピアノ名曲を楽しむのはもちろんのこと、ペンティネンの至芸を堪能できるこの上ないセット物。ローランド・ペンティネンは1963年に生まれ、ストックホルム音楽大学で学んだ後もジョルジュ・シェベックやエリザベート・レオンスカヤに就いて研鑽を積み、BISレーベルに多くのディスクを録音している。ソロの録音はもちろんのこと伴奏者としてつとめたアルバムも高い評価を得ている。とりわけヴィオラ奏者の今井信子はペンティネンに絶大なる信頼をしておりBISレーベルに収録した「ヴィオラ・レボリューション」(BIS-829)、ヒンデミット:ヴィオラとピアノのための作品全集(BIS-651)、ロシアのヴィオラ(BIS-358)はいずれも名録音として知られている。 | |||
マウロ・ジュリアーニ(1781-1829):フルートとギターのための作品全集 二重奏 WoO (1810-11) /協奏的大二重奏曲 Op.52 /協奏的大二重奏曲 Op.85 /12のコーダ付レントラー Op.75 / やさしいデュエッティー Op.77 /大混成曲 Op.53 /優しい小品 Op.74 /「タンクレディ」によるポプリ Op.76 / 変奏曲 Op.81 /大混成曲 Op.126 /大セレナーデ Op.82 /変奏曲 Op.84 / 18のディヴェルティメンティ・ノットゥルニ Op.86 /セレナーデ Op.127 ミカエル・ヘラスヴォ(Fl) ユッカ・サヴィヨキ(G) | |||
録音:1988年7月、フィンストロム教会、フィンランド。分売:BIS-411, BIS-412, BIS-413(全て当店未案内)のセット化。ギターの名演奏家、作曲家であったジュリアーニはイタリア生まれ。チェロと対位法を学んだのちに6弦ギターを主要な楽器とするようになった。しかし、当時大衆がオペラ以外の音楽にほとんど関心がなかったために生計をたてるために1806年にはウィーンに落ち着いた。当時の最高のギター奏者として、また優れた作曲家としてたちまち有名になったが、1813年12月8日にジュリアーニはフンメルやマイゼーダーやシュポアを含むウィーンで最も有名な演奏家たちとともに、ベートーヴェンの交響曲第7番の初演でチェロを弾き、その後もたびたび公演したと言われている。その後ナポリに落ち着き、晩年はリラ・ギターの演奏で有名になっている。フルートとギターのための作品は、イタリアらしいメロディアスな美しい旋律で非常に心地のよい音楽。また、教会に優しく響くBISレーベル初期の独特の録音で、改めて優秀なレコーディング・エンジニアにより録音されていることがわかる。 | |||
モーツァルト:五重奏曲集 弦楽五重奏曲〔第1番 変ロ長調 K.174 /第2番 ハ短調 K.406 /第3番 ハ長調 K.515 / 第5番 ニ長調 K.593 /第4番 ト短調 K.516 /第6番 変ホ長調 K.614 〕 [今井信子(Va) オルランドSQ /録音:1989年1月1日-7日、1989年12月11日-13日、 旧教会、デルフト、オランダ/既出: BIS-431、432、433 (分売)]/ ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 K.452 [スティーヴン・ハフ(P) BPO 木管五重奏団/ 録音:2000年2月、テルデック・スタジオ、ベルリン、ドイツ/既出: BIS-1132 より]/ クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581 [マルティン・フレスト(Cl) ヴェルターヴォSQ / 録音:2002年11月、ストックホルム、スウェーデン/既出: BISSA-1263 より]/ ホルン五重奏曲 変ホ長調 K.407 [アンサンブル・ヴィラ・ムジカ/ 録音:2003年11月、ドイツ/既出: MD+G, 304-11842 より] | |||
BISが誇るお買い得セット。メインの弦楽五重奏曲はオルランド四重奏団と今井信子の共演。非常に上品な音色で、格調高いモーツァルト。 | |||
レーガー:管弦楽作品集 モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ Op.132 (*) /ある悲劇のための交響的プロローグ Op.108 (#) / ピアノ協奏曲 ヘ短調 Op.114 (+) /組曲 Op.93 (+) /ベートーヴェンの主題による変奏曲とフーガ Op.86 (**) / バレエ組曲 Op.130 (**) /ベックリンによる4つの音画 Op.128 (##) レイフ・セーゲルスタム指揮ノールショーピングso. ルーヴェ・デルウィンガー(P) | |||
録音:1993年5月(**)、1993年8月(##)、1994年12月(+)、1995年10月(*)、1996年3月(#)、スウェーデン。単売:BIS-601 (**/##), BIS-711 (+), BIS-771 (*/#) (以上、当店未案内)。セーゲルダムの隠れ名演、レーガーの管弦楽作品がセット化。清潔で各声部を鮮やかに明滅させながら、きわめて懐の深い音楽性を備えた演奏。レーガーは後期ロマン主義の重厚な作風で、またバッハの様式の再現としての擬古典的作品なども多く、それらの特徴は管弦楽作品にもあらわれている。特にこれらの作品のオーケストレーションは緻密な設計、主題の変形操作法、線的対位法の技巧が散りばめられ、ワーグナーなどの新ドイツ・ロマン派、さらにはフランスの印象主義などの新しい和声法をとりいれ、これらを線的対位法と結合させたことによりレーガー独自の様式を作り出した。レーガーの管弦楽作品の中でもモーツァルトの主題による変奏曲とフーガ Op.132は有名な作品で、あのトルコ行進曲の第一楽章の変奏曲の主題が登場する。馴染みのメロディがレーガーにより新しい側面を見出してくれる。 | |||
シベリウス: メゾ・ソプラノ、バリトン、男声合唱と管弦楽のための「クレルヴォ」 Op.7 / 合唱と管弦楽のための交響詩「フィンランディア」 Op.26 オッリ・コルテカンガス(1955-): メゾ・ソプラノ、男声合唱と管弦楽のための「移住者たち」(2014) リッリ・パーシキヴィ(Ms) トンミ・ハカラ(Br) オスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタo.、ヘルシンキ大学男声cho.(YL) | |||
録音:2016年2月4日-6日、オーケストラホール、ミネアポリス、ミネソタ州、ライヴ。 オスモ・ヴァンスカとミネソタo.によるシベリウスの新作は、フィンランドから北アメリカへの移民の始まった150周年を記念するコンサートをライヴ収録したアルバム。プログラムは、シベリウスが民族叙事詩『カレワラ』のエピソードを題材に「フィンランド」のアイデンティティを示した「クレルヴォ」と、オッリ・コルテカンガスの「移住者たち」、そして、「フィンランディア」がコスケンニエミの歌詞による合唱と管弦楽のための版で演奏された。オッリ・コルテカンガスは、今日のフィンランドでもっとも際立った活動をする作曲家のひとり。シベリウス・アカデミーのラウタヴァーラとエーロ・ハメーンニエミ、ベルリンのディーター・シュネーベルの下で学び、管弦楽曲、器楽曲、オペラ、子供のための音楽など、140を超す作品を手がけている。「移住者たち」は、彼がミネソタo.とヴァンスカの委嘱を受けて作曲した、2014年の作品。父方と母方の祖父がともにフィンランドからの移住者という背景をもち、2010年からミネソタ州ダルースの桂冠詩人を務めたシーラ・パッカの詩集『CloudBirds(群れをなす鳥)』と『Echo&Light-ning(こだまと稲光)』から採った詩をメゾ・ソプラノと男声合唱が歌う4つの楽章--「ふたつの世界」「復活」「木に住んだ男」(アカペラ合唱)「私たちが呼吸する音楽」--を管弦楽の3つの「間奏」がつなぐ対称構造に書かれている。「クレルヴォ」は、オスモ・ヴァンスカの2度目の録音。2000年、新築のシベリウスホールで録音したラハティso.との最初のアルバム(BIS-1215)は『、カレワラ』の深い世界を洞察した演奏が高く評価され、この作品のレファレンス・ディスクのひとつになった。ミネソタo.のコンサートには、前のアルバムと同じメゾ・ソプラノのリッリ・パーシキヴィとヘルシンキ大学男声cho.(YL)が参加、フィンランドのバリトン歌手トンミ・ハカラがクッレルヴォを歌っている。 | |||
イギリス、フランス、ドイツ、イタリアの2世紀に及ぶトリオ・ソナタ集 〔 17世紀イギリスのトリオ・ソナタ集(BIS-1455) (*) /18世紀イギリスのトリオ・ソナタ集(BIS-1765) / 17世紀フランスのトリオ・ソナタ集(BIS-1465) (*) /18世紀フランスのトリオ・ソナタ集(BIS-1855) / 17世紀ドイツのトリオ・ソナタ集(BIS-1545) /18世紀ドイツのトリオ・ソナタ集(BIS-1995) / 17世紀イタリアのトリオ・ソナタ集(BIS-1795) /18世紀イタリアのトリオ・ソナタ集(BIS-2015) 〕 ロンドン・バロック [イングリート・ザイフェルト、リチャード・グィルト(Vn) チャールズ・メドラム(Vc/5弦Vc/バスヴィオール) テレンス・チャールストン(Cemb&Org;*) スティーヴン・ディヴァイン(Cemb&Org;*以外)] | |||
録音:2002年-2012年。既出分売のセット化。確かなテクニックと表現力で定評のあるロンドン・バロックがBISレーベルよりリリースを続けてきたトリオ・ソナタ・シリーズ全8集がセットになって登場。17世紀から18世紀にかけて作曲されたイギリス、フランス、ドイツ、イタリアの作品を録音してきたこのシリーズでは国、地域の音楽の違い、そして時代の移ろいにより様々な音楽を楽しむことが出来る。トリオ・ソナタの歴史を知れる画期的な企画。 | |||
J.S.バッハ:カンタータ BOX Vol.5 〜 教会カンタータ全集〔第41集−第55集〕 |
鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
録音:2007年-2013年、神戸松蔭女子学院大学チャペル。1995年に開始したバッハ・コレギウム・ジャパンによるバッハの教会カンタータが18年を経て2013年に完結した。1995年より始まった教会カンタータの全曲演奏と並行して進めてきたレコーディングについて、鈴木雅明氏は「この17年間は、波乱万丈、手に汗を握りしめるような年月だった。」と語り、BISレーベルの社主ロベルト・フォン・バール氏と議論し、時には戦い作り上げてきた苦労の結晶で、その結果が今や世界に誇れるバッハのカンタータ全曲集を完成させたことになる。全55集となる当シリーズだが、これまでに第1集から第40集までそれぞれ10枚組の完全限定BOXが発売されていた(BIS-9024/6, 9027/9, 9030/32, 9033/5, いずれも完売・廃盤)。今回、残りの第41〜55集が15枚組の完全限定BOXで登場。ブックレットはオリジナルデータを合本化したもの。完全限定生産につき ご注文はお早めに。なお、当BOXセットは全て通常CDで、SACDではありません。 | |||
舞曲とおとぎ話〜ラヴェル: クープランの墓/マ・メール・ロワ/亡き王女のためのパヴァーヌ ジョイント・ヴェンチャー・パーカッション・デュオ [レイチェル・シー・チャン(マリンバ) ローラン・ヴァルニエ(マリンバ/ヴィブラフォン)] ナンシー・ゼルツマン(マリンバ2) | |||
録音:2014年9月、ミックス・ワン・スタジオ、ボストン、 US 。ラヴェルの名作をマリンバ(ヴィブラフォンを含む)・デュオ編曲版で。演奏は、現在アムステルダムを拠点に活躍するジョイント・ヴェンチャー・パーカッション・デュオ。2011年開催のアムステルダム・コンセルトヘボウ主催のコンクールにてベルナルド・ハイティンク賞を受賞、その副賞として欧米で計9か所にてコンサートを行い、成功をおさめた。マリンバの温かな音色はこれらの作品に絶妙にマッチしている。 | |||
BIS-9055 (55 HYBRID_SACD) 廃盤/入手不能 |
BCJ〜J.S.バッハ:教会カンタータ全集
鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン | ||
旧・国内盤品番: KKC-8501/55 ( HYBRID SACD 55枚 + 特典盤CD:詩篇51番 BWV.1083 / 2014年レコード芸術誌「レコード・アカデミー賞」特別部門「企画・制作賞」受賞)、KKC-8571/625 ( HYBRID SACD 55枚 /特典盤CDなし)〔以上2点とも完売、入手不能〕。 | |||
ヴォカリーズ・エチュード(全23曲) 〔デュカ「ジプシー風に」(1909) /オーリック(1926) /プーランク(1927) /ジョンゲン「セレナード」(1928) / メシアン(1935) /オネゲル(1929) /ルーセル「アリア」(1928) /カントルーブ「ブーレの形式で」(1927) / ミヨー「エール」(1928) /ブレヴィユ「マネ」(1907) /ラヴェル「ハバネラ形式」(1907) /ヴィエルヌ(1907) / ユレ(1922) /イベール「アリア」(1927) /ライタ(1930) /ラビンスキー「情熱」(1931)/グレチャニノフ(1929) / ニコライ・チェレプニン(1927) /マルティヌー(1930) /マリピエロ(1928) /ニルセン(1927) /ヴィラ=ロボス(1929) 〕 ハリー・ホワイト(アルトSax) エドワード・ラシュトン(P) | |||
録音:2014年7月、 SRF スタジオ、チューリヒ、スイス。パリ音楽院声楽科教授のエティッシュは、1906年に初見試験用の歌詞のない小品をフォーレに委嘱した。以後約30年間錚々たる作曲家たちに委嘱し続け、150曲以上が作られたが、ラヴェルの「ハバネラ形式による小品」以外は顧みられぬ状態。しかし各作曲家の個性が明瞭に表われ、各自のお国ぶりが香るなど、さすが大作曲家とうならされる点も多く、放置されているのは惜しい限りだった。アメリカ出身で、ラシェル・サクソフォン四重奏団のメンバーを務めていたハリー・ホワイトが、そのうち23曲をサクソフォンで演奏。声楽ではとりづらい音程もサクソフォンなら正確。この楽器ならではの肉声的な感覚で、知られざる作品の魅力を堪能出来る。 | |||
スウェーデン放送所蔵音源による初復刻!〜バイロイトの「第九」1951.7.29 ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125 「合唱」 エリーザベト・シュヴァルツコップ(S) エリーザベト・ヘンゲン(A) ハンス・ホップ(T) オットー・エーデルマン(B) ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭o.&cho. | |||
録音:1951年7月29日、フェストシュピールハウス〔祝祭劇場〕、バイロイト、ライヴ、モノラル|ソース:スウェーデン放送所蔵 (archive LB 14784) |収録時間:約85分(冒頭、終了時アナウンス、拍手等込み)。『音の状態は悪くない。思ったより良好。SACDハイブリッドで出すことに決めた。マスターテープを借りられた。これから音質とノイズ等のチェックをおこない、年内(カデンツァ注:2021年)緊急発売を目指してスタジオ作業中だ。マスターテープに遺された音は一切カットせずに、85分間を1枚のCDにも収録する予定である。この伝説の名演の核心に触れられることに我々スタッフ一同も興奮している。」(ロベルト・フォン・バール| BIS レーベル創業者/会長|代理店へのメールから代理店翻訳) 『★トラック6、13分08秒付近に音量が一時的に落ちる箇所がございますが、これはスウェーデン放送所蔵のマスターテープに起因するものです。中継放送をスウェーデン放送がテープに同時収録している際に起こったと思われ、BISはその音を修正せずそのまま使っています。』 『フルトヴェングラー生誕135年の掉尾を飾る世紀の大発見!』『“全人類の至宝”とまで讃えられてきた、フルトヴェングラー至高の名演ライヴ「バイロイトの第九」、その真実がついに明らかにされる!』 『★まさに1951年7月29日、スウェーデン放送によって中継放送された番組、冒頭の4か国語(ドイツ語、フランス語、英語、スウェーデン語の順)によるアナウンスから巨匠の入場、渾身の指揮、やや長めのインターバルをはさみ、最後の2分半以上に及ぶ大歓声と嵐のような拍手(と番組終了のアナウンス)まで、85分間、一切のカットなしに当夜のすべての音をSACDハイブリッド盤に収録しました。冒頭アナウンスは「1951年バイロイト音楽祭。バイエルン放送がリヒャルト・ワーグナー音楽祭(バイロイト音楽祭)のオープニング・コンサートをバイロイト祝祭劇場からドイツ・オーストリア放送、英国放送、フランス放送、ストックホルム放送を通じてお届けします。曲はヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮によるベートーヴェンの交響曲第9番です。」というもので、これがまさに生中継だったことがうかがえます。★発掘のきっかけはキングインターナショナルと縁の深かった仏ターラ・レーベルの主宰者故ルネ・トレミヌ氏が遺していった『 Furtwängler / A Discography by René Trémine 』(ターラ・プロダクション1997年刊) A4版56ページの冊子。この中の「バイロイトの第九」(1951年7月29日バイロイト、祝祭歌劇場管弦楽団)の項の最後の行に次のような記述が― Bavarian Radio, Munich and Swedish Radio (archive LB 14784) 。バイエルン放送、ミュンヘン放送、そしてスウェーデン放送も放送していたというのです!★この1行の記述を頼りに、弊社では長年の付き合いがあるスウェーデン BIS のロベルト・フォン・バール会長に音源探しを依頼。そしてついに、見つかったのです!あのトレミヌ氏でさえも入手できずに、70年もの間スウェーデン放送局に眠っていた「バイロイトの第九」放送音源が。★バール氏も情熱を燃やして作業中のSACDハイブリッド盤「スウェーデン放送所蔵音源によるバイロイトの第9」に乞うご期待!』 | |||
「pomp-A-Dur」華麗なる イ長調 〜サロン・ミュージック集 |
ポンパドゥール・ サロン・アンサンブル | ||
「イ長調」と「A-Dur」をかけた「ポンパドール」=「華麗なるイ長調」アンサンブル。優雅で甘美なサロン・ミュージック。世紀末ウィーンの退廃的なカフェの雰囲気を再現したアルバム。 | |||
オルフェイ・ドレンガルのカプリース Vol.1 | エーリク・エーリクソン指揮 オルフェイ・ドレンガル男声cho. | ||
録音:1964年-1969年。 BISとしては極めて珍しい歴史的録音で、「合唱の神様」エーリクソンの指揮で行われた一連の「カプリース・コンサート」の記録。クラシックからポピュラーまでジャンルにとらわれずいろいろな合唱作品が取り上げられている。 | |||
バスーンナティクス ガーシュウィン: 3つの前奏曲/アイ・ガット・リズム ブラームス:8つのワルツ シベリウス: 「テンペスト」〜4つの楽章/ソナチネ嬰ヘ短調 アーン:3つの絵はがき クラーク:マドリガル モーツァルト:ジグ K574 アンダーソン:バスーン吹きの休日 デューク・エリントン:キャラバン レノン&マッカートニー:オー・ダーリン ストラヴィンスキー:タンゴ ウェルシュ:タンゴ ヴァイル:ユーカリ ピアソラ:タンゴ/ビル・ダグラス:アズーレ |
キャリバン・バスーン・クァルテット | ||
カナダから現れた驚異のバスーン(ファゴット)吹き4人。舌を巻くうまさ。 | |||
4本のファゴットの饗宴 ビル・ダグラス:饗宴/バナナ/ハイランド/スペインヘのファンク ジュエル/さらばストロムネス/イエスナビー・グラウンド アーヴィング・バーリン:ステッピン・アウト・ウィズ・マイ・ベイビー アストル・ピアソラ:タンゴ・メランコリコ レイモンド・スコット: 発電所/腹をすかした人喰い人種たちのディナー・ミュージック カナヴァン氏:移民の別れ マチュー・リュシエール:ヴァルスタンゴ・パッサンゴ マリアン・モゼチッチ:アメリカ頌歌 |
カリバン・ファゴットQ ビル・ダグラス(P) マルク・デュガン(Perc) ケイト・クロサン(ケルト歌唱) | ||
古楽器によるフランク・ザッパ作品集 ナイトスクール/ソファ/ブラック・ページ#2/ アンクル・ミート/イゴールのブギ/ ズート・アリュアース/ビック・スウィフティ/ ティマーシ・ドゥウィーン/外人の口/ ジ・イディオット・バスターズ・サン/RDNZL/ オレンジ・カウンティーのセガレ/ハリネズミの叫び/ インカ・ローズ/G.スポット・トルネード |
アンサンブル・ アンブロジウス | ||
ロック界にありながらあらゆる音楽分野のイディオムに精通した怪物として活躍し、すでに神格化された存在であるザッパの作品は、あのブーレーズに取り上げられたことをきっかけに、現代音楽、クラシック界においても無視できなくなったが、それにしても古楽器による演奏が出現するとは、さすがBISである。 | |||
女は天使じゃない リクスナー:スペイン行進曲 ヴィンクラー: 酒と女/ヴェローナ娘/キャンティ歌曲 グローテ:ハイとイイエ フォッセン:フリック・フラック ロシア民謡:黒い瞳/2つのギター ユマンズ:2人でお茶を ゲーゼ:ジェラシー/ドリオ:急いだ フーリッシュ:ティップ・トップ・ラグ ポーター:ワンダフル ミハロヴィチ:タンゴ・ヴァイオリン ドエーデ:白いライラックがまた咲くとき ワルター・コロ:男はみんな犯罪者 ザンダー:ジプシー・ヴァイオリン グルンヴァルト:マルギットのために バヤール:ミスター・サンドマン ショスタコーヴィチ:ワルツ第2番 |
「華麗なイ長調」アンサンブル | ||
女性だけで構成されるアンサンブルの新録音。ワルター・コロはテナー歌手ルネ・コロの祖父。 | |||
音楽! イーロ・ランタラ: タンゴ・オウ/ミシェル・ペトルチアーニへのワルツ/ ポルカのプロコ・タイプ/ カートザンの選択/ハートフィルムズ ヤーッコ・クーシスト:エリサ/スーパーブロンド ペッカ・クーシスト: スナック1/スナック2/スナック3 |
ヤーッコ・クーシスト (Vn、シンセサイザー) ペッカ・クーシスト (エレクトリックVn、 シンセサイザー) トイケアト・トリオ [イーロ・ランタラ(P) エーリク・ シーカサーリ(Cb) ラミ・エスケリネン (ドラムス)] アラン・スミシー (エレクトリックG) オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティso. | ||
クーシスト兄弟が日本でもすっかり有名になったヴァンスカ指揮ラハティso. とフィンランドを代表するジャズ・トリオと組んでキレたポップスを展開。フィンランドのタンゴもなかなかの味わい。クーシスト兄弟の作品もおしゃれ。 | |||
オルフェイ・ドレンガルの芸術 Vol.2 | エリク・エーリクソン指揮 オルフェイ・ドレンガル男声cho. | ||
録音:1970年-1975年。ライヴ。バーリンの「ホワイト・クリスマス」も演奏しているとのこと。 | |||
アルビノーニ: オーボエ協奏曲 ニ短調Op.9-2/ オーボエ協奏曲 ニ長調Op.7-6 J.S.バッハ: 「カンタータ第156番」〜シンフォニア 「復活祭オラトリオ」〜シンフォニア マルチェッロ:オーボエ協奏曲 ハ短調 ツィポリ(ヴィクトリア・ハント編):エレヴァツィオーネ チマローザ(ベンジャミン編):オーボエ協奏曲 |
ゴードン・ハント(Ob)指揮 ノールショビングso. | ||
これは楽しめるアルバム。バロック期の美しいオーボエ協奏曲ばかりが集められている。いずれもオーボエの官能性を追求したもので、最高の癒しの音楽でもある。 | |||
グンナル・イデンスタム: 大聖堂の音楽(オルガン独奏のための15楽章) [トッカータI/スケルツォ(ポルスカ)/アリアII/ ダンスII/トッカータII/行列/間奏曲/トッカータIV/ コラールII/トッカータIII/ファンファーレII/ スケルツォIII/ダンスIII/晩祷/讃歌II] |
グンナル・イデンスタム(Org) | ||
イデンスタムは1961年スウェーデンに生まれた異色のオルガニストで、トロンボーンのリンドベリとの共演や、バッハの作品集の録音(Opus111)も行っている。 ライヴではロックのテーマを基に即興しまくったりするイデンスタムはルックス的にもブッ飛んでしまったようで、当盤のジャケット写真では耳にピアス、首にチェーンというパンクなスタイルを披露。 内容もクラシックではなく、シンフォニック・ロック、アルゼンチン・タンゴ、キャット・スティーヴンス、ラップ・ヘヴィメタなどのイディオムで書かれている。 BISにしては珍しい8チャンネル・マルチトラック録音だが、これもクラシック扱いしていない証拠か? | |||
サブストリング・ブリッジ スティーヴ・ライヒ: エレクトリック・カウンターポイント(1987)/ リミックス/トリオ・エスコート/ エスコーティック・ジョイント 武満 徹:すべては薄明かりのなかに(1988) アンデシュ・ヒルボルイ: クローズ・アップ(1996)/リミックス オーケ・パルメルード: サブストリング・ブリッジ(1999) (ギターとコンピューターのための) アーネ・レートマン:ディプティーク(1993) マグヌス・フリクベルイ:クローズ・イナフ ユーハン・セデルクヴィスト:エピローグ(2000) +ボーナス・マルチメディア・トラック: サブストリング・ブリッジ |
マッツ・ ベルイストレム(G) | ||
アコースティックからエレキギターまでこなすスウェーデンの若手ベルイストレム。ジュリアード卒業の彼はこれから間違いなく名を成すであろう逸材。ボーナス・トラックとして映像付なのも興味深い。 | |||
マイ・ラヴ〜マレーナ・エルンマン ロッシーニ: 歌劇「セビリャの理髪師」〜今の歌声は ビゼー: 歌劇「カルメン」〜ハバネラとセギディーリャ ラヴェル: ハバネラ形式によるヴォカリーズ練習曲 ミシェル・ルグラン:思い出の夏 モーツァルト: 歌劇「フィガロの結婚」〜 [自分で自分がわからない/ 恋の悩みを知る者は]/ ラウラに寄せる夕べの思い シューベルト: 星/春に/野ばら/万霊節のための連祷 デューク・エリントン: ヘヴン/カム・サンデイ/ オールマイティ・ゴッド ニルス・リンドベリ:汝と並ばせたもうな ブー・ニルソン: マジョラムのワルツ/赤いヘスト/ そんな訳で実際電話を |
マレーナ・エルンマン(Ms) マッツ・ベリストレム(G) マグヌス・ リンドグレン(Fl、Cl) ハンス・バッケンロート(Cb) | ||
クラシックのみならずキャバレー・ソングやポップスまでこなし、「第2 のオッター」ともささやかれるスウェーデンの新星マレーナ・エルンマン。ここでも芸風の広さを 示している。ギターやコントラバスによる伴奏もしゃれていて、「BISも変わった」と思わせる。 | |||
もののけ姫〜米良美一ベスト 久石譲:もののけ姫 (ア・カペラ・ヴァージョン&ロング・ヴァージョン) ラフマニノフ:ヴォカリーズ ヘンデル:歌劇「リナルド」〜泣くがまま/ 歌劇「セルセ」〜オンブラ・マイ・フ ドヴォルザーク:わが母の教えたまいし歌 山田耕筰:曼珠沙華/赤とんぼ 團伊玖磨:子守歌/中田喜直:夜店の唄 早坂文雄:うぐいす/中山晋平:カチューシャの唄 高木東六:水色のワルツ/古賀政男:影をしたいて |
米良美一(CT) ジプリo. 現田茂夫指揮日本po. 鈴木雅明指揮 バッハ・コレギウム・ ジャパン 小倉貴久子(Fp)他 | ||
「もののけ姫」がついにBISから発売。そのア・カペラ版から古賀メロディまで盛りだくさん。 | |||
カプリス〜1976-1981 ロシア民謡(アルヴェーン編曲):カリンカ コール・ポーター:トゥルー・ラヴ ハロルド・アーレン:荒天 レハール、カールマン、他の作品(全21曲) |
エリク・ エーリクソン指揮 オルフェイ・ ドレンガル男声cho. | ||
合唱の神様と、スウェーデンのみならず世界を代表する男声合唱団によるライヴ集、カプリス・シリーズ第3作。 | |||
驚異のサクソフォン・オーケストラ スティーヴ・ライヒ: ニューヨーク・カウンターポイント(1985) グリーグ:ボルベルグ組曲 バッハ:フーガ ト長調 BWV.541 ジャン=ジョルジュ・カスネル:六重奏曲(1844) デンホフ:マッチ Op.90 |
ブルース・ワインベルガー指揮 ラシェル・サクソフォンo. | ||
サクソフォン・オーケストラとは驚きだが、11のクラリネットのために書かれた「ニューヨーク・カウンターポイント」、弦楽のための「ホルベルグ組曲」も違和感なく、 大人向きのサウンドになっている。 | |||
カプリス〜 オルフェイ・ドレンガルの芸術 Vol.4 ダニエルソン:合唱付き交響曲 パーセル、チャイコフスキー、ヴェルディ、 ビートルズ、ポール・アンカ、他の作品 グレゴリオ聖歌 |
エーリク・エーリクソン指揮 オルフェイ・ドレンガル (男声cho.) 他 | ||
録音:1982-1986年、ライヴ。 | |||
ヘンデル:ヴァイオリンソナタ イ長調 Op.1-3 シューベルト:ヴァイオリンソナチネ ニ長調 D.384 チャイコフスキー:感傷的なワルツ/ヴァルス・スケルツォ シベリウス:叙情的瞑想 Op.40より ペッテション=ベリエル:フレセの花々第1巻より ガーシュウィン:サマータイム ユーマンス:二人でお茶を ジェローム・カーン:イエスタディズ |
デュオ・ア・ピアチェーレ [ヨアキム・スヴェンへーデン(Vn) マッツ・ベリストレム(G)] | ||
録音:2001年8月、2002年2月、2003年8月、以上ヘムシェー教会、アリングソース、スウェーデン。 スウェーデン音楽界を代表するふたりの名手が楽しんで演奏・録音した軽いアルバム。いずれも編曲だが、しっとりとしたギターがよく合いBGMにも最適。ヘンデルから「二人でお茶を」まで、 一見雑多な演目も何ら違和感なく味わえる。なお「a piacere」はイタリア語で「随意に」とか「自由に」と言った意味で、代理店は「デュオ『ご随意に』」と紹介している。型番は通常のNLシリーズと同じだが、SACDハイブリッド仕様での発売。 | |||
本能のベース ムソルグスキー:展覧会の絵(*) シューマン:トロイメライ(#) ラフマニノフ:ヴォカリーズ(#) フォーレ:シシリエンヌ(#) ドビュッシー:小さな黒人(#) リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行(#) モンティ:チャルダーシュ(#) |
ラハティ交響楽団 チェロ&コントラバス・セクション | ||
録音:2002年4月、シベリウス・ホール、ラハティ、フィンランド(*)/2003年11月、ラハティ音楽専門学校カレヴィ・アホ・ホール、フィンランド(#) シベリウスの管弦楽曲のCDであの低音をしっかり支えていた名人集団、ラハティ交響楽団の低弦セクションがイーッカ・パッリの編曲による「展覧会の絵」ほかを演奏する仰天アルバム。 特に「熊蜂の飛行」の細かいパッセージは殺人的。全体としてはやはりこの力強い男性的なサウンドが魅力。 | |||
オルフェイ・ドレンガル〜カプリス Vol.5 バラ色の人生//ロック・アラウンド・ザ・ロック 他 |
バーバラ・ヘンドリックス(S) エーリク・エーリクソン、 ロベルト・スンド指揮 オルフェイ・ドレンガル男声cho. 他 | ||
合唱の神様エーリクソン率いるオルフェイ・ドレンガルの第5弾。多彩な内容なうえ、バーバラ・ヘンドリックスがゲスト出演しているのも豪華。 | |||
キャンドルライトがキャロルを歌う ヴェンネルベリ、ヴィデーン、アルヴェーン、シベリウス、 スヴェーリンク、プレトリウス、アダン、グルーバー、ゲーゼ、 メンデルスゾーン、ベニー・アンデション、他の作品 |
セシリア・リーディネル・アリン指揮 アルメンナ・ソンゲン(cho.) ウプサラco. | ||
スウェーデンを代表する合唱団によるクリスマス・ソング集。注目なのは元ABBAのメンバーだったベニー・アンデションの「朝やけ前」が入っていること。アバはスウェーデンで最も有名な音楽家といっても過言ではなく、BIS から作品がリリースされても不思議はない。 | |||
スンドの響き〜男声合唱編曲集 ラヴィアンローズ/ラ・クカラチャ/ ロンドンデリーの歌/ バークレー広場でナイチンゲールが鳴く/他 |
ロベルト・スンド指揮 オルフェイ・ドレンガル 男声cho/他 | ||
スウェーデンを代表する男声cho.オルフェイ・ドレンガル。力強くて透明なアンサンブルが魅力だが、ここでは世界各国でポピュラーな曲をスンドの編曲で披露している。聴きものは日本でもおなじみのメキシコ民謡「ラ・クカラチャ」。私達が通常聴くものとは随分印象が異なるが、こういう歌い方もなかなかオツ。 | |||
スウェーデン民衆のクリスマス グンナル・イデンスタム編: 聖しこの夜/主の道を用意せよ/ みどり児はこの日に生まれ/おおキリストの妻よ喜べ/ スタッファンの歌三章/処女は今日御子を産み/ 地上の平和/来たれ、エマヌエル |
ソフィア・カールソン、 エンマ・ヘルデリン(Vo) リサ・リドベリ(Vn) グンナル・ イデンスタム(Org) ゲイリー・グラーデン指揮 聖ヤコブ室内cho. | ||
スウェーデンの一般家庭で歌いつがれるクリスマス・ソングを集めたアルバム。アレンジを名オルガン奏者イデンスタムが担当、スウェーデンの郷土色あふれるユニークな世界を創りあげている。スウェーデンの若手トラッド・フォーク・シンガーとして注目されているソフィア・カールソンとエンマ・ヘルデリンがリード・ヴォーカルを務め、さらにデュルリュフレの「レクイエム」の心洗われるような無垢の合唱を聴かせた聖ヤコブ室内合唱団が強力なサポートをしているのも魅力。透明かつ素朴なこのアルバム。 |