コジマ録音
レーガー：クラリネット五重奏曲 イ長調 Op.146
山本 正治（Ｃｌ） 玉井 菜採、山田 麻実（Ｖｎ） 川崎 和憲（Ｖａ） 山崎 伸子（Ｖｃ）
清冽な美を湛えたモーツァルト、いぶし銀の光を放つレーガー、クラリネット五重奏の歴史に燦然と輝く２つの大作を聴く。モーツァルトが創始したと言われる「クラリネット＋弦楽四重奏」による五重奏の形態。この作品から120年先に位置するレーガーの作品でも、ドイツ音楽の伝統の上でクラリネットという楽器の多彩な魅力が引き出されている。日本クラリネット界の重鎮、山本正治を囲んで、弦楽器のトップアーティストが集結。重厚で深みを湛えたアンサンブルを繰り広げる。
柳瀬佐和子：Benedicere（祝福）
Ｊ．Ｓ．バッハ：フルートとオブリガード・
チェンバロのためのソナタ イ長調 BWV.1032
Ｇ．ショッカー：パ・ド・ドゥ〜ふたりの歩み
（フルート＆コントラバス版/
原曲：フルートとチェロのための）
Ｇ．チン：フルート、クラリネット、コントラバスと
ピアノのための「涙の泉・初雨」（委嘱作品）
Ｇ．ビゼー＝Ｆ．ボルヌ：カルメン幻想曲
川崎優：わすれな草/君を慕いて
Ｈ．Ｒ．ビショップ/柳瀬佐和子編曲：埴生の宿
（讃美歌第２編148番「父なる神の授けましし」）
黒人霊歌/柳瀬佐和子編曲：
深い河を越えて（讃美歌第２編175番）
柳瀬 洋（Ｃｌ）
石川 滋（Ｃｂ）
藤井 一興（Ｐ）
フルーティスト紫園香（しおんかおり）の最新アルバム。藤井一興ら実力者が脇を固め、バッハのソナタから個性あふれる現代作品、なじみ深い讃美歌まで多彩に収録。本邦初となるＧ．チン「涙の泉」「初雨」は、聖書の詩編をもとにした一対の楽章作品。澄みわたるフルートの音色を中心に、めずらしい楽器編成で展開される音の綾からは、豊かなアンサンブルの妙がたちのぼる。全編を通じて聴き手をおだやかな安らぎへといざなう一枚。
林光：裸の島(*)/魚のいない水族館（詩：佐藤信）(*)/波紋/あばよ上海（詩：佐藤信）(*)
２つのギターのためのエチュード/三十五億年のサーカス（詩：佐藤信）(*)/
ファンタジア JOHANN SEBASTIAN・・・２ (*)
Ｆ．Ｇ．ロルカ採譜：「スペイン民謡集」より（Ｖ．Ｇ．ベラスコ編/濱田滋郎訳)
〔アンダ・ハレオ/セビージャの子守歌/チニータスのカフェ〕
林光：メメント〜Ｆ．Ｇ．ロルカを追憶して/
パリ1923 〜〔朝/オーギュスト・ブランキ通り/獄中の思索/イーゴリ/フランシス/
ペール・ラシェーズの墓地/ミラボー橋/エピローグ〕
姫田 大（Ｆｌ） ヴィム・ホーグヴェルフ（Ｇ） 新井 純（歌/朗読）
マーシャル・フォルテピアノによる〜シューベルト：
音楽に寄す D.547/ます D.550/きみは憩い D.776/
魔王D.328/ピアノ・ソナタ イ長調 D.664/
ピアノ五重奏曲 イ長調 D.667 Op.114「ます」
畑 儀文（Ｔ）
桐山 建志（Ｖｎ）
長岡 聡季（Ｖａ）
花崎 薫（Ｖｃ）
笠原 勝二（Ｃｂ）
「浜松市楽器博物館コレクションシリーズ27」は、シリーズ初登場となるマーシャル・ピアノでのシューベルト作品集。歌曲、ピアノ・ソロ、ピアノ五重奏曲を多彩な編成で愛すべきピアノの魅力に迫り、寛ぎに満ちた「シューベルティアーデ」のひとときを再現する。当シリーズでおなじみのメンバーによるのびやかな演奏も魅力。
カメラータ・トウキョウ
マズルカ ヘ長調（遺作）/マズルカ 変ロ短調（遺作）/
10のマズルカOp.3〔ロ短調/嬰ヘ短調/ト短調/ホ長調/嬰ニ短調/嬰ハ短調/ホ短調/変ロ短調/嬰ト短調/変ホ短調/
９つのマズルカOp.25〔ヘ短調/ハ長調/ホ短調/ホ長調/嬰ハ短調/嬰ヘ長調/嬰ヘ短調/ロ長調/変ホ短調〕/
２つのマズルカOp.40〔変ニ長調/嬰ヘ長調〕
ボリス・ベクテレフ（Ｐ）
スクリャービンがほぼ生涯を通じて作曲し続けたジャンル、マズルカの全集。ショパンの影響を感じる若き日の作品から、少しずつ神秘性を漂わせていく中期から後期の作品まで、まさにスクリャービンの足跡をたどるアルバム。叙情性と神秘性にあふれるスクリャービンの世界をたっぷりとお聴き頂きたい。
ボリス・ベクテレフ（Ｐ）音楽一家に生まれ、5歳で音楽を志し、モスクワのグネシン音楽院で教育を受け、卒業に際して功労賞を授与された。モスクワのチャイコフスキー音楽院ではＪ．ミルシテイン氏に師事し優秀な成績で学位を修めた。1970年、ソヴィエト・ピアニスト・コンクールで1位となり、ソリストとして、またヴァイオリニストのウラディーミル・スピヴァコフをパートナーとしてコンサート活動を開始。旧ソ連、ウィーン、ローマ、ミラノ、ニューヨーク、日本をはじめ各国の著名なコンサート・ホールで演奏。
レパートリーはバロックから古典派、ロマン派、フランス印象派、近・現代、そして母国ロシアの作曲家たちの作品。旧ソ連の多くのオーケストラやヴィルトゥオーゾ・オブ・モスクワなどの室内楽団、英国室内楽団、フランツ・リスト室内楽団、プラハ室内楽団などとも共演を重ねた。
1972年から86年にかけてモスクワ音楽院で教鞭をとり、フランスのトゥール国際アカデミーでも4年にわたり上級クラスを指導した。1987年から1996年までイタリアに移住し、ヴァイオリンのボリス・ベルキンやウート・ウーギ、フルートのマクサンス・ラリューなどと競演する傍ら、多くのマスター・クラスで後進の育成に努めた。また数年間はヴァイオリニストのフェリーチェ・クサーノ、チェリストのスーザン・モーゼスと共に“トリオ・セザール・フランク "のメンバーとしてコンサート活動を行った。現在も、数々の国際コンクールに常任審査員として招かれている。
アルバムはロシアのメロディアおよびイギリスのEMI、イタリアのフェニックス・クラシックスなどから発売され、カメラータからは4タイトルが発売されている。
1996年以降、日本に住み、神戸女学院大学と武庫川女子大学で教授として指導にあたる傍ら、日本やその他諸外国の著名な演奏家とともにリサイタルや室内楽などの演奏活動を行っている。
ニルス・ヴィルヘルム・ゲーダ：ピアノ三重奏のためのノヴェレッテOp.29(*)
ピーダ・アーノル・ハイセ： チェロとピアノのためのソナタ イ短調
ニルス・ヴィルヘルム・ゲーダ：ピアノ三重奏曲 Op.42(*)
クリストフ・コンツ（Ｖｎ;*） ヨァゲン・フォゥグ（Ｖｃ） フォゥグ・浦田陽子（Ｐ）
２人のデンマーク人作曲家の作品。メンデルスゾーンの後継者としても活躍し、またグリーグやニルセンも弟子にもつニルス・ヴィルヘルム・ゲーダ。まさにロマン派の極みともいえるゲーダの作品は、優雅な中にも憂いを漂わせる珠玉の作品ばかり。本CDでは、ゲーダのピアノ三重奏曲を２曲、さらに同郷のハイセによるチェロ・ソナタをカップリング。デンマーク・ロマン派の音楽を存分にお聴きいただける、貴重な１枚。
クリストフ・コンツ（Ｖｎ）：2008年よりVPOおよびウィーン国立歌劇場o.の第2ヴァイオリン首席奏者を務める。1987年、ハンガリー系オーストリア人の音楽一家に生まれる。4歳でヴァイオリンを習い始める。1993年、ウィーン国立音楽演劇大学準備科への入学が認められ、ユージニア・ポラチェクとヨゼフ・ヘルに師事。2008年、モーツァルテウム音楽院でイゴール・オジムに師事。12歳の時に、シャルル・デュトワ指揮モントリオールso.との共演でデビュー。室内楽の演奏活動も積極的に行っており、2003年にはヨーロッパ・ユース音楽賞で、「コンツ・ピアノ三重奏団」の創設メンバーとして受賞。兄であるチェロ奏者、シュテファン・コンツとともに室内楽の演奏活動も行っている。1997年、第72回アカデミー賞音楽賞受賞作品、カナダ制作映画『レッド・ヴァイオリン』に俳優として出演。使用楽器は、1762年製ジュゼッペ・ガリアーノで、VPOより貸与されている。
弦楽四重奏曲全集Vol.6（完結編）
〔第11番 ヘ短調 Op.95/第13番 変ロ長調 Op.130、133/
大フーガ 変ロ長調 Op.133/第15番 イ短調 Op.132/
第16番 ヘ長調 Op.135〕
［ウェイガン・リ、
イーウェン・ジャン（Ｖｎ）
ホンガン・リ（Ｖａ）
ニコラス・
ツァヴァラス（Ｖｃ）］
2005年よりスタートした上海クァルテットの「ベートーヴェン：弦楽四重奏曲全曲収録プロジェクト」がついに完結する。プロジェクト終結を飾るのは、完結記念盤にふさわしく、後期の名作５作品を豪華２枚組みでお届けする。このプロジェクトを通じ、弦楽四重奏団としての技量をさらに高めた上海クァルテット。今後のさらなる躍進を期待させる迫力の演奏。
上海クァルテット：1983年に上海音楽院で結成され、これまでに世界的に著名な音楽家と数々の共演を果たし、欧米、アジアの主要音楽都市で演奏会を行ってきた。近年では、ヨーロッパ、日本、中国、オーストラリア、ニュージーランドへの演奏旅行を行っている。
ニューヨークのカーネギー・ホールをはじめ、世界の主要なコンサートホールや音楽祭に出演を重ねている。2008/09年の上海クァルテットの結成25周年を記念するシーズンにはラヴィニア、タングルウッド、オタワなどの国際音楽祭、メトロポリタン美術館、レジデンスとしてサンタフェ室内楽音楽祭、オレゴン・バッハ音楽祭などにも出演。ペンデレツキ、チェン・イ、ディック・ハイマン、ヴィヴィアン・ファングという３つの異なる大陸の作曲家の作品の世界初演。2008年5月には、チェン・イ作曲の「From the Path of Beauty」を男性コーラス・グループのシャンティクリアとサンフランシスコで初演、さらにアジア初演を中国で行った。
様々なメディア・プロジェクトにも参加しており、ウッディ・アレンの映画「メリンダとメリンダ」では、バルトークの第４番を演奏、またPBSテレビのグレート・パフォーマンス・シリーズにも出演している。第１ヴァイオリンのウェイガン・リはドキュメンタリー「毛沢東からモーツァルトまで：中国のアイザック・スターン」に出演。チェロのニコラス・ツァバラスの家族を題材にした映画「ミュージック・オブ・ハート」（メリル・ストリープ主演）はクラシック・ファンのみならず多くの人の共感を得た。
最近では、シューマンとドヴォルザークのピアノ五重奏曲をルドルフ・ブッフビンダーと録音、その他、ゾウ・ロン作曲のクァルテットとオーケストラのための「Poems From Tang」をシンガポールso.と録音（BIS）。2003年にリリースした『CHINASONG』（DELOS）には、第２ヴァイオリンのイーウェン・ジャンが文化革命時代の子供の頃の思い出の曲をアレンジした24曲が収録されており、大ヒットを記録。2005年からカメラータ・トウキョウでベートーヴェン全曲録音プロジェクトをスタートさせ、今回のアルバムで全曲が完結する。
現在、ニュージャージー州モンクレア州立大学のクァルテット・イン・レジデンスとして、また上海音楽院と北京中央音楽院の客演教授として後進の指導にもあたっている。
シュポア：幻想曲 ハ短調 Op.35/
「Je suis encore dans mon printems」によるハープのための変奏曲 Op.36
Ｊ．Ｓ．バッハ/マリー＝クレール・ジャメ編曲：
組曲第１番 変ホ長調 BWV996（原曲：リュート組曲第１番 BWV996）
ハイドン：主題と変奏 ハ長調 Hob.XVII; 第５番
Ｐ．Ｍ．ハメル：ハープのための小品(1980) / ヒンデミット：ハープのためのソナタ
マルギット＝アナ・シュース（Ｈｐ）
音楽が時代を越えて語るべき内容は何か、それをどのようにしてハープで実際に演奏できるか、ということがこのアルバムのコンセプト。オリジナル・ハープ作品からアレンジ作品まで、ハープの魅力、そして音楽の偉大さをハープで伝えられる作品を選曲した。バッハからハイドン、シュポア、ヒンデミット、そして現代作曲家、ハメルまで、時代を越えたドイツ人作曲家たちの名作が、美しいハープの音色とともに奏でられる。ドイツの作曲家を皮切りに、今後はフランスやイタリア、イギリスなどの作曲家も同様に収録予定。時代を越えたハープ作品を堪能するシリーズ第１弾となる必聴音源。
マルギット＝アナ・シュース（Ｈｐ）：ミュンヘン生まれ。ランヒルド・コップにハープの手ほどきを受ける。ウルスラ・レントロート教授のマスタークラスで国家演奏家資格を取得。その後、パリのピエール・ジャメのマスター・クラスで学ぶ。20歳で北ドイツ放送so.の首席ハープ奏者就任。ホルスト・シュタイン指揮バンベルクso.で客演ハープ奏者を5年間務める。その後、BPOで常勤の客演ハープ奏者を10年間務める。ザルツブルク復活祭音楽祭にBPOとともに21年間にわたり客演。
ソリストとして、クラウディオ・アバド指揮BPO、エマニュエル・クリヴィヌ指揮・国立リヨンo.、デイヴィッド・シャローン指揮・エルサレムso.と共演。さらにジェイムズ・ゴールウェイとハイルブロン室内o.、エマニュエル・パユとフランツ・リストo.、ハンスイェルク・シェレンベルガーとテネリフェso.など多数出演。
シベリウス音楽院や東京藝術大学ほかでマスタークラスを開催。2010年よりスロヴェニアのマリボル大学で教授を務める。
ドイツ・グラモフォン、ソニー・クラシカル、デンオン、カンパネラの各レーベルで多数のCDを録音。
カメラータ・レーベルが過去にリリースした管楽器の名盤をお求め安い価格で再発売するシリーズ。世界的なヴィルトゥオーゾたちの往年の名演や貴重音源、名手たちの共演など、必聴のCDばかりを取り揃えた。色あせることのない多彩な管楽器の音色をお楽しみ頂きたい。
Ｃ．Ｐ．Ｅ．バッハ：
無伴奏フルート・ソナタ イ短調 Wq.132, H.562(*)
ビゼー/ボルン編曲：カルメン幻想曲(#)
Ｐ．Ａ．ジュナン：ヴェニスの謝肉祭 Op.14(#)
カゼッラ：シシリエンヌとブルレスク(#)
エネスク：カンタービレとプレスト(#)
ブーレーズ：
「…エクスプロザント＝フィクス…」より(*)
クリスティアーネ・
ニコレ（Ｆｌ;#）
ヤンカ・ヴィッテンバッハ（Ｐ;#）
ロマン派から現代作品までを展望 フルート音楽の精髄！ フルートの巨匠、オーレル・ニコレの1992年草津音楽祭での名演、そしてクリスティアーネ・ニコレによるポピュラー・ピースを収録した本作。ロマン派から現代作品まで、すべてのフルート・ファン必聴の名盤。
フルート協奏曲 ニ長調 Op.61
（原曲：ヴァイオリン協奏曲）
Ｆ．シュヴィンドル：フルート協奏曲 ニ長調
ステュアート・ベッドフォード指揮
イギリス室内o.
イギリスを代表するフルート奏者ウィリアム・ベネット。高度なテクニックと正確無比な音程、そして叙情溢れる歌心でベートーヴェンの傑作、ヴァイオリン協奏曲を完璧なフルート協奏曲として蘇えらせた。
クラリネット協奏曲第３番 変ロ長調/
クラリネットとファゴットのための
協奏曲 変ロ長調(*)/
クラリネット協奏曲 変ホ長調
馬込勇（Ｆｇ;*）
クラウディウス・
トラウンフェルナー指揮
ウィーン室内po.
モーツァルトをはじめ多くの作曲家に多大なる影響を与えた、マンハイム楽派を代表する偉大な作曲家シュターミッツを再考、その再認識に寄与した名盤。中でも人気の高いクラリネット作品を名手フォーコンプレが豊かな音色、自然体の演奏で聴かせる。
オーボエ・ソナタ(1938)(*)/
クラリネット・ソナタ(1939)(#)/
イングリッシュ・ホルン・ソナタ(1941)(+)/
フルート・ソナタ(1936)(**)
（Ｏｂ;*/イングリッシュＨｒ;+）
カレ・ランダル（Ｐ;*/+）
カール・ライスター（Ｃｌ;#）
フェレンツ・ボーグナー（Ｐ;#）
バーバラ・
ギスラー＝ハーゼ（Ｆｌ;**）
森美加（Ｐ;**）
1995年に生誕100年を迎えたヒンデミットを祝し、ライスター、インデアミューレをはじめとした名手たちが集って録音したもの。楽器の魅力を最大限に発揮させたヒンデミット作品の魅力が詰まった名盤。
ゴセック/アルメイダ編曲：タンブーラン(*)
パガニーニ：カンタービレ ニ長調 Op.17(*)
ロドリーゴ：はるかなるサラバンド
ラヴェル/アルメイダ編曲
ハバネラ形式の小品(*)
ファリャ：ドビュッシー讃歌
イベール：間奏曲(*)
ダウランド：ファンタジー
パガニーニ：協奏的ソナタ イ長調(*)
ジュリアーニ：大ソナタ イ長調 Op.85(*)
カタルーニャ民謡/リョベト編曲：聖母の御子
鈴木一郎（Ｇ）
フランスを代表するフルートの名手マクサンス・ラリュー、そして世界を舞台に活躍するギタリスト、鈴木一郎。気心の知れた２人の名手による音楽の対話。高い技術はもとより、聴き手に音楽の楽しさを伝えるまさに理想的なデュオ。
ＦＯＮＴＥＣ
2533-3298は、レーベルで長期品切だった商品の再プレス（全点当店未案内）。発売から15年程度経っているものばかりなので、この機会をお見逃し無く。グリーグ：叙情組曲 Op.54/二つの悲しい旋律 Op.34
シベリウス： 二つの荘重な旋律 Op.77(*)/
交響詩「ポヒヨラの娘」Op.49/
交響詩「夜の騎行と日の出」Op.55/
アンダンテ・フェスティヴォ
札幌so.
石川祐支（Ｖｃ;*）
北の大地から新たに発信するシベリウス＆グリーグ。前作「北欧音楽の新伝説」（FOCD-9434）、その清新な響きは圧倒的な賛辞で迎えられた。シリーズ第二弾となる本CDは、尾高忠明/札響の本拠地におけるセッション収録。首席チェロ奏者、石川祐支が妙技を聴かせる秘曲を含む「新伝説２」。北欧音楽の知られざる奥行きと魅力に溢れる名盤の登場。
交響曲第２番 ニ長調 Op.43/悲しきワルツOp.44
広島so.
秋山和慶/広島so.によるセッション録音第３弾。前作「ラフマニノフ：交響曲第２番」（FOCD-9451）は各紙誌で絶賛され、大きな話題となった。広島so.は、1984年に渡邊曉雄が音楽監督・常任指揮者に就任。シベリウスは同団にとってかけがえのないレパートリーのひとつ。1998年には秋山和慶が首席指揮者・ミュージックアドバイザーに就任し、2004年から音楽監督・常任指揮者を務める秋山の棒のもと、国際平和都市広島から音楽に「平和の願いと祈り」を託し、世界へ向けて発信する。
ヴァイオリンクァルテット
テレマン：４つのヴァイオリンのための
協奏曲 ト長調 TWV.10：201
モーツァルト/木村 三穂子編：「魔笛」より
キルヒナー：「エッコヴェネツィアーノ」
４つのヴァイオリンのためのエレジー
ダンクラ：４つのヴァイオリンのための
８つのヴァリエーションOp.161
ラハナー：
４つのヴァイオリンのためのクァルテットOp.107
クフコヴィッチ：４つのヴァイオリンのための
「ローエングリュン・ヴァリエーション」
バチェヴィチ：
４つのヴァイオリンのためのクァルテット
ハルトーク（第１Ｖｎ）
ミヒャエル・
フレンツェル（第２Ｖｎ）
ウルフ・
クラウゼニッツァー（第３Ｖｎ）
眞峰紀一郎（第４Ｖｎ）
ドイツの名門オーケストラに在籍し、長年バイロイト音楽祭に参加している４人のヴァイオリン奏者によって結成されたＢＦＶＱ。第１ヴァイオリンのベルンハルト・ハルトークは、同音楽祭でコンサートマスターを務めている。ヴァイオリンのみとは信じられない重厚感溢れるサウンド、そして官能感溢れる眩い高音のアンサンブルは、「小さなオーケストラ」その物。大成功をおさめた2009年来日時のライヴ録音。
シューベルト：泉に寄せて D.530/ギリシャの神々 D.677b/泉のほとりの若者 D.300/
春の想い D.686b/夕映えの中で D.799
ワーグナー：ヴェーゼンドンク歌曲集
Ｒ．シュトラウス：
私の想いのすべて Op.21-1/君は心の冠 Op.21-2/ダリアOp.10-4/
私の心は黙り、冷たい Op.19-6/二人の秘密をなぜ隠すの Op.19-4/明日Op.27-4
マーラー：リュッケルトの詩による歌曲集
藤村実穂子（Ｍｓ） ロジャー・ヴィニョーレス（Ｐ）
ヨーロッパをはじめ世界各国を席巻し「現在最高のメゾ」と賞される藤村実穂子。ミラノ、バイロイト、ウィーン、ミュンヘンなど名だたる歌劇場に出演し、オペラ歌手として国際的なキャリアを確立した今も「歌曲こそ私の原点」を語っている。多忙なスケジュールの間隙をぬい、本人の強い希望によって実現した2009年の日本公演。ドイツ歌曲によるリサイタル・ライヴを収録した。音楽に対する真摯な姿勢と類い希なる才能。「現在最高のメゾ」の初ソロCD。
セザール・フランク：コラール第１番 ホ長調(1890)
アンリエット・ピュイグ＝ロジェ(1910-1992)：
聖週間の嘆き〜スペイン風瞑想(1949)/
２つの祈り(1934)
シャルル・トゥルヌミール：
「過越のいけにえ」によるコラール即興曲(1930)
オリヴィエ・メシアン：「キリストの昇天」(1934)
〜II 天国を望む魂の清らかなアレルヤ
マルセル・デュプレ：
ノエルによる変奏曲 Op.20 (1922)
ピュイグ＝ロジェは、作曲家、ピアニスト、オルガニスト、教育者の他にも多くの仕事をなし得た「完全な音楽家」として知られているが、残念ながら作曲家としての一面はあまり知られていない。本CDは2010年で生誕100年を迎える、ピュイグ＝ロジェの作曲家としての側面に注目。選曲はセザール・フランク、マルセル・デュプレという大家の作品の間に、同時代のピョイグ＝ロジェ、トゥルヌミール、メシアンの作品が置かれ、構成感ある配列となっており、1930-40年代のパリの音楽界の活況を大いに感じることが出来る。ピュイグ＝ロジェの弟子であり、パリで研鑽を積んだ坂戸真美の演奏は、各々の曲の魅力を最大限に引き出している。
プレリュードとフーガ第１番 ハ長調/
フランス風序曲/
プレリュードとフーガ第９番 ホ長調
ゴルトベルク変奏曲（FOCD-20061）に続く、鈴木理賀のバッハ作品集第２弾。今回は「クラヴィーア練習曲集」の中からイタリア協奏曲（カデンツァ注：と記載されているが、曲目一覧には記載が無い）とフランス風序曲を中心に、前後を「平均律クラヴィーア曲集」から選曲、バッハの多彩な面を印象づける凝った選曲。また、使用楽器はブルース・ケネディによるミートケのレプリカで、素晴らしい楽器と多くの演奏家が認めている。鈴木の端正で伸びやかな演奏は、派手さや新奇さとは無縁だが、聞くものをとらえて離さない魅力に溢れている。
シューマンはユーゲントアルバムの出版に際し、多くの小品を作ったが、その全てが収められたわけではない。本CDで使用された、シューマン生誕200年に向けてヘンレ社から出版された再校訂版「こどものためのアルバム」には、初版に収められていなかった曲や、版を重ね、改訂される過程で抜け落ちた曲全てが収められている。石井晶子はピアニストとして、多くのコンクールに入賞するのみならず、長らくピアノ指導者として多くの後人を育ててきた。本録音では石井の教育者としての視点が活かされている。新ヘンレ版による希少な録音をお聞き頂きたい。
高野本巻第一「祇園精舎」〜壱越調 品玄［長谷川景光（龍笛）］
高野本巻第三「大臣流罪」〜返風香調 石上流泉/秘曲［佐野龍子（楽琵琶）］
高野本巻第四「厳島御幸」〜沙陀調 新楽乱声［長谷川景光（龍笛）］
高野本巻第六「小督」〜平調 想夫恋 管弦/高野本巻第六「嗄声」〜大食調 賛王恩 管弦
延慶本第五本（巻第九「敦盛最後」）〜黄鐘調 啄木/高麗篳篥秘曲［長谷川景光（大篳篥）］
高野本巻第十「千手前」〜平調 皇じょう急［長谷川景光（龍笛）、佐野龍子（楽琵琶）］
高野本巻第十「熊野参詣」〜盤渉調 青海波 管弦
高野本巻第十一「鏡」〜御神楽 弓立 神楽歌［長谷川景光（神楽笛）、米澤茉莉佳（和琴）］
長谷川景光（龍笛/大篳篥） 橋本薫明（笙）
平安楽舎［龍笛/大篳篥/楽琵琶/楽箏/鞨鼓/坐太鼓/鉦鼓］ 磯浦康二（朗読）
平家物語が成立したのは平家が滅亡した1185年以後であり、一説には1190年から1218年の約30年の間とも言われている。平家物語には雅楽の曲名が多く登場し、そのいずれもが名場面に花を添える形をなっている。このアルバムでは平家物語の短い朗読があり、続いてその場面に登場する雅楽曲を収録した。また演奏は平安時代の楽譜を使い、楽譜に記された編成を忠実に再現している。長谷川の真摯な研究と素晴らしい演奏には、まるで平家物語の世界に引き込まれるような魅力がある。
〔第１番/２番〕
マリア・プリンツ（Ｐ）
ムソルグスキー：「子供部屋」より〔乳母と/隅で/かぶと虫/お人形と/眠りの前に/棒の馬にのって〕
ヴォルフ：「スペイン歌曲集」より〔わたしの髪のかげで/進軍のラッパが鳴っている〕/
「メーリケ歌曲集」より〔捨てられた娘/もう春だ〕/
「イタリア歌曲集」より〔あなたの家がガラスのように/ペンナにわたしの恋人がいる〕
ヘルツィゴニア：私は高い空を見あげる / パヴチッチ：子守歌 / ミロイェヴィッチ：鐘
オブラドヴィッチ：連作歌曲「カルシツァ」 / ファリャ：七つのスペイン民謡
モンサルヴァージェ：黒人の歌 / グリーディ：あなたのはしばみの実は欲しくない
バルブェルデ：カーネーション / グァスタビーノ：バラと柳 / オブラドルス：エル・ヴィート
オリヴェラ・ミリャコヴィチ（Ｓ） パウル・ズィンガー（Ｐ）
ルーセル：
木管五重奏とピアノのためのディヴェルティメント
ミヨー：組曲「ルネ王の炉辺」
ダマーズ：17のヴァリエーションOp.22
イベール：３つの断章
［フランソワ・ローラン（Ｆｌ）
クリスティアン・フージュル（Ｏｂ）
生島繁（Ｃｌ）
ダニエル・ドール（Ｈｒ）
クリストフ・ヴィヴィエス（Ｆｇ）
藤井一興（Ｐ）］
ベートーヴェン：六重奏曲 変ホ長調(*)
ロッシーニ：チェロとコントラバスのための二重奏曲
モーツァルト：
ディヴェルティメント第17番 ニ長調 K.334
ＷＯＮＤＥＲＬＡＮＤ ＲＥＣＯＲＤＳ
O Come O Come Emmanuel/Carol of the bells/Angels we ha ve heard on high〜Hark! The herald angels sing/
We wish you a Merry Christmas/Gaudete!/O Little Town of Bethlehem/Come Oh Jesus/Oh Holy Night/
Deck the hall/Gabriel 's message/God rest ye merry gentlemen/Sing Joy!/Sing Noel/
まきびとひつじを/プチパパノエル/聖フランシスの祈りのうた/Girl/ホワイトナイト
リトルキャロル
2006年にファーストアルバム「Little Carol ~The Christmas Album~」を発売してからはや４年。親子で楽しめる数々のクリスマスソングを収録した待望のセカンド・アルバムが発売。世代を超えて愛されている名曲「We wish you a Merry Christmas」「まきびとひつじを」などに加え、リトルキャロルのスタンダードナンバーのひとつである「Carol of the Bells」や、久石譲作曲の「ホワイトナイト」（作詞：リトルキャロルのメンバー）も収録。
リトルキャロル [Little Carol]：1996年、NHK東京放送児童合唱団（現NHK 東京児童合唱団）の卒団生により結成。児童合唱でも女声合唱でもない、ポップスとクラシックが融合した独自の世界を築いている。久石譲＆新日本フィル・ワールド・ドリームo.「12月の恋人たち」(2005年）に出演、神秘的な美しい歌声が評判となる。また、日本ユニセフ協会主催のチャリティーイベント「ハンド・イン・ハンド」など、出演多数。ファーストアルバム「Little Carol ~The Christmas Album~」のほか、韓国大河ドラマ「太王四神記」のサウンドトラックや、「崖の上のポニョイメージアルバム」の「いもうと達」、DAISHI DANCE 3rd Album「Spectacle.」に参加、注目のコーラスグループ。
オフィシャルWEB サイト： http://www.littlecarol.com/
ＫＩＩ
Ｊ．Ｓ．バッハ：ゴルトベルク変奏曲 BWV988
『もしあの世が存在するのなら、私はグールドに会いたいと思います。彼はいつでも私の偉大なヒーローでしたから。しかし、私が再録したのは、グールドが1981 年に考えたのと同じ理由があったからです』（セルゲイ・シェプキン/解説より）
全く新しい解釈で聴衆を驚嘆させた衝撃の初来日の一年後、シェプキンは13年振りにゴルトベルク変奏曲を再録音。多彩な装飾音、生気に満ちた演奏は変わらずに、新たな解釈を加え音楽に一層深みを与えた充実の演奏となった。今回もすべてのリピート（アリア・ダ・カーポ以外）を繰り返しているが、シェプキン自身はこの作品の複雑な素材に「ニ度生きる」機会を与え、より宇宙的な広がりを加えたと語っている。1995年の最初の録音以降、何度も演奏し、その中で変化していった解釈を知識、想像、センスを用い新たなゴルトベルク変奏曲を世に放つ。
セルゲイ・シェプキン：ロシアのサンクトペテルブルク生まれ。サンクトペテルブルク音楽院で、アレクサンドラ・ジュコーフスキー、グリゴリー・ソコロフ、アレクサンダー・イカレフにピアノを師事し、1985年に最優等で卒業。1990年にアメリカに渡り、ボストンに移住。ニューイングランド音楽院でラッセル・シャーマンのもとでさらに研鑽を積み、1992年に演奏ディプロマを、1999年には音楽芸術博士号を取得。1994年から1998年には伝説的なフランス系アメリカ人ピアニストのポール・ドグローに師事。現在、ニューイングランド音楽院の予備校及び継続教育部門教員およびピッツバーグのカーネギーメロン大学ピアノ科准教授。
2007年に東京のすみだトリフォニーホールでバッハのゴルトベルク変奏曲を演奏し、日本デビューを果たした。以来、彼は毎年同ホールで演奏している。また京都コンサートホール、札幌コンサートホールKitaraでもリサイタルを行う。1993年にカーネギー・ホールのワイル・リサイタル・ホールにてニューヨーク・デビュー。その後アメリカ内外の主要会場や多くのコンサートシリーズに出演している。
ニューヨーク・タイムズ紙は彼を「ロマンティックな扇動者」、「称賛すべきブラームス愛好者」と呼び、ニューヨーク・サン紙は、彼がニューヨークのバージミュージックで演奏したムソルグスキーの「展覧会の絵」を2004年のベスト・パフォーマンスの一つと絶賛した。ボストン・グローブ紙は、シェプキンは「非凡で、唯一無二の才能と誠実さをもったアーティストであり、多様性に富んだアプローチと洞察力とをまとめあげている」と述べている。またミュージックウェブ・インターナショナルの最近のレビューでは、シェプキンの演奏を「衰えを知らない演奏」と評している。
マルセル・ポート：出発進行 / アルカン：鉄道 Op.27
ロッシーニ：楽しい汽車の小旅行 / ラフ：汽車旅行 Op.160-2(*)
ボルトキェヴィチ：元気でね Op.21-2/発車 Op.21-4 / ニーマン：鉄道に乗って Op.36-8
オタカル・シーン：鉄道で / ヴェールリ：鉄道で Op.17-2
ブルクハルト：鉄道に乗って / セレーニ：轟音通過 / デシェヴォフ：線路 Op.16
イジー・パウエル：電話線の音楽
ハンゼルマン：３つの鉄道小品〔蒸気機関車ティガーリ/オリエント急行/ミカド1244型〕
デッサウ：小列車 / クシェネク：流線形列車 Op.83-7
ミヨー：「青い列車」〜雌鶏とスケコマシの合唱 / プーランク：鉄道で
オネゲル：豆汽車 / マルティヌー：幽霊列車
オネゲル：パシフィック231（作曲者自編による連弾版;*）
ブレスゲン：野ざらし廃車両の歌 / イェジャーベク：ケーブルカー
ガルシチャ：列車内で Op.5-2 / スリーマ・ストラヴィンスキー：機関車
トーマス＝ミフネ：小機関車(*) / ハンゼルマン：鉄道ソナチネ
イェルク・ハンゼルマン（Ｐ） ザンドラ・ハンゼルマン（Ｐ連弾;*）
世の鉄道ファンを狂喜させ、大きな反響を呼んだ「鉄オタクラシック〜オーケストラ編」(HANSSLER 93-187/国内仕様盤：KKC-5080)〔廃盤〕。お待たせの続編登場。今回は古今の作曲家が鉄道を題材にしたピアノ曲集。
超絶技巧の要求されるアルカン、途中で脱線して葬式になってしまうロッシーニの作品は割と有名だが、ヴァイオリン曲「カヴァティーナ」で知られるラフや小川典子が録音した組曲「日本」の作曲者ヴァルター・ニーマンに鉄道作品があるとは驚き。さらにロシア・アヴァンギャルドのデシェヴォフの未来派風なものやクシェネクの十二音作品、さらにチェリストのトーマス＝ミフネからストラヴィンスキーの令息スリーマまで仰天の作品が並ぶ。そのすべてがオリジナル作品なのだからこれまたビックリ。
いずれも快速に進む汽車を表現するため、トッカータ風音楽となっているが、非常にピアノ向きで、技巧的な指さばきと迫力が楽しめると同時に、作曲者の母国であるヨーロッパ各国ならではの民族色も現れていて興味津々。
これらを演奏するルクセンブルクのピアニスト、イェルク・ハンゼルマンは、ベルン音楽院で学んだ後、ケントナーやホルショフスキにも師事した実力派。アルカンの「鉄道」で見せる曖昧さのない強靭なテクニックの持ち主。同時に強度の鉄オタで、収録曲はすべて自分で調べ、集めたというつわ物。鉄オタならではの痒い所に手の届く絶妙な表現を繰り広げている。３曲ある連弾曲は夫人が共演、「亭主の好きな赤烏帽子」を実践している。ハンゼルマンはシャーンドル・ヴェレシュ門下の作曲家でもあり、自ら鉄道音楽を作曲、自演。超あっぱれな要注目ピアニストの登場。
＃ 独 PREZIOSO はレーベルとしての活動を中止しており、このレーベルのアイテムは既に現地でも入手できなくなっています。当アルバムは、輸入盤としては日本国内へは案内されなかった物で、もちろん同レーベルの他アイテムと同様、現地でも既に入手不能です。当盤は『輸入盤・日本語解説書付』とあることから、おそらく演奏者の元にあった（演奏会即売用の？）在庫を国内盤化する物と考えられ、再プレスなどは困難と思われますので、お早めの御注文をお薦め致します。
ミューズエンターテインメイト 〔ソニー・ミュージックダイレクト〕
ビゼー/加藤昌則編：「アルルの女」〜ファランドール
モーツァルト：歌劇「魔笛」より〔恋を知る男たちは/パ・パ・パ・パパゲーナ〕
コレッリ/西澤健一編：ラ・フォリア / ルクレール：トリオ・ソナタ ニ長調 Op.2-8
キュイ：万華鏡〜オリエンタル / ラモー：クラヴサン・コンセール第５番
ニーノ・ロータ/加藤昌則編：
映画「ゴッドファーザー」〜ある映画音楽の主題による二重奏曲
ボンファ/渡辺雅二編：黒いオルフェ
アクア・トリニティ〔礒絵里子（Ｖｎ） 水谷川優子（Ｖｃ） 水永牧子（Ｃｅｍｂ）〕
『垂涎のトリオが誕生した。21世紀という新しい時代が要求したのであろう、ヴァイオリンの礒絵里子、チェロの水谷川優子、そしてチェンバロの水永牧子という、いずれもが類稀なるソリストであり、卓抜な室内楽奏者であり、さらに才色兼備な3人がユニットを組んだのである。それにしてもどんな音楽を提供してくれるのだろうと期待していたら、それを遥かに凌駕するディスクが完成した。これまで各々の方向性が異なっていた3人だから、音楽的に制約を受けるのではとやや懸念していたが、とんでもない。まさに「水（アクア）」のごとく、時には滾々と湧き出す源流のように、時には清冽なせせらぎのように、そして時には怒涛のごとく押し寄せる奔流にその姿を刻々と変え、比類ない生命力を携えながらジャンルの垣根を乗り越えて見事な音楽的感興を創出したのである。そこには希望や憧憬、不安や焦燥、また安堵や歓喜など、ありとあらゆる人間の感情が「三位一体（トリニティ）」の名の下に調和し、ひとつの高みに結実していく。聴く側だってその興奮を抑えられないほど。レパートリーもバロックから映画音楽やタンゴ、ボサノヴァまで、それが「アクア・トリニティ」の音楽として昇華し、まったく新しい地平を切り拓く。このトリオの出現は、真に衝撃だ。』（音楽評論家：真嶋雄大）
レーベル：アールアンフィニ/企画・制作：ソニー・ミュージックダイレクト