ジョナサン・ハーヴェイ(1939-): バクティ(室内アンサンブルと クアドロフォニック・テープのための) |
ガイ・プロセロー指揮 スペクトラム | |
発売:1989年。「バクティ」は「信愛」などと訳され、サンスクリット語の聖典「リグ・ヴェーダ」から採られている。ハーヴェイがIRCAMでブーレーズに学んだ成果を示す作品。 | ||
マイケル・フィニシー〜ピアノ・リサイタル マイケル・フィニシー(1946-): Reels / Short buT... / Freighttrain Bruise ハワード・スケンプトン(1947-):Eirenicons I-IV クリス・ニューマン(1958-): Grooving through old tombs / News of my own ジュディス・ウィア(1954-): An mein klavier / Michael's Strathspey クリス・ニューマン: Le repos sur le lit ハワード・スケンプトン:Even Tenor マイケル・フィニシー: Autumnall / Kemp's Morris / Stanley Stokes, East Street 1836 |
マイケル・フィニシー(P) | |
発売:1992年。作曲家フィニシーが、自作と友人たちの作品を演奏したディスク。 | ||
メアリー・ウィーゴールドのソング・ブック 〜イギリス人作曲家による14の短い歌集 ジョン・ダウランド(ウールリッチ編):Complaint ジュディス・ウィア(1954-): The Romance of Count Arnaldos コリン・マシューズ(1946-): Cantata on the Death of Antony サイモン・べインブリッジ(1952-): A Song from Michelangelo ハワード・スケンプトン(1947-):How Slow the Wind ジョン・ダウランド(ウールリッチ編): Galliard to Lachrimae ハリソン・バートウィッスル(1934-):White and Light フィリップ・ウィルビー(1949-):Easter Wings キース・ティペット(1947-):Sun - the Living Son ジョン・ウールリッチ:The Turkish Mouse ジョン・ダウランド(ウールリッチ編):Lachrimae ドミニク・マルドーニー(1952-):On Suicide サリー・ビーミッシュ(1956-):Tuscan Lullaby バヤン・ノースコット(1940-):The Maidens Came デイヴィッド・ベッドフォード(1937-):Even Now マイケル・ナイマン(1944-):Polish Song コリン・マシューズ(1946-):Strugnell's Haiku |
メアリー・ウィーゴールド(S) キース・ティペット、 ドミニク・マルドーニー指揮 コンポーザーズ・アンサンブル | |
発売:1990年。 | ||
ジェイムズ・ディロン(1950-): East 11th St NY 10003 /窓と天蓋/ ラ・ファム・インヴィジブル |
リチャード・バーナス指揮 ミュージック・プロジェクツ・ロンドン | |
発売:1990年。 | ||
ハワード・スケンプトン(1947-):レント | マーク・ウィグルスワース指揮 BBCso. | |
発売:1992年。収録時間:12分57秒/シングル盤。 | ||
フィリップ・キャシアン(1963-):弦楽四重奏曲第1番 マーティン・バトラー(1960-): 「呪われた土地」からの歌と舞踏 デイヴィッド・ニコルズ(1955-):弦楽四重奏曲 |
ビンガムSQ | |
発売:2001年(初発売:1990年代)。 | ||
デイヴィッド・ラムズデイン(1931-): エドワード・ジョン・エアのためのアリア(*)/ 何を歌おうか?(#) |
ジョン・バドレー(語り) ジェーン・マニング(S;*) エルガー・ハワース指揮(*) ジェミニ(Ens.)(*) メアリー・ウィーゴールド(S;#) エドワード・ピッリンガー、 イアン・ミッチェル(Cl;#) バリー・ガイ(Cb) | |
発売:2001年(初発売:1990年代)。 ラズムデインはオーストラリアの作曲家。また、エドワード・ジョン・エア(1815-1901)はオーストラリア大陸を最初に横断した探検家で、この作品は彼のオーストラリア全域に渡る壮大な旅行を再現するため、サイレンのような[siren-like]ソプラノ、ナレーターとアンサンブルを使用している。 | ||
サイモン・ホルト(1958-): ...era madrugada / カンシオーネ[Canciones](*)/ 影の王国/すずめの夜 |
フィオナ・キム(Ms;*) ガレス・ハルス(Ob) ライオネル・フレンド指揮 ナッシュ・アンサンブル | |
発売:2001年(初発売:1992年頃)。 作曲は全て1980年代。1993年BBCミュージック・マガジン誌トップ40/1993年グラモフォン誌批評家賞受賞。 | ||
ハリソン・バートウィッスル(1934-): メレンコリアI(1989)(*)/儀式の断片/ メリディアン(#) |
アントニー・ペイ(Cl;*) メアリー・キング(Ms;#) マイケル・トンプソン(Hr;#) クリストファー・ ヴァン・カンペン(Vc;#) オリヴァー・ナッセン指揮 ロンドン・シンフォニエッタ &ヴォイセズ | |
発売:2001年(初発売:1992年頃)。 一曲を除き、1970年代の作品。 | ||
アンジェイ・パヌフニク(1914-1991):チェロ協奏曲 | ムスティスラフ・ ロストロポーヴィチ(Vc) ヒュー・ウルフ指揮 LSO | |
発売:2001年(初発売:1993年頃)。収録時間:19分3秒/シングル盤。 パヌフニクによる生涯最期の作品。 | ||
エリザベス・ラティエンズ(1906-1983):作品集 室内協奏曲第1番Op.8(1939-40) (オーボエ、クラリネット、ファゴット、トランペット、 ホルン、トロンボーン、ヴァイオリン、 ヴィオラとチェロのための)/ 初瀬の谷Op.62(1965) (ソプラノ又はアルト・フルート、 クラリネット又はバス・クラリネット、 チェロとピアノのための[指揮者無し])/ 10の楽器のための6つのテンポOp.47(1952) (フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、 トランペット、ホルン、ヴァイオリン、 ヴィオラ、チェロとピアノのための)/ オシリスの死に際してのイシスの哀歌(1969) (ソプラノ独唱のための)/ トリオレットIOp.160a(1982) (クラリネット又はバス・クラリネット、 チェロとマンドリンのための[指揮者無し])/ 安らかに眠れ(1971) (イーゴリ・ストラヴィンスキーの思い出に; ソプラノ、ヴァイオリン、ヴィオラと チェロのための[指揮者無し])/ トリオレットIIOp.160b(1983) (チェロ、マリンバとハープのための[指揮者無し]) |
ジェーン・マニング(S) ロジャー・モンゴメリー指揮 ジェーンズ・ミンストレルズ | |
録音:1992年3月28日&29日、ビショップゲート・インスティチュート、ロンドン。 「トリオレット」とは詩の形式の一つ(2様押韻の8行詩)。1993年グラモフォン誌批評家賞受賞。 | ||
バリー・ガイ(1947-):雨上がりに(全10曲) | リチャード・ヒコックス指揮 シティ・オヴ・ロンドン・シンフォニア | |
発売:2001年(初発売:1993年頃)。収録時間:24分40秒/シングル盤。 | ||
ビル・ホプキンス(1943-1981): アナタンダン(*)/2つの詩(#)/ペンダント(+)/センセーション(#) アンソニー・ギルバート(1934-):9 or 10 Osannas(*) |
アリソン・ウェルズ(S;#) リチャード・バーナス指揮(*/#) ミュージック・プロジェクツ・ロンドン(*/#) アレクサンダー・バラネスク(Vn;+) | |
発売:2001年(初発売:1994年頃)。 | ||
ロビン・ホロウェイ(1943-):管弦楽のための協奏曲第2番 | オリヴァー・ナッセン指揮 スティーヴン・アスバリー補助指揮 BBCso. | |
録音:1993年4月25日、BBCメイダ・ヴェイル・スタジオ1。1994年グラモフォン誌ベスト・コンテポラリー・レコーディング賞受賞。 | ||
ジャイルズ・スウェイン(1946-): クライ(28の独唱とエレクトロニクスのための) |
ジョン・プール指揮 BBCシンガーズ | |
発売:2001年(初発売:1994年頃)。 | ||
ロジャー・スモーリー(1943-): パルス(5×4の演奏者のための) |
リチャード・バーナス指揮 BBCso. | |
発売:2001年(初発売:1994年頃)。 | ||
ドミニク・マルドーニー(1952-):オーボエ協奏曲 | ロイ・カーター(Ob) マイケル・ティルソン・トーマス指揮 LSO | |
発売:2001年(初発売:1994年頃)。 | ||
波の歌
コリン・マシューズ(1946-):3つのエニグマ マイケル・フィニシー(1946-):Doves Figary アレクザンダー・ゲール(1932-):ソナタ マーク=アントニー・ターネイジ(1960-): 揺りかごの眠り/反復の眠り/子守唄の眠り ロジャー・スモーリー(1943-):エコーII ゴードン・クロス(1937-):波の歌 |
アレクサンダー・ベイリー(Vc) アンドルー・ボール(P) | |
発売:2001年(初発売:1994年頃)。 | ||
デイヴィッド・ソーアー(1961-):出発の憂鬱 ヴィク・ホイランド(1945-): ジ・アザー・サイド・オヴ・ジ・エアー |
ロルフ・ハインド(P) | |
発売:2001年(初発売:1994年頃)。 | ||
アンソニー・パワーズ:記憶の部屋 デイヴィッド・マシューズ:ピアノ・ソナタOp.47 |
ウィリアム・ハワード(P) | |
ジェラルド・バリー(1952-):室内楽作品集 ピアノ四重奏曲第1番/他 |
D.N.ムヒードラ指揮 ヌア・ノス かわい・のりこ(P) マイケル・ダルシー(Vn) | |
アレクザンダー・ゲール(1932-): ピアノ協奏曲 Op.33(1972)(*)/ 1楽章の交響曲Op.29(1969/81)(#) |
ピーター・ゼルキン(P;*) オリヴァー・ナッセン指揮(*) ロンドン・シンフォニエッタ(*) リチャード・バーナス指揮(#) BBCスコティッシュso.(#) | |
アレクザンダー・ゲールは、指揮者でLP初期に活躍したヴァルター・ゲール(1903-1960)の息子。 | ||
マーク-アンソニー・ターネイジ: オン・オール・フォーズ ハンギング・マンへの哀歌 サラバンド |
オリヴァー・ナッセン指揮 ナッシュ・アンサンブル マーティン・ロバートソン(Sax) フィオナ・キム(Ms) イアン・ブラウン(P) クリストファー・V.カンペン(Vc) | |
1995年「ザ・ワイヤー」ベスト・レコード賞。 | ||
J.ウェイル、P.P.ナッシュ、 J.コノリー、A.バウルド、 B.エリアス、A.ペイン、 G.ギルバートの作品 |
ロジャー・モンゴメリー指揮 ジェーンズ・ミンストレルズ ジェーン・マニング(S) | |
ジョン・ランバート〜ポートレイト ファミリー・アフェアーズ/他 |
デイヴィッド・S=アンダーソン指揮 ビンガムSQ サウンズ・ポジティヴ シャルレ・ラミレス(G) アンソニー・アーロンズ(Tp) アルビオン・ギター四重奏団 | |
1995年「ザ・ワイヤー」ベスト・レコード賞。 | ||
ニコラス・サックマン:さんざし | アンドルー・デイヴィス指揮 BBCso. | |
デイヴィッド・ソーアー(1961-): Byrnan Wood |
アンドルー・デイヴィス指揮 BBCso. | |
ジョン・ウールリッチ:借りてきた翼/他 | ディエゴ・マッソン指揮 コンポーザーズ・アンサンブル メアリー・ウィーゴールド(S) ブロドスキーSQ ジェーン・アトキンス(Va) | |
ブリテン:イリュミナシオン シンフォニア・ダ・レクイエム ミケランジェロの7つのソネット |
ジョン・バルビローリ指揮 ベンジャミン・ブリテン(P)指揮 CBS so.、NYP ピーター・ピアーズ(T) | |
録音:1941年。 | ||
新しい活動の場〜1996年 NMCサンプラー ハリソン・バートウィッスル、アンジェイ・パヌフニク、ベンジャミン・ブリテン/他 | ||
アンコール! ハワード・スケンプトン(1947-):レント ドミニク・マルドーニー(1952-):オーボエ協奏曲 バリー・ガイ:雨上がりに |
マーク・ウィグルスワース指揮 BBCso. ロイ・カーター(Ob) マイケル・ティルソン・トーマス指揮 LSO リチャード・ヒコックス指揮 シティ・オヴ・ロンドン・シンフォニア | |
コリン・マシューズ(1946-): ザ・グレイト・ジャーニー/フーガ/夜の仮面 |
ライオネル・フレンド指揮 ナッシュ・アンサンブル デイヴィッド・ ウィルソン=ジョンソン(Br) パトリツィア・クエッラ(S) | |
キャサリン・ノーマン:ロンドン トリリング・ワイヤー |
キャサリン・ノーマン ジョナサン・クーパー(Cl) | |
Klang〜 エレクトロアコースティック・コレクション VoL.1 ジョンティ・ハリソン、マイク・ヴォーガン、 アリステア・マクドナルズ、ニコラス・ヴィルゴの作品 |
ソニック・アーツ・ネットワーク (テープ/Cemb/ソプラノSax) | |
Mixed〜 エレクトロアコースティック・コレクション VoL.2 マイケル・ローザス・コビアン、ジョセフ・ハイド、 ジョン・ケファラーケル、ライミル・フィシュマン、 オースティン・フェルナンデス、 サラ・コリンズの作品 |
ソニック・アーツ・ネットワーク (テープ/バスCl/バス・アコーディオン/ チャランゴ[ボリビアの民族楽器]) | |
アンソニー・ペイン:時間の矢 | アンドルー・デイヴィス指揮 BBCso. | |
ジョン・ホワイト(1936-):ピアノ・ソナタ集 [No.95/No.29/No.76/No.108/No.54/No.55/No.56/ No.31/No.57/No.15/No.104/No.75/No.109/No.78/ No.121/No.86/No.87/No.124] |
ロジャー・スモーリー(P) | |
当店未案内旧譜。ジョン・ホワイトはベルリンに生まれ、ロンドンの王立音楽院で作曲を学んだ。ロイヤル・シェイクスピア劇場などで劇場音楽の作曲を長年続けており、その作品には26の交響曲、35のバレエ音楽、そして130曲以上のピアノ・ソナタがある。ここに収められた18のソナタは、短い物では1分20秒、長い物でも11分強という小品ばかり。 | ||
ロビン・ホロウェイ(1943-):管弦楽のための協奏曲第3番 | マイケル・ティルソン・トーマス指揮 LSO | |
マイケル・フィニシー(1946-):レッド・アース | マーティン・ブラビンス指揮 BBCso. | |
リチャード・バレット:ヴァニティ | アルトゥーロ・タマヨ指揮 BBCso. | |
1997年、BBCミュージック・マガジン誌ベスト・レコード賞。 | ||
ハリソン・バートウィッスル(1934-): パルス・サンプラー サイモン・ホルト(1958-):バンシー メリンダ・マックスウェル:哀歌 |
メリンダ・マックスウェル(Ob) リチャード・ベンジャフィールド(Perc) ヤン・グルイスイゼン(P) | |
マイケル・フィニシー(1946-):マーズ+ヴィーナス/他 | マイケル・フィニシー指揮 イクシオン チャールズ・ムター(Vn) | |
1999年、グラモフォン誌批評家賞。 | ||
ジェイムズ・ウッド: 2・メン・ミート/ファイノメナ/ ヴェナンチオ・ムバンデが樹々と会話したこと |
ジェイムズ・ウッド指揮 クリティカル・バンド ニュー・ロンドン室内cho. スティーヴン・シュイック(Perc) 加藤 訓子(マリンバ) | |
ジョナサン・ロイド:交響曲第4番 | マーティン・ブラビンス指揮 BBCso. | |
マーティン・バトラー:オ・リオ フィックスト・ダブルズ |
アルトゥーロ・タマヨ指揮 マーティン・ブラビンス指揮 BBCso. | |
ミナ・キール:チェロ協奏曲 バラード |
マーティン・ブラビンス指揮 BBCスコティッシュso. アレクサンダー・ベイリー(Vc) マルティナ・ベイリー(P) | |
デイヴィッド・ベッドフォード: 12アワーズ・オヴ・サンセット/ 交響曲第1番/ リコーダー協奏曲 |
マーティン・ブラビンス指揮 ジャク・V.スティーン指揮 BBCso. クローチ・エンド祝祭cho. ピアーズ・アダムス(リコーダー) | |
ハリソン・バートウィッスル(1934-): 歌劇「オルフェウスのマスク」 |
アンドルー・デイヴィス指揮 マーティン・ブラビンス指揮 BBCso.&シンガーズ マリー・エンジェル(S) ジョン・ガリソン(T) ペーター・ブロンダー(T) | |
1998年、グラモフォン誌ベスト・コンテンポラリー・レコーディング賞。 | ||
NMCラウンド・アップ〜1998年 NMCサンプラー エルガー(ペイン)、ジョン・ホワイト、ピーター・ポール・ナッシュ/他の作品 | ||
解説「エルガー:交響曲第3番のスケッチ」 (アンドルー・ペインによるNMC-D053の詳細解説) |
アンドルー・デイヴィス指揮 BBCso. ロバート・ギブス(Vn) デイヴィッド・O.ノリス(P) | |
エルガー:交響曲第3番 (アンソニー・ペインによる校訂&完成版) |
アンドルー・デイヴィス指揮 BBCso. | |
1998年クラシックCD誌リーダーズ賞/1998年ミュージック・マガジン誌批評家賞/1998年インディペンデント・クラシックCD/1998年タイムズ誌クラシックCDオヴ・ザ・イヤー賞。 | ||
アレクザンダー・ゲール(1932-):歌劇「アリアンナ」 | ウィリアム・レイシー音楽監督 アリアンナ・アンサンブル ルビー・フィロジェン(S) | |
ピーター・ポール・ナッシュ:交響曲第1番 アポリネールの合唱曲第1〜3集 |
マーティン・ブラビンス サイモン・ジョリー指揮 BBCso.、BBCシンガーズ | |
アンソニー・ペイン: 風と雨の交響曲/天空の歌の流れ/ イヴニング・ランド/賛歌とカデンツァ かげろうの一日 |
ロジャー・モンゴメリー指揮 ジェーンズ・ミンストレルズ ジェーン・マニング(S) | |
スペクトラム 〜30人のイギリス人作曲家による 学生と愛好家のための50のピアノ・ソロ作品集 タヴナー、コリン・マシューズ/他の作品 |
サリア・マイヤーズ(P) | |
ゴードン・クロス(1937-): チェロ協奏曲/朝の想い出/ある場所の行進曲 |
マーティン・ブラビンス指揮 BBCso. スーザン・ビックリー(Ms) アレクサンダー・ベイリー(Vc) | |
サイモン・ベインブリッジ: アド・オラ・インチェルタ/ 4 プリモ・レヴィ・セッティングス |
マーティン・ブラビンス指揮 BBCso. ナッシュ・アンサンブル スーザン・ビックリー(Ms) キム・ウォーカー(Fg) | |
ジュディス・ウェイル:歌劇「チャイニーズ・オペラの夜」 | アンドルー・パロット指揮 スコティッシュ室内o. マイケル・チャンス(CT) ,カール・デイモンド(T) マイケル・ジョージ(B) アデイ・グラメット(S) | |
フィリップ・カシアン: ダーク・インヴェンション/室内協奏曲 静けさの時に・・・/ブルー・サーカス ムジカ・メカニカ/ソー・ロンリー |
スティーヴン・アスバリー指揮 バーミンガム・コンテンポラリー・ ミュージック・グループ メアリー・キング(Ms) マルク・V.D.ヴィエル(Cl) | |
主題と変奏曲 ホルスト、ティペット、オールドハム、バークレイ、 ブリテン、ウォルトン、H.シアール、G.ウイリアムス、 アーノルド、O.ナッセン/他の作品 |
ヤク・ヴァン・スティーン指揮 BBCso. | |
フランシス・バート:そして神は語りき | リチャード・エドリンガー指揮 ユナイテッド・ フィルハーモニック・ヴィエナ アンティフォナcho. ブリジット・ピンター(Ms) チェイン・デイヴィッドソン(B−Br) | |
ブライアン・エリアス: ラメント/ラトゥシンスカヤの歌 |
尾高忠明指揮 マーティン・ブラビンス指揮 BBCso.&シンガーズ メアリー・キング(Ms) キャスリーン・ウィン=ロジャーズ(Ms) | |
ロバート・サクストン(1953-):室内楽作品集 行列と舞踊/ Chacony /弦楽四重奏のための幻想曲/ 祈祷、舞踊と瞑想/賞賛/アリア/天体への尺度//他 |
クリストファー・オースティン指揮 ブルネル・アンサンブル テレサ・カヒル(S) ポール・シルヴァーソーン(Va) ジョン・コンスタブル、 ジョン・マッケイブ(P) | |
録音:1997年9月。 | ||
ファーニホウ:レマ・アイコン・エピグラム リチャード・バレット:詠唱/他 |
イアン・ペイス(P) | |
2001年「ザ・ワイヤー」レコード・オヴ・ザ・イヤー。 | ||
デイヴィッド・マシューズ: イン・ザ・ダークタイム/シャコンヌ |
ヤク・V.スティーン指揮 BBCso. | |
アンソニー・ギルバート(1934-): ドリーム・カルーセルズ/獣の四重奏曲/他 |
クラーク・ランデル指揮 ティモシー・レイニッシュ指揮 RNCMニュー・アンサンブル &ウインド・オーケストラ ジョン・ターナー(リコーダー) ピーター・ローソン(P) | |
プライム・カッツ〜2000年 NMCサンプラー ブリテン、タヴナー、エルガー、ウォルトン/他の作品 | ||
ヒュー・ウッド: 交響曲/コーモスからの場面 |
アンドルー・デイヴィス指揮 BBCso. ジェラルディン・マクグリーヴィー(S) ダニエル・ノーマン(T) | |
2001年、グラモフォン誌批評家賞。 | ||
ジョン・ウールリッチ: 床屋の時計/オーボエ協奏曲/ マシンの中の幽霊/ヴィオラ協奏曲 |
マーティン・ブラビンス指揮 BBCso. ニコラス・ダニエル(Ob) ラース・アンデルス・トムテル(Va) | |
ヴィク・ホイランド(1945-): イン・トランジット/ヴィクセン |
マーティン・ブラビンス指揮 BBCso. | |
ラブ・フロム・ア・ストレンジャー 〜4つのイギリスの映画音楽 ブリテン:ラブ・フロム・ア・ストレンジャー ロベルト・ジェラルド:ディス・スポーティング・ライフ エリザベス・ラティエンズ:頭骨 リチャード・ロドニー・ベネット:兵士の帰還 |
ヤク・ヴァン・スティーン指揮 BBCso. | |
セア・ムスグレイヴ: メメント・ヴィタエ/ヘリオス/四季 |
ニコラス・クレメール指揮 スコティッシュ室内o. ニコラス・ダニエル(Ob) ヤク・V.スティーン指揮 BBCso. | |
白の部屋 G.バリー、S.ビーミッシュ、R.ボイル、P.カシアン、 E.フィルソヴァ、J.ハッセ、P.ヘラウェル、D.ノッツ、 O.リーチ、C.マシューズ、D.マシューズ、 P.ノヴァーク、R.パヌフニク、D.ランズウィック、 E.ラシュトン、H.スケンプトン、S.ワーベック、 J.ウェイル、J.ウールリッチの作品 |
ザ・シューベルト・アンサンブル | |
ザ・ホクストン13 R.ベイカー、M.ベラミー、O.ベッティソン、J.コール、 T.デイヴィス、S.ヘイデン、M.ヘイエス、A.ケイ、 R.リーチ、J.パウエル、D.プロッチャード、 J.シンプソン、A.ストウトの作品 |
ピーター・ウィーゴールド指揮 コンポーザーズ・アンサンブル | |
リエル・クレスウェル: アナケ/ チャールズ・アイヴズのテーマによる変奏曲/他 |
ヘブライズ・アンサンブル | |
ステイト・オヴ・ザ・ネイション2001からのライヴ R.アイレス、P.バチェラー、L.ベッドフォード、 J.カトラー、T.デイヴィス、L.ゴーヴズ、 R.ヒンド、D.ホーン、J.トーマス、F.トレイナーの作品 |
ピエール=アンドレ・ヴァラド指揮 ロンドン・シンフォニエッタ ロルフ・ハインド(P) | |
燃え盛る炎 D.ブレル、J.ディロン、M.フィニシー、 C.フォックス、R.キーレイ、O.ナッセン、 N.モー、B.ランズ、R.レッドゲートの作品 |
サラ・レオナール(S) アントン・ルコスツェヴィーツェ(Vc) コッラド・カノーニチ(Cb) | |
輝く未来 J.ビンガム、M.バトラー、P.コプレイ、 J.カトラー、M.フィニシー、G.フィトキン、 A.ゴーブ、W.ヒコックス、E.D.ヒューズ、 N.ルファヌ、C.マクドウォール、J.フィッブス、 G.プール、D.ソーアー、P.スカルソープ、 V.シュタインハルト、R.シュトットの作品 |
ザ・シューベルト・アンサンブル | |
ジョン・ブラー: プロエンサ/ザ・シアター・オヴ・メモリー |
マーク・エルダー指揮 BBCso. サラ・ウォーカー(Ms) | |
ヒュー・ウッド: ヴァイオリン協奏曲/チェロ協奏曲 |
デイヴィッド・アサートン指揮 ロイヤル・リヴァプールpo. マヌーグ・パリキアン(Vn) モレイ・ウェルシュ(Vc) | |
ロジャー・スモーリー(1943-):室内楽作品集 ピアノのための「ショパン変奏曲」/ピアノ三重奏曲/ アンサンブルのための「ポールズ・アパート」 フレデリック・ショパン:マズルカ 嬰ハ短調Op.50-3 ロジャー・スモーリー: クラリネット、ヴィオラとピアノのための三重奏曲 ヨハネス・ブラームス:間奏曲 ホ短調Op.116-5 ロジャー・スモーリー:ピアノ4重奏のための「薄明かり」 |
フィリップ・ヘッドラム指揮 コンティヌム・アンサンブル ダグラス・フィンチ(P) | |
デイヴィッド・マシューズ: カンティガ/答唱聖歌/ セプテンバー・ミュージック/ 交響曲第4番 |
ジョン・カリュー指揮 ボーンマス・シンフォニエッタ ジル・ゴメス(S) マルコム・ナバロ指揮 イースト・オヴ・イングランドo. | |
ニコラス・モー(1935-): ライフ・スタディズ I-VIII (1973-1973)(*) リチャード・ロドニー・ベネット(1936-): ソプラノ、合唱と管弦楽のための スペルズ(呪文)(1974-1975)(#) |
ネヴィル・マリナー指揮(*) アカデミー室内o.(*) ジェーン・マニング(S;#) デイヴィッド・ウィルコックス指揮(#) フィルハーモニアo.(#)、 バッハcho.(#) | |
録音:1978年、ウォルサムストウ・タウン・ホール(*)/他。原盤:Argo、ただしLP発売のみ(*)。同2曲のカップリングで Continuum から CCD-1030 という番号で発売されていたアイテムの、レーベル移行再発売。イギリス音楽ファン必携、親しみやすい現代音楽。マリナー指揮によるニコラス・モーが聴ける1枚。 ニコラス・モーとリチャード・ロドニー・ベネットというイギリス作曲界の巨匠2人による大規模オーケストラ作品をカップリング。ともに前衛音楽ではなく、バックス、ヴォーン=ウィリアムス、ブリッジ、ブリテンと続く近代イギリス音楽の系譜に連なる、新保守主義もしくは新ロマン主義ともいえる、抒情的でドラマティックな音楽。 | ||
ジョン・カスケン(1949-): Darting the Skiff / Maharal Dreaming / チェロ協奏曲/ヴァガンザ |
ハインリヒ・シフ(Vc) ジョン・カスケン指揮 ノーザン・シンフォニア | |
録音:DDD。 | ||
ナイジェル・オズボーン: フルート協奏曲/私はゴヤ/ エセーニンの想い出/鎌 |
リチャード・ヒコックス指揮 シティ・オヴ・ロンドン・シンフォニア デューク・ドビング(Fl) ジェーン・マニング(S) スティーヴン・ヴァーコー(Br) フロリアン・キット(Vc) ピーター・ヒル(P) | |
ハリソン・バートウィッスル(1934-): 時の勝利(*)/Ritual Fragment(#)/ガーウェインの旅行(*) |
エルガー・ハワース指揮(*) フィルハーモニアo.(*) オリヴァー・ナッセン指揮(#) ロンドン・シンフォニエッタ(#) | |
発売:2005年(初発売:1993年/他)。(*)は旧 COLLINS CLASSICSから発売されていた音源のレーベル移行再発売。(#)はNMC-D009に含まれている物と同一の録音。 | ||
クリス・デンチ(1953-): driftglass(*) / funk(#) / ruins within(+) / ik(s)land[s](**) / ['e/meth](##) / the blinding access of the grace of flesh (++) |
ピーター・ネヴィル(Perc;*/#) カール・ロスマン(Cl;#/+)指揮(**) デボラ・ケイサー(Ms;**/++) スティーヴン・ロビンソン(Ob;##) サンドロ・ゴルリ指揮(*) フランク・オルウ指揮(++) エリジオン(Ens.)(*/**/++) | |
発売:2005年。 | ||
ジュディス・ウェイル: ピアノ協奏曲(1997)(*)/247弦のための音楽(1981)(#)/ ピアノ三重奏曲(1997)(+)/Arise! Arise! (1997)(+)/ ピアノ四重奏曲(2000)(+)/距離と魔法(1988)(**)/ バグパイプ吹きの弦楽三重奏曲(1988)(**)/ 鍵盤に触れる芸術(1988)(##)/ I Broke Off a Golden Branch (1991)(+)/ Ardnamurchan Point (1990)(++)/ フランスの王[ El Rey de Francia ](1993)(+)/ フランスの王[ The King of France ](1993)(***) |
ウィリアム・ハワード(P;*/#/##) ペトラ・カセン(P;##) ザ・シューベルト・アンサンブル(*/+) サイモン・ブレンディス(Vn;#) ドーマス(Ens)(**) スーザン・トムス(P;***) | |
録音:2002年/1990年。(#)はピアノの243弦とヴァイオリンの4弦で、計247弦と言う計算。 | ||
ジェイムズ・ディロン:ザ・ブック・オヴ・エレメンツ | かわい・のりこ(P) | |
アンドルー・スパーリング 〜クラリネットのための新しい作品集 ニック・ヘイズ:Tongue-Dog(*) ロジャー・レッドゲイト:+R ティモシー・ソルター:モンドリアンの絵画(#) マイケル・パーソンズ:2つのマケドニアの歌(+) ダイアナ・バレル:ダブル・イメージ(**) クリス・サンソン:Music from the Heart of a Dog ガブリエル・ジャクソン:白い鳥(#) ハワード・スケンプトン: エア・メロディ(##)/Kettle's Yard Canon(++) ローレンス・クレーン:Sparling(***) |
アンドルー・スパーリング(バスCl/Cl) ミリアム・ロウバリー(Vc;*/**/##) アンソニー・グレイ(P;*) サリア・マイヤーズ(P;#) クリス・ブラニック(Perc;+) キャロラ・ニーリンガー(Fl;**) キャロライン・ボールディング(Vn;**/##) デイヴィッド・カーハート(P;**) ナンシー・ルファー(Fl;++) アラン・トーマス(G;***) | |
発売:2004年。 | ||
ルパート・バウデン(1958-):作品集 2つの練習曲(*)/ロバの踊り(#)/ 室内歌劇「水兵の物語」(+)/海の獣(**) |
ルパート・バウデン指揮(*/#) BBCウェールズ国立o.(*) ナッシュ・アンサンブル(#) アレクサンダー・グローヴ(T;+) フローラ・マッキントッシュ(S;+) アンドルー・ヘギー(Br;+) ゲイリー・チェウン指揮(+/**) クリークス・シンフォニア(+) ノーフォーク・ ピール議員ハイスクールの子供たち(**) | |
発売:2004年。 | ||
サイモン・ホルト(1958-):作品集 凧(*)/足の粘土(#)/エコ・パヴァーヌ(+)/ 鉛のブーツ(**)/リリス(*) |
サイモン・ラトル指揮(**) マーティン・ブラビンス指揮(*/+) バーミンガム・コンテンポラリー・ ミュージック・グループ(*/+/**) ウルリッヒ・ハイネン(Vc;#) ロルフ・ハインド(P;+) リナート・シャハム(Ms;**) | |
発売:2004年。 | ||
アレクザンダー・ゲール(1932-): 変容(*)/ロマンツァ(*/#)/ 音楽の捧げ物(1985)(+)/抒情小曲集(**)/ シンフォニア(**) |
モレイ・ウェルシュ(Vc;#) デイヴィッド・アサートン指揮(*/#) ロイヤル・リヴァプールpo.(*/#) ジャニーヌ・テイムズ(S;+) オリヴァー・ナッセン指揮(+/**) ロンドン・シンフォニエッタ(+/**) | |
発売:2003年(初発売:1981年/他)。旧 Unicorn-Kanchana から発売されていた音源のレーベル移行再発売。 | ||
アレクザンダー・ゲール(1932-): 歌え、アリエル(*)/モーゼの死(#) |
ルーシー・シェルトン(S;*) サラ・レナード(S;*) アイリーン・ハルス(S;*) マイケル・チャンス(CT) オリヴァー・ナッセン指揮(*) スティーヴン・クロウバリー指揮(#) アンサンブル(*/#)、CUMS cho.(*/#) | |
発売:2003年(初発売:1993年&1994年)。旧 Unicorn-Kanchana から発売されていた音源のレーベル移行再発売。 | ||
ロビン・ホロウェイ(1943-): ヴァイオリン協奏曲(*)/ ホルン協奏曲(#) |
エルンスト・コヴァチッチ(Vn;*) バリー・タックウェル(Hr;#) マティアス・バーメルト指揮 スコティッシュ室内o. | |
発売:2001年。 | ||
In Sunlight マイケル・ナイマン:オン・ザ・フィドル ジェイムズ・マクミラン:木へのキス ブライアン・エリアス:幻想曲 ナイジェル・オズボーン:Taw-Raw スティーヴン・モンタギュー:フォーク・ダンス ジョン・ウールリッチ:ザット・イズ・ナイト アンソニー・パワーズ:太陽の光の下に ジェイムズ・マクミラン: イン・ザ・ディファレント・ワールド スチュワート・ジョーンズ:kothektche |
マドレーヌ・ミッチェル(Vn) アンドルー・ボール(P) | |
発売:2005年。 | ||
Lucifer〜ブラス、ピアノと打楽器のための作品集 ニコラス・サックマン:メルド ダイアナ・バレル:金 ジェフリー・プール:ルシフェル |
ジェイムズ・グーレイ指揮 RNCMブラス・アンサンブル フィリップ・ミード(P) | |
発売:2004年。 | ||
ニュー・ストック〜2003年 NMCサンプラー オリヴァー・ナッセン、ブライアン・ファーニホウ、ハリソン・バートウィッスル/他 | ||
コリン・マシューズ(1946-):作品集 ソナタ第5番「ランドスケープ」(*)/ チェロ協奏曲第1番(#)/ヒドゥン・ヴァリアブルズ(+)/ メモリアル(+)/クワトレイン(+)/ マシーンズ・アンド・ドリームズ(+) |
アレクサンダー・ベイリー(Vc;#) ジョン・カリュー指揮(*/#) ベルリン放送so.(*) ロンドン・シンフォニエッタ(#) マイケル・ティルソン・トーマス指揮(+) LSO(+) | |
発売:2004年。旧 COLLINS CLASSICSから発売されていた音源のレーベル移行再発売。 | ||
ロバート・サクストン(1953-): Music to Celebrate the Resurrection(*)/ I Will Awake the Dawn(#)/ヴァイオリン協奏曲(+)/ In the Beginning(**)/歌劇「カリタス」(##) |
スチュアート・ベッドフォード指揮(*) イギリス室内o.(*) ジョン・プール指揮(#) BBCシンガーズ(#) タスミン・リトル(Vn;+) マティアス・バーメルト指揮(+/**) BBCso.(+/**) 独唱者たち(##) ディエゴ・マッソン指揮(##) イギリス・ノーザンpo.(##) | |
発売:2004年(初発売:1991年)。旧 COLLINS CLASSICSから発売されていた音源のレーベル移行再発売。 | ||
ティペットの回想〜1940年代録音集 マイケル・ティペット(1905-1998): ピアノのための幻想ソナタ(*)/ 二重弦楽合奏のための協奏曲(#)/ 弦楽四重奏曲第2番(+) タリス:Spem in alium(**) |
フィリス・セリック(P;*) ワルター・ゲール指揮管弦楽団(#) ゾリアンSQ(+) マイケル・ティペット指揮(**) モーリー・カレッジcho.(**) | |
発売:2005年。録音:1941年(*)/1943年(#)/1947年(+)/1948年(**)。全曲初CD化、世界初録音だった物。 2005年に生誕100周年を迎えたティペットの記念盤。タリスの合唱曲を指揮した(**)も珍しい物。 | ||
ティペット最後の録音、自作自演 マイケル・ティペット(1905-1998): 交響曲第2番/交響曲第4番 |
マイケル・ティペット指揮 BBCso. | |
発売:2005年。録音:1993年。 ティペットのラスト・レコーディングとなったもので、1995年に BBC Music Magazine の付録としてCD化されたが、一般市販は今回が始めて。 | ||
アンソニー・ギルバート(1934-):作品集 茜色の舞踏の輪の中に(*)/ある光が瞬く(#)/ アンライズ(*)/虹を見つめながら(+) |
アンソニー・マーウッド(Vn;+) クラーク・ランデル指揮(*) ゲイリー・ウォーカー指揮(+) RNCMウインド・アンサンブル(*/+) スーザン・ビックリー(Ms;#) アンドルー・デイヴィス指揮(#) BBCso.(#) | |
発売:2005年。 | ||
ジュディス・ウィア(1954-): 歌劇「ブロンドのエックベルト氏」(1993-94) |
ニコラス・フォルウェル (Br;エックベルト氏) アン=マリー・オウエンス(S;ベルタ)他 シャン・エドワーズ指揮 イングリッシュ・ ナショナル・オペラo.&cho. | |
録音:1994年。以前 COLLINS レーベルから発売されていた録音の、レーベル移行再発売。 ジュディス・ウィアはジョン・タヴナー、ロビン・ホロウェイらに作曲を学んだ。特にシアター・ピースに深い関心を寄せており、この作品を始めとしてオペラ作品に定評がある。朗唱を主体としたかなり穏健、保守的な作風。この作品はイギリス放送局、チャンネル4の制作したフィルムのためのもので、マゲローネのロマンスで有名なティークの作品をもとに、作曲者が台本を執筆している。 | ||
Independence Quadrilles ジェラルド・バリー(1952-):収容所にて(*) ジェイムズ・クラーク(1957-): ピアノ三重奏曲(*)/練習曲(#)/ インディペンデンス・パート1(+)/ 島(#)/孤独(**) マイケル・フィニシー(1946-): 静かな夜に(*)/ 必要かつより詳細な思考(*)/ インディペンデンス・カドリーユ(*) |
フィボナッチ・トリオ(*) [アンドレ・リスティック(P;#) ガブリエル・プリン(Vc;+) ジュリー=アン・デローム(Vn;**)] | |
発売:2005年。 2000年前後に書かれたイギリスの作曲家によるピアノ三重奏曲集。ジェラルド・バリーはアイルランド出身で、ほぼ緩急緩の形式からなるセリエルな佳曲。ジェームズ・クラークはISCM WMD、ダルムシュタット、ガウデアムス音楽週間に入賞するなど、ヨーロッパの正統的前衛の系譜につながる作曲家。2006年で還暦を迎えるマイケル・フィニシーも似た経歴の持ち主だが、さすがベテランの風格、音列作法から調性を含むあらゆる語法を駆使している。フィボナッチ・トリオは1997年に設立され、これまでにデュサパン、リーム、カーゲルなどヨーロッパの前衛作品を主に取り上げてきた。日本の山本裕之の作品を取り上げたこともある。 | ||
オペラ〜ヴァイオリンとピアノのための新らしい作品 ジョー・カットラー(1968-):レ(ガイア)(2000) リチャード・コーストン(1971-): 雨の7つの国(2002) ジョセフ・フィップス(1974-):幻想曲(1997) ブリン・ハリソン(1969-):リスニングT(2001) ジョナサン・パウエル: Intrecciata (2003) モーガン・ヘイズ(1973-):オペラ(2003) |
ダラー・モーガン(Vn) マリー・デュレア(P) | |
録音:2002年12月-2003年3月、ゲイとウェイ・スタジオ、キングストン。 30歳代のイギリス若手作曲家たちによるヴァイオリンとピアノのための作品を収録。ヴァイオリンのピッチカートとプリペアリングされたピアノとの打楽器的なかけあいの面白いコーストン作品と、さすがギャヴィン・ブライヤーズの弟子だけのことはあると思わせる、延々とひとつのモティーフを繰り返し続けるハリソン作品が注目。ヴァイオリンのモーガンは現代音楽スペシャリストとしてウィーン・モデルンほか数々の音楽祭に出演している。 | ||
注目、ホーレンシュタインのシンプソン、 ユニコーン音源の再発! ロバート・シンプソン(1921-1997): 交響曲第3番(1962)(*)/ クラリネットと弦楽四重奏のための五重奏曲(1968)(#) |
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮(*) LSO(*) バーナード・ウォルトン(Cl;#) エオリアンSQ(#) | |
録音:1970年6月5日(*)/1970年8月5日(#)。以前Unicorn-Kanchana から発売されていた音源の、レーベル移行再発売。 シンプソンといえば20世紀イギリス最大の交響曲作家としてハイペリオン・レーベルから全集シリーズが出ていた。ここでは名匠ヤッシャ・ホーレンシュタインがロンドン響で大作第3番を振っているのがうれしい。シンプソンの作風は20世紀の前衛音楽運動とは一線を画した保守的なものであったが、前衛そのものが色褪せた今日、ショスタコーヴィチに継ぐシンフォニストとして再評価されてもよいのではないか。事実、彼の作風は真摯な折衷主義といえるもので、前述のショスタコーヴィチのほか、バルトーク、バックスなどの影響を強く受けた、現代のロマン主義と言えるドラマティックな音楽である。ホーレンシュタイン・ファンはもちろん、これからシンプソンに親しみたい方にもお薦め。クラリネット五重奏曲は室内楽としては破格の規模(34分)を持つ作品で、交響曲とは違ったシンプソンの内省的な側面を知ることが出来る20世紀の数少ないクラリネット五重奏曲の秀作。 | ||
EXAUDI 〜マイケル・フィニシー(1946-):合唱作品集 モールドン(*)/パーム・サンデー/Vertue(#)/わすれな草/ ロンドンの覚書(+)/アニマ・クリスティ(**) |
リチャード・ジャクソン(Br;*) フィリップ・ハワード(P;#) マイケル・フィニシー(P;#/+) ハワード・スケンプトン(アコーディオン;+) イエスティン・デイヴィス(A;**) ニコラス・マーロウ(T;**) ジェイムズ・ウイークス指揮 エグザウディ(cho.) | |
発売:2005年。 | ||
映画館〜ゲイリー・カーペンター:作品集 音楽の玉突き遊び/ダ・カーポ/距離/ ファン・アセンデルフトのフェルメール/ ブラックにちなんで/映画館/ |
クラーク・ランデル、 ゲイリー・カーペンター指揮 アンサンブル 10/10 パメラ・ナッシュ(Cemb) | |
録音:2006年、2007年。 カーペンターはロンドンの王立音楽大学を卒業後、劇場や映画にもかかわり、歌劇やミュージカルも作曲している。フランスの伝統に根差し、調性音楽の要素と無調の要素が混合されている。第1曲は、モーツァルトの没後200年に当たる1991年に委嘱されて「音楽のさいころ遊び」を実行したもの。アンサンブル10/10はロイヤル・リヴァプール・フィルの現代音楽を得意とするメンバーで結成された。 | ||
ブリテン:映画音楽集 夜間郵便列車(1935-36)/ 持参金、ロッシーニ組曲(1935)/ 王の紋章(1935)/黒人(1935)/ 海への道(1936)/電報(1935)/ 大英帝国の平和(1936)/ メーターの背後の男たち(1936)/ 炭鉱夫の顔(1935)/ 君が愛を示そうとしている時に(1935) |
マーティン・ブラビンズ指揮 バーミンガム 現代音楽グループ、 バーミンガム市響cho. バーミンガム・ キング・エドワード学校cho. サイモン・ ラッセル・ビール(語り) メアリー・カリュー(S) | |
録音:2006年。 ブリテンはいくつか映画音楽を手がけているが、全て記録映画、教育用映画のためのもので劇映画のためのサントラではない。彼は生活のために勤めたイギリス郵政局映画部で、後にイギリスの大詩人となるW.H.オーデンと出会い深い影響を受けることになる。それから二人で協力して映画を制作、「夜間郵便列車」「炭鉱夫の顔」の作曲を担当した。作曲家としての地位が確立してから後は映画の仕事から離れるが、後にイギリス文部省の依頼でつけた教育映画「オーケストラの楽器」の音楽が後に「青少年のための管弦楽入門」になるなど、ブリテンにとって映画音楽は縁の深い分野であったようだ。 | ||
ジョン・カスケン(1949-): ムーヴィング・オペラ「ゴーレム」 |
リチャード・バーナス指揮 ミュージック・プロジェクツ・ロンドン | |
発売:2005年(初発売:1991年)。以前 Virgin Classics から発売されていた音源の、レーベル移行再発売。1990年のブリテン作曲賞第1位受賞作品。 | ||
シオンの栄誉ある一瞥 〜クリストファー・フォックス(1955-):合唱作品集 門を開けよ/シオンの栄誉ある一瞥(1992)/ ミズーリ・ハーモニー(オルガン独奏)(1985)/ Rendered Account / アメリカン・コーラス [ウォルト・ホイットマン/ソング/ アメリカ/トランスクリプション] |
ベンジャミン・ベイル(Org) ジェイムズ・ウィークス指揮 エグザウディ[EXAUDI](cho.) | |
アカペラおよびオルガン伴奏つきの混声合唱宗教作品集。現代のロマン主義と呼べる敬虔な祈りの音楽は、何パートにも分割された繊細な音の織物のようであり、調性と無調、クラスターの間を浮遊する。ウォルト・ホイットマンの詩を含む連作「アメリカン・コーラス」はフォックスの初期代表作で特に最終曲「トランスクリプション」は合唱によるオーケストラといったような多彩な音の綾を作る。ひょっとしてリゲティの「永遠の光」に続く20世紀合唱音楽の傑作の登場か? 新しい作品を探している実力あるアマチュア合唱団はレパートリー探しに一聴の価値あり。 | ||
ステュアート・マクレー(1976-): ヴァイオリン協奏曲(*)/ 「カウント・ウゴリーノの死」〜2つの場面(#)/ モトゥス(+)/ステアリング・コーラス |
イラン・ヴォルコフ指揮 BBCスコティッシュso. クリスティアン・テツラフ(Vn;*) ローレ・リクセンベリ(Ms;#) スザンナ・マッキ指揮(+) バーミンガム現代音楽グループ(+) | |
録音:2005-2006年。 マクレーはスコットランド生まれ。ロンドン・シンフォニエッタ自主レーベルにも録音がある。表現主義的な無調音楽。ヴァイオリン協奏曲の第2楽章はクセナキスの死を悼み、彼に捧げられている。 | ||
デイヴィッド・ソウアー(1961-):管弦楽曲集 引き出し(*)/交響組曲「朝から真夜中まで」(#)/ 水の記憶(+)/最も幸せな主役(#) |
スザンナ・マルッキ指揮(*) マーティン・ ブラビンズ指揮(#/+) バーミンガム 現代音楽グループ(*/+) BBCso.(#) | |
録音:2006年。 ソウアーはカーゲルに作曲を師事しているが作風は、前衛的なシアター・ピースかと思いきやジョン・アダムスかと思わせるエンターテイメント性の強い音楽。映画音楽的なところがあって楽しめる。指揮は注目の女性指揮者スザンナ・マルッキとイギリスものには定評のあるマーティン・ブラビンズ。 | ||
トランスミッション 〜リチャード・バレット(1959-):作品集 インターフェレンス (コントラバス・クラリネット、声と バス・ドラムのための)(*)/ 「アプグランツベラーデン abglanzbeladen / アウスアインアンデルゲシュリーベン auseinandergeschrieben 」 (パウル・ツェランの詩による〜打楽器のための)(#)/ 玄武岩(トロンボーンのための)(+)/ エア(ヴァイオリンのための)(**)/ クノスペンド=ゲシュパルテナー knospend-gespaltener (クラリネットのための)(##)/ トランスミッション(エレクトリック・ギターと ライヴ・エレクトロニクスのための)(++) |
カール・ロスマン (コントラバスCl、 Vo、ペダル・バス・ドラム;*/ Cl;##) ピーター・ネヴィル(Perc;#) ベンジャミン・マークス(Tb;+) スーザン・ピエロッティ(Vn;**) ダリル・バックリー(電気G;++) リチャード・バレット (ライヴ・エレクトロニクス;++) | |
リチャード・バレットは即興演奏など自ら演奏に関わるアクティヴな活動を続けている作曲家。そのためか、アルバムには友人の演奏家のために書かれた演奏効果の高い作品が多い。「アプグランツベラーデン」と「クノスペンド-ゲシュパルテナー」はナチの収容所から生還したものの1970年に自殺したドイツのユダヤ人詩人、パウル・ツェランの作品に触発され書かれたもの。 | ||
南のラメント 〜スティーヴン・モンタギュー(1943-):作品集 南のラメント(*/#)/真夜中の太陽(*)/ 千年紀における日没のためのコラール(*/+)/ 頭がない騎手(*/**)/感謝祭の聖歌(*/#)/ ハロウィンのびっこの幽霊(*/**)/銀河の彼方(*/+)/ 短刀の舞(##)/パラメル・ヴァ(*)/俳句(*/**)/ かぼちゃの上に夜霜が降りる(*)/ おばあちゃんの屋根裏部屋にある何か(##)/ バービカンのマース・C.のために(++)/ アイヴズの後に(4つの習作)(*/+/**/***) |
フィリップ・ミード(P;*) モニカ・アコスタ(Vo;#) エリシアンSQ(+) スティーヴン・モンタギュー (エレクトロニクス;**/ P;##/プリペアドP;++) ナンシー・ラファー(Fl;***) ロンドン・スーザ・バンド(***) | |
モンタギューのピアノ・ソロ、およびピアノを中心とした室内楽作品集。彼の作風は一様に捕らえられない。彼へのオマージュが書かれているように、その傾倒ぶりが伺えるアイヴズ、ストラヴィンスキー、ジャズの要素が渾然一体となり、やがてクラスターの嵐となる。そんな中、時折ホヴァネス(!)ばりの思わず赤面するような抒情が垣間見える、といったヴァラエティに富んだ内容。 | ||
エドウィン・ロクスバラ(1937-): クラリネット協奏曲(1995)(*)/ 土星(サターン)(1982)(#) |
リンダ・メリック(Cl;*) エドウィン・ロクスバラ指揮(*) ロイヤル・ノーザン・カレッジ・ オヴ・ミュージックso.(*) ピーター・スターク指揮(#) ハートフォードシャー・ カントリー・ユースo.(#) | |
ロクスバラはリヴァプール生まれ。王立音楽院でハーバート・ハウエルズに学んだ後、パリでナディア・ブーランジェに師事、さらにイタリアでダッラピッコラに教えを受けたという経歴が物語るように、ヨーロッパの正統的な様式を土台にしながら、新しい響きを付け加えてゆくという音楽を書く。クラリネット協奏曲はソロ・パートに超絶技巧を要する表現主義的な音楽。「サターン」は作曲者が宇宙探査船ボイジャーが写した土星の写真にインスパイアされて作曲した11の小品からなる、いわば現代版「惑星」で、ライヴ・エレクトロニクスを伴って演奏される交響組曲。 | ||
アメリカの輪唱〜 マーティン・バトラー(1960-):作品集 アメリカの輪唱/シウォードの川の歌/ スーザンの川の歌/ ナサニエルのモビール/葬式/ ピアノ五重奏のための スカルラッティの2つのソナタ/ 夜の続唱/ウォールデン湖の雪 |
シューベルト・アンサンブル [ウィリアム・ハワード(P) サイモン・ ブレンディス(Vn) ダグラス・ パターソン(Va) ジェーン・サーモン(Vc) ピーター・バコーク(Cb)] | |
録音:2006年6月。 バトラーはマンチェスター大学とロイヤル・ノーザン音楽大学で学んだ後、プリンストン大学で修士を取得し、サセックス大学教授を務めている。その音楽は概して調性的でリズムがはっきりしており、静かな部分の美しい音色が印象的。第1曲は、アメリカ民謡の旋律を引用してはいないが、その音階などの要素を採り入れている。第2・3曲は歌劇「もっと良い場所」の中で用いた曲の編曲。 | ||
ジュリアン・アンダーソン(1967-): エデン(*)/ イマジンド・コーナー(#)/ 4つのアメリカの合唱曲(+)/ 交響曲(#)/時祷書(**) |
マーティン・ブラビンス指揮(*) サカリ・オラモ指揮(#) サイモン・ハルシー指揮(+) バーミンガム市so.(*/#/+) バーミンガム市so.cho.(+) オリヴァー・ナッセン指揮(**) バーミンガム現代音楽グループ(**) ロンベルト・コッチオリ、 スコット・ウィルソン (ライヴ・エレクトニクス;**) | |
録音:2003-2006年。 アンダーソンは作曲をジョン・ランバート、トリスタン・ミュライユらに師事。ストラヴィンスキー、ドビュッシー、ヴァレーズ、スペクトル楽派の影響を受け、調性感のある、きらびやかで耳に心地よい音響のなかに新たな音楽の方向性を模索している。指揮者にサカリ・オラモ、オリヴァー・ナッセンらを迎え、フル・オーケストラの醍醐味を味わえる。 | ||
ジェラルド・バリー(1952-):歌劇「英知の園」 | アンジェラ・タンストール(S) ジェレミー・バッド(ボーイS) リチャード・ジャクソン(B−Br) ポール・ハリー(T) スティーヴン・リチャードソン(B) バダグ・ヴェローナ・ジェイムズ(A) ニコラス・クラプトン(CT) ロバート・ハウリハン指揮 アルメイダ・アンサンブル | |
録音:1990年。発売:2005年。 ヴィンセント・ディーンの台本による、バロック・オペラを模したオペラ。18世紀のダブリンを舞台とした作品。作風はバロック的な様式を現代風にデフォルメした感があり、ストラヴィンスキーの新古典主義期の作品を想起させる。 | ||
ブライアン・ファーニホー(1943-):歌劇「影の時」 | シュトゥットガルト 新ヴォーカル・ゾリスデン ニコラス・ホッジス(P/スピーカー) マッツ・シャイデッガー(G) ユルイェン・ヘンペル指揮 ニューム[ Nieuw ]アンサンブル | |
台本:チャールズ・バーンスタイン。1940年フランコ政権下のスペインを舞台に、哲学者ヴァルター・ベンヤミンの最期の時を題材にした、ヨーロッパ前衛音楽の急先鋒ファーニホーの思想小説ならぬ思想オペラ。いつも楽譜が真っ黒になるほどの複雑なスコアを書く彼が、その音楽語法と思想の全てを注ぎ込んだ凝りに凝った問題作。ラッヘンマンの「マッチ売りの少女」とならぶ現代オペラの金字塔。 | ||
エリザベス・ラティエンズ(1906-1983):室内楽作品集 プレサージュ〜オーボエ・ソロのための(1963) モテット(1953)/木管三重奏曲(1963) マニフィカトとヌンク・ディミティ(1965) 弦楽三重奏曲(1964)/愛の詩/ 幻想的三重奏曲/星々の国 |
ジェイムズ・ウィークス指揮 EXAUDI(室内cho.)、 エンディミオン・アンサンブル [Fl、Ob、Cl、P、 Vn、Va、Vc] | |
録音:2006年。 2006年に生誕100周年を迎えたイギリスの女流、エリザベス・ラティエンズ。映画音楽も多く手がけた彼女だが、シリアスな作品は無調でアカデミックな作風。 | ||
思いがけない光〜 セイディー・ハリソン:作品集 思いがけない光/隠れた光/ゲダの編み込み/ ルスネのための歌曲集〜 リトアニアの7つの民謡/ …天使が私の開いた本を読む…/ 3つの歌曲と記憶での花嫁の旅 |
ルスネ・ マタイティテ(Vn) ドナータス・カトクス指揮 ヴィリニュス 聖クリストファー室内o. セルゲユス・ オクルシュコ(P)他 | |
録音:2004年、2005年、2006年。 ハリソンはオーストラリアのアデライデで生まれ、ロンドンのキングズ・カレッジで学んだ。過去の文化を現在どう解釈し理解すれば良いか、伝統に生気を与えるために政治的・音楽的対話がいかに必要かということに関心を持ち、2005年にサウサンプトン大学で考古学を学び始めた。民謡に基づく作品を多数作曲し、第1曲は20世紀初めまで多様だったリトアニア、グルジア、フェルガナ、アルメニアの民俗音楽がいかに変化したかを表現している。ゲダはリトアニアの詩人。 | ||
サイモン・ベインブリッジ(1952-): 二重オーケストラのためのファンタジア(*)/ ヴィオラ協奏曲(#)/ コンチェルタンテ・イン・モト・ペルペテュオ(+) |
サイモン・ベインブリッジ指揮(*/+) BBCso.(*)、 コンポーザーズ・アンサンブル(+) ワルター・トランプラー(Va;#) マイケル・ティルソン・トーマス指揮(#) ロンドン・シンフォニエッタ(#) | |
録音:1982年-1990年。旧 Continuum レーベルからCCD-1020(廃盤)として出ていた録音の、レーベル移行再発売。 ベインブリッジはジョン・ランバートとガンサー・シュラーに師事、メタリックで表出力のある音楽が持ち味。ヴィオラ協奏曲でマイケル・ティルソン・トーマスがロンドン・シンフォニエッタを振っているのが注目。 | ||
ロジャー・マーシュ(1949-): アルベール・ジローの「月に憑かれたピエロ」 |
ヒリヤード・アンサンブル レッド・バード ジュース イーボー・シンガーズ ポール・ゲームソン指揮 リンダ・ハースト(Ms) ジョー・マーシュ(語り) | |
録音:2005年12月、2002年。 ジローの「月に憑かれたピエロ」は50の詩から成り、そのうちの21にシェーンベルクが作曲したダダイズムやシュール・レアリズムを予見させる注目すべき作品。マーシュはヨークやカリフォルニアの大学で学び、ヨーク大学教授を務めている。この作品は2000年にヒリヤード・アンサンブルに委嘱されて初め22曲が作曲され、残りの28曲が第2部として追加されて2002年にヨーク大学で初演された。中世の合唱曲風の曲からポピュラー音楽風のリズムの曲まで、様式は様々。 | ||
ア・ブック・オブ・カラーズ〜 サイモン・ホルト(1958-):ピアノ作品集 トーロマキア/ア・ブック・オブ・カラーズ/ 黒いランタン/クロップス・ラスト・バイト/ニグレド |
ロルフ・ハインド(P) | |
録音:2008年。 サイモン・ホルトは1958年生まれのイギリスに中堅作曲家。クラスターとモーダルなハーモ二―にリゲティ、そしてドビュッシーが遥か彼方に見える。 | ||
デイヴィッド・ブレイク(1936-): ヴァイオリン協奏曲(*)/クリシュナ賞賛(#) |
アイオナ・ブラウン(Vn;*) ノーマン・デル・マー指揮(*) フィルハーモニアo.(*) テレサ・カヒル(S;#) デイヴィッド・ブレイク指揮(#) ノーザン・シンフォニア(#) | |
録音:1979年。原盤:ARGO。おそらく初CD化。 ブレイクはハンス・アイスラーに師事したこともあるイギリスのベテラン。ヴァイオリン協奏曲はベルクの影響を感じさせる佳作で、途中にはヴィエニャフスキかと思わせるロマン派の香りが折衷的に現われる。イギリス音楽の普及に生涯尽力したノーマン・デル・マーの知られざる録音としても貴重な1曲。ヴァイオリンはアカデミー室内管のコンマスとしても知られ、後には指揮者としても活躍、2004年に63歳という若さで早世したアイオナ・ブラウン。「クリシュナ賞賛」もベルクの影響の濃い作品。こちらは作曲者自作自演。 | ||
アンソニー・ペイン(1936-):作品集 何もない風景/森の生活者/結び目と糸/ エドワード・トーマスの詩/石と/ もの悲しい場所が歌う |
ジェーン・マニング(S) ロジャー・モントゴメリー指揮 ジェーンズ・ミンストレル (室内アンサンブル) | |
録音:2006年。 アンソニー・ペインは未完だったエルガーの交響曲第3番を補筆・完成させたことで、一躍有名になった作曲家。ペインはイギリス近現代の作曲家たち、つまりヴォーン・ウィリアムス、バックス、ラッブラ、ブリテンらの伝統を引き継いだ、全体に曇り空のようなトーンを持つメランコリックな作品を作曲する。歌手のジェーン・マニングはペイン夫人、ジェーンズ・ミンストレルは作曲家本人が組織した器楽アンサンブルでともに作品に深い理解を示している。 | ||
氷の下の反映〜 エドウィン・ロクスバラ(1937-): ピアノのための冒険 氷の下の反映/ 若いピアニストのためのミロの鏡/ 6つの練習曲/ピアノ・ソナタ/2つの小品/ 前奏曲とトッカータ/迷宮/序奏とアラベスク |
トン・デュオ [長谷川和香 ジョゼフ・トン] セーリア・マイアーズ 竹之内博明 ピーター・オハガン サリー・メイズ カール・ルチマイア ジョージ・キング ジェイムズ・ヤング(P) | |
録音:2006年11月。 ロクスバラはリヴァプールで生まれ、王立音楽大学で作曲とオーボエを学び、現在バーミンガム音楽院作曲主任を務めている。ここに収録された作品は、ドビュッシーやメシアンの影響を感じさせる叙情的な部分もあるが、自由な無調の部分を交え、大変力強くエネルギーに満ちている。長谷川和香は1975年に生まれ、英国王立音楽アカデミーとギルドホール音楽院で学び、2003年に東京国際ピアノ・デュオ・コンクールで3位を受賞した。竹之内博明は英国王立音楽大学大学院で学び、第4回国際アジア・ショパン・ピアノ・コンクールに入賞している。 | ||
しなやかな倍音〜 ドナチャ・デニヒー(1970-):作品集 眠る魅力的な人/アイルランド人/がらくた箱の欺瞞/ しなやかな倍音/軽い足取り/売春婦 |
アンサンブル・ アンテグラル タティアナ・ コレヴァ(Perc) クラッシュ・アンサンブル、 ダラ・モーガン(Vn) ギャヴィン・マロニー指揮 RTÉアイルランド国立so. ジョアンナ・マグレガー(P) | |
録音:2003年-2007年。 デニヒーはダブリンのトリニティ大学とイリノイ大学で学んだ後、電子音楽をハーグとパリのIRCAMで学んだ。1997年にマルチメディアの現代音楽を演奏するクラッシュ・アンサンブルを創立し、アイルランドの音楽の新しい波の代表の一人と見なされている。第1・5曲ではあらかじめテープに録音された音、第3曲では電子音が一緒に用いられている。第3曲はクラッシュ・アンサンブルのために作曲され、デニヒーの作品の様式の画期的な前進と変化を示すものとなった。 | ||
ジョー・カットラー(1968-):作品集 バートルブース(2004) (*/#/+)/ アーカイエ(2005) (**/#/+)/ Buckely's Hot Licks (2001) (+)/ 塩のサックス [Sal's Sax] (1995-1996) (##) / 夢の賞賛のなかで (2004) (++)/ チェロと弦楽のための音楽(2005) (#/***)/ クラビノーバ・ミュージック (2005) (+) |
アンドルー・ スパーリング(Cl;*) ロビン・マイケル(Vc;#) メアリー・デュレア(P;+) ダラー・モーガン(Vn;**) オルケスト・ デ・エレプリース(##) サラ・レナード(S;++) スティーヴン・ ガットマン(P;++) チャールズ・ ヘイズルウッド指揮(***) BBCコンサートo.(***) | |
録音:1996年-2007年。 カットラーは1968年ロンドン生まれの作曲家で、室内アンサンブル、オルケスト・デ・エレプリースのメンバーとしても活動、日本のピアニスト向井山朋子と共演したこともある。作風はストラヴィンスキーとクラスター技法にジャズ、パンク・ロックの要素を加えたような変化に富んだ音楽で、同じイギリスの作曲家マーク=アントニー・ターネイジの流れに属するようだ。最後の作品はヤマハの電子ピアノ、クラビノーバ [Clavinova] を使用していると思われる。 | ||
ベンいつか〜 ハワード・スケンプトン(1947-): 合唱・室内楽作品集 室内協奏曲/クラリネット五重奏曲/ 精神の声/火の橋/「繊細なもの」からの組曲/ 1年のロンドー/ 起きろ、私の愛/ベンいつか |
バーミンガム 現代音楽グループ ジェイムズ・ウィークス指揮 エクサウディ | |
録音:2007年1月、4月。 スケンプトンはイングランドのチェスターで生まれ、コルネリウス・カーデューに師事して単純な音楽様式を発見した。初めピアノやアコーディオンのための小品を多数作曲したが、最近は声楽曲に集中している。その音楽の親しみ易さ、ロマン派風の和声などは過去への郷愁や保守主義ではなく、スケンプトンは、真の啓発は私たちが最も良く知っていると考えているものの中に探し、発見するべきだと提唱している。 | ||
ザ・エオリアン・カンパニー〜 ピアノラのためのオリジナル作品と編曲集 J.S.バッハ/ウィリス編: 前奏曲とフーガ ト長調BWV.541 グレインジャー:2つのイギリス民謡 ストラヴィンスキー:ピアノラのための練習曲 グーセンス:リズミック・ダンスOp.30 ハーバート・ハウエルズ: ファンタジー・ミニュエットOp.27 アルフレード・カセッラ: ピアノラのための3つの小品 [前奏曲/ワルツ/ラグタイム] ジャン=フランチェスコ・マリピエロ: ピアノラのための3つの即興曲 フレデリック・H.カウエン: 序曲「蝶の舞踏会」 ヒューバート・パリー:「カエル」への付随音楽 アーノルド・バックス:スケルツォ ハリー・ジャイル:奇想曲 ラヴェル:口絵 デイヴィッド・スタンホープ: ピアノラのための3つの民謡 ロビン・ウォーカー:ハリファクス |
レックス・ローソン(ピアノラ) | |
録音:2007年。 "ARCHIVE SERIES"。「ピアノラ」とは19世紀末、アメリカのエオリアン社で開発された自動演奏ピアノの登録商標。混同されがちだが、20世紀に入ってから改良されていったアンピコ、ヴェルテ・ミニョンといったメーカーの楽器と異なり、ピアノラのロールには音程しか記録されておらず、まともな再生を行うためにはピアニストならぬ「ピアノリスト」がペダルを操作し、音の強弱やダンパーなどの、いわば「演奏」を行なう必要があった。代理店翻訳者は『ロール・ピアノと同じものと考えてよいが、現在ではピアノラといえば自動演奏ピアノといえるほど、この名前が定着している。』としているが、この文章ではピアノラという言葉の認識が誤っている上、なぜ自動演奏楽器に奏者が必要かが全く記されていない(また、カウエンの作品で『蝶々の玉』という意味不明の訳もなされている上、ラヴェルの「口絵」を『知られざる小品』とするなど、問題が多々ある)。このCDはピアノラのために作曲されたオリジナル曲と編曲物が集められ、グレインジャーの名作「岸辺のモリー」からラヴェルまで多彩な作品が聴ける。 レックス・ローソン(1948-)は専門のピアノリストとして演奏活動を行なう変った奏者。公式サイト(http://www.rexlawson.com/)には、ブーレーズとのエラートヘのストラヴィンスキーの録音や、コンロン・ナンカロウとの写真や記述もある。 | ||
ハリソン・バートウィスル(1934-): 「パンチとジュディ」〜 悲劇的喜劇又はこっけいな悲劇/ 1幕の歌劇(1968) |
スティーヴン・ロバーツ(Br) ジャン・ デ・ガエターニ(Ms) フィリス・ ブリン・ジュルソン(S) デイヴィッド・アサートン指揮 ロンドン・シンフォニエッタ/他 | |
録音:1979年6月、7月。 バートウィスルは王立マンチェスター音楽大学で作曲とクラリネットを学び、1954年「マンチェスター新音楽グループ」を結成した。1965年から作曲に専念し、単位を組み合わせていく祭儀的性格の強い様式を確立し、この歌劇や器楽曲「悲劇」などによってイギリスの代表的作曲家の一人となった。「パンチとジュディ」は、こっけいなあやつり人形の見世物で、主人公のせむしでかぎ鼻のパンチが妻ジュディと犬を殺し、訪ねて来る医者を殴打し、自分の死刑執行人を絞首刑にするという物語。 | ||
プリズム〜バス・クラリネットとピアノのための音楽 ゲイリー・カーペンター:マーキング・タイム ケネス・ヘスケス:ポイント・フォーム(カンディンスキーを見て) ギャヴィン・ヒギンズ:3つの壊れたラヴ・ソング / エミリー・ハワード:仮面舞踏会 デイヴィッド・ホーン:チャイム / パトリック・ヌン:プリズム スティーヴン・プラット:ショート・スコア〔I −IV〕 マーク・シンプソン:ラヴ(エスケープ) マーク=アントニー・ターネイジ:根源の歌 マーク・シンプソン(バスCl/Cl) イアン・バックル(P) | ||
録音:2010年8月。イギリスの幅広い世代の作曲家によるクラリネットのための新作現代音楽。ジャズ、ロックの影響が濃厚なカーペンターのマーキング・タイム、ハワードのミニマル系の抒情的な仮面舞踏会、いまや巨匠となったポスト・パンク世代の代表マーク=アントニー・ターネイジの根源の歌など全9曲。クラリネットで聴くイギリス発ポスト・パンク世代の現代音楽。 | ||
知られざるブリテン 「イリュミナシオン」(1939) (コリン・マシューズ補作の追加された 3曲付き、全12曲;*)/ ロンド・コンチェルタンテ(1930) 〜ピアノと弦楽のための(#)/ デニス・ブレインの追憶に(1958) 〜4つのホルンと弦楽のための(+)/ 無題断片(1930)〜弦楽のための(**)/ 変奏曲(1965)〜ピアノのための(##)/ クラリネット協奏曲のための楽章(1942年頃) (第1・3楽章: コリン・マシューズによる補作;++) |
トーマス・ ツェートマイアー指揮(##以外) ノーザン・ シンフォニエッタ(##以外) サンドリーヌ・ピオー(S;*) ロルフ・ハインド(P;#/##) マイケル・トンプソン、 リチャード・ワトキンス、 ピーター・フランコウム、 クリス・グリフィス(Hr;+) マイケル・コリンズ(Cl;++) | |
ほとんどが世界初録音となるブリテンの珍しい作品集。草稿の段階で残されたものはマーラーの交響曲第10番でデリック・クックの補佐としてオーケストレーションを完成させたことで知られるコリン・マシューズが補作、管弦楽化している。現在普及している「イルミナシオン」は10曲からなるが、後にブリテンが追加しようと構想しスケッチを残していた3曲を新たに加えた完全全曲版。バロックを中心に活躍、吉田秀和氏も絶賛の名歌手サンドリーヌ・ピオーが歌っている。デニス・ブレインのための書かれた「デニス・ブレインの追憶に」は短いながらもオペラの一幕を思わせる気の利いた一品。ベニー・グッドマンを想定して構想されながら未完に終わった「クラリネット協奏曲のための2つの楽章」、ほとんど完成間近だったピアノ協奏曲のロンド楽章ほか、ブリテン・ファン、イギリス音楽マニアは必聴。 | ||
ジョナサン・ハーヴィー(1939-):管弦楽作品集 静かな滞在(*)/身体曼荼羅 [Body Mandala] / 時の小品/ジャスミンの白(#)/ 純粋な土地にむかって・・・ |
アヌ・コムシ(S;*) ステファン・ソリオム(Vn;#) イラン・ヴォルコフ指揮 BBCスコティッシュso. | |
録音:2007年。 いまや現代イギリス作曲界の重鎮、スペクトル楽派にも繋がる音響音楽を作風とするハーヴィーの主要な管弦楽曲。ハーヴィーは初期にはシェーンベルク、ベルク、メシアンの影響を受けていたが、やがてシュトックハウゼンの影響を受け、ブーレーズの招きでIRCAMで電子音響を研究を行ったことが、今の作風を大きく決定づけた。「静かな滞在」では倍音に基づく調性的音響による潮の満ちひきのような変化が美しく、「身体曼荼羅」ではチベット仏教の読経にインスピレーションを得た重低音が鳴り響く。 | ||
ネガティヴ〜リチャード・バレット:作品集 誰もが逃走を(チェロ独奏のための)/ アース(トロンボーンと打楽器のための)/ アナザー・ヘブンリー・デイ(クラリネット、 エレクトリック・ギター、ベースのための)/ ネガティヴズ(6人の奏者のための)/ 写本I(6人の奏者のための) |
エリション(アンサンブル) [F.ゴーワクリー(Vc) D.バックリー(エレキG) K.ボアースマ(Db)/他] | |
録音:1993年。旧 ETCETERA KTC-1167の、レーベル移行再発売。 ANCORAシリーズ。リチャード・バレットは1959年生まれでベルリンで作曲と電子音響を学んだ。本盤では電子音響を使った作品はないが、音響の美学にその影響が感じられる。「アース」は原初的な打楽器のリズムにトロンボーンの唸るような響きが、さながら古代の儀式を思わせる。「写本I」では一つの音の持続から次第に激しくなってゆく音事象の変化が聴きもの。 | ||
ワイヤード 〜チェンバロとエレクトロニクスのための作品集 ポウル・ホイッティ:セブン・ページズ1 ジェイムズ・ディロン:旋回音 ポウル・ディブリー:INVIII ポウル・ニューランド:1-2 マイク・ヴォーン:イン・メモリアム ポウル・ニューランド:3-4 ポウル・ディブリー:INVI ソーラブ・ウドゥマン:秋の大地を吹き渡る吐息 サム・ヘイデン:火花 ポウル・フィッティ:セブン・ページズ2 |
ジェーン・チャップマン (Cemb) | |
録音:2007年。 チェンバロ、またはそれに電子音響を加えた作品を集めた。電子音響はチェンバロの音をリアルタイムで加工するもの、予め制作された別種の音響を同時に流すものありとアプローチも様々。ポウル・ホイッティのセブン・ページズ1では弦を鳴らさずに鍵盤を上下させる時のガタガタするノイズだけで構成するという思い切った作品。マイク・ヴォーンはほとんどエリオット・シャープばりにチェンバロがノイズ・ロック、パンク・ロックと化す極めてアグレッシヴな大作。チャップマンはトン・コープマンに師事し、レパートリーは17世紀から現代までと幅広く、イギリスの最もプログレッシヴなチェンバロ奏者と評されている。 | ||
エドワード・ラッシュトン(1972-):歌劇「店」 [The Shops]
パトリック・ベイリー指揮ジ・オペラ・グループ | ||
録音:2007年。BBC第3放送との共同制作。ラッシュトンは舞台作品を中心に作品を発表しており、2007年には権威ある英国作曲賞を受賞している。無調による正統的現代オペラ。 | ||
シークレット・シアター〜 ハリソン・バートウィッスル:作品集 カルメン・アルカディア・メカニカ・ペルペトゥム/ シルバリー・エア/ シークレット・シアター |
エルガー・ハワース指揮 ロンドン・シンフォニエッタ | |
録音:1987年。旧 ETCETERA KTC-1052の、レーベル移行再発売。 "ANCORA SERIES" イギリス現代作曲界の大御所、バードウィッスルの代表的な管弦楽曲を収録。「カルメン・アルカディア〜」は短い中に多様な変化が詰め込まれた点描的な音楽で、パウル・クレーの絵にインスパイアされたという。「シークレット・シアター」はブーレーズ&アンサンブル・アンテル・コンタンポランの演奏でも出ていた、バードウィッスルの代表作。 | ||
コリン・マシューズ:室内楽作品集 二重弦楽四重奏のためのディヴェルティメント/オーボエ四重奏曲第1番(*) [メリンダ・マックスウェル(Ob;*) オリヴァー・ナッセン指揮ディヴェルティメンティ・アンサンブル]/ トリプティーク[シューベルト・アンサンブル]/ 木管五重奏のための5つのコンチェルティーノ[ハフナー・ウィンド・アンサンブル]/ 弦楽四重奏曲第2番[ブランディスSQ] | ||
録音:1985年。 "ANCORA SERIES" ホルスト「惑星」の補作として「冥王星」を作曲したり、デリック・クックと共にマーラーの交響曲第10番の全曲版を完成させたことで知られる作曲家マシューズの作品集。表現主義あり、ウェーベルンばりの点描主義あり、また擬古典的ありと、多様な様式と技術を持った作曲家であることがわかる。 | ||
NMCソング・ブック 〜NMCレコード創立20周年記念委嘱作品集 委嘱作曲家:J.アンダーソン、J.ディロン、 サイモン・ホルト、藤倉大、 ジェイムズ・マクミラン、M.フィニシー、 P.M.デイヴィス、D.マシューズ、 ジョナサン・ハーヴィー、 ギャヴィン・ブライヤーズ、ジョン・ホワイト、 マーク=アントニー・ターネイジ、 ハリソン・バードウィッスル/他全110トラック |
エリザベス・アサートン(S) スーザン・ビックリー(Ms) ジェイムズ・ボウマン(CT) マイケル・チャンス(CT) ハウ・ワトキンス(P)/他多数 | |
制作:2009年。 NMCレコードは創立20周年記念として短い歌曲をNMCに縁のある作曲家に委嘱、若手からベテランまで、図らずも21世紀歌曲の壮大な万華鏡が出来上がった。日本の藤倉大も参加している。ブライヤーズ(タイトルはなんと「老人と海」!)、ターネイジ(ごく短い曲ながらユーモアと挑発にあふれている)などの新作が聴けるのもうれしい。伴奏はピアノ、ハープ、打楽器、チェンバロ、ギターとさまざま。 | ||
ウィンター・パッション〜デイヴィッド・マシューズ(1943-): 恐るべき美女(シェイクスピア「アンソニーとクレオパトラ」第2幕第2場による)/ クラリネット五重奏曲/マリーナ(T.S.エリオットのテキストによる)/ 弦楽三重奏曲〔第1番/第2番〕/ウィンター・パッション スーザン・ビックリー(Ms) スティーヴン・ロジス(Br) ライオネル・フレンド指揮ナッシュ・アンサンブル | ||
録音:2009年。デイヴィッド・マシューズはニコラス・モーと同期でベンジャミン・ブリテンのアシスタントを長く務めるなどイギリス音楽界の中心で活躍、今やイギリス作曲界の重鎮と言っても過言ではない存在。最新作を含む作品群はブリテン、バルトーク、ショスタコーヴィチの影響を感じさせる渋く手堅い作風のなかに硬質の抒情を漂う。 | ||
「乱流の風景」〜シア・マスグレイヴ(1928-)の音楽 乱流の風景(2003)(*)/ 冬の夕暮れのための歌(1995)(#)/ 2のカンパニー [Two 's Company](2005)(+) |
オスモ・ヴァンスカ指揮(*/#) イジー・ビエロフラーヴェク指揮(+) BBCso.(*/+)、 BBCスコティッシュso.(#) リサ・ミルン(S;#) イヴリン・グレニー(Perc;+) ニコラス・ダニエル(Ob;+) | |
録音:2005年(*)/1998年(#)/2007年(+)、以上BBCプロムス、ライヴ。 マスグレイヴの壮麗な音色とヴォリュームを持った管弦楽曲集。マスグレイヴ女史はエディンバラ生まれ、パリでブーランジェに師事した。作風は現代のシベリウス、ニルセンとでも言ったらよいような、近代的な響きのなかに濃厚な北欧的ロマンティシズムが漂う。 「乱流の風景」はまさに北大西洋の寒々とした風景が描かれており、北欧音楽ファンにお薦め。「2のカンパニー」はオーボエと打楽器のための二重協奏曲でグレニーのアクロバティックな妙技が冴える。 | ||
涅槃に向かって〜 アダム・ゴーブ(1958-):吹奏楽作品集 告別(*)/ブリューゲルからの情景(#)/アクセント(#)/ ニルヴァーナ(涅槃に向かって;+) |
ティモシー・レイニッシュ指揮(*) クラーク・ランデル指揮(#) マーク・ヘロン指揮(+) 王立ノーザン・カレッジ 音楽大学ウィンドo. | |
録音:2009年、ライヴ。ゴーブはイギリスの中堅作曲家で室内楽、吹奏楽に多くの作品がある。「涅槃に向かって」は佼成ウィンドo.の委嘱で書かれたダイナミックな大作。 | ||
眠りの前の歌〜リチャード・ロドニー・ベネット(1936-):歌曲集 マジョリー・フレミングの花輪(*)/眠りの前の歌(#)/ダンスの歴史(+)/ ドリーム・ソングズ(+)/トム・オブドラムの歌(**)/これが庭(*)/旅(+)/夕暮れの歌(*) ソフィ・デーネマン(S;*) ロデリック・ウィリアムズ(Br;#) スーザン・ビックリー(Ms;+) ベンジャミン・ヒューレット(T;**) オリヴァー・コーツ(Vc;**) イアン・バーンサイド(P) | ||
録音:2009年-2010年。 ロドニー・ベネットはロンドンの王立音楽院で学んだ後ダルムシュタットの夏季現代音楽講習に参加、パリではブーレーズに個人的に師事するなどヨーロッパの前衛音楽を学んだが、その音楽は極端な前衛には走らず、常によい意味で常識的で親しみやすい。このアルバムには若書きから最近作まで幅広い作品が選ばれているが、近代イギリス歌曲のよき伝統を感じさせる秀曲ぞろい。「ダンスの歴史」は最新ブロードウェイ・ミュージカルのナンバーにしてもおかしくないウィットに富んだ曲。 | ||
夜の黒い鳥〜 ハリソン・バートウィスル(1934-):管弦楽曲集 夜の黒い鳥(2004)/夜の影(2001)/ アヌビスの嘆き(1994)(*) |
オウエン・スレード(Tu;*) ライアン・ウィグルスワース指揮 ハレo. | |
録音:2010年8月。2011年英グラモフォン誌レコード賞ノミネート・ディスク。かつてピーター・マクスウェル・デイヴィスと並んでマンチェスター楽派と呼ばれたイギリス作曲界の重鎮による久々の大規模オーケストラ作品を一挙紹介。目にも鮮やかなまばゆいばかりの華麗なオーケストレーション、うねり渦巻き、ほとばしる音響と旋律の運動、はじける活き活きとしたリズムなど、現代音楽でありながら聴き手の生理的欲求と期待を満足させる、エンターテイメント性に富んだ作品ぞろい。 | ||
ピーター・マックスウェル・デイヴィス(1934-):歌劇「タヴァナー」
オリヴァー・ナッセン指揮BBC so.、ロンドン・ヴォイシズ、新ロンドン児童cho. フレットワーク(ヴィオラ・ダ・ガンバ・アンサンブル) マーティン・ヒル(T) デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(Br) フィオーナ・キム(Ms) マイケル・チャンス(CT)他 | ||
録音:1996年、BBC。 スコットランド北の海岸沖オークニー諸島に在住し、ひたすら幻想を追い求める孤高の作曲家マクスウェル・デイヴィスの最初の歌劇が今、ここに初CD化。1972年、作曲者自身の台本によって作曲され、コヴェント・ガーデン王立歌劇場で初演後、1996年になってこの録音がなされ放送されたが、以来お蔵入りとなっていた。タイトルから察せられる通り、主人公はイギリスで16世紀半ばに活躍した作曲家ジョン・タヴァナー。彼はほぼ教会つきの音楽家として活躍したが、ルター派のスキャンダルに関わり投獄されたりするなど波乱の人生を送っている。そんな彼の作品を引用(著名なアンサンブル、フレットワークも登場!)しながら、デイヴィスは現代における信仰の危機をオーヴァー・ラップさせている。作風は表現主義の手法で書かれ、時にベルクを思わせる。ルネサンスの宗教曲、世俗曲の様式は現代風にデフォルメされている。オリヴァー・ナッセン率いる歌手陣、BBC響の一糸乱れぬ緊張感あふれる演奏も聴きもの。 | ||
地球と星々〜ピーター・ウィーゴールド(1950-): カーラチャクラ(*)/地球よ、栄えある賓客を迎えよ(#)/バラ(+)/地球と星々(*) ピーター・ウィーゴールド指揮(*/#) ノート・イネガル(アンサンブル)(*)、 サウスバンク・シンフォニア(#) メリンダ・マクスウェル(コール・アングレ;#) ジュリエット・フレイザー(S;+) マーティン・バトラー(P;+) | ||
録音:2009年。ピーター・ウィーゴールドは現代イギリスの中堅世代に属する作曲家で、BBCプロムスのために度々オーケストラを作曲している。カーラチャクラとはチベット密教の最奥義である無上ヨーガ・タントラの代表的な聖典のことで、同名の曲はチベット密教の世界観を表現しようとした物。「地球よ、栄えある賓客を迎えよ」はコール・アングレの呪術的な旋律に美しい弦楽のハーモニーが絡んで神秘的。「地球と星々」はジャズのイディオムも感じさせる佳作。 | ||
Sound Census〔音の国勢調査〕〜エンディミオン結成30周年記念 アンソニー・ギルバート:ダブルス / アンソニー・ペイン:マウスフル・オブ・エア フィリップ・キャシアン:コンチェルタンテ / サイモン・ベインブリッジ:2つのトリオ マーティン・バトラー:フンディング / コリン・マシューズ:スケルツェット ジョー・ダッデル:3つの彫刻 / ベイヤン・ノースコット:ダブルス・オール・ラウンド ピーター・マックスウェル・デイヴィス:ジュダス・メルケイター ブライアン・エリアス:即興曲 / ジョアンナ・ベイリー:アキシス ジェイムズ・ウィークス:ザ・ペッカム・ハーモニー サイモン・ホルト:異種 / フィリップ・ヴァネイブルズ:ファイト・ミュージック ヴィック・ホイランド:トークン / モーガン・ヘイズ:シャトナーのファゴット メリンダ・マクスウェル:シングラ・ロック / エドワード・カウィー:マグマ詩篇 藤倉 大:暗示 / クリストファー・フォックス:日の光のもとでの研究 サイモン・ウィルズ:言葉なしで・・・ / ナオミ・ピノック:ウィズイン サイモン・ホルト:ディスパレイト・ドス エンディミオン〔Hp,Fl,Ob,Cl,B/Cl,Fg,Hrn,Tp, Tb,Vn,Va,Vc,Db,Perc,P〕 | ||
録音:2009年。 現代音楽を専門とする室内アンサンブル・エンディミオンはイギリスのナショナル・ユースo.の有志により結成された。彼らは通常のクラシックのレパートリーに飽き足らず同時代の主にイギリスで活動する作曲家に作品を委嘱し常に野心的なコンサートを行ってきた。このアルバムは結成30周年を記念して作られたもので様々な世代の作曲家が記念に作品を提供している。ピーター・マックスウェル・デイヴィスら大御所から注目の日本の若手・藤倉大までバラエティに富んだ内容。今のイギリス現代音楽シーンを手っ取り早く知るのに最適。 | ||
ソロとデュオ〜エドウィン・ロクスバラ(1937-): 独り言3(Vn solo)/ 伴奏つきのフルートの音楽(Fl,Pf)/ 独り言2(Va solo)/ 回転する世界の静止点で・・・(Ob,Electronics)/ 独り言4(Vc solo)/ オーブ(ダンサーと打楽器のためのバレエ)/ デイヴィッドのためのデュオローグ (Va duo) |
スルキ・ユー(Vn) M.コックス(Fl) N.クレイトン(P) M.ムラート(Va) H-Y.フアン(Va) E.ロクスバラ(Ob) L.キャサリー (エレクトロニクス) M.マックロード(Vc) N.リード(Perc) | |
録音:2008年。 作曲をナディア・ブーランジェとダッラピッコラに学んだリヴァプール出身のイギリスの作曲家エドウィン・ロクスバラは、オーボエ奏者としても活動している。正統的(?)なヨーロッパの前衛音楽の様式を継承した手堅い作風だが、自らオーボエを吹く「回転する世界の静止点で・・・」ではオーボエの特殊奏法とオーボエの音を(おそらくリアル・タイムで)変調させて作ったコンピュータ音響の絶妙のタペストリーが実験的で面白い。 | ||
ノンチェルト、他 [NONcertos and others] 〜 リチャード・アイレス(1965-): No.37b(管弦楽のための)(*)/ No.36(ホルンのためのノンチェルト)(#)/ No.31(トランペットのためのノンチェルト)(+) |
ローラント・クルティヒ指揮 フランクフルト放送so.(*) ウィム・ ティマーマンス(Hr;#) ASKOアンサンブル(#) マルコ・ブラウ(Tp;+) ムジーク・ファブリーク(+) | |
録音:2002年、2004年。 リチャード・アイレスはイギリス・コーンウォール地方出身。ダルムシュタットでモートン・フェルドマンに師事した後、ルイ・アンドリーセンにも教えを受けている。ハリウッド映画かアニメのサウンドトラックのような明るく屈託のない楽想とオーケストレーションをまるで子供が積み木を崩すようにグチャグチャなカオスにしてしまうやんちゃぶりがこの作曲家の特徴。ノン・チェルト(NONcerto)というネーミングはもちろんConcertoのパロディだろうが、こんな所にも彼のセンスが表れている。ジョン・アダムズと新古典主義期のストラヴィンスキーとプロコフィエフを明るくシュニトケ風にシャッフルした音楽。 | ||
モーガン・ヘイズ(1973-):作品集 菱形の港(2003)〜アンサンブルのための/ストライズ第1集(2006)〜ピアノのための/ 幸運のスピーチ(2006)〜ヴァイオリンのための/ヴァイオリン協奏曲(2006/2009)/ 人形劇(1999/2010)〜ピアノのための/幸運の夢(2008)〜ヴァイオリンのための/ 3つの悩める側面(1998)〜ピアノのための/ストライズ第2集(2007)〜ピアノのための スリッページ(擦れ)(1999)〜ピアノとアンサンブルのための/ リュート・ストップ(2003/2011)〜ピアノのための 岡崎慶輔(Vn) ジョナサン・パウエル(P) クリストファー・オースティン指揮エスビャウ・アンサンブル | ||
録音:2009年、2011年。イギリス現代音楽界の若手世代といえばジョージ・ベンジャミン、ターネイジ、ナッセン以降の動向が日本にはなかなか伝わって来ないが、ヘイズは上記の作曲家以後のイギリス作曲界を知る上で重要な一人と推察される。ヘイズは作曲をマイケル・フィニシーに師事、アカデミックな現代音楽の諸技法をバランスよく吸収した手堅い技術で安定した音楽を創作している。ブーレーズを思わせる鮮やかできらびやかなオーケストレーション、ポスト・セリー主義かと思えばパンクを思わせるリズムもあるなど20世紀後半の音楽の諸要素を統合したヴァラエティあふれる内容。 | ||
ヒュー・ワトキンズ(1976-):作品集 チェロと8楽器のためのソナタ(*) /4つのスペンサー・ピース(#) / 3つのオーデン歌曲集(+) /ヴァイオリン独奏のためのパルティータ(**) / グッディソン四重奏曲第4番「イン・マイ・クラフト・オア・サレン・アート」(##) ポール・ワトキンズ(Vc;*) イアン・ブラウン指揮ナッシュ・アンサンブル(*) ヒュー・ワトキンズ(P;#/+) マーク・パドモア(T;+/##) アリーナ・イブラギワ(Vn;**) エリアス四重奏団(##) | ||
録音:2010年-2011年。デビュー・ディスク・シリーズ。ヒュー・ワトキンズはイギリス・サウスウェールズ出身の若手作曲家でケンブリッジのキングズ・カレッジとロンドン王立音楽院で学んだ。作風は12音技法、モード、調性的な語法、クラスターなどの諸様式を柔軟に併用・折衷しつつ様々な音響イベントを息もつかせず繰り出す。W.H.オーデンの詩による「3つのオーデン歌曲集」は自由な無調の伴奏に調性的な旋律が歌われるブリテンを思わせる抒情的な作品。ブリテンからオリヴァー・ナッセンへと連なるイギリス現代音楽の新保守派の最先端に位置する俊英作曲家。 | ||
ドレンペル [Drempel] ジョナサン・パウエル:ドレンペル アンドルー・ポピー:いかにハンマーを感じるか デイヴ・プライス:リーのゲーム ポール・ニューランド:トランス ハワード・スケンプトン:縦に並んで ジョー・カットラー:シコースキーB フィン・ピーターズ:いななく馬 ジェフ・ハンナン:バブル・ガム |
ノスフェラトゥ [フィン・ピーターズ(Sax/Fl) デイヴ・プライス(Perc) イヴォ・デ・グレーフ(P) ジョー・カットラー (クリエイティヴ・アソシエート)] | |
録音:2008年-2009年。 ノスフェラトゥはジャズにも精通した作曲家・演奏家が4人集まったアンサンブル。名前は吸血鬼からとられている。パウエルの「ドレンペル」とは車がスピードを出せないように設置された凸形の障害物。サックスとピアノ、パーカッションでの凸凹感がカッコいい作品。その後もミニマルっぽいもの、ジャズっぽいもの、おしゃべりがサンプリングされてぐるぐる回るもの、と聴くものをあきさせない66分。 | ||
シア・マスグレイヴ(1928-): 語り、独唱とアンサンブルのためのラジオのための歌劇「ふくろうクリーク橋での事件」(1981)(*) [J.ガーディナー(Br) G.ハニカット(語り) シア・マスグレイヴ指揮ロンドン・シンフォニエッタ]/ グリーン (#) [スコティッシュ・アンサンブル]/荒々しい冬I (+)[レッド・バード、フレットワーク] | ||
録音:1981年(*)/2008年(#)/1993年(+)。スコットランドに出自を持つアメリカの作曲家マスグレイヴは、主にドラマ音楽の分野で活動している。(*)は効果音なども含まれる無調風の音楽。(#)は19世紀後半のロマン派のスタイルで書かれた佳作、(+)は人気ヴォーカル・グループを起用したオペラ風のシアター・ピースで、ルネサンス音楽の様式を模倣している。 | ||
サム・ヘイデン(1968-):作品集 「システム/エラー」[トリオ EKL 〔菅野みえこ(Vn) アンヌ・ラ・ベルゲ(Fl) クレア・エドワーズ(Perc)〕]/ 「出席/欠席」/モジュール方式[エンノ・ポッペ指揮アンサンブル・モザイク]/ 見当違い[ユージン・ウゲッティ指揮エリシオン・アンサンブル] | ||
録音:2010年-2011年。デビュー・ディスク・シリーズ。サム・ヘイデンはマイケル・フィニシーとジョナサン・ハーヴィーに師事し1995年にはベンジャミン・ブリテン国際作曲コンクールに優勝している。ヴァイオリン、フルート、打楽器が終始フリー・ジャズのようにぶつかり合う攻撃的な「システム/エラー」、いらいら・せかせかしたモティーフとノイズが神経を逆なる「見当違い」、同じように常に緊張した音響が聴き手をいらつかせるファーニホーばりの「モジュール方式」など、ヨーロッパ前衛(特に「新しい複雑性」)の好きなリスナーにはお薦め。 | ||
俺のぶっ壊れたマシーン〜エド・ベネット:作品集 ストップ・モーション・ミュージック(2010)(*)/スロー・ダウン(2011)(#)/漫画の音楽(2007)(*)/ モンスター(2005)(+)/ JFのために(2007)(**)/俺のぶっ壊れたマシーン(*)/ゴースト(##) デシベル(*)〔室内アンサンブル〕 フィデリオ・トリオ(#)〔Vn/Vc/P〕 ポール・ロウ(バスCl;+) コン・テンポSQ(**) ガース・ノックス(Vaダモーレ;##) | ||
録音:2006年-2010年。エド・ベネットは北アイルランド出身で作曲は独学。生年不詳(写真から察するに30代〜40代?)。パリ、ベルリン、ロンドンなどで数年を過ごしたことが彼の独自の音楽的パーソナリティに影響を与えたと解説されている。音楽はアコースティックの楽器でパンク・ロックをやっているような曲があるかと思えば出来損ないのブライアン・イーノ(その出来損ない感はもちろん意図的)のような作品あり、ジャカジャカ・ザクザクといったブリティッシュ・ミニマリズムの影響を受けた作品ありと多様。故意にチープな感覚を出しているセンスはなかなか笑える。同姓同名のジャズ・ベーシストがいるようだがもちろん別人。 | ||
ロバート・サクストン(1953-):ラジオ歌劇「さまよえるユダヤ人」 (作曲:1990年代/原作:シュテファン・ハイム/台本:作曲者) ロデリック・ウィリアムズ、ティム・マーフィン(Br) テレサ・ケイヒル(S) ヒラリー・サマーズ、ルイーズ・ウィンター(Ms) ジェレミー・ホワイト(B)他 アンドレ・デ・リッダー指揮BBCso.、BBCシンガーズ | ||
録音:2008年-2009年。「さまよえるユダヤ人」は東ドイツの作家シュテファン・ヘイムの原作を作曲者が自ら台本を手がけラジオの放送歌劇として作曲、1990年代にBBC第3放送で放送初演された。物語は第2次世界大戦最中の強制収容所から中世、キリストの時代までさかのぼり世界中をさまよえざるをえなくなったユダヤ人の長い受難の歴史を後期ロマン派風の音楽で壮大に描く。 | ||
デイヴィッド・ラムズダイン(1931-):ビッグ・ミーティング | ||
制作:1971年。ラムズダインはオーストラリア、シドニー出身の作曲家。「ビッグ・ミーティング」は声、語り、街の雑踏、話し声などの環境音、ブラス・バンド、電子音などをコンピュータで加工&コラージュした、一種のミュージック・コンクレート作品。 | ||
シークレット・フォレスト〜藤倉大(1977-):作品集 シークレット・フォレスト(*)[高関健指揮アール・レスピラン]/ルビコン[ケイト・ロマノ(Cl)]/ ファントム・パルス(+)[ミシェル・チェルッティ指揮ルツェルン・パーカッション・グループ]/ エターナル・エスケープ[エイドリアン・ブラッドバリー(Vc)]/ オケアノス[オケアノス〔メリッサ・ホールディング(筝) ロビン・トンプソン(笙) ケイト・ロマノ(Cl) ジニー・ショー(Ob) ブリジット・キャリー(Va)〕] | ||
録音:2008年11月5日、紀尾井ホール(*) /2011年1月15日-16日、ロンドン(無印) /2006年9月11日、ルツェルン(+)。デビュー・ディスク・シリーズ。 『現代音楽なんてとっくに終わっているものだと思っていたが、21世紀の今日、まだ新鮮な音楽が聴ける歓びがあったなんて!』(坂本龍一) 藤倉大は大阪に生まれ、今や20年以上を英国で過ごしている。英国ではロックスバラ、ランズウィック、ベンジャミンに師事。これまでハダースフィールド国際音楽祭作曲家賞、ロイヤル・フィルハーモニック作曲賞、国際ウィーン作曲賞、パウル・ヒンデミット賞、第57回尾高賞および第19回芥川作曲賞、中島健蔵音楽賞、エクソン・モービル賞をはじめ、数々の著名な作曲賞を受賞している。ロンドンでは、BBCプロムスから2つの委嘱を受けているほか、コントラバス協奏曲がロンドン・シンフォニエッタによって初演されている。2013年には「atom」がBBCso.によってイギリス初演される予定。藤倉の音楽はフランスでも受け入れられ、多数の委嘱が行われている。中でも彼の初めてのオペラ作品(演出:勅使川原三郎、シャンゼリゼ劇場・ローザンヌ歌劇場・リール歌劇場による共同制作)はそれらの頂点と言える。ドイツでは、ドゥダメルとシモン・ボリバル・ユースo.に捧げられた作品である、「Tocar y luchar」がベルリンでヨーロッパ初演された。ほかにもミュンヘン室内o.の委嘱で「Grasping」を作曲。これまでに共同作業を行った指揮者には、ブーレーズ、エトヴェシュ、ノット、ドゥダメル、リープライヒ、山田和樹らが挙げられる。国際的な共同委嘱がますます増えており、2012/13シーズンには、木管楽器・打楽器ソリストとオーケストラのための「Mina」がシアトルso.、バンベルクso.、名古屋po.によって、それぞれの大陸で初演される予定。今回のこの作品集は藤倉のこれまでの軌跡を知る上で大変貴重なディスク。 | ||
ブライアン・エリアス(1948-):管弦楽作品集 ジャックがたてた家(2001) (*) / タリスマン(魔除け)(2004) (#) / ダブルズ(2011) (+) |
ティム・マーフィン(Br;#) アンドルー・デイヴィス指揮(*) マーティン・ブラビンズ指揮(#) イジー・ビエロフラーヴェク指揮(+) BBCso. | |
録音:2002年(*)/2009年(#)/2011年(+)。ブライアン・エリアスはロンドン王立音楽院でハンフリー・サールに師事した。12音技法を主軸として華麗なオーケストレーションが圧倒的な音のエネルギーを放出する。 | ||
大橋あたけの夕立 ジェフリー・プール:大橋あたけの夕立 ロジャー・マーシュ:カントI ニコラ・レファニュ:アモーレ〜 ホルンと弦楽アンサンブルのための5つの無言歌(*) アンソニー・ギルバート:風の楽園 |
マルコム・レイフィールド指揮 ゴールドバーグ・アンサンブル リチャード・ワトキンズ(Hr;*) | |
録音:2004年、ライヴ。ゴールドバーグ・アンサンブルは1982年にマルコム・レイフィールドによって結成された弦楽アンサンブルでイギリスの現代音楽を主要なレパートリーにしている。このディスクはイギリスの中堅以上の世代の作品が収録されており、アルバム・タイトルになっているジェフリー・プールの「大橋あたけの夕立」は広重作の同名の日本の浮世絵から霊感を受けて作曲された。現代のロマンティシズムを感じさせる佳曲がそろっている。 | ||
オリヴァー・ナッセン(1952-): 交響曲第3番(*)/「オフィーリアの踊り」第1集(+) /室内オーケストラのための「コーシング」/ ソプラノと3つのクラリネットのための「トランペッツ」[リンダ・ハースト(S) マイケル・コリンズ、エドワード・ピリンガー、イアン・ミッチェル(Cl)]/ オーボエと弦楽三重奏のためのカンタータ(#)[ナッシュ・アンサンブル]/ 交響曲第2番(ソプラノと室内オーケストラのための)[エレーン・バリー(S)] マイケル・ティルソン・トーマス指揮フィルハーモニアo.(*) オリヴァー・ナッセン指揮ロンドン・シンフォニエッタ(*/##以外) | ||
録音:1981年5月(*/+)、1983年8月(*/+以外)。原盤・前出:UNICORN-KANCHANA, UKCD-2010。イギリス現代作曲界は大変多様で活発に活動しているが、オリヴァー・ナッセンはいわゆるクラシックの流れを汲む伝統的な現代音楽の作曲家としてジョージ・ベンジャミンと共にいまやイギリスの重鎮的存在となっている。このディスクではそんな彼が20代に作曲した作品を収録。ナッセンは16才で自作の交響曲第1番を自らロンドン響を指揮して初演したほどの早熟で、ここに収められた作品のいずれもが若書きとは無縁の高い完成度を持っている。自ら作曲家でもあるティルソン・トーマスの的を得たシャープな指揮ぶりが聴き所。 | ||
脊柱〜タンシー・デイヴィス(1973-): サクソフォンとアンサンブルのための「アイリス」/テノールとピアノのための「スタティック」/ 打楽器のための「暗い大地」/無伴奏ヴァイオリンのための「ロウアー」/アンサンブルのための「堕ちた天使」/ テノールとピアノのための「この愛」/アンサンブルのための「メイク・ブラック・ホワイト」/ ピアノのための「抜け穴と輪留め」/アンサンブルのための「スパイン〔脊柱〕」 バーミンガム現代音楽アンサンブル、アゼラ(アンサンブル)、コンコーディア(アンサンブル)他 | ||
録音:2010年12月。タンシー・デイヴィスはイギリスの若手作曲家。彼女の言う所によれば、前衛音楽と実験音楽、ロックから影響を受けており、特にクセナキスとプリンス(ロック・ミュージシャン)から多大なインスピレーションを得ているという。無調、クラスター、様々なノイズのなかにロックを思わせるリズムが混在する独自の世界を持ち、打楽器ソロの「暗い大地」ではゲーム・ミュージックのようなポップな感覚を聴かせる一方、テノールのための歌曲ではベルクのような、かなり伝統的な現代歌曲の書法を採っている。 | ||
ジョナサン・ハーヴィー(1939-): 鳥の協奏曲(ピアノの歌つき)(*) [永野英樹(P) デイヴィッド・アサートン指揮ロンドン・シンフォニエッタ]/ リチェルカーレ・ウナ・メロディア〔2種〕(#/**) /ほかの存在(+) [ゴレス・ハルス(Ob;#) ポール・アーチボルド(Tp;+) ティム・ギル(Vc;**)] サウンド・インターメディア(ライヴ・エレクトロニクス) | ||
録音:2009年、ワルシャワの秋音楽祭、ライヴ(*)/2009年、BBC第3放送(*以外)。2010年にサントリー芸術財団の招きで来日したハーヴィーの近作を集めた貴重なCD。(*)はピアノ独奏と室内オーケストラ、ライヴ・エレクトロニクスによる作品でメシアン顔負けのたくさんの鳥の歌から始まるリリカルな音楽。本物の鳥の声とピアノ、コンピューターで合成された鳥もどきの音響が入り交じり合ってなんとも不可思議な世界が繰り広げられる。ほかの作品もソロとコンピューターで作られたライヴ・エレクトロニクスによりアコースティックな音響と電子音が対話を展開しシュールな空間へと我々を誘う。 | ||
オリヴァー・ナッセン(1952-):作品集 コラール(1970-72)(*) /オータムナル(1976-77)AW/HW /ホイットマンの情景(1991)CB/RW / 秘密の詩篇(1990)AW /「祈りの鐘」素描(1997)RW /ヴァイオリン協奏曲(2002)(*)LJ / レクイエム「スーのための歌」(2005-06) (#) CB/オフィーリアの最後の踊り(2001/2010)HW アレクサンドラ・ウッド(VnAW) ヒュー・ワトキンズ(PHW) クレア・ブース(SCB) ライアン・ウィグルスワース(PRW) リーラ・ジョセフォヴィッツ(VnLJ) オリヴァー・ナッセン指揮(*/#) BBCso.(*)、バーミンガム現代音楽グループ(***) | ||
録音:2007年-2012年。オリヴァー・ナッセンは若干16才でLSOを指揮して自作の交響曲第1番を発表。以来、作曲にとどまらずロンドン・シンフォニエッタの音楽監督、様々な音楽祭のプロデュースなどを手がけるなど、イギリスのみならずヨーロッパの現代音楽界を牽引してきた。そんな彼も2013年還暦。初期から近作までの室内楽、歌曲、器楽曲、管弦楽曲をコンパクトにまとめたディスクで彼の世界を俯瞰するのに最適な一枚。ナッセンの音楽は現代音楽の語法を用いながらもダイナミックなドラマ性と時にユーモア、都会的で洗練された抒情性とロマンティシズムを持ち、ベンジャミン・ブリテンの後継者というにふさわしい作曲家。 | ||
マイケル・フィニシー(1946-):弦楽四重奏曲集 〔第2番(2006-07) (*) /第3番(2007-09) (#) 〕 |
クロイツァーSQ [P.S.スカーヴェド、 M.トランダフィロフスキ(Vn) モーガン・ゴフ(Va) ニール・ハイド(Vc)] | |
録音:2007年3月(*) /2010年11月(#)。フィニシーは王立音楽院で学んだ後、イタリアで研鑽、現在はイギリスの幾つかの音楽大学で教鞭を執っている。厳しい表現主義的無調音楽で新ウィーン楽派の影響のもと、クラスターの多用など厳しい表現のなかに突然、鳥の鳴き声がテープで流されたり(弦楽四重奏曲第3番)とアカデミックな現代音楽の作法の中にも独自の詩学が拡がる。現代音楽を得意とするスカーヴェド率いるクロイツァー四重奏団は先にフィニシーの弦楽四重奏作品集(弦楽四重奏曲第1番も含む/METIER, MSVCD-92011)を録音していた。 | ||
レトリカ〜イギリスのヴァイオリン二重奏曲 ジム・エイチソン:スィルウ〜5つのカザフの絵 / ジョン・マッケイブ:再生 アーネスト・J.モーラン:2つのヴァイオリンのためのソナタ / ウィリアム・クロフト:ソナタ IV デイヴィッド・マシューズ:8つの二重奏 / アラン・ロースソーン:主題と変奏 レトリカ[ハリエット・マッケンジー、フィリッパ・モー(Vn)] | ||
録音:2010年2月。レトリカの二人は学生時代にロンドンの王立音楽院で出会い意気投合、古今の2つのヴァイオリンのために書かれた作品のリヴァイヴァルと現代の作曲家への作曲委嘱をライフ・ワークとしている。カザフスタンの民謡と舞曲の素材が現代書法とミックスされたエイチソンの「スィルウ」、19世紀末〜20世紀初頭に活躍したイギリス田園楽派の一人、モーランのアイルランドの情緒がたっぷりの「ソナタ」、メランコリックなメロディと和声が魅力のロースソーンの「主題と変奏」が聴き物。 | ||
ダーク・マター〜リチャード・バレット(1959-):作品集 光の帝国(声とアンサンブルのための)/トランスミッションI(エレキギター、ソプラノとアンサンブルのための)/ カズマ(弦楽五重奏、エレクトロニクス、ソプラノと2本のフルートのための)/ トランスミッションII (エレキギターとアンサンブルのための)/ De vita coelitus comparanda(ソプラノとアンサンブルのための)/ トランスミッションIII (エレキ・ギター、ピアノ、コントラバス、エレクトロニクスとアンサンブルのための)/ トランスミッションIV 「 Ars Magna Lucis et Umbrae 」 (コントラバス、クラリネット、ギター、エレクトロニクスとアンサンブルのための)/ トランスミッションV (ソプラノ、クラリネットとアンサンブルのための)/ Katasterismoi(エレクトロニクスとアンサンブルのための)/サウンズ(声とアンサンブルのための)/ トランスミッションVI(エレキギターとエレクトロニクスのための) クリスティアン・エッゲン指揮エリシオン・アンサンブル、チカダ・アンサンブル デボラ・カイザー(Ms) カール・ロスマン(Cl) デリー・バックリー(エレキG) | ||
録音:2005年。リチャード・バレットは即興演奏家としても活動しており、ここに収められた作品もそれを反映してフリー・ジャズやノイズ系アヴァン・ポップに近い雰囲気を持つ。増幅されたヴァイオリン、キューキュー、チューチューと耳をつんざくようなクラリネットやサックスの叫び、軋むようなエレクトリック・ギターのサウンドはイギリスのジョン・ゾーンかエリオット・シャープといったところ。 | ||
ディアドレ・グリビン(1967-):弦楽四重奏作品集 弦楽四重奏のための「メロウは歌った」/ソプラノ、トランペットと弦楽四重奏のための「島の人々」/ メゾソプラノと弦楽四重奏のための「海を渡る」/ ソプラノ、ハープと弦楽四重奏のための「アナホーリッシュ」/弦楽四重奏のための「捕鯨船が見たもの」 パトリシア・ロザリオ(S) ロア・リクセンバーグ(Ms) マーク・オキーフ(Tp) クリオナ・ドリス(Hr) RTEヴァンブラSQ | ||
録音:2011年。ディアドレ・グリビンは北アイルランド、ベルファースト出身の女性作曲家。デンマークでペーア・ネアゴーに師事した。弦楽四重奏を中心とした作品には印象主義、北欧音楽の影響が感じられ、ドビュッシー、師匠のペーア・ネアゴー、ラウタヴァーラの音楽を思わせる。「海を渡る」は7世紀の中国の詩にインスパイアされた作品でロックンロールのリズムとベンジャミン・ブリトゥンの叙情性が聴き取れる。 | ||
ケネス・ヘスケス(1968-): 季節のためのリズム(*) /光の本(モホリー・ナジーの後に) (#) /偶像(*) / ヴンダー・カンマー・コンツェルト(素晴らしい室内協奏曲) (#) /神のような速さで過ぎる夏の終わりに(*) クリストフ=マティアス・ミュラー指揮ロイヤル・リヴァプールpo.(*) クラーク・ランデル指揮アンサンブル "10/10"〔ロイヤル・リヴァプールpo.団員〕(#) | ||
録音:2009年-2012年。ケネス・ヘスケスはリヴァプール出身で15才で最初の管弦楽曲を書き、19才でサー・チャールズ・グローヴスより作曲の委嘱を受けている俊英。王立音楽院ではエドウィン・ロックバーグに師事し、1995年にはタングルウッドでバーンスタインの指導を受け、またその後(と代理店は記載しているが、1995年は既にバーンスタイン死去後。英語版 Wikipedia では「レナード・バーンスタイン特別研究員となって〜」とある。Leonard Bernstein Fellow を Leonard Bernstein Follow と誤解したのではないだろうか)アンリ・デュティユーにも師事している。こうした経歴からもおよそ推察できるように、彼の音楽は古典派から新ウィーン楽派に至る西洋音楽の伝統にしっかりと基盤を置いた、堅固な構成とよい意味での常識的なストーリー展開によって進む。効果的できらびやかな管弦楽法など、オーケストラのダイナミズムが充分楽しめる。 | ||
アレグザンダー・ゲール(1932-): 真鍮以降、石以外・・・ Op.80 (2008) (*) /クラリネット五重奏曲 Op.79 (2007) / ヴァイオリンと木管四重奏のための「・・・アラウンド・ストラヴィンスキー」 Op.72 (2002) / クラリネットとヴァイオリンのための「マネレ」 Op.81 (2008) (+) / ホルン、ヴァイオリンとピアノのためのラルゴ・シチリアーノ Op.91 (2012) (+) コリン・キュリー(Perc;*) パヴェル・ハースSQ (*) ナッシュ・アンサンブル(*以外) | ||
録音:2010年5月1日、BBC 、ロンドン(*) /2012年5月28日-29日、ロンドン(無印) /2013年3月27日-28日、ケンブリッジ(+) 。ベルリン生まれ、イギリスの作曲家アレグザンダー・ゲールの近作集。アレクサンダーは、その昔コンサート・ホール・ソサエティに録音を行っていた指揮者ワルター・ゲールの子息。学生時代から現在に至るまでバートウィッスルやピーター・マックスウェル・デイヴィスらと共にイギリス現代音楽界に大きな影響を与え続けている。ここに収録された作品は何れも完全な無調の雰囲気ではなく、ポップで楽しげな「真鍮以降、石以外・・・」や「アラウンド・ストラヴィンスキー」ではストラヴィンスキーのパストラーレが引用されるなど分かりやすい雰囲気を醸し出している。 | ||
ザ・ハウス・オヴ・ナイト〜フィリップ・キャシアン(1963-): 絵画(2003)[トーマス・ツェートマイアー指揮ノーザン・シンフォニエッタ/2012年]/ チェロ協奏曲(2012) [ダレット・アドキンズ(Vc) ティモシー・ワイス指揮 オバーリン現代音楽アンサンブル/2013年]/ 夜の家(2002) (*) /6本のチェロのための「ダーク・フライト」(2007) (#) [クリストファー・レッドゲイト(Ob;*) クリストファー・オースティン指揮(+/**) セインズベリー・ロイヤル・アカデミー・ソロイスツ(*)、 ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・チェロ・アンサンブル(#) /2013年]/ ピアノ協奏曲(2006)[サラ・ニコルズ(P) ソルト・ナジ指揮(第1・2楽章) クリストファー・オースティン指揮(第3楽章) ロンドン・シンフォニエッタ/2006年、2013年] | ||
録音:[/内]。フィリップ・キャシアンは1963年マンチェスター生まれの作曲家。カーディフ大学とギルドホール音楽演劇学校でナッセンやベインブリッジに学んだ。またブリテン財団の援助を受けタングルウッドでルーカス・フォスにも学んだ。1991年ブリテン賞受賞、1992年メンデルスゾーン奨学金を得、1994年にはPRS-作曲賞を受賞した。ミニマルの影響が濃く、無調で暗い色調ながら心地よいスピード感と、まったりとした空虚な静けさが対比される作品が多い。 | ||
ジョン・カスケン(1949-):管弦楽作品集 ヴァイオリン協奏曲(1995) (*) / 管弦楽のための協奏曲(2007) / ファーネを越えるオリオン(1984) |
ゾフィア・ヤッフェ(Vn;*) マルクス・シュテンツ指揮 ハレo. | |
録音:2013年3月、11月、マンチェスター。ジョン・カスケンはヨークシャー出身のイギリスの作曲家でバーミンガム大学で学んだ後、ポーランドに渡り、ルトスワフスキに数年、師事した。オペラから管弦楽、協奏曲とあらゆるタイプの作品を発表しており、無調、セリー技法を基本としながらもところどころに調性やモード的な語法を用いたドラマティックな作風が特徴。1990年に来日し武満が主催する音楽祭「今日の音楽」で個展を催したこともある。ヴァイオリン協奏曲はセリー技法が根底にあるようだが、急緩急の伝統的な3楽章からなり、第2楽章のブリテンやバックスら20世紀イギリスの作曲家を思わせるメランコリックな抒情性格別。「ファーネを越えるオリオン」は神話に基づいた交響詩で大管弦楽の機能と色彩を最大限に生かした大作。近現代イギリス音楽の好きな人は必携。指揮はOehmsレーベルのマーラー・シリーズやN響への客演で馴染のマルクス・シュテンツ。 | ||
ブリテン・トゥ・アメリカ〜ブリテン:放送と劇場のための音楽集 劇付随音楽「F6登攀」(*) /イギリスのアメリカ人 〜BBC & CBSラジオ・シリーズより(#) / 「ハドリアンの壁」〜ロマン・ウォール・ブルース(+) /劇付随音楽「新天地にて」(**) / 「我々はどこから来たのか?」〜BBC & NBCラジオ「ブリテン・トゥ・アメリカ」より(##) マーク・エルダー指揮(#) ハリー・オッグ指揮(##) ハレo. (#/##) ジーン・リグビー(Ms;*) アンドルー・ケネディ(T;*) サミュエル・ウェスト(語り;*/**) メアリー・ケアウィ(Ms;+/##) マーヴィン・クック、L.ウォーカー(P;*/**) ジェフリー・スキッドモア指揮 Ex カテドラ(*/**) | ||
録音:2013年9月-10月。多作家のブリテンが折にふれて書いたラジオや演劇のための音楽を収録。ブリテンは1930年代に生計を立てるために映画会社に入社し、そのころ知り合った詩人のW.H.オーデンと共に多くの仕事を残しているが、こうした機会音楽もそのひとつ。ピアノ伴奏と打楽器の伴奏に独唱、合唱による編成はさながら室内オペラという趣きだが、こうした一見地味な仕事の集積が後の戦争レクイエムや数々の歌劇の成功となって実を結ぶこととなる。 | ||
ジョセフ・フィブス(1974-): ピアノ、フルート、ヴァイオリンとチェロのための「フレックス」(*) / テノールとピアノのための「夜の影」からの2つの歌曲(#) / ソプラノと弦楽四重奏のための「薔薇の賛美歌」(+) / カウンターテナーとギターのための「岸辺から岸辺へ」(**) / 弦楽四重奏のための「エージャ」(##) /カウンターテナーとピアノのための「月の葬礼」(++) アリッサ・フィルソヴァ(P;*) ジョアンナ・ショウ(Fl;*) マリージ・プロマッヒャー(Vn;*) ブライアン・オケーン(Vc;*) ベン・オルデン(T;#) アンドルー・プラント(P;#/++) ナヴァラSQ (+/##) ヘレン=ジェーン・ハウエルズ(S;+) マイケル・チャンス(CT;**/++) ジェイムズ・ボイド(G;**) | ||
録音:2012年11月。名カウンターテナー、マイケル・チャンスが登場!イギリス新抒情主義の旗手、フィブスの最新作品集。ロンドン出身のフィブスはバードウィスル、スティーヴン・スタッキーに作曲を師事、作品はエサ=ペッカ・サロネン、レナード・スラットキンらによって演奏されている。無調、モード、調性を柔軟に折衷しながら、現代的でスマートなリリシズムが特色。「フレックス」は4つの楽器が目まぐるしく動き回る渦の中から、次第に蜘蛛の糸のようなしなやかでゆったりとしたメロディが紡ぎ出される。世界的なカウンターテナー、マイケル・チャンスが歌う歌曲集「岸辺から岸辺へ」ではギターの典雅な伴奏に乗せられてバロック音楽を現代によみがえらせた幻想的な世界が現われる。 | ||
デビュー・ディスク・シリーズ〜リチャード・コーストン(1971-):作品集 ミレニアム・シーンズ(*) /ノットゥルノ(#) /カワセミは火を捕える(#) /記憶の固執(#) /室内交響曲(+) ニコラス・コロン指揮ハレo. (*) ゲイリー・コルネリウス指揮(#) ライアン・ウィッグルスワース指揮(+) バーミンガム現代音楽グループ(#/+) | ||
録音:2013年10月、マンチェスター(*) /2013年9月(#)、2013年2月(+)、バーミンガム(#/+)。リチャード・コーストン [Richard Causton] はロンドン出身の若手でエドウィン・ロクスバラ、ハワード・スケンプトンらに師事、作品はBBC響、ロンドン・シンフォニエッタなどによって演奏されている。「ミレニアム・シーンズ」はホイッスルや自動車のサイレンのような金管のファンファーレがさながらストリートの喧騒を思い起こさせる。作曲者本人によればブーレーズ、シュトックハウゼン、リゲティほか多くの現代の大作曲家の影響を受けているとのことだが、むしろブリティッシュ・ロックとの関係を推測させる独自の世界を築いている。藤倉大がブレークした「デビュー・ディスク・シリーズ」での発売。 | ||
エリオット・カーター(1908-2012):103歳バースデイ・コンサート ヴァイオリンとチェロのためのデュエッティーノ(2008) /ヴィオラ独奏のための「フィグメント IV 」(2007) / ヴァイオリンのための「ムネモシュネ」(2011) (*) /弦楽三重奏曲(2011) (*) / バス・クラリネットとチェロのための「長話」(2011) (*) /ハープのための「バリオラージュ」(1992) / フルート、バス・クラリネットとハープのための「3人の音楽家」(2011) (#) / アンサンブルのための二重トリオ(2011) /ファゴットのための「リトレーシング」(2002) / マリンバのための「フィグメント V 」(2009) /2つのクラリネットのための「ヒヨク」(2001) / テノールとアンサンブルのための「陽光による建造物」(2010) /ハッピー・バースデイ・エリオット 「オン・カーター:トリビュート・トゥ・エリオット・カーター」(ジョージ・ベンジャミン、ハリソン・ バートウィッスル、アレグザンダー・ゲール、オリヴァー・ナッセン、コリン・マシューズによる語り) ロルフ・シュルテ(Vn) フレッド・シェリー(P) リチャード・オニール(Va) ヴァージル・ブラックウェル(バスCl/Cl) ブリジット・キッビー(Hp) メアリー・タークエット(Fl) マイク・トゥルースデル(Perc) ジム・ピュー(Tb) ピーター・エヴァンズ(Tp) スティーヴン・ゴスリング(P) ライアン・マックアダムス指揮 ピーター・コルカイ(Fg) チャールズ・ナイディック、 大島文子(Cl) ニコラス・ファン(T) スティーヴン・テイラー(Ob) ゴードン・ゴットリーブ(Perc) アーロン・ボイド、ミランダ・カクソン、タイ・マレイ、ケイティ・ヒュン、 デイヴィッド・フルマー(Vn) マイケル・ニコラス、ジェイ・キャンベル(Vc) ドナルド・パルマ、ジェレミー・マッコイ(Cb) | ||
録音:2011年12月8日、ニューヨーク。英語|ステレオ|リージョン:0 | NTSC| 16:9 | 83:26。(*)は世界初演、(#)はアメリカ初演。アメリカを代表する現代作曲家エリオット・カーターは、100歳を超えても現役を続けたことでも話題だったが、このDVDは何と103歳の誕生日を祝うコンサートの模様(カーターは12月11日生まれなので、正確には誕生日の3日前)。更に驚きなのは新作が4曲も初演され、2011年の最新作が5曲も演奏された点だろう。最後に現代を代表する5人の作曲家がカーターに賛辞を送るコメントが12分近く収録されている。 | ||
マーク=アントニー・ターネイジ(1960-): アンダンス(2011) [ティム・マレイ指揮アンダンス・バンド/録音:2013年4月18日]/ クライング・アウト・ラウド(2002-3) /ノー・レットアップ(2003) [ポール・ホスキンズ指揮ランバートo./録音:2013年10月27日] | ||
多様なイギリス現代音楽界にあってもなお異彩を放つ存在のマーク=アントニー・ターネイジはマイルス・デイヴィスらモダーン・ジャズの影響を受け、強いリズムやジャズ和声の他、ストラヴィンスキー、パンク・ロックの要素を取り入れた独自の折衷様式で1990年代に一躍時代の最先端に躍り出た。またサイモン・ラトルに高く評価されバーミンガム市響のコンポーザー・レジデンスを務めその際書かれた管弦楽曲「3人の叫ぶ教皇」は彼の代表作となった。このアルバムでは21世紀に入ってからのバレエのために書かれた作品が集められており、ターネイジの相変らず反骨精神あふれるパンクな世界を楽しむことができる。意図的に書かれたストリート・バンドのような薄っぺらな響きのヒステリックな叫び、デフォルメされたラグタイムのリズム、破滅を予感させるクラスター、そして吹き荒れる音の嵐のほんの合間にかすかに聴こえるリリカルなメロディ。これぞまさにターネイジ・ワールド。 | ||
ダイナソー〜ベン・フォスケット:作品集 5つの夜の小品[リチャード・ウットリー(P)]/トランペットから[ニコラス・コロン指揮ハレo.]/ ホーネットII [マーク・ヴァン・デ・ウィール(Cl) ジェフリー・パターソン指揮ロンドン・シンフォニエッタ]/ オン・フロム・フォー[ニコラス・コック指揮プサッファ]/ダイナソー[エリック・ラム(Fl)]/ 「風の遠吠え」への5つの歌曲[ラファエル・ケネディ(S) ジャン=フランソワ・ベッケール(ソプラノSax)] | ||
録音:2012年-2014年。フォスケットはイギリスの若手作曲家で王立音楽院で、エドウィン・ロクスバラとサイモン・ベインブリッジに作曲を師事、彼のヴァイオリン協奏曲は2002年にオリヴァー・ナッセン指揮ロンドン・シンフォニエッタによって初演された。またBBCプロムスにおいてBBCso. のための新作が委嘱された他、数々のダンス・カンパニーのための音楽を担当、近年はオペラの作曲にも取り組んでいる。 | ||
ジャスト・スタッフ・ピープル・ドゥ〜ラリー・ゴーヴス:作品集 室内管弦楽のための「個人的な関係の動向」(*) /無伴奏チェロのための「末端大破」(#) / ピアノ、室内管弦楽とエレクトロニクスのための「青であるもの、白であるもの、黒であるもの」(+) マーティン・ブラビンズ指揮(*) アンドレ・デ・リッダー指揮(+) ロンドン・シンフォニエッタ(*/+) オリヴァー・コーツ(Vc;#) サラ・ニコルズ(P;+) サウンド・インターメディア(電子音響;+) | ||
録音:2012年-2014年。デビュー・ディスク・シリーズ。ゴーヴスはイギリスの若手作曲家の一人で、アンソニー・ギルバートとマイケル・フィニシーに作曲を師事した。ナッシュアンサンブル、ロンドン響 他、多くのアンサンブルとコラボレーションする一方で、サウンドデザイナーや神経科学者とも協力しあい創作の刺激にしている。アカデミックで堅実な現代音楽の書法の作曲家。 | ||
デビュー・ディスク・シリーズ 夜の歌〜ヘレン・グライム(1981-): 尾流雲(*) /色あせた大気のなかへ(#) /クラリネット協奏曲(+) /冷泉/誰もが歌った/夜の歌/真夜中近く(*) マーク・エルダー指揮(*/+) ジェイムズ・フィリップス指揮(*, + 以外) ハレo.(#以外) ハレ・ソロイスツ(#) リンゼイ・マーシュ(Cl;+) | ||
録音:2013年-2014年。ヘレン・グライムはスコットランド出身の若手作曲家。エディンバラで学んだ後、王立音楽院でジュリアン・アンダーソン、エドウィン・ロックスバラに師事している。作品はロンドン響、BBCスコットランド響によって取り上げられている。作風は無調によるが、楽器法や音色に対する感性に非凡な才能が感じられ、管弦楽の移り行く色彩の変化を楽しむことが出来る。 | ||
ハリソン・バートウィッスル(1934-):歌劇「ガウェイン」全2幕
マリー・エンジェル、ペネロープ・ウォルムスリー=クラーク(S) アン・ハウエルズ(Ms) ケヴィン・スミス(CT) リチャード・グリーガー、ジョン・マースデン(T) オマール・エブラヒム、 フランソワ・ルルー(Br) ジョン・トムリンソン(B-Br) アラン・ユーイング(B) エルガー・ハワース指揮ロイヤル・オペラ・ハウスo. & cho. | ||
録音:1994年4月20日、コヴェント・ガーデン。前出: Collins Classics 。ジョン・オグドン、ピーター・マックスウェル・デイヴィスらとともにマンチェスター楽派と称されるイギリス作曲界の重鎮バートウィッスルの4作目のオペラ。因みにバートウィッスルは現在までに8つのオペラを発表している。ガウェインはアーサー王物語に登場する円卓の騎士の一人でアーサー王の甥でもあり、片腕であったガウェインの伝説はアーサー王物語の重要な部分を構成している。バートウィッスルは彼の伝説を現代の視点から捉え直し、普遍的な人間の性を描き出す表現主義的なオペラとして作曲している。 | ||
野生のシクラメン〜ヒュー・ウッド(1932-):歌曲集 ローリー・リー歌曲集(*) /D.H.ロレンス歌曲集(#) /ギリシャの島々(+) /野性のシクラメン(#) クレア・マッコールディン(Ms;*) ジェイムズ・ギルクリスト(T;#) ロデリック・ウィリアムズ(Br;+) イアン・バーンサイド(P;*/+) サイモン・レッパー(P;#) | ||
録音:2014年。ヒュー・ウッドはイギリスの音楽家の一家に生まれ、オックスフォードのニューカレッジに学んだ。室内楽、歌曲、管弦楽など多くの作品を発表しており、BBCのプロムスでも度々取り上げられている。本CDでは歌曲が集められており、いずれもイギリスの詩人の詩による物。調性と自由な無調の折衷による近代的なリリシズムが感じられる。 | ||
デビュー・ディスク・シリーズ 静寂の速度で〜シャルロッテ・ブレイ(1982-): 静寂の速度で[マーク・エルダー指揮オールドバラ・ワールドo.]/ 雪の中で燃え盛る炎(*) / /リプレイ(#) /コート・イン・トゥリー・トップ(+) [ルーシー・ショーファー(Ms;*) ヒュー・ワトキンス(P;#) アレクサンドラ・ウッド(Vn;+) オリヴァー・ナッセン指揮(+) バーミンガム現代音楽グループ(#/*/+) ]/ オネイロイ[ヒュー・ワトキンス(P)]/イエロー・リーヴからの歌 [クレア・ブース(S) アンドルー・マシューズ=オウエン(P)] | ||
録音:2011年-2014年。シャルロッテ・ブレイはイギリスの若手作曲家でバーミンガム音楽院で学んだ後、王立音楽院でマーク・アンソニー=ターネイジに師事した。管弦楽曲に非凡な才能を発揮し、ロンドン響、ロンドン・フィルなどによって作品は盛んに演奏されている。収録されているオーケストラのための「静寂の速度で」は2012年にBBCのプロムスにより委嘱、世界初演され話題を呼んだ彼女の代表作でヴァレーズやストラヴィンスキーを思わせる管弦楽のもりもりと隆起する音のダイナミズムが魅力的。 | ||
海鷲〜ホルンのための作品集 ピーター・マックスウェル・デイヴィス:海鷲(*) / ジェラルド・バリー:ジャバーウォッキー(#) コリン・マシューズ:スリー・カード [Three of a kind] (+) / ヒュー・ワトキンス:三重奏曲(**) デイヴィッド・マシューズ:ホルンと弦楽のための五重奏曲(##) マーク=アントニー・ターネイジ:偉大な男のための祈り(++) ロビン・ホロウェイ:ホルン、チェロとピアノのための三重奏曲 リチャード・ワトキンス(Hr) マーク・パッドモア(T;#) ポール・ワトキンス(Vc;#/++) ヒュー・ワトキンス(P;+/**) ローラ・サミュエル(Vn;**) ナッシュ・アンサンブル(##) | ||
録音:2011年、2014年。ホルン奏者リチャード・ワトキンスのために書かれたホルンを含む室内楽曲集。ワトキンスは長くフィルハーモニアo. の首席を務め、退団後はナッシュ・アンサンブルとロンドン・ウィンズで活動している。P.M.デイヴィス、デイヴィッド・マシューズ、ターネイジらイギリス作曲界の重鎮たちの新作がまとめて聴ける注目盤。 | ||
ニュー・ミュージック・コレクション〜合唱編 ジュリアン・アンダーソン:4つのアメリカの合唱〜エデンの美しい谷[ハルシー指揮バーミンガム市cho.] ジャイルズ・スウェイン:クライ〜スカイ / ロバート・サクストン:私は夜明に目ざめるだろう〜第4曲 アンソニー・ペイン:フェニックス・ミサ〜グローリア(*) [プール指揮BBCシンガーズ、フィリップ・ジョーンズ・ブラスEns.(*)] マイケル・フィニシー:ロンドンのわかりやすい雑草 / クリストファー・フォックス:門を開けろ ハワード・スケンプトン:炎の橋 / エリザベス・ラッチェンス:マニフィカト[ウィークス指揮エグザウディ] R.R.ベネット:呪文〜睡眠の呪文[ウィルコックス指揮フィルハーモニアo.、バッハcho.] ブリテン:辺境で〜壁の時計[スキッドモア指揮Exカテドラ] アレグザンダー・ゲール:モーゼの死〜光を放つ男に[クロウバリー指揮ケンブリッジ大学cho.& Ens.] バートウィッスル:子午線〜I[ナッセン指揮ロンドン・シンフォニエッタ&cho.] ブリテン:石炭の表情〜シフトが終わった[ブラビンズ指揮バーミンガム市cho.&現代音楽グループ] | ||
ニュー・ミュージック・コレクション〜電子音楽編 ロジャー・スモーリー:パルス〜モメント16 [バーナス指揮BBCso.] リチャード・バレット:トランスミッションII [エッゲン指揮エリシオン&チカダEns.] アナ・メレディス:アックスマン[ジョン・オーフォード(Fg)] ラジミル・フィッシュマン:ドリーム・オブ・ビーイング[エレクトロニクスのみ] クローディア・モリター:私の好きな音[マイケル・チャンス(CT) ジョージ・モーズリー(Br)] ドンチャ・デネヒー: pAt [ジョアンナ・マクグレガー(P)] サラ・コリンズ:フォレスト・ピース[エレクトロニクスのみ] バートウィッスル:オルフェウスの仮面〜最初の流れ雲[)バリー・アンダーソン、イアン・ディアデン] ポール・ホイッティ:セヴン・ページズ2[ジェーン・チャップマン(Cemb)] イヴリン・フィカラ:島(リミックス)[エレクトロニクスのみ] ジョナサン・ハーヴィー:バクティ〜II[エレクトロニクスのみ] デイヴィッド・ラムズデイン:大きな出会い〜鉱夫の賛歌[エレクトロニクスのみ] デーヴ・プライス:リーのゲーム[ノスフェラトゥ] 電子音楽〔エレクトロニクス〕 | ||
ニュー・ミュージック・コレクション〜管弦楽編 リチャード・コーストン:ミレニアム・シーンズ〜Part1 [コロン指揮ハレo.] ドミニク・マルダウニー:オーボエ協奏曲〜 I [ロイ・カーター(Ob) M.T.トーマス指揮 LSO ] ニコラス・モー:ライフ・スタディーズ〜 III [マリナー指揮 ASMIF ] リチャード・アイレス:No.36 ホルン・ノンチェルト[ティンマーマンス(Hr) クルティヒ指揮 ASKO ] シア・マスグレイヴ:乱流の風景〜海の怪物との夜明[ヴァンスカ指揮 BBCso. ] パヌフニク:チェロ協奏曲〜第2楽章[ロストロポーヴィチ(Vc) ウルフ指揮 LSO ] バリー・ガイ:雨後 より〔 IX / X 〕[ヒコックス指揮シティ・オヴ・ロンドン・シンフォニア] ジュディス・ウィア:森[ブラビンズ指揮 BBCso. ] / ジョー・カトラー:チェロと弦楽のための音楽 〜止められない[マイケル(Vc) ハーゼルウッド指揮 BBC コンサートo.] エリザベス・ラッチェンス:髑髏〜タイトル / グレース・ウィリアムズ:7つの橋変奏曲〜 IV R.R.ベネット:戦士の帰還〜 VIII [ヴァン・ステーン指揮 BBCso. ] ロビン・ホロウェイ:管弦楽のための協奏曲第2番〜II [ナッセン指揮 BBCso. ] ヒュー・ウッド:交響曲第1番〜第1楽章[A.デイヴィス指揮 BBCso. ] バートウィッスル:ガウェインの旅〜旅[ハワース指揮フィルハーモニアo.] | ||
ニュー・ミュージック・コレクション〜ピアノ編 ヒュー・ワトキンス:4つのスペンサー小品〜クライドによる造船 / ナッセン:オフェーリアのラスト・ダンス タンシー・デイヴィス:抜け穴とリンチピン〜抜け穴[ヒュー・ワトキンス(P)] サイモン・ホルト:黒いランタン / ブリテン:変奏曲〜 IV 「速く」[ロルフ・ハインド(P)] ジュリアン・アンダーソン:クルジュの近くのどこか / ダイアナ・バレル:小熊 ジョナサン・ハーヴィー:俳句 / R.R.ベネット:散歩道[サリア・マイヤーズ(P)] セイディ・ハリソン:インプレーサ・アモローザ〜ラビリンス[ニッキー・ロセフ(P)] マイケル・ゼヴ・ゴードン:思い出に〜かつてあったタンゴ[アンドルー・ゾリンスキー(P)] アンソニー・ペイン:賛歌〜トッカータ[スーザン・ブラッドショウ(P)] リチャード・バレット:管 II 〜光輝く[イアン・ペイス(P)] ジョン・ホワイト:ピアノ・ソナタ第76番[ロジャー・スモーリー(P)] モーガン・ヘイズ:3つのディストレスド・サーフェイス〜黄色い漆喰を剥がす[ジョナサン・パウエル(P)] ジェラルド・バリー:トリオーチック・ブルース / ジェイムズ・ディロン:元素の本〜第3巻の5[河合祝子(P)] ジュディス・ウィア:マイケルのストラススペー / フィニシー:貨物列車ブルーズ[マイケル・フィニシー(P)] スティーヴン・モンタギュー:頭の無い騎手[フィリップ・ミード、スティーヴン・モンタギュー(P)] ピーター・マックスウェル・デイヴィス:私と一緒に、それとも・・・?[メルヴィン・タン(P)] ティペット:幻想ソナタ〜プレスト[フィリス・セリック(P)] | ||
以上 4点は NMC レーベル25周年を記念した、壮大な音のカタログともいうべき4つのオムニバス・タイトル。おそらくすべて NMC から既出の音源を用い、ブリテン以降のイギリスの20世紀・21世紀音楽を俯瞰する壮大なラインナップ。 | ||
ジョン・タヴナー(1944-2013): アフマトーワ・レクイエム(1980) (*) /6つのロシア民謡(1978) (#) フィリス・ブリン・ジュルソン(S;*) ジョン・シャーリー=カーク(Br;*) ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮 BBC so. (*) エリス・ロス(S;#) ナッシュ・アンサンブル(#) | ||
録音:1981年8月27日、ロイヤル・アルバート・ホール(*)、1979年9月2日、BBC プロムス(#)、共にライヴ。初出・前出: CARLTON (BBC RADIO CLASSICS), 15656 91972〔発売:1997年/当店未案内、廃盤〕。タヴナーの声楽作品が待望の復活。アフマトーワ・レクイエムはロシアの詩人アンナ・アフマトーワの詩による1時間近くの大作。1930年代、スターリンの恐怖政治の時代に書かれた抵抗の詩をテキストにしており炸裂する不協和音とドラマティックな展開はショスタコーヴィチ、シュニトケを思わせる。そのせいかロジェストヴェンスキーの棒も自ずと力が入り、さながらショスタコーヴィチの曲かと見まごうほどの熱演。6つのロシア民謡はソプラノと小編成のアンサンブルのためのロシア民謡の創造的編曲でベリオのフォーク・ソングズを思わせる佳品。 | ||
没後2年追悼企画〜スティーヴ・マートランド(1954-2013): 教訓をたれる馬たち(1994) (#) /アンダーソン氏のパヴァーヌ(1994) (#) /永遠の喜び(1997) (#) / パトロール(1992) (*) /ビート・ザ・リトリート(1995) (#) /肩から肩へ(1986) / アメリカン・インヴェンション(1985) /クロッシング・ザ・ボーダー〔越境〕(1990) (+) スティーヴ・マートランド指揮スティーヴ・マートランド・バンド(*以外) スミスSQ (*) | ||
録音:1991年2月12日-13日(無印)、1992年5月6日(+)、チャーチ・スタジオ、ロンドン(無印/+) / 1993年3月26日-27日、スネイプ・モールティングス、オールドバラ(*) / 2000年11月21日-23日、エンジェル・スタジオ、ロンドン(#) 。3枚のアルバム( "Horses Of Instruction" 〔初出・前出: Black Box, BBM-1033, 発売:2001年〕(#) / "Patrol" 〔初出・前出: Catalyst (BMG), 09026-62670-2, 発売:1994年〕(*) / "Crossing The Border" 〔初出: Factory, FACD 366, 発売:1992年/前出: Catalyst (BMG), 09026-68345-2, 発売:1995年〕(無印/+) )【以上全て廃盤】からの編集盤。 スティーヴ・マートランドは日本の西村朗や吉松隆らと同世代のイギリスの作曲家で、オランダのミニマリスト、ルイ・アンドリーセンに師事。バロック音楽、ストラヴィンスキー、ミニマリズム、ジャズ、ロック、ストリート・ミュージックなどありとあらゆる音楽の影響を受け個性的なスタイルを確立した。生前、イギリスでは同じ傾向のマーク・アンソニー・ターネイジの双璧と目されており、大音響と激しいビートにはパンクやブリティッシュ・プログレの影響も感じさせる。特にディスク2の「ビート・ザ・トリート」はアンドリーセン譲りのホケトゥスとマイケル・ナイマン流のテカテカしたサウンドが合体した魅力的な作品。2013年に惜しくも59歳の若さで急逝したマートランドの音楽を俯瞰する上で最適の2枚組。 | ||
ハリソン・バートウィッスル(1934-): 天使の戦士(2010) (*) /壊れたイメージで(2011) (#) / ヴィルレー(泉をじっと見つめている間) (+) アンドルー・ワッツ(CT;*) ジェフリー・ロイド=ロバーツ(T;*) デイヴィッド・アサートン指揮ロンドン・シンフォニエッタ、BBCシンガース(*) | ||
録音:2011年(*)、2012年(#)、2014年(+)。2014年80歳を超えたイギリスの巨匠バートウィッスルの衰えを知らない力作を3曲。「天使の戦士〔エンジェル・ファイター〕」はライプツィヒのバッハ・フェスティヴァルの委嘱で書かれた30分余りの大作カンタータで、激しいエネルギーが爆発する表現主義風の傑作。「壊れたイメージ」は作曲システムはセリーに基づくと思われるが、厳しい中にベルクやブーレーズに通じるリリシズムが漂う。一方、「ヴィルレー」はルネサンス音楽の再構成もしくはリミックス作品で、ストラヴィンスキーの新古典主義期を思わせるポップで楽しい作品。 | ||
マーティン・バトラー(1960-): ナレーターとアンサンブルのための「汚い野獣」(*/#/+) /アンサンブルのための「中空の風」(#) / クラリネットとピアノのためのラヴ・ソングズ・ワルツ(**/+) /ルンバ・マシーン(+) / でこぼこした前奏曲(+) /フルートとピアノのための「秋」(##/+) /アンサンブルのための「秋のロンド」(#) サイモン・カロウ(語り;*) ニュー・ロンドン室内アンサンブル(#) マーティン・バトラー(P;+) ネイア・アッシュワース(Cl;**) ロバート・マナッセ(Fl;##) ナヴァーラSQ団員(++) レオン・ボッシュ(Cb;++) | ||
録音:2015年2月。マーティン・バトラーはイギリスのベテラン作曲家。王立ノーザン・カレッジで学んだ後、イタリアのルチアーノ・ベリオのもとで研鑽を積み、現在プリンストン大学レジデント・コンポーザー。作品はオペラ、管弦楽曲、室内楽と多岐に渡る。作風は無調、調性、モードなどの諸語法を作品のテーマによって自由に混ぜ合わせた新ロマン主義的傾向のあるものだがストラヴィンスキー、ジャズ、ポップス、ミニマル・ミュージックからの影響も大きい。ジョン・アダムズやグレアム・フィットキンなど、ポスト・ミニマル世代の作曲家たちと共通点の多い楽しい世界。 | ||
エコーとナルシス〜ライアン・ウィッグルスワース(1979-): 瞳の歌(2009) S /インヴェンション第1巻(2010) / 劇的カンタータ「エコーとナルシス」(2013-2014) (*) Ms/T / ヴァイオリン協奏曲(2011/2013) Vn /ロックの劇場(2013) ライアン・ウィッグルスワース(P;*)指揮(*以外)ハレo.(*以外)、RSVP ヴォイシズ(*) クレア・ブース(S S ) パメラ・ヘレン・スティーヴン(Ms Ms ) マーク・パドモア(T T ) バルバナーシュ・ケレメン(Vn Vn ) | ||
録音:2014年-2015年。 指揮者・ピアニストでもある作曲家ライアン・ウィッグルスワース初の作品集(ちなみに指揮者のマーク・ウィッグルスワースとは別人)。指揮者としては現在ハレo. の首席客演指揮者を勤め現代音楽を中心に録音も多い。基本的に自由な無調〜調性感があるもの作品が多い。暗い色調で色彩的なオーケストレーションを駆使したダイナミックな作風。暗く激しいヴァイオリン協奏曲や「ロックの劇場」など聴き物。 | ||
デビュー・ディスク・シリーズ〜マーク・ボーデン: チェロと管弦楽のための「リラ」(*) /ヴァイオリンとピアノのための4つのメモ(#) / 打楽器と管弦楽のための「ハートランド」(+) /管弦楽のための「突然の光」 グラント・レウェリン指揮 BBC ウェールズso.(#以外) オリバー・コーツ(Vc;*) パク・ヘユン(Vn;#) ヒュー・ワトキンス(P;#) ジュリアン・ウォーバートン(Perc;+) | ||
録音:2016年4月。マーク・ボーデンは近年イギリスで頭角を現してきている若手作曲家。本CDは彼のデビュー・アルバム。彼はイギリスの多くのオーケストラ、放送局より作品の委嘱を受けており、「リラ」はBBCウェールズ響より委嘱された出世作。作品はヨーロッパの前衛楽派とは一線を画しており、はっきりとしたメロディ、調性も頻繁に現れる。特に「リラ」では伝統的な急緩急の3楽章構成をとる堂々とした21世紀のチェロ協奏曲。「突然の光」はオーケストラを壮麗に鳴らしまくるエンターテイメント性満点の秀作。 | ||
展示の物 [Objects at an Exhibition] 〜 科学に触発された音楽 [Exploring Science Inspiring Music] シア・マスグレイヴ: Power Play / クリストファー・マヨ: Supermarine クラウディア・モリター:2TwoLO / デイヴィッド・サワー: Coachman Chronos ジェラルド・バリー:片腕のピアニスト / バリー・ガイ:バベージ氏は夕食に来ている ニコラス・コロン指揮オーロラo. | ||
録音:2015年5月10日-14日、オール・セインツ教会、トゥーティング、ロンドン。 オーロラ管&ロンドンのサイエンス・ミュージアムとの共同製作。6作品とも、2015年10月3日にサイエンス・ミュージアムで初演された。『「展覧会の絵〔英語題名 "Pictures at an Exhibition" 〕」の21世紀における再想像』とも銘打たれたアルバム。科学、機械、テクノロジーにインスパイアされて作曲された作品を収録。作曲者たちはロンドンのサイエンス・ミュージアムを見学、そこで得たインスピレーションに基づき作曲したという。一口に科学といっても作曲家によってテーマや捉え方は様々で、抽象的な科学思想を作品に反映させたもの、 SL や初期の電話などノスタルジックでアナログな機械を礼賛する物も。中でもジャズ畑出身の作曲家バリー・ガイによるヴェーベルンを思わせる抽象性の高い、繊細優美な音楽は聴き物。 | ||
ブレーシング・チェンジ〜現代弦楽四重奏作品集 サイモン・ホルト(1958-):サード・カルテット[ジャックSQ /2015年1月19日] ドナチャ・デネヒー(1970-):ザ・ウェザー・オブ・イット[ドーリックSQ /2016年7月15日] アンソニー・ギルバート(1934-):天上の神秘[ガイ・ジョンストン(Vc) カルドゥッチSQ /2015年6月14日] | ||
録音:[/内]、ウィグモア・ホール、ライヴ。 「ブレーシング・チェンジ」シリーズは、ラドクリフ・トラストと、ウィグモア・ホール、NMCレコーディングによる共同委嘱による物。実力派アーティストにより、イギリスの名門ホール、ウィグモア・ホールで新しい弦楽四重奏曲を演奏し録音するという意欲作。イギリスとアイルランドの作曲家による作品は、新鮮で静かな情熱で満たされた音楽。 | ||
A table of noises 〜サイモン・ホルト(1958-): 打楽器協奏曲「ア・テーブル・オブ・ノイズ」(*) /「セイント・ヴィート・イン・ザ・ケトル」(管弦楽作品)(#) / ヴァイオリン協奏曲「ウィットネス・トゥ・ア・スノウ・ミラクル」(+) コリン・カリー(Perc;*) クロエ・ハンスリップ(Vn;+) ニコラス・コロン指揮ハレo. | ||
録音:2014年7月29日(*/#) /2015年11月9日(+) 。 サイモン・ホルトはイギリスの現代音楽作曲家。2005年から2008年にかけて作曲された3曲を収録したアルバム。2000年のロイヤル・フィルハーモニック・ソサエティ・ヤングアーティスト賞受賞以来、イギリスを代表する打楽器奏者の一人で、2017年3月に日本でおこなわれたスティーヴ・ライヒ80歳記念「テヒリーム」で見事な演奏を披露したパーカッショニスト、コリン・カリーに、イギリス出身で、名教師ザハール・ブロンの薫陶を受けた若手ヴァイオリニスト、クロエ・ハンスリップがソリストを務めた“パーカッション協奏曲 "(2009年英国作曲家賞)と“ヴァイオリン協奏曲 "(2006年英国作曲家賞)を収録。“セイント・ヴィート・イン・ザ・ケトル "はBBCウェールズ・ナショナルo. コンポーザー・イン・レジデンスを務めていたホルトが、ウェールズ出身の作曲家アラン・ホディノット(1929-2008)の名前を冠した「BBCホディノット・ホール」が2009年に竣工し、BBCウェールズ・ナショナル管の新本拠地を祝福する作品として委嘱された物。 | ||
デビュー・ディスク・シリーズ〜エミリー・ハワード: 管弦楽のための「マグネタイト」(*) /メゾ・ソプラノとバスのための「テレノス」(#) / ピアノと管弦楽のための「メスメリスム」(*/+) /アンサンブルのための「リヴァイアサン」(+) / 管弦楽のための「太陽光」(*) /弦楽四重奏のための「アフェレンス」 アンドルー・グーレイ指揮ロイヤル・リヴァプールpo.(*) ルーシー・ゴッダード(Ms;#) サイモン・ホワイトリー(B;#) アレクサンドラ・ダリエスク(P;+) スケープゴート[バリトンSax/Perc](+) エリアスSQ (無印) | ||
録音:2015年11月。イギリスの若手作曲家を紹介するシリーズ。本CDはエミリー・ハワード初のまとまった作品集。ハワードの作品は2011年のウィーン・モデルン音楽祭をはじめ、BBCプロムス、ロンドン響などでさかんに演奏されている。彼女は当初、オックスフォード大学で数学とコンピュータ・サイエンスを学んだ後、王立ノーザン・カレッジで作曲を学んだ。作品は数学の深い知識の影響が感じられる抽象的な弦楽四重奏曲「アフェレンス」から伝統的なオーケストラを存分に鳴らした聴きごたえのある「マグネタイト」、二人の男女のなまめかしい声(部分的に倍音唱法が使われる)が絡み合う実験的な「テレノス」までとスタイルが幅広い。 | ||
タリク・オリーガン(1978-):管弦楽作品集 空の天体地図(*) /潜在的なマニフェスト/ライ [Rai] /チャービ [Chaabi] /「闇の奥」からの断片 マーク・エルダー指揮(*) ジェイミー・フィリップス指揮(*以外) ハレo. ハレ・ユースcho.(*)、マンチェスター・グラマースクールcho.(*) | ||
録音:2015年4月(*) /2015年7月(*以外)。 タリク・オリーガン(Tarik O 'Regan)はイギリスの作曲家。ロンドン生まれだが、幼少期はモロッコとアルジェリアで過し、現在はニューヨーク在住。「空の天体地図」は子供の合唱団が使われ、暗い瞬間と対照的に推進力のあるシンコペーションが特徴の活気ある作品。この作品は、1510年にドイツの博学者アルブレヒト・デューラーよるヨーロッパの最も古い印刷された星図の木版画に触発された物。「潜在的なマニフィエスト」はバッハに基づく作品。また「ライ」と「チャービ」はアルジェリアの民族音楽の形式による。「闇の奥からの断片」はジョゼフ・コンラッドの小説に基づくオリーガンの室内オペラ「闇の奥」の音楽による物。何れの作品もミニマル音楽の影響のある調性的なもので親しみやすい。 | ||
フォトグラフィ〜エロリン・ウォーレン(1958-):管弦楽作品集 チェロ協奏曲(*) /フォトグラフィ[マシュー・シャープ(Vc;*) ニコラス・コック指揮オーケストラX]/ 飢餓(#) [フィリップ・ヘッドラム指揮コンティヌム・アンサンブル、アンサンブルX]/ 地球で[ティム・ハリーズ(バスG) エロリン・ウォーレン(声) X四重奏団] | ||
録音:2015年(#以外)、2001年(#)。エロリン・ウォーレンはロンドンのキングス・カレッジに学んだアフリカ系女性作曲家。BBCプロムスより委嘱された打楽器協奏曲は高い評価を受けている。現代音楽の他にポップ・ミュージックの分野でも活動しており、作品は調性、モード、無調を折衷したロマンティックな物。新古典主義時代のストラヴィンスキー、ブリテン風の和声に加えポップス界で磨かれたリリカルで内省的なメロディが魅力的。 | ||
エドワード・カウィー(1943-):弦楽四重奏曲集 〔第3番「イン・フライト・ミュージック」(1982-83, rev.2010) / 第4番(1984, rev.2010) /第5番「鳥の歌のバガテル」(2003-04) 〕 クロイツァーSQ | ||
録音:2014年-2015年。カーウィはバーミンガム出身で、幼い頃よりサフォークとコッツウォルズの自然に親しみ、音楽と美術に才能を示した。1970年代にルトスワフスキに師事、その後BBCプロムスでも盛んに作品が取り上げられるようになった。彼の音楽は幼い頃の影響もあり、メシアンと同じく鳥の声、歌が重要な音楽的素材になっている。現代的な語法と20世紀初頭のイギリスの牧歌的な心象風景が融合したユニークな世界。 | ||
ジェイムズ・ウッド(1953-): 炎の舌[ジェイムズ・ウッド指揮 MDR ライプツィヒ放送cho. Earメッセージ打楽器四重奏団]/ 雲のポリフォニー[ロバート・ヴァン・サイス指揮イェール打楽器グループ] | ||
録音:2013年-2014年。ウッドはナディア・ブーランジェに作曲を師事、打楽器奏者、指揮者としても活動している。「炎の舌」は混声合唱と打楽器四重奏のために書かれた作品でゴスペル・ミュージックの要素、声の多彩な可能性と打楽器の様々な音色がミックスされている。「雲のポリフォニー」ではマリンバによる細かな音の粒子が収縮したり拡散したりとタイトルの通り、雲のような変化を見せる。 | ||
ヒュー・ワトキンス(1976-): フルート協奏曲(2013) (*) /ヴァイオリン協奏曲(2010) (#) /交響曲(2016-17) (+) アダム・ウォーカー(Fl;*) アリーナ・イブラギモワ(Vn;#) ライアン・ウィグルスワース指揮ハレo.(*/+) エドワード・ガードナー指揮 BBC so.(#) | ||
録音:2017年(*/+)、2010年(#)、 BBC プロムス、世界初演時ライヴ。ヒュー・ワトキンスはウェールズ出身のイギリスの中堅でケンブリッジ大学と王立音楽大学でジュリアン・アンダーソン、アレグザンダー・ゲールらに学んだ。彼はヨーロッパの前衛楽派とは一線を画し、ブリテン、ショスタコーヴィチへの愛を隠さず、巧みな管弦楽法を駆使して現代のロマン主義とも呼べるリリカルな作品を多数発表している。フルート協奏曲はロンドン響の元首席フルート奏者アダム・ウォーカーのために書かれたものでブリテン、ウォルトンの流れを汲む美しい作品。ヴァイオリン協奏曲はBBCプロムスで初演され好評を博した作品でバルトーク風の情熱的な音楽。最新作の交響曲はウォルトン、ロバート・シンプソンらイギリスの交響曲作家の作品を思わせるドラマティックな大作。 | ||
デビュー・ディスク・シリーズ〜マーク・シンプソン(1988-): チェロとピアノのための「夜の音楽」[レオナルド・エルシェンブロイヒ(Vc) アレクセイ・グリニュク(P)]/ 弦楽四重奏のためのアリエル[マーキュリーSQ ]/ピアノのためのバーカム幻想曲[リチャード・アットレイ(P)]/ クラリネットとピアノのための「反響と燃えさし」(*) /クラリネットとピアノのための「ラヴ・エスケープ」(#) [マーク・シンプソン(Cl) ヴィキヌグル・オラフソン(P;*) イアン・バックル(P;#)]/ チェロのための「ウン・レガロ〔遺産〕」[ガイ・ジョンストン(Vc)]/ オーボエのための「風の花」[ニコラス・ダニエル(Ob)]/ オーボエとアンサンブルのための「ただ音楽のみ」 [ジョナサン・スモール(Cl) クラーク・ランデル指揮アンサンブル10/10] | ||
録音:2010年-2015年。シンプソンはクラリネット奏者でもあり、作曲をジュリアン・アンダーソンに師事した。作品はロンドン・シンフォニエッタ、BBCフィル、アンジェラ・ヒューイット、ピエール=ロラン・エマールによって取り上げられている。静謐さと激しさを合わせ持ち、20世紀の諸技法と後期ロマン派的な抒情性をミックスした独自のロマン主義を持った音楽。 | ||
戦争の追憶〜ブラス・バンドのための音楽 ブリテン/ハインドマーシュ編曲:機会のための序曲(オケージョナル序曲)(*) ロビン・ホロウェイ:戦争の追憶(#) 〔第1番 Op.50 No.1「行進する男たち」/第2番 Op.50 No.2「丘と谷から」〕 ルーシー・パンクハースト:声々〔追憶に〕(*) / ジョン・マッケイブ:マウンセル砦(+) ブリテンと聖エドムスベリー・ファンファーレによるディヴァージョンズ(*) イアン・ポートハウス指揮トレデガー・タウン・バンド(*) フィリップ・ハーパー指揮(#) ロバート・チャイルズ指揮(+) コリー・バンド(#/+) | ||
録音:2016年。イギリスの軍隊、戦争に因んだブラス・バンドのための作品集。イギリスではプロ、アマ問わずブラス・バンド活動が盛んで多くの団体が存在する。このディスクに収録された2つの団体はいずれもプロ団体。コリー・バンドは創立が1884年という老舗。現在、王立ウェールズ・カレッジ・オブ・ミュージックのレジデント・アンサンブル。トレデガー・タウン・バンドは母体の創立が1849年と更に古く、現在はバーミンガム音楽院のレジデント・アンサンブルを務めている。 | ||
コリン・マシューズ(1946-): ヴァイオリン協奏曲[リーラ・ジョセフォウィッツ(Vn) オリヴァー・ナッセン指揮 BBCso./2010年7月]/ 葬列[リッカルド・シャイー指揮ロイヤル・コンセルトヘボウo./1998年12月]/ チェロ協奏曲第2番[アンッシ・カルットゥネン(Vc) ラモン・ガンバ指揮 BBCso./2002年4月] | ||
録音:[/内]。かつてデリック・クックと協働し、マーラーの交響曲第10番の全曲版のスコアを実際に書き、ホルストの惑星に補足すべく「冥王星」を作曲したイギリス現代音楽界の巨匠、コリン・マシューズの近作を含む充実した管弦楽作品集。才女リーラ・ジョセフォウィッツの華麗なヴァイオリンの妙技が天使のように舞うヴァイオリン協奏曲、リッカルド・シャイーの棒が冴えまくる壮絶な名曲「葬列」、ロストロポーヴィチに献呈されたドラマティックなチェロ協奏曲第2番と聴きどころ満載。 | ||
アイ・アム アイ・セイ〜ケイト・ウィットリー(1989-): ヴィオラ協奏曲(*) /アイ・アム アイ・セイ(#)[シリー・ラシュコフスキー(Va;*) アシュリー・リッチ(B;#) サラ=ジェーン・ルイス(S;#) クリストファー・スターク指揮(*/#) ザ・マルチ・ストーリーo.(*/#) &cho.(#)、ジョン・ドネ・プライマリー・スクール(#) ]/ ヴァイオリンとピアノのための3つの小品(**) /ヴァイオリンとヴィオラのためのデュオ(##)[エロイザ=フルール・ トム(Vn;**/##) ケイト・ウィットリー(P;**) アッシャー・ザッカルデッリ(Va;##)]/ 5つのピアノ小品[ロルフ・ハインド(P)] | ||
録音:2016年。 ケイト・ウィットリーは作曲家、ピアニスト、プロデューサーとして活躍している若手音楽家。2015年イギリス作曲家賞を、2014年にボルレッティ=ブイトーニ財団アワードを受賞。2011年に指揮者のクリストファー・スタークと共に“ザ・マルチ・ストーリーo. "を設立し芸術監督に就任。最初の公演はストラヴィンスキーの“春の祭典 "で、ロンドン南東部に位置するペッカムの駐車場で行われ、1500人以上の聴衆を集めた画期的なコンサートとして話題を集めた。このアルバムでは、2010年から2016年までに作曲された作品を収録している。 | ||
シルヴァー・ノクターン〜ジョン・マッケイブ(1939-2015):作品集 ピアノと弦楽四重奏のための「海の女」(*) / バリトンと弦楽四重奏のための弦楽四重奏曲第6番「シルヴァー・ノクターン」(#) / ホルン五重奏曲(+) サッコーニSQ ジョン・マッケイブ(P;*) ロデリック・ウィリアムズ(Br;#) デイヴィッド・パイアット(Hr;+) | ||
録音:2009年11月(*)、2017年3月(#)、2016年-2017年(+)。 マッケイブはリヴァプール出身のイギリスの作曲家でピアニストとしても優れ、英デッカに録音したハイドンのピアノ・ソナタ全集は知る人ぞ知る名盤。ヨーロッパに前衛音楽の嵐が吹き荒れていた時代に作曲家としての活動を始めたがマッケイブはそれらとは一線を画し、バックス、ブリッジ、ブリテンの流れを汲む内省的でメランコリックな作風を信条とする、いわゆる良きイギリスの伝統に立脚した作品を残した。ピアノ五重奏曲「海の女」は暗雲垂れ込める北国の冬の海を思わせる憂鬱な雰囲気の作品で、その憂愁あふれる詩情に惹かれるファンは多かろう。「シルヴァー・ノクターン」はシェイクスピアほかの詩人の詩をテキストとしたタイトル通りの銀色と灰色を思わせる暗く、哀しげな夜の音楽。イギリス、北欧音楽ファンは気に入ること疑いなしのディスク。 | ||
ブライアン・ファーニホウ(1943-): リーベル・スティンティラーレ[アンサンブル・ルシェルシェ]/ ミサ・ブレヴィス[ジェイムズ・ウィークス指揮 EXAUDI (cho.) ]/ 突然(*) /地は人[マーティン・ブラビンズ指揮 BBCso. オリヴィア・ロビンソン、 ジェニファー・アダムズ=バルバロ(S;*) チェリス・ミルバム=フライヤー(A;*)] | ||
録音:2011年-2012年。 細川俊夫の師匠であり、細川がかつて秋吉台の作曲セミナーで積極的に紹介したことから日本の若手〜中堅世代の作曲家、作曲科学生がさかんに勉強し模倣される作曲家となったブライアン・ファーニホウ。彼はヴェーベルンの影響からそのキャリアを始め、やがてセリー技法を極限にまで推し進めた様式は「新しい複雑性」と呼ばれるようになる。その影響力はいまだに藝大あたりの作曲科学生がコンクールに応募する際、ファーニホウを模倣した作品が多いほど。一見錯綜したように聴こえる幾層にも重ねられた複雑なテクスチュアの中に人間心理の闇、混とんとした世界の実相が細密画のように描き込まれている。演奏陣はアンサンブル・ルシェルシェ、BBC響など一流で迫真の演奏に圧倒される。いずれも近作ばかりでファーニホウ・ファンは必聴のディスク。 | ||
Flux 〜新しい音楽、新しいダンス ギャヴィン・ヒギンズ:アトミック・カフェ[ポール・ホスキンス指揮ランベールo.] マーク・ボウデン:エアーズ・ノー・オーシャンズ・キープ[フィデリオ・トリオ] シェリル・フランシス=ホード:狂気産業[オニクス・ブラス] ケイト・ウィットリー:ヴァイオリンとヴィオラのためのデュオ [エロイザ=フルール・トム(Vn) アッシャー・ザッカルデッリ(Va)] クィンタ:捕らえられたテミストクレス[クィンタ(Vn/磁力共鳴P/エレクトロニクス)] | ||
録音:2015年-2016年。 ランベール・ミュージック・フェローシップを受けた5人の作曲家による新しいダンスのための音楽集。オーケストラや、三重奏曲、ブラスにヴァイオリンとヴィオラのデュオ、そして、クィンタは、自作自演で電磁石で弦を響かせる新たな音色を手に入れたピアノ= Magnetic Resonator Pianoとヴァイオリンとエレクトロニクスの演奏など多彩な編成で聴かせる。 | ||
ジョナサン・ドーヴ(1959-):天地創造の短い歴史(*) /ガイア理論(#)
マーク・エルダー指揮ハレo.、ハレ児童cho.(*) ジョセプ・ポンス指揮 BBC so.(#) | ||
録音:2016年(*) /2014年、 BBC プロムス(#)、ともにライヴ。 ジョナサン・ドーヴはケンブリッジ大学でロビン・ホロウェイに師事し作曲家のみならずピアニストとしても活動している。イギリス国内ではオペラ作曲家として知られ、オペラ以外でも歌曲、カンタータなどテキストを伴った音楽、劇的要素のある作品で評価されている。「天地創造の短い歴史」は現代美術家ジェイムズ・タレルの光を使ったインスタレーションに霊感を受けて書かれた作品で地球が生まれてから今日までの14億年の歴史をメルヘン・タッチで描いたカンタータ。「地球が一個の巨大な生命体である」というジェイムズ・ラヴロックの有名な仮説理論から霊感を受けて作曲された「ガイア理論」はミニマリズムの影響が色濃いロマンティックな佳品。ジョン・アダムズを思わせる鮮やかなオーケストレーションと中間部の瞑想的な曲想が聴きどころ。現代音楽版クリスティアン・ラッセンか? | ||
老水夫の歌〜ハワード・スケンプトン(1947-): 老水夫の歌(*) /オンリー・ザ・サウンド・リメインズ(#) マーティン・ブラビンズ指揮(#) バーミンガム現代音楽グループ ロデリック・ウィリアムズ(Br;*) クリストファー・イェーツ(Va;#) | ||
録音:2016年。 ハワード・スケンプトンはイギリスのチェスター生まれの作曲家。アコーディオン奏者、教育者としても知られている。実験的でありながらも美しい響きのある2作品を収録。“老水夫の歌 "は、イギリスの詩人コールリッジの幻想的な物語詩をもとに作曲された作品。“オンリー・ザ・サウンド・リメインズ "は美しく印象的なメロディが、繰り返されながら崩壊し消え去っていく作品。 | ||
エレクトラの嘆き〜ブライアン・エリアス(1948-): 鶴[ニコラス・コック指揮プサッファ]/ミート・ミー・イン・ザ・グリーン・グレン [ロデリック・ウィリアムズ(Br) スーザン・ビックリー(Ms)]/ ワンス・ディド・アイ・ブリーズ・アナザーズ・ブレス [ロデリック・ウィリアムズ(Br) イアン・バーンサイド(P)]/ エレクトラの嘆き(#)[ニコラス・ダニエル(コーラングレ) スーザン・ビックリー(Ms) クラーク・ランデル指揮ブリテン・シンフォニア] | ||
録音:2012年、BBCプロムス、ライヴ(#) /2016年(#以外)。 インド生まれのイギリスの作曲家ブライアン・エリアス。エリザベス・ラッチェンスに作曲を師事。イギリス・ロンドンで毎年夏開催されるクラシック音楽の一大イベントBBCプロムス。「エレクトラの嘆き」は古代ギリシャ三大悲劇詩人の一人であるソポクレスが書いた悲劇「エレクトラ」のテキストを用いて作曲した物。メゾ・ソプラノのスーザン・ビックリーが元の古代ギリシャ語で歌い、コーラングレと弦楽合奏を伴ってエレクトラの物語と彼女の弟オレステスが父親の殺害に続いて母親と義理の両親に取った復讐を語る。「鶴」はギリシャ神話に登場する英雄の一人テセウスに関連した儀式「クレーン・ダンス」に触発された劇的でリズミカルなアンサンブル作品。 | ||
イモジェン・ホルスト(1907-1984):弦楽のための室内楽作品集 弦楽四重奏のための「ファンタジー・クァルテット」(1928) / ヴィオラとピアノのためのデュオ(1968) /弦楽三重奏曲第1番(1944) / 無伴奏チェロのための「落ち葉」(1962) / ヴァイオリンとチェロのためのソナタ(1930) /弦楽五重奏曲(1982) コート・レーン・ミュージック [サイモン・ヒューイット・ジョーンズ、デイヴィッド・ワースウィック(Vn) トム・ハンキー(Va) オリヴァー・コーツ、トーマス・ヒューイット・ジョーンズ(Vc) ダニエル・スワイン(P)] | ||
録音:2007年8月、オール・セインツ教会、ウェスト・ダルウィッチ、ロンドン、 UK 。初出・前出・旧品番: Court Lane Music, CLM 37601〔国内&当店未案内、廃盤〕。 イギリスの音楽学者、指揮者、作曲家、鍵盤楽器奏者で、作曲家グスターヴ・ホルストの娘。父の作品の編曲・指揮などで知られている。このアルバムは録音がほとんど無い貴重なイモージェンが作曲した室内楽作品集で、すべて世界初録音。“ファンタジー・クァルテット "は1928年に作曲のコベット賞を受賞。20世紀イギリスの田園風景を想像させる、たおやかな音楽。無伴奏チェロのための“落ち葉 "は、しっとりと哀愁溢れる作品。 | ||
黒いオニキス〜金管五重奏のためのジャズ作品集 グウィリム・シムコック:ストンパー / ローレンス・コットル:神聖なる穀物 ケニー・ウィーラー:ワン・フォー・ファイヴ / トリッシュ・クロウズ:マイティ・ペンシル マーク・ナイチンゲール:ロージーのために / ジェーソン・レベロ:必然的な結果 デイヴィッド・パウエル:あなたのドアのシンボル / ライアン・ノブル:想像上のダンス ガイ・バーカー:黒いオニキス / ミック・フォスター:ハムレット物語 コリン・スキナー:ファイヤー・ボックス / マイク・ウォーカー:彼女を手放せ オニクス・ブラス〔金管五重奏〕 [ナイアル・キートリー、アラン・トーマス(Tp) アンドルー・サットン(Hr) エイモス・ミラー(Tb) デイヴィッド・ゴードン・シュート(Tu)] | ||
録音:2017年6月6日-8日、ロンドン。 金管五重奏によるJazzyな新作ピースばかりを集めたブラス・ファン必携の粋な一枚。作曲者はいずれもイギリス国内で活動するジャズ・ミュージシャンか放送、映画や現代音楽に関わる作曲家。オニクス・ブラスは2018年結成25年となるアンサンブルでメンバーはそれぞれBBC響、ロンドン響、イギリス国立歌劇場o. などで首席奏者を務めている。収録曲はいずれも5分前後で気楽に楽しめる内容。 | ||
ベルトの下に〜フィリップ・ヴェナブルス(1979-): 2人の女性ヴォーカリストと9人の演奏家のための「ミゲル・コットの復讐」(2012) (*) / 様々な管楽器〔当録音ではオーボエ〕独奏のための「ブリテンによる変容」(2010) (#) / 精神的ピアノ三重奏曲(2011) (+) / 四声部独唱と弦楽四重奏のためのナンバー76-80「トリスタンとイゾルデ」(2011) (**) / 語り手、2つのテープ・レコーダー、ハープ、 フルートとウッドブロックのためのナンバー91-95 (2011) / 映像と9人の演奏家のための「幻」(2017) (##) リチャード・ベイカー指揮(*/**/##) ロンドン・シンフォニエッタ(##) ミランダ・マクスウェル(Ob;#) フェニックス・ピアノ三重奏団(+) リゲティSQ (**) 他、多数のアーティストたち | ||
録音:2013年-2017年。 NMC デビュー・ディスク・シリーズ。 ヴェナブルスはイギリスの若手作曲家。ロンドンの王立音楽院で学んだ後、ケンブリッジ大学で言論と暴力、音楽の関係についての論文で博士号を取得、常に音楽と社会(問題)、政治との関係に関心を持ちつつ創作を続けている。オペラの作曲にも情熱を注いでおり、ロイヤル・オペラで上演された「4.48サイコシス」は現代オペラの注目すべき作品として評判となった。彼の作風は一様ではなく、作品のテーマ、テキストの内容によって様々なスタイルを使い分け、時に折衷する。オーボエ独奏のための「ブリテンによる変容I-IV」は抽象度、完成度の高い作品で、静かなリリシズムと品格を備えている傑作。 | ||
新しい室内楽作品集 アンナ・メレディス:トリポタージュ・ミニアチュアズ[オーロラo.] アレグザンダー・ゲール(1932-):アフター・ザ・ウェーキング [マーティン・ブラビンズ指揮ナッシュ・アンサンブル] コリン・マシューズ(1946-):ポストリュード[ニコラス・ダニエル(Ob) ブリテン・シンフォニエッタ] | ||
録音:2016年-2017年、2019年。現代イギリスの作曲家による室内アンサンブルのための作品を収録。アンナ・メレディスは現代音楽にテクノ、アンビエント、ロック、サウンド・インスタレーションの要素を加えた作風で知られ、この作品もミニマル風のポップで小気味よい曲になっている。イギリス作曲界の重鎮ゲールは旋法的な12音技法を使う作曲家で、この作品は音感にメシアンの影響を感じさせつつ点描的で緊密なセリー音楽の空間を作り上げている。ゲールと同じくイギリスの重鎮マシューズの「ポストリュード」はオーボエと室内アンサンブルのための一種の協奏曲でオーボエの抒情的な旋律が美しい無調作品。 | ||
人々のための音楽〜アンドルー・ハミルトン(1977-): 芸術好きな人々のための音楽[ミシェル・オルーク(Vo) アラン・ピアソン指揮クラッシュ・アンサンブル]/ 人々のために[ジュリエット・フレイザー(S) マキシヌ・エチャードー(Perc)]/ ロジャー・ケースメントのための音楽[アイヴズ・アンサンブル] | ||
録音:2016年9月。 アンドルー・ハミルトンはアイルランド出身の作曲家。作曲をケヴィン・ヴォランズ、ルイ・アンドリーセンに師事したことからもある程度、推察できるように、彼の音楽はポップ、民族音楽の影響を受けたミニマル・ミュージック。しかし耳あたりがよいにも関わらず知的好奇心を刺激する様々な構造上の仕掛けがされている。「芸術が好きな人々のための音楽」では一聴してヴォーカル入りの安っぽいパンク風の音楽だがCDに傷がついて音飛びした時の状態を生演奏で再現するという酔狂なアイデアで書かれたミニマル・ミュージック。ヴォーカルが時々「イエーイ」と叫んだり息を吸いながらの発声をしたりノイジーな音にあふれている。「人々のための音楽」は疑似民族音楽風のリリカルな組曲。「ロジャー・ケースメントのための音楽」も短いフレーズを約20分延々と繰り返すアナーキーな音楽。マイケル・ナイマン、ルイ・アンドリーセン、M. アンソニー・ターネイジらが好きな人にお薦め。ブリティッシュ・ロック、実験音楽系の現代音楽の伝統は明らかに次の世代に受け継がれている。 | ||
嫌悪感〜コリン・ライリー(20世紀-): クラリネット、ピアノと打楽器のための3楽章(*) / チェロ、ハープ、アルト・フルート、ヴァイオリンとヴィオラのための抒情小品集(#) / クラリネットとピアノのための「嫌悪感」(+) /ピアノのための「柔らかい夕暮れのように」(**) トム・レッセルズ(Cl;*/+) ケイト・ハルソール(P;*/+) ジュヌヴィエーヴ・ウィルキンス(Perc;*) レベッカ・ヘップルホワイト(Vc;#) セリーヌ・サウト(Hp;#) ニコラ・サマースケールズ(アルトFl;#) サマンサ・ウィックラマシンゲ(Vn;#) ジェシカ・ビーストン(Va;#) マシュー・シェルホーン(P;**) | ||
録音:2014年-2015年。 コリン・ライリーの生年は公表されていないがイギリスの中堅世代の作曲家と思われる。イギリスの作曲界は大雑把に言ってブライアン・ファーニホウ、オリヴァー・ナッセン、ジョージ・ベンジャミンらに代表されるヨーロッパの伝統を受け継ぎながら前衛的な作品を書くアカデミックな楽派、ナイマン、ブライヤーズ、フィットキン、ターネイジらに代表されるジャズ、ロック、民族音楽など様々な音楽に実験的要素を加えた楽派に分けられるが、ライリーは後者に近い作曲家。小さいアンサンブルを有効に使った「3つの楽章」はストリート・ミュージックを思わせる軽快なリズムに乗せてロックともミニマルともいえる粋なメロディが歌われる。「抒情小品集」は一転して古楽とフェルドマンが握手をしたような静謐な音楽。曲そのものにはそれほど不快感を感じない「嫌悪感」はクラリネットとピアノが様々な対話を繰り拡げるポップな組曲。「柔らかい夕暮れのように」はジャズを思わせるメランコリックなハーモニーが美しい佳品。ブックレットの作曲家の写真から受ける印象と添付されたやや挑発的なコメントに反して意外に誠実な作曲家と思われる。 | ||
デイヴィッド・フェネシー(1976-): ツィンバロム、2つのヴァイオリン、2つのヴィオラと2つのチェロのための 「パノプティコン〔全展望型監視システム〕」(*) / ピアノ三重奏曲「ジョン・ケージとモートン・フェルドマンの 会話の間に訪れた沈黙のための音楽」(#) / 13のファクトリー(+) /ヒルタ・ラウンズ(**) プサッファ〔アンサンブル〕(*/#) ヘブリデス・アンサンブル(#) ヨハネス・カリツケ指揮 アンサンブル・モデルン(+) ミュンヘン室内o.(**) | ||
録音:2009年、2017年-2018年。デイヴィッド・フェネシー(David Fennessy)は十代の頃ロック・バンドをやっていて正式に音楽を学び始めたのは15歳。アイルランドのダブリン大学で学んだ後、スコットランド王立音楽院でジェイムズ・マクミランに作曲を師事した。ロックをやっていた経歴から伝統的なクラシックの様式に囚われない自由で実験的な傾向を持つ。「パノプティコン」は終始ツィンバロンの叩き出すパルスに他の楽器が絡む一種のパンクともミニマル・ミュージックとも取れるアナーキーな作品。ケージとフェルドマンの語録から再構成した作曲家二人の会話(演奏者が語る)の間にフェルドマン風の静かで長い音が棚引く「ピアノ三重奏曲」、スコットランド地方の群島ヒルタの風景に霊感を受けて作曲された美しい作品「ヒルタ・ラウンズ」など聴きどころ満載。ややギャヴィン・ブライヤーズ初期の実験的な作品を思わせる。 | ||
The Dream of the Rood 〔十字架の夢〕〜ジョン・カスケン(1949-):作品集 作曲者不詳(中世):古き法は廃れ/敵意をあおりたてると/神は慈悲 ペロティヌス〔ペロタン〕(12世紀末-13世紀)/ジョン・カスケン編曲:地上のすべての国々は ジョン・カスケン:「十字架の夢」 ヒリヤード・アンサンブル クラーク・ルンデル指揮 ASKO シェーンベルク・アンサンブル | ||
録音:2014年10月。中世ルネサンスの宗教曲と現代イギリスの作曲家ジョン・カスケンの作品をカップリングしたユニークな内容。いずれもヒリヤード・アンサンブルが関わっている。作曲者不詳の宗教曲はオリジナルの形で、そしてペロティヌスの有名な「地上のすべての国々は」はカスケンにより声楽と室内アンサンブルのために編曲、リコンポーズされた新鮮な作品に生まれ変わっており、一聴に値する。カスケンの新作「十字架の夢」は8世紀頃に書かれた古い詩をテキストとしており、室内アンサンブルのモダーンな響きとヒリヤード・アンサンブルの雅な響きが融合しミステリアスな空間を作り出す。 | ||
サム・ヘイデン:作品集 リレーティヴ・オートノミー〔相対的自治〕[ステファン・アズバリー指揮アンサンブル・ムジーク・ファブリーク]/ トランジエンス〔幽玄〕[ディオティマ四重奏団]/ サブストレイタム〔基層〕[デイヴィッド・ロバートソン指揮 BBC so.] | ||
録音:2008年、2016年-2017年。サム・ヘイデンの生年は公表されていないが、イギリスの中堅世代と思われる。作曲をマイケル・フィニシー、ジョナサン・ハーヴィー、ルイ・アンドリーセン、ブライアン・ファーニホウというそれぞれ個性の著しく異なる作曲家に師事した。師匠の中で一番ヘイデンの作風に近いと思われるのはファーニホウで激しく複雑な音楽がこの人の持ち味と思われる。めまぐるしく動き回る複数の音の中から表れてくる緊張感あふれる音の分厚い塊が圧倒的な「リラティヴ・オウトナミー」、きらびやかな音と暴力的な音響の嵐が拮抗する大管弦楽のための「サブストレイタム」が聴き物。 | ||
エドムンド・フィニス:作品集 管弦楽のための「空気、回転」[イラン・ヴォルコフ指揮 BBC スコティッシュso.]/ ヴァイオリン独奏のための「ほかの場所で」[エロイサ=フルール・トム(Vn)]/ 室内アンサンブルのための「パラレル・カラー」[リチャード・ベーカー指揮バーミンガム現代音楽グループ]/ 室内管弦楽のための「雨の合間に」[ロバート・エイムズ指揮ロンドン・コンテンポラリーo.]/ クラリネットとピアノのための4つの二重奏曲[マーク・シンプソン(Cl) ヴィキングール・オラフソン(P)]/ ヴァイオリンと管弦楽のための「シェイド・レントン」 [ベンジャミン・ベイルマン(Vn) アンドルー・グーレイ指揮ブリテン・シンフォニア] | ||
録音:2018年8月。エドムンド・フィニス(Edmund Finnis)の生年は公表されていないが、若手から中堅世代の作曲家と思われる。彼はギルド・ホール・スクールでジュリアン・アンダーソンに師事、イギリス国内の複数の作曲賞を受賞後、2015年より王立音楽院の作曲科教授を勤めている。作風は後期ロマン派からフランス印象派、現代の語法を折衷して新世紀のロマンティシズムを目指そうとしているように思われる。調性、モードを憶することなく使い、美しいリリシズムを持った作品。管弦楽のための「空気、回転」は20世紀初頭のイギリスの作曲家の作品を彷彿とさせ、「雨の合間に」ではノン・ヴィブラートとハーモニクスを多用した弦楽の静謐で清らかな響きがペルトや武満を思わせる。彼の出世作となったヴァイオリン協奏曲「シェイド・レントン」(色合いが引き伸ばされる)はイギリス中世ルネサンス期の音楽を思わせる瞑想的な音楽。 | ||
スパーク・キャッチャーズ エロリン・ウォーレン:合奏協奏曲(*) / ジェイムズ・ウィルソン:グリーン・フューズ ダニエル・キダネ:ドリーム・ソング(#) / ハンナー・ケンドール:スパーク・キャッチャーズ(+) フィリップ・ハーバート:エレジー / ジュリアン・ジョセフ:キャリー・ザット・サウンド(**) アントニー・パーンサー指揮(*/#/無印) ケヴィン・ジョン・エデュセイ指揮(+) ウェイン・マーシャル指揮(**) チネケ!o. &cho. テイ・マレイ(Vn;*) チチ・ンワノク(Cb;*) イサタ・カネー=メイソン(P;*) ロデリック・ウィリアムズ(Br;#) | ||
録音:2017年-2018年。作曲家の生年が記載されていないが、ブックレットの写真から全員、若手から中堅世代と思われる。個性的な作品が揃っているが、このアルバムで統一されているのは、いずれの作曲家もヨーロッパをいまも席捲するドイツ、フランスの前衛楽派とは一線を画した独自の路線を歩んでいるということ。ウォーレンの「合奏協奏曲」はジャズやフュージョンの影響を感じさせ、ハーバートの「エレジー」は20世紀初頭のイギリスの何人かの作曲家を思い出させる牧歌的な美しい作品。ジョセフの「キャリー・ザット・サウンド」はウォルトンやホルストを思わせる色彩的な作品。前衛楽派に屈せず独自の路線を歩むユニークな作曲家たちの今を知る一枚。 | ||
デイヴィッド・ソウワー(1961-): 「ランペルスティルスキン」組曲/ キャッツ・アイ/「4月/3月」 |
マーティン・ブラビンズ指揮 バーミンガム・コンテンポラリー・ ミュージック・グループ | |
録音:2019年4月。ソウワーはイギリスのヨーク大学で学びマウリツィオ・カーゲルの「カントリー・ムジークとわれらの海」の英国初演を行った。その後DAAD給付金を得てカーゲルに師事、カーゲルの影響からか舞台作品を中心に多くの作品を発表している。「ランペルスティルスキン」組曲はバレエ音楽でジャズのリズムも現れる、ストラヴィンスキーの新古典主義期の作品に似た佳作。「プルチネルラ」を今日風にアレンジしたような音楽で面白い。 | ||
デビュー・ディスク・シリーズ〜ジョアンナ・ベイリー(1973-): シンフォニー=ストリート=スーベニーア/トレイン/人工的環境〔第1番−第5番/第8番〕 プラス・マイナス・アンサンブル | ||
録音:2010年-2011年。ジョアンナ・ベイリーは現在ベルリンを拠点に活動する作曲家。リチャード・バレットに電子音楽を学び、ムジーク・ファブリークやクラングフォルム・ウィーンなどに作品を提供している。ここに収められた作品はアコースティックなアンサンブルと電子音響のために書かれた物。アコースティックな楽器を電子的に変調させ、ぐにゃぐにゃに歪ませるのが彼女の作品の特徴のようだ。それは70年代のUKプログレシヴ・ロックに通じるものがある。「シンフォニー=ストリート=スーベニーア」の一部では日本の古謡「さくら」のオルゴールが流れ、次第に変調され、見るも(聴くも?)無残な姿となる。 | ||
バーナード・ランズ(1934-): ダンツァ・ペトリフィカーダ 〔石化したダンス〕(2010) / チェロ協奏曲(1996) (#) /海のような鎖(2008) |
ヨハネス・モーザー(Vc;#) クラーク・ランデル指揮 BBC フィルハーモニック | |
録音:2014年。かつてサントリー・ホール国際作曲委嘱シリーズで新作を発表した際、影響を受けた作品としてドビュッシーの「海」を挙げたことからもわかるようにランズの音楽には鮮やかな色彩感覚と調性感があり、それが骨太な構成とあいまって現代のロマンティシズムを体現する作曲家としてその地位を確固としたものにしているリッカルド・ムーティ指揮シカゴso. によって初演された「ダンツァ・ペトリフィカーダ」はメキシコ革命へのトリビュートとして作曲された情熱的なダンス。チェロ協奏曲はロストロポーヴィチ70歳記念のために作曲された力作、そしてディラン・トーマスの詩に霊感を受けた「海のような鎖」の巧みで鮮やかな管弦楽法で聴かせる。 | ||
道筋〜エリカ・フォックス(1936-): アンサンブルのための「道筋 − 葬列が歩む道」(1980) / クラリネット、バス・クラリネット、ホルンとピアノのための「 QUASI UNA CADENZA 」(1988) / ピアノのための「サン・ミケーレにあるストラヴィンスキーの墓を訪問して」(1988) (*) / ピアノ三重奏のための「憂鬱な民兵」(2003) /アンサンブルのための「カフェ・ワルシャワ 1944」(2005) ゴールドフィールド・アンサンブル(*以外) リチャード・アットリー(P;*) | ||
録音:2018年11月。エリカ・フォックスはウィーン出身で後にイギリスの帰化、ハリソン・バートウィスルらに作曲を師事、舞台作品から室内楽まで幅広い作品を発表している。表現主義的な厳しい作風の中に硬質で清新な抒情が感じられる音楽。 | ||
深紅の鳥〜ニコラ・ルファヌ(1947-):管弦楽作品集 隠された風景(1973) [ノーマン・デル・マー指揮 BBC so./1973年]/ コロンビア・フォールズ(1975) [コルマン・ピアース指揮RTEナショナルso./1997年]/ 哀歌(2014) [ギャヴィン・マロニー指揮RTEナショナルso./2015年]/ 深紅の鳥(2017) [レイチェル・ニコルズ(S) イラン・ヴォルコフ指揮 BBC so./2017年] | ||
録音:[/内]。ニコラ・ルファヌはオックスフォード大などで学び、これまで100曲あまりの作品を発表し、あらゆるジャンルに作曲している。このディスクに収められた作品はいずれも自由な無調の様式で書かれていながら、旋律が豊かで現代のロマン主義とでもいうべき抒情性を備えている。ジョン・フューラーの詩をテキストとした「深紅の鳥」はオペラ的な拡がりを持つロマンティックなオーケストラ伴奏付き歌曲集。 | ||
ジュリアン・アンダーソン(1967-): リング・ダンス/髭の生えた淑女/ざくろの色彩/ 祈り/沈黙に近づく詩(全8曲)/ もうひとつの祈り/ヴァン・ゴッホの青(全5曲) |
マーティン・ブラビンズ指揮 ナッシュ・アンサンブル | |
録音:2019年4月。ジュリアン・アンダーソンはイギリスでコンスタン・ランバート、アレグザンダー・ゲールらに基礎を学んだ後、渡仏しトリスタン・ミュライユ、メシアン、リゲティらそれぞれ作風の異なる作曲家に師事した。そうした経歴も反映しているのか、このアルバムでは様々なスタイルを聴くことが出来る。リング・ダンスはスペクトル楽派的、髭の生えた淑女はメシアンのエコーが聴こえ、ざくろの色彩ではアジア的なエキゾチックな音楽が聴かれる。イギリスの中堅世代の充実した作品集。 | ||
リンダ・バックリー(1979-): 声、アンサンブルとエレクトロニクスのための「海の底から [O Iochtar mara] 」 [ラーラ・オリオネール(声) クラッシュ・アンサンブル]/ ピアノとエレクトロニクスのための「フリダー」[イザベル・オコネル(P)]/ 打楽器とエレクトロニクスのための「ディスコルディア」[ジョディ・バーゲス(Canna Sonora)]/ 弦楽四重奏とエレクトロニクスのための「ハザ」[コンテンポSQ ]/声とエレクトロニクスのための「キリエ」/ ヴァイオリンとエレクトロニクスのための「爆発する星」[ダラー・モーガン(Vn)] リンダ・バックリー(声/エレクトロニクス) | ||
録音:2019年。バックリーはアイルランド出身の作曲家で歌手としても活動している。調性やモードを基本とした語法で作曲しており、生楽器の音を加工したり、生楽器とエレクトロニクスを融合する音楽はいずれも静かで瞑想的な雰囲気を持つ。アンビエント、ミニマル系の作曲家との親近性が感じられ、ブライアン・イーノ、ハロルド・バッド、ギャヴィン・ブライヤーズらの音楽が好きな人は気に入ること間違いなし。 | ||
タンジー・デイヴィス(1973-):管弦楽作品集 足音の砂丘(*) /自然(#) / 歌劇「世界の狭間」からの組曲「我々は何を見たのか」(*) /リ・グリーニング〔再緑化〕(+) カレン・カメンセック指揮ノルウェー放送o.(*) オリヴァー・ナッセン指揮(#) バーミンガム・コンテンポラリー・ミュージック・グループ(#) ヒュー・ワトキンス(P;#) イギリス・ナショナル・ユースo.(+) | ||
録音:2014年-2018年。タンジー・デイヴィスは10代の頃ロック・バンドでヴォーカルとギターを担当していたが、やがて現代音楽に関心を持ち、サイモン・ホルトに作曲を師事した。その後イギリス国内のコンクールに入賞し、BBC響、ロンドン響などから数多くの委嘱を受け今日に至っている。「足音の砂丘」では絶え間なく続く響きの色彩と質感の推移で作品が構成され砂漠の砂の紋様が描かれる。「自然」では細かくせわしなく動き回るモティーフの連鎖が原初的な生命の発生を思わせる。「リ・グリーニング(再緑化)」は合唱と管弦楽が大地を潤すような活き活きとした音の運動を繰り広げる。いずれも標題といい内容といい自然を題材にした作品が多く、ヴォーン・ウィリアムズら自然を愛するイギリス音楽の作曲家の系譜を感じさせる。2018年に亡くなった作曲家・指揮者オリヴァー・ナッセンの晩年の円熟した指揮ぶりも聴き物。 | ||
デビュー・ディスク・シリーズ〜マーティン・サックリング(1981-):管弦楽作品集 ホワイト・ロード(エドムンド・デ・ワールによる)(*) /放流/ピアノ協奏曲(#) /旅立ちの風景(+) イラン・ヴォルコフ指揮 BBC スコティッシュso.(+以外)、 BBC po.(+) キャスリーン・ブライアン(Fl;*) タマラ・ステファノヴィチ(P;#) | ||
録音:2013年/2020年。マーティン・サックリングはイギリスの若手作曲家でヴァイオリニストでもある。作曲をジョージ・ベンジャミンに師事、現在王立音楽院で教鞭を執りつつ作曲活動を続けている。師匠ベンジャミンの影響からか新印象主義、新ロマン主義的な傾向の作風を持ち、手堅い管弦楽法も相まって聴きごたえのある音響空間を作り上げる。ピアノ協奏曲は忙しなく動き回るピアノに管弦楽が鉄槌を下すようなクラスターを打ち込む。ユーモアがあり、ジャズの影響を感じさせる秀作。 | ||
パラム・ヴィール(1952-): サロードとアンサンブルのための「ラーガ・フィールド」 [ソーミク・ダッタ(サロード) エンノ・ポッペ指揮クラングフォルム・ウィーン]/ 管弦楽のための「クリシュナの前に」[オダリーネ・デ・ラ・マルティネス指揮ロンドン室内o.]/ タゴールの詩によるソプラノとチェロのための「星空を駆け巡る」 [パトリシア・オークタロニー(S) ウルリヒ・ハイネン(Vc)]/ アンサンブルのための「ハヤグリバ〔馬頭観音〕」[ミハ・ハメル指揮シェーンベルク・アンサンブル] | ||
録音:2015年、1988年、2020年、2005年。パラム・ヴィールはインド系イギリス人作曲家。デリーでインド古典音楽を学んだ後、渡英して作曲をP. M. デイヴィス、オリヴァー・ナッセンに師事した。「ラーガ・フィールド」はシタールに似たインドの伝統楽器サロードとアンサンブルのための協奏曲。神秘的なサロードの音色とエンノ・ポッペ指揮によるクラング・フォルム・ウィーンの乾いた響きがインドとヨーロッパの対話を図る。インドの偉大な詩人ラビンドラナート・タゴールの詩による歌曲集「星空を駆け巡る」はソプラノがチェロ一本を伴奏にやや表現主義的で緊密な音楽を作り上げる。「ハヤグリパ(馬頭観音)とはヒンドゥー教の最高神ヴィシュヌの別名であり、仏教では菩薩ととらえられている神をややリゲティ風の色彩豊かな書法で表現している。インドの伝統的な音楽や思想をヨーロッパの抽象的な思考で再解釈、音楽化した秀作。 | ||
ライアン・ラティマー(1990-):作品集 ミルズ・メス[オリヴァー・ナッセン指揮 ロイヤル・アカデミー・オヴ・ミュージック・マンソン・アンサンブル/2015年1月30日]/ フリゲート艦と愚行[デイヴィッド・テンプル指揮 BBC コンサートo.&クローチ・エンド・フェスティヴァルcho./2018年10月24日、11月16日]/ ディヴェルティメント[ブリテン・シンフォニア/2013年4月9日、26日]/ 白鯨[ゲイリー・ウォーカー指揮ロンドン・シンフォニエッタ/2014年8月19日-22日]/ スピーキング・オブ・レター&ダンシング [ロジー・ミドルトン(Ms) ダニエーレ・ロジーナ指揮ロキ・アンサンブル/2021年5月6日]/ スリンク&スライド[プサッファ/2021年5月27日]/ アンティアルキー[ピエール=アンドレ・ヴァラード指揮 LSO /2016年3月24日、4月30日] | ||
録音:[/内]。ライアン・ラティマーはイギリスの若手作曲家。このディスクは彼のデビュー・アルバム。彼の音楽はストラヴィンスキー、ポスト・ミニマル(ジョン・アダムスやマイケル・トーキーなど)、ジャズ、パンク・ロック、更にはコープランドとバーンスタインまで一緒くたにしてミキサーにかけたようなキッチュでポップな作風。力強いリズムを推進力にして次々と移り変わるメロディ、音の風景が楽しい。イギリスにはアカデミックな硬派の現代音楽に対してポップスやストリート・ミュージックの要素を積極的に取り入れる作曲家がおり、その代表格がマーク=アントニー・ターネイジだが、その流れを汲む作曲家のようだ。ISCM World New Music Days北京大会に入選した「アンティアルキー」はいまや世界中で取り上げられている彼の出世作。 | ||
ハウス・イヴ・ベドラム/エンクロージャー〜現代イギリスの実験音楽 ラリー・ゴーヴス(1980-):ディスタント・エアポート( Fl, A. sax, Gtr, Vc, Elec )/ スージーとバンシーの「郊外の再開発」に触発された音楽/ ボルネオの川( Fl, A. sax, E. Gtr, Vc, Elec )/ 旋律楽器とオブジェ、電子音のための音楽( Fl, A. sax, Gtr, Vc, Pf, Objects )/ ネーマイアー2( A. Fl, A, sax, Vc, Elec ) クラウディア・セッサ(1570-1617/19頃)/ラリー・ゴーヴス編曲:私の生きた目 〔 I ( A. sax solo )/ II ( Fl, A. sax, Vc )〕 マシュー・サージェント(1984-):マター・オブ・マター( Vn solo ) サラ・ヘニーズ(1979-):グロウイング・ブロック( Fl, A. sax, B. Cl, Gtr, Vc, Objects ) アンバー・プリーストリー:健康的な空腹をもっとたっぷりと( Fl, A. sax, Gtr, Vc, Elec ) ハウス・オヴ・ベドラム [キャスリーン・ウィリアムズ(Fl) カール・レイヴン(アルトSax/Cl) トム・マッキニー(G) ステファニー・トレス(Vc) ラリー・ゴーヴス(Vn/エレクトロニクス)] | ||
イギリスの現代音楽というとブライアン・ファーニホウやジョージ・ベンジャミン、はたまたイギリス在住の藤倉大など、いわゆるアカデミックな教育を受けヨーロッパの伝統を踏まえた上でしっかりした毛並みのよい(?)音楽が今の主流で、コーネリアス・カーデューやポーツマス・シンフォニアや他の実験的な作曲家の伝統は影を潜めてしまったかのように見えるが、それは間違い。ビートルズやセックス・ピストルズを生み出したお国柄だけあって反骨精神満載のパンク系(?) 実験音楽は今も健在。このディスクは若手作曲家ラリー・ゴーヴスと彼の有志たちの作品を収録しており、いずれもアカデミックな路線とは一味も二味も異なる、ユニークな作品を聴くことが出来る。なおクラウディア・セッサは16世紀イタリアの作曲家で彼女の声楽曲をサックスやその他の楽器で演奏することにより、まるでポスト・モダーンのような新鮮な作品に生まれ変わる。イギリス実験音楽シーンの今を知る上で最適な一枚。中心人物のラリー・ゴーヴスはマンチェスターを拠点に活動する作曲家。 | ||
LONDON SINFONIETTA | ||
スナップ・ショット 〜オリヴァー・ナッセン50歳記念トリビュート ルイ・アンドリーセン:とても鋭いトランペット・ソナタ チャールズ・ウォーリネン:フィフティ・フィフティ アレクサンダー・ゲール:オリーのためのたった2つの音 デトレフ・グラナート:踊る風景 エリオット・カーター:Au Quai ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ:岸辺のオリー オーガスタ・リード・トーマス:夜の最初の光を点けよ ロバート・ズイダム:フーガは問題外だと思う コリン・マシューズ:Flourish, with fireflie ジュリアン・アンダーソン:パッカサリア風に マーク=アントニー・ターネイジ:スナップ・ショット ジョージ・ベンジャミン:オリカントゥス マグヌス・リンドベリ:ブボ・ブボ |
ジョージ・ベンジャミン指揮 ロンドン・シンフォニエッタ ロルフ・ハインド、 ニコラス・ホッジス(P) | |
録音:2002年6月-10月、41分41秒。 作曲のみならず指揮者としても活躍するオリヴァー・ナッセンの50才を記念するトリビュート・アルバム。一番長い曲でも4分53秒という小品ばかりで、全てナッセンに捧げられている。世代も作風も様々なので今日のヨーロッパ作曲界を図らずも俯瞰できる好企画。 | ||
The Jerwood Series I タンシー・デイヴィス(1973-):ネオン(*) ステュアート・マクレー(1976-):対話(#) |
デイヴィッド・ポルセレイン指揮(*) HK.グルーバー指揮(#) ジョン・ウォーレス(Tp;#) ロンドン・シンフォニエッタ | |
録音:2005年(*)、2003年(#)、31:53。 T.デイヴィスの「ネオン」はジャズ、ロック、民族音楽、ノイズの要素が軽快なリズムにのせて目まぐるしく変化する。ストラヴィンスキーのエボニー・コンチェルトあたりを思い出させる佳作。マクレーの「対話」はトランペットとオーケストラのための協奏曲で、こちらもポップスの要素を取り込みながら点描的な音の塊が炸裂する。 | ||
The Jerwood Series II モーガン・ヘイズ:暗い部屋(*) ジョニー・グリーン・ウッド:汚れ(#) 藤倉大:フィフス・ステーション(+) |
マーティン・ブラビンズ指揮 ロンドン・シンフォニエッタ マーク=ヴァン・ デ・ウィール(Cl;*) ヴァレリー・ ハルトマン=クラヴェリー、 ブリュノ・ペロー(オンドマルトノ;#) ルイーズ・ホプキンス(Vc;+) | |
録音:2004年(*)、2005年(#)、2004年(+)、37:43。 全員1970年代生まれの若手作曲家の作品。近年注目の藤倉大は早くからヨーロッパに留学しジョージ・ベンジャミンのもとで研鑽を積んできた。その後、ヨーロッパの名だたる音楽祭で作品が演奏され、2006年は芥川作曲賞のファイナリストになった。チェロとオーケストラのための「フィフス・ステーション」は表現主義的な烈しい音楽。 | ||
武満徹: グリーン(1967) アーク(弧)[第1部/第2部](1963-66/76)(*) |
ロルフ・ハインド(P) オリヴァー・ナッセン指揮 ロンドン・シンフォニエッタ | |
録音:1998年10月28日、ロイヤル・フェスティバル・ホール、ライヴ。33分57秒。(*)はイギリス初演だった演奏。 「ノヴェンバー・ステップス第2番」の副題を持つ「グリーン」、6つの楽章からなるピアノとオーケストラのための大作「アーク」はともに傑作にも関わらず決して演奏機会、録音が多いとは言えない。演奏は武満音楽に深い理解と愛情をよせる作曲家オリヴァー・ナッセンの指揮とロンドン・シンフォニエッタという最高の組み合わせ。 | ||
チャールズ・ウォーリネン(ウーリネン)(1938-): キクロプス 2000 〜20人の演奏家のための(*)/ イゴール・ストラヴィンスキーのための聖遺物箱(#) |
オリヴァー・ナッセン指揮 ロンドン・シンフォニエッタ | |
録音:1994年(#)/2001年(*)。 (#)はストラヴィンスキー未亡人より夫の形見として手渡された、未完の音楽の断片を素材として作曲されている。しかし作風は完全にウォーリネンのものであり、烈しいコントラストが生み出す緊張感にあふれている。 | ||
The jerwood SeriesII ウィリアム・アトウッド(1972-): Iwwer Tiermen(タワーの上で?) ジョアンナ・ベイリー(1973-): 5つの有名なアダージョ (J.S.バッハの緩徐楽章に基づく) リチャード・コーストン(1971-): スリープ(*)/フェニックス |
セバスティアン・ベル(Fl;*) ニコラス・コク指揮 ロンドン・シンフォニエッタ | |
録音:2005年/2007年。 いずれも1970年代に生まれたイギリスの作曲家たちによる作品。アトウッドはマイケル・フィニシーの弟子でリゲティに似た音群的作曲法を行う。ジョアンナ・ベイリーの作品は、バッハの管弦楽組曲BWV1067、ブランデンブルク協奏曲第1番、第6番、オーボエ協奏曲BWV1056、BWV1055からそれぞれの緩徐楽章を素材として使っているが、ほとんど原型をとどめないほどデフォルメされている。コーストンはイヴリン・グレニーにも作品を提供している作曲家で、しなやかなメロディ・ライン、ガリガリとした低音、クライマックスへの期待感など、つぼを押さえた書法が聴き手を飽きさせない。 | ||
現代イギリス新世代の作曲家たち イアン・ヴァイン:オクレ・オスクロ(*) エミリー・ホール:空間について考えろ(#) アンナ・メレディス:アックスマン(+)/フラック(**) |
リチャード・ベーカー指揮(*) ニコラス・コク指揮(#) ライアン・ ウィグルスワース指揮(**) ロンドン・シンフォニエッタ(*/#/**) ジョン・オーフォード(Fg;+) | |
録音:2005年-2008年、ライヴ。 3人とも1970年代後半生まれの作曲家たちの作品。アメリカのミニマルともヨーロッパの前衛とも一線を画する独自の音楽がかの国では育っているようだ。(+)はファゴット独奏作品だが、ノイジーなサックスのようなサウンドでとてもファゴットとは思えない。新旋法、新調性の作曲家あり、パンク・ロックを思わせる作品ありとヴァラエティに富んでいる。 | ||
The Jerwood Series 6 ジェイムズ・オルセン(1982-):カメレオン協奏曲 [クリオ・グールド(Vn) ロルフ・ハインド(P) デイヴィッド・ポルセリン指揮] クリスティアン・メイソン(1984-):からみあった時間の中で、結びとめられた空間で [バルダー・ブロンニマン指揮] ラリー・ゴーヴズ(1980-):春の時(+)v [ジュリエット・フレーザー(S) オリヴァー・ナッセン指揮] クラウディア・モリター(1974-):無題40(デスク・ライフ) ケネス・ヘスケス(1968-):記録の詳細 以上、ロンドン・シンフォニエッタ | ||
録音:2005年-2008年。 イギリスの若手から中堅世代の作曲家による作品。前衛、ミニマル以後のイギリス作曲界を俯瞰するのに最適のCDで、この国で若い世代を中心に才能豊かな作曲家が育ってきているのがわかる。オルセンは既にLSO、ベルリン響で作品が取り上げられている。彼の「カメレオン協奏曲」は狭義の前衛を乗り越えた新しい作風で、デフォルメされたロック、民族音楽、パンク、コミカルな身振りがスピーディに移り変わってゆく様はまさにカメレオン。メイソンの「時間にからんで、宇宙で結びとめられた」(上記と異なるが、代理店翻訳者記載ママ)は電子音響を室内オーケストラのためによる作品で中東風の音楽が大変抽象化された形で取り入れられたロンドン・シンフォニエッタ創立40周年委嘱作品。ヘスケスの「記録の詳細」は日本の古事記から霊感を得て作曲され、その色彩感には目を見張らされる。彼らは現代音楽の様々な流派の手法を取り入れながら、結果的にはどの流派にも属さない、非常にユニークな存在。 | ||
Huddersfield Contemporary Records (HCR) #当ページ中、当レーベルのみ品番降順 | ||
スモーク&エア〜イギリス実験音楽のいま シャーメイン・リー:スモーク&エア(2019) / ブリン・ハリソン:デッド・タイム(2019) クリスティーナ・ウルフ:アリストジナスの反響(2019) ピエール・アレクサンドル・トランブレー:(アン)ウィーヴ(2019) Wet Inkアンサンブル | ||
録音:2019年。前衛音楽と実験音楽は互いに影響を与え合うことはあっても違う物。いまのイギリス現代音楽はすっかりヨーロッパの前衛音楽シーンに飲み込まれてしまった感があるが、誰ともつるまずひとりひとりが、それぞれやりたいことを勝手にやる「イギリス実験音楽」がまだ健在であったことを知る一枚。イギリス現代音楽界はバードウィスル、ファーニホウ、ナッセンやジョージ・ベンジャミン果ては(?)藤倉大、と常にヨーロッパ大陸を意識したアカデミックな前衛楽派が幅を利かせている。しかしそんなことはお構いなしに自宅のガレージやどこかの地下スタジオでひたすら自分の音に耳をすます作曲家達がいる。このディスクにはそんな作曲家達の近作を収録。ブックレットには生年が記載されていないが、若手中堅世代と思われる。 | ||
カミング・アップ・フォー・エア〜フルートで聴く21世紀音楽のミニアチュア(全40曲) ジョアンナ・ウォード、ニュートン・アームストロング、パトリック・エリス、ミーガン・グレース・ビューガー、 アンジェラ・エリザベス・スレーター、ジャック・シーン、マシュー・ウェルトン、デイジー・エレン・ホールデン、 ハヤ・チェルノヴィン、ジェニー・ジャクソン、ニナ・ホワイトマン、ジョン・オーリッチ、ローリー・トンプキンズ、 スティーヴン・チェイス、シャーロット・マーロー&クリッシー・ピニー、シー・ヘインズ、 セヴァンヌ・ホロックス=ホパイヤン、エミリア・ウィリアムズ、アンバー・プリーストリー、 アンディ・インガメルズ、ラリー・ガヴズ、イーワン・キャンベル、ルチア・トスカ、マーク・ダイアー、 ルーシー・ヘイル、デイヴィッド・ポックニー、スコット・マクロホリン、ローラン・マーシャル、 アニー・フイ=シン・シェー、マックス・アーウィン、ラヴェンダー・ロドリゲス、アレックス・ボニー、 メアリー・ベラミー、ロバート・クレハン、エリナー・キュリー、オリヴァー・コーツ、マウリシオ・ポーリー& ガブリエル・モンターニュ、ブライアン・ファーニホウ、サラ・ハニーズ、ヴィタリヤ・グロヴァツキーテの作品 キャスリン・ウィリアムズ(Fl/Vo/ Objects ) | ||
録音:2019年7月。現代の国籍も様々な作曲家によるフルート作品を収録。時間は一曲20秒から2分の小品ばかり。曲は特殊奏法を使うものもあれば口笛を吹くもの、奏者が声を出したり、フルート以外のオブジェを鳴らすものまで多種多様。錯綜とした現代という世界をフルートで描き出した壮大なミクロコスモス。 | ||
ワールド・ライン」〜新しい実験音楽 リチャード・バレット(1959-):ピッコロ・トランペット、4分音フリューゲルホルン、打楽器と エレクトリック・ラップ・スティール・ギターとエレクトロニクスのための「ワールド・ライン」 ティモシー・マコーマック(1984-):2人のエレクトリック・ラップ・スティール・ギター奏者のための「沈下」 リザ・リム(1966-):ソロ・トランペットのための「ザ・リヴィング・サークル」 エリジオン〔室内アンサンブル〕 | ||
録音:2018年-2019年。エリジオンはエレクトリック・ラップ・スティール・ギター、打楽器、ピッコロ・トランペット、4分音フリューゲルホルンとエレクトロニクスで構成されたアンサンブル。こうした編成から想像される通り、そこから作り出される音楽、音響は極めて実験的。バレットの「ワールド・ライン」は冒頭からいきなり工事現場の爆音のようなノイズで始まり、その後、それぞれの楽器がこれでもかというほどの特殊奏法で考えられるかぎりのノイズを奏しそれをエレクトロニクスが更に増幅、変調される物。30分あまりの時間終始そんな状態だが、そんなノイズの中に身を置いていると不思議と密教的な宗教的時間、リリシズムが感じられてくる。バレットは2001年に横浜で開催されたISCM世界音楽の日々で作品が入選したが、あまりの作品の難しさに演奏がキャンセルされたといういわくつきの作曲家。ノイズ系現代音楽、フリー・ジャズの好きな人は必聴の作品。マコーマックの「沈下」もエレクトリック・ギター2台でフリー・インプロヴィゼーション風のノイズの嵐が吹き荒れる作品。リザ・リムの「ザ・リヴィング・サークル」はソロ・トランペットのために書かれたノイズや即興とは無縁の緻密な作品。 | ||
話しなさい、黙りなさい〜女性作曲家作品集 ハヤ・チェルノヴィン(1957-):「 Awyre: プルーム、茂み、アスファルト、おが屑 そして危険な空気を駆け抜けて、私はその音を忘れない」(2015) アンナ・トルヴァルドスドッティル(1977-): Ro (2013) ミレラ・イヴィチェヴィチ(1980-):「赤ん坊拡大/リリスの新しい玩具」(2017) リーザ・リム:「話しなさい、黙りなさい」(2015) (*) レベッカ・ソーンダーズ(1967-):まだ攪拌2(2008) アーロン・ホロウェイ指揮ライオット・アンサンブル〔暴動アンサンブル〕 サラ・サヴィエ(Vn;*) | ||
録音:2018年9月、ロンドン。出身も世代も異なる女性作曲家の室内管弦楽のための作品を集めた一枚。チェルノヴィンはイスラレル出身で現在はハーバード大で教鞭を執る。ファーニホウらの新しい複雑性の影響を受けつつ自らの出自(ユダヤ人)をテーマとした作品が多い。トルヴァルドスドッティルはアイスランド、イヴィチェヴィクはクロアチアの若手、リムはオーストラリア、ゾンダースはイギリスのそれぞれ中堅作曲家。新しい複雑系からノイズ系、錯乱系まで様々な作品が並び、演奏団体の名前同様、まさにライオット(暴動、騒乱)状態。 | ||
ピタゴラスの彼方へ〜 モンティ・アドキンス(1972-)&ポーリナ・サンディン:エレクトロニクス作品集 サクソフォン四重奏とエレクトロニクスのための「出現」(2015) / 2つのガラス製品(花瓶)とエレクトロニクスのための「スペクトル・シャード」(2017) / 打楽器とエレクトロニクスのための「割れたこだま」(共作:ジョニー・アクセルソン)(2014) / サクソフォン四重奏とエレクトロニクスのための「円形」(2017) モンティ・アドキンス、ポーリナ・サンディン(エレクトロニクス) ジョニー・アクセルソン(エレクトロニクス) ストックホルム・サクソフォン四重奏団 | ||
録音:2017年11月、ストックホルム/2015年3月、ポーリナ・サンディン・プライヴェート・スタジオ/2015年3月、ハダーズフィールド大学。 モンティ・アドキンスはイギリスの電子音楽の作曲家でフランスのIRCAMにも招かれ、電子音楽の研究と発表を行っている。この作品集に収録されている音楽はいずれもアコースティックな楽器とのライヴ・エレクトロニクス作品でその静謐な美しさはアンビエント・ミュージックとしても楽しめる。「出現」ではサクソフォン四重奏による豊かなハーモニーがコンピュータによってリヴァーヴされ、ギャヴィン・ブライヤーズのようなメランコリックな情感を作り出す。ブライヤーズ、ブライアン・イーノ、ハロルド・バッドが好きな人なら気に入るはず。 | ||
ファントム・イメージズ キャスリーン・ヤング:ファゴットとエレクトロニクスのための「ダフネとデリラのために II 」(2017) [キャスリーン・ヤング(Fg/エレクトロニクス/ミキシング) エリック・フェルナンデス(ミキシング)/録音:2017年11月、シカゴ大学 CHIME スタジオ] クリス・マーサー:スタジオ・オーケストラのための「ファントム・イメージズ」(2017) [クリス・マーサー(全楽器/ミキシング)/録音:ノース・ウェスタン大学ライアン・センター・スタジオ] チャーメイン・リー&サム・プルータ:声とエレクトロニクスのための「クォークス」(2017) [チャーメイン・リー(声) サム・プルータ(エレクトロニクス)/録音:2017年9月30日、ニューヨーク] アーロン・キャシディ:エレクトロニクスのための「たとえば・・・」(2017) [アーロン・キャシディ(エレクトロニクス)] | ||
ハダーズフィールド大学自主制作による新しい世代の作曲家を紹介するアンソロジー。このディスクではアコースティック楽器とライヴ・エレクトニクスもしくは完全な電子音楽、ミュージック・コンクレートによる作品が収められている。ヤングの「ダフネとデリラのためにII」でファゴットはそれとわかる音では登場せず、エレクトロニクスによって完全に解体されている。マーサーの「ファントム・イメージズ」はオーケストラの音響はコンピュータによって解体された音響と生演奏が渾然一体となりカオスを生み出す。チャーメイン・リーの「クォークス」は作曲者の声で構成されたミュージック・コンクレート。キャシディの「たとえば・・・」は1960年代の懐かしい「ピー・ポポ」風の電子音楽。 | ||
ジョン・ケージ(1912-1992):ピアノと管弦楽のためのコンサート(1957-58) クリスティアン・ウォルフ(1934-):レジスタンス(2017) (*) ジャック・シーン指揮アパートメント・ハウス(Ens) [アイシャ・オラズバヤエバ(Vn) ブリッジト・ケーリー(Va) アントン・ルコスヴェジーゼ(Vc) ナンシー・ルファー(Fl) ヴィッキー・ライト(Cl) イアイン・ハリソン(Sax) イザベル・ダウエル(Fg) ジョナサン・イムペット(Tp) メルヴィン・プアー(Tu) フィリップ・トーマス(P)他] | ||
(*)は世界初演・録音。1950年代のケージの傑作とケージの盟友で御年84歳のクリスティアン・ウォルフの 2017年の最新作がカップリング。 | ||
マイケル・パーソンズ(1938-):器楽作品集 1962-2017 分散/リズム・カノン/打楽器とグリッサンド/ピアノ小品 1962 /ピアノ小品 1967 /ピアノ小品 1968 / ハイランド変奏曲/4度と5度 (1990) /4度と5度(1982) /バガテル〔第2番/第3番/第4番〕/ 4度と5度(1977) /バルカローレ/レヴェル/リレー/五音階の和音による旋律/ジャイヴ/ジャイヴ2/ 16弦楽器のためのレヴェル/相対的テンポのなかでのカノン/12声部のカノン/コンチェルタンテ1/ ピアノ小品 2000年12月/ピアノ小品 2001年2月/ピアノ小品 2001年9月/分散(異版)/ 打楽器とグリッサンド(異版)/独立したパルス/ピアノ小品 2001年9月(異版)/ピアノ小品 2002年8月/ ピアノ小品 2003年5月/タレア3/ケトルズ・ヤード・カノン/モザイク・パターン/シジジー/ピアノ小品5/ 変奏曲/3つのタリスのトランスクリプション アパートメント・ハウス(Ens) [ミラ・ベンジャミン(Vn) ブリッジト・ケーリー(Va) アントン・ルコスヴェジーゼ(Vc) ナンシー・ルファー(Fl) ヘレン・ベネット(Cl) クリストファー・レッドゲイト(Ob) フィリップ・トーマス(P) マイケル・パーソンズ(Perc)他] | ||
1960年代にカーデューと共にスクラッチ・オーケストラを結成したイギリスの実験主義の作曲家パーソンズの集大成的作品集。 | ||
Verkundigung 〔宣言〕〜ペーター・アブリンガー(1959-): 「宣言」スタジオ録音版(2001) /「宣言」ライヴ録音版(1998) / 「宣言」〜7つのフルート、7つのサクソフォン、7台のピアノのためのスタジオ録音版(2001) ギゼラ・マシャエヒ=ベア(Fl) マルクス・ヴァイス(テナーSax) ヒルデガルト・クレープ(P) | ||
録音:1998年、2001年。 ペーター・アブリンガーはオーストリアの作曲家で当初ジャズを学んだ後、ローマン・ハウベンシュトック=ラマティに作曲を師事。さらに電子音響工学とサウンド・インスタレーションの研究と創作に励んだ。現在は室内楽からサウンド・インスタレーション、電子音楽、演劇のための作品など幅広い音楽を発表している。ここに収められた「宣言」の3つのヴァージョンは基本的に全く同じ作品で、せわしなく動く細かい音の粒子がまるで新聞写真の点の集積のようにある種のイメージを聴き手に喚起する。さらに演奏される環境により残響の具合に変化が現れ、その微細な音響の変化、音の色彩の綾、モアレ効果を楽しむことが狙いと思われる。2001年のスタジオ録音ではデッドな音響のため音の粒ははっきりと、ライヴ版ではホールの残響のため、水彩画のような音のにじみが現れ、多数の楽器による2001版では複雑なポリフォニーを構成する。電子音響とサウンド・インスタレーションの研鑽が実を結んだ作品といえよう。 | ||
The wreck of former boundaries リザ・リン(1966-):ハウ・フォレスト・シンク(森林の考え方)(*) アーロン・キャシディ(1976-):ザ・レック・オヴ・フォーマー・バウンダリーズ(以前の境界線の残骸)(#) エリソン・アンサンブル(*/#) カール・ロスマン指揮(*) ウー・ウェイ(笙;*) ピーター・エヴァンズ(Tp;#/ピッコロTp;#) トリストラム・ウィリアムズ(Tp;#/四本ピストンのフリューゲルHr;#) | ||
録音:2016年11月22日、セント・ポール・ホール、ハダーズフィールド大学。 エリソン・アンサンブル創立30年記念委嘱作の2曲。オーストラリアの作曲家リザ・リン(Liza Lim)は、アジアの伝統文化やアボリジニの芸術にインスパイアされた作品を多く残している。この作品は、中国の笙とアンサンブルによる演奏で、人と自然の共生、森林の生態を表現している。アメリカの作曲家アーロン・キャシディの作品は2本のトランペットのための協奏曲。エネルギッシュで超絶、新しい複雑性の作品。 | ||
セルリアン〜クラリネットとピアノのための現代音楽 レベッカ・ソーンダース(1967-):セルリアン ジョルジュ・アペルギス(1945-):ダーメシュピール(チェッカー) アーロン・キャシディ(1976-):以前の境界線の謎 / リチャード・バレット(1959-):網目模様 森下周子:「肌・ゼラチン・煤」 / マウリツィオ・カーゲル:エレジー(1956) /小品(1957) カール・ロスマン(Cl) マーク・クヌープ(P) | ||
録音:2016年7月-8月。 様々な世代、出身の作曲家によるクラリネット作品を収録。最後に収録されたカーゲル以外はヨーロッパ前衛音楽の流れを汲む、いわゆる「新しい複雑性」と呼ばれる音楽の影響を少なからず受けている。クラリネットの特殊奏法、楽器の可能性の限界にまで挑戦するかのような超絶技巧など聴き手を圧倒するアグレッシヴな作品が満載。日本の森下周子は藝大卒業後、現在イギリスのハダーズフィールド大学大学院在籍中で作曲をアーロン・キャシディに師事。日本現代音楽協会作曲コンクール、武満徹作曲賞入賞など、今後が期待されているホープ。 | ||
ビート・ジェネレーション・バラッズ〜 マイケル・フィニシー(1946-): 初めての政治的議題/ ビート・ジェネレーション・バラッズ |
フィリップ・トーマス(P) | |
録音:2015年9月10日、セント・ポール・ホール、ハダーズフィールド。 イギリスの中堅作曲家マイケル・フィニシーの超絶技巧ピアノ曲の新作!フィニシーは王立音楽院で学んだ後、イタリアで研鑽、現在はイギリスの幾つかの音楽大学で教鞭を執っている。厳しい表現主義的無調音楽で新ウィーン楽派の影響のもと、クラスターの多用など厳しい表現のなかに突然、鳥の鳴き声がテープで流されたり(弦楽四重奏曲第3番)とアカデミックな現代音楽の作法の中にも独自の詩学が広がる。今作では、世界初録音となる2曲のピアノ曲を収録。現代の超絶技巧ピアノ曲を作り続けているフィニシーならではの激しく超絶技巧で複雑さ極まる楽曲から、静謐で緊張感に満ちた楽曲が収録されている。 | ||
覆われた鏡〜現代ギター作品集 マシュー・サージェント:ベット・マルヤム(2011) / ブリン・ハリソン: M. C. E (2010) マイケル・フィニシー:ナジエ(1982, rev.2002) / ジェイムズ・ディロン:覆われた鏡(1987) ブライアン・ファーニホウ:短い影 II (1983-89) / ウィーランド・ホバン:ノックラーI (2009) ディエゴ・カストロ・マガス(G) | ||
録音:2015年8月17日-20日。フィニシー、ディロン、ファーニホウら、現代イギリス作曲界の大御所たちの作品を中心に収録。ディエゴ・カストロ・マガスはチリ出身の若手ギタリストでドナトーニ、ファーニホー、ラッヘンマンなど多くの作曲家の作品を演奏している。いずれもギターの可能性の限界に迫る難曲ぞろい。 | ||
「 πτελέα [Ptelea] 」〜クラリネット新作集 アーロン・アインボンド: プリペアド・バス・クラリネットとライヴ・エレクトロニクスのための「レジスタンス」(2012) 森下周子:リザード(影) (2011) マーティン・イッドン:バス・クラリネットのための「プテレア」(2014) マーティン・レーン・バック:コペンハーゲンの静寂(2014) ペドロ・アルバレス:その代わりに(2013) マックス・マリー:バス・クラリネットとテープのための「 Ad Marginem des Versuchs 」(2015) ヘザー・ロシェ(Cl/バスCl) | ||
クラリネットとライヴ・エレクトロニクス、テープによる作品。また日本から2016年現在大学院に留学中のホープ森下周子さんの意欲作にも注目。 | ||
自作の知識〜サイモン・フェル&フィル・ミントン: ノッテッド・プロパティーズ/ ストレンジ・コンストラクションズ |
サイモン・H.フィル(Cb) フィル・ミントン(Vo) | |
ゼタ・ポテンシャル〜室内楽作品集(全21トラック) ジュゼッペ・カリファーノ、ベルナルド・マリア・サニーノ、マシュー・サージェント、エミリー・ライト、 フイ・タクチョン、アレッシオ・フェランテ、ガエターノ・ネンナ/テレヴァー・グラール、マルチェロ・メッシーナ、 フィノラ・メリヴァレ、ヘレン・パパイオアヌウ、ジョナサン・ブリッグ、アンドレア・サルト、 マウリツィノ・アッザン、エリザベス・A.ケリー、アレッサンドロ・アナトリーニ、アンナキアラ・ゲッダ、 森下周子、ベン・ゴーント、ファティマ・フォンテの室内楽 ニュウ・アンサンブル、アンサンブル「10/10」、イカルス・アンサンブル | ||
エクスポージャー A.キャシディ:部屋のフィギュアの画家 / ジェイムズ・ウィークス:ネーキッドネス ブリン・ハリソン:8つの声 / スティーヴン・チェイス:ヤンドルの歌 ジョアンナ・ベイリー:ハーモナイジング / リチャード・グローヴァー:コラディクション クラウディア・モリトール:ローレム・イプサム エグザウディ〔声楽アンサンブル〕 | ||
奇跡を求めて〔電子音楽〕 パウリーナ・スンディン:ハーガのリンギング・ストーン / ステン=オロフ・ヘルストレム:私自身の言葉で ローズ・ドッド:骨の遊び / バーバラ・エリーアソン:奇跡を求めて ニコラ・ベルニエ:電子突風 / ジェイミー・フォーカス:ストゥープ ドミニク・ティボー:心臓溶融児ロボット / マルク・ボコヴェイツ:アメラ | ||
Nothing but the hours ジェフリー・コックス:ノー・エスケープ(*/#) ジェフリー・コックス&キース・マーレイ: ア・フィルム・アバウト・ナイス(*/+) / サイダー・メーカーズ(*/+) |
ジェフリー・コックス(P;*) フィリップ・トーマス(P;#) キース・マーレイ(P;+) | |
#再生には PAL 方式対応の機器が必要です。国内の通常映像機器では再生出来ず、パソコンでの再生保証もございません。 | ||
奇妙な力 リザ・リム:野生の翼の生えた何か(*) / リチャード・バレット:オーロラ(**) クラウス・ヒューブラー:チェルカー / イーヴァン・ジョンソン:アポストロフィ2(#/**) A.キャシディ:彼らは力が印象的な過程であるゾーンをマークしているので(##) / これらの目に見える力の可視化は奇妙な笑顔である(*) ティモシー・マコーマック:ディスフィックス(+/##) エリシオン・アンサンブル ベンジャミン・マークス(アルトTb;**/Tb;##) トリスタン・ウィリアムズ(Tp;*/四分音フリューゲルHr;#/ピッコロTp;+) | ||
トランスフェランス リザ・リム:インヴィジヴィリティ/夢で見つけた歌 / メアリー・ベラミー:トランスフェランス ブリン・ハリソン:サーフェイス・フォームズ〔繰り返し〕 アーロン・キャシディ:モメント=メモリアル/メメント=メモリアル/ そして叫び、ベーコンの叫びは口を通して体全体から逃げる操作である マヌエル・ナウリ指揮エリシオン・アンサンブル | ||
拡張されたピアノ ベンジャミン・ラング: ABDucensparese / ミハエル・マイアーコップ:スプリッティング16 ジェイムズ・ソーンダーズ:#250904-r / トーマス・ヴェンク:レコルダーメ ヨハネス・クライドラー:ピアノ小品5 ゼバスティアン・ベルヴェク(P/アナログ・エレクトロニクス) |