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GLYNDEBOURNE
1CDあたり¥3300(税抜¥3000)



 1934年に柿落としを行ったイギリスのグラインドボーン歌劇場による自主制作CD。この劇場では、公演を高い技術クオリティで録音、アーカイヴに保存してきた。この自主制作レーベルでは、1960年代から現在に至るまでの貴重な録音が、ハイ・クオリティの音質とジャケットでリリースされる。
 #2020年2月追記:当月を持って国内代理店が撤退しました。当店では海外からのお取り寄せを続けますが、当レーベルの新譜は2013年発売の物が最後となっており、徐々に入手不可になっていくものと思われます。
GFOCD-021
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(4CD)
3CD価格
ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
 ジェラルド・フィンリー(BsBr;ハンス・ザックス) マルコ・イェンチュ(T;ヴァルター)
 ヨハネス・マルティン・クレンツレ(Br;ベックメッサー) アンナ・ガブラー(S;エーファ)
 トピ・レティプー(T;ダーヴィット) ミヒャエラ・ゼリンガー(Ms;マグダレーネ)
 アラステア・マイルズ(B;ポーグナー) ヘンリー・ワディントン(B;コートナー)
 コリン・ジャドソン(T;フォーゲルゲザンク) アンドルー・スレイター(B−Br;ナハティガル)
 ロバート・プルトン(Br;オルテル) アラスデア・エリオット(T;ツォルン)
 ダニエル・ノーマン(T;モーザー) エイドリアン・トムソン(T;アイスリンガー) グレイム・ブロードベント
  (B;フォルツ) マキシム・ミハイロフ(B;シュヴァルツ) マッツ・アルムグレン(B;夜番)
 ウラディーミル・ユロフスキ指揮 LPO 、グラインドボーンcho.
 録音:2011年5月-6月、グラインドボーン、ライヴ。このところバイロイト音楽祭をはじめ、意欲的過ぎるくらいの上演が話題になる「マイスタージンガー」だが、グラインドボーンではこの劇場ならではの堅実な持ち味と中劇場の強みを生かして、「マイスタージンガー」本来の魅力を引き出すことに成功した。その魅力は音だけだとなおいっそう強く感じられる。ハンス・ザックスのジェラルド・フィンリーはカナダ出身のバスバリトン。モーツァルト・バリトンとして高名な歌手で、ここでも明るい美声を生かしたザックス。しばしば老年に作られすぎるザックスが、ここではエーファが魅力を感じるだけの壮年の親方になっている。そのエーファは、2013年、東京・春・音楽祭と、さらに夏のザルツブルク音楽祭でもエーファを歌ったドイツ人ソプラノ、アンナ・ガブラー(ゲイブラーに非ず)。ここ数年で一気に活躍の場を広げた注目のソプラノ。ヴァルターのマルコ・イェンチュは、1974年、ポツダム生まれのテノール。ドイツ各地の劇場で歌い、近年はワーグナーのテノール役を手がけるようになってきた。ヴァルターは2009年にケルンで歌って以来、ベルリン・コーミシェオパーでも歌っている。ベックメッサーのヨハネス・マルティン・クレンツレは1962年、ドイツ、アウグスブルク生まれのバリトン。近年、ワーグナーの悪役として活躍しており、スカラ座の「指輪」でアルベリヒを歌って話題となった。ダーヴィットのトピ・レティプーは、モーツァルトなどで人気の高いフィンランドのテノール。マグダレーネのミヒャエラ・ゼリンガーは、オーストリア、オーバーエスターライヒ州生まれのメゾ・ソプラノ。2005年から2010年までウィーン国立歌劇場に所属して大活躍した後、近年はエッセンのアールト劇場のスター・メゾ・ソプラノとして活躍している。ポーグナーは、現代英国を代表するバッソ・プロフォンド、アラステア・マイルズ。指揮は音楽監督ウラディーミル・ユロフスキ。中劇場の利を生かした、重くなり過ぎない軽さと明るさを湛えた音楽が「マイスタージンガー」にたいへん合っている。
GFOCD-020
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(2CD)
ペーテル・エートヴェシュ:歌劇「愛その他の悪霊について」(2008)
 アリソン・ベル(S;シエルヴァ・マリア) ネイサン・ガン(Br;カイエターノ・デラウラ神父)
 マッツ・アルムグレン(B;ドン・トルビオ) ホセファ・ミランダ(Ms;フェリシティ・パーマー)
 ジーン・リグビー(Ms;マルティナ・ラボルデ) マリエッタ・シンプソン(Ms;ドミンガ・デ・アドヴィエント)
 ロバート・ブルベイカー(T;ドン・イグナシオ) ジョン・グレアム=ホール(T;アブレヌンシオ)

 ウラディーミル・ユロフスキ指揮 LPO 、グラウンドボーンcho.
 録音:2008年8月、グラインドボーン。ペーテル・エートヴェシュの歌劇「愛その他の悪霊」は、2008年8月10日、グラインドボーン音楽祭で初演され、大きな話題を巻き起こした。原作は、コロンビアの人気作家でノーベル文学賞受賞者、ガブリエル・ガルシア=マルケス(1928-)の1994年の作「愛その他の悪霊について」。原作の訳本も出ているし、映画化もされたので話の内容をご存知の方も多いろう。18世紀、スペインによる植民地支配されているコロンビアが舞台。シエルヴァ・マリアという美しい娘がある時市場で犬に噛まれてしまう。彼女の父の侯爵ドン・イグナシオは、娘は悪魔に取り憑かれたと思い修道院へ入れてしまう。彼女の救済に送られたデラウラ神父は、シエルヴァを愛するようになってしまう。デラウラ神父は修道院長のホセファに退けられ、修道女たちがシエルヴァの悪魔祓いを始める。やがてシエルヴァは鳩の声を聞いたと歌い息絶える。狂気と愛と幻想が植民地の異国情緒豊かな世界で巻き起こる。シエルヴァのアリソン・ベルは、タスマニア島生まれのソプラノ。コロラトゥーラ・ソプラノとして活躍しており、バロックオペラからモーツァルト、またJ.シュトラウスの「こうもり」のアデーレ、オッフェンバックの「ホフマン物語」のオランピアなど、様々な役を手掛けている。高音が頻出すシエルヴァの役を見事にこなしている。デラウラ神父のネイサン・ガンは、1970年、米国、インディアナ州のサウスベンドの生まれ。中堅の実力派バリトンとして今たくさんの役を歌いこなす人気歌手。一方、重要な役であるミランダには、大ベテランのフェリシティ・パーマーが配されており、エートヴェシュの音楽を守り立てている。もちろんウラディーミル・ユロフスキの指揮するロンドン・フィルの演奏は完璧。新たな感動が生まれて熱気を巻き起こす瞬間を体験したいなら、興味深い世界初演の録音だろう。
GFOCD-019
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(3CD)
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」
 トルステン・ケルル(T;トリスタン) アニャ・カンペ(S;イゾルデ)
 サラ・コノリー(Ms;ブランゲーネ) アンジェイ・ドッベル(Br;クルヴェナール)
 ゲオルク・ツェッペンフェルト(B;マルケ王) トレヴァー・シューネマン(Br;メロート)
 アンドルー・ケネディ(T;羊飼い) ペーテル・ハイスベルトセン(T;若い水夫)
 リチャード・モスリー=エヴァンズ(Br;舵手)
 ウラディーミル・ユロフスキ指揮LPO
 録音:2009年8月、グラインドボーン。2009年のワーグナー「トリスタンとイゾルデ」。2007年新制作のプロダクションの再演だが、出演者は一新されている。超ドラマティックな歌手が受け持つことの多い作品だが、座席数1200の中劇場であるグラインドボーン劇場ではやや小ぶりな声でも可能、そこでトルステン・ケルルとアニャ・カンペという美声のトリスタンとイゾルデが実現。これはたいへん魅力的で、迫力で勝負の歌手では決して味わえない透明感と繊細さのある美しい歌によって、「トリスタン」を初めて聞くような新鮮さが味わえる。ユロフスキの指揮も速いテンポで進みながら細かい絡みにまで目を行き届かせ、鈍重なワーグナーとはまったく異なった鮮烈さを浮かび上がらせている。共演者も充実。英国の名メゾ・ソプラノ、サラ・コノリーのブランゲーネ、ポーランドのベテランのバリトン、アンジェイ・ドッベルのクルヴェナール、ドレスデンを中心にバロックから近代オペラまで幅広く活躍するバス、ゲオルク・ツェッペンフェルト、いずれも申し分ない出来栄え。多数の録音がある「トリスタンとイゾルデ」だが、新たに一組加える価値は十分ある。なお第2幕には慣習的なカットが入っている。
GFOCD-018
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(2CD)
ロッシーニ:歌劇「チェネレントラ」
 ルクサンドラ・ドノーセ(S;アンジェリーナ) マキシム・ミロノフ(T;ドン・ラミーロ)
 アレッサンドロ・コルベッリ(B;ドン・マニーフィコ) ピエトロ・スパニョーリ(Br;ダンディーニ)
 ウンベルト・チウンモ(B;アリドーロ) ラクエラ・シラン(S;クロリンダ) ルチア・チリッロ(Ms;ティスベ)
 ウラディーミル・ユロフスキ指揮エイジ・オブ・エンライトゥンメントo.
 録音:2007年6月-8月、グラインドボーン音楽祭、ライヴ。2005年の新制作で、その際の映像が既に商品化されているが、これはその時の好評を受けての再演時。アンジェリーナのルクサンドラ・ドノーセ、ドン・ラミーロのマキシム・ミロノフ、クロリンダのラクエラ・シーラン、ティスベのルチア・チリッロはいずれも引継ぎ。一方、ドン・マニーフィコには大ベテランのバッソ・ブッフォ、アレッサンドロ・コルベッリを起用。彼は2009年にはMETでもマニーフィコを歌っている。偽王子を務めるダンディーニには、小洒落た歌い口で人気の高いロッシーニ・バリトン、ピエトロ・スパニョーリ。この軽妙だけれどかなりインチキ臭いダンディーニは絶品。アリドーロのウンベルト・キウンモは、ヘンデルなどバロック・オペラでも活躍する人。ウラディーミル・ユロフスキのロッシーニはちょっと意外に感じられるかもしれないが、彼はまだ25歳の1997年にロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルで大作「モイーズとファラオン」の指揮を任されており、ここでも颯爽としたロッシーニを聞かせてくれる。そして2005年の上演との大きな違いが、ピリオドo.であるエイジ・オブ・エンライトゥンメントo.を起用していること。ピリオドo.を用いたロッシーニのオペラはこれまでにもなくはなかったが、「チェネレントラ」のような大作では珍しい。ことに木管やホルンなどでエイジ・オブ・エンライトゥンメントo.の響きが大きな効果を発揮している。
GFOCD-017
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(3CD)
ブリテン:歌劇「ビリー・バッド」
 ジャック・インブライロ(Br;ビリー・バッド) ジョン・マーク・エインズリー(T;ヴィア艦長)
 フィリップ・エンス(B;クラッガート) イアン・パターソン(B-Br;レッドバーン)
 マシュー・ローズ(B;フリント) ダレン・ジェフリー(B-Br;ラトクリフ)
 アラスデア・エリオット(T;赤ひげ) ジョン・ムーア(Br;ドナルド) ジェレミー・ホワイト(B;ダンスカー)
 ベン・ジョンソン(T;新兵) コリン・ジャドソン(T;スクィーク)
 リチャード・モスリー=エヴァンズ(Br;甲板長) マイケル・ウォレス(Br;第一の航海士)
 ジョン=オウエン・マイリー=リード(B;第二の航海士) ペーター・ガイスバートセン(T;大檣楼係)
 ダンカン・ロック(Br;新兵の友人) サム・ハニーウッド(給仕係)

 マーク・エルダー指揮LPO、グラインドボーン音楽祭cho.
 録音:2010年5月-6月、グラインドボーン、ライヴ。OPUS ARTE から同時期のDVD (OA-1051D)、ブルーレイ (OABD-7086D) が出ているが、収録日は2010年6月8日、11日となっていた。2010年に新制作上演され大評判になったブリテンの「ビリー・バッド」は、「白鯨」で有名なハーマン・メルヴィルの同名作を基にしたオペラ。1951年に初演、1961年に改訂2幕版が上演。物語は1797年の英仏戦争における艦船無敵号の中。この船に新兵として乗船した青年、ビリー・バッドが、その純真さゆえに陰謀に巻き込まれ、無実の死を迎えるという物語。船という閉ざされた空間、登場人物はすべて男という、かなり異色作だが、ブリテンのオペラの中でも人気の高い物。当上演では、人格者ゆえに無実のビリーを救えなかったヴィア艦長に、英国が誇る美声テノール、ジョン・マーク・エインズリーを起用。一方、タイトルロールには、1978年、南アフリカ生まれの若いバリトン、ジャック・インブライロを抜擢、この起用は大成功を収め、インブライロは2013年の再演でもビリー役を担う予定。陰険なクラッガートは、カナダの実力派バス、フィリップ・エンス。近年はウィーンやミュンヘンでのワーグナー上演の常連。その他、フリントに英国のバス、マシュー・ローズなど、実力のある男声歌手が多々出演している。
 指揮は英国の巨匠、「サー」を戴くマーク・エルダー。意外にもエルダーが指揮したブリテンのオペラは極めて少なく(DVDで「グロリアーナ」があるだけ)、その意味でも貴重。
GFOCD-016
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(3CD)
ビゼー:歌劇「カルメン」
 アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(Ms;カルメン) マーカス・ハドック(T;ドン・ホセ)
 ロラン・ナウリ(Br;エスカミーリョ) リザ・ミルン(S;ミカエラ) メアリー・ヘガティ(S;フラスキータ)
 クリスティーン・ライス(Ms;メルセデス) ハンス・フォシェツァング(Br;モラレス)
 ジョナサン・ベスト(B−Br;スニガ) クウェンティン・ヘイズ(Br;ダンカイロ)
 コリン・ジャドソン(T;レメンダード) フランク・ロペス(Br;案内人)他
 フィリップ・ジョルダン指揮LPO、グラインドボーンcho.
 録音:2002年7月-8月。同時期の映像が OPUS ARTE から DVD:OA-0868D、ブルーレイ:OABD-7015D で発売されているものだが、映像の方は収録日が2002年8月17日と確定していた。この年に新制作され、同年末に日本でもテレビ放映されてたいへんな話題となったビゼー「カルメン」。なんといってもスウェーデンの名メゾ・ソプラノ、フォン・オッターが満を持してカルメンを舞台で歌ったことで評判となった。透明感のある彼女の美声で歌われると、悪女とはまったく異なった、強烈に引き込まれる魅力を持った美女カルメンになり、新鮮な印象を与えた。上演そのものが、彼女を中心に、グラインドボーン音楽祭の特性を生かして大劇場的な「カルメン」を退け、ビゼーが本来意図した小ぶりなオペラに仕立てたものだった。レシ(レチタティーヴォ)を採用せず、オリジナル通り曲間を台詞で繋ぐオペラ・コミークの様式に従っていることも、フォン・オッターのカルメンを生かしている。気弱な青年風のマーカス・ハドックのホセ、美声が映えるリザ・マイルンのミカエラ、そして歌、演技ともに抜群のロラン・ナウリのエスカミーリョと、カルメン以外のキャストも揃っている。フィリップ・ジョルダンの密度の濃い音楽も充実した物。既に映像が発売されている上演だが、音楽だけをじっくり楽しみたいならCDの方がよいだろう。舞台のカラー写真を多数載せた130ページ超のハードカバーブック仕様。
GFOCD-015
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(2CD)
フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」
 アリス・クート(Ms;ヘンゼル) リディア・トイシャー(S;グレーテル)
 イルムガルト・フィルスマイアー(S;ゲルトルート) ウィリアム・デイズリー(Br;ペーター)
 ヴォルフガング・アプリンガー=シュペルハッケ(T;魔女)
 タラ・エロート(S;眠りの精) イダ・ファルク・ヴィンラント(S;露の精)
 ロビン・ティチアーティ指揮LPO、グラインドボーンcho.
 録音:2010年7月-8月、ライヴ。近年のグラインドボーン音楽祭の上演の中でも最も成功したプロダクションの一つが、フンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」。2008年の初演が好評だったことから2010年に再演され、そのライヴが登場。2010年の指揮者はロビン・ティチアーティ。1983年4月16日生まれから、この時まだ27歳。彼は2014年からグラインドボーン音楽祭の音楽監督に就任することが決定したが、その時でもまだ30歳。実はティチアーティはプロとしてのデビューが2004年のグラインドボーン音楽祭ツアー公演での「魔笛」。以来ツアー公演、本公演でグラインドボーン音楽祭に関わり、ついに音楽監督に抜擢された。ティチアーティはまた2011年12月にやはり「ヘンゼルとグレーテル」でMETにもデビューしている。ティチアーティは日本では2008年4月にザルツブルク音楽祭制作「フィガロの結婚」公演で指揮したことがあるだけで、CDもまだ数枚しかない。この「ヘンゼルとグレーテル」が初のオペラCD。若く優秀な指揮者に注目する人なら、絶対に逃せない。ヘンゼルは、英国で大人気のメゾ・ソプラノ、アリス・クート。男装役を得意としており、2011年秋のバイエルン国立歌劇場来日公演におけるR.シュトラウス「ナクソス島のアリアドネ」での印象的な作曲家役がまだ記憶に新しいところ。グレーテルはドイツのソプラノ、リディア・トイシャー。バロック声楽作品、ことに宗教曲を得意とするトイシャーの細めの可愛らしい声は娘役にぴったり。父ペーターは、英国の実力派バリトン、ウィリアム・デイズリー。ゲルトルートのイルムガルト・フィルスマイアーと魔女のヴォルフガング・アプリンガー=シュペルハッケは2008年からの引継ぎ。
GFOCD-014
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(3CD)
ヘンデル:オラトリオ「テオドーラ」
 ドーン・アプショウ(S;テオドラ) フロード・オルセン(B;ヴァレンス)
 ロレイン・ハント(Ms;アイリーン) デイヴィッド・ダニエルズ(CT;ディディムス)
 リチャード・クロフト(T;セプティミウス) マイケル・ハート・デイヴィス(T;使者)
 ウィリアム・クリスティ指揮エイジ・オブ・エンライトメントo.、グラインドボーン音楽祭cho.
 録音:1996年5月14日、19日、6月1日、9日、12日、15日、グラインドボーン、グラインドボーン音楽祭ライヴ。同時期の映像が WARNER 系列から出ているが、1996年6月収録とまでしか記載されていなかった模様で、完全に同一の演奏かどうかは不明。ことに近年、グラインドボーン音楽祭はたびたびバロックオペラを取り上げており、大御所ウィリアム・クリスティがエイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団を率いての上演が好評を博している。この1996年の「テオドーラ」はその先鞭をつけたもの。英語のオラトリオだが音楽はいたってオペラな作品で、舞台上演も度々行われている。このグラインドボーンの上演では、米国のソプラノ、ドーン・アプショウの透明で切々と歌い上げる美声と、英国のトップ・カウンター・テノール、デイヴィッド・ダニエルズの柔らかな優しい歌が見事に合致して、絶大な効果を挙げている。またミンコフスキとの多くの共演で知られる米国のテノール、リチャード・クロフトや、2006年に癌のため53歳で亡くなったロレイン・ハントが準主役で加わるという贅沢さ(ハントはかつて harmonia mundi USAの録音ではテオドーラを歌っていた)。それまで道徳的なばかりで劇的効果に乏しい作品と思われていた「テオドーラ」が傑作であることを一気に世に知らしめることになったた。この年の上演はビデオ収録されDVDにもなっているが、ピーター・セラーズの演出が良くも悪くも刺激的だったので、落ち着いて音楽を聞くにはCDの方が楽しめるだろう。「テオドーラ」簡単なあらすじ:4世紀初頭、アンティオキア。この地の総督ヴァレンスは、時のローマ皇帝ディオクレティアヌスの誕生日に犠牲を出すようアンティオキアに布告を出す。官吏ディディムスはそれに反発する。アンティオキアのキリスト教徒テオドーラとアイリーンが、処女を捧げる犠牲となるために捕らえられる。テオドーラを愛するディディムスはキリスト教に改宗し、捕らわれのテオドーラと面会すると、衣装を交換して彼女を逃がしてやる。しかし今度はディディムスが死刑を宣告されてしまい、それを知ったテオドーラは姿を現し、ディディムスと共に死へ向かっていく。キリスト教徒たちの祈りで幕となる。
GFOCD-013
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(2CD)
ブリテン:歌劇「夏の夜の夢」
 ベジュン・メータ(CT;オーベロン) イリデ・マルティネス(S;タイタニア) ジャック・モーレン(パック)
 ティモシー・ロビンソン(T;ライサンダー) ジャレッド・ホルト(Br;ディミトリアス)
 トーヴェ・ダールベリ(Ms;ハーミア) ケイト・ロイヤル(S;ヘレナ)
 イアン・パターソン(B−Br;シシアス) ルイーズ・プール(Ms;ヒッポリタ)
 ヘンリー・ウォディントン(B;クィンス) ジェフリー・モウジズ(B;スナッグ)
 サイモン・カークブライド(Br;スターヴリング) マイケル・スモールウッド(T;Fl)
 アラスデア・エリオット(T;スナウト) マシュー・ローズ(B;ボトム)

 イラン・ヴォルコフ指揮LPO、トリニティ少年cho.
 録音:2006年7月-8月、グラインドボーン。この「夏の夜の夢」は1981年に英国の大御所演出家ピーター・ホールによって制作された物。原作であるシェイクスピアの「夏の夜の夢」は、ホールが最も得意とした演目で、舞台も映画も極めて高評価。このグラインドボーンでのプロダクションも大評判となり、1984、1989、2001、2006年と再演を重ねてきた。その出来栄えの良さは、CDで音だけ聞いてもよく伝わって来る。観客の良い反応が舞台に反映され、劇場が一体となったこのCDに収録された2006年の上演では、ベジュン・メータの素晴らしいオーベロンを筆頭に、グラインドボーンらしいいいキャストが組まれている。
 タイタニアのイリデ・マルティネスはコスタリカ出身。ドイツを中心にコロラトゥーラ・ソプラノとして活躍しており、ライサンダーのティモシー・ロビンソンは、コヴェント・ガーデン王立歌劇場で活躍する英国のテノール。ヘンデル、モーツァルトの他、ブリテンのオペラのテノール役を得意としている。ヘレナは、この翌年に大ブレイクすることになるケイト・ロイヤル。アテネの職人たちも皆実力派。また物語の上で重要度の高いパックを演じた子役、ジャック・モーレンも公演評で絶賛された。
 イラン・ヴォルコフは、1976年、イスラエルのテルアヴィヴの生まれ。2003年、26歳にしてBBCスコットランドso.の首席指揮者に就任、2009年の退任後も首席客演指揮者を務めている。現在はアイスランドso.の音楽監督、首席指揮者。今後ますますの活躍が期待されている俊英。
GFOCD-012
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(2CD)
ヴェルディ:歌劇「ファルスタッフ」
 ジェレイント・エヴァンズ(Br;ファルスタッフ) イルヴァ・リガブエ(S;アリーチェ)
 アンナ・マリア・ロータ(Ms;メグ) オラリア・ドミンゲス(Ms;クイックリー夫人)
 セスト・ブルスカンティーニ(Br;フォード) マリエッラ・アダーニ(S;ナンネッタ)
 フアン・オンシナ(T;フェントン) ユグ・キュエノ(T;医師カイウス)
 マリオ・カルリン(T;バルドルフォ) マルコ・ステファノーニ(B;ピストーラ)
 ヴィットリオ・グイ指揮ロイヤルpo.
 録音:1960年6月。初出音源。ヴェルディの「ファルスタッフ」はグラインドボーン音楽祭で人気のある演目で、これまで10シーズン上演されている。シェイクスピアを原作としその精神を尊重していてるこの作品は、英国人には格別の愛着があるもののようだ。ことに1955年から始まったカール・エーベルト演出のプロダクションは非常に好評で、1957、1958、1960年と再演を重ねた。1957年の録音がGALAからCD化されているが、この最終年の1960年の録音はこれが初出。ウェールズ出身の名バリトン、ジェレイント・エヴァンズは、喜劇役からシリアスな役まで広いレパートリーを誇った歌手だったが、ことにファルスタッフは当たり役。いたって真面目に歌っているのにどこか可笑しくて笑えてくる、実に絶妙な役作り。エヴァンズは後にショルティの指揮で録音しているが、このグラインドボーン、ライヴ録音の方がずっと本領を発揮している。フォードはこれまた演技達者なセスト・ブルスカンティーニ。イルヴァ・リガブエは極めつけのアリーチェとして一時代を築いたソプラノ。ダウンズ指揮のハイライト、ショルティとバーンスタインの全曲と、3度もアリーチェを録音しているほど。さらにクイックリー夫人にオラリア・ドミンゲス、フェントンにフアン・オンシナ、カイウスにユグ・キュエノと、実力のある名歌手が並んでいる。特筆すべきはグラインドボーン音楽祭中興の祖、ヴィットリオ・グイの指揮。中劇場の利を生かし、キビキビとした音楽の中に細部まで丁寧に表現を掘り込んだ、見事な物。「ファルスタッフ」を好きな人ほど唸らされる音楽だろう。
GFOCD-011
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(2CD)
ブリテン:歌劇「ねじの回転」
 ウィリアム・バードン(T;プロローグ/ピーター・クイント)
 カミラ・ティリング(S;家庭教師) ジョアンナ・ソンジ(S;フローラ)
 クリストファー・スラッディン(ボーイS;マイルズ)
 アン=マリー・オウエンズ(Ms;グローズ夫人) エンマ・ベル(S;ジェッセル嬢)
 エドワード・ガーディナー指揮LPO
 録音:2007年8月、グラインドボーン歌劇場、ライヴ。私家盤CD-Rが海外でリリースされている演奏だが、初の一般市販。ブリテンは室内オペラを好んで取り上げたが、中でも傑作が「ねじの回転」。ヘンリー・ジェイムズの同名の原作そのものが、人間の心理の内面を掘り下げた傑作と知られており、ブリテンはそこから素晴らしいオペラを生み出している。この上演では、主人公である家庭教師に、今や大人気のスウェーデンのソプラノ、カミラ・ティリングを起用。鍵となるピーター・クイントには、米国出身で広いレパートリーで活躍するウィリアム・バードン。またジェッセル嬢に、バロック音楽で活躍するエンマ・ベル。実は彼女はシュトラウス以降の近代音楽も得意にしている。エドワード・ガーディナーは、1974年、英国のグロスター生まれの指揮者。2004年から2007年まで、グラインドボーン歌劇場のツアーの音楽監督、2007年からイングリッシュ・ナショナル・オペラの音楽監督を務め、さらに2011年9月からはバーミンガム市so.の首席客演指揮者に就任予定。今注目されている若手。
GFOCD-010
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(3CD)
R.シュトラウス:楽劇「バラの騎士」
 モンセラート・カバリエ(S;元帥夫人) テレサ・ツィリス=ガラ(Ms;オクタヴィアン)
 エディト・マティス(S;ゾフィー) オットー・エーデルマン(B;オックス男爵)
 ジョン・モデノス(Br;ファーニナル) アンジェラ・ジェンキンス(S;マリアンネ)
 デイヴィッド・ヒューズ(T;ヴァルツァッキ) アンナ・レイノルズ(Ms;アンニーナ)他
 ジョン・プリッチャード指揮LPO、グラインドボーンcho.
 録音:1965年5月30日、グラインドボーン。かつて LYRIC からカセットが出ていた演奏で、一度 HRE からLPの抜粋も出たことがあるが、今回がマスターからの初復刻&初CDフォーマット化。ただし、私家盤CD-Rは海外で出まわっていた。グラインドボーン歌劇場歴史的録音シリーズの「バラの騎士」。驚くべきことに、元帥夫人は大プリマドンナ、カバリエ!実はこれは意外でも何でもなく、カバリエは若い頃、スイスのバーゼル、さらにブレーメンの歌劇場に所属していて、バーゼル時代にはサロメも歌っている。この前月に伝説的なドニゼッティ「ルクレツィア・ボルジア」の復活上演を成功に導き、一気にイタリア・オペラのプリマドンナとして注目を浴びるが、この頃はまだドイツオペラを頻繁に歌っていた。32歳のカバリエは、歴代の元帥夫人で声の美しさでは一二を争うほど。他のキャストがまた凄い。ゾフィーには、27歳のマティス。ベルリン・ドイツオペラ来日公演のケルビーノが話題となった2年後のこと。オクタヴィアンは、ポーランドの美声メッゾ、ツィリス=ガラ。彼女も30歳という若さ。3役を50歳前後のベテラン歌手が占めることも少なくない「バラの騎士」で、この若い歌手による上演はとても魅力的。その上で、オックス男爵を「極めつけ」のエーデルマンが実に達者に演じ歌っている。英国が誇る名オペラ指揮者、プリッチャードの指揮も見事にツボを突いた物。音の状態も比較的良好。
GFOCD-009
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(2CD)
ベッリーニ:歌劇「清教徒」
 ジョーン・サザーランド(S;エルヴィーラ) エルネスト・ブラン(Br;リッカルド)
 ニコラ・フィラクリディ(T;アルトゥーロ) ジュゼッペ・モデスティ(B;ジョルジョ)
 モニカ・シンクレア(Ms;エンリケッタ) デイヴィッド・ウォード(B;グワルティエーロ)他
 ヴィットリオ・グイ指揮ロイヤルpo.、グラインドボーンcho.
 録音:1960年6月5日、グラインドボーン。初出音源。
 2010年10月10日、オーストラリア出身の大プリマドンナ、ジョーン・サザーランドが83歳で死去、このGlyndebourneレーベルから発売される「清教徒」は、奇しくも追悼盤となってしまった。
 サザーランドは1959年にコヴェント・ガーデン王立歌劇場で歌った「ルチア」が大成功を収め、折りしも復活機運の高まっていたドニゼッティ、ベッリーニのオペラ上演の最前線へと躍り出た。この「ルチア」の翌年にグラインドボーン音楽祭に出演、ベッリーニの「清教徒」を歌った。英国で「清教徒」が上演されたのは1887年以来実に73年ぶりのこと、またサザーランドにとってもエルヴィーラを歌うのはこれが初めて。しかし彼女の軽々と転がるコロラトゥーラ、高い音までムラなく輝かしく響く美声、初々しくひたむきな演技で、公演は大成功に終った。この録音で聞けるサザーランドは、後に大プリマドンナになったサザーランドよりもずっと若々しく素直な歌で、これもまた魅力的。このグラインドボーンのプロダクションは、歌手もそのままに9月にそのままエディンバラ音楽祭でも上演、サザーランドの名声はさらに高まり、1964年にはついに王立歌劇場でも「清教徒」がサザーランドのエルヴィーラで上演された。こうして「清教徒」は、「ルチア」と並んで、1960年代のサザーランドを代表するオペラになった。
 リッカルドをフランスの偉大なバリトン、エルネスト・ブランが歌って大きな存在感を示している。アルトゥーロのニコラ・フィラクリディはエジプト生まれのイタリア人テノール。録音が極めて少なく、日本ではほとんど無名だが、美声かつ情熱的な歌い口のテノール。高い音はあらかた省いているとはいえ、十分素敵なアルトゥーロ。また名脇役として知られたイタリアのバス、ジュゼッペ・モデスティや、広大なレパートリーを誇った英国の名コントラルト、モニカ・シンクレアなど、脇に至るまで優れたキャストが配されている。そしてグラインドボーン音楽祭の中興の祖である音楽監督ヴィットリオ・グイが、ベッリーニのツボを心得た素晴らしくイタリアンな音楽を引き出している。
 初期のサザーランドでも特に重要な公演のこのライヴ録音は、商業的な発売は一切成されていないと思われる(エディンバラ公演の抜粋がCDになったのみ)。20世紀の偉大な名歌手を偲ぶ貴重な録音をお楽しみ頂きたい。
GFOCD-008
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(3CD)
ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」
 アンソニー・ディーン・グリフィー(T;ピーター・グライムズ)
 ヴィヴィアン・ティアニー(S;エレン・オーフォード)
 スーザン・ゴートン(Ms;おばさん) カミラ・ティリング(S;第一の姪)
 リンダ・チュヴァス(S;第二の姪) ジョン・グレアム=ホール(T;ボブ・ボウルズ)
 スタッフォード・ディーン(B;スワロー)他

 マーク・ウィグルスワース指揮LPO、グラインドボーンcho.
 録音:2000年6月-8月、グラインドボーン、ライヴ。
 グラインドボーン音楽祭は、20世紀の英国を代表する作曲家ベンジャミン・ブリテンのオペラのうち、「ルクレシアの陵辱」(1946年)と「アルバート・ヘリング」(1948年)が初演された場所。しかし1948年にブリテンがオールドバラ音楽祭を催すようになってから、ブリテンが亡くなるまでは、彼のオペラの上演が途絶えていた。1980年代からグラインドボーン音楽祭はブリテンのオペラを積極的に取り上げるようになり、今日に至っている。
 ブリテンの代表作の一つ「ピーター・グライムズ」は、1992年、1994年、2000年と取り上げられ、このCDには2000年の上演がライヴ収録されている。タイトルロールのアンソニー・ディーン・グリフィーは、1970年、米国、ノースカロライナ州のハイポイント生まれのテノール。ピーター・グライムズはグリフィーの当たり役で、2008年にはメトロポリタン歌劇場でも歌い、これは映像収録されほど。ヴィヴィアン・ティアニーは英国のベテランのソプラノ。20世紀オペラを得意にしている。また第一の姪が、今ではすっかり人気ソプラになったカミラ・ティリングだったり、スワローには当時63歳の英国を代表する性格バス、スタッフォード・ディーンが配されていたりと、さすがグラインドボーン音楽祭。マーク・ウィグルスワースは、1964年生まれの英国の指揮者。
GFOCD-007
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(3CD)
ドヴォルザーク:歌劇「ルサルカ」
 アナ・マリア・マルティネス(S;ルサルカ) ブランドン・ジョヴァノヴィチ(T;王子)
 ナターシャ・ジュール(S;第1の森の妖精) バルバラ・セナトー(Ms;第2の森の妖精)
 エロディ・メシェン(A;第3の妖精) ミーシャ・シェロミャンスキ(B;水の精)
 ラリサ・ディアドコヴァー(Ms;魔法使い) タチアーナ・パヴロフスカヤ(S;外国の王女)他

 イジー・ビエロフラーヴェク指揮LPO、グラインドボーン音楽祭cho.
 録音:2009年8月、グラインドボーン、ライヴ。
 2009年に新製作され好評だったドヴォルザークの名作「ルサルカ」が登場。タイトルロールにはこれがグラインドボーン音楽祭デビューだったプエルトリコ出身のソプラノ、マルティネス。暗くしっとりとした彼女の美声がルサルカにピタリで大絶賛された。王子には今人気急上昇の米国のテノール、ジョヴァノヴィチ。2010年メトロポリタン歌劇場に「カルメン」のジョゼで初出演、次世代のテノールとして大きな期待が寄せられている人。そして指揮はBBCso.の首席指揮者、ビエロフラーヴェク。さすがチェコの名指揮者、ドヴォルザークの魅力をたっぷり引き出している。この上演は演出(メリー・スティル)も優れていたため、舞台も観客も大いに盛り上がったそうで、劇場を覆う熱気までもが感じられる。
GFOCD-006
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(2CD)
モーツァルト:歌劇「イドメネオ」
 リチャード・ルイス(T;イドメネオ) ルチアーノ・パヴァロッティ(T;イダマンテ)
 グンドゥラ・ヤノヴィッツ(S;イリア) エンリケタ・タレス(S;エレットラ)
 ニールソン・テイラー(Br;アルバーチェ)/他
 ジョン・プリッチャード指揮LPO、グライドボーンcho.
 録音:1964年(おそらく1964年7月24日)、グラインドボーン、ライヴ。以前 BUTTERFLY というレーベルから短期間発売されたことがあるようだが、今回がマスターからの初復刻と思われる。
 「イドメネオ」の再評価にはグラインドボーン音楽祭が大きく貢献した。1951年にフリッツ・ブッシュ指揮カール・エーベルト演出で事実上の英国初演を行い、1952、1956、1959、1964年と再演されるほど大評判となった。またこれを基にした1956年のEMI録音も長らく「イドメネオ」の代表的録音だった。そして最後の再演となった1964年の上演は、今や伝説と言っても過言ではないほど。当時28歳、デビューしてまだ3年のパヴァロッティがイダマンテを、27歳目前のヤノヴィッツがイリアという、若き日の大歌手二人が出演、大絶賛された。タイトルロールのルイスは、1951年からイドメネオを担当し、1974年には映像収録まで残したイドメネオのスペシャリスト。プリッチャードは英国を代表するモーツァルト指揮者として讃えられた人。非常に優れたメンバーが揃っているのは、さすがグラインドボーン音楽祭。同じメンバーで MELODRAM, VERONA, OPERA DORO 等から発売されたことがあるものは、舞台上演終了後1964年8月17日にロンドンで演奏会上演された時のライヴ。当盤の方が珍しい演奏という事になる。
GFOCD-005
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(2CD)
ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」
 ルイジ・アルヴァ(T;ネモリーノ) ミレッラ・フレーニ(S;アディーナ)
 セスト・ブルスカンティーニ(Br;ドゥルカマーラ)
 エンツォ・ソルデッロ(Br;ベルコーレ) エミリー・メール(S;ジャンネッタ)
 カルロ・フェリーチェ・チラーリオ指揮ロイヤルpo.、グラインドボーンcho.
 録音:1962年8月。初出音源。
 伝説的なグラインドボーンの上演! 1961年、フランコ・ゼッフィレッリ演出で新製作された「愛の妙薬」は大評判を呼び翌1962年に再演、これはその録音。なんといってもまだ20代だったフレーニの名を一躍知らしめたものとして有名で、ここでの成功を足がかりにフレーニは世界へと羽ばたくことになる。後の大プリマドンナとは違った初々しく瑞々しい声は実に魅力的。ペルー出身の名テノール、アルヴァもこの頃が全盛期。さらにブルスカンティーニ最大の当たり役ドゥルカマーラと、極めて充実したキャスト。
GFOCD-004
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(2CD)
ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」
 アニア・カンペ(S;レオノーレ) トルステン・ケルル(T;フローレスタン)
 ピーター・コールマン=ライト(Br;ドン・ピツァロ) ヘンリー・ワディントン(Br;ドン・フェルナンド)
 ブラインドリー・シェラット(B;ロッコ) リサ・マイルン(S;マルツェリーネ)
 アンドルー・ケネディ(T;ヤキーノ)

 マーク・エルダー指揮LPO、グラインドボーンcho.
 録音:2006年8月、グラインドボーン音楽祭、ライヴ。初出音源。
 2006年8月に上演された「フィデリオ」は、近年のグラインドボーン音楽祭でも特に好評だったもので、英国の新聞各紙の演奏評は絶賛一色。中でもアニア・カンペのレオノーレは、細身の美声ながらドラマティックな表現力もあって絶品。またテノール殺しのフローレスタンは、新時代のヘルデンテノールとして大活躍のトルステン・ケルル。さらに実力派歌手で周りをしっかり固め、指揮は英国オペラ界の大御所マーク・エルダーという鉄壁の布陣。ライヴの盛り上がりもあって、オペラの醍醐味を味わえる「フィデリオ」。
 舞台のカラー写真を多数載せた144ページの豪華ハードカバーブック仕様にCDが収容されている。
GFOCD-003
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(3CD)
ドビュッシー:歌劇「ペレアスとメリザンド」
 ドゥニーズ・デュヴァル(S;メリザンド) ハンス・ウィルブリンク(Br;ペレアス)
 ミシェル・ルー(Br;ゴロー) ヒュース・フークマン(B;アルケル)
 アンナ・レイノルズ(Ms;ジュヌヴィエーヴ)/他
 ヴィットリオ・グイ指揮ロイヤルpo.、グラインドボーンcho.
 録音:1963年夏、グラインドボーン音楽祭、ライヴ。初出音源。
 たいへん貴重な録音が発掘された。1963年のグラインドボーン音楽祭で上演された「ペレアスとメリザンド」、これまでLP、CD時代を通してまったく出回ったことのない録音。これは、1951年から1963年までこの音楽祭の音楽監督だった巨匠ヴィットリオ・グイの、音楽監督として最後の年の公演だった。メリザンド役は、プーランクから絶大な信頼を寄せられ、「人の声」や「テレジアスの乳房」など多くの作品を初演したフランスのソプラノ、ドゥニーズ・デュヴァル。ペレアス役のハンス・ウィルブリンクは、サヴァリッシュ時代のミュンヘンで活躍したオランダのバリトン。そして、ゴロー役には、1950年代のフランスのトップ・バリトン、ミシェル・ルーという豪華な配役。
GFOCD-002
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(2CD)
プロコフィエフ:歌劇「修道院での結婚」
 ヴィヤチェスラフ・ヴォイナロフスキー(T;ドン・ジェローメ)
 アンドレイ・ブレウス(Br;フェルディナンド)
 リューボフ・ペトローワ(S;ルイーザ)
 アレクサンドラ・デュルセーネワ(Ms;家庭教師)
 フセヴォロド・グリヴノフ(T;ドン・アントニオ)
 ニーノ・スルグラーゼ(Ms;クララ)
 セルゲイ・アレクサーシキン(B;メンドーサ)
 アラン・オピー(Br;ドン・カルロス) ジョナサン・ヴェイラ(Br;修道院長)他
 ヴラディーミル・ユロフスキ指揮LPO、グラインドボーンcho.
 録音:2006年7月、グライドボーン音楽祭、ライヴ。
 好評を博した上演がCDで登場。舞台はセビリャ。貴族ドン・ジェローメの娘ルイーザには愛する人がいるが、父は成り金商人と結婚させようとするので、彼女は一芝居打って修道院で結婚を果たす、というような喜劇。2001年にグラインドボーン音楽祭の音楽監督に就任し、この上演の翌年からロンドン・フィルの首席指揮者に就任したユロフスキの生き生きした音楽が、愉快な喜劇を楽しく盛り立てている。
GFOCD-001
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(3CD)
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」
 ミレッラ・フレーニ(S;スザンナ) エディト・マティス(Ms;ケルビーノ)
 ガブリエル・バキエ(Br;伯爵) レイラ・ジェンチェル(S;伯爵夫人)
 ユグ・キュエノ(T;ドン・バジーリオ)
 ハインツ・ブランケンブルク(Br;フィガロ)
 カルロ・カーヴァ(B;バルトロ) ヨハンナ・ペータース(Ms;マルチェリーナ)他
 シルヴィオ・ヴァルヴィーゾ指揮ロイヤルpo.、グラインドボーンcho.
 録音:1962年。おそらく初出音源。1963年7月22日とされる演奏が海外で私家盤CD-R化されているが、スザンナ(ベルトン)、伯爵(ルー)等半数ほどの配役が異なっている。
 グラインドボーン音楽祭は、水準の高いモーツァルトのオペラ上演で定評がある。この1962年の公演では、当時27歳のミレッラ・フレーニ(彼女は前年に「愛の妙薬」でグラインドボーンにデビューし大評判となったばかりだった)と、この翌年に初来日してやはりケルビーノを歌ってセンセーションを巻き起こした24歳のエディト・マティスと、若く才能のある歌手を積極的に起用しているのが流石。さらにバキエ、ジェンチェル、キュエノら実力のある歌手と、名匠ヴァルヴィーゾの指揮によって、非常に充実した「フィガロの結婚」になっている。


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