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ELOQUENTIA

1枚あたり¥3520(税抜¥3200)





 2004年に発売を開始し、 2016年4月で国内代理店が撤退していたフランスのレーベル。前代理店時より値下げ!。カナ表記:「エロクエンティア」。
 #以下アイテム一覧は品番下2ケタ降順です。

EL-1653
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(2CD)
1CD価格
【注目盤】
ルネサンス・シャンソン
 [CD 1] 快楽の園(**)
  ギヨーム・デュファイ(1400-1474):
   Ce jour de l'an voudray joye mener / Par droit je puis bien complaindre et gemir /
   Ma belle dame souveraine / Ce moys de may soyons lies et joyeux / Reveslons nous amoureux

  不詳、バイユー写本(15世紀終盤)から:
   Le roy anglois / Hellas il est pic de ma vie / Bevons ma commere / Hellas mon coeur /
   Dieu gard celle de déshonneur / Belle très douce mère /
   Ne l'oseray je dire, se j'ayme par amour / Hellas ma dame que je desire tant /
   M'erme je n'ay point nom Johanne / La dernière nuitcéee d'avril /
   Jamais amoureux bien n'aira / Le grand désir / L'amour de moi si est enclose

  ジョスカン・デプレ(1440-1521):
   Nymphes des bois Déesse des fontaines / In te Domine speravi / Scaramella / Vive le roy

 [CD 2] L'AMOUR DE MOY SI EST ENCLOSE (##)
  不詳、バイユー写本から: L'amour de moi si est enclose
  ピエール・ド・ラ・リュー(1460頃-1518): Autant en emporte le vent
  ロイゼ・コンペール(1445頃-1518): Mais que che fut secrétement
  Bosfrin: Et trop penser
  不詳、バイユー写本から: Puisque Robin j'ay à nom (*)
  不詳: Entre Peronne et Saint Quentin Anonyme
  不詳、バイユー写本から: Vecy le mai Anonyme (*) /
               Quant je vois renouveler / Quant je voy renouveller (*)
  ロイゼ・コンペール: Le Renvoy / Le Renvoy
  不詳、バイユー写本から: On doibt bien aymer l'oyselet (*)
  アントワーヌ・ビュノワ(1430頃-1492):
   Joye me fuit et douleur me queurt seure (+) / Joye me fuit
  不詳: Je ne pourroye plus celer
  ピエール・ド・ラ・リュー: Pourquoy non
  不詳、バイユー写本から: Helas Olivier Vasselin (*)
  不詳: Mon mignaut musequin
  アントワーヌ・ビュノワ: Mon mignault musequin
  不詳、バイユー写本から:
   Dieu la gard la bergerotte (*) / Amy je prends conge de vous
  即興演奏:「Amy je prends congé de vous」による Kyrie
  マテウス・ピペラーレ(1450頃-1515頃): Forseulement
  即興演奏:「Amy je prends congé de vous」による Kyrie
  ジョスカン・デプレ: Plaine de dueil
  エーヌ・ヴァン・ギゼゲム(1445頃-1472以後): Ce n'est pas jeu
   〔 (*):オブシディエンヌによる即興ポリフォニー演奏/
     (+):バルナベ・ジャナンによるポリフォニー編曲版〕
 エマニュエル・ボナルド指揮オブシディエンヌ
 録音:2003年5月(**) 。初出・前出: Calliope, CAL-9337 〔発売:2004年〕(**), CAL-9408 〔発売:2008年/国内&当店未案内〕(##) 。カリオペ・レーベルから出ていた録音のセット化。2枚組で1枚分の価格。
EL-1652
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【注目盤】
ウィーン・ラプソディ〜ピアノ四手連弾作品集
 ブラームス(1833-1897):ハンガリー舞曲集 から 第2, 4, 8, 11番
 シューベルト(1797-1828):ハンガリー風ディヴェルティメント Op.54, D.818
 ブラームス:16のワルツ Op.39
  エルヴェ・ビヨー、ギヨーム・コッポラ(P)
 エルヴェ・ビヨーは1964年フランスのヴィルフランシュ=シュル=ソーヌに生まれ、リヨン国立地方音楽院に10歳で入学、パリ音楽院でジェルメーヌ・ムニエ、ジャン・ユボー他に師事。1983年ロン=ティボー国際コンクール第3位。2016年現在リヨン国立地方音楽院およびパリ音楽院教授。ギヨーム・コッポラはフランスのブザンソンに生まれ、パリ音楽院でブルーノ・リグットに師事。2009年CDデビュー。
EL-1651
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【注目盤】
アヴァ・ステラ・セレーナ〜サン=ジュリアン=ドゥ=ソのルネサンス・オルガン
 不詳(16世紀): Questo nobil bambino(ラウダ)
 ジョヴァンニ・ガブリエーリ(1583-1643):カンツォン「ラ・スピリタータ」
 不詳(16世紀)、カンシオネロ・デル・パラシオから: Passe el agoa
 アントニオ・デ・カベソン(1510-1566):「騎士の歌」による変奏曲
 不詳(16世紀)、カンシオネロ・デル・パラシオから: Señora de hermosura
 アントニオ・コレア・ブラガ(17世紀):戦争第6旋法(1695)
 トマス・ウィールクス(1576-1623): Strike it up, tabor
 不詳(16世紀)、ダブリンの写本から:
  〔アルマン「馬の脚」/パヴァーヌ「誰が道を通るのか」/
   ブランル「戦士」/ロマネスカによるフレドン〕
 ハインリヒ・イザーク(1450-1517):インスブルックよ、私は去らねばならぬ
 不詳(15世紀): Ecce quod natura(キャロル)
 ギヨーム・ディファイ(1400-1474): Je vueil chanter de cuer joyeu
 コンラート・パウマン(1409-1473): Mit ganzem Willen
 アウグスト・ノルミンガー(1560頃-1613): Furstliche Abfunge vom Tantz (1598)
 ベルハルト・シュミット(1535頃-1592): Wie schon bluet uns der Maye (1577)
 不詳、ヤン・デ・ルブリンのタブラチュア譜集(1537-1548)から
  〔前奏曲/ハイドゥクの踊り/マルティン〕
 クローダン・ド・セルミジ(1490-1562):アヴィニョンの橋の上で
 ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク(1562-1621):大公のバッロ
 ウスタシュ・デュ・コロワ(1549-1609): Une jeune fillette
 シャルル・ラッケ(1598-1664):「天の元后」によるファンタジア第8旋法
 ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643):エレヴァツィオーネのトッカータ
 不詳(16世紀): Ave Stella Serena(ラウダ)
  リュック・パガノン(Org) エマニュエル・ボナルド指揮オブシディエンヌ
 録音:サン・ピエール教会、サン=ジュリアン=ドゥ=ソ、フランス。使用楽器:1568年、不詳作者製(2011年、ベルナール・カティオ修復)。
 オルガンと声楽アンサンブルによるプログラム。
ドヴォルジャーク(1841-1904):弦楽セレナーデ ホ長調 Op.22
チャイコフスキー(1840-1893):弦楽セレナーデ ハ長調 Op.48
 ルイジ・ピオヴァーノ指揮サンタ・チェチーリア国立アカデミー弦楽合奏団
 録音:2015年1月、ローマ。弦楽セレナーデの金字塔ともいうべき2曲を、サンタ・チェチーリア国立アカデミー弦楽合奏団が同合奏団首席チェリストでもある指揮者ルイジ・ピオヴァーノのタクトのもとで奏でる。サンタ・チェチーリア国立アカデミー弦楽合奏団は、パッパーノを始め著名な指揮者のもとで世界的な名声を確立している歴史あるサンタ・チェチーリア国立アカデミーo.の団員からなる弦楽合奏団。ピオヴァーノは同楽団の首席ソロ奏者であり、パッパーノの指名により首席指揮者にも就任している。この2曲の弦楽セレナーデは、2015年1月にローマで行われたコンサートで好評を博した曲で、その後すく録音がなされた。質の高い演奏でじっくりご堪能頂きたい。
パーセル(1659-1695):ファンタジア集(1680)
 未完のファンタジア4声/3声のファンタジア〔I/II/III〕/4声のファンタジア〔IV-XII〕/
 5声のファンタジア〔一音に基づく〕/6声のイン・ノミネ/7声のイン・ノミネ

  SIT FAST〔シット・ファースト/ヴィオール・コンソート〕
   [酒井淳、イザベル・サン=イヴ、トーマス・ド・ピエルフ、ジョシュア・チートハム、
    ニコラス・ミルヌ、クリスティーヌ・プルボー、上村かおり]
 録音:2011年8月。パーセルが20歳のときに書かれた多声音楽の傑作。当時のイギリスでは華やかなフランス音楽に倣った旋律主体の音楽が主流となっていた中、パーセルは、タリスやバードらの先輩らが築いた英国ポリフォニー音楽の遺産をしっかりと学び、このファンタジア集を書いた。英国ポリフォニー音楽の粋が詰まった美しい作品を、SIT FASTのメンバーによる吸いつくような質感の美しい音色によるヴィオール・アンサンブルで堪能できる1枚。シット・ファーストは、フランスを中心に活動しているガンバ・コンソート。2011年にはフーガの技法(EL-1125)をリリース、世界中から絶賛を浴びた。主にイギリス・ルネサンス、フランス・ルネサンスのコンソート音楽をレパートリーの中軸としているが、それと並行して現代曲の初演にも力を入れている。2013年に、メシアン現代音楽祭にまねかれジョージ・ベンジャミン氏やアレグザンダー・ゲール氏の曲を中心とした演奏会を催し、大成功をおさめている。
ポピュレール
 レイナルド・アーン:ヴェネツァ〜警告/小舟/やれやれ! / レスピーギ:4つのスコットランド民謡
 アンリ・コレ:セレナータ/子供のための歌/ボレロ/婚約の歌/祝婚/踊り歌
 ブラームス:ドイツ民謡集 より〔谷底では/喪に服する女/恋人を訪ねて/静かな夜に〕
 カントルーブ:オーヴェルニュの歌 より
  〔野原の羊飼いの乙女/羊飼いよ、あなたが愛してくれたら/羊飼いの乙女/背こぶの人〕
 ラヴェル:5つのギリシャ民謡 / グリーディ:カスティーリャの6つの歌

 アメル・ブライム=ジェルール(S) ニコラ・ジューヴ(P)
 録音:2014年4月、サル・ジャン・ボヌフォン、サン=ジュニ=レ=ゾニエール。1975年アルジェリア生まれのソプラノ、アメル・ブライム=ジェルールによる魅力的なアルバム。アマジグ(ベルベル人)の血をひき、エコール・ノルマルとパリ音楽院で学んだ。これまでワールド・ミュージック風なアルバムは出していたが、本格的クラシックとしてはデビューとなる。太陽のような眩しい光にみち声量のある声質、ヴィブラートの多い妖艶な表現など、非常に魅力的で珍しいタイプの歌手。ヤーコプスやクリスティ、ルセがバロック・オペラに彼女を好んで起用し、近年知名度が高間あがっている。このアルバムは作曲家たちが民謡にインスパイアされて作った作品を集めている。シャンソンのように甘いアーン、スペイン好きが嵩じてスペイン音楽を作曲してしまった音楽学者コレ、これぞ決定盤かと思えるトリハダもののカントルーブ、いずれも失神しそうな美しさ。ブライム=ジェルール、人気者になりそうな逸材。
シューベルト
 アルペジオーネ・ソナタ D.821(ピオヴァーノ編曲)/
 弦楽四重奏曲第14番 ニ短調「死と乙女」D.810(マーラー編曲)
  ルイジ・ピオヴァーノ(Vc)指揮サンタ・チェチーリア国立アカデミー弦楽合奏団
 録音:2013年5月、アウディトリウム・パルコ・デッラ・ムジカ、ローマ。東フィルの客演首席チェリストも務めるイタリアのチェリスト、ルイジ・ピオヴァーノ。彼がやはり首席チェリストを務めるサンタ・チェチーリア国立アカデミーo. の弦楽オーケストラを指揮してシューベルトに挑戦した。興味深いのは、「アルペジオーネ・ソナタ」を自身でチェロと弦楽オーケストラ用に編曲した物。彼は小型の5弦チェロを使用して、オリジナルのアルペジオーネのイメージに近づけていて興味津々。バックの豊潤な響きも魅力。
シューベルト
 高雅なワルツ集 Op.77, D.969 /ピアノ・ソナタ第4番 イ短調 Op.164, D.537 /
 34の感傷的なワルツ(全曲) Op.50, D.779 /ハンガリーのメロディ ロ短調 D.817
  ギヨーム・コッポラ(P)
 録音:2014年。パリ音楽院リグット門下の逸材、ギヨーム・コッポラによるシューベルト作品集。34の感傷的なワルツ全曲が入っているのも貴重。
天空のコンセール〜グレゴリオ聖歌より
 〔1月1日の祝日/クリスマス/エティエンヌ(ステファノ)の聖日(12月26日)/1月6日(顕現節)〕

  エマニュエル・ボナルド指揮アンサンブル・オブシディエンヌ
 録音:2014年5月。ジョングルール(吟遊詩人)の集まりであると名乗るアンサンブル・オブシディエンヌによる、グレゴリオ聖歌集。即興演奏もまじえ、不思議なワールドミュージックのようなグレゴリオ聖歌を聴くことが出来る。
燃える鏡〜プーランク:エリュアールの詩による歌曲全集
 画家の仕事〔ピカソ/シャガール/ブラック/グリス/クレー/ミロ/ヴィヨン〕/
 あの優しい小さな顔/かの日かの夜(全9曲)/手は心に支配され/燃える鏡(全2曲)/
 エリュアールの5つの詩/それにしても死ぬとは/涼気と火(全7曲)/磁器の歌
  マルク・モヨン(Br) ギヨーム・コッポラ(P)
 録音:2012年12月、シテ・ドゥ・ラ・ヴォワ、ヴェズレー、フランス。フランスの詩人ポール・エリュアール(1895-1952)はダダイズム、シュールレアリスム運動を盛り上げ、フランス近代詩の発展に貢献した。同世代のプーランクとは若き日から親交を深め、プーランクは彼の34篇の詩に付曲しているが、そのすべてを集めたアルバムの登場。1980年生まれのバリトン、マルク・モヨンが挑んでいる。ミンコフスキ、サバール、クリスティとのバロック・オペラからモーツァルト、現代作品まで幅広くこなす俊英。ピアニスティックな書法の冴える伴奏はギヨーム・コッポラ。パリ音楽院リグット門下の逸材。パリ風の流麗なピアニズムを聴かせてくれる。
マショー:ヴィルレー、バラード、ロンドー集
 ヴィルレー「いとしい人に会って帰るとき」/ヴィルレー「どんなに遠くにいても」/
 ロンドー「優しき友よ、君に忘れられてから」/バラード「私は思い悩んだ」/
 バラード「泣いて下さい、佳き人よ、あなたのしもべのために」/ヴィルレー「私を長くさいなむ病気のために」/
 ヴィルレー「10、7、5、13、14、15」/ヴィルレー「愛する人よ、あなたのやさしい姿」/
 バラード「不思議な蛇、ピュトン」/バラード「恋がわたしを焦がれさせ」(朗唱&リュート)/
 バラード「恋がわたしを焦がれさせ」(ヴォーカル、ヴィエール&フルート・ドゥブル)/
 ヴィルレー「もし愛しい人が僕から離れてしまったら」/ Loyauté weil tous jours /
 プロローグ「そして音楽とは技芸だ」/ヴィルレー「 Liement me deport 」/
 ヴィルレー「 J 'aim sans penser laidure 」

  マルク・モヨン(歌) ヴィヴァビアンカルーナ・ビッフィ(歌/ヴィエール)
  アンジェリーク・モヨン(歌/ゴシックHp)
  ミカエル・グレビル(リュート/セテリーナ)
  カタリナ・ビセンス(オルガネット) カルロ・リッツォ(タンブリーナ)
  ピエール・アモン(中世笛各種/タンブール/歌/ディレクター)
 録音:2012年7月、ラボリー財団、リモージュ、リムーザン、フランス。ジョルディ・サバールからの信頼も厚き、中世フルートの名手ピエール・アモンが、マルク・モヨンら古楽界の精鋭を引き連れ、前アルバム「運命の妙薬」(EL-0918)に引き続き、今回も14世紀の大家ギヨーム・ド・マショーの作品を取り上げた。本アルバムは、中世フランスの三大定型詩と呼ばれる、代表的な3つの詩曲ジャンル「ヴィルレー」「バラード」「ロンドー」に焦点をあて、プログラムが組み上げられている。マショーが残した中世フランス語の美しい言の葉の響きと、素朴でありながらどこか深い魅力を湛えた旋律の響きは絶品。バロック・オペラ界に活躍し、W.クリスティとも多くの共演を重ねるマルク・モヨンの歌声は、聴く人を包み込むような温もりにあふれた見事なもので、ヴィヴラートを控えめに抑え、素の歌声の魅力を存分に活かした優しい歌い口に魅了される。リュートやゴシック・ハープ、中世フルートといった古の楽器が織りなす伴奏の響きも聴き所。前回のアルバムから引き続き、ヴィヴァビアンカルーナ・ビッフィとアンジェリーク・モヨンが参加している。歌詞対訳付き(英語)。
コレッリ(1653-1713):ヴァイオリン・ソナタ集 Op.5(リコーダー版)
 〔第1番 ヘ長調/第5番 ニ短調/第3番 ヘ長調/第4番 変ロ長調/第2番 ヘ長調/第6番 ハ長調〕
 ルイス・ベドゥスキ(アルト・リコーダー;*) フィリップ・グリスヴァルト(Cemb)
 録音:2010年6月。使用楽器: Ernst Meyer 製作〔Jocob Denner モデル〕(*) 。なお、分数の関係で第5番ジーグは繰り返しなしでCDに収録、フル・バージョンはブックレット内のURLからダウンロードが可能、とのこと。コレッリの名曲ヴァイオリン・ソナタ Op.5のリコーダーによる演奏。過去になされた様々な編曲を参考にしつつ演奏者が独自に編曲、装飾や旋律の変形など、ヴァイオリン版に負けず劣らず聴きばえのする仕上がりとなっている。ベドゥスキはイタリア=ブラジル系の音楽家。メメルスドルフら巨匠の薫陶を受け、また、18世紀の装飾音に関する論文で修士号も取得している。演奏能力と研究の両面に裏打ちされた演奏は、驚異的な息の長さと滑らかさを備えた仕上がり。チェンバロのグリスヴァルトも、ヤーコプスやサバールの指揮のもとでも演奏経験豊富というだけあって、アンサンブル能力と巧みな通奏低音の和声づけで聴かせる。
リヴィア・ゾーン(Vn)〜ブリテン&ベルゲル
 ブリテン:ヴァイオリン協奏曲 Op.15
  [ルイジ・ピオヴァノ指揮マッルチーノ・ディ・キエーティ劇場o./録音:2010年5月、イタリア]/
 ヨナタン・ベルゲル(1954-):ヴァイオリン、ツィンバロン、打楽器と弦楽オーケストラのための「 Jiyeh 」
  [ヤン・ロキタ(ツィンバロン) ヘンク・ギッタルト指揮バンフ・センター室内o./録音:2007年2月、バンフ]

 リヴィア・ゾーン(Vn)
 録音:共にライヴ。2曲とも平和への願いを込めて書かれた作品。ブリテンでの指揮者ピオヴァノはチェロ奏者として来日も多い人。2曲目の作曲家ベルゲルはニューヨークに育ち、イスラエルで音楽教育を受けた。Jiyehとはレバノンの海岸ぞいの町で、イスラエルの戦火の影響でロケットが街の石油タンクを直撃、20000 トンの原油が海に流出したという事故があった。ベルゲルはこの事件当時エルサレムにいて、この報道を聞き、この作品を書いた。原油が海に流出す様が描かれる様子から始まり、悲劇的な終末をむかえる。
 リヴィア・ゾーン(Vn):13歳でメニューイン国際ヴァイオリンコンクールに優勝(聴衆賞受賞)。ジュリアードのプレ・カレッジに7歳から参加、ドロシー・ディレイ、ヒョー・カンに師事。その後ジュリアード音楽院に入学、室内楽をフェリックス・ガリミールに師事。2005年から、スタンフォード大学の音楽部門で後進の指導にあたっている。
マーラー:子供の不思議な角笛/他
 むだな骨折り/いたずらな子をしつけるために/だれがこの歌を作ったのだろう?/この世の生活/あの世の生活(*) /
 夏に小鳥はかわり/交響曲第4番〜第2楽章(*) /美しいトランペットが鳴り響くところ/別離と忌避/外へ、外へ/
 たくましい想像力/うぬぼれ/ラインの伝説/3人の天使がやさしい歌をうたう/緑の森を楽しく歩いた

  オモ・ベッロ(S) ジュリアン・ゲヌボ(P) 広瀬悦子(P2;*)
 録音:2012年7月。オモ・ベッロはナイジェリア出身で、同国のロゴス大学で細胞生物学および遺伝学を学んでいたが、音楽に対する情熱を捨て切れず声楽の勉強を続け、フランス大使館でのコンサートで歌うほどとなって奨学金を得、パリ国立高等音楽院へ留学、テレサ・ベルガンサ、トーマス・クヴァストホフ、グレース・バンブリーらの薫陶を受けた。モーツァルトも得意としていて、清潔感ある歌声が魅力。言葉の世界を素直に引き出している。ピアノのゲヌボはブリュノ・リグット、アルフレート・ブレンデルらに師事した実力派。指揮活動も行っており、スケール感ある演奏で聴かせる。交響曲第4番の終楽章「あの世の生活」、そして終楽章と対照的な性格をもつ第4番の第2楽章が収録されている。なお、この2作品のピアノは、2台ピアノ編成で演奏されており、セカンドを広瀬悦子が務めているのもポイント。手堅いピアノの音色がマーラーの世界を盛り上げる。
Ludus verbalis 〜無伴奏合唱作品集 Vol.2
 ブリテン:神聖と世俗 / フィリップ・ローソン: A Yeats Trilogy / マルタン:アリエルの5つの歌
 マルティヌー:5つのチェコのマドリガル / ラヴェル:3つの歌
 プーランク:7つの歌 / ヒンデミット:7つの歌

  マシュー・ロマンド指揮アンサンブル・ヴォーカル・エデ[4S、4A、5T、5B]
 録音:2011年10月、パリ。Ludus Verbalis Vol.1:ドビュッシー、シェーファー他(EL-1128)。2005年に設立されたフランス期待の無伴奏合唱アンサンブル「アンサンブル・ヴォーカル・エデ」が、無伴奏合唱作品を集めたアルバム第2集をリリース。今回も20世紀から現代までに作曲された無伴奏合唱作品を中心としたプログラムで名曲が多く収録されている。また、イギリスの現代作曲家ローソンの「ア・イーツ・トリロジー」は、アンサンブル・ヴォーカル・エデが委嘱した三部作の無伴奏合唱曲も収録。未だ恋に傷ついたことのない、無垢な女性を愛した一人の詩人を描いた瞑想的なハーモニーが美しい作品。特に、曲のタイトルにもなっているイェイツの有名な詩「天上のクロース」に瞑想的な曲を付けた第2部のハーモニーは絶品。「金銀の刺繍で飾った天上のクロースがあれば貴女の足元に敷きたいけれど、貧しい自分にあるのはその夢ばかり。だからせめてその夢を敷いてほしい…」という男の想いを歌う響きは、まさに天上に広がるオーロラのごとき美しさ。瞑想的で穏やかな作品から不協和音のぶつかりあう緊張感張り詰める作品まで、多彩な曲調のプログラムが魅力の本アルバム。アンサンブル・ヴォーカル・エデの歌声は今回も素晴らしく、総勢18名というやや小さめの編成ならではの密なアンサンブルで魅せてくれる。
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グラナドス:演奏会用アレグロ/スペイン舞曲集(全曲)Op.37
 ギヨーム・コッポラ(P)
 録音:2012年6月、サル・ドビュッシー、ジョワニー、フランス。好評のリスト小品曲集(EL-1130)に続く、フランスの俊英ギヨーム・コッポラによるアルバムは、アルベニスやファリャと共に近代スペイン音楽の開拓者として知られるグラナドス。スペイン民族音楽の響き色濃い美しい旋律の数々が魅力の音楽家。生前はスペイン、フランス、アメリカなどで人気を博すも、1916年にニューヨークで初演し大成功をおさめたオペラ「ゴェイスカス」の公演後にスペインへ戻る途中、乗船がドイツの潜水艦による無差別攻撃によって撃沈。わずか48歳にしてこの世を去った不遇の作曲家でもある。今回収録されているのは比較的初期の作品だが、特に「スペイン舞曲集」は彼が残した数々のピアノ作品の中でも根強い人気を誇る名作。民俗的な響きを持ちつつも、ショパンからの流れを汲む知的なピアノの響きを失わないロマンティックな旋律の数々が絶品。超絶技巧で魅せるというよりも、舞曲特有のリズム感と表現力が問われる作品と言えるだろう。リスト、ショパン、ドビュッシーなどを得意のレパートリーとするコッポラの演奏は、クリアな音の立ち上がりと軽やかなタッチから繰り出される清廉な音世界が見事。若きグラナドスの瑞々しい作品を爽やかに弾ききっている。
ガラッチーノ〜16世紀から18世紀のタランテラ、シャンソンとヴィラネル
 ネアポリス・アンサンブル
 録音:2011年7月、サンタンナ・デイ・ロンバルディ聖堂、イタリア。16-18世紀ナポリ音楽の概要を示したアルバム。この時代の演奏に深い知識を持つネアポリス・アンサンブルが巧みに聴かせてくれる。アルバムタイトルともなっている「ガラッチーノ」は魚の恋の色恋沙汰から海の大戦争に発展するというナポリの伝承曲。
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J.S.バッハ:トッカータ集
 〔ニ長調 BWV.912 (*) /ニ短調 BWV.913 (*) /ト長調 BWV.916 (#) /ハ短調 BWV.911 (#) /
  ト短調 BWV.915 (*) /ホ短調 BWV.914 (#) /嬰ヘ短調 BWV.910 (*) 〕
 ノエル・スピート(クラヴサン)
 録音:2011年9月、アミリー、フランス。なお、代理店表記では、楽器制作者がすべて『エミール・ジョビン』となっていたが、エミール・ジョバンに訂正した。使用楽器:エミール・ジョバン、1995年製(J.C.フライシャー・モデル〔1710年、ハンブルク〕)(*) /エミール・ジョバン、1983年製(J.C.グジョン・モデル〔1749年、パリ〕)(#)。フランスが誇る世界的クラヴサン奏者ノエル・スピート女史によるバッハのトッカータ。ELOQUENTIAレーベルからは、ラモーの「コンセールによるクラヴサン作品集」(EL-0920)に続く2枚目のリリース。近年はクープラン、ラモーなど得意のフランスものの録音が専らの話題となっていたスピートだが、意外にも大家J.S.バッハの作品を収録したのは本アルバムが初めて。 ニ長調や ト長調のトッカータは比較的アップテンポっきりと弾いていく一方、 ニ短調や ハ短調では適度な緩急の表現を交えつつ、落ち着いた演奏を聴かせてくれる。速いパッセージでも曇ることのない煌びやかな音の粒と、重みのある低音の響きが耳に心地よく、安心して聴き入ることが出来る演奏と言えるだろう。ノエル・スピートはチェンバロをK.ギルバート、G.レオンハルトらに師事し、1977年のパリ国際チェンバロコンクール優勝を経て、世界各地で今広く活躍するフランスの名手。2006年には近江楽堂で来日公演も行い、注目を集めた。フランス・バロックを得意のレパートリーとするスピートだが、その卓越した演奏技術と表現力は今回も健在。クラヴサンの煌びやかな音色も必聴。
サラ・ミンガルドのマーラー&ブゾーニ
 マーラー(1860-1911):
  亡き子をしのぶ歌(ライナー・リーンによる小オーケストラ伴奏版)/四重奏曲断片(*) /
  さすらう若人の歌(シェーンベルクによる小オーケストラ伴奏版)
 ブゾーニ(1866-1924)/エルヴィン・シュタイン編曲:
  悲歌的子守歌〜母の棺に寄せる男の子守歌(小オーケストラ編曲版)
 サラ・ミンガルド(A) オラフ・ラネリ(P) グラツィア・ライモンディ(Vn)
 シルヴィオ・ディ・ロッコ(Va) ルイジ・ピオヴァーノ(Vc)指揮ムジチ・アウレイ
 録音:2011年7月、テアトロ・フェデーレ・フェナリーリ・ディ・ランチャーノ。マーラーとレーガー(代理店記載ママ)の濃密な世界を、ミンガルドの豊かな歌声と、しばしば来日もあるチェリスト、ピオヴァーノ率いるムジチ・アウレイの演奏で堪能する1枚。1876年頃、マーラーが16歳の頃に作曲されたとされるピアノ四重奏曲は、1875年に弟エルンストが13歳で亡くなったことへの悲しみが込められているとされる作品。エルンストは、グスタフが特に可愛がっていた弟だっただけに、その悲しみは想像を絶するものがある。ピアノ四重奏という伝統的な編成をとっていながら、苦しみと情熱に彩られた、すでにマーラーの個性に満ちた秀作。新ウィーン楽派の面々が1918年に設立した「私的演奏協会」(3年ほどしか存続しなかった)は、当時の作品をより広い聴衆に聴いてもらうために、様々な作品を小編成に編み直した活動でも知られている。「さすらう若人の歌」は、マーラーを崇拝していたシェーンベルクによって編曲された物。原曲のもつ抒情やドラマティックな面がより際立つような、凝縮感のある編曲となっている。「亡き子をしのぶ歌」は、ライナー・リーンの編曲による物。未完に終わったシェーンベルクによる「大地の歌」の編曲を完成させたのもライナー・リーン。「亡き子をしのぶ歌」の詩を書いたリュッケルトが失った息子もエルンストといい、この詩に曲を書く時のマーラーの深層心理には、自分の弟エルンストが亡くなった時の父への共感が強くあったとされている。1909年に作曲されたブゾーニの子守歌は、亡き母の思い出に捧げられた作品。ブゾーニは始めこの作品をピアノのために書き、その後管弦楽作品に仕立てた。その管弦楽版からの編曲。沈静な中での夢見るような旋律が何とも言えない物悲しさを醸し出している。この作品の編曲を手掛けたのはエルヴィン・シュタイン。「私的演奏協会」の主要メンバーであり、シェーンベルクの助手も務めた人物だった。このブゾーニ作品の初演指揮者はほかならぬマーラーであり、この演奏会がマーラーにとって最後の演奏会となった。歴史的にも濃密にからみあうこれらの作品を、ピオヴァーノ率いるムジチ・アウレイの濃密な薫り漂うアンサンブルと、ミンガルドの歌唱で堪能できる貴重な一枚。
EL-1131
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(2CD)
J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ集
 〔第1番 ロ短調 BWV.1014/第2番 イ長調 BWV.1015/第3番 ホ長調 BWV.1016/第4番 ハ短調 BWV.1017/
  第5番 ヘ短調 BWV.1018/第6番 BWV.1019/ホ短調 BWV.1023/ト長調 BWV.1021〕

 フロリアン・ドイター(Vn) フィリップ・グリスヴァード(Cemb)
 バラージュ・マーテー(バロックVc)
 録音:2008年9月、ドイツ放送カンマームジークザール。ヴァイオリンはモダーン楽器使用、とのこと。古楽界を牽引してきた稀代の名手、フロリアン・ドイターによるヴァイオリン・ソナタ集。ドイターといえばムジカ・アンティクア・ケルンのリーダーとしての姿が馴染み深いだが、コープマン率いるアムステルダム・バロックオーケストラや、ミンコフスキ率いるレ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルなどにおいても幅広く活躍している屈指の名ヴァイオリニストでもある。グリスヴァードは、これまでにもドイターと共演した経験があるチェンバロ奏者。今回収録された曲は比較的チェンバロの存在感が強いが、ドイターがモダーン楽器を使っていることもあり、ヴァイオリンの存在もしっかり感じられる演奏と言えるだろう。安定したアンサンブルとドイターの柔らかくも芯のある音色を堪能できる。
肖像〜リスト(1811-1886)::ピアノ小品集
 音楽の夜会 S.424 〜踊り「ナポリのタランテラ」/詩的で宗教的な調べ S.173 〜葬送/
 調性の無いバガテル S.216a /伝説 S.175 〜波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ/
 6つのコンソラシオン〔慰め〕 S.172 /
 巡礼の年第1年「スイス」 S.160 〜オーベルマンの谷/愛の夢第3番 S.298 No.3 /
 ハンガリー狂詩曲第2番 S.244 No.2
  ギヨーム・コッポラ(P)
 録音:2011年10月。「フランツ・リストはロマン派のキーパーソンだ。私のもくろみは、音楽によって彼の人物像を引きだすことにあった」 今回のCDに関するインタビューで、こう語り始めたコッポラ。リストの人物像を探ることをテーマに、コッポラ自ら選曲を行った。コッポラの卓越したテクニックによって表現される超絶技巧の数々はまさに圧巻の一言。思想に精通し、同時代の哲学者達に影響を受けていたリストの作品には、当時の社会から受けた様々なインスピレーションの軌跡が残されている。同インタビューにて、コッポラは「彼が様々なソースから得たインスピレーションを通して、リストの豊かさと複雑さを引き出したかった」と語っている。リストの人物像を明らかにすることに果敢に取り組んできたコッポラが、どのようなリスト像を描き出しているのか。
シューベルト:ピアノ三重奏曲集
 ピアノ三重奏曲 変ホ長調 Op.100 D929/
 ヴァイオリン、チェロとピアノのための
  アダージョ「ノットゥルノ」
トリオ・ラティチュード41
[リヴィア・ソン(Vn)
 ルイジ・ピオヴァーノ(Vc)
 ベルナデーネ・ブラーハ(P)]
 録音:2010年9月。ローマ・サンタ・チェチーリア管(ローマ聖チェチーリア音楽院o.)の首席チェロ奏者、ピオヴァーノが2009年に設立したピアノ・トリオのグループ。アンサンブルの名前は、初めてコンサートを開いた地、ニューヨーク近郊のロードアイランドと、ピオヴァーノが住んでいるローマの地がどちらも北緯41度であることに由来する。「ノットゥルノ」でみせる旋律の歌わせ方の美しさは見事。もちろんOp.100 のトリオも実に活き活きと聴かせる。
Ludus verbalis
 ドビュッシー(1862-1918):シャルル・ドルレアンの3つの歌(1908)
 モーリス・オアナ(1914-1992):ルイズ・ラベのトンボー(墓)(1990)
 ヤッコ・マンティヤルビ(1963-):4つのシェイクスピアの歌(1984)
 ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):3つのシェイクスピアの歌(1951)
 プーランク(1899-1963):カンタータ「ある雪の夜」(1944)
 フィリップ・エルサン(1948-):アイヒェンドルフの3つの詩(委嘱作品、2008)
 ライモンド・シュロイェン(1933-):アイヒェンドルフ歌曲
 ラウタヴァーラ(1928-):言葉の遊戯 / レイモンド・マレイ・シェーファー(1933-):Felix 's girls

  マシュー・ロマンド指揮アンサンブル・ヴォーカル・エデ
 録音:2009年12月。★のヴォーカル・アンサンブル(カデンツァ注:文頭が切れているようだが、代理店記載ママ)。5世紀以前から、今日生みだされる新しい合唱作品の有名無名を問わず、クオリティの高い演奏を目指す団体。16名から32名まで、レパートリーによって変幻自在にメンバー構成を変えるこのアンサンブル、ここでは総勢19名(ソプラノ4名、アルト5名、テノール5名、バス5名)が素晴らしい合唱を聴かせる。第二次世界大戦中の最後の冬に書かれたプーランクのカンタータは、作曲当時のプーランクが抱いていた不安、悲しみ、そして希望の入り混じった作品。ラウタヴァーラの「言葉の遊戯」も、抜群のアンサンブルで聴き手に一気呵成にたたみかけるように聴かせる。ドビュッシー唯一の無伴奏合唱作品は、1909年4月9日にパリで初演されるや大人気となった作品。オアナの作品の詩人(ルイズ・ラベ)は12〜3世紀のリヨンに生きた。音と言葉に対する鋭い感覚が魅力の詩を、オアナが12 の声の無伴奏合唱に仕立てた。エルサンの作品は、アンサンブル・ヴォーカル・エデの委嘱作品でもあり、無伴奏合唱の魅力に満ちている。エルサンが付曲したのはアイヒェンドルフの詩。アイヒェンドルフはシューマン、ブラームス、メンデルスゾーン、R.シュトラウスら、様々な作曲家にインスピレーションを与えてきた。このエルサンの作品は、幻想的な雰囲気に満ちている。シェーファーはカナダの作曲家。Felixとは、カナダに移住したポーランド系ユダヤ人。それぞれの曲は一人一人の女性のことを描いている。無伴奏合唱グループといえばフランスの人気グループ・アクサンチュスがいるが、このグループはやや小ぶりの編成となっており、より親密な雰囲気が漂う。
カルミナ・ブラーナ(中世版/ルネ・クレマンシック校訂の現代譜に基づく)
 エマニュエル・ボナルド指揮アンサンブル・オブシディエンヌ
 録音:2010年8月。カルミナ・ブラーナといえばオルフだが、オルフはこの中世に生まれたカルミナ・ブラーナ(中世の吟遊詩人らによって書かれた詩の集大成、節をつけてうたわれ、通常楽器伴奏も伴う)に衝撃を受けて作品を書いた。中世の詩人たちによって書かれた詩には、ワインのこと、恋のこと、ちょっぴりの宗教性を感じさせるもの、ちょっぴりいやらしい性的なものなど実に様々な内容のものが含まれる。ジョングルール(吟遊詩人)の集まりであると名乗るこのアンサンブル・オブシディエンヌは、カルミナ・ブラーナのエッセンスともいえる名曲をセレクト、伴奏の楽器も当時の楽器にちかいものを採用、男声女声の設定も作品の内容や雰囲気にあわせてためされている。実に様々な内容の歌たちを、鮮やかによみがえらせて聴かせる。
J.S.バッハ:フーガの技法(ヴィオラ・ダ・ガンバ四重奏版)
 SIT FAST[酒井淳、イサベル・サン=イヴ、トマ・ドゥ・ピエルフ、ジョス・チートハム(ヴィオール)]
 ヴィオラ・ダ・ガンバ特有の、肌にぴたりと吸いつくような音色で聴く、フーガの技法。ヴィオラ・ダ・ガンバによるフーガの技法といえば、フレットワークの名盤があるが、あちらは6重奏。こちらの盤は4重奏によるフーガの技法。冒頭の主題提示から、ヴィオラ・ダ・ガンバのなめらかで吸いつくような音色が鮮烈に耳に響く。バッハが腕によりをかけて書いたフーガの緻密建築作品を、4人の奏者がしっとりと見事に空間に描いていく。
 SIT FASTのFASTは、スピードとは何の関係もない言葉。「しっかりと座りなさい」、ひいては「油断するな」、「心してかかれ」、といったような意味のアンサンブル。メンバーの酒井はルセ率いるレ・タラン・リリクでも研鑽を積んだ75年生まれの奏者。チートハムはラ・フォル・ジュルネ音楽祭にも来日、PARADIZOレーベルからリリースもある実力派。個性豊かなメンバーによる魅惑の音色のアンサンブルをたっぷりと味わいながら聴きたい1枚。
EL-1024
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(2CD)
サン=サーンス:チェロのための作品全集
 チェロ協奏曲〔第1番 Op.33 イ短調(*)/第2番 Op.119 ニ短調(#)〕/
 チェロ・ソナタ〔第2番 Op.123 ヘ長調(+)/第1番 ハ短調 Op.32(##)〕/
 「白鳥」(1挺のチェロと2台ピアノ版;**)//チェロとピアノのための組曲 Op.16(##)/
 ロマンス〔ヘ長調 Op.36/ニ長調 Op.51〕(##)/アレグロ・アッパショナートOp.43(##)/
 サッフォー風の歌 Op.91(##)/ガヴォット(遺作)(ピアノ伴奏版世界初録音;##)
  ルイジ・ピオヴァーノ(Vc) ピエロ・ベッルーギ指揮テアトロ・マッルチーノo.
  ナッツァレーノ・カルージ、ルイザ・プレイエル(P)
 録音:ライヴ(*/**)。使用楽器:マッテオ・ゴフリラー(1730頃)(*/#)/アレッサンドロ・ガリアーノ(1710頃)(+)/アルトゥーロ・フラカッシ(1935年)(**/##)。ピアノ:ヤマハ(+)/1883年製スタインウェイ・コンサート・グランド・Dモデル(ローズウッド材)、1999年復元(**/##)。「白鳥」はセカンド・ピアノ・パートを多重録音。いぶし銀のような音色を奏でる現代の名手、ピオヴァーノによるサン=サーンスのチェロ作品全集(CD2は以前EL-0401として単独で発売)。協奏曲第2番の超絶技巧から、ピアノとの親密な室内楽まで、チェロの魅力を堪能出来る。
 ピオヴァーノは、ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミーo.の首席ソロ奏者。 来日も何度かしており、2011年10月には読売日本so.や群馬so.との共演が予定されている。
ヴィヴァルディ:「四季」
 ムジチ・アウレイ グラツィア・ライモンディ(Vn) ルイジ・ピオヴァーノ(Vc/音楽監督)
 録音:2009年5月、ガラージュ・ブルガリ、ローマ。ピオヴァーノ率いるムジチ・アウレイによる、エネルギーに満ちた四季。ムジチ・アウレイは、2002年にピオヴァーノが結成したカンパニア室内o.の後身演奏団体。ヴィンテージ車が並ぶガラージュ・ブルガリでコンサートをしたピオヴァーノが、その場の音響の素晴しさに感激して、このレコーディングが実現した。フォトブックCD 仕様(22 ページ) となっており、ヴィンテージ車の美しい写真もたのしむことが出来る。イタリア出身のメンバーを中心とするムジチ・アウレイのしっとりと肌に吸いつくような弦楽器の美しい音色が魅力の1枚。
EL-1022
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(2CD)
ヘンデル:オラトリオ「エジプトのイスラエル人」(1739初演; 2部版)
 ジュリア・ドイル、マーティーン・グリムソン(S) ロビン・ブレイズ(CT)
 ジェイムズ・オクスリー(T) ピーター・ハーヴィー、シュテファン・マクロード(B)
 ピエール・カオ指揮コンチェルト・ケルン、アルシス・ブルゴーニュ
 録音:2009年10月、ルクセンブルク、パリ、ディジョン、ライヴ。
 今や古楽界を代表する合唱団、ピエール・カオ率いるアルシス・ブルゴーニュと、古楽オーケストラの雄コンチェルト・ケルンが組んで、ヘンデルの壮大な傑作オラトリオを録音した。旧約聖書の「出エジプト記」に題材をとった劇的な内容にヘンデルの雄輝な音楽が生きている。ベルギー人カオは、ドイツ風のゴツゴツしたヘンデルでも、英国風のノーブルなヘンデルでもない、透明で柔らかく、必要とあらばビシッと力が入るヘンデルを生み出している。合唱が大きく活躍する作品なので、アルシス・ブルゴーニュの優秀なアンサンブルは見事で、またコンチェルト・ケルンも紅海横断の場面など、非常に熱の入った音楽でカオに応えている。歌手は、カウンターテナーのブレイズやバスのマクラウドのように日本でもおなじみの人たちに加え、ランカスター出身で今英国の古楽ソプラノの逸材として引っ張りだこのドイル、オーストラリア出身の若く優れたソプラノ、グリムソン、さらにガーディナーが重用する二人の歌手、英国のテノールのオクスリーとバスのハーヴィーと、優れた歌手を揃えている。録音の多い「エジプトのイスラエル人」のなかでも、卓越した演奏となっている。なお、再演時の2部の版を用いている。
EL-1021
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(2CD)
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J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 全曲 ルイジ・ピオヴァーノ(Vc)
 録音:2008年8月。使用楽器:マッテオ・ゴフリラー、1720年頃(6番のみ:5弦ウィリアム・フォスターIII、1795年)。音声による解説トラック(ブックレットの朗読/ドイツ語・フランス語)付き。日本にもしばしば来日しているチェリスト、ピオヴァーノによるバッハ無伴奏全曲。第1番のプレリュードはどこまでもさわやか、5番のプレリュードも、 ハ短調という調性の荘重さはまといつつも、豊かな音色につつみこまれるようだ。どの曲も音楽の運びが実に自然で、聴いていると身体の中を爽やかな風が吹き抜けていくようだ。第6番では5弦のウィリアム・フォスターIIIを用いており、音色の違いも楽しめる。
ラモー:コンセールによるクラヴサン作品集(1741)
 [コンセール第1、2、3、4、5]
ノエル・スピート(Cemb)
 録音:2009年4月。使用楽器:1983年エミール・ジョビン(カデンツァ注:ジョバン?)による、フレンチ・ダブル・マニュアル(1749年Goujon モデル)
 SOLSTICEへの名盤で知られる名手スピートによるラモーの新録音が登場。ケネス・ギルバートやレオンハルトらのもとで学んだが、彼女は独自の見識と研究、経験に裏打ちされた演奏で孤高の地位を保っている。特にフランスものの演奏では評価が高いので、このラモーはうれしい新録音。
 ・スピートのライナーより(抄訳):『この「コンセールによるクラヴサン作品集」は、3つの楽器のためのスコアが存在しているが、これら3つのうち2つは省略されうる。これらはソロのチェンバロのための作品集でもあるということだ。当時の広告(1750年頃)に「本日のおすすめはラモー作、チェンバロのためのコンセール作品集です。これは、ヴァイオリン、フルート、ヴィオラなどの伴奏を伴って演奏することもできます」という興味深い一文があるので、引用しておく。』
1700年代のナポリの歌曲集
 ニッコロ・グリッロ:
  ある日、あわれなレンズッロは目が覚め
 ジュゼッペ・デ・マホ(1697-1771):魚が新しいとき
 ニコラ・ウゴリーノ(17-18世紀):独奏リュートと
  ヴァイオリンのための協奏曲 変ロ長調
 レオナルド・レオ(1694-1744):2声、2つの
  ヴァイオリンと通奏低音のためのシチリアーノ/
  トラヴェルソと弦楽器のための協奏曲 ト長調
 ジュゼッペ・デ・マホ:
  この太陽が私のものにならないならば
 ニコロ・グリッロ:私のこころのさくらんぼ
 ニコラ・フィオレンツァ:シンフォニア
 マホ:農夫は
アントニオ・フローリオ指揮
カペッラ・デッラ・ピエータ・
 デイ・トゥルキーニ
[ピノ・デ・ヴィットリオ(T)
 アレッサンドロ・チッコリーニ
  (Vn)
 トマゾ・ロッシ(トラヴェルソ)
 ウゴ・ディ・ジョヴァンニ
  (リュート)]
 録音:2008年12月。
 1700年代のナポリで生み出された音楽集。ナポリの音楽史は、情報が整理されておらず、不明な点が多いまま。ナポリ音楽に息づく民衆の息遣いまでをも見事に再現した1枚。
EL-0918
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(2CD)
ギヨーム・ド・マショー(1300-1377):Le Remède de Fortune(応急処置)
 もはや何の喜びも持たない者が/朝笑うものが夜に泣く/バラード「私の喜びの泉よ」/
 王の歌「恋に落ちる多くのものが喜びを見出す」/BALLADELLE「恋をする者は甘く」/
 シャンソン・バラード「ああ、あなたに約束なしで」/ロンドル「私の喜びの泉よ」
  マルク・モーイヨン(Vo) ヴィヴァビアンカルナ・ビフィ(Vo/ビウエラ)
  アンジェリーク・モーイヨン(ゴシックHp) ピエール・アモン(リコーダー/Perc)
  セルジュ・グビオー、エマニュエル・ヴィストルキー(Vo)
 録音:2008年11月。
 マショーの詩の美しい語り、そしてそれを彩る古の楽器の音色を堪能。中世にひとっとびできるアルバムの登場。
 ギヨーム・ド・マショーは、偉大なる作曲家であり、偉大なる詩人だった。マショーの詩は、たとえば15世紀に生きた詩人チョーサーにも影響を与えている。マショーは、幅広いスタイルで作曲をし、夥しい数の作品を残しており、アルス・ノヴァの一人者としても歴史に名を残している。モテットと世俗音楽の発展に大いなる功績を残している。
 この作品には、詩人であり歌い手である男性と、彼が愛する美しき女性が登場する。ある日、男性は女性に向かって、自身が書いた愛の歌を朗誦する。すると女性は「この詩は素晴らしいけれども、本当にあなたが書いたのか?」と問う。もしこの問いに男性が「yes」と答えると、それは当時の宮廷の恋のルールに反する、とはいえ、男性はうそをつくこともできず、男性はその場から逃げ去ってしまう。逃げ込んだ場所は庭。そこには「希望」の女神がいて、男性はこの女神に励まされ、助けられ、女性の前に戻り、無事思いを伝え、気持ちを通じ合わせることに成功する、という内容。

 #海外の業者で扱いが無くなっている所があり、流通在庫限りの可能性があります。入手出来ない場合はご容赦下さい。
ハイドン
 ヴァイオリンと弦楽器のための
  協奏曲 ト長調 Hob VIIA; 4/
 チェロ協奏曲第1番 ハ長調Hob VIIB; 1
レオポルト・ホフマン(1738-1793):
 フルート協奏曲 ニ長調 Badly D1
ル・セルクル・ドゥ・ラルモニー
[ジュリアン・シャヴァン(Vn)指揮
 酒井淳(Vc)指揮
 アレクシス・コッセンコ(Fl)指揮/他]
 録音:2008年9月。
 2005年に結成、18世紀以降の作品を中心に演奏するアンサンブル、ル・セルクル・ドゥ・ラルモニーによる1枚。ヴァイオリン協奏曲での颯爽としたシャヴァンの音色、チェロ協奏曲の酒井淳の若さ溢れるチェロには好感がもてる。ホフマンは、生粋のウィーン人作曲家で、1772年から1793年まではシュテファン教会の楽長を務めており、教会音楽の作曲家として人もうらやむような地位を築いていた。フルート協奏曲は13曲のこされており、当時のフィレンツェのフルートの名手、フロランテ・アゴスティネッリのために書かれたといわれている。ホフマンの他の協奏曲に比べて規模、編成ともに大きめな作品となっている。コッセンコが見事に歌い上げる。アンサンブルの『ピチピチとした音色』(代理店表記)がそのまま見事に鮮やかにとらえられた、好録音。
テレマン:神よ、あなたの審判を HWV 232
ヘンデル:主はわが主に仰せられる
ピエール・カオ指揮
アルシ・ブルゴーニュ、
アルモニー・ウニヴェルセル
 録音:2008年10月。
 ルクセンブルクのベテラン指揮者、ピエール・カオ(1937-)のテレマンとヘンデル、18世紀に大活躍した巨匠二人の宗教作品集。
EL-0815
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(2CD)
1CD価格
ヴィヴァルディ(1678-1741):初期ヴァイオリン協奏曲集(12曲)
 〔ニ短調 RV.Anh.10 /変ロ長調 RV.381 /ニ長調 RV.220 /ヘ長調 RV.291 / ハ長調 RV.175 (Anh.104) /
  イ短調 RV.355 (Anh.107) /イ長調 RV.388 (Anh.65) /ホ短調 RV.274 (Anh.106) /ハ長調 RV.176 /
  ホ短調 RV.275 /変ロ長調 V.377 (未出版)/ヘ長調 RV.Anh.130 (未出版)〕
 フロリアン・ドイター(独奏Vn)
アルモニー・ウニヴェルセル
[フロリアン・ドイター&
  モニカ・ヴァイスマン、
  音楽監督]
 録音:2007年10月、西部ドイツ放送室内楽ホール、ケルン、ドイツ。ヴィヴァルディは、ソロの楽器と管弦楽のための「協奏曲」というジャンルを確立し発展させたが、若いころの「協奏曲」ジャンルは未だ多くの謎に包まれている。当盤に収録されたのは、未出版曲、今まで全く存在すら知られていなかったもの、また世界初録音曲も含まれる初期の協奏曲のほぼ全て。 まず驚かされるのが滴るように美しい弦の音色。たとえばマン・レイの写真などを観るとき、私たちはその美しさに思わずはっと息をのむが、まさにそんな感じの美しさ。もちろん音色だけでなく、音楽も極めて美しい。「ヴィヴァルディはどれも同じような感じの曲ばかりで」という方に是非聴いてみていただきたい充実した作品ばかり。
ドビュッシー:映像
 前奏曲集第2集(全12曲)/
 燃える炭に照らされた夕べ(遺作・1917)/
 映像第1集/映像第2集
ドニ・パスカル(P)
 録音:2007年12月。
 ドニ・パスカルは、ジャック・ルビエ、レオン・フライシャーらと同時期にパリ国立高等音楽院で学んだピアニスト。シュタルケルの伴奏者としても活躍し、リスト、そして後期ロマン派、印象派を得意としている。
 「燃える炭に照らされた夕べ」は2001年に発見されたドビュッシーの遺作。前奏曲集のいくつかの作品に類似した雰囲気をもちつつ、深く落ち着いた色彩が魅力。
ジェラール・ルコント:
 ポワン・バク [Point Bak]
  (J.S.バッハ
    「平均律クラヴィーア曲集」に基づく)/
 ドビュッシーの仮面に基づく
ドビュッシー/ルコント編曲:ノクテュルヌ
パーカッションズ・
 クラヴィーア・ドゥ・リヨン
 バッハの平均律をミニマルミュージック風マリンバ・アンサンブルで。近未来的な響きで聴く、バッハへのオマージュ。
 1曲目の「ポワン・バク」は1997年、バッハをテーマとした音楽のために書かれた。平均律クラヴィーア曲集のいくつか曲を基にして書かれている。弱冠アレンジが加えられている部分もあるが、マリンバやヴィヴラフォンのアンサンブルにより、ほぼ原曲とおりに演奏。ミニマルミュージックかと思ってしまうような雰囲気だが、しかし、しっかりと「バッハ」。他に収録されているドビュッシーの作品も、ドビュッシーらしい独特の美しい響きの世界がヴィヴラフォンにより倍増されている。夢の中でドビュッシーの曲がエンドレスで鳴り響いているような感じの、響きのおもしろい作品。
ルクレール(1697-1764):
 2つのヴァイオリンのための6つのソナタ Op.3
アルモニー・ウニベルセル
[フロリアン・ドイター(VnI)
 モニカ・ヴァイスマン(VnII)
 ルクレールの作品は、SP時代の往年のヴァイオリンの巨匠たちが好んでとりあげた時期もあったが、その後の古楽復興運動ではなぜかあまり注目されなかった。ルクレールの素晴らしさをあらためて広く知っていただきたい、という強い思いから、この録音が誕生した。刺激的なパッセージ、重音の連続、丁々発止のアンサンブルが展開されている。
 #海外の業者で扱いが無くなっている所があり、流通在庫限りの可能性があります。入手出来ない場合はご容赦下さい。
17世紀ナポリの宗教音楽集
 クリストファロ・カレザーナ(ca.1640-1709):
  5つの声と器楽のための
   「 Dixit Dominus 」(主は言われた)
 ジョヴァンニ・サルヴァトーレ:
  アポストリ・ミサのための晩課
 フランチェスコ・
  プロヴェンツァーレ(1624-1709):
   主の家に行こう、と人々が言ったとき
    私はうれしかった
 サルヴァトーレ:
  Vesro primo per la Gloria
   transportata una quinta bassa
 プロヴェンツァーレ:
  主がシオンの繁栄を回復されたとき
 サルヴァトーレ:
  Durezze(堅さ=不協和音)/
  e ligature(結ばれたもの
   =タイで結ばれた音)
 プロヴェンツァーレ:
  器楽をともなった4つの声のための
   死者のためのミサ曲
アントニオ・フローリオ指揮
カッペッラ・デッラ・
 ピエタ・デ・トゥルキーニ
ヴァレンティーナ・
 ヴァッリアーレ(S)
ルチア・シアンニマニコ(A)
ジュゼッペ・デ・
 ヴィットーリオ、
ロザリオ・トタロ(T)
ジュゼッペ・ナヴィーリオ(B)
 17世紀にナポリで活躍した作曲家たちによる宗教作品集。冒頭のカレザーナの作品は、宗教作品ながらオペラを思わせるドラマチックな作風。華麗で喜びに満ちており、活気のあるリズムとともに気分は17世紀ナポリへと一気に羽ばたく。プロヴェンツァーレは、17世紀ナポリの重要な音楽家。ここに収められたレクイエムは、後に2つの合唱群と器楽のためにも大規模に編曲されている。重要な司祭の葬儀の際など、特別な機会にのみ演奏されたと考えられる大規模なレクイエムは、当時のナポリでは他に2つしかのこされておらず、いかに彼が重要な地位を占めていたかがうかがわれる。「怒りの日」は、あからさまにグレゴリオ聖歌のあの旋律が用いられており、当時の教会の絶大勢力を感じずにはいられないが、実に生き生きと見事に和声付けがなされている。プロヴェンツァーレに鍵盤を教えたであろうとされている、サルヴァトーレによるふたつのオルガン作品も魅力。ドキっとするような不協和音や思いがけない和声の解決に、一瞬たりとも聞き逃せない小宇宙が広がっている。声楽陣、弦楽器陣のピッチのとりかたはバッチリ絶妙、アンサンブルは申し分なし、それぞれの音色もしたたるように美しくとらえられた秀逸な録音。
ディドナート〜パッション!
 オブラドルス(1897-1945):
  El Vito(6/8 のアンダルシア地方の踊り)/
  ラ・ミ・ソラ/月桂樹/愛/
  いとしいフィアンセよ/他8曲
 グラナドス(1867-1916):
  永遠の哀歌/悲しむマハI&II&III/
  泣くな瞳よ
 トゥーリナ(1882-1949):
  カンシオン形式の詩(全5曲)
 ファリャ(1876-1946):
  7つのスペイン民謡(全7曲)
 モンサルバジェ(1912-2002):
  黒人の歌(全5曲)
 ロッシーニ(1792-1868):
  スペインのカンツォネッタ
ジョイス・ディドナート(Ms)
ジュリアス・ドレイク(P)
 ディドナートは、カンザスのウィチタ州立大学出身のメゾ・ソプラノ。メトロポリタンのケルビーノ役(フィガロの結婚)でデビュー、その後もコヴェントガーデンではロジーナ(セビリャの理髪師)、スカラ座、パリ・オペラ座ではしばしばアンジェリーナ(チェネレントラ)、他にも世界中の劇場や音楽祭で華々しい活躍ぶりをしている。クリスティ指揮の「ヘラクレス」(BAC-013)でもひときわ美しい舞台姿とその歌唱で圧倒的な存在感を見せつけた。「当代最高のロジーナ歌い」の異名をとるディドナートによる、最高に楽しく元気なスペインものの1枚。
 音楽家としてどのように人生を歩んでいくかを選択する岐路に立たされた時、オペラ歌手になることを決意した絶対的なきっかけを与えた作曲家は、オブラドルスであったと彼女は述べているだけに、思い入れも気合も充分。オブラドルスはピアノの手ほどきを母にうけ、作曲はほぼ独学だった。カタルーニャ地方の色合いが濃厚に感じられる作風。ディドナートは、思い入れも気合も十分の、熱いリズムと熱い血、生命力に満ち溢れた歌唱で聴かせてくれる。グラナドスの「永遠の哀歌」は絶品。うってかわってしっとりとした情感で魅了する。最後に収録されたロッシーニの「スペインのカンツォネッタ」はもう格別、カスタネットを手に踊りだしたくなることうけあい。ドレイクは、ボストリッジの伴奏も多くつとめ、歌手達から絶大な信頼をえているピアニスト。ディドナートと丁々発止のスペイン熱合戦を繰り広げている。
EL-0606
廃盤
パッヘルベル:作品集 アルモニー・ウニヴェルセル
ペルゴレージ
 スターバト・マーテル/サルヴェ・レジーナ
ポルポラ:サルヴェ・レジーナ
マリア・
 グラツィア・スキアーヴォ(S)
ステファニー・
 ドゥストラック(Ms)
アントーニオ・フローリオ指揮
ラ・カペッラ・デ・トゥルキーニ
 録音:2005年1月。
 名作ペルゴレージのスターバト・マーテルには数多くの名盤がひしめいているが、南イタリアはバーリ生まれのフローリオが生み出す音楽は、まさに南イタリア。強い日差し、青い空、さらっとした空気。白い漆喰の建物がならぶ南イタリアの町並みが浮かんでくるような演奏からは、作品の本質に根差している南イタリア気質がはっきりと見て取れる。英・仏・独系の演奏とはまるで違った新鮮な美感に満ちた演奏である。南イタリア出身、マリア・グラツィア・スキアーヴォの抜けるように美しいソプラノ、ミンコフスキが来日した時の「フィガロの結婚」でケルビーノを歌って評判となったステファニー・ドゥストラックのメッゾと、ソリストも万全。ポルポラ、ペルゴレージそれぞれのサルヴェ・レジーナも名作名演。
バーンスタイン:2つの愛の歌/他
コープランド:エミリー・ディキンソンの12の詩
ジェイク・ヘギー:深い欲求〜賞賛された4つの劇的な歌
ジョイス・ディドナート(Ms)
フランセス・シェリー(Fl)
デイヴィッド・ゾーベル(P)
 ロッシーニのオペラでなどで大活躍中のジョイス・ディドナート。彼女は柔らかく深い声のメゾソプラノ。アメリカの若手作曲家ヘギーの歌曲はこれまでもスーザン・グラハム、ドーン・アップショウ、などによって広く歌われているが、ジョイス・ディドナートの爽やかな歌い方はなんとも気持ちがよい。また、バーンスタインやコープランドの作品も、彼女のストレートな表現がいきいきと軽快に仕上げている。
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悔恨のタランテッラ〜タランテッラ舞曲のルーツ音楽
 ピノ・デ・ヴィットーリオ(声/キタラ・バテンテ/クラシックG)
 マルチェッロ・ヴィターレ(キタラ・バテンテ/クラシックG)
 レオナルド・マッサ(バロックVc/クラシックG) ガブリエレ・ミラクレ(Perc)
 ここにおさめられているタランテッラの数々は、リストのピアノ曲に代表されるような急速な三連音符をともなう舞曲の祖先。タランテッラとは、もともとは南イタリアの民衆の間に伝わるいわば治療のための音楽だった。その名称は猛毒をもつ「タランチュラ蜘蛛」に由来すると言われている。毒蜘蛛に噛まれたら、毒素は、激しく踊って汗とともに輩出すべし。そのために雇われた楽士は、種々の症状に合った各種のタランテッラを準備して、時には夜を徹し、あるいは数日通して、治療(すなわち演奏)に臨んだ。地中海文明の幕明けとともに生まれたとも言われるタランテッラは、アフリカやイスラムの音楽、土着の民間宗教の影響を色濃く受けながら、人々の間で受け継がれてきた。ここに収録されているのは、イタリアのさまざまな地方に伝わるタランテッラの数々。一度聴いたら心から離れない、不思議な魅力に満ちている。
 ここでメイン・ヴォーカルもつとめるピノ・デ・ヴィットーリオは、タラント地方出身の俳優でもある。聴く者の腹の底までしみわたるような、不思議なパワーをもった声は圧倒的。2004年の「東京の夏音楽祭」でも来日し、人々を熱狂させた。また、この録音では、キタラ・バテンテ(バテンテ・ギター)という、前から見るとバロックギターのようだが、背面がリュート型に膨らんでいるという楽器が用いられている。なんともいえない渋い音色が魅力的。
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ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767):
 5声のソナタ TWV.44:11/ソナタ TWV.43:F1/
 協奏曲[ TWV.43:G5/ TWV.43:A4/ TWV.43:d2]/
 5声のソナタ TWV.44:32
ヨハン・フリードリヒ・ファッシュ(1688-1758):
 4声のソナタ
アルモニ・ユニヴェルセル
[フロリアン・ドイター、
 モニカ・ワイスマン(Vn)
 デイヴィッド・グリッドン、
 デイドル・ドーリング(Va)
 ピエール・
  オーギュスタン・レイ(Vc)
 フィリップ・
  グリスヴァード(Cemb)]
 18世紀ドイツで活躍したテレマンとファッシュのソナタと協奏曲を収録。アルモニ・ユニヴェルセル[Harmonie Universelle]は2003年結成のまだ若いピリオド楽器アンサンブルで、17−18世紀の室内楽をレパートリーとしている。リーダーのドイツ人ヴァイオリニスト、フロリアン・ドイターは、古楽ファンにはムジカ・アンティクァ・ケルンのリーダーとして知られているであろう。 彼は他にもレ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルやシャペル・ロワイヤルなどで活躍した、古楽ヴァイオリニストの中でも屈指の名手。その彼の元に集まったのは、アルゼンチンのモニカ・ワイスマン、カナダのデイヴィッド・グリッドン、フランスのピエール・オーギュスタン・レイといった人たち。名称はフランスの僧侶で数学者のマラン・メルセンヌ(1588-1648)の著作に由来しているという。
サン=サーンス:チェロとピアノのための作品集
 白鳥(チェロと2台のピアノのための版)
 ソナタ第1番 ハ短調 Op.32/組曲 Op.16/
 ロマンス ヘ長調 Op.36/ロマンス ニ長調 Op.51/
 アレグロ・アッパショナート Op.43/
 サッフォー風の歌 Op.91/
 ガヴォット(遺作、ピアノ伴奏版)
ルイジ・ピオヴァーノ(Vc)
ルイザ・プレイエル(P)
 録音:2003年12月、イタリア、ラ・リバットーラ。使用楽器:チェゼーナ、1935年、アルトゥーロ・フラカッシ製(Vc)/1883年、スタインウェイ製コンサート・グランドDモデル(ローズウッド材)(P)。
 名曲「白鳥」の珍しい版(2つのピアノ・パートを多重録音)や、ピアノ伴奏版が世界初録音となる「ガヴォット」など、才人サン=サーンスの音楽の多面性を生かしたプログラムで、ピオヴァーノの優美な演奏が音楽にマッチしている。
 ルイジ・ピオヴァーノはソロ活動のほか、ミケランジェリ四重奏団やコンチェルト・イタリアーノ、サンタ・チェチーリア国立アカデミー交響楽団等のメンバーとしても活躍している。ルイザ・プレイエルはローマ出身で、ソロ活動のほか、ピオヴァーノや渡辺玲子などの伴奏でも活躍している。勘所を押さえた必要十分な彼女の伴奏は、ピオヴァーノの演奏をより優美に響かせている。
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