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ECM

1枚あたり¥3630(税抜¥3300)



076 289-6
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(DVD)
1.5枚価格
Jatekok Es Atiratok 〔ゲームと編曲〕
 クルターグ: Adieu, Haydee I / Flowers We Are (Embracing Sounds) /前奏曲とコラールI〜前奏曲/
        前奏曲とコラール II 〜 Choral For Benjamin Rajeczky's 80th Birthday /ノッツ(2) /
        アンティホン 嬰へ調/ラメンテーション(1)/クリスティアン・ヴォルフへのオマージュ(半覚醒)/
        Playing With Overtones (4) / Draft-Sheet For Tunde Szitha / And Once More: Flowers We Are /
        Beating-Quarelling /ピリンスキーの「ヘルダーリン」によるスタディ/ Furious Chorale /
        Hoquetus / Palm Stroke (1) /ストラヴィンスキーへのオマージュ〜ベル/ Campanule / Thistle /
        Stubbunny /メランの夢/D.スカルラッティへのオマージュ/彼方へ A / Lamentation 〔 3 / 2 〕/
        Tumble-Bunny /クルターグ・マールタへのオマージュ/ストラヴィンスキーへのオマージュ、ベル4/
        ファルカシュ・フェレンツへのオマージュ〔2−4〕/ソプローニンツへのオマージュ/
        ハルマジー・ミハーイへのオマージュ
 J.S.バッハ/クルターグ編曲:いざ来たれ異教徒の救い主よ BWV 599 /
                 神の時こそ、いと良き時 BWV 106 による"actus Tragicus"からのソナチネ
 J.S.バッハ:深き苦しみの淵より、われ汝に呼ばわる BWV 687 /デュエット3番 ト長調 BWV 804 /
         古き年は過ぎ去り BWV 614 〜第1曲/全ての人は死ななければならない BWV 643 /
         トリオ・ソナタ 変ホ長調 BWV 525〜第1楽章/おお、穢れ無き神の子羊 BWV 618

 マールタ&ジェルジュ・クルターグ(P)
076 289-7
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(Blu-ray)
2枚価格
 収録:2012年、シテ・ド・ラ・ミュージック、パリ、ライヴ。映像監督:イザベラ・スーラード。クルターグ夫妻によるライヴ映像。
077 271-3
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(DVD_VIDEO)
1.5枚価格
エレニ・カラインドルー:絶滅に寄せる哀歌
 祈り/難民のテーマ/ザ・ウィーピング・メドウ/踊り/涙のほめ歌/
 フリギアの国に大いなる悲しみが/海辺で/出発と永遠のテーマ/
 ローザの歌/想い出/へカベーの嘆き〜ヘカベーの主題II/
 テラモン、あなたは町を征服するために来た/
 おまえを生んだ町は焼き尽くされた/涙のほめ歌/難民のテーマI/
 ザ・ウィーピング・メドウII/船出/シテール島への船出/
 オン・ザ・ロード/パレード/リターン/アンドロマケーの主題/
 パロドス「祖国と呼ぶ国」/同「わが祖先たちの国々」/
 同「願わくはかの国に」/難民のテーマ/カモメ/湖の歌/
 アダージョ(父のテーマ)/第3スタシモン「犠牲もなく」/
 同「愛しいひと、あなたの亡霊はあてどなくさまよう」/
 決意/別れのテーマ/湖のテーマ/ヘカベーの主題II/
 アステュアナクスへの悲歌
  「ああ、何という苦い悲しみ、哀れな御子」/
 エクソドス(出帆)/ヘカベーの主題II/
 ザ・ウィーピング・メドウ/湖の歌
マリア・ファランドゥーリ(Vo)
ヴァンゲリス・フリストプロス(Ob)
ソクラティス・シノポウロス
(コンスタンティノープル・リラ)
マリア・ビルディア(Hp)
コンスタンティノス・
 ラプティス(アコーディオン)
セルジュ・ナスタサ(Vn)
レナート・リポ(Vc)
ステラ・ガデディ(Fl)
ニコス・グィノス(Cl)
ソクラティス・アンスィス(Tp)
スピーロス・ カジアニス(Fg)
ヴァンゲリス・スコウラス(Hr)
アリストテリス・
 ディミトリアディス(マンドリン)
エレニ・カラインドルー(P)
クリストス・ツァムーリス(ネイ)
パノス・ディミトラコプロス(カノナキ)
アンドレアス・カツィイアニス
(サントゥール)
アンドレアス・パッパス(Perc)
アレクサンドロス・ミラ指揮
アテネ・カメラータo.
アントニス・コントゲオルギオウ指揮
ギリシャ放送cho.
 収録:2005年3月27日、アテネ、ライヴ。
 舞台と映画のために様々な音楽を書いてきたギリシャの女流作曲家、エレニ・カラインドルーの業績を讃えて、アテネのコンサート・ホールで開かれたライヴの記録。オーケストラ、合唱、ギリシャの伝統楽器によるアンサンブル、数多くの独奏者に加え、作曲者自身もピアノで参加している。演目は全てカラインドルーの代表作で、このコンサートのために新たに彼女自身がアレンジし直した形で演奏されている。
 カラインドルーの故郷、アテネで3日間にわたって行われたこのコンサートはギリシャ国内はもちろん、ヨーロッパ中で話題となり、チケットはソールド・アウト。コンサート後の評も非常に高く、2006年にリリースされたこのコンサートのCDも大きな話題を呼んだ。「全滅、出国、流浪そして帰郷」カラインドルーはこのテーマを今までもその音楽の中で語り続けてきた。一流アーティストたち(ECMのマンフレッド・アイヒャーもアーティスティック&ミュージカル・ディレクターとして参加)により演じられたこの一大叙事詩でもまたこのテーマが繰り返される。過去のECM作品に現れたモチーフが次々に再現され、まさに彼女の音楽人生すべてをかけて訴えられてきたメッセージが浮き彫りになる。このコンサートの模様が、ついに映像で登場!!
150 001-1
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(BOOK)
5枚分価格
STEVE LAKE,PAUL GRIFFITHS (editors):HORIZONS TOUCHED-THE MUSIC OF ECM
 MANFRED EICHERのインタビュー、他世界的な音楽評論家、
  ライター20人以上の書き下ろしエッセイを掲載。
 100人以上のECMのコンポーザー、ミュージシャン、エンジニアからのコメントを掲載。
 サイズ:22x30x 4cm; 2.4 Kgsで全448ページにも及び、写真やイラストも満載。
 レコーディングやコンサートなどの写真はモノクロ写真165点、カラー写真は228点!
 ECMコレクターにはたまらない高品質なハードカヴァー、黒いスリップ・ケース付きの本。
 これまでリリースされたECMの完全ディスコグラフィー(JAPO,WATT,XtraWATT,JCOA,CARMO含む)掲載。
 日本の音楽ファンからも絶大な支持を集めるドイツのレーベル、ECMの集大成ともいえる書籍がついに発売。ECMと創設者MANFRED EICHERの歩んできた類稀なるジャズとニュー・ミュージックの歴史がついに紐解かれる!ECMファンのマスト・アイテム!!!
 1969年にプロデューサー、MANFRED EICHERは新たなレコード・レーベル、EDITION OF CONTEMPORARY MUSICをミュンヘンに設立。記念すべき初のリリース作品はアメリカのピアノ奏者Mal Waldronの『FREE AT LAST』。その後1000枚以上のアルバムをリリース、中でもKeith Jarrettの『Koln Concert』Jan Garbarek、 The Hilliard Ensembleの『Officium』は世界でミリオンセラー・ヒットにまでなり、ECMはレコード産業の歴史の中でも大成功を収めているユニークでインディー・レーベルのモデルとなっている。インプロヴァイズド・ミュージックの新たなスタンダードや何百ものミュージシャンを世に輩出し、ECMは音楽の演奏、レコーディング、そして人々の音楽の聴き方まで変えたかもしれない。
 ECMの音楽に焦点を当てた初めての本となる今作はSteve LakeとPaul Griffithsの2人が編集を務め、これまでECMの仕事に関わってきた人々の今まででは本人たちの口からしか聞くことの出来なかった面白いエピソードの数々を分かりやすく文字にした上に視覚的にも楽しめる画期的作品。
 Steve Lake:Chelmsford,Essex出身。ミュンヘンのECMにて1978年からスタッフ・ライター/プロデューサーとして、さらにジャーナリストとしても活躍。これまでPaul Brey,Roscoe Mitchell,Joe Maneri,Mat Maneri,Evan Parker,Robin Williamsonなどのレコーディングでプロデューサーを務める。
 Paul Griffiths:Bridgend,Wales生まれ。音楽評論家/小説家。最近の著書は『ThePenguin Companion To Classical Music』『The Substance of Things Heard』『A Concise History of Western Music』脚本家としてもオペラ『What Next?』ではElliot Carterとコラボレート。またECM New Series『There Is Still Time』ではFrances-Marie Uittiの音楽にライター/スピーカーとしても参加。
 ●寄稿者は以下の通り。
 エッセイ寄稿者:Steve Lake,Manfred Eicher,John Fordham, Michael Tucker, Ivan Moody, John Potter, Helen Wallace, Peter Rüedi, Josef Woodard, Herbert Glossner, Alan Teder, David Fanning, Keith Jarrett, Wolfgang Sandner, Karl Lippegaus, Paul Griffiths, Hans-Klaus Jungheinrich, John Cratchley, John Kelman, Geoff Dyer, Robert Wilson, Thomas Steinfeld
 クラシカル・ミュージシャン:The Hilliard Ensemble, Trio Mediæval, Stephen Stubbs, Barry Guy, John Holloway, Rolf Lislevand, Kim Kashkashian, András Schiff, Thomas Zehetmair; The Rosamunde Quartett, Christoph Poppen, Paul Giger, Michelle Makarski, Thomas Demenga, Till Fellner, Alexei Lubimov, Anja Lechner, Dennis Russell Davies, Frances-Marie Uitti, Herbert Henck, Gidon Kremer
 コンポーザー: Gavin Bryars, Thomas Larcher, Eleni Karaindrou, Heiner Goebbels, Erkki-Sven Tüür, Tigran Mansurian, Valentin Silvestrov, Giya Kancheli, Alexander Knaifel, Veljo Tormis, Elliott Carter, György Kurtág, Heinz Holliger, Helmut Lachenmann, Bent Sørensen, Meredith Monk, Gideon Lewensohn, Arvo Pärt
 デザイナー;フォトグラファー:Lars Müller, Roberto Masotti, Jan Jedlička, Gérald Minkoff, Muriel Olesen, Jim Bengston, Mayo Bucher, Christoph Egger, Caroline Forbes, Werner Hannapel, Jean Pierre Larcher, Thomas Wunsch, Dieter Rehm
 フィルム・ディレクター:Jean-Luc Godard and Anne-Marie Miéville, Theo Angelopoulos, Christian Frei
 ジャズ&ワールド・ミュージシャン: Jan Garbarek, Enrico Rava, Gianluigi Trovesi, Louis Sclavis, John Surman, Jon Balke, Iro Haarla, Tomasz Stanko, Arild Andersen, Nils Petter Molvær, Manu Katché, Trygve Seim, Eberhard Weber, Anouar Brahem, David Darling, Jon Christensen, Marcin Wasilewski, Charles Lloyd, Paul Motian, Bill Frisell, Peter Erskine, Gary Burton, Mark Feldman and Sylvie Courvoisier, Pierre Favre, Annette Peacock, Jack DeJohnette, Roscoe Mitchell, Joe Maneri, Mat Maneri, Barre Phillips, Evan Parker, Keith Jarrett, Paul Bley, Marilyn Crispell, Christian Wallumrød, Carla Bley, Steve Kuhn, Vasillis Tsabropoulos, Bobo Stenson, Steve Tibbetts, Lena Willemark, Ale Möller, Anders Jormin, Zakir Hussain, Stephan Micus, Kayan Kalhor, Miki N 'Doye, Ralph Towner, John Abercrombie, Marc Johnson, Terje Rypdal, Ketil Bjørnstad, Dino Saluzzi, Tord Gustavsen, Savina Yannatou, Jacob Young, Nik Bärtsch, Michael Galasso, Susanne Abbuehl, Michael Mantler, Robin Williamson, Steve Swallow
 サウンド・エンジニア:Peter Laenger, Jan Erik Kongshaug, James Farber, Stefano Amerio, Gérard de Haro
YLIR
 Ylir / Huldufolk I,II / Einbuinn /
 Enginn lai oorum frekt / Skerpla /
 Peysireio / Vorbankar / Hvert orstutt spor /
 Sofou unga astin min / Huldufolk III /
 L'ultimo abbraccio / Kyaeoio um fuglana /
 Leysing / Epilogue
クラウディオ・
 プンティン(Cl)
ジェロール・
 グンナルスドッティル(Vn)
 アンサンブル・モデルン等で活躍しているクラリネットのプンティンとヴァイオリンのグンナルスドッティルというコンビによる不思議な世界。ほとんどが彼らのオリジナル作品。元々純クラシックではないためか、他と頭の番号が異なる。
フランク・マルタン(1890-1974):
 キリスト受難の6つの印象「ポリプティーク」(1973)
 (ヴァイオリンと2つの弦楽オーケストラのための)/
 マリア三部作(1967/8)
 (ソプラノ、ヴァイオリンとオーケストラのための)/
 パッサカリア(1944/62)(オ-ケストラのための)
ミュリエル・カントレッジ(Vn)
ユリアーネ・バンゼ(S)
クリストフ・ポッペン指揮
ドイツ放送po.
 録音:2006年2月-6月、ハルベルク。
 スイスの作曲家マルタンが晩年に作曲した曲の中から、重要な3作品を収録。マルタンはモダーンな響きの中に、豊かな抒情性と深い思索性を持った独自の音楽を築き上げた。気鋭の指揮者ポッペンがシェフを務める新しいオーケストラ(旧ザールブリュッケンo+カイザースラウテルンo)と組んでマルタン再評価の気運を高める。カントレッジの妙技や話題のソプラノ、バンゼとの共演も聴きもの。
ECM-5506
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[DVD 5506 |
177 271-3]
(DVD)
1.5枚価格
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
エレニ・カラインドルー(1941-):
 絶滅への哀歌 [Elegy of the Uprooting] (2006)
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
アレクサンドロス・マイラット指揮
カメラータo.、ヘレニック放送cho.
 収録:2005年3月27日、アテネ、ライヴ| CD: 476 527-8 (ECM 1952/53) | NTSC |リージョン・オール| (C) (P) 2006 。
179 728-0
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(2CD)
SAUDACOES〜エグベルト・ジスモンチ:作品集
 SERTÕES VEREDAS I-VII
  ( Tributo à miscigenação Sertões Veredas
    tribute to miscegenation) (*) /
 Guitar Duets (#)
 [ Lundú / Mestiço & Caboclo / Dois Violões /
  Palhaço (solo – Alexandre Gismonti) /
  Dança dos Escravos /
  Chora Antônio (solo – Alexandre Gismonti) /
  Zig Zag / Carmen / Águas & Dança /
  Saudações (solo – Egberto Gismonti) ]
ゼナイダ・ロメウ指揮(*)
カメラータ・ロメウ(*)
エグベルト・ジスモンチ、
アレクサンドル・
 ジスモンチ(G;#)
 録音:2006年8月、アマデオ・ロルダーン音楽劇場、ハバナ(*)/2007年4月-5月、メガ・スタジオ&チェチーリア・メイレレス・ホール、以上リオ・デ・ジャネイロ(#)。
 2007年と2008年、2年連続で来日公演も行い、日本のファンにも再評価をされているブラジルを代表するミュージシャン/コンポーザー、エグベルト・ジスモンチ待望の14年ぶりとなるECM新作。(*)は『Tribute to Miscegenation (人種混合への賛辞)』と題された壮大な作品で、70分間でブラジルの文化、歴史、景色、街並みなどを感じ、作曲家としてのジスモンチを堪能できる。全員女性のキューバのオーケストラの演奏による。(#)は『Guitar Duets』と題された、エグベルトと同じく才能に溢れた彼の息子アレクサンドルとのギター・デュオ作品集。
ギヤ・カンチェリ: THEMES FROM THE SONGBOOK
 Herio Bichebo from Earth, This Is Your Son/Theme from Bear 's Kiss/Main theme from The Crucibles/
 Theme from As You Like It/Theme from Don Quixote Var.I/Theme from Hamlet Var.I/Theme from King Lear/
 Theme from Don Quixote Var.II/Main theme from Kin-Dza-Dza/Main theme from The Role For A Beginner/
 Theme from Twelfth Night/Main theme from Cinema/Theme from Hamlet Var.II/ワルツfrom Richard III/
 Theme from Mimino/Theme from Don Quixote Var.III/Main theme from When Almonds blossomed/
 ワルツfrom The Eccentrics/Theme from Hamlet Var/III/Herio Bichebo from Earth, This Is Your Son

  ディーノ・サルッツィ(バンドネオン) アンドレイ・プシュカレフ(ヴィブラフォン)
  ギドン・クレーメル(Vn)
 録音:2010年5月10日-12日、Rainbow Studio、Oslo、5月21日-22日、Riga Produced by Manfred Eicher。
 ECMニュー・シリーズを代表するグルジア人作曲家、Giya Kancheliへの生誕75年を祝し、アルゼンチンのバンドネオン奏者Dino Saluzzi、ラトヴィア人ヴァイオリン奏者Gidon Kremer、そしてウクライナ人ヴィブラフォン奏者Andrei Pushkarevという、なんとも興味深い3人がKancheliへの誕生日プレゼントとして本作を秘密でレコーディング!偉大なKancheliの初期の作品に取り組んだとても美しい作品集。演劇と映画のために作られたもののみをトリオやデュオで演奏、アルバム全体オーディオ・ムーヴィーのような仕上がりに!Kancheliのファンにはもちろんのこと、Saluzzi、Kremerファンも必聴の注目作品。
トリグヴェ・サイム、アンドレアス・ウトネム〜プルコール
 Kyrie/Nu Seglar Vi Inn/Praeludium, Improvisation/Purcor/Responsorium/
 Credo/Pater Noster/Bhavana/グローリア, Improvisation/Solrenning/312/Agnus Dei/
 Postludium, Improvisation/Når Mitt Øye Trett Av Møye
  Trygve Seim(テナーSax/ソプラノSax) Andreas Utnem(P/ハルモニウム)
 録音:2008年5月、Tøyen Kirke、Oslo、Produced by Manfred Eicher。
 1990年中頃からNorwayのChurch City Mission Foundationで働いていたピアニスト/コンポーザーAndreas Utnemがサックス奏者Trygve Seimを教会に呼び、お互いの楽曲や賛美歌などの即興を演奏する特別礼拝を行うようになったのがそもそもの始まり。後にこれは非公式ながら恒例のGIGとなり2008年に二人はこの演奏を録音しようと決意、本作が出来上がった。オスロの旧市街にある教会Toyen Kirkeで録音。ミサ曲、フォーク・ソング、演劇のための音楽、インプロヴィゼーション、そしてSeimの代表曲""Bhavana""までを網羅した作品でそのインプロヴァイズの領域の広さに驚く。「Andreasのバックグラウンドは僕とは全く異なるけれど彼の楽曲は僕の演奏の合焦力を引き出してくれるんだ。気がついたらとてもシンプルかつ明瞭な音楽に僕たちはたどり着き、お互いにとてもうれしかった。」とSeimはいう。本作はSeimにとってはECM6作目でUtnemにとってはこれがECMデビューとなる。Utnemはノルウェーのフォーク・フィドラーGjermund Larsenのトリオでの活動で世界的に注目されている期待のミュージシャン。
Hirundo Maris... ヨーロッパ南方北方地方の歌
 カタルニャ民謡: El mestre / セファルディ民謡: Buenas noches / Ya salió de la mar
 ノルウェー民謡: Om kvelden / カタルーニャ民謡: El mariner / A.サバール: Le Chant des étoiles
 セファルディ民謡: Morena me llaman / ノルウェー民謡: Bendik og & Aring;rolilja / Ormen Lange
 Lucas Ruiz de Ribayaz: Tarantela / スコットランド民謡: The Water Is Wide
 カタルニャ民謡: El noi de la mare / Josep i Maria / Yo m 'enamorí d 'un aire
 P.U.ヨハンセン: Penselstrøk / ノルウェー民謡:ハリン / Margit Holmberg: Trollmors vuggesang

  アリアンナ・サバール(歌/ゴシックHp/イタリアン・トリプルHp)
  ペッテル・ウドラン・ヨハンセン(歌/ハルダンゲル・フィドル/マンドリン) ダビド・マヨラル(歌/Perc)
  スヴェイヌング・リレハイアー(歌/G/ドブロ) ミゲル・アンヘル・コルデロ(歌/ダブルベース)
 録音:2011年1月5日-7日、オーストリア。2011年11月に惜しくも亡くなったモンセラート・フィーゲラスの娘、アリアンナ・サバールが、彼女を偲んで制作したアルバム。フィーゲラスの古楽の知識と、地中海域一帯の音楽の多様な伝統との交わりを重要視した自然な歌唱法はアリアンナにも受け継がれている。そして彼女の音楽仲間でもあるノルウェー出身のヨハンセンは名フィドル奏者としても有名で、彼に触発されたアリアンナは中世や民謡を現代的にアレンジ。ハープの伴奏によってカタルーニャやノルウェーなどの民謡が、まるで吟遊詩人のように歌われる。
どこか別の場所で
 フランシスコ・カジェーハ:悲しみの歌 / ビセンテ・アミーゴ:月の小路 / ドミニク・ミラー:エクリプス
 レオ・ブローウェル:11月のある日/アン・アイディア(エリのためのパッサカリア)
 アベル・フレウリ:テ・バス・ミロンガ(過ぎし日のミロンガ)
 ラルフ・タウナー:グリーン・アンド・ゴールデン / デレルマンド・レイス:もしも彼女が尋ねたら
 マーチン・レイター: Ecrovid / キケ・シネシ:シエロ・アビエルト / レオ・ブローウェル:ひとりの異邦人

  ジョフィア・ボロス(G)
 録音:2012年8月6日-8日、ルガーノ。才気あふれるハンガリーのギタリスト、ジョフィア・ボロスのECMデビュー盤。ブラティスラヴァ音楽院およびバルトーク音楽院で研鑽を積み、その後ウィーン国立音楽大学、タレガ・ギター・アカデミーでも学んだ。数々のコンクール優勝歴をもち、際立つテクニックと独特の哀愁ただよう優美な音色で聴き手を静謐で穏やかな世界に引き込む。
437 189-2
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(2CD)
ショスタコーヴィチ:24のプレリュード キース・ジャレット(P)
 2006年のショスタコーヴィチ・イヤーを記念し、金字塔、キース・ジャレットによるプレリュードがスペシャル・パッケージで再発売。品番等の変更は無し。
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
イェンス=ペーター・オステンドルフ(1944-2006):
 弦楽四重奏曲第2番
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
パルナッソSQ
 録音:1989年12月、カメレオン・シュトゥーディオ、ハンブルク、ドイツ| (C) (P) 1993 。
ギヤ・カンチェリ(1935-):
 大オーケストラとヴィオラ独奏のための「典礼」(*)
アルフレード・シュニトケ(1934-1998):
 ヴィオラと管弦楽のための協奏曲(#)
キム・カシュカシアン(Va)
デニス・ラッセル・
 デイヴィス指揮(*/#)
ボン・ベートーヴェンハレo.(*)、
ザールブリュッケン放送so.(#)
 発売:1992年。
トーマス・デメンガ〜バッハ&現代曲 Vol.3
 J.S.バッハ:
  無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV.1007 (*)
 シャーンドル・ヴェレシュ(1907-1992):
  無伴奏ヴァイオリン・ソナタ (#)/
  無伴奏チェロ・ソナタ (*)/
  弦楽三重奏曲 (*/#/+)
トーマス・デメンガ(Vc;*)
ハンスハインツ・
 シュネーベルガー(Vn;#)
タベア・ツィンマーマン(Va;+)
 発売:1993年。当シリーズ中、当巻のみは国内盤で発売されなかった。Vol.1(無伴奏チェロ組曲第4番 + ハインツ・ホリガー作品集:833 307-2、Vol.2(無伴奏チェロ組曲第3番 + エリオット・カーター作品集:839 617-2、Vol.3(無伴奏チェロ組曲第1番 + シャーンドル・ヴェレシュ作品集):437 440-2、Vol.4(無伴奏チェロ組曲第2番 + ベルント・アロイス・ツィンマーマン作品集):449 904-2、Vol.5(無伴奏チェロ組曲第5番&第6番 + 細川俊夫&尹伊桑作品集):461 862-2
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
ハインツ・ホリガー(1939-):スカルダネッリ・ツィクルス(1971-91)
 オーレル・ニコレ(Fl) ハインツ・ホリガー指揮アンサンブル・モデルン
 テリー・エドワーズ指揮ロンドン・ヴォイセズ
 録音:1991年9月、インゼルハレ、リンダウ、ドイツ| (C) (P) 1992-93 。
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O Domina Nostra
 ヘンリク・グレツキ(1933-2010):おお、我らが聖母よ Op.55 (1982–85/90) (*) / サティ:貧しき者のミサ(1895)
 ミヨー:2つの前奏曲(1942)〔第1番/第2番〕 / ギャヴィン・ブライヤーズ(1943-):黒い河(1991) (*)

 サラ・レナード(S;*) クリストファー・バウアーズ=ブロードベント(Org)
 録音:1992年6月、聖レオデガー宮廷(ホーフ)教会、ルツェルン、スイス| (C) (P) 1993 。
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ヒリヤー&シアター・オブ・ヴォイセス〜バード:4声のモテットとミサ曲集
 トマス・タリス(1505-1585):イングランドのかよわい子らよ
 ウィリアム・バード(1543-1623):
  キリストの聖体の祭日のためのミサ固有文によるモテット/4声のミサ曲/三位一体よ、あなたに栄光が/
  わたしを明るくしてください、主よ〔1/2/3〕/モテット「聖なる宴よ」
 ジョン・タヴァナー(1490頃-1545):イン・ノミネ / リチャード・エドワーズ(1525-1556):裸で床につこうとしたら
 トマス・シェパード(1515頃-1558):むなしい、むなしい

 ポール・ヒリヤー(T)指揮シアター・オブ・ヴォイセス
  [ジュティス・ネルソン(S) ドルー・ミンター(CT) ポール・エリオット(T)]

 クリストファー・バウアーズ=ブロードベント(Org)
 録音:1992年2月、変容の大聖堂 [The Cathedral Of Transfiguration] 、トロント、カナダ| (C) (P) 1994 。
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[ECM 1525]
オフィチウム〜ヤン・ガルバレク(Sax)&
  ヒリヤード・アンサンブルによるグレゴリオ聖歌集

 クリストバル・デ・モラーレス:主よ、わたしを見逃してください
 グレゴリオ聖歌:はじめは/サンクトゥス/とこしえに統べる方を
 ピエール・ド・ラ=リュー:救いなるいけにえよ
 グレゴリオ聖歌:寝屋から出て来た花婿を/この上なく美しいばらが
 クリストバル・デ・モラーレス:主よ、わたしを見逃してください
 ペロタン〔ペロティヌス〕:祝せられた胎よ
 グレゴリオ聖歌:ペロティヌス/いばらの茂みから生じたばらよ/クレド
 ギヨーム・デュファイ:幸あれ、海の星よ/かの処女はむちで打たれ/預言者エレミアの祈り
 クリストバル・デ・モラーレス:主よ、わたしを見逃してください
  ヤン・ガルバレク(Sax) ヒリヤード・アンサンブル
   [デイヴィッド・ジェイムズ(CT) ロジャーズ・カヴィー=クランプ、
    ジョン・ポッター(T) ゴードン・ジョーンズ(Br)]
 録音:1993年9月|発売:1994年。
 1990年代中頃の世界的なグレゴリオ聖歌大ブームにおける一つの嚆矢となったアルバム。このブームの火付け役は1993年10月にスペインEMIがローカル発売したシロス修道院による再発CD(発売後3ヶ月で25万枚超を売り上げ)で、当アルバムは発売こそ1994年だが、シロス修道院盤再発以前に企画・録音されている。
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
モンポウ(1893-1987):ひそやかな音楽(全28曲)
 〔第1巻(1959) /第2巻(1962) /
  第3巻(1965) /第4巻(1972) 〕

#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
ヘルベルト・ヘンク(P)
 録音:1993年8月、フェステブルク教会 [Festeburgkirchen] 、フランクフルト・アム・マイン、ドイツ| (C) (P) 1995 。
ボヘミアの祈りの歌 [Codex Speciálník] 〜プラハ1500年頃の宗教音楽
 作曲者不詳:四重のはじまりが − 神の御子よ − 鳴り響きますように − 言は肉となった/
       尊い贈りものが3つ − かの星を見て − タルシスと島々の王たちは/主の御降誕の日に/
       「知恵」が生まれたという − ああ、なんと美しい − 占星学者たちはその星を見ると/
       ともにひとしくよろこぼう − 見よ、まばゆい光が/おおいなる奇跡/きょうわれらに生まれた/
       栄えあれ、恵みの御母/キリストはいまやよみがえられた − 地は揺れうごき
                   − 主の天使が − 主なるキリストはよみがえられた
 ペトルス・デ・グルデンツ〔グルジョンツのピオトル〕(1392-1480頃):
  若くして司教となられた方を/パラネウマを投げかけよう/施しを授ける女よ/
  聖体の霊よ − 来てください、まことの照らし主よ
    − エーヤ、御恵みを授ける方よ − 聖霊により三拍子踊りを
 作曲者不詳:地に生きるものの造り主よ/この上なく美しいばらよ
 ヨハンネス・トゥロント [Johannes Touront] (1450頃-1475頃):この聖歌隊は
 ゴントラーシェク(?-?) :神に栄えとほまれあれ
 アレクサンデル・アグリーコラ(1445/46-1506):処女のうちの若い緑よ
 作曲者不詳:ミサ「プティット・カミュゼット」〔キリエ/グローリア/クレド/サンクトゥス〕/
       あなたはすべてが美しい/幸あれ、きよらかな乙女
 ジョスカン・デ・プレ(1450/55-1521):アヴェ・マリア

 ヒリヤード・アンサンブル
   [デイヴィッド・ジェイムズ(CT) ロジャーズ・カヴィー=クランプ、
    ジョン・ポッター(T) ゴードン・ジョーンズ(Br)]
 録音:1993年1月、ゲニンゲン|発売:1995年。チェコにおけるルネサンス・ポリフォニー音楽最古の写本と言われる「スペツィアールニーク写本」からの抜粋。
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エクシール〔亡命〕〜ギヤ・カンチェリ(1935-2019):
 ソプラノ、器楽とテープのための「エクシール」(1994)(詩:パウル・ツェラン(*)、ハンス・ザール(#) )
  〔詩篇第23(*) / Einmal (*) / Zähle Die Mandeln (*) /詩篇(*) /亡命(#) 〕

 マーチャ・ドイプナー(S) ナターリア・プシェニチニコワ(アルトFl/バスFl)
 カトリン・デメンガ(Vn) ルート・キリウス(Va) レベッカ・ファース(Vc)
 クリスティアン・ズッター(Cb) ヴラジーミル・ユロフスキ指揮
 録音:1994年5月、旧修道院、ザンクト・ゲロルト、オーストリア| (C) (P) 1995 。
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間 − 2つの歌〜ハインツ・レーバー(1952-2007):ウィーン楽派/アテネ楽派、能楽派
 萩原公子(S) キム・ドヒョン(Br) 栗林純子(P)
 録音:1994年6月、シュトゥーディオ、ラジオ DRS 、ベルン、スイス| (C) (P) 1996 。
449 198-2
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[ECM 1568]
風のあとに〜ギヤ・カンチェリ(1935-2019):
 ソロ・クラリネット、ソプラノと19人の奏者のための「真昼の祈り」(1991) (*) /
 ソプラノとヴィオラのための「風のあとに」(1994) (#) /
 ソプラノ・サクソフォンと弦楽オーケストラのための「夜の祈り」(1994) (+)
  エドゥアルト・ブルンナー(Cl;*) マーハ・ドイプナー(S;+以外)
  キム・カシュカシアン(Va;#) ヤン・ガルバレク(ソプラノSax;+)
  デニス・ラッセル・デイヴィス指揮シュトゥットガルト室内o.(#以外)
 録音:1994年4月-1995年1月| (C) (P) 1997 。
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結晶化 [Crystallisatio] 〜エルッキ=スヴェン・トゥール(1959-):
 構図 VI (フルート、クラリネット、ヴィブラフォンと弦楽オーケストラのための版) (1992, rev.1996?) /
 弦楽のための「行動・情熱〔受難〕・錯覚〔幻影〕」(1993) より〔情熱/錯覚〕/
 3つのフルート、グロッケンシュピールと弦楽のための「結晶化」(1995) /
 ソプラノ、テノール、混声合唱と管弦楽のためのレクイエム(ペーテル・リリエの思い出に)(1994)

  カイア・ウルブ(S) ティート・コゲルマン(T)
  トヌ・カリユステ指揮タリン室内o.、エストニア・フィルハーモニック室内cho.
 録音:1994年-1995年、エストニア・コンサート・ホール、タリン、エストニア| (C) (P) 1996 。
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アレクサンドル・モソロフ(1900-1973):
 ピアノ・ソナタ〔第2番 ロ短調 Op.4 「古い手帳より」(1923-24) /
         第5番 ニ短調 Op.12 (1925) 〕/
 2つの夜想曲 Op.15 (1925-26)
  ヘルベルト・ヘンク(P)
 録音:1995年3月、フェステブルク教会 [Festeburgkirchen] 、フランクフルト・アム・マイン、ドイツ| (C) (P) 1996 。
トーマス・デメンガ〜バッハ&現代曲 Vol.4
 J.S.バッハ:
  無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV.1008 (*)
 ベルント・アロイス・ツィンマーマン(1918-1970):
  無伴奏ヴァイオリン・ソナタ (1951) (#)/
  無伴奏ヴィオラ・ソナタ (1955) (+)/
  無伴奏チェロ・ソナタ (1960) (*)
トーマス・デメンガ(Vc;*)
トーマス・
 ツェートマイアー(Vn;#)
クリストフ・シラー(Va;+)
 録音:1995年2月&7月。国内盤もPOCC-8103という番号で出ていたが、廃盤となっている。Vol.1(無伴奏チェロ組曲第4番 + ハインツ・ホリガー作品集:833 307-2、Vol.2(無伴奏チェロ組曲第3番 + エリオット・カーター作品集:839 617-2、Vol.3(無伴奏チェロ組曲第1番 + シャーンドル・ヴェレシュ作品集):437 440-2、Vol.4(無伴奏チェロ組曲第2番 + ベルント・アロイス・ツィンマーマン作品集):449 904-2、Vol.5(無伴奏チェロ組曲第5番&第6番 + 細川俊夫&尹伊桑作品集):461 862-2
変奏曲集
 ヴェーベルン(1883-1945):変奏曲 Op.27
 ガリーナ・ウストヴォーリスカヤ(1919-2006):
  ピアノ・ソナタ〔第3番(1952) /第5番(1986) 〕
 ヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937-):エレジー(1967)
 ピエール・ブーレーズ(1925-2016):12のノタシオン(1945)
  イングリート・カルレン(P)
 録音:1996年2月、シュロスベルクザール、フライブルク、ドイツ| (C) (P) 1997 。
アイヴズ:ヴァイオリン・ソナタ集
 〔第1番−第4番〕
シュネーベルガー(Vn)
コレッテ(P)
 ほとんどCDが出ていなかったアイヴズのヴァイオリン・ソナタ全集。フォーク・ソングや讃美歌、ラグタイムと、相変わらずの独創性あふれる作品群。 そんな中それらを理解してくれない大衆への返礼として作られた古典的、伝統的な第3番もまた忘れがたい。
アルヴォ・ペルト:アリーナ ウラディーミル・スピヴァコフ(Vn)
セルゲイ・ベスロドニー(P)他
 「鏡に映った鏡」(ヴァイオリンとピアノ版、チェロ版)、「アリーナのために」を収録。
ジェルジ・クルターグ(1926-):弦楽四重奏のための作品集
 遠方より III /小オフィチウム Op.28 /リガトゥーラ〜フランセス=マリーへのメッセージ Op.31b /
 弦楽四重奏曲 Op.1 /ミハーイ・アンドラーシュへのオマージュ Op.13

 ケラーSQ
 録音:1995年11月、カジノ・ぜーゲルニッツ、ウィーン|発売:1996年。
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ヒリヤード・ソングブック〜声のための新しい音楽
 バリー・ガイ(1947-):さいころひと振り(*) / モートン・フェルドマン(1926-1987):オンリー
 アイヴァン・ムーディ(1964-):挽歌とうた/雅歌1 / ピアーズ・ヘラウェル(1956-):ヒリアード・ソングブック
 ポール・ロビンソン(1949-):呪文 / ヴェリヨ・トルミス(1930-2017):クッレルヴォのことずて
 グレゴリオ聖歌:心よりあなたを拝みます / ジェイムズ・マクミラン(1959-):…ここに隠れた…
 アルヴォ・ペルト(1935-):さて、パリサイ人のひとりが…/スンマ / エリザベス・リドル(1952-):鯨のどよめき
 ジョン・カスケン(1949-):鋭いいばら / ジョアン・メトカルフ(1958-):海の星のための調べ
 マイケル・フィニシー(1946-):十字架のかたわらに立っていた

 ヒリヤード・アンサンブル バリー・ガイ(Cb;*)
 録音:1995年4月、1996年3月、ボックスグローヴ修道院、チチェスター、サセックス州、 UK | (C) (P) 1996 。
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シュニトケ(1934-1998):
 悔悛の詩篇(1988)
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トヌ・カリユステ指揮
スウェーデン放送cho.
 録音:1996年2月、ホーガリッド教会 [Högalidskyrkan] 、ストックホルム、スウェーデン| (C) (P) 1999 。
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儀式 [Ceremony]
 ビーバー(1644-1704):ロザリオのソナタ第1番「お告げ」〜前奏曲
 バリー・ガイ(1947-):祝典/計り知れない空/儀式/静寂/大地の呼吸
  マヤ・ホンブルガー(バロックVn) バリー・ガイ(Cb)
 録音:1997年4月、7月、 Propstei St. Gerold and Rainbow Studio 、オスロ、ノルウェー| (C) (P) 1999 。
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悲しみの色の国〜ギヤ・カンチェリ(1935-2019):
 ドゥドゥーキのように [... À La Duduki] /
 悲しみの色の国 [Trauerfarbenes Land]
  デニス・ラッセル・デイヴィス指揮ウィーン放送so.
 録音:1997年3月、8月、 ORF スタジオ、ウィーン、オーストリア| (C) (P) 1998 。
ビクトリアとパレストリーナの音楽 ヒリヤード・アンサンブル
 ルネサンス二人の巨匠のモテットに17世紀フランスの聖歌を挿入すると言ういかにもヒリヤードらしい凝ったアルバム作り。
ディノ・サルーシ(1935-):
 「サロン・デ・タンゴ」(Kultrum)
  〜バンドネオンと弦楽四重奏のための音楽

 南の十字架/サロン・ド・タンゴ/
 ムラートのミロンガ(混血たちのミロンガ)/
 ・・・そして彼らは・
   黄色い月の下で・過去のことを話し合う/
 ミゼレーレ/急いで/
 ・・・そして追放の地へと向かってゆく/
 最後のレチタティーヴォ
ディノ・サルーシ(バンドネオン)
ロザムンデSQ
[アンドレアス・ライナー、
 サイモン・フォードハム(Vn)
 ヘルムート・ニコライ(Va)
 アニア・レヒナー(Vc)]
 録音:1998年3月、プロプステイ。
 世界的バンドネオン奏者、ディノ・サルーシがロザムンデ・クヮルテットと組んだクラシック・アルバム。ミュンヘンでの一連のコンサートの大成功がきっかけとなって録音された物。
ハイナー・ゲッベルス(1952-):
 アイスラーマテリアル
ヨゼフ・ビールビヒラー(声)
アンサンブル・モデルン
 ドイツの作曲家ゲッベルスのミュージックシアター作品。
ヤナーチェク:
 ピアノ・ソナタ「1905年10月1日」/
 霧の中で/草蔭の小道を通って
アンドラーシュ・シフ(P)
ヘイノ・エレル(1887-1970):
 Luurline 組曲/Neenia/
 5つの小品/Sumfoniett/エレジー
トヌ・カリュステ指揮
タリンco.
 エレルはエストニアの国民的作曲家で、門下からトゥービンらを輩出した。
トマス・ラルヒャー(1963-):作品集
 Naunz / Vier Seiten / Noodvihik /
 Klavierstuck 1986 /
 Kraken / Antennen-Requiem fur H
エーリヒ・ヘバルト(Vn)
トマス・デメンガ(Vc)
トマス・ラルヒャー(P)
 ヴォルフガンク・リーム以降最も活躍の目覚しいドイツの作曲家ラルヒャーの室内楽作品集。名手デメンガをはじめとするアンサンブル。
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月の影のように [Come un'ombra di luna]
 ハイム・アレクサンデル(1915-2012):私の青いピアノ(1995)
 コンラート・べーマー(1941-2014):要因から見放された世界(1996)
 ファブリツィオ・カスティ(1960-):月の影のように(1997)
 ヴォルフガング・リーム(1952-): Séraphin – Stimmen (1996)
  アンサンブル・ベルカント[2S/2Ms/2A]
 録音:2000年1月、フェステブルク教会 [Festeburgkirchen] 、フランクフルト・アム・マイン、ドイツ| (C) (P) 2001 。
ハイドン
 十字架上の最後の7つの言葉(弦楽四重奏版)
ロザムンデSQ
SOIOR, DIT ELLE 〜14世紀ポリフォニーによるミサ
 中世トリオ [Trio Mediaeval]
  [アンナ・マリア・フリマン、リン・アンドレア・フグルセス、トルン・エストレム・オスム(Vo)]
 女性ヴォーカル・トリオによる中世のポリフォニー音楽。ほとんどが作者不詳の作品だが、1曲だけ、アイヴァン・ムーディー(1964-)作曲の「Words of the Angel」が収録されていて、これもとても良い曲。
ベリオ:
 Voci (Folk Song II) (1984)/ Naturale(1985)
キム・カシュカシアン(Va)
ロビン・シュールコフスキー
 (Perc)
デニス・ラッセル・デイヴィス
 指揮ウィーン放送so.
 数々のレコード賞を受賞しているカシュカシアンのヴィオラ、ベリオの長年の友人でもあるD.R.デイヴィスの指揮によるベリオ作品集。第二次大戦後の前衛作曲界を代表する一人であるベリオは、言葉や声に関する多くの新しい手法を開拓した作品を数多く作曲しているが、今回の「フォークソングII」のサブタイトルを持つ「Voci」(1984)はヴィオラ協奏曲のスタイル、また「Naturale」はヴィオラ、パーカッションとテープに収められた「声」による室内楽的な作品で、いずれもシチリア民謡に素材を求めている作品である。
使者〜ピアノのためのエレジー集
 C.P.E.バッハ:幻想曲 嬰へ短調
 ケージ:ある風景の中で/マンスリアン:ノスタルジア
 リスト:別れ/グリンカ:夜想曲「別れ」
 ショパン:前奏曲 嬰ハ短調 Op.45
 シルヴェストロフ:エレジー/ドビュッシー:エレジー
 バルトーク:4つの哀歌〜第1番
 シルヴェストロフ:使者
アレクセイ・
 リュビーモフ(P)
 録音:2000年12月、チューリヒ。
 ロシアの鬼才ピアニスト、リュビーモフがECMに本格デビュー。アルバム・タイトルにもなっているヴァレンティン・シルヴェストロフの作品をはじめ、古今東西の「別れ」や「哀しみ」をモチーフにした美しいピアノ曲を集めたアルバム。リュビーモフといえばこむずかしい現代物というイメージがあるが、ここでは非常に聴きやすい曲ばかりが選ばれている。
アレクサンダー・クナイフェル(1943-):
 澄んだ透明な空気の中で(*)/
 おお、喜ばしい光よ(+)
オレグ・マロフ(P;*)
ケラーSQ(*)
タチアナ・
 メレンティエワ(S;+)
 クナイフェルはウズベキスタン出身の作曲家。瞑想的な作風が顕著な作品で、カンチェーリやジョン・タヴナーのファンにおすすめ。
シュニトケ:ピアノ五重奏曲(*)
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第15番 Op.144
アレクセイ・
 リュビモフ(P;*)
ケラーSQ
 ECMとアーティスト契約を結んだリュビモフとケラーSQの共演。シリアスな感情と独特の静謐さを湛えた両曲を、類い稀なる深い洞察で表現尽くした演奏・録音で、聴くものに圧倒的な感銘を与えてくれる。
ギヤ・カンチェーリ(1935-):
 ピアノ四重奏曲「一貫したテンポで」(1998)(*)
 タイム…アンド・アゲイン(1997)(+)
 V+V(1995)(#)
ギドン・クレーメル(Vn;+/#)
オレグ・マイセンベルク(P;+)
クレメラータ・バルティカ(#)
ブリッジ・アンサンブル(*)
 カンチェーリの1990年代後半の作品を収録したアルバム。ピアノ四重奏曲はブリッジ・アンサンブルによってシアトルで初演された作品。地球や人類の存続への祈りや願いが込められた作品で、副題のとおり、一貫した落ち着いたテンポで演奏される。ヴァイオリンとピアノのための「タイム…アンド・アゲイン」は、クレーメルのために作曲された。「V+V」は独奏ヴァイオリンと人声を素材にしたテープ、及び弦楽合奏のために書かれている。
ハイレン〜コミタスとマンスーリアンの音楽 キム・カシュカシアン(Va)
ロビン・
 シュルコフスキー(Perc)
ティグラン・
 マンスーリアン(P、声)
 アルメニアの最も重要な作曲家・思想家・民俗学者であるコミタス(1869-1935)の作品素材に基づくマンスーリアンの作品を、同じアルメニア出身のカシュカシアンが演奏したもの。哀愁を帯びた民族的旋律とヴィオラの音色の融合で、人類共通の記憶を呼び覚ますかのような不思議な音空間を確立している。いつもながら、静のなかに多くのメッセージを含んだアートワークもひときわ印象的。
ジェルジ・クルターグ:
 サイン、ゲームとメッセージ/
 ヘルダーリン歌曲集Op.35/
 ベケットの詩「一歩一歩・・・どこにもない」
クルト・ヴィドマー(Br)
オルランド・トリオ
ミルチェア・
 アルデレアヌ(Perc)
ギデオン・リューエンソーン(1954-):
 ピアノ五重奏曲(*)/
 ピアノのためのポストリュード(2ヴァージョン)(+)/
 オドラデク四重奏曲(#)
アレクサンダー・
 ロンクヴィヒ(P;*/+)
アウリンSQ(*/#)
オラ・ロテム・
 ネルケン(P;+)
 イスラエル出身の作曲家・指揮者、リューエンソーンのECMデビュー・アルバム。「クルターグ、カンチェーリ、ルトスワフスキ、ショスタコーヴィチ、バルトーク、マーラー、ロックバーグ、ヒリアード・アンサンブル、スコット・ジョプリンに共感を持つ」と語っているように、容易にカテゴライズしにくい表出力の強い作風。
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(2CD)
トーマス・デメンガ〜バッハ&現代曲 Vol.5
 細川俊夫:
  時の深みへ(*)/
  ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲(+)/
  ウィンター・バード(#)
 J.S.バッハ:
  無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調 BWV.1011(**)/
  無伴奏チェロ組曲第6番 ホ長調 BWV.1012(**)
 尹 伊桑:ガーサ(++)/空間1(##)/印象(***)
トーマス・デメンガ
(Vc;*/+/**/++/***)
テオドロ・アンゼロッティ
(アコーディオン;*)
漆原朝子(Vn;+)
オーレル・ニコレ(Fl:***)
ハインツ・ホリガー(Ob;***)
トマス・ラルヒャー(P;++/##)
ハンスハインツ・
 シュネーベルガー
(Vn;++/***)
 1986年に録音された第4番以来、実に16年の年月をかけて遂にデメンガのバッハ:無伴奏チェロ組曲の全曲録音が完成。このシリーズはバッハと現代作曲家の作品とのカップリングが特徴だが、最終作の当盤は日本の細川俊夫と、その師でもある韓国のユン・イサンの作品が組み合わされている。
Morimur
 バッハ:無伴奏ヴァイオリンのための
      パルティータ第2番 BWV.1004/他
ヒリアード・アンサンブル
クリストフ・ポッペン(Vn)
 バッハの名曲、無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータを、ヒリヤード・アンサンブルによるコラールを挿入しながら演奏した、新解釈の演奏。かつてジャズ・サックスのヤン・ガレバルクと『オフィチウム』という名盤を残したヒリヤード・アンサンブルがまた素敵なアルバムを作ってくれた。あのシャコンヌも新たなアナリーゼによる解釈。ピリオド楽器使用。80ページの豪華解説書付き。
グバイドゥーリナ:
 7つの言葉/10の前奏曲/デ・プロフンディス
エルスベス・
 モーザー(バヤン)
ボリス・
 ペルガメンシコフ(Vc)
クリストフ・ポッペン指揮
ミュンヘンco.
 「モリムール」の大ヒットで知名度が高まったポッペン率いるミュンヘン室内管によるグバイドゥーリナの作品集。彼女と親交の厚い演奏家を揃え、作品に加筆も行う意欲作。
シルヴェストロフ〜Ieggiero,pesante
 ヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937-):
  チェロとピアノのためのソナタ/
  弦楽四重奏曲第1番/
  ポストリュード第1番〜第3番/
  詩篇2001
ロザムンデSQ
マーチャ・ドイブナー(S)
ジルケ・
 アーヴェンハウス(P)
ヴァレンティン・
 シルヴェストロフ(P)
 クレーメルも積極的に取り上げているウクライナ出身の作曲家、シルヴェストロフの作品集。
ドビュッシー&モーツァルト:歌曲集
 ドビュッシー:
  美しき夕べ/月の光/ピエロ/出現/パントマイム/
  華やかな宴 第1集(3曲)/忘れられた小歌(6曲)
 モーツァルト:
  寂しい森の中で K.308/鳥よ、年ごとに K.307/
  いましめ K.433/魔法使い K.472/すみれ K.476/
  春への憧れ K.596/
  ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時 K.520/
  ラウラに寄せる夕べの想い K.523
ユリアーネ・バンゼ(S)
アンドラーシュ・シフ(P)
 20世紀の作品などにすぐれた解釈と実力を示すソプラノ歌手バンゼ。透明感のある声とシャープなフレージングが魅力。名ピアニスト、シフの伴奏ぶりとともに、ECMの録音ポリシーとのコラボレーションにもご注目を。映画の1シーンさながらのジャケも非常に印象的。輸入元編成担当者の愛聴盤とか。
リチェルカーレ
 バッハ:
  6声のリチェルカーレ(ヴェーベルン編曲)
  カンタータ第4番
   「キリストは死の絆につかせたまえり」BWV.4(*)
 ヴェーベルン:
  弦楽四重奏曲(1905;ポッペン編曲)
  弦楽のための5つの楽章 Op.5
ヒリアード・アンサンブル(*)
クリストフ・ポッペン指揮
ミュンヘンco.
 世界的大ヒット作「モリムール」の続編登場。ヨーロッパのチャートなどを見るといまだにベスト10内にランクされていたりする「モリムール」(461 895-2)。この大ヒット作の最強コンビ、ポッペンとヒリアード・アンサンブルのコンビによる最新アルバム。バッハのカンタータ(ヴォーカル・アンサンブルとしての録音は世界初)をメインに、ヴェーベルンの初期の弦楽四重奏曲をポッペンが室内オーケストラ用に編曲したヴァージョンの世界初録音などを散りばめた構成。「モリムール」録音時からあたためられていた企画で、それぞれの楽曲に深いメッセージが込められており、前回同様神秘性を併せ持つ非常に深遠なアルバムに仕上がっている。
ラッヘンマン(1935-):
  運動(硬直する前の)(1983/1984)/
  ・・2つの予感・・(1992)/
  シュヴァンクンゲン・アム・ラント(1974/75)
ペーター・
 エートヴェシュ指揮
アンサンブル・モデルン
アンサンブル・モデルンo.
 常に革新的な音響創造を追究する現代ドイツの代表的な作曲家、ラッヘンマン作品集。1970年代、80年代、90年代の作品をそれぞれ1曲ずつ収め、ラッヘンマンの変わることのない前衛精神の変遷を明らかにする。
462 542-2
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(2CD)
J.D.ゼレンカ:6つのトリオ・ソナタ ハインツ・ホリガー(Ob)
トマス・
 ツェートマイヤー(Vn)
トゥーネマン(Fg)他
 バッハと同時期に活躍したボヘミア生まれの大家ゼレンカ。国際的な感覚に優れていたが、ときおり見せる民族的な情感がやはり魅力。そんな彼の対位法を駆使した代表的大作。 演奏メンバーの豪華さが目を引く。
モーツァルト:
 ピアノ協奏曲集

  [第9番「ジュノム」/第17番/第20番]/
 アダージョとフーガ
キース・ジャレット(P)
デニス・ラッセル・
 デイヴィス指揮
研ぎ澄まされた繊細さが魅力のキース・ジャレットのモーツァルト、久々に登場。
ハンス・オッテ:音の本〔1−12〕 ヘルベルト・ヘンク(P)
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
ヴァレリー・アファナシエフ〜シューベルト
 ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D.960
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
ヴァレリー・アファナシエフ(P)
 録音:1985年7月、ロッケンハウス音楽祭、オーストリア、ライヴ|旧品番: ECM-1328 [829 539-2] (エディション・ロッケンハウス Vol.3 )〔廃盤〕| (P) 1986 (C) 1998 。
ギヤ・カンチェーリ:
 SIMI〜Joyless Thoughts
  (チェロと管弦楽のための)(*)/
 Magnum Igotum(フルート、2つのオーボエ、
  2つのクラリネット、2つのファゴット、
   2つのホルン、コントラバスと
    テープのための)
ムスティスラフ・
 ロストロポーヴィチ(Vc;*)
ジャンスグ・カヒッゼ指揮
フラーンデレン王立po.
 録音:1997年12月。「SIMI」はカンチェーリの祖国グルジアの言葉で「弦」を意味する。ロストロポーヴィチのために書かれ、1996年に本人によって初演された。2曲ともグルジア民謡の要素を効果的に用いた作品。
シューベルト:
 さすらい人幻想曲 ハ長調D.760/
 ヴァイオリンとピアノのための幻想曲 ハ長調D.934
アンドラーシュ・シフ(P)
塩川悠子(Vn)
モーツァルト:
 2台のピアノのためのフーガ/
 2台のピアノのためのソナタ
レーガー:ベートーヴェンの主題による変奏曲とフーガ
ブゾーニ:対位法的幻想曲
アンドラーシュ・シフ(P)
ピーター・ゼルキン(P)
 シフとピーターの豪華顔合わせによるデュオ曲集。ピアノ史上屈指の難曲レーガーとブゾーニに挑む。
シュメルツァー:独奏ヴァイオリンのためのソナタ
ベルタリ:独奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ
ジョン・ホロウェイ(バロックVn)
ラース・
 ウルリク・モーテンセン(Cemb)
アロイジア・A.ホロウェイ(Org)
 従来イタリア人しかなれなかったウィーンの宮廷楽長の地位に、ドイツ人として初めて就いたシュメルツァー。オーストリアのバロック音楽で果たした役割は大きい。
MNEMOSYNE ヤン・ガルバレク(Sax)
ヒリアード・アンサンブル
 大ヒット作「オフィチウム」に続く、サックス奏者ガルバレクとヒリアード・アンサンブルによる神秘の世界。
エルッキ=スヴェン・トゥール
 交響曲第3番/チェロ協奏曲/灯台
デイヴィッド・ゲリンガス(Vc)
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮
ウィーン放送so.
465 135-2
廃盤
ベント・ゼーレンセン:
 鳥と鐘/貴婦人とひばり/荒れた教会の庭/
 葬儀の進行/ヴィネタの鐘/シャロットの婦人
クリスティアン・エッゲレ指揮
オスロ・シンフォニエッタ
シェーンベルク:
 ピアノ曲Op.11/6つのピアノ小品Op.19
シューベルト:
 3つのピアノ小品D.946/アレグレットD.915
トーマス・ラルシャー(P)
465 137-2
廃盤
Messe Noire
 ストラヴィンスキー:セレナード イ調
 ショスタコーヴィチ:ピアノ・ソナタ第2番 Op.61
 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番 Op.7
 スクリャービン:ピアノ・ソナタ第9番 Op.68
アレクセイ・リュビーモフ(P)
ギヤ・カンチェリ:
 ラメント/
 ヴァイオリン、女声とオーケストラのための
  「ノーノの思い出の悲曲」
ギドン・クレーメル(Vn)
ジャンスク・カヒッゼ指揮
トビリンso.
ペーター・ルジツカ:
 弦楽四重奏曲集
[第1番−第4番]
アルディッティSQ
ディートリッヒ・
 フィッシャー=ディースカウ(語り)
ジョン・ケージ:
 セヴンティ・フォー ヴァージョン1、2/
 四季/プリペアド・ピアノのための協奏曲/
 トイ・ピアノのための組曲
  (オリジナル&ハリソン編曲管弦楽版)
マーガレット・レン・タン(P)
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮
アメリカン・コンポーザーズo.
 ECM初となるケージ。トイ・ピアノ奏者の第一人者として知られるマーガレット・レン・タン(メルヴィンの姉)などの参加による親しみやすい作品。「セヴンティ・フォー ヴァージョン1、2」はアメリカン・コンポーザーズ・オーケストラのため死の直前に書かれたもので、今回が世界初録音となる。
ECM-170610
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[ECM-1706/10 |
465 151-2]
(5CD)
7枚価格
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
ジャン=リュック・ゴダール(1931-)監督:
  映画シリーズ「ゴダールの映画史」サウンド・トラック
   〔すべての歴史(1988-98) /ただ一つの歴史(1988-98) /映画だけが(1994-98) /命がけの美(1994-98) /
    絶対の貨幣(1995-98) /新たな波(1995-98) /宇宙のコントロール(1997-98) /徴は至る所に(1988-98) 〕
 音楽:アニタ・オデイ、ヴェーベルン、オネゲル、ペルト、ハーマン、バルトーク、サン=サーンス、
    ジェスアルド、デイヴィッド・ダーリング、ディノ・サルーシ、ショスタコーヴィチ、リスト、シューベルト、
    ビゼー、プッチーニ、カンチェリ、マーラー、ホリガー、ストラヴィンスキー、J.S.バッハ、
    ジョン・コルトレーン、キース・ジャレット、ケティル・ビヨルンスタ、レナード・コーエン、
    ベートーヴェン、メレディス・モンク、パコ・イバニェス、ヒンデミット、シューマン、 Roberto Cocciante

#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
  (C) (P) 1999 |各巻縦長ブック型(DVD)装丁&紙製 BOX 入り。#重量のある装丁のため代理店卸価格も含め、通常商品より高額になっています。
ヴェイヨ・トルミス(1930-):
 雷光への祈り/古代の海の歌/他
トヌ・カリュステ指揮
エストニア・フィル室内cho.
 エストニアの作曲家トルミスの合唱作品集。バルト海沿岸地域の民謡に基づく霊感あふれる作品。
ダウランド:歌曲集
 暗闇にいさせて/消えろ水晶の涙/もう嘆かない
ジョン・ポッター(T)
ステファン・スタッブス(リュート)
マヤ・ホンブルガー(Vn)他
465 287-2
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(2CD)
ハインツ・ホリガー:歌劇「雪娘」 ユリアーネ・バンゼ(S;雪娘)
コルネリア・カリッシュ(Ms;王女)
スティーヴ・ダヴィスリム(T;王子)
オリヴァー・ヴィドマー(狩人)
ヴェルナー・グレッシェル(王)
ハインツ・ホリガー指揮
チューリヒ歌劇場o.
 作曲家として ECM にも多くの録音があるホリガーのオペラ。
ひとつの影へのエレジー
 タルティーニ:ソナタ第7番イ短調
 ルイジ・ダラピッコラ:2つの練習曲
 ゴフレード・ペトラッシ(1904-2003):
  ひとつの影へのエレジー
 ルチアーノ・ベリオ:2つの小品
 エリオット・カーター:
  ゴフレード・ペトラッシへの感謝
 ジョージ・ロックバーグ(1918-):
  奇想的変奏曲
 作曲者不詳:トリスタンの嘆き
ミシェル・マカルスキ(Vn)
トマス・ラルヒャー(P)
 録音:1999年5月。イタリア系アメリカ人女性ヴァイオリニスト、マカルスキによる風変わりな構成のアルバム。
ハイナー・ゲーベルス:
 サンプラーとオーケストラのための組曲/
 3つの歌/D&C/サロゲイト/
 イン・ザ・カントリー・オヴ・ラスト・シング
ペーター・ルンデル指揮
ユンゲ・ドイチェpo.
 フランクフルトの作曲家ゲーベルスの作品。ユンゲ・ドイチェ・フィル創立20周年&フランクフルト市政1200年記念で企画されたCD。「3つの歌」では映画「ライオン・キング」でも歌っていたソウル・シンガーのJ.B.スミス、「サロゲイト」ではフリー・ジャズのデヴィッド・モスが参加、さらにザッパとの共演でも知られる前衛音楽家アスキンがオーケストレーションに加わったり、ロック、ソウル、ジャズ、前衛といったさまざまな要素をミックスしたハイブリッドなモダン・ミュージック・アルバム。
A.クナイフェル(1943-):永遠の光
T.デメンガ(1954-):Duo? O,Du...
J.バリエール(1705-1747):
 ソナタ第10番 ト長調
R.モーザー(1943-):方向転換
B.ガイ(1947-):レッドシフト
パトリック・デメンガ(Vc)
トマス・デメンガ(Vc)
 ECMにハイブリッドなアルバムを録音し続けているデメンガによる作。
ヴィオラと管弦弦楽のための作品集
 バルトーク:ヴィオラ協奏曲
 エトヴェシュ:レプリカ
 クルターグ:ムーヴメント
キム・カシュカシアン(Va)
ペーター・エトヴェシュ指揮
オランダ放送co.
 カシュカシアンの新盤。20世紀ハンガリーの作曲家による作品を集めており、バルトーク晩年の未完の名作、現代ハンガリーを代表するクルターグの初期作品、 そして近年オペラ「三人姉妹」等で知名度が高まりつつあるエトヴェシュの新作を収録している。ちなみに最後のエトヴェシュの作品はスカラ座o.の委嘱作で、カシュカシアン自身が初演している。
パウル・ギーゲル〜Ignis
 Organum(弦楽三重奏)/
 Karma Shadub(合唱とヴァイオリン)/
 Tropus(合唱と弦楽三重奏)/
 Alleluja(弦楽三重奏)/
 O Ignis(合唱と弦楽三重奏)
パウル・ギーゲル(Vn)
マリウス・ウングローヌ(Va)
ピート・シュナイダー(Vc)
トヌ・カユステ指揮
エストニア・フィル室内cho.
 奇才(変人?)ギーゲル、今回は1000年前の音楽を独自に再現したもの。オルガヌムはヒルデガルド・フォン・ビンゲンの讃歌に基づき、 他の曲もノートルダム寺院等が所蔵している作者不祥の単旋律をモチーフにしている。非常にはまりやすそうな音楽だ。
ハルトマン:弦楽四重奏曲第1番
バルトーク:弦楽四重奏曲第4番
ツェートマイヤーSQ
[トマス・ツェートマイヤー、
 ウルフ・シュナイダー(Vn)
 ルース・キリウス(Va)
 フランソワーズ・
  グローベン(Vc)]
 ツェートマイヤーが1997年にソリストたちを集めて結成したクァルテットのデビュー・アルバム。
シェーンベルク:浄夜
ヴォレシュ:4つのトランシルヴァニア舞曲
バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント
トーマス・
 ツェートマイヤー(Vn)指揮
カメラータ・ベルン
カール・アマデウス・ハルトマン(1905-1963):
 葬送協奏曲「反ファシズム」
 交響曲第4番
 室内協奏曲
イザベル・ファウスト(Vn)
ポール・メイエ(Cl)
ペテルセンSQ
クリストフ・ポッペン指揮
ミュンヘンco.
 第二次対戦前後に書かれた作品。
T.S.エリオット作:「荒地」
ジョルジョス・セフェリス作:「つぐみ」/他
 (音楽:ジョルジ・クルターグ、
     ギヤ・カンチェーリ、
     ニコス・クシダキス)
ブルーノ・ガンツ(朗読)
ジョージ・アンタイル(1900-1959):
 飛行機ソナタ/ジャズ・ソナタ
コンロン・ナンカロウ(1912-1997):
 3つの2声の練習曲/前奏曲/ブルース
ヘルベルト・ヘンク(P)
 アメリカの無機質系二大作曲家のピアノ作品集。
バルトーク:2台ヴァイオリンのための44の二重奏曲
リゲティ:バラードと舞曲
クルターグ:リガトゥーラ
アンドラーシュ・ケラー、
ヤーノシュ・ピルツ(Vn)
 ハンガリーの誇るケラーSQの2人のヴァイオリニストによる、オール・ハンガリー・プログラム。
アルヴォ・ペルト:
 巡礼者の歌/
 東洋と西洋(2000)/
 涸れた谷に鹿が水を求めるように(1999)
トヌ・カユステ指揮
スウェーデン放送so.&cho.
 「グラモフォン」誌で Editor's Choice に選ばれた、ペルトの新作を収録したアルバム。「巡礼者の歌」は1984年に書かれた独唱と弦楽四重奏のための作品を男声合唱と弦楽オーケストラのために編曲したもの(2001年4月初演)。弦楽合奏のための「東洋と西洋」は2002年8月27日に秋山和慶指揮の東響によって日本初演が行われた。「涸れた谷に・・・」は詩篇第42番と第43番に基づくスペイン語の歌詞による女声合唱とオーケストラのための作品。
ヴァレンティン・シルヴェストロフ:
 ポストリューディウム
  (ピアノと管弦楽のための交響詩)
 メタムジーク(ピアノと管弦楽のための交響曲)
アレクセイ・リュビモフ(P)
デニス・
 ラッセル・デイヴィス指揮
ウィーン放送so.
 リヴァイヴァルが進むウクライナの作曲家シルヴェストロフのピアノとオーケストラのための2作品を、二人の異才の演奏で収録した注目盤。
ギヤ・カンチェリ:
 ディプリピート(1997)/ヴァルス・ボストン(1996)
トマス・デメンガ(Vc)
デレク・リー・レイギン(CT)
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮
シュトゥットガルト室内o.
 グルジア共和国の功労芸術活動家の称号を受け、同国で最も急進的活動をしているカンチェリの最新盤。民謡を基調とした民俗音楽の構造は、今回の新作でも健在。
アレクサンドル・クナイフェル(1943-):
 詩篇50(51)番(1995)
 太陽を身にまとって(1995)
タチヤナ・メレンティエワ(S)
ムスティスラフ・
 ロストロポーヴィチ(Vc)
アルカディ・シテインルフト指揮
国立エルミタージュo.
グリンカ・コラール・
 カレッジ少年合唱団員
 クナイフェルはタシケント(現ウズベキスタン)に生まれ、ロストロポーヴィチのチェロを学んだ後、作曲家に転向した。
ビーバー:
 ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集

  ソナタ集(1681)〜4曲/
  2つのソナタ(未出版)
ジョン・ホロウェイ(Vn)
アロイジア・
 アッセンバウム(Org)
ラース・ウルリク・
 モーテンセン(Cemb)
 ホロウェイはタヴァナー・プレイヤーズやロンドン・クラシカル・プレイヤーズのソロ奏者として活躍していたイギリスのバロック・ヴァイオリンの名手。
472 112-2
廃盤
ヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937-):
 ラリッサのためのレクイエム(1997-99)
ヴォロディミール・シレーンコ指揮
ウクライナ国立so.
イェーン・サフチューク指揮
コア・カペレ・ドゥムカ(cho.)
472 119-2
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(2CD)
In Concert〜ロベルト・シューマン作品集
 フモレスケ/ノヴェレッテ/ピアノ・ソナタ第3番/
 4つの夜曲 第4番(アンコール)
アンドラーシュ・シフ(P)
 1999年5月30日、トーンハレ、チューリッヒ。ライヴ。
 ノヴェレッテはシフの初録音。リサイタル自体も各誌で大絶賛された。前作となるヤナーチェクの作品集(461 660-2)も好評で、レコ芸リーダーズ・チョイスにも選ばれている。
エレニ・カラインドルー:トロヤの女 ヴェロニカ・
 イリオプーロー(S)
ソクラティス・
 シノプーロス
(Constantinople lyra lute)
クリストス・ツィアモーリス
(Ney.Oud)
パナイオティス・
 ディミトラコプーロス
(Canonaki)
アンドレアス・
 カツィイアニス(Santouri)
マリア・ビルデア(Hp)
アンドレアス・パパス
(Perc)
アントニス・
 コントゲオルギオウ
合唱指揮
 テオ・アンゲロプロス監督映画作品の音楽担当として知られるギリシアの女流作曲家カラインドルー。本作はアンティパス演出によるエウリピデス「トロヤの女」の舞台音楽で、紀元前415年初演のこの悲劇を彩るにふさわしく、伝統美のなかに斬新さを併せ持つ印象深い作品。なお、使用楽器は多くがギリシャの民族楽器と思われる。
シューマン:
 弦楽四重奏曲第1番 イ短調Op.41-1/
 弦楽四重奏曲第3番 イ長調Op.41-3
ツェートマイアーSQ
 名ヴァイオリニストのトマス・ツェートマイアーが1997年に結成したツェートマイアーSQが、本格的にECMに録音を開始。高い評価を獲得したバルトークとハルトマンに続いて、シューマンの陰翳の濃いロマンに挑んでいる。
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 アンドラーシュ・シフ(P)
 録音:2001年、秋、バーゼル。ライヴ。
 「ライヴ録音はよりリアルで、よりヒューマンだ」と語るシフ。ゴルトベルク20年ぶりの録音は、2001年秋のコンサート・ツアーに同行する形で行われ、そしていくつかの会場で録られた中から選ばれたのは、スイス・バーゼルでのテイク。特にホールの響きと楽器の状態が最良であると感じたという。かつてDECCAから発売された録音も絶賛をもって迎えられたが、本人曰く「明らかに20年前を超える仕上がりになった」という。
ストラヴィンスキー:
 ジェズアルド・ディ・ヴェノーサ400年祭のための記念碑
 協奏的舞曲/弦楽のための協奏曲 ニ長調「バーゼル協奏曲」
 バレエ「ミューズをつかさどるアポロ」
デニス・
 ラッセル・デイヴィス指揮
シュトゥットガルトco.
 2005年、ECM New Series はストラヴィンスキーをひとつの特別なテーマとしてとりあげ、数タイトルのリリースを予定している。多種多様な音楽をとりあげているECMの、現代音楽界におけるストラヴィンスキーの重要性への強い再認識がその理由とか。本作がECMへの18作目となるラッセル・デイヴィスは、このオーケストラと15年もの良好な関係を築いており、1995年からは首席指揮者も務めている。なお今後のストラヴィンスキー関連のリリースには、カヴァコスやリュビーモフなども登場する予定。
ルッキング・オン・ダークネス
 ベント・ソアンセン:ルッキング・オン・ダークネス
 リンドボリ(?):ボンバスティク・ソノソフィスムス
 マヤ・ソルヴェイグ・キエルストールプ・
  ラトキエ:GAGAKU ヴァリエイションズ
 マグヌス・リンドベリ:ジュー・ダンシュ
 シャートウン:ラメント
フローデ・ハルトリ
(アコーディオン)
ヴェルターヴォSQ
 ノルウェー生れのアコーディオン奏者、ハルトリのソロ・デビュー・アルバム。デンマークの作曲家ソアンセンのタイトル曲やマグヌス・リンドベリ、ノルウェー出身の女流作曲家&パフォーマー、ラトキエの作品など、北欧の若い世代の作品を収録。
エリオット・カーター:
 歌劇「ホワット・ネクスト?」(*)
 ASKOコンチェルト(2000)(+)
ヴァルダイン・アンダーソン、
サラ・レナード(S)
ヒラリー・サマーズ(A)
エマニュエル・
 フーゲフェーン(ボーイA)
ウィリアム・ジョイナー(T)
ディーン・エルジンガ(Br)
ペーター・エートヴェシュ
オランダ放送co.
 録音:2000年9月、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ライヴ(*)/2001年9月、ヒルフェルスム(+)。
 2003年に95歳を迎えるアメリカ現代音楽の大家カーターが90歳にして初めて手掛けた本格的オペラの世界初録音。音楽評論家としても著名なポール・グリフィスの台本による1幕40分ほどの作品で、砂漠で自動車事故に遭遇した主人公を巡る不条理劇。92歳のときに作曲された(+)も世界初録音。
静かなる訴え
 メシアン:8つの前奏曲
 ラヴェル:夜のガスパール
 フォーレ:即興曲;
  第3番 変イ長調 Op.34/第1番 変ホ長調 Op.25/
  第4番 変ニ長調 Op.91/第2番 ヘ短調 Op.31/
  第5番 嬰へ短調 Op.102
アレクサンダー・ロンクヴィヒ(P)
 録音:2002年9月、チューリヒ。
 1960年にドイツのトリアー(トリーア)で生れた実力派ピアニスト、ロンクヴィヒのECMソロ・デビュー盤。アルバム・タイトルはメシアンの前奏曲集の第7曲から取られている。ロンクヴィヒは1980年代の末頃から頭角を表し、1990年代の中頃までEMI(ドイツ・エレクトローラ、イタリア)へモーツァルト、シューベルト、シューマンなどを録音していたが、今回は久々のソロ・アルバムでその優れた音楽性を披露してくれる。
472 401-2
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(2CD)
ベートーヴェン:ピアノとチェロのための作品全集
 ソナタ;
  第1番 ヘ長調 Op.5 No.1/第2番 ト短調 Op.5 No.2/
  第3番 イ長調 Op.69/第4番 ハ長調 Op.102 No.1/
  第5番 ニ長調 Op.102 No.2/
  ヘ長調 Op.17(原曲:ホルン・ソナタ)/
 「ユダス・マカベウス」の主題による
   変奏曲 ト長調 WoO.45/
 「魔笛」の主題による12の変奏曲 ヘ長調 Op.66/
 「魔笛」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO.46
ミクローシュ・ペレーニ(Vc)
アンドラーシュ・シフ(P)
 録音:2001年12月、2002年8月、ノイマルクト。
 ペレーニは1948年生まれのチェロ奏者。わずか15歳の時にブダペストで開催されたパブロ・カザルス国際コンクールに入賞して、当時80歳だった巨匠カザルスの目にとまり、国際的な音楽家としてのキャリアをスタートさせた。ベートーヴェンの「全集」は1979年にフンガロトン・レーベル(ハンガリー)にデジュー・ラーンキとのコンビで録音して以来23年ぶりの再録音。同郷の名ピアニスト、シフとともに円熟した演奏を聴かせる。
ギョーム・ド・マショー:モテット集
 たぐいなき美よ/よき羊飼いギョーム/他
ヒリヤード・アンサンブル
 録音:2001年11月、オーストリア。
本家ヒリヤード。久しぶり、!
 「モリムール」「モノディア」等企画色の強いアルバムを次々ヒットさせてきたヒリヤード・アンサンブルが久々となる待望の王道アルバムを発売。なお、 当録音には音楽学者のニッキー・ロセフが新たにマショーの自筆稿から作成した改訂稿が用いられている。
カイヤ・サーリアホ(1952-):Nymphea[睡蓮](1987)
ケージ:4部分の弦楽四重奏曲(1950)
マデルナ:2楽章の弦楽四重奏曲(1955)
チカダSQ
 サーリアホはシベリウス・アカデミーにおいてパーヴォ・ハイニネンのもとで作曲を学んだ後、フライブルクの音楽院でブライアン・フェルネイホー、クラウス・フーバーに師事して1983年に卒業。1982年にIRCAMのコンピュータコースに参加して以来コンピュータを使用した作品を手掛けている。
 彼女の代表作、弦楽四重奏とエレクトロニクスのための「Nymphae」はリンカーンセンターからの委嘱作品で、クロード・モネの名画「睡蓮」の衝動的で力強い筆遣いを彷彿とさせる激しさをもった音作りがなされており、特にチェロの音の扱いにこだわった作風を示している。ジョン・ケージの弦楽四重奏曲は、各々の楽章が一つの季節を表し、その演奏に際してノン・ヴィブラート且つ弓の圧力を最小限に抑えて演奏するように指示された作品。マデルナの「2楽章の弦楽四重奏曲」は、彼の仲間だったルチアーノ・ベリオが1955年に電子音楽のためのスタジオをミラノに創設した際ベリオに捧げた作品。アルディッティSQによる先鋭なアプローチが新鮮な録音が既にあるが、チカダ弦楽四重奏団の精巧を極めたアンサンブルが期待以上のパフォーマンスを繰り広げてくれるに違いない。
トルコ軍の侵攻
 ビーバー:
  ヴァイオリン・ソナタ イ短調「キリスト教徒の勝利」/
  ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調/
  ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調(ドリア調)/
  ヴァイオリン・ソナタ第5番 ホ短調/
  ヴァイオリン・ソナタ第8番 イ長調
 ムッファト:ヴァイオリン・ソナタ ニ長調
ジョン・ホロウェイ(Vn)
アロイシア・アセンバウム(Org)
ラース・ウルリク・
 モーテンセン(Cemb)
 録音:2002年7月、聖ゲロルト修道院、オーストリア。
 バロック・ヴァイオリンの名手、ホロウェイによるビーバーの没後300年を記念した作品集の第2弾! 前作「Unam Ceylum」(472 084-2)と合わせて、1681年刊のソナタ集(全8曲)が完成。また「キリスト教徒の勝利」(1683年刊)は、トルコ軍の侵攻とそれに立ち向かうキリスト教徒の勝利を音楽的に描写した作品。フィルアップには、やはり今年没後300年を迎えたドイツ・バロックの作曲家、ゲオルク・ムッファト(1653-1704)の作品が収録されている。なお、オルガン奏者でありホロウェイの夫人でもあったアロイシア・アセンバウムは、当録音の数ヶ月後に急逝しており、このディスクは彼女の追憶に捧げられている。
メレディス・モンク:慈悲 メレディス・モンク
&ヴォーカル・アンサンブル
アリスン・スニッフィン
(P/Vn/Va/
  シンセサイザー)
ジョン・ホレンベック
(P/Perc)
ボーダン・
 ハイラッシュ(C)
 メレディス・モンク久々のニュー・アルバム。著名なインスタレーション・アーティスト、アン・ハミルトンとの共同制作による舞台作品のサウンド・トラックをもとに再構築された作品。
エルッキ=スヴェン・トゥール(1959-):
 ヴァイオリンとオーケストラのための協奏曲(1998)((*)/
 アディトゥス(2000/2002改定)/エグソダス(1999)
イサベル・
 ファン・クーレン(Vn;*)
パーヴォ・ヤルヴィ指揮
バーミンガム市so.
 録音:2002年5月、バーミンガム。
 エストニアの現代作曲家、トゥールの大オーケストラのための作品集。「ヴァイオリン協奏曲」は3楽章からなる大作。「エグソダス」と「アディトゥス」はタイトルが示すとおり対となる作品で、いずれもネオ・ロマン、ミニマリズム、ポリスタイリズム等の手法や様式を応用し表出性が強い。シンシナティ交響楽団の音楽監督として頭角を現しているパーヴォ・ヤルヴィの指揮にも注目。
イザイ:
 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ Op.27(全6曲)
トーマス・ツェートマイアー(Vn)
 録音:2002年9月、オーストリア。
 オーストリア出身の名ヴァイオリニスト、ツェートマイアーによるイザイ。第3番「バラード」のみはホリガーのヴァイオリン協奏曲のフィルアップとしてすでにリリースされていたテイク。著名な音楽学者のポール・グリフィスが「ツェートマイアーは、100年前のイザイと同様に、情熱と精密さを併せ持つ演奏家として、また個人的見解と問題意識を持つ音楽家としての自己を確立した」と絶賛しているように、ツェートマイアーにとって大きなエポックメイキングとなる名演奏が刻まれたディスクであることは疑いない。
ストラヴィンスキー:協奏的二重奏曲
J.S.バッハ:
 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番 BWV1002
ストラヴィンスキー:イタリア組曲
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番 BWV1001
レオニダス・カヴァコス(Vn)
ペーテル・ナジ(P)
 「過去と未来のはざまを飛びかう電撃的火花!」バッハ作品を組み込むことで、より鮮明となったストラヴィンスキーの音的元素。2003年、ラヴェル&エネスコ(476 053-2)で鮮烈なECMデビューを果たしたカヴァコス。今回は、レーベル・プロジェクトへ参加するかたちでストラヴィンスキーをリリース。
 周知のとおり、ストラヴィンスキーのバッハへ対する崇敬は並なものではなく、死の床でさえバッハ作品のトランスクリプションに熱中していたとのエピソードすら残されている。バッハの宗教的精神的土台ではなく、職人的な形式の明晰さ激しさに傾倒していたストラヴィンスキーは、それらの形式の借用に非常にリベラルだった。
 「絶対的に新しい音楽などあり得ない」と自身の意見を表明しているカヴァコスの解釈を加え、時空をこえ人類が築きあげてきた芸術文化の大きな潮流のなかでストラヴィンスキーという作曲家を見つめなおした異色なアルバムの登場。
472 784-2
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(2CD)
Monodia
 ティグラン・マンスーリアン(1939-):
  ヴィオラ協奏曲/
  ヴァイオリン協奏曲/
  ラクリメ/信条告白
ヤン・ガルバレク(Sax)
レオニダス・カヴァコス(Vn)
キム・カシュカシアン(Va)
ヒリアード・アンサンブル
クリストフ・ポッペン指揮
ミュンヘンco.
 カシュカシアンがメインとなった、ベイルート生まれのアルメニア系作曲家マンスーリアンの作品集。1枚目は協奏曲集、2枚目はガルバレクのサックスなどが絡んだ作品集となっている。
ECM-18489
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[ECM-1848/49 /
472 787-2]
(2CD)
賛歌と哀歌
 カーター(1908-):
  オーボエ四重奏曲(2001)(*/#/**/++)/
  4つの賛歌(#)/6文字の手紙(+/#)/
  フィグメントI(++)/
  フィグメントII「アイヴズ氏の思い出」@
 ユン・イサン(1917-1995):
  ピリ(*)/オーボエ四重奏曲(1994)(*/#/**/++)
ハインツ・ホリガー
(Ob;*/E-hr;+)
トーマス・
 ツェートマイアー
(Vn;#)
ルース・キリウス
(Va;**)
トーマス・デメンガ
(Vc;++)
 カーターの作品は最近作が選ばれている。ユンのオーボエ四重奏曲は彼の生前の最後の作品となったもの。@の演奏者はインフォメーションに記載されていない。
ECM-18423
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[ECM-1842/43 /
472 828-2]
(2CD)
ロケーションズ
 ケージ:プリペアド・ピアノのための
  ソナタとインターリュード
 ヘンク:フェステブルガー・ファンタジー
ヘルベルト・ヘンク(P)
 ドイツ屈指の現代音楽のスペシャリスト、ヘルベルト・ヘンクによる待望の「ソナタとインターリュード」。2枚目のディスクには2つの部分からなるヘンク自身の作品(即興演奏)を収録。
Burkhard Reinartz - Eine Olive des Nichts
 Simone Weil blickt uber das Rhonetal / Die Formeln des Winters / Die Stimme /
 Im Nildelta / Die vier Temperamente / Der Unwissende / Schneesturm
 〔使用音楽作曲家: Eivind Aarset, Susanne Abbuehl, Jon Balke, Nik Bartsch's Ronin, Stefano Battaglia Trio,
  Wolfert Brederode Quartet, Ketil Bjornstad, David Darling, Andrey Dergatchev, Mathias Eick,
  Sidsel Endresen, Morton Feldman, Food, Michael Galasso, Paul Giger, Arve Henriksen, Benedict Jahnel Trio,
  Meredith Monk, Arvo Part, Michele Rabbia, Trygve Seim, Steve Tibbetts, Tomasz Stanko, Bobo Stenson Trio,
  Tarkovsky Quartet, Stevan Kovacs Tickmayer, Christian Wallumrod Ensemble 〕

 プロデュース:ブルクハルト・ライナルツ
 編集:2013年8月、ケルン。《Eine Olive des Nichts》 作曲家アニャ・ライス、舞台芸術家ブルノ・ヴィンツェン、プロデューサーであるブルクハルト・ライナルツが ECM から提案する新手法。アダム・ザガエフスキ、トーマス・トランストロンメル、フィリップ・ジャコテなどの現代思想家や詩人の詩の朗読。そのBGM的に流れる現代音楽やジャズそしてノイズ。器楽演奏に朗読を乗せた「語りと音楽の世界」「紡ぎ合う言葉と音」など、朗読と音楽のコラボレーションの不思議な世界。朗読はドイツ語。音楽などは30秒〜1分程度ダイジェスト的に扱われている。
476 048-2
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(2CD)
バッハ:
 平均律クラヴィーア曲集第1巻 BWV.846-869
ティル・フェルナー(P)
 ウィーン出身のピアニスト、ティルナーのECMデビュー盤。ティルナーはブレンデルやマイセンベルクに学び、1993年のクララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールに優勝。ワーナー系のレーベルにモーツァルトやベートーヴェンの協奏曲などを録音していた。
ステファン・ハルトケ:
 Tituli/
 雨にうたるるカテドラル
  [Cathedra in the Thrashing Rain]
ヒリヤード・アンサンブル
 録音:2003年2月。
 1995年にECM初登場して10年、初めてのハルトケ・オンリーのアルバムのリリース。アメリカ生まれ、マンハッタン育ちのハルトケの音楽的素地は、中世ルネッサンスのポリフォニー(かつてはこうした音楽のプレイヤーであった)であり、そこに東洋の民族音楽から現行のポップスまでの要素を散りばめたコスモポリタン的作風。特に「言葉」からインスピレーションを受けた作品が多く、「雨にうたるるカテドラル」は高村光太郎の詩から生まれたもの。
ダウランド・プロジェクト〜
 悲しみを忘れさせる眠りよ

 ロバート・ジョンソン:
  悲しみを忘れさせる眠りよ
 モンテヴェルディ、パーセル、
 ウィルビー、他の歌曲
ジョン・ポッター(T)
スティーヴン・スタブス
(キタローネ/G)
ジョン・サーマン
(S-Sax/B-Cl)
マヤ・ホンブルガー(Vn)
バリー・ガイ(Cb)
 「私は闇に住みたい」(465 234-2)でダウランドの歌曲とフリー・ジャズのコラボレーションを聴かせてくれたヒリヤード・アンサンブルのテノール、 ジョン・ポッターによる同プロジェクト第2弾。ダウランドの作品の他、アルバム・タイトルにもなってい曲を収録。「モリムール」、「リチェルカーレ」同様、ECMならではの静謐な空間が広がる。
ラヴェル:
 ヴァイオリン・ソナタ(遺作)/ツィガーヌ
エネスコ:
 ヴァイオリン・ソナタ第3番 イ短調Op.25/
 幼年時代の印象Op.28
レオニダス・
 カヴァコス(Vn)
ペーテル・ナジ(P)
 パガニーニ・コンクール優勝者であり、ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団とのシベリウスのヴァイオリン協奏曲(原典版)の録音(BIS)でも知られるギリシャ生まれのヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニスト、カヴァコスのECMデビュー録音。
夜よ、彼女らに告げよ
 オレー・ハルカヴィー:キリエ
 レオネル・パワー(1370頃-1445):グローリア
 ギャヴィン・ブライヤーズ:
  ラウダ・ノヴェラ/アヴェ・レジナ・グロリオーザ
 レオネル・パワー:クレド
 アンドルー・スミス:アヴェ・マリア/レジナ・チェリ
 ギャヴィン・ブライヤーズ:アヴェ・ドンナ・センティッシマ
 レオネル・パワー:サンクトゥス
 アイヴァン・ムーディ:カッシアーニのトロパリオン
 ギャヴィン・ブライヤーズ:ヴェニテ・ア・ラウダーレ
 アイヴァン・ムーディ:獅子の眠り
 レオネル・パワー:アニュス・デイ
 グレゴリオ聖歌:めでたし、救い主の聖母
トリオ・メディーヴァル
 録音:2003年4月、オーストリア。
 2001年に「天使の言葉」(461 782-2)でデビューし、話題を呼んだ3人の北欧出身女声歌手によるアンサンブル、トリオ・メディーヴァルの第2弾。中世からルネサンスへの移行期に活躍した英国の重要な作曲家、レオネル・パワー(ca1370-1445)のミサ「めでたし、救い主の聖母」を中心に、ブライヤーズ、ムーディら、英国の現代作曲家の宗教的作品を散りばめた構成。ヒリヤード・アンサンブルの妹分として要注目。
ドラマ「スカルダネッリ」
 音楽:シューベルト、モーツァルト、J.S.バッハ、
  ペーター・シュナイダー作曲
ワルター・シュミディンガー(朗読)
 他
 録音:1997-1998年。
 ハラルト・ベルクマンの製作・脚本・監督による映画「スカルダネッリ」をラジオ・ドラマのスタイルに再構成したもの。「スカルガネッリ」は、ドイツの詩人フリードリヒ・ヘルダーリン(1770-1843)の不遇な後半生をモチーフにした映画で、タイトルの「スカルダネッリ」とは、精神に異常をきたしたヘルダーリンが名乗っていた「もう一人の自分」のこと。ドイツの俳優シュミディンガーによるヘルダーリンの詩の朗読、ペーター・シュナイダーのオリジナル他の音楽が使用されている。
ラッヘンマン:歌劇「マッチ売りの少女」(改訂版) 森川栄子
ニコール・ティッベルス(S)
ヘルムート・ラッヘンマン(語り)
菅原幸子、辺見智子(P)
宮田まゆみ(笙)
シルヴァン・カンブルラン指揮
南西ドイツ放送so.
SWRヴォーカル・アンサンブル
 ザルツブルク音楽祭はじめ、パリ、ハンブルク、シュトゥットガルトなど各地で上演され話題を呼んだラッヘンマンの過激なオペラ「マッチ売りの少女」。はやくもツァグロセク指揮シュトゥットガルト・オペラ盤(KAIROS)に続く2組目の全曲盤となる。今回のレコーディングには2000年の3月に東京で上演(演奏会形式)された際に手が加えられた改訂版(別名「東京ヴァージョン」)が使用されている。森川栄子はドイツを中心に現代音楽の分野で活躍しているソプラノ歌手で、日本初演の際の歌唱が認められ、ザルツブルク、フランクフルト、ベルリンでも同作品の上演に参加している。ピアノの菅原幸子はラッヘンマン夫人。
ジョン・ケージ:初期ピアノ作品集
 四季(1947)/メタモルフォシス(1938)/
 オフェーリア(1946)/
 ピアノのための2つの小品(1935頃/1974改訂)/
 クエスト(1935)/ピアノのための2つの小品(1946)
ヘルベルト・ヘンク(P)
 リュビーモフと同じく現代作品への造詣が深いヘンクによる(ライナーノーツもピアニスト自身によるものが掲載されている)ケージ。ケージといえば反射的にプリペアド・ピアノが思い出される、初期作品は一般的な方法で演奏され、特別な作曲技法が使われているわけではないが、非常に強固な内面的意思や高次元の制作意欲が見てとれる。そうした作曲者の意図をけっして損なうことのないヘンクの演奏は、人間にとって居心地のいい音空間をプロデュースするかのように軟らかい、彼ならではの浮遊感を併せ持っている。
シューベルト/ヴィクター・キーシン編曲:
 弦楽四重奏曲第15番 ト長調 D.887(弦楽合奏版)
ギドン・クレーメル(Vn)指揮
クレメラータ・バルティカ
 DGへの録音からもわかるように、シューベルト音楽に特別な思い入れを示してきたクレーメル。今回はシューベルト最後の弦楽四重奏を弦楽オーケストラに編曲したヴァージョンを世界初録音、しかも、クレメラータ・バルティカを弾きぶりである。ブックレットには、編曲者キーシンとクレーメルとの対話も掲載。シューベルトの死の2年前に完成された、ドラマ性と美しいメロディを併せ持った19世紀室内楽の最高傑作のひとつがどう解釈されどう表現されているのか?ECMならではの意義深いリリースである。
ホリガー:ヴァイオリン協奏曲「ルイ・ステー賛」(*)
イザイ:
 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 Op.27 No.3
トーマス・ツェートマイアー(Vn)
ハインツ・ホリガー指揮(*)
南西ドイツ放送so.(*)
 ホリガーが自国スイスの画家、ルイ・ステー(1871-1942)を讃えて作曲したヴァイオリン協奏曲の世界初録音。ステーは建築家ル・コルビュジェの従兄弟で自らも建築や絵画を修めるとともに、イザイ門下のヴァイオリニストでもあり、スイス・ロマンド管弦楽団のヴァイオリン奏者も務めたが、30代になってから強度の心身症を罹病して情緒障害を起こし、後半生のほとんどを保護施設の中で過ごすという波乱の生涯を送った。
静止した時間(There is still time) ポール・グリフィス(朗読)
フランシス=マリー・ウィッティ(Vc)
 録音:2003年8月&2004年1月、オスロ。
 アメリカの著名な音楽評論家で小説家のポール・グリフィスの自作によるテキストの朗読と、シカゴ出身で現代作品を得意とするチェロ奏者、ウィッティのコラボレーション・アルバム。音楽はウィッティ自身がこのアルバムのために書き下ろしたもの(即興演奏を含む)が使われている。
Stella Maris(海の星)
 サングジ・ホン:ミサ・ルーメン・デ・ルミネ
 12世紀と13世紀の英国とフランスの音楽
トリオ・メディーヴァル
 ヒリアード・アンサンブルの妹分としてECMデビューを果たしたトリオ・メディーヴァルの3作目。前2作がいずれも世界中で大変高い評価を得ており、すでに妹分という説明なくしても立派にひとりだちできるヴォーカル・アンサンブルへと成長を遂げている。今作もまた新旧を融合させた興味深いレパートリー。13世紀頃のイギリス及びフランスで歌われたチャントを取り上げる傍ら、1973年韓国生まれの女流作曲家ホンの新作ミサ曲を併録。
トーマス・デメンガ〜 Chonguri
 ツィンツァーゼ:チョングリ
 J.S.バッハ:古き年は過ぎ去り/
  主なる神よ、いざ天の扉を開きたまえ
 カサド:緑の悪魔の踊り
 ショパン:夜想曲 嬰ハ短調
 フォーレ:ロマンス
 ウェーベルン:3つの小品/2つの小品
 J.S.バッハ:
  主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ/わが魂は主をたたえる
 フォーレ:夢のあとに/子守歌
 ショパン:夜想曲 変ホ長調
 リスト:悲しみのゴンドラ
 ミヨー:ヴォカリーズ練習曲
 デメンガ:アイネ・クライネ・エレグング/
  ニューヨーク・ホンク
トーマス・デメンガ(Vc)
トーマス・ラルヒャー(P)
テオドーロ・アンツェロッティ
 (アコーディオン)
 録音:2004年8月、ハイデルベルク。
 有名作曲家から聞きなれない作曲家まで、ドイツ・バロックの巨匠バッハからフランス6人組のミヨーまで、生きた時間も空間も違うさまざまな作曲家のチェロ小品が散りばめられているアルバム。
アルヴォ・ペルト:
 ダ・パーチェム・ドミネ(*)/
 ピアノ独奏と大オーケストラのための
  「ラメンターテ」(+)
ヒリアード・アンサンブル(*)
アレクセイ・リュビモフ(P;+)
アンドレイ・ボレイコ指揮(+)
シュトゥットガルトSWRso.
 20年にもわたる長いコラボレーションを続けてきたペルトとECM。2005年9月11日に70歳を迎えるペルトの最新作録音。
 「ラメンターテ」は世界最高峰の現代アート美術館テイト・モダン、ターバイン・ホールに設置されたボンベイ生まれのアーティスト、アニッシュ・カプーアの創作した巨大なオブジェ「Marsyas」(ブックレットに写真が掲載されている)にインスパイアされた作品。このオブジェを前にペルトは「死の準備のために生きているのではない」と強く感じ、このために「ラメンターテ」は死のための悲歌とはなっていない。痛みと絶望に満ちたこの世界でもがき苦しむ全ての「生」に捧げられた哀歌なのだ。
 ヒリアード・アンサンブルによってこの上なく美しく表現された、平和を祈る音楽「ダ・パーチェム・ドミネ」を併録。
ロルフ・リスレヴァンド:新音楽 Nuove Musiche ロルフ・リスレヴァンド
(アーチリュート/バロックG/テオルボ)
アリアンナ・サヴァール
(トリプルHp/Vo)
ペドロ・エステバン(Perc)
ビョルン・イェレミール
(コラッショーネ/Cb)
グイド・モリーニ
(Org/クラヴィコード)
マルコ・アンブロジーニ
(ニッケルハルパ
 [ハーディ=ガーディ])
トー=アラルド・ジョンセン
(キタッラ・バッテンテ)
 時空を超えた音楽、リスレヴァンドのECMデビュー盤。
 オスロ生まれのリュート奏者、リスレヴァンドのECMデビュー盤。非常に独特で多面的な才能を持つ古楽界の奇才で、サヴァールのエスペリオンXXへ長年参加してきたことでも知られている。彼のすべての活動の基盤になっているのは「現代の作曲家と同等の意志でリスナーに感動的でスピリチュアルな経験を届ける」という思想。今回のデビュー盤も古楽を忠実に再現するという当たり前なものではなく、古楽作品を自由で現代的でイマジネーションに富んだアレンジを加えた作品集。結集したアーティストも古楽界では有名なアーティストばかりだが、古楽ファンだけでなく、全ジャンルのリスナーへの訴求力を持ったアルバム。
 Nuove Musiche(新音楽)というタイトルはカッチーニのアリア&マドリガーレ集から借用したもの。イタリア古典歌曲集の冒頭にある「アマリッリ」はこの曲集に含まれる。
マンスーリアン:
 弦楽四重奏曲第1番(1983-1984)/同第2番(1984)
 テスタメント−マンフレッド・アイヒャーに捧げる(2004)
ロザムンデSQ
 ECM3作目となるマンスーリアンの弦楽四重奏曲集で、すべて世界初録音。ソヴィエト時代に書かれた四重奏曲と現代アルメニア音楽を代表する新作という組み合わせ。古典派、ロマン派の作品に受け継がれてきた伝統的手法に基づいた、和声的で耳に心地よい作品。
バリー・ガイ:FOLIO マヤ・ホンバーガー(バロックVn)
ムリエル・カントレッジ(Vn)
バリー・ガイ(Cb)
クリストフ・ポッペン指揮
ミュンヘン室内o.
 現代音楽作曲家としてよりは、むしろフリージャズのベーシストとして知られるバリー・ガイ。ECMならではのコラボレーションによる彼の最新作は、インプロビゼーションが多く織り込まれた構成で、14トラックからなる約1時間に、次々と新しい雰囲気と環境が提示される。かなり実験的な作品だが、これを最高のメンツで仕上げてくるのは流石ECM。
476 305-4
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(2CD)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.1
 第1番 ヘ短調 Op.2 No.1/第2番 イ長調 Op.2 No.2/
 第3番 ハ長調 Op.2 No.3/第4番 変ホ長調 Op.7
"アンドラーシュ・シフ(P)
 録音:2004年3月、チューリヒ、トーンハレ。
 ECMと契約後、ソロ、室内楽ともに多彩なリリースを届けてくれたアンドラーシュ・シフ。そのどれもが、アーティストが録音を楽しみつつ、同時にファン側から見ても待望のレパートリーが選択されている。2004年にリリースされ、大絶賛されたペレーニとのチェロ・ソナタの記憶も新しい今秋、遂に、ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ集の第1巻がリリースされる。一巻目ということで少々渋くも感じられるが、そう遠くない日にシフの全集を聴ける日がくるという事は、音楽ファンの心をときめかさずにはおかないであろう。
マンスーリアン:アルス・ポエティカ
 Part I 3つの夜の歌[夜/インソムニア/不安]
 Part II 3つの女性の肖像
   [Your Enamel Profile/虹/マノン・レスコー]
 Part III 3つの秋の歌[風/短歌/秋の歌]
 Part IV そして、静寂が降りてくる
ロベルト・ムルキアン指揮
アルメニア室内cho.
 録音:2003年6月3日、ライヴ。
 ECMがその活動を常にフォーカスし続けてきたアルメニア出身の世界的現代音楽作曲家マンスーリアンの、新作合唱曲の世界初録音。同じくアルメニアの国民的詩人であり、政治思想的にもアルメニアの独立への影響が大きかったチャレンツ(反ソヴィエトの活動の下、ハンストを実施し40歳にして獄死)の詩に基づいたア・カペラ作品である。アルメニアの言葉が持つ美しさを前面に押し出しつつ、同時にチャレンツの深い精神性へ献呈されている。8トラック目の「短歌」はまさに日本の短歌にインスパイアされた詩で、アルメニア語でどう響くのかも興味深いところ。
 アルメニア室内合唱団は35人からなる混声合唱団。結成された2000年からムルキアンが首席指揮者を務めている。
フリードリヒ・ツェルハ(1926-):
 チェロ協奏曲 (1989/1996)
フランツ・シュレーカー(1878-1934):
 1楽章の室内交響曲
ハインリヒ・シフ(Vc)
ペーテル・エートヴェシュ指揮
オランダ放送室内o.
 録音:2003年9月、ヒルヴェルスム、オランダ。名手ハインリヒ・シフによるツェルハのチェロ協奏曲と、近年ますます評価が高まるシュレーカーの室内交響曲という、いかにもECMらしい選曲が光る1枚。
 ツェルハと言えば、あのベルクの“ルル "を補筆した作曲家として知られている。1926年生まれの彼はシェーンベルクの12音技法に影響を受けつつも、1958年に「Die Raihe」というアンサンブルを結成し、独自の作風の音楽を作り上げた。彼のチェロ協奏曲は、ベルリン芸術祭の委嘱作品で、ソプラノ・サックスやボンゴなどの打楽器も駆使した極めてエネルギッシュな音楽。もちろんチェロ・パートも極めて機能的に書かれた見事なもの。シュレーカーの室内交響曲は、1916年に作曲された彼唯一の交響曲で、7つの管楽器、11の弦楽器、ティンパニ、ハープ、チェレスタ、ハーモニウムという編成からなる魅惑的な音色を持った音楽。
 指揮者のエートヴェシュは、改めて語るまでもなく現在、現代音楽の指揮者として最も有名な人の一人。IRCAMやアンサンブル・アンテルコンテンポランとも素晴らしい業績を残している。ECMレーベルにも数多くの録音があり、それはカシュカシアンとの共演であったり、彼自身の作品の録音であったりと、そのどれもが高い評価を受けている。
クルターグ:
 ソプラノとヴァイオリンのための「カフカ断章」Op.24
ユリアーネ・バンゼ(S)
アンドラーシュ・ケラー(Vn)
 シフとのドビュッシー&モーツァルト歌曲集(461 899-2)でECMデビューを果たし、大絶賛を浴びたユリアーネ・バンゼ。少々時間があいたが、二作目の登場。今回は前作とは対極とも言えるクルターグ作品で、幻想的でいて不安と絶対的孤独感に満ちた作風で知られるカフカの詞に、音数が非常に少ないクルターグが音楽をつけたというだけで、大宇宙の真ん中にひとり浮遊しているような世界を思い起こさせる。絶大な表現力とネイティヴであるドイツ語歌唱ができるバンゼがどう表現するか、大変楽しみなアルバム。もちろん、クルターグの直弟子として知られるケラーのヴァイオリンも必聴。
アンドラーシュ・シフ
 〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集 Vol.2

 [第5番 ハ短調Op.10-1/第6番 ヘ長調Op.10-2/
  第7番 ニ長調Op.10-3/第8番 ハ短調「悲愴」Op.13]
アンドラーシュ・シフ(P)
 2005年10月に届いた、シフのベートーヴェン全集始動の朗報、一作目は、曲目が渋い上に二枚組みだったが世界中からの絶賛を浴び、早くもロング・セラー・アイテムとなりつつある。二巻目も同じく、チューリヒで2台のピアノを弾き分けた録音(現時点では、どの作品がどのピアノというデータが無い)。今回は、「悲愴」という人気曲を含むベートーヴェンが30歳前に完成させたマスターピースということで、さらに期待が高まる。Vol.1:476 305-4(2CDs)。
Teatro Lirico テアトロ・リリコ
 〜17世紀のイタリアとスロヴァキアの音楽

  コレッリ:ソナタOp.5-12「ラ・フォリア」
  カッチーニ:アマリッリ
  作曲者不詳:
   フォリア・ヴァリエーション(ハープ・ソロ)
  ファリーナ:第二ソナタ
  グラナータ:ソナタ   コレッリ:ソナタOp.5-10〜サラバンド
  フォスカリーニ:フリアス
  カスパー=ホルン:組曲
  スタッブス:アルペジアータ
ミロス・ヴァレント(Vn/Va)
エリン・ヒードリー(ガンバ)
マキシネ・エイランダー(Hp)
スティーヴン・スタッブス
(チター/リュート/バロックG)
 "「ダウランド・プロジェクト」の第三作目ともいえる一枚。ECMのお家芸、新旧を見事に対比させた「テアトロ・リリコ」!!
 新旧、東西。こうしたものを常に対比させたアルバム作りはECMのお家芸ともいえるもの。古くは「オフィチウム」「モリムール」や、初期バロック歌曲にジャズの即興が混ざった「ダウランド・プロジェクト」など、それらは奇をてらう訳でなく、新旧どちらの真価をも浮き彫りにするという意味で、大変有効な手段である。
 今回は、「ダウランド・プロジェクト」にも参加していた、アメリカのリュート奏者、スティーヴン・スタッブスがフィーチャーされた一枚。上記の17世紀の作品群の中に、即興演奏のトラックが挿入され、最後にスタッブス自身の作品が現れる構成。それぞれの作品も希少。
ミシェル・マカルスキ〜 To be Sung on the Water
 タルティーニ:ソナタ集[ II / IX / XIII ]/
 クロケット:Mickey Finn / To be Sung on the Water
ミシェル・マカルスキ(Vn)
ロナルド・コープス(Va)
 18世紀最大のヴァイオリニスト、タルティーニは重音奏法や近代運弓法を確立、ヴァイオリン史を語るに欠かせない。常に風変わりともいえる構成でありながら、そこにはヴァイオリンという楽器の可能性が浮き彫りとされるようなアルバムを発表してきたマカルスキ。タルティーニ作へのアプローチも大変興味深い。もちろん、構成上にも仕掛けがあるらしく、アメリカの現代作曲家クロケットの2作品が織り込まれている。
ジャチント・シェルシ:Natura Renovatur
 Ohoi / Ave Maria(*) / Anagamin / Ygghur(*) /
 Natura renovatur / Alleluja(*)
フランセス=マリエ・
 ウィッティ(Vc;*)
クリストフ・ポッペン指揮
ミュンヘンco.
録音:2005年6月、ヒンメルファールトゥス教会。
 1988年に世を去ったイタリア人作曲家シェルシ。彼の作曲家としてのキャリアは、その当時としては当たり前であった12音技法から始まったが、彼が残した作品には純然に他と違う何かがあり、いまだ現代音楽界の中で光を放ち続けている。「自然の再生」と名づけられた今回のアルバムは、ECMとしては初めてのシェルシ作品集だが、レーベルがこの作曲家に払う深い敬意を感じさせるものである。
 ウィッティはフィンランド系の両親を持つシカゴ生まれのチェリストで、現在はオランダ国籍。彼女は1975年ローマでシェルシに出会い、彼の晩年の作品完成に大いに貢献したことで知られている。そして多くのチェロ作品が彼女のために書かれた。
 ポッペン指揮ミュンヘンco.にとっては6枚目のECM作品。チェロと室内オーケストラの共演作はなく、管弦楽作品と無伴奏チェロ作品が交互に現れる構成になっている。
シルヴェストロフ:
 ヴァイオリンとピアノのためのソナタ「Post Scriptum」/
 クラリネット・ソロ(とピアノ)のためのミステリオーソ(*)
ペルト:クラリネットとピアノのための
     シュピーゲル・イム・シュピーゲル(*)
ウストヴォルスカヤ:
 クラリネット、ヴァイオリンと
  ピアノのためのトリオ/
 ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
アレクセイ・リュビモフ(P)
アレクサンデル・
 トロスティナンスキ(Vn)
キリル・リバコフ(Cl)
 録音:2005年5月30日、6月1日、ノイマルク(カデンツァ注:おそらくノイマルクト)。(*)は世界初録音。紡ぎだされる「ポスト・ソヴィエト」の音楽。世界初録音2作を含む、リュビーモフ渾身の一枚。
 ソヴィエト連邦という国家が音楽史に及ぼした影響は計り知れない。それはもちろん、保護する、奨励するといったプラス面というよりは、アーティスト達の反骨心、それどころか音楽を用いた国家との闘争として史上に刻まれている。そしてソ連邦の崩壊。国家は崩壊しても、芸術が廃れることはなく、旧ソ連出身の作曲家、演奏家の活躍には目を見張るものがある。
 ここにとりあげられた作曲家はそれぞれエストニア(ペルト)、ウクライナ(シルヴェストロフ)、ロシア(ウストヴォルスカヤ)の出身。個々としてもECMは長く彼らの音楽をフィーチャーし続けてきた。そしてここにリュビモフ(モスクワ)、トロスティンナンスキ(シベリア)、リバコフ(モスクワ)という才能が集い、「ポスト・ソヴィエト」の音楽を高らかに標榜するアルバムの完成となった。
オネゲル:
 ヴァイオリンとチェロのためのソナチネ第4番 ホ短調
マルティヌー:
 ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲第1番 H.157
J.S.バッハ:「フーガの技法」より
ピントシャー(1971-):習作第1番「Treatise on the Veil」
J.S.バッハ:「フーガの技法」より
ラヴェル:ヴァイオリンとチェロのためのソナタ
フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn)
ハインリヒ・シフ(Vc)
 録音:2004年、2005年。現代楽壇には欠かせない二人の弦楽器奏者、ECMデビュー。
 ツィンマーマンとシフ。このふたりの特に室内楽の分野での共演はすでに20年以上にものぼり、さまざまな音楽イヴェントにおいて常に重要な地位をしめてきた。そのふたりの長年の願い、「純粋なデュオ・アルバムを作ること」が遂にECMで実現。念願であっただけに、レパートリーも精選されており、大バッハからドイツの若手作曲家ピントシャーに至るまでの作品が組み込まれ、時代と独仏を行き来するような構成になっている。
 彼らの功績はいまさらあげる必要もないほどだが、このふたりには意外な共通点がある。それはふたりとも1711年製のストラディヴァリウスを使用していること。ツィンマーマンが使用しているのは、以前クライスラーが所有していた楽器。元々、倍音構成などが酷似しているとされるヴァイオリンとチェロ(ヴィオラはかなり異質)、それが製作年まで同じ楽器でのデュオ作品集となると、響きの溶け合うさま、逆にそれぞれの楽器にのったそれぞれの個性、こんなところも大いに聴きどころとなる。
476 315-2
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(2CD)
J.S.バッハ:
 無伴奏ヴァイオリンのための
  ソナタとパルティータ 全曲
ジョン・ホロウェイ(バロックVn)
 ECMの野望に満ちた新作。バロック・ヴァイオリンによる無伴奏!!
 2005年、同じくECMからリリースとなりレコード・アカデミー大賞を受賞するなど大きな話題になったクレーメルの無伴奏。バッハの「無伴奏」が、ヴァイオリニストにとっていかに特別なものであるかは誰もが知るところだが、もちろん、クラシック・レーベルにとっても同様に極めて重要性の高いレパートリー。よほどの自信がなければ一年に一枚ずつリリースできるようなレパートリーではないのだが、敢えてECMは2006年これに挑戦。今回はバロック・ヴァイオリンでの演奏と、クレーメルのものとは趣もアプローチもまったく違ったリリースとなる。
 音楽への造詣の深さでいえば勝るとも劣らないホロウェイ。ライナーもホロウェイ自身によるもの。このライナーの冒頭で、作品と向き合った際の自身をエジプトのピラミッドを訪れた人の心理にたとえこう述べている。「どうすれば頂上まで登れるのか?頂上から何が見えるのか?これは何でできているのか?どうやって建築されたのか?中に何が隠されているのか?」彼にとってもこの「無伴奏」という作品がいかに特別なものであるかが的確に表現されている。
アンドラーシュ・シフ
 〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集 Vol.3

 [第19番 ト短調 Op.49-1/第20番 ト長調 Op.49-2/
  第9番 ホ長調 Op.14-1/第10番 ト長調 Op.14-2/
  第11番 変ロ長調 Op.22]
アンドラーシュ・シフ(P)
 着実な歩みをみせる、シフ/ベートーヴェン全集の第3弾。
 シフのベートーヴェン全集は半年に一枚ペースで、今回第3弾。ピアノ初学者が必ず弾くといってよい作品49など、どちらかというと規模の小さい作品が集まった巻となっているが、こうしたところに現れる冴え渡るピアニズムこそがシフ特有の魅力ともいえ、高評価だった前2作ともども必聴の一枚。
 シフ/ベートーヴェン全集 on ECM(Vol.1;第1-7番 476 305-4, 2CDs/Vol.2;第5-8番 476 310-0)
トーマス・ラルヒャー(1963-):IXXU
 弦楽四重奏曲 「 Ixxu 」(1998-2004)/
 ソプラノ、ヴァイオリン、チェロとピアノのための
  「私の病気は私が必要とする薬」(2002)/
 チェロとピアノのための「 Mumien 」(2001/02)/
 弦楽四重奏曲「 Cold Farmer 」(1990)
ロザムンデSQ
アンドレア・
 ローレン・ブラウン(S)
クリストフ・ポッペン(Vn)
トーマス・デメンガ(Vc)
トーマス・ラルヒャー(P)
 オーストリア生まれのトーマス・ラルヒャーは、近年、多岐にわたる音楽活動で注目を浴びている。もちろん作曲家として、ピアニストとして、そして音楽祭などのオーガナイザーとしても辣腕を振るい、おおよそ音楽と関連する全てのことは自身でプロデュースできる逸材と言える。作曲や演奏によって音楽を生み出すこと自体大仕事ではあるが、現代においては、それらをどう聴衆に届けるかも同じくらい重要なファクター。そうした彼の活動に賛同する一流演奏家は多く、このアルバムへの参加アーティストも錚々たるメンバー。
 二曲の弦楽四重奏曲を柱として製作されたこのアルバム。ラルヒャー本人、そこに集ったアーティストだけでなく、聴いている我々が音楽史を構築する作業に参加していることを強く感じさせてくれる一枚。
ハインツ・ホリガー:ロマンセンドレス
 クララ・シューマン:3つのロマンス Op.22
  (チェロとピアノのための;*)
 ハインツ・ホリガー:ロマンセンドレス(*)/
  暁の歌(R.シューマンのOp.133と
   F.ヘルダーリンに基づく;#)
クリストフ・リヒター(Vc)
デーネシュ・ヴァールヨン(P)
シュトゥットガルト放送
 声楽アンサンブル
シュトゥットガルト放送so.
ハインツ・ホリガー(P)指揮/他
 録音:2007年7月17日-18日、ジンデルフィンゲン、シュタットハレ(#)/2008年2月2日-3日、ルガーノ、RTSIスタジオ(*)。
 スイス生まれのハインツ・ホリガーは、世界的オーボエ奏者としての活躍があまりにも有名だが、指揮活動も積極的に行っており、作曲家としても、師のヴェレシュやブーレーズの影響下で、優れた作品を数多く書いている。ホリガーの自作自演集にあたる当盤には、そんな彼の作曲や指揮の才能が詰まっている。ホリガーの作品に大きな影響を与えたフリードリヒ・ヘルダリンとローベルト・ヴァルザーはローベルト・シューマンとは精神的に兄弟のような存在で、このアルバムにR.シューマン自身の作品は収録されていないが、シューマンこそがこのアルバム・コンセプトの核となっている。冒頭には、シューマンの妻クララが書いたデュオを収め、ホリガーによるロマンス、そして3曲目にはシューマンとヘルダーリンの曲に基づいてホリガーが作曲した「暁の歌」を収録。ロマン派の作品と思索を刺激する現代作品を並置して、2つの時代の作品に新たな光を当てる魅力的なアルバム。
Kurtágonals
 イントラガ/クルターグアメラン/インタロゲーション/ラックス〜アビーサム/
 ドローンゾーン/クルターグアンニャ/ツイン・ピークス/ネクロガ
 ジェルジー・クルターグ・ジュニア、ラースロー・ホルトバージ
  (シンセサイザー/コンピューター)
 ミクロス・レンジェルフィ(ベース/エフェクト)
 録音:2008年8月、ブダペスト。
 ハンガリーの偉大な作曲家クルターグの息子で、作曲家&シンセサイザーを用いた即興奏者として活躍中のジェルジー・クルターグ・ジュニアの記念すべきECMデビュー盤。彼が得意とするシンセサイザー・ミュージックが、盟友の作曲家ラースロー・ホルトバージの作曲と演奏の両面における強力なサポートを得て、さらなる輝きと、深みと、深遠を増した仕上がりになっている。
アルフレート・ツィンマーリン:室内楽作品集
 弦楽四重奏曲第2番(*)/
 エウリディーチェは歌う(#)/
 弦楽四重奏曲第1番(+)
カルミナSQ(*)
アンサンブル「Aequatuor」(#)
アリアSQ(+)
 録音:2006年8月28日-29日、ラジオDRS(*/+)/2007年10月29日-30日、アーラウ、クルトゥール・コングレスハウス(#)。
 スイスの異才、アルフレート・ツィンマーリンは1955年の生まれ。チューリヒ大学でフィッシャーとラーデに師事した後、ベナリーに音楽理論を、マテツとレーマンに作曲を師事している。チェロを使った即興などを得意とする彼の作風は、記譜作品でさえも即興的な手触りが感じられるのが特長。当盤では、カルミナ四重奏団など気鋭の室内楽奏者たちが、編成からは想像しにくい、微視的な音色や断片的な構成感を聴かせてくれる。
キム・カシュカシアン〜川よ、川よ
 ベティ・オリヴェロ:ヴィオラ、アコーディオン、打楽器、2群の弦楽合奏とテープのための「川よ、川よ」(*)
 ティグラン・マンスリアン:ヴィオラと打楽器のための「タフ・オブ・フューネラル・オブ・ザ・ロード」(#)
 コミタス:ピアノのための「オロール」(+)
 ティグラン・マンスリアン:3つのアリア(**)
 エイタン・スタインバーグ:ヴィオラと弦楽四重奏のための「ラヴァ・デラヴィン」(##)

  キム・カシュカシアン(Va;+以外) ロビー・シュロコウスキ(Perc;#)
  ティグラン・マンスリアン(P;+) クスSQ(##)
  アレクサンダー・リープライヒ指揮ミュンヘン室内o.(*)
  ギル・ローズ指揮ボストン・モダーンo.・プロジェクト(**)
 録音:2008年3月10日-11日、ミュンヘン(*)/2007年10月17日、ポズナニ(#/+)/2008年5月23日(**)、2006年1月17日(##)、以上ボストン。
 現代ヴィオラ界の第一人者、カシュカシアンの待望の新作が登場。深みのある音色、そして確かな技巧が魅力の彼女が今回披露するのは、イスラエルとアルメニアの3人の現代作曲家。収録されている5曲には、近東、アルメニア聖歌、ハシディーム派など各地の伝統音楽を基にした郷愁たっぷりの歌があふれている。
イェルク・ヴィトマン:ミサ曲(2006) (*) /5つの断章(1997) (#) /エレジー(2005) (+)
 クリストフ・ポッペン指揮ドイツ放送po.(*/+)
 イェルク・ヴィトマン(Cl;#/+) ハインツ・ホリガー(P;+)
 録音:2008年6月-7月、ザールブリュッケン(*/+)/2009年5月、ケルン(#)。世界的なクラリネット奏者としてだけでなく、作曲家としても着実にキャリアを築き上げているイェルク・ヴィトマン(1973-)。初演者には、ブーレーズ&ウィーン・フィル、テツラフ、ブロンフマンなど錚々たる面々が並んでいる。当盤にもポッペンが指揮する2つの管弦楽作品に加え、当盤でピアニスト・デビューを飾るクラリネットの巨匠ホリガーとヴィトマン自身の共演によるデュオが収められている。
ファンタジー・オブ・スプリング
 モートン・フェルドマン:
  スプリング・オヴ・ショズロス(1978)
 ベルント・アロイス・ツィンマーマン:
  ヴァイオリンとクラヴィーアのためのソナタ(1950)
 アルノルト・シェーンベルク:
  ファンタジー Op.47(1949)
 ヤニス・クセナキス:ディクタス(1979)
カロリン・ヴィットマン(Vn)
サイモン・レッパー(P)
 録音:2006年10月5日-6日、12月18日-19日。
 ECMデビュー盤となった2008年発表の「シューマン:ヴァイオリン・ソナタ集」が好評を博したドイツの若き俊英カロリン・ヴィットマン。いずれも20世紀を代表する傑作でありながら、演奏機会にはあまり恵まれない4作品を集めた当盤では、彼女の現代音楽に対する柔軟で情熱に満ちた志向性が如何なく発揮され、選曲に1年以上かけてたというこの4作品に正当な光をあてるべく、知性と情熱がみごとにバランスした解釈を全編に渡って繰り広げる。
ベートーヴェン
 ピアノ協奏曲第4番 ト長調Op.58(*)/
 ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調Op.73「皇帝」(#)
ティル・フェルナー(P)
ケント・ナガノ指揮
モントリオールso.
 録音:2008年5月25日-27日(*)/2008年11月26日-28日(#)、以上ウィルフリート・ペルティエ・ホール、モントリオール、ディジタル。
 日本でも現在進行中の「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全曲演奏会」が好評なティル・フェルナー。ウィーンのベートーヴェン弾きというと、ピアニストではグルダの名前を真っ先に思い起こされるが、フェルナーの才気と溢れる音楽センスは、スタイルこそ大きく異なるものの、まさにグルダ譲りのウィーン音楽の一つの系譜を受け継ぐものと言えるだろう。重厚にして精神性を強く感じさせるドイツ風のベートーヴェン表現と一線を画し、過度に重くならず、時に軽妙、時にアイロニカル、またはブリリアントな表情で人を驚かせる彼の至芸を、ケント・ナガノ指揮モントリオール響の精妙な伴奏に乗せた2つの協奏曲で、たっぷりお楽しみ頂きたい。
476 331-6
[ECM 2117]
廃盤
ヴァレンティン・
 シルヴェストロフ(1937-):宗教的作品集
ミコラ・ゴブディッチ指揮
キーウ〔キエフ〕室内cho.
ディミヌイート〜ロルフ・リスレヴァン・アンサンブル
 Ricercate/Saltarello/Piva/Petit Jacquet Quinta Pars/La Perra Mora/
 Susanne un jour Recercada Settima/
 Canon La Spagna Passamezzo Gaillard Recercada Segunda/
 Fantasía que contrahaze la harpa en la manera de Luduvico/
 Vestiva i colli Recercada Quinta/Tourdion
  ロルフ・リスレヴァン・アンサンブル
  [ロルフ・リスレヴァン(リュート/ビウエラ・デ・マノ)
   リン・アンドレア・ファグルセット、アンナ・マリア・フリマン(S)
   ジョヴァンナ・ペッシ(Hp) マルコ・アンブロジーニ(ニッケルハルパ)
   トール=アラルド・ジョンセン(キタラ・バッテンテ/ビウエラ・デ・マノ/リュート)
   ミヒャエル・ベーリンガー(クラヴィコード/Org)
   ビョルン・イェレミール(Cb) デイヴィッド・マヨラ(Perc)]
 録音:2007年10月、2008年5月、オーストリア、聖ゲロルト修道院。
 16世紀のイタリア・バロックを現代風にアレンジした2006年春発表の前作『Nuove Musiche』は世界中で絶賛されたが、当盤でも、ジャンルの壁を軽やかに越境し、古楽、民族音楽、ジャズなど様々なバックグラウンドからリスナーの好みに合いそうな美しいメロディとリズミカルなエネルギーにあふれた演奏を聴かせてくれる。当盤において彼らが強調しているのは、彼らの音楽の原点とも言えるポリフォニーと即興性。ここに収録されたジョヴァンニ・アントニオ・テルツィや、ヨアン・アンブロシオ・ダルツァの諸作品を、美しい女性ソプラノも登場する彼らの瑞々しい演奏で聴くと、 こうした16世紀のイタリア音楽が驚くべき現代性や豊かな情感にあふれていることや、オリエントや東欧の音楽から強い影響を受けていることなどが、よくおわかりになる筈。
 なお、代理店担当者はビウエラをすべて「ヴィウエラ」としているが、この言葉はスペイン語であるため誤り。 スペイン語では「ヴ」の発音がなく、"vi" は「ビ」となる。
トーマス・ツェートマイヤー〜
 パガニーニ:カプリース
(奇想曲)Op.1
トーマス・
 ツェートマイヤー(Vn)
 録音:2007年12月16日-23日、聖ゲロルド修道院。
 現代最高のヴァイオリニストの一人で、指揮者、室内楽奏者、現代作曲家としても活躍する天才トーマス・ツェートマイヤーが、難曲中の難曲であるパガニーニ「24のカプリース」の2度目の録音に挑んだ。1990年代に発表した前作(TELDEC)は、すでに決定盤の一つとして高い評価を受けているが、当盤では作品の核心にさらに迫りつつ、同時に全体を明晰に俯瞰するような、まさにパーフェクトな演奏を聴かせてくれる。
ピーター=アンソニー・トーニ
 預言者エレミアの哀歌(バス・クラリネットと
  合唱のための協奏曲; 2007)
ジェフ・ライリー(バスCl)
リディア・アダムス指揮
エルマー・イーゼラー・シンガーズ
 録音:2008年10月27日-28日、ハリファックス、カナダ、ディジタル。
 旧約聖書「エレミアの哀歌」は、予言者エレミアがBC586年の新バビロニアによるエルサレム炎上と、それに続くイスラエル人のバビロニア俘囚を悲しんで綴った歌で、古今の作曲家が多くの音楽を捧げてきた。カナダの気鋭の作曲家トーニが書いたバス・クラリネットと合唱のための協奏曲は、豊かな即興、壮大な合唱、そしてジャズや現代音楽の要素もふんだんに織り込んだ作品。炎のようにエネルギッシュなクラリネットと合唱の掛け合いによって、高らかに天へと舞い上がる。
マッドハレス〜トーマス・ラルヒャー(1963-)
 ベーゼ・ツェーレン(Böse Zellen)〜
  ピアノとオーケストラのための(*)/
 静寂(Still)〜
  ヴィオラと室内オーケストラのための(#)/
 マッドハレス(Madhares)〜弦楽四重奏のための(+)
ティル・フェルナー(P;*)
キム・カシュカシアン(Va;#)
ミュンヘン室内o.(*/#)
デニス・ラッセル・
 デイヴィス指揮(*/#)
ディオティマSQ(+)
 録音:2008年8月23日-27日、バイエルン・ミュージック・スタジオ、ミュンヘン(*/#)/2009年7月21日、リーダークランツホール、シュトゥットガルト(+)。
 オーストリア生まれのトーマス・ラルヒャーは、多岐に渡る音楽活動で近年注目を集めている。作曲家、ピアニスト、それに音楽祭のオーガナイザーなどとしても腕を振るい、音楽と関連する全てのことは自身でプロデュースできる逸材と言える。そうした彼の活動に賛同する一流演奏家は多く、このアルバムにもフェルナー、カシュカシアン、ラッセル・デイヴィス、ディオティマSQという錚々たる俊英たちが参加している。彼の作品は協奏曲や弦楽四重奏曲など、伝統的な音楽形式を再現する形で作られており、調性音楽と革新的な作曲技法を非常にユニークな方法で並置して、激烈かつ繊細な質の高い音世界を構築している。
リュビモフ〜C.P.E.バッハ
 自由な幻想曲 嬰ヘ短調/ソナタ ニ短調/ロンド ハ短調/幻想曲〔ニ短調/ト長調/ニ長調/ロ長調〕/
 クラヴィーア小品 イ長調/ソルフェッジョ〔ハ長調/イ長調/変ロ長調/ハ短調〕/
 ロンド ニ短調/ソナタ ト長調/幻想曲 ハ長調

 アレクセイ・リュビモフ(タンジェントP)
 録音:2008年7月16日-17日、アントウェルペン、オランダ(となっているが、ベルギーだろう)。
アンリ・デュティユー:
 影と静寂(1台と2台のピアノのための作品集)
 Petit air à dormir debout /
 Sonate (1948) /
 from Au gré des ondes (1946) /
 I Prélude en berceuse /
 III Improvisation / Blackbird (1950)/
 Tous les chemins ... mènent à Rome (1961) /
 Résonances (1965) /
 Figures de résonances pour deux pianos (1970)
ロバート・レヴィン、
ヤ=フェイ・チャン(P)
 録音:ルガーノ。#代理店表記が不明瞭で、曲目の区切りが誤っている可能性があります。
 当レーベル初録音となるデュティユーの作品集。2台のピアノのために書かれた「影と静寂」は、一切の無駄を排した簡潔な構成を細部まで磨き抜いた極上の室内楽作品。古典作品のあらゆる時代の様式に通じているばかりでなく、現代音楽もレパートリーとし、時に即興演奏も披露する多彩な鍵盤奏者ロバート・レヴィンと、ヤ=フェイ・チャンの珠玉のデュオで、たっぷりお楽しみ頂きたい。
エルッキ=スヴェン・トゥール(1959-):
 交響曲第6番「ストラタ」(2007)/
 クラリネットとヴァイオリンのための
  協奏曲「ノエシス」(2005) (*)
イェルク・ヴィトマン(Cl;*)
アヌ・タリ指揮
ノルディックso.
 録音:2007年5月、2009年6月、エストニア・コンサートホール。
 エストニアの作曲家トゥールは、キング・クリムゾン、フランク・ザッパ、イエス、ジェネシスらプログレッシブ・ロックの影響を強く受けた作風で、ミニマリズム、スペクトル分析、直線対位法、十二音技法、音響作曲法などを好むことでも知られている。同郷の若き女性指揮者アヌ・タリの指揮で最新動向を伝える2曲を収録。「ストラタ」は、彼女とノルディック響のために書かれた清冽に躍動する作品。
シューマン&ホリガー:ピアノ作品集
 シューマン:クライスレリアーナOp.16
 ハインツ・ホリガー:パルティータ
アレクサンダー・
 ロンクイッヒ(P)
 録音:2008年11月20日-22日、ルガーノ。ECMデビュー盤となった2005年の近現代フランス作品集に続く、ソロと室内楽の両面で活躍するロンクイッヒによる第2弾。ハインツ・ホリガーの「パルティータ」は、代理店によると『アンドラーシュに捧げた作品で、シューマンへの敬愛と祈りを唄った』作品だとの事。
Manto And Madrigals
 ライナー・キリウス: Ó min flaskan friða
 ジャチント・シェルシ:マント(1957) / ハインツ・ホリガー:3つのスケッチ(2006)
 バルトーク:2つのヴァイオリンのための二重奏曲
 スカルコッタス:ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲
 ピーター・マクスウェル・デイヴィス: Midhouse Air (1996)
 マルティヌー:3つのマドリガル H.313 (1947) / ヨハネス・ニート: Zugabe (2004)
  トーマス・ツェートマイヤー(Vn) ルート・キリウス(Va)
 録音:2009年6月29日-30日、DRSラジオスタジオ、チューリヒ。公私共にパートナーであるツェートマイヤーとキリウスの夫妻デュオが、マンハイムで行われたECM40周年記念フェスティヴァルにおいて披露したレパートリーから選りすぐったアルバム。
深夜〜バンセ、ベルク&ハルトマン:歌曲集
 ベルク:7つの初期の歌(1905-1908)(*)/
     若き日の歌/2つの歌曲
 ハルトマン:カンタータ「ラメント」
ユリアーネ・バンセ(S)
アレクザンダー・マッジャー(P)
 録音:2009年3月11日-13日ロマンティシズムにあふれたベルク傑作として知られる3つの歌曲を収録。中でも、ベルクがまだシェーンベルクの弟子だった頃の(*)は、彼の83曲の中で生前に出版されたわずか2曲の一つにあたり、シェーンベルク以前のドイツ・リートの集大成と言われている。そしてカップリングは、20世紀ドイツ最大の交響曲作曲家として名高いハルトマンの「ラメント」。
オフィチウム・ノヴム
 コミタス:何という奇跡 / ビザンツ聖歌:聖にして福たる常生なる天の父
 ガルバレク:アルティング・フィンズ / K.ニコライ:連祷
 コミタス:サーブ、サーブ / ペルト:最も神聖なる神の母
 作者不詳:3つの Morillas M'Enamoran
 コミタス:私の心は震えている/ Hays hark nviranats ukhti
 ぺロタン:アレルヤ、処女マリアの誕生
 ガルバレク:ウィ・アー・ザ・スターズ / セフェリス:少しだけ静まる
  ヤン・ガルバレク(ソプラノ&テナーSax) ヒリヤード・アンサンブル
 録音:2009年6月29日-7月1日、ザンクト・ゲロルト修道院、オーストリア。
 100万枚以上の売り上げを記録した大ヒット・アルバム「オフィチウム」の録音から16年。ジャズ・サックスの鬼才ヤン・ガルバレクと、イギリスの名門ヒリヤード・アンサンブルが再び邂逅して世に送り出す第3弾は、21世紀の「新オフィチウム」。その舞台の中心となるのはアルメニア。中世の宗教音楽とコーカサス地方の民族音楽を巧みに融合した作風で知られる19世紀アルメニアの修道士コミタスの名曲を中心に、ペルトやガルバレクの現代作品までカバーした12曲は、聴き手をふたたび浮遊する自由な音楽宇宙へと誘ってくれることだろう!
アルヴォ・ペルト:タブラ・ラサ
 フラトレス(*)/ベンジャミン・ブリテンへの追悼歌(#)/フラトレス(+)/タブラ・ラサ(**)
  ギドン・クレーメル(Vn) キース・ジャレット(P;*)
  タチヤーナ・グリンデンコ(Vn;**) BPOの12人のチェリストたち(+)
  アルフレート・シュニトケ(プリペアドP;**)
  デニス・ラッセル・デイヴィス指揮シュトゥットガルト国立o.(#)
  サウリウス・ソンデツキス指揮リトアニア室内o.(**)
 録音:1986年10月、バーゼル(*)/1984年1月、シュトゥットガルト(#)/1984年2月、ベルリン(+)/1977年1月、ボン(**)。旧品番:817 764-2〔発売:1994年。単売では当店未案内だが、先に2010年のペルト75歳記念企画盤「スペシャル・エディション」(CD+BOOK, 476 387-9, 3CD価格)をご案内している〕。
476 387-9
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(CD+BOOK)
3CD価格
初回限定盤
ペルト75歳記念特別企画〜アルヴォ・ペルト:タブラ・ラサ・スペシャル・エディション
 フラトレス(*)/ベンジャミン・ブリテンへの追悼歌(#)/フラトレス(+)/タブラ・ラサ(**)
  ギドン・クレーメル(Vn) キース・ジャレット(P;*)
  タチヤーナ・グリンデンコ(Vn;**) BPOの12人のチェリストたち(+)
  アルフレート・シュニトケ(プリペイド・ピアノ[代理店記載ママ];**)
  デニス・ラッセル・デイヴィス指揮シュトゥットガルト国立o.(#)
  サウリウス・ソンデツキス指揮リトアニア室内o.(**)
 録音:1986年10月、バーゼル(*)/1984年1月、シュトゥットガルト(#)/1984年2月、ベルリン(+)/1977年1月、ボン(**)。
 ECM ニュー・シリーズにとって特別な存在であるペルトの75歳を祝って、出版社 Universal Edition と ECM のコラボレーションにより、1984年に発表されたクレーメルらによるペルト作品集が、4曲のスコアとCD、そして豪華ブックレットが挿入された特別豪華盤として限定登場。170x240x24mm特殊サイズのBOXに約200ページの豪華ブックレット+CDが封入された豪華装丁。
 厳粛なまでに美しい簡潔さを追求した作風で知られるペルトの音楽だが、ピアノとヴァイオリン、12本のチェロという2通りの演奏で収録された「フラトレス」は、古風であると同時に時間を超越した、いかにも彼らしい傑作といえるだろう。鬼才クレーメルは、禅宗の公案にも似たこの作品の本質をみごとに捉えており、プリペイド・ピアノ[代理店記載ママ]の神秘的な音色とも共鳴して、繊細かつ霊妙な弱音を巧みに鳴り響かせている。 また、「 ベンジャミン・ブリテンへの追悼」で鳴る組み鐘が、単純な下降短音階によって、激しい悲しみを表現しているのも聴きどころ。
476 390-9
buyボタン
(2CD)
1.5CD価格
子供の情景〜シフ、シューマン・リサイタル
 蝶々 Op.2/ピアノ・ソナタ第1番 嬰ヘ短調 Op.11/子供の情景 Op.15/
 幻想曲 ハ長調 Op.17(第3楽章初稿版/別途第3楽章最終稿付き)/
 森の情景 Op.82/主題と変奏(最後の楽想による幻覚の変奏曲) 変ホ長調
  アンドラーシュ・シフ(P)
 録音:2010年6月20日-22日、ノイマルクト、ライヴ。ベートーヴェン、バッハからシューマンへ。人気実力ともに絶頂期、2011年2月に来日、高度な知性と完璧なテクニックによる演奏は大きな話題となり、全4公演はすべて完売、好評価を得たシフ。久々となるシューマン・アルバムは2002年にリリースされた2枚組のライヴ盤(1999年録音)に続くもの。幻想曲については第3楽章の初稿と最終稿の2種を収録。
クレーメル&クレメラータ・バルティカ〜賛美歌と祈祷
 シュテヴァン・コヴァーッチ・ティックマイエル:
  アンドレイ・タルコフスキーによる8つの賛美歌(1986/2004)
 フランク:ピアノ五重奏曲 ヘ短調
 ギヤ・カンチェリ:サイレント・プレイアーズ
  (ヴァイオリン、チェロ、室内オーケストラとテープのための)(2007)
 ギドン・クレーメル(Vn) クレメラータ・バルティカ
 カティア・ブニアティシヴィリ(P)
 録音:2008年7月11日-13日、聖ニコラウス教会、ロッケンハウス、ライヴ。
 勇壮から崇高な祈りまで、それぞれの音楽作品に最もふさわしい強度と集中力でもって、美しい名演を残してきたヴァイオリンの巨匠クレーメル&クレメラータ・バルティカ。「賛美歌と祈祷」と題し、様々な美しい祈りの調べを集めた当盤の最大の聴きどころは、やはり何と言っても、フランクの名曲「ピアノ五重奏曲」。中でも、ピアノを担当するカティア・ブニアティシヴィリ(1987年グルジア生まれ)は、クレーメルやアルゲリッチの秘蔵っ子として俄かに注目を集めている期待の若手で、先日のラ・フォル・ジュルネで好評を博したのも記憶に新しいところ。音楽性だけでなく、容姿も「アルゲリッチの再来」と言われる彼女は、当盤がECMデビューとなるが、即興と情熱に満ちた妙技は必聴!
細川俊夫ランドスケープV/セレモニアル・ダンス/さくら〜オットー・トーメック博士の80歳の誕生日に/雲と光
 宮田まゆみ(笙) アレクサンダー・リープライヒ指揮ミュンヘン室内o.
 録音:2009年10月19日-21日、フラウエン教会、ミュンヘン。オペラ「松風」の成功で、ヨーロッパでも名を轟かせる作曲家、細川俊夫の作品。
476 394-2
buyボタン
(2CD)
ツェートマイアーSQ
 ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番 ヘ長調
 ブルックナー:弦楽四重奏曲 ハ短調
 ハルトマン:弦楽四重奏曲第2番
 ホリガー:弦楽四重奏曲第2番
ツェートマイアーSQ
[トーマス・ツェートマイアー、
 クーバ・ヤコヴィッツ(Vn)
 ルース・キリウス(Va)
 ウルスラ・スミス(Vc)]
 録音:2002年4月、2010年4月-5月。ハルトマンやホリガーのような作品でも楽譜を置かずに暗譜で演奏をする驚異のカルテット。演奏時にはお互いの息遣いを完璧に共有し合い、そのアンサンブルは比類のないアグレッシブな姿勢に満ちている。2007年のバルトークとヒンデミットの作品を収録したアルバム以来で、好評だったハルトマンの続編にベートーヴェン最晩年の作品も合わせて収録した意欲作。ツェートマイアーによる現代の作品そして古典作品への新たなる検証が深く刻印された鮮烈なアプローチをご堪能頂きたい。ベートーヴェンの前衛的な側面も浮き彫りにするストイックな音作りが、カップリングされたハルトマンやホリガーの作品と心地よい調和を醸し出す。
アルヴォ・ペルト(1930-):
 交響曲第4番「ロサンゼルス」(2008)[エサ=ペッカ・サロネン指揮ロサンゼルスpo.](*)/
 カノン・ポカヤネン(1997)
  [トヌ・カリユステ指揮エストニア・フィルハーモニック室内cho.]
 録音:2009年1月11日-13日、ウォルト・ディズニー・ホール、ロサンゼルス(*)/1997年6月、ニグリステ教会、タリン(#)。
 前作から約40年ぶりとなるペルト最新の交響曲、初演が早くもCD化。弦楽オケ、ハープ、ティンパニ、パーカッションの編成による3楽章の構成で、ペルトならではの壮大な音楽世界が鮮やかに展開されている。また、カップリングには、救済の祈りを深く静かに歌い上げた名曲として名高い「カノン・ポカヤネン」を、合唱指揮界のカリスマで、ペルトの第一人者でもある名匠カリユステが、手兵エストニア・フィル室内合唱団と残した1997年の名演で収録。
Induuchlen〜ハインツ・ホリガー
 1.ホリガー:トロント・エクササイゼス(2005) / 2.アンナ・マリア・バッハー:詩
 3.ホリガー:Puneigä(2000/2002) / 4.アルベルト・シュトライヒ:Induuchlen
 5.ホリガー:Induuchlen(2004) / 6.同:マモウニア(2002)
  スイス・チェンバー・ソロイスツ
 録音:2006年6月(5)、2007年12月(5、6)、2008年3月(1) 以上ヴィンタートゥール、2010年6月 ルガーノ(2)、1958年 ベルン(4)。以上作曲者(?)、曲目、録音表記は代理店表記ママだが、下記代理店コメントからすると、特に(2)など、一部曲は作詞者、作曲者と曲名が混同されているのではないかと思われる(欧文表記不明のため御了承下さい)。『スイスの神秘的な音楽にインスピレーションを受けて、様々なカルト的音楽を残しているハインツ・ホリガーの魅力がたっぷり詰まった1枚。表題作を始め、アンナ・マリア・バッハーやアルベルト・シュトライヒの詩を歌詞に戴いた2曲など、神秘的で奇妙な美しさを湛えています。名手揃いのスイス・チェンバー・ソロイスツの研ぎ澄まされた名演でどうぞ。』(以上『内』代理店コメントママ)
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(2CD)
ヘンデル:組曲集第1巻(1720出版)
 〔第2番 ヘ長調 HWV.427/第8番 ヘ短調 HWV.433/第4番 ホ短調 HWV.429/第5番 ホ長調 HWV.430/
  第3番 ニ短調 HWV.428/第6番 嬰ヘ短調 HWV.431/第1番 イ長調 HWV.426/第7番 ト短調 HWV.432〕

 リサ・スミルノワ(P)
 録音:2007年6月、2008年5月、6月、2009年2月、ゴールデック城(注:代理店記載ママ)、オーストリア。ヘンデルは鍵盤楽器の名手であり、キャロライン王女をはじめとして貴族の子女たちにチェンバロを教えていた。したがって当時彼が書いた作品の多くは教育のためのものだった。スミルノワは、もともとロマン派から現代音楽を得意としていたが、2007年以降バロックから古典派の音楽をモダーン楽器での演奏研究を始めた。そうした研究の成果が、バランスのとれた絶妙な解釈、繊細な表現力となって、ここに刻まれている。
 リサ・スミルノワ:1972年ロシア生まれ。A.カントール、K.H.カンメルリング、M.クルツィオにモスクワ、ザルツブルク、ロンドンの各都市で師事。在学中からイタリア、ドイツ、フランス、アメリカのコンクールで優勝。1992年20歳でカーネギー・ホールデビュー、同年日本にロシア・ユース室内オーケストラのソリストして来日し、好評を博した。その後ヨーロッパ各地で盛んな演奏活動を繰り広げており、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ロンドン、ウィーン・コンツェルトハウスや、ザルツブルク音楽祭、モーツァルト週間、ギーナ・ピアノ・フェスティヴァル、ルツェルン国際音楽祭などに招待されている。1993年にはS.ホルシュタイン音楽祭にてブラームス賞を受賞。数多くのオーケストラとの共演経験を持ち、ベンヤミン・シュミット、トーマス・ツェートマイアー、クレメンス・ハーゲン、ベルカント弦楽トリオらと精力的に室内楽にも取り組んでいる。オーストリア、ドイツ、オランダ、イギリス、フランスで放送録音を行う他、CD録音も数多く行っている。現在、ザルツブルクモーツァルテウム音楽大学の助教授として、ケマリング教授と共に教鞭を取り、音楽を通じて国境を越えた交流にも尽力。また毎年行われている「長崎おぢか国際音楽祭」の音楽監督と講師を務めている。
ペレーニ〜無伴奏チェロ作品集
 ブリテン:無伴奏チェロ組曲第3番 Op.87
 J.S.バッハ:
  無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV.1012
 リゲティ:無伴奏チェロ・ソナタ
ミクローシュ・ペレーニ(Vc)
 録音:2009年8月6日-8日、スイス・イタリア語放送、ルガーノ。ペレーニの最新録音がECMから登場する。卓越した音色とボウイングによって、これらの曲の進化を表現していく。まず最初に、ロストロポーヴィチに献呈された「ブリテン:無伴奏チェロ組曲第3番」を雄弁な語り口で厳粛に歌いあげる。もともと5弦チェロ用の「バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番」は、通常の4弦チェロでは高い技巧を要するが、それを全く感じさせない自然体の演奏。単純な性格でない「リゲティ:無伴奏チェロ・ソナタ」ではペレーニの長年にわたるチェロ演奏の積み重ねが、滋味豊かな年輪を刻み、聴き手の心に深く突き刺さる。
ヴィクター・キッシン:鏡(2009)
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 Op.50「偉大な芸術家の思い出に」
 ギドン・クレーメル(Vn) ギードレ・ディルヴァナウスカイテ(Vc)
 カティア・ブニアティシヴィリ(P)
 録音:2010年8月9日-10日、ミュンヘン。# クレーメル以外の2人の奏者カナ表記は、2011年来日公演時のものとしました。鬼才クレーメルの注目の新プロジェクト。リトアニア出身のチェリスト、ディルヴァナウスカイテは、クレメラータ・バルティカの精鋭チェリストで、同団のソリストを長年務める。そしてピアノはアルゲリッチも絶賛し、目下ヨーロッパで注目度第1番のグルジア出身の23歳ブニアティシヴィリ。このトリオは結成から2年足らずだが、2010年夏のザルツブルク音楽祭などヨーロッパ各地でツアーを行って大絶賛を集めている。
ハイナー・ゲッペルス(1952-):
 Stifters Dinge より〔霧/塩/水/風/木/物体/雨/雷/音/嵐/海辺〕/ Exhibition of Objects
  ハイナー・ゲッペルス(ディレクター) フーベルト・マハニック(プログラミング/コラボレーション)
  ヴィリ・ボップ(サウンド・デザイン) クラウス・グリュンベルク(セット・デザイン/照明、映像)
 録音:2007年10月20日-21日、ルクセンブルク市立大劇場。編集&ミックス:2010年7月、by ハイナー・ゲッペルス&マックス・フェーダーホーファー(南西ドイツ放送)。ゲッペルスは70年代の左翼的ブラスバンドでの活動を始め、アルフレート・23・ハルトとのデュオや、ハルト、クリス・カトラー、クリストフ・アンダースらとのバンド「カシーバー」でオルタナティヴ・ミュージックの 重要なキー・パーソンとして知られる一方、作曲家として多くの劇場音楽、映画音楽等を発表。また、80年代より「ミュージック・シアター」の制作を手掛け、ハイナー・ミュラー作品の演出で高い評価を得ている。この「Stifters Dinge」は、オーストリアの作家・画家であったアダルベルト・シュティフター(1805-1868)に触発されて作曲。舞台に5台の自動ピアノが絵画のように飾られ、無人演奏でピアノが奏でられていく。さらにバッハの作品、エキゾチックな民族音楽、ニューギニアの儀式、水の流し込みやチェーンソーの音などがコラボレーションされ、空想的な世界が繰り広げられる。「人間の魂の風景が、自然のパラレルワールドでミラー化されている音楽」とゲッペルスは語っている。
ウースターの聖母ミサ
 Salve sancta parens /キリエ/グローリア/ Munda Maria / Sponsa rectoris omnium /
 O sponsa Dei electa / O Maria virgo pia /べネディクタ/クレド/ Felix namque / Salve rosa florum /
 Grata iuvencula / Inviolata integra mater / De supernis sedibus / Dulciflua tua memoria /
 サンクトゥス/神の子羊/Beata viscera / Alma Dei genitrix / Benedicamus Domino

  トリオ・メディイーヴァル [Trio Mediaeval]
 録音:2010年2月3日-5日、ザンクト・ゲロルト修道院、オーストリア。なお、国内代理店は団体名を『トリオ・メディーヴァル』としているが、上記の誤り(来日公演時の表記も上記)。また、各曲名は代理店による怪しいカナ記載となっていたため、慣用があるものを除き当店で原文に戻しています。1997年にオスロで結成され、ノルウェーに伝わるバラードから現代曲に至るまで、幅広いレパートリーを持つ女声アカペラ・グループによる、2010年12月に行われた来日公演でも好評を博した「ウースターの聖母ミサ」。代理店によると『ノルマン・コンクエストによる教会再編を免れたイングランド・ウースターのベネディクト修道院に13世紀から伝わる聖母讃歌のほか、グレゴリオ聖歌やギャビン・ブライヤーズなども自由に織り交ぜた、精妙で美しい祈りの調べ』とのこと。
ソング・オブ・アセンション〜メレディス・モンク:
 クラスターI/スタンド/ウィンター・ヴァリエーション/クラウド・コード/シフト/マッピング/
 サマー・ヴァリエーション/ヴァウ/クラスターII/フォーリング/バーン/スタンド/オータム・ヴァリエーション/
 レッジ・ダンス/トレーセス/レスパイト/マッピング・コンティニュード/クラスターIII/
 スプリング・ヴァリエーション/ファソム/アセント

  メレディス・モンク&ヴォーカル・アンサンブル トッド・レイノルズ・カルテット
  ザ・M6 ヘザー・J.ブキャナン指揮州立モントクレア大学シンガーズ
 録音:2009年11月16日-18日、芸術文学アカデミー、ニューヨーク。近年はオーケストラや弦楽四重奏に強い関心を示しているアメリカの女流作曲家メレディス・モンクが当盤の編成に選んだのは、弦楽四重奏、打楽器、そして2つの合唱グループ。
わが心には憂い多かりき〜J.S.バッハ:オーボエのための協奏曲&シンフォニア集
 カンタータ〔第21番「わが心には憂い多かりき」BWV.21/
       第12番「泣き、歎き、憂い、怯え」BWV.21〜シンフォニア〕/
 協奏曲〔ハ短調 BWV.1060/イ長調 BWV.1055/ニ短調 BWV.1059〕
マルチェッロ/J.S.バッハ編曲:協奏曲 ニ短調
 ハインツ・ホリガー(Ob/オーボエ・ダモーレ)
 エーリヒ・ヘーバルト(Vn)指揮カメラータ・ベルン
 録音:2010年10月20日-22日、チューリヒ。『ホリガーがJ.S.バッハへの敬愛を綴った充実のライナーノートも必読!』とのこと。
無伴奏クラリネットのための現代作品集
 ルチアーノ・ベリオ:クラリネットのための歌曲(1983)
 ハインツ・ホリガー:コントレチャント(2007)
 サルヴァトーレ・シャリーノ: Let me die before I wake (1982)
 エリオット・カーター: Gra (1993) / ハインツ・ホリガー:レシャント(2008)
 ペーテル・エートヴェシュ:Derwischtanz (1993/2001)
 ゲルゲーイ・ヴォイダ: Ligthshadow-trembling (1993)
  レト・ビエリ(Cl)
 録音:2010年9月6日-8日、聖ゲロルト司教座教会、オーストリア。上記カナ表記は代理店記載ママ。有能なスイスのクラリネット奏者、レト・ビエリ(1975-)のデビュー盤。彼はチャールズ・ナイディックにクラリネットを学び、様々な現代作曲家より多くの作品が献呈されている。ここに収録されたクラリネット独奏のための作品は、近代的奏法を可能とした楽器の言語の可能性を探り、それを可能とさせた物。
ボリス・ヨッフェ(1968-): Songs of Songs ロザムンデSQ
ヒリヤード・アンサンブル
 録音:2009年11月26日-28日、聖ゲロルト司教座教会、オーストリア。ヨッフェはサンクトペテルブルク生まれ。彼はドイツ音楽、ロシア文学、極東哲学を融合した美しい音楽を作曲し、ヴォルフガング・リームも絶賛する作曲家。この作品は聖書の言葉を描写したもので、マショー、パレストリーナ、ラッソス、ショスタコーヴィチ、そして2つのクァルテットどうしの融合を調和させた物。それは現代人の心の悩みを鋭くえぐったような痛さを感じるが、その後安らぎを感じてくることだろう。
ヴァイオリンとピアノのための作品集
 武満徹:妖精の距離
 ヒンデミット:ヴァイオリン・ソナタ ホ調
 ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ
 シルヴェストロフ:
  5つの小品(G.クレーメルのために・・)
デュオ・ガッツァーナ
[ナターシャ・ガッツァーナ(Vn)
 ラファエラ・ガッツァーナ(P)]
 録音:2011年3月1日-3日、スイス・イタリア語放送局、ルガーノ、セッション.ローマ近郊生まれのガッツァーナ姉妹は、それぞれP.アモイヤルとB.カニーノに学んだ。ロマン派の音楽も演奏しているが、近現代音楽を国際的な音楽性と深いヒューマニズムに満ちた独特な解釈で演奏し高い評価を得ている。この初アルバムは、それぞれの国の独特な様式に書かれているが、非常に異なった作曲家の音楽の間に創造的な親近感を見つけることが出来るだろう。
喜べ、シオンの娘よ
 グレゴリオ聖歌:詩篇94篇「来たれ、主をたたえ」/マニフィカト「おお、いと聡明なる乙女」/ガウデアムス
 ウエルガス写本より:オルガヌム「あわれみの讃歌」 / グレゴリオ聖歌:グローリア
 プレトリウス:祝せられた胎よ / グレゴリオ聖歌:娘よ、聞き、よく見なさい
 ペトルス・ヴィルヘルミ・デ・グラウデンツ: Prelustri elucentia
 グレゴリオ聖歌:オッフェトリウム「アヴェ・マリア」 / ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:セクエンツァ「聖霊の炎」
 グレゴリオ聖歌:アニュス・ディ/喜べ、シオンの娘よ / モンペリエ写本より:おお、マリア
 グレゴリオ聖歌:アンティフォン「サルヴェ・レジナ」 / ユダヤ典礼聖歌より: Ma navu

  ヤーン=エイク・トゥルヴェ指揮ヴォックス・クラマンティス
 録音:2010年9月14日-18日、聖ニコラス聖堂、ハープサル、エストニア。ヴォックス・クラマンティスは、1996年設立。エストニアの歌手・器楽奏者から成り、中世の多声声楽曲と現代音楽を得意としている。エストニアの作曲家ペルトからの信頼が篤く、多くの作品を献呈され初演している。またロシア正教典礼音楽とジャズ・ギターの共演など新しいコラボにも挑戦しているが、このアルバムではグレゴリオ聖歌と初期ポリフォニーの音楽を聴かせてくれる。全員が見事にそろった声、そしてハーモニー。美しい残響とECMのクリスタルなサウンドによって、聖歌が感動的に歌われている。
ヘレナ・トゥルヴェ
 声楽と古楽アンサンブルのための「 Reyah hadas'ala 」(2005)
 [シャルル・バルビエ、タニエル・キリカル(CT) ヤーン=エイク・トゥルヴェ指揮
  ヴォクス・クラマンティス、アンサンブル・ホルトゥス・ムジクス]/
 ソプラノ、オーボエと打楽器のための「 silences / Larmes 」(2006)
 [アリアンナ・サバール(S) リーヴォ・カラスマー(Ob) ヘレナ・トゥルヴェ(風鈴)]/
 ソプラノ、ハープと弦楽四重奏のための「 L'Équinoxe de l'âme 」(2008)
 [アリアンナ・サバール(S/Hp) HYYD SQ ヤーン=エイク・トゥルヴェ指揮]/
 声楽とニッケルハルパのための「 Arboles lloran por lluvia 」(2006)
 [アリアンナ・サバール(S) タニエル・キリカル(CT)
  ヤーン=エイク・トゥルヴェ指揮ヴォクス・クラマンティス]/
 管弦楽のための「 Extinction des choses vues 」(2007)[オラリー・エルツ指揮エストニア国立so.]
 録音:2009年-2010年。エストニアのタルトゥで生まれ、タリンの音楽高校でAlo Poldmaeの指導を受け、その後は1989年から1992年までエストニア音楽大学でエルッキ=スヴェン・トゥールに作曲を学んだというヘレナ・トゥルヴェ。その後はグレゴリオ聖歌の研究を行う傍ら、ジェルジ・リゲティとマルコ・ストロッパの講習に参加、精力的にその才能を伸ばし続けている。彼女の作風は音と響きに重点を置くもので、リズム中心の新古典派の伝統とは一線を画しており、その音楽からは響きのスペクトルと、彼女が愛するグレゴリオ聖歌の敬虔なる雰囲気が漂う。今回のアルバムでは、新しい響きを求める彼女らしく、カウンターテナーやピリオド楽器などを配した曲がとりわけ目を引く。ジョルディ・サバールの娘で歌手、古典ハープ奏者でもあるアリアンナ・サバールも参加して、幽玄で捉えどころのない響きに身を委ねる快感に満ちた1枚。
ガース・ノックス〜サルタレッロ
 ヴィオラ・ダモーレとチェロのための「 Black Brittany 」
  (原曲:民謡「Black is the Colour」 & Johnny Cunningham「 Leaving Brittany 」)
 パーセル:束の間の音楽(ヴィオラ・ダモーレとチェロのための編曲版)
 ヴィヴァルディ:ヴィオラ・ダモーレ協奏曲 ニ短調 RV.393(ヴィオラ・ダモーレとチェロのための編曲版)
 ガース・ノックス:無伴奏ヴィオラのための「 Fuga libre 」
 フィドルとパーッカションのための「 Ave, generosa —Complainte ‘Tels rit au main au soir pleure ' 」
  (原曲:ヒルデガルト:フォン・ビンゲンとギヨーム・ド・マショーの作品より)
 カイヤ・サーリアホ:ヴィオラとエレクトロニクスのための「 Vent Nocturne 」
 フィドルとパーッカションのための3つの舞曲(原曲:作者不詳〔14世紀〕の作品)
 フィドルとパーッカションのための「 Pipe, harp and fiddle 」
 (原曲:民謡「Port na bPùcai」「Chanter 's Song」「Star of the County Down」)

  ガース・ノックス(Va/ヴィオラ・ダモーレ/中世フィドル/編曲)
  アニエス・ヴェスターマン(Vc) シルヴァン・ルメートル(Perc)
 録音:2009年12月5日-6日、スイス・イタリア語放送オーディトリアム、ルガーノ。アルディッティ弦楽四重奏団のヴィオラ奏者として活躍し、ブーレーズ率いる現代音楽集団アンサンブル・アンテルコンタンポランにも参加していたガース・ノックス。このアルバムは、彼がひく18世紀初頭に活躍したヴィオラ・ダモーレとヴィオラ、中世フィドルの弦楽器ソロと、チェロまたはパーカッションのための作品を収録。今回は、民謡や中世の舞曲や歌曲、バロック音楽や伝統的なケルトの作品を、彼独自の現代的編曲。そしてサーリアホがガース・ノックスのために献呈した、グリッサンドの多用と呼吸によってエレクトロニック表現された作品も収録され、オリジナリティあふれる斬新なプログラムで驚かせます。『私の楽器のそれぞれ〜中世のフィドル、ヴィオラ•ダモーレとヴィオラ〜のための独自の視点と音の世界をもたらし、それに対応するパートナー(フィドル&パーカッション、ヴィオラ•ダモーレ&チェロと、ヴィオラ&エレクトロニクス)によって現代においてすべてを共有すること。現在までのこれらの作品をこのように現代に蘇らせることで、その固有の性質を破壊することなく、今ここでそれらを探索することなの』と、ガース・ノックスは語っている。
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(5CD)
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ロッケンハウス・エディション BOX [Edition Lockenhaus] 新録音 + Vol.1, 2, 4, 5
 R.シュトラウス:変容[サイモン・ラトル指揮クレメラータ・バルティカ]
 メシアン:神の降臨のための3つの小典礼
  [ローマン・コフマン指揮クレメラータ・バルティカ、シェドリク少年cho.]
 フランク:ピアノ五重奏曲 ヘ短調 (*)
 [アレクサンドル・ラビノヴィッチ(P) ルーカス・ハーゲン、クリスタ・ベニオン・フィーニー(Vn)
  タベア・ツィンマーマン(Va) クレメンス・ハーゲン(Vc)]
 カプレ:幻想的な物語(*)[ウルスラ・ホリガー(Hp) ダニエル・フィリップス、
             ミヒャエル・シュニツラー(Vn) ジェラール・コセ(Va) 岩崎洸(Vc)]
 プーランク:2つの歌(*)[クリスティーン・ホイットルジー(S) ロバート・レヴィン(P)]
 ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」(*)[ハーゲンSQ]
 ストラヴィンスキー:「兵士の物語」〜3つの舞踏組曲(*)
 [ギドン・クレーメル(Vn) エドゥアルト・ブルンナー(Cl) アロイス・コンタルスキー(P)]/
           弦楽のための協奏曲 ニ調(*)[ハインツ・ホリガー指揮ユンゲ・ドイチェpo.]
 ショスタコーヴィチ:「ヴイボルグ地区」Op.50a〜ワルツ(*)/組曲「馬あぶ」Op.97a〜手回しオルガンのワルツ(*)
 [イレーナ・グラフェナウアー(Fl) エドゥアルト・ブルンナー(Cl) オレグ・マイセンベルク(P)]/
           弦楽八重奏のための前奏曲とスケルツォOp.11 (*)
 [ルーカス・ハーゲン、トーマス・ツェートマイヤー、アネッテ・ビク、ダニエル・フィリップス(Vn)
  ヴェロニカ・ハーゲン、ハット・バイエルレ(Va) ルーカス・ハーゲン、マルクス・ストッカー(Vc)]
 ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第14番 Op.142(#)[ギドン・クレーメル、堀米ゆず子(Vn)
            キム・カシュカシアン(Va) ダヴィッド・ゲリンガス(Vc)]/
           弦楽四重奏曲第13番 Op.138(#)[ギドン・クレーメル、トーマス・ツェートマイヤー(Vn)
            今井信子(Va) ボリス・ペルガメンシコフ(Vc)]/
           「ムツェンスク郡のマクベス夫人」Op.29〜アダージョ(#)/「黄金時代」Op.22〜アレグレット(#)
 [ギドン・クレーメル、アネッテ・ビク(Vn) ヴェロニカ・ハーゲン(Va) トーマス・デメンガ(Vc)]
 シュルホフ:六重奏曲 Op.45(#)/ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲(#)
  [ギドン・クレーメル、フィリップ・ヒルシュホルン(Vn) キム・カシュカシアン、
   今井信子(Va) ダヴィッド・ゲリンガス、 ユリウス・ベルガー(Vc)]/
       ジャズ様式の5つの練習曲 Op.58(#)[ジェイムズ・トッコ(P)]
 録音:1981年-1986年(*/#)/2008年。分売(共に当店未案内/廃盤):「Vol.1 & Vol.2」:827 024-2 [ECM-1304/5] (2CDs) (*)、「Vol.4 & Vol.5」:833 506-2 [ECM-1347/8] (2CDs) (#)。
 鬼才クレーメルが1981年から主宰するロッケンハウス室内音楽祭30周年記念、ECMのプロデューサー、アイヒャーとの共同企画。代理店によると『これまでのハイライトを系統立ててリリースする企画の第1弾にあたる。』とのこと。なお、代理店案内には『ヒルスコルン』というヴァイオリン奏者が登場するが、ヒルシュホルン [Philippe Hirshhorn; 1946-1996] の誤り。綴りにKやCは入っていないのだが・・・。
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための作品集
 ヴァイオリンとピアノのための幻想曲 ハ長調 D.934,Op.159 /
 華麗なるロンド ロ短調 D.895,Op.70 /
 ヴァイオリンとピアノのための二重奏曲(ソナタ) イ長調 D.574,Op.162
  カロリーネ・ヴィトマン(Vn) アレクサンダー・ロンクィッヒ(P)
 録音:2010年11月2日-4日、ノイマルクト。ヴィトマンは「シューベルには、ためらいの中に痛みと同じ強烈さで表現された美しさがある。オーストリアの田舎、そして天に手を伸ばすような幸福感。それらが超越して曲に込められている」と語っているとおり、音色の変化によって色彩感豊かな自然なシューベルト像を描き出している。
アファナシエフ初音盤曲〜シューベルト
 楽興の時 D780(全6曲)/
 ピアノ・ソナタ第17番 ニ長調 D850
ヴァレリー・アファナシエフ(P)
 録音:2010年9月23日-25日、RTSI放送局アウディトリオ、ルガーノ。鬼才ピアニスト、アファナシエフがシューベルトと共にECMへ戻ってきた。おそらく共に彼にとって初録音作(国内代理店は『《楽興の時》は2010年来日時のライヴ録音が他社からリリースされていますが、こちらはそれに先立つイタリアでのスタジオ録音』としており、確かに当時演奏は行なってNHK-BSで放送も成されたようだが、商業発売されておらず誤りと思われる〔若林工房から発売された即興曲3曲と取り違えている?〕)。ECMへの録音は1985年のロッケンハウス音楽祭ライヴ以来。
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(2CD)
ジャレット&マカルスキ〜J.S.バッハヴァイオリン・ソナタ 全集 BWV.1014-1019
 〔第1番 ロ短調 BWV1014 /第2番 イ長調 BWV1015 /第3番 ホ長調 BWV1016 /
  第4番 ハ長調 BWV1017 /第5番 ヘ短調 BWV1018 /第6番 ト長調 BWV1019 〕

 マイケル・マカルスキ(Vn) キース・ジャレット(P)
 録音:2010年11月20日-22日、アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ、ニューヨーク。1987年の平均律クラヴィーア曲集第1巻からはじまったキース・ジャレットのクラシック録音だが、1991年のフランス組曲以降、バッハ録音は途絶えていた。今回のアルバムは、バッハ作品としては19年ぶり、クラシック作品としても14年ぶりとなる物。ヴァイオリン・ソロを務めるのは、ECMにいくつか録音があるアメリカ出身の中堅奏者で、さまざまなジャンルで活躍し、ライヴでもキースと共演、彼の自作クラシック・アルバムにも参加しているマカルスキ。キースのバッハ作品は、ゴルトベルク変奏曲や平均律クラヴィーア曲集第1巻がロングセラーを続けており、コア・クラシック・ファンの間でも、根強い人気がある。2013年はキース・ジャレット・トリオとの日本ツアーで健在ぶりを見せてくれた彼、このバッハ・アルバムでも、円熟味の増した演奏を聴かせてくれる。
ヴァールヨン〜ベルク、ヤナーチェク&リスト
 ベルク:ピアノ・ソナタOp.1
 ヤナーチェク:4つの小品「霧の中で」
 リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調
デーネシュ・ヴァールヨン(P)
 録音:2011年4月27日-28日、スイス・イタリア語放送、ルガーノ。ベルクの作品は、シェーンベルク下で修業時代の末期を飾るにふさわしく、2つの主題がテンポの違いによって対照化され、からみあってクライマックスをなしており、濃厚な後期ロマン派的表情を醸し出している。ヤナーチェクの作品は、60歳を目の前にプラハの音楽界に認められず、ブルノで不安にさいなまれていた時代のもので、全曲を通して表題のように暗い色調で、当時の作曲者の精神状態を反映したものといわれている。ハンガリーのピアニスト、デーネシュ・ヴァールヨンは「私はリストの音楽からのエコーをベルクとヤナーチェクの作品の中に感じるが、リストの作品が持つ斬新さを、さらに後の作曲家たちの作品にも見出すことが出来る」と語っているように、ベルクとヤナーチェクとカップリングする事によって、リスト作品の中に潜む斬新性を抉り出している。
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン(1098-1179):
 典礼劇「オルド・ヴィルトゥトゥム」〜諸徳目の秩序 [Ordo virtutum]
 〔 Patriarchae Et Prophetae / Patriarchae Et Prophetae / Querela Animarum In Carne Positarum / Felix Anima /
   Felix Anima / Sed Gravata Anima Conqueritur / Anima Illa / Scientia Dei Ad Animam Illam / Infelix Anima /
   Scientia Dei / Anima Illa / Strepitus Diabolo Ad Animam Illam / Diabolus / Humilitas / Humilitas / Humilitas /
   Caritas / Timor Dei / Diabolus / Obedientia / Fides / Spes / Castitas / Innocentia / Contemptus Mundi /
   Amor Caelestis / Disciplina / Verecundia / Misericordia / Victoria / Discretio / Patientia / Humilitas /
   Querela Animarum Paenitentis / Anima Illa / Anima Illa / Paenitens Anima Ad Virtutes / Anima Illa / Humilitas /
   Humilitas / Diabolus / Paenitens Anima / Anima Illa / Humilitas Ad Victoriam / Victoria Ad Virtutes /
   Humilitas / Victoria / Castitas / Diabolus / Castitas / Epilog 〕

 アンサンブル・ベルカント
  [Andrea Baader, Martina Scharstein, Selina Drews(S) Edith Murasov, Dietburg Spohr(Ms)]
 Benjamin Cromme, Lilith Reid (シュプレッヒシュティンメ)
 録音:2010年10月20日-22日、フェステブルク教会、フランクフルト。12世紀ドイツの女性神秘家&史上初の女流作曲家ヒルデガルト・フォン・ビンゲン。ここに録音された作品は、作者の知られた典礼劇そして道徳劇としては最も古い物。創造的解釈アンサンブル「アンサンブル・ベルカント」は女声によるグループ。創設者のディートブルク・シュポアは「客観的な歴史の忠実な再現者であることは放棄し、架空の中世作曲家の代わりになるべく演奏する。」と語っており、現代に生きる私たちに、斬新な解釈を聴かせてくれる。
ダリオ・カステッロ(?-1630?):
 現代的なソナタ・コンチェルターテ第1巻 より ソナタ〔第7番/第8番〕/
 現代的なソナタ・コンチェルターテ第2巻 より ソナタ〔第1番/第7番/第2番/第8番〕
ジョヴァンニ・バッティスタ・フォンタナ(1589-1630?):ソナタ
 〔第2番/第9番/第3番/第10番/第5番/第12番/第6番〕
 ジョン・ホロウェイ(バロックVn) ジェーン・ガワー(ドゥルシアン)
 ラース・ウルリク・モーテンセン(Cemb)
 録音:2008年6月15日-17日、ザンクト・ゲロルト修道院、オーストリア。ヴェネツィアで管楽器奏者として活躍したこと以外ほとんど知られていない作曲家カステッロ。1621年と1629年にそれぞれ出版された「現代的なソナタ・コンチェルターテ」は、初期のソナタの実態を知る上で重要な作品。これらは通奏低音付の1〜4声のための曲集で、ここに収録されたソナタはそのうち1〜2声の物。ホロウェイの限りなく美しいバロック・ヴァイオリン。バロック・ファゴットの前身であるドゥルシアンで、これらの重要な作品の美しい主旋律をまるでバリトン歌手のように歌うジェーン・ガワー。コンチェルト・コペンハーゲンの音楽監督としても活躍するモーテンセンの通奏低音は、感情的というよりは主旋律楽器に寄り添うように、繊細な和音を効果的に付け足すことで、美しい響きの空間を作り出すことに成功している。
Canto oscuro
 J.S.バッハ/ブゾーニ編曲:私はあなたを呼ぶ、主イエス・キリストよ/
               いざ来ませ、異邦人の救い主よ/シャコンヌ/前奏曲 ニ短調
 グバイドゥーリナ:シャコンヌ / ヒンデミット:組曲「1922年」Op.26
  アンナ・ゴウラリ(P)
 録音:2011年5月24日-25日、Historischer Reitstadel 、ノイマルクト。アンナ・ゴウラリは1972年タタルスタンに生まれ、キーラ・シャシュキナ、ヴェラ・ゴルノスタエワに師事。1986年カバレフスキー・コンクールで優勝し、1990年には第1回ゲッティンゲン国際ショパン・コンクールで優勝している。若き日のアルゲリッチを思わせるエキゾティックな美貌の持ち主で、2001年ヴェルナー・ヘルツォーグ監督の映画「神に選ばれし無敵の男」に出演し話題となった。Deccaレーベルに「ミッドナイト〜様々な作曲家によるノクターン集」「スクリャービン作品集」などを録音してきたが、今回はECMから登場。ブゾーニ編曲によるバッハ作品、ゴウラリと同郷タタルスタン生まれのグバイドゥーリナ、比較的初期のヒンデミットの作風を代表する「1922年」などを録音している。抑制の効いた厚みのある響きによって、陰影に富んだ色彩画のような深い印象を与えてくれる演奏。
ソフィア・グバイドゥーリナ
 オルフェの竪琴(クレーメルのために)(2006) (*)
  [ギドン・クレーメル(Vn) マルタ・サドラバ(Vc) クレメラータ・バルティカ]/
 アッシジの聖フランチェスコによる太陽の賛歌(ロストロポーヴィチのために)(#)
  [ニコラス・アルステッド(Vc) アンドレイ・プシュカレフ(Perc)
   マリス・シルマイス指揮カメールcho.]
 録音:2006年7月16日(*)、2010年7月10日(#)、ロッケンハウス音楽祭、ライヴ。(*)はクレーメルによって初演された作品。「緻密な内部塑性」から始まる魂の音楽を感じさせる手法で作曲されており、豊饒な音と沈黙、そして演奏家自身にも独自の創造性が要求される。(#)は、ロストロポーヴィチのために作曲された作品で、ここに収録された演奏は「華麗なテクニックと美しい音の表現。見事に個性が発揮された最高の演奏」と、グバイドゥーリナ自身が絶賛した物。チェロのニコラス・アルステッドは、2012年からクレーメルよりロッケンハウス音楽祭の音楽監督に就任する。
D.R.デイヴィス〜バルトーク&ルトスワフスキ
 ルトスワフスキ:葬送音楽
 バルトーク/アルトゥール・ヴィルナー編曲:ルーマニア民俗舞曲(弦楽合奏版)(#)
 バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント(+) /2声または3声の合唱曲集(27のハンガリー民謡)〜7曲(*)

  デニス・ラッセル・デイヴィス指揮シュトゥットガルト室内o.、ハンガリー放送少年少女cho. (*)
 録音:2010年2月18日-20日、ジルヒャー・ザール、シュトゥットガルト。ルトスワフスキの「葬送音楽」は、バルトークを追悼して作曲された。12音技法に基づいているが、独自な音列を織り込み、独特のハーモニーを作り出している。バルトークの(#/*)は、彼の作曲技法である、ハンガリーの民謡語法と印象主義音楽以降の同時代の手法を取り入れた物。(#)は、ウィルナーによる弦楽合奏版によるもので、ヴァイオリン・ソロも多くエキゾチックでシンプルな曲調から人気がある編曲版。(+)は、パウル・ザッハー主催のバーゼル室内o.のために書かれ、バロックの合奏協奏曲の範をとり、簡潔で明快に響く佳作。シュトゥットガルト室内o.の桂冠指揮者でもある鬼才D.R.デイヴィスが作品を分析し、これらの作品を明快に紐解いていく。
無伴奏ヴィオラのための作品集
 クルターグ(1926-):サイン、ゲームとメッセージ〜
  〔イン・ノミネ/ラースロー・ドブサイのための静かな線/ヴェラ・リゲティへの手紙/緑の森の/打ったり叩いたり/
   アンネリーゼ・ニッセン・ジグモンディの想い出に/タマシュ・ブルムの思い出/ジェルジ・アクセルの思い出/
   J.H.の歌/打ったり叩いたり(リプレイ)/カレンツァの舞曲/ジェルジ・クローの思い出/
   ジョン・ケージの思い出/悲しみ/無窮動/サイン1/サイン2/サーリ・ゲルローツィの展覧会に/半音階の論争〕
 リゲティ(1923-2006):無伴奏ヴィオラのためのソナタ
  キム・カシュカシアン(Va)
 録音:2011年5月、ザンクト・ゲロルト修道院、オーストリア。クルターグの「サイン、ゲームとメッセージ」は、ほぼ50年前から構想され、彼が現在においても追加し続けている非常に個人的な細密画のようなコレクションといえるだろう。この曲集は様々な人に触発されて書かれたもので、思慮深く、楽しく、陽気に、穏やかなに、悲しく、生意気で、そしてメランコリックに奏でられていく。ユーモアや民族的な要素も取り入れられ、人間的な音楽に感じられるだろう。リゲティの「無伴奏ヴィオラのためのソナタ」は、バッハの作品をもとにしながらも、突然の音楽の終結など、強い強度によるシーケンス処理は数学的で実験的。クルターグとリゲティはほぼ同年代のハンガリーの現代作曲家であり、お互いに友人でありライバル的存在でもあったようだ。ヴィオラの名手キム・カシュカシアンはこの2人の作品を解析し、特殊奏法や緊迫した表現によって、内面的な部分までをも見事に対比していく。
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(2CD)
リュビーモフ〜ドビュッシー:前奏曲集
 前奏曲集〔第1巻/第2巻〕/牧神の午後への前奏曲(2台ピアノ版;*)/
 夜想曲(ラヴェル編曲/2台ピアノ版;*)
  アレクセイ・リュビーモフ(P) アレクセイ・ズーエフ(P;*)
 録音:2011年4月4日-7日、聖ピータース教会、マースメレヘン、ベルギー。ネイガウスの系譜を受け継ぐ超テクニシャン鬼才リュビーモフ。彼のデビュー盤はドビュッシーの「前奏曲集」(メロディア)だった。今回はECMへの再録音となる。「ドビュッシーは抒情的でドラマティック。ポエジーのある柔らかなニュアンスを出す作曲家」とリュビーモフ自身語っているとおり、鍵盤楽器の機能を知り尽くした彼ならではの抒情詩を、作品に反映させて語っていく。彼の弟子でもあるズーエフとの共演による2台用の作品も収録。1925年製ベヒシュタインと1913年製スタインウェイの対照的な音色を持ったピアノを使用しているところにも、彼ならではのこだわりが見える。
ヒリアード・アンサンブル〜ジェズアルド:マドリガーレ集第5巻(5声のための)
 歌って楽しみなさい/見つめなければ私は死なないが/行け、わがため息よ/とてもいとしいわが命のひとよ/
 ああ、痛ましい喜び/いとしい方よ、愛の甘い「ああ」という言葉は/いとしいひとの目に宿り/
 もし私の悲しみがあなたを悲しませるのなら/わが心の命であるまなざしよ/命のひとから離れる者は/
 情けをと私は泣きながら叫ぶのだが/ああ、お前たちはあまりにもしあわせ/恋人たちよ、競い合って急ぎなさい/
 美しい目をふきなさい/お前は私を殺す/ああ、美しい胸を覆ってほしい/悲しく涙もろい私の気質に(第1部)/
 けれど、私を死へと導く(第2部)/ああ、暗い日よ/もしお前が逃げるなら/あなたを愛している、私の生命よ

  ヒリヤード・アンサンブル
  [モニカ・マウフ(S) デイヴィッド・ジェイムズ、デイヴィッド・グールド(CT)
   ロジャーズ・カヴィ=クランプ、スティーヴン・ハロルド(T) ゴードン・ジョーンズ(Br)]
 録音:2009年11月23日-25日、ザンクト・ゲロルト修道院、オーストリア。ヒリヤード・アンサンブルによるジェズアルド第2弾。ジェズアルドはルネサンス後期のイタリアの貴族で、作曲家兼リュート奏者。シュニトケのオペラの題材に採り上げられたことでも知られ、不貞を働いた妻とその相手を殺害し逃亡した逸話は特に有名だろう。ヒリヤード・アンサンブルの表現力豊かな歌声は、この作品の「贅沢かつ堕落的エロティシズムと、自己犠牲とのコントラスト」をみごとに想起しえる。
アダムの嘆き〜アルヴォ・ペルト(1935-):合唱作品集
 アダムの嘆き/祝福されたペトロニウス/サルヴェ・レジナ/主は平安を約束された/
 アレルヤ・トロープス/アガトン神父/エストニアの子守歌/クリスマスの子守歌
  トヌ・カリユステ指揮ラトヴィア放送cho.、ヴォクスクラマンティス、
  リガ・シンフォニエッタ、エストニアpo.室内cho.、タリン室内o.
 録音:2011年11月、2007年5月、タリン、ニクリステ教会。エストニア出身の作曲家ペルトの「タブラ・ラサ」が、ECM NEW SERIESの第一弾としてリリースされたのが1984年。以来、4半世紀にわたり、同レーベルの最重要作曲家として位置づけられてきたペルト。ECMにはペルトの作品が数多く録音されたが、このアルバムでは、2000年以降に作曲(改編)された、比較的新しい作品が収録。ペルトの偉大な詩的な表現力、メッセージの愛と謙虚さが表現されている、カリユステ指揮によって、静謐で透明な響きがとても美しく印象に残るアルバム。
ドブリンカ・タバコワ(1980-):
 インサイト /ヴィオラと弦楽のための協奏曲 /
 Frozen River Flows / Such different paths (*) /
 古風な様式による組曲(ラモー風)
マクシム・リサノフ(Va)指揮
リトアニア室内o.
ジャニーヌ・ヤンセン(Vn;*)他
 録音:2011年-2012年、ヴィリニュス国立フィルハーモニック・ホール(*以外)、イエス=キリスト教会、ベルリン(*)。ドブリンカ・タバコワはブルガリア生まれ。幼い頃よりロンドンで音楽教育を受け、わずか14歳で作曲賞を受賞している。彼女の音楽は、豊かな旋律と官能的で感情的な精神で満たされている。ここに収録された2002〜2008年に作曲された作品の多くはロッケンハウス音楽祭のために書かれたもので、バロック音楽様式と民俗音楽の影響を受けた弦楽器(一部アコーディオン含む)のための物。ひとつの楽器の音に積み重ねていく他の楽器の倍音、ヴォーカル風の叙情、楽器同士の会話の融合などによったもので、「氷河を頂く美しい自然」のような音楽。それらを演奏するには、特殊な技巧と演奏表現が必要となるが、マクシム・リサノフらによる完璧なテクニックによって、美しさが強調された素晴らしい演奏となっている。
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(4CD)
3CD価格
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 全曲〔第1巻&第2巻 BWV846-893〕
 アンドラーシュ・シフ(P)
 録音:2011年8月11日-14日、イタリア、ルガーノ。ピアニストにとっての旧約聖書と呼ばれるバッハ鍵盤作品の最高峰、平均律クラヴィーア曲集。ハンガリー出身のピアニスト、アンドラーシュ・シフはかつてDeccaに同作品の録音を残しているが、ついに2011年再録音を行った。シフは2011年2月の来日公演でもこの作品を披露。3時間近い大作を全曲暗譜で弾き、日本の聴衆を魅了した。今回の再録音は実に17年ぶりとなる物。旧盤はいまだに現役で、スタンダードとして驚異的なロング・セラーを続けている。近年バッハ演奏では常に最高の評価を得ているシフだけに、この平均律全曲は、まさにファン待望の1セットといえるだろう。
ステファノ・スコダニッビオ(1956-2012):Reinventions
 Contrapunctus I (2007)(J.S.バッハ:「フーガの技法」による)/
 Quattro Pezzi Spagnoli (2009)(タレガ、リョベト、アグアド、ソルのギター作品による)/
 Contrapunctus V (2009)(J.S.バッハ:「フーガの技法」による)/
 Canzoniere Messicano (2004-2009)(ヒメネス、アラベス、ビルバオ、ベラスケスの作品による)/
 Contrapunctus IV (2008-2009)(J.S.バッハ:「フーガの技法」による)

  プロメテオSQ [Giulio Rovighi, Aldo Campagnari (Vn), Massimo Piva (Va), Francesco Dillon (Vc) ]
 録音:2011年1月、ジュゼッペ・ヴェルディ劇場、ポッレンツァ。現代イタリアを代表する作曲家のひとりステファノ・スコダニッビオは、卓越したコントラバス奏者でもあった。ノーノ、クセナキス、ケージ、テリー・ライリーなどから影響を受け、楽器の拡張技術を発展させた作曲法で知られている。当盤には彼晩年の弦楽四重奏のための作品を収録。バッハやラテン系ギター作品などの伝統的音楽を、弦楽特有のレガート、ピチカート、フレーズ、倍音などを用いた特殊奏法によって、様々な色彩とフォルムに刻々と形を変えながら、抽象画的な世界を描いていく。演奏しているプロメテオ弦楽四重奏団は、プラハの春国際音楽コンクール、ミュンヘンARDコンクールなどで優勝歴をもつ四重奏団で、「圧倒的集中力と安定したテクニックと音楽性」と高い評価を得ている。
モートン・フェルドマン
 ヴァイオリンと管弦楽
カロリン・ヴィトマン(Vn)
エミリオ・ポマーリコ指揮
フランクフルト放送so.
 録音:2009年10月、ヘッセン放送局ホール、フランクフルト。ドイツの若き俊英カロリン・ヴィトマンによるモートン・フェルドマンの協奏曲。彼女は現代音楽に対する柔軟で情熱に満ちた志向性を如何なく発揮している。1979年に書かれたこの作品は、フェルドマンの特徴でもある絵画的テクスチャによる綿密な反復様式によっている。ヴィトマンはこの音楽に色彩感を加えることによって、フェルドマンの「哲学的な質問」の答えを導き出していく。
ジョン・ケージ: As It Is
 夢/18回の春を迎えた陽気な未亡人/...の思い出せない記憶/花/
 マルセル・デュシャンのための音楽/エクスペリエンス第2番/部屋/3つの歌曲/
 ピアノのための2つの小品/5つの歌曲/瞑想への前奏曲/彼女は眠っている/危険な夜/夢
  アレクセイ・リュビモフ(P/プリペアドP) ナターリア・プシェニチニコワ(Vo)
 録音:2011年12月、スイス・ドイツ語放送チューリヒ放送局スタジオ。リュビモフが美学と哲学において大きな影響を受けた作曲家ジョン・ケージ。このアルバムには彼の比較的初期の作品と、キャシー・バーベリアンのために書かれた作品が主に収録されている。今回そのパートナーを務めるナターリア・プシェニチニコワは、元々チャイコフスキー音楽院で学んだフルート奏者で、主に現代音楽とフラウト・トラヴェルソ奏者として活躍していたが、近年では現代音楽の声楽家、パフォーマンス、ダンスなど高い評価を得ている。その二人の融合によって、ミニマル独特の静謐さを湛えた作品が、深い洞察と類い稀なる表現力で奏でられていく。アレクセイ・リュビモフは、1944年にモスクワに生まれたロシアのピアニスト。モスクワ音楽院でネイガウスとナウモフに学び、1965年リオ国際コンクール第1位。西側現代音楽作品を数多くソ連で初演を行ってきた。現代音楽演奏の第一人者というだけでなく、古典ピアノの名手としても活躍している。
コンサート・イン・アテネ〜エレニ・カラインドルー
 Requiem for Willy Loman (Death of a Salesman) - tenor saxophone, piano, string orchestra /
 Eternity Theme (Eternity and a Day) - piano / Closed Roads - viola, string orchestra /
 Waiting (Number Ten) - piano, accordion, harp / Voyage (Voyage to Cythera) - oboe, string orchestra /
 Invocation (Who’s Afraid of Virginia Woolf) - tenor saxophone, string orchestra /
 Tango of Love (Number Ten) - violin, accordion, string orchestra /
 Tom’s Theme (The Glass Menagerie) - tenor saxophone, string orchestra /
 Laura’s Waltz (The Glass Menagerie) - viola, tenor saxophone, accordion, mandolin, string orchestra /
 Adagio (Landscape in the Mist) - viola, tenor saxophone, oboe, string orchestra /
 After Memory - viola, tenor saxophone, oboe /
 Farewell Theme (The Beekeeper) - tenor saxophone, piano, string orchestra /
 Seeking Theme (Dust of Time) - flute, oboe, clarinet, bassoon, french horn, trumpet, string orchestra /
 Nostalgia Song (Number Ten) - piano, accordion, flute, mandolin, harp, string orchestra /
 Waltz of the Rain (Number Ten) - accordion, flute, mandolin, harp, violin, string orchestra /
 Adagio for Saxophone - tenor saxophone, string orchestra /
 Dance (Ulysses’ Gaze) - viola, oboe, french horn, accordion, string orchestra /
 Requiem for Willy Loman, var. (Death of a Salesman) - tenor saxophone, piano, string orchestra

  キム・カシュカシアン(Va) ヤン・ガルバレク(Sax)
  ヴァンゲリス・クリストフォロス(Ob) エレニ・カラインドルー(P)
  アレクサンドロス・マイラット指揮カメラータ・フレンズ・オブ・ミュージックo.
   〔 Cécile Boulard (Cl) , Sonia Pisk (Fg), Vangelis Skouras (Hr), Socratis Anthis (Tp),
     Maria Bildea (Hp), Dinos Hadjiiordanou (accordion), Aris Dimitriades (mandolin) 〕
 録音:2010年11月19日、メガロン・アテネ コンサートホール、ライヴ。上記曲目は収録予定曲。テオ・アンゲロプロス監督映画の音楽でも高名なギリシャの女性作曲家、カラインドルーのライヴ・アルバム。 静寂をもその音楽の重要な要素とする静謐な音楽世界が展開される。『The Beekeeper(蜂の旅人)』(1986)、『Landscape in the Mist』(霧の中の風景)(1988)、『Ulysses´Gaze(ユリシーズの瞳 )』(1995)、『Eternity and a Day(永遠と一日)』(1998)、『The Dust of Time(第三の翼)』(2009)等のアンゲロプロス作品の音楽はもちろん、『Death of a Salesman』(セールスマンの死)他の有名戯曲の音楽をカラインドルーが手がけた楽曲等、全曲がカラインドルーの作曲。カラインソルーは自らピアノで参加。さらにカシュカシアン、ガルバレク、ヴァンゲリス・クリストフォロスらが参加。
シルヴェストロフ:祈りのための合唱作品集
 夕べの祈りのための歌(2006) /詩篇と祈り(2007) /2つのスピリチュアル・リフレインズ(2007) /
 2つのダヴィド詩篇(2007) /2つのスピリチュアル・ソングズ(2007) /3つのスピリチュアル・ソングズ(2006)

  ミコラ・ゴブディッチ指揮キーウ〔キエフ〕室内cho.
 録音:2008年、聖ムィハイール黄金ドーム修道院、キーウ〔キエフ〕。ECMレーベルでは2001年以来シルヴェストロフの作品を紹介し続けているが、今回は2006年と2007年に作曲された「聖なる祈りの調べ」による合唱作品。前衛音楽の停滞後、多くの作曲家が書く理由を失う中で、彼は望郷や回顧といった感覚を機能和声の枠内で取り戻すことに成功した。これらの作品は、ロシア語、ウクライナ語の独特な発音・発声、そして教会の残響や鐘の音色を模倣したエコーが取り入れられ、アカペラ合唱作品の叙情的な美しさを聴くことが出来る。キーウ〔キエフ〕を象徴する聖ムィハイール黄金ドーム修道院の見事な残響を取り入れたECMの優秀録音。そして、名門キーウ〔キエフ〕室内合唱団の精密なハーモニーが、静かな祈りの調べを多彩なサウンド・クオリティで織り上げていく。
バートウィッスル:室内楽&歌曲集
 ローリン・ニーデッカーの3つの時/ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重奏曲/
 ボーゲンシュトリヒ(リルケの詩による)/ローリン・ニーデッカーの9つの時
   エイミー・フレストン(S) ロデリック・ウィリアムズ(Br)
   リサ・バティアシュヴィリ(Vn) エイドリアン・ブレンデル(Vc) ティル・フェルナー(P)
 録音:2011年8月、ヘラクレスザール、ミュンヘン。現代イギリス音楽界を牽引する作曲家の一人、ハリソン・バートウィッスル。彼の80歳(2014.7.15)を記念しての、室内楽と歌曲の録音。「ローリン・ニーデッカーの3つの時」は、2006年の作曲で巨匠アルフレッド・ブレンデルへ捧げたソプラノとチェロのための作品。チェロはブレンデルの息子であるエイドリアン・ブレンデルが演奏している。「ピアノ三重奏曲」は、2011年初演された最新作。精巧なパターニング、ジェスチャーと応答が繰り返される独特な響きを持つ作品で、リサ・バティアシュヴィリも参加しての録音。どの曲も、集中力、精度、表情やタイミングなど、演奏家の最大限の能力が要求される作品で、それらが見事に結実した卓越した演奏をお楽しみ頂ける。
ハインツ・ホリガー:マショー・トランスクリプション
 マショー/ハンツ・ホリガー編曲(4人の歌手と3つのヴィオラのための):
  バラード IV(Biaute qui toutes autre pere)/バラード IV(3つのヴァイオラのための)/
  バラード XXVI(Donnez, Seigneur)/バラード XXXVI(3つのヴァイオラのための)/
  二重ホケット(ダヴィデのホケトゥス)/三重ホケット(ダヴィデのホケトゥスの後に)/
  レイ VII(4人の歌手のための)/
  In(ter)ventio a 3 und Plor/Prol/Or atio : für 3 Violen (2009) /
  Anhang. "Complainte" und Epilog : für 4 Singstimmen und 3 Violen (2009)

 ヒリヤード・アンサンブル ジュヌヴィエーヴ・シュトロッセ(Va)
 イェルク・デーラー(Va) ミュリエル・カントレッジ(Va)
 録音:2010年11月、DRSスタジオ、チューリヒ。
ヨーハン・ルートヴィヒ・
 トレプルカ(1903-1945):
  ニコラウス・レーナウの言葉による
   見出し付きのピアノ小品集

    Op.2[第1曲−第7曲]
ノルベルト・フォン・
 ハンネンハイム(1898-1945):
  ピアノ・ソナタ集

   [第2番/第4番/第6番/第12番]
ヘルベルト・ヘンク(P)
 録音:2005年。
 ヘルベルト・ヘンクは1948年にドイツに生まれたピアニスト・作曲家。ピアニストとしては主に20世紀作品を採り上げている。著作家としても、シュトックハウゼンの作品や、ラテンアメリカ、ピアノなどに関する書物を出版してきた才人。2007年はエルンスト・フォン・ジーメンス賞を受賞した。このヘンクのニュー・アルバムは、1945年に亡くなった2人の作曲家による、12音技法を用いた貴重なピアノ作品を集めたもの。
 トレプルカは、シェーンベルクよりも早くに12音技法を体系化したと言われるヨーゼフ・マティアス・ハウアー(1883-1959)の門下。ウィーン生まれで、ダンツィヒで没した。後期ロマン派のような詩的な味わいの漂う彼のピアノ小品集は、ニコラウス・レーナウ(R.シュトラウスの「ドン・フアン」で有名な詩人)の言葉に基づいたもの。1937年にウィーン放送のために録音された大きなオーケストラ曲を除けば、現在残っているのは殆どこのピアノ小品だけ。ヘンクがハウアーに関する著書を準備している際に発見した貴重な作品だ。
 ノルベルト・フォン・ハンネンハイム(1898-1945)は師であるシェーンベルクから、「間違いなく最も興味深い才能をもったひとり」と高く評価されていた人物。成功を収めようとした矢先、ナチスの台頭によって「非ドイツ的」という烙印を押され、失脚。終戦まで極貧生活を余儀なくされ、数年間のサナトリウム生活の後、現在の西ポーランドで亡くなった。彼の作品も僅かしか残っていない。なお、ヘンクはフォン・ハンネンハイムについての280ページにおよぶ論文を脱稿したばかり。ヘンク自身によるライナー・ノーツも注目。
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(2CD)
エレニ・カラインドルー:
 Elegy of the Uprooting(絶滅への哀歌)
アレクサンドロス・マイラット指揮
カメラータo.、ヘレニック放送cho.
 録音:2005年3月27日、アテネ、ライヴ。「いまだ感動の震えがとまらない!」ギリシャの長い歴史と魂を揺さぶったカラインドルーの新伝説、アテネでのライヴ・コンサート待望のリリース。
 アンゲロプロス作品など、映画や演劇のための音楽を多く手がけその名を知らしめてきた、ギリシャの女流作曲家エレニ・カラインドルー。今回は、ECMへの初ライヴ・セットとして、2005年3月に行われたコンサートのライヴ録音がリリースとなる。彼女の故郷、アテネで3日間にわたって行われたこのコンサートはギリシャ国内はもちろん、ヨーロッパ中で話題となり、もちろんチケットはソールド・アウト。コンサート後の評も非常に高く、まさに待望のリリース。
 「全滅、出国、流浪そして帰郷」カラインドルーはこのテーマを今までもその音楽の中で語り続けてきた。一流アーティストたち(ECMのマンフレッド・アイヒャーもアーティスティック&ミュージカル・ディレクターとして参加)により演じられたこの一大叙事詩でもまたこのテーマが繰り返される。過去のECM作品に現れたモチーフが次々に再現され、まさに彼女の音楽人生すべてをかけて訴えられてきたメッセージが浮き彫りになり、彼女とは違う歴史と伝統の中に生きる我々をも共感、そして感動の震えに誘われる。
 ベスト盤とまでは行かないが、カラインドルーのエッセンスが詰まったライヴとも言える。ブックレットにはディスコグラフィーも掲載され、彼女の音楽史を俯瞰するにも最適なアルバム。
ヴラディミール・ゴダール(1956-):MATER イヴァ・ビットヴァー(S)
ミロシュ・ヴァレント(Vn/Va)
マレク・ストリンクル指揮
ソラメンテ・ナトゥラーリ、
ブラティスラヴァ音楽院cho.
 録音:2005年9月2-3日、聖ゲオルゲ教会、スロヴァキア。
 現代音楽のみならず、映画音楽など多岐に渡るジャンルで活躍するスロヴァキアの作曲家ゴダール。「Mater」は、1時間にも及ぶカンタータ。それぞれ女声合唱、混声合唱、バロック弦楽合奏のために書かれた7つの作品から成っており、テキストもスロヴァキア語、ラテン語、英語そしてイディッシュ語(ユダヤ語)が使われている。伝統音楽や古楽に基づいているが、それもスロヴァキアの子守歌であったり、聖書の中の言葉であったり、古いユダヤの歌であったり様々。こうした要素をつなぎ合わせているのが、チェコの小説家ボフミル・フラバルの短編作と、まさにこのアルバムで歌っているソプラノ、ビットヴァー(代理店表記はビットーヴァ)から得たインスピレーションだったと作曲家自身がライナーで語っている。作曲者と同世代のビットヴァーは女優として映画や舞台で活躍、しかもヴァイオリニストなどの弦楽器奏者としてもSUPRAPHONなどへ録音がある異色の歌手。
ヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937-):
 交響曲第6番(1994-1995)
アンドレイ・ボレイコ指揮
シュトゥットガルト放送so.
 録音:2005年6月13日-17日。
 ECM レーベルがとりわけ力を注いでいる、ウクライナの作曲家シルヴェストロフの新アルバム。伝統的な調性や旋法を用いつつも、前衛的な響きも駆使した彼の一連の作品は、常に聴き手に深い感銘を与え続ける。 この交響曲第6番は、彼の代表作とされる「交響曲第5番」の流れに連なる後期ロマン派へのエピローグ的な作品で、全ての楽章は切れ目なく演奏され、穏やかな最初の2つの楽章の次にこの曲の中心をなす大規模な第3楽章(25分)が置かれる。失われた時間、消失した世界・・・。良く知られた「静寂の歌」や「使者」などのような聴き手の懐かしい記憶へ直接訴えかける音楽。
 演奏は、度々の来日でも高い評価を受けているロシアの俊英、アンドレイ・ボレイコ。シュトゥットガルト放送so.の紡ぎだす濃厚な響きにも注目。
ヒリヤード・アンサンブル〜
 J.S.バッハ:モテット集

 [BWV.225「主に向かって新しい歌をうたえ」/
  BWV.226「精霊はわれらの弱きを助けたもう」/
  BWV.227「イエス、わが喜び」/
  BWV.228「恐れることなかれ、
        われ汝とともにあり」/
  BWV.229「来たれ、イエスよ、来たれ」/
  BWV.230「主をたたえよ、すべての異教徒よ」/
  BWV Anh.159
   「汝を去らしめず、汝われを祝せずば」]
ヒリヤード・アンサンブル
[ジョアンヌ・ラン(S)
 ディヴィッド・
  ジェイムズ(CT)
 スティーヴン・ハロルド(T)
 ゴードン・ジョーンズ(Br)
 レベッカ・オウトラム(S)
 ディヴィッド・グールド(T)
 ロジャーズ・
  カヴィー=クランプ(T)
 ロバート・マクドナルド(B)]
 録音:2003年11月23日-27日。
 2004年、結成30年を祝った現代最高の室内声楽アンサンブル、ヒリヤード・アンサンブル。そのレパートリーはペロタンを始めとする中世、ルネサンスの作品と、ペルトやバルト諸国の現代作曲家の作品が中心。そんな彼らの演奏するバッハのモテット・・・・これは確かに興味深いものであろう。
 ゴードン・ジョーンズへのインタビューによると、1980年代の半ばにハノーヴァー少年合唱団とこれらの曲を録音した際、さまざまな違和感を感じたのだと言う(彼は楽器と一緒に演奏することがあまり好きではないらしい)。少年たちやオーケストラの楽器とともに演奏することについての語彙の齟齬、それらを乗り越えるにあたって「指揮者なしで最大限8人の歌手だけでも」バッハを演奏することが可能だと思い至ったのだとも。
 そんな主張が詰まったこのモテット集。あの世界的大ヒット「モリムール」の時のような再構築されたバッハの世界を楽しめそうな1枚。
モートン・フェルドマン(1926-1987):
 ザ・ヴィオラ・イン・マイ・ライフ

  [I-IV ] (1970-1971)
マレク・
 コンスタンティノヴィチ(Va)
チカダ・アンサンブル(I-III)
クリスティアン・エッゲン指揮
ノルウェー放送o.
 録音:2001年8月、NRKスタジオ、オスロ。
 図形楽譜の創始者としてしられるモートン・フェルドマン。「ザ・ヴィオラ・イン・マイ・ライフ」は彼の作品群のなかでも、最も重要な位置にある。これをノルウェーを代表するチカダ・アンサンブル、そしてノルウェー放送o.が取り上げた注目盤。どちらの団体も、演奏会ではフェルドマンの作品を日常的に取り上げており、それらコンサート評も世界的に知られている。
 非常に急進的な作風で知られるフェルドマンだが、作品が内包する究極の美しさもあり、ここ数年、ファン層の広がりが見られる。
オキシモロン〜
 エリッキ=スヴェン・トゥール(1959-):作品集

 男声合唱とアンサンブルのための
  「サルヴェ・レジーナ」(2005)/
 マリンバとオーケストラのための協奏曲
  「 Ardor 」(2001/2002) (*)/
 ヴァイオリンとピアノのための
  「ディディケーション」(1990)/
 大アンサンブルのための
  「オキシモロン」(2003)
ペドロ・
 カルネイロ(マリンバ)
レホ・カリン(Vc)
マリット・ゲレッツ・
 トラクスマン(P)
オラリ・エルツ指揮
エストニア国立so.
 録音:2006年6月(*以外)/2003年3月(*)。
 エストニア生まれの作曲家トゥール。アカデミックな作曲技法と同時に、自分がグループを結成し培ったロックの語法を合わせ持つミニマル、コラージュ、復古主義的旋法、様々な要素が入り乱れた洗練された作風が特徴。彼の最新作は日本語では「撞着(どうちゃく)話法」と訳されるオキシモロン(「矛盾語法」と呼ばれることもある)。テューレ自身の作曲ノートにも「私の知的エネルギーと情緒は、しばしば蓄積されて拡散されて、また再度蓄積される。作品は膨張して縮小される音のドラマ。リズムの面でも反復的なリズム対不規則なリズム、爆発的な力と瞑想。全てにおいて相反する“諸物併置(juxtapositions) "に興味を抱いている」と書かれている。その他、彼の様々な作風の作品がぎっしり詰まった1枚。
ベラ・バルトーク(1881-1945):
 弦楽四重奏曲第5番(1934)
パウル・ヒンデミット(1895-1963):
 弦楽四重奏曲第4番 Op.22(1921)
ツェートマイヤーSQ
[トーマス・
  ツェートマイアー、
 クーバ・ヤコヴィッツ(Vn)
 ルース・キリウス(Va)
 ウルスラ・スミス(Vc)]
 録音:2006年6月27日-29日、ドイツ、ゲツィス。
 ツェートマイヤーSQによる、ECMへの3枚目のアルバム。以前の2タイトルも海外では多数の賞を受賞している。ヨーロッパ現代主義による20世紀の重要なレパートリーであるバルトークとヒンデミットを、今回も独自の自由かつ自然な発想で演奏。バルトークはバルカン半島の民族音楽を伝承した複合的リズムと濃密な対位法が強調され、ヒンデミットは弦によるカンタービレを主に用いるという違いが感じられる。しかしどちらも、それぞれの楽器の効果と強いエネルギーによってバランスよく洗練された構造で作曲されている事は共通している。このヒンデミット作品は、1921年にヒンデミット自身がヴィオラを担当初演し、成功した作品のひとつ。
 ツェートマイアー・クァルテットは1997年に結成された弦楽四重奏団。1年に1つのプログラムしか取り上げないという徹底したコンセプトで全員暗譜コンサートを行っており、2007年2月には来日し、絶賛された。ツェートマイアーとヴィオラのキリウスは、アンサンブル金沢のメンバーとしても演奏会に出演、弦楽ファンには今や絶大なる人気のアンサンブルだ。
ザ・ダウランド・プロジェクト〜ロマーニア
 作曲者不詳(13世紀の文書起草官):
  Got schepfer aller dingen
 作曲者不詳:ヴェリス・ドルチス
  (カルミナ・ブラーナ写本より; 1230年)
 作曲者不詳:美しき薔薇
  (フラヌス写本より; 15世紀後期)
 作曲者不詳(12世紀アキテーヌ):
  われらのために祈りたまえ
 イベリア、ペニンシュラ地方民謡:Lá lume
 作曲者不詳:ドルチェ・ソルム
  (カルミナ・ブラーナ写本より; 1230年)
 ヴォルケンシュタイン(1377?-1445):Der oben swebt
 グレゴリオ聖歌:
  オ・ベアタ・インファンティア(断章)
 イベリア、ペニンシュラ地方民謡:おお、薔薇よ
 ヴァレント/サーマン/スタッブス:サウダーデ
 ジョスカン・デ・プレ(1450-55?-1521):
  イン・フラジェリス
 フィルミヌス(フィリップ)・カロン(?-?):
  主、イエスは横切られ(c1460-75)
 グレゴリオ聖歌:オ・ベアタ・インファンティア
 ラッスス(1532-1594):クレド・ラウダーテ・ドミヌム
 ノイシドラー(1508-1563):
  Ein gut Preambel(ビウエラ独奏)
 ジョスカン・デ・プレ:聖なるかな、御身ただ一人
 ヴァレント/サーマン/スタッブス:
  Ein iberisch Postambel
ジョン・ポッター(T)
ミロス・ヴァレント(Vn/Vl)
ジョン・サーマン
(ソプラノSax/バスCl/
 テノール&バス・リコーダー)
スティーヴン・スタッブス
(バロックG/ビウエラ)
 録音:2006年1月。
 「ダウランド・プロジェクト」は元ヒリヤード・アンサンブルのジョン・ポッターが、サックスのジョン・サーマンたち、ジャズ畑のメンバーと共に16世紀末〜17世紀初めの英国の作曲家ジョン・ダウランドの作品を取りあげたことで時を越えた音楽の融合として話題になった一連のシリーズ。今回は13世紀の音楽を中心に、グレゴリオ聖歌や、カルミナ・ブラーナ写本などのメロディを交え、変幻自在な音楽を作りだしている。メンバーもおなじみのミロス・ヴァレントやスティーヴン・スタッブズなど名手揃い。時折聞こえてくる「彼らの音楽」にも耳を傾けて頂きたい。
ハイナー・ゲッペルス(1952-):
 シアター・ピース「遠い親戚が暮らす土地」
 (独唱、合唱、そしてアンサンブルのための)
フランク・オルー指揮
ドイツ室内cho.、
アンサンブル・モデルン
デイヴィッド・ベネット(語り)
ゲオルク・ニグル(Br)
 録音:2004年10月、パリ、ライヴ。
 ゲッベルスは、70年代に活動をはじめアルフレート・23・ハルトとのデュオや、クリストフ・アンダースらとのバンド『カシーバー』でオルタナティヴ・ミュージックの重要なキー・パーソンとして知られる一方、作曲家として 多くの劇場音楽、映画音楽等を発表している。また、80年代より 「ミュージック・シアター」の制作を手掛け、ハイナー・ミュラー作品の演出で高い評価を得ている。このアルバムは、シアター・ピース“遠い親戚が暮らす土地 "のサウンド・トラック・アルバム。「ある期間の全ての場面を描いたオペラ」という副題を持ち、多くの詩人による錯綜したテキストが、語り手、バリトン歌手のソロ、16名の歌手と19人の奏者によるアンサンブルで演奏される。ピリオド楽器を使用したルネサンス様式の音楽から軍楽隊のドラムの攻撃的なサウンドまで幅広い音楽で構成され、終始一貫、聴き手の心をつかみ続けることだろう。
アンドラーシュ・シフ〜
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集 Vol.4

 [第12番 変イ長調 Op.26/
  第13番 変ホ長調 Op.27-1/
  第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」/
  第15番 ニ長調 Op.28「田園」]
アンドラーシュ・シフ(P)
 録音:2005年4月、チューリヒ、ライヴ。
 アンドラーシュ・シフによるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲録音は2005年から開始された。その第4弾にあたる当アルバムには有名タイトルを含む4つのソナタが収録されている。作品にあらゆる角度から光をあてて精密に仕上げられたたシフのアルバムはいずれも高い評価を得ている。ブックレットに掲載のソナタ録音に関するシフへのインタヴューも大変興味深い内容。Op.31を含む「ソナタ集第5巻」も2007年秋リリース予定。
ルイス・エ・ナルバエス:
 デルフィン楽曲集
パブロ・マルケス(G)
 録音:2006年4月、ゲツィス、アムバッハ文化劇場。アルゼンチンのギタリスト、パブロ・マルケスのECMレーベルへのデビュー盤は、彼が20年以上も研究を重ねたルネサンス期のレパートリー、ルイス・エ・ナルバエスの作品集。
 ルイス・エ・ナルバエスは、およそ1500年頃にスペインで生まれ、フェリーペ皇太子(後のフェリーペ2世)の宮廷音楽家として活躍した。一種の変奏曲形式であるディフェレンシアを初めてスペイン音楽にもたらした人とされる。1538年「ビウエラ演奏のためのデルフィンの六部の譜本」を刊行、この曲集には14曲のファンタジアと、8曲のシャンソンの編曲、多くのディフェンレシア、そして歌曲としての2つのロマンスなどを含むもので、今回のアルバムにはこの中から17曲が選ばれている。これらの曲は、今までにギタリストの主要レパートリーとして選ばれたことはほとんどないが、これらの音楽の持つ自然な流れと明確な対位法、そして自由な装飾は当時の楽器であるビウエラを使用せずとも、現代のギターで表現することが可能なはずだとマルケスは語っている。とは言え、ナルバエス自身、大変な即興演奏の才能の持ち主で、「書かれた譜面を見ながらその場で4つの声部を付け加えることができた」とも言われる。そのため、対位法がより複雑になって演奏も困難さを極め、その書法はしばしば同時代のジョスカン・デ・プレを思い起こさせる。
 パブロ・マルケス:1967年アルゼンチン北部で生まれ、ホルヘ・マルティネスらと共にギターを学ぶ。ヨーロッパでいくつかのコンクールに入賞、独奏者として活躍を始める。様々な人々と共演を重ねる内に自国の音楽の重要性を再発見し、また一方では現代の作曲家、ルチアーノ・ベリオやマウリシオ・カーゲルらの作品の初演を行うなど幅広く活躍中。ストラスブール在住。
Night Sessions 〜ジョン・ダウランドの世界
 First descent / Menino Jesus à Lappa / Recercar (Joan Ambrosio Dalza) / Can vei la lauzeta mover /
 First triage (Bernart de Ventadorn) / Man in the moon / Corpus Christi / Whistling in the dark /
 Swart mekerd smethes / Fumeux fume (Solage) / Hortus ignotus / Mystery play / I sing of a maiden /
 Theoleptus 22 / Second descent / Second triage / Prelude (Pierre Attaignant)

  ジョン・ポッター(T) スティーヴン・スタッブズ(リュート/G)
  ジョン・サーマン(Sax/Cl/Perc) マヤ・ホンバーガー(Vn)
  バリー・ガイ(Cb) ミロシュ・ヴァレント(Vn/Va)
 録音:2001年、2006年、プロプステイ聖ゲロルト教会、オーストリア。古楽とジャズ・サックスとの出会いを実現したダウランドの世界。長年ヒリヤード・アンサンブルのメンバーでもあったジョン・ポッターによる16世紀の作曲家ダウランドの作品を、ECMのジャズ系プレイヤーらと共演した第2弾アルバム。作曲者への深い畏敬の念、アカデミックな歴史的考察と開かれた自由な音楽感が見事に息づいている。再生芸術の一つの規範ともいえる演奏と言えるだろう。
アストゥーリアス〜スペインとアルゼンチンの歌曲たち
 マヌエル・デ・ファリャ(1876-1946):
  アストゥリアーナ
 エンリケ・グラナドス(1867-1916):
  トナディーリアスより
 [美しい女の流し目/忘れられた伊達男
  嘆きのマハIII/控え目な伊達男]
 カルロス・グァスタビーノ(1912-2000):ばらと柳
 アルベルト・ヒナステラ(1916-1983):
  5つのアルゼンチン民謡より「悲歌」
 シャビエ・モンサルバジェ(1912-2002):
  小さな黒人のための子守歌/すばらしい!
  ピアノの中のキューバ/ハバネラの調べで
 マヌエル・デ・ファリャ:
  7つのスペイン民謡
 [ムーア人の衣装/ムルシア地方のセギディーリャ
  アストゥリアス地方の歌/ホタ/ナナ/歌/ポーロ]
 アルベルト・ヒナステラ:悲歌
 カルロス・グァスタビーノ:
  鳩のあやまち/癒しがたき渇き/パンパマパ
  柳の美しい枝/ばらと柳
 カルロス・ロペス・ブチャルド(1881-1948):
  かよわくつないだ手/私の泣き声を聞け
キム・カシュカシアン(Va)
ロバート・レヴィン(P)
 録音:2006年9月、チューリヒ。
 カシュカシアンの演奏は力強い生命力と無限のダイナミック、そして彼女の素晴らしい弓は微妙な言葉のニュアンス、大胆な歌心を雄弁に伝える。モーツァルトの演奏で知られるレヴィンの演奏も等しく自信に満ちている。本来スペイン語で書かれたこれらの歌は、多彩な言葉の響きを駆使した色彩とヴォリュームを持っていたが、カシュカシアンとレヴィンの対話は言葉を超えた音楽を奏でる。川、子守歌、月の光、愛そして憎しみ、挨拶、別れ、これらの気持ちを空間に解放する。グローブ誌でこのように絶賛されたカシュカシアンとレヴィンの最新アルバム。
 カシュカシアンは「歌はすべての治療の中で最も強力なもの」とリブレットに記した。彼女の父が歌ったフォークソングは彼女にアーティストとしての生命を授けた。「声がもたらす旋律的で感情的な情報を弦におきかえる魅力」を知った彼女は現代音楽の分野で活躍しているときも、歌に対する愛情を一時も忘れなかった。
 今回のアルバムは、スペインとアルゼンチンの作曲家たちの歌曲をカシュカシャン自身が編曲したもので、もともと情熱的で郷愁を誘う歌たちが、一層美しく滑らかに生まれ変わっている様は見事というほかない。まさに「言葉を超えた音楽」がここにある。
クレーメル、クレメラータ・バルティカ〜アダージョ
 マーラー:交響曲第10番〜アダージョ
  (弦楽合奏用編曲:H.シュタットルマイア
    &クレメラータ・バルティカ)
 ショスタコーヴィチ:交響曲第14番Op.135「死者の歌」
  (ベンジャミン・ブリテンに捧ぐ)
ユリア・コパチェヴァ(S)
フョードル・クズネツォフ(B)
ギドン・クレーメル(Vn)
クレメラータ・バルティカ
 録音:2001年10月、リガ、レコーディング・スタジオ/2004年11月23日、ムジークフェライン、ウィーン、ライヴ。
 今回の2つの作品は、指揮者なしの室内楽方式で演奏されている。マーラーの“白鳥の歌 "の名で知られている交響曲第10番の第1楽章は、未完となったこの作品中、ほぼ完成されているものだが、今回は弦楽合奏のために編曲され新たな魅力を放っている。ショスタコーヴィチの交響曲は2人の独唱者を必要とする作品で、こちらもオーケストラの高い技術が要求され、また両曲とも根底に「死と別離」の気分が漂う、劇的で激しい感情の起伏が特徴的な作品。
 クレーメルとECMの関係の始まりは、あの名盤、ペルトの「タブラ・ラサ」に遡る。それ以来、ロッケンハウス音楽祭のライヴや、彼単独のバッハの“無伴奏 "など優れたものばかり。今回のアルバムも輝かしい賛辞を贈られることだろう。1997年にクレーメルによって設立されたクレメラータ・バルティカは、アジア、ヨーロッパとアメリカで年に6つのツアーを開催し、毎年およそ60の演奏会を開催する。そのレパートリーの多くは現代音楽だが、いわゆる「今風」の音楽も楽しんで演奏し、聴き手に多くの喜びを与えていることは皆さんご存知のことだろう。
ヴァレンティン・シルヴェストロフ:作品集
 ピアノのためのバガテル(2005)(*)/
 弦楽合奏のためのエレジー(2000-2002)
  ・・・マリナ・カピッツァに捧ぐ(#)/
 弦楽合奏のための
  「スティル・ミュージック」(2002)
  ・・・マンフレード・アイヒャーに捧ぐ(#)/
 弦楽合奏のための「別れのセレナーデ」(2003)
  ・・・イワン・クラヴィツに捧ぐ(#)/
 弦楽とピアノのための「使者」(1996)
  ・・・ラリッサ・ボンダレンコに捧ぐ(*/#)/
 2つのディアローグとあとがき(2001/02)
  アルヴォ・ペルトに捧ぐ(*/#)
アレクセイ・リュビモフ(P;*)
クリストフ・ポッペン指揮(#)
ミュンヘン室内o.(#)
 録音:2006年9月。2007年9月30日のシルヴェストロフ70回目の誕生日を記念してリリースされるアルバム。「使者」以外は世界初録音。この作曲家のこの世のものとは思えないほどの美しい作品をたっぷり堪能できる。
 まるで時の流れを遡るようなシルヴェストロフの音楽は、新しい癒しの音楽としても、ファンの間に少しずつ定着している。アルバムの前半におかれた「バガテル」は、ピアノによる短い言葉で綴られた極めて叙情的な音楽。これを聞く時、多くの聴き手はかすかな痛みをともなう郷愁で胸が一杯になってしまうだろう。シルヴェストロフ作品の最良の解釈者であるリュビモフによって奏される。アルバムの後半は、クリストフ・ポッペンの繊細な指揮による3曲の弦楽合奏と、前述のリュビモフの演奏による2つの作品。「使者」は、以前にもリュビーモフの独奏ヴァージョンがECMでリリースされているが、今回は弦楽合奏が加わった新たなヴァージョン。
フォーク・ソングズ(民謡) Folk Songs
 小さな子ども/甘い眠り/ヴィレマンとマンヒルド/泥棒/
 日が沈む時/私の向こうみずな、若々しい時代に/
 Gjendineの子守り歌/Gudbrandsdalenからの結婚行進曲/
 ローランドの歌/太陽の祈り/
 天国でのよりどころを知っている/
 地上の全ての安らかな眠り/ヴェストフォルドの踊り/
 その子についてはあまり考えない/
 愛されているエルサレム/Till, till tove/
 Lova Line/踊れ、泣かないで/
 喜びの日/来たれ、救世主よ
トリオ・メディーヴァル
&ビリエル・ミステレッゲン
 録音:2007年2月27日-3月1日。
 既出の3枚のアルバム、「言葉と天使」、「夕べ彼女は言った」、そして中世の聖歌と現代作品の融合「海の星」がいずれも大好評だった北欧のアンサンブル、トリオ・メディーヴァルの初めての著しく風変わりな創作プロジェクト。ポール・グリフィス PaulGriffiths が新たに書き下ろした歌詩と、彼女たちの出身地であるスカンジナヴィアの詩に基づくノルウェー民謡はとてもパワフルで聴き手の心を動かさずにはいられない。また、いくつかの曲では、北欧の伝統的な民族打楽器のスペシャリストであるビリエル・ミステレッゲンと共演、こちらもパワフルな音が魅力。このアルバムでトリオ・ミディーヴァルが捜し求めている音楽の起源は、ノルウェー出身の多くのジャズ・インプロヴァイザーたちがインスパイアされてきたものと同じと言えるだろう。あらゆるカテゴリーを越えた広範囲な聴き手にアピールする素晴らしい1枚。
沈黙へ向かって〜
 パウル・ギーガー
  &マリー=ルイーズ・デーラー:作品集

 沈黙、そして沈黙/
 「ゴルトベルク変奏曲」〜アリア(J.S.バッハ作)/
 4つのチェンバロ/全体の半分/
 ソナタ BWV 1018〜ヴィヴァーチェ(J.S.バッハ作)/
 ドーリアの地平線/
 ソナタ BWV 1018〜アレグロ(J.S.バッハ作)/
 垂直に/最初のグリッサンド/
 ソナタ BWV 1018 より[前奏曲/アダージョ]
  (J.S.バッハ作)/
 鐘/ボンベイ/
 ソナタ BWV 1018〜ラルゴ(J.S.バッハ作)
パウル・ギーガー
(Va/ヴィオリーノ・
    ダ・モーレ)
マリー=ルイーズ・
 デーラー(Cemb)
 録音:2006年10月。ヴァイオリニスト、作曲家、そして即興演奏の達人であるパウル・ギーガーとチェンバロのマリー=ルイーズ・デーラーによる作品集。もちろんECMレーベルらしく、彼らの作品の中にバッハの作品を挟みこみ、一つの完成されたアルバムを作り出している。
 この魅力的な作品集は、ギーガーのECMレーベルへの6枚目の録音で、自由な音の広がりを持つ自作と、端正なバッハの作品を配置することにより音楽の多様性を探るもの。ギーガーはスイス生まれのヴァイオリニスト。ベルンで音楽を学ぶ以前は、大道芸人として、音楽を奏しながらアジアを旅していたという変り種。バロック音楽から多様な民族音楽、現代作品、即興、ジャズと広範囲に亘る音楽をレパートリーにしている。チェンバロのマリー=ルイーズ・デーラーは、今作がECMへの初録音となる。彼女は5歳でチェンバロの勉強を始めた時からギーガーと室内楽を演奏。まさに「ぴったり息のあった」演奏を聴かせる。バロック・ファンにもジャズ好きにもオススメのアルバム。
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(2CD)
アンドラーシュ・シフ〜
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.5

 3つのソナタOp.31
 [第16番 ト長調 Op.31-1/
  第17番 ニ短調 Op.31-2「テンペスト」/
  第18番 変ホ長調 Op.31-3]
 ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調Op.53
  「ワルトシュタイン」/
 アンダンテ・ファヴォリ ヘ長調WoO 57
アンドラーシュ・シフ(P)
 録音:2005年12月4日、チューリヒ・トーンハレ、ライヴ。大好評、シフのベートーヴェン・ソナタ集。
 作品31の3つのソナタはベートーヴェンの中期の作品で、交響曲第3番“英雄 "が作曲される少し前のもの。ユーモラスな第1番(第16番)、劇的な“テンペスト "、そして柔和さと華麗さを併せ持つ第3番(第18番)と、3つの作品は異なった性格を持っている。ベートーヴェンの中期の傑作である“ワルトシュタイン "は、ベートーヴェン自身にとっても重大な仕事であっただけでなく、ピアノ音楽の歴史の中でも特別な位置を占めるもの。楽器としてのピアノの発展にも大きく関わる、まさに転換期の傑作といえるもの。当初、ワルトシュタインの第2楽章として作曲された“アンダンテ・ファヴォリ "はこのライヴ録音の際、アンコールとして付け加えられたもの。
 2005年11月にシフがニューヨークのエヴリー・フィッシャー・ホールで“ワルトシュタイン "を演奏したとき、ニューヨーク・タイムズ紙ではこのように絶賛された。「まさに息を飲む名演。複雑な構成と深さを持つこの曲をシフは見事に表現した。高密度のテクスチャーも、全て渦巻くエネルギーのために使われる・・・」
アンドラーシュ・シフ〜
 ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全集 Vol.6

 [第22番 ヘ長調 Op.54/
  第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」/
  第24番 嬰ヘ長調 Op.78「テレーゼ」/
  第25番 ト長調 Op.79/
  第26番 変ホ長調 Op.81a「告別」]
アンドラーシュ・シフ(P)
 作品年代順に、チューリヒ・トーンハレにてライヴ録音されているシフのベートーヴェン・チクルス。遂に人気も重要度も特に高い「熱情」「告別」を含む中期後半に突入。周知のとおり、既発の5アルバムに対しては、世界各国のレヴューが惜しみない賛辞を与えている。
 興味深いのは、イタリアIl Giornale誌が‘崇高で啓示的 'と評すると同時に、英FMマガジンが‘暖かみがあってきちんと整頓された居心地のよい部屋の様 'と一見正反対と思えるような評が出ているところ。しかし、この両方を含んでいることこそが、シフの音楽の魅力といえるかも知れない。 それはまた、ベートーヴェンの作品自身が「神々しさと人間臭さ」を併せ持っている点を浮き彫りにするかのようだ。
 シフは2008年、アメリカ、イギリス、スイス、ドイツでベートーヴェン・プログラムのリサイタルを予定。もちろん、このコンサート評が世界中を駆け巡るのは確実。ベートーヴェンとは別に、同じくECMからJ.S.バッハ:パルティータ全曲のリリースも予定されている。そして、2005年に始まったこのチクルスも、残すところCD2枚分。この全集の完成が、クラシック現代史において歓迎されることは間違いない。
 アンドラーシュ・シフ/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集[Vol.1:476 305-4、Vol.2:476 310-0、Vol.3:476 315-5、Vol.4:476 587-5、Vol.5:476 618-6].
ハイドン:交響曲第39番/交響曲第45番「告別」
ユン・イサン:室内交響曲I
アレクザンデル・リープライヒ指揮
ミュンヘン室内o.
 録音:2007年5月、ミュンヘン。
 1950年に設立され、ほぼ30年間、H.シュタードルマイヤーが率いてきたこの楽団は、常に革新的なプログラミングと斬新なコンサートで聴衆を魅了してきた。1996年に名ヴァイオリニスト、クリストフ・ポッペンが引き継いだが、このリープライヒが2006/07年もシーズンから首席指揮者・芸術監督に就任した。1968年レーゲンスブルクで生まれた彼は、96年からエト・デ・ワールトの助手を務め、その翌年彼の代役としてアムステルダム・コンセルトヘボウを振り大絶賛された。アバドやギーレンからも芸術的な薫陶を受け、自らも合唱団を設立し指揮をするなど目覚しい活動を行なっている現在最も注目を浴びている若手指揮者の一人。
 このアルバムはECMレーベルへのミュンヘン室内o.の8枚目の作品となる。いままでに、ハルトマン、グバイドゥーリナ、バッハ/ウェーベルン(リチェルカーレ)、マンスーリアン、ガイ、シェルシ、シルヴェストロフと録音してきた彼らだが、今回は「さようなら」と題されたハイドンとユン・イサンの交響曲集。ハイドンの初期の作品の中でもとりわけ魅力的な「告別」と、リープライヒが自ら北朝鮮を訪れた際に作曲家とその家族に会ったという思い入れのあるユン・イサンの交響曲を並べることで、若き指揮者の意欲が見えてはこないだろうか?
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集 Vol.6
 [第27番 ホ短調Op.90/第28番 イ長調Op.101/
  第29番 変ロ長調Op.106「ハンマークラヴィーア」]
アンドラーシュ・シフ(P)
 録音:2006年5月21日、チューリヒ・トーンハレ、ライヴ。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集 Vol.7
 [第30番 ホ長調Op.109/
  第31番 変イ長調Op.110/第32番 ハ短調Op.111
アンドラーシュ・シフ(P)
 録音:2006年9月23日、Reitstadel i.d. Oberpfalz、ディジタル。
 作品年代順に録音されているシフのベートーヴェン・チクルスが、第7巻をもって遂に完結。録音直後の2006年11月にチューリヒとミュンヘンで行われたリサイタルには、世界中のレヴューが、「アポロン的な調和」「大理石のような名演」などの大賛辞を贈っている。
ルクレール:ヴァイオリンと通奏低音のための
 ソナタ集第3巻 Op.5 より

 [第8番 ニ長調/第7番 イ短調/
 第1番 イ長調/第3番 ホ短調/第4番 変ロ長調]
ジョン・ホロウェイ(Vn)
ヤープ・テル・リンデン(Vc)
ラース・ウルリク・
 モーテンセン(Cemb)
 録音:2006年11月27日-29日、ザンクト・ゲロルト修道院、オーストリア。
 音楽への深い造詣で知られる名ヴァイオリニストのホロウェイ。彼が愛してやまないバロック時代の偉大なヴァイオリニスト兼作曲家の中から、今回は18世紀フランスを代表するヴァイオリニストで、フランス=ベルギー・ヴァイオリン楽派の創始者でもあるルクレールのソナタ集を。
ヒリヤード・アンサンブル
 AUDIVI VOCEM〜我は天の声を聞きぬ

 トマス・タリス:
  断食し泣きながら/
  光の消ゆる前に/我は天の声を聞きぬ
 クリストファー・タイ:
  「名前のないミサ」〜手を打ちて、グロリア
 ジョン・シェパード:喜び給え、全ての人は幸いなり
 タイ:「名前のないミサ」〜クレド
 タリス:世の救い主よ
 シェパード:主の御名を賛美せよ
 タイ:「名前のないミサ」〜サンクトゥス
 シェパード:至高の永遠の王
 タイ:「名前のないミサ」〜アニュス・デイ/
    平安のうちに、そのうちにこそ
ヒリヤード・アンサンブル
[デイヴィッド・
  ジェイムズ(CT)
 ロジャーズ・カヴィー=
  クランプ(T)
 スティーヴン・ハロルド(T)
 ゴードン・ジョーンズ(Br)
 ロバート・マクドナルド(B)]
 録音:2005年3月、聖ゲーロルド修道院。「清澄を善というならば、彼らを聖者と呼ぼう」 Jacques Drillon, Nouvel Oberservateu。2007年発売されたJ.S.バッハ:モテット集(476 577-6)に対してこんな最高の賛辞を得たヒリヤード・アンサンブル。今回のアルバムは、彼らのお国物でもあるイギリス・ルネサンス期の作曲家による作品集。もはや、タリスやシェパードの作品は「珍しいレパートリー」とは言えないほどの市民権を得ているが、この事実はまさにヒリヤード自身の活動に端を発しているとも言える。彼らがオール・タリス・プログラムの「エレミアの哀歌」(833 308-2)をリリースしたのは1987年。しかもこのアルバムは未だ現役盤で、新たなリスナーを獲得し続けている。
J.S.バッハ:
 2声のインヴェンションと
  3声のシンフォニア BWV.772-801/
 フランス組曲第5番 ト長調BWV.816
ティル・フェルナー(P)
 録音:2007年7月5日-7日、ウィーン、コンツェルトハウス、モーツァルト・ザール。
 1972年ウィーン生まれの期待の若手(と国内代理店は記しているが、ERATOへの録音開始から、ティル・フェルナーのバッハ・アルバム第2弾。収録曲は、「2声のインヴェンションと3声のシンフォニア」と「フランス組曲第5番」。大好評だった前作の「平均律第1巻」に続き、研ぎ澄まされた感性で、バッハの名作を極めて緻密に織り上げている。
D'Amore〜ダモーレ
 ガース・ノックス:Malor me bat (2004)
 マラン・マレ(1656-1728):
  スペインのフォリア (1685)
 ローラント・モーザー(1943-):
  Manners of Speaking (2006)
 トバイアス・ヒューム(1569?-1645):
  パヴァン (1605)
 アッティリオ・アリオスティ(1666-1729?):
  Prime Lezione (1720)
 伝承曲: Celtic Dance /
     I once loved a lass / Jig
 クラウス・フーバー(1924-):
  ...Plainte... (1990)
ガース・ノックス
(ヴィオラ・ダモーレ)
アニェス・ヴェステルマン(Vc)
 録音:2006年9月11日-13日、オーストリー。1600年代から現代に至るヴィオラ・ダモーレ作品を集約した作品集。
 アルディッティ四重奏団の一員として知られたガース・ノックスが ECM ソロ・デビュー。ヴィオラ・ダモーレをフィーチャーした一枚で、17世紀初頭に活躍した「トビアス・フーメ」(と代理店は記載しているが、もちろん上記トバイアス・ヒュームが正しい)の作品から、ノックス自身の作品、さらには、ケルトの伝統音楽をアレンジした作品など多彩で、「愛のヴィオラ」の名を持つ楽器の甘美な音色を堪能するにはもってこいなアルバム。
 ECMのウェブサイトに誤りがあるため、当盤のアッティリオ・アリオスティの欧文表記は誤っている可能性がある(サイトではアッティリオ [Attilio] がアッティロ [Attilo] になっている)。
 なお代理店は他にも マレを「マライス」、モーザーを「モサー」と誤記。また、共演のチェロ奏者はフランス人で、代理店記載の名前カナ「アグネス」は誤り。
ヘレナ・トゥルヴェ(1972-):Lijnen オラリ・エルツ指揮
NYYD アンサンブル
アリアンナ・サバール(Vo)
ストックホルム・
 サクソフォン四重奏団
エマニュエル・
 オルフィー・ゴーベール、
ミケル・ピースク(Fl)
シレジアSQ
 録音:1997年11月、2001年8月、2004年4月、2006年3月、5月、6月。
 トゥルヴェはエストニア出身の若い作曲家。エストニア音楽アカデミーでエルッキ=スヴェン・トゥールに学んだ後、パリ高等音楽院でJ.シャルパンティエの作曲クラスで研鑽を積んでいる。トゥルヴェは、実験的な要素の強い作品や幻想的な作品を作曲しており、世界各地の現代音楽祭で大きな注目を浴びている。今回の作品集がECMに初登場となる。
メレディス・モンク(1942-): impermanence〜非永久性
 last song/maybe 1/little breath/liminal/
 diswquilibrium/particular dance/between song/
 passage/maybe 2/skeleton lines/slow dissolve/
 totentanz/sweep 1/rocking/
 sweep 2/mieke's melody #5
メレディス・モンク &
 ヴォーカル・アンサンブル
[8Vo、P、Vn、Perc、
 Woodwinds ]
 録音:2007年1月7日-9日、アヴァター・スタジオ、ニューヨーク。
 1980年から続く、モンク&ECMのコラボレート録音最新盤。2003年'mercy〜慈悲'(472 468-2)以来約5年ぶりのニュー・アルバムになる。'impermancence'は物語性のない音楽的瞑想で、死や人の命のもろさがテーマになっており、2004年の7月に初演された。作品の学際的な構造もさることながら、近年、ビョークやルロイ・アンダーソン、ケイト・ブッシュなど様々なジャンルのアーティストにも影響を与え続け、多方向のリスナーから注目を集めるアルバムになっている。
 なお代理店表記には「メデレィス」・モンクとなっている箇所があるが、もちろん誤り。
ギヤ・カンチェーリ(1935-):
 アマオ・オミ〜混声合唱と
  サクソフォン四重奏のための(2005)(*)/
 リトル・インバー〜小さなアンサンブル、
  歌手と児童&男声合唱のための(2003)(#)
クラース・シュトク指揮(*)
オランダ室内cho.(*)
ラシェル・
 サクソフォン四重奏団(*)
ニカ・メマニシュヴィリ
(Kb;#)指揮(#)
マムカ・ガガニージェ(Vo;#)
ザザ・ミミノシュヴィリ(G;#)
マトリクス・アンサンブル(#)
ルスタヴィcho.、児童cho.(#)
 録音:2006年5月(*)、2003年8月(#)。
 甘美なメロディーが厳しく世界に現実を突きつける。世界を救う「美」を具現化したアルバム。
 グルジアに生まれたカンチェーリは、アルヴォ・ペルトと共にECMの二枚看板といえる作曲家であり、ECMでの録音が広く国際的な認知を得るきっかけとなった。二人とも静謐さを大事に(これはECMのレーベル・ポリシーとも言える)、「聴きやすく」しかし非常に真摯なテーマに基づき作曲している。このアルバムは、カンチェーリECMの10作目にあたり、各曲のテーマは深刻な物だが、これまでのどの作品にもまして「聴きやすさ」「美しさ」が際立っている。
 「リトル・インバー」は、イギリスの古都ソールズベリー郊外の小さな村の名前から採られている。特定の地域・地名にちなんだ作品をカンチェーリが書くのは初めてのことだという。この地域は人影まばらな荒野であったことからイギリス政府は軍事演習場として利用してきた。第二次世界大戦中、1944年6月のノルマンディ上陸作戦に先立って、英政府と米軍は、上陸後の市街戦を想定した演習のため、160名の村人全員を退去させる。戦後、住民は帰還を望みたが、冷戦や北アイルランド紛争の勃発によりインバー村は軍事拠点として使われ続け、今は年に一度だけ、14世紀に創られたセント・ジャイルズ教会の特別な典礼の日にのみ帰還が許されている。カンチェーリはインバー村を2001年に訪れ、そこに現代における抗争や紛争の不条理が集約されていると感じる。アートエンジェル財団の委嘱で作曲された「リトル・インバー」は、インバー村で行われた「三日間の音楽祭」で初演され、ここに録音された。日本語では「小さなインバーの村」とでも訳すのだろうか? インバー村にまつわる作者不明の古詩をフォークともトラッドともつかぬ男性歌手が素朴で寂しげ、そして途切れがちに歌い、時折、極小編成の少年合唱が無邪気に、しかし未来の希望を予感させるように加わる。終始静謐で透明なサウンドと、感傷的でありながらも甘美でノスタルジックなメロディに満ちた35分余りの作品。
 この雰囲気は26分ほどの作品「アマオ・オミ」でも同様。グルジア語で「無意味な戦い」を意味し、国家権力による戦争行為にまつわる様々な悲劇を告発するという点で「リトル・インバー」と対を成す。しかし、以前のカンチェーリ作品には見られた、怒りと悲嘆を激しく爆発させるような瞬間がこれら二作品には見られず、代わりに恐怖によって掻き立てられた混乱と魅力な悲しみを思わせる瞬間が稀に織り込まれている。
 カンチェーリ自身、近年の世界情勢に影響されて自身の作風が「より寂寞としたものになりつつある。でも、その中にあってアイロニーに希望を託している」と語っている。そして「リトル・インバー」の作曲動機を次のように語っている。「美が世界を救うという言葉があるが、では誰が美を救うのか。あなたがピアノに向かって音楽を書きとめる時、あなたは美を救おうとしているのだ。」
音楽の饗宴〜Music Banquet
 ロバート・ダウランド編纂による
  ルネサンス歌曲名曲集(1610年出版)

 作者不詳:アモールは弓を持たずに
 ダウランド:私をそんなに嫌うなら
 カッチーニ:それでは死ななければならないのか?
 カッチー:わが麗しのアマリッリ
 ゲドロン:もし言葉と沈黙が
 ヘイルズ:おお、目よ泣くのをやめなさい
 作者不詳:君の目には愛の何かがある
 テシエ(ダウランド編曲):木陰の多い森の中で
 ダウランド:リッチ夫人のガリヤード(*)
 作者不詳:行きなさい、私の羊の群よ
 作者不詳:おお、ダイアナの星たちよりも美しく
 ホルボーン:沈む私の心は
 バチェラー:ガリヤード(*)/私の信念を申し述べても
 ゲドロン:いつまでも私の命を苦しめるこの思い
 作者不詳:おお愛しい生命よ、いつのことだろう?
 ダウランド:ロバート・シドニー卿のガリヤード(*)
 マーティン:考えを変えなさい
 ダウランド:
  トーマス・モンソン卿のパヴァンとガリヤード(*)
 ゲドロン:幸せによって奴隷のみに落とされた者は
 ダウランド:暗闇に私は住みたい
 作者不詳:昨夜私は夢に見た
 ダウランド:華やかな宮廷を遠く離れて
モニカ・マウフ(S)
ナイジェル・ノース
(ルネサンス・リュート)
 録音:2005年5月。(*)はリュート・ソロ。
 まさに「沈黙の次に美しい音」。ある意味、ECMのサウンド・ポリシーとルネサンス・リュートのコラボレーション。
 ECMのサウンド・ポリシーと、史上最もデリケートな楽器といえるリュート。今回はナイジェル・ノースが登場。ルネサンスの王道リュート歌曲。アルバム全部が400年以上前に書かれた音楽。
 「音楽の饗宴」は、ジョン・ダウランドの息子、ロバート・ダウランドが編纂して1610年に出版したもの。父のジョンをはじめ、地元イギリスはもとより、16世紀ヨーロッパで大ヒットしたイタリア(カッチーニ)やフランス(ゲドロン)の音楽も収めており、ヨーロッパのルネサンス音楽名曲集ともいえる内容。ソプラノとリュート、この究極的にシンプルな編成からは、近代オペラの大音響は生まれないが、パーソナルでインティメイトな雰囲気、そしてメランコリックで気品を湛えた音楽の美しさはまさに心の洗濯に持って来い。
 共演は「モリムール」(461 895-2)でヒリヤードEns.の一員としてECMデビューしたモニカ・マウフ。イタリア人の明るさとも、フランス人の柔らかさとも違う、ドイツらしい陰影とマジメさを感じさせる歌唱は、このレパートリーにはぴったり。最近では古楽でもノン・ヴィブラートにこだわらない歌手が増えつつあるようだが、マウフはかなり徹底したノン・ヴィブラート派で、声質こそ異なるがエマ・カークビーが出て来た時のようなフレッシュさを感じる。
 ECMの録音を長年手がけるシュトゥットガルトのサウンド・プロダクション、トリトヌスは、ソニークラシカルの古楽シリーズ・ヴィヴァルテの録音も一手に手がけていた。ECMサウンドと古楽の相性の良さにも、長い歴史がある。
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ全集
 [第1番 イ短調Op.105/
  第2番 ニ短調Op.121/第3番 イ短調WoO.27]
キャロリン・ヴィドマン(Vn)
デーネシュ・ヴァールヨン(P)
 録音:2007年8月25日-27日、RTSI講堂、ルガーノ、スイス、ディジタル。
 ドイツ出身のヴィドマンと、ハンガリー出身のヴァールヨンによる今回がECMデビューとなる期待の若手デュオ。2004年からコンビを組んでいる2人が、深い愛着と情熱を寄せているシューマンのヴァイオリン・ソナタ全3曲を、瑞々しい感性と息の合ったアンサンブルで紡ぎ出す注目の1枚。
エレニ・カラインドルー:ダスト・オブ・タイム
 ル・タン ・ペルデュ/ダンス・テーマVar II/ノーツI/
 シーキングVar II/ワルツ・バイ・ザ・リヴァー/
 アンラヴェリング・タイムI/Tsiganiko I/
 ダンス・テーマVar I/シーキング/
 メモリーズ・オブ・シベリア/
 アンラヴェリング・タイムII/ノーツII/Tsiganiko II/
 シーキングVar I/ダンス・テーマ/ノスタルジア/
 ノスタルジア・ソング/ソリテュード/アデュー
セルジュ・ナスタサ(Vn)
レナート・リポ(Vc)
マリア・ビルディア(Hp)
ヴァンゲリス・フリストプロス(Ob)
スピーロス・カジアニス(Fg)
アントニス・ラゴス(Hr)
ディノス・ハジオルダノウ
(アコーディオン)
エレニ・カラインドルー、
ナタリア・ミハイリドゥ(P)

アレクサンドロス・ミラ指揮
カメラータ・フレンズ・オブ・
 ミュージックo.、
アテネ放送o.
 録音:2008年1月4日、3月22日-24日、アテネ、メガロン。
 舞台と映画のために様々な音楽を書いてきたギリシャの女流作曲家エレニ・カラインドルーが、巨匠テオ・アンゲロプロス監督の新作映画『The Dust of Time』のために書いた音楽を集めた珠玉のサウンド・トラック。この映画は、アンゲロプロスが20世紀ギリシアを描いた3部作の第2作で、第1作『エレニの恋(ウィーピング・メドウ)』の続編にあたる。
アレクサンドル・クナイフェル:作品集
 無伴奏チェロのための「ラメント」
  (1967 rev. 1987) /
 ソリスト、管弦楽と合唱のための
  「 Blazhenstva 」(1996)
イワン・モニゲッティ
(P/Vc/Cod?)
タチアナ・メレンティエワ(S)
ピョートル・ミグノフ(B)
サウリウス・ソンデツキス指揮
エルミタージュ美術館o.、
レゲ・アルティスcho.
 録音:2006年3月
 クナイフェルは旧ソ連反体制作曲家の大物のひとり。ケージやフェルドマンなどの影響から、ゆっくりで静かな長めの音楽を数多く残している。
希望の歌〜B.A.ツィンマーマン:作品集
 ヴァイオリ協奏曲(*)/
 カント・ディ・スペランツァ(希望の歌;#)/
 私は振り返り太陽の下で行われた
        すべての不正を見た(+)
トーマス・
 ツェトマイヤー(Vn;*)
トーマス・デメンガ(Vc;#)
ゲルト・ベックマン、
ロベルト・
 ハンガー=ビューラー(語り;+)
アンドレアス・
 シュミット(B;+)
ハインツ・ホリガー指揮
WDRケルン放送so.
 録音:2005年5月21日、23日-25日、フィルハーモニー、ケルン。
 20世紀以降の現代音楽を語る上で、重要な作曲家の一人であるドイツのベルント・アロイス・ツィンマーマン。生涯どの派閥にも属さず、孤高を貫き通した彼の人生と作風を象徴する3曲。
アンブローズ・フィールド:ギヨーム・デュファイの
 声楽作品の断片に基づく作品集

 私の気高くも美しい人よ/私は嘆く/
 ビーイング・デュファイ/お願い/
 プルエスク・ケルク・ショーズ/
 サンクトゥス/ラ・ドルチェ・ヴィスタ
ジョン・ポッター(T)
アンブローズ・フィールド
 (シンセサイザー)
 録音:2007年、イギリス、ビショップソープ。
 ルネサンスと現代の音楽を結ぶ新プロジェクトの始まりを告げる1枚。現代を代表するディジタル音楽作曲家&演奏家であるA.フィールドが、ルネサンス期の巨匠デュファイの声楽作品の断片に、電子音で多彩なアレンジした伴奏に乗せて、ヒリヤード・アンサンブルの元テノール・J.ポッターが、持ち前の伸びやかな美声で、繊細かつ豊かに歌い上げる。古楽ファンにとどまらず、幅広い音楽ファンを魅了するアルバム。
ペルト:イン・プリンチピオ
 イン・プリンチピオ(初めに)/シンドネ/
 主よ、われらに平安を与えたまえ/
 ラメンテート/わが道/レナルトの追憶に
トヌ・カリユステ指揮
エストニア国立so.、
タリン室内o.、
エストニア・フィルハーモニック
 室内cho.
 録音:2007年5月、ニグリステ教会(8-10)/2008年6月、エストニア・コンサート・ホール(1-7)。
 アルヴォ・ペルトの新作を集めた注目盤を、ECMの記念すべき40周年の年初にリリース!1989年から2005年にかけて書かれた6作品を収録している。指揮者は、長きに渡ってペルト作品の本質を献身的に体現してきた盟友トヌ・カリユステ。混声合唱と大オーケストラのための「イン・プリンチピオ(初めに)」を皮切りに、透明な緊張と美しさを湛えた演奏が次々と展開する。ちなみにペルトの他のECM録音同様、当盤も作曲者の立ち会いの下で制作されているので、最も信頼できる解釈と看做しうる演奏。
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(2CD)
アンドラーシュ・シフ〜
 J.S.バッハ:パルティータ全集

 [第5番 ト長調BWV.829/第3番 イ短調BWV.827/
  第1番 変ロ長調BWV.825/第2番 ハ短調BWV.826/
  第4番 ニ長調BWV.828/第6番 ホ短調BWV.830]
アンドラーシュ・シフ(P)
 録音:2007年9月21日、ノイマルクト、ライヴ。
 ベートーヴェン・ソナタ全集録音で大成功を収めた巨匠アンドラーシュ・シフがふたたびJ.S.バッハに回帰、その記念すべき第1作。彼の持ち味である繊細なタッチと流麗なフレージングに、巨匠然とした風格が漂う名演。
シュニトケ:交響曲第9番(1997/2006)
 (アレクサンデル・ラスカトフによる手稿の再編)
ラスカトフ:ヌンク・ディミティス
 〜アルフレート・シュニトケの追憶に
エレナ・ヴァシリエヴァ(Ms)
ヒリヤード・アンサンブル
デニス・ラッセル・
 デイヴィス指揮
ドレスデンpo.
 録音:2008年1月7日-9日、ドレスデン、ルーカス教会。
 シュニトケ未完の遺作となった「交響曲第9番」の待望の世界初録音。逆境に置かれた人間精神の勝利を描いた作品で、全身的な感動と美に溢れている。作曲当時、寝たきりだった彼の精神は依然として冴え渡っていた。そして彼の死後、夫人の依頼でラスカトフが53枚の遺稿に補筆したのが本作。また、当盤には補筆者の「ヌンク・ディミティス〜アルフレート・シュニトケの追憶に」がエピローグ的に収録されている。
オトマール・シェック(レーナウ&ケラー詩):
 ノットゥルノ Op.47
 (バリトンと弦楽四重奏のための5章;1933)
クリスティアン・
 ゲルハーヘル(Br)
ロザムンデSQ
 録音:2007年12月3日-4日、ノイマルクト。
 フィッシャー=ディースカウや白井光子の地道な努力によって、1980年代から再評価が高まっているシェックによる最も有名な作品で、濃密な情熱とロマン的色彩に満ちた傑作。ドイツ・リート界でも今もっとも注目を集めているゲルハーヘルと、名門ロザムンデ四重奏団という、現在望みえる最高のキャスティングで。
ヴェラチーニ:ソナタ集
 独奏ヴァイオリンと通奏低音のための
  ソナタ Op.1〜ソナタ第1番 ト短調/
 ヴァイオリン、又は独奏フルートと
  通奏低音のためのソナタ〜ソナタ第5番 ハ長調/
 コレッリ作品に基づくディセルタツィオーニ〜第1番 ニ長調/
 アカデミック・ソナタ Op.2〜ソナタ第6番 イ長調
ジョン・ホロウェイ(Vn)
ヤープ・テル・リンデン(Vc)
ラース・ウルリク・モーテンセン(Cemb)
 タルティーニの演奏様式を受け継ぎ、自身もヴァイオリンの名演奏家だったヴェラチーニ。彼の時代には珍しく、宮廷音楽家となるよりはフリーランスの音楽家として存在することを選ぶという先進的な考えを持っており、後に渡ったロンドンではまさに「スター」だった。
 バロック音楽界のパイオニアでもあるジョン・ホロウェイは、ライナーノーツの中でヴェラチーニが後のヴァイオリニストでもあった作曲家に与えた影響にも言及している。ビーバーからイザイ、そしてもちろんバッハ作品にもその影響は見てとれる。
476 729-1
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(2CD)
J.S.バッハ:
 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ BWV.1001-1006
ギドン・クレーメル(Vn)
 2001年9月、ロッケンハウス(パルティータ)/2002年3月、リガ(ソナタ).
 「演奏家にできることは、音楽という無限の王国の入り口に案内するまでのこと。ただただ謙虚に、しかし確信を持って、音を(再度)解放し聴衆の耳に届けることが我々の仕事。」…無我の境地にまで達したかのような、クレーメルの「無伴奏」再録音。
 Philipsへの録音から20年、すべてのヴァイオリニストにとって最高到達点ともいえるバッハの無伴奏に再度挑んだクレーメル。「なにゆえ今なのか?」「果たしてこれを成し遂げた後、彼は何を目指すのか?」ただ待望の録音というだけではあまりにも物足りない、深遠な意志が感じられるリリースである。
 ブックレットに掲載されたクレーメルの文章(楽曲解説もクレーメルによる)は、悟りをひらいた高僧を思わせる。バッハと音楽への畏敬の念に満ちながらも、演奏家としてどこまでも謙虚な姿勢が感じられ、20年という歳月の間に、クレーメルというヴァイオリニストが何を思い何に到達したのかへ思いを馳せずにはいられない。そしてまた、彼自身の文章に何度も現れる録音スタッフへの謝辞。事実、ECMならではのサウンド・ポリシーが、演奏家の領域でない部分を完璧にプロデュースしている。アーティストとレーベルの濃密なコラボレーションがあってこそ成し得た、録音物としてのバッハの無伴奏のひとつの完成形といっても過言ではないかもしれない。
Zsofia BorosLocal - Objects
 マティアス・デュプレッシー:ノクターン / エグベルト・ジスモンチ: Celebracao de Nupcias
 カルロ・ドメニコーニ:コユンババ Op.19 / ホルヘ・カルドーソ:ミロンガ
 アル・ディ・メオラ:ヴァーティゴ・シャドウ / フランギス・アリ=ザデー:ファンタジー
 ガロート(アニバル・アウグスト・サルヂーニャ):インスピラサォン / アレックスピンター:ヨーテボリ

  ジョフィア・ボロス(G)
 録音:2015年11月、ルガーノ。ウィーンを拠点に活躍するハンガリーのギタリスト、ジョフィア・ボロスはブラチスラヴァ音楽院およびバルトーク音楽院で研鑽を積み、その後ウィーン国立音楽大学、タレガ・ギター・アカデミーでも学び、数々のコンクールを制覇した実力派。際立つテクニックと哀愁漂う音色は聴き手を強く魅了する。デビュー盤「どこか別の場所で」はブローウェルを中心としたクールな選曲だったが、今作ではジスモンチやカルドーゾなど南米の作品から、イタリアのドメニコーニ、アゼルバイジャンのアリ・ザデー、オーストリアのピンターなど、様々な国の作品が選ばれている。
リゲティ:弦楽四重奏曲〔第1番(*) /第2番(#)〕
バーバー
 弦楽四重奏曲 Op.11 〜モルト・アダージョ(*)
ケラーSQ
 録音:2007年6月(*)、2011年10月(#)、スイス・ドイツ語放送局スタジオ、チューリヒ。「2001年宇宙の旅」でも使用されたリゲティの音楽は、作曲家の名前を知らずとも、映画を見た人には強烈なインパクトを与えた。ここに収録された弦楽四重奏曲はリゲティの作品の中では、あまり知名度の高いものとは言えないが、作曲家の特性を存分に伝えてくれる作品で、演奏には高度な精密さが必要とされる。強靭なテクニックで独特の力強い演奏美学を示すハンガリーのケラー四重奏団は、強い集中力で練り上げられた密度の高い演奏を聴かせてくれる。
ヴィクトル・キーシン(1953-):
 ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲「 Between Two Waves 」
  [アンドルース・ウフガビーズ(P) ローマン・コフマン指揮クレメラータ・バルティカ]
 ヴィオラとチェロのための二重奏「 Duo 」 (after Osip Mandelstam)
  [ダニール・グリシン(Va) ギエドレー・ディルヴァナウスカイテ(Vc)]
 独奏ヴァイオリン、弦楽オーケストラと打楽器のための「 Barcarola 」
  [ギドン・クレーメル(Vn) アンドレイ・プシュカレフ(Perc) クレメラータ・バルティカ]
 録音:2011年7月、ロッケンハウス、オーストリア。ヴィクトル・キーシンはサンクトペテルブルク生まれ。リムスキー=コルサコフ音楽院で作曲と音楽学を学んだ。彼のオペラ「Marat-Sade」は、1985年の初演の際にスキャンダルを引き起こした。また、映画音楽の作曲も行い、ベルリン、ヴェネツィア、マドリッドでの映画祭で賞を受賞している。ギドン・クレーメルとクレメラータ・バルティカから委託も受けており、2000年以来オーケストラや室内楽作品の作曲を行っている。現実の世界から遠く逃避し、沈黙の神秘的な音によって再現された音楽。
児玉桃〜ラヴェル、武満、メシアン
 ラヴェル:鏡 / 武満徹:雨の樹素描
 メシアン:ニワムシクイ
児玉桃(P)
 録音:2012年9月、ライトシュターデル、ノイマルクト。1991年のミュンヘン国際コンクール・ピアノ部門において最年少最高位を受賞し、その後はパリを拠点に活躍するピアニスト、児玉桃がECMへ初録音。今回のアルバムではラヴェルの「鏡」と、ラヴェルに強い影響を受けた二人の現代作曲家の作品をカップリング。小さな武満徹作品をはさみ、メシアン最高にして最大のピアノ作品といわれる「ニワムシクイ」配置し、ラヴェルから現代に至るピアノ曲の変遷を辿っている。フランス作品を得意としながらも、バッハからメシアンに至る現代曲まで、幅広いレパートリーを弾きこなす彼女は、日本はもとより、海外でも高い評価を得ている。メシアンは彼女にとって最重要レパートリーだけに、この録音にクォリティに厳しい ECM レーベルの大きな期待と、彼女の強い意気込みが感じられる。
ダウランドとその時代のパヴァーヌとファンタジー
 ジョン・ダウランド:ラクリメ(7つの涙) / ヘンリー・パーセル:1音に基づくファンタジー
 ウィリアム・ロウズ:4声の2つのエア/5声のファンタジー ハ長調 / ジョン・ジェンキンス:ファンタジー第12番
 トーマス・モーリー:2声の哀歌 / マシュー・ロック:2つのトレブルとバスのためのファンタジー

 ジョン・ホロウェイ、モニカ・ベーア(Vn/Va) レナーテ・シュタインマン(Va)
 スザンナ・ヘフィティ(Va) マルティン・ツェラー(バスVn)
 録音:2013年3月、チューリヒ放送スタジオ。有名な「涙のパヴァーヌ」とも呼ばれるダウランドの『ラクリメ』は、彼らしい憂いを帯びた美しい7つの小品から成り立っている。当時から有名だった「流れよ、我が涙」は一世を風靡した歌曲で、他の作曲家やダウランド自身もこの歌曲を主題とした器楽のためのコンソート「ラクリメ」を書き上げた。この曲集は通常ヴィオール・コンソートで演奏されるが、ここでは最も美しいバロック・ヴァイオリンの音色を奏でる事で有名なジョン・ホロウェイらによるヴァイオリン属のコンソートで演奏されている。ダウランドのラクリメについてホロウェイ自身「言葉で表せない感情が秘められた作品」と語り、見事な美音を響かせている。
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(2CD)
ベートーヴェン
 ピアノ・ソナタ第32番 Op.111 (*) /
 ディアベッリの主題による33の変奏曲 Op.120 (*) /
 6つのバガテル Op.126 (#)
アンドラーシュ・
 シフ(P;*/Fp;#)
 録音:2012年12月27日-28日、アウディトリオ、スイス・イタリアーナ放送、ルガーノ(おそらく*) /2012年7月9日-10日、ベートーヴェン・ハウス、ボン(おそらく#)。使用楽器:ベヒシュタイン、1921年製(*) / 1820頃製、ベートーヴェン・ハウス所蔵〔 Besitz der Familie Lichnowsky in Schloß Grätz, um 1920 ではないかと思われるが、アナウンスに詳細記載成し〕(#)。シフがヴィンテージ・ピアノとフォルテピアノで弾き分けた、異色のベートーヴェン・アルバム。2008年リリースの『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8集』が翌年のレコード・アカデミー賞器楽曲部門賞を受賞し、今やコンサートが毎回ソールド・アウトするほどの人気となっているアンドラーシュ・シフ。ベートーヴェンのみならず、バッハやシューマン、シューベルトなどの独墺系レパートリーには、欠かせないピアニストの一人となっている。5年ぶりとなるベートーヴェン・アルバムは、変奏曲の傑作として名高い「ディアベッリの主題による変奏曲」。ピアノ・ソナタ全32曲を書き終えたベートーヴェンが、晩年にたどり着いた形式が変奏曲であり、出版社から与えられたテーマを元に、自らの創造力のすべてをつぎ込んで書いた名作。しかも、今回の録音では、ピアノ・ソナタ第32番の新録音を冒頭に、最後のピアノ独奏曲となった「6つのバガテル」を最後に置き、変奏曲は1921年製のベヒシュタイン・ピアノと、ベートーヴェン・ハウスにある1820年製と思われるフォルテピアノによる2種類の録音を収録するという凝りよう。なぜ2種類のピアノを使用したのかが明らかにされている。
ヒリヤード・アンサンブル〜 Il Cor Tristo
 ベルナルド・ピザノ(1490-1548): Or vedi / Amor / Nova angeletta / Chiare / Fresche / e dolci acque /
                 Si è debile il filo / Ne la stagion / Che debb 'io far?
 ロジャー・マーシュ(1949-): Il Cor Tristo (I-III)
 ジャック・アルカデルト(1507-1568): Solo e pensoso / L 'aer gravato / Tutt 'il dì piango

 ヒリヤード・アンサンブル[ David James(CT) Rogers Covey-Crump,
                Steven Harrold(T) Gordon Jones(Br)]
 録音:2012年11月、ザンクト・ゲロルト修道院、オーストリア。世界最高級のヴォーカル・グループのヒリヤード・アンサンブル。イギリスの現代作曲家ロジャー・マーシュによる委嘱作品「 Il Cor Tristo 」は、ダンテの古典長編叙事詩「神曲」〜「地獄」をモチーフとした作品。そしてベルナルド・ピサーノとアルカデルトの16世紀のペトラルカをカップリング。「古楽」と「モダーン」の間を自在に遷移する彼らの透き通るハーモニーが、壮大な絵巻物を美しく提示していく。ダンテの言葉を明確に伝えるために、ヒリヤード・アンサンブルのメンバーたちは時間をかけて曲と順番を考え、現代に生きる聴き手の心に響くアルバムを作り上げた。2014年に40周年を迎えるヒリヤード・アンサンブルだが、残念ながら2014年末をもって解散する事が決まったようだ。このアルバムも、彼らの最終点への特別なプログラミングなのだろう。
Quasi parlando 〜ティグラン・マンスリアン(1939-):
 ヴァイオリン、チェロと弦楽オーケストラのための二重協奏曲/ヴァイオリンと弦楽オーケストラのためのロマンス/
 チェロと弦楽オーケストラのための Quasi parlando /ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための4つの厳粛な歌

  パトリツィア・コパチンスカヤ(Vn) アニャ・レヒナー(Vc)
  キャンディダ・トンプソン指揮アムステルダム・シンフォニエッタ
 録音:2012年10月、ムジークへボウ、アムステルダム。1つ1つの音が全てあるべき場所にあることを美学にしているという、アルメニアを代表する現代音楽作曲家の一人、マンスリアンの75歳記念録音。いずれの作品でも息のむような独自性の高い音世界が展開されている。作曲の感性は音に本来備わった潜在的な力に沿って生まれてくるものだ、とヴォルフガング・サンドナーはライナー・ノーツの中で述べている。ここ30年の間にマンスリアンの音楽は変化してきてはいるものの、根本にある審美眼は一貫している、と。1977年モルドヴァ生まれの鬼才ヴァイオリニスト、パトリツィア・コパチンスカヤと、ドイツの現代音楽チェロのアニャ・レヒナーが、マンスリアンの自由な創造性をしなやかに演奏している。
481 066-9
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(2CD)
ミェチスワフ・ワインベルク(1919-1996):
 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 Op.126 /
 弦楽三重奏曲 Op.48 (*) /ソナチネ Op.46 (#) /
 小協奏曲 Op.42 (+) /交響曲第10番 Op.98 (+)
ギドン・クレーメル(Vn)
ダニーリ・グリシン(Va;*)
ギエドレー・
 ディルヴァナウスカイテ(Vc;*)
ダニール・トリフォノフ(P;#)

クレメラータ・バルティカ(+)
 録音:2012年11月、ノイハルデンベルク/2013年7月、ロッケンハウス。クレーメル最新録音は、ポーランド出身、ソ連に亡命し激動の人生を送った作曲家ワインベルクの多岐にわたるジャンルの作品を集めた2枚組。ソナチネではダニール・トリフォノフがピアノ伴奏を務めている。ワインベルクは、家族をホロコーストで失い、亡命先のソ連でも過酷な運命に翻弄された作曲家。2014年生誕95周年を迎える。ナチスのポーランド侵攻を機にソ連に亡命し、残された家族はホロコーストの犠牲になり、自らも戦後のソ連でスターリンによって逮捕されるなど、過酷な運命に翻弄されてきた。しかし、モスクワではショスタコーヴィチと親交を深め、彼から強い影響を受けるとともに、ショスタコーヴィチもワインベルクの才能を高く評価し、彼の作品は当時のソ連の優れた演奏家たちによって取り上げられた。今回クレーメルは彼の作品に焦点をあて、無伴奏曲からオーケストラ曲まで、さまざまな編成の作品をクレメラータ・バルティカの仲間たちを演奏し、多作家だったワインベルク作品の魅力を、様々な角度から掘り下げている。交響曲第10番は2012年の来日公演でもクレーメルが演奏した作品で、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの各ソリストが活躍する大作。「ピアノとヴァイオリンのためのソナチネ」では、先ごろDGに移籍したピアニスト、ダニール・トリフォノフが伴奏で参加している。
エルッキ=スヴェン・トゥール(1959-):
 ピアノ協奏曲(2006) (*) /交響曲第7番(2009) (#)
ラウラ・ミッコラ(P;*)
パーヴォ・ヤルヴィ指揮
フランクフルト放送so.
北ドイツ放送cho. (#)
 録音:2009年-2010年、フランクフルト。エストニアを代表する作曲家の一人であるエルッキ=スヴェン・トゥールの作品集。タリン音楽学校でフルートとパーカッションを学んだ後、タリン音楽アカデミーでヤーン・ラーツから作曲を学んでいる。同じ時期にロック・グループを率いて活動し、エストニアの人気バンドの一つになったことも特筆すべき点だろう。やがて彼は作曲に専念し、数多くの作品を世に送り出す。若い頃に傾倒したプログレ・ロックの雰囲気を残しながらも、バリバリの前衛の響きを有する彼の音楽は世界中で幅広い人気を博しており、ここで指揮をしているパーヴォ・ヤルヴィもこの魅力にとりつかれている一人として知られている。第5番の交響曲ではエレキ・ギターまでをも駆使していたが、今回の第7番は「ダライ・ラマ14世に捧げる」との副題の通り、合唱を用いた荘厳な物。トゥールの多彩な作風も窺い知ることができる話題作。
メレディス・モンク(1942-):ピアノ・ソングズ
 Obsolete Objects / Ellis Island / Folkdance / Urban March / Tower / Paris / Railroad /
 Parlour Games / St. Petersburg Waltz / Window in 7's / Totentanz / Phantom Waltz

  ブルース・ブルベイカー、アーシュラ・オッペンス(P)
 録音:2012年4月、ジョーダン・ホール、ニューイングランド音楽院、ボストン。ニューヨーク生まれの作曲家、パフォーマー、演出家、ヴォーカリスト、映画製作者、振付家で、主にヴォーカルの革新者として知らるモンクは、1960年代から音楽、演劇、舞踏にわたる総合的な作品を送り出し、ECMへも数多くの録音を行っている。彼女の最も有能な理解者、協力者と言えるブルベイカーとオッペンスが、モンク自身の協力も得て、彼女の画期的な声楽作品をピアノ・ソロまたはピアノ・デュオのために編曲し、新しい表現と解釈で演奏したディスク。この編曲版はモンクのキャリア40年を祝って2005年にカーネギー・ホールにて初演されたもので、「興味深いバランスによる画期的なピアノ音楽」と高く評価された。
チョン・ミョンフン〜ピアノ・アルバム
 ドビュッシー:月の光 / ショパン:夜想曲〔変ニ長調 Op.27 No.2 /嬰ハ短調(遺作)〕
 チャイコフスキー:秋の歌 / ベートーヴェン:エリーゼのために
 シューベルト:即興曲〔変ホ長調 D899 No.2 /変ト長調 D899 No.3 〕
 シューマン:トロイメライ/アラベスク / モーツァルト:キラキラ星変奏曲
  チョン・ミョンフン(P)
 録音:2013年7月、ヴェネチア、フェニーチェ劇場。1974年チャイコフスキー・コンクール・ピアノ部門第2位入賞後、ピアニストとしても活躍していた指揮者チョン・ミョンフン。2006年にバルトリ来日の際にも共演者として素晴らしいピアノを聴かせてくれた。意外なことに今までピアノ・ソロ・アルバムをリリースした事は無く、今回が初ソロ・ディスクだという。「ピアノという楽器は今も音楽的に私と最も親しく、愛すべき友人」と語るマエストロ。今回のアルバムは、2人の孫娘のためにアルバムを作ったら?というところから話が始まり、彼の人生の大切な節目を共にしてきた作品も収められた。ドビュッシーの「月の光」は、「月」という意味の名前をもつ孫娘のために、シューベルトの即興曲編 ト長調は長男の結婚式で演奏した際の想いを込めて、チャイコフスキーコンクールで演奏した「秋の歌」はコンクール時の聴衆の熱い反応を思い出しつつ収録された。そして、彼の音楽に最も大きな影響を与えたバイオリニストの姉、チョン・キョンファには、ショパンの夜想曲 嬰ハ短調をささげている。孫娘を考えながら収録したアルバムだけに、誰もが一度は耳にしたことがあるなじみ深いメロディーの小品が集められ、極上のタッチが至福の時間を鮮やかに演出す。チョン・ミョンフン初のピアノ・ソロ・アルバムとなったこのアルバムは、ECMレーベルにとっても初のピアノ名曲集。これまで前衛的な音楽を中心としてきたレーベルだけに、ファンにとってはある意味衝撃的かもしれない。ピアノ名曲集とはいえ、いつものようにマンフレート・アイヒャーがプロデュースし、定評ある録音のクオリティは健在。アイヒャーとチョン・ミョンフンという二人のマエストロからの極上の贈り物と言っても過言ではないアルバム。
Tre Voci
 武満徹:そして、それが風であることを知った
 ドビュッシー:
  フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ
 グバイドゥーリナ:喜びと悲しみの庭
キム・カシュカシアン(Va)
マリーナ・ピッチニーニ(Fl)
シヴァン・マゲン(Hp)
 録音:2013年4月、スイス・イタリア語放送アウディトリオ、ルガーノ。2013年リゲティの無伴奏ヴィオラ作品集でグラミー賞を受賞、現在最も高く評価されているヴィオラ奏者の一人、キム・カシュカシアンが、イタリア系アメリカ人フルーティスト、ピッチニーニと、イスラエルのハーピスト、マゲンとともにトリオを組み、更なる新しい世界を模索する。ドビュッシー晩年の作品を中心に、武満とグバイドゥーリナの同編成作品を配置。音色、質感、そして時間の流れを感じさせるプログラム。武満は明らかにドビュッシーの作品の影響を受けているように思われ、またグバイドゥーリナの作品は、オーストリアの作家タンザーの詩とモスクワの詩人オガノフの詩、この2つの東洋と西洋を描いた文学作品に触発されたもので、極めて瞑想的、かつ抒情的な世界が展開されている。
ガリーナ・ウストヴォリスカヤ(1919-2006):
 ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(1952) /
 クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための三重奏曲(1949) /
 ヴァイオリンとピアノのためのデュエット(1964)
  パトリツィア・コパチンスカヤ(Vn) マルクス・ヒンターホイザー(P) レート・ビエリ(Cl)
 録音:2013年3月、アウディトリオ、スイス・イタリアーナ放送、ルガーノ。
デュオ・ガッツァーナ
 シュニトケ:古風な組曲(1972) / プーランク:ヴァイオリンとチェロのためのソナタ
 シルヴェストロフ: J.S.B.に捧ぐ(2009) / ウォルトン:ヴァイオリンとチェロのためのトッカータ
 ダッラピッコラ:ヴァイオリンとピアノのためのタルティーニアーナ第2

 デュオ・ガッツァーナ[ナターシャ・ガッツァーナ(Vn) ラファエラ・ガッツァーナ(P)]
 録音:2013年6月、RSI オーディトリウム、ルガノ。ローマ近郊生まれの姉妹ナターシャ&ラファエラ・ガッツァーナは、それぞれP.アモイヤル、B.カニーノに学んだ。ロマン派の音楽も演奏しているが、彼女らは近現代音楽を深いヒューマニズムに満ちた独特な解釈で演奏し、高い評価を得ている。彼女らのECM録音2枚目となる当盤でも、近現代の作品が選ばれ、各作品から20世紀から21世紀へと受け継がれる音楽の時代や地理的な違いによる類似点と相違点を探り出していく。
灰の音楽〜シューマン&ホリガー:室内楽作品集
 シューマン:6つのカノン風小品 Op.56 /3つのロマンス Op.94 / ホリガー:ロマンセンドレス
 シューマン: F. A. E. ソナタ〜間奏曲/ヴァイオリン・ソナタ第1番 Op.105

  ハインツ・ホリガー(Ob/Obダモーレ)
  アニタ・ルージンガー(Vc) アントン・ケルニャック(P)
 録音:2012年7月、2013年11月、チューリヒ。現代最も多彩な活動を繰り広げる音楽家、ハイツ・ホリガーが生涯にわたって深い愛情を注ぐ作曲家、ローベルト・シューマンの作品を主軸に自身の作品も1曲加えて贈るシューマンへのオマージュ。自作のロマンセンドレスは、クララ・シューマンとブラームスの恋愛を知ったローベルト・シューマンが「ロマンス」というタイトルで書いた作品にインスパイアされてホリガーが作曲した物。ローベルト・シューマンの「ロマンス」はロベルトの死後クララが焼き捨てて幻の作品となった。2012年にホリガーが来日した際にも息の合ったアンサンブルを聴かせてくれたルージンガーとケルニャックが当盤でも艶やかな演奏を繰り広げている。
 アニタ・ルージンガー(Vc):1982年チューリヒ近郊に生まれ、ジェルジュ・クルターグ、ミクローシュ・ペレーニ、スティーヴン・イサーリスなどに師事。2008年ニューヨークで開催されたナウムバーグ・コンクールに優勝し、2009年にカーネギー・ホールでデビュー。以降国際的な活動を開始し、デイヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレをはじめ、多くのオーケストラに招かれる他、ホリガーやケルニャックと定期的に共演を重ねている。
 アントン・ケルニャック(P):1982年、スロヴェニア系オーストリア人の家庭に生まれ、ザルツブルクのモーツァルテウム音楽院で学ぶ。その後バーゼル音楽院でルドルフ・ブッフビンダーに師事。ハンガリーの音楽家フェレンツ・ラドーシュとジェルジュ・クルターグからも多大な影響を受け、国際ブラームス・ピアノコンクールで優勝したほか多くの賞を受賞。以後、室内楽を中心にヨーロッパ各地、カナダ、アメリカで活躍。また、ルツェルン音楽祭をはじめとする多くの音楽祭に招かれている。アニタ・ルージンガーやハイツ・ホリガーとは定期的に室内楽で共演している。
Dances and Canons 〜ケイト・ムーア(1979-):
 Spin Bird / Stories For Ocean Shells / The Body Is An Ear /
 Canon / Zomer / Joy / Sensitive Spot / Spin Bird

 サスキア・ランクホールン(P)
 録音:2013年4月、アウディトリオ、スイス・イタリアーナ放送、ルガーノ。作曲家ケイト・ムーア、そしてピアニスト、ランクホールンの両者にとってのECMレーベルへのデビューとなるこのアルバム。ムーアは1979年にイギリス生まれ、ルイ・アンドリーセンに師事し、現代はオランダに住んでいる。彼女の音楽は独自のパルス・パターンを持ち、渦巻く音は自然の情景を想起させる想像力豊かな物。ピアニストのラルクホールンとムーアはハーグ王立音楽大学で出会いた。ラルクホールンが新しい音楽グループ「アンサンブル・クラン」を設立した際、最初にプログラムに組み込んだ作曲家がムーアだったということで、それ以来ムーアの音楽を献身的に演奏し、コンサート、ダンス、演劇、映画、イラストレーションなど様々な分野でコラボレーションしているという間柄。このアルバムには、ピアノソロのための作品や、アンサンブルのための作品からの編曲版が収録され、点描、さざなみの音や、ハチドリの羽音を思わせる音が見事に捉えられている。
グスタボ「・クチ」・レギサモン(1917-2000)/パブロ・マルケス編曲:
 El Cuchi Bien Temperado(ギター版)
 パブロ・マルケス(G)
 録音:2012年5月23日-25日、ルガーノ。 アルゼンチンを代表する斬新な作品。アルゼンチン音楽の発展に貢献し、今でも多くのアルゼンチン・ミュージシャンたちに尊敬されているサルタ生まれの作詞、作曲家グスタボ“クチ "レギサモンの音楽を、1967年生まれのギタリスト、パブロ・マルケスがギターのためにアレンジしたという興味深い1枚。伝統の舞曲に新たな試みとアイデアを取り入れ、曲によってはシェーンベルクに触発されたという12音技法を使うなど、斬新なデギサモン〔代理店記載ママ〕の音楽。これらをマルケスがアレンジする際には、偉大なるバッハの平均律クラヴィーア曲集を参考にし、全ての曲に違った調性を施すことで、ギター奏法にも新たなる道を開くことを心がけたというユニークなものでもある。
コンスタンティア・グルズィ(1962-):ピアノと弦楽四重奏のための作品集
 ピアノ独奏のための「アイネ・クライネ・ゲシヒテ〔小歴史〕」Op.25 (2005) (*) /
 弦楽四重奏曲第2番 Op.33 No.2「 P-ILION, 永遠からの9つの断片
                  [neun fragmente einer ewigkeit] 」 (2007) (#) /
 6つのピアノ小品 Op.41「アイオロスの風」(2010) (*) /弦楽四重奏曲第1番 Op.19「イスラエル」(2004) (#) /
 ピアノ独奏のための7つの小品「まだ私は恐れている ["noch fürcht' ich"] 」 Op.8 (1993) (*) /
 弦楽四重奏とピアノのための「ヴィブラート I & II 」 Op.38 (2010) (*/#) /5つのピアノ小品 Op.24 (2004) (*)

 ロレンダ・ラモウ(P;*) アンサンブル・コリオリス〔弦楽四重奏〕(#)
 録音:2012年7月、昇天教会、ミュンヘン。アテネ生まれで、ギリシャの民俗音楽と現代音楽との融合を図る女性作曲家コンスタンティア・グルズィの ECM デビュー・アルバム。1990年代のピアノ曲1曲を除き、21世紀に入ってからの作品。
モデラート・カンタービレ
 ゲオルギイ・グルジエフ/トーマス・ド・ハルトマン:サイイドの歌と踊り第3番/詩篇〔第7番/第8番/第11番〕/
  ナイト・プロセッション / クチュリエ:ソレイユ・ルージュ/蝶々
 フランソワ・クチュリエ:ヴォヤージュ / ヴァダペット・コミタス:あなたはスズカケの木
 フェデリコ・モンポウ:歌と踊り第6番/ひそやかな音楽第28番/内なる印象〔第1番/第8番〕/遠い祭り第3番

  アニャ・レヒナー(Vc) フランソワ・クチュリエ(P)
 録音:2013年11月、スイス・イタリア語放送アウディトリオ、ルガーノ。ドイツ、カッセルで生まれたチェリスト、アニャ・レヒナーはハインリヒ・シフとヤーノシュ・シュタルケルに師事し、アムステルダム・シンフォニエッタ、アルメニア・フィル、タリン室内o. などの公演にソリストとして参加、またコンサートではアレクセイ・リュビモフや、ジルケ・アヴェンハウス、キリル・ゲルシュタイン等、名ピアニストと共演し、古典から現代まで幅広いレパートリーを持つ。6歳でピアノを始めたフランソワ・クチュリエはクラシック音楽だけではなく、チック・コリアやヨアヒム・キューンなどのジャズ・ピアニストからも薫陶を得た人で、即興演奏が得意であり、ジャンルを超え活躍している。
ケラーSQ 〜 Cantante E Tranquillo(おそらく既出盤からのコンピレーション)
 ベートーヴェン:弦楽四重奏曲〔第16番 Op.135 〜第3楽章/第13番 Op.130 〜第5楽章/第16番 Op.135 〜第3楽章〕
 リゲティ:弦楽四重奏曲第2番〜第5楽章 / J.S.バッハ:フーガの技法 BWV1080 〜コントラプンクトゥス〔1/14 〕
 シュニトケ:ピアノ五重奏曲〜第5楽章 / クナイフェル: In Air Clear And Unseen 〜第2番「秋のゆうベに」
 クルターグ:彼方より5/エンドレ・セルヴァンスキを追悼して Op.28 〜 Arioso Interrotto / Flowers We Are〜ミヤコへ/
       バッハへのオマージュ/リガトゥーラY /リガトゥーラ、フランセス=マリーへのメッセージ

 ケラーSQ アレクセイ・リュビーモフ(P;**)
 録音:1995年11月-2012年11月。
ヒリヤード・アンサンブル〜 Transeamus
 作曲者不詳:カンタベリーの宝トマスさま/聖トマスを讃えよう/教皇のラッパ/ラリー私は見た/グレースの聖母/
       そのようなバラはない/ヨセフよ、怪しむことはない/自然はいかにして/ああ、私のかわいい息子
 ジョン・プルマー:アンナの母親/あなたの愛する方は / ワルター・ランビ:天の星
 ウィリアム・コーニッシュ:アヴェ・マリア、神の母 / シーリンガム:ああ、紳士イエス

 ヒリヤード・アンサンブル[デイヴィッド・ジェイムズ(CT) ロジャーズ・ カヴィー=クランプ、
                スティーヴン・ハロルド(T) ゴードン・ジョーンズ(Br)]
 録音:2012年11月、オーストリア。 2014年12月20日ロンドンでのコンサートを最後に「引退」すると英グラモフォン誌が報じたヒリヤード・アンサンブルによる、1400-1500年代のキャロル集。
束の間の幻影
 プロコフィエフ:束の間の幻影 Op.22(全曲)
 メトネル:4つのおとぎ話 Op.26 〜第3曲 ヘ短調
 ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58
アンナ・ゴウラリ(P)
 録音:2013年10月、ノイマルクト、ドイツ。
トリオ・メディイーヴァル〜アクイロニス
 作曲者不詳(14世紀アイスランド): Vespers reponsory / Vespers antiphon and psalm I-V /Special antiphon
 アンダーシュ・ヤーミン: Ama / アンナ・マリア・フリーマン&リン・アンドレア・フールセット: Morgonljos
 作曲者不詳(15世紀イギリス):キャロル
  〔 Ave rex angelorum / Ecce quod natura mutat sua jura / Alleluia: A newë work 〕
 アンドルー・スミス: Ave maris stella / Ioseph fili David / Ave regina caelorum
 作曲者不詳(12世紀イタリア):ラウダ〔 Fammi cantar l 'amor / Benedicti e llaudati 〕
 Ola Vanberg : Gud unde oss her at leve så / トリオ・メディイーヴァル: Klokkeljom
 民謡: Ingen vinner frem til den evige ro / Fryd dig, du Kristi brud
 Berit Opheim : I hamrinum  / ウィリアム・ブルックス: Vale, dulcis amice

 トリオ・メディイーヴァル[ Anna Maria Friman, Linn Andrea Fuglseth, Berit Opheim ]
 録音:2014年6月、ザンクト・ゲロルト修道院、オーストリア。ノルウェーの女声ア・カペラ・グループ「トリオ・メディイーヴァル」は、ビルボード・トップ10入り、グラミー賞にノミネートされるなど、全世界で話題を振りまき、現代から中世まで幅広い時代のポリフォニーによるアルバムは、「慰めの美しき音」とすでに高評価を受けている。当盤では時代を超越した北欧の民俗的なメロディを集め、イタリアの聖歌と15世紀の英語のキャロル、現代ジャズ・ベーシストのひとりアンダーシュ・ヤーミンなどの作品もプラスさている。ヒリヤード・アンサンブルのメンバー、ジョン・ポッターは「歴史と地理がシームレスにブレンドされ、音と情緒の見事な融合」と絶賛している。今回の録音はECMのすばらしい録音を生み出してきたザンクト・ゲロルト修道院で行われた。
ツェートマイアー〜シューマン
 ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 WoO.23 /交響曲第1番 変ロ長調 Op.38「春」/幻想曲 ハ長調 Op.131

  トマス・ツェートマイアー(Vn)指揮パリ室内o.
 録音:2014年2月、シャンゼリゼ劇場、パリ。
ジョン・ポッター〜シークレット・ヒストリー(ジョスカンとビクトリア)
 ジャン・ムトン: Nesciens Mater / ジェイコブ・ヘリングマン:プレリュード 〔 I / II / III / IV / V 〕
 作曲者不詳: Inviolata (Chant) / Obsecro Te (Chant) / Benedicta Es (Chant)
 ビクトリア: Missa Surge Propera 〔 Kyrie / Gloria / Credo / Sanctus / Benedictus / Agnus Dei 〕/
        O Magnum Mysterium
 ジョスカン・デ・プレ: Inviolata / Absalon, Fili Mi / Obsecro Te /
            サルヴェ・レジナ/ Benedicta Es / Nymphes De Bois

 ジョン・ポッター、アンナ・マリア・フリーマン(Vo)
 アリエル・アブラオヴィチ(アルト・ビウエラ/テノール・ビウエラ/バス・ビウエラ)
 ジェイコブ・ヘリングマン(テノール・ビウエラ/バス・ビウエラ)
 リー・サンタナ(アルト・ビウエラ/テノール・ビウエラ)、ヒッレ・パール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 録音:2012年、ザンクト・ゲロルト修道院、プロプスタイ、オーストリア。
Amores Pasados
 ジョン・ポール・ジョーンズ:Amores Pasados(3つのスペイン語による詩)
 ピーター・ウォーロック: Sleep / アーネスト・ジョン・モーラン:Oh Fair enough are sky and plain
 トマス・キャンピオン: Follow thy fair sun / Oft have I sighed / The cypress curtain of the night
 トマス・キャンピオン/トニー・バンクス編曲: Follow thy fair sun / The cypress curtain of the night
 ピックフォース: In nomine 〔 1 / 2 〕 / スティング: Bury me deep in the greenwood

  ジョン・ポッター(歌) アンナ・マリア・フリーマン(歌/ハルダンゲル・フィドル)
  アリエル・アブラオヴィチ(リュート) ヤコブ・ヘリングマン(リュート)
 録音:2014年11月、レインボウ・スタジオ、オスロ。ヒリヤード・アンサンブルのメンバー、ジョン・ポッターによる新感覚アルバム。17世紀のキャンピオンのオリジナル作品、20世紀初頭イギリスの作曲家ウォーロックやモーランの作品のトランスクリプション、そしてロック・ミュージシャンの曲をリュート歌曲として演奏。レッド・ツェッペリンのベーシスト、ジョン・ポール・ジョーンズによる3つスペイン語による詩「Amores Pasados」、ジェネシスのキーボーディスト、トニー・バンクスはキャンピオンの歌を編曲。スティングもこのアルバムのために曲を提供している。それらの曲を2台のリュートを伴奏に編み上げ、ECMレーベルらしいニュー・サウンドが堪能できるフレッシュな一枚。
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シューベルト
 ハンガリーのメロディ D.817 /ピアノ・ソナタ第18番「幻想」D.894 /楽興の時 Op.94(全6曲)/
 アレグレット D.915 /即興曲集 Op.142 D.935(全4曲)/ピアノ・ソナタ第21番 D.960

  アンドラーシュ・シフ(Fp)
 録音:2014年7月2日-5日、ベートーヴェンハウス、ボン。フォルテピアノで聴くシフのシューベルト! ピアノ界の至宝、アンドラーシュ・シフが自ら所蔵するピアノフォルテで奏でるシューベルトの主要作品。1980年代後半から1990年代前半にかけてDECCAにシューベルトのソナタおよび即興曲全曲を録音してから約30年を経て、今回は楽器をベーゼンドルファーからフォルテピアノに替えて改めてシューベルト作品に臨んだシフ。シフとフォルテピアノとの間にはいくつかの重要な出会いがあった。1970年代後半、ブダペストの国立博物館に保管されていたベートーヴェンのブロードウッド・ピアノを録音に使用したこともあった。その数年後にはザルツブルクでモーツァルトが持っていたワルターのフォルテピアノを演奏し、録音する機会に恵まれる。シューベルトのソナタ演奏にあたってグラーフのフォルテピアノを使用したこともあった。そんな歳月の後にシフは1982年にウィーンで作られたフランツ・ブロードマン製のフォルテピアノを所蔵することとなり、シューベルトの鍵盤作品にはこのウィーン風のやわらかで芳醇な音色が必須ということで、今回の録音にはその自らの楽器を使用している。
キース・ジャレット70歳記念〜 1984 & 1986 協奏曲ライヴ集
 バーバー:ピアノ協奏曲 Op.38 (*) / バルトーク:ピアノ協奏曲第3番 Sz.119 (#)
 キース・ジャレット:ナッシング・バット・ア・ドリーム(即興演奏?)(+)
  キース・ジャレット(P) デニス・ラッセル・デイヴィス指揮(*)
  ザールブリュッケン放送so.(*) 秋山和慶指揮新日本po.(#)
 録音:1984年6月3日、コングレスザール、ドイツ博物館、ミュンヘン(*) /1986年6月30日、ゆうぽうと簡易保険ホール、五反田、東京(#/+)、すべてライヴ。(+)はアンコール。キース・ジャレット70歳を祝し、1980年代から1990年代にかけ、即興演奏と共にクラシック・レパートリーを積極的に演奏していた時期の、ドイツと東京で行われた演奏会ライヴがリリースされる。東京公演のバックが秋山和慶&新日本po.なのも聴き物の一つ。最後には東京公演アンコールの即興演奏?も収録されている。
ヴォルフガング・リーム(1952-):4部合唱と弦楽四重奏のための「 Et Lux 」(2009)
 パウル・ファン・ネーヴェル指揮ウエルガス・アンサンブル ミンゲSQ
 録音:2014年2月9日-10日、Augustinus Muziekcentrum 、アントワープ。
Imágenes 〜ディノ・サルーシ(1935-):ピアノ作品集
 Imágenes / Los Recuerdos / Montañas / Romance / La Casa 13 /
 Claveles / Moto Perpetuo / Media Noche / Vals Para Verenna / Donde Nací
  オラシオ・ラバンデラ(P)
 録音:2013年10月、レインボー・スタジオ、オスロ。2015年5月30日に誕生日を迎えるサルーシの80歳記念リリース。アストル・ピアソラが築いたヌエボ・タンゴの影響を受け、独自のスタイルを作り上げるディノ・サルーシはバンドネオン奏者として有名だが、以前は鍵盤楽器のための作品を作曲し、即興的にストリートミュージシャンとして演奏していた。ここに収録された作品も、1960年から2002年の間にサルタ、ブエノスアイレス、シュトゥットガルトなどで作曲・演奏された物。オラシオ・ラバンデラはブーレーズやシュトックハウゼンらと共に、古典音楽と現代音楽について研究をおこなったピアニストで、サルーシ作品の多様性あるキュビズムを見事に再現している。
ラ・マスカレード〜バロック・ギターとテオルボ独奏のための作品集
 ロベール・ド・ヴィゼー:
  プレリュード〔ニ短調/イ短調〕/パッサカリア〔ニ短調/ロ短調〕/クープランの森の精/
  マスカレード、ロンド/シャコンヌ〔イ短調/ト短調〕/ミュゼット、ロンド/サラバンド ロ短調
 ロルフ・リスレヴァン:序奏(2種)/パッサカリアからの終曲
 フランチェスコ・コルベッタ:パッサカリア ト短調/シャコンヌによるパルティータ ハ長調/
               サラバンド 変ロ長調/シャコンヌによるカプリス/フォリー

 ロルフ・リスレヴァン(5コース・バロックG/14コース・テオルボ)
 録音:2012年4月、 Auditorio Stelio Molo, RSI 、ルガーノ、スイス。 ド・ヴィゼー、コルベッタ、そしてリスレヴァン自身の即興的な作品を収録。フランス・ルネサンス時代の作曲家ロベール・ド・ヴィゼーは恐らくイタリア生まれのフランチェスコ・コルベッタに師事したとされ、ルイ14世の宮廷音楽家を務め、またギター、テオルボ奏者としても名を馳せた。ド・ヴィゼーは「王に捧げるギターの書」と「ギターのための曲集」の2冊の楽譜を出版、またテオルボやバロックリュートのための作品も数多く書き、これらは現代の奏者たちにとって貴重なレパートリーとなっている。ロルフ・リスレヴァンは1961年にオスロで生まれ、1980年から1984年までノルウェー国立音楽大学でクラシック・ギターを学んだ。その後スイスのバーゼル・スコラ・カントルムでホプキンソン・スミスとオイゲン・ドンボワに学び、ジョルディ・サバールのアンサンブルに参加、1993年からはトロシンゲン高等音楽院でリュートの教授を務めている。2006年にはECMから初のアルバム「Nouve Musiche」、2009年には「Diminuito」をリリース。どちらのアルバムでも即興的な要素を重んじたエレガントな演奏が展開されている。
481 178-0
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(3CD)
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Liaisons: Re-imagining Sondheim from the Piano 〜
 スティーヴン・ソンドハイム
(1930-):ピアノ編曲による作品集
 【CD1】 1) A Little Night Fughetta (Arr.: William Bolcom), 2) Color and Light. (Arr.: Nico Muhly),
 3) Finishing the Hat (Arr.: Steve Reich, for 2 Pianos), 4) The Ladies Who Lunch (Arr.: David Rakowski),
 5) Perpetual Happiness (Arr.: Eve Beglarian), 6) Birds of Victorian England (Arr.: Jason Robert Brown),
 7) Johanna in Space (Arr.: Duncan Sheik), 8) You Could Drive A Person Crazy (Arr.: Eric Rockwell),
 9) That Old Piano Roll (Arr.: Wynton Marsalis), 10) Sorry-Grateful (Arr.: Derek Bermel),
 11) No One Is Alone (Arr.: Fred Hersch), 12) A Bowler Hat (Arr.: Annie Gosfield),
 13) I'm Excited. No You're Not. (Arr.: Jake Heggie)
 【CD2】 1) The Demon Barber (Arr.: Kenji Bunch), 2) Send in the Clowns (Arr.: Ethan Iverson),
 3) The Worst [Empanadas] in London (Arr.: Ricardo Lorenz), 4) I Think About You (Arr.: Paul Moravec),
 5) Very Put Together (Arr.: Mason Bates), 6) I'm Still Here (Arr.: Frederic Rzewski),
 7) Love is in the Air (Arr.: David Shire), 8) Epiphany (Arr.: John Musto),
 9) Pretty Women (Arr.: Mark-Anthony Turnage), 10) Paraphrase [Someone in a Tree] (Arr.: Phil Kline),
 11) In and Out of Love (Arr.: Bernadette Speech), 12) Another Hundred People (Arr.: Daniel Bernard Roumain)
 【CD3】 1) Into the Woods (Arr.: Andy Akiho), 2) Every Day A Little Death (Arr.: Ricky Ian Gordon),
 3) Merrily We Roll Along (Arr.: Nils Vigeland), 4) Notes on "Beautiful" (Arr.: Rodney Sharman),
 5) Being Alive (Arr:Gabriel Kahane), 6) Not While I'm Around (Arr.: Thomas Newman),
 7) The Ballad of Guiteau (Arr.: Jherek Bischoff), 8) Now (Arr.: Mary Ellen Childs),
 9) A Child of Children and Art (Arr.: Peter Golub), 10) going... gone (Arr.: Tania Leon),
 11) Everybody's Got The Right. (Arr.: Michael Daugherty),
 12) Sunday in the Park ~ Passages (encore) (Arr.: Anthony de Mare)

  アンソニー・デ・マール(P)
 録音:2010年-2014年 、グリーンフィールド・リサイタル・ホール、マンハッタン音楽院&米国芸術文学アカデミー、US 。ミュージカルで知られるソンドハイムの作品を、ボルコム、ライヒ、マルサリス、ヘギー、ジェフスキ、ターネイジ、ドハティら錚々たる面々の現代作曲家たちがピアノ用に編曲した一大プロジェクト。
ギヤ・カンチェリ
 キアロスクーロ/トワイライト(*)
ギドン・クレーメル(Vn)
パトリシア・
 コパチンスカヤ(Vn;*)
クラメラータ・バルティカ
 録音:2014年12月、リトアニア国立放送、ヴィリニュス。
バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第2番 Sz.76
シュニトケ:ヴァイオリン・ソナタ第2番「ソナタ風」
ルトスワフスキ
 ヴァイオリンとピアノのためのパルティータ
ミランダ・クックソン(Vn)
ブレア・マクミラン(P)
 録音:2015年1月、 Auditorio Stelio Molo, RSI 3 、ルガーノ、スイス。ニューヨーク・タイムズ紙で「紛れもない音楽性」、グラモフォン誌では「侮れないアーティスト」と絶賛されたヴァイオリニスト、ミランダ・クックソンは、オーストラリアで生まれアメリカで学び、現在はソリスト、室内楽の双方で優れたパフォーマンスを行う若手。これまでにも何枚かのアルバムをリリースしているが、ルイジ・ノーノやクセナキス、またエレクトロニクスを多用した20世紀の作品がほとんど。このECMへのデビュー盤もやはり20世紀の作品集で、彼女はアルバムを制作する際、アイヒャーと議論を交わし、彼女が「強く惹かれた」というスラブとロシア作品を選び、ここに横溢する独特なトーンと暗く深いハーモニーを描き出すことに成功している。ピアニストのマクミランも中世、ルネサンスから現代までの幅広いレパートリーを持ち、室内楽奏者としても広く活動している俊英。
ロスコ・チャペル
 モートン・フェルドマン:ロスコ・チャペル(*)
 サティ(#):グノシエンヌ〔第1番/第3番/第4番〕/オジーヴ〔第1番/第2番〕
 ジョン・ケージ: Four2 (+) /イヤー・フォー・イヤー(+) / Five (+) /ある風景の中で(#)

 キム・カシュカシアン(Va;*) サラ・ローゼンバーグ(P/チェレスタ;*/#)
 スティーヴン・シック(Perc;*) ゾーニャ・ブルザウスカス(Ms;*)
 ローレン・スノウファー(S;*) ロバート・シンプソン指揮ヒューストン室内cho.(*/+)
 録音:2012年5月、2013年2月、ヒューストン。
ジェズアルド
 ジェズアルド/カリユステ編曲:悲しや、我は死す(弦楽合奏版) / ブレット・ディーン(1961-):カルロ
 ジェズアルド/エルッキ=スヴェン・トゥール編曲:ああ 祝福された 十字架よ(弦楽合奏版)
 エルッキ=スヴェン・トゥール(1959-):
   L 'ombra della croce(マンフレート・アイヒャーに献呈)/プサルムディー

 トヌ・カリユステ指揮エストニア・フィルハーモニー室内cho.、タリン室内o.
 録音:2014年2月、メソジスト教会、タリン。
481 190-5
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(2CD)
ムジカ・セレクタ〜マンフレート・アイヒャー・セレクション|アルヴォ・ペルト(1935-):
 何年もまえのことだった/アリーナのために/わが道は山谷あり/オード VI /シルーアンの歌/フラストレス/
 アレルヤ=トロープス/聖三祝文/祝福されたペトロニウス/巡礼者の歌/聖なる母マリア/マニフィカト/
 ベンジャミン・ブリテン追悼の「カントゥス」/弦楽とハープ・アド・リビトゥムのためのフェスティーナ・レンテ/
 ラメンターテ/スターバト・マーテル/ダ・パーチェム・ドミネ

  アレクサンダー・モルター(P) トヌ・カリユステ指揮エストニアpo.室内cho.
  ギドン・クレーメル(Vn) キース・ジャレット(P) リトアニア室内cho. スウェーデン放送so. & cho.
  ヒリヤード・アンサンブル デニス・ラッセル・デイヴィス指揮 アレクセイ・リュビモフ(P)
  アンドレイ・ボレイコ指揮南西ドイツ放送so./他
 アルヴォ・ペルト80歳の誕生日に向けて、ECMレコードの創設者M.アイヒャーがセレクトしたペルトのベスト盤。1935年9月11日にエストニアに生を受けたアルヴォ・ペルト。彼の独創的な作品が世界中に知れ渡ったのには、ECMレコード創設者マンフレート・アイヒャーの尽力があった。1984年に最初のアルバム「タブラ・ラサ」をリリースして以来、その両者の30年以上に渡るパートナーシップからは多くの名作が生まれ、いくつものブームを巻き起こした。ペルト生誕80年を祝して編まれたこのアルバムは、彼の繊細で神秘的な音響を、記録媒体に閉じ込めるべく奮闘したアイヒャーの姿を捉えたものでもあり、またギドン・クレーメルやキース・ジャレットなど多くの音楽家たちが各々に描いた「ペルト像」を味わう楽しみも加味して丁寧に選曲・編集された。
鏡〜トヌ・コルヴィツ(1969-):
 プレインランドからのリフレクションズ/迷路 I-VII /プレインランドの歌/7羽の鳥の7つの夢/最後の船/歌

 カトリ・ヴォーラント(声) アニア・レヒナー(Vc) トヌ・コルヴィツ(カンテレ)
 トヌ・カリユステ指揮タリン室内o.、エストニア・フィルハーモニー室内cho.
 録音:2013年2月、タリン、エストニア。
ショスタコーヴィチ/ツィガーノフ&レーラ・アウエルバッハ編曲:24の前奏曲集
レーラ・アウエルバッハ:ヴィオラとピアノのためのソナタ「 Arcanum 」
  キム・カシュカシアン(Va) レーラ・アウエルバッハ(P)
 録音:2013年10月、チューリヒ放送スタジオ。
トマス・アデス(1971-):弦楽四重奏のためのアルカディアーナ Op.12
ペーア・ネアゴー(1932-):弦楽四重奏曲第1番「クァルテット・ブレーヴェ」
ハンス・アブラハムセン(1952-):弦楽四重奏曲第1番「10の前奏曲」
 デンマークSQ
 録音:2015年5月、ノイマルクト、ドイツ。2015年秋、アデスはコペンハーゲンのレオニー・ソニング音楽賞を受賞、またアブラハムセンはグロマイヤー賞作曲部門を制し、ペーア・ネアゴーは2016年のエルンスト・フォン・ジーメンス賞を受賞と、実にタイムリーなリリース。ここで選ばれている3つの作品は、バルトークとホルムボーの影響を感じさせるペーア・ネアゴーの作品、ペーア・ネアゴーの最も才能ある弟子であるアブラハムセンのミニマル色の強い作品、そして万華鏡のような色彩を持つアデスの作品、どれも各々の作曲家が20代で書きあげた物。デンマーク弦楽四重奏団は現在最も注目されているアンサンブルで、今回のアルバムがECMレーベル・デビュー。ティーンエイジャーの頃から一緒に室内楽を演奏し、デンマーク王立音楽院に入学、音楽を学びながら共に成長した仲間たちで、2006年に最初のレコーディングを行っている。その後チェリストのシェリンが加わり、古典派、現代の作品だけでなく、民俗音楽でも、各方面で高く評価されている。
鹿の叫び〜アルヴォ・ペルト(1935-):
 無伴奏混声合唱のための「 The Deer’s Cry 」/
 ソプラノ、男声合唱、クラリネット、ヴィオラとコントラバスのための「 Von Angesicht zu Angesicht 」/
 無伴奏混声合唱のための「 Alleluia-Tropus 」/無伴奏混声合唱のための「 Virgencita 」/
 混声合唱とオルガンのための「 Veni Creator 」 (*) /無伴奏混声合唱のための「 Drei Hirtenkinder aus Fátima 」/
 無伴奏三部合唱のための「 And One of the Pharisees 」/無伴奏混声合唱のための「 Da pacem Domine 」/
 無伴奏合唱のための「 Most Holy Mother of God 」/
 男声合唱、ヴァイオリン、リュートとコントラバスのための「 Sei gelobt, du Baum 」/
 無伴奏混声合唱のための「 Habitare fratres in unum 」/無伴奏四声のための「 Summa 」/
 無伴奏混声合唱のための「 Gebet nach dem Kanon 」(from: Kanon Pokajanen)

  ヤーン=エイク・トゥルヴェ指揮ヴォックス・クラマンティス
  Mari Poll (Vn) Johanna Vahermägi (Va) Heikko Remmel, Taavo Remmel (Cb)
  Robert Staak (リュート) Toomas Vavilov (Cl) Susanne Doll (Org)
 録音:2007年6月、ニグリステ教会(*) /2013年、2014年9月、 Transfiguration Church 、タリン。 エストニアのヴォーカル・グループ、Vox Clamantisが深い共感を込めて歌い上げる同郷の偉大なる作曲家、ペルトの作品集。「タブラ・ラサ」が、ECM NEW SERIESの第一弾として1984年にリリースされて以来、4半世紀にわたり、同レーベルの最重要作曲家として位置づけられてきたペルト。2015年9月にはペルトが80歳の誕生日を迎える事を祝して、故国エストニアをはじめ世界各地で彼の作品が様々な公演で取り上げられた。2013年にグラミー賞を受賞したアルバム『アダムの嘆き』(476-4825)にもVox Clamantisによる「アレルヤ・トロープス」が収録されていたが、今作にはアカペラ・ヴァージョンのものが収録された。ペルトの偉大な表現力、静謐で透明感あふれる抒情が結晶した音楽が、聴き手の心をやさしく包む。
コミタス〔・ヴァルダペット〕(1869-1935):
 7つの歌/ Msho Shoror /7つの踊り/
 子供たちのための曲/ Msho Shoror
ルシーネ・グリゴリアン(P)
 録音:2015年2月21日-23日、アウディトリオ・ステリオ・モロ、スイス・イタリア語放送局、ルガーノ。
カロリン・ヴィトマン
 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
 シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 WoO.23
カロリン・ヴィトマン(Vn)指揮
ヨーロッパ室内o.
 録音:2014年7月、バーデン・バーデン祝祭劇場。ミュンヘン生まれの女性ヴァイオリニスト、カロリン・ヴィトマン。彼女の兄は2016年7月に来日し、オーケストラ・アンサンブル金沢を指揮した作曲家、クラリネット奏者イェルク・ヴィトマンであり、彼女自身も来日経験があるなど、すでに日本では知られた存在。デビュー当初は現代音楽のスペシャリストとして活動していたが、ECMへ録音を行うようになってからは、シューベルトやシューマンなどロマン派の作品でも独自の解釈を施し、雄弁かつ抒情的な演奏を聴かせている。そんなヴィトマンの最新録音は、メンデルスゾーンとシューマンの2作の協奏曲で、有名過ぎるメンデルスゾーンの「 ホ短調」と「演奏不能」とまで評されたシューマンの作品を、彼女はオーケストラを絶妙にコントロールしながら鮮やかに描き出していく。
On Behalf Of Nature 〜メレディス・モンク
 メレディス・モンク&声楽アンサンブル
  [Sidney Chen, Ellen Fisher, Katie Geissinger, Meredith Monk, Bruce Rameker, Allison Sniffin (voices)]

 Bohdan Hilash (woodwinds), John Hollenbeck (perc.),
 Allison Sniffin (piano, keyboard, Vioiin, French horn), Laura Sherman (harp)
 録音:2015年6月、アヴァター・スタジオ、ニューヨーク。60年もの間、ヴォーカリスト、作曲家メレディス・モンクは自身のスタイルを追求してきた。ECMレコードと関係が深く「ECMNewSeries」が始動する以前から、彼女はECMからアルバムをリリースしてきたレーベルを代表するアーティストの一人でもある。彼女は言語を超越した、言葉にならない根源的な声に常にこだわり続けてきた。今回のアルバムは“OnBehalfofNature(自然の代わりとして)"と題して、人の声や楽器の音色を時には単独で、時に混ぜ合わせ、複雑かつ透明な音の景色を生み、神秘的で新しい響きを作り出している。ホーレンベックのパーカッションはリズミカルであるだけでなく、旋律を歌う役割を持ち、ヒリアシュの木管と、スナイフィンのヴァイオリンは風のように流麗に歌う。またモンクも含む6人のヴォーカリストは低い声でつぶやいたり、聖歌をうたったりと、言葉を越えた言語で奇妙なコミュニケーションを取ります。アルバムのほとんどの作品がこのような歌と音のタペストリーからなる、これまでのモンクの作品とは一味違った斬新で挑発的な音楽。
Frode Haltli - AIR
 ベント・セーアンセン:
  アコーディオンと弦楽合奏のための「 It is Pa in Flowing Down Slowly on a White Wall 」(*) /
  Sigrids Wiegenlied (アコーディオン独奏版)
 ハンス・エブラハムセン:アコーディオン独奏のための「エア」/
             弦楽四重奏とアコーディオンのための3つの小夜想曲(#)

 フローデ・ハルトリ(アコーディオン) オイヴィン・ギムセ指揮(*)
 トロンハイム・ソロイスツ(*) アルディッティSQ (#)
 録音:2014年10月-11月、ノルウェー。ノルウェーのアコーディオン奏者フローデ・ハルトリが演奏するデンマークの2人の作曲家による作品集。アコーディオン・ソロの曲と、室内オーケストラ、弦楽四重奏を伴う曲がバランス良く配置されたこのアルバムは、まるで空気の中に溶け込んでいくような静けさと優しさに満ちている。エブラハムセンの「air」は単純なフレーズが積み重なり、複雑な様相を見せている。アルディッティ四重奏団との「夜想曲」はまさに夜の音楽。セアンセンの「It is Pa ヘ長調lowing Down Slowly on a White Wall =白い壁の上をゆっくり流れおちる痛み」は、アコーディオンのニュアンスやダイナミクスのコントロールの極限を探る作品でもあり、ハルトリ女〔カデンツァ注:代理店記載ママ〕でなければ演奏し得ない曲と言えるだろう。シグリットの子守歌も「時間の水の中に浸透していくような」聴き手の感性を刺激する作品。
481 286-6
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(3CD)
2CD価格
スティーヴ・ライヒ ECM 録音集〜生誕80周年記念
 18人の音楽家のための音楽/大アンサンブルのための音楽/
 ヴァイオリン・フェイズ/オクテット/テヒリーム
  スティーヴ・ライヒ&ミュージシャンズ
 録音:1976年、1980年、1981年。ミニマル・ミュージックを代表するライヒ作品のECM名録音盤3枚をセット化「スティーヴ・ライヒ: ECM録音集」最小限の音の動きをパターン化し、反復させていく「ミニマル・ミュージック」。1960年代のアメリカで生まれたこの手法は、様々なヴァリエーションを作り上げながら、現代でも頻繁に耳にすることができる物。スティーヴ・ライヒはその「ミニマル・ミュージック」の代表的な作曲家の一人であり、この3枚のアルバムは彼の多くの作品の中でも、とりわけ注目される物。1976年に初演された「18人の音楽家のための音楽」は当時このスティーヴ・ライヒ・アンド・ミュージシャンのみが演奏可能(スコアがなかった)という記念碑的な録音。CD2は初期の代表作である「ヴァイオリン・フェイズ」をはじめとした、やはりライヒの名前を高めた3つの作品が収録されている。CD3の「テヒリーム」はヘブライ語で詩篇の意味を持つ4人の女性ヴォーカルと打楽器を含む4つのパートからなる室内楽作品で、ミニマルだけでなく複雑な構成を持っている。
481 290-8
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(11CD)
7CD価格
アンドラーシュ・シフ〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集〔第1番−第32番〕/
 + アンドラーシュ・シフ〜アンコールズ・アフター・ベートーヴェン(481 447-4)
 アンドラーシュ・シフ(P)
 録音:2004年-2006年、トーンハレ、チューリヒ、ベートーヴェン・ソナタ全曲演奏会ライヴ。アンドラーシュ・シフによるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲録音は2004年から開始。このシリーズは約2年間をかけて一貫してライヴで収録されており、細部にわたり脈動に満ちた瑞々しいピアノの音色が際立った美しい出来栄えとなっている。シフはライヴの利点について「聴衆の存在があってこそ、ビビットなパフォーマンスが可能となる」と語っている。15の異なる都市でのコンサートを経た後に、チューリヒ・トーンハレで行われたライヴを収録しており、ほどよい緊張感に円熟味を絡めた最上のテイクが選ばれている。プロデューサー、アイヒャーとの深い信頼関係が築き上げた至高の全集。最後のディスク[CD11/単売:481 447-4]は、各コンサートで演奏されたアンコールをまとめた物。
481 319-5
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(2CD)
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲
 〔第1番 ト長調 BWV.1007 /第2番 ニ短調 BWV.1008 /第3番 ハ長調 BWV.1009 /
  第4番 変ホ長調 BWV.1010 /第5番 ハ短調 BWV.1011 /第6番 ニ長調 BWV.1012 〕

 トーマス・デメンガ(Vc)
 録音:2014年2月、ハンス・フーバー・ザール、バーゼル。 「私にとって、バッハはずっと生き続けている最も偉大な天才。その音楽は純粋で荘厳。何か神々しいものがあり、音楽家たちは皆それぞれに生涯をかけて、その新しい演奏法を見つけようと努力している」。デメンガは以前ECMに1986年から2002年にかけて、このチェロ組曲を現代作品と並べて録音し、そのアルバムは「ニュー・シリーズ」の初期における画期的な出来事として注目を集めた。一方今回の2枚組のアルバムは完全にバッハとその組曲6曲のみに焦点が当てられている。手書きの原典から異なったテンポ、装飾音、運指法、運弓法まで、長年組曲を演奏し、そのあらゆる側面を研究することで、デメンガに音楽の心――それはバッハ自身が唯一の終着点として思い描いていたもの――がもたらされた。
アンドラーシュ・シフ・アンコールズ・アフター・ベートーヴェン
 シューベルト:3つのピアノ小品 D.946 〜第1番/アレグレット ハ短調 D.915
 モーツァルト:ジーグ ト短調 K.574 / ハイドン:ピアノ・ソナタ第44番 ト短調 Hob.XVI: 44
 シューベルト:ハンガリー風のメロディ ロ短調 D.817 / ベートーヴェン:アンダンテ・ファヴォリ ヘ長調WoO.57
 J.S.バッハ:パルティータ第1番 変ロ長調 BWV.825 より〔メヌエット/ジーグ〕/
         前奏曲とフーガ 変ロ短調 BWV.867

 アンドラーシュ・シフ(P)
 録音:2004年-2006年、トーンハレ、チューリヒ、ベートーヴェン・ソナタ全曲演奏会ライヴのアンコール。初出音源で、同時発売のソナタ全集BOX (481 290-8)に含まれている。
ヨシフ・ブロツキー(1940-1996)作のドイツ語詩朗読
 In memoriam Fedja Dobrowolskij / Strophen II, XI, XXIV, XXVII / Grose Elegie fur John Donne /
 Aus Nirgendwo in LIEBE / DerPolaforscher / Wiegenlied / Wir sahen damals abends dieses Ross /
 Fur G. P. / Grose Elegie an John Donne

 クリスティアン・レイナー(朗読)
  クリスティアン・レイナーはオーストリアの「声のアーティスト」。ヨシフ・ブロツキー(1940-1996)はロシアの詩人で、1987年ノーベル文学賞受賞者。John Donne(ジョン・ダン)(1572-1631) はイングランドの詩人、作家。
ギャヴィン・ブライアーズ: The Fifth Century (2014) (*) /2つのラヴ・ソング(2010)
 ドナルド・ナリー指揮ザ・クロッシング プリズム・サクソフォン四重奏団(*)
 録音:2014年7月(*)、2015年6月(無印)、フィラデルフィア、 US 。 17世紀イギリスの詩人トマス・トラハーンの「一種宗教的なテキスト」を用いた(*)は、ブライアーズが以前から愛好しているというサクソフォン・カルテットのもたらす滑らかな響きと、アカペラの女声合唱が溶け合うことで、神秘的な世界を導きだしている。瞑想的な「2つのラヴ・ソング」も、ヴィブラート、言葉遣い、呼吸を含む人間の声の機能を全て駆使、極めて考え抜かれた音楽。
エレニ・カラインドルー:カンタータ「ダヴィデ」
 Irini Karagianni (mezzo-soprano), Tassis Christoyannopoulos (baritone),
 キム・カシュカシアン(Va) ヴァンゲリス・クリストプーロス(Ob)
 Stella Gadedi (flute), Marie-Cécile Boulard (clarinet), Sonia Pisk (bassoon),
 Vangelis Skouras (french horn), Sokratis Anthis (trumpet), Maria Bildea (harp),
 Renato Ripo (cello), Katerina Ktona (harpsichord), ERT choir
  (Antonis Kontogeorgiou: choirmaster, Camerata Orchestra, Alexandros Myrat (conductor)
 録音:2010年11月、メガロン・ホール、アテネ、ライヴ。 ギリシャの女性作曲家カラインドルーのステージ・カンタータ。 18世紀、ギリシャのキオス島で未知(無名?)の詩人によって書かれ、1979年に初出版された物語に、カラインドルーが音楽を付けたもの。
Now And Then 〜ブルーノ・マデルナ(1920-1973)による編曲集〔 (*)を除く〕
 フレスコバルディ: Tre Pezzi / レグレンツィ: La Basadonna / ベリオ:シュマン V (*)
 ヴィアダーナ: La Napolitana / La Venexiana / La Veronese / La Romana / La Mantovana
 ガブリエリ: Canzona a tre cori / ヴァッセナール伯: Palestrina Konzert

  パブロ・マルケス(G) デニス・ラッセル・デイヴィス指揮スイス・イタリア語放送o.
 録音:2015年8月21日、アウディトリオ・ステリオ・モロ、スイス・イタリア語放送局、ルガーノ。
夜のヒエログリフ〜ヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937-):
 3つの小品(*) /悲歌/1810年6月8日、R.A.シューマンの誕生日に(*) /
 静けさと悲しみの瞬間/2つのセレナード(*) /ラクリモーサ/
 1893年10月25日、P.I.チャイコフスキーの思い出に(*) /アルプスの鐘のワルツ

 アニヤ・レヒナー(Vc/タムタム) アニエス・ヴェスターマン(Vc;*)
 録音:2013年12月19日-20日、アウディトリオ・ステリオ・モロ、スイス・イタリア語放送局、ルガーノ。シルヴェストロフの80歳記念アルバム。
ラスト・リーフ〜デンマーク弦楽四重奏団〔 + 編曲〕
 民謡: Despair not, o heart / Now found is the fairest of roses / シェトランド諸島民謡: Unst Boat Song
 フレドリク・スコイエン・シェーリン: Shore /間奏曲/ Naja's Waltz / フェロー諸島民謡: Stadelil
 スウェーデン民謡: Polska from Dorotea / Gjermund Haugen : Tjenneblomen / Eva Sather : Fastan
 デンマーク民謡: Minuet No.60 / A Romeser / Dromte mig en drom / Hur var du i aftes sa sildig / The Dromer
 ルネ・トンスゴー・ソレンセン: Shine you no more

 デンマークSQ [ルネ・トンスゴー・ソレンセン(Vn1/ハーモニウム/P/グロッケンシュピール)
           フレゼリク・オラン(Vn2) アスビョルン・ノアゴー(Va)
           フレドリク・スコイエン・シェーリン(Vc/Cb)]
 録音:2017年1月、 Kirsten Kjær museum 、フロストルプ、デンマーク。
塩川&シフ
 J.S.バッハ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ホ長調 BWV.1016
 ブゾーニ:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ホ短調 Op.36a
 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番 ト長調 Op.96
  塩川悠子(Vn) アンドラーシュ・シフ(P)
 録音:2015年12月27日-30日、アウディトリオ・ステリオ・モロ、スイス・イタリア語放送局、ルガーノ。
スティーヴ・ライヒ
 大アンサンブルのための音楽(*) /ヴァイオリン・フェイズ(#) /八重奏曲(*)
  スティーヴ・ライヒ(P)と音楽家たち〔スティーブ・ライヒ・アンサンブル〕    [4マリンバ/2シロフォン/ヴィブラフォン/4P/2Vo/
    2Vn/2Va/2Vc/2コントラバス/Cl&バスCl/Fl&ピッコロ/2ソプラノSax/4Tp]
 録音:1980年2月、コロムビア・レコーディング・スタジオ、ニューヨーク、 US (*) /1980年3月、トンスタジオ・バウアー、ルートヴィヒスブルク、ドイツ(#) | (C) (P) 1980 。
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
トーマス・デメンガ(1954-)、ハインツ・レーバー(1952-2007):
 チェロルガニクス [Cellorganics] 〔#1−#4〕
  トーマス・デメンガ(Vc) ハインツ・レーバー(Org)
 録音:1980年10月、パウルス教会、ベルン、スイス| (P) 1981 。
トーマス・デメンガ〜バッハ&現代曲 Vol.1
 ハインツ・ホリガー(1939-):
  ヴァイオリンとチェロのための
   二重奏曲 (1982) (*/#)/
  オーボエ独奏のための
   「数々の響きの研究」(1971) (+)/
  チェロ独奏のための「トレーマ」(1981) (*)
 J.S.バッハ:
  無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調BWV.1010 (*)
トーマス・デメンガ(Vc;*)
カトリン・デメンガ(Vn;#)
ハインツ・ホリガー(Ob;+)
 録音:1986年9月、ブルーメンシュタイン教会、スイス。国内盤もJ32J-20235という番号で出ていたが、廃盤となっている。Vol.1(無伴奏チェロ組曲第4番 + ハインツ・ホリガー作品集:833 307-2、Vol.2(無伴奏チェロ組曲第3番 + エリオット・カーター作品集:839 617-2、Vol.3(無伴奏チェロ組曲第1番 + シャーンドル・ヴェレシュ作品集):437 440-2、Vol.4(無伴奏チェロ組曲第2番 + ベルント・アロイス・ツィンマーマン作品集):449 904-2、Vol.5(無伴奏チェロ組曲第5番&第6番 + 細川俊夫&尹伊桑作品集):461 862-2
 Paul Giger / Paul Giger: Chartres|パウル・ギーガー / ギーガー: シャルトル
トーマス・デメンガ〜バッハ&現代曲 Vol.2
 J.S.バッハ:
  無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調BWV.1009 (*)
 エリオット・カーター(1908-):
  荒い息、なめらかな息 (1984) (#)/
  魔法のプレリュード (1988) (+)/
  ゴッフレード・ペトラッシに感謝して (1984) (**)/
  トリプル・デュオ (1982-1983) (##)
トーマス・デメンガ
(Vc;*/+/**)
フィリップ・ラシーヌ
(Fl;#/+/##)
エルネスト・モリナーリ
(Cl;#/##)
ハンスハインツ・シュネーベルガー
(Vn;**/##)
ポール・クリーマン(P;##)
ゲルハルト・フーバー
(Perc;##)
ユルク・ヴィッテンバッハ指揮(##)
 録音:1989年4月、ラジオ DRS スタジオ、チューリヒ(*/#/+/**)/1988年10月、ラジオ DRS スタジオ、バーゼル(##)。国内盤もPOCJ-1023という番号で出ていたが、廃盤となっている。Vol.1(無伴奏チェロ組曲第4番 + ハインツ・ホリガー作品集:833 307-2、Vol.2(無伴奏チェロ組曲第3番 + エリオット・カーター作品集:839 617-2、Vol.3(無伴奏チェロ組曲第1番 + シャーンドル・ヴェレシュ作品集):437 440-2、Vol.4(無伴奏チェロ組曲第2番 + ベルント・アロイス・ツィンマーマン作品集):449 904-2、Vol.5(無伴奏チェロ組曲第5番&第6番 + 細川俊夫&尹伊桑作品集):461 862-2
ブック・オヴ・デイズ [Book of Days] 〜メレディス・モンク
 早朝のメロディ/放浪者1、2、3/あかつき/放浪者4「教会の庭での見世物」/午後のメロディ/
 「野原/雲」/たそがれ(ウェイン・ハンキンによるインプロヴィゼーション)/エヴァの歌/
 夜/放浪者5/「ユダヤの説教師/踊り/夢」/疫病/狂った女性の幻覚/ほら穴の歌

 メレディス・モンク&ヴォーカル・アンサンブル
 録音:1989年6月、クリントン・スタジオ、ニューヨーク、 US | (C) (P) 1990 。
 Walter Fähndrich / Walter Fähndrich: Viola |フェーンドリヒ・ヴァルター / ヴァルター: ヴィオラ
カラインドルー:映画「泣く大地(仮)」のための音楽
 「旅芸人の記録」、「ユリシーズの瞳」、「永遠と一日」など、静謐感と詩情に溢れる時間と映像を作り出すギリシャの映画監督(映像作家と言ったほうがいいかもしれない)テオ・アンゲロプロスの新作映画「The Weeping Meadow」のための音楽。例によって同郷のエレニ・カラインドルーが作曲を担当。「The Weeping Meadow(泣く大地;邦題仮)」についての詳細は不明だが、アンゲロプロスによれば、ハーヴェイ・カイテル(またしても)を主演に起用した長大(!)な三部作の第1部とのこと。2003年5月にクランクアップはしているらしく、2004年のカンヌは間違いなし、との映画関係者の言もあり。
ヒリアード・アンサンブル〜
 ニコラ・ゴンベール
(1495頃-1560頃):
  ミサ・メディア・ヴィータと6つのモテット
ヒリヤード・アンサンブル
 ジョスカン・デ・プレの指導を仰ぎ、師の手法を継承しつつその複雑極まりない対位法を自在に操った作品を残したゴンベール。子供を陵辱した罪でガレー船での服役を命じられたという不名誉な歴史なども知られてはいるが、彼の生涯の全容はいまだ謎に包まれている。現代音楽や他ジャンル・アーティストとのコラボレーション等、その活動ひとつひとつがどれも注目を浴びているヒリヤード・アンサンブル単独名義のアルバムは久しぶりで、これがゴンベール作品ときては、ファンならずとも感涙もののリリース。最近、メンバーが非常に流動的だが、今回のアルバムではゴンベールの複雑なポリフォニーを表現するため、6人編成(すべて男声)となっている。
聖歌、讃歌と踊り
 ツァブロプーロス:
  ビザンチン聖歌による3つの小品/踊り/聖歌/
  グルジェフ=ハルトマン・ミュージック
アニヤ・レヒナー(Vc)
ヴァシリス・ツァブロプーロス(P)
 録音:2003年12月、フランクフルト。
 ギリシャ出身のピアニスト、ツァブロプーロスが自作とグルジェフ=ハルトマン・ミュージックを演奏したアルバム。グルジェフ=ハルトマン・ミュージックは、20世紀前半に活躍したロシアの神秘思想家、ゲオルギー・イヴァノヴィチ・グルジェフ(1877頃-1949)が弟子の音楽家、トマス・ド・ハルトマン(1886-1956)との共同で、自らの教義を実践するスクールのために創り上げた音楽。その中には、アルメニアで生れ、チベットやコーカサス地方から北アフリカまで放浪生活を送ったグルジェフが、その経験で身につけた各地の民族的な要素がふんだんに使われている。ごく一部を除いてピアノ独奏用として記譜されているが、このディスクではチェロとピアノ用にアレンジしたヴァージョンで演奏されている。
 ツァブロプーロスは1966年にアテネで生まれ、生地やパリ、ザルツブルクの音楽院で学んだピアニストで、ジャズの分野でも活躍している。チェロのレヒナーはロザムンデ四重奏団のメンバーとしても活動しているドイツ出身の女流チェリストで、クラシックのみならず、ジャズやワールドミュージックの分野でも幅広い演奏活動を行っている。
シルヴェストロフ:
 沈黙の歌(1974-77)(*)/
 オシップ・マンデルスタムによる4つの歌曲(1982)(#)
セルゲイ・ヤコヴェンコ(B)
イリヤ・シェップス(P;*)
ヴァレンティン・シルヴェストロフ(P;#)
 ECMレーベル第4作となるシルヴェストロフの作品集。「沈黙の歌」は旧ソ連時代に作曲された演奏時間約2時間の大作で、プーシキン、レールモントフ、マンデルスタムらロシアの詩人と、キーツやシェリーら英国の詩人のテキストに基づいている(歌唱はロシア語)。タイトルが示すとおり、極度に抑制された繊細な音楽で、テクスチュアや音楽的背景は異なるものの、その聴感はフェルドマンの作品に相通ずるものがあるかも知れない。フィルアップの「4つの歌曲」では作曲者自身がピアノを弾いている。


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