ジュリアーニ: ギターとヴァイオリンとチェロのための三重奏曲/ ギターとチェロのための二重奏曲 |
ヴィルタ(G) パローラ(Vn) ミッコラ(Vc) | |
ギター音楽の大家ジュリアーニは最初チェロを学んでおり(ベートーヴェンの第7交響曲初演ではチェロで参加)、ギターとチェロのためにもいくつかの傑作を残している。 | ||
フルートとオルガンのためのドイツ・バロック音楽 テレマン、ヘルテル、クレプス、C.P.E.バッハの作品 |
プハッカ(フラウト・トラヴェルソ) ポールタン(Org) | |
フィンランドのクラリネット音楽 サロネン:夜の歌 クルーセル:序奏と様々なスウェーデンの旋律 シベリウス:ミュゼット ヘイニネン:ショート1 ティエンスー:モーツァルトの墓碑 リンドベリ:蒸気船ビル・ジュニア |
グレゴリー・バレット(Cl) | |
1775年生まれのクルーセルから現役バリバリのサロネンまで、フィンランドの200年の音楽の歴史の中でのクラリネット作品集。 | ||
ゲオルク・ディートリヒ・ライディング(1664-1710):オルガン作品全集 前奏曲ハ長調/変ホ長調/変ロ長調/暁の星のいと美しきかな 神よ見捨てたもうな ヒンリヒ・フィリプ・ヨーンセン(1717-1779):6つのフーガ |
ホーカン・ヴィクマン(Org) | |
ともにドイツ系デンマークの作曲家。 | ||
ウラニア〜天空のチェンバロ ムファト:チャコーナ フィッシャー:組曲「ウラニア」(音楽のパルナッソス山より) デュフリ:ラ・フォルクレ、シャコンヌ F.クープラン: 二重生活者(パッサカリアの動き) フォルクレ:ラ・ビュイッソン(シャコンヌ) J.B.フォルクレ: ラ・モランジもしくはラ・ブリセ(シャコンヌ楽章) |
アンッシ・マッティラ(Cemb) | |
1998年1月、シベリウス・アカデミー・コンサート・ホール。北欧の若い世代を代表する古楽器奏者の一人として、鍵盤楽器のほか指揮、教育活動、著述活動にも活躍するマッティラの新譜。ムファトとフィッシャーの曲には北ドイツ・ダブル型1995年製、他の曲にはフランス・ダブル型1989年製の、どちらもヘンク・ヴァン・シュヴィホーヘンの手による楽器を使用。 | ||
パーセル: 「結婚した伊達男、またはおかしな無作法」〜行進曲/ 「インドの女王」〜セベル(トランペットの調べ)/ 組曲 ニ短調/聖母マリアの戒め/ 哀れみぶかい天使よ、我に語れ/ 「アーサー王」〜シャコンヌ/ 主よ、人とは何か/音階のグラウンド/ 夕べの讃歌/聖チェチリアの祝日の頌歌/ 「ドン・キホーテのこっけいな物語」より |
ペイヴィ・イェルヴィヨ(Ms) アンナマリ・ビョルヒョ(Cemb) エーロ・パルヴィアイネン(リュート) | |
パーセルの、声楽とアンサンブルの美しい作品を集めた1枚。 | ||
マデトーヤ: 交響曲第2番/オストロボスニア組曲/ 歌劇「ユハ」より2つの管弦楽 |
ヴァルマー指揮 オワルso. | |
シベリウス以後のフィンランド最大のシンフォニスト、マデトヤの最高傑作。交響曲第2番はフィンランド独立後の内戦で亡くした家族への痛切な思いが込められた悲劇的な交響曲。 | ||
ハメーンニエミ: ブルース/マニのための音楽IV&II/ ALTER/タキタ・タカ・タキタ・タキタ・タカ |
NADAアンサンブル | |
無伴奏チェロ作品集 コダーイ、クラム、ハーヴェイ、M.リンドベリの作品 |
パヌ・ルオスト(Vc) | |
バッハ:フランス組曲 | エリナ・ムストネン(Cemb) | |
イタリア・オペラ・アリア集 マクベス、トロヴァトーレ、トスカ、トゥーランドット、 マノン・レスコー、ノルマ、椿姫/より |
シンシア・マクリス(S) | |
マクリスは北欧、ドイツなどを中心に活躍しているアメリカ出身の美貌ソプラノ。 | ||
ショパン: ノクターン Ops.9-1/72-1、カンタービレ、 マズルカ Ops.67-2/7-1,2,3/68-1,2/67-4/30-2,3/63-2、 前奏曲「雨だれ」、エチュード Ops.10-1/25-12、 3つの新エチュード〜第3番 |
ヤンネ・メルタネン(P) | |
メルタネンは1967年フィンランド生まれ、ベルマンとバシキロフの門下。ロック・シンガー風の容貌で本国で人気。 | ||
清教徒革命、王政復古期のイギリス音楽 ブル:戦いと平穏 W.ロウズ: 「ファンタジア」より[組曲 ト短調/組曲 ト長調] パーセル:シャコンヌ 他、シンプソン、ロック、 ウィルソン、バルツァルなどの作品 |
バッターリア | |
バッターリアはフィンランドの古楽グループ。 | ||
トゥービン: 交響曲第2番「伝説」/交響曲第5番 |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立so. | |
第2次大戦に翻弄され故国エストニアを捨てスウェーデンに亡命、その後バルトークやコダーイに影響されて民族的作風を勝ち得たトゥービン。全部で10曲の交響曲を残したが、第2番はまだ大戦前の作品。そして第5番は大戦後亡命して最初に作り上げた作品。 | ||
アントン・ディアベッリ(1781-1858): ピアノとギターのためのソナティナとソナタ全集 ソナティナ Op.68/同 Op.70/ソナタ Op.71/ 華麗な大ソナタ Op.102(オリジナル版) |
ミクローシュ・シュパーニ(Fp) イルッカ・ヴィルタ(G) | |
録音:1998年5月9-10日、オウル音楽センター、トゥリンドベリホール。使用楽器:1827年、K.グラーフ製(Fp)/1997年、ヴィルタ製(モデル:1818年、ファブリカトーレ製)。 ベートーヴェンが変奏曲の主題に使ったメロディーを書いたことで音楽史に名を残すディアベッリ。ザルツブルクに生まれ、ウィーンに移ってからはギターとピアノの教師、作曲家、楽譜出版者として活躍した。和声やダイナミクスの新しいスタイルは古典からロマンティシズムに移る時代を反映しているとされている。 ミクローシュ・シュパーニはBISレーベルでC.P.E.バッハの鍵盤楽器協奏曲とソロ曲の全曲録音を進めているハンガリーの奏者。イルッカ・ヴィルタはシベリウス・アカデミー出身で、ジュリアーニ(ABCD-124)とグラニャーニ(ABCD-149)の室内楽曲をAlbaに録音している。彼らは1996年からデュオ活動を開始、このアルバムは、ロッシーニ、メルツ、フンメルの作品集(HCD-31935)につづく録音。 「華麗な大ソナタ」はオリジナル譜を使って演奏。第1楽章アダージョ−アレグロ、第2楽章スケルツォ(アレグロ)−トリオ(ピウ・モデラート)、第3楽章アダージョ・ノン・タント−パストラーレ(アレグレット)の3楽章構成で、現在一般に用いられる版とはかなりの相違がある。確かな技術と温もりのある演奏。 | ||
バッハ:リュート作品全集 | ヘイキ・メトリク(G) | |
最近ではすっかり普通になったリュートによる演奏ではなく、1990年代後半(1999年?)の録音としては珍しいギターによる演奏。代理店曰く「柔らかなタッチとおだやかなフレージングでバッハの持つ一側面をうまく描き出している」。 | ||
マデトヤ:管弦楽作品全集 Vol.2 交響曲第1番/演奏会用序曲/ 田園組曲(*)/田園の情景(*) |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 オウルso. | |
(*)は世界初録音。シベリウス以後、唯一フィンランドで交響曲作家として名声を勝ち得たマデトヤの作品全集第2巻。民族音楽に劇的なロマン性を加えた壮大な作風。ある意味ではその作風はシベリウスよりロシア音楽、特にチャイコフスキーに近い。世界初録音も含まれ、ファンにはとても嬉しい。 | ||
ショパン: 24の前奏曲集/4つのスケルツォ |
アンネ・カウッピ(P) | |
代理店曰く「軽やかなタッチ」。 | ||
ピアソラ:作品集 | ジ・イン=タイム・クインテット | |
フィンランドの団体による演奏。 | ||
エドゥアルド・トゥビン(1905-1982): 交響曲第3番/交響曲第6番 |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立so. | |
BISで同郷のヤルヴィが積極的に録音したことで世界的に名が知られるようになったエストニア最大の作曲家トゥビンの交響曲の、母国のオーケストラによる演奏。 北欧的清新さをたたえた第3番と、ルンバやボレロのリズムが現れる第6番という、対照的な2曲のカップリング。 | ||
バード:ヴァージナル曲集 前奏曲MB115、パヴァーヌとガイヤルドMB60、 ラクリメ(パヴァーヌ)MB54、前奏曲MB116、 エコー・ガイヤルドMB114、前奏曲MB12、 ファンタジアMB13、ララバイMB110、ファンタジアMB46、 クァドラン・パヴァンとガイヤルドMB70、 ウォルシンガムMB8、アルマンMB117、 グッドナイト・グラウンドMB42 |
アーポ・ハッキネン(Cemb) | |
録音:1999年6月、ブリュッセル。レオンハルト、ルセ、アンタイといった錚々たる面々に師事したハッキネンによるバード作品集。 1575年頃、ヴィート・トラスンティーノ製の楽器を使用。 | ||
フィリッポ・グラニャーニ(1767-1820): ヴァイオリンとギターのための3つの二重奏曲 Op.8 |
エルッキ・パロラ(Vn) イルッカ・ヴィルタ(G) | |
録音:1997年6月17-18日。ピリオド楽器使用。 グラニャーニはイタリア、リヴォルノの音楽一家に生まれ、ギターの名手としてイタリアのみならずドイツでも人気を博し,1810年にパリに移住し、フェルディナンド・カルッリに学んで腕を上げた。彼の生涯には謎が多く、没年もしばしば1812年とされるが、実際には1820年に故郷で没している。 ヴァイオリンとギターのための3つの二重奏曲は、グラニャーニの確認できる40ほどの曲の中でももっとも知られている曲の一つ。第1番と第2番は明快な急−緩−急の三部構成、第3番は変奏曲形式。いかにも19世紀初期といった幸福度の高い音楽が人気の要因であろう。第3番の終曲、アレグロ・スピリトーゾは好んで取り上げられる素敵な曲。 エルッキ・パロラは1957年生まれ。フィンランド放送交響楽団のリーダー、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団の副リーダーを経て、ソリストとして活躍しており、ピリオド楽器にも早くから関心を示している。イルッカ・ヴィルタは、ギタリストとしては比較的珍しく室内楽中心の活動をしてきた人で、やはり早くからピリオド楽器に取り組んでいた。 | ||
シチリアの一夜 ベルナルド・ストラーチェ(17世紀末活動): ルッジェーロによるカプリッチョ/パッサカリア トッカータとカンツォン/コレンテ/モニカ スパニョレッタによるアリア/チャコーナ/他 |
アンナマリ・ボルボ(Cemb) バッロ・デラ・バターリャ [エーロ・パルヴァイアネン (リュート) テッポ・ヒルヴォネン(G) ヤルモ・ユルクネン(ビウエラ) ミカ・スイコネン (Va da gamba)] | |
生涯については謎だらけのストラーチェだが、フレスコバエウディとパスクィーニをつなぐ位置にある重要な作曲家である。 | ||
バッハ:フーガの技法 | リスト・ラウリアラ(P) | |
ラウリアラは1949年生まれのフィンランドの中堅ピアニスト。 | ||
オリファント〜十字軍の歌 作曲者不詳: 「岸よ、お前は安らかなる手の内にある」(1147) コノン・ド・ベテュヌ: 「ああ、愛よ、別離を導き」(1189) ユーグ・ド・ベルゼ:いかなる人とても(1202) アラス城主: 苦しみの地へ私は行かねばならぬ(1202) コノン・ド・ベテュヌ: たとえ私がためらわねばならぬにせよ(1189) シャンパーニュ伯(ナバラ王)ティボ−4世: 悪意に満ちた時に(1239) 作曲者不詳:王の旗は シャトラン・ド・クーシ:新しい季節が(1189) シャンパーニュ伯(ナバラ王)ティボ−4世: 「ご夫人よ、実際もはや私は行かねばならぬ」(1239) ユオン・ド・サン=カンタン: イェルサレムは嘆き悲しみ(1219) 作曲者不詳: 悪い出来事について良い歌を 作ることは誰にもできない(1248) シャトラン・ド・クーシ:「貴方に、恋人よ」(1189) シャンパーニュ伯(ナバラ王)ティボ−4世: 「お聞き下さい、我が主よ」(1239) |
オリファント [ウリ・コルホネン (S,Perc) ヤネク・エラー (BFl、ミュゼット、 ヒュメルヒェン、 Flトラヴェルソ、 ダブルFl) ヨンテ・クニフ (ダルシマー、ショーム、 ヒュメルヒェン、 BFl、Perc) エイラ・カルルソン (フィドル、シンフォニア) レイフ・カルルソン (Lute、シンフォニア、 Perc)] | |
録音:2000年2月、ペルヤーナ教会。12世紀専門の中世音楽アンサンブル、オリファントの新譜は、十字軍に参加した吟遊詩人達の歌。 鄙びた雰囲気が十二分に感じられる素晴らしい仕上がりである。 | ||
アントニオ・ ホセ(1902-1936):ギター・ソナタ(1933) ファリャ:ドビュッシーの墓に捧げる賛歌 ファリャ(プジョール編曲): 「恋は魔術師」〜2つの舞曲 ロドリーゴ:祈りと踊り(ファリャ讃歌) モウポウ:コンポステラ組曲 |
イスモ・エスケリネン(G) | |
エスケリネンはフィンランドの若手ギタリスト。 | ||
メディチ家の結婚式〜 メディチ写本による13のモテット ムートン:主よ、王を健やかにあらせたまえ/ われを救いたまえ/処女なる御母は悪を知らず/ 天使ガブリエルは遣わされた ヴィラールト:栄光に満ちたキリストの処女/天の女王 フェスタ:われを導きたまえ、主よ デ・シルバ:主は天より雷を轟かせ/完全なる美 ル・サンティエ:めでたし、救世主の御母 ディヴィティス:大いなる流れによって 作曲者不詳:私を偽りによって迷わせた傲慢な者が |
リング・アンサンブル | |
録音:2000年4月10-13日。 メディチ家出身の教皇レオ10世とフランス王フランソワ1世によって進められた、ウルビーノ公ロレンツォ・デ・メディチ2世とマドレーヌ・ド・ラ・トゥールの政略結婚に際して、 贈り物として製作された写本に収められた53曲の音楽から13のモテットを選曲したアルバム。 | ||
トゥビン: 交響曲第4番「叙情」/交響曲第7番 |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立so. | |
トゥビンの故郷エストニアの演奏家による新録音。トゥビンの作品のなかでも人気の高い第4番が期待できる。 | ||
レーヴィ・マデトヤ(1887-1947):管弦楽曲集 Vol.3 バレエ組曲「オコン・フオコ」 Op.58(1930、全6曲) 交響組曲 Op.4(全4曲)/舟歌 Op.67-2 |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 オウルso. | |
「オコン・フオコ」は日本を舞台としたジャポニズム音楽だが、そのタイトルは西洋人にとってもっとも日本語的に響くという理由のみによって付けられた、意味のない言葉である。 ただしこの無意味さも音楽とはまったく関係ない。 | ||
ヴィヴァルディ:協奏曲集 4声の協奏曲 ハ長調 RV.114/ 2つの狩猟ホルンのための協奏曲 ヘ長調 RV.539/ 2つのオーボエのための協奏曲 ニ短調 RV.535/ 協奏曲 ニ短調「マドリガル風」RV.129/ 2つのフルートのための協奏曲 ハ長調 RV.533/ 2つのチェロのための協奏曲 ト短調 RV.531 |
エサ・タパニ、 トムミ・ヴィエルトネン(Hr) アンナ=マイヤ・ ルオラヤン=ミッコラ(Ob) レギナ・ハマリキヴィ(Ob) ヤリ・S.プハッカ、 ペトラ・アミノフ(Fl) ラウリ・プラッカ(Vc) マルック・ ルオラヤン=ミッコラ(Vc) アンシ・マッティラ指揮六階o. | |
録音:1999年8月、2000年4月。 ピリオド楽器奏者たちが集まった六階管弦楽団は1989年の創設。フィンランドを代表するアーリーミュージック・グループとして、クフモ、トゥルク、ヘルシンキなど、各地のフェスティヴァルに参加している。聴き手とのコミュニケーションを最優先に考える彼らの演奏からは、バロック期の音楽の歓びと楽しさが自然な姿で伝わってくる。マラン・マレの「異国風趣味の組曲」 (ABCD-107) を録音したマルック・ルオラヤン=ミッコラ、「フルートとオルガンのためのドイツバロック音楽」 (ABCD-125) のヤリ・S.プハッカも参加。ホルンのエサ・タパニ (1968-) は、フィンランド放送交響楽団の他、現代音楽グループのアヴァンティ室内管弦楽団にも参加、カイパイネンの「ホルン協奏曲」 (ODE-1062) を最近リリースした。 | ||
森の湖〜フィンランドのピアノ音楽 シベリウス:5つのスケッチ Op.114/5つの小品 Op.75 3つのソナチネ Op.67/2つのロンド Op.68 ハッリ・ヴオリ:夜と霧の彼方 パ^ヴォ・ヘンニネン:詩人の調べ |
カトリーナ・コルテ(P) | |
森と湖に囲まれたヤルヴェンバーに居を構えていた作曲家の作品を、同郷のピアニストが弾いたアルバム。コルテ はクーシスト兄弟の従妹とのこと。 | ||
ショパン:夜想曲集 3つの夜想曲 Op.9/3つの夜想曲 Op.15/ 2つの夜想曲 Op.27/2つの夜想曲 Op.32 |
ヤンネ・メルタネン(P) | |
フィンランドの若手メルタネンのショパン。独特の清冽な演奏が魅力。 | ||
ユッカ・リンコラ(1955-): サクソフォン協奏曲(1999)(*)/シス(1995)(+) トランペットとシンフォニック・バンドのための タンゴ=タランテラ(1995)(#)/婚礼の音楽(1998)(#) |
カイ・ ルスケアパー(Sax;*) エリアス・セッパラ指揮(*/+) ライネ・アムブヤ指揮(#) 護衛バンド | |
珍しいフィンランドの「ブラスバンド」と輸入元の案内にある。「シンフォニック・バンド」の場合木管も入るのではないかと思われるが、詳細は不明。 | ||
マデトヤ(1887-1947):管弦楽作品集 Vol.4 交響曲第3番イ長調 Op.55/コメディ序曲 Op.35 舞踏の光景 Op.11/劇音楽「対局」組曲 Op.5 |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立so. | |
シベリウス好きなら気に入ることまちがいなしのマドテヤ。このシリーズには多くの世界初録音が含まれている。 | ||
ABCD-163 廃盤 |
トゥビン: 交響曲第8番(1966)/交響曲第1番 ハ短調(1934) |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立so. |
エーロ・ハメーンニエミ(1951-): マニのための音楽 III/マニのための音楽 I/ マニのための音楽 IV/マヤじゃないでしょ カライクディ・R.マニ(1945-):香辛料的愉悦 |
スルティ・ラヤ& ナーダ・アンサンブル | |
北欧レーベルから何故かインド音楽が発売。マニはインド音楽界の大物と言う。 | ||
C.P.E.バッハ:フルートソナタ集 第1番 ニ長調 Wq.83/第4番 ト長調 Wq.86/ 変ロ長調 Wq.161 No.2/第2番 ホ長調 Wq.84 |
ペトラ・アミノフ(Fl-tr) アンナマリ・ポルホ (Cemb、P) | |
エマヌエル・バッハがフリードリヒ大王のチェンバロ奏者 を務めていた1747年から1755年にかけての作品集。 | ||
シベリウス: ヴァイオリンとピアノのための作品集 ロマンツェOp.2a/エピローグOp.2b/ 2つの小品Op.2(オリジナル版)/ 愛の情景Op.71/2つの小品Op.77/ 4つの小品Op.78/6つの小品Op.79/ ソナチネ ホ長調Op.80 |
カイヤ・サーリケットゥ(Vn) テッポ・コイヴィスト(P) | |
シベリウスは自身ヴァイオリンの名手だったため、彼のヴァイオリン曲は聴き栄えのするものが多くある。このアルバムは作品2の異版まで収め、まるでBISばりのマニアックさ。 フィンランドの女流サーリケットゥは爽やかかつ透明な音色が魅力。 | ||
シューベルト(リスト編):歌曲集 糸を紡ぐグレトーヒェン/魔王/おやすみ/ かじかみ/菩提樹/郵便馬車/宿屋/勇気/ます/ 愛の便り/水の上で歌う/セレナード/さすらい/ 水車屋と小川/狩人/嫌な色/どこへ/いらだち |
リスト・ラウリアラ(P) | |
意外と録音に恵まれないリスト編曲のシューベルト歌曲。1949年生まれのピアニスト、ラウリアラの豪腕が冴える演奏。 | ||
ナジ・ハキム: オルガン連弾のための狂詩曲/マリアーレ(ソロ) ラングレー:モザイク集第1集Op.190/モザイク第3集Op.196 ジュアン・アラン: アニュイ・ヤヴィシュタへの2つの舞曲(ソロ) リテズ:オルガン連弾のためのソナタ |
ヤン・レートラ(Org) マルック・マキネン(Org) | |
ピアノならぬオルガン連弾を集めたアルバム。オルガンはシンセサイザーの先祖であることを実感させてくれる。 アジアのたいまつ踊りにインスピレーションを受けたアランの舞曲はオルガンの宗教性を払拭するような新鮮さ。 | ||
アウリス・サッリネン: 宮殿ラプソディOp.72(1997)(*) カレヴィ・アホ:トリスティア(1999)(*) ラウタヴァーラ:兵士のミサ曲Op.40(1968)(#) トゥオマス・カンテリネン(アムプヤ編):幽霊(#) |
エリアス・セッパラ指揮(*) ライネ・アムプヤホウリ指揮(#) 護衛兵バンド | |
フィンランド現代作曲家によるブラス作品集。豪壮ながら北欧の空気も感じさせてくれる。 | ||
フィンランドの管弦楽作品集 クラミ: 劇付随音楽「放蕩息子」〜間奏曲/ 子供の交響曲 Op.17 エーロ・ケスティ(1959-):春 クーラ:南オストロボスニア民謡集 第2集 |
ヨルマ・ ヒュンニネン(Br) ユハ・ニッコラ指揮 キュミ・シンフォニエッタ | |
カレリア出身のクラミをはじめ、親しみやすい作品を、1999年創設のフィンランドの地方オーケストラ、キュミ・シンフォニエッタが驚くほど高水準の演奏で聴かせる。 | ||
トゥビン:交響曲全集 Vol.5 [第9番「シンフォニア・センプリーチェ」/ 第10番/第11番(未完成/カリヨ・ライド補筆)] |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立so. | |
好評シリーズの完結編。未完に終った第11番は同じ演奏者によるKoch盤もあるが、これは2002年の新録音。トゥビンの故国エストニアを代表するオーケストラによる当シリーズ演奏は、 しみじみと味わい深く、BISのヤルヴィ盤より高く評価する人も多い隠れた名盤。 | ||
ポーランドの弦楽合奏作品集 カルウォヴィチ:弦楽セレナード Op.2 バツェヴィチ:弦楽のための協奏曲 マトゥシェフスキ:7つのポーランドの風景 トヴァルドフスキ:古ポーランド協奏曲 |
タデウシュ・ヴィヘレク指揮 聖ミヘル弦楽合奏団 | |
シマノフスキと同世代で、スキー中に雪崩れに遭って夭逝したカルウォヴィチの弦楽セレナードは、若々しい完成とヴォルテージの高さで耳の残る名品。 古楽と現代性が交差する他の収録作品も、魅力的ながら録音に恵まれていなかったので、ポーランド音楽ファン待望の一枚といえよう。 | ||
フィンランド新時代のギター音楽 ヴェリ=マッティ・ブーマラ(1965-):ハイリンの夢 ユルキ・リンヤマ(1962-):ギター・ソナタ ハンヌ・ポヒヤンノロ(1963-):月の軌道に向かって ユホ・ハンガス(1976-):幻想曲 |
ユルキ・ムルライネン(G) | |
ムルライネンは1961年ナポリ生まれで、現在シベリウス・アカデミーで教えているフィンランド人ギタリスト。 | ||
レーガー:3つのコラール幻想曲Op.52 [人はすべて死すべきものなり/ 目覚めよ、と呼ぶ声あり/ ハレルヤ、ほむべき神はわが心の喜び] |
カリ・ヴオラ(Org) | |
いずれもバロック期のコラールに基づく幻想曲。重厚長大なレーガーの世界を堪能できる。ヴィオラはハンス・ファユス門下のフィンランドの新鋭。 | ||
ルイジ・ケルビーニ(1760-1842): レクイエム ニ短調(男声合唱のための) |
アンドレス・ムストネン指揮 エストニア国立so.、 エストニア国立男声cho. | |
ケルビーニには混声合唱用のハ短調レクイエムもあるが、こちらは男声のみ。パリの大司教が、女声を含むという理由で1834年にハ短調レクイエムの葬儀用演奏を禁じたため、 ケルビーニが新たに作曲した。しかしその初演はケルビーニ自身の葬儀だったという因縁つきの作品。エストニアの力強い男声合唱が魅力。 | ||
フレスコヴァルディ:チェンバロ作品集 トッカータ7番/アルカデルトのパッセジアート/ バレット第3番とクラント/ パッサカリアによる100のパルティータ/ 別の旋法によるパッサカリア/ 逆行リガトゥーレ付の半音階カプリッチョ/ トッカータ9番/不協和音のカプリッチョ/ トッカータ10番/トッカータ2番/カンツォーナ1番/ バッタリアによるカプリッチョ/トッカータ1番/ カンツォーナ4番/トッカータ6番/ガリアルダ2番/ ガリアルダ3番/ガリアルダ4番/ リチェルカーレ5番/フレスコバルディ風アリア |
アーポ・ハッキネン(Cemb) | |
録音:2002年7月30日&8月1日、カリス教会。 1967年生まれ、ピエール・アンタイ門下でヘルシンキ・バロック・オーケストラの音楽監督も務める期待のチェンバロ奏者ハッキネンがフレスコバルディに挑戦。名手。 | ||
リタンデル兄弟の音楽 カール・ルドヴィク・リタンデル(1773-1843): ソナタ ハ長調/ソナタ 嬰ヘ短調/ アレグレッツァ ハ長調/カプリッチョ ト長調 フレドリク・エマヌエル・リタンデル(1777-1823): ロンド「喜び」/ハイドンの主題による変奏曲 クリストフィリス・リタンデル(1778-1823):ポロネーズ ハ長調 ダヴィド・リタンデル(1780-1807): ワルツ 変ロ長調(トゥイヤ・ハッキラ編) |
トゥイヤ・ハッキラ(Fp) | |
録音:2002年9月15日-17日、クーサンコスキ・ホール。 珍しいフィンランド古典派音楽集。リタンデル兄弟は全部で11人もいて、うち4人が作曲家になった。いずれもエスニックな香りの全くないウィーン古典派作風で、 ハイドン、モーツァルト、あるいはベートーヴェンを思わせる。ピアノ音楽ファンにも御薦め。 | ||
テレマン:音楽の練習帳 第1集(1740) [ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ヘ長調/ リコーダー、 オーボエと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ハ短調/ フラウト・トラヴェルソと通奏低音のためのソナタ ニ長調/ ヴィオラ・ダ・ガンバ、オブリガート・チェンバロと 通奏低音のためのトリオ・ソナタ ト長調/ ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ イ短調/ ヴァイオリン、 オーボエと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ト短調/ リコーダーと通奏低音のためのソナタ ニ短調/ フラウト・トラヴェルソ、 チェンバロと通奏低音のためのトリオ・ソナタ イ長調/ オーボエと通奏低音のためのソナタ 変ロ長調/ リコーダー、ヴァイオリンと 通奏低音のためのトリオ・ソナタ イ短調/ チェンバロのための組曲 ハ長調/ フラウト・トラヴェルソ、ヴィオラ・ダ・ガンバと 通奏低音のためのトリオ・ソナタ ロ短調] |
バッタリア [シルッカ=リーサ・ カーキネン(Vn) ミカ・スイフコネン、 ミッコ・ペルコラ(ガンバ) エーロ・パルヴィアイネン (アーチリュート) ヤス・モイシィオ(Ob) カティ・ブージー、 ペトラ・アミノフ(リコーダー) アンナマリ・ポルホ、 アーポ・ハッキネン(Cemb)] | |
録音:2002-2004年。 | ||
テレマン:音楽の練習帳 第2集(1740) [ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ イ長調/ リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバと 通奏低音のためのトリオ・ソナタ ヘ長調/ フラウト・トラヴェルソと通奏低音のためのソナタ ト長調/ リコーダー、チェンバロと 通奏低音のためのトリオ・ソナタ 変ロ長調/ ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ホ短調/ フラウト・トラヴェルソ、ヴァイオリンと 通奏低音のためのトリオ・ソナタ ホ長調/ リコーダーと通奏低音のためのソナタ ハ長調/ ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと 通奏低音のためのトリオ・ソナタ ニ長調/ オーボエと通奏低音のためのソナタ ホ短調/ フラウト・トラヴェルソ、 オーボエと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ニ短調/ チェンバロのための組曲 ヘ長調/ オーボエ、 チェンバロと通奏低音のためのトリオ・ソナタ 変ホ長調] |
バッタリア [シルッカ=リーサ・ カーキネン(Vn) ミカ・スイフコネン、 ミッコ・ペルコラ(ガンバ) エーロ・パルヴィアイネン (アーチリュート) ヤス・モイシィオ(Ob) カティ・ブージー、 ペトラ・アミノフ(リコーダー) アンナマリ・ポルホ、 アーポ・ハッキネン(Cemb)] | |
録音:2002-2004年。 「音楽の練習帳」は、ソロ12曲、トリオ12曲からなる24曲から成る作品集。ヴァイオリン、オーボエ、リコーダー、フラウト・トラヴェルソ、チェンバロなどが多彩に組合わされている。この曲集はおそらく1720年代から家庭での音楽教育の目的で作り続けられたものをまとめたもののようだが、そこは人気作曲家テレマン、練習をしながら楽器の特性を把握しかつ楽器に惚れ込むことができるような音楽になっており、ことにリコーダー曲は非常に人気がある。 バッタリアは1989年創立のヘルシンキを拠点とした古楽団体。メンバー表を見ていただければ分かる通り、今や世界的な名手が多数参加している。シルッカ=リーサ・カーキネンはヘレヴェッヘ率いるコレギウム・ヴォカーレのコンサート・ミストレス、エーロ・パルヴィアイネンは鈴木秀美との共演で日本人にもなじみの深いリュート奏者。ヤス・モイシィオもイングリッシュ・バロック・ソロイスツ、18世紀オーケストラ、オーケストラ・リベラ・クラシカのメンバーとして知られている。その他のメンバーもソロとしての活動が盛んな人たちばかり。 | ||
ガス・ブリュレ(1160頃-1213):歌曲集 愛のことを私に忠言する人は/私が生涯を深く思って/ とどめることもかなわず/甘やかな幸せに/昔のこと/ 愛の悲しみ/森に野に/多くの愛が歌ったのは/ 他(全15曲) |
オリファント | |
録音:2002年9月23-26日。 ガス・ブリュレは初期のトルヴェールの中で、その作品が最も多く現在まで残されており、同時代の文学作品「ばら物語」や「すみれ物語」にも彼の作品が引用・挿入されている。 トルヴァドゥールの遺産を引き継ぎ、トルヴェールの様式を確立した一人とされる彼の音楽をストレートに伝えるアルバム。 | ||
ゲオルク・ムッファト(1653-1704):調和の捧げもの(1682) [ソナタ第1番 ニ長調/ソナタ第2番 ト短調/ ソナタ第3番 イ長調/ソナタ第4番 ホ短調/ ソナタ第5番 ト長調] |
ペトリ・タピオ・マットソン指揮 オーパスX | |
録音:2002年8月。 ゲオルク・ムッファト(ムファット)はフランスのサヴォイ生まれで両親はスコットランド系。パリでリュリに学び、ストラスブールでオルガニストを務め、ウィーンやプラハを経てザルツブルクでオルガニストに就任、ところがさらにローマに留学しパスキーニやコレッリに学んだ。驚くべき多国籍ぶりだが、本人は終生自分はドイツ人だと考えていたという。 「調和の捧げもの Armonico tributo」はローマ留学の際に作曲され、後にザルツブルクで出版された。一見するとイタリアのコンチェルト・グロッソ風の音楽だが、個々の音楽はガヴォットやアルマンドなどフランス舞曲が用いられたりと混血的。最大の聞き物は第5番の最後に置かれた長大なパッサカリアで、ムッファトの力量が遺憾なく発揮されている。 オーパスXはバロック・ヴァイオリン奏者のペトリ・タピオ・マットソンを中心に1995年に結成された団体。基本的に各パート一人で演奏され、北欧系らしい非常に清々しい弦の音が見事に絡み、絶美。名盤の少なくない「調和の捧げもの」の中にあっても、飛び切りの一枚になっている。 | ||
レーヴィ・マデトヤ(1887-1947): バレエ・パントマイム「オコン・フオコ」Op.58 |
ヘレナ・ユントゥネン(S) トゥオマス・カタヤラ(T) アルヴォ・ヴォルメル指揮オウルso. オウル室内cho. | |
マデトヤの問題作。1927年のバレエ・パントマイム用の日本を題材としたジャポニスム音楽で、シベリウスの流れをくむマデトヤらしさが全く感じられない奇怪な作品。内容は、日本の人形師オコン・フオコ(これはヨーロッパ人が感じる日本語的な語感だそう)が作った人形「ウメガワ」との和製コッペリアといった内容で、最後に錯乱したオコン・フオコが自害して幕切れる。筋・音楽ともに私たち日本人にはとても奇妙に感じられる世界である。これまで組曲の録音はあったが、全曲版は世界初録音。全部で35のトラックに分かれ、収録時間は77分近く。 | ||
ポンセ: スペインのフォリアによる変奏曲とフーガ/ エストレリータ/ギターソナタ第3番/ 南の協奏曲 |
イスモ・エスケリネン(G) ヨン・ストルゴーズ指揮 ラップランドco. | |
メキシコの香りに満ちたポンセの作品を、北極圏ラップランドのオーケストラが演奏。これがシベリウス風北国の音楽になっていて不思議。独奏のエスケリネンはティモ・コルホネン門下のフィンランドの新鋭。 | ||
プニャーニ: オーケストラのための四重奏曲第1番 変ロ長調 グラーフ:フルート四重奏曲 ニ短調Op.12 No.3 リヒター:交響曲 ニ長調Op.2 No.6 サッキーニ:弦楽四重奏曲 イ長調Op.2 No.6 ロセッティ:フルート協奏曲 ト長調 |
ミカエル・ヘラスヴォ(Fl) ユハ・カンガス指揮 オストロボスニアco. | |
先頃来日公演を行ったカンガス&オストロボスニア室内管。18世紀フィンランドの大楽譜コレクター、ヒデニウスの蔵書から珍しい古典派作品が選ばれている。古典派ファン垂涎のディスク。 | ||
セッポ・ポホヨラ(1965-):室内楽作品集 弦楽四重奏曲第3番/ニューヨーク・ニューヨーク/ ゲーム・オーバー/オペラ座の一夜/リーベライ |
ミントゥ・ぺス(S) ドミートリー・スロボデニューク指揮 サグロス・アンサンブル | |
フィンランドの作曲家ポホヨラは、現代の感性を保ちつつ刺々しさを排したキレの良い作風を持つ。 | ||
ムソルグスキー(ヨキアホ編):展覧会の絵 チャイコフスキー(ヨキアホ編): アンダンテ・カンタービレ |
トリオ・フラトレス [トニ・ハマライネン ヘイッキ・ヨキアホ ライモ・ヴェルタイネン (アコーディオン)] | |
かつてクラフトワークのテクノ音楽アルバムをリリースして話題になったフィンランドのアコーディオン・トリオ、フラトレス。1994年結成、イタリアのコンクールで優勝するなど注目されている。 3つのアコーディオン用に編曲された「展覧会の絵」は、ピアノ版に忠実ながら、音色を変えたり、 長い音価を指定どおり演奏できるため、オーケストラ的な効果を発揮している。非常に面白いCD。 | ||
カレルヴォ・トゥーッカネン(1909-1979):管弦楽作品集 劇「きこり」序曲 Op.1/セレナータ・ジョコーザ Op.4/ 夕べの歌 Op.9-3/夏の踊り Op.9-4/劇「雲」のための小組曲/ 弦楽のためのロマンティックなモーメント Op.8/ テンプス・フェストゥム Op.53 |
ハンヌ・コイヴラ指揮 ヨエンスー市立o. | |
フィンランドの作曲家トゥーッカネンは20世紀を生きた人だが、作品はほとんどグリークと同世代ではというほど全くのロマン派で、どの曲も北欧の自然を謳歌する美しさに満ち溢れている。 たしかに20世紀には時代遅れと取られたかもしれないが、今から見れば実に傑作揃いで北欧音楽ファン、抒情音楽好きには絶対推薦。 | ||
ショパン:夜想曲選集 [ト短調 Op.37-1/ト長調 Op.37-2/ハ短調 Op.48-1/ 嬰ヘ短調 Op.48-2/ヘ短調 Op.55-1/変ホ長調 Op.55-2/ ロ長調 Op.62-1/ホ長調 Op.62-2/ホ短調(遺作)/ 嬰ハ短調(遺作)/ハ短調(遺作)] |
ヤンネ・メルタネン(P) | |
録音:2003年8月4-7日、ミカエリ・コンサート&コングレス・ホール、マルッティ・タルヴェラ・ホール、以上ミッケリ。 1967年生まれのフィンランドのピアニスト、メルタネンによるショパンの第2弾。「甘口のショパンにお嘆きの方々にオススメの超辛口演奏。ショパンのノクターンの怖さがよくわかります。」と代理店。 | ||
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 | ミカ・ヴァユリネン (アコーディオン) | |
録音:2003年8月18-19、25-26日。 ゴルトベルク変奏曲をアコーディオンで演奏したCDは初めてではないが、ヴァユリネンの演奏はアリア、変奏、全てが実に魅力的。非常に優れた技巧(第5変奏の鮮やかさ)と、思わず聴き惚れてしまう音楽性(第14変奏の滴る美感)が結実、まるで新しい傑作に出会ったかのような新鮮さに満ちた演奏になっている。 ヴァユリネンは1967年フィンランド生まれ。アコーディオンの音色そのものが、普通イメージされるこの楽器の音とは全く異なっている。秋の青空のような爽快な美と哀愁と高い透明感をもった音もあれば、第16変奏での、およそアコーディオンとは思えない壮麗さまで、表現の幅が広いこと。アリアに戻る頃には、すっかりこのCDの虜になってしまうことだろう。 | ||
シューベルト:歌曲集「美しき水車小屋の娘」D.795 | エルヤ・プーッコ(Br) リスト・ラウリアラ(P) | |
録音:2004年2月。 エルヤ・プーッコは1965年生まれのバリトン。まさに自然体といった歌い方で気張らず、楽に歌っている。素朴な味のシューベルトの歌曲を求めるならバッチリ。 | ||
エドゥアルド・トゥビン(1905-1982): バレエ「クラット」 ETW.111(*) エストニアの主題によるシンフォニエッタ ETW.11(+) |
イリス・オヤ(Ms) アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立so. エストニア・ フィルハーモニー室内cho.女声 | |
録音:2003年1月25日-26日、5月5日(*)、2003年11月21日(+)、エストニア・コンサートホール。 (*)はトゥビンの唯一のバレエ。 クラットはエストニア民謡に登場する悪鬼。いろいろな材料を集めて作った人型が、主人が悪魔に魂を売り渡すと、それとひきかえに命を得て、宝物を運んでくる。村の宴。悪魔に魂を売った者たちの祭り、オーロラ、村娘と牧童の踊り。クラットの復讐。さまざまな情景が、エストニア民謡と舞曲も取り入れた音楽により、活き活きと描かれる、交響曲とならぶトゥビンの代表作である。組曲は、ネーメ・ヤルヴィ指揮バンベルクso.の録音(BIS-306) があるが、全曲の商用録音はこれが初めて。組曲と全曲をくらべると、まるで別の作品のようにも聞こえる。バレエ全曲というのは、音楽だけ取り出すと退屈になりがちだが、この作品には全曲を一気に聴かせてしまうような圧倒的なパワーがある。エストニア国立so.とアルヴォ・ヴォルメルはトゥビンの全交響曲を録音したコンビ。 | ||
フローベルガー:チェンバロ作品集 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラによる幻想曲 FbWV.201/ トッカータ第18番/パルティータ第2番 FbWV.602/ トッカータ第14番/ パルティータ第6番(マイヤーの主題による)FbWV.606〜 第1&第2パルティータ/ 組曲第20番/同第19番/ 皇帝フェルディナント4世の悲しい死に寄せる哀悼曲/ ブランシュローシュ氏の死に寄せるパリで作ったトンボー |
アッシ・カルットゥネン(Cemb) | |
録音:2003年11月17-20日。 フィンランドのチェンバリスト、アッシ・カルットゥネン。しっとりとしたきめの細かい透き通るような美音はが魅力。 | ||
アイノ・コスケラ(1982-)声楽作品集 (全13曲) |
フィエラシュオネ (声楽&器楽アンサンブル) | |
録音:2004年5月27日- 6月1日。 アイノ・コスケラはホルン奏者として活躍する一方、作曲活動も行っている。フィエラシュオネは、シベリウス・アカデミーとヘルシンキ音楽院の学生から成る合奏団。 | ||
モンテヴェルディ: タンクレーディとクロリンダの戦い/ アリアンナの嘆き/私は黒い/人々よ、馳せ来たれ ロニョーニ:私は傷ついた ボネッリ:トッカータ・アタランタ/トッカータ・クレオパトラ ウッチェッリーニ:ソナタ・ノーナ ピッキ:バッロ・アッラ・ポラカ/パッセ・メッゾ カヴァッリ:ああ、何と甘美な サルヴァトーレ:第四旋法によるリチェルカーレ第4番 |
モニカ・グループ(Ms) イアン・ハニマン(T) ペテリ・サロマー(Br) アーポ・ハッキネン指揮 ヘルシンキ・バロックo. | |
録音:2004年3月。 モンテヴェルディの傑作、「タンクレーディとクロリンダの戦い」と「アリアンナの嘆き」を中心に、ルネサンス期イタリアの優れた作品を集めたアルバム。ハッキネン率いるヘルシンキ・バロックオーケストラは1997年創設の若い団体だが高水準の表現能力を持っている。モニカ・グループは言わずと知れたスター歌手で、日本ではモーツァルトで知られているが、バロック音楽にも実に適性がある。イアン・ハニマンはバロック系で活躍するテノールで、モンテヴェルディの「オルフェオ」上演で来日したことがある人。ペテリ・サロマーはもう20年以上活躍しているフィンランド・オペラ界の重鎮。 | ||
ピアソラ: プレパレンセ/オブリビオン/勝利/インペリアル/ アディオス・ノニーノ/コラール/天使の死/ エル・チョクロ/ブエノスアイレスの冬/ 現実との3分間/リベルタンゴ |
ザ・インタイム・クインテット [エンリク・ペレッロ(Vn) ヤリ・サルメラ(P) ヨルマ・サルメラ(G) ハンヌ・シースコネン(B) マルセロ・ハイメ・ ニシンマン(バンドネオン)] ヤーナ・ハーンテラ指揮 タンペレpo. | |
録音:2003年12月。 シンプルなタンゴ・クインテットにフルオーケストラが伴奏をつけるというゴージャスなピアソラ。 | ||
ユッカ・リンコラ(1951-):歌劇「旅(夢のかなう国)」 | ハンヌ・ユルヌ(T) カトリーナ・ケルッポラ(S) リセ・ホルムベルイ(Ms)他 ユハ・ニッコラ指揮 キュミ・シンフォニエッタ コトカ・オペラcho. | |
録音:2003年1月3-13日。 1998年初演。トヴィオ・ペッカネンの戯曲に基づく。 | ||
フィンランドの現代作曲家によるアコーディオン作品集 ラウタヴァーラ:ペリマンニ/イコン ロマノフスキ:ヒディング ヴオリ:狼の時間 ティエンスー:ゾロ トゥオメラ:鬼火 ノルドグレン:とぎれとぎれに |
マッティ・ランタネン (アコーディオン) | |
マッティ・ランタネンは1952年生まれ。フィンランドのみならず国際的に活躍している。 | ||
ラウタヴァーラ:至福の島 ポホヨラ:タピオランディア クーシスト:今日のタピオラ アホ:ロウヒ |
マルクス・レヘティネン指揮 タピオラ・ユースso. | |
録音:1997年10月12日、2003年11月16-17日。 タピオラ・ユース交響楽団はエスポー音楽院を母体とした団体。1993年からマルクス・レヘティネンの指揮で実力を上げている。写真を見る限り、弦セクションはほとんどが若い金髪美女の様子。 | ||
ユルキ・リンヤマ(1962-):ヴェスペレ[晩祷] (バリトン、混声合唱と室内アンサンブルのための;2003) |
ユハ・コティライネン(Br) エーリク=オーロフ・ セーデルストレム指揮 フィンランド放送室内cho. ツァグロス(弦楽合奏) アキ・ヴィルタネン(打楽器) エレ・リエヴォネン(Cemb) | |
録音:2003年11月8日、エスポー旧教会、ライヴ。 伝統を意識してはいるが伝統主義者ではないユルキ・リンヤマは、特定のスタイルにこだわることなく、みずからの道を求めて歩む作曲家。音楽は人間性の表現。つねに彼は偉大なもの、高貴なものをめざしている。 「マリアの賛歌(マニフィカト)」を中心に置き、主に感謝し、主を賛美する4つの詩編(111、112、113、117)と「主の祈り」からなる「ヴェスペレ」は、グレゴリオ聖歌も素材にした、静かな祈りと祝いの気分にみちた大作。初演をライヴ録音。フィンランド放送との共同制作によるCD。 | ||
ノルドグレン(1944-):ペリマンニの肖像 Op.26 ブルッフ:スウェーデン民謡によるセレナード バルトーク/アーサー・ウィルナー編曲:ルーマニア民族舞曲 Sz.56 サッリネン(1935-): ペルトニエミ・ヒントリークの葬送行進曲の諸相(1981) ラウタヴァーラ(1928-):オストロボスニア・ポルカ グリーグ:2つの旋律 Op.53[ノルウェーの旋律/はじめての出会い] ペッカ・ヤルカネン(1945-):ヴィロの農奴 (2つのヴァイオリンと弦楽合奏のための:1980) |
ユハ・カンガス指揮 オストロボスニアco. レイヨ・トゥンカリ、 ティモ・カンガス、 エラル・クイヴ(Vn) | |
録音:2004年5月14-16日、ハッコラ、スネルマン・ホール。 2005年10月に紀尾井シンフォニエッタを客演指揮したユハ・カンガスが音楽監督を務めるフィンランドを代表するアンサンブル、オストロボスニア室内o.。その本拠地、ボスニア湾に面した町コッコラは、フィンランドにおける民俗音楽研究の中心地カウスティネンに近く、民俗音楽をルーツとする作品に彼らのアイデンティティが示されている。 最新アルバムは、彼らがもっとも得意とする作品を集めた「ポートレート」。ノルドグレンの「ペリマンニの肖像」、サッリネンの「ペルトニエミ・ヒントリークの葬送行進曲の諸相」は、日本の室内オーケストラのプログラムにも載るようになった。民俗音楽と芸術音楽の融合。フィドル弾きからスタートしたユハ・カンガスの自信があふれている。 | ||
マデトヤ:ピアノ作品全集 祝祭行進曲 Op.5 No.1(1910)/6つの小品 Op.12(1912)/ 3つの小品 Op.17(1912)/5つの小品 Op.21(1914)/ 4つの小品 Op.31(1915)/田園組曲 Op.34(1916)/ 死の庭 Op.41(1918-1921)/ 自由行進曲 Op.42 No.4(1918)/ ピアノ小曲集 Op.65(1931)/子守歌(1915) |
ミカ・ランナリ(P) | |
ライヴ録音。 マデトヤはもっぱら管弦楽作家だが、美しいピアノ曲もいくつか作っていて、日本でも舘野泉が録音していた。これはそのマデトヤの手による全ピアノ曲を集めたフィンランドならではのアルバム。いわゆる技巧的な曲はないが、マデトヤの音楽の特徴的である不思議なメランコリーが魅力。 | ||
タピオラ・オリジナルズ シサスク:創造のことば Op.51 カイパイネン:河の声 Op.54/混声合唱のためのレクィエム サーリアホ:四季 トゥール:完成の不安 |
ヨハンナ・オヤラ(S) マッティ・ニッシネン(T) ヘルマン・ヴァッレーン(Br) ハンヌ・ノルヤネン指揮 タピオラ室内cho. オストロボスニアco. | |
録音:1999-2004年。 「タピオラ・オリジナルズ」とは、タピオラ室内合唱団が数年に渡って行っている、バルト海沿岸の作曲家の合唱作品の演奏シリーズのこと。二人がエストニア、二人がフィンランドの作曲家、いずれも1950−60年生まれ。 | ||
J.S.バッハ:オルガン作品集 トッカータ、アガージョとフーガ ハ長調 BWV.564/ トリオ・ソナタ 変ホ長調 BWV.525/ 前奏曲(幻想曲) とフーガ ト短調 BWV.542/ トリオ・ソナタ ニ短調 BWV.527/ 前奏曲(トッカータ) とフーガ ニ短調 BWV.538(ドリア旋法) |
カリ・ヴオラ(Org) | |
録音:2003年10月16日、2004年5月10日、ナーンタリ修道院教会堂。使用楽器:1990年製。 ブラームス:オルガン作品全集(ABCD-121)、レーガー:オルガン作品集(ABCD-175) につづくカリ・ヴオラのAlbaへの録音。ヴオラは、カリ・ユッシラ、ハンス・ファーイウスのほか、シュトゥットガルトのルトガー・ローマン教授に個人指導を受けた。フィンランドの古い町ナーンタリにある修道院教会堂に設置された、バロックオルガンの伝統を受け継ぐストップ数36の美しいオルガンを使用。 | ||
クリヤ ガネーシャ/サーリナ/ハヌマン/ブッダ/私は行った/ 母なる国を讃えよ/讃歌/彼女の靴にシャンペンを/穫り入れ/ パタンジャリ/ジャスミンの花 |
クリヤ [サラティ・チャテルイェー(歌) ペーテル・レルケ(G) グルファム・サブリ(タブラ) パウリーナ・レルケ (アコーディオン、カンテレ、歌、 エレクトリック・ヴァイオリン) ミッコ・カークリニエミ(ドラムス)] | |
ジャンルからいえばクラシックというよりはワールドだろう。録音:2004年11月、ヤルヴェンパー、カッリオ=クニンカラ・スタジオ。 グループ名「Kriya」はサンスクリット語で「行動」の意。ヒンドゥーでは、生命力によって精神をコントロールするクリヤは、創造主(神)に近づく、もっとも容易で効果的、科学的な道とされている。ペーテル・レルケがインド伝承の詩に作曲した「ガネーシャ」は長鼻・象面の知恵の神ガネーシャ(破壊神シヴァとパールヴァティーの子)の賛歌。インド伝承歌をアレンジした「ハヌマン」は猿の神。「ジャスミンの花」はオリジナルのラブソング。「夜の暗がりに輝く優美なジャスミンの花のように、上衣と帯に残るあなたの香りと温もり……」。フィンランドとインドが出逢い、ふしぎな雰囲気を醸し出す音楽が生まれた。 | ||
レーヴィ・マデトヤ(1887-1947):管弦楽作品全集 Vol.5 演奏会序曲「クッレルヴォ」Op.15(*)/ ヴァイナモイネンの種蒔き Op.46/ 小組曲 Op.12/歌曲集「秋」Op.68/ バレエパントマイム「オコン・フオコ」組曲第2番 Op.58(+) (アルヴォ・ヴォルメル編曲) |
トゥオマス・カタヤラ(T) キルシ・ティーホネン(S) トゥーラ・フレイヴィク(Va) アルヴォ・ヴォルメル指揮 オウルso. | |
録音:1998年(*)、2002年8月26-29日(+)、2004年8月17-19日、オウル音楽センター、マデトヤホール。 フィンランド風の悲しみと憂い、フランス風の優雅と洗練。マデトヤの音楽には、大きくふたつの性格がある。「クッレルヴォ」の嘆き、牧歌、情熱、絶望。同じく叙事詩「カレヴァラ」に基づく「ヴァイナモイネンの種蒔き」。夫人のオネルヴァの詩による歌曲集「秋」。これらの曲はフィンランド的性格が色濃く反映した作品である。「小組曲」[ワルツ/民謡/スケルツィーノ]は「ピアノのための6つの小品」から3曲を選び管弦楽曲とした作品。「オコン・フオコ」には、作曲者自身がバレエパントマイム全曲(ABCD-184)から編んだ組曲(ABCD-156)があり、第2番は指揮者のヴォルメルが新たに編纂したもの。オーケストレーションには手を加えず、音楽的まとまりを重視した選曲を行っている(全曲版と同じ録音)。ネオクラシシズムとモダニズムにオリエンタルな香り。マデトヤの代表作が約21分の作品にまとめられた。それにしても「クッレルヴォ」の音楽はかっこいい。 | ||
第七の感覚〜ギターのための作品集 アルヴォ・ペルト(1935-): フラトレス (ギター、弦楽合奏と打楽器のための) ペーテリス・ヴァスクス(1946-):孤独のソナタ ルカ・フランチェスコーニ(1956-):ギター独奏のための朝の歌 三木稔(1930-)/レオ・ブローウェル編曲: 箏のためのバラード第2番「若い芽」 武満徹(1930-1996):森のなかで(ギターのための3つの小品) レオ・ブローウェル(1939-):武満徹追悼のHIKA[悲歌] |
イスモ・エスケリネン(G) ユハ・カンガス指揮 オストロボスニアco. | |
イスモ・エスケリネンがラップランド室内管弦楽団と共演したマヌエル・ポンセ作品集 (ABCD-185) は、ヘルシンキ・サノマト紙の選ぶ2003年最優秀レコードを受賞、彼はトップ・ヴィルトゥオーゾ、トップ・アーティストと評され、現在フィンランドを代表するギタリストのひとりに数えられている。当アルバムでは、2005年10月、紀尾井シンフォニエッタに客演したユハ・カンガスが指揮するオストロボスニア室内管弦楽団も共演。いくつかのヴァージョンで知られるペルトの「フラトレス」のほか、ソロ曲も含め新たなレパートリーに挑戦している。 | ||
エーロ・ハメーンニエミ (1951-): 交響曲第3番「ハ長調」1999)(*) ヴィオラ協奏曲(2001)(+) |
サカリ・オラモ指揮(*) トンミ・アールト(Va;+) ハンヌ・リントゥ指揮(+) フィンランド放送so. | |
録音:1999年11月8日(*)、2004年4月29-30日(+)、ヘンルシンキ、文化の家。 マグヌス・リンドベリ、サーリアホらフィンランド新世代が作ったグループ、「耳を開け」の創立メンバーのひとりであるハメーンニエミは、インド音楽やジャズとの触れ合いなどを通じ独自のスタイルを追求してきた。「ハ長調」の副題をもつ(*)は単一楽章の作品。強い情感。その音楽は、ほとんど後期ロマンティシズムの感覚である。ノスタルジックとさえ言えるロマンティックなタッチをもつ(+)。作曲者みずから、この2曲を姉妹作と呼んでいる。 | ||
ドメニコ・スカルラッティ(1685-1857):チェンバロ・ソナタ集 イ短調 K.175/ホ長調 K.380/ホ長調 K.381/ ハ長調 K.513「パストラール」/ヘ短調 K.183/ヘ短調 K.184/ ハ長調 K.460/ハ長調 K.461/ロ短調 K.87/ニ長調 K.119/ ハ短調 K.115/ハ短調 K.116/変ロ長調 K.544/変ロ長調 K.545/ ト短調 K.30「猫のフーガ」 |
エリーナ・ムストネン(Cemb) | |
録音:2005年4月24-27日、カルヤー教会。使用楽器:ヴィレム・クレースベルヘン製。 ナポリに生まれ、マリア・バルバラ王女に仕えるためにリスボンに赴いたドメニコ・スカルラッティは、スペイン皇太子ドン・フェルナンドに嫁ぐ王女とともにスペイン宮廷に移った。スカルラッティのソナタには、華やかな時代を傍観者の立場で眺めた作曲者の思いが、さまざまにこめられている。みずからが生きた世界の残酷さ、美しさ、荒々しさ。エリーナ・ムストネンの初めてのスカルラッティ・ソナタ集は、ナポリからリスボンを経てマドリード、そしてアンダルシアと、作曲者の旅をたどるアルバムとして構成されている。 | ||
C.P.E.バッハ(1714-1788): チェンバロのオブリガートと ヴァイオリンのためのソナタ ニ長調 H.502 ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ハ長調 H.558 J.S.バッハ(1685-1750): ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ト短調 BWV.1029/ ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ニ長調 BWV.1027 |
ヴェリ=マルクス・タピオ (ヴィオラ・ダ・ガンバ) エリーナ・ムストネン(Cemb) | |
録音:2005年5月23-25日、オリマッティラ教会。使用楽器:17 世紀末、アムステルダムにてヘンドリク・ヤーコプス製/1993年、ユトレヒトにてヴィレム・クレースベルヘン製(クシェ・モデル)。 ヴィオラ・ダ・ガンバという楽器が忘れ去られようとしていた頃、バッハ父子はいくつかのソナタを書いた。「ブランデンブルク協奏曲」の楽しさを想いおこさせるJ.S.バッハの2曲、C.P.E.バッハのギャラントなスタイル。 シベリウス・アカデミーで学び、ジョルディ・サバールにも師事したヴェリ=マルクス・タピオとエリーナ・ムストネンが共演し、作品の様式と個性を踏まえながら、華やかで優雅、そして温もりのある音楽を聴かせる。ゆとりの音楽。こういう演奏を聴くと、アカデミズムだけを追求する時代は終わったという気がする。 | ||
ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-): ギターのための作品集 コメ・ダ・ロンターノ Op.122(ギター独奏のための;2003)/ 魅せられた音 Op.132(ギター、ホルンとチェロのための;2005)/ ギターと弦楽四重奏のための五重奏曲 Op.119(2003)/ ギター協奏曲 Op.126(2004-2005) |
ペトリ・クメラ(G) テロ・トイヴォネン(Hr) トマス・ユプショバッカ(Vc) テンペラSQ ヨン・ストゥールゴールズ指揮 ラップランドco. | |
ペトリ・クメラはフィンランドのギター奏者。ソロのほか、アヴァンティ!室内アンサンブル、タンペレ・ロー・アンサンブルなどと共演し、室内楽の分野でも活動している。 このアルバムは、フィンランドの作曲家ノルドグレンがクメラのために書いた作品集。この3年の間に書かれた新作ばかりで、すべて世界初録音。共演しているテンペラ四重奏団は、シベリウスの弦楽四重奏曲全曲録音に挑んだ女性だけのグループ(最初のディスクが BIS-1376)。ヴァイリニストとしても活動し、アヴァンティ!室内アンサンブルの指揮者として来日したヨン・ストゥールゴールズが、音楽監督を務めるラップランド室内o.を指揮して共演。 | ||
モーツァルト(1756-1791): セレナード第10番 変ロ長調 K.361/370a「グラン・パルティータ」 |
ユッカ・ラウタサロ指揮 六階o. | |
リハーサルを行う教室にちなみ命名された六階管弦楽団は、シベリウス・アカデミーのピリオド楽器奏者たちが集まったグループ。初期イタリア・バロックの作品などをAlbaに録音しているグループ、バッタリアのメンバーも参加。六階管弦楽団の演奏は、ヴィヴァルディの協奏曲集 (ABCD-158)、フェルリングのヴァイオリン協奏曲などを集めた「フィンランドの古典時代」 (Ondine ODE-971) などの録音を通じて、フィンランド国内だけでなく広くヨーロッパで知られている。モーツァルトが管楽器のために書いた傑作、「グラン・パルティータ」。六階管弦楽団の名を聞くだけで、楽興に満ちた響きが耳に届いてきそうだ。 | ||
J.S.バッハ/ミカ・ヴァユリネン編: 前奏曲とフーガ ニ長調 BWV.532 イエスわが喜び BWV.147より おお主なる神、われを憐れみたまえ BWV.721 高橋悠治:水牛のように(1985) J.S.バッハ/ブゾーニ&ミカ・ヴァユリネン編: いざ来たれ異教徒の救い主よ BWV.659 シャコンヌ ニ短調 BWV.1004 パトリク・ビュスイユ: アルボリス I「命の木」(1980 rev.2004) グバイドゥーリナ:深き淵より(1978) |
ミカ・ヴァユリネン (アコーディオン) | |
2007年9月の来日ではその圧倒的なテクニックと音楽に向う真摯な姿勢が聴衆の心を掴んだミカ・ヴァユリネン(1967-)。アコーディオンによる「ゴルトベルク変奏曲」(ABCD-191)では世界中から多くの賛辞が寄せられた。「低い声、高い声。速いパッセージとゆったりしたパッセージ。どの音符でも彼の芸術的手腕は輝きを放っている。ミカ・ヴァユリネンにとって難しすぎるということは何もなさそうだ」("Accordions Worldwid")。高橋悠治、グバイドゥーリナ。エコール・ド・ロマンでクラシカルアコーディオンと作曲を教えるパトリク・ビュスイユ(1956-) の「アルボリス I「命の木」」。オリジナル作品とバッハ作品の編曲をならべた興味あるプログラムが組まれている。アコーディオンの表現力を無限に広げた前代未聞のアコーディオン奏者ミカ・ヴァユリネン。一聴の価値あり! | ||
トマス・ビューストレム(1772-1839): 3つのヴァイオリン・ソナタ Op.1(1797頃) [第1番 変ロ長調/第2番 ト短調/第3番 変ホ長調] |
シルッカ=リーサ・ カーキネン=ピルク(Vn) トゥイヤ・ハッキラ(Fp) | |
録音:2005年1月31日-2月2日、クーサンコスキ・ホール。 ビューストレムはロシア皇帝とスウェーデン国王に士官として仕えながら、作曲と演奏をたしなんだアマチュア音楽家。フィンランドの音楽が古典からロマンティシズムに変わる時代に名を残した。「オブリガート・ヴァイオリンとクラヴサンまたはピアノのための3つのソナタ」として出版された3曲は彼の代表作。バッタリアのメンバー、シルッカ=リーサ・カーキネン・ピルクのヴァイオリン。トゥイヤ・ハッキラ(1959-)のフォルテピアノがチャーミングで美しい。 | ||
汚れなき歓び〜中世吟遊詩人の歌う宗教歌集 不詳:人は神の母を崇めねばならぬ/大いなる愛により歌を歌おう オベルタン・デレーヌ(13世紀):わが心の思い出 ティボー・ド・シャンパーニュ(1201-1253): 悪しき樹に花は咲かず 不詳:良き主は私を牢につないだ/ ああ友よ、かくも長くわれを異国に/ 優しき聖母マリア/心に輝く太陽はわが歓び ティボー・ド・シャンパーニュ:神はペリカンのように 不詳:真実を語れば/ある夏の朝、私が眠っていると ジャック・ド・カンブレ(13世紀):新しい歌を歌おう アダン・ド・ラール(1240頃-1286頃):栄光の聖母マリア ギョーム・ド・ベチューヌ(13世紀):私の従う愛ゆえに咎められ 不詳:以前は泣きごとを知りませんでした |
オリファントウリ・コルホネン (歌、ダルシマー) エイラ・カールソン(フィドル、歌) レイフ・カールソン(リュート、 サーズ・リュート、シンフォニア、 鐘、口琴、二重皮太鼓) ヤネク・オッレル (ソプラノ・リコーダー、 テナーリコーダー、縦笛、 ダブルフルート、 ヒュンメルヒェン、ボンバルド) | |
録音:2005年9月26-28日、フィンランド、ナーンタリ修道院教会。 「中世モノフォニー音楽の創造性豊かな録音」 (アーリーミュージック・レビュー:「十字軍の歌」(ABCD-152))、「世紀を超えて響く美しい調べ」 (「ガース・ブリュレのシャンソン集」 (ABCD-182))。 フィンランドの中世音楽アンサンブル、オリファントの即興性豊かで色彩的な音楽作りは、聴衆と批評家の両方を魅了してきた。この第3作では「愛」を主なテーマとする宗教歌が歌われ、中世への新たな旅へと聴き手を誘う。 | ||
ユッカ・ティエンスー(1948-): アルマ III「粋」(1998) (交響楽団とサンプラーのための) ピアノ協奏曲「Mind」(2000) (小管弦楽のためのステレオ音楽) アルマ II「魔力」(1996) (交響楽団とサンプラーのための) |
ユハニ・ラーゲルスペツ(P) スサンネ・マルッキ指揮 タンペレpo. | |
「コンサート・レパートリーを増やすことを作曲家の義務だと考えて作品を書くのではない。われわれの時代では、どの作品をとっても、ひとつひとつが創造される確かな理由を持っていなければならない」と語るユッカ・ティエンスー(1948-)。音楽の新しい可能性を絶えず探り、さまざまな試みを行っている。1990年代ティエンスーのもっとも充実した内容をもち、単独で演奏される「アルマ」三部作。もっとも抒情的で静謐な「魔力」、ダイナミックな「粋」。平均律の調律ではなく、内部奏法による色彩も使われるピアノ協奏曲。大地-反射、空気-戯れ、水-夢、火-情熱。それぞれ2つの言葉からなるタイトルが4つの楽章の内容を示している。 | ||
サン=サーンス(1835-1921):オルガン作品集 3つの前奏曲とフーガ Op.99/幻想曲 変ホ長調/ 同 変ニ長調 Op.101/同 ハ長調 Op.157/ 3つの前奏曲とフーガ Op.109 |
ヤン・レヘトラ(Org) | |
録音:2005年8月31日、フィンランド、マンッタ教会、5.0マルチチャンネル。使用楽器:J.L.ファン・デン・フーヴェル製。 「交響曲 ニ短調」のフランク、オルガン交響曲に名作を残したヴィドール。ふたりの「交響作家」と同時代にオルガニストとして活躍しながら、作曲家サン=サーンスは幻想曲、前奏曲とフーガといった比較的小さな作品を得意としていた。 ヤン・レヘトラ(1972-)がここで弾くオルガンは、低域を受け持つペダルの数が4つだけ。小規模の楽器から生まれる音色と響きが、サン=サーンスの上品な音楽に似合う。 | ||
メシアン:幼子イエスにそそぐ20のまなざし(1944) | ヤーナ・カルッカイネン(P) | |
2008年生誕100年を迎えるオリヴィエ・メシアンが書いた20世紀ピアノ音楽を代表する傑作をフィンランドのピアニスト、ヤーナ・カルッカイネン(1960-) が録音した。シベリウス・アカデミー、リムスキー=コルサコフ音楽院(サンクトペテルブルク)、ウィーン音楽大学で学び、リゲティのピアノ協奏曲など、 "同時代の音楽 "をレパートリーにコンサート活動を行っている。ピエール・ブーレーズの「Sur Incises」やキンモ・ハコラの「エチュード」は彼女が初演している。代表的録音はメリライネン(1930-2004) のピアノ作品集 (ABCD-106)。パリとフィンランドで演奏した「幼子イエスにそそぐ20のまなざし」は、彼女のもっとも新しいレパートリーのひとつ。 | ||
バルトーク: ヴァイオリンとピアノのためのラプソディ第1番 Sz86 ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ(1921) ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ ト長調 エルヴィン・シュルホフ: ヴァイオリン・ソナタ第2番(1927) |
レカ・シルヴァイ(Vn) クリストフ・ベルナー(P) | |
ヴィヴァルディの「四季」に3つの"Between Seasons" を組み合わせたヘルシンキ・ストリングズのアルバム"7 Seasons" でソロを弾いたレカ・シルヴァイ。" 怒号の1920年代" を代表するヴァイオリンとピアノの作品を録音した。 | ||
セッポ・ポホヨラ(1965-): 子供のためのオペラ「アラビアうさぎ」 |
パイヴィ・カントラ(S) パイヴィ・キルヤラ(Cl) テルヒ・パルダニウス(Vn) エヴェリーナ・スメリウス= リンドブルム(P) | |
録音:2006年4月12日-13日、セッロ・ホール、エスポー、フィンランド。 劇作家、作詞家として劇場やテレビやラジオなどのメディアでも活躍する作家、シニッカ・ノポラ と作曲家セッポ・ポホヨラが子供のための室内オペラを書いた。スウェーデンや日本でも作品が紹介されたグラフィックデザイナー、ヴィルピ・タルヴィティエのイラストレーションによる絵本に入ったCD。 | ||
ツィリルス・クレーク(1889-1962): 宗教的作品集 レクイエム ハ短調 (1927) (テノール、混声合唱と管弦楽のための)/ ムジカ・サクラ (宗教音楽) (1943) (管弦楽のための)/ 詩篇137番「バビロンの流れのほとりに座り」/ 詩篇121番「目を上げて、わたしは山々を仰ぐ」/ おお乙女、神の聖母よ/ 詩篇141番「主よ、わたしはあなたを呼びます」/ 詩篇104番「わたしの魂よ、主をたたえよ」/ いかに幸いなことか |
マティ・トゥリ(Tn) ピレト・アイドゥロ(Org) アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立オペラso.&cho. エッレルヘイン少女cho. | |
録音:2005年10月13日-14日、パルヌ・コンサートホール、エストニア。 ツィリルス・クレーク(1889-1962) はエストニアの作曲家、音楽教師。サンクトペテルブルク音楽院でヤーセプス・ヴィートリス、ニコライ・チェレプニンらに作曲法と音楽理論を学んだ。エストニア民謡の収集に努めたことで知られ、彼が集めた民謡は5,500曲以上。700曲を超す民謡編曲と500曲を超すコラール編曲の他、自作の素材に使われている。 「レクイエム ハ短調」はクレークの代表作。エストニアで最初に書かれたレクイエム。ラテン語の典礼文をエストニア語に翻訳したテクストが歌われ、民謡のメロディとハーモニーが効果的に使われていることから、「エストニア・レクイエム」とも呼ばれる。アルヴォ・ヴォルメルは、エドヴァルド・トゥビンの交響曲全集 (Alba) を録音したエストニアの指揮者。1989年、クレーク生誕100年を記念して「レクイエム」が演奏された際には、指揮者を務めた。 | ||
チェロとオルガンのための ロマンティック・デュオ マルセル・デュプレ(1886-1971): チェロとオルガンのための ソナタ イ短調 Op.60 ヨーゼフ・ラインベルガー(1839-1901): 6つの小品 Op.150 より [夕べの歌/エレジー/田園詩] ソルト・ガルドーニ(1946-): ハンガリーのコラールによる変奏曲 ルネ・ギユー(1903-1958): アダージョ〜J.S.バッハへのオマージュ カミーユ・サン=サーンス(1835-1921): 祈り Op.158 グスタフ・メルケル(1827-1885):礼拝 Op.114 マックス・レーガー(1873-1916): ヴァイオリンとオルガンのための組曲 〜アリア Op.103a-3 ヴォルフガング・ シュトックマイアー(1931-): リストの「十字架への道」の 主題による変奏曲(1981-82) |
ティボル・ボガーニ(Vc) アーグネス・ ザースカリスキ(Org) | |
録音:2006年3月9日-11日、聖ミカエル教会、トゥルク、フィンランド。 チェロの倍音とオルガンの倍音。そこから生まれる調和が多くの音楽家の心をとらえてきた。ロマンティックでネオクラシカルなパリのオルガニスト、マルセル・デュプレ。ハンガリーに生まれ、ドイツでオルガニスト、作曲家として活躍するソルト・ガルドーニ。ヴェルサイユ・ノートルダム教会のオルガニスト、ルネ・ギユー。19世紀ドイツを代表するヴィルトゥオーゾ、グスタフ・メルケル。サン=サーンスは、聖セヴラン教会のオルガニストに指名された感謝のしるしとして「祈り」を作曲。ヴァイオリンとオルガンのために書いた抒情曲をチェロとオルガンのために編曲したラインベルガーとマックス・レーガー。シュトックマイアーは、リストの「十字架への道」に主題を求め、イエス・キリストの苦難と死の神秘に想いを寄せる。ハンガリーのふたりのプレイヤーにより鮮やかに奏でられる。 | ||
エルッキ・メラルティン(1875-1937): 森の中を楽しく歩く オスカル・メリカント(1868-1924): リンゴの花/夏の夕べのおだやかな風/ 娘は花の上を歩き カイヤ・サーリアホ(1952-): あなたを見つめる/ああ、心よ/夕べの祈り イルマリ・ハンニカイネン(1892-1955): 弔いの歌/平安 ユルキ・リンヤマ(1962-):夏「夜が明けると娘が」 トイヴォ・クーラ(1883-1918):朝の歌/マリアの歌 リク・ニエミ(1967-):ランプの灯が消えていく ヨウニ・カイパイネン(1956-): 平安/幸運は胸のうちに オッリ・コルテカンガス(1955-):スキーヤーの歌 アヌ・コムシ(1967-):僕らは霧の中を歩く ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-): 彼らはみな死んではいない セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-):北極光 ユルヨ・キルピネン(1892-1959):夕べに |
アヌ・コムシ(S) ピア・ヴァッリ(P) | |
録音:2002年10月26日-27日、2006年4月1日、フィンランド。 20世紀前期フィンランドの作曲家たちは、詩人エイノ・レイノ(1878-1926) の詩にさまざまに曲を書いてきた。踊りのリズムをつけてもらうために生まれた美しい響きをもつ抒情の詩。現代の作曲家たちはレイノの詩に何を感じ、何を読みとるのだろうか。レイノの詩を愛するソプラノ歌手、アヌ・コムシは、現代フィンランドの作曲家たちに新しい歌の作曲を委嘱。新しい音感覚をもった現代作曲家たちにも、ロマンティックな歌曲の伝統はしっかり受け継がれていることが証明された作品となっている。アヌ・コムシとピア・ヴァッリにより2001年のムジカ・ノーヴァ・ヘルシンキのコンサートで初演された新曲と、フィンランドの人たちに愛されてきた歌がひとつのアルバムのなかで美しい調和を見せている。 | ||
ペルッティ・ヤラヴァ: 弦楽オーケストラのための作品集 ピアノ、フルートと弦楽オーケストラ のための協奏曲(2001) 弦楽オーケストラのための幻想曲第1番 「ため息のように」(1999) 弦楽オーケストラのための幻想曲第2番 「表面」(2002) 弦楽オーケストラのための〜風の中で(2003) |
トゥオマス・トゥッリアゴ(P) イラリ・レヘティネン(Fl) アリ・アンゲルヴォ指揮 タンペレ・ロー | |
録音:2005年11月26日-27日、タンペレ音楽院、制作:ペルッティ・ヤラヴァ、録音:カリ・カッリオラハティ、タンペレ音楽院の学生たち。 ペルッティ・ヤラヴァは、クラシカルの分野で作曲を始める前はジャズミュージシャンとして活動していた。ジャズとクラシカルを区別。ジャンルをクロスオーバーさせないところは、同じようにジャズ出身のフィンランドの作曲家、ユッカ・リンコラと共通している。モダニズムの色彩が表れた2つの幻想曲、エネルギッシュで新古典的な協奏曲。ヤラヴァがもっとも活発に作曲した時期の作品集。演奏するタンペレ・ロー Tampere Raw は、主に現代の作品を紹介するため、タンペレ・フィルハーモニックの若い音楽家たちが核になって結成したアンサンブル。国内の音楽祭に参加しながら、タンペレとヘルシンキでは定期的にコンサートを開催している。 | ||
J.S.バッハ:オルガン編曲集 シャコンヌ(ミッデルシュルテ編曲)/ 前奏曲とフーガ 変ロ短調/ 前奏曲 イ短調/前奏曲 ト短調 (以上3曲、オスカル・メリカント編曲)/ 半音階的幻想曲とフーガ(レーガー編曲)/ バッハの思い出(ヴィドール編曲) |
ヤン・レヘトラ(Org) | |
録音:2006年6月。使用楽器:クーサンコスキ教会のヴェゲリウス、1933年製。 フィンランドの歴史的な楽器を紹介するシリーズ。ヘルシンキ音楽院を設立しシベリウスなどフィンランドの優秀な音楽家を育てたヴェゲリウスにより設計、ヘルシンキから東へ150キロほどに位置するクーサンコスキという町にある教会の歴史的なオルガンを使った編曲集。注目は編曲陣の面々。自身もオルガンの達人であったミッデルシュルテのシャコンヌ、シベリウスと同時代に活躍したフィンランドの国民から愛されていた作曲家オスカル・メリカントによる珍しい編曲、レーガーによる濃厚な編曲、オルガン一家で育ちとりわけバッハに傾倒していたヴィドールなど考え抜かれたレパートリーが収録されている。 | ||
ブロッホ: ピアノと弦楽オーケストラのための合奏協奏曲第1番 弦楽オーケストラと弦楽四重奏のための 合奏協奏曲第2番 ブゾーニ: ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲 ニ短調 Op.17 弦楽オーケストラのための悲歌第7番 子守歌(イリヤ・ホフマン編) |
リスト・ラウリアラ(P) ダニール・ライスキン指揮 聖ミケル弦楽o.(ミッケリ市o.) | |
録音:2006年1月2日-5日、ミカエリ、制作:ラウラ・ヘイキンヘイモ、録音:マッティ・ヘイノネン。 ブロッホ後期の傑作、バッハの音楽を思わせる合奏協奏曲第2番。ピアノのヴィルトゥオーゾ、ブゾーニが12歳で作曲した協奏曲。「ポーランド弦楽オーケストラ作品集(ABCD-173)」の聖ミケル弦楽オーケストラ(ミッケリ市o.)とフィンランドのピアニスト、リスト・ラウリアラ(1949-)の共演。バッハ、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスを主なレパートリーとするラウリアラはシベリウス・アカデミー出身。バッハのゴルトベルク変奏曲 (ABCD-103)、シューベルトの 変ロ長調ソナタ(ABCD-109)を録音している。 | ||
ウーノ・クラミ:ヴァイオリン協奏曲 Op.32/ 弦楽オーケストラのための組曲/愉快なセレナード/ 人形芝居の場面/序曲/中国の商人/ バレエ「眠りの森の美女」/勇ましい将軍 |
ペッカ・カウッピネン(Vn) ドミートリー・ スロボデニューク指揮 キュミ・シンフォニエッタ | |
録音:2005年12月9日-13日、クーサーホール(クーサンコスキ、フィンランド)。 ウーノ・クラミ(1900-1961)の代表作のひとつ、ヴァイオリン協奏曲をメインとする作品集。この協奏曲は1943年に作曲、ストックホルムで初演された。翌年、スコアが紛失したため、クラミが記憶を頼りに再び作曲にとりかかり、1954年に新版が完成したという経緯がある。その後、スウェーデン放送局のライブラリーで初稿が発見されたものの、新たなアイデアを入れた新版が決定稿となった。オルガンのための「詩編11番」に基づく楽章をもつ「弦楽オーケストラのための組曲」、曲名どおりの「愉快なセレナード」、ラヴェルの「マ・メール・ロワ」を思わせる小組曲「人形芝居の場面」。クラミの管弦楽作品の代表的なアルバムになりそう。ソロを弾くペッカ・カウッピネンはヘルシンキ・フィルハーモニックのコンサートマスター。ソロを担当したアルバムには、タピオ・トゥオメラ指揮エッセン・フォルクヴァング室内o.と共演したシベリウスの組曲とユモレスクの録音がある。キュミ・シンフォニエッタはフィンランドを代表する室内オーケストラのひとつ。指揮者のドミートリー・スロボデニュークはロシア生まれ。シベリウス・アカデミーでセーゲルスタム、パヌラ、アルミラに指揮法を学び、スカンディナヴィア諸国とイギリスを中心に活躍している。 | ||
ユッカ・リンコラ(1955-): ミュージカル「ホテル・アストリア」 |
マルッティ・ペイッポ 指揮 ラハティ市立劇場o.&cho. ピルヨ・アイットンマキ ニナ・タピオ アリ=マッティ・ヘードマン パーヴォ・ホンキマキ ヤリ・レッパネン カリ・マッティラ | |
録音:2005年、オリマッティラ・インスティテュート (ラハティ、フィンランド)、制作:ティピ・トゥオヴィネン、録音:ペッカ・ミッコラ、歌詞:フィンランド語。 現代のブダペスト。ホテル・アストリアのカフェで男と女が出逢う。ドイツ人警察官トムと博物館に務めるヘレナ。舞台は変わり第二次世界大戦時、ドイツ占領下のブダペスト。ホテル・アストリアの玄関から入ってくるナチの将校たち。裏口では、極秘のメッセージがレジスタンスの手に渡される。恋に落ちたアンナとヘルマン……。詩人ユッカ・イトコネンの台本に、ジャズ・ミュージシャンからスタートしたユッカ・リンコラが音楽を書いた。「アカシアの木立ち」のもの悲しくノスタルジックな歌からミュージカルは始まる。ピルヨ・アイットンマキ、ニナ・タピオ、アリ=マッティ・ヘードマン。フィンランドで上演された「レ・ミゼラブル」「アスペクツ・オブ・ラブ」「グリース」などで主役を歌った歌手と俳優たち。フィンランドのミュージカル! | ||
エストニア宗教的民俗コラールと オケゲムのミサ曲 |
マルゴ・コラル(T)指揮 ヘイナヴァンケル | |
録音:2002年-2006年、フィンランド、デンマーク、ドイツ教会。制作:オレヴ・ポル、録音:マルゴ・コラル。 キリスト教黎明期のエストニアで書かれた宗教的民謡とコラールはエストニア音楽のルーツのひとつ。ルター派賛美歌集を主なテクストとする作者不詳の歌が、口伝により受け継がれてきた。このアルバムでは7曲が、即興を交えた編曲により歌われる。伝承のコラールの合間にオケゲム(c.1410-1497) のミサ曲の4章をはさみ、最後に歌うのが「天地創造」。キリスト教が伝わる以前に作られた歌。マルゴ・コラルが音楽監督を務めるヘイナヴァンケルは、古い教会音楽をレパートリーとするエストニアのヴォーカルアンサンブル。高度の技巧を求められる曲を立体感のある音楽として聞かせる。グループ名の元になったのは、ネーデルランドの画家、ヒエロニムス・ボス(1450?-1516) の代表作のひとつ、「干し草車」。俗世を押しつぶす大きな干し草車。祈りを捧げる天使と二枚舌の悪魔。そばで奏でられる美しい音楽。ボスの寓意的絵画の今日性と、ヘイナヴァンケルの時を超えた音楽表現には共通するところがありそう。 | ||
Jazz 〜 Night Walk Werther 1:Ed 73/06 Night Walk(ナイトウォーク) Tears of Mary(マリアの涙) Sole Song(ただひとつの歌) Solaris(ソラリス) Silence is 部屋 Astor Lounge(アスター・ラウンジ) Werther 2:Charlotte Werther 3:Father Last year`s fall(去年の秋) Kalamazoo Highway(カラマズー・ハイウェイ) |
ペトリ・ニエミネン・アンサンブル [ペトリ・ニエミネン (サクソフォン Cl/アルトFl) ヨウニ・ヨロネン(P) ヴィッレ・ラウハラ(ベース) イッペ・カトカ(ドラムズ) アヌ・コムシ(Vo) ヴェリ=ペッカ・ニエミ(Tp) ペトリ・イッケラ (バンドネオン) ハッリ・レヘティネン (ヴィブラフォーン)] | |
ソプラノ歌手、アヌ・コムシが3つの曲に参加。フィルムミュージック、ポップス・オールディーズ、新しいタンゴ、現代のコンサートミュージック。さまざまな音楽から影響を受けた自由な色彩のジャズを展開する。 | ||
アントン・ヴェーベルン: 弦楽四重奏のための6つのバガテル Op.9 ハッリ・ヴオリ:灰色のフクロウ(2005) ヴェリ=マッティ・プーマラ:アポストロフィー(2005) ペルットゥ・ハーパネン:手紙(2006) ハッリ・アハマス:単純な物語(2006) アイヤ・プールティネン:Meteo (2006) アントン・ヴェーベルン: 弦楽四重奏のための6つのバガテル Op.9 (リミックス)(SACD層トラックのみ) |
アンサンブル・ツァグロス | |
シベリウス・アカデミーのオーケストラで演奏していたプレイヤー15人が構成する室内アンサンブル、ツァグロス Zagros。「リベラル思考、理想主義、実験願望」をキーワードに、今日の音楽を主なレパートリーとしている。それぞれのミュージシャンが芸術監督。ツァグロスにとって初めてのポートレートアルバム。ヴェーベルンの「6つのバガテル」の曲間に現代フィンランドの作曲家5人の作品が演奏される構成がとられている。 | ||
カール・チェルニー:フィガロの さまざまな主題による華麗なる幻想曲 Op.493 ジギスモント・タールベルク:ラクリモーザ Op.70 (モーツァルト「レクイエム」 K626による) J.S.バッハ:協奏曲 ト短調 BWV975 (ヴィヴァルディ 「ヴァイオリン協奏曲 ト短調」 RV316a) ベートーヴェン: バレエ「プロメテウスの創造物」 Op.43(抜粋) ロナルド・スティーヴンソン: ピーター・グライムズ幻想曲 (ブリテン「ピーター・グライムズ」による) アレックス・フリーマン: 雪(マシュー・ホイットール:合唱曲「雪」による) リスト:ハンガリー・ラプソディ第19番 ニ短調 (アーブラーニの「優雅なチャールダーシュ」による) |
リスト=マッティ・ マリン(P) | |
録音:2006年9月22日、-24日、クーサーホール、フィンランド。 トランスクリプション。深みのある音楽と上っ面だけの音楽、価値ある音楽と価値のない音楽、保守的な音楽と急進的な音楽、ユーモラスな音楽とシリアスな音楽。作曲者と演奏者のふたつの顔をもつヴィルトゥオーゾたちが何を考えたか? 2003年、ヴァイマールで行われたフランツ・リスト・ピアノコンペティション第3位。フィンランドのピアニスト、リスト=マッティ・マリンは現在、シベリウス・アカデミー博士課程で「ピアノ・トランスクリプション」の演奏と論文に取り組んでいる。その研究の一環として、このアルバムが録音された。「知的に組まれたプログラムが投げつけるさまざまな難題をマリンは、いとも平然とこなしていく。チェルニーの「フィガロ幻想曲」の恋の楽しさも、ロナルド・スティーヴンソンがブリテンの「ピーター・グライムズ」を8分に要約した音楽の暗いドラマも彼はしっかり理解している」 (評:マーティン・アンダーソン < Finnish Music Quarterly > 2007/3) | ||
オッリ・ムストネン: ギターソナタ「イェヘキン・イーヴァナ」(2004) ラウタヴァーラ: ユニコーンのセレナード ユニコーンのモノローグ/パルティータ フルートとギターのためのソナタ ラウタヴァーラ(イゥモ・エスケリネン編): Vari_tude(1974) |
イスモ・エスケリネン(G) ペトリ・アランコ(Fl) | |
フィンランドを代表するギタリスト。イスモ・イスケリネンは1989年、最年少で参加した国際コンペティション、スカンディナヴィア・ギターフェスティヴァルで優勝。若い世代のトッププレイヤーとして一躍注目されるようになった。「The Magic Circle」(ABCD-153)、マヌエル・ポンセのギター曲集(ABCD-185)、「The Seventh Sense」(ABCD-213) に次ぐソロアルバム。ラウタヴァーラがギターのために書いた全作品と、ピアニストとして名高いオッリ・ムストネンがイスケリネンのために書いたソナタ「イェヘキン・イーヴァナ」を演奏している。ユニコーン(一角獣)の「セレナード」と「モノローグ」はヨーゼフ・ホレチェクからの委嘱作。ヴァイオリンのための「Vari_tude」は、イスケリネン自身がギターのために編曲した。 | ||
ロベルト・カヤヌス:弦楽のための組曲 ヘ長調 ヒンデミット: ヴィオラと弦楽オーケストラのための「葬送音楽」 イルカ・クーシスト:ディヴェルティメント パシ・ピースパネン: バリトンと弦楽オーケストラのための「4つの歌」 〜割れた花瓶/森の墓/夜の犬/光 ウーノ・クラミ:弦楽オーケストラのための組曲 |
ヘイッキ・ペッカリネン指揮 タピオラ・ユース・ストリングズ レイヨ・ムスタカッリオ(B) ウッラ・ソインネ(Va) | |
テーマは " 光"。" まじめな顔の作曲家が屈託のない表情を見せた" イルッカ・クーシストのディヴェルティント。色あせていく恋心、大切に育まれた愛、暗闇の恐怖、太陽の光……フィンランドの4つの詩をテクストとするピースパネの歌曲集。起伏の激しい感情の動きをみせる、クラミの組曲。イギリス国王ジョージ五世の訃報を知ったヒンデミットが書いた、悲しくノスタルジックな気分の「葬送音楽」。指揮者として高名だったカヤヌスのロマンティックな伝統に根ざした「弦楽のための組曲」 は、これが初録音。エスポー音楽学校の室内オーケストラのひとつ、タピオラ・ユース・ストリングズ。指揮者のヘイッキ・ペッカリネンはチェロと弦楽オーケストラのクラスの責任者を務めている。 | ||
ロマンティック・トランペット フォーレ:パヴァーヌ ドビュッシー:月の光 ショパン:前奏曲 変ニ長調 Op.28-15「雨だれ」 アルヴェーン:エレジー グルック:精霊の踊り ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第14番「月光」〜第1楽章 シューベルト:セレナード ヘンデル:ラルゴ W.A.モーツァルト: 「魔笛」 K620「パミーナのアリア」 ミサ曲 ハ短調 K427/417a 「ラウダムス・テ」 ナポリ民謡:光さす窓辺 ヴェルディ:行け、わが思いよ、黄金の翼に乗って マルチェッロ:アダージョ ペルゴレージ:ニーナ カッチーニ:アヴェ・マリア |
ヨウコ・ハルヤンネ(Tp) カリ・ハンニネン(P) | |
ヨウコ・ハルヤンネ。ノルウェーのアントンセン、スウェーデンのハーデンベルガー、デンマークのケティル・リステンセンとともに北欧を代表するトランペットのエリート。フィンランド放送so.の首席奏者。スイスの楽器スパーダを愛用している。親しまれ、愛されているロマンティックな小品を集めたアルバム。" 行け、わが思いよ、黄金の翼に乗って"。ピアニストのカリ・ハンニネンは、みずからもテューバとトランペットを演奏。金管楽器奏者との共演を楽しんでいる。2007年1月、5日をかけてフィンランドのクーサンコスキで録音された。 | ||
C.P.E.バッハ: ギターのためのトランスクリプション ソナタ 嬰ハ短調 Wq55/3 6つの特徴的な小品〜優柔不断な人 Wq117/31 日々の移ろい Wq117/32/恋煩い Wq117/30 気まぐれ Wq117/33/カロリーヌ Wq117/39 ポロネーズ Wq117/17/ソナタ ホ短調 Wq 54/3 ソナタ ホ長調 Wq 48/3〜アダージョ ソナタ ホ長調 Wq 62/3/ロンド ロ長調 Wq 58/1 |
ペトリ・クメラ(G) | |
ペトリ・クメラはヘルシンキ音楽院でフアン・アントニオ・ムロに師事した後、フランツ・ハラースのクラスで学んだニュルンベルク=アウグスブルクの音楽大学を2000年、最優等で卒業。スカンディナヴィア・ギターフェスティヴァルで第1位を獲得した。 ノルドグレンのギター作品を集めた「魅せられた音」(ABCD-218) に次ぐアルバム。C.P.E.バッハのキーボード曲をクメラ自身がギターのために編曲して演奏している。このアルバムでクメラが弾いている楽器はヘルマン・ハウザーI&II。反応のよさ、歌、温かい音色、ピアニッシモの繊細な響き、音の多彩なニュアンス。クメラにとって特別な楽器となった。 | ||
献呈 [Dedications]〜 オストロボスニア室内o.のための音楽 ペール=ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): 19の弦楽器のための 「荘重の響き-快い響き」Op.118 (2002) ペーテリス・ヴァスクス(1946-): 弦楽オーケストラのための ムジカ・アパッショナータ (2002) アンデシュ・エリーアソン(1947-): 弦楽器のためのシンフォニア(2001) |
ユハ・カンガス指揮 オストロボスニア室内o. | |
オストロボスニアo.。ヘルシンキ・フィルハーモニックのヴィオラ奏者を務めていたユハ・カンガスが1972年、オストロボスニア音楽大学室内o.として創設。1989年からプロフェッショナルのオーケストラとしての活動をつづけている。1993年北欧音楽委員会 (NOMUS) " 北欧音楽賞"、1995年フィンランド作曲者著作権協会 (TEOSTO) " 創造賞"、1998年フィンランド作曲家協会 " マデトヤ賞" を受賞。北欧を代表する室内オーケストラとして、さまざまな作曲家たちとも交流。彼らから献呈された作品も多数にのぼる。フィンランドのノルドグレン、ラトヴィアのヴァスクス、スウェーデンのエリーアソンは、特に関係の深い作曲家たち。3曲とも初録音。 | ||
ユッカ・リンコラ: 室内アンサンブルのための作品集 クラリネット五重奏曲/弦楽アンサンブルのための風 木管五重奏と弦楽五重奏のための秋の協奏曲 |
ペッカ・ニスカネン(Cl) ラッセ・ヨアメツ(Vn) ヨン・ストゥールゴールズ指揮 ラップランド室内o.員 | |
ロマンティックな色合いをもった新古典的なスタイルの協奏曲や劇場のための音楽など多くの作品が人気。ジャズミュージシャンからキャリアをスタートさせた作曲家、ユッカ・リンコラの 「小さなアンサンブル」のための作品集。 古典的傾向のクラリネット五重奏曲。木管五重奏と弦楽五重奏が 結婚。アンサンブルそれぞれの色彩が巧みに使われ、清澄な響きの音楽となった「秋の協奏曲」 は、「迷宮」「九月」「オクトブルー」の3楽章からなる約30分の大作。ヨン・ストゥールゴールズが芸術監督を務めるラップランド室内o.はヨーロッパの最北に位置する プロ・オーケストラ。フィンランドでもっとも多様な音楽を手がけるオーケストラのひとつ。 | ||
ショパン: ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21 ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11 |
ヤンネ・メルタネン(P) ハンヌ・コイヴラ指揮 ヨエンスー市o. | |
10のマズルカと前奏曲などのリサイタル・アルバム (ABCD-138)、夜想曲集第1集 (ABCD-160)、夜想曲集第2集 (ABCD-190)。繊細で美しいピアノの音、感受性豊かな表現。ヤンネ・メルタネンが Albaに録音した3枚のショパン・アルバムは静かな人気を呼んでいる。そのメルタネンがショパンの2つの協奏曲を録音。オーケストラはライヴで共演したフィンランドのヨエンスー市o.。楽しみ。 | ||
J.S.バッハ:オルガン小曲集 待降節とクリスマスのコラール いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV659/ いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV599/ 神よ、その慈悲により、または神の子来たれりBWV600/ 神のひとり子なる主イエス BWV601/ 全能の神をたたえん(BWV602)(ヘッセン伯モーリツ編)/ ベツレヘムに生まれし幼な子 BWV603/ イエス・キリストよ、汝はたたえられよ BWV604/ かくも喜びに満てる日 BWV605/ わが魂は主をあがめ BWV648/ わが魂は主をあがめ BWV733/ 高き天より、われは来たり BWV606/ 天使の群れ、天より来たれり BWV607 (ミヒャエル・プレトリウス編)/ 甘き喜びのうちに BWV608/ 汝らキリスト者よ、こぞりて主をたたえよ BWV609/ イエス、わが喜び BWV610/ われらキリストをたたえまつる BWV611/ われらキリスト者、今ぞ喜びにあふれ BWV612/ 高き天より、われは来たり BWV700 |
カリ・ヴオラ(Org) ハンヌ・ヴオレラ指揮 カントゥス・メルクリアリス トゥルク・ フィルハーモニックo.員 | |
録音:2007年1月14日-15日、ナーンタリ修道院教会、ナーンタリ、フィンランド。 | ||
ショパン:練習曲集 Op.10/同 Op.25/ 3つの新しい練習曲 |
アンネ・カウッピ(P) | |
録音:2006年-2007年、セッロ・ホール(エスポー、フィンランド)。 アンネ・カウッピ(1962-)は、シベリウス・アカデミーを卒業後、ジュリアード音楽院でアニア・ドーフマンとアデーレ・マーカスの下でpostgraduate diploma を取得。フィンランドを中心に演奏活動を行っている。 | ||
大聖堂の窓 ジークフリート・カルク=エーレルト(1877-1933): オルガン作品集 交響的カンツォーネ第2番 ハ短調Op.85-2/ グレゴリオ聖歌による6つの小品 「大聖堂の窓」Op.106/ メンデルスゾーンの「厳格な変奏曲 ニ短調Op.54」の 主題による15の変奏曲(世界初録音)/ 交響的コラール「いざ憩え、すべての地よ」 Op.87-3 (声、ヴァイオリン独奏とオルガンのための) |
マルック・マキネン(Org;*) アヌ・ホスティッカ(S) ペトリ・タピオ・ マットソン(Vn) | |
録音:2004年6月7日-10日、タンペレ大聖堂、タンペレ、フィンランド。使用楽器:タンペレ大聖堂のアルバニス・ユルヴァ・オルガン、1907年(*)。 ジークフリート・カルク=エーレルトは、20世紀初頭に活躍したドイツ、オーベルンドルフ・アム・ネッカーの生まれの作曲家。ライプツィヒ音楽院でオルガンとピアノのほか、ザロモン・ヤーダスゾーンとカール・ライネッケに作曲を学んだ。グリーグと親交があり、初期の作品にその影響がみられるとされる。作曲家としての評価の定まっていないカルク=エーレルトと彼の作品について演奏者のマルック・マキネンがブックレットに丁寧なノーツを寄せている(英語、フィンランド語)。タンペレ大聖堂のアルバニス・ユルヴァ・オルガンはオーケストラを模倣したとされるロマンティックな響きに特色があり、レーガーやカルク= エーレルトの音楽に似合っていそう。 | ||
ヨーゼフ・ハイドン: 十字架上のキリストの最後の七つの言葉 Op.49 |
アーポ・ハッキネン (クラヴィコード) | |
録音:2005年6月13日-15日、ドイツ国立博物館、ニュルベルク。使用楽器:ヨハン・ハインリヒ・ジルバーマン製作、1775年頃(ニュルンベルク、ドイツ国立博物館リュック・コレクション所蔵)。 ハイドンの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」は、管弦楽のための作品がオリジナル。弦楽四重奏と鍵盤楽器の版は、ハイドン自身は編曲を行わず、確認と修正の作業を行っただけ、と推測されている。3つの版は1787年ウィーンで出版され、後にオラトリオに改作された。作品49の楽譜表紙に記された楽器はクラヴィチェンバロまたはフォルテピアノ。ハッキネンが選んだのはクラヴィコード。「音楽の構造、語法、主題が節約して使われたことで逆説的に、内面の表現がより強固なものになった」 と語るハッキネン。彼の弾くクラヴィコードの「音」と音楽に誘われ、最後まで耳を傾けてしまう。 | ||
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン(1098-1179): カレワラの歌 あの人が来ればのに、 イングリア民謡:島の創世/愛しい人が死んでしまった、 ヘンミンキ・マスクライネン1605年賛美歌集: わたしに欠けるものは/ おお神よ!われら慈しみの御心に感謝する/他 |
ウリ・コントゥ=コルホネン (S/ダルシマー/シンフォニー/ 5弦カンテレ) | |
録音:2007年4月23日-26日、ナーンタリ修道院教会、フィンランド。[ラテン語、フィンランド語、エストニア語 英訳付] 中世ドイツの修道女ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの聖母マリアの賛歌を初めとする単旋歌曲、フィンランド伝統の歌、ネヴァ川流域のイングリア地方の民謡、ヘンミンキ・マスクライネン編纂の1605年賛美歌集から。ウリ・コントゥ=コルホネンは中世音楽アンサンブル、オリファント(Oliphant)のソロイスト。イヴリン・タッブ、マイケル・フィールズ、スティーヴン・スタッブズ、スージー・ルブラン、ヒリヤード・アンサンブルらのアーリーミュージック・マスタークラスに学び、シベリウス・アカデミー修士号を取得した。まじりけのないソプラノの声は、天使の高みとも形容されている。 | ||
ロッタ・ヴェンナコスキ(1970-):作品集 わたしのノスタルジー Nosztalgiaim(2006-07)(*)/ 雨に開かれ Sade avaa/Rain Opens(1998-99) (バスクラリネットと室内オーケストラのための)(#)/ 歌のゆりかご Culla d'aria(2004) (弦楽四重奏のための;+)/ 女の愛と生涯 Naisen rakkautta ja elämää(2003)(**) |
アヴァンティ! 室内o.(*/#/**) トゥオマス・ ハンニカイネン指揮(*) ドミートリー・ スロボデニューク指揮(#) ピエタリ・インキネン指揮(**) ヘイッキ・ニクラ(Bs-Cl;#) エンマ・ヴァハラ(Vn;+) アンナ=レーナ・ハイコラ (Vn;+) トゥーラ・リーサロ(Va;+) ミッコ・イヴァルス(Vc;+) エイヤ・ライサネン(S;**) タニヤ・カウッピネン=サヴィヨキ (S;**) リーッカ・ランタネン(Ms;**) | |
フィンランドの作曲家ロッタ・ヴェンナコスキ。モダニズム的な手法を最小限にとどめた、抒情的で緻密な音楽づくり、そして音のカラーに対する磨かれたセンスに特色があるとされる。カレワラ協会の委嘱により作曲された「Nosztalgiaimわたしのノスタルジー」を含む作品集。 | ||
Brothers アムール/タンメラのスケッチ/主はわが羊飼い/主の御言葉/青の真実/ 南サイマーの夏の湖畔/白雪姫/兄弟/グランドフィナーレ マサ・オルパナ(Sax) アルト・ピースパネン(P) ヴィッレ・ラウハラ(ベース) シモ・ライホネン、ヤンネ・トゥオミ(Dr/Perc) ラウリ・ハンヌ(G) エーミル・ティカンマキ(Vn) ユーソ・ノルドルンド(エレクトリックベース) | ||
代理店は特に記載していないが、おそらくジャズに属するアルバム。フィンランドの作曲家クスティ・ヴオリネンとアンシ・ティカンマキ、ベーシストのヴィッレ・ラウハラの曲をサクソフォン奏者、マサ・オルパナと友人たちが演奏。「青の真実 [The Blue Truth] 」はオルパナのオリジナル曲。 | ||
ピアノとオルガンのための音楽 ティエリー・エスケシュ(1965-):合唱の夢 パーヴォ・ヘイニネン(1938-)/ ヨウコ・リンヤマ(1934-): クウィンカンクス・デュープレックスOp.88bis/ デュオOp.115 (2002-03) パーヴォ・ヘイニネン(1938-):ここにOp.86 (2003) マルセル・デュプレ(1886-1971): 2つの主題による変奏曲 (1938) |
アンニカ・ コントリ=グスタフソン(P) ヤン・レヘトラ(Org) | |
フィンランドのメディアからフィンランドでもっとも優秀なコンサートオルガニストと呼ばれるヤン・レヘトラがフィンランド音楽と20世紀フランスの音楽を主なレパートリーとして欧米で活躍するピアニスト、アンニカ・コントリ=グスタフソンと共演。オルガンとピアノのためのオリジナル作品を録音した。ヘイニネンの「クウィンカンクス・デュープレックス」と、オルガニストとしてヘイニネンの「Dedicatio F -H」を初演したヨウコ・リンヤマの「デュオ」はレヘトラとコントリ=グスタフソンの委嘱作。ヘルシンキの2003年教会音楽フェスティヴァルで、ひとつの作品として初演された。アイデアを提案、自分の想い描いたとおりの音楽を聴かせてくれたデュオの見事な仕事に対しヘイニネンは感謝を捧げている。 | ||
ティモ=ユハニ・キュロネン(1955-):弦楽作品集 交響曲第1番 Op.8/ アコーディオン協奏曲第1番 Op.60/ 交響詩「リヒテンタール(光の谷)」Op.43/ 合奏協奏曲 Op.65 |
アレクサンドル・ チェルヌシェンコ指揮 サンクトペテルブルク国立 アカデミック・カペラso. マッティ・ランタネン (アコーディオン) | |
録音:2007年3月28日-4月5日、グリンカホール、サンクトペテルブルク。 ティモ=ユハニ・キュロネンはフィンランド生まれ。スウェーデンでアコーディオン演奏を学び、1976年、奨学金を得てロシアに留学。グネーシン音楽学校でアコーディオンと管弦楽指揮法と教師のディプロマを取得した後、チャイコフスキー音楽院に進んで作曲を学んだ。作曲家仲間のカレヴィ・アホは、キュロネンの音楽がショスタコーヴィチとプロコフィエフが確立したロシアの伝統に大きく根ざしていることを指摘している。 モスクワで過ごした学生時代の想いをまとめた交響曲第1番。ラテンアメリカ音楽への関心を反映した「アコーディオン協奏曲第1番」。ドイツ、バーデン・バーデンのシュヴァルツヴァルト (黒い森) の谷、リヒテンタールにあるブラームス・ハウスでインスピレーションを授かった交響詩「リヒテンタール」。ヴァイオリン、フルート、マリンバのソロと管弦楽のための「合奏協奏曲」。"ロシアの香りをもったフィンランド人作曲家" キュロネンの代表的管弦楽作品を集めた "ポートレート" アルバムは、2007年4月6日にグリンカホールで開かれたコンサートのリハーサル期間中に録音が行われた。 | ||
ユーセフ・マッティン・クラウス(1756-1792): フルート五重奏曲 ニ長調 VB188 ベルンハード・ヘンリク・クルーセル(1775-1838): フルート四重奏曲[ニ短調Op.4/ニ長調Op.8] |
ミカエル・ヘラスヴヴォ(Fl) タンタティエ四重奏団 | |
スウェーデン王グスタフ三世の宮廷で活躍したクラウス、フィンランドに生まれストックホルムでクラリネット奏者、軍楽隊長としても名を挙げたクルーセル、ウィーン古典主義のスタイルを継ぐふたりの作曲家のフルートと弦楽のための作品集。クラウスの五重奏曲は、親友のヨハン・サムエル・リンデマンのためウィーンで作曲した作品。抒情的な主題と変奏曲の緩徐楽章を含む3つの楽章で構成され、優美な外見と内面の美しさからクラウスの室内楽曲の代表作のひとつ。パリのプレイエルが作品7 として出版した。ライプツィヒのペータースから作品8 として出版されたクルーセルのフルート四重奏曲 ニ長調は、クラリネット四重奏曲 ニ長調 (Op.7) がオリジナル。クラリネットのための作品をフルートのために編曲したことはクルーセルの自信の表れと考えられている。1988年までフィンランド放送so.のソロ奏者を務めたミカエル・ヘラスヴオが共演する ランタティエ四重奏団はピリオド楽器のグループ。クレータ=マリア・ケンタラ、ティーナ・アホ=エロラ、ヨウコ・マンスネルス、レア・ペッカラ。グループの名前は、シベリウスゆかりのトゥースラ湖畔の道、ランタティエに因んでつけられた。 | ||
ユッカ・ティエンスー(1948-):作品集 ネモ(1997)(アンサンブル、サンプラーと ライヴ・エレクトロニクスのための)/ 小川(1989)(クラリネットと管弦楽のための)/ Spiriti(2001-05) (アコーディオンと管弦楽のための) |
カリ・クリーク(Cl) ミッコ・ルオマ(アコーディオン) スサンナ・マルッキ指揮 アヴァンティ!室内o. | |
ブーレーズの複雑に記譜されたピアノ曲をスタインウェイ・グランドで解きほぐして聞かせ、ラモーのクラヴサン曲集をチェンバロで演奏、そしてジョン・ケージの作品をトイピアノ(おもちゃピアノ) で弾く。ユッカ・ティエンスーは、「芸術と音楽は時間を超越する」という考えのもと、さまざまなスタイルで音楽と関わってきた。作曲をパーヴォ・ヘイニネン、クラウス・フーバー、ブライアン・ファーヒホウに学び、エレクトロニクスを応用した音楽も手がけている。アンサンブル・アンテルコンタンポランの音楽監督を務めるスサンナ・マルッキが、海外ツアーでも積極的に現代フィンランドの作品を取り上げるアヴァンティ!室内o.を指揮。クラシカル音楽から伝統的なタンゴまで、多様なスタイルのティエンスーの作品を紹介する。 | ||
ガンバ・ノーヴァ〜バロック楽器と声のための現代音楽 ロッタ・ヴェンナコスキ(1970-):プロクリス(2003) (ソプラノとヴィオラ・ダ・ガンバのための) [からすと友だちになってはいけない/プロクリス/落ちたロバ] ハッリ・ヴオリ(1957-):昼から夢へ(1999)(テノールとヴィオラ・ダ・ガンバのための) ソネット14番「私は星を見て判断をくだすまねはしない」/ソネット8番「耳に妙なる楽の音よ」/ ソネット27番「私はくたびれはてて」/ソネット66番「こんなことには全くうんざりしたから」 エーロ・ハメーンニエミ(1951-): ヴァルカラム(1996)(2つのヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのための)/ ト長調のファンタジア(1998)( ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのための) ユッカ・ティエンスー(1948-):ムジカ・アンビグア(1996-98) (リコーダー、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのための) マルック・ルオラヤン=ミッコラ、ヴァルプ・ハーヴィスト(ヴィオラ・ダ・ガンバ) ペトラ・アミノフ(リコーダー/トラヴェルソ) アーポ・ハッキネン(Cemb) クレータ=マリア・ケンタラ(Vn) ピーア・コムシ(S) ヘイッキ・クロ(T) ユッカ・ティエンスー(Cemb) | ||
シェイクスピアのソネットをテクストとするハッリ・ヴオリの曲集、ユッカ・ティエンスーの「ムジカ・アンビグア」(曖昧な音楽)。現代フィンランドを代表する作曲家たちがピリオド楽器のために現代の様式で書いた作品集をフィンランドのピリオド楽器プレイヤーたちが演奏。マルック・ルオラヤン=ミッコラは、ファンタズムにも参加、マラン・マレのヴィオール曲集第4巻「異国風趣味の組曲」 (ABCD107) をはじめとする録音も高く評価されてきた。 | ||
Duets for the Restless Souls ラースロ・シュレ(1955-): 不在/春の散策/ラプソディ・イン・グレイ/ 不安な魂らのためのカノン/ベルベット/砒素/ 凍った炎/木管のワルツ |
ペンティ・ラハティ(Sax) マルコ・ユロネン(Vc) | |
代理店は特に記載していないが、おそらくジャズに属するアルバム。ラースロ・シュレはハンガリー生まれ。ジャズピアニスト、作曲家。オウルンキュラ・ポップ&ジャズ音楽院で教えることになった1989年からフィンランドに住んでいる。ブダペストのベーラ・バルトーク音楽院で学んだクラシカル音楽とジャズを組み合わせることに興味をもち、フォークミュージックのミュージシャンとも共演している。 | ||
デカコルデ〜十弦ギターのマジック ペッカ・ヤルカネン(1945-):前奏曲 ジョン・ダウランド(1563-1626):涙のパヴァーヌ ペッカ・ヤルカネン:ファンタジア ジョン・ダウランド:ファンシー J.S.バッハ(1685-1750): リュート組曲 ト短調 BWV995 ペッカ・ヤルカネン:夜想曲 |
マリ・マンテュラ(G) | |
フィンランドのギター奏者、マリ・マンテュラは10 弦ギターの演奏を得意としている。タンペレ音楽院でヨルマ・サルメラに学び、シベリウス・アカデミーではユッカ・サヴィヨキにソロ演奏を学んだ。卒業後は、スイスのバーゼル音楽アカデミーとイタリア、シエナのアカデミア・ムジカーレ・チギアナに留学している。現在はソロ奏者、室内楽奏者として活動し、民俗音楽のグループ、ポルトガルのファドのバンド、バンドネオンとの共演も行っている。初めてのソロアルバム。カンテレ協奏曲も書き、民俗音楽風推進力をもつミニマリズムといわれる作風のペッカ・ヤルカネンの3つのソロ曲にダウランドの2曲と無伴奏チェロ組曲第5番を編曲したリュート組曲 ト短調を組み合わせたプログラムは、10 弦ギター (decacord) のもつ能力を最大に発揮させることを目指している。 | ||
この素晴らしきクリスマス 伝承曲/ヤルッコ・キーシ編:ディンドン、空高く メンデルスゾーン/ティモ・フォシュストレム編:天にはさかえ アダン/ヤルッコ・キーシ編:クリスマスの歌「聖らに星すむ今宵」 シチリア民謡/エスコ・ヘイッキネン編:おお、なんじ喜ばしき ラルフ・ブレイン/エスコ・ヘイッキネン編: ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス ホルスト/ユルキ・コスキネン編:木枯らしの風、ほえたけり アールノ・ライニネン/ティモ・フォシュストレム編: おいで、輝くクリスマス シベリウス/ライネ・アムプヤ編:シベリウスと一緒にクリスマス ダグラス/ヤルッコ・キーシ編:この素晴らしき世界 ヘンデル/エスコ・ヘイッキネン編:栄光は汝に カスキ/ユリヨ・イェルト編:小屋は雪の下に眠る メイソン/エスコ・ヘイッキネン編:もろびとこぞりて シベリウス/ユハ・ピスト編: クリスマスの歌「私には富も名声もいらない」Op.1-3 ブレイク/カイ・スクラッブ編: ウォーキング・イン・ジ・エアー『スノーマン』から 伝承曲/ライネ・アムプヤ編:コヴェントリー・キャロル グルーバー/ヤルッコ・キーシ編:聖しこの夜 ルター:高き天より |
ヨウコ・ハルヤンネ(Tp) ペトリ・ユンナ指揮 ポホヤ・ミリタリーバンド | |
トランペットとウィンドバンドのための新しい編曲によるクリスマスのキャロル。北欧を代表するトランペット奏者、1984年からフィンランド放送so.のソロ奏者を務めるヨウコ・ハルヤンネ(1962-)がペトリ・ユンナ指揮ポホヤ・ミリタリーバンドと共演する。 | ||
セッポ・ポホヨラ(1965-):2つの室内オペラ 室内オペラ「クロゼット」(2004)/室内オペラ「わが最愛の人」(2005)(*) シルッカ・パルヴィアイネン(S) ペッカ・クイヴァライネン(T) ペトリ・プッシラ(B) ユッカ・ウーシタロ(Fl) パイヴィ・キルヤラ(Cl) テルヒ・パルダニウス(Vn) ロイ・ルオッティネン(Vc) ヤリ・ヒエッカペルト(P) エイヤ・ラルサネン(S;*) ペッカ・ハーティ(Br;*) ミッコ・ルオマ(アコーディオン;*) トゥオマス・ロウシ指揮 | ||
セッポ・ポホヨラの新作オペラ。休暇から戻るなり、それぞれの性的幻想を直視することを迫られる夫婦を描く「クロゼット」。作曲者ポホヨラの祖父母が第2 次世界大戦中に交わした手紙を基にテクストが書かれた「わが最愛の人」。子どものためのオペラ「アラビアうさぎ」(ABCD-228) と似た小編成のアンサンブルによる室内オペラ。 | ||
トイヴォ・クーラ(1883-1918):作品集 交響的伝説曲「農奴の息子」Op.14 (1910) (バリトン、ソプラノ、合唱と管弦楽のための)/ 不死の望みOp.15 (1910) (バリトン、合唱と管弦楽のための)/ 結婚行進曲Op.3b-2(管弦楽のための)/ 舟歌Op.21-2 (1912)(混声合唱のための)/ 海の歌Op.11-2 (1909)(混声合唱のための)/ りんごの木Op.11-1 (1908)(混声合唱のための)/ 朝の歌Op.2-3(管弦楽のための) |
ユハ・ウーシタロ(B) タイナ・ピーラ(S) レイフ・セーゲルスタム指揮 ティモ・ヌオランネ合唱指揮 タンペレpo.&cho. | |
トイヴォ・クーラの作品集。詩人エイノ・レイノの詩をテクストに独唱と合唱と管弦楽のために作曲された「農奴の息子」と「不死の望み」。『カンテレタル』の詩をテクストとする「舟歌」などアカペラ混声合唱のための3曲。クーラのもっとも知られたピアノ曲「結婚行進曲」と歌曲「朝の歌」の管弦楽編曲。演奏されることの少なかった作品に人気曲を加えたアルバム。セーゲルスタムをサポートする合唱指揮のティモ・ヌオランネは、フィンランド放送室内合唱団を指揮してラウタヴァーラの合唱曲などを録音。現在はタンペレ・フィルハーモニック合唱団の指揮者を務めている。 | ||
エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928-): オルガンのための作品集 お告げ (1976-77)(オルガン、金管五重奏と シンフォニック・ウィンドオーケストラのための協奏曲)/ 讃歌 (1998)(トランペットとオルガンのための)/ オルガンのためのトッカータ[第1版/第2版]/ ラウダティオ・トリニターティス (1969) 結婚行進曲/ Ta tou theou (1967) |
ヤン・レヘトラ(Org) トウコ・ルンデル(Tp) エリアス・セッパラ指揮 衛兵バンド | |
ラウタヴァーラは交響曲と管弦楽曲とオペラの作曲家として知られる一方、器楽のための音楽も多く手がけている。これまでにラウタヴァーラが作曲したオルガンを含む作品をすべて集めたディスク。オルガン、金管五重奏とシンフォニック・ウィンドオーケストラのための協奏曲「お告げ」は、カリ・ユッシラがセーゲルスタム指揮ヘルシンキpo.と共演した録音(ODE-869、「光の天使」( 交響曲第7番) とカップリングに次ぐ録音。「トッカータ」の第2 版は、初めて録音された。 | ||
ルイジ・ボッケリーニ:チェロ・ソナタ集 チェロと通奏低音のためのソナタ ハ長調 G6/ チェロ・ソナタ [ハ短調 G2/イ長調 G4/イ長調 G13/変ロ長調 G565] |
ユッカ・ラウタサロ(Vc) ユッシ・セッパネン(Vc) | |
ボッケリーニの書いたおびただしい数のチェロ・ソナタから5曲。ユッカ・ラウタサロはシベリウス・アカデミーのマスタークラスの卒業。アヴァンティ!室内o.で演奏し、1996年からはフィンランド放送so.の第3 首席チェリストを務めバロックチェロとヴィオラダガンバの奏者、指揮者としても活動している。 | ||
モーツァルト:アリアと序曲 「コジ・ファン・トゥッテ」K588 より [序曲/アリア「岩のように動かずに」]/ 「イドメネオ」K366 より [序曲/レチタティーヴォとアリア「いつになったら」]/ 「ルーチョ・シッラ」K135 序曲/ アリア「わが感謝をうけたまえ、やさしき保護者よ」K383/ 「皇帝ティートの慈悲」K621 序曲/ 「フィガロの結婚」K492〜レチタティーヴォとアリア 「スザンナは来ないかしら…楽しい思い出はどこへ」/ 「魔笛」 K620 序曲/ レチタティーヴォとアリア「うるわしのわが恋人よ、 さようなら…とどまって、いとしき人よ」 K528 |
ヘレナ・ユントゥネン(S) ドミートリー・ スロボデニオウク指揮 オウルso. | |
2006年-2007年ウィーンのシーズンを「魔笛」のパミーナ役から始めたユントゥネンは、フィンランドを代表する若手歌手のひとり。シベリウス・アカデミーの出身。アニタ・ヴァルッキ、ジェフリー・ゴールドバーグ、レナータ・スコット、ハルトムート・ヘルに師事した。フィンランド、イタリア、アメリカ、ベルギーなどの舞台でこれまで歌った役は、「ランスへの旅」のコルテーゼ夫人、「ファウスト」のマルガレーテ、「アラベラ」のズデンカ、「ヴォツェック」のマリー、「トゥーランドット」のリュー、「ボエーム」のミミとムゼッタ、「ばらの騎士」のソフィー、「リゴレット」のジルダ。オスモ・ヴァンスカとミネソタso.が録音したベートーヴェンの交響曲第9番にも参加した。2009 フィンランドと日本の外交関係開設90 周年記念コンサートに出演予定。 | ||
タンゴ〜北のタンゴ、南のタンゴ Caminito/Sur/La vida pequeña/Quedémonos aquí/ Las sombras del desamor (Siks oon mä suruinen)/ Sattumaako/Quéate por siempre(Liljankukka)/ Carmín y overol/Uno/Chilquilín de Bachín/Volver/Valsecito amigo マルティン・アルバラード(Vo) オトラ・ベス・クインテット [マッティ・エークマン(バンドネオン) マルクス・エルグランド(G) アンティ・ヘールマン(Vn) トニ・エルグランド(Cb) マッティ・ラウッカネン(P)] | ||
フィンランドの人たちの愛するタンゴ。ロック歌手からタンゴ歌手に転身、フィンランドで成功を収めたアルゼンチンのマルティン・アルバラードがタンペレのタンゴグループ、オトラ・ベス・クインテットと共演。ピアソラ、ホアン・デ・ディオス・フィリベルト、トイヴォ・カルキをはじめとする「北と南」のタンゴ・クラシックを歌う。 | ||
ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008):天空の光 Op.63(1984-85)
メルヤ・ヴィルッカラ(S) アンシ・ヒルヴォネン(T) リトヴァ・タルヴィティエ(ヨウヒッコ) 民俗楽器オーケストラ 中央オストロボスニア室内cho.、カウスティネン児童cho. ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
録音:1999年12月4日-5日、民俗芸術センター、カウスティネンホール、フィンランド、ライヴ。制作:ラウラ・ヘイキンヘイモ、録音:アンティ・リンタマキ。 ペール・ヘンリク・ノルドグレンの「天空の光」は、フィンランド音楽のなかでも異彩を放つ作品のひとつに挙げられる。『カレワラ』出版150周年を記念する作品としてカウスティネン文化委員会から委嘱を受けたノルドグレンは、『カレワラ』にも描かれた創造と太陽の解放の物語を題材に、「導入部」「夜と昼の鳥」「月を呑みこんだ者の追放」「地底の国マナラ深く、悪の力が光を隠す」「太陽と月と星の解放」の5つの部分からなる作品を完成させた。オーケストレーションは独創的。2組の弦楽五重奏、木管五重奏、2組の打楽器、チェンバロ、ピアノという編成のオーケストラ、児童合唱と混声合唱、ソプラノとテノールの独唱、さらにフィンランドの太古の響きと色を求め、5つの5弦カンテレ、3つの36弦カンテレ、2つの山羊の角笛、葦笛、牧童笛、うなり板、打奏板、シャーマンドラム、ヨウヒッコ(2-4弦の弓形竪琴)による民俗楽器オーケストラが加えられた。フィンランド伝統の楽器が使われた背景には、技術の専門化した現代社会と、技巧に走り、学究的になりすぎた現代音楽への抗議がこめらているといわれる。「夜と昼の鳥」と「太陽と月と星の解放」に合唱と独唱が加わり、『カレワラ』によらない独自のテクストを歌う。初演は1985年2月3日のカウスティネン室内音楽週間。コッコラo.とカウスティネンの音楽家のアンサンブルをヨルマ・パヌラが指揮した。この作品が1999年に演奏された際に第3部分として追加された、歌手(T)ヨウヒッコとサンプリングテープのための「間奏曲-天体の宇宙ダンス」が最後のトラックに収録されている。 | ||
メンデルスゾーン: ロンド・カプリッチョーゾ ホ長調Op.14 ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調Op.31-2「テンペスト」 ユホ・ミエッティネン(1978-):インスマスの影(2005) リスト(アウグスト・ストラダール編):ハムレット ショパン:バラード第1番 ト短調Op.23/ 練習曲 ハ短調Op.10-12「革命」 |
リスト=マッティ・マリン(P) | |
チェルニーの「フィガロ幻想曲」などを弾いた「ピアノ・トランスクリプションの芸術」(ABCD-240)の芸術的、技巧的な内容が高く評価されたフィンランドのピアニスト、リスト=マッティ・マリン(1976-)。新しいアルバムのテーマは「ことばのない物語」。ロマンティックで中世的雰囲気をもった19世紀から今日までのピアノ曲が集められた。フィンランドのユホ・ミエッティネンの「インスマスの影」は、怪奇的・幻想的な作品で知られるアメリカの作家H.P.ラヴクラフトの同名の短編小説からインスピレーションを得た作品。マサチューセッツ州の海辺の村インスマスに棲息する、半分人間で半分魚と蛙を交配させたような生き物を描いた物語。メンデルスゾーン、ベートーヴェンの「テンペスト」、ストラダール編曲のリスト、そしてショパンのバラードと「革命」。「ストーリーテラー」と言われるマリンは、どんな音楽を聴かせるのだろう。 | ||
私の歌を〜レーヴィ・マデトヤ(1887-1947):混声合唱のための作品集 全き生活 Op.72-1/深き淵より Op.56/6つの抒情的な歌 Op.13/一輪の花/幸福/川よ、おまえの面は暗く/青ざめた月/ 私の歌を誰が叱るだろうか/森の王に/国民の情景 Op.30a/墓の歌/牛飼いの少女/南ポホヤンマーの歌(1918)/ 3つの魂の歌 Op.30b/トゥオニの舟/われは何も求めず/いと高きところに/希望と夢 Op.50/子守歌/永遠の炎/春の夢/ わが故郷/糸杉の門/3つの民謡 Op.57/夏の夜わたしは森をとおり/ああ、早く夕闇が訪れてくれれば/ 炉から眠りが語りかける/4つのクリスマスキャロル/日々の苦労を忘れ Op.20b-5/天使のキャロル(1932)/ クリスマスの伝言(1946)/馬屋に生まれ(1947)/2つのオネルヴァの歌 Op.82/こだまをゆりかごに入れ/古い修道院 カイサ・ランタ(S) トゥオマス・プルシオ(B) ハンヌ・ノルヤネン指揮タピオラ室内cho. | ||
哀しくメランコリックな気分はフィンランド的、優雅で洗練された味わいはフランス的。後期ロマンティシズム作曲家、レーヴィ・マデトヤの音楽は20世紀フィンランドでも際立った魅力をもっている。男声合唱曲集とともに彼の声楽作品中で重要な位置をしめながら混声合唱のための作品は、もっとも愛されているキャロルの一曲「日々の苦労を忘れ」など数曲をのぞき、録音の数が限られていた。この新録音でタピオラ室内合唱団は、マデトヤが混声合唱のために書いた音楽の半数にあたる曲を歌っている。マデトヤの作品と生涯を語る64ページのブックレット(英語、フィンランド語)をCDと一緒にスリップケースに収めたアルバム。 | ||
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集 [ト長調 Hob.VIIA; 4/イ長調 Hob.VIIA; 3/ ハ長調 Hob.VIIA; 1] |
エリナ・ヴァハラ(Vn) ヴィルトゥオージ・ディ・クフモ | |
エリナ・ヴァハラはアメリカ生まれ。フィンランドで育ち、シベリウス・アカデミーでトゥオマス・ハーパネンに学んでディプロマを取得した。レパートリーはバロックから今日の音楽まで。彼女とピアニストのラルフ・ゴトーニのために作曲されたアウリス・サッリネンの室内協奏曲とカーティス・カーティス=スミスの二重協奏曲を初演、ジョン・コリリアーノの「レッド・ヴァイオリン」のスカンディナヴィア初演にも起用された。フィンランド文化基金から貸与された1678年製ストラディヴァリを弾いている。 | ||
キルモ・リンティネン(1967-):室内楽作品集 フルート、クラリネット、ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための五重奏曲 「マーチアリアラグ [Marche Air Rag] 」[サグロス・アンサンブル]/ 2つのカンテレのための「水」(2002) [エイヤ・カンカーンランタ、メルヴィ・ユリ=ヴァイニオ(カンテレ)]/ チェロとピアノのための「 Col 2 」(1997) [ユッカ・ラウタサロ(Vc) キルモ・リンティネン(P)]/ オーボエ(コールアングレ)、クラリネットとピアノのための三重奏曲 「カノン風の会談」(2006) [カタヤ三重奏団〔高島拓哉(Ob/コールアングレ) ヘンナ・ヤムサ(Cl) アンティ・カイホラ(P)〕]/ サクソフォン、チェロとピアノのための三重奏曲(2001) [カイ・ルスケエーパー(アルトSax) マルクス・ホホティ(Vc) キルモ・リンティネン(P)]/ 2人のヴォーカルと器楽のためのマドリガーレ・コンチェルターと(代理店記載ママ) 「ダヴィデとバテシバ」(2001) [トゥーリ・リンデベリ(S) トピ・レヘティプー(T) キルモ・リンティネン指揮バターリャ]/ 弦楽オーケストラのための「スナヂグミ」(2006) [ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o.] | ||
1997年シベリウス・アカデミー卒業。ピアノを弾き、UMOジャズオーケストラの指揮者を務め、ジャズミュージシャンとして名をなしたキルモ・リンティネンは、クラシカル音楽の作曲家としても活躍している。似たようなキャリアをもつユッカ・リンコラの音楽と同様、リンティネンの作品にはジャズ音楽家としての経歴が生かされており、純粋にクラシカルの分野を歩んできた若い作曲家たちの音楽とは風合いが異なっている。 | ||
フィンランドの音楽 ロベルト・カヤヌス(1856-1933):古風な組曲 ヘ長調/ 子守歌(親のない子の子守歌;*) ラウリ・サイッコラ(1906-1995): トリパルティータ(*)/弦楽のための音楽 アルマス・ラウニス(1884-1959): ヴァイオリンと弦楽のための北欧組曲(*) |
ミケル市o. (聖ミカエル弦楽o.) エルッキ・パロラ(リーダー) | |
(*)は初録音。 シベリウスの友人、フィンランドをテーマとする作品を書きながら、もっぱら指揮者として知られたロベルト・カヤヌス。ネオクラシカルな要素とナショナル・ロマンティシズムのスタイルを融合させ、10曲の交響曲を残したラウリ・サイッコラ。8つのオペラを作曲したものの「七人の兄弟」(1913)と「クッレルヴォ」(1917)の2作品だけが存命中に上演され、2004年にヘルシンキでコンサート形式で上演された「アスラク・ヘッタ」(1922-30)(ODE-1050)によって再評価の動きがみられるアルマス・ラウニス。フィンランド音楽史に名を残しながら顧みられることの少なかった作曲家たちの作品をミケル市o.(聖ミカエル弦楽o.)が録音した。 | ||
アベニュー〜フィンランド・サクソフォン名作集 ペルトッゥ・ハーパネン(1972-):アリア〜サクソフォンとエレクトロニクスのための(2003) ヤルモ・セルミラ(1939-):瞑想 2〜アルトサクソフォンとテープのための(1978) カレヴィ・アホ(1949-): フルート、アルトサクソフォン、ギターと打楽器のための四重奏曲(1982) サンポ・ハーパマキ(1979-):アベニュー〜サクソフォンとピアノのための(2000) キルモ・リンティネン(1967-):4つのカプリッチョ〜サクソフォン四重奏のための(2002-04) オリヴァー・コーレンベルク(1957-):O vos Felices Op.66 〜アルトサクソフォン、打楽器とエレクトリックギターのための(2005) オッリ=ペッカ・トゥオミサロ(Sax) リスト=マッティ・マリン(P) リネア(Linea) アカデミック・サクソフォン四重奏団 オスマ・アンサンブル | ||
フィンランドのクラシカル・サクソフォン音楽の振興に努めるオッリ=ペッカ・トゥオミサロの「Complete Finnish Saxophone Music」シリーズの1枚。 カレヴィ・アホの四重奏曲は、フルート、アルトサクソフォン、ギターと打楽器という大きく異なった個性をもつ4つの楽器のコミュニケーションを探る音楽。クラスター・アンサンブル(ミカエル・ヘラスヴオ、ペッカ・サヴィヨキ、ユッカ・サヴィヨキ、パウリ・ハマライネン)がアムステルダムで初演した。カウスティネン室内楽週間がジョン=エドワード・ケリーのためサンポ・ハーパマキに委嘱した「アベニュー」。コーレンベルクの「O vos Felices」は、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの同名のレスポンソリウムに基づく作品。2006年のタンペレ・ビエンナーレでオスマ・アンサンブルが初演、トゥオミサロとハッリ・レヘティネンに献呈された。 | ||
ロシアのトランペット セルゲイ・ボロチン(1912-1994): ロマンティック・エチュード/ バレエ「タラス・ブーリバ」の幻想曲/エレジー ショスタコーヴィチ: バレエ「お嬢さんとならず者(街角の天使)」より 序曲/ダンス/ 映画「馬あぶ」のロマンス/ダンス/ガヴォット/ ワルツ/エレジー/機械人形 スクリャービン:前奏曲 ラフマニノフ:ああ、私の畑よ シチェドリン:アルベニスのスタイルで プロコフィエフ:メロディ Op.35-2 ヴラディーミル・ペスキン(1906-1988): ポエム第1番/前奏曲第1番 ラフマニノフ:ロマンス チャイコフスキー:セレナード/ロマンス/ワルツ バラキレフ:グルジアの歌 |
ヨウコ・ハルヤンネ(Tp) カリ・ハンニネン(P) | |
トランペット・ソナタ名作集 ヒンデミット:トランペットソナタ(1939) エリック・イーワゼン(1954-): トランペットソナタ(1995) ジェイムズ・M.スティーヴンソン三世(1969-): トランペットソナタ(2001) カール・ピルス(1902-1979): トランペットソナタ(1935) |
ヨウコ・ハルヤンネ(Tp) カリ・ハンニネン(P) | |
トラッンペット・ラプソディ(代理店記載ママ) アレクサンドル・アルチュニアン (ウエノ・タカシ編): トランペット協奏曲 変イ長調Op.94 (トランペットとウィンドバンドのための版) ユッカ・リンコラ(ラッセル・ペソラ編): トランペット協奏曲第2番 (トランペットとウィンドバンドのための版) アレクサンドル・アルチュニアン: トランペットとウィンドのためのラプソディ ユッカ・リンコラ(エリアス・セッパラ編): トランペット協奏曲第1番 (トランペットとウィンドバンドのための版) |
ヨウコ・ハルヤンネ(Tp) エリアス・セッパラ指揮 サミ・ハンヌラ指揮 衛兵バンド | |
ハルヤンネの新アルバムはアルチュニャンの曲名がタイトル。アルチュニアンの2曲とともに、ジャズミュージシャンとして知られるユッカ・リンコラがハルヤンネのために書いた2つのトランペット協奏曲が演奏されている。スカンディナヴィア・ブラスシンポジウム委嘱の第1番とリエクサ・ブラスウィーク委嘱の第2番(ABCD-108)。いずれもソロのヴィルトゥオーゾ性を際立たせながら、新しい感覚のリズムとメロディで聴き手を楽しませるフレンドリーな作品。ハルヤンネによる再録音は、オリジナルの管弦楽(第2番は弦楽オーケストラ)版ではなく、ウィンドバンドと共演するために編曲版。共演は、リンコラ作品集「Sisu」(ABCD-161)と現代フィンランド・ウィンドオーケストラ作品集「Ghosts」(ABCD-170)の衛兵バンド。 | ||
センプリーチェ デュオ・インプロヴィゼーション I (Duo Improvisation I)/センプリーチェ (Semplice)/ ナルシス (Narcis)/アンビエンス (Ambience)/デュオ・インプロヴィゼーション II (Duo Improvisation II)/ パーツ (Parts)/デュオ・インプロヴィゼーション III (Duo Improvisation III)/ Low Expectations/デュオ・インプロヴィゼーション IV (Duo Improvisation IV)/ Colors In Orval/デュオ・インプロヴィゼーション V (Duo Improvisation V) アキ・リッサネン(P) ロビン・ヴァーヘイエン(Sax) | ||
アメリカのジャズ・サックス奏者、ロビン・ヴァーヘイエンとフィンランドのピアニスト、アキ・リッサネンの即興セッション。 | ||
機械仕掛けのナイチンゲール ラウリ・プラッカ編曲:導入のメドレー ラウリ・プラッカ編曲:伝承曲〜 蜘蛛、ピーポラのおじいちゃん、モニカおばちゃん レオポルト・モーツァルト:おもちゃの交響曲 ラウリ・プラッカ編曲:小さくてかわいいメドレー カイ・シュデニウス(ラウリ・プラッカ編): マグダレーナ ヤン・ユーハンソン(ラウリ・プラッカ編): 長靴下のピッピ クロード・ドビュッシー:子供の領分〜 「小さな羊飼い」/「ゴリウォグのケークウォーク」 ペッカ・ヤルカネン:音楽物語「ナイチンゲール」 (H.C.アンデルセンによる) |
ラウリ・プラッカ指揮 オストロボスニア室内o. シニッカ・ソッカ(Vo/語り) | |
録音:2008年5月14日-16日、民俗芸術センター(カウスティネン、フィンランド)。制作:ラウラ・ヘイキンヘイモ、録音:エンノ・マエメツ、朗読:フィンランド語(対訳なし)。 今日の音楽から古典時代の音楽まで数多くの録音で知られ、2008年まで音楽監督を務めた創立者のユハ・カンガスとともに日本ツアーも行ったオストロボスニア室内o.が、子どもたちのためのアルバムを録音した。どこかで耳にしたことのあるメロディを指揮者のラウリ・プラッカが編曲した導入のメドレーに始まり、「おもちゃの交響曲」、ドビュッシーの「子供の領分」からの2曲、そしてメインプログラムがH.C.アンデルセンを題材にペッカ・ヤルカネンが作曲した音楽物語「ナイチンゲール」。中国の皇帝と森のナイチンゲールの話をフィンランドの女優シニッカ・ソッカが音楽とともに、やさしく語って聞かせる。 | ||
天使〜De Angelis ヒルデガルト・フォン・ビンゲン: おお、いと気高き緑よ クレタ島のメソメデス(二世紀):太陽賛歌 「あかつきの光の父」(c.130)(太陽神の賛歌) シリア聖歌(四世紀):小さな鳩(器楽) モサラベ聖歌(六世紀-七世紀):もし私が天に昇ると 改宗者オバデヤ(十二世紀): モーセのほかにホレブの山に登った者は(器楽) スペインのセファルディ・ユダヤ人(十二世紀): わたしの鳩よ アムブロシア聖歌(六世紀):いと高き天より ヒルデガルト・フォン・ビンゲン: 聖霊は生の源の生/おお、なんじ天使らよ ヤン・ヤコブ・ヴァン・エイク: イギリスのナイチンゲール スウェーデン・コラール本(1697年):祝福された日 イタリア伝承曲(十四世紀): トリスターノの嘆き/ラ・ロッタ ヴァルター・フォン・デル・フォーゲルヴァイデ: 菩提樹の下に 『ピエ・カンツィオーネス』(1582年): われは異教徒の地に立ち フィンランド民謡:すずめの賛美歌 フィンランド伝承のバラード:聖カトリーナの伝説 イングリア民謡:はるか遠くに カレリアの哀悼歌:愛する人の埋葬の賛美歌 |
アンネリーナ・コスキネン (S/C-Fl/葦笛/鐘/ ロリマン笛/テナーレベック/ シンフォニア/ケルトハープ/ 5弦カンテレ) | |
録音:2008年7月、コウヴォラ、フィンランド。 ソプラノ歌手アンネリーナ・コスキネンは1993年、アーリーミュージック全般をカバーするプログラムのコンサートでシベリウス・アカデミーの音楽修士課程を修了。中世のさまざまな楽器の研究も行い、その後の演奏活動に活かしてきた。紀元二世紀、クレタ島の音楽家メソメデスの「太陽賛歌」、四世紀シリアの聖歌、グレゴリオ聖歌の成立以前にスペインで歌われたモサラベ聖歌、六世紀のアムブロシア(アンブロジア)聖歌、吟遊詩人ヴァルター・フォン・デル・フォーゲルヴァイデの愛の歌、ヒルデガルトの歌曲、フィンランドとスウェーデンの宗教歌。 | ||
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988 | アーポ・ハッキネン (Cemb) | |
シベリウス・アカデミー出身のチェンバロ奏者、アーポ・ハッキネン(1976-)の「ゴルトベルク変奏曲」。ハッキネンがウィリアム・バード " ヴァージナル曲集" (ABCD-148)とフレスコバルディ " チェンバロ作品集" (ABCD-178)に次いで録音したハイドンの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」(クラヴィコード版)(ABCD-251)も欧米で高い評価を受けた。「ゴルトベルク変奏曲」は、彼がスウェーリンク音楽院で師事したボブ・ファン・アスペレンとメンノ・ファン・デルフト、パリで教わったピエール・アンタイも録音した作品。 | ||
ナジ・ハキム(1955-):水仙(弦楽のための)/ オルガンと弦楽のための協奏曲第1番/ グレゴリオのスケッチ(オルガンのための) [Nos autem(主イエズス・キリストの 十字架のほかに、わたしたちは)/ Ave maris stella(めでたし海の星)/ Pater noster(天にまするわれらの父よ)/ Ave verum(めでたし、まことのおからだよ)/ O filii et filiae(おのこよ、おみなよ)]/ オルガンと弦楽のための協奏曲第3番 |
ヤン・レヘトラ(Org) ミケル市o. (聖ミカエル弦楽オーケストラ) ペトリ・コムライネン指揮 | |
録音:2008年10月29日-11月2日、ユヴァ教会(ユヴァ、フィンランド)、ユヴァ教会のパーシェン・オルガン(2002年)。 ナジ・ハキム。1955年ベイルートのビジネスマン家庭の生まれ。ピアノとオルガンを学び、ラヴェルとドビュッシーとプーランクが若いナジのアイドルだったと言われる。カトリック教徒だった一家は1975年のレバノン内戦を前にフランスに移住。ナジは、エンジニアになる訓練を受けた後、パリ音楽院に入学し、ジャン・ラングレの下でオルガンを学ぶことになった。さまざまな科目のディプロマとともに音楽院を卒業した後、サクレクール寺院のオルガニストを経て、1993年にはオリヴィエ・メシアンの後を継いでサントトリニテ教会のオルガニストに就任し、2008年までこの職を務めた。現在、ブローニュ・ビランクール地区国立音楽院(パリ)の音楽分析教授、ロンドンの王立音楽アカデミーの客員教授。2007年にはローマ教皇ベネディクトゥス十六世からを授与されている。ハキムは作曲者として、オルガンをはじめとする器楽作品、声楽作品、管弦楽作品を発表してきた。彼の作品には、かつてアイドルだったフランスの巨匠たち、そしてストラヴィンスキーとガーシュウィンの音楽が影響を与えていると言われる。新しい Albaのアルバムで演奏される「復活祭の花」と2曲の「オルガンと弦楽のための協奏曲」は、このジャンルの代表作に挙げられる作品。 オルガニストのヤン・レヘトラはシベリウス・アカデミー出身。今日の作曲家たちと積極的な共同作業を行い、多数の作品を初演。2003年には第1回国際ナジ・ハキム・フェスティヴァルのヘルシンキ開催の実現に努めた。サン=サーンスのオルガン作品集(ABCD-225)、バッハ・トランスクリプション集(ABCD-233)、ピアノとオルガンのための作品集(ABCD-255)、ラウタヴァーラ作品集(ABCD-265)、オスカル・メリカント作品集(ODE-973)などを録音。楽器とレジスターの選定、様式を踏まえた解釈に見られるセンスのよさに賛辞が呈されてきた。 | ||
サカリ・オラモの母、リーサ・ポホヨラ(P)〜1969年-2004年 録音選集 ストラヴィンスキー:ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ(*) ドビュッシー:練習曲集 より Nos.1, 7, 8, 11 / シューマン:幻想小曲集 Op.12 より[夜に/寓話/歌の終わり] シベリウス:6つのフィンランド民謡編曲 / エルッキ・サルメンハーラ:コカブ [Kocab] (1973) シベリウス:劇付随音楽「ベルシャザールの饗宴」組曲 Op.51〜「夜想曲」(#) ショパン:夜想曲 嬰ハ短調 Op.27-1 / プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第5番 ハ長調 Op.38, 135 メリカント:6つのピアノの小品 Op.20 / シベリウス:10の小品 Op.24 より[ロマンス 変ニ長調/舟歌] ハイドン:ピアノ・ソナタ第22番 ホ長調 HobXVI; 22 / リゲティ:ムジカ・リチェルカータ より Nos.7, 9, 10 アレンスキー:かっこう Op.34-2 / リムスキー=コルサコフ:ワルツOp.10-1 ルビンシテイン:ロマンス 変ホ長調 Op.44-1 / エーリク・ベリマン:3つの名のない舞曲 Op.13 ジョリヴェ:オンドマルトノとピアノのための3つの詩(1935)(+) メシアン:鳥のカタログ第4巻〜第7曲「ヨーロッパよしきり」 / メリライネン:ピアノ・ソナタ第2番(1966) エーリク・ベリマン:クリストファー・コロンブスへのオマージュOp.119 リーサ・ポホヨラ(P) サカリ・オラモ指揮フィンランド放送so.(*) オッリ・ポホヨラ(Fl;#) ジャンヌ・ロリオ(オンドマルトノ;+) | ||
録音:1969年-2004年、YLE(フィンランド放送)スタジオ/1999年2月24日、フィンランディアホール、ヘルシンキ(*)。 現代フィンランドを代表するピアニストのひとり、リーサ・ポホヨラ(1936-)。フィンランドの音楽一家ポホヨラ家の出身でフィンランドの俊英指揮者サカリ・オラモは彼女の息子。シベリウス・アカデミーでティモ・ミッキラ、ウィーンでリヒャルト・ハウザー、エッセンでデトレフ・クラウス、パリでマグダ・タリアフェロに学び、1955年にソロイストとしてデビューした。同時代の音楽の演奏者として名高く、エーリク・ベリマン、ウスコ・メリライネンを初めとするフィンランド作曲家の作品の初演が彼女に委ねられてきた。 このアルバムは、彼女のレパートリーを俯瞰するとともに、1972年、ヴィフリ・シベリウス賞を受けるメシアンに同行してヘルシンキを訪れたジャンヌ・ロリオ(1928-2001)と共演したジョリヴェの作品のように、彼女にとって懐かしい演奏も収録。フィンランド放送(YLE)のアーカイヴに保存された1969年から2004年の録音によるアンソロジーでフィンランド放送と Alba Records の共同制作。丁寧なマスタリングが施され、単なるドキュメンタリーにとどまらず、魅力あるピアニストの音楽を楽しめるアルバムとなっている。 | ||
ユッカ・ティエンスー(1948-): フルートまたはオーボエ、クラリネット、ヴァイオリン、チェロとキーボードのための「タンゴ・リュネール」(1985)/ チェロとエレクトロニクスのための「オッドジョッブ」(1995)/ クラリネット、アコーディオンとチェロのための「プラス IV 」(1992)/ ピアノのための「拍子のない前奏曲」(1976)/クラリネット、チェロとピアノのための「ビート」(1997)/ アコーディオンのための「鉱石」(2007)/アンサンブルのための「ルバート」(1975)/ ウォーキング・バスクラリネットのための回文「アステレツァ」(1999)/ クラリネット、チェロ、ピアノとテープのための「ベートーヴェンへのトンボー」(1980) プラス・アンサンブル [エルッキ・ラヘスマー(Vc) ミッコ・ルオマ(アコーディオン) クリストフェル・スンドクヴィスト(Cl)] ミカエル・ヘラスヴオ(Fl) ヤン・セーデルブルム(Vn) ユッカ・ティエンスー(P) | ||
「芸術作品を創った者ではなく、作品そのものが重要だ」と考え、妥協することなくモダニズムの道を進む作曲家、ユッカ・ティエンスーの作品集。プラス・アンサンブルは、チェロのラヘスマー、アコーディオンのルオマ、クラリネットのスンドクヴィストが、今日の音楽に光を当てることを主な目的に、2002年に結成した。ソロ、デュオ、トリオから七重奏まで、作品によって編成はさまざま。この作品集ではユッカ・ティエンスーがピアニスト、キーボード奏者を務めるほか、フルートのミカエル・ヘラスヴォとヴァイオリンのヤン・セーデルブルムがゲストミュージシャンとして参加している。 | ||
束の間の気分〜 ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): 交響曲第7番 Op.124(2003)/夏の音楽 Op.34(1977)/ 交響曲第8番 Op.140(2006) |
ユハ・カンガス指揮 トゥルクpo. | |
「天空の光」(ABCD-269)に次ぐペール・ヘンリク・ノルドグレン。トゥルク・フィルハーモニックの委嘱により作曲、ユハ・カンガスに献呈した交響曲第7番。2005年11月11日に60歳を迎えたカンガスに捧げた交響曲第8番。中央オストロボスニア音楽学校の委嘱による1976年の「ペリマンニの肖像」(ABCD-205) 以来つづいたノルドグレンとカンガスと友情の証しともいえる2作。「ふしぎな、束の間の気分にみちた最後の2つの交響曲。「第7番がこれまでの人生を遠く振り返る一方、第8番には境界を越えて彼岸を見据えるかのような時が二度ほどある」(カレヴィ・アホ)。ノルドグレンは、シベリウス、あるいは、ノルドグレンが学んだコッコネンの" 交響的思考" に倣わず、表現と叙述の論理に基づいて形式を決めている。彼の音楽のひとつの性格だろう。「夏の音楽」は、オストロボスニア室内o.の本拠地、カウスティネンの民俗音楽フェスティヴァル委嘱作。 | ||
ショパン(1810-1849): ポロネーズ第7番 変イ長調Op.61「幻想」/ バラード[第1番 ト短調Op.23/第2番 ヘ長調Op.38/ 第3番 変イ長調Op.47/第4番 ヘ短調Op.52]/ 幻想曲 ヘ短調Op.49 |
アンネ・カウッピ(P) | |
録音:2009年1月18日-19日、22日、クーサンコスキホール、フィンランド、ライヴ。制作:オット・ドンナー/録音:エサ・サントネン。 シベリウス・アカデミー出身のアンネ・カウッピ(1962-)は、1980年にデビューコンサートを行ったのち、ニューヨークのジュリアード音楽学校でアニア・ドーフマンとアデーレ・マーカスに学び、修士のディプロマを取得した。国内のオーケストラとの共演やソロコンサートを行いながら、ドイツとスウェーデン でも演奏している。「練習曲集」(ABCD-249) につづくショパン・アルバムは、4曲のバラードをメインにすえたプログラムをコンサート・ライヴで収録。ショパン生誕200年記念アルバム。 | ||
エジプトの女 ジャン=フィリップ・ラモー: クラヴサン曲集(第3組曲)〜ミューズたちの対話/ 新クラヴサン曲集(第4組曲)〜 [アルマンド/クーラント/サラバンド/三つの手/ ファンファリネット/勝ち誇った女/ ガヴォットの変奏]/ 新クラヴサン曲集(第5組曲)〜 [トリコテ/2つのメヌエット/雌鳥/三連音/ 未開人/エンハーモニック/エジプトの女] ジャン=アンリ・ダングルベール(1635-1691): フェートンのシャコンヌ/またはエジプト人/ エチオピア人とインド人の一団の踊り |
アッシ・ カルットゥネン(Cemb) | |
アッシ・カルットゥネンはシベリウス・アカデミーの出身。彼女は、コンチェルト・コペンハーゲン(CoCo)のリーダーとして来日したラース・ウルリク・モーテンセンと、フランスのピエール・アンタイにもチェンバロを学び、1995年から1996年にかけてヨーロッパ連合バロックo.にチェンバロとオルガンの奏者として参加した。グッドマン指揮によるJ.S.バッハの「マルコ受難曲」は、そのころの録音。ラモーの「新クラヴサン曲集」の2つの組曲をメインにすえたアルバムは、フローベルガーのチェンバロ作品集(ABCD-196)に次ぐ Albaのセカンドアルバム。 | ||
コン・スピリト〜ヴァイオリンとピアノのための作品集 エルガー:ヴァイオリン・ソナタ ホ長調 Op.82 プロコフィエフ: ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 Op.94b シベリウス:ユモレスク第4番 ト短調 Op.89b/ ユモレスク第6番 ト短調 Op.89d リムスキー=コルサコフ/ジンバリスト編: 幻想曲「金鶏」 |
アンナ=リーサ・ ベズロドニー(Vn) イヴァリ・イルヤ(P) | |
ベズロドニー(1981-)はモスクワ生まれ。ヴァイオリニスト、指揮者、教授として名を知られた父イーゴリ・ベズロドニー、ヴァイオリニストで教授の母マリ・タンペレ=ベズロドニー。両親に倣い、アンナ=リーサは2歳でヴァイオリンを学び始めた。フィンランドとロンドンで教育を受け、各地のコンペティションに参加、1995年チェコのヤン・コチアン国際ヴァイオリン・コンペティションと1997年シベリウス・アカデミーのヴァイオリン・コンペティションで第1位、2006年にはギルドホール音楽演劇学校のゴールドメダルを獲得した。ヨーロッパ、日本、アメリカとツアーをつづけ、彼女のキャリアは今、始まったばかり。イヴァリ・イルヤはエストニアのタリン生まれ。モスクワ音楽院で学び、室内楽奏者、ソロイストとして世界各地で演奏活動を行っている。 | ||
心よ、砕けよ〜中世ドイツの愛の歌 ハンス・ザックス(1494-1576):よきキリスト者よ目覚めよ オスヴァルト・フォン・ヴォルケンシュタイン(1376/78-1445): 牧場の娘は冷たい朝露の中を/あなたはわたしの美しい心を選んだ/そこで輝くあなたは誰/ 心よ 砕けよ 復讐せよ見よ/心よりあなたを望みる/残酷な人生よ/歓呼の声をあげよう ヴァルター・フォン・デル・フォーゲルヴァイデ(c.1170-1230)/スヴェン・ベリエル編: 荒れ野の菩提樹の下で/ゲルハルト・アッツェ親方が私の馬を射た ヴィーツラフ・フォン・リューゲン(1265/68-1325):無学の私が憧れの歌を作った ナイトハルト・フォン・ロイエンタール(c.1180-1237/46):なにもない牧場しか見えなかった ザルツブルクの修道士(14世紀)/レイフ・カールソン編:楽しかった夜のことを思うと ハインリヒ・フォン・マイセン(1250-1318):アダムの手助けをしたのは誰だ 作者不詳(c.1460):「シェーデルの歌本」〜おお それは快く だが なお私は オリファント | ||
ウリ・コルホネン、エイラ・カールソン、レイフ・カールソンらが中世音楽アンサンブル、オリファントを結成したのは1995年。即興にもとづく、色彩ゆたかな演奏スタイルは、批評家に評価され、聴衆から愛されてきた。「十字軍の歌」(ABCD-152)、「ガース・ブリュレのシャンソン」(ABCD-182)、「汚れなき歓び-中世吟遊詩人の歌う宗教歌集」(ABCD-222)につづくアルバム。吟遊詩人たちの歌、「カルミナ・ブラーナ」「サンタ・マリアの頌歌」をはじめとする歌集から選ばれた歌が、さまざまな楽器の演奏とともに歌われる。 | ||
ショパン(1810-1849):チェロ・ソナタ ト短調Op.65 ラフマニノフ(1873-1943): チェロ・ソナタ ト短調Op.19/ ヴォカリーズ ホ短調Op.34-14 |
マルコ・ユロネン(Vc) アルト・サトゥカンガス(P) | |
録音:2009年3月28日-31日、タンペレ小ホール、フィンランド。制作:ラウラ・ヘイキンヘイモ/録音:マッティ・ヘイノネン。 ショパン・イヤーを記念する情趣あるアルバム。フィンランドのチェリスト、マルコ・ユロネン(1966-)は1996年、ニューヨークのコンサート・アーティスト・ギルド・コンペティションで第1位を獲得し、ソロイスト、室内楽奏者として活躍している。ピアニストのアルト・サトゥカンガスはシベリウス・アカデミーを卒業後、サンクトベテルブルク国立音楽院のヴラジーミル・ニルセンに学び、ジェルジ・シェベック、ドミートリー・バシュキーロフ、ニキタ・マガロフの夏期コースに参加した。2008年にフィンランドとドイツのツアーを行ったふたりの共演。 | ||
嘆き〜ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): 弦楽のための交響曲 Op.43 (1978) /弦楽のための協奏曲 Op.54 (1982) / 全世界が嘆くだろう Op.26b (弦楽オーケストラのための; rev.1974)/オーボエ協奏曲 Op.116 (2001) (#) アンニ・ハーパニエミ(Ob) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
録音:2008年12月1日-3日(無印)、2009年5月4日-5日(#)、スネルマン・ホール、コッコラ、フィンランド。2008年に亡くなった作曲家ペール・ヘンリク・ノルドグレンの遺産を紹介するシリーズ。ノルドグレンと緊密な関係を続けたオストロボスニア室内o.とユハ・カンガスによるアルバム「嘆き」では、悲しみの気分の濃い作品が4曲演奏された。「弦楽のための交響曲」は、管弦楽のための8曲の交響曲とは別に作曲された。この作品の2つの楽章、「悲歌の「エスプレシーヴォ」と弔いの音楽「アダージョ」」はノルドグレンの葬儀で演奏された。「全世界が嘆くだろう」は、1968年、既成秩序に反抗する学生たちが蜂起しフランス五月革命の年、ユハの父エイノ・カンガスの学生オケのために作曲された。曲の基になったのはフィンランドの古い賛美歌。1974年、弦楽オーケストラのために改訂され、ユハ・カンガスとオストロボスニア室内管が初演した。「オーボエ協奏曲」は、スウェーデンのオーボエ奏者ヤーレンの提案から生まれた「想像できるかぎりもっとも美しい楽器の組み合わせ」のオーボエと弦楽のための音楽を書きたいというノルドグレンの夢が実現した作品。ヤーレンから伝えられた新しいテクニックにインスピレーションを得たといわれる。タピオラ・シンフォニエッタのオーボエ奏者アンニ・ハーパニエミソロを務める。 | ||
星へ - TBB Live!〜カリ・コムッパ:作品集 Kohti korkeuksia [To the Stars] (星へ)/458 R.T./ Kontrasteja [Contrasts] (コントラスト)/ Tethys/Makumoka (わるい趣味)/Blues 26/アルデバラン/Saxlix ユハ・ウンタラ指揮タンペレ・ビッグ・バンド (TBB) ユッカ・エスコラ(Tp) マサ・オルパナ、ユッカ・ハンニネン、ペトリ・ニエミネン(Sax) ラウリ・ハンヌ(G) アキ・リッサネン(P) プロスペロー室内o. | ||
結成から21年経った2006年、古巣のタンペレ音楽院に戻ったタンペレ・ビッグバンド(TBB) が伝説とまで言われるジャズ作曲家、カリ・コムッパの作品を演奏したライヴ。 | ||
シマノフスキ(1882-1937):ピアノ作品集 Vol.1 9つの前奏曲 Op.1 /メトープ〜3つの詩 Op.29 / セイレーンの島/カリプソ/ナウシカー/ ピアノ・ソナタ第3番 Op.36 |
アヌ・ヴェヘヴィライネン(P) | |
ポーランドの作曲家、ピアニスト、カロル・シマノフスキ。ワーグナー、リヒャルト・シュトラウス、レーガー、スクリャービン、ドビュッシー、ラヴェル、ショパンの音楽から影響をうけ、また、ポーランドの民俗音楽からインスピレーションを得た作品を残した。Alba Recordsが始めるシマノフスキのピアノ作品シリーズ。起用されたのは、2000年春、ヘルシンキでデビュー・リサイタルを行ったアヌ・ヴェヘヴィライネン。彼女は、デビュー後、フィンランド国内のフェスティヴァルやフランス、エストニア、ポーランドのコンサートに出演。ポーランドのザコパネで行われたシマノフスキ・フェスティヴァルでも演奏している。ミケル市o.を初めとするオーケストラにソロイストとして客演。室内楽活動の一環として、室内楽アンサンブル、タンペレ・ローにも参加している。 | ||
シベリウス: ピアノのための内的風景 5つの特徴ある印象 Op.103/ 5つの小品「花の組曲」Op.85/ 5つのロマンティックな小品 Op.101/ 劇付随音楽「テンペスト」Op.109 より 〔情景/子守歌(*)/エピソード/間奏曲(*)/ ニンフの踊り〕(*; トゥイヤ・ハッキラ編曲)/ 5つのピアノの小品「樹の組曲」Op.75/ 5つのスケッチOp.114/2つのロンディーノOp.68/ 4手のためのアダージョ「わが愛するアイノに」(#) |
トゥイヤ・ハッキラ(P) ヘイニ・カルッカイネン(P;#) | |
トゥイヤ・ハッキラの新しいアルバム「ピアノのための内的風景」はシベリウスのピアノ作品集。ヤルヴェンパーの森とトゥースラ湖畔を散策した作曲者の " 内的風景" を映し出した作品群、「樹の組曲」「花の組曲」「5つのロマンティックな小品」「5つの特徴ある印象」。想像力と響きへの鋭い感覚が演奏者に求められる曲集。シベリウスの数多い劇付随音楽の最後の作品、1925年の「テンペスト」の音楽は、作曲者自身の編曲による3曲に加え、ハッキラの編曲した「子守歌」と「間奏曲」が録音された。1926年、シベリウスの " 交響的思考の結論" と言うべき交響曲第7番と交響詩の "究極 "、「タピオラ」の3年後の「5つのスケッチ」に描かれているのも作曲者の "内なる "自然の風景。「わが愛するアイノに」は4手のピアノのための小品。1931年8月、60歳を迎える妻アイノへの誕生日プレゼントとして作曲した、シベリウスの最後のピアノ曲。リーサ・ポホヨラとラルフ・ゴトーニに学んだヘイニ・カルッカイネンが共演している。 | ||
フィンランドのオルガン作品 アルマス・マーサロ(1885-1960):主題と変奏 Op.35(1936)/ソナタ ハ短調 Op.5(1915) ヴァイノ・ライティオ(1891-1945):カンツォネッタ(1935)/伝説曲 Op.20-1(c.1922-23) ヨン・グランルンド(1888-1962):パッサカリア(1915)/オルガン・ソナタ 変ロ短調(1917/1920?) ヴィッレ・ウルポネン(Org) | ||
19世紀フィンランドのオルガン曲は、そのほとんどが典礼目的で作曲された。芸術作品としてのオルガン曲が書かれるようになったのは1910年代の初頭。このアルバムでヴィッレ・ウルポネンが弾いているのは、1910年代から1940年代に作られた、音楽史的にも価値のある作品。主に宗教声楽曲で知られるアルマス・マーサロの今なおフィンランドのオルガン音楽を代表すると言われる「主題と変奏」。「音楽は色彩」と考えたヴァイノ・ライティオの2つの小品。ヨン・グランルンドの「パッサカリア」とオルガンソナタは、マーサロのソナタとともにこれが初めての録音。 | ||
スピーラ [Speira] ヴァンサン・ブショ(1966-): Sonatina Palimpsestica (2002) シド・ヒッレ(1961-):プロムナード(2008/09) イーリス・コソネン(1960-):Mariatyyri(2006) ペッカ・ヤルカネン(1945-):スピーラ(Speira)(2004) ハッリ・ヴェッスマン(1949-): フィンランディア(2003) |
デュオ・ドリュアデス [クリスティナ・クーシスト (バンドネオン) マリ・マンテュラ(10弦G)] | |
「10弦ギター」(ABCD-261)を録音したマリ・マンテュラがバンドネオン奏者のクリスティナ・クーシストのアンサンブル、デュオ・ドリュアデス。10弦ギターとバンドネオンのデュオの新しい魅力を探るため、2002年に結成された。それぞれスタイルの違う5人の作曲家たちが、このデュオのために書いた、人生のサイクルであったり、旅と出逢いであったり、"speira(輪)" を共通とする作品が演奏される。 | ||
タピオ・トゥオメラ(1958-):合唱曲集 子守歌と呪文(2000)(*)/アンティ・プーハーラの4つの歌(2008)(#)/ 紙上音楽(1990/2008)(+)/ロンド(1997)(**)/ フィンランド語のヴォカリーズ(1993)(##)/痛みを防ぐ呪文(2006)(++) カイサ・トゥップライネン(Perc;*) ヘイッキ・ニクラ(Cl/B−Cl;*) サーラ・ラウティオ(Hp;#) タピオ・トゥオメラ(サンプリング;##) エーリク=オーロフ・セーデルストレム指揮(*/##/++) ハンヌ・ノルヤネン指揮(**) ニルス・シュヴェケンディク指揮(#/+) フィンランド放送室内cho.(*/**/##)、ヘルシンキ室内cho.(#/+/++) | ||
フィンランドの作曲家タピオ・トゥオメラは、古来の民話とモダニズムの音楽の融合を図る試みをさまざまなジャンルの作品で行ってきた。2005年、フィンランド伝統の文学を現代の音楽に活かした功績によりカレワラ協会のカレワラ賞を獲得し、翌2006年には、フィンランド国立オペラの委嘱により作曲したオペラ「母と娘」(1998-99)が北欧音楽協議会の作曲賞にノミネートされた。エーリク=オーロフ・セーデルストレム、ニルス・シュヴェケンディク、ハンヌ・ノルヤネンの指揮によりフィンランド放送室内合唱団とヘルシンキ室内合唱団が録音したアルバム。フィンランドに伝わる民俗詩をテクストに使った、トゥオメラの代表的合唱曲集。 | ||
ディエゴ・オルティス(c.1510-c.1570):レセルカーダ(リチェルカーレ) 〔第1番「パッサメッツォ・アンティーゴ」/第2番「パッサメッツォ・モデルノ」/ 第4番「ガンバ」/第8番「ガンバ」/第5声部「ルッジェーロ」/ 第3番「パッサメッツォ・モデルノ」/第6番「ロマネスカ」/第7番「ロマネスカ」〕 クリストファー・シンプソン(c.1602-1669): 前奏曲 ニ長調/グラウンド ニ長調/前奏曲 イ短調/グラウンド イ短調/ 前奏曲 ト短調/グラウンド ト長調/前奏曲 ホ短調/グラウンド ホ短調 マラン・マレ(1656-1728):スペインのフォリア アントワーヌ・フォルクレ(c.1672-1745):シャコンヌ ミカ・スイヒコネン(ヴィオラ・ダ・ガンバ) バッロ・デッラ・バターリャ ゲスト:アンドルー・ローレンス=キング(Hp) | ||
16世紀から18世紀に生きた4人の音楽家のガンバ作品集。ヴィオール演奏に関する即興と装飾技法の最初の教本とされる「 Tratado deGlosas」(1553)を著したスペインの作曲家、音楽学者ディエゴ・オルティス。ヴィオールの独奏とアンサンブルの華麗な技巧曲を載せた本を発表したイギリスの音楽家、作曲家クリストファー・シンプソン。フランスの宮廷に仕えた、ヴィオラダガンバの名手ふたり、マラン・マレとアントワーヌ・フォルクレ。フィンランドの音楽祭やヨーロッパ各地のコンサートに出演してきたヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、ミカ・スイヒコネンとバッロ・デッラ・バターリャに、彼らと定期的に共演しているイギリスのハープ奏者ローレンス=キングが加わったアンサンブルによる録音。 | ||
スペインの色彩〜セビリャのカフェ エンリケ・グラナドス:昔風のスペインの歌曲集 より [トラ・ラ・ラとギターのつまびき/マハの流し目/町をぶらつく/あのいとしいマホ/ああ、私の命のマホ/控えめなマホ] ホアキン・ロドリーゴ:12のスペイン民謡 より[馬祭り/デ・ロンダ/アデーラ] フェデリコ・ガルシア・ロルカ:スペインの民謡と詩 より [四人のロバ追い/ソロンゴ/チニタのカフェ/ハエンのモーロ娘たち/18世紀のセビリャナ/ セビリャの子守歌/巡礼者たち/アンダ・ハレオ(さあ、暴れろ)] ホアキン・トゥーリナ:カンターレスOp.19-3 アラセリ・フェルナンデス(S) ハンヌ・シースコネン(G) | ||
スペインのソプラノ、フェルナンデスとフィンランドのギタリスト、シースコネンが共演。詩人、劇作家のガルシア・ロルカの「スペインの民謡と詩」から選んだ8曲をはじめとするスペインのクラシックとポピュラーの歌を演奏している。 | ||
リスト: ピアノ作品集 ポロネーズ第2番 ホ長調 S223/2/ 詩的で宗教的な調べS173〜孤独のなかの神の祝福/ スペイン・ラプソディ (スペインのフォリアとホタ・アラゴネーザ) S254/ 巡礼の年第3年S163〜エステ荘の噴水/ ドン・ジョヴァンニの回想 S418/ 愛の夢第3番 S541/3 |
アルト・サトゥカンガス(P) | |
フィンランドのピアニスト、アルト・サトゥカンガス(1962-)は1979年、ヘルシンキのマーイ・リンド・コンペティションで優勝、その8年後パリでデビューし、1991年から1992年にかけて日本ツアーを行った。アメリカデビューは1994年で、カーネギー・ホールのヴェイル・リサイタルホールでコンサートを行った。アメリカをふたたび訪れた2008年からスタインウェイ・アーティストを務めている。リストのピアノ作品集は、マルコ・ユロネンと共演したショパンとラフマニノフのチェロ・ソナタ(ABCD-293) に次ぐ録音。 | ||
ペッペ・ヤラヴァ・バンド〜Go to the Beach 盗賊の小屋/水面、ときどき水面下/鎖と門)/雨降り/お役人/のみの市で/昔のメーデーのポンポン/渚へ行け/ダイビング ペッペ・ヤラヴァ・バンド [ヤーコ・マルティカイネン(テナーSax/ソプラノSax) アンティ・ヘルマヤ(Tb) エルッキ・フオヴィネン(G/半音ハーモニカ) ミッコ・ムルタマキ(ベースギター/ベース) ペルッティ・ペッペ・ヤラヴァ(Dr/Kb/サウンドイフェクツ) トイシント、ティモ・レヘトヴァーラ(リーダー)] | ||
ジャズミュージシャンとしてスタートし、クラシカル音楽の作曲家として、「自由調性の、時としてネオロマンティックともいえるスタイル」(キンモ・コルホネン)の2つの交響曲や室内楽曲を書いたペルッティ・ヤラヴァ(1960-)。「聴き手が情緒的な体験をし、旅をし、言葉のない物語を読むことができるように」と語るヤラヴァが、みずからのバンドとともに、彼の音楽のライトな面を聴かせるアルバム。 | ||
トランスクリプションの芸術 Vol.2 サン=サーンス/リスト&ヴラディーミル・ホロヴィッツ編:死の舞踏 J.S.バッハ/アレクサンドル・ジロティ編: 管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV1068〜G線上のアリア ラフマノニノフ/アール・ワイルド編:ヴォカリーズOp.38-14 セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-): Licht im Licht(2007)(ブラームス「ハイドンの主題による変奏曲」による幻想曲) ベートーヴェン/リスト編:交響曲第5番 ハ短調 Op.67 リスト=マッティ・マリン(P) | ||
録音:聖ヨハネ教会 (ヘルシンキ)。 シベリウス・アカデミーの博士課程で「ピアノ・トランスクリプション」の演奏と論文に取り組むリスト=マッティ・マリン(1976-)が研究の一環として録音するシリーズ。チェルニー、タールベルク、J.S.バッハ、ベートーヴェン、ロナルド・スティーヴンソン、アレックス・フリーマン、リストを演奏した第1集(ABCD-240)につづき、「作曲者と演奏者、ふたつの顔をもつヴィルトゥオーゾたちが何を考えたか?」をさらに追求していく。 | ||
シャルル=マリー・ヴィドール(1844-1937):オルガン交響曲集 〔第3番 ホ長調 Op.13-3/第8番 ロ短調 Op.42-4〕 ヤン・レヘトラ(Org) | ||
使用オルガン:リヨン・聖フランソワ教会(フランス)、カヴェイエ=コル製作、1879年。 フィンランドのオルガニスト、レヘトラによる「歴史的オルガンと作曲家」シリーズ第2作。初期のスタイルを代表し、後年改訂された第3番。大規模で、高度な技術を求められる第8番。この録音にレヘトラは、ヴィドールが1838年から1889年にかけてオルガニストを務めたリヨンの聖フランソワ教会に1879年に設置されたオルガンを選んだ。この楽器を建造したアリスティード・カヴァイエ=コルは、ヴィドール家と交際があり、ヴィドールのブリュッセル留学を整えたことで知られるオルガン製作者。ヴィドールの作品は、オルガニストとオルガン製作者の協力が見事な結果をもたらした最良の例とも言われる。 | ||
アークティック・ヒステリア アトソ・アルミラ(1953-):木管五重奏曲第2番 「アークティック・ヒステリア」(2006) ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): 善きサマリア人 Op.141(2007) ヨーナス・コッコネン(1921-1996): フルート、オーボエ、クラリネット、ホルンと ファゴットのための五重奏曲(1973) ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): 木管五重奏曲第2番 Op.22(1975) |
アルクティネン・ ヒュステリア木管五重奏団 [マッティ・ナルヒンサロ(Fl) アンニ・ハーパニエミ(Ob) クリストフェル・ スンドクヴィスト(Cl) トンミ・ヒュッティネン(Hr) アン=ルイーズ・ヴェーガル(Fg)] | |
シベリウス・アカデミーで室内楽を学び、フィンランドでは数少ない常設の木管五重奏団として活動している、北極圏のエスキモー社会にみられるという不思議な行動「アークティック・ヒステリア」 をグループ名とする団体による、フィンランドの作曲家3人、アトソ・アルミラ、ノルドグレン、コッコネンの木管五重奏曲集。アルミラの木管五重奏曲第2番「アークティック・ヒステリア」は、2006年のクルーセル音楽週間で彼らが初演した。 | ||
ペール・ヘンリク・ ノルドグレン(1944-2008):弦楽四重奏曲集 [第10番 Op.142「ショスタコーヴィチへの 最後のオマージュ」(2007)/ 第11番 Op.144(2008)] |
テンペラSQ [ラウラ・ヴィークマン、 シルヴァ・コスケラ(Vn) ティーラ・カンガス(Va) ウッラ・ランペラ(Vc)] | |
ノルドグレンの最後の弦楽四重奏曲2曲を、シベリウスの弦楽四重奏曲全曲(BIS-1903/05)で名を挙げたテンペラ四重奏団が録音。『いずれも彼女らの四重奏団に献呈された作品』とのこと 第10番は2008年1月のカウスティネン室内楽フェスティヴァルで、第11番は同年7月25日のクフモ室内楽フェスティヴァルでそれぞれ初演された。第11番の最終楽章「後奏曲、ピエトーゾ」には、調和のうちに生を終えたいという作曲家の願いがこめられており、この初演がノルドグレンの臨んだ最後のコンサートになった。1ヶ月後の8月25日、ノルドグレンは64歳の生涯を閉じている。 | ||
「誓います」〜フィンランドの結婚の音楽 オスカル・メリカント:婚礼の賛美歌 / クーラ/レヘトラ編曲:結婚行進曲 メラルティン/レヘトラ編曲:祝祭行進曲 / スノーレ:クルーヌピューの結婚行進曲(*) ヤルネフェルト:婚礼の音楽(*) / ホンギスト:結婚行進曲(*)/婚礼の音楽(*) リンヤマ:婚礼の音楽(*)/花嫁の音楽(*)/結婚序曲/婚礼の音楽(*) ペール・ヘンリク・ノルドグレン:結婚行進曲(*) / コッコネン:婚礼の音楽 カレヴィ・アホ:結婚行進曲1(*)/結婚行進曲2(*) / アルミラ:婚礼の音楽Op.13 No.2/後奏曲 Op.13 No.3 ヘイニオ:序曲と到着(*)/出発(*) / ルオラヤン=ミッコラ:結婚行進曲(*) リーモラ:結婚行進曲(*)/前奏曲(*)/ファンタジア(*) / ティッカ:退出の結婚行進曲(*) リンヤマ:結婚行進曲/婚礼の音楽/婚礼の音楽 / トゥオメラ:結婚行進曲 (e-b-e) (*) ラウタヴァーラ:結婚行進曲 / ネヴォンマー:結婚行進曲(*) / ティカンマキ:結婚式1&2 グスタフソン:祝祭音楽 / ノルドストレム:結婚行進曲(*) / ヴィドイェスコーグ:結婚行進曲(*) ミエッティネン:結婚行進曲(*) / レヘトラ:トッカータ(*) / アルミラ:婚礼の音楽(*) コルテカンガス:ハンナとユッシの婚礼の音楽 / カレヴィ・アホ:婚礼の音楽(*) セッポ・ポホヨラ:結婚行進曲(*) / ヴァイニオ:イントラーダ(*) ルオッティネン:思いやり(男の言葉で言えば)(*) / カイパイネン:真実を喜ぶ Op.80 (*) ヤン・レヘトラ(Org) | ||
(*)は世界初録音。「歴史的オルガンと作曲家」シリーズを録音したオルガニスト、ヤン・レヘトラ(1972-)が弾く、結婚式のためのフィンランド伝統の曲と新しい曲のコレクション。これだけ結婚関係の音楽を集めたアルバムは珍しく、ジューン・ブライドの時期に最適なプレゼント。 | ||
ニーノ・ロータ(1911-1979): ピアノ協奏曲 ホ短調「去りし日の小世界」(1978)/ ピアノ協奏曲 ハ長調(1959-60) |
ヤンネ・メルタネン(P) ハンヌ・リントゥ指揮 タンペレpo. | |
フィンランドのピアニスト、ヤンネ・メルタネンの新録音はニーノ・ロータの2曲のピアノ協奏曲。ロータはイタリアのミラノ生まれ。オレフィーチェ、ピツェッティ、アルフレード・カセッラに作曲を学び、作曲家と指揮者として活躍した。とりわけ映画音楽の作曲者としての知名度が高く、『道』『カビリアの夜』をはじめとする一連のフェッリーニ作品、ルネ・クレマンの『太陽がいっぱい』、ヴィスコンティの『山猫』、ゼッフィレッリの『ロメオとジュリエット』、フランシス・フォード・コッポラの『ゴッドファーザー』、アガサ・クリスティー原作による『ナイル殺人事件』などのスコアにより映画史にその名が刻まれた。オペラ、バレエ、管弦楽曲、室内楽曲とジャンルは幅広く、ロータが第二次世界大戦の前後に書いた管弦楽作品は今も各国のオーケストラにより演奏されている。ミケランジェリに献呈された ハ長調の協奏曲。フェッリーニの映画の音楽、あるいはアルレッキーノやプルチネッラの登場するコンメディア・デッラルテのイメージを連想させる、きらきらと輝く万華鏡にも似たショーピースと言われる。ラフマニノフ、シューマン、グリーグ、ラヴェルの音楽を垣間見せ、チャーミングで洗練されたピアノパートに魅力があるとされる、「去りし日の小世界」の副題をもつ ホ短調はロータの最後の作品。 メルタネン(1967-)はショパンの音楽を社交のサロンから解き放った4枚のショパン・アルバム、ショパン・ピアノ作品集(ABCD-138)、夜想曲集(ABCD-160、ABCD-190)、ピアノ協奏曲第1番・第2番(ABCD-247)と、彼の弾くショパンに共感した作曲者が演奏を許可したという初期作品を含むコッコネン・ピアノ作品集(ABCD-127)、サティ・ピアノ曲集(ABCD-115)には静かな人気がある。 | ||
ビーバー:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ 〔イ長調/ハ短調/ニ長調〕/ ヴァイオリンと通奏低音のための幻想曲 ニ長調 ムファット:オルガンのためのトッカータ〔第2番/第7番〕/ オルガンのためのパッサカリア ト短調 ペトリ・タピオ・マトソン(バロックVn) マルック・マキネン(Org) エーロ・パルヴィアイネン(アーチリュート) | ||
ビーバーとムファットの作品を交互に配列した曲順(上記は収録順ではありません)。 1670年代から1680年代のほぼ同じ時代にザルツブルク大司教の宮廷楽団に仕え、バロック時代を彩ったふたりの作曲家、北ボヘミアのヴァルテンベルク(現チェコ、ストラーシュ・ポド・ラルスケム)出身のビーバーとサヴォイア公国(現フランス、ムジェーヴ)生まれのムファット。ビーバーがドイツ音楽に徹したのに対し、ムファットはさまざまな音楽に関心を抱き、17世紀のドイツ語圏ではもっともコスモポリタンな音楽家のひとりとみなされた。ビーバーのヴィルトゥオーゾ書法のソナタに対して、ムファット流のヴィルトゥオジティは、やわらかい美しさ。それぞれヴァイオリンとオルガンのヴィルトゥオーゾとして知られながら、音楽の性格は異なる。この<ヴィルトゥオーゾ対決>をバーチャルに再現してみせるのはフィンランドの気鋭の古楽奏者。 | ||
変化はやってくる ヨアヒム・ベルンハルト・ハーゲン(1720-1787)/ ペトリ・クメラ編曲:ロカテッリの主題による変奏曲 J.S.バッハ/ペトリ・クメラ編曲: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV1004〜シャコンヌ フェルナンド・ソル:幻想曲第2番 Op.7 ニコラス・モー(1835-2009):ミュージック・オブ・メモリー ロッタ・ヴェンナコスキ(1970-):Balai (2009) / ジョン・ダウランド:別れ ペトリ・クメラ(G) | ||
フィンランドでもっとも多才のギタリストのひとり、ペトリ・クメラ。コンサートやC.P.E.バッハのトランスクリプション集(ABCD-244)で国際的にも知られるようになった。16世紀から今日まで、それぞれの世紀を代表するギターのための変奏曲を演奏するアルバム、「変化はやってくる」。ひとつの時代から次の時代へ、さまざまに変化するスタイルと多様なハーモニーの景色。現代の音楽に献身的に取り組むクメラがどういう世界を示してくれるのか、興味のもたれるアルバム。 | ||
LEVITATION〔空中浮揚〕 ペーテル・エトヴェシュ(1944-):2つのクラリネット、アコーディオンと弦楽のための「空中浮揚」(2007) (*) カール・ニルセン(1865-1931):クラリネット協奏曲 FS129 Op.57 (1928) (#) アウリス・サッリネン(1935-):クラリネット、ヴィオラと室内管弦楽のための協奏曲 Op.91 (2006-07) (+) クリストフェル・スンドクヴィスト(Cl) クッレルヴォ・コヨ(Cl;*) ヤニ・ニーニマキ(スネアドラム;#) トンミ・アールト(Va;+) ハンヌ・リントゥ指揮(*/#) オッコ・カム指揮(+) フィンランド放送so. | ||
録音:2009年10月8日-9日(+)、2010年2月11日-13日(#)、5月6日-7日(*)、文化の家、ヘルシンキ。制作:ラウラ・ヘイキンヘイモ、録音:ヤリ・ランタカウリオ。フィンランド放送so.の首席クラリネット奏者を務めるクリストフェル・スンドクヴィスト(1978-)はスウェーデン系のフィンランド人。シベリウス・アカデミーのアンナ=マイヤ・コルシマーとバーゼル音楽アカデミーのフランソワ・バンダの下で学び、2004年クルーセル・クラリネット・コンペティションで第1位を獲得。翌2005年にフィンランド放送so.の首席奏者に就任した。そしてフィンランド放送so.をハンヌ・リントゥとオッコ・カムが指揮。興の乗った演奏と色彩鮮やかな録音が、スタイルも気分も異なる3つの協奏曲を楽しませてくれるアルバム。 収録されているのは3曲のクラリネット協奏曲。「空中浮揚」は、ハンガリーのペーテル・エトヴェシュがザビーネとヴォルフガングのマイヤー兄妹のために書いた4楽章の作品。第3楽章と終楽章にそれぞれ「舟歌」「ペトルーシュカの復活」の副題がつけられている。 ニルセンのクラリネット協奏曲は、先に木管五重奏曲(1922)を献呈したコペンハーゲン木管五重奏団のメンバーのために彼がフルートの作品につづいて書いた協奏曲。クラリネットを担当していたオーエ・オクセンヴェズの技巧と音楽と性格を念頭に置いて作曲され、「オクセンヴェズの肖像画」とみなされている。 アウリス・サッリネンの「クラリネット、ヴィオラと室内管弦楽のための協奏曲」はフィンランド放送の委嘱を受けて作曲された。バルト海に迷い込んだイルカの母子を悼む「イルカの嘆き」、サッリネンがテレマンの「2つのヴィオラのための協奏曲」のために書いたカデンツァが織り込まれた「遊び」、闘牛に対する疑問と憤りの「雄牛のアダージョ」の3楽章。「動物の権利を献身的に擁護したフランスの女優ブリジット・バルドーの精神を手本にした」と作曲者は語っている。スンドクヴィストとトンミ・アールトが、オストロボスニア室内o.の2007年-2008年のシーズン、創設35周年記念ンサートで初演した。 | ||
美しきナポリ フランチェスコ・マンチーニ:リコーダーと通奏低音のためのソナタ第4番 イ短調 ドメニコ・スカルラッティ: ソプラノと通奏低音のためのカンタータ「お願いニーチェ、逃げないで」/ ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 K91 ジュゼッペ・ポルシーレ:ソプラノ、リコーダーと通奏低音のためのカンタータ「すでに三度なれば」 ニコラ・ポルポラ:チェロと通奏低音のためのソナタ ヘ長調 アレッサンドロ・スカルラッティ: ソプラノ、ヴァイオリン、リコーダー、チェロと通奏低音のためのカンタータ「あの至福の静けさ」 バッカーノ[トゥーリ・リンデベリ(S) ハンナ・ハーパマキ(リコーダー) メルヴィ・キンナリネン(バロックVn) ユッシ・セッパネン(バロックVc) エーロ・パルヴィアイネン(リュート/バロックG) マルック・マキネン(Cemb)] | ||
「美しきナポリ」。みずから音楽をたしなみ、音楽を愛した貴族の庇護の下、音楽史上もっとも美しい花を咲かせた時代のひとつ、17世紀と18世紀のナポリにおける器楽曲とソプラノのためのソロ・カンタータを、フィンランドを代表するピリオド楽器奏者の参加するアンサンブル、バッカーノが録音。2003年の結成。以来、メンバーは、アンサンブルとして、あるいは個々に、フィンランド各地の音楽祭に参加。ほかのピリオド楽器アンサンブルと共同でヨーロッパ・ツアーも行っている。 | ||
アルフレッド・コルデリンへのオマージュ [Hommage à Alfred Kordelin] テオドール・デュボワ(1837-1924):葬送の行列 シベリウス:フリーメイソンの儀式音楽Op.113(1927年初稿) オスカル・メリカント/オシアン・フォーストレム編曲: ロマンス(ホルンとオルガンのための) タネリ・クーシスト(1905-1988):間奏曲 Op.18-1 エドゥアルド・アードルフ・トート(1839-1872): アンダンテ・レリジョーゾOp.10(ホルンとオルガンのための) アーレ・メリカント(1893-1958):間奏曲(初稿 1939) ゲーオー・ヘーベア(1872-1950):アンダンテ(ホルンとオルガンのための) ヴァイノ・ライティオ(1891-1945):間奏曲 アウグスト・シェールリング(1842-1919):パストラーレ(ホルンとオルガンのための) ナジ・ハキム(1955-):表現 / テオドール・デュボワ:天国にて ヤン・レヘトラ(Org) ペトリ・コムラネン(Hr) | ||
録音:2010年5月17日-18日、コルデリン礼拝堂(ラウマ、フィンランド)。使用楽器:コルデリン礼拝堂(ラウマ、フィンランド)のカンガサラ・オルガン(1921年製)。なお、フランスの作曲家 Théodore Dubois が、すべて『テドル・デュボワ』という謎の名前になっていたが、上記では訂正済。 フィンランドのオルガニスト、ヤン・レヘトラの「歴史的オルガンと作曲家」シリーズ第3作。選ばれたオルガンは、フィンランド西海岸の町ラウマにあるアルフレッド・コルデリンの墓地礼拝堂に設置されたカンガサラ・オルガン。 コルデリンはラウマ生まれの大実業家で慈善家。フィンランドが独立した1917年に没した。翌1918年、彼に遺志と遺言により基金が設立され、科学、文学、芸術、公教育への貢献に対して奨学金と名誉賞が贈られることになった。奨学金の授与が始まったのは1921年。1923年には最初の名誉賞がシベリウスに贈られた。芸術の分野ではロベルト・カヤヌス、ウーノ・クラミをはじめとする作曲家が奨学金を与えられ、メリライネン、ラウタヴァーラ、カレヴィ・アホ、パーヴォ・ヘイニネンが名誉賞を受賞してきた。1921年、基金はコルデリン礼拝堂を建立、堂内にカンガサラ製作の小型オルガンが設置された。ラウマ神学校の講師、献堂式でデュボワの「葬送の行列」を演奏したマルッティ・ヘラは、「あらゆる点で第一級の礼拝堂オルガンだ。おそらく、北欧の墓地礼拝堂に設置されたオルガンではこれに匹敵するものはないだろう」と日記に記した。このアルバムのためにレヘトラは、基金ゆかりの作曲家による作品とともに、この小さな楽器の美点の活かされる曲を選んだ。シベリウスの「フリーメイソンの儀式音楽」の8曲は1927年の初稿、男声合唱をともなわない版が演奏される。ラハティso.の副首席ホルン奏者、ペトリ・コムラネンが4つの曲でレヘトラと共演している。 | ||
サクソフォン・ロマンス ユーリウス・ヤコブセン:ワルツ・スケルツァンド デューク・エリントン/ビリー・ストレイホーン:スタークロスト・ラヴァーズ ジョージ・ド・ゴジンスキー:ロマンティックな小品 / リッカルド・ドリゴ:ブリエッタ・ワルツ ビリー・ストレイホーン:チェルシー・ブリッジ / アーサー・ボーンシャイン:抒情的な幻影 ギュンター・バハナー:ヘカトン / デューク・エリントン:プレリュード・トゥ・ア・キス エルンスト・フィッシャー:夕陽の微かな光のなかに / グスタフ・リントナー:ヴァルス・カプリース デューク・エリントン/ジョン・ハール、ジョン・レネハン編:サルトリー・サンセット オッリ=ペッカ・トゥオミサロ(Sax) トゥオミサロのオーケストラ | ||
オッリ=ペッカ・トゥオミサロ(1970-)は、シベリウス・アカデミーのペッカ・サヴィヨキに下で学び、現在、アカデミーの博士課程で研究をつづけながら、サクソフォン奏者として国内外で積極的な演奏活動を行っている。現代フィンランドの作品を集めた「アベニュー」(ABCD-275)につづく、このアルバム「サクソフォン・ロマンス」では、一転、親しみやすい音楽を中心とするプログラムを演奏している。デューク・エリントン作の3曲は、彼らしい上品かつ官能的な少しけだるい美しいメロディー満載の名曲。「スタークロスト・ラヴァーズ」は村上春樹の小説「国境の南、太陽の西」にも登場する曲で、“幸薄き恋人たち " というタイトル通り寂しく悲しい曲でサックスの甘く切ない音色にピッタリの作品。トゥオミサロのオーケストラに参加するのはフィンランド音楽界のフロンティアで活躍するプレイヤーたち。エリントンの曲では、ピアノのリスト=マッティ・マリン、ベースのヴェサ・オヤニエミ、ドラムズのミッコ・アルリンのトリオが、トゥオミサロと一緒にスウィングする。 | ||
ジャン=フィリップ・ラモー:コンセール・クラヴサン曲集(1741) [コンセール第1番/コンセール第2番/コンセール第3番/コンセール第4番/コンセール第5番] アーポ・ハッキネン(Cemb) ペトリ・タピオ・マトソン(Vn) ミッコ・ペルコラ(Gamb) | ||
バロック期のフランスで最も高雅な音楽を書いたひとり、ジャン=フィリップ・ラモーが残した唯一の室内楽作品、5組のコンセールからなる「アンサンブルのための」クラヴサン曲集。この曲集は彼が舞台のための音楽を手がける以前に作曲した「クラヴサン曲集」3巻や「新クラヴサン曲集」を「懐かしい想いとともに振りかえるような」(シルヴィ・ブイッスー)趣をもち、オペラの作曲を重ねながら到達した円熟したスタイルを反映する作品群とみなされている。イタリアのトリオソナタと異なりチェンバロがソロ楽器として魅力をいっぱいに振りまく「コンセール」の音楽。この新しい録音でチェンバロを弾くのは、アーポ・ハッキネン(1976-)。ヴァイオリンのペトリ・タピオ・マトソンは、フィンランド・バロックo.コンサートマスター(1999-2006)を経て、2009年2月からバロックアンサンブル、オーパスX Opus Xの芸術監督。ヴィオラダガンバを弾くミッコ・ペルコラは、シベリウス・アカデミーとハーグの王立音楽院で学んだ後、異なる分野のアーティストと積極的な創作活動を行っている。今日のフィンランドでもっとも才能のあるバロック音楽家の集まったアンサンブル。 | ||
ヴェリ=マッティ・プーマラ(1965-):管弦楽のための作品集 チェインスプリングズ(1995/1997)/時の種子(2004)(ピアノと管弦楽のための協奏曲) ローランド・ペンティネン(P) ハンヌ・リントゥ指揮タンペレpo. | ||
ヴェリ=マッティ・プーマラは、1990年代フィンランドに現れたもっとも重要な作曲家のひとりに挙げられる。「ベートーヴェンからシュトックハウゼンを経て未来へとつながる太い線。それをモダニズムと言うなら、私はモダニストだ。ここにはかならず何か新しい発見があると信じたい」と語ったプーマラ。同じくヘイニネンに教わったサーリアホやマグヌス・リンドベリが、国際的に名を知られるにつれ伝統的、ネオロマンティックなスタイルに傾斜していったのに対し、プーマラは、みずからの信じる道を歩みつづけている。大編成の管弦楽のために書かれ、音の「色彩」によって楽器を配列する「チェインスプリングズ」。「時の種子」は、ハンヌ・リントゥの提案から生まれた「ピアノと管弦楽のための協奏曲」。ヘルシングボリso.、オウルso.、シェランso.、スタヴァンゲルso.が共同で委嘱。ローランド・ペンティネン、スサンナ・マルッキ、リントゥのために作曲された。フィンランド作曲家著作権協会 Teosto の主宰する "Teosto Prize" の2005年受賞作。 | ||
エーロ・ハメーンニエミ(1951-): 歌曲集「赤い大地と降りそそぐ雨」(2008)(*)/歌曲集「鳥と風」(1993-94)(#) ボンベイ・ジャヤシュリ(Vo;*) プーングラム・スブラマニアム(ムリダンガム;*) S.カールティック(ガタム;*) ミンナ・ペンソラ(Vn;*) ヘイッキ・ニクラ(バスCl;*) ラウラ・レイスマ(S;#) ユッカ・ランタマキ(Vn;#) ラリマッティ・プネルプロ(Vc;#) ヨン・ストゥールゴールズ指揮アヴァンティ!室内o. | ||
2曲とも世界初録音。 ハメーンニエミはフィンランドの若い作曲家たちが作ったグループ「耳を開け!」の初代会長を務め、その後、モダニズムを捨て、伝統的なネオエクスプレッショニスト様式に転向。1990年代の初めからは、インド古典音楽の要素を取り入れた音楽語法による作品を発表するようになった。 「鳥と風」は、その時代の代表的作品のひとつ。「誕生と死の5つの歌」の副題をもち、フィンランドの民俗詩と古代インドの詩をグレゴリー・ウォーレン=ウィルソンが英訳したテクストをソプラノが弦楽5部の共演で歌い、2人のインド踊り手が加わるステージで演奏される。ヨエンスー・フェスティヴァルの委嘱により、1993年から1994年にかけて作曲された。 歌曲集「赤い大地と降りそそぐ雨」は、南インドの古典音楽、カルナータカ(カルナティック)音楽を代表する女性歌手のひとり、ボンベイ・ジャヤシュリのために作曲された作品。タミル語の詩集「Kuruntokai」から選んだ5つの愛の詩をハメーンニエミ自身が翻訳したテクスト。ソロヴォーカル、管弦楽、ヴァイオリン・ソロ、バスクラリネット・ソロ、ムリダンガム(南インドの両面太鼓)、ガタム(壺)の編成。ムリダンガムのプーングラム・スブラマニアムとガタムのS.カールティックによる即興演奏の織り込まれる音楽。今日の音楽からタンゴまで、あらゆるジャンルに素晴らしい演奏を聴かせる室内オーケストラ、アヴァンティ!をヘルシンキ・フィルハーモニックの首席指揮者、ヨン・ストゥールゴールズ(1963-)が指揮した。 | ||
スペイン・リサイタル [Recital Español] ホアキン・トゥーリナ:ファンダンギーリョOp.36 (1925) マヌエル・デ・ファリャ:クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための賛歌 (1920) ホアキン・トゥーリナ:タレガを讃えて Op.69 (1932) フェデリコ・モレノ・トロバ:夜想曲 (1926) ホアキン・トゥーリナ:セビリャ幻想曲 Op.29 (1923) ルイス・デ・ミラン:「巨匠と題されたビウエラ曲集」より ファンタシア〔第8番/第9番/第12番〕/パヴァーヌ〔第4番/第6番〕 フランシスコ・タレガ:前奏曲第1番/アラビア・カプリッチョ/前奏曲第7番/ アラールの華麗なる練習曲/前奏曲第2番 オスモ・パルム(G) | ||
ギター音楽の豊かな歴史からスペインの3つの時代を代表する作品をフィンランドのギタリスト、パルムが弾いた「スペインのリサイタル」。16世紀、ルイス・デ・ミランが、15世紀から16世紀ごろイベリア半島で演奏された、ギターに似た楽器、ビウエラ・ダ・マーノのための曲を集めて出版した「巨匠と題されたビウエラ曲集」(1536)から「ファンタシア」と「パヴァーヌ」。19世紀、ギターの音色と技巧を革新的に発展させ芸術音楽の楽器としての人気と地位をもたらしたタレガの作品から、ジャン=デルファン・アラールがヴァイオリンのために書いた「練習曲」を編曲した「アラールの華麗なる練習曲」と前奏曲。20世紀、ファリャがフランスの音色の巨匠の死を悼んで作曲したハバネラのリズムによる「賛歌」、サルスエラの名匠、トローバがギターのために作曲した印象主義風の「夜想曲」、トゥーリナの作品。 オスモ・パルムは、シベリウス・アカデミーでティモ・コルホネンとユッカ・サヴィヨキに師事し、修士号を得た後、パリでオリヴィエ・シャサンに学んだ。2002年ウィーンのギター・フォーラムなど各地のコンペティションを経てギター奏者として活動を始め、国際的にも知られる写真家ハンヌ・ハウタラとの共同作業やフルート奏者のトンミ・コイヴニエミとのデュオも行っている。 | ||
ペール・ヘンリク・ノルドグレン追悼 ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): サクソフォン四重奏、弦楽オーケストラとゴングのための協奏曲 Op.108(2000) アルヴォ・ペルト(1935-):フラトレス(室内オーケストラのための) (Version A) (1977/1980/2007) アウスケトル・マウッソン(1953-):クウォトレイン(サクソフォン四重奏と弦楽のための)(2005) カレヴィ・アホ(1949-):ペール・ヘンリク・ノルドグレン追悼(ヴァイオリン独奏のための)(2009) ラッシャー・サクソフォン四重奏団 [クリスティーネ・ラル(ソプラノSax) エリオット・ライリー(アルトSax) ブルース・ワインバーガー(テナーSax) ケネス・クーン(バリトンSax)] ヨン・ストゥールゴールズ(Vn)指揮ラップランド室内o. | ||
2008年に亡くなったフィンランドの作曲家ペール・ヘンリク・ノルドグレンを追悼するアルバム。ドイツ生まれ、アメリカのサクソフォン奏者ジーグルト・ラーシェール(1907-2001)が娘カリーナ(カーリン)と1969年に創設したラッシャー・サクソフォン四重奏団(ラーシェール・サクソフォン四重奏団)のためにノルドグレンが作曲した「サクソフォン四重奏、弦楽オーケストラとゴングのための協奏曲」。ペトリ・サカリとラッシャー・サクソフォン四重奏団の提案によりアイスランド国営放送の作曲家基金がアウスケトル・マウッソンに委嘱、素材のひとつをアイスランド伝承のバラード「アウサの詩」に求め、4人のサクソフォン奏者のソロとカデンツァが散りばめられた「クウォトレイン」。1996年からラップランド室内o.の芸術監督を務める指揮者、ヴァイオリニストのヨン・ストゥールゴールズが、2009年11月15日、シウンティオで初演したカレヴィ・アホの「ペール・ヘンリク・ノルドグレン追悼」。そして、エストニア生まれ、オーストリアの作曲家ペルトの代表作「フラトレス」の室内オーケストラ版が演奏される。 | ||
ラースロ・シュレ(1955-):銀色の孤独 Dripstone Music/Moon's Silver Solitude/Pikaia/Linear Soundscape/ Cave Drawings/Walking with Bach/The Island of Kirke ペンティ・ラハティ(木管楽器) ラースロ・シュレ(P) スカルバンティアSQ ゾルターン・タカーチ、ラウラ・コッコ(Vn) マックス・サヴィカンガス(Va) リーカ・ランピネン(Vc) ハンヌ・ランタネン(ベース) | ||
録音:2010年、アラビア・スタジオ(ヘルシンキ)。制作:ラースロ・シュレ、録音:ヤンネ・ヴィクステーン。ハンガリー生まれ、ジャズとコンテンポラリーミュージックのピアニスト、作曲家としてフィンランドで活躍するラースロ・シュレの新作。クラシカル音楽とジャズの融合を図り、木管楽器、ベース、ピアノと弦楽四重奏の即興を自由に組み入れた音楽としている。2ヶ月という短い期間に作曲された7曲は、それぞれに独立した表情をもちながら、テーマと感覚にひとつの流れのある「組曲」ともみなされる。 | ||
メンデルスゾーン(1809-1847): 6つのオルガンソナタOp.65 〔イ長調 Op.65-3/ニ短調 Op.65-6/ニ長調 Op.65-5/ ハ短調 Op.65-2/ヘ短調 Op.65-1/変ロ長調 Op.65-4〕 |
ヤン・レヘトラ(Org) | |
使用楽器:ウーシカウプンキ(フィンランド)の Marcussen &Sohn オルガン、1865年製。フィンランド、ラウマのコルデリン礼拝堂に設置されたカンガサラ・オルガンでシベリウスの「フリーメイソンの儀式音楽」を含むプログラムを演奏した「アルフレッド・コルデリンへのオマージュ」(ABCD-316)に次ぐヤン・レヘトラ(1972-)の「歴史的オルガンと作曲家」シリーズ。第4作では、クラリネットのための3つの協奏曲で知られる作曲家クルーセル(1775-1838)の生まれた、フィンランド西部、ウーシカウプンキ(スウェーデン語名:ニュスタードNystad)の町にあるMarcussen &Sohn オルガン(1865年製)を弾き、メンデルスゾーンのオルガン作品群の要、ソナタ(作品65)の全6曲を録音した。1845年の出版。ピアノで試演したローベルト・シューマンが、「強烈なほど詩的な」と作曲者に宛てて書き、「B-A-C-H の名による6つフーガ」(1845)を作曲する刺激になったとも言われる音楽。 | ||
ペーテリス・ヴァスクス(1946-):オルガン作品集 テ・デウム(1991)/ヴィアトーレ(さすらい人)(2001)/カント・ディ・フォルツァ(2006)/ ムジカ・セリア(1998 rev.2008)/カントゥス・アド・パーチェム(1984) トゥオマス・ピュルホネン(Org) | ||
録音:2010年4月30日-5月2日、リガ大聖堂、リガ(ラトヴィア)。使用楽器:ヴァルケル製。制作:ハッリ・ケルコ、録音:エンノ・マエメツ。バルト三国、ラトヴィアを代表する作曲家のひとり、ペーテリス・ヴァスクスが、もっとも表現力のある楽器と考えているというオルガンのための作品集。「テ・デウム」は、ソビエト連邦から独立したラトヴィアへの賛歌。ヴァスクスが大きな影響を受けたというアルヴォ・ペルトに捧げた「ヴィアトーレ(さすらい人)」とベルリン・フィルハーモニーの12人のチェリストのために書いた「カント・ディ・フォルツァ」は、それぞれ弦楽オーケストラとチェロアンサンブルのための曲を作曲者自身がオルガン用に編曲した。不安をかきたてるような半音階の音楽に特徴があり、トーンクラスターも用いられた「ムジカ・セリア」は、ヴァスクスの音楽の実験的な側面を代表する作品。オルガンのための協奏曲「カントゥス・アド・パーチェム」は、壮大な音楽タペストリー。ラトヴィアの首都リガの大聖堂に設置されたヴァルケル・オルガンは1884年1月に落成。ストップ数124、4段鍵盤、2組のペダルボード、総パイプ数6,718本の大オルガンは、落成時の姿のまま今に伝わる。トゥオマス・ピュルホネンはシベリウス・アカデミーで教会音楽の修士号を取得、2002年からヨエンスー教区の上級教会音楽家を務め、2010年の秋からはアカデミーの博士課程に学んでいる。 | ||
伝説2〜トイヴォ・クーラ(1883-1918):作品集 海の賛歌 Op.11 No.2(マデトヤ編)/祝祭行進曲「ラプア行進曲」Op.5(合唱と金管アンサンブル版)/ こだまを揺らす Op.11 No.6 /弔いの歌 Op.11 No.5 /祝祭カンタータ「イソキュロ・カンタータ」(1904) / わが子をトゥオネラに Op.11 No.4 /調べ Op.29b No.1 /ヌイヤミエスト行進曲 Op.28 No.4a / 祝祭行進曲「ラプア行進曲」Op.5(合唱と管弦楽版) ティモ・レヘトヴァーラ合唱指揮カテドラリス・アボエンシスcho. エサ・ルートゥネン(Br) マルック・ヒエタハルユ(Org) パシ・ヘリン(P) ライネ・アンプヤ指揮衛兵金管アンサンブル、ペトリ・サカリ指揮トゥルクpo. | ||
初めて録音で紹介される曲が魅力のひとつ、トイヴォ・クーラの作品集「伝説」。第1集(ABCD-264)につづく2 作目のアルバムでは、トゥルクに本拠を置くカテドラリス・アボエンシス合唱団の歌を中心にプログラムが組まれた。この合唱団の創設は1982年。技術をもったアマチュア歌手を集め、フィンランドの旧都トゥルクの大聖堂にちなみ命名された。大聖堂の典礼に参加するほか、トゥルク・フィルと共演を重ね、フィンランド放送so.、ヘルシンキ・フィル、タピオラ・シンフォニエッタをはじめとするオーケストラのコンサートに出し、フランスのロレーヌ国立管とも共演。2008年秋に就任したティモ・レヘトヴァーラ(1965-)が音楽監督を務める。「伝説2」に収録された初録音曲は3曲。演奏がむずかしいことで悪名高い混声合唱のための原曲をマデトヤが混声合唱と管弦楽用に編曲した「海の賛歌」、フォシュマンの詩による「ものみな滅ぶ」と「詩編118番」をテクストとする「今日こそ主の御業の日」の2曲からなる「祝祭カンタータ」(作品番号なし)、そして「祝祭行進曲」。「ラプア行進曲」の別名をもつ「祝祭行進曲」は、合唱と金管アンサンブル、合唱と管弦楽の2つの版が演奏されている。 | ||
歴史的オルガンと作曲家 Vol.5〜ユーゲント=アール・ヌヴォー ・キュミ職業学校講堂(クーサンコスキ)のオルガン(1933年) シベリウス:イントラーダ Op.111a / フランス・リンナヴオリ(1880-1926):夕べの歌 トイヴォ・クーラ(1883-1918):オルガンのための小品 Op.16b/前奏曲/間奏曲 ヤン・レヘトラ(1972-):即興「シベリウスへのオマージュI」 ・ヴィサヴオリ(ヴァルケアコスキ)のオルガン(1905年) ヘイッキ・クレメッティ(1876-1953):小前奏曲 / セリム・パルムグレン(1878-1951):前奏曲〔第1番/第2番〕 スロ・サロネン(1899-1976):小前奏曲/パルティータ「あの夏の美しさ」 オスカル・メリカント(1868-1924):100のコラール前奏曲より 〔第22番 ホ短調/第44番 嬰ヘ短調/第63番 ニ短調/第77番 ト短調/第99番 ヘ短調/祈り〕 ・カレラ(ルオヴェシ)のオルガン(1850年-1860年?/1898年?) シベリウス:葬送音楽 Op.111b/即興曲 Op.5 / アルマス・マーサロ(1885-1960):エイノ・レイノ追悼 Op.26 No.2 ヤン・レヘトラ(1972-):即興「シベリウスへのオマージュII」 ・アモス・アンデション美術館(ヘルシンキ)のオルガン(1926年) アーレ・メリカント(1893-1958):アンダンテ / ヴァイノ・ライティオ(1891-1945):ガウデアムス ユハニ・ポホヤンミエス(1893-1959):アンダンテ・グラツィオーゾ / シベリウス:前奏曲(1925)/後奏曲(1925) ヤン・レヘトラ(Org) | ||
録音:2010年8月13日、カレラ/2010年9月26日、アモス・アンデション美術館/2010年9月27日、ヴィサヴオリ/2010年9月28日、キュミ職業学校、以上フィンランド。制作:ヤン・レヘトラ、録音:ミカ・コイヴサロ。ヤン・レヘトラ(1972-)の「歴史的オルガンと作曲家」シリーズ第5作。フィンランドでオルガン製作がもっとも活発だった時代に製造された小型の室内オルガンが選ばれ、ゆかりのナショナルロマンティック期の音楽が演奏された。ガッレン=カッレラの博物館で演奏される「葬送音楽」は、シベリウスが親友ガッレン=カッレラの葬儀のために作曲した作品。作曲者自身の手で焼却されたことが伝わる第8交響曲の緩徐楽章が素材に使われている。2曲の「シベリウスへのオマージュ」は、シベリウスがオルガン・ヴィルトゥオーゾのアンドレ・マルシャルのために書いた主題と、ガッレン=カッレラの子、キルスティとヨルマの洗礼のために訪れたシベリウスが、カレラのグラウンドピアノを弾いて書いた第2交響曲終楽章コーダの主題に基づく即興演奏。CDジャケットの表紙絵は、シベリウス、オスカル・メリカント、指揮者カヤヌスの顔も描いたガッレン=カッレラの「饗宴」。各オルガンと作曲家の関係を楽器の写真と仕様とともに解説した51ページのブックレット(英語・フィンランド語)の表紙には同じガッレン=カッレラの「天へ」が使われている。当時流行った美術様式に因み、アルバムには「ユーゲント-アール・ヌヴォー」の副題がつけられた。 | ||
アントニオ・ソレル(1729-1783):チェンバロ・ソナタ集 〔第61番 ハ長調/第107番 ヘ長調/第69番 ヘ長調/第18番 ハ短調/第5番 ヘ長調/第6番 ヘ長調/ 第24番 ニ短調/第84番 ニ長調/第37番 ニ長調/第34番 ホ長調/第106番 ホ短調/第71番 イ短調〕 アンナ=マーリア・オラモ(Cemb) | ||
アントニオ・ソレルは、後期バロックから初期古典主義におよぶ時代の作曲家。スペインのカタルーニャ生まれ。誓願を立て修道院生活を送っていたことからアントニオ・ソレル神父として知られる。チェンバロのためのソナタは、彼の作品の柱のひとつ。スペインの香りも漂う作品群は、明確なコントラストと豊かな装飾をもち、このジャンルの重要な遺産とみなされている。12曲のソナタ。第61番は4楽章から構成され、その他の曲は単一楽章。 チェンバロ奏者のアンナ=マーリア・オラモは、父が音楽学者のイルッカ・オラモ、母がピアニストのリーサ・ポホヨラ、兄が指揮者のサカリ・オラモという音楽一家。2004年、ソロイストとしてデビュー。バード、J.S.バッハ、ヘンデル、クープラン、フレスコバルディといったアーリーミュージックとバロック期の作品から、20世紀のファリャ、フランク・マルタン、プーランク、ストラヴィンスキー、あるいは現代フィンランドのセッポ・ポホヨラ、エーロ・ハメーンニエミ、ユッカ・ティエンスー、キルモ・リンティヘンまで多様なスタイルの音楽をレパートリーにソロ奏者、室内楽奏者としてフィンランドとヨーロッパ各地のコンサートとフェスティヴァルに出演をつづけている。 | ||
冬のりんご〜フィンランドのナショナルロマンティック合唱音楽 シベリウス:舟の旅 Op.18 No.3/恋するもの Op.14 JS160c/そこなわれた声 Op.18 No.1 トイヴォ・クーラ:舟歌 Op.21 No.2/春の歌 Op.11 No.7/黎明 Op.11 No.3/ キャラヴァンの合唱 Op.21 No.1/眠り、メロディ、りんごの木 Op.11 No.1 アルマス・ヤルネフェルト:恋するものの道 / アルマス・マーサロ:子守歌 リカルド・ファルティン編:谷に咲くばら レーヴィ・マデトヤ編:3つの民謡 Op.57〔夏の夜わたしは森をとおり/炉から眠りが語りかける/ああ、早く夕闇が訪れてくれれば] パルムグレン:子守歌/夏の夕べ Op.59b No.1(編曲)/ぶらんこ/ポプラ/夜に糸を紡ぐ者/ 悲しみ Op.16b No.1/夏至/春のメロディ/春の風/春の蝶/ため息/海で テルットゥ・イソ=オヤ(S) トゥオマス・カタヤラ(T) ヨーセ・ヴァハソユリンキ(B) ヘイッキ・リーモラ指揮クレメッティ音楽大学室内cho. | ||
録音:2010年6月19日-22日、タンペレ・ホール小講堂、タンペレ(フィンランド)。制作:ユッタ・セッピネン、録音:メッティ・ヘイノネン。19世紀と20世紀フィンランドの作曲家たちが作曲、編曲した「ナショナルロマンティック」な作風の合唱曲集。クレメッティ音楽大学室内合唱団は、1959年、ハラルド・アンデシェンにより創設された。合唱のプロフェッショナルとレベルの高いアマチュアを広く国内から集め、毎夏、集中したリハーサルが行われる。合唱団の目的のひとつは、新作と演奏機会の少ない作品をプロモートすること。指揮者のヘイッキ・リーモラは、1999年から2004年まで、みずから創設したタンペレ・フィルハーモニック合唱団の指揮者を務めた。全27ページのブックレットにはトゥーラ・マンテュヤルヴィとヤーコ・マンテュヤルヴィによる作曲者、作詞者、曲の詳しい解説(英語・フィンランド語)と歌詞の対訳が掲載されている。「見よ、わが魂よ、われらが生の歓びのいかにもろく、はかなき」。コスケンニエミの詩をテクストとしたトイヴォ・クーラの「黎明」は、フィンランド・ナショナルロマンティシズムの合唱音楽が要約された作品とも言われ、美しい音楽。 | ||
ペリマンニの春 ホルスト:セントポール組曲 Op.29 No.1 / ラウタヴァーラ:ペリマンニたち Op.1 ラーション:民謡の夜(1941) / ラングストレム:スペルマンの春(1943) ペール・ヘンリク・ノルドグレン:田舎の昔の情景 Op.139(2006) ヴェイネル:ディヴェルティメント第1番 Op.20 トビアス(トゥビン編):夜曲(1902 arr.1939) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
民俗音楽に素材や題材を求めた作品は、民俗音楽にそのルーツをもつオストロボスニア室内o.と芸術監督ユハ・カンガスの重要なレパートリーのひとつ。ノルドグレン、ブルッフ、バルトーク、サッリネン、ラウタヴァーラ、グリーグ、ヤルカネンの曲による第1作「ペリマンニの肖像」(ABCD-205)につづく2作目の「肖像画集」は「ペリマンニの春」と題され、イギリスのホルスト、フィンランドのラウタヴァーラとノルドグレン、スウェーデンのラーションとラングストレム、ハンガリーのヴェイネル、エストニアのトビアスの「芸術音楽とともに息づく民俗の調べ」が紹介される。ピアノのための曲を作曲者自身がオーケストレーションしたラウタヴァーラの「ペリマンニたち」は、1973年の初演以後、フィンランドをはじめ各国の弦楽オーケストラのレパートリーとしてすっかり定着した。オストロボスニア室内o.がこの作品を録音するのは、これが2度目。ノルドグレンの「田舎の昔の情景」は、「ペリマンニの肖像」と同様、ペリマンニが弾いた民俗音楽を弦楽とハープのために自由に編曲した5曲の作品。これが初録音。 | ||
美しくあること ブリテン:イリュミナシヨンOp.18 / ヘンツェ:美しくあること(1963) シェーンベルク:心のしげみ Op.20 /シマノフスキ:スウォピェヴニェOp.46b (1921) カスティリョーニ:テルツィーナ(三行連句) (1992-93) アヌ・コムシ(S) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. サカリ・オラモ指揮ウーシンタ室内アンサンブル | ||
主に現代の作品をレパートリーにヨーロッパのオペラとコンサートのステージで活躍するフィンランドのソプラノ、アヌ・コムシ(1967-)の「エイノ・レイノの詩を歌う」(ABCD-231)につぐアルバム。彼女は、プログラムの曲を結ぶ「赤い糸」に詩人のアルチュール・ランボーを設定し、彼の男性の恋人ポール・ヴェルレーヌの「情熱の交歓」を表したとも解釈されている詩「美しくあること」をアルバムのタイトルに選んだ。「美しくあること」は、ランボーの詩によるブリテンの歌曲集「イリュミナシヨン」に含まれ、「カムアウト」したヘンツェもこの詩を歌曲に歌い上げた。シェーンベルク自身がメーテルランクの作品をドイツ語に訳した詩をテクストとする「心のしげみ」。ニコロ・カスティリョーニ(1932-1996)の「テルツィーナ」は、ドイツの改革派作家ゲルハルト・テルステーゲン(1697-1769)の詩による「陶酔」の歌。アヌ・コムシはこの「三部作」を2010年3月、オリヴァー・ナッセン指揮ロンドン・シンフォニエッタのコンサートでも歌っている。ブリテン、ヘンツェらと同じ性的嗜好を持つシマノフスキが、ポーランドの詩人ユリアン・トゥヴィム(1894-1953)の詩に作曲した5つの歌曲集「スウォピエフニェ」でアルバムは閉じられる。 | ||
ヴィルトゥーゾ・チェロ パガニーニ:モーゼ幻想曲 / ブラームス:ハンガリー舞曲第5番 サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン / ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテラ モンティ:チャールダーシュ / バッツィーニ:妖精の踊り / サラサーテ:カルメン幻想曲 セーリ・トイヴィ(Vc) カッレ・トイヴィオ(P) | ||
ヴァイオリンのためのヴィルトゥーゾ曲をチェロで演奏する。フィンランドの美人チェリスト、セーリ・トイヴィオの「ヴィルトゥーゾ・チェロ」は、独奏者、室内楽奏者として国内外で活動する彼女がコンサートのプログラムにしばしば取り上げる技巧的な作品を集めたアルバム。トイヴィオは、ロンドンの王立音楽アカデミーとヘルシンキのシベリウス・アカデミーでチェロ演奏のディプロマを取得し、18世紀以後のチェロの左手技法発展を研究した論文により、2009年、シベリウス・アカデミーの博士号を得ている。17世紀から今日まで、幅広い時代の作品がレパートリー。フィンランド文化基金から貸与された1707年のダーヴイト・テヒラーを弾いている。共演するピアニストのカッレ・トイヴィオはセーリの兄弟。室内楽の演奏やオペラ歌手との共演のほか、オルガニストとしてフィンランドとアメリカで演奏している。 | ||
マシュー・ホイットール(1975-):草の葉(2005-09) (ウォルト・ホイットマンにちなむ12の前奏曲) リスト=マッティ・マリン(P) | ||
カナダ生まれ、フィンランドの作曲家マシュー・ホイットールの「草の葉」は、アメリカの詩人ホイットマンの詩に基づいて作曲されたピアノのための前奏曲集。「藻塩草」の「涙」から「真昼から星ふる夜まで」の「澄み渡った真夜中」まで12曲。ホイットールは、ラヴェルがベルトランの詩に基づいて「夜のガスパール」を書いたのと同じアプローチで純粋にピアノのための音楽として作曲、いずれも特定の標題音楽の性格をもたず、おのおのの詩の雰囲気が作曲者のうちで純化されている。リスト=マッティ・マリンの委嘱により第1集が2005年に、あとの2集が2009年に作曲された。『「普遍者の歌」は、リスト=マッティが愛してやまないものふたつ、ロマンティシズム時代のピアノ・パラフレーズとプログレッシヴ・ロックへの華やかなオマージュ……ホイットマンの詩の多くの要素を表現するため、根本的に異なる素材とリズムとテクスチュアを並べながら、この曲集の中でもっとも大きく、もっとも明確にロマンティックといえるキャンバスに描いた』(ホイットール) | ||
セッポ・ポホヨラ(1965-):弦楽四重奏曲集 〔第1番(1990-91) /第2番(1995) /第3番(2000) /第4番(2006)〕 カムスSQ[テルヒ・パルダニウス、ユッカ・ウンタマラ(Vn) ユッシ・トゥフカネン(Va) ペトヤ・カイヌライネン(Vc)] | ||
クセナキスに似て荒々しく、リゲティ風のあふれんばかりの音場をもった第1番の弦楽四重奏曲で成功を収め、フィンランドの若い世代を代表する作曲家のひとりと認められたセッポ・ポホヨラがこれまでに作曲した4曲の四重奏曲が初めて録音で紹介される。3楽章の演奏時間が5分48秒と簡潔な、モダニスト期の第1番に対し、もっと伝統的なテクスチュアとより豊かな響きと和声をもち、明快なリズムもみられる第2番……いっそうの磨きをかけ、均一な響きを意識したという、軽く陽気でスケルツォ風、ユーモラスとさえ言える気分に貫かれた第3番。演奏時間約33分と4曲のうちもっとも長い第4番は、その劇的構造と多彩な変化をみせるテクスチュアが作曲家カイパイネンから評価され、「フィンランド弦楽四重奏曲の画期的な一作」の賛辞を贈られたといわれる作品。カムスSQは、2002年、シベリウス・アカデミーのフレッシュマン4人により結成された。レパートリーは60曲を超し、積極的にコンサート活動をつづけている。 | ||
ショパン: ロンド・クラコヴィアクOp.14 /アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズOp.22 / ポーランド幻想曲 Op.13 /「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲 Op.2 ヤンネ・メルタネン(P) ヤニ・テラランタ指揮トゥルクpo. | ||
ピアノ曲集(ABCD-138)、夜想曲(ABCD-160、ABCD-190)、ピアノ協奏曲(ABCD-247)と続くヤンネ・メルタネン(1967-)のショパンはいずれもロングセラーをつづけている。新たな洞察と内省から見出されたショパンは、清潔で、気取りも衒いもなく、禁欲的。その透明な響きのピアノからは、優しさと温もりが伝わって来る。シベリウス・アカデミーでタヴァッシェルナとバシキロフに学び、1992年、ドイツのダルムシュタットで行われた国際ショパン・コンクールで優勝して、一躍注目を集めた。イタリアのアカデミア・ピアニスティカでラザーリ・ベルマンに師事、1994年10月にはロンドンのウィグモアホールでショパンを弾いてデビューしている。トゥルク・フィルを指揮するヤニ・テラランタ(1976-)は、ヨルマ・パヌラから個人的に指導を受けた後、シベリウス・アカデミーでアツソ・アルミラ、エリ・クラス、レイフ・セーゲルスタムに師事。2000年には、新青年室内o.(UNKO)を創設している。 | ||
アーレ・メリカント(1893-1958): 交響曲第1番 ロ短調 Op.5 (1914-16) / 交響曲第3番(1952-53) |
ペトリ・サカリ指揮 トゥルクpo. | |
世界初録音(第3番のみ?)。アーレ・メリカントは、パングー、ライティオとともに1920年代フィンランドのモダニズムを代表する作曲家のひとり。モダニズムへの無理解に苦しめられ挫折を味わった時期もありながら、彼は作曲をつづけ、民俗舞曲のリズムなどフィンランドの国民的要素とモダニズムを結びつける、独自の道を見出していった。メリカントの交響曲第1番は、ライプツィヒに留学しレーガーに学んでいた1914年に初演され、父で作曲家のオスカルに捧げられた。交響曲第3番は1952年から1953年にかけて作曲。ネオクラシカルなトーンをもつ舞曲風の「スケルツォ、ヴィヴァーチェ」、ロマンティックな心の動きが支配する「アンダンテ」、民俗舞曲のリズムの用法がモダニズム期のメリカントを思わせる「アレグロ」。ネオクラシカルなスタイルと後期ロマンシズムの要素の融合させることに成功した、メリカント最後の大作。 | ||
シマノフスキ:ピアノ作品集 Vol.2 幻想曲 ハ長調 Op.14/仮面 Op.34/ マズルカOp.50〜第1、2、3、4曲/ 2つのマズルカOp.62 |
アヌ・ヴェヘヴィライネン(P) | |
シマノフスキのエキスパートとして注目されるフィンランドの若手女流ピアニスト、アヌ・ヴェヘヴィライネン。第1集が非常な名演だったシマノフスキのピアノ作品集、待望の第2集登場。まだ初期の叙情薫る「幻想曲」、神秘的かつ高踏的で、難技巧が要求される「仮面」、ポーランド南部タトラ山の伝統音楽に根差した民族色薫る後期のマズルカまで、シマノフスキの魅力を満喫出来る。ヴェヘヴィライネンは高度な技巧を駆使しつつ、シマノフスキ特有のどこか北欧的な透明で冷たい感触を絶妙に表現。幻影を見るかのようなひとときを過ごさせる。 | ||
セッポ・ポホヨラ(1965-):交響曲集 〔第1番(2002) (*) /第2番(2006) (#) 〕 |
サカリ・オラモ指揮 フィンランド放送so. | |
録音:2010年8月30日-9月1日(*)、2011年4月14日-15日(#)、文化ホール、ヘルシンキ。世界初録音。1990年代、生粋のモダニストからスタートしながら、次第にモダニズムから距離を置き「自分の声」で語るようになった世代の作曲家のひとり、セッポ・ポホヨラ。弦楽四重奏曲集(ABCD-334)に続き、2曲の交響曲が紹介される。どちらも彼がより簡素で伝統的な響きのスタイルを探るようになった2000年代の作品。両曲ともベートーヴェンやシベリウスの交響曲のように主題を有機的に展開するのではなく、いろいろなエピソードから音楽を構成する方法を採っている。第1番は優れた音楽家でもあった二人の兄を追悼して作曲された。ベートーヴェンの「歓喜の歌」をはじめとするいくつかの引用には、自分自身への皮肉も含め、さまざまな思いがこめられているとのこと。第2番はオーケストレーションにポホヨラの本領が発揮されているといわれる。「管弦楽のための協奏曲」と呼ばれてもいいくらい、それぞれの楽器が強い印象を与える音色で色彩のパレットに加わる。ポホヨラの従兄にあたるサカリ・オラモがフィンランド放送so.を指揮。 | ||
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集 Vol.1 〔第5番 ニ長調 Op.70 No.1「幽霊」/ 第6番 変ホ長調 Op.70 No.2 /変ロ長調 WoO39 〕 |
テロ・ラトヴァラ(Vn) マルコ・ユロネン(Vc) リスト・ラウリアラ(P) | |
録音:2010年11月25日-28日、アクスティーカ、ユリヴィエスカ、フィンランド。コシュホルム音楽祭の芸術監督を務めるフィンランドのチェリスト、マルコ・ユロネン(1966-)がベートーヴェンの三重奏曲シリーズを開始。ヴァイオリンのテロ・ラトヴァラは、2011年秋からタンペレ・フィルハーモニックの准コンサートマスター。ピアノのリスト・ラウリアラ(1949-)は、1972年にシベリウス・アカデミーのディプロマを取得。フィンランド、ヨーロッパ、日本、アメリカなどでソロと室内楽のピアニストとして活動している。 | ||
アダージョ〜弦楽オーケストラのための作品集 ラウタヴァーラ:ディヴェルティメント(1953) クリスティーナ・スピネイ(1984-):シンクト(同期して)(2010) (*) エリオット・カーター:弦楽オーケストラのためのエレジー(1942) マーク・サターホワイト(1954-):アシュアリ・クロス(骨壺十字架)(2011) (*) クラーク・マカリスター(1946-):アクエ・スリス(2011) (*) レーヴィ・マデトヤ:エレジー(悲歌)Op.4 No.1 / プッチーニ:菊 ホセ・セレブリエール:アダージョ(1964) (*) / トゥーリナ:闘牛士の祈り Op.34 ホセ・セレブリエール指揮聖ミケル・ストリングズ〔ミッケリ市o.〕 | ||
(*)は世界初録音。指揮者で作曲家としても知られるホセ・セレブリエールが、フィンランド、ミッケリ市のオーケストラ、聖ミケル・ストリングズを指揮したアルバム。タイトルのとおり、ゆったとしたテンポの美しい作品のコレクションは、弦楽オーケストラのレパートリーとして定着したラウタヴァーラ、マデトヤ、トゥーリナ、プッチーニの作品、アメリカの作曲家4人の作品、そしてセレブリエール自身の曲が演奏されている。クリスティーナ・スピネイは、振付師、映画監督、音楽家からの委嘱がつづき、セレブリエールが、アメリカでもっとも才能に恵まれた若い作曲家のひとりと呼ぶ作曲家。マーク・サターホワイトは、ミシガン州立大学とインディアナ大学で学び、オーケストラのダブルベース奏者を務めた後、作曲に力点を置いた活動をしている。クラーク・マカリスターは、吹奏楽で知られるフレデリク・フェネルに学んだミュージックエディター、アレンジャー。彼がセレブリエールと聖ミケル・ストリングズのこのプロジェクトのために作曲した曲は、プラハにある中世の美術品を集めた博物館で見た十字架の形をした骨壺をイメージ、「アシュアリ・クロス(Ossuary Cross)」の言葉の響きにも魅せられたと言われる。 | ||
Notkeatonline ヨウニ・カイパイネン(1956-):バスター・キートンの亡霊 Op.86a (2008-09) パーヴォ・コルピヤーコ(1977-):アミューズ・ブシュ(2008) ウスコ・メリライネン(1930-2004):タイムライン(1989) ハンヌ・リントゥ指揮タンペレpo. | ||
全て世界初録音。現代フィンランドの作曲家3人の管弦楽作品集。ヨウニ・カイパイネンは、グループ「耳を開け」のメンバーのひとり。1980年代のモダニズム・スタイルから、近年は、表現主義の書法に古典的な明快さを導入した、色彩とイマジネーションゆたかな作風に変わってきた。「バスター・キートンの亡霊」は、2部からなる作品。最初の「バスター・キートンの亡霊」は、友人のマルック・ペルトラを追悼して作曲された。ペルトラは、アキ・カウリスマキの映画「過去のない男」に主演したことで国際的にも知られる俳優で、タイトルは、歌手でもあったペルトラがリリースしたアルバムに因んでつけられた。もうひとつの「ベナンの朝の歌」は、西アフリカのベナンにあるフィンランド・アフリカ文化センターを訪れた時のカルチャーショックから生まれた。パーヴォ・コルピヤーコは、タンペレ応用科学大学で作曲をカイパイネン、ヌオルヴァラ、ポホヤンノロに学び、コルテカンガス、マグヌス・リンドベリらのマスタークラスにも参加した。フランス料理で食前酒とともに出される軽いつまみ「アミューズ・ブシュ」をタイトルとする約16分の音楽は、フィンランド放送so.の委嘱により作曲。この曲についてカイパイネンは「ちょっとしたオードブルどころか、栄養のある食事そのもの」と評している。ウスコ・メリライネンの作品は、タンペレ・ホールこけら落としのために書かれた作品で、メリライネンの最良の作品に数えられる。 | ||
コントラスト〜オルガンのための作品集 ブクステフーデ:前奏曲 ホ長調 BuxWV141 / サッリネン:オルガンのためのシャコンヌOp.23 ハメーンニエミ:パッサカリア / ブクステフーデ:前奏曲 嬰ヘ短調 BuxWV146 J.S.バッハ:前奏曲とフーガ イ長調 BWV536 / カイパイネン:パッサカリアOp.71 コルテカンガス:シャコンヌ / J.S.バッハ:前奏曲とフーガ イ短調 BWV543 カリ・ヴオラ(Org) | ||
ナーンタリ修道院教会のオルガン(フィンランド)。 オルガンのマエストロ、ブクステフーデとバッハの作品と現代フィンランドのサッリネン、エーロ・ハメーンニエミ、ヨウニ・カイパイネン、オッリ・コルテカンガスの作品を「対照(コントラスト)」させる。カリ・ヴオラは、シベリウス・アカデミーで教会音楽とオルガン演奏を学び、デンマーク、フィンランド、ドイツ、スイスのマスターコースに参加。コペンハーゲンの王立音楽アカデミーでハンス・ファーギウスに師事した。1987年からナーンタリで教会音楽家として働き、1993年にラハティ国際オルガン・フェスティヴァルの「若き芸術家」に選ばれた。 | ||
郷愁〜弦楽のためのフィンランド抒情曲集 カヤヌス:貧しい娘の子守歌 (1896) / シベリウス:抒情的なアンダンテOp.5 Nos.5-6 /ロマンスOp.42 ヤルネフェルト:ある朝早く(却下された訴え) (1900) / シベリウス:プレスト(スケルツォ) Op.4 No.3 メラルティン:カンツォーネ / アーレ・メリカント:カンツォーナ(1934) ライティオ:ロマンス(1940)/セレナード(1940)(ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための) クラミ:子守歌(1930) /ソナチネ(1934) / カスキ:無言歌 / マデトヤ:エレジーOp.4 No.1 クーラ:無言歌 Op.22 No.1 / クーラ編曲:民謡 Op.9 No.2 / ハーパライネン編曲:あなたが忘れられない(1929) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. レイヨ・トゥンカリ(Vn) | ||
「カレリア」組曲と同じ1893年に出版されたピアノのための「6つの即興曲」から ロ短調と ホ長調の2曲をシベリウス自身が、交響曲第7番の作曲とほぼ同時期に弦楽オーケストラのために改訂したとされ、「抒情的なアンダンテ」の名でも知られる「即興曲」。交響曲をはじめとする大作で名高いメラルティンとクラミの書いた小品。マデトヤの「交響組曲」の第1曲「エレジー(悲歌)」。フィンランド音楽きっての人気曲のひとつ「結婚行進曲」のクーラの「クリスマスキャロル」の別名をもつ「無言歌」と、彼がポホヤンマー(オストロボスニア)の民謡を編曲した「南ポホヤンマー組曲第1集」の第2曲「民謡」。「フィンランド・ロマンティックス」の音楽を集めた「郷愁」は、ユハ・カンガス(1945-)が1972年に設立したオストロボスニア室内o.の40周年を記念してリリースされる。 | ||
ネビュラ [Nebula] 〜パーヴォ・コルピヤーコ(1977-):ギター作品集 ギターと弦楽のための協奏曲「ネビュラ」(2008) /ギター・ソナタ「キンバリー」(2006) / ラケル・リエフの詩によるメゾソプラノとギターのための歌曲集「夢の宇宙船」(2010) ペトリ・クメラ(G) ティーナ・ペンティネン(Ms) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
ペトリ・クメラは、ヘルシンキ音楽院のフアン・アントニオ・ムロとニュルンベルク=アウグスブルク音楽大学のフランツ・ハラースに学び、フィンランドでもっとも多才かつ魅力的なギタリストとして人気の高いひとり。ノルドグレンのギター曲を集めた「魅せられた音」(ABCD-218)、C.P.E.バッハの曲のトランスクリプション集(ABCD-244)、16世紀から現代までの変奏曲を集めた「変化はやってくる」(ABCD-313)につづくアルバムは、パーヴォ・コルピヤーコのギター作品集。コルピヤーコは、室内楽と器楽のための作曲からスタートし、管弦楽と劇場のための作品を手がけるようになった。フィンランド放送so.の委嘱により作曲し、タンペレ・フィルハーモニックとハンヌ・リントゥのアルバム「バスター・キートンの亡霊」(ABCD-342)で紹介された「アミューズ・ブシュ」(2008)は、彼の代表作のひとつ。ギター協奏曲「ネビュラ」は、クメラがユハ・カンガス指揮のオストロボスニナ室内o.と初演。宇宙の塵やガス状の物質が集まり、あるいは無数の星からなる、輝いた雲のように見える天体「星雲」をタイトルとするこの作品を、コルポヤーコが作曲法を学んだヨウニ・カイパイネンは「鋭い耳で洞察した音をめざましい技巧と結びつけた」と評価している。歌曲集「夢の宇宙船」は、鮮やかな比喩的表現がさまざまに解釈される、フィンランドの詩人ラケル・リエフの5つの詩がテクスト。ティーナ・ペンティネンが委嘱し、クメラの共演で初演した。ソナタ「キンバリー」は、コルピヤーコがギターのために書いた最初の作品。クメラに献呈され、2006年、彼の手で初演された。 | ||
ヴァユリネン〜J.S.バッハ:フランス組曲 Vol.1 平均律クラヴィーア曲集第1巻〜前奏曲第24番 ロ短調 BWV869 /パッサカリア ハ短調 BWV582 / フランス組曲〔第1番 ニ短調 BWV812 /第2番 ハ短調 BWV813 /第3番 ロ短調 BWV814 〕 ミカ・ヴァユリネン(アコーディオン) | ||
ミカ・ヴァユリネンは1967年ヘルシンキ生まれ。シベリウス・アカデミーとパリのギュスターヴ・シャルパンティエ音楽院に学び、1985年にデビューリサイタルを行った。目もくらむような技巧のため「アコーディオンの魔術師」とも呼ばれ、「楽譜の背後にあるもの」を鮮やかに表現した彼の音楽は、コンサート、フィンランド放送の番組、あるいはレコード録音を通じて人々に歓びをもたらしてきた。アコーディオンの可能性を求めヴァユリネンは常に新しいレパートリーに挑戦している。国際的にも成功を収めた「ゴルトベルク変奏曲」(ABCD-191)につづくバッハは「フランス組曲」をメインにその他の曲をまじえ、2集に分けてリリースされる。 | ||
北欧のヴァイオリン音楽 アイネス・チェチュリン(1859-1942):子守歌(1888) トゥール・アウリン(1866-1914):4つの水彩画(1899)/牧歌/ユモレスク/子守歌 アウリン:ポルスカ / シンディング:ロマンス ニ長調 Op.79 No.2 ベンクト・カールソン(1890-1953):ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.6 (1918) アンネマリ・オーストレム(Vn) ソニヤ・フラキ、エミール・ホルムストレム(P) | ||
アンネマリ・オーストレム(1977-)はフィンランドの若いヴァイオリニスト。音楽教師として多くのヴァイオリニストを育ててきたゲーザ・シルヴァイとチャバ・シルヴァイのテレビ番組「音楽の国のかわいいヴァイオリン弾いたち」を見て、3歳からヴァイオリンを習い始めた。シベリウス・アカデミー入学後は、ヴァイオリンのソロ演奏とともに室内楽とオーケストラ演奏のクラスにも参加。彼女のデビューアルバムのプログラムは、アカデミーの博士課程のテーマでもあるスカンディナヴィア音楽のレパートリーから選んだ4曲。ヘルシンキ音楽院ではシベリウスのクラスメート、その後ロンドンでヨーゼフ・ヨアヒムの下で学んだアイネス・チェチュリン(1859-1942)の「子守歌」。スウェーデンのヴァイオリニストで作曲家、トゥール・アウリンの「4つの水彩画」。ノルウェーのシンディングの「ロマンス」。フィンランドのベンクト・カールソン(1890-1953)のソナタは、「アレグロ、モルト・モデラート」「アレグロ・ヴィヴァーチェ」「レント」「終曲、アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章からなる約36分の作品。忘れられようとしていた「隠れた真珠」とオーストレムが言うチェチュリンとカールソンの曲は、これが初めての録音。共演者のソニヤ・フラキ(1977-)はフィンランド、エミール・ホルムストレムはスウェーデンのピアニスト。オーストレムは、シベリウス・アカデミーがアニヤ・イグナティウスから寄贈されたガルネリを弾いている。 | ||
森の若者(タピオラの野にて) トイヴォ・クーラ(1883-1918)/キンモ・ハコラ管弦楽編曲: 南ポホヤンマー〔南オストロボスニア〕民謡編曲 Op.17b(全12曲)(*) トイヴォ・クーラ/スルホ・ランタ(1901-1960)弦楽オーケストラ編曲: オルガンのための小品 Op.16b 〔前奏曲/間奏曲〕 キンモ・ハコラ(1958-):キヴィ歌曲集(アレクシス・キヴィの詩による7つの歌曲) (2007/2011) (*) トイヴォ・クーラ/ペッカ・ヘラスヴオ(1948-)編曲:海の賛歌 Op.11 No.2 トイヴォ・クーラ/ユホ・ナユッキ(1945-)編曲:結婚行進曲 Op.3b No.2 ヨルマ・ヒュンニネン(Br;*) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
フィンランドを代表するバリトン、ヨルマ・ヒュンニネンが、クーラの「南ポホヤンマー民謡編曲」とハコラの「キヴィ歌曲集」を歌ったアルバム。バックを務めるカンガス率いるオストロボスニアo.の演奏でほかに、クーラのオルガン、合唱、ピアノ作品をいずれも弦楽オーケストラ用編曲で収録。 | ||
わが祖国〜 ピアノで弾くフィンランドの歌 伝承曲/ヴィルヨ・ヴェステリネン編曲:サッキヤルヴィ・ポルカ / タネリ・クーシスト:フィンランドの祈り ペッカ・ユハニ・ハンニカイネン:カレリアの歌 / 伝承曲:カレリアの丘で/民族の歌 オスカル・メリカント:乏しき国の歌 / 伝承曲:夏の賛歌 / エルッキ・メラルティン/ニュカネン編曲:ひばり アクセル・トルヌッド:サタクンタの歌 / 伝承曲:おお、尊きフィンランド/空は青く白い雲が トイヴォ・ロウコ:南西フィンランドの歌 / 伝承曲/ユルヨ・キルピネン編曲:独立記念日メドレー 伝承曲/フベンティーノ・ローサス編曲:メーデー・メドレー ヴィヴァルディ/ヴェサ=ペッカ・ハウタマキ/ユハニ・ジュース・レスキネン・ジェイムズ・ロード・ピアポント/ 伝承曲/エヴェルト・トーブ(1890-1976):四季 ユッカ・ニュカネン(P/編曲) | ||
ユッカ・ニュカネンは1976年ヘルシンキ生まれ。エスポーの音楽学校とシベリウス・アカデミーでピアノを学び、2006年にデビューコンサートを行った。フランツ・リストの音楽を高く評価し、そのロマンティック・ヴィルトゥオーゾ・スタイルを編曲の手本にすることが多いと言う。フィンランドの歌を素材とするアルバム「わが祖国」の全15曲は、リストの他、「フィンランドの祈り」はバロック、「民族の歌」はモーツァルト、「ひばり」はショパン、「空は青く白い雲が」はラフマニノフ、「カレリアの丘で」はピアソラと、さまざまなスタイルに編曲された。「独立記念日メドレー」と「メーデー・メドレー」は、キルピネン(1892-1959)とローサス(1868-1894)がフィンランドの愛唱歌をメドレーに編んだ曲をニュカネンが編曲。最後の「四季」は、ヴィヴァルディの曲、タンペレのロックシーンで活躍するギタリストのヴェサ= ペッカ・ハウタマキとシンガーソングライターのユハニ・ジュース・レスキネンの曲、ジェイムズ・ロード・ピアポントの「ジングルベル」、フィンランドの伝承曲、そしてスウェーデンのシンガーソングライターのエヴェルト・トーブの曲をニュカネンがポプリに編曲した作品。 | ||
パーヴォ・ヘイニネン(1938-):フルート協奏曲「昔」(1958) ニルセン:フルート協奏曲 FS119 〔全曲/第2楽章オリジナル版(*) 〕 ミカエル・ヘラスヴオ(Fl) ティボル・ボガーニ指揮サイマー・シンフォニエッタ | ||
(*)は世界初録音。エーリク・ベリマンやウスコ・メリライネンとともにフィンランド音楽を代表するモダニスト、パーヴォ・ヘイニネン。十二音技法による表現主義の交響曲第1番が、オーケストラの演奏拒否に遭い全曲初演されなかったことは、フィンランド音楽史に残るスキャンダルとして語られる。しかし、みずからの音楽に必要と考えれば決して妥協しないという気概をもったヘイニネンの手からは、数多くの輝かしい作品が生まれた。フルート協奏曲「昔」は、「スケルツォとエレジー」「ソナタ」「子守歌とデュオニソス賛歌」の3楽章作品。フィンランドでもっとも大きな湖、フィンランド南東部のサイマー湖畔にあるラッペーンランタ市のオーケストラ、サイマー・シンフォニエッタの委嘱により作曲された。ニルセンのフルート協奏曲は、コペンハーゲン木管五重奏団のホルガー・ギルバート=イェスパセンに捧げられた高雅でユーモアをもった作品。アレグロ・モデラートの第1楽章、アレグレット、ウン・ポコの第2楽章。このアルバムでは、ニルセンが終結部を付け加えた、現在一般に演奏される版とは別に、1926年10月21日、パリのサル・ガヴォーで行われたカール・ニルセン・コンサートで初演された際のオリジナル版も合わせて収録され、これが初録音となる。 | ||
メリカント: 交響曲第2番 イ長調 Op.19 「戦争の交響曲」(1918) (*) / ソプラノと管弦楽のための「エコー」(1922) |
アヌ・コムシ(S) ペトリ・サカリ指揮 トゥルクpo. | |
(*)は世界初録音。2010年に録音された第1番と第3番(ABCD-336)につづき、第2番を収めたディスクがリリースされる。演奏は同じくサカリ指揮トゥルクpo.。メリカントは、1920年代フィンランドのモダニズムを代表する作曲家のひとり。モダニズムへの無理解に苦しめられた挫折の時期を経て、民俗音楽的要素と色彩をモダニズムと巧みに結びつけた独自の作風を開拓していった。1951年にはシベリウス・アカデミー作曲家の教授に就任。コッコネン、サッリネン、パーヴォ・ヘイニネンといった20世紀のフィンランド音楽を代表する作曲家を育てている。メリカントは、3つの作品を「交響曲」として発表した。交響曲第2番は、1918年、メリカントの後期ロマンティシズム期に作曲された。第一次世界大戦(1914-1918)の時代と重なり、「戦争の交響曲」の副題でも知られる。作曲家のヨウニ・カイパイネンは、メリカントのオーケストレーションとテクスチュアが第1番よりも自信を深めていることを指摘し、音楽学者のキンモ・コルホネンは、トロンボーンのグリッサンドが繰り返される第2楽章の音楽を印象的な楽章に挙げている。「エコー」はメリカントのモダニズム期初期の作品。シベリウスの「フィンランディア讃歌」で名が知られるV.A.コスケンニエミの詩がソプラノ独唱で歌われ、「独唱の移りゆく気分に寄り添いながら、超自然的かつ具象的な風景を確かな感性で彩色する」(カイパイネン)オーケストラが共演する。ソプラノ独唱は、アヌ・コムシ。ダイナミックなコロラトゥーラと知的な解釈の歌により国際的な評価が高まってきている。 | ||
風景〜ウーノ・クラミ(1900-1961):ピアノ、ピアノとヴァイオリンのための作品集 ロンド ヘ短調 Op.1 (1917) /メロディ イ長調 Op.3 No.1 (1916) /葬送行進曲 ハ短調 Op.8 (1916) / バラード「森の精」 ニ短調 Op.10 No.4 (1916) /田園詩 変イ長調(1919) / ヴァイオリン・ソナタ ハ短調(1920) (*) /前奏曲第3番「カプリス風ワルツ」(1921) /舟歌 Op.5 (1924) (#) / 格言(1926) /ヘルシンキ行進曲(1934) /ユモレスク Op.36 No.1 (1945-46) (*) / 悲しい歌 Op.36 No.2 (1945-46) (*) /歌(1952) (*) /小組曲(1957) エサ・ユロネン(P) シルック・マンテレ(Vn;*) | ||
(#)を除き、全曲世界初録音。 ウーノ・クラミは1900年の生まれ。1924年から1925年にかけてパリに学び、フィンランド・モダニズムの作曲家として20世紀前期のフィンランド音楽を彩った。彼の主要な作品のほとんどは管弦楽曲が占め、ピアノ独奏のための作品はこのアルバムで演奏されている作品がほぼすべて、室内楽のための作品も少なく、1915年から学びはじめたヘルシンキ音楽院時代の弦楽四重奏曲(1916)とピアノ三重奏曲(1917)、1920年代に音楽院のマチネーコンサートのために作曲したヴィオラ・ソナタ(1920)やピアノ五重奏曲(1923)など数曲と、1940年代以降に作曲された小品が数えるくらい。このアルバムでは、ヴァイオリンとピアノのための作品が4曲、ヴィオラ・ソナタと同じ年に作曲された、「アレグロ・モデラート」と「アンダンテ・モルト」の2楽章からなるソナタ、交響曲第2番の後の「ユモレスク」と「悲しい歌」、1952年の「歌」が演奏されている。ピアニストのエサ・ユロネンは、1995年にシベリウス・アカデミーのピアノ科を卒業、現在はコトカに住み、音楽学校のピアニスト、教会音楽家として活動している。ヴァイオリンのシルック・マンテレもコトカを中心に演奏活動を行う音楽家。アルバムのタイトルは、「小組曲」の第2曲「アンダンティーノ」の曲名「風景(Maisema)」からとられた。 | ||
魔の炎〜ワーグナー・トランスクリプション〜リヒャルト・ワーグナー(1813-1883): ユッカ・ニュカネン編曲:「さまよえるオランダ人」の主題によるパラフレーズ リスト編曲:「さまよえるオランダ人」の紡ぎ歌 / エルネスト・シェリング編曲:「トリスタンとイゾルデ」前奏曲 リスト編曲:「ラインの黄金」〜ワルハラ / カール・タウジヒ編曲:「ワルキューレ」〜ワルキューレの騎行 ルイ・ブラッサン編曲:「ワルキューレ」〜ジークムントの愛の歌、魔の炎/「ジークフリート」〜森のささやき フェルッチョ・ブゾーニ編曲:「神々のたそがれ」〜葬送行進曲 / リスト編曲:「タンホイザー」序曲 リスト=マッティ・マリン(P) | ||
ヴィルトゥオーゾ・ピアニストが人気を博した19世紀、リストをはじめとする作曲家やピアニストがワーグナーの歌劇や楽劇の音楽をピアノのために編曲することがさかんに行われ、ひとつの伝統にもなった。2013年はワーグナー生誕200年のメモリアルイヤー。Alba Recordsは、シベリウス・アカデミーの博士課程で「ピアノ・トランスクリプション」を研究し、興味深いアルバムをリリースしてきているリスト=マッティ・マリンを起用し、ワーグナーと同時代あるいは後世の作曲家によるトランスクリプション集をリリース。『さまよえるオランダ人』の主題によるパラフレーズを作ったユッカ・ニュカネンは「ピアノの魔術師」とも呼ばれるフィンランドのピアニスト。作曲と編曲も手がけ、フィンランドの歌を素材にしたトランスクリプションを演奏した『わが祖国』(ABCD-349)を2012年の秋にリリースしている。 | ||
J.S.バッハ/イスモ・エスケリネン編曲:ギター編曲作品集 リュート組曲〔ホ長調 BWV1006a /イ短調 BWV995(原調:ト短調)〕/ コラール「キリストは死の絆につかせたまえり」BWV277 /無伴奏パルティータ第2番 BWV1004〜シャコンヌ イスモ・エスケリネン(G) | ||
活躍を期待されるフィンランドの若手ギタリスト、イスモ・エスケリネン(1971-)。シベリウス・アカデミーのティモ・コルホネン、バーゼル音楽アカデミーのオスカル・ギリアに学んだ。これまで録音は20世紀スペインのギター作品を弾いた「魔法の円」(ABCD-153)、協奏曲を含むポンセの作品集(ABCD-185)、ペルト、ヴァスクス、フランチェスコーニ、三木稔、武満徹、ブローウェルの曲をオストロボスニア室内o.と共演した『第七の感覚』(ABCD-213)、ムストネンとラウタヴァーラの作品(ABCD-241)などがある。彼の新録音はJ.S.バッハの音楽。ヴァイオリンソロのためのパルティータに基づく ホ長調のリュート組曲、無伴奏チェロ組曲第5番 BWV1011を作曲者自身が編曲した ト短調のリュート組曲、コラール、ヴァイオリンソロの「シャコンヌ」。多くのギタリストに倣い、すべての作品をエスケリネン自身がギターのために編曲した版で演奏している。 | ||
顕現 ユッカ・ティエンスー(1948-):溝(2011) エルッキ・サルメンハーラ(1941-2002):カンツォネッタ(1971) ヘレナ・トゥルヴェ(1972-):あなたのうしろの影(2011) (3つのヴィオールと弦楽オーケストラのための) ペーテリス・ヴァスクス(1946-):顕現(2010) ウスコ・メリライネン(1930-2004):夏の協奏曲「夏の夜の夢」(1994) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
オストロボスニア室内o.とユハ・カンガス(1945-)のアルバム「顕現」は、初録音の4曲を含む「同時代」の作品集。ティエンスーの「溝」はオストロボスニア室内o.のために作曲された作品。「鼓舞し、歓喜に酔う音楽。きわめて清澄な音色のため理解しやすいかもしれないが、決して、先が読めるとか、わかりきったことといった作品ではない」(ティエンスー)。サルメンハーラの「カンツォネッタ」は、2部からなるオルガンのための「カンツォーナ」の後半を作曲者みずから弦楽オーケストラのために編曲した作品。ヘレナ・トゥルヴェ Helena Tulve は現代エストニアの中間世代を代表する作曲家のひとり。「ソロ」楽器の性格をもつ3つのヴィオールと弦楽オーケストラのための「あなたのうしろの影」は、タリン室内o.の委嘱により作曲され、2012年1月、カンガスの指揮によりタリンで初演された。ラトヴィアのヴァスクスが「わが友ユハ・カンガス」に献呈した「顕現」は、1月6日の公現祭(顕現祭)とは関係なく、夏の夕べにバルト海のほとりを散歩していて主題のアイデアが湧いたという。「夏の夜の夢」の副題をもつメリライネンの「夏の協奏曲」はオストロボスニア室内o.の委嘱作。はかない気分の「レント」を生命力にみちた2つの「ヴィーヴォ」が挟む構成をとった作品は、地の精やノームもイメージしながら、サーミ人の住むラップランドで完成された。 | ||
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16 シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54 |
ヤンネ・メルタネン(P) ハンヌ・コイヴラ指揮 イェヴレso. | |
Alba Records の数々の録音で瑞々しい抒情のショパンを聴かせ、着実にファンを獲得してきたフィンランドのピアニスト、ヤンネ・メルタネン(1967-)がグリーグとシューマンの協奏曲を録音。「あらゆる部分に今を生き呼吸するロマンティックな推進力がもたらされ、慎重なあまり萎縮したりスタジオという限定された空間を感じさせたりといったことのない、絶対的に“ライヴ“な演奏。躍動する名人の技を見せたかと思うと、突然、秘密の世界に入り込む。彼がグリーグとシューマンの音楽に見出したコントラストは実に鮮やかだ。よく知っているはずのページの数々が、スリリングなくらい“未知 "の音楽に響く」と、「グラモフォン」をはじめとする雑誌や新聞に寄稿してきたイギリスのブライス・モリソンが、この演奏について述べている。イェヴレso.は、2012年に創設100年を迎えたスウェーデン最古のオーケストラのひとつ。ショパンの協奏曲(ABCD-247)など、さまざまな機会にメルタネンと共演を重ねるハンヌ・コイヴラが指揮している。 | ||
フランス風ティエント〜20世紀フランスとスペインのギター音楽 イベール:フランス風/アリエッタ / サマズイユ:セレナード / オーリック:アロンソ・ムダラへのオマージュ タイユフェール:ギター / ミヨー:セゴビアーナ Op.366 / プーランク:サラバンド / オアナ:ティエント ミゴ:クロード・ドビュッシーへのオマージュにかえて〔前奏曲/パストラーレ/後奏曲〕 / ルーセル:セゴビア アセンシオ:内なる想い〔心静かに/宝物/静寂/歓び/憧れ〕 / サティ:グノシエンヌ第1番 オット・トロネン(G) | ||
シューベルト、バルトーク、ピアソラのヴァイオリンとギターのための音楽によるアルバム(CCR-62025)でリンダ・ヘードルンドと共演したフィンランドのギタリスト、オット・トロネンのソロアルバム。イベール、サマズイユをはじめとする作曲家の小品、ミゴとアセンシオの小曲集。サティの「グノシエンヌ第1番」だけが編曲で、他はすべてギターのための作品。 オット・トロネン:1980年生まれ。フィンランドのギタリスト。ヘルシンキのシベリウス・アカデミーでティモ・コルホネンとユッカ・サヴィヨキに学び、2005年にディプロマ、2008年に修士号を取得。ワイマールのフランツ・リスト音楽大学のトーマス・ミュラー=ペリングの下で研究を続け、シエナのオスカル・ギリアの講習に参加する。2008年、スペインのアンドレス・セゴビア・コンペティションとドイツのマルクノイキルヒェンのコンペティションで第1位、2009年の東京とGFA(アメリカ)のコンペティションで第2位。ルネサンスのリュート音楽から今日の音楽までのレパートリー。特にヘンツェ作品の解釈は国際的に高い評価を得てきた。フィンランド放送so.、ユヴァスキュラso.などのオーケストラと共演。エスポーの音楽学校をはじめとするフィンランド国内の学校で教え、ドイツ、イタリア、アメリカ、ブラジルでマスターコースを行った。現在、シベリウス・アカデミーの博士課程に進む予定で準備中。楽器はフィンランドのケイヨ・コレリン製作のギター。弦はダダリオ(D'Addari)を使う。 | ||
バロック音楽におけるデュオ [Musica Barocca a Due] ヴィヴァルディ:ソナタ ニ短調 Op.1 No.8 RV.64 / ファルケンハーゲン:二重奏曲 ト長調 J.S.バッハ:イギリス組曲第3番 ト短調 BWV808 /前奏曲 ハ短調 BWV999 /フーガ ト短調 BWV1000 D.スカルラッティ:ソナタ ロ短調 K.87 / チマローザ:ソナタ ト短調 ハンヌ・アンナラ(G) マリ・マンテュラ(10弦G) | ||
録音:2011年、ハウホ教会、ハメーンリンナ、フィンランド。制作:マリ・マンテュラ、ハンヌ・アンナラ、ペッカ・ヴェサネン、録音・編集・マスタリング:ペッカ・ヴェサネン。シベリウス・アカデミーの出身。オスカル・ギリアやヨーラン・セルシェルにも学び、西部フィンランド、コッコラの音楽院でギターを教え、各国語に翻訳されたギター演奏の著作もあるハンヌ・アンナラ。シベリウス・アカデミーとバーゼル音楽アカデミーに学び、主に10弦ギターのソロと室内楽のプレイヤーとしてコンサート活動し、ダウランドやバッハの作品を演奏した『10弦ギター』(ABCD-261)が評価も人気も高いマリ・マンテュラ。ふたりは2003年からデュオとしての活動を始めた。コンサートや放送に出演し、フィンランドのギター音楽の発展に寄与している。アルバム『デュオのバロック音楽』は、2011年、ヘルシンキから北に100キロ、ハメーンリンナの教会で録音された。ヴィヴァルディの2つのヴァイオリンと通奏低音のための「ソナタ ニ短調」、ファルケンハーゲンの2つのリュートのための「二重奏曲 ト長調」、鍵盤楽器のために作曲された「イギリス組曲第3番」とチマローザの「ソナタ ト短調」は、ふたりのデュオ。スカルラッティのソナタはマンテュラの10 弦ギターソロ、バッハのリュートのための「前奏曲」と「フーガ」はアンナラのギターソロで演奏される。バッハの「イギリス組曲」は、近年、ギターのデュオで演奏されることが多くなったといわれ、この演奏では、10弦ギターの低音の新たな魅力が加わる。拍感のある、リズム感とテンポ感のいい演奏から生まれる自然に息づく音楽。夏が終わり秋に代わる季節が待ち遠しくなる。 | ||
ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): クラリネット、民俗楽器と小管弦楽のための協奏曲 Op.14 (1970) (*) / 交響曲第1番 Op.20 (1974) (#) クリストフェル・スンドクヴィスト(Cl;*) アンナ=カリン・コルホネン(カンテレ;*) イルッカ・ヘイノネン(弓形ハープ;*) マルック・レピスト(2列ボタン・アコーディオン;*) ユハ・カンガス指揮フィンランド放送so. | ||
録音:2011年4月5日-6日、文化ホール(*) /2011年12月19日-20日、音楽ホール、ヘルシンキ・ミュージック・センター、ヘルシンキ(#) 。制作:ラウラ・ヘイキンヘイモ。録音:ヤリ・ランタカウリオ(フィンランド放送 YLE)。ノルドグレンは、フィンランド自治領のオーランド生まれ。20世紀と21世紀のフィンランド音楽にひとつの足跡を残した作曲家。ヘルシンキ大学に学びながら、作曲家のコッコネンに私的に師事、1960年代後半に音楽シーンに登場した。シベリウス・アカデミー出身の作曲家が「本流」だった時代、コッコネンは一風変わった存在だったと言われている。ノルドグレンが活動の拠点としたカウスティネンの指揮者、友人のユハ・カンガス(1945-)によるシリーズの新しいアルバム。「クラリネット、民俗楽器と小管弦楽のための協奏曲」と交響曲第1番の2曲が初めて録音で紹介される。クラリネットが主役の協奏曲は、日本にノルドグレンが留学する1970年の作品。グラーヴェ「霊」、アレグレット「セルミン・マイヤの短い歌」、エレジアーコ、インテルメッツォ「予感」、クオドリベット「姿をくらます踊り」の5楽章。この作品では、民俗楽器と民俗音楽の要素が、クラリネットやオーケストラから分離して使われている。2005年からフィンランド放送so. の首席クラリネット奏者を務めるクリストフェル・スンドクヴィスト(1978-)がソロを担当している。第1番の交響曲は、東京芸術大学に学び帰国した後、1974年に完成された作品。ノルドグレンのもっとも人気の高い作品「ペリマンニの肖像」(1976年)にも使われるフィドルのメロディ「ペリマンニの十八番の調べ」など民俗音楽の素材は、存在を主張しながらもテクスチュアに深くはめ込まれ、民俗音楽と芸術音楽を真に融合させるノルドグレンの後のスタイルを予見することが出来る。行進曲、合奏協奏曲「カプリス」、エピローグの3楽章構成。 | ||
ヴェネツィア共和国の歌 [Canta la Serenissima] 〜17世紀ヴェネチアの音楽から モンテヴェルディ:「4声のミサ曲と詩編曲」〜主よ、われは心より汝に感謝せん(第1) ダリオ・カステッロ:「現代様式のソナタ・コンチェルターテ第2巻」 〜2つのヴァイオリンとファゴットのためのソナタ第11番 アレッサンドロ・グランディ:「シンフォニアつきの1声と2声のモテット集第2巻」〜優しきわがイエスよ ビアージョ・マリーニ:「アフェッティ・ムジカーリ」〜ラ・フォスカリーナ モンテヴェルディ:「倫理的・宗教的な森」〜主をほめ讃えよ ジョヴァンニ・ピッキ:「チェンバロのための舞曲集」〜パッセ・メッツォ アレッサンドロ・グランディ:「1声、2声と4声のモテット集」〜 O quam speciosa ダリオ・カステッロ:「現代様式のソナタ・コンチェルターテ第2巻」〜ソプラノ・ソロのためのソナタ第1番 タルクイニオ・メールラ:すべての者よ、主に向かいて喜ばん ビアージョ・マリーニ:「教会ソナタと室内ソナタ」ヴァイオリン、コルネットと通奏低音のためのソナタ ナターレ・モンフェラート:救い主を育てた母〔救い主のうるわしき母〕 クラウディオ・メールロ:「オルガン・タブラチュアのカンツォーネ集第1巻」〜ラ・コルテーゼ ジョヴァンニ・バッティスタ・リッチ:「神聖賛歌第3巻」〜めでたし、天の皇后 アルゴ[カイサ・ダールベク(S) トゥオモ・スニ、ドラ・アステシュタード(Vn) ヘイディ・ペルトニエミ(Vc) ヤニ・スンナルボリ(ドゥルシアン) アンナ=マーリア・オラモ(Cemb)] | ||
北イタリア、アドリア海に面した港湾都市ヴェネツィア共和国は、7世紀の終わりから1797年まで、1000年を超えて栄え、かつては「もっとも高貴なヴェネツィア共和国」とも「もっとも高貴な共和国」と呼ばれた。ヴェネツィアはイタリアとヨーロッパの文化の拠点でもあり、多くの音楽家を擁したサン・マルコ大聖堂(サン・マルコ寺院)はヴェネツィア文化の中心のひとつとして、とりわけ16世紀と17世紀には音楽の改革に大きな役割を果たした。当アルバムは「もっとも高貴な共和国」がもっとも美しかった時代を偲び企画された。マントヴァ公国に仕え、1613年にヴェネツィアに移りサン・マルコ大聖堂の楽長を務めたモンテヴェルディ、宗教声楽音楽の大家とされるアレッサンドロ・グランディ、サン・マルコのヴァイオリニスト、ビアージョ・マリーニ、管楽器アンサンブルを率いたダリオ・カステッロ。ヴェネツィアの守護聖人、聖母マリアを讃える曲も選ばれている。フィンランドのバロック・アンサンブル、アルゴは、ヨーロッパ各地のバロックo.とアンサンブルで演奏するピリオド楽器のプレイヤーと歌手が集まり2008年に結成された。プログラムによってメンバーが替わり、このアルバムではトゥオモ・スニとドラ・アステシュタードがヴァイオリン、ヘイディ・ペルトニエミがチェロ、アンナ=マーリア・サカリ・オラモがチェンバロ、現代のファゴットの原型、ドゥルシアンをヤニ・スンナルボリが演奏している。声楽曲のソロを歌うソプラノのカイサ・ダールベクは、2005年にシベリウス・アカデミーの教会音楽科を卒業、2005年から2006年にかけてヨーテボリのオペラ大学で学んだ後、トム・クラウセ、イーモ・ランタをはじめとする教師に室内楽の歌唱と歌曲、デーム・エマ・カークビーの下でバロック歌唱を学んでいる。 | ||
J.S.バッハ(1685-1750):フランス組曲 Vol.2 フランス組曲〔第4番 変ホ長調 BWV815 /第5番 ト長調 BWV816 /第6番 ホ長調 BWV817 〕/ 前奏曲とフーガ イ短調 BWV543 /管弦楽組曲第3番〜G線上のアリア ミカ・ヴァユリネン(アコーディオン) | ||
Vol.1: ABCD-346 。1967年、ヘルシンキ生まれ。「アコーディオンの魔術師」ミカ・ヴァユリネンの弾くバッハ。ロングセラーとなっているゴルトベルク変奏曲(ABCD-191)では、卓越した技巧と優れた音楽性で聴衆を驚かせた。シリーズ第2集は長調による3曲他。 | ||
喜びと悲しみの賛美歌〜フランス・オルガン作品集 フランク:コラール第1番 ホ長調(1890)/カンタービレ ロ長調(「3つの小品」(1878)第2曲) リスト:J.S.バッハのカンタータ「泣き、嘆き、憂い、おののき」による変奏曲(1862 arr.1863) サン=サーンス:前奏曲とフーガ ロ長調 Op.99 No.2 / ジグー:10の小品〜第4曲「トッカータ ロ短調」 ルイ・ヴィエルヌ:「幻想的小品集」〜ウェストミンスターの鐘 Op.54 No.6 カリ・ヴオラ(Org) | ||
録音:2011年10月24日、中央ポリ教会、ポリ、フィンランド。使用楽器:パッシェン・キール・オルガン(2007年)。制作:カリ・ヴオラ、録音:ミカ・コイヴサロ。カリ・ヴオラは、フィンランドを代表するオルガニストのひとり。シベリウス・アカデミーで教会音楽とオルガンを学び、1990年に卒業。デンマーク、ドイツ、スイスに留学し、2001年シベリウス・アカデミーの博士課程を修了した。欧米各地でコンサートを行い、オルガン・フェスティヴァルの芸術監督、教師としても活動している。ブラームス(ABCD-121)、レーガー(ABCD-175)、J.S.バッハ(ABCD-209)の作品集、20世紀フィンランドの作品とブクステフーデとバッハの作品による『コントラスト』(ABCD-343)につづくアルバム。娘を病気で失くしたリストの悲しみを癒したというバッハのカンタータ『泣き、嘆き、憂い、おののけ』に基づくピアノの変奏曲をオルガン用に編曲した作品と、フランスの作曲家による「喜びと悲しみ」の宗教的オルガン曲のプログラム。この録音のためにヴオラが選んだ楽器は、フィンランド、ポリ市の中央ポリ教会に2007年に設置された、北ドイツ、キールのパッシェン・キール・オルガン工房制作のオルガン。ストップ数58、3段鍵盤とペダル。フランスのロマンティック・オルガンの伝統に基づき、オルガンのスペシャリスト、パリのクルト・ルーザスが設計、カレヴィ・マキネンが調律を担当した。府中の森芸術劇場ウィーンホールのオルガン(1991年)も、この工房の制作。 | ||
ペトリ・ニエミネン/作曲者編曲:もっとも明るいもの [The Brightest Matter] Wait until (*) / Prelude for Whales /Mermaid Song (*) / Well You Shouldn 't (*) /Pohjoinen (*) / Theme for June (#) /Time to Run (#) / New Year 's Night (*) /Trip of Lunatic (*) アヌ・コムシ(S;*) ヨルマ・カレヴィ・ロウヒヴオリ(Tp;#) ヴェリ=ペッカ・クルイェンニエミ(Tp/フリューゲルホルン;*) ペトリ・ニエミネン・アンサンブル [ペトリ・ニエミネン(テナーSax/バスCl/バリトンSax/アルトFl) アルト・ピースパネン(P) ヴィレ・ラウハラ(ベース) シモ・ライホネン、ケパ・ケットゥネン(Dr)] | ||
録音:2012年6月4日、18日、2013年6月12日、Studio JJ 、タンペレ、フィンランド。通常 CD に、同セッションをステレオと、5.1と7.1のマルチチャンネルの録音で収めた Blu-ray Disc Audioのディスクのセット( Blu-ray Disc Audioディスクには、インデックスを除き、映像は収録されていない。CDやDVDのプレイヤーでは再生不可)。制作:ペトリ・ニエミネン。録音:ユーソ・ノルドルンド。同レーベル初となる、ブルーレイ・オーディオ・ディスク。別途 CD 盤も同梱され、通常 CD プレーヤー等でも再生可能な商品となっている。ペトリ・ニエミネンはフィンランドのミュージシャン。とりわけ知られているのが、映画、テレビ、演劇の分野での作曲活動。教育者としても評価が高く、タンペレ音楽院ではサクソフォンとクラリネットのクラスを教えている。新しいアルバム『The Brightest Matter(もっとも明るいもの)』では、ニエミネンのジャズ作品が、彼のアンサンブルにソプラノのアヌ・コムシと、トランペットのロウヒヴオリとクルイェンニエミを加えたメンバーで演奏される。ロックとクラシカル音楽の影も見えるプログレッシヴ・ジャズ。『アヌ・コムシ、エイノ・レイノの詩を歌う』をはじめとする知的な企画のアルバムで知られるコムシが、ペトリ・ニエミネン・アンサンブルのミュージシャンたちと一緒に素敵にスウィングする。歌詞はすべて英語。 | ||
ヴィッレ・マトヴェイェフ(1986-): アド・アストラ(2008-09) (*) /チェロ協奏曲「交差点」(2009) (*)〜ヘヴィスタイルのファンタジー ユッカ・リンコラ(1955-):ピアノ協奏曲第1番「仮面舞踏会」(2011) (#) トゥオマス・レヘト(Vc) ヘンリ・シーグフリードソン(P) ディーマ・スロボデニュク指揮トゥルクpo. | ||
録音:2011年10月10日-11日(#)、2012年5月10日-11日(*)。制作・録音:マルック・ヴェイヨンスオ。ヴィッレ・マトヴェイェフとユッカ・リンコラ。フィンランドの今の音楽シーンでもっとも多彩な活動をするふたりの作品集。マトヴェイェフはシベリウス・アカデミーとエスポー音楽学校に学び、指揮者、作曲家、ピアニストとして活躍している。「作曲家」マトヴェイェフの名を一躍高めた作品が「アド・アストラ(星へ)」。フィンランドの画家アクセリ・ガッレン=カッレラの『アド・アストラ』の一作から受けた強い感情が、復活祭の真夜中のミサの「明るい光」のイメージと結びついた、「光と星へ向かう旅と復活」の音楽。ギリシャ=ビザンティンの賛美歌「来たりて光を受けよ」に基づく主題が使われている。フィンランドの新聞「ヘルシンキ・サロマット」から「21世紀フィンランド管弦楽のヒット作」と讃えられたという作品。チェロ協奏曲はフィンランド放送so. とフィンランド室内o. の共同委嘱により作曲された。「チェロと管弦楽のための協奏的作品」という考えは、フィンランド放送so. の首席奏者、友人のトゥオマス・レヘトの提案。リンコラは、ジャズピアニストからキャリアをスタートさせ、管弦楽曲、合唱曲、オペラ、ジャズ作品と、広いジャンルに作品を発表してきた。ピアノ協奏曲第1番はトゥルク・フィルハーモニックの委嘱作。協奏曲は、この仮面舞踏会をインスピレーションに作曲された。「城の夕べ」「ヴォードヴィルと悲しい道化」「河の鏡」「老船乗りと踊るマリオネット」「舞踏会」の5楽章。演奏時間42分のこの協奏曲には、作品が完成するまでの5年間にリンコラが手がけた4つのオペラと2つのミュージカルの音楽が、そのまま反映していると言う。ピアノソロを担当するヘンリ・シーグフリードソン(1974-)は、フィランドの彼の世代を代表するピアニストのひとり。そして、このディスクに収録された3曲はすべて初録音。トゥルク・フィルハーモニックを指揮するスロボデニュクはモスクワ生まれ。フィンランドに移りシベリウス・アカデミーでアトソ・アルミラ、セーゲルスタム、パヌラをはじめとする指揮者に学び、2005年から2008年までオウルso. の芸術監督を務めた。 | ||
不思議な仲間がいて(夜の旅) [In Strange Company (A Nocturnal Journey) ] マルクス・ファーゲルド(1961-): In F (I Dream of Bob Beamon)〜Bluesoresque I (2013) ジェルジュ・クルターグ(1926-): A Kis Csáva(ちょっとした苦境) Op.15b (1978) (ピッコロ、トロンボーンとギターのための) 〔ムソルグスキー風ファンファーレ/ストラヴィンスキー風頌歌/スケルツォ/夜の小品〕] マルクス・ファーゲルド(1961-):Slow and Howl -Bluesoresque II (2013) タピオ・トゥオメラ(1958-):Crisp (2011)(カンテレとギターのための) マルクス・ファーゲルド(1961-):G & B ♭ 〜 Bluesoresque III (2013) ジョージ・クラム(1929-): Quest(探求)(1994)(ギター、ソプラノサックス、ハープ、コントラバスと 2人の打楽器奏者のための)〔反復1/暗い小道/束の間の音/反復2/忘れられた哀歌/束の間の音/反復3/夜の小品] ペトリ・クメラ(クラシカルG/スチール弦G) ヘイッキ・ニクラ(バスCl) ヘルヤ・ラテュ(ピッコロ) ヴァルッテリ・マルミヴィルタ(Tb) エーロ・イグナティウス(Cb) エイヤ・カンカーンランタ(カンテレ/ダルシマー) ヨーナタン・ラウティオラ(ソプラノSax/ハーモニカ) リリ=マルレーネ・プーセップ(Hp) ヤニ・ニーニマキ、ティム・ファーチェン(Perc) | ||
ファーゲルドとトゥオメラの曲は初録音。ペトリ・クメラは今日のフィンランドでもっとも多才で、もっとも人気の高いギタリストのひとり。ヘルシンキ音楽院でファン・アントニオ・ムロ、ニュルンベルク=アウグスブルク音楽大学でフランツ・ハラースに学び、在学中にスカンディナヴィア・ギターフェスティヴァルとスタフォード・クラシカルギター・リサイタルのふたつのコンペティションに優勝している。彼がAlba Recordsに録音した『C.P.E.バッハ、ギターのためのトランスクリプション集』(ABCD-244)、「変奏曲」をテーマにした『変化はやってくる』(ABCD-313)、オストロボスニア室内o. が共演したコルピヤーコの作品集(ABCD-345)などのアルバムは、「技巧」を聞かせるといったスタイルとは一線を画した、知的で誠実、遊び心をもった音楽が、音楽ファンと批評家の両方から高い評価を受けてきた。クメラとアンサンブルによる新しいアルバム『不思議な仲間がいて』はギターのための「折衷的」室内音楽集。「夜の旅」がサブタイトル。「この旅には3つのステージがある。東洋の不条理主義と社会不安から旅が始まり、かなり歯切れのいいフィノ=ウゴルの楽器と音色の『どんちゃん騒ぎ』を経て、西洋の大草原と不思議な安らぎに至る。移動手段は、伝統的な趣のブルースのワゴン。熱狂的だった旅立ちは、しだいに深い満足に、そして、夜の平原をベランダから黙って眺めているような、静かな瞑想に変わる」(クメラ)。このプログラムによるコンサートがあり、つづいてCDのためのセッションが行われた。 | ||
ピートとスモークと海藻の嵐〜オスモ・タピオ・ライハラ(1964-): 管弦楽のための「バーリニー・ナイン」(1999)[サカリ・オラモ指揮フィンランド放送so./2005年4月20日F] / ホルン独奏のための独白2「旋風」(2012)[ユッカ・ハルユ(Hr)/2012年11月30日S]/ ピアノのための「アフラオ・ハイウェイ」(2011)[マティルダ・カルッカイネン(P)/2012年11月21日YLE] / 管弦楽のための「鉄の雨」(2008) (*) /管弦楽のための究極の小品「アードベッグ」(2003) (#) [ディーマ・スロボデニュク指揮フィンランド放送so./2008年10月15日F (*)、2011年4月28日-29日文 (#)] | ||
録音:[/内]、フィンランディアホールF、シポー旧教会S、フィンランド放送YLE、文化ホール(文化の家)文〔欧文不明〕、以上 フィンランド。 国内代理店が記載した演奏者と曲目の対比には混乱があったため、当店で修正済。フィンランドの作曲家。オスモ・タピオ・ライハラは、モダニズムや表現主義に新古典主義や新ロマン主義といった様式も取り入れながら、より自由なスタイルで作曲する世代のひとり。『ピートとスモークと海藻の嵐』は、サッカーとシングルモルトのウィスキーをこよなく愛するというライハラの「ポートレート・アルバム」。室内楽のための音楽を中心に作曲するライハラが、管弦楽、ホルン、ピアノのための書いた作品が紹介される。管弦楽のための「バーリニー・ナイン」は、リヴァプールのチーム、エヴァートンFCでプレーしたダンカン・ファーガソンの「音楽による肖像画」。曲名の「バーリニー」は、相手チームの選手に対する暴行で有罪になったファーガソンが服役した刑務所の名、「ナイン(9)」はファーガソンもつけたことのあるエヴァートンFCのセンターフォワードの背番号。フィンランド放送so. をサカリ・オラモが指揮している。「独白2」は、ライハラの友人、フィンランド放送so. の首席奏者を務める「ホルンの魔術師」ユッカ・ハルユのために作曲された小品。冬の嵐の吹き叫ぶ日に録音セッションが行われ、静かなパッセージにくると外の風の音が聞こえることから「旋風」の副題がつけられた。フィンランド放送so. の委嘱作「鉄の雨」は、「物語」という背景をもたない「描画」のイメージで書かれたという作品。ピアノのための「アフラオ・ハイウェイ」は、ライハラの西アフリカへの旅から生まれた。アフラオは、トーゴ経由でベナンに向かう「ハイウェイ」に沿ったガーナ国境の町。「もっとやれる」「監視員たちは心配そう」「明日の用心に良い行いを」。穴ぼこ道を車で行く途中で目にした車のステッカーのスローガンをタイトルとする3曲から構成されている。ピアノのマティルダ・カルッカイネン(1980-)はシベリウス・アカデミーの出身。ロマンティシズム時代のソナタを研究した論文で博士号を取得、新作の初演も積極的に行っている。「アードベック」は、スコットランドを代表するシングルモルトのひとつ「アードベッグ」の蒸留所があるインナー・ヘブリディーズ諸島、アイラ(アイレー)島の「音楽による風景画」として作曲された。この曲と「鉄の雨」は、ロシア出身の指揮者、シベリウス・アカデミーに学んだディーマ・スロボデニュクが、フィンランド放送so. を指揮している。 | ||
Eliangelis 〜クラリネットのための現代フィンランド音楽 アンティ・アウヴィネン(1974-):変ロ管(B♭)クラリネット独奏のための「 Eliangelis 」(2005) ハンヌ・ポホヤンノロ(1963-):バスクラリネットとテープのための「島、果てしない [Saari, rannaton] 」(1994) アディナ・ドゥミトレスク(1964-):バスクラリネット独奏のための「ネックレス [Necklace] 」(2011) ペルットゥ・ハーパネン(1972-):クラリネット独奏のための「扁桃体 [Amygdala] 」(2008/09) リーカ・タルヴィティエ(1970-): クラリネットとバスクラリネットのための「とぎれとぎれの子守歌 [Broken Lullaby] (2009) (*) オッリ・ヴィルタペルコ(1973-): 2つの変ロ管(B♭)クラリネットのための「ガラスの穴 [Glass Orifice] 」(2010) (*) タウノ・マルッティネン(1912-2008):クラリネット独奏のための「幻影 [Illusio] 」 Op.214 (1982) ミッコ・ラーサッカ(Cl/バスCl) グレゴリー・バレット(Cl;*) | ||
マルッティネン作品は断片が各曲間に挿入され、最後に同曲全曲が演奏されている。ミッコ・ラーサッカはヘルシンキ在住のクラリネット奏者。ブザンソンの音楽院に学び、シベリウス・アカデミーで音楽博士号を取得した。ユヴァスキュラのオーケストラ、シンフォニア・フィンランディアの首席クラリネット奏者を務めながら、現代音楽のソロ奏者、室内楽奏者として広く活動。オスモ・ヴァンスカ指揮のラハティso. をはじめとするフィンランド各地のオーケストラにソロ奏者として客演している。ウィーンの音楽アカデミーとノーザンイリノイ大学に客員して教え、現代のクラリネット奏法を総合した著作を2005年と2010年に発表している。アンティ・アウヴィネンがアスコ・ヘイスカネンのために作曲した「Eliangelis」をタイトルとする現代フィンランドの作品集。1982年から2011年にかけてクラリネットのソロ、あるいはデュオのために作曲された、「どんな音楽だろう?」と興味をひく曲名の作品が7曲選ばれ、そのうちの1曲、マルッティネンの「幻影」は、その「断片」が曲と曲のあいだに演奏され、アルバムの最後に作品「全体」(6分35秒)が演奏される。デュオの作品、リーカ・タルヴィティエの「とぎれとぎれの子守歌」とオッリ・ヴィルタペルコの「ガラスの穴」では、ノーザンイリノイ大学の教授、 「フィンランドのクラリネット」(ABCD-126)を録音したアメリカのグレゴリー・バレットが共演している。 | ||
トランペット協奏曲 ヨウニ・カイパイネン(1956-):トランペット協奏曲 Op.66 (2003) ハイドン(1732-1809):トランペット協奏曲 変ホ長調 Hob.VIIe: 1 アンリ・トマジ(1901-1971):トランペット協奏曲(1948) パシ・ピリネン(Tp) ハンヌ・リントゥ指揮タンペレpo. | ||
パシ・ピリネン(1969-)はフィンランドのトルニオ生まれ。シベリウス・アカデミーのジュニア・アカデミーで学んだ後、1988年からロンドンのギルドホール音楽演劇学校のジョン・ミラー、ポール・コッシュ、スティーヴン・キーヴィの下で学んだ。卒業後、クリーヴランドのマイケル・サックスとパリのアントワーヌ・キュレにも師事している。1995年から2005年までフィンランド放送so. の首席トランペット奏者、2005年からはヘルシンキpo. の首席奏者を務めている。コンセルトヘボウo.、バーミンガム市so.、オスロ・フィルハーモニック、王立ストックホルム・フィルハーモニックをはじめとするオーケストラで客演首席奏者として演奏、フィンランド・バロックo. ではピリオド楽器を演奏している。ソロ奏者としても活動し、マックスウェル・デイヴィスの協奏曲、ヘンツェの「レクイエム」、ベリオの「セクエンツァX」を演奏、フィンランドのエーリク・ベリマンとハッリ・ヴェッスマンの協奏曲を初演した。カイパイネンのトランペット協奏曲もピリネンが初演した作品。この作品は、カイパイネンが「エリート主義」的作風を離れる転機になったという1990年のクラリネット協奏曲「今を楽しめ!」の後、オーボエ、ピアノ、サクソフォン四重奏、ヴィオラ、ホルン、チェロ、ファゴット、ヴァイオリンとつづく、ソロ楽器と管弦楽のための作品のひとつ。フィンランド文化基金の支援を受けピリネンがカイパイネンに委嘱して作曲され、ピリネンが1997年からメンバーを務める室内アンサンブル、アヴァンティ!の「夏の響き」フェスティヴァルで初演された。「アンダンテ」「コメ・カデンツァ:アレグロ」「ラルゴ・クヴィエト」「プレスト」の4楽章で構成された、演奏時間が約29分半の作品。初録音のカイパイネンの作品に続きハイドンとトマジ、トランペットのスタンダードレパートリーの協奏曲が2曲演奏される。 | ||
ユルキ・リンヤマ(1962-):教会歌劇「洗礼者ヨハネの誕生」(2009)
ウルスラ・ラングマイル(S;マリア) トゥーラ・パーヴォラ(A;エリサベト) ナイオール・コレル(T;ガブリエル) エサ・ルートゥネン(Br;ザカリア) ユハニ・ランミンマキ指揮ソリ・デオ・グローリア室内o. | ||
フィンランドの作曲家リンヤマの音楽は「感情に訴えかける感性をもったモダニズム」(キンモ・コルホネン)とも呼ばれる。室内楽曲、器楽曲、声楽曲、管弦楽曲と幅広く作曲し、近年は教会音楽にとりわけ強い関心を寄せている。「洗礼者ヨハネの誕生」は、リンヤマが手がけた最初の舞台作品。『新約聖書』の『ルカによる福音書』第1章に基づくプロローグと3幕の教会オペラ。ユダヤの王ヘロデの時代。祭司ザカリア、その妻エリサベト、天使ガブリエル、聖母マリアに独唱が与えられ、さまざまな音楽作品の題材に採られてきた「マニフィカト(マリアの賛歌)「わたしの魂は主をあがめ」」(第1章第46節〜第56節)と「ザカリアの預言「ほめたたえよ、イスラエルの神である主よ」」(第1章第67節〜第80節)はそれぞれ第2幕と第3幕で歌われる。テクストはドイツ語。2010年、彼がコンポーザー・イン・レジデンスを務めていたオーストリアのカリンティシュ夏季音楽祭で初演された。オリジナルの楽器編成は、ホルン、2つのヴァイオリン、2つのヴィオラ、チェロ、コントラバス、打楽器、チェンバロ。2011年に弦楽器が追加された。ランミンマキ指揮の録音では、この室内オーケストラ版が使われている。 | ||
マサ・オルパナ〜故郷への旅 Orpana: Waiting for the train / Stormy / Walkin ' and thinkin ' / Slower slower / Inna slow motion Orpana, Seppälä: Goin ' to Kangasala / Wade in the water(Trad., Arr.) Eddie Harris: Gone home / Leiber, Stoller: Searchin / Manu Dibango: Ekedi マサ・オルパナ・ホンク [マッティ=ユハニ・オルパナ(Sax) ヨンニ・セッパラ(G/ラップスティール) ヴィッレ・ヴァッリラ(ベースG) ユッポ・パーヴォラ(Dr/Perc) ワイリー・カズンズ(P/エレクトリックP) イスマイラ・サネ(Perc) ヴィッレ・ラウハラ(ベース)] | ||
録音:2013年5月、10月、JJ-Studio 、タンペレ、フィンランド。制作:マサ・オルパナ、ヴィッレ・ヴァッリラ、ユーソ・ノルドルンド。録音:ユーソ・ノルドルンド。マサ(マッティ=ユハニ)・オルパナ(1973-)は、フィンランド、カンガサラのミュージシャン。この町は、サカリアス・トペリウスが『カンガサラの夏の日』の詩に描いたとおり、美しい自然で知られる。マサは、テナーサックスをメインの楽器に、その他のサクソフォン、クラリネット、フルート、ギターを演奏。R&B 、ルーツミュージック、ジャズ、即興、ロックと、さまざまな要素を取り入れた独自のスタイルをもっている。『兄弟』(ABCD-254)と『星へ〜タンペレ・ビッグバンド・ライヴ!』(ABCD-295)につづく『故郷への旅』は、彼のサックスを中心としたバンド、マサ・オルパナ・ホンクによるアルバム。アメリカ、都会の場末か片田舎の酒場の土曜の夜を思わせるオリジナル曲「列車を待って」。エディー・ハリスの「Gone Home」、スピリチュアルをオルパナとヨンニ・セッパラがアレンジした「流れを渡れ」、アフロ・ソウルジャズのマヌ・ディバンゴの「Ekedi」。ジェリー・ライバーとマイク・ストーラーがザ・コースターズのために書いた「Searchin '」の演奏は、エドガー・ウィンターの若い時代の録音からインスピレーションを授かったと言う。オルパナの音楽の性格がすべて反映したというプログラム。「ホンキートンク」気分いっぱいのセッションが展開する。『兄弟』に参加したエレクトリックベース奏者のユーソ・ノルドルンドが、共同制作、24トラックのフルアナログによる録音とミクシングを担当した。 | ||
ポエマ〜チェロと弦楽のための作品集 エルッキ・サルメンハーラ(1941-2002):ポエマ(1975) ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008):憎しみ〜愛 Op.71 (1987) (*) ユホ・カンガス(1976-):チェロと弦楽のための協奏曲(2010) アウリス・サッリネン(1935-):室内音楽第8番「パーヴォ・ハーヴィッコ追悼」 Op.94 (2008-09) マルコ・ユロネン(Vc) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
録音:2013年5月21日-24日、スネルマン・ホール、コッコラ、フィンランド。(*)を除き初録音。制作・録音:シモン・フォクス=ガール。マルコ・ユロネンはフィンランドのチェリスト。チャバ・シルヴァイ、エルッキ・ラウティオ、ヘイッキ・ラウタサロ、ハインリヒ・シフの下で学び、伝統的な作品と今日の作品をレパートリーにソロ活動を行なっている。1993年に「NOMUS(北欧音楽委員会)賞」を受けたオストロボスニア室内o. と2013年に名誉指揮者となったユハ・カンガスの共演による録音。サルメンハーラの「ポエマ」は「葬送」を思わせる陰鬱な曲調の音楽。ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための曲をチェロのために編曲した作品。ノルドグレの「憎しみ〜愛」は、「メランコリックな気分と内にある激しい気質を表現できる」楽器としてチェロが選ばれた。「後期ロマンティシズムの気分と三和音から、クラスターに似た構造と瞬間的に微分音で着色する手法まで、幅広い和声世界をもつ」(キンモ・コルホネン)。作曲者の「内なる声」を表現した音楽。オストロボスニア室内o. の委嘱により作曲された。サッリネンの「室内音楽第8番」は、弦楽オーケストラのために作曲された一連の「室内音楽」のうち、第3番の「ドン・ファンキホーテの夜の踊り」とともにチェロを独奏楽器とした作品。アムステルダム・シンフォニエッタなど4つのアンサンブルが共同委嘱。サッリネンのオペラ「騎馬兵卒」と「英国王フランスへ行く」の台本を書いたフィンランドの作家パーヴォ・ハーヴィッコ(1931-2008)への追悼の作品とし、スコアの表紙に彼の『木々、その緑なるものすべて』の書名が引用された。オランダのペーター・ウィスペルウェイがソロを弾き、2010年3月、アムステルダムで初演されている。「チェロと弦楽のための協奏曲」を作曲したユホ・カンガスは、ユハ・カンガスの子。ヘルシンキ音楽院とシベリウス・アカデミーで音楽理論を学び、オッリ・コルテカンガスに作曲法を私的に教わった後、シベリウス・アカデミーのヘイニネン、ハメーンニエミ、ヴェリ=マッティ・プーマラと、カールスルーエの音楽大学のヴォルフガング・リームの下で研究を続けた。室内音楽を中心に作曲し、大きな編成の作品も少しずつ手がけてきている。この協奏曲は彼がこれまでに作曲したもっとも規模の大きい作品。3楽章構成。「エスプレッシーヴォ」、「夜の音楽」の副題にもかかわらず「スケルツォ」的な性格の「2つの間奏曲」、もっとも長い「プレスト」。多彩な和声と音色をもった音楽。ユロネンがオストロボスニア室内o. と共演して1990年に初録音したノルドグレンの「憎しみ〜愛」をのぞき、初録音。 | ||
C.P.E.バッハ(1714-1788):6つのシンフォニアWq.182 〔ト長調 Wq.182-1 (H.657) /変ロ長調 Wq.182-2 (H.658) /ハ長調 Wq.182-3 (H.659) / イ長調 Wq.182-4 (H.660) /ロ短調 Wq.182-5 (H.661) /ホ長調 Wq.182-6 (H.662) 〕 サカリ・オラモ指揮オストロボスニア室内o. アンナ=マーリア・オラモ(Cemb) | ||
録音:2013年8月28日-31日、スネルマン・ホール、コッコラ、フィンランド。制作・録音:シモン・フォクス=ガール。オストロボスニア室内o. は1972年、ユハ・カンガスにより創設された。1989年からプロo. としての活動を始め、1993年に「NOMUS(北欧音楽委員会)賞」を受賞。名実ともフィンランドと北欧を代表する弦楽オーケストラとして国際的に知られるようになった。2013年、ユハ・カンガスが名誉指揮者に就くと、後任の首席指揮者に王立ストックホルムpo.、BBCso.、西海岸コッコラ・オペラの首席指揮者、サカリ・オラモ(1965-)が就任した。サカリ・オラモとオストロボスニア室内o. が最初の録音に選んだのはC.P.E.バッハの「6つのシンフォニア」。「いくら天才でも、その心から、いつも、これほど高度で大胆で機知にとんだ性格の音楽作品を生み出せるとはかぎらない」(「アルゲマイネ・ムジーカリッシェ・ツァイトゥング(1814年)」)。ゴットフリート・ファン・スヴィーテン男爵(1733-1803)から「技巧的にむずかしく、洗練された様式の音楽」の要望とともに委嘱された弦楽オーケストラのための6曲は、1773年に出版され、「ハンブルク交響曲」と呼ばれる。「予期せぬ和声、半音階、すばやいダイナミックスの変化、旋律間の鋭い対比、技巧の求められる器楽書法」。C.P.E.バッハの音楽と彼の時代の様式を踏まえながら現代楽器の美点を活かした演奏をする。ユハ・カンガスの育てたアンサンブルが、2010年12月にフィンランド政府から「フィンランド獅子勲章プロ・フィンランディア・メダル」を授与されたサカリ・オラモとともに新しいスタートを切ったことを示す録音。 | ||
カロル・シマノフスキ(1882-1937):ピアノ作品集 Vol.3 ピアノのための4つの習作 Op.4 (1900-02) /ピアノ・ソナタ第2番 イ長調 Op.21 (1910-11) / 20のマズルカ Op.50 (1924-25) より Nos.13-16, 9-12 アヌ・ヴェヘヴィライネン(P) | ||
フィンランドのピアニスト、アヌ・ヴェヘヴィライネンがシベリウス・アカデミーの博士課程で研究した成果を5枚のアルバムに示すシマノフスキのシリーズ第3集。「トリスタン」和声と入念なピアノのテクスチュアを使い、後期ロマンティシズム音楽に傾倒した初期のスタイルから、独自の作曲スタイルに発展していく、その境目に位置するとされるソナタ第2番。第2集で第1曲から第4曲が演奏された「20のマズルカ」は第9曲から第16曲の8曲。第1集(ABCD-296)と第2集(ABCD-337)が独特の響きのある教会で録音されたのに対し第3集はエスポーのセッロ・ホールで録音セッションが行なわれ、ニュートラルでモダーンな響きのピアノが使われている。 | ||
甘い喜びと頭痛〜ソプラノのためのオペラ・アリア集 モーツァルト: 「後宮からの誘拐」K.384 〜ブロンデのアリア「何という幸せ、何という喜び」/ 「ドン・ジョヴァンニ」K.527 〜ドンナ・アンナのレチタティーヴォとアリア「ひどい女って……何もおっしゃらないで」/ 「フィガロの結婚」K.492 〜伯爵夫人のレチタティーヴォとアリア「スザンナはまだ来ない……楽しい思い出はどこへ」/ 「ツァイーデ」K.344 〜ツァイーデのアリア「安らかにおやすみ、私の命よ」 ドニゼッティ:「ドン・パスクアーレ」〜ノリーナのカヴァティーナ「騎士はあのまなざしを」 ベッリーニ:「カプレーティ家とモンテッキ家」〜ジュリエッタのアリア「ああ、いくたびあなたのために」/ 「清教徒」〜エルヴィラのアリア「私は美しいおとめ」 グノー:歌劇「ロメオとジュリエット」〜ジュリエットのワルツ「私は夢に生きたい」 オッフェンバック:「ホフマン物語」〜アントニアのアリア「逃げてしまったの、雉鳥は」 シャルパンティエ:「ルイーズ」〜ルイーズのアリア「その日から」 リヒャルト・シュトラウス:万霊節 Op.10 No.8 /アモル Op.68 No.5 マルユッカ・テッポネン(S) アルベルト・ホルド=ガッリード指揮クオピオso. | ||
マルユッカ・テッポネンはフィンランドのソプラノ。2008年のサヴォンリンナと2010年のラッペーンランタのコンペティションで優勝し、2010年にフィンランド国立歌劇場、サヴォンリンナ・オペラ・フェスティヴァル、オーストリアのグラーツ歌劇場で初舞台を踏みた。2015年夏には「トゥーランドット」のリュー役を歌いブレゲンツ・フェスティヴァルにデビュー予定。指揮者のアルベルト・ホルド=ガッリードは、スペインのバルセロナ生まれ。デンマークで育ち、1998年からオペラ指揮者として活動している。2001年から2003年までストックホルムの王立歌劇場の音楽監督と首席指揮者を務め、フィンランド国立歌劇場、サヴォンリンナ・オペラ・フェスティヴァル、エストニアとウェールズの国立歌劇場、マルメ歌劇場、モスクワのノヴァヤ歌劇場に客演してきた。 | ||
静かな気分 [Silent Moods] ヴィレム・カップ(1913-1964):エレジー(1940) ラーシュ=エーリク・ラーション(1908-1986):小セレナード Op.12 (1934) エーリク・フォルデル(1852-1981):民謡の調子で(1952) カール=ビリエル・ブルムダール(1916-1968):劇付随音楽「ヴァルプルギスの夜」〜アダージョ エイナル・エングルンド(1916-1999):弦楽のためのセレナード(1983) エドゥアルド・オヤ(1905-1950):静かな気分(1930) / イェーカブス・メディンシュ(1885-1971):伝説曲(1909) アーレ・メリカント(1893-1958):チェロ独奏と弦楽オーケストラのためのセレナード イ短調(1914) (*) チャイコフスキー(1840-1893):エレジー(1884) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. マルコ・ユロネン(Vc;*) | ||
録音:2014年6月2日-5日、スネルマンホール、コッコラ、フィンランド。制作・録音:シモン・フォクス=ガール。オストロボスニア室内o.は1972年、ユハ・カンガス(1945-)がポホヤンマー(オストロボスニア)のコッコラに創設。1989年からプロオーケストラとして活動し、1993年に北欧音楽委員会(NOMUS)賞を受賞。2013年には名誉指揮者となったカンガスの後を継いでサカリ・オラモが首席指揮者に就任。フィンランドと北欧を代表する弦楽オーケストラとして、さらに広いレパートリーによる活動を行っている。アルバム『静かな気分』は2014年の録音。バルト海をめぐる国々の音楽、エストニアのヴィレム・カップとエドゥアルド・オヤ、ラトヴィアのイェーカブス・メディンシュ、スウェーデンのラーションとブルムダール、フィンランドのエーリク・フォルデル、エングルンドとアーレ・メリカントにチャイコフスキーの作品を加え、名誉指揮者に就任したカンガスの指揮で演奏している。エングルンドの「セレナード」は、 「アレグレット」「アンダンテ」「メヌエット」「終曲:アレグロ・コン・ブリオ」の4楽章の作品。1976年の「ペリマンニの肖像」(ABCD-205)をきっかけにオストロボスニア室内o. と親しくなった作曲家のノルドグレンに献呈するためカウスティネンの文化委員会がエングルンドに委嘱し、1984年2月、カウスティネンで初演された。アーレ・メリカントの「セレナード」は「ゆったりと美しく、それでいて燃え立つような、親しみやすいメロディをもった」(メリカント)単一楽章の曲。ユロネン(1966-)がチェロ独奏を担当している。 | ||
ハインツ=ユハニ・ホフマン(1973-): 歌劇「アハティ・カルヤライネン〜生活、ケッコネンと仕事」(2012) ヘルマン・ヴァッレーン(Br;アハティ・カルヤライネン) アヌ・コムシ(S;ウルホ・ケッコネン) ピーア・コムシ(S;クラウト) アンニカ・ミュッラリ(S;酒) エルッキ・ラソンパロ指揮コッコラ・オペラアンサンブル | ||
録音:2014年6月11日-13日、セッロ・ホール、エスポー、フィンランド。フィンランドのコッコラ・オペラ協会が、2012年のコッコラ夏のオペラ・フェスティヴァルで上演するため、ハインツ=ユハニ・ホフマンに委嘱した作品。ホフマンは、ソプラノと弦楽四重奏のための「ヒステリーと祈り」、モノローグオペラ「人間の心」といった、「面倒な主題」を扱った声楽作品で注目され、彼の音楽の特徴「容赦ない自然主義」をフィンランドの音楽シーンに確立してきたとされる作曲家。2012年のオペラでは、ふたりのトップ政治家、国務大臣と首相を務めたアハティ・カルヤライネン(1923-1990)と大統領ウルホ・ケッコネン(1900-1986)の生活ぶりが、政治と飲酒と家庭生活についての激しいやりとりの中に描かれる。ユハ・フルメが執筆した短い6幕構成の台本。ホフマンは、リゲティからプッチーニ、シュプレヒゲザング、広い声域と、高度な技術を求める幅広い歌唱スタイルの歌を、初演のメンバー、カルヤライネン役のヘルマン・ヴァッレーン、ケッコネン大統領の「ソプラノ」アヌ・コムシ、アハティの娘クラウトを歌うピーア・コムシ、「酒」のアンニカ・ミュッラリの声と歌に合わせて作曲している。オーケストラの編成は、弦楽五重奏、フルート、クラリネット、ファゴット、2組の打楽器、ポンプオルガン。アヌ・コムシはカズーと「おもちゃの豚」、ピーア・コムシはチェロとカズー、ミュッラリはカズーとメガフォン、と、ソプラノの三人が楽器も担当している。このオペラの初演は雑誌「 Opernwelt(オペラワールド)」の表紙にも取り上げられ、2013年にはエスポー劇場でも上演された。フィンランド歌詞と英訳がブックレットに掲載されている。 | ||
王宮の冬の音楽 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(1926-2012):王宮の冬の音楽 (シェイクスピア劇の登場人物による)〔第1ソナタ/第2ソナタ〕 ベンジャミン・ブリテン(1913-1976):ジョン・ダウランドによる夜の曲 Op.70 オット・トロネン(G) | ||
オット・トロネン(1980-)は、コルホネン、サヴィヨキ、ミュラー=ベリング、オスカル・ギリアに学び、ソリストとして活動。フィンランド国内から、ロシア、バルト三国、中央ヨーロッパ、北米、南米と演奏の場を広げてきた。20世紀フランスとスペインのギター音楽を演奏した『フランス風ティエント』(ABCD-357)に次ぐソロアルバム。ヘンツェとブリテンがエリザベス朝イングランドの文化からインスピレーションを得て作曲し、20世紀のギター音楽に大きな貢献をした作品が特集される。ヘンツェの「王宮の冬の音楽」は、シェイクスピア劇の登場人物がイメージされた作品。「グロスター」「ロメオとジュリエット」「エアリエル」「オフィーリア」「タッチストーン、オードリーとウィリアム」「オベロン」の6楽章による1976年の「第1ソナタ」。「サー・アンドルー・エーギュチーク」「ボトムの夢」「狂気のマクベス夫人」の「第2ソナタ」は1979年の作曲。ブリテンの「ジョン・ダウランドによる夜の曲」は、ダウランドの「歌曲集第1巻」の「来れ深き眠り」に基づく「変奏」として書かれた。「黙想して」「ひどく動揺して」「落ち着かず」「不安な」「マーチのように」「夢見て」「やさしく揺すり」「パッサカリア」「ゆっくり、静かな」。1963年の作品。このアルバムの曲はすべて、イギリスのギタリスト、ジュリアン・ブリームに献呈された作品。 | ||
異なった声 シベリウス:弦楽四重奏曲 ニ短調 Op.56「内なる声」 ヨウニ・カイパイネン(1956-): 弦楽四重奏曲第7番 Op.98「バトシェバ」 ユッカ・ティエンスー(1948-):ラック |
カムスSQ [テルヒ・パルダニウス、 ユッカ・ウンタマラ(Vn) ユッシ・トゥフカネン(Va) ペトヤ・カイヌライネン(Vc)] | |
録音:2014年6月5日-7日、シャウマン・ホール、ピエタルサーリ、フィンランド。カムス弦楽四重奏団は2002年、ヘルシンキのシベリウス・アカデミーの学生が結成したアンサンブル。クオピオ出身のテルヒ・パルダニウスとユッカ・ウンタマラのカップルに、サヴォンリンナ出身のユッシ・トゥフカネンとラハティ出身のペトヤ・カイヌライネンが加わり、発足した。アカデミーを卒業後、イギリス、オールドバラのブリテン=ピアーズ・プログラムとヨーロッパ室内楽アカデミーで学び、プロ活動に入った。本アルバムでは、シベリウス、カイパイネン、ティエンスーの「異なる声」をもった作品を取り上げた。シベリウスの ニ短調は、作曲者が作品番号をつけた唯一の弦楽四重奏曲。5楽章から構成され、シベリウスの持っていたポケットスコアの第3楽章の第21小節と第22小節のところに「Voces In-timae(内なる声)」--内面の奥深いところから聞こえてくる低い声--の書き込みが見つかったことから、この副題がつけられた。喉に腫瘍が見つかり、シベリウスが「限りある命」を意識したという時期、音詩「夜の騎行と日の出」の後、交響曲第4番に先立って作曲された作品。フィンランド音楽の第二次世界大戦後の世代を代表するひとり、ヨウニ・カイパイネンの第7番の四重奏曲は、フィンランドの作家ヴォルテル・キルピが生まれたクスタヴィで行われたフェスティヴァルの委嘱により作曲された。「旧約聖書」のダビデ王とバトシェバの物語を題材とするキルピの処女作「バトシェバ」に基づく「B flat–A–D–(b)–E flat–E–B flat–A(B–A–D–(h)–Es–E–B–A)」の音列を主題とした作品。ユッカ・ティエンスーは、チェンバロ奏者、ピアニストとしても活動する多才な作曲家。器楽のための作品が多く、微分音調律のチェンバロのための「毒薬と老嬢」に代表される、独特の楽器の扱いで知られる。「ラック」は、アルディッティ四重奏団のために作曲され、2008年、オスロのウルティマ・フェスティヴァルで初演された。曲名の「ラック(rack)」は「檻や棚、歯医者の治療台、中世の拷問台、あるいは、馬の軽掛けと、どのようにも理解できる」(カイパイネン)。緻密に構成された「稠密な音の彫刻」ともみなされる作品。 | ||
北の国〜シベリウス(1865-1957):歌曲集 思考 JS192 /夕べに Op.17 No.6 /おまえを連れてきたのは誰だ Op.90 No.6 /トリアノンでのテニス Op.36 No.3 / 岸辺のトウヒの木の下で Op.13 No.1 /くちづけの願い Op.13 No.2 /こころの朝 Op.13 No.3 / 初めてのくちづけ Op.37 No.1 /小さなラッセ Op.37 No.2 /夏の夜 Op.90 No.5 /春はいそぎ過ぎゆく Op.13 No.4 / 夢 Op.13 No.5 /フリッガに寄せて Op.13 No.6 /葦よそよげ Op.36 No.4 /狩人の少年 Op.13 No.7 / エーコーの精(カイウタル) Op.72 No.4 /三月の雪の上のダイアモンド Op.36 No.6 /ある歌 JS71 / 黒いばら Op.36 No.1 /さあ、おやすみ Op.17 No.2 /迷い Op.17 No.4 /夕陽のようにゆっくりと Op.61 No.1 / 逢い引きから帰ってきた娘 Op.37 No.5 /彼女の便り Op.90 No.2 /三月の雪 Op.36 No.5 /小さな娘たち JS174 / 夜に Op.38 No.3 /もっと別の考えがあるのか Op.86 No.4 /北の国 Op.90 No.1 /夢だったのか Op.37 No.4 ピア・フロイント(S) トンミ・ハカラ(Br) クリスティアン・アッティラ(P) | ||
シベリウスは、交響曲、音詩や交響詩、劇場のための音楽といった規模の大きな作品を書く一方、ピアノのための小品や歌曲を数多く作曲した。歌曲は、ヘルシンキ音楽学校に学んでいた1888年から書きはじめ、90曲を超す作品を残した。シベリウスの歌曲の多くは、彼の母語、スウェーデン語の詩、とりわけ象徴主義の性格をもった詩に作曲され、言葉や語句のニュアンスよりも、「詩」からインスピレーションを得た旋律、そして曲の構成が重視されている。フィンランドのピア・フロイントとトンミ・ハカラの歌うシベリウス。「考えるということ、見よ、いかに鳥が飛び回るか 雲の下、軽く、自由に……」。ルーネベリの詩を2声の歌曲に作った「思考」から始まるプログラム。「歓喜のうちに滅びる運命」をワルツのリズムに乗せて歌う「三月の雪の上のダイアモンド」。ルーネベリの詩を「小さなオペラ」とも呼べる曲に作った「逢い引きから帰ってきた娘」。そして、別れた恋人に寄せる想いを、大きく弧を描く旋律に歌う「夢だったのか」。フロイントとハカラが特に気に入っているという曲を中心に30曲が選ばれた。 ピア・フロイント(1964-):シベリウス・アカデミーで学び、マルメ音楽アカデミーのドロシー・アーヴィング教授に師事した。1992年から定期的にフィンランド国立歌劇場の舞台に立ち、カイヤ・サーリアホの作品を特に得意としていることで知られる。 トンミ・ハカラ(1970-):シベリウス・アカデミーとカールスルーエ音楽大学で学び、イギリスのカーディフで隔年で開催されるBBCの「世界の歌手」コンペティションの2013年大会で第1位に選ばれた。メトロポリタン歌劇場、サンフランシスコ歌劇場、ザクセン州立歌劇場、サヴォンリンナ・オペラ・フェスティヴァルをはじめとする舞台に「ファウスト」のヴァランティン、「タンホイザー」のヴォルフラム、「道化師」のシルヴィオなどの役で出演。2008年からフィンランド国立歌劇場に所属、歌曲のコンサートに出演し、ソリストとしてオーケストラに客演している。 | ||
川〜セリム・パルムグレン(1878-1951): ピアノ協奏曲集〔第2番 Op.33「川」(1912-13) /第1番 ト短調 Op.13 (1904) / 第3番 Op.41「メタモルフォーゼ」〕(1916) 〕/ ヴァイオリンとピアノのための小品 Op.78 (1921-22) 〔前奏曲 /ユモレスク/カンツォネッタ/フィドル弾き/フィンランド・ロマンス/東洋風セレナード/プレギエラ〕 ヘンリ・シーグフリードソン(P) ヤン・セーデルブロム(Vn)指揮ポリ・シンフォニエッタ | ||
録音:2014年9月11日-12日、プロムナードホール、ポリ、フィンランドセリム・パルムグレンはヘルシンキ音楽学校でシベリウスの師でもあるマルティン・ヴェゲリウスに作曲を学んだ。 『「カレヴァラ」に基づく音詩をシベリウス自身の指揮で聞き、見る……忘れがたい体験……「カレヴァラ」はシベリウスの手に委ね、私は何か他のことを考えよう……』。パルムグレンは、ピアニストとしても知られ、5つのピアノ協奏曲と約350のピアノ曲、男声合唱を中心とする200曲以上の合唱曲、歌劇「ダニエル・ユート」などを作曲、その多くがフィンランド・ロマンティシズムの大切なレパートリーとして記憶されている。フィンランドのピアニスト、シベリウスのピアノ曲やラフマニノフのピアノ協奏曲第2番と第3番の録音で知られ、作曲家でもあるヘンリ・シーグフリードソン(1974?)のパルムグレン・アルバム。ピアノ協奏曲第1番は1904年の作曲。南オストロボスニアの旋律による序奏とマーチ風の音楽、ゆっくり流れる中間部、スケルツォ風のフィナーレから構成される一楽章の短い作品。第2番の協奏曲は、パルムグレンが生まれ育ったポリ市を流れるコケマキ川をインスピレーションに作曲され、「人生の流れ」を重ねる「川」の副題がつけられた。序奏、2つのカデンツァ、賛歌のフィナーレをもつ「急緩急」の単一楽章の音楽。主題のひとつにスウェーデンの民謡が使われている。第3番「メタモルフォーゼ」は、合唱指揮者クレメッティによるオストロボスニア敬虔主義者の旋律と9つの変奏曲による作品。シューマン、リスト、グリーグ、ブゾーニ、ロシア・ロマンティシズムとりわけラフマニノフの伝統に沿いながら印象主義の色彩をいち早く取り入れたパルムグレンのピアノ音楽の魅力が3つの協奏曲に美しく示される。シーグフリードソンとポリのオーケストラは、それぞれの曲の特徴を明確に示しながら、瑞々しくのびやかな音楽を展開していく。指揮者のセーデルブロムがヴァイオリンを担当した「ヴァイオリンとピアノのための小品」は、フィンランドの民謡に基づく「カンツォネッタ」や「祈り」の「プレギエラ」など、1921年から翌年にかけて作曲された小曲集。 | ||
河に住む [Fluvial] シベリウス:4つの抒情的な小品 Op.74 / ラヴェル:水の戯れ トマス・ビューストレム(1772-1839):ロシアの旋律による変奏曲 ト短調 シューベルト:ピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D.959 アンナ・クヴァヤ(P) | ||
録音 :2015年6月15日-17日、Nya Paviljongen 、カウニアイネン、フィンランド。フィンランドのピアニスト、アンナ・クヴァヤ(1979-)のデビュー・アルバム。シベリウスが、音詩「大気の娘(ルオンノタル)」や音詩「オーケアニス(大洋の女神)」とほぼ同じころ作曲した「印象主義風の色彩をもち、何かを喚起するような音の描画」(クヴァヤ)。アンリ・ド・レニエの詩の一節「水にくすぐられて笑う河の神……」が楽譜に添えられたラヴェルの「水の戯れ」。フィンランド古典主義の数少ない作曲家のひとり、軍人でもあったトマス・ビューストレムが、悲しげなロシアの歌を主題とする12の変奏曲。シューベルトの遺作のソナタのひとつ、「心をうつ歌」の「ロンド」に終わる イ長調作品。ラヴェルが引用した「河に住む(河の)」をタイトルに、アンナが「音楽家としてもっとも自然に感じる」という作品をリサイタルの形式にまとめたアルバム。アンナ・クヴァヤ:フィンランドのピアニスト。クフモとエスポーの音楽学校、ヘルシンキ音楽院で学び、1999年からシベリウス・アカデミーでトゥイヤ・ハッキラ、ヘイニ・カルッカイネン、リーサ・ポホヨラに師事。2003年春、パリ高等音楽院のアンリ・バルダとイザベル・デュビュイの下で学んだ。2005年、シベリウス・アカデミーでディプロマ・リサイタルを行い、最高位でディプロマを取得した。ソリスト、室内楽と歌曲のピアニスト、現代作品の初演者、フォルテピアノの奏者として活動している。 | ||
イギリス弦楽音楽のお気に入り ブリテン:フランク・ブリッジの主題による変奏曲 Op.105 / エルガー:弦楽セレナード Op.20 フィンジ:弦楽オーケストラのためのロマンス Op.11 ブリッジ:3つの牧歌(弦楽四重奏のための)/ 弦楽アンサンブルのための2つの古いイギリスの歌〔横丁のサリー/熟したサクランボ〕 サカリ・オラモ指揮オストロボスニア室内o. | ||
録音:2014年11月24日-27日、スネルマン・ホール、コッコラ、フィンランド。オストロボスニア室内o.は、フィンランドのみならず北欧を代表する弦楽オーケストラのひとつ。2013年、創設者ユハ・カンガスの後を継いでサカリ・オラモ(1965-)が首席指揮者に就任。最初に録音したC.P.E.バッハ「6つのシンフォニア」(ABCD-374)は BBC Music Magazine の2015年度最優秀クラシカル・アルバム賞にノミネート、アンサンブルは新しいステージへの一歩を踏み出した。セカンド・アルバムは、イギリス音楽によるプログラム。サカリ・オラモとオストロボスニアの音楽家たちの「お気に入り」の音楽を、先のアルバムの録音を担当したイギリスのエンジニア、サイモン・フォックス=ガールが、瑞々しい響きに収めている。 | ||
ならべてみると [Side by Side] J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004 〔楽章間に「伝承曲:ヒントリーキ・ペルトニエミの葬送行進曲」「アルト・ヤルヴェラ(1964-):吊り橋のハンボ」 「ヴィルヤミ・ニーテュコスキ(1895-1985):短調のポルスカ」 「コンスタ・ユルハ(1910-1984):ヤーナのワルツ」を挿入〕 J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ホ長調 BWV.1006 〔楽章間に「伝承曲:ポルスカ」「ヴィルヤミ・ニーテュコスキ(1895-1985):ポルスカ=マズルカ」 「伝承曲:小さいカントルのショッティーシュ」 「伝承曲:パロカンガスの若者たちのよりよいワルツ」「伝承曲:フリーティ・オヤラのポルカ」を挿入〕 ジグクレータ=マリア・ケンタラ(バロックVn) | ||
録音:2015年5月18日-21日、カウスティネン教会、カウスティネン、フィンランド。 クレータ=マリア・ケンタラは、フィンランドを代表するバロック・ヴァイオリニストのひとり。スカンディナヴィア最大の民俗音楽祭でも知られるカウスティネンに生まれ、オストロボスニア音楽学校でマウノ・ヤルヴェラとユハ・カンガスとカイヤ・サーリケットゥに学び、シベリウス・アカデミーを経て、ストックホルムのエツベリ音楽学校でエンドレ・ヴォルフとジェニファー・ヴォルフに師事した。ケルンのラインハルト・ゲーベルの下でバロック音楽を研究。イギリスのモニカ・ハジェットのプロジェクトにもたびたび参加してきた。カウスティネンに2013年に創設されたピリオド楽器アンサンブル「バロッコ・ボレアーレ(北のバロック)」のリーダーを務め、アルバム『フォーク・シーズンズ』(ABCD-402)のソロも担当した。彼女のソロアルバム『Side by Side(ならべてみると)』。J.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ」の「シャコンヌ」をのぞく第2番と第3番の「バッハの舞曲ではない舞曲」と「カウスティネンの舞曲」をならべて演奏。いろいろな「違い」と「つながり」をプレイヤーの視点から眺め、聴き手の興味を呼び起こす音楽として提示する。第2番の「アルマンド」の前に演奏される「ヒントリーキ・ペルトニエミの葬送行進曲」は、アウリス・サッリネンの弦楽四重奏曲第3番の素材にも使われた伝承のフィドル曲。ブレシアのジョヴァンニ・バッティスタ・ローゲリが1691年に製作した楽器による演奏。『フォーク・シーズンズ』と同じサイモン・フォックス=ガールの制作と録音。 | ||
ブラームス&セーゲルスタム Vol.1 ブラームス:交響曲第1番 セーゲルスタム:交響曲第288番 「 Letting the FLOW go on... 」 |
レイフ・ セーゲルスタム(P)指揮 トゥルクpo. | |
録音:2015年11月2日-5日、2016年1月4日-7日、トゥルク・コンサートホール。2012年からトゥルク・フィルの芸術監督を務める、北欧が生んだ巨人レイフ・セーゲルスタムによる新プロジェクト。ブラームスの交響曲全集再録音(第1回は1990年代前半、ラインラント=プファルツ州立po.とのもの)とセーゲルスタムの新作交響曲4つを収録していく。第1弾はブラームスの第1番とセーゲルスタムの第288番。セーゲルスタムとブラームスの組み合わせは音楽的には意外かもしれないが、容貌はそっくり?! | ||
アンダルシア幻想曲 サビカス〔アグスティン・カステジョン・カンポス〕(1912-1990): アンダルシア幻想曲/デリカーダ/セビジャナス ファリャ:クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための賛歌/「三角帽子」〜粉屋の踊り/ 「はかない人生」〜スペイン舞曲第1番 タレガ:アランブラの思い出 / アルベニス:「スペイン組曲」〜セビリャ グラナドス:マラゲニャ/ベルディアレス ロルカ:セビリャの子守歌 ニーニョ・リカルド〔マヌエル・セラピ・サンチェス〕(1904-1972):シエラ・ネバダ ペトリ・クメラ(G) ヨーナス・ヴィデニウス(フラメンコG) | ||
録音:2015年9月21日-24日、オステルスンドム・チャペル、シポー、フィンランド。C.P.E.バッハのトランスクリプション(ABCD-244)や「変化はやってくる」(ABCD313)をはじめとするアルバムをリリース、フィンランドでもっとも多才なギター奏者と言われるペトリ・クメラの「フラメンコとクラシカルギターの出会い」。フィンランドのフラメンコギター奏者で作曲家のヨーナス・ヴィデニウスと共演し、スペイン、アンダルシア地方生まれのフラメンコの音楽から選んだ、ニーニョ・リカルド(マヌエル・セラピ・サンチェス)と「ヴィルトゥオーゾ」サビカス(アグスティン・カステジョン・カンポス)の曲、そして、ファリャ、タレガ、アルベニスの作曲した「スペインのエバーグリーン」(クメラ)を演奏している。ファリャの「スペイン舞曲第1番」と「マラゲニャ」「ベルディアーレス」「セビリャの子守歌」はクメラとヴィデニウスが編曲、「粉屋の踊り」はフアン・アントニオ・ムロの編曲にクメラとヴィデニウスが補筆、アルベニスの「セビリャ」はマヌエル・バルエコの編曲にクメラが補筆している。 | ||
ベリマニアーナ〜エーリク・ベリマン(1911-2006):男声合唱曲集 独唱と男声合唱のための民謡調組曲「わたしのバラ、わたしのユリ」 Op.77a (1975) / 5つの歌 Op.15 (1944) より 〔古い陶磁器/夜想曲〕/ 「エッダ」による バリトン、男声合唱と打楽器のための「石碑」 Op.54 (1961) / 男声合唱のための4つの「それほど真剣でない歌」 I Op.22b (1947)〔楽園の一日/違う、あなたじゃない/花/行商人〕/ 「スッタニパータ」によるバリトンと男声合唱のための「ティピタカ」組曲 Op.93 (1980)〔朗読/目覚め/サイ/矢〕/ フルート、バリトンと男声合唱のための組曲「雪」 Op.59b (1966)〔音が鳴る/新雪/霜/雪の上の影のように優しく〕/ 子供と大人2人の朗読、男声合唱とリコーダーのための「子供の夢」 Op.56b (1963)〔子供の夢/森の子供〕/ 故郷の村 Op.17 (1945)〔仕事を終えて家路に/踊り/民謡調のポルカ〕 /野原は歌う(1957) /青春の夢 Op.22a (1946) / テノール、クラリネットと男声合唱のための幻想曲「北欧の春」 Op.37a (1951) / 「イザヤ書」によるバリトン、男声合唱、2つのトランペット、 2つのトロンボーンと3人の打楽器奏者のための「イスラエルの民」 Op.61 (1968) /古代の絵 Op.35c (1950) / バリトン、フルート、男声合唱とヴィブラフォンのためのアダージョ Op.47a (1957) /変身 Op.35d (1950) / バリトンと男声合唱のための「夜の声」 Op.84 (1977) /6月のサウナ Op.50b (1959) /プンシュ酒の歌(1955) / 朗読、テノールと男声合唱のための「 Ha Li Bomp 」 Op.57a (1964) / バリトンと男声合唱のための組曲「おいで愛しい人」 Op.111 (1988)〔僕の大好きな人は君/君がいなくなった/ 僕と一緒に来るかい?/海に歌う憧れの歌/わたしの知ってる人がやって来ることがあれば〕/ 3つの歌 Op.30 (1948)〔朝早く/ぐるぐる回るパンケーキ〕/山の上に古い町がある(1956) / 男声合唱のためのジャン・シベリウスへのオマージュ「トゥオネラの家畜」 Op.57b (1964) / 男声合唱のための 3つの「それほど真剣でない歌」 II Op.35b (1950)〔天国の楽団/子守歌/鳥を狩る〕/ バリトン、5人の独唱、男声合唱、打楽器とチェレスタのための「鳥」 Op.56a (1962) / 男声合唱のための 3つの「それほど真剣でない歌」 III Op.39 (1952)〔鳥のさえずり/カタツムリの歌/おーい〕/ 男声六重唱のための組曲「カレリアーナ」 Op.112 (1988)〔子守歌/田園詩/魔法/嘆きの歌/わたしの恋人〕 マッティ・ヒュオッキ指揮ベリマニア・アンサンブル [ペトリ・ベクストレム(T/Br) サンポ・ハーパニエミ、ラッベ・オステルホルム(Br) イーダ・アントラ(S) ハンナ・キンヌネン(Fl) ミッコ・ラーサッカ(Cl) エーロ・サウナマキ(リコーダー) リスト・ラッパライネン(チェレスタ) オッリ=ペッカ・マルティカイネン、パシ・スオマライネン、ユッシ・マルッカネン、 ヴェリ=へイッキ・パルヴィアイネン(Perc) トマ・ビュニョ、アンニ・ヤースケライネン(Tp) ヴァルッテリ・マルミヴィルタ、ダレン・アコスタ(Tb) ダニエル・シュルツ、トゥーマス・トコランデル、トム・ヴェンツェル(朗読)] パシ・ヒュオッキ(リーダー)タッラ・アンサンブル | ||
録音:2011年5月27日-28日、2012年1月7日、5月26日、2013年1月11日-12日、5月18日、2014年3月29日、5月9日-10日、フィンランド放送(YLE) M2 録音スタジオ、ヘルシンキ。 制作:ラウラ・ヘイキンヘイモ、マッティ・ヒュオッキ|録音:アヌ・ピュルッカネン。エーリク・ベリマンは、フィンランド・モダニズムに大きな存在感を示した音楽家のひとり。1930年代から1940年代にかけてはロマンティックなスタイルで作曲、1940年代の後期からは半音階を用いた作曲を手がけ、1952年、フィンランド初の十二音技法による作品となるピアノのための「エスプレッシーヴォ」を作曲した。作曲家ベリマンの好奇心は、時代は古代エジプトから古代フィンランドの呪文や中世の宗教音楽へ、地域はサーミの地方から地中海地方、ヨーロッパから極東へと広がり、異なる世界から得たインスピレーションは多様なジャンルの作品に活かされた。ベリマンは合唱指揮者としても活躍、1950年代の初期からはヘルシンキのアカデミー男声cho. と男声アンサンブルのムントゥラ・ムシカンテルの指揮を任され、彼らのためにさまざまなスタイルの男声合唱曲を作曲した。新たな試みを行った作品も多く、男声合唱のための作品は、作品番号をもつものだけでも150 を数える彼の作品群の中でも重要な位置を占めている。20世紀の男声合唱音楽を彩った彼の作品を3枚のディスクに収めたアルバム『ベリマニアーナ』。「民謡調」の組曲「わたしのバラ、わたしのユリ」、古代北欧の詩集『エッダ』による「石碑」、南伝仏教の経典『スッタニパータ』による「ティピタカ組曲」、ステーンハンマルも歌曲にしたブー・ベリマンの詩による「アダージョ」、フィンランドの伝承詩などをテクストにした組曲「おいで愛しい人」、ブルムダールのオペラで知られる『アニアーラ』の原作者、ノーベル文学賞を受賞したハッリ・マッティンソンの詩に作曲した「ジャン・シベリウスへのオマージュ」「トゥオネラの家畜」、『旧約聖書』の『イザヤ書』による「イスラエルの民」、スウェーデンのヤン・フリーデゴード、ハリエット・ローヴェンイェルム、グスタフ・フローディングの詩による3つの「それほど真剣でない歌」。ベリマニア・アンサンブルは、シベリウス・アカデミー・ヴォーカルアンサンブルの男声セクションによるグループ。ヘルシンキ大学男声cho. を長年指揮したことで知られるマッティ・ヒュオッキが指揮した。録音セッションは2011年から2014年にかけてが行われ、オペラとコンサートの歌手として活動するソリストたち、ラハティso. の首席打楽器奏者を務めたマルティカイネンをはじめとする器楽奏者、俳優のトム・ヴェンツェルたちが朗読に参加。ベリマン自身のフィンランド語詩による男声六重唱曲「カレリアーナ」は、パシ・ヒュオッキがリーダーのタッラ・アンサンブルが担当した。 | ||
極超個体 [Hyperorganism] 〜ヴェリ・クヤラ(1976-): オルガン、弦楽とライヴ・エレクトロニクスのための「 CybOrgan 」/ 四分音アコーディオンとマルチチャンネル・テープのための「極超半音階的対位法 [Hyperchromatic Counterpoint] 」 スサンネ・クヤラ(Org) ウーシンタ・アンサンブル タンペレ・ローヴェリ・クヤラ(ライヴ・エレクトロニクス/四分音アコーディオン) | ||
録音 :2013年9月10日、スオニエミ教会、タンペレ、フィンランド/2014年3月22日、レッパヴァーラ教会、エスポー、フィンランド。 『「初めに音があり、力強い音楽がすべての天と地を満たした。和音は星を生み、銀河を生み、惑星と生命を生んだ。そして最後に、あなたと私を生んだ……」。フィンランドのアコーディオン奏者、作曲家、ヴェリ・クヤラの『極超個体』は、「宇宙の音楽」をイメージした 2 曲から構成されたアルバムです。オルガンと弦楽に赤外線カメラ制御のライヴ・エレクトロニクスを加えた《CybOrgan》は、第 1 部〈-um〉、第 2 部〈On the Strand of Remote-ness(悠 遠の岸で)〉、第 3 部〈Warp(ウォープ)〉に分かれ、新宇宙の大エネルギー、太陽風や爆発する銀河の叫びなどが表現されます。この作品では、ヴェリの夫人、ベルリンに生まれ、ハンス・アイスラー音楽大学でアコーディオンとコレペティトールのピアノを学んだスサンネ・クヤラがオルガンを担当しています。クヤラ自身が弾く四分音アコーディオンと録音済みテープによる《Hyperchromatic Counterpoint》は、第1部〈Wer Krümel ißt, wird Reich(パンくず(クラム)を食べる者は誰もが、ライヒだ)〉が〈Bulgarian Infinity Series(ブルガリア無限級数)〉〈Neutral Waves(中立波動)〉〈Bar 16 2/3〉の 3曲から構成され、第 2 部〈Passacaglia(パッサカリア)〉、第 3 部〈Sculpture(彫刻)〉、第 4 部〈Accordion Hyperoriental(ハイパーオリエンタル・アコーディオン)〉、第 5 部〈L’ harmonie éternelle(永遠の調和)〉とつづく音楽。』 | ||
ハッリ・アハマス(1957-):室内オペラ「蛇の指輪」(2008)
ウッラ・ライスキオ(Ms) イルッカ・ラーソネン(語り) ペトリ・コムライネン指揮ツァグロス・アンサンブル [ミッコ・ラーサッカ(Cl) ユハ・ラウロネン(Perc) レーナ・サーレンパー(Hp) ミンナ・コスキミエス(P/チェレスタ/Cemb/ハーモニウム) キリル・テレンティエフ(Vn) アヌ・アイラス(Va) アンテロ・マンニネン(Vc) サンポ・ラッシラ(Cb)] | ||
録音:2015年6月1日-4日、カレヴィ・アホ・ホール、ラハティ、フィンランド。ハッリ・アハマスは、フィンランドの作曲家。ラハティso. の首席ファゴット奏者も務めている。作曲はシベリウス・アカデミーのエングルンドとラウタヴァーラに学んだ。自由調性から、さらに半音階的なスタイルで作曲。第2番の交響曲が、2004年の国際ウーノ・クラミ作曲コンペティションの第2位に選ばれた。「蛇の指輪」は、彼の2作目の室内オペラ。メゾ・ソプラノのウッラ・ライスキオが見つけてきたティッタマリ・マルッティネンの詩作「蛇の指輪」を、ライスキオ、演出家イルッカ・ラーソネン、アハマスの三人で台本にまとめ、2幕の作品に作り上げている。「十五世紀、下ブルグントのベアタ・リヨネーズは、定められていた男のもとにいやいや嫁いでいく。婚礼の日、かつて恋に落ちた男性が披露宴の場にいることに気づく。「誓いる」の言葉は、新郎ではなく、彼女が心を捧げただひとりの男に向けられる。最初の子を疫病で失くしたものの、多くの子に恵まれる。子供たちが成長すると彼女は若き日に恋した男のとこに戻っていく……。ベアタは、家庭生活よりも薬草の世界に夢中になっている。心の均衡を支えているのは、薬草と薬効を目録にまとめること。司教たちの警告も無視、病を癒すという薬草ケーキを近所の人々のために作りつづける。夫と家事には不満。ベアタの作った薬草のペーストを食べた夫が死に、彼女は呪いにも魔法にもかからない女になっていた。ベアタが老衰で死ぬ。葬儀に集まった人々が皮肉をこめて語る。「わたしたち近所のものは、彼女のことは、いいことしか言わない」」。「蛇の指輪」は、メゾ・ソプラノが物語のなりゆきを語り、歌うスタイルを採り、チェロとコントラバスの演奏する「プロローグ」の主題など、いくつかの主題と示導動機により音楽が進められる。2008年夏、カヤーニ詩週間で初演。「リベラル思考、理想主義、実験願望」をキーワードに活動をつづける室内アンサンブル、ツァグロスを、初演と同じペトリ・コムライネンが指揮した。 | ||
J.S.バッハ:ギター編曲作品集 Vol.2 リュート組曲〔ハ短調 BWV.997 /ホ短調 BWV.996 〕/ 前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV.998 / 目覚めよと呼ぶ声が聴え BWV.645 |
イスモ・エスケリネン(G) | |
録音:2015年5月25日-28日、スネルマン・ホール、コッコラ、フィンランド。フィンランドのギタリスト、イスモ・エスケリネン(1971-) 自身の編曲によるバッハ編曲集第2弾。エスケリネンはクオピオの生まれ。ティモ・コルホネン、オスカル・ギリヤらに学び、スカンディナヴィア・ギター・コンペティションを初めとする各地のコンクールで優勝した後、ソロイスト、室内楽奏者として活躍している。粒が綺麗に整ったエスケリネンの演奏は、バッハの音楽と相性がよく、説得力のある見事な解釈も相まって、爽快な演奏を聴かせてくれる。 | ||
ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラで聴くゴルトベルク変奏曲 J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 ラ・コンパニー・ポシェット[ミンナ・ペンソラ(Vn) アンティ・ティッカネン(Va) セルゲイ・マーロフ(ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ)] | ||
録音:2016年2月17日、19日-20日、聖カタリナ教会、サンクトペテルブルク、ロシア。 制作・録音:アレクセイ・バラシュキン。 J.S.バッハが鍵盤楽器独奏のために作曲した「ゴルトベルク変奏曲」は、リストやブゾーニのころから編成を変えて演奏することが行われ、19世紀の終わりには2台ピアノの版も作られた。旧ソ連のアゼルバイジャンに生まれたアメリカのヴァイオリニスト、ドミートリー・シトコヴェツキー(1954-)による弦楽三重奏のための編曲が作られたのはグレン・グールドが亡くなった後。グールドを追悼したこの作品は、スウェーデンのトリオ・シリアクス=ペーション=ライティネンをはじめ各国のグループにより演奏され、弦楽三重奏のレパートリーとして定着してきている。ロシアのヴァイオリンとヴィオラの奏者、セルゲイ・マーロフ(1983-)が「肩掛けのチェロ」ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを弾き、弦楽四重奏団Meta4のミンナ・ペンソラと、Meta4の創設メンバーだったアンティ・ティッカネンと組んだ「ラ・コンパニー・ポシェット」の「ゴルトベルク変奏曲」は、シトコヴェツキーの版を基本に三人が共同で編曲を手がけた。彼らはフィンランドで演奏した後、ロシアのサンクトペテルブルクに渡り、ネフスキー大通りにあるカトリックの聖カタリナ教会でアルバムのための録音セッションに臨んだ。マーロフのヴィオロンチェロ・ダ・スパッラは、ドミートリー・バディアロフが彼のために2011年に製作した楽器。ペンソラはカルロ・ベルゴンツィ製作のヴァイオリン(1732年)、ティッカネンはエーロ・ハーハティのヴィラ(2010年製作)を弾いている。 | ||
ゲートウェイ [Gateways] J.S.バッハ/リスト編曲: 幻想曲とフーガ ト短調(BWV.542) S.463 シューベルト:4つの即興曲 D.899(Op.90) リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178 |
リスト=マッティ・マリン(P) | |
録音:2014年9月24日-25日、クーサーホール、クーサンコスキ、フィンランド。 SACD層仕様: 5.0 multichannel 。フィンランドのピアニスト。リスト=マッティ・マリン(1976-)は、シベリウス・アカデミーの博士課程で「ピアノ・トランスクリプション」を研究し、その一環として録音したチェルニー、タールベルク、J.S.バッハ、ベートーヴェン、リストたちの作品による「ピアノ・トランスクリプションの芸術」(ABCD-240) で音盤デビュー。2010年に博士号を取得している。ワーグナー作品のトランスクリプションを演奏した「魔の炎(Magic Fire)」(ABCD-353)につづくAlbaレーベル第6作「ゲートウェイ(Gateways)」。J.S.バッハの音楽の本質とピアノの響き、技巧を完全に把握していたリストが、原曲の重量感を尊重し「バロックオルガンではなく大型のロマンティック・オルガン」のために編曲した「幻想曲とフーガト短調」。シューベルトの「即興曲」は「第1番ハ短調が単音の旋律による「暗い響き」の変奏曲、テンポの速い無窮動ワルツの性格をもつ第2番変ホ長調、無言歌」の第3番変ト長調は、オーストリアの民俗舞曲レントラーを思わせるリズムのフレーズも現れる第4番変イ長調」。「シューベルトの「さすらい人幻想曲」とウェーバーのピアノと管弦楽のための「コンツェルトシュトゥック」から大きな影響を受けた」(マリン)リストの「ソナタロ短調」。ピアノ音楽の楽しみに聴き手を誘うような「独創的な始まり(ゲートウェイ)」をもつ作品によるプログラムが組まれている。アルバムは「私たちがみな通らねばならない門(gate)に歩みを進める前に、できあがったマスターテープを聴くことのできた父ヨウニ・マリン」の思い出に捧げられた。 | ||
四月〜セリム・パルムグレン(1878-1951): ピアノ協奏曲〔第4番 Op.85「四月」(1926-27) /第5番 イ長調 Op.99 (1939-41) 〕/ 3つの情景の田園詩 Op.50 (1918) /異国風の行進曲 Op.46 (1915 rev.1945) ヤンネ・メルタネン(P) ヤン・セーデルブロム指揮ポリ・シンフォニエッタ | ||
録音:2016年2月15日-19日、プロムナードホール、ポリ、フィンランド。 ポリ・シンフォニエッタとヤン・セーデルブロムのパルムグレン作品集。ピアノ協奏曲第1番・第2番・第3番と「ヴァイオリンとピアノのための小品」を演奏した最初のアルバム(ABCD-385)につづく第2集がリリースされる。ピアノ協奏曲第4番は、パルムグレンがアメリカのロチェスターに滞在していた時期に作曲され、帰国後、ナーンタリで完成した。「四月」の副題をもち、5曲のピアノ協奏曲のうち印象主義の要素がもっとも鮮やかに示された、単一楽章の作品。第5番は、ピアニスト、ヘルシンキ音楽院(現、シベリウス・アカデミー)のピアノと作曲の教授、批評家として多忙なパルムグレンが、第二次世界大戦中、作曲家として最後に積極的に作品を発表した時代を代表する作品。古典的な語法と伝統的な3楽章の構成。1942年2月、初演の翌日、ラジオ放送で演奏を聴いたシベリウスから電話があり、賛辞が贈られたといわれる。「田園詩」は、1918年、フィンランド内戦の時代の作品。アレグロ・ヴィヴァーチェの「朝」、抒情的な「エレジー」、弦楽セクションだけで演奏されるノスタルジックな気分の「夕べ」。「異国風の行進曲」は、ピアノのための「行進曲風に」を作曲者自身が管弦楽用に編曲した作品。ピアノ協奏曲2曲は、コッコネンの作品集(ABCD-127)、ショパンの「夜想曲」(ABCD-160, ABCD-190)とピアノ協奏曲(ABCD-247)などの録音で知られるヤンネ・メルタネン(1967-)がソロを弾いている。 | ||
川を渡る ユハニ・ヌオルヴァラ(1961-):ヴィオラ・ダ・ガンバのためのソロ(2008) メシアン(1908-1992):オルガンのための「キリストの昇天」(1934) オッリ・コルテカンガス(1955-):ヴィオラ・ダ・ガンバのための「奉献唱」(2012) / オルガンとヴィオラ・ダ・ガンバのための「5つの川を渡る」(2008) ヴァルプ・ハーヴィスト(ヴィオラ・ダ・ガンバ) カリ・ヴオラ(Org) | ||
録音〔使用オルガン〕:2013年10月7日-8日、中央ポリ教会、ポリ、フィンランド〔パッシェン・キール・オルガン、2007年〕。制作:ヴァルプ・ハーヴィスト、カリ・ヴオラ。録音:ミカ・コイヴサロ。ブラームス(ABCD-121)、レーガー(ABCD-175)、J.S.バッハ(ABCD-209)の作品を録音したフィンランドのオルガニスト、カリ・ヴオラの新作。フィンランドのヴィオールとチェロの奏者、ヴァルプ・ハーヴィストと共演、ヴィオラ・ダ・ガンバとオルガンのソロとデュオの作品を演奏している。メシアンの「キリストの昇天」とともにメイン・プログラムに組まれた「5つの川を渡る」は、フィンランドのコルテカンガスが、パライネン・オルガンフェスティヴァルの委嘱により作曲した作品。「オリヴィエ・メシアンへのオマージュ」の副題をもち、オルガンとヴィオラ・ダ・ガンバのためのデュオ曲として書かれている。ギリシャ神話の冥界ハーデースを囲む5つの川--「悲嘆の川」アケローンとコキュートス、「火の川」プレゲトーン、「忘却の川」レーテー、死者の魂を冥界へ渡すステュクス--の名をもつ5つの楽章で構成。具体的なプログラムではなく「川とその川を渡る印象」を表現したという音楽。コルテカンガスのヴィオラ・ダ・ガンバのソロ曲「奉献唱」は、ラップランドのヘタ音楽祭の委嘱作。ラエスタジアス派の復活祭の賛美歌に基づいて作曲されている。ユハニ・ヌオルヴァラの「ヴィオラ・ダ・ガンバのためのソロ」は、純正律の楽器のための独奏曲。瞑想に始まり、勢いのついたあと、静穏に終わる。ヴィオール奏者、ルオラヤン=ミッコラの委嘱で作曲された。録音セッションは、前作『喜びと悲しみの賛美歌』(ABCD-362)と同じ、ポリの中央ポリ教会で行われた。クルト・ルーザスがフランスのロマンティック・オルガンの伝統に基づき設計、キールのパッシェン・キール・オルガン工房が制作した楽器の設置された教会。 | ||
フォーク・シーズンズ〜ヴィヴァルディ: ヴァイオリン協奏曲集「四季」(「和声と創意の試み」 Op.8 から) 〔ホ長調 RV.269「春」/ト短調 RV.315「夏」/ヘ長調 RV.293「秋」/ヘ短調 RV.297「冬」〕/ ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 RV.114 / 2つのヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための合奏協奏曲 イ短調 RV.522(Op.3 No.8) (*) / 2つのヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ニ長調 RV.511 (*) クレータ=マリア・ケンタラ(Vn) シーリ・ヴィルッカラ(Vn;*) バロッコ・ボレアーレ | ||
録音:2016年6月4日-7日、カウスティネン教会、カウスティネン、フィンランド。 制作・録音:サイモン・フォックス=ガール。カウスティネンは、ヘルシンキの北、中央オストロボスニアにある町。人口は約4,300。毎年開催されるスカンディナヴィア最大の民俗音楽祭により国際的にも知られている。バロッコ・ボレアーレは、バロック音楽をこの地域に定着させようと、2013年に創設されたピリオド楽器のアンサンブル。リーダーのクレータ=マリア・ケンタラは、カウスティネン生まれ。バロック・ヴァイオリンをラインハルト・ゲーベルとモニカ・ハジェットに学んだ。1691年製のジョヴァンニ・バッティスタ・ロゲーリを弾いている。『フォーク・シーズンズ』は、バロッコ・ボレアーレのアルバム第1作。『四季(フォー・シーズンズ)』をメインにヴィヴァルディの協奏曲を6曲、演奏している。アルバムの楽器編成は、ヴァイオリン6、ヴィオラ2、チェロ1、ヴィオローネ1の弦楽器群と、チェンバロ、ハープ、プサルタリー、カンテレ、テオルボ、バロックギター、ビウエラの通奏低音。「『夏』から感じるものといえば、まず、うるさい蚊のこと。フィンランド人は、冬をどう楽しむかということを誰よりもよく知っている。外に出れば氷の上で遊び、家の中では暖炉のそばで心地よい時間を過ごす」(通奏低音担当アンドルー・ローレンス=キング)。フォーク・フィドルの長い伝統をもつカウスティネンの音楽家たち。『四季』では通奏低音の3人が「鳥笛(バードホイッスル)」も担当、「音楽の創意」全開の音楽を展開していく。2つのヴァイオリンのための作品は、ケンタラに教わったシーリ・ヴィルッカラが第2ヴァイオリンを担当する。2016年4月、カウスティネンの教会でセッション録音された。 | ||
ブラームス&セーゲルスタム Vol.1 ブラームス:交響曲第2番(*) レイフ・セーゲルスタム:交響曲第289番 「 When a Cat Visited 」(#) |
レイフ・ セーゲルスタム(P)指揮 トゥルクpo. | |
録音:2015年11月2日-5日(*) 、2016年1月4日-7日(#) 、トゥルク・コンサートホール。Vol.1 (第1番&第288番): ABCD-390 。 北欧が生んだ巨人セーゲルスタムによる、ブラームスの4つの交響曲とセーゲルスタム自身の新作交響曲4つを収録していくプロジェクト第2弾。セーゲルスタムとブラームスの組み合わせは音楽的には意外に感じるが(容貌はそっくり?!)、1990年代前半にラインラント=プファルツ州立po. との全集を残している。ブラームスは、終始落ち着いたテンポで進み、フレーズやリズムの取り方が独特で、素っ気なさがかえって印象に残る響きを作り出している。300番目前のセーゲルスタムの289番の交響曲「When a Cat Visited」。猫の鳴き声を表すような、弦の唸り、フルートのトレモロが特徴的な作品。トゥルク・フィルハーモニー管に所属する日本人ヴァイオリン奏者がソロを務めている。また、セーゲルスタムは2012年からトゥルク・フィルの芸術監督を務めており、息のあった手兵との演奏が展開されている。 | ||
渓谷に映るもの〜作曲家エーリク・フォルデル(1917-1981)のポートレート 民謡の調子で(1952)(弦楽オーケストラのための)/歌(1955)(声と弦楽オーケストラのための)/ 北のロマンス(1950s)(ピアノのための)/春の歌 Op.1 No.1 (1941)(声とピアノのための)/ フィンランド民謡風に(1950s)(ピアノのための)/眠れぬ月夜(1946)(声とピアノのための)/ 四月最後の宵(1953)(声と弦楽オーケストラのための)/三枚の渓谷の絵(1974)(弦楽オーケストラのための)/ オストロボスニアの民謡〔 (I) (1955) / II (1970) / III (1978) 〕(弦楽オーケストラのための)/ まだ花が咲いている(1963)(混声合唱のための)/渓谷のロマンス(1951)(ピアノのための)/ 夜(声と弦楽オーケストラのための)/夜想曲(1940s)(ヴァイオリンとピアノのための)/ 七月の夜は、もう明けようとしている(1946)(声とピアノのための)/夏の牧場(1981)(混声合唱のための)/ ディヴェルティメント・プラッカ II Op.6 (1975)(フルート、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための)/ 即興曲(1950s)(ピアノのための)/ベネディクトゥス(1960)(ヴァイオリンとピアノのための)/ ピアノの楽譜 Op.1 (1962)(ピアノのための)/大男の農夫(1976)(男声合唱のための) ヴィットサルの古い民謡(編曲)(1980)(弦楽オーケストラのための) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. アヌ・コムシ、メーリ・プラッカ(S) モニカ・グループ(Ms) レイヨ・トゥンカリ(Vn) キリル・コズロフスキ、 テロ・タヴァラ(P) マーリン・ストゥールビョーク指揮アグレプタcho. プラッカ四重奏団[ティモ・プラッカ(Fl) ペッコ・プラッカ(Vn) ハイナルカ・スタンディ(Va) ラウリ・プラッカ(Vc)] | ||
録音:2014年6月5日、2015年5月23日、2016年5月28日-6月1日、11月24日、スネルマン・ホール、コッコラ、フィンランド。 エーリク・フォルデルは、フィンランド、コッコラのスウェーデン系フィンランドの家に生まれた。ベンクト・カールソン、ユッシ・ヤラス、アーレ・メリカント、レオ・フンテクたちに学んだ後、オストロボスニアで作曲家、指揮者、ピアノ教師として活動した。44曲の交響曲、協奏曲、室内楽曲、歌曲、合唱曲を作曲。1952年の「民謡の調子で」の弦楽オーケストラ版は、オストロボスニア室内o. をはじめとする北欧のアンサンブルがレパートリーにし、フィンランド放送など北欧を中心とする放送局も彼の作品を録音、ラジオ放送している。「渓谷に映るもの」は、フォルデルが作曲したさまざまなジャンルとスタイルの音楽による「ポートレート・アルバム」。 | ||
ウィリアム・バード、ヴァージナルのための後期の音楽 ウィリアム・バード(1543-1623): 前奏曲 MB 1 /サー・ウィリアム・ピーターのパヴァーヌとガイヤルド MB 3 /パヴァーヌとガイヤルド MB 52 / さあジョン、私に口づけを MB 81 /ファンタジア MB 25 /カリーノ・カストゥラメ MB 35 /ガイヤルド MB 77 / ラクリメのパヴァーヌ MB 54 /ハーディングのガイヤルド MB 55 /ムッシュのアルマン MB 44 /鐘 MB 38 / ソールズベリ伯爵のパヴァーヌとガイヤルド MB 15 /私のうけた苦しみの訴えが情熱を動かすなら MB 113 / わが窓辺より去れ MB 79 オーランド・ギボンズ(1583-1625):ソールズベリ卿のパヴァーヌとガイヤル ドMB 18/19 アーポ・ハッキネン(Cemb|使用楽器: Benedetto Floriani(c.1570) / ヴァージナル|使用楽器: Joannes Ruckers (1604) ) | ||
録音:2016年6月11日-13日、聖イグナチオ聖具室、サルッツォ、イタリア。フィンランドの古楽ミュージシャン、アーポ・ハッキネン(1976-)は、ルネサンス期イギリスのウィリアム・バードを彼のレパートリーに欠かせない重要な作曲家のひとりに位置づけてきた。彼がバードのヴァージナル曲を弾いた最初のアルバム(ABCD-148)は、「輝かしいヴィルトゥオーゾ性からは本当の意味での興奮が生まれ、それでいながら、ざっくばらんな演奏スタイル、知的な充足感、気さくな性格は変わらない」(Early Music Review)と評されている。いつの時代にあっても五指に入る偉大な作曲家」と、ハッキネンの師事したグスタフ・レオンハルトが語るバードのヴァージナル音楽の第2集。「後期の音楽」を録音するにあたりハッキネンが選んだ楽器は、ベネデット・フロリアーニが1570年ごろ製作、1988年にリストアされたチェンバロと、アントワープのルッケルス兄弟の工房で製作されたヴァージナル(スピネット)。これらの楽器を所蔵するジュゼッペ・アッカルディの鍵盤楽器コレクションのある、イタリア、サルッツォに赴き、録音セッションが行われた。 | ||
オルフェオ・アモローゾ グレアム・リンチ(1957-):ロンドンのブルー(2016) / ユッカ・ティエンスー(1948-): Kymmari (2016) ペッカ・ヤルカネン(1945-):アナバシスか〜ギターまたは10弦ギターのための5つのノクターン(2015)より 〔不眠症のためのノクターン/湿原のジプシー〕 ニキータ・コシュキン(1956-):オルフェオ / アナスタシア・サロ(1980-):手のひらに乗った雲 シド・ヒッレ(1961-):10弦ギターのための即興曲 / トヌ・コルヴィツ(1969-):セレナード マリ・マンテュラ(10弦G|使用楽器: Kauko Liikanen 〔最低域4弦フレットレス〕 (2015) & (2001) ) | ||
録音:2016年5月27日-29日、6月12日-14日、2017年1月20日-22日、ハウホ教会、ハメーンリンナ、フィンランド。フィンランドのギタリスト、マリ・マンテュラの「10弦ギター」(ABCD-261)に続く10弦ギターによるアルバムの第2作。イギリスのグレアム・リンチがボードレールの詩集「パリの憂鬱」からインスピレーションを得て書いた「ブルー」な気分の4つの組曲「ロンドンのブルー」。「エスニック」と「古風」に関心を寄せるペッカ・ヤルカネンの「アナバシス」組曲から第3曲「不眠症のためのノクターン」と第1曲「湿原のジプシー」。フィンランドきっての「アヴァンギャルド」音楽家、ユッカ・ティエンスーが「最低域4弦フレットレス」の新モデル10弦ギターのために書いた「不思議なオーラ」を放つ「Kymmari」。ニキータ・コシュキンの「オルフェオ」は、アダージョ、アレグレット、アダージョの3つの部分からなる哀悼の音楽。「手のひらに乗った雲」は、カレリア共和国のペトロザヴォーツク生まれ、フィンランドをルーツにもつアナスタシア・サロの書いた楽しい小品。「10弦ギターのための即興曲」のシド・ヒッレは、ドイツのフライブルク生まれ、フィンランド在住の音楽家。ジャズを背景にピアニスト、作曲家、指揮者として活動している。エストニアのトヌ・コルヴィツの「セレナード」は、穏やかな気分の小品。「愛のオルフェウス」をイメージしたプログラム構成のアルバム。 | ||
カロル・シマノフスキ(1882-1937):ピアノ作品集 Vol.4 & Vol.5(完結編) 前奏曲とフーガ 嬰ハ短調(1905-09) /ポーランド民謡による変奏曲 ロ短調 Op.10 (1900-04) / ピアノのための12の習作 Op.33 (1916) /4つのポーランド舞曲(1926) /ロマンティックなワルツ(1925) / 変奏曲 変ロ短調 Op.3 (1903) /ピアノ・ソナタ第1番 ハ短調 Op.8 (1903-04) / 20のマズルカ Op.50 (1924-25) より Nos.5-7, 17-20 アヌ・ヴェヘヴィライネン(P) | ||
フィンランドのピアニスト、アヌ・ヴェヘヴィライネンがシベリウス・アカデミーの博士課程でシマノフスキを研究した成果を5枚のアルバムに録音するプロジェクトの最後のリリース。 | ||
ルオカンガス − エストラ − ローラン Heikki Ruokangas: Boat Voyage / Grip de Sip / Change of Thought / Sailfish / Autumn Is Almost Here Arthur Schwartz, Howard Dietz: Alone Together / Irving Berlin: How Deep Is the Ocean ヘイッキ・ルオカンガス(エレクトリックG) オッリ・エストラ(ドラム) ヤコブ・ローラン(ベース) | ||
録音:2016年10月23日、 Villa Viena 、オウル、フィンランド。 フィンランド中部、ボスニア湾に面した都市オウルを拠点にジャズ/アヴァンギャルドのギタリスト、作曲家として活動するヘイッキ・ルオカンガス(1987-)。コペンハーゲンのリズム音楽院で学び、デンマークのジャズシーンから国際的なステージに躍り出たベーシスト、ヤコブ・ローラン(1985-)。ルオカンガスと同じオウル音楽院とポリテク、コペンハーゲンのリズム音楽院で学んだドラマーのオッリ・エストラ。ルオカンガスにとって第3作のアルバムは「強い意欲で結ばれた二つの友情」に基づく「トリオ」により、自作と2曲のスタンダード・ナンバーによるプログラムを即興とノイズを交え、演奏している。オウルに近いヒエタサーリ島のキャビン「ヴィッラ・ヴィエナ」で2016年10月23日の午後に三人が行った2回のギグの録音。 | ||
ホムンクルス エサ=ペッカ・サロネン(1958-):弦楽四重奏のための「ホムンクルス」(2007) ジェルジ・リゲティ(1923-2006):弦楽四重奏曲第1番「夜の変容」(1953-54, rev.1958) ブリテン(1913-1976):弦楽四重奏曲第3番 Op.94 (1975) カムスSQ [テルヒ・パルダニウス(Vn1) ユッカ・ウンタマラ(Vn2) ユッシ・トゥフカネン(Va) ペトヤ・カイヌライネン(Vc)] | ||
録音:2016年9月1日-4日、聖カタリナ教会、カルヤー、フィンランド。 シベリウス・アカデミーの学生たちが2002年に結成した弦楽四重奏団「カムス」のアルバム第3作。前作の「異なった声」(ABCD-383)ではシベリウスの「内なる声」とカイパイネンとティエンスーの四重奏曲を演奏、新作では、彼らが学んだブリテン=ピアーズ・プログラムで知った「海を強く志向した」ブリテンの作品を中心に「海と人生」を考察したプログラムが組まれた。「遠い昔から、人生は海になぞらえられてきた。波浪、大嵐、潮の流れが弱まって停止する憩流には、私たちに語りかけ説明する力がある。とりわけ、海に面した国々は常に畏怖の念を抱き、その身勝手な原理を愛し、魂の伴侶とみなしてきた」。フィンランドのエサ=ペッカ・サロネン(1958-)は、近年作曲家としてより指揮者として名を挙げているが、作曲をラウタヴァーラ、イタリアのドナテッリとカスティリョーニに学び、代表作のひとつに挙げられるアルト・サクソフォン協奏曲(1980)や「L.A.変奏曲」(1996)など、40 数曲の作品を発表してきた。この「ホムンクルス」は、ニューヨークのアイスリップ・アーツカウンシルなどの委嘱で作曲された。錬金術師が作り出す人造人間(ラテン語「小人」)の曲名が示唆するとおり「室内楽」という小さな型につめられた大きな音楽とみなされている。リゲティの 弦楽四重奏曲第1番「夜の変容」は、彼がハンガリーから亡命する前、バルトークの第3番と第4番の四重奏曲からインスピレーションを得て作曲されたという単一楽章の作品。ブリテンの弦楽四重奏曲第3番は、海を眺めながら死んだ芸術家を主人公とする歌劇「ヴェネチアに死す」の2年後に書かれた、最後の作品群の一作。ブリテンの私的遺言とも考えられ、オペラからの引用のある最後の第5楽章「レチタティーヴォとパッサカリア」には、ヴェネツィアのニックネーム「La Serenissima(こよなく晴朗なところ)」のタイトルがつけられている。 | ||
フィンランド・ヴァイオリン音楽 ヘルヴィ・レイヴィスカ(1902-1982):ピアノ三重奏曲(1925) (*) エルッキ・メラルティン(1875-1937):弦楽三重奏曲 Op.133 (#) ヴァイノ・ライティオ(1891-1945):ヴァイオリンとピアノのための作品集 Op.18 (1920/23) / ヴァイオリンとピアノのためのミスミソウ(1943) KAAAS トリオ(*) [アンネマリー・オーストレム(Vn) ティーナ・カラコルピ(P) ウッラ・ラムペラ(Vc)] アッテ・キルペライネン(Va;#) トマス・ヌニェス=ガルセス(Vc;#) | ||
録音:2017年1月14日-15日、28日-29日、セッポ・キマネン・ホール、カウニアイネン、フィンランド。 「1920年代のフィンランド、シベリウスの陰でどんなヴァイオリン音楽が作られていたか?」。シベリウス・アカデミーの博士課程で学んだヴァイオリニスト、アンネマリー・オーストレム(1977-)のアルバム第2作では、当時主流だった音楽スタイルの作品が4曲、演奏される。番号付き交響曲を3曲作った、フィンランドで最初の女性交響曲作家ヘルヴィ・レイヴィスカ(1902-1982)のピアノ三重奏曲は、「アレグロ・コン・フォーコ」と「ラルゴ-アレグロ-ラルゴ」の2楽章で構成された、保守的な様式を基本にポリフォニーと半音階のスタイルも取り入れた後期ロマンティシズムの情熱的な音楽とみなされる作品。シベリウス・アカデミーの図書館に保存されていた手稿譜を KAAASトリオが発見し、第1稿と第2稿を組み合わせて演奏している。彼女が作曲を学んだエルッキ・メラルティン(1875-1937)は、交響曲6曲、管弦楽曲、ヴァイオリン協奏曲、室内楽曲、バレエ、オペラと多ジャンルの音楽を後期ロマンティシズム、印象主義、表現主義と幅広いスタイルで作曲した。弦楽三重奏曲は、ロマンティックなスタイルで書かれた4つの弦楽四重奏曲の後、1920年代初期の作品と推測されている。「アンダンテ-アレグロ」「アンダンテ・フネーブル(葬送のアンダンテ)」「プレスト」「終曲-ヴィヴァーチェ」の4楽章で書かれ、明確な調性のあるスタイルからモダニストの要素まで取り入れた、めまぐるしく気分が変化する作品。ヴァイノ・ライティオ(1891-1945)は、アーレ・メリカントとともに改革者として1920年代フィンランドの音楽シーンに登場した。「ヴァイオリンとピアノのための作品集」は、彼が表現主義的な管弦楽曲を主に手がけていた時期に作曲されたモダニズム的手法による多面的気分の音楽。「ミスミソウ」は、優しい雰囲気を漂わせる小品。 | ||
愛しいオーボエ協奏曲集 ヴィヴァルディ(1678-1741):オーボエ協奏曲 ハ長調 RV.447 マルチェッロ(1673-1747):オーボエ協奏曲 ニ短調 SF.935 テレマン(1681-1767):オーボエ・ダモーレ協奏曲 ト長調 TWV.51: G3 (*) J.S.バッハ(1685-1750):オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV.1055R カレフ・クリユス(Ob)指揮リトアニア室内o. | ||
録音:2015年2月2日-5日(*以外?/アナウンスに特記なし)、2016年1月29日-30日(*)、リトアニア国営放送スタジオ、ヴィルニュス、リトアニア。|国内仕様盤: KKC-4118 〔日本語帯・解説付|廃盤〕。 カレフ・クリユスは、1975年、タリン生まれ。タリン、リヨン、カールスルーエで学び、2001年の「プラハの春」をはじめとするコンペティションで第1位を獲得、2003年からNDRエルプpo.(旧 北ドイツ放送so.)の首席オーボエ奏者を務めている。楽器は「ヨーゼフ・オーボエ Josef Oboe」のModel MSG2。 | ||
D.ガブリエーリ&A.スカルラッティ:チェロのための作品全集 ドメニコ・ガブリエーリ(1651/59-1690): チェロと通奏低音のためのソナタ〔ト長調(第1版)/ト長調(第2版)/イ長調〕/ 2つのチェロのためのカノン ニ長調/無伴奏チェロのための7つのリチェルカーレ アレッサンドロ・スカルラッティ(1660-1725):チェロと通奏低音のための3つのソナタ グアダルーペ・ロペス・イニゲス(Vc|使用楽器: Claude Pieray [Paris], 1725) マルック・ルオラヤン=ミッコラ(Vc|使用楽器: Barak Norman [London], c.1700) オッリ・ヒューリュネン(バロックG|使用楽器: after a Roman model by Giovanni Tester from 1620s built by Ivo Magherini [Bremen], 2006 /アーチリュート) ラウリ・ホンカヴィルタ(Cemb|使用楽器:Flemish, by Henk van Schevikhoven [Pornainen], c.1993)] | ||
録音:2016年11月7日-8日、2017年6月5日-7日、聖ラウレンティウス教会、ヴァンター、フィンランド。グアダルーペ・ロペス・イニゲス(1983-)は、ヘルシンキ芸術大学シベリウス・アカデミーを活動の拠点とするスペインの音楽家。音楽修士号と心理学の博士号をもち、バロック・チェロのソリストとしてフェスティヴァルなどに出演しながら、芸術面と科学面からクラシカル音楽と演奏について総体的な研究を続けている。彼女のデビューアルバム。イタリア・バロック期の作曲家ふたり、チェロのヴィルトゥオーゾとして名声を博し、無伴奏チェロの最初期の作品を書いたドメニコ・ガブリエーリと、オペラと室内カンタータで知られるアレッサンドロ・スカルラッティのチェロのための音楽。ふたりの作品との出会い、演奏に使った楽譜、解釈などについて、ロペス・イニゲスの書いた詳細なライナーノートがブックレットに載せられている(英語、スペイン語、フィンランド語)。ファンタズムやベルゲン・バロックへの参加でも知られるマルック・ルオラヤン=ミッコラ(1957-)を中心とするグループが通奏低音で共演。 | ||
孤独の歌 オウティ・タルキアイネン(1985-):無言歌(Sans paroles)(2012)(ソロ・クラリネットのための) オリヴィエ・メシアン(1908-1992):鳥たちの深淵(1941)(「時の終わりのための四重奏曲から」 スティーヴ・ライヒ(1936-):ニューヨーク・カウンターポイント(1985)(クラリネットと10のテープ録音のための) ルチアーノ・ベリオ(1925-2003):リート(1983) /セクエンツァ第9a (1980) フランコ・ドナトーニ(1927-2000): Clair I (1980) ラウリ・サッリネン(Cl) | ||
録音:2017年1月16日-20日、オラリ教会、エスポー、フィンランド。 ラウリ・サッリネン(1982-)は、フィンランドのクフモ生まれ。シベリウス・アカデミーのカリ・クリークとフランソワ・バンダ、マンハッタン音楽学校のチャールズ・ナイディックに学んだ。アヴァンティ!室内o.、ラップランド室内o. など、フィンランド国内のオーケストラに客演、ヘルシンキのウーシンタ・アンサンブル、オスロのアンサンブル・テンポルムとミクロアンサンブルと共演、オスロのウルティマやニューヨークのMATAなどの現代音楽フェスティヴァル、クフモ室内楽フェスティヴァルに参加してきた。「孤独の歌」が、デビューアルバム。「ノスタルジア(リート)、憧れ(無言歌)、暗闇と希望(鳥たちの深淵)、光(Clair)、他者あるいはその他の何かとのコミュニケーション(ニューヨーク・カウンターポイント)」を彼に語りかけてきた曲と「自己探求と発見、抽象的な孤独を打倒するか是認するための旅」と彼が考えるベリオの「セクエンツァ」。オウティ・タルキアイネン(1985-)は、シベリウス・アカデミーのジャズ科、マイアミ大学、ギルドホール音楽演劇学校で学び、主にジャズの作曲家、指揮者として活動している。彼女からサッリネンに献呈された「驚くほど美しいカンタービレ」のページをもつ「無言歌」は、2012年5月、ヘルシンキ・ミュージックセンターで行われたデビュー・コンサートで初演された作品。 | ||
オストロボスニア室内o.と指揮者ユハ・カンガスに捧ぐ カレヴィ・アホ(1949-):室内交響曲第3番(1995-96)(弦楽オーケストラとアルトサックスのための) オヌテ・ナルブタイテ(1956-):そこに蝶々はいたの?(2013)(弦楽オーケストラのための) エルッキ・サルメンハーラ(1941-2002):エレジア 〔 II (1963)(二重弦楽四重奏のため)/ V (1995)(弦楽オーケストラと鐘のための)〕 エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928-2016):カントV「光の中心へ」(2011)(弦楽オーケストラのための) ペーテリス・ヴァスクス(1946-):ムジカ・セレーナ(2015) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
録音:2015年5月27日、2016年5月30日-31日、6月2日、スネルマン・ホール、コッコラ、フィンランド。オストロボスニア室内o. とユハ・カンガス(1945-)のための作品集。カレヴィ・アホ(1949-)の「“…frozen are the restless waters "」(凍りし、せわしなき流れ)は、20人の弦楽器奏者とジョン・エドワード・ケリー(1958-2015)のアルトサックス・ソロのために書かれた。「旋律がオリエント絨毯の装飾パターンのように織りこまれたアラビア音楽」からインスピレーションを得た手法を取り入れ、トゥオマス・アンハヴァが訳した日本の短歌のフレーズを副題にしている。リトアニアのオヌテ・ナルブタイテ(1956-)の「Was there a butterfly」(そこに蝶々はいたの?)は、「神秘の息、プシケの影」をイメージながら書いたという作品。ヨーナス・コッコネンとジェルジュ・リゲティに学んだエルッキ・サルメンハーラ(1941-2002)は、1960年代から作曲を始めた作曲した一連の「エレジア(悲歌)」の2曲。ホールの異なる場所に配置された2組の弦楽四重奏により演奏される、ドラマティックな緊張をはらんだ「エレジアII」と、深い悲しみを簡潔な語法で表現した「エレジアV」。エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928-2016)の「光の中心へ」は、「新しい千年紀から9年、10年の間に浮かんできた、メロディとハーモニーのちょっとした楽想」を展開させた「カント(歌)」の第5作。ラトヴィアのペーテリス・ヴァスクス(1946-)も長年に渡りオストロボスニア室内o. と共同作業をつづけてきた作曲家のひとり。人生の流れを音楽に映した「ムジカ・セレーナ」(穏やかな音楽)は、ユハ・カンガスの70歳の誕生日プレゼントとして書かれた。 | ||
詩を超えたところに〜オウティ・タルキアイネン(1985-):室内楽のための音楽 3つの詩(2013)(弦楽四重奏のための)/無言歌(2012)(クラリネットのための)/ 石が裂けるまで(2008)(ヴァイオリンのための)/ボードレールの歌(2009-13)(ソプラノとピアノのための) 汝の言葉、石に隠れ(2011)(チェロのための)/ 沈黙する森の中へ(2012)(ソプラノ、クラリネット、チェロとピアノのためのモノドラマ)/ …そして彼らは歌い出す(2015)(アコーディオンのための) カムスSQ [テルヒ・パルダニウス(Vn1) ユッカ・ウンタマラ(Vn2) ユッシ・トゥフカネン(Va) ペトヤ・カイヌライネン(Vc)] ラウリ・サッリネン(Cl) マリア・プーサーリ(Vn) トゥーリ・リンデベリ(S) エミール・ホルムストレム(P) マルクス・ホホティ(Vc) ヴェリ・クヤラ(アコーディオン) | ||
録音:2017年2月22日-24日、セッロサリ、エスポー/2017年5月9日、スネルマン・ホール、コッコラ、すべてフィンランド。 オウティ・タルキアイネン(1985-)は、フィンランドのもっとも新しい世代の作曲家のひとり。インスピレーションを与えつづけているというラップランドのロヴァニエミに生まれ、作曲をシベリウス・アカデミーのハメーンニエミとプーマラ、マイアミ大学のロン・ミラー、ギルドホール音楽演劇学校のマルコム・シンガーに学んだ。「モダニスト陣営に片足、もう一方の足をジャズ陣営に置いた」活動を行い、ノルボッテン・ビッグバンドのコンポーザー・イン・レジデンスを務めている。3つのオーケストラの委嘱で作曲した、サーミの詩による歌曲集「大地、春の娘」が現在の代表作とされている。「詩を超えたところに」は、コンテンポラリー・ミュージック作曲家としての最初のポートレート・アルバム。弦楽四重奏のための「3つの詩」は、ボードレールの詩に基づく「束の間の時を色彩に浸し満たした、視覚イメージを喚起させる三部作」。「声」の表現性を追求して作った「ボードレールの歌」。「石が裂けるまで」は、シルッカ・トゥルッカの詩によるヴァイオリン・ソロのための「ある種のモダーン哀歌」。同世代のクラリネット奏者ラウリ・サッリネン(1982-)が、ポートレート・アルバム「孤独の歌」でも演奏した「無言歌」。チェロのソロによる「汝の言葉、石に隠れ」。「沈黙する森の中へ」は、エーヴァ=リーサ・マンネルとシルッカ・トゥルッカの詩による「ビッグバンドとメゾ・ソプラノのためのモノドラマ」の室内楽バージョン。「…そして彼らは歌い出す」は、「大地、春の娘」のエピローグを基にアコーディオンのために書かれた作品。 | ||
北国〜マシュー・ホイットール(1975-): 北国(ホルンと弦楽のためのアルバム)[トンミ・ヒュッティネン(Hr) イラリ・アンゲルヴォ(Vn) フィンランド放送so./2016年8月22日-23日、ミュージックセンター、ヘルシンキ]/ ad puram annihilationem meam (2008)(混声合唱と打楽器のための儀式) [ユリア・ヘエーゲル(S) クロエ・デュフレーヌ、ジェイムズ・カハネ(朗読) アンティ・スオランタ(Perc)/2016年2月14日、セッロサリ、エスポー]/ The return of light (2015)(混声合唱と管弦楽のための)[2015年10月31日、タピオラホール、エスポー] ニルス・シュヴェケンディーク指揮タピオラ・シンフォニエッタ、ヘルシンキ室内cho. | ||
録音:[内]。代理店の資料では曲目と一部演奏者の対比が不明で、上記には誤りを含む可能性があります。カナダ系フィンランドの作曲家マシュー・ホイットールの作品集。「北国」は、彼の友人、フィンランド放送so. のホルン奏者を務めるトンミ・ヒュッティネン(1977-)の委嘱を受け、コンチェルタンテ・スタイルによる「ホルンと弦楽のためのアルバム」として作曲された。ホイットールは、カナダのピアニスト、グレン・グールドがラジオ放送のために制作した「孤独三部作」の「The Idea of the North」と、2007年秋のアイスランド旅行から得た「北国」の地理的、情景的、心理的イメージをふくらませ、対照的な雰囲気の2つの部分からなる作品としている。抒情と神秘の気分を漂わせて始まる第2部の終わり近く、アイスランド伝承の「船乗りの賛歌」の「ナチュラルホルン」が引用されている。「ad puram annihilationem meam(このうえなく純粋な自己消滅に)」は、中世から現代までのフランス音楽による復活祭プログラムのためヘルシンキ室内合唱団のニルス・シュヴェケンディークの依頼で作曲された。フランスのイエズス会司祭、ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(1881-1955)の「Le messe sur le monde(世界のミサ)」から採ったフランス語とラテン語のテクスト、グレゴリオ聖歌などキリスト教の典礼歌と、雅楽に影響された儀式の雰囲気を並置した音楽。日本の能を模したダンスの振付をダンサーでもあるニナ・ヒュヴァリネンが担当して初演が行われた。「The return of light(光の戻り)」もヘルシンキ室内合唱団の委嘱作。タピオラ・シンフォニエッタとのコラボレーション10周年記念のため「光明」をテーマにとり、「北極の長い冬の夜が終わり最初に現れる日の光」をイメージして作曲。声とオーケストラの楽器を対等に扱った「サウンドワールド」を作り上げている。[プロフィール]マシュー・ホイットール(1975-)は、カナダ生まれ、フィンランドの作曲家。モントリオールのヴァニア大学、マサチューセッツ大学アマスト校、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校で学び、2001年にヘルシンキに移ってシベリウス・アカデミーで博士号を取得した。管弦楽、声楽、室内楽、器楽と多くの作品を発表。2004年、トロントso. のNew Creation Competitionで第1位、2013年、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの詩に作曲した「Dulcissima, clara, sonans」でTeosto(フィンランド著作権協会)賞を受賞した。リスト=マッティ・マリンの委嘱で作曲したピアノ曲集「草の葉」3巻(ABCD-433)がAlbaレーベルからリリースされている。 | ||
ペッカ・コスティアイネン(1944-):レクイエム(2016)
スヴィ・ヴァユリネン(S) エナ・ポングラク(Ms) シモ・マキネン(T) タパニ・プラトハン(B) ヴィッレ・マトヴェイェフ指揮 ユヴァスキュラ・シンフォニア、聖ミカエル弦楽o.、ムシカcho. | ||
録音:2016年10月30日、11月1日、ミカエル・ホール、ミッケリ、フィンランド。 フィンランドのペッカ・コスティアイネ(1944-)は、主に合唱音楽の作曲家として知られている。100曲を超す合唱作品は、児童合唱のための作品、宗教作品、フィンランド民族叙事詩集「カレワラ」にテーマを求めた作品と、大きく3つに分類され、「不滅の詩人」(Alba NCD-49)をはじめとするAlba Recordsの「コスティアイネン自作を指揮する」シリーズで紹介されてきた。「レクイエム」は、ユヴァスキュラ教区とユヴァスキュラ・シンフォニア(シンフォニア・フィンランディア)の共同委嘱により作曲された作品。「主よ、永遠の安息を彼らに与え」「あなたに賛歌が捧げられ」「キリエ」「涙の日」「主イエス・キリスト」「賛美の生贄と祈り」「聖なるかな」「慈悲深き主、イエスよ」「神の子羊」「永遠の光」「楽園へ」。「平安、慈悲、光、愛」を清冽、抒情、輝かしい音楽に表すため、「涙の日」をのぞき、「怒りの日」のように来世を暗く描いた章が省略されている。ユヴァスキュラ・シンフォニアの首席指揮者ヴィッレ・マトヴェイェフ(1986-)は、「チェロ協奏曲」や「アド・アストラ」(ABCD-364)などの作曲家としても知られる。トゥルク音楽祭の芸術監督。2020年からサヴォンリンナ・オペラ・フェスティヴァルの芸術監督に就任する予定。 | ||
モーツァルト:弦楽四重奏伴奏版ピアノ協奏曲集(カデンツァ:ベント・サーアンセン(1958-) ) 〔第13番 ハ長調 K.415 (387b) /第11番 ヘ長調 K.413 (387a) /第12番 イ長調 K.414 (385p) 〕 カトリーネ・ギスリンゲ(P) ステーンハンマルSQ [ペーテル・オーロフソン(Vn1) ペール・オーマン(Vn2) トニー・バウアー(Va) マッツ・オーロフソン(Vc)] | ||
録音:2016年10月25日-28日、スウェーデン放送第3スタジオ、ストックホルム、スウェーデン。 モーツァルトが1782年から1783年にかけてウィーンで作曲した3つのピアノ協奏曲。第11番へ長調、第12番 イ長調、第13番 ハ長調。最初に作曲された第12番は、第2楽章「アンダンテ」の音楽が1782年に亡くなったJ.C.バッハに捧げる墓碑銘とされ、第9番のピアノ協奏曲「ジュノーム」などとともにモーツァルト初期のもっとも魅力的な作品に数えられている。デンマークのピアニスト、カトリーネ・ギスリンゲKatine Gislingeとスウェーデンのステーンハンマル四重奏団による、モーツァルト自身が作った「ピアノと弦楽四重奏のための版」の演奏。ギスリンゲのご主人、独創的な音風景の作品で知られるベント・サーアンセンBent Sorensenが彼女のために作曲した「パピヨン三部作(蝶々 Trilogy)」の一作、「ルーセンバード(Rosenbad)」(Dacapo8.226135)のアンサンブル。この3作のカデンツァは、「ルーセンバード」の作曲中、サーアンセンが彼女から頼まれて作曲しまった。「わたしが作曲に集中している時、カトリーネの練習しているモーツァルトが彼女の部屋から聞こえてきた。ひとまず断片を書きつけ、後でモーツァルトのスコアを研究した」。「軽やかに弾むカトリーネのモーツァルト」と一体になるカデンツァの作曲。「磨きあげられた床を作業靴で踏むわけにはいかない。モーツァルトの素晴らしい音楽を壊すことを避けるだけでなく、わたしの音楽を付け加えなければならない。モーツァルトに何かをつけ足すことなどできるのか? 魔法のような言葉に溺れることなくモーツァルトを取りこむことができるのか?」。サーアンセンが書いたカデンツァには「「ルーセンバード」の痕跡」も刻まれた。スウェーデン放送のストックホルムのスタジオでのセッション録音。BIS録音を数多く手がけているトーレ・ブリンクマンが、制作、エンジニアリング、編集を担当している。 | ||
肖像画 [Retratos] ピアソラ/セルジオ・アサド編曲:ブエノスアイレスの〔春(1970) /夏(1965) /秋(1969) /冬(1970) 〕 ジュリオ・レゴンディ(1822-1872):夜想曲 Op.19「夢想」(pub.1864) アルヴァロ・コンパニー(1931-):七つの弦(1962-63) ヌッチオ・ダンジェロ(1955-):リディア調の2つの歌(1984) アリエル・ラミレス/ホルヘ・カルドソ編曲:アルフォンシーナと海(1969) オット・トロネン(G|使用楽器: Joshia de Jonge, Canada (spruce/Ebony 2017) / D'Addario strings ) | ||
録音:2017年8月-10月、ヴィヒティ教会、ヴィヒティ、フィンランド。制作:オット・トロネン|録音:ペッカ・ヴェサネン。オット・トロネン(1980-)は、フィンランドのギタリスト。コルホネンとサヴィヨキ、フランツ・リスト音楽大学のミュラー=ペリング、シエナのオスカル・ギリアに学び、ソリスト、室内楽奏者として活動している。20世紀フランスとスペインのギター音楽を集めた「フランス風ティエント」(ABCD-357)とヘンツェの作品を弾いた「王宮の冬の音楽」(ABCD-382)につづく彼のソロアルバム第3作。このアルバムでは、「五重奏のために書かれた原曲の旋律とリズムの重なりをギター一本で演奏することを可能にした」と彼の気に入りのセルジオ・アサド編曲による「ブエノスアイレスの四季」を中心にイタリアの作曲家とイタリア人を祖先にもつアルゼンチンの作曲家の作品を4曲演奏している。「ブエノスアイレスの春」につづいて演奏される「夢想」は「2つのトレモロのパッセージが感情のこもった流れを生み出す」ジュリオ・レゴンディの「古典的作品」。ギターひとつでオーケストラの色彩を表現するためギターの奏法とテクニックをフルに使ったアルヴァロ・コンパニーの「七つの弦」。分散和音の右手とレガートの左手を自然に組み合わせることに長けたヌッチオ・ダンジェロの「リディア調の2つの歌」。ホルヘ・カルドーソが編曲した、アリエル・ラミレスの「世界で一番美しいと言ってもいい歌」「アルフォンシーナと海」。「四季」の4曲と交互に演奏される4曲、それぞれの個性を際立たせる構成をとった「リサイタル」スタイルのアルバム。 | ||
ブラームス=セーゲルスタム III ブラームス:交響曲第3番へ長調 Op.90 レイフ・セーゲルスタム(1944-):交響曲 第294番「Songs of a UNICORN heralding...」 |
タニヤ・ニソネン(Hr) レイフ・セーゲルスタム指揮 トゥルクpo. | |
録音:2016年5月23日-26日、トゥルク・コンサートホール、トゥルク、フィンランド。 セーゲルスタムと彼が首席指揮者を務めるトゥルク・フィルハーモニックがブラームスの交響曲と彼の自作の交響曲を並べて録音するプロジェクト。「聖杯巡礼を連想する冒頭の歩み。生まれようとするヴァイナモイネンかレンミンカイネンが胎内の壁を叩いていると思うのも楽しい」第1番。「アダージョ・ノン・トロッポ。アルプスの牧場の美しい風景が姿を見せる」第2番。セーゲルスタムは「ひげ顔の兄弟」の最初の2つの交響曲についてそう語っている。つづく第3番。ブラームスのもっとも詩的でさまざな感情を呼び起こす作品のひとつ。「なんという詩作……最初から最後まで、森の生活の不思議な魔力に抱かれ……木漏れ日が輝き……小さな森の教会に集う信者たちの声……悲しい涙につつまれる灰色の真珠……心の高揚、沈静……」(クララ・シューマン)。セーゲルスタムの交響曲は、第294番「Songs of a UNICORN heralding…」(到来を告げるユニコーンの歌)。前のアルバムの「流れを進める」第288番と「猫が訪ねてくる」第289番と同様、「シベリウス最後の交響曲」に倣う「一楽章、およそ22分」の作品。一角獣は何を告げるのか。「愛と憎しみ、生と死、富と貧困、光と闇、湿気と乾燥、温もりと冷たさ、速さと遅さ、加速と遅延、フラクタル次元の直線と空気力学的比喩……そうした二元性」。オブリガートのホルンを副首席奏者タニヤ・ニソネン、第2ピアノをセーゲルスタムが担当。彼は、造語やダブルミーニングを駆使した「セーゲルスタム語」のライナーノート(英語・フィンランド語)も寄せている。 | ||
喚起〜ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): 弦楽四重奏曲第3番 Op.27 (1976) /カンテレと弦楽三重奏のための「あいまいな言葉」 Op.55 (1981) (*) / 無伴奏チェロ・ソナタ Op.83 (1992) (#) /弦楽五重奏曲 Op.110 (2000) (+) コッコラSQ (#以外)[レイヨ・トゥンカリ、アンニカ・ブランカル(Vn) ハンナ・パッカラ(Va) ラウリ・プラッカ(Vc)] エイヤ・カンカーンランタ(カンテレ;*) マルコ・ユロネン(Vc;#) ヤンネ・ヴィルッカラ(Vc;+) | ||
録音:2016年11月23日-25日、2017年5月10日-12日、スネルマン・ホール、コッコラ、フィンランド。フィンランドのペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008)は、1967年の弦楽四重奏曲第1番から2008年の弦楽四重奏曲第11番まで、約40の室内楽作品を作曲した。このジャンルから、テンペラ四重奏団による第10番と第11番(ABCD-308)に続き、4つの作品の録音がリリースされる。ノルドグレンの音楽が簡素で明確な調性に向かう兆しを見せはじめ、彼の「アイドル」だったというショスタコーヴィチとのつながりが明らかになる1970年代後半に書かれた弦楽四重奏曲第3番。「Equivocations(あいまいな言葉)」は、民俗楽器カンテレ固有の「色」を使った瞑想的な音楽。「無伴奏チェロ・ソナタ」は、詩的な「喚起(Evocation)」、ヴィルトゥオーゾ的な「反抗(Defiance)」、静謐な「間奏曲:枕(InterludE; Oreiller)」、「つけぼくろ」も示唆する「パッチ(Patch)」の4楽章。初期の作品の「メロディック=ポリフォニック・クラスター技法」に似た語法を使った、苦悶の色の濃い「弦楽五重奏曲」。「作曲は、私自身を表現したいという欲求のはけ口」(ノルドグレン)。 | ||
ヴァルテル・ヴォルフ(1981-):ピアノ、チェロとヴァイオリンのための音楽 チェロとピアノのためのソナタ/ヴァイオリンのための「総合印象、寸法と形」より〔パート III /パート IV 〕/ ピアノ、チェロとヴァイオリンのためのトリオ〔 #1 / #2 〕/ソロピアノのための5つの小品/ピアノのためのフーガ ガビ・スルタナ(P) トマス・ヌニェス=ガルセス(Vc) メレル・ユンゲ(Vn) | ||
録音:2017年8月9日-10日、 Valistoteles Studios 、ヘルシンキ、フィンランド。 制作:ヴァルテル・ヴォルフ|録音:マルック・ヴェイヨンスオ。 ヴァルテル・ヴォルフ(1981-)はヘルシンキ生まれ。オランダのハーグ王立音楽院で学んだ後、ジャズピアニストとして活動、2012年にフィンランドに戻りクラシカル音楽の作曲家としてスタートした。作曲家として歩みはじめたヴォルフの「ポートレート」アルバム。「チェロとピアノのためのソナタ」は、ヴォルフが室内楽のために書いた最初の作品。葛藤と怒り、ファイティング・スピリットと「Sisu(断固として頑張る、フィンランド魂)」の気持ちを表現した「アンダンテ・モデラート」、音楽への愛、存在や人生と言ったことを「甘辛く」宣言する抒情的な「アダージョ・マ・ノン・トロッポ」、ディミニッシュ・スケールのハーモニーを基本にポリリズムを試みた「アレグロ!」の3楽章。「総合印象、寸法と形」は、オランダのヴァイオリニスト、メレル・ユンゲのために書いた小品の組曲。このアルバムでは「パートIII」と「パートIV」が演奏される。チェロとヴァイオリンのハーモニクスとピッツィカート、ピアノの単音のリズミカルなオスティナートによる「トリオ#1」。バルカン半島の民俗音楽、アフロ=キューバの音楽、ジャズピアニストのマッコイ・タイナーのスタイルからインスピレーションを得た「トリオ#2」。「5つの小品」は、スウェーデン西海岸を一緒にコンサート・ツアーしたクット・ヴィークランデルの委嘱で作曲された。「子供っぽい」メロディを主題に展開される「フーガ」は、ジャズのハーモニーとリズムの要素をもった小品。 | ||
第六感〜ピアノのためのフィンランド現代音楽 エーロ・ハメーンニエミ(1951-):夜の洪水(2015) / マシュー・ホイットール(1975-):葡萄酒色の海 V (2013) ユホ・ミエッティネン(1978-):ピアノ・ソナタ第1番「第六感」(2009/2014) エーロ・ハメーンニエミ(1951-):トラステヴェレ変奏曲(2002) マテイ・ゲオルギュー(1984-):ピアノ・ソナタ第3番(2016) リスト=マッティ・マリン(P) | ||
録音:2016年8月、カンガサラ・ホール、カンガサラ、フィンランド。 「ピアノ・トランスクリプションの芸術」(ABCD-240)をはじめとするアルバムをリリースしたリスト=マッティ・マリン(1976-)のAlba Recordsソロ・アルバム第7作。現代フィンランドの作曲家が、パレストリーナ、バッハ、スクリャービン、エネスク、ライヒ、「カレワラ」の朗詠者、ルーマニアの民俗音楽歌手、ジャズとポップのアーティスト、南インドの「カルナータカ音楽」など、異なる伝統を拠りどころに書いた作品が5曲、演奏される。フリージャズと即興音楽のピアニスト、エーロ・ハメーンニエミの南インドのタミル語の詩からインスピレーションを得た「夜の洪水」と、フレスコバルディ、イタリア、ローマとトラステヴェレ地区への「オマージュ」とした「トラステヴェレ変奏曲」。カナダ出身、フィンランド在住のマシュー・ホイットールMatthew Whittallが、地中海の光景をイメージ、新世界アメリカのポストミニマリズムと旧世界バルトのカンテレ音楽の響きを織りこんだ「葡萄酒色の海 V」。ユホ・ミエッティネンの「第六感」(ピアノソナタ第1番)は、第1楽章「アダージョ-アレグロ・エネルジーコ」、「催眠術にかかったように(Hypnotically)」と指示された第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグロ」。フィンランド在住ルーマニアの作曲家マテイ・ゲオルギューの「ピアノ・ソナタ第3番」は、リスト=マッティ・マリンの委嘱で作曲されました。「汚染された川を浄化するプロセスを思い描いて書いた……私のもっとも「フィンランド的」な曲……もっとも楽天的で愉快な作品のひとつ」(ゲオルギュー)。チェンバロによる録音のあるハメーンニエミの「トラステヴェレ変奏曲」は、ピアノによる録音は初めて。その他は初録音の作品。 | ||
ポルトハン・オルガンで弾くバッハ〜J.S.バッハ(1685-1750): 前奏曲とフーガ ニ長調 BWV.532 /ソナタ ホ短調 BWV.528 /前奏曲とフーガ イ短調 BWV.543 / ソナタ ハ短調 BWV.526 /トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV.564 スザンネ・クヤラ(Org) | ||
録音:2018年3月19日-20日、ヤナッカラ教会、ヤナッカラ、フィンランド。 ヘルシンキから北へ約100キロ、ハメーンリンナのヤナッカラ市の中世教会にあるオルガンは、マルッティ・ポルトハンのオルガン工房で製作され、1993年に教会に設置された。ポルトハンのオルガンは、特定の歴史様式を再現したデザインと、耐湿度性を高め共鳴を抑えるため若木を熱処理した材料を使うことによる安定した美しい音色が評価されている。ヤナッカラ教会のオルガンは、ベーレント・フスと甥のアルプ・シュニトガーが1668年から1675年にかけて製作した、北ドイツのシュターデ市、聖コスマ・エ・ダミアノ教会のオルガンをモデルに作られた。ポルトハン・オルガンは、平均律からミーントーンへの切り替えがスイッチ操作で行われ、この録音は平均律で演奏されている。ポルトハン・オルガン設置25周年を記念するアルバム。「前奏曲とフーガ ニ長調」に始まり「トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調」のグランド・フィナーレまで、祝祭気分にみちたプログラムが組まれました。スザンネ・クヤラSusanne Kujala (1976-)は、ベルリン生まれ。ハンス・アイスラー音楽大学ベルリンの後、1998年からヘルシンキに移り、シベリウス・アカデミーでアコーディオンとオルガンを学んだ。2013年、現代音楽の楽器としてのオルガンをテーマにした論文で博士号を取得。シベリウス・アカデミーで教えながら、オルガニストとして現代フィンランドの作曲家、バッハ父子、リスト、レーガーたちの作品によるソロ活動を行っている。彼女はアコーディオン奏者としても活動し、カレヴィ・アホの「2つのアコーディオンのためのソナタ」の録音(BIS-1886)にも参加した。 | ||
フィンランド悲歌〜ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための協奏曲第4番 Op.90 (1994) (*) / 弦楽オーケストラのための「ロック・スコア」 Op.100 (1997) /ホルンと弦楽のための協奏曲 Op.95 (1996) (#) ヤリ・ヴァロ(Vn;*) ユッカ・ハルユ(Hr;#) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
録音:2017年5月8日-9日(*)、5月10日(無印)、2016年11月23日-27日(#?)、スネルマン・ホール、コッコラ、フィンランド。ユハ・カンガスとオストロボスニア室内o. が録音を進めるノルドグレンの「レガシー」シリーズ。「フィンランド悲歌」と題した新しいアルバムには、1994年から1997年にかけて作曲され、これまでに録音されたことのある3曲が収録された。「ヴァイオリン協奏曲第4番」は、単一楽章で書かれ、簡潔でさりげない書法の中間部の音楽が際立った印象を残す「荒々しく、暗く、悲劇的な協奏曲」(ノルドグレン)。1994年、ヴィータサリの「音楽の時」フェスティヴァルで、作品を委嘱したヴェゲリウス室内o. とヨン・ストゥールゴールズにより初演された。「ロック・スコア」は、ホールが大理石の岩で作られたカウスティネン民俗文化センターの落成式のために作曲された作品。祝祭の気分に始まり、「見かけが民俗音楽」や「ジャズ流に」と多彩に展開する「岩に刻んだ音楽ファンタジー」。「ホルン協奏曲」は、スウェーデンのホルン奏者ソーレン・ヘルマンソンとNOMUS(北欧音楽委員会)の委嘱で作曲、1997年の「ヘルシンキ・ビエンナーレ」でユハ・カンガスとオストロボスニア室内o. がヘルマンソンと共演して初演した。ドラマティックなエピソードをもちながらメランコリックで優しい気分を基調とする作品。ヴァイオリン協奏曲のソリスト、ヤリ・ヴァロは、かつてオストロボスニア室内o. のリーダーを務め、現在はフィンランド放送so. の第1リーダーのひとり。ユッカ・ハルユは放送so. の首席ホルン奏者。 | ||
アースリー・エンジェル〜 17世紀尼僧院の音楽 マリア・クサヴェリア・ペルコーナ(1652頃-1709頃):喜べ騒げ、羊飼いたちよ イザベラ・レオナルダ(1620-1704):憧れるは最愛のイエス クラウディア・ルスカ(1593-1676):第2カンツォン ローザ・ジャチンタ・バダラ(1660頃-1710頃):泣かないで/天使の糧 イザベラ・レオナルダ(1620-1704):ヴァイオリン・ソナタ第12番(*) ベルナデット・レ(活動:1606-1626):4声のカンツォーナ キアラ・マルガリータ・コッツォラーニ(1602-1677頃):おお、わがイエス、なんと良き(#) アースリー・エンジェルアンナ・ヴィルベリ(S;#) ペーター・スピスキ(Vn) アイラ・マリア・レヘティプー(Vn;*) アンドルー・ローレンス=キング(バロックHp) エーロ・パルヴィアイネン(リュート) マリアンナ・ヘンリクソン(Org) カイサ・ダールベク(S)指揮 | ||
録音:2017年7月1日-3日、シポー教会、シポー、フィンランド。制作:ユッシ・レヘティプー|録音:ミッコ・ムルトニエミ。アーリー・ミュージックのアンサンブル「アースリー・エンジェル(Earthly Angels)」(地上の天使)は、2016年、ヘルシンキ芸術大学シベリウス・アカデミーに学ぶソプラノ歌手、カイサ・ダールベクの第2回博士課程コンサートのために結成された。その後、ヨーロッパとフィンランドのプレイヤーが集まり、17世紀と18世紀の音楽を「今日」の聴衆に伝えるプロフェッショナルの声楽器楽アンサンブルとして活動を続けている。アルバム第1作では、17世紀イタリアのミラノ、ヴェネツィア、ボローニャの写本に収められた、尼僧たちの作ったモテット、賛美歌、カンツォーネが特集された。さまざまな思いをかかえ、神に仕える日常生活を送る「女」たちの音楽。リーダーのダールベクは、アーリー、クラシカル、コンテンポラリーと、幅広い時代の音楽をレパートリーにフィンランドとヨーロッパで活動。2013年、ヴァーサのアーリー・ミュージック・フェスティヴァルを創設、芸術監督を務めている。ヴァイオリンのペーター・スピスキ(1966-)は、スロヴァキア出身、コンチェルト・コペンハーゲンのコンサートマスターとカメラータ・オーレスンの音楽監督。フィンランド・バロックo. のリーダー、アイラ・マリア・レヘティプー。エーロ・パルヴィアイネンは、「ラルペッジャータ」「アルテ・デイ・スオナトーリ」、ヘルシンキ・バロックo. のリュート奏者。ガーンジー生まれ、バロック・オペラとオーケストラの指揮者、ハープ奏者のアンドルー・ローレンス=キング(1959-)は、フィンランドを訪れ、オストロボスニア室内o. などのアンサンブルを指揮している。チェンバロとオルガン奏者のマリアンナ・ヘンリクソンは、フランスの「レ・アンバサドゥール」、ヨーロッパ連合バロックo.、ヘルシンキ・バロックo. の演奏に参加してきた。シベリウス・アカデミーの出身のソプラノ、アンナ・ヴィルベリは、室内合唱団「ルーメン・ヴァロ」のメンバー。 | ||
晩夏の歌 ミッコ・ヘイニオ(1948-):歌曲集「晩夏の歌」 Op.89a ユリヨ・キルピネン(1892-1959):歌曲集「内省」 Op.33 /歌曲集「内省」 Op.34 サミ・ルッティネン(B) トゥーラ・ハルストロム(P) | ||
「ポスト=モダニズム」の作曲家ミッコ・ヘイニオと「歌曲」を中心に創作を続けたユリヨ・キルピネンの作品をフィンランドのバス歌手サミ・ルッティネンがトゥーラ・ハルストロムの共演で録音したアルバムがリリースされる。現代詩を主に手がけたフィンランドの作家ラッシ・ヌンミ(1928-2012)の詩をテクストにしたヘイニオの歌曲集「晩夏の歌」は初録音。スウェーデンの作家ペール・ラーゲルクヴィスト(1891-1974)の詩によるキルピネンの15曲の「内省」(Op.33と Op.34)が「歌曲集」として録音されるのは、これが初めて。サミ・ルッティネンは、シベリウス・アカデミーで学び、キール歌劇場を経て、1997年からデュッセルドルフのライン・ドイツ・オペラの団員として歌っている。ロマンティック時代のドイツ歌曲、フランスの歌曲、ロシアとスカンディナヴィアの歌曲がコンサートのレパートリー。トゥーラ・ハルストロム(1978?)は、シベリウス・アカデミーでエーリク・T.タヴァッシェルナとコリン・ハンセンに学び、2003年春にピアノのディプロマを取得した。 | ||
ピューニキンリンナ・ライヴ Free Manga de Carnival!(Lauri Hannu)/ Sing Me Softly of the Blues(Carla Bley) Small Cigars(Frank Zappa)/ A Change Is Gonna Come(Sam Cooke)/ Stolen Paintings(Lauri Hannu) Song for Charlies(Ville Rauhala)/ Valssi 543(Matti-Juhani Orpana) Avarilla mailla(In Wide Open Lands)(Matti-Juhani Orpana) Outolintu(Odd Bird)(Matti-Juhani Orpana)Jazzmuseo / Untitled of My Life(Lauri Hannu) ラウリ・ハンヌ(G) アルト・ピースパネン(P) ヴィッレ・ラウハラ(ベース) マッティ=ユハニ・"マサ"・オルパナ(テナーSax/ソプラノSax) | ||
録音:2018年2月7日、3月15日、4月4日、ピューニキンリンナ、タンペレ、フィンランド、ライヴ|オリジナル制作:エミール・アールトネン博物館|録音:マルクス・パヤッカラ。工業都市タンペレにある、北欧クラシシズム様式を代表する建造物のひとつ「ピューニキンリンナ」は、1924年に造られ、フィンランド靴製造業の先駆者といわれるエミール・アールトネンと一族の住居として使われてきた。この建物は、1984年に全面改修して展覧会やイベントのための会場として使われるようになり、2004年6月、エミール・アールトネン産業芸術博物館としてオープンした。2012年の春、アルト・ピースパネンとマサ・オルパナに、彼らのアイデアに賛同したラウリ・ハンヌとヴィッレ・ラウハラが加わり、この博物館で初めてのジャズ・コンサートが行われた。以来、2018年の秋までに40回のコンサートが開催され、人気のイベントとして定着した。彼らは、2015年から「Jazzmuseo」(ミュージアム・ジャズ)を名乗り、博物館コンサートを離れても「Holy Land」の名でアンサンブルとして活動している。「ピューニキンリンナ・ライヴ」は、2018年の冬から春にかけて博物館で行われた3回のコンサートのライヴ録音により制作されたアルバム。 | ||
内なる火 La Llama(炎)(Anna Murtola)/ Tapame(わたしを両手で包んで)(Rafael del Estad) Con Alegria(喜びとともに)(Joonas Widenius)/ Sobre Las Palmas(ヤシの木のてっぺんで)(Traditional Arabic song / Sampsa Peltonen / Anna Mur-tola) Para Lo Ojos Negros(黒い瞳への子守歌)(Anna Murtola)/ Buleria Del Desenamoro(終わる恋のブレリア)(Rafael Fernandez / Moraito, Parilla de Jerez) Kuljen Takaisin(わたしは戻ってくる)(Carlos Gardel / Alfredo Le Pera / Samplsa Peltonen / Anna Murtola) Fuego Por Dentro(内なる火)(Anna Murtola / Joonas Widenius) Andando Sola(ひとりで歩き)(Anna Murtola) アンナ・ムルトラ(Vo) ヨーナス・ヴィデニウス(G) ハンヌ・ランタネン(ベース) カロ・サンペラ(Perc) ヒルダ・ランスマン(Vo/ヨイク) ロッタ=マリア=ピトカネン(Vn) アリ・ハイトヘム(ウード) ティモ・アラコティア(P) ヴェンラ・イローナ・ブロム(バッキングヴォーカル) 編曲:アンナ・ムルトラ、ヨーナス・ヴィデニウス | ||
録音:2018年、 Varistoteles Studio 、ヘルシンキ、フィンランド|制作:ヨーナス・ヴィデニウス|録音・ミクシング:マルック・ヴェイヨンスオ。フィンランドのアンナ・ムルトラ(1983-)は「最北のフラメンコ歌手」として知られるアーティスト。ソロ、フラメンコ・ギタリストのヨーナス・ヴィデニウスとのデュオ、フュージョンバンド「Bajo Cero」のヴォーカリストとして活動し、さまざまなミュージシャン、ダンサー、アーティスト、文化とジャンルを超えたプロジェクトとコラボレーションを行ってきた。「内なる火(Fuego Por Dentro)」は、フラメンコ音楽の核心、人間の声の力強くかつ繊細な力に焦点をあてる、ソロ・プロジェクト「Fuego Por Dentro」から生まれた、彼女のデビュー・アルバム。フラメンコとフュージョンのギタリストで作曲家のヴィデニウス、フォークミュージックの「ヴァルッティナ」などのグループと演奏活動を行ってきたベーシストのハンヌ・ランタネン、スペインで活動する打楽器奏者のカロ・サンペラとのアンサンブルに、ヨイク、ウード、ヴァイオリン、ピアノのミュージシャンを加えたセッションで録音された。 | ||
ステーンハンマル四重奏団 ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 Op.10 L.85 (1893) タイユフェール:弦楽四重奏曲(1917-19) ラヴェル:弦楽四重奏曲へ長調 M.35 (1902-03) ステーンハンマルSQ [ペーテル・オーロフソン(Vn1) ペール・オーマン(Vn2) トニー・バウアー(Va) マッツ・オーロフソン(Vc)] | ||
ステーンハンマル四重奏団は、2002年に活動を開始。ヴィルヘルム・ステーンハンマルの作品を中心にバロックから現代の作品まで、幅広いプログラムのコンサート活動を行っている。スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム、ベント・サーアンセンといった北欧の作曲家に定期的に作品を委嘱する一方、アメリカやイギリスの作曲家から作品を献呈され、初演を行ってきた。サーアンセン夫人のカトリーネ・ギスリンゲと共演したモーツァルトのピアノ協奏曲(五重奏版)(ABCD-418)に次ぐAlba録音。フランスの弦楽四重奏曲。同じアルバム収められることの多いドビュッシーとラヴェルの作品に加え、「レ・シス(6人組)」のタイユフェールの曲が演奏されている。優雅な「モデラート」、ラヴェルのネオクラシカルな音楽を連想させる「間奏曲」、サルタレッロのリズム、創意と色彩あふれる「終曲」の3楽章の作品。 | ||
ブラームス IV =セーゲルスタム〔完結編〕 ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98 (#) レイフ・セーゲルスタム(1944-):交響曲第295番「 ulFSoDErBlom in Memoriam... 」(*) レイフ・セーゲルスタム(P;*)指揮トゥルクpo. ヤン・セーデルブロム(Vn;*) ロイ・ルオッティネン(Vc;*) | ||
録音:2016年1月4日-5日(#)、5月25日(*)、トゥルク・コンサートホール、トゥルク、フィンランド。レイフ・セーゲルスタム(1944-)と彼が首席指揮者を務めるトゥルク・フィルハーモニックのシリーズ。ブラームスの交響曲と彼の自作の交響曲を並べて録音するプロジェクトの最後のアルバムがリリースされる。ブラームスの第4番の交響曲は、1884年と1885年の夏、保養地のスティリアで作曲された。バロック音楽の厳格な構造にロマンティックな情熱がはめこまれ、悲劇の色彩をもつ叙事詩と秋の憂愁の漂う抒情が映える音楽。「この交響曲の始まりは、音楽はどう生まれるかを説明するために使える」(セーゲルスタム)。セーゲルスタムの交響曲第295番「ulFSoDErBlom in Memoriam…」(セーデルブロム追悼)は、ヴァイオリン、チェロとピアノがオーケストラと合奏する1楽章の音楽。ヨーナス・コッコネンの「最後の誘惑」、パーヴォ・ヘイニネンの「綾の鼓」、エーリク・ベリマンの「歌う樹」、アウリス・サッリネンの「クッレルヴォ」といったフィンランドの20世紀を代表するオペラの初演を指揮したウルフ・セーデルブロム(1930-2016)を追悼。彼の名にちなむ「F-S-D-E-B」の音を使って作曲している。 | ||
Honk The Dog(Masa Orpana)/ Tanya(Joe Liggins)/ Rockin ' Shuffle(Masa Orpana) Midnight(Boudleaux Bryant / Chet Atlkins)/ Clear Day(Masa Orpana)/ Blackwoods(Henry Glower) Hastings Street Bounce(Trad / Arr. Pepper Adams)/ Churchill Strut(Masa Orpana) Blue Jean Shuffle(Plas Johnson)/ Soul Sister(Dexter Gordon) マサ・オルパナ(Sax) ヨンニ・セッパラ(G/ラップスティール) ヴィッレ・ヴァッリラ(ベース) ユッポ・パーヴォラ(ドラム) サク・ヤルヴィネン(エレクトリックP/Org) | ||
録音:2017年8月、2018年1月、 PMO 、タンペレ、フィンランド|制作:マサ・オルパナ|録音:ヨンニ・セッパラ。マサ・オルパナは、1973年、フィンランドのカンガサラ生まれ。テナーサックスをメインに、その他のサクソフォン、クラリネット、フルート、ギターを演奏。ジャズ、リズム・アンド・ブルース、ルーツ・ミュージック、ロック、即興に関心を寄せ、「Groovey Eyes」などのバンドと自身の「Masa Or-pana Honk」「Jazzmuseo」でプレーしてきた。「Honk」は、「Honky Tonk Man」(Alba ABACD-08) (2005)「Brothers」(ABCD-254) (2008)「Tラヴェルin ' Home」(ABCD-371) (2014)につづくリーダーアルバムの第4作。リズム・アンド・ブルースのジョー・リギンズが1946年に録音した「Tanya」、カントリー・アンド・ウェスタンのブードロー・ブライアントとチェット・アトキンズが作り、レッド・フォーリーの歌でヒットした「Midnight」、ヘンリー・グローヴァーの「Blackwoods」、ソウル・ジャズ・プレイヤーのプラス・ジョンソンの「Blue Jean Shuffle」、デクスター・ゴードンの「Soul Sister」といったアメリカの作品と彼のオリジナル曲によるプログラム。ヨンニ・セッパラのギター、ヴィッレ・ヴァッリラのベース、ユッポ・パーヴォラのドラム、サク・ヤルヴィネンのキーボードで、アルバムのタイトルどおり、あえて洗練を離れ、懐かしい音楽を展開していく。 | ||
メンデルスゾーン(1809-1847):ピアノとチェロのための作品 チェロ・ソナタ〔第2番 ニ長調 Op.58 No.2 /第1番 変ロ長調 Op.58 No.1 〕/ 協奏的変奏曲 Op.17 /アルバムのページ ロ短調(1835) /無言歌 ニ長調 Op.109 グアダルーペ・ロペス=イニゲス(Vc|使用楽器: Claude Pieray, Paris, 1725 ) オルガ・アンドリュシュチェンコ(P|使用楽器: Erard, Paris, 1862 ) | ||
録音:2018年8月16日-17日、9月1日-2日、ニュー・パヴィリオン、カウニアイネン、フィンランド。制作・録音:ミッコ・ムルトニエミ。ヘルシンキ芸術大学シベリウス・アカデミーを拠点に活動するスペインのチェリスト、グアダルーペ・ロペス=イニゲス(1983-)は、バロック・チェロによる「ガブリエッリ、スカルラッティ:チェロのための作品全集」(ABCD-412)でアルバム・デビュー。作品の要素を深く掘り下げた演奏が高く評価された。好評を受けて制作された第2作アルバムでは、前作と同じクロード・ピエレーが1725年に製作したチェロでロマンティックな音楽、メンデルスゾーンの作品を演奏している。共演者のオルガ・アンドリュシュチェンコ(1978-)は、モスクワ生まれ。モスクワ音楽院を卒業後、ケルンの音楽大学でアルボ・ヴァルドマ、ハノーファー音楽大学でヴラディーミル・クライネフに学び、ドイツを本拠に活動している。豊かで温かい雰囲気を求め、バロック・チェロと調和する響きの1862年製作のエラール・ピアノが録音に使われた。カウニアイネン市のホール「ニュー・パヴィリオン」での録音。 | ||
夢を見ているように〜ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): チェロと弦楽オーケストラのための協奏曲第3番 Op.82 (1992) / 夢を見ているように Op.21 (1974, arr.2017) (ユハ・カンガス(1945-)編曲/チェロと19の弦楽器のための)(*) / ヴィオラ、コントラバスと室内管弦楽のための協奏曲 Op.87 (1993) (#) マルコ・ユロネン(Vc) リッリ・マイヤラ(Va) オリヴァー・ティエリ(Cb) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
録音:2018年5月22日(無印)、5月23日(*)、11月8日-9日(#)、スネルマン・ホール、コッコラ、フィンランド|(*/#)は 世界初録音| #(*)の作品番号が、ブックレット裏とインレイ・カードにおいて『 Op.20 』と誤記されていますが、誤記があるままで流通します。制作・録音:サイモン・フォックス=ガール。「信じられないほどの勢いと創造性のある世代……潜在する力がまだ充分に探求されておらず、その作品がそれぞれの国以外ではコンサートに欠かせない演目にはなっていない世代」の作曲家のひとり、フィンランドのノルドグレン(1944-2008)の「フィンランド悲歌」(ABCD-425)につづく作品集。「チェロと弦楽オーケストラのための協奏曲第3番」は、ショスタコーヴィチの交響曲第12番「1917年」の短い引用のある、対照的な4つの楽章の作品。オストロボスニア室内o. の委嘱で作曲、1992年9月12日、スティーヴン・イッサーリスとユハ・カンガスの指揮で初演された。マルコ・ユロネン(1966-)とオストロボスニア室内o. にとっては2度目の録音。「夢を見ているように」は、「リゲティに近いクラスター風スタイルの和声と表現的なメロディによる「メロディック=ポリフォニック・クラスター」」の音楽として、1974年、チェロとピアノのために作曲された。この作品をユハ・カンガスが「チェロと19の弦楽器」のために編曲、「ノルドグレンの音楽」の音世界をできる限り忠実にたどりながら、独奏チェロとオストロボスニアのプレイヤーが対話する抒情のパッセージをもつ作品に作り上げた。「ヴィオラ、コントラバスと室内管弦楽のための協奏曲」は、カウスティネン室内楽週間の委嘱作。ヴィオラとコントラバスのソロと、ピアノ、打楽器、幅広い色彩の弦楽によるアンサンブルが「小説のチャプター」のように音楽を展開させてゆく単一楽章で書かれ、終幕、「わたしたちを彼岸に導こうとする」かのようにハイドンのピアノ曲「アンダンテ ト短調」が「これ以上ないスローモーション」で引用される。 | ||
夜の海辺にて〜ヘイノ・カスキ(1885-1957):ソロ・ピアノのための作品集 夜の海辺にて Op.34 No.1 /夢の姿 Op.27 No.1 /ばら園の乙女 Op.24 No.1 /ブルレスケ Op.32 No.3 / 前奏曲 変ト長調 Op.7 No.1 /ヴェネツィアの夕べ Op.15 No.2 /山のトロルのセレナード Op.15 No.1 / 前奏曲 ロ短調「パンカコスキ急流(激流)」 Op.48 No.1 /森の静けさ Op.25 No.2 / 子守歌 Op.17 No.3 /流行り歌 Op.27 No.3 /泉のほとりのニンフたち Op.19 No.2 / 夏の夜 Op.38 No.1 /秋の朝 Op.21 No.2 /牧歌 Op.10 No.4 /無言歌 Op.24 No.2 / 前奏曲 ハ長調 Op.46 No.1 /夕べの気分 Op.14 No.3 /詩 Op.46 No.2 /悲しい歌 Op.32 No.4 ヤンネ・メルタネン(P|使用楽器: Steinway & Sons, D 371281 ) | ||
録音:2018年11月2日-3日、ヘルシンキ。制作・録音:ヘイッキ・サヴォライネン。オスカル・メリカントと同じようにピアノの小品で人気を集めた作曲家として名を残す、フィンランドのカスキのソロ・ピアノのための作品。ヘイノ・カスキは、1885年、ピエリスヤルヴィ(リエクサ)の教会音楽家の子に生まれた。ヘルシンキでイルマリ・クローンに音楽理論、エルッキ・メラルティンに作曲を学び、ベルリンのパウル・ユオンの下で4年間、作曲の勉強を続けた。ピアノの小品の他に、ヴァイオリン、チェロ、フルートのためのソナタなどの室内楽や歌曲を作曲している。「印象主義風のデリカシーを感じさせる和声がごく稀にみられるものの、基本のスタイルはナショナル・ロマンティシズム」(キンモ・コルホネン)。カスキは、100曲近いピアノの小品を書き、「ばら園の乙女」「夢の姿」「夕べの気分」「森の静けさ」など、その多くに音楽の内容を示唆する曲名がつけられている。フィンランドのピアニスト、ヤンネ・メルタネン(1967-)のアルバムには、彼が以前に録音したことのある「夜の海辺にて」のほか、カスキのピアノ音楽を代表する作品が全部で20曲収められている。ロマンティックな「前奏曲 変ト長調」、グリーグを思わせるともいわれる爽やかさのある「山のトロルのセレナード」。前奏曲「パンカコスキ急流(激流)」は、フィンランドでもっとも壮大な急流のひとつ「パンカコスキ急流」を「トレモロ、アルペッジョ、分散和音、パッセージワークにより、典型的にロマンティックな情景に描いた」作品。ショパンの「夜想曲」(ABCD-160, ABCD-190)と2つのピアノ協奏曲(ABCD-247)、コッコネン(ABCD-127)やサティの作品(ABCD-115)などのアルバムを録音したメルタネンが、抑えがたい気持ちをピアノに託したカスキの世界に聴き手を誘う。 | ||
バラードとその他の物語 ラウタヴァーラ:ピアノ・ソナタ第2番「火の説法(1970) / ショパン:バラード第1番 ト短調 Op.23 リンドベリ:ピアノ・ジュビリー(2000) より〔第6番/第3番〕 / ショパン:バラード第2番へ長調 Op.38 サーリアホ:バラード(2005) / ショパン:バラード第3番 変イ長調 Op.47 ホイットール:草の葉(2005-09) より〔第6曲「夜の浜辺で」/第7曲「もの静かな辛抱づよいクモ」〕 ショパン:バラード第4番 ヘ短調 Op.52 エーリク・T.タヴァッシェルナ(P|使用楽器: Steinway D ) | ||
録音:2017年12月、シベリウス・ホール、ヤルヴェンパー、フィンランド。ヘルシンキ芸術大学シベリウス・アカデミーの名誉教授、エーリク・T.タヴァッシェルナは、1951年、ヘルシンキ生まれ。タパニ・ヴァルスタとモスクワのヘンリエッタ・ミルヴィスに学び、ウィーン音楽大学でディーター・ウェーバー、ニューヨーク大学でユージン・リスト、ジュリアード音楽院でサーシャ・ゴロドニツキに師事。シベリウス・アカデミーで1982年からピアノと室内楽を教え、ショパンを弾いてコッコネンに認められたヤンネ・メルタネン、トランスクリプションと現代音楽に関心を寄せるリスト=マッティ・マリン、ヘンリ・シーグフリードソン、カトリーナ・コルテたちを育てました。コンサートではハイドン、シューベルト、エングルンドたちのソナタを演奏、スウェーデンのBISレーベルにシベリウスのピアノ作品の全曲を録音したことでも知られる。「バラードとその他の物語」は、タヴァッシェルナが久しぶりに録音したアルバム。2017年に行ったリサイタルのコンセプトに沿ったプログラムが組まれ、ショパンのバラード4曲がフィンランドのピアノ作品とともに演奏される。ラウタヴァーラの「コラール風コードのテクスチュアとローリング・アルペッジョ」に特徴づけられるピアノ・ソナタ「火の説法」。ロンドンのロイヤル・フェスティヴァルホールがピエール・ブーレーズへの誕生日プレゼントとして委嘱した第1曲と、5つの短い曲を「調和する全体」にまとめたマグヌス・リンドベリの「ピアノ・ジュビリー」から2曲。カイヤ・サーリアホが「メロディのある曲を書いたかった」という、エマニュエル・アックスのための小品「バラード」。マシュー・ホイットールがウォルト・ホイットマンの詩に基づきリスト=マッティ・マリンのために作曲した12の前奏曲「草の葉」の2曲。 | ||
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ集 〔第2番 ニ短調 Op.121 (1851) / 第1番 イ短調 Op.105 (1851) / 第3番 イ短調 WoO.2 (1853) 〕 |
エリーカ・マーリスマー(Vn) エミール・ホルムストロム(P |使用楽器:エラール、1862年製) | |
ガット弦&ピリオド楽器使用。 シューマンの3つのヴァイオリン・ソナタは、1851年から1853年の間に作曲された。さまざまな問題をかかえながらシューマンが、なお、「ソナタ」という形式に立ち向かい創り上げた作品をフィンランドの音楽家たちがピリオド楽器で演奏したアルバム。エリーカ・マーリスマーは、シベリウス・アカデミーでカイヤ・サーリケットゥとヤーコ・イルヴェスに学び、エツベリ室内音楽学校でウルフ・ヴァリーンとマッツ・セッテルクヴィストの下で室内楽を修めた。2008年から2016年までヘルシンキ・フィルハーモニックの第2コンサートマスターを務め、現在、フリーランスのヴァイオリニストとして活動している。アヴァンティ!室内o.、ヨウシア・アンサンブル、アヴァンティ!弦楽四重奏団のメンバー。エミール・ホルムストロムは、シベリウス・アカデミーを卒業、パリのマリー・フランソワーズ・ビュケにも学んだ。ヘルシンキを本拠に活動。コンテンポラリーミュージックの「defunensemble」、ウーシンタ・アンサンブル、トリステロ・ピアノ三重奏団のメンバー。19世紀のピリオド楽器で演奏する「Ristveto Collective」を主宰している。ニスのかけられていないガット弦から生まれる温かいニュアンスと1862年製エラール・ピアノの響きによりシューマンの時代を偲ぶ。 | ||
モーメンタム〜フルートとオルガンのための音楽 プーランク/ニールス・ブルクマン(1975-)編曲:フルートとオルガンのためのソナタ(1956)(原曲:フルートとピアノ) ジャック・マトソン(1954?2007):カヴァティーナとヴィヴァーチェ ニールス・ブルクマン(1975-):ディプティク(泣く時と笑う時) ラーシュ・カールソン(1953-):レチタティーヴォとアリア / ジャン・アラン(1911-1940):アリア ヴィドール/ハインツ=ペーター・コルトマン、ニールス・ブルクマン編曲: フルートとオルガンのための組曲 Op.34(原曲:フルートとピアノ) エリカ・ニューゴールド(Fl) ニールス・ブルクマン(Org) | ||
フィンランド、ヴァーサ市o. の首席フルート奏者、エリカ・ニューゴールドと、ヘルシンキの聖マタイ教会の教会音楽家、ニールス・ブルクマン(1975?)。室内楽の音楽家としてのキャリアも重ねてきたふたりの共演。フィンランド自治領、オーランド出身の作曲家でオルガニストのジャック・マトソンとラーシュ・カールソンの作品、ブルクマンの作曲したフルートとオルガンのためのオリジナル曲、プーランクとジャン・アランの作品の編曲によるプログラム。 | ||
21世紀のオルガン音楽 ヴェリ・クヤラ(1976-):サイクロン(2006) / ミンナ・レイノネン(1977-):好みで(2009) マイヤ・ヒュンニネン(1977-):三つの世界(2010-11)(オルガンとライヴ・エレクトロニクスのための) オッリ・ヴィルタペルコ(1973-):ドーキンズ(2008) / アンティ・アウヴィネン(1974-): Single Excelsis (2012) スザンネ・クヤラ(Org) | ||
「ポルトハン・オルガンで弾くバッハ」(ABCD-424)をリリースしたベルリン生まれのスザンネ・クヤラ(1976?)のAlbaレーベル第2作。フィンランドの作曲家が、楽器の音量、リズム振動、空気の質感といったオルガンの特性を活かしスザンネ・クヤラのために作った5曲が演奏される。ヴェリ・クヤラは、シベリウス・アカデミーでコンサート・アコーディオンと作曲を学んだ。ソロ、室内楽、エレクトロ=アコースティックの音楽を作曲、プレイヤーとしても活動している。マイヤ・ヒュンニネンは、コンサート・ミュージック、電子楽器デザインなどの分野で作曲家、サウンドアーティストとして活動。カリフォルニア大学バークリー校の博士課程で学んでいる。「無窮動」「沈んだ大聖堂」「螺旋階段」の「三つの世界」。ミンナ・レイノネは、ヘルシンキ芸術大学シベリウス・アカデミーのDocMus 博士課程の学生。フィンランドの環境と民話、日常的な物や音といった、音楽以外の出会いからインスピレーションを得て作曲することが多いといい、「Par Preference」は「交互に起こる強いコントラスト」を基に作られた。オッリ・ヴィルタペルコは、エディンバラ大学で作曲、バロック・チェロとアーリーミュージックの演奏を学び、シベリウス・アカデミーで作曲と音楽理論を修めた。イギリスの生物学者の名を曲名とする「ドーキンズ」は、「柔らかく荘厳な音が大空間でどう響くか」をコンセプトに作曲された「反復子」「ポリモーフィズムの方へ」「不滅のコイル」の3楽章の作品。アンティ・アウヴィネンは、音色とリズムに特別な関心をもち、モダニストの作曲語法を強い緊張感やドラマの感覚と融合させた、室内アンサンブルのための音楽を中心に作曲している。 | ||
タンゴ・ラデアード アルベニス/レオポルド・ゴドフスキ編曲:「スペイン」 Op.165 〜タンゴ Op.165 No.2 D.スカルラッティ:ソナタ ト短調「ブルレスカ」 / テリー・ライリー(1935-):タンゴ・ラデアード ルー・ハリソン(1917-2003):タンディのタンゴ / エドゥアルド・ペレイラ(1900-1973):エル・アフリカーノ サティ:永遠のタンゴ / ジョン・ケージ:永遠のタンゴ〔ヴァージョンA/ヴァージョンB〕 ルイス・デ・パブロ(1930-):「肖像画とトランスクリプション」(1984) 〜タンゴ マルティヌー:「ミニチュアのフィルム」 H.148 〜タンゴ/「調理場のレヴュー」 H.161 〜タンゴ ストラヴィンスキー:タンゴ(1940) / ピアソラ(1921-1992):ル・グラン・タンゴ ヤンネ・ラッテュア(アコーディオン) パトリック・デメンガ(Vc) | ||
クラシカル・アコーディオンの第一人者のひとり、ヤンネ・ラッテュアに誘われる「タンゴ」の旅。アルベニスのピアノ曲をゴドフスキが編曲した「タンゴ」とスカルラッティのバロック・スタイルのソナタに始まり、テリー・ライリー、ルー・ハリソン、ペレイラ、サティ、ジョン・ケージ、ルイス・デ・パブロ、マルティヌー、ストラヴィンスキーと、目まぐるしく世界を巡り、ピアソラのチェロとピアノのための「ル・グラン・タンゴ」に終わる。ライリーの「砂漠の歌(Cantos Desiertos)」の第5曲「タンゴ・ラデアード(タンゴ Ladeado)」(傾いたタンゴ、偏ったタンゴ)がアルバム・タイトルにとられている。ラッテュアは、ヘルシンキのシベリウス・アカデミーと、ドイツ、エッセンのフォルクヴァング芸術大学で学んだ。2003年からグラーツ国立音楽大学の教授を務め、ソリスト、室内楽奏者として活動。バッハの「ゴルトベルク変奏曲」やスカルラッティのソナタの編曲などのアルバムを録音している。ラッテュアの「旅の仲間」は、パトリック・デメンガ。ベルン音楽院で学び、ケルンのボリス・ペルガメンシコフとニューヨークのハーヴィ・シャピロに師事したドイツのチェリスト。 | ||
ティモ・ルオッティネン(1947-):ミサ・ポピュラリスル
キルシ・カウニスマキ=スホネン合唱指揮アムジャイcho. ニュー・セグメントo. セッポ・「カラ」・アラヨキ(G) マサ・オルパナ(Sax/Fl) アルト・ピースパネン(キーボード) ユーソ・ノルドルンド(ベース) ユッポ・パーヴォラ(ドラム) | ||
Alba Records の前オーナー、創業者のティモ・ルオッティネン(1947-)は、1960年代の後半、財政運営の学生だった20代に「ミサ・ポピュラリス」と名付けたミサ曲を作曲した。当時、世界は、ベトナム戦争、ナイジェリア内戦、プラハの春といった戦争や政情不安の真っただ中にあり、そうした激動する世界を根本から変えたいという願いが、音楽を含むあらゆる文化表現に浸透した時代でもあった。ルオッティネンのミサ曲も、その時代を背景に作られた作品。1960年代のポップミュージックとプログレッシヴ・ロックを組み合わせた、当時としては急進的なスタイルで書かれたミサ曲は、1969年4月5日のトゥルク・コンサートホールでの初演は、賛否の議論を巻き起こしたと言われる。作品は、全曲を統一する主題をもつ「序曲」に始まり、ラテン語のミサ通 常 文 を歌う「キリエ」「グローリア」「クレド」「サンクトゥス」「アニュス・デイ」と続く。バロックからブルースまで、多種多様なメロディとリズムが音楽を彩っている。初演から50年の録音。オリジナルの版を使った演奏。ルアムジャイ合唱団は、若い団員40人の混声cho. 。タイ語の「心を共有する」をグループ名にしている。「ニュー・セグメントo. 」と名付けたアンサンブルは、電気増幅したギターとベース、ドラム、ハモンドオルガン、ミニモーグ・シンセサイザー、シタールという、当時の音楽を尊重した編成をとり、「Honk」(ABCD-433)などのアルバムを録音したマサ・オルパナ(1973-)、「ピューニキンリンナ・ライヴ」(ABCD-428)で彼と共演したアルト・ピースパネン(1958-)たちが参加している。 | ||
ボストン・ソナタ〜パーヴォ・ヘイニネン(1938-): ヴァイオリンとピアノのための「ボストン・ソナタ」 Op.134 (2016) 〔第1番「ボストン・ソナタ」/第2番「ボストン変奏曲」/第3番「ボストン・バラード」〕 カイヤ・サーリケットゥ(Vn) ユハニ・ラーゲルシュペツ(P) | ||
フィンランド・モダニズムの「大長老」パーヴォ・ヘイニネンのフルート協奏曲「昔(Autrefois)」(ABCD-350)に次ぐ新しいアルバム。ヴァイオリニストのカイヤ・サーリケットゥとピアニストのユハニ・ラーゲルシュペツが共演、2016年の「ボストン・ソナタ」を演奏している。この作品は、ヘイニネンの代表作のひとつ、サーリケットゥが録音した「ヴァイオリン・ソナタ」 Op.25 (1970)を聴いたマサチューセッツ州ボストンのジャネット・パッカーの委嘱で作られた。「絶対音楽の提唱者としての私の立場は今も変わらないが、われわれが目にするものや経験することは必ず、思考の過程を色づけし、より高いエネルギーレベルに引き上げる」(ヘイニネン)。ヘイニネンは作曲に先立ってボストンを訪れ、古都の佇まいと現代の姿の共存する、魅力と刺激にみちた街の空気からインスピレーションを得て最初の「ボストン・ソナタ」を作曲。余った素材を使って第2番「ボストン変奏曲」と第3番「ボストン・バラード」を作った。「ボストン変奏曲」は「カプリッチョnotturno」「Elegiaco」「Symmel」「スケルツォ」「Agitato e pesante」、「ボストン・バラード」は「Guirlande」「Duetto」「 "Pizzica, fuzzica… "」「カプリッチョet Pentanomos」「Pezzo tematico」「Aubade」「Finale APPENDIX: Transform... Culmen…」。楽想の関連する3作は「ボストン・ソナタ」(Op.134)としてまとめられ、2018年5月、ヘイニネンの80歳の誕生日を祝うヘルシンキのコンサートでサーリケットゥとラーゲルシュペツの演奏で初演された。 | ||
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750):無伴奏チェロ組曲 〔第5番 ハ短調 BWV.1011 /第3番 ハ長調 BWV.1009 /第2番 ニ短調 BWV.1008 / 第1番 ト長調 BWV.1007 /第4番 変ホ長調 BWV.1010 /第6番 ニ長調 BWV.1012 〕 マルコ・ユロネン(Vc|使用楽器:バルトロメオ・クリストフォリ、1720年代製] | ||
録音:2016年11月、2017年5月、カウスティネン教会。マルコ・ユロネン(1966-)は、シベリウス・アカデミーでエルッキ・ラウティオとヘイッキ・ラウタサロ、バーゼルでハインリヒ・シフに学び、ソリスト、室内楽奏者、音楽祭の芸術監督、教師として国際的に活動してきた。ユロネンは、CD録音も積極的に行い、ラウタヴァーラ、コッコネン、ヴァスクス、シチェドリン、C.P.E.バッハのチェロ協奏曲、シベリウスの弦楽四重奏曲などのアルバムをリリース。オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティso. と共演したシベリウスの「2つの荘重な旋律」(BIS-1485)やヤーコ・クーシストたちと共演したピアノ三重奏曲(BIS-1282, BIS-1292)は、BISレーベルの「シベリウス全作品」に収められた。重要なレパートリーのひとつ、J.S.バッハの「6つの無伴奏チェロ組曲」のユロネンにとって初めての録音。彼は、それぞれの組曲の「対話」の中での異なる性格を際立たせるため、第5番の「情熱の世界」から第6番の「喜びあふれる音調」まで、6つの組曲を番号にとらわれない順序で演奏している。 | ||
トイヴォ・クーラ(1883-1918):ピアノ作品全集 3つの小品 Op.3b (1906/08) /2つの小品(歌曲から編曲) Op.37 (1907/12) /インヴェンション(1905頃) / フィンランドの歌による変奏曲 ホ短調(1900頃) /昔の秋の歌 Op.24 No.3 (1917) /ショッティーシュ(1904頃) / 祝祭行進曲 Op.13b (1910) /ピアノのための組曲 Op.26 (1914-15) /3つの童話の情景 Op.19 (1912) ヤンネ・オクサネン(P) | ||
ナショナル・ロマンティシズムの作曲家トイヴォ・クーラ(1883-1918)は、1907年の ホ短調のヴァイオリン・ソナタと1908年のピアノ三重奏曲イ長調で注目され、歌曲を中心とする声楽曲とピアノ曲で当時、オスカル・メリカントと同じように人気を集めた。フィンランド内戦中の1918年、白軍の勝利を祝う会場での口論による発砲事件の傷が元で亡くなってからも、「短調」で書かれた「結婚行進曲」をはじめとする「哀愁と感傷の音楽」は、広く愛され、演奏されている。将来を期待される若いピアニストのひとり、フィンランドのヤンネ・オクサネンは、クーラが作曲したピアノのための全作品を弾いたこのディスクがデビュー・アルバム。シベリウス・アカデミーのフェスティヴァル「Sibafest2018」でクーラの作品を弾き、ラジオ放送などのメディアを通じて好評だったことから、今回の録音が実現した。シベリウスの家があることでも知られるヤルヴェンパーのホールでセッション録音。詳細なプログラム・ノート(英語・フィンランド語)もオクサネンが執筆した。オクサネンは、9月19日、ヘルシンキのテンペリアウキオ教会で行われたアルバム・リリース・コンサートの後、2020年2月2日のヤルヴェンパーまで、30 都市をまわる「クーラ:ピアノ作品-ツアー」を計画している。[プロフィール]ヤンネ・オクサネンJanne Oksanen (1994?)。ヘルシンキ芸術大学シベリウス・アカデミーとパリ音楽院でテッポ・コイヴィスト、レベッカ・アンゲルヴォ、ドニ・パスカルに学び、リスト=マッティ・マリンの修士課程で研究。ヨルマ・パヌラのクラスで指揮を学び、作曲家として25曲を超す歌曲などを作り、「フィンランディア」を2台ピアノ用に編曲。ポップミュージックとジャズも学び、ロックバンド「Aurora Lights」を創設、グループを解散するまで歌手とギタリストを務めた。 | ||
隠れた宝物 リカルド・ファルティン(1835-1918):創作主題による変奏曲(1861) イルマリ・ハンニカイネン(1892-1955):ピアノ・ソナタ ハ短調 Op.1 (1912) マルティン・ヴェゲリウス(1846-1906):3つの幻想的小品「ザクセン・スイスの一日の思い出」(1872) シルッカ・ハルユンマー(1926-2018):結婚行進曲(1948) /練習曲(1947) エイナリ・マルヴィア(1915-1997):ピアノ・ソナタ 変ニ長調 Op.16 (1945) / オストロボスニア民謡による変奏曲 Op.10 (1935) リスト=マッティ・マリン(P) | ||
シベリウス・アカデミーの博士課程で「ピアノ・トランスクリプション」を研究、「ピアノ・トランスクリプションの芸術」の2枚(ABCD-240, ABCD-305)を録音したリスト=マッティ・マリン(1976-)のAlbaレーベルのアルバム第8作。フィンランドのロマンティックなピアノ音楽の「忘れられてしまっていた珠玉の作品」を7曲弾いている。ドイツに生まれ、パーシウスにつづいてフィンランド音楽に貢献したリカルド・フレデリク・ファルティン(1835-1918)のシューマンやメンデルスゾーンの影響を反映する「創作主題による変奏曲」。「初雪」「泉のほとりで」といった小品で知られるイルマリ・ハンニカイネン(1892-1955)が書いた2つの大曲のひとつ「ピアノ・ソナタ ハ短調」。ヘルシンキ音楽学校(現ヘルシンキ芸術大学シベリウス・アカデミー)を設立、シベリウスも教わったマルティン・ヴェゲリウス(1846-1906)が、ドイツ、ザクセン州の国立公園「ザクセン・スイス(ゼジッシェ・シュヴァイツ)」をインスピレーションに作曲した「ラルゴ-アレグロ・ヴィヴァーチェ」「アンダンテ・クワジ・アレグレット」「ポコ・アダージョ、マ・ルバート」の「3つの幻想的小品」。イルマリ・ハンニカイネンの生徒だった女性作曲家シルッカ・ハルユンマー(1926-2018)の2つの小品。エイナリ・マルヴィア(1915-1997)は、彼が師事したエルッキ・メラルティンの影響を受けた音楽に印象主義と表現主義の要素を加えた、100 を超す数の歌曲を作曲。「ピアノソナタ 変ニ長調」は、代表作とされる作品。すべて初めての商用録音。 | ||
ユハ・レイノネン(1956-): クラリネット、ピアノと弦楽四重奏のための六重奏曲「アテナ」(2015) / 弦楽四重奏曲第1番「日記の下書き」」(2012) / クラリネット、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための「 Foga 」(2002) オッリ・レッパニエミ(Cl/バスCl) テルヒ・パルダニウス(Vn1/Vn) ユッカ・ウンタマラ(Vn2) アンティ・ティッカネン(Va) トマス・ヌニェス=ガルセス(Vc) ローペ・グレンダール(P) | ||
録音:2015年11月2日-4日、聖カタリナ教会、カルヤー、フィンランド。フィンランドの作曲家ユハ・レイノネン(1956-)は、タンペレ音楽アカデミーでヨウニ・カイパイネンとエスコ・シュヴィンキに学び、マグヌス・リンドベリたちのマスタークラスに参加した。独奏楽器のための曲、室内楽曲、協奏曲、管弦楽曲、歌曲と合唱曲とクラシカル音楽のほぼ全ジャンルを手がけ、初期には劇のための作品にも取り組んだ。複雑で運動性の高いリズミカルな躍動感のある音楽から、静謐な抒情、バロックの色彩を映した音楽まで、多様なスタイルを使い分けている。レイノネンが室内楽のために書いた作品。「アテナ(Athene)」は、フィンランド室内楽で最大規模の「トッカータ」のひとつ。「日記の下書き」の副題をつけられ弦楽四重奏曲は、「サタソイット音楽祭」の委嘱で作曲され、2012年8月31日、コケマキ教会で初演された。単一楽章の内面的な作品。2002年7月26日、クフモ室内楽作曲コンペティションで初演されたクラリネット(バスクラリネットと持ち替え)、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための「フォガ(Foga)」は、「5つの楽器のための効果的、コンパクトな小室内協奏曲」とみなされる音楽。演奏者に「ヴィルトゥオーゾ的チャレンジ」が求められる3曲のプログラム。演奏は、2009年の国際カール・ニルセン・コンペティションで第1位に選ばれ、タピオラ・シンフォニエッタの首席クラリネット奏者を務めるオッリ・レッパニエミ(1980-)のクラリネット。カムス四重奏団の創設からのメンバー、テルヒ・パルダニウス(1982-)と、カムス四重奏団の創設時のメンバー、ヨルマ・パヌラの指揮クラスでも学んだユッカ・ウンタマラ(1981-)のヴァイオリン。META4四重奏団のメンバー、アンティ・ティッカネン(1980-)のヴィオラ。フィンランド放送so. のソロ奏者、トマス・ヌニェス=ガルセス(1984-)のチェロ。ピアノのローペ・グレンダール(1989-)は、シベリウス・アカデミーとロンドンの王立音楽アカデミーで学び、クフモ、ヘルシンキ、シカゴのラヴィニアといった音楽祭に室内楽奏者として参加してきた。 | ||
オルフェウス・バロック・ストックホルム C.P.E.バッハ:シンフォニア ホ短調 Wq.178 /チェロ協奏曲 イ短調 Wq.170 (#) J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調 BWV.1052 (*) / カンタータ第76番「天は神の栄光を語る」 BWV.76 〜シンフォニア(+) オルフェウス・バロック・ストックホルム [エーリン・ガブリエルソン(Vn;+ |コンサートマスター) ヨハネス・ロスタモ(Vc;#/+|使用楽器:Antonio Stradivari“Magg "(1698) ) ルカ・グリエルミ(Cemb;*/+| 使用楽器: Anders Kilstrom (2001), Flemish type based on the Ruckers standard) ダニエル・ホルスト(Vc通奏低音;+)] | ||
録音:2018年12月16日、ストックホルム・コンサートホール「グリューネヴァルトホール」、ストックホルム、ライヴ。「オルフェウス・バロック・ストックホルム」のデビュー・アルバム。スウェーデンのこのグループは、2015年、王立ストックホルム・フィルハーモニックの「バロックを愛する」メンバーが集まって結成した。スウェーデンのピリオド楽器演奏をリードするバロック音楽家たちも参加、ヘンデル、バッハ、ヴィヴァルディの音楽、「デューベン・コレクション」所蔵の作品をレパートリーに活動している。王立ストックホルム音楽大学とストックホルム・フィルハーモニックのアカデミーで学んだフィンランド出身のチェリスト、ヨハネス・ロスタモ(1980-)が芸術監督、王立ストックホルム音楽大学でモダーン・ヴァイオリンを学び、イタリアとオランダでバロック・ヴァイオリンの演奏を身につけたスウェーデンのエーリン・ガブリエルソンがコンサートマスター。チェンバロを担当するイタリアのルカ・グリエルミ(1977-)は、指揮者、作曲家、歴史的鍵盤楽器のソリストとして活動している。このアルバムは、ストックホルム・コンサートホールで行われたコンサートでライヴ録音された。C.P.E.バッハの作品が2曲。木管楽器を加えた「第2版」の「シンフォニア ホ短調」と父バッハが亡くなった年の「チェロ協奏曲 イ短調」。J.S.バッハの「チェンバロ協奏曲 ニ短調」は、第3楽章「アレグロ」のためにブラームスが作ったカデンツァが、「リュッケルス」をモデルにアンデシュ・シールストレムが製作した楽器に合わせ、多少の手を加えて使われた。プログラムの最後、バッハのカンタータ第76番「天は神の栄光を語る」の「シンフォニア」が、ダニエル・ホルストのチェロ通奏低音を加えたソリスト4人の「友情のオマージュ」として演奏される。BISレーベルの録音も数多く担当しているTake5 Music Productionのハンス・キプファーの制作と録音。 | ||
アンデシュ・シュデニウス(1729-1803)・コレクション ガエターノ・プニャーニ(1731-1798):四重奏曲(*)〔第2番 変ホ長調/第3番 イ長調〕 クリスティアン・エルンスト・グラーフ(1723-1804):四重奏曲 ト長調 Op.17 No.3 (#) ジュゼッペ・カンビーニ(1746-1825):四重奏曲 ニ長調 Op.1 No.5 (*) アントニオ・サッキーニ(1730-1786):四重奏曲 ハ長調 Op.2 No.3 (+) レブレヒト・ユリウス・シュルツ(1732-1804):四重奏曲第5番 ホ短調(**) コッコラSQ (*/#/+) オストロボスニア室内o.(**) エリナ・ムストネン(Cemb;+) ニーヴ・マッケナ(Fl;#) | ||
#旧・国内代理店提供のアナウンスと商品外装には編成等が記されておらず、上記はレーベル公式サイトから補いました。また、ハイブリッドSACD盤である可能性がありますが、当店では保証いたしません。古典的リベラリズムの提唱者、フィンランドの司祭でスウェーデンの立法府リクスダーゲン議員のアンデシュ・シュデニウス(1729-1803)は、音楽愛好家としても知られる。彼は、コッコラのキルコンマキ(教会の丘)の牧師館に小規模なオーケストラをもち、楽譜の収集にも努めた。ヨーロッパ大陸の作曲家たちの膨大な数の作品を収め、シュデニウスの署名の入った11巻の楽譜集は、「アンデシュ・シュデニウス・コレクション」と呼ばれ、現在、トゥルクのシベリウスス博物館が所蔵している。コッコラに本拠を置くオストロボスニア室内o. とメンバーが結成したコッコラ四重奏団がふたりのソリストと演奏するこのコレクションから選んだ「宝石のような作品」。イタリアのプニャーニ(1731-1798)、カンビーニ(1746-1825)、サッキーニ(1730-1786)、オランダのグラーフ(1723-1804)。音楽史から忘れられてしまったようなレブレヒト・ユリウス・シュルツ(1732-1804)の名も見られる。チェンバロのエリナ・ムストネン(1961-)は、シベリウス・アカデミーを卒業後、アムステルダムのスウェーリンク音楽院でトン・コープマンに師事した。バッハの「フランス組曲」(ABCD-136:1-2)「ドメニコ・スカルラッティの15のソナタ」(ABCD-216)などのアルバムを Albaレーベルに録音している。ドイツ系アイルランドのフルーティスト、ニーヴ・マッケナは、トゥルク・フィルハーモニックの首席奏者を経て、2019年秋からソロ・フルート奏者としてヘルシンキ・フィルハーモニックで演奏している。 | ||
聖なるコンサート〜デューク・エリントン(1899-1974): 聖なるコンサート/神を讃えよ/天国/自由/神の威光/自由は…言葉(オルガン・ソロ)/ ダビデは主の前で踊った/全能の神/自由/異なる言葉で語られた自由/神を讃えて踊れ-終曲 アヌ・コムシ(S) マルツィ・ニューマン(Org/Vo) | ||
録音:2017年8月14日-15日、コッコラ教会、コッコラ、フィンランド。フィンランドのソプラノ歌手アヌ・コムシAnu Komsi (1967-)は、文学や哲学からインスピレーションを得た作品によるコンサートと録音を行なってきました。Alba Recordsからリリースされた「エイノ・レイノの詩を歌う」(ABCD-231)、ヴェルレーヌやゲルハルト・テルステーゲンたちの詩による歌曲を集めた「美しくあること」(ABCD-331)といったアルバムはいずれも高く評価されている。彼女は、さまざまなジャンルのアーティストとの交流でも知られ、マルチ楽器奏者としてジャズとロックのシーンで活動するマルツィ・ニューマンMarzi Nyman (1979-)もそのひとり。ニューマンは、シベリウス・アカデミーのジャズ科で学び、「Nylon Beat」、UMOジャズo. 、イーロ・ランタラ・ニュートリオといったアンサンブルに参加。コムシとニューマンは、2008年、フィンランドのシュスマで行われたサマーフェスティヴァルで「賛美歌」を歌ったことから「デュオ」活動を始め、フィンランド各地の教会で開催されるフェスティヴァルに年2回のペースで出演を続けている。ふたりは「居心地のいい場所」から離れた活動にも挑戦、デューク・エリントンの音楽による「Sacred Concert」は、その一作として制作されたアルバム。デューク・エリントンDuke Ellington (1899-1974)の「Sacred Concert」は、1965年にサンフランシスコにオープンしたグレース大聖堂の主催する「Festival of Grace(神の恩寵フェスティヴァル)」の一環として始まった。作曲家、ピアニスト、バンドリーダーとして名を残したエリントンは、このコンサートを「これまでに手がけたもっとも重要なこと」と呼び、自身のジャズ語法をゴスペルと教会音楽と組み合わせた音楽を作曲。深い信仰心から生まれた音楽は、聴衆の心に訴え、多くの賛辞を獲得した。1968年1月、ニューヨークのセント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂で「Second SacredConcert」、1973年10月、ロンドンのウェストミンスター寺院で「Third Sacred Con-cert」とコンサートがつづき、レコード録音も作られる。コムシとニューマンは、一連のコンサートから選んだ、スウェーデンのアリス・バブスが歌った「Heaven(天国)」など9曲と、オルガン・ソロの「Freedom is a word…(自由は…言葉)」でプログラムを構成。2017年8月、コッコラの教会で録音セッションを行った。コムシは、アリス・バブスやブロック・ピーターズの歌から学んだという深い発声のアフリカ系アメリカ人の唱法をスパイスとして使い、セッション当日の「即興」を重視してそれぞれの曲を「1テイク」で収録。後日、ふたりがスタジオで録音した「コーラス」をミックスしてアルバムを完成させた。 | ||
メンデルスゾーン姉弟 ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル(1805-1847):ピアノ三重奏曲 ニ短調 Op.11 フェリクス・メンデルスゾーン(1809-1847):ピアノ三重奏曲第2番 ハ短調 Op.66 ロードベリ三重奏団 [ヨーナス・アホネン(P) アンティ・ティッカネン(Vn)マルクス・ホホティ(Vc)] | ||
録音:2014年9月11日-12日、サンデルス音楽学校「ギュッレンベリ・ホール」、ヘルシンキ|使用楽器: Piano: Joseph Bohm, Vienna, 1828 / Violin: Antonio Stradivarius "ex-Berglund" 1699 / Cello: Anonymous, Italy mid-19th century |制作・録音:サイモン・フォックス=ガール。フィンランドのトリオ「ロードベリ三重奏団Rodberg Trio」は、古典時代とロマンティシズム時代の音楽をピリオド楽器で演奏するため、2010年に結成された。ヨーナス・アホネンのピアノ、アンティ・ティッカネンのヴァイオリン、マルクス・ホホティのチェロ。三人ともシベリウス・アカデミー(現ヘルシンキ芸術大学シベリウス・アカデミー)の出身者。「メンデルスゾーン姉弟(The メンデルスゾーン Siblings)」は、彼らのデビュー・アルバム。姉ファニー・メンデルスゾーンと弟フェリクス・メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲をピリオド楽器を使って演奏している。ファニーの「ピアノ三重奏曲 ニ短調」は「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」「アンダンテ・エスプレッシーヴォ」「リート:アレグレット」「終曲:アレグレット・モデラート」。フェリクスの「ピアノ三重奏曲第2番 ハ短調」は「アレグロ・エネルジーコ・エ・コン・フオコ」「アンダンテ・エスプレッシーヴォ」「スケルツォ:モルト・アレグレオ・クワジ・プレスト」「終曲:アレグレット・アパッショナート」。共通点の多い音楽語法をもちながら、それぞれに個性的な輝かしい音楽を書いた姉と弟の姿を示すプログラムが組まれた。 | ||
ブラームス:チェロ・ソナタ全集 〔第1番 ホ短調 Op.38 /第2番 ヘ長調 Op.99 〕 |
マルクス・ホホティ(Vc) エミール・ホルムストレム(P| 使用楽器:ベーゼンドルファー、1882年) | |
ロードベリ三重奏団として「メンデルスゾーン姉弟」(ABCD-451)でALBAデビューしたチェロ奏者のマルクス・ホホティのソロ・アルバムは、味わい深い旋律が堪能できるブラームスのチェロ・ソナタ集。ピリオド楽器を用いた演奏で、朗々としたホホティのチェロとピアノとが呼応し合い、ブラームスならではの味わい深い対話が繰り広げられる。マルクス・ホホティMarkus Hohti (1976?)。シベリウス・アカデミーでマッティ・ロウシ、バーゼル音楽院でトーマス・デメンガに師事、マルック・ルオラヤン=ミッコラの下でバロック・チェロを学びました。ソリスト、室内楽奏者として活動。ウーシンタ・アンサンブルに参加、現代音楽のグループ「defunensmble」を主宰している。 | ||
Trasparente 〔透明〕 イルマリ・マエンパー(1971-):透明 ビヴァリー・ジュリー・ラント(1963-):ソフィア - ホクマ(声、ヴァイオリンと打楽器のための) ジャン・ファン・フュフト(1958-):3つのウィリアム・ブレイクの歌 ウルヤス・プルッキス(1975-):なぞ(声、ヴァイオリンとファゴットのための) J.S.バッハ(1685-1750)/ヴィルピ・ライサネン編曲: 前奏曲(「前奏曲とフーガ ヘ短調」 BWV.857)(声とヴァイオリンのための) グスターヴ・ホルスト(1874-1934):声とヴァイオリンのための4つの歌 Op.35 伝承曲/リスト・アイナリ(1948-)編曲:ダーラナの古い賛美歌 ハッリ・オステルマン(1964-):サロティエにて(声、ヴァイオリンとチェロのための)/ だが、おまえと私に触れるものはすべて(声、ヴァイオリンとチェロのための) ジョン・ジェイコブ・ナイルズ(1892-1980)/ジャン・ファン・フュフト編曲: なぜイエスは(ハープ、声とヴァイオリンのための) ビヴァリー・ジュリー・ラント:わが家(声、ヴァイオリンと打楽器のための) ヴィルピ・ライサネン(Ms/Vn) ナンド・ルッソ(Perc) ハッリ・オステルマン(Vc) ブラム・ファン・サムベーク(Fg) ニック・スホルテン(Hp) | ||
録音:2010年、2017年、レンスヴァウデ教会、レンスヴァウデ、ユトレヒト、オランダ。フィンランドのメゾ・ソプラノ歌手ヴィルピ・ライサネンは、ユトレヒトとアムステルダムの音楽院で声楽を学んだ。2009年、ザルツブルク音楽祭のルイジ・ノーノの「Al gran sole carico d ' amore(愛にあふれる偉大な太陽に向かって)」で国際デビュー。ヴォルフガング・リームやウルヤス・プルッキスのオペラの初演、フィンランド国立歌劇場が上演した細川俊夫のモノドラマ「大鴉」をはじめ、現代の音楽を中心とするレパートリーでオペラハウスとコンサートで活躍している。新しいアルバム「Trasparente(透明)」は、ヴァイオリニストとしてのキャリアをもつ彼女の魅力をいっぱいに示すため、ライサネンのために作曲または編曲された「ヴァイオリンと歌」のための作品で構成された。モデルになったのは、ひとりの歌手がヴァイオリンを弾きながら歌うことを想定して作曲されたホルストの「声とヴァイオリンのための4つの歌」。アルバムの制作には彼女の親しい音楽家たちが、作曲、作詞、編曲、演奏と、それぞれの立場で関わった。ネーデルラントpo. (オランダpo. )のソロ・ティンパニ奏者、ナンド・ルッソ。作曲家としても活動するオウルso. のチェロ奏者、ハッリ・オステルマン。モーツァルトやウェーバーのファゴット協奏曲を録音(BISSA-2467)したオランダ生まれのファゴット奏者、ブラム・ファン・サムベーク(1980?)。ファン・フュフトが編曲した、ジョン・ジェイコブ・ナイルズのクリスマスソング「なぜイエスは」は、オランダのニック・スホルテンがハープを担当している。「Trasparente(透明)」を作曲したイルマリ・マエンパーは、オウル生まれの作曲家、サウンドスケープ作家。建築デザイナーとして活躍している。ネーデルラント室内o. (オランダ室内o. )の第2コンサートマスターを務める、リヴァプール生まれのビヴァリー・ジュリー・ラント。オランダのピアニスト、作曲家、プロデューサーのジャン・ファン・フュフト。ウルヤス・プルッキスは、色彩的な語法の音楽で注目された、現代フィンランドを代表する作曲家のひとり。オスカル・リンドベリが採譜、編曲して親しまれているスウェーデンの懐かしい歌「ダーラナの古い賛美歌(夏の牧舎の古い賛美歌)」は、オルガニストのリスト・アイナリの編曲。J.S.バッハの「平均律クラヴィーア曲集第1巻第12番」の「前奏曲」は、ライサネン自身の編曲。アルバムの曲はすべて、多重録音ではなく、ライサネンがヴァイオリンを弾きながら歌うスタイルで録音された。 | ||
マーラー:交響曲第4番 ト長調 | エッシ・ルッティネン(Ms) レイフ・セーゲルスタム指揮 トゥルクpo. | |
録音:2019年5月27日-29日、トゥルク・コンサートホール。セーゲルスタムが首席指揮者を務めるトゥルクpo. とのマーラー交響曲第4番。両者は「ブラームス&セーゲルスタム」のシリーズが好評で、その相性の良さは実証済。セーゲルスタムのマーラーといえば、デンマーク国立放送so. との全集録音や、演奏会でも度々取り上げ、お得意の作曲家。自ら「サンタクロースの弟」を名乗るセーゲルスタムだが、その音楽性はそのワイルドな風貌からは想像できない、緻密細やかな音楽作りをしている。マーラーの交響曲第4番は、全ての交響曲の中でも親しみやすく人気の高い作品。セーゲルスタムとトゥルク・フィルの演奏は、冒頭の鈴の音やフルートの響きから北欧らしい静謐な美しさを示していて、色彩豊かな音楽を描き出している。最終楽章ではソプラノの独唱が入り、「角笛」の中から「天上の生活」を歌う。ここではフィンランドのメゾ・ソプラノ、エッシ・ルッティネンが美しい歌声を聴かせる。 | ||
厳粛な歌 シベリウス:黒いばら Op.36 No.1 / 初めてのくちづけ Op.37 No.1 / 北の国 Op.90 No.1 / 葦よそよげ Op.36 No.4 / 静かな街 Op.50 No.5 / 不安な胸から Op.50 No.4 / 野原でおとめが歌っている Op.50 No.3 / 夢だったのか Op.37 No.4 / さあ来い、死よ Op.60 No.1 ブラームス:4つの厳粛な歌 Op.121 / シューマン: N. レーナウの6つの詩とレクイエム Op.90 トイヴォ・クーラ(1883-1918):夜 Op.22 No.3 / 炎を見つめて Op.2 No.2 / 森の娘 Op.23 No.1 / 荒れ野の夜(魅せられて) Op.24 No.4 / くちづけ Op.8 No.1 / 霜の花 Op.24 No.2 アルットゥ・カタヤ(Br) パウリーナ・トゥキアイネン(P|使用楽器:ベヒシュタイン) | ||
録音:2019年7月24日-27日、エルベルク教会、ベルリン、ドイツ。フィンランドのバリトン歌手、アルットゥ・カタヤArttu Kataja (1979-)は、シベリウス・アカデミーでヨルマ・ヒュンニネンたちに学び、2006年にベルリン国立歌劇場のメンバーに加わった。フィガロ、伯爵、グリエルモ、パパゲーノなどのモーツァルトの諸役、プッチーニ、ヴェルディ、リヒャルト・シュトラウス、ブリテンのオペラのバリトン役を主要なレパートリーとして舞台に立ち、オラトリオや受難曲のコンサートに出演している。「厳粛な歌」は、カタヤの初めての歌曲アルバム。シューマンが1850年に作曲したロマンティックな「N. レーナウの6つの詩とレクイエム」と、「旧約聖書」の「伝道の書」「シラ書」と「新訳聖書」の「コリントの信徒への手紙一」をテクストとするブラームスの「4つの厳粛な歌」の「ペア」を核に、フィンランド歌曲の重要なレガシー、シベリウスとトイヴォ・クーラの作品からドイツ語の詩による曲を交えたプログラムで歌っている。共演のピアニスト、パウリーナ・トゥキアイネンPauliina Tukiainen (1977-)は、母国フィンランドで学んだ後、ハルトムート・ヘルとアンヌ・ル・ボゼックに師事、2017年からザルツブルク・モーツァルテウムで教授として芸術歌曲を教えている。カタヤとトゥキアイネンのコラボレーションは1999年に始まり、2020年/ 2021年のシーズンからベルリン国立歌劇場で歌曲リサイタルを始める予定。ベルリンのエルベルク教会でのセッション録音。彼らの友人、歌曲プロデュース歴の長いローマン・トレケルRoman Trekelが録音を担当した。 | ||
J.S.バッハ:クラヴィーア練習曲集第3部より 前奏曲 変ホ長調「聖アン」 BWV.552/1 /これぞ聖なる十戒 BWV.678 /「これぞ聖なる十戒」によるフゲッタ BWV.679 / われらみな唯一なる神を信ず BWV.680 /「われらみな唯一なる神を信ず」によるフゲッタ BWV.681 / 天にいるわれらの父よ(2曲) BWV.682-683 /われらの主キリスト、ヨルダン川に来り(2曲) BWV.684-685 / 深き苦しみの淵より、われ汝に呼ばわる(2曲) BWV.686-687 / われらの救い主なるイエス・キリスト BWV.688 /「われらの救い主なるイエス・キリスト」によるフーガ BWV.689 / フーガ 変ホ長調「聖アン」 BWV.552/2 リーサ・アールトラ(Org|使用楽器:シモ&カヴィライネン、1994年製作) | ||
録音:2019年10月14日-15日、ピルッカラ教会、タンペレ。1990年にシベリウス・アカデミーでオルガンのディプロマを取得し、1991年にヘルシンキ大聖堂でデビュー・リサイタルを行った実力派リーサ・アールトラがバッハのオルガン作品集をリリースする。ソリスト、チェンバロ奏者として、また室内楽奏者としても活躍しているアールトラはタンペレ地方のピルッカラ教会のオルガニストもつとめいる。当教会で5年をかけバッハのオルガン作品全曲演奏会を成し遂げた。今回満を持してのセッションが実現。もちろんピルッカラ教会での録音。当アルバムにはオルガンのためのクラヴィーア練習曲集第3部から、前奏曲とフーガ変ホ長調「聖アン」BWV.552を両端に12曲のコラール(BWV.678〜BWV689)を収録。豪華絢爛で雄大な前奏曲と5声の三重フーガを有する高貴な気分をたたえるフーガの「聖アン」だが、アールトラは教会の残響も考慮し、快活にして重厚感を漂わせて演奏。全体的に速めのテンポ設定で推進力がうまれる。また当オルガンを知り尽くしているからこその絶妙なレジストレーション。 | ||
ルーメン・ヴァロ オルランドゥス・ラッスス(c.1532-1594):マニフィカト「暁の光は赤く染まり」 グレゴリオ聖歌:「めでたき暁の星よ」 ジョスカン・デ・プレ(c.1440-1521): 「おとこを知らぬ母、アヴェ・マリア」 ジャン・ムートン(c.1459-1522):「アヴェ・マリア… 清らかな処女よ、おとこを知らぬ母」 パレストリーナ(1425/6-1594): 「スターバト・マーテル」 グレゴリオ聖歌: 「アヴェ・マリア…清らかな処女よ」/ 「出奔するであろう、強き若者よ」 トーマス・ルイス・デ・ビクトリア(1548-1611): 「テネブレ・レスポンソリウム」 ヤン・ディスマス・ゼレンカ(1679-1745): 「聖木曜日のためのレスポンソリウム」/ 「聖金曜日のためのレスポンソリウム」/ 「聖土曜日のためのレスポンソリウム」 |
ルーメン・ヴァロ | |
ヴォーカルアンサンブル、ルーメン・ヴァロは1993年の創設。シベリウス・アカデミーで学んだ8人の歌手 (SSAATTBBs)を中心に四重唱から13人程度のアンサンブルまで、曲によって編成を変えて歌う。ルネサンス期ポリフォニック音楽の高いレベルの歌唱は、たちまちフィンランドの音楽ファンの注目を集めた。 「雪と光の国のマリア」(NCD-8)、ビクトリアの「テネブレ・レスポンソリウム(1585)」(NCD-10)、ゼレンカの「聖週間のためのレスポンソリウム」(NCD-14:1-2)。Albaの3つのアルバム、4枚のCDがひとつのセットにまとめられた。 | ||
ショパン:ピアノ・アルバム 21の夜想曲/10のマズルカ/3つの新しい練習曲/ カンタービレ 変ロ長調/前奏曲 Op.28-15 |
ヤンネ・メルタネン(P) | |
録音:1999年、2001年、2003年。単売:ABCD-138、ABCD-160、ABCD-190のセット化。制作:ヤンネ・メルタネン、ヘイッキ・サヴォライネン、録音:ヘイッキ・サヴォライネン。 ハンヌ・コイヴラ指揮ヨエンスー市o.と共演して、ショパンの2つのピアノ協奏曲(ABCD-247)をため息を誘う香しい演奏で聴かせたヤンネ・メルタネン(1967-)が Albaに録音したソロアルバム3枚がセット・リリース。香水とパウダーの匂うサロンから解放されたショパンのピアノ音楽に今、静かな人気が集まっている。21の夜想曲(ABCD-160、ABCD-190)は、ワルシャワの「2005年フレデリク・ショパン・ディスクグランプリ」の栄誉に輝いた。 | ||
ユッカ・リンコラ(1955-):歌劇「ロビン・フッド」(2011)
ヴィッレ・ルサネン(Br;ロビン・フッド) マリ・パロ(S;マリアン) マッティ・サルミネン(B;ノッティンガムの代官) パイヴィ・ニスラ(A;代官の母) ユルキ・アンティラ(ギズボーン) メリス・ヤーティネン(ジャミラ) ナイオール・コレル(ウィル・スカーレット) コイト・ソアセプ(リトル・ジョン) アキ・アラミッコテルヴォ(修道士タック) ハンヌ・フォシュベリ(粉屋のせがれマッチ) アンナ=リサ・ヤコブソン(マッチの妻) オラヴィ・ニエミ(若いリチャード) ミッコ・フランク指揮フィンランド国立歌劇場児童合唱団&o.&cho. | ||
2011年1月14日、フィンランド国立歌劇場。
137分|16:9|Region All| PCMステレオ、|字幕:フィンランド(原語)、英、スウェーデン|PAL|576i。
DVD仕様:ドルビー・ディジタル5.1 。ブルーレイ仕様: DTS HD Master Audio 7.1。中世イングランド。シャーウッドの森をねじろにノッティンガムの代官やジョン王に反抗した弓の名手、ロビン・フッド。ダグラス・フェアバンクス、エロル・フリン、ケヴィン・コスナー、ケアリー・エルウェス、ラッセル・クロウと、多くの男優たちが演じた伝説のヒーローの物語が、「家族向けのアドベンチャーオペラ」に作られた。俳優、作家、詩人、演出家、ジャーナリストと多彩に活動するユッカ・ヴィルタネンが台本を執筆し、ユッカ・リンコラが作曲を担当した。リンコラは、ジャズからクラシカルまで広いジャンルで国際的に活躍。2曲のトランペット協奏曲をはじめとする管楽器のための協奏曲、管弦楽曲、ジャズアンサンブルのための音楽、そしてヘルシンキ市立劇場のためのミュージカル「ピーター・パン」、アンデルセンの物語を映画化した「雪の女王」の音楽、バレエ「盗賊の娘ロニヤ」など多くのステージ作品を手がけてきた。ロビン・フッド役を歌うのは、スコットランド・オペラの「セビリャの理髪師」でフィガロを歌ったバリトンのヴィレ・ルサネン。モーツァルト・オペラのソプラノ役や「ボエーム」のムゼッタを持ち役にするマリ・パロがマリアン。バイロイト音楽祭とメトロポリタン・オペラの「指輪」のフンディングやハーゲンで知られるマッティ・サルミネンは、このオペラでも悪役。児童合唱と混声合唱。管弦楽は3管編成。カリ・ヘイスカネンのステージ演出、ミッコ・フランクの指揮で初演された。 #なお、PAL方式盤となります。本来ブルーレイには PAL、NTSCの区別はありませんが、当盤は元々の解像度が 576iと低く、ブルーレイにもPAL形式の低解像度フォーマット映像が収録されている可能性があります(ブルーレイは通常1080i)。パソコンでの視聴は可能ではないかと思われますが、再生保証は無しとさせていただきますので、御了承下さい。ABBRDV-1 はブルーレイと PAL DVD 盤のセット販売、 ABDVD-1 は PAL DVD盤のみでの販売です。 | ||
IMU-054 廃盤 |
木作りの心〜カンテレ・トリオと踊ろう | カンテレ・トリオ |
IMU-061 廃盤 |
多彩なカンテレ〜フィンランド・カンテレ音楽パレード | |
晩祷と典礼のロシア正教聖歌集 | リスト・マッツィ指揮 タンペレ正教会cho. | |
フィンランドには少なからぬロシア正教徒が居りその伝統を守っている。北欧ならではの透明な合唱で聴く ロシア正教聖歌の響きは新鮮。 | ||
ヒューマン・オルガン 超絶のア・カペラ〜セデ・リッサネン:作品集 |
ヒューマン・オルガン | |
「ヒューマン・オルガン」という名のア・カペラ合唱団。ジャズ、クラシック、黒人霊歌などさまざまな要素が入り混じった超絶技巧を聞かせてくれる。 | ||
ボブ・チルコット(1955-):ア・カペラ作品集 | マルユッカ・リーヒメキ指揮 グレックス・ムジクス | |
グレックス・ムジクスは1991年に結成されたヘルシンキ出身のア・カペラ合唱団。チルコットはキングス・シンガーズにも参加する歌手でもあるイギリスの作曲家。 | ||
ゼレンカ:聖週間のためのレスポンソリウム | ルメン・ヴァロ声楽アンサンブル | |
オルガン、バロック・チェロが伴奏する混声8名の合唱。 | ||
翼に乗って〜フィンランドの声楽アンサンブル テッル・ヴィルッカラ(1969-):天使たち(1999) ユハ・ホルマ(1960-): わたしは喜びの村で生まれた(1998) イルッカ・ニエミ(1961-): インディアン歌曲集(1998) ユハニ・コムライネン(1953-): シェイクスピア集(1996) ヤルモ・セルミラ(1939-):人生(1996) ペッカ・コスティアイネン(1944-): ナイチンゲール(1989) |
ヴォーカル・アンサンブル・ フィオーリ | |
水晶のように透明なフィンランドの合唱。収録作品はいずれも新作ながら、フィンランドの伝統音楽に基づき絶美。いっときの涼風を与えてくれる。 | ||
ペッカ・コスティアイネン(1944-):合唱作品集 恋人がいます/私の長男に 他(全13曲) |
ペッカ・ コスティアイネン指揮 ムジカcho. | |
2000年度フィンランド合唱CD最優秀賞受賞盤。 | ||
エストニアの光景 〜ヴェリヨ・トルミス(1930-):男声合唱作品集 2つの献辞/エストニアの光景/ヴィルの誓い/ひと飲み 裏切り者の物語/最後の船(悲しいワルツ)/ハムレットの歌 嵐の海への祈り/雷鳴への連祷/われらの影 牛寄せの呼び声/ユハン・リーヴの風刺 徴集兵のトームペア城から故郷クーサルへの脱走 |
アンツ・ソーツ指揮 エストニア国立男声cho. | |
エストニアには、さすが北欧文化圏ならではの透明感のある合唱作品が数多く存在する。なかでも人気が高いトルミスの作品集が登場。 | ||
タピオラ室内合唱団の芸術 | ハンヌ・ノルヤネン指揮 タピオラ室内cho. | |
全編フィンランド語。 | ||
ルクス・エテルナ(永遠の光)〜合唱作品集 サロネン: 詩篇で語りかけよ/マリア、恐れることはない コープランド: おお主よ、われらを憐れみたまえ/ 汝、おおエホバよ、永遠にとどまれ/ 主よ、われらを救いたまえ/ 主はその腕で力を振るい エルガー:アヴェ・ヴェルム レーヴィ・マデチヤ:詩篇121 ヨーナス・コッコネン:ラウダーテ・ドミヌム プッチーニ:レクイエム フォーレ:ラシーヌの讃歌 ヴェサ・エルッキラ:子供の夜のお祈り エーロ・エルッキラ:あなたに向かって ジョン・タヴァナー:子羊 ジョン・ラター: 汝の手を打ち鳴らせ/主は汝を祝福し、汝を守る |
ヘイッキ・リーモラ指揮 ハルユンcho. カレヴィ・ キヴィニエミ(Org) | |
録音:2000年9月15-17日。 フィンランドの合唱団による、オーロラを思わせるような美しい合唱の響きを味わえる一枚。 | ||
ヴェルヨ・トルミス(1930-):エストニアの光景2 マリアの地のバラード/ハンド・ルンネルとの回顧/ 無法の日々/神が我々を戦争から守ってくれる/ 戦の伝令の旅/太陽を輝かせろ!/ タマサーレの家畜番少年の時代/私を忘れないで/他 |
アンツ・ソーツ指揮 エストニア国立男声cho. | |
エストニアの民謡から影響を受けた合唱曲で知られているトルミス。 | ||
男の子、それとも女の子? ペッカ・コスティアイネン(1944-): 無伴奏合唱作品集 マリちゃんの物語/花婿到来の歌 I/同 II/ 風刺組曲(9つの小品)/森林の捜査 |
ムジカcho. | |
フィンランド、インケリ地方の伝承詩等に基づくコスティアイネンの合唱曲。アルバム・タイトルは、19世紀後半の民俗歌手ルーッカの詩によるもので、男の子を望んだ父親に殺されかけながらも、母の手で救われた少女マリの生涯を描いている。 | ||
マトヴェイネン:私のお母さん/愛を呼び起こす/思い トゥルッカ:追い求める人/美しさはどこへ消えてしまったの カハラ:サムサラ/甘い心の足音/ジャガイモを茹でる間の歌/他 |
マリユッカ・リーヒマキ指揮 フィロメラ(cho.) | |
録音:2003年。 フィロメラは1984年設立の女声合唱団。素朴な民族色を残しつつ、より洗練された高度なアンサンブルを達成しており、近年高い評価を受けている。 | ||
ヴェルヨ・トルミス (1930-):エストニアの光景 第3集 [歌手/悩ましい記憶/古い海の歌/歌の橋/戦いに行く/ 弁証法的格言(8曲)/平地の歌/私たちには与えられた/ マルティンヌスの歌(8曲)、クリスマスがやって来る/ 他(全32曲)] |
アンツ・ソーツ指揮 エストニア国立男声cho. | |
エストニアの民謡の精神を今によみがえらせた作品集。第1集はNCD-17、第2集はNCD-20。 | ||
スデン・アイカ 孤児/神秘の水/追い求める人/ある日すぐに/姉妹/ 別れの時,天使たち |
スデン・アイカ [テル・トゥルッカ (歌、モラハルパ) リサ・マトヴェイネン (歌、カンテレ) カタリーナ・アイラス、 ノラ・ヴァウラ(歌)] | |
録音:2004年1月5-11日。 クラシックではなくトラッドのアルバム。しかし「良いものは良い」とお考えのクラシック・ファンならすんなり受容れられる優れた内容。 スデン・アイカ(「狼の時代」という意味)は女性4人のヴォーカルアンサンブル。中心メンバーであるテル・トゥルッカとリサ・マトヴェイネンの二人は北欧トラッドの世界ではもちろん、北欧音楽ファンでも知らぬ人のいないであろう素晴らしい歌手。二人とも1990年代に人気を博したトラッド・グループ、ヘドニンガルナの元メンバーで、マトヴェイネンはその前に、伝説的な北欧トラッド・グループ、ニエックのメンバーでもあった。フィンランドの民族精神を湛えた曲の数々は、高度な歌唱力とあいまって、圧倒的な訴えかけだ。 | ||
エステル・マギ(1922-):歌の木〜合唱作品集 望み/祖国/どのように生きるのですか/折れた樫の木/ 夜の歌/一瞬/教会の鐘/クリスマスの夜/彼が来る/ 吟遊詩人に/ピエタ/ラップランドの歌/さすらいの少年/ 子供に/アイウ=プイウ/楓の木から白い雲の上へ/風の部屋 |
アンツ・ソーツ指揮 エストニア国立男声cho. ヴァイケ・ウイボプー指揮 タルトゥ大学アカデミー女声cho. | |
録音:2004年4、5、6月。 エストニアの作曲家。男声合唱曲が11曲、女声合唱曲が6曲。男声の勇輝な音楽、女声の透明で天上的な響き、どちらも見事。 | ||
ヴィッレ・マトヴェイネン(1986-):天使(2004) アンナ=マリ・カハラ(1963-)/ トゥーカ・ハーパニエミ リズム編曲: おまえのゆりかごで一緒に寝ているのは誰(2000) タパニ・ランシオ(1953-):魔王(2002) ラウリ・キルピオ(1974-):子守歌(2003) ロッタ・ヴェンナコスキ(1970-):水の前に(2001) ヤルモ・サーリ(1970-):海の旅人(2000) エサ=ペッカ・サロネン(1958-): アン・イェーデルルンドの2つの詩(2000) [私にくちづけして/部屋の奥に] サデ・リッサネン(1965-):ジャバウォックの詩(2000/2003改訂) ユッカ・リンコラ(1955-):歓喜(2001) |
パシ・ヒュオッキ指揮 EMO アンサンブル(cho.) ピューSQ | |
録音:2004年6月6-10日、ヴィヒティ教会。 EMOアンサンブルはフィンランド、エスポー音楽学校の合唱団で、約40人の編成。シベリウス・アカデミーで合唱指揮を学んだパシ・ヒュオッキが創立時から芸術監督を務めている。 シューベルトの歌曲と同じゲーテの詩をテクストとする、タパニ・ランシオの「魔王」、ルイス・キャロルの「鏡の国アリス」による、ナンセンス英語で書かれた英雄バラッド「ジャバウォックの詩」によるサデ・リーサネンの作品。合唱のためのビッグバンド・ミュージック、ユッカ・リンコラの「歓喜」。いずれも「前衛」を超えた「新ミレニアム」にふさわしいスタイルの作品。 | ||
わたしの海よ〜 オッリ・コルテカンガス(1955-):合唱作品集 五十年祭ミサのための音楽(1999)/緑の聖母(1975/1980改訂)/ 言葉(1987)(*)/「ピエ・カンツィオーネス」組曲(1996-2004)/ 3つのロマンス(1995)/地中海(2002) |
タウノ・サトマー指揮 カンドミノcho. | |
録音:2004年4月2-4日、2005年2月19-20日(*)、エスポー、オラリ教会。 オッリ・コルテカンガスは、静岡音楽館AOIから委嘱され合唱のための「木々のうた」(1995)を間宮芳生と共作した、日本とも縁の深い作曲家。シベリウス・アカデミー在学中、マグヌス・リンドベリやサーリアホらとともに「コルヴァト・アウキ(耳を開け)」を設立、フィンランド音楽シーンに新しい風を呼んだ。 合唱曲は、放送と劇場のための音楽とともにコルテカンガス得意のジャンル。エスポー市の教区のために作曲した「ミサ(五十年祭ミサ)」から無伴奏曲を5つ選んだ曲集、DD.H.ロレンスの詩と新約聖書(「ヨハネの黙示録」と「ヨハネの福音書」)をテクストとする「言葉」、D.H.ロレンスの英詩を歌う「3つのロマンス」、ラッシ・ヌンミの詩による「地中海」。スタイルはさまざま。 タウノ・サトマー指揮のカンドミノ合唱団は、「フィンランディア賛歌」などを歌った「フィンランド合唱作品集」(廃盤)や民謡集などで知られる、フィンランドを代表する合唱団のひとつ。 | ||
ペッカ・コスティアイネン(1944-): 自作自演集 Vol.5第5集 守護天使/今、この世は栄え/主を探し求めよ/ クリスマスの賛美歌/ 主よ、あなたはいつ私とともに/ たとえようのない宝/受難と復活/ 主に感謝し、主を賛美せよ/ 目覚めよ、優柔の魂よ/愛国の賛美歌/ 夕べの賛美歌/ 主よ、私の手を取って下さい |
ペッカ・ コスティアイネン指揮 ムジカcho. | |
録音:2006年11月17日-19日、ケルティンマキ教会。 コスティアイネンは現代を代表する合唱曲作家のひとり。混声合唱のための作品や、「ひばりの道」をはじめとする児童合唱のための作品は世界の合唱団で歌われ、日本の合唱団もレパートリーに取り入れている。コスティアイネンがムジカ合唱団とヴォックス・アウレラを指揮して録音するシリーズ。第5集では、フィンランド伝承の賛美歌と宗教歌を編曲した12の合唱作品が選ばれた (全30曲)。古くからの賛美歌が新しい響きの歌として歌われている。 | ||
ミッコ・シドロフ(1985-):パニヒダ | アニタ・リントゥ(S) オッシ・ ヤウヒアイネン(T) ミッコ・シドロフ指揮 クリソストモス室内cho. | |
録音:2006年10月6日-7日、ヴァラモ修道院、フィンランド。 愛する人を弔う徹夜の祈り、「パニヒダ」。フィンランドの若い指揮者、作曲家のミッコ・シドロフはフィンランド正教会の儀式による新しい音楽を作曲した。コンサートホールのための「パニヒダ」。賛美の歌、詩篇91番、連祷、コンタグ、頌歌など16の部分から構成。音楽語法と雰囲気は異なるものの、さきがけとなったラウタヴァーラの「ヴィジリア」(ODE-910) から影響を受けたことを作曲者自身が認めている。シドロフは、ヘルシンキ・ポリテクで指揮と歌とオーボエを学び、クリソストモス室内合唱団、ヘルシンキ大聖堂聖歌隊、スタディア・オペラ、室内アンサンブルの指揮者として活動。正教会のための音楽、エイノ・レイノの詩による合唱曲と歌曲などを作曲している。クリソストモス室内合唱団は2003年、シドロフが「パニヒダ」初演のためクオピオに創設した合唱団。 | ||
ヴェルヨ・トルミス(1930-):エストニアを超えた展望 ブルガリア三部作(1978)[夏/車輪/大地の声]/北ロシアのビリナ(1976)/ 3つのモルドヴァ=ハンガリー民謡(1983) [悲しんでくれ、いとしい人よ/恋する女を心から愛したのは/木曜の夕べ]/ 3つの星(1989 rev.2006)/ 3つのリヴォニア民謡(1970 rev.1999)[羊飼いの少年の日/告解の三が日/眠りの精]/ ヴォルムシの過ぎし日の情景(1983)[作男の不平/倉庫のとびらの外で/婚礼の踊り]/ ヴェプシアの冬(1984)/北東から鷲が飛んできた(1982)/ 民族友好のラプソディ(1982)/ヴァイナモイネンの知恵の言葉(1984) アンツ・ソーツ指揮エストニア国立男声cho.(RAM) | ||
録音:2005年9月、2006年1月、7月、エストニア・コンサートホール(タリン、エストニア)、制作:インドレク・ウムベリ、録音:マイド・マーディク。 エストニア国立男声cho.(RAM)とアンツ・ソーツによるエストニアの作曲家ヴェルヨ・トルミスの男声合唱曲シリーズ。「エストニア展望」 の第1集〜-第3集(NCD-17、NCD-20、NCD-23)に収録された作品は、日本の男声cho.のレパートリーとしても注目されてきている。第4作の「エストニアを超えた展望(Visions beyond Estonia)」では、タイトルの示すとおり、エストニアを取り巻く地域の古い歌に基づいた作品が歌われている。ブルガリア民謡による「ブルガリア三部作」、男声合唱と独唱のための「北ロシアのビリナ」、ソヴィエト連邦60周年を祝うためエストニア国立男声cho.が委嘱した「民族友好のラプソディ」。「ヴァイナモイネンの知恵の言葉」は、フィンランド抒情詩集「カンテレタル」にテクストが求められた。「ヴェプシアの冬」は、トルミスが書いた男声合唱曲を代表する一作。 | ||
クリスマスの光〜フィンランドのクリスマス・キャロル ユシー・シュデニウス:クリスマスキャロル R.ラーラ/パーヴォ・キースキ、 リュッピマキ・ストリングバンド編:クリスマスの朝の教会 ヴァルター・コロ/レイヨ・ケッコネン、 リュッピマキ・ストリングバンド編:山の雪は激しく 伝承歌/レイヨ・ケッコネン編:クリスマスツリーのまわりを ヴェサ・ペンティ/ヴェサ・ペンティ、リュッピュマキ・ ストリングバンド編:鳥たちのクリスマスキャロル オスカル・メリカント/レイヨ・ケッコネン編:子供のクリスマス ハッリ・ヴェッスマン:スノーマン ヨウコ・トルマラ:ベツレヘム マルッティ・ヘラ:クリスマスの不思議 イルマリ・ハンニカイネン/レイヨ・ケッコネン編: クリスマスの客を待ち ヴァイノ・ハンニカイネン/イルッカ・クーシスト編: 吹きだまりの雪は汚れなく ユハニ・ポホヤンミエス/イルッカ・クーシスト編:ある冬の夕べ ヘイノ・カスキ/イルッカ・クーシスト編:小屋は雪の下に眠る テウヴォ・ハカサロ/キンモ・ハカサロ編:クリスマスの夜に ヤルッコ・キースキ:クリスマスのことづて マルッティ・トゥルネン:クリスマスを祝おう レーヴィ・マデトヤ/イルッカ・クーシスト編:日々の苦労を忘れ |
タパニ・ティリラ指揮 オウライネン・ユースcho. ハーパヴェスティ室内o. リュッピマキ・ストリングバンド リリ=マルレーネ・ プーセップ(Hp) ヴェリ・アイナリ(Org) | |
録音:2006年1月、2007年1月、4月、6月、カラヨキ教会、フィンランド。 オウライネンはフィンランド、北部オストロボスニアの都市。オウライネン・ユース合唱団は、この町の高校生とその卒業生をメンバーとして1972年に結成された女声cho.。国内と国外へのツアーにより知名度も高く、オウライネンの音楽活動の中心的存在となっている。タパニ・ティリラはオウル大学とシベリウス・アカデミーを卒業、創立時からこの合唱団の指揮者を務めるほか、男声cho.と混声室内合唱団を指揮している。オウライネン・ユース合唱団がクリスマスコンサートで歌ったキャロルを集めたアルバム。ハーパヴェスティ室内o.と、ヴァイオリン、リコーダー、マンドリン、マンドチェロ、ギター、ハルモニウム、ダブルベースで編成するリュッピマキ・ストリングバンド、そしてハープとオルガンが共演してクリスマスの華やいだ気分を伝える。 | ||
青の魔法 イルッカ・クーシスト:歌の国から エルッキ・ヌルミネン:熊の歌 ペッカ・コスティアイネン:花嫁を待って スルホ・ランタ(サイマ・ヒュオッキ編):民謡 ユッシ・シュデニウス:欲望に駆られて/青の魔法 エッシ・ヴオレラ:甘い夢 ラッセ・モッテンソン(ヴィルピ・エロマ編): 「嵐の岩礁のマヤ」のテーマ ヴィルピ・エロマ:心 カルロス・ガルデル:想いの届く日 |
マルユッカ・リーヒマキ指揮 グレクス・ムジクス | |
録音:2007年2月9日-11日、4月9日-10日、シベリウス高等学校、ヘルシンキ。[フィンランド語、スペイン語歌詞 英訳なし] ボブ・チルコットの合唱作品集「The Making of the Drum (太鼓作り)」(NCD-13) を録音したグレクス・ムジクス。ヘルシンキのシベリウス高等学校で教えるマルユッカ・リーヒマキが1991年に創設した混声cho.。現代曲から民謡まで。グレクス・ムジクスのレパートリーの広さは新しいアルバムにも示される。イルッカ・クーシスト、エルッキ・ヌルミネン、ペッカ・コスティアイネンの3つの組曲。2006年春のギャラコンサートのために行った作曲コンペティションから生まれ、グレクス・ムジクスのレパートリーになった。創設当初のメンバー、ユッシ・シュデニウスは10周年記念コンサートのために「青の魔法」と「欲望に駆られて」を作曲。「最高の合唱団をめざす!」 というグレクス・ムジクス。彼らの歌からは歌う歓びも伝わって来る。 | ||
真夜中のクリスマス 伝承歌/フルーデ・フィェルハイム編:この世はうるわし サンナ・クルキ=スオニオ:ようこそ、恵まれた方 ヘイノ・カスキ/ロッテ・レヒコイネン編:小屋は雪の下に眠る パイヴィ・オヤンペラ:クリスマスの夜の祈り アルマス・マーサロ:クリスマスの鐘 アイヤ・プールティネン:沈黙 パイヴィ・オヤンペラ:ン クリスマスの夜に/主はクリスマスの囁きを ミア・マカロフ: マリアの賛歌から/もっとも身分の低い娘、マリア/ サウナを探す者/私の馬よ、息を/すでに神がお生まれに/ イエスはゆりかごに眠る レーヴィ・マデトヤ/イルモ・リーヒマキ編:日々の苦労を忘れ フランツ・グルーバー/イルモ・リーヒマキ編:聖しこの夜 |
マルユッカ・リーヒマキ指揮 ピロメーラー女声cho. | |
録音:2007年2月17日-18日、4月13日-15日、クーサーホール、フィンランド。 マルユッカ・リーヒマキの指揮するピロメーラーは、新しいアプローチによる合唱表現で知られる女声cho.。「夢みるピロメーラー」(NCD-9)、「Mieli」(NCD-22) につづくアルバムのタイトルは「真夜中のクリスマス」。合唱団メンバーのパイヴィ・オヤンペラ、アイヤ・プールティネン、ミア・マカロフが新しく作曲した作品により今のクリスマスを響かせ、新たな編曲による伝統のキャロルでは潜在する魅力を瑞々しい歌として聞かせてくれる。 | ||
ヴェルヨ・トルミス(1930-): 合唱作品集〜カレワラの光景 「カレワラ」第十七章(1985 rev.1994)/ クッレルヴォの伝言(1994 rev.2006)/ サンポの鋳造(1997 rev.2003)/ 鉄への呪い(1972 rev.1991/2001)/ 歌い手の結びの言葉(2000 rev.2002) |
エストニア国立男声cho.(RAM) アンツ・ソーツ指揮 | |
エストニア国立男声cho.とアンツ・ソーツによるトルミス(1930-)の男声合唱曲シリーズの第5集。フィンランド湾を隔てた対岸にあって、エストニアと民族的、文化的につながりの深いフィンランドの民族叙事詩「カレワラ」をテクストとする作品が集められた。「鉄への呪い」はトルミスの代表作のひとつ。混声合唱版、男声合唱版とも世界各地の合唱団に歌われている。「カレワラ」第十七章は約34分の大曲。建造中の船を完成させるために必要な呪文を聞き出すためヴァイナモイネンがアンテロ・ヴィプネンの元を訪れるエピソード。 | ||
ペッカ・コスティアイネン(1944-):自作自演集 Vol.6 1000 x 1000年(1991)/フィンランドの母たちへ(1998)/ そこに…8つのナンセンスな歌 (2000)/ 鮭は逃げた (2005)/神に栄光あれ (2005)/ 創造の道を教えて下さい (2005)/ どうして歌ってはいけないのか (2006)/格言 (2004)/ 田舎の猫が秘かに魚に願うこと(2003)/ 子守歌 (1988)/ヴァイナモイネンの遺産 (2006) |
ペッカ・コスティアイネン指揮 ヴォックス・アウレア マリッタ・マンネル(P) | |
録音:2007年4月13日-15日、4月26日-28日、ケルティンマキ教会(ユヴァスキュラ、フィンランド)。フィンランド語、英語、ラテン語歌詞/英訳なし、英語要旨つき。 フィンランドの作曲家ペッカ・コスティアイネンの作品は合唱コンクールの課題曲にも選ばれるくらい、安定した人気がある。彼の自作自演集。第6集には女声合唱のための作品が集められた。テクストに選ばれたのは、ラウリ・ヴィータ、イルポ・ティーホネン、カイヤ・ピスパ、ユッカ・イトコネンによるフィンランドの詩、イギリスの作家エドワード・リアーのリメリック( 五行戯詩)、ラテン語の格言、抒情詩集『カンテレタル』と叙事詩集『カレワラ』の詩。ユヴァスキュラの合唱団、ヴォックス・アウレアは1968年の創設。コスティアイネンが1994年から指揮者を務めている。 | ||
穏やかに - Lempea ユッシ・シュデニウス(1972-):わたしは大きな太陽(2005) ヤーコ・マンテュヤルヴィ(1963-): 4つのシェイクスピアの歌 (1984) [来たれ/死よ/子守歌、倍のなん倍/苦しめもがけ/水底深く父は眠る]/ ビリャンシコス(2005) [もしあなたを見ていなかったなら/ばらの茂みの泉で/郷愁/お母さん、ポプラの林へ行ってきたよ] シベリウス:恋するもの (Op.14) JS160c(ソプラノ、バリトンと混声合唱のための) リーカ・タルヴィティエ(1970-):会話 (2005) ヴェルヨ・トルミス(1930-):イングリアのゆうべ(1979) [踊り歌 I/ 踊り歌 II/ 踊り歌 III / おどけ歌 I/ おどけ歌 II/ ラウンドレイ/踊り歌 IV/ 踊り歌 V/ 歌が終わり家路に] カトリ=リース・ヴァイニオ(Ms) ニコラス・セーデルルンド(B) セッポ・ムルト指揮ドミナンテ | ||
録音:2006年4月22日-24日、リーヒマキ要塞教会(ユヴァスキュラ、フィンランド)。英語、フィンランド語、スペイン語歌詞/英訳付。 「ひとつひとつの演奏が聴き手にとって忘れがたい体験となること」と語るセッポ・ムルト。彼が指揮者を務める混声cho.、ドミナンテの新しいアルバム。3曲はドミナンテからの委嘱により作曲された作品。イギリスの作家チャールズ・コーズリーの詩に出逢ったユッシ・シュデニウスの感情のたかまりがそのまま音楽になった「わたしは大きな太陽」。スペインのマドリガルとフィンランドのパンクロックバンド " エップ・ノルマーリ" の音楽にインスピレーションを得たヤーコ・マンテュヤルヴィの「ビリャンシコス」。ドイツの劇作家ホルスト・フッセルの劇『Gesprache(会話)』から、公園のベンチに座る A(女) と B(男) のやりとりをリーカ・タルヴィティエは混声合唱の曲に作り上げた。シベリウスの「恋するもの」のテクストは抒情詩集『カンテレタル』から採られている。フィン・ウゴル族が住み、今はロシア領になったイングリアに伝わる詩と歌唱スタイルを基にしたトルミスの曲集。そして混声合唱のレパートリーとして人気の高まってきたマンテュヤルヴィの「4つのシェイクスピアの歌」。アルバムにこめられた願いは、「新しく、瑞々しい愛の姿を届けたい」。アルバムを貫くのは人間関係という永遠のテーマ。 | ||
コスティアイネン自作自演集 Vol.7 ペッカ・コスティアイネン(1944-): しあわせな聖母マリアの連禱 [Kyrie Eleison/Sancta Maria, Vas spirituale/ Mater Christi/Virgo prudentissima/ Speculum justitiae/Rosa mystica/ Salus infi rmorum/Regina angelorum/Agnus Dei]/ Can you see how death takes a fragile herb/ Esto mihi/主はお与えになる/幸いなるかな/ パーテル・ノステル/天にまするわれらの父よ/ 全地は暗くなり/愛は忍耐強い |
ペッカ・コスティアイネン指揮 ムジカ cho. | |
コスティアイネンの自作自演、第7集はラテン語とフィンランド語による宗教作品集。 | ||
葉と葉のあいだに ヤルモ・パルヴィアイネン(1928-1994):夕べ マシュー・ホィットール(1975-): 雨音に耳を傾けるように ユホ・ミエッティネン(1978-):合唱曲集 「アーロ・ヘッラーコスキの詩による5つの歌」 〜画家/ ドルチェ・ファル・ニエンテ(のほほんと暮らす) アレックス・フリーマン(1972-): 「アーロ・ヘッラーコスキの詩による4つの歌」 〜一位星/ 月明かりの森/雨/なんと小さな マシュー・ホィットール(1975-):四季 [前奏曲【春、桜】/前奏曲【夏、天の川】/ 前奏曲【秋、空/水】/前奏曲【冬、雪】] |
エスコ・カッリオ指揮 HOL cho. | |
フィンランド最古の大学混声cho. HOL合唱団が歌う「フィンランド自然体験の研究」。フィンランドの詩人ふたり、イルマリ・ピミア(1897-1989)とフィンランド・モダニズムの先駆的作品を書いたアーロ・ヘッラーコスキ(1893-1952)、そしてメキシコの詩人オクタビオ・パス(1914-1998)「雨音に耳を傾けるように」 と山口県生まれの俳人、種田 山頭火(1882-1940)の作品をテクストとする合唱曲集。 フィンランドのヤルモ・パルヴィアイネンとユホ・ミエッティネンの作品ととも、フィンランド在住の外国人作曲家ふたりの作品が含まれた。マシュー・ホィットールはカナダ生まれ。カナダとアメリカで作曲を学んだ後、2001年からシベリウス・アカデミーでハメーンニエミとヴェリ=マッティ・プーマラに師事した。2004年トロントso.主催の作曲コンペティションで第1位を獲得している。アメリカ出身のアレックス・フリーマンは、シベリウス研究のために留学したヘルシンキでハメーンニエミに作曲を学んだ。ホイットールの「雪」を彼がピアノのためにトランスクライヴした曲が " ピアノ・トランスクリプションの芸術"(ABCD-240)に録音されている。 | ||
夜明けに〜伝統と新しいクリスマスキャロル ヘイッキ・リーモラ:待降節の入祭唱 / ヘイノ・カスキ:小屋は雪の下に眠る ピエ・カンツィオーネス:めでたし、花と飾りの教会よ / ユハニ・コムライネン:慈悲深きイエス・キリストよ ペッカ・ユハニ・ハンニカイネン/イルマリ・ハンニカイネン編曲:クリスマスイブに T.イルマリ・ハーパライネン編曲:クリスマスツリーは誇らしく ヘイッキ・リーモラ:幼児イエスへのクリスマスの贈り物 / セリム・パルムグレン:平和の御子 ピエ・カンツィオーネス:歓びの歌を声高く歌え / ヘイッキ・クレメッティ編曲:歓びの歌を声高く歌え ヘイッキ・リーモラ:クリスマスキャロル / マルッティ・ヘラ:静かなクリスマスキャロル ヘイッキ・リーモラ:クリスマスのキャンドルの煌めきのなかに/夜明けに / ヨウコ・リンヤマ:クリスマスイブ イルマリ・ハンニカイネン:クリスマスキャロル / ヘイッキ・リーモラ:わが心のクリスマス ユハニ・コムライネン:めでたき海の星 / ラウタヴァーラ:クリスマスの賛美歌/マルヤッタのクリスマス賛美歌 シベリウス:5つのクリスマスの歌 Op.1 〔クリスマスはもうそこに/クリスマスがやってくる/夜のとばりがおりて/クリスマスの歌「私には富も名声もいらない」/雪はうず高く積もり〕 ヘイッキ・リーモラ指揮ハルユ室内cho. ヤン・レヘトラ(Org) | ||
フィンランド、タンペレ市の混声cho.。コープランド、エルガー、マデトヤ、フォーレ、ラターの作品を歌った「ルクス・エテルナ」(NCD-19)のハルユ室内合唱団がクリスマスアルバムを録音した。指揮者のヘイッキ・リーモラ(1958-)はシベリウス・アカデミーの出身。ヨルマ・パヌラとエーリク・エーリクソンに学び、1977年からハルユ室内合唱団(旧 ハルユ青年合唱団)の指揮者に就任。フィンランド各地の合唱団を指揮し、1998年にはフィンランド合唱指揮者協会の最優秀指揮者に選ばれた。ラテン語の聖歌集「ピエ・カンツィオーネス」の曲、カスキ、ペッカ・ユハニ・ハンニカイネン、パルムグレン、ラウタラーヴァをはじめとするフィンランド作曲家の曲、リーモラが新たに作曲した曲によるプログラム。シベリウスの「5つのクリスマスの歌」は、トペリウスの詩による第1曲から第4曲がスウェーデン語、ヨウカハイネンの詩による第5曲がフィンランド語と、すべてオリジナルの歌詞で歌われている。 | ||
クリスマスへの旅 アルマス・マーサロ/ヨウコ・トルマラ編曲:小さなイエスよ、あなたの元へまいります ピエ・カンツィオーネス/カリ・アラ=ポラネン編曲:おお学生たち、おなじ声で〜歓べ ピエ・カンツィオーネス/ヘイッキ・クレメッティ編曲:歓びの歌を声高く歌え ペッカ・ユハニ・ハンニカイネン:クリスマスの鐘 / ペッカ・コスティアイネン:静かなひととき レナード・ワークハウス/ペッカ・コスティアイネン編曲:リンリンとそりの鈴が鳴る オット・コティライネン/サンナ・サルミネン編曲:クリスマスの朝の雀 イーヴァル・ラスムセン/カリ・アラ=ポラネン編曲:天使の歌 伝承曲/ペッカ・コスティアイネン編曲:真夜中にめざめが / 伝承曲/カリ・アラ=ポラネン編曲:御子が生まれた時 伝承曲/サンナ・サルミネン編曲:ディンドン空高く / 伝承曲/カリ・アラ=ポラネン編曲:マリアに御子が生まれた 伝承曲/セッポ・ホヴィ編曲:スウィート・リトル・ジーザス・ボーイ / オッリ・モイラネン:旅 伝承曲/サンナ・サルミネン編曲:旅 / 伝承曲:救い主よ讃えられよ/われらに御子が生まれた グルーバー/サンナ・サルミネン、ペッカ・コスティアイネン編曲:きよしこの夜 / アダン:聖らに星すむ今宵 サンナ・サルミネン指揮ヴォックス・アウレア | ||
ラテン語で「黄金の声」、ヴォックス・アウレアは、1968年、11歳から17歳の才能ある児童を集めユヴァスキュラ市に創設された合唱団。トシュテン・リンドフォシュ、カリ・アラ=ポラネン、ペッカ・スティアイネンをはじめとする指揮者の下、海外ツアーを含むさまざまな活動を行い、フィンランドを代表する児童合唱団のひとつに成長した。ペッカ・コスティアイネンの2つの自作自演集、「ロルライレー」(NCD-7)と「1000×1000年」(NCD-36)につづく録音は、クリスマスキャロル集。フィンランド歌われてきた歌と世界各国のキャロルが集められた。ヴォックス・アウレアとムジカ室内合唱団のボイストレーナーと副指揮者から、この合唱団の指揮者に就任し、各国との交流などさまざまに活躍するサンナ・サルミネンが指揮している。 | ||
スラヴォニック・トラクターの愛唱歌集 誰かがカヴァルを吹いている/ジューロが結婚する/ナイチンゲールが歌っている/男と出会って心変わり/ お代をくれれば歌ってあげる/ポーチに座っていると/月の光が庭を照らす/結婚(フリスト・トロロフ)/ 結婚(イヴァン・ヴァレフ)/酒の呪い/ビールの起源/苦痛の娘/少女が中庭を掃いている/ ドラガーナとナイチンゲール/別れの時がきた/年老いた独り者 スラヴォニック・トラクター テュッティ・コヨラ(独唱/10弦カンテレ) アンナ=マイヤ・イーハンデル(10弦カンテレ/ハーディガーディ) カイサ・ポンカ(15弦カンテレ/37弦カンテレ) | ||
録音:2010年3月13日-14日、4月11日、5月8日-9日、アスカイネン教会(トゥルク、フィンランド)。スラヴォニック・トラクターは女性10人のヴォーカルグループ。ブルガリアン・ヴォイス(ブルガリア国立放送cho.)に代表されるブルガリア伝統の女声合唱の洗練を免れながらも美しい響きとブルガリア民謡の異例の和声に魅せられ、2004年、フィンランドの旧都、トゥルクで結成された。北アイルランドのコールレイン国際合唱祭(2006年)、エストニアのパルヌ国際合唱祭(2008年)など各地の国際的コンペティションに参加し、2009年のタンペレ・ヴォーカルミュージックフェスティヴァルでは、グランプリに次ぐ three golden stamps を受賞している。 ブルガリア民謡とフィンランドの歌を集めたスラヴォニック・トラクターの愛唱歌集。伝統の詩にリーサ・マトヴェイネンが作曲した「苦痛の娘」は、このアルバムのための委嘱作。 | ||
北極地方の情景 ティモ・クルキ:クルナサジュ、ぼくのトナカイ(1977) トゥーリッキ・ナルヒンサロ:ラップの少女の歌(1983) ユッカ・カンカイネン:ラップランドの歌(1981) 伝承曲(クッレルヴォ・カルヤライネン編): 連作サーミ・ヨイク「ヨイクを歌おう」(1962) クッレルヴォ・カルヤライネン:北極地方の情景(1971)(*) ユッカ・カンカイネン:血止めの呪文(1983)(#) ヤン・ヘルベリ:山を旅する者の思い(2011)(+)/ 約束の歌を歌おう(2005) |
セイタクオロ室内cho. エリナ・シヴォネン(S;*) ミッコ・ アハヴェンヤルヴィ(Br;*) ヘリ・ハーパラ(Fl;*) オッリ=ペッカ・ カヤスヴィータ(Vc;*) カドリ・ヨアメツ(太鼓;#) ミッコ・シランデル(太鼓;+) | |
スカンディナヴィア半島の北部、ロシア、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーにまたがるラップランド地方は、そのほとんどが北極圏に含まれる。この地域には古くからサーミ人が住み、独自の生活と文化を守ってきた。フィンランド領ラップランド、ヘルシンキから約800キロに位置するロヴァニエミに本拠を置く室内合唱団のセイタクオロは、1961年に創設され、ラップランドの美しく厳しい自然を背景にラップランド出身の作曲家たちが作曲した「北の地方」の音楽を紹介することを目的のひとつに活動をつづけている。創設50周年を記念して録音されたアルバム「北極地方の情景」は、記念の年のためヤン・ヘルベリが作曲した「山を旅する者の思い」をはじめ、セイタクオロのために書かれた曲を中心とするプログラムが組まれた。 | ||
おお喜ばしき光よ〜正教会の音楽 ヴィルピ・レッパネン(1943-):賛美せよ、主の御名を/おお喜ばしき光よ/主よ、わたしたちを憐れんで下さい ミッコ・シドロフ(1985-):ヴァラモ組曲(ヴァラームの賛美歌にもとづく) 大司教パーヴァリ/ヴィルピ・レッパネン編曲:広い湖の水面に輝く銀色の光 ヴィッレ・マトヴェイェフ(1986-):さすらい人の歌 ヴィルピ・レッパネン:味わい、見よ/復活のトロパリオンI/復活のトロパリオンII ヨハン・フォン・ガルトナー(1898-1984): 全地よ、御前に沈黙せよ/おお喜ばしき光よ/いかに幸いなことだろう、あなたに選ばれ、近づけられ ミッコ・シドロフ指揮クリソストモス室内cho. | ||
フィンランド。ラドガ湖の島にあるヴァラーム修道院からヘイナヴェシの新ヴァラモ修道院へとつづく合唱の架け橋。フィンランドの正教会の音楽による「おお喜ばしき光よ」は、指揮者で作曲家のミッコ・シドロフが自作の「パニヒダ」 (Alba NCD-30)を演奏するために創設したクリソストモス室内合唱団のアルバム第2作。フィンランドの作曲者たちが、主にヴァラームに伝わる古い旋律を新しい語法と結びつけて作曲した祈りの歌が集められた。大司教パーヴァリ(パウル)(1898-1984) がヴァラームの修道院を去るにあたって書いた告別の歌は、レッパネンの編曲で歌われる。 | ||
新しい歌を歌え マデトヤ:主は羊飼い、わたしには何も欠けることがない Op.30b-2 /子羊の旗 Op.73 (1934) アンナ・コソラ:日曜日の賛美歌を聴き(2005) / トゥルペラ:主よ、我らを救いたまえ(2000) ヨルマ・ハンニカイネン:人はみな草のごとく(2000) / ニューステット:ミサ・ブレヴィスOp.102 リーモラ:聖霊降臨祭の後の第13日曜日(2004) / ディストラー:新しい歌を主に向かって歌え Op.12 No.1 (1934) モノネン:いかに幸いなことか/主よ、あなたの慈しみが(1974) / トゥップライネン:命のパン(2003) ラウタヴァーラ:聖餐式 Op.22(1963) / ヴァータイネン:聖金曜日(1986) ヨーナ・サラステ:祈り(2002) / ピエタリ・コルホネン:新しい歌を主に向かって歌え(1997) ヘイッキ・リーモラ指揮クオピオ・アカデミー室内cho. | ||
旧約聖書の詩編96番にタイトルをとったアルバム。クオピオ・アカデミー室内合唱団は、フィンランド中部、北サヴォニアのクオピオ市にあるシベリウス・アカデミーのクオピオ校の合唱団。フィンランドの今の作曲家とノルウェーのニューステットによる宗教曲と、クオピオの合唱団が100年に渡って歌いつづけてきた伝統の曲が歌われている。指揮者のヘイッキ・リーモラ(1958-)は、ヘルシンキのシベリウス・アカデミーで合唱指揮とトランペットを学んだ後、ヨルマ・パヌラに管弦楽、スウェーデンのエーリク・エーリクソンに合唱指揮を師事。1987年からクオピオ校で合唱指揮のクラスを担当し、1995年に専任講師に就任している。 | ||
フィンランド・ルター教会賛美歌集 真実の精神(484番)/イエス様、あなたはお気づき(513番)/イエスの歌だけを歌えれば(343番 1, 2, 6)/ 一日と一瞬を正しく(338番)/一番高い丘に登ろう(515番)/汝の平安をわれらに(514番)/ イエスよ、あなたが一番おわかりになっている(510番)/主よ、わたしを危難よりお守り頂きたい(509番)/ 最初に井戸を掘った者は(512番)/学校がまた始まると(485番)/ああ、なんと輝かしい春よ(567番)/ 讃えることのなんと素晴らしき(342番)/今、この世は栄え(571番 1-3)/天にまする父よ、祈りをお聞き下さい(501番)/ 主よ、あなたからの贈り物を受け取った(507番)/目を上げ天を仰ぐ(490番)/子供たちを愛する神(492番)/ すべては神の御手に(499番)/道は整った(511番)/創り主は讃えられよ(462番)/夕べになった、わが創り主よ(563番) タパニ・ティリラ指揮オウライネン・ユースcho. ヴェリ・アイナリ(Org/ハルモニウム) ミンナ・ユリカウマ、ライサ・パイヴィネン(Vn) スサンナ・ニエトゥラ(Va) シニ・ヒュヴァイネン(Vc) エサ=ペッカ・シルヴォラ、 ヴィーヴェ・マエメツ(P) ウッラ=マリア・ポユヒュタリ(Fl) ヤンネ・ニエトゥラ(Tp) ブラヴァーデ・リコダーアンサンブル〔代理店記載ママ〕 | ||
フィンランド、北部オストロボスニアのオウライネン市に1972年に創設された団員約30人の女声cho.、オウライネン・ユース合唱団のアルバム第2弾。ルター教会の賛美歌集から、子供時代、青春、学校、春、夕べの祈りをテーマにした賛美歌が21曲歌垂れている。原曲を尊重しつつ、共演する楽器の異なる音色に合わせた新しい響きを探る試みが行われている。 | ||
闇から光へ コムライネン:冬の夜(2010) / プーランク:小室内カンタータ「雪の夕暮れ」 マーラー/クリュトゥス・ゴットヴァルト編曲:「さすらう若人の歌」〜恋人の青い眼(1896 arr.2001) クーラ:舟歌 Op.21 No.2a / モンテヴェルディ:おお春よ / ヘイニオ:二重混声合唱のための3つの民謡 Op.28 パルムグレン:聖ヨハネの日(夏至祭) / マデトヤ:幸福 Op.13 No.2 / イェアシル:私の大好きな谷 ラウタヴァーラ:さあ楽しい踊りだ / シェーンベルク:照らせ、いとしい太陽よ ダニ・ユリス指揮カーモス室内cho. | ||
カーモス室内合唱団は、ヘルシンキを中心とする地域に生まれたもっとも新しいアンサンブルのひとつ。合唱を経験した歌手を集め2007年に創設された。2010年にはフィンランド放送so.と共演、初めての国内ツアーも行った。2011年6月、タンペレのフェスティヴァルではグランプリを獲得した。芸術監督はダニ・ユリス(1984-)。ヘルシンキ・メトロポリア大学で合唱指揮を学び、2009年3月、スロヴェニアで行われた若い合唱指揮者の国際コンペティションで第1位に選ばれた。現在、シベリウス・アカデミーのマッティ・ヒュオッキの下でディプロマ取得の準備を行っている。「闇から光へ」はカーモスのデビューアルバム。モンテヴェルティ、マーラー、プーランク、デンマークのイェアシル、フィンランドの作品と、彼らのレパートリーの中心となる曲が選ばれている。 | ||
クリスマスの夜よ P.J.ハンニカイネン(1854-1924):クリスマスの鐘/クリスマスの星 / トイヴォ・クーラ(1883-1918):祈り フランス伝承曲/ティモ・ラークソ編曲:はるか遠くの飼い葉桶 / シュレジェン伝承曲:巡礼の旅路で マイケル・ヘッド(1900-1976):ベツレヘムに続く小道 / ミッコ・シドロフ(1985-):聖なる夜/クリスマスの夜に セリム・パルムグレン(1878-1951)/イルッカ・クーシスト編曲:そして、聖母マリアは幼子を抱き ユッシ・シュデニウス(1972-):薄霧の中の声 / リーサ・マトヴェイネン(1961-):クリスマスの小鳥 アイルランド伝承曲/フィリップ・W.J.ストップフォード編曲:ウェクスフォード・キャロル レーヴィ・マデトヤ(1887-1947)/エッラ・キヴィニエミ編曲:天使のクリスマスの歌 アハティ・ソンニネン(1914-1984):クリスマス賛歌 / マルッティ・ヘラ(1890-1965):静かなクリスマスキャロル R.ラーラ〔ベルント・サルリン)(1886-1971)/メルヤ・ラヤラ編曲:クリスマスの朝の教会 リタ・ヴァロネン指揮カンティノヴム室内cho. エミリ・ロジエ(S) | ||
制作:リタ・ヴァロネン。録音:マッティ・ヘイノネン。フィンランド、ユヴァスキュラの室内合唱団、カンティノヴムのクリスマス・アルバム。カンティノヴムは1989年の創設。ユヴァスキュラ応用科学大学(JAMK)のレジデント合唱団。約30名のメンバーはJAMKとユヴァスキュラ大学の学生、職員から構成されている。ラテン語の“canti "と“novum "を合わせた「新しい歌」の団名に示されるとおり、彼らのために作曲された曲や新しい曲を歌うことに活動の主眼が置かれている。芸術監督のリタ・ヴァロネンはハンガリー生まれ。フェレンツ・リスト・アカデミーで学び、トヌ・カリユステ、ヨルマ・パヌラ、ステファン・ショルドにも師事した。JAMKで合唱指揮の主任講師を務め、1993年からカンティノヴムを指揮している。2004年にはフィンランド合唱指揮者協会の最優秀指揮者に選ばれ、海外のワークショップでも活躍している。『クリスマスの夜よ』は、彼らが自主制作したディスクにつづく4枚目のアルバム。P.J.ハンニカイネンの「クリスマスの鐘」、クーラの「祈り」、トラッド・ヴォーカルグループ、スデン・アイカのリーサ・マトヴェイネンの「クリスマスの小鳥」など新旧のフィンランドのキャロルと各国のクリスマスキャロルによるプログラム。イギリスのマイケル・ヘッドの「ベツレヘムにつづく小さな道」とアイルランド伝承の「ウェクスフォード・キャロル」のソロをシベリウス・アカデミーに学んだカナダのソプラノ、エミリ・ロジエが歌っている。 | ||
不滅の詩人〜コスティアイネン自作を指揮する Vol.8 ペッカ・コスティアイネン(1944-): サンポ組曲(2004) /ラップから鳥が飛んできた(2009) フィンランド民謡/コスティアイネン編曲:ラウンドレイ(2007) /馬はオート麦を食んでいる(1972) /子守歌(2007) 東カレリア民謡/コスティアイネン編曲:ねんねんころり(2007) フィンランド民謡/コスティアイネン編曲:ねんねんよ、愛しいわが子(2007) /わたしは若い乙女(2007) / 夕暮れは悲しく/みなし児のため息(2007) ペッカ・コスティアイネン:呪師は俺たちに呪いをかけず(1984)/寒さがわたしに詩歌を語り(2009)/ 花嫁を待つ〔 I (2005) / II (2006) 〕 ペッカ・コスティアイネン指揮ムシカcho. | ||
録音:2014年3月21日-23日、5月9日-10日、ケルティンマキ教会、ユヴァスキュラ、フィンランド。制作:ミカ・コイヴサロ、ペッカ・コスティアイネン。録音:ミカ・コイヴサロ。フィンランドの作曲家、合唱指揮者ペッカ・コスティアイネンが自作の合唱曲を指揮するシリーズ。第8集は、フィンランドの民族叙事詩『カレワラ』の「英雄」のひとり、ヴァイナモイネン(ワイナミョイネン)を示す「不滅の詩人」をアルバムタイトルに、『カレワラ』とバルト海沿岸のイングリア地方の伝承詩にテクストを採った作品とフィンランドとカレリア地方の民謡が歌われる。「サンポ組曲」は、ユパラ音楽劇場のためにコスティアイネンが作曲したオペラ「サンポの物語」の『カレワラ』をテクストとしたアカペラ合唱曲から選んだ5曲を演奏会用の組曲とした作品。第1章「序詩」の「天地創造」、第8章の「ポホヤの乙女」、第10章「サンポの鋳造」、第50章「ヴァイナモイネンの出立」に基づき、もっとも長い第4曲の「あの場所へサンポを持ち出そう」は、第42章「サンポ奪回」と第43章「サンポ戦争」のヴァイナモイネンの歌、第20章「婚礼準備」の「蜜蜂の呪文」の詩文から構成されている。 同じく『カレワラ』による「ラップから鳥が飛んできた」「呪師は俺たちに呪いをかけず」「寒さがわたしに詩歌を語り」とともに、『カレワラ』を朗誦する伝統の唱法を取り入れたスタイルで書かれた。「花嫁を待つ」は、19世紀中期、マリア・ルーカネンの詩による「イングリアの婚礼の歌」。それぞれ4曲の2つの曲集が、2005年と2006年に作曲された。「子守歌」3曲を含む民謡は、ユヴァスキュラ・スタジオ合唱団とムシカ合唱団の委嘱によりコスティアイネンが編曲した版による歌唱。ムシカ合唱団は、1977年、ユヴァスキュラ大学音楽学部の合唱団としてコスティアイネンが創設したアンサンブル。以来リーダーを務め、2014年に70歳の誕生日を迎えるコスティアイネンは、合唱団にとっての「不滅の詩人」でもある。このアルバムは、そのアニヴァーサリーを記念してリリースされる。 | ||
波〜ヴォクス・アウレア、世界の歌を歌う [フィンランド] マリ・カーシネン(1971-):カッペー / テッル・トゥルッカ(1969-):波(海で) 伝承曲/サンナ・サルミネン編曲:空の星を見つめた/山のアーンダ・ニーラス(*) [エストニア] ヴェルヨ・トルミス(1930-):歌の橋 [ノルウェー] ニルス・ヘンリク・アスハイム(1960-):メーメー、黒い子羊(バッハ風フーガ) [ブルガリア] 伝承曲:トドラの白日夢 / 伝承曲/フィリップ・コウテフ編曲:ドラガナとナイチンゲール [スペイン] 伝承曲:刈り入れをする少女 / アルフォンソ十世/エル・サビオ(1221-1284)/ サンナ・サルミネン編曲:カンティガ166番 [ギリシャ] 伝承曲/カリ・アラ=ポッラネン編曲:イェラキナ [日本] 伝承曲/平田裕一編曲:さくら [タイ] 伝承曲/ナガ・ボリプット/サンナ・サルミネン編曲:静かな時〜喜びの歌(#) [アメリカ] 霊歌/カリ・アラ=ポッラネン編曲:レット・イット・シャイン 霊歌/スティーヴン・ハトフィールド編曲:エイント・ザット・ニューズ [南アフリカ] ムカレ・コアペング(1963-):平和の賛歌〜アニュス・デイ(+) 伝承曲:アフリカの響き「前へ進め〜拳銃」(**) / 伝承曲/サンナ・サルミネン編曲:天国の門(##) サンナ・サルミネン指揮ヴォクス・アウレア イロナ・シストネン(フレームドラム;*) ヴィルマ・エスケリネン(チン;#) ネッリュ・ヨルマッカ(クラップ;#) ピルッタ・ヤルヴィネン(太鼓;#) アンニーナ・パルタネン(チャープ;#) マリッタ・マンネル(P;+) イルッカ・マキタロ(ソプラノSax;+) オッリ・モイラネン(ジャンベ;**/##) イェミナ・ホルマ(シェイカー;**) | ||
録音:2014年5月2日-4日、9日、トイヴァッカ教会、トイヴァッカ、フィンランド。制作:クラウス・ヒルデーン。録音:マッティ・ヘイノネン。「海を走り始めた、青い海を疾走した。私が行くのは、この広い海。舟の帆を木で作り、舳先には金と銀の飾り。ある朝早く、舟を波に乗せた。風よ帆を満たしてくれ、櫂を漕ぐ手を添えてくれ……」(テッル・トゥルッカ「波」)。ペッカ・コスティアイネンの作品集『ロルライレー』(NCD-7)と『1000×1000年』(NCD-36)、キャロル集『クリスマスへの旅』(NCD-41)を録音したフィンランドの少女合唱団、1968年にユヴァスキュラに創設されたヴォクス・アウレア(黄金の声)が世界の歌を歌ったアルバムが制作された。「ヴァルッティナ」の創設以来のメンバー、マリ・カーシネンの曲、アルバムのタイトルに採られたフォークミュージシャンのテッル・トゥルッカ(テッル・ヴィルッカラ)の曲、伝承曲の「フィンランド」に始まり、エストニアのトルミスとノルウェーのアスハイムの曲、ブルガリア、スペイン、ギリシャの伝承曲がつづき、日本から平田裕一編曲の「さくら」、タイの伝承曲、アメリカのスピリチュアル、最後に南アフリカのムカレ・コアペングの曲と伝承曲が、それぞれの国の歌唱のスタイルに倣って歌われる。11歳から18歳の少女たち、40人から50人で構成されたアンサンブル。ユヴァスキュラ大学教育学部で音楽を教え、2009年からヴォクス・アウレアの指揮者を務めるサンナ・サルミネンが指揮と一部の曲の編曲を担当した。 | ||
北国の展望 ヘイッキ・サルマント(1939-):北の情景(1997) 〔楽興の時/時計が動きを止めると/夜想曲/北極光/平安/悲しむものは夢を見ながら/葬送/夕べの祈り〕 ユッカ・カンカイネン(1932-):夏の組曲〔黄金色の葉のように/緑のシャワー/陽が沈む〕 カイ・ニエミネン(1953-):夢の国から…(2005)〔夢/妖精/日没〕 クッレルヴォ・カルヤライネン(1932-):秋(2008) エイノ・キルヴェッサロ(1915-1977):夏が戸口のところに(2002) 〔春の夜 聞こえる 雨の音が/鳥の群れが帰ってくると/朝の気分/孤独な漕ぎ手/歌え 愛しい人よ あなたの歌を〕 エルッキ・アパヤラハティ(1929-2010):僕も歌ってもいいさ(2008) カドリ・ヨアメツ指揮室内合唱団セイタクオロ | ||
録音:2015年1月24日-25日、3月28日-29日、ロヴァニエミ教会、ロヴァニエミ、フィンランド。室内合唱団セイタクオロは、古くからサーミ人が住み、独自の生活と文化を守ってきたフィンランド北部、ラッピ県の中心都市ロヴァニエミに1961年に創設された。美しく厳しい自然に囲まれて育ったラップランド出身の作曲家たちの音楽をレパートリーの中心に活動をつづけている。創設50周年を記念する『北極地方の情景』(NCD-43)につづく『北国の展望』は、夏のラップランドの夜や秋の雨を「旅する」気分のアルバムとして制作された。ジャズピアニストでもあるサルマントがエイノ・レイノの詩に曲を書いた合唱曲集「北の情景」。春の力強さと夏の日没の不思議な魅力を詠んだトイヴォ・リューの詩に作曲されたユッカ・カンカイネンの「夏の組曲」。カイ・ニエミネンの曲集「夢の国から…」は、セイタクオロが新しいレパートリーとして取り入れた「現代の合唱曲」の最初の作品。「夏のラブストーリー」と銘打った最初のテーマコンサートで歌われたキルヴェッサロの「夏が戸口のところに」。クッレルヴォ・カルヤライネンの「秋」とエルッキ・アパヤラハティの「僕も歌ってもいいさ」は、2008年秋のテーマコンサート「ルーツ」のために作曲された作品。 | ||
デイシス〜「四旬斎」のための委嘱&初演作品集 ヴィッレ・マトヴェイェフ(1986-):喜ばしき光(*) / ヘンリ・ソッカ(1989-):復活祭夜のための2つの歌(2013) ラウリ・マンテュサーリ(1982-):復活祭のスティケロン / ヘイッキ・ハットネン(1984-):神聖なる神よ(2013) ペッカ・ヤルカネン(1945-):デイシス(#) ミッコ・シドロフ指揮クリュソストモス室内cho. リーサ・シヒヴォネン(S;*) トゥーリ・リンデベリ(S;#) エリサベト・ペトサロ(A;#) ヤルモ・レヘトラ(T;#) テッポ・ランペラ(B;#) | ||
録音:2016年1月30日-31日、5月21日-22日、リーヒマキロ要塞教会、リーヒマキ、フィンランド。 SACD層仕様: 5.0 multichannel 。四世紀のコンスタンディヌーポリ(コンスタンティノープル)大司教の名をとったクリュソストモス室内合唱団は、2003年、指揮者でもあるシドロフが 自作の「パニヒダ」(NCD-30)を初演するためクオピオに創設された。結成以来、彼らは、正教会のテクストによる新しい表現を探るため、フィンランドの作曲家に新作を委嘱。キリストの姿を描いた正教会伝統のイコン「デイシス」をタイトルとする第4作のアルバムには、復活祭を準備する「四旬斎」のために委嘱、初演した4つの作品が収められた。フィンランドの音楽シーンで注目される音楽家のひとり、チェロ協奏曲と「アド・アストラ」(ABCD-364)を作曲、指揮者としても活動するヴィッレ・マトヴェイェフの「喜ばしき光」。タンペレ在住、現代の技法から伝統的な和声まで、多彩な スタイルで作曲するヘンリ・ソッカが、和声的な音楽によって「復活祭」の喜びのメッセージを伝える「コンタキオン(コンダク)」と「イコス」。シベリウス・アカデミーで学び、タンペレ正教会の音楽監督を務めるヘイッキ・ハットネンがビザンティン聖歌に基づいて作曲した「神聖なる神よ」。トゥルクの作曲家、現代の語法による「復活祭のスティケロン」を書いたラウリ・マンテュサーリもアカデミーの出身。作曲家、音楽学者、大学講師として長い経歴をもつペッ カ・ヤルカネンの「デイシス」は、5部に分かれる作品。2013年、諸聖人の日にヘルシンキのウスペンスキー大聖堂で初演された。ジャケットのアートワークには、コンスタンティノープルのハギア・ソフィア大聖堂の壁に描かれた十三世紀の「デイシス」があしらわれている。 | ||
光の中へ ロッシーニ:小ミサ・ソレムニス〜おお、救いのいけにえよ / バード:アヴェ・ヴェルム・コルプス フォーレ:ジャン・ラシーヌの頌歌Op.11 /レクイエム Op.48 より〔リベラメ/天国に〕 アンドルー・ロイド・ウェバー(1948-):レクイエム〜ピエ・イエズ / ビクトリア:おお聖なる饗宴 フランク:3声のミサ曲 Op.12 〜天使の糧 / エリック・ウィテカー(1970-):黄金の光/アザラシの子守歌 ロッティ:十字架にかけられ / オーラ・ヤイロ(1978-):北極光 サウリ・ハンヌクセラ指揮 エルッキ・ラソンパロ指揮 ルミノス イーモ・ランタ(P) アボア・ノヴァ・アンサンブル ユハ・コティライネン(Br) マルック・ヒエタハルユ(Org) | ||
録音:2016年5月21日-22日、8月20日-21日、コスキ教会、コスキ、フィンランド。 制作:ヘイッキ・リーモラ/録音:ミカ・コイヴサロ。「ルミノス」はフィンランドの女性ヴォーカルアンサンブル。教会音楽家のサウリ・ハンヌクセラが芸術監督を務め、2012年から今の13人編成で活動している。2014年のデビューアルバム『星明かりの中で(Tahdenvalossa)』(Fuga)につづく第2作『光の中へ』。ロッシーニの「おお、救いのいけにえよ」、フォーレの「ジャン・ラシーヌの頌歌」、バードの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」、ロイド・ウェバーの「ピエ・イエズ」、アメリカのウィテカーとノルウェーのヤイロのそれぞれの代表曲のひとつとされる「黄金の光」と「北極光」……。彼らの「聖と俗」のレパートリーから「聖」の12曲によるプログラム。ロイド・ウェバーとフランクは、ハンヌクセラがユハニ・フォシュマンと共同で女声と管弦楽のために編曲した版、その他の作品は、デズモンド・ラトクリフが高声用に編曲したフォーレの「リベラメ」をのぞき、ハンヌクセラが女声用に編曲した版で歌われる。オルガニストのヒエタハルユ、バリトン歌手ユハ・コティライネン、エルッキ・ラソンパロ指揮アボア・ノヴァ・アンサンブル、そして、シベリウス・アカデミーで学び、カリタ・マッティラやヨルマ・ヒュンニネンたちとも共演してきたピアニスト、イーモ・ランタ。ルミノスのコンサートに客演してきた音楽家たちが参加。ハンヌクセラが合唱指揮を教わったヘイッキ・リーモラが制作を担当し、コスキの教会で録音セッションが行われた。プログラムの最後はウィテカーがラドヤード・キプリングの詩『白アザラシ』に作曲した「アザラシの子守歌」。 | ||
わたしのルーツ シベリウス:小学生行進曲 JS103 /わが心の歌 Op.18 No.6 /郷愁 JS111 /即興曲「ウレオー川の氷解け」Op.30 シベリウス/ペッカ・ネベルング編曲:フィンランディア/フィンランディア讃歌 / 南ポホヤンマー民謡のポプリ サーミ・ヨイク/アコス・パップ編曲:ブッロ・マッティ / カール・ボレニウス/R.R.クライン編曲:風の通り道 アウリス・サッリネン(1935-):海の歌Op.33 (1974) / 伝承曲/マッティ・ヒュオッキ編曲:さびれた海岸で 伝承曲/ペッカ・ネベルング編曲:木の葉が色づいて/青、赤、バラのお花を摘もう/涙がこぼれた時/カレリアの丘で ペッカ・ネベルング指揮 KaMu cho. | ||
録音:2016年7月14日-17日、聖マルティン教会、トゥルク、フィンランド。 制作:マルック・ヴェイヨンスオ、ペッカ・ネベルング、エルッキ・ニソネン/録音:マルック・ヴェイヨンスオ。 KaMu 合唱団は、西フィンランドのカーリナに2013年に設立された児童と青少年の合唱団。団員数は70名。KaMu 少女合唱団、KaMu 青年合唱団、KaMu 児童合唱団の3つの合唱グループをもち、トゥルクのフィルハーモニック、ブレーメンのドイツ・フィルハーモニー、近衛兵バンドのトランペッ ト奏者を務めたカーリナの学校で音楽を教えるペッカ・ネベルング(1979-)が芸術監督として指揮している。『わたしのルーツ』(「わたしの生まれた ところは」)は、KaMu 合唱団の初めての録音。アウリス・サッリネンが作曲、タピオラ合唱団により初演された「海の歌」、トペリウスの詩によるシベリウスの即興曲「ウレオー川の氷解け」、ネベルングが編曲した「合唱版」の「フィンランディア」、伝承曲によるプログラム。フィンランド独立 100 周年記念のアルバム。 | ||
この待降節の月 マシュー・ホイットール(1975-):クリスマスには闇がある(4曲) ジャン・ド・ブレブフ(1593-1649)/マシュー・ホイットール(1975-)編曲:ヒューロンのキャロル セリム・パルムグレン(1878-1951)/アンナ・フースコネン(1983-)編曲:聖母マリアは幼子をあやし シベリウス(1865-1957)/アンナ・フースコネン編曲:5つのクリスマスの歌 Op.1 ドビュッシー(1862-1918)/アンナ・フースコネン編曲:家のない子のクリスマス アレックス・フリーマン(1972-):クリスマスのキャロル(4曲) ヤニ・シヴェーン指揮アウディーテ室内cho. | ||
録音:2017年1月21日-22日、3月25日-26日、5月6日、ロイフヴオリ教会、ヘルシンキ。制作:トゥーリ・リンデベリ/録音:マルック・ヴェイヨンスオ。アウディーテ室内合唱団は、ヘルシンキ音楽院の公式アンサンブルとして1991年に創設された。創設者ヤニ・シヴェーンは、シベリウス・アカデミーの学部と修士課程で学び、合唱指揮者、作曲家、音楽教師として活動、アウディーテ室内合唱団とタンペレ・フィルハーモニック合唱団の芸術監督、ヘルシンキ・ミュージック・センター合唱団の指揮者を務めている。「この待降節の月」と題したアルバムでは、このアンサンブルで歌っている作曲家たちの作品と彼らの編曲による伝統的な待降節の作品が歌われる。バスを担当するカナダ出身のマシュー・ホイットールMatther Whittall (1975-)が、イギリスの詩人クリスティーナ・ロゼッティ(1830-1894)の詩をテクストに採った「クリスマスには闇がある」と、フランスからカナダに渡ったイエズス会宣教師、ジャン・ド・ブレブフ(1593-1649)の「ヒューロンのキャロル」。アルトを歌うアンナ・フースコネン(1983-)が、新しい感覚の和声に編曲したパルムグレンの「聖母マリアは幼子をあやし」、シベリウスの「5つのクリスマスの歌」、ドビュッシーの「家のない子のクリスマス」。アウディーテのテノール、アメリカのノースカロライナで育ったアレックス・フリーマン(1972-)が、イギリスの伝統のキャロルを素材、あるいはテクストに使って作曲した「クリスマスのキャロル」と、クリストバル・デ・モラーレスが歌詞の一節を追加したテクストに作曲した「おお、大いなる神秘」。 | ||
妖しげなカンテレ〜ユッカ・リンコラ(1955-): 組曲「呪文」(2013) /組曲「妖しげなカンテレ」(2010) カイヤ・ヴィータサロ指揮女声合唱団 KYN パヌ・サヴォライネン(ヴィブラフォーン) ヨハンナ・ユホラ(ハーモニカ) キルモ・リンティネン(P) | ||
録音:2017年4月1日、9月16日、2018年2月3日、Finnvox Studiot、ヘルシンキ/2017年10月26日、2018年2月8日、Studio Freda。ヘルシンキの商科大学(現、アールト大学商学部)の女声cho. KYN(キュン)は、バラード、フォークソング、ジャズといったジャンルの音楽をレパートリーとするユニークな活動で知られる。「新しい始まり(Kynnyksella)」(ABCD-223)「あなたにお話しするなら(Jos mina puhuisin sinulle)」(ABACD-15)に続くAlbaレーベルへの新録音は、ユッカ・リンコラJukka Linkola (19-55-)の「ルーツを共有する2つのストーリー」。リンコラは、ジャズ・ピアニスト、ジャズとクラシカルの作曲家としてフィンランドを代表する音楽家のひとり。KYNとリンコラのコラボレーションは1990年代から始まり、彼の音楽は合唱団の活動に欠かせないレパートリーになっている。2つの作品はいずれもリンコラ自身がテクストを書いた。「呪文」は、フィンランドに古くから伝わる呪文とシャーマニズム的なルーネソングに、リンコラがミシガン州のスペリオル湖を訪れた際に出会った、自然への愛をユーモアたっぷりに歌ったアメリカ先住民の歌が重ねられている。「石の呪文(Loitsu kiville)」「呪文の創造(Loitsu synty)」「オッツォの呪文(Loitsu Otsolle)」「空の熊(Karhu taivaalla)」「魚釣りの呪文(Kalastusloitsu)」「サウナの呪文(Kylvetysloitsu)」「幸運の呪文(Loitsu pelionnelle)」「手の呪文(Loitsukasille)」「感謝の歌(Kiitoslaulu)」。「妖しげなカンテレ」は、「妖しげなカンテレ(Outu kantele)」「悪は善を知らない(Ei pahat hyvasta tiia)」「おいで(Tule)」「歌って子供を寝かしつける(Laulan lasta nukkumahan)」「カッコウ(Kaki)」「貧しい者の定め(Armottoman osa)」「踊りの歌(Tanssilaulu)」の7曲。フィンランドの抒情詩集「カンテレタル」の詩をリンコラが自由にアレンジしたテクストが歌われる。 | ||
ゴスペル〜この部屋、このひととき まっさらのキャンバス [Tyhja taulu] /三本の木 [Kolme puuta] /アコースティックな雑音 [Akustinen ramina] / この部屋、このひととき [Tama huone, tama hetki] /こんなふうに彼らは歌った [Niin lauloivat] / Psalmi 57 /まだ大丈夫だ [Jaksa viela] / 小屋、道と言葉 [Majataloja, tieta ja sanoja] / 秋のニュアンス [Syksyn nyanssit] /山にて [Vuorella] ユッカ・レッピランピ(歌/アコースティックG) マルツィ・ニューマン・トリオ [マルツィ・ニューマン(G/P) ハッリ・ランタネン(電気ベース) アンシ・ニュカネン(ドラム)] ゲスト:ユンヌ・アールトネン(Sax) ユッカ・グスタフソン(Org) ペッカ・クーシスト(Vn) マッティ・P(ラップ) | ||
録音:2012年8月、 Varistoteles Studio 、ヘルシンキ、フィンランド。 #フィンランド国内向けのアルバムのため、ブックレットにはフィンランド語歌詞のみを掲載(英語訳等はありません)。 フィンランドのゴスペル・アーティスト、1970年代に活躍したプログレッシヴ・ロックグループ「Tabula Rasa(タブラ・ラサ)」のメンバーだったユッカ・レッピランピ(1954?)と、シベリウス・アカデミーのジャズ科に学び、「Nylon Beat(ナイロン・ビート)」、UMOジャズo. などのアンサンブルで演奏してきたギタリスト、マルツィ・ニューマン(1979?)のトリオの共演。アルバム・タイトル曲の「この部屋、このひととき」は、レッピランピの作詞、作曲。その他の9曲は、アンナ=マリ・カスキネン、ヘイモ・ハタッカ、ヤルモ・ヨキネンの歌詞に彼が作曲した作品。自然に語りかけ、歌に耳を傾ける……。折々の想いが、語るように歌われる。2012年8月、レッピランピとマルツィ・ニューマン・トリオのコンサート・ツアー直後、マルック・ヴェイヨンスオの「ヴァリストテレス・スタジオ」で録音セッション。ジャズ・シーンを代表するミュージシャンのひとり、ユハニ・ "ユンヌ "・アールトネンや、多彩なジャンルのミュージシャンとのコラボレーションを楽しんでいるヴァイオリニストのペッカ・クーシストたちが、ゲスト参加した。 | ||
あなたにお話しするなら〜フィンランド映画主題歌集 1. Haukka (鷹) (Heikki Aaltoila/Aaro Helaakoski) 2. Nuoruustango(青春時代のタンゴの) (Kaj Chydenius/Anu Kaipainen) 3. Auringon lapset (太陽の子供たち) (Georg Malmstén/R. R. Ryynänen) 4. Laulu onnesta (しあわせの歌) (Georg Malmstén/R. R. Ryynänen) 5. Sulle salaisuuden kertoa mä voisin(内緒の話をあなたに) (George de Godzinsky/Eine Laine) 6. Väliaikainen(はかない) (Matti Jurva/Tatu Pekkarinen) 7. Laulu kuolleesta rakastetusta (亡き愛しき人の唄) (Kaj Chydenius/Maria-Leena Mikkola) 8. Kuka kertoisi minulle (誰がわたしに言ってくれるだろう) (Otto Donner/Aulikki Oksanen) 9. Kaikki kääntyy vielä kerran parhain päin(もう一度どんでん返しがありそうだ) (Matti Jurva/Tatu Pekkarinen) 10. Balladi (バラード) (Anssi Tikanmäki/Juice Leskinen) トゥルク・ジャズo.、ヴェッル・ハルコサルミ指揮トゥルクpo. ヨハンナ・イーヴァナイネン(Vo) ユッカ・ペルコ(Sax) | ||
録音 :2016年2月15日、17日、トゥルク・コンサートホール、トゥルク、フィンランド。 Auringon lapset(太陽の子供たち)の題名でフィンランド公開された1932年のエストニア作品から、1984年のアキ・カウリスマキ監督の『Klaani』まで、フィンランド映画の「古典的」作品の主題歌を古都トゥルクのジャズオーケストラとフィルハーモニックが共演。1976年オウル生まれ、2006年の「Jazzrytmit(ジャズリズム)」誌の最優秀女性ヴォーカルに選ばれたヨハンナ・イーヴァナイネンが「古き時代」をしのばせるスタイルで歌い、セルヴェリ・ピューサロと創設した「新しいジャズ世代」のジャズバンド「ペルコ=ピューサロ」で成功を収めた、フィンランドを代表するジャズプレイヤーのひとり、ユッカ・ペルコがサクソフォンのソリストとして参加した。UMOジャズオーケストラをはじめとするフィンランドのバンド、オランダやドイツのジャズバンドを指揮・作曲家でもあるヴェッル・ハルコサルミと、シベリウス・アカデミーのジャズ科でジャズピアノを学び、クラシカル音楽作曲の修士号を取得したアルットゥリ・ロンカが編曲を担当。2016年2月、トゥルク・コンサートホールで行われたセッションの録音。 | ||
ヒッラとリーシ ヒッラとリーシ/前奏曲「ヒッラとリーシ」/引越し屋さんの行進曲/お祝いの気分/靴のマズルカ/トロルたちのダンス/ なつかしい思い出の味/夕べの歌/時の歌/おともだち/いちばんのおともだち/おばけごっこしない?/さいごの歌 マリ・カトカ(Vo;ヒッラ) ウッラ・ピースパネン(Vo;リーシ) エサ・ヘイッキラ指揮コウヴォラ児童cho.、キュミ・シンフォニエッタ トゥオマス・ケサラ(P) | ||
収録時間:35分|装丁:楽譜入り絵本仕様、 24cm × 24cm 大。ヒッラとリーシは、かわいらしい妖精のような生き物。音楽が好き、楽しくて元気いっぱい。人間の心をもっていて、友だち思い……。「ヒッラとリーシ」のキャラクターたちと彼らの世界は、フィンランドのイラストレーター、サリ・アイロラSari Airolaが創った。彼女は、絵本や教科書やピクチャーカードの作家として知られ、ラハティ・ポリテク(現、ラハティ応用科学大学)やヘルシンキのアールト大学でグラフィックデザインを教えている。「ヒッラとリーシ」は、24センチ平方の大きさの絵本に作られ、アイロラのイラストと、子供たちが一緒に歌うことができるよう、歌の楽譜と歌詞が載っている。12の歌を作詞作曲したのは、マリ・カトカMari Katka 、ウッラ・ピースパネンUlla Piispanen 、トゥオマス・ケサラTuomas Kesala 。コウヴォラ音楽クラスの児童合唱団とキュミ・シンフォニエッタと共演した録音のCDがアルバムの最後につけられている。エサ・ヘイッキラEsa Heikkila (1962-)はフィンランドの指揮者。ラハティso. でヴァイオリンを弾き、オスモ・ヴァンスカとセーゲルスタムに指揮を学んでいる。 | ||
アッツォ・アルミラ(1953-):アルファベット
テーム・ホンカネン指揮キー・アンサンブル室内cho.、タピオラcho. | ||
録音:2017年1月14日-15日、リーヒマキ守備隊教会、リーヒマキ、フィンランド。フィンランドの西海岸、ラウマ在住の詩人でパフォーマー、ヘリ・ラークソネン Heli Laaksonen (1972-)が2013年に出版した「アルファベット(Aapine)」にアッツォ・アルミラAtso Almila (1953-)が作曲。序曲、フィンランド語とスウェーデン語の29のアルファベットからなる、老若男女のためのフィンランド南西部の方言による「あいうえお作文」。コンテンポラリー・ミュージックがレパートリーのトゥルクの室内合唱団「キー・アンサンブル」と、タピオラ合唱団(タピオラ少年少女合唱団)の共演。 | ||
そのあと 1. Kuinka tietaa voin / How Can I Be Sure(高鳴る心)(Edward J Brigati Jr./Felix Cavalieri) 2. Linnut(鳥たち)(Tero Saarti/Aale Tynni)/ 3. Kesaaamu(夏の朝)(Esa Pethman/Esko Elstela) 4. Puut(樹木)(Raimo Salmiheimo/Sami Parkkinen) 5. Pienen Hetken en(ちょっとの間…)(Seppo Kantonen/Timo Kiiskinen) 6. Tuttulaulu(子守歌)(Otto Donner/Matti Rossi) 7. Jalkeenpain(そのあと)(Pekka Tegelman/Aila Meriluoto)/ 8. Sade(雨)(Tero Saarti/Aale Tynni) 9. Kaikki Minka Tekee(すべてはそこに)(Seppo Kantonen/Timo Kiiskinen) 10. Aamu-usva(朝霞)(Lasse Martenson/Jukka Virtanen)/ 11. Hammennys(困惑)(Tero Saarti/Aale Tynni) アンニマリア・リンネ(Vo) マッティ・テゲルマン(Vo) Jazzkvintetti [ミッコ・ハッシネン(ドラム) テロ・サールティ(Tp) マヌエル・ドゥンケル(Sax) セッポ・カントネン(P)] ヴェサ・オヤニエミ(ベース) 弦楽アンサンブル編曲:ミッコ・ハッシネン、セッポ・カントネン | ||
録音:2017年、 Varistoteles Studio 、ヘルシンキ、フィンランド|制作:アンニマリア・リンネ|録音・ミクシング:マルック・ヴェイヨンスオ。フィンランドのヴォーカリスト、アンニマリア・リンネは、ニューヨークで学び、1990年代の初めからヘルシンキを本拠にジャズとスウィング・ミュージックのシンガーとして活動。ラッセ・モッテンソン、リク・ニエミ、UMO 、マッティ・テゲルマンたちと共演、ヘルシンキやトゥルクのフィルハーモニックのポピュラーミュージック・コンサートに出演してきた。2017年録音のアルバム「そのあと」。1960年代アメリカのバンド「ヤング・ラスカルズ」の歌った「高鳴る心」に始まり、親しい音楽家たちがこのアルバムのために作り、それぞれのストーリーが彼女の胸の内で大きく膨らんでいったという曲が歌われる。ジャズクインテットのミッコ・ハッシネンとセッポ・カントネンが編曲も担当。「ちょっとの間…」などいくつかのナンバーは、10人編成の弦楽アンサンブルも加わって歌われる。 |