ジュリアーニ: ギターとヴァイオリンとチェロのための三重奏曲/ ギターとチェロのための二重奏曲 |
ヴィルタ(G) パローラ(Vn) ミッコラ(Vc) | |
ギター音楽の大家ジュリアーニは最初チェロを学んでおり(ベートーヴェンの第7交響曲初演ではチェロで参加)、ギターとチェロのためにもいくつかの傑作を残している。 | ||
フルートとオルガンのためのドイツ・バロック音楽 テレマン、ヘルテル、クレプス、C.P.E.バッハの作品 |
プハッカ(フラウト・トラヴェルソ) ポールタン(Org) | |
フィンランドのクラリネット音楽 サロネン:夜の歌 クルーセル:序奏と様々なスウェーデンの旋律 シベリウス:ミュゼット ヘイニネン:ショート1 ティエンスー:モーツァルトの墓碑 リンドベリ:蒸気船ビル・ジュニア |
グレゴリー・バレット(Cl) | |
1775年生まれのクルーセルから現役バリバリのサロネンまで、フィンランドの200年の音楽の歴史の中でのクラリネット作品集。 | ||
ゲオルク・ディートリヒ・ライディング(1664-1710):オルガン作品全集 前奏曲ハ長調/変ホ長調/変ロ長調/暁の星のいと美しきかな 神よ見捨てたもうな ヒンリヒ・フィリプ・ヨーンセン(1717-1779):6つのフーガ |
ホーカン・ヴィクマン(Org) | |
ともにドイツ系デンマークの作曲家。 | ||
ウラニア〜天空のチェンバロ ムファト:チャコーナ フィッシャー:組曲「ウラニア」(音楽のパルナッソス山より) デュフリ:ラ・フォルクレ、シャコンヌ F.クープラン: 二重生活者(パッサカリアの動き) フォルクレ:ラ・ビュイッソン(シャコンヌ) J.B.フォルクレ: ラ・モランジもしくはラ・ブリセ(シャコンヌ楽章) |
アンッシ・マッティラ(Cemb) | |
1998年1月、シベリウス・アカデミー・コンサート・ホール。北欧の若い世代を代表する古楽器奏者の一人として、鍵盤楽器のほか指揮、教育活動、著述活動にも活躍するマッティラの新譜。ムファトとフィッシャーの曲には北ドイツ・ダブル型1995年製、他の曲にはフランス・ダブル型1989年製の、どちらもヘンク・ヴァン・シュヴィホーヘンの手による楽器を使用。 | ||
パーセル: 「結婚した伊達男、またはおかしな無作法」〜行進曲/ 「インドの女王」〜セベル(トランペットの調べ)/ 組曲 ニ短調/聖母マリアの戒め/ 哀れみぶかい天使よ、我に語れ/ 「アーサー王」〜シャコンヌ/ 主よ、人とは何か/音階のグラウンド/ 夕べの讃歌/聖チェチリアの祝日の頌歌/ 「ドン・キホーテのこっけいな物語」より |
ペイヴィ・イェルヴィヨ(Ms) アンナマリ・ビョルヒョ(Cemb) エーロ・パルヴィアイネン(リュート) | |
パーセルの、声楽とアンサンブルの美しい作品を集めた1枚。 | ||
マデトーヤ: 交響曲第2番/オストロボスニア組曲/ 歌劇「ユハ」より2つの管弦楽 |
ヴァルマー指揮 オワルso. | |
シベリウス以後のフィンランド最大のシンフォニスト、マデトヤの最高傑作。交響曲第2番はフィンランド独立後の内戦で亡くした家族への痛切な思いが込められた悲劇的な交響曲。 | ||
ハメーンニエミ: ブルース/マニのための音楽IV&II/ ALTER/タキタ・タカ・タキタ・タキタ・タカ |
NADAアンサンブル | |
無伴奏チェロ作品集 コダーイ、クラム、ハーヴェイ、M.リンドベリの作品 |
パヌ・ルオスト(Vc) | |
バッハ:フランス組曲 | エリナ・ムストネン(Cemb) | |
イタリア・オペラ・アリア集 マクベス、トロヴァトーレ、トスカ、トゥーランドット、 マノン・レスコー、ノルマ、椿姫/より |
シンシア・マクリス(S) | |
マクリスは北欧、ドイツなどを中心に活躍しているアメリカ出身の美貌ソプラノ。 | ||
ショパン: ノクターン Ops.9-1/72-1、カンタービレ、 マズルカ Ops.67-2/7-1,2,3/68-1,2/67-4/30-2,3/63-2、 前奏曲「雨だれ」、エチュード Ops.10-1/25-12、 3つの新エチュード〜第3番 |
ヤンネ・メルタネン(P) | |
メルタネンは1967年フィンランド生まれ、ベルマンとバシキロフの門下。ロック・シンガー風の容貌で本国で人気。 | ||
清教徒革命、王政復古期のイギリス音楽 ブル:戦いと平穏 W.ロウズ: 「ファンタジア」より[組曲 ト短調/組曲 ト長調] パーセル:シャコンヌ 他、シンプソン、ロック、 ウィルソン、バルツァルなどの作品 |
バッターリア | |
バッターリアはフィンランドの古楽グループ。 | ||
トゥービン: 交響曲第2番「伝説」/交響曲第5番 |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立so. | |
第2次大戦に翻弄され故国エストニアを捨てスウェーデンに亡命、その後バルトークやコダーイに影響されて民族的作風を勝ち得たトゥービン。全部で10曲の交響曲を残したが、第2番はまだ大戦前の作品。そして第5番は大戦後亡命して最初に作り上げた作品。 | ||
アントン・ディアベッリ(1781-1858): ピアノとギターのためのソナティナとソナタ全集 ソナティナ Op.68/同 Op.70/ソナタ Op.71/ 華麗な大ソナタ Op.102(オリジナル版) |
ミクローシュ・シュパーニ(Fp) イルッカ・ヴィルタ(G) | |
録音:1998年5月9-10日、オウル音楽センター、トゥリンドベリホール。使用楽器:1827年、K.グラーフ製(Fp)/1997年、ヴィルタ製(モデル:1818年、ファブリカトーレ製)。 ベートーヴェンが変奏曲の主題に使ったメロディーを書いたことで音楽史に名を残すディアベッリ。ザルツブルクに生まれ、ウィーンに移ってからはギターとピアノの教師、作曲家、楽譜出版者として活躍した。和声やダイナミクスの新しいスタイルは古典からロマンティシズムに移る時代を反映しているとされている。 ミクローシュ・シュパーニはBISレーベルでC.P.E.バッハの鍵盤楽器協奏曲とソロ曲の全曲録音を進めているハンガリーの奏者。イルッカ・ヴィルタはシベリウス・アカデミー出身で、ジュリアーニ(ABCD-124)とグラニャーニ(ABCD-149)の室内楽曲をAlbaに録音している。彼らは1996年からデュオ活動を開始、このアルバムは、ロッシーニ、メルツ、フンメルの作品集(HCD-31935)につづく録音。 「華麗な大ソナタ」はオリジナル譜を使って演奏。第1楽章アダージョ−アレグロ、第2楽章スケルツォ(アレグロ)−トリオ(ピウ・モデラート)、第3楽章アダージョ・ノン・タント−パストラーレ(アレグレット)の3楽章構成で、現在一般に用いられる版とはかなりの相違がある。確かな技術と温もりのある演奏。 | ||
バッハ:リュート作品全集 | ヘイキ・メトリク(G) | |
最近ではすっかり普通になったリュートによる演奏ではなく、1990年代後半(1999年?)の録音としては珍しいギターによる演奏。代理店曰く「柔らかなタッチとおだやかなフレージングでバッハの持つ一側面をうまく描き出している」。 | ||
マデトヤ:管弦楽作品全集 Vol.2 交響曲第1番/演奏会用序曲/ 田園組曲(*)/田園の情景(*) |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 オウルso. | |
(*)は世界初録音。シベリウス以後、唯一フィンランドで交響曲作家として名声を勝ち得たマデトヤの作品全集第2巻。民族音楽に劇的なロマン性を加えた壮大な作風。ある意味ではその作風はシベリウスよりロシア音楽、特にチャイコフスキーに近い。世界初録音も含まれ、ファンにはとても嬉しい。 | ||
ショパン: 24の前奏曲集/4つのスケルツォ |
アンネ・カウッピ(P) | |
代理店曰く「軽やかなタッチ」。 | ||
ピアソラ:作品集 | ジ・イン=タイム・クインテット | |
フィンランドの団体による演奏。 | ||
エドゥアルド・トゥビン(1905-1982): 交響曲第3番/交響曲第6番 |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立so. | |
BISで同郷のヤルヴィが積極的に録音したことで世界的に名が知られるようになったエストニア最大の作曲家トゥビンの交響曲の、母国のオーケストラによる演奏。 北欧的清新さをたたえた第3番と、ルンバやボレロのリズムが現れる第6番という、対照的な2曲のカップリング。 | ||
バード:ヴァージナル曲集 前奏曲MB115、パヴァーヌとガイヤルドMB60、 ラクリメ(パヴァーヌ)MB54、前奏曲MB116、 エコー・ガイヤルドMB114、前奏曲MB12、 ファンタジアMB13、ララバイMB110、ファンタジアMB46、 クァドラン・パヴァンとガイヤルドMB70、 ウォルシンガムMB8、アルマンMB117、 グッドナイト・グラウンドMB42 |
アーポ・ハッキネン(Cemb) | |
録音:1999年6月、ブリュッセル。レオンハルト、ルセ、アンタイといった錚々たる面々に師事したハッキネンによるバード作品集。 1575年頃、ヴィート・トラスンティーノ製の楽器を使用。 | ||
フィリッポ・グラニャーニ(1767-1820): ヴァイオリンとギターのための3つの二重奏曲 Op.8 |
エルッキ・パロラ(Vn) イルッカ・ヴィルタ(G) | |
録音:1997年6月17-18日。ピリオド楽器使用。 グラニャーニはイタリア、リヴォルノの音楽一家に生まれ、ギターの名手としてイタリアのみならずドイツでも人気を博し,1810年にパリに移住し、フェルディナンド・カルッリに学んで腕を上げた。彼の生涯には謎が多く、没年もしばしば1812年とされるが、実際には1820年に故郷で没している。 ヴァイオリンとギターのための3つの二重奏曲は、グラニャーニの確認できる40ほどの曲の中でももっとも知られている曲の一つ。第1番と第2番は明快な急−緩−急の三部構成、第3番は変奏曲形式。いかにも19世紀初期といった幸福度の高い音楽が人気の要因であろう。第3番の終曲、アレグロ・スピリトーゾは好んで取り上げられる素敵な曲。 エルッキ・パロラは1957年生まれ。フィンランド放送交響楽団のリーダー、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団の副リーダーを経て、ソリストとして活躍しており、ピリオド楽器にも早くから関心を示している。イルッカ・ヴィルタは、ギタリストとしては比較的珍しく室内楽中心の活動をしてきた人で、やはり早くからピリオド楽器に取り組んでいた。 | ||
シチリアの一夜 ベルナルド・ストラーチェ(17世紀末活動): ルッジェーロによるカプリッチョ/パッサカリア トッカータとカンツォン/コレンテ/モニカ スパニョレッタによるアリア/チャコーナ/他 |
アンナマリ・ボルボ(Cemb) バッロ・デラ・バターリャ [エーロ・パルヴァイアネン (リュート) テッポ・ヒルヴォネン(G) ヤルモ・ユルクネン(ビウエラ) ミカ・スイコネン (Va da gamba)] | |
生涯については謎だらけのストラーチェだが、フレスコバエウディとパスクィーニをつなぐ位置にある重要な作曲家である。 | ||
バッハ:フーガの技法 | リスト・ラウリアラ(P) | |
ラウリアラは1949年生まれのフィンランドの中堅ピアニスト。 | ||
オリファント〜十字軍の歌 作曲者不詳: 「岸よ、お前は安らかなる手の内にある」(1147) コノン・ド・ベテュヌ: 「ああ、愛よ、別離を導き」(1189) ユーグ・ド・ベルゼ:いかなる人とても(1202) アラス城主: 苦しみの地へ私は行かねばならぬ(1202) コノン・ド・ベテュヌ: たとえ私がためらわねばならぬにせよ(1189) シャンパーニュ伯(ナバラ王)ティボ−4世: 悪意に満ちた時に(1239) 作曲者不詳:王の旗は シャトラン・ド・クーシ:新しい季節が(1189) シャンパーニュ伯(ナバラ王)ティボ−4世: 「ご夫人よ、実際もはや私は行かねばならぬ」(1239) ユオン・ド・サン=カンタン: イェルサレムは嘆き悲しみ(1219) 作曲者不詳: 悪い出来事について良い歌を 作ることは誰にもできない(1248) シャトラン・ド・クーシ:「貴方に、恋人よ」(1189) シャンパーニュ伯(ナバラ王)ティボ−4世: 「お聞き下さい、我が主よ」(1239) |
オリファント [ウリ・コルホネン (S,Perc) ヤネク・エラー (BFl、ミュゼット、 ヒュメルヒェン、 Flトラヴェルソ、 ダブルFl) ヨンテ・クニフ (ダルシマー、ショーム、 ヒュメルヒェン、 BFl、Perc) エイラ・カルルソン (フィドル、シンフォニア) レイフ・カルルソン (Lute、シンフォニア、 Perc)] | |
録音:2000年2月、ペルヤーナ教会。12世紀専門の中世音楽アンサンブル、オリファントの新譜は、十字軍に参加した吟遊詩人達の歌。 鄙びた雰囲気が十二分に感じられる素晴らしい仕上がりである。 | ||
アントニオ・ ホセ(1902-1936):ギター・ソナタ(1933) ファリャ:ドビュッシーの墓に捧げる賛歌 ファリャ(プジョール編曲): 「恋は魔術師」〜2つの舞曲 ロドリーゴ:祈りと踊り(ファリャ讃歌) モウポウ:コンポステラ組曲 |
イスモ・エスケリネン(G) | |
エスケリネンはフィンランドの若手ギタリスト。 | ||
メディチ家の結婚式〜 メディチ写本による13のモテット ムートン:主よ、王を健やかにあらせたまえ/ われを救いたまえ/処女なる御母は悪を知らず/ 天使ガブリエルは遣わされた ヴィラールト:栄光に満ちたキリストの処女/天の女王 フェスタ:われを導きたまえ、主よ デ・シルバ:主は天より雷を轟かせ/完全なる美 ル・サンティエ:めでたし、救世主の御母 ディヴィティス:大いなる流れによって 作曲者不詳:私を偽りによって迷わせた傲慢な者が |
リング・アンサンブル | |
録音:2000年4月10-13日。 メディチ家出身の教皇レオ10世とフランス王フランソワ1世によって進められた、ウルビーノ公ロレンツォ・デ・メディチ2世とマドレーヌ・ド・ラ・トゥールの政略結婚に際して、 贈り物として製作された写本に収められた53曲の音楽から13のモテットを選曲したアルバム。 | ||
トゥビン: 交響曲第4番「叙情」/交響曲第7番 |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立so. | |
トゥビンの故郷エストニアの演奏家による新録音。トゥビンの作品のなかでも人気の高い第4番が期待できる。 | ||
レーヴィ・マデトヤ(1887-1947):管弦楽曲集 Vol.3 バレエ組曲「オコン・フオコ」 Op.58(1930、全6曲) 交響組曲 Op.4(全4曲)/舟歌 Op.67-2 |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 オウルso. | |
「オコン・フオコ」は日本を舞台としたジャポニズム音楽だが、そのタイトルは西洋人にとってもっとも日本語的に響くという理由のみによって付けられた、意味のない言葉である。 ただしこの無意味さも音楽とはまったく関係ない。 | ||
ヴィヴァルディ:協奏曲集 4声の協奏曲 ハ長調 RV.114/ 2つの狩猟ホルンのための協奏曲 ヘ長調 RV.539/ 2つのオーボエのための協奏曲 ニ短調 RV.535/ 協奏曲 ニ短調「マドリガル風」RV.129/ 2つのフルートのための協奏曲 ハ長調 RV.533/ 2つのチェロのための協奏曲 ト短調 RV.531 |
エサ・タパニ、 トムミ・ヴィエルトネン(Hr) アンナ=マイヤ・ ルオラヤン=ミッコラ(Ob) レギナ・ハマリキヴィ(Ob) ヤリ・S.プハッカ、 ペトラ・アミノフ(Fl) ラウリ・プラッカ(Vc) マルック・ ルオラヤン=ミッコラ(Vc) アンシ・マッティラ指揮六階o. | |
録音:1999年8月、2000年4月。 ピリオド楽器奏者たちが集まった六階管弦楽団は1989年の創設。フィンランドを代表するアーリーミュージック・グループとして、クフモ、トゥルク、ヘルシンキなど、各地のフェスティヴァルに参加している。聴き手とのコミュニケーションを最優先に考える彼らの演奏からは、バロック期の音楽の歓びと楽しさが自然な姿で伝わってくる。マラン・マレの「異国風趣味の組曲」 (ABCD-107) を録音したマルック・ルオラヤン=ミッコラ、「フルートとオルガンのためのドイツバロック音楽」 (ABCD-125) のヤリ・S.プハッカも参加。ホルンのエサ・タパニ (1968-) は、フィンランド放送交響楽団の他、現代音楽グループのアヴァンティ室内管弦楽団にも参加、カイパイネンの「ホルン協奏曲」 (ODE-1062) を最近リリースした。 | ||
森の湖〜フィンランドのピアノ音楽 シベリウス:5つのスケッチ Op.114/5つの小品 Op.75 3つのソナチネ Op.67/2つのロンド Op.68 ハッリ・ヴオリ:夜と霧の彼方 パ^ヴォ・ヘンニネン:詩人の調べ |
カトリーナ・コルテ(P) | |
森と湖に囲まれたヤルヴェンバーに居を構えていた作曲家の作品を、同郷のピアニストが弾いたアルバム。コルテ はクーシスト兄弟の従妹とのこと。 | ||
ショパン:夜想曲集 3つの夜想曲 Op.9/3つの夜想曲 Op.15/ 2つの夜想曲 Op.27/2つの夜想曲 Op.32 |
ヤンネ・メルタネン(P) | |
フィンランドの若手メルタネンのショパン。独特の清冽な演奏が魅力。 | ||
ユッカ・リンコラ(1955-): サクソフォン協奏曲(1999)(*)/シス(1995)(+) トランペットとシンフォニック・バンドのための タンゴ=タランテラ(1995)(#)/婚礼の音楽(1998)(#) |
カイ・ ルスケアパー(Sax;*) エリアス・セッパラ指揮(*/+) ライネ・アムブヤ指揮(#) 護衛バンド | |
珍しいフィンランドの「ブラスバンド」と輸入元の案内にある。「シンフォニック・バンド」の場合木管も入るのではないかと思われるが、詳細は不明。 | ||
マデトヤ(1887-1947):管弦楽作品集 Vol.4 交響曲第3番イ長調 Op.55/コメディ序曲 Op.35 舞踏の光景 Op.11/劇音楽「対局」組曲 Op.5 |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立so. | |
シベリウス好きなら気に入ることまちがいなしのマドテヤ。このシリーズには多くの世界初録音が含まれている。 | ||
ABCD-163 廃盤 |
トゥビン: 交響曲第8番(1966)/交響曲第1番 ハ短調(1934) |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立so. |
エーロ・ハメーンニエミ(1951-): マニのための音楽 III/マニのための音楽 I/ マニのための音楽 IV/マヤじゃないでしょ カライクディ・R.マニ(1945-):香辛料的愉悦 |
スルティ・ラヤ& ナーダ・アンサンブル | |
北欧レーベルから何故かインド音楽が発売。マニはインド音楽界の大物と言う。 | ||
C.P.E.バッハ:フルートソナタ集 第1番 ニ長調 Wq.83/第4番 ト長調 Wq.86/ 変ロ長調 Wq.161 No.2/第2番 ホ長調 Wq.84 |
ペトラ・アミノフ(Fl-tr) アンナマリ・ポルホ (Cemb、P) | |
エマヌエル・バッハがフリードリヒ大王のチェンバロ奏者 を務めていた1747年から1755年にかけての作品集。 | ||
シベリウス: ヴァイオリンとピアノのための作品集 ロマンツェOp.2a/エピローグOp.2b/ 2つの小品Op.2(オリジナル版)/ 愛の情景Op.71/2つの小品Op.77/ 4つの小品Op.78/6つの小品Op.79/ ソナチネ ホ長調Op.80 |
カイヤ・サーリケットゥ(Vn) テッポ・コイヴィスト(P) | |
シベリウスは自身ヴァイオリンの名手だったため、彼のヴァイオリン曲は聴き栄えのするものが多くある。このアルバムは作品2の異版まで収め、まるでBISばりのマニアックさ。 フィンランドの女流サーリケットゥは爽やかかつ透明な音色が魅力。 | ||
シューベルト(リスト編):歌曲集 糸を紡ぐグレトーヒェン/魔王/おやすみ/ かじかみ/菩提樹/郵便馬車/宿屋/勇気/ます/ 愛の便り/水の上で歌う/セレナード/さすらい/ 水車屋と小川/狩人/嫌な色/どこへ/いらだち |
リスト・ラウリアラ(P) | |
意外と録音に恵まれないリスト編曲のシューベルト歌曲。1949年生まれのピアニスト、ラウリアラの豪腕が冴える演奏。 | ||
ナジ・ハキム: オルガン連弾のための狂詩曲/マリアーレ(ソロ) ラングレー:モザイク集第1集Op.190/モザイク第3集Op.196 ジュアン・アラン: アニュイ・ヤヴィシュタへの2つの舞曲(ソロ) リテズ:オルガン連弾のためのソナタ |
ヤン・レートラ(Org) マルック・マキネン(Org) | |
ピアノならぬオルガン連弾を集めたアルバム。オルガンはシンセサイザーの先祖であることを実感させてくれる。 アジアのたいまつ踊りにインスピレーションを受けたアランの舞曲はオルガンの宗教性を払拭するような新鮮さ。 | ||
アウリス・サッリネン: 宮殿ラプソディOp.72(1997)(*) カレヴィ・アホ:トリスティア(1999)(*) ラウタヴァーラ:兵士のミサ曲Op.40(1968)(#) トゥオマス・カンテリネン(アムプヤ編):幽霊(#) |
エリアス・セッパラ指揮(*) ライネ・アムプヤホウリ指揮(#) 護衛兵バンド | |
フィンランド現代作曲家によるブラス作品集。豪壮ながら北欧の空気も感じさせてくれる。 | ||
フィンランドの管弦楽作品集 クラミ: 劇付随音楽「放蕩息子」〜間奏曲/ 子供の交響曲 Op.17 エーロ・ケスティ(1959-):春 クーラ:南オストロボスニア民謡集 第2集 |
ヨルマ・ ヒュンニネン(Br) ユハ・ニッコラ指揮 キュミ・シンフォニエッタ | |
カレリア出身のクラミをはじめ、親しみやすい作品を、1999年創設のフィンランドの地方オーケストラ、キュミ・シンフォニエッタが驚くほど高水準の演奏で聴かせる。 | ||
トゥビン:交響曲全集 Vol.5 [第9番「シンフォニア・センプリーチェ」/ 第10番/第11番(未完成/カリヨ・ライド補筆)] |
アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立so. | |
好評シリーズの完結編。未完に終った第11番は同じ演奏者によるKoch盤もあるが、これは2002年の新録音。トゥビンの故国エストニアを代表するオーケストラによる当シリーズ演奏は、 しみじみと味わい深く、BISのヤルヴィ盤より高く評価する人も多い隠れた名盤。 | ||
ポーランドの弦楽合奏作品集 カルウォヴィチ:弦楽セレナード Op.2 バツェヴィチ:弦楽のための協奏曲 マトゥシェフスキ:7つのポーランドの風景 トヴァルドフスキ:古ポーランド協奏曲 |
タデウシュ・ヴィヘレク指揮 聖ミヘル弦楽合奏団 | |
シマノフスキと同世代で、スキー中に雪崩れに遭って夭逝したカルウォヴィチの弦楽セレナードは、若々しい完成とヴォルテージの高さで耳の残る名品。 古楽と現代性が交差する他の収録作品も、魅力的ながら録音に恵まれていなかったので、ポーランド音楽ファン待望の一枚といえよう。 | ||
フィンランド新時代のギター音楽 ヴェリ=マッティ・ブーマラ(1965-):ハイリンの夢 ユルキ・リンヤマ(1962-):ギター・ソナタ ハンヌ・ポヒヤンノロ(1963-):月の軌道に向かって ユホ・ハンガス(1976-):幻想曲 |
ユルキ・ムルライネン(G) | |
ムルライネンは1961年ナポリ生まれで、現在シベリウス・アカデミーで教えているフィンランド人ギタリスト。 | ||
レーガー:3つのコラール幻想曲Op.52 [人はすべて死すべきものなり/ 目覚めよ、と呼ぶ声あり/ ハレルヤ、ほむべき神はわが心の喜び] |
カリ・ヴオラ(Org) | |
いずれもバロック期のコラールに基づく幻想曲。重厚長大なレーガーの世界を堪能できる。ヴィオラはハンス・ファユス門下のフィンランドの新鋭。 | ||
ルイジ・ケルビーニ(1760-1842): レクイエム ニ短調(男声合唱のための) |
アンドレス・ムストネン指揮 エストニア国立so.、 エストニア国立男声cho. | |
ケルビーニには混声合唱用のハ短調レクイエムもあるが、こちらは男声のみ。パリの大司教が、女声を含むという理由で1834年にハ短調レクイエムの葬儀用演奏を禁じたため、 ケルビーニが新たに作曲した。しかしその初演はケルビーニ自身の葬儀だったという因縁つきの作品。エストニアの力強い男声合唱が魅力。 | ||
フレスコヴァルディ:チェンバロ作品集 トッカータ7番/アルカデルトのパッセジアート/ バレット第3番とクラント/ パッサカリアによる100のパルティータ/ 別の旋法によるパッサカリア/ 逆行リガトゥーレ付の半音階カプリッチョ/ トッカータ9番/不協和音のカプリッチョ/ トッカータ10番/トッカータ2番/カンツォーナ1番/ バッタリアによるカプリッチョ/トッカータ1番/ カンツォーナ4番/トッカータ6番/ガリアルダ2番/ ガリアルダ3番/ガリアルダ4番/ リチェルカーレ5番/フレスコバルディ風アリア |
アーポ・ハッキネン(Cemb) | |
録音:2002年7月30日&8月1日、カリス教会。 1967年生まれ、ピエール・アンタイ門下でヘルシンキ・バロック・オーケストラの音楽監督も務める期待のチェンバロ奏者ハッキネンがフレスコバルディに挑戦。名手。 | ||
リタンデル兄弟の音楽 カール・ルドヴィク・リタンデル(1773-1843): ソナタ ハ長調/ソナタ 嬰ヘ短調/ アレグレッツァ ハ長調/カプリッチョ ト長調 フレドリク・エマヌエル・リタンデル(1777-1823): ロンド「喜び」/ハイドンの主題による変奏曲 クリストフィリス・リタンデル(1778-1823):ポロネーズ ハ長調 ダヴィド・リタンデル(1780-1807): ワルツ 変ロ長調(トゥイヤ・ハッキラ編) |
トゥイヤ・ハッキラ(Fp) | |
録音:2002年9月15日-17日、クーサンコスキ・ホール。 珍しいフィンランド古典派音楽集。リタンデル兄弟は全部で11人もいて、うち4人が作曲家になった。いずれもエスニックな香りの全くないウィーン古典派作風で、 ハイドン、モーツァルト、あるいはベートーヴェンを思わせる。ピアノ音楽ファンにも御薦め。 | ||
テレマン:音楽の練習帳 第1集(1740) [ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ヘ長調/ リコーダー、 オーボエと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ハ短調/ フラウト・トラヴェルソと通奏低音のためのソナタ ニ長調/ ヴィオラ・ダ・ガンバ、オブリガート・チェンバロと 通奏低音のためのトリオ・ソナタ ト長調/ ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ イ短調/ ヴァイオリン、 オーボエと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ト短調/ リコーダーと通奏低音のためのソナタ ニ短調/ フラウト・トラヴェルソ、 チェンバロと通奏低音のためのトリオ・ソナタ イ長調/ オーボエと通奏低音のためのソナタ 変ロ長調/ リコーダー、ヴァイオリンと 通奏低音のためのトリオ・ソナタ イ短調/ チェンバロのための組曲 ハ長調/ フラウト・トラヴェルソ、ヴィオラ・ダ・ガンバと 通奏低音のためのトリオ・ソナタ ロ短調] |
バッタリア [シルッカ=リーサ・ カーキネン(Vn) ミカ・スイフコネン、 ミッコ・ペルコラ(ガンバ) エーロ・パルヴィアイネン (アーチリュート) ヤス・モイシィオ(Ob) カティ・ブージー、 ペトラ・アミノフ(リコーダー) アンナマリ・ポルホ、 アーポ・ハッキネン(Cemb)] | |
録音:2002-2004年。 | ||
テレマン:音楽の練習帳 第2集(1740) [ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ イ長調/ リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバと 通奏低音のためのトリオ・ソナタ ヘ長調/ フラウト・トラヴェルソと通奏低音のためのソナタ ト長調/ リコーダー、チェンバロと 通奏低音のためのトリオ・ソナタ 変ロ長調/ ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ホ短調/ フラウト・トラヴェルソ、ヴァイオリンと 通奏低音のためのトリオ・ソナタ ホ長調/ リコーダーと通奏低音のためのソナタ ハ長調/ ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと 通奏低音のためのトリオ・ソナタ ニ長調/ オーボエと通奏低音のためのソナタ ホ短調/ フラウト・トラヴェルソ、 オーボエと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ニ短調/ チェンバロのための組曲 ヘ長調/ オーボエ、 チェンバロと通奏低音のためのトリオ・ソナタ 変ホ長調] |
バッタリア [シルッカ=リーサ・ カーキネン(Vn) ミカ・スイフコネン、 ミッコ・ペルコラ(ガンバ) エーロ・パルヴィアイネン (アーチリュート) ヤス・モイシィオ(Ob) カティ・ブージー、 ペトラ・アミノフ(リコーダー) アンナマリ・ポルホ、 アーポ・ハッキネン(Cemb)] | |
録音:2002-2004年。 「音楽の練習帳」は、ソロ12曲、トリオ12曲からなる24曲から成る作品集。ヴァイオリン、オーボエ、リコーダー、フラウト・トラヴェルソ、チェンバロなどが多彩に組合わされている。この曲集はおそらく1720年代から家庭での音楽教育の目的で作り続けられたものをまとめたもののようだが、そこは人気作曲家テレマン、練習をしながら楽器の特性を把握しかつ楽器に惚れ込むことができるような音楽になっており、ことにリコーダー曲は非常に人気がある。 バッタリアは1989年創立のヘルシンキを拠点とした古楽団体。メンバー表を見ていただければ分かる通り、今や世界的な名手が多数参加している。シルッカ=リーサ・カーキネンはヘレヴェッヘ率いるコレギウム・ヴォカーレのコンサート・ミストレス、エーロ・パルヴィアイネンは鈴木秀美との共演で日本人にもなじみの深いリュート奏者。ヤス・モイシィオもイングリッシュ・バロック・ソロイスツ、18世紀オーケストラ、オーケストラ・リベラ・クラシカのメンバーとして知られている。その他のメンバーもソロとしての活動が盛んな人たちばかり。 | ||
ガス・ブリュレ(1160頃-1213):歌曲集 愛のことを私に忠言する人は/私が生涯を深く思って/ とどめることもかなわず/甘やかな幸せに/昔のこと/ 愛の悲しみ/森に野に/多くの愛が歌ったのは/ 他(全15曲) |
オリファント | |
録音:2002年9月23-26日。 ガス・ブリュレは初期のトルヴェールの中で、その作品が最も多く現在まで残されており、同時代の文学作品「ばら物語」や「すみれ物語」にも彼の作品が引用・挿入されている。 トルヴァドゥールの遺産を引き継ぎ、トルヴェールの様式を確立した一人とされる彼の音楽をストレートに伝えるアルバム。 | ||
ゲオルク・ムッファト(1653-1704):調和の捧げもの(1682) [ソナタ第1番 ニ長調/ソナタ第2番 ト短調/ ソナタ第3番 イ長調/ソナタ第4番 ホ短調/ ソナタ第5番 ト長調] |
ペトリ・タピオ・マットソン指揮 オーパスX | |
録音:2002年8月。 ゲオルク・ムッファト(ムファット)はフランスのサヴォイ生まれで両親はスコットランド系。パリでリュリに学び、ストラスブールでオルガニストを務め、ウィーンやプラハを経てザルツブルクでオルガニストに就任、ところがさらにローマに留学しパスキーニやコレッリに学んだ。驚くべき多国籍ぶりだが、本人は終生自分はドイツ人だと考えていたという。 「調和の捧げもの Armonico tributo」はローマ留学の際に作曲され、後にザルツブルクで出版された。一見するとイタリアのコンチェルト・グロッソ風の音楽だが、個々の音楽はガヴォットやアルマンドなどフランス舞曲が用いられたりと混血的。最大の聞き物は第5番の最後に置かれた長大なパッサカリアで、ムッファトの力量が遺憾なく発揮されている。 オーパスXはバロック・ヴァイオリン奏者のペトリ・タピオ・マットソンを中心に1995年に結成された団体。基本的に各パート一人で演奏され、北欧系らしい非常に清々しい弦の音が見事に絡み、絶美。名盤の少なくない「調和の捧げもの」の中にあっても、飛び切りの一枚になっている。 | ||
レーヴィ・マデトヤ(1887-1947): バレエ・パントマイム「オコン・フオコ」Op.58 |
ヘレナ・ユントゥネン(S) トゥオマス・カタヤラ(T) アルヴォ・ヴォルメル指揮オウルso. オウル室内cho. | |
マデトヤの問題作。1927年のバレエ・パントマイム用の日本を題材としたジャポニスム音楽で、シベリウスの流れをくむマデトヤらしさが全く感じられない奇怪な作品。内容は、日本の人形師オコン・フオコ(これはヨーロッパ人が感じる日本語的な語感だそう)が作った人形「ウメガワ」との和製コッペリアといった内容で、最後に錯乱したオコン・フオコが自害して幕切れる。筋・音楽ともに私たち日本人にはとても奇妙に感じられる世界である。これまで組曲の録音はあったが、全曲版は世界初録音。全部で35のトラックに分かれ、収録時間は77分近く。 | ||
ポンセ: スペインのフォリアによる変奏曲とフーガ/ エストレリータ/ギターソナタ第3番/ 南の協奏曲 |
イスモ・エスケリネン(G) ヨン・ストルゴーズ指揮 ラップランドco. | |
メキシコの香りに満ちたポンセの作品を、北極圏ラップランドのオーケストラが演奏。これがシベリウス風北国の音楽になっていて不思議。独奏のエスケリネンはティモ・コルホネン門下のフィンランドの新鋭。 | ||
プニャーニ: オーケストラのための四重奏曲第1番 変ロ長調 グラーフ:フルート四重奏曲 ニ短調Op.12 No.3 リヒター:交響曲 ニ長調Op.2 No.6 サッキーニ:弦楽四重奏曲 イ長調Op.2 No.6 ロセッティ:フルート協奏曲 ト長調 |
ミカエル・ヘラスヴォ(Fl) ユハ・カンガス指揮 オストロボスニアco. | |
先頃来日公演を行ったカンガス&オストロボスニア室内管。18世紀フィンランドの大楽譜コレクター、ヒデニウスの蔵書から珍しい古典派作品が選ばれている。古典派ファン垂涎のディスク。 | ||
セッポ・ポホヨラ(1965-):室内楽作品集 弦楽四重奏曲第3番/ニューヨーク・ニューヨーク/ ゲーム・オーバー/オペラ座の一夜/リーベライ |
ミントゥ・ぺス(S) ドミートリー・スロボデニューク指揮 サグロス・アンサンブル | |
フィンランドの作曲家ポホヨラは、現代の感性を保ちつつ刺々しさを排したキレの良い作風を持つ。 | ||
ムソルグスキー(ヨキアホ編):展覧会の絵 チャイコフスキー(ヨキアホ編): アンダンテ・カンタービレ |
トリオ・フラトレス [トニ・ハマライネン ヘイッキ・ヨキアホ ライモ・ヴェルタイネン (アコーディオン)] | |
かつてクラフトワークのテクノ音楽アルバムをリリースして話題になったフィンランドのアコーディオン・トリオ、フラトレス。1994年結成、イタリアのコンクールで優勝するなど注目されている。 3つのアコーディオン用に編曲された「展覧会の絵」は、ピアノ版に忠実ながら、音色を変えたり、 長い音価を指定どおり演奏できるため、オーケストラ的な効果を発揮している。非常に面白いCD。 | ||
カレルヴォ・トゥーッカネン(1909-1979):管弦楽作品集 劇「きこり」序曲 Op.1/セレナータ・ジョコーザ Op.4/ 夕べの歌 Op.9-3/夏の踊り Op.9-4/劇「雲」のための小組曲/ 弦楽のためのロマンティックなモーメント Op.8/ テンプス・フェストゥム Op.53 |
ハンヌ・コイヴラ指揮 ヨエンスー市立o. | |
フィンランドの作曲家トゥーッカネンは20世紀を生きた人だが、作品はほとんどグリークと同世代ではというほど全くのロマン派で、どの曲も北欧の自然を謳歌する美しさに満ち溢れている。 たしかに20世紀には時代遅れと取られたかもしれないが、今から見れば実に傑作揃いで北欧音楽ファン、抒情音楽好きには絶対推薦。 | ||
ショパン:夜想曲選集 [ト短調 Op.37-1/ト長調 Op.37-2/ハ短調 Op.48-1/ 嬰ヘ短調 Op.48-2/ヘ短調 Op.55-1/変ホ長調 Op.55-2/ ロ長調 Op.62-1/ホ長調 Op.62-2/ホ短調(遺作)/ 嬰ハ短調(遺作)/ハ短調(遺作)] |
ヤンネ・メルタネン(P) | |
録音:2003年8月4-7日、ミカエリ・コンサート&コングレス・ホール、マルッティ・タルヴェラ・ホール、以上ミッケリ。 1967年生まれのフィンランドのピアニスト、メルタネンによるショパンの第2弾。「甘口のショパンにお嘆きの方々にオススメの超辛口演奏。ショパンのノクターンの怖さがよくわかります。」と代理店。 | ||
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 | ミカ・ヴァユリネン (アコーディオン) | |
録音:2003年8月18-19、25-26日。 ゴルトベルク変奏曲をアコーディオンで演奏したCDは初めてではないが、ヴァユリネンの演奏はアリア、変奏、全てが実に魅力的。非常に優れた技巧(第5変奏の鮮やかさ)と、思わず聴き惚れてしまう音楽性(第14変奏の滴る美感)が結実、まるで新しい傑作に出会ったかのような新鮮さに満ちた演奏になっている。 ヴァユリネンは1967年フィンランド生まれ。アコーディオンの音色そのものが、普通イメージされるこの楽器の音とは全く異なっている。秋の青空のような爽快な美と哀愁と高い透明感をもった音もあれば、第16変奏での、およそアコーディオンとは思えない壮麗さまで、表現の幅が広いこと。アリアに戻る頃には、すっかりこのCDの虜になってしまうことだろう。 | ||
シューベルト:歌曲集「美しき水車小屋の娘」D.795 | エルヤ・プーッコ(Br) リスト・ラウリアラ(P) | |
録音:2004年2月。 エルヤ・プーッコは1965年生まれのバリトン。まさに自然体といった歌い方で気張らず、楽に歌っている。素朴な味のシューベルトの歌曲を求めるならバッチリ。 | ||
エドゥアルド・トゥビン(1905-1982): バレエ「クラット」 ETW.111(*) エストニアの主題によるシンフォニエッタ ETW.11(+) |
イリス・オヤ(Ms) アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立so. エストニア・ フィルハーモニー室内cho.女声 | |
録音:2003年1月25日-26日、5月5日(*)、2003年11月21日(+)、エストニア・コンサートホール。 (*)はトゥビンの唯一のバレエ。 クラットはエストニア民謡に登場する悪鬼。いろいろな材料を集めて作った人型が、主人が悪魔に魂を売り渡すと、それとひきかえに命を得て、宝物を運んでくる。村の宴。悪魔に魂を売った者たちの祭り、オーロラ、村娘と牧童の踊り。クラットの復讐。さまざまな情景が、エストニア民謡と舞曲も取り入れた音楽により、活き活きと描かれる、交響曲とならぶトゥビンの代表作である。組曲は、ネーメ・ヤルヴィ指揮バンベルクso.の録音(BIS-306) があるが、全曲の商用録音はこれが初めて。組曲と全曲をくらべると、まるで別の作品のようにも聞こえる。バレエ全曲というのは、音楽だけ取り出すと退屈になりがちだが、この作品には全曲を一気に聴かせてしまうような圧倒的なパワーがある。エストニア国立so.とアルヴォ・ヴォルメルはトゥビンの全交響曲を録音したコンビ。 | ||
フローベルガー:チェンバロ作品集 ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラによる幻想曲 FbWV.201/ トッカータ第18番/パルティータ第2番 FbWV.602/ トッカータ第14番/ パルティータ第6番(マイヤーの主題による)FbWV.606〜 第1&第2パルティータ/ 組曲第20番/同第19番/ 皇帝フェルディナント4世の悲しい死に寄せる哀悼曲/ ブランシュローシュ氏の死に寄せるパリで作ったトンボー |
アッシ・カルットゥネン(Cemb) | |
録音:2003年11月17-20日。 フィンランドのチェンバリスト、アッシ・カルットゥネン。しっとりとしたきめの細かい透き通るような美音はが魅力。 | ||
アイノ・コスケラ(1982-)声楽作品集 (全13曲) |
フィエラシュオネ (声楽&器楽アンサンブル) | |
録音:2004年5月27日- 6月1日。 アイノ・コスケラはホルン奏者として活躍する一方、作曲活動も行っている。フィエラシュオネは、シベリウス・アカデミーとヘルシンキ音楽院の学生から成る合奏団。 | ||
モンテヴェルディ: タンクレーディとクロリンダの戦い/ アリアンナの嘆き/私は黒い/人々よ、馳せ来たれ ロニョーニ:私は傷ついた ボネッリ:トッカータ・アタランタ/トッカータ・クレオパトラ ウッチェッリーニ:ソナタ・ノーナ ピッキ:バッロ・アッラ・ポラカ/パッセ・メッゾ カヴァッリ:ああ、何と甘美な サルヴァトーレ:第四旋法によるリチェルカーレ第4番 |
モニカ・グループ(Ms) イアン・ハニマン(T) ペテリ・サロマー(Br) アーポ・ハッキネン指揮 ヘルシンキ・バロックo. | |
録音:2004年3月。 モンテヴェルディの傑作、「タンクレーディとクロリンダの戦い」と「アリアンナの嘆き」を中心に、ルネサンス期イタリアの優れた作品を集めたアルバム。ハッキネン率いるヘルシンキ・バロックオーケストラは1997年創設の若い団体だが高水準の表現能力を持っている。モニカ・グループは言わずと知れたスター歌手で、日本ではモーツァルトで知られているが、バロック音楽にも実に適性がある。イアン・ハニマンはバロック系で活躍するテノールで、モンテヴェルディの「オルフェオ」上演で来日したことがある人。ペテリ・サロマーはもう20年以上活躍しているフィンランド・オペラ界の重鎮。 | ||
ピアソラ: プレパレンセ/オブリビオン/勝利/インペリアル/ アディオス・ノニーノ/コラール/天使の死/ エル・チョクロ/ブエノスアイレスの冬/ 現実との3分間/リベルタンゴ |
ザ・インタイム・クインテット [エンリク・ペレッロ(Vn) ヤリ・サルメラ(P) ヨルマ・サルメラ(G) ハンヌ・シースコネン(B) マルセロ・ハイメ・ ニシンマン(バンドネオン)] ヤーナ・ハーンテラ指揮 タンペレpo. | |
録音:2003年12月。 シンプルなタンゴ・クインテットにフルオーケストラが伴奏をつけるというゴージャスなピアソラ。 | ||
ユッカ・リンコラ(1951-):歌劇「旅(夢のかなう国)」 | ハンヌ・ユルヌ(T) カトリーナ・ケルッポラ(S) リセ・ホルムベルイ(Ms)他 ユハ・ニッコラ指揮 キュミ・シンフォニエッタ コトカ・オペラcho. | |
録音:2003年1月3-13日。 1998年初演。トヴィオ・ペッカネンの戯曲に基づく。 | ||
フィンランドの現代作曲家によるアコーディオン作品集 ラウタヴァーラ:ペリマンニ/イコン ロマノフスキ:ヒディング ヴオリ:狼の時間 ティエンスー:ゾロ トゥオメラ:鬼火 ノルドグレン:とぎれとぎれに |
マッティ・ランタネン (アコーディオン) | |
マッティ・ランタネンは1952年生まれ。フィンランドのみならず国際的に活躍している。 | ||
ラウタヴァーラ:至福の島 ポホヨラ:タピオランディア クーシスト:今日のタピオラ アホ:ロウヒ |
マルクス・レヘティネン指揮 タピオラ・ユースso. | |
録音:1997年10月12日、2003年11月16-17日。 タピオラ・ユース交響楽団はエスポー音楽院を母体とした団体。1993年からマルクス・レヘティネンの指揮で実力を上げている。写真を見る限り、弦セクションはほとんどが若い金髪美女の様子。 | ||
ユルキ・リンヤマ(1962-):ヴェスペレ[晩祷] (バリトン、混声合唱と室内アンサンブルのための;2003) |
ユハ・コティライネン(Br) エーリク=オーロフ・ セーデルストレム指揮 フィンランド放送室内cho. ツァグロス(弦楽合奏) アキ・ヴィルタネン(打楽器) エレ・リエヴォネン(Cemb) | |
録音:2003年11月8日、エスポー旧教会、ライヴ。 伝統を意識してはいるが伝統主義者ではないユルキ・リンヤマは、特定のスタイルにこだわることなく、みずからの道を求めて歩む作曲家。音楽は人間性の表現。つねに彼は偉大なもの、高貴なものをめざしている。 「マリアの賛歌(マニフィカト)」を中心に置き、主に感謝し、主を賛美する4つの詩編(111、112、113、117)と「主の祈り」からなる「ヴェスペレ」は、グレゴリオ聖歌も素材にした、静かな祈りと祝いの気分にみちた大作。初演をライヴ録音。フィンランド放送との共同制作によるCD。 | ||
ノルドグレン(1944-):ペリマンニの肖像 Op.26 ブルッフ:スウェーデン民謡によるセレナード バルトーク/アーサー・ウィルナー編曲:ルーマニア民族舞曲 Sz.56 サッリネン(1935-): ペルトニエミ・ヒントリークの葬送行進曲の諸相(1981) ラウタヴァーラ(1928-):オストロボスニア・ポルカ グリーグ:2つの旋律 Op.53[ノルウェーの旋律/はじめての出会い] ペッカ・ヤルカネン(1945-):ヴィロの農奴 (2つのヴァイオリンと弦楽合奏のための:1980) |
ユハ・カンガス指揮 オストロボスニアco. レイヨ・トゥンカリ、 ティモ・カンガス、 エラル・クイヴ(Vn) | |
録音:2004年5月14-16日、ハッコラ、スネルマン・ホール。 2005年10月に紀尾井シンフォニエッタを客演指揮したユハ・カンガスが音楽監督を務めるフィンランドを代表するアンサンブル、オストロボスニア室内o.。その本拠地、ボスニア湾に面した町コッコラは、フィンランドにおける民俗音楽研究の中心地カウスティネンに近く、民俗音楽をルーツとする作品に彼らのアイデンティティが示されている。 最新アルバムは、彼らがもっとも得意とする作品を集めた「ポートレート」。ノルドグレンの「ペリマンニの肖像」、サッリネンの「ペルトニエミ・ヒントリークの葬送行進曲の諸相」は、日本の室内オーケストラのプログラムにも載るようになった。民俗音楽と芸術音楽の融合。フィドル弾きからスタートしたユハ・カンガスの自信があふれている。 | ||
マデトヤ:ピアノ作品全集 祝祭行進曲 Op.5 No.1(1910)/6つの小品 Op.12(1912)/ 3つの小品 Op.17(1912)/5つの小品 Op.21(1914)/ 4つの小品 Op.31(1915)/田園組曲 Op.34(1916)/ 死の庭 Op.41(1918-1921)/ 自由行進曲 Op.42 No.4(1918)/ ピアノ小曲集 Op.65(1931)/子守歌(1915) |
ミカ・ランナリ(P) | |
ライヴ録音。 マデトヤはもっぱら管弦楽作家だが、美しいピアノ曲もいくつか作っていて、日本でも舘野泉が録音していた。これはそのマデトヤの手による全ピアノ曲を集めたフィンランドならではのアルバム。いわゆる技巧的な曲はないが、マデトヤの音楽の特徴的である不思議なメランコリーが魅力。 | ||
タピオラ・オリジナルズ シサスク:創造のことば Op.51 カイパイネン:河の声 Op.54/混声合唱のためのレクィエム サーリアホ:四季 トゥール:完成の不安 |
ヨハンナ・オヤラ(S) マッティ・ニッシネン(T) ヘルマン・ヴァッレーン(Br) ハンヌ・ノルヤネン指揮 タピオラ室内cho. オストロボスニアco. | |
録音:1999-2004年。 「タピオラ・オリジナルズ」とは、タピオラ室内合唱団が数年に渡って行っている、バルト海沿岸の作曲家の合唱作品の演奏シリーズのこと。二人がエストニア、二人がフィンランドの作曲家、いずれも1950−60年生まれ。 | ||
J.S.バッハ:オルガン作品集 トッカータ、アガージョとフーガ ハ長調 BWV.564/ トリオ・ソナタ 変ホ長調 BWV.525/ 前奏曲(幻想曲) とフーガ ト短調 BWV.542/ トリオ・ソナタ ニ短調 BWV.527/ 前奏曲(トッカータ) とフーガ ニ短調 BWV.538(ドリア旋法) |
カリ・ヴオラ(Org) | |
録音:2003年10月16日、2004年5月10日、ナーンタリ修道院教会堂。使用楽器:1990年製。 ブラームス:オルガン作品全集(ABCD-121)、レーガー:オルガン作品集(ABCD-175) につづくカリ・ヴオラのAlbaへの録音。ヴオラは、カリ・ユッシラ、ハンス・ファーイウスのほか、シュトゥットガルトのルトガー・ローマン教授に個人指導を受けた。フィンランドの古い町ナーンタリにある修道院教会堂に設置された、バロックオルガンの伝統を受け継ぐストップ数36の美しいオルガンを使用。 | ||
クリヤ ガネーシャ/サーリナ/ハヌマン/ブッダ/私は行った/ 母なる国を讃えよ/讃歌/彼女の靴にシャンペンを/穫り入れ/ パタンジャリ/ジャスミンの花 |
クリヤ [サラティ・チャテルイェー(歌) ペーテル・レルケ(G) グルファム・サブリ(タブラ) パウリーナ・レルケ (アコーディオン、カンテレ、歌、 エレクトリック・ヴァイオリン) ミッコ・カークリニエミ(ドラムス)] | |
ジャンルからいえばクラシックというよりはワールドだろう。録音:2004年11月、ヤルヴェンパー、カッリオ=クニンカラ・スタジオ。 グループ名「Kriya」はサンスクリット語で「行動」の意。ヒンドゥーでは、生命力によって精神をコントロールするクリヤは、創造主(神)に近づく、もっとも容易で効果的、科学的な道とされている。ペーテル・レルケがインド伝承の詩に作曲した「ガネーシャ」は長鼻・象面の知恵の神ガネーシャ(破壊神シヴァとパールヴァティーの子)の賛歌。インド伝承歌をアレンジした「ハヌマン」は猿の神。「ジャスミンの花」はオリジナルのラブソング。「夜の暗がりに輝く優美なジャスミンの花のように、上衣と帯に残るあなたの香りと温もり……」。フィンランドとインドが出逢い、ふしぎな雰囲気を醸し出す音楽が生まれた。 | ||
レーヴィ・マデトヤ(1887-1947):管弦楽作品全集 Vol.5 演奏会序曲「クッレルヴォ」Op.15(*)/ ヴァイナモイネンの種蒔き Op.46/ 小組曲 Op.12/歌曲集「秋」Op.68/ バレエパントマイム「オコン・フオコ」組曲第2番 Op.58(+) (アルヴォ・ヴォルメル編曲) |
トゥオマス・カタヤラ(T) キルシ・ティーホネン(S) トゥーラ・フレイヴィク(Va) アルヴォ・ヴォルメル指揮 オウルso. | |
録音:1998年(*)、2002年8月26-29日(+)、2004年8月17-19日、オウル音楽センター、マデトヤホール。 フィンランド風の悲しみと憂い、フランス風の優雅と洗練。マデトヤの音楽には、大きくふたつの性格がある。「クッレルヴォ」の嘆き、牧歌、情熱、絶望。同じく叙事詩「カレヴァラ」に基づく「ヴァイナモイネンの種蒔き」。夫人のオネルヴァの詩による歌曲集「秋」。これらの曲はフィンランド的性格が色濃く反映した作品である。「小組曲」[ワルツ/民謡/スケルツィーノ]は「ピアノのための6つの小品」から3曲を選び管弦楽曲とした作品。「オコン・フオコ」には、作曲者自身がバレエパントマイム全曲(ABCD-184)から編んだ組曲(ABCD-156)があり、第2番は指揮者のヴォルメルが新たに編纂したもの。オーケストレーションには手を加えず、音楽的まとまりを重視した選曲を行っている(全曲版と同じ録音)。ネオクラシシズムとモダニズムにオリエンタルな香り。マデトヤの代表作が約21分の作品にまとめられた。それにしても「クッレルヴォ」の音楽はかっこいい。 | ||
第七の感覚〜ギターのための作品集 アルヴォ・ペルト(1935-): フラトレス (ギター、弦楽合奏と打楽器のための) ペーテリス・ヴァスクス(1946-):孤独のソナタ ルカ・フランチェスコーニ(1956-):ギター独奏のための朝の歌 三木稔(1930-)/レオ・ブローウェル編曲: 箏のためのバラード第2番「若い芽」 武満徹(1930-1996):森のなかで(ギターのための3つの小品) レオ・ブローウェル(1939-):武満徹追悼のHIKA[悲歌] |
イスモ・エスケリネン(G) ユハ・カンガス指揮 オストロボスニアco. | |
イスモ・エスケリネンがラップランド室内管弦楽団と共演したマヌエル・ポンセ作品集 (ABCD-185) は、ヘルシンキ・サノマト紙の選ぶ2003年最優秀レコードを受賞、彼はトップ・ヴィルトゥオーゾ、トップ・アーティストと評され、現在フィンランドを代表するギタリストのひとりに数えられている。当アルバムでは、2005年10月、紀尾井シンフォニエッタに客演したユハ・カンガスが指揮するオストロボスニア室内管弦楽団も共演。いくつかのヴァージョンで知られるペルトの「フラトレス」のほか、ソロ曲も含め新たなレパートリーに挑戦している。 | ||
エーロ・ハメーンニエミ (1951-): 交響曲第3番「ハ長調」1999)(*) ヴィオラ協奏曲(2001)(+) |
サカリ・オラモ指揮(*) トンミ・アールト(Va;+) ハンヌ・リントゥ指揮(+) フィンランド放送so. | |
録音:1999年11月8日(*)、2004年4月29-30日(+)、ヘンルシンキ、文化の家。 マグヌス・リンドベリ、サーリアホらフィンランド新世代が作ったグループ、「耳を開け」の創立メンバーのひとりであるハメーンニエミは、インド音楽やジャズとの触れ合いなどを通じ独自のスタイルを追求してきた。「ハ長調」の副題をもつ(*)は単一楽章の作品。強い情感。その音楽は、ほとんど後期ロマンティシズムの感覚である。ノスタルジックとさえ言えるロマンティックなタッチをもつ(+)。作曲者みずから、この2曲を姉妹作と呼んでいる。 | ||
ドメニコ・スカルラッティ(1685-1857):チェンバロ・ソナタ集 イ短調 K.175/ホ長調 K.380/ホ長調 K.381/ ハ長調 K.513「パストラール」/ヘ短調 K.183/ヘ短調 K.184/ ハ長調 K.460/ハ長調 K.461/ロ短調 K.87/ニ長調 K.119/ ハ短調 K.115/ハ短調 K.116/変ロ長調 K.544/変ロ長調 K.545/ ト短調 K.30「猫のフーガ」 |
エリーナ・ムストネン(Cemb) | |
録音:2005年4月24-27日、カルヤー教会。使用楽器:ヴィレム・クレースベルヘン製。 ナポリに生まれ、マリア・バルバラ王女に仕えるためにリスボンに赴いたドメニコ・スカルラッティは、スペイン皇太子ドン・フェルナンドに嫁ぐ王女とともにスペイン宮廷に移った。スカルラッティのソナタには、華やかな時代を傍観者の立場で眺めた作曲者の思いが、さまざまにこめられている。みずからが生きた世界の残酷さ、美しさ、荒々しさ。エリーナ・ムストネンの初めてのスカルラッティ・ソナタ集は、ナポリからリスボンを経てマドリード、そしてアンダルシアと、作曲者の旅をたどるアルバムとして構成されている。 | ||
C.P.E.バッハ(1714-1788): チェンバロのオブリガートと ヴァイオリンのためのソナタ ニ長調 H.502 ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ハ長調 H.558 J.S.バッハ(1685-1750): ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ト短調 BWV.1029/ ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ ニ長調 BWV.1027 |
ヴェリ=マルクス・タピオ (ヴィオラ・ダ・ガンバ) エリーナ・ムストネン(Cemb) | |
録音:2005年5月23-25日、オリマッティラ教会。使用楽器:17 世紀末、アムステルダムにてヘンドリク・ヤーコプス製/1993年、ユトレヒトにてヴィレム・クレースベルヘン製(クシェ・モデル)。 ヴィオラ・ダ・ガンバという楽器が忘れ去られようとしていた頃、バッハ父子はいくつかのソナタを書いた。「ブランデンブルク協奏曲」の楽しさを想いおこさせるJ.S.バッハの2曲、C.P.E.バッハのギャラントなスタイル。 シベリウス・アカデミーで学び、ジョルディ・サバールにも師事したヴェリ=マルクス・タピオとエリーナ・ムストネンが共演し、作品の様式と個性を踏まえながら、華やかで優雅、そして温もりのある音楽を聴かせる。ゆとりの音楽。こういう演奏を聴くと、アカデミズムだけを追求する時代は終わったという気がする。 | ||
ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-): ギターのための作品集 コメ・ダ・ロンターノ Op.122(ギター独奏のための;2003)/ 魅せられた音 Op.132(ギター、ホルンとチェロのための;2005)/ ギターと弦楽四重奏のための五重奏曲 Op.119(2003)/ ギター協奏曲 Op.126(2004-2005) |
ペトリ・クメラ(G) テロ・トイヴォネン(Hr) トマス・ユプショバッカ(Vc) テンペラSQ ヨン・ストゥールゴールズ指揮 ラップランドco. | |
ペトリ・クメラはフィンランドのギター奏者。ソロのほか、アヴァンティ!室内アンサンブル、タンペレ・ロー・アンサンブルなどと共演し、室内楽の分野でも活動している。 このアルバムは、フィンランドの作曲家ノルドグレンがクメラのために書いた作品集。この3年の間に書かれた新作ばかりで、すべて世界初録音。共演しているテンペラ四重奏団は、シベリウスの弦楽四重奏曲全曲録音に挑んだ女性だけのグループ(最初のディスクが BIS-1376)。ヴァイリニストとしても活動し、アヴァンティ!室内アンサンブルの指揮者として来日したヨン・ストゥールゴールズが、音楽監督を務めるラップランド室内o.を指揮して共演。 | ||
モーツァルト(1756-1791): セレナード第10番 変ロ長調 K.361/370a「グラン・パルティータ」 |
ユッカ・ラウタサロ指揮 六階o. | |
リハーサルを行う教室にちなみ命名された六階管弦楽団は、シベリウス・アカデミーのピリオド楽器奏者たちが集まったグループ。初期イタリア・バロックの作品などをAlbaに録音しているグループ、バッタリアのメンバーも参加。六階管弦楽団の演奏は、ヴィヴァルディの協奏曲集 (ABCD-158)、フェルリングのヴァイオリン協奏曲などを集めた「フィンランドの古典時代」 (Ondine ODE-971) などの録音を通じて、フィンランド国内だけでなく広くヨーロッパで知られている。モーツァルトが管楽器のために書いた傑作、「グラン・パルティータ」。六階管弦楽団の名を聞くだけで、楽興に満ちた響きが耳に届いてきそうだ。 | ||
J.S.バッハ/ミカ・ヴァユリネン編: 前奏曲とフーガ ニ長調 BWV.532 イエスわが喜び BWV.147より おお主なる神、われを憐れみたまえ BWV.721 高橋悠治:水牛のように(1985) J.S.バッハ/ブゾーニ&ミカ・ヴァユリネン編: いざ来たれ異教徒の救い主よ BWV.659 シャコンヌ ニ短調 BWV.1004 パトリク・ビュスイユ: アルボリス I「命の木」(1980 rev.2004) グバイドゥーリナ:深き淵より(1978) |
ミカ・ヴァユリネン (アコーディオン) | |
2007年9月の来日ではその圧倒的なテクニックと音楽に向う真摯な姿勢が聴衆の心を掴んだミカ・ヴァユリネン(1967-)。アコーディオンによる「ゴルトベルク変奏曲」(ABCD-191)では世界中から多くの賛辞が寄せられた。「低い声、高い声。速いパッセージとゆったりしたパッセージ。どの音符でも彼の芸術的手腕は輝きを放っている。ミカ・ヴァユリネンにとって難しすぎるということは何もなさそうだ」("Accordions Worldwid")。高橋悠治、グバイドゥーリナ。エコール・ド・ロマンでクラシカルアコーディオンと作曲を教えるパトリク・ビュスイユ(1956-) の「アルボリス I「命の木」」。オリジナル作品とバッハ作品の編曲をならべた興味あるプログラムが組まれている。アコーディオンの表現力を無限に広げた前代未聞のアコーディオン奏者ミカ・ヴァユリネン。一聴の価値あり! | ||
トマス・ビューストレム(1772-1839): 3つのヴァイオリン・ソナタ Op.1(1797頃) [第1番 変ロ長調/第2番 ト短調/第3番 変ホ長調] |
シルッカ=リーサ・ カーキネン=ピルク(Vn) トゥイヤ・ハッキラ(Fp) | |
録音:2005年1月31日-2月2日、クーサンコスキ・ホール。 ビューストレムはロシア皇帝とスウェーデン国王に士官として仕えながら、作曲と演奏をたしなんだアマチュア音楽家。フィンランドの音楽が古典からロマンティシズムに変わる時代に名を残した。「オブリガート・ヴァイオリンとクラヴサンまたはピアノのための3つのソナタ」として出版された3曲は彼の代表作。バッタリアのメンバー、シルッカ=リーサ・カーキネン・ピルクのヴァイオリン。トゥイヤ・ハッキラ(1959-)のフォルテピアノがチャーミングで美しい。 | ||
汚れなき歓び〜中世吟遊詩人の歌う宗教歌集 不詳:人は神の母を崇めねばならぬ/大いなる愛により歌を歌おう オベルタン・デレーヌ(13世紀):わが心の思い出 ティボー・ド・シャンパーニュ(1201-1253): 悪しき樹に花は咲かず 不詳:良き主は私を牢につないだ/ ああ友よ、かくも長くわれを異国に/ 優しき聖母マリア/心に輝く太陽はわが歓び ティボー・ド・シャンパーニュ:神はペリカンのように 不詳:真実を語れば/ある夏の朝、私が眠っていると ジャック・ド・カンブレ(13世紀):新しい歌を歌おう アダン・ド・ラール(1240頃-1286頃):栄光の聖母マリア ギョーム・ド・ベチューヌ(13世紀):私の従う愛ゆえに咎められ 不詳:以前は泣きごとを知りませんでした |
オリファントウリ・コルホネン (歌、ダルシマー) エイラ・カールソン(フィドル、歌) レイフ・カールソン(リュート、 サーズ・リュート、シンフォニア、 鐘、口琴、二重皮太鼓) ヤネク・オッレル (ソプラノ・リコーダー、 テナーリコーダー、縦笛、 ダブルフルート、 ヒュンメルヒェン、ボンバルド) | |
録音:2005年9月26-28日、フィンランド、ナーンタリ修道院教会。 「中世モノフォニー音楽の創造性豊かな録音」 (アーリーミュージック・レビュー:「十字軍の歌」(ABCD-152))、「世紀を超えて響く美しい調べ」 (「ガース・ブリュレのシャンソン集」 (ABCD-182))。 フィンランドの中世音楽アンサンブル、オリファントの即興性豊かで色彩的な音楽作りは、聴衆と批評家の両方を魅了してきた。この第3作では「愛」を主なテーマとする宗教歌が歌われ、中世への新たな旅へと聴き手を誘う。 | ||
ユッカ・ティエンスー(1948-): アルマ III「粋」(1998) (交響楽団とサンプラーのための) ピアノ協奏曲「Mind」(2000) (小管弦楽のためのステレオ音楽) アルマ II「魔力」(1996) (交響楽団とサンプラーのための) |
ユハニ・ラーゲルスペツ(P) スサンネ・マルッキ指揮 タンペレpo. | |
「コンサート・レパートリーを増やすことを作曲家の義務だと考えて作品を書くのではない。われわれの時代では、どの作品をとっても、ひとつひとつが創造される確かな理由を持っていなければならない」と語るユッカ・ティエンスー(1948-)。音楽の新しい可能性を絶えず探り、さまざまな試みを行っている。1990年代ティエンスーのもっとも充実した内容をもち、単独で演奏される「アルマ」三部作。もっとも抒情的で静謐な「魔力」、ダイナミックな「粋」。平均律の調律ではなく、内部奏法による色彩も使われるピアノ協奏曲。大地-反射、空気-戯れ、水-夢、火-情熱。それぞれ2つの言葉からなるタイトルが4つの楽章の内容を示している。 | ||
サン=サーンス(1835-1921):オルガン作品集 3つの前奏曲とフーガ Op.99/幻想曲 変ホ長調/ 同 変ニ長調 Op.101/同 ハ長調 Op.157/ 3つの前奏曲とフーガ Op.109 |
ヤン・レヘトラ(Org) | |
録音:2005年8月31日、フィンランド、マンッタ教会、5.0マルチチャンネル。使用楽器:J.L.ファン・デン・フーヴェル製。 「交響曲 ニ短調」のフランク、オルガン交響曲に名作を残したヴィドール。ふたりの「交響作家」と同時代にオルガニストとして活躍しながら、作曲家サン=サーンスは幻想曲、前奏曲とフーガといった比較的小さな作品を得意としていた。 ヤン・レヘトラ(1972-)がここで弾くオルガンは、低域を受け持つペダルの数が4つだけ。小規模の楽器から生まれる音色と響きが、サン=サーンスの上品な音楽に似合う。 | ||
メシアン:幼子イエスにそそぐ20のまなざし(1944) | ヤーナ・カルッカイネン(P) | |
2008年生誕100年を迎えるオリヴィエ・メシアンが書いた20世紀ピアノ音楽を代表する傑作をフィンランドのピアニスト、ヤーナ・カルッカイネン(1960-) が録音した。シベリウス・アカデミー、リムスキー=コルサコフ音楽院(サンクトペテルブルク)、ウィーン音楽大学で学び、リゲティのピアノ協奏曲など、 "同時代の音楽 "をレパートリーにコンサート活動を行っている。ピエール・ブーレーズの「Sur Incises」やキンモ・ハコラの「エチュード」は彼女が初演している。代表的録音はメリライネン(1930-2004) のピアノ作品集 (ABCD-106)。パリとフィンランドで演奏した「幼子イエスにそそぐ20のまなざし」は、彼女のもっとも新しいレパートリーのひとつ。 | ||
バルトーク: ヴァイオリンとピアノのためのラプソディ第1番 Sz86 ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ(1921) ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ ト長調 エルヴィン・シュルホフ: ヴァイオリン・ソナタ第2番(1927) |
レカ・シルヴァイ(Vn) クリストフ・ベルナー(P) | |
ヴィヴァルディの「四季」に3つの"Between Seasons" を組み合わせたヘルシンキ・ストリングズのアルバム"7 Seasons" でソロを弾いたレカ・シルヴァイ。" 怒号の1920年代" を代表するヴァイオリンとピアノの作品を録音した。 | ||
セッポ・ポホヨラ(1965-): 子供のためのオペラ「アラビアうさぎ」 |
パイヴィ・カントラ(S) パイヴィ・キルヤラ(Cl) テルヒ・パルダニウス(Vn) エヴェリーナ・スメリウス= リンドブルム(P) | |
録音:2006年4月12日-13日、セッロ・ホール、エスポー、フィンランド。 劇作家、作詞家として劇場やテレビやラジオなどのメディアでも活躍する作家、シニッカ・ノポラ と作曲家セッポ・ポホヨラが子供のための室内オペラを書いた。スウェーデンや日本でも作品が紹介されたグラフィックデザイナー、ヴィルピ・タルヴィティエのイラストレーションによる絵本に入ったCD。 | ||
ツィリルス・クレーク(1889-1962): 宗教的作品集 レクイエム ハ短調 (1927) (テノール、混声合唱と管弦楽のための)/ ムジカ・サクラ (宗教音楽) (1943) (管弦楽のための)/ 詩篇137番「バビロンの流れのほとりに座り」/ 詩篇121番「目を上げて、わたしは山々を仰ぐ」/ おお乙女、神の聖母よ/ 詩篇141番「主よ、わたしはあなたを呼びます」/ 詩篇104番「わたしの魂よ、主をたたえよ」/ いかに幸いなことか |
マティ・トゥリ(Tn) ピレト・アイドゥロ(Org) アルヴォ・ヴォルメル指揮 エストニア国立オペラso.&cho. エッレルヘイン少女cho. | |
録音:2005年10月13日-14日、パルヌ・コンサートホール、エストニア。 ツィリルス・クレーク(1889-1962) はエストニアの作曲家、音楽教師。サンクトペテルブルク音楽院でヤーセプス・ヴィートリス、ニコライ・チェレプニンらに作曲法と音楽理論を学んだ。エストニア民謡の収集に努めたことで知られ、彼が集めた民謡は5,500曲以上。700曲を超す民謡編曲と500曲を超すコラール編曲の他、自作の素材に使われている。 「レクイエム ハ短調」はクレークの代表作。エストニアで最初に書かれたレクイエム。ラテン語の典礼文をエストニア語に翻訳したテクストが歌われ、民謡のメロディとハーモニーが効果的に使われていることから、「エストニア・レクイエム」とも呼ばれる。アルヴォ・ヴォルメルは、エドヴァルド・トゥビンの交響曲全集 (Alba) を録音したエストニアの指揮者。1989年、クレーク生誕100年を記念して「レクイエム」が演奏された際には、指揮者を務めた。 | ||
チェロとオルガンのための ロマンティック・デュオ マルセル・デュプレ(1886-1971): チェロとオルガンのための ソナタ イ短調 Op.60 ヨーゼフ・ラインベルガー(1839-1901): 6つの小品 Op.150 より [夕べの歌/エレジー/田園詩] ソルト・ガルドーニ(1946-): ハンガリーのコラールによる変奏曲 ルネ・ギユー(1903-1958): アダージョ〜J.S.バッハへのオマージュ カミーユ・サン=サーンス(1835-1921): 祈り Op.158 グスタフ・メルケル(1827-1885):礼拝 Op.114 マックス・レーガー(1873-1916): ヴァイオリンとオルガンのための組曲 〜アリア Op.103a-3 ヴォルフガング・ シュトックマイアー(1931-): リストの「十字架への道」の 主題による変奏曲(1981-82) |
ティボル・ボガーニ(Vc) アーグネス・ ザースカリスキ(Org) | |
録音:2006年3月9日-11日、聖ミカエル教会、トゥルク、フィンランド。 チェロの倍音とオルガンの倍音。そこから生まれる調和が多くの音楽家の心をとらえてきた。ロマンティックでネオクラシカルなパリのオルガニスト、マルセル・デュプレ。ハンガリーに生まれ、ドイツでオルガニスト、作曲家として活躍するソルト・ガルドーニ。ヴェルサイユ・ノートルダム教会のオルガニスト、ルネ・ギユー。19世紀ドイツを代表するヴィルトゥオーゾ、グスタフ・メルケル。サン=サーンスは、聖セヴラン教会のオルガニストに指名された感謝のしるしとして「祈り」を作曲。ヴァイオリンとオルガンのために書いた抒情曲をチェロとオルガンのために編曲したラインベルガーとマックス・レーガー。シュトックマイアーは、リストの「十字架への道」に主題を求め、イエス・キリストの苦難と死の神秘に想いを寄せる。ハンガリーのふたりのプレイヤーにより鮮やかに奏でられる。 | ||
エルッキ・メラルティン(1875-1937): 森の中を楽しく歩く オスカル・メリカント(1868-1924): リンゴの花/夏の夕べのおだやかな風/ 娘は花の上を歩き カイヤ・サーリアホ(1952-): あなたを見つめる/ああ、心よ/夕べの祈り イルマリ・ハンニカイネン(1892-1955): 弔いの歌/平安 ユルキ・リンヤマ(1962-):夏「夜が明けると娘が」 トイヴォ・クーラ(1883-1918):朝の歌/マリアの歌 リク・ニエミ(1967-):ランプの灯が消えていく ヨウニ・カイパイネン(1956-): 平安/幸運は胸のうちに オッリ・コルテカンガス(1955-):スキーヤーの歌 アヌ・コムシ(1967-):僕らは霧の中を歩く ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-): 彼らはみな死んではいない セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-):北極光 ユルヨ・キルピネン(1892-1959):夕べに |
アヌ・コムシ(S) ピア・ヴァッリ(P) | |
録音:2002年10月26日-27日、2006年4月1日、フィンランド。 20世紀前期フィンランドの作曲家たちは、詩人エイノ・レイノ(1878-1926) の詩にさまざまに曲を書いてきた。踊りのリズムをつけてもらうために生まれた美しい響きをもつ抒情の詩。現代の作曲家たちはレイノの詩に何を感じ、何を読みとるのだろうか。レイノの詩を愛するソプラノ歌手、アヌ・コムシは、現代フィンランドの作曲家たちに新しい歌の作曲を委嘱。新しい音感覚をもった現代作曲家たちにも、ロマンティックな歌曲の伝統はしっかり受け継がれていることが証明された作品となっている。アヌ・コムシとピア・ヴァッリにより2001年のムジカ・ノーヴァ・ヘルシンキのコンサートで初演された新曲と、フィンランドの人たちに愛されてきた歌がひとつのアルバムのなかで美しい調和を見せている。 | ||
ペルッティ・ヤラヴァ: 弦楽オーケストラのための作品集 ピアノ、フルートと弦楽オーケストラ のための協奏曲(2001) 弦楽オーケストラのための幻想曲第1番 「ため息のように」(1999) 弦楽オーケストラのための幻想曲第2番 「表面」(2002) 弦楽オーケストラのための〜風の中で(2003) |
トゥオマス・トゥッリアゴ(P) イラリ・レヘティネン(Fl) アリ・アンゲルヴォ指揮 タンペレ・ロー | |
録音:2005年11月26日-27日、タンペレ音楽院、制作:ペルッティ・ヤラヴァ、録音:カリ・カッリオラハティ、タンペレ音楽院の学生たち。 ペルッティ・ヤラヴァは、クラシカルの分野で作曲を始める前はジャズミュージシャンとして活動していた。ジャズとクラシカルを区別。ジャンルをクロスオーバーさせないところは、同じようにジャズ出身のフィンランドの作曲家、ユッカ・リンコラと共通している。モダニズムの色彩が表れた2つの幻想曲、エネルギッシュで新古典的な協奏曲。ヤラヴァがもっとも活発に作曲した時期の作品集。演奏するタンペレ・ロー Tampere Raw は、主に現代の作品を紹介するため、タンペレ・フィルハーモニックの若い音楽家たちが核になって結成したアンサンブル。国内の音楽祭に参加しながら、タンペレとヘルシンキでは定期的にコンサートを開催している。 | ||
J.S.バッハ:オルガン編曲集 シャコンヌ(ミッデルシュルテ編曲)/ 前奏曲とフーガ 変ロ短調/ 前奏曲 イ短調/前奏曲 ト短調 (以上3曲、オスカル・メリカント編曲)/ 半音階的幻想曲とフーガ(レーガー編曲)/ バッハの思い出(ヴィドール編曲) |
ヤン・レヘトラ(Org) | |
録音:2006年6月。使用楽器:クーサンコスキ教会のヴェゲリウス、1933年製。 フィンランドの歴史的な楽器を紹介するシリーズ。ヘルシンキ音楽院を設立しシベリウスなどフィンランドの優秀な音楽家を育てたヴェゲリウスにより設計、ヘルシンキから東へ150キロほどに位置するクーサンコスキという町にある教会の歴史的なオルガンを使った編曲集。注目は編曲陣の面々。自身もオルガンの達人であったミッデルシュルテのシャコンヌ、シベリウスと同時代に活躍したフィンランドの国民から愛されていた作曲家オスカル・メリカントによる珍しい編曲、レーガーによる濃厚な編曲、オルガン一家で育ちとりわけバッハに傾倒していたヴィドールなど考え抜かれたレパートリーが収録されている。 | ||
ブロッホ: ピアノと弦楽オーケストラのための合奏協奏曲第1番 弦楽オーケストラと弦楽四重奏のための 合奏協奏曲第2番 ブゾーニ: ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲 ニ短調 Op.17 弦楽オーケストラのための悲歌第7番 子守歌(イリヤ・ホフマン編) |
リスト・ラウリアラ(P) ダニール・ライスキン指揮 聖ミケル弦楽o.(ミッケリ市o.) | |
録音:2006年1月2日-5日、ミカエリ、制作:ラウラ・ヘイキンヘイモ、録音:マッティ・ヘイノネン。 ブロッホ後期の傑作、バッハの音楽を思わせる合奏協奏曲第2番。ピアノのヴィルトゥオーゾ、ブゾーニが12歳で作曲した協奏曲。「ポーランド弦楽オーケストラ作品集(ABCD-173)」の聖ミケル弦楽オーケストラ(ミッケリ市o.)とフィンランドのピアニスト、リスト・ラウリアラ(1949-)の共演。バッハ、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスを主なレパートリーとするラウリアラはシベリウス・アカデミー出身。バッハのゴルトベルク変奏曲 (ABCD-103)、シューベルトの 変ロ長調ソナタ(ABCD-109)を録音している。 | ||
ウーノ・クラミ:ヴァイオリン協奏曲 Op.32/ 弦楽オーケストラのための組曲/愉快なセレナード/ 人形芝居の場面/序曲/中国の商人/ バレエ「眠りの森の美女」/勇ましい将軍 |
ペッカ・カウッピネン(Vn) ドミートリー・ スロボデニューク指揮 キュミ・シンフォニエッタ | |
録音:2005年12月9日-13日、クーサーホール(クーサンコスキ、フィンランド)。 ウーノ・クラミ(1900-1961)の代表作のひとつ、ヴァイオリン協奏曲をメインとする作品集。この協奏曲は1943年に作曲、ストックホルムで初演された。翌年、スコアが紛失したため、クラミが記憶を頼りに再び作曲にとりかかり、1954年に新版が完成したという経緯がある。その後、スウェーデン放送局のライブラリーで初稿が発見されたものの、新たなアイデアを入れた新版が決定稿となった。オルガンのための「詩編11番」に基づく楽章をもつ「弦楽オーケストラのための組曲」、曲名どおりの「愉快なセレナード」、ラヴェルの「マ・メール・ロワ」を思わせる小組曲「人形芝居の場面」。クラミの管弦楽作品の代表的なアルバムになりそう。ソロを弾くペッカ・カウッピネンはヘルシンキ・フィルハーモニックのコンサートマスター。ソロを担当したアルバムには、タピオ・トゥオメラ指揮エッセン・フォルクヴァング室内o.と共演したシベリウスの組曲とユモレスクの録音がある。キュミ・シンフォニエッタはフィンランドを代表する室内オーケストラのひとつ。指揮者のドミートリー・スロボデニュークはロシア生まれ。シベリウス・アカデミーでセーゲルスタム、パヌラ、アルミラに指揮法を学び、スカンディナヴィア諸国とイギリスを中心に活躍している。 | ||
ユッカ・リンコラ(1955-): ミュージカル「ホテル・アストリア」 |
マルッティ・ペイッポ 指揮 ラハティ市立劇場o.&cho. ピルヨ・アイットンマキ ニナ・タピオ アリ=マッティ・ヘードマン パーヴォ・ホンキマキ ヤリ・レッパネン カリ・マッティラ | |
録音:2005年、オリマッティラ・インスティテュート (ラハティ、フィンランド)、制作:ティピ・トゥオヴィネン、録音:ペッカ・ミッコラ、歌詞:フィンランド語。 現代のブダペスト。ホテル・アストリアのカフェで男と女が出逢う。ドイツ人警察官トムと博物館に務めるヘレナ。舞台は変わり第二次世界大戦時、ドイツ占領下のブダペスト。ホテル・アストリアの玄関から入ってくるナチの将校たち。裏口では、極秘のメッセージがレジスタンスの手に渡される。恋に落ちたアンナとヘルマン……。詩人ユッカ・イトコネンの台本に、ジャズ・ミュージシャンからスタートしたユッカ・リンコラが音楽を書いた。「アカシアの木立ち」のもの悲しくノスタルジックな歌からミュージカルは始まる。ピルヨ・アイットンマキ、ニナ・タピオ、アリ=マッティ・ヘードマン。フィンランドで上演された「レ・ミゼラブル」「アスペクツ・オブ・ラブ」「グリース」などで主役を歌った歌手と俳優たち。フィンランドのミュージカル! | ||
エストニア宗教的民俗コラールと オケゲムのミサ曲 |
マルゴ・コラル(T)指揮 ヘイナヴァンケル | |
録音:2002年-2006年、フィンランド、デンマーク、ドイツ教会。制作:オレヴ・ポル、録音:マルゴ・コラル。 キリスト教黎明期のエストニアで書かれた宗教的民謡とコラールはエストニア音楽のルーツのひとつ。ルター派賛美歌集を主なテクストとする作者不詳の歌が、口伝により受け継がれてきた。このアルバムでは7曲が、即興を交えた編曲により歌われる。伝承のコラールの合間にオケゲム(c.1410-1497) のミサ曲の4章をはさみ、最後に歌うのが「天地創造」。キリスト教が伝わる以前に作られた歌。マルゴ・コラルが音楽監督を務めるヘイナヴァンケルは、古い教会音楽をレパートリーとするエストニアのヴォーカルアンサンブル。高度の技巧を求められる曲を立体感のある音楽として聞かせる。グループ名の元になったのは、ネーデルランドの画家、ヒエロニムス・ボス(1450?-1516) の代表作のひとつ、「干し草車」。俗世を押しつぶす大きな干し草車。祈りを捧げる天使と二枚舌の悪魔。そばで奏でられる美しい音楽。ボスの寓意的絵画の今日性と、ヘイナヴァンケルの時を超えた音楽表現には共通するところがありそう。 | ||
Jazz 〜 Night Walk Werther 1:Ed 73/06 Night Walk(ナイトウォーク) Tears of Mary(マリアの涙) Sole Song(ただひとつの歌) Solaris(ソラリス) Silence is 部屋 Astor Lounge(アスター・ラウンジ) Werther 2:Charlotte Werther 3:Father Last year`s fall(去年の秋) Kalamazoo Highway(カラマズー・ハイウェイ) |
ペトリ・ニエミネン・アンサンブル [ペトリ・ニエミネン (サクソフォン Cl/アルトFl) ヨウニ・ヨロネン(P) ヴィッレ・ラウハラ(ベース) イッペ・カトカ(ドラムズ) アヌ・コムシ(Vo) ヴェリ=ペッカ・ニエミ(Tp) ペトリ・イッケラ (バンドネオン) ハッリ・レヘティネン (ヴィブラフォーン)] | |
ソプラノ歌手、アヌ・コムシが3つの曲に参加。フィルムミュージック、ポップス・オールディーズ、新しいタンゴ、現代のコンサートミュージック。さまざまな音楽から影響を受けた自由な色彩のジャズを展開する。 | ||
アントン・ヴェーベルン: 弦楽四重奏のための6つのバガテル Op.9 ハッリ・ヴオリ:灰色のフクロウ(2005) ヴェリ=マッティ・プーマラ:アポストロフィー(2005) ペルットゥ・ハーパネン:手紙(2006) ハッリ・アハマス:単純な物語(2006) アイヤ・プールティネン:Meteo (2006) アントン・ヴェーベルン: 弦楽四重奏のための6つのバガテル Op.9 (リミックス)(SACD層トラックのみ) |
アンサンブル・ツァグロス | |
シベリウス・アカデミーのオーケストラで演奏していたプレイヤー15人が構成する室内アンサンブル、ツァグロス Zagros。「リベラル思考、理想主義、実験願望」をキーワードに、今日の音楽を主なレパートリーとしている。それぞれのミュージシャンが芸術監督。ツァグロスにとって初めてのポートレートアルバム。ヴェーベルンの「6つのバガテル」の曲間に現代フィンランドの作曲家5人の作品が演奏される構成がとられている。 | ||
カール・チェルニー:フィガロの さまざまな主題による華麗なる幻想曲 Op.493 ジギスモント・タールベルク:ラクリモーザ Op.70 (モーツァルト「レクイエム」 K626による) J.S.バッハ:協奏曲 ト短調 BWV975 (ヴィヴァルディ 「ヴァイオリン協奏曲 ト短調」 RV316a) ベートーヴェン: バレエ「プロメテウスの創造物」 Op.43(抜粋) ロナルド・スティーヴンソン: ピーター・グライムズ幻想曲 (ブリテン「ピーター・グライムズ」による) アレックス・フリーマン: 雪(マシュー・ホイットール:合唱曲「雪」による) リスト:ハンガリー・ラプソディ第19番 ニ短調 (アーブラーニの「優雅なチャールダーシュ」による) |
リスト=マッティ・ マリン(P) | |
録音:2006年9月22日、-24日、クーサーホール、フィンランド。 トランスクリプション。深みのある音楽と上っ面だけの音楽、価値ある音楽と価値のない音楽、保守的な音楽と急進的な音楽、ユーモラスな音楽とシリアスな音楽。作曲者と演奏者のふたつの顔をもつヴィルトゥオーゾたちが何を考えたか? 2003年、ヴァイマールで行われたフランツ・リスト・ピアノコンペティション第3位。フィンランドのピアニスト、リスト=マッティ・マリンは現在、シベリウス・アカデミー博士課程で「ピアノ・トランスクリプション」の演奏と論文に取り組んでいる。その研究の一環として、このアルバムが録音された。「知的に組まれたプログラムが投げつけるさまざまな難題をマリンは、いとも平然とこなしていく。チェルニーの「フィガロ幻想曲」の恋の楽しさも、ロナルド・スティーヴンソンがブリテンの「ピーター・グライムズ」を8分に要約した音楽の暗いドラマも彼はしっかり理解している」 (評:マーティン・アンダーソン < Finnish Music Quarterly > 2007/3) | ||
オッリ・ムストネン: ギターソナタ「イェヘキン・イーヴァナ」(2004) ラウタヴァーラ: ユニコーンのセレナード ユニコーンのモノローグ/パルティータ フルートとギターのためのソナタ ラウタヴァーラ(イゥモ・エスケリネン編): Vari_tude(1974) |
イスモ・エスケリネン(G) ペトリ・アランコ(Fl) | |
フィンランドを代表するギタリスト。イスモ・イスケリネンは1989年、最年少で参加した国際コンペティション、スカンディナヴィア・ギターフェスティヴァルで優勝。若い世代のトッププレイヤーとして一躍注目されるようになった。「The Magic Circle」(ABCD-153)、マヌエル・ポンセのギター曲集(ABCD-185)、「The Seventh Sense」(ABCD-213) に次ぐソロアルバム。ラウタヴァーラがギターのために書いた全作品と、ピアニストとして名高いオッリ・ムストネンがイスケリネンのために書いたソナタ「イェヘキン・イーヴァナ」を演奏している。ユニコーン(一角獣)の「セレナード」と「モノローグ」はヨーゼフ・ホレチェクからの委嘱作。ヴァイオリンのための「Vari_tude」は、イスケリネン自身がギターのために編曲した。 | ||
ロベルト・カヤヌス:弦楽のための組曲 ヘ長調 ヒンデミット: ヴィオラと弦楽オーケストラのための「葬送音楽」 イルカ・クーシスト:ディヴェルティメント パシ・ピースパネン: バリトンと弦楽オーケストラのための「4つの歌」 〜割れた花瓶/森の墓/夜の犬/光 ウーノ・クラミ:弦楽オーケストラのための組曲 |
ヘイッキ・ペッカリネン指揮 タピオラ・ユース・ストリングズ レイヨ・ムスタカッリオ(B) ウッラ・ソインネ(Va) | |
テーマは " 光"。" まじめな顔の作曲家が屈託のない表情を見せた" イルッカ・クーシストのディヴェルティント。色あせていく恋心、大切に育まれた愛、暗闇の恐怖、太陽の光……フィンランドの4つの詩をテクストとするピースパネの歌曲集。起伏の激しい感情の動きをみせる、クラミの組曲。イギリス国王ジョージ五世の訃報を知ったヒンデミットが書いた、悲しくノスタルジックな気分の「葬送音楽」。指揮者として高名だったカヤヌスのロマンティックな伝統に根ざした「弦楽のための組曲」 は、これが初録音。エスポー音楽学校の室内オーケストラのひとつ、タピオラ・ユース・ストリングズ。指揮者のヘイッキ・ペッカリネンはチェロと弦楽オーケストラのクラスの責任者を務めている。 | ||
ロマンティック・トランペット フォーレ:パヴァーヌ ドビュッシー:月の光 ショパン:前奏曲 変ニ長調 Op.28-15「雨だれ」 アルヴェーン:エレジー グルック:精霊の踊り ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第14番「月光」〜第1楽章 シューベルト:セレナード ヘンデル:ラルゴ W.A.モーツァルト: 「魔笛」 K620「パミーナのアリア」 ミサ曲 ハ短調 K427/417a 「ラウダムス・テ」 ナポリ民謡:光さす窓辺 ヴェルディ:行け、わが思いよ、黄金の翼に乗って マルチェッロ:アダージョ ペルゴレージ:ニーナ カッチーニ:アヴェ・マリア |
ヨウコ・ハルヤンネ(Tp) カリ・ハンニネン(P) | |
ヨウコ・ハルヤンネ。ノルウェーのアントンセン、スウェーデンのハーデンベルガー、デンマークのケティル・リステンセンとともに北欧を代表するトランペットのエリート。フィンランド放送so.の首席奏者。スイスの楽器スパーダを愛用している。親しまれ、愛されているロマンティックな小品を集めたアルバム。" 行け、わが思いよ、黄金の翼に乗って"。ピアニストのカリ・ハンニネンは、みずからもテューバとトランペットを演奏。金管楽器奏者との共演を楽しんでいる。2007年1月、5日をかけてフィンランドのクーサンコスキで録音された。 | ||
C.P.E.バッハ: ギターのためのトランスクリプション ソナタ 嬰ハ短調 Wq55/3 6つの特徴的な小品〜優柔不断な人 Wq117/31 日々の移ろい Wq117/32/恋煩い Wq117/30 気まぐれ Wq117/33/カロリーヌ Wq117/39 ポロネーズ Wq117/17/ソナタ ホ短調 Wq 54/3 ソナタ ホ長調 Wq 48/3〜アダージョ ソナタ ホ長調 Wq 62/3/ロンド ロ長調 Wq 58/1 |
ペトリ・クメラ(G) | |
ペトリ・クメラはヘルシンキ音楽院でフアン・アントニオ・ムロに師事した後、フランツ・ハラースのクラスで学んだニュルンベルク=アウグスブルクの音楽大学を2000年、最優等で卒業。スカンディナヴィア・ギターフェスティヴァルで第1位を獲得した。 ノルドグレンのギター作品を集めた「魅せられた音」(ABCD-218) に次ぐアルバム。C.P.E.バッハのキーボード曲をクメラ自身がギターのために編曲して演奏している。このアルバムでクメラが弾いている楽器はヘルマン・ハウザーI&II。反応のよさ、歌、温かい音色、ピアニッシモの繊細な響き、音の多彩なニュアンス。クメラにとって特別な楽器となった。 | ||
献呈 [Dedications]〜 オストロボスニア室内o.のための音楽 ペール=ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): 19の弦楽器のための 「荘重の響き-快い響き」Op.118 (2002) ペーテリス・ヴァスクス(1946-): 弦楽オーケストラのための ムジカ・アパッショナータ (2002) アンデシュ・エリーアソン(1947-): 弦楽器のためのシンフォニア(2001) |
ユハ・カンガス指揮 オストロボスニア室内o. | |
オストロボスニアo.。ヘルシンキ・フィルハーモニックのヴィオラ奏者を務めていたユハ・カンガスが1972年、オストロボスニア音楽大学室内o.として創設。1989年からプロフェッショナルのオーケストラとしての活動をつづけている。1993年北欧音楽委員会 (NOMUS) " 北欧音楽賞"、1995年フィンランド作曲者著作権協会 (TEOSTO) " 創造賞"、1998年フィンランド作曲家協会 " マデトヤ賞" を受賞。北欧を代表する室内オーケストラとして、さまざまな作曲家たちとも交流。彼らから献呈された作品も多数にのぼる。フィンランドのノルドグレン、ラトヴィアのヴァスクス、スウェーデンのエリーアソンは、特に関係の深い作曲家たち。3曲とも初録音。 | ||
ユッカ・リンコラ: 室内アンサンブルのための作品集 クラリネット五重奏曲/弦楽アンサンブルのための風 木管五重奏と弦楽五重奏のための秋の協奏曲 |
ペッカ・ニスカネン(Cl) ラッセ・ヨアメツ(Vn) ヨン・ストゥールゴールズ指揮 ラップランド室内o.員 | |
ロマンティックな色合いをもった新古典的なスタイルの協奏曲や劇場のための音楽など多くの作品が人気。ジャズミュージシャンからキャリアをスタートさせた作曲家、ユッカ・リンコラの 「小さなアンサンブル」のための作品集。 古典的傾向のクラリネット五重奏曲。木管五重奏と弦楽五重奏が 結婚。アンサンブルそれぞれの色彩が巧みに使われ、清澄な響きの音楽となった「秋の協奏曲」 は、「迷宮」「九月」「オクトブルー」の3楽章からなる約30分の大作。ヨン・ストゥールゴールズが芸術監督を務めるラップランド室内o.はヨーロッパの最北に位置する プロ・オーケストラ。フィンランドでもっとも多様な音楽を手がけるオーケストラのひとつ。 | ||
ショパン: ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21 ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11 |
ヤンネ・メルタネン(P) ハンヌ・コイヴラ指揮 ヨエンスー市o. | |
10のマズルカと前奏曲などのリサイタル・アルバム (ABCD-138)、夜想曲集第1集 (ABCD-160)、夜想曲集第2集 (ABCD-190)。繊細で美しいピアノの音、感受性豊かな表現。ヤンネ・メルタネンが Albaに録音した3枚のショパン・アルバムは静かな人気を呼んでいる。そのメルタネンがショパンの2つの協奏曲を録音。オーケストラはライヴで共演したフィンランドのヨエンスー市o.。楽しみ。 | ||
J.S.バッハ:オルガン小曲集 待降節とクリスマスのコラール いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV659/ いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV599/ 神よ、その慈悲により、または神の子来たれりBWV600/ 神のひとり子なる主イエス BWV601/ 全能の神をたたえん(BWV602)(ヘッセン伯モーリツ編)/ ベツレヘムに生まれし幼な子 BWV603/ イエス・キリストよ、汝はたたえられよ BWV604/ かくも喜びに満てる日 BWV605/ わが魂は主をあがめ BWV648/ わが魂は主をあがめ BWV733/ 高き天より、われは来たり BWV606/ 天使の群れ、天より来たれり BWV607 (ミヒャエル・プレトリウス編)/ 甘き喜びのうちに BWV608/ 汝らキリスト者よ、こぞりて主をたたえよ BWV609/ イエス、わが喜び BWV610/ われらキリストをたたえまつる BWV611/ われらキリスト者、今ぞ喜びにあふれ BWV612/ 高き天より、われは来たり BWV700 |
カリ・ヴオラ(Org) ハンヌ・ヴオレラ指揮 カントゥス・メルクリアリス トゥルク・ フィルハーモニックo.員 | |
録音:2007年1月14日-15日、ナーンタリ修道院教会、ナーンタリ、フィンランド。 | ||
ショパン:練習曲集 Op.10/同 Op.25/ 3つの新しい練習曲 |
アンネ・カウッピ(P) | |
録音:2006年-2007年、セッロ・ホール(エスポー、フィンランド)。 アンネ・カウッピ(1962-)は、シベリウス・アカデミーを卒業後、ジュリアード音楽院でアニア・ドーフマンとアデーレ・マーカスの下でpostgraduate diploma を取得。フィンランドを中心に演奏活動を行っている。 | ||
大聖堂の窓 ジークフリート・カルク=エーレルト(1877-1933): オルガン作品集 交響的カンツォーネ第2番 ハ短調Op.85-2/ グレゴリオ聖歌による6つの小品 「大聖堂の窓」Op.106/ メンデルスゾーンの「厳格な変奏曲 ニ短調Op.54」の 主題による15の変奏曲(世界初録音)/ 交響的コラール「いざ憩え、すべての地よ」 Op.87-3 (声、ヴァイオリン独奏とオルガンのための) |
マルック・マキネン(Org;*) アヌ・ホスティッカ(S) ペトリ・タピオ・ マットソン(Vn) | |
録音:2004年6月7日-10日、タンペレ大聖堂、タンペレ、フィンランド。使用楽器:タンペレ大聖堂のアルバニス・ユルヴァ・オルガン、1907年(*)。 ジークフリート・カルク=エーレルトは、20世紀初頭に活躍したドイツ、オーベルンドルフ・アム・ネッカーの生まれの作曲家。ライプツィヒ音楽院でオルガンとピアノのほか、ザロモン・ヤーダスゾーンとカール・ライネッケに作曲を学んだ。グリーグと親交があり、初期の作品にその影響がみられるとされる。作曲家としての評価の定まっていないカルク=エーレルトと彼の作品について演奏者のマルック・マキネンがブックレットに丁寧なノーツを寄せている(英語、フィンランド語)。タンペレ大聖堂のアルバニス・ユルヴァ・オルガンはオーケストラを模倣したとされるロマンティックな響きに特色があり、レーガーやカルク= エーレルトの音楽に似合っていそう。 | ||
ヨーゼフ・ハイドン: 十字架上のキリストの最後の七つの言葉 Op.49 |
アーポ・ハッキネン (クラヴィコード) | |
録音:2005年6月13日-15日、ドイツ国立博物館、ニュルベルク。使用楽器:ヨハン・ハインリヒ・ジルバーマン製作、1775年頃(ニュルンベルク、ドイツ国立博物館リュック・コレクション所蔵)。 ハイドンの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」は、管弦楽のための作品がオリジナル。弦楽四重奏と鍵盤楽器の版は、ハイドン自身は編曲を行わず、確認と修正の作業を行っただけ、と推測されている。3つの版は1787年ウィーンで出版され、後にオラトリオに改作された。作品49の楽譜表紙に記された楽器はクラヴィチェンバロまたはフォルテピアノ。ハッキネンが選んだのはクラヴィコード。「音楽の構造、語法、主題が節約して使われたことで逆説的に、内面の表現がより強固なものになった」 と語るハッキネン。彼の弾くクラヴィコードの「音」と音楽に誘われ、最後まで耳を傾けてしまう。 | ||
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン(1098-1179): カレワラの歌 あの人が来ればのに、 イングリア民謡:島の創世/愛しい人が死んでしまった、 ヘンミンキ・マスクライネン1605年賛美歌集: わたしに欠けるものは/ おお神よ!われら慈しみの御心に感謝する/他 |
ウリ・コントゥ=コルホネン (S/ダルシマー/シンフォニー/ 5弦カンテレ) | |
録音:2007年4月23日-26日、ナーンタリ修道院教会、フィンランド。[ラテン語、フィンランド語、エストニア語 英訳付] 中世ドイツの修道女ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの聖母マリアの賛歌を初めとする単旋歌曲、フィンランド伝統の歌、ネヴァ川流域のイングリア地方の民謡、ヘンミンキ・マスクライネン編纂の1605年賛美歌集から。ウリ・コントゥ=コルホネンは中世音楽アンサンブル、オリファント(Oliphant)のソロイスト。イヴリン・タッブ、マイケル・フィールズ、スティーヴン・スタッブズ、スージー・ルブラン、ヒリヤード・アンサンブルらのアーリーミュージック・マスタークラスに学び、シベリウス・アカデミー修士号を取得した。まじりけのないソプラノの声は、天使の高みとも形容されている。 | ||
ロッタ・ヴェンナコスキ(1970-):作品集 わたしのノスタルジー Nosztalgiaim(2006-07)(*)/ 雨に開かれ Sade avaa/Rain Opens(1998-99) (バスクラリネットと室内オーケストラのための)(#)/ 歌のゆりかご Culla d'aria(2004) (弦楽四重奏のための;+)/ 女の愛と生涯 Naisen rakkautta ja elämää(2003)(**) |
アヴァンティ! 室内o.(*/#/**) トゥオマス・ ハンニカイネン指揮(*) ドミートリー・ スロボデニューク指揮(#) ピエタリ・インキネン指揮(**) ヘイッキ・ニクラ(Bs-Cl;#) エンマ・ヴァハラ(Vn;+) アンナ=レーナ・ハイコラ (Vn;+) トゥーラ・リーサロ(Va;+) ミッコ・イヴァルス(Vc;+) エイヤ・ライサネン(S;**) タニヤ・カウッピネン=サヴィヨキ (S;**) リーッカ・ランタネン(Ms;**) | |
フィンランドの作曲家ロッタ・ヴェンナコスキ。モダニズム的な手法を最小限にとどめた、抒情的で緻密な音楽づくり、そして音のカラーに対する磨かれたセンスに特色があるとされる。カレワラ協会の委嘱により作曲された「Nosztalgiaimわたしのノスタルジー」を含む作品集。 | ||
Brothers アムール/タンメラのスケッチ/主はわが羊飼い/主の御言葉/青の真実/ 南サイマーの夏の湖畔/白雪姫/兄弟/グランドフィナーレ マサ・オルパナ(Sax) アルト・ピースパネン(P) ヴィッレ・ラウハラ(ベース) シモ・ライホネン、ヤンネ・トゥオミ(Dr/Perc) ラウリ・ハンヌ(G) エーミル・ティカンマキ(Vn) ユーソ・ノルドルンド(エレクトリックベース) | ||
代理店は特に記載していないが、おそらくジャズに属するアルバム。フィンランドの作曲家クスティ・ヴオリネンとアンシ・ティカンマキ、ベーシストのヴィッレ・ラウハラの曲をサクソフォン奏者、マサ・オルパナと友人たちが演奏。「青の真実 [The Blue Truth] 」はオルパナのオリジナル曲。 | ||
ピアノとオルガンのための音楽 ティエリー・エスケシュ(1965-):合唱の夢 パーヴォ・ヘイニネン(1938-)/ ヨウコ・リンヤマ(1934-): クウィンカンクス・デュープレックスOp.88bis/ デュオOp.115 (2002-03) パーヴォ・ヘイニネン(1938-):ここにOp.86 (2003) マルセル・デュプレ(1886-1971): 2つの主題による変奏曲 (1938) |
アンニカ・ コントリ=グスタフソン(P) ヤン・レヘトラ(Org) | |
フィンランドのメディアからフィンランドでもっとも優秀なコンサートオルガニストと呼ばれるヤン・レヘトラがフィンランド音楽と20世紀フランスの音楽を主なレパートリーとして欧米で活躍するピアニスト、アンニカ・コントリ=グスタフソンと共演。オルガンとピアノのためのオリジナル作品を録音した。ヘイニネンの「クウィンカンクス・デュープレックス」と、オルガニストとしてヘイニネンの「Dedicatio F -H」を初演したヨウコ・リンヤマの「デュオ」はレヘトラとコントリ=グスタフソンの委嘱作。ヘルシンキの2003年教会音楽フェスティヴァルで、ひとつの作品として初演された。アイデアを提案、自分の想い描いたとおりの音楽を聴かせてくれたデュオの見事な仕事に対しヘイニネンは感謝を捧げている。 | ||
ティモ=ユハニ・キュロネン(1955-):弦楽作品集 交響曲第1番 Op.8/ アコーディオン協奏曲第1番 Op.60/ 交響詩「リヒテンタール(光の谷)」Op.43/ 合奏協奏曲 Op.65 |
アレクサンドル・ チェルヌシェンコ指揮 サンクトペテルブルク国立 アカデミック・カペラso. マッティ・ランタネン (アコーディオン) | |
録音:2007年3月28日-4月5日、グリンカホール、サンクトペテルブルク。 ティモ=ユハニ・キュロネンはフィンランド生まれ。スウェーデンでアコーディオン演奏を学び、1976年、奨学金を得てロシアに留学。グネーシン音楽学校でアコーディオンと管弦楽指揮法と教師のディプロマを取得した後、チャイコフスキー音楽院に進んで作曲を学んだ。作曲家仲間のカレヴィ・アホは、キュロネンの音楽がショスタコーヴィチとプロコフィエフが確立したロシアの伝統に大きく根ざしていることを指摘している。 モスクワで過ごした学生時代の想いをまとめた交響曲第1番。ラテンアメリカ音楽への関心を反映した「アコーディオン協奏曲第1番」。ドイツ、バーデン・バーデンのシュヴァルツヴァルト (黒い森) の谷、リヒテンタールにあるブラームス・ハウスでインスピレーションを授かった交響詩「リヒテンタール」。ヴァイオリン、フルート、マリンバのソロと管弦楽のための「合奏協奏曲」。"ロシアの香りをもったフィンランド人作曲家" キュロネンの代表的管弦楽作品を集めた "ポートレート" アルバムは、2007年4月6日にグリンカホールで開かれたコンサートのリハーサル期間中に録音が行われた。 | ||
ユーセフ・マッティン・クラウス(1756-1792): フルート五重奏曲 ニ長調 VB188 ベルンハード・ヘンリク・クルーセル(1775-1838): フルート四重奏曲[ニ短調Op.4/ニ長調Op.8] |
ミカエル・ヘラスヴヴォ(Fl) タンタティエ四重奏団 | |
スウェーデン王グスタフ三世の宮廷で活躍したクラウス、フィンランドに生まれストックホルムでクラリネット奏者、軍楽隊長としても名を挙げたクルーセル、ウィーン古典主義のスタイルを継ぐふたりの作曲家のフルートと弦楽のための作品集。クラウスの五重奏曲は、親友のヨハン・サムエル・リンデマンのためウィーンで作曲した作品。抒情的な主題と変奏曲の緩徐楽章を含む3つの楽章で構成され、優美な外見と内面の美しさからクラウスの室内楽曲の代表作のひとつ。パリのプレイエルが作品7 として出版した。ライプツィヒのペータースから作品8 として出版されたクルーセルのフルート四重奏曲 ニ長調は、クラリネット四重奏曲 ニ長調 (Op.7) がオリジナル。クラリネットのための作品をフルートのために編曲したことはクルーセルの自信の表れと考えられている。1988年までフィンランド放送so.のソロ奏者を務めたミカエル・ヘラスヴオが共演する ランタティエ四重奏団はピリオド楽器のグループ。クレータ=マリア・ケンタラ、ティーナ・アホ=エロラ、ヨウコ・マンスネルス、レア・ペッカラ。グループの名前は、シベリウスゆかりのトゥースラ湖畔の道、ランタティエに因んでつけられた。 | ||
ユッカ・ティエンスー(1948-):作品集 ネモ(1997)(アンサンブル、サンプラーと ライヴ・エレクトロニクスのための)/ 小川(1989)(クラリネットと管弦楽のための)/ Spiriti(2001-05) (アコーディオンと管弦楽のための) |
カリ・クリーク(Cl) ミッコ・ルオマ(アコーディオン) スサンナ・マルッキ指揮 アヴァンティ!室内o. | |
ブーレーズの複雑に記譜されたピアノ曲をスタインウェイ・グランドで解きほぐして聞かせ、ラモーのクラヴサン曲集をチェンバロで演奏、そしてジョン・ケージの作品をトイピアノ(おもちゃピアノ) で弾く。ユッカ・ティエンスーは、「芸術と音楽は時間を超越する」という考えのもと、さまざまなスタイルで音楽と関わってきた。作曲をパーヴォ・ヘイニネン、クラウス・フーバー、ブライアン・ファーヒホウに学び、エレクトロニクスを応用した音楽も手がけている。アンサンブル・アンテルコンタンポランの音楽監督を務めるスサンナ・マルッキが、海外ツアーでも積極的に現代フィンランドの作品を取り上げるアヴァンティ!室内o.を指揮。クラシカル音楽から伝統的なタンゴまで、多様なスタイルのティエンスーの作品を紹介する。 | ||
ガンバ・ノーヴァ〜バロック楽器と声のための現代音楽 ロッタ・ヴェンナコスキ(1970-):プロクリス(2003) (ソプラノとヴィオラ・ダ・ガンバのための) [からすと友だちになってはいけない/プロクリス/落ちたロバ] ハッリ・ヴオリ(1957-):昼から夢へ(1999)(テノールとヴィオラ・ダ・ガンバのための) ソネット14番「私は星を見て判断をくだすまねはしない」/ソネット8番「耳に妙なる楽の音よ」/ ソネット27番「私はくたびれはてて」/ソネット66番「こんなことには全くうんざりしたから」 エーロ・ハメーンニエミ(1951-): ヴァルカラム(1996)(2つのヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのための)/ ト長調のファンタジア(1998)( ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのための) ユッカ・ティエンスー(1948-):ムジカ・アンビグア(1996-98) (リコーダー、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのための) マルック・ルオラヤン=ミッコラ、ヴァルプ・ハーヴィスト(ヴィオラ・ダ・ガンバ) ペトラ・アミノフ(リコーダー/トラヴェルソ) アーポ・ハッキネン(Cemb) クレータ=マリア・ケンタラ(Vn) ピーア・コムシ(S) ヘイッキ・クロ(T) ユッカ・ティエンスー(Cemb) | ||
シェイクスピアのソネットをテクストとするハッリ・ヴオリの曲集、ユッカ・ティエンスーの「ムジカ・アンビグア」(曖昧な音楽)。現代フィンランドを代表する作曲家たちがピリオド楽器のために現代の様式で書いた作品集をフィンランドのピリオド楽器プレイヤーたちが演奏。マルック・ルオラヤン=ミッコラは、ファンタズムにも参加、マラン・マレのヴィオール曲集第4巻「異国風趣味の組曲」 (ABCD107) をはじめとする録音も高く評価されてきた。 | ||
Duets for the Restless Souls ラースロ・シュレ(1955-): 不在/春の散策/ラプソディ・イン・グレイ/ 不安な魂らのためのカノン/ベルベット/砒素/ 凍った炎/木管のワルツ |
ペンティ・ラハティ(Sax) マルコ・ユロネン(Vc) | |
代理店は特に記載していないが、おそらくジャズに属するアルバム。ラースロ・シュレはハンガリー生まれ。ジャズピアニスト、作曲家。オウルンキュラ・ポップ&ジャズ音楽院で教えることになった1989年からフィンランドに住んでいる。ブダペストのベーラ・バルトーク音楽院で学んだクラシカル音楽とジャズを組み合わせることに興味をもち、フォークミュージックのミュージシャンとも共演している。 | ||
デカコルデ〜十弦ギターのマジック ペッカ・ヤルカネン(1945-):前奏曲 ジョン・ダウランド(1563-1626):涙のパヴァーヌ ペッカ・ヤルカネン:ファンタジア ジョン・ダウランド:ファンシー J.S.バッハ(1685-1750): リュート組曲 ト短調 BWV995 ペッカ・ヤルカネン:夜想曲 |
マリ・マンテュラ(G) | |
フィンランドのギター奏者、マリ・マンテュラは10 弦ギターの演奏を得意としている。タンペレ音楽院でヨルマ・サルメラに学び、シベリウス・アカデミーではユッカ・サヴィヨキにソロ演奏を学んだ。卒業後は、スイスのバーゼル音楽アカデミーとイタリア、シエナのアカデミア・ムジカーレ・チギアナに留学している。現在はソロ奏者、室内楽奏者として活動し、民俗音楽のグループ、ポルトガルのファドのバンド、バンドネオンとの共演も行っている。初めてのソロアルバム。カンテレ協奏曲も書き、民俗音楽風推進力をもつミニマリズムといわれる作風のペッカ・ヤルカネンの3つのソロ曲にダウランドの2曲と無伴奏チェロ組曲第5番を編曲したリュート組曲 ト短調を組み合わせたプログラムは、10 弦ギター (decacord) のもつ能力を最大に発揮させることを目指している。 | ||
この素晴らしきクリスマス 伝承曲/ヤルッコ・キーシ編:ディンドン、空高く メンデルスゾーン/ティモ・フォシュストレム編:天にはさかえ アダン/ヤルッコ・キーシ編:クリスマスの歌「聖らに星すむ今宵」 シチリア民謡/エスコ・ヘイッキネン編:おお、なんじ喜ばしき ラルフ・ブレイン/エスコ・ヘイッキネン編: ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス ホルスト/ユルキ・コスキネン編:木枯らしの風、ほえたけり アールノ・ライニネン/ティモ・フォシュストレム編: おいで、輝くクリスマス シベリウス/ライネ・アムプヤ編:シベリウスと一緒にクリスマス ダグラス/ヤルッコ・キーシ編:この素晴らしき世界 ヘンデル/エスコ・ヘイッキネン編:栄光は汝に カスキ/ユリヨ・イェルト編:小屋は雪の下に眠る メイソン/エスコ・ヘイッキネン編:もろびとこぞりて シベリウス/ユハ・ピスト編: クリスマスの歌「私には富も名声もいらない」Op.1-3 ブレイク/カイ・スクラッブ編: ウォーキング・イン・ジ・エアー『スノーマン』から 伝承曲/ライネ・アムプヤ編:コヴェントリー・キャロル グルーバー/ヤルッコ・キーシ編:聖しこの夜 ルター:高き天より |
ヨウコ・ハルヤンネ(Tp) ペトリ・ユンナ指揮 ポホヤ・ミリタリーバンド | |
トランペットとウィンドバンドのための新しい編曲によるクリスマスのキャロル。北欧を代表するトランペット奏者、1984年からフィンランド放送so.のソロ奏者を務めるヨウコ・ハルヤンネ(1962-)がペトリ・ユンナ指揮ポホヤ・ミリタリーバンドと共演する。 | ||
セッポ・ポホヨラ(1965-):2つの室内オペラ 室内オペラ「クロゼット」(2004)/室内オペラ「わが最愛の人」(2005)(*) シルッカ・パルヴィアイネン(S) ペッカ・クイヴァライネン(T) ペトリ・プッシラ(B) ユッカ・ウーシタロ(Fl) パイヴィ・キルヤラ(Cl) テルヒ・パルダニウス(Vn) ロイ・ルオッティネン(Vc) ヤリ・ヒエッカペルト(P) エイヤ・ラルサネン(S;*) ペッカ・ハーティ(Br;*) ミッコ・ルオマ(アコーディオン;*) トゥオマス・ロウシ指揮 | ||
セッポ・ポホヨラの新作オペラ。休暇から戻るなり、それぞれの性的幻想を直視することを迫られる夫婦を描く「クロゼット」。作曲者ポホヨラの祖父母が第2 次世界大戦中に交わした手紙を基にテクストが書かれた「わが最愛の人」。子どものためのオペラ「アラビアうさぎ」(ABCD-228) と似た小編成のアンサンブルによる室内オペラ。 | ||
トイヴォ・クーラ(1883-1918):作品集 交響的伝説曲「農奴の息子」Op.14 (1910) (バリトン、ソプラノ、合唱と管弦楽のための)/ 不死の望みOp.15 (1910) (バリトン、合唱と管弦楽のための)/ 結婚行進曲Op.3b-2(管弦楽のための)/ 舟歌Op.21-2 (1912)(混声合唱のための)/ 海の歌Op.11-2 (1909)(混声合唱のための)/ りんごの木Op.11-1 (1908)(混声合唱のための)/ 朝の歌Op.2-3(管弦楽のための) |
ユハ・ウーシタロ(B) タイナ・ピーラ(S) レイフ・セーゲルスタム指揮 ティモ・ヌオランネ合唱指揮 タンペレpo.&cho. | |
トイヴォ・クーラの作品集。詩人エイノ・レイノの詩をテクストに独唱と合唱と管弦楽のために作曲された「農奴の息子」と「不死の望み」。『カンテレタル』の詩をテクストとする「舟歌」などアカペラ混声合唱のための3曲。クーラのもっとも知られたピアノ曲「結婚行進曲」と歌曲「朝の歌」の管弦楽編曲。演奏されることの少なかった作品に人気曲を加えたアルバム。セーゲルスタムをサポートする合唱指揮のティモ・ヌオランネは、フィンランド放送室内合唱団を指揮してラウタヴァーラの合唱曲などを録音。現在はタンペレ・フィルハーモニック合唱団の指揮者を務めている。 | ||
エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928-): オルガンのための作品集 お告げ (1976-77)(オルガン、金管五重奏と シンフォニック・ウィンドオーケストラのための協奏曲)/ 讃歌 (1998)(トランペットとオルガンのための)/ オルガンのためのトッカータ[第1版/第2版]/ ラウダティオ・トリニターティス (1969) 結婚行進曲/ Ta tou theou (1967) |
ヤン・レヘトラ(Org) トウコ・ルンデル(Tp) エリアス・セッパラ指揮 衛兵バンド | |
ラウタヴァーラは交響曲と管弦楽曲とオペラの作曲家として知られる一方、器楽のための音楽も多く手がけている。これまでにラウタヴァーラが作曲したオルガンを含む作品をすべて集めたディスク。オルガン、金管五重奏とシンフォニック・ウィンドオーケストラのための協奏曲「お告げ」は、カリ・ユッシラがセーゲルスタム指揮ヘルシンキpo.と共演した録音(ODE-869、「光の天使」( 交響曲第7番) とカップリングに次ぐ録音。「トッカータ」の第2 版は、初めて録音された。 | ||
ルイジ・ボッケリーニ:チェロ・ソナタ集 チェロと通奏低音のためのソナタ ハ長調 G6/ チェロ・ソナタ [ハ短調 G2/イ長調 G4/イ長調 G13/変ロ長調 G565] |
ユッカ・ラウタサロ(Vc) ユッシ・セッパネン(Vc) | |
ボッケリーニの書いたおびただしい数のチェロ・ソナタから5曲。ユッカ・ラウタサロはシベリウス・アカデミーのマスタークラスの卒業。アヴァンティ!室内o.で演奏し、1996年からはフィンランド放送so.の第3 首席チェリストを務めバロックチェロとヴィオラダガンバの奏者、指揮者としても活動している。 | ||
モーツァルト:アリアと序曲 「コジ・ファン・トゥッテ」K588 より [序曲/アリア「岩のように動かずに」]/ 「イドメネオ」K366 より [序曲/レチタティーヴォとアリア「いつになったら」]/ 「ルーチョ・シッラ」K135 序曲/ アリア「わが感謝をうけたまえ、やさしき保護者よ」K383/ 「皇帝ティートの慈悲」K621 序曲/ 「フィガロの結婚」K492〜レチタティーヴォとアリア 「スザンナは来ないかしら…楽しい思い出はどこへ」/ 「魔笛」 K620 序曲/ レチタティーヴォとアリア「うるわしのわが恋人よ、 さようなら…とどまって、いとしき人よ」 K528 |
ヘレナ・ユントゥネン(S) ドミートリー・ スロボデニオウク指揮 オウルso. | |
2006年-2007年ウィーンのシーズンを「魔笛」のパミーナ役から始めたユントゥネンは、フィンランドを代表する若手歌手のひとり。シベリウス・アカデミーの出身。アニタ・ヴァルッキ、ジェフリー・ゴールドバーグ、レナータ・スコット、ハルトムート・ヘルに師事した。フィンランド、イタリア、アメリカ、ベルギーなどの舞台でこれまで歌った役は、「ランスへの旅」のコルテーゼ夫人、「ファウスト」のマルガレーテ、「アラベラ」のズデンカ、「ヴォツェック」のマリー、「トゥーランドット」のリュー、「ボエーム」のミミとムゼッタ、「ばらの騎士」のソフィー、「リゴレット」のジルダ。オスモ・ヴァンスカとミネソタso.が録音したベートーヴェンの交響曲第9番にも参加した。2009 フィンランドと日本の外交関係開設90 周年記念コンサートに出演予定。 | ||
タンゴ〜北のタンゴ、南のタンゴ Caminito/Sur/La vida pequeña/Quedémonos aquí/ Las sombras del desamor (Siks oon mä suruinen)/ Sattumaako/Quéate por siempre(Liljankukka)/ Carmín y overol/Uno/Chilquilín de Bachín/Volver/Valsecito amigo マルティン・アルバラード(Vo) オトラ・ベス・クインテット [マッティ・エークマン(バンドネオン) マルクス・エルグランド(G) アンティ・ヘールマン(Vn) トニ・エルグランド(Cb) マッティ・ラウッカネン(P)] | ||
フィンランドの人たちの愛するタンゴ。ロック歌手からタンゴ歌手に転身、フィンランドで成功を収めたアルゼンチンのマルティン・アルバラードがタンペレのタンゴグループ、オトラ・ベス・クインテットと共演。ピアソラ、ホアン・デ・ディオス・フィリベルト、トイヴォ・カルキをはじめとする「北と南」のタンゴ・クラシックを歌う。 | ||
ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008):天空の光 Op.63(1984-85)
メルヤ・ヴィルッカラ(S) アンシ・ヒルヴォネン(T) リトヴァ・タルヴィティエ(ヨウヒッコ) 民俗楽器オーケストラ 中央オストロボスニア室内cho.、カウスティネン児童cho. ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
録音:1999年12月4日-5日、民俗芸術センター、カウスティネンホール、フィンランド、ライヴ。制作:ラウラ・ヘイキンヘイモ、録音:アンティ・リンタマキ。 ペール・ヘンリク・ノルドグレンの「天空の光」は、フィンランド音楽のなかでも異彩を放つ作品のひとつに挙げられる。『カレワラ』出版150周年を記念する作品としてカウスティネン文化委員会から委嘱を受けたノルドグレンは、『カレワラ』にも描かれた創造と太陽の解放の物語を題材に、「導入部」「夜と昼の鳥」「月を呑みこんだ者の追放」「地底の国マナラ深く、悪の力が光を隠す」「太陽と月と星の解放」の5つの部分からなる作品を完成させた。オーケストレーションは独創的。2組の弦楽五重奏、木管五重奏、2組の打楽器、チェンバロ、ピアノという編成のオーケストラ、児童合唱と混声合唱、ソプラノとテノールの独唱、さらにフィンランドの太古の響きと色を求め、5つの5弦カンテレ、3つの36弦カンテレ、2つの山羊の角笛、葦笛、牧童笛、うなり板、打奏板、シャーマンドラム、ヨウヒッコ(2-4弦の弓形竪琴)による民俗楽器オーケストラが加えられた。フィンランド伝統の楽器が使われた背景には、技術の専門化した現代社会と、技巧に走り、学究的になりすぎた現代音楽への抗議がこめらているといわれる。「夜と昼の鳥」と「太陽と月と星の解放」に合唱と独唱が加わり、『カレワラ』によらない独自のテクストを歌う。初演は1985年2月3日のカウスティネン室内音楽週間。コッコラo.とカウスティネンの音楽家のアンサンブルをヨルマ・パヌラが指揮した。この作品が1999年に演奏された際に第3部分として追加された、歌手(T)ヨウヒッコとサンプリングテープのための「間奏曲-天体の宇宙ダンス」が最後のトラックに収録されている。 | ||
メンデルスゾーン: ロンド・カプリッチョーゾ ホ長調Op.14 ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調Op.31-2「テンペスト」 ユホ・ミエッティネン(1978-):インスマスの影(2005) リスト(アウグスト・ストラダール編):ハムレット ショパン:バラード第1番 ト短調Op.23/ 練習曲 ハ短調Op.10-12「革命」 |
リスト=マッティ・マリン(P) | |
チェルニーの「フィガロ幻想曲」などを弾いた「ピアノ・トランスクリプションの芸術」(ABCD-240)の芸術的、技巧的な内容が高く評価されたフィンランドのピアニスト、リスト=マッティ・マリン(1976-)。新しいアルバムのテーマは「ことばのない物語」。ロマンティックで中世的雰囲気をもった19世紀から今日までのピアノ曲が集められた。フィンランドのユホ・ミエッティネンの「インスマスの影」は、怪奇的・幻想的な作品で知られるアメリカの作家H.P.ラヴクラフトの同名の短編小説からインスピレーションを得た作品。マサチューセッツ州の海辺の村インスマスに棲息する、半分人間で半分魚と蛙を交配させたような生き物を描いた物語。メンデルスゾーン、ベートーヴェンの「テンペスト」、ストラダール編曲のリスト、そしてショパンのバラードと「革命」。「ストーリーテラー」と言われるマリンは、どんな音楽を聴かせるのだろう。 | ||
私の歌を〜レーヴィ・マデトヤ(1887-1947):混声合唱のための作品集 全き生活 Op.72-1/深き淵より Op.56/6つの抒情的な歌 Op.13/一輪の花/幸福/川よ、おまえの面は暗く/青ざめた月/ 私の歌を誰が叱るだろうか/森の王に/国民の情景 Op.30a/墓の歌/牛飼いの少女/南ポホヤンマーの歌(1918)/ 3つの魂の歌 Op.30b/トゥオニの舟/われは何も求めず/いと高きところに/希望と夢 Op.50/子守歌/永遠の炎/春の夢/ わが故郷/糸杉の門/3つの民謡 Op.57/夏の夜わたしは森をとおり/ああ、早く夕闇が訪れてくれれば/ 炉から眠りが語りかける/4つのクリスマスキャロル/日々の苦労を忘れ Op.20b-5/天使のキャロル(1932)/ クリスマスの伝言(1946)/馬屋に生まれ(1947)/2つのオネルヴァの歌 Op.82/こだまをゆりかごに入れ/古い修道院 カイサ・ランタ(S) トゥオマス・プルシオ(B) ハンヌ・ノルヤネン指揮タピオラ室内cho. | ||
哀しくメランコリックな気分はフィンランド的、優雅で洗練された味わいはフランス的。後期ロマンティシズム作曲家、レーヴィ・マデトヤの音楽は20世紀フィンランドでも際立った魅力をもっている。男声合唱曲集とともに彼の声楽作品中で重要な位置をしめながら混声合唱のための作品は、もっとも愛されているキャロルの一曲「日々の苦労を忘れ」など数曲をのぞき、録音の数が限られていた。この新録音でタピオラ室内合唱団は、マデトヤが混声合唱のために書いた音楽の半数にあたる曲を歌っている。マデトヤの作品と生涯を語る64ページのブックレット(英語、フィンランド語)をCDと一緒にスリップケースに収めたアルバム。 | ||
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集 [ト長調 Hob.VIIA; 4/イ長調 Hob.VIIA; 3/ ハ長調 Hob.VIIA; 1] |
エリナ・ヴァハラ(Vn) ヴィルトゥオージ・ディ・クフモ | |
エリナ・ヴァハラはアメリカ生まれ。フィンランドで育ち、シベリウス・アカデミーでトゥオマス・ハーパネンに学んでディプロマを取得した。レパートリーはバロックから今日の音楽まで。彼女とピアニストのラルフ・ゴトーニのために作曲されたアウリス・サッリネンの室内協奏曲とカーティス・カーティス=スミスの二重協奏曲を初演、ジョン・コリリアーノの「レッド・ヴァイオリン」のスカンディナヴィア初演にも起用された。フィンランド文化基金から貸与された1678年製ストラディヴァリを弾いている。 | ||
キルモ・リンティネン(1967-):室内楽作品集 フルート、クラリネット、ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための五重奏曲 「マーチアリアラグ [Marche Air Rag] 」[サグロス・アンサンブル]/ 2つのカンテレのための「水」(2002) [エイヤ・カンカーンランタ、メルヴィ・ユリ=ヴァイニオ(カンテレ)]/ チェロとピアノのための「 Col 2 」(1997) [ユッカ・ラウタサロ(Vc) キルモ・リンティネン(P)]/ オーボエ(コールアングレ)、クラリネットとピアノのための三重奏曲 「カノン風の会談」(2006) [カタヤ三重奏団〔高島拓哉(Ob/コールアングレ) ヘンナ・ヤムサ(Cl) アンティ・カイホラ(P)〕]/ サクソフォン、チェロとピアノのための三重奏曲(2001) [カイ・ルスケエーパー(アルトSax) マルクス・ホホティ(Vc) キルモ・リンティネン(P)]/ 2人のヴォーカルと器楽のためのマドリガーレ・コンチェルターと(代理店記載ママ) 「ダヴィデとバテシバ」(2001) [トゥーリ・リンデベリ(S) トピ・レヘティプー(T) キルモ・リンティネン指揮バターリャ]/ 弦楽オーケストラのための「スナヂグミ」(2006) [ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o.] | ||
1997年シベリウス・アカデミー卒業。ピアノを弾き、UMOジャズオーケストラの指揮者を務め、ジャズミュージシャンとして名をなしたキルモ・リンティネンは、クラシカル音楽の作曲家としても活躍している。似たようなキャリアをもつユッカ・リンコラの音楽と同様、リンティネンの作品にはジャズ音楽家としての経歴が生かされており、純粋にクラシカルの分野を歩んできた若い作曲家たちの音楽とは風合いが異なっている。 | ||
フィンランドの音楽 ロベルト・カヤヌス(1856-1933):古風な組曲 ヘ長調/ 子守歌(親のない子の子守歌;*) ラウリ・サイッコラ(1906-1995): トリパルティータ(*)/弦楽のための音楽 アルマス・ラウニス(1884-1959): ヴァイオリンと弦楽のための北欧組曲(*) |
ミケル市o. (聖ミカエル弦楽o.) エルッキ・パロラ(リーダー) | |
(*)は初録音。 シベリウスの友人、フィンランドをテーマとする作品を書きながら、もっぱら指揮者として知られたロベルト・カヤヌス。ネオクラシカルな要素とナショナル・ロマンティシズムのスタイルを融合させ、10曲の交響曲を残したラウリ・サイッコラ。8つのオペラを作曲したものの「七人の兄弟」(1913)と「クッレルヴォ」(1917)の2作品だけが存命中に上演され、2004年にヘルシンキでコンサート形式で上演された「アスラク・ヘッタ」(1922-30)(ODE-1050)によって再評価の動きがみられるアルマス・ラウニス。フィンランド音楽史に名を残しながら顧みられることの少なかった作曲家たちの作品をミケル市o.(聖ミカエル弦楽o.)が録音した。 | ||
アベニュー〜フィンランド・サクソフォン名作集 ペルトッゥ・ハーパネン(1972-):アリア〜サクソフォンとエレクトロニクスのための(2003) ヤルモ・セルミラ(1939-):瞑想 2〜アルトサクソフォンとテープのための(1978) カレヴィ・アホ(1949-): フルート、アルトサクソフォン、ギターと打楽器のための四重奏曲(1982) サンポ・ハーパマキ(1979-):アベニュー〜サクソフォンとピアノのための(2000) キルモ・リンティネン(1967-):4つのカプリッチョ〜サクソフォン四重奏のための(2002-04) オリヴァー・コーレンベルク(1957-):O vos Felices Op.66 〜アルトサクソフォン、打楽器とエレクトリックギターのための(2005) オッリ=ペッカ・トゥオミサロ(Sax) リスト=マッティ・マリン(P) リネア(Linea) アカデミック・サクソフォン四重奏団 オスマ・アンサンブル | ||
フィンランドのクラシカル・サクソフォン音楽の振興に努めるオッリ=ペッカ・トゥオミサロの「Complete Finnish Saxophone Music」シリーズの1枚。 カレヴィ・アホの四重奏曲は、フルート、アルトサクソフォン、ギターと打楽器という大きく異なった個性をもつ4つの楽器のコミュニケーションを探る音楽。クラスター・アンサンブル(ミカエル・ヘラスヴオ、ペッカ・サヴィヨキ、ユッカ・サヴィヨキ、パウリ・ハマライネン)がアムステルダムで初演した。カウスティネン室内楽週間がジョン=エドワード・ケリーのためサンポ・ハーパマキに委嘱した「アベニュー」。コーレンベルクの「O vos Felices」は、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの同名のレスポンソリウムに基づく作品。2006年のタンペレ・ビエンナーレでオスマ・アンサンブルが初演、トゥオミサロとハッリ・レヘティネンに献呈された。 | ||
ロシアのトランペット セルゲイ・ボロチン(1912-1994): ロマンティック・エチュード/ バレエ「タラス・ブーリバ」の幻想曲/エレジー ショスタコーヴィチ: バレエ「お嬢さんとならず者(街角の天使)」より 序曲/ダンス/ 映画「馬あぶ」のロマンス/ダンス/ガヴォット/ ワルツ/エレジー/機械人形 スクリャービン:前奏曲 ラフマニノフ:ああ、私の畑よ シチェドリン:アルベニスのスタイルで プロコフィエフ:メロディ Op.35-2 ヴラディーミル・ペスキン(1906-1988): ポエム第1番/前奏曲第1番 ラフマニノフ:ロマンス チャイコフスキー:セレナード/ロマンス/ワルツ バラキレフ:グルジアの歌 |
ヨウコ・ハルヤンネ(Tp) カリ・ハンニネン(P) | |
トランペット・ソナタ名作集 ヒンデミット:トランペットソナタ(1939) エリック・イーワゼン(1954-): トランペットソナタ(1995) ジェイムズ・M.スティーヴンソン三世(1969-): トランペットソナタ(2001) カール・ピルス(1902-1979): トランペットソナタ(1935) |
ヨウコ・ハルヤンネ(Tp) カリ・ハンニネン(P) | |
トラッンペット・ラプソディ(代理店記載ママ) アレクサンドル・アルチュニアン (ウエノ・タカシ編): トランペット協奏曲 変イ長調Op.94 (トランペットとウィンドバンドのための版) ユッカ・リンコラ(ラッセル・ペソラ編): トランペット協奏曲第2番 (トランペットとウィンドバンドのための版) アレクサンドル・アルチュニアン: トランペットとウィンドのためのラプソディ ユッカ・リンコラ(エリアス・セッパラ編): トランペット協奏曲第1番 (トランペットとウィンドバンドのための版) |
ヨウコ・ハルヤンネ(Tp) エリアス・セッパラ指揮 サミ・ハンヌラ指揮 衛兵バンド | |
ハルヤンネの新アルバムはアルチュニャンの曲名がタイトル。アルチュニアンの2曲とともに、ジャズミュージシャンとして知られるユッカ・リンコラがハルヤンネのために書いた2つのトランペット協奏曲が演奏されている。スカンディナヴィア・ブラスシンポジウム委嘱の第1番とリエクサ・ブラスウィーク委嘱の第2番(ABCD-108)。いずれもソロのヴィルトゥオーゾ性を際立たせながら、新しい感覚のリズムとメロディで聴き手を楽しませるフレンドリーな作品。ハルヤンネによる再録音は、オリジナルの管弦楽(第2番は弦楽オーケストラ)版ではなく、ウィンドバンドと共演するために編曲版。共演は、リンコラ作品集「Sisu」(ABCD-161)と現代フィンランド・ウィンドオーケストラ作品集「Ghosts」(ABCD-170)の衛兵バンド。 | ||
センプリーチェ デュオ・インプロヴィゼーション I (Duo Improvisation I)/センプリーチェ (Semplice)/ ナルシス (Narcis)/アンビエンス (Ambience)/デュオ・インプロヴィゼーション II (Duo Improvisation II)/ パーツ (Parts)/デュオ・インプロヴィゼーション III (Duo Improvisation III)/ Low Expectations/デュオ・インプロヴィゼーション IV (Duo Improvisation IV)/ Colors In Orval/デュオ・インプロヴィゼーション V (Duo Improvisation V) アキ・リッサネン(P) ロビン・ヴァーヘイエン(Sax) | ||
アメリカのジャズ・サックス奏者、ロビン・ヴァーヘイエンとフィンランドのピアニスト、アキ・リッサネンの即興セッション。 | ||
機械仕掛けのナイチンゲール ラウリ・プラッカ編曲:導入のメドレー ラウリ・プラッカ編曲:伝承曲〜 蜘蛛、ピーポラのおじいちゃん、モニカおばちゃん レオポルト・モーツァルト:おもちゃの交響曲 ラウリ・プラッカ編曲:小さくてかわいいメドレー カイ・シュデニウス(ラウリ・プラッカ編): マグダレーナ ヤン・ユーハンソン(ラウリ・プラッカ編): 長靴下のピッピ クロード・ドビュッシー:子供の領分〜 「小さな羊飼い」/「ゴリウォグのケークウォーク」 ペッカ・ヤルカネン:音楽物語「ナイチンゲール」 (H.C.アンデルセンによる) |
ラウリ・プラッカ指揮 オストロボスニア室内o. シニッカ・ソッカ(Vo/語り) | |
録音:2008年5月14日-16日、民俗芸術センター(カウスティネン、フィンランド)。制作:ラウラ・ヘイキンヘイモ、録音:エンノ・マエメツ、朗読:フィンランド語(対訳なし)。 今日の音楽から古典時代の音楽まで数多くの録音で知られ、2008年まで音楽監督を務めた創立者のユハ・カンガスとともに日本ツアーも行ったオストロボスニア室内o.が、子どもたちのためのアルバムを録音した。どこかで耳にしたことのあるメロディを指揮者のラウリ・プラッカが編曲した導入のメドレーに始まり、「おもちゃの交響曲」、ドビュッシーの「子供の領分」からの2曲、そしてメインプログラムがH.C.アンデルセンを題材にペッカ・ヤルカネンが作曲した音楽物語「ナイチンゲール」。中国の皇帝と森のナイチンゲールの話をフィンランドの女優シニッカ・ソッカが音楽とともに、やさしく語って聞かせる。 | ||
天使〜De Angelis ヒルデガルト・フォン・ビンゲン: おお、いと気高き緑よ クレタ島のメソメデス(二世紀):太陽賛歌 「あかつきの光の父」(c.130)(太陽神の賛歌) シリア聖歌(四世紀):小さな鳩(器楽) モサラベ聖歌(六世紀-七世紀):もし私が天に昇ると 改宗者オバデヤ(十二世紀): モーセのほかにホレブの山に登った者は(器楽) スペインのセファルディ・ユダヤ人(十二世紀): わたしの鳩よ アムブロシア聖歌(六世紀):いと高き天より ヒルデガルト・フォン・ビンゲン: 聖霊は生の源の生/おお、なんじ天使らよ ヤン・ヤコブ・ヴァン・エイク: イギリスのナイチンゲール スウェーデン・コラール本(1697年):祝福された日 イタリア伝承曲(十四世紀): トリスターノの嘆き/ラ・ロッタ ヴァルター・フォン・デル・フォーゲルヴァイデ: 菩提樹の下に 『ピエ・カンツィオーネス』(1582年): われは異教徒の地に立ち フィンランド民謡:すずめの賛美歌 フィンランド伝承のバラード:聖カトリーナの伝説 イングリア民謡:はるか遠くに カレリアの哀悼歌:愛する人の埋葬の賛美歌 |
アンネリーナ・コスキネン (S/C-Fl/葦笛/鐘/ ロリマン笛/テナーレベック/ シンフォニア/ケルトハープ/ 5弦カンテレ) | |
録音:2008年7月、コウヴォラ、フィンランド。 ソプラノ歌手アンネリーナ・コスキネンは1993年、アーリーミュージック全般をカバーするプログラムのコンサートでシベリウス・アカデミーの音楽修士課程を修了。中世のさまざまな楽器の研究も行い、その後の演奏活動に活かしてきた。紀元二世紀、クレタ島の音楽家メソメデスの「太陽賛歌」、四世紀シリアの聖歌、グレゴリオ聖歌の成立以前にスペインで歌われたモサラベ聖歌、六世紀のアムブロシア(アンブロジア)聖歌、吟遊詩人ヴァルター・フォン・デル・フォーゲルヴァイデの愛の歌、ヒルデガルトの歌曲、フィンランドとスウェーデンの宗教歌。 | ||
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988 | アーポ・ハッキネン (Cemb) | |
シベリウス・アカデミー出身のチェンバロ奏者、アーポ・ハッキネン(1976-)の「ゴルトベルク変奏曲」。ハッキネンがウィリアム・バード " ヴァージナル曲集" (ABCD-148)とフレスコバルディ " チェンバロ作品集" (ABCD-178)に次いで録音したハイドンの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」(クラヴィコード版)(ABCD-251)も欧米で高い評価を受けた。「ゴルトベルク変奏曲」は、彼がスウェーリンク音楽院で師事したボブ・ファン・アスペレンとメンノ・ファン・デルフト、パリで教わったピエール・アンタイも録音した作品。 | ||
ナジ・ハキム(1955-):水仙(弦楽のための)/ オルガンと弦楽のための協奏曲第1番/ グレゴリオのスケッチ(オルガンのための) [Nos autem(主イエズス・キリストの 十字架のほかに、わたしたちは)/ Ave maris stella(めでたし海の星)/ Pater noster(天にまするわれらの父よ)/ Ave verum(めでたし、まことのおからだよ)/ O filii et filiae(おのこよ、おみなよ)]/ オルガンと弦楽のための協奏曲第3番 |
ヤン・レヘトラ(Org) ミケル市o. (聖ミカエル弦楽オーケストラ) ペトリ・コムライネン指揮 | |
録音:2008年10月29日-11月2日、ユヴァ教会(ユヴァ、フィンランド)、ユヴァ教会のパーシェン・オルガン(2002年)。 ナジ・ハキム。1955年ベイルートのビジネスマン家庭の生まれ。ピアノとオルガンを学び、ラヴェルとドビュッシーとプーランクが若いナジのアイドルだったと言われる。カトリック教徒だった一家は1975年のレバノン内戦を前にフランスに移住。ナジは、エンジニアになる訓練を受けた後、パリ音楽院に入学し、ジャン・ラングレの下でオルガンを学ぶことになった。さまざまな科目のディプロマとともに音楽院を卒業した後、サクレクール寺院のオルガニストを経て、1993年にはオリヴィエ・メシアンの後を継いでサントトリニテ教会のオルガニストに就任し、2008年までこの職を務めた。現在、ブローニュ・ビランクール地区国立音楽院(パリ)の音楽分析教授、ロンドンの王立音楽アカデミーの客員教授。2007年にはローマ教皇ベネディクトゥス十六世からを授与されている。ハキムは作曲者として、オルガンをはじめとする器楽作品、声楽作品、管弦楽作品を発表してきた。彼の作品には、かつてアイドルだったフランスの巨匠たち、そしてストラヴィンスキーとガーシュウィンの音楽が影響を与えていると言われる。新しい Albaのアルバムで演奏される「復活祭の花」と2曲の「オルガンと弦楽のための協奏曲」は、このジャンルの代表作に挙げられる作品。 オルガニストのヤン・レヘトラはシベリウス・アカデミー出身。今日の作曲家たちと積極的な共同作業を行い、多数の作品を初演。2003年には第1回国際ナジ・ハキム・フェスティヴァルのヘルシンキ開催の実現に努めた。サン=サーンスのオルガン作品集(ABCD-225)、バッハ・トランスクリプション集(ABCD-233)、ピアノとオルガンのための作品集(ABCD-255)、ラウタヴァーラ作品集(ABCD-265)、オスカル・メリカント作品集(ODE-973)などを録音。楽器とレジスターの選定、様式を踏まえた解釈に見られるセンスのよさに賛辞が呈されてきた。 | ||
サカリ・オラモの母、リーサ・ポホヨラ(P)〜1969年-2004年 録音選集 ストラヴィンスキー:ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ(*) ドビュッシー:練習曲集 より Nos.1, 7, 8, 11 / シューマン:幻想小曲集 Op.12 より[夜に/寓話/歌の終わり] シベリウス:6つのフィンランド民謡編曲 / エルッキ・サルメンハーラ:コカブ [Kocab] (1973) シベリウス:劇付随音楽「ベルシャザールの饗宴」組曲 Op.51〜「夜想曲」(#) ショパン:夜想曲 嬰ハ短調 Op.27-1 / プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第5番 ハ長調 Op.38, 135 メリカント:6つのピアノの小品 Op.20 / シベリウス:10の小品 Op.24 より[ロマンス 変ニ長調/舟歌] ハイドン:ピアノ・ソナタ第22番 ホ長調 HobXVI; 22 / リゲティ:ムジカ・リチェルカータ より Nos.7, 9, 10 アレンスキー:かっこう Op.34-2 / リムスキー=コルサコフ:ワルツOp.10-1 ルビンシテイン:ロマンス 変ホ長調 Op.44-1 / エーリク・ベリマン:3つの名のない舞曲 Op.13 ジョリヴェ:オンドマルトノとピアノのための3つの詩(1935)(+) メシアン:鳥のカタログ第4巻〜第7曲「ヨーロッパよしきり」 / メリライネン:ピアノ・ソナタ第2番(1966) エーリク・ベリマン:クリストファー・コロンブスへのオマージュOp.119 リーサ・ポホヨラ(P) サカリ・オラモ指揮フィンランド放送so.(*) オッリ・ポホヨラ(Fl;#) ジャンヌ・ロリオ(オンドマルトノ;+) | ||
録音:1969年-2004年、YLE(フィンランド放送)スタジオ/1999年2月24日、フィンランディアホール、ヘルシンキ(*)。 現代フィンランドを代表するピアニストのひとり、リーサ・ポホヨラ(1936-)。フィンランドの音楽一家ポホヨラ家の出身でフィンランドの俊英指揮者サカリ・オラモは彼女の息子。シベリウス・アカデミーでティモ・ミッキラ、ウィーンでリヒャルト・ハウザー、エッセンでデトレフ・クラウス、パリでマグダ・タリアフェロに学び、1955年にソロイストとしてデビューした。同時代の音楽の演奏者として名高く、エーリク・ベリマン、ウスコ・メリライネンを初めとするフィンランド作曲家の作品の初演が彼女に委ねられてきた。 このアルバムは、彼女のレパートリーを俯瞰するとともに、1972年、ヴィフリ・シベリウス賞を受けるメシアンに同行してヘルシンキを訪れたジャンヌ・ロリオ(1928-2001)と共演したジョリヴェの作品のように、彼女にとって懐かしい演奏も収録。フィンランド放送(YLE)のアーカイヴに保存された1969年から2004年の録音によるアンソロジーでフィンランド放送と Alba Records の共同制作。丁寧なマスタリングが施され、単なるドキュメンタリーにとどまらず、魅力あるピアニストの音楽を楽しめるアルバムとなっている。 | ||
ユッカ・ティエンスー(1948-): フルートまたはオーボエ、クラリネット、ヴァイオリン、チェロとキーボードのための「タンゴ・リュネール」(1985)/ チェロとエレクトロニクスのための「オッドジョッブ」(1995)/ クラリネット、アコーディオンとチェロのための「プラス IV 」(1992)/ ピアノのための「拍子のない前奏曲」(1976)/クラリネット、チェロとピアノのための「ビート」(1997)/ アコーディオンのための「鉱石」(2007)/アンサンブルのための「ルバート」(1975)/ ウォーキング・バスクラリネットのための回文「アステレツァ」(1999)/ クラリネット、チェロ、ピアノとテープのための「ベートーヴェンへのトンボー」(1980) プラス・アンサンブル [エルッキ・ラヘスマー(Vc) ミッコ・ルオマ(アコーディオン) クリストフェル・スンドクヴィスト(Cl)] ミカエル・ヘラスヴオ(Fl) ヤン・セーデルブルム(Vn) ユッカ・ティエンスー(P) | ||
「芸術作品を創った者ではなく、作品そのものが重要だ」と考え、妥協することなくモダニズムの道を進む作曲家、ユッカ・ティエンスーの作品集。プラス・アンサンブルは、チェロのラヘスマー、アコーディオンのルオマ、クラリネットのスンドクヴィストが、今日の音楽に光を当てることを主な目的に、2002年に結成した。ソロ、デュオ、トリオから七重奏まで、作品によって編成はさまざま。この作品集ではユッカ・ティエンスーがピアニスト、キーボード奏者を務めるほか、フルートのミカエル・ヘラスヴォとヴァイオリンのヤン・セーデルブルムがゲストミュージシャンとして参加している。 | ||
束の間の気分〜 ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): 交響曲第7番 Op.124(2003)/夏の音楽 Op.34(1977)/ 交響曲第8番 Op.140(2006) |
ユハ・カンガス指揮 トゥルクpo. | |
「天空の光」(ABCD-269)に次ぐペール・ヘンリク・ノルドグレン。トゥルク・フィルハーモニックの委嘱により作曲、ユハ・カンガスに献呈した交響曲第7番。2005年11月11日に60歳を迎えたカンガスに捧げた交響曲第8番。中央オストロボスニア音楽学校の委嘱による1976年の「ペリマンニの肖像」(ABCD-205) 以来つづいたノルドグレンとカンガスと友情の証しともいえる2作。「ふしぎな、束の間の気分にみちた最後の2つの交響曲。「第7番がこれまでの人生を遠く振り返る一方、第8番には境界を越えて彼岸を見据えるかのような時が二度ほどある」(カレヴィ・アホ)。ノルドグレンは、シベリウス、あるいは、ノルドグレンが学んだコッコネンの" 交響的思考" に倣わず、表現と叙述の論理に基づいて形式を決めている。彼の音楽のひとつの性格だろう。「夏の音楽」は、オストロボスニア室内o.の本拠地、カウスティネンの民俗音楽フェスティヴァル委嘱作。 | ||
ショパン(1810-1849): ポロネーズ第7番 変イ長調Op.61「幻想」/ バラード[第1番 ト短調Op.23/第2番 ヘ長調Op.38/ 第3番 変イ長調Op.47/第4番 ヘ短調Op.52]/ 幻想曲 ヘ短調Op.49 |
アンネ・カウッピ(P) | |
録音:2009年1月18日-19日、22日、クーサンコスキホール、フィンランド、ライヴ。制作:オット・ドンナー/録音:エサ・サントネン。 シベリウス・アカデミー出身のアンネ・カウッピ(1962-)は、1980年にデビューコンサートを行ったのち、ニューヨークのジュリアード音楽学校でアニア・ドーフマンとアデーレ・マーカスに学び、修士のディプロマを取得した。国内のオーケストラとの共演やソロコンサートを行いながら、ドイツとスウェーデン でも演奏している。「練習曲集」(ABCD-249) につづくショパン・アルバムは、4曲のバラードをメインにすえたプログラムをコンサート・ライヴで収録。ショパン生誕200年記念アルバム。 | ||
エジプトの女 ジャン=フィリップ・ラモー: クラヴサン曲集(第3組曲)〜ミューズたちの対話/ 新クラヴサン曲集(第4組曲)〜 [アルマンド/クーラント/サラバンド/三つの手/ ファンファリネット/勝ち誇った女/ ガヴォットの変奏]/ 新クラヴサン曲集(第5組曲)〜 [トリコテ/2つのメヌエット/雌鳥/三連音/ 未開人/エンハーモニック/エジプトの女] ジャン=アンリ・ダングルベール(1635-1691): フェートンのシャコンヌ/またはエジプト人/ エチオピア人とインド人の一団の踊り |
アッシ・ カルットゥネン(Cemb) | |
アッシ・カルットゥネンはシベリウス・アカデミーの出身。彼女は、コンチェルト・コペンハーゲン(CoCo)のリーダーとして来日したラース・ウルリク・モーテンセンと、フランスのピエール・アンタイにもチェンバロを学び、1995年から1996年にかけてヨーロッパ連合バロックo.にチェンバロとオルガンの奏者として参加した。グッドマン指揮によるJ.S.バッハの「マルコ受難曲」は、そのころの録音。ラモーの「新クラヴサン曲集」の2つの組曲をメインにすえたアルバムは、フローベルガーのチェンバロ作品集(ABCD-196)に次ぐ Albaのセカンドアルバム。 | ||
コン・スピリト〜ヴァイオリンとピアノのための作品集 エルガー:ヴァイオリン・ソナタ ホ長調 Op.82 プロコフィエフ: ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 Op.94b シベリウス:ユモレスク第4番 ト短調 Op.89b/ ユモレスク第6番 ト短調 Op.89d リムスキー=コルサコフ/ジンバリスト編: 幻想曲「金鶏」 |
アンナ=リーサ・ ベズロドニー(Vn) イヴァリ・イルヤ(P) | |
ベズロドニー(1981-)はモスクワ生まれ。ヴァイオリニスト、指揮者、教授として名を知られた父イーゴリ・ベズロドニー、ヴァイオリニストで教授の母マリ・タンペレ=ベズロドニー。両親に倣い、アンナ=リーサは2歳でヴァイオリンを学び始めた。フィンランドとロンドンで教育を受け、各地のコンペティションに参加、1995年チェコのヤン・コチアン国際ヴァイオリン・コンペティションと1997年シベリウス・アカデミーのヴァイオリン・コンペティションで第1位、2006年にはギルドホール音楽演劇学校のゴールドメダルを獲得した。ヨーロッパ、日本、アメリカとツアーをつづけ、彼女のキャリアは今、始まったばかり。イヴァリ・イルヤはエストニアのタリン生まれ。モスクワ音楽院で学び、室内楽奏者、ソロイストとして世界各地で演奏活動を行っている。 | ||
心よ、砕けよ〜中世ドイツの愛の歌 ハンス・ザックス(1494-1576):よきキリスト者よ目覚めよ オスヴァルト・フォン・ヴォルケンシュタイン(1376/78-1445): 牧場の娘は冷たい朝露の中を/あなたはわたしの美しい心を選んだ/そこで輝くあなたは誰/ 心よ 砕けよ 復讐せよ見よ/心よりあなたを望みる/残酷な人生よ/歓呼の声をあげよう ヴァルター・フォン・デル・フォーゲルヴァイデ(c.1170-1230)/スヴェン・ベリエル編: 荒れ野の菩提樹の下で/ゲルハルト・アッツェ親方が私の馬を射た ヴィーツラフ・フォン・リューゲン(1265/68-1325):無学の私が憧れの歌を作った ナイトハルト・フォン・ロイエンタール(c.1180-1237/46):なにもない牧場しか見えなかった ザルツブルクの修道士(14世紀)/レイフ・カールソン編:楽しかった夜のことを思うと ハインリヒ・フォン・マイセン(1250-1318):アダムの手助けをしたのは誰だ 作者不詳(c.1460):「シェーデルの歌本」〜おお それは快く だが なお私は オリファント | ||
ウリ・コルホネン、エイラ・カールソン、レイフ・カールソンらが中世音楽アンサンブル、オリファントを結成したのは1995年。即興にもとづく、色彩ゆたかな演奏スタイルは、批評家に評価され、聴衆から愛されてきた。「十字軍の歌」(ABCD-152)、「ガース・ブリュレのシャンソン」(ABCD-182)、「汚れなき歓び-中世吟遊詩人の歌う宗教歌集」(ABCD-222)につづくアルバム。吟遊詩人たちの歌、「カルミナ・ブラーナ」「サンタ・マリアの頌歌」をはじめとする歌集から選ばれた歌が、さまざまな楽器の演奏とともに歌われる。 | ||
ショパン(1810-1849):チェロ・ソナタ ト短調Op.65 ラフマニノフ(1873-1943): チェロ・ソナタ ト短調Op.19/ ヴォカリーズ ホ短調Op.34-14 |
マルコ・ユロネン(Vc) アルト・サトゥカンガス(P) | |
録音:2009年3月28日-31日、タンペレ小ホール、フィンランド。制作:ラウラ・ヘイキンヘイモ/録音:マッティ・ヘイノネン。 ショパン・イヤーを記念する情趣あるアルバム。フィンランドのチェリスト、マルコ・ユロネン(1966-)は1996年、ニューヨークのコンサート・アーティスト・ギルド・コンペティションで第1位を獲得し、ソロイスト、室内楽奏者として活躍している。ピアニストのアルト・サトゥカンガスはシベリウス・アカデミーを卒業後、サンクトベテルブルク国立音楽院のヴラジーミル・ニルセンに学び、ジェルジ・シェベック、ドミートリー・バシュキーロフ、ニキタ・マガロフの夏期コースに参加した。2008年にフィンランドとドイツのツアーを行ったふたりの共演。 | ||
嘆き〜ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): 弦楽のための交響曲 Op.43 (1978) /弦楽のための協奏曲 Op.54 (1982) / 全世界が嘆くだろう Op.26b (弦楽オーケストラのための; rev.1974)/オーボエ協奏曲 Op.116 (2001) (#) アンニ・ハーパニエミ(Ob) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
録音:2008年12月1日-3日(無印)、2009年5月4日-5日(#)、スネルマン・ホール、コッコラ、フィンランド。2008年に亡くなった作曲家ペール・ヘンリク・ノルドグレンの遺産を紹介するシリーズ。ノルドグレンと緊密な関係を続けたオストロボスニア室内o.とユハ・カンガスによるアルバム「嘆き」では、悲しみの気分の濃い作品が4曲演奏された。「弦楽のための交響曲」は、管弦楽のための8曲の交響曲とは別に作曲された。この作品の2つの楽章、「悲歌の「エスプレシーヴォ」と弔いの音楽「アダージョ」」はノルドグレンの葬儀で演奏された。「全世界が嘆くだろう」は、1968年、既成秩序に反抗する学生たちが蜂起しフランス五月革命の年、ユハの父エイノ・カンガスの学生オケのために作曲された。曲の基になったのはフィンランドの古い賛美歌。1974年、弦楽オーケストラのために改訂され、ユハ・カンガスとオストロボスニア室内管が初演した。「オーボエ協奏曲」は、スウェーデンのオーボエ奏者ヤーレンの提案から生まれた「想像できるかぎりもっとも美しい楽器の組み合わせ」のオーボエと弦楽のための音楽を書きたいというノルドグレンの夢が実現した作品。ヤーレンから伝えられた新しいテクニックにインスピレーションを得たといわれる。タピオラ・シンフォニエッタのオーボエ奏者アンニ・ハーパニエミソロを務める。 | ||
星へ - TBB Live!〜カリ・コムッパ:作品集 Kohti korkeuksia [To the Stars] (星へ)/458 R.T./ Kontrasteja [Contrasts] (コントラスト)/ Tethys/Makumoka (わるい趣味)/Blues 26/アルデバラン/Saxlix ユハ・ウンタラ指揮タンペレ・ビッグ・バンド (TBB) ユッカ・エスコラ(Tp) マサ・オルパナ、ユッカ・ハンニネン、ペトリ・ニエミネン(Sax) ラウリ・ハンヌ(G) アキ・リッサネン(P) プロスペロー室内o. | ||
結成から21年経った2006年、古巣のタンペレ音楽院に戻ったタンペレ・ビッグバンド(TBB) が伝説とまで言われるジャズ作曲家、カリ・コムッパの作品を演奏したライヴ。 | ||
シマノフスキ(1882-1937):ピアノ作品集 Vol.1 9つの前奏曲 Op.1 /メトープ〜3つの詩 Op.29 / セイレーンの島/カリプソ/ナウシカー/ ピアノ・ソナタ第3番 Op.36 |
アヌ・ヴェヘヴィライネン(P) | |
ポーランドの作曲家、ピアニスト、カロル・シマノフスキ。ワーグナー、リヒャルト・シュトラウス、レーガー、スクリャービン、ドビュッシー、ラヴェル、ショパンの音楽から影響をうけ、また、ポーランドの民俗音楽からインスピレーションを得た作品を残した。Alba Recordsが始めるシマノフスキのピアノ作品シリーズ。起用されたのは、2000年春、ヘルシンキでデビュー・リサイタルを行ったアヌ・ヴェヘヴィライネン。彼女は、デビュー後、フィンランド国内のフェスティヴァルやフランス、エストニア、ポーランドのコンサートに出演。ポーランドのザコパネで行われたシマノフスキ・フェスティヴァルでも演奏している。ミケル市o.を初めとするオーケストラにソロイストとして客演。室内楽活動の一環として、室内楽アンサンブル、タンペレ・ローにも参加している。 | ||
シベリウス: ピアノのための内的風景 5つの特徴ある印象 Op.103/ 5つの小品「花の組曲」Op.85/ 5つのロマンティックな小品 Op.101/ 劇付随音楽「テンペスト」Op.109 より 〔情景/子守歌(*)/エピソード/間奏曲(*)/ ニンフの踊り〕(*; トゥイヤ・ハッキラ編曲)/ 5つのピアノの小品「樹の組曲」Op.75/ 5つのスケッチOp.114/2つのロンディーノOp.68/ 4手のためのアダージョ「わが愛するアイノに」(#) |
トゥイヤ・ハッキラ(P) ヘイニ・カルッカイネン(P;#) | |
トゥイヤ・ハッキラの新しいアルバム「ピアノのための内的風景」はシベリウスのピアノ作品集。ヤルヴェンパーの森とトゥースラ湖畔を散策した作曲者の " 内的風景" を映し出した作品群、「樹の組曲」「花の組曲」「5つのロマンティックな小品」「5つの特徴ある印象」。想像力と響きへの鋭い感覚が演奏者に求められる曲集。シベリウスの数多い劇付随音楽の最後の作品、1925年の「テンペスト」の音楽は、作曲者自身の編曲による3曲に加え、ハッキラの編曲した「子守歌」と「間奏曲」が録音された。1926年、シベリウスの " 交響的思考の結論" と言うべき交響曲第7番と交響詩の "究極 "、「タピオラ」の3年後の「5つのスケッチ」に描かれているのも作曲者の "内なる "自然の風景。「わが愛するアイノに」は4手のピアノのための小品。1931年8月、60歳を迎える妻アイノへの誕生日プレゼントとして作曲した、シベリウスの最後のピアノ曲。リーサ・ポホヨラとラルフ・ゴトーニに学んだヘイニ・カルッカイネンが共演している。 | ||
フィンランドのオルガン作品 アルマス・マーサロ(1885-1960):主題と変奏 Op.35(1936)/ソナタ ハ短調 Op.5(1915) ヴァイノ・ライティオ(1891-1945):カンツォネッタ(1935)/伝説曲 Op.20-1(c.1922-23) ヨン・グランルンド(1888-1962):パッサカリア(1915)/オルガン・ソナタ 変ロ短調(1917/1920?) ヴィッレ・ウルポネン(Org) | ||
19世紀フィンランドのオルガン曲は、そのほとんどが典礼目的で作曲された。芸術作品としてのオルガン曲が書かれるようになったのは1910年代の初頭。このアルバムでヴィッレ・ウルポネンが弾いているのは、1910年代から1940年代に作られた、音楽史的にも価値のある作品。主に宗教声楽曲で知られるアルマス・マーサロの今なおフィンランドのオルガン音楽を代表すると言われる「主題と変奏」。「音楽は色彩」と考えたヴァイノ・ライティオの2つの小品。ヨン・グランルンドの「パッサカリア」とオルガンソナタは、マーサロのソナタとともにこれが初めての録音。 | ||
スピーラ [Speira] ヴァンサン・ブショ(1966-): Sonatina Palimpsestica (2002) シド・ヒッレ(1961-):プロムナード(2008/09) イーリス・コソネン(1960-):Mariatyyri(2006) ペッカ・ヤルカネン(1945-):スピーラ(Speira)(2004) ハッリ・ヴェッスマン(1949-): フィンランディア(2003) |
デュオ・ドリュアデス [クリスティナ・クーシスト (バンドネオン) マリ・マンテュラ(10弦G)] | |
「10弦ギター」(ABCD-261)を録音したマリ・マンテュラがバンドネオン奏者のクリスティナ・クーシストのアンサンブル、デュオ・ドリュアデス。10弦ギターとバンドネオンのデュオの新しい魅力を探るため、2002年に結成された。それぞれスタイルの違う5人の作曲家たちが、このデュオのために書いた、人生のサイクルであったり、旅と出逢いであったり、"speira(輪)" を共通とする作品が演奏される。 | ||
タピオ・トゥオメラ(1958-):合唱曲集 子守歌と呪文(2000)(*)/アンティ・プーハーラの4つの歌(2008)(#)/ 紙上音楽(1990/2008)(+)/ロンド(1997)(**)/ フィンランド語のヴォカリーズ(1993)(##)/痛みを防ぐ呪文(2006)(++) カイサ・トゥップライネン(Perc;*) ヘイッキ・ニクラ(Cl/B−Cl;*) サーラ・ラウティオ(Hp;#) タピオ・トゥオメラ(サンプリング;##) エーリク=オーロフ・セーデルストレム指揮(*/##/++) ハンヌ・ノルヤネン指揮(**) ニルス・シュヴェケンディク指揮(#/+) フィンランド放送室内cho.(*/**/##)、ヘルシンキ室内cho.(#/+/++) | ||
フィンランドの作曲家タピオ・トゥオメラは、古来の民話とモダニズムの音楽の融合を図る試みをさまざまなジャンルの作品で行ってきた。2005年、フィンランド伝統の文学を現代の音楽に活かした功績によりカレワラ協会のカレワラ賞を獲得し、翌2006年には、フィンランド国立オペラの委嘱により作曲したオペラ「母と娘」(1998-99)が北欧音楽協議会の作曲賞にノミネートされた。エーリク=オーロフ・セーデルストレム、ニルス・シュヴェケンディク、ハンヌ・ノルヤネンの指揮によりフィンランド放送室内合唱団とヘルシンキ室内合唱団が録音したアルバム。フィンランドに伝わる民俗詩をテクストに使った、トゥオメラの代表的合唱曲集。 | ||
ディエゴ・オルティス(c.1510-c.1570):レセルカーダ(リチェルカーレ) 〔第1番「パッサメッツォ・アンティーゴ」/第2番「パッサメッツォ・モデルノ」/ 第4番「ガンバ」/第8番「ガンバ」/第5声部「ルッジェーロ」/ 第3番「パッサメッツォ・モデルノ」/第6番「ロマネスカ」/第7番「ロマネスカ」〕 クリストファー・シンプソン(c.1602-1669): 前奏曲 ニ長調/グラウンド ニ長調/前奏曲 イ短調/グラウンド イ短調/ 前奏曲 ト短調/グラウンド ト長調/前奏曲 ホ短調/グラウンド ホ短調 マラン・マレ(1656-1728):スペインのフォリア アントワーヌ・フォルクレ(c.1672-1745):シャコンヌ ミカ・スイヒコネン(ヴィオラ・ダ・ガンバ) バッロ・デッラ・バターリャ ゲスト:アンドルー・ローレンス=キング(Hp) | ||
16世紀から18世紀に生きた4人の音楽家のガンバ作品集。ヴィオール演奏に関する即興と装飾技法の最初の教本とされる「 Tratado deGlosas」(1553)を著したスペインの作曲家、音楽学者ディエゴ・オルティス。ヴィオールの独奏とアンサンブルの華麗な技巧曲を載せた本を発表したイギリスの音楽家、作曲家クリストファー・シンプソン。フランスの宮廷に仕えた、ヴィオラダガンバの名手ふたり、マラン・マレとアントワーヌ・フォルクレ。フィンランドの音楽祭やヨーロッパ各地のコンサートに出演してきたヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、ミカ・スイヒコネンとバッロ・デッラ・バターリャに、彼らと定期的に共演しているイギリスのハープ奏者ローレンス=キングが加わったアンサンブルによる録音。 | ||
スペインの色彩〜セビリャのカフェ エンリケ・グラナドス:昔風のスペインの歌曲集 より [トラ・ラ・ラとギターのつまびき/マハの流し目/町をぶらつく/あのいとしいマホ/ああ、私の命のマホ/控えめなマホ] ホアキン・ロドリーゴ:12のスペイン民謡 より[馬祭り/デ・ロンダ/アデーラ] フェデリコ・ガルシア・ロルカ:スペインの民謡と詩 より [四人のロバ追い/ソロンゴ/チニタのカフェ/ハエンのモーロ娘たち/18世紀のセビリャナ/ セビリャの子守歌/巡礼者たち/アンダ・ハレオ(さあ、暴れろ)] ホアキン・トゥーリナ:カンターレスOp.19-3 アラセリ・フェルナンデス(S) ハンヌ・シースコネン(G) | ||
スペインのソプラノ、フェルナンデスとフィンランドのギタリスト、シースコネンが共演。詩人、劇作家のガルシア・ロルカの「スペインの民謡と詩」から選んだ8曲をはじめとするスペインのクラシックとポピュラーの歌を演奏している。 | ||
リスト: ピアノ作品集 ポロネーズ第2番 ホ長調 S223/2/ 詩的で宗教的な調べS173〜孤独のなかの神の祝福/ スペイン・ラプソディ (スペインのフォリアとホタ・アラゴネーザ) S254/ 巡礼の年第3年S163〜エステ荘の噴水/ ドン・ジョヴァンニの回想 S418/ 愛の夢第3番 S541/3 |
アルト・サトゥカンガス(P) | |
フィンランドのピアニスト、アルト・サトゥカンガス(1962-)は1979年、ヘルシンキのマーイ・リンド・コンペティションで優勝、その8年後パリでデビューし、1991年から1992年にかけて日本ツアーを行った。アメリカデビューは1994年で、カーネギー・ホールのヴェイル・リサイタルホールでコンサートを行った。アメリカをふたたび訪れた2008年からスタインウェイ・アーティストを務めている。リストのピアノ作品集は、マルコ・ユロネンと共演したショパンとラフマニノフのチェロ・ソナタ(ABCD-293) に次ぐ録音。 | ||
ペッペ・ヤラヴァ・バンド〜Go to the Beach 盗賊の小屋/水面、ときどき水面下/鎖と門)/雨降り/お役人/のみの市で/昔のメーデーのポンポン/渚へ行け/ダイビング ペッペ・ヤラヴァ・バンド [ヤーコ・マルティカイネン(テナーSax/ソプラノSax) アンティ・ヘルマヤ(Tb) エルッキ・フオヴィネン(G/半音ハーモニカ) ミッコ・ムルタマキ(ベースギター/ベース) ペルッティ・ペッペ・ヤラヴァ(Dr/Kb/サウンドイフェクツ) トイシント、ティモ・レヘトヴァーラ(リーダー)] | ||
ジャズミュージシャンとしてスタートし、クラシカル音楽の作曲家として、「自由調性の、時としてネオロマンティックともいえるスタイル」(キンモ・コルホネン)の2つの交響曲や室内楽曲を書いたペルッティ・ヤラヴァ(1960-)。「聴き手が情緒的な体験をし、旅をし、言葉のない物語を読むことができるように」と語るヤラヴァが、みずからのバンドとともに、彼の音楽のライトな面を聴かせるアルバム。 | ||
トランスクリプションの芸術 Vol.2 サン=サーンス/リスト&ヴラディーミル・ホロヴィッツ編:死の舞踏 J.S.バッハ/アレクサンドル・ジロティ編: 管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV1068〜G線上のアリア ラフマノニノフ/アール・ワイルド編:ヴォカリーズOp.38-14 セバスティアン・ファーゲルルンド(1972-): Licht im Licht(2007)(ブラームス「ハイドンの主題による変奏曲」による幻想曲) ベートーヴェン/リスト編:交響曲第5番 ハ短調 Op.67 リスト=マッティ・マリン(P) | ||
録音:聖ヨハネ教会 (ヘルシンキ)。 シベリウス・アカデミーの博士課程で「ピアノ・トランスクリプション」の演奏と論文に取り組むリスト=マッティ・マリン(1976-)が研究の一環として録音するシリーズ。チェルニー、タールベルク、J.S.バッハ、ベートーヴェン、ロナルド・スティーヴンソン、アレックス・フリーマン、リストを演奏した第1集(ABCD-240)につづき、「作曲者と演奏者、ふたつの顔をもつヴィルトゥオーゾたちが何を考えたか?」をさらに追求していく。 | ||
シャルル=マリー・ヴィドール(1844-1937):オルガン交響曲集 〔第3番 ホ長調 Op.13-3/第8番 ロ短調 Op.42-4〕 ヤン・レヘトラ(Org) | ||
使用オルガン:リヨン・聖フランソワ教会(フランス)、カヴェイエ=コル製作、1879年。 フィンランドのオルガニスト、レヘトラによる「歴史的オルガンと作曲家」シリーズ第2作。初期のスタイルを代表し、後年改訂された第3番。大規模で、高度な技術を求められる第8番。この録音にレヘトラは、ヴィドールが1838年から1889年にかけてオルガニストを務めたリヨンの聖フランソワ教会に1879年に設置されたオルガンを選んだ。この楽器を建造したアリスティード・カヴァイエ=コルは、ヴィドール家と交際があり、ヴィドールのブリュッセル留学を整えたことで知られるオルガン製作者。ヴィドールの作品は、オルガニストとオルガン製作者の協力が見事な結果をもたらした最良の例とも言われる。 | ||
アークティック・ヒステリア アトソ・アルミラ(1953-):木管五重奏曲第2番 「アークティック・ヒステリア」(2006) ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): 善きサマリア人 Op.141(2007) ヨーナス・コッコネン(1921-1996): フルート、オーボエ、クラリネット、ホルンと ファゴットのための五重奏曲(1973) ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): 木管五重奏曲第2番 Op.22(1975) |
アルクティネン・ ヒュステリア木管五重奏団 [マッティ・ナルヒンサロ(Fl) アンニ・ハーパニエミ(Ob) クリストフェル・ スンドクヴィスト(Cl) トンミ・ヒュッティネン(Hr) アン=ルイーズ・ヴェーガル(Fg)] | |
シベリウス・アカデミーで室内楽を学び、フィンランドでは数少ない常設の木管五重奏団として活動している、北極圏のエスキモー社会にみられるという不思議な行動「アークティック・ヒステリア」 をグループ名とする団体による、フィンランドの作曲家3人、アトソ・アルミラ、ノルドグレン、コッコネンの木管五重奏曲集。アルミラの木管五重奏曲第2番「アークティック・ヒステリア」は、2006年のクルーセル音楽週間で彼らが初演した。 | ||
ペール・ヘンリク・ ノルドグレン(1944-2008):弦楽四重奏曲集 [第10番 Op.142「ショスタコーヴィチへの 最後のオマージュ」(2007)/ 第11番 Op.144(2008)] |
テンペラSQ [ラウラ・ヴィークマン、 シルヴァ・コスケラ(Vn) ティーラ・カンガス(Va) ウッラ・ランペラ(Vc)] | |
ノルドグレンの最後の弦楽四重奏曲2曲を、シベリウスの弦楽四重奏曲全曲(BIS-1903/05)で名を挙げたテンペラ四重奏団が録音。『いずれも彼女らの四重奏団に献呈された作品』とのこと 第10番は2008年1月のカウスティネン室内楽フェスティヴァルで、第11番は同年7月25日のクフモ室内楽フェスティヴァルでそれぞれ初演された。第11番の最終楽章「後奏曲、ピエトーゾ」には、調和のうちに生を終えたいという作曲家の願いがこめられており、この初演がノルドグレンの臨んだ最後のコンサートになった。1ヶ月後の8月25日、ノルドグレンは64歳の生涯を閉じている。 | ||
「誓います」〜フィンランドの結婚の音楽 オスカル・メリカント:婚礼の賛美歌 / クーラ/レヘトラ編曲:結婚行進曲 メラルティン/レヘトラ編曲:祝祭行進曲 / スノーレ:クルーヌピューの結婚行進曲(*) ヤルネフェルト:婚礼の音楽(*) / ホンギスト:結婚行進曲(*)/婚礼の音楽(*) リンヤマ:婚礼の音楽(*)/花嫁の音楽(*)/結婚序曲/婚礼の音楽(*) ペール・ヘンリク・ノルドグレン:結婚行進曲(*) / コッコネン:婚礼の音楽 カレヴィ・アホ:結婚行進曲1(*)/結婚行進曲2(*) / アルミラ:婚礼の音楽Op.13 No.2/後奏曲 Op.13 No.3 ヘイニオ:序曲と到着(*)/出発(*) / ルオラヤン=ミッコラ:結婚行進曲(*) リーモラ:結婚行進曲(*)/前奏曲(*)/ファンタジア(*) / ティッカ:退出の結婚行進曲(*) リンヤマ:結婚行進曲/婚礼の音楽/婚礼の音楽 / トゥオメラ:結婚行進曲 (e-b-e) (*) ラウタヴァーラ:結婚行進曲 / ネヴォンマー:結婚行進曲(*) / ティカンマキ:結婚式1&2 グスタフソン:祝祭音楽 / ノルドストレム:結婚行進曲(*) / ヴィドイェスコーグ:結婚行進曲(*) ミエッティネン:結婚行進曲(*) / レヘトラ:トッカータ(*) / アルミラ:婚礼の音楽(*) コルテカンガス:ハンナとユッシの婚礼の音楽 / カレヴィ・アホ:婚礼の音楽(*) セッポ・ポホヨラ:結婚行進曲(*) / ヴァイニオ:イントラーダ(*) ルオッティネン:思いやり(男の言葉で言えば)(*) / カイパイネン:真実を喜ぶ Op.80 (*) ヤン・レヘトラ(Org) | ||
(*)は世界初録音。「歴史的オルガンと作曲家」シリーズを録音したオルガニスト、ヤン・レヘトラ(1972-)が弾く、結婚式のためのフィンランド伝統の曲と新しい曲のコレクション。これだけ結婚関係の音楽を集めたアルバムは珍しく、ジューン・ブライドの時期に最適なプレゼント。 | ||
ニーノ・ロータ(1911-1979): ピアノ協奏曲 ホ短調「去りし日の小世界」(1978)/ ピアノ協奏曲 ハ長調(1959-60) |
ヤンネ・メルタネン(P) ハンヌ・リントゥ指揮 タンペレpo. | |
フィンランドのピアニスト、ヤンネ・メルタネンの新録音はニーノ・ロータの2曲のピアノ協奏曲。ロータはイタリアのミラノ生まれ。オレフィーチェ、ピツェッティ、アルフレード・カセッラに作曲を学び、作曲家と指揮者として活躍した。とりわけ映画音楽の作曲者としての知名度が高く、『道』『カビリアの夜』をはじめとする一連のフェッリーニ作品、ルネ・クレマンの『太陽がいっぱい』、ヴィスコンティの『山猫』、ゼッフィレッリの『ロメオとジュリエット』、フランシス・フォード・コッポラの『ゴッドファーザー』、アガサ・クリスティー原作による『ナイル殺人事件』などのスコアにより映画史にその名が刻まれた。オペラ、バレエ、管弦楽曲、室内楽曲とジャンルは幅広く、ロータが第二次世界大戦の前後に書いた管弦楽作品は今も各国のオーケストラにより演奏されている。ミケランジェリに献呈された ハ長調の協奏曲。フェッリーニの映画の音楽、あるいはアルレッキーノやプルチネッラの登場するコンメディア・デッラルテのイメージを連想させる、きらきらと輝く万華鏡にも似たショーピースと言われる。ラフマニノフ、シューマン、グリーグ、ラヴェルの音楽を垣間見せ、チャーミングで洗練されたピアノパートに魅力があるとされる、「去りし日の小世界」の副題をもつ ホ短調はロータの最後の作品。 メルタネン(1967-)はショパンの音楽を社交のサロンから解き放った4枚のショパン・アルバム、ショパン・ピアノ作品集(ABCD-138)、夜想曲集(ABCD-160、ABCD-190)、ピアノ協奏曲第1番・第2番(ABCD-247)と、彼の弾くショパンに共感した作曲者が演奏を許可したという初期作品を含むコッコネン・ピアノ作品集(ABCD-127)、サティ・ピアノ曲集(ABCD-115)には静かな人気がある。 | ||
ビーバー:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ 〔イ長調/ハ短調/ニ長調〕/ ヴァイオリンと通奏低音のための幻想曲 ニ長調 ムファット:オルガンのためのトッカータ〔第2番/第7番〕/ オルガンのためのパッサカリア ト短調 ペトリ・タピオ・マトソン(バロックVn) マルック・マキネン(Org) エーロ・パルヴィアイネン(アーチリュート) | ||
ビーバーとムファットの作品を交互に配列した曲順(上記は収録順ではありません)。 1670年代から1680年代のほぼ同じ時代にザルツブルク大司教の宮廷楽団に仕え、バロック時代を彩ったふたりの作曲家、北ボヘミアのヴァルテンベルク(現チェコ、ストラーシュ・ポド・ラルスケム)出身のビーバーとサヴォイア公国(現フランス、ムジェーヴ)生まれのムファット。ビーバーがドイツ音楽に徹したのに対し、ムファットはさまざまな音楽に関心を抱き、17世紀のドイツ語圏ではもっともコスモポリタンな音楽家のひとりとみなされた。ビーバーのヴィルトゥオーゾ書法のソナタに対して、ムファット流のヴィルトゥオジティは、やわらかい美しさ。それぞれヴァイオリンとオルガンのヴィルトゥオーゾとして知られながら、音楽の性格は異なる。この<ヴィルトゥオーゾ対決>をバーチャルに再現してみせるのはフィンランドの気鋭の古楽奏者。 | ||
変化はやってくる ヨアヒム・ベルンハルト・ハーゲン(1720-1787)/ ペトリ・クメラ編曲:ロカテッリの主題による変奏曲 J.S.バッハ/ペトリ・クメラ編曲: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV1004〜シャコンヌ フェルナンド・ソル:幻想曲第2番 Op.7 ニコラス・モー(1835-2009):ミュージック・オブ・メモリー ロッタ・ヴェンナコスキ(1970-):Balai (2009) / ジョン・ダウランド:別れ ペトリ・クメラ(G) | ||
フィンランドでもっとも多才のギタリストのひとり、ペトリ・クメラ。コンサートやC.P.E.バッハのトランスクリプション集(ABCD-244)で国際的にも知られるようになった。16世紀から今日まで、それぞれの世紀を代表するギターのための変奏曲を演奏するアルバム、「変化はやってくる」。ひとつの時代から次の時代へ、さまざまに変化するスタイルと多様なハーモニーの景色。現代の音楽に献身的に取り組むクメラがどういう世界を示してくれるのか、興味のもたれるアルバム。 | ||
LEVITATION〔空中浮揚〕 ペーテル・エトヴェシュ(1944-):2つのクラリネット、アコーディオンと弦楽のための「空中浮揚」(2007) (*) カール・ニルセン(1865-1931):クラリネット協奏曲 FS129 Op.57 (1928) (#) アウリス・サッリネン(1935-):クラリネット、ヴィオラと室内管弦楽のための協奏曲 Op.91 (2006-07) (+) クリストフェル・スンドクヴィスト(Cl) クッレルヴォ・コヨ(Cl;*) ヤニ・ニーニマキ(スネアドラム;#) トンミ・アールト(Va;+) ハンヌ・リントゥ指揮(*/#) オッコ・カム指揮(+) フィンランド放送so. | ||
録音:2009年10月8日-9日(+)、2010年2月11日-13日(#)、5月6日-7日(*)、文化の家、ヘルシンキ。制作:ラウラ・ヘイキンヘイモ、録音:ヤリ・ランタカウリオ。フィンランド放送so.の首席クラリネット奏者を務めるクリストフェル・スンドクヴィスト(1978-)はスウェーデン系のフィンランド人。シベリウス・アカデミーのアンナ=マイヤ・コルシマーとバーゼル音楽アカデミーのフランソワ・バンダの下で学び、2004年クルーセル・クラリネット・コンペティションで第1位を獲得。翌2005年にフィンランド放送so.の首席奏者に就任した。そしてフィンランド放送so.をハンヌ・リントゥとオッコ・カムが指揮。興の乗った演奏と色彩鮮やかな録音が、スタイルも気分も異なる3つの協奏曲を楽しませてくれるアルバム。 収録されているのは3曲のクラリネット協奏曲。「空中浮揚」は、ハンガリーのペーテル・エトヴェシュがザビーネとヴォルフガングのマイヤー兄妹のために書いた4楽章の作品。第3楽章と終楽章にそれぞれ「舟歌」「ペトルーシュカの復活」の副題がつけられている。 ニルセンのクラリネット協奏曲は、先に木管五重奏曲(1922)を献呈したコペンハーゲン木管五重奏団のメンバーのために彼がフルートの作品につづいて書いた協奏曲。クラリネットを担当していたオーエ・オクセンヴェズの技巧と音楽と性格を念頭に置いて作曲され、「オクセンヴェズの肖像画」とみなされている。 アウリス・サッリネンの「クラリネット、ヴィオラと室内管弦楽のための協奏曲」はフィンランド放送の委嘱を受けて作曲された。バルト海に迷い込んだイルカの母子を悼む「イルカの嘆き」、サッリネンがテレマンの「2つのヴィオラのための協奏曲」のために書いたカデンツァが織り込まれた「遊び」、闘牛に対する疑問と憤りの「雄牛のアダージョ」の3楽章。「動物の権利を献身的に擁護したフランスの女優ブリジット・バルドーの精神を手本にした」と作曲者は語っている。スンドクヴィストとトンミ・アールトが、オストロボスニア室内o.の2007年-2008年のシーズン、創設35周年記念ンサートで初演した。 | ||
美しきナポリ フランチェスコ・マンチーニ:リコーダーと通奏低音のためのソナタ第4番 イ短調 ドメニコ・スカルラッティ: ソプラノと通奏低音のためのカンタータ「お願いニーチェ、逃げないで」/ ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 K91 ジュゼッペ・ポルシーレ:ソプラノ、リコーダーと通奏低音のためのカンタータ「すでに三度なれば」 ニコラ・ポルポラ:チェロと通奏低音のためのソナタ ヘ長調 アレッサンドロ・スカルラッティ: ソプラノ、ヴァイオリン、リコーダー、チェロと通奏低音のためのカンタータ「あの至福の静けさ」 バッカーノ[トゥーリ・リンデベリ(S) ハンナ・ハーパマキ(リコーダー) メルヴィ・キンナリネン(バロックVn) ユッシ・セッパネン(バロックVc) エーロ・パルヴィアイネン(リュート/バロックG) マルック・マキネン(Cemb)] | ||
「美しきナポリ」。みずから音楽をたしなみ、音楽を愛した貴族の庇護の下、音楽史上もっとも美しい花を咲かせた時代のひとつ、17世紀と18世紀のナポリにおける器楽曲とソプラノのためのソロ・カンタータを、フィンランドを代表するピリオド楽器奏者の参加するアンサンブル、バッカーノが録音。2003年の結成。以来、メンバーは、アンサンブルとして、あるいは個々に、フィンランド各地の音楽祭に参加。ほかのピリオド楽器アンサンブルと共同でヨーロッパ・ツアーも行っている。 | ||
アルフレッド・コルデリンへのオマージュ [Hommage à Alfred Kordelin] テオドール・デュボワ(1837-1924):葬送の行列 シベリウス:フリーメイソンの儀式音楽Op.113(1927年初稿) オスカル・メリカント/オシアン・フォーストレム編曲: ロマンス(ホルンとオルガンのための) タネリ・クーシスト(1905-1988):間奏曲 Op.18-1 エドゥアルド・アードルフ・トート(1839-1872): アンダンテ・レリジョーゾOp.10(ホルンとオルガンのための) アーレ・メリカント(1893-1958):間奏曲(初稿 1939) ゲーオー・ヘーベア(1872-1950):アンダンテ(ホルンとオルガンのための) ヴァイノ・ライティオ(1891-1945):間奏曲 アウグスト・シェールリング(1842-1919):パストラーレ(ホルンとオルガンのための) ナジ・ハキム(1955-):表現 / テオドール・デュボワ:天国にて ヤン・レヘトラ(Org) ペトリ・コムラネン(Hr) | ||
録音:2010年5月17日-18日、コルデリン礼拝堂(ラウマ、フィンランド)。使用楽器:コルデリン礼拝堂(ラウマ、フィンランド)のカンガサラ・オルガン(1921年製)。なお、フランスの作曲家 Théodore Dubois が、すべて『テドル・デュボワ』という謎の名前になっていたが、上記では訂正済。 フィンランドのオルガニスト、ヤン・レヘトラの「歴史的オルガンと作曲家」シリーズ第3作。選ばれたオルガンは、フィンランド西海岸の町ラウマにあるアルフレッド・コルデリンの墓地礼拝堂に設置されたカンガサラ・オルガン。 コルデリンはラウマ生まれの大実業家で慈善家。フィンランドが独立した1917年に没した。翌1918年、彼に遺志と遺言により基金が設立され、科学、文学、芸術、公教育への貢献に対して奨学金と名誉賞が贈られることになった。奨学金の授与が始まったのは1921年。1923年には最初の名誉賞がシベリウスに贈られた。芸術の分野ではロベルト・カヤヌス、ウーノ・クラミをはじめとする作曲家が奨学金を与えられ、メリライネン、ラウタヴァーラ、カレヴィ・アホ、パーヴォ・ヘイニネンが名誉賞を受賞してきた。1921年、基金はコルデリン礼拝堂を建立、堂内にカンガサラ製作の小型オルガンが設置された。ラウマ神学校の講師、献堂式でデュボワの「葬送の行列」を演奏したマルッティ・ヘラは、「あらゆる点で第一級の礼拝堂オルガンだ。おそらく、北欧の墓地礼拝堂に設置されたオルガンではこれに匹敵するものはないだろう」と日記に記した。このアルバムのためにレヘトラは、基金ゆかりの作曲家による作品とともに、この小さな楽器の美点の活かされる曲を選んだ。シベリウスの「フリーメイソンの儀式音楽」の8曲は1927年の初稿、男声合唱をともなわない版が演奏される。ラハティso.の副首席ホルン奏者、ペトリ・コムラネンが4つの曲でレヘトラと共演している。 | ||
サクソフォン・ロマンス ユーリウス・ヤコブセン:ワルツ・スケルツァンド デューク・エリントン/ビリー・ストレイホーン:スタークロスト・ラヴァーズ ジョージ・ド・ゴジンスキー:ロマンティックな小品 / リッカルド・ドリゴ:ブリエッタ・ワルツ ビリー・ストレイホーン:チェルシー・ブリッジ / アーサー・ボーンシャイン:抒情的な幻影 ギュンター・バハナー:ヘカトン / デューク・エリントン:プレリュード・トゥ・ア・キス エルンスト・フィッシャー:夕陽の微かな光のなかに / グスタフ・リントナー:ヴァルス・カプリース デューク・エリントン/ジョン・ハール、ジョン・レネハン編:サルトリー・サンセット オッリ=ペッカ・トゥオミサロ(Sax) トゥオミサロのオーケストラ | ||
オッリ=ペッカ・トゥオミサロ(1970-)は、シベリウス・アカデミーのペッカ・サヴィヨキに下で学び、現在、アカデミーの博士課程で研究をつづけながら、サクソフォン奏者として国内外で積極的な演奏活動を行っている。現代フィンランドの作品を集めた「アベニュー」(ABCD-275)につづく、このアルバム「サクソフォン・ロマンス」では、一転、親しみやすい音楽を中心とするプログラムを演奏している。デューク・エリントン作の3曲は、彼らしい上品かつ官能的な少しけだるい美しいメロディー満載の名曲。「スタークロスト・ラヴァーズ」は村上春樹の小説「国境の南、太陽の西」にも登場する曲で、“幸薄き恋人たち " というタイトル通り寂しく悲しい曲でサックスの甘く切ない音色にピッタリの作品。トゥオミサロのオーケストラに参加するのはフィンランド音楽界のフロンティアで活躍するプレイヤーたち。エリントンの曲では、ピアノのリスト=マッティ・マリン、ベースのヴェサ・オヤニエミ、ドラムズのミッコ・アルリンのトリオが、トゥオミサロと一緒にスウィングする。 | ||
ジャン=フィリップ・ラモー:コンセール・クラヴサン曲集(1741) [コンセール第1番/コンセール第2番/コンセール第3番/コンセール第4番/コンセール第5番] アーポ・ハッキネン(Cemb) ペトリ・タピオ・マトソン(Vn) ミッコ・ペルコラ(Gamb) | ||
バロック期のフランスで最も高雅な音楽を書いたひとり、ジャン=フィリップ・ラモーが残した唯一の室内楽作品、5組のコンセールからなる「アンサンブルのための」クラヴサン曲集。この曲集は彼が舞台のための音楽を手がける以前に作曲した「クラヴサン曲集」3巻や「新クラヴサン曲集」を「懐かしい想いとともに振りかえるような」(シルヴィ・ブイッスー)趣をもち、オペラの作曲を重ねながら到達した円熟したスタイルを反映する作品群とみなされている。イタリアのトリオソナタと異なりチェンバロがソロ楽器として魅力をいっぱいに振りまく「コンセール」の音楽。この新しい録音でチェンバロを弾くのは、アーポ・ハッキネン(1976-)。ヴァイオリンのペトリ・タピオ・マトソンは、フィンランド・バロックo.コンサートマスター(1999-2006)を経て、2009年2月からバロックアンサンブル、オーパスX Opus Xの芸術監督。ヴィオラダガンバを弾くミッコ・ペルコラは、シベリウス・アカデミーとハーグの王立音楽院で学んだ後、異なる分野のアーティストと積極的な創作活動を行っている。今日のフィンランドでもっとも才能のあるバロック音楽家の集まったアンサンブル。 | ||
ヴェリ=マッティ・プーマラ(1965-):管弦楽のための作品集 チェインスプリングズ(1995/1997)/時の種子(2004)(ピアノと管弦楽のための協奏曲) ローランド・ペンティネン(P) ハンヌ・リントゥ指揮タンペレpo. | ||
ヴェリ=マッティ・プーマラは、1990年代フィンランドに現れたもっとも重要な作曲家のひとりに挙げられる。「ベートーヴェンからシュトックハウゼンを経て未来へとつながる太い線。それをモダニズムと言うなら、私はモダニストだ。ここにはかならず何か新しい発見があると信じたい」と語ったプーマラ。同じくヘイニネンに教わったサーリアホやマグヌス・リンドベリが、国際的に名を知られるにつれ伝統的、ネオロマンティックなスタイルに傾斜していったのに対し、プーマラは、みずからの信じる道を歩みつづけている。大編成の管弦楽のために書かれ、音の「色彩」によって楽器を配列する「チェインスプリングズ」。「時の種子」は、ハンヌ・リントゥの提案から生まれた「ピアノと管弦楽のための協奏曲」。ヘルシングボリso.、オウルso.、シェランso.、スタヴァンゲルso.が共同で委嘱。ローランド・ペンティネン、スサンナ・マルッキ、リントゥのために作曲された。フィンランド作曲家著作権協会 Teosto の主宰する "Teosto Prize" の2005年受賞作。 | ||
エーロ・ハメーンニエミ(1951-): 歌曲集「赤い大地と降りそそぐ雨」(2008)(*)/歌曲集「鳥と風」(1993-94)(#) ボンベイ・ジャヤシュリ(Vo;*) プーングラム・スブラマニアム(ムリダンガム;*) S.カールティック(ガタム;*) ミンナ・ペンソラ(Vn;*) ヘイッキ・ニクラ(バスCl;*) ラウラ・レイスマ(S;#) ユッカ・ランタマキ(Vn;#) ラリマッティ・プネルプロ(Vc;#) ヨン・ストゥールゴールズ指揮アヴァンティ!室内o. | ||
2曲とも世界初録音。 ハメーンニエミはフィンランドの若い作曲家たちが作ったグループ「耳を開け!」の初代会長を務め、その後、モダニズムを捨て、伝統的なネオエクスプレッショニスト様式に転向。1990年代の初めからは、インド古典音楽の要素を取り入れた音楽語法による作品を発表するようになった。 「鳥と風」は、その時代の代表的作品のひとつ。「誕生と死の5つの歌」の副題をもち、フィンランドの民俗詩と古代インドの詩をグレゴリー・ウォーレン=ウィルソンが英訳したテクストをソプラノが弦楽5部の共演で歌い、2人のインド踊り手が加わるステージで演奏される。ヨエンスー・フェスティヴァルの委嘱により、1993年から1994年にかけて作曲された。 歌曲集「赤い大地と降りそそぐ雨」は、南インドの古典音楽、カルナータカ(カルナティック)音楽を代表する女性歌手のひとり、ボンベイ・ジャヤシュリのために作曲された作品。タミル語の詩集「Kuruntokai」から選んだ5つの愛の詩をハメーンニエミ自身が翻訳したテクスト。ソロヴォーカル、管弦楽、ヴァイオリン・ソロ、バスクラリネット・ソロ、ムリダンガム(南インドの両面太鼓)、ガタム(壺)の編成。ムリダンガムのプーングラム・スブラマニアムとガタムのS.カールティックによる即興演奏の織り込まれる音楽。今日の音楽からタンゴまで、あらゆるジャンルに素晴らしい演奏を聴かせる室内オーケストラ、アヴァンティ!をヘルシンキ・フィルハーモニックの首席指揮者、ヨン・ストゥールゴールズ(1963-)が指揮した。 | ||
スペイン・リサイタル [Recital Español] ホアキン・トゥーリナ:ファンダンギーリョOp.36 (1925) マヌエル・デ・ファリャ:クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための賛歌 (1920) ホアキン・トゥーリナ:タレガを讃えて Op.69 (1932) フェデリコ・モレノ・トロバ:夜想曲 (1926) ホアキン・トゥーリナ:セビリャ幻想曲 Op.29 (1923) ルイス・デ・ミラン:「巨匠と題されたビウエラ曲集」より ファンタシア〔第8番/第9番/第12番〕/パヴァーヌ〔第4番/第6番〕 フランシスコ・タレガ:前奏曲第1番/アラビア・カプリッチョ/前奏曲第7番/ アラールの華麗なる練習曲/前奏曲第2番 オスモ・パルム(G) | ||
ギター音楽の豊かな歴史からスペインの3つの時代を代表する作品をフィンランドのギタリスト、パルムが弾いた「スペインのリサイタル」。16世紀、ルイス・デ・ミランが、15世紀から16世紀ごろイベリア半島で演奏された、ギターに似た楽器、ビウエラ・ダ・マーノのための曲を集めて出版した「巨匠と題されたビウエラ曲集」(1536)から「ファンタシア」と「パヴァーヌ」。19世紀、ギターの音色と技巧を革新的に発展させ芸術音楽の楽器としての人気と地位をもたらしたタレガの作品から、ジャン=デルファン・アラールがヴァイオリンのために書いた「練習曲」を編曲した「アラールの華麗なる練習曲」と前奏曲。20世紀、ファリャがフランスの音色の巨匠の死を悼んで作曲したハバネラのリズムによる「賛歌」、サルスエラの名匠、トローバがギターのために作曲した印象主義風の「夜想曲」、トゥーリナの作品。 オスモ・パルムは、シベリウス・アカデミーでティモ・コルホネンとユッカ・サヴィヨキに師事し、修士号を得た後、パリでオリヴィエ・シャサンに学んだ。2002年ウィーンのギター・フォーラムなど各地のコンペティションを経てギター奏者として活動を始め、国際的にも知られる写真家ハンヌ・ハウタラとの共同作業やフルート奏者のトンミ・コイヴニエミとのデュオも行っている。 | ||
ペール・ヘンリク・ノルドグレン追悼 ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944-2008): サクソフォン四重奏、弦楽オーケストラとゴングのための協奏曲 Op.108(2000) アルヴォ・ペルト(1935-):フラトレス(室内オーケストラのための) (Version A) (1977/1980/2007) アウスケトル・マウッソン(1953-):クウォトレイン(サクソフォン四重奏と弦楽のための)(2005) カレヴィ・アホ(1949-):ペール・ヘンリク・ノルドグレン追悼(ヴァイオリン独奏のための)(2009) ラッシャー・サクソフォン四重奏団 [クリスティーネ・ラル(ソプラノSax) エリオット・ライリー(アルトSax) ブルース・ワインバーガー(テナーSax) ケネス・クーン(バリトンSax)] ヨン・ストゥールゴールズ(Vn)指揮ラップランド室内o. | ||
2008年に亡くなったフィンランドの作曲家ペール・ヘンリク・ノルドグレンを追悼するアルバム。ドイツ生まれ、アメリカのサクソフォン奏者ジーグルト・ラーシェール(1907-2001)が娘カリーナ(カーリン)と1969年に創設したラッシャー・サクソフォン四重奏団(ラーシェール・サクソフォン四重奏団)のためにノルドグレンが作曲した「サクソフォン四重奏、弦楽オーケストラとゴングのための協奏曲」。ペトリ・サカリとラッシャー・サクソフォン四重奏団の提案によりアイスランド国営放送の作曲家基金がアウスケトル・マウッソンに委嘱、素材のひとつをアイスランド伝承のバラード「アウサの詩」に求め、4人のサクソフォン奏者のソロとカデンツァが散りばめられた「クウォトレイン」。1996年からラップランド室内o.の芸術監督を務める指揮者、ヴァイオリニストのヨン・ストゥールゴールズが、2009年11月15日、シウンティオで初演したカレヴィ・アホの「ペール・ヘンリク・ノルドグレン追悼」。そして、エストニア生まれ、オーストリアの作曲家ペルトの代表作「フラトレス」の室内オーケストラ版が演奏される。 | ||
ラースロ・シュレ(1955-):銀色の孤独 Dripstone Music/Moon's Silver Solitude/Pikaia/Linear Soundscape/ Cave Drawings/Walking with Bach/The Island of Kirke ペンティ・ラハティ(木管楽器) ラースロ・シュレ(P) スカルバンティアSQ ゾルターン・タカーチ、ラウラ・コッコ(Vn) マックス・サヴィカンガス(Va) リーカ・ランピネン(Vc) ハンヌ・ランタネン(ベース) | ||
録音:2010年、アラビア・スタジオ(ヘルシンキ)。制作:ラースロ・シュレ、録音:ヤンネ・ヴィクステーン。ハンガリー生まれ、ジャズとコンテンポラリーミュージックのピアニスト、作曲家としてフィンランドで活躍するラースロ・シュレの新作。クラシカル音楽とジャズの融合を図り、木管楽器、ベース、ピアノと弦楽四重奏の即興を自由に組み入れた音楽としている。2ヶ月という短い期間に作曲された7曲は、それぞれに独立した表情をもちながら、テーマと感覚にひとつの流れのある「組曲」ともみなされる。 | ||
メンデルスゾーン(1809-1847): 6つのオルガンソナタOp.65 〔イ長調 Op.65-3/ニ短調 Op.65-6/ニ長調 Op.65-5/ ハ短調 Op.65-2/ヘ短調 Op.65-1/変ロ長調 Op.65-4〕 |
ヤン・レヘトラ(Org) | |
使用楽器:ウーシカウプンキ(フィンランド)の Marcussen &Sohn オルガン、1865年製。フィンランド、ラウマのコルデリン礼拝堂に設置されたカンガサラ・オルガンでシベリウスの「フリーメイソンの儀式音楽」を含むプログラムを演奏した「アルフレッド・コルデリンへのオマージュ」(ABCD-316)に次ぐヤン・レヘトラ(1972-)の「歴史的オルガンと作曲家」シリーズ。第4作では、クラリネットのための3つの協奏曲で知られる作曲家クルーセル(1775-1838)の生まれた、フィンランド西部、ウーシカウプンキ(スウェーデン語名:ニュスタードNystad)の町にあるMarcussen &Sohn オルガン(1865年製)を弾き、メンデルスゾーンのオルガン作品群の要、ソナタ(作品65)の全6曲を録音した。1845年の出版。ピアノで試演したローベルト・シューマンが、「強烈なほど詩的な」と作曲者に宛てて書き、「B-A-C-H の名による6つフーガ」(1845)を作曲する刺激になったとも言われる音楽。 | ||
ペーテリス・ヴァスクス(1946-):オルガン作品集 テ・デウム(1991)/ヴィアトーレ(さすらい人)(2001)/カント・ディ・フォルツァ(2006)/ ムジカ・セリア(1998 rev.2008)/カントゥス・アド・パーチェム(1984) トゥオマス・ピュルホネン(Org) | ||
録音:2010年4月30日-5月2日、リガ大聖堂、リガ(ラトヴィア)。使用楽器:ヴァルケル製。制作:ハッリ・ケルコ、録音:エンノ・マエメツ。バルト三国、ラトヴィアを代表する作曲家のひとり、ペーテリス・ヴァスクスが、もっとも表現力のある楽器と考えているというオルガンのための作品集。「テ・デウム」は、ソビエト連邦から独立したラトヴィアへの賛歌。ヴァスクスが大きな影響を受けたというアルヴォ・ペルトに捧げた「ヴィアトーレ(さすらい人)」とベルリン・フィルハーモニーの12人のチェリストのために書いた「カント・ディ・フォルツァ」は、それぞれ弦楽オーケストラとチェロアンサンブルのための曲を作曲者自身がオルガン用に編曲した。不安をかきたてるような半音階の音楽に特徴があり、トーンクラスターも用いられた「ムジカ・セリア」は、ヴァスクスの音楽の実験的な側面を代表する作品。オルガンのための協奏曲「カントゥス・アド・パーチェム」は、壮大な音楽タペストリー。ラトヴィアの首都リガの大聖堂に設置されたヴァルケル・オルガンは1884年1月に落成。ストップ数124、4段鍵盤、2組のペダルボード、総パイプ数6,718本の大オルガンは、落成時の姿のまま今に伝わる。トゥオマス・ピュルホネンはシベリウス・アカデミーで教会音楽の修士号を取得、2002年からヨエンスー教区の上級教会音楽家を務め、2010年の秋からはアカデミーの博士課程に学んでいる。 | ||
伝説2〜トイヴォ・クーラ(1883-1918):作品集 海の賛歌 Op.11 No.2(マデトヤ編)/祝祭行進曲「ラプア行進曲」Op.5(合唱と金管アンサンブル版)/ こだまを揺らす Op.11 No.6 /弔いの歌 Op.11 No.5 /祝祭カンタータ「イソキュロ・カンタータ」(1904) / わが子をトゥオネラに Op.11 No.4 /調べ Op.29b No.1 /ヌイヤミエスト行進曲 Op.28 No.4a / 祝祭行進曲「ラプア行進曲」Op.5(合唱と管弦楽版) ティモ・レヘトヴァーラ合唱指揮カテドラリス・アボエンシスcho. エサ・ルートゥネン(Br) マルック・ヒエタハルユ(Org) パシ・ヘリン(P) ライネ・アンプヤ指揮衛兵金管アンサンブル、ペトリ・サカリ指揮トゥルクpo. | ||
初めて録音で紹介される曲が魅力のひとつ、トイヴォ・クーラの作品集「伝説」。第1集(ABCD-264)につづく2 作目のアルバムでは、トゥルクに本拠を置くカテドラリス・アボエンシス合唱団の歌を中心にプログラムが組まれた。この合唱団の創設は1982年。技術をもったアマチュア歌手を集め、フィンランドの旧都トゥルクの大聖堂にちなみ命名された。大聖堂の典礼に参加するほか、トゥルク・フィルと共演を重ね、フィンランド放送so.、ヘルシンキ・フィル、タピオラ・シンフォニエッタをはじめとするオーケストラのコンサートに出し、フランスのロレーヌ国立管とも共演。2008年秋に就任したティモ・レヘトヴァーラ(1965-)が音楽監督を務める。「伝説2」に収録された初録音曲は3曲。演奏がむずかしいことで悪名高い混声合唱のための原曲をマデトヤが混声合唱と管弦楽用に編曲した「海の賛歌」、フォシュマンの詩による「ものみな滅ぶ」と「詩編118番」をテクストとする「今日こそ主の御業の日」の2曲からなる「祝祭カンタータ」(作品番号なし)、そして「祝祭行進曲」。「ラプア行進曲」の別名をもつ「祝祭行進曲」は、合唱と金管アンサンブル、合唱と管弦楽の2つの版が演奏されている。 | ||
歴史的オルガンと作曲家 Vol.5〜ユーゲント=アール・ヌヴォー ・キュミ職業学校講堂(クーサンコスキ)のオルガン(1933年) シベリウス:イントラーダ Op.111a / フランス・リンナヴオリ(1880-1926):夕べの歌 トイヴォ・クーラ(1883-1918):オルガンのための小品 Op.16b/前奏曲/間奏曲 ヤン・レヘトラ(1972-):即興「シベリウスへのオマージュI」 ・ヴィサヴオリ(ヴァルケアコスキ)のオルガン(1905年) ヘイッキ・クレメッティ(1876-1953):小前奏曲 / セリム・パルムグレン(1878-1951):前奏曲〔第1番/第2番〕 スロ・サロネン(1899-1976):小前奏曲/パルティータ「あの夏の美しさ」 オスカル・メリカント(1868-1924):100のコラール前奏曲より 〔第22番 ホ短調/第44番 嬰ヘ短調/第63番 ニ短調/第77番 ト短調/第99番 ヘ短調/祈り〕 ・カレラ(ルオヴェシ)のオルガン(1850年-1860年?/1898年?) シベリウス:葬送音楽 Op.111b/即興曲 Op.5 / アルマス・マーサロ(1885-1960):エイノ・レイノ追悼 Op.26 No.2 ヤン・レヘトラ(1972-):即興「シベリウスへのオマージュII」 ・アモス・アンデション美術館(ヘルシンキ)のオルガン(1926年) アーレ・メリカント(1893-1958):アンダンテ / ヴァイノ・ライティオ(1891-1945):ガウデアムス ユハニ・ポホヤンミエス(1893-1959):アンダンテ・グラツィオーゾ / シベリウス:前奏曲(1925)/後奏曲(1925) ヤン・レヘトラ(Org) | ||
録音:2010年8月13日、カレラ/2010年9月26日、アモス・アンデション美術館/2010年9月27日、ヴィサヴオリ/2010年9月28日、キュミ職業学校、以上フィンランド。制作:ヤン・レヘトラ、録音:ミカ・コイヴサロ。ヤン・レヘトラ(1972-)の「歴史的オルガンと作曲家」シリーズ第5作。フィンランドでオルガン製作がもっとも活発だった時代に製造された小型の室内オルガンが選ばれ、ゆかりのナショナルロマンティック期の音楽が演奏された。ガッレン=カッレラの博物館で演奏される「葬送音楽」は、シベリウスが親友ガッレン=カッレラの葬儀のために作曲した作品。作曲者自身の手で焼却されたことが伝わる第8交響曲の緩徐楽章が素材に使われている。2曲の「シベリウスへのオマージュ」は、シベリウスがオルガン・ヴィルトゥオーゾのアンドレ・マルシャルのために書いた主題と、ガッレン=カッレラの子、キルスティとヨルマの洗礼のために訪れたシベリウスが、カレラのグラウンドピアノを弾いて書いた第2交響曲終楽章コーダの主題に基づく即興演奏。CDジャケットの表紙絵は、シベリウス、オスカル・メリカント、指揮者カヤヌスの顔も描いたガッレン=カッレラの「饗宴」。各オルガンと作曲家の関係を楽器の写真と仕様とともに解説した51ページのブックレット(英語・フィンランド語)の表紙には同じガッレン=カッレラの「天へ」が使われている。当時流行った美術様式に因み、アルバムには「ユーゲント-アール・ヌヴォー」の副題がつけられた。 | ||
アントニオ・ソレル(1729-1783):チェンバロ・ソナタ集 〔第61番 ハ長調/第107番 ヘ長調/第69番 ヘ長調/第18番 ハ短調/第5番 ヘ長調/第6番 ヘ長調/ 第24番 ニ短調/第84番 ニ長調/第37番 ニ長調/第34番 ホ長調/第106番 ホ短調/第71番 イ短調〕 アンナ=マーリア・オラモ(Cemb) | ||
アントニオ・ソレルは、後期バロックから初期古典主義におよぶ時代の作曲家。スペインのカタルーニャ生まれ。誓願を立て修道院生活を送っていたことからアントニオ・ソレル神父として知られる。チェンバロのためのソナタは、彼の作品の柱のひとつ。スペインの香りも漂う作品群は、明確なコントラストと豊かな装飾をもち、このジャンルの重要な遺産とみなされている。12曲のソナタ。第61番は4楽章から構成され、その他の曲は単一楽章。 チェンバロ奏者のアンナ=マーリア・オラモは、父が音楽学者のイルッカ・オラモ、母がピアニストのリーサ・ポホヨラ、兄が指揮者のサカリ・オラモという音楽一家。2004年、ソロイストとしてデビュー。バード、J.S.バッハ、ヘンデル、クープラン、フレスコバルディといったアーリーミュージックとバロック期の作品から、20世紀のファリャ、フランク・マルタン、プーランク、ストラヴィンスキー、あるいは現代フィンランドのセッポ・ポホヨラ、エーロ・ハメーンニエミ、ユッカ・ティエンスー、キルモ・リンティヘンまで多様なスタイルの音楽をレパートリーにソロ奏者、室内楽奏者としてフィンランドとヨーロッパ各地のコンサートとフェスティヴァルに出演をつづけている。 | ||
冬のりんご〜フィンランドのナショナルロマンティック合唱音楽 シベリウス:舟の旅 Op.18 No.3/恋するもの Op.14 JS160c/そこなわれた声 Op.18 No.1 トイヴォ・クーラ:舟歌 Op.21 No.2/春の歌 Op.11 No.7/黎明 Op.11 No.3/ キャラヴァンの合唱 Op.21 No.1/眠り、メロディ、りんごの木 Op.11 No.1 アルマス・ヤルネフェルト:恋するものの道 / アルマス・マーサロ:子守歌 リカルド・ファルティン編:谷に咲くばら レーヴィ・マデトヤ編:3つの民謡 Op.57〔夏の夜わたしは森をとおり/炉から眠りが語りかける/ああ、早く夕闇が訪れてくれれば] パルムグレン:子守歌/夏の夕べ Op.59b No.1(編曲)/ぶらんこ/ポプラ/夜に糸を紡ぐ者/ 悲しみ Op.16b No.1/夏至/春のメロディ/春の風/春の蝶/ため息/海で テルットゥ・イソ=オヤ(S) トゥオマス・カタヤラ(T) ヨーセ・ヴァハソユリンキ(B) ヘイッキ・リーモラ指揮クレメッティ音楽大学室内cho. | ||
録音:2010年6月19日-22日、タンペレ・ホール小講堂、タンペレ(フィンランド)。制作:ユッタ・セッピネン、録音:メッティ・ヘイノネン。19世紀と20世紀フィンランドの作曲家たちが作曲、編曲した「ナショナルロマンティック」な作風の合唱曲集。クレメッティ音楽大学室内合唱団は、1959年、ハラルド・アンデシェンにより創設された。合唱のプロフェッショナルとレベルの高いアマチュアを広く国内から集め、毎夏、集中したリハーサルが行われる。合唱団の目的のひとつは、新作と演奏機会の少ない作品をプロモートすること。指揮者のヘイッキ・リーモラは、1999年から2004年まで、みずから創設したタンペレ・フィルハーモニック合唱団の指揮者を務めた。全27ページのブックレットにはトゥーラ・マンテュヤルヴィとヤーコ・マンテュヤルヴィによる作曲者、作詞者、曲の詳しい解説(英語・フィンランド語)と歌詞の対訳が掲載されている。「見よ、わが魂よ、われらが生の歓びのいかにもろく、はかなき」。コスケンニエミの詩をテクストとしたトイヴォ・クーラの「黎明」は、フィンランド・ナショナルロマンティシズムの合唱音楽が要約された作品とも言われ、美しい音楽。 | ||
ペリマンニの春 ホルスト:セントポール組曲 Op.29 No.1 / ラウタヴァーラ:ペリマンニたち Op.1 ラーション:民謡の夜(1941) / ラングストレム:スペルマンの春(1943) ペール・ヘンリク・ノルドグレン:田舎の昔の情景 Op.139(2006) ヴェイネル:ディヴェルティメント第1番 Op.20 トビアス(トゥビン編):夜曲(1902 arr.1939) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
民俗音楽に素材や題材を求めた作品は、民俗音楽にそのルーツをもつオストロボスニア室内o.と芸術監督ユハ・カンガスの重要なレパートリーのひとつ。ノルドグレン、ブルッフ、バルトーク、サッリネン、ラウタヴァーラ、グリーグ、ヤルカネンの曲による第1作「ペリマンニの肖像」(ABCD-205)につづく2作目の「肖像画集」は「ペリマンニの春」と題され、イギリスのホルスト、フィンランドのラウタヴァーラとノルドグレン、スウェーデンのラーションとラングストレム、ハンガリーのヴェイネル、エストニアのトビアスの「芸術音楽とともに息づく民俗の調べ」が紹介される。ピアノのための曲を作曲者自身がオーケストレーションしたラウタヴァーラの「ペリマンニたち」は、1973年の初演以後、フィンランドをはじめ各国の弦楽オーケストラのレパートリーとしてすっかり定着した。オストロボスニア室内o.がこの作品を録音するのは、これが2度目。ノルドグレンの「田舎の昔の情景」は、「ペリマンニの肖像」と同様、ペリマンニが弾いた民俗音楽を弦楽とハープのために自由に編曲した5曲の作品。これが初録音。 | ||
美しくあること ブリテン:イリュミナシヨンOp.18 / ヘンツェ:美しくあること(1963) シェーンベルク:心のしげみ Op.20 /シマノフスキ:スウォピェヴニェOp.46b (1921) カスティリョーニ:テルツィーナ(三行連句) (1992-93) アヌ・コムシ(S) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. サカリ・オラモ指揮ウーシンタ室内アンサンブル | ||
主に現代の作品をレパートリーにヨーロッパのオペラとコンサートのステージで活躍するフィンランドのソプラノ、アヌ・コムシ(1967-)の「エイノ・レイノの詩を歌う」(ABCD-231)につぐアルバム。彼女は、プログラムの曲を結ぶ「赤い糸」に詩人のアルチュール・ランボーを設定し、彼の男性の恋人ポール・ヴェルレーヌの「情熱の交歓」を表したとも解釈されている詩「美しくあること」をアルバムのタイトルに選んだ。「美しくあること」は、ランボーの詩によるブリテンの歌曲集「イリュミナシヨン」に含まれ、「カムアウト」したヘンツェもこの詩を歌曲に歌い上げた。シェーンベルク自身がメーテルランクの作品をドイツ語に訳した詩をテクストとする「心のしげみ」。ニコロ・カスティリョーニ(1932-1996)の「テルツィーナ」は、ドイツの改革派作家ゲルハルト・テルステーゲン(1697-1769)の詩による「陶酔」の歌。アヌ・コムシはこの「三部作」を2010年3月、オリヴァー・ナッセン指揮ロンドン・シンフォニエッタのコンサートでも歌っている。ブリテン、ヘンツェらと同じ性的嗜好を持つシマノフスキが、ポーランドの詩人ユリアン・トゥヴィム(1894-1953)の詩に作曲した5つの歌曲集「スウォピエフニェ」でアルバムは閉じられる。 | ||
ヴィルトゥーゾ・チェロ パガニーニ:モーゼ幻想曲 / ブラームス:ハンガリー舞曲第5番 サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン / ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテラ モンティ:チャールダーシュ / バッツィーニ:妖精の踊り / サラサーテ:カルメン幻想曲 セーリ・トイヴィ(Vc) カッレ・トイヴィオ(P) | ||
ヴァイオリンのためのヴィルトゥーゾ曲をチェロで演奏する。フィンランドの美人チェリスト、セーリ・トイヴィオの「ヴィルトゥーゾ・チェロ」は、独奏者、室内楽奏者として国内外で活動する彼女がコンサートのプログラムにしばしば取り上げる技巧的な作品を集めたアルバム。トイヴィオは、ロンドンの王立音楽アカデミーとヘルシンキのシベリウス・アカデミーでチェロ演奏のディプロマを取得し、18世紀以後のチェロの左手技法発展を研究した論文により、2009年、シベリウス・アカデミーの博士号を得ている。17世紀から今日まで、幅広い時代の作品がレパートリー。フィンランド文化基金から貸与された1707年のダーヴイト・テヒラーを弾いている。共演するピアニストのカッレ・トイヴィオはセーリの兄弟。室内楽の演奏やオペラ歌手との共演のほか、オルガニストとしてフィンランドとアメリカで演奏している。 | ||
マシュー・ホイットール(1975-):草の葉(2005-09) (ウォルト・ホイットマンにちなむ12の前奏曲) リスト=マッティ・マリン(P) | ||
カナダ生まれ、フィンランドの作曲家マシュー・ホイットールの「草の葉」は、アメリカの詩人ホイットマンの詩に基づいて作曲されたピアノのための前奏曲集。「藻塩草」の「涙」から「真昼から星ふる夜まで」の「澄み渡った真夜中」まで12曲。ホイットールは、ラヴェルがベルトランの詩に基づいて「夜のガスパール」を書いたのと同じアプローチで純粋にピアノのための音楽として作曲、いずれも特定の標題音楽の性格をもたず、おのおのの詩の雰囲気が作曲者のうちで純化されている。リスト=マッティ・マリンの委嘱により第1集が2005年に、あとの2集が2009年に作曲された。『「普遍者の歌」は、リスト=マッティが愛してやまないものふたつ、ロマンティシズム時代のピアノ・パラフレーズとプログレッシヴ・ロックへの華やかなオマージュ……ホイットマンの詩の多くの要素を表現するため、根本的に異なる素材とリズムとテクスチュアを並べながら、この曲集の中でもっとも大きく、もっとも明確にロマンティックといえるキャンバスに描いた』(ホイットール) | ||
セッポ・ポホヨラ(1965-):弦楽四重奏曲集 〔第1番(1990-91) /第2番(1995) /第3番(2000) /第4番(2006)〕 カムスSQ[テルヒ・パルダニウス、ユッカ・ウンタマラ(Vn) ユッシ・トゥフカネン(Va) ペトヤ・カイヌライネン(Vc)] | ||
クセナキスに似て荒々しく、リゲティ風のあふれんばかりの音場をもった第1番の弦楽四重奏曲で成功を収め、フィンランドの若い世代を代表する作曲家のひとりと認められたセッポ・ポホヨラがこれまでに作曲した4曲の四重奏曲が初めて録音で紹介される。3楽章の演奏時間が5分48秒と簡潔な、モダニスト期の第1番に対し、もっと伝統的なテクスチュアとより豊かな響きと和声をもち、明快なリズムもみられる第2番……いっそうの磨きをかけ、均一な響きを意識したという、軽く陽気でスケルツォ風、ユーモラスとさえ言える気分に貫かれた第3番。演奏時間約33分と4曲のうちもっとも長い第4番は、その劇的構造と多彩な変化をみせるテクスチュアが作曲家カイパイネンから評価され、「フィンランド弦楽四重奏曲の画期的な一作」の賛辞を贈られたといわれる作品。カムスSQは、2002年、シベリウス・アカデミーのフレッシュマン4人により結成された。レパートリーは60曲を超し、積極的にコンサート活動をつづけている。 | ||
ショパン: ロンド・クラコヴィアクOp.14 /アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズOp.22 / ポーランド幻想曲 Op.13 /「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲 Op.2 ヤンネ・メルタネン(P) ヤニ・テラランタ指揮トゥルクpo. | ||
ピアノ曲集(ABCD-138)、夜想曲(ABCD-160、ABCD-190)、ピアノ協奏曲(ABCD-247)と続くヤンネ・メルタネン(1967-)のショパンはいずれもロングセラーをつづけている。新たな洞察と内省から見出されたショパンは、清潔で、気取りも衒いもなく、禁欲的。その透明な響きのピアノからは、優しさと温もりが伝わって来る。シベリウス・アカデミーでタヴァッシェルナとバシキロフに学び、1992年、ドイツのダルムシュタットで行われた国際ショパン・コンクールで優勝して、一躍注目を集めた。イタリアのアカデミア・ピアニスティカでラザーリ・ベルマンに師事、1994年10月にはロンドンのウィグモアホールでショパンを弾いてデビューしている。トゥルク・フィルを指揮するヤニ・テラランタ(1976-)は、ヨルマ・パヌラから個人的に指導を受けた後、シベリウス・アカデミーでアツソ・アルミラ、エリ・クラス、レイフ・セーゲルスタムに師事。2000年には、新青年室内o.(UNKO)を創設している。 | ||
アーレ・メリカント(1893-1958): 交響曲第1番 ロ短調 Op.5 (1914-16) / 交響曲第3番(1952-53) |
ペトリ・サカリ指揮 トゥルクpo. | |
世界初録音(第3番のみ?)。アーレ・メリカントは、パングー、ライティオとともに1920年代フィンランドのモダニズムを代表する作曲家のひとり。モダニズムへの無理解に苦しめられ挫折を味わった時期もありながら、彼は作曲をつづけ、民俗舞曲のリズムなどフィンランドの国民的要素とモダニズムを結びつける、独自の道を見出していった。メリカントの交響曲第1番は、ライプツィヒに留学しレーガーに学んでいた1914年に初演され、父で作曲家のオスカルに捧げられた。交響曲第3番は1952年から1953年にかけて作曲。ネオクラシカルなトーンをもつ舞曲風の「スケルツォ、ヴィヴァーチェ」、ロマンティックな心の動きが支配する「アンダンテ」、民俗舞曲のリズムの用法がモダニズム期のメリカントを思わせる「アレグロ」。ネオクラシカルなスタイルと後期ロマンシズムの要素の融合させることに成功した、メリカント最後の大作。 | ||
シマノフスキ:ピアノ作品集 Vol.2 幻想曲 ハ長調 Op.14/仮面 Op.34/ マズルカOp.50〜第1、2、3、4曲/ 2つのマズルカOp.62 |
アヌ・ヴェヘヴィライネン(P) | |
シマノフスキのエキスパートとして注目されるフィンランドの若手女流ピアニスト、アヌ・ヴェヘヴィライネン。第1集が非常な名演だったシマノフスキのピアノ作品集、待望の第2集登場。まだ初期の叙情薫る「幻想曲」、神秘的かつ高踏的で、難技巧が要求される「仮面」、ポーランド南部タトラ山の伝統音楽に根差した民族色薫る後期のマズルカまで、シマノフスキの魅力を満喫出来る。ヴェヘヴィライネンは高度な技巧を駆使しつつ、シマノフスキ特有のどこか北欧的な透明で冷たい感触を絶妙に表現。幻影を見るかのようなひとときを過ごさせる。 | ||
セッポ・ポホヨラ(1965-):交響曲集 〔第1番(2002) (*) /第2番(2006) (#) 〕 |
サカリ・オラモ指揮 フィンランド放送so. | |
録音:2010年8月30日-9月1日(*)、2011年4月14日-15日(#)、文化ホール、ヘルシンキ。世界初録音。1990年代、生粋のモダニストからスタートしながら、次第にモダニズムから距離を置き「自分の声」で語るようになった世代の作曲家のひとり、セッポ・ポホヨラ。弦楽四重奏曲集(ABCD-334)に続き、2曲の交響曲が紹介される。どちらも彼がより簡素で伝統的な響きのスタイルを探るようになった2000年代の作品。両曲ともベートーヴェンやシベリウスの交響曲のように主題を有機的に展開するのではなく、いろいろなエピソードから音楽を構成する方法を採っている。第1番は優れた音楽家でもあった二人の兄を追悼して作曲された。ベートーヴェンの「歓喜の歌」をはじめとするいくつかの引用には、自分自身への皮肉も含め、さまざまな思いがこめられているとのこと。第2番はオーケストレーションにポホヨラの本領が発揮されているといわれる。「管弦楽のための協奏曲」と呼ばれてもいいくらい、それぞれの楽器が強い印象を与える音色で色彩のパレットに加わる。ポホヨラの従兄にあたるサカリ・オラモがフィンランド放送so.を指揮。 | ||
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集 Vol.1 〔第5番 ニ長調 Op.70 No.1「幽霊」/ 第6番 変ホ長調 Op.70 No.2 /変ロ長調 WoO39 〕 |
テロ・ラトヴァラ(Vn) マルコ・ユロネン(Vc) リスト・ラウリアラ(P) | |
録音:2010年11月25日-28日、アクスティーカ、ユリヴィエスカ、フィンランド。コシュホルム音楽祭の芸術監督を務めるフィンランドのチェリスト、マルコ・ユロネン(1966-)がベートーヴェンの三重奏曲シリーズを開始。ヴァイオリンのテロ・ラトヴァラは、2011年秋からタンペレ・フィルハーモニックの准コンサートマスター。ピアノのリスト・ラウリアラ(1949-)は、1972年にシベリウス・アカデミーのディプロマを取得。フィンランド、ヨーロッパ、日本、アメリカなどでソロと室内楽のピアニストとして活動している。 | ||
アダージョ〜弦楽オーケストラのための作品集 ラウタヴァーラ:ディヴェルティメント(1953) クリスティーナ・スピネイ(1984-):シンクト(同期して)(2010) (*) エリオット・カーター:弦楽オーケストラのためのエレジー(1942) マーク・サターホワイト(1954-):アシュアリ・クロス(骨壺十字架)(2011) (*) クラーク・マカリスター(1946-):アクエ・スリス(2011) (*) レーヴィ・マデトヤ:エレジー(悲歌)Op.4 No.1 / プッチーニ:菊 ホセ・セレブリエール:アダージョ(1964) (*) / トゥーリナ:闘牛士の祈り Op.34 ホセ・セレブリエール指揮聖ミケル・ストリングズ〔ミッケリ市o.〕 | ||
(*)は世界初録音。指揮者で作曲家としても知られるホセ・セレブリエールが、フィンランド、ミッケリ市のオーケストラ、聖ミケル・ストリングズを指揮したアルバム。タイトルのとおり、ゆったとしたテンポの美しい作品のコレクションは、弦楽オーケストラのレパートリーとして定着したラウタヴァーラ、マデトヤ、トゥーリナ、プッチーニの作品、アメリカの作曲家4人の作品、そしてセレブリエール自身の曲が演奏されている。クリスティーナ・スピネイは、振付師、映画監督、音楽家からの委嘱がつづき、セレブリエールが、アメリカでもっとも才能に恵まれた若い作曲家のひとりと呼ぶ作曲家。マーク・サターホワイトは、ミシガン州立大学とインディアナ大学で学び、オーケストラのダブルベース奏者を務めた後、作曲に力点を置いた活動をしている。クラーク・マカリスターは、吹奏楽で知られるフレデリク・フェネルに学んだミュージックエディター、アレンジャー。彼がセレブリエールと聖ミケル・ストリングズのこのプロジェクトのために作曲した曲は、プラハにある中世の美術品を集めた博物館で見た十字架の形をした骨壺をイメージ、「アシュアリ・クロス(Ossuary Cross)」の言葉の響きにも魅せられたと言われる。 | ||
Notkeatonline ヨウニ・カイパイネン(1956-):バスター・キートンの亡霊 Op.86a (2008-09) パーヴォ・コルピヤーコ(1977-):アミューズ・ブシュ(2008) ウスコ・メリライネン(1930-2004):タイムライン(1989) ハンヌ・リントゥ指揮タンペレpo. | ||
全て世界初録音。現代フィンランドの作曲家3人の管弦楽作品集。ヨウニ・カイパイネンは、グループ「耳を開け」のメンバーのひとり。1980年代のモダニズム・スタイルから、近年は、表現主義の書法に古典的な明快さを導入した、色彩とイマジネーションゆたかな作風に変わってきた。「バスター・キートンの亡霊」は、2部からなる作品。最初の「バスター・キートンの亡霊」は、友人のマルック・ペルトラを追悼して作曲された。ペルトラは、アキ・カウリスマキの映画「過去のない男」に主演したことで国際的にも知られる俳優で、タイトルは、歌手でもあったペルトラがリリースしたアルバムに因んでつけられた。もうひとつの「ベナンの朝の歌」は、西アフリカのベナンにあるフィンランド・アフリカ文化センターを訪れた時のカルチャーショックから生まれた。パーヴォ・コルピヤーコは、タンペレ応用科学大学で作曲をカイパイネン、ヌオルヴァラ、ポホヤンノロに学び、コルテカンガス、マグヌス・リンドベリらのマスタークラスにも参加した。フランス料理で食前酒とともに出される軽いつまみ「アミューズ・ブシュ」をタイトルとする約16分の音楽は、フィンランド放送so.の委嘱により作曲。この曲についてカイパイネンは「ちょっとしたオードブルどころか、栄養のある食事そのもの」と評している。ウスコ・メリライネンの作品は、タンペレ・ホールこけら落としのために書かれた作品で、メリライネンの最良の作品に数えられる。 | ||
コントラスト〜オルガンのための作品集 ブクステフーデ:前奏曲 ホ長調 BuxWV141 / サッリネン:オルガンのためのシャコンヌOp.23 ハメーンニエミ:パッサカリア / ブクステフーデ:前奏曲 嬰ヘ短調 BuxWV146 J.S.バッハ:前奏曲とフーガ イ長調 BWV536 / カイパイネン:パッサカリアOp.71 コルテカンガス:シャコンヌ / J.S.バッハ:前奏曲とフーガ イ短調 BWV543 カリ・ヴオラ(Org) | ||
ナーンタリ修道院教会のオルガン(フィンランド)。 オルガンのマエストロ、ブクステフーデとバッハの作品と現代フィンランドのサッリネン、エーロ・ハメーンニエミ、ヨウニ・カイパイネン、オッリ・コルテカンガスの作品を「対照(コントラスト)」させる。カリ・ヴオラは、シベリウス・アカデミーで教会音楽とオルガン演奏を学び、デンマーク、フィンランド、ドイツ、スイスのマスターコースに参加。コペンハーゲンの王立音楽アカデミーでハンス・ファーギウスに師事した。1987年からナーンタリで教会音楽家として働き、1993年にラハティ国際オルガン・フェスティヴァルの「若き芸術家」に選ばれた。 | ||
郷愁〜弦楽のためのフィンランド抒情曲集 カヤヌス:貧しい娘の子守歌 (1896) / シベリウス:抒情的なアンダンテOp.5 Nos.5-6 /ロマンスOp.42 ヤルネフェルト:ある朝早く(却下された訴え) (1900) / シベリウス:プレスト(スケルツォ) Op.4 No.3 メラルティン:カンツォーネ / アーレ・メリカント:カンツォーナ(1934) ライティオ:ロマンス(1940)/セレナード(1940)(ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための) クラミ:子守歌(1930) /ソナチネ(1934) / カスキ:無言歌 / マデトヤ:エレジーOp.4 No.1 クーラ:無言歌 Op.22 No.1 / クーラ編曲:民謡 Op.9 No.2 / ハーパライネン編曲:あなたが忘れられない(1929) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. レイヨ・トゥンカリ(Vn) | ||
「カレリア」組曲と同じ1893年に出版されたピアノのための「6つの即興曲」から ロ短調と ホ長調の2曲をシベリウス自身が、交響曲第7番の作曲とほぼ同時期に弦楽オーケストラのために改訂したとされ、「抒情的なアンダンテ」の名でも知られる「即興曲」。交響曲をはじめとする大作で名高いメラルティンとクラミの書いた小品。マデトヤの「交響組曲」の第1曲「エレジー(悲歌)」。フィンランド音楽きっての人気曲のひとつ「結婚行進曲」のクーラの「クリスマスキャロル」の別名をもつ「無言歌」と、彼がポホヤンマー(オストロボスニア)の民謡を編曲した「南ポホヤンマー組曲第1集」の第2曲「民謡」。「フィンランド・ロマンティックス」の音楽を集めた「郷愁」は、ユハ・カンガス(1945-)が1972年に設立したオストロボスニア室内o.の40周年を記念してリリースされる。 | ||
ネビュラ [Nebula] 〜パーヴォ・コルピヤーコ(1977-):ギター作品集 ギターと弦楽のための協奏曲「ネビュラ」(2008) /ギター・ソナタ「キンバリー」(2006) / ラケル・リエフの詩によるメゾソプラノとギターのための歌曲集「夢の宇宙船」(2010) ペトリ・クメラ(G) ティーナ・ペンティネン(Ms) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
ペトリ・クメラは、ヘルシンキ音楽院のフアン・アントニオ・ムロとニュルンベルク=アウグスブルク音楽大学のフランツ・ハラースに学び、フィンランドでもっとも多才かつ魅力的なギタリストとして人気の高いひとり。ノルドグレンのギター曲を集めた「魅せられた音」(ABCD-218)、C.P.E.バッハの曲のトランスクリプション集(ABCD-244)、16世紀から現代までの変奏曲を集めた「変化はやってくる」(ABCD-313)につづくアルバムは、パーヴォ・コルピヤーコのギター作品集。コルピヤーコは、室内楽と器楽のための作曲からスタートし、管弦楽と劇場のための作品を手がけるようになった。フィンランド放送so.の委嘱により作曲し、タンペレ・フィルハーモニックとハンヌ・リントゥのアルバム「バスター・キートンの亡霊」(ABCD-342)で紹介された「アミューズ・ブシュ」(2008)は、彼の代表作のひとつ。ギター協奏曲「ネビュラ」は、クメラがユハ・カンガス指揮のオストロボスニナ室内o.と初演。宇宙の塵やガス状の物質が集まり、あるいは無数の星からなる、輝いた雲のように見える天体「星雲」をタイトルとするこの作品を、コルポヤーコが作曲法を学んだヨウニ・カイパイネンは「鋭い耳で洞察した音をめざましい技巧と結びつけた」と評価している。歌曲集「夢の宇宙船」は、鮮やかな比喩的表現がさまざまに解釈される、フィンランドの詩人ラケル・リエフの5つの詩がテクスト。ティーナ・ペンティネンが委嘱し、クメラの共演で初演した。ソナタ「キンバリー」は、コルピヤーコがギターのために書いた最初の作品。クメラに献呈され、2006年、彼の手で初演された。 | ||
ヴァユリネン〜J.S.バッハ:フランス組曲 Vol.1 平均律クラヴィーア曲集第1巻〜前奏曲第24番 ロ短調 BWV869 /パッサカリア ハ短調 BWV582 / フランス組曲〔第1番 ニ短調 BWV812 /第2番 ハ短調 BWV813 /第3番 ロ短調 BWV814 〕 ミカ・ヴァユリネン(アコーディオン) | ||
ミカ・ヴァユリネンは1967年ヘルシンキ生まれ。シベリウス・アカデミーとパリのギュスターヴ・シャルパンティエ音楽院に学び、1985年にデビューリサイタルを行った。目もくらむような技巧のため「アコーディオンの魔術師」とも呼ばれ、「楽譜の背後にあるもの」を鮮やかに表現した彼の音楽は、コンサート、フィンランド放送の番組、あるいはレコード録音を通じて人々に歓びをもたらしてきた。アコーディオンの可能性を求めヴァユリネンは常に新しいレパートリーに挑戦している。国際的にも成功を収めた「ゴルトベルク変奏曲」(ABCD-191)につづくバッハは「フランス組曲」をメインにその他の曲をまじえ、2集に分けてリリースされる。 | ||
北欧のヴァイオリン音楽 アイネス・チェチュリン(1859-1942):子守歌(1888) トゥール・アウリン(1866-1914):4つの水彩画(1899)/牧歌/ユモレスク/子守歌 アウリン:ポルスカ / シンディング:ロマンス ニ長調 Op.79 No.2 ベンクト・カールソン(1890-1953):ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.6 (1918) アンネマリ・オーストレム(Vn) ソニヤ・フラキ、エミール・ホルムストレム(P) | ||
アンネマリ・オーストレム(1977-)はフィンランドの若いヴァイオリニスト。音楽教師として多くのヴァイオリニストを育ててきたゲーザ・シルヴァイとチャバ・シルヴァイのテレビ番組「音楽の国のかわいいヴァイオリン弾いたち」を見て、3歳からヴァイオリンを習い始めた。シベリウス・アカデミー入学後は、ヴァイオリンのソロ演奏とともに室内楽とオーケストラ演奏のクラスにも参加。彼女のデビューアルバムのプログラムは、アカデミーの博士課程のテーマでもあるスカンディナヴィア音楽のレパートリーから選んだ4曲。ヘルシンキ音楽院ではシベリウスのクラスメート、その後ロンドンでヨーゼフ・ヨアヒムの下で学んだアイネス・チェチュリン(1859-1942)の「子守歌」。スウェーデンのヴァイオリニストで作曲家、トゥール・アウリンの「4つの水彩画」。ノルウェーのシンディングの「ロマンス」。フィンランドのベンクト・カールソン(1890-1953)のソナタは、「アレグロ、モルト・モデラート」「アレグロ・ヴィヴァーチェ」「レント」「終曲、アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章からなる約36分の作品。忘れられようとしていた「隠れた真珠」とオーストレムが言うチェチュリンとカールソンの曲は、これが初めての録音。共演者のソニヤ・フラキ(1977-)はフィンランド、エミール・ホルムストレムはスウェーデンのピアニスト。オーストレムは、シベリウス・アカデミーがアニヤ・イグナティウスから寄贈されたガルネリを弾いている。 | ||
森の若者(タピオラの野にて) トイヴォ・クーラ(1883-1918)/キンモ・ハコラ管弦楽編曲: 南ポホヤンマー〔南オストロボスニア〕民謡編曲 Op.17b(全12曲)(*) トイヴォ・クーラ/スルホ・ランタ(1901-1960)弦楽オーケストラ編曲: オルガンのための小品 Op.16b 〔前奏曲/間奏曲〕 キンモ・ハコラ(1958-):キヴィ歌曲集(アレクシス・キヴィの詩による7つの歌曲) (2007/2011) (*) トイヴォ・クーラ/ペッカ・ヘラスヴオ(1948-)編曲:海の賛歌 Op.11 No.2 トイヴォ・クーラ/ユホ・ナユッキ(1945-)編曲:結婚行進曲 Op.3b No.2 ヨルマ・ヒュンニネン(Br;*) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
フィンランドを代表するバリトン、ヨルマ・ヒュンニネンが、クーラの「南ポホヤンマー民謡編曲」とハコラの「キヴィ歌曲集」を歌ったアルバム。バックを務めるカンガス率いるオストロボスニアo.の演奏でほかに、クーラのオルガン、合唱、ピアノ作品をいずれも弦楽オーケストラ用編曲で収録。 | ||
わが祖国〜 ピアノで弾くフィンランドの歌 伝承曲/ヴィルヨ・ヴェステリネン編曲:サッキヤルヴィ・ポルカ / タネリ・クーシスト:フィンランドの祈り ペッカ・ユハニ・ハンニカイネン:カレリアの歌 / 伝承曲:カレリアの丘で/民族の歌 オスカル・メリカント:乏しき国の歌 / 伝承曲:夏の賛歌 / エルッキ・メラルティン/ニュカネン編曲:ひばり アクセル・トルヌッド:サタクンタの歌 / 伝承曲:おお、尊きフィンランド/空は青く白い雲が トイヴォ・ロウコ:南西フィンランドの歌 / 伝承曲/ユルヨ・キルピネン編曲:独立記念日メドレー 伝承曲/フベンティーノ・ローサス編曲:メーデー・メドレー ヴィヴァルディ/ヴェサ=ペッカ・ハウタマキ/ユハニ・ジュース・レスキネン・ジェイムズ・ロード・ピアポント/ 伝承曲/エヴェルト・トーブ(1890-1976):四季 ユッカ・ニュカネン(P/編曲) | ||
ユッカ・ニュカネンは1976年ヘルシンキ生まれ。エスポーの音楽学校とシベリウス・アカデミーでピアノを学び、2006年にデビューコンサートを行った。フランツ・リストの音楽を高く評価し、そのロマンティック・ヴィルトゥオーゾ・スタイルを編曲の手本にすることが多いと言う。フィンランドの歌を素材とするアルバム「わが祖国」の全15曲は、リストの他、「フィンランドの祈り」はバロック、「民族の歌」はモーツァルト、「ひばり」はショパン、「空は青く白い雲が」はラフマニノフ、「カレリアの丘で」はピアソラと、さまざまなスタイルに編曲された。「独立記念日メドレー」と「メーデー・メドレー」は、キルピネン(1892-1959)とローサス(1868-1894)がフィンランドの愛唱歌をメドレーに編んだ曲をニュカネンが編曲。最後の「四季」は、ヴィヴァルディの曲、タンペレのロックシーンで活躍するギタリストのヴェサ= ペッカ・ハウタマキとシンガーソングライターのユハニ・ジュース・レスキネンの曲、ジェイムズ・ロード・ピアポントの「ジングルベル」、フィンランドの伝承曲、そしてスウェーデンのシンガーソングライターのエヴェルト・トーブの曲をニュカネンがポプリに編曲した作品。 | ||
パーヴォ・ヘイニネン(1938-):フルート協奏曲「昔」(1958) ニルセン:フルート協奏曲 FS119 〔全曲/第2楽章オリジナル版(*) 〕 ミカエル・ヘラスヴオ(Fl) ティボル・ボガーニ指揮サイマー・シンフォニエッタ | ||
(*)は世界初録音。エーリク・ベリマンやウスコ・メリライネンとともにフィンランド音楽を代表するモダニスト、パーヴォ・ヘイニネン。十二音技法による表現主義の交響曲第1番が、オーケストラの演奏拒否に遭い全曲初演されなかったことは、フィンランド音楽史に残るスキャンダルとして語られる。しかし、みずからの音楽に必要と考えれば決して妥協しないという気概をもったヘイニネンの手からは、数多くの輝かしい作品が生まれた。フルート協奏曲「昔」は、「スケルツォとエレジー」「ソナタ」「子守歌とデュオニソス賛歌」の3楽章作品。フィンランドでもっとも大きな湖、フィンランド南東部のサイマー湖畔にあるラッペーンランタ市のオーケストラ、サイマー・シンフォニエッタの委嘱により作曲された。ニルセンのフルート協奏曲は、コペンハーゲン木管五重奏団のホルガー・ギルバート=イェスパセンに捧げられた高雅でユーモアをもった作品。アレグロ・モデラートの第1楽章、アレグレット、ウン・ポコの第2楽章。このアルバムでは、ニルセンが終結部を付け加えた、現在一般に演奏される版とは別に、1926年10月21日、パリのサル・ガヴォーで行われたカール・ニルセン・コンサートで初演された際のオリジナル版も合わせて収録され、これが初録音となる。 | ||
メリカント: 交響曲第2番 イ長調 Op.19 「戦争の交響曲」(1918) (*) / ソプラノと管弦楽のための「エコー」(1922) |
アヌ・コムシ(S) ペトリ・サカリ指揮 トゥルクpo. | |
(*)は世界初録音。2010年に録音された第1番と第3番(ABCD-336)につづき、第2番を収めたディスクがリリースされる。演奏は同じくサカリ指揮トゥルクpo.。メリカントは、1920年代フィンランドのモダニズムを代表する作曲家のひとり。モダニズムへの無理解に苦しめられた挫折の時期を経て、民俗音楽的要素と色彩をモダニズムと巧みに結びつけた独自の作風を開拓していった。1951年にはシベリウス・アカデミー作曲家の教授に就任。コッコネン、サッリネン、パーヴォ・ヘイニネンといった20世紀のフィンランド音楽を代表する作曲家を育てている。メリカントは、3つの作品を「交響曲」として発表した。交響曲第2番は、1918年、メリカントの後期ロマンティシズム期に作曲された。第一次世界大戦(1914-1918)の時代と重なり、「戦争の交響曲」の副題でも知られる。作曲家のヨウニ・カイパイネンは、メリカントのオーケストレーションとテクスチュアが第1番よりも自信を深めていることを指摘し、音楽学者のキンモ・コルホネンは、トロンボーンのグリッサンドが繰り返される第2楽章の音楽を印象的な楽章に挙げている。「エコー」はメリカントのモダニズム期初期の作品。シベリウスの「フィンランディア讃歌」で名が知られるV.A.コスケンニエミの詩がソプラノ独唱で歌われ、「独唱の移りゆく気分に寄り添いながら、超自然的かつ具象的な風景を確かな感性で彩色する」(カイパイネン)オーケストラが共演する。ソプラノ独唱は、アヌ・コムシ。ダイナミックなコロラトゥーラと知的な解釈の歌により国際的な評価が高まってきている。 | ||
風景〜ウーノ・クラミ(1900-1961):ピアノ、ピアノとヴァイオリンのための作品集 ロンド ヘ短調 Op.1 (1917) /メロディ イ長調 Op.3 No.1 (1916) /葬送行進曲 ハ短調 Op.8 (1916) / バラード「森の精」 ニ短調 Op.10 No.4 (1916) /田園詩 変イ長調(1919) / ヴァイオリン・ソナタ ハ短調(1920) (*) /前奏曲第3番「カプリス風ワルツ」(1921) /舟歌 Op.5 (1924) (#) / 格言(1926) /ヘルシンキ行進曲(1934) /ユモレスク Op.36 No.1 (1945-46) (*) / 悲しい歌 Op.36 No.2 (1945-46) (*) /歌(1952) (*) /小組曲(1957) エサ・ユロネン(P) シルック・マンテレ(Vn;*) | ||
(#)を除き、全曲世界初録音。 ウーノ・クラミは1900年の生まれ。1924年から1925年にかけてパリに学び、フィンランド・モダニズムの作曲家として20世紀前期のフィンランド音楽を彩った。彼の主要な作品のほとんどは管弦楽曲が占め、ピアノ独奏のための作品はこのアルバムで演奏されている作品がほぼすべて、室内楽のための作品も少なく、1915年から学びはじめたヘルシンキ音楽院時代の弦楽四重奏曲(1916)とピアノ三重奏曲(1917)、1920年代に音楽院のマチネーコンサートのために作曲したヴィオラ・ソナタ(1920)やピアノ五重奏曲(1923)など数曲と、1940年代以降に作曲された小品が数えるくらい。このアルバムでは、ヴァイオリンとピアノのための作品が4曲、ヴィオラ・ソナタと同じ年に作曲された、「アレグロ・モデラート」と「アンダンテ・モルト」の2楽章からなるソナタ、交響曲第2番の後の「ユモレスク」と「悲しい歌」、1952年の「歌」が演奏されている。ピアニストのエサ・ユロネンは、1995年にシベリウス・アカデミーのピアノ科を卒業、現在はコトカに住み、音楽学校のピアニスト、教会音楽家として活動している。ヴァイオリンのシルック・マンテレもコトカを中心に演奏活動を行う音楽家。アルバムのタイトルは、「小組曲」の第2曲「アンダンティーノ」の曲名「風景(Maisema)」からとられた。 | ||
魔の炎〜ワーグナー・トランスクリプション〜リヒャルト・ワーグナー(1813-1883): ユッカ・ニュカネン編曲:「さまよえるオランダ人」の主題によるパラフレーズ リスト編曲:「さまよえるオランダ人」の紡ぎ歌 / エルネスト・シェリング編曲:「トリスタンとイゾルデ」前奏曲 リスト編曲:「ラインの黄金」〜ワルハラ / カール・タウジヒ編曲:「ワルキューレ」〜ワルキューレの騎行 ルイ・ブラッサン編曲:「ワルキューレ」〜ジークムントの愛の歌、魔の炎/「ジークフリート」〜森のささやき フェルッチョ・ブゾーニ編曲:「神々のたそがれ」〜葬送行進曲 / リスト編曲:「タンホイザー」序曲 リスト=マッティ・マリン(P) | ||
ヴィルトゥオーゾ・ピアニストが人気を博した19世紀、リストをはじめとする作曲家やピアニストがワーグナーの歌劇や楽劇の音楽をピアノのために編曲することがさかんに行われ、ひとつの伝統にもなった。2013年はワーグナー生誕200年のメモリアルイヤー。Alba Recordsは、シベリウス・アカデミーの博士課程で「ピアノ・トランスクリプション」を研究し、興味深いアルバムをリリースしてきているリスト=マッティ・マリンを起用し、ワーグナーと同時代あるいは後世の作曲家によるトランスクリプション集をリリース。『さまよえるオランダ人』の主題によるパラフレーズを作ったユッカ・ニュカネンは「ピアノの魔術師」とも呼ばれるフィンランドのピアニスト。作曲と編曲も手がけ、フィンランドの歌を素材にしたトランスクリプションを演奏した『わが祖国』(ABCD-349)を2012年の秋にリリースしている。 | ||
J.S.バッハ/イスモ・エスケリネン編曲:ギター編曲作品集 リュート組曲〔ホ長調 BWV1006a /イ短調 BWV995(原調:ト短調)〕/ コラール「キリストは死の絆につかせたまえり」BWV277 /無伴奏パルティータ第2番 BWV1004〜シャコンヌ イスモ・エスケリネン(G) | ||
活躍を期待されるフィンランドの若手ギタリスト、イスモ・エスケリネン(1971-)。シベリウス・アカデミーのティモ・コルホネン、バーゼル音楽アカデミーのオスカル・ギリアに学んだ。これまで録音は20世紀スペインのギター作品を弾いた「魔法の円」(ABCD-153)、協奏曲を含むポンセの作品集(ABCD-185)、ペルト、ヴァスクス、フランチェスコーニ、三木稔、武満徹、ブローウェルの曲をオストロボスニア室内o.と共演した『第七の感覚』(ABCD-213)、ムストネンとラウタヴァーラの作品(ABCD-241)などがある。彼の新録音はJ.S.バッハの音楽。ヴァイオリンソロのためのパルティータに基づく ホ長調のリュート組曲、無伴奏チェロ組曲第5番 BWV1011を作曲者自身が編曲した ト短調のリュート組曲、コラール、ヴァイオリンソロの「シャコンヌ」。多くのギタリストに倣い、すべての作品をエスケリネン自身がギターのために編曲した版で演奏している。 | ||
顕現 ユッカ・ティエンスー(1948-):溝(2011) エルッキ・サルメンハーラ(1941-2002):カンツォネッタ(1971) ヘレナ・トゥルヴェ(1972-):あなたのうしろの影(2011) (3つのヴィオールと弦楽オーケストラのための) ペーテリス・ヴァスクス(1946-):顕現(2010) ウスコ・メリライネン(1930-2004):夏の協奏曲「夏の夜の夢」(1994) ユハ・カンガス指揮オストロボスニア室内o. | ||
オストロボスニア室内o.とユハ・カンガス(1945-)のアルバム「顕現」は、初録音の4曲を含む「同時代」の作品集。ティエンスーの「溝」はオストロボスニア室内o.のために作曲された作品。「鼓舞し、歓喜に酔う音楽。きわめて清澄な音色のため理解しやすいかもしれないが、決して、先が読めるとか、わかりきったことといった作品ではない」(ティエンスー)。サルメンハーラの「カンツォネッタ」は、2部からなるオルガンのための「カンツォーナ」の後半を作曲者みずから弦楽オーケストラのために編曲した作品。ヘレナ・トゥルヴェ Helena Tulve は現代エストニアの中間世代を代表する作曲家のひとり。「ソロ」楽器の性格をもつ3つのヴィオールと弦楽オーケストラのための「あなたのうしろの影」は、タリン室内o.の委嘱により作曲され、2012年1月、カンガスの指揮によりタリンで初演された。ラトヴィアのヴァスクスが「わが友ユハ・カンガス」に献呈した「顕現」は、1月6日の公現祭(顕現祭)とは関係なく、夏の夕べにバルト海のほとりを散歩していて主題のアイデアが湧いたという。「夏の夜の夢」の副題をもつメリライネンの「夏の協奏曲」はオストロボスニア室内o.の委嘱作。はかない気分の「レント」を生命力にみちた2つの「ヴィーヴォ」が挟む構成をとった作品は、地の精やノームもイメージしながら、サーミ人の住むラップランドで完成された。 | ||
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16 シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54 |
ヤンネ・メルタネン(P) ハンヌ・コイヴラ指揮 イェヴレso. | |
Alba Records の数々の録音で瑞々しい抒情のショパンを聴かせ、着実にファンを獲得してきたフィンランドのピアニスト、ヤンネ・メルタネン(1967-)がグリーグとシューマンの協奏曲を録音。「あらゆる部分に今を生き呼吸するロマンティックな推進力がもたらされ、慎重なあまり萎縮したりスタジオという限定された空間を感じさせたりといったことのない、絶対的に“ライヴ“な演奏。躍動する名人の技を見せたかと思うと、突然、秘密の世界に入り込む。彼がグリーグとシューマンの音楽に見出したコントラストは実に鮮やかだ。よく知っているはずのページの数々が、スリリングなくらい“未知 "の音楽に響く」と、「グラモフォン」をはじめとする雑誌や新聞に寄稿してきたイギリスのブライス・モリソンが、この演奏について述べている。イェヴレso.は、2012年に創設100年を迎えたスウェーデン最古のオーケストラのひとつ。ショパンの協奏曲(ABCD-247)など、さまざまな機会にメルタネンと共演を重ねるハンヌ・コイヴラが指揮している。 | ||
フランス風ティエント〜20世紀フランスとスペインのギター音楽 イベール:フランス風/アリエッタ / サマズイユ:セレナード / オーリック:アロンソ・ムダラへのオマージュ タイユフェール:ギター / ミヨー:セゴビアーナ Op.366 / プーランク:サラバンド / オアナ:ティエント ミゴ:クロード・ドビュッシーへのオマージュにかえて〔前奏曲/パストラーレ/後奏曲〕 / ルーセル:セゴビア アセンシオ:内なる想い〔心静かに/宝物/静寂/歓び/憧れ〕 / サティ:グノシエンヌ第1番 オット・トロネン(G) | ||
シューベルト、バルトーク、ピアソラのヴァイオリンとギターのための音楽によるアルバム(CCR-62025)でリンダ・ヘードルンドと共演したフィンランドのギタリスト、オット・トロネンのソロアルバム。イベール、サマズイユをはじめとする作曲家の小品、ミゴとアセンシオの小曲集。サティの「グノシエンヌ第1番」だけが編曲で、他はすべてギターのための作品。 オット・トロネン:1980年生まれ。フィンランドのギタリスト。ヘルシンキのシベリウス・アカデミーでティモ・コルホネンとユッカ・サヴィヨキに学び、2005年にディプロマ、2008年に修士号を取得。ワイマールのフランツ・リスト音楽大学のトーマス・ミュラー=ペリングの下で研究を続け、シエナのオスカル・ギリアの講習に参加する。2008年、スペインのアンドレス・セゴビア・コンペティションとドイツのマルクノイキルヒェンのコンペティションで第1位、2009年の東京とGFA(アメリカ)のコンペティションで第2位。ルネサンスのリュート音楽から今日の音楽までのレパートリー。特にヘンツェ作品の解釈は国際的に高い評価を得てきた。フィンランド放送so.、ユヴァスキュラso.などのオーケストラと共演。エスポーの音楽学校をはじめとするフィンランド国内の学校で教え、ドイツ、イタリア、アメリカ、ブラジルでマスターコースを行った。現在、シベリウス・アカデミーの博士課程に進む予定で準備中。楽器はフィンランドのケイヨ・コレリン製作のギター。弦はダダリオ(D'Addari)を使う。 | ||
バロック音楽におけるデュオ [Musica Barocca a Due] ヴィヴァルディ:ソナタ ニ短調 Op.1 No.8 RV.64 / ファルケンハーゲン:二重奏曲 ト長調 J.S.バッハ:イギリス組曲第3番 ト短調 BWV808 /前奏曲 ハ短調 BWV999 /フーガ ト短調 BWV1000 D.スカルラッティ:ソナタ ロ短調 K.87 / チマローザ:ソナタ ト短調 ハンヌ・アンナラ(G) マリ・マンテュラ(10弦G) | ||
録音:2011年、ハウホ教会、ハメーンリンナ、フィンランド。制作:マリ・マンテュラ、ハンヌ・アンナラ、ペッカ・ヴェサネン、録音・編集・マスタリング:ペッカ・ヴェサネン。シベリウス・アカデミーの出身。オスカル・ギリアやヨーラン・セルシェルにも学び、西部フィンランド、コッコラの音楽院でギターを教え、各国語に翻訳されたギター演奏の著作もあるハンヌ・アンナラ。シベリウス・アカデミーとバーゼル音楽アカデミーに学び、主に10弦ギターのソロと室内楽のプレイヤーとしてコンサート活動し、ダウランドやバッハの作品を演奏した『10弦ギター』(ABCD-261)が評価も人気も高いマリ・マンテュラ。ふたりは2003年からデュオとしての活動を始めた。コンサートや放送に出演し、フィンランドのギター音楽の発展に寄与している。アルバム『デュオのバロック音楽』は、2011年、ヘルシンキから北に100キロ、ハメーンリンナの教会で録音された。ヴィヴァルディの2つのヴァイオリンと通奏低音のための「ソナタ ニ短調」、ファルケンハーゲンの2つのリュートのための「二重奏曲 ト長調」、鍵盤楽器のために作曲された「イギリス組曲第3番」とチマローザの「ソナタ ト短調」は、ふたりのデュオ。スカルラッティのソナタはマンテュラの10 弦ギターソロ、バッハのリュートのための「前奏曲」と「フーガ」はアンナラのギターソロで演奏される。バッハの「イギリス組曲」は、近年、ギターのデュオで演奏されることが多くなったといわれ、この演奏では、10弦ギターの低音の新たな魅力が加わる。拍感のある、リズム感とテンポ感のいい演奏から生まれる自然に息づく音楽。夏が終わり秋に代わる季節が待ち遠しくなる。 | ||
ヴェネツィア共和国の歌 [Canta la Serenissima] 〜17世紀ヴェネチアの音楽から モンテヴェルディ:「4声のミサ曲と詩編曲」〜主よ、われは心より汝に感謝せん(第1) ダリオ・カステッロ:「現代様式のソナタ・コンチェルターテ第2巻」 〜2つのヴァイオリンとファゴットのためのソナタ第11番 アレッサンドロ・グランディ:「シンフォニアつきの1声と2声のモテット集第2巻」〜優しきわがイエスよ ビアージョ・マリーニ:「アフェッティ・ムジカーリ」〜ラ・フォスカリーナ モンテヴェルディ:「倫理的・宗教的な森」〜主をほめ讃えよ ジョヴァンニ・ピッキ:「チェンバロのための舞曲集」〜パッセ・メッツォ アレッサンドロ・グランディ:「1声、2声と4声のモテット集」〜 O quam speciosa ダリオ・カステッロ:「現代様式のソナタ・コンチェルターテ第2巻」〜ソプラノ・ソロのためのソナタ第1番 タルクイニオ・メールラ:すべての者よ、主に向かいて喜ばん ビアージョ・マリーニ:「教会ソナタと室内ソナタ」ヴァイオリン、コルネットと通奏低音のためのソナタ ナターレ・モンフェラート:救い主を育てた母〔救い主のうるわしき母〕 クラウディオ・メールロ:「オルガン・タブラチュアのカンツォーネ集第1巻」〜ラ・コルテーゼ ジョヴァンニ・バッティスタ・リッチ:「神聖賛歌第3巻」〜めでたし、天の皇后 アルゴ[カイサ・ダールベク(S) トゥオモ・スニ、ドラ・アステシュタード(Vn) ヘイディ・ペルトニエミ(Vc) ヤニ・スンナルボリ(ドゥルシアン) アンナ=マーリア・オラモ(Cemb)] | ||
北イタリア、アドリア海に面した港湾都市ヴェネツィア共和国は、7世紀の終わりから1797年まで、1000年を超えて栄え、かつては「もっとも高貴なヴェネツィア共和国」とも「もっとも高貴な共和国」と呼ばれた。ヴェネツィアはイタリアとヨーロッパの文化の拠点でもあり、多くの音楽家を擁したサン・マルコ大聖堂(サン・マルコ寺院)はヴェネツィア文化の中心のひとつとして、とりわけ16世紀と17世紀には音楽の改革に大きな役割を果たした。当アルバムは「もっとも高貴な共和国」がもっとも美しかった時代を偲び企画された。マントヴァ公国に仕え、1613年にヴェネツィアに移りサン・マルコ大聖堂の楽長を務めたモンテヴェルディ、宗教声楽音楽の大家とされるアレッサンドロ・グランディ、サン・マルコのヴァイオリニスト、ビアージョ・マリーニ、管楽器アンサンブルを率いたダリオ・カステッロ。ヴェネツィアの守護聖人、聖母マリアを讃える曲も選ばれている。フィンランドのバロック・アンサンブル、アルゴは、ヨーロッパ各地のバロックo.とアンサンブルで演奏するピリオド楽器のプレイヤーと歌手が集まり2008年に結成された。プログラムによってメンバーが替わり、このアルバムではトゥオモ・スニとドラ・アステシュタードがヴァイオリン、ヘイディ・ペルトニエミがチェロ、アンナ=マーリア・サカリ・オラモがチェンバロ、現代のファゴットの原型、ドゥルシアンをヤニ・スンナルボリが演奏している。声楽曲のソロを歌うソプラノのカイサ・ダールベクは、2005年にシベリウス・アカデミーの教会音楽科を卒業、2005年から2006年にかけてヨーテボリのオペラ大学で学んだ後、トム・クラウセ、イーモ・ランタをはじめとする教師に室内楽の歌唱と歌曲、デーム・エマ・カークビーの下でバロック歌唱を学んでいる。 | ||
J.S.バッハ(1685-1750):フランス組曲 Vol.2 フランス組曲〔第4番 変ホ長調 BWV815 /第5番 ト長調 BWV816 /第6番 ホ長調 BWV817 〕/ 前奏曲とフーガ イ短調 BWV543 /管弦楽組曲第3番〜G線上のアリア ミカ・ヴァユリネン(アコーディオン) | ||
Vol.1: ABCD-346 。1967年、ヘルシンキ生まれ。「アコーディオンの魔術師」ミカ・ヴァユリネンの弾くバッハ。ロングセラーとなっているゴルトベルク変奏曲(ABCD-191)では、卓越した技巧と優れた音楽性で聴衆を驚かせた。シリーズ第2集は長調による3曲他。 | ||
ルーメン・ヴァロ オルランドゥス・ラッスス(c.1532-1594):マニフィカト「暁の光は赤く染まり」 グレゴリオ聖歌:「めでたき暁の星よ」 ジョスカン・デ・プレ(c.1440-1521): 「おとこを知らぬ母、アヴェ・マリア」 ジャン・ムートン(c.1459-1522):「アヴェ・マリア… 清らかな処女よ、おとこを知らぬ母」 パレストリーナ(1425/6-1594): 「スターバト・マーテル」 グレゴリオ聖歌: 「アヴェ・マリア…清らかな処女よ」/ 「出奔するであろう、強き若者よ」 トーマス・ルイス・デ・ビクトリア(1548-1611): 「テネブレ・レスポンソリウム」 ヤン・ディスマス・ゼレンカ(1679-1745): 「聖木曜日のためのレスポンソリウム」/ 「聖金曜日のためのレスポンソリウム」/ 「聖土曜日のためのレスポンソリウム」 |
ルーメン・ヴァロ | |
ヴォーカルアンサンブル、ルーメン・ヴァロは1993年の創設。シベリウス・アカデミーで学んだ8人の歌手 (SSAATTBBs)を中心に四重唱から13人程度のアンサンブルまで、曲によって編成を変えて歌う。ルネサンス期ポリフォニック音楽の高いレベルの歌唱は、たちまちフィンランドの音楽ファンの注目を集めた。 「雪と光の国のマリア」(NCD-8)、ビクトリアの「テネブレ・レスポンソリウム(1585)」(NCD-10)、ゼレンカの「聖週間のためのレスポンソリウム」(NCD-14:1-2)。Albaの3つのアルバム、4枚のCDがひとつのセットにまとめられた。 | ||
ショパン:ピアノ・アルバム 21の夜想曲/10のマズルカ/3つの新しい練習曲/ カンタービレ 変ロ長調/前奏曲 Op.28-15 |
ヤンネ・メルタネン(P) | |
録音:1999年、2001年、2003年。単売:ABCD-138、ABCD-160、ABCD-190のセット化。制作:ヤンネ・メルタネン、ヘイッキ・サヴォライネン、録音:ヘイッキ・サヴォライネン。 ハンヌ・コイヴラ指揮ヨエンスー市o.と共演して、ショパンの2つのピアノ協奏曲(ABCD-247)をため息を誘う香しい演奏で聴かせたヤンネ・メルタネン(1967-)が Albaに録音したソロアルバム3枚がセット・リリース。香水とパウダーの匂うサロンから解放されたショパンのピアノ音楽に今、静かな人気が集まっている。21の夜想曲(ABCD-160、ABCD-190)は、ワルシャワの「2005年フレデリク・ショパン・ディスクグランプリ」の栄誉に輝いた。 | ||
ユッカ・リンコラ(1955-):歌劇「ロビン・フッド」(2011)
ヴィッレ・ルサネン(Br;ロビン・フッド) マリ・パロ(S;マリアン) マッティ・サルミネン(B;ノッティンガムの代官) パイヴィ・ニスラ(A;代官の母) ユルキ・アンティラ(ギズボーン) メリス・ヤーティネン(ジャミラ) ナイオール・コレル(ウィル・スカーレット) コイト・ソアセプ(リトル・ジョン) アキ・アラミッコテルヴォ(修道士タック) ハンヌ・フォシュベリ(粉屋のせがれマッチ) アンナ=リサ・ヤコブソン(マッチの妻) オラヴィ・ニエミ(若いリチャード) ミッコ・フランク指揮フィンランド国立歌劇場児童合唱団&o.&cho. | ||
2011年1月14日、フィンランド国立歌劇場。
137分|16:9|Region All| PCMステレオ、|字幕:フィンランド(原語)、英、スウェーデン|PAL|576i。
DVD仕様:ドルビー・ディジタル5.1 。ブルーレイ仕様: DTS HD Master Audio 7.1。中世イングランド。シャーウッドの森をねじろにノッティンガムの代官やジョン王に反抗した弓の名手、ロビン・フッド。ダグラス・フェアバンクス、エロル・フリン、ケヴィン・コスナー、ケアリー・エルウェス、ラッセル・クロウと、多くの男優たちが演じた伝説のヒーローの物語が、「家族向けのアドベンチャーオペラ」に作られた。俳優、作家、詩人、演出家、ジャーナリストと多彩に活動するユッカ・ヴィルタネンが台本を執筆し、ユッカ・リンコラが作曲を担当した。リンコラは、ジャズからクラシカルまで広いジャンルで国際的に活躍。2曲のトランペット協奏曲をはじめとする管楽器のための協奏曲、管弦楽曲、ジャズアンサンブルのための音楽、そしてヘルシンキ市立劇場のためのミュージカル「ピーター・パン」、アンデルセンの物語を映画化した「雪の女王」の音楽、バレエ「盗賊の娘ロニヤ」など多くのステージ作品を手がけてきた。ロビン・フッド役を歌うのは、スコットランド・オペラの「セビリャの理髪師」でフィガロを歌ったバリトンのヴィレ・ルサネン。モーツァルト・オペラのソプラノ役や「ボエーム」のムゼッタを持ち役にするマリ・パロがマリアン。バイロイト音楽祭とメトロポリタン・オペラの「指輪」のフンディングやハーゲンで知られるマッティ・サルミネンは、このオペラでも悪役。児童合唱と混声合唱。管弦楽は3管編成。カリ・ヘイスカネンのステージ演出、ミッコ・フランクの指揮で初演された。 #なお、PAL方式盤となります。本来ブルーレイには PAL、NTSCの区別はありませんが、当盤は元々の解像度が 576iと低く、ブルーレイにもPAL形式の低解像度フォーマット映像が収録されている可能性があります(ブルーレイは通常1080i)。パソコンでの視聴は可能ではないかと思われますが、再生保証は無しとさせていただきますので、御了承下さい。ABBRDV-1 はブルーレイと PAL DVD 盤のセット販売、 ABDVD-1 は PAL DVD盤のみでの販売です。 | ||
IMU-054 廃盤 |
木作りの心〜カンテレ・トリオと踊ろう | カンテレ・トリオ |
IMU-061 廃盤 |
多彩なカンテレ〜フィンランド・カンテレ音楽パレード | |
晩祷と典礼のロシア正教聖歌集 | リスト・マッツィ指揮 タンペレ正教会cho. | |
フィンランドには少なからぬロシア正教徒が居りその伝統を守っている。北欧ならではの透明な合唱で聴く ロシア正教聖歌の響きは新鮮。 | ||
ヒューマン・オルガン 超絶のア・カペラ〜セデ・リッサネン:作品集 |
ヒューマン・オルガン | |
「ヒューマン・オルガン」という名のア・カペラ合唱団。ジャズ、クラシック、黒人霊歌などさまざまな要素が入り混じった超絶技巧を聞かせてくれる。 | ||
ボブ・チルコット(1955-):ア・カペラ作品集 | マルユッカ・リーヒメキ指揮 グレックス・ムジクス | |
グレックス・ムジクスは1991年に結成されたヘルシンキ出身のア・カペラ合唱団。チルコットはキングス・シンガーズにも参加する歌手でもあるイギリスの作曲家。 | ||
ゼレンカ:聖週間のためのレスポンソリウム | ルメン・ヴァロ声楽アンサンブル | |
オルガン、バロック・チェロが伴奏する混声8名の合唱。 | ||
翼に乗って〜フィンランドの声楽アンサンブル テッル・ヴィルッカラ(1969-):天使たち(1999) ユハ・ホルマ(1960-): わたしは喜びの村で生まれた(1998) イルッカ・ニエミ(1961-): インディアン歌曲集(1998) ユハニ・コムライネン(1953-): シェイクスピア集(1996) ヤルモ・セルミラ(1939-):人生(1996) ペッカ・コスティアイネン(1944-): ナイチンゲール(1989) |
ヴォーカル・アンサンブル・ フィオーリ | |
水晶のように透明なフィンランドの合唱。収録作品はいずれも新作ながら、フィンランドの伝統音楽に基づき絶美。いっときの涼風を与えてくれる。 | ||
ペッカ・コスティアイネン(1944-):合唱作品集 恋人がいます/私の長男に 他(全13曲) |
ペッカ・ コスティアイネン指揮 ムジカcho. | |
2000年度フィンランド合唱CD最優秀賞受賞盤。 | ||
エストニアの光景 〜ヴェリヨ・トルミス(1930-):男声合唱作品集 2つの献辞/エストニアの光景/ヴィルの誓い/ひと飲み 裏切り者の物語/最後の船(悲しいワルツ)/ハムレットの歌 嵐の海への祈り/雷鳴への連祷/われらの影 牛寄せの呼び声/ユハン・リーヴの風刺 徴集兵のトームペア城から故郷クーサルへの脱走 |
アンツ・ソーツ指揮 エストニア国立男声cho. | |
エストニアには、さすが北欧文化圏ならではの透明感のある合唱作品が数多く存在する。なかでも人気が高いトルミスの作品集が登場。 | ||
タピオラ室内合唱団の芸術 | ハンヌ・ノルヤネン指揮 タピオラ室内cho. | |
全編フィンランド語。 | ||
ルクス・エテルナ(永遠の光)〜合唱作品集 サロネン: 詩篇で語りかけよ/マリア、恐れることはない コープランド: おお主よ、われらを憐れみたまえ/ 汝、おおエホバよ、永遠にとどまれ/ 主よ、われらを救いたまえ/ 主はその腕で力を振るい エルガー:アヴェ・ヴェルム レーヴィ・マデチヤ:詩篇121 ヨーナス・コッコネン:ラウダーテ・ドミヌム プッチーニ:レクイエム フォーレ:ラシーヌの讃歌 ヴェサ・エルッキラ:子供の夜のお祈り エーロ・エルッキラ:あなたに向かって ジョン・タヴァナー:子羊 ジョン・ラター: 汝の手を打ち鳴らせ/主は汝を祝福し、汝を守る |
ヘイッキ・リーモラ指揮 ハルユンcho. カレヴィ・ キヴィニエミ(Org) | |
録音:2000年9月15-17日。 フィンランドの合唱団による、オーロラを思わせるような美しい合唱の響きを味わえる一枚。 | ||
ヴェルヨ・トルミス(1930-):エストニアの光景2 マリアの地のバラード/ハンド・ルンネルとの回顧/ 無法の日々/神が我々を戦争から守ってくれる/ 戦の伝令の旅/太陽を輝かせろ!/ タマサーレの家畜番少年の時代/私を忘れないで/他 |
アンツ・ソーツ指揮 エストニア国立男声cho. | |
エストニアの民謡から影響を受けた合唱曲で知られているトルミス。 | ||
男の子、それとも女の子? ペッカ・コスティアイネン(1944-): 無伴奏合唱作品集 マリちゃんの物語/花婿到来の歌 I/同 II/ 風刺組曲(9つの小品)/森林の捜査 |
ムジカcho. | |
フィンランド、インケリ地方の伝承詩等に基づくコスティアイネンの合唱曲。アルバム・タイトルは、19世紀後半の民俗歌手ルーッカの詩によるもので、男の子を望んだ父親に殺されかけながらも、母の手で救われた少女マリの生涯を描いている。 | ||
マトヴェイネン:私のお母さん/愛を呼び起こす/思い トゥルッカ:追い求める人/美しさはどこへ消えてしまったの カハラ:サムサラ/甘い心の足音/ジャガイモを茹でる間の歌/他 |
マリユッカ・リーヒマキ指揮 フィロメラ(cho.) | |
録音:2003年。 フィロメラは1984年設立の女声合唱団。素朴な民族色を残しつつ、より洗練された高度なアンサンブルを達成しており、近年高い評価を受けている。 | ||
ヴェルヨ・トルミス (1930-):エストニアの光景 第3集 [歌手/悩ましい記憶/古い海の歌/歌の橋/戦いに行く/ 弁証法的格言(8曲)/平地の歌/私たちには与えられた/ マルティンヌスの歌(8曲)、クリスマスがやって来る/ 他(全32曲)] |
アンツ・ソーツ指揮 エストニア国立男声cho. | |
エストニアの民謡の精神を今によみがえらせた作品集。第1集はNCD-17、第2集はNCD-20。 | ||
スデン・アイカ 孤児/神秘の水/追い求める人/ある日すぐに/姉妹/ 別れの時,天使たち |
スデン・アイカ [テル・トゥルッカ (歌、モラハルパ) リサ・マトヴェイネン (歌、カンテレ) カタリーナ・アイラス、 ノラ・ヴァウラ(歌)] | |
録音:2004年1月5-11日。 クラシックではなくトラッドのアルバム。しかし「良いものは良い」とお考えのクラシック・ファンならすんなり受容れられる優れた内容。 スデン・アイカ(「狼の時代」という意味)は女性4人のヴォーカルアンサンブル。中心メンバーであるテル・トゥルッカとリサ・マトヴェイネンの二人は北欧トラッドの世界ではもちろん、北欧音楽ファンでも知らぬ人のいないであろう素晴らしい歌手。二人とも1990年代に人気を博したトラッド・グループ、ヘドニンガルナの元メンバーで、マトヴェイネンはその前に、伝説的な北欧トラッド・グループ、ニエックのメンバーでもあった。フィンランドの民族精神を湛えた曲の数々は、高度な歌唱力とあいまって、圧倒的な訴えかけだ。 | ||
エステル・マギ(1922-):歌の木〜合唱作品集 望み/祖国/どのように生きるのですか/折れた樫の木/ 夜の歌/一瞬/教会の鐘/クリスマスの夜/彼が来る/ 吟遊詩人に/ピエタ/ラップランドの歌/さすらいの少年/ 子供に/アイウ=プイウ/楓の木から白い雲の上へ/風の部屋 |
アンツ・ソーツ指揮 エストニア国立男声cho. ヴァイケ・ウイボプー指揮 タルトゥ大学アカデミー女声cho. | |
録音:2004年4、5、6月。 エストニアの作曲家。男声合唱曲が11曲、女声合唱曲が6曲。男声の勇輝な音楽、女声の透明で天上的な響き、どちらも見事。 | ||
ヴィッレ・マトヴェイネン(1986-):天使(2004) アンナ=マリ・カハラ(1963-)/ トゥーカ・ハーパニエミ リズム編曲: おまえのゆりかごで一緒に寝ているのは誰(2000) タパニ・ランシオ(1953-):魔王(2002) ラウリ・キルピオ(1974-):子守歌(2003) ロッタ・ヴェンナコスキ(1970-):水の前に(2001) ヤルモ・サーリ(1970-):海の旅人(2000) エサ=ペッカ・サロネン(1958-): アン・イェーデルルンドの2つの詩(2000) [私にくちづけして/部屋の奥に] サデ・リッサネン(1965-):ジャバウォックの詩(2000/2003改訂) ユッカ・リンコラ(1955-):歓喜(2001) |
パシ・ヒュオッキ指揮 EMO アンサンブル(cho.) ピューSQ | |
録音:2004年6月6-10日、ヴィヒティ教会。 EMOアンサンブルはフィンランド、エスポー音楽学校の合唱団で、約40人の編成。シベリウス・アカデミーで合唱指揮を学んだパシ・ヒュオッキが創立時から芸術監督を務めている。 シューベルトの歌曲と同じゲーテの詩をテクストとする、タパニ・ランシオの「魔王」、ルイス・キャロルの「鏡の国アリス」による、ナンセンス英語で書かれた英雄バラッド「ジャバウォックの詩」によるサデ・リーサネンの作品。合唱のためのビッグバンド・ミュージック、ユッカ・リンコラの「歓喜」。いずれも「前衛」を超えた「新ミレニアム」にふさわしいスタイルの作品。 | ||
わたしの海よ〜 オッリ・コルテカンガス(1955-):合唱作品集 五十年祭ミサのための音楽(1999)/緑の聖母(1975/1980改訂)/ 言葉(1987)(*)/「ピエ・カンツィオーネス」組曲(1996-2004)/ 3つのロマンス(1995)/地中海(2002) |
タウノ・サトマー指揮 カンドミノcho. | |
録音:2004年4月2-4日、2005年2月19-20日(*)、エスポー、オラリ教会。 オッリ・コルテカンガスは、静岡音楽館AOIから委嘱され合唱のための「木々のうた」(1995)を間宮芳生と共作した、日本とも縁の深い作曲家。シベリウス・アカデミー在学中、マグヌス・リンドベリやサーリアホらとともに「コルヴァト・アウキ(耳を開け)」を設立、フィンランド音楽シーンに新しい風を呼んだ。 合唱曲は、放送と劇場のための音楽とともにコルテカンガス得意のジャンル。エスポー市の教区のために作曲した「ミサ(五十年祭ミサ)」から無伴奏曲を5つ選んだ曲集、DD.H.ロレンスの詩と新約聖書(「ヨハネの黙示録」と「ヨハネの福音書」)をテクストとする「言葉」、D.H.ロレンスの英詩を歌う「3つのロマンス」、ラッシ・ヌンミの詩による「地中海」。スタイルはさまざま。 タウノ・サトマー指揮のカンドミノ合唱団は、「フィンランディア賛歌」などを歌った「フィンランド合唱作品集」(廃盤)や民謡集などで知られる、フィンランドを代表する合唱団のひとつ。 | ||
ペッカ・コスティアイネン(1944-): 自作自演集 Vol.5第5集 守護天使/今、この世は栄え/主を探し求めよ/ クリスマスの賛美歌/ 主よ、あなたはいつ私とともに/ たとえようのない宝/受難と復活/ 主に感謝し、主を賛美せよ/ 目覚めよ、優柔の魂よ/愛国の賛美歌/ 夕べの賛美歌/ 主よ、私の手を取って下さい |
ペッカ・ コスティアイネン指揮 ムジカcho. | |
録音:2006年11月17日-19日、ケルティンマキ教会。 コスティアイネンは現代を代表する合唱曲作家のひとり。混声合唱のための作品や、「ひばりの道」をはじめとする児童合唱のための作品は世界の合唱団で歌われ、日本の合唱団もレパートリーに取り入れている。コスティアイネンがムジカ合唱団とヴォックス・アウレラを指揮して録音するシリーズ。第5集では、フィンランド伝承の賛美歌と宗教歌を編曲した12の合唱作品が選ばれた (全30曲)。古くからの賛美歌が新しい響きの歌として歌われている。 | ||
ミッコ・シドロフ(1985-):パニヒダ | アニタ・リントゥ(S) オッシ・ ヤウヒアイネン(T) ミッコ・シドロフ指揮 クリソストモス室内cho. | |
録音:2006年10月6日-7日、ヴァラモ修道院、フィンランド。 愛する人を弔う徹夜の祈り、「パニヒダ」。フィンランドの若い指揮者、作曲家のミッコ・シドロフはフィンランド正教会の儀式による新しい音楽を作曲した。コンサートホールのための「パニヒダ」。賛美の歌、詩篇91番、連祷、コンタグ、頌歌など16の部分から構成。音楽語法と雰囲気は異なるものの、さきがけとなったラウタヴァーラの「ヴィジリア」(ODE-910) から影響を受けたことを作曲者自身が認めている。シドロフは、ヘルシンキ・ポリテクで指揮と歌とオーボエを学び、クリソストモス室内合唱団、ヘルシンキ大聖堂聖歌隊、スタディア・オペラ、室内アンサンブルの指揮者として活動。正教会のための音楽、エイノ・レイノの詩による合唱曲と歌曲などを作曲している。クリソストモス室内合唱団は2003年、シドロフが「パニヒダ」初演のためクオピオに創設した合唱団。 | ||
ヴェルヨ・トルミス(1930-):エストニアを超えた展望 ブルガリア三部作(1978)[夏/車輪/大地の声]/北ロシアのビリナ(1976)/ 3つのモルドヴァ=ハンガリー民謡(1983) [悲しんでくれ、いとしい人よ/恋する女を心から愛したのは/木曜の夕べ]/ 3つの星(1989 rev.2006)/ 3つのリヴォニア民謡(1970 rev.1999)[羊飼いの少年の日/告解の三が日/眠りの精]/ ヴォルムシの過ぎし日の情景(1983)[作男の不平/倉庫のとびらの外で/婚礼の踊り]/ ヴェプシアの冬(1984)/北東から鷲が飛んできた(1982)/ 民族友好のラプソディ(1982)/ヴァイナモイネンの知恵の言葉(1984) アンツ・ソーツ指揮エストニア国立男声cho.(RAM) | ||
録音:2005年9月、2006年1月、7月、エストニア・コンサートホール(タリン、エストニア)、制作:インドレク・ウムベリ、録音:マイド・マーディク。 エストニア国立男声cho.(RAM)とアンツ・ソーツによるエストニアの作曲家ヴェルヨ・トルミスの男声合唱曲シリーズ。「エストニア展望」 の第1集〜-第3集(NCD-17、NCD-20、NCD-23)に収録された作品は、日本の男声cho.のレパートリーとしても注目されてきている。第4作の「エストニアを超えた展望(Visions beyond Estonia)」では、タイトルの示すとおり、エストニアを取り巻く地域の古い歌に基づいた作品が歌われている。ブルガリア民謡による「ブルガリア三部作」、男声合唱と独唱のための「北ロシアのビリナ」、ソヴィエト連邦60周年を祝うためエストニア国立男声cho.が委嘱した「民族友好のラプソディ」。「ヴァイナモイネンの知恵の言葉」は、フィンランド抒情詩集「カンテレタル」にテクストが求められた。「ヴェプシアの冬」は、トルミスが書いた男声合唱曲を代表する一作。 | ||
クリスマスの光〜フィンランドのクリスマス・キャロル ユシー・シュデニウス:クリスマスキャロル R.ラーラ/パーヴォ・キースキ、 リュッピマキ・ストリングバンド編:クリスマスの朝の教会 ヴァルター・コロ/レイヨ・ケッコネン、 リュッピマキ・ストリングバンド編:山の雪は激しく 伝承歌/レイヨ・ケッコネン編:クリスマスツリーのまわりを ヴェサ・ペンティ/ヴェサ・ペンティ、リュッピュマキ・ ストリングバンド編:鳥たちのクリスマスキャロル オスカル・メリカント/レイヨ・ケッコネン編:子供のクリスマス ハッリ・ヴェッスマン:スノーマン ヨウコ・トルマラ:ベツレヘム マルッティ・ヘラ:クリスマスの不思議 イルマリ・ハンニカイネン/レイヨ・ケッコネン編: クリスマスの客を待ち ヴァイノ・ハンニカイネン/イルッカ・クーシスト編: 吹きだまりの雪は汚れなく ユハニ・ポホヤンミエス/イルッカ・クーシスト編:ある冬の夕べ ヘイノ・カスキ/イルッカ・クーシスト編:小屋は雪の下に眠る テウヴォ・ハカサロ/キンモ・ハカサロ編:クリスマスの夜に ヤルッコ・キースキ:クリスマスのことづて マルッティ・トゥルネン:クリスマスを祝おう レーヴィ・マデトヤ/イルッカ・クーシスト編:日々の苦労を忘れ |
タパニ・ティリラ指揮 オウライネン・ユースcho. ハーパヴェスティ室内o. リュッピマキ・ストリングバンド リリ=マルレーネ・ プーセップ(Hp) ヴェリ・アイナリ(Org) | |
録音:2006年1月、2007年1月、4月、6月、カラヨキ教会、フィンランド。 オウライネンはフィンランド、北部オストロボスニアの都市。オウライネン・ユース合唱団は、この町の高校生とその卒業生をメンバーとして1972年に結成された女声cho.。国内と国外へのツアーにより知名度も高く、オウライネンの音楽活動の中心的存在となっている。タパニ・ティリラはオウル大学とシベリウス・アカデミーを卒業、創立時からこの合唱団の指揮者を務めるほか、男声cho.と混声室内合唱団を指揮している。オウライネン・ユース合唱団がクリスマスコンサートで歌ったキャロルを集めたアルバム。ハーパヴェスティ室内o.と、ヴァイオリン、リコーダー、マンドリン、マンドチェロ、ギター、ハルモニウム、ダブルベースで編成するリュッピマキ・ストリングバンド、そしてハープとオルガンが共演してクリスマスの華やいだ気分を伝える。 | ||
青の魔法 イルッカ・クーシスト:歌の国から エルッキ・ヌルミネン:熊の歌 ペッカ・コスティアイネン:花嫁を待って スルホ・ランタ(サイマ・ヒュオッキ編):民謡 ユッシ・シュデニウス:欲望に駆られて/青の魔法 エッシ・ヴオレラ:甘い夢 ラッセ・モッテンソン(ヴィルピ・エロマ編): 「嵐の岩礁のマヤ」のテーマ ヴィルピ・エロマ:心 カルロス・ガルデル:想いの届く日 |
マルユッカ・リーヒマキ指揮 グレクス・ムジクス | |
録音:2007年2月9日-11日、4月9日-10日、シベリウス高等学校、ヘルシンキ。[フィンランド語、スペイン語歌詞 英訳なし] ボブ・チルコットの合唱作品集「The Making of the Drum (太鼓作り)」(NCD-13) を録音したグレクス・ムジクス。ヘルシンキのシベリウス高等学校で教えるマルユッカ・リーヒマキが1991年に創設した混声cho.。現代曲から民謡まで。グレクス・ムジクスのレパートリーの広さは新しいアルバムにも示される。イルッカ・クーシスト、エルッキ・ヌルミネン、ペッカ・コスティアイネンの3つの組曲。2006年春のギャラコンサートのために行った作曲コンペティションから生まれ、グレクス・ムジクスのレパートリーになった。創設当初のメンバー、ユッシ・シュデニウスは10周年記念コンサートのために「青の魔法」と「欲望に駆られて」を作曲。「最高の合唱団をめざす!」 というグレクス・ムジクス。彼らの歌からは歌う歓びも伝わって来る。 | ||
真夜中のクリスマス 伝承歌/フルーデ・フィェルハイム編:この世はうるわし サンナ・クルキ=スオニオ:ようこそ、恵まれた方 ヘイノ・カスキ/ロッテ・レヒコイネン編:小屋は雪の下に眠る パイヴィ・オヤンペラ:クリスマスの夜の祈り アルマス・マーサロ:クリスマスの鐘 アイヤ・プールティネン:沈黙 パイヴィ・オヤンペラ:ン クリスマスの夜に/主はクリスマスの囁きを ミア・マカロフ: マリアの賛歌から/もっとも身分の低い娘、マリア/ サウナを探す者/私の馬よ、息を/すでに神がお生まれに/ イエスはゆりかごに眠る レーヴィ・マデトヤ/イルモ・リーヒマキ編:日々の苦労を忘れ フランツ・グルーバー/イルモ・リーヒマキ編:聖しこの夜 |
マルユッカ・リーヒマキ指揮 ピロメーラー女声cho. | |
録音:2007年2月17日-18日、4月13日-15日、クーサーホール、フィンランド。 マルユッカ・リーヒマキの指揮するピロメーラーは、新しいアプローチによる合唱表現で知られる女声cho.。「夢みるピロメーラー」(NCD-9)、「Mieli」(NCD-22) につづくアルバムのタイトルは「真夜中のクリスマス」。合唱団メンバーのパイヴィ・オヤンペラ、アイヤ・プールティネン、ミア・マカロフが新しく作曲した作品により今のクリスマスを響かせ、新たな編曲による伝統のキャロルでは潜在する魅力を瑞々しい歌として聞かせてくれる。 | ||
ヴェルヨ・トルミス(1930-): 合唱作品集〜カレワラの光景 「カレワラ」第十七章(1985 rev.1994)/ クッレルヴォの伝言(1994 rev.2006)/ サンポの鋳造(1997 rev.2003)/ 鉄への呪い(1972 rev.1991/2001)/ 歌い手の結びの言葉(2000 rev.2002) |
エストニア国立男声cho.(RAM) アンツ・ソーツ指揮 | |
エストニア国立男声cho.とアンツ・ソーツによるトルミス(1930-)の男声合唱曲シリーズの第5集。フィンランド湾を隔てた対岸にあって、エストニアと民族的、文化的につながりの深いフィンランドの民族叙事詩「カレワラ」をテクストとする作品が集められた。「鉄への呪い」はトルミスの代表作のひとつ。混声合唱版、男声合唱版とも世界各地の合唱団に歌われている。「カレワラ」第十七章は約34分の大曲。建造中の船を完成させるために必要な呪文を聞き出すためヴァイナモイネンがアンテロ・ヴィプネンの元を訪れるエピソード。 | ||
ペッカ・コスティアイネン(1944-):自作自演集 Vol.6 1000 x 1000年(1991)/フィンランドの母たちへ(1998)/ そこに…8つのナンセンスな歌 (2000)/ 鮭は逃げた (2005)/神に栄光あれ (2005)/ 創造の道を教えて下さい (2005)/ どうして歌ってはいけないのか (2006)/格言 (2004)/ 田舎の猫が秘かに魚に願うこと(2003)/ 子守歌 (1988)/ヴァイナモイネンの遺産 (2006) |
ペッカ・コスティアイネン指揮 ヴォックス・アウレア マリッタ・マンネル(P) | |
録音:2007年4月13日-15日、4月26日-28日、ケルティンマキ教会(ユヴァスキュラ、フィンランド)。フィンランド語、英語、ラテン語歌詞/英訳なし、英語要旨つき。 フィンランドの作曲家ペッカ・コスティアイネンの作品は合唱コンクールの課題曲にも選ばれるくらい、安定した人気がある。彼の自作自演集。第6集には女声合唱のための作品が集められた。テクストに選ばれたのは、ラウリ・ヴィータ、イルポ・ティーホネン、カイヤ・ピスパ、ユッカ・イトコネンによるフィンランドの詩、イギリスの作家エドワード・リアーのリメリック( 五行戯詩)、ラテン語の格言、抒情詩集『カンテレタル』と叙事詩集『カレワラ』の詩。ユヴァスキュラの合唱団、ヴォックス・アウレアは1968年の創設。コスティアイネンが1994年から指揮者を務めている。 | ||
穏やかに - Lempea ユッシ・シュデニウス(1972-):わたしは大きな太陽(2005) ヤーコ・マンテュヤルヴィ(1963-): 4つのシェイクスピアの歌 (1984) [来たれ/死よ/子守歌、倍のなん倍/苦しめもがけ/水底深く父は眠る]/ ビリャンシコス(2005) [もしあなたを見ていなかったなら/ばらの茂みの泉で/郷愁/お母さん、ポプラの林へ行ってきたよ] シベリウス:恋するもの (Op.14) JS160c(ソプラノ、バリトンと混声合唱のための) リーカ・タルヴィティエ(1970-):会話 (2005) ヴェルヨ・トルミス(1930-):イングリアのゆうべ(1979) [踊り歌 I/ 踊り歌 II/ 踊り歌 III / おどけ歌 I/ おどけ歌 II/ ラウンドレイ/踊り歌 IV/ 踊り歌 V/ 歌が終わり家路に] カトリ=リース・ヴァイニオ(Ms) ニコラス・セーデルルンド(B) セッポ・ムルト指揮ドミナンテ | ||
録音:2006年4月22日-24日、リーヒマキ要塞教会(ユヴァスキュラ、フィンランド)。英語、フィンランド語、スペイン語歌詞/英訳付。 「ひとつひとつの演奏が聴き手にとって忘れがたい体験となること」と語るセッポ・ムルト。彼が指揮者を務める混声cho.、ドミナンテの新しいアルバム。3曲はドミナンテからの委嘱により作曲された作品。イギリスの作家チャールズ・コーズリーの詩に出逢ったユッシ・シュデニウスの感情のたかまりがそのまま音楽になった「わたしは大きな太陽」。スペインのマドリガルとフィンランドのパンクロックバンド " エップ・ノルマーリ" の音楽にインスピレーションを得たヤーコ・マンテュヤルヴィの「ビリャンシコス」。ドイツの劇作家ホルスト・フッセルの劇『Gesprache(会話)』から、公園のベンチに座る A(女) と B(男) のやりとりをリーカ・タルヴィティエは混声合唱の曲に作り上げた。シベリウスの「恋するもの」のテクストは抒情詩集『カンテレタル』から採られている。フィン・ウゴル族が住み、今はロシア領になったイングリアに伝わる詩と歌唱スタイルを基にしたトルミスの曲集。そして混声合唱のレパートリーとして人気の高まってきたマンテュヤルヴィの「4つのシェイクスピアの歌」。アルバムにこめられた願いは、「新しく、瑞々しい愛の姿を届けたい」。アルバムを貫くのは人間関係という永遠のテーマ。 | ||
コスティアイネン自作自演集 Vol.7 ペッカ・コスティアイネン(1944-): しあわせな聖母マリアの連禱 [Kyrie Eleison/Sancta Maria, Vas spirituale/ Mater Christi/Virgo prudentissima/ Speculum justitiae/Rosa mystica/ Salus infi rmorum/Regina angelorum/Agnus Dei]/ Can you see how death takes a fragile herb/ Esto mihi/主はお与えになる/幸いなるかな/ パーテル・ノステル/天にまするわれらの父よ/ 全地は暗くなり/愛は忍耐強い |
ペッカ・コスティアイネン指揮 ムジカ cho. | |
コスティアイネンの自作自演、第7集はラテン語とフィンランド語による宗教作品集。 | ||
葉と葉のあいだに ヤルモ・パルヴィアイネン(1928-1994):夕べ マシュー・ホィットール(1975-): 雨音に耳を傾けるように ユホ・ミエッティネン(1978-):合唱曲集 「アーロ・ヘッラーコスキの詩による5つの歌」 〜画家/ ドルチェ・ファル・ニエンテ(のほほんと暮らす) アレックス・フリーマン(1972-): 「アーロ・ヘッラーコスキの詩による4つの歌」 〜一位星/ 月明かりの森/雨/なんと小さな マシュー・ホィットール(1975-):四季 [前奏曲【春、桜】/前奏曲【夏、天の川】/ 前奏曲【秋、空/水】/前奏曲【冬、雪】] |
エスコ・カッリオ指揮 HOL cho. | |
フィンランド最古の大学混声cho. HOL合唱団が歌う「フィンランド自然体験の研究」。フィンランドの詩人ふたり、イルマリ・ピミア(1897-1989)とフィンランド・モダニズムの先駆的作品を書いたアーロ・ヘッラーコスキ(1893-1952)、そしてメキシコの詩人オクタビオ・パス(1914-1998)「雨音に耳を傾けるように」 と山口県生まれの俳人、種田 山頭火(1882-1940)の作品をテクストとする合唱曲集。 フィンランドのヤルモ・パルヴィアイネンとユホ・ミエッティネンの作品ととも、フィンランド在住の外国人作曲家ふたりの作品が含まれた。マシュー・ホィットールはカナダ生まれ。カナダとアメリカで作曲を学んだ後、2001年からシベリウス・アカデミーでハメーンニエミとヴェリ=マッティ・プーマラに師事した。2004年トロントso.主催の作曲コンペティションで第1位を獲得している。アメリカ出身のアレックス・フリーマンは、シベリウス研究のために留学したヘルシンキでハメーンニエミに作曲を学んだ。ホイットールの「雪」を彼がピアノのためにトランスクライヴした曲が " ピアノ・トランスクリプションの芸術"(ABCD-240)に録音されている。 | ||
夜明けに〜伝統と新しいクリスマスキャロル ヘイッキ・リーモラ:待降節の入祭唱 / ヘイノ・カスキ:小屋は雪の下に眠る ピエ・カンツィオーネス:めでたし、花と飾りの教会よ / ユハニ・コムライネン:慈悲深きイエス・キリストよ ペッカ・ユハニ・ハンニカイネン/イルマリ・ハンニカイネン編曲:クリスマスイブに T.イルマリ・ハーパライネン編曲:クリスマスツリーは誇らしく ヘイッキ・リーモラ:幼児イエスへのクリスマスの贈り物 / セリム・パルムグレン:平和の御子 ピエ・カンツィオーネス:歓びの歌を声高く歌え / ヘイッキ・クレメッティ編曲:歓びの歌を声高く歌え ヘイッキ・リーモラ:クリスマスキャロル / マルッティ・ヘラ:静かなクリスマスキャロル ヘイッキ・リーモラ:クリスマスのキャンドルの煌めきのなかに/夜明けに / ヨウコ・リンヤマ:クリスマスイブ イルマリ・ハンニカイネン:クリスマスキャロル / ヘイッキ・リーモラ:わが心のクリスマス ユハニ・コムライネン:めでたき海の星 / ラウタヴァーラ:クリスマスの賛美歌/マルヤッタのクリスマス賛美歌 シベリウス:5つのクリスマスの歌 Op.1 〔クリスマスはもうそこに/クリスマスがやってくる/夜のとばりがおりて/クリスマスの歌「私には富も名声もいらない」/雪はうず高く積もり〕 ヘイッキ・リーモラ指揮ハルユ室内cho. ヤン・レヘトラ(Org) | ||
フィンランド、タンペレ市の混声cho.。コープランド、エルガー、マデトヤ、フォーレ、ラターの作品を歌った「ルクス・エテルナ」(NCD-19)のハルユ室内合唱団がクリスマスアルバムを録音した。指揮者のヘイッキ・リーモラ(1958-)はシベリウス・アカデミーの出身。ヨルマ・パヌラとエーリク・エーリクソンに学び、1977年からハルユ室内合唱団(旧 ハルユ青年合唱団)の指揮者に就任。フィンランド各地の合唱団を指揮し、1998年にはフィンランド合唱指揮者協会の最優秀指揮者に選ばれた。ラテン語の聖歌集「ピエ・カンツィオーネス」の曲、カスキ、ペッカ・ユハニ・ハンニカイネン、パルムグレン、ラウタラーヴァをはじめとするフィンランド作曲家の曲、リーモラが新たに作曲した曲によるプログラム。シベリウスの「5つのクリスマスの歌」は、トペリウスの詩による第1曲から第4曲がスウェーデン語、ヨウカハイネンの詩による第5曲がフィンランド語と、すべてオリジナルの歌詞で歌われている。 | ||
クリスマスへの旅 アルマス・マーサロ/ヨウコ・トルマラ編曲:小さなイエスよ、あなたの元へまいります ピエ・カンツィオーネス/カリ・アラ=ポラネン編曲:おお学生たち、おなじ声で〜歓べ ピエ・カンツィオーネス/ヘイッキ・クレメッティ編曲:歓びの歌を声高く歌え ペッカ・ユハニ・ハンニカイネン:クリスマスの鐘 / ペッカ・コスティアイネン:静かなひととき レナード・ワークハウス/ペッカ・コスティアイネン編曲:リンリンとそりの鈴が鳴る オット・コティライネン/サンナ・サルミネン編曲:クリスマスの朝の雀 イーヴァル・ラスムセン/カリ・アラ=ポラネン編曲:天使の歌 伝承曲/ペッカ・コスティアイネン編曲:真夜中にめざめが / 伝承曲/カリ・アラ=ポラネン編曲:御子が生まれた時 伝承曲/サンナ・サルミネン編曲:ディンドン空高く / 伝承曲/カリ・アラ=ポラネン編曲:マリアに御子が生まれた 伝承曲/セッポ・ホヴィ編曲:スウィート・リトル・ジーザス・ボーイ / オッリ・モイラネン:旅 伝承曲/サンナ・サルミネン編曲:旅 / 伝承曲:救い主よ讃えられよ/われらに御子が生まれた グルーバー/サンナ・サルミネン、ペッカ・コスティアイネン編曲:きよしこの夜 / アダン:聖らに星すむ今宵 サンナ・サルミネン指揮ヴォックス・アウレア | ||
ラテン語で「黄金の声」、ヴォックス・アウレアは、1968年、11歳から17歳の才能ある児童を集めユヴァスキュラ市に創設された合唱団。トシュテン・リンドフォシュ、カリ・アラ=ポラネン、ペッカ・スティアイネンをはじめとする指揮者の下、海外ツアーを含むさまざまな活動を行い、フィンランドを代表する児童合唱団のひとつに成長した。ペッカ・コスティアイネンの2つの自作自演集、「ロルライレー」(NCD-7)と「1000×1000年」(NCD-36)につづく録音は、クリスマスキャロル集。フィンランド歌われてきた歌と世界各国のキャロルが集められた。ヴォックス・アウレアとムジカ室内合唱団のボイストレーナーと副指揮者から、この合唱団の指揮者に就任し、各国との交流などさまざまに活躍するサンナ・サルミネンが指揮している。 | ||
スラヴォニック・トラクターの愛唱歌集 誰かがカヴァルを吹いている/ジューロが結婚する/ナイチンゲールが歌っている/男と出会って心変わり/ お代をくれれば歌ってあげる/ポーチに座っていると/月の光が庭を照らす/結婚(フリスト・トロロフ)/ 結婚(イヴァン・ヴァレフ)/酒の呪い/ビールの起源/苦痛の娘/少女が中庭を掃いている/ ドラガーナとナイチンゲール/別れの時がきた/年老いた独り者 スラヴォニック・トラクター テュッティ・コヨラ(独唱/10弦カンテレ) アンナ=マイヤ・イーハンデル(10弦カンテレ/ハーディガーディ) カイサ・ポンカ(15弦カンテレ/37弦カンテレ) | ||
録音:2010年3月13日-14日、4月11日、5月8日-9日、アスカイネン教会(トゥルク、フィンランド)。スラヴォニック・トラクターは女性10人のヴォーカルグループ。ブルガリアン・ヴォイス(ブルガリア国立放送cho.)に代表されるブルガリア伝統の女声合唱の洗練を免れながらも美しい響きとブルガリア民謡の異例の和声に魅せられ、2004年、フィンランドの旧都、トゥルクで結成された。北アイルランドのコールレイン国際合唱祭(2006年)、エストニアのパルヌ国際合唱祭(2008年)など各地の国際的コンペティションに参加し、2009年のタンペレ・ヴォーカルミュージックフェスティヴァルでは、グランプリに次ぐ three golden stamps を受賞している。 ブルガリア民謡とフィンランドの歌を集めたスラヴォニック・トラクターの愛唱歌集。伝統の詩にリーサ・マトヴェイネンが作曲した「苦痛の娘」は、このアルバムのための委嘱作。 | ||
北極地方の情景 ティモ・クルキ:クルナサジュ、ぼくのトナカイ(1977) トゥーリッキ・ナルヒンサロ:ラップの少女の歌(1983) ユッカ・カンカイネン:ラップランドの歌(1981) 伝承曲(クッレルヴォ・カルヤライネン編): 連作サーミ・ヨイク「ヨイクを歌おう」(1962) クッレルヴォ・カルヤライネン:北極地方の情景(1971)(*) ユッカ・カンカイネン:血止めの呪文(1983)(#) ヤン・ヘルベリ:山を旅する者の思い(2011)(+)/ 約束の歌を歌おう(2005) |
セイタクオロ室内cho. エリナ・シヴォネン(S;*) ミッコ・ アハヴェンヤルヴィ(Br;*) ヘリ・ハーパラ(Fl;*) オッリ=ペッカ・ カヤスヴィータ(Vc;*) カドリ・ヨアメツ(太鼓;#) ミッコ・シランデル(太鼓;+) | |
スカンディナヴィア半島の北部、ロシア、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーにまたがるラップランド地方は、そのほとんどが北極圏に含まれる。この地域には古くからサーミ人が住み、独自の生活と文化を守ってきた。フィンランド領ラップランド、ヘルシンキから約800キロに位置するロヴァニエミに本拠を置く室内合唱団のセイタクオロは、1961年に創設され、ラップランドの美しく厳しい自然を背景にラップランド出身の作曲家たちが作曲した「北の地方」の音楽を紹介することを目的のひとつに活動をつづけている。創設50周年を記念して録音されたアルバム「北極地方の情景」は、記念の年のためヤン・ヘルベリが作曲した「山を旅する者の思い」をはじめ、セイタクオロのために書かれた曲を中心とするプログラムが組まれた。 | ||
おお喜ばしき光よ〜正教会の音楽 ヴィルピ・レッパネン(1943-):賛美せよ、主の御名を/おお喜ばしき光よ/主よ、わたしたちを憐れんで下さい ミッコ・シドロフ(1985-):ヴァラモ組曲(ヴァラームの賛美歌にもとづく) 大司教パーヴァリ/ヴィルピ・レッパネン編曲:広い湖の水面に輝く銀色の光 ヴィッレ・マトヴェイェフ(1986-):さすらい人の歌 ヴィルピ・レッパネン:味わい、見よ/復活のトロパリオンI/復活のトロパリオンII ヨハン・フォン・ガルトナー(1898-1984): 全地よ、御前に沈黙せよ/おお喜ばしき光よ/いかに幸いなことだろう、あなたに選ばれ、近づけられ ミッコ・シドロフ指揮クリソストモス室内cho. | ||
フィンランド。ラドガ湖の島にあるヴァラーム修道院からヘイナヴェシの新ヴァラモ修道院へとつづく合唱の架け橋。フィンランドの正教会の音楽による「おお喜ばしき光よ」は、指揮者で作曲家のミッコ・シドロフが自作の「パニヒダ」 (Alba NCD-30)を演奏するために創設したクリソストモス室内合唱団のアルバム第2作。フィンランドの作曲者たちが、主にヴァラームに伝わる古い旋律を新しい語法と結びつけて作曲した祈りの歌が集められた。大司教パーヴァリ(パウル)(1898-1984) がヴァラームの修道院を去るにあたって書いた告別の歌は、レッパネンの編曲で歌われる。 | ||
新しい歌を歌え マデトヤ:主は羊飼い、わたしには何も欠けることがない Op.30b-2 /子羊の旗 Op.73 (1934) アンナ・コソラ:日曜日の賛美歌を聴き(2005) / トゥルペラ:主よ、我らを救いたまえ(2000) ヨルマ・ハンニカイネン:人はみな草のごとく(2000) / ニューステット:ミサ・ブレヴィスOp.102 リーモラ:聖霊降臨祭の後の第13日曜日(2004) / ディストラー:新しい歌を主に向かって歌え Op.12 No.1 (1934) モノネン:いかに幸いなことか/主よ、あなたの慈しみが(1974) / トゥップライネン:命のパン(2003) ラウタヴァーラ:聖餐式 Op.22(1963) / ヴァータイネン:聖金曜日(1986) ヨーナ・サラステ:祈り(2002) / ピエタリ・コルホネン:新しい歌を主に向かって歌え(1997) ヘイッキ・リーモラ指揮クオピオ・アカデミー室内cho. | ||
旧約聖書の詩編96番にタイトルをとったアルバム。クオピオ・アカデミー室内合唱団は、フィンランド中部、北サヴォニアのクオピオ市にあるシベリウス・アカデミーのクオピオ校の合唱団。フィンランドの今の作曲家とノルウェーのニューステットによる宗教曲と、クオピオの合唱団が100年に渡って歌いつづけてきた伝統の曲が歌われている。指揮者のヘイッキ・リーモラ(1958-)は、ヘルシンキのシベリウス・アカデミーで合唱指揮とトランペットを学んだ後、ヨルマ・パヌラに管弦楽、スウェーデンのエーリク・エーリクソンに合唱指揮を師事。1987年からクオピオ校で合唱指揮のクラスを担当し、1995年に専任講師に就任している。 | ||
フィンランド・ルター教会賛美歌集 真実の精神(484番)/イエス様、あなたはお気づき(513番)/イエスの歌だけを歌えれば(343番 1, 2, 6)/ 一日と一瞬を正しく(338番)/一番高い丘に登ろう(515番)/汝の平安をわれらに(514番)/ イエスよ、あなたが一番おわかりになっている(510番)/主よ、わたしを危難よりお守り頂きたい(509番)/ 最初に井戸を掘った者は(512番)/学校がまた始まると(485番)/ああ、なんと輝かしい春よ(567番)/ 讃えることのなんと素晴らしき(342番)/今、この世は栄え(571番 1-3)/天にまする父よ、祈りをお聞き下さい(501番)/ 主よ、あなたからの贈り物を受け取った(507番)/目を上げ天を仰ぐ(490番)/子供たちを愛する神(492番)/ すべては神の御手に(499番)/道は整った(511番)/創り主は讃えられよ(462番)/夕べになった、わが創り主よ(563番) タパニ・ティリラ指揮オウライネン・ユースcho. ヴェリ・アイナリ(Org/ハルモニウム) ミンナ・ユリカウマ、ライサ・パイヴィネン(Vn) スサンナ・ニエトゥラ(Va) シニ・ヒュヴァイネン(Vc) エサ=ペッカ・シルヴォラ、 ヴィーヴェ・マエメツ(P) ウッラ=マリア・ポユヒュタリ(Fl) ヤンネ・ニエトゥラ(Tp) ブラヴァーデ・リコダーアンサンブル〔代理店記載ママ〕 | ||
フィンランド、北部オストロボスニアのオウライネン市に1972年に創設された団員約30人の女声cho.、オウライネン・ユース合唱団のアルバム第2弾。ルター教会の賛美歌集から、子供時代、青春、学校、春、夕べの祈りをテーマにした賛美歌が21曲歌垂れている。原曲を尊重しつつ、共演する楽器の異なる音色に合わせた新しい響きを探る試みが行われている。 | ||
闇から光へ コムライネン:冬の夜(2010) / プーランク:小室内カンタータ「雪の夕暮れ」 マーラー/クリュトゥス・ゴットヴァルト編曲:「さすらう若人の歌」〜恋人の青い眼(1896 arr.2001) クーラ:舟歌 Op.21 No.2a / モンテヴェルディ:おお春よ / ヘイニオ:二重混声合唱のための3つの民謡 Op.28 パルムグレン:聖ヨハネの日(夏至祭) / マデトヤ:幸福 Op.13 No.2 / イェアシル:私の大好きな谷 ラウタヴァーラ:さあ楽しい踊りだ / シェーンベルク:照らせ、いとしい太陽よ ダニ・ユリス指揮カーモス室内cho. | ||
カーモス室内合唱団は、ヘルシンキを中心とする地域に生まれたもっとも新しいアンサンブルのひとつ。合唱を経験した歌手を集め2007年に創設された。2010年にはフィンランド放送so.と共演、初めての国内ツアーも行った。2011年6月、タンペレのフェスティヴァルではグランプリを獲得した。芸術監督はダニ・ユリス(1984-)。ヘルシンキ・メトロポリア大学で合唱指揮を学び、2009年3月、スロヴェニアで行われた若い合唱指揮者の国際コンペティションで第1位に選ばれた。現在、シベリウス・アカデミーのマッティ・ヒュオッキの下でディプロマ取得の準備を行っている。「闇から光へ」はカーモスのデビューアルバム。モンテヴェルティ、マーラー、プーランク、デンマークのイェアシル、フィンランドの作品と、彼らのレパートリーの中心となる曲が選ばれている。 |