SERENADE
GRAND SLAM


1枚¥2415(税抜¥2300)

音楽評論家、平林直哉氏の立ち上げた2レーベル。



 まずSERENADEはSP復刻とテープ復刻を中心とするが、少量の需要にもこたえることができるよう、CD-Rを使用して作製される。復刻にあたってはよけいなイコライジングやノイズ・リダクションを施さないでもすむよう、状態の良い盤や音源を使用。
 2008年8月新譜を追加しましたフルトヴェングラー演奏会再現シリーズ、1952年3月7日、トリノ・イタリア放送響との公演[デ・ヴィートとのブラームス](SEDR-5021/22; 2008年11月末までの限定生産)

 #以下、2007年4月以降発売分への直リンク:
 ・「クラシック名曲初演&初録音事典」の補遺という形で頒布される「特別限定盤〜世界初録音集ハイライト」多数の販売要望に応え現定数が発売されるもので特価\1,050(税抜\1,000)!! (SEDR-0001; 限定盤)
 ・フルトヴェングラー、1954年8月30日、ザルツブルク音楽祭での全プログラム(SEDR-5019/20; 当盤は廃盤となりました)
 ・フルトヴェングラー、1953年9月15日ベルリン、ティタニア・パラストにおける全公演記録(SEDR-5017/18; 当盤は廃盤となりました)
 ・コチャルスキとの協奏曲初CD化あり! チェリビダッケの芸術 II 〜稀少録音集(SEDR-5016)
 ・待望の復刻、バルヒェットのあまりにも美しいバッハ!(SEDR-5015)
 ・フルトヴェングラー&BPOのブラームスをCETRA盤から復刻、1953年5月18日の交響曲第1番と1950年6月20日のハイドン変奏曲(SEDR-5014)
 ・スポールディング、ボリース〜ブラームス&ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲(SEDR-5013)
 ・トスカニーニ、ファイナル・コンサート、演奏が止まった長い沈黙も収めた完全実況生中継版!!!(SEDR-5012)
 ・フルトヴェングラー、1952年1月イタリアでのベートーヴェン、「運命」他(SEDR-5011)
 ・シューリヒト、クレンペラーの珍しいベートーヴェン・ライヴ(SEDR-5010)
 ・フルトヴェングラー、生涯最後の演奏会からのベートーヴェン「第1」と、1952年の「田園」(SEDR-5009)
 ・宇野功芳氏が「これは数多いフルトヴェングラーのCDの中でも、おそらく最悪のものではあるまいか」と語ったチャイコ「第5」他(SEDR-5008)
 ・フルトヴェングラー、VPOのブルックナー第5、ミスも含めた完全版!(SEDR-5007; 当盤は廃盤となりました)
 ・クナ1944年の「ブラ3」が復活、併せて1949年の「ジークフリート牧歌」が初CD(-R)化!(SEDR-5006)
 ・フルトヴェングラー、チェトラ LP 復刻 1951年1月7日ウィーンでの「合唱」(SEDR-5005)
 ・チェリビダッケ、シュナイダーハンとのベートーヴェンなど、若き日の名演(SEDR-5004)
 ・ポール・パレーのブラームス「第4」&ワーグナー(SEDR-5003)
 ・これまで今ひとつ音質が良くなかった、ムラヴィンスキー1956年のチャイコ「第5」を初期盤から(SEDR-5002)
 ・ポール・パレーの「幻想交響曲」第1回録音他、世界初CDフォーマット化!(SEDR-5001)
 ・知る人ぞ知るオスカー・フリートの怪奇演奏集、「幻想交響曲」「アイネクライネ」(SEDR-5000)
 ・ゴロワノフの第2集はグラズノフの3曲と、天下の奇演ベートーヴェン「第1番」! (SEDR-2040)
 ・人気のカリンニコフの交響曲第1番をラフリン指揮のローカル色豊かな演奏で、サモスード指揮のグラズノフも(SEDR-2039)


 #SERENADEレーベルはCD-Rを使用しておりますので、初めてご購入の方は、「名演奏家貴重盤コーナー」トップにある御注意点を一度ご覧頂けますようお願いいたします。

 #SERENADEレーベルはCD-R製版ですが、契約の関係や売れ行きの問題などで、廃盤となっているアイテムがあります。廃盤商品の以降の入荷はございませんので、御了承下さい。



 GRAND SLAMは通常のプレスCD。ロシアの怪物指揮者、ニコライ・ゴロワノフの復刻が2点と、音楽評論家として有名な宇野功芳氏が日本大学管を振った2点がそれぞれ出ていたが、ゴロワノフのVol.1(GS-2003)は発売後あっという間に完売、同Vol.2もとうとう無くなってしまった。SERENADEレーベルに引き継がれた音質の良さが売り物(ちなみに2003年は没後50年となる節目の年だった)。そして宇野功芳盤は、オケとともにある意味「やりたい放題」をやってのけた演奏だけに、それぞれ一聴の価値あり。こちらの2点は在庫限り。
 そして2004年からは、ゴロワノフのアイテムとは逆に SERENADE レーベルで培われたフルトヴェングラー・アイテムが発売開始。2007年9月現在第16集まで発表された人気シリーズとなっているが、丁寧な復刻と貴重な資料を掲載したブックレットで、コレクターズ・アイテムとして存分の価値を誇る。ただ、基本的には初回プレスのみの供給となるようで、既に在庫切れ(再プレス時期未定=このまま廃盤になってしまう可能性もあり)のアイテムも出てきており、できる限り発売当初のご入手をお勧めして置きたい。併せてポール・パレーやワルターの1952年「大地の歌」、そしてマニアが待ち望んでいたシューリヒトなどマニア好みの復刻も引き続き発売されている。
 リンク先は当レーベル最新盤となります。なお当レーベルはプレス盤のため、CD-Rを 使用した SERENADE レーベルとは異なり、新譜発表後発売されるまでに1〜2か月程度かかります。あらかじめご了承下さい。


 #GRAND SLAM レーベルは基本的に初回プレスのみとなっており、初期の盤には品切れの商品も出はじめております(該当アイテムは再プレスも未定なので、ほとんどがこのまま廃盤になると思われます)。発売直後のご入手を強くおすすめ致します。



 なお、両レーベルのお問い合わせ先は、平林直哉氏[ Fax 0424-42-8285 / e-mail: cnh@wta.att.ne.jp ]となっております。


SERENADE
SEDR-0001

\999(税抜\952)
特価
限定盤
特別限定盤〜世界初録音集(ハイライト)
 平林直哉著『クラシック名曲初演&初録音事典』(大和[だいわ]書房)発売記念

 ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー〜冒頭
 ヘスス・マリア・サンローマ(P) アーサー・フィードラー指揮ボストン・プロムナードo.
 SP=[輸]ビクターM358(1935年録音/41ページ)

 グリーグ:ピアノ協奏曲〜第1楽章
 ヴィルヘルム・バックハウス(P) ランドン・ロナルド指揮新so.
 SP=[輸]グラモフォン05523(1909年録音/44ページ)

 サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」〜第2部
 ピエロ・コッポラ指揮グラモフォンso. アレクサンダー・セリエル(Org)
 SP=[輸]ビクターM100(1930年録音/52ページ)

 R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」〜冒頭
 エドゥアルト・メーリケ指揮ベルリン国立歌劇場o.
 SP=[輸]パーロフォンE10306〜10(1924年録音/71ページ)

 シューベルト:交響曲第7番「未完成」〜第1楽章 エドゥアルト・メーリケ指揮大so.
 SP=[輸]オデオン5008〜10(1921年録音/85ページ)

 シューマン:チェロ協奏曲〜第3楽章
 グレゴル・ピアティゴルスキー(Vc) ジョン・バルビローリ指揮LPO
 SP=ビクターJD353〜5(1934年録音/94ページ)

 チャイコフスキー:交響曲第5番〜第2楽章
 ロマノ・ロマーニ指揮ミラノso. SP=[輸]コロンビア487〜8(1914年ごろ録音/120ページ)

 ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」〜第4楽章
 ランドン・ロナルド指揮ロイヤル・アルバート・ホールo.
 SP=[輸]HMV D613(1920年ごろ録音/131ページ)

 ドビュッシー:弦楽四重奏曲〜第2楽章 スペンサー・ダイクSQ
 SP=[輸]ナショナル・グラモフォニック・ソサエティD〜F(1924年録音/138ページ)

 バルトーク:弦楽四重奏曲第4番〜第4楽章 ギレーSQ
 SP=[輸]コンサート・ホール・ソサエティA3(1946年録音/163ページ)

 フォーレ:レクイエム〜ああ、イエズスよ
 ギュスターヴ・ブレー指揮バッハ協会o. マルノリー=マルセイラ(S)
 SP=[輸]グラモフォンW1154〜8(1930年録音/172ページ)

 プロコフィエフ:「アレクサンドル・ネフスキー」〜第7楽章
 ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィアo.、ウエストミンスターcho.
 SP=[輸]コロンビアLX8547〜51(1945年録音/218ページ)

 ベートーヴェン:交響曲第7番〜第4楽章 アルバート・コーツ指揮so.
 SP=[輸]ビクター55174(1921年録音/225ページ)

 ベルリオーズ:幻想交響曲〜第4楽章 ルネ=バトン指揮パドゥルーo.
 SP=[輸]グラモフォンW608〜13(1924年録音/241ページ)

 モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番〜第1楽章
 イエーリ・ダラニ(Vn) スタンリー・チャップル指揮エオリアンo.
 SP=[輸]ヴォカリオンA0204〜4(1925年ごろ録音/281ページ)

 ラヴェル:左手のための協奏曲〜第3楽章  ジャクリーヌ・ブランカール(P) シャルル・ミュンシュ指揮パリpo.
 SP=ポリドールE167〜8(1938年録音/297ページ)
 「本CDRは『クラシック名曲初演&初録音事典』で取り上げられている世界初録音のオムニバス盤です。これは丸善丸の内本店のイベント用として特別に制作し、そのイベントの来場者のみに配布されました。しかし、イベント終了後、「販売して欲しい」という希望が多数寄せられましたので、今回は本の宣伝ということで、利益を無視して限定で販売することを決定しました。
 「このCDRを併せて聴くことによって、『クラシック名曲初演&初録音事典』の面白さが倍増します!!! 各曲の詳細なデータに関しては「クラシック名曲初演&初録音事典」を参照のこと。」
SEDR-2001
廃盤
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と偉大な指揮者たち
 ワーグナー:楽劇「パルジファル」第3幕転景音楽(アルフレッド・ヘルツ指揮/1913年9月16日)
 ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲(マックス・フォン・シリングス指揮/1921年)
 サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」(ブルーノ・ザイドラー=ウィンクラー指揮/1923年)
 グルック:歌劇「アウリスのイフィゲニア」序曲(ユリウス・プリューワー指揮/1928年)
 ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」序曲(カール・シューリヒト指揮/1930年1月13日)
 ポピー:バレエ組曲(アロイス・メリヒャル指揮/1932年)
 シャブリエ:狂詩曲「スペイン」(ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮/1938年3月10日&11日)
 ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲(ヘルマン・アーベントロート指揮/1938年10月1日)
 グルック:歌劇「アルチェステ」序曲(ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮/1942年10月28日)
 原盤はHMV、ポリドール、テレフンケン、オデオン等。現在ではほぼ忘れられている曲、そして海外でも復刻の少ない人を含んでおり、正にコレクターにはうってつけ。復刻も非常に丁寧。
 廃盤とするにあたっての平林氏のコメント「『@〜B[カデンツァ注:1913年-1923年の3曲]の古すぎる演奏は仕方ないが、C[同注:プリューワー指揮]はなかなか立派。Dのシューリヒトも「こんな凄い音だったのですね! 感激しました!』とその昔メールを頂戴した。Jのシャブリエも、この当時としては破格の高音質である。Lのグルックも復刻の音質としては過去最高と自負している」(平林 直哉)
ウラニアのエロイカ登場
 ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
VPO
 録音:1944年12月。言わずと知れた「ウラニアのエロイカ」。今回は米URANIA盤のURLP-7065から直接トランスファーしているため、正真正銘の復刻盤の登場と言える。あまりにも高価なため、一部のマニア・アイテムと化していたウラニア盤の音が甦るとは嬉しいことだ。音質的には、盤起こしに起因するポップ・ノイズや歪み等は仕方がないものの、音質自体は正にクリア。これは体験する価値ありだ。ジャケットもウラニア盤LPを用いてデザインされている。
 なお、2004年6月新譜として、当盤をリファインしたGRAND SLAMレーベルのCD盤(GS-2005)が発売されました。一度品切しましたが、2008年9月現在平林氏の元に在庫有りですので、 全ての盤を集めたいというマニアの方以外は GRAND SLAN 盤をお勧めします。
SEDR-2003
廃盤
メロディア初出LPのフルヴェン、CD復刻登場
 ベートーヴェン:「コリオラン」序曲(*)
 ブラームス:
  交響曲第4番 ホ短調(*)/ハイドンの主題による変奏曲(#)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
BPO
 録音:1943年6月/12月。MELODIYA たいまつLP、33D09867/8(*)/MELODIYA ピンク・レーベルLP、33D010851/4(#) よりそれぞれ盤起こしで復刻。
 音楽評論家 平林直哉氏の自主製作レーベル、SERENADEの第3弾は&第4弾は第2弾に弾き続きフルトヴェングラー。 今回はMELODIYA初出のLPから直接トランスファーした物。もちろんこれらの録音は、様々なレーベルからCDが出てはいるが、未だにMELODIYAのLPを上まわる音質の物は無いともいわれる。 気になる音質は、前回の「ウラニアのエロイカ」(SEDR-2002)同様LPの強音部や内周のビビリ・ノイズこそあるが、音質自体は非常に生々しく、とても1943年の録音とは思えない。  これもフルトヴェングラー・ファンなら是非一度は耳にしておきたい音質であるといえよう。
SEDR-2004
廃盤
フルトヴェングラー、戦中ベルリンの「第9」、
 メロディア、ピンク・レーベル盤よりの復刻

  ベートーヴェン:
   交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱」
ティラ・ブリーム(S)
エリーザベト・ヘンゲン(A)
ペーター・アンダース(T)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
BPO、
ブルーノ・キッテルcho.
 録音:1942年3月。MELODIYAピンク・レーベルの 33D010851/4より復刻。
 この演奏のメロディアLPに関しては、一般的に「たいまつ」レーベルが最も音質が良いと言われているが、試作品として平林氏がピンク・レーベル(おまけにほとんど使用されていないミント状態の盤だったという)より原盤を作ったところ、結果が予想以上に素晴らしかったため、製品として発売することにしたという。音質的には、発売に踏み切ったことが無条件で納得できるほどであり、その生々しさは正に驚き。盤起こしゆえのノイズこそあるものの、こちらもフルトヴェングラー・ファンなら必聴だ。なお、第2楽章の1分52秒〜53秒に一瞬、音の欠落があるが、これは、過去に出たさまざまな文献等によって知られている、ベートーヴェンの「コリオラン」序曲の最後のピチカートの欠落、あるいは同じくベートーヴェンの交響曲第7番第4楽章冒頭の欠落など、メロディアの初期LPに認められた瑕疵の一つ。LPからの無修正盤起こしのため当盤でもそのままとなっている。
SEDR-2005
廃盤
ベルリオーズ:幻想交響曲(*)
R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」(#)
ブルーノ・ワルター指揮
NBCso.
SEDR-2006
廃盤
ブラームス:交響曲第1番(+)
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲(**)
スメタナ:モルダウ(**)
ブルーノ・ワルター指揮
NBCso.
 録音:1939年4月1日(*)/1940年3月2日(#)/1939年3月18日(+)/1940年3月2日(**)。全曲世界初登場音源。
 平林氏によると、幻想はかつて日本のブルーノ・ワルター協会の頒布LPとして予定されていたが、実際には発売されていないとのこと。なお、「幻想」はARBITERからも発売されることとなった。
SEDR-2007
廃盤
ヘンデル:合奏協奏曲Op.6-6(*)
ワーグナー:ジークフリート牧歌(#)
ブラームス:交響曲第2番(+)
ブルーノ・ワルター指揮
NBCso.
 録音:1940年2月17日(*/+)/1939年4月8日(#)。
 ブラームスはEklipseで出ていたものと同一だが、他の2曲は世界初出。特にヘンデルは、音源として世界初出と言うだけではなく、ワルターのディスコグラフィにおける初のレパートリーということになる貴重な物。 なお、(+)はEKLIPSE盤に記載されている日付とは録音年月が異なるが、演奏自体は間違いなく同じで、どちらが正しいかは調査中とのこと。音質的には比較にならないほど、今回の方が素晴らしい。
SEDR-2008
廃盤
ベートーヴェン:
 交響曲第4番(*)/交響曲第7番(#)
ペーター・アンダース(T;###)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
BPO
SEDR-2009
廃盤
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」(**)
ウェーバー:「魔弾の射手」序曲(##)
R.シュトラウス:「ドン・ファン」(++)
SEDR-2010
廃盤
シューベルト:交響曲第9番「グレイト」(***)
R.シュトラウス:4つの歌曲(###)
 [愛の讃歌Op.32-3/誘惑Op.33-1/
  冬の愛Op.48-5/森の幸福Op.49-1]
SEDR-2011
廃盤
ベートーヴェン:
 ベートーヴェン:交響曲第5番(2種の演奏)(****/####)
 録音:1943年6月(*)/1943年10月(#)/1944年3月(**/##)/1942年2月(++/###)/1942年(***)/1943年6月(****)/1926年(####)。  MELODIYAのホワイト・レーベル(*/***)、イエロー・レーベル(#/**)&ピンク・レーベル(##/++/###/****)LP/ポリドールのSP(####)からそれぞれ復刻。 なお、(*)は全楽章ライヴ版、(#)の第4楽章冒頭は、盤より復刻のためオリジナルの通り欠落したままとなっている。また、(####)では第2楽章の盤面の切れ目に9小節のダブりがあり、 通常LPやCDに復刻する際にはどちらかのテイクを採用し、使用されなかった9小節は日の目を見ないが、当CD-Rではその両テイクをボーナス・トラックとして収録している。
 なお、メロディアLPのレーベル色については、年代によって分かれているのではないか(ホワイト・レーベル:1950年代後半〜1960年頃/イエロー・レーベル:1950年代後半〜1960年頃/たいまつレーベル: 1950年代後半〜1960年頃/ピンク・レーベル:1960年代初頭〜1970年代初頭)という説、旧ソ連メロディアの工場は数カ所あり、レーベルの使用法はその工場によってまちまちだったという説など、 様々な説があるが、本当のところは不明。とにかく、今回の復刻は十数枚のメロディアLPを入手し、復刻に値すると思われるものだけを選んだとのこと。前回までの発売で、 その音質的素晴らしさは証明されており、今まで出ていた復刻盤の音質に不満のある方には特にお勧め。 盤起こしゆえのプチ・ノイズ等はあるが、そんな傷をもろともしない力強い音質は一聴の価値ありと断言できる。
SEDR-2012
廃盤
ハイドン:交響曲第86番(*)
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」(#)
シューベルト:交響曲第5番(+)
ブルーノ・ワルター指揮
NBCso.
SEDR-2013
廃盤
ウェーバー:「オベロン」序曲(**)
ハイドン:交響曲第92番「オックスフォード」(**)
ベートーヴェン:交響曲第1番(##)
SEDR-2014
廃盤
スメタナ:「売られた花嫁」序曲(+++)
シューベルト:交響曲第9番「グレイト」(***)
モーツァルト:
 メヌエット K.568(+)/メヌエット K.599(+)/ドイツ舞曲K.605(+)
 録音:1940年2月10日(*)/1940年2月17日(#)/1940年3月9日(+)/1939年3月18日(**)/1939年3月25日(##)/1940年2月24日(***)/1940年3月2日(+++)。
 SERENADEの新譜はワルター第2弾全3枚。全て8月下旬発売予定。内容はすべて既出のものだが、クオリティはSEDR2005〜7と同等で、これまでのCDの音質に不満がある方には広くお勧めしたい。
 なお、(*)に関して、「Arturo Toscanini THE NBC YEARS(M. H. Frank, Amdeus Press)」の巻末にある演奏記録では、1940年2月10日に演奏されたのはハイドンの交響曲第88番となっているが、 ワルター&NBCによる第88番の録音は目下のところ知られていないため、第88番の表記は誤りと思われるとのこと。
SEDR-2015
廃盤
ブラームス:弦楽四重奏曲第1番(*)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」(#)
ブッシュSQ(*)
[アドルフ・ブッシュ(Vn)
 ブルーノ・
  シュタウトマン(Vn)
 フーゴー・
  ゴッテスマン(Va)
 ヘルマン・ブッシュ(Vc)]
  アドルフ・ブッシュ(Vn;#)
ルドルフ・ゼルキン(P;#)
 録音&原盤:1951年1月25日、ヘッセン放送、ライヴ(*)/HMV(#)。(*)は世界初出音源。(#)はHMVのSP録音を最上の状態で復刻。
SEDR-2016
廃盤
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(改訂版) ブルーノ・ワルター指揮
NBCso.
 録音:1940年2月10日、ライヴ。
 PearlやEklipseから既出の音源だが、これまで通り最上の状態で復刻。
SEDR-2017
廃盤
ブルックナー:交響曲第8番(改訂版) ブルーノ・ワルター指揮
NYP
 録音:1941年1月26日、ライヴ。
 もともと音質は良くないが、かつてAS DiscやIron Needle等でCD化された時の音を土砂降りだとすると、当盤は薄曇り程度に改善され、ワルターの解釈がそれなりに聞き取れるようになった。この曲の彼唯一の録音であり、他CDが現在入手不能ということもあり、ワルター・ファンには是非お勧めしたい。
SEDR-2018
廃盤
ジャック・ティボー
 ラロ:スペイン交響曲Op.21(*)
 ベートーヴェン:
  ヴァイオリン・ソナタ第9番
   イ長調Op.47「クロイツェル」(#)/
  ロマンス第2番 ヘ長調Op.50(+)
 バッハ(ヴィルヘルミ編):G線上のアリア(**)
ジャック・ティボー(Vn)
ジャン・マルティノン指揮
オルケストル・ナショナル(*)
アルフレッド・コルトー(P;#)
ハロルド・
 クラクストン(P;+/**)
 録音:1953年2月19日、ブリュッセル(*)/1929年5月27日&28日(#)/1925年11月25日(+)/1927年2月14日(**)。原盤:HMV(#/+/**)。SP復刻分については詳細なマトリックス番号も記載。(*)は今回初登場の音源。スケルツァンドの80小節めとロンドの100小節めのそれぞれ1小節づつが欠落しているが、これはオリジナル録音によるもの。
 「このディスクに含まれるラロの「スペイン交響曲」は初めて公開されるライヴ録音である。この録音はアセテート盤から起こしたテープを苦心して編集したもののようだが、 ディスク化に際しては以下の部分を編集した。まずひとつは第1楽章の39小節がダブっていたが、これはカットするだけで問題はなかった。問題はスケルツァンドの80小節めとロンドの100小節めの、それぞれ1小節分の欠落であった。欠落の原因は不明だが、ともかく最初は他のティボーの演奏で欠落を埋めて編集したが、修正すると逆に編集箇所の不自然さがいっそう目立つこととなったために、やむなくオリジナルのままを採用した。また、オーケストラ名については、音源供給元や他の資料にもOrchestre Nationalとしか表記していないので、それをそのまま表記した(恐らくは、フランス国立であると思うが)。
 そのほかの演奏はHMVのSPを復刻したもので、音源としての目新しさはない。しかし、これまで同様にSP盤独特の音の伸びを大切に復刻したもので、個人的には「クロイツェル」がまずまずの出来ではないかと思っている。」(平林直哉)
 まずは(*)の音質がかなり良いのにびっくり。元がアセテート盤だけに少々のプチ・ノイズは仕方がないが、これまで公開されなかったのが不思議なほどだ。ティボーの演奏は既に70才を越しているだけあって、不安定な部分が無いではないが、全体を捉えたときの音楽性は全く素晴らしい。この年の9月1日にはあの痛ましい事故で亡くなってしまうわけだが、日本で演奏を、そして録音を残してくれていればという思いが、近年この頃の日本録音が復刻著しいだけに一層つのる。マルティノンもティボーに敬意を表し、かつ鳴らすところは鳴らすなかなか見事な指揮ぶり。SP復刻のほうは(#)の第1楽章を試聴したが、こちらもバランスの良い良好な復刻。
SEDR-2019
廃盤
ハンス・クナッパーツブッシュ Vol.1
 ブラームス:交響曲第4番 ホ短調Op.98(*)
 チャイコフスキー:「くるみ割り人形」組曲Op.71a(#)
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
ケルン放送so.(*)、
BPO(#)
 録音:1953年5月8日(*)/1950年2月2日、ティタニア・パラスト、ベルリン(#)。
 ブラームスの方はクナッパーツブッシュの演奏の中でも特に個性的なものとして知られているが、これまで発売されたLP、CD等は音質が今ひとつでああり、その真価を堪能するまでにはいたらなかったように思う。ところが最近入手したテープは状態がかなり良く、ごく一部に音のカスレや揺れ、または小さな音で別の音楽が聴こえてくる部分(第1楽章の後半部分など)もあるが、全体的には十分に鑑賞に堪えうると判断し、CDR化を決断した次第である。
 チャイコフスキーの方はTahraから出ているものと全く同一である。Tahraの方はノイズをやや抑えめにして聴きやすく処理してあるが、このCDRではそのような処理は基本的には行っていない。部分的には明らかに低音が過剰と思われるが、そのようなデコボコに手を加えるとどうしても雰囲気感が損なわれてしまうので、最終的にはほとんど原音のままを採用した。もしもお聴き苦しい場合は、アンプのトーンコントロールやグライコ等で調節していただきたい。」(平林直哉)
 (*)は第4楽章を試聴したが、この音質は正に特筆物。録音年の平均をはるかに越えており、1960年代中ごろの物といっても通りそうだ。低音から高音まで非常にバランスよく収録されている上、強奏時の歪みもほとんど無く(最期の部分以外は皆無といっていいほど)、クナッパーツブッシュのライヴの中ではもっとも音的条件が良いものの一つになったと言えるだろう。(#)は冒頭のみの試聴だが、そのまま収録とはいえ元々かなり聞きやすい録音で、全く音質的支障は無いと思われる。
SEDR-2020
廃盤
ハンス・クナッパーツブッシュ Vol.2
 ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調Op.90(*)
 ニコライ:「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲(#)
 J.シュトラウス:歌劇「こうもり」序曲(#)
 ヨハン&ヨゼフ・シュトラウス:ピチカート・ポルカ(#)
 コムツァーク:ワルツ「バーデン娘」(#)
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
BPO
 録音:1944年9月9日、バーデン=バーデン(*)/1950年2月2日、ティタニア・パラスト、ベルリン(#)。(*)はメロディアのLPから復刻。
 「ブラームスはメロディアのLP(33M10-41175/78)からの復刻である。この2枚組LPはブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」(この演奏はSEDR-2021でCDR化)と組み合わされており、いささか詰め込み気味ではあるものの、それでも従来のLP、CD等よりも良い結果が得られると判断してCDR化した。金管楽器がマイクに近いためか、時おり刺激的に響くが、これを抑えすぎると今度は弦楽器のふくよかさが失われるために、そのあたりの操作はあまり過剰にならぬように配慮した。なお、メロディアのLPには録音データは記載されておらず、このCDRでは『ハンス・クナッパーツブッシュ・ディスコグラフィ』(吉田光司著、キングインターナショナル)に準拠している。
 ニコライ以下はベルリンでのライヴである。「ウィンザー」や「こうもり」の終わりの拍手は何やらわざとらしいが、カットすると唐突な感じがするのでそのままにしておいた。また、「こうもり」では冒頭がフェイド・イン気味になっているが、これはオリジナルのままである(同一演奏のTahra盤も同様にフェイド・イン気味になっている)。」(平林直哉)
 (*)はこれまでのメロディア復刻同様、針音と少々の歪みはあるものの、この演奏のできる限り最高の音質での復刻の一つといえるだろう。レンジ的バランスの良さと音の力強さはやはり素晴らしい。なお、同種LP起こし復刻にMYTHOS盤(NR-5017、5017GOLD)、GREENDOOR盤(GDCL-0002/3)が出ている。(#)も録音年代を越えた音質。
 なお、ブラームスの第3番は、2007年に別LPを使用しての再発売がアナウンスされました(SEDR-5006)
SEDR-2021
廃盤
ハンス・クナッパーツブッシュ Vol.3
 ブルックナー:
  交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」(改訂版)
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
BPO
 録音:1944年9月8日、バーデン=バーデン。メロディアのLPから復刻。
 「この演奏はメロディアのLP(33M10-41175/78)より復刻したものである。このブルックナーは2枚組4面のうちの3面にカッティングされたもので、同じLPの3面から4面にカッティングされているブラームスの交響曲第3番は当シリーズの(SEDR-2020)に含まれている。使用している版はいつものように改訂版だが、改訂版にはない表情が随所に付加されているがこの演奏の特色でもある。なお、LPには例によって録音データは記載されていないので、このCDRでは『ハンス・クナッパーツブッシュ・ディスコグラフィ』(吉田光司著、キングインターナショナル)に準拠している。」(平林直哉)
 SEDR-2020のブラームスと同じLPからの復刻で、針音と少々の歪みはあるものの、この演奏のできる限り最高の音質での復刻の一つといえるだろう。特にLP外周部に当たる部分での音質は素晴らしく、レンジ的バランスの良さと音の力強さも聞き物。なお、同種LP起こし復刻にGREENDOOR盤(GDCL-0002/3)が出ている。
SEDR-2022
廃盤
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
BPO
 録音:1949年3月15日、ティタニア・パラスト。ベルリン。
 「これはアメリカのコレクターから提供されたテープをもとに復刻したものである。この演奏は最初期のLP(ロココ、ディスココープ、日本コロムビア)が良い音だったと一部では評判だが、今回のテープはそのLPなどと音の傾向が似ているため、同系列のコピーと思われる。この録音は全体的に入力が過剰気味で、特に強い音では歪みがちになるが、逆によく知られているCDなどには見られない、異様なまでの生々しさがある。過去にCDR化したクナッパーツブッシュ指揮、ベルリン・フィル(SEDR-2019、2020)の録音も、同じティタニア・パラストの収録でありながら、眼前で演奏しているような生々しい音質だった。フルトヴェングラー、ベルリン、そしてティタニア・パラストの録音で、このような傾向の音のものはほとんどない。つまり、フルトヴェングラー/ベルリン・フィルの録音テープも、どこかにお化粧を施していない、会場の雰囲気を生々しく伝える録音テープが残っているのではと思っている。なお、第3楽章10分27秒にやや大きな音ゆれがあるが、これは原テープによるものである。」(平林直哉)
 #2007年12月に廃盤となりましたが、「廃盤の理由は、この演奏のさらに良い音源を入手しましたので、近々、それで再度発売する予定です。」とのご連絡を平林氏から頂いております。
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調「英雄」 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
BPO
 録音:1950年6月20日、ティタニア・パラスト。ベルリン。
 「このCDRはヨーロッパのコレクターより提供されたテープをもとにしている。今回CDR化した理由は、より良い音質で聴けるという点もさることながら、それ以上にピッチの問題があった。過去に出たこの1950年演奏の「英雄」のLP、CDは、同じくベルリン・フィルの2種の「英雄」の1952年盤と比較すると明らかにピッチが低い。フルトヴェングラー/ベルリン・フィルの演奏で、たとえば年代が離れて複数以上の演奏を比較した場合(ベートーヴェンの第5=1947、1954、ブラームス第3=1949、1954、シューベルト「グレート」=1942、1953など)、はっきりと聴き取れるようなピッチの違いは見られない。つまり、1950年と1952年の2種の「英雄」とのピッチは、ほかの録音と比べると突出して差があるのである。もちろん、1950年6月当時、従来のLP、CDのピッチで演奏した可能性も否定は出来ない。しかし、常識的に考えて、従来のピッチが誤りである可能性の方が強いと判断、今回のCDR化では1952年のピッチに近づけて復刻した。むろん、この措置はあくまでも個人的な見解であり、絶対的なものではないのでご批判、ご意見は甘受したい。なお、第3楽章の48秒〜51秒付近に音ゆれとノイズが入るが、これは原テープに混入しているもので、除去は出来なかった。」(平林直哉)
シューベルト:
 交響曲第9番 ハ長調D.944「グレイト」(*)/
 「ロザムンデ」序曲D.644(#)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
VPO(*)、トリノRAIso.(#)
 録音:1953年8月30日、ザルツブルグ(*)/1952年3月11日、トリノ(#)。
 「このディスクに収録されている「ザ・グレート」は、EMIなどからリリースされているものと同一の音源である。よく知られているように、フルトヴェングラーは肺炎のため1952年7月から約五ヶ月弱の間活動を休止し、以来体調は常に不安定だった。残されている録音からも、そういったフルトヴェングラーの好不調の波が感じられるものもあるが、この「ザ・グレート」は最も調子の良かった時の演奏と思われる。この曲には戦前のベルリン・フィルとの荒れ狂ったライヴがあまりにも有名だが、この「ザ・グレート」はそのベルリン・フィルと比較しても激しさという点ではほとんど遜色はない。しかも、この曲で主役となるホルン、クラリネット、オーボエ、チェロなどの音色はまさにウィーン・フィルならではである。一方の「ロザムンデ」序曲の方はそれほど優れた演奏とは言えないが、入手したテープがフルトヴェングラーのイタリアでの記録としては比較的音質が良好だったために、埋め草としてCDR化した。」(平林直哉)
SEDR-2025
廃盤
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
VPO
 録音:1952年11月26日&27日。原盤:HMV ALP-1060。LPよりのトランスファー。
 「このディスクは英EMIの初出LP、ALP-1060より復刻したものである。このLPは1953年秋にイギリスで発売されているが、以来、世界中で最も愛聴されている演奏のひとつであることは言うまでもなかろう。復刻にあたってはLPの再生音を可能な限り忠実に再現するように、これまで通り不必要な加工は一切行っていない。とはいえ、LPの再生音と出来上がったCDRとではそれなりに印象が異なるので、このCDRはあくまでもALP盤の代替品として愛聴していただければ幸いである。なお、このLPの面の切り方は、第2楽章の104小節の途中で第1面が終わり、105小節のアウフタクト以降は第2面にカッティングされている。また、ジャケットの裏面は当時のLPがどれもそうであったように、曲目の解説のみで演奏者の紹介や録音データに関する記述は全くない。」(平林直哉)
ブラームス:
 交響曲第1番 ハ短調Op.68/
 ハイドンの主題による変奏曲Op.56a
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
北西ドイツ放送so.
 録音:1951年10月27日、ハンブルク。
 「このディスクは1951年10月27日、フルトヴェングラーが北西ドイツ響(現北ドイツ放送響)に招かれた時のライヴ録音で、当日はこれ以外にブラームスの二重協奏曲が演奏されている。これまでは、この1951年の公演がフルトヴェングラーと同オーケストラの初の公演とされていたが、最近の調査では両者の初の顔合わせは1947年9月22日ということが判明している。面白いのは1947年、1951年共にブラームスの二重協奏曲が演奏されており、ソリストのレーン、トレースターもまた同じであった。その二重協奏曲は2回共に中継放送されたようだが、残念ながらその録音は未だ発見されていない。このディスクに収録されたブラームスは、フルトヴェングラーがベルリン、ウィーンの2つのオーケストラ以外を振った記録の中でも、最も充実したものと言われている。残念ながらこのディスクに使用した音源も他に流布しているものと同様に、一番最後の和音がレベル・ダウンしているが、全体的には当時としてはかなり鮮明な音質で、フルトヴェングラーの特色はかなり明瞭に捉えられるものであろう。」(平林直哉)
アルトゥーロ・トスカニーニ
 ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調Op.67(*)/
 *リハーサル風景(#)*
   ブラームス:交響曲第2番〜第4楽章(1943)/
   ベートーヴェン:「コリオラン」序曲(1944)/
   ヴェルディ:歌劇「ファルスタッフ」(1950)/
   カンタンド、カンタンド(1947)/
   レスピーギ:交響詩「ローマの泉」(1950)/
   ヴェルディ:歌劇「椿姫」(1946)/
   ベートーヴェン:交響曲第9番〜第4楽章(1946)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮
NBCso.
 録音:1939年2月27日、3月1日&29日、NBC 8Hスタジオ、ニューヨーク(*)/括弧内(#)。Victor 15965/8 (032806/13)より復刻(*)。
 ついにSERENADEレーべルからトスカニーニが初登場。RCAのベートーヴェン第5を生々しい音質で。怒濤のリハーサル風景も聴きもの。
 「ベートーヴェンの交響曲第5番はSP時代にフルトヴェングラーと双璧と言われた演奏で、それについては今さら説明は不要と思う。この演奏はこれまでにもいくつか復刻盤は出ているが、それらにいささかの物足りなさを感じたために新たに復刻を試みた。実際に復刻してみると、部分的に盤面の難は感じられるものの、全体的な演奏の雰囲気をそれなりにうまく伝えられるものに仕上がっていると思う。
 余白の部分にはリハーサル風景、それも指揮者が爆発している部分を抽出して収録した。これを収録したのは以下のような個人的な理由によっている。その昔、私自身はトスカニーニの良さがなぜだかあまりわからなかった。しかし、ある時、このリハーサル(の一部)を聴いて、トスカニーニに対する認識がほとんど一変したのである。この、音楽に対するとてつもなく凄まじい情熱、これこそがトスカニーニの本質ではあるまいか。彼は1867年生まれだから、このリハーサルの時は70歳代の後半から80歳代前半である。あなたの周囲に、このようなエネルギーを持った老人がいるのだろうか!」(平林直哉)。
SEDR-2028
廃盤
偉大な指揮者たち
 〜クラウス、セル、ムラヴィンスキー、コンドラシン、スメターチェク、クリュイタンス

 ・スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲
  [クレメンス・クラウス指揮VPO/Melodiya M10 46981 001/録音:1944年11月9日]
 ・ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番
  [ジョージ・セル指揮ベルリン国立歌劇場o./
   Parlophone E10545/6 (xxBo 8805II/8806II, xxB 7534/7559)/録音:1926年11月23日&1927年1月4日]
 ・チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調Op.64〜第3楽章「ワルツ」
  [エウゲニー・ムラヴィンスキー指揮モスクワ放送so./Melodiya 16417/8 (16417/3-4, 16418/4-4)/録音:1948年]
 ・リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
  [キリル・コンドラシン指揮モスクワ青年so./
   Melodiya 0170279/82 (017279/3-2, 017280/4-2, 017281/3-3, 017282/3-8)/録音:1948年]
 ・ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
  [ヴァーツラフ・スメターチェク指揮プラハso. ヤン・パネンカ(P)/
   Supraphon H24436/7(049707/9, 049710/I)/録音:1953年]
 ・ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
  [アンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院o./
   Pathe PD116 (M3-121789/90)/録音:1950年1月17日、シャンゼリゼ劇場]
 全点が初復刻! 「これこそプロデューサーのやりたかったもの」と平林氏。当時としては破格の高音質のクラウスのスメタナ、若々しいセルの「レオノーレ」、引き締まったムラヴィンスキーのチャイコフスキー、特に後半が凄まじい盛り上がりのコンドラシン、珍しいチェコの団体によるガーシュウィン、典雅なクリュイタンス、どれも聴きもの。
 「このディスクに含まれる演奏のうちクラウスのみがLPから、残りはすべてSPからそれぞれ復刻したものである。クラウスはいわゆる聴衆なしの放送録音で、記録によるとコンツェルトハウスにて午前11時半からまずR.シュトラウスの歌曲(詳細不明、独唱はユリウス・パツァーク)が演奏され、その後にこのスメタナが演奏されたらしい。また、終了直前の462小節(6分46秒)の四分休符がわずかに短く聞こえるが、これは編集ミスではなく、オリジナル通りである。セルの「レオノーレ」は第1、2面と第3面、第4面が明らかに違う回転数でカッティングされており、しかも第3面は後半に行くに従ってピッチが次第に低くなっており、このあたりの調整は完全には出来ていないことをご了承願いたい。」(平林 直哉)
 廃盤とするにあたっての平林氏のコメント「このディクスの音源を集めるのは苦労した。入手するために払った金額はけっこう高かった。未だに全曲ともこの復刻盤でしか聴けない貴重なものだが、全然売れなかった。くやしいので、これを機に廃盤にすることにした。(平林 直哉)
SEDR-2029
廃盤
クナの代表的な「英雄」
 ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
ミュンヘンpo.
 録音:1953年12月17日、ヘルクレスザール、ミュンヘン。
 クナの代表的な「英雄」を太く生々しい音質で。
 「この「英雄」はTahra、セブンシーズ等のレーベル、あるいはLP時代にチェトラ系の原盤で1950年、バイエルン放送響として出されたものと同一の音源である。今回使用した原盤はヨーロッパのコレクターから入手したもので、これまで出ていたLP、CD等よりもいっそう情報量が豊かな音質のためにCDR化を決意した次第である。日本ハンス・クナッパーツブシュ研究会のホームページ(http://www.syuzo.com)によると、この日は12月16日、17日の2日間に行われた公演の2日目にあたり、プログラムは以下のようなものだった。
 ヴォルフ:イタリアのセレナード
 ザルムホファー:ヴァイオリン協奏曲(独奏:フリッツ・ゾンライトナー)
 ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
 この3曲の中でザルムホファー(Franz Salmhofer)のみ未CD化。ゾンライトナーは当時のミュンヘン・フィルの首席奏者で、彼の独奏はクナの指揮するブラームスの二重協奏曲でも聴くことが出来る。」(平林直哉)
モーツァルト:
 ピアノ協奏曲第18番 変ロ長調K.456(*)/
 ヴァイオリン・ソナタ第39番 ハ長調K.404(#)
 ピアノ協奏曲第17番 ト長調K.453(+)
リリー・クラウス(P;*/#)
ワルター・ゲール指揮
LPO(*)
シモン・ゴールドベルク(Vn;#)
エルンスト・
 フォン・ドホナーニ(P)指揮
ブダペストpo.(+)
 録音:1938年3月25日&4月13日、ロンドン(*)/1937年4月21日、アビー・ロード第3スタジオ、ロンドン(#)/1928年6月17日(+)。 原盤:Parlophone SW8035/8 (CXE9025-1, 9026-1, 9027-1, 9028-3, 9029-1, 9030-2, 9031-4)(*)/Parlophone SW8035 (CEX8292-1)(#)/Columbia L2215/8 (WAX3790/77)(+)。 Produced by Naoya Hirabayashi Special thanks to Michael H.Gray。2つの協奏曲は世界初録音だったもので、(*)は初CD化となるもの。
 ついにSERENADEからピアノの本格的アイテムが登場。これまでもヴァイオリン・ソナタでの伴奏などはあったが、ピアノ・ファンは大いに注目できる。
 「協奏曲はともに世界で最初の全曲録音である。もちろん、最初だからといって演奏内容が良いとは限らないが、やはりクラウスの可憐さは一聴の価値があると思う。」(平林 直哉)
 「このアルバムには2人のハンガリー出身のピアニストによるモーツァルトが収録されている。リリー・クラウス(1903-1986)の経歴については今さら触れるまでもないが、このパーロフォンによるK.456は私の知る限り、これまではLPの復刻すらなかったものである。ゴールドベルクとのソナタは協奏曲のSPの最終面(4枚組、第8面。使用した盤はオートマチック用[後述])に収録されていたもので、これはすでにCD化されてはいるが、付録として収録した(第3楽章トラック3の3分15秒付近、ピアノの入りが若干不安定だが、これはオリジナル通りで、編集ミスではない)。
 エルンスト・フォン・ドホナーニ(1877-1960)はプレスブルグ生まれ。ブダペスト音楽院で学び、ブダペスト・フィルの指揮者、あるいはピアニストとして活躍、第二次大戦後はアメリカに移住、ニューヨークで死去した。作曲家として作品もいくつか知られており、現在活躍中の指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニ(1929-)はエルンストの孫に当たる。ドホナーニの残した録音は非常に少なく、これは彼が優れたピアニストであることを証明する数少ない記録で、同一演奏の復刻盤は過去にはあまり出ていなかった(LP=米Past Masters PM8、CD=Koch Schwann 311136)。
 *「オートマチック」とは*
  SP時代、レコード盤を自動的に入れ替える「オートマチック式」の蓄音機(電蓄?)がありました。私は実際にこの方式の再生装置を見たことがありませんが、恐らくはその昔のジューク・ボックスのようにレコードを入れ替えるものだと思われます。そのため、通常4枚組のSPですと1面の裏が2面、3面の裏が4面というような順序になっていますが、オートマチック盤は第1面の裏が第8面、第2面の裏が第7面・・・という風になっています。そのため、第8面におまけのようにくっついていたヴァイオリン・ソナタは第1面の裏、つまりレコード番号の一番若いものとなるのです。
このオートマチック盤は単にプレスの順序を入れ替えただけで、音質的な違いはありません。ですので、SP時代は全く同じレコード番号でも、普通の順序にプレスされたものと、オートマチック用にプレスされたものの両方が発売されていました。有名な逸話はフルトヴェングラー/VPOの「英雄」の1947年録音です。第2楽章のある面がフルトヴェングラーの遅いテンポのためにギリギリまでカッティングされていましたが、オートマチックの機械では最後までかからないという苦情が寄せられました。そのため、HMVはフルトヴェングラーにその面をテンポを速めて録音するように懇願し、フルトヴェングラーは渋々それに従ったそうです。もちろん、フルトヴェングラーは実際にするとどうしても遅くなってしまうので、プロデューサーは「速く、もっと速く」と言わざるを得なかったそうです。」(平林直哉)
ゴロワノフ〜SP復刻集 Vol.1、再発売
 リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」Op.35(*)
 チャイコフスキー:大序曲「1812年」Op.49(+)
 バッハ:組曲第3番 BWV.1068〜アリア (**)
ダヴィド・オイストラフ (Vn;*)
ニコライ・ゴロワノフ指揮
ボリショイ劇場o.(*)、
モスクワ放送so.(+)、
ボリショイ劇場ブラス・バンド(+)、
モスクワ放送交響楽団の
 10人のチェロ奏者たち(**)
 録音:1947年(*/+)/1945年(**)。メロディアSP盤からの復刻(本体には詳細なマトリックス番号も記載)。
 2001年、GRAND SLAMのGS-2003として通常CDで発売されたものの、大評判となって数ヶ月で完売となり、マニアの方から未だに問い合わせの多いこのアイテムが、SERENADEからCD-Rで再発売(同一原盤使用のため、音質は変わりません)。GS-2003を買い逃した方への朗報だ。
 *なお、GS-2003に含まれていたハチャトゥリアンの「ガイーヌ」からの〈剣の舞〉〈レズギンカ〉は著作権の関係で今回のSEDR-2031には収録されておりません。ご了承下さい。
 「このCDRに含まれる「シェラザード」はゴロワノフ唯一の録音である。この録音セッションには、ゴロワノフと親しかった父アノーソフに連れられて、ロジェストヴェンスキーが録音に立ち会っている。その時、ロジェストヴェンスキーは、ゴロワノフがコンサート・マスターの独奏を気に入らず、「オイストラフを連れて来い!」と叫んだのを目撃している。「1812年」序曲はゴロワノフのお気に入りだったようで、1942年、1947年、1948年、1952年と4回も録音している。1942年の録音のみ未CD化で、1952年盤は2003年に季刊「クラシックプレス」第14号の付録としてCD化されている。コーダの編曲は未聴の1942年盤以外の3種類ともに共通している。バッハはゴロワノフにしては珍しいレパートリーだが、編曲者はゴロワノフ自身か、あるいは当時のオーケストラのチェロ奏者のものなのか、はっきりしたことは不明である。」(平林直哉)
 オリジナルSPの迫力をそのまま復刻した驚異のサウンド。「シェエラザード」はかつてMULTISONICからアノーソフ指揮と誤認されて発売されたもので、GRAND SLAM盤が「正式」初CD化だった。 「1812年」はDISQUE BOHEME盤(GOLO-01)の前年の録音で、スタジオながらライヴ並みにやりたい放題。 現在でも、「シェエラザード」以外の2曲は当盤(と旧盤)しかCD復刻がなく、これは正にファン必携のアイテムだ。
ブルックナー第3、世界初の全曲録音!
 アントン・ブルックナー(1824-1896):
  交響曲第3番 二短調(改訂版)
ゾルターン・フェケテ指揮
ザルツブルグ・モーツァルテウムo.
 録音:1950年。Source: Remington R199-138。この曲世界初の全曲録音。
 「このディスクに収録された演奏は改訂版とはいえ、ブルックナーの交響曲第3番の世界初の全曲録音である。SP時代、ブルックナーの作品自体は認知度が低く、しかも片面が4分強しか収録出来ないSP盤にとって、ブルックナーの交響曲はレコード会社にとっては決して魅力的なものとは言えなかったが、それでもこの時代に第4番、第5番、第7番、第9番のそれぞれ全曲録音が行われていた。この交響曲第3番は1928年にアントン・コンラート Anton Konrath がHMVに第3楽章のみを収録しただけで、SP時代に全曲録音は行われなかった。しかし、1953年頃、このディスクのフェケテ指揮のものと、Allegro-Royaleレーベルのゲルト・ルバーン Gerd Rubahn指揮、ベルリン交響楽団(番号:1579)の2種の全曲LPが登場した。このルバーンは長くヤッシャ・ホーレンシュタインの偽名ではないかと言われていたが、ドイツのLP研究家E.ルンペ氏の調査によると、このルバーン盤の正体は1952年3月2日、3日、ベルリンのティタニア・パラストにおけるレオポルト・ルートヴィヒ指揮、ベルリン・フィルによるこの曲の第2版の世界初演の記録であるという。
  この調査により、フェケテ盤が最初の全曲盤と確定出来たわけだが、このフェケテ盤には妙な現象が起こっていた。このフェケテ盤はおそらく最初にコンサート・ホール・ソサエティ(CHS-1065)から発売され、のちにレミントン(R199-138)からも発売されている。ところが、このコンサート・ホール盤のLPは、第3楽章がトリオで終わっており、繰り返しのスケルツォが欠落しているのである。レミントン盤の方は繰り返しのスケルツォが楽譜通りに入っているが、コンサート・ホール盤を作った時、トリオが終わってからパウゼがあるので、ここで第3楽章が終わったのだと勘違いしてカッティングされたと想像される。
  ゾルターン・フェケテ(1909-1968?)はブダペスト生まれ。フランツ・リスト音楽院卒業。1937年にアメリカに移住し、主にニューヨークで活躍。戦後はヨーロッパでも活躍し、マーラーやブルックナーの交響曲を積極的に指揮するほか、グルックやヘンデルの研究でも知られている。」
 平林氏のコメントより「この交響曲の最初の全曲録音である。当時はまだ原典版は出版されていなかったので、使用楽譜は改訂版である。フェケテ、この名前を知っている人はほとんどいないだろう。でも、演奏はとてもおおらかで味がある。この当時のレミントン盤は状態の良いものがなく、このCDRを制作するために私は3枚も買った。その3枚目がようやく復刻に耐えうる状態だった。」(平林 直哉)
 #当初、廃盤になるとされていましたが、「全くのミスでした。3月(カデンツァ注:2008年)刊行の拙著『クラシック名曲初演&初録音事典』(大和書房)の中に取り上げていますので、発売を継続します。」と平林氏からご連絡を頂きました。
かつてフルトヴェングラーではないかと噂された
 シュライバー指揮の「英雄」!

 ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」
フリッツ・シュライバー指揮
ドレスデン国立so.
 録音:1954年頃?。Source: Allegro (U.K.) ALL 701。Special thanks to Shintaro Yoshii。
 「かつて初期LP時代にはゲルト・ルバーン、カール・リスト、エリック・シルヴァー、カール・ブランドなど、架空の演奏者による名曲盤が大量に発売されたことがあった。その中のいくつかは正体が判明しているが、大半は依然、謎のままである。このフリッツ・シュライバー指揮の『英雄』は、かつて『戦時中のフルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの録音ではないか?』と噂されたものである。事の発端はイギリス・フルトヴェングラー協会の会長であり、ユニコーン・シリーズの仕掛け人でもあったポール・ミンチン氏が同協会の会報でこのシュライバーの演奏に触れたことによるものらしい。しかし、お聴きのようにこのシュライバー盤の解釈はフルトヴェングラーとは似ても似つかぬものである。その後、この演奏についてはカラヤン、コンヴィチュニー、カイルベルトらの説が流れたが、確定はされていない。なお、このCDRはイギリス・アレグロ盤から復刻したものだが、アメリカ・アレグロ(番号は3113 / 1954年頃発売?)とは中身が違うとの情報もある。さらに驚くことに、このシュライバー指揮、ドレスデン盤はイギリス・ピックウィックよりCD化されていたのである(SMC61)。しかも、このSMC61は明らかにステレオ録音であり、かつて流布していた演奏、つまりこのディスクのものとは全くの別演奏なのである。これにより、このシュライバー盤の謎は、いっそう深まったとも言えよう。」(平林直哉)
 *おことわり
 この演奏は架空の指揮者、団体による演奏で、かつてはフルトヴェングラー指揮、ベルリン・フィルの戦時中の録音ではないかと噂されたものです。現在では非フルトヴェングラーの演奏とされていますが、実体はいまだに明らかにされていません。また、原盤には音ゆれや種々のノイズが混入しています。
SEDR-2034
廃盤
初CD化あり、ブルーノ・ワルター・コンダクツ
 アントン・ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調(原典版)(*)
 リヒャルト・ワーグナー:
  楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
   〜徒弟たちの踊りと名歌手の入場(#)/
  楽劇「神々の黄昏」〜ジークフリートのラインへの旅(+)
 リヒャルト・シュトラウス:
  楽劇「サロメ」〜7つのヴェールの踊り(**)
ブルーノ・ワルター指揮
VPO(*)、ブリティッシュso.(#/+)、
BPO(**)
 録音:1953年8月20日、フェストシュピールハウス、ザルツブルク、ライヴ(*)/1932年5月(#)/1932年4月(+)/1930年2月14日、ベートーヴェンザール、ベルリン(**)。音源:Private archive (*)/ Columbia (France) LFX329 (CAX 6398-2) (#) / Columbia (U.S.A.) 68101-D (CAX 6385-2, 6386-2) (+) / Columbia (U.S.A.) 67814-D (WAX 5444/5) (**)。(*)は今回が初CD化。以前 MOVIMENTO MUSICA からLPが出ていたもので、ディスコグラフィによっては同月19日の演奏とされているが、今回の日付が正しいと思われる。
 「ブルーノ・ワルターは1953年のザルツブルグ音楽祭で2度ウィーン・フィルを指揮している。最初は8月19日で、プログラムはウェーバーの歌劇「オベロン」序曲、モーツァルトの交響曲第38番「プラハ」、そしてメインがブルックナーの交響曲第9番だった。2度目は翌8月20日で、メインは同じくブルックナーの第9、そして前半にはベートーヴェンの交響曲第2番が演奏されている(開演は両日とも午後8時)。ワルターと他の同時代の指揮者たちがブルックナーの交響曲を知り始めた頃、楽譜は悪名の高い改訂版しか存在しなかった。のちに原典版が出版されるとクナッパーツブッシュ、フルトヴェングラーのような例外を除き、当然のことながら多くの指揮者は原典版へと移行していった。しかしながら、改訂版を通過した指揮者たちの演奏は原典版と明記してありながらも、かつて身体に染みついた改訂版の響きが所々に顔を出すケースが多い。ヨッフム、シューリヒト、マタチッチなどはすべてこの例にあてはまるが、これはワルターとて例外ではない。この1953年の第9にも特にティンパニの扱いに改訂版の名残りがあるが、のちのステレオ録音になるとこの改訂版の影響はほとんど前面には出ていない。なお、このライヴ録音には音揺れやわずかなドロップ・アウトなどがある。第2楽章などは繰り返しの部分をコピーをして張り付けて修正するなどの措置が考えられたが、やはりライヴ演奏の1回性を考慮し、そのような編集は行わなかった。
 後半の3曲はSPからの復刻である。これらの演奏は他のCDでも聴くことが出来るが、過去に出ていたものはノイズをカットしすぎて原音の輝きを失っているように感じたので、自分なりの結論をだすためにあえて復刻してみた。これらの3曲は英コロンビア盤がオリジナルだが、英コロンビア盤は英HMV盤と同様にカートリッジで拾うと高域にかなりきついノイズを生じるので、このCD-Rではフランス、およびアメリカ・プレスの盤を使用した。
 おことわり:ライヴ録音であるブルックナーには音揺れ、ドロップ・アウトなどが生じていますが、これらはすべて原盤に混入しているものです。ご了承下さい。」
 廃盤とするにあたっての平林氏のコメント「ブルックナーは未だに正規盤がない。でも、正規盤で出るとミスなどがきれいに修正されてしまうことが多いので、こうしたプライヴェート音源は意外に貴重である。ドロップ・アウト等も派生するが、全体の音質はかなり良い方である。SP復刻も年代を考慮すれば鮮明な音である。特に『ラインへの旅』はチェロがポルタメントを多用していて個性的だ。」(平林 直哉)
フルトヴェングラーとヴァイオリニストたち
 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.61(*)
 メンデススゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調Op.64(#)
ジークフリート・ボリース(Vn;*)
フリッツ・リーガー指揮(*)
ミュンヘンpo.(*)
ユーディ・メニューイン(Vn;#)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮(#)
BPO(#)
 録音:不詳(1955年頃?)(*)/1952年5月26日、イエス・キリスト教会、ベルリン(#)。Source: Club European du Disque (France) CED 1113 (*) / HMV (U.K.) ALP 1135 (#)。Reissue Producer: Naoya Hirabayashi
 「ジークフリート・ボリース(1912-1980)はミュンスター生まれ。15歳からソロ活動をし、のちにフルトヴェングラーに認められてベルリン・フィルの首席コンサートマスターに就任し(コンサートマスター在籍期間は1933-1941、1946-1954)、同楽団を1961年に退任している。ベルリン高等音楽院で教鞭をとり、ピアノ三重奏などの室内楽の活動も行っていた。
 このベートーヴェンはドイツ・オペラ・レーベル(1113)で出たものが初出と思われる。おそらくは1955年から1956年頃の録音と推定されるが、"100 Jahre Muncher Philharmoniker" (Alois Knurr Verlag) の中のディスコグラフィにも録音データが欠落しており、その他あれこれと調査をしたが、結局は詳細については判明しなかった(ご存知の方はご教示願いたい)。なお、今さら言うまでもないが、ボリースの弾いている映像は「フルトヴェングラーと巨匠たち」(ドリームライフ)で観ることが出来る。また、ボリースの未復刻の大曲としてはブルッフのヴァイオリン協奏曲がある(エレクトローラのSP)。
 フリッツ・リーガー(1910-1978)はボヘミア生まれ。プラハ音楽院でセルに学ぶ。1946年から1967年までミュンヘン・フィルの音楽監督を務め、その後はメルボルン交響楽団の首席指揮者も務めた。ハイドンの交響曲第92、93番(マーキュリー)、シューベルトの「未完成」(アリオラ・オイロディスク)、バッハの管弦楽組曲第2、3番、ラロのスペイン交響曲(ギンペル、以上DG)などがある。
 メニューインとのメンデルスゾーンについては特につけ加えることはないが、メニューインとフルトヴェングラーはベルリン・フィルの定期公演で1952年5月24日から3日間連続で共演している。初日の24日はこのディスクのホ短調の協奏曲、そして25日は同じくメンデルスゾーンのニ短調の協奏曲、そして3日目の26日はベートーヴェンの協奏曲がそれぞれ演奏されている。この録音はその3日目の本番前のセッションだが、なかなか過密なスケジュールだったようだ。」(平林 直哉)
多くのリクエストに答えての再登場、
 クナッパーツブッシュ、1953年の「ブラ4」再発売

 ブラームス:交響曲第4番 ホ短調Op.98
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
ケルン放送so.
 録音:1953年5月8日。旧SEDR-2019(廃盤)からTAHRAなどで出ている1950年の「くるみ割り人形」を省いた物。
 「クナッパーツブッシュの演奏の中でも特に個性的なものとして知られているが、これまで発売されたLP、CD等は音質が今ひとつでああり、その真価を堪能するまでにはいたらなかったように思う。ところが最近(カデンツァ注:SEDR-2019発売時)入手したテープは状態がかなり良く、ごく一部に音のカスレや揺れ、または小さな音で別の音楽が聴こえてくる部分(第1楽章の後半部分など)もあるが、全体的には十分に鑑賞に堪えうると判断し、CDR化を決断した次第である。この演奏は初出以来1957年と明記されていたため、いまだに1957年と記されたCD等があるが、1957年のこの曲の演奏は存在しない。クナはブラームスの交響曲第3番を得意とし、現在では戦前から最晩年にいたる7種類もの録音が確認されているが、この第4番のライヴもあと1、2種類程度は揃って欲しいものである。ちなみに、クナのブラームスの交響曲では一番演奏回数の少ないのは交響曲第1番で、これは1940年代を最後に、彼のレパートリーからは脱落してしまっている。」(平林直哉)
 この音質は正に特筆物で録音年の平均をはるかに越えており、1960年代中ごろの物といっても通りそうだ。低音から高音まで非常にバランスよく収録されている上、強奏時の歪みもほとんど無く、クナッパーツブッシュのライヴの中ではもっとも音的条件が良いものの一つになったと言えるだろう。
SEDR-2037
廃盤
再発売、ブッシュ&ティボー
 ベートーヴェン:
  ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調Op.24「春」(*)/
  ヴァイオリン・ソナタ第9番
   イ長調Op.47「クロイツェル」(#)/
  ロマンス第2番 ヘ長調Op.50(+)
 バッハ(ヴィルヘルミ編):G線上のアリア(**)
アドルフ・ブッシュ(Vn;*)
ルドルフ・ゼルキン(P;*)
ジャック・ティボー(Vn;#/+/**)
アルフレッド・コルトー(P;#)
ハロルド・
 クラクストン(P;+/**)
 録音:1933年5月17日、ロンドン(*)/1929年5月27日&28日(#)/1925年11月25日(+)/1927年2月14日(**)。原盤: Victor (U.S.A.) 8351/3 (2B6702 I, 6703 II, 6704 II, 6705 I, 6706 II, 6707 II ) (*) / HMV (Italy) DB1328/31 (CS3716 III △, CS3717 II △, CS3718 III △, CS3719 I, CS3720 II △, CS3721 I △, CS3722 II △, CS3723 III △) (#) / HMV (France) DB904 (Cc7400 II △, Cc7401 I △) (+) / HMV (France) DB1017 (Cc9913 II△) (**)。
 「このCD-Rに含まれたブッシュの演奏はSEDR-2015(2002年)、ティボーはSEDR-2018(2003年)でそれぞれ出ていたものの再発売である。ブッシュ、ティボーの両者ともに全盛期は戦前と言われている。ブッシュは戦時中にナチスから逃れ、のちにアメリカに移住するが、新天地での生活は決して平坦ではなかったようだ。地位、名誉、財産等を捨て、さらには日常会話では母国語を失うというさまざまなストレスにより、アメリカでのブッシュの健康状態は必ずしも良好ではなかった。それが演奏に影響を与えたのは無理もないことである。なお、ブッシュは1941年にアメリカ・コロンビアに「クロイツェル」を録音しているが、このディスクの「春」と比べるとやや精彩を欠いている。
 一方のティボーは練習嫌いで知られたため、技術的な衰えは意外に早かったとも言われている。たとえば、1953年のライヴであるブラームスのヴァイオリン協奏曲は痛々しいほど衰えているが、ほぼ同じ頃のラロやモーツァルトはそれほど崩れてはいないので、演奏の頻度にもよるのであろう。また、この「クロイツェル」には珍しくイタリア盤を使用している。使用した理由はごく単純で、SP盤をたまたま安く手に入れ、テストしてみたところ予想以上の結果が得られたからである。ブッシュの「春」もイギリスHMV盤ではなくアメリカ・ビクター盤を使用している。私自身の考え方としては、オリジナルや初版かどうかが問題ではなく、結果として良い音、聴きやすい音に仕上がればそれで十分だと思っている。」
 廃盤とするにあたっての平林氏のコメント「『春』と『クロイツェル』はそれぞれ未刊行の音源と一緒にSerenade で発売したが、その未刊行の音源が契約上使用不能となったので、やむなくこの2曲プラス・アルファで再発売したものである。そのため、新鮮味はないが、復刻の音質はたいへんに出来が良いと自負している。ただ、最近全く注文がこないので、これも消してしまうことにした。」(平林 直哉)
ロシア史上初の第9、ロシア語による歌唱
 ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱」
ガリーナ・ヴィシネフスカヤ(S)
ニーナ・ポスタフニチェーワ(Ms)
ヴラディミール・イワノフスキー(T)
イワン・ペトロフ(B)
アレクサンドル・ガウク指揮
モスクワ放送so.、
ソビエト国立アカデミーcho.
 録音:1952年。Source: Melodiya ND 03652/4。制作:平林 直哉。Specail thanks to Michael H. Gray
 「このディスクの演奏は、公式録音としてはロシア史上初めての第9の録音である。第4楽章はロシア語の歌唱だが、過去にはこの第4楽章のみがCD化されたこともあるが、全曲のデジタル化は世界初である。ガウクの指揮はテンポこそ大きく揺れたりはしないが、オーケストラが本来持つ独特の音色が随所に顔を出している。また、響きにより厚みや輝かしさを持たせるために、たとえば第2楽章にはっきりと聴き取れるように、全曲に渡ってオーケストレーションをかなり変更しているのも特色である。
  ガウク(1893-1963)はオデッサ生まれ。ペトログラード音楽院でチェレプニンとグラズノフに師事。レニングラード音楽院ではあのムラヴィンスキーにも教えている。ソビエト国立交響楽団、モスクワ放送交響楽団の音楽監督を務め、モスクワ音楽院で教鞭をとった。録音はロシア物を中心に多量に行っており、リヒテル、ネイガウス、ギレリス、コーガン、オイストラフなどのソリストの伴奏を行ったものも多い。
  ヴィシネフスカヤ(1926-)はレニングラード生まれのソプラノ歌手だが、世界的なチェリスト、ロストロポーヴィチ夫人としても有名。 1952年にボリショイ劇場の専属歌手となり、ロシア・オペラはむろんのこと、ヴェルディも得意とし、オラトリオや歌曲でも活躍した。ペトロフ(1920-)はロシアを代表するバス歌手で、ムラヴィンスキー指揮のショスタコーヴィチの「森の歌」のレコードでも有名。1959年、初来日。他の2人の歌手の経歴は不明。なお、合唱指揮はアレクサンドル・スヴェシニコフ。」(平林 直哉)
 おことわり:このCDRはLPより復刻しており、LP特有のノイズが混入します。
人気のカリンニコフの交響曲第1番、
 モノーラル期のローカル色豊かな演奏で
  グラズノフともども世界初 CD (-R) 化!

 ワシリー・カリンニコフ(1866-1901):
  交響曲第1番 ト短調(*)
 アレクサンドル・グラズノフ(1865-1936):
  演奏会用ワルツ第1番Op.47(#)/
  演奏会用ワルツ第2番Op.51(#)/
  抒情的な詩Op.12(+)
ナタン・ラフリン指揮(*)
サミュエル・
 サモスード指揮(#/+)
モスクワ放送so.(*/#)
ボリショイ劇場o.(+)
 録音:1952年(*)/1956年(#)。Source: Westminster WL5136 (*) / Melodiya 33ND3370/71 (#/+)。共に世界初CDフォーマット化となる稀少録音。
 「カリンニコフの交響曲第1番は20代でこの世を去った作曲家の代表作で、1894年から翌年にかけて書かれ、1898年2月8日、キエフにてアレクサンドル・ヴィノグラドスキーAlexander Vinogradsky (1855-1912)の指揮で初演 された。この交響曲はCD時代になってからスヴェトラーノフ、ドゥダロワ、ヤルヴィ、クチャルなどの指揮者の演奏が流布するにつれ、急速に人気が高まった作品のひとつである。ここに初めてデジタル化されたラフリン盤はオリジナルはメロディア録音(D0385/6, 022338/47)だが、このCDRではウェストミンスターがメロディア音源をライセンス発売していたLPを復刻に使用している。ラフリンの指揮は何と言ってもそのむせ返るようなロシア色が魅力的である。たとえば第3楽章のトリオなど、実に田舎風だ。だが、聴きものは第4楽章だろうか。この楽章はスヴェトラーノフが7分54秒に対し、このラフリンは10分45秒と3分弱の差があり、非常に遅い。しかも、遅いだけではなく途中でガクンと減速したり、コーダはいっそうテンポが落ち、それに加えて金管楽器が咆哮するなど、それはまさに“ロシアのクナッパーツブッシュ”と言っても良かろう。また、スコアにはないシンバルを追加している点にも注目したい。
  ラフリン(1905-1979)はウクライナ国立交響楽団、ソビエト国立交響楽団などの指揮者を歴任したが、ショスタコーヴィチの交響曲第11番を初演した指揮者としても知られている。サモスード(1884-1964)は最初チェリストとして活躍し、一時はカザルスにも師事していた。のちに指揮者に転向し、マリンスキー劇場、ボリショイ劇場の指揮者として活躍した。彼もまたショスタコーヴィチの歌劇「鼻」を始め、プロコフィエフなどの作品を数多く初演している。」(平林 直哉)
 *おことわり:LP、SPよりの復刻のため、盤面に起因するノイズが混入しています。
久々の発売、お待たせの
 当レーベルからの ゴロワノフ Vol.2
 冒頭からあの強烈なパワーが爆発!
 グラズノフは3曲とも世界初 CD (-R) 化!

 アレクサンドル・グラズノフ(1865-1936):
  祝典序曲Op.73 (*)/バラードOp.78 (#)/
  交響詩「ステンカ・ラージン」Op.13(+)
 ベートーヴェン(1770-1826):
  交響曲第1番 ハ長調Op.21(**)
ニコライ・ゴロワノフ指揮
モスクワ放送so.
 録音:1951年(*/#)/1947年(+)/1948年(**)。Source: Melodiya C10-14667 (*) / Melodiya 33D-025856(a) (#) / Old Melodiya D-516/7 (+)/ Melodiya D-012713 (**)。
 SEDR-2031(1947年の「シェヘラザード」&「1812年」/他」に続く、当レーベルからのゴロワノフ第2弾は、異色の演奏として知られ、久々の復活となるベートーヴェンと、3曲ともに世界初CDフォーマット化となるグラズノフ。
 「CD-Rでゴロワノフの第1巻を発売して以来、ずいぶんと時間が経過してようやく第2巻にたどりついた。まず、このディスクのグラズノフ3曲は初のデジタル化である。この中で最初の2曲である祝典序曲、バラードは演奏内容、および使用原盤ともに全く問題がないと思う。しかしながら、SP 盤(78回転)から復刻した「ステンカ・ラージン」は残念ながら盤の状態に難がある。これに替わる盤を過去15年近く探していたが、とうとう巡り会うことはなかった。今回ディスク化するにあたってこの「ステンカ・ラージン」は予定には入れていなかったが、改めて聴き直し、その個性的な表現を考慮して最終的には加えることにした。希少性ゆえにご容赦を願う次第である。
  一方のベートーヴェンは私が知る限り、1995年10月にキングレコードがCD化(KICC-2396)して以来、久しく市場からは消えていたように思う。ロシアの指揮者のベートーヴェンということで、CDD化される機会がなかったようだ。だが、演奏は知る人ぞ知る怪演奏である。宇野功芳氏はこの演奏について「教養がない演奏」と述べているが、これは教養とは無関係と思う。むろん、これを聴いて共感よりも嫌悪を感じる人の方が一般的には多いに違いないが、これはまぎれもなくゴロワノフ独自のものである。このベートーヴェンは復刻に際して3枚の LP を入手した。最初は古い 25 cm の LP だったが、これはノイズがあまりにも多く、使用には不向きだった。2番めに手に入れた 30 cm の LP LPはかなり状態が良く、これでいったんは作業を進めた。だが、その直後、都内某所でより状態の良い LP を発見し、やや高額ではあったがその LP を入手、それを使用して作業をやり直した。」(平林 直哉)
 *おことわり:LP、SPよりの復刻のため、盤面に起因するノイズが混入しています。
知る人ぞ知る、フリートの怪奇演奏集
 「幻想交響曲」と「アイネクライネ」

 ベルリオーズ(1803-1869):幻想交響曲Op.14a (*)
 モーツァルト(1756-1791):
  セレナード第13番 ト長調K.525
   「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(#)
オスカー・フリート指揮(*/#)
ソビエト国立so.(*)、
ベルリン国立歌劇場o.(#)
 録音:1937年、モスクワ(*)/1928年、ベルリン(#)。Source: Eurodisc (Germay) 88329 XAK (*) / Polydor (Germany) 66669/70 (322be, 468be, 324/325be) (#)。
 「オスカー・フリート(1871-1941)はラッパ吹き込みの時代にマーラーの交響曲第2番「復活」、ブラームスの同第1番、ブルックナーの同第7番、R.シュトラウスのアルプス交響曲などの大曲を録音した指揮者として知られているが、残された録音の大半が1920年代であるためか、一般的な認知度は決して高くはない。しかし、この幻想交響曲のように埋もれさせるには惜しい録音がいくつかある。これは旧ソ連にて1937年に光学式フィルムに録音されたもので(この時、併行してチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」も収録された)、以前BMG/メロディアから発売が計画されたが実現はせず、一度だけ仏ダンテよりCD化( LYS 280;廃盤)されただけである。まず、第1楽章の冒頭、何という遅さであろうか。このまったりと遅いテンポは主題が提示されて以降、やっと普通に戻る。その他の楽章では同じく第4楽章の冒頭が印象的だ。これまた極端に遅く、その遅さも一度取り戻されてから、また急に速くなるのも奇妙である。そのあとに出てくる大きなリタルダンドも時代がかっている。第3楽章にも急に速くなる箇所もあるし、第5楽章の重苦しい気分も独特である。このような一種奇怪な表現は、フリートが私淑していたマーラーの影響も十分に考えられる。なお、復刻に使用したLPはピッチが極端に低かったので、修正してCDR化している。SP録音であるモーツァルトも異色である。リズムは沈んだように重く、表情も固くこわばった感じである。また、第4楽章の冒頭を短前打音のように短く処理し、これを一貫させている例も珍しいのではなかろうか。
  フリートはベルリン生まれ。フンパーディンクとシャルウェンカに師事、ホルン奏者として活躍する一方で自作も披露した。犬のブリーダーとしても知られていた。マーラーと親交を持ち、そのマーラーの御前で交響曲第2番「復活」を振ったり、若きクレンペラーの練習も手助けした。ベルリンでブリュトナー管弦楽団等を指揮し、1920年にウィーンでマーラーの交響曲全曲を振っている。1936年、アメリカを経て旧ソ連に移住、トビリシ劇場やソビエト国立交響楽団などを振っていた。1940年、旧ソ連の市民権を得るが、その翌年に謎の死を遂げている。なお、レーニンはこのフリートの演奏がお気に入りだったと言われている。また、Oskar Fried "A Forgotten conductor"(米ミュージック&アーツ MUA-1167 )にはディスコグラフィが掲載されている。」(平林 直哉)
 *おことわり:LP、SPよりの復刻のため、盤面に起因するノイズが混入しています。
 なお、GRAND SLAMのCD番号も2000番台なので、混乱を避けるために当盤以降、この SERENADE レーベルは5000番台に変更となったとの事。
ポール・パレー、もうひとつの
 スタジオ録音「幻想交響曲」、
  世界初CDフォーマット化

 エクトル・ベルリオーズ(1803-1869):
  幻想交響曲 Op.14 (*)
 モーリス・ラヴェル(1875-1937):
  ラ・ヴァルス (#)
 ガブリエル・フォーレ(1845-1924):
  パヴァーヌ Op.50 (#)
ポール・パレー指揮
コンセール・コロンヌo.(*)、
デトロイトso.(#)
 録音:1950年12月4日&6日、サル・プレイエル、パリ(*)/1953年12月7日、旧 オーケストラ・ホール、デトロイト(#)。Source: Vox (U.S.A.) PL 6950 (*) / Mercury (U.S.A.) MG 50029 (#)。
 これは珍しい、パレーの幻想交響曲第1回録音、平林氏が下記でも触れられている JOHN HUNT のディスコグラフィによれば、LP でもたった1度しか発売されたことがないようで、稀少極まりない演奏。は、戦前には併録の2曲と併せ世界初CD-R化! なお、パレーによる幻想交響曲は、他にCD-R使用の VIBRATOから、ストラスブール放送響との1973年ライヴが発売されている(VLL-131)
 パレーの交響曲録音と言うのは、後年に残した多くの MERCURY 録音からすると、その初期には意外な程少なく、アメリカへ渡った1952年以前(MERCURYへの録音は1953年から)には今回の「幻想」を除くと、1934年(1945年とする JOHN HUNTのディスコグラフィは誤りのようだ)のベートーヴェン「田園」があるのみ。これは SP のみで、LPにすらなっていない模様で、(*)がパレーによる「交響曲」ジャンルの最初期録音であることは注目しても良いだろう。
 「パレーの幻想交響曲といえば1959年にデトロイト交響楽団を振ってマーキュリーに入れたステレオ録音が非常に有名である。一般的にはこの録音が唯一ものと思われているが、実はコンセール・コロンヌ管弦楽団を振ったモノーラル録音も存在するのである。この LP の録音データはマイケル・グレイ氏より提供されたものによると1950年12月4日、6日、パリのサル・プレイエルでの収録で、5日にはセッションがなかったらしい。ジャケットにも“Copyright 1951 by Vox Productions, Inc”とあり、録音年とつじつまが合うのでこの CD-R もグレイ氏のデータを採用した。また、レーベルには "A Polydor Recording" 、 "Rec. in France" と記されているが、フランス・ポリドールから発売された形跡はない。John Hunt のディスコグラフィ "A Gallic Trio" (Charles Munch, Paul Paray, Pierre Monteux) には『 1946-1947年、パリ 』とあるが、同書が何を根拠にこのように記したかは不明であるし、ジャケットのCopyrightの1951年という表示とも食い違うので、これは誤りであると思う。また、音をお聴きになればおわかりのように、これはSPやアセテート等の録音ではなく、明らかにテープで収録されたものである。レンジの狭いモノーラル録音ゆえにオーディオ的な快感には乏しいが、デトロイト盤よりもいっそう若々しく張りのある演奏であり、いかにも明るくしゃれた味わいを持つオーケストラの音色も聴きものである。
  ラヴェルとフォーレはマーキュリーの LP より復刻したもので、この LP にはフランクの「プシュケ」が収録されている。LPの解説には「指揮台の上15フィート(約7.6メートル)につるされた1本のマイクで収録し、セッション中オーケストラは通常の演奏会と同じ位置に着席していた」とある。特にラヴェルはマーキュリーの鮮明な音質とパレーの輪郭をくっきりと描いた解釈とで、非常に冴えた音がしていると思う。」(平林 直哉)
ムラヴィンスキー 1956年、
 DG録音の「チャイ5」が初期盤から!

 チャイコフスキー(1840-1893):
  交響曲第5番 ホ短調Op.64
エフゲニー・
 ムラヴィンスキー指揮
レニングラードpo.
 録音:1956年6月、コンツェルトハウス大ホール、ウィーン。ソース: Deutsche Grammophon (Germany) LPM 18333 。
 「1956年4月から5月にかけてムラヴィンスキーとレニングラード・フィルはドイツ、スイス、オーストリアに演奏旅行に出かけた。その最後の訪問地であるウィーンでこの交響曲第5番を含む後期3大交響曲がドイツ・グラモフォンによって録音されたが、なぜか第4番のみ同行したザンデルリンクが指揮を担当した。ムラヴィンスキーとレニングラード・フィルは1960年秋にヨーロッパ公演を行い、その際には同じくドイツ・グラモフォンによって後期3大交響曲の全てがムラヴィンスキーによってステレオ録音された。3曲ともムラヴィンスキーの指揮であり、しかもステレオ録音となると、このモノーラル盤は商品価値が低いとみなされ、その後長くカタログから消え、ようやく復活したのはCD時代になってからである。この録音は発売された当初から音質に難があるとされていた。しかし、当時の録音特性を調査し、それを元に注意深くリマスタリングを行った結果、かなり聴きやすい音質を得ることが出来た。もちろん、元々のややこもり気味な傾向はそれほど変わりはないが、弦楽器は思った以上に艶やかに鳴り響き、金管楽器の腰の強い輝きにも改めて感心した次第である。
  このドイツ・グラモフォンのムラヴィンスキーの録音についてはほとんど何も伝えられていない。わずかに知られていることと言えば、たとえばステレオ録音の際にはムラヴィンスキーが終生貫き通したオーケストラの古い配置が、恐らくは録音技師の要請によって変えられたことである。もうひとつは、ステレオによる後期3大交響曲集が完成して以来、ドイツ・グラモフォンはムラヴィンスキーに対して交響曲第1番から第3番の3曲を録音し、チャイコフスキーの交響曲全集を完成させるように何度も要請していたことである。」(平林 直哉)
ポール・パレー唯一の「ブラ4」と
 モノラルのワーグナー、
  ほぼ初CDフォーマット化

 ブラームス(1833-1897):
  交響曲第4番 ホ短調Op.98 (*)
 ワーグナー:(1813-1883):
  歌劇「ローエングリン」第3幕前奏曲(#)/
  楽劇「ニュールンベルクの
   マイスタージンガー」第1幕前奏曲(#)/
  歌劇「タンホイザー」序曲(#)/
  楽劇「ワルキューレ」
   〜ワルキューレの騎行(#)
ポール・パレー指揮
デトロイトso.
 録音:1955年3月26日(*)/1953年2月13日-20日(#)、以上、旧 オーケストラ・ホール、デトロイト。ソース: Mercury (U.S.A.) MG 50057 (*) / Mercury (U.S.A.) MG 50021 (#)。
 「ブラームス、ワーグナーともに非常に良い演奏だと思います。」と平林氏。
 「パレーがマーキュリーに録音したワーグナーの管弦楽曲集は、すべて最初にモノーラルで発売されている。しかし、その中でステレオで収録されたものはのちにステレオLPで発売され、さらにこのステレオ録音はCD化もされた。しかしながら、モノーラルで録音された方はある時期以降は全く再発売されていない。もちろん、ステレオとモノーラルでは大きく違うわけだが、モノーラルの方の演奏内容が著しく落ちるということではない。それどころか、この男性的な迫力に満ち、きりりと引き締まった冴えた音を聴いていると、CD-R化して良かったと心底思う。」   ブラームスの方は唯一の正規録音で、目下のところパレーのブラームスを聴こうとすればこれしかない。この演奏はかつてアメリカでプライヴェートCD-R盤が発売されたが、このCDRはなぜかアメリカ以外には出荷しないので、国内では事実上初CD-R化となる。演奏はワーグナー同様、端正で力強いが、第4楽章をはじめ、意外にテンポが揺れる場面も少なくない。なお、第2楽章の7分30秒付近では音が歪むが、これはオリジナル通りである。」(平林 直哉)
チェリビダッケの芸術〜
 ベートーヴェン、ベルリオーズ

 ベートーヴェン(1770-1827):
  ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.61(*)/
  「エグモント」序曲 Op.84 (#)
 ベルリオーズ(1803-1869):
  序曲「宗教裁判官」Op.3 (+)
ヴォルフガング・
 シュナイダーハン(Vn;*)
セルジュ・
 チェリビダッケ指揮(*/#/+)
ローマ放送o. (*)、
BPO (#)、
ベルリン放送so. (+)
 録音:1954年1月30日、ローマ(*)/1951年、ベルリン(#/+)。ソース: Electrecord (Rumania) ELE 02957 (*) / Period (U.S.A.) SPL 716 (Soundtrack from the film "Botschafter der Musik") (#)/ Urania (U.S.A.) URLP 7024 (+)。
 「このCD-Rは若きチェリビダッケの珍しい録音を集めたものである。協奏曲は伴奏とはいえその若々しさのみなぎる表現は聴きものであろう。指揮者の気迫に押されたのか、シュナイダーハンも実に訴求力の強い演奏を繰り広げている。また、シュナイダーハンは1953年の録音(ケンペン、フルトヴェングラー)ではヨアヒムのカデンツァを、そして後年のヨッフムとの録音(1959、62年、DG)ではベートーヴェン自身のものを独自に編曲したカデンツァをそれぞれ使用しているが、この演奏では珍しくヨアヒムのものを弾いている。復刻に使用したエレクトレコードはメロドラム(MEL 201)からのライセンス契約盤のようだが、そのメロドラムのLPよりも聴きやすいとの説もある(ただし、このエレクトレコードは録音年が1956年と誤記されている)。
  『エグモント』序曲は有名な映画『フルトヴェングラーと巨匠たち(原題〔音楽の使者たち〕』のサウンドトラックである。フィルムの音声なのでもともと音質は良くないが、それでも初出LPの重量プレスから復刻した音質は予想以上に聴きごたえがあり、当時のチェリの凄さを偲ぶのに十分である。ベルリオーズは目下のところチェリのディスコグラフィでは唯一のもの。たいへんに貴重であると同時に、演奏も素晴らしい。」(平林 直哉)
フルトヴェングラー、チェトラ LP 復刻
 1951年1月7日ウィーンでの「合唱」

 ベートーヴェン(1770-1827):
  交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱」
イルムガルト・ゼーフリート(S)
ロゼッテ・アンダイ(A)
ユリウス・パツァーク(T)
オットー・エーデルマン(B)
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
VPO、
ウィーン・
 ジングアカデミーcho.
 録音:1951年1月7日、Grossersaal, Musikverein, Vienna 。ソース: Fonit Cetra (Italy) FE 33 。Reissue Prodecuer: Naoya Hirabayashi 。近年では、DELTA CLASSICS から発売された演奏(DCCA-0019)だが、当盤は後発となるだけに音質には期待大!
 「その昔、日本の絵画の価値を最初に認めたのが外国人であったのと同じく、フルトヴェングラーの放送録音の価値を見出し、それらを積極的に世に送り出したがったのはヨーロッパ大陸以外の人々だった。たとえば、旧ソ連メロディアのフルトヴェングラーのLPが初めて雑誌に紹介されたのはアメリカの『ハイ・フィデリティ』誌だった。そして、それらのソ連盤LPを世界中に流布させたのはイギリスのレコード・ハンター社だった。このソ連盤発掘は世界中に衝撃を巻き起こし、その後はアメリカではワルター協会が、そしてやや遅れてイタリアのレーベル、フォニット・チェトラもフルトヴェングラーの録音を精力的に発売した。これらのレーベルは現在では非正規盤という位置付けがなされ、そのレーベルから発売されたLPはもはや過去の遺物ともみなされている。しかしながら、今になってこれらのLPを冷静になって聴いてみると、近年発売されているCDよりも聴きやすいと感じるものは決して少なくない。特にフォニット・チェトラが発売したFE番号のシリーズは音質の明瞭なものが多く、しかも盤質も非常に安定しており、高く評価する人も多い。そこで、この Serenade レーベルではそうしたフルトヴェングラーのLP起こしを継続的に行ってみたいと思った次第である。
  この第9公演は1951年1月6日、7日、8日の三日間行われたが、当ディスクの演奏はその2日めのものとされるものである。この公演の前後にはHMVのチャイコフスキーの交響曲第4番の収録も併行して行われており、特に8日には第9の本番とチャイコフスキーのセッションとの両方が行われている(Grand Slam GS-2014の解説参照)。この第9は特に逸話などが知られていないためか、フルトヴェングラーのディスクの中ではそれほど話題にはならないが、改めて聴き直してその気力の充実した表現に魅了されたしだいである。」(平林 直哉)
クナッパーツブッシュ、
 廃盤となっていた1944年の「ブラ3」が復活、
 併せて1949年の「ジークフリート牧歌」が初CD(-R)化!!

 ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調Op.90(*)
 ワーグナー:ジークフリート牧歌(#)
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
BPO (*)、VPO(#)
 録音:1944年9月9日、バーデン=バーデン(*)/1949年8月30日、祝祭大劇場、ザルツブルク(#)。ソース: Melodiya (U.S.S.R) D 06429/30 (*) / Melodram (Italy) MEL 711 (#)。
 2003年に発売されたSEDR-2020(廃盤)に替わり、クナッパーツブッシュのブラームス第3が別の LP (とはいえ同じくメロディア盤)を使用して再発売。ジークフリート牧歌は初CD(-R)化!
 「この演奏と同じブラームスの交響曲第3番を含むSEDR-2020(2003年発売)は原盤提供者との契約ですでに廃盤となっている。その時に復刻に使用したLP(カデンツァ注: 33M10-41175/78 )はブラームスの交響曲第3番とブルックナーの同第4番「ロマンティック」を2枚に詰め込んだものだったが、今回復刻したブラームスは、ゆったりとLP1枚両面にカッティングしたものを使用している。音質はSEDR-2020と比較して演奏の印象を大きく変えるほどの違いがあるとは言えないものの、やはり36分程度の曲をLP1枚両面にカッティングしたこのディスクの方がゆとりが感じられる。
  このブラームスがクナお気に入りの作品だとすれば、このジークフリート牧歌もまた彼がこよなく愛したものだった。吉田光司著『クナッパーツブッシュ・ディスコグラフィ』(キングインターナショナル)によると、この曲の録音はこれまで7種類が知られているが、このディスクに収められた演奏は目下のところ最古のもとして知られている。しかも、この演奏は世界初CDR化である。この日は周知の通りブルックナーの交響曲第7番が演奏されているが、ジークフリート牧歌は編成が小さいせいか非常に鮮明に収録されていたことは幸いだった。」(平林 直哉)
SEDR-5007
廃盤
フルトヴェングラー、VPOのブルックナー第5、
 ミスも含めた完全版!

 ブルックナー(1824-1896):
  交響曲第5番 変ロ長調(原典版)
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
VPO
 録音:1951年8月19日、ザルツブルク祝祭大劇場、ライヴ。ソース: Discocorp RR 314 (U.S.A)。
 「この演奏はすでにEMIクラシックスから正規盤が発売されているため、あえて競合盤を出す必要がないと思う人もあろう。しかしながら、以下の2点の理由で出す意義があると判断した。まずひとつは、第1楽章の9分43秒、9分52秒のようなホルンのミスがEMI盤ではきれいに修正されていること。もうひとつは、EMI盤は全体的にノイズ・カットが過剰であり、必ずしも最上の復刻とは言えないということである。EMIのバイロイトの第9は本番とリハーサルのテイクが編集されているが、最終的にどちらのテイクを使用してもフルトヴェングラーの演奏であることには変わりはない。しかし、この場合は元がノン・ストップの放送用録音であるため、修正した部分は人工的に作られたか、他人の演奏を挿入してあるのではないかと疑われても仕方がない。音質に関しては個々人の好みの違いがあるので断定的には言えないが、いわゆる熱心な聴き手は出来るだけ原音に忠実な音質を好むので、このディスクを聴いて今までとは違った印象を抱く人も多いのではないかと推測する。
  この演奏はカナダ・ロココによって初めてLP化されたが、このロココ盤(ロココのライセンス盤である日本コロムビアDXM-179/80も同様)の音質は芳しくなかった。復刻の候補としてあがったのはチェトラ FE42 とこのディスココープ盤で、甲乙はなかなか付けがたかったが、最終的には中低音が豊かで聴き疲れのしない後者を選択した。」(平林 直哉)
 当盤は2008年4月16日をもって廃盤となった旨、平林氏からご連絡を頂きました。以降の入荷はございません。
宇野功芳氏が「これは数多いフルトヴェングラーの
 CDの中でも、おそらく最悪のものではあるまいか」と語った
  チャイコ「第5」をついに平林氏が手がける!
   間違った拍手の入った最初期LPよりの復刻

 チャイコフスキー(1840-1893):交響曲第5番 ホ短調Op.64 (*)
 ワーグナー(1813-1883):
  楽劇「トリスタンとイゾルデ」〜前奏曲と愛の死(#)
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
トリノ・イタリア放送so.
 録音:1952年6月6日(*)/1952年3月11日(#)、以上トリノ・イタリア放送講堂、ライヴ。Source: Discocorp (U.S.A.) DIS 3702 (*), / Fonit Cetra (Italy) FE 43 (#)。制作:平林 直哉。
 「このチャイコフスキーは宇野功芳著『フルトヴェングラーの全名演名盤』(講談社+α文庫、絶版)の中でも『これは数多いフルトヴェングラーのCDの中でも、おそらく最悪のものではあるまいか』と指摘されているように、一般的にも評価は高くない演奏である。たしかにオーケストラの魅力はベルリン・フィルやウィーン・フィルとは比較にならないし、第4楽章の大幅なカットもマイナスであろう。しかしながら、フルトヴェングラーのこの曲の録音はこれが唯一のものであるし、冷静になって聴き直してみると、フルトヴェングラーらしい個性が随所に聴かれ、決して悪いものではないような気がする。音質ももともとデッドではあるが、復刻に使用したディスココープ盤は思いのほか肉厚な響きである。また、シールドされた新品を使用したのだが、アメリカ盤はもともと盤質が良くなく、その盤に起因するノイズが多少混入する。また、第2楽章で部分的に音量が下がったり、音揺れ等も含まれるが、これは修正出来なかったことをご了承いただきたい。
  ワーグナーは1947年の『トリスタンとイゾルデ』抜粋(ベルリン国立歌劇場管弦楽団)の3枚組LPに付録のような形で収録されたものである。もともとそれほど音質は鮮明ではないが、それでも他のCDよりもずっと自然な音であると思う。」(平林 直哉)
フルトヴェングラー生涯最後の演奏会からの
 ベートーヴェン「第1」と、1952年の「田園」

 ベートーヴェン(1770-1827):
  交響曲第1番 ハ長調 Op.21 (*)/
  交響曲第6番 ヘ長調 Op.68 「田園」(#)
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
BPO (*)、ローマ RAI so. (#)
 録音:1954年9月19日、ティタニア=パラスト、ベルリン(*)/1952年1月10日、ローマ(#)。ソース: Movimento musica (Italy) 08.001 (*)/ Fonit Cetra (Italy) FE 5 (#)。
 「第1番は言うまでもなくフルトヴェングラーの生涯最後の演奏会の記録で、イタリアのMovimento musicaより1981年に初めて LP化された。その後、この演奏は国内でも LP 化され、CD 時代になってからTahraやドイツ・フルトヴェングラー協会からも発売されている。最後のライヴ故に演奏内容は枯れきっており、音質もいかにも地味な印象だった。今回CDR化するにあたってさまざまな LP や CD を比較試聴したが、意外にもこの Movimento musica 盤は一番明瞭であった。聴いてみると、たとえば Tahra や協会盤は高域のテープ・ヒスを気にしたのか、その帯域をカットして聴きやすくしているように思うが、そういった処理はノイズを減らすと同時に響きの成分も失っているような気がする。
  第6番「田園」はアメリカ・オリンピックの史上初のベートーヴェン交響曲全集( OL8120、第2番はのちにエーリヒ・クライバーの演奏と判明)として1974年に初めて登場したものである。最近、この全集からのバラ売 (OL8128) の未開封の新品を手に入れ、ここから音を採るつもりであったが、新品にしては盤質にやや難があり、なぜか第1楽章の冒頭に大きな音揺れがあった。チェトラ盤 (FE5) はオリンピック盤よりもやや軽い音質ではあるが、盤質は良好であり、第1楽章冒頭部分も正常なので最終的にはこれを素材とした。」(平林 直哉)
シューリヒト、クレンペラーの
 珍しいベートーヴェン・ライヴ

 ベートーヴェン(1770-1827):
  交響曲第2番 ニ長調Op.36 (*)/
  交響曲第7番 イ長調Op.92 (#)
カール・シューリヒト指揮(*)
ベルリン RIAS so.(*)
オットー・クレンペラー指揮(#)
スイス・ロマンドo.(#)
 録音:1953年11月19日、ベルリン(*)/1957年3月6日、ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ(#)、共にライヴ、モノラル。ソース: Movemanto Musica (Italy) 08.001 。
 「1981年に Movimento Musica から発売された9人の指揮者によるベートーヴェンの交響曲全集は一部のマニアでは話題となった。その内訳は、第1番=フルトヴェングラー、第2番=シューリヒト、第3番=ワルター、第4番=ベーム、第5番=E.クライバー、第6番=ヨッフム、第7番=クレンペラー、第8番=クナッパーツブッシュ、第9番=カラヤンであり、音源としても当時大半が初登場となるものだったと記憶する。しかし一方で、特定の指揮者のファンが手を出し辛いということもあったようで、その全貌を知る人もまたそれほど多くはなかった。この全集の音源はその後他レーベルからも発売されているが、全体的な音質は思った以上に優れていたことである。
  その中ではこのシューリヒト指揮の第2番とクレンペラーの第7番は他の復刻盤も少なく(クレンペラーはこのLPが唯一?)、貴重である。なお、第7番のデータは全集LPの解説書には「1955年3月4日、ローザンヌ」とあるが、"Otto Klemperer his life and times Volume 2 1933-1973" (Peter Heyworth, Cambridge University Press) の巻末にあるディスコグラフィによると(ディスコグラフィはマイケル・グレイの制作)、このディスクの表記が正しいという。」(平林 直哉)
フルトヴェングラー
 1952年イタリアでのベートーヴェン、「運命」他

 ベートーヴェン(1770-1827):
  交響曲第5番 ハ短調 Op.67 (*)/
  ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58 (#)
ピエトロ・スカルピーニ(P;#)
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
ローマ RAI so.
 録音:1952年1月10日(*)/1952年1月19日(#)、以上ローマ、ライヴ。ソース: Olmypic (U.S.A.) (#) / Fonit Cetra (Italy) FE 2 (#)。
 「交響曲の方は1974年秋、アメリカ・オリンピックから発売されたベートーヴェンの交響曲全集(OL-8120)に含まれていたもので、これは同年12月に国内でも発売された(日本フォノグラム SETC-7501〜7)。復刻に使用したのはオリンピックのバラ売りLPである。この演奏はその後イタリア・フォニット・チェトラからも発売されているが、このオリンピック盤はチェトラよりも腰の強い、いかにもフルトヴェングラーらしい音質である。
  協奏曲は1976年、Educational Media Associates (通称ワルター協会) RR-441 のLPが初出である。裏面にはハイドンの交響曲第104番「ロンドン」、1944年、ベルリン・フィルとの録音が組み合わされていたが、周知の通りこれは後に別人の演奏と判明した(国内盤は1978年6月、同じ組み合わせで日本コロムビアより OZ-7550 として発売された)。この協奏曲はのちにフォニット・チェトラからも発売されたが、これは RR-441 とは違ってこの協奏曲のみをLP両面にゆったりとカッティングしたものだった。むろん、音質もこのチェトラ盤の方が優れており、復刻にはこれを使用した。
  ピエトロ・スカルピーニ(1911、ローマ−1997、フィレンツェ)はイタリアのピアニスト。サンタ・チェーチーリア音楽院でカセッラにピアノ、レスピーギに作曲をそれぞれ学ぶ。レパートリーは古典派から現代まで非常に幅広いが、特にヒンデミット、ブゾーニ、スクリャービン、ダラピッコラなどには造詣が深かったと言われる。」(平林 直哉)
トスカニーニ、ファイナル・コンサート、1954年4月4日
 演奏が止まった瞬間の長い沈黙も収めた完全実況生中継版!!!

 (ただし、音声はモノーラル)
 ワーグナー(1813-1883):
  歌劇「ローエングリン」第1幕前奏曲/
  楽劇「ジークフリート」〜森のささやき/
  楽劇「神々のたそがれ」
   〜夜明けとジークフリートのラインへの旅/
  歌劇「タンホイザー」〜序曲とバッカナーレ/
  楽劇「ニュールンベルクのマイスタージンガー」
   〜第1幕前奏曲
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮
NBC so.
 録音:1954年4月4日、カーネギー・ホール、ニューヨーク、ライヴ。モノラル。ソース: CLS RPCL 2033 (Italy) 。
 「このディスクはトスカニーニの生涯最後の演奏会をすべて収録したものである。この演奏会の『タンホイザー』序曲とバッカナーレの途中、トスカニーニは記憶障害を起こし、そこで演奏が中断されるというショッキングな出来事が起きたため、トスカニーニは引退を決意したと言われている。この演奏会はよく知られているようにステレオでも収録されているが、そのステレオ版にはその空白の時間が収められていない。しかし、ベン・グラウアーのアナウンスにより生中継されたラジオ放送は、音声そのものはモノーラルではあるが、この空白の時間が克明に記されている。それは突然襲ってくる。長い沈黙のあと、グラウアーが "Due to operation difficulties, there is a temporary pause of our broadcast from Carnegie Hall" (技術上の不手際により、ただいまカーネギー・ホールからの放送が中断しています)と言い、一瞬だが調整室のスタッフが凍り付いているような緊張感も伝わってくる。そして、急きょトスカニーニ指揮のブラームスの交響曲第1番の冒頭部分が流され、しばらくするとようやく舞台上の音声に切り替わり、音楽は再び何事もなかったかのように進んでいく。(表紙の写真はその空白の瞬間を捉えたものと言われている。)」(平林 直哉)
スポールディング、ボリース〜
 ブラームス&ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲

 ブラームス(1833-1897):
  ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.77 (*)
 ブゾーニ(1866-1924):
  ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.35a (#)
アルバート・スポールディング(Vn;*)
ヴィルヘルム・ロイブナー指揮(*)
オーストリアso.(*)
ジークフリート・ボリース(Vn;#)
アルトゥール・ローター指揮(#)
ベルリン放送so.(#)
 録音:1952年、ブラームス・ホール(下記平林氏の解説ご参照)、ウィーン(*)/1944年7月21日、ベルリン(#)。ソース:Remington (U.S.A.) R. 199.145 (*) / Urania (U.S.A.) URLP 7043 (#)。
 ヨアヒム・ハルトナックの名著『20世紀の名ヴァイオリニスト』で絶賛されているスポールディングのブラームス! ボリースのブゾーニはこの曲の世界初 LP からの復刻!
 「知る人ぞ知るアルバート・スポールディング(1888-1953)によるブラームスの美演が蘇った。スポールディングはシカゴに生まれたが、ボローニャ、フィレンツェ、パリで学んでいる。1904年にパリでデビュー、そして1908年にはアメリカ・デビューを果たしている。ピアニスト、オシップ・ガブリロヴィチとしばしば共演し、1950年に引退、1952年まで録音を続けた。レミントンのLPジャケットによると、この録音はウィーンのブラームス・ホール(おそらくムジークフェラインザールのブラームス・ザールと思われる)で収録されたものらしい。コピーライトが1953年になっているが、これは彼の活動した最後の年の1952年に収録されたものと推測される。なお、J.クレイトンの "Discopaedia of the Violin" (Records Past Publishing) によると、第1楽章のカデンツァはスポールディング自身とのこと。彼は作品もいくつか残しているが、このカデンツァも非常にうまく書けている。また、このオーストリア交響楽団とはウィーン・トーン・キュンストラー管弦楽団がその実体とも言われている。
  ジークフリート・ボリース(1912-1980)はフルトヴェングラー時代のベルリン・フィルのコンサートマスター。彼のベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(リーガー指揮)はこのシリーズで聴くことが出来る(SEDR-2035)。ボリースの弾いたブゾーニはチェリビダッケとのライヴ(1949年)も存在するが、このウラニア盤LPは意外なことにこの作品の世界で初めてのレコードであった。」(平林 直哉)
フルトヴェングラー〜ブラームス演奏集
 ブラームス(1833-1897):
  交響曲第1番 ハ短調Op.68 (*)/
  ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a (#)
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
BPO
 録音:1953年5月18日(*)/1950年6月20日(#)、以上ティタニア・パラスト、ベルリン。ソース: Fonit Cetra (Italy) FE 13 (*), FE 16 (#) 。
 「フルトヴェングラーのブラームス第1というと、カタログ上では1947年のウィーン・フィルとのHMV録音が唯一という状況が長く続いた。この演奏はSP録音という性質上、良く言えば冷静な、そして悪く言えば生煮えのものだった。1976年、そこにドイツ・グラモフォンより発売された1952年2月10日、ベルリン・フィルとのライヴ録音が加わったが、これは長年のファンの渇きをいやす演奏内容だった。それよりやや遅れて登場した翌1953年5月18日、同じくベルリン・フィルとのライヴは、日付が接近していて演奏も酷似していたためか、二番煎じのような印象を与えたのも事実だった。そして、それを今もなお引きずっている感がなきにしもあらずである。この演奏は現在、ドイツ・フルトヴェングラー協会(TMK-005294)などの正規盤CDも発売されているが、その音を聴くと素晴らしいとは思う反面、聴きやすく整音された感じも受ける。その点、このチェトラ盤は元のテープをほとんどそのまま起こしたような雰囲気がある。部分的にはドロップ・アウトなどの瑕疵はあるが、オーケストラの肉付きの良い響きを実感していただけるものと思う。なお、このLPはクラシック専門店、京都ラ・ヴォーチェの永井琢也氏の提供によるものである。
  ハイドンの主題による変奏曲も1976年、ドイツ・グラモフォンから初めて発売(組み合わせはヒンデミットの「ウェーバーの主題による交響的変容」)された音源と同一である。こちらの方も余計な手間をかけずにLP化されたような、実にすっきりとした音質である。」(平林 直哉)
待望の復刻、バルヒェットのあまりにも美しいバッハ!
 J.S.バッハ(1685-1750):
  ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調BWV.1041 /
  2つのヴァイオリンのための
   協奏曲 ニ短調BWV.1043 (*) /
  ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調BWV.1042
ラインホルト・
 バルヒェット(Vn)
ウィル・ベー(Vn;*)
ヘルマ・エルスナー(Cemb)
ワルター・ダヴィッソン指揮
シュトゥットガルト・
 プロ・ムジカ弦楽合奏団
 録音:1954年12月、シュトゥットガルト。Source: VOX (U.K.) PL 9150 。制作:平林 直哉。
 「『こんな素晴らしい演奏があったのか!』。最近、このLPを入手した私は針を落としてすぐにこう思った。盤鬼としてはただちにCDR化するしかない。シュトゥトガルト生まれのヴァイオリニスト、ラインホルト・バルヒェット(1920-1962)について、詳しいことはあまり知られていない。何せ彼の名前はハルトナック、シュワルツ、ロートなどが著した有名な著作にさえ出てこないのである。バルヒェットはシュトゥトガルト室内管弦楽団のコンサートマスターやバルヒェット弦楽四重奏団のリーダーとして活躍し、主にバッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディの作品を数多く録音している(その大半はヴォックス)。
  このバッハは1955年に初めて発売されたものだが、復刻に使用したのはイギリス・ヴォックス盤である。本来ならばアメリカ盤を使用すべきなのだが、当時のアメリカ盤はおしなべて盤質が良くなく、しかも保存状態の悪いものも多い。このイギリス盤はおそらくは英デッカのプレスによるもので、とても半世紀を経過したものとは思えないほどのきれいな状態の重量盤であり、迷わず復刻に使用した。それにしても何と奥ゆかしく控えめでありながら、品格と温かい抒情に溢れた演奏だろうか。この作品のモノーラル録音ではバリリのものが忘れがたいが、このバルヒェットはより正統的な様式で昇華された尽くした名盤と言えるだろう。ダヴィッソン(1885-?)はフランクフルト生まれ。最初はヴァイオリニストとして活躍し、のちに教鞭をとっている。指揮者としては伴奏したものがわずかに残されている。べー、エルスナーの経歴は不明。」(平林 直哉)
コチャルスキとの協奏曲初CD化あり!
 チェリビダッケの芸術 II 〜稀少録音集
  ドビュッシー、ルーセル、ショパン

 ドビュッシー(1862-1918)/アンリ・ビュセール編:
  小組曲(*)
   [小舟にて/行列/メヌエット/バレエ]
 ルーセル(1869-1937):小組曲Op.39 (*)
  [オバド/パストラール/仮面舞踏会]
 ショパン(1810-1849):
  ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調Op.21(#)
ラウル・コチャルスキ(P;#)
セルジュ・チェリビダッケ指揮
ベルリン放送so.
 録音:1949年5月5日(*)/1948年10月25日(#)、以上ベルリン。Source: URANIA (U.S.A.) URLP 5006 (*) / Rococo (Canada) 2095 (#)。
 これはマニアには嬉しい初CD化音源。(#)はチェリビダッケのマニアはもちろん、ショパンの孫弟子コチャルスキの大変珍しい、ひょっとすると唯一の協奏曲録音ということでピアノ・マニアも要注目。コチャルスキはこのほぼ1か月後、11月24日に糖尿病の悪化により急逝しているため、これが最後の録音となった可能性もある(ただし1949年の没後100年に向けて、コチャルスキによるショパン全集録音が計画されていたため、彼によるこの年の録音は他にも存在する)。なおこの演奏は、平林氏も書いておられるようにオケがベルリン・フィルと誤記されて流布しており、たとえばNAXOSにショパン全集を録音したイディル・ビレットのサイトにも、...with the Berlin Philharmonic Orchestra ...と誤記した例が見受けられる。
 「このディスクのドビュッシー、ショパンは現在チェリビダッケのディスコグラフィでは唯一の記録となっており、ルーセルの方もこのディスクの演奏以外には1種類しか残されていない。しかもドビュッシー、ルーセルは今や消滅したレーベル Dante/Arlecchino ARL 157 としてCD化されただけで、一般的にはほとんど知られていない。さらに、ショパンの方は過去にLPしか発売されておらず、CDR化は全く初めてである。
  ドビュッシーとルーセルは1952年に発売されたアメリカ・ウラニア盤の10インチ(25センチ)のLPから復刻している。当時のアメリカ盤は盤質そのものが良くないうえに、保存状態の良いものが非常に少ないことでも知られている。従って、この2曲はややノイズが多いが、たいへん希少なLPからの復刻と言うことでご容赦願いたい。
  ショパンはチェリ・ファンはもとより、ショパンのファンにいっそう注目されよう。弾いているコチャルスキはショパンの弟子カロル・ミクリ(1819-1897)に師事したピアニストであり、これはショパンの孫弟子の模範演奏ということになる。コチャルスキは1884年にワルシャワに生まれた。父の影響で4歳からピアノを始め、1893年には自作曲にてロンドンで演奏会を開いた。その後は主にフランス、ドイツ、スウェーデンで活躍するが、第二次大戦後はポーランドに戻り、後進の指導にあたった。交響曲やバレエ、室内楽曲やオペラなどの作品も残してる。1948年死去。復刻に使用したLPにはオーケストラがベルリン・フィルと記されているが、これはベルリン放送響の誤りである。なお、録音データはJ.ハントのディスコグラフィ“the great dictators"に 準拠した。」(平林 直哉)
SEDR-5017/18
(2CD)
廃盤
フルトヴェングラー、1953年9月15日
 ベルリン、ティタニア・パラストにおける全公演記録

 シューベルト:(1797-1828):
  「ロザムンデ」序曲 D.644 (*)/
  交響曲第8番 ロ短調D.759「未完成」(*)/
  交響曲第9番 ハ長調D.944「ザ・グレート」(#)
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
BPO
 録音:1953年9月15日、ティタニア・パラスト、ベルリン。Source: Cetra (Italy) FE 11 (*) / I Grandi Concerti (Italy) GCL 43 (#)。
 *演奏会再現シリーズ!!! 当日のプログラム付き、特に「ザ・グレート」の音質に注目!
 「このディスクは1953年9月15日、ベルリン、ティタニア・パラストにおけるシューベルト・アーベントの全公演を収録したものである。まず、あえて2枚組としたのは当日の演奏会の雰囲気を再現するためである。さらに、音質的な面での大きな収穫は『ザ・グレート』である。この録音は従来、ティタニア・パラストで収録されたライヴの中でも最も冴えないものと言われている。放送局のオリジナル音源を使用してCD化した日本フルトヴェングラー協会盤(WFJ-13/14)も音が冴えない上に疑似ステレオ化され、不自然なエコーが加えられている(ドイツの協会盤LPも基本的にはこのWFJ盤と同傾向の音)。比較的良好と思われるイタリア・チェトラ盤LP(FE 12)も著しく鮮度を欠く。その他、さまざまなレーベルから出ているCDも軒並み音質は良くない。
  ところが、このディスクで使用した LP( I Grandi Concerti GCL-43 )は驚くほど鮮明な音なのである! 同じくイタリア盤のチェトラがあのような音なので、このGCLも同程度の音質だと思われていたが、実際は全く異なっていた。しかもこのGCL盤はチェトラ盤のように第2楽章の途中で面が切り替わっていない。使用音源についての情報は記載されていないが、いずれにせよ恐るべしイタリア盤である(ただし、このGCL盤のジャケットは日付が9月10日と誤記されている)。
  『ロザムンデ』はフルトヴェングラーが登場する際の拍手が入っており、臨場感たっぷりである。終わりの拍手は音が途切れて不自然だが、特にカットする理由はないのでそのままにしておいた。『未完成』の終わりの拍手もやや唐突だが、これもあえて手を加えていない(以上の2曲、DG盤には拍手はない)。『ザ・グレート』は拍手、インターバル等は入っていない。」(平林 直哉)
 当盤は「2008年5月末までの限定生産」となっており、廃盤となりました。
SEDR-5019/20
(2CD)
廃盤
フルトヴェングラー演奏会再現シリーズ〜
 1954年8月30日、ザルツブルク音楽祭での全プログラム
  [当日のプログラム付き]

 ベートーヴェン:
  交響曲第8番 ヘ長調Op.93 (*)/
  大フーガ 変ロ長調Op.133 (#)/
  交響曲第7番 イ長調Op.92 (+)
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
VPO
 録音:1954年8月30日、フェストシュピールハウス、ザルツブルク、ライヴ。ソース: Cetra LO 530 (*) / Educational Media Associates RR 520 (#) / Movimento Musica 01.029 (+)。制作:平林 直哉
 「このディスクはフルトヴェングラー指揮、ウィーン・フィル、1954年8月30日(午後8時開演)、ザルツブルク音楽祭における全プログラムを収録したものである。音源に使用したLPはそれぞれの曲の初出で、発売年度は順にLO-530が1979年、RR-520が1976年、01.029が1982年である。交響曲第8番ではやや大きなドロップ・アウト(Disc1のトラック1の1分27秒)や他の音楽の混入、大フーガでは冒頭部分が弱く始まったり、交響曲第7番では楽章ごとに出力に差があったりなどの瑕疵はあるが、それでもなお全体の雰囲気感は主要なCDよりもまさっていると判断し、ディスク化に踏み切った。やはり、一晩の録音が全部揃っている場合、このようにひとつにまとめた方がドキュメントとしての価値はいっそう高まるのではないだろうか。また、大フーガ終了後の拍手も短く唐突ではあるが、元のLPに入っているので、あえてカットせずにそのままにしておいた。
  指揮者の大町陽一郎はこの日の公演とそのリハーサルに立ち会った数少ない日本人である。大町の回想によると、リハーサルではフルトヴェングラーが細部にこだわりすぎ、楽団員が時々ざわついたりして、第三者的に見れば決してうまくいっているように思えなかった。そのため彼は本番の出来を心配したらしいが、それは全くの杞憂に終わったとのことだった。なお、言うまでもないが、この時の公演がフルトヴェングラーとウィーン・フィルの公の場での最後の演奏である。」(平林 直哉)
 当盤は「2008年8月末までの限定生産」となっており、廃盤となりました。
SEDR-5021/22

(2CD)
1.3枚価格
限定盤
フルトヴェングラー演奏会再現シリーズ〜
 1952年3月7日、トリノ・イタリア放送響との公演
  交響曲第1番は世界で唯一の LP より復刻

 ブラームス(1833-1897):
  ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.77 (*) /
  交響曲第1番 ハ短調Op.68 (#)
ジョコンダ・
 デ・ヴィート(Vn;*)
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
トリノ・イタリア放送so.
 録音:1952年3月7日、トリノ、ライヴ。ソース: Fonit Cetra (Italy) FE 3 (*) / Rococo (Canada) 2017 (#)。制作:平林 直哉
 SEDR-5019/20(2008年8月末までの限定供給; 1954年8月30日、ザルツブルク音楽祭での全プログラム)に続くフルトヴェングラー演奏会再現シリーズ。
 「このディスクは1952年3月7日、フルトヴェングラーがトリノ・イタリア放送交響楽団を指揮した全公演である。まず、ヴァイオリン協奏曲の方は 1972年頃、カナダ・ロココから2027として出たLPが最初で、同一原盤による国内盤LPは1973年1月に日本コロムビア(現コロムビア・ミューッジックエンタテインメント)よりDXM-159として発売された。復刻に使用したのはチェトラのLPである。ロココ原盤は同じくデ・ヴィート/フルトヴェングラーのメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲が組み合わされているが、このチェトラ盤はブラームスのみ1枚のLPにカッティングされており、溝に余裕が感じられる。しかも、嬉しいことに入手したのは未開封盤であった。
  交響曲第1番の方はカナダ・ロココより2017として出たLPが世界で唯一のものである(CDは複数のレーベルより発売)。しかし、宇野功芳著『フルトヴェングラーの全名演名盤』(講談社+α文庫/絶版)でこの演奏は「フルトヴェングラーの数多いディスクの中でも最も録音の劣悪なものの一つで、音量も著しく弱く、オケも良くなく、採るべき何ものもない」と評されているように、一般的にも決して評判は良くない。だが、問題はもともとのLPの極端に低い出力レベルにある。これを正常に戻し、相性の良いカートリッジで再生すれば、お聴きにようにかなり印象が変わってくる。従来、この演奏をさほど重要視していない人にこそ聴いて欲しいものである。なお、イタリア・ウラニア URN22.224 のCDでは第3楽章の冒頭にわずかではあるが音の欠落があるが、このディスクにはそのような瑕疵はない。また、復刻に使用したLPはヴァイオリン協奏曲同様、新品の未開封盤である。」(平林 直哉)
 #当盤は2008年11月末までの限定生産です。期間を過ぎた場合は廃盤となる上、再プレスが難しい商品形態ですので、期日間際のご注文分はお届けできない可能性があります。お早めのご注文をお薦め致します。
GRAND SLAM
フルトヴェングラー・シリーズ Vol.21
 望みうる最上の SP 復刻!
  LPO とのブラームス第2と VPO との「未完成」

 ブラームス:交響曲第2番 ニ長調Op.73(*)
 シューベルト:
  交響曲第8番 ロ短調D.759「未完成」(#)
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
LPO(*)、VPO(#)
 録音:1948年3月22日、23日、25日、ロンドン、キングズウェイ・ホール(*)/1950年1月19日-21日、ウィーン、ムジークフェラインザール(#)、使用音源:Decca (U.K.) AK 1875/9 (AR 12079-2/12080-2/12081-1/12082-3/12083-2/12084-1/12085-1/12086-2/12087-3/120881-) (*) 、 HMV (U.K.) DB 21131/3 (2VH7190-1A/7191-1A/7192-1A/7193-1A/7194-1A/7194-1A/7195-1A) (#)。制作:平林直哉。おことわり:この CD は SP( 78 回転)盤より復刻しており、SP 特有のノイズが混入します。
 制作者より:
 『1948年3月、フルトヴェングラーが戦後初めて単身で訪英した際、英デッカによってロンドン・フィルとのブラームスの交響曲第2番が収録されました。このセッションでは、フルトヴェングラーが視界に入る複数のマイクロフォンを撤去するように要求したため、英デッカとしては決して満足のゆく結果を得られなかったと言われています。そうした経緯があったからでしょうか、1952年に英デッカによって制作されたLP復刻盤は音像が甘いだけではなく、SP盤の面と面とのつなぎもうまくいっていないという、何とも愛情に欠けたものでした。以来、この不十分な原盤は世界中に流布し、演奏の評価を不当に低くしていました。
  しかし、状態の良い英デッカ盤SPで聴くと、印象は大きく異なります。この復刻盤を制作するにあたり4組のSPを用意し、その中でも最もノイズの少ない1組を選択、素晴らしい結果を得ました。録音以来60年以上も経過し、ようやく理想的な復刻盤が誕生したと言っても過言ではありません。
  一方の「未完成」はHMVのSP盤からの復刻です。このHMV盤はカートリッジで再生すると高域にきついノイズが生じますが、幸運なことに用意したSP盤は例外的にノイズが少ないものでした。また、復刻にあたってはドイツ、フランスの初期LP復刻盤(この曲のイギリス初期LPの復刻盤はありません)も比較試聴しました。しかし、これらの初期LP復刻盤もその当時SPから転写されたものなので、情報量の点では元のSP盤には及びません。この「未完成」もブラームスと同様、従来の復刻盤とは音質はまったく異なり、演奏の印象も大きく変わっています。』(平林 直哉)
 解説書の内容:
 『前に触れたように、このディスクのブラームスの交響曲第2番はフルトヴェングラーの戦後初の訪英時に収録されましたが、その直前のフルトヴェングラーのロンドン公演をレポートした「 Musical America 」誌の記事の翻訳を掲載します。フルトヴェングラーのロンドン復帰を熱烈に歓迎した当時のイギリス音楽界の空気が伝わってきます。』(平林 直哉)
 #2008年9月初旬入荷予定。
フルトヴェングラー・シリーズ Vol.20〜
 序曲、管弦楽曲集

 ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第2番(*)/
         「フィデリオ」序曲(#)
 ウェーバー:「魔弾の射手」序曲(+)/
       「オイリアンテ」序曲(**)
 シューベルト:劇音楽「ロザムンデ」序曲(##)
 シューマン:劇音楽「マンフレッド」序曲(++)
 スメタナ:交響詩「モルダウ」(++)
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
BPO(*)、VPO(*以外)
 録音:1954年4月4日、5日、ベルリン高等音楽院(*)/1953年10月13日-17日(#)、1954年3月5日-6日(+)、1954年3月6日(**)、 1951年1月17日(##)、1951年1月24日(++)、以上、ウィーン、ムジークフェラインザール。使用音源:英HMV ALP 1324(*)/英HMV ALP 1130(#)/英EMI XLP 30090(+/**)/英EMI XLP 30097(##)/英HMV BLP 1009(++)。制作:平林直哉。おことわり:LPからの復刻なので、LP特有のノイズが混入します。
 『平林 直哉様
  私の夫が指揮した CD を18枚送っていただき、喜びで一杯です。本当にありがとうございました。これらは非常に素晴らしく、私は何時間も聴き入りました。聴き終えて私は筆をとりました。フルトヴェングラーの愛好家にこのCD のことを話せば、彼らは我が家に聴きに来るでしょう。あなたのお仕事は立派であり、私はあなたがフルトヴェングラーのことを理解なさっていると感じます。私は本当にこれらのCD を気に入りました。もう一度感謝の言葉を捧げます。
   敬具
   エリザベート・フルトヴェングラー 2008年7月4日、クララン』(※原文は英文)
 ■制作者より
 『今回はテープ録音期の中でも、演奏、録音ともに優れた序曲、管弦楽曲を1枚にまとめました。たとえば、「レオノーレ」序曲第2番はすでに市販されているCD の中にはマスター・テープの劣化によりゴースト(テープの転写により、あとの音がかすかに聴こえる現象)が生じています。特にこの「レオノーレ」第2番は序奏部にフルトヴェングラー独特の長い間があり、そのような箇所でのゴーストはかなり気になります。さすがに録音されて日が浅いうちにカッティングされた初期LP にはこのような瑕疵はなく、それから復刻したCD ですと演奏を心ゆくまで堪能出来ます。その他の曲目も、初期LP 独特の目の覚めるような新鮮な音質で蘇ります。なお、HMV(EMI)のシリーズは従来通りイギリスの初出盤を音源として使用しています。』(平林 直哉)
 ■解説書の内容
 『制作者による、たいへん興味深い詳細な制作手記を掲載します。また、珍しいプログラム、写真も併せて掲載します。毎回、音だけではなく、充実した解説がこのシリーズの特色でもあります。』
 #2008年10月中旬入荷予定。
平林氏復刻で聴くトスカニーニの「ローマ三部作」
 レスピーギ:
  交響詩「ローマの松」(*)/
  交響詩「ローマの噴水」(#)/
  交響詩「ローマの祭り」(+)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮
NBCso.
 録音:1953年3月17日(*)、1951年11月17日(#)、1949年12月12日(+)、ニューヨーク、カーネギー・ホール、使用ソース:RCA (U.S.A.) LM 1768(*/#)、LM 1973(+)、制作:平林直哉。おことわり:LPからの復刻なので、LP特有のノイズが混入します。
 これは興味深い復刻。先に本家BMGから、高音質で知られるXRCD盤が発売済み(JMM24XR-01)の録音だけに、是非聴き比べて見たい!
 ■制作者より:
 『トスカニーニの最高傑作と言われているレスピーギの「ローマ3部作」は、これまでにもRCA 所蔵のオリジナル・マスターからリマスタリングされたCD が何種類か登場しています。しかし、初期LP の音はCD とはひと味もふた味も違った鮮烈さを持っていますが、今回はその音を忠実に再現しました。言い換えれば、「トスカニーニ自身が聴いてOK を出した音」と言うべきものです。
  この3部作は45回転盤が初出のレコードのようですが、その45回転は枚数が多く面の切れ目が多いために復刻には不向きです。そのため、当CD では最初期のLP を素材として使用しています。また、「ローマの祭」は先に出た25 センチのLP(LM-55)ではなく後に発売され、音質も良くて切れ目のない30 センチLP(LM-1973)を使用し、万全を期しています。』(平林 直哉)
 ■解説書の内容:トスカニーニの知られざる逸話や、珍しい写真を複数掲載します。
 発売に当っての平林氏からのコメント:
 『私はこの「ローマの3部作」はトスカニーニの管弦楽曲のレパートリーの中でも突出した名演だと思います。しかし、1990年に世界統一規格のトスカニーニ・エディションが発売されて以来何回かリマスター盤も登場し、2007年にはCDの究極盤とも言える XRCD (JM-M24XR01)も発売されました。しかしながら、XRCD も含むこれらのCDを何度繰り返し聴いても、私としてはある種の違和感が、どうしてもぬぐい去れません。従って、私はこの「ローマ3部作」のCDを今まで雑誌、書籍、ムック等で一度も推薦盤として取り上げたことはありません。最近、初期LPを入手して聴いたところ、その音はかつて耳になじんだ国内盤 LP や、一番最初に出た国内盤 CD (RCCD-1010、1985年)と同傾向の音がすると感じました。むろん、音は人により装置により印象は変わってきますので一律には言えないのですが、自分にとっては、やはりこの初期LPに類似する音こそが最高の音だと考えています。
  一部の人には(あるいは大多数か)いたずらに選択肢を増やした復刻盤と思われるかもしれませんが、 それも承知の上での発売です。
  また、トスカニーニの LP 復刻はオーパス蔵さんが発売なさっているので、当初はオーパス蔵さんにお任せしようと思っていました。ですが、今回調べましたところオーパス蔵さんはイギリス HMV 盤を復刻の素材とされているようです。どの生産国の素材を使用するかは個々のレーベルの判断であり、最終的な再生音が良ければ生産国は無関係と言えます。しかしながら、私の考えとしてはRCAはアメリカのレーベルですから、ファンが最も聴きたい音はやはりアメリカ・プレスのものだろうと判断しています。』
 #2008年9月初旬入荷予定。
平林直哉氏監修、
 フルトヴェングラー・シリーズ Vol.18〜
  第二次大戦中のフランクとモーツァルト

 フランク:交響曲 ニ短調(*)
 モーツァルト:交響曲第39番 変ホ長調 KV.543(#)
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
VPO(*)、BPO(#)
 録音:1945年1月28日(又は1945年1月29日)、ウィーン、ムジークフェランザール(*)/1942年-1943年、ベルリン(#)。制作:平林直哉。
 *おことわり: LP からの復刻ですので、LP 特有のノイズが混入します。また、フランクの第2楽章の冒頭は原盤に起因する音の欠落、ドロップ・アウトが生じますのでご注意下さい。また、モーツァルトはドイツ・グラモフォン431 006-2、ユニバーサルミュージック UCCG-3682 等で出た音源と同一(日付等の特定が成されていないもの)です。
 制作者より:「フルトヴェングラーがスイスに亡命する直前にウィーン・フィルの定期演奏会で指揮をしたフランクの交響曲は、フルトヴェングラーの数あるライヴ録音の中でも最も悪魔的な演奏として知られています。この演奏は1952年に初めてアメリカ・ヴォックスよりLP 化され、その後数々のレーベルよりLP やCD も発売されました。しかし、このヴォックス盤LP は第2 楽章冒頭に音の欠落があるのにもかかわらず、その音質は最も優れていると言われ、現在、オリジナルのLP は15 〜 30 万円の高値で取引されています。ところが、このヴォックス盤は復刻に耐えうる状態のものが非常に少ないため、当GSレーベルでもなかなか手を出せない状態にありました。しかし、最近になってこの貴重盤を2 枚もお借り出来る機会を与えていただいたので、急きょCD 制作を行いました。
  モーツァルトの交響曲第39番はドイツ・グラモフォンやエテルナ等のレーベルで発売されていた聴衆不在の放送録音です。GS-2020で復刻したベートーヴェンの交響曲第4 番と同様、旧東ドイツの放送録音がもっともオリジナルに近いと判断し、このモーツァルトも旧東ドイツのレーベル、エテルナのLP を復刻の素材としました。」(平林 直哉)
 解説書の内容:「ヴォックスのフランクについてはかねてから謎めいた話が伝えられていますが、解説ではそのヴォックス盤を中心に、初発売から最近のCD にいたるまでの歴史を整理し、読み物としての充実もはかっています。」
フルトヴェングラー、テープ録音期の
 ベートーヴェン「交響曲全集」完結編、
  1952年の「田園」&「第1番」

 ベートーヴェン:
  交響曲第6番 ヘ長調Op.68「田園」 (*)/
  交響曲第1番 ハ長調Op.21(#)
ヴィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
VPO
 録音:1952年11月24日-25日(*)/1952年11月24日、27日、28日(#)、以上ウィーン・ムジークフェラインザール、ウィーン。使用音源: HMV (U.K.) ALP 1041 (*) / HMV (U.K.) ALP 1324 (#)。制作:平林 直哉。おことわり:このCDはLPより復刻しており、LP特有のノイズが混入します。
 フルトヴェングラー・シリーズ第17弾。
■制作者より:「今回は1952 年にウィーン・フィルと録音されたベートーヴェンの交響曲第6番『田園』、第1番が登場しますが、これによって GS レーベルにおけるHMV のテープ録音期のベートーヴェン交響曲シリーズが完結したことになります。1951年のバイロイトの第9などは言うまでもなく突出した名演ですが、これまでベートーヴェン・シリーズを手がけて制作者が改めて驚いたのは、第3、4、5、7番などのセッション録音における素晴らしい響きです。特に第4番 (GS-2011) はそれこそ目からう