J.S.バッハ:教会カンタータ全集 Vol.1〜ロンドン [洗礼者聖ヨハネの誕生祭のためカンタータ集] 第167番「もろびとよ、神の愛を讃えまつれ」BWV.167/ 第7番「われらの主キリスト、ヨルダンの川に来たり」BWV.7/ 第30番「喜べ、贖われし群れよ」BWV.30/ [三位一体後の最初の日曜日のためのカンタータ集] 第75番「乏しき者は食らいて」BWV.75/ 第39番「飢えたる者に汝のパンを分かち与えよ」BWV.39/ 第20番「おお永遠、そは雷のことば」BWV.20 |
ジョアン・ラン、ジリアン・キース(S) ウィルケ・テ・ブルンメルストローテ(A) ポール・アグニュー(T) ディートリヒ・ヘンシェル(B) ジョン・エリオット・ ガーディナー指揮 イングリッシュ・ バロック・ソロイスツ モンテヴェルディcho. | |
録音:2000年6月23-26日、ロンドン。セント・ジャイルズ・クリップルゲート教会。 なんといってもディートリヒ・ヘンシェルの参加が大きな魅力。ソロのアリアは惚れ惚れするほど美しくかつ上手い。 | ||
J.S.バッハ:教会カンタータ全集 Vol.2〜 ブレーメン/サンティアゴ・デ・コンポステーラ [三位一体後の第15の日曜日のためのカンタータ集](*) 「何ゆえに悲しむや、わが心よ」BWV.138/ 「神の御業はすべて善し」BWV.99/ 「すべての地にて歓呼して神を迎えよ」BWV.51/ 「神の御業はすべて善し」BWV.100/ [三位一体後の第16の日曜日のためカンタータ集](+) 「来たれ、汝甘き死の時よ」BWV.161/ 「誰が知ろう、わが終わりの近いことを」BWV.27/ 「最愛の神よ、われいつの日に死なん」BWV.8/ 「キリストこそ わが生命」BWV.95 |
マリン・ハルテリウス(S;*) キャサリン・フーグ(S;+) ウィリアム・タワーズ、(CT;*) ロビン・タイソン(CT:+) ジェイムズ・ジルクリスト(T;*) マーク・パドモア(T;+) ピーター・ハーヴェイ(B;*) トマス・ガスリー(B;*) ジョン・エリオット・ ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ モンテヴェルディcho. | |
録音:2000年9月8日、ブレーメン、ウンゼア・リーベン・フラウエン教会、ライヴ(*)/2000年10月7日、サンティアゴ・デ・コンポステーラ、サント・ドミンゴ・デ・ボナヴァル教会、ライヴ(+)。 コラールを中心とした感動的なBWV.138、ソプラノとトランペットが華やかなBWV.51、オーボエ・ダ・カッチャが活躍するBWV.8、コラール引用が鮮やかな効果を上げるBWV.95など、多彩な人気作が揃っている。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 Vol.24 [復活祭後の第3主日(ユビラーテの主日)のための](*) 第12番「泣き、嘆き、心配し、怯え」BWV.12/ 第103番「あなた方は泣き叫ぶでしょう」BWV.103/ 第146番「我々は多くの苦難を経て」BWV.146 [復活祭後の第4主日のための](+) 第166番「汝はいずこに行くや」BWV.166/ 第108番 「私が去るのは、あなた方にとって有益である」BWV.108/ 第117番「讃美と栄光が至高の宝に」BWV.117 |
ブリギッテ・ゲラー(S;*) ウィリアム・タワーズ(CT;*) マーク・パドモア(T;*) ジュリアン・クラークソン(B;*) ロビン・タイソン(CT;+) ジェイムズ・ジルクリスト(T;+) スティーヴン・ヴァーコー(B;+) ジョン・エリオット・ ガーディナー指揮 イングリッシュ・ バロック・ソロイスツ モンテヴェルディcho. | |
録音:アルテンブルク、城教会(*)/ウォーリック、聖マリア聖堂参事会教会(+)。 「ミサ ロ短調」への転用があることでも知られる第12番、リコーダーが活躍する第103番、「チェンバロ協奏曲 BWV.1052」と同じ音楽が聞かれる第146番、控えめな編成がかえって効果的な第166番、風格に満ちた傑作第108番、喜びに溢れた第117番と、個性的な名曲揃いの2枚組。 アルテンブルクの城の教会にあるトロスト製オルガンはバッハ自身テスト演奏したことがあり、またバッハの弟子として有名なヨハン・ルートヴィヒ・クレープス(1713-1780)が1756年から亡くなるまでこの教会のオルガニストを務めた。英国ウォーリック(ワーウィック)の聖マリア聖堂参事会教会は、1806年建立の由緒ある建造物。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 [三位一体後第19日曜日](*) 第48番「われ悩める人、われをこの死の体より」/ 第5番「われはいずこにか逃れゆくべき」/ 第90番「汝らに怖ろしき終わり熟しつつあり」 (三位一体後第25日曜日)/ 第56番「われは喜びて十字架を負わん」 [宗教改革記念日](+) 第79番「主なる神は日にして盾なり」/ 第192番「いざやもろびと、主に感謝せよ」(不明)/ 第80番「われらが神は堅き砦」 |
ジョアン・ラン(S) ウィリアム・タワーズ(CT) ジェイムズ・ギルクリスト(T) ピーター・ハーヴィー(B) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ モンテヴェルディcho. | |
録音:ポツダム、救世主教会(*)/ヴィッテンベルク城教会(+)。 順調にリリースを重ねてきているSDGレーベルから名曲第80番が登場。(*)のカンタータが演奏される日は、イエスが中風の患者を癒す場面が書かれた福音書の一節が読まれる礼拝の日。第56番のバス・ソロカンタータも実にじっくりと歌いこまれている。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集〜 クリスマス・カンタータ集 第91番「賛美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ」BWV.91(*)/ 第121番「キリストをわれらさやけく頌め讃うべし」BWV.121(+)/ 第40番「神の子の現れたまいしは」BWV.40(#)/ 第110番「笑いは、われらの口に満ち」BWV.110(**) |
キャサリン・フージェ(S;*/+) ジョアン・ラン(S;**) ロビン・タイソン(CT:*/#) ウィリアム・タワーズ(CT:+/**) ジェイムズ・ギルクリスト(T) ピーター・ハーヴィー(B) ジョン・ エリオット・ガーディナー指揮 イングリッシュ・ バロック・ソロイスツ モンテヴェルディcho. | |
クリスマスおよびその翌日(降誕節第2日曜日)の礼拝のために書かれたカンタータばかりを集めた一枚。第91番の冒頭合唱曲は見事なフーガで書かれており、ミサ(・ブレヴィス)ヘ長調 BWV.233にも転用されている。第121番はイエス誕生の物語の音絵巻。第40番はバスのアリアが実に見事。第110番は「管弦楽組曲」の序曲を冒頭合唱曲に転用した華やかな作品で、バッハのクリスマス音楽を代表するもののひとつ。冒頭合唱曲を聴いていると本当に笑い声がきこえてくるような気がする。 | ||
J.S.バッハ: すべては神とともにあり、神なきものはなし(*) カンタータ第182番〜[シンフォニア/天の王よ、汝を迎えまつらん] 同第54番〜罪に手むかうべし 同第71番〜新しい統治が 同第155番〜投げよ、私の心、身を投げよ 同第78番〜われらは急ぐ、イエスの許へ 同第190番〜イエスは、わたしのすべてです 同第151番〜甘き慰めなるかな、わがイエスは来ませり 同第159番〜[事は成った/イエスよ、あなたの受難は] |
エリン・マナハン・トーマス (ボーイソプラノ:*) ジョアン・ラン、 マリン・ハルテリウス、 ジリアン・キース(S) ナタリー・シュトゥッツマン(A) ロビン・タイソン、 ジェイムズ・ギルクリスト(T) ピーター・ハーヴィー(B) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ モンテヴェルディcho. | |
2005年6月上旬(発表されたのは6月7日)、J.S.バッハ直筆の楽譜が発見されたというニュースが世界中をかけめぐったが、このたびガーディナーらの手によってそれが実際の音となり蘇った。このアリアは1713年10月にヴィルヘルム・エルンスト公の52歳の誕生日に際して、同公の信条だった「Alles mit Gottund nichts ohnユ ihn(すべては神とともにあり、神なきものはなし)」で始まる、ヨハン・アントン・ミリウスの12節の詩に曲を付けたもの。ソプラノ、弦楽器、鍵盤楽器のためのアリアで、バッハがザクセン=ワイマール公国の宮廷オルガニストを務めていたころの作品。バッハの未知の声楽作品が発見されたのは1935年以来70年ぶりのことだという。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 〔顕現節後第2日曜日のためのカンタータ〕 第155番「わが神よ、いつまで、ああいつまでか」BWV.155 第3番「ああ神よ、いかに多き胸の悩み」BWV.3 第13番「わがため息、わが涙は」BWV.13 〔顕現節後第4日曜日のためのカンタータ〕 第81番「イエス眠りたもう、われ何を望むべき」BWV.81 第14番「神もしこの時われらと共にいまさずば」BWV.14 第26番「ああいかにはかなき、ああいかに空しき」BWV.26 (三位一体後第24日曜日のためのカンタータ) モテット「イエスよ、わが喜び」BWV.227 |
ジョアン・ラン(S) キャサリン・フーグ(A) リチャード・ ウィン・ロバーツ(CT) ジュリアン・ポッジャー、 ウィリアム・タワーズ、 ポール・アグニュー(T) ジェラルド・フィンリー、 ペーター・ハーヴェイ(B) ジョン・エリオット・ガーディナー 指揮モンテヴェルディcho. イングリッシュ・ バロック・ソロイスツ | |
顕現節とは1月6日、東方の博士たちが厩の飼葉桶に憩う御子を捜し当ててその誕生を祝った事を記念する祝日。この日に朗読されるのは、イエスの生涯の預言的なことやイエスの奇蹟についてなどが書かれた聖句。いずれのカンタータも鮮やかな絵巻物語のように、聖句の物語を再現。カンタータ第26番は補填として入れられた楽曲だが、これがまた名曲。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 〔復活節前第7日曜日のためのカンタータ〕 第22番「イエス12 弟子を召寄せて」BWV.22 第23番「汝まことの神にしてダビデの子よ」BWV.23 第127番「主イエス・キリスト、真の人にして神よ」BWV.127 第159番「見よ、われらエルサレムにのぼる」BWV.159 補遺:第127番「主イエス・キリスト、真の人にして神よ」 (モンテヴェルディ合唱団のみによる演奏) 第182番「天の王よ、汝を迎えまつらん」BWV.182 (棕櫚の日曜日のための) 第54番「罪に手むかうべし」BWV.54(復活節前第3日曜日) 第1番「輝く曙の明星のいと美わしきかな」BWV.1 (受胎告知の祝日) |
ルース・ホルトン、 マリン・ハルテリウス(S) クラウディア・シューベルト、 ナタリー・シュトゥッツマン(A) ジェイムズ・オクスレー、 ジェイムズ・ギルクリスト(T) ペーター・ハーヴェイ(B) ジョン・エリオット・ガーディナー 指揮モンテヴェルディcho. ケンブリッジ・ クレア&トリニティ・カレッジcho. イングリッシュ・ バロック・ソロイスツ | |
第22番と23番はライプツィヒのトーマス・カントル採用試験に際して作曲・演奏されたもので、22番は器楽パートの活躍も多い、当時のモダンな様式で書かれているのに対し、23番は厳粛な雰囲気で書かれており、バッハが自分の作風の広さを審査員にみせようとしたことがうかがわれる。第182番は冒頭の器楽のみによって奏されるソナタが印象的。第54番のアルトのためのカンタータをシュトゥッツマンが歌っているのも聴きもの。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 Vol.26〜 聖霊降臨節のためのカンタータ集 第34番「おお永遠の火、おお愛の源よ」BWV.34 第59&74番「人もしわれを愛せば、わが言を守らん」BWV.59&74 (第1部[前半4曲]:BWV.59/第2部[後半4曲]:BWV.74) 第68番「げに神はかくまで世を愛して」BWV.68 第172番「歌よ、響け」BWV.172 第173番「高く挙げられし血肉よ」BWV.173 第174番「われいと高き者を心を尽して愛しまつる」BWV.174 |
リサ・ラーション(S) ナタリー・シュトゥッツマン(A) デレク・リー・レイギン(CT) クリストフ・ゲンツ(T) パナヨティス・イコノム(B) ジョン・エリオット・ ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ モンテヴェルディcho. | |
教会暦でもっとも重要な祝日のひとつである聖霊降臨節は、キリストの昇天の10日後、使徒たちに聖霊がくだり、皆が様々な言語で話すようになり、キリストの教えが本格的に世に広まるようになったという節。バッハのカンタータ中唯一、ソプラノとバスの二重唱で幕を開ける第59番、華やかな合唱の第172番、ヴァラエティに富んだ内容。ガーディナー自身のバッハやキリストに対する思いが色濃く反映されている、パッションに満ちた演奏。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 [CD1]:三位一体節後第14日曜日のためのカンタータ(*) 第25番「汝の怒りによりてわが肉体には全きところなく」BWV25 第78番「イエスよ、汝はわが魂を」BWV78 第17番「感謝の備えものを献ぐる者は、われを讃う」BWV 17 [CD2]ミカエルの祝日のためのカンタータ(#) 第50番「いまや、われらの神の救いと力と」BWV 50 第130番「主なる神よ、われらこぞりて汝を頌め」BWV 130 第19番「かくて戦い起これり」BWV 19 第149番「喜びと勝利の歌声は」BWV 149 |
マリン・ハルテリウス(S;*/#) ロビン・タイソン(CT;*) リチャード・ウィン・ロバーツ(CT;#) ジェイムス・ギルクリスト(T;*/#) ピーター・ハーヴィー(B;*/#) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、 モンテヴェルディcho. | |
三位一体節後第14日曜日の礼拝では、イエスが「らい」病患者を癒す場面の聖句が読まれる。3曲とも比較的大きめの編成で、曲も手のこんだもの、目のつまったものとなっている。特に第78番は、後に ロ短調ミサ曲の「クルツィフィクスス(十字架につけられ)」にも転用されている第1曲のコラール合唱曲の主題が、聴くものの心にズシッと響く、カンタータの中でも1,2をあらそう人気曲。かの鈴木雅明氏も大学でこのカンタータを初めて演奏した時に、あらためてバッハの素晴らしさに気付かされたという曲である。ミカエルの祝日のために書かれたカンタータもいずれも華やかな合唱曲が特徴的。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 ・降誕節第3日のためのカンタータ 第151番「甘き慰めなるかな、わがイエスは来ませり」BWV 151 第133番「われ汝にありて喜び」 BWV 133 第64番「見よ、父のわれらに賜いし愛の」 BWV 64 ・降誕節第2日(殉教者ステパノの記念日)のためのカンタータ 第57番「試練に耐えうる人は幸いなり」 BWV 57 |
ジリアン・キース、 キャサリン・フーグ、 ジョアン・ラン(S) ロビン・タイソン(CT) ウィリアム・タワーズ(T) ジェイムス・ギルクリスト(T) ピーター・ハーヴィー(B) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、 モンテヴェルディcho. | |
まるでオペラのように、華やかな合唱で始まる第151番と濃い楽曲構成の第57番。オーボエ・ダモーレとアルトによる、絶品の美しいアリアを持つ第64番。クリスマスのカンタータなだけにバッハの筆の勢いも日常礼拝のためのカンタータとはまた一味ちがって、どれもとても楽しめる。2006年のクリスマス・シーズンにむけてバッハ・ファン必携の内容の1枚。 なお、ソプラノのうち、ジョアン・ランは代理店表記が「ジョアンヌ・ルン」だが、イギリス人のため当店独自に変更、また、SDG-124と共に、カウンターテナーが代理店案内では全てアルトと表記されていたが、名前からも明らかなように男性で、誤り。 | ||
J.S.バッハ:復活節のためのカンタータ集 「キリストは死の縄目につながれたり」BWV4/ 「天は笑い、地は歓呼す」BWV31/ 「喜べ、汝ら、もろ人の心よ」BWV66/ 「われらとともに留まりたまえ」BWV6/ 「イエス生きたもうと知る心は」BWV134/ 「われは生く、わが心よ、 汝の憂いは喜びと化さん」BWV145 |
アンガラード・ グルフィッド・ジョーンズ、 ジリアン・キース(S) ダニエル・テイラー(A) ジェイムス・ギルクリスト(T) ステファン・ヴァーコー(B) ジョン・ エリオット・ガーディナー指揮 イングリッシュ・ バロック・ソロイスツ、 モンテヴェルディcho. | |
録音?:アイゼナハ、聖ゲオルグ教会(バッハが洗礼を受け、聖歌隊員として歌って幼少時代を過ごした教会)。 復活節は、ルター派にとって最重要の祝祭。ここに収録されたカンタータはすべて復活節のために書かれた作品。カンタータ第4番は、バッハの初期の作品のひとつで、一曲目のシンフォニアではキリストの死をあらわす重苦しい気分に満ち、一転二曲目ではキリストが蘇ったことを象徴する活気のある「ハレルヤ」コーラスで閉じられ、続くアリア、コラール群もどれも緻密に書かれており、劇的なドラマ性に満ちた音楽作りが特徴。バッハのカンタータの中でも人気曲のひとつ。31番も、祝祭的な雰囲気の合唱で始まるこれまた人気曲。第66番は世俗カンタータからの改作というだけあって、うきうきとした気分の作風。第6番は、キリストは常にわれわれと共に歩んでいる、という幸福感をかみしめたような作品。第134番はソロが中心の曲、145番も喜びに満ちた作品。どの曲も実に手のこんだ充実の仕上がり、アイゼナハのバッハとルターゆかりの地での録音だけに、演奏者の気合いも充分な仕上がりとなっている。 | ||
J.S.バッハ: 復活節後第1日曜日のためのカンタータ集 [主よ、われ汝をあおぎ望む BWV.150/ 死人の中より甦りしイエス・キリストを 覚えよBWV.67/ この同じ安息日の夕べBWV.42/ 平安 汝にあれBWV.158]/ 復活節後第2日曜日のためのカンタータ集 [イスラエルの牧者よ、 耳を傾けたまえBWV.104/ われは善き牧者なりBWV.85/ 主はわが信実なる牧者BWV.112] |
キャスリーン・フーグ、 ジリアン・キース、 ダニエル・テイラー、 ウィリアム・タワーズ、 チャールズ・ダニエルズ、 ノルベルト・メイン、 スティーヴン・ヴァーコー ジョン・エリオット・ ガーディナー指揮 モンテヴェルディcho.、 イングリッシュ・ バロック・ソロイスツ | |
録音:アルンシュタット、エヒテルナッハ。 復活節第1、第2日曜日のためのカンタータ集。今度の録音の舞台は、バッハが18歳の時に新教会のオルガニストに指名された地、アルンシュタット。バッハが初めて書いたといわれる第150番のカンタータは、パッヘルベルのシャコンヌの主題と同じものが出てくるため、パッヘルベルへのオマージュともいわれる作品(小林義武氏の説)。終曲の合唱は、ブラームスが交響曲第4番の終楽章を書く際に手本としたことでも有名。第67番は、「ヨハネ受難曲」の初演(1724年)を終えた後の新作。この時期のバッハのカンタータの中で傑作とする声も多いもの。教会カンタータでフルートが登場するのもこの作品が初めて。「教会コンチェルト」と題されている第42番は、冒頭のシンフォニアから明るい気分に満ちている名曲。ほかにもパストラール風の104、85、112番も、シンプルながら各楽器が織り成す美しい響きにうっとりしてしまう。バッハゆかりの地をめぐりながらの録音だけに、聴く感慨もひとしお。 | ||
J.S.バッハ: 「わが魂よ、主を頌めまつれ」BWV.69a/ 「霊と心は驚き惑う」BWV.35/ 「主を頌めまつれ、力つよき栄光の王をば」BWV.137/ 「汝の主なる神を愛すべし」BWV.77/ 「汝ら、キリストの者と名のるともがら」BWV.164/ 「ただ汝にのみ、主イエス・キリストよ」BWV.33/ |
ジリアン・キース(S) ナタリー・ シュトゥッツマン(A) クリストフ・ゲンツ(T) ヨナタン・ブラウン(B) モンテヴェルディcho. ジョン・エリオット・ ガーディナー指揮 イングリッシュ・ バロック・ソロイスツ | |
録音:2000年9月10日、17日、ケーテン、フランクフルト。 カンタータ69a番は、1723年にかかれたが、当時のバッハのカンタータの中では規模の大きいもの。のちに改作され市参事会の交代式の音楽としても用いられた。トランペット3本を含む冒頭の合唱曲から、華やかな魅力に溢れている。33番は、3曲目のアルトのアリアが傑出した作品。イエスを信頼する強い気持ちに満ち溢れた歌詞を、シュトゥッツマンが堂々と歌い上げる。 | ||
J.S.バッハ: モテット「主にむかいて新しき歌をうたえ」BWV.225/ カンタータ「出で立て、信仰の道に」BWV.152/ カンタータ「新たに生まれし嬰児」BWV.122/ カンタータ「神は頌むべきかな! いまや年は終わり」BWV.28/ カンタータ「主にむかいて新しき歌を歌え」BWV.190 |
ジリアン・キース、 キャサリン・フーグ、 ジョアンヌ・ラン(S) ダニエル・テイラー(A) ジェイムズ・ ギルクリスト(T) ピーター・ハーヴィー(B) ジョン・エリオット・ ガーディナー指揮 イングリッシュ・ バロック・ソロイスツ、 モンテヴェルディcho. | |
録音:2000年12月31日、ニューヨーク。 モテットの中でもよく演奏される、「主にむかいて新しき歌をうたえ」を含む、人気カンタータ集。この2000年12月31日のコンサートは、SDGのこの「巡礼シリーズ」の最終録音というだけあって思いいれもひとしお、モテットの歌詞の一語一語が心にしみる名演奏となっている。録音自体は当盤が最終日だが、このCDシリーズはまだ発売が続く。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集Vol.27 [CD1]聖霊降臨節第3日のためのカンタータ(*) ブランデンブルク協奏曲第3番 ト長調 BWV.1048 カンタータ「待ちこがれし喜びの光」BWV.184 カンタータ「彼は己の羊の名を呼びて」BWV.175 [CD2]三位一体節のためのカンタータ(#) カンタータ 「こよなく待ちこがれし喜びの祝い」BWV.194 カンタータ「傲りかつ臆するは」BWV.176 カンタータ「霊と水の聖なる洗礼よ」BWV.165 カンタータ「主に賛美あれ」BWV.129 |
リサ・ラーソン(S;*) ナタリー・ シュトゥッツマン(A;*) クリストフ・ゲンツ(T;*) ステファン・ロゲス(B;*) ルース・ホルトン(S;#) ダニエル・テイラー(A;#) ポール・アグニュー(T;#) ペーター・ハーヴィー(B;#) ジョン・エリオット・ ガーディナー指揮 モンテヴェルディcho. イングリッシュ・ バロック・ソロイスツ | |
好評のガーディナーのバッハ・カンタータ巡礼シリーズ。今回はなんとブランデンブルクの第3番も収録されての登場。フルートの愛らしい掛け合いが魅力の第3番、さすがイングリッシュ・バロック・ソロイスツの名手たちの巧さが光る。もちろんカンタータもどれも珠玉の演奏。合唱が豪華な194番、オーボエの美しいオブリガートをもつアルトのアリアが魅力の176番、トランペットの輝かしい活躍が印象的な129番など、充実した作品ばかりの2枚組。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集Vol.3 [CD1]三位一体後第4、5日曜日のためのカンタータ(*) カンタータ「まじりけなき心」BWV.24 カンタータ「永遠の愛の憐み満てる心」BWV.185 カンタータ「われ汝に呼ばわる、 主イエス・キリストよ」BWV.177 カンタータ「神はいにしえよりわが王なり」BWV.71 [CD2]三位一体後第5日曜日のためのカンタータ(#) カンタータ 「深き淵より、われ汝に呼ばわる、主よ」BWV.131 カンタータ 「尊き御神の統べしらすままにまつろい」BWV.93 カンタータ 「見よ、われ多くの漁る者を遣わし」BWV.88 |
マグダレーナ・ コジェナー(S;*) ナタリー・ シュトゥッツマン(A;*) ポール・アグニュー(T;*) ニコラ・テステ(B;*) ジョアンヌ・ラン(S;#) ウィリアム・タワーズ(A;#) コビー・ファン・ レンスブルク(T;#) ペーター・ハーヴィー(B;#) ジョン・エリオット・ ガーディナー指揮 モンテヴェルディcho. イングリッシュ・ バロック・ソロイスツ | |
カンタータ第71番は、バッハの現存するカンタータのうちでは生前に出版された唯一のもの。編成の大きさ、楽想の壮大さなど、どれをとっても傑出した出来栄えの作品。特に、第2曲のアリアが特徴的で、テノールとソプラノの二重唱で展開されるのだが、ソプラノが歌う装飾の施されたコラール旋律が実に美しく印象的。コジェナーの声が天から降り注ぐ。177番も、ソプラノが活躍するアリアがあり、楽しめる。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 Vol.25 復活節後第5日曜日のためのカンタータ(*) カンタータ第86番 「まことに、まことに汝らに告ぐ」BWV.86/ カンタータ第87番「今までは汝らなにをも わが名によりて求めしことなし」BWV.87/ カンタータ第97番 「わがなす すべての業に」BWV.97/ 昇天節後(復活節後)第6日曜日のためのカンタータ(#) カンタータ第44番「人々汝らを除名すべし」BWV.44/ カンタータ第150番 「主よ、われ汝をあおぎ望む」BWV.150/ カンタータ第183番 「彼らみな汝を待ち望む」BWV.183 |
ジョン・エリオット・ガーディナー モンテヴェルディcho. イングリッシュ・ バロック・ソロイスツ キャサリン・フーグ(S;*) ロビン・タイソン(A;*) スティーヴ・ ダヴィスリム(T;*) ステファン・ローゲス(B;*) ジョアンヌ・ラン(S;#) ダニエル・テイラー(A;#) ポール・アグニュー(T;#) パナヨティス・ イコノムー(B;#) | |
録音:2000年5月(*)/2000年6月(#)。 ガーディナーのバッハ、最新盤は復活節後のカンタータ集。小編成ながらも慰めの気分に満ちた美しい第87番、初期に書かれた150番など、興味深い作品が並ぶ。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 三位一体後第8日曜日のためのカンタータ [主なる神われらの側にいまさずして BWV.178/ 神よ、願わくばわれを探りて BWV.136/ 人よ、汝はさきに告げられたり、 善きことの何なるか BWV.45] 三位一体後第10日曜日のためのカンタータ [考え見よ、われを襲いしこの痛みに BWV.46/ われらより取り去りたまえ、主よ BWV.101/ 主よ、汝の目は信仰を顧みるにあらずや BWV.102] |
ジョアンヌ・ラン(S) ロビン・タイソン、 ダニエル・テイラー(A) クリストフ・ゲンツ(T) ブラインドリー・シェッラート、 ゴットホルト・シュヴァルツ(B) ジョン・エリオット・ ガーディナー指揮 イングリッシュ・ バロック・ソロイスツ、 モンテヴェルディcho. | |
録音:2000年8月13日、2000年8月27日。 ガーディナー・カンタータ・シリーズの最新盤。ガーディナーも「非常に素晴らしいカンタータ」と愛してやまない、ドラマティックな178番が収録されているのが魅力。合唱が活躍するカンタータのため、モンテヴェルディ合唱団のうまさを改めて認識することが出来る。また、通奏低音奏者は録音の際に「マタイ受難曲よりも、集中と高度な音楽性を要求される」と語っているほど、アリアも合唱も凝った内容となっている。他にも、美しいアリアが魅力の45番、また、リコーダーの活躍する46番など、聴き所満載の2枚組となっている。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 新年のためのカンタータ集 カンタータ第143番「わが魂よ、主を頌めまつれ」BWV143/ カンタータ第41番「神は喜び叫ぶ声と共に昇り」BWV43/ カンタータ第16番「主なる神よ、汝をわれらは讃えまつらん」BWV16/ カンタータ第171番「神よ、汝の誉れはその御名のごとく」BWV171 新年後第1日曜日のためのカンタータ集 カンタータ第153番「見たまえ、御神、いかにわが敵ども」/ カンタータ第58番「ああ神よ、いかに多き胸の悩み」 ルース・ホルテン、サリー・ブルース・ペイン(S) ルーシー・バラード、 チャールズ・ハンフリーズ(A) ジェイムズ・ギルクリスト(T) ピーター・ハーヴィー(B) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 モンテヴェルディcho.、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ | ||
第41番は、1725年1月1日に演奏された、祝祭的な雰囲気が魅力のカンタータ。小型チェロ(ヴィオロンチェロ・ピッコロ)が用いられていた頃の作品で、特に4曲目のテノールのアリアでのオブリガートでは、その音色が聴き手の耳を奪う輝きを放っている。2枚目に収録の第58番は、1727年1月5日の礼拝時に演奏されたカンタータ。マタイ受難曲の完成間近(同年4月11日に初演)で、いよいよバッハの筆にも脂が乗っているのが感じられる名作。親密な雰囲気の二重唱カンタータ(合唱を含まない)で、魂とイエスの対話劇のように仕立てられている。その他の作品も、クリスマス直後で新年を祝う気持ちに溢れた豪華な作品が並んでいる。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 Vol.20 「おのがものを取りて、行け」BWV.144/「われはわが幸に満ち足れり」BWV.84/ 「われは神の御胸の思いに」BWV.92/「天より雨下り、雪落ちて」BWV.18/ 「軽佻浮薄なる精神(こころ)の者ども」BWV.181/ 「主よ、われらを汝の御言葉のもとに留めたまえ」BWV.126 ジリアン・キース、アンガラード・グルフィッド・ジョーンズ(S) ロビン・タイソン(A) ジェイムズ・ギルクリスト(T) ステファン・ロージェス(B) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、モンテヴェルディcho. | ||
録音:2000年2月。 復活節前第9、8日曜日のためのカンタータ集。神の御言葉について説いた聖句が読まれる日曜日のため、どのカンタータも「言葉」そのものに重点を置いている。84番はソプラノ・ソロのためのカンタータ。終曲のコラールは、神への純粋な信仰を表現している。ガーディナーはコーラスに「ア・カペッラ」でコラールを歌わせており、歌詞がいっそう印象深く響く。 | ||
J.S.バッハ:三位一体後第7日曜日のためのカンタータ集 カンタータ「われらに救いの来たれるは」BWV.9(*)/ カンタータ「満ち足れる安らい、うれしき魂の悦びよ」BWV.170(*)/ モテット「義人ほろぶれども」(*)/カンタータ「魂よ、つまずくなかれ」BWV.186(#)/ カンタータ「汝なんぞ悲しみうなだるるや」BWV.107(#)/ カンタータ「彼らみな汝を待ち望む」BWV.187(#) ジョアンヌ・ラン(S;*) マイケル・チャンス(CT;*) ジェイムズ・ギルクリスト(T;*) スティーヴン・ヴァーコー(B;*) キャサリン・フーグ(S;#) リチャード・ウィン・ロバーツ(CT;#) コビー・ファン・レンスブルク(T;#) ステファン・ロジェ(B;#) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、モンテヴェルディcho. | ||
録音:2000年7月(*)、2000年8月(#)。 長大な二重唱が魅力の186番、後にバッハ自身が自らの ト短調ミサ曲にも転用した187番など、充実のカンタータ集。イングリッシュ・バロック・ソロイスツの合奏の上手さ、モンテヴェルディ合唱団の合唱の見事さが際立つ曲が並ぶ。また、170番はアルトのソロ・カンタータで、世界的カウンターテナー、マイケル・チャンスの肩の力の抜けた歌唱が見事。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 Vol.9 三位一体後第17日曜日のためのカンタータ集(*) [その御名にふさわしき栄光を主に捧げまつれBWV.148(#)/ ああ、愛しきキリストの徒よ、雄々しかれBWV.114(+)/ おのれを高うする者は、卑うせられBWV.47(**)/ モテット「み霊はわれらの弱きを助けたもうBWV.226]/ 三位一体後第18日曜日のためのカンタータ集(##) [主キリスト、神の独り子BWV.96/神にのみわが心を捧げんBWV.169/ 汝 平和の君、主イエス・キリストBWV.116/ コラール「汝の御座の前にわれはいま進み出で」BWV.668] キャサリン・フーグ(S;*) フランチェス・ブーン(A;#) ロビン・タイソン(A;**) シャルル・ハンフリー(A;+) マーク・パドモア(T;*) ステファン・ロジェ(B;*) キャサリン・フーグ(S;##) ナタリー・シュトゥッツマン(A;##) クリストフ・ゲンツ(T;##) ゴットホルト・シュヴァルツ(B;##) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、モンテヴェルディcho. | ||
録音:2000年10月14日(*)、2000年10月22日(##)。 フルートの美しい序奏に導かれて始まるパドモアのソロが印象的な114番を収録。また、148番では、冒頭の華麗な合唱曲でトランペットが活躍、2つの合唱フーガも壮大で聴き応え満点。169番はアルトのソロ・カンタータ。シュトゥッツマンが、聖句の内容を深く掘り下げ、知的でやわらかな声で聴く者の魂に呼びかける。カンタータのほかに収録されているモテットとコラールも興味深い選曲。モテットは、トーマス教会の付属学校校長であった、J.エルネスティの葬儀で演奏されたもの。墓地などでも演奏できるように、無伴奏でも演奏可能な作品となっている。コラールBWV.668 は、バッハの絶筆とみなされてきた作品で、失明したバッハが、友人に口述筆記させたものだという。 | ||
J.S.バッハ:待降節第1日曜日のためのカンタータ集 [「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」BWV 61(*)/「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」BWV 62(*)/ 「喜び勇みて羽ばたき昇れ」BWV 36(*)/「目を覚まして祈れ! 祈りて目を覚ましおれ!」BWV 70(#)/ 「道を備え、大路をなおくせよ」BWV 132(#)/「心と口と行いと生きざまもて」BWV 147(#)] ジョアンヌ・ラン(S;*) ウィリアム・タワーズ(A;*) ヤン・コボウ(T) ディートリヒ・ヘンシェル(B) ブリギット・ゲラー(S;#) マイケル・チャンス(CT;#) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、モンテヴェルディcho. | ||
録音:2000年12月。 待降節は、キリストの誕生を祝うクリスマスを目前にひかえた大切な時期。この時期のために書かれたカンタータはどれも充実、名曲がズラリと並ぶ。まずなんといっても嬉しいのが最後に収録されている147番「主よ、人の望みの喜びよ」。輝かしいファンファーレ、美しい合唱。ガーディナーの棒と、モンテヴェルディ合唱団のうまさが際立つ。他の曲も、キリストの誕生を待ち望む祝祭感に溢れた作品ばかり。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 [ああ神よ、天よりみそなわしBWV.2(*)/わがこころは主をあがめBWV.10(*)/ もろもろの天は神の栄光を語りBWV.76(*)/わがうちに憂いは満ちぬBWV.21(#)/ ああ主よ、哀れなる罪びとわれをBWV.135(#)]/ フルート、ヴァイオリン、チェンバロのための協奏曲 イ短調 BWV.1044(#) シュッツ:天は神の栄光を讃え SWV.386(*) リサ・ラーション(S;*) ダニエル・テイラー(A;*) ジェイムズ・ギルクリスト(T;*) スティーヴン・ヴァーコー(B;*) キャサリン・フーグ(S;#) ロビン・タイソン(A;#) ヴァーノン・カーク(T;#) ジョナサン・ブラウン(B;#) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、 モンテヴェルディcho. | ||
録音:2000年7月、ライヴ、サン=ドニ大聖堂(*)、チューリヒ(#)。 シュッツのモテット、バッハの三重協奏曲も入った魅力的な2枚組の登場。特にシュッツのモテットは、ガーディナーが6歳のころ、父親が歌ってくれた記憶も鮮明に残っているという、彼お気に入りの作品。カンタータでは、バッハの青年時代に書かれた、二部からなる記念碑的な21番が目玉。冒頭のシンフォニアは、様々な語法を駆使し、嘆きの表現がなされた心に迫る楽章。三重協奏曲は、ブランデンブルクの第5番に似ているようでもあり、バッハの息子たちの前古典派を思わせる作風でもある。CD1は特にサン=ドニ大聖堂、ライヴ録音ということもあり、音響も臨場感もいっそうバッハの世界を盛り上げる。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 三位一体節後第20日曜日のためのカンタータ集(*) [ああ、いまわれ婚宴に行かんとして BWV.162/われは行きて汝をこがれ求むBWV.49/ 装いせよ、おお、わが魂よBWV.180]/ 三位一体節後第21日曜日のためのカンタータ集(#) [われ信ず、尊き主よ、信仰なきわれを助けたまえBWV.109/深き悩みの淵より、われ汝に呼ばわるBWV.38/ 神なしたもう御業こそいと善けれBWV.98/「われはわが依り頼みを」BWV.188] マグダレーナ・コジェナー(S;*) サラ・ミンガルド(A;*) クリストフ・ゲンツ(T;*) ペーター・ハーヴィー(B;*) ジョアンヌ・ラン(S;#) ウィリアム・タワーズ(A;#) ポール・アグニュー(T;#) ゴットフリート・シュヴァルツ(B;#) | ||
録音:2000年11月、ライヴ。ガーディナーとEBSらの名は、国内代理店案内の演奏者標記に記載が無いが、誤記だと思われる。 ガーディナーによるバッハ・カンタータ・シリーズ。コジェナーら豪華ソリストが参加。Disc1に収録の第49番カンタータは、ソプラノとバスの二重唱カンタータ。コジェナーが世界に認められ、世界で活躍するきっかけともなったバッハ作品だけに、彼女の思い入れも格別。救い主に愛される魂の喜びを歌うソロ・アリアにうっとりさせられる。ほかにも、コラールが有名な98番や、ヴィオロン・チェロ・ピッコロが活躍する180番など、聴きどころ満載の2枚。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 Vol.12 〔われ哀れなる人、われ罪のしもべ BWV.55(*)/ エフライムよ、われ汝をいかになさんや BWV.89(*)/備えて怠るな、わが霊よ BWV.115(*)/ おお永遠、そは雷の言葉 BWV.60(*)/幸いなるかな、おのが御神に BWV.139(#)/ 各々に各々のものをBWV.163(+)/偽りの世よ、われは汝に頼まじBWV.52(#)/ 目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声BWV.140(+)〕 ジョアン・ラン(S;*) ロビン・タイソン(A;*) ジェイムズ・ギルクリスト(T;*) ペーター・ハーヴィー(B) ジリアン・キース(S;#) スーザン・ハミルトン(S;+) ヒラリー・サマーズ(A;#/+) ウィリアム・ケンダル(T;#/+) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、モンテヴェルディcho. | ||
録音:2000年11月(#/+)。 人気の140番、そしてアルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲最終楽章の冒頭にあらわれる増4度進行の音型が印象的なコラールを含む60番を収録。55番は、バッハがテノールソロのために書いた唯一のカンタータで、ガーディナーの信頼厚いジェイムズ・ギルクリストが感動的な歌唱で聴かせる。55、89、115番はそれぞれ器楽パートも歌唱パートも充実している。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 Vol.18(完結編) 〔いと高きところには神に栄光あれ BWV.191(*)/キリストの徒よ、この日を彫り刻め BWV.63(*)/ いと尊きインマヌエル、虔しき者らを率いたもう君候 BWV.12(#)/ 人々シバよりみな来たりて BWV.65(#)/いと尊きわがイエスは見失われぬ BWV.154(+)/ いと尊きイエス、わが憧れよ BWV.32(+)/わがイエスをば、われは放さず BWV.124(+)〕 クラロン・マクファーデン(S;*/+) ベルナルダ・フィンク(A;*) クリストフ・ゲンツ(T;*) ディートリヒ・ヘンシェル(B;*) マグダレーナ・コジェナー(S;#) サリー・ブルース=ペイン(A;#) ジェイムズ・ギルクリスト(T;#/+) ペーター・ハーヴィー(B;#/+) マイケル・チャンス(A;+) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、モンテヴェルディcho. | ||
録音:1999年12月(*/#)/2000年1月(*/#/+)。 コジェナー、ガーディナー録音では特におなじみのマイケル・チャンス、そしてベルナルダ・フィンクらがソリストとして参加した豪華2枚セット。クリスマスの時期の礼拝のために書かれたカンタータがずらりと並び、特にBWV.63は冒頭から華やかな合唱曲が鳴り響く人気曲。他の作品ではイエスの受難を思わせる劇的な雰囲気の曲など、ヴァラエティに富んだ充実の2枚組。 | ||
永遠の火〜バッハ「カンタータ」よりの合唱曲集 おお永遠の火、おお愛の源よBWV.34〜第1曲/汝らは泣き叫びBWV.103〜第1曲/ われらが神は堅き砦BWV.80〜第1曲/主なる神われらの側にいまさずしてBWV.178〜第1曲コラール/ われらより取り去りたまえ、主よBWV.101〜第1曲コラール/飢えたる者に汝のパンを分かち与えよBWV.39〜第1曲/ 泣き、嘆き、憂い、怯えBWV.12〜第1曲/傲りかつ臆するはBWV.176〜第1曲/ かくて戦い起これりBWV.19〜第1曲/たれぞ知らん、わが終わりの近づけるをBWV.27〜第1曲/ おお永遠、そは雷の言葉BWV.20〜第1曲/魂よ、つまずくなかれBWV.186〜第1曲/ キリストこそわが生命BWV.95〜第1曲/いと尊き御神よ、いつわれは死なんBWV.8〜第1曲 ジョン・エリオット・ガーディナー指揮モンテヴェルディcho.、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ | ||
これまでの録音の中から、冒頭合唱曲をいいとこどりした1枚。 | ||
J.S.バッハ:クリスマスのためのカンタータ集 降誕節第1日 〔キリストの徒よ、この日を彫り刻め BWV63 /いと高きところには神に栄光あれ BWV191 / 賛美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ BWV91 /笑いは我らの口に満ち BWV110 〕/ 降誕節第2日 〔キリストをわれらさやけく頌め讃うべし BWV121 /神の子の現れたまいしは BWV40 〕/ 降誕節第3日 〔試練に耐えうる人は幸いなり BWV57 /見よ、父のわれらに賜いし愛の BWV64 / 甘き慰めなるかな、わがイエスは来ませり BWV151 /われ汝にありて喜び BWV133 〕/ モテット「主にむかいて新しき歌をうたえ」BWV225 / 降誕節後日曜日 〔出で立て信仰の道に BWV152 /新たに生まれし嬰児 BWV122/神は頌むべきかな BWV28 〕 新年のための 〔主にむかいて新しき歌を歌え BWV190 / わが魂よ、主を頌めまつれ BWV143 / 神は喜び叫ぶ声と共に昇り BWV41 /主なる神よ、汝をわれらは讃えまつらん BWV16 / 神よ、汝の誉れはその御名のごとく BWV171 〕/ 新年後日曜日 〔見たまえ、御神、いかにわが敵ども BWV153 /ああ神よ、いかに多き胸の悩み BWV58 / 人々シバよりみな来たりて BWV65 /いと尊きインマヌエル、虔しき者らを率いたもう君候 BWV123 〕 ジョン・エリオット・ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、モンテヴェルディcho. | ||
録音:1999年-2000年。これまでにリリースしたカンタータ・シリーズから、クリスマスに関連したカンタータを集めたボックス・セット。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ集 Vol.28 〜昇天祭のためのカンタータ 〔第43番「神は歓呼の声とともに上がり」BWV43 /第37番「信じて洗礼を受けるものは」BWV37 / 第128番「ただキリストの昇天にのみ」BWV128 /第11番「御国にまする神をたたえよ」BWV11(昇天祭オラトリオ)〕 レネケ・ルイテン(S) メグ・ブレイグル(A) アンドルー・トータス(T) ディートリヒ・ヘンシェル(B) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、モンテヴェルディcho. | ||
録音:2012年5月11日-12日、聖ジャイルズ・クリップルゲート教会、ロンドン、ライヴ。ガーディナーのバッハ・カンタータ巡礼シリーズ第28集。復活したイエス・キリストが天に昇ったことを祝う昇天祭のために書かれた作品。昇天節の音楽は「昇天祭オラトリオ」とも称されるカンタータ第11番をはじめ傑作揃い。カンタータ第43番は2部構成のトランペットを含む華やかなカンタータ。テノールの美しいアリアが印象的なカンタータ第37番。イエスの昇天に従い我も昇らんと高らかに歌う伸びやかなカンタータ第128番。トランペットやティンパニが活躍する華やかなカンタータ第11番。ドラマティックかつ宗教的感動も得られる名演。 | ||
J.S.バッハ:カンタータ全集〜巡礼(2000)
独唱者多数 ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、モンテヴェルディcho. | ||
バッハ没後250年企画として、ガーディナーとイングリッシュ・バロック・ソロイスツ&モンテヴェルディ合唱団により実現された壮大な企画「バッハ:カンタータ巡礼」は、全世界の聖地を巡礼して、バッハの全カンタータを演奏するというものだった。ドイツ・グラモフォンはこのツアーと並行してレコーディングをおこない、ARCHIV レーベルからいくつかのアルバムをリリースしたが企画は頓挫し、それを引き継ぐかたちでガーディナー自身の「 Soli Deo Gloria 」レーベルが設立され、28巻に渡ってリリースされた。この全集は SDG レーベルの CD 51 枚と ARCHIV からリリースされていたCD 4枚、そして英・独のカンタータのテキストとオリジナル・ブックレットのデータが入った CD-ROM 1枚の全56枚組に、カンタータ番号によるインデックスがついたブックレットという豪華仕様。すでに廃盤となっているタイトルもあるので、大変貴重なセット。 | ||
布製特別装丁による豪華CD、 ガーディナーらによる寄稿も充実、 〜サンチャゴへの巡礼 12世紀のカリクスティヌス写本、トマス・ルイス・デ・ビクトリア、 ヤコブス・クレメンス・ノン・パパ、パレストリーナ、 ギヨーム・デュファイ、クリストバル・デ・モラーレス、 ラッスス、ムートン/他の作品 |
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 モンテヴェルディcho. | |
録音:2005年5月。 2004年にコンビ結成40周年をむかえたガーディナーとモンテヴェルディ合唱団による、「サンチャゴへの巡礼」最新盤。キリスト教では、ちょうど日本の「お遍路さん」のように、フランスを始発点として、スペインの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへと巡礼する伝統がある。ガーディナーとモンテヴェルディ合唱団は、巡礼の旅路に沿って、その道中にある教会や修道院に立ち寄っては、16世紀から17世紀にかけてイベリア半島で生み出された宗教合唱曲を中心に演奏してきた。その音楽巡礼の旅を経てロンドンに戻った彼らによって演奏されたのがこのディスク。「音楽巡礼」の旅を経て結束をかため、さらに高みへ昇った彼らと一緒に、音楽巡礼を追体験できる、きわめて壮大な一枚となっている。 | ||
ガーディナー、ブラームス・プロジェクト始動! ブラームス:埋葬の歌Op.13 メンデルスゾーン: われら、人生のただ中にありてOp.23-3 ブラームス: 運命の歌Op.54/交響曲第1番 ハ短調Op.68 |
ジョン・エリオット・ ガーディナー指揮 オルケストル・ レヴォリューショネル・ エ・ロマンティーク、 モンテヴェルディcho. | |
録音:2007年秋、ロンドン&パリ、ライヴ。 ガーディナーによるブラームス・プロジェクト、録音演奏史上画期的シリーズが遂にスタート、まさに革命的演奏の誕生! 第1弾は交響曲第1番、ユニークなカップリングにも大注目。 ガーディナー自らが運営するモンテヴェルディ・プロダクションズのレーベル“ソリ・デオ・グローリア "から、「バッハのカンタータ巡礼」シリーズの大成功を受けて、いよいよ念願のブラームス・プロジェクトがスタートする。これは従来のモンテヴェルディ合唱団に加えて、ガーディナーが古典派とロマン派作品を演奏する際の手兵オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク(ORR)を率い、2007年秋から向こう2年間にわたり実演と並行して4つのシンフォニーのほかに、主要な合唱作品を録音してゆくというもの。「ブラームスの大規模な音楽は生気、ドラマそしてはげしい情熱であふれている」と語るガーディナー。ガーディナーによると、このシリーズのユニークな特徴としては、交響曲を、ブラームスのほかの作品(すぐれていながらもしばしば顧みられない合唱音楽)と、ブラームスがたいへん賞賛した巨匠たち(シュッツやとりわけJ.S.バッハ)や、より最近のブラームスにとっての英雄たち(メンデルスゾーンやシューベルト、シューマン)の文脈のなかに置くことで、あらたな視点からブラームスの音楽を探ることにある。まさしくこのコンセプトに従って、第1弾のカップリングと構成もたいへん個性的。アルバム前半には実演と同じく合唱作品が配され、まず、このあたりはモンテヴェルディ合唱団の真骨頂。過去にドイツ・レクイエム(1990年)や愛の歌などでもとびきり美しく透き通るハーモニーを聴かせてくれた記憶があざやかに蘇る。そして後半に置かれたメインの第1交響曲。ミュージカルクリティシズム・ドットコムは実演の模様をつぎのように伝えている『第1楽章は荘重で推進力に富みながら、魅力的な軽さを維持した。 これは、いくつかの輝かしい木管の演奏、とりわけミヒャエル・ニーゼマンのオーボエ独奏の数々に特徴づけられるアンダンテ・ソステヌートまで進められた。木管セクションはいくつかの場合でも溶け合わず、それこそがまさにポイントのように思われた。つまり、いかにもブラームスらしい音のカベを作り出そうとする誘惑を避け、慎重に書かれた譜線の独立を維持するための。第3楽章では、ずっと自由なテンポを採り、最初の急速部では突然、惜しまずにスピードを上げたにもかかわらず、オケの奏者たちはとても敏感に反応して、これは結果としてスリリングな効果をあげた。フィナーレは終始、歓喜そのものだった。 長大な序奏はうまく盛り上がり、ナチュラル・ホルンは重要な主題においてじつに壮大だった。そして、楽章主部自体は、ガーディナーのアプローチの正当性をこの上なく示していた。また、スリリングでとても楽しく、そうであるからひとしお奏者たちにははっきりと楽しみを与えていた。なかには過ぎし年の偉大なるブラームス風なものにはあった歴史的価値がここにはないと主張するものがいるかもしれない。けれどもわたしにとって、この演奏はこのすばらしいシンフォニーからクモの巣を払いのけ、この状況において途方もないクライマックス(とりわけトランペットとホルンが壮麗にまばゆく輝くコラール主題の最後の反復)はわたしがかつて聴いたことがないほど心を打った。』。 加えて、優美なフレージングに明解なテクスチュア。そして慎重なポルタメントと柔軟性あるテンポ。時代考証派きっての碩学ガーディナーのことから、このプロジェクトに着手する過程におけるモダーン・オケでの成果も盛り込まれているとみるべきだろう。ベルリオーズ、シューマンやベートーヴェンからはるかに深化を遂げて帰ってきたガーディナー& 手兵ORRによるブラームス、今後の続篇にもおおいに期待をつなぐシリーズの登場。 | ||
ガーディナー、ブラームス・プロジェクト Vol.2 ブラームス:アルト・ラプソディ Op.53 シューベルト: 水の上の精霊の歌 D714/ タルタロスの群れ D583/御者クロノスに D369 ブラームス:交響曲第2番 ニ長調Op.73 |
ナタリー・シュトゥッツマン(A) ジョン・エリオット・ ガーディナー指揮 オルケストル・ レヴォリューショネル・ エ・ロマンティーク、 モンテヴェルディcho. | |
録音:2007年10月、11月、サレ・プレイエル、ライヴ。ガーディナー率いるSDGレーベルのブラームス交響曲シリーズ第2弾は、交響曲第2番。カップリングにはシュトゥッツマンによるアルト・ラプソディほか、という魅力的なプログラム。 ガーディナー自身、ブラームス交響曲全曲プロジェクトに際し、それぞれどのようなプログラムを組むべきか悩んだとのことだが、この第2番とブラームスの声楽作品、さらに、ブラームスの同時代や少し前の時代に生きた作曲家の声楽作品を組み合わせることにより、ブラームスの第2番に息づく声楽的要素をより鮮やかに浮かび上がらせることができたという。冒頭のアルト・ラプソディは、最近声に柔らかさが加わり魅力を増したシュトゥッツマンが、旅人の絶望から希望までを真摯に歌い描来る。聴者は彼女の歌声により、交響曲世界への心の準備ができる。メインの交響曲では、冒頭のホルンの、ピリオド楽器独特の伸びる響きとあたたかさが、私たちの五感と心をやわらかくほぐしてくれる。最終楽章では、ガーディナーの指揮のもと、古典派の形式とロマン派的愛が至上のバランスで共存。終結部では管楽器の音色も見事、輝きを放ち勝利のうちに曲を閉じる。 | ||
ブラームス: 5つのリートOp.41(1861)〜第1曲「私は角笛を苦しみの谷(現世)で鳴らす」/ 2つのホルンとハープの伴奏による女声合唱のための4つの歌(1860) 〜第1曲「ハープは鳴り響く」/ 5つの歌 Op.104(1888)〜第1曲 夜警「静かな胸の音」/ 13のカノン Op.113(1891)〜第13曲「もの憂い恋のうらみ」/ 運命の女神の歌 Op.89(1882)/交響曲第3番 ヘ長調Op.90/悲歌 Op.82(1881) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク | ||
録音:2007年11月16日、サレ[代理店記載ママ]・プレイエル、ライヴ、2008年10月4日、5日、8日、ロイヤル・フェスティヴァルホールhttp://res.nimg.jp/img/_.gif、ライヴ。 好評のガーディナーによるブラームス交響曲シリーズ、第3弾の登場。第3番交響曲は冒頭から管の音色がきわめて印象的に響く。続くかけあいも、楽器間の呼吸の交わされ方が実に濃密にして緻密。第3楽章の有名な旋律では、フレーズのひとつひとつに細かな彫琢が施され、どのパートのどの音にも神経が通っており、思わず息をのむ感動的な美しさ。 合唱曲では、世界最高峰の合唱団、モンテヴェルディ合唱団の魅力を余すところなく味わうことが出来る。勝利の女神の歌では、ホルンによる狩の主題が聴かれ、オーケストラの面々のうまさを再認識出来る。 | ||
ガーディナー、ブラームス・ツィクルス完結! ベートーヴェン:「コリオラン」序曲 Op.62 ガブリエリ:サンクトゥス、ベネディクトゥス(12声) シュッツ:サウル、サウル、なぜ私を迫害するのかSWV.415 J.S.バッハ:カンタータ「主よ、われは汝を求む」BWV.150 〜合唱「私の目は常に主に注がれている」「主は私の足を」 ブラームス:宗教的歌曲「惜しみなく与えよ」Op.30(cho.)/ 混声8部合唱曲「祭典と記念の格言」Op.109/交響曲第4番 ホ短調 Op.98 ジョン・エリオット・ガーディナー指揮モンテヴェルディcho.、 オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク | ||
録音:2008年10月5日-8日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ライヴ。 SDGレーベルのガーディナーによるブラームス交響曲シリーズの完結編の登場。第4番と、この作品をブラームスが書くにあたって特に大きな影響を受けた作品という、いつもながら思慮に富んだカップリング。2年間にわたるガーディナーの「ブラームスとその先駆者たち」プロジェクトでは、ブラームスだけではなく彼が影響を受けた作曲家たちの作品を同時に取り上げて、ブラームスの創作の足跡を様々な角度からたどってきた。今回のメイン・プログラムである第4番交響曲は、バロック音楽の影響を濃厚に受けている。終楽章は、バッハのカンタータ150番の合唱曲「私の目は常に主に注がれている」の直接的な影響がみられ、また、ベートーヴェンのコリオラン序曲に負っている部分も大きい。このことについては、ガーディナーがブックレットでディスクの分数を示唆しながら詳しく語っている。また、ブラームスは、ガブリエリやシュッツの作品の指揮をするのが好きだったということは意外と知られていない事実。彼らの作品の影響を、ブラームスの宗教的歌曲に聴くことが出来る。それぞれの曲の演奏が素晴らしいことは言うまでもないが、すべてのプログラムが有機的意味合いをもっているため、ブラームスの魅力、それぞれの作品の魅力が互いに高められており、この1枚は何倍もの価値をもったものとなっている。 | ||
シュッツ: ダヴィデ詩篇集〜第8曲「あなたの住まいはいかに麗しいことか」SWV29 (*) ガイストリッヒェ・コアムジーク〜第23曲「今からのち主にあって死ぬものは幸いである」SWV391 (*) ブラームス:ドイツ・レクイエム(#) キャサリン・フーグ(S) マシュー・ブロック(Br) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮モンテヴェルディcho.、 オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク | ||
録音:2007年10月28日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン(*)/2007年11月18日、サル・プレイエル、パリ(#)/2008年8月19日、アッシャー・ホール、エディンバラ(#)、全てライヴ。ガーディナー、満を持してのドイツ・レクイエム再録音。1990年の第1回録音も名演として名高いが、これまでにもブラームスの交響曲などを共に幾度も手がけてきた手兵オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティークの練り上げられた音色と、同じく兵ぞろいのモンテヴェルディ合唱団による見事な合唱が織り成す世界は絶品。第4曲の「いかに愛すべきかな、なんじのいるところは、万軍の主よ」の優しい出だしとその後の流れる音楽に涙し、第6曲目の「われらここには、とこしえの地なくして」の激しい管楽器も合唱も、技術の素晴らしさにあらためて驚かされる出来栄えとなっている。このドイツ・レクイエムは、ブラームス個人のゆるぎない宗教観を反映しているといわれる。ブラームス自身ルター派の洗礼を受けており、ルター派の聖書のテキストをしていること、また、「キリスト」という言葉や「復活」にまつわる部分がないこと、そして、死者の鎮魂のためというよりも、今を生きている者への慰めとしてのレクイエムであることなどがその理由。ここに収録されているシュッツの作品は、テキストの選択やテキストへの音楽のつけ方などにドイツ・レクイエムとの類似がみられ、いかにブラームスがシュッツをよく研究していたか、がわかる内容となっている。ブラームスの個人的な宗教観を色濃く反映したロマン派の大作であり、同時にシュッツの音楽を思わせる部分など古の部分も併せ持つこの作品を、ガーディナーが二度目の録音でどのように響かせるか、注目の1枚。 | ||
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲) [第1番(*)/第2番(*)/第3番/第4番/第5番(#)] ジョン・エリオット・ガーディナー指揮(*) イングリッシュ・バロック・ソロイスツ [カティ・デブレツェニ(Vn;コンサートミストレス) レイチェル・ベケット(リコーダー/Fl) マルコム・プラウド(Cemb;#)他] | ||
録音:2009年1月(#以外)/2009年4月(#)。。 SDGレーベルから、ガーディナーの指揮によるブランデンブルク協奏曲の登場!真っ白い大きな画面に、太い筆で様々な色を一筆描きで思いっきり塗りたくっていくような爽快感と、グイグイと進む豪快なリズム感を併せもった演奏となっている。第1番のホルンのいななき具合は実に絶妙。通奏低音パート、チェンバロがジャランジャランと掻き鳴らされるさまも壮麗で見事。きわめて軽やかに奏でられる第2番の冒頭のトランペット・ソロは聴きもの。それぞれの奏者の上手さ、アンサンブルの見事さに圧倒される演奏。 ガーディナーのブランデンブルク協奏曲に関するコメント(抄訳):「私は今まで、ブランデンブルク協奏曲を録音したいという衝動をずっとおさえてきた。この作品で、指揮者ができることなどないに等しいのではないか?ただ、第1番と第2番だけは、演奏せず、コーディネイトをする存在がいてもおかしくない、大規模で複雑な作品。ここでの私の役割は、演奏者たちに、それぞれが絶妙なバランスで響くようコントロールし、励まし、演奏者が確認できるようにすることだった。ブランデンブルク協奏曲は、舞曲にインスパイアされた作品であると私は考えている。演奏者たちは、ダンスを踊るように息をし、動かなくてはならない。他者との間隔を常に考え、体の動き、流麗さとタイミングの一致などを常に念頭において演奏しなくてはらない。これまでのバッハ・プロジェクトに素晴らしい貢献をしてきてくれたイングリッシュ・バロック・ソロイスツのメンバーたち、そしてデブレツェニという素晴らしい‘真の ' コンサートミストレスの存在が、ここでお聴きいただける、この素晴らしいアンサンブルを可能なものにした。ブランデンブルク協奏曲は、バロックのジャズであり、ロックンロール。もしこの意見を疑う向きがおられるなら、第1番と3番の第3楽章を是非お聴きいただきたい。様々な声部が絡み合い、複雑なヘミオラのリズムを形成している様は圧巻だ。」 | ||
SANTIAGO A CAPPELLA〜巡礼の旅 作者不詳:「モンセラートの朱い本」〜聖処女マリア(*) フランシスコ・ゲレロ(1528-1599):めでたし、このうえなく聖なるおとめ アロンソ・ロボ(1555-1617):預言者エレミアの哀歌 ジョアン4世(1603-1656):神聖なる十字架 トマス・ルイス・デ・ビクトリア(1548頃-1611):おお、光と闇よ/おお、全なる御身 フランシスコ・ゲレロ:ふたりの天使(#) アロンソ・ロボ:わがハープは哀しみの調べに変わり マヌエル・カルドソ(1566-1650):下界にいるものは死ぬことはない フィリップ・ロジエ(1561頃-1596):救い主なるわれらが主よ エリン・マナハン・トーマス(S;*/#) グレース・デイヴィッドソン(S;#) サミュエル・エヴァンズ(Br;#) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮モンテヴェルディcho. | ||
2004年4月30日-5月2日、St. Alban the Martyr、ホルボーン、ロンドン。前出:UNIVERSAL SPAIN (EMERCY) 986 730-5, UNIVERSAL INTERNATIONAL (EMERCY) 476 301-0。なお、SDG盤国内代理店案内の作曲家表記に『ポルトガルIV世』というのがあるが、上記「(ポルトガル王)ジョアン4世」が正しい。彼はブラガンサ朝を起した人で、その意味で「ブラガンサ朝初代ポルトガル王」とは言えるが、歴代の「ポルトガル王」のうち、ジョアンという名の以外の「IV世」に当たる人ではない。 当時、既に設立がアナウンスされていた SDG からの第1弾リリース直前に、契約の関係からかUNIVERSALから、ガーディナーの新録音としては最後に発売されたアルバム(当初スペイン・ローカル盤で発売される予定が、インターナショナル盤での入荷となるなど、混乱もあった)だが、ようやくSDGから再リリース。 モンテヴェルディ合唱団創立40周年を記念して行われた、サンチアゴ・デ・コンポステラへの巡礼コンサート・ツアーから収録したCD。一般の巡礼者と歩き、無料コンサートをして巡ったこの旅は、まさに教会音楽のルーツともいえるもの。 『中世・ルネッサンスのスペインをめぐる音楽の歴史旅。2000年、ガーディナー率いるモンテヴェルディ合唱団は、バッハの宗教カンタータを演奏するためにヨーロッパの13の国々とアメリカを回る巡礼ツアーを行いました。この巡礼は演奏者たちにも大きな出来事で、2004 年夏にサンチャゴの巡礼と題した大きな宗教的にも意味のあるツアーを実施することになりました(1964 年に設立されたモンテヴェルディ合唱団の40周年記念ツアーでもありました)。このCD は、その巡礼ツアーの少し前に録音されたもので、16-17世紀のスペインおよびヨーロッパ各国に伝わる豊かな作品が取り上げられています。モンセラート写本(通称「赤い本」)は、音楽が口頭伝承されていた時代と筆記伝承になる時代の端境期に残された写本。ヨーロッパ中で何世紀にも渡って演奏された音楽が掲載されている、まさに古典中の古典。他の作品も長い歳月を生き抜いた作品だけあって、普遍的な力と魅力に満ちています。世界最高峰のクオリティを誇るモンテヴェルディ合唱団による、古より伝わる至高のポリフォニーの世界を存分に味わうことができます。』(以上『内』、SDG代理店のインフォメーションより。) | ||
ガーディナー&EBS〜モーツァルト: 交響曲第39番 変ホ長調 K543/ 交響曲第41番 ハ長調 K551「ジュピター」 |
ジョン・エリオット・ ガーディナー指揮 イングリッシュ・ バロック・ソロイスツ | |
録音:2006年2月、カドガン・ホール、ライヴ。ロンドンで行われた幻のコンサート音源が世界発売! もともとはコンサートの直後、主にロンドンの聴衆のためだけにプレス(おそらくCD-R製版)された完全限定盤だったもの。彼らのモーツァルトと聞くだけでいやでも期待が高まるが、演奏も録音も期待以上の出来栄え。39番のメヌエット楽章でのクラリネットの音色も妙なる美しさ。40番の終楽章の対位法の見事さ、そして各パートの完璧な連携には息つく暇もない。ロイヤル・フィルの本拠地でもあるカドガン・ホールの大きすぎないサイズがまさにガーディナー率いるイングリッシュ・バロック・ソロイスツの編成にぴったり、ライヴの熱気もあいまって、最強のモーツァルトの登場。 | ||
ガーディナーの「ヨハネ」再録音〜J.S.バッハ:ヨハネ受難曲
マーク・パドモア(T;福音史家) ハンノ・ミュラー=ブラッハマン(B;イエス) ピーター・ハーヴィー(ピラト) ベルナルダ・フィンク(A) ジョアンナ・ルン、キャサリーン・フーグ(S) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、モンテヴェルディcho. (カティ・ドゥブレティーニ/コンサートミストレス) | ||
録音:2003年3月22日、カイザードーム大聖堂、ケーニッヒスルッター、ライヴ。ARCHIVEの1986年録音から15年以上の時を経て、ガーディナーによるヨハネ受難曲再録音がついに登場。この間にガーディナーはロマン派のレパートリーなどでも充実した演奏を展開、また、カンタータの巡礼の旅もたゆまず続けていた。しかもライヴ録音とあって、ものすごい緊迫感。バッハが劇的に描いたキリストの物語が最高の状態で教会に響き渡る。声楽のソリスト陣が充実しているのも嬉しい限り。パドモアといえば、今ハルモニア・ムンディでのシューベルト歌曲集の録音でもその充実ぶりが目覚ましいテノールで、ヘレヴェッヘの受難曲でもエヴァンゲリストを務めたいわばバッハのエキスパート。語り部としての、受難の物語との適切な距離感、そしてヨハネ受難曲独特の劇的表現の部分も見事なバランスで歌いきっている。他のソリストも現在のバッハ演奏シーンを語る上で書くことのできない存在ばかりがそろっている。オーケストラのイングリッシュ・バロック・ソロイスツの面々の巧さは、各パートが突き刺さって覆いかぶさるように始まる冒頭から圧倒的で、ものすごい説得力と迫力。アリア楽章でのソロの素晴しさは言うまでもない。また、ヨハネ受難曲は、群衆としての合唱の劇的な表現が魅力のひとつであるが、世界最高のバッハ演奏声楽家団体のひとつであるモンテヴェルディ合唱団の充実した合唱が胸に迫る。どこをとっても最高のレヴェルでの演奏が展開されていて、最初から最後まで息つく暇もない秀演の登場となった。 | ||
Welt, gute Nacht〜ヨハン・クリストフ・バッハ(1642-1703): 主よ、こちらを向いて私をあわれんで下さい/涙とともに上がれ/ おお神よ、あなたはいったい/正義を、さもなくば現世に死を/ ああ、私が水を十分にもっていれば/おそれるな/今私の生命をもって/友よあなたは美しい ジュリア・ドイル、キャサリン・フーグ(S) クレア・ウィルキンソン(Ms) ニコラス・マルロイ(CT/T) ジェイムズ・ギルクリスト、ジェレミー・ブッド(T) マシュー・ブルック、ピーター・ハーヴィー(B) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツ | ||
録音:2009年4月16日、17日、19日、カドガン・ホール、ライヴ。J.S.バッハの祖父(クリストフ・バッハ)の弟(ハインリヒ・バッハ)の息子にあたる、ヨハン・クリストフ・バッハ。一族のなかで、J.S.バッハ以前の最も偉大なる作曲家とされている。J.S.バッハはヨハン・クリストフ・バッハのことを「深遠なる音楽家」(「バッハ一族の起源」)とし、多くの影響を受けた。オルガニスト、チェンバロ奏者としての活躍が第一だったが、声楽作品にも充実したものが残っている。声楽パートは当時彼が指揮していた楽団の技術の問題でそこまで複雑ではないが、その分器楽パートが充実しているのが特徴。アリア、ラメント、モテット、ダイアローグが各2曲ずつ選ばれ、「6つの葬儀と結婚」と題されたコンサートで2009年4月に演奏されたライヴ録音。「友よ、あなたは美しい」は結婚のお祝いで演奏された物。新郎と新婦のデュエットを思わせるほほえましくも美しい楽曲。バッハ一族の底力をあらためて思い知らされる名曲を、ガーディナーがあざやかに聴かせる。 | ||
J.S.バッハ:モテット集 主を頌めまつれ、もろもろの異邦人よ BWV.230 /来ませ、イエスよ、来ませ BWV.229 / み霊はわれらの弱きを助けたもう BWV.226 /イエスよ、わが喜び BWV.227 / 恐るるなかれ、われ汝とともにあり BWV.228 /主に向かいて新しき歌を歌え BWV.225 / 汝を去らしめず、汝われを祝せずば BWV.Anh III .159 ジョン・エリオット・ガーディナー指揮モンテヴェルディcho.、 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ | ||
録音:2011年、聖ジョセフ・スミス・スクエア、ライヴ。ガーディナーとモンテヴェルディ合唱団が2011年にヨーロッパ(イタリア、フランス、オランダ、ドイツ)で行ったツアーの出発点の地、ロンドンでのライヴ。集中的にモテットを取り上げたのは、1982年ERATOでのレコーディング以来。熱の入った演奏が展開されている。 二重合唱の凝った書法など、バッハが腕によりをかけて書いたモテット。バッハ一族が脈々と作曲し続けてきたモテットは、大バッハ自身にとっても大切な存在であり、彼の弟子たちにも自作を含めたモテットをよく勉強させたという。現代を生きる演奏者にとっても、言葉ひとつひとつ、一音一音で変わる繊細なニュアンスを表現する技量と、スタミナの両方を必要とする、声楽・合唱作品の最高峰のひとつといえるだろう。もちろん器楽奏者たちにとっても無二の存在といえる魅力的な作品。 最後に収録された作品は、バッハが書いたかどうかは定かでないとされている作品だが、他の6つの素晴しいモテット達の締めくくりとしてこれ以上の作品はないという考えのものと、ここに収録された。また、BWV118 は、自立した器楽パートを持たないという理由で、今回ここには収録されなかった。モンテヴェルディ合唱団とイングリッシュ・ソロイスツによるこだわりの見事なアンサンブルを心行くまでご堪能頂きたい。 | ||
ガーディナー再録音〜ベートーヴェン:交響曲集〔第7番 イ長調 Op.92 /第5番 ハ短調 Op.67〕
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク | ||
録音:2011年11月16日、カーネギー・ホール、ニューヨーク、ライヴ。ARCHIVEへの全集録音から約20年、ガーディナーによるベートーヴェンの交響曲新版の登場。第7番第3楽章でのしなやかな哀しみ、そして終楽章では一転して喜びに足も浮き立つような絶妙なテンポとリズム、第5番終楽章の終盤は聴きもので、カーネギー・ホールを興奮に巻き込んだ。 | ||
ベートーヴェン:ミサ・ソレムニ〔荘厳ミサ曲〕
ルーシー・クロウ(S) ジェニファー・ジョンストン(Ms) ジェイムズ・ギルクリスト(T) マシュー・ローズ(B) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮モンテヴェルディcho. オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク | ||
録音:2012年10月、バービカン・ホール、ロンドン、ライヴ。『完璧な演奏、そして新たに生み出された、恐るべき生命である』(英タイムズ紙)と絶賛された演奏会から。大胆なアプローチで圧巻の演奏。ガーディナー&モンテヴェルディ合唱団とのミサソレといえば、アルヒーフ・レーベルで1989年に録音された盤も名録音として名高いが、23年の月日が経ち再録音された今回も、前回と同様、快速なテンポと個性的なアクセントで切れ味の良く聴かせるが、さらに精度が上がり ORR の技巧的でフレキシブルな演奏、モンテヴェルディ合唱団の重厚さと透明感を兼ね備えたコーラスは絶品。ソリストには、鮮やかな美声で注目のソプラノ、ルーシー・クロウ。BBCラジオ3の「ニュー・ジェネレーション・アーティスト」としても注目を浴びた期待のメゾ・ソプラノ、ジェニファー・ジョンストン。医師としての働いていた異色のキャリアを持つイギリスの実力派テノール、ジェイムズ・ギルクリスト。ロイヤル・オペラ・ハウスやコヴェント・ガーデンなどで活躍する1978年生まれのバス、マシュー・ローズなど、若き実力派を配した布陣。 | ||
J.S.バッハ:哀悼行事のカンタータ第106番「神の時こそいと良き時」BWV 106 / 復活祭オラトリオ BWV 249 ハンナ・モリソン(S) メグ・ブレイグル(A) ニコラス・ムルロイ(T) ピーター・ハーヴィー(B) ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 モンテヴェルディcho.、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ | ||
録音:2013年6月、ロンドン。『このCDの演奏は、非の打ち所のない完璧な演奏と音楽への強い熱意が合わさった珍しい例である。』(サンフランシスコ・クラシカル・ヴォイス紙)|『期待通りの、透明感溢れ、美しく緻密な演奏である』(クラシックFM)|『冒頭の華やかなシンフォニアは特に壮大で、イングリッシュ・バロック・ソロイスツの壮麗なトランペットが鳴り響き、モンテヴェルディ合唱団が織りなす気品漂う至福の歌唱が嬉々とした音楽を作り出している。』(インディペンデント紙)。ガーディナーが遂に「復活祭オラトリオ」を録音。2013年ガーディナーはこの作品をライプツィヒ・バッハ音楽祭、BBCプロムスと度々演奏しており、いずれも高い評価を得ている。ガーディナーの手兵、現代世界最高の合唱団の一つモンテヴェルディ合唱団は2014年に結成50年を迎える。キリストの復活を祝う明るく美しいバッハの傑作を、透明感溢れる美しいハーモニーと卓越した歌唱により存分に聴かせてくれる。カップリングには、華やかで喜びに満ちた「復活祭オラトリオ」と対比させるように、哀悼行事のためのカンタータ第106番をアルバム冒頭に収録。ガーディナーは、特有の軽快なテンポとスッキリとした端正な響きで、求心力・推進力溢れる演奏を披露している。そしてソリスト陣、オケ、そして合唱を見事に統率し感動的な祈りの世界を表現している。 | ||
VIGULATE! イギリス・ルネサンス・ポリフォニー〜モンテヴェルディ合唱団&ガーディナー ピーター・フィリップス:ユダ族の獅子 / ロバート・ホワイト:光なり日なるキリスト トマス・タリス:主よ、聞き入れたまえ、わたしの願いを/おお、光から生まれた光よ ウィリアム・バード:聖なる讃美のうちに/汝の聖なる都市は/おお主よ、われら囚われの身を/ 今こそ主よ、僕を去らせたまわん/目覚めていよ トマス・モーリー:私は罪人の死を望まない / ロバート・ホワイト:エレミアの哀歌 ウィリアム・バード:義人らの魂は / トマス・トムキンズ:全能の神よ、すべての叡智の泉よ ジョン・エリオット・ガーディナー指揮モンテヴェルディcho. | ||
録音:2012年6月、ロンドン。2014年3月に設立50周年を迎えるガーディナー率いるモンテヴェルディ合唱団。本アルバムは6人の作曲家の作品を収録している。国家の信仰が揺れ動いたイギリスの宗教改革の時代にヘンリー8世からエリザベス1世までの4代に渡って仕えた作曲家トマス・タリス。そしてタリスに師事し、優れた才能によってエリザベス一世に寵愛されていたウィリアム・バード。2人もカトリックを信仰しており、自分自身の信仰を秘めながら、典礼音楽を作曲していたが、多くの優れた作品を残している。タイトルの「目覚めていよ(VIGULATE!)」は、エリザベス王朝時代、禁教であったカトリック教徒の立場を貫いたウィリアム・バードの、密かな音楽的な抗議であったと言われている。また、ピーター・フィリップスはバードらと共に当時名を馳せていた作曲家で、高い作曲技法をもっていた。マドリガルを多く作曲したトマス・モーリーの「私は罪人の死を望まない」。モーリーは比較的明るい雰囲気の作品の印象が強いが、このような重厚な宗教曲でもその腕を発揮している。ウェストミンスター寺院の楽長などを務め、イギリス国教会のための作品を書いたロバート・ホワイト。旧約聖書のエレミアの哀歌第1章をテキストとする作品「エレミアの哀歌」は彼の代表作であり、美しく崇高な作品。そしてタリス、バードらの次の世代にあたるテューダー王朝時代に活躍したトムキンズ。彼はバードの弟子でイギリスのヴァージナル音楽の最後を飾る作曲家。ガーディナーの巧みな合唱指揮者としての手腕と、モンテヴェルディ合唱団の透明感ある歌声、各声部がくっきりと示され明瞭に聴こえてくると、絶妙なタイミングで合唱が一つに溶け合うという見事な演奏で、イギリスのルネサンス・ポリフォニーの黄金時代を歌いあげている。 | ||
ガーディナー〜ベートーヴェン:交響曲集 〔第2番 ニ長調 Op.36 /第8番 ヘ長調 Op.93 〕 ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク | ||
録音:2013年11月30日、カドガン・ホール、ロンドン、ライヴ。1991年から1994年にかけて録音された前作(DG Archiv)から約20年、2011年カーネギー・ホール、ライヴ収録された交響曲第7番、第5番(SDG-717)でも聴かれたように高い完成度と綿密に構築されたスタイルを丹念に磨き続けた成果を聴く事が出来る。楽団員はリハーサルを研究室のようだと表現している。多くのアイデアが顕微鏡の台に置かれ、次々と実験されていく。妥協を許さないガーディナーの音楽作りの様子が感じられる。この交響曲第2番と8番は、ベートーヴェンの交響曲の中でもガーディナーが特に気に入っている作品。交響曲第2番は、ベートーヴェンの交響曲にたびたび見られる重い陰鬱さはなく、人生を肯定的に捉えているような明るさがあり、モーツァルトのような軽やかさが感じられる。続く第8番は、作品の構成も大変優れておりベートーヴェンの芸術家としての冒険心に満ちた作品であると評している。 |