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スヴェトラーノフ〜ブルックナー: 交響曲第8番 ハ短調 |
エフゲニー・ スヴェトラーノフ指揮 イェーテボリso. | |
録音:1992年9月17日、イェーテボリ・コンサートホール、ライヴ。スヴェトラーノフ2種目のブル8が登場。しかも音盤では初顔合わせとなるイェーテボリ響客演ライヴ。ロシア響とのメロディア盤は1981年だったのでほぼ10年後の演奏。イェーテボリ響もヤルヴィ時代の充実期で立派な演奏を聴かせる。イェーテボリのコンサートホールは音響の良さで知られるのでクリアなサウンドを聴かせる。ロシア響はかなり金管を強調させた激演だったが、こちらは弦楽器を生かしたオーソドックスな名演。スヴェトラーノフのもう一つの魅力である神経の細やかさを聴きとれることだろう。第3楽章冒頭の弦楽器の刻みは驚くほどの繊細さ。1992年というとまだまだ元気いっぱいでエネルギッシュな巨匠。最晩年の巨象の歩みのような遅いテンポによる解釈ではなく運動神経抜群な切り返しも見せる。90年代のスヴェトラーノフは東京でチャイコフスキー交響曲全曲演奏会を開き同時にライヴ録音して一気に評価を高めた時期。※はやしひろし氏による書下ろしライナーノート付(英訳あり)。 | ||
マタチッチ〜シュトラウス・ファミリー名演集 ヨハン・シュトラウス II :無窮動 ヨハン・シュトラウス II /ヨーゼフ・シュトラウス:ピツィカート・ポルカ ヨハン・シュトラウス II :トリッチ・トラッチ・ポルカ/ペルシャ行進曲/ ワルツ「南国のバラ」/ワルツ「芸術家の生活」 ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「オーストリアの村つばめ」/ワルツ「天体の音楽」 ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮ベルリン放送so.〔旧・東〕 | ||
録音:1958年6月24日-26日、ザール1、ベルリン放送、放送用セッション、モノラル。 当盤アナウンスの約2ヶ月前に、カナダの St-Laurent Studio から「放送:1958年」としてアナウンスされた録音(YSL-T-644)と、おそらく同一の演奏。#当盤のアナウンスにおいては、ピツィカート・ポルカの作曲者にヨーゼフ・シュトラウスの名がありません。 『こんな奇跡のような演奏が遺っておりました!マタチッチによるシュトラウス・ファミリー名演集。元来がステレオでスタジオ録音されておりましたが、それらは現存せず、モノラルのトラックダウンしか遺っていなかったのは甚だ残念ですが、音質は極上。マタチッチは、オーストリア=ハンガリー帝国に属する時代のクロアチアに生まれ、9歳からウィーン少年合唱団に入り、そのままウィーンで音楽を修めた訳ですから、音楽的バックボーンは紛れもなくウィーンなのです。レハールの「メリー・ウィドウ」の全曲録音がリリース当初から今に至るまで高評価なのも当然でしょう。「ベルリンの壁」が出来る前の“東ベルリン”にて行われたセッション録音。オーケストラの実力も並々ならぬものです。演奏内容は予想通り、クナッパーツブッシュを思わせる重厚なもの。クナのような意表を突く遊戯は見られませんが、大人の風格と余裕に満ちた豊穣な音楽が奏でられます。「南国のバラ」、「芸術家の生活」などシンフォニックなまでの大建築演奏。「天体の音楽」の極大スケール。さすがはマタチッチ。多くのファンが抱く尊敬の念も新たなものとなることでしょう。』『英語、日本語、ドイツ語によるライナーノート付』 | ||
追悼 プレートル&シュトゥットガルト放響 チャイコフスキー:交響曲第4番 ビゼー:交響曲第1番 |
ジョルジュ・プレートル指揮 シュトゥットガルト放送so. | |
録音:1991年6月28日、リーダーハレ。チャイ4はプレートルの秘蔵レパートリー。BPOとの数少ない共演でも勝負演目として取り上げた物。巨匠の派手な芸風にぴったり、そして泣けてくるほどの切ない歌、フェザータッチの繊細な弦楽器の刻みは色気たっぷり。もちろんフィナーレは豪快な爆発で締め括られる。ビゼーの交響曲も度々コンサートで取上げる愛奏曲。こういう場合は徹頭徹尾チャーミングな演奏を繰り広げるのもプレートルならでは、シュトゥットガルト放送so. も多彩な音色のパレットで魅了される。 | ||
2024年再プレス|レーグナー&ベルリン放響、すべて初出〜ブルックナー:交響曲名演集 〔第4番 変ホ長調「ロマンティック」[1983年11月7日、メトロポールシアター/ [16:16][15:20][11:18][19:03] ]/ 第5番 変ロ長調[1990年6月8日、シャウシュピールハウス、ベルリン/ [20:40][15:20][14:03][21:57] ]/ 第6番 イ長調[1978年5月27日、ベルリン民主宮殿/ [14:20][16:10][8:01][15:08] ]/ 第7番 ホ長調[1979年10月13日、リガ・フィルハーモニー、ラトヴィア/ [18:53][18:38][9:18][11:19] ]/ 第8番 ハ短調[1985年5月3日、シャウシュピールハウス、ベルリン/ [12:40][13:30][26:37][23:03] ]/ 第9番ニ短調[1983年2月7日メトロポールシアター/ [20:58][9:51][20:31] ]〕 ハインツ・レーグナー指揮ベルリン放送so.(旧東) | ||
#2014年リリースで、数年で入手困難となっていた BOX が再プレス。 録音・タイミング:[内/タイミング]。日付が正しければ全て初出音源と思われ、第4番、第8番、第9番は BERLIN CLASSICS (ETERNA) への録音と同月のライヴということになる。『生前は鬼才の名をほしいままにし、若き日よりポストに恵まれ、さらなる円熟が約束されていた70代前半に忽然と世を去ったハインツ・レーグナー。レパートリーは広範に及び、その多くが録音にも恵まれています。芸風はシューリヒト張りの快速で拘泥を嫌った爽やかな演奏をするかと思えば、一転して凄まじいばかりの遅いテンポで隅々を執拗に抉るような演奏をも展開。音色も重厚な純ドイツ風かと思えば時に軽やかできらめくようなラテン的な響きも追及すると言った具合で正体不明、千変万化の巨匠でもありました。ブルックナーは愛奏するレパートリーですが、ここでも演奏するたびに別人のような表情を見せるため驚きが続きます。当セットで言う離せない演奏。第4番と第6番はスリリングで目が離せない演奏。第5番は早いテンポは個性が強いが全体にオーソドックスな演奏。第7番は柔らかたおやかな演奏。第8番、第9番は過激でショッキングな演奏と言った処でしょうか。御息女スザンヌ・レーグナー女史の協力を得て、レーグナーと生前に親しく仕事を共にしたディルク・ステーヴ氏のライナーを得ております。』『英語、日本語、ドイツ語によるライナーノート付』 | ||
チェリビダッケ&ミケランジェリ 1960年代共演集 マスターからの初復刻 ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調Op.73「皇帝」(*) シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調Op.54 (#) |
アルトゥーロ・ベネデッティ・ ミケランジェリ(P) セルジュ・チェリビダッケ指揮 スウェーデン放送so. | |
録音:1969年5月20日、文化会館、ヘルシンキ、〔ヘルシンキ・フェスティヴァル〕、ステレオ(*)/1967年11月19日、ストックホルム・コンサートホール、モノラル(#)。ともにライヴ。ソース:フィンランド放送(*)/スウェーデン放送(#)。これまでにARKADIA (*/#), FKM, FKM-CDR1 (*)、MEMORIES, ME-1039/40 (*/#) 等から出ていたが、マスターからの初復刻。最後に発売されたMEMORIES盤も3年以上品切が続いており、近年は〔(*)はプレス盤では〕入手出来なかった物。『ついにこの日がやってまいりました! ミケランジェリとチェリビダッケという孤高の巨匠が四つに組んだ超名演、「皇帝」とシューマンのカプリングが登場です。内容は数多くのプライヴェート盤で知られるとおりの高水準ですが、音質もスウェーデン放送、フィンランド放送からの蔵出し音源で万全の体制であることは申し上げるまでもありません。「皇帝」は、1969年5月20日のヘルシンキ・フェスティヴァルへの客演ライヴであることが特定されました。チェリビダッケがスウェーデン放送響の首席指揮者の任にあった最盛期のライヴだけに、練習がすみずみまで行き届き、「皇帝」など意外な軽やかさ、明るさ、華やかさでビックリさせられます。まるでラヴェルやドビュッシーを聴くかのような絶美の名演です。優秀なステレオ録音で「皇帝」の中の「皇帝」と申せましょう。シューマンは、1967年11月19日の本拠地ストックホルム・コンサートホールでのライヴです。モノラルなのが惜しいところですが、リリシズム、ロマンティシズムを堪能できるのはこちらかも知れません。物思いにふけるかのようなしみじみとした風情。官能的な揺れや、気だるさすら漂う繊細な味付けは、鋭敏なセンスを誇るこのコンビならではです。※今回は未曾有の大災害に見舞われた日本に対して、チェリビダッケ氏子息の御理解を得てのリリースとなります。この協奏曲集に加えて、ミケランジェリのフィンランドに於けるソロ・リサイタルも近々発表できるかと思います。これら2タイトルの売上より、「音楽の浄財II」として50万円を日本赤十字社に寄付致します。』(以上『内』、代理店のインフォメーションより) | ||
ヨッフム&ベルリン・ドイツ響 1981年ブラームス・プログラム Vol.2 ブラームス:交響曲第1番 |
オイゲン・ヨッフム指揮 ベルリン・ドイツso. (西ベルリン放送so.) | |
録音:1981年6月7日-8日、フィルハーモニー、ベルリン。ステレオ、ライヴ。GNP から GNP-77/8で、1981年6月8日のみのライヴが発売されている物だが、マスターからの初復刻。 『巨匠ヨッフムがフルトヴェングラーの影響から脱却進化し、壮絶なドラマ性をそのまま保持しつつ、宇宙的なスケールの大きさの表出に成功した絶後の名演です。晩年に真の巨匠となったヨッフムですが、ことブラームスの第1交響曲に関しては、最後のスタジオ録音は、ロンドンフィルでしたので、ドイツの名門ベルリン放送交響楽団(現ベルリン・ドイツ響)との当盤は歓迎されることでしょう。特筆すべきは希代のオーケストラ・ビルダー、ラインスドルフが首席を務めていた時代なので、ベルリン放送響は、トレーニングが行き届いていることで、ティンパニなど凄い妙技を聴かせてくれます。第3楽章のクラリネット・ソロなど如何にもドイツのオケらしい音色が嬉しいところです。』(以上『』内、代理店のインフォメーションをそのまま掲載) 英語、日本語、ドイツ語によるライナー・ノート付。 | ||
ヨッフム&ベルリン・ドイツ響 1981年ブラームス・プログラム Vol.1〜 ヨッフム + ラローチャ ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 |
アリシア・デ・ラローチャ(P) オイゲン・ヨッフム指揮 ベルリン・ドイツso. (西ベルリン放送so.) | |
録音:1981年6月7日-8日、フィルハーモニー、ベルリン。ステレオ、ライヴ。GNP から GNP-77/8で、1981年6月8日のみのライヴが発売されている物だが、マスターからの初復刻。 『例えば第1楽章の主題が長調から短調へと転じる一瞬、ラローチャの指先からは繊細の極みの弱音が生まれ、とてつもない寂寥感を漂わせるが、再び長調となれば、温かな母性が最大の慰めで淋しさを包み込む。対するヨッフムもラローチャの表現の万華鏡を心からめでつつ、的確な棒さばきで室内楽的な対話を繰り広げる。』(池田 卓夫/ライナー・ノートより) 巨匠オイゲン・ヨッフム+ベルリン・ドイツ響のブラームス・プロ第1弾発売。ソリストには全盛期のラローチャを迎えて南欧風のリラックスと濃厚なロマンを謳い上げる。楽曲初演から100年を記念してラローチャは、この年の5月には、日本で朝比奈隆指揮大阪フィル、山田一雄指揮日本フィルともこの曲を披露している。デッカ、RCAにも録音がなく、「ラローチャのドイツ物」の実力を知る好企画。 英語、日本語、ドイツ語によるライナー・ノート付。 | ||
マタチッチ 1982年の「我が祖国」 マスターからの初復刻、宇野功芳氏絶賛! スメタナ:連作交響詩「我が祖国」全曲 |
ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮 ウィーン放送so. (オーストリア放送so.) | |
録音:1982年1月14日、ウィーン・ムジークフェラインザール、ライヴ。おそらくHALLOO HAL-07/8 (廃盤)& RE! DISCOVER RED-47 で既出(ただし、これまでは1980年代の演奏とされていた。また、オーケストラも改称前のオーストリア放送so.とされていた)の演奏で、今回がマスターからの初復刻。英語、日本語、ドイツ語によるライナーノート付。 WEITBLICKより:『このリリースには非常な困難を擁しました。オーケストラが名称もウィーン放送響と変更になった上に、ド・ビリー体制であることを前面に出したい(!)という意向があり過去の録音のリリースに否定的であったことです。しかしこれだけの演奏を埋もれたままにしておくことは偲びなく、マタチッチ財団とともに説得し、最終的に応じてくれました。一言で言って最重量級の演奏であり、標題音楽であることを全面に出した情感豊かな演奏です。試みに演奏時間を記します。[17’20”][13’30”][10’47”][13’22”][14’26”][14’55”]』 『第一曲「高い城」(Vysehrad)の冒頭、ハープが弾く“高い城”の動機の雄弁なこと!これだけで聴き手の心はわしづかみにされる。曲が進むにつれ、マタチッチが創り出すひびきの重量感、ものものしさ、スケールの大きさに圧倒される。ヴァイオリンはむせるように歌うが、つねに深い苦味を湛えているのである。第二曲「モルダウ」(Vltava)。なんとなく不器用な出がいかにもマタチッチらしく、まさに人間が演奏している音楽だ(今は機械が演奏しているようなものが多いので)。なつかしいモルダウ川の主題があくまでゆったりとしたテンポで悠然と流れてゆく。もちろんスケールは相変わらず大きい。朗々たる狩のホルン、そして農民たちの踊りのなんという遅いテンポ!このテンポでは踊れない。あくまでコンサート用の演奏なのだ。月の光からテーマ再現にかけてもスロー・テンポは微動だにしない。急流は力まず、高い城のテーマが登場するともう一段テンポを落とす巨匠の芸。第四曲「ボヘミアの森と草原より」(Z ceskych luhu a haju)も他の指揮者のCDに比べると深いひびきや堂々たる佇いがまるで違う。それに何という巨大さであろう。マタチッチの人間の大きさ、芸術家としての巨きさが終始ものを言っている。そのためか、終了後に拍手が出てしまう。それとも、ここで休憩を取ったのだろうか。ぼくにはそうは思えない。全六曲は連続演奏すべきだし、拍手のおずおずとした出方が感動を示さずにはいられない聴衆の気持ちのように感じられるのである。』(宇野功芳/ライナーノートより) | ||
ヨッフム&ミュンヘン・フィルの 「ブル9」他、マスターからの初復刻 ブルックナー:交響曲第9番(*) ワーグナー: 楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲(#) |
オイゲン・ヨッフム指揮 ミュンヘンpo. | |
録音:1983年7月20日(*)/1979年11月8日(#)、以上ヘルクレスザール、ライヴ、ステレオ。(#)はおそらく初出となる音源。(*)はマスターからの初復刻(後述)。 WEITBLICK初登場の巨匠オイゲン・ヨッフム。60年に及ぶ長い結びつき(巨匠の指揮者デビューはミュンヘン・フィル!)を誇ったミュンヘン・フィルと初の公式ディスク。マニアには広く知られた晩年の(*)は、METEOR のMCD-058、RE! DISCOVER のRED-10、MEMORIESの ME-1057/60 といったレーベル&型番で「1987年1月」の演奏としてリリースされ評判となったが、そのデータは誤り。こちらのバイエルン放送マスターによる音源は極上品質。晩年とはいえ枯れ切った味わいとは異なる、オケを叱咤激励する推進力に富んだ演奏であり、チェリビダッケが磨きはじめた輝かしい音色と妙技がマッチした非の打ち所のない演奏。カップリングのワーグナーもドラマティックな高揚を見せるファン待望の凄演。ご息女ヴェロニカ・モルトケ女史もリリースを快諾。ヨッフム・シリーズは今後も継続するのでご期待頂きたい。 | ||
2023年再プレス!|ハインツ・レーグナー(指揮)の芸術・第一期〜 ブラームス:交響曲全集&シェーンベルク:管弦楽作品集 ブラームス: 交響曲第1番/ベルリン放送so.〔1980年6月、スタジオ〕 交響曲第2番/ベルリン放送so.〔1987年5月5日、カーディフ、ライヴ〕 交響曲第3番/ベルリン放送so.〔1978年1月29日、ベルリン、ライヴ〕 交響曲第4番/ベルリン放送so.〔1984年11月4日、ベルリン、ライヴ〕 シェーンベルク: 変奏曲/ライプツィヒ放送so.〔1989年4月4日、ライプツィヒ、ライヴ〕 室内交響曲第1番/ベルリン放送so.〔1989年3月3日、ベルリン・ライヴ〕 浄夜/ベルリン放送so.〔1991年11月10日、ベルリン、ライヴ〕 5つの管弦楽曲/ベルリン放送so.〔1980年1月14日、ベルリン、ライヴ〕 室内交響曲第2番/ライプツィヒ放送so.〔1984年5月29日、ライプツィヒ、ライヴ〕 交響詩「ペレアスとメリザンド」/ ライプツィヒ放送so.〔1981年2月10日、ライプツィヒ・ライヴ〕 | ||
当セット初出:2005年|全て良好なステレオ録音。 ハインツ・レーグナー(1929-2001)は読売日本交響楽団の常任指揮者も務めた、わが国にもおなじみの存在であり、実演では即興的とも言える変化に富んだ音楽、楽曲によってスタイルを別人のように変化させる順応性とプロ意識で聴衆を魅了した。しかしながら、生前は熱烈な支持者がいる割には、決定的な名声を誇る存在とは言えなかった。その理由には、残響の多い録音(ETERNA)ゆえに工夫が多い細部がはっきりしないことが挙げられよう。 合唱指揮者からキャリアをスタートさせた点、レーグナーはケーゲルと同じだが、ケーゲルが元来は剛直無骨な音楽作りを基礎としているのに対し、レーグナーは戦後ドイツ人の典型的な様式である作品に対して常にクールな視点を保ち、柔軟で軽めのサウンドで神経質なまでに頻々とした変化で駒を進めるタイプであった。 有りそうでなかったブラームス全集では、こんなに早くて大丈夫かと心配になるシューリヒト、クライバー並みの快速(特に第3、4番)で押し切り、シェーンベルクの「浄夜」、「ペレアス」では不健康で退嬰的な味わいが心を打ち、、あた室内交響曲のセンシティヴな表現は、正に不安の時代を生きる名指揮者の面目躍如。まとまった名演の少ないこれら作品の出色の演奏である。 ドイツ統一後、レーグナーはライプツィヒ放送響の常任指揮者に復帰することが決まっていながら、陰謀によりご破算になり、大きな仕事とも縁が無いまま失意の内に徐々に体調も崩し亡くなってしまった。存命ならば、ますます進化を遂げ、最後の巨匠として世界中で祭り上げられたことは間違いなかったであろう。まさに時代に翻弄された天才指揮者レーグナー。これはそんな彼の本領発揮の録音集である。 |