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MODE


価格帯記載無し:1枚あたり¥3300(税抜¥3000)
〔CD〕
価格帯C:¥5500(税抜¥5000)
〔DVD/DVD−AUDIO〕


 アメリカの現代音楽レーベル、MODEを御紹介。一連のジョン・ケージ・エディションが有名だが、他にもフェルドマン、クセナキス、ベリオ、シェルシ等々、このレーベルを避けては語れない作曲家も多い。
 初期の盤にはレーベル品切れ&再生産未定のアイテムが出ていますが、代理店からはアナウンスがなく、詳細は不明です。

ホラツィウ・ラドゥレスク(1942-2006):
 ピアノ・ソナタ&弦楽四重奏曲全集 Vol.1
 弦楽四重奏曲第5番「 before the universe was born 」 Op.89 (1990-95) (*) /
 ピアノ・ソナタ
  〔第5番「 settle your dust, this is the primal identity 」 Op.106 (2003) /
   第2番「 being and non-being create each other 」 Op.82 (1991) (#) 〕
 ジャックSQ (*) スティーヴン・クラーク(P;*以外)
 録音:2011年12月9日、 EMPAC 、レンセラー〔レンセリア〕工科大学、トロイ、ニューヨーク州、US (*) /2012年4月20日、グレン・グールド・スタジオ、トロント、カナダ(*以外) / (P) (C) 2016 。(#)を除き世界初録音。ラドゥレスクはルーマニア出身で、フランスで活躍した作曲家。
ゲラルド・エッケルト(1960-):
 2つのアンサンブル・グループのための「 An den Rändern des Maßes 」 (2005-11) /
 アンサンブルのための「 Bruchstücke... erstarrtes Lot 」 (1998/99) /
 小管弦楽のための「 Sopra di noi... (niente) 」 (2014)
  アンサンブル・リフレクションK&ゲスト
 録音:2014年11月21日、ニコライ教会、エッカーンフェルデ、ドイツ / (P) (C) 2016 。
クリスティアン・ウルフ・エディション Vol.7 〜
 クリスティアン・ウルフ
(1934-):
  偶然の音楽 [Incidental Music] (2003-04) /
  鍵盤雑録 [Keyboard Miscellany] (1997-)
クリスティアン・ウルフ
(P/メロディカ)
 録音:2005年10月18日-19日/ (P) (C) 2015 。
Éphémère 〜リュック・フェラーリ・エディション Vol.4
 リュック・フェラーリ(1929-2005)/ブリュンヒルト・フェラーリ編曲:
  カゲロウ [Éphémère] (1974/2012) (ヴィオラとテープのための新版)
 ブリュンヒルト・(マイヤー=)フェラーリ:
  Le Piano Englouti (2012) (ヴィオラとテープのための版)
 ヴァンサン・ロワイエ: Pour que le vent soit propice (2011)
  ( based on “Ce qu’a vu le Cers” (1978) by Luc Ferrari )(#)
 ヴァンサン・ロワイエ(Va/Vo;#/Perc;#/エレクトロニクス;#)
 (P) (C) 2015 。世界初録音。ブリュンヒルト・(マイヤー=)フェラーリは、リュック・フェラーリの妻。
MODEDV-284
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(DVD_VIDEO)
価格帯:C
Le dépassement de soi 〜ヤニス・クセナキス・エディション Vol.14
 ヤニス・クセナキス(1922-2001):
  トロンボーン、フレンチ・ホルンとチューバのための
   「リノスとアポロンの音楽の競技」(1972)〔2種の演奏(スタジオ&ライヴ)〕(*) /
  トロンボーンと6台のマリンバのための「神酒」(1996) (#) /
  フィルム「リノスとアポロンの音楽の競技
   [Linaia-Agon by Iannis Xenakis: Surpassing One’s Limits] 」
     by Benny Sluchin (78 minutes) /
  Iannis Xenakis on “Double Audition”(音声のみ):
   French radio broadcast from 1974 on Linaia-Agon. Xenakis is interviewed,
    with two complete performances and musical excerpts live in the studio
     (57:31, no video, in French with English subtitles)
 ベニー・スラチン(Tb;*/#) ジェンス・マクマナマ(Hr;*)
 ジェレミー・デュフォール アルノー・ブキチン(Tu;*)
 スティーヴン・シック指揮レッド・フィッシュ・ブルー・フィッシュ(#)
 (C) 2015 。 (*)のみ本編、他はボーナス扱い。言語:仏|字幕:英仏。初ヴィデオ&サラウンド・リリース。
MODEDV-273
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(DVD)
価格帯:C
Brazil 84 〜フィル・ニブロック(1933-):
 Three Orchids for 3 orchestras (2002-03)[ペトル・コティク指揮 SEM アンサンブルo.]/
 Two by Turn (Tow by Tom?) for 2 orchestras (2005) (*) / Three Orchids (2002-03) (#)
  [ Trio Scordatura (Amsterdam) (*/#) and Nelly Boyd Ensemble (*) ]
 77分。5.1 Dolby Digital & DTS Surround and Stereo 。 Phil Niblockはニューヨークのミニマル・ミュージック・シーンで活動。
MODE-269
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(2CD+
DVD-AUDIO)
3CD価格
フェルドマン・エディション Vol.12 〜
 モートン・フェルドマン
(1926-1987):弦楽四重奏曲集 Vol.2
 弦楽四重奏曲第1番(1979) / Structures (1951) /3つの小品 (1954-56)
  フレックスSQ
 (C) 2014 。弦楽四重奏曲集 Vol.1 (第2番 [1983] ): MODE-112 (CD), MODEDV-112 (DVD-AUDIO)。Vol.1 に続き、フレックス弦楽四重奏団による録音。演奏に6時間以上(楽譜の指定では5時間半ほど?)かかる第2番に比べれば短いが、第1番も少なくとも既出録音では75分強〜80分弱の大作で、さらに当演奏では約90分かかっている。 DVD 仕様: in 24 bit stereo and surround sound options.
Pathology of Syntax 〜ミン・ツァオ(1966-)
 弦楽四重奏のための「構文の病理学 [Pathology of Syntax] 」(2006-07)[アルディッティSQ ]/
 トランペット、トロンボーン、ピアノ、ギター、チェロと打楽器のための「 (Un)cover 」(2008)
  [ジョナサン・ストックハマー指揮アンサンブル・アスコルタ]/
 オーボエ、トランペット、ホルン、トロンボーン、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための
  「 The Book of Virtual Transcriptions 」(2004-05) [ジェイムズ・アヴェリー指揮アンサンブル・サープラス]/
 クラリネット、トロンボーン、ギター、チェロと打楽器のための「 Not Reconciled 」(2002-03)
  [ジョナサン・ストックハマー指揮アンサンブル・サープラス]/
 クラリネット、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと打楽器のための
  「 One-Way Street 」(2006) [アンサンブル・ルシェルシュ]/
 カノン(2001) [アントニー・バール(Cl) チャールズ・カーティス(Vc)]
 おそらく全曲世界初録音。カリフォルニア州バークリーに生まれ、チェルノヴィン、ファーニホウ、ダヴィドフスキらに学んだ中国系アメリカ人作曲家、ミン・ツァオの初アルバム。彼は西洋音楽を学んだ後、一時中国の蘇州に住んで中国古琴も習得、2014年現在はベルリンに在住し、2009年以降スウェーデンのイェーテボリ大学作曲家教授を務めている。
ヘルムート・ラッヘンマン(1935-):弦楽四重奏曲全集
 Gran Torso (1972) / Reigen seliger Geister (1989) (*) / Grido (2000-01)
  ジャックSQ
 (*)は「作曲者監修の録音」と記載されている。 #当初 DVD, MODEDV-267も発売されるとアナウンスされましたが、2015年9月現在未発売です。
Onsets 〜ティム・ホジキンソン(1949-):
 伝説的ロック・グループ「ヘンリー・カウ」結成メンバーの音楽
 アンサンブルとエレクトリック・サウンドのための「 Ici-bas 」 (2009)
  [ティム・ホジキンソン指揮ハイペリオン・アンサンブル、タレア団員、バーガーセンSQ ]/
 バス・クラリネットと弦楽のための「 Ulaaraar 」 (2005)
  [ティム・ホジキンソン(バスCl)指揮 イオアン・マリウス・ラクラル、
   コルネリア・ペトロイウ(Va) テオドル・イアンチュ、アンドレイ・キヴウ(Vc)
   イオン・ジータ、チプリアン・ジータ(Cb) アノン(小ゴング)]/
 アンサンブルとエレクトリック・サウンドのための「 Amhas/Nirriti 」 (2001)
  [ティム・ホジキンソン指揮ハイペリオン・アンサンブル]/
 弦楽四重奏、ハープ、トロンボーン、シンセサイザーとグラスのための「序破急 [Jo-Ha-Kyu] 」 (2000-2010)
  [ティム・ホジキンソン指揮 Ne(x)tworks ]/
 アンサンブルとエレクトリック・サウンドのための「 Attaot 」 (2009)
  [グスタボ・アギラル、ペトル・テオドレスク、アレクサンデル・リポフスキ(Perc)
   ティム・ホジキンソン指揮ハイペリオン・アンサンブル、タレア団員]
 ヘンリー・カウ [HENRY COW] は1968年に結成され、10年間続いたイギリスのロック・バンドで、ホジキンソンは最期までメンバーであり続けた。
MODE-262/5
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(4CD)
3CD価格
アメリカにおけるピアノ音楽の展望〜アンタイルからザッパまで 1911-1991
 チャールズ・アイヴズ(1874-1954):ピアノ・ソナタ第2番「コンコード・ミサ 1840-60」 (1911-15) 〜第3楽章
 レオ・オーンスタイン(1893-2002): Suicide in an Airplane (1916頃)
 チャールズ・トムリンソン・グリフェス(1884-1920):3つの前奏曲(1919)
 パーシー・グレインジャー(1882-1961): In a Nutshell – III. Pastorale (1916)
 アーロン・コープランド(1900-1990):3つのソナタ(1918-19) [FIRST RECORDING of 1 & 3]
 ヘンリー・カウエル(1897-1965): Amiable Conversation (1917)
 イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971): Valse pour les petits lecteurs du Figaro (1917)
 ジョージ・アンタイル(1900-1959): Sonata: Death of Machines (1922)
 エルンスト・ブロッホ(1880-1959): Poems of the Sea – II. Chanty (1922) [FIRST RECORDING]
 ジョージ・ガーシュウィン(1898-1937): Impromptu in Two Keys (1924)
 エドワード・エルゼア「ゼズ」・コンフリー(1895-1971): Nickel in the Slot (1923)
 デーン・ラディヤー [Dane RUDHYAR] (1895-1985): Third Pentagram (Release) – IV. Stars (1926)
 ウォリングフォード・リーガー(1885-1961): Blue Voyage Op.6 (1927)
 ヘンリー・ブラント(1913-2008): Music for a Five and Dime (1932)
 ルース・クロウフォード・シーガー(1901-1953): Nine Preludes – No.6 (1924-28)
 ポール・ボウルズ(1910-1999): Sonatina Fragmentaria (1933) [FIRST RECORDING]
 コンロン・ナンカロウ(1912-1997): Prelude & Blues – Blues (1935頃)
 ジョン・ケージ(1912-1992): Quest (1935)
 エルンスト・クルシェネク(1900-1991): Twelve Short Piano Pieces Op.83 – VI. A Boat Slowly Sailing (1938)
 オットー・ルーニング(1900-1996): Six Preludes – Prelude No.4 (1938-51)
 ロジャー・セッションズ(1896-1985): From My Diary, No.3 (1938)
 ヴァージル・トムソン(1896-1989): Souvenir: Portrait of Paul Bowles (1935) [FIRST RECORDING]
 アーロン・コープランド(1900-1990): The Resting Place on the Hill, from Our Town (1940)
 レナード・バーンスタイン(1918-1990): Seven Anniversaries (1943, rev. 1954) より
  〔 I. For Aaron Copland / VII. For William Schuman 〕
 カール・ラッグルズ(1876-1971): Evocations (1934-43, rev. 1954), movements I, II, IV
 ロイ・ハリス(1898-1979): American Ballads – I. Streets of Laredo (1946)
 モートン・グールド(1913-1996): Prelude &Toccata – Prelude (1945)
 ジョン。ケージ: In a Landscape (1948) / ジョージ・アンタイル: Valentine Waltzes (1949)
 ヴァージル・トムソン: For a Happy Occasion (1951)
 アール・ブラウン(1926-2002): Three Pieces – No.2 (1951)
 メル・パウエル(1923-1998): Etude (1957)
 ラ・モンテ・ヤング(1935-): Study No.2 (1959) [FIRST RECORDING] /
               Sarabande (1959, rev. 1980) [FIRST RECORDING FOR PIANO]
 ペギー・グランヴィル=ヒックス(1912-1990): Prelude for a Pensive Pupil (1958)
 モートン・フェルドマン(1926-1987): Vertical Thoughts 4 (1963)
 アラン・ホヴァネス(1911-2000): Five Visionary Landscapes Op.214 (1965), movements I, II, III
 フランク・ザッパ(1940-1993): Piano Introduction to “Little House I Used to Live In” (1970)
 マリオ・ダヴィドフスキー(1934-): Synchronisms No.6 for piano &tape (1970)
 ジョージ・クラム(1929-):
  Makrokosmos, Vol. 2 – VII. Tora! Tora! Tora! (Cadenza Apocalittica) (Scorpio) (1973)
 ルー・ハリソン(1917-2003): A Waltz for Evelyn Hinrichsen (1977)
 ジョーン・タワー(1938-): Red Garnet Waltz (1977)
 ジョン・ケージ: 49 Waltzes for the Five Boroughs (1977) – 1st realization, 2nd realization
 トム・コンスタンテン(1944-): Dejavalse (1977)
 ロバート・モーラン(1937-): Valse “In Memoriam Maurice Ravel” (1976)
 フィリップ・グラス(1937-): Modern Love Waltz (1977)
 フレデリック・ジェフスキ(1938-): Four Piano Pieces – No.4 (1977)
 クリスティアン・ウォルフ(1934-): Prelude No.5 (1981) / ジェイムズ・セラーズ(1943-): Nocturnes (1981)
 ロス・リー・フィニー(1906-1997): Youth’s Companion – V. Riddle Song (1981) [FIRST RECORDING]
 フィリップ・グラス: Opening (1981) / ルーカス・フォス(1922-2009): Solo (1981)
 アルヴィン・カラン(1938-): For Cornelius (1982)
 ジョン・ケージ: Souvenir (1983) [FIRST RECORDING FOR PIANO]
 ニルス・ヴィーゲラン(1950-): Nocturne: The Sensualist, Dying, Recalls His Protestant Youth (1987)
 スティーヴン・ポールズ(1949-): Dance (1987) / カムラン・インス(1960-): My Friend Mozart (1987)
 ジョセフ・シュヴァントナー(1943-): Veiled Autumn (Kindertodeslied) (1987)
 オットー・ルーニング(1900-1996): Song Without Words (1987)
 アルヴィン・シングルトン(1940-): Changing Faces (1970/1987) [FIRST RECORDING]
 ルー・ハリソン: A Summerfield Set – I. Sonata (1988)
 コンロン・ナンカロウ: Three Two-Part Studies (c. 1935, premiered by Yvar Mikhashoff in 1991)

  イヴァー・ミカショフ(P)
 48人の作曲家による62作品、内7つの世界初録音を含む4時間34分の膨大なセット。
ヤニス・クセナキス(1922-2001)・エディション Vol.13 〜アンサンブル作品集 Vol.3
 ピアノとアンサンブルのための「パリンプセスト [Palimpsest] 」(1979) (*) /
 バス・クラリネットとアンサンブルのための「交換 [Echange] 」(1989) (#) /
 ソプラノとアンサンブルのための「アカントス [Akanthos] 」(1977) (+) /
 16の楽器のための「タレイン〔芽生え〕 [Thalleïn] 」(1984) /
 打楽器とアンサンブルのための「オメガ [O-Mega] 」(1997) (**) /
 トロンボーンと6つのマリンバのための「神酒 [Zythos] 」(1996) (##)

 コリー・スマイス(P;*) ジョシュア・ラビン(バスCl;#)
 トニー・アーノルド(S;+) スティーヴン・シック(Perc;**)指揮(##以外)
 国際現代アンサンブル(##以外) ベニー・スルチン(Tb;##) red fish blue fish (##)
 「初録音」と記載されている。
Music in Two Dimensions 〜ブルーノ・マデルナ(1920-1973):フルートのための作品集
 フルートとテープのための「2つの次元の音楽 [Musica su due dimensioni] 」 (1952/第1版) (*) /
 フルートとピアノのための「2楽章のディヴェルティメント [Divertimento in due tempi] 」(1953) (#) /
 フルートと管弦楽のための協奏曲 [Concerto per flauto e orchestra] (1954) (+) /
 フルートとテープのための「2つの次元の音楽 [Musica su due dimensioni] 」 (1958/第2版) (*) /
 フルートとピアノのための「蜜の夢 [Honeyrêves ] 」(1961) (#) /
 無伴奏フルートのための「次元第3番のカデンツァ [Cadenza da ‘Dimensioni III’] 」 (1963) /
 2つのフルートのための「衛星のためのセレナータ [Serenata per un satellite] 」FRA
  (ロベルト・ファブリツィアーニ編曲) (1969, arr.?) (**) /
 フルートとピアノののための「カテリーナのために [Per Caterina] 」FRA
  (原曲:ヴァイオリンとピアノのための/ロベルト・ファブリツィアーニ編曲) (1963, arr.?) (#) /
 フルートとピアノののための「クラウディアのためのセレナータ [Serenata für Claudia] 」FRA
  (原曲:ヴァイオリンとチェンバロのための/ロベルト・ファブリツィアーニ編曲) (1968, arr.?) (#)

  ロベルト・ファブリツィアーニ(Fl) アルヴィーゼ・ヴィドリン(音響監督;*)
  マッシミリアーノ・ダメリーニ(P;#) マルチェロ・パンニ指揮「G.モナコ」po.(+)
  ルイゼッラ・ボッテオン(Fl;**)
 FRA は「当編曲による初録音」と記載されている。
ジョン・ケージ(1912-1992)・エディション Vol.49 〜ピアノ作品集 Vol.9
 Haiku (1950-51) (全6曲/第1曲の第2版〔撤回?〕を含む)/
 Sixteen Dances (1950-51) (ヴァルター・ツィンマーマン校訂によるピアノ独奏版)/
 Sixteen Dances (1950-51) より 〔第15曲/第16曲〕(ピアノと打楽器のための異版)(*)
  ヨヴィタ・ツェール [Jovita Zähl](P) トーマス・マイクスナー(Perc;*)
 世界初録音。ジョン・ケージによる、今まで知られていなかった2作品。ドン・ギレスピー(ケージの出版社、C.F. ピータース社)と作曲家ヴァルター・ツィンマーマンによって、リンカーン・センターにあるニューヨーク公共図書館・舞台芸術分室〔舞台芸術図書館/リンカーン・センター分室〕で発見された。
MODEDV-258
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(DVD)
価格帯:C
ジョン・ケージ・エディション Vol.48 〜
 ジョン・ケージ
(1912-1992):Variations V (1965)
 ボーナス: Two revealing, recently recorded interviews conducted by
       The Merce Cunningham Dance Company's David Vaughan
       with some of the dancers from the 1960s production.
  ジョン・ケージ、デイヴィッド・テューダー、ゴードン・ムンマ
  マース・カニンガム(ダンス)
 収録:1967年、NDR放送局、ハンブルク、ドイツ。同映像初の商業リリース。
Afterglow 〜キーリル・マカン [Keeril Makan] (1972-):
 アルトフルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ピアノと打楽器のための「 Mercury Songbirds 」(2008)AS /
 フルート、オーボエとハープのための「 Husk 」(2006) /ピアノ独奏のための「 Afterglow 」(2007) (#) /
 フルートあるいはバス・フルート、クラリネットあるいはバスクラリネット、
  トランペットとコントラバスのための「 Becoming Unknown 」(2010)EC /
 無伴奏ヴァイオリンのための「 Mu 」(2007) (+) /
 クラリネット、ピアノ、打楽器、ヴァイオリンとチェロのための「 After Forgetting 」(2009)AS

 コーリー・スマイス(P;#) アダム・シリウィンスキ指揮AS
 エリック・カールソン(Vn;+)指揮EC
 インターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブル (ICE) (#, +以外)
ジャチント・シェルシ(1905-1988):エディション Vol.10ヴァイオリン作品集
 無伴奏ヴァイオリンのためのディヴェルティメント
  〔第2番(1951 or 1954) (*) /第3番(1955) (#) /第4番(1955) 〕/
 L’Âme ailée - L’Âme ouverte (1973) /
 ヴァイオリンのための
  「 Xnoybis "The ability of energy to ascend to the spirit" 」(1964) (#)
 林慰萍〔リン・ウェイピン/ Weiping Lin 〕(Vn)
 (*)は世界初録音。(*)と(#)はドヴィ・エルリによって初演されたと言う。当盤の演奏者リンは台湾出身で、ウィーンでドーラ・シュヴァルツベルクらに学び、2013年現在はウィーン放送響の副コンサートマスターを務める奏者。
雲と空 [Clouds And Sky] 〜ヨハネス・シェルホーン(1963-):
 ピアノと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥック「雲と空」(2010)
  [ヤン=フィリップ・シュルツェ(P) ペーター・ルンデル指揮ケルン WDR so.]/
 コントラバス・クラリネットと弦楽四重奏のための「 Rota 」(2008)
  [ギャレス・デイヴィス(コントラバスCl) ジャックSQ ]/
 6人の打楽器奏者のための「赤と青 [Red and Blue] 」(1999) [アンサンブル「S」]/
 コントラバス・クラリネットのための「 a self-same-song 」(2010)
  [ギャレス・デイヴィス(コントラバスCl)]
MODE-253
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(2CD)
ジョン・ケージ・エディション Vol.47 〜ジョン・ケージ(1912-1992):オルガン作品全集
 オルガン奏者と6人の助手のための「 Some of "The Harmony of Maine" 」 (1978) (*) /
 オルガン独奏のための「思い出」(1983) /
 オルガン独奏のための "Organ2/ASLSP" (1987) (#) /4分33秒 (1952) DVD
 ・ボーナスDVD: Interview with Gary Verkade on playing Cage’s organ works
  ゲイリー・ヴァケード〔ゲイリー・ヴェルカデ〕(Org) 助手たち(*)
MODEDV-253
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(DVD)
価格帯:C
 録音・収録: Nederluleå Church 、ガンメルスタード教会街、スウェーデン。DVDはDVD盤 (MODEDV-253) のみに収録。DVD仕様:リージョン・オール| NTSC | 16:9|2時間23分(内、ボーナス33分)| 5.1 Dolby Digital & DTS Surround and Stereo。
 純粋にオルガンで演奏される事を目的としたケージの作品は3曲しかないが、全曲が録音されるのは世界初。(*)はアメリカの作曲家サプライ・ベルチャー [Supply Belcher] (1751-1836) による作品集「メイン州のハーモニー [The Harmony of Maine] 」(1794出版) を元としたチャンス・オペレーション作品。(#)は数分で演奏してしまう事も可能だが、ケージは「できる限り遅く」と指示しており、2001年からドイツの教会で639年間に渡る演奏(もちろん自動演奏に拠る)が続けられている。奏者のヴァケード [Gary Verkade] (1954-)はアメリカのシカゴ生まれだが、おそらくスウェーデン系で、現在はスウェーデンを中心に作曲家としても活躍している。
ヘルムート・ラッヘンマンZwei Gefuhle and Solo Works
 語り手とアンサンブルのための「 Zwei Gefuhle - Musik mit Leonardo 」(1992)
  [ヘルムート・ラッヘンマン(語り) ブラッド・ラブマン指揮アンサンブル・シグナル]/
 無伴奏チェロのための「 Pression 」(1969-70) [ローレン・ラドノフスキー(Vc)]/
 ピアノ独奏作品集〔 Weigenmusik (1963) / Guero (1970) / Ein Kinderspicl (1980)〕
  [ヘルムート・ラッヘンマン(P)]
MODEDV-252
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(DVD)
価格帯:C
 おそらくDVDのみのボーナスとして、ラッヘンマンと Seth Brodsky(シカゴ大学音楽教授) による対談付き。シュトックハウゼン以後のドイツを代表する中核的作曲家ヘルムート・フリードリヒ・ラッヘンマンによる映像作品。
ヴァルター・ツィンマーマン(1949-):Songs of Innocence & Experience
 ドローン四重奏付き弦楽四重奏のために昇華された「 10 Fränkische Tänze 」 (1977) /
 弦楽四重奏のための「 Keuper 」(1980)/弦楽四重奏のための「 Festina Lente 」(1987) /
 弦楽四重奏とテープのための 23のリトルネル「 Songs of Innocence & Experience 」 (1996/2004) (*) /
 無伴奏ヴァイオリンのための「 Die Sorge geht über den Fluß 」
  〔 Part 1 (1989-91) for Stefan Schädler / Part 2 (2001) 〕/
 声を伴うヴィオラのための「 Taula / Novo Ben 」(2003) (+) /
 ドローン四重奏無し弦楽四重奏のために昇華された「 10 Fränkische Tänze 」 (1977)

  ソナールSQ [ズザーネ・ツァプフ(Vn;#)、クリステン・ハルムス(Vn)
           ニコラウス・シュリールフ(Va;+/Vo;+) コジマ・ゲルハルト(Vc)]

  アレン・ギンズバーグ(Vo;*)
 『弦楽四重奏曲は初めての全集』だとのこと。
バーバラ・モンク=フェルドマン(1950-):
 北部の海岸[マーク・サバット(Vn) スティーヴン・クラーク(P)
       ダーク・ロスバースト(ヴィブラフォン/チャイム)]/
 砂漠の花の小さな時のなかで(2000)[高橋アキ(P)](*)
 バーバラ・モンク=フェルドマンは、かのモートン・フェルドマンが最晩年に数カ月結婚していた女流作曲家。(*)は本作の高橋アキが2000年に初演。
ジョン・ケージ・エディション Vol.45 〜打楽器のための作品集 Vol.2
 The 3 Constructions (1939-41) / Quartet (1935) / Trio (1936) / Living Room Music (1940)
  サード・コースト・パーカッション
MODEDV-243
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(DVD)
価格帯:C
 DVD仕様: Region 0 | NTSC | 16:9 | 64分 | 5.1 Dolby Digital & DTS Surround and Stereo 。
MODEDV-242
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(DVD)
価格帯:C
Aiyun Huang`s "Save Percussion Theatre"
 マウリシオ・カーゲル: L`Art Bruit (1995) / Dressur (1977)
 ジョルジュ・アペルギス: Le Corps a Corps (1991) / Les Guetteurs de Sons (1978-79)
 ヴィンコ・グロボカール: Corporel (1985) / Toucher (1985)
 ハビエル・アルバレス: Temazcal (1984)
 ジャン=ピエール・ドルーエ:ヴィクトル・ユーゴーのテキストによる変奏曲 (1991)
 Region 0 | NTSC | 16:9 | 126分 | 5.1 Dolby Digital & DTS Surround and Stereo 。台湾出身、モントリオール在住の女性パーカショニスト、Aiyun Huang のパフォーマンスを収めたドキュメンタリー。フランスのパーカッション・トリオ、Trio le Cercle のために作られた作品。作曲はいずれも70年代から80年代に活躍したフランス在住のノン・フレンチ・コンポーザーによる物。フランス文化と移民作曲家の微妙なずれにより豊かな世界を作り上げている。音ひとつひとつから彼らがフランス文化に歓迎されていることがうかがえる。ヴィジュアル、シアトリカルな部分は作品の最も重要な要素と言えるだろう。Hans Fjellestad と Anton Cabaliero 監督による作品にはそれぞれのコンセプトがあり、見る人を惹きこむ。あたかもパフォーマンスの場にいあわせているかのような感覚をおぼえる。どの作品もパーカッションのコンサート演目としてよく知られているが、演技、ヴォイス、パーカションの組み合わせによるパフォーマンスは、オーディオレコーディングだけで表現できるものではない。Aiyun Huang は台湾の高雄市生まれ。カルフォルニア大サンディエゴ校卒業。現在は演奏活動の傍らモントリオールの音楽大学でパーカッション・アンサンブルの監督を務めている。
ジョン・ルーサー・アダムズ(1953-):
 Songbirdsongs (1974-79 or 80?, rev.2006) (*)
  [スティーヴン・ドルーリー指揮 Callithumpian Consort ]/
 Strange Birds Passing (1983, rev.2003) (#)
  [ジョン・ハイス指揮ニュー・イングランド音楽院現代音楽アンサンブル]
 1978年以降アラスカに定住している方のジョン・アダムズ(ジョン・クーリッジ・アダムズ(1947-)ではない)による作品集。 作曲者の公式サイトによると、(*)は「2つのピッコロと3つの打楽器のための」、(#)は「フルート合唱のための [for flute choir (2/3/2/1)] 」と記載されているが、ともに改作年が記されていない状態。当盤では改作されているようなので、録音がこの編成で成されているのかどうかは不明。
ジョン・ケージ(1912-1992):The Number Pieces Vol. 6
 任意の5声または5つの楽器のための「 Five 」(1988) /
 フルート、クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、
  チェロ、ピアノと打楽器のための「 Seven 」 (1988) /
 フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、トランペット、
  トロンボーン、テューバ、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと
   2つのシロフォンのための「 Thirteen 」 (1992) (*)
エッセンシャル・ミュージック
 録音:1993年-1994年。(*)の1曲を除き初出。John Kennedy & Charles Wood, directors。ニューヨークを拠点に活動するアンサンブル、エッセンシャル・ミュージックは晩年のケージ作品に深く関わっており、この時期のケージ作品のオーソリティとして知られている。ケージの晩年の作品群であるナンバー・ピース、タイムブラケット作品は1987年に最初の作品が書かれた。「ナンバー」では作品を演奏するミュージシャンの人数がタイトルになっている。スコアはいくつかのパートで構成されているが、完成されたスコアではない。大まかな指示はあるものの、演奏のスタート、エンディング、デュレーションはミュージシャンの裁量で決定できるという自由度の高い幅=タイムブラケットが与えられているのが特徴。(*)はケージの遺作。この作品のみ初出ではなく2回目の録音。「Five」はミュージシャンや楽器の数を表しているわけではない。エッセンシャル・ミュージックはケージの許諾を得てビンに息を吹き込んで演奏しているのだが、ミステリアスな雰囲気を出すことに成功している。
モートン・フェルドマン・エディション Vol.11 〜オーケストラ
 Intersection I (1951)   first recording for large orchestra (*) /
 Structures (1962) / On Time and the Instrumental Factor (1969) /
 Voice and Instruments (1972) / Orchestra (1976)
  ブラッド・ラブマン指揮ベルリン・ドイツso.
 (*)を除く4作は初録音、(*)はフル・オーケストラでの演奏としては初録音。Deutchlandradio との共同制作。ライナーノート: Samuel Clay Birmaher。ブラッド・ラブマンはアメリカ人指揮者。1989-94にタングルウッド・ミュージックセンターでオリヴァー・ナッセンのアシスタントを務める。アンサンブルからオーケストラまで幅広いレパートリーをもつ。これまでピエール・ブーレーズ、ルチアーノ・ベリオ、スティーブ・ライヒ、フィリップ・グラス、マイケル・ティルソン・トーマス、ジョン・ゾーンの作品を指揮している。ベルリン・ドイツso.は1946年西ベルリンに創設。初代首席指揮者のフェレンツ・フリッチャイが掲げた現代音楽とクラシック・レパートリーの現代的解釈という方向性のもと演奏活動を行っている。
 「Intersection I (1951)  first recording for large orchestra」初期グラフィック・スコアの代表作。リアリゼーションはSamuel Clay Birmaher。荒削りなオーケストラが、いかにもフェルドマンらしい力強くダイナミックなサウンドを生み出している。
 「Structures (1962)」「On Time and the Instrumental Factor (1969)」こちらの両作品はフェルドマン音楽の過渡期に作られた姉妹作品。どちらも浮遊する時間を表現している。
 「Voice and Instruments (1972)Martha Cluver, soprano」ヴォイスとオーケストラの言葉なきダイアログが繰り広げられる。ここでは繊細な糸で結ばれているシングル・サウンドの美しさが描かれている。
 「Orchestra (1976)」オーケストラ全体を端から端までを通り抜けているような作品。未踏の地を進むように、パターンはそれぞれ独自に行きつ戻りつする。フェルドマン中期から後期の橋渡しとなる重要な作品。
モートン・サボトニック(1933-):Electronic Works Vol.3
 Until Spring: Revisited (1976, rev.2009) (*) / 4 Butterflies (1973) (#)
MODEDV-237
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(DVD)
価格帯:C
 4チャネルテープにレコーディングされた (#) は初CD・DVD化。DVDのみサラウンド対応。
 米国エレクトロニク・ミュージック界の大御所 Morton Subotnick の作品集。オリジナルの Until Spring は1976年のテープ作品。当盤にはオリジナル・マテリアルを再解釈した2009年のライヴ・リミックス・ヴァージョン(*)を収録。作品の原型が生まれた1975年はまだコンピューター技術が開発途上で、可能な限りのテクニックを駆使してもリアル・タイムでは演奏できなかった。しかし1990年代になると技術が飛躍的に進化し、ソフトウェアが楽器の役割を果たせるまでになったので、彼の当初のアイデアがやっと実現できるようになった。収録の演奏はサンフランシスコでのレコーディング。サボトニック(ライブ・エレクトロニクス)、ミゲル・フラスコーニ(ライブ・エレクトロニクス/グラス・ハープ)のアンサンブル。(#)は1974年にコロムビア・レコードからLPで発売。アナログ・マスターテープからハイレゾリユーションでコピーしたものをサボトニックがミックスした。ふたつの間奏を挿んだ4セクションから成り、浮遊感ある不可思議なエレクトロニクスの世界が広がる。
 DVDの映像はサンフランシスコで活躍するヴィジュアル・アーティスト、スー・コスタビレの作品。また、DVDには初演のライブステージで使われたコンテンポラリー・アーティスト、マリオ・カスティロのビデオ・アートを収録。この映像は初演以来発表されたことはなく、今回のリリースのために特に用意された。またサブトニック自身が手がけた未発表のエクスペリメンタルビデオ作品1編も収められている。新バージョンのA Sky of Cloudless Sulphurも収録。
MODEDV-236
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[MODE-236DVD]
(DVD)
価格帯:C
IN THE SHADOW OF NO TOWERS
 マルコ・カッペリ(音楽) アート・スピーゲルマン(グラフィック)
 ジョン・タトゥーロ(語り;英語版) エンツォ・サロモーネ(語り;伊語版)
 4:3 |カラー| 5.1 Surround & Stereo | Region 0 | NTSC |言語:英・伊| Duration 120:00 | Running Time: 50 Minutes (最後の2項目は矛盾するが、代理店記載ママ)。ピューリッツァー賞受賞グラフィック・アーティスト、アート・スピーゲルマンの2001年同時多発テロ事件を題材にしたコミック作品「The Shadow of No Towers〔消えたタワーの影のなかで〕」の映像バージョン。事件から10年になる2011年9月にリリースされる。ナレーターは「オー・ブラザー」「ビッグ・リボウスキ」「クイズ・ショウ」などの出演作品のある映画俳優ジョン・タトゥーロ。音楽は作品に感銘を受けたミラノ出身のギタリスト&コンポーザー、マルコ・カッペリ。ナレーションの合間にロック、ジャズ、コンテンポラリー・クラシックが融合されたサウンドが流れる。「The Shadow of No Towers」ではスピーゲルマン自身も体験した9.11テロ事件の恐怖を、100年前の新聞マンガの黎明期に登場したキャラクターをふんだんに使って描いている。ナレーターのジョン・タトゥーロは、ブルックリン出身だけあって、スピーゲルマンのニューヨーカーとしての視点を完璧に表現している。カペッリの楽曲は2008年イタリアで初演。DVDには初演でナレーターをつとめたイタリアの舞台俳優エンツォ・サロモーネによるイタリア語版もあわせて収録している。
#CDショップ・カデンツァ独自翻訳・編集・製作のため、無断転載・使用は堅くお断り致します
周文中〔チョウ・ウェンチュン/ Chou Wen-chung 〕(1923-):
 弦楽四重奏曲第1番「雲 [Clouds] 」(1996) (*) /
 木管と弦楽の二重三重奏による「黄昏色 [Twilight Colors] 」(2007) (#) /
 弦楽四重奏曲第2番「流れ [Streams] 」(2003) (+)
  ブレンターノSQ (*/+) リチャード・ピットマン指揮ボストン・ムジカ・ヴィヴァ(#)
 録音:2010年9月22日(*) 、2004年6月2日(#) 、アカデミー・オヴ・アーツ&レターズ、ニューヨーク(*/#) /2008年9月17日、フレーザー演奏スタジオ、ボストン(+) 。 (P) (C) 2011 。
 周文中は山東半島の煙台に生まれ、当初は建築を志し1946年にアメリカへ留学したが音楽へ転向、スロムニスキー、ルーニング、ヴァレーズに学び、1958年にはアメリカの市民権を得た作曲家。2017年3月現在存命。
ジェイソン・エッカート(1971-): UNDERSONG (2002-2008)
 〔無伴奏チェロのための「 A way [tracing] 」[フレッド・シェリー(Vc)]/
  増幅フルートと弦楽三重奏のための「16」[クレア・チェイス(Fl)]/
  フルート、クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとピアノのための「隙間」/
  ソプラノと10人の奏者のための「 The Distance (This) 」[トニー・アーノルド(S)]〕

 スティーヴン・シック指揮インターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブル(ICE)
 ローラ・マレン [Laura Mullen] による同名の詩をテキストととした、4つのパートからなる切れ目のないサイクル(循環)作品。まず無伴奏チェロが行きつ戻りしながら undersong のさまざまな解釈を試み、循環していく。「16」についてエッカートは『ブッシュ前大統領が2003年の一般教書で述べたイラクの核兵器開発計画に関する遠回しな批判が16の単語でできていたことがヒントとなった』と述べている。オープニングからフルートは子音的な音が続き、まるではっきり言葉にできず口ごもっているようだ。スペクトラム(範囲?)はスピーチ・サウンドとミュージカル・トーンの間で、呼吸音の混じった明瞭な音。ピッチも比較的明瞭。「隙間 [Aperture] 」は「16」の流れをそのまま引き継ぎ、混乱したサウンドから安定したサウンドの幅がある。次の楽章への導入部。フィナーレは広大でなだらかなオープニングで始まる。少人数のオーケストラ(各楽器ひとりずつの木管楽器、弦、ピアノ、ヴィブラフォン/グロッケンシュピール)。16とは対象的に明瞭で詩的な声によりはローラ・マレンの詩作が歌われる。
MODEDV-232
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(2DVD)
価格帯:C
ロジャー・レイノルズ(1934-):Sanctuary
 (打楽器四重奏とライヴ・エレクトロニクスのための)(2003-2007)
  〔 "Chatter/ Clatter" / Oracl / Song〕(2つの全曲演奏と1つの抜粋演奏)
 ・ボーナス:5.1サラウンド・ミックス(DTS、Dolby)/ステレオ・ミックス/
       「 Finding Sanctuary: Roger Reynolds Making Modern Music」
        (レイノルズのドキュメンタリー/29:36)。
 本編の "Sanctuary" は3楽章から成る作品で、演奏会場、演奏者、テクノロジーの進化ととともに進化している。この進化がわかるよう、3つのバージョンが収録されている。
 1.スタジオでのパフォーマンスを完全収録。会場では見えにくい細かな動きをカメラが捉えている。従来のコンサート・ドキュメンタリーとは異なり、4人の演奏者に3人のカメラマンがついて、スコアを見ながら撮影している(74:15)。
 2.ワシントンD.C.のナショナル・ギャラリー・オブ・アートでのライヴ・パフォーマンスを完全収録。室内装飾が施された会場での演奏(78:33)。
 3.カルフォルニア州サルク生物学研究所の、近未来的建物に囲まれた中庭でのアウトドア・パフォーマンスから抜粋。海を臨み、夕陽をバックにした演奏。コンポーザーのコメントがちりばめられている(18:46)。
 Chatter/ Clatterはレイノルズのコラボレター、スティーヴン・シックのパーカション・ソロ。ステージを移動しながらゴング、ボトル、ボウル、箱などのサウンドソースを使って軸となるメロディーを描く。
 第2楽章の Oracle ではステージ中央でクァルテット "redfish bluefish" が対話し、疑問を投げかけあう。パーカショニストとOracleとの対話、パーカショニスト間の対話、音楽が循環して作品の輪郭を描き、テーマへと発展していく。
 最後のSongではクァルテットは、前の楽章をもとめ探し当てる。自分たちが発展させてきたメロディーを最高潮にまで引き上げていくと、Songが現れてくる。
 スティーヴン・シックはアイオワ出身の打楽器奏者。アイオワ大学、フライブルク音楽大学に学ぶ。さまざまな作曲家に新作を委嘱。アメリカ国内だけでなく世界各地の音楽祭で初演を重ねている。現在カリフォルニア大学サンディエゴ校教授。Redfishbluefishはカルフォルニア大学サンディエゴ校のレジデント・アンサンブル。多くの新作パーカッション作品を演奏している。
ジャチント・シェルシ(1905-1988)・エディション Vol.9〜ヴィオラ作品集
 Manto (ヴィオラと男声のための) (1957) (*) / Coelocanth (1955) /
 Three Studies (1956) (#)/ ヴィオラとチェロのための Elegia per Ty (1958) (+) /
 Xnoybis (1964) (ヴァンサン・ロワイエ編曲によるヴィオラ版)(**)
 ヴァンサン・ロワイエ(Va/Vo) セヴェリーヌ・バロン(Vc;+)
 (#)は世界初録音。(*)は第3楽章が世界初録音。(**)は同編曲版による世界初録音。1曲目の「Manto」とは古代ギリシャの予言妖精のこと。第3楽章ではヴィオラ奏者が演奏しながら妖精の言葉を歌うよう指示されている。(+)のうち「 Ty 」とはシェルシの元妻ドロシーの愛称。ヴィオラとチェロが Ty と過ごした日々を懐かしむ。ヴァンサン・ロワイエはフランス生まれでケルン在住の現代音楽を得意とするヴィオラ奏者。ラドゥレスクやミュライユら現役コンポーザーとの親交をもちコラボレイトも多い。
ジェルジ・クルターグ(1926-):
 Signs, Games and Messages
(無伴奏ヴィオラのための; 1989-)
 〔 Signs I / Signs II /ジョン・ケージ讃(*) /無窮動 a (*) /無窮動 b (*) /無窮動 c (*) / Klagendes Lied (*) /
  Zank-Kromatisch / Flapping-slapping / Im Volkston (*) / J.H.-Song / The Carenza Jig (*) /
  ...To the exhibition of Sari Gerloczy (*)/ In memoriam Aczel Gyorgy (*)/ Thomas Blum in memoriam /
  Doloroso / Samuel Beckett: le nain -Hommage a Roland Moser (*) / Letter to Vera Ligeti (*) /
  For Imre Foldes at 60 (*)/ Silent lines to Laszlo Dobszay (*) / In Nomine -all`ongherese (*) /
  ...in memoriam Anneliese Nissen-Zsigmondy, / ...eine Blume fur Tabea..., / Gyorgy, Kroo in memoriam (*)〕

 無伴奏ヴィオラのための「 also 」(*)
 〔 Szorongos es vigasztalos H.J.-nek / Illes Arpadne emlekere / Mesto, lacrimoso / Misterioso -altero 〕
  マウリツィオ・バルべッティ(Va)
 (*)は世界初録音。ハンガリーの現代音楽作曲家クルタークが50年前(代理店記載ママ)から取り掛かっているシリーズの初録音を含むCD。クルタークがこれまでに出会ってインスパイアを受けた人々に捧げる作品で、2011年現在もなお作られている。当盤に収録されたヴィオラのための同作品は24曲(他にヴァイオリン独奏、チェロ独奏、コントラバス独奏、弦楽三重奏のための作品がある)、それに加え1900年代(代理店記載ママ)、ブタペストやベルリンで作られたヴィオラ・ソロ作品を4曲収録。
 ヴィオラ奏者のマウリツィオ・バルベッティはクルターク作品を完璧に解釈し、高い評価を得ている。クルタークのみならず、エンニオ・モリコーネ、ルイス・デ・パブロ、ホラツィウ・ラドゥレスクら大物作曲家がバルベッティのために曲を書いている。
ジョン・ケージ(1912-1992):打楽器のための作品集 Vol.1〜
 FIRST RECORDINGS to use the actual 1930s Test Tone records
  and variable-speed turntables as specified in the score.

 我々の信条 [Credo US] (1942)
  (第1版−ショスタコーヴィチ/ラジオとフォノグラフを含む打楽器四重奏のための)(*)
 心像風景 [Imaginary Landscape] (全5曲/1939-1952)
  〔第1番(1939; 2つの速度可変ターンテーブル、
           frequency recordings、弱音器付きピアノとシンバルのための) (#) /
   第2番(1941) /第3番(1942; 打楽器アンサンブルのための) /
   第4番(1951; 12のラジオのための/2種の録音) (+) /
   第5番(1952; 任意の42の録音を収録した磁気テープのための/2種の録音) (**)
          (第1版−クラシック・ジャズ/第2版−オール・ケージ)〕
 我々の信条 [Credo US] (1942)
  (第2版−ベートーヴェン/ラジオとフォノグラフを含む打楽器四重奏のための)(*)
 ボーナス・トラック(MODEDV-229のみ収録):
  ・Percussion Group Cincinnatiのパフォーマンス (19分)
  ・96khz 24bit のオーディオ・ファイル
  シンシナティ打楽器グループ
MODEDV-229
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(DVD)
価格帯:C
 ケージ作品の中で、音楽史上最も重要だとされているパーカッション・ミュージック。Percussion Group Cincinnati はケージ作品に精通し、欧米各地のフェスティヴァルに参加。このグループのために書かれたケージ作品もいくつかある。
 (*)は1人のピアニスト、2人のパーカッション、ラジオとフォノグラフ・レコードプレイヤー担当ひとり、計4人の演奏者用のための作品。打楽器の2人は消音ゴング、ブリキ缶ドラム、電気ブザー、タムタムを担当。フォノグラフででかけられるレコードは第1版ではショスタコーヴィチ、第2版ではベートーヴェンが使われているが、ケージはドヴォルザーク、ベートーヴェン、ショスタコーヴィチ、シベリウスなどのクラシック音楽を指定している。ラジオ番組の指定は特にないが、第二次世界大戦中に作られたため緊急放送が入ることを懸念し、ニュース番組は避けるよう指示されている。
 (#)は消音ピアノとシンバル、変速ターンテーブルを使ったテスト・トーンのための作品。レコードとターンテーブルはスコアに指示されており、当盤でも指示通りのものを使用。(+)は指揮者と12台のラジオによる作品。詳細にわたるスコアには音の強弱と回数が指示されているが、ラジオからの音楽、話、ノイズ、静寂等々、放送内容が異なるため、同じ演奏はない。(**)は 42枚のLPから断片をコラージュし、8トラックテープに収めた作品。音の長さと大きさ指示されているが、音楽の種類や曲は指定されていない。当盤では、ひとつはケージのオリジナルであるジャズ・レコードを使ったもの、もう一方はケージの音源をつかった当レーベル・オリジナルの2ヴァージョンを収録。

 DVDには、CDと同内容の演奏を DTS 5.1 サラウンド・サウンドで収録。
リュク・フェラーリ(1929-2005):
 3つのフルートとディジタル保存された音のための「 Madame de Shanghai 」 (1996) (*)
  [ Li Ping Ting (Madame Shanghai) アンサンブル・セヴン・シングズ]/
 14の楽器と2つのサンプラーのための
  「 Après presque rien(After Almost Nothing)」(2004) (#) /
 ブラス(2本のトランペット、トロンボーン、テューバ)、ピアノと
  6種の打楽器のための「 Visage 2 」 (1955-56) (+)
   [Art Zoyd(アバンギャルド・バンド;#)
    ジャン=ポール・デッシー指揮ムジーク・ヌーヴェル(#/+)]
 3作品とも初録音。純粋な器楽曲から不定形スコア、インプロヴィゼーション、テープ音楽、ラジオ作品、ドキュメンタリー映像、マルチメディア・インスタレーションなど幅広い音楽活動を行ってきたリュク・フェラーリの作品から。ライナー・ノーツは音楽史専門のサビーネ・フェイスとリュク・フェラーリ。
 (*)はフルートの演奏と、パリ13区アジア街での中国語やベトナム語が飛び交うフィールド・レコーディングからなる作品。1947年に「上海から来た女」を監督したオーソン・ウェルズへ捧られた作品で、終盤にはウェルズの声も流れる。
 (#)は6編の "Presque rien" (ほとんどなにもない)シリーズのひとつ。1976年から2001年まで30年間にわたって作り続けられたこのシリーズは、逸話風な音楽と自然への深い関心がコンセプトとなっている。鮮やかな楽器に様々なエンバイロメンタル・サウンドがちりばめられた作品。アバンギャルド・バンド Art Zoyd 、 Musiques Nouvelles 、CCMIX (Center for the Composition of Music Iannis Xenakis) の依頼によって作曲。
 (+)は1955年-59年に作られた5部作、Visageシリーズの2作目。シリーズのほとんどは当時フェラーリが専念していたセリー音楽だが、Visage 2ではセリー音楽と音符やリズム、楽器が主導する従来の音楽形式の対立が見られる。
ジャチント・シェルシ(1905-1988)・エディション Vol.8
 〜ピアノ作品集 Vol.4

 Hispania "Triptyque pour piano" (1939) /
 組曲第5番 "Il Circo" (1935) /
 組曲第6番 "I Capricci di Ty" (1939)
スティーヴン・クラーク(P)
 全て世界初録音。ピアノ作品はシェルシの音楽の中でも最も重要とされ、30年から41年までの初期と、52年から56年の中期の2つの時期に40曲のプレリュード、11の組曲、4つのソナタ、多数のソロ作品など相当数のピアノ作品が書かれている。収められた作品からシェルシがリズムとカラーのセンスが優れていること、オリジナリティ豊かなこと、インプロヴァイジングにも長けていることがわかる。Hispania はパッセージに中後期スタイルの兆しが見られるものの、初期の特徴が顕著に表れている魅力あふれる作品。シェルシの作品はスクリャービンやベルクの影響を受けて、半音階が多用されているが、Hispaniaにはほとんど白鍵だけを使った全音階の長いパッセージがある。また時折、スペインをテーマとしたラヴェルやドビュッシー作品を髣髴させるフランスの新古典主義と印象主義の影響がみられる。組曲第5番 II Circo は古代ローマの円形競技場から異国風なものまで、さまざまなイメージを持つ作品。シェルシはリズムを音楽の生命力と考えているそうだが、実際リズムはこの小品を形づくる大きなエネルギーとなっている。組曲第6番 Capricci di Ty は、後期のミニマル作品に通じる作品。変化する拍子や拍子記号の省略など全体を通してミニマルスタイルの手法が使われている。タイトルの「Ty」はシェルシの妻、ドロシーの愛称。ピアニスト、スティーヴン・クラークは1958年カナダ生まれ。現代音楽を得意とする。シェルシのピアノ作品シリーズ第2集でも演奏している。
ハワード・スケンプトン(1947-): bolt from the blue
 ダニエル・ベッカー(P) ジェイムズ・ウィークス指揮 EXAUDI (cho.)
 ハワード・スケンプトンはイギリスの作曲家、アコーディオン奏者。作曲をコーネリアス・カーデューに学ぶ。作品の特徴は、余分なものをそぎ落とした必要最小限のマテリアルを使った形式的展開のないミニマル・スタイルだ。メロディには重きを置いていることも忘れてはならない。スケンプトンの作品を「不協和音からの解放」と表現する専門家もいる。サティ、ケージ、フェルドマンから大きな影響を受けている。
 当CDには合唱曲とソロ・ピアノ作品を収録。合唱曲のテキストには Marry Webb、Edward トーマス, Emerson, Judith Cramond ,Longfellow の作品を使っている。
 エクサウディ室内合唱団は2002年、ジェイムズ・ウィークスによって創設されたイギリスの合唱団。オケゲムからクセナキスまで幅広いレパートリーを誇る。ピアニスト、ダニエル・ベッカーは20世紀、21世紀の作品を洞察力に富んだ演奏して高い評価を得ている。2003年イギリス現代音楽ピアノ・コンクールの優勝者。
ステファノ・スコダニッビオ(1956-):
 コントラバスと8チャネル・テープのための「 Oltracuidansa 」
(1997/2001) (ステレオ版)
  ステファノ・スコダニッビオ(Cb)
 録音:2000年-2001年、CCMIX 、パリ。世界初録音と思われる。イタリア生まれの作曲家・コントラバス奏者、スコダニッビオによる自作自演。オリジナルはダンスのための作品らしい。『コントラバスの音による終わりのない旅へのアプローチは時にメロディアスであり、リズミカルに音を生み出しており楽器の特性を生かしたオドロ・オドロしたサウンドにはつい引き込まれます。』とのこと。
アルド・クレメンティ(1925-):フルートを伴う作品集
 フルートとテープのための「 roBErto FABbriCiAni 」による幻想曲 (1980-81)/
 12のフルートのための序曲 (1984) /
 フルートと録音されたフルートのためのパッサカリア (1988) /
 「 luCiAno BErio 」(1995) (フルート版)/
 フルートとテープのための 「 Parafrasi 2 」 (2004) (*)
  ロベルト・ファブリチアーニ(Fl)
  アルヴィーゼ・ヴィドリン(エレクトロニクス;*)
 ベリオ、ノーノ、マデルナらとともに、戦後イタリアを代表する現代音楽作曲家のひとりA.クレメンティの生誕75周年記念盤。クレメンティと長年コラボレートを続けるフルーティスト、ロベルト・ファブリチアーニによる演奏。初演作品や、彼のために作られた作品も収録されている。
 クレメンティは目の錯覚を利用したエッシャーの不条理な構図に影響を受け、錯聴=音の錯覚を用いた作品を多く手がけている。ファブリチアーニは現代音楽シーンで活躍する世界的フルート奏者。楽器のもつ可能性を最大限に生かし、新しいテクニックを編み出している。ルイジ・ノーノとのコラボレートが特に有名で、これまでにない強烈なサウンドを創り出している。ノーノ以外にもベリオ、ケージ、ダッラピッコラ、ドナトーニ、ファーニホウ、クルシェネク、クルターク、リゲティ、メシアン、モリコーネ、ペトラッシ、リーム、ロータ、シェルシ、シュトックハウゼン、武満らの作品を演奏している。
A Cage of saxophones 3 - 4 〜ジョン・ケージ(1912-1992):サクソフォン作品集 Vol.3 - 4
 Party Pieces (1944/45)(ヘンリー・カウエル、ルー・ハリソン、
  ヴァージル・トムソンとの共作/サクソフォン四重奏のための編曲版)/
 Four 6 (1992)(増幅サクソフォン四重奏のための版)/
 "Cartridge Music (1960) / Eleven Instruments (2005) "(サクソフォン四重奏、ヴァイオリン、
  ヴィオラ、チェロ、ベース、アコーディオン、ピアノ、打楽器のための11の器楽版)/
 "Fontana Mix (1958) / Sextet for Low Woodeinds (2005) "(バス・フルート、
  コントラバス・フルート、バス・クラリネット、コントラバス・クラリネット、
   バス・サクソフォン、コントラバス・サクソフォンのための低音木管六重奏版)/
 "Fontana Mix (1958) / electric version (2004) "
  (「ケージ・サクソフォンズ Vols.1-3 のために録音された小品から生成)/
 One 7 (1992) (サクソフォン独奏のための)/
 4分33秒(1952) (サクソフォン独奏のための)/ Sculptures Musicales (1989)
  ウルリヒ・クリーガー(Sax/ディレクター) 他の演奏家たち
 ベルリン生まれのサクソフォン奏者クリーガーによるケージ「サクソフォン作品集」 Vol.3 - 4 。Vol.1:MODE-104、Vol.2:MODE-160。
 ほとんどがケージ中期の作品で、演奏者に彼のオリジナル・マテリアルを土台にしたリアリゼーションを求めている。1曲目のカウエル、ハリソン、トムソンとのコラボレーション作品はこのアルバムでしか聴くことができない。この作品は、まず一人目の作曲家が1小節と2つの音を書いた後、小節の個所で楽譜を折って次の作曲家に渡し、受け取った作曲家が最初の2音を使用してその続きを作っていく作品なのだと言う。
マーガレット・レン・タン〜She Herself Alone: トイ・ピアノの芸術 Vol.2
 ジョン・ケージ(1912-1992):
  トイ・ピアノのための組曲(1948)/夢(1948; マーガレット・レン・タン編曲)
 ジョージ・クラム(1929-)/マーガレット・レン・タン編曲:
  「アメリカン・ソングブック6」(2007) 〜 Put My Little Shoes Away
    (声、トイ・ピアノとおもちゃの打楽器アンサンブルのための編曲版)
 トビー・トワイニング(1958-):
  トイ・ピアノとピアノのためのブルース・タンゴ「ブエノスアイレスのアメリカ人」(2001)
 ジェローム・キツケ〔キツク? Jerome Kitzke; 1955- 〕:
  トイ・ピアノと声のための「 The Animist Child 」(1994)
 ローラ・リーベン:
  トイ・ピアノとおもちゃの箱琴のための「 She Herself Alone 」 (1996/2002)
 エリック・グリスワルド:トイ・ピアノ、プリペアド・ピアノ、木レンガ〔木片〕、
             オルゴール、自転車用ベル、ホルンと鉄道用笛〔タイフォン〕
              のための「老マクドナルドのイエロー・サブマリン」(2004)
 ロス・ボレター:壊れたトイ・ピアノとトイピアノのための「 Hymn To Ruin 」(2009)
MODEDV-221
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(DVD)
価格帯:C
 収録時間:60分。トイ・ピアノの第一人者、マーガレット・レン・タンによる第2集。『スペインのシネマ・フォトグラファー、アントン・カバレイロの映像』(としか書かれていない)。レン・タンはこのDVDで6台のトイピアノを使い分けている。作品によってはトイ・ピアノ以外にもグランド・ピアノ、おもちゃのツィター、グロッケンシュピールなどの楽器も演奏(とのことなので、一人で全ての楽器を担当している物と思われる)。
 CDとDVDでは、代理店記載の曲目等は全く同一となっており、DVDの詳細収録内容は不祥。
ハヤ・チェルノヴィン(1957-):Maim Zarim Maim Gnuvim [Strange Water Stolen Water]
 ヨハネス・カリツケ指揮ベルリン・コンツェルトハウスo.
 リコ・グブラー(Sax/Tubax) ジョン・マーク・ハリス(P/Cemb)
 セス・ジョセル(電気G/スティールG) メアリー・オリヴァー(Va)
 ピーター・ヴィール(ミュゼット/Ob/イングリッシュHr)
 Live-Elektronics by the Experimental Studio of the SWR。
 ハヤ・チェルノヴィンはイスラエル出身でアメリカ在住の女性作曲家。作品の正式タイトルはヘブライ語。作品にとりかかった当初は、水が持つしなやかで澄明な美しさを表現しようと考えていたそうだが、2001年9月に同時多発テロ事件が勃発したことでまったく別の作品となった。事件はチェルノヴィンにとってそれほど衝撃的だった。作品を進めることは、自分自身を見つめ直し現実を受け入れることにつながった。作品は自分自身の水が奪われ、他国の水と混ざり合って、未知の水となるというコンセプトで生き返った。Maimは5人のソリストとライヴ・エレクトロニクスからなる50分の作品。ソリストらから得たインスピレーションや楽器の知識が大いに役立ったという。2007年3月ドイツMaez Musik Festivalで初演。クインテットの演奏とライヴ・エレクトロニクスが繊細な音楽をつむぎだし、オーケストラも絶好なタイミングで効果的に使われているMaimは3篇からなる大作の第一楽章。第二楽章はソリストのみ、第3楽章はソリストとオーケストラの作品になるという。
MODEDV-218
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(DVD)
価格帯:C
Charisma X 〜ヤニス・クセナキス
 クセナキス:ミケーネのポリトープ/エルの伝説/ Diatope / Oresteia(opera)
  シルヴィオ・グァルダ(Perc) エリザベト・ホイナツカ(Cemb)
  ベニー・スラチン(Tb) Frances-Marie Uitti(Vc) Lori Freedman(Cl)
  Charisma in La Touretre, Christophe Roy(Vc) Spiros Sakkas(baritone)
 Aspect Ratio 16:9/カラー&モノクロ/収録時間:61分50秒/ PCM Stereo /字幕:英・仏・独。
 数学と建築学の理論を用いた曲作りで「音の建築家」と呼ばれるヤニス・クセナキスの音楽と生涯を描いたドキュメンタリー。
 クセナキス自身の言葉とパフォーマンスに加え、妻のフランソワーズ・クセナキス、娘のマーキ・クセナキス、ル・コルビュジエ時代のアシスタント、Sharon Kanach, クセナキスの研究家でもある音楽理論学者マキス・ソロモスのインタビューを通してクセナキスの知られざる一面が明らかになる。1977年にクセナキスが開発した画期的な電子音響作成専用コンピュータ UPIC、ル・コルビュジェ時代に手がけたブリュッセル万国博覧会のフィリップス館、ラ・トゥーレの修道院のほか、コルシカ島の自宅、愛娘のために設計した家など建築家としての作品も紹介される。クセナキスの出身地であるルーマニア、ブライラ近くを流れるドナウ川の清らかな流れから始まるフィルムには、第二次世界大戦中、クセナキスがギリシャ国内で反ナチス・ドイツのレジスタンス運動に加わり重症を負った事件の、唯一の生き証人によるインタビューも収録。
クセナキス・エディション Vol.11〜
 ピアノを伴う作品集

 ピアノ、2つのトランペットと3つの
  トロンボーンのための「 EONTA 」 (1963) (*) /
 ピアノと弦楽四重奏のための「 AKEA 」(1986) (#) /
  "MORISIMA/AMORSIMA" (1962) (+)/
 チェロとピアノのための
  「 PAILLE IN THE WIND 」 (1992) (**)
高橋 アキ(P)
ロハン・デ・サラム(Vc)
ジャックSQ
スティーヴン・ドルーリー指揮
Callithumpian Consort
MODEDV-217
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(DVD)
価格帯:C
 収録時間:50分。DVD仕様:5.1 Surround/Dolby Digital and DTS。
 ピアニスト、高橋アキによる同レーベル2タイトル目のクセナキス。ピアノ独奏作品全集はCDで先に発売されている(MODE-80)。クセナキス作品は近年レコーディングされる機会が少なく、なかでもピアノ・ソロ部分の難易度が非常に高いことで知られ、空間音響効果のために管楽器奏者が演奏の途中でステージを移動するというヴィジュアル要素もある(*)は10年ぶりの新録音。(#)はクロード・エルフェとアルディッティSQのために書かれた物。クセナキス作品の特徴である精神性、内省的なフレーズが表れている。(+)はコンピューターを使って作られた作品。(**)は本作が唯一のレコーディングだとのこと。
MODE-216
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(2CD)
モートン・フェルドマン(1926-1987)・
 エディション Vol.10

  三重奏曲(1980)
高橋 アキ(P)
マーク・サバット(Vn)
ロハン・デ・サラム(Vc)
MODEDV-216
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(DVD)
価格帯:C
 収録時間:105分 。DVDのみボーナス・フィーチャーとして、ドイツの作曲家でフェルドマン研究家のヴァルター・ツィンマーマンによるビデオ・エッセイ(約20分)を収録。DVD仕様: 5.1 Surround / Dolby Digital and DTS。
 フェルドマン作品にはなじみの深いピアニスト高橋アキ、チェリストで元アルディッティ四重奏団のロハン・デ・サラム、そしてマルチ・インストゥルメンタリストのマーク・サバットがヴァイオリンで参加したレコーディング・セッション。尚、この3人は2007年9月15日、フェルドマン没後20周年に、静岡音楽館 AOI にて同曲を日本初演している。
ザ・ミニマリスツ〜オルケスト・デ・フォルハルディング
 スティーヴ・ライヒ/Antony Fiumara 編:シティ・ライフ (1995 arr / 2005) (*)
 テリー・ライリー:イン・C (1964)
 ルイ・アンドリーセン: Workers Union (1975)
 キール・ガン [Kyle GANN] (1955-):
  ピアノと管楽のための協奏曲「 Sunken City 」
   (ニュー・オーリンズの思い出に)(2007) (*/#)
 ジョン・アダムズ/Antony Fiumara 編:Short Ride on a Fast Machine (1986 arr / 2007) (*)
 デイヴィッド・ラング: Street (1993)
 ジェフリー・ダグラス・マッジ(P;#)
 ユッシ・ヤーティネン指揮オルケスト・デ・フォルハルディング
  [1Fl、3Sax、3Tp、3Tb、P、Cb]
 (*)は世界初録音、または当版による世界初録音。
 オルケスト・デ・フォルハルディング [Orkest de Volharding] は1972年、オランダの二人のアーティスト、作曲家ルイ・アンドリーセンと、フリージャズ&アヴァンギャルド・サクソフォン奏者ヴィレム・ブロイカーが創設した現代音楽アンサンブル。この団体は300曲を超える幅広い作品をレパートリーに持ち、メンバーは12名。
 スティーブ・ライヒのシティ・ライフは、元々吹奏楽団のための作品。楽器のほかに車のクラクション、(「プシュー」という)地下鉄のエア・ブレーキ、車の盗難防止警報器などのディジタル・サンプラーが使われている。
 カイル・ガンの Suken City はニューオリンズ・ジャズをモチーフとした作品。パレードや陽気な音楽で盛り上がるニューオーリンズ・マルディグラ(カーニバル)のエネルギッシュな雰囲気で第1楽章が始まる。2楽章は途切れ途切れなシャコンヌとも言えるかもしれない。曲を通して2005年、ルイジアナ州を襲ったハリケーン、カトリーヌによるショック、悲しみ、郷愁、受容の気持ちも表現されている。
 Workers Unionはこの団体のために書かれた作品。規則正しいリズムがある一方、ピッチはいたっておおざっぱ。これは個人の自由と厳格な規律を表現している。アンサンブルで演奏するには非常に難解な作品。
 ライリーの In C はミニマリズムの元祖といわれる作品で、クラシック音楽がもつイメージ、創造性、知性への挑戦ともいえる。たった1枚のスコアには53のモチーフが書かれてあるだけ。ごく簡潔な指示だけで、楽器やパートについてやテンポも記載されていない。
 Short Ride in a Fast Machine は、アダムズの作品をフォルハルディングの芸術監督 Anthony Fumara がアレンジした躍動感あふれる小品。まるでこの団体のために作られたかのような仕上がりとなっている。
MODE-212
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(2CD)
ロジャー・レイノルズ(1934-):ピアノ作品全集
 ピアニストのための幻想曲 (1964) (*)/ "imAge/piano" (2007) FR[高橋悠治(P)]

 警句と発展 [Epigram and Evolution] (1960) (#) /変奏曲 (1988) (+)/
 "imagE/piano" (2007) FR[エリック・ヒューブナー(P)]
 Traces (1968) (**)[高橋悠治(P) カレン・レイノルズ(Fl) リン・バロン(Vc)
           アラン・ジョンソン(ライヴ・エレクトロニクス)]
 2台のピアノ、2つの打楽器とテープのための「 Lass Than Two 」(1978) (##)
  [ジャン=シャルル・フランソワ、デローレス・スティーヴンズ(P)
   ダニエル・ダンバー、ダリル・プラット(Perc)]
 ピアノ、室内オーケストラ、コンピュータ音のための「天使の死」 (1998-2001)
  [マリリン・ノンケン(P) マグヌス・マルテンソン指揮シレー・シンフォニエッタ]
 発売:2009年。FRは世界初録音。ライナー・ノートは高橋悠治による(ただし、おそらく英語のみ)。
 武満徹など日本の現代音楽関係者とも親交をもち、1970年代の前衛芸術ムーブメントに貢献したアメリカの現代音楽家ロジャー・レイノルズによる、作曲活動のターニングポイントとなった作品を収録。多くはカタルシスに向け容赦なく音の塊が突き進んでいく作品。奔流に押し流されながらも時折、喜怒哀楽の変化に出くわす瞬間もある。まるで群衆が大移動しているかのように大量のサウンドが震え、転がり、さまよい、集められる。新録音に加え、アナログ録音のリイシューも収録されている。
 (*)は1963年、ヨーロッパに渡った直後の作品。知的風土の変化が見て取れる。オスロ・オータム・フェスティヴァルでジョン・ティルバリーが初演。コードの嵐で始まり、激しさを増して爆発に向かう。その後アシンクロナス・タッピング、リゾナンス、旋回へと進む。ピックを使って弦を引っ張る、弦を傷つけると言った、プリペアード・ピアノを使った実験的な試みが取り入れられている。
 (#)は最初期のピアノ作品。ロバート・アシュリーとともに立ち上げた Once フェスティヴァルでアシュリーが初演した。(+)は構造的な作品。グラフィック体系を前置きに、ひとつのムーブメントが続く。演奏者に遊びと表現の裁量がある。アレック・カリスが初演。
 (**)は聴衆の周囲に6台のラウドスピーカーが置かれ、増幅された楽器とリング・モジュレーターでレゾナンスされたサウンドが流れる。ピアノ・パートを音質操作されたフルートとチェロが追いかけ、さらにエレクトロニクス音響が重ねられる。
 (##)はピアニストのギルバート・カリッシュ&ジェイムズ・フリーマン、打楽器奏者のレイ・デスロチェス&リチャード・フィッツのために作られた。ジョージ・クラムの「マクロコスモス III」と対をなす作品で、共に1979年に初演されている。
 初録音の2曲は対になっていて互いに補足しあう短い作品。ImageE の "E" は「vocative(示唆に富む)」事を、ImAge の "A" は「articulate(明瞭な)」事を表し、作曲技法のひとつ「つなぎ合わせと編集」テクニックを土台にしている。
アイヴズへの応答
 チャールズ・アイヴズ(1874-1954):
  ロンドン橋落ちた!
   (Burlesque Harmonization) (*)/
  練習曲第21番 "Some Southpaw Pitching" /
  Set of Five Take-Offs /
  「エマーソン」からの4つのトランスクリプション/
  練習曲第9番 "The Anti-Abolitionist Riots
          in the 1830's and 1840's"
 「応答」
 ヴァルター・ツィンマーマン(1949-):
  ピアノとトイ・ピアノのための
   「 The missing nail at the river 」
 マイケル・フィニシー(1946-): Song of Myself
 ジェイムズ・テニー(1934-2006):
  Essay (after a sonata) for inside-piano
 シドニー・コーベット(1960-):
  The Celestial Potato Fields
   (アイヴズの思い出に)
 オリヴァー・シュネラー(1966-):
  ピアノとエレクトロニクスのための
   「 And tomorrow... 」
ヘザー・オドンネル(P)
 発売:2009年。(*)は世界初録音。
 バッハ、ラヴェルからアイヴズまで、幅広いレパートリーを持ち、コロムビア大学、ニュー・イングランド音楽院、ベルリン芸術大学、南アフリカ・ロードス大学などで教鞭も執るベルリン在住のアメリカ人ピアニスト、オドンネルによるアルバム。2004年、チャールズ・アイヴズ没後50年を記念しベルリンで開催された Maerz Musik Festiivalでは、12時間にわたってアイヴズの作品が演奏されたが、当アルバムにはその中から、オドンネルが初演した作品を収録しているとのこと。短く、知名度の低いアイヴズ作品の間に、ツィンマーマン、フィニシーら同時代の現代作曲家の作品がちりばめられている。
梁雷 [Lei Liang] (1972-):作品集
 Serashi Fragments (2005)[アルディッティSQ](*)/
 Some Empty Thoughts of a Person from Edo (2001)[大西孝恵(Cemb)](#)/
 サクソフォンとテープのための「 Memories of Xiaoxiang 」 (2003) (+)
  [チェン=クァン・リン(アルトSax)]/
 チェロ、ピアノと打楽器のための三重奏曲 (2002)[ Callithumpian コンソート]/
 In Praise of Shadows (2005)[ポーラ・ロビソン(Fl)](**)/
 My Windows (1996-2007)[アレック・カリス(P)]/
 Brush-Stroke (2004)[スティーヴン・ドルーリー指揮 Callithumpian コンソート](##)
 中国生まれのアメリカ人作曲家で、バートウィスルやダヴィドフスキーらに学んだ Lei Liang の作品集。ニュー・イングランド音楽院とハーバード大学院で音楽を学び、音楽を内省や黙想の表現手段と考える哲学的アプローチをとる。アジア音楽のもつ異国情緒や形式に引きずられないよう努めているという。抽象的な示唆に富み、秩序正しいなかにものびやかさが感じられる作風。
 (*) はアルディッティ四重奏団のために書かれた作品。モンゴルの弦楽器 chaoer の名手、色拉西 [Serashi] (1887-1968) に捧げられている。ピチカート・スル・ポント、スタッカーティシモ、バルトーク・ピチカート、グリッサンド、ハーモニクス、グリッサンド・ハーモニクスなど弦楽器の多様なアーティキュレーションを展開させた作品。
 (#) は左右の手の平と指を使うリュート・ストップ奏法と拡張装置を使ってチェンバロの音色の可能性を追求した作品。アルペジオ・コードを用いた引っ張られた音は日本の琴を思わせる。
 (+) は Liang の文化的背景をテーマにした個人的コメント。フィールド・レコーディング・テープも使用。
 (**) は光と影の対の関係を哲学的思考で描いた作品。ウィスリング・トーンや下降ポルタメントなど Liang がフレーズの終わりによく使う音がマルティフォニックで使われる。かろうじて聴き取れる程度の音量。
 (##) は浮かんでは消えていく音のはかなさを描いている。日本の雅楽や韓国の宮廷音楽 Aak を思わせる。
 ライナーノートは音楽研究家、Yayoi Uno Everett。
ヤニス・クセナキス(1922-2001):弦楽四重奏曲全集
 "ST/4-1,080262" (1956-62)/ Tetras (1983) /
 Tetora (1990) / Ergma (1994)
ジャックSQ
[クリストファー・オット、
 アリ・ストライスフェルド(Vn)
 ジョン・ピックフォード(Va)
 ケヴィン・マクファーランド(Vc)]
MODEDV-209
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(DVD_VIDEO)
価格帯:C
 クセナキスによる4曲の弦楽四重奏作品を完全収録。全曲としては世界初録音であり、Ergnaを除き、1994年以来初の新録音( Ergna も現役盤は無し)。
 ニューヨークとボストンを拠点に活動する新進団体、ジャック弦楽四重奏団の初商業アルバム。意欲的に新作や難解な作品に挑戦することで、高い評価を得ている団体で、イーストマン音楽院在学中に結成された。アルディッティSQ、クロノスSQ、ミュアSQ、アンサンブル・アンテルコンタンポランらと親交をもつ。
 DVD ヴァージョンは HDV カメラ を使用した高画質の全曲演奏映像を収録、最高の音質、画質で鑑賞することが出来る。
Imprints,Veils and Shards〜
 ジョシュア・ファインバーグ(1969-):作品集

 コンピュータと14の楽器のための
  「 Empreintes 」(1995) /
 ピアノ独奏のための 「ヴェイル」(2001) (*)/
 フルート、クラリネットと
  チェロのための「破片」(2003)/
 フルートとライヴ・エレクトロニクスのための
  「 The Texture of Time 」(2006) (#)/
 5つの楽器のための「壊れた調和」 (2000-01)
パトリス・ボキヨン(Fl;#)
ドミニク・ミ(P;*)指揮
ジェフリー・ミラースキー指揮
アンサンブル・ファ
 全曲世界初録音。ボストン出身の新進気鋭コンポーザー、ジョシュア・ファインバーグの作品集。パリでトリスタン・ミュライユに師事、その後ポンピドゥー・センターが管轄するIRCAM音響音楽研究所で作曲とテクノロジーを学ぶ。アメリカに戻り、ハーヴァード大で7年間教鞭を執る。現在はボストン大のエレクトロニック・ミュージック研究所長。
 Empreintesはライブ・エレクトロニクス作品。14種類のアコースティック楽器とそれらのサウンドをコンピュータ処理したものとを同時に演奏する。アコースティックとエレクトロニクスのサウンドが微妙に交じり合い、時折重なり合う。
 Veilはチベット仏教の教えを素材にした作品、真の現実はヴェイルに覆われてわからないという思想をテーマにしている。連続したピアノのレゾナンスが現実を覆うヴェイルを表している。レゾナンスの裏に隠された作品本来の音楽(現実)を聞き分けると、ゆったりとした、より進化した神秘的なレゾナンスが聞き取れる。
 Texture of TimeはEmpreintesで始めたライブ・エレクトロニクスの使用をさらに発展させた作品。エレクトロニクス・サウンドはすべてフルート奏者の足元に置いた1台のスピーカーから流れるよう接続されている。その結果フルートとエレクトロニクスの音がひとつの音の塊となって聞えてくる。
ヴィオラ・スペース〜
 ガース・ノックス:ヴィオラ作品集

 2台、3台と4台のヴィオラのための
  「ヴィオラ・スペース」 (2007)(*)/
 4つのヴィオラのための「マラン・マレによる
  ヴィオラ・スペース変奏曲」(2007)/
 ヴィオラ・ダモーレ、クラリネットとチェロのための
  「ウィーンのワルツ」(2004)/
 ヴィオラとテューバのための「ヨナと鯨」(1996)/
 ヴィオラ・ダモーレと5つのヴィオラのための
  「オケゲム幻想曲」(2001)(#)
ガース・ノックス
(Va/Vaダモーレ)
キャロル・ロビンソン(Cl)
ジェラード・バケット(Tu)
ナタリー・シャボ(Vn)
アグネス・ヴェスターマン(Vc)
ヴィオラ・アンサンブル
 全て世界初録音。バロックから現代まで幅広いレパートリーをもつヴィオラ奏者、ガース・ノックスの現代オリジナル作品を収録。
 (*)は現代音楽曲の演奏に求められるテクニックを取り入れた8つのエチュード集。それぞれ「スル・ポンティチェロ」「グリッサンド」「トレモロ」などひとつのテクニックに集中して作られている。ソロバージョン、デュオ、トリオ、そしてクァルテットもあるが、シンプルな構成になっていて習熟度が進むとソロパートへ移行する仕組み。(#)はルイジ・ノーノの弦楽四重奏曲「An Diotoma」に影響を受けて作られた。ライナー・ノートはノックス自身とジェーン・オリーリー。
ペーター・アブリンガー(1959-):
 電気ギターとCDのための「 33-127 」(2002?)
セート・ヨセル(電気G)
 ペーター・アブリンガーは真のリアリティと我々が認識しているリアリティの相違点を求めて、オーケストラ作品からインスタレーションまで幅広い作品で試みている。
 33-127では、ミュージカルスケールにアコースティカル・リアリティとしてノイズを組み合わせている。95の小曲からなる作品は、スケール、ノイズ、スケール;スケール、ノイズ、スケール・・・という具合にふたつのリアリティが繰り返し相対し合う。各小曲では、スケールは穏やかに、しかしリズムとピッチは予測できない不規則性をもって、エレクトリック・ギターの最高音域から最低音域へと下降する。サウンドは明瞭かつ精密。平穏でニュートラルなスケールが連続する中、録音されたストリート・ノイズが突然侵入し平穏な秩序を乱す。ギターはノイズに反応して大きく、ラフな音へと変化する。しかし数秒の撹乱が過ぎ去ると、何事もなかったかのように再び穏やかで単調なスケールへと戻る。33-127ではギターが主役を務めているのではなく、ギターとノイズ(独語のRauschen(ざわめき)がより適切)が同等の役割をもって、エンドレスな反復と圧倒的な不可解さを表現している。
 アブリンガーは1959年オーストリア生まれ。ゲスタ・ノイヴィルトとローマン・ハウベンシュトック=ラマティに師事。82年以来ドイツ在住。アブリンガーはノイズをカオス、エネルギー、エントロピーなどシンボリズムから切り離して用いる数少ないコンポ-ザーのひとり。かれはノイズをノイズそのものとして、つまりサウンド、時間、"スペースを問うものとして用いている。アブリンガーがよく使うスケールには、多くのグラフィック譜作品を残したラマティの影響がみられる。
MODE-205
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(2CD)
コーネリアス・カーデュー(1936-1981):
 論文 [Treatise] (1967)
ペトル・コティク指揮
QUaX Ensemble
[ヨゼフ・ヴェイヴォダ、
 ヤン・ヒンチーカ、
 パヴェル・コンデリーク、
 ヴァーツラフ・ザフラドニーク]
 録音:1967年10月15日、プラハ、ライヴ。おそらく初出音源。オリジナル・アナログ・テープからの 96khz, 24-bit リマスター。
 当レーベル初のカーデュー作品。「論文」は193ページにわたる図形楽譜作品。当作にはHAT ARTから出た1998年の「世界初全曲録音」CD (HATART-122) があったが、元々編成はもちろん、楽譜を左右どちらから読むのかも指定がない作品であり、2種の録音内容は大きく異なっていると思われる。なお当盤の楽器編成等は、資料に一切記載が無い。
 当盤で指揮を務めるコティク(1942-)はチェコ出身の指揮者・作曲家・フルーティスト。1962年にカーデューとワルシャワで出会い、当作「論文」を含む楽譜の文通を始め、その後1966年にロンドンで再会、解釈に関してのアドヴァスを受けたと言う。コティクはロンドンからチェコへ帰国後すぐに QUaX Ensemble を結成、その初めての作業が、「論文」の演奏を成し遂げる事だった。当盤は、この団体がただ1回当作品を公開演奏した際の録音だという。コティクは1969年、ルーカス・フォスとレジャレン・ヒラーから招待を受け「ニューヨーク州立大学バッファロー校創造&舞台芸術センター」へ参加、以降はアメリカを中心に活躍している。
MODEDV-204
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(DVD)
価格帯:C
ジョン・ケージ・エディション
 49 Waltzes for The Five Boroughs (1977)
Don Gillespie
Roberta Friedman
Gene Caprioglio
 122分、2.0 Dolby Stereo。ジョン・ケージによるニューヨークの地図をもとにした偶然性の作品。
 1977年、サンフランシスコからニューヨークへ拠点を移したローリング・ストーン誌が、その記念としてケージに委嘱したもの。DVDには、49のワルツの元となった147(49×3)の実際の住所の映像を1年かけて収録している。
ヤニス・クセナキス・エディション Vol.9〜エレクトリック・ワークス Vol.2
 8チャネル・テープのための「 Polytope de Cluny 」 (1972) /
 16チャネル・テープのための「 Hibiki hana ma 」(1969-70) /
  [ボーナス・トラック](おそらくDVDのみ)
    ジャック・ブリッソー&ニコラ・シェフェール監督:Fer Chaud (1957)
MODEDV-203
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(DVD)
価格帯:C
 62分。クセナキスのエレクトリック・ワークス第2集。今回は元テープを修復の上、 Gerard Pape がサラウンド・リミックス(サラウンドはDVDのみ)。「録音は Paris Xenakis CCMIX Studio。」とのこと。
 1970年大阪万博「鉄鋼館」のために作曲された超有名作「響き、花、間」を収録。当時、およそ700?ものスピーカーから笙、三味線、太鼓などの音が発せられた。
 DVDのみと思われるボーナス・トラックは、オプティカル・アートの巨匠、ヴィクトル・ヴァザルリ(1908-1997)による短編白黒映画だとの事だが、資料が少なく、詳細不詳。
ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(1926-):室内楽作品集
 オペラ「孤独大通り」(1951)によるフルート、
  ヴィブラフォン、ハープとピアノのための
   「アイネ・クライネ・ポプリ」(2000) (*)/
 オペラ「おやゆびこぞう」(1979)のための
  「お伽話によるソナチネ」(*)
   (ヴァイオリンとピアノのための)/
 ピアノ独奏のための「象徴的なトッカータ」(1996)/
 マンドリン、ギターとハープのための三重奏曲
  「カリヨン、レチタティフ、マスク」(1974)/
 フルートとハープのためのソナチナ(1947)/
 ギター独奏のための
  「3つのテント」 [Drei Tentos] (1958) /
 ファゴット、ギターと弦楽三重奏のための
  「新しい民謡と羊飼いの歌」
   [Neue Volkslieder und Hirtengesänge]
    (1983/96)
アンサンブル・ディソナンツェン
 (*)は世界初録音。ヘンツェのCDはオペラやバレエ作品が多いが、これは室内楽だけの珍しい作品集。
ジョン・ケージ(1912-1992)〜
 ケージ・パフォーマンス・ケージ

 "Empty Words (1973-74)"
  with "Music for Piano (1953)" (*)/
 One7 (1990) (#)
ジョン・ケージ(語り;*/演奏;#)
イヴァー・ミカショフ(P;*)
 録音:1991年4月、バッファロー、ニューヨーク。初出音源。
 Mode の CD 200枚目のリリースを記念した、ケージ自身によるケージ作品。ケージと、彼と長年コラボレートしてきたイヴァー・ミカショフの二人が、Europera 5 を初録音するためバッファローを訪れた際、併せてスタジオ録音されれたのが今回の演奏。それまでに Empty Words と Music For Piano をコンサートで何回か演奏していた二人だが、このレコーディングでは聴衆なしで、Mode レーベルのために特別に演奏された。Music for Pianoには静寂の中に神秘的で、どことなく孤独を感じさせる晩年のケージの声が漂う。ケージのソロによる One7 もその時の録音。ナンバーピースはケージがタイムブラケットと名づけた、開始と終了に演奏者の自由裁量が与えられる演奏指示により構成されているが、本作品はさらに演奏者の裁量幅が広がり、特にタイムブラケットは与えられていない。
Spellbound! 〜
 リディア・カヴィナ、テルミンのための編曲集

 ミクローシュ・ロージャ(1907-1995):
  テルミン、オーボエ、ピアノと弦楽四重奏のための
   「白い恐怖」協奏曲(1945-46)
 ハワード・ショア(1946-):
  テルミンと室内オーケストラのための
   「エド・ウッド」からの組曲(2000)
 オルガ・ノイヴィルト(1968-):
  テルミンと室内オーケストラのための
   「子羊の祭り」からの組曲(1999-2000)
 クリスティアン・ウルフ(1934-):
  テルミン、ヴァイオリン、ホルンと
   コントラバスのための "Exercise 28" (2000)
 パーシー・グレインジャー(1882-1961):
  4台のテルミンのための
   「フリー・ミュージック第1番」(1936)/
  6台のテルミンのための
   「フリー・ミュージック第2番」/
  6台のテルミンのための
   「ビートレス・ミュージック」
リディア・カヴィナ(テルミン)
チャールズ・ペレス指揮
アンサンブル・ソスペーソ
 全曲、当編成では初録音となる物。世界的テルミン奏者リディア・カヴィナの演奏集。前作 "Music From the Ether" (MODE-76) がオリジナルのテルミン作品を収めたアルバムであるのに対し、当 "Spellbound" は他の編成のための作品から、テルミン・バージョンへの編曲初録音集となっている。
 アルバム・タイトルとなった Spellbound はロージャの作品で、ヒッチコック映画「 Spellbound(白い恐怖)」(1945年)のために作られた。 Suite from "Ed Wood"は 、「ロード・オブ・ザ・リング」への作曲で知られるショアが映画「エド・ウッド」用に(特にカヴィナのために)作曲した組曲。サウンド・トラックでもカヴィナが演奏している。「子羊の祭り」はオーストリアを代表する現代作曲家ノイヴィルトによる音楽劇。ウルフの作品は当アルバムのための書き下ろし作で、彼とショアは当演奏のリハーサルと本番にも参加している。
 このプログラムは2000年のリンカーン・センター・サマーフェスティヴァルのために企画され、聴衆や、各紙のレビューで絶賛された。テルミン研究家 Olivia Mattis がライナーノートを担当。
MODEDV-197
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価格帯:C
ジョン・ケージ〜 The Revenge of the Dead Indians
 FEATURING:
  John Cage, Noam Chomsky, Merce Cunningham, Ellsworth Kelly, William Forsythe,
  Betty Freeman, Frank O.Gehry, Matt Groening, Rutger Hauer, Dennis Hopper,
  Alison Knowles, Raymond Kurzweil, Benoit B.Mandelbrot, Yehudi Menuhin,
  Marvin Minsky, Heiner Muller, Yoko Ono, Tomaso Poggio, Richard Serra,
  Giorgio Strehler, Iannis Xenakis, Frank Zappa, John Zorn
 ケージの最晩年に制作された唯一の映像「One」で監督を務めたヘニング・ローナーによる映像作品。「One」の完成後まもなくケージが亡くなると、同監督はケージに敬意を表す意味で本作にとりかかった。「One」からの映像、ケージのインタビューに加え、彼の音楽信条に沿って編集されたインタビュー断片集を追加。インタビューには俳優、アーティスト、建築家、コレオグラファー、コンポーザー、脚本家などの著名人のほか道路清掃人、店員など一般人の会話も収録した。さまざまな考え、視点、意見が入り乱れ、思いも寄らない面白い作品ができあがった。
 “The Revenge of the Dead Indians " はドキュメンタリーでもなく、かといって通常の映画でもない。ストーリーはビデオ映像に朗読とインタビューが交互に重ねられ展開していく。各シーンは完全に独立していながら、ストーリーとしてのつながりはある。あまりに日常的過ぎて見落としがちなトピックを題材としている。
 2つのパフォーマンスが収録されているが、そのうちのひとつは、1992年11月NY、シンフォニー・スペースで行われたライヴ・レコーディング。もう一方は1990年8月東ベルリンで開催されたジョン・ケージ・フェスティヴァルAkademie der Schonen Kunsteでのライヴ・パフォーマンス。
 1200以上の細かいカットを編集した130分のストーリー。ほんのひとこまのごく短いものから4分33秒の長めのカットまでさまざまだ。4分33秒はケージとローナーのコラボレートによるコンプリート・ビデオ・パフォーマンスを収録。本編に加え、ディレクターとカメラマンによる20分間のコメンタリー・トラックを収録。
ヤニス・クセナキス・エディション〜
 バレエ「クラアネルグ [Kraanerg] 」(1968/69)
スティーヴン・ドルーリー指揮
Callithumpian Consort
ダニエル・タイジ
(サウンド・ディレクション)
MODEDV-196
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(DVD)
価格帯:C
 96khz 24-bit high resolution /演奏:77分/インタビュー(おそらくDVDのみ):35分[クセナキス研究家 Gerad Pape, James Harlcy/ヤニスの妻で作家のフランソワ・クセナキス/1968年の初演を演じたダンサー、ヴェロニカ・テナント]/追加インタビュー(おそらくDVDのみ):アナログテープを変換した ダニエル・タイジ。
 ヤニス・クセナキス作品の中でも最も知名度の高い「 Kraanerg 」は、木管、金管、弦楽アンサンブルのための作品。「 Kraanerg 」とはふたつのギリシャ語からなる合成語で、「 kraan 」はパーフェクトを、「 erg 」はエネルギーを意味する。1968年、オタワに建造されたナショナル・アーツ・センターのオープニング・ガラ用に依頼された作品で、ローラン・プティ振付によるバレエに使われた。プティはクセナキスにストーリーなどを指示したわけではなく、むしろクセナキスの素材に合わせ振付した。クセナキスの企画ノートによると、当時の若者の風潮を表しているとされる。当時の社会現象とクセナキスが懸念していた将来への不安、「世代間で衝突が起こり、歴史が始まって以来の勢いで既存の政治観、社会観、科学観、芸術観、イデオロギーの基盤が覆されるだろう」という迫力ある私見が反映されている。
 アナログ4チャネルテープはドイツのエレクロニック・コンポーザー、タイジ Daniel Teige が高解像度に変換、オリジナルよりもテクスチャーがより鮮明に、音声もダイナミックになった。
Lou Harrison por Gitaro 〜
 ルー・ハリソン(1917-2003):ギター作品集

 Ditone Set (1940, rev.1978) (*) /
 ギターのためのセレナード (1978) /
 組曲第1番(1978-1992)/組曲第2番(1958-2002) /
 Suite for National Steel Guitar (2003) (#)
 ・ボーナス・トラック
  In Honor of the
   Divine Mister Handel (1991) (+)/
  ギターについてのルー・ハリソンと
   ジョン・シュナイダーへのインタビュー(**)
ジョン・シュナイダー(G)
ジャスト・ストリングズ
[T.J.トロイ、
 ジーン・スターリング、
 エリン・バーンズ
 (Perc)]
ビル・アルヴェス指揮(+)
HMC アメリカン・ガムラン(+)
 録音:1981年(**)。(#)は世界初録音/(*)は改造ギター版による初録音。ジョン・ケージやラ・モンテ・ヤングとも交流のあったアメリカの現代作曲家ルー・ハリソンの60年間の全キャリアを通しての作品を収録。
 ハリソンは従来の平均律されたギターに飽き足らず、70年代には自身でチューニングしたフィンガーボードを取り付けたギターを開発。78年には最初の純正律ギター作品「ギターのためのセレナード」を完成させた。同傾向のギター作品を構想するが、必要なフィンガーボードが入手できずに途中で断念、「 Ditone Suite 」(注:国内代理店表記。上記曲目と異なっているが詳細不詳)を四重奏曲に変更した。1981年、ギタリストのジョン・シュナイダーと出会い、最初のハープ作品をジャスト・イントネーション・ギター作品用にアレンジした。シュナイダーはハリソンの許可を得て彼の作品を組曲に取り入れるようになる。
 「ボーナス・トラックの(+)の初録音はギターとガムラン用のバージョン」とのこと。レコーディングはカリフォルニア州にあるハリソンの藁葺きの家で行われた。メインホールは演奏用に作られているという。ジョン・シュナイダーはギタリスト&作曲家など音楽活動の傍ら、本の執筆やラジオ番組にも出演している。
MODEDV-194
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(DVD)
価格帯:C
マーガレット・レン・タン
 〜新しいピアノの魔女 [SORCERESS OF THE NEW PIANO]
 制作:2004年、142分。
 シンガポールに生まれニューヨークを拠点に活動、トイ・ピアノやプリペアド・ピアノ等の演奏で知られ、「アヴァンギャルド・ピアニストのディーヴァ」と賞賛されるマーガレット・レン・タンの人生、キャリア、ピアニズムを描いたドキュメンタリー。香港のニューウェイヴ・フィルム・ディレクター、エヴァンズ・チャンが10年を費やして丁寧に作り上げた秀作。
 レン・タンが新しい「ピアノの言葉」を捜し求めて試行錯誤する姿、ヘンリー・カウエル、ジョージ・クラム、ジョン・ケージ、フィリップ・グラスなどの作品を演奏する姿がきめ細やかに描かれている。また、マース・カニングハムのダンス・パフォーマンス、ジャスパー・ジョーンズのポップアート、マルセル・デュシャンの映像など、ジャンルを超えたアヴァンギャルド・アーティストのヴィンテージ映像も収録。
 ボーナス・フィルムの "The Maverick Piano" にはケージ、サティ、中国の作曲家ジ・ガンリュ、トビー・トワイニング)の作品を収録。グランド・ピアノがさまざまな形で使われている。ケージ: "In A Ladscape" では従来のピアノとして、ケージ: "In the Name of The Holocaust" ではプリペアド・ピアノとして拳や腕を使用し、ケージ: "Music for Piano No.21" では弦楽器としてハープのように爪弾き、ジ・ガンリュ:Pipa / Ancient Music では鍵盤と弦を同時に、トワイニング: Satie Blues とサティ:ジムノペディ第3番ではトイ・ピアノと組み合わせ、それぞれ演奏している。
ジョン・ケージ・エディション Vol.39 〜
 The Number Pieces 5

 2台のピアノのための「 Two2 」(1989)
ロブ・ハスキンズ、
ローレル・カーリク・
 シェーハン(P)
 ケージが晩年に手がけたナンバー・シリーズから Two2 を収録。Laurel Karlik Sheehan は1990年にカナダで Two2 を初演、一方Rob Haskinsは著名なケージ研究家として知られる。多くのナンバー・シリーズ作品と同様にこの作品も、ケージならではのタイムブラケット(時間的くくり)やフレクシビリティにより、曲の始まりと終わりに時間的幅が用意され、スコア上のタイムブラケットによりパフォーマンスに柔軟性が出せるよう考えられている。個々の単音や和音は常に同じ時間枠で発生するが、順序やデュレーションはさまざまで演奏するうちに予測不可となっていく。このようにしてケージは同時に聴きとることのできる新しい形のハーモニーを作り上げることに成功した。
 Two2 は5,7,5,7,7、という日本の連歌の形式を土台にしており、そのパターンが少なくとも36回繰り返されている。各ラインは連歌と同様5つのパートに分割されている。最初のパートでは5つの和音または単音で構成されており、通常ふたりのピアニストが分担している。2番目のパートでは7つのコードまたは単音――こうして続いていく。そのような五分割されたラインが合計最低でも36回繰り返し演奏される。演奏者は各パートの演奏にどれだけ時間をかけてもよいが、早く弾き終えた演奏者は他方が終えるまで待ってから次のパートへ進む。
 Haskins と Karlik Sheehas の演奏は現在のところ最も長いパフォーマンスとなっている。広大さと和音の追及というケージ晩年の作品の特徴がよく表されているといえよう。
MODE-189
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(3CD + DVD
 +BOOK)
5.5CD価格
ロラン・オーゼ〜パーカッションズ
 ヤニス・クセナキス(1922-2001):
  打楽器独奏のための「プサッファ」(1976)/
  打楽器独奏と管弦楽のための「オメガ」(1997)/
  バスと打楽器のための「カサンドラ」(1987)/
  打楽器独奏のための「ルボン A & B 」(1988)
 エドマンド・キャンピオン(1957-):
  ヴィブラフォンとエレクトロニクスのための
   「 Losing Touch 」(1994)
 ダリウス・ミヨー(1892-1974)/
  アラン・バンカール(1934-)編:
   室内コンセール(1952?)
   (マリンバ、ヴィブラフォンと管弦楽のための
     協奏曲への編曲版)
 カルロス・ロケ・アルシーナ(1941-):
  打楽器と弦楽オーケストラのための
   「 Themen 」(1974)
 平義久(1937-2005):打楽器とモーターのための
  「コンベルジェンス
    (コンヴェルジャンス)」(1971)
 ピエール・ジョドロフスキ(1971-):
  ザルブとライヴ・エレクトロニクスのための
   「Mecano 1 et 2 ](2004)
 田中カレン(1961-):
  打楽器とエレクトロニクスのための
   「メタリック・クリスタル」(1995)
 アラン・バンクァール(1934-):
  打楽器とエレクトロニクスのための
   「 Amour grand terrible champ critique 」
     (2003-4)
ロラン・オーゼ
(Perc)
ニコラス・イシャーウッド(B)
ジャネット・パーペ(S)他
 録音&収録:スタジオ。ドイツに本拠を置く美術系出版社タッシェン TASCHEN と、MODEがコラボレーションしたアイテム。フランスの打楽器奏者、ロラン・オーゼが20世紀-21世紀のパーカッション音楽を演奏した物で、CD3枚 + DVD + 500ページの本(英語&仏語)付き。本の序文はピエール・ブーレーズ、後書はスティーヴン・シック(打楽器奏者; MODE-171でクセナキスの打楽器作品全集を録音している)。DVDにはオーゼ演奏によるクセナキスの「プサッファ」と「ルボン」が含まれる。
MODE-188
廃盤
ジャチント・シェルシ(1905-1988):コントラバスのための作品全集
 ロバート・ブラック、ジョン・エッカート(Cb) フェリックス・ファン(Vc)
 ジューン・ハン(Hp) トム・コラー(Perc)
マリア・デ・アルベアル(1960-):Asking イヴ・エゴヤン(P)
 世界初録音。Asking は イヴ・エゴヤンのために書かれた長編ピアノソロ作品。Asking という言葉のもつあらゆる意味について沈思黙江考している。アルベアは「私が作品で重きを置いていることは、解釈する人と音楽との会話だ。スコアを解釈するピアニストの理解力が作品にとって一番大切なことなので、演奏者に考える余地を十分に用意して作曲者の思いを読み取り表現してもらうようにしている。」と語る。
 マリア・ディ・アルベアはマドリッドに生まれケーゲル(カーゲル?)に師事。マルチ・メディア分野についても学ぶ。92年に Bernd Alois Zimmermann 賞を受賞。エゴヤンはトロントを拠点に活動するピアニスト。新しい作品の演奏に力を注ぎ、ヨーロッパや日本でリサイタルを開いている。
ジョン・ケージ・エディション Vol.38
 Solo with Obbligato Accompaniment of
  Two Voice in Canon and Six Short Inventions
   on the Subjects of the Solo (1933-34) /
 Three (1989)
  for three players having a variety of recorders (*)
トリオ・ドルチェ
[リコーダー・
  アンサンブル]
 (*)は世界初録音。「3本のアルト・リコーダーのために1オクターブ規定より音域を上げた。Trio Dolceはケージが参列した1988.11月に演奏した。Three(1989)(初録音)は1989年に完成し1990年 Trio Dolceはダルムシュタット国際音楽祭サマー・コースで演奏。呼吸のコントロールと高潔な音楽性を要求される。」(以上「」内、代理店表記ママ)
ジェイムズ・テニー(1934-):Melody, Ergodicity and Indeterminacy
 Poem (1955)[ジョス・ツヴァネンブルク(Fl)]/Ergodos 1 (1963)[コンピュータ音楽]/
 Monody (1959)[ジョン・アンダーソン(Cl)]/Ergodos II (1964)[コンピュータ音楽]/
 Seegersong #1[ジョン・アンダーソン(Cl)]/
 String Complement (1964)[コンピュータ音楽&4つの弦]/
 Seegersong #2 (1999)[ジョス・ツヴァネンブルク(Fl)]/
 Instrumental Responses (1964)[コンピュータ音楽&アンサンブル]/
 Ergodos III (1994)[フランク・デンヤー、ノーラ・マルダー(P)]/
 Percussion Response (1964)[トビアス・リーベツァイト(Perc)
 ジョン・ケージとならぶ実験的コンピューター・ミュージックの草分けジェイムズ・テニーの初録音作品集。
 コンピューター・ノイズを音楽として認めながらも作品の絶対的支配は困難だったなかで、テニーはそこに審美的な要素を求めた最初のコンポーザーだといえよう。彼はケージの偶然性についての熱意を認めつつもコンピューター音楽が「偶然」でなく「予測しきれない」音楽になりえないだろうかと考えた。この作品は彼が常に心にかけていた「もし〜だとしたら?」「どうしたらそうなるのだろう?」という2つの疑問に注目したアルバムといえる。どうやってマテリアルを組み立て、音楽的な連続性を創りだすかと試行錯誤を重ねた様子がうかがえる。
 Ergodos はミニマル・ミュージック、「ドローン(持続低音)」の先駆けといわれている。リスナーはサウンドの作られる過程、彼が体験した音の組み立てを感じることができる。
Center Bridge 〜
 フランセス・ホワイト(1960-):
  エレクトロアコースティック作品集

 Like The Lily (*) / Centre Bridge (#) /
 Walk through "Resonant Landscape" No.2
  (electroacoustic music)/
 A veil barely seen (+)/
 Centre Bridge (dark river) (**)
リョウ=ウェン・
 ティン(Va;*/+)
トロイ・リンカー
(ベース;*/**)
エリザベス・
 ブラウン(尺八;#)
ポーリーヌ・キム、
よしおか・あいり(Vn;**)
デイヴィッド・
 セルティ(Va;**)
スザンナ・
 チャップマン(Vc;**)
ポール・ホステッター指揮(**)
 フランセス・ホワイトはエレクトロ・ミュージックにアジアの伝統的音楽、なかでも尺八を取り入れたアンサンブル作品を得意とする。彼女はまた自然やガーデニングに関心が高く、自宅のあるニュージャージーの自然音を取り込んだ作品もある。
 (*)はヴィオラとベースのための作品。静寂で不明瞭、不規則なエレクトリック・サウンドと、ヴィオラとベースのシンプルな音が重なりあう。
 (#)の題名となっている「 Centre Bridge 」はニュージャージーからペンシルヴァニアへと流れるデラウェア川に架かる何の変哲もない橋だが、表面にメタル製の格子が使われているため、車が通ると車の速度により音が変化する。ホワイトは数年前にこの橋を通る機会があり、この思いがけない音楽にすっかり魅了された。橋はホワイトを未知の世界へと導き、橋に限らず自然界の音に注意を向けるきっかけとなった。
 (+)では、水が流れる音が作品を通して聞こえる。自然界の音とホワイトのイマジネーションが合わさったサウンドだ。ヴィオラは水の流れに沿いながらも別の流れに分かれていくように進んでいく。細かな外界の音がホワイトの内で膨らみ、多様な雰囲気と音を創り上げていく。
 (**)ではデラウェア川をバックにピッチが変化し、低い弦の音は実際の橋で聞かれる車の走行音を真似る。「橋は車の走る音を、素敵な音楽に変えてしまう。」
Whispers Out of Time 〜
 ロジャー・レイノルズ(1934-):管弦楽作品集

 交響曲 「 Myth 」 (1990) (*) /
 Whispers Out of Time (1988) (#) /
 交響曲 「 Vertigo 」(1987)(+)
佐藤功太郎指揮(*)
東京po.(*)
クリーヴランド室内so(#)
ハーヴィ・
 ソルバーガー指揮(+)
ラ・ホヤso.(+)
 武満徹、イアニス・クセナキスと親交のあった米国の作曲家、ロジャー・レイノルズが1987年-1990年に書いた管弦楽作品集。全て世界初録音、かつ彼の管弦楽作品ばかりを集めたCDはこれが初となる。
 (*)は武満徹に捧げられた作品。オーケストラ、4本の木管楽器、ピアノ、ハープ、拡大パーカッション・セクションのために書かれており、日本とギリシャの伝説の石をテーマする。非常にゆっくりと、流れが土壌を侵食するように石の硬さと不動性が失われていく過程が描かれている。初演は今回の演奏者たちによってサントリー・ホールで行われた。
 (#)はジョン・アシュベリーの詩「 self portrait in Convex Mirror 」からインスピレーションを得た作品。各弦楽器のソリスト達が弦楽オーケストラをバックに演奏、第一楽章にベートーヴェン「交響曲9番」の骨格部分が引用されている。引用された部分は引き伸ばされ、他のラインの間で見え隠れする。
 (+)はチャールズ・ウーリネンに捧げられた作品で、万華鏡のように音が整然とシフトしていく。フルオーケストラ、3本の木管楽器、ピアノ、ハープ、3人のパーカッションによる演奏が、4チャネル方式コンピューター・プロセスにより効果的に増幅されている。
アルド・クレメンティ(1925-):
 ギターのための作品集

 ギター、フルート、クラリネット、
  ヴァイオリンとヴィオラのための
   「セレナータ」(1988)/
 ギターのための12の変奏曲 (1980)/
 女声、フルート、ヴァイオリンとギターのための
  アルバムブラット(1995)/
 ミケランジェロ・ガリレイの断片による
  幻想曲(1978)(ギター版)/
 ギターのための8つの変奏曲(2002)/
 フルート、ヴァイオリン、ヴィブラフォンと
  ギターのための「 C.A.G. 」(1993)/
 女声13楽器のための「 THE PLAINT 」(1992)(*)
ジェフリー・モリス(G)
デボラ・カイザー(Vo)
カール・ロスマン指揮
エリージョン・アンサンブル
 イタリアの現代音楽作曲家アルド・クレメンティのギター作品を中心に収録した初の全作品。(*)はエリージョン・アンサンブルのための作曲された物。
 クレメンティはドナトーニとの共通点が多い。クレメンティは画家の影響を多く受けている。特にエッシャーの複雑で帰納的なリトグラフやドラツィオ、ヴァザルリの絵画にみられる反復性は彼の作品のヒントとなっている。クレメンティの作品には反復性がふんだんにとり入れられ、最終的に行き着くところがないため、必然的に折り返してくるスタイルを創りだした。たとえテーマが官能的な性質であったとしてもネガティブな崩壊、衰弱へと進んでいく。
 ギタリストのモリスはオーストラリアを拠点に現代音楽ギタリストとして活躍している。これまで150のソロ作品、室内楽、エレクトロニクス音楽の初演を行っている。
 エリージョン・アンサンブル Elision Ensemble は、1986年に結成。オーストラリアのニューミュージック・シーンで活躍中。実験的作品やニューメディア、ヴィジュアル・アート、インスタレーション・パフォーマンスとのコラボレーションにも意欲的に参加している。
ジョン・ケージ・
 コンプリート・エディション Vol.37 〜
  プリペアド・ピアノのための小品全集
  (ピアノのための作品集 Vol.8)

 The Perious Night (1944) [ I-VI ]/
 Tossed As It is Untroubled
  (Meditations) (1943) /
 部屋(1943) / Primitive (1942) /
 バッカナール (1940) /
 ホロコーストの名において (1942) /
 トーテムの祖先 (1942) /
 我らの春がやってくる (1943) /
 かくて大地は再び実を結ばん (1942) /
 Daughters of the Lonesome Isle (1945)/
 Spontaneous Earth (1944) /
 Music for Marcel Duchamp (1947) /
 謎の冒険 (1945)/
 A Valentine Out of Season (1944)/
 -の思い出せない記憶 (1944)/
 Pfrelude for Meditation (1944)/
 ピンぼけの源(1944) /
 Two Pastorales (1951-52)
フィリップ・ヴァンドル
(プリペアドP)
 ジョン・ケージの作品中、プリペアド・ピアノのために書かれた短い作品を全曲収録。フィリップ・ヴァンドルは「ソナタとインターリュード」(MODE-50)発売時に、グラモフォン誌で絶賛された。
アール・ブラウン(1926-2002):
 Tracer 〜室内楽作品集 1952-1999

 アンサンブルと4チャネル・テープのための
  「 Tracer 」(1985) (*)/
 Folio (1952-1954)
 [ピアノのための「1952年10月」/
  声、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、
   チェロ、サクソフォン、トランペット、
    トロンボーンとピアノのための
     「1952年11月」/
  声、サクソフォンとトランペットのための
   「1952年12月」/
  ピアノとヴィブラフォンのための
   「1952年3月」
   (MM=87/MM=135;2ヴァージョン)/
  ピアノのための「1953年3月」/
  ヴァイオリン、チェロとピアノのための
   「1953年6月」
    『5人のダンサーのためのトリオ』]/
 チェロとピアノのための
  「 Special Events 」(1999)/
 8チャネル・テープのための
  「 Octet 」(1953)/
 ヴァイオリン、
  チェロとピアノのための音楽(1952)/
 声、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
  サクソフォン、トランペット、
   トロンボーン、ピアノと打楽器のための
    「 Four Systems 」(1952-53)/
 弦楽四重奏曲(1965)/
 アンサンブルのための「新しい小品」(1971) (*)/
 ヴァイオリン独奏のための
  「 For Neil 」(1975) (#)
ジョアン・
 ラ・バーバラ(Vo)
コーネリアス・デュファロ
(Vn/ディレクター)
クリスティアン・
 ウォルフ指揮(*)
ネクストワークス
 [ NE(x)tworks ]
MODEDV-179
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(DVD_VIDEO)
価格帯:C
 (*)と(#)は世界初録音。アレクサンダー・カルダー(1898-1976)の動く彫刻からインスピレーションを得、「開かれた形式」 Material Open による記譜法を考案した米国の作曲家、アール・ブラウン(1926-2002)の作品集。
 CDには12音階による Music for Violin,Cello and Piano、図形記譜法によるFolio & Four Systems、「開かれた形式」による String Quartet、New Piece、Tracer、自然発生的に作曲された (spontaneously composed) Special Eventsなどを収録。いずれの作品にも、カルダーの作品に見られる一体感がありながら浮遊した美の世界が宿っている。
 DVDには、スーザン・ソリンズ(アール・ブラウン夫人)、コーネリアス・デュファロ、アール・ブラウン音楽財団理事だったミカー・シルヴァーの3者によるブラウンに関しての対談(36分)を収録、また、"All performances presented with full video" の文字があるため、全曲、演奏風景が映像収録されていると思われる。さらに、「 Octet 」のアナログ・テープからの高品位復刻によるサラウンド版を初めて収録(おそらく音声のみ)。
 DVD のスペック:リージョン0 / NTSC / 1時間51分(収録時間) / 5.0 SURROUND; Dolby Digital & DTS / 4:3 (音楽部分), ワイドスクリーン(インタビュー部)。
Ever Present〜アルヴィン・ルシエ(1931-):作品集
 バグパイプのための「 Piper 」(2000) (*)/
 4つの琴のための「 Fan 」(2003) (#)/
 947 (2001) (+)/
 Silver Streetcar for the Orchestra (1992) (**)/
 Ever Present (2002) (##)
マット・ウェルチ(バグパイプ;*)
丸田美紀、水谷隆子、
中川佳代子、西陽子(琴;#)
ジャクリーヌ・マルテル(Fl;+)
ブライアン・ジョンソン
(トライアングル;**)
エリック・ドレッシャー(Fl;##)
おかべ・あきこ(P;##)
サッシャ・アームブラスター
(A−Sax;##)
 アルヴィン・ルシエのソロとトリオの作品。マイクロトーンや普段使用しない楽器でユニークなサウンド・ワールドを展開する。
 (*)はバグパイプのために作曲された珍しい作品。バグパイパーはパフォーマンス・スペースをゆっくり歩く。次第にチェーン(チューニング?)がはずれ、多少の温度差と僅かな空間的障害とリズム・パターンが現れる。
 (#)は4人の琴奏者による12分の作品。曲の始まりはしばらくすると半音づつ4回にわたって音階が上がる。一方、弦を弾く間隔は2秒毎から3、4、5秒と伸びていく。様々な速さの弦の音が空間をただよう。
 (+)は4つの純音からなる音のコンビネーションにフルートがロングトーンで寄り添う。フルート奏者と純音との距離により、ビートの速度が変化して聞こえる。距離が遠い程、振動のうなりは速くなる。同音ではビートは起こらない。フルートのピッチの変化によりビートが早くなったり遅くなったりする。
 (**)はトライアングルの作品。楽器を鳴らす間、もう一方の手の指で楽器を押さえ響きを鈍らせる。パフォーマンスによりトライアングルの音響上の性質があきらかになる。
 (##)は演奏者がロングトーンをする中、規則的なトーンが行き来する。チューニングの緊密さによりビート・パターンは決まる。
The Early Years 〜
 ギャヴィン・ブライヤーズ(1943-):初期作品集

 Pre-Mediaeval Metrics (1970) (*)/
 香港製 Made in Hong kong (1970) (#) /
 1, 2, 1-2-3-4 (1971) /
 The Squirrel and
  The Ricketty Racketty Bridge (1971)
ウルリヒ・クライガー(Sax;*)
セート・ジョセル(G;*)
 (*/#)は世界初録音となる作品。ライナーノート:クリストファー・フォックス&ギャヴィン・ブライヤーズ。ギャビン・ブライヤーズは「タイタニック号の沈没」「イエスの血は決して私を見捨てたことはない」などの代表作を持つ実験的作曲家。マイケル・ナイマン、ブライアン・イーノ、ジョン・ティルバリーらと親交をもつ一方、フルクサスの活動に関わったり、ケージの実験音楽にヒントを得て作曲活動を行ってきた。ブライヤーズの作品は70年代半ばにイーノのレーベル Obscure からいくつか紹介された。当盤にはブライヤーズの初期(1969-1971)作品中、あまり知られていない4作品を収録。
 Pre-Mediaeval Metrics (1970):演奏指示はフレーズが8ページ、4コラムに分かれて書かれてある。各フレーズは4つの記号で構成され、長音記号は感知出来る程度の長さ(短くても1秒間)楽器編成は自由だが曲を通して一つの音に限られている。
 Made in Hong kong (1970):玩具、手動玩具、機器付玩具、それ以外に使用可能な道具を使用するように指示されている。ユーモラスで耳障りなこの作品は殆どが香港で作られている子供のおもちゃへのオマージュだという。
 1, 2, 1-2-3-4 (1971):1, 2, 1-2-3-4は演奏者がヘッドフォンを通して同じカセットテープを聴き、聴いたものと同じ音を演奏する。聴衆は演奏者のサウンドが合わさった音を聴く。こうして演奏者はビートルズの曲を聴くことになるのだ!?
 The Squirrel and The Ricketty Racketty Bridge (1971):デレク・ベイリーのために書かれた作品。演奏者は2本のギター同時に演奏しなければならない。ギターは背を裏にして床に平らに置かれ、ハンマー・テクニックを用いて指で2つの音を出す。2本のフレッツに2本の指が置かれ、ジャズのベーシストのように絶えず続く。振動音を生み出す。もう一方の手はやる気のないギタリストのように、ポロン・ポロンと繋がりのない短音やフレーズを弾く。
ジャチント・シェルシ(1905-1988):
 管弦楽作品集 Vol.2

 25人の音楽家のための
  「Quattro Pezzi (su una nota sola) 」(1959)(*)/
 オンド・マルトノ、7人の打楽器奏者、ティンパニ、
  合唱と23人の音楽家のための、宗教のために自ら滅びた
   マヤの都市の伝説「 Uaxuctum 」(1966)(#)/
 合唱と大管弦楽のための
  「 La nascita del Verbo 」(1946-1948)(+)
ペーター・ルンデル指揮(*/#)
ヨハネス・カリツケ指揮(+)
ウィーン放送so.
ヘルベルト・ベック合唱指揮(#)
コンセントゥス・ヴォーカリス(#)
ミヒャエル・
 グロホトルスキー合唱指揮(+)
ウィーン室内cho.(+)
MODEDV-176
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(DVD-AUDIO)
価格帯:C
  MODE-95 に続くシリーズ第2弾。(+)は世界初録音。
 (+)は32分に及ぶ壮大な作品で、ロシアの作曲家、スクリャービンの神秘和音をヒントに作られた。このカンタータは数多くのパーカッションを使用しており、ダブル・フーガと12音技法を用いた47のヴォイス・カノンからなる。シェルシ自身この作品に心血を注いだと語っているが、その後神経を痛み、数年間は作曲活動を休止している。
 (*)は4作品から成るが、どれも1音のみしか使わず、マイクロ・フラクチュエーションで変化をつけている。殆ど和音が存在しない中、音の微妙な変化やオーケストラの音色に注目したい。
 (#)はマヤ文明の神話的、神秘的な特徴が作品に反映されている。楽器とヴォーカルの新しいテクニック(息継ぎの音、鼻濁音、喉から吸い込む音など)が試みられている。リズミカルな呪文のようなヴォーカルは時間の流れが止まったように感じさせる。
 DVD_AUDIO盤のみサラウンド対応(映像は無し)。
Flying White〜ローラント・ダヒンデン(1962-):
 弦楽四重奏曲集

 弦楽四重奏曲第2番「 Mind Rock 」(2000)
 弦楽四重奏曲第4番「 Flying White 」(2003)
 弦楽四重奏曲第5番「 Poids De L 'ombre 」(2004)
  for Stephane Brunner
 弦楽四重奏曲第3番「 Mond See 」(2001)
  for inge Dick
クラングフォルム・ウィーンSQ
 コンポーザー/トロンボーンニスト/インプロヴァイザー、ローラント・ダヒンデンによる弦楽四重奏作品。各作品は影響を受けた著名なヴィジュアル・アーティストに捧げている。
 4作品ともアート作品から得たイメージを元に作曲しているが、イメージをそのまま使うことは避けている。ダイナミック・バイノーラル・システム・レコーディングを採用することでサウンドが空間を通して移動してくる。ステレオのラウドスピーカーで聴くと、空間の周辺部に向かっていくような感覚をもつ。ヘッドフォンで聴くと空間の真ん中にように感じられる。
 Roland Dahindenは1962年スイスに生まれる。オーストリア、グラーツ、フィレンツェ、米国コネティカット州、英国バーミンガムの音楽大学でトロンボーンと作曲を学ぶ。インタープリター/インプロヴァイザーとしてヨーロッパ、アメリカ、アジア各国で精力的に演奏活動を行っている。MODE, Black Saint, Braxton House, HAT HUT, Klangschnitte, Lovely Music, World Editionでレコーディングしている。彼のために作られたケージ、Ablinger、de Alvear, Braxton, Lang, Lucier, Newman, Wolffの作品を初演している。
MODEDV-174
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(DVD_VIDEO)
価格帯:C
ジョン・ケージ・エディション Vol.36 〜
 ジョン・ケージ
:One 11 with 103
 150分| 2.0 | 24 bit / PCM stereo。死の前年に制作されたケージ唯一の映像。
 ケージは彼の音楽に新しいテクニック用いることにいつも意欲的だった。晩年には「もう年だから、何かやることがあれば迷わずすぐにやっておきたい。」とも言っていた。ケージはエンプティネスの認識に取り組む一方で、1952年に発表した4’33”で提起した規定空間の中で何が起こっているかという成り行きまかせの音質というコンセプトにも取り組んでいた。40年後にケージは次のように語っている。「当然映像はempty space(無空間)における光の働きの結果だ。しかしno spaceというのは実際のところemptyで、光はそこに何があるのか教えてくれる。その上このspaceと光はすべてランダム・オペレーション(確率的操作)で支配されることになるだろう。」このシンプルなコンセプトはそのまま実行された。ミュンヘンのTVスタジオでHenning Lohnerの指揮のもとおびただしい最新テクニックが駆使された。映像作品「One」と音楽作品(サウンドトラック)「103」は直接的には何の関連もないが一緒に収録されている。共通点があるとすれば、2作品とも17のパートに分かれている点だ。各パートはコンピューターにより約1200のランダム・オペレーション工程からなる。コンピューターはライトの調節やクレーン・カメラの動きをコントロールしている。気鋭のカメラマンVan Theodore Carlsonの助けを借り、ケージが望んだとおりプロットも俳優も使わず見る人自身がそれぞれに感じ取る映像が完成した。
 DVDにはオリジナル・フィルムをハイ・リゾルーションで用いてディジタル転送した映像を収録。オーケストラによる103はWDRシンフォニー・オーケストラがケルンのドイツラジオ放送局で初演したときのレコーディング。この作品はHenning Lohner監督のMODEでの初めての作品。
 追加映像:“The Making of One” Lohner監督に43分の本編制作過程を記録したドキュメンタリー。ドイツのTV局用に制作した。どのように作られたのか、ケージ・Lohner監督について、また作業中の照明デザイナーAndrew Cluverの姿も垣間見ることができる。Lohner監督とカメラマンのCarlsonがこのプロジェクトとケージについて語る。約20分。
MODE-171
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(3CD)
クセナキス・エディション Vol.7
 〜打楽器のための作品全集

 ソロ作品[ Psappha (1975) / Rebonds (B/A) (1989)]
 アンサンブル作品
  [ Persephassa (1969;打楽器六重奏のための)
   Pleiades (1978;打楽器六重奏のための)
   Okho (1989;3つのジャンべのための)]
 デュオ作品
  [ Dmaathen (1979) (*) / Komboi (1981) (#)
   Ksssndra (1987) (+) / Oophaa (1989) (**)]
スティーヴン・シック(Perc)
ジャクリーヌ・ルクレア(Ob;*)
シャノン・ウエットスタイン(Cemb;#)
フィリップ・ラーソン(Vo;+)
ジョン・マーク・ハリス(Cemb;**)
 世界的パーカショニスト、シックが演奏するクセナキスのパーカッション作品。
 Steve Shickはこの30年間、パーカッション奏者として、また講師としてトップの座を守っている。アイオワ大学で学び、ドイツ、フライブルクでソリストの資格を取得。これまでパーカッションの新作を100以上初演している。そういった初演にはリンカーン・センターのグレイト・パフォーマー・シリーズやグリーン・アンブレラ・シリーズといったメジャーなコンサートやオスロ秋の祭典、BBC Proms, エルサレム・フェスティバル、ブダペスト春の祭典などの国際フェスティバルで演奏されてきた。パーカッショングループred fish blue fishの創設者であり、音楽監督でもある。
 24bit レコーディング。当初DVD-AUDIO盤(MODEDV-171)もご案内していましたが、発売中止となりました。
ジョージ・クラム:
 夏の夜の音楽(マクロコスモス III)(1973)/
 ブラック・エンジェルズ(1970)
 「ブラック・エンジェルス」はベトナム戦争に呼応して作られた。叫び、賛美歌、警笛、ささやき声、銅鑼の音、マラカス、クリスタルグラスの音が使われている。スコアはふたつの部分からなり、それぞれに題がつけられている。一方は" in Temore Belli( in time of war、戦時下)、もう一方は"Finish on Friday the Thirteenth March, 1970"( 終戦 1970年3月13日金曜日)とある。CDではクラムの許可を得て Juan Pablo Lzquierdo が弦楽四重奏と弦楽合奏に編曲、さらにパワフルで恐怖感に満ちた作品となっている。クァルテットのソリストは Cuarteto Latinamericano。
 Music for a Summer Evening は2台のピアノとふたりの打楽器奏者という、バルトーク風な楽器編成。ふたりのピアニストには並外れたテクニックと周到な練習が不可欠。打楽器奏者とともにユニークな音の世界を作り出している。Lzquierdo は打楽器パートをよりクリアなものとするために、4人の奏者で演奏している。 パワフルでありながら繊細で不思議な魅力をもつ作品となった。
MODEDV-169
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(DVD_VIDEO)
価格帯:C
チャヤ・チェルノヴィン(1957-):
 歌劇「 Pnima...ins Innere 」(2000)
アンソニー・ブル(Cl)
リコ・ガブラー(Sax)
アンドレアス・エーベルレ(Tb)
デイヴィッド・シヴェリー(Perc)
マリー・オリヴァー(Va)
フランク・コックス(Vc)
ヨハネス・カリツケ指揮
ミュンヘン室内o.
 クラウス・ガス(オペラ監督)/アレクサンダー・ブレスク、カイ・エーラーズ(映像)。
 チェルノヴィンはイスラエル生まれの女性コンポーザー。ミュンヘン・ビエンナーレから委託された当オペラが世界中から絶賛され、一躍注目を集めるようになった。Openwelt の2000年最優秀初演賞を受賞。Bayeruscher Theaterpreis も受賞している。ヨーロッパでは70を超すレビューで絶賛された。ちなみに彼女は、1993年から1994年に日本文化芸術財団と朝日新聞の奨学生として日本に滞在していた。
 ホロコーストによるトラウマを描いたこの作品は、イスラエルの作家デイヴィッド・グロスマンの" See Under Love "を題材にしているが、従来のオペラとは異なり、台本やプロットはなく心理描写だけが描かれる。ふたりの出演者は演ずるのみで歌やせりふは一切なく、歌やソリストの演奏はステージの袖で行われる。ナチス迫害をトラウマにもつ祖父の苦悩と、その悲惨な過去を徐々に知って行くいく孫の少年の成長が描かれている。
The Advance of the Fungi
 〜ジョージ・カチョッポ(1927-1984):作品集

 フルート、打楽器とコントラバスのための
  「 Mod 3 」(1963) (*)
 ソプラノ、フルート、オーボエ、ピアノ、打楽器、
  ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと
   コントラバスのための「 Two Words 」(1962)(*)
 ソプラノ、2つのホルン、2つのトロンボーン、ピアノと
  チェロのための「 Time on Time in Miracles 」(1965)(*)
 男声合唱、3つのクラリネット、2つのトロンボーン、
  2つのホルンと打楽器のための
   「 The Advance of the Fungi 」(1964)(#)
 電子オルガンのための「 Holy Ghost Vacuum 」(1966) (+)
 ソプラノ、ピアノと5人の打楽器奏者のための
  「 Eingang 」(1960)
ポール・メファノ指揮(*)
アンサンブル 2e2m (*)
ルノー・フランソワ指揮
Atelier de Musique Contemporaine
 du CNR de Versailles (#)
ジョージ・カチョッポ
(ハモンドOrg;+)
ジャネット・パーペ(S)
ニコラス・イスハーウッド
(男性合唱?)
 ジョージ・カチョッポは、1960年代アメリカの主流である「サウンド・ベース」音楽、ジャチント・シェルシと彼の門弟、シェルシに影響を受けたトリスタン・ミュライユやジェラール・グリゼーを中心としたフランスのスペクトル楽派の間にあって、その両端の橋渡し役となった重要な作曲家。
 シリアル・ミュージックの批評とアカデミズムがサウンドの本質を考慮しなかったという失敗から、カチョッポはヴァレーズやケージ、フェルドマンらラジカルな作曲家の影響を受け、ジャチント・シェルシの作品もプロデュースした。
 カチョッポは全く新しい「サウンド・ベース」アプローチでハーモニーを作り上げた。ピュアな音を連続的にトランスフォーメーションさせて集団をつくり、それをノイズへと変えていった。また一方で、カチョッポは時間を非常に柔軟な方法で扱った。時間の流れはややゆっくりで、できりかぎり自由に漂えるように計られていない。ケージが言う「サウンドがなすままにさせる」ということだ。
 「 Time on Time in Miracles 」はソプラノとアンサンブルが創り出す音とノイズのコントラストからなる。「 The Advance of the Fungi 」は動植物が周期的に菌類に痛めつられるというE.C. Funjiの著書を題材にしている。
 カチョッポの独創的な音楽を、レアな自作自演と、フランスの一流奏者たちを中心とした演奏で。ライナーノートはカチョッポの同僚、ゴードン・ムンマとジェラード・パーペが執筆。
ジェラード・パーペ(1955-):作品集
 8つの独奏ヴァイオリンのための
  「 Le Fleuve du Desir IV 」(2002)(*)
 増幅チェロ独奏のための
  「 La Naissance du Son 」(2002) (#)
 増幅ヴィオラ独奏のための
  「マウリツィオのために」(2003)
 バス、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、
  トランペット、トロンボーン、ホルン、打楽器、
   2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと
    コントラバスのための「 Weaveworld Prologue 」(1998)
 2人のソプラノと打楽器のための「 Funeral Sentences 」(1998)
 打楽器独奏と作曲家( Stochos program )のための
  「 Ascension to Purgatory 」(2004) (**)
アーヴィン・アルディッティ(Vn;*)
ローハン・デ・サラム(Vc;#)
ローランド・オウゼット(Perc;+/**)
マウリツオ・バルベッティ(Va)
ジャネット・パーペ、
アーメル・オリオウ(S;+)
 パーペ3枚目のアルバム。「 Le Fleuve du Desir IV 」と「 Weaveworld Prologue 」では引き続きコアティックなサウンドを追求、新しいアプローチとしては、一群のグラニュラー・タイム(粒状の時間)を用いている。「 La Naissance du Son 」では、脈動するリズミック・ノイズからサウンドが生まれ、それが次第に識別できる音質、ピッチになっていく。「 For Maurizio 」はパーペがテンポラル・フロウ(時間の流れ)を試した最初の作品で、固定されたデュレーションや不変のビートからではなく、むしろリズムテンポのスピードアップ、スローダウンの連続により生じたもので、サウンドエレメントの脈動/振動のスピードを調節している。この時間への新しいアプローチは、「 Ascension to Purgatory 」見られるように、パーカッションパートの素晴らしいライブ演奏とコンピューターによるパーカッシブなシークエンスを合わせて使うことで一層効果を高めている。
 演奏はソリスト、アンサンブルとも世界的クラスのプレイヤーによる。
ダッラピッコラ&ペトラッシ:室内楽作品集
 ルイジ・ダッラピッコラ(1904-1975):
  ピアノのための「アンナリベラの音楽帳」(1952)
  ピアノとヴァイオリンのディヴェルティメント
   「タルティーニアーナ第2番」(1956)
  メゾソプラノとアンサンブルのための
   「 Parole Di S. Paolo 」(1964)(*)
 ゴッフレード・ペトラッシ(1904-2003):
  アンサンブルのための秋のセスティーナ
   「来たれ、創造主たるイゴールよ」(1981-82)
  マンドリン、ギターとハープのための
   「 Seconda Serenata Trio 」(1962)
  2本のフルートのための「天使の対話」(1948)
クリスティーナ・
 ザヴァローニ(Ms;*)
クラウディオ・ルゴ(Sax)指揮
アンサンブル・ディソナンツェン
[トマゾ・ロッシ(Fl)
 チーロ・ロンゴバルディ(P)
 マルコ・カペッリ(G)他]
 ともに1904年に生まれたダッラピッコラとペトラッシは「新イタリア音楽の双生児」と称され、20世紀のイタリア音楽の立役者として独自の音楽性をもった作品を発表した。同時代の作曲家の作品を比較対照して聴けるよう1枚のCDに収録。
 ダッラピッコラの「アンナリベラの音楽帳」は見事な技巧が凝らされた11の小品からなる。フーガの技巧と音楽の贈り物がひとつになった作品。バッハのカノンとフランドル派のスタイルをもつ。「タルティーニアーナ第2番」は心酔する作曲家ジュゼッペ・タルティーニへのオマージュ、タルティーニアーナ・シリーズのひとつ。
 ペトラッシの作品からは、弦楽器による唐突な一瞬のサウンドを強調していることが推測できる。ハープやハープシコードギター、マンドリンのメタリックな弦の音はペトラッシのトレードマークといえよう。「天使の対話」は水彩画のような優美な作品で、後の作風を匂わせる。ストラヴィンスキーのような新古典主義的な落ち着いたリズムとダイアトーン(全音階)をもつ自由自在な曲。
 演奏はナポリ屈指の現代音楽アンサンブル、アンサンブル・ディソナンツェン。メンバー全員がクラシック音楽を学んだあとに幅広いジャンルでの演奏経験を持つ。
アルディッティSQ〜メキシコの現代作品
 フアン・フェリーペ・ワレル(1971-):
  ヴァイオリン独奏のための「 De jaque, sal, gala y 」(1999)
 エルベルト・バスケス(1963-):弦楽四重奏曲第1番(1999)
 ヘルマン・ロメロ(1966-):
  増幅独奏ヴァイオリンのための「 Ramas 」(2002)
 イバン・ナランホ(1977-):四重奏のための「 Uno 」(2002)
 ロへリオ・ソーサ(1977-):独奏ヴァイオリンと
  エレクトロニクスのための「 Espasmo fulgor 」(2002)
 イルダ・パレデス(1957-):
  弦楽四重奏のための「 Uy utan 」(1998)
アルディッティSQ
 発売:2006年。メキシコ現代を代表する新進気鋭のコンポーザー6人の作品を収録。2002年の第1回 Radar フェスティヴァルでの録音。毎年開かれるこのフェスティヴァルはメキシコ・シティで開かれる主要な音楽企画となっている。
 ワレルはロッテルダム音楽学院を卒業しており、この作品はメキシコ映画全盛期の人気スター、ペドロ・インファンテのヒット・ソングを歪曲した作品。
 バスケスの作品の特徴は、2組の楽器(ここではヴィオラとチェロに対して2本のヴァイオリン)が、実際は同じアイデアや演奏を行い、入り組んだサウンドを作り上げる点。ほとんど無音に近い静寂に始まり、ホワイト・ノイズの律動で終結する。
 ロメロはまずドイツのダルムシュタット、その後パリの Ateliers UPIC(現CCMIX)で専門教育を受け、メキシコの最もラディカルなコンポーザーと言われている。この作品は弓で弦を引っかく演奏法を用いるなどして、音のオブジェクトのもつ豊かさに焦点を当てている。
 ナランホの作品はアルディッティSQが Radar フェスティヴァルで行なったワークショップのために作られた。3つのパートの内、最初ではアイデアが通常とは違った形で進み、次のパートではサウンドの内面の探求が成され、そして最後のパートでは断片がつなぎ合わされ、まるでループが少しずつ形を変え、そしてそれが繰り返されるように前ふたつのパートが変形されていく。
 ソーサはフランスの Les ateliers UPIC IRCAM, パリ第8大学で学んだ。この作品のインターバル・マテリアルはヴァイオリンのチューニング、演奏テクニック、音質からできている。エレクトロニック部分のオリジナル・サウンドのマテリアル、後半の変形部分ともバイオリンからできている。異常なまでの拍動、突然の攻撃、鋭い音域、輝くような音質、鮮やかなテクスチャーから対照的な二重性が浮きあがってくる。
 パデレスはメキシコのコンテンポラリー・ミュージックシーンで最も評価の高い作曲家のひとり。「 Uy u'tan 」はマヤ語で「彼らがどのように話すか聴きなさい」という意味。作曲者はこの作品で楽器を劇中の人物のように扱おうと考えた。気違いじみていて、活発すぎる1stヴァイオリン、落ち着いているけれど表現豊かなヴィオラ、上の空のチェロ、内政的でときどき扱いにくくなる2ndヴァイオリンというそれぞれ違ったキャラクターを考え、それらの相互作用が4つのセクションを形作っていく。Arditti Quartetのために「ノルマンディーの10月(秋)」音楽祭から委嘱された作品。
Tim Hodgkinson - Sketch of Now
 1970年代初期のプログレッシブ・ロックシーンに登場したイギリスの急進的フリージャズ/アヴァンギャルドのプログレッシブ・ロックバンド Henry Cow の創始者のひとりティム・ホジキソンの2001-2004年のアンサンブル作品を収録。多彩なプロセスを用い、韓国音楽、シベリアの儀式音楽、インプロヴィゼーション、ミュージック・コンクリートの実践、アコースティック/エレクトロニックのコンビネーション、テープ・ミュージックを盛り込んだ力作。ライナーノートはティム・ホジキソ自身。ホジキソンはHenry Cow 解散後、ポスト・パンク/フリージャズ・バンド The Work を経て1994年にソロに転向。クラリネット、サックス、キーボードのインプロヴァイザーとして演奏活動する一方、作曲にも才能を発揮している。
MODE-161
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(3CD)
ルチアーノ・ベリオ(1925-2003):
 セクエンツァ 全曲
/
 独奏楽器のための作品集(8曲)
高橋アキ(P)
アーヴィン・アルディッティ(Vn)
ロハン・デ・サラム(Vc)
ステファノ・スコダニッビオ(Cb)他
 20世紀イタリアを代表する作曲家であると同時に電子音楽の先駆者でもあるルチアーノ・ベリオ。ソロ楽器と歌唱のためのシリーズ「セクエンツァ」は1958年から最晩年の2002年まで約50年間作り続けられた、ベリオの集大成とも言える作品で、彼の作品中特に審美的で、また作曲技巧的にも優れている。この作品が全曲まとめて収録されるのは今回が始めて。また、元アルディッティSQのチェロ奏者で、当CDでも演奏しているロハン・デ・サラムのために作られた、チェロのソロ作品「セクエンツァ XIV」(2002)も初レコーディング。またベリオはこれの作品のうち何曲かを、多くのソリストの要望により元々想定された以外の楽器用に編曲しているが、今回はそれらの編曲も全て収録、そのうち、上記作品をコントラバス用に編曲した「セクエンツァ XIV b」(2004)などは初レコーデングとなる。
 他にソロ作品も8曲収録収録、アレンジを加えられた作品も含まれる(ただし、ピアノ・ソロ曲については独立して別のCDに収録)。演奏者を選ぶにあたってはベリオの意見を取り入れ、アルディッティSQやアンサンブル・モデルンの団員といった素晴らしい演奏家が参加、詳細な解説、バイオグラフィも充実している。
ジョン・ケージ・エディション
 〜サクソフォン作品集 Vol.2

 Sonata for 2 Voices(1933)/
 Solo with Obbligato Accompaniment of Two Voices
  in Canon, and Six Short Inventions
   on the Subject of the Solo(1933)/
 Composition for 3 Voices(1934)/
 Solo for Baritone Sax from Concert
  for Piano and Orchestra(1957)/
 Atlas Eclipticalis(1961)/
 Two for saxophone and piano(1987)
ウルリヒ・クリーガー
(Sax/ディレクター)
 A Cage of Saxophones 1 に続くウルリヒ・クリーガーのケージ作品集。
 ケージの50年を越えるキャリアから初期、中期、後期からそれぞれセレクトされ、サクソフォンのために作られた作品だけでなく、楽器の指定はなくてもサクソフォンや管楽器向きの作品を取り混ぜて収録。クリーガーはめったに演奏されることのない初期の3作品をピックアップし、楽器の指定はないのでサクソフォンとその他楽器からなるアンサンブル用にアレンジした。中期の作品からは、Concert for Piano and Orchestra, Atlas Eclipticalisの2曲のサクソフォンのソロパートを取り出して演奏している。ケージはそれぞれの楽器パートをソロ作品として使用することを認めている。後期の作品からは、もともとはフルートとピアノ用に作られたTwoをサクソフォンとピアノに変えて初演している。
 ドイツを代表するサクソフォン奏者ウルヒリ・クリーガーはベルリンとNYでクラシック/現代音楽のサクソフォン、作曲、エレクトロミュージックを学ぶ。1990年以降、インタープリター、インプロバイザー、作曲家、ロックミュージシャンとしてフリーで活動。ラモンテ・ヤング、フィル・ニブロック、デイヴィッド・ファースト、リー・ラナルド、エリオット・シャープ、マリオ・ベルトンチーニ, Merzbowほか多くの著名ミュージシャンと仕事をしている。
高橋アキがシェルシの作品を
 ジャチント・シェルシ(1905-1988)・エディション Vol.5
  〜ピアノ作品集 Vol.3

 組曲第10番「 Ka 」(1954)/
 Quatro Illustrazioni (1953)/
 ピアノ・ソナタ第3番(1939)/
 Cinque incantessimi (1953)/
 Aitsi for piano and electronic sound (1974) (*)/
 Un Adieu (1978/88)
高橋アキ(P)
MODEDV-159
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(DVD_VIDEO)
価格帯:C
 (*)はDVDにのみ収録? DVDの仕様:86分/5.1 Surround /Dolby Digital & DTS/ Stereo:96khz/ 24-bit PCM/ DTS Surround。
 シェルシは、彼自身が優れたピアニストでもあったことからピアノ作品を多く残し、その作品はどんなに実験的なものであっても、必ずピアノらしさが感じられる仕上がりとなった。シェルシは晩年隠遁生活をしていたが、彼との仕事を通じて彼の作品を深く理解するアーティストが何人かいた。現代音楽ピアニストの高橋アキはそのひとりで、ここに収められた曲目は彼女の好きな作品が選ばれている。
 Quattro Illustrazion にはヴィシス(ヒンドゥー教の神の一人で、世界を維持する)のいろいろな化身が描かれており、エキゾチックかつエロティックな傑作である。1950年代半ば、シェルシは微分音に関心をもつようになり、それ以降はピアノ作品を書くことはなくなった。例外がDVDに収録された Aitsi である。この作品はコードひとつからなり、ピアノ・コードが自然消音するとエレクトリック・サウンドの衝撃音が入る。6分間のデュレーション。シェルシ最後の作品となった Un Adieu は大変美しいメランコリーな曲で、タイトルどおり「別れ」の雰囲気がよく表現されている。高橋アキのレコーディング・シーンは3台のカメラで撮影された。
ジョン・ケージ・エディション Vol.34
 〜ピアノ作品集 Vol.7

 ジョン・ケージ:
  チェスの駒[ Chess Pieces ](1944)/
  ソナタとインターリュード (1946-48)
 ヴィットリオ・リエーティ(1898-1994):
  チェス・セレナード (1944)
マーガレット・レン・タン(P)
MODEDV-158
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(DVD_VIDEO)
価格帯:C
 共に世界初録音。DVDの仕様:NTSC / 130分 / Dolby & DTS / 24-bit / 5.1; PCM stereo /字幕:英仏独西。DVD盤のみ「チェスの駒」「チェス・セレナード」「 Mr. Cage's Prepared Piano 」「Cage and the Art of Chess 」の各映像を収録(ソナタとインターリュードはDVDでも音声のみ)。
 1944年、ケージはニューヨークのジュリアン・レヴィ・ギャラリーで開かれた「チェスの肖像[ The Imagery of Chess ]」展に出展を依頼された。この展覧会にはデュシャン、エルンスト、マン・レイ、イサム・ノグチ、カルダー他、時代を代表するシューレアリスム・アーティストたちが出展している。ケージは「チェスの駒[ Chess Pieces ]」という絵画を出展したが、会場で買い取られ個人のコレクションとなってからは行方がわからなくなり、ケージ・マニアや研究家からも長年忘れられていた。2005年に同じくニューヨークのイサム・ノグチ美術館で "The Imagery of Chess Rifisited" と題した同展覧会の回顧展が開かれることになり、それに当って行方不明だったこの作品が再発見され、ケージ研究家でもあるマーガレット・レン・タンが、ケージの絵にある音楽を演奏できるよう採譜することに挑戦、このたび初録音するに至った。
 「チェスの駒」はサティの影響が色濃く出ている点、ミニマリズムや彼の記念碑的作品である「 Four Walls 」の原型となっている点で、ケージ作品の核となるものだということが判明した。「チェスの肖像」展に楽譜を出展したもうひとりの作曲家で、新古典音楽の作曲家ヴィットリオ・リエティの「チェス・セレナード」も同時収録、こちらも初録音。
 ケージ作品の演奏者のみならず現代作品のスペシャリストとして知られるマーガレット・レン・タンは、プリペアド・ピアノ作品の演奏が特に有名で、ケージのプリペアド・ピアノ作品の中でも最高傑作といわれているソナタとインターリュード(1946-48)の録音もある。
Extreme Guitar Project
 Music from Down Town New York

 The Buzzing In My Head /
 A Bright Moon Makes A Little Daytime /
 Iron Blue / Marked By A Hat / Bird Chant /
 And So I Went To Pittsburgh / Terra /
 Amygdala/ Uboingee Etude #1 / Pi-Anode
マルコ・カペッリ(G)
 Produced by Ellliott Sharp。
 イタリアのギタリスト、マルコ・カペッリは2002年5月から6月にかけてニューヨークへ滞在した折りに「ダウンタウン・ミュージック」として知られる、当地のアヴァンギャルド・シーンに深い関心を抱いた。そこでは、前衛ジャズ、エクスペリメンタル・ロック、アカデミックとジャンルを問わず、作曲者=即興演奏者が共通の音楽言語を創造していた。この体験とそこで受けた影響にインスパイアされたカペッリは、ギター作品によるダウンタウン・ミュージック・シーンの「ミュージカル・フォトグラフ」という新しいアイデアとコンセプトを育み、その結果「エクストリーム・ギター」のコンセプトが誕生したのである。
 ダウンタウンの作曲家10人が、カペッリの卓越した演奏テクニックと厳密な構造から自由な即興までミックスされた作曲技法をミックスして用いるという提案に刺激され、作品を提供している。これらの作品群で、カペッリは、8本の共鳴弦を張ったクラシック・アンプギターを使用し、MIDIデヴァイスをコントロールしている。
 マルコ・カペッリは、ローマの聖チェチーリア音楽院で学び、バーゼルの音楽アカデミーで、オスカー・ギリアに師事、トラディショナルな作品と20世紀のクラシック作品(ブリテン、べリオ、ヘンツエ、シェルシ他)をレパートリーとしている。伝統的なコンテンポラリー作品と、大胆な実験的作品の架け橋となるような創造活動を長年提唱し、クラシック、コンテンポラリー、ジャズ・フェスティバル、インプロヴィゼーションなど多彩なシーンで活動、ソロとさまざまな組み合わせのアンサンブルでも演奏している。パレルモのべッリーニ音楽院で後進の指導にもあたり、ジュリアード音楽院やニューヨーク大学の客員教授にも迎えられている。
イェルサレムのヴォルペ 1934-1938
 シュテファン・ヴォルペ(1902-1972):
  パッサカリア(1937)(*)/
  モリエールの「病は気から」のための付随音楽
   (フルート、クラリネット、ヴァイリン、
     ヴィオラとコントラバスのための)(1934)(#/+)/
  ヴィオラとチェロのための「3つの小さなカノン」Op.24a(#)/
  オーボエとクラリネットのための
   「 Suite im Hexachord 」Op.24b(#)/
  9つの楽器のための協奏曲Op.22
   (クラリネット、ファゴット、トランペット、
     トロンボーン、ヴァイオリン、
      チェロとピアノのための)(1933-1937)(#/+)
ヨハネス・カリツケ指揮(*)
ケルンWDRso.(*)
アンサンブル・ルシェルシュ(#)
 (+)は世界初録音。
 ヴォルペはベルリンに生まれたがユダヤ人だったため、1931年ナチスの迫害を逃れウィーンでウェーベルンに学んだ。その後オーストリア政府により強制送還されるが、1934年にイェルサレムに渡り、そこでパレスチナ音楽院の作曲と合唱指導の職を得た。前衛的な作品を作るかたわら、国際的な現代音楽のパレスチナ支部を組織するようになり、才能あふれ意欲的で楽天的なウォルペは、多くの人から慕われた。しかしイェルサレムでも、彼の音楽に対する反感やユダヤ人への迫害が増すようになり、1938年に米国へ渡る。その後はアメリカで活躍したが、彼の心のふるさとであるイェルサレムへの思いは変わることがなかった。
 「パッサカリア」はシェルヘンから作曲を学んだ後の作品。設立予定のパレスチナ・シンフォニーのために作られたが、オーケストラには気に入られず、ヴォルペの死後11年経った1983年まで演奏されることはなかった(チャールズ・ウーリネン指揮アメリカン・コンポーザーズ・オーケストラによりカーネギー・ホールで初演)。「 Hexachord Suite 」は、中東の音楽とヨーロッパの現代音楽を融合した最初の作品で、トルコのダブル・リード楽器、zurma(ズルナ)の音を求め、オーボエ奏者に雑な演奏をさせている。「協奏曲」はウェーベルンに師事していた頃からとりかかり1937年に完成させた。しかし、フルスコアとバイオリン・パートの譜面が紛失しており、発見されていない。今回のレコーディングには作曲家&指揮者のヨハネス・ショルホーン(1962-)が残っていた8パートを組み立てた。ショルホーンは欠けたバイオリン・パートの作り直しも考えたが、ウォルペの作品は緻密で予測できないことから断念したという。2000年にアンサンブル・ルシェルシュが初演。ライナー・ノートには Austin Clarkson, Yuval Shaked のエッセイと歴史的な写真を収録。
MODE-154
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(2CD)
1.5CD価格
オペラ〜イヴァー・ミカショフ(1941-1993):
 ヴィルトゥオーゾ幻想曲、パラフレーズ&編曲集

 ヴェルディ(ミカショフ編):
  歌劇「リゴレット」〜序奏と「慕わしい人の名は」
 プッチーニ(ミカショフ編):
  三部作幻想曲/「蝶々夫人の肖像」/歌劇「トスカ」〜歌に生き
 ベッリーニ(ミカショフ編):歌劇「ノルマ」〜清らかな女神
 ドビュッシー(ミカショフ編):
  歌劇「ペレアスとメリザンド」〜間奏曲と最後の情景
 ベルク(ミカショフ編):
  歌劇「ヴォツェック」〜第3幕より「Wirtshauswalzer」
 シルヴァーノ・ブソッティ(1931-)(ミカショフ編):
  歌劇「ラシン」〜Pianobar
 ケヴィン・ヴォランズ(1949-):
  室内歌劇「 The Man With Footsoles of Wind 」(1988-1993)
   〜Striding Dance (ピアノ独奏のための;作曲者編 1992)
イヴァー・ミカショフ(P)
 現代音楽のスペシャリストとして知られたミカショフが残した珍しい編曲集。彼がピアノでオペラ作品に取り組むきっかけとなったのは、ケージ晩年の作品「 Europera 5 」だという。このアルバムでは、ミカショフがオーストリアでオペラ&歌曲の指導をしていた経験を生かして、彼が親しんだアリアを選曲し、歌唱をピアノに置き換え編曲&演奏している。
 「三部作幻想曲」は1作目「外套」追憶シーンのメドレー、「修道女アンジェリカ」の「母もなしに」、そして「ジャンニ・スキッキ」から「私のおとうさん」へと続く。「蝶々夫人の肖像」は、原作のドラマ性を残しながら「ハミング・コーラス」「愛の二重唱」を編曲、苦心のあとがうかがえるが、巨匠の力量を示す素晴らしいできばえ。「ノルマ」はショパン風に編曲。実際にベッリーニとショパンには親交があったので、ふさわしい編曲。ドビュッシー作品は第4幕第2場&第3場の間奏曲と、第5幕の終幕シーン。最終場面はドビュッシーの全作品中でも最も感動的なクライマックスだが、ミカショフは原作のイメージを損ねること無く、華やかなアルペジオと歌唱部分に細心の注意を払って編曲している。「ラシン」 La Racine はブソッティがミカショフのために書いた作品で、1981年スカラ座で初演。ピアノはオペラの中で唯一の楽器として演奏され、ピアニストは3時間の上演中ずっとステージに控えている。「Pianobar」は7楽章からなる歌唱とピアノ演奏。ミカショフはブソッティ監修のもと編曲を行った。「 The Man with The Footsoles of Wind 」からの Striding Dance はヴォランズがミカショフのために編曲した物で、初演もミカショフの手により行われている。この歌劇は、詩人ランボーがアフリカで過ごした日々からフランスに戻って病死するまでを描いているとのこと。
ジョン・リューサー・アダムス(1953-):
 Strange and Sacred Noise
パーカッション・グループ・
 シンシナティ
MODEDV-153
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(CD + Bonus_DVD)
価格帯:C
 DVDの仕様; 収録時間:125分。24-bit surround sound, Dolby digital, DTS。作曲者の監修による初録音。CD盤とDVD盤が同時発売。
 アラスカ在住のコンポーザーJohn Luther Adamsによる、9つの楽章から成る打楽器四重奏のための作品。奏者が互いに距離をおいて演奏することで、音が交差し幻覚を感じさせるため、サラウンド・サウンドがより効果的に表れている。楽器編成はユニークで、簡潔。各楽章は類似する楽器による四重奏で演奏され、例えば2台のスネア・ドラムと2台のフィールド・ドラムによるもの、マルチプル・トムトムとバス・ドラム、タムタムのセットとマレット、また変わった組み合わせとしてトライアングルと空襲警報サイレンがある。パーカッション・グループ・シンシナティはこの作品の委嘱者で初演も行った。
 DVDのみ、作曲者と同団体のディレクター、アレン・オッテによる60分のインタビューを収録したボーナスDVD付き。
ヤニス・クセナキス Vol.6〜弦楽のための作品集
 Symos (1959) for 18 strings/
 Aroura (1971) for 12 strings/
 Analogique A + B (1958) for 9 strings & tape/
 Voile (1995) for 20 strings/
 Ittidra (1996) for string sextet(*)/
 Theraps (1975-76) for solo contrabass(*)
ヨハネス・カリツケ指揮
アンサンブル・レゾナンツ
 (*)は世界初録音。本能的で大胆なこれらの作品は、弦楽作品にドラマチックなグリッサンドや高度なテクニックを取り入れられることを示した。指揮のカリツケは現代音楽のスペシャリスト、KAIROS、COL LEGNO、CPOなどに録音がある。
Faint Traces
 〜フランク・デンヤー(1943-):作品集

  Out of the Shattered Shadows 1
   for harmonium, spinet,banjo, flutes
     & percussion (1996)/
  Out of the Shattered Shadows 2
   for 4 male vocalists, 2 flutes, viola
    & percussion (1999)/
  Faint Trace for ensemble (2001)/
  Music for Two Performers for 2 voices (1986)/
  Play for clarinet (1973)/
  Passages for ensemble (1984)
バートン・ワークショップ
 デンヤーはイギリスの作曲家で民族音楽学の博士号をもつ。豊かなイマジネーションと音に対する研ぎ澄まされた感覚により非凡な作品を作り、他の作曲家が考えもつかない突飛な楽器の組み合わせにより、豊かなアコースティック・サウンドを無尽蔵に産み出す。デンヤーが共同創始者のひとりでもあるバートン・ワークショップによる演奏。監修は作曲者自身。
The Echoing Green
 〜ヴァルター・ツィンマーマン(1949-):作品集

  Wustenwanderung for piano (1986)/
  Geduld und Gelegenheit
   for cello & piano (1987-89)/
  Lied im wustenvogelton
   for bass-flute & piano (1987)/
  The Echoing Green for violin & piano (1989)
ミヒャエル・バッハ(Vc)
フランクフルト・HCDアンサンブル
 ヴァルター・ツィンマーマンは、絵と音楽の関係に、また、シンプルなマテリアルをごく普通の楽器を使ってできるかぎり微妙な演奏をすることに、強い関心をもっている。ある研究をひとつの作品としてまとめることも多く、その対象は民族音楽からサウンドスケープまでに及ぶ。非常にユニークな作品が多く、「einer ist keiner」(ひとりは誰でもない)では人間関係を正確に音楽に置き換えるという試みがなされている。
 フランクフルトのHCDアンサンブルはドイツの(悪名高き)アンサンブル・モデルンのメンバーから成る。
ヒルダ・パレデス(1957-):Listen Bow They Talk
 Uy U T'am(1998)/Can Silim Tan(1999)/Ah Paxoo'ob(2001)/Cotidales(2001)
 メキシコの作曲家ヒルダ・パレデスは21歳のときにロンドンに渡り、ピーター・マクスウェル・デイヴィスとリチャード・ロドニー・ベネットに師事した。祖国から長く離れるほど母国にひきつけられたという。パレデスにとってのメキシコはアメリカとの国境付近ではなく、マヤ文化が発祥したもっと南の地方を意味している。実際、彼女のほとんど作品にはスペイン語ではなくマヤ語(現在も祖父が使っている)が使われている。彼女の作品にはシルべストレ・レブエルタスに代表されるような「メキシコらしい」曲は少なく、むしろマヤの影響を色濃く受けて神秘性を表現するものが多い。弦は特にマヤの神秘的世界を鮮やかに描き、そこにイギリスで学んだインド音楽のリズムが取り入れられている。
 Uy U T'am は弦楽四重奏のための作品で、「彼らの話し方を聞きなさい」という意味。それぞれ楽器が違った人間の性格を表現し、4人の人間関係も、気が合う者からほとんど意思の疎通のない者までがある。パレデスは第1ヴァイオリンを騒々しく落ち着きのないタイプ、第2ヴァイオリンは対象的に内省的で不器用なタイプ、ヴィオラは落ち着いて表現豊かなタイプ、そしてぼんやりしたチェロというイメージで描いている。
 Can Silim Tanは4人のヴォーカルと弦楽四重奏がマヤの神秘世界を表現している。パレデスはメキシコに戻った折、古くから伝わるマヤの呪文、祈祷文句、薬の処方箋が書かれた本を見つけ、そこにあった二つの呪文をこの作品に使っている。ヴォーカルは古いマドリガル歌手を思わせる。弦はとぎれることなく演奏されていることから自然を、歌のない部分もあることからヴォーカルはマヤの文化を表現していると思われる。
 Ah Paxoo'obはアンサンブル・モデルンから依頼されたアンサンブルのための協奏曲で、マヤ文化での時間の計り方を題材としている。
 Cotidalesは、高潮をはじめ、自然界にさまざまな現象を引き起こす潮流を表現している。作品は明確な4つの部分に分かれ、アンサンブル全体で演奏する部分、一人か二人の演奏者が前面にでる部分からなる。弱音ペダルを使用したり、ピアノ内部の弦をグリッサンドするなど、全体を通してピアノが潮の満ち干を表現している。
 ソロプレイヤー、アンサンブルとも世界屈指の演奏家による。リチャード・トープ(シドニー在、現代音楽専門の音楽学者)によるライナーノート付き。
ヤニス・クセナキス:エルの伝説(1977/78) (テープ作品)
MODEDV-148
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(DVD_VIDEO)
価格帯:C
 パリのクセナキスCCMIXスタジオのディレクター、ジェラール・ポープによるオリジナル・マスター・テープからの新ステレオ・リミックス。96hkz/24ビットの高解像度処理により過去のCDでは再生できなかった音も再生可能となった。
 「エルの伝説」は、クセナキス自身の設計による美しい曲線をもつテント内でレーザーライトなどのヴィジュアル効果をふんだんに使って行われた音と光のスペクタクル "La Diatopoe" 用(1978年)に作られた。このマルチメディア作品は、パリのポンピドゥー・センターのオープニング記念として作られたもので、3ヶ月にわたる会期には数千人の人が訪れた。
 この作品は7チャネル・テープからなる迫力ある物で、インストゥルメンタル、ノイズ、コンピューター処理された音の3つはそれぞれ旅立ち、旅、帰還を暗示している。5つのテキストの距離、時間、空間、文化をそれぞれ交差させることで反応、反映を導き出している。
 DVDにはブルーノ・ラストイン Bruno Rastoin による“La Diatopoe”(1978年)のパフォーマンス、音楽理論学者でありクセナキス研究家でもあるハリー・ハルブライヒによるクセナキスのインタビューを収録。
ジョン:ケージ・エディション Vol.29
 〜ピアノ作品集 Vol.6

  Music of Changes (1951)/
  Suite For Toy Piano(1948)
   (Composed for Merce Cunningham's dance)/
  7 Haiku(1952)
マーティン・ジョスト(P)
 ジョン・ケージの初期ピアノ作品集。おもちゃのピアノのための作品、チャンス・オペレーションを取り入れた作品を収録。
 Music of Changeはケージが、易にヒントを得てたどりついたチャンス・オペレーションを用いて作曲。20世紀に誕生したまったく新しい音楽と評されている。孔子の「易経」と本の禅僧鈴木の説法がチャンス・ミュージックのコンセプトになった。この作品が転換期となり偶然性にゆだねる曲作りになっていった。彼はテンポ、ダイナミクス、サウンド、デュレーション、休符、オーバーラップにそれぞれ番号をつけたチャートを用意し、チャンス・オペレーションに従って番号を選ぶ。このとき彼は主観の入った選択は避け、偶然性にまかせた。そうやって出来上がった音楽は楽譜につけられた。ピアノのふたを閉じる音、ペダルのノイズ、ピアノの内側の音、キーボード奥をたたく音といったノイズも作品に取り込まれた。複雑なスコアは80ページにもおよび、ピアニストのデイヴィッド・テュードアの助けを得て指示やディレクションが付け加えられた。初演はテュードアによる。
 Suite For Toy Pianoは、1948年マース・カニングハム・ダンス作品「Diversion」のために書かれた作品。ケージ本人がブラック・マウンテン・カレッジで初演。おもちゃのピアノの限られた鍵盤のためにつくられた、魅力的な作品。
 7 Haiku (1952)は、アジアの文化や哲学から影響を色濃く受けた作品。俳句の型式を取り入れており小節は5-7-5からなる。
 ケージはジョストとヴァイオリニストアミ・フランメルのために Two6 を作っている。ライナーノートはフランスの作家で、ケージとの対談経験があるダニエル・シャルル。
フェルドマン・エディション Vol.9
 〜COMPOSING BY NUMBERS

  Projection (complete)/ Intersection (Complete)(*)/
  Marginal Intersection(*)/ Out of "Last Pieces"(*)/
  The Straits of Magellan/
  In Serch of an Orchestration(*)
バートン・ワークショップ
 フェルドマンとジョン・ケージは1949年に出会ったが、目指すことが似通っていたためすぐに意気投合し、互いの作品に敬意を払いながら親交を深めた。後にフェルドマンはケージのために書いた弦楽四重奏をケージに見せたところ、ケージはその作品に大変感激した。同時に、彼はフェルドマンがどうやってこの作品を書いたか説明できないことを大いに喜び、直観力に従って書くことを認めた。この時期がフェルドマンの「グラフ・ミュージック」の始まりといわれている。この名前の由来は彼がグラフ用紙を使っていたこと、また伝統的な記譜法から離れ、多くのグラフィック記号を受け入れるようになった20世紀の大きなムーブメントの中のひとつでもあった。フェルドマンは柔軟性と自主性とを構想してその17の作品に取り組んだ。後のリゲティが創り出したマイクロ・ポリフォニーを感じる人もあるかもしれない。
 17あるグラフィック・スタイル作品からここには13の作品を収録。フェルドマンのコンポジションが発展していく様子を聴き取れるはずだ。
ジョン・ケージ・エディション Vol.32
 〜ヴァイオリン作品集 Vol.6(弦楽四重奏曲集 Vol.4)

   44 Harmonies from Apartment House 1776 (1976)(*)/
   Cheap Imitation(1977)(#)
アルディッティSQ(*)
アーヴィン・アルディッティ(Vn;#)
 1969年、ジョン・ケージはエリック・サティの2台のピアノによるミュージック・ドラマSocrate(1918年)をマース・カニングハムのパフォーマンス Second Hand 用に編曲したが、最終段階でサティ作品の著作権をもつフランスの会社が上演許可を出さなかった。ケージは見事な編曲で原作のミュージカル・ラインは残しつつも個々の音は作り変え、メロディはオリジナルに従いながら、独自のリズム・ストラクチャーを用いてリライトしている。
 1998年、アーヴィン・アルディッティはピアニストのスティーヴン・ドルーリーとヴァイオリンとピアノのためのコンプリート・ワークをレコーディングしていた。当初の予定ではアーリー・アメリカンミュージックを土台とした Harmonies from Apartment House から13曲をロジャー・ザハブが録音するはずだったが、諸事情でレコーディングには至らなかった。
 アルディッティは Harmoniesの譜面を見て、そのオープン・ハーモニーがストリング・カルテットにぴったりなじむと考え、ケージ作品の出版社の許可をとり、全曲44曲すべてストリング・カルテット用にアレンジした。ライナーノートはケージ研究家のジェイムズ・プリチェット。アルディッティ自身のエッセイも掲載。
ジャチント・シェルシ(1905-1988):ピアノ作品集 Vol.2
 組曲第2番 "The Twelve Minor Prophets" (1930)(*)/
 アクション・ミュージック(1955)(#)
スティーヴン・クラーク(P)
 (*)は世界初録音。(#)はシェルシ最後のピアノ作品となった物。
ジョージ・クラム:マクロコスモス
 ジョージ・クラムと
  マーガレット・レン・タンへのインタビュー(*)
マーガレット・レン・タン(P)
MODEDV-142
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(DVD_VIDEO)
価格帯:C
 (*)のインタビュー(約50分)はDVDにのみ収録。監督:エヴァンズ・チャン。
 マクロコスモスI&IIはひとりのピアニストが多彩な音色と音波の限界を広げられるようにと考えられた作品。演奏者はキーボードを弾くだけでなく、ピアノ内部の弦を紙やガラスのコップで軽く弾いたりかき鳴らしたり、また歌ったり、口笛を吹いたり、ささやいたりすることが求められている。そうすることで、曲が牧歌的、神秘的であったり、歓喜に満ちあふれたり、暗く、死後の世界を思わせたり、恐怖感を作り出すことができるからだという。Book1、2とも12の短いムーブメントから成る。ピアニストのマーガレット・レン・タンは、エクステンド・テクニックを最も得意とし、そのジャンルのピアニストの中でも傑出している。クラムとタンは今回のレコーディングのために周到な準備をしてきた。96Khz/24bit録音を使用することで最高の音質をお届け。
ジョン・ケージ:THE NUMBER PIECES 3
 One8(チェロ独奏のための)
ミヒャエル・バッハ(Vc)
 ケージの後期作品に大きな影響を与えたチェリスト、ミヒャエル・バッハのために書かれた作品。43分30秒という演奏時間はあの「4分33秒」(1952)を意識したものである。演奏には従来型の弓とカーヴのついた弓(4本の弦を同時に弾くことができる)が使い分けられている。
ルー・ハリソン・フォー・ストリングス
 ルー・ハリソン:
  弦楽のための組曲第2番/
  交響弦楽のための組曲/
  琵琶協奏曲
レベッカ・ミラー指揮
ザ・ニュー・プロフェッショナルズ
 [ロンドン]
 1948年から最後の作品となった1997年の大作までを収録した、ルー・ハリソンの半世紀にわたる創作活動をたどるアルバム。
 「弦楽のための組曲第2番」はハリソンのニューヨーク在住期の作品。サンフランシスコで充実した日々を過ごした後、ニューヨークに住むようになったハリソンは、大都市の生活に疲れ、神経を病んで9か月の入院生活を送った。その数年後に作られた作品で、ハリソンのメンタルストレスがよく表れており、中でもまわりくどい難解な第2ムーブメントにみられる。またこの時期宗教に救いを求めたことで、透明感のあるテクスチャーを好むようになった。
 「交響弦楽のための組曲」はBMIの委託による作品。このときにはハリソンはサンフランシスコに戻っていた。ベースとチェロのセクションはパーカッションの役目も果たし、演奏者は楽器のボディを指やギター・ピックでたたいてピチカートを作り出した。このCDには9つの楽章を初めて完全に収録した。
 ハリソンは初期の頃からずっとアジアの音楽に関心をもっていた。最後の作品となった「琵琶協奏曲」には、彼が50年以上魅せられ影響を受けてきた音楽を取り入れた、ハリソンのトランス・エスニシズムの代表作といえる。作品は指揮者デニス・ラッセルと琵琶の名演奏家、Wu Manのために書かれた。Wu Manは西洋に琵琶を紹介した第一人者である。彼女はテリー・ライリー、フィリップ・グラス、ルー・ハリソン、タン・ダンらの作品に挑戦してきた(ロサンジェルス・タイム紙)。
 ストラド誌はザ・ニュー・プロフェッショナルズ[ロンドン]を「注目すべきアンサンブル」と評している。1999年に結成、若い才能のあるアーティストで構成されており、ロンドンのミュージック・シーンでの人気が急上昇している。イノベイティブなレパートリー、ダイナミックなミュージシャン・シップで知られ、めったに演奏されることのない20世紀の作品と新しい解釈による主流作品の両方を取り上げている。
 レベッケ・ミラーはイギリスで最もイマジネイティブな若い指揮者といわれている。古い作品に新しい洞察を取り入れること、イマジネイティブな曲の選択、流れるようなスタイリッシュな指揮法が人気を集めている。カリフォルニア生まれ、オーバーリンとノースウェスタン大学を卒業後、1999年ロンドンに渡る。2001年にポール・ウッドハウス・コンダクツ・フェローシップを獲得。John Careweに師事することを認められる。
ジョエル=フランソワ・デュラン(1939-):
 大地と火(1999)(*)/
 Les raisons des forces mouvantes(1996)(#)/
 La mesure des choses III
  La mesure de la terre et du feu(1999)(+)/
 Athanor(2001)(**)
ギャレス・ハルス(Ob;*/+)
ハンス=オラ・エーリクソン(Org;#)
ポール・シルヴァーソーン(Va;+)
ピエール=アンドレ・ヴァラド指揮(*/**)
ロンドン・シンフォニエッタ(*)、
BBCso.(**)
 使用楽器:ルレオ大聖堂(スウェーデン)の1984-1987年製オルガン(#)。
ローランド・ダヒンデン(1962-):
 ピアノと弦楽四重奏のための「Silberen」(2000)/
 ヴィヴラフォン独奏のための「Lichtweiss」(1996)
アルディッティSQ
ヒルデガルト・クレープ(P)
ベルンド・ターナー(Vib)
 作曲者監修による録音。
 スイスのトロンボーン奏者ダヒンデンは、即興ジャズとニュー・ミュージックでも知られる。作曲科としてのダヒンデンは、ジョン・ケージ、モートン・フェルドマン、 アルヴィン・ルシエの影響を受けている。
 「Silberen」は21の楽章で構成されており、楽章ごとに楽器のコンビネーションが違う。ある時は歩き、円を描き、立体アートの周囲を回るといった具合に、素材にはいろいろな方向からハイライトが当てられる。 ピアノはオープンペダルでエコーを効かせ、弦楽四重奏は転調して、ピアノの豊かな音の広がりに精神性を与える。微妙な変化に満ちた静かな作品である。
 「Lichtweiss」は4つの楽章から成る。I、IIIではマレットの使い方がハードであったり、ソフトであったりする。IIでは、しなった音と叩きつけるような音、IVでは、大きな音と小さな音で表現されている。この音質の違いが空間にグラデーションを作り出している。
ジェイソン・エカード(1971-):OUT OF CHAOS
 After Serra(2000;フルート、クラリネット、ヴァイオリン、
          チェロとピアノのための)(*)/
 Tangled Loops(1996)(#)/
 A Gimpse Retraced(1999;
  ピアノ独奏、フルート又はピッコロ、Bb管クラリネット、
   ヴァイオリンとチェロのための)(+)/
 Polarities(1998;
  フルート又はピッコロ又はスレイベル、
   Bb管クラリネット又はEb管クラリネット
    又はバスクラリネット又は紙やすりブロック、
     ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
      ピアノとパーカッションのための)(*)
タイマル・サリヴァン(ソプラノSax;#)
マリリン・ノンケン(P;#/+)
ジェフリー・ミラースキー指揮(*)
ポール・ホステッター指揮(+)
アンサンブル21(*/+)
 発売:2004年。ジェイソン・エカードは、1980年代後半にギタリストとしてそのキャリアをスタートし、その後作曲を行なうようになった。作品はヘヴィメタル、アート・ロック、ジャズ、雅楽、 韓国の民族音楽(P'ansori)など幅広いジャンルにわたる。現在はニューヨークを拠点に活動。
 「OUT OF CHAOS」は初めてのコンプリートCDであり、全曲初録音。
MODE-136
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(2CD)
フェルドマン・エディション Vol.8
 モートン・フェルドマン:TRIADIC MEMORIES
マリリン・ノンケン(P)
MODEDV-136
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(DVD-AUDIO)
価格帯:C
 2枚組 CD (MODE-136) と DVD-AUDIO 1枚 (MODEDV-136) の2種フォーマットでの発売。DVD(再生にはDVDプレイヤー等が必要です)では未圧縮ハイレゾリューションの24Bit録音となっている。
 コンサートでは聞き取れない微妙なニュアンスや含みを感じ取ってもらえるよう、ピアニストが工夫して編集を行なったとのこと。テンポの支持は特にないが、今回のレコーディングでは8分音符を脈拍の速さで演奏したという。
佐藤聰明(1947-):
 季節(1999)(*)/
 From the Depth of Silence (2000 rev.2001)(#)/
 炎える瞑想(1993)(+)/峡谷(2001)(**)
トマス・バックナー(Br;+/**)
ペトル・コティーク指揮
ヤナーチェクpo.
 ポスト武満とも目される佐藤聡明の作品がMODEから登場。(*)はニューヨーク・フィルからの委嘱作で、 2000年を迎えるにあたり世界の人々への音楽のメッセージを何人かの作曲家に書いてもらおうとクルト・マズアにより企画された物。(#)は新日鉄の委嘱による作品。 (+)と(**)はここで独唱を務めるバックナーからの委嘱作品。(+)は元々バリトン・ソロと弦楽四重奏のための作品だが、ここでは佐藤自身によりバリトンと弦楽オーケストラのためにアレンジされている。
 モートン・サボトニック(1933-):作品集 Vol.2〜エレクトロニック・ワークス
 Sidewinder (1971) (*)/Until Spring (1975) (#)/インタビューとドキュメンタリー(+)
MODEDV-132
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(DVD_VIDEO)
価格帯:C
 (+)はDVDにのみ収録、(#)は映像無し。(*)の音声部分と(#)はLPのみで発売されていたオリジナル・マスターテープから24bitでリマスタリング、サボトニック自身により新しくリミックス。エレクトロニック・コンポーザー、カーティス・ローズによるライナー付き。DVDは音声:Dolby Digital 5.1 Surround。本編収録時間:約2時間45分、オーディオDVD:1時間。
 モートン・サボトニック(サボトニック)は60年代後半に多くのシンセサイザーの作品を残した。Sidewinderは、トニー・マーチンのリキッド・ライト・ショーを交えて演奏されるもの。マーティンは60年代フィルモア・イーストを中心に、けばけばしいライト・ショーで話題になり、ジェファーソン・エアープレイン、バーズ、グレイトフル・デッドらのショーを手がけ、サボトニックとのコラボレーションも長く続けた。
 DVDにはここにはそのリキッド・ライト・ショウの映像も音声に併せて収録されている。他の映像は、サボトニックとマーティンの対話、それぞれの活動とコラボレーションについて60分。スーボトニックが自身の子供時代から音楽を始めた頃までの思い出を語る30分。Sidewinderのリキッド・ライト・ショー製作のプロセスを追うドキュメンタリーを収録。
フィル・ニブロック(1933-):Disseminate
 Disseminate Ostrava(1998)(*)/
 Kontradictionaries(1999, rev. 2003)(+)/
 Disseminate Q-O2(1998)(#)
ペトル・コティク指揮(*)
ヤナーチェクpo.団員(*)、
アンサンブルOCNM(*)
コントラ・トリオ(+)
[マドレーヌ・ビショフ
 (コントラバスFl)
 トマス・K.J.メイヤー
 (コントラバスSax)
 レオ・バッハマン
 (コントラバス・テューバ)]
ブリュッセルQ-O2アンサンブル(#)
[ユリア・エックハルト(Va)
 クレール・ゴルトファルプ(Vc)
 ルチオ・カパーチェ
 (バスCl/ソプラノSax)
 エルケ・ティーレンス(Fl)
 ロエル・アフォンズ(Tb)]
 ニブロックはインディアナ生まれ。
MODEDV-130
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(DVD_VIDEO)
価格帯:C
ジョン・ケージ:FROM ZERO
 フランク・シェーファー、
  アンドルー・カルヴァーによるジョン・ケージの映像
ジョン・ケージ、
アイヴス・アンサンブル、
イザベラ・ガンツ(Ms)
ミカエル・
 プグリエッセ(打楽器)
 収録:1995年。84分。メイキング映像とインタビューも収録。
 オランダの著名な映像ディレクター、フランク・シェーファーとケージの一番弟子であるアンドルー・カルヴァーによるコラボレーション作品。
 「19 Questions」では、ケージがさまざまな質問に答える。ウィットに富み、生き生きとしたケージの答えは「チャンス・オペレーション」により決定。ケージのチャンス・ ミュージックのプロセスがリアルタイムで見られる
 「Fourteen」は、アイヴス・アンサンブルがケージの「Fourteen」を演奏する。複数のカメラを使用。カメラの位置、アングル、焦点、レンズの口径、編集プロセスは「チャンス・オペレーション」により決定。 ユニークで素晴らしい映像。照明はアンドルー・カルヴァー。彼は、過去にも「Europeras」で同じような「チャンス・オペレーション」の照明を担当したことがある。
 「Paying Attention」は、前もってデュレーションを決めた上で、シェーファーが映像をカルヴァーがインタビューの音声をそれぞれ担当した。制作は各々が別に行ない、 編集する際に初めて映像と音声が一緒になった。これはケージとマース・カニングハムの音楽とダンスのコラボレーションで使われた方法で、パフォーマンスの時に初めてふたつが組み合わされた。
 「Overpopulation and Art With Ryoanji」は、ケージの言葉によるパフォーマンス、「Overpopulation and Art」と4人の歌手とパーカッションのための「Ryoannji」の2作品と同時に演奏し、 映像はケージが住んでいたマンハッタン6番街とニューヨーク州南東部の村ストーニーポイントを映し出す。シェーファーは「Ryoannji」のグラフィック・スコアを使ってカメラの動きを追った。
 ボーナス・トラックには「Fourteen」のメイキング映像を収録。カルヴァーとアイヴス・アンサンブルのディレクターが「Fourteen」の制作について話し合っている様子、制作中の様子など収める。
 フランク・シェーファーはヨーロッパ、アメリカで数々の賞を受賞。2002年オランダ・フェスティバルでは、これまでの作品に対し栄誉を与えられた。マーラー、ショーンベルグ、ブーレーズ、 カーター、ザッパ、イーノら20世紀の作曲家を取り上げた作品がある。MODEシェーファー・シリーズの第1作目。
ジョン・ケージ:Variations I-III ダーシー・
 フィリップ・グレイ(Perc)
モーション・アンサンブル
エリオット・カーター:Quintets & Voices
 ピアノと弦楽のための五重奏曲(*)/
 ピアノと管楽のための五重奏曲
 弦楽四重奏のための断章II(*)/
 2つの歌曲/他
アーシュラ・オッペンス(P)
アルディッティSQ
アンサンブル・ソスペーソ/他
MODEDV-128
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(DVD_VIDEO)
価格帯:C
 世界初録音(*)。
 DVDヴァージョンには、五重奏曲の演奏シーン(アーシュラ・オッペンスとアルディッティSQ)、エリック(エリオット?)・カーター、アーヴィン・アルディッティへのインタービュー、アーシュラ・オッペンスとアンサンブル・ソスペーソのジョシュア・コディとの対話を映像収録(40分)。
マウリシオ・カーゲル:
 Transicion II(ピアノ、打楽器と
  2つの録音テープのための;1958-1959)(*)
 Phonophonie(2声と諸音源のための
  4つのメロドラマ;1963-1964)(+)
アルド・オルヴィエート(P;*)
ディミトリー・
 フロリン(Perc;*)
アルヴィーゾ・ヴィドリン
 (ライヴ・エレクトロニクス&
 サウンド・ディレクション;*)
ニコラス・イシャウッド(B;+)
ステファノ・バッサネーゼ
(テープ&エレクトロニクス;+)
クリスチャン・ウォルフ:
 ヴァイオリンとピアノのための作品全集

 ヴァイオリニストと
  ピアニストのためのデュオ(1961)
 Pebbles(1999)
マーク・サバト(Vn)
ステファン・クラーク(P)
マイケル・コルグラス(1932-):
 デジャ・ヴ
  (打楽器四重奏と管弦楽のための;1977)/
 ドリーム・ダンサー(サクソフォン独奏と
   25の管楽器のアンサンブルのための;2001)
ガンサー・シュラー(1925-):交響曲第3番
チャールズ・ペルツ指揮
ニューイングランド音楽院
 ウィンド・アンサンブル
 「デジャ・ヴ」はピューリッツァー賞受賞作品。交響曲第3番は最低104人の奏者を要する。
アルヴィン・ルシエ:
 弦楽のためのナヴィゲーション(1991)
 スモール・ウェイヴズ(1997)
アルディッティSQ
ヒルデガード・クリーブ(P)
ロランド・ダヒンデン(Tb)
ジョン・ケージ・エディション Vol.28
 〜ケージ:ピアノのための作品集 Vol.5

   Four Walls(1943-1944)/
   Soliloquy(1945)/
   Easy Pieces(1933)
ヘイディー・シュヴァーツ(P)
ジャック・ブルース(ヴォーカル)
 なんと、あの伝説のロック・バンド「クリーム」のベーシスト兼ヴォーカリストであったジャック・ブルースが参加している。そもそも彼はクラシックを学んでいたわけだが。 ちなみにクリームは彼とエリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカーのトリオ。シュヴァーツはアルゼンチン出身のピアニスト。
ルー・ハリソン(1917-2003):
 聖アントニーのためのミサ
 (オリジナル合唱&パーカッション版)(1939)(*)/
 エッフェル塔での結婚
 (オリジナル七重奏版)(1949)(*)/
 イースター・カンタータ(1966)/
 歌劇「若きカエサル」よりの
  3つの追加アリア(2000)(#)/
 レミーへの音楽(1998)(フルート版)/
 Vestiunt silve(1994)/
 「ラザルスは笑った」からのショート・セット(1999)
パトリス・マギニス(S)
ブライアン・
 ストーフェンバイエル(T)
レタ・ミラー
(Fl/ピッコロ)
ウィリアム・ワイナント
(Perc)
ニコル・ペマ指揮
カリフォルニア・
 パラレル・アンサンブル、
UCSC室内シンガーズ
 (#)は世界初録音。(*)は、この版での世界初録音。
 今年2003年、惜しくも亡くなったハリソンの、1939年から2003年の作品を集め、その軌跡を辿るCD。「聖アントニーのためのミサ」はヒトラーがポーランドに侵攻した時期に作られたもので、 コーラスとパーカッションが暴力と希望を表現している。「エッフェル塔での結婚」はジャン・コクトーの作品をボニー・バード振りつけによりリバイバルしたもので、 ハリソンは1920年代のパリ第六区を思わせるスタイルで作曲している。「若きカエサル」はハリソンのオペラ第2作だったが、2000年になって7曲が追加され、内アリア3曲が今回始めて録音された。 「レミーへの音楽」は友人の作家・舞踊家・画家(絵本作家?)であるレミー・シャーリップのために作られた物。原曲はオーボエのために書かれたが、今回はフルートでの演奏。 「Vestiunt silve」はラテン語で書かれた11世紀の鳥についてのテキストに曲をつけたもの。「ラザルスは笑った」はユージン・オニールのラジオ・ドラマのために書かれた作品。 ライナー・ノートはハリソン研究家で、フルート奏者(このCDでも演奏している)のレタ・ミラーが書いている。
アラン・バンクァール(1934-):迷宮の書
 [プロローグ
  (クラリネット、ファゴット、
    2つのヴィオラ・ダモーレとチェロのための)/
  ICARE(バス・ヴォイスと5つのチェロのための)/
  「迷宮/鏡」
  (フルート、電子ギター、チェロ、ハープ、
    クラリネット、シンバルム、2つの
     パーカッションと独奏4分音ピアノのための)/
  SOLITUDE DU MINOTAURE
  (16分音ピアノ、2台の4分音ピアノと
   2つのヴィオラ・ダ・モーレのための)/
  MEURTRE(ソプラノ、メゾソプラノ、
       テノール、バスとテープのための)/
  エピローグ(クラリネットとチェロのための)]
ニコラス・イシャウッド(B)
ヴォクスノヴァ
(ヴォーカル・アンサンブル)
ピエール=イヴ・アルトー(Fl)
キャロル・ロビンソン(Cl)
ジェローム・ヴォアサン(Cl)
パスカル・ガロワ(Fg)
クロード・パヴィ(電子G)
ローラン・オーゼ(シンバルム)
エマニュエル・クルト(Perc)
ティエリー・ブリアール(Perc)
ヴィルジニー・タレト(Hp)
マーティン・ジョスト(P)
シルヴェーヌ・ビイェール(P)
ブライス・ポーセット(P)
ピエール・モルレ(Vc)
フレデリック・バルダッサーレ(Vc)
ロマン・ガリオー(Vc)
フロリアン・ローリドン(Vc)
ミシェル・プーレ(Vc)
アラン・バンクァール指揮
 録音:2000年5月27日、ラジオ・フランス。
フェルドマン・エディション Vol.7〜
 クラリネットのための後期作品集

 モートン・フェルドマン(1926-1987):
  3つのクラリネット、チェロとピアノ(1971)(*)/
  バス・クラリネットとパーカッション(1981)(#)/
  クラリネットと弦楽四重奏(1983)(+)
キャロル・ロビンソン
(Cl/バスCl)
ピエール・デュトロー、)
オリヴィエ・ヴォワゼ(Cl;*)
エレナ・アンドレイェフ(Vc;*)
ヴァンサン・ルトゥルム(P;*)
フランソワ・リヴァラン、
ペピー・ウィエルスマ
(Perc;#)
ディオティマSQ(+)
[千々岩英一(Vn)
 ニコラ・ミリベル(Vn)
 フランク・シュヴァリエ(Va)
 ピエール・モルレ(Vc)]
 発売:2003年。
ジョン・ケージ・エディション Vol.27〜
 ケージ:ヴァイオリンのための作品集 Vol.5

  Chorals (1978)/One6 (1990)
アーヴィン・アルディッティ(Vn)
 ケージとヴァイオリニスト、ポール・ズーコフスキーの共同作業から生まれた作品。
MODE-112
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(5CD)
フェルドマン・エディション Vol.6
 モートン・フェルドマン:弦楽四重奏曲第2番
フラックスSQ
MODEDV-112
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(DVD-AUDIO)
2枚分価格
価格帯:C
 途切れのない一つの楽章からなる長大な作品。演奏時間6時間強。DVD Audio (MODEDV-112; DVD-AUDIO盤の再生にはDVDプレイヤー等が必要です)だと1枚に収まる。演奏のフラックスSQは、既に何度もこの作品を演奏会で披露していると言う。弦楽四重奏曲集 Vol.2 (第1番 [1979]、他): MODE-269 (CD)
ヴァルター・ツィンマーマン(1949-):SCHATTEN DER IDEEN
 Schatten der Ideen(ピアノ四重奏のための;1993)/
 Ursache und Vorvitz (ホルン、ヴァイオリン、チェロ、
  打楽器とテープのための;1993/1994)/
 Distentio(弦楽三重奏のための;1992)/
 Shadow of Cold Mountain 3
  (フルート、オーボエとクラリネットのための;1997)
アンサンブル・ルシェルシュ
 発売:2002年。
ピーター・ガーランド:アナザー・サンライズ
  Another Sunrise
   (2台のピアノと4つのパーカッションのための;1995)/
  I Have Had to Learn the Simplest Things Last
   (ピアノ、ヴィブラフォン、マリンバ、クラーヴェスと
   タンバリンのための;1998)/
  Dreaming of Immortality in a Thatched Cottage
   (3人の歌手、増幅されたチェンバロと
   打楽器のための;1977)
高橋アキ(P)
ポール・ボールズ(P)他
クリスチャン・ウルフ:ルック・シー・セッド〜
 コントラバスのための作品集

  「バンディエラ・ロッサ」〜
   ストリング・ベース・エクササイズ(1975)/
  土牢のごとく暗く(1977)/ルック・シー・セッド(1991)/
  ジャスパー(1992)/無題(1996)
ロバート・ブラック
(Cb/エレクトリック・ベース)
ロビン・ロレンズ(Vn)
ジュリー・ジョゼフソン(Tb)
ジョン・ケージ・エディション Vol.26
 〜管弦楽作品集3

   ジョン・ケージ:
    ONE9(笙のための;1991)(*)
    108(大管弦楽のための;1991)(+)
宮田まゆみ(笙;*)
ケルン放送so.(+)
 「ONE9」は「108」から編曲された物で、同様に「108」からはチェロのための「ONE8」も編曲された。「108」は43分30秒で演奏されるが、これはもちろんあの有名な「4分33秒」との関係だ。
モートン・フェルドマン(1926-1987)・エディション Vol.5
 〜ヴォイセズ&インストルメンツ(声と楽器のための音楽)

 ソプラノ、フルート、クラリネット、バス・クラリネットと
  ファゴットのための「 Journey to the End of the Night 」(1949)(*)/
 2つのチャイム、2台のピアノ、2つのヴァイオリンと
  2つのチェロのための「 Betwwek Categories 」(1969)(*)/
 バス=バリトン、トロンボーン、チェロと打楽器のための
  「 Intervals 」(1961)(*)/
 3つのクラリネット、チェロとピアノのための (1971)/
 ソプラノ、ピアノとチェロのための
  「E.E.カミングスの4つの歌」(1951)(*)/
 チャイム、ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための
  「4つの楽器」(1955)/
 バス=バリトン、チャイム、ピアノ、ヴァイオリン、
  ヴィオラとチェロのための「 The O'Hara Songs 」(1962)
クラロン・マクファデン(S)
チャールズ・ヴァン・タッセル(B−Br)
ジェイムズ・フルカーソン(Tb)指揮
バートン・ワークショップ
 (*)は初録音となるもの。
ジョン・ケージ:ピアノ作品集 Vol.4
 Work of Calder(プリペアード・ピアノのための;1940-1950)(*)
 Totem Ancestor(プリペアード・ピアノのための;1942)
 Music for Duchamp(プリペアード・ピアノのための;1947)
 One2(ピアノのための;1989)
 Ad Lib(3台のピアノのための;1943)(+)
 Triple Paced(3台のピアノのための;第1版&第2版;1944)(+)
 Jazz Study(3台のピアノのための;1943)(+)
マーガレット・レン・タン(P)
バージェス・メレディス(ナレーター;*)
ジョン・ケージ(Perc;*)
 (*/+)は、ケージの作品を出版しているニューヨークのC.F.ピーターズ社の、ケージが出版を見合わせたり、単に忘れてしまった作品のスコアを入れておいた箱から発見されたもので、 世界初録音。当シリーズの既発売盤;Vol.1(MODE-47)、Vol.2(MODE-50)、Vol.3(MODE-63)、「プリペアード・ピアノと室内管弦楽のための協奏曲」他(MODE-57)。
バーナデット・スピーチ:リフレクションズ
 WOMAN WITHOUT ADORNMENT(1995)
  Thulani Davisのテキスト(1959)による/(*)
 les ondes pour quatre(1998)(#)/
 TRIO DES TROIS III(1992)(***)/
 WHEN IT RAINS,LLUEVE(1995)(###)/
 CHOSEN VOICES(1991)(+++)/
 ANGELS IN THE SNOW(1993)(**)/
 VIOLA(2000)(##)
テュラニ・デイヴィス(語り;*)
アルヴァ・ロジャース(Vo;*)
ジェフリー・シャンツァー
(G;*/プリペアドG;+++)
マルク・ドレッサー(B;*)
バーナデット・スピーチ
(P;*、**/トイ・ピアノ;+++)指揮(*)
アルディッティSQ(#)
ルイス・マーティン(Va;***)
デイヴィッド・へイス(Vc;***)
アントニー・デ・
 メール(P;***/###/##)
ロザンナ(Va;##)
 モートン・フェルドマンの弟子であるスピーチは、ときとしてサスペンデッド・ダイナミズムや豊かな音色に師の影響をみせているが、その作品には、 彼女自身のすくなからぬ音楽的個性が、はるかに強くゆきわたっている。ニュー・ミュージック、ジャズ、ポストミニマリズム、心に訴える親しみやすい感性が、ポストミニマリズムのか束縛をこえて、 思索にみちた、内省的なロマンティシズムを喚起する。
 このReflectionsは、最近の作品を集めたもの。”ondes pour quatre”は、アーヴィン・アルディッティの求めに応じて、アルディッティ弦楽四重奏団のために書かれたもの。 ”When It Rain,Llueve”は、スピーチのよきコラボレーターAnthony de Mareのピアノと声の才能をあますところなく示している。”Woman Without Adornment”は、Thulani Davisとの最も新しいコラボレーション作品である。T.Davisは、アンソニー・デイヴィスのオペラ”X”にも台本を書いている著名な脚本作家。 作家/批評家/作曲家のKyle Gannは、彼らのコラボレーションについて、以下のように述べている。
 「1950年代のビート詩とジャズの融合以来、話し言葉と音楽の融合を、スピーチとデイヴィスほどになしとげたものはなかった。しかしながらビート詩が言葉と音楽の即興的な関係にこだわるところを、 スピーチとデイヴィスは、デイヴィスのリーディングの自発性を許容するゆるやかさを残しつつ、まとまりのある調和を創り出した。何年にもわたって、この二人のコラボレーション群は、彼らが独自になした、 柔軟で創造力に富んだ様式が、どのようにありうるかを示してきた。
 ”Telepathy Suite”(MODE-16に収録)のような作品は、アメリカ社会のある瞬間をいきいきと描き出す。また”Woman Without Adornment”は、デイヴィスの1959年の小説にもとづく、 もっと親密で個人的なメモワールである。
 そして全ての一連の作品に共通して、スピーチのデリケートなポストミニマル・ジャズと、デイヴィスの暖かみのある特有な抑揚とが、作品に誰にもまねできない、微妙な色彩の陰影を与えている。
ジョン・ケージ・エディション Vol.24 〜サクソフォンのための作品集 Vol.1
  Five /竜安寺/Four5/ Five4/ Hymnkus
  ウルリヒ・クリーガー、トビアス・ルガー、ライマール・フォルカー、キャスリン・ワーグナー(Sax)
  マリオ・ベルトンチーニ、ラインホルト・フレドル(P) ゲルハルトー・シェーラー(アコーディオン)
  フリーデマン・ウェルツラウ、ライモンド・カチンスキ、アンドレアス・ペータース(Perc)
 ジョン・ケージ全曲エディション Vol.24。
モートン・フェルドマン(1926-1987)・エディション Vol.4
 〜「マジェラン海峡」他、不確定性の音楽

 フルート、ホルン、トランペット、増幅ギター、ハープ、
  ピアノとコントラバスのための「マジェラン海峡」(1961)/
 フルート、アルト・フルート、ホルン、トランペット、
  ヴァイオリンとチェロのための
   「6つの楽器のための2つの小品」(1956)(*)/
 プロジェクションズ(1950-1951)(5曲)
 [チェロ独奏のための/フルート、トランペット、ヴァイオリン、
  チェロとピアノのための/2台のピアノのための/
  ヴァイオリンとピアノのための/3つのフルート、
   3つのチェロ、トランペットと2台のピアノのための]/
 持続(1960)(5曲)
 [アルト・フルート、ヴァイオリン、チェロとピアノのための/
  チェロとピアノのための/
  チューバ、ピアノとヴァイオリンのための/
  ヴァイオリン、チェロとヴィブラフォンのための/
  ヴァイオリン、チェロ、ヴィブラフォン、
   チェレスタ又はピアノとハープのための]
サデュース・ワトソン指揮
フィリップ・ヴァンドレ指揮
ターファン・アンサンブル
 (*)は世界初録音。グラフ・スコアなど、新しいタイプのノーテイションが組み込まれ、ピッチやダイナミクスに関してもかなりの段階まで不確定性が関連づけられたユニークな作品集。
ジャチント・シェルシ(1905-1988):高音管楽器のための作品集
 Ixor(クラリネットのための、1956)
 組曲(フルートとクラリネットのための、1953)
 Pwyll(フルートのための、1954)
 3つの小品(Eb管クラリネットのための、1954)
 Rucke di Guck(ピッコロとオーボエのための、1957)
 影を通した祈り(クラリネットのための、1954)
 Ko-lho(フルートとクラリネットのための、1966)
 3つのラテンの祈り(Eb管とA管クラリネットのための、1970)
キャロル・ロビンソン(Cl)
キャシー・ミリケン(Ob)
クララ・ノヴァコヴァ(Fl、ピッコロ)
 シェルシが12音技法を捨て音響の内部へと向かう厳しく孤独な探求に取り組み始めた1950年代の作品が中心。
ヘンリー・カウエル新発見〜
 コレオグラファーとのコラボレーション作品集

 ヘンリー・カウエル(1897-1965):
  小管弦楽のための組曲(1934)
  ヒロイック・ダンス(1931?)
  サウンド・フォーム第1番(1937)
  「エッフェル塔の花嫁花婿」(1939)〜リトルネッロ(*)
  リール第2番(1934)
  ダンス・オヴ・スポーツ(1931)
  木管五重奏のための組曲(1934)(+)
  3つの楽器のための4つのコンビネーション(1924)(#)
  アトランティス(1924)
ジョゼフィン・ガンドルフィ(P;*)
カウエル・クィンテット(+)
ピカソ・アンサンブル(#)
パトリス・マジニス(S;**)
ウェンディ・ヒルハウス(A;**)
ルロイ・クロム(Br;**)
ニコル・ペイエメント指揮
カリフォルニア・
 パラレル・サンサンブル
 カウエルが、ドリス・ハンフリー、チャールズ・ワイドマン、ボニー・バード、マーサ・グラハムといった高名なコレオグラファー(振付家)のために書いたダンス音楽集。
ジョン・ケージ・エディション Vol.24 〜ヴァイオリン作品集4
 ノクターン(1947) /ヴァイオリンと鍵盤のための6つのメロディ(1950) /
 TWO (1992) / ONE (1992) (*) / WHISKUS (1985) (*)
  アーヴィン・アルデッティ(Vn) スティーヴン・ドルリー(P;*)
MODE-98/99
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(2CD)
4CD価格
CCMIX PARIS
 ヤニス・クセナキス: Mycenae Alpha (1978) / Polytope de Cluny (1972)
 ブリジット・ロバンドール: L'Aurel de la Transformation (1993) /
               Comme Esytrangers et Voyageurs sur la Terre (1994)
 ジャン=クロード・リセ: Saxatile (1992) / ニコラ・ジステミーノ: XOOMU (1980)
 ジュリオ・エストラーダ: eur-on (1980) / eua-on-ome (1995)
 ダニエル・テッルージ: Gestes de l'Ecrit (1994)
 嶋津武仁(1949-): Illusion in Desolate Fields (1994)
 カーティス・ローズ: Purity (1994)/ Sonal Atomes (1998)
 ジェラール・パペス: Le Fleuve du Desir II (1994)
  ローラン・オーゼ、クレア・タリバル(Perc) ダニエル・キンツィ(Sax)
  ニコラス・イシャーウッド(B) 高田和子(三絃/声)
  アルディッティSQ オラフ・ヘンツォルト指揮南西ドイツ放送so.
 UPIC システムは、クセナキスが1970年代中期にデザインしたコンピューター・システムで、作曲者が線や形を描くことにより、サウンドとストラクチュアを指定できるグラフィック・インプット・デヴァイスを備えたもの。1985年、このシステムを創造的に利用することを目指す「アトリエ UPIC」(2000年に「CCMIX」に改称)が設立され、多くの作曲家が招かれ、このシステムを用いた作品を書いた。歴史的にも貴重なこの2枚組コレクションは、これらの作曲家たちの仕事の成果である。
 #レーベル品切れのため、高額になっています。
MODE-97
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(CD)
モートン・サボトニック:作品集 Vol.1〜エレクトロニクス作品
 タッチ(4チャネル・テープのための)(1969) /
 晴れ渡る硫黄色の空(8チャネル・テープのための)(1978) /
 ジェスチュア(1999-2000) (*)
  ジョーン・ラ・バーバラ(Vo;*)
MODEDV-97
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(DVD_VIDEO)
価格帯:C
ジャチント・シェルシ(1905-1988):管弦楽作品集
 Hymnos /Hurqualia /他
  ポーリーヌ・ヴァイアンクール(S) ダグラス・アールシュテット(T)
  フアン・パブロ・イスキエルド指揮カーネギー・ホール・メロンpo.&cho.
MODE-92
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廃盤
ジャチント・シェルシ(1905-1988):ピアノ作品集 Vol.1
 ピアノ・ソナタ〔第2番(1939) /第4番(1941) 〕/組曲第9番 "Ttai" (1953)
  ルイーズ・ブセット(P)
カイヤ・サーリアホ:
 New Gates/Cendres/Grammaire
ジェイムズ・ウッド指揮
Champ d'Action
MODE-88
廃盤
ジョン・ケージ・エディション〜 ヴァイオリン作品集 Vol.3
 ヴァイオリンとピアノ、または笙のための「 TWO 4
  アーヴィン・アルディッティ(Vn)
  宮田まゆみ(笙) スティーヴン・ドゥルーリー(P)
ルイジ・ノーノ:Voices of Protest
 La Fabbrics Illuminata(1964)
 Musica Manifesto No.1(1968-1969)
ヴォクス・ノーヴァ
カルロ・ロビンソン(Vc)
ジェラルド・ぺぺ
 (サウンド・ディレクション)
ケージ・パフォームス・ケージ
 Series re MOrris Graves
 Art is Either a Complaint or Do Something Else
 What You Say
 ケージが朗読する自作のテキスト。WERGOから8枚組の「日記」朗読CDが出ているが、自らのテキストの朗読のCD化は初めて。テキスト全文とエッセイを収録。
モートン・フェルドマン:
 ヴァイオリンとピアノのための作品全集
プロジェクション4
マーク・サバト(Vn)
ステファン・クラーク(P)
 1950年から1982年までの30年間のフェルドマンのヴァイオリンとピアノのための作品を収録。初期ウェーベルン風作品から後期に至る作品まで、その作風の変化をたどることができる。
リュク・フェラーリ(1929-2005):作品集 Vol.1
 Chansons pour le corps (1988-1994) (*)
  [ Chanson 1 "Les Yeux" / Chanson 2 "Les Mains" /
    Chanson 3 "Les Seins" / Chanson 4 "Le Sexe" /
    Chanson 5 "Chantons dans les silence" ]/

 俳優、テープと管弦楽のための交響的寓話
  「 Et si tout entière maintenant. 」
    (1986-1987) (#)
エリーズ・カロン(Vo;*)
カロル・ムンダンジェ、
シルヴァン・
 フリードマン(Cl;*)
クリスティーヌ・
 ラニエル(Perc;*)
ミシェル・モーレル(P;*)
ミシェル・ムソー
(シンセサイザー;*)
アンヌ・セ(Vo;#)
イヴ・プラン指揮(#)
新 po.(#)
 とりわけテープ音楽の旗手として名を残したイタリア系フランスの作曲家。
MODE-80
廃盤
クセナキス・エディション Vol.4
 ピアノ独奏のための作品全集
高橋アキ(P)
ジェーン・ペータース(Vn;*)
チャールズ・ぺルツ指揮(#)
ニュー・ミュージック・
 ソサエティ(#)
Music From the Ether 〜
 テルミンのためのオリジナル作品集

 ヨゼフ・リシンガー(1895-1943):
  テルミンとピアノのためのメロディ(1929)/
  テルミンとピアノのための楽章
   「エレクトリック&パセティック」(1932)
 フリードリヒ・ヴィルケンス(1899-1986):
  テルミンとピアノのための「月の踊り」(1933)
 パーシー・グレインジャー(1882-1961):
  テルミンのための
   フリー・ミュージック第1番(1936)
 ボフスラフ・マルティヌー(1850-1959):
  テルミン、オーボエ、ピアノと
   弦楽四重奏のための幻想曲(1944)
 イシドア・アクロン(1892-1948):
  テルミンとピアノのための即興曲(1945)
 リディア・カヴィナ(1967-):
  テルミンとピアノのための組曲(1989)/
  ソプラノ、テルミンとピアノのための
   "In Whims of the Wind" (1994)

 ホルヘ・アントゥネス(1942-):
  テルミンとテープのための "Mixolydia" (1995)
 ヴラジーミル・コマロフ:
  テルミンとテープのための「テルミンの声」(1996)
リディア・カヴィナ(テルミン)
ジョシュア・ピアス(P)
エリザベス・パーセルズ(S)
ポートランドSQ
 カヴィナ(1967-)はモスクワ生まれで、テルミンの発明者レフ・テルミンの親戚にあたり、直々にその演奏を教えられた人。続編(テルミンへの編曲集):MODE-199
MODE-72
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(2CD)
ヘンリー・カウエル:
 12楽器のためのポリフォニカ/
 木管五重奏のための組曲/他
コロラドSQ
ミュージシャンズ・アコード
 カウエルの初期から最晩年にわたる室内楽作品集。
モートン・フェルドマン・エディション Vol.2
 First Recordings; 1950s

 磁気テープのための「 Intersection 」(1953) /
 ピアノのための「 Nature Pieces (1951) /
 ピアノのための変奏曲(1951) /
 ピアノのための「 Extension 3 」
  (1952;未出版版)/
 ヴァイオリンとピアノのための小品(1950) /
 ピアノのための「 Intermission 3 」 (1951) /
 1台のピアノのための
  「 Intermission 6a 」(1953) /
 2つのチェロのための
  「ジャクソン・ポロックのための音楽」
  (1950-1951;ハンス・ナムスによるフィルムの
   オリジナル・サウンド・トラックより)(*)/
 「ジャクソン・ポロックのための音楽」
  (オリジナル・サウンド・トラック全曲版)(*)/
 ヴァイオリンとピアノのための
  「 Extensions 1 」(1951) /
 3台のピアノのための
  「 Extensions 4 」(1952-54) /
 ピアノのための「 Two Intermissions 」(1950) /
 ピアノのための
  「 Intermission 4 and 5 」(1952-3) /
 ピアノのための「 Intermission 5 」(1953) /
 2台のピアノのための
  「 Intermission 6b 」(1953)
フィリップ・
 ヴァンドレ(P)指揮
ターファン・アンサンブル
ジャクソン・ポロック(語り;*)
ダニエル・スターン(Vc;*)
 録音:1996年5月&10月、1998年5月、ヘッセン放送局第1スタジオ、フランクフルト。
 多くの初録音曲を含む。数年間廃盤となっていた貴重な録音の2007年再プレス。限定とのことなので、お早めに。
シルヴァーノ・ブゾッティ:
 ピアノ作品集
マルティーヌ・ジョスト(P)
デイヴィッド・テューダー
 デイヴィッド・チューダー:
  Rainforest Version I (1968)/
  Sliding Pitches in The Rainforest in the Field:
   Rainforest IV (1973)
マース・カニングハム・
 ダンス・カンパニー、
小杉武久、
デイヴィッド・テューター
(ライヴ・
  エレクトロニクス)
 久々の再プレス。1996年に他界したデイヴィッド・テューダーが1990年に録音した version 1。従来のようにスピーカーから音を取るのではなく、ぶら下がっているオブジェを通してもう一度再生しなおし、自然な音に近づけるようなテクニックを使用。小杉武久はフルクサスの一員で、「マース・カニングハム舞踏団」の音楽監督としても知られている。
 限定盤なのでプレス枚数は非常に少なく、代理店初回オーダー分で無くなる可能性がある。ぜひお早めに。
ハワード・スケンプトン(1947-): surface tension
 サラ・レナード(S) ハワード・スケンプトン(アコーディオン) HCD アンサンブル
 初発売:1998年/リマスター:2010年。
 スケンプトン作品を得意とするフランクフルト出身のクィンテッドHCD、ソプラノのサラ・レナード、スケンプトンのアコーディオンによる演奏。70年代から90年代の演奏を収録。
ヤニス・クセナキス Vol.3〜クセナキスとヴァレーズ
 ヤニス・クセナキス(1992-):
  Dämmerschein〜大管弦楽のための(1994)(*)/
  Persephassa〜6つの打楽器のための(1969)/
  La Déesse Athéna
   〜バリトン、パーカッション独奏と
     アンサンブルのための(1992)(#)
 エドガー・ヴァレーズ(1883-1965):
  大管弦楽のための「アメリカ」(1918-22)(+)
フィリップ・ラーソン(Br;#)
ティモシー・アダムス(Perc;#)
フアン・パブロ・イスキエルド指揮
カーネギー・メロンpo.
 (*/#)は世界初録音。久々の再プレス。
ヤニス・クセナキス Vol.2
 〜アンサンブル・ピース集2

 Échange〜バス・クラリネットと
  アンサンブルのための(1989)(*)/
 Okho〜3つのジャンべのための(1989)/
 Xas〜サクソフォン四重奏のための(1987)/
 Akrata〜8つの木管と
  8つの金管のための(1964-65)(#)/
 ヴィットルド・ルトスワフスキの思い出に
  〜2つのとトランペットと2つの
    ホルンのための(1994)(#)
マイケル・
 ルーウェンスタイン
(バスCl;*)
チャールズ・ザハリー・
 ボーンスタイン指揮
ST-Xアンサンブル
 (#)は世界初録音。ジャンべ(ジンベ)は西アフリカ発祥の太鼓状打楽器。
モートン・フェルドマン・エディション Vol.1
 〜高橋アキ、フェルドマンを弾く

 Piano Piece 1955 / Two Intermissions /
 Illusions (1948)(*)/ Extensions 3 /
 Piano Piece (to Philip Guston) / Palais de Mari
高橋アキ(P)
 (*)は世界初録音。2006年、 24bit リマスターされての再プレスとなった物。
ヤニス・クセナキス Vol.1〜アンサンブル・ピース集1
 Plektó(1993)〜フルート、クラリネット、ピアノ、
   パーカッション、ヴァイオリンとチェロのための(*)/
 Eonta(1962/64)〜ピアノ・ソロ、2つのトランペットと
          3つのトロンボーンのための(#)/
 Akanthos(1977)〜ソプラノとアンサンブルのための(+)/
 Rebonds "b" & "a"(1987/89)
  〜パーカッション・ソロのための(**)/
 N'Shima(1975)
  〜2つの増幅された農民の声、2つの増幅ホルン、
    2つのトロンボーンと増幅チェロのための(##)
ジャスティン・ルビン(P;#)
スーザン・メイ(S;+)
ロバート・マクエワン(Perc;**)
カテリーネ・アクス(Vo;##)
エイプリル・リンデヴォルド(Vo;##)
チャールズ・ザハリー・
 ボーンスタイン指揮
ST-Xアンサンブル
 (*)は世界初録音。
ジョン・ケージ・
 コンプリート・エディション Vol.14 〜
  プリペアド・ピアノのための
   ソナタとインターリュード
  (ピアノのための作品集 Vol.2)
フィリップ・ヴァンドル
(プリペアドP)
 使用楽器:スタインウェイ "O" タイプ・ベビー・グランド・ピアノ。
 当楽器使用による初録音。この楽器はケージが作曲時に使用した物で、作品自体もこの楽器で弾かれる事を想定している。
ルチアーノ・ベリオ(1925-2003):声のための偉大な作品
 フルート、クラリネット、ハープ、ヴィオラ、
  チェロと2つの打楽器のための「フォーク・ソングス」(1964)(*)/
 マークス・クッターのテキストによる
  女声のための「セクエンツァ III」 (1966)/
 ジェイムズ・ジョイスのテキストによる
  クラリネット、チェロ、ハープのための「室内音楽」(1953)/
 フルート、クラリネット、ヴァイオリン、
  チェロとピアノのための「 O King 」(1970)/
 E.E.カミングスのテキストによる
  ハープと2つの打楽器のための「 Circles 」(1960)
クリスティーネ・シェイドバーグ(S)
タニア・レオン指揮
ミュージシャンズ・アコード
 ベリオ70歳を記念して発売されたアルバムの再プレス。
ジョン・ケージ・エディション Vol.12
 〜ナンバー・ピース Vol.1

 FOUR3(1991)(*)/
 ONE5(1990)(#)/
 TWO6(1992)(+)
エイミ・フランマー
(Vn;*/+、レインスティック;*)
マ−ティン・ジョスト
(P;*/#/+、レインスティック;*)
ドミンク・アルショウルーン
(P;*、レインスティック;*)
ジャン・ミショウ(レインスティック;*)
 全て世界初録音。レインスティックはアフリカの民族楽器。
MODE-41
廃盤
ジョン・ケージ・エディション Vol.11 〜管弦楽作品集 Vol.1
 ジョン・ケージ「101」について語る/大オーケストラのための「101」(1989)/
 APARTMENT HOUSE 1776 (1976) /竜安寺(1983-85)
  スティーヴン・ドラリー指揮ニュー・イングランド音楽院po./他
ジョン・ケージ(1912-1992):Vol.9 〜ヴァイオリン作品集 Vol.2
 フリーマン・エチュード Vol.2
〔第3巻(全8曲)/第4巻(全8曲)〕(1980, 1989-1990)
  アーヴィン・アルディッティ(Vn)
 録音:1993年9月13日-14日、ヘッセン放送局第1スタジオ、ドイツ(レーベルの公式サイトに「発売:1989年」と書かれているが、誤りと思われる)。世界初録音。Vol.1:MODE-32
 この曲集は当初、写真家でアーティストの後援者でもあったべティー・フリーマンの依頼によって、ポール・ズーコフスキーが演奏するために書かれたが難易度が高すぎ、ズーコフスキーが演奏をあきらめた(彼はこの曲によって手を傷めてしまったとも言われているが、MODE-32の項目に記載したとおり、1981年に第1巻の8曲のみを録音している)ため、2巻+1曲(計17曲、18曲と言う資料もあり)が完成した1980年時点で作曲も中断、初演はハンガリーのヴァイオリニスト、ヤーノシュ・ネギシーによって1984年に16曲分が行われたという事になっている。その後1988年にアルディッティが興味を示したため残りが書かれ、全32曲の初演は1991年6月にアルディッティが行なった(同年にネギシーも後半の2巻を演奏した)と言う、色々といわくが付いた作品。
ジョン・ケージ(1912-1992):Vol.7 〜ヴァイオリン作品集 Vol.1
 フリーマン・エチュード Vol.1
〔第1巻(全8曲)/第2巻(全8曲)〕 (1977-1980)
  アーヴィン・アルディッティ(Vn)
 録音:1990年2月13日、クローウェル・ホール、ウェズリアン大学、ミドルタウン、コネチカット州、アメリカ合衆国。Vol.2:MODE-37。当盤の16曲分には、 当初の初演予定者だったポール・ズーコフスキーによる第1巻の8曲のみの録音(CP2, 103/録音:1981年/おそらく入手不能)と、 この2巻分の初演者とされるネギシーによる16曲の旧録音 (LOVELY MUSIC, LCD-2051/録音:1983年-1984年/廃盤、入手不能〔1990年代に行われた32曲の新録音がNEWPORTから出ていたが、これも入手不能〕)が存在するため、世界初録音ではない。
ヨーロッパとアメリカの新しいピアノ音楽
 アルヴォ・ペルト:
  Variationen zur
   Gesendung von Arinuschka(1990)
 ジョン・ケージ:Perpetual Tango(1984)
 ジャチント・シェルシ:
  4つのイラストレーション(1953)
 カーゲル:An Tasten
 ベリオ:Brin(1990) 他
ハイディ・シュワルツ(P)
ジョン・ケージ・エディション Vol.6
 ROARATORIO: An Irish Circus
        on Finnegans Wake(1976/79)(*)/
 Laughters(インタビュー;1979)(+)/
 Writing for the Second Time
  through Finnegans Wake(1976/79)(#)
ジョン・ケージ(語り)
アイリッシュ・
 ミュージシャンたち(*)
パリIRCAMによる
 62トラックのテープ(*)
クラウス・シェーニンク
(インタビュアー;+)
 41/24bit リマスター再発売盤(2002年)。
ジョン・ケージ・エディション Vol.5
 〜弦楽四重奏曲全集 Vol.2

   String Quartet In Four Parts/Four
アルディッティSQ
 ケージの最初の作品「String Quartet In Four Parts」と最後の作品「Four」を収録。オリジナル・レコーディングを24ビットでリマスター。オリジナルレコーディングはケージ自身が監修。
 「String Quartet In Four Parts」はケージのごく初期の弦楽四重奏。透明感のある静かな作品で禅を連想させる。16年ぶりの新録音。ケージの音楽の中枢をなす作品ともいえる。複雑なリズムの中に50年代に開発されたチャンス・ミュージックが見え隠れしている。
 「Four」はArditti Quartetのための作られた作品。ここで使われたタイム・ブラケットがマイクロトーンの先駆けになった。4人のプレイヤーが絶え間なくテクスチャーを入れ替える。2つの作品はケージが1949年に開拓し、後々まで大きな影響を残したコンポジショナル・サイレント・ヴォイス(作品中で意味を持つ沈黙)のよい例といえよう。
 ライナーノートはケージ研究家のJames Pritchettによる。ケージの別の面が書かれている。
ジョン・ケージ・エディション Vol.4〜
 マース・カニングハムのための音楽

 ジョン・ケージ(1912-1992):
  Five Stone Wind (1988) (*)/
  Cartidge Music (1960)
  (デイヴィッド・テューダーによる具現化)(#)
小杉 武久
(増幅Vn;*/
 ライヴ・エレクトロニクス;*/
 尺八;*/
 レコード用カートリッジ;#/
 増幅された小オブジェクト;#)
マイケル・パグリーズ
(9つの土器;*/テープ;*/
 レコード用カートリッジ;#/
 増幅された小オブジェクト;#)
デイヴィッド・テューダー
(ライヴ・エレクトロニクス;*/
 レコード用カートリッジ;#/
 増幅された小オブジェクト;#)
 長年品切れだったアイテムの、約10年ぶり?となる2008年再プレス。(*)は世界初録音、(#)は初CD録音だった物。
 ジョン・ケージとマース・カニングハムによるコラボレーション音楽。マース・カニングハム・ダンス・カンパニーの音楽家たちによる演奏。
 (*)は自然界の打奏的な音を使う。アフリカ、ナイジェリアのドラム「 Udu 」を真似た手製のつぼ状土器によって、地響きのように突き上げてくる低音から陶器がぶつかり合うような鋭い高音までが作り出され、ときおり挿まれる小杉 武久のソロがエゾチックで来世的な雰囲気を創り上げている。(#)は、おもちゃから家具まで様々な小型オブジェにカートリッジを装着(?)し、発生した音をアンプとスピーカーによって増幅させる作品。
ジョン・ケージ・エディション Vol.3
 〜弦楽四重奏曲全集 Vol.1

   Music for Four(1987 revised 1988)/
   Thirty Pieces for String Quartet (1983)
アルディッティSQ
 発売:1989年。Vol.1 はLPのみの発売で、まだCD化されていない。
バーナデット・スピーチ:ウィズアウト・ボーダーズ
 TELEPATHY;Poetry/Music Suite(1987)(*)/
 MOTO(1982)(#)/PENSEES(1983)(***)/
 TRAJET(1983)(###)/SONATA(1986)(+++)/
 SHATTERED GRASS(1987)(**)
テュラニ・デイヴィス(語り;*)
オリヴァー・レイク(アルトSax;*)
ジェフリー・ホイヤー(テューバ;*)
マイラ・メルフォード(P;*)
ジェフリー・シャンツァー(G;*/***)
リンゼイ・ホーナー(B;*)
バーナデット・スピーチ指揮(*)
レナード・クレッチ(Tb;#/###)
ミヒャエル・パグリース(Perc;#/**)
ニルス・ヴィゲランド(P;#)
ジャン・ウィリアムズ(Perc;###)
アントニー・デ・メール(P;+++)
 1988年、スピーチのデビュー盤だったもの。
 ゲスト・パフォーマーには、東海岸のニュー・ミュージックとダウンタウン・ジャズのそうそうたる顔ぶれがそろう。Jan Williams、Tony de Mare、Nils Vigeland、Olivir Lake、Myra Melfordらである。
 「”Telepathy”は、3楽章からなる詩と音楽の組曲である。作家Thulani Davisとのコラボレーションで、彼女は自作詩を絶妙なクールさで朗誦している。」(サンフランシスコ・クロニクル誌1989年 より)。
マーガレット・レン・タン〜 Sonic Encounters
 ジョン・ケージ(1912-1992):
  プリペアド・ピアノのための「 Primitive 」(1942)/
  ストリング・ピアノのための
   「ホロコーストの名において」(1942)(*)
 アラン・ホヴァネス(1912-2000):Orbit Op.102 No.2 (1952)
 ジョージ・クラム(1929-):ピアノのための5つの小品(1962)
 佐藤聰明(1947-):
  ディジタル的遅延を伴う2台のピアノのための
   「 Cosmic Womb 」 (1975)
 ジ・ガンリュ(1954-):
  Gu Yue(エンシェント・ミュージック)(1986)(#)
マーガレット・レン・タン
(P/プリペアドP/他)
 発売:1988年/現在入荷分は2006年プレス。(*/#)は世界初録音だった物。(#)はマーガレット・レン・タンのために作曲された作品。
MODE-3
buyボタン
[MODE-3/6]
(3CD)
4CD価格
ジョン・ケージ・エディション Vol.2
 〜ジョン・ケージ・コンダクツ・ジョン・ケージ

 8人の音楽家のための
  「アトラス・エクリプティカリス」
    (1961;全曲演奏;2種の演奏) (*)/
 3台のピアノのための「冬の音楽」
  (1957;2種の演奏)(*)/
 86人の音楽家のための(オーケストラのための)
  「アトラス・エクリプティカリス」(#)/
 20台のピアノのための「冬の音楽」(全曲)(+)
ロジャー・ネルソン、
トーマス・エッカート、
ブン=チン・ラム(P;*)
ジョン・ケージ指揮(*)
ニュー・パフォーマンス・
 グループ(*)
アルディッティSQ(#)
ハート・コンテンポラリー・
 プレイヤーズ(#)
メルヴィン・シュトラウス指揮(#)
ウェズリアンso.(#)、
スティーヴン・ドルーリー指揮(+)
Callithumpian Consort
 of New England Conservatory(+)
 録音:1983年11月11日、コーニッシュ大学コーニッシュ劇場、ライヴ(*)/1988年2月26日、ライヴ(#)/他。(#)と(+)は今回初発売となる音源。
 (*)は1986年、mode records から 4LP で発売された作品で、ケージ・ファンが永らく待ち望んでいた初CD化! (*)は午後6時半と午後8時半に行われた2回の演奏が、それぞれCD1枚づつ(元は LP2枚づつを使用したのだろう)に収められている。オリジナル LP よりのマスタリングは 96khz / 24 bit を使用。さらに「86人の演奏家による Atlas Eclipitcalis」など、間連作2つの初発売録音を今回追加。
マルコ・カペッリ:フランスの暗い雲 [Les Nuages en France]
 マルコ・カペッリ・アコースティック・トリオ
 [マルコ・カペッリ(クラシカル・プリペアードG) ケン・フィリアーノ(Cb) 武石 聡(Perc)]
 ニューヨークのアヴァンギャルド・シーンで精力的に活動するナポリ出身のギタリスト、マルコ・カペッリが率いるトリオの新作アルバム。フランスの人気ミステリー作家フレド・ヴァルガス [Fred Vargas] にインスパイアを受けて作られた作品。
Steve Lacy, John Heward - Recessional for Olver Johnson Live Montreal 2003
 録音:2003年6月20日、モントリオール、ライヴ。
 ソプラノ・サックス奏者スティーヴ・レイシーのおそらく最後の録音とされている2003年6月モントリオールでのコンサート。この2ヶ月後に癌であることがわかり、コンサートからちょうど1年後の2004年6月に死去した。レイシーとハワードは1975年以来の知り合いだが、一緒に演奏したのはこのコンサートが初めてだった。レイシーはこのインプロヴィゼーションのエンディングに "Recessional for John Oliver" のモチーフを使うことで、長年のドラマー John Oliver に捧げたいと考えていた。コンサートは "Souno per il Polpolo" フェスティヴァルでの録音。John Heward はモントリオール在住のドラマー/画家/彫刻家。早くからインプロヴィアイズド・ミュージック、ニューミュージック、前衛ジャズシーンで活躍する世界的なパーカショニスト。David Prentice, Glenn Spearman, Malcolm Goldstein, Joe McPhee, Dominic Duval, Lisle Ellis, Paul Bley ほか多数の一流アーティストと共演してきた。Coda の Bill Smith は「ジョンはカナダきってのインプロヴァイジンング・パーカショニストだ」と絶賛している。


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