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FINE NF
(国内盤)
特記以外 1枚¥4714(税抜¥4286)




 1981年に旧 日本フォノグラム(現 ユニヴァーサル・ミュージック)が録音したローラ・ボベスコのセッションでコンビを組んで以来という、プロデューサー、西脇 義訓氏とエンジニア、福井末憲氏のコンビが立ち上げたレーベル(http://www.n-and-f.com/;ただし海外向けページのためか、カタログ・ファイルなどを除き、英語のみ)。彼らは、当時日本フォノグラムが日本で展開していたTELARC(ボベスコの録音のときには創業者ジャック・レナーが技術指導を行ったと言う)、PHILIPS、MERCURY Living Presenceといったオーディオフィル向けレーベルの技術を基礎とし、最新技術を使用した録音を発売、レーベル名は MERCURY の創業&経営者であったファイン夫妻に因んで名づけられている。


NF-20301
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(CD)
\2723(税抜\2476)
2005年で90歳、青木 十良のバッハ第1弾
 バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番
青木 十良(Vc)
 録音:2000年8月、旧五島美術館、千葉。録音プロデューサー:西脇 義訓、バランス・エンジニア:福井末憲。使用楽器:ブレスチアのステファノ・スカランペラ制作、1912年製。 使用楽弓: Dominique Peccatte。
 こんなチェリストに出逢えたのは奇跡かもしれない・・・快進撃を続けるFine NFレーベルから、またひとつ珠玉のディスクが誕生。それはまぎれもなく日本チェロ界の至宝なり。
 「80歳を超えてバッハがわかるようになった」という青木十良(あおき じゅうろう;1915-)は、2005年に90歳を迎えた。齋藤秀雄と同じ桐朋学園にあって、林俊昭、毛利俊郎、北本秀樹、金木博幸など第一線で活躍する数多くのチェリストを育てる一方で、演奏家としてソロ、室内楽の分野で数多くの初演をおこなうなど、日本の演奏史を切り拓いてきたひとりである。青木の尽力により初来日を果たしたフルニエは、青木の艶やかで輝かしい音色と、歌に溢れた演奏に賛辞を惜しまなかった。その音楽は齋藤秀雄とは一見正反対と思われるが、青木を桐朋学園に招いたのは齋藤本人であり、特にそのボウイングには、齋藤も一目置いていたという。
 85歳を迎えた翌月に録音された当盤は、まず録音会場を探すことから始まった。青木の理想とする教会のような厚い石の建物は日本では稀だが、偶然門下生のひとりが発見、理想的な響きの中で収録をおこなった。この第6番の演奏には、青木が生涯をかけて掴み取った、音楽への愛と情熱がぎっしり詰まっている。
 「今世界にこれほどチェロという楽器のA線(ばかりではないが)を美しく発音できるチェリストはほかにはないのではないか。」村上陽一郎(科学史)
 *当レーベルはSACDハイブリッドのアイテムが多いのですが、当盤はCDのみのリリースとなります。
NF-20302
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(CD)
\2723(税抜\2476)
90歳のチェリスト、青木 十良のバッハ第2弾
 バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番
 パブロ・カザルス編曲:鳥の歌(*)
青木 十良(Vc)
水野紀子(P;*)
 録音:2006年3月6日-8日、浜離宮朝日ホール。録音プロデューサー:西脇 義訓、バランス・エンジニア:福井末憲。使用楽器:ブレスチアのステファノ・スカランペラ制作、1912年製。85歳のときに録音された第1弾の「第6番」(NF-20301)に続き、第2弾の「第5番」が登場、青木十良、録音時何と90歳! 彼の人となりについては第1弾(NF-20301)の項目をご参照頂きたい。2007年現在もリサイルを開催するなど、まだまだ旺盛な演奏活動を行っている。
 「90歳になった今も、楽譜の研究と稽古に日々いそしみ、新たな発見に心躍らせる。青木十良が生涯をかけて培ってきた、音楽へのひたむきな愛が、輝かしさと気品に満ちた光を放って、あなたの心を充たすたすだろう。」
 *当レーベルはSACDハイブリッドのアイテムが多いのですが、当盤はCDのみのリリースとなります。
NF-60101
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(HYBRID_SACD)
長岡京室内アンサンブル〜debut
 ヘンデル:合奏協奏曲 Op.6 No.7(*)
 モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525
 バルトーク:ディヴェルティメント Sz113
 シベリウス:ロマンス ハ長調 Op.42(+)
長岡京室内アンサンブル
(音楽監督:森悠子)
デイヴィッド・シュレイダー
(Cemb;*)
 録音:2000年5月29日(+以外)/2001年1月9日(+)、神戸朝日ホール。
 長岡京室内アンサンブルは、晩年の齋藤秀雄氏にその才能を見出され、「日本の音楽はこれから変る」と言い遺されたヴァイオリニスト 森悠子を音楽監督とし、 京阪神、パリ、シカゴ、スペイン、フィンランドなど世界各地で活躍する若手演奏家が、 長岡京(京都府)に集結、結成された室内アンサンブル。その多様な弦の表現力、豊かな音楽性はまさに驚異的。
NF-60102
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(HYBRID_SACD)
斎藤秀雄の思い出に
 チャイコフスキー:弦楽セレナード
 モーツァルト:3つのディヴェルティメントK.136〜K.138
  エクストラ・トラック;
   マーラー:交響曲第5番 アダージエット
          〜沈黙の12秒(CD用信号のみ収録)
   SACD5.1サラウンド・バランス・テスト・トラック
   (SACD5.1サラウンド用信号のみ収録)
長岡京室内アンサンブル
(音楽監督:森悠子)
 今回は斎藤秀雄の名前を冠したアルバムだけに、発売日も斎藤秀雄の生誕100周年記念日に設定され、彼等の自信が伺えた。そして興味深いのがエクストラ・トラック。CD用にはマーラーの「アダージエット」を収録。聴衆の驚愕と感動が演奏終了後の12秒の沈黙により証明されている。そしてSACD5.1チャンネル用には、新考案のバランス・テスト信号を収録。こちらはファインNFオリジナルのもので、これからマルチ・チャンネルのハードを購入される向きには恰好のディスク。
NF-60103
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(HYBRID_SACD
 +Bonus_CD)
ボヘミアからの風
 スーク:弦楽セレナード 変ホ長調Op.6(*)
 ドヴォルザーク:弦楽セレナード ホ長調Op.22(#)
 +ボーナスCD(通常のCD)
   ヴィヴァルディ:
    協奏曲集Op.8「四季」(+)/
    フルート協奏曲第1番「海の嵐」(**)
長岡京室内アンサンブル
(音楽監督:森悠子)
佐藤一紀(Vn;+春)
高木和弘(Vn;+夏)
谷本華子(Vn;+秋)
森悠子(Vn;+冬)
フィリップ・ベルノルド(Fl;**)
 録音:2002年7月20日、びわこホール(*)/2001年7月17日、三鷹市芸術文化センター(#)/2003年1月23日〜26日、シテ・ドゥ・コングレス、ナント市、フランス。ラ・フォル・ジュルネ音楽祭(+/**)。 録音プロデューサー: 西脇義訓、バランス・エンジニア:福井末憲。
 「アンチェル、スメタナSQに出会ったこと、ボヘミアの森や田園で自然と対話したことが私の音楽の原点」と語るリーダー森悠子。彼女の最初の留学地もプラハだった。長岡京CEがこの原点にたちもどって録音した、弦楽アンサンブルの醍醐味をもっとも満喫できるチェコを代表する2作品。ボーナスCDとして、ナント市冬の音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」で文字通り観客を大熱狂させた演奏(こちらはハイブリットSACDではなく通常のCD)を封入。季節ごとにソリストを入れ替え装飾音などかなり自由に解釈した「四季」はまさに必聴。
NF-60104
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(HYBRID_SACD)
長岡京室内アンサンブル〜東洋と西洋
 ペルト:東洋と西洋
 武満徹:3つの映画音楽
 ピアソラ:3つの小品
 バーバー:弦楽のためのアダージョ
 ギャヌー:シャコンヌ(森悠子委嘱作品)
 ・ボーナス・トラック・
   ふるさと(新編曲:牟岐 礼)
 ・ボーナス・トラック(CD層のみ)・
   ピアソラ:「天使のタンゴ」
    〜3曲のピアノ・ソロ(*)
長岡京室内アンサンブル
(音楽監督:森悠子)
アルベルト・ニューマン(P;*)
 使用楽器:Hans Hleinモデル(ベーゼンドルファー225/92鍵スペシャル・バージョン)(*)。録音プロデューサー:西脇義訓/バランス・エンジニア:福井末憲。
 湧き上がる感動の祈り。世界に躍進する長岡京CEの第4弾!!。
 驚異のアンサンブルとして日本のみならず、世界中の注目を集めるまでに成長した長岡京CE。彼らの最新作は、冒頭トラック、アルヴォ・ペルトの「東洋と西洋」の表題のとおり、国籍を超越した作品に仕上がった。まず注目は、独創的なバス・トライアングルという配置。両翼にチェロ、センターにコントラバスを置く革新的なもので、響きの広がり、奥行きに革新的な効果を生んでいる。ペルトの作品では、ロシア正教、イスラム、そして仏教音楽の融合がテーマだが、そこにはまさに、祈りに包まれる未体感の空間が出現する。他にも、待望だったバーバーのアダージョの収録や、ピアソラ自身が「ニューマンの解釈で私の作品はクラシックとなった」といった伝説のピアニストによるボーナス・トラック、森悠子との古くから親交のあるフランスを代表する作曲家ギャヌーの委嘱作品など、まさに必聴の一枚。
 長岡京CEは、2005年、充実したコンサート・スケジュールをこなす。2003年のナントでの「ラ・フォル・ジュルネ」出演は記憶に新しいが、このフェスティヴァルが東京に移植され、もちろんこれにも参加。また、各界の注目を反映するかのように、多くのTV出演依頼あるという。
NF-60501
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(HYBRID_SACD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調Op.58
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調Op.16
神谷郁代(P)
小松長生指揮
モスクワ放送チャイコフスキーso.
 録音:2000年10月6日-8日、チャイコフスキー音楽院大ホール。
NF-60502
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(HYBRID_SACD)
神谷郁代〜バッハ・アルバム
 J.S.バッハ:
  イタリア協奏曲 ヘ長調BWV.971/
  パルティータ第1番 変ロ長調BWV.825/
  2声のインヴェンション BWV.772-786(*)/
  3声のシンフォニア BWV.787-801/
*エクストラ・トラック(#)*
 3種のピアノ弾き比べ
  〜イタリア協奏曲第1楽章&第2楽章
    1.YAMAHA CF111S
    2.Steinway & Sons D-274 (New York)
    3.Boesendorfer 275
神谷郁代(P)
 録音:2003年8月27〜29日、三鷹市芸術文化センター風のホール。(*)はCD層のみ収録、(#)はSACD層のみ収録。録音プロデューサー:西脇義訓、バランス・エンジニア:福井末憲。
 MAINICHI CLASSICSから発売された梯剛之のアルバムでも、その演奏内容に劣らず録音クオリティの高さで世間を驚愕させた西脇&福井の名コンビだが、福井氏いわく「ピアノの録音が最も難しい」。しかしエクストラ・トラックに3種の名グランド・ピアノ弾き比べを収録し、あまりにも微妙な音色の完全なる記録に挑戦するなど、 彼らの情熱と自信は計り知れないものがある。福井氏はまた「最後の最後は演奏家の力量がすべて」と述べる。この盤がここまでの完成度を得たのはもちろん神谷郁代あってのこと。 彼女の最先端ともいえる演奏技法と最小限にコントロールされたベダル・ワークによって録るべき本物のピアノの響きが表出された。長いキャリアを持つ神谷だが、これが最初のバッハ録音となる。
NF-61201
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(HYBRID_SACD)
ホルスト:組曲「惑星」Op.32
池辺晋一郎:東京交響楽団のためのファンファーレ
秋山和慶指揮
東京so.
NF-61401
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(HYBRID_SACD)
24人の直弟子による恩師への賛歌〜
 G線上のアリア、ホルベルグ組曲

 バッハ(トーマス・ミフネ編曲):G線上のアリア
 グリーグ(トーマス・ミフネ編曲):ホルベルク組曲
 チャイコフスキー(堀了介、千本博愛編曲):
  弦楽セレナード〜ワルツ
 ヴァイル(寺嶋陸也編曲):音楽劇「三文オペラ」〜
  性の魔力についてのバラード
 ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第1番
 クレンゲル:賛歌(ヒムヌス)
チェロ・
 アンサンブル・サイトウ
 斎藤秀雄の愛弟子24(ベルリン・フィルの倍という数に多少のこだわりあり)による恩師への賛歌。チェロ・アンサンブル・サイトウは、齊藤秀雄の七回忌にチェロの弟子たちが集まって演奏することを計画、1982年5月に堤剛、岩崎洸をはじめ、世界で活躍するチェリスト28人で演奏会を行ったのが始まりで、この成功が齊藤秀雄没後10周年におけるサイトウ・キネン・オーケストラの発足につながった。この録音セッションが行われたのは齊藤秀雄生誕100年記念公演(サントリー・ホール)だが、海外での活動も活発で、シュタルケル、ロストロポーヴィチらを多いに感嘆させている。「賛歌」と、演奏会ではアンコールとして演奏された「G線上のアリア/のワルツ」には4人の孫弟子が特別参加しており、この3曲は28人での演奏となっている。
NF-61801
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(HYBRID_SACD)
大倉正之助〜飛天
 「翁」〜三番三(*)/優駿(*/#)/集まり(*/+)/
 「道成寺」〜物着(*)/助六(*/+)/天女(*/#)/
 三番三(*/#)/ノスタルジア(#)/「獅子」〜獅子(*)
大倉正之助(大鼓;*)
アジナイホール(馬頭琴;#)
バックビート・
 パーカッション・アンサンブル(+)
 録音:2003年11月18日-19日、すみだトリフォニーホール。録音プロデューサー: 西脇義訓/バランス・エンジニア:福井末憲。ライナーノーツ:石原慎太郎、他。Pressed by Sonopress, Germany。
 一期一会の鼓動が呼び覚ます、鮮烈な感動と興奮!オーディオの限界にも挑んだ大宇宙の表出。
 fine NFレーベルのハイブリッドSACD第9弾は、大鼓(おおつづみ)大倉正之助の初アルバム。大倉流15世宗家故大倉長十郎の長男として生まれた大倉正之助は、幾多の困難を乗り越え、大鼓の独奏演奏という新たな分野を確立、至難の技とされる素手打ちにこだわった人器一体となる一期一会の鼓動は、世界各国で反響を呼んでいる。「能」から採られた3曲のソロを中核に、草原のチェロとも称される馬頭琴の「アジナイホール」、イギリスの新進気鋭「バックビート・パーカッション・カルテット」という異種のジャンルとのコラボレーションで構成されるこのアルバムは、伝統文化の伝承と、新たなる可能性に挑戦し続ける大倉正之助の生き様のすべてを反映したもの。掛け声をともなう大鼓の一撃は、天空を一気に翔け抜けて大宇宙に響き渡るかのよう。日本人の魂の源泉をも呼び覚ます鮮烈な感動と興奮が詰まった、異色でありながら本質的な一枚。
 すでに幅広いファンを持つ大倉だが、大鼓の録音は技術的に困難を極め、熱望されながらもいままで録音を許可しなかった。今回は、当レーベルの西脇・福井コンビにより作り出された音が絶賛されてのリリースだとのこと。
NF-62201
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(HYBRID_SACD)
カザルスホールのアーレント・オルガン
 ブルーンス:プレルディウム ト長調
 ブクステフーデ:
  コラール幻想曲「暁の星のいと美しきかな」BuxWV.223
 J.S.バッハ:
  トッカータとフーガ ニ短調BWV.565/
  コラール前奏曲「わが心の切なる願い」BWV.727/
  協奏曲 ニ短調BWV.596
   (原曲;ヴィヴァルディ:協奏曲 ニ短調Op.3-11)/
  パッサカリア ハ短調BWV.582
水野均(Org)
 録音:2002年8月14日-16日、カザルス・ホール、東京。録音プロデューサー:西脇義訓。バランス・エンジニア:福井末憲。カヴァー・フォト:篠山紀信。  新考案SACD5.1サラウンド・バランス・テストつき(スウェーリンク:「大公の踊り」より / SACDトラックのみ)。テスト・トラック以外は通常のCDプレーヤーでも演奏可能。
 残念ながら2002年11月末から休館となった室内楽の殿堂カザルスホールのオルガンを利用しての録音。カザルスホールには名匠ユルゲン・アーレント製作のパイプ・オルガンが1997年に設置された。寡作家アーレントの代表作とも言われており、その姿と同様、響きも気品と輝きに満ちている。 ドイツ・オルガン音楽の3大Bと言われるブルーンス、ブクステフーデ、バッハの代表作を、新進オルガニストの水野均が演奏したこのアルバムには、カザルスホールに響きわたるアーレント・ オルガンのありのままの姿が写し録られている。
 「水野氏はこの楽器の繊細なメカニズムを知り抜いている。演奏はエレガントで、音楽性にあふれている。 ニ短調のトッカータとフーガは、まるで花火を見ているようで、ぞくぞくする感動を覚える。」(ユルゲン・アーレント/オルガン製作者)
NF-63001
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(HYBRID_SACD)
ジョセフ・リン〜魂のシャコンヌ
 イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
      第6番 ホ長調(M.キロガに)
 J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
      第2番 イ短調 BWV.1003
 イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
      第3番 イ長調「バラード」(G.エネスコに)
 J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・
  パルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004
 ・エクストラ・トラック(CD層のみ)・
  チャン・イ・チェン:凝視(地震犠牲者への追悼)
ジョセフ・リン(Vn)
松岡淳(P)
 録音:2005年1月25日-28日、新潟県、魚沼市小出郷文化会館。プロデューサー:西脇義訓。バランス・エンジニア:福井末憲。
 凛とした佇まい。イザイとバッハの間に横たわる和声的連続性に着目した、ジョセフ・リンの fine NF デビュー盤。ジョセフ・リンは、台湾系のアメリカ人ヴァイオリニスト。ジュリアード音楽院プレカレッジを経て、ハーバード大学神学部を卒業するという、異色ながら大変な秀才。2003年から毎年来日を果たし、その深い知性から生まれる凛とした音楽性は「魂のヴァイオリニスト!」と大絶賛されている。同じハーバード卒(人類学)のヨーヨー・マも音楽家仲間として、彼の才能を高く評価しており、すでに共演も果たしている。
 今回このアルバムも、徹底的な研究から生み出される洞察力が光る構成になっている。イザイの無伴奏自体、バッハの作品に触発されて生み出されたことはよく知られているが、この2作品における数々の関連性に着目し、4つのピースを、連続した発展性のある音楽として表現しようという試みが成されている。特に、曲と曲との間の和声関係に惹かれたと自ら語るリン。「イザイの6番(ホ短調)はバッハの2番ソナタ(イ短調)とは属調の関係にあり、そのソナタの終楽章(イ長調)はイザイの3番バラードの冒頭に再現する。この種子から導入部を経過し、属和音としてのバラードのニ短調がゆっくりと姿を現す。そしてこのニ短調はバッハのパルティータの5つの楽章で再確認され、壮大なシャコンヌで頂点に達する。」(リン自身の解説)これらの曲をひとつに結んでいる和声的な関係に加え、旋律的な結びつき(それぞれ曲の最後の音と、つぎの曲の最初の音が同じ!)が、4ピースの感情をつなぐ枠組みとなっている。
 エクストラ・トラックは、このディスクの録音の合間に行われた「中越地震」の被害者のためのコンサートの際に演奏されたもの。チャン・イ・チェンはジョセフ・リンのいとこで、「凝視」は1999年に台湾を襲った地震の被害状況を目の当たりにし、創作された。このCDは台湾・中越地震を含む、最近各地で起きた自然災害の罹災者に捧げられている。
 そして、毎度のことながら fine NF の録音クオリティーにも注目。今回は、初のソロ・ヴァイオリン録音となったが、冒頭から、きわめて透明感の高い伸びやかなヴァイオリンの音色に圧倒されることは間違いない。
NF-63101
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(HYBRID_SACD)
ユーシア・クァルテット
 パーセル:シャコンヌ ト長調(ブリテン校訂版)
 ブリテン:
  弦楽四重奏曲第2番 ハ長調Op.36(シャコンヌつき)
 武満徹:ア・ウェイ・アローン
 コズマ/武満徹編曲:枯葉
ユーシアSQ
[高木和弘(1st Vn)
 ヤンネ舘野(2nd Vn)
 小倉幸子(Va)
 アドリアン・ズィトゥン(Vc)]
 録音:2004年7月19-21日、びわ湖小ホール/2003年7月11-12日、京都府民ホール、アルティ。録音プロデューサー:西脇義訓、バランス・エンジニア:福井末憲、Pressed by Sonopress, Germany。長岡京室内アンサンブルから生まれたSQ界の新星!没後30周年のブリテンと没後10周年の武満をフィーチャーした衝撃のデビュー盤。
 ユーシア(EUSIA)とは、4人の出身地であるヨーロッパ(EUROPE)とアジア(ASIA)、そして出会いの場であるアメリカ(U.S.A)からの合成語。1999年、ルーズベルト大学シカゴ芸術音楽院の教授に着任した森悠子(長岡京CEの音楽監督)の元に運命的に集った若者4人の記念すべきデビュー盤。4人とも長岡京CEのコア・メンバーだが、ここに新しい個性として飛翔することとなった。
 シカゴ芸術音楽院で森悠子のもと弦楽四重奏団としても鍛えられたユーシア・クァルテット。2001年5月米国インディアナ州サウスベンドで行われた「全米フィショフ室内楽コンペティション」でゴールド・メダリストとなった。その折演奏したのがブリテンの弦楽四重奏曲第2番で、難曲として知られるこの作品で「誠実で精巧、独創性豊かな雰囲気が見事に保たれた演奏」と絶賛された。彼らには、固定された弦楽四重奏団としてデビューする道も開けたが、まだ若く無限の可能性を持ったひとりひとりがそれを望まず、それぞれが世界中のオーケストラのコンマス及びメンバーとして活躍している。そのため、デビュー盤には少々時間がかかったが、2006年、レパートリーにフィーチャーされているブリテンと武満それぞれのアニヴァーサリー・イヤーに待望のリリースとなる。
 2006年、没後10周年を迎えた武満徹は、ブリテンと共に今や世界中から20世紀を代表する作曲家として認められているが、その武満徹の「ア・ウェイ・アローン」と共に、武満徹が自ら編曲した「枯葉」を後半に収録しているのが、このディスクのもうひとつの魅力。作曲家武満徹の原点は、戦時下にSPで聴いたシャンソンであり、秋をこよなく愛した武満徹による「枯葉」の限りない美しさと悲しさを、ユーシア・クァルテットの演奏は漂わせている。
 若々しくありつつも、独特の「哀愁」までも表現するユーシア・クァルテット。その魅力を最大限に伝える事が出来るのは、もちろん卓越した録音技術とのコラボレーションあってこそ。既に多くのメディアに取り上げられている西脇&福井コンビならではの最高位録音クオリティーが本領を発揮している。


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