街はずれのカフェ〔カフェ・バンリュー/ Café Banlieue 〕〜 バイエルン国立歌劇場管団員によるタンゴ E / Hawai /街はずれのカフェ [Café Banlieue] /12月のタンゴ [Dezember Tango] (*) / L 'après-midi / Smalls / Reims rouge / A. G. Mius / Le Petit / Just a dream / ミロンガ [Milonga] /バルバラ・ボッサ [Barbara Bossa] / La Belge /リスボン [Lisboa] カフェ・バンリュー [アルベン・シュパイウ(Vn) ペーター・ヴェプケ(Vc) ペーター・ルートヴィヒ(P)] | ||
録音:2006年2月、ファラオ・スタジオ/ CD発売:2006年 / LP 発売:2013年 。 LP 仕様: 180g 、ダイレクト・メタル・マスタリング。ミュンヘン・バイエルン国立歌劇場コンサートマスターのシュパイウ、同団首席チェリストのヴォプケ、そしてピアニスト&作曲家のルートヴィヒの3人によるタンゴ・トリオ、カフェ・バンリュー〔街外れのカフェ〕。甘くそして切なく気品あふれる新感覚の演奏がミュンヘンで大評判となり、録音された物。ブエノスアイレス発祥のタンゴは、ヨーロッパに渡り、1930年代にドイツを中心として隆盛を極めたコンチネンタル・タンゴは、「碧空」や「ジェラシー」など名曲を生んだ。 | ||
ピアノ・トリオでタンゴ(全14曲) ベルリン/猫/アンダルシアのバール/ ヴァルス・ドラマティク/ミス・ユー/他 |
アルベン・スパイウ(Vn) ペーター・ヴェプケ(Vc) ペーター・ルートヴィヒ(P) | |
バイエルン国立歌劇場の首席ヴァイオリニスト(アルバニア出身)と同歌劇場チェリスト、ミュンヘンでピアノと作曲を学んだピアニストによるトリオ。 | ||
ヴェーベルン:室内楽作品集 弦楽四重奏のための5つの楽章 Op.5(*)/ 4つの小品 Op.7(+)/ 6つのバガテル Op.9(#)/ チェロ・ソナタ(**)/ 3つの小品 Op.11(**)/ 弦楽三重奏曲 Op.20(++)/ 四重奏曲 Op.22(##)/ 弦楽四重奏曲 Op.28(+)/ |
レオポルダーSQ(*) マルクス・ヴォルフ(Vn;+) ジンホファーSQ(#) イヴ・サヴァリ(Vc;**) ジェローム・グラニョン(P;+/**) バルバラ・ブルクドルフ(Vn;++) エサ・カム(Va;++) フランツ・アマン(Vc;++) カール=ハインツ・ハーン(Sax;##) ハルトムート・グラフ(Cl;##) エッカルト・へルマン(Vn;##) モニカ・シュテール(P;##) | |
録音:1993年10月-1994年5月、ミュンヘン、ライヴ。 バイエルン国立管弦楽団のソリストたちによる演奏。 | ||
愛の悲しみ〜クライスラー名曲集 クライスラー:テンポ・ディ・メヌエット モーツァルト/クライスラー編曲:ロンド マリア=テレジア・フォン・パラディス:シシリエンヌ クライスラー:才たけた貴婦人 パガニーニ:カンタービレ クライスラー:ロンディーノ/ レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース/ 愛の悲しみ/美しきロスマリン ラフ:カヴァティーナ クライスラー:コレッリの主題による変奏曲 マスネ:タイスの瞑想曲 クライスラー: オールド・リフレイン/故郷の人々(スワニー河) |
アンドレアス・ライナー(Vn) アチ・ベルトンチェリ(P) | |
ウィーン生まれでパールマンに師事したライナーが弾くクライスラー・アルバム。クライスラーといえば、師パールマンも美音をたっぷりと鳴らした演奏で人気を博したが、まさに師ゆずり。ちょっと聴くだけで、愛くるしい音色のとりこに。 | ||
サクソフォンとハープ グスタフ・ブムケ:ノットゥルノ Op.45 イダ・ゴトコフスキー:風車 ドビュッシー:ベルガマスク組曲 ボザ:イタリア幻想曲 ジャン・アプシル:シシリエンヌ ジャン・バティスト・サンジュレー:カプリース Op.80 ガブリエル・ヴェルダル:瞑想曲 Op.18 アントニオ・パスクッリ:ベッリーニの思い出 |
ヘルマン・リト(Sax) マルティナ・ホラー(Hp) | |
録音:1995年9月マルクトオーバードルフ。 | ||
ドヴォルザーク: ピアノ三重奏第4番 ホ短調 Op.90「ドゥムキー」 同第1番 変ロ長調 Op.21 |
ミュンヘン・ ドヴォルザーク・トリオ [ギッティ・ピルナー(P) ヤーノシュ・マーテー(Vn) フランツ・アマン(Vc)] | |
録音:1996年7月ミュンヘン。 ピアニストのギッティ・ピルナーは7歳で初リサイタル、8歳でモーツァルトの第23番を弾いた。ジュネーヴ国際音楽コンクール第1位。ミュンヘン音楽アカデミーのマスタークラスで後進の指導に務めるかたわら、ケンペやチェリビダッケのもとミュンヘン・フィルと共演。スタインウェイ社が公式に認定する「スタインウェイ・アーティスト」のひとり。 | ||
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集 Vol.1 変ロ長調 K.570/ニ長調 K.576/ ハ長調 K.545/ヘ長調 K.533・494 |
ギッティ・ピルナー(P) | |
ブラームス:ドイツ・レクイエム | マーリン・ハルテリウス(S) ディートリヒ・ヘンシェル(Br) エーノホ・ツー・グッテンベルク指揮 ブルノ国立po.&cho. | |
ハルテリウスのソプラノ・アリアは、まるで天上から聞こえてくる祈りの声のような美しさ。 | ||
ヴォルフ:メーリケ歌曲集 Vol.1 (全22曲) |
ディートリヒ・ヘンシェル(T) フリッツ・シュヴィングハーマー(P) | |
録音:1998年、ミュンヘン、ファラオ・スタジオ。 | ||
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集 Vol.2 ハ短調 K.457/ヘ長調 K.332/ 変ロ長調 K.333/幻想曲ハ短調 K.475 |
ギッティ・ピルナー(P) | |
サクソフォンとハープ Vol.2 サン=サーンス:白鳥 サティ:ジムノペディ第1番 ドビュッシー:夢/小さな羊飼い フォーレ:子守歌 マルク・ベルトミュー:5つのニュアンス イベール:間奏曲 マルセル・トゥルニエ:2つのロマンティックな前奏曲 サン=サーンス:ロマンス Op.36 |
ヘルマン・リト(Sax) マルティナ・ホラー(Hp) | |
録音:1999年2月。 ラヴェルのボレロなど、オケでは時に大活躍をみせるサクソフォン。楽器自体の歴史の浅さもあってか、ソロのオリジナル曲の少ないことがなんとも不幸だが、そこへ渇きを癒すかのようにうってつけのアルバムが登場。1枚目は有名曲、2枚目も近代フランスの作曲家を中心にセンスの良い曲が並んでいて親しみやすい内容となっている。ふつうならピアノ伴奏のところがハープという組み合わせなのも、おしゃれな雰囲気作りに一役買っている。 | ||
ヘンデル:歌劇「セルセ」 | アン・マレー(Ms;セルセ) クリストファー・ロブソン (CT;アルサメーネ) イヴォンヌ・ケニー(S) パトリシア・パードン (A;アマストレ)他 アイヴァー・ボルトン指揮 バイエルン国立歌劇場o. | |
録音:1997年4月、バイエルン国立歌劇場、ライヴ。 「オンブラ・マイフ」ばかりが有名な「セルセ(クセルクセス)」だが、全体的にコミカルで楽しめる作品である。スペシャリストのマレー、美貌と美声のケニー、本格的コントラルトのパードンと、 充実した女性陣で臨んだ上演。 | ||
インタークラリネット ヘンデル: シバの女王の入場/ 「リナルド」〜涙の流れるままに モーツァルト:アダージョ ヘ長調 K.580a C.ベーム:四重奏曲 へ長調 ジェルジ・オルバーン: 四重奏曲〜テンポ・ディ・タンゴ ダニエル・ドルフ:タンゴは4人で アルベニス:タンゴ ガーシュウィン:オー・レディ・ビー・グッド バード:パヴァーヌ バッハ:アリア ブラームス:ハンガリー舞曲第5番 ケネス・A.ウィルソン: パガニーニの主題による変奏曲 J.バログ:三日月〜エピソード |
ノルベルト・トイブル、 ヨージェフ・バログ、 ハラルド・ハラー、 ヨハネス・グライヒヴァイト(Cl) マンフレート・プライス(バスCl) | |
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集 Vol.3 ハ長調 K.330/イ長調 K.331/ニ長調 K.311/イ短調 K.310 |
ギッティ・ピルナー(P) | |
シュレーカー:室内交響曲 クルシェネック:ヴァイオリン協奏曲第1番Op.29 |
ハンナ・ ヴァインマイスター(Vn) ハインリッヒ・シフ指揮 ムジコレギウム・ ヴィンタートゥール | |
非常に美しい音質で、シュレーカーの繊細なオーケストレーションを細部までとらえきっている。シフはどちらかといえば爆演型の人だけに、こんな一面があったとは一筋縄ではいかないユニークな存在と言える。ヴィンタートゥールはスイス、チューリッヒ近くにあるスイス防衛上の要所で、シフはこのオケで首席を務めていた。大変優秀なオーケストラ。 | ||
バッハ:クリスマス・オラトリオ BWV.248 | マーリン・ハルテリウス(S) メリンダ・パウルゼン(A) トム・アレン(T) ディートリヒ・ヘンシェル(Br) エーノホ・ツー・グッテンベルク指揮 クラング・フェアヴァルトゥングo. ノイボイレン合唱協会cho. | |
にぎやかさ100%の第1曲目の冒頭は、ティンパニがハンマーのように打ち鳴らされ、どんちゃん騒ぎのよう。 どこか現代的なクリスマス・オラトリオに仕上がっている。ボーナスCD「グッテンベルク、クリスマス・オラトリオを語る」(ドイツ語)付き。 | ||
オペラ座のサックス チャイコフスキー:バレエ「くるみ割り人形」組曲〜 [序曲/行進曲 /アラビアの踊り/中国の踊り/ こんぺい糖の踊り/トレパーク] モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」〜 [カタログの歌/若い娘さんたち、恋をするなら/ ひどい人ですって?…もう言わないで… / 薬屋の歌/シャンペンの歌] ベートーヴェン:モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」の 「お手をどうぞ」の主題による変奏曲 ステファン・ゾルゾル: カルメン・イベリクム(ビゼーにもとづくスペインの物語) |
サックス・アルマンド [フランク・シュスラー(S-Sax) アレント・ハシュテット(A-Sax) マルクス・マイアー(Br-Sax)] | |
その名も「ドイツのサクソフォン」という名のアンサンブルによる三重奏。 | ||
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集 Vol.4&Vol.5 へ長調 K.280/ハ長調 K.279/変ロ長調 K.281/ 変ホ長調 K.282/ハ長調 K.309/ト長調 K.283/ニ長調 K.284 |
ギッティ・ピルナー(P) | |
インタークラリネット2 モンティ:チャールダーシュ シューマン:トロイメライ アーノルド:プレ・グッドマン・ラグ ワイル:「三文オペラ」より(6曲) モーツァルト: アダージョ KV.411/アヴェ・ヴェルム・コルプス プロコフィエフ:3つのオレンジの恋〜行進曲 J.バログ: ラデツキアーダ/ジプシーの歌/ラプソディア ゴードン・レヴィン: ラ・コパ−サンバ/ フィエスタ・クバーナ−ルンバ ロータ:8 1/2 |
ノルベルト・トイブル、 ヨージェフ・バログ、 ハラルド・ハラー、 ヨハネス・ グライヒヴァイト(Cl) マンフレート・ プライス(バスCl) | |
ヴァイオリンと並んで人の肉声に近いといわれるクラリネット。ひとたび声を上げると、三文オペラやジプシー・ナンバーでの哀切を帯びたメロディや、 ロータのどこかおどけた調子など人懐っこい楽器の虜になることまちがいなし。思い入れたっぷりに演奏するのは、1998年夏にアメリカで催された国際クラリネット連盟会議をきっかけに結成されたアンサンブル。 ウィーン・フィル首席のトイブル、ベルリン・フィルのプライスと奏者も名うての腕っこき揃い。 優秀録音。 | ||
バーバー:交響曲第1番 シューマン:交響曲第4番 |
ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮 バイエルン国立o. (バイエルン国立歌劇場o.) | |
録音:2003年7月21日、バイエルン国立劇場。サヴァリッシュ80才記念コンサート・ライヴ。5.0チャンネル・サラウンド、以前BRYN-PRIVATE1という番号で限定盤としてご案内していたが、
反響の多さにレギュラー発売&SACD仕様化決定。 バーバーの交響曲を取り上げているのも興味深いが、やはり聴き物は得意のシューマン。堂々とした重厚さで終楽章コーダを締めくくるが、遅めのインテンポなのが特に印象に残る。 | ||
モンテヴェルディ:歌劇「ポッペアの戴冠」 | アンナ・カテリーナ・ アントナッチ(S;ポッペア) デイヴィッド・ダニエルズ (CT;ネローネ) アクセル・ケーラー (CT;オットーネ) クルト・モル(B;セネカ) ドミニク・ヴィス (CT;アルナルタ)他 アイヴァー・ボルトン指揮 バイエルン国立歌劇場o. | |
録音:1997年7月、バイエルン国立歌劇場、ライヴ。 バイエルン国立歌劇場がバロック・オペラ演奏様式にのっとって上演した注目のライヴ。各誌絶賛のアントナッチをはじめ、大活躍中のカウンターテナー3人、大御所モルなど豪華キャストも魅力(脇役にアーンシェの名も)。 | ||
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集 | ギッティ・ピルナー(P) | |
B-108005、108008、108012、108018のボックス・セットBOX。分売より1枚分お得 | ||
ヴィオレータ・ウルマーナ〜歌曲をうたう フランツ・リスト:少年漁師/漁師の娘/さあ、話せ リヒャルト・シュトラウス: ゲオルギーネ/春の雑踏/ ツェツィーリエ/あした/苦悩の賛歌/睡蓮/ 僕らは踊りだしたい気持ちだ/解き放たれた心/ 悪いお天気/あなたの青い目で/春の祝祭 アルバン・ベルク:7つの初期の歌曲 [夜/葦の歌/夜鳴きうぐいす/夢に見た栄光/ 室内にて/愛の賛歌夏の日] |
ヴィオレータ・ウルマーナ(S) ヤン・フィリップ・ シュルツェ(P) | |
リトアニア生まれの歌手、ヴィオレータ・ウルマーナはメゾ・ソプラノとしてデビューし、名声を得た。1993/1994シーズンにミュンヘン歌劇場、バイロイト音楽祭、ミラノ・スカラ座(ムーティ指揮・フリッカ役)で立て続けにデビューし、フリッカ(ワルキューレ)、クンドリ(パルジファル)をはじめとするワーグナー作品、エボリ公女(ドン・カルロ)、サントゥッツア(カヴァレリア・ルスティカーナ)などを中心的レパートリーに、国際的なキャリアを築いてきた。そして2003年にウィーン国立歌劇場においてマッダレーナ(アンドレア・シェニエ)でソプラノとしてのデビューを飾ったのち、イゾルデ(トリスタンとイゾルデ)、ジョコンダのタイトル・ロール、レオノーラ(運命の力)などをレパートリーとして、現在も国際的第一線で活躍するスターのひとり。 リヒャルト・シュトラウスの歌曲を収録したCDは数多く存在するが、この盤の特筆すべきは、期待されながらもエキスパートが少なかったために録音されなかったリストとベルクの作品が、R.シュトラウス作品と併録されたことだろう。これにより、後期ロマン派から近代音楽への音楽史をこの1枚で体験することができる。なにより中音域から高音域まで均一に響く稀有の歌声でウルマーナが叙情的に表現する世界は、非常に上品でかつドラマティック。そのウルマーナの世界を、日常的に共演しているドイツ人ピアニスト、ヤン・フィリップ・シュルツェが知的にサポートしている。 | ||
バイエルン国立歌劇場 1997-2005年 ライヴ ワーグナー: 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲(*) 〔2004年7月〕 ヘンデル:歌劇「アリオダンテ」〜あなたは生きるのです ポール・ナイロン(T) 〔2000年1月〕 モンテヴェルディ:歌劇「ポッペアの戴冠」〜いとしい人、ポッペアよ デヴィッド・ダニエルズ(CT)(+) 〔1997年7月〕(#) モンテヴェルディ:歌劇「ポッペアの戴冠」〜あなただけを見つめ アンナ・カテリーナ・アントナッチ(S) デヴィッド・ダニエルズ(CT)(+) 〔1997年7月〕 ヘンデル:歌劇「セルセ」〜地獄の残酷な女神め アン・マレイ(Ms)(+) 〔1997年4月〕 ヘンデル:歌劇「ジューリオ・チェーザレ」〜もし私の願いを聞いてくれないのでしたら スーザン・グリットン(S)(+) 〔2002年7月〕(**) グルック:歌劇「オルフェとユリディス」〜愛の神よ、私の魂に ヴェッセリーナ・カサロヴァ(Ms)(+) 〔2003年10月〕 ヘンデル:歌劇「ロデリンダ」〜無情な人よ ドロテア・レッシュマン(S)(+) 〔2003年7月〕 ヴェルディ:歌劇「オテロ」〜柳の歌 アニヤ・ハルテロス(S)(*) 〔2004年11月〕(**) ワーグナー:歌劇「タンホイザー」〜夕星の歌 マーティン・ガントナー(Br)(*) 〔2005年2月〕 ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」〜葬送行進曲(*) 〔2003年4月〕(**) ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」〜第1幕幕切れ ワルトラウト・マイヤー(S) ペーター・ザイフェルト(T)(*) 〔2002年7月〕 ズービン・メータ指揮(*) アイヴォー・ボルトン指揮(+) バイエルン国立歌劇場o. | ||
録音会場:ナツィオナールテアター、(#)のみプリンツレゲンテンテアター。(**)初出音源。 バイエルン国立歌劇場を知るにうってつけのCD。音楽監督ズービン・メータの指揮と、バロックを中心としたレパートリーを受け持つボルトンのライヴ録音があわせて12種類。しかもそのうち4つは今回初めてお目見えする貴重なもの。スーザン・グリットンのクレオパトラ、新国立劇場で「マイスタージンガー」のエーファを歌うアニヤ・ハルテロスのデズデーモナ、ワルトラウト・マイヤーとペーター・ザイフェルトがジークムント、ジークリンデの「ワルキューレ」の幕切れなど、短くても興味津々なものばかり。 | ||
サックス三重奏&四重奏による「ゴルトベルク」 J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 |
サックス・アルマンド
[フランク・ シュスラー(S−Sax) アーレント・ ハシュテット(A−Sax) マルクス・ マイヤー(Br−Sax)] マルカス・ワイス(T−Sax) | |
録音:DDD。48'52"。 数ある「ゴールドベルク」のなかでも異色の一枚。また、数ある編曲もののなかでも出色の一枚。ギター、弦楽合奏、ブラス・アンサンブル、JAZZ,とさまざまに演奏形態は変わってもまぎれもなくバッハはバッハだが、特にこの演奏はサクソフォンで演奏されていても編曲ではなく、バッハのオリジナルの楽譜そのままをSaxで演奏している。サックス・アルマンドはサクソフォン・トリオだが、今回はテナーSaxに名人マルカス・ワイスを迎え、4声の第4, 10, 22, 23, 29, 30変奏は四重奏で演奏。Saxの響きは瞑想的でもあり、またからみあう声部は時に官能的にもなり興味は尽きない。ゴルトベルク・コレクター、ブラス好き、バッハおたくはもちろん、新鮮でおもしろい音楽を聴きたいというすべての人に聴いていただきたい、お薦めの1枚。 | ||
ハイドン:オラトリオ「天地創造」 | マーリン・ハルテリウス(S) ロタール・オディニウス(T) アントン・シャリンガー(B) エーノホ・ツー・グッテンベルク指揮 クラング・フェアヴァルトゥングo. ノイボイレン合唱協会cho. | |
グッテンベルクが真骨頂を発揮した「天地創造」。神がこの世を創る、という壮大なドラマが鮮やかに広がる。 | ||
ベートーヴェン: 交響曲第3番「英雄」/ 交響曲第8番 |
エーノホ・ツー・グッテンベルク指揮 クラング・フェアヴァルトゥングo. | |
グッテンベルクとその腹心たちによって紡ぎ出される、アットホームなベートーヴェン。音楽作りがきわめて自然。 | ||
ブラームス:「ヴィネータ」〜愛と死の歌 バラード Op.10 No.4/ヴィネータ Op.42/ セレナード Op.106 No.1/ 舞踏のための交唱歌 Op.31 No.1/ おお美しい夜 Op.92 No.1/間奏曲 Op.117 No.1/ 古いドイツの戦いの歌 WoO.34 No.26/ 草狩る死神 WoO.34 No.13/愛の誠 Op.3 No.1/ 他(全33曲) |
アンナ・コロンディ(S) 藤村実穂子(A) トム・アレン(T) クラウス・メルテンス(Br) マーリン・ハルテリウス(S) メリンダ・パウルゼン(A) トム・アレン(T) ディートリヒ・ヘンシェル(Br) エーノホ・ツー・グッテンベルク指揮 ノイボイレン合唱協会cho. ギッティ・ビルナー(P) | |
ピアノ独奏曲、独唱曲、重唱曲、合唱曲と多彩に収録。 | ||
スペインのフォリア〜クララ・デント、ブリギッテ・エンゲルハルト マラン・マレ:スペインのフォリア(オーボエ、チェンバロとチェロための24のクプレ) J.S.バッハ/アーサー・ジェンセン編曲: パルティータ イ短調 BWV.1013(オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとコントラバスのための) F.クープラン:王宮のコンセール第4番(オーボエと通奏低音のための) J.S.バッハ:トリオ・ソナタ〔第1番 BWV.525 /第5番 BWV.529 〕(オーボエとポジティフ・オルガンのための) クララ・デント(Ob) ブリギッテ・エンゲルハルト(Cemb/Org) ガブリエル・アドリアーン(Vn) アンドレアス・ヴィルヴォール(Va) ハンス=ヤーコプ・エッシェンブルク(Vc) アンドレアス・ヴィレゾル(Cb) | ||
収録:2005年5月、ミュンヘン、ファラオ・スタジオ/ (C) 2006 。プロデューサー、レコーディング・エンジニア&ミキシング:アンドレアス・ツェンメラー&フェリクス・ガーゲルレ、エディティング:フェリクス・ガーゲルレ&アレッサンドロ・ビネッティ。1999年よりベルリン放送so. (RSB)の首席オーボエ奏者で、ソリストとしてもラトル指揮 BPO 、メータ指揮バイエルン国立o. にしばしば客演するクララ・デントのデビュー・アルバムだったもの。ザルツブルク出身でモーツァルテウムに学び、モーツァルテウムで教鞭を取るエンゲルハルトをはじめ、気心の知れた仲間と組んだバロックのナンバーの数々では、ときに甘くときに切ない、デントの美しくのびやかな音色の魅力を存分にあじわうことが出来る。定評ある FARAO のセッション録音で音質もすぐれている。 | ||
J.S.バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・ パルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004(1720) ヒンデミット: 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.11-6(1917/18) ツィンマーマン: 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ(1951) |
レベッカ・ハルトマン(Vn) | |
ミュンヘンの若く(26歳)美しいヴァイオリニストの意欲的な録音。大バッハに源を発するヒンデミット、ツィンマーマン(終楽章はB-A-C-H主題)がむしろ聴き物。 | ||
ヘンデル:歌劇「アリオダンテ」 | アン・マレー (Ms:アリオダンテ) ジョーン・ロジャース (S;ジネブラ) クリストファー・ロブソン (CT;ポリネッソ)他 アイヴァー・ボルトン指揮 バイエルン国立歌劇場o. | |
録音:2000年1月、バイエルン国立歌劇場、ライヴ。 ヘンデルのオペラの中で最近人気の高い「アリオダンテ」の、タイトルロールに当たり役のマレーを起用した上演。 | ||
ヴァイオリン小品集〜シューマンからガーシュウィンまで フランツ・リース:気まぐれ女 / フォーレ:ドリー〜子守歌 Op.56 No.1 グラナドス/クライスラー編曲:スペイン舞曲 / ヴェラチーニ/マリオ・コルティ編曲:ラルゴ エンリーコ・トゼッリ:セレナード Op.6 / クライスラー:美しきロスマリン / ブロッホ:ニーグン ラフ/ヨハネス・パラシュコ編曲: / カヴァティーナ Op.85 No.3 / フバイ:ヘイレ・カティ Op.32 滝廉太郎/矢代秋雄 編曲:荒城の月 / クライスラー:愛の悲しみ / ポンセ/ハイフェッツ編曲:小さな星 シューマン/ローター・レヒナー編曲:トロイメライ / ラヴェル/ジョルジュ・カテリーヌ編曲:ハバネラ形式の小品 ガーシュウィン/ハイフェッツ編曲:ベスよ、おまえは俺のもの/そんなことはどうでもいいさ/ コダーイ:アダージョ / モンティ:チャルダーシュ / マスネ/M.P.マルシック編曲:タイスの瞑想曲 ヤーノシュ・マーテー(Vn) ベンジャミン・ラヴィッツ=カステル(P) | ||
録音:2005年、ミュンヘン、ファラオ・スタジオ。ミュンヘン放送o.のリーダーで、名教師ガラミアンをはじめ、イダ・ヘンデルやアンドレ・ジェルトレルに師事したヤーノシュ・マーテーが、おなじみのヴァイオリン名曲の数々を弾いた一枚。ピアノは、マーテーとは30年来デュオを組むラヴィッツ=カステル。親しみやすい内容と、優秀録音のファラオによるセッション録音ということで、ヴァイオリン好きからオーディオファイルまで広くおすすめのアルバム。ヤーノシュ・マーテー:ブダペスト生まれのヴァイオリニスト。まず、フランツ・リスト音楽院でクラーラ・カーダールに師事したのち、ジュリアード音楽院でイヴァン・ガラミアンに師事。モントリオールでイダ・ヘンデル、ブリュッセル王立音楽院でアンドレ・ジェルトレルのマスタークラスを受講し、優秀な成績で修了する。リスト音楽院でのハンガリー国際コンクールや、ベルギーのアンリ・ヴュータン国際コンクールといった数多くのコンクールで第1位を獲得して、ヨーロッパ圏内のみならず、アメリカやアジアに及ぶ大規模なコンサート・ツアーの数々にその身を置きキャリアをスタート。ソロや室内楽の活動と並行して、1982年よりミュンヘン放送o. のリーダーも務める。1995年よりミュンヘン放送o. サロンo. の指揮者も務め、過去に来日公演も果たしている。 | ||
サラ・ルヴィオン〜フランスのフルート協奏曲集 ジョリヴェ:フルート協奏曲(1949)/リノスの歌(1944) ピエール=フィリップ・ボーザン (1933-2005): フルート協奏曲(1960) ルーセル:セレナーデ(1925) イベール:ソロ・フルートのための小品(1936) |
サラ・ルヴィオン(Fl) アリエル・ツッカーマン指揮 リヴラドワ祝祭アンサンブル | |
フランクフルト歌劇場の首席フルーティスト、サラ・ルヴィオン(フランス人)によるフランス近現代のフルートの魅力がたっぷり味わえる1枚。特にボーザンの曲が聴きもの。ボーザンは名ピアニストというだけでなく偉大なオルガニスト、作曲家でもあったそうで、サウンド・エンジニアとして O.R.T.F (フランス国立放送)で働いていたときにジャン・ピエール・ランパルに出会い、この曲を作曲&献呈した。これが唯一のCD録音。 | ||
ヴァルトラウト・マイヤー〜 R.シュトラウス&シューベルト R.シュトラウス: ツェツィーリエ Op.27-2/冬の霊感 Op.48-4/ 二人の秘密をなぜ隠すのか Op.19-4/ 明日の朝 Op.27-4/夜 Op.10-3/ とき放たれた心 Op.39-4/ 献呈 Op.10-1/四つの最後の歌 Op.150 シューベルト: 無限なるものに D.291/憂愁 D.825/ 鱒 D.550/糸を紡ぐグレートヒェン D.118/ 夜の曲 D.672/魔王 D.328 |
ヴァルトラウト・ マイヤー(Ms) ヨゼフ・ブラインル(P) | |
録音:2007年3月。 2007年10月にベルリン国立歌劇場と共に来日、イゾルデを歌ったワルトラウト・マイヤー。彼女はその直前に2回の歌曲リサイタルを行なったが、これはそのリサイタルの曲目とほぼ同じ内容のCD。シューベルトとシュトラウスの傑作ばかりを選り抜いて、円熟のマイヤーが奥深い世界を切り開いている。ことに四つの最後の歌は絶品! | ||
R.シュトラウス: ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18 プフィッツナー:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.27 |
マルクス・ヴォルフ(Vn) ユリアン・リーム(P) | |
録音:2005年7月、ミュンヘン、ファラオ・スタジオ。 ともに没年が1949年と重なるシュトラウスとプフィッツナーが遺した唯一のヴァイオリン・ソナタを収めたアルバム。初期の作品で最後の室内楽曲となったシュトラウスのソナタ。まだ古典的なスタイルに拠りながら交響詩をおもわせる室内楽ばなれしたスケール感で、かのハイフェッツが愛したことでも知られるもの。プフィッツナーは内省的な流れで音楽が進むなか、時おりのぞかせるロマンティックで甘美なひとこまがたまらない魅力。 官能的な美音を聴かせるヴォルフは1962年生まれ、1989年以降バイエルン国立歌劇場の第1首席コンサートマスターとして活躍している。使用楽器はバイエルン州立銀行から貸与された、1722年製アントニオ・ストラディヴァリ。 | ||
バッハ:マタイ受難曲 | マルクス・ウルマン (T;エヴァンゲリスト) クラウス・メルテンス (Br;イエス) アンナ・コロンディ(S) アンケ・フォンドゥング(A) ヴェルナー・ギュラ(T) ハンス=クリストフ・ベーゲマン(B) エーノホ・ツー・グッテンベルク指揮 クラング・フェアヴァルトゥングo. ノイボイレン合唱協会cho. テルツ少年cho. | |
ウルマン、メルテンス、ギュラら実力派を揃えた録音。エヴァンゲリストを伴奏する通奏低音にチェンバロを用いているのも興味深い。 DVD_AUDIO盤はサラウンド効果抜群で、大きな教会で聴いているような気分になれる。枚数が少なく価格は安い。DVD AUDIO盤はCDプレーヤーでは再生出来ません。ご注意下さい。 | ||
サヴァリッシュのピアノによる チェロ・ソナタ ブラームス:チェロ・ソナタ第2番へ長調Op.99(*) ベートーヴェン:チェロ・ソナタ [第3番 イ長調Op.69/第5番 ニ長調Op.102-2](#) |
フランツ・アマン(Vc) ヴォルフガング・ サヴァリッシュ(P) | |
録音:1986年(*)/1976年(#)。ソース:バイエルン放送。 1923年8月23日生まれのサヴァリッシュは2006年に引退したが、生地ミュンヘンのレーベルFaraoとOrfeoから、最近の体調不良が伝えられている。85歳の誕生日を前に 50代、60代の円熟しきったこのピアノを聴き、巨匠の健康回復を祈りたい。チェリストのアマンはバイエルン国立歌劇場で永くチェロのソリストを務め、サヴァリッシュの指揮でワーグナー、シュトラウス、ヴェルディ、モーツァルトを演奏してきたベテランで息もぴったり。 | ||
ミュンヘン・ホルントリオ ブラームス:ホルン三重奏曲 ホ長調 Op.40 / リゲティ:ヴァイオリンとホルンとピアノのための三重奏曲(1982) ケックラン:ピアノとヴァイオリンとホルンのための4つの小品 ミュンヘン・ホルントリオ[ヨハネス・ダングラー(Hr) マルクス・ヴォルフ(Vn) ユリアン・リーム(P)] | ||
録音:2008年、ミュンヘン。バイエルン国立o.でソロ・ホルン奏者を務める名手ヨハネス・ダングラーが、ブラームスの傑作を録音。ヴァイオリンは、アルバン・ベルク四重奏団でヴィオラを担当した(注:誤りだが代理店記載ママ。アルバン・ベルクSQとの共演アルバムがあるので、それを読み間違えた物と思われる)ヴォルフ、ピアノには若手実力派リームという豪華メンバー・トリオ。注目すべきは、ダングラーがこの作品を原曲の指定通りナチュラル・ホルンで演奏していること(他2曲ではホルンを使用)。多彩な音色と柔らかな表現に長けたナチュラル・ホルンを深く愛したというブラームス。ホルンよりもなお高い演奏技術を必要とするナチュラル・ホルンだが、それを感じさせぬダングラーの安定感抜群の演奏には流石の一言。透明感あふれる優しい音色によって奏でられる哀しくも美しい旋律に心揺さぶられる。ブラームス生誕150周年にオマージュ作品として作曲されたリゲティのトリオでは、名手達の超絶技巧を存分に堪能出来る。ケックランのトリオはブラームスの作品を思わせるロマンティックな旋律が美しい作品。ヴィルトゥオーゾ達の多彩な表現力に魅入られる名盤。ミュンヘン・ホルントリオはヨハネス・ダングラー、マルクス・ヴォルフ、ユリアン・リームからなるトリオ。ヴォルフとリームはシュトラウスのヴァイオリン・ソナタ(B-108034)でも共演したこともあり、今回も息の合ったアンサンブルを聴かせてくれる。1803年製のナチュラル・ホルンと1722年製のストラディヴァリウス、1862年製ベヒシュタインピアノが織りなすハーモニーは必聴の美しさ。 | ||
カーゲル:サクソフォン三重奏曲(2007) シューベルト:サクソフォン三重奏曲 (原曲:弦楽三重奏曲) [第1番 変ロ長調D.471 (1816)/ 第2番 変ロ長調D.581 (1817)] |
サックス・アレマンド [フランク・シュスラー(S-Sax) アーレント・ハシュテット(A-Sax) マルクス・マイヤー(Br-Sax)] | |
カーゲルの新作とシューベルトによる2つの弦楽三重奏曲(サクソフォン三重奏版)を『交互に演奏した』(上記曲目順も含め、代理店記載ママ)意欲作。 | ||
シューベルト:未完成ピアノ・ソナタ集 [ヘ短調D625/ハ長調D279/ホ短調D566/ ハ長調D840「レリーク」] |
ギッティ・ピルナー(P) | |
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」
藤村実穂子(Ms;フリッカ) ペーター・ザイフェルト(T;ジーグムント) ヴァルトラウト・マイアー(Ms;ジーグリンデ)ジョン・トムリンソン(B;ヴォータン) ガブリエーレ・シュナウト(S;ブリュンヒルデ) クルト・リドル(B;フンディング)他 ズービン・メータ指揮バイエルン国立歌劇場o. | ||
録音:2002年7月、ミュンヘン国立劇場。ライヴ。 BDオーディオ盤仕様: 5.0 DTS-HD MA 24/96kHz | 2.0LPCM 24/96kHz 。 これは強力なキャストを揃えた「ワルキューレ」が登場。メータの指揮にオーケストラが全力で応えている上、現代最高のワーグナー歌手達が集められている。さらに日本の誇るワーグナー・メゾ、藤村実穂子も参加。彼女はこの公演の直後にバイロイト・デビューも果たし、そちらでも絶賛を博した。また、録音も放送局音源ではなく、レーベルが独自に行なっており、ミュンヘン国立劇場の臨場感がたっぷり味わえる。 #DVD AUDIO盤、ブルーレイディスク・オーディオ盤は、共にCDプレーヤーでは再生出来ません。ご注意下さい。 | ||
シェーンベルク: 浄夜 Op.4(弦楽合奏版)(*) / 室内交響曲第1番 Op.9 (+) |
ズービン・メータ指揮 バイエルン国立o. | |
録音:2003年3月(*) /2003年4月(+)。24bit/96kHz。 ワーグナーやシュトラウスのオペラで聴かせる官能と潤いたっぷりの音色。弦が濃厚に織り成すさまがこの上なく艶めかしい浄夜。ロマンチックな香りを漂わせ、同じく創作初期の室内交響曲。両作品共メータ古くからの十八番曲だけに、メータ時代のバイエルン国立管の代表作と呼べる内容で、大迫力の音の洪水には圧倒される。音の良さが評判のファラオ・レーベルだけあって音質も優秀で、脱帽としか言いようのない演奏&録音と言える。オケも抜群に上手く、メータのトレーニング能力にも脱帽。 | ||
マーラー:交響曲第3番 ニ短調 | マリアーナ・リポフシェク(A) マルクス・ヴォルフ(Vn) クリスチャン・ベルト(ポストホルン) ズービン・メータ指揮 バイエルン国立o. ウィーン楽友協会女声cho. ウィーン少年cho. | |
録音:2004年9月16日、ウィーン、ムジークフェライン大ホール、ライヴ。SACD盤の仕様:[SACD層:5.0chサラウンド・ステレオ/CD層:2.0chステレオ]。 メータ指揮当曲、演奏時間の比較: バイエルン国立o.〔当盤:2004年〕 98'30"[I:33'09"/II:11'19/III:17'13"/IV:8'43"/V:4'04"/VI:24'42"] イスラエルpo.〔1992年〕 94'18"[I:32'02"/II:10'37"/III:16'52"/IV:8'30"/V:3'40"/VI:23'17"] ロサンジェルスpo.〔1978年〕 94'24"[I:32'29"/II:10'11"/III:16'28"/IV:9'08"/V:3'50"/VI:22'58"] メータ&バイエルン国立o.が行った2004年ヨーロッパ楽旅の棹尾を飾る最新ライヴ。この晴れの舞台にメータが用意したマーラーの第3番は、2005年秋の来日公演でも予定されるプログラム。メータにとって実に3度目の録音で、初のライヴ録音。過去2回に比べ全体で演奏時間が4分ほど長く、まさに当コンビの総決算的内容といえる会心の仕上がり。メンバー各人の意気込みも盛んで、たとえばフィナーレで高らかにこだまするティンパニ。ピリオドもモダンもオペラもすべてに最高の音色を聴かせるのは、ルツェルン祝祭管やマーラー室内管でも活躍中、当代の名手レイモンド・カーフス。最後の一音までカチッときめて、いつまでも忘れ難い余韻を残す。そして世界有数の音楽ホール、ムジークフェラインザールの響きをとらえるのが、「ワルキューレ」でオーディオ・ファイルに絶大な信頼を獲得したファラオのスタッフ。リファレンスにふさわしい優秀録音である。 | ||
モーツァルト:レクイエム | アンナ・コロンディ(S) ゲルヒルト・ロンベルガー(Ms) イェルク・デュルミュラー(T) ヨッヒェン・クプファー(B) エノッホ・ツー・グッテンベルク指揮 クラング・フェアヴァルトゥングo. ノイボイエルン合唱協会 | |
録音:2005年10月。 バッハ「マタイ受難曲」で高い評価を得た、グッテンベルクとクラング・フェアヴァルトゥングo.によるFARAO録音、第2弾はモーツァルトのレクイエム。このレクイエムは、ピリオド楽器を使用して、アンサンブルも強固、そして積極的に個性的な表現も取り入れていれながらも、心のこもった優しさと、人肌のぬくもりが常に宿っていて、安心して身を委ねられる包容力の感じられる大変に優れた演奏。ノイボイエルンの合唱も大変充実。モーツァルトのレクイエムは星の数ほどCDがあるが、その中にあっても存在意義の大きい演奏だろう。ジュースマイアー版を使用。SACD hybridでの発売。 | ||
サヴァリッシュ&バイエルン国立管 20周年記念 ワーグナー: ヴェーゼンドンク歌曲集(*)/ ジークフリート牧歌(#) |
マルヤーナ・リポヴシェク(A;*) ヴォルフガング・サヴァリッシュ(P;*)指揮(#) バイエルン国立o.団員(#) | |
録音:1991年5月4日、ノイシュヴァンシュタイン城、ゼンガーザール、ライヴ。バイエルン放送による収録。 ジークフリート牧歌でヴァイオリンによる調べが優しく開始されると、もうそこは別世界。眼前の総勢13 人の奏者による親密な掛け合いに耳を澄ませば、まるで初演の朝のワーグナー邸にタイムスリップしたかのよう。地元ミュンヘン生まれのサヴァリッシュは1971年より2 年間に渡りバイエルン国立歌劇場の総音楽監督を務た。この間“ワーグナー演奏の本場”における総決算的な仕事として、リング全曲の映像作品(1989年)を残し高い評価を得ているが、ここでもじつに共感いっぱいの眼差しでワーグナーの官能美に満ちた世界を描き上げている。プログラム前半は会場となった“歌の間”にふさわしく、リポヴシェクの表情も豊かで深深とした歌唱で聴くヴェーゼンドンク歌曲集。もちろん名手サヴァリッシュのピアノが見事なのはいうまでもない。サヴァリッシュによるワーグナーのふたつのライヴは、ワーグナーの庇護者バイエルン王ルートヴィヒ2世が築いたノイシュヴァンシュタイン城という、ゆかりある場所で行われたことも大きなポイント。ともに拍手入りながら、録音も優秀。 | ||
ブルックナー: 交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」 (1887/89年、第3稿) |
エノッホ・ツー・ グッテンベルク指揮 クラング・フェアヴァルトゥングo. | |
録音:2007年4月25日、26日、ウィーン、ムジークフェライン大ホール、ライヴ。 その豊かな響きから「黄金のホール」と呼ばれるウィーンのムジークフェラインザール。この音楽の殿堂において、手兵クラング・フェアヴァルトゥング管が結成10周年をむかえた2007年の4月、グッテンベルクは2日間にわたりブルックナーの「ロマンティック」を演奏している。 その模様を収めた当アルバム。使用楽譜に近年再評価のきざしがみられるレーヴェ改訂版を採用している点とならんで、特徴的なのがヴァイオリンを舞台上両翼に、また管楽器群の背後に6本のコントラバスを一列に並べるという楽器配置。弦楽と金管、木管のバランスも絶妙で、響きはけっして重くなりすぎず、みずみずしさと透明感を保持しているのがなによりの魅力となっている。ちなみに、同オケはちょうどルツェルン祝祭管の例を思わせるように、BPO、ミュンヘン・フィル、バイエルン国立歌劇場、シュトゥットガルト州立歌劇場ほかドイツ有数の団体から、いずれもグッテンベルクの音楽に惚れ込んで集ったメンバーばかり。さらに、ムジークフェラインという桧舞台もあってのことだろうか。演奏にかける意気込みの高さは半端じゃない。リファレンスにふさわしいとびきりの優秀録音。拍手入り。 | ||
メータ&バイエルン放響 マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調 |
アンドレアス・エットゥル (Tpソロ) ズービン・メータ指揮 バイエルン国立o. | |
録音:2008年12月15日、16日、バイエルン国立歌劇場、ライヴ。 1936年生まれの巨匠メータが1998年より2006年まで音楽監督を務め、現名誉指揮者のポストにある手兵バイエルン国立o.。ワーグナーの「ワルキューレ」(B-108040)をはじめ、当コンビの録音をリリースしてきたFARAOの最新アルバムは、巨匠が会心のプログラムで古巣に復帰を果たした2008年12月の最新ライヴ。 メータは当曲を1976年にロサンゼルス・フィルとセッション録音、1989年にNYPとセッション録音しており、その時々の音楽監督時代を特徴づけるものとして強く記憶されているが、このたびのライヴは、2004年の第3交響曲ライヴ(S-108047)でもたいへん感動的な内容を聞かせていただけにおおいに期待されるところ。さらにSACDハイブリッド仕様で、オーディオ・ファイル納得の優秀録音というのもポイントといえるだろう。 | ||
ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス ニ長調 Op.123
ズザーネ・ベルンハルト(S) アンケ・フォンドゥンク(A) パヴォル・ブレスリク(T) ヨルック・フェリックス・スペール(B) エノッホ・ツー・グッテンベルク指揮クラング・フェアヴァルトゥングo.&室内cho. | ||
録音:2009年3月7日、ミュンヘン、レジデンス、ヘルクレスザール、ライヴ。ブルーレイもオーディオ・トラックのみなのでご注意下さい。また当『ブルーレイ・ピュア・オーディオ』(ブルーレイ・(オーディオ・)ディスク)の再生必要環境は、代理店の案内には記載されておりません。 とびきりの優秀録音でオーディオ・ファンを喜ばせてきた FARAO がブルーレイ・ピュア・オーディオへついに参入。記念すべき第1弾に選ばれたのは、グッテンベルクによるベートーヴェンの荘厳ミサ曲というプログラム。 「ミサ・ソレムニスはわたしの最大の作品である」作曲者自身が絶対の自信をもって書簡のなかで幾度となく述べているとおり、第九交響曲と並び大規模な編成を要するこの曲は、長大で重厚、絢爛にして崇高さをも備えたベートーヴェン畢生の一作として、あまりにも有名。 「芸術はかならずなにか伝えるべきものがなくてはならない」との固い信条のもと、グッテンベルクは、これまでにブラームスのドイツ・レクィエム(B-108006)、J.S.バッハのマタイ受難曲(B-108035)など大規模な声楽作品を発表してきたが、その熱い思いはベートーヴェンに通じるものがあるのだろう、ここでの白熱ぶりには目を見張るものがある。 音響にすぐれているヘラクレスザールでの収録もまた、このアルバムのポイントとなっており、大迫力のコーラス&打楽器に、ソリストによるみずみずしいアンサンブルが、録音のすばらしさによって、たちどころに実感されることだろう。 | ||
ハイドン:オラトリオ「四季」 | エノッホ・ツー・ グッテンベルク指揮 クラング・フェアヴァルトゥング管 ノイボイエルン合唱協会 ラインハルト・フォーゲル (Cemb) ミリアム・マイアー(S) ジェイムズ・テイラー(T) ラルフ・ルーカス(B) | |
制作:2005年、バイエルン放送局。DTS/PCM stereo、16:9/NTSC、All regions、167 '37、字幕:独・英。 1748年に開場したこのバイロイト辺境伯劇場はドイツに現存する最も古い劇場でその豪華な内装で有名。当時最高の建築家の一人ジュゼッペ・ガッリ・ビビエーナが息子カルロとともに作り上げた内装は2世紀半余りを経た今も黄金に輝いている。このDVDは演奏ももちろん見事だがこの劇場の豪華な内装もたっぷり鑑賞できるのがうれしいところ。 | ||
ハイドン:オラトリオ「四季」 ・ボーナスCD(CDヴァージョンのみに付属):指揮者グッテンベルクによる各季節の解説(*) [春:10分/夏:7分/秋、冬:各8分前後] ミリアム・マイアー(S) ジェイムズ・テイラー(T) ラルフ・ルーカス(B) エノッホ・ツー・グッテンベルク指揮クラング・フェアヴァルトゥングo.、 ノイボイエルン合唱協会 ラインハルト・フォーゲル(Cemb/P;*) | ||
制作:2005年、バイエルン放送局。先にご案内したDVD映像(D-108055)のCDヴァージョン。 | ||
アンナ・マリコワ〜 チャイコフスキー/プレトニョフ編曲: 「眠りの森の美女」組曲 Op.66(全11曲)/ 「くるみ割り人形」組曲 Op.71(全7曲) チャイコフスキー:子供のアルバムOp.39(全24曲) |
アンナ・マリコワ(P) | |
録音:2009年8月。 たびたび来日しておなじみのアンナ・マリコワ。レフ・ナウモフ門下で1990年ショパン・コンクール第5位、93年ミュンヘン国際コンクール優勝の実力派。日本でもコンサートで披露して問い合わせの多かったチャイコフスキーの「眠りの森の美女」と「くるみ割り人形」がついに登場。どちらもあのプレトニョフの編曲によるピアノ独奏版で、原曲の必要な音はすべて拾っているため、音楽の親しみやすさに比べ、演奏するのは非常な難曲。マリコワは余裕の技巧で再現、ピアノからフル・オケの迫力と色彩を引き出している。フィル・アップの「子供のアルバム」は一見教材用の作品だが、チャイコフスキーのスケッチ帳的なもので、ここから「くるみ割り人形」「白鳥の湖」、各種オペラに素材が使われた。「眠りの森の美女」「くるみ割り人形」と並べることでバレエ的要素をさらに実感することが出来る。 | ||
メンデルスゾーン:カンタータ「最初のワルプルギスの夜」 Op.60 ブラームス:哀悼の歌 Op.82 / シューマン:王の息子 Op.116 ジモーネ・シュレーダー(A) ブルクハルト・フリッツ(T) デトレフ・ロート(Br) フランツ=ヨゼフ・ゼーリヒ(B) ケント・ナガノ指揮バイエルン国立o.、アウディ青年合唱アカデミー | ||
録音:2010年5月30日、ミュンヘン、ライヴ。バイエルン国立歌劇場音楽監督のケント・ナガノが、歌劇場のオーケストラであるバイエルン国立o.を指揮してメンデルスゾーン、ブラームス、シューマンの合唱曲を録音した。メインはメンデルスゾーンの「最初のワルプルギスの夜」。原作はゲーテのバラード。少年時にゲーテと知り合ったメンデルスゾーンは、同名のゲーテのバラードを 1831年にカンタータとして作曲、さらに十年以上経ってから改訂して完成させている。メンデルスゾーンならではの語り口の上手い音楽なが、「パウル」や「エリア」ほど知名度が高くない。今回のナガノの演奏では、ジモーネ・シュレーダー、ブルクハルト・フリッツ、デトレフ・ロート、フランツ=ヨゼフ・ゼーリヒと、ワーグナーなどで活躍する優れた歌手を四人起用し、作品の醍醐味をたっぷり味あわせてくれる。カップリングに、ブラームスの渋い「哀悼の歌」と、シューマンの「王の息子」を収録。合唱のアウディ青年合唱アカデミーは、2007年創立で、16歳から 27歳までの若く才能のある歌手による団体。 | ||
ケント・ナガノ&バイエルン州立管 シューマン:4本のホルンと大管弦楽のための コンツェルトシュトゥック ヘ長調 Op.86 ワーグナー:ジークフリート牧歌 R.シュトラウス:メタモルフォーゼン |
ヨハネス・デングラー、 フランツ・ドラクシンガー、 ライナー・シュミッツ、 マクシミリアン・ホッホヴィマー(Hr) ケント・ナガノ指揮 バイエルン州立o. | |
録音:2008年11月、ミュンヘン、ファラオ・スタジオ。2006/07年のシーズンよりバイエルン州立歌劇場音楽監督を務め、これまでに意欲的なオペラ上演や斬新なコンサート・プログラムでめざましい成果を上げてきたケント・ナガノ。FARAOの当アルバムは、同じ顔ぶれによる「ブルックナーの第7交響曲」やFARAOの前作「メンデルスゾーン、ブラームスとシューマンの声楽曲」のライヴ録音盤の2年前、2008年にミュンヘンのスタジオでセッションを組んでレコーディングされたもので、楽団が伝統的に得意としてきたシューマン、ワーグナーそしてシュトラウスの管弦楽作品を取り上げた内容となっている。アルバムの構成は、強力なホルン・セクションの雄叫びも高らかに、シューマンの「コンツェルトシュトゥック」で幕を開けたあと、幸福感で満ち足りたワーグナーの「ジークフリート牧歌」がつづき、シュトラウスの「メタモルフォーゼン」で消え入るように閉じられるという物。ここでも理知的な語り口と情報量のゆたかさで評価の高いナガノのアプローチは冴えていて、とりわけワーグナーとシュトラウスで遺憾無く威力を発揮。すべての楽器が対等に主張する室内楽的な響きが確保されている。ナガノの要求に応えるオーケストラの側も、日常的にワーグナーやシュトラウスのオペラを演奏していることからくる安定感と作品へのたしかな適性があきらかで、ちょっとしたフレーズにも絶妙なニュアンスがあふれている。古くは17世紀にその起源を遡るドイツ屈指の名門に、あたらしい息吹を送り込んだナガノ。伝統と革新の融合を感じさせるアルバムと言えるだろう。 | ||
アンリ・トマジ(1901-1971):コルシカ喜遊曲(1952)/オーボエ協奏曲(1959)/ ファゴット協奏曲(1961)/クラリネット協奏曲(1957) ハンブルク木管三重奏団 [ルパート・ヴァフター(Cl) クリスティアン・クナート(Fg) ニコラ・ティエボー(Ob)] オリヴィエ・タルディ指揮ジャーマン・ストリングス | ||
録音:2010年8月、サンタマン=ロシュ=サヴィーヌ(フランス)。コルシカの血をひく作曲家トマジは2011年が生誕110年、歿後40年にあたる。彼の管楽作品は重要なレパートリーだが、ハンブルク国立フィルの首席奏者で結成された名人集団ハンブルク木管三重奏団の妙技で聴ける大歓迎のアルバムが登場。いずれも活気とエネルギーに満ちた異常なまでのボルテージの高さが特徴。舌を巻く巧さと色彩感あふれる音楽、いずれも魅力的。 | ||
モーツァルト:セレナード 〔第10番 変ロ長調「大組曲」K.361 (370a) (*) /第12番 ハ短調「夜曲」K.388 (384a) (#) 〕 クランクフェアヴァルトゥンク管楽ゾリステン | ||
録音:2008年1月27日、黄金の間、アウクスブルク市庁舎、ドイツ(*) /2009年9月11日-12日、プラハ市民会館(#)。1997年に設立されたクランクフェアヴァルトゥンクo.の管楽器奏者達によって結成され、J.S.バッハからブルックナーにいたるまで幅広いレパートリーを持つアンサンブル団体による『2006年のモーツァルト生誕250年を記念したコンサートで演奏、好評を博した』(注:上記録音年と符合しないが、『内』代理店記載ママ)2つのセレナードを収録。「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」や「ハフナー」など多くのセレナードで知られるモーツァルトだが、今回収録された第10番「大組曲」は彼が作曲した中でも屈指の大編成で書かれたセレナード。7楽章構成からなり、演奏時間も50分に及ぶ大作。本CDではオーボエ2本、ホルン4本、ファゴット2本、コントラバス1台、そしてバセットホルンの代わりにクラリネット2本を用いた編成による演奏となる。音量ではなく、分厚い管楽器のハーモニーに包みこまれる名作。全体的にゆったりとした雰囲気を持つ第10番に比べ、セレナード第12番「夜曲」は軽やかなテンポと繊細な短調の旋律が美しい作品。作品の随所に施された気品あふれる装飾が、木管の薫り高い響きを引き立てる。 | ||
メンデルスゾーン:忘れられた歌曲集 鎌が音をたて、麦穂が落ちる/あなたを思う/私は夜に包まれ/孤独な涙は何を望むという?/優しく柔らかなまどろみ/ 泡立つ流れが流れ落ち/さらに進め、休みなく、息をつかず/かわいらしい花が/いつでもここからあそこへと/ さようなら、愛する人、泣かないでくれ/私は天高くにおられる神に感謝する/可愛い人よ、僕らは一緒に座っていた/ 私は暗い国へと馬を駆る/ああ、君のもとへと飛んで行けたら/ある娘を覚えている/なぜばらがこんなに青ざめて/ ピアノ作品集(*)無言歌〔変ホ長調 Op.30 No.1/イ長調 Op.53 No.6/ト長調 Op.62 No.1/イ短調 Op.85-2〕/ 性格的な小品 ホ短調 Op.7 No.1/他 クラウス・メルテンス(Br;*以外) ギッティ・ピルナー(P) | ||
録音:2010年1月、プラネッグ。メンデルスゾーンの作品中、何らかの事情であまり知られていない歌曲を多く収録。また有名な無言歌などを添えているのも特徴。ドイツのベテランのバス=バリトンとして知られるクラウス・メルテンスが、ミュンヘン音楽・劇場高等学院の教授として高名なギッティ・ピルナーの伴奏で、味わい深い歌唱を聞かせてくれる。 | ||
地には平和を〜無伴奏合唱作品集 シュッツ:御恵み深く我らに平安を与えたまえ SWV.372 /我らの君 SWV.373 メンデルスゾーン:詩篇第2番「何故、異邦人は騒ぎ立ち」Op.78 No.1 トマス・イェンネフェルト(1954-):子守歌/悲歌 / ラヴェル:楽園のきれいな3羽の鳥 ヴォルフラム・ブーヘンベルク(1962-):Als vil in gote ジョスカン・デプレ:ミサ「平安を与えたまえ」〜アニュス・デイ / シェーンベルク:地には平和を Op.13 クヌート・ニーステット(1915-):Peace I leave with you, Op.43 No.2 マルティン・シュタイドラー指揮フォルンバッハ・ハインリヒ・シュッツ・アンサンブル | ||
録音:2011年2月-3月、キリスト教会、バート・フュッシング。人類の営みと不可分の「戦争と平和」。宗教的にも世俗的にも、人生に与える影響はたいへん大きく、その側面に音楽でアプローチするには、生の感情をダイレクトに表現できるアカペラという手段がふさわしいというコンセプトのもと、タイトル曲のシェーンベルク作品ほか、ジョスカン・デプレから、20世紀スウェーデンのイェンネフェルト、ドイツのブーヘンベルクやノルウェーのニーステットに至る無伴奏合唱作品を集めたのがこのアルバム。マルティン・シュタイドラー率いるハインリヒ・シュッツ・アンサンブルは、1993年に低地バイエルン地方にあるフォルンバッハで結成された合唱団。これまでにルネサンスから現代までの主要なアカペラ曲と声楽作品を取り上げ、ミュンヘン放送o.をはじめ、実演で多くのオーケストラと共演を果たしている。また、2004年にイタリアのリーヴァ・デル・ガルダで開催された国際合唱コンテストで金賞を獲得しているほか、2007年オーストリアのシュピッタール国際合唱コンテストで芸術歌曲部門第1位とフォークソング部門第3位、2008年E.ONバイエルン文化賞、2010年アイルランドのコーク国際合唱音楽祭で第1位など、数多くの入賞歴がある。実力と士気の高さがうかがえる演奏内容は、栄えあるキャリアを裏付けるものとなっている。 | ||
Pentanemos Bläserquintett タファネル(1844-1908):管楽器のための五重奏曲 トマジ(1901-1971):5つの世俗的舞曲と宗教的舞曲 ミヨー(1892-1974):組曲「ルネ王の炉辺」(全7曲) レムケ(1976):シャンティーのロンド風の曖昧な素描集(*) ベリオ(1925-2003):作品番号第獣番 [Opus Number Zoo] ペンタネモス管楽五重奏団 | ||
録音:2011年9月、ゼースハウプト、ドイツ。(*)は世界初録音。2004年の結成以来数多くの受賞歴を誇る注目の実力派集団、ペンタネモス管楽五重奏団によるファーストCDは、フランスの現代音楽作品。トマジやミヨー、ベリル(代理店記載ママ)といったフランス20世紀を代表する作曲家のメジャーな作品から、世界初録音となるレムケの小品集までを収録した希少なプログラムが魅力のCD。レムケの小品はぼんやりとした曖昧なサウンドを表現するために管楽器の様々な奏法が効果的に用いられた技巧的作品。息を強く吹き込む音や抜ける音が、ぼんやりと煙がかった情景を思わせる。一方、ミヨーの組曲「ルネ王の炉辺」では、ドビュッシーやラヴェルを思わせる優しい旋律の数々にうっとり。無調性の技巧的作品から柔らかな響きあふれる伝統的作品まで、20世紀フランス管楽五重奏の多彩な響きを隅々まで堪能できる1枚と言えるだろう。 ペンタネモス管楽五重奏団は2004年に設立された新進気鋭のアンサンブル団体。BPOやアウクスブルクo.、バイエルン国立o.など、世界に誇る名門オーケストラに所属する名手達からなる実力派集団。モーツァルトやハイドンなどの古典作品だけでなく現代音楽分野にも積極的な演奏活動を行っており、今後ますますの活躍に注目される。 | ||
エルマンノ・ヴォルフ=フェラーリ(1876-1948): ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.26(1943年夏完成、1944年1月ミュンヘンにてブスターボ初演)/ 歌劇序曲集〔イル・カンピエッロ/詮索好きな女たち/恋は医者/4人の田舎者〕 ボーナスDVD; インタビュー映像 ベンヤミン・シュミット(Vn) フリードリヒ・ハイダー指揮オビエドpo. | ||
録音:2009年、2010年、プリンシペ・フェリペ公会堂、スペイン。2007年の来日公演でも話題を集めたフリードリヒ・ハイダー&オビエド・フィラルモニアが、父譲りのドイツ的な芸術感覚を持ちながら、生まれ故郷ヴェネツィアの響きを深く愛し、生涯を調性音楽に捧げ、モーツァルトの影響も垣間見せるオペラ・ブッファ的な喜歌劇で知られている20世紀のメロディ・メーカー、ヴォルフ=フェラーリの作品集を上梓、インタビュー映像を収録したボーナスDVD付の豪華盤。ヴァイオリン・ソロは、ウィーンが誇る名手ベンヤミン・シュミット。多くの聴衆を唸らせてきた気品あふれる優雅な音運びと甘美な高音が素晴らしく、ヴォルフ=フェッラーリの華麗な音楽空間を見事に描出している。DVDで、ハイダーはヴァイオリン協奏曲について詳しく語っており、この曲が作曲された背景を語るとともに、音楽家ヴォルフ=フェラーリの全貌についても言及している。この協奏曲を献呈された女流ヴァイオリニストで「ズボンをはいたパガニーニ」と呼ばれたG.ブスターボとの深い関係や、激動の時代下で苦心した公演活動についてなど、曲を聴くだけでは分からない興味深い内容をたっぷりと収録。90ページ超のカラー・ブックレット(独・英)には当時を思わせる希少な写真も多く挿入されており、聴いてよし、見てよしのアルバムとなっている。 | ||
ヴェルディ:歌劇「椿姫」 | アニャ・ハルテロス(S;ヴィオレッタ) ピョートル・ベチャーラ (T;アルフレード・ジェルモン) パオロ・ガヴァネッリ (Br;ジョルジョ・ジェルモン) ヘレナ・ユングヴィルト (Ms;アンニーナ) ケヴィン・コナーズ(T;ガストン)/他 ズービン・メータ指揮 バイエルン国立o.、 バイエルン国立歌劇場cho. | |
録音:2006年3月、バイエルン国立歌劇場、ライヴ。 FARAO から久々にバイエルン国立歌劇場のライヴ、しかもヴェルディの名作「トラヴィアータ」! ヴィオレッタを歌うのは、いまやバイエルン国立歌劇場の若きプリマドンナとしてバロックからワーグナーまで幅広い活躍をする、アニャ・ハルテロス。日本でも2005年、新国立劇場の「マイスタージンガー」でエファ役に出演、大喝采を博したのでご記憶の方も多いであろう。アルフレードを歌うのはピョートル・ベチャーラ、ポーランド出身で、甘い美声で今猛烈に人気急上昇のテノールである。ジェルモンはベテランのイタリア人バリトン、パオロ・ガヴァネッリ。そして脇はいつも通りバイエルンの常連たちがしっかり固め、メータ指揮のバイエルンのオーケストラがサポート。大ベテラン勢ぞろいの「トラヴィアータ」も良いが、こうした劇場の未来を支える若い歌手が活躍するライヴもまた面白い。観客が温かい拍手を送って支えているのもまた良し。 | ||
ア・カペラ〜ロマン派の合唱音楽 メンデルスゾーン(1809-1847):全地よ、主に向かって喜びの声をあげよ(詩編100番) (*) ブラームス(1833-1897):何ゆえ悩む者に光が与えられたのか(#)/神よ、わがために清き心をつくれ(#) ブルックナー(18824-1896):アヴェ・マリア(*) /われらがためキリストは死のもとに(#) / この場所を作りたもうたのは神である(#)/正しき者の唇は知恵を語る(*)/王の旗は翻る(#)/エサイの枝は芽を出し(#) ヨゼフ・G.ラインベルガー(1839-1901):夕べの歌(*) マルティン・シュタイトラー指揮(#) ナタリヤ・ルキーナ指揮(*) アウディ青年合唱アカデミー | ||
録音:2011年10月、2012年6月、ドイツ。アウディ青年合唱アカデミーは、ドイツが誇るアウディ社が文化支援の一環として2007年に設立した若者のための合唱アカデミー。参加(応募)資格は16歳から27歳まで、厳正なる審査を経て合唱団の一員となることが出来る。これまでに指揮者ケント・ナガノと「メンデルスゾーン:最初のワルプルギスの夜」(B-108059)で共演を果たすなど、現在、世界で最も注目される青年合唱団のひとつにまで成長した。今回は、母国ドイツ・ロマン派を代表する4人の作曲家たち―メンデルスゾーン、ブラームス、ブルックナー、ラインベルガー―のア・カペラ(無伴奏)名曲の数々に挑戦した。総勢100名を超える大規模な編成での演奏は圧巻で、とても若々しくエネルギーに満ちている。芸術監督であるマーティン・シュタイトラーの指揮に加え、シュタイトラーのアシスタントを務めるウクライナ出身の女性指揮者、ナタリヤ・ルキーナによるいくつかの演奏もやわらかな響きが非常に魅力的。 | ||
ミュンヘン・オペラ・ホルン〜 Fan Faire カール・シュティーグラー:ローエングリン・ファンタジー J.S.バッハ/フランツ・カネフツキー編曲:カンタータ「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」BWV61 ジョヴァンニ・ガブリエリ/ヴァーン・レイノルズ編曲:第2旋法による8声のカンツォーナ J.S.バッハ/フランツ・カネフツキー編曲:カンタータ「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」BWV140 ミロスラフ・スルンカ: Fan Faire J.S.バッハ/フランツ・カネフツキー編曲:カンタータ「装いせよ、わが魂よ」BWV180 ヴェルディ/フランツ・カネフツキー編曲:歌劇「アイーダ」よる凱旋行進曲とバレエ音楽 ピアソラ/セバスティアン・サジェ編曲:忘却 ミュンヘン・オペラ・ホルン(バイエルン州立o. のホルン奏者たち) [ヨハネス・デングラー、フランツ・ドラクシンガー、ライナー・シュミッツ、ミレーナ・ヴィオッティ、 ウルフラム・ジロテック、マクシリミアン・ホッシュヴィマー、クリスティアン・ロファラー、 シュテファン・ベーニング、ケイシー・リッポン] | ||
録音:2012年4月、クンストラーハウス、ミュンヘン。このアルバムではバラエティに富んだ曲目でホルンの多様性を大いに楽しめる。ホルン奏者カール・シュティーグラーによる「ローエングリン・ファンタジー」は、ワーグナーの歌劇「ローエングリン」の美しい旋律をすべての調性を登場させたメドレー方式で、ホルンの魅力を最も楽しめる作品。ピアソラの有名曲「忘却」では、バンドネオン風の音色で哀愁たっぷりに聴かせる。フランツ・カネフツキーが編曲したバッハのカンタータは3曲収録されており、ホルンのやわらかい音色に焦点を当てた編曲で、作品の神聖さを表している。そしてホルンの最も華やかな音色を生かしたヴェルディの「アイーダ」、チェコの現代作曲家ミロスラフ・スルンカの「Fan Faire」では、“華麗なるホルン吹き "と呼ばれるように、クォータートーンを用いた、あらゆる特殊な演奏技法を取り入れた、技巧的な作品となっている。シューマンはホルンという楽器について「オーケストラの魂である」と評し、ミロスラフ・スルンカは、「ホルンはオーケストラの金管楽器の中でも特殊な存在で特段魅力的である」とい言っており、このミュンヘン・オペラ・ホルンの演奏を聴くと彼らの言葉に賛同したくなることだろう。 | ||
/ATOSTRIO/ シャミナード:三重奏曲第2番 イ短調 Op.34 / フランセ:ピアノ三重奏曲(1986) ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ト長調(4楽章) リリ・ブーランジェ(1893-1913):ピアノ三重奏曲のための「ある春の朝に」 アトス三重奏団[アンネッテ・フォン・ヘーン(Vn) シュテファン・ハイネマイヤー(Vc) トーマス・ホッペ(P)] | ||
2013年で結成10年目を迎えるアトス三重奏団による近現代フランスのトリオ作品。2005年より様々なリリースを行ってきた彼らだが、フランスものアルバムは今回が初めて。アンサンブルの安定感はさすがの一言で、何よりも好ましいのがその響きの厚み。シュテファン・ハイネマイヤーの味わい深い重みを持ったチェロの音色がアンサンブル全体の響きをぐっと落ち着かせ、アトス三重奏団の紅一点、アンネッテ・フォン・ヘーンのヴァイオリンが上品な華やかさでアンサンブルに彩りを与えている。最もベテランのトーマス・ホッペは、I.パールマンやJ.ベルら巨匠たちの伴奏を務めるピアニストとしても専ら知られているが、当団においてはその流麗な音運びを前面に押し出し、アンサンブルを見事にまとめあげている。プログラムの希少性もこのアルバムの魅力のひとつ。ドビュッシーの甘美な音の色彩から、シャミナードの情熱的な音世界、一転ジャジーな雰囲気漂うフランセの音楽まで、多彩なフレンチ・サウンドを見事に魅せきった演奏に要注目。 | ||
ナガノ&バイエルン州立管〜ブルックナー:交響曲集 〔第4番 変ホ長調 WAB104「ロマンティック」(1874年第1稿)(*) / 第7番 ホ長調 WAB107 (#) /第8番 ハ短調 WAB108 (1887年第1稿)(+) 〕 ケント・ナガノ指揮バイエルン国立〔州立〕o. | ||
録音:2007年(*)、2009年(+)、ファラオ・スタジオ、ミュンヘン、セッション(*/+) /2010年、ヘント大聖堂、ベルギー、ライヴ(#)。
前出: SONY CLASSICAL, 88697-36881-2, 88697-90945-2(#), 88697-90947-2 (+; アナウンスされたものの、発売中止) 。プロデューサー:フェリクス・ガーゲルレ、編集:アンドレアス・ツェンメラー。 2006年からバイエルン国立歌劇場音楽監督に就任し、2013年7月に7年間務めた地位を退任するケント・ナガノの集大成ともいえるアルバム。特別な思い入れのあるブルックナーは、仏ハルモニア・ムンディからリリースされたベルリン・ドイツ響との第3番(廃盤)、第6番(HMA-1951901)があり、いずれも高く評価された。そして手兵バイエルン国立管と第4番、第7番がSONY CLASSICALから発売され、洗練された壮麗なブルックナーの音楽世界が、驚くほど鮮やかに描き出されていた。今回発売されるのは、FARAO CLASSICS のプロデューサー、フェリクス・ガーゲルレ氏によって録音された初リリースとなる第8番の単売と、同じくFARAO CLASSICSが録音したSONY CLASSICALから発売された第4番と第7番、そして第8番のセット。高音質で定評のあるFARAOが録音を手掛け、細部までこだわった充実のセッション録音に加え、ベルギーのゲントのカテドラルで行われた7番の録音は教会ならではの美しい残響と自然な空気感が絶品。BOXセットはブルーレイ・オーディオ・ヴァージョンも発売され、その超優秀録音を十二分に体感することが出来るようになっている。初リリースとなる第8番では、作曲当初「演奏不可能」とされた1887年初稿を使用。ブルックナーは、周知の通りワーグナーに傾倒しており、そのワーグナーの作品を多くの巨匠たちと名演を繰り広げてきたバイエルン国立管の、これぞブルックナーという深々とした厚みのある響き、そしてケント・ナガノの比類なき見事な構築力で、第1稿の決定盤とも言える演奏となっている。 #ブルーレイオーディオ盤は、再生に対応機器が必要ですのでご注意下さい。 | ||
ナガノ&バイエルン州立管〜ブルックナー: 交響曲第8番 ハ短調 WAB108 (1887年第1稿) |
ケント・ナガノ指揮 バイエルン国立〔州立〕o. | |
録音:2009年、ファラオ・スタジオ、ミュンヘン、セッション。プロデューサー:フェリクス・ガーゲルレ、編集:アンドレアス・ツェンメラー。 2011年に SONY CLASSICAL から88697-90947-2という品番でアナウンスされたものの、延期未定(=発売中止)となっていた演奏。 | ||
リヒャルト・シュトラウス: チェロとピアノのためのソナタ ヘ長調 Op.6 /ロマンス ヘ長調 AV75 メンデルスゾーン:チェロとピアノのためのソナタ第2番 ニ長調 Op.58 ラファエラ・グロメス(Vc) ユリアン・リーム(P) | ||
録音:2012年5月、ガルミッシュ=パルテンキルヒェン、リヒャルト・シュトラウス・フェスティヴァル・コンクール、優勝者コンサート、ライヴ。リヒャルト・シュトラウスが、死去するまで40年間を過ごした年でで開催される音楽祭、2014年は生誕150年ということで盛大な音楽祭が開催される。同音楽祭では若手奏者のためのコンクールも開催されており、2012年のチェロ部門の覇者が1991年ミュンヘン生まれ、14歳のときにグルダのチェロ協奏曲で演奏会デビュー、ライプツィヒ音楽院で4年間学び、2010年からミュンヘンでウェン・シン・ヤンに師事しているラファエラ・グロメスだった。若きシュトラウスが作曲した唯一のチェロ・ソナタにカップリングされているロマンスは、もともとチェロと管弦楽のために書かれた作品だが、現在はチェロとピアノで演奏されることが多い。 | ||
ヘンデル:歌劇「アルチーナ」 | アニャ・ハルテロス (S;アルチーナ) ヴェッセリーナ・ カサロヴァ (Ms;ルッジェーロ) ヴェロニカ・カンヘミ (S;モルガーナ) ソーニャ・プリーナ (Ms;ブラダマンテ) ジョン・マーク・ エインズリー (T;オロンテ) クリストファー・ パーヴィス (B;メリッソ) デボラ・ヨーク (S;オベルト) アイヴァー・ボルトン指揮 バイエルン国立o. | |
録音:2005年7月、プリンツレゲント劇場。 2005年の秋にバイエルン国立歌劇場が来日した時、FARAO CLASSICSのスタッフが自信たっぷりに「この間のヘンデルは素晴らしかったぞ!録音したから、リリースをお楽しみに!」と言っていたもの。それもそのはず、7人のソリスト全員がまあ豪華なこと!男装メゾ役には何とカサロヴァ!タイトルロールには、ミュンヘンで絶大な人気を誇る若き歌姫、ハルテロス。アルチーナの妹、モルガーナにはベテラン古楽ソプラノ、カンヘミ。男装する女性役、ブラダマンテには、やはりベテラン古楽メゾのプリーナ。さらに脇役というべきオベルトに、ヨークという隙のなさ。もちろんボルトンの指揮も見事なもの、バイエルン国立歌劇場のバロックオペラ上演の力量が存分に発揮されている。 「アルチーナ」は、ヘンデルのオペラの代表作の一つに挙げられる割には良い録音が少なかったので、この新録音は歓迎されることだろう。プリンツレゲント劇場でのライヴ録音、SACDでの発売。 当初、B-108080という記号でご案内しておりましたが、上記へ変更となりました。 | ||
メンデルスゾーン:ヴァイオリン・ソナタ集 〔ヘ長調(1820) /ヘ短調 Op.4 (1825) /ヘ長調(1838) 〕 |
アンドリアス・ライナー(Vn) デサル・スレイマニ(P) | |
ライナーは、ハイドンゆかりの街アイゼンシュタット生まれで、イツァーク・パールマンらに師事。現在ロザムンデ四重奏団のメンバーとして活躍しており、エッセン芸術大学で教鞭を執っている。ピアニストのデサル・スレイマニは、アルバニア出身で指揮者としても活躍する若き音楽家。細部までくっきりと描かれた鮮やかなコントラスト、伸びやかなヴァイオリンの音、瑞々しいメンデルスゾーン作品を美しく描いている。 | ||
メンデルスゾーンと仲間たち〜メンデルスゾーン:サックス編曲版 無言歌集 第1巻 Op.19 より〔第5番 嬰ヘ短調「不安」/第3番 イ長調「狩りの歌」/ 第2番 イ短調「後悔」/第6番 ト短調「ヴェネツィアの舟歌第1」〕/ 第2巻 Op.30 より〔第4番 ロ短調「さすらい人」/ 第6番 嬰ヘ短調「ヴェネツィアの舟歌第2」/第3番 ホ長調「慰め」〕/ 第3巻 Op.38 より〔第3番 ホ長調「詩人の竪琴」/第2番 変ロ短調「安らぎもなく」〕/ 第4巻 Op.53 〜 第1番 変イ長調「海辺で」/ 第5巻 Op.62 より〔第1番 ト長調「5月のそよ風」/ 第5番 イ短調「ヴェネツィアの舟歌第3」/第6番 イ長調「春の歌」〕/ 第6巻 Op.67 より〔第2番 嬰ヘ短調「失われた幻影」/第6番 ホ長調「子守歌」/ 第4番 ハ長調「紡ぎ歌」/第1番 変ホ長調「瞑想」〕/ 第7巻 Op.85 より〔第3番 変ホ長調「狂乱」/第2番 イ短調「別れ」〕/ 第8巻 Op.102 より〔第3番 ハ長調「タランテラ」/第5番 イ長調「子供の小品」〕 サックス・アルマンド[フランク・シュスラー(ソプラノSax) アーレント・ハシュテット(アルトSax) マルクス・マイヤー(バリトンSax)] キリル・トルソフ(Vn) ウェン・シン・ヤン(Vc) エリック・ターヴィリガー(Hr) アンドレア・M.シェンケル(ミステリー作家/ドイツ語) | ||
録音:2012年6月。メンデルスゾーンの代表的なピアノ作品「無言歌集」。今回は、サックス・アンサンブルとヴァイオリン、チェロ、ホルンを交えた異色の編曲版で登場。演奏するのは、ゴルトベルク変奏曲(B-108024)やオペラ座のサックス(B-108016)などユニークなアルバムをリリースしてきたソプラノ、アルト、バリトン・サックスで構成されたアンサンブル、サックス・アルマンド。ヴァイオリン、チェロ、ホルンを加えた、アンサンブルで表現の幅をさらに広げ、無言ではなくむしろ雄弁に言葉を語っているような演奏。さらに特筆すべきは、 「言葉のない…」という作品に対する想像力の挑戦として、「凍える森」などで有名なドイツのミステリー作家アンドレア・M.シェンケルの短編がブックレットに掲載されている。録音を聴いて感じた作曲した当時のメンデルスゾーンの心理などをもとに、シェンケル独特の極上のミステリーが展開されていく。 | ||
ショスタコーヴィチ: ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 Op.67 アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.32 ラフマニノフ:ピアノ三重奏曲第1番 ト短調(遺作) |
アトス三重奏団 [アンネッテ・フォン・ヘーン(Vn) シュテファン・ハイネマイヤー(Vc) トーマス・ホッペ(P)] | |
録音:2012年8月、ジーメンスヴィラ(ベルリン)。"A"nnette - "T"h(o)mas - "S"tefan の頭文字をとって命名され、2003年に結成されたアトス三重奏団。ロシア作曲界では親しい友の追悼にピアノ三重奏を作曲する伝統があり、シュスタコーヴィチはソレルチンスキー、アレンスキーはダヴィドフの死を悼んだ痛切な内容。ラフマニノフは学生時代の1892年作。アトス三重奏団の演奏はクールで辛口。ロシア的情念の濃いイメージのこれら作品を、目から鱗が落ちるように印象を一新してくれる。ことにアレンスキーの清潔な演奏は魅力的で、曲の透明な叙情、ナイーヴな感性をさらに研ぎ澄ませていて見事というほかはない。同曲のファン必聴の一枚。 | ||
ホルンと合唱のための作品集 ブラームス:2つのホルンとハープ伴奏による女声合唱のための「4つの歌」 Op.17 (*) シューマン:4つのホルンと男声合唱のための「狩の歌」 Op.137 (*) シューベルト:4つのホルンと男声合唱のための「森の夜歌」D.913 (*) ストラヴィンスキー:4つのロシア農民の歌(*) / ワーグナー:「パルジファル」〜聖金曜日の奇跡(#) R.シュトラウス:「ばらの騎士」〜ファンタジー(#) ケント・ナガノ指揮アウディ・ユーゲントコーラスアカデミー、 ミュンヘン・オペラ・ホルン アントニア・シュレイバー(Hp) | ||
録音:2013年、放送会館、ベルリン(*) /2010年、ブルーノ・ワルター・ホール、バイエルン国立歌劇場(#) 。ホルンと合唱のための作品を集めたアルバム。若い音楽家たちへの積極的な支援も行っている指揮者ケント・ナガノ。このアルバムでは、ケント・ナガノが2010年より共演しているアウディ・ユーゲントコーラスアカデミーと2013年まで音楽監督を務めていたバイエルン国立歌劇場のホルン・セクションで結成されたミュンヘン・オペラ・ホルンと共に演奏している。ホルンと合唱による美しい響きを楽しんでほしいというコンセプト。ホルンの音色は柔らかく他の楽器とよく溶け合うのが特徴で、人の声にも近い響きを持っているが、合唱を伴った作品は意外にも少なく演奏の機会は多くはない。そこでブラームス、シューマン、シューベルト、ストラヴィンスキーの作品とともに、ワーグナー「パルジファル」、R.シュトラウス「ばらの騎士」の2つのオペラ作品を合唱と10本のホルン用に編曲し、ミュンヘン・オペラ・ホルンの鮮やかで高い技術によって演奏している。 | ||
アララトからの眺め〜アルメニア&トルコの偉大な作曲家のヴァイオリン作品集 アフメト・アドナン・サイグン(1970-1991):ヴァイオリンとピアノのための組曲 Op.33 アルノ・ババジャニアン(1921-1983):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ アフメト・アドナン・サイグン:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ Op.20 エドワード・バグダサリアン(1922-1987):ヴァイオリンとピアノのためのラプソディ レベッカ・ハルトマン(Vn) マルガリータ・オガネシアン(P) | ||
録音:2014年4月-5月、ミュンヘン。ノアの方舟の遺跡があるというアララト山。古くからアルメニアのシンボルとして知られている。しかしアルメニア人の心の故郷であるアララト山は現在トルコ領。それは映画にもなった悲しい歴史が背景にある。2015年は、1915年にアララト山の麓で起きたトルコ人によるアルメニア人大虐殺からちょうど100年。このアルバムでは追悼の意味を込め、トルコとアルメニアの作曲家のヴァイオリン作品を収録している。「トルコ五人組」と言われた作曲家の一人アフメト・アドナン・サイグン。「アルメニア狂詩曲」が代表作のアルノ・ババジャニアン、そしてババジャニアンと同時代のアルメニア色の強い作風のエドワード・バババジャニアングダサリアンの3人を取り上げている。演奏するのは、FARAOレーベルではバッハ、ヒンデミット、ツィンマーマンの無伴奏ヴァイオリン作品集(B-108029)で意欲的な演奏を聴かせたレベッカ・ハルトマン。そしてピアノは、アルメニア出身のマルガリータ・オガネシアン。 | ||
メータ&バイエルン国立管 BDオーディオ〜 マーラー:交響曲集〔第3番 ニ短調(*) /第5番 嬰ハ短調(#) 〕 マルヤーナ・リポヴシェク(A;*) マルクス・ヴォルフ(Vn;*) クリスティアン・ベルト(ポストホルン;*) ウィーン楽友協会女声合唱(*) ウィーン少年cho. (*) アンドレアス・エットゥル(Tp;#) ヨハネス・デングラー(Hr;#) ズービン・メータ指揮バイエルン国立o. | ||
録音:2004年9月16日、ウィーン、ムジークフェラインザール(*) /2008年12月15日-16日、バイエルン国立歌劇場(#)、共にライヴ。
仕様: 5.0 DTS-HD MA 24/96kHz | 2.0LPCM 24/96kHz 。
既出: B-108046 (2CDs), S-108047 (2 HYBRID_SACDs) (以上*), S-108052 (HYBRID_SACD) (#)。既出3枚分をブルーレイディスク・オーディオ盤1枚に収録。
『ドイツ有数の高音質レーベルFARAO CLASSICSが、第6回DEGジャパン・アワード ブルーレイ大賞「ベスト高音質賞・音楽部門(クラシック)」を受賞したブルックナー:交響曲第4,7,8番/ケント・ナガノ(指揮)&バイエルン国立管弦楽団に続くブルーレイ・オーディオをリリースします。』『巨匠メータと2006年まで音楽監督を務めていたバイエルン国立歌劇場管弦楽団とのマーラー交響曲第3番と第5番。第3番は、2004年ヨーロッパ・ツアーの最後を飾った渾身のライヴ。メータにとってはロス・フィル(1978年)、イスラエル・フィル(1992年)以来3度目となったこのバイエルン国立管とのライヴ演奏は、「私の中のベスト・レコーディングだ」とメータ自身も語っているほど、当コンビの総決算的内容といえる会心の仕上がり。メンバー各人の意気込みも高く、特に名手レイモンド・カーフスのティンパニがフィナーレで高らかにこだまし、忘れがたい余韻を残す演奏です。第5番も、ロス・フィル(1976年)、ニューヨーク・フィル(1989年)との録音があり、その時代の勢いを感じさせる名演でした。本盤でもメータらしい構築力と洗練度の高い表現力で聴かせてくれます。』『この2つの録音は、CDやSACDでもリリースされており、いずれも豊かな音質で評判が高かったものですが、今回ハイレゾであるブルーレイ・オーディオでの発売ということで、非常に高いレベルのサウンドを聴くことができるのはもちろんのこと、ブルーレイ・オーディオでないと味わうことのできない音の細やかさ、滑らかさ、奥行のある響き、自然な音の広がりを体感することができます。』 #当盤の再生には専用機器が必要です。CDプレーヤー、SACDプレーヤー、DVDプレーヤーでは再生出来ません。再生環境をお持ちで無い場合は、上記品番の ハイブリッド SACD 盤等をお求め下さい。 | ||
ダルベール:チェロ協奏曲 ハ長調 Op.20 ブルッフ:コル・ニドライ(ヘブライの旋律) Op.47 /カンツォーネ Op.55 (1891) ドホナーニ:チェロと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥック ニ長調 Op.12 (1903/04) ダヴィド・ピア(Vc) ウルフ・シルマー指揮ミュンヘン放送o. | ||
録音:2014年3月、バイエルン放送スタジオ1。1982年スイス出身のチェロ奏者ダヴィド・ピア。5歳よりチェロを始め、11歳の時にはブラジルの名チェリスト、アントニオ・メネセスに個人レッスンを受ける。その後バーゼルの音楽院で学び、ザルツブルツク・モーツァルテウム音楽院でハーゲン・クァルテットの創立メンバーであるクレメンス・ハーゲンのもとで研鑽を積む。卒業後は世界有数のオーケストラや指揮者と共演、2006年-2008年までミュンヘン放送o. の首席チェロ奏者を務め、2007年チャイコフスキー国際コンクールで入賞、2010年にはルツェルン音楽祭でデビュー・リサイタルを行うなど順調にキャリアを積んでいる。このアルバムは、リストの弟子でバックハウスの師匠であるダルベール、ロマンティックな抒情をたたえたブルッフ、ドホナーニの知られざる名曲と、チェロの魅力をたっぷり味わうことのできる内容。 | ||
ヘンデル:歌劇「エジプトのジューリオ・チェーザレ」
アン・マレイ(Ms;ジューリオ・チェーザレ) スーザン・グリットン(S;クレオパトラ) クリストファー・ロブソン(CT;トロメーオ) パトリシア・バードン(Ms;コルネリア) カタリーナ・カルネウス(Ms;セスト) マルチェッロ・リッピ(B;アキッラ) ヤン・ツィンクラー(Br;クーリオ) アクセル・ケーラー(CT;ニレーノ) アイヴァー・ボルトン指揮バイエルン国立o. | ||
録音:2002年7月、バイエルン国立歌劇場、ライヴ。久々にFARAO CLASSICS からバイエルン国立歌劇場でのヘンデルが登場。もちろん同歌劇場でのバロック・オペラ上演を定番にしたボルトンが指揮、早めのテンポで生き生きとしたヘンデルを鳴らしている。タイトルロールのマレイと、敵役トロメーオのロブソンは、共に2005年の同歌劇場来日公演での「アリオダンテ」にも出演したミュンヘンにおけるヘンデルの常連で、ベテランらしい堂に入った歌。タイトルロール以上に要となるクレオパトラは、ヘンデルを得意とする英国のソプラノ、グリットン。小悪魔的な魅力に満ちた美女クレオパトラ。もう一人の鍵となる役、未亡人コルネーリアのバードンはアイルランドのメゾ・ソプラノ。彼女もヘンデルのスペシャリストで、コルネーリアは映像になったグラインドボーン音楽祭での上演でも絶賛された当たり役。セストを歌うカルネウスはストックホルム生まれのメゾ・ソプラノ。レパートリーの広い歌手で、最近ではフリッカやブランゲーネなども歌っているが、この頃はヘンデルのメッゾとして英国を中心にバリバリ活躍していた。このプロダクションは1994年3月に初演された物。当時はまだ大歌劇場がバロックオペラを上演することは極めて珍しく、かなり実験的な試みだったが、リチャード・ジョーンズの愉快で刺激的な演出がミュンヘンで大うけ、以来上演すれば必ず大入りになるミュンヘンの定番演目になっている。ブックレットにはその舞台カラー写真がいくつも掲載されているのも嬉しい。 | ||
ナガノ&イェーテボリ〜 R.シュトラウス:アルプス交響曲 Op.64 |
ケント・ナガノ指揮 イェーテボリso. | |
録音:2014年11月、イェーテボリ・コンサート・ホール。 LP 仕様: 180g 。プロデューサー:フェリックス・ガーゲルレ、アンドレアス・ツェンメラー。 2014年からイェーテボリso. の首席指揮者を務めているとケント・ナガノによる「アルプス交響曲」。 ケント・ナガノとイェーテボリ響の最初の出会いは1993年。マーラーの交響曲3番が演目に選ばれた。その後も客演指揮者として度々登場し、交流を深めていった。2014年にアニバーサリー・イヤーを迎えたR.シュトラウスのプロジェクトは、首席指揮者への就任が決まったと同時に持ち上がった。ケント・ナガノはバイエルン国立歌劇場の音楽監督を長きに渡って務め、同劇場にゆかりの深いR.シュトラウスの作品に対するユニークな解釈、伝統を踏まえた上での鋭い洞察力が評価された物。またイェーテボリ響もあまり知られていないが、同楽団の演奏史の中でR.シュトラウスの作品は重要な位置を占める。1905/06シーズンには50回も「ドン・ファン」を演奏。さらにヴィルヘルム・ステーンハンマル指揮で交響詩「マクベス」(1908)、死「と変容」(1913)、オペラ「グントラム」の序曲、「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」(1913)を積極的に取り上げている。その後もセルジュ・コミッシオーナ、シュルル・デュトワらが定期的に演奏し、ネーメ・ヤルヴィとグスターボ・ドゥダメルは「ドン・ファン」に強い思い入れをもってプログラムに組み込んでいた。「アルプス交響曲」はネーメ・ヤルヴィとグスターボ・ドゥダメルもイェーテボリ響と度々ツアーで取り上げており、完全にオケの手中に収まった楽曲。ケント・ナガノとの演奏も、アルプスの一日を描いた壮大なドラマを、登山者の感動、眼前に広がる風景を見事に描き、大編成のオケを縦横無尽に動かす機動性は壮観。響きのよいコンサート・ホールの利点をうまく利用した録音も秀逸。 | ||
ナガノ&イェーテボリ響〜R.シュトラウス: 英雄の生涯 Op.40 (*) /死と変容 Op.24 (#) |
ケント・ナガノ指揮 イェーテボリso. | |
録音:2016年2月15-20日(*)、2016年6月9日-11日(#) 。 2014年からイェーテボリso. の首席指揮者を務めているとケント・ナガノによるリヒャルト・シュトラウスの3部作録音シリーズの第2弾。第1弾の「アルプス交響曲」(B-108091)は、アルプスの壮大さ、人間の内面のエネルギーを感じさせる圧倒的表現力 "と高く評価され、2017ドイツ・エコー・クラシックで「年間最優秀指揮者」に選出された。ケント・ナガノとイェーテボリ響の最初の出会いは1993年。マーラーの交響曲3番が演目に選ばれた。その後も客演指揮者として度々登場し、交流を深めていった。2014年にアニバーサリー・イヤーを迎えたR. シュトラウスのプロジェクトは、首席指揮者への就任が決まったと同時に持ち上がった。ケント・ナガノはバイエルン国立歌劇場の音楽監督を長きに渡って務め、同劇場にゆかりの深いR. シュトラウスの作品に対するユニークな解釈、伝統を踏まえた上での鋭い洞察力が評価された物。またイェーテボリ響もあまり知られていないが、同楽団の演奏史の中でR. シュトラウスの作品は重要な位置を占める。1905/06シーズンには50回も「ドン・ファン」を演奏。さらにヴィルヘルム・ステーンハンマル指揮で交響詩「マクベス」(1908)「、死と変容」(1913)、歌劇「グントラム」の序曲、「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」(1913)を積極的に取り上げている。その後もセルジュ・コミッシオーナ、シュルル・デュトワらが定期的に演奏し、ネーメ・ヤルヴィとグスターボ・ドゥダメルは「ドン・ファン」に強い思い入れをもってプログラムに組み込んでいた。 第3弾は2018年秋、「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」と「家庭交響曲」が予定されていたが、2021年11月現在発売されていない。 | ||
ドヴォルジャーク:ピアノ三重奏曲第3番 ヘ短調 Op.65 スメタナ:ピアノ三重奏曲 ト短調 Op.15 アトス三重奏団[アンネッテ・フォン・ヘーン(Vn) シュテファン・ハイネマイヤー(Vc) トーマス・ホッペ(P)] | ||
録音:2015年7月13日-15日、ゼンデザール、ブレーメン。2003年に結成されたアトス三重奏団。これまでに「フレンチ・アルバム」(B-108073)、 「ロシアン・アルバム」(B-108083)とリリースし、希少な曲目を多彩な演奏で楽しませてくれた。本アルバムは、ドヴォルジャークとスメタナというチェコの2大作曲を取り上げている。 | ||
王様の魔笛〜モーツァルト:歌劇「魔笛」K.620
ゲルト・アントホッフ(本当のパパゲーノ) タレク・ナズミ(ザラストロ/ルートヴィヒ2世) イェルク・デュルミュラー(タミーノ/ヨーゼフ1世) アンティエ・ビッタリフ(夜の女王/ゾフィー大公妃) スザンネ・ベルンハルト(パミーナ/皇妃エリーザベト) ヨッヘン・クプファー(パパゲーノ/マックス・エマヌエル・ヘルツォーク・イン・バイエルン) グドラン・シドニー・オットー(パパゲーナ/リラ・フォン・ブリョフスキー) マルティン・ペツォールト(モノスタトス/オットー・フュルスト・ビスマルク) エーノッホ・ツー・グッテンベルク指揮クラングフェルヴァルトゥングo.、ノイボイエルンcho. | ||
収録:2013年11月、プリンツレゲンテン劇場、ミュンヘン。ブルーレイ盤のみ日本語帯・解説付。 リージョン・オール| 16:9 | PCM ステレオ | 。 ブルーレイ仕様: 1.85:1, 59.97i, 1920:1080 | 2.0 PCM Stereo 96 kHz, 5.0 DTS-HD Master 96 kHz, Dolby Atmos | 字幕:英独日韓。 DVD仕様: PAL | 5.0 DTS Surround | 字幕:英独(日本語なし)。#国内代理店は国内仕様のブルーレイ盤しか取り扱いません。また DVD は PAL 方式のため、国内の通常映像機器では視聴できません。 この≪王様の魔笛≫は、指揮者のエーノッホ・ツー・グッテンベルクが長年温めていた企画。2013年に自身が芸術監督を務めるヘレンキームゼー国際ファスティバルで初演、その好演をうけて同年ミュンヘンのプリンツレゲンテン劇場で上演された際の映像がブルーレイとして発売される。ヘレンキームゼーと言えば、キーム湖に浮かぶ男島にルートヴィッヒ2世がヴェルサイユ宮殿を模して建設し始めた城が有名だが、それからわかるようにタイトルの「王様」とはルートヴィッヒ2世のこと。自身も男爵であるグッテンベルクは、19世紀に生きた先祖が貴族仲間と劇を催した際のメモを偶然手にし、その後研究を進めるうちヘレンキームゼー城の建設中、彼一人を観客に、世界で初めて人口灯を用いた「オープンエア音楽ショー」を上演させたという記録を見つけた。そしてその「貴族のオペラごっこ」に、実際のパパゲーノとしてドイツ人俳優を登場させ、ただの懐古趣味な演出に終わらせず、現代人の目から当時の貴族社会や秘密結社などを皮肉る台詞を取り入れたり、グッテンベルクが自分の出生を逆手に取り、貴族を「厚顔無恥」と斬り捨てる遊び心に始まり、彼がずっと反感を抱いてきてシカネーダーのコンセプト、エキゾティックな男性同盟、女性自立への呪い、御上への絶対服従、知識をひけらかす男性社会全てを、パパゲーノの目から客観的に批判させるという痛快な舞台を作り上げた。 | ||
グッテンベルク追悼〜シューベルト: 交響曲 ハ長調 D.944「グレイト」 |
エーノホ・ ツー・グッテンベルク指揮 クラングフェアヴァルトゥングo. | |
録音:2015年11月、ヘラクレスザール、ミュンヘン。由緒ある貴族の出で、ドイツの政治家カール=テオドール・ツー・グッテンベルクの父でもある指揮者エーノホ・ツー・グッテンベルク(1946.7.29-2018.6.15)は、国内代理店が当盤をアナウンスした直後に死去した。 品の良い伝統芸と大きな盛り上がりなど往年の指揮者を思わせる芸風で熱心なファンのいる巨匠が、手兵クラングフェアヴァルトゥングo.を率い「英雄」「ロマンティック」に続いて世に問うた録音。これぞドイツの伝統的解釈で、渋いなかにも滋味があふれる。SACDハイブリッド効果満点の録音の良さも特筆で、貴族的なシューベルトを満喫出来る。 | ||
ホルスト:室内楽曲集 ピアノと管楽のための五重奏曲 イ短調 Op.3 /オーボエと弦楽四重奏のための3つの小品/ フルート、オーボエとクラリネットのための「テルツェット」/ 木管五重奏曲 変イ長調 Op.14 /六重奏曲 ホ短調(*) アンサンブル・アラベスク | ||
録音:2016年9月、フリードリヒ・エーベルト・ハレ、ハンブルク。(*)は世界初録音。 イギリスの20世紀音楽史を代表する作曲家グスターヴ・ホルストといえば、組曲「惑星」。1920年に同曲が初演され成功を収めたことは、ホルストの作曲家人生において重要だったというのは事実だろう。しかし、「惑星」はホルストの作曲家としての顔の一部でしかなく、他にも多くの魅力的な作品を残している。今回録音されたのは、ホルストの室内楽作品5曲。その中でも六重奏曲は2000年初頭にファゴット奏者のヘルゲ・バルトロメウスが大英図書館で発見するまで知られていなかった。この作品は、ホルストがロンドンの王立音楽院に通っていた時代の作品。この学生時代にホルストはヴォーン・ウィリアムズをはじめとする良き仲間と出会い公私ともに充実していた時期。オーボエ、A管クラリネット、ファゴット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのために書かれた六重奏は、4楽章構成で、非常に明るく、シンプルで親しみやすい音楽。管楽器パートと弦楽器パートの大きなデュオのような響きを楽しむことが出来る。世界初録音に挑戦したのは、ドイツとフランスの若手音楽家によるアンサンブル・アラベスク。ハンブルクを拠点に様々な音楽祭などに出演している。 | ||
Lika Bibileishvili プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第6番 イ長調「戦争ソナタ」 Op.82 / ラヴェル:夜のガスパール シベリウス:13の小品 Op.76 / バルトーク:ピアノ・ソナタ Sz.80 リカ・ビビレイシュヴィリ(P) | ||
録音:2017年7月、プラネック、ドイツ。 1988年ジョージアのバトゥミ生まれ、注目の美人ピアニストのデビュー・アルバム。彼女は10歳でジョージア芸術大学のピアノクラスに参加。12歳でラフマニノフの第1協奏曲を、14歳でサン=サーンスの第2協奏曲をオーケストラと演奏したという天才。2008年よりミュンヘン音楽大学に学び、現在もミュンヘンを拠点に活動している。高い技術を必要とされる20世紀作品を各国から集めた収録曲がとても意欲的かつ刺激的。申し分のない技巧とドライなタッチでバリバリと奏でるプロコフィエフとバルトークが強烈な印象を残す。歯切れよく迷いのない冷徹なフレージングが冴えわたった快演!粒立ちの良いラヴェルとシベリウスもメカニックな精妙さがクセになる。 | ||
時と永遠 ヴォルフラム・ブッヘンベルク(1962-): O Nata Lux(8声の混声合唱とヴィブラフォン) アンナ・イグナトヴィチ(1968-):マリンバのためのトッカータ トビアス・PM.シュナイト(1963-): ...Wie die Zeit vergeht...(合唱、ヴィオラと打楽器) エリクス・エセンヴァルズ(1977-):楽園にて(8声の混声合唱、ヴィオラとチェロ) シモーネ・ルビーノ(1993-):マリンバのためのコラール クヌート・ニューステット(1915-2014):インモータル・バッハ (J.S.バッハ:「来たれ、甘き死よ」に基づく/4声の混声合唱とマリンバ) シモーネ・ルビーノ(Perc/ヴィブラフォン/マリンバ) カテリーナ・ジャンニツィオーティ(Vc) ケルヴィン・ホーソーン(Va) マーティン・ステイドラー指揮アウディ・ユーゲントコーラスアカデミー | ||
録音:2017年11月。打楽器と合唱という珍しい編成も登場するアルバム。と言っても使われているのはマリンバやヴィブラフォン。しかも弓奏により柔らかな音が伸ばされ、合唱と対立するのではなく溶け合う効果を上げていて美しい。弦楽器と合唱による作品も声のヴェールの中、弦のメロディがゆっくりと歌われて、ゆったり緩やかな時間感覚に浸れる。「インモータル・バッハ」はバッハのコラールがまずそのまま出てきて、その変奏(変容?)のような永遠性のあるハーモニーが続く。 | ||
プーランク: 三重奏曲 FP.43 (ピアノ、オーボエ、ファゴット) / 六重奏曲 FP.100 (ピアノ、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン)/ フルート・ソナタ FP.1634 〔番号代理店記載ママ〕/クラリネット・ソナタ FP.184 /オーボエ・ソナタ FP.185 アンサンブル・アラベスク | ||
録音:2018年4月。20世紀フランス音楽の美しい深まりは、木管楽器により一層の彩りと香りを纏わせた。その珠玉の美しさがはっきりと刻まれた、プーランクの室内楽曲集。楽器それぞれの可能性を追求し、調性音楽でありながら一筋縄ではいかない和声の選択などもあいまって、特に晩年の作品などは魅力的な響きに謎めいた晦渋さが絶妙に混ざった深みのある内容になっている。アンサンブル・アラベスクは世界初録音を含むホルストの室内楽作品集(B-108098)を過去にリリースしている腕利き団体。 | ||
パユ&アドリアーン〜ドップラーの発見 フランツ・ドップラー(1821-1883): 2つのフルートとピアノのためのソナタ Op.25 (*) EP/AA / フルートとピアノための「ハンガリー田園幻想曲」 Op.26 EP カール・ドップラー(1825-1900): フルートとピアノための「ハンガリー幻想曲」(*) AA フランツ&カール・ドップラー共作: 2つのフルートとピアノための幻想曲「ハンガリー田園歌」(*) EP/AA フランツ・ドップラー: フルートとホルンのための「森の小鳥」 Op.21 (#) EP / フルートとピアノための大幻想曲AA / 2つのフルートとピアノのための祝祭曲「祖国より」 Op.39a (*) EP/AA エマニュエル・パユ(FlEP) アンドラーシュ・アドリアーン(FlAA) ジャン・フィリップ・シュルツェ(P;#以外) アルシス・ホルン四重奏団(#) | ||
録音:2018年5月、ポリング図書館内ホール。(*)は世界初録音。 独ファラオ・クラシックス・レーベルより驚きのリリース。フルートのエマニュエル・パユとアンドラーシュ・エイドリアン、夢の共演が実現した。収録作品は世界初録音多数のフランツ&カール・ドップラー兄弟のフルート作品集。フルート・ファン狂喜の内容。レンベルク(現ルヴフ)に生まれたフランツ・ドップラー(1821-1883)はフルート奏者、作曲家、指揮者。作曲家でオーボエ奏者だった父ヨーゼフから音楽の手ほどきを受け、13歳のときにウィーン・デビューした逸材。1838年にドイツ劇場で、1841年からはハンガリー国立劇場で首席フルート奏者をつとめた。作曲家としては6つの歌劇、15のバレエ音楽を残したが、現在では“ハンガリー田園幻想曲 " を代表とするフルート作品が愛好されている。4歳年下の弟カール・ドップラー(1825-1900)も同地レンベルクに生まれたフルート奏者、作曲家、指揮者。兄とのデュオはステージ上の演出も加わり、絶大な人気を博した。兄と同様にペストのドイツ劇場で、後に国立劇場でフルート奏者として活躍した。ドップラー作品の研究者としても名高いフルート界の重鎮アンドラーシュ・アドリアーン。1970年代初頭には未出版であった2つのフルートのための協奏曲の楽譜を発見したアドリアーンは、1976年にジャン=ピエール・ランパルと同作品を録音。現在ではフルート奏者の重要レパートリーとなった。その後、ドップラーの未発表作品はすべて失われたと思われていたが、この度ついに発見され録音する運びとなった。今回発見された作品はどれもドップラーらしく旋律の美しさが魅力的な作品。名手パユとアドリアーンによるこの上なく素晴らしい演奏で聴くことができるのは最大の喜び。ブックレットにはドップラー兄弟の写真に加え、カール・ドップラーが使用していた楽器など資料も充実している。 | ||
コンテンポラリー・クリスマス&パーカッシヴ・クリスマス [CD1] バリトンと室内管弦楽のための12の新作(*) 1. Karim Al-Zand: The Mistletoe / 2. Jamie Man: GEBURT / 3. Matan Porat: Puppenhaus / 4. Manfred Trojahn: Christmas Greetings from a Fairy to a child / 5. Annette Schlünz: La Blancheur abolit le temps / 6. José M. Sánchez-Verdú: White Silence / 7. Detlev Glanert: Stille / 8. Olga Rayeva: Sotto voce / 9. Michèle Reverdy: Soixante et quelques mains pour la Nativité / 10. Jobst Liebrecht: CHRISTMAS / weihnacht / 11. Arno Waschk: Frohes Fest / 12. Vanessa Lann: Tree of Life So Green [CD2] バリトン、パーカッション、チェレスタとピアノのための12のクリスマス・キャロル(#) (シモーネ・ルビーノ、ディートリヒ・ヘンシェル編) 1. Ich steh an deiner Krippen hier / 2. In dulci jubilo / 3. Süßer die Glocken nie klingen / 4. Kommet ihr Hirten / 5. Es kommt ein Schiff geladen / 6. Lobt Gott, ihr Christen alle gleich / 7. Maria durch ein Dornwald ging / 8. Ihr Kinderlein kommet / 9. Wachet auf, ruft uns die Stimme / 10. O Tannenbaum / 11. Vom Himmel hoch da komm ich her / 12. O Du fröhliche ディートリヒ・ヘンシェル(Br) ウラディーミル・ユロフスキ指揮(*) アンサンブル・ユナイテッド・ベルリン(*) シモーネ・ルビーノ(Perc;#) | ||
録音:2018年12月、2019年1月。名バリトン、ディートリヒ・ヘンシェルが歌うクリスマス・アルバム!現代の新作もあって一癖ある企画となっている。CD1はディートリヒ・ヘンシェルが様々な国、様々な文化圏の作曲家に「クリスマスにちなんだ歌曲」を依頼して出来た新作。ひとくちにクリスマスと言っても多様な見方があり、各々違った色を持つ作品が集まっているのが興味深い。指揮はユロフスキ。CD2は伝統的なクリスマス・キャロル集。気鋭パーカッショニスト、シモーネ・ルビーノの活躍も聴き物。豊富な打楽器を揃え、太鼓や音盤打楽器のみならず石や貝殻まで使っている。 | ||
グレアム・ウォーターハウス(1962-): ピアノ五重奏曲「死の狂詩曲」/ピアノ三重奏曲「夜に」 Op.50 / ピアノ五重奏曲「トリロジー」/ピアノ三重奏曲「冥府の鐘」/ ピアノ四重奏曲「コロマイカ」 Op.3a /ピアノ四重奏曲「スキュラとカリュブディス」 カタリーナ・セルハイム(P) ダヴィド・フリューヴィルス(Vn1) 布施菜実子(Vn2) コンスタンティン・セルハイム(Va)グレアム・ウォーターハウス(Vc) | ||
録音:2019年9-10月、プラネッグ、ドイツ。1962年にロンドンの音楽一家に生まれ、1992年よりミュンヘン近郊に在住する作曲家グレアム・ウォーターハウスによる室内楽作品集。彼はチェリストとしても活動しておりこのアルバムに奏者としても参加している。各曲、何とも想像力を刺激するタイトルが付けられており気になる。「コロマイカ」はウクライナの踊り、「スキュラ」と「カリュブディス」はギリシャ神話に出てくる海の怪物。音楽は疾走感と叙情性にあふれたもので、メランコリックでミステリアス。聴きやすくも独特な作風。 | ||
J.S.バッハ:オルガン作品全集 Vol.1 前奏曲とフーガ〔イ長調 BWV.536 /ニ短調 BWV.539 /ト長調 BWV.541 /イ短調 BWV.543 /ハ長調 BWV.545 / ホ短調 BWV.548 /ト長調 BWV.550 /変ホ長調「聖アン」 BWV.552 〕/ コラール前奏曲〔装いせよ、わが魂よ BWV.654 /われら皆一なる神を信ず BWV.740 〕/ コラール・パルティータ〔ようこそ、慈しみ深きイエスよ BWV.768 / おお神、汝義なる神よ BWV.767 /キリストよ、汝真昼の光 BWV.766 〕/ トリオ・ソナタ〔第4番 ホ短調 BWV.528 /第5番 ハ長調 BWV.529 〕/パストラーレ ヘ長調 BWV.590 / トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565 /18のライプツィヒ・コラール より BWV.657-661 / オルガン協奏曲(原曲:ヴィヴァルディ)〔ニ短調 BWV.596(RV.565)/ハ長調 BWV.594(RV.208) 〕/ カノン風変奏曲「高き御空よりわれは来たれり」 BWV.769 /トリオ ニ短調 BWV.583 / 幻想曲とフーガ ハ短調 BWV.537 /ノイマイスター・コラール集 BWV.1112-1120, 957 / アラ・ブレーヴェ ニ長調 BWV.589 /キルンベルガー・コラール集 BWV.730-731, 741, 714, 717, 711, 715 / コレッリの主題によるフーガ ロ短調 BWV.579 /フーガ〔ハ短調 BWV.575 /ト長調 BWV.577 〕/ 幻想曲〔ハ長調 BWV.570 /ト長調 BWV.572 /ハ長調 BWV.573 〕/シュープラー・コラール集 BWV.645-650 / キルンベルガー・コラール集 BWV.699, 738, 722, 704, 729 /カンツォーナ BWV.588 /オルガン小曲集 BWV.639-644 ペーター・コフラー(Org|使用楽器:リーガー製) | ||
録音:2017-2019年、聖ミヒャエル教会、ミュンヘン。2017年3月よりバッハのオルガン作品全曲録音を開始したペーター・コフラーによる全集シリーズ第1弾。全3集で発売される予定。4段鍵盤と75個のストップを持つモダーン・オルガンをあえて使った壮麗な響きが特徴で、オルガン音楽の革新者でもあったバッハの作品を存分に鳴らしてくれる。チェンバロ、オルガン奏者として活躍するペーター・コフラーは1979年ボルツァーノ生まれ。地元のモンテヴェルディ音楽院で学んだ後、ミュンヘンにわたりハラルド・フェラーとクリスティーネ・ショルンスハイムに師事した。ドロテー・オーバーリンガーやドミトリー・シンコフスキーといった古楽の名手と共演し、また2008年よりミュンヘン、聖ミヒャエル教会のオルガニストを務めている。この録音についてコフラーは「現代オルガンの性能や高度な録音技術ではなく「バッハの音楽」こそがこのプロジェクトの中心である」と力強く語っており、並々ならぬ意気込みを感じさせる。 | ||
ハイドン:十字架上のキリストの最後の7つの言葉 Op.51b(弦楽四重奏版/説教入)
オディロ・レヒナー(修道士) ミュンヘン・クレンツェSQ [ミヒャエル・ドゥルナー、アドリアン・ラザール(Vn) ヨハネス・ツァールテン(Va) ルーペルト・ブッフナー(Vc)] | ||
録音:2003年4月18日(聖金曜日)、ベネディクト会大修道院聖ボニファティウス大聖堂、ミュンヘン、ライヴ。バイエルン国立o. のメンバーからなるクレンツェ四重奏団によるハイドンの「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」。スペイン、カディスのサンタ・クエバ教会での聖金曜日の礼拝の際に「キリストの最後の7つの言葉」の一つ一つについて説教をする司教が、会衆を黙想させるための効果的な楽曲を希望したことに由来するハイドンのこの作品。じっさい、ここでは弦楽四重奏の演奏する7つのソナタ楽章の前に、ベネディクト会大修道院長による説教が入る。当夜のプログラムを含めて、12年このかた、毎年の聖金曜日の夕べにこの場所では、クレンツェ四重奏団によってキリスト受難の音楽が演奏されるのが恒例だったが、まさしく作曲時のエピソードをほうふつとさせるライヴ演奏は、大聖堂という残響ゆたかな雰囲気満点の収録環境もはたらいて、感銘の深さも際立つ内容となっている。説教をするオディロ・レヒナーは、1931年ミュンヘンに生まれた高名なベネディクト会修道士で、1964年から2003年にかけて、ともに長い伝統のあるミュンヘンとアンデクスの修道院長を務めた。 | ||
レーナはパレスチナの女王(全12曲) アレクサンデル・オルシャネツキー、 アブラハム・エルシュタイン、らの作品、 クレツマー、トラディショナルなユダヤの歌 |
ゲフィルテ・フィッシュ [アンドレア・ジアーニ(歌) ジョー・ラッポルト(Vn) アンジェリキ・コウホウ (アコーディオン) ロマン・チョウドリ(G) トビアス・シュヴァルツ (Kb)] | |
ゲフィルテ・フィッシュはユダヤの伝統的料理。オルシャネツキーは30年代ドイツでオペレッタや劇音楽を作曲した。ユダヤの哀愁に満ちたメロディがたっぷり歌われている。 | ||
サハイ・マヌシュ〔その場しのぎの男〕〜マリンバ・デュオ ピアソラ:タンゴ組曲〜デチーソ/アンダンテ/リベルタンゴ(エリック・サミュ編曲) / 安倍圭子:遥かな海(1986) アンディ・ペイプ:カ・ダンス42 (1989) / マルチン・ブワジェヴィチ:その場しのぎの男 ラヴェル/クリマサラ&スピチカ編曲:クープランの墓〜前奏曲 / ライヒ:マリンバ・フェイズ(1980) マルタ・クリマサラ、ユルゲン・スピチカ(マリンバ) | ||
録音:2005年、シュトゥットガルト音楽演劇大学。マルタ・クリマサラは1975年ポーランド出身のマリンバ奏者。1994年以降ドイツに住み、1999年に日本で行なわれた第2回国際マリンバ・コンクールで優勝した。国際的に活躍するかたわら、2004年よりシュトゥットガルト音楽演劇大学教授も務めている。このアルバムでは、ドイツの打楽器奏者ユルゲン・スピチカとのデュオで、興味深い音響世界を創造。ふたりはマリンバのみならず、ヴィブラフォン、トムトム、ボンゴ、ゴング、タムタム、ブーバンなども採り入れている。ピアソラのタンゴも切れ味鋭く、またスティーヴ・ライヒの「ピアノ・フェーズ」のマリンバ版「マリンバ・フェイズ」もより色彩的になり、ひきつけられる。オーディオ効果も抜群で、チェック用にもオススメ。 | ||
FARAO DVD | ||
グルック:歌劇「オルフェーとユリディス」 (「オルフェオとエウリディーチェ」ベルリオーズ編) |
ヴェッセリーナ・カサロヴァ(オルフェー) ローズマリー・ジョシュア(ユリディス) デボラ・ヨーク(アムール) アイヴァー・ボルトン指揮 バイエルン国立o.、 バイエルン国立歌劇場cho. | |
NTSC方式/画像構成比:16:9 (1.78:1)/サウンド・フォーマット:PCM ステレオ/DTS 5.1chサラウンド・サウンド。日本語字幕付き。演出:ナイジェル・ローリー&アミール・ホセインプール。 ミュンヘンの俊英レーベルFARAOからグルックの「オルフェーとユリディス」(「オルフェオとエウリディーチェ」のフランス語)が登場。バイエルン国立歌劇場でのライヴで、収録時期の表記が無いが、代理店は2003年10月20日のプレミエ公演をZDFが収録したものと推測している。 主役は天下のメゾ、カサロヴァ。さすがは渾身の歌唱演技で、画面を通して見るとものすごい迫力が感じられる。燕尾服での立ち姿も恰好良い。さらにローズマリー・ジョシュアとデボラ・ヨークという古楽で大活躍の美声ソプラノを2人も配し、豪華。演出は、鋭い美的センスでドイツを中心に人気の2人が担当。舞台をオーケストラに設定したユニークな演出で、面白いこと間違いない。 今では珍しくなってしまったベルリオーズ編のフルオーケストラ版に、オリジナルのバレエを最後に付け加えているが、このバレエでホセインプールが振付たパントマイムがまた大変に独創的で楽しい。 日本語字幕付きというのも嬉しいポイント。 | ||
ヘンデル:歌劇「ロデリンダ」 | ドロテア・レシュマン (S:ロデリンダ) マイケル・チャンス (CT:ベルタリード) フェリシティ・パーマー (S:エドゥイージェ) ポール・ナイロン(T:グリモアルド) ウンベルト・キウンモ (B:ガリバルド) クリストファー・ロブソン (CT:ウヌルフォ) アイヴァー・ボルトン指揮 バイエルン国立o. デヴィッド・オールデン演出 | |
NTSC リージョン・オール、DTS Surround、PCM Stereo、16:9、字幕:日独英伊。 2005年9-10月に来日するバイエルン国立歌劇場。彼らの強い要望で今回初めてヘンデルの「アリオダンテ」が日本で上演されるが、そのバイエルンでのヘンデル・オペラ最新プロダクション、「ロデリンダ」がDVDで発売される。 夫ベルタリードが追放され異国の地で亡くなったと知らされたロデリンダは、簒奪者グリモアルドに結婚を迫られるも退け、帰国したベルタリードが勝利を得る、といった話。ヘンデルのオペラの中でも一二を争う人気作で、つい先日もメトロポリタン歌劇場で上演され好評を博した。オールデンの演出はバロックという型にこだわらず、1960年代の安いギャング映画風という新奇なもの。貞淑でタフな妻ロデリンダのドロテア・レッシュマンの歌は飛び切りの美しさ。一方「逃亡者」ベルタリードは、ベテランのカウンター・テナー、マイケル・チャンス。エドゥイージェにはこれまた大ベテラン、フェリシティ・パーマー。指揮は来日公演の「アリオダンテ」と同じくボルトン。日本語字幕付きなので、ヘンデル初体験の方でも安心。 |