| 国内盤 | ||
| 奈良ゆみ(S)〜ドビュッシー:初期と晩期の歌曲集 叙情的な散文(1892-1893)[夢/砂浜/花/夕暮れ]/ ビリティスの唄(1897-1898) [パンの笛/髪/ナイアード(水の精)の墓]/ 忘れられたアリエッタ(1885-1887) [やるせなく夢見る思い/わたしの心に涙がふる/ 霧つつむ河の面の木々の影/ 木馬/グリーン/スプリーン(憂愁)]/ マラルメの3編の詩(1913)[溜息/取るに足らない願い/扇]/ ボードレールの5編の詩(1887-1889) [バルコニー/夕暮れの諧調/噴水/黙想/恋人たちの死] |
奈良ゆみ(S) クロード・ラヴォワ(P) | |
| 録音:1998年。日本的細やかさとは何か? を伝えてくれる、パリ・エトランジェのドビュッシーは、こんなにも魅力的! フランスでも「ル・モンド・ドゥ・ラ・ミュジック」誌で絶賛され特選盤、フランスの音楽誌も舌を巻いた独特の味わいがここに。 管弦楽作品やピアノ作品が、ドビュッシーの生涯でも比較的後期に集中しているとすれば、この作曲家の初期における才能の萌芽がごく端的に示されているのが、彼の歌曲群だ。昨今かなり掘り起こしと再評価が進んでいるようだが、じっさい、膨大な数になる歌曲の大半は19世紀中、つまりまだラロやグノー、ドリーブといった一時代前の作曲家たちがフランスで幅を利かせていた、印象主義絵画さえどうにか認知されてきたかという1880-1890年代に書かれている。後期のピアノ作品に結晶をみせるような不思議な和声感覚・旋律意識の萌芽めいた繊細さが、文学を愛して止まぬ青年作曲家ドビュッシーのペンからも折々こぼれおち、フランス韻文詩に名高い大家による歌詞のみごとな音楽化とあいまって汲めど尽きせぬ面白さ。その魅力を日本人の感性に「翻訳」するかのように、丁寧に解釈してゆく奈良ゆみのドビュッシー・アルバムの存在は、まさに貴重というほかない。 女声によるドビュッシー初期歌曲集には今やサンドリーヌ・ピオ盤という強敵もいるわけだが、いかにも新時代めいたピオのラテン的香気とはまったく違う、クラシックな歌い口のなかに微妙なニュアンスの変化をこっそり忍ばせる繊細な解釈はまったく奈良ゆみ独自の境地!日本人の感性の細やかさというか、彼女の歌を我々日本語の話し手が聴くから、心の琴線がどこか共鳴するのかもしれない。そんなことを思わせる不思議な魅力がある。歌い手が、個性をねらうわけでなく、ただ誠実に歌詞の妙味と音楽の妙味を追求してはじめて体現される細やかさ...さらに言えば、ピオ盤にはない歌詞日本語対訳もちゃんと全曲ついてくる。 「牧神の午後への前奏曲」や「海」など管弦楽のパレットばかりではない、ドビュッシーの芸術性に通底する文学性を感じ取りたいなら、このアルバムこそ最高のリファレンスだろう。その切り口で、声楽志望の音大生のみならずクラシック・リスナーすべてに捧げたい一作なのだった。 | ||
| ショパン:練習曲集 全曲 12の練習曲集Op.10/12の練習曲集Op.25/ 3つの新しい練習曲 |
津田理子(P) | |
| 録音:1998年。北斎版画にもなぞらえられた、繊細かつ筋の通ったショパン。後にAlphaで活躍する技師H.デショーの秀逸録音にも注目! バッハから現代まで幅広いレパートリーを持つ津田だが、ショパンについても協奏曲アルバム以外にこの『練習曲集』(全27曲)が燦然とした輝きを放つ――よりどりみどりショパンの作風の広がりが感じられるこれら二つの曲集を、まるで二つの連作組曲のような構成感覚をもって聴かせてしまう一貫性、それでいて各曲それぞれの自立性を鮮やかに印象づける細やかなタッチの、すばらしい求心力! ここに聴く津田の解釈力の確かさとテクニックの安定性は、ヨーロッパでも大いに賞賛の的となったようだ――「技術的に何も恐れることのない津田理子は、この練習曲に本物の一貫性をもった解釈を与える音楽性を持っている。音のニュアンスに対する鋭い感覚と鋭敏なタッチ、両方を兼ね備えている彼女は、最も力強い曲においても、コントロールした音で、素晴らしく大きな響きでありながら少しも硬い音にならない。はっきりとした響きと自然な音の録音は、筆さばきのよい北斎の版画を思い起こさせる」(仏Le Monde de la Musique誌)。今やAlphaのナチュラルサウンドを支えている看板技師ユーグ・デショーが、繊細なニュアンスで響くピアノの存在感を、ごく自然かつ鮮やかに引き立てている点にもご注目。 | ||
| フランツ・クサヴァー・リヒター(1709-1789): エレミアの哀歌(聖週間のためのルソン・ド・テネブル) 聖水曜日のルソン[I/II/III] 聖木曜日のルソン[I/II/III] 聖金曜日のルソン[I/II/III] |
イザベル・プルナール(S) パスカル・ベルタン(CT) ジル・ラゴン(T) ピーター・ハーヴェイ(B) ダニエル・キュイエ指揮 アンサンブル・ストラディヴァリア | |
| 録音:1999年9月。ピリオド楽器使用。マンハイム楽派の大御所が、フランスの伝統形式を見事に咀嚼。豪華独唱陣の切々たる歌を支える、魅力的な編成の伴奏陣にご注目。多様な魅力をはなつ傑作アルバム、国内盤仕様で堂々登場。 フランス屈指の古参古楽団体ストラディヴァリアは、その多角的な演奏活動を端的にしめす5作のアルバムをCypresレーベルに残している。彼らが東京フォーラム「フォル・ジュルネ」音楽祭に出演する2006年5月初旬へ向け、国内代理店はすべてを国内盤仕様でリリースする予定とのこと(「18世紀イタリア各地のスターバト・マーテル」(MCYP-1639)と「三つのヴァイオリン」(MCYP-1633)はリリース済み)。声楽パートとの緊密なやりとりや楽器間の絶妙なかけあいなどストラディヴァリアならではの魅力を多角的に楽しめるのが、F.X.リヒターが、意外にも晩年フランスで作曲していた秘作を収めた素晴しい一作。 F.X.リヒターといえば、モラヴィア出身でマンハイム宮廷の歌手としても活躍、ハイドンやモーツァルトらの登場以前にいわゆる古典派様式の萌芽をもたらしたマンハイム前古典派の大御所。だが彼らはヴィーン古典派の先駆者というよりもむしろ、当時の出版の中心地にして器楽への関心がとみに増しつつあったパリで大いに歓迎され名をあげていたのだ(ヨハン・シュターミッツもパリのとある金満家のもと、ラモーの後継者として雇われたくらいである)。だから、かつてド・ラランドやシャルパンティエらが見事な傑作をものしたフランス独特の形式「ルソン・ド・テネブル」を彼が手がけているのも実は自然なこと。ストラスブール大聖堂の楽長として活躍した晩年(モーツァルトがパリからの帰途に彼を訪問したのもこの頃)、ドイツ語圏の人々ならではの堅固な構成のなか、聖週間の節制期にあわせて抑制された楽器編成と独唱(声だけで織り成される音楽の、なんと緻密・繊細なこと!)しかも二つのヴィオラと通奏低音、三つのチェロ、あるいは2本のファゴットと通奏低音…と、小編成のなか意外な楽器の組み合わせが楽しめるのも魅力だ。阿吽の呼吸で豪華独唱陣(ご覧の通り、4人とも大御所!)のこまやかな歌をサポートしてゆく手際の良さ、腕前の確かさ!肌理細やかなファゴットの音色とふっくら上気するハーヴィのバス、プルナールのソプラノに諧調を添えるトラヴェルソ、随所で“音の折り目”ともいうべき野太い弦音を響かすコントラバス…。 MUSICA NUMERIS精鋭陣のエンジニアリングも常どおり快調でごく自然。並居るエレミア哀歌盤の中でも、作品の貴重さと演奏の出来で一つ頭出た仕上がりを誇る傑作盤として大いに推薦できるアルバムなのである。 | ||
| アルベルト・ヒナステラ(1916-1983): ピアノ作品全集 アルゼンチン舞曲集 Op.2(1937)/ 3つの小品 Op.6(1940)/ 子供のための小品(1942)/ 12のアメリカ前奏曲 Op.12(1944)/ 南米風舞曲の組曲 Op.15(1946)/ アルゼンチンの子供の歌によるロンド Op.19(1947)/ ピアノ・ソナタ第1番 Op.22(1952)/ ピアノ・ソナタ第2番 Op.53(1981)/ ピアノ・ソナタ第3番 Op.55(1982) |
津田理子(P) | |
| 録音:2000年2月22日&23日、ティボール・ヴァルガ財団スタジオ、シオン、スイス。使用楽器:スタインウェイ D-274 No.516005。 津田理子の代表的録音。自信溢れる解釈が頼もしい、変幻自在、多彩をきわめる全曲録音の決定版! アルゼンチン20世紀を代表する大御所中の大御所――旋律やリズム、コントラストの鮮やかさゆえか不思議なまでにファンの多い作曲家ヒナステラ(ちなみに、タンゴの巨匠ピアソラの師でもある)が残した、すべてのピアノ作品を一枚に収めたアルバム…と曲目構成の充実度もさることながら、女性ながらチャイコフスキーの「2番」の協奏曲を得意とするだけあって、その力強さや力量には一本筋のとおった確固たる津田の解釈の頼もしいこと! ほんの1分くらいの掌編から多楽章のソナタまで、また初期の作品から晩年の作品まで、ラテンアメリカの民俗風味も複雑なセリー処理も衒学的なソナタの構築感も何から何まで一通りこなした多芸の人ヒナステラのポートレートを描きとるのに何ら不足はないばかりか、技巧確かな迫力のなかに音楽を愉しむ“ゆとり”を息づかせつつ、まったく独特な魅力を放ちつづけている秀逸きわまる全曲集なのであって、前代理店からのリリース時に『レコード芸術』誌で取り上げられた際に絶賛されて特選盤となったのはもちろん、ヨーロッパでも大きな喝采をもって迎えられ、フランスの『ル・モンド・ド・ラ・ミュジーク』も惜しみなく星を与える脱帽ぶり。津田理子の芸術性の高さを如実に裏付けてあまりある本作、ヒナステラ・ファンは既にご存知であろう定番名盤だけに、棚にはぜひ揃えておきたい一枚だ――彼のピアノ曲をこれだけ体系的に集めたアルバム自体が稀有なことを考えれば、この秀逸録音の存在意義はきわめて大きい。今ではAlphaで大いに活躍中のユーグ・デショーがエンジニアを引き受け、ピアノのダイナミズムを余すところなく収め切っているのもポイント。 | ||
| フランソワ・フランクール(1698-1787): アルトワ伯の王室祝典のための サンフォニー(管弦楽組曲)(1777) ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764): 「優雅なインドの人々」〜管弦楽組曲(1735) |
ダニエル・キュイエ指揮 アンサンブル・ ストラディヴァリア | |
| 輸入盤は既案内。ピリオド楽器使用。ユーザーもよく知る、薫り高きアンサンブルの妙味! 古楽オーケストラ、ストラディヴァリア。フランス・ピリオド楽器演奏草創期からの長いキャリアに裏打ちされた味わい深い音楽性と、ラテン古楽ならではの色気と活気に彩られている。最近はMIRAREへも録音している彼らがCypresで制作してきたアルバムは小編成アンサンブルの傑作盤が多いが、本作では多人数からなる古楽オーケストラ編成。音の重なりが厚いぶん表現力にも一層の奥深さを見せ、堂々と大規模なフランス式管弦楽組曲2作を愉しませてくれる。 フランソワ・フランクールは17-18世紀のフランスで活躍したフランクール一族の中でも最も重要な音楽家。有名なルベルと親交を深め、ともにウィーンやプラハを旅して音楽の幅を広げ、晩年は国王のシャンブル付き楽団総監督として活躍した。この、悲しいくらい録音が少ない晩年作は、モーツァルトの交響曲第25番ト短調と同じ年の作にもかかわらず、頑迷なまでにフランス・バロック調。ストラディヴァリアは小編成アンサンブルでみせる結束力をそのまま大編成にも反映、さまざまな性格の舞曲やエールを、コントラスト豊かに魅せ、さらには気高い香気さすら漂わせる。 後半は打って代わって有名作、ラモー「優雅なインドの人々」。多彩をきわめる原作オペラのスコアから選びぬかれた10曲、一見散漫とも見えるが、実は入念に構図を練ったその解釈は音符の一つ一つまで説得力がみなぎり、まるでヴァトーの雅宴画のような美しさ。 青と黄金色を基調としたジャケットも美しく、古楽ファンはもちろん歌モノが苦手なライトユーザーにもおすすめの秀逸作。仏 Le Monde de la Musique 4つ星賞。仏 Telerama4ポイント賞・仏Classica 推薦。 2006年5月初旬には有楽町・東京フォーラムの「フォル・ジュルネ〜熱狂の日」音楽祭で来日する。 | ||
| 奈良ゆみ(S)〜フォーレ:歌曲集 ガブリエル・フォーレ(1845-1924): やさしき歌 [後光につつまれた聖女/黎明ひろがり/月白く/ 私は当てにならない道をあるいていた/ ほんとに僕は恐ろしいくらい/ お前が消えていく前に/さて、夏の明るいさる日に/ さて、どうです?/冬は終わった]/ 牢獄(空は屋根のかなたに)/ スプリーン(憂愁;町に雨がふるように)/月の光 ヴェニスの歌 [マンドリン/声をひそめて/グリーン/クリメーヌに/ やるせなく夢見る思い]/ 秋の歌/悲しみ/水のほとりで/涙/この世/ 夢のあとで/ゆりかご/夕暮れ |
奈良ゆみ(S) クロード・ラヴォワ(P) | |
| 録音:2000年9月5日-7日。誠実さと同時代性の共存。欧米人声楽家にはない独特の細やかさで綴られてゆく、フォーレ歌曲の美しさ!ヌーヴェルヴァーグ風ジャケも魅力、エスプリ香る秀逸盤。 フランスはパリを拠点としてヨーロッパを中心に盛んな演奏活動を展開、色彩感に溢れた声と個性的な表現力で脚光を浴びている日本人歌手・奈良ゆみ。クロスオーヴァー方面まで含めイタリアやドイツのオペラやリートがいまだ王道となっている日本人声楽界をよそに、彼女が得意とするのはドビュッシー、サティ、プーランク、コスマ...といったフランス近代の歌曲と小唄(2005年にはALMレーベルから素晴らしいメシアン・アルバムをリリースした)、のみならずシェーンベルクやヴァイルなど新時代ドイツ的な作品も鮮やかに歌いこなせば、他方、伊福部昭らと並び20世紀日本が誇る大家・松平頼則が彼女のために多くの作品を書いたことでも知られている。 そんな彼女が満を持して世に問うたフォーレ歌曲集。徹底した歌詞の読み込みのもと、やや古風な歌唱のなか、押し付けがましさとはまったく無縁に、ごく誠実に作品の情緒を描き出してゆく解釈の味わい深さは、1曲目をかけてすぐ、否応なしに伝わってくる。ユニークな才能を開花させてめくるめく魅力で聴き手を惹きつけてくれる昨今の欧米の異才たちも勿論すばらしいが、そうした香水芳醇スパイスふんだんな欧米流に慣れつつある向きには、奈良の歌い口の魅力はより大きく作用するのではないか? ナタリー・シュトゥッツマンやフェリシティ・ロットといった女声歌手たちとは根本的に、細やかさの方向性が違う。フランス文化を、実に親しみやすく咀嚼・解釈し、フランス独特の香気をまとわせたまま、さりげなく提示してみせる、いわば極上の翻訳文学のような味わいがそこにあるのだ。 ピアノ奏者ラヴォワは、名歌手ラシェル・ヤカールを長く伴奏してきたことでも知られる名手(ヤカールの素晴らしい2枚組フランス歌曲アルバム(VIRGIN)も彼の伴奏である)。ボールドウィンもかくやという手際の良さと、しっとりめのタッチに折々エスプリが弾けるフランス的妙味で、奈良の歌に素晴らしく薫り高い“書割”を添えているのもまた嬉しい。 奈良ゆみ:大阪市出身、相愛女子大学卒、フランス給費留学生としてパリ国立高等音楽院に入学。関西日仏音楽コンクールでプルミエ・グランプリを受賞、パリ・フランス歌曲国際コンクールで芸術・文化特別賞を受賞し、メシアンに注目される。モンテヴェルディからジョン・ケージまでの幅広いレパートリーを持ち、国際的な活躍を続けている。 | ||
| Corelli & co.〜イタリア・バロックの ヴァイオリン・ソナタさまざま アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713): ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタOp.5-5 カルロ・アンブロージオ・ロナーティ(1645頃-1710頃): スコラダトゥーラによる第10ソナタ ピエートロ・ジュゼッペ・ガエータノ・ ボーニ(1717-1742頃活躍): チェロと通奏低音のためのソナタ第3番 フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ(1690-1768): ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタOp.4-1 ジュゼッペ・タルティーニ(1692-1770): ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ第7番 (自筆譜集より) |
バンジャマン・ペロー (テオルボ/バロックG) アントワーヌ・ラドレット(Vc) ジョスラン・キュイエ(Cemb) ダニエル・キュイエ(バロックVn) アンサンブル・ストラディヴァリア | |
| 録音:2001年7月。ピリオド楽器使用。巨匠コレッリの聖典に勝るとも劣らぬ“異端児”たちの傑作群。“ヴァイオリン”も“通奏低音”も、ひたすらエキサイティング!壮絶なタルティーニ作品で幕を閉じる、圧巻のソナタ集! ストラディヴァリアの主宰者ダニエル・キュイエという人の、ヴァイオリニストとしての信じがたい実力を知らしめてくれる逸作。技巧的なだけでなく、ラテン的な歌心と一心不乱な“キレっぷり”を使い分ける絶妙の音楽作りで、完膚なきまでに打ちのめされる至高のアルバムだ。ダン・ラウリン(bfl)によるBISの同題アルバムと奇しくも同時期に制作された本作だが、当然ながらこちらは当のコレッリが弾いていた本来の楽器ヴァイオリンが主役。バロック室内ソナタの模範的作品集として追従者の絶えなかったコレッリの「作品5」を出発点にしつつも、収録作品は嬉しいくらい多岐にわたる。同時代のイタリア人ながら作風は大いに異なるロナーティ(意外と録音の少ない作曲家だ)はビーバーばりの変則調弦で風変わりなサウンドを楽しませ、知られざる鬼才ボーニは当時としてはかなり珍しいチェロを主役に据えたソナタで嬉しい驚きをもたらしてくれる(若手A.ラドレットの手際のよさ!)し、ヴェラチーニのソナタは歌心ゆたかでヴィヴァルディを脅かすほどの仕上がりを誇っている。しかし目玉はやはり最後のタルティーニ! 冒頭からいきなり長々とヴァイオリンが無伴奏で続き、やがてギターとチェロというやや珍しい伴奏がうっすら異国情緒をもたらすも、続く大変奏曲は最後まで先が読めぬヴィルトゥオージコな楽節の連続、ひたすら哀調あざやかなアレグロで幕を閉じる。先行曲の多彩ささえも霞むほどの奇矯さながら、的確な低音楽器構成の助力をうけつつこれを見事に弾きこなしてしまうダニエル・キュイエの威容!これに酔わずにいられようか。酔いっぱなしのビオンディが躍進めざましいシチリアワインの逸品なら、こちらは完璧きわまる豊穣さとバランスで迫るボルドー格付シャトーものめいた素晴らしさ。時に激しく弾きつつも均整ある作品を残した、コレッリその人さえ髣髴させる。 そして侮れないのが低音伴奏陣。Alphaでも折々活躍中のB.ペロー他、各自の自発性が稀有の調和をみせる。チェロのみ、撥弦音のみの瞬間でも楽しませつつ、全体で辻褄が合っているさまはまさに奇跡。彼らのアンサンブル力を印象づけて余りある名演ぶりなのだった。 | ||
| ヨセフ・ヨンゲン(1873-1953):室内楽作品集 Vol.1 5声のコンセールOp.71(フルート、ハープ、 ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための)/ ヴァイオリンとチェロのための ソナタ風二重奏曲Op.109/ フルートとハープのための緩やかな踊りOp.56/ ヴァイオリンとヴィオラのためのアダージョOp.22-1/ フルート、チェロとハープのための2つの小品Op.80 |
アルペ・アンサンブル [アルド・バールテン(Fl) ソフィー・アリンク(Hp) ヒュトリュン・フェルカンプト(Vn) ディーデリク・サイス(Va) マリー・アリンク(Vc)] | |
| 録音:2002年3月、シント・トルィデン(サン・トロン)、ベルギー。 ハープやフルートのための室内楽はドビュッシーにも負けぬ仕上がり! 多彩で奥深い作品群を、本場ベルギーきっての名手たちがどこまでも美しく仕上げてゆく――“芸術の秋”にふさわしい名盤! 管弦楽作品集と同時に国内盤リリースされるこの室内楽アルバムには、中期〜後期の、ジョンゲンがその芸術性をいよいよ深めてゆく頃の充実作がみっしり詰まっている。室内楽アルバムはもう一つあり(晩秋〜冬ごろ日本盤化予定)、そちらはピアノ三重奏曲&四重奏曲という大作2作なのに対し、こちらの室内楽作品集はフルートやハープを交えつつ、楽器ひとつひとつの役割が高い小〜中規模のさまざまな作品からなる。どのトラックも作品内容・演奏精度ともきわめて充実しているうえ、多様な編成の作品を集めているので、一枚でジョンゲンの魅力を端的に味わえることと思う。 中心となるのは、5人すべての奏者が演奏に参加する「5声のコンセール」(1923)。ショーソンを思わせる構造のなかでめくるめく音楽美が展開してゆく作品の魅力にふれれば、初演時から大成功だったという逸話も頷けるはず。バッハからドビュッシーまで様々な作曲家たちを想起させる引用めいたフレーズを繰り返しつつもソナタとしての見事な統一感を打ち出しているヴァイオリンとチェロの二重奏曲(1938、世界初録音)や、各曲それぞれ7分にもおよぶ三重奏のための二つの小品(1926)なども気合の入った充実作で、いずれもルーセル、シュミット、ラフマニノフ、バルトークなど偉大な同時代人たちを凌駕せんばかりの面白さ。若書きのアダージョ(1901)、フルートとハープのための玄妙をきわめるダンス・ラント(1924)も、それぞれに小さいながらごくロマンティックで美しい仕上がり――秋が深まるにつれて、こうした作品がしっとりと季節になじむのでは、と思わずにはいられない。 演奏はベルギー随一の若手奏者らの集まるアンサンブル・アルペー。知らずに聴けば年齢など考え及ばぬほど頼もしい各人の技量とアンサンブル力には惚れ惚れしてしまう。ハープの細やかな音色、フルートの静けさ、自由自在にからみあう弦楽器...まさしく紅葉とベルギービールの苦味が似合いそうな、実にたおやかな音楽を打ち出してくる面々だ。印象主義絵画の美しいジャケとあわせ、一般ファンにもアピールしたい一作。 | ||
| 3つのヴァイオリンのための作品集 B.マリーニ(1587頃-1663): エコーによる3つのヴァイオリンのためのソナタ/ チャッコーナ G.B.フォンターナ(?-1630):ソナタ第16番 G.B.ブオナメンテ(1600-1642): 3つのヴァイオリンのためのソナタ J.E.リーク(1630-1704): 舞踊組曲第4番/舞踊組曲第8番 G.フレスコバルディ(1583-1643): ラ・フォリアによるパルティータ パーセル(1659-1695): グラウンドによる3声合奏 シュメルツァー(1621-1680): 3つのヴァイオリンのためのソナタ ウッチェリーニ(1603-1680): 3つのヴァイオリンのための第9シンフォニア パッヘルベル:3声のカノンとジーグ |
アンサンブル・ストラディヴァリア [ダニエル・キュイエ、 アンヌ・シュヴァルロ、 エマニュエル・シュリッケ(Vn) エマニュエル・ジャック(Vc) ドミニク・フェラン(Org) シャルル=エドゥアール・フォンタン (テオルボ/バロックG)] | |
| ピリオド楽器使用。 超実力派アンサンブル・ストラディヴァリア、魅力にふれるにはまずこの1枚から。丁々発止のアンサンブル、鮮烈な感性に彩られた傑作アルバム! Cypresに多くの録音を残すバロック・ヴァイオリン奏者ダニエル・キュイエ率いるアンサンブル・ストラディヴァリアが、間違いなく現代屈指の正統派ラテン古楽アンサンブルであることを印象づけてくれる傑作盤がこれだ。 アンサンブル・ストラディヴァリアは1987年創設、つまり日本でやっとウィリアム・クリスティらの仕事が知られはじめた頃にはもう結成されていたフランスの老舗古楽アンサンブル。リーダーはS.クイケンに師事、一時クリスティのレザール・フロリサンに在籍したのち独立したバロック・ヴァイオリン奏者ダニエル・キュイエで、ラテン系らしい、挑発的な表現からたおやかなカンティレーナまで自由自在の躍動的な音楽性を誇っている。1990年代前半には今はなき秀逸レーベルADDAでルクレールの協奏曲やゼレンカの管弦楽曲などのアルバムを制作しているから、気合の入った古楽ファンなら「何を今さら...」と思われるのでは。ヨーロッパでの活躍ぶりからすれば、日本でももっと大々的に知られていっていいはずの実力派集団だ。 マリーニ、フォンターナといった、ときに逸脱的でさえあるバロック最初期のソナタ群や、シュメルツァー、リークといった中後期ドイツ・バロックの器楽合奏、パーセルの典雅なグラウンド...と、コレッリ式のトリオ・ソナタ形式がまだ確立途上にあったころの「3声の高音+バス」という魅力あふれる編成のために書かれた作品の数々を集めている。冒頭のエコー・ソナタに象徴されるように、この編成ではトリオ・ソナタ以上に対話が複雑になり(主役が3人もいるわけで。)アンサンブル・ストラディヴァリアのような、各奏者が自意識たかく遊び心をもって演奏しているアンサンブルにはうってつけ。どのトラックにも、各人の高いポテンシャルに裏付けられた鮮烈な対話と戦い、呼吸の荒ぶりと整いのえもいわれぬ妙味があふれている。通奏低音陣も遊び心満点、エキサイティングなこと、この上ない――同趣のアルバムは他にもあるが、面白みは本番が一つ頭抜きん出ているように思う。 最後のシメのトラックには、あの「パッヘルベルのカノン&ジグ」が収録されている――挑発的なピリオド演奏で3声のための17世紀作品を聴き続けた後だからこそ感じられる、通俗名曲的ではない“ドイツ17世紀の自然な器楽曲”っぽさは何物にも代えがたい(時代的必然性でいえば、Alia Voxの名盤『オスティナート』の上をゆくかもしれない)。1枚通してのプログラム性にもすぐれた、聴き通して楽しいアルバムに仕上がっているのであった。 | ||
| ヨセフ・ヨンゲン(1873-1953): アルデンヌの印象/チェロ協奏曲(*)/ フランドルの2つのノエルによる幻想曲 |
マリー・アリンク(Vc;*) ローマン・コフマン指揮 ベルギー国立o. | |
| ヴュータン、ルクーに次いでベルギー楽壇に君臨したヨンゲン(ジョンゲン)、その奥深い世界を掘り下げた4作のアルバムを国内盤仕様化。 料理の世界とおなじく、偉大なる時代のベルギー音楽事情はフランスのそれの影に隠れていまひとつ知られていない...だが、いみじくもイザイ(1858〜1935)が世界を制したように、またかつて1994年の歿後100周年時にその真価が大いに再評価された夭逝の天才作曲家ルクー(1870〜94)の素晴らしい作品群(RICERCARのシリーズ録音をご記憶の方も少なくないはず!)が如実に示しているように、19世紀後半から20世紀初頭にかけて――つまりベルギーが最も輝いていた頃――には、その後の国力の低迷とともに忘れられてしまったものの、ジョンゲン、ブロンクス、ビアレント、スーリ...と見過ごされるには惜しすぎる見事な作品を多々残した作曲家たちが数多く輩出していたのだ。晩期ドイツ・ロマン派、ヴァグナー=ダンディ風の初期印象主義、20世紀初頭の複合主義的作風などが繊細な感性のうちにからみあう、マーラーやフォーレとも伍しうる魅力的な世界をより多くの方々に知っていただきたい――第1弾は、30分を越える演奏時間になる大規模なチェロ協奏曲を中心にすえた管弦楽作品集だ。 冒頭に配された「アルデンヌの印象」は、美しい野の風景で知られるベルギーのアルデンヌ地方の情景を描写したもので、「ジークフリート牧歌」のような「海」のような...といった感覚のなか、世紀転換期の近代音楽的手法でひたすら美しく繊細な音楽がつむがれてゆく。フランス近代音楽好きにはたまらない魅力をもった作品だ。つづく長大なチェロ協奏曲は、“チェロのティボー”と賞された稀代の室内楽奏者ジェラルディに捧げられた作品。晩期ロマン派式の壮大な枠組みのなか、ベルギー新世代を担う気鋭のチェロ奏者マリー・アリンクがオーケストラと堂々の対話を繰り広げる。harmonia mundi franceでもCDを制作している彼女だが、細やかな歌いまわしの妙味など、ベルギー国内での絶大な人気を裏付ける秀逸な腕前をみせてくれる。最後に置かれた「フランドルのノエルによる幻想曲」は民俗音楽主題にもとづいて展開される変化に富んだ国民主義的作品。と、多彩な様相をみせるジョンゲンの管弦楽作法が1枚でさまざまに楽しめる内容なのだ。 ジョンゲンの本領は室内楽や声楽でもいかんなく発揮されるが、オーケストラ好きのクラシック・ファンにはまずこの1枚が手に取りやすく、かつジョンゲンらしさをよくご理解いただけるのではないだろうか。 指揮のコフマンはウクライナ生まれで、ボン・ベートーヴェンハレo.の音楽監督も務めた実力派。 | ||
| ベルギーの巨匠、ジョンゲンの世界 3 〜管弦楽のための作品集 ジョゼフ・ジョンゲン(1873-1953): 管弦楽のための三部作 (トリプティーク) Op.103/ 2つの管弦楽伴奏付き歌曲 Op.25/ 2つの管弦楽伴奏付き歌曲 Op.45/ 5つの管弦楽伴奏付き歌曲 Op.57 |
ピエール・バルトロメー指揮 モンテカルロpo. マリエット・ケメル(S) | |
| 先に輸入盤(CYP-1635)でご案内していたもの(輸入盤は国内では流通停止となります)。指揮はベルギーが誇る巨匠バルトロメー! 最晩年の鮮やかな手腕が印象的な「三部作」ほか伴奏付歌曲はまるで"ベルギー版「子供の角笛」"! LP時代からEMIやTELARCのアルバムで有名な「オルガンと管弦楽のための協奏交響曲」に聴くとおり、ジョンゲン(ヨンゲン)はドビュッシーらフランスの新しい管弦楽書法の細やかさを、がっしりしたドイツ伝統流儀の書法とうまく掛け合わせる手腕に長けていた。R.シュトラウスやラヴェル、あるいはマーラーといった作曲家たちにも似た、爛熟の末期ロマン主義と新時代のみずみずしい息吹きが相半ばする、そんなジョンゲンのオーケストラ世界をじっくり堪能したい向きには、ぜひこちらのアルバムを! 鋭敏なファンならその精緻かつ柔軟なタクトをよくご存知であろう、ベルギーの巨匠ピエール・バルトロメーの指揮で、名門モンテカルロ・フィルの持ち味がいかんなく引き出された秀逸な管弦楽演奏を味わえる1枚だ。 多作で知られるジョンゲンもオペラは書かなかったらしいが、そのかわりオーケストラの響きで歌曲に彩りを添えることにたいへん熱心で、9曲もの歌曲を管弦楽伴奏のために作曲・編曲している。どれも5分程度のわりにかなりの聴きごたえなのは、声の扱いがうまいせいか、それともオーケストレーションが多彩で充実しているせいか。いわばベルギー版「子供の不思議な角笛」か「オーヴェルニュの歌」か、といった忘れがたさのある曲ばかり! ルクセンブルク出身でモネ劇場を中心に活躍するM.ケメルの、しなやかな歌い口もすばらしい。 歌のない純粋な管弦楽作品「三部作」は晩年の曲、凝縮された管弦楽書法の妙味に、ジョンゲン後年の至高の境地をじっくり楽しみたい。 | ||
| ベルギーの巨匠、ジョンゲンの世界 4 室内楽作品集II〜ピアノ三&四重奏曲 ジョゼフ・ジョンゲン(1873-1953): ピアノ四重奏曲 Op.23(1902) 〜ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラと チェロのための/ 三重奏曲 Op.30(1907) 〜ピアノ、ヴァイオリンとヴィオラのための |
アンサンブル・ ジョゼフ・ジョンゲン [ディアーヌ・アンデルセン(P) エリオット・ローソン(Vn) ジャック・デュプリエ(Va) マルク・ドロビンスキー(Vc)] | |
| 先に輸入盤(CYP-1638)でご案内していたもの(輸入盤は国内では流通停止となります)。晩期ロマン主義と近代様式の、あざやかな邂逅! ジョンゲンならではの美質の粋が詰まった、ベルギー国民楽派きっての充実作2編がここに! ヴァイオリニストのイザイを作曲家として超一流とみなすのは無理かもしれないし、世紀末の期待の星ルクーは残念ながら夭逝してしまった。変革激しき20世紀初頭の音楽界に取り残されたかに見えたベルギーにはしかし、忘れがたき逸材ジョンゲンがいた! フランク=ダンディ派とドイツの伝統、双方の長所をあわせもち、20世紀的和声感覚をみごとに咀嚼した独特の「バランスの良い」作風で、もっとその魅力を知られて然るべき…と内心考えているファンは少なくないはず(日本語のウェブサイトもしばしば見かけるほどだ)。 フランス語圏ベルギーの他のレーベル同様、Cypresもこの忘れがたい作曲家を非常に大切にしている。今回国内盤としてご紹介するのは、同社のアルバム中おそらく最もジョンゲンらしい、その作風の魅力がつぶさに知れる二大傑作を集めた秀逸盤だ。かたやショーソンやフォーレも名作を残した、ピアノ四重奏という編成による大作、演奏時間45分以上、ほとんど交響曲のような緻密かつめくるめく音楽展開で嬉しい聴きごたえ抜群! ドイツ晩期ロマン派の堅固さに、フランキスト風の緻密さと細やかさの加わった仕上がりは何とも魅力的だ。かたやヴィオラの加わる意外な編成の「三重奏曲」はソナタ形式ではなく「前奏曲、変奏曲と終曲」というフランクめいた構成、各楽器それぞれの持ち味もたっぷり楽しめる逸品。 ピアノのアンデルセンやチェロのドロビンスキーをはじめ、演奏陣はベルギー屈指の室内楽奏者。じっさい随所でその俊達ぶりを実感させられる秀演だ。 | ||
| 18世紀イタリア各地のスターバト・マーテル ジローラモ・アボス(1715-1760): スターバト・マーテル(2人のソプラノ、アルト、 弦楽合奏と通奏低音のための) ジュゼッペ・タルティーニ(1692-1770): スターバト・マーテル(2人のソプラノ、アルト、 聖歌隊と通奏低音のための) クィリーノ・ガスパリーニ(1721-78): スターバト・マーテル(2人のソプラノ、 弦楽合奏と通奏低音のための) |
イザベル・プルナール、 イザベル・デロシェ(S) マルティン・オロ、 ブリュノ・ル・ルヴルール(CT) ダニエル・キュイエ指揮 アンサンブル・ストラディヴァリア | |
| 録音:2002年12月、フォンテヴロー。ピリオド楽器使用。 タルティーニ最晩年の、こんな美しい声楽曲が現存していた! 名歌手イザベル・プルナールらヴェテラン勢がフランスきっての銘古楽集団と織りなす至上の名作3編! いまさら紹介するまでもないであろう、フランス古楽シーンの大立者にして今なお変幻自在の表現力そのままに活躍するイザベル・プルナールと、AlphaやPAN CLASSICSなどで華々しい活動ぶりの一端を知ることができるイザベル・デロシェ――新旧世代を代表する2人の超実力派ソプラノが、1991年の結成以来ヨーロッパできわめてインテンスな演奏活動を展開しているダニエル・キュイエ&ストラディヴァリアとともに作り上げたのは、イタリア半島の南北で18世紀に書かれた「スターバト・マーテル」集。 「レクィエム」「ヴェスペレ」「エレミア哀歌」などと並んで人気の高いこのラテン語歌詞はペルゴレージの傑作(1733)が抜きん出て知られているが、18世紀にはこの名作に触発されながら、イタリア各地やアルプス以北で、似た編成の大規模なスターバト・マーテルが書かれていた(ハイドンの名作もその一つ)。 本作の収録作品はナポリのアボスによる一作(1750)、北はサルデーニャ王国(首都トリノ)のQ.ガスパリーニによる一作(1770)と2曲の大作とあわせ、なんと「悪魔のトリル」をはじめ殆どヴァイオリン作品など器楽曲しか知られていない“あの”タルティーニが死の1年前(モーツァルトのイタリアデビューの頃だ)に書き残していた、天上的な美しさを誇る見事な交唱式スターバト・マーテルをも収録(もちろん世界初録音)! 希少さ加減はいわずもがな、無垢の美しさに彩られたこの傑作をプルナールやデロシェらの絶唱で聴ける幸せは何物にも代えがたい。 オーケストラはフランスの老舗古楽集団アンサンブル・ストラディヴァリア。今はなきADDAやAdesに数多くの録音を残していることからもわかるとおり、早くも1987年に結成されて以来フランスではレザール・フロリサンやコンセール・スピリチュエル(H.ニケ主宰)などと同じくらい高く評価されてきた名団体だ。ペルゴレージ作品と同じく清らかな静謐さのただようアボスやガスパリーニ作品の真価がわかるのは、彼ら独特の玄妙なサウンドあってこそ。Pan ClassicsやAmbroisieの音響を支えるMUSICA NUMERISのエンジニアリングも、歌手と合奏の“粋”をとらえて鮮やかな音空間を演出してくれる。 | ||
| マルコ・ビズリー、フロットラを歌う! カーラ:愚直に続けさせていただきます アッザイオーロ:この道を通る者は ストリンガーリ:愛神よ、矢を控えなさい カプリオーリ:緑の葉そよぐ、高い杉の木の下 作者不詳:キビのパンだよ、あつあつだよ グイード・モリーニ:悲哀に寄せて フォリアーノ:愛です、ご婦人がた、お分けしましょう トロンボチーノ:そら、起き上がれ、睫毛をあげて ラッスス:わが婦人、お願いです 作者不詳:それでええがやろ、な/ 不実な女のパヴァーナとガッリャールダ 「棗」のグリエルモ:巡礼の兵士たちの歌 カーラ:愛の棘先を避けるには トロンボチーノ:苦しみにわが顔を浸そう スコート:何のことやら、いさ弾きたも、歌いたも ダルツァ:サルタレッロとピーヴァ カーラ:買う気はないよ、希望なんて デ・ルラーノ:おまえの帰還がどれほど嬉しいか トロンボチーノ:めでたし、マリア ボルローノ:ミラノっ子のパヴァーナとサルタレッロ トロンボチーノ:麗しきおとめ マルコ・ビズリー:おまえは眠っている |
アッコルドーネ [マルコ・ビズリー(T) グイード・モリーニ (室内Org/ディレクション) フランコ・パヴァン、 ステーファノ・ロッコ、 ファビオ・アックルソ(リュート)] ブルース・ディッキー(コルネット) | |
| もはや知らぬ者はなし、ナポリと英国の血をひく鬼才ビズリーとプログレッシヴ古楽鍵盤奏者グイード・モリーニの異色ユニット。撥弦を加えた絶唱が世にも美しい。 アンサンブルやソロ、ヴェルサティルな古楽=民俗アルバムなど、古楽いやクラシックの通念を覆すような、民族テイストと知性が不思議に入り混じる自由自在の歌唱でファンを魅了してやまない歌い手、マルコ・ビズリー。同じように情念の奔流と冷徹な知性をあわせもつ鍵盤奏者モリーニと結成した古楽=民俗=現代音楽ユニット「アッコルドーネ」待望の新譜が Cypres の秀逸録音を得てここに登場! プログラムはルネサンス中期のロウ・カルチャーの洗練収束にともない、15世紀末-16世紀のイタリアで流行した高音部主体の世俗歌曲である魅力的なフロットラの数々。(中低音部には人声を使わず、リュートや簡素なオルガン(ひたすら静か…)などでモノディっぽく伴奏して歌唱パートのきれいな旋律を際立たせているのだが、おかげで歌詞もくっきり、ビズリーの歌が隅々まで堪能できる。においたつ色気を漂わせつつも静謐で知的な独特の歌い口は、画布や壁面に美しいポーズで留まり続ける、ルネサンス絵画のいわくありげな人物たちのよう)何度も聴き返して、聴くごとに新鮮さと発見がある点でも天才画家たちの傑作群を思わせる。 また古楽ファンにとって嬉しいことに、なんとコルネット(ツィンク)の巨匠ブルース・ディッキー御大がさりげなく客演しているのだ! 余裕綽々、たおやかに自由闊達な吹きっぷりがビズリーの歌い口と絶妙にマッチして、その美しいこと...リュートや古楽ギターでリズミカルに興を添える撥弦楽器陣には、これまた大ヴェテランのフランコ・パヴァンが参加。情感を引き立てる好サポートにも是非注目したい。古楽的ナチュラルサウンドを予感させるシックなジャケットも好印象。古楽ファンならずとも、一聴すれば素直にハマらずにはいられないユニークな一作。イタリア(料理・美術...)好き、地中海好きの方はぜひご一聴を! | ||
| ジャコモ・カリッシミ(1605-1674): オラトリオ「ヴァニタス」(空虚なるかな)/ セレナータ「船上のふたり」(I naviganti)/ ミサ曲「船上のふたり」 (ミサ・ショルト・アヴェアン) |
ハンス=イェルク・マーメル(T) ジャン・チュベリー(コルネット)指揮 ラ・フェニーチェ ナミュール室内cho. | |
| ピリオド楽器使用。イタリア・バロック屈指の天才、オラトリオだけじゃなかった作風のゆたかさを端的に問う! 切々とやるせない思いを歌い交わすセレナータの美しさ、定旋律ミサのたおやかさ...録音経験豊富なる俊英古楽2団体による、ひたすら細やかで美しいカリッシミの世界。 CYPRESから、大御所実力派団体アンサンブル・ラ・フェニーチェによるカリッシミのアルバムが登場!NAÏVE、RICERCAR、VIRGIN、K617 と現代屈指の古楽レーベルを渡り歩いた末、やはり無数の録音歴を誇るナミュール室内合唱団の少数精鋭歌手陣とともに、オラトリオのみならず世俗のセレナータ、はては唯一真作と認められているミサ曲(セレナータと同じ旋律を使った作品)まで収録した多彩な内容。 オラトリオだけでも豊穣な音楽世界をみせてくれるカリッシミだが、こうしてカンタータ風の作品や、ジョスカン流儀の定旋律ミサ(かなりバロック流儀が混じっているのがまた面白い!)をあわせて聴けば、17世紀イタリアという時代の様相も浮かび上がるという仕組み。そんな面白さが体感できるのも、ひとえに経験豊富なコルネット奏者・指揮者のジャン・チュベリー率いる精鋭集団の、深い音楽性を感じさせる情感豊かな歌と演奏あってこそ。コントラストと演劇性を強調するというより、音楽総体としての呼吸を第一に切々と清明に声部をかさねてゆく解釈には、往年のミシェル・コルボやJ=F.パイヤールらによるバロック解釈に滔々と流れていたあの独特の「たおやかさ」さえも感じ取れることだろう。一部ジャン・チュベリーが闊達なコルネット・ソロを聞かせる場面もあり、鍵盤奏者ジャン=マルク・エムやコントラバスのマルティン・バウアーら実力派ぞろいの小編成バンドの楽音もMUSICA NUMERISのエンジニアリングで鮮やかに収録。曲目の希少さ、小編成合唱のインテンスな対応力などとともに、どこをとっても素晴らしいアルバムに仕上げられている。 | ||
| ゲストにエンリーコ・ガッティが登場 クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643): タンクレーディとクロリンダの戦い/ 歌劇「オルフェーオ」〜伝令とオルフェーオの場面 ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643): ロマネスカのアリア/ パッサカーリャによる100変奏 ジューリオ・カッチーニ(1551-1618): 「新しい音楽第2巻」(1614)より ジャンバッティスタ・フォンターナ(?-1630): 「ソナタ集」(1641) より[第8ソナタ/第16ソナタ] ケルビーノ・ブザッティ(?-1644)/グイード・モリーニ編: あなたは天使 |
マルコ・ビズリー(歌) グイード・モリーニ (Cemb/Org)総指揮 アッコルドーネ エンリーコ・ガッティ(Vn) ガエータノ・ナシッロ(Vc)他 | |
| ピリオド楽器使用。鬼才ビズリー&アッコルドーネ、ただでさえ大本命のプログラムだというのにゲストにはなんとエンリーコ・ガッティが! 自由闊達、贅沢極まりない大傑作盤。 ナポリ人と英国人の間に生まれた知的かつ妖艶な鬼才歌手マルコ・ビズリーと、キレると怖いプログレッシヴ天才キーボーディストこと、グイード・モリーニを中心とした異色の古楽ユニット「アッコルドーネ」が、「フロットラを歌う」(MCYP-1644)の興奮もさめやらぬまま早くも Cypres での第2作を発表。 今回は1600-1640年頃、つまり“歌いながら語る”イタリア・バロック最初期からの名曲群を惜しみなく並べた贅沢なアルバムになっている。モンテヴェルディ晩年のユニークな大曲「タンクレーディとクロリンダの戦い」が目玉中の目玉(「…ぜひ聴いて下さい。半世紀に一度の絶唱です!」と代理店)なら、待望のモリーニがソロをつとめたフレスコバルディの大曲ふたつも「B面メイン」的注目トラック。それだけでも感涙ものなのに、そのうえ今回はなんと、イタリアきってのバロック・ヴァイオリンの天才エンリーコ・ガッティ御大が堂々クレジットされている! しかも同朋ナシッロ(Vc)まで登場、ガッティならではの“独壇場”は(これも超重要&有名曲集の)フォンターナのソナタ2曲であますところなく味わえる。さらに撥弦奏者はフランコ・パヴァンとステーファノ・ロッコという手練中の手練。選び抜かれた10トラック、どこからどう聴いても、こんなに贅沢かつまとまりの良い初期バロック盤は滅多にない、という大傑作。収録曲のキャッチーさ、企画の高さ、そして演奏内容の、あまりの立派さ、、、超強力アイテム! | ||
| セルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953): ヴァイオリンのための室内楽作品全集 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.115/ ヴァイオリンとピアノのための ソナタ第1番 ヘ短調 Op.80/ 五つの無言歌 Op.35bis (ヴァイオリンとピアノのための編曲版)/ 2挺のヴァイオリンのためのソナタ Op.56/ ヴァイオリンとピアノのための ソナタ第2番 ニ長調 Op.94a/ 歌劇「戦争と平和」〜ワルツ Op.91/スケルツォ/ バレエ「石と花の物語」〜ロシアの踊り Op.118 |
タチヤーナ・サムイル(Vn) プラメナ・マンゴヴァ(P) ボリス・ブロヴティン(Vn) | |
| ロシアから燦然と現れた気鋭の新世代奏者が筋の通った音楽性をいかんなく発揮して織り上げた完膚なきまでの、プロコフィエフ体系的録音! イーゴリ・オイストラフに学んだ後ベルギーとスペインで研鑚を重ね、チャイコフスキー国際コンやエリザベートなどで上位入賞を果たし、ヴュータン国際コンでは堂々グランプリに輝いたタチヤーナ・サムイルは、今まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで知名度を伸ばしている注目のロシア新世代奏者だ(今やブリュッセルの王立モネ劇場のコンサートミストレスという重職を堂々勤めてさえいる!)。北はフィンランドから南はスペインまで有名オケと共演を重ね、そぞろ録音シーンにも登場しはじめた昨今、精妙かつビシッと筋の通ったロシア流儀の音楽性をいかんなく発揮した“最初の代表盤 "ともいうべき充実作が登場! プロコフィエフのソナタ集というと一見、新譜・名盤とも枚挙に暇のないジャンルにまたひとつ新録音…程度に思われそうだが、サムイルは周到にも歌曲編曲や劇作品からの抜粋編曲まで漏らさず、さらに2挺のヴァイオリンのためのソナタも加えて2枚組で収録。一タイトルでプロコフィエフのヴァイオリン室内楽のすべてを味わいつくせる充実盤に仕上げているのだ!しなやかで精確無比な演奏の奥に、祖国ものゆえの確信というか、芯の通った情熱が沸々と感じられる。スピヴァコフやレーピン、ヴェンゲーロフら後に大成をみせたロシアの名手達の若き日を彷彿させる確かな演奏をする。本場奏者のここまで闊達な演奏で秘曲まで堪能できる、ロシア音楽ファンはもとより全クラシック・ファンに推薦したい一作なのだ! | ||
| ジョゼフ・ジョンゲンの世界 5 室内楽作品集 III 〜ヴァイオリンとチェロのための作品 ジョゼフ・ジョンゲン(1873-1953): ピアノ三重奏のための二つの小品 Op.95 アバネラ Op.66〜チェロとピアノのための セレナータ Op.29bis〜ヴァイオリンとピアノのための 詩曲 Op.16 〜チェロとピアノのための ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番 Op.34 |
ヴェロニク・ボガールツ(Vn) マリー・アリンク(Vc) ジャン・クロード・ ヴァンデン・エイデン(P) | |
| ジョゼフ・ジョンゲン作品集に、待望の2006年最新リリース盤がお目見え! 腕前たしかな弦楽器奏者二人を、ベルギーきっての室内楽ピアニストが迎える。堅固な形式感覚と細やかな感性が相半ばする、大小さまざまな充実作をお楽しみあれ! フランス語圏ベルギー随一のレーベルCypresが確かな自信と自負をもって世に問いつづけるジョゼフ・ジョンゲン作品集シリーズ、待望の最新録音がお目見え! ヴァイオリンにはヴァン・ネスト門下で正統的なフランコ=ベルギー派の伝統をひくV.ボガールツ、チェロに協奏曲と室内楽の両面で飛ぶ鳥を落とす勢いで名声を高めている俊英M.アリンクを迎えての、ヴァイオリンとピアノ、チェロとピアノ、およびピアノ三重奏のための作品集。5曲の収録曲は大作から小品までヴァラエティに富んでいて、まるでラヴェルやヴィラ=ロボスの室内楽世界のような、ソナタのような大作でも小品でもみごとな独創性を発揮してくれるジョンゲン随一の世界をあますところなく堪能出来る。作曲年代をみても最初期から後期まで各時代からバランスよく選ばれており、これ一枚でジョンゲンの作風変化がおおむね俯瞰できるといっても過言ではない。叙情あふれる「詩曲」や精妙な「アバネラ」、気楽な「セレナータ」に入念なトリオ作品、そしてエネスコやドビュッシーのそれにも比肩しうる中期の傑作ソナタ(30分以上の大曲! )。LP時代にはEMIで活躍していた知る人ぞ知る実力派ヴァンデン・エイデンが、あざやかに水際立ったピアニズムを聴かせて伴奏以上の活躍をみせているのも嬉しい限り。フランス音楽好きもドイツもの好きも(もちろんベルギー文化愛好家も)、ジョンゲンという巨星をつぶさに知らしめる超・おすすめ充実アルバム! | ||
| アンリ・ヴュータン(1820-1881): チェロ協奏曲第1番 イ短調Op.46(原典版;*) / チェロ協奏曲第2番 ロ短調Op.50 |
マリー・アリンク(Vc) テオドール・グシュルバウアー指揮 ベルギー国立o. | |
| 輸入盤は既案内。日本語解説付き。録音:2000年7月&12月、ブリュッセル。(*)はこの版による世界初録音。 ベルギー人が弾くヴュータンは、やはり桁違いに薫り高い! 新世代の名手アリンクの堂々たる弓さばきの鮮やかさ...シフの名盤と悠々肩を並べる名演。 「高雅なるフランコ=ベルギー楽派」のヴァイオリニスト=作曲家といえば、20世紀ならグリュミオーないしイザイ、そして19世紀であればやはりイザイを育てたヴュータンだろう...ベルギーきってのタイトル数を誇るCypresレーベルに、ベルギー人チェリストのひどく充実した演奏によるヴュータンの協奏曲が残されているのは、実に嬉しいことだ。19世紀中-後半、植民地経営と重工業化でどんどん国が潤い、高度成長をとげて一大文化大国にもなった頃のベルギーで活躍したヴュータンは、自分の楽器であるヴァイオリンのために無数のサロン小品と7曲もの協奏曲を書き残しているが、右手の麻痺でヴァイオリンが演奏できなくなっていた晩年、同じくベルギー出身で国際的に活躍していたチェロ奏者セルヴェのために2曲の鮮やかなチェロ協奏曲を書いている。そこには晩年のヴュータンならではの古典主義への回帰が見られつつ(特に第2番はベートーヴェン偏愛が強く感じられる)も、独奏パートはやはり優美さと超絶技巧で旋律を彩るヴィルトゥオーゾのそれで、その旋律美が確たる(やや古風な)古典的構造感覚と不思議な調和をみせるのがこれら2曲のチェロ協奏曲だ(ハインリヒ・シフがEMIに録音した隠れ名盤もあるので、作品の魅力をご存知の方も少なくないはず)。 大ヴェテランのグシュルバウアーがベルギー国立管を率いて伴奏(このオーケストラがまた美しく統率されている!)する独奏者は、ベルギー新世代きってのチェロ奏者マリー・アリンク。出るべきところでぐいぐい押し、カンタービレの旋律は何とも繊細典雅に仕上げてくるあたり、作品の魅力を非常に知り尽くした、実に堂に入った演奏ぶり――繊細甘美さとともにアルデンヌ流の土臭さを感じさせる、修道院ビールのような逞しさが心地よい。祖国のみならず批評地獄?のフランスで高く評価されるのもうなづける名演奏だ。しかも「第1番」は現在通汎している演奏版ではない、セルヴェが最初に弾いたままの原典版による初録音!という嬉しさ。 同時代絵画によるジャケットもなかなか印象的で美しいディジパック仕様。高雅なロマン派の弦が聴きたい方には何を措いても本作をお勧めしたい。 | ||
| 張豪夫(Zhang Hao-Fu;1952-):室内楽作品集 弦楽四重奏曲第2番(デニソフの逝去に寄せて)/ 弦楽四重奏曲第3番(青海の民謡による)/ 弦楽四重奏とクラリネットのための五重奏曲「琴−簫」 |
ダネルSQ ジャン=ミシェル・ シャルリエ(Cl) | |
| 「ジャケ買い」して正解!のみずみずしい室内楽! デニソフの弟子による、国際感覚あふれる堅固なる充実作3編。1970年代頃から作曲を始め、90年代にヨーロッパに渡ってフォンティンや平義久、デニソフらに師事、IRCAMにも3年在籍した西安出身の中国人作曲家・張豪夫による、古典的で聴きやすい室内楽の充実作を3作集めたアルバム。 ヨーロッパ・ベースで活躍しているためか張の作品はみなバランスの良い仕上がりで、しばしば民俗的な旋律素材を使いながらも泥臭くはならず、ジャケットの版画のようにクラシカルな均整を誇るものばかり。師のひとりエディソン・デニソフ逝去の報にふれてペンを取ったという弦楽四重奏曲第2番は、終楽章で激しい慟哭が聴かれるも四つの楽器は決して混乱に陥らず(各パートの名手ぶりに脱帽!)、クラリネットが加わる「琴−簫」も各楽器がきわめて美しい音色を響かせるネオ印象派的?な作品で、曲全体を通じて打ち出される深い呼吸の静寂に「ジークフリート牧歌」や「浄夜」にも通じる美が漂う。しかも録音はMUSICA NUMERISきっての名エンジニア2人(フレデリク・ブリアンとニコラ・ド・ベコ)で、残響は強くないのに直接音がすぐそこで鳴っているかのような、奇跡的にナチュラルなサウンドに息を飲んでしまう。 ジャケットかわいさに手にとって絶対損はさせない、現代音楽は敬遠しがちのクラシック・ファンに必ずや気に入って頂けるであろう秀逸アルバム。 | ||
| フィリップ・ブースマンス(1936-): 歌劇「令嬢ジュリー」 (ストリントベルィの原作に基づく/全1幕) |
マレーナ・エルンマン(Ms) ゲリー・マギー(Br) ケルスティン・アヴェモ(S) 大野和士指揮 ブリュッセル王立モネ劇場o. | |
| 録音:2005年3月、初演時ライヴ。世界初録音。 指揮者・大野和士への独占インタビューを添付!! 大野&モネ劇場o.来日公演曲目にも含まれる作曲家ブスマンスのスリリングな充実作を、豪華メンバーで堪能できる話題必至の最新録音。 2002年の音楽監督就任以来おおいに新境地を開拓してきた大野和士&ベルギー王立モネ劇場――彼らに関する2005年の大きなニュースといえば、9月末から10月にかけて行われる“オーノの祖国”日本へのツアーと、いまベルギーで最も注目されている作曲家のひとりブースマンスの最新オペラ「令嬢ジュリー」の初演だろう。そして3月の初演時にライヴ収録された同作が、このたびCypresから堂々の発売とあいなった。来日へ向けますます注目度が高まりつつある大野和士、現状での最新録音である。 原作はスウェーデン最大の劇作家のひとりストリントベルィ(大正〜昭和初期の日本でも人気を誇った作家)の代表作のひとつ「令嬢ジュリー」。豪奢な邸宅を舞台に、主人の留守の間にその使用人ジャンが令嬢であるジュリーをかどわかした末に棄て、ジャンの婚約者クリスティンが現場に出くわしてしまい破局の結末へと向かう...という物語だ。登場人物はたった3人の非常にミニマルかつインテンスな同作、引き締まった管弦楽が快い緊張感のなかベルク流の滑らかな音楽を奏で、歌手たちはそれぞれ1語1語端的な台詞を表現力ゆたかに、迫真の歌唱で歌い上げる――2人の女声歌手エルンマンとアヴェモは原作者と同じスウェーデン出身、主役のエルンマンがBISに録音したキャバレー・ソング集での堂々たる歌いぶりをご存知の方なら、ちょっと精神不安定な女性主人公というセッティングをいかに彼女が素晴らしく歌いこなしているか、何となくおわかりいただけるのでは。 作品の隅々まで鋭敏に抉り出すような大野の素晴らしい指揮ぶりを得て、音楽はワーグナーやR.シュトラウス、ベルクといった錚々たる作曲家たちの傑作と肩を並べるほどの自然さと説得力を獲得している――「近代音楽」的な接しやすさがあるといってもよいだろう。しかも今回の国内仕様リリースにさいし、国内代理店から大野和士氏自身への独占インタビューを解説書に掲載。興趣の尽きない作品をより深く堪能できる仕掛けになっている。 ブースマンスの音楽は、来日公演でも管弦楽作品がマーラーの前プロに組まれている――コンサートへの予習としても、指揮者へのインタビュー含めぜひ押さえておきたい新録音だ。 | ||
| 冬の後に〜原田敬子(1968-):作品集 ヘヴィ・ウッド(五つの楽器のための)/ ラビリンスVIII(チェロとピアノのための)/ ソノーラ・ディスタンツィアII [響きあう隔たり](ギターと11の楽器のための)/ BONE +(アコーディオンのための)/ BONE #(ヴァイオリン、カリンバと ライヴ・エレクトロニクスのための)/ BONE(ピアノのための)/ ABYSS[深遠] (クラリネット、ヴァイオリンとチェロのための) |
フランスシス・デップ(Vc) ジャン=ピエール・プヴィオン、 山根孝司(Cl)他 ジョルジュ=エリ・オクトール指揮 アンサンブル・イクトゥス | |
| 現代ベルギーが誇る刺激的コンテンポラリー・グループICTUSの超名手たちがしなやかに描き出すのは、美しく確かな楽音の集成による“偏在性の音楽”。 1993年第62回日本音楽コンクール第1位、2001年には芥川作曲賞を受賞し、ヨーヨー・マを始めとする多くの演奏家に新作を提供している気鋭の作曲家・原田敬子を、ヨーロッパ第一線の現代音楽シーンでヴィヴィッドな問題提起を続けつつ華々しく活躍するベルギーのアンサンブル・イクトゥスが大々的にフィーチャーし、素晴らしい充実度で完成させたアルバム。三善晃やファニーホウ、間宮芳生といった面々の薫陶を受けてきた原田による7編の収録作品(1992年-2000年作曲)は、各楽器の特殊奏法ふくめ再現コンセプトこそ各々ユニークとはいえ、基本的には水際立ったエンジニアリングで収録された“生音”による音楽。ピアノの様々な音響、カリンバ(親指ピアノ)の多彩な奏法、“場”に広がるコントラバスの低音、めくるめくクラリネット…コンテンポラリー・シーンを垣間見たいクラシック・ファンには、白石勝久氏と原田氏本人による平明な日本語訳の解説とあわせ、ぜひお薦めしたいアルバム(フェルドマンやケージ、ファニーホウといった“巨匠たち”へのアプローチは、ここからそう遠くない)。コアな現代音楽ファンなら、原田随一の脱構築的なコンセプトにどこまでも面白みを見出せるのでは。ブリュッセルのダダ・スタジオにさりげなくMUSICA NUMERISのアリーヌ・ブロンディオも参画しつつ、あくまで生々しい音で楽しめる素晴らしい現代音楽アルバム。 | ||
| リストと自然 リスト: 巡礼の年第1年「スイス」/ 2つの伝説 [水面をわたるパオラの聖フランチェスコ/ 小鳥に説法を聞かせる アッシジの聖フランチェスコ] |
津田理子(P) | |
| 録音:1993年。リストの想ったスイスの自然が、共感豊かに蘇る―― スイスの異国人・津田が問うた、瑞々しくも確たる至高の解釈! マリー・ダグー夫人との恋の逃避行に出ていた青年時代に異国の地で書き溜めたスケッチをもとにリストが後年編み上げた曲集「巡礼の年」からスイス編と、ほぼ同時期に書かれた二つの大規模な小品「伝説」を収録。水面のさざ波や小鳥たちの囀りなどが細やかな技巧とともに浮かび上がる「伝説」での静謐な美もさることながら、広大な野、嵐、鐘の音...といったスイス独特の光景の数々を1曲ごと丁寧な解釈で聴かせつつ、それでいて曲集全体の構想もみごとに捉えており、聴いていてどんどん引き込まれてしまう(ジャケットに掲げられた同時代の画家ツュントによる風景画が、そのまま眼前にあるかのように思われてくる!)――技巧的にも音楽的にも決して気軽に全曲録音に踏み込めない難曲だけに意外や体系的録音の新名演に恵まれぬ「巡礼の年」だけに(3年分纏めてしまうと価格的にも苦しい)、“スイスの異国人”である津田によって共感豊かに彫り上げられたこの傑作録音の存在意義はひじょうに大きい。ピアノ・ファンを自認するヘヴィユーザーの方々なら、ぜひ本作で津田理子の芸術性を端的に知っていただきたい。もちろん、旅情に浸りたい一般ファンにも国内代理店が自信をもってお勧めできる、素直に「美しい!」と言明できるアルバムだ。 | ||
| ショパン: ピアノ協奏曲第1番 ホ短調Op.11/ ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調Op.21 |
津田理子(P) ダニエル・シュヴァイツァー指揮 チューリヒso. | |
| ふくよかに広がるオーケストラ、まろやかに輝くピアノの音色、雄大な構想のなか悠々と紡がれる、ショパンの叙情! スイスをベースに広範な活躍をみせつつ、さまざまなオーケストラとの協奏曲演奏経験も豊富な津田理子。ここではショパンの2大協奏曲を、彼女の夫で、夫婦ならではの綿密なパートナーシップをもって共演を続けているダニエル・シュヴァイツァー指揮によるチューリヒ交響楽団のサポートを得て演奏。ゆったりめのテンポを基調にしつつ、局面ごとの情に流されず全体をしっかり見据えながら丁寧に語り継いでゆく津田とシュヴァイツァーの対話――表現すべきものを熟知し安定感をもって演奏を進める手堅いオーケストラの響き、遅めのテンポを少しも緩慢に感じさせぬ確かな語り口のなか、うつくしい叙情とともに煌くピアノの美音。硬派な音楽作りに垣間見える光景はポーランドの美しい冬か、はたまたアルプスの高峰の潔い冷たさか、そこからほのかに香り立つ、静かな優しさがじわじわと聴き手の心を温めてゆく…といったラインの聴き応え確かな演奏で、(他の津田理子アルバムがことごとくそうであるように)作品じたいの奥深さ(あるいは底知れなさ)に知らず知らず思い及ばされて、つい何度も聴き確かめたくなってしまう。 伴奏のチューリヒ交響楽団はダニエル・シュヴァイツァーによって結成されて以来、四半世紀にわたりスイス屈指の名ホール・トーンハレを本拠として活躍を続けている。弦も管も悠々と伸びやかな音がとりわけ美しく、作品の雄大な構想をあざやかに描き出しつつ、緩徐楽章も味わい深く表情豊かに聴かせてくれる。両曲とも“聴き馴れた”とお感じのオールド・ファンにも、じっくり愉しんで頂きたい秀逸録音だ。 なお、当盤はレーベル在庫僅少、再プレス未定とのことで、今回の国内発売分で品切れとなる可能性大。状況によっては入荷までにかなりの時間を要する可能性がありますので、何とぞ御了承下さい。 | ||
| モーツァルト(1756-1791): クラリネット協奏曲 イ長調 K.622 ヴェーバー(1786-1826): クラリネット協奏曲第1番 ヘ短調 Op.73 ロッシーニ(1792-1868): クラリネットと管弦楽のための 「序奏、主題と変奏」 |
ジャン=リュク・ヴォタノ(Cl) ルイ・ラングレ指揮 リエージュpo. | |
| あまりにうつくしいピアニシモの味わい。弱冠20歳にしてリエージュ・フィル首席に就任したアンファン・テリブルが、古典派の超・名曲3編を、ユニークな感性で吹きこなす期待値は十二分、クラリネットの“面白さ "と“哀しさ "がいっぱいに広がる名演奏! リエージュ・フィルといえば、古くはポール・ストロース、最近ではピエール・バルトロメーの指揮下で数々の名演を残したベルギーきっての歴史ある名門楽団。そこに2002年、弱冠20歳にして首席奏者に就任、破竹の勢いで活躍を続けているのが本盤のクラリネット独奏者、ジャン=リュク・ヴォタノ! その鮮やかな感性で新旧古典派の名作3編を演奏したこのアルバム、泰然自若と落ち着いた佇まいで静かに深く作品美を彫り上げてゆく。とくに、ピアニシモの美しさはまさに絶品!モーツァルト晩年特有の“枯淡の美 "も、ヴェーバーならではの不穏なロマン情緒も、入念にして小悪魔的なロッシーニの歌いまわしも、独奏者の呼吸をよく捉えた仕事人ルイ・ラングレの好サポートをえて見事に再現され、かつ独特の風采をまとっている。その芸風の秘訣、どうぞじっくり聴き極めて頂きたい!ちなみにエンジニアは今やAlphaでもお馴染みJ-M.レネ。 | ||
| ニコライ・ズナイダー、ライヴ! ヘンリク・ヴィエニャフスキ(1835-1880): 華麗なるポロネーズOp.4(*) エルネスト・ショーソン(1855-1899): 詩曲(ポエーム)Op.27(*) ウジェーヌ・イザイ(1858-1931): 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番Op.27-2 クロード・ドビュッシー(1862-1918): ヴァイオリン・ソナタ(*) ジャン・シベリウス(1865-1957): ヴァイオリン協奏曲Op.47(#) |
ニコライ・ズナイダー(Vn) ソフィー・ラクリン(P;*) マルク・スーストロ指揮(#) 王立フランドルpo.(#) | |
| 今更ことわるまでもない一大名手の「小品集」ではない「傑作集」。イザイの無伴奏ソナタ、ショーソンやドビュッシーにシベリウスの協奏曲まで、めざましき名演の連続に酔う! 1997年エリーザベト国際コンクール、ヴァイオリン部門の優勝者で、昨今もベートーヴェンやメンデルスゾーンなど大物協奏曲を続々RCAからリリース、今や数少ないメジャー・レーベル・アーティストのひとりとして活躍中のデンマーク人ヴァイオリニスト、ニコライ・ズナイダー。現代の名手らしい完璧なテクニックと水際立った美音は、若手と見過ごしてはもったいない見事さ...エリザベート国際コンクール受賞者でもあるズナイダーだが、Cypresレーベルに彼の初期のライヴ集があった。 世界的に頭角を現した頃、メニューインが「イザイの正統な後継者」と讃えたのもうなづける、瑞々しく高雅な美音と引き締まったテクニックの確かさ!ショーソンの「詩曲」は確かなリズム感が弦音のニュアンスの細やかさをいっそう味わい深いものにしており、安定感を失わないしなやかさはドビュッシーのソナタを二倍も三倍も素晴らしい作品に感じさせてくれる。自由自在なイザイの無伴奏ソナタ(無伴奏ならではの求心力にひきつけられずにはいられない!)、圧巻のテクニックと風格の大きさを印象づける冒頭のヴィエニヤフスキ、そして最後はオーケストラ伴奏でのシベリウスの協奏曲(伴奏は職人的名指揮者スーストロ、当曲のみエリーザベト国際コンクールのライヴ(CYP-9603)からのテイク)。つまるところ、同じアンソロジーでもメジャーから出た小品集とは違う「ヴァイオリンのための重要曲集」なのだ。 来日公演での興奮が忘れられないファンはもちろん、ヴァイオリン芸術を愛する人にはぜひ手に取っていただきたい秀逸作。 | ||
| エリザベート国際コンクール最終審査全楽章ライヴ選集〜1956-2000巨匠たちの出発点 シベリウス:ヴァイオリン協奏曲Op.47 [ミリアム・フリード(イスラエル/1971年ヴァイオリン部門1位) ルネ・デフォセ指揮ベルギー放送so.] リスト:ピアノ協奏曲第1番 [ヴラディーミル・アシュケナージ(ソ連/1956年ピアノ部門1位) フランツ・アンドレ指揮ベルギー国立o.] ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.78(+) [堀米ゆず子(日本/1980年ヴァイオリン部門1位) ジャン=クロード・ヴァンデン・エインデン(P)] モーツァルト:ピアノ・ソナタ第12番 K.332[フランク・ブラレイ(フランス/1991年ピアノ部門1位)] ラヴェル:ヴァイオリンと管弦楽のための「ツィガーヌ」 [フィリップ・ヒルシュホーン(ベルギー/1967年ヴァイオリン部門1位) ルネ・デフォセ指揮ベルギー国立o.] チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番Op.35(++) [ヴァレリー・アファナシエフ(ソ連/1972年ピアノ部門1位) ルネ・デフォセ指揮ベルギー国立o.] ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」〜むごい運命よ! [マリー=ニコル・ルミュ(カナダ/2000年声楽部門1位) マルク・スーストロ指揮ベルギー王立モネ劇場so.] プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番Op.16 [アブデル=ラフマン・エル=バシャ(レバノン/1978年ピアノ部門1位) ジョルジュ・オクトール指揮ベルギー国立o.] チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲Op.35 [ヴァディム・レーピン(ソ連/1989年ヴァイオリン部門1位) ジョルジュ・オクトール指揮ベルギー国立o.] ショパン:バラード第4番Op.52[ヴィターリ・サモシュコ(ロシア/1999年ピアノ部門1位)] | ||
| 輸入盤は既案内。日本語解説付き。総演奏時間:218'22"。 アファナシエフ唯一の録音となる壮絶なチャイコフスキー、ロシア直系味あふれる青年アシュケナージ、若き天才たちの求心力にどんどん加熱するオーケストラ。全て全曲を収録、レア・トラック満載! 20世紀を代表する巨匠が百花繚乱。1950年代から録音されていたというエリザベート国際コンクールの最終審査、当盤は以前リリースされた同レーベルの12枚組BOX(CYP-9612)から、オイシイ所だけを厳選した3枚組ヴァージョン。Cypresと国内代理店が交渉した結果、国内盤ながら2枚組価格で販売できるようになったという。貴重な音源に触れるチャンス。 目玉はアファナシエフが弾くチャイコフスキーの協奏曲第1番。組み合わせからして垂涎ものだが演奏内容がまた素晴らしい。やる気まるでなしの絶望的な出だしを聴かせたオケが、若きソリストの怖ろしい集中力に触れてみるみる磨き上げられ、最終楽章では信じがたい統率力をみせるのが驚き。彼は協奏曲を殆ど録音しておらず、他にはOEHMS CLASSICSへ録音したベートーヴェンの全集位と思われるので、この演奏は貴重極まりない。他にもソロ録音の滅多にない堀米ゆず子の端正絶美なブラームス、「ソ連系」っぽさを強烈に背負ったアシュケナージ、NAÏVEから美しいアルバムを出したのも記憶に新しい上り調子の歌手M=N.ルミュ、エル=バシャ得意のプロコフィエフに、知る人ぞ知るM.フリードやF.ブラレイ...マニアなら見過ごせない貴重なリリース。 | ||
| 王は太鼓を叩かせる 〜フランス歌曲におけるバラードの数々 デオダ・ド・セヴラック(1873-1921): 王は太鼓を叩かせる/ルノー王 ジャコモ・マイヤベーア(1791-1864): 親方フローの小唄/修道士 カミーユ・サン=サーンス(1835-1921): 死の舞踏/ジャン王の軍隊がたどる道 フランシス・プーランク(1899-1963): 歌曲集「シャンソン=ガイヤルド」 ジャック・イベール(1890-1962): 歌曲集「ドン・キホーテの小唄さまざま」 |
シャディ・トルベイ(B) リオネル・ロト(Br) デヴィッド・ミラー、 ダニエル・ブルメンタール(P) | |
| 興趣のつきぬプログラムを、気鋭の2歌手が表現力ゆたかに歌う! 当盤は日本にファンも多い近代フランスの作曲家セヴラックが典雅に編曲したフランス伝承歌「王は太鼓を叩かせる」「ルノー王」(2曲とも原曲がALPHAからル・ポエム・アルモニークの演奏で発売されている(ALPHA-500))を冒頭に配し、19〜20世紀のフランスで、さまざまな有名作曲家たちが手がけた古いバラード旋律の歌曲アレンジを聴ける、非常に興味深いプログラム。サン=サーンスやイベールら、クラシック・ファンならすでにある程度作風のイメージがある作曲家たち中心の選曲だが、そうしたイメージとはやや異なった印象の曲も続出。かなり奥深く楽しめる。 しかしこうしてプログラムの妙味を面白がれるのも、やはりパフォーマーたちの技量が第一線にあるがゆえの賜物だろう――歌っているのは昨今エリザベート国際コンクールの声楽部門に入賞した2人の若き男声歌手だが、どちらも張りのある美しい声の持ち主であるだけでなく、歌曲ならではの小宇宙を表現する力が圧倒的にあり、若手離れした巧みで行き届いた解釈をきかせてくれるのだ(トルベイの歌うセヴラックやマイヤベーア、ロトの歌うめくるめくプーランクなどは圧巻至極!)。彼らを支える伴奏者も真のヴェテランだ――米国出身のブルメンタールはEt'Cetera他のレーベルに無数の録音のある現代ベルギー随一の室内楽ピアニスト=ソリスト、一方のミラーはモネ劇場やスカラ座で声楽トレーナーをつとめる伴奏のプロ! 両者ともに若き独唱者を立てつつ、出所をうまく押さえて作品を二倍も三倍も面白くしてゆく技量に感服してしまう――往年のダルトン・ボールドウィンやジェラルド・ムーアを思わせる腕前だ。 歌をきくことの喜びを深々と味あわせてくれる充実の1枚――もちろん、Alphaの『宮廷の階段に』ファンにはぜひ聴き比べを楽しんでいただきたい。 | ||
| 輸入盤 | ||
| テレマン:教会&世俗カンタータ集 Cantates pour l'église et le salon : Zischet nur, stechet, ihr feurigen Zungen!, Suite en ré majeur, Was ist mir doch das Rühmen Nütze?, Ach Herr, strafe mich nicht! |
ジャン=イヴ・ゲリ指揮 ル・ジャルダン・ド・ミュジーク | |
| 新案内。録音:1996年。 | ||
| アルテュール・オネゲル(1892-1955): 交響曲第2番/交響曲第4番「バーゼルの喜び」 |
ダニエル・シュヴァイツァー指揮 チューリヒso. | |
| 録音:1993年。第二次大戦を反映した陰鬱な絶望感に支配された作品ながらもフィナーレのトランペットのコラールがかすかな光明を表す第2番、バーゼルの美しい風景から生まれた第4番を収録。 | ||
| ベルギーのハープ音楽 アウグスト・デ・ブーク (オーギュスト・ド・ベック/ブック)(1865-1937): 幻想曲 ホ短調/即興曲 ト長調 ジョセフ・ヨンゲン (1873-1953): ワルーンのクリスマスのためのバラード/ ワルツ 変イ長調Op.73 ピエール・バルトロメー(1937-): ファンシー/3つのノクターン/パストラル |
フランセット・バルトロメー(Hp) | |
| 録音:1996年。19世紀末に考案されたペダルなしで半音階を奏することができるクロマティック・ハープと、ペダル付きの全音階ハープ(ダイアトニック・ハープ)のための、3人のベルギーの作曲家による作品集。7曲中5曲が世界初録音。 | ||
| アウグスト・デ・ブーク(1865-1931):交響曲 ト長調 エドガル・ティネル(1854-1912):序曲「ポリュークト」 |
ファブリス・ボロン指揮 フランドルso. | |
| 新案内。録音:1995年5月12日-14日、ヘント。 | ||
| ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 [第14番Op.27-2「月光」/第15番Op.28「田園」/ 第17番Op.31-2「テンペスト」] |
オリヴィエ・ド・スピーヘレイル(P) | |
| 新案内。録音:1997年。 | ||
| ヴォルフ:歌曲集 メーリケ歌曲集、イタリア歌曲集、スペイン歌曲集より |
ヘルダ・ハルトマン(S) ジョン・ワイトロー(P) | |
| 新案内。録音:1997年。 | ||
| ニコラス・ボランス(1963-):管弦楽&室内楽作品集 … Et derrière moi marchent les étoiles / 3つの愛のソネット/室内管弦楽のための音楽/ Sur quelques mots de Rainer Maria Rilke / Jeux d’Ombres /3つの絵 |
ミリヤム・コンツェン(Vn) ミシェル・シヴィェルチェフスキ指揮 スイス・ロマンドo. ヘスス・ロペス=コボス指揮 ローザンヌ室内o. グリュミオー・トリオ アンサンブル・アンテルコンタンポラン/他 | |
| 新案内。録音:1993年-1997年。 | ||
| 4手ピアノのための編曲集 ストラヴィンスキー:春の祭典 ベートーヴェン:大フーガ ドビュッシー:海 |
亀田真弓(P) ジャン=ジャック・バレ(P) | |
| 新案内。録音:1997年。 | ||
| ピエール・ヴェロンヌ(1889-1939): 子供のためのピアノ作品集 Au jardin des Bêtes Sauvages / Une Aventure de Babar / Invitation à la Musique / Théâtre des Marionnettes … d'autrefois … d'aujourd'hui |
テレーズ・マレングロー(P) | |
| 新案内。録音:1997年。 | ||
| ショーソン:ピアノ三重奏曲 ト短調 Op.3 ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調 |
アーチプル三重奏団 [ファブリス・ブーレ(P) ローレン・ ル・フレシエ(Vn) ヴェロニク・ブーレ(Vc)] | |
| 録音:1997年。 繊細で高貴な抒情をたたえたショーソンの若き日の佳作と、厳格な構成力がみごとに凝縮された緊張感溢れるラヴェルの傑作。フランス近代を代表する2曲のピアノ・トリオを収録。 | ||
| ハープの風景 ドビュッシー:神聖な舞曲と世俗的な舞曲 ジョルジュ・エネスコ(1881-1955):演奏会用アレグロ シャルル・ケクラン(1867-1950):ノクターン レオン・ロホジンスキ(1886-1938):小組曲 アルベール・ルーセル(1869-1937):即興曲 ルイ・ヴィエルヌ(1870-1937):ラプソディ ジャン・カルロ・メノッティ(1911-): カンティレーナとスケルツォ |
メディシス三重奏団 [フランセット・ バルトロメー(Hp) ベルナール・ピエロウス(Fl) ニン・シ(Va) | |
| 録音:1998年。 ドビュッシーをはじめフランスの近・現代作曲家のハープ作品集。バルトロメーのクロマティック・ハープとペダル・ハープを中心とするメディシス三重奏団による演奏。 | ||
| フレデリク・デフレーゼ(1929-):作品集 大オーケストラのための序曲/ピアノ協奏曲第1番/ 2群のオーケストラのための「ジェミニ」/ 管弦楽のための「神聖な舞曲」/ 2台のピアノのための「ジェミニ」/ ピアノのための「Lullaby for Jesse」/ ピアノのための組曲「黒と白」/ ピアノのための「マスカレード」 |
ダニエル・ブルメンタール(P) ローベルト・フロスロット(P) ジョルジュ・オクトール指揮 ブリュッセルBRTNpo./他 | |
| 録音:1987年-1993年。 地元ベルギーでは国民的音楽家となっているドフレーズによる個性的で聞きやすい作品集。 | ||
| ジャン・ロジステル(1879-1964):弦楽四重奏曲集 [第2番 ハ短調/第6番 ヘ短調] |
ゴングSQ | |
| 録音:1999年。リエージュSQの創始者でヴィオラ奏者でもあったロジステル。古楽アンサンブルの基礎を築いたことでも知られ、その作風は構成力の弱さを指摘する向きもあるが、フランス風表現主義とも言うべき変った作品は、人によってはダンディよりも評価すると言う。ゴングSQはリエージュSQのメンバーによって新しく結成された団体。 | ||
| シューベルト: 「さすらい人」幻想曲D.760/2つのスケルツォD.593/ グラーツの幻想曲D.605A/楽興の時D.780 |
ダニエル・ブルメンタール(P) | |
| 録音:1999年。 | ||
| フランク作曲によるオルガン作品の ピアノ・トランスクリプション集 前奏曲とフーガ/パストラール(以上バウアー編) 英雄的小品/幻想曲Op.16(以上デュラン編) カンタービレ(ジュマン編) 幻想曲Op.16/終曲(以上セルヴァ編) |
ミヒャエル・フローンマイヤー(P) | |
| 録音:1999年。 どちらかというと地味なフランクのオルガン作品だが、このような編曲集はさらに貴重。 | ||
| エイトール・ヴィラ=ロボス(1887-1959):管弦楽作品集 ショーロ第12番(管弦楽のための)/ ショーロ第7番(室内アンサンブルのための)/ ブラジル風バッハ第1番(8つのチェロのための) |
ピエール・バルトロメー指揮 ジョルジュ=エリ・オクトール指揮 リエージュpo. イベリア・チェロ八重奏団 | |
| 録音:1980年/1999年。 | ||
| 北方の音楽〜アルベルト大公とイザベラの時代 スザート、アンドリエンセン、ヴィラールト、ラッスス、 デ・ヴェルト、ジョスカン・デプレ、他の作品 |
ステファン・ ファン・ディック(Vo) ミシェル・ ケウステルナプス指揮 ラ・チェトラ・ドルフェオ | |
| 録音:1999年-2000年。 16-17世紀に全盛を極めたイタリア、スペインから見た北方、すなわちフランドル以北の音楽のアンソロジー。ファン・ディックはアンサンブル・ジル・バンショワ、アンサンブル・クレマン・ジャヌカンなどで活躍したベルギーの歌手。 | ||
| ヨーロッパ・ポリフォニーの黄金期(1350-1650) 初期ポリフォニーの創生と発展 ギヨーム・ド・マショー、ジョン・ダンスタブル、 ギヨーム・デュファイ、ヨハンネス・オケゲム ポリフォニックな大聖堂の礎石 ジョスカン・デプレ 疑問の時代 ニコラ・ゴンベール、 クリストバル・モラレス、トマス・タリス 不確定な時代 オルランド・デ・ラッソ、 トマス・ルイ・デ・ビクトリア、 ウィリアム・バード 新たなる透明性 ジョヴァンニ・ピエルルイジ・ダ・パレストリーナ 個人主義の勝利 歌とマドリガル |
ギ・ジャンセン指揮 ローダント・コンソート | |
| 録音:1994年-2000年。 ヨーロッパのポリフォニー(多声音楽)の300年の歴史を、各時代を代表する作曲家の作品を中心に集大成した意欲的なアルバム。CD-ROMの詳細は不詳。 | ||
| ヴィドール: オルガン交響曲第5番 ヘ短調Op.42-1/ オルガン交響曲第6番 ト短調Op.42-2 |
クリスティアーン・ セインハーヴェ(Org) | |
| 録音:2000年。使用楽器:カテリナ教会大オルガン、ストックホルム(ヴァンデンフーヴェル製作)。 セインハーヴェはフランダースの若いオルガニスト。 | ||
| ドビュッシーの領分 ドビュッシー: シリンクス/ フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ リチャード・ロドニー・ベネット: シランクスによるソナタ 武満 徹:そしてそれが風であることを知った ブノワ・メルニエ:映像 |
トリオ・メディチス | |
| 録音:2002年7月、シオン。 ドビュッシーの「フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ」と、その影響から生まれた同編成の室内楽作品を集めた洒落たアルバム。 | ||
| ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集 | ジョリア・フリーザニス(Vn) シリル・ユーヴェ(Fp) | |
| 録音:2003年5月、ヴァランセ。 ピリオド楽器使用。フリーザニスは1989年からミネソタ管弦楽団のコンサートミストレスを務めているヴァイオリニストで、1993年にロジャー・ノリントンと共演して以来ピリオド楽器の演奏にも手を染め、フランス人ピアニストのユーヴェと古楽スタイルによる二重奏で共演を重ねている。 | ||
| ロベルト・ジョルダーノ、リサイタル ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調Op.90 ブラームス:4つのバラードOp.10 バラキレフ:ひばり ボロディン:修道院にて/スケルツォ 変イ長調 スクリャービン:ピアノ・ソナタ第5番Op.53 |
ロベルト・ジョルダーノ(P) | |
| 録音:2004年5月、ブリュッセル。 エリザベート国際コンクールのファイナルで頭角をあらわした若きイタリア人ピアニストの瑞々しい感性がここに。録音技術・選曲・ジャケなど付加要素もすばらしい快作! 2003年のエリザベート国際コンクール(いちばん最近のピアノの回、日本では岡本麻子が入賞した)の公開ファイナリスト審査で注目を浴び国際舞台に出てきたロベルト・ジョルダーノは1981年生まれ、唐辛子料理で有名なイタリアの“つま先”ことカラブリア州出身のピアニスト。南イタリアのトロペアに生まれた若いピアニスト。ペーザロのロッシーニ音楽院を卒業後、ブゾーニ国際コンクールやエリーザベト王妃国際コンクールに上位入賞を果たしてデビュー、現在ではソロやオーケストラとの共演のほか、レオ・ヌッチやジョゼ・ファン・ダムなどの伴奏者としてもヨーロッパ各地で活動、まだ23歳という若さですでにイタリアのみならずベルギー、ルーマニアなどでも絶賛を浴びており、ここに早くも待望のデビュー・アルバム登場とあいなった。ベートーヴェンではいきなり解釈も難しいソナタ第27番を選び意外にも牧歌的で優美な演奏を聴かせてくれたかと思えば(第二楽章で引き込まれる!)、ブラームスのバラードは各曲の特徴をよくとらえ、ロシアの三つの小品では細やかな歌心を、最後のスクリャービンでは過激さに走らず絶妙のアゴーギグのなかに静謐な神秘性を漂わせてみせる――今後この若者がどう化けるか?などと考えるよりは、1枚のよくできたピアノ・アンソロジーを聴いた!という充実感を味あわせてくれる素敵なアルバムなのだ。 精鋭集団MUSICA NUMERISのエンジニアリングはピアノのデュナーミクを鮮やかに捉え、化粧品パッケージめいた色遣いのDigipackジャケットはあくまで美しい。 | ||
| ベートーヴェン:ディアベッリ変奏曲 (他の作曲家による17の変奏曲付き) |
オリヴィエ・ド・スピーヘレイル(P) | |
| 新案内。 | ||
| ダリウス・ミヨー:室内交響曲集 [第1番「春」Op.43/第2番「田園」Op.49/ 第3番「セレナード」Op.71/第5番Op.75]/ ヨーロッパの勃興Op.94/男と欲望Op.48 |
ベルナール・ドケーズ指揮 アンサンブル・デ・タン・モデルヌ フレタ・ド・レイヘル(S)他 | |
| 新案内。録音:1992年。 | ||
| フランスの弦楽四重奏曲集 ショーソン:弦楽四重奏曲ハ短調 Op.35(未完成) トゥルヌミール:礼拝の音楽 Op.61 フォーレ:弦楽四重奏曲ホ短調 Op.121 |
ガッジーニSQ | |
| 録音:1991年。第3楽章が未完成で終わったショーソン、フォーレが80歳のときに書いた彼にとっての最後の室内楽作品、そしてオルガニストとしても活躍したトゥルヌミールの四重奏曲を収録。 | ||
| フランスのヴァイオリン・ソナタ集 エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 イ短調Op.25 トゥルヌミール:ソナタ・ポエム Op.65 ルーセル:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調Op.28 オネゲル:ヴァイオリン・ソナタ |
パスカル・シュミット(Vn) アンヌ・ ヴァン・デン・ボッシュ(P) | |
| 録音:1995年。 フランスの4人の作曲家によるヴァイオリン・ソナタを収めたアルバム。それぞれの作曲家が個性を存分に発揮した作品ばかりで、その作風の違いが面白い。 | ||
| ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 ハ短調Op.43 | ユーリ・シモノフ指揮 ベルギー国立o. | |
| 新案内。録音:1996年2月16日-18日、ライヴ。 | ||
| エイトール・ヴィラ=ロボス: ヴァイオリンとピアノのための作品全集 Première Sonate-Fantaisie (Desesperança) / Deuxième Sonate-Fantaisie / Troisième Sonate / Sonhar - Melodia / Improviso n° 7 (Melodia) / Capriccio n° 1 / Berceuse / Elegie / O Canto de Cisno negro (Poema) |
ポール・クリンク(Vn) クロード・コッペンス(P) | |
| 新案内。録音:1996年。 | ||
| ルーセル: 交響曲第1番 Op.7「森の詩」/ ピアノ協奏曲 Op.36/ 交響詩「春の祭りに寄せて」 Op.22 |
ヤン・ミヒールス(P) ファブリス・ボロン指揮 フラーデレンso. | |
| 録音:1996年/1997年。古典的精神を近代フランスのエスプリのなかで昇華させた作曲家ルーセルの管弦楽作品集。印象主義的傾向が認められる交響曲第1番や独自の作風を確立したピアノ協奏曲を収録。 | ||
| モーリス・ドラージュ(1879-1961):室内楽作品集 声と室内アンサンブルのための 「 Quatre Poèmes Hindous 」(1914)/ ピアノ独奏のための「 Contrerimes 」(1927)/ 声と室内アンサンブルのための「7つの俳諧」(1925)/ 弦楽四重奏曲 ニ短調(1949) |
テレーズ・マレングロー(P) リュシエンヌ・ファン・デイク(A) ガッジーニSQ ボードワン・ジオー(Fl) アルド・ベアテン(Fl) ヨリス・ファン・デン・ハウウェ (Ob/イングリッシュHr) ロナルド・ファン・スペンドンク(Cl) クリスティアーヌ・コリエンヌ(Cl) ソフィー・ハリンク(Hp) ロベール・グロロ指揮 | |
| 新案内。録音:1996年。 | ||
| ショスタコーヴィチ: ピアノ・ソナタ第2番 ロ短調Op.61/24の前奏曲集Op.34 |
ヨハン・シュミット(P) | |
| 新案内。録音:1998年。 | ||
| 室内楽のための新しい作品集 アンリ・プスール(1929-):禁じられた庭園の7番目の光景 ベルナール・フォクルール(1953-): 2つのヴィオラ・ダ・ガンバのための2楽章 ミシェル・フールゴン(1968-):夜 フレデリク・デーヌ(1961-):Passoa Revisited エディソン・デニゾフ(1929-1996): アルト・サクソフォンとピアノのためのソナタ ジャチント・シェルシ(1905-1988):Anahit |
ジャン=ピエール・プヴィオン指揮 リエージュ新室内楽アンサンブル | |
| 新案内。録音:1996年。 | ||
| ミシェル・リシフト(1958-): 呪詛/時計 I/3つのクロッキー/時計 III/ エポード/3つの即興/迷宮 |
アンサンブル・ヌーヴェル・コンソナンス | |
| 新案内。録音:1998年。 | ||
| アンリ・プスール(1929-):声楽作品集 ピエールの花輪/Cycle de vie A et B/ Spirale de Liberte/Le temps des suprises |
マリアンヌ・プスール(S) ヴァンサン・ブーショ(Br) フレデリック・ジェフスキ(P) | |
| 録音:1998年。 プスールはベルギーの作曲家。第二次大戦後の前衛音楽を代表するひとりで、ヴェーベルンから出発しブーレーズやシュトックハウゼンとともに活躍、さまざまな新しい試みによる作品を発表している。「不屈の民の主題による変奏曲」等で知られる作曲家、ジェフスキがピアノで参加している所もミソ。 | ||
| L'Atelier Musicien クロード・ルドゥー(1960-): 透明な鏡/…L'aimer… デニス・ボッス(1960-):影の反乱/Inzwischen ミシェル・フールゴン(1968-):快楽/Traverses |
ロートル・トリオ [おおくぼ・いずみ(Vn) マルセル・コミノット(P) アラン・パイル(Tb)] | |
| 新案内。録音:1998年。 | ||
| ジャン=マリー・シモニス(1931-):ピアノ作品集 ノットルノOp.33/エヴォカシオンOp.29/ アンカンタシオンOp.35/映像の神秘Op.53/ パストラルOp.28/物語Op.24 |
テレーズ・マレングロー(P) | |
| 録音:1999年。世界初録音。 スクリャービンやデュティユーを思わせる神秘的な味わいを持つシモニスのピアノ作品。 | ||
| ヴェルレーヌの詩にちなんだ作品集 リュック・ジェラール:Circonspection フレデリック・ジェフスキ:Logigue ギャレット・リスト:Verlaine Mix パウロ・シャガス:Initium ボードゥイン・ド・ジェール:Cavitri ダニエル・シェル:Le Rossignol ジャン・イヴ・エヴロール:Sagesse アディ・エル・ガマル:セレナーデ |
アンサンブル・カドレ | |
| 録音:1999年。全て世界初録音。 フランスの詩人ヴェルレーヌの詩にちなんだ8人のベルギー人現代作曲家による作品集。ジェフスキーはアメリカ人だが、1977年からリエージュ王立音楽院の教授を務めており、おそらくはベルギーで書いた作品が演奏されているものと思われる。 | ||
| ピエール・バルトロメー(1937−):室内楽作品集 連続の最後(2つのヴァイオリンのための)/ 変奏曲(ピアノのための)/ 夜の点(メゾソプラノと弦楽四重奏のための)/ さようなら(クラリネットとピアノのための)/ ...et j'ai vu l'ame sur un fil...elle dansait (フルート、アルトとハープのための)/ ルフラン(ヴァイオリンとトロンボーンのための) |
ルシエンヌ・ヴァン・ダイク(Ms) アンドレ・クレーヴェ、 エレーネ・リーベン、 奥野いずみ(Vn) パスカル・シグリスト(P) ジャン・ピエール・ボヴィオン(Cl) アラン・ビール(Tb) トリオ・メディシス クレーヴェSQ | |
| 録音:2000年。すべて世界初録音。 現代ベルギーを代表する作曲家バルトロメーが1986年から2000年までに書いた作品。 | ||
| アンリ・プスール〜Aquarius-memorial アンリ・プスール(1929-): Les litanies d'icare/ Danseurs gnidiens cherchant la perie clementine/ Les fouilles de jerusona/ Icare aux jardins du verseau |
フレデリック・ジェフスキ(P) ピエール・バルトロメー指揮 ベートーヴェン・アカデミー | |
| 録音:2000年10月。 | ||
| アンドレ・スーリ(1899-1970):作品集 フランドルのルネサンス様式によるコンセール/ ソクラテスの墓/ オルガンのための3つのインヴェンション/ クラリス・ジュランヴィルによるアリア/ ブルレスケ/コラール、マーチとギャロップ/ ヴィオラとピアノのための小品/3つの日本の詩/他 |
アンヌ=カトリーヌ・ジル(S) クリスティーヌ・ソルホース(Ms) フィリップ・テルスレール(P) ダネルSQ/他 | |
| ベルギーの現代音楽作曲家、スーリの室内楽を中心とした作品集。 | ||
| ベノワ・メルニエ(1964-): ミサ曲「Christi regis gentium」/ オルガンのための小インヴェンション(*) |
ベノワ・メルニエ(Org;*) ザヴィエ・デプレ(Org) オリヴィエ・オプデベック指揮 カペラ・ サンクティ・ミヒャエリス ナムール室内cho. | |
| 録音:2000年11月、12月/2001年7月。 | ||
| ベノワ・メルニエ(1964-):作品集 クラリネット五重奏曲/ Les niais de sologne/ Les idees heureuses/Intonazione |
ジャン=ミシェル・ シャルリエ(Cl) ダネルSQ ファビアン・パニセッロ指揮 アンサンブル・ ムジク・ヌーヴェル ジョルジュ=エリ・オクトール指揮 イクトゥス・アンサンブル ミヒャエル・シェーンヴァント指揮 フランス放送po. | |
| 録音:1997年11月/1999年9月/2001年3月-6月。 ベノワ・メルニエはブリュッセル生まれの作曲家・オルガニスト。リエージュ音楽院で音楽理論の教授も務めており、また、これまで録音した作品や演奏で数々のレコード賞を受賞しているという。 | ||
| ドニ・プスール(1958-):未来の沈黙 | エボニー・トリオ (P、Vn、Cl) | |
| 録音:2001年。舞台作品やバレエ、映画音楽など幅広い分野で活躍しているベルギーの作曲家D.プスールの作品集。 | ||
| 「フルート吹き」の世紀 ヨンゲン:緩やかな舞曲 ユージン・グーセンス:3つの絵画 レオン・ステッケ:夜想曲 Op.5/ スケルツォ・カプリチオーソ Op.19 マルセル・プート:伝説曲 ジャック・ルデュック:フルート・ソナタ ハオ・フー・ツァン:二人のための劇場 |
デニス=ピエール・ グスタン(Fl) カルメン・ロタルー(P) | |
| 発売:2002年。録音:DDD。 ベルギーの著名な画家・彫刻家、リック・ウーテルスの代表作「フルート吹き」に因んで、20世紀のフルート作品を集めたアルバム。演奏しているグスタンはベルギー国立o.の首席を務める若き名手。 | ||
| リュシアン・ポスマン(1952-):ブレイクによる作品集 ロスの書/経験の歌/朝に/夕星に |
アエルス・クロンメン(S) マルク・ルグロ(Fl) バート・メインスケンス(P) マルク・ミヒャエル・ デ・スメット指揮 ゴーイヴェルツ・コンソート | |
| 録音:2002年。ポスマンはベルギーの作曲家。英国の詩人・版画家のウィリアム・ブレイクにインスパイアされた作品を数多く書いており、今CDにはその中の4作品を収録。 | ||
| ジャック・ルデュック(1932-):作品集 ピアノのための作品 2台のピアノのための作品 ハープのための作品 |
オリヴィエ・ ド・スピーゲレイル、 デュオ・デュリュオグルー= ドミリス・マルテンス(P) フランセット・バルトロメー(Hp) | |
| 録音:2002年。ルデュックはベルギー伝統主義の作曲家。 | ||
| ジャン=マリー・ランス(1955-): ヴァイブレーションズ(*)/ 文字主義者の3つの小さな詩(+)/ ピアノのための3つの小品(#)/ フラマン、フランス、 ワロンの伝承による7つの歌(**)/ 空間−時間(++) |
デニス・ムニエ指揮(*/+) ムジーク・ヌーヴェル(*) ワールド・ジュネスcho. ジョルジュ・デップ(P;#) ナアンドーヴ(**) ピエール・バルトロメー指揮 リエージュpo.(+++) | |
| 録音:1998年-2003年。 ベルギーの作曲家ランズはジャズやワールドミュージックの畑からシリアスな音楽の作曲家に転向した経歴の持ち主で、型にはまらない自由な作風が魅力。 | ||
| ジャクリーヌ・フォンティン(1930-):室内楽作品集 プロ&アンティヴァーブス(*)/マイム2(#)/ 6つのクリマ(+)/7つの絞首台の歌(**)/ 警鐘(##)/モザイク(++)/四重奏のための音楽(***) |
エルス・クロマン(S;*/**) ジャン=ミシェル・ シャルリエ(Cl;#/**/++) シャルル=アンドレ・リナール(Vn;***) エミール・カントル(Va;***) ラウレンティウ・ スバルセア(Vc;*/+/**/***) フィリップ・テルセレール(P;#/***) | |
| 録音:2003年3月、スネッフ。 ジャクリーヌ・フォンティンはアントワープで生まれたベルギーの女流作曲家。わずか6歳の時にそのピアノの才能をヨンゲンによって見出され、14歳の時に作曲家になる事を決意、パリでマックス・ドイッチュに師事して最新の音楽理論を学ぶほか、ウィーンでスワロフスキーの指揮法のクラスにも参加した。当ディスクには1964年から1994年までに書かれた7作品が収録されているが、その作品はいずれも短い警句風のもので、ポスト・ヴェーベルン時代の古きよき(?)ヨーロッパの伝統を感じさせる。なお、このアルバムは当録音後に不慮の交通事故で死去したヴァイオリニストのシャルル=アンドレ・リナールに捧げられている。 | ||
| アンリ・プスール(1929-): 交差する色調(管弦楽のための;1967)(*)/ 第2のラモー讃(21の楽器のための;1981)(+) |
ピエール・バルトロメー指揮 リエージュpo.(*) アンサンブル・ ムジーク・ヌーヴェル(+) | |
| 録音:1986年6月、リエージュ(*)/2002年12月、ブリュッセル(+)。 「あなたのファウスト」で有名なベルギーの現代作曲家プスールの作品集。「交差する色調」はクーゼヴィツキー財団の委嘱によって作曲されたプスールの代表的な管弦楽曲で、アメリカの賛美歌「勝利を我らに」が引用されている。「第2のラモー讃」はクープランの「リュリ讃」のパロディーで、パルナッスス山に招かれた音楽の祖ラモーが、ドビュッシー、ストラヴィンスキー、シェーンベルク、ヴェーベルンらと交流して古典と現代の結合が行われる、というストーリーを持つ作品。ちなみに第1の「ラモー讃」は1968年にプスールが著した本の題名で、音楽作品としては存在しない。 | ||
| タクシャシラー〜無伴奏クラリネットのための作品集 ジャン=ルイ・ロベール(1948-1979): タクシャシラー(ソプラノ・クラリネットのための) ジャン=ピエール・プヴィオン(1945-): タラ・イラ(2本のクラリネットのための)/ テクメッサ(タラゴットのための)/ ヤラ(ソプラノ・クラリネットとグラスのための) ミシェル・フールゴン(1968-): 暗殺されたカルロ(バス・クラリネットのための) ボードアン・ド・ジャエル(1962-): 一つの音(ソプラノ・クラリネットのための) クロード・ルドゥー(1960-): ドルフィン・トリビュート (バス・クラリネットとエレクトロニクスのための) パトリック・ランファン(1945-) デュオクト(様々なクラリネットとテープのための) |
ジャン=ピエール・プヴィオン (Cl/ソプラノCl/バスCl/タラゴット) | |
| クラリネット1本がもつ無限の可能性をあざやかに印象づけるその至芸に脱帽、ヴァグナーも使った珍楽器タラゴットの響きも必聴! 静寂・喧騒・神秘・空間性――どこまでも飽きない1枚。 ベルギーのワロン歌劇場で首席奏者をつとめたのち、現代音楽シーンを中心に活躍しているジャン=ピエール・プヴィオンが、さまざまなクラリネットを手に、無伴奏での可能性をどこまでも追究してゆくアルバム。使用楽器はさまざまで、ソプラノ・クラリネットの軽妙さ、バス・クラリネットの深い呼吸、ヴァグナーが「トリスタンとイゾルデ」初演時に使用した管楽器タラゴット(現在ではルーマニアの民俗音楽でよく使われる)の玄妙かつ豊かな響き...とプヴィオンの楽器に対するこだわり(彼はヘレヴェッヘ指揮下でピリオド式のバセットホルンも吹いている)は相当なもの。それが、本来のB♭管クラリネットに立ち戻ったさいに聴かれる実に多種多彩な音色にあらわれてくる。カンティレーナな部分での美しいピアニシモ、雄弁に繰り出されるヴィルトゥオージコなセクションなど聴きどころ満載だ。 テープやエレクトロニクスの使い方もごく自然で、どこかニューエイジめいたオーガニックな音響をもたらしてくれる。気がつけば1枚ゆっくり聴き切ってしまう…そういった味わい深さのある1作だ。 | ||
| 静寂の野〜ドニ・ボッス(1960-):室内楽作品集 放火恐怖症(ピアノ三重奏のための)/ ジュリー=アンヌ・ドロムへの手紙 (無伴奏ヴァイオリンのための)/ 愛想よき人々(ピアノのための)/ 綱渡り芸人(無伴奏チェロのための) |
トリオ・フィボナッチ [ジュリア=アンヌ・ドロム(Vn) ガブリエル・プリン(Vc) アンドレ・リスティッチ(P)] | |
| 静謐な開始部、煌びやかな展開。“わかりやすい”仕上がりの無伴奏チェロ変奏曲も魅力たっぷり! カナダの俊英3人が織りなす、フランス新世代人の室内楽世界。 ボルドー近辺の出身で、ダルムシュタットやサントル・アカント講習会などを経てベルギーに渡り、リエージュでフレデリック・ジェフスキに師事した作曲家ドニ・ボッスの端的な室内楽作品集。ルイージ・ノーノやヘルムート・ラッヘンマンといった大立者たちとも交流がありつつも、理念的ではなく、ちゃんと手触りのある(つまり、聴きやすい)作品を仕上げてくる作曲家のようで、音響と同じくらい静寂(つまり休止・休符)の扱いにも心を配っているという。ここではフランス語圏カナダを中心に活躍する若い実力派集団トリオ・フィボナッチとの交わりの中で生まれた作品群を、当のトリオの面々による演奏で聴くことができる。アンドレ・リスティッチのキメ細やかで呼吸の深いピアノも魅力なら、2人の弦楽器奏者の磨きぬかれた音色も素晴らしい――とりわけ各人の無伴奏作品には彼らのソリストとしての適性がいかんなく発揮され、まるですばらしい協奏曲のカデンツァを聴いているかのよう。AEONや などのフランス現代音楽新譜を心待ちにしているファンはもちろん、とっつきやすい現代音楽を探している方にもぜひおすすめのアルバム。 | ||
| アン・ディー・ナハト(夜に) 〜ブノワ・メルニエ(1964-):最新作品集 夜に(ノヴァーリスの詩による) 〜ソプラノと管弦楽のための(2002)(*)/ ピアノ・トリオ(2003)(#)/ ウィリアム・ブレイクの詩による歌曲集 〜ソプラノと13楽器のための(1992-94)(+) |
ロール・デルカンプ(S;*) パトリック・ダヴァン指揮(*) リエージュpo.(*) トリオ・フィボナッチ(#) カルメン・フッギス(S;+) ペーター・ルンデル指揮(+) アンサンブル・モデルン(+). | |
| アンサンブル・モデルン他、演奏陣の豪華さに感動!!ポスト・セリー以降の独立系作曲家メルニエ。今回は声楽曲を中心に、新ロマン派的世界を披露。 静謐な合唱とオルガンがネオ=ルネサンス的世界を醸し出す「世界の救世主キリストのミサ」(CYP-4612)、ラモーへのオマージュのような表題作品ほか多様な編成の作品を集めた「ソローニュの愚者」(CYP-4613)に続く、Cypres3作目となるメルニエ作品集。今回は前/初期ロマン派の詩にもとづく2編の声楽作品とあわせ、シューマンのトリオにインスパイアされたという「ピアノ・トリオ」を収録。ノヴァーリス、シューマン、ウィリアム・ブレイク…と“ロマン派世界の現代的再解釈”という一環したテーマが垣間見える。 ベルギー新世代の代表者のひとりメルニエは、“ポスト・セリー以降”を生き抜いて独自の作風を見出したタイプの作曲家。プスール、フォクルール、ブスマンスといった上の世代のベルギー人作曲家たちの薫陶を受け、オルガニストとしてルネサンスから現代まで幅広い作品を演奏しており、世代的にもちょうど“ベルギーのエスケシュ”といったところか。聴き手を拒否せず、しかも自らの芸術をありありと印象づけてみせる雄弁な語り口は今回も健在だ。ストロース、ロザンタール、バルトロメーらと名演を繰り広げてきたリエージュ・フィル、アンサンブル・モデルン…らの醸し出す鋭敏なサウンドがまた、新しい音楽を易々と弾きこなしてしまう彼らの適性を裏付けてあまりある充実度!ピアノ・トリオの具象的な求心力などは一般室内楽ファンにも大きくアピールしそうだ。 当盤には日本語解説&帯は付属しません。 | ||
| テリー・ライリー:イン C(1964) | イクトゥス・アンサンブル ブリンドマン・サクソフォン・ クァルテット | |
| 録音:1997年3月31日、ブリュッセル。ライヴ。 現代音楽専門のアンサンブル、ICTUSが繰り広げる65分に渡る壮絶ライヴ。トラック数13。 | ||
| ヘルムート・エーリンク(1961-) &イリス・テル・シプホルスト(1956-): Prae-Senz Ballet Blanc U(1997) (ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、 エレクトリック・キーボードのための)/ Foxfire Eins Natriumpentothal(ギターのための)(1993) Sexton A.(ヴィオラのための)(1996) |
イクトゥス・アンサンブル | |
| 二人のドイツ人作曲家の共同作品。 | ||
| サルヴァトレ・シャリーノ(1947-): ピアノ・ソナタ[第2番−第5番]/ 4つのノクターン |
ニコラス・ホッジス、 オスカル・ピッツォ、 シャイ・ウォスナー(P) | |
| 録音:2000年。 ベリオ以降最も重要なイタリアの作曲家、シャリーノが1980年から2000年までに書いた作品。 | ||
| ジョナサン・ハーヴィ(1939-): 空虚の車輪/メシアンのトンボー/ ひとつの旋律への探究(リチェルカーレ)I/ アドヴァーヤ/ ひとつの旋律への探究(リチェルカーレ)II/ 死の光/光の死 |
イクトゥス・アンサンブル | |
| 新案内。録音:2001年。 | ||
| ストラヴィンスキー:弦楽のための協奏曲 ニ調 ショスタコーヴィチ:室内交響曲(弦楽四重奏曲第8番) バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント リゲティ:分岐 |
ジョルジュ・オクトール指揮 ワロン室内o. | |
| 新案内。録音:1992年。 | ||
| ジョルジュ・アペルギス(1945-): ハムレットマシーン・オラトリオ |
フランソワーズ・キュブラー(S) リオネル・ペントル(B) ロマン・ビショフ(B) ジュヌヴィエーヴ・ ストロッサー(Va/声) ジャン=ピエール・ ドゥルーエ(Perc/声) ジョルジュ=エリー・オクトール指揮 Ictus、 シュトゥットガルト 南西ドイツ放送ヴォーカルEns. | |
| 録音:2001年2月、シュトゥットガルト・エクラ音楽祭、ライヴ。 2000年9月にストラスブール音楽祭で初演され、その後各地で繰り返し演奏されているギリシャ系フランス人作曲家アペルギスの話題作の初CD。ハイナー・ミュラーの衝撃的な戯曲「ハムレットマシーン」のテキストに基づく5部からなるオラトリオで、その題材に相応しく、錯綜し、分裂し、絶望する思念が破壊的な音響によって描かれるハード&バイオレントな作品となっている。 | ||
| スティーヴ・ライヒ(1936-):ドラミング | ジョルジュ=エリ・オクトール指揮 イクトゥス・アンサンブル、 シナジー・ヴォーカルズ | |
| スティーヴ・ライヒの代表作、「ドラミング」。来日公演でも話題を呼んだパーカッション・グループ「イクトゥス」と、シナジー・ヴォーカル・アンサンブルのコラボレーション。 | ||
| 2台のピアノによる近代作品集 ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲 ラヴェル:スペイン狂詩曲 ストラヴィンスキー: 2台のピアノのためのソナタ/ 2台のピアノのための協奏曲 |
ダニエル・ブルメンタール(P) ローベルト・フロスロット(P) | |
| 新案内。録音:1993年。 | ||
| ハイドン: 弦楽四重奏曲第77番 Op.76-5「皇帝」 シューマン:弦楽四重奏曲第1番 イ短調Op.41-1 ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第2番「ないしょの手紙」 |
ロザムンデSQ | |
| 新案内。録音:1993年。 | ||
| ファウスト・ロミテッリ(1962-): プロフェッサー・バッド・トリップ [プロフェッサー・バッド・トリップ レッスン1/ プロフェッサー・バッド・トリップ レッスン2/ プロフェッサー・バッド・トリップ レッスン3] シースケープ(*) グリーン、イエロー・アンド・ブルー トラッシュ・TV・トランス(+) |
アントニオ・ポリターノ (コントラバス・リコーダー;*) トム・パウエルズ (エレクトリックG;+) ジョルジュ=エリー・オクトール指揮 イクトゥス・アンサンブル | |
| ロミテッリはミラノに生まれ、IRCAMで研鑚を積んだ作曲家。ナマ音と電子音響をミックスさせたサウンドを駆使した作風で、音楽の感触はほとんどサイケデリック・ロック。イメージとしてはロバート・アシュレーのTVオペラをアカ抜けた感じ。 | ||
| ジョルジュ・アペルギス(1945-):歌劇「嵐の警告」 (メルヴィル、カフカ、ボードレール、シェイクスピア、 ユーゴーの作品に基づくピーター・シェンディの 台本によるマルチメディア・オペラ) |
ドナティエンヌ・ミシェル=ダンサック(S) リオネル・パントル、 ロマン・ビショフ(Br) ジョルジュ=エリ・オクトール指揮 アンサンブル・イクトゥス | |
| 現代で最も注目されている作曲家の一人、アペルギスの最新作。新しいテアトル・ミュジカルを印象づけるマルチメディア・オペラが打ち出した音響的側面とは? 2004年に来日し「東京の夏音楽祭」や日仏学院でコンサート付講演を行い健在ぶりを見せつけたアペルギス。ディスク・シーンでも大いに盛り上がり続々と新譜が登場したうえ、リル(北フランス)で最新のオペラ「嵐の警告」が上演され大きな話題となった。これはそのライヴ・アルバム。 オペラ作曲家の立場からマルチメディアを取り入れた本作、歌手と「伴奏」がある点だけは古典的なオペラと同じものの、コンピューター処理あり、ヴィデオ・スクリーンあり、ダンサー登場あり、と演奏現場は全くの「現代音楽ライヴ」。そして音楽(いや台詞か?)の断片が散乱する楽曲進行は相当に異質なパワーに満ちている。 演奏はベルギーきっての現代音楽集団イクトゥス。アペルギス「14のジャクタシオン」の録音にも参加した、古楽から現代音楽まで幅広くこなすL.パントルがいる点にもご注目。最新の現代音楽現場に敏感なファンは必携。 | ||
| ファウスト・ロミテッリ、最後の作品 ファウスト・ロミテッリ(1963-2004): ヴィデオ=オペラ「金属の索引」(index of metals) (ケンカ・レコヴィチのテクストによる) |
ドナティエンヌ・ ミシェル=ダンサック(声) ジョルジュ=エリ・オクトール指揮 アンサンブル・イクトゥス | |
| イタリアに飛び火したスペクトル楽派の大立者が最後に放った、未知なるメディア混合オペラの試み! 言葉・音響・映像が渾然一体となる、驚くべき世界。 Cypres からも 怪作「プロフェッサー・バッド・トリップ」(CYP-5620)が発売されているロミテッリは、ゴリツィア(スロヴェニア国境付近のイタリアの都市)生まれで祖国ではドナトーニに師事、IRCAM経験をへてスペクトル楽派的作風をひとしきり打ち出してきた作曲家だが、2004年に惜しくも白血病で亡くなった。この鬼才作曲家が、最晩年に傾倒していたミクストメディア(複数メディアの融合)・オペラが、CD+DVD でパッケージ化された(ただしDVDはPAL方式のため「パソコンで再生されたし」と代理店。国内の通常テレビでは再生出来ません)。映像までソフト化されている点で、同じ複合メディアものでも同レーベルのアペルギスとはトポス(場)というものの発想が大きく異なっているわけだ。スペクトル派の手法を強く感じさせる多分にノイズ系な音楽ながら、ほとんど無の状態からしだいに事象が浮かび上がり、刻々と変化してゆく映像とあわせて鑑賞することで、独特の境地が見えてくる。ライヴスペースや展覧会場でDVD映像つきで流すのも効果的かもしれない。注目すべき要素満載の、まったく異色な「白鳥の歌」。 | ||
| プロコフィエフ:ピーターと狼(語り:フランス語) | アンサンブル・ミュジーク・ヌヴェール ジャナン&リベルスキ ジャン=ポール・デッシー | |
| 新案内。録音:1997年。 | ||
| ハンス・クラーサ(1899-1944): 子供のための歌劇「ブルンディバール」 |
エヴェル音楽院の卒業生たち エリク・レデルハンドラー指揮 新音楽室内o. | |
| 新案内。録音:2002年。 | ||
| 4世紀にわたるベルギーのオルガン音楽 コルネ(c.1575-1633):幻想曲 ヴァン・デン・ケルクホーヴェン(1627-1702) 前奏曲とフーガ/幻想曲 レメンス(1823-1881):前奏曲/小品 ローレ(1833-1890): 「24の練習曲」から[第2番/第7番/第11番]/ 「オルガン・メソード」から[第9番/第13番] フランク(1822-1890):幻想曲Op.16 ヒュブレヒツ(1899-1938):コラール ヴェルダン(1952-):オルガネット |
ジャン・フェラール(Org) | |
| 録音:2000年8月20日、22日-24日。使用楽器:ブリュッセル大聖堂のグレンツィング・オルガン。デジパック仕様。 | ||
| ジャック・ルデュック(1932-):管弦楽作品集 夏の序曲 Op.28/交響曲(Fa-si[b]- mi[b])Op.29 交響的スケッチ「春」 Op.90 |
ピエール・バルトロメー指揮 リェージュpo. | |
| 録音:1996年。世界初録音。 | ||