ヴェーグ〜室内楽音楽家 ベートーヴェン(1770-1827):ヴァイオリン・ソナタ第10番 ト長調 Op.96 (*) シェーンベルク(1874-1951):月に憑かれたピエロ Op.21 (#) ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」 シューベルト(1797-1828):弦楽五重奏曲 ハ長調 D.956 (+) シャーンドル・ヴェーグ(Vn;*) ヴェーグSQ (*以外) [シャーンドル・ヴェーグ(Vn) シャーンドル・ゼルディ(Vn) ジェルジ・ヤンツェル(Va) パール・サボー(Vc)] パウル・バウムガルトナー(P;*) ジャンヌ・エリカール(Vo;#) ハンス=ユンゲン・メーリング(Fl;#) パウル・ブレッヒャー(Cl;#) ピエトロ・スカルピーニ(P;#) エーヴァ・ツァコー(Vc;+) | ||
録音〔音源提供〕:1957年2月25日(*)、1952年11月14日(#) 〔WDR ケルン〕 (*/#) /1954年1月14日(無印)、 1948年7月13日(+) 〔SRF スイス〕(無印/+) 、すべてモノラル。 BMCCD-261「シャーンドル・ヴェーグと彼の四重奏団」に続くヴェーグの残した膨大な録音から選りすぐりの名演を集めたシリーズ。いずれもヴェーグ30〜40代の脂の乗り切った頃の演奏でベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10番におけるジャズ・セッションと見紛うばかりの勢いある炎のようなデュオ、同時代音楽にひとかたならぬ情熱を注いだヴェーグの面目躍如、精妙にして幻想的な雰囲気あふれるシェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」、ヴェーグ四重奏団得意のラズモフスキーとシューベルトの五重奏曲。ソリスト、室内楽奏者として最盛期のヴェーグが聴けるセット。 | ||
シャーンドル・ヴェーグと彼の四重奏団 ベートーヴェン(1770-1827): 弦楽四重奏曲第4番 ハ短調 Op.18 No.4 (*)[1956年2月4日] ブロッホ(1880-1959):弦楽四重奏曲第2番(*)[1948年7月8日] バーバー(1910-1981):弦楽四重奏曲(*)[1956年2月4日] オネゲル(1892-1955):弦楽四重奏曲第2番(#)[1956年5月11日] ハンス・イェリネク(1901-1969):弦楽四重奏曲第2番(#)[1952年11月3日-4日] アルバン・ベルク(1885-1935):抒情組曲(#)[1952年11月14日] ヴェーグSQ [シャーンドル・ヴェーグ(Vn1) シャーンドル・ゼルディ(Vn2) ジェルジ〔ゲオルク〕・ヤンツェル(Va) パール〔パウル〕・サボー(Vc)] | ||
録音:[内]、モノラル|音源提供: SRF スイス放送 (*) 、 WDR ケルン放送(#) 。#音源が古いため若干のノイズがあることを予めご了承下さい。 ハンガリー出身のヴァイオリニスト、シャーンドル・ヴェーグは後に指揮者、教育者としても活躍したが、ヴァイオリニストとして最も精力的に活動していた1940年代後半から50年代にかけて自ら率いる四重奏団で録音した音源のディスク化。CD1のベートーヴェン以外は当時の現代音楽で構成されており、ヴェーグの同時代音楽への並々ならぬ情熱が感じられる。「弦楽のためのアダージョ」で知られるバーバーの弦楽四重奏曲における歌心あふれるカンタービレ、ロマン主義とモダニズムが拮抗するオネゲル作品での切れ味鋭いリズム、ベルクの抒情組曲におけるこの時点での彼らの能力を全て出し切ったと思われる完全燃焼の凄演などファン聴きどころ満載。 | ||
ダスト・ボールの歌とダンス〜べーラ・ファラゴー(1961-): ダスト・ボールの歌とダンス(全12曲) [聖エフレム四重唱団 バラーシュ・カーントル(Vc;第1曲&第9曲/2009年3月]/ アッティラ・ジョジェフの詩のための歌(全7曲) [カタリン・カーロイ(Ms) イシュトヴァーン・ケレク(Vn) べーラ・ファラゴー(P)/2017年7月]/ 寒くないのか?(ラースロー・ホルトバーギとの共作)[ガーヤン・ウテヤク・マンダル・アンサンブル 〔S/ベル/シタール/ドローン/タブラ/P/Vc/ベースG〕/1986年4月] | ||
録音:[/内]。べーラ・ファラゴーはハンガリーの作曲家。バルトーク音楽院で学んだ後、オランダ・ハーグの王立音楽院で研鑽を積んだ。パフォーマーとしても活動しており、オランダのルイ・アンドリーセン、アメリカのスティーヴ・ライヒ、テリー・ライリー、メレディス・モンクらの作品を好んで取り上げ、自らも影響を受けた。「ダスト・ボールの歌とダンス」は室内オペラからの抜粋でヴォーカル・アンサンブルとチェロのために書かれている。実験性が強く、声楽にヴォイス・パーカッションのようなことさせたかと思えば東方教会の聖歌のような古風な曲が登場したり、ジャズやメレディス・モンクの影響を感じさせる曲があったりと多種多様。「寒くないのか?」では最初はイージー・リスニング風なのに、途中からインドの楽器が入ってきてインド風イージー・リスニング風になる。 | ||
東方の光 III 〜シリア聖歌、ブルガリア、ロシア、ウクライナのクリスマス・キャロル グリンカ(1804-1857):ヘルビムの歌 / イースター・ボール・プレイヤー(即興) 民謡:聖ペテロのラメント/キリストがよみがえった(復活の讃詞) フォーク・フルートのための間奏曲 / タマーシュ・ブブノー(1957-):聖歌127番 グリゴリー・ルヴォウスキー(1830-1894):主よ、あわれみたまえ / エリオット・コール(1984-):後奏曲 パーヴェル・チェスノコフ(1877-1944): We sing unto thee /永遠の前の集会 ゲオルギー・スヴィリドフ(1915-2001)/アレクサンドル・セミョーノフ編曲:気高い愛 ベル・プレイヤー / アレクサンドル・セミョーノフ(1974-)編曲: Your birth, oh christ, our god /天と地 スタニスラフ・ルドケヴィッチ(1879-1979)編曲:すばらしい出来事 ジェルジ・フィリップ(1982-):クリスマス・ベル・プレイヤー / マルク・ブブノー(1981-):鐘のお告げ レオニード・クリコヴォ(1976-)編曲:東方三博士が来た / マルク・ブブノー編曲:少女 ジェルジ・フィリップ編曲:お聞き、鐘が / 典院フェオファン・ジボロフ(1971-):キリスト降誕 タマーシュ・ブブノー指揮聖エフレム男声cho. ゲスト:アレクサンドル・セミョーノフ芸術監督オプチナ・プスティニ男声cho. ゲオルギー・スミルノフ芸術監督オーソドクス・シンガーズ男声cho. アベール・ネーメ(Vo) アマディンダ・パーカッション・グループ ソーコライ・ドンゴー・バラーシュ(ハンガリアン・バグパイプ) ラウティティア・クワイアー・ファミリー | ||
録音:2015年-2016年。 BMCでは既にフランツ・リストの男性合唱曲集やビザンチンの聖歌集で定評のある、2002年に結成された、タマーシュ・ブブノー指揮聖エフレム男声cho. 。ギリシャ正教の典礼音楽、スラヴ系の伝統宗教楽、ビザンチン音楽をレパートリーにしている彼らの東欧地域の様々な宗教音楽を紹介するシリーズ第3弾。今回はシリア、ブルガリア、ロシア、ウクライナの聖歌を取り上げている。 | ||
ゾルターン・コチシュ(1952-2016)、ラスト・レコーディング〜 バルナバーシュ・ケレメン〜フリッツ・クライスラーへのオマージュ クライスラー: 中国の太鼓 Op.3 /クープランの様式によるルイ13世の歌とパヴァーヌ /ボッケリーニの様式によるアレグレット/ 愛の悲しみ/愛の喜び/美しきロスマリン/シンコペーション/ベートーヴェンの主題によるロンディーノ/ ウィーン風小行進曲/ジプシーの女/ジプシー奇想曲/おもちゃの兵隊の行進/ レチタティーヴォとスケルツォ・カプリス Op.6 /ウィーン奇想曲 Op.2 /プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ ドヴォルジャーク/クライスラー編曲:スラヴ舞曲集第2集〜 ホ短調 Op.72 No.2 /インド人の嘆き/ユモレスク エルネー・バログ/クライスラー編曲:北の哀歌 / チャイコフスキー/クライスラー編曲:アンダンデ・カンタービレ リヒャルト・ホイベルガー/クライスラー編曲:オペラ舞踏会 バルナバーシュ・ケレメン(Vn) ゾルターン・コチシュ(P) | ||
録音:2016年8月6日-9日、14日、フェニックス・スタジオ、ディオーシュド、ハンガリー。 コチシュのラスト・レコーディング!2016年11月6日、惜しくも亡くなったハンガリーの偉大な音楽家ゾルターン・コチシュ。亡くなる約3か月前に、何度も共演や録音を行っている1978年生まれの“ハンガリーのクレーメル "という異名を持つヴァイオリニスト、バルナバーシュ・ケレメンとクライスラーのヴァイオリン作品を録音。クライスラーのオリジナル曲を始め、クライスラーがヴァイオリン用に編曲した作品も収録している。コチシュは音楽を慈しむかのようなピアノで、ケレメンのヴァイオリンを優しく包み込む。ケレメンもクライスラーの超絶技巧作品を圧倒的なテクニックで演奏。“エルノ・バローグ/クライスラー編曲:北の哀歌 "の持つ哀しみの美しさが染みわたる。“シンコペーション "、“ジプシーの女 "や“ジプシー奇想曲 "ではリズムが躍動。美しく明快な素晴らしい演奏の登場。 | ||
ペーテル・エートヴェシュ(1944-):弦楽四重奏曲集 セイレーン・サイクル(2015/16) (*) / 弦楽四重奏のための情景 「コレスポンデンス〔対応〕」(1992) |
カルダーSQ アウドレイ・ルナ(S;*) | |
録音:2016年10月10日、IRCAM 、パリ(*) /2016年9月26日、 BMC スタジオ、ブダペスト(*以外) 。 クルタークと並ぶ現代ハンガリーを代表する作曲家エートヴェシュの最新作を含む弦楽四重奏のための作品集。「セイレーン・サイクル」はソプラノ独唱と弦楽四重奏による10の小品から構成された作品。テキストにジェイムズ・ジョイスの「ユリシーズ」とフランツ・カフカが1917年に執筆した短編「セイレーンの沈黙」が使われ、ソプラノが語り歌う言葉のイントネーション、リズム、発音、音色の変化に弦楽が機敏に反応しテキストの世界を拡げ、弦楽が拡げた音響の上に更にまた声が乗る、という形で相乗的に詩の世界が拡張し音の輪が拡がってゆく様子は大いに聴き物。そしてバロックから現代唱法までを操るソプラノのアンドレイ・ルナの見事な歌唱と器楽的ともいえる寸分違わぬ正確な音程は弦楽四重奏と対等に渡り合って実にスリリング。ルナはリゲティの歌劇「グラン・マカブル」やジョン・アダムズの「中国のニクソン」の準主役で高い評価を得ている名歌手でエートヴェシュとはこれが初コラボレーション。同作品はヨーロッパ各地の音楽祭で上演され評判となっている。 | ||
どこへ?〜ゾルターン・イェネイ(1943-): どこへ? 2013 (##) /ヘラクレイトス in H (*) /ヘラクレイトスの涙(*) / Heraclitus Adverbial (*) /半分は決して同じではない(#) /慰め(サムシング・ロスト:エコー)(*/+) / ソング・オブ・イノセンス&エクスペリエンス(**) /パヴァーヌ ガーボル・チャログ(P;*) クルーリックSQ (#) ジェルジ・デリ(Vc;+) ピラ・コムシ(S;**) ゾルターン・コチュシュ指揮ハンガリー放送so.、cho.(##) | ||
録音:2013年5月5日、2013年10月2日、2013年10月25日。 ハンガリーの現代音楽作曲家ゾルターン・イェネイ。リスト音楽院でフェレンツ・ファルカシュに師事。イェネイの初期の作品には、バルトーク、ダッラピッコラ、ヴェーベルン、ベルクなどの影響が色濃く反映し、1960年代後半にはブーレーズの理論、シュトックハウゼンの作曲法などの影響も受けつつ独自の作風を築きあげている。1986年からリスト音楽院の教授を務め、現在は名誉教授でハンガリーを代表する作曲家として活躍している。ピアニスト、そして近年は指揮者としても活躍をしたゾルターン・コチシュが指揮した“WOHIN?2013 "は、ベートーヴェンの“第九 "の第4楽章が引用。不協和音と共に奏され不穏な空気の中、さらに合唱の冒頭も再現。そして唐突に終わる。1980年から作曲が始まった「ヘラクレイトス・シリーズ」。ハンガリーの詩人デジェー・タンドリによる“ヘラクレイトスの詩 "にインスパイアされたシリーズ。今作ではその中から3曲が収録されている。 | ||
ジェルジ&マリア・クルターク・プレイズ・クルターク (クルターク自作自演集)〜ジェルジ・クルターク(1926-): ピアノのためのシリーズ「遊び〔ヤーテーコク〕」 より(39トラック)/ 4手のための組曲(1950-51) (*) ジェルジ・クルターク、マリア・クルターク(P) | ||
録音:1955年2月16日(*)、1978年11月20日、1988年12月19日、1993年1月、ハンガリー放送/2001年6月23日、ライヴ。ほとんどが初出音源。2016年90歳を迎えた現代ハンガリーを代表する作曲家クルタークの長年の業績を祝しハンガリー放送に秘蔵されていた自作自演の音源をまとめてリリース。ほとんどが未発表音源でピアニスト、現代音楽愛好家、クルターク・ファン、研究者には垂涎のディスク。さて「遊び」は1973年に書き始められ現在第8集まで楽譜が刊行されているピアノのための小品シリーズ。音楽上のアイデア実験、霊感、奇想、創意、寓意、ユーモア、ファンタジーなどありとあらゆるエッセンスが詰め込まれたクルターク版ミクロコスモス。「4手のための組曲」はバロック、古典派を換骨奪胎したユーモアあふれる軽やかさが魅力。 | ||
ペーテル・エートヴェシュ(1944-): 歌劇「パラダイス・リローデッド(リリス)」(12場) アンネッテ・シェーンミュラー(リリス) ホルガー・ファルク(ルシファー) エリック・ストクロッサ(アダム) レベッカ・ネルセン(エヴァ) ゲルノート・ハインリヒ(天使A) アンドレアス・ヤンコヴィッチ(天使B)他 グレゴリー・ヴァイダ指揮ハンガリー放送so. | ||
録音:2014年1月、ハンガリー放送スタジオ22 。「パラダイス・リローデッド」(副題リリス)は2010年にエートヴェシュがバイエルン国立歌劇場の委嘱で作曲した歌劇「悪魔の悲劇」のリバージョン。台本はドイツ気鋭の若手作家アルベルト・オステルマイアー。内容は登場人物の名前からも察せられる通り、旧約聖書のアダムとイヴにまつわる失楽園の物語。アダムとイヴ、天使と悪魔が入り乱れ善と悪、光と影の対決が無調、現代音楽の諸技法と調性、伝統的なクラシカルな技法が渾然一体となって描かれる。現代音楽特有の緊張した響きが中心であるものの、オペラ・ファンの期待にも充分応えるべく美しい場面、歌唱も数多く用意されておりヒット作「三人姉妹」以来、いまや当代一のオペラ作曲家となったエートヴェシュの面目躍如の秀作。 | ||
チャローグ・プレイズ・ベートーヴェン、セーレーシ&チャポー アンドラーシュ・セーレーシ(1921-2007):死のある風景(*) ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 Op.110 (#) ジュラ・チャポー(1955-):真っ直ぐな迷宮 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111 ガーボル・チャローグ(P) | ||
録音:2013年11月10日(*)、2014年9月28日(無印)、2015年2月22日(#)、ブダペスト。ガーボル・チャローグは1960年、ブダペスト生まれのピアニスト。11歳でフランツ・リスト音楽院に入学を許可された神童だった。今日、チャログはことに現代ハンガリーの作曲家の作品を得意としていることで知られている。このCDにはベートーヴェンの後期のピアノ・ソナタ2曲と、ハンガリーの作曲家、アンドラーシュ・セーレーシ(バルトーク作品のSz番号を付けたことで有名)、ジューラ・チャポーの作品を収録している。チャログはどの曲でも丁寧に演奏している一方、たとえば第31番の終楽章の最後ではかなり気合の入った盛り上がりを見せるなど、とても聞き応えがある。 | ||
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.36 (1931年版) リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 アドリエンネ・クラウス(P) | ||
録音:2015年8月17日-18日、ブダペスト。ハンガリーのピアニスト、アドリエンネ・クラウスは若くしてゲオルク・ショルティに認められたほどの実力の持ち主で、長年国際的に活躍しているピアニストだが、独奏の録音が非常に少なく、彼女の実力を知る人にとっては待望のCDだろう。ラフマニノフとリストの力作二作、どちらも唸らされる充実の演奏。 | ||
バルトーク&フォーク〜バルトーク(1881-1945):民族音楽に触発された男声合唱曲全集 4つの古いハンガリー民謡 BB 60 (1910-12) /夕べ BB 30 (1903)/ スロヴァキア民謡 BB 77 (1917) /セーケイ民謡 BB 106 (1932) / 過ぎ去った時より BB 112 (1935) /4つの古いハンガリー民謡 BB 60 (1910-12, rev.1926) タマーシュ・ブブノー指揮聖エフレム男声cho. バラーシュ・ソコライ・ドンゴー(Fl/バグパイプ/ターロガトー) マールク・ブブノー(ガードン〔パーカッシヴVc〕) | ||
録音:2014年12月、ベラ・バルトーク・ユニテリアン教区教会、ブダペスト。バルトークのア・カペラ男声合唱のための作品を全て収録。既発売の「バルトーク合唱曲全集」(BMC-186)と比べてこのディスクが特筆に値するのは、ハンガリーの様々な民族楽器が合唱に花を添えていること。クラリネットの一種でサックスに似た音色のターロガトー、吹き歌いする奇妙なフルート、バグパイプなどバルトークが民謡を採集した時に実際に聴いたであろう、活き活きとした姿がよみがえる。 | ||
運命のヒュペリオンの歌〜ラースロー・シャーリ(1940-): そこにあるものがある(2005) (*) /ストラヴィンスキーの追憶に(1980-2001) (#) /イクストランへの旅(1980) (+) / 運命のヒュペリオンの歌(1985-86) /最後の旅(1992) (+) /ルダス・コラリス(2013) /ヘクサグラム(1988) (*) ゲザ・ゲメシ指揮 BHKZ アカデミー(#以外)、 MR so.管楽奏者(#) タマーシュ・ブブノー(芸術監督)スコラ・カントルム・ブダペスト(*) クララ・チョルダーシュ(Ms;+) | ||
録音:2009年-2014年。ラースロー・シャーリはエートヴェシュと並ぶ現代ハンガリーを代表する作曲家の一人。BMC レーベルだけでも機関車交響曲(サンプリングした蒸気機関車の音のみで製作された現代音楽。BMCCD-010)をはじめ、既に4タイトルの作品集が発売になっている。シャーリは1972年にダルムシュタットに赴きクリスティアン・ウルフの音楽に触れたことが大きな転機となり以後、野心的な音楽を数多く発表した。このディスクでは幅広い年代の作品が選ばれており、彼の音楽の多様性を知ることができる。作風はミニマルではないが反復もしくは不規則な反復を基本的な推進力として様々な音色、モティーフの変化が移り行く風景のように変わってゆく物。アルバム・タイトルになっている「運命のハイペリオンの歌」は20分に及ぶ大作で幾層にも重ねられた弦楽によるドローンが延々と大河のようにうねり続ける。アイヴズの「宵闇のセントラル・パーク」を思わせるメランコリックで美しい作品。 | ||
東方の光II 〜ギリシャ‐ビザンチンの聖歌、モルダヴィアの宗教歌、ギリシャの疑似聖歌/他 チェスノコフ:夕べのいけにえ / 作曲家不詳(16世紀頃):主がともにおられる モルダヴィアの聖歌:目覚めよ、キリストの魂 / チャイコフスキー:クレド グレチャニノフ:クレド / ラフマニノフ:わが霊や主を讃めあげよ/他(全34曲) タマーシュ・ブブノー指揮聖エフレム男声cho.、国立モスクワcho.、 バリリ女声cho.、ソリスト/他、ゲスト多数 | ||
録音:2012年-2014年、聖シュテファン大聖堂、ブダペスト、ライヴ。2002年に結成されたハンガリーの男声cho.。ビザンチンの典礼音楽を収録し第1作も好評、コンサートも成功を収めた。今作はその第2作。ゲストを迎えて美しくエキゾチックで荘厳な音楽を奏でている。グレゴリオ聖歌がお好きな人におすすめ。 | ||
主の到来〜中世ハンガリーのグレゴリオ聖歌集 グレゴリオ聖歌集(12世紀初頭の昇階誦、グラーツの807の写本より) ヤンカ・センドレイ、ラースロー・ドブサイ指揮スコラ・フンガリカ | ||
録音:2010年10月24日-28日、ハンガリー国立博物館。 ハンガリーのグラーツの写本は12世紀初頭から徐々に発展し、何人かの学者がクロスターノイブルクの聖アウグスティヌス修道院で編纂。このアルバムでは待降節のミサのための聖歌などが歌われている。ハンガリーの合唱団スコラ・ハンガリカの演奏。 | ||
現代ハンガリーの晩祷 ソルト・シェレイ:日曜日の晩祷 / ペーテル・ゾンボラ:一年の晩祷 タマーシュ・ブブノー、ヤーノシュ・マゼイ、ジェルジ・フィリップ指揮 スコラ・カントルム・ブダペスティエンシス モートン・レヴェンテ・ハルヴァト(Org) | ||
録音:2007年。現代ハンガリーの作曲家による晩祷を収録。いずれも難解な現代音楽臭さはなく、神秘的で美しいハーモニーによる秀作ぞろい。指揮者の一人タマーシュ・ブブノーは当BMCではバルトークの合唱曲集やビザンチン聖歌、リストの男声合唱曲集でおなじみのハンガリー合唱界の重鎮。混声合唱のスコラ・カントルム・ブダペスティエンシスの色彩豊かなハーモニーは聴き物。 | ||
東の光〜ギリシャ、ビザンチンの聖歌とモルダヴィアの宗教歌(全16曲) パヴェル・チェスノコフ(1877-1944):夕べのいけにえ / ムソルグスキー(1839-81):天使は聖処女のために泣く タマーシュ・ブブノー(1957-)編曲:キリストは復活する ペーター・ゾンボラ(1983-):主の祈り / セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943):六段の聖詠/他 タマーシュ・ブブノー指揮聖エフレム男声cho. | ||
録音:2011年-2012年。BMC では既にフランツ・リストの男性合唱曲集やビザンチンの聖歌集で定評のあるタマーシュ・ブブノー指揮聖エフレム男声cho. が、ギリシャ・ビザンチンの典礼音楽から19世紀の作曲家による宗教曲まで東欧地域の様々な宗教音楽を紹介。ギリシャの典礼音楽はほとんどアラブ、中東的な響きで驚かされる。 | ||
クルス・グロリオーザ〔栄光の十字架〕〜聖十字の単旋律と多声部典礼歌(全19曲) 聖金曜日における十字架の高揚のためのベネベントのアンティフォナ/ 聖十字の宴のためのレスポンソリウム(古代ローマの旋律) / ダンスタブル(?-1370頃):おお十字架よ ゴンベール(1495頃-1560):おお輝かしき十字架 / パレストリーナ(1525頃-1594):キリスト、我々は崇拝する/他 ラースロー・ドブサイ指揮 ヤンカ・センドナイ指揮 スコラ・フンガリカ | ||
録音:2009年6月。古代ローマの単旋律聖歌からルネサンス期の代表的な作曲家ダンスタブル、ゴンベール、パレストリーナの多声宗教曲までをスコラ・フンガリカの絶妙なアンサンブルで聴かせる。 | ||
ビザンチン・モザイク II 〜伝統的なビザンチン典礼音楽と作曲家による聖歌 ニコラ・スルビン、ボルトニャンスキー、リムスキー=コルサコフ、チェスノコフ、ラフマニノフ、 ストラヴィンスキー、ペータル・ディネフ、ラースロー・ブブノー、フィリップ、スルビン、 ワドフスキ、タマーシュ・ブブノー、スミルノフ、シロ、ディチコの作品 タマーシュ・ブブノー指揮聖エフレム男声cho. | ||
録音:2012年5月。Vol.1: BMCCD-172。ギリシャ正教に関わる伝統的な宗教合唱曲とロシア・東欧の作曲家による無伴奏合唱曲を収録。聖エフレム男声cho.は2002年結成のハンガリーの男声コーラス。力強く分厚いハーモニーとファルセットを使用した繊細精緻なアンサンブルに定評がある。 | ||
ゲルゲディ・ヴァイダ(1973-): 一幕の歌劇「バービー・ブルー」(*) /ファレミドのガリバー(#) /子供との対話(+) ドーラ・エルシェク(S;*) ローベルト・レズニャーク(Br;*) ゲルゲディ・ヴァイダ指揮(*/#) UMZEアンサンブル(#)、 ハンガリー公共サーヴィス・メディアMRシンフォニック〔旧・ハンガリー放送so.〕(*) ティボール・セルヴェト(語り;#) ヴィットリオ・パリシ指揮デダロ・アンサンブル(+) | ||
録音:2009年(*)、2010年(#)、2008年(+)。ヴァイダはハンガリーの若手作曲家で指揮者としても知られている。ペーテル・エートヴェシュに師事・私淑し、エートヴェシュの「ジェルジ・クルタークへのオマージュ」初演にはタクトを執っている。このディスクには彼自身のオペラ、シアター・ピースが収められている。調性、無調、ハリウッド的な管弦楽法から電子音楽的なソノリティ、ミニマル技法など新旧様々なスタイルがアイデア豊かに混ぜ合わせられており、師匠エートヴェシュ譲りの語り口の巧みさが感じられる。 | ||
ヴェーグ&カメラータ・アカデミカ〜シューベルト:交響曲集(完結編?) 〔第1番 ニ長調 D.82 (*) /第2番 変ロ長調 D.125 /第3番 ニ長調 D.200 /第4番 ハ短調 D.417 「悲劇的」(+) 〕 シャーンドル・ヴェーグ指揮カメラータ・アカデミカ | ||
録音:1996年5月26日(無印)、1996年5月27日(*)、1996年5月30日(+)、全てケルン、ライヴ。おそらく初出音源。シャーンドル・ヴェーグ(1912-1997)が最晩年にケルンで手兵カメラータ・アカデミカを指揮したシューベルトの交響曲第1番から第4番の録音がCD化。ヴェーグとカメラータ・アカデミカによるシューベルトの交響曲は既に第5番、第6番、未完成、グレイトがCAPRICCIOから発売されているので、これでレーベルをまたいで全集が完結したことになる。ヴェーグ四重奏団のヴァイオリニストとして、教育者として高名なヴェーグのシューベルトは、オーケストラの自発性を引き出して一体感と充実感を大きく湧き上がらせるようなもので、しかもライヴ録音なのでさらに白熱している。ガチッとまとめたシンフォニックな演奏では決して出せない温かさと楽しさは、十代後半のシューベルトの音楽の魅力を万全に引き出している。 | ||
Hang hangba hull és hangot kerget...〜マルコシュ・アルベルト:作品集 A hetvenéves költő (részlet) / Társnőm a bűnben / Példázat / Mind, ami nagy volt... / Issa völgye (részlet) / Oly keveset... (részlet) ラボルファルヴィ・ソース・べーラ(語り) アコードSQ /他 | ||
録音:2011年10月。ジャケット表記とライナー・ノートはハンガリー語とポーランド語のみ。ハンガリーの民族音楽の要素とヨーロッパ前衛音楽を独自にミックスした現代音楽。作曲家は若手のようであるが、出自そのほか詳細は不明。 | ||
ヴェーグ・イン・ハンガリー ベートーヴェン:「コリオラン」序曲 (*) モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」K.385 ハイドン:交響曲第103番「太鼓連打」 (*) シューベルト:交響曲第9番 ハ長調「グレイト」 |
シャーンドル・ヴェーグ指揮 カメラータ・ザルツブルク | |
録音:1993年3月23日、コングレス・センター (無印) /1995年3月20日、アカデミー・オブ・ミュージック(*) 以上 ブダペスト、「プダペスト春の音楽祭」、ライヴ。ハンガリー出身の名匠シャーンドル・ヴェーグが手兵カメラータ・ザルツブルク〔ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ [Camerata Academica des Mozarteums Salzburg] 〕を率いて故郷ハンガリーで行ったライヴ録音集。1984年以降ヴェーグは度々ハンガリーを訪れており、ここでもヨーロッパ中を魅了したカメラータ・ザルツブルクとの実力が遺憾なく発揮されている。得意とする古典とシューベルトの演奏が収められたファン垂涎の2枚組。ヴェーグはまず名アンサンブル「ハンガリー弦楽四重奏団」のヴァイオリン奏者として知られ、その後ヴェーグ四重奏団を結成。しかし1946年にはハンガリーを出国してヴェーグはフランス国籍を取得する。その後教鞭をとっていたザルツブルク・モーツァルテウム所属のアンサンブルの指揮をするようになり、指揮者としても高い評価を得るようになった。 | ||
ペーテル・エートヴェシュ(1944-):歌劇「三人姉妹」 (アントン・チェーホフ「三人姉妹」に基づく) アラン・オーバン、スラヴァ〔ヴャチェスラフ・カガン〕、オレグ・リャーベツ、 ゲイリー・ボイス(CT) ピーター・ホール、マーク・デュグァイ(T) アルベルト・シャギドゥリン、ヴォイテク・ドラボウィッツ、ディートリヒ・ヘンシェル、 イワン・マティアフ(Br) ニキタ・ストロジェフ、ヤン・アロフス、 デニス・セドフ(B) ケント・ナガノ&ペーテル・エートヴェシュ指揮リヨン歌劇場o. | ||
録音:1998年3月、リヨン歌劇場、世界初演時ライヴ|前出: DG, 459 694-2。チェーホフの戯曲「三人姉妹」に基づくこの作品は、三人姉妹を男性三人が演じるという、いささか倒錯的な趣向とジェンダー・フリーの傾向を併せ持つ新時代のオペラとして、現代音楽としては破格のヒットを飛ばし、エートヴェシュの代表作となった。稀代のカウンターテナー、スラヴァを主役級に抜擢した話題性もさることながら、現代音楽的な語法のみならず、時に叙情的な旋律や響き、演劇的な語りなど、様々な様式を駆使したオペラならではの多様な表現が魅力。当盤は、これまでなぜかドイツ・グラモフォンは再発売を行わなかったが、エートヴェシュの母国ハンガリーのBMCレーベルがライセンスを受け、晴れてこのリイシューとなった。 | ||
ラースロー・ライタ(1892-1963):弦楽オーケストラのための作品全集 弦楽とハープ、打楽器のための交響曲 Op.33 (*) / シンフォニエッタ〔第1番 Op.43 (#) /第2番 Op.62 (+) 〕 シモーネ・フォンタネッリ指揮(*) イムレ・ローマン指揮(#) ペーテル・チャバ指揮(+) ブダペスト室内so.(*/#/+) | ||
録音:2012年-2013年。ライタはブダペスト出身。9つの交響曲や10の弦楽四重奏曲など旺盛な作曲活動を行っていたが、ハンガリー動乱を支持したことでやがて演奏が禁止され、近年になってようやく再評価されるようになった。ライタはブダペスト音楽院で作曲をバルトークに師事した。その後パリで数年間を過ごし、ドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキーなど20世紀の新しい音楽に大きな影響を受け、自己の音楽を確立した。ここに収められた弦楽オーケストラのための作品は新古典主義の影響が感じられる洒脱な音楽でバルトーク、ストラヴィンスキー、マルティヌーに加え、ヴォーン・ウィリアムズなどイギリス音楽のエコーも聴きとれる。 | ||
グスタフ・マーラー(1860-1911): 交響曲第1番「巨人」(花の章つき) |
ゾルターン・コシチュ指揮 ハンガリー国立po. | |
録音:2004年2月29日、3月30日、フェレンツ・リスト音楽院コンサート・ホール、ライヴ。2014年6月に来日し各地でコンサートを行い好評だったゾルターン・コシチュとハンガリー国立po.によるマーラー:巨人のライヴの登場。コシチュは1997年に前任の小林研一郎から引き継いでこの楽団の音楽総監督になったが、熱血コバケンとは対照的な精緻で理知的な音楽作りが今回の巨人でも発揮され、スコアのすみずみまで見えてきそうな室内楽的なアプローチ、クリアな音像とよく練られ計算されたプロポーションのよさがライヴ特有の熱気と一体となって聴き応え充分。また作曲者によって最終的にカットされた第2楽章「花の章」を付加した上演は今日ではもはや珍しくないが、コシチュの演奏は「花の章」があっても「巨人」が作品として完成している、ということを我々に納得させる説得力のある物。 | ||
バルトーク:無伴奏およびピアノ伴奏付き合唱作品全集 「児童および女声合唱曲」 無伴奏児童合唱と女声合唱のための2声または3声の合唱曲(27のハンガリー民謡) 「男声および混声合唱曲」 夕べ/4つの古いハンガリー民謡/スロヴァキアの民謡/4つのスロヴァキア民謡(*) /セーケイの民謡/ 過ぎ去った時より/4つのハンガリー民謡/4つの古いハンガリー民謡/スロヴァキア民謡/4つのスロヴァキア民謡 ラースロー・ドブサイ指揮リスト音楽院cho. エートヴェシュ・ローラント大学cho. ゾルターン・コシチュ(P;*) | ||
録音:2008年。(*)でゾルターン・コシチュがピアノ伴奏参加。本場ハンガリーの若者たちによるみずみずしいバルトーク合唱曲全集の新しい決定盤。 | ||
リストの黄昏〜フランツ・リスト(1811-1886):後期ピアノ作品集 1880-86 悲しみのゴンドラ第1番/忘れられたロマンス/忘れられたワルツ〔第1番/第4番〕/ 灰色の雲/チャルダーシュ第1番/頑固なチャルダーシュ/不運な星/恐しいチャルダーシュ/ 調性のないバガテル/悲しみのゴンドラ第2番/ハンガリー狂詩曲〔第16番−第19番〕/夢 アドリエンネ・クラウス(P) | ||
録音:2010年10月。アドリエンネ・クラウスは1989年、リスト音楽院在学中にシンシナティ国際コンペティションに上位入賞、その後ゲオルグ・ショルティの指揮のもとチューリヒ・トーンハレo.と共演し一躍、評判となる。2001年に来日し東京フィルと共演。クラシックから現代音楽まで幅広いレパートリーを持ち、特にリストは彼女の最も得意とする作曲家。このアルバムはそんな彼女がリスト晩年の6年間に書かれた作品を集めた凝った内容。 | ||
フランツ・リスト(1811-1886):男声合唱曲集 Vol.2〜男声合唱のためのミサ、モテット集 オルガンのための前奏曲「主の家に我らは進み行く」/モテット「願わくば汝とともに平安を」/ 男声合唱のためのミサ曲/ラウダーテ・ドミヌム/モテット「我らなお離れず」/ モテット「キリストの魂は我を清め」/オルガンのための前奏曲「より高く!〔エクセルシオール!〕」 タマーシュ・ブブノー指揮聖エフレム男声cho. ラースロー・ファッシャング(Org) | ||
録音:2010年7月。聖エフレム男声cho.は2002年に結成された団体でギリシャ正教の典礼音楽、スラヴ系の伝統宗教楽、ビザンチン音楽を主要なレパートリーにしている。 | ||
アンサンブル・リネア・プレイズ・エートヴェシュ〜ペーテル・エートヴェシュ(1944-): 2台のピアノ、サンプラー、3人の打楽器奏者のための「6のためのソナタ」(2006) p / ソプラノ、フルート、2つのトランペット、2つのファゴットと 2つのトロンボーンのためのオクテット・プラス (2008) s/fl / ソプラノ、ヴァイオリン、クラリネットとピアノのための「ナターシャ」(2006) s / ピアノのための「チェーホフを待っているタクシーがいるが、彼はむしろ歩いてゆくだろう」(2004) p / ピアノのための『地のピアノ − 空のピアノ 「ルチアーノ・ベリオの追憶に」』(2003年5月28日/2006年10月13日)p / フルート、チェロとツィンバロムのための「 PSY 」(1996) fl/ci / フルート独奏のためのカデンツァ(2008) fl ジャン=フィリップ・ウルツ指揮アンサンブル・リネア マリオ・カローリ(Fl;fl) アリソン・ベル(S;s) ベンヤミン・コブラー(Pp) ミクローシュ・ルカーチ(ツィンバロムci) | ||
録音:2009年10月。エートヴェシュが多忙な指揮活動の合間を縫って書いた室内楽近作集。「6のためのソナタ」はバルトークの2台のピアノと打楽器のためのソナタに似た雰囲気にサンプラーを加えてポップでどこかゲーム・ミュージックに似た遊び心を持った作品。「オクテット・プラス」、「ナターシャ」はともに器楽アンサンブルにソプラノのシアトリカルでどこか人を喰ったような語り歌いのある楽しい作品。他にベリオの追悼曲「地のピアノ − 空のピアノ」、ツィンバロムのエキゾチックな響きにフルート、チェロが絶妙に絡む「PSY」などヴァラエティに富んだ作品が満載。 | ||
ビザンチン・モザイク〜ギリシャ=ビザンチン聖歌と様々な無伴奏聖歌集 ギリシャ・ビザンチン聖歌、グリンカ、スチェヴェアヌ、ムソルグスキー、チャイコフスキー、 チェスノコフ、ラフマニノフ、ボクシャイ、クリストフ、ブブノー、フィリップ、ゾムボラの作品 タマーシュ・ブブノー指揮聖エフレム男声cho. | ||
録音:2009年4月26日-30日、ルター派協会、Kék Golyó通り、ブダペスト。 ギリシャ正教に関わる新旧様々な宗教合唱曲を収録。2002年結成のハンガリーの男声コーラス聖エフレム男声cho.による、リストの男声合唱曲集 Vol.1(BMCCD-168)に続く録音。力強く分厚いハーモニーの一方、ファルセットを使用した繊細なアンサンブルを奏でる。 | ||
ハンガリーのリヒテル 1954-1993 シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54(#) / ブラームス:間奏曲 イ短調 Op.118-1/間奏曲 変ホ短調 Op.118-6 [ヤーノシュ・フェレンチク指揮ハンガリー国立po.(#) /1954年3月8日AOM] バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 から 前奏曲とフーガ〔BWV.847, 856, 857, 864, BWV.865〕/ フランス組曲 ハ短調 BWV.813[1954年3月10日AOM] ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ/夜のガスパール〜絞首台/高雅にして感傷的なワルツ/水の戯れ/道化師の朝の歌 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第8番 変ロ長調 Op.84[1954年3月26日AOM] シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番 ハ短調 D.958(*)/シューマン:トッカータ ハ長調 Op.7(*)[1958年2月9日AOM] リスト:小人の踊り/愛の夢〔第2番 ホ長調/第3番 変イ長調〕/ 3つの忘れられたワルツ/ペトラルカの3つのソネット シューベルト:楽興の時 D.780-1[1958年2月11日AOM] ドビュッシー:「忘れられたアリエッタ」から〔やるせない夢心地/水彩画 グリーン〕 [ニーナ・ドルリアク(S)/1958年2月12日BH] シューベルト:ピアノ小品集 D.946/さすらい人幻想曲 ハ長調 D.760 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第11番 変ロ長調 Op.22[1963年4月27日AOM] ヘンデル:組曲第5番 ホ長調 HWV.430(+) ショスタコーヴィチ:前奏曲とフーガOp.87より〔Nos.4, 12, 23, 14, 17, 15〕 プロコフィエフ:束の間の幻影Op.22 から〔Nos.3-6, 8-9, 11, 14-15, 18〕[1963年4月29日ET] モーツァルト:ピアノ・ソナタ第2番 ヘ長調 K.280 / ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番 イ長調 Op.101 ショパン:4つのスケルツォ[1965年7月17日ET] シューマン:ノヴェレッテOp.21より Nos.1, 2[1967年8月27日ET] ハイドン:ピアノ・ソナタ第35番 ハ長調 Hob.XVI-35 / ショパン:マズルカ風ロンド ヘ長調(**) ドビュッシー:前奏曲集第2巻(全12曲)(**)[1967年8月28日(1967年8月26日の可能性有)ET] シューベルト:アンセルム・ヒュッテンブレンナーの主題による13の変奏曲 イ短調 D.576 シューマン:幻想小曲集 Op.12 から〔夕べに/飛翔/なぜに/夜に/夢のもつれ/歌の終わり〕 ラフマニノフ:前奏曲集〔 Op.32 Nos.1, 9, 10, 12, Op.23 No.8, Op.32 Nos.3, 2, 6, 7, Op.23 Nos.2, 4, 5〕 プロコフィエフ:ワルツ「戦争と平和」Op.96-1[1969年11月18日AOM] バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻から 前奏曲とフーガ 〔 BWV.870-873, 876-877〕[1973年3月16日AOM]/ 〔 BWV.884, 886, 888, 889, 892, 891, 892(前奏曲のみ), 893〕/[1973年3月18日AOM] メンデルスゾーン:無言歌集 Op.19から(##)〔Nos.1, 2, 3, 5, 6〕/ショパン:夜想曲 変ロ短調 Op.9-1(##) ドビュッシー:映像第1集(##)/ハイドン賛(##)[1972年2月16日、セゲド] ショパン:マズルカ〔嬰ハ短調Op.63-3/ハ長調 Op.67-3/ヘ長調 Op.68-3/イ短調 「エミール・ガイヤールに」〕/ ワルツ〔ヘ長調 Op.34-3「華麗なる円舞曲」/変ト長調 Op.70-1〕[1976年12月10日AOM] シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 イ長調 D.664[1978年8月10日AOM] ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ〔第1番 ヘ短調 Op.2-1/第7番 ニ長調 Op.10-3/第9番 ホ長調 Op.14-1/ 第12番 変イ長調 Op.26 「葬送」〕[1976年12月9日AOM] リスト:詩的で宗教的な調べ〜第9曲 アンダンテ・ラグリモーソ / フランク:前奏曲、コラールとフーガ シマノフスキ:マズルカ集Op.50 より Nos.1, 17, 19, 3[1982年9月11日、Pesti Vigadó、ブダペスト] ドビュッシー:前奏曲集第1巻から 〔デルフィの舞姫たち/帆/野を渡る風/音と香りは夕暮れの大気に漂う/アナカプリの丘/雪の上の足跡/ 西風の見たもの/とだえたセレナード/沈める寺/パックの踊り〕[1985年1月14日、歌劇場、ブダペスト] チャイコフスキー:「四季」から〔(5月「白夜」/6月「舟歌」/11月「トロイカに乗って」/1月「炉辺で」〕/ 夜想曲 Op.10-1/ワルツ=スケルツォ イ長調 Op.7/ユモレスク ト長調 Op.10-2/ カプリツィオーソ Op.19-5/ワルツ 変イ長調 Op.40-8/ロマンス ヘ短調 Op.5 ラフマニノフ:練習曲「音の絵」から 〔Op.33 Nos.9, 5, 6, Op.39 Nos.1-4, 9 〕[1983年8月3日AOM] グリーグ:抒情小曲集から 〔アリエッタ Op.12-1/ワルツ Op.12-2/夜警の歌 Op.12-3/妖精の踊り Op.12-4/跳びはね踊り Op.38-5/ カノン Op.38-8/蝶々 Op.43-1/春に寄す Op.43-6/即興的なワルツ Op.47-1/ガンガル Op.54-2/ スケルツォ Op.54-5/鐘の音 Op.54-6/秘密 Op.57-4/彼女は踊る Op.57-5/郷愁 Op.57-6/まぼろし Op.62-5/ トロルドハウゲンの婚礼の日 Op.65-6/山の夕暮れ Op.68-4/小さな妖精 Op.71-3/森の静けさ Op.71-4/ 過去 Op.71-6/思い出 Op.71-7〕[1993年11月9日、コングレス・センター、ブダペスト] スヴャトスラフ・リヒテル(P) | ||
録音会場(個別特記以外):音楽アカデミーAOM/バルトーク・ホールBH/エルケル劇場ET、以上ブダペスト、ハンガリー。全てライヴ。1960年代の録音は全てモノラル、以降はステレオ。以下の特記以外は全て初出。(*)はこの日付ならば初出だが、前日 1958年2月8日表記の演奏がイタリア系のレーベルから既出、(+)は LOCOCO から LP が出ていたもので初CD化、(**)はこの日付ならば初出だが、前々日 1967年8月26日表記の演奏が仏 PYRAMID からCD既出(廃盤)、(##)はDOREMIから既出。 なお、上記のうち10曲ほどは、AKKORD というレーベルからCD化されているとの記載があるディスコグラフィが存在するが、おそらくこれは旧ソヴィエト時代、レニングラードにあった同名のレーベルから発売された LP の事だと思われる。また、 RARISSIMA という 私家盤 LP(ディスコグラフィによると1991年の録音〔当BMC盤には含まれず〕がラインナップにあるので、その頃までは発売があった事になるレーベル)で一部の曲が出ていた模様。AKKORD と RARISSIMA で既出の分は、これまで他レーベルから発売されたことは無い物と思われる。 リヒテル(1915-1997)が度々訪問したブダペストでのリサイタルを14CDにまとめたセット。総収録時間は約17時間半に迫るという膨大な分量で、少なく見積もっても10枚分ほどは初めて世に出る音源。シマノフスキのマズルカなど、彼の初音盤や初CDフォーマットとなる曲目も含まれている。ただ、一日分の演奏を丸ごと収録というコンセプトでは無いようで、同日演奏された他曲が DOREMI や PHILIPS から発売されている演奏会もあるようだ。代理店によると『音質は総じて鑑賞に支障はない程度、全般にマイクが近接して置かれている。』とのこと。 | ||
諏訪内晶子&エマール参加〜ペーテル・エートヴェシュ(1944-):協奏曲集 セヴン(コロンビア宇宙飛行士への追悼)(2006, rev.2007) (*) / 2つのクラリネット、弦楽とアコーディオンのための「空中浮遊」(2007) (#) / アコースティック・ピアノ及びキーボードと管弦楽のための協奏曲 「 CAP-KO 」(ベラ・バルトークに捧げる)(2007) (+) 諏訪内晶子(Vn;*) リチャード・ホスフォード、ジョン・ブラッドバリー(Cl;#) ピエール=ロラン・エマール(P/Kb;+) ペーテル・エートヴェシュ指揮イェーテボリso.(*/+)、BBC so.(#) | ||
録音:2008年3月30日、ブダペスト、ライヴ(*) /2011年5月14日、バービカン・ホール、ロンドン、ライヴ(#) /2006年2月2日-3日、イェーテボリ・コンサート・ホール(+)。2014年、東京オペラシティで行われた武満徹作曲賞の審査員として来日し自身の作品の演奏会も行われ、あらためてその存在の大きさを日本の聴衆に知らしめたハンガリーの巨匠エートヴェシュの近年の充実した管弦楽曲を集めた話題盤。しかもソリストはまさに夢のコラボと言うべきスター揃い。諏訪内晶子がソロを務める「セヴン」は2003年のスペースシャトル「コロンビア号」の事故で亡くなった宇宙飛行士の追悼のために作曲され、沈痛ながら息の長い抒情的なヴァイオリン独奏のメロディが彼方の星が輝くようなキラキラとしたオーケストレーションに包まれる美しいレクイエム。クラシックだけでなく諏訪内の現代音楽への確かな技術とセンスを感じさせる。ピエール=ロラン・エマールをソリストとしたピアノ協奏曲はアコースティック・ピアノと電子キーボードを弾きわけ、オーケストラとさながらハード・ロックのようなスリリングな展開を見せる。 | ||
リスト:男声合唱作品集 Vol.1 光を、もっと光を!/男声のための曲集(全12曲)/ 祝典歌/山々に憩いあり |
タマーシュ・ブブノー指揮 聖エフレム男声cho. | |
録音:2009年。 合唱大国ハンガリーの演奏家による、ハンガリーに縁のある、リストの珍しい男声合唱曲を収録したBMCらしい企画第1弾。彼は宗教曲、世俗曲を含む多数の合唱作品を作曲している。このディスクでは無伴奏合唱曲のほか、曲により金管アンサンブル、オルガンの伴奏が入る。 | ||
リゲティ: レクイエム (1963-64/97) (*) / アパリション(1958-59) / サン・フランシスコ・ポリフォニー(1973-74) |
ペーテル・エートヴェシュ指揮 WDRケルン放送so. バーバラ・アンガン(S;*) スーザン・パリー(S;*) SWRシュトゥットガルト 声楽アンサンブル(*) | |
録音:2008年11月-12月、ケルン。ボーナスDVDはCDと同内容のDTS/ドルビー5.1サラウンド仕様。現代音楽の演奏においては右に出るもののいない、指揮者で作曲家のペーテル・エートヴェシュによる、リゲティの名作「レクイエム」。レコード芸術誌11月号海外盤レヴューのコーナーで長木誠司氏が絶賛している。 | ||
神の降臨のためのアンブロジア聖歌集 神の降臨のためのミサ/神の降臨のための晩祷 |
スコラ・フンガリカ (男声、女声、混声) | |
録音:2008年。キリスト教初期の聖歌と言われるアンブロジア聖歌を、一つのミサ曲として成立するよう構成して収録、一部にルネサンスの作曲家フランキノ・ガフリオ(1451-1522)の作品を転用している。 | ||
ペーテル・エートヴェシュ、カーネギー・ホールでリゲティ&クルタークを振る リゲティ(1923-2006):メロディーエン(1971) /チェロ協奏曲(1969) (#) クルターク(1926-):亡きR.V.トルーソヴァのメッセージOp.17 (*) / アンナ・アフマトーヴァによる4つの詩Op.41 ナターリア・ザゴリンスカヤ(S;*) ミクローシュ・ペレーニ(Vc#) ペーテル・エートヴェシュ指揮 UMZE アンサンブル | ||
録音:2009年1月31日、ニューヨーク、カーネギー・ホール、ニューヨーク、ライヴ。リゲティとクルターク、現代ハンガリーが生んだ2人の大作曲家による代表作を、これまたハンガリーの大作曲家で指揮者のエートヴェシュがカーネギー・ホールにまで乗り込んで熱演。リゲティの代名詞となった「アトモスフェール」とその発展形である「ロンターノ」の少し後に書かれた「メロディーエン」とチェロ協奏曲は新しい旋律性への取り組みを示すリゲティ中期の傑作。またクルタークの「亡きR.V.トュローソヴァのメッセージ」はクルタークが一躍西側で知られるようになった彼の代表作。「アンナ・アフマトーヴァによる4つの詩」ではヴァレーズばりにパトカーのサイレンまで動員される。いずれも熱演でカーネギー・ホールの聴衆のブラボーの声からその熱気が伝わってくる。 | ||
ベートーヴェン:ディアベッリ変奏曲 Op.120 | マルタ・クルターク(P) | |
録音:1999年5月。 マルタ・クルタークは作曲家ジェルジ・クルタークの妻で、夫君の作品に数多く関わっている。彼女は1954年にこのディアベッリ変奏曲の練習を始め、約半世紀後に録音した。意外にも古典的な端正さで淡々と弾き進めながら、中盤からじわじわと終盤にむけてエネルギーを迸らせてゆく様は圧巻。 | ||
ハイドン:十字架上のキリストの最後の七つの言葉 Hob.XX; 1B(弦楽合奏版)
ガボール・タカーチ=ナジ指揮ブダペスト室内so. | ||
録音:2008年5月。様々な演奏形態があるハイドンの傑作を弦楽合奏で。ガボール・タカーチ=ナジは、高名なタカーチ弦楽四重奏団の創立メンバーで、1975年から92年まで第1ヴァイオリンを務めた名手。さすがに弦楽合奏の音色が美しい。現在は指揮活動が盛ん。ブダペスト室内so.は1992年創設の若い団体。 | ||
ハイドン: ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Hob.VIIA; 3 / ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII; 11 / 交響曲第60番 ハ長調「うかつ者」 Hob.I; 60 |
クリストーフ・バラーティ(Vn) イムレ・ローマン(P)指揮 ブダペスト室内so. | |
録音:2007年9月。このハンガリー勢の録音は見落とせない。ブダペスト生まれのピアニスト、指揮者のイムレ・ローマンの音楽は、軽く洒脱で、しかもハイドンの温かいユーモアの感覚にも長けている。ピアノもオーケストラも音楽が実に生き生きとしている。クリストーフ・バラーティは1979年、ブダペスト生まれのヴァイオリニスト。 | ||
コダーイへのオマージュ(全12曲) 音楽が始まる/マロシュセーク/ キャンプファイヤーの夕べ/ 夜想曲〜トランシルバニア・ブルース/ 無伴奏チェロ・ソナタ第3楽章/墓碑銘第3番/ パッサカリア/ソナチネ/エピグラム第5番/他 |
ミハーイ・ボルベーイ・カルテット (Cl/Sax/P/Db/Dr) B.カントール(Vc) | |
録音:2008年10月。 コダーイの作品のテーマによるセッション。コダーイのオリジナル作品も途中で演奏される。コダーイの東ヨーロッパ風のテーマがジャズの文脈の中で演奏されると結果として(奇妙なことに)チック・コリアとの親近性が浮かび上がってくる。 | ||
ヴィジョンズ・ハード〜 バルナバーシュ・ドゥカイ(1950-): 内なる光への前奏曲「冬の夜の見えざる炎」/ 光と愛の聴覚的ヴィジョン〜カノンとシンフォニー/ 夜、ひとり/他(全11トラック) |
デジュ・ラーンキ、 エディト・クルコン(2P) | |
録音:2009年。 サティ:ソクラテス(BMCCD-100)に続くラーンキ&クルコンのBMCへの第2弾。作曲者のドゥカイはハンガリーの名門アマディンダ・パーカッション・アンサンブルのメンバーでフンガロトンから多数の録音(ライヒの六重奏曲、木片のための音楽を含む)がある。また最近はケージの作品集にもピアニストとして参加している。そんな経歴から想像できるとおり、サティか初期のケージ、フェルマン、ハロルド・バッド、あるいはイーノを思わせる詩的なアンビエント系の作品で、中にはヴェーベルンを思わせる曲さえある。 | ||
ナイアガラ〜ラースロー・シャーリ(1940-):フルート作品集 ソプラノと3つのフルートのためのマニフィカト(1985) s /2つのフルートのためのデュエット(2001) kb / 3つのフルートとシンセサイザーのための「ランドスケープ・イン・C」 (1982) / 6つのフルートのための「ルドゥス・クロマティクス」(1987) /4つのフルートのための「ムーンドッグ」(1990) / バスフルートとチェンバロのための「祖母の踊り」(1978) cemb / 2つのフルートのためのスタディーズ(1989) /6つのフルートのためのカノン(1977) / フルートと打楽器のためのナイアガラ(1992) perc /4つのフルートのためのタンゴ(1989) / 3つのフルートのためのサンフラワーズ(1989) /4つのフルートのための「フォー・オブ・アス」(2003-07) perc / フルート、バスフルートとグラスのための「反復された5」(1985) / 4つのフルートのための「ポットのなかで遊ぶ小石」(1980) マヌエル・ズリア(Fl〔多重録音〕/Perc;perc/キーボード;kb) アルダ・カイエリョ(S;s) サルヴァトーレ・カルチオロ(Cemb;cemb) | ||
録音:2003年-2006年、ローマ。なお、曲編成とkbやpercの記載に一部ズレがあるようにも思われるが、本体表記に従った。シャーリと言えば「機関車交響曲と蒸気機関の練習曲」(BMCCD-010)の作曲者と聞けば思い出す方もいるかもしれない。「機関車交響曲」は機関車が走る轟音だけを様々なテープ処理で作品にしたぶっ飛んだ内容で、一部で大ウケした傑作だった。その後も「ダンス・ミュージック」(BMCCD-069)という楽しい作品集を発表しているが、この人は限られたモティーフ、音素材を反復して作品を作る傾向があり、前述の「機関車交響曲」のような列車をモティーフにした曲を作るあたりからしてハンガリーのスティーヴ・ライヒと名づけてもよいだろう。さてこのフルート作品集の冒頭に置かれた「マニフィカト」は元気のよい3本フルートの反復音形にソプラノが絡む美しい佳曲でライヒの「バーモント・カウンター・ポイント」と「テヒリーム」を足して2で割ったような音楽。「ランドスケープ・イン・C」はアンビエント系の音楽でブライヤーズかイーノあたりを思わせる瞑想的な作品。「ムーンドッグ」はタイトルからしてあの伝説的ミニマリストを意識していると思われるが内容は終始非常に瞑想的で穏やかな小品。「祖母の踊り」ではバロックと東洋が融合したような不思議な世界が展開。ミニマル・ミュージックの好きな人は必ず気に入るであろう、絶対お奨めの一枚。 | ||
コダーイ:合唱作品集 聖グレゴリオの日(*)/ラディスラウス王の男(*)/ 聖霊降臨祭(*)/フランツ・リスト頌(#)/ シャンドル・シクのテ・デウム(#)/イエスと商人(#)/ 老人たち(#)/トランシルヴァニアの哀歌(#)/ マトラの風景(#) |
アダム・フィッシャー指揮 MR(ハンガリー放送)児童cho.(*) MR(ハンガリー放送)cho.(#) | |
録音:2008年。 管弦楽作品集(BMCCD-141「ハーリ・ヤーノシュ」組曲、他)に続くアダム・フィッシャーのコダーイ作品集第2弾。コダーイは多岐に渡る作品を書いているが、合唱曲は同時代の作曲家のなかでは群を抜いて多く、コダーイ・システムの創始者であり優れた教育者であったため児童合唱のための作品も多い。このディスクは大人の合唱と児童合唱のための曲をバランスよく選曲。 | ||
コダーイ:ピアノ作品集 9つの小品 Op.3/ドビュッシーの主題による瞑想曲/ 小ワルツ/7つの小品 Op.11/マロシュセーク舞曲 |
アドリエンネ・クラウス(P) | |
録音:2008年。 民謡を素材にしたピアノ小品Op.3、Op.11はバルトークのミクロコスモスに似た作風だが、バルトークにはないユーモアと優しさに溢れている。「ドビュッシーの主題による瞑想」はドビュッシーと見紛うほどの作品、オーケストラ編曲で有名なマロシュセーク舞曲はヴィルトゥオーゾ的な華麗な作品。 | ||
A.フィッシャー、BMCレーベル・デビュー〜 コダーイ:管弦楽作品集 「ハーリ・ヤーノシュ」組曲/ 夏の夕べ/ハンガリー民謡「くじゃく」による変奏曲 |
アダム・フィッシャー指揮 ハンガリー放送so. | |
録音:2007年5月、ハンガリー放送。 ハンガリーの名指揮者アダム・フィッシャーがBMCレーベル初登場。現在ハンガリー放送so.、ハンガリー国立歌劇場、オーストリー・ハンガリー・ハイドン・フィルの音楽監督を務めている多忙な指揮者で、イヴァン・フィッシャーの兄としても知られている。アダムは大偉業であるハイドンの交響曲全集やバルトーク、コダーイの管弦楽曲集など誇大な録音をおこなっており、「ハーリ・ヤーノシュ」と「くじゃく変奏曲」はハンガリー国立so.との1989年録音(NIMBUS)以来の18年ぶりの再録音となる。ハンガリー放送so.は録音の際ブダペストso.を名乗っていたが、今回は本名でのリリース。ローカルな味わいと洗練が入り混じった魅力的な演奏。 | ||
デレクタメントゥム〜コルプス・クリスティの祭典 グレゴリオ聖歌とデュファイ作品集 デュファイ: サンクトゥス、アヴェ・ヴェルム・コルプス/ パンジェ・リングァ・グローリオシ/ ラウダ・シオン |
ヤンカ・センドレイ、 ラースロー・ドブサイ指揮 スコラ・フンガリカ | |
録音:2007年。 全21トラック中3曲がデュファイの作品。風のように去来する古拙なグレゴリオ聖歌の間に時々差し挟まれるデュファイの典雅なポリフォニーとの対比がなんとも言えず美しい。 | ||
クルターク:「ヤテコク(ゲーム)」セレクション2
ガーボル・チャログ、アンドラーシュ・ケメネシュ(P) マルタ・クルターク、ジェルジ・クルターク(ピアニーノ) | ||
録音:2003年-2005年。 既に出ている第1集(BMCCD-123)に続くもの。「ヤテコク」はバルトークの「ミクロコスモス」ばりの大量の小品集。作曲家のスケッチ・ブックともアイデアの実験室とも言えるシリーズで、短い曲で15秒、長くて3分。「ストラヴィンスキーへのオマージュ」や「メシアンへの眼差し」など作曲家に捧げられた曲も多い。このシリーズは、まだまだ続きそうだとのこと。 | ||
ペーテル・エートヴェシュ: 夢の橋を渡るように(「更級日記」によるサウンド・シアター)(1999) 〔春/猫がいる夢/月/ミラー・ドリーム/闇夜/記憶/鐘〕 ・ボーナス DVD オーディオ: 夢の橋を渡るように( DTS ドルビー 5.1 チャンネル版)/ 話 (1968)(オリジナル3チャンネル版) エリザベス・ローレンス(語り) マイク・スヴォボダ(アルトTb) ジェラール・ブーケ(コントラバスTb/スーザフォン) ゲルゲリー・ヴァイダ指揮 UMZE アンサンブル | ||
録音:2001年-2008年。 菅原孝標女が1060年に完成させた日本の日記文学の代表作「更級日記」は、主人公の夢と現実、挫折などの精神遍歴の末、やがて仏教への帰依に至る自伝文学だが、これをエートヴェシュが室内アンサンブル、コンピューター・ライヴ・エレクトロニクスを駆使したマルチ・オペラ風の幻想的サウンド・シアター作品に仕上げた。エコーが多用され夢とうつつの狭間をゆらゆらとたゆたう音響はサイケデリック! 女性淡々とした独白(英語)は極めてエロティック。官能性と絶望感が同居した佳品。 | ||
ラースロー・メリシュ(1953-):組曲「ブラック&ホワイト」 〔前奏曲/アルマンド/クーラント/ワルツ/タンゴ/サラバンド/チャールストン/チャルダーシュ/ スティック・ダンス/アリア/ルール/ブルース/ロックン・ロール/ガヴォット/ジグ〕 ゾルターン・レンジェル(P) | ||
録音:2007年。 ラースロー・メリシュはブダペスト出身でハンガリー有数の現代音楽アンサンブルであるグループ180のメンバーとして永らく活動。このアンサンブルはルイ・アンドリーセン、テリー・ライリー、スティーヴ・ライヒなどミニマル系の音楽を好んで演奏していた。同グループのために多数の作品を書き下ろしている。「ブラック&ホワイト」とはもちろんピアノの鍵盤のこと。曲はバッハの鍵盤曲集をポップス風に換骨奪胎したような味わいがあり、ある時はサティもしくはショスタコーヴィチの諧謔趣味に通じる、ぴりっとスパイスの効いた粋な小品が多い。 | ||
イルディコ・ヴェコニー〜ウィズ・マレット&ストリングス J.S.バッハ:パルティータ第3番 ホ短調 BWV.1006 ゾルターン・イェネイ(1943-):リゲティへの告別 C.P.E.バッハ:自由な幻想曲 嬰ヘ短調 W.67 アダム・コンドール(1964-):ハンド・ボール・ペーパー J.S.バッハ:ソナタ第1番 ト短調 BWV.1001 イルディコ・ヴェコニー(ツィンバロン) | ||
録音:2006年。 ハンガリーの民族楽器でジプシー・バンドの花形楽器として有名なツィンバロン。これでバッハをやろうというのだから面白くないはずがない。おかげでバッハの音楽のなかにある民族的な要素が自ずと明らかとなる。ハンガリーは東西文化の中継点であり、琴にも似たツィンバロンの響きは、不思議と日本的でもある。 | ||
クルターク生誕80周年コンサート ジェルジ・クルターク: コンチェルタンテ Op.42b (2002-03、2006改訂) (ヒロミとケンのために)(*)/ 対話(1999-2006) (ジェルジ・クルタークJr共作)(#)/ ヒパルティータOp.43(2000-04) (ヒロミのために)(+)/ 「ヤテコク」からの抜粋と編曲集(**) |
菊池 裕美(Vn;*/+) 波木井 賢(Va;*) ゾルターン・コチシュ指揮(*) ハンガリー国立po.(*) ケラーSQ(#) ジェルジ・クルタークJr (シンセサイザー;#) マルタ・クルターク(P;**) ジェルジ・クルターク(P;**) | |
録音:2006年2月15日-19日、ブダペスト、ライヴ。 2006年2月15日-19日にブダペストで行われたクルターク生誕80歳を祝うコンサート・ライヴ。リゲティ亡き後、現代音楽の重鎮ともいうべきクルタークの近作ばかりを集めた、老いても全く衰えることのないエネルギッシュな音のスペクタクル。昨今の作曲界の様々な潮流とは常に一線を画し、厳しく自己を凝視してきた最後の前衛の現在が聴ける。最後のクルターク近年の代表作「ヤテコク」抜粋も貴重。アンコールはクルターク夫妻の演奏するバッハで閉じられる。 | ||
聖ミヒャエルと聖マルティンの日のための ポリフォニック晩課 聖ミヒャエルの日のための晩課/ 聖マルティンの日のためのミサ/ 聖マルティンの日のための晩課 |
ヤンカ・センドレイ指揮 ラースロー・ドブサイ指揮 スコラ・フンガリカ | |
11月11日は聖マルティンの日だが、それに因んだ音楽を集めた1枚。ブラティスラヴァで発見された15〜16世紀の写本に基づく演奏。男女混声による心洗われるポリフォニー。えも言われぬ美しさは古楽ファンのみならずヒーリングとしてもお薦めできる内容となっている。 | ||
トリアログ〜トリオ・リグヌム オケゲム:ミサ・シネ・ノミネ(*) ツォルト・シェライ:ドリーム・ドローイングス(#) ヨジェフ・シャーリ:トリアログ(#) タリス(アダム・コンドール編): 御身はまことに幸いなる者(+) |
リグヌム三重奏団 [チャバ・クレニュアーン(Cl) ラヨシュ・ロスマン(Cl) ジェルジ・ラカトシュ(Fg)] イルディコ・ヴェコニー (ツィンバロン;+) | |
録音:2007年5月(*)、2006年10月(#/+)。 クラリネットとファゴットによるリグヌム三重奏団2枚目のアルバム。1枚目の「オッフェルオリウム」(BMC-090)も古楽と現代作品をほぼ交互に演奏していたが、前作は短い作品を15曲も集めたのに対し、今回のアルバムではオケゲムのミサまる1曲とタリス作品の2曲で現代もの挟む構成になっている。また(+)ではツィンバロンでバッハを演奏したCDが話題のヴェコニーがゲスト参加している。 | ||
バルトーク: 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ Sz.117(原典版)/ 2つのヴァイオリンのための44のデュオ Sz.98 バルナバーシュ・ケレメン(Vn;*/#) カタリン・コカシュ(Vn;#) | ||
録音:2005年10月18日-21日、フェニックス・スタジオ、ハンガリー。 20世紀ヴァイオリン音楽の傑作を2題。バルナバーシュ・ケレメン(1978-)はハンガリー生まれで、第7回国際モーツァルト・コンクールで優勝している。カタリン・コカシュ(1978-)はクルターク、ティボール・ヴァルガ、レオン・フライシャーらのマスタークラスを受講しているという。ヨーロッパで数々の賞を受賞し2003年にはニューヨーク・カーネギー・ホールでのリサイタルを成功させた。 | ||
ジェルジ・クルターク: ヤテコク(ゲーム)(抜粋)〔第1部/第2部〕(全58トラック) ガーボル・チャログ(P;全曲) アンドラーシュ・ケメネシュ、マルタ・クルターク、ジェルジ・クルターク(P)他 | ||
録音:2003年-2005年、ハンガリー・ラジオ第22スタジオ。ハンガリー放送が制作した全曲録音からの抜粋とのこと。世界初録音を含む。 クルタークの複数のピアノのための作品。クラスター、点描的音形、さまざまな音の身振りが対話するように交わされる。二部からなり、それぞれのセクションがさらに細かく分割、標題ともたんなる指示とも詩ともとれるタイトルが付けられている。 | ||
エートヴェシュの「春の祭典」 ストラヴィンスキー:春の祭典(*)/歌劇「マヴラ」(#) マリア・フォントシュ(S;#) リュドミラ・シェムチュク(Ms;#) リリ・パーシキヴィ(Ms;#) ヴァレリー・ゼルキン(T;#) ペーテル・エートヴェシュ指揮(*/#) ユンゲ・ドイチュpo.(*)、エーテボリso.(#) | ||
録音:2004年9月11日-12日、トム=トム・スタジオ、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス(*)/2003年10月15日-17日、シンフォニー・ホール、エーテボリ(スウェーデン放送収録)(#)。 作曲家ペーテル・エートヴェシュは指揮者としても知られているが、とうとう真打ち的録音が登場。ユンゲ・ドイチュ・フィルを指揮した春の祭典では、ブーレーズに比肩するほどの知的なアプローチを見せるが、さすがハンガリー人の血が騒ぐのか、それだけでは終わらない。設計されたドラマがクライマックスの「生贄の踊り」にむかって、じわじわと盛り上がってゆく様は圧巻。「マヴラ」は新古典主義期の佳作だが、エートヴェシュのドラマ作りの才能が遺憾なく発揮された演奏。薬味の効いた冷笑的な音楽がエートヴェシュの芸風にぴったり。 | ||
シュトックハウゼン: 3群のオーケストラのための「グルッペン」(1955-57) (*) / オーケストラのための「プンクテ」(1952/62) (#) アルトゥール・タマヨ指揮(*) ペーテル・エートヴェシュ指揮(*/#) ジャック・メルシェ指揮(*) ケルン放送so.(*/#) | ||
録音:1997年5月28日&6月2日、Messe Rheinlandsaal、WDR(*)/2004年6月8日&9日、フィルハーモニー、ケルン(#)。ケルン西ドイツ放送局との共同製作。 2005年に来日、再び楽壇の話題を呼んだ帝王シュトックハウゼンによる1950年代の傑作を2曲。特に「グルッペン」(グループ/群)は3人の指揮者と3つのオーケストラを必要とする大作で、前衛音楽バブルの時代を代表する20世紀最大の問題作として忘れることが出来ない。近年クセナキスで定評があるタマヨ、それにエートヴェシュが共演しているのも話題のひとつ。 | ||
NEW MUSIC STUDIO 〜 ハンガリーの現代作曲家による1970年代の合作作品集 ゾルターン・イェネイ、ラースロー・シャーリ、ラースロー・ヴィドフスキー合作: 室内オーケストラのための「アンディスターブド」(1974) (*) バルナバーシュ・デュカイ:変わってゆく月へ(#) ペーテル・エートヴェシュ、ゾルターン・イェネイ、ゾルターン・コチシュ、 ラースロー・シャーリ、ラースロー・ヴィドフスキー合作:クルタークへのオマージュ(1975) (+) アンサンブル・オブ・ニューミュージック・スタジオ(*/+) アンドラーシュ・ウィルヘイム指揮(#) アウアーSQ(#) ショモジーSQ(#) | ||
録音:1974年10月14日、ハンガリー・ラジオ、ライヴ(*) /2005年11月27日、フンガロトン・スタジオ(#)/ 1986年(+) |原盤:HUNGAROTON (+) 。 エートヴェシュを始め、現代ハンガリーを代表する作曲家たちが1970年代に共同制作した作品。(*)は雨だれのような点描的な音が延々ただひたすら40分近く続く。(#)は7分半ほどの作品で、静かで調性的な二つの弦楽四重奏が、あたかも月の満ち欠けを表しているかのよう。(+)はエレキ・ギターやらピアノやら様々な楽器を音響的に変調して作り上げた、サウンド・オブジェともコラージュともいえる30分にわたる大作。 | ||
シューベルト: 交響曲第7番(第9番)「グレイト」 |
アルベルト・シモン指揮 フランツ・リスト音楽院o. | |
録音:1979年3月4日、フランツ・リスト音楽院、ライヴ。ハンガリー・ラジオが制作した放送用のライヴ。 27年前の名演が今、日の目を見る! 指揮者はほとんど無名で、HUNGAROTONに何点かの伴奏版がある程度のようだが、音質は極めて優秀、そして何よりその演奏が素晴らしい。冒頭のホルン・ソロは、たっぷり時間を取った上、しかもヴィヴィラートを全くかけず歌われ、その悠然たる構えはまるでブルックナーを聴いているよう。全体にゆっくりとした巨匠的テンポと重量感で、これまでの「グレート」のイメージを覆す。アルプスの孤高の峰を思わせるこの曲に相応しい名盤。 | ||
モーツァルト:ト短調交響曲集 〔第25番 ト短調 K.183 /第40番 ト短調 K.550 〕 |
ゾルターン・コチシュ指揮 ハンガリー国立po. | |
2005年8月1日、ブダペスト。 ト短調交響曲2つの組み合わせ。コチシュの指揮は実にキッパリした、真っ直ぐな意志の強いもの。いわゆる古楽系のアプローチとも異なっているが、しかし辛口で、ハートを掴む力の強いモーツァルトである。ベタベタしたモーツァルトが嫌いな人には歓迎されるだろう。オーケストラがコチシュの音楽にピタリとついていっているのが頼もしい。 | ||
シェーンベルク:ペレアスとメリザンド Op.5 ヴァレーズ:アメリカ |
ゾルターン・コチシュ指揮 ハンガリー国立po. | |
録音:2001年12月23日、2002年1月11日。 現代音楽に深い関心を持つコチシュによる20世紀音楽の古典。後期ロマン派の香りが漂う「ペレアスとメリザンド」は、ドビュッシーの同名の歌劇が初演された翌年に完成。 ドビュッシーがこの作品によってワーグナーの影響から脱却したのに対し、こちらはワーグナーの影響が濃厚に残っている。 フランスで生まれたヴァレーズは1915年アメリカに移住、「アメリカ」を1918年から1921年の間にかけて作曲した。彼は「アメリカは発見の象徴だ。地上、天上、人間の意識における新世界だ」と書いている。 音の解放を目指すヴァレーズの奔放なイマジネーションが炸裂。 | ||
ドナホーニ:祝典序曲 Op.31 ドビュッシー/コチシュ編曲: 無邪気な人たち/操り人形/ロンド/カプリス/ 牧神/華やかな宴(バンヴィル作詞)/ 家のない子のクリスマス ラフマニノフ:交響曲第1番 ニ短調 Op.13 |
ユーリア・ハイノーツジ(歌) ゾルターン・コチシュ指揮 ハンガリー国立po. | |
録音:2001年12月23日、2002年1月11日。 ピアニストとしてだけでなく作曲家としても活動するコチシュが満を持して編曲したドビュッシー歌曲の管弦楽編曲版。ここにまた魅力的なオーケストラのレパートリーが増えたことを喜びたい。若きラフマニノフが全精力を傾けて作曲した第1交響曲は指揮者とオーケストラが一丸となった熱演。 | ||
サティ/ジョン・ケージ編曲:ソクラテス リスト:十字架の道行 |
デジェー・ラーンキ、 エディト・クルコン(P) | |
録音:2004年10月22-23日。 ハンガリーの名ピアニスト、デジェー・ラーンキと彼の妻でやはりピアニストのエディト・クルコンのデュオ。サティの「ソクラテス」は、この曲を偏愛していたジョン・ケージが二台ピアノ曲に編曲したもの。透けるようなシンプルな音楽が、サティの繊細さをさらに浮き上がらせていて素晴らしい。 | ||
スクリャービン:前奏曲&小品集 前奏曲〔 Op.11 Nos.2, 11-12, 16-17, 21, 23 / Op.16 Nos.2, 4 / Op.17 Nos.2, 4-7 / Op.22 Nos.2-3 / Op.31 Nos.3-4 / Op.33 Nos.2-3 / Op.35 Nos.1-3 / Op.37 No.4 / Op.39 Nos.1, 4 / Op.48 Nos.1-2 / Op.51 No.2 / Op.59 No.2 〕/ 詩曲 嬰ヘ長調 Op.32 No.1 /アルバムの綴り Op.45 No.1 /たよりなさ Op.51 No.1 /謎 Op.52 No.2 / ニュアンス Op.56 No.3 /不思議 Op.63 No.2 /おどけて Op.71 No.1 /空想して Op.71 No.2 / 炎に向かって Op.72 /前奏曲 ゆっくりした、漠然と、あいまいな Op.74 No.4 ガーボル・チャログ(P) | ||
ガーボル・チャログは1960年ブダペストに生まれ、6歳でピアノを習い始め、11歳でリスト音楽院に入学、ゾルターン・コチシュやアンドラーシュ・シフらに学び、さらにインディアナ大学でも学ぶ。在学中からヨーロッパ各地で演奏活動を開始し、1990年からは録音も精力的に行っている。スクリャービンは彼の得意とする作曲家で、ここでも40曲もの短い作品をそれぞれ練り上げた楽想で弾きこなしている。 | ||
ショパン: マズルカ〔 Op.26/ Op.30/ Op.63 〕/ 幻想曲 ヘ短調 Op.49/ ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調「葬送」 |
ゲルゲイ・ボガーニ(P) | |
録音:2003年4月1日-4日。 ボガーニはブタペスト音楽院、シベリウス音楽院で学んだ後インディアナ大学でジェルジュ・シェベックに師事し、1996年リスト国際音楽コンクールで優勝した。ショパンを得意とし、 2001年ハンガリーで行なったショパン全曲演奏リサイタル・シリーズはグラモフォン誌の年間ベスト・コンサート・シリーズ賞、ヴァイオリニストのケレメンと録音した2枚のディスクは国際リスト協会のグランプリを受賞した。 | ||
リスト、リゲティ:練習曲集 リスト:超絶技巧練習曲集 より〔第1番−第3番/第12番「雪かき」/第11番「夕べの調べ」〕/ パガニーニによる超絶技巧練習曲〜第4番/2つの演奏会用練習曲〜森のささやき リゲティ:練習曲〔第1番/第2番/第5番−第10番〕 ガーボル・チャログ(P) | ||
録音:2003年9月24日-30日。 リゲティによれば、この練習曲を書いた第一の理由は自分の不十分なピアノの技術をプロの手腕にまで向上させたかったことで、この作品はアメリカ音楽でもジャズでもなく、前衛的・無調的でも調的でもなく、単なる数学的構造で、ショパン的とかドビュッシー的というレッテルを貼ろうとは思わない、と述べている。 チャログはブタペストに住んでリスト音楽院とバルトーク音楽院で教え、めったに演奏されないものを含む広範囲の作品を録音してる。彼のシューベルト・アルバム(BMC-084)は「レコード芸術」3月号の海外盤試聴記で絶賛された。 | ||
ペーテル・エートヴェシュ: 内部の音程(1974/1981) 風の連続 |
マイケル・スウォボダ(Tb) ペーテル・エートヴェシュ指揮 ウムゼ室内合奏団 クラングフォルム・ウィーン | |
録音:2002年10月24日、2003年4月14-15日。 この2曲は、エートヴェシュが自然の法則を音に変えることに関心を集中させていた1970年代の「探求の時代」に始まる。彼は1972年から1974年の間に電子音を基礎とする素材で「内部の音程」を作曲したが、1975年から1981年の間に器楽部分の3つの版を追加した。「風の連続」は1970年、大阪万国博覧会のためにシュトックハウゼンの合奏団の一員として来日した彼が日本の自然や禅の影響を受けて書いた作品で、1975年から2002年まで作曲が続けられた。 | ||
オフェルトリウム マショー:わが終わりはわが始まり ラースロー・シャーリ:半音階的ゲーム ジョスカン・デ・プレ:定量カノン アーダーム・コンドル:対立/裁判官 ゾルターン・イェネイ:「若かった時私は言われた」 オケゲム:私の愛する女 ラースロー・ヴィドヴスキ:カノン的な子守歌 ブル:イン・ノミネ(4曲) |
リグヌム三重奏団 [チャバ・クレニュアーン、 ラヨス・ロズマーン(Cl) ジェルジ・ラカトシュ(Fg)] | |
録音:2003年6月23日-26日。 リグヌム三重奏団は1997年、ルネッサンスとそれ以前の声楽曲の多様性に引き付けられた奏者たちによって結成され、現代楽器で演奏してルネッサンスと現代音楽の関係を探ることが重要という考え方でプログラムを構成している。 「裁判官」は、ナチの終末期の不当な死刑判決を描いたアダム・ザイデルの小説「ブラウン・シュヴァイクのヨハンナ」に題材を取った作品。古楽と現代のクロスオーヴァーという点で、 かつてヒットしたヤン・ガルバレクの「オフェルトリウム」やクロノス・クァルテットのアーリー・ミュージックを思い出させる。 | ||
J.S.バッハ:オーボエ協奏曲全集 〔ヘ長調 BWV.1053 /ト短調 BWV.1056 /イ長調 BWV.1055 / ハ短調 BWV.1060 /ニ短調 BWV.1059 〕 |
ラースロー・ハダディ(Ob) アンタル・サライ(Vn) ボルバーラ・ドボジ(Cemb) ブタペスト室内so. | |
録音:2003年4月14-18日。 バッハは別の楽器への編曲をしばしば行なった。ここに収録されている協奏曲は現在チェンバロ協奏曲として知られているが、初めは旋律楽器の協奏曲として書かれたという想定でこの録音が行われた。 ハダディは1956年ハンガリーで生まれ、1980年からパリに住んでアンサンブル・アンテルコンタンポランの独奏オーボエ奏者を務め、パリ・オペラ座管弦楽団やフランス放送交響楽団と共演している。 | ||
IMA 〜ペーテル・エートヴェシュ(1944-): IMA(混声合唱と管弦楽のための祈り)/ 宇宙(2台ピアノ版)/ 手紙(弦楽四重奏のための情景) |
シルヴァン・カンブルラン指揮 ケルン西ドイツ放送so.&cho. アンドレアス・グラウ、 ゲッツ・シューマッハー(P) ペレグリーニSQ | |
録音:2002年9月-10月。 「IMA」は1995年のエートヴェシュの代表作「アトランティス」の続編で、突然海中に沈んだ文化を表している。「宇宙」は1961年ガガーリンの宇宙飛行によって世界が突然開け、無限大に見えたという衝撃から作曲された。「手紙」は、ザルツブルクに住んでいたレオポルト・モーツァルトと、1778年にパリに住んでいた息子ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトとの間の手紙の抜粋から、二人の劇的な関係を再現した作品。 | ||
シューベルト: 楽興の時 Op.94 D.780 /即興曲 Op.142 D.935 / ピアノ小品 D.604 |
ガーボル・チャログ(P) | |
チャログは1960年に生まれ、11才でリスト音楽院に入学、ラーンキ、コチシュ、クルターク、アンドラーシュ・シフに学んだ。広大なレパートリーを持っているが、とりわけ現代音楽を得意としBMCレーベルにいくつかの録音がある。そんな彼がシューベルトの名曲に挑む。 | ||
ジェルジ・クルターク Jr. プロデュース〜ルクス・ノクス: S[M]S Getting started / Calls / Call memory / languages / Icons,sounds,smileys / Setup / Alarms / FAQ / Off-peak hours / Warranty ジェルジ・クルタークJr.(シンセサイザー) クリス・マルティノー(Va/声) イサベレ・シレア(B−Cl/S−Sax) ローランド・オッサート(モジュラー・シンセサイザー) | ||
電子音楽。シンセサイザーのノイズと効果音のようなものに即興的に声や楽器の音がそのままあるいは電気的に変容されたものが入ってくる。昔のゲームのBGMや宇宙の広がりや東洋の神秘を感じさせられるかも? | ||
アンドラーシュ・セーレーシ(1921-2007): 管弦楽と室内管弦楽のための作品集 管弦楽のための音楽/響き/ ムジカ・コンチェルタンテ/悲歌 |
ペーテル・エートヴェシュ指揮 BBCso. アンドラーシュ・ヴィルヘイム指揮 ブダペストco. | |
録音:1998年10月、2002年11月。 セーレーシはトランシルヴァニア地方に生まれ、ブダペスト音楽院でコダーイに、ローマでペトラッシに学んだ。1950年からブダペスト音楽院で音楽史と理論を教え、コダーイとオネゲルについての本を出版し、バルトークの作品を最初に学問的に分類した。作曲家としての真のデビューは、1968年の「協奏曲第3番」が1970年に開催されたUNESCOの国際作曲展でその年の優秀作曲賞を受賞した時で、これによって、必要に応じて伝統に頼る作曲技法を採るようになった。 作曲家・歴史家としての経験から彼は、「作曲家の仕事は音の間に秩序を作ることで、個性は全く新しいものを創案することにあるのではなく、それに成功したと思ってもたいてい前例があるもので、また、他人と違うものを発見したと考えて同じ音楽を書き続けたら、それは個性ではなくなる」と述べている。 | ||
モーツァルト: 弦楽四重奏曲第19番「不協和音」K.465/ 弦楽四重奏曲第17番「狩」K.458/ 弦楽四重奏曲第14番「春」K.387 |
バルトークSQ [ペーテル・コムローシュ、 ゲーザ・ハルギタイ(Vn) ゲーザ・ネーメト(Va) ラースロー・メズー(Vc)] | |
ハンガリーを代表するバルトークSQが2002年、結成45周年にあたって取り上げたモーツァルト。BMCレーベルには現代作品の録音があったが、古典名曲でいよいよ真価を発揮。 | ||
ラースロー・ヴィドフスキー(1944-): 12の弦楽四重奏曲/12の二重奏曲 |
アウアーSQ アンドラーシュ・ケラー(Vn) ゾルターン・ガール(Va) | |
録音:2002年、1989年。 ヴィドフスキーはブダペスト音楽院でフェレンツ・ファルカシュ、パリでメシアンに学んだ。1970年ブダペスト新音楽スタジオの創立者の一人となり、ずっとそのメンバーとして作曲・演奏活動を続けてきた。2000年までは主にMIDIピアノのための作品を作曲、「MIDIピアノのための練習曲」が BMC-0014に収録されている。ここに収められた2つの作品の各楽章は、限定された素材による比較的単純な短い曲で、そのため多楽章の構成となっている。 | ||
現代ハンガリーのフルート音楽 ジョルト・シェライ:パルティータ(*) クルターク:J.S.B.へのオマージュ/ドロローソ/ 上へ!勢い良く!/ある2つの花(+)/ランボーを読んで アンドラーシュ・セーレーシ:3つの小品(#) ラースロー・シャーリ:マニフィカト(**) ゾルターン・ジェンジェシー:デュオ(+) ヨージェフ・シャーリ:無限に出会う平行線(*) ゾルターン・ジェンジェシー(Fl) ジョルト・シェレイ指揮ブダペスト室内so.(*) ゲルゲリー・イッツェーシュ(Fl;+) アンドラーシュ・ケメネーシュ(P;#) クリスツィナ・ヨーナシュ(歌;**) | ||
アイ・ルック・アップ、ジャスト・ライト〜ジョルト・シェレイ(1954-):作品集 20年のための7分間(1990-91) (*) /3つの中国の詩 − 李太白による(1996-98) (+) / 折られた構造の陰 − ブーレーズへのオマージュ(2000-01) (#) / アルバム小冊子(1893-96) (**) /セレナード(1993) (++) ジョルト・シェレイ指揮(#/++) コンポンアンサンブル(*/#/++) マリア・ホルヴァート(Ms;+) ガーボル・チャログ(P;+/**) バーリント・サード、チャバ・クレニャン(Cl;#) ラースロー・ラーコシュ(Hr;++) | ||
ハンガリー生まれの作曲家で、彼の立ち上げたコンポンアンサンブルの指揮者としても活躍している。 | ||
ペーテル・エートヴェシュ: ミュージック・フォー・ニューヨーク(1971/2001) 〔ツィターとハーディ・ガーディ、シンセサイザーによる即興のテープのための(1971) に、ソプラノ・サックスと打楽器の即興を追加(2001) 〕(*) / ナウ・ミス!〔S.ベケットの「残り火」によるテープ作品/ ヴァイオリン、電子オルガンのシンセサイザーによる変容〕(1972) (+) / エレクトロ・クロニクル(テープ作品/2台の電子オルガンのエートヴェシュによる変容/ (1972/74) / WDR によるライヴ・セッション〕(#) / 修道僧の踊り〔クラリネット・ソロのための〕(1993/2001) (**) ペーテル・エートヴェシュ(シンセサイザー、テープ作成、電子Org;*/+/#) ラースロー・デシュ(Sax;*) アンドラーシュ・デシュ(Perc) ヤーノシュ・ネジェシ(Vn;+) メシアス・マイグアシャ(電子Org;#) チャバ・クレニャン(cl;**) | ||
ラースロー・シャーリ:ダンス・ミュージック ハンガリー舞曲 '95 /ブルース1,2,3/エコー・ラグ1,2,3/ エステルハージのためのワルツの一種/思い出/タンゴ/ブロードウェイ・ブギウギ/祖母の踊り/元気良く ガーボル・チャログ(P) チャバ・クレニュアーン(Cl) ヴィルモシュ・ブザ(Cb) ナーンドル・ゲッツ(Sax) ラースロー・シャーリ(P) ジェルジ・デーリ(Vc) ガーボル・エクハルト(P) アンドラーシュ・ホルン(Cl) アンナ・メーレイ(Vn) ジェルジー・ラカトシュ(Fg) イルディコー・ヴェーコニ(ツィンバロン) | ||
録音:2002年12月20日-21日/2003年2月2日。 シャーリは当初、実験的で前衛的作品を書いており、後に新音楽スタジオ設立に参画。実験音楽と電子音楽の経験を経たシャーリの舞曲は、伝統的な舞曲とテクノロジー、ジャンルを横断したクール&ホットでブッ飛んだダンス・ミュージック。 | ||
シェーンベルク:清められた夜 ショスタコーヴィチ/バルシャイ編曲: 室内交響曲 Op.110a |
エードリアン・ サンシャイン指揮 カメラータ・トランシルヴァニア | |
ブラームス:交響曲全集 | エーリヒ・ベルゲル指揮 トランシルヴァニアpo. | |
録音:1994年、ディジタル。 N響にも客演した名匠エーリヒ・ベルゲル(1930-1998)の最高傑作が遂に登場。ハンガリー文化遺産省とハンガリー国立文化基金の支援を受けた晩年のスタジオ録音。この演奏は、一見中庸なテンポの平凡なブラームスに聞こえてしまうが、所々、音楽の流れを完全に止めてしまう程までにテンポが落とされる箇所がある。それこそ、停滞というタブーを繰り返し犯してまで強調された、ベルゲルによる強烈な問題提起なのである。ルーマニア北西部の文化の中心クルージュにあるトランシルヴァニアpo.は1955年創立。チェリビダッケ、ベルゲルが指導してきたことでも知られる。決して下手ではなく、美しい音色も魅力の一つと言える。 | ||
エートヴェシュ:ゼロ・ポインツ(*) ベートーヴェン: 交響曲第5番 ハ短調 Op.67「運命」(+) |
ペーテル・エートヴェシュ指揮 エーテボリso.(*) アンサンブル・モデルン(+) | |
現代音楽の演奏・録音で知られるアンサンブル・モデルンの「運命」とはそそられるものがある。 | ||
リスト:後期作品集(自身の編曲による後期ピアノ作品集) チャールダッシュ・オプスティネ/4つの忘れられたワルツ/ハンガリーの歴史的肖像/死のチャルダーシュ ジェルジー・セルメッツィ指揮カメラータ・トランシルヴェニア | ||
修道僧の踊り〜現代ハンガリーのクラリネット作品集 ゲルゲリー・ヴァイダ(1973-):ライトシャドウ=トレンブリング − アンドラーシュ・ペトツへのオマージュ イシュトヴーァン・ラング(1933-):モノディア(*) / ラースロー・シャーリ(1940-):変奏曲 ヨージェフ・シャーリ(1935-):4つのテンポ / ペーテル・エートヴェシュ(1944-):修道僧の踊り ジェルジ・オルバーン(1947-):協奏的ソナタ(+) チャバ・クレニャン(Cl/B-Cl) ガーボル・チャログ(P;*) イルディコ・Cs. ナジ(P;+) | ||
クラリネットの演奏技術を極めた超ヴィルトゥオーゾ作品集。 | ||
バルトーク: 中国の不思議な役人 Sz.73 (*) / 管弦楽のための協奏曲 Sz.116 (+) |
ペーター・エートヴェシュ指揮 ユンゲ・ドイチェpo.(*) グスタフ・マーラー・ ユーゲントo.(+) | |
録音:1994年、ケルン放送局(*)/1992年5月、ドニゼッティ劇場、ベルガモ、イタリア、ライヴ(+)。 ハンガリーを代表する現代作曲家であり指揮者であるエートヴェシュによるバルトーク。 エートヴェシュは「1990年代前半にこうした若者たちとの共同作業に取り組んだことで、高い能力に刺激され自らも啓発されたと語っている。 | ||
Shades of Bach 〜サクソフォンによるバッハ バッハ: 音楽の捧げもの BWV.1079 〜ソナタ ハ短調/ ソナタ ト短調 BWV.1029 / パルティータ イ短調 BWV.1013 |
ヤーノシュ・ヴァソーニ (ソプラノSax) ダニエル・ヴァッチ (アルトSax) カタリン・チラフ(P) | |
Over the face of the deep 〜バルバナーシュ・ドゥカイ(1950-):作品集 海の表面上にただよう霧(4つのヴァージョン)/岩に向かう風のように/沈み行く太陽に/炎のまばゆさ シルヴィア・カルパティ(Vn) ヤーノシュ・ラーポシ(Va) ゾルターン・ジェンジェシー(Fl) タマーシュ・ブブノー(Vo) アマディンダ・パーカッション・グループ/他 | ||
バルバナーシュ・ドゥカイはハンガリーの中堅世代の作曲家。調的な音響、聖歌を思わせる清冽な響きとクラスターの混在、特にクライマックスのない構成はフェルドマン、ペルトを思わせる。 | ||
バッハ:トリオ・ソナタ集〔 BWV.525 / BWV.1037-BWV.1039 / BWV.1079 〕
ゾルターン・ジェンジェニー(Fl) ラースロー・ハダディ(Ob) ジェルジ・ラカトシュ(Fg) ボルボラ・ドボジー(Cemb) | ||
クルターク:ローベルト・シューマンへの頌歌 バルトーク:コントラスト ライヒ:ニューヨーク・カウンターポイント |
ゲレール・ティハニ (Cl/Bs−Cl) | |
J.S.バッハ: パルティータ ニ短調 BWV.1004 クライスラー: レチタティーヴォとスケルツォ・カプリス イザイ: ソナタ Op.27-3〜バラード(エネスクのために) エミル・ペトロヴィチ:狂詩曲第1番 |
アンタル・サライ(Vn) | |
サライは近年、将来を嘱望されるハンガリーの若手を代表するヴァイオリニストでブダペスト音楽院で学んだ後、ティボール・ヴァルガ、ジェルジ・パウクらに指導を受けた。彼の才能はメーニューイン、アイザック・スターンにも絶賛されている。艶やかで甘い音色が特徴。 | ||
現代ハンガリーのツィンバロン音楽 スプリンターズ〜イルディコ・ヴェコニー クルターク:スプリンターズOp.6c ラースロー・ヴィドフスキー: 1つまたは2つのツィンバロンのための クルターク:8つのデュエット(*) アダム・コンドル: ハンガリー民謡の形式で(#) クルターク: フェレンツ・ベレニ70歳へのオマージュ ラースロー・シャーリ:遅く、そして活発に ソルト・シェライ:ザ(the)ヴァージョンA クルターク:ヴィトルドへの一本のヒース (ルトスワフスキの思い出に) ゾスタン・イェネイ:ひげそり |
イルディコ・ヴェコニー (ツィンバロン) アンドラーシュ・ケラー(Vn;*) フェレンツ・ヴァルガ(Va;#) | |
バッハをツィンバロンで弾いたアルバムで注目を集めたヴェコニーのアルバムで、オール現代ハンガリー・プログラム。前回もバッハの合間にコンドルとイェネイの作品を弾いていたが、今回は80歳を迎えたクルタークの作品を加え、より先鋭的にヴァージョン・アップ。ツィンバロンはブーレーズも「レポン」で使用しているように、いまや現代音楽に欠かせない楽器となった。 | ||
アストル・ピアソラ:忘却 | ザルツブルク・ オコウン・アンサンブル | |
バッハ再探訪 (コンピレーション) |
さまざまな演奏家 | |
ストラヴィンスキー:兵士の物語 | ヤーノシュ・クルカ、 ヨージェフ・サルヴァス(語り) ラヨシュ・ロズマン(Cl)他 | |
ラースロー・ホルトバーギ:ファタ・オルガナ | ||
ペーテル・エートヴェシュ:声楽作品集 2つのモノローグ(1998) /ハラキリ(1973) /物語(1968) /優雅な昆虫(1970/89) /クリケット音楽(1970) トムキンズ・ヴォーカル・アンサンブル、 SWR シムフォニクス | ||
ラースロー・メリス: ムロメディチーナ・キロニス(キロンのラバ治療)/エノホの黙示 UMZE.チェンバー・ミュージック・グループ アマディンダ・パーカッション・グループ | ||
BMC サンプラー( Jazz も含む) | ||
ラースロー・ティハーニ:影絵芝居 | ラースロー・ティハーニ指揮 UMZE.チェンバー・ ミュージック・グループ | |
ベーラ・ファラゴ: 353日 − ミサ(*) /墓碑銘(+) /グレゴール・ザムザの欲望(#) ラースロー・ティハニ指揮インターモデュレイション・アンサンブル(*) トムキンズ・ヴォーカル・アンサンブル(*) ベーラ・ファラゴ(P;+/#) ラースロー・シマイ(Tp;+) ジェレールト・ティハニ(Cl/B−Cl) | ||
ラースロー・デーシュ: 絞首刑に処せられた者たち (アンドラーシュ・ベレツの彫刻のための音楽)(*) ジンバブエ伝統音楽:ムビラ(+) タヒチ民族音楽:オテア(+) マルチメディア・トラック; アンドラーシュ・ベレツの彫刻 「絞首刑に処せられた者たち」の映像 |
アマディンダ・ パーカッション・グループ ケラーSQ (*) モーニカ・ユハース、 ジュジャ・ルキン(Vo;*) ラースロー・デーシュ(Sax;+) | |
ヨージェフ・サーリ: 8つのダルシマー二重奏曲〜5つの楽章(*) /ドン・ジェナーロのメタモルフォシス(+) / コンヴァージェンセズ(#) /ノヴェレッテ(**) /完結せり...(++) /不死鳥の目覚め(##) /6つのファンファーレ(~) イエオナ・セヴェレーニ(ダルシマー;*/##) イルディコー・ヴェーコニ(ダルシマー;*/#/##) ブラス・イン・ザ・ファイヴ(+/++) ゾルターン・モルナール(Tp;+/~) タマーシュ・ファルサング(Tb;+/~) ラースロー・シマイ(Tp;#/~) ペーテル・ソース(Hr;**) テュンデ・ツィメル(ダルシマー;##) エーヴァ・ソーヴァーゴー(ダルシマー;##) | ||
シュタルケル&シェベック参加〜レオー・ヴェイネル(1885-1960): パストラーレ、幻想曲とフーガ Op.29 /ロマンス(*) / コンチェルティーノ(+) /謝肉祭 Op.5 /ヴァイオリン協奏曲第2番 Op.45(#) ヤーノシュ・シュタルケル(Vc;*) メリンダ・フェレタール(Hp;*) ジェルジ・シェベック(P;+) アンタル・サライ(Vn;#) ティボール・ヴァルガ指揮(#以外) ジョルト・ハマル指揮(#) ブダペスト・チェンバー・シンフォニー | ||
ヴェイネルは国民楽派ながら、バルトーク、コダーイとは異なるロマンティックな路線を進んだ。教師としても名高く、教え子のなかにはアンダ、ドラーティ、フランクル、ロージャ、シェベック、ショルティ、シュタルケル、ヴァルガ、ヴェーグらがいる。 | ||
エミル・ペトロヴィチュ(1930-2011): 弦楽四重奏曲(*) 〔第1番/第2番〕/ ヴァイオリン独奏のためのラプソディ(+) / チェロ独奏のためのラプソディ(#) |
バルトークSQ (*) アンタル・サライ(Vn;+) ラースロー・メゼ(Vn;#) | |
ラースロー・ヴィドフスキー: MIDI ピアノのための練習曲集 第1巻〔フタキの歌(光の創造者)/和音の練習/バロック/ファウストのマーチ/ 3つのコラール前奏曲 − 変奏曲 [ああ神にして主/いと高きところの神にのみ栄光あれ/甘き喜びのうちに]〕/ 第2巻〔前奏曲/自動反復/ベルリオーズ/昨日の歌/オールディーズ・バット・グッディーズ I / ヴェセルスキーをたたえて/オールディーズ・バット・グッディーズ II 〕 (MIDI ピアノ/シンセサイザー) | ||
ジュラ・チャポー: 狙撃後の握手(ヤーノシュ・ピリンスキーに捧げる) [ラースロー・プレーダ、ガーボル・シゲティ(ミュートTp) マーリア・バルナーシュ(Ob) エーヴァ・ボータイ(電子Org) ジョルト・セレイ(カードボード・ボックス) ジュラ・チャポー指揮]/ 聴け、エドヴァルド...グリーグをたたえて [イロナ・セヴェレーニ、イルディコー・ヴェーコニ(ダルシマー) ガーボル・チャログ(P) イシュトヴァーン・ルカーチュハージ(Cb)]/ スートラエチテーションズ [アラステア・トンプソン(T/チューンド・グラス) チャバ・クレニャーン、アンドラーシュ・ホルン、 ラヨシュ・ロズマーン(Cl) ジュラ・チャポ(P/ノイズ/エレクトロニクス)]/ クラップの最後のテープ(サミュエル・ベケットによる) [チェル・アーネ・ヨルエンセン(Vn/演技者) 録音テープ]/ バードデイケージ(ジョン・ケージ76歳の誕生日のために) [ヴェロニカ・レンケシュ(Vc) ジュラ・チャポー(P)] | ||
エーリヒ・ベルゲル指揮 リヒャルト・シュトラウス:変容 オネゲル:交響曲第2番 |
エーリヒ・ベルゲル指揮 カメラータ・ トランシルヴァニカ | |
レコーディングを好まなかったベルゲルが録音した1枚。 | ||
エーリヒ・ベルゲル指揮〜 バッハ/エーリヒ・ベルゲル編曲: フーガの技法(管弦楽版) |
エーリヒ・ベルゲル指揮 クルジュpo. | |
録音:ライヴ。ルーマニア出身の指揮者ベルゲルはバッハの権威でもあり、生涯をかけて「フーガの技法」未刊のフーガを完成させ、あのカラヤンをして「画期的業績」と言わしめた。 | ||
ラースロー・シャーリ: 機関車交響曲(*) /蒸気機関に基づく練習曲集(*) ジョルト・カローイ収集: ハンガリー蒸気機関車の実録音(#) |
エレクトロ・ アコースティック音楽(*) | |
初発売:1998年(*) /1983年(#) |原盤:HUNGAROTON (#)。これは珍品。聴いてびっくり機関車交響曲。 | ||
リスト:交響詩集 〔プロメテウス/マゼッパ/ タッソ、悲嘆と勝利/前奏曲〕 |
ジョルト・ハマル指揮 ハンガリー国立po. | |
ペーテル・エートヴェシュ: アトランティス(*) /サイココスモス(+) /シャドウズ(#) マールタ・ファビアーン(ダルシマー;*/+) ディートリヒ・ヘンシェル(Br;*) ペーテル・エートヴェシュ指揮(*/+) ケルン放送so.(*)、 BBC so.(+) ダグマール・ベッカー(Fl;#) ヴォルフガング・マイヤー(Cl;#) ハンス・ツェンダー指揮バーデン=バーデン放送so.(#) |