ドメーニコ・ベッリとフィレンツェの「新様式」 G.B.ブオナメンテ(1600-1643):フィオレンツァのアリア ドメーニコ・ベッリ(?-1627):焼けつくように/美しい眼差し、清らかな眼差し/ああ、わが生の日々ぞ儚し ロレンツォ・アッレーグリ(1573-1648):シンフォニア ドメーニコ・ベッリ:太陽をまとった美しい乙女よ / ロレンツォ・アッレーグリ:ニンフたちのバッロ ドメーニコ・ベッリ:わが魂よ、ああ何を思うか、ああ何をするのか/このおれを見放そうというのか ロレンツォ・アッレーグリ:バッロ「ラ・セレーナ」 ドメーニコ・ベッリ:あなたの視線が、凍てついた心に火をつける/あまたの戦利品も、勝利の冠も/ おれに冷たい、美しい眼差し/人間は不幸、生まれたときから ギユメット・ロランス(歌) ヴァンサン・デュメストル指揮ル・ポエム・アルモニーク | ||
録音:1999年3月10日-13日、ノートルダム・ボン・スクール教会、パリ、フランス|他出:ALPHA-903(カタログ付き;廃盤)。 こちらもレビュー賞を総なめにした、知られざる作曲家の発掘アルバム――弦に上村かおり他、編成拡大でさらに多彩な表現が盛り込まれた1枚。古楽歌手とフラメンコ歌手のはざまのような? ギユメット・ロランスの情念うずめくユニークな歌唱が、これほどぴったり作品の芸術性と合致して相乗効果のあがったアルバムも少ないだろう――Alpha第2弾にしてLPH第2弾、カスタルディよりもっと無名だったドメーニコ・ベッリなるバロック初期の作曲家に光をあてて、きわめて高次元の古楽サウンドを体現した忘れがたいアルバムだ。発売当初は「ディアパゾン」「レペルトワール」「クラシカ」「テレラマ」など各誌のレビュー賞を総なめにし、フランス各誌のステッカーでジャケット面がほとんど見えなかったほどという一大傑作。 ベッリという名の作曲家は1600年前後にかなりたくさんいるようだが、ここで紹介されているのはフィレンツェのメディチ家に仕え、カッチーニやペーリといった最初期のオペラ創始家たちの周辺で活躍していたドメーニコ・ベッリ。折しも通奏低音をもとにしたバロック歌唱芸術が、伝統的なポリフォニー音楽のくびきを脱して花開きはじめた頃だったとはいえ、ベッリの作風はさらに破格的詩句のことばのリズムを尊重するあまり、従来の作曲規則を軽々と無視してのけ、しばしば常道を大いに逸脱した不協和音だらけの移植楽曲に走ることもあった鬼才――そうした大胆きわまる書法を、恐ろしいまでの迫真の表現力を誇るロランスの歌唱がみごと説得力あふれる表現語法として聴かせつくすからたまらない! かそけきたおやかなヴィオール合奏、アクセント豊かなリュートの撥弦音...イタリア時代のリュリが模範としたかもしれない、と言われる歌のないバッロ(舞曲)も嬉しい発見だ。紋切り型のモンテヴェルディ演奏を聴くくらいなら、見え透いたジェズアルド解釈を聴くくらいなら、玄人もビギナーもまずこのアルバムを聴いたほうが絶対、エキサイティング&感動的であること請け合い! | ||
人間喜劇〜エティエンヌ・ムリニエ(1599-1676): さまざまな鳥のコンサート/おろか者のエール「まどろみの魔法を破れ」/ヴィオールのためのファンタジー第1番/ 対話「スペインの人、お願いです」/眼よ、生きていたなら/ガスコーニュの歌「茂みの小鳥よ」/ 天の下ではキューピッドも/さまよえるユダヤ人のエール/ 器楽のアントレ(バレエ「ピエール・ド・プロヴァンスとラ・ベル・マゲローネの結婚」より)/他 ル・ポエム・アルモニーク(声楽&器楽Ens.) ヴァンサン・デュメートル(リュート/テオルボ/G) | ||
録音:1999年。ピリオド楽器使用。南仏出身の才人、ムリニエのエール(アリア)と合奏曲。フランス語の他、スペイン、ナポリ、ガスコーニュ、ユダヤの歌もそれぞれの言語で歌われるという、地中海周遊プログラム。歌手4、ヴィオール4、ハープ、リュート&ギター、打楽器(カスタネットも)という編成。トラッドっぽいサウンドも。 #レーベル在庫切れのため このまま廃盤になると考えられ、御注文頂いてもお届けできないと思われます。御了承下さい。 | ||
ユリシーズのまどろみ〜 エリザベート・クロード・ジャケ・ド・ラ・ゲール(1665-1729): クラヴサンのための前奏曲イ短調(1687) /カンタータ「ユリッス(ユリシーズ)のまどろみ」(1715頃) / クラヴサンのためのシャコンヌ イ短調(1687) / ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ニ短調(1707) /カンタータ「サムソン」(1711) イザベル・デロシェ(S) レ・ヴォワ・ユメーヌ [アリス・ピエロ(Vn) フランソワ・ニコレ(Fl−tr) マルク・ウォルフ(G/テオルボ) フレディ・アイヒェルベルガー(Cemb) クリスティーヌ・バイユー(Vg)] | ||
ルイ14世治下で一世を風靡した女性作曲家の真価が明らかに。ホメロスと旧約聖書に題材を採ったカンタータ2曲が中心。 | ||
フランソワ・クープラン:ヴィオール組曲第1番/第2番 アントワーヌ・フォルクレ:ヴィオール組曲第1番 |
ニマ・ベン・ダヴィッド(Vg) ジョナサン・ルービン (テオルボ、G) ソフィー・ボーシェ(Vg) エレーヌ・クレール・ムジエ (Cemb) | |
録音:2000年1月、パリ。 | ||
バッハ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集 ソナタ BWV Anh.153/BWV.1023/BWV.1024/フーガ BWV.1026 ヴァイオリンとチェンバロのための組曲 BWV.1025 |
エレーヌ・シュミット(Vn) アラン・ジェルブロ(Vc) ヤン・ヴィレム・ヤンセン (Cemb) | |
録音:2000年4月、パリ。 | ||
ミステリアス・モーニング ジェルジ・リゲティ:6つのバガテル(*) タナダ・フミノリ:ミステリアス・モーニングII(*) フランコ・ドナトーニ:RaschI/Rasch II(*) ヤニス・クセナキス:Xas ソフィア・グバイドゥーリナ:In Erwartung |
ハバネラ・サクソフォンQ [クリスティアン・ヴィルト シルヴァン・マルジュー ダブリツィオ・メンクーソ ジル・トレソス] | |
エミリオ・デ・カヴァリエーリ (1550頃-1602):エレミアの哀歌 |
ル・ポエム・アルモニーク ヴァンサン・デュメストル (テオルボ) | |
オラトリオ「魂と肉体の劇」で知られるカヴァリエーリのもう一つの名作。 | ||
ジョヴァンニ・ジローラモ・カプスベルガー (1580頃-1651):「ラ・ヴィラネッラ」 |
ラルペッジャータ [ヨハネッテ・ツォマー(S) ピノ・デ・ヴィットーリオ、 ハンス=イェルク・ マンメル(T) クリスティーナ・ブリュアール (Hp、G、テオルボ)] | |
ドイツ人ながらローマで活躍したテオルボの名手カプスベルガーの作品から選んだ声楽曲と器楽曲をモンテヴェルディ風の音楽劇仕立てにしたプログラム。 | ||
J.S.バッハ:様々な楽器による協奏曲集 Vol.1 チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調 BWV.1052/ オーボエ・ ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV.1055R (チェンバロ協奏曲第4番BWV.1055の復元曲)/ ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調BWV.1042/ ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調 BWV.1050 |
カフェ・ツィマーマン | |
録音:2000年8月&2001年8月、パリ。ピリオド楽器使用。 各パートひとりの最小編成による、バッハの協奏曲集。カフェ・ツィマーマンとはバッハがコンサート・シリーズ「コレギウム・ムジクム」を行っていたライプツィヒのコーヒーハウスを名前にしたグループ。 | ||
ヴェルサイユ〜魔法の島 リュリ:「プシュケー」序曲 / ダングルベール:前奏曲 ト短調(*) ランベール:あなたのさげすみは毎日 / シャンボニエール:サラバンド ト長調 リュリ:「町人貴族」〜トルコ人の儀式のための行進曲 ダングルベール:前奏曲 ト長調(*) / ランベール:恋しいひとの影よ リュリ/ダングルベール:「アルミード」のパサカーユ ル・ルー:ジーグ ト長調 / リュリ:「町人貴族」より カンプラ:「ギャラントなヨーロッパ人」〜夢 ルイ・クープラン:前奏曲 ト短調(*)/パサカーユ ハ長調(*) シャンボニエール:パスシャリア / カンプラ:「ギャラントなヨーロッパ人」〜わが眼よ フランソワ・クープラン:アルマンド / マレ:人の声/サラバンド ダングルベール:前奏曲 ニ短調(*) / マレ:サラバンド リュリ:「アマディス」〜シャコンヌ ギユメット・ロランス(Ms) ジェイ・バーンフェルド(バス・ド・ヴィオール) オリヴィエ・フォルタン(Cemb) スキップ・センペ (Cemb/Cembソロ;*)指揮(*以外)カプリッチョ・ストラガヴァンテo. | ||
録音:2001年7月、パリ、ノートル=ダム・デュ・リバン教会。 ルイ王朝のヴェルサイユの華麗な音楽を、クラヴサンのソロから、歌、室内楽、オーケストラまでさまざまな編成で 楽しませてくれる8部構成の宮廷音楽絵巻。極上の演奏を、夢のような写真とともにお楽しみあれ。 | ||
ALPHA-017 廃盤 |
レオンハルト、ボルドー、サン・クロワ聖堂のオルガンを弾く
グスタフ・レオンハルト(Org) | |
フィリップ・ハインリヒ・エルレバッハ(1657-1714): 作品集〜天空の星座(仮題) 君を忍ぶ/弱い心/第4ソナタ/私のため息/ 第2ソナタ/私の愛の苦しみ/私の想い/ 第3ソナタ/天よ、君は私の苦悩を知っている |
ビクトル・トレス(Br) スティルス・ファンタスティクス | |
原盤:Alpha。録音:2001年2月、スイス。 エルレバッハはシュヴァルツブルク宮廷の音楽監督的立場にあった作曲家。 | ||
ピエール・ゲドロン(1565頃-1620頃): リュートのアントレ(ロベール・バラール作曲)/立ち直れる望みなど/私はまっとうな男です/ ああ、そもそも生まれて来なければ(コンプラント)/ダンスのステップを教わりたいなら/ この美しい目に何が起ったのか(クロード・ル・ジュヌ作曲)/痴れ者のパサカーユ(アンリ・ルイ・バリー作曲)/ 海辺に三人のきれいな娘がいて/器楽合奏によるエール/暗き激怒(フランシーヌのレシ)/ 死すべき運命に溜め息をつくのはおやめなさい/数珠が好き(伝シャルル・テシエ作曲)/ パリの小さな橋の上/愛している、とはもう言わないで ル・ポエム・アルモニーク ヴァンサン・デュメストル(リュート/G) | ||
フランス・ルネサンスの終焉期に宮廷作曲家となり、フランス・バロックの草創期に活躍したゲドロンのエール・ド・クールを中心に、民謡の編曲や器楽合奏をまじえながら展開するアルバム。 | ||
その者、影のごとく去り〜 ステファノ・ランディ(1586/87?-1639):作品集 その者、影のごとく去り(人生のパッサカーリャ)/ ブナと松の間に、小鳥がいて シンフォニア(3つのヴァイオリン、ハープ、 リュート、チェンバロ、テオルボ、 ヴィオローネとリラによる)/ いまさら媚びようと/他の者ども、愛を避けよ/ カンツォネッタ「水たまり」 (リュート、テオルボ、ハープによる)/ こんなに長く、あなたを愛してきたけれど/ おろかな愛よ、何ゆえにまた弓を引くのか/ 愛の戦へ、急げ、恋人たちよ/ 美徳の場レット/灼熱の太陽の下、蝉は鳴く/ 善行なんぞ知ったことか/ 騎士リナルドがアルミーダを捨てた時/ ご婦人よ、この目をつたう涙は/ アマリッリ、ああ、ここへ来てくれ |
ヨハネット・ゾーメル(S) ステファン・ファン・ダイク(T) アラン・ビュエ(B) マルコ・ベアスレ(T) クリスティーナ・プルハル指揮 ラルペッジャータ | |
録音:2001年6月、パリ。 17世紀初頭のローマにおける音楽の潮流のなかで重要な一を占めていたランディ。オペラ草創期の重要作品の一つ、「聖アレッシオ」が名高いが、 7巻に及ぶ声楽作品を体形的に紹介した盤はこれが初めてかもしれない。ここではいくつかの器楽曲を交えながら、北イタリアでモンテヴェルディが活躍していた頃の、人文主義的なローマの音楽を聴くことができる。「愛の戦へ、急げ、恋人たちよ」などは、モンテヴェルディの同じテーマによるマドリガーレと聴き比べてもおもしろいであろう。ラルぺッジャータによる演奏は、技術的に非常に高度に洗練された民族音楽を思わせる。 | ||
アンリ・デュ・モン(1610-1684): 王室礼拝堂のためのモテット集 アルマンド/イエス、心の甘美さ/ 愛する息子よ、何ということを/ アルマンド(オルガン独奏)/ 汝をほめたたえん/皆、私のそばに寄りなさい/ 荘重なアルマンド/夜の帳の下で/ 何という感じがするのだろう/ 4声のシンフォニア/ 一人の女が死を迎え、一人の女が生を伝えた/ 慈悲深き聖母よ/天の皇后よ/ 理ある魂よ、どこから来たのか |
フレデリック・ドザンクロ (Org)指揮 アンサンブル・ ピエール・ロベール [マルセル・ ベークマン(CT) ロベール・ムーゼ(Br) ミリアム・ジュヴェルス、 ソフィー・ ドムール(Vn) アレックス・ ヴェルズィエ(Vc) ジェレミー・ パパセルジオー(Fg)] | |
録音:2001年5月、フランス北部、ディエップ、サン・レミ教会。ピリオド楽器使用。 ルイ14世の王室礼拝堂で多くの宗教作品を残したデュ・モンは、その後フランスで一般的なジャンルとなるプティ・モテ(小モテット)の先駆者でもあった。荘重、内省的にして甘美なその音楽には、 かのリュリも一目置いたという。 | ||
悪しきを思うは、貶められるべし〜 14世紀イングランド王室における多声教会音楽 めざましきフランス王ルイよ/ ごきげんよう慈愛の母よ/ 天上の御殿に喜びあれ/ 私はあなたを憐れに思う、わが同胞ヨナタンよ ーアブサロム、わが息子/ この曖昧な民は、なぜこんなにわめき立てるのか/ ユデアとイェルサレムよ、恐れることはない/ 操高き乙女マリアよ/ マリアの部屋に、そっと天使が入って来た/ おお、たたえられる貞操よ/ 天上を統べたる皇后に誇りあれ/ 預言者に向かって、バラムが言うことには/ われらが父を孕みし娘、処女マリア −海の上に輝く星よ−一つの花が咲いた −処女マリア神聖なる花よ/ 栄光、称賛、全聖人の避難所/ その乙女が全人類を救ったのだ/ 百合は花咲き、白く輝く −白鳩のごとき白い百合、棘もなしに花開く薔薇/ キリストの畑は刈り時を迎えた/ グローリア/アニュス・デイ/イテ・ミサ・エスト |
ディアボルス・イン・ムジカ [ラファエル・ブーレ、 オリヴィエ・ジェルモン(T) アントワーヌ・ゲルベ (T、指揮) ジャン=ポール・リゴー(Br) エマニュエル・ ヴィストルスキ(B-Br) フィリップ・ロシュ(B)] | |
録音:2001年11月、フランス、ピュイ・ラン・トゥレーヌ。 フランスのルイ聖王の子孫にしてイングランド国王エドワード3世(在位1327-1377)と、エノー伯爵令嬢フィリパとの結婚式で歌われた聖歌に始まり、 百年戦争時代にイングランド王室礼拝堂で歌われていた多声聖歌を聴かせるアルバム。ダンスタブル以前のイングランド多声音楽をまとめて収めているのが貴重で、演奏もすばらしい。 ちなみにアルバム・タイトルは、エドワード3世のガーター騎士団の紋章に書き込まれた警句とのこと。 | ||
イル・ファーゾロ:作品集 ベルガマスカ「相乗り小舟」/ ルチア夫人の謝肉祭の山車〜 ルチア夫人の嘆きとコーラの返答/ 愛が、富が、いかに心を打ち砕くか知らぬ者が あろうか(ベネデット・フェラーリ作曲)/ 丸腰にされ、情熱に満たされた私 (ベネデット・フェラーリ作曲)/ カンツォネッタ「媚びへつらうまなざし」 (ベネデット・パラヴィチーノ作曲)/ ヤカラ〜ナポリ風アリア 」 ロンバルディア方言によるセレナータ 「美食令嬢が謝肉祭閣下に差し上げた歌」 (ルチア夫人の謝肉祭の山車) |
ル・ポエム・アルモニーク ヴァンサン・デュメートル (テオルボ、G、コラシオーネ) | |
19世紀末に音楽学者キレゾッティが買い上げた17世紀の曲集「イル・ファーゾロ作品集」は第二次大戦で消失、そのため当盤第1曲目のベルガマスカ以外は楽譜が無く、 イル・ファーゾロなる作曲家も長く正体不明であったが、1991年に北イタリアのバッサーノ・デル・グラッパの図書館から奇跡的に発見された。その楽譜を演奏したのがこのアルバム。 ル・ポエム・アルモニークが自由闊達な演奏で、その音楽の真相に迫る。 | ||
美しき旅の女〜ベルリオーズ:ケルト風歌曲集 美しき旅の女/ハープの機嫌/ デンマークの狩人/酒席の唄(*)/ さらば、ベッシー/小鳥/ ブルターニュの若い牧人(+)/ 戦の歌(*)/野原/ ブルターニュ人の歌/ 朝/日の傾く頃/恋の始まりの熱狂(#)/ 哀歌/聖歌(**) |
ジェローム・コレアス(Br) アルテュール・ スホーンデルヴルト(P) アラン・ガブリエル(T;*) クロード・モーリ(Hr;+) クリストフ・コワン(Vc;#) マリー=ベネディクト・ スーケ(S;**) クレール・ブリュア(Ms;**) ジャン=フランソワ・ ロンバール(T;**) ジャン=フランソワ・ ノヴェリ(T独唱;**) ヴァンサン・ドリオ(Br;**) | |
録音:2001年9月、オピタル・ノートルサム・ド・ボン・スクール礼拝堂。 ピリオド楽器使用。ピアノは1836年エラール製。ベルリオーズがアイルランドの詩人トマス・ムーアの詩に作曲した歌曲を集めたアルバム。ピアノ伴奏が中心で、 大規模作品からはうかがい知れない作風を知ることができる。コレアスはクリスティ、ルセらに起用されることの多いバリトンで、ここでもコワンやモーリといったピリオド楽器の名手が応援に駆けつけている。 | ||
ALPHA-025 廃盤 |
フランソワ・ジョゼフ・ゴセック(1734-1829): 6つの弦楽四重奏曲 Op.15(1772) |
アド・フォンテスSQ |
ジローラモ・フレスコバルディ: トッカータ第2番(1615)/ カンツォーナ第5番(1615)/ ファンタジア 第4番(1608)/ パッサ・フィアメンガによるカプリッチョ(1624)/ トッカータ第7番(1627)/ リチェルカーレ第1番(1615)/ カンツォーナ第3番(1627)/ トッカータ第8番(1615) ルイ・クープラン: 組曲 ニ長調/パッサカリア ト短調/ 組曲 ホ短調/パヴァーヌ 嬰ヘ短調 |
グスタフ・レオンハルト (Cemb) | |
ピリオド楽器使用。 巨匠レオンハルトが奏でる、イタリアとフランスの響き。 | ||
レヒシュタイナー・プレイズ・ペダルチェンバロ バッハ: 半音階幻想曲とフーガ ニ短調 BWV.903/ ソナタ第4番 ホ短調 BWV.528 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調 BWV.1001 トッカータ ニ長調 BWV.912/ ソナタ第6番 ト長調 BWV.520 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調 BWV.1004〜シャコンヌ トッカータ ハ長調 BWV.664〜アダージョ |
イヴ・レヒシュタイナー (ペダルチェンバロ) | |
録音:2001年9月、パリ。 バッハが愛した楽器ペダルチェンバロ(ペダルで低音弦を奏する二段構えのチェンバロ)は、記録にはあるものの現在に伝わってはいないが、復元の試みは成されており、 それらを使用した録音もいくつか存在する。バッハがペダルチェンバロのために書いたと推測される作品以外に、当時の習慣を考慮して、 他楽器のために書かれた作品のトランスクリプションも行って収録しているところが、このアルバムのポイント。 | ||
ALPHA-028 廃盤 |
イグナツィオ・アルベルティーニ(1644-1685?): ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集 |
エレーヌ・シュミット(Vn) イェルク=アンドレアス・ ベッティヒャー (Cemb/ポシティヴOrg)他 |
クロード・ルジュヌ(1530頃-1600): 旧教のためのモテトゥスと新教のための詩編 ミューズよ我等を称えよ、 めざましくも偉大なるアンリは/ 詩編第33編「主に従う人よ、 主に従って喜び歌え」(歌詞仏訳:A.バイフ)/ 私の魂は主をあがめ(マニフィカト)/ 二重合唱のためのモテトゥス 「お願いします、イェルサレムの娘たちよ」/ 私は悲しみにとらわれて (サヴォナローラの詩による)/ 二声、四声と五声による詩編第88編 「主よ、わたしを救ってくださる神よ」 (歌詞仏訳:オービネのアグリッパ)/ 五声と六声による詩編第114・115・116編 「イスラエルはエジプトを」 (歌詞仏訳:A.バイフ)/ 二重合唱による詩編第136編「恵み深い主に感謝せよ」 (歌詞仏訳:A.バイフ)/ 神であるあなたを、わたしたちは称え(テ・デウム) (歌詞仏訳:オービネのアグリッパ) |
オリヴィエ・シュネーベリ指揮 レ・パージュ・エ・レ・シャントル (ヴェルサイユ・ バロック音楽センター 少年少女合唱団)、 器楽合奏団 フレデリック・デザンクロ(Org) | |
録音:2002年2月&3月、ノートルダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂。 カトリックに改宗して国内の宗教戦争の嵐を鎮めたフランス王、アンリ4世。彼は新旧どちらの教徒にも寛大で、1595年にはユグノー教徒のクロード・ルジュヌを王室礼拝堂副楽長に任命した。 ここでは、そのルジュヌが作曲した新教・旧教それぞれのための宗教音楽を集めている。パレストリーナやラッススと同時代に活躍したルジュヌの音楽は基本的に彼らのそれと似た作風ではあるが、 ここではコルネットやヴィオール、セルパンといった楽器伴奏を大胆に取り入れ、17世紀ヴェネツィア楽派のように色彩豊かな演奏に仕上げている。そしてそこに清涼な色彩を添えているのが、ヴェルサイユ・ バロック音楽センター所属の少年少女合唱団であるレ・パージュ・エ・レ・シャントル。瑞々しいばかりではなく、所属機関の名に恥じずに古楽的な歌唱に仕上げて来ているのには驚かざるを得ない。 ジャケットも、例によって同時代の絵画を絶妙にトリミングしたシックな仕上がり。 | ||
うるわしのヴァカンス 〜グノー、サン=サーンス、ラロ:歌曲と二重唱曲集 グノー:それはきれいな夜だから/ 森の花よ、野の花よ/セレナード サン=サーンス:ゆめみ心地/田園詩 グノー:春に/木蔭で午睡/ その花をぼくにくれないか/ミニヨン サン=サーンス: さあ、目に見えぬ笛よ/夜啼きうぐいす グノー:あなたを愛する心もて ラロ:そこではすべての魂が グノー:石のベンチ/うるわしのヴァカンス/ 数学は大事なこと ラロ:プロヴァンスの暁の恋歌/踊りましょう サン=サーンス:青い色の片隅で グノー:おお、わが美しきあばずれ女 サン=サーンス:不運な恋わずらい/月の光/ 丘に、宵がおとずれて |
ソフィー・ マラン=ドゥゴール(S) クレール・ブリュア(Ms) セルジュ・シフェルステン(P) | |
「旅行」をテーマにした、19世紀フランスの歌曲集。このふたりの歌手は少なくとも日本のクラシックCD購買層にほとんど知られていないだろう。だが何よりもまず、 この情感の完璧にコントロールされた歌のうまさが、彼女たちの今後を期待させてくれる――グノーやサン=サーンス、ラロらの、影に隠れがちながらも美しく瀟洒な歌曲を集め、 心から洒落た雰囲気を楽しみながら、香り立つような歌を聴かせてくれるのである。伴奏のシフェルステンも洒脱で的確、ひそやかに彼女たちの歌を立て、出るところは大胆に弾き荒して、なんとも心地よい限り。 もちろん、フォーレやシャブリエ、デュパルクなど19世紀のフランス歌曲ファンにも、自信をもっておすすめできる内容だ。 | ||
J.S.バッハ: 「インヴェンションとシンフォニア」 2声のインヴェンション BWV.772-786/ 3声のインヴェンション(シンフォニア) BWV.787-801 |
エリザベート・ジョワイエ(Cemb) | |
魅惑のチェンバリスト、エリザベート・ジョワイエ、「インヴェンション」にこめられた「歌ごころ」をよみがえらせる…バッハが「インヴェンション」に意図した「演奏技法の習得」「作曲することの喜び」、そして「カンタービレの奏法」とは、これだったかも知れない…。バッハの三つの意図を浮かび上がらせてくれる、「インヴェンション」の新しいスタンダード、誕生。 | ||
ヨハン(ネス)・マッテゾン(1681-1764): 12の新しい室内ソナタ集「誠実なるヴィルトゥオーゾ」 |
ディアーナ・バローニ (フラウト・トラヴェルソ;*) パブロ・バレッティ(Vn;#) ペトル・スカルカ(Vc;+) ディルク・ ベルナー(Cemb;**) | |
使用楽器:パランカ、1740年製モデルによるコピー(*)/作者不祥、1745年頃ドイツ(#)/D.A.シュターデルマン作、1730年(+)/A.シディ&F.バル作、ドイツ式(**)。楽器) 若き日よりテレマンの親友だったドイツの作曲家マッテゾンは、これまで「完全なる楽長」(1739)をはじめとする音楽理論書でむしろ有名だった。そんなわけで、 音楽史を紐解いたことがあれば必ずお目にかかる名前ながら作品の録音は驚くほど少なく、彼ひとりの作品を扱ったCDとしては近年AEOLUSにファン・アスペレンが録音したオルガン曲集など、 鍵盤楽器のためのものがいくつかあるにすぎず、どれも多少なりとペダンティックな、いわば「プロ・ユース」な印象も否めなかった。その渇をいやして余りある名演が、このたび登場した。 マッテゾンの本領が遺憾なく発揮された初期の作品集「忠実なるヴィルトゥオーゾ」は1717年の作というから、我々がよく知っているバッハの室内楽作品のどれよりも古く、 ほとんど初期のヴィヴァルディやアルビノーニらと同時代のドイツ音楽、ということになる。しかも、様式的にはわれわれが日々一般に「バロック音楽」としてイメージするような、 イタリア音楽とフランス音楽のいいところだけをうまく混合した「ドイツ混合様式」をいちはやく体現しており、非常に手際のよい作風とあいまって、確かな形式感覚をそなえた誰の耳にも快いソナタになっている。 しかも演奏しているのはカフェ・ツィンマーマンで名演をきかせてくれた気鋭のバロック・ヴァイオリン奏者バレッティをはじめとする4人の精鋭ピリオド楽器奏者たち。 テクニック、呼吸、ニュアンス、微妙な緩急、装飾音...いずれも文句のつけようがないほどだ。それぞれのソナタごとに編成を微妙に変えてアクセントをつけながら、 ユーグ・デショーの手になる素晴らしい録音の成果もあって、繊細な作品の魅力があますところなく浮き彫りにされてゆく。 評判になること間違いなしの恐ろしい名演――強力におすすめしたい! | ||
ALPHA-036 廃盤 |
マラン・マレ(1656-1728):ヴィオール作品集 | |
カルミナ・ガリカ〜12世紀のラテン語歌曲集 イルデベール・ド・ラヴァルダン: コンドゥクトゥス「天の恵みが世になされた約束を」 ピエール・ド・ブロワ: 歌曲「愛に酔いしれ、喜びに満ちた人生を」/ 歌曲「風が吹き荒れ」/歌曲「花を奪われし草原は」 作曲者不詳: ロンドー「世の王」/ロンドー「喜びあふれる集会に」/ 歌曲「愛しい人よ、今すぐ来て下さい」 フィリップ・ル・シャンスリエ: コンドゥクトゥス「おお、はかなき運命よ」 作曲者不詳:ロンドー「おお、ローマ教皇よ」 ボドリ・ド・ブルグイユ: プランクトゥス「もしも世の栄光が」 フィリップ・ル・シャンスリエ: コンドゥクトゥス「真夜中の静寂の中」 イレール・ドルレアン: 歌曲「歌うことで私の悲しき運命を」 作曲者不詳: コンドゥクトゥス「おおマリアよ、海の星よ」 フィリップ・ル・シャンスリエ: コンドゥクトゥス「おお魂よ、忘れるなかれ」 作曲者不詳: コンドゥクトゥス「敬虔なるシオンの娘らを」 アダン・ド・サン・ヴィクトール: セクエンツァ「救世主の母なる処女マリアは」/ セクエンツァ「この饗宴に感謝を捧げよう」 作曲者不祥:ロンドー「キリストの受難に」 |
アイノ・ルン=ラヴワピエール(S) ラファエル・ブーレ(T) ジャン=ポール・リゴー(Br) ブリス・デゥイジ(ヴィエル) アントワーヌ・ゲルベ(T/Perc)指揮 ディアボルス・イン・ムジカ (声楽アンサンブル) | |
録音:2002年10月、パリ、ノートルダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂。使用楽器:クリスチャン・ロー製作ヴィエル2台(1999年&2001年)/アイルランドの伝統的打楽器。 地方語による詩を歌うトルバトゥールやトルヴェールといった吟遊詩人たちの活躍が華やかなりし12世紀、ラテン語による詩の創作も地方語に劣らず盛んに行われていた。ゴールの地=現在のフランスに花開いたラテン語歌曲の数々を、中世・ルネサンス音楽を専門とするディアボルス・イン・ムジカが当時の「俗ラテン語」発音をふまえつつ流麗に歌い上げてゆく。 | ||
ハインリヒ・イグナッツ・フランツ・フォン・ ビーバー(1644-1704):ロザリオのソナタ集(1674頃) (ヴァイオリンと通奏低音のための15の神秘、 および無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ) |
アンサンブル 「レ・ヴェイユール・ デ・ニュイ」 [アリス・ピエロ (バロックVn/ ディレクション) パスカル・モンティエ (テオルボ) マリアンヌ・ミュラー (Gamb) エリザベト・ガイガー (クラヴィオルガヌム)] | |
録音:2002年7月、ノートルダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂、パリ。ピリオド楽器使用。 エルレバッハ、アルベルティーニ、マッテゾン・・・と、ドイツ・バロックの室内楽ではつねに期待を上まわる新譜をリリースし続けているALPHAの実績からして、この満を持しての「ロザリオのソナタ」にも大きな期待をかけてよいだろう。一部を試聴したことろでも、この曲目ならではの不思議な謎めいた感覚の抽出、一音一音にこもった霊感、きめ細かい詩情と技巧など、この作品の全曲録音にふさわしい芸術性の横溢がうかがえる。バロック・ファンなら必ずや欲しくなるアイテムだ。 独奏者はヴェルサイユ・バロック音楽センターのアリス・ピエロ。ALPHAではすでにゴセックの四重奏曲集(ALPHA-025)にアド・フォンテス四重奏団の第1ヴァイオリニストとして登場。繊細かつ優美な演奏を聴かせてくれている。伴奏陣は知っている人はそこらじゅうでお目にかかる大ヴェテランのテオルボ奏者、モンティエをはじめとする超・手練たち。通奏低音のサポートいかんで演奏が2倍3倍にも素晴らしくなるのを知っている人なら、彼らの名を見ただけで心が踊るというものだ。そしてもうひとつのポイントが鍵盤楽器。最近のカメラータからのCDで徐々に存在を認知されつつある幻の古楽器、クラヴィオルガンを使用しているのである。ドイツ・バロックならではの独特の味わいを、この楽器がどう演出してくれるのかも楽しみだ。 | ||
ノヴァ・メタモルフォージ 〜17世紀初頭、ミラノの教会音楽 ファルソボルドーネによる詩篇「善なる神を称えよ」/ モンテヴェルディのマドリガーレにもとづく 「おお、栄光の殉教者よ」(作詩:A.コッピーニ)/ ヴィンチェンツォ・ルッフォ(1505頃-1587): 4声のミサ曲〜キリエ/ モンテヴェルディのマドリガーレにもとづく 「おお、不幸な中座者よ」(作詩:A.コッピーニ)/ ヴィンチェンツォ・ルッフォ: 4声のミサ曲〜グローリア、クレド モンテヴェルディのマドリガーレにもとづく 「天にまたたく星は」(作詩:A.コッピーニ)/ モンテヴェルディのマドリガーレにもとづく 「汝、神の前にて訴える魂よ」 (作詩:A.コッピーニ)/ ヴィンチェンツォ・ルッフォ: 4声のミサ曲〜サンクトゥス、アニュス・デイ モンテヴェルディのマドリガーレにもとづく 「おお、イエス、わが命」(作詩:A.コッピーニ)/ ファルソボルドーネによる詩篇 「神は我が主に言われた」(ディキジット・ドミヌス) |
ヴァンサン・デュメストル (ディレクター) ル・ポエム・アルモニーク (古楽アンサンブル) | |
録音:2003年1月、ノートルダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂、パリ。 すでにフランス語圏で大ヒットを記録し各メディアでも大絶賛されたアイテム。聴く者の目を見開かせてくれるリリースを続ける古楽アンサンブル「ル・ポエム・アルモニーク」。今度の新譜は17世紀初頭、 モンテヴェルディの時代にミラノで演奏されていた宗教曲を集めたもの。 クレール・ラフィリアトルの張りのある清廉なソプラノ、現代最高のコルネット奏者のひとりウィリアム・トンゴワの好サポート、上村かおりやシルヴィア・アフラモヴィッツらによるヴィオール・ コンソートの繊細さ、たおやかな撥弦楽器の醸し出す情念と詩情・・・。 ルネッサンスらしさをとどめながらも徐々にバロックへと移行してゆく微妙な声楽曲たち。静謐で人の声の暖かみに満ちたその独特の音世界に、ぜひ嵌まっていただきたい。 | ||
プレイエル・ピアノによるショパン 〜マズルカ、ワルツ、その他の舞曲集 ショパン: 2つのポロネーズOp.26(第1番/第2番)/ 3つのエコセーズOp.72/ ワルツ第6番 変ニ長調Op.64-1 「子犬のワルツ」/ ワルツ第7番 嬰ハ短調Op.64-2/ ワルツ第3番 ヘ長調Op.34-2 「華麗なる大ワルツ」/ ワルツ第4番 ヘ長調Op.34-3/ ワルツ第14番 ホ短調 遺作/ レントラーとトリオ 変イ長調 遺作/ タランテラ 変イ長調Op.43/ コントルダンス 変ト長調/ 4つのマズルカOp.6(第1番−第4番)/ ボレロ ハ長調Op.19/カンタービレ |
アルテュール・ スホーンデルヴルト(P) | |
録音:2002年12月、ノートルダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂、パリ。使用楽器:1836年、プレイエル製。 | ||
グリーグ: 組曲「ホルベアの時代より」(ホルベルク組曲) グラズノフ: サクソフォン四重奏曲 変ロ長調 Op.109/G104 ドヴォルザーク:四重奏曲「アメリカ」 |
サクソフォン四重奏団「アバネラ」 [クリスチャン・ヴィルト (ソプラノSax) シルヴァン・マレズュー (アルトSax) ファブリツィオ・マンクーゾ (テナーSax) ジル・トレソ(バリトンSax)] | |
あざやかな編曲か、巧妙な再話か・・・曲者ぞろいのサクソフォン四重奏団による、19世紀の名曲2曲&グラズノフ。 ALPHA-010で現代作品を演奏、鮮烈な音楽性を披露したサックス四重奏団「アバネラ」が、今度はサックス愛好家感涙のグラズノフの名曲と、なんと2曲の「教科書的」名曲を演奏して1枚のアルバムを作ってしまった。 ジャケットこそおとなしいものの、これが見事に成功した名演なのだ。たかが編曲もの、といって侮って見過ごしてはいけないくらい。「ホルベア」も「アメリカ」もひどく素晴らしい演奏で、 さながら本来サックス四重奏のために書かれたかのような仕上がり(こういう表現はそこらじゅうに横溢しているけれど、実際にそうなのだから仕方がない)。 アバネラの表現力やアンサンブル力、各メンバーの技巧や音楽性が随一なのは言うに及ばず、何よりも編曲そのものが確実に成功しているのが大きい。 1曲目「ホルベアの時代より」の冒頭から、いきなり独自の世界が広がる。澄みきったノルウェーの朝のよう?透明度の高いサックスの音ならでは、の「つめたい」感触に、いかにも「人の息吹き」 といった柔らかさ・あたたかさが次第に加わってくる。そのあたたかみがなんともいえず快く、うつくしい。 「アメリカ」での、よどみなくなつかしい音楽の流れも秀逸だ。第2楽章のどこまでも透明な切なさなど、まさに白眉。こういうう美はたぶん、弦楽四重奏ではめったに表現できないのではないか。 春を待つ寒い季節にぴったりな、彼らのクリアーな音楽性にしみじみ酔いしれたい。 | ||
カッチーニの庭園 ジューリオ・カッチーニ(1551-1618): 翼ある君、愛の神よ/かくも甘く、優美な諍いを/ 戻れ、ああ、戻って来てくれ/ グリエルモ・ミニスカルキ(?-1620頃): 愛の神よ、どうすればいいのか エンリーコ・ラデスカ・ディ・フォッジァ(?-1625): もしも、二つの眼が ジューリオ・カッチーニ(1551-1618): オルフェウスの嘆き 「荒れ果てた大地、暗く恐ろしい野」/ 灼けつくようなこの溜め息に ジローラモ・カプスベルガー(1580頃-1651): 死にゆく者に、どうか慈悲あれ ジューリオ・カッチーニ(1551-1618): 東の門より/日がな一日、涙にくれて ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643): ご婦人、わたしたちは死に値するのです ジューリオ・カッチーニ(1551-1618): 悲運と苦痛のさなかにあって/棘に隠れた美しき人 ジューリオ・サン・ピエートロ・ デ・ネグリ(?-1610頃): 心と、その傷に、糧を与えよう ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ(1575頃-1647): 第1トッカータ ジューリオ・カッチーニ(1551-1618): 私は去る、だが今この胸が/ 強く輝かしい炎が、この貧弱な胸を焦がす フランチェスカ・カッチーニ(1587-1640頃): この体を打ち砕いてしまおう、 いっそ燃やしてしまおうぞ ジューリオ・カッチーニ(1551-1618): ああ、誰に私を慰められよう バールバラ・ストロッツィ(1619-1664頃): わが心の奥底から |
マルコ・オルヴァ (Vo/リュート/テオルボ/バロックG/リローネ) オルガ・ピタルク(Vo) エリック・ベロク(テオルボ/ルネサンスG) ブリュノ・カイヤ(Perc) アンジェリーク・モイヨン(ダブルHp) イムケ・ダーフィト(リローネ) | |
2003年2月、パリ、ノートルダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂。 ル・ポエム・アルモニークでも活躍しているバリトンのマルコ・オルヴァ(MARCO HORVAT)が、バロック草創期の重要曲集であるカッチーニの『新しい音楽』を歌う。それも大半の曲でテオルボやバロック・ギターの弾き語り、というスタイルをとっての録音だ。そこへ曲によって、数名の撥弦楽器奏者が合いの手を入れるかたちになる。 ル・ポエム・アルモニークでラフィリアトル(ソプラノ)やデュメストル、上村かおりたちとならんで活動してきただけに、オルヴァは一人舞台に立たされても素晴らしい個性を発揮してくれる。例によって地声に近い、まさに“語りながら歌う”というような独特の歌い方に、ごく自然にバロック歌唱ならではの装飾技法が折り込まれてゆく。カッチーニを新しい視点から見直せるというだけでなく、バロック時代の声楽曲のあり方そのものまで考えなおさせてくれる刺激的な歌だ。 器楽伴奏も、勢いのいいオルヴァ自身の演奏を含めハイテンションでエキサイティング。Alphaならではの好企画が、またひとつ新たに加わった!と実感させてくれる1枚だ。 | ||
君よ知るや南の国 〜フォルテピアノ伴奏によるシューベルト歌曲集 フランツ・シューベルト(1797-1828): 幻想曲 ハ短調 D.2E(1811)/ズライカ Op.14(1819)/ ズライカII Op.31(1822)/メヌエット イ長調 D.344(1815)/ エレンの歌I Op.52-1(1825)/エレンの歌II Op.52-2(1825)/ エレンの歌III 〜聖母マリアに捧げる讃歌(アヴェ・マリア)Op.52-6/ アダージョ ト長調 D.178(1815)/ 糸を紡ぐグレートヒェン Op.2(1814)/ メヌエット イ短調 D.277A(1815)/ ミニョンの歌「君よ知るや南の国」(1815)/ ミニョンの歌「わたしに語れと言わないで」Op.62-2(1826)/ ミニョンの歌 「ただ憧れを知る人のみが」Op.62-4(1826)/ ミニョンの歌 「どうかこのままの姿で」Op.62-3(1826) |
ヨハンネット・ゾーメル(S) アルテュール・スホーンデルヴルト(Fp) | |
録音:2003年1月、スイス、ショー・ド・フォン音楽堂。使用楽器:ポール・ポレッティ&ヘラルト・タインマン製作(ヴァルター1800年モデルによる)。 スコットのロマンティックな中世小説が大流行し、ゲーテやシラーが19世紀ドイツ詩のいしずえを築きつつあった時代。シュトライヒャーやグラーフといった製作者によって、ピアノの機構改革が躍進的に進んでいた時代。そんな十九世紀初頭のウィーンにあって、古いヴァルター型ピアノに向かい、学生時代からの友人たちに励まされながら、シューベルトは出版の見込みなど思いもよらぬまま、不滅の歌曲の数々をつつましやかに作曲しつづけていた。作曲家が実際に使っていた18世紀末風のヴァルター式フォルテピアノによる伴奏、オランダの名歌手ヨハンネット・ゾーメルのまっすぐで透明な歌唱により、生前の、等身大の歌曲王の姿がありありと浮かぶかのよう。はるかアルプスを越えた南国へと向かうミニョンの思いのように、我々の心もまた現代の喧騒から「ここではないどこか」へと連れ去られるのである。 | ||
天上の饗宴〜ダニエル・ダニエリス(1635-1696): 我らに愛を垂れたもう比類なき慈愛により/祭壇を飾り立てよ/おお善よ、おお愛よ/武器をとれ、忠実なるものたちよ/ 皆の者、恐れおののけ、沈黙せよ/おお、めでたきホスチア/愛の泉のほうへ/ここへ来て、神の御業を見るがいい/ 詩篇第136編「バビロンの流れのほとりに座り」/天上の喜びを深々と吸い込め、命限りある者どもよ/ 私たちはどこへ行くのか、命限りある私たちは フレデリク・デザンクロ(Org)指揮アンサンブル・ピエール・ロベール〔器楽・声楽〕 | ||
録音:2002年11月、サン・レミ教会、デュエップ、北フランス。フランス・バロックの宗教曲の演奏に精力的に取り組んでいるフレデリク・デザンクロ率いるソリスト集団、アンサンブル・ピエール・ロベールが放つAIPHAへのフランス・バロック宗教音楽プロジェクト第2弾。リエージュ(ベルギー)出身で、メクレンブルクのグスタフ=アドルフ公に仕えたのちブルターニュ地方のヴァンヌ大聖堂の楽長となった17世紀の作曲家ダニエル・ダニエリスの作品を集めたもの。さきのアンリ・デュモン作品集(AIPHA-021)にもまして微妙で繊細な表現は実にあざやか。録音会場である北フランスの教会の空気感と、しみじみ美しい楽曲の魅力をあますところなく表現した演奏の妙味を、AIPHAの名録音技師ユーグ・デショーが見事に捉えてくれている。合唱ファン、バロック音楽ファン、オーディオ・ファンだけでなく、ありとあらゆる音楽ファンに楽しんでいただきたい宗教音楽の名演。 | ||
ジョヴァンニ・ステーファノ・カルボネッリ(1690頃-1772): ヴァイオリンと通奏低音のための室内ソナタ集(1720頃出版)より [第10番 ト短調/第1番 ニ長調/ 第12番 ロ短調/第7番 イ短調/第6番 イ長調] ニコラ・マッティス:ギター独奏のためのプレリュードとアリア |
エレーヌ・シュミット(バロックVn) アンドレア・マルキオイ(Cemb/Org) ガエータノ・ナジッロ(バロックVc) カール・エルンスト・ シュレーダー(バロックG) | |
録音:2002年9月、パリ。 タルティーニやロカテッリのそれにもまさる、知られざるヴァイオリン音楽の粋!エレーヌ・シュミットの飽くなき追求は続く。 決然としたたたずまい、惚れ惚れするほどニュアンス豊かな弓さばきを聴かせてくれるフランス新時代のバロック・ヴァイオリンの名手、エレーヌ・シュミット。 知られざるヴァイオリンのためのレパートリーを発掘することに意欲を燃やす彼女はかつて、ビーバーの同時代人アルベルティーニの直摯でエロティックな音楽世界を教えてくれたが(ALPHA-028)、 今回の演目として選ばれたのはイタリア出身でロンドンで活躍したカルボネッリというヴァイオリニスト・作曲家。18世紀の初頭にロンドンに渡りヘンデルの知遇を得、 ドルリー・レーンの楽団長として巨匠のオラトリオ初演にもしばしば参加していたという。そのソナタはタルティーニやヴェラチーニ、ヴィヴァルディといった同時代の作曲家たちのものと同様、 この世代特有の伸びやかな歌と切ない抒情がないまぜになった美しい作品ばかり。 エレーヌ・シュミットの冴え渡ったヴァイオリンもさることながら、通奏低音陣も見事なもの。それもそのはず、ビオンディの盟友として知られるナジッロがチェロを、 またモンテイエやエグエスと並んで顔の広さでは随一の撥弦楽器奏者K.E.シュレーダーがギターを弾いているのだから。K.E.シュレーダーの名技を堪能できるマッティス作の独奏曲を併録。 という嬉しいおまけもあり。 | ||
J.S.バッハ:様々な楽器による協奏曲集 Vol.2 ブランデンブルク協奏曲第3番 ト長調 BWV.1048/ 2挺のヴァイオリン、弦楽合奏と 通奏低音のための協奏曲 ニ短調 BWV.1043/ 管弦楽組曲第1番 ハ長調 BWV.1066/ オーボエ、ヴァイオリン、弦楽合奏と 通奏低音のための協奏曲 ハ短調 BWV.1060 |
カフェ・ツィマーマン | |
録音:2003年7月、アルスルナル音楽堂、メッツ(東フランス)。ピリオド楽器使用。 大好評を博した第1弾(ALPHA-013)に続き、今回は「ブランデンブルク協奏曲第3番」にはじまる超・名曲を集めている。どれも楽器ひとつひとつが独立した動きをみせる、活気に満ちた対話が面白い作品。 カフェ・ツィマーマンは、昨年のエイヴィスンの協奏曲集(ALPHA-031)でみせた素晴らしい弦さばきを発揮して、まさに面目躍如たる演奏を繰り広げてくらる。 後半の曲目に参加するオーボエやファゴットのニュアンスも素晴らしい。今回は各パートに適宜複数の奏者は配されている。Alphaにしては大きな編成(!)ということで、 セッションは同レーベルのホームグラウンド的録音会場であるパリのノートルダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂ではなく、古楽ファンには馴染みの深いメッツ(ロレーヌ地方) のアルスルナル音楽堂で行われている。 天才録音技師ユーグ・デショーによる、楽器一つ一つが発する微妙な雰囲気まで録ってしまう名録音にも注目したい。 | ||
ALPHA-908 廃盤 |
ギヨーム・デュファイ(1400頃-1474): 聖三位一体の祝日のためのミサ 「ミサ・ス・ラ・ファス・エ・パル (私の顔が蒼ざめているのは)」 |
ディアボルス・イン・ムジカ (中世声楽アンサンブル) |
Alphaレーベル・2008年度カラーカタログ付き仕様。ディスク内容&2008年5月時点での価格は既出のALPHA-051(仏『DIAPASON』誌「2004年のベスト賞」受賞盤)と同一。 | ||
アムステルダムの眺望 〜18世紀末オランダのピアノ協奏曲 ヨーハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(1772-1842): ピアノ協奏曲 ホ長調Op.3 ヨーゼフ・シュミット(1734-1791): ピアノ、トラヴェルソ、ヴァイオリンと チェロのための四重奏曲 ハ長調Op.9-1 シャルル・アントワヌ・フォドール(1768-1846): ピアノ協奏曲 ト短調Op.12 |
アルテュール・ スホーンデルヴルト(Fp;*) アンサンブル・クリストフォリ [イーゴリ・ルカーゼ、 レミ・ボーデ(Vn) エミリオ・モレーノ(Va) エマニュエル・バルサ(Vc) デイヴィッド・シンクレア(Cb) ヴィルベルト・ハーゼルゼット (トラヴェルソ) フランク・ド・ブライン、 ペーター・フランケンベルク(Ob) クロード・モーリ、 ヘレン・マクダウゴル(ナチュラルHr) カルロ・ヴィレムス(ティンパニ) ヘールト・フェルスフラーヘン (トライアングル)] | |
ピリオド楽器使用。使用楽器:ヴァルター1795年作のコピー(*)。 初演時編成でのベートーヴェン「皇帝」(ALPHA-079)が話題沸騰中のアンサンブル・クリストフォリ、こちらはモレーノやハーゼルゼット、そしてモーリ、ド・ブラインといった、さらに豪華なメンバーが勢ぞろい、はげしく「疾風怒濤」なフォドールのニ短調協奏曲をはじめ、鮮烈な仕上がりをみせる革命期の名作たち。 発売以来好調の問題作、スホーンデルヴルト&アンサンブル・クリストフォリによる「ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番&第5番」(ALPHA-079)は、この2大名曲を公式初演に先立つロプコヴィツ邸での試演時の編成を厳密な考証のもと再現、その結果「第1・第2ヴァイオリン各ひとりずつ、しかも完全2管編成」というオーケストラで演奏してしまったものだったが、今回は、そんな大胆な企画を敢行した彼らによる知られざる初期ロマン派のピアノ協奏曲などを集めたアルバム。独奏者にして主催者であるフォルテピアノ奏者スホーンデルヴルトは、上述のベートーヴェン協奏曲集のほかにもショパンのピアノ曲を1836年製のプレイエル・ピアノで、しかも舞曲として踊れる音楽という前提のリズム設定で演奏してしまったり(ALPHA-040)、きわめて独特な視点での解釈が魅力のアーティストだが、今回の録音のように知られざる音楽遺産の再評価にも積極的。Zig-Zag Territoiresにもピアノ時代最初期の忘れがたい天才であるエッカルトのソナタなど録音している。 今回のAlpha盤では、フランス革命の影響に揺れる18世紀末のアムステルダムで、いかに充実した音楽生活が営まれていたかをまざまざと見せつけてくれる。そもそもアムステルダムは、音楽大都市ロンドンへ渡ろうとするヨーロッパ諸国の音楽家たちがほとんど必ず立ち寄ってきた都市。大バッハの末子“ロンドンの”クリスティアン・バッハや少年モーツァルトはもちろん、C.シュターミッツやフォークラー、デュセック、チェロの名手B.ロンベルクらも同地で華々しい演奏活動を繰り広げていた。今日と同じく、音楽レヴェルが低かろうはずもない都市だったのだ。 ここに収められた3作品(みなドイツ圏など外国からの移民作曲家の手になる作品)にしても、各パートに綺麗なソロをあしらって陰影あざやかなオーケストレーションをみせるヴィルムスの協奏曲(ヴィルムスは昨今コンチェルト・ケルンが交響曲集を作ったので(Archiv)ご記憶の方もいるのでは)、古典派のよき形式感覚とセンチメンタリズムの漂うシュミットの四重奏曲、そしてモーツァルト流儀の嵐が吹き荒れる素晴らしくロマンティックなフォドールのニ短調協奏曲...と、みな埋もれていたのが不思議なくらいの傑作ばかりだ。そして注目すべきは演奏陣。ベートーヴェンでもハーゼルゼットやファン・デル・ファルクらが参加していたクリストフォリ、今回はGlossaのエミリオ・モレーノ、AAM出身のデ・ブライン、AlphaやZig Zagなどで参加名盤数知れずのエマニュエル・バルサら、さらに強力な演奏陣が揃っている。彼らのソロ的フレーズも満載なアンサンブルの妙味も聴きどころ。 原文解説冊子に掲載されている、現代のアムステルダムの街角を撮った白黒写真の数々もまた見事にアーティスティックで美しい。オランダびいきの旅行好きの方にさりげなくプレゼントしたくなる粋なアイテム。 | ||
ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643): 「器楽のためのカンツォーネ集」第1集(1628) &「器楽のためのカンツォーネ集」第2集(1635)より (抜粋;21曲) |
ブリュノ・コクセ(テナー&バスVn) レ・バス・レユニ [エマニュエル・ジャック(テナー&バスVn) エマニュエル・バルサ(バスVn) リシャール・ミロン(ヴィオローネ/Cb) ウィリアム・ドンゴワ(コルネット) ザビエル・ディアス=ラトレ(テオルボ) クリスティーナ・プルハル(Hp) ルーカ・グリエルミ、 ローラン・ステヴァール (Cemb/クラヴィオルガン)] | |
ピリオド楽器使用。新世代のフランス古楽界が誇る名手コクセ、古楽の本質に立ち返る。 2003年初頭に国内発売されたバッハの無伴奏チェロ組曲全集では6つの銘器を使い分け、貪欲な研究精神と恐ろしいまでの音楽性を遺憾なく発揮してくれたフランスのバロック・チェロ奏者ブリュノ・コクセ。自ら主宰する異色の低音楽器アンサンブル「レ・バッス・レユニ」とともに録音した当盤は、解釈の可能性の多様さと内容の充実度で古楽ファンを魅了してやまないフレスコバルディの「カンツォーネ集」。おもに低音楽器のために書かれたこの作品集、この時代の“チェロ曲”としては貴重なレパートリーのひとつで、かつてはビルスマの名盤「17世紀のチェロ作品集」などにも収録されていた。今回はコルネットの超絶的名手ウィリアム・ドンゴワやアンサンブル「ラルペッジャータ」の名撥弦楽器奏者プルハルらも参加、実に豊かな音楽世界を展開してくれている。 深遠にして軽妙なコクセの弾きっぷりはもちろんのこと、彼自身の飽くなき楽器へのこだわりはここでも健在! Alphaのユーグ・デショーによる素晴らしい録音テクニックで、その繊細な効果は見事なまでに捉えられている。古楽ファンばかりではなく、オーディオ・ファンにもぜひおすすめしたい。 例によってジャケットも美しく、同時代を代表する大画家のひとりピエロ・ダ・コルトーナの絵もよく映えている――イタリア美術を愛するライト・リスナーやヨーロッパ旅行好きへのプレゼントにも最適。 折しも上述のビルスマ「17世紀のチェロ作品集」(BMG−DHM)は最近廉価再発されたし、さらに同種のレパートリーとしては鈴木秀美がドメニコ・ガブリエリのチェロ曲集をリリースしたばかり。これらのアイテムとの聴き比べも面白そうだ。 | ||
五月の樹 〜ギヨーム・デュファイの時代の世俗歌曲と舞曲 マルグリット・ドートリッシュの手写本 より: アモローゾ ルワゼ・コンペール(1445-1518):大いなる欲望 14世紀イタリアのエスタンピ(作者不詳):サルタレッロ バイユーの手写本(1515)より: 愚か者どもはそっとしとけ マルグリット・ドートリッシュの手写本 より: クレーヴ地方の舞曲 バイユーの手写本 より:ああ、わが心よ ギヨーム・デュファイ(1400頃-1474): すてきな日だ、すてきな月だ/ さあ楽しもう、楽しくやろう、恋人たちよ/ みんな五月のほうへ行こう 作曲者不詳:些事こまごま ギヨーム・デュファイ: 今日という日こそ楽しみたいものだ 14世紀イタリアのエスタンピ(作者不詳):パルラメント ギヨーム・デュファイ:美しき乙女よ ロワゼ・コンペール(1445頃-1518): 高貴なるフランス王万歳 ヘブライのグリエルムス(15世紀に活躍): バス・ダンス「ラ・スパーニャ」 作曲者不詳:馬に乗れ、者どもみな馬に乗れ ローハム歌曲集版(1450)所収、 コンラート・パウマン 「オルガヌムの基礎」(1452)所収、 「ブクスハイムのオルガン曲集」所収:心ひとつに ギヨーム・デュファイ: 天国へのやさしい風がわたしを導く/ わたしは堂々と嘆き、悲しむ アルノール・ド・ランタン(15世紀に活躍): わたしたちを思い起こしてください、聖母マリアよ 「ラ・コロンビーナ」の楽匠(15世紀に活躍): ガレー船の歌 |
アンサンブル・アレゴリー [カロリーネ・マガリャエス(Ms) エマニュエル・ギグ (ヴィエル=フィドル) マリー・ガルニエ=マルズュロ (コルネット/ミュート・コルネット) フランシスコ・オロチョ(T/リュート) ジャン=ポール・バザン(ギテルヌ) ブリュノ・カイヤ(Perc)] | |
録音:2002年7月、ヴォージュ(東フランス・ロレーヌ地方)、ノートルダム・ド・ラ・プロヴィダンス・ド・ポルテュ修道院礼拝堂。 ものみな色づくルネサンスの春、その多彩な世界ミサ「私の顔が蒼ざめているのは」に続く、Alphaレーベルからのデュファイ関連アルバム2枚目。今度は世俗曲で、周辺の作曲家や同時代の曲集からの作品をあわせてテーマ別に分類、4章からなる立派なアルバムに仕上がっている。 数々の古楽アンサンブルに参加しているリュート奏者のフランシスコ・オロチョや打楽器のブリュノ・カイヤといった面々の名が見ればわかるとおり、アンサンブルの呼吸は実に素晴らしい! 多彩な魅力にみちた草創期フランコ=ブルゴーニュ楽派の世俗音楽が、本来の魅力をもって輝きだすヴィヴィッドな演奏。古楽器のサウンドや人声の微妙なニュアンスも、周囲の空気感とともに綺麗に録られている。 Alphaの魅力を知る中世・ルネサンス音楽ファンにはマストともいうべき1作だろう。 | ||
クロコディル〜ショスタコーヴィチ、紆余曲折の人 ショスタコーヴィチ: 自作品全集へ寄せる前書き− 前書きについてのささやかな反省いくつか Op.123 (ピアノとバスのための;1966) ピアノのための前奏曲とフーガ第1番 (24の前奏曲とフーガ Op.87(1950)から) ピアノ三重奏曲(第2番)ホ短調 Op.67(1944) 5つのロマンス Op.121(ピアノとバスのための ;「クロコディル」誌からの抜粋;1965) [自首調書/実現には程遠い夢/つつましやかさ/ イリンカと牧人/あまりの美味さ]/ アレクサンドル・ブロークの詩による 7つのロマンス Op.127 (ソプラノとピアノ三重奏のための;1967) [オフィーリアの歌/ガマユン、予言の鳥/ おちつかない夜/町は眠る/雷雨/秘密のしるし/音楽]/ ピアノのための前奏曲とフーガ第4番 (24の前奏曲とフーガ Op.87 から)/ サーシャ・チョルニの詩による風刺 Op.109(1961) [或る批評家へ/春のおとずれ/末裔たち/ 誤解/クロイツェル・ソナタ]/ ヴァイオリンとピアノのためのソナタ Op.134(1969)/ レビアドキン中尉の4つの詩 Op.146 (バスとピアノのための; ドストエフスキー作「悪魔」より;1974) [レビアドキン中尉の恋/ごきぶり/女家庭/ 教師のための慈善舞踏会/輝かしい人物像] |
ナージャ・スミルノヴァ(S) ペトル・ミグノフ(B) アルテュール・ スホーンデルヴルト(P) グラーフ・ムーリャ(Vn) マリー・ハリンク(Vc) | |
フォルテピアノによるシューベルトやベルリオーズの歌曲伴奏、「舞曲としてのショパン作品」を問い直すアルバムなどALPHAレーベルに意欲的なCDを続々製作しているオランダのフォルテピアノ奏者スホーンデルヴルト。今度は1920年製のベーゼンドルファーをはじめとする「ピリオド楽器」で、混迷をきわめる20世紀のロシア(ソ連)に生きた韜晦の大作曲家、ショスタコーヴィチのさまざまな作品を録音した。 堂々の2枚組で、ピアノ曲はもちろんのこと、ピアノ三重奏曲やヴァイオリン・ソナタなどの比較的大規模な室内楽曲、知る人ぞ知る名作の連続である歌曲も数多く収録されている。弦楽器も、どうやら18世紀からの銘器を使用しているようだ。 harmonia mundi franceにラヴェルのソナタやシックなユダヤ系音楽アルバムを録音しているウクライナ人ヴァイオリニストのグラーフ・ムーリャを筆頭に、共演陣も実力派ぞろい! ALPHAアルバムのクオリティを知る人にも、そうでないロシア音楽ファンにも、ぜひ聴いて頂きたい。 | ||
シャコンヌとパッサカーリャ 〜リュートで弾くバッハとブリテン ブリテン:ノクターナル Op.70 (ダウランドに倣って、夜は眠らず) J.S.バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004(リュート版) |
エディン・カラマーゾフ(リュート) | |
録音:2003年1月、 la Chapelle de l'hôpital Notre-Dame de Bon Secours à Paris 。 2006年9月末、ユニバーサル・クラシックから日本先行発売され話題を呼んでいる STING のダウランド作品集「ラビリンス」――古楽はもとよりクラシックにも馴染みのないユーザーにも行き渡りつつある話題盤だが、気になるのは唯一の共演者であるリュート奏者。「エディン・カラマーゾフって誰?」という方々には、唯一のソロ・アルバムである本盤をプッシュ。あの有名な『シャコンヌ』を含むバッハの組曲をパッションあふれる解釈で聴かせ、玄妙なブリテンのギター作品をもリュートで弾き意外な味わいを醸し出す、本格的な逸品。 エディン・カラマーゾフはボスニア生まれ、古楽の名門バーゼル・スコラ・カントルムで名匠ホプキンソン・スミスにリュートを師事した他、個人的にアラブの撥弦楽器なども学んだ気鋭リュート奏者。ソロ活動のほか、ジョルディ・サヴァール率いるエスペリオンXXIや、ペドロ・メーメルスドルフ率いるアンサンブル・マラ=プニカといった気鋭古楽アンサンブルにも参加、さらにはカウンターテナー歌手アンドレアス・ショルの伴奏者としても知られているが、このアルバムに聴くとおり、もっとソロで知られてもよい多芸なアーティストでもある。ため息が出るほど細やかなリュート独特の音色から情熱的なアタックまで、その音楽は自由自在。フランスの小さな教会で、ワンポイントの自然派録音で収録されたオーガニック・サウンドも新鮮な感覚で、本格派クラシック・リスナーからロック/ポップスのリスナーまでお薦め出来る。 | ||
ニコラ・ベルニエ(1665-1734): カンタータ=ディヴェルティスマン集〜「ソー庭園の夜」より [アポロン、または太陽の神/オロール(暁の女神) |
レ・フォリー・フランセーズ [ローベルト・ゲチェル(CT) ガエル・ムシャリ(S) アラン・ビュエ(B) パトリック・コーエン=アケニヌ(Vn)他] | |
ピリオド楽器使用。 録音にめぐまれていない18世紀の名作曲家はまだまだ多いが、世紀初頭のパリで活躍したニコラ・ベルニエはオムニバス盤に単発でカンタータが収録されたりすることはあっても、単独アルバムはめったにお目にかからない。繊細にして典雅、雄弁にして情感豊かなその音楽を堪能できるのが、ここに収められた二つの大作カンタータ・ディヴェルティスマン。単にカンタータと呼んで済ますことができないような、複数の歌手、ひいては合唱まで登場する、さながらオペラのプロローグくらい規模をもつ大掛かりな作品なのである。 このところヴェルサイユ・バロック音楽センター企画の合唱もので名歌手ぶりを披露してきている若手ホープの名カウンター・テナー、ゲチェルの絶唱がますます冴え渡っているのが嬉しい。器楽奏者では、レザール・フロリサンやコンセール・スピリチュアルを筆頭に、フランス系の大小ありとあらゆるアンサンブルに登場して的確な仕事をしてくれるヴァイオリンのパトリック・コーエン=アケニヌがリーダー的に参加しているのに注目。さらに合唱はシュネーベリ指揮でヴェルサイユ・バロック音楽センターの合唱団(「パージュ・エ・シャントル」の「シャントル」すなわち青年合唱の方)が参加、どこまでも手抜きのない、alphaらしいつくりになっている。 ミンコフスキ、ニケ、デュメストルあたりの演奏が好きなフランス・バロック・ファンにとっては、ほとんどマストとすらいえる内容だ。 | ||
リスト:オルガンのための作品集 B.A.C.H.の名による前奏曲とフーガ/ ソプラノとオルガンのためのアリア「イェルサレムよ、おまえは預言者たちを殺め」 (原曲:メンデルスゾーンのオラトリオ「パウルス」より)/ ヴァイオリンとオルガンのための無言歌 変ホ長調 (原曲:メンデルスゾーン「無言歌 Op.30-1」)/ J.S.バッハのカンタータ第12番「泣き、嘆き、悲しみ、ためらい」による前奏曲/ ソプラノ、ヴァイオリンとオルガンのためのアリア「哀れみたまえ、わが神よ」 (原曲:J.S.バッハ「マタイ受難曲」より)/ マイアベーアの歌劇「預言者」のコラール主題にもとづく幻想曲とフーガ イヴ・レヒシュタイナー(Org;*) モニク・シモン(Ms) アマンディーヌ・ベイエ(Vn) | ||
使用楽器:シュヴェーリン大聖堂、ラーデガスト・オルガン(*)。 レオンハルトのアンソロジー盤に続くALPHA第2のオルガン・アルバムは、ティトゥルーズでもフレスコバルディでもブクスフーデでもなく、なんといきなりロマン派のリスト。しかしなにぶんALPHAのこと、ただロマン派路線に手を出しただけではない入念なつくり。オルガンは演奏曲目の2曲以上(有名な「預言者」幻想曲を含む)の初演時に演奏されたメルセブルク大聖堂の楽器と同じフリートリヒ・ラーデガスト製作のオルガンを使用。ラーデガストの傑作だったメルセブルクやライプツィヒのオルガンが度重なる「改良」で原型をとどめていないのに対し、ここで使われたシュヴェーリン大聖堂のオルガンは1989年から復元の手が入り、この2004年にやっと(「預言者」幻想曲が初演された)メルセブルクのオルガンの、1855年の定礎コンサート時の状態をモデルとするかたちで、往年のコンディションにかぎりなく近い楽器に仕上げられている。いわばリストのオルガン作品を演奏するにあたって「最もオリジナルな」楽器といっても過言ではないのだ。 演奏はペダル・チェンバロでバッハの名演(ALPHA-027)を聴かせたイヴ・レヒシュタイナー。端正かつ的確な解釈は同曲の入門にもぴったり。カフェ・ツィマーマン(ALPHA-013、031、048)で活躍するバロック・ヴァイオリン奏者アマンディーヌ・ベイエらも参加してのマタイ受難曲「哀れみたまえ、わが神よ」の編曲も、名曲中の名曲ながらこのヴァージョンでの演奏はかなり貴重。バッハ・マニアにもぜひおすすめしたいアルバムに仕上っている。 | ||
J.S.バッハ: ヴァイオリンと オブリガート・チェンバロのための6つのソナタ [ロ短調 BWV.1014/イ長調 BWV.1015/ホ長調 BWV.1016/ ハ短調 BWV.1017/ヘ長調 BWV.1018/ト長調 BWV.1019] |
パブロ・バレッティ(Vn) セリーヌ・フリッシュ(Cemb) | |
録音:2003年12月、パリ,ノートルダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂。 ALPHAの新作はこのところ、このレーベルならではの高い企画性を誇るアイテムが続いていたが、ここへきて久々の正攻法・バッハ王道曲集が登場した。アーティスト群も充実しているALPHAのこと、今やバッハのアルバムを作れば必ず大きなヒットにつながる、という図式が定着したといっても過言ではない。そしてこの2枚組アルバムもまた、その期待に応えてあまりあるほどの素晴らしい仕上がりになっている。静静とはじまる冒頭から聴き手の心をとらえ、闊達なアレーグロが展開する頃にはもうすっかりバッハ対位法の綾につかまってしまうはず――フランス古楽最前線の実力が、ここに立証されている。バッハ・ファン、古楽ファンはぜひ手にとっていただきたい強力盤だ。 演奏はALPHAですでに2作のバッハ作品集(ALPHA-013・ALPHA-048)と1作のスカルラッティ=エイヴィスン協奏曲集(ALPHA-031)をリリースしている室内アンサンブル「カフェ・ツィマーマン」の主要メンバー2人。ヴァイオリンのバレッティは、サヴァールのエスペリオンXXIやコンセール・デ・ナシオン、マンフレード・クレーメルのレア・フルーツ・カウンシルなどでも大いに活躍しているアルゼンチン出身の名手(バッハの協奏曲集での鮮やかすぎるほどのソロのほか、マッテゾン作品集(ALPHA-035)でもアンサンブルのうまさを見せつけてくれた)。対するフリッシュはすでに「ゴルトベルク変奏曲」(ALPHA-014)でみなぎる感性を披露してくれている。 | ||
航海する音楽家 〜トバイアス・ヒューム船長の音楽世界 トバイアス・ヒューム(1575?-1645): ・「韻文にもとづく作品集Poeticall Musicke」 〜リュートを伴ったヴァイオルにのせて歌うための 数編の歌曲、および他の 2本のヴァイオルによるコンソート音楽 [兵士の歌/或る兵士のガリヤード/ 偽りだ、私はその音符を変えるだろう/ タバコとは愛のようなもの/ジョージ殿の喜び/ 鉛のようなまどろみなど追い払え/音楽の情熱/ あまりにひどい悲しみよ/ヒューム船長の悲哀] ・「ヒューム船長の音楽世界 Captaine Humes Musicall Humors」 〜リラ・ヴァイオル1本だけで弾くための [ハーク、ハーク!/落ちる!/ ハンガリーの郷士ベックスの喜び/ ヒューム船長のパヴァーヌ/或る兵士の決意/ 死/生/或るパヴァーヌ] |
ニマ・ベン・ダヴィド(低音ヴィオール) ブリュノ・ボテルフ(歌) コンソート・ ド・ラ・ベル・フイユ/他 | |
おそろしき繊細さ、まったき雄弁闊達さ。ニマ・ベン・ダヴィドの無伴奏は、あまりにも美しい奥深さ! 声楽曲も織り交ぜられた、Alphaならではのヒューム作品集 かのジョルディ・サヴァール御代によるヒュームの新録音登場が2004年の夏だったか。ASTREE NAÏVEの旧譜と並んでみて改めて「世間にはヒュームのCDが少ない!」と思われたファンも少なくないだろうが、そこへ現れたAlphaの新譜はいきなり彼の両傑作に追い迫るほどの、きわめてレヴェルの高い内容だ。 「英国艦隊」華やかなりし頃の船乗りでもありヴィオールの達人でもあったイギリスの作曲家トバイアス・ヒュームは「ヒューム船長の音楽世界」と題された無伴奏作品集でヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)ファンにはおなじみ。フランス人らとは一線を画する、時にダウランドのような憂愁を、時にビーバーのような技巧性を垣間見せる音楽の素晴らしさもさりながら、何しろ無伴奏ゆえ、また作品内容のシンプルさゆえの困難さもあってか?あえて録音に踏み切る奏者が少ないのが残念なところ。だが、あえて録音にも乗り出した人の演奏には(サヴァールやパンドルフォを含め)傑作が少なくない...ということも、本盤の素晴らしさに触れていると思い起こされてくるのでは。 ここでヴィオールを縦横無尽に操ってみせているのは、Alphaではすでに「悪魔のようにヴィオールを奏する」と謳われたアントワヌ・フォルクレーらの作品を収めたアルバム(ALPHA-007)でその音楽性とテクニックを如何なく見せつけた、フランスを中心に活躍するユダヤ系ヴィオール奏者ニマ・ベン・ダヴィド。縦横無尽の闊達な弓さばきとピツィカートの妙味、静謐さから暴虐までありとあらゆる表現をダイナミック豊かに描き出してみせ、これが無伴奏であることも忘れさせられる思い。アルバム前半には声楽も参加する「Poeticall Musicke」からの作品を収録し、後半でだんだん寂寥感がつのるようなプログラムになっているのも憎い演出だ。 同レーベルにおける一連の素晴らしい録音エンジニアリングの最重要人物であるユーグ・デショーが、彼女のサウンドを深く理解して見事に収めきっているのにも喝采を送りたい。声楽パートが参与する「韻文にもとづく作品集」では、活況を帯びてくる歌い手たちの心の揺らぎまで収まってしまっているのでは?と思えるほど、音楽に寄り添った「心ある」エンジニアリングといえるのではないだろうか。 | ||
ラ・スュルタン 〜F.クープランの室内楽とクラヴサンのための練習曲 フランソワ・クープラン(1668-1733): クラヴサンのための8つの練習曲 (指南書「クラヴサン奏法」に掲載)/ コンセール「ラ・スュルタン」 (1714年リヨン手稿譜版)/ アルマンド ニ短調/ 「趣味の融合」〜コンセール第14番/ 「趣味の融合」〜コンセール第9番「愛人の肖像」 |
フランソワ・フェルナンデス (バロックVn) エリザベート・ジョワイエ(クラヴサン) アルフレード・ ベルナルディーニ(バロックOb) エマニュエル・バルサ、 ジェローム・アンタイ(低音ヴィオール)他 | |
レオンハルトやG.ロランスの場合のように、ときおり本当に“さらっと”大物アーティストを起用してみせるからALPHAレーベルは侮れない。 クラヴサン曲と編成さまざまなコンセール(室内楽)で編まれた種々雑多なこのクープラン作品集もそうだ。すでに同レーベルで「バッハ:インヴェンションとシンフォニア」(ALPHA-034)によってクリーンヒットをみせたエリザベート・ジョワイエ(代理店の手違いで商品表記が“ジョイエ”となっていたが...)がアルバムの主役として繊細緻密で雄弁な音作りを聞かせているそば、ヴァイオリンを弾いているのはなんと、コープマンやクイケン兄弟との共演で名を馳せるかたわらリチェルカール・コンソートの主要メンバーとしても活躍、日本でも大いに名をはせているあのフランソワ・フェルナンデスなのである!その繊細な演奏は、今回同時にご案内しているMIRARE-Ambroisieでのヴィヴァルディ(MIR-9968)におけるヴィオラ・ダモーレの快演とあわせて聴けば感慨いや増すこと請け合い。 さらによく見れば、ASTREEやVirgin-Veritasなどフランス系レーベルではよくお目にかかるジェローム・アンタイやら、それこそフランス小規模古楽の名盤には軒並みクレジットされている俊英エマニュエル・バルサなどの名も。そのうえオーボエには1月下旬に来日するアンサンブル・ゼフィーロの主宰者のひとりである名手ベルナルディーニまで登場し、絢爛豪華なクレジットにさらなる華を添えている。 肝心の曲目について...ここでの目玉はこのような豪華陣によるコンセールでの名演なわけだが、実は併録されているクラヴサンのための八つのプレリュードも、初出が指南書の譜例ゆえ録音では見過ごされがち、という貴重な音源。最近ではブランディヌ・ラヌーのZig-Zag Territoiresでのクープラン作品集に収録されていたのが記憶に新しいが、これは豪華演奏陣でのコンセールの名演とともにこの曲が聴ける。いかにも得なCD。 | ||
輝かしき月よ〜黄金時代のスペインの音楽 ムダラ:第10ファンタジア/イザベル/パバナ第3番/私を呼んでおくれ/主は眠る/澄んでさわやかな川の流れは バルデラノ:カライノスが馬駆けさす/あれ、山頂には / オルティス:レセルカダ〔第4番「音階」/第5番〕 ナルバエス:結婚に失敗した美人/モーロ人の王、馬にまたがり/灼けつけ、わが心/何のために私は祈るのか パレロ:ロマンサ / アラウホ:第6旋法によるティエント第23番/なべて世間、人の世は エンシナ:哀しきスペイン / カベソン:誰がために馬はいななく/パバナ/第4旋法によるティエント ミラン:ファンタジア〔第1番/第8番/第11番〕/パバナ〔第1番/第4番〕 作曲者不詳:あな、輝かしき月よ / ムダラ&ナルバエス:ビリャンシコ「牛ども」 ギユメット・ロランス(Ms) ダミアン・コロン(Org) フランソワーズ・ジョアネル(ダブルHp) マイク・フェントロス(ビウエラ/バロックG) フランシス・ラッシュ(Perc) | ||
ギユメット・ロランス、久々にALPHAレーベル登場! まったく衰えをみせない絶唱。器楽陣も細やかで豊穣。 ALPHA最初期にル・ポエム・アルモニークに客演、どちらも最近カタログ付きで再発された「カスタルディ、奔放な音楽家の肖像」(現ALPHA-001)や「ドメーニコ・ベッリとフィレンツェの“新様式”」(現ALPHA-002)で今なお衰えぬ声と迫真の音楽性を印象づけたギユメット・ロランスが、久しぶりにALPHAでCDを制作した。今度は完全に彼女のソロ・アルバムといってよいスタイルで、伴奏は大オルガン、古いダブル・ハープ、ヴィウエラ、バロックギター...とさまざま。 これまでALPHAには正統派のスペインもの録音がなかったうえ、単体でロランスのような大歌手がアルバムを制作するということも異色。それはともかく、作品の多様さには目をみはるものがある。ビウエラ伴奏の歌曲あり、オルガン伴奏の声楽曲あり、カベソンやアラウホのオルガン曲あり、ナルバエスやミランのビウエラ曲あり、はたまたダブルハープによる演奏あり...オルガンを弾いているダミアン・コロンやビウエラを弾いているマイク・フェントロスらのテクニック・音楽性もあざやかで、飽きさせないつくりになっている。昔からスペイン系の古楽奏者・歌手には名手が少なくなく(代表格がサヴァールとモンセラ・フィゲーラス、若手ではカルロス・メーナあたりか)、スペイン黄金時代ものには敵なしの“本場もの”ディスクも少ない中、フランス仕込みで演劇のセンス抜群・静謐な歌い口と迫真の歌いまわしを自在に使いこなすことで知られるロランスらの“フランス的に昇華されたスペイン音楽”は独特の光彩を放つアイテムであるともいえる。 一度聴いたらやみつきになること間違いなしの1作、やはりALPHA...とうならずにはいられない銘品。 | ||
エミリオ・デ・カヴァリエーリ(1550頃-1602): オラトリオ「魂と肉体の劇」(全3幕) |
マルコ・ビズリー(T) ヨハンネット・ゾーメル(S) ドミニク・ヴィス(CT) クリスティーナ・プルハル指揮 ラルペッジャータ/他 | |
圧倒的な説得力と表現力で聴かせる“最古のオラトリオ” 超絶技巧の名手楽団と絶妙のからみを見せるのは鬼才ビズリー、そしてドミニク・ヴィス...! 古くはE.レーラーの録音(NUOVA ERA)やマッケラスがカペラ・アカデミカ・ウィーンを指揮したARCHIVの録音(テオ・アダムやトロヤヌスら大歌手勢がK.エクヴィルツやエスウッドら古楽のプロと共演していた...)、最近ではNAXOSのセルジォ・ヴァルトロ盤など比較的上質の録音にめぐまれてきた最古のオラトリオ「魂と肉体の劇」だが、“比較的上質”などと生ぬるい言い草では収まらない、圧倒的な決定盤がここに登場した。ややこしい歌詞の面倒で長い音楽、と思っていたら、とんでもなかった!あっという間に2枚聴き終えてしまうエキサイティングな名演なのだ。ALPHA渉外のロシニョール女史いわく「ヨーロッパではすでに何カ国でも大成功をおさめている」とのこと。 それもそのはず、ALPHAの「タランテッラ」(ALPHA-503・ALPHASA-503)で名をはせた英国人とナポリ人のハーフ・鬼才歌手マルコ・ビズリーが、独特の繊細かつエモーショナルな歌声で語り役をつとめているせいだ(発音もきれいで聴き取りやすい)。「語りながら歌う」ということを追求していたカヴァリエーリの理想をまさに地でゆく彼の歌唱に、ついつい引き込まれてしまうのである。器楽合奏は名手プルハル指揮のラルペッジャータ。ほぼ同時発売となる「16人の即興演奏!」(ALPHA-512)で、メンバー一人一人がいかにスーパープレイヤーかは実証ずみの実力派団体である(ALPHAにはカプスベルガー(ALPHA-011)や前述タランテッラなど録音多数)。冒頭のシャーウィンの悠々と美しいコルネットの吹き口、隠れた名手スクプリクの闊達なヴァイオリン、指揮者プルハルの繊細なハープ...シンフォニアやインテルメディオなど器楽曲も少なくなく、随所に聴き所があふれている。 しかし歌手陣の豪華さたるや遥かにすごい。ALPHAではブクステフーデやシューベルトなどで名唱をきかせているオランダの音楽性豊かな名歌手ゾーメルの求心力ある歌もさることながら、注目は何といってもドミニク・ヴィスの参加!彼がアンサンブルに参入したとたん場の空気が急に華やかになり、つい耳をそばだててしまうはず。 参加者ひとりひとりが驚くべき実力者ばかり、音楽性がぶつかりあい調和しあい至高の音楽絵巻が織りなされる。モンテヴェルディの大曲など好きな方には文句なしにおすすめできるし、バロック声楽のファンにも間違いなく訴求するであろう傑作ディスクだ。 | ||
ジャン=フィリップ・ラモーとフランス古典様式〜 ラモーのコンセールとフランス語カンタータ ユベール・ル・ブラン著作:「ヴァイオリンの企みとチェロの野望に対するヴィオールの防衛」の朗読 ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764): トリオによる第5コンセール/器楽伴奏付カンタータ「忠実なる牧人」/ トリオによる第1コンセール/カンタータ「テティス」/トリオによる第3コンセール バンジャマン・ラザール(語り) レ・ミュジシャン・ デュ・ムッシュウ・クロッシュ | ||
ピリオド楽器使用。酒井淳ら最若手たちが織りなす繊細な音楽に脱帽。Alphaの面目躍如!同レーベル初のラモー作品集。 ラモーの「コンセールによるクラヴサン曲集」といえば、ルセ・寺神戸亮・上村かおりのトリオ(harmonia mundi france)らの名盤から近年ではピノック・ポッジャー・マンソン盤(Channel)やブランディヌ・ラヌーら若手古楽奏者らの逸作(ZigZag)など、名作だけに競合盤には事欠かない。だがZigZagの若手フランス古楽奏者らよりもさらに1世代若い(20代の奏者ばかり)文字通りの最先鋭の若手たちが打ち立てた「Alphaのラモー」は、それらと張り合うにあまりあるヴィヴィッドな名演だ。楽器の取り合わせにも変化をもたせ、ラルペッジャータなどでも活躍している酒井淳のヴィオールや、トマ・プティの弾くバッス・ド・ヴィオロンの響きなども細やか。またM.ルートに師事したA.コセンコのトラヴェルソが見事。独特の侘を感じさせる師匠ゆずりのニュアンス豊かな妙音を奏で、ロココの繊細さを漂わせて美しい。 この録音のよいところは、他に2曲ものしっかりしたカンタータを収録しているところだろう。ラモーがオペラを手がける前、1720年代に書かれたイタリア様式の充実作で、意外と録音が少ないためAlphaならではの高水準な演奏で聴けるのは嬉しいかぎりだ。さらにもうひとつ特筆すべきことに、冒頭ではRICERCARレーベルのフェルナンデス(Vn)=ツィパーリング(Vc)=ピエルロ(Vg)3人組による不朽のフランス・バロック室内楽曲集のタイトルにも使われたユベール・ル・ブランの名著「ヴィオールの防衛」が、全文テクスト付きで朗読されているのである。担当のラザールは当時の発音にも明るい。 誰にも親しみやすいラモーの三重奏コンセールだが、なにぶん奥深い和声学の大家ラモーの作品。その奥深さの側面をどこまでも解き明かしてくれる、充実したアルバムに仕上がっている。ドビュッシーの手紙からの引用ではじまるライナーノーツも読み応え十分。ビギナーから専門家まで深く楽しめる名盤の登場。 | ||
陵辱された女神たち〜フランスのカンタータ集 フィリップ・クルボワ(1705-1730):カンタータ「アリアーヌ」(1710) ニコラ・クレランボー(1697-1764):カンタータ「レアンドルとエロー」(1713) フランソワ・コラン・ド・ブラモン(1690-1760):カンタータ「シルセー」(1723) ニコラ・クレランボー:カンタータ「メデー」(1710) アニェス・メロン(S) アリス・ピエロ(Vn) ケネス・ワイス(Cemb) リチャード・ブースビー(Vg) アンサンブル・バルカロール/他 | ||
ピリオド楽器使用。アニェス・メロン健在!切々とした表現力の深さは圧巻! ワイスやブースビーら「意外な顔合わせ」による名手たちのサポートも絶妙、ひたすら充実のフランス作品集。 先だってのクープラン作品集(ALPHA-062)もフランソワ・フェルナンデスをはじめ錚々たるアーティストが結集していて驚かされたが、このフランス語カンタータ集もまた演奏陣の豪華さ、そして意外な顔合わせに驚かされる1作だ。主役どころはなんと、ヘレヴェッヘがharmonia mundi franceで制作してきた数々のアルバムで主役格を歌ってきたアニェス・メロン(S)。久方ぶりに彼女の名をみたと驚く暇も与えず、切々とした彼女随一の清廉な歌声がよりいっそう多様なニュアンスをはらみ、表現力が深まっているのに気がつくのでは? 今回のアルバムのテーマは、男たちと一時は深い愛をはぐくみながらも無残に捨てられた神話上の女性たち。狂おしい寂寥感から荒れ狂う怒りの心、決然とした諦念や涙をさそう死への思いなど、彼女の表現力の豊かさが試されるフレーズに満ち満ちているところ、アニェス・メロンは堂々、こちらの期待を鮮やかに上回りつつ、至上の詩的・音楽的空間を演出してゆく。 そして伴奏陣の面々がまた錚々たるもの。チェンバロはW.クリスティのアシスタントを長くつとめ、SATIRINO=AMBROISIEでのバッハ(パルティータ/SR-011)やラモー(オペラのクラヴサン編曲/SR-031)の録音で大いに実力を見せつけてくれたケネス・ワイス。ヴァイオリンにはAlphaきっての傑作「ビーバー:ロザリオのソナタ集」で一躍知名度をあげたアリス・ピエロ。彼ら二人の闊達かつ自発的な音楽作りのもと、確固としたテンポを支えつつ絶妙のタイミングで雄弁に前へ出てくるヴィオラ・ダ・ガンバ奏者は、なんとパーセル・クヮルテットの名手リチャード・ブースビー。活躍してきたバックグラウンド(国)も異なる彼らが繰り広げる絶妙のアンサンブルが歌声と入り交じり、阿吽の呼吸のなかで静かに内容が深まってゆく。ヴェテランの名ソリストたちによる室内楽のような、そんな高次元の音作りをぜひご体験いただきたい。 | ||
アンリ・デュモン(1610-84): 王室礼拝堂のためのグラン・モテ集 オルガン独奏のためのアルマンド1/ 詩編第136編「バビロンの流れのほとりで」/ オルガン独奏のためのアルマンド2/魂の対話/ オルガン独奏のためのアルマンド3/ 見よ、山上から来る人を/ オルガン独奏のためのパヴァーヌ/ 詩編第102編「わが魂よ、主を祝福せよ」/ オルガン独奏のためのアルマンド・グラーヴ |
マルセル・ベーグマン(CT) ロバート・ゲチェル(T)他 フレデリク・デザンクロ(Org)指揮 アンサンブル・ピエール・ロベール | |
ピリオド楽器使用。デザンクロの好評シリーズ、再びデュモンに立ち返る。重なり合う弦、洗練されたオルガンのタッチが名唱に色を添える、あざやかなグラン・モテ集。 Alphaレーベルへの録音第一作としてデュモンのプティ・モテ集を選んだデザンクロ&アンサンブル・ピエール・ロベールが、再びこのベルギー出身の大作曲家と向き合った。前作(ALPHA-021)で扱ったのが比較的簡素な伴奏によるインテンスな作品であったのに対し、今度は弦楽合奏が積極的に音楽に参与してくるグラン・モテの数々。古くはパイヤール(ERATO)、古楽器演奏ではヘレヴェッヘやリチェルカール・コンソートの録音などで愛聴されてきた傑作の数々ではあるが、ヴェルサイユ・バロック音楽センターなど「本場」フランス古楽界の最前線で活躍するベークマン(CT)やゲチェル(T)ら忘れがたい声を持つ歌手ら気鋭の古楽アーティストたちを集めるアンサンブル・ピエール・ロベールの演奏は音作りの新鮮さ・瑞々しさにいおいて群を抜いた出来になっている(新鮮でいて奥深さを損なっていない点で、故アンリ・ルドロワとジェラール・レーヌらによるデュモン作品集(RICERCAR)の衝撃を思い出されるヘヴィ・ユーザーもおられることだろう)。新たな愛聴盤にして不足のない充実の仕上がりだ。 また今回の録音においても、オルガンの名手デザンクロがディエップ(北フランス)の教会の銘器を用いて自発性あふれる独奏を何曲か披露してくれている。もちろん録音のクオリティは保障つき。2004年後期以来ひそかなベストセラーとなりつつあるレヒシュタイナーのリスト・オルガン作品集(ALPHA-059)の衝撃が忘れられないオーディオファイルにも、当然ながら古い鍵盤楽器の新しい名演をお探しの古楽ファンにも、ぜひ注目していただきたいところである(いつの日か、Alphaでデザンクロのソロ・アルバムが出てくれれば...と夢見るのは担当者だけではないはず)。 | ||
パリのイタリア人〜ガエータノ・ドニゼッティ(1797-1848): フランス語とイタリア語によるサロン歌曲・二重唱曲集 さらば〔 I / II (F) 〕/おお、残酷な人/遠く離れて/これ以上、何がお望み?/それは春のこと(F) /ゴンドリエラ/ アドリア海のゴンドラ漕ぎ(F) /ラ・スュルターヌ(F) /新たなるウリカ(F) /宿命/幻影(F) /愛しているかと訊くのか/ 6つのイタリア語二重唱 [誓い/夜明け/ビーチェの息吹き/愛、それは天の声/眼差しひとすじ、声ひとすじ/飲んだくれども] アンサンブル「レ・ドモワゼル・ド...」 [ゾフィー・マラン=ドゴール(S) クレール・ブリュア(Ms) セルジュ・シフェルステン(P|使用楽器:スタインウェイ] | ||
録音:2004年5月、ラ・ショー・ド・フォン、スイス。録音・編集:ユーグ・デショー/監修:ダミアン・コラ。(F)はフランス語。 あくまでエレガント、あくまで瑞々しく。「本物」のシックさを身につけたフランスの歌曲ユニットが優雅でお洒落な持ち味そのまま、ベルカント時代の社交人の世界を描く。 Alphaの黒ジャケ・レギュラーシリーズでは数少ない現代楽器を堂々用いるアンサンブル「レ・ドモワゼル・ド…」は、まるで巨匠監督のフランス映画のような、お洒落で優美かつ筋の通った芸術性ある解釈が美しい歌曲ユニット。前作「うるわしのヴァカンス」(ALPHA-033)での高雅さにみちた絶妙のセンスそのままに、今度はドニゼッティの歌曲集を世に問うた。OPERA RARAレーベルや日本ドニゼッティ協会の尽力の賜物か、今やドニゼッティの伊・仏語歌曲は珍しさの域を脱したとは思うが、このアルバムは居並ぶ既発売盤を悠々と凌駕するのでは・・・というか、作品の持ち味の忠実な再現以上の(あるいは、それとは別の)社交界の軽妙なる余興としてのエスプリめいたものが隅々まで満ち溢れたユニークな境地を体現しているといえる。 何はともあれ、ベル・カント・オペラの巨匠ドニゼッティが後年パリでも大いに活躍したことは有名。「連隊の娘」をはじめフランス語版がオリジナルのオペラの数々もさることながら、ロッシーニ以上の多忙な活動のさなかに書き連ねられたサロン歌曲の数々も、芯の通った歌曲風のものあり、ややオペラ・アリア風のものあり、小唄風のものあり…と多種多様かつ高水準で、じつに面白い。ここではフランス語とイタリア語の作品を織り交ぜつつ、19世紀当時の社交人たちの関心事(恋のあれこれはいわずもがな、ヴェネツィア風俗、モロッコや北アフリカへの憧憬、自然への愛着...)を垣間見せる千変万化の名作群を19曲たっぷり楽しめる。とりわけ素晴らしいのは二重唱。クリスティやヘレヴェッヘら古楽指揮者たちとの共演も多い名歌手ふたりの息はぴったり、時にさざめき笑いまで織り交ぜて、あでやかなムードで表現力豊かに歌詞のおもしろみを際立たせてくれる。そこへ磨きぬかれたスタンウェイの美音がからみつく、華麗にして優美、猥雑にして高雅なサロンのエスプリが弾けるような快さ。 録音スタッフにはAlpha最高のエンジニアであるユーグ・デショーが起用され、会場の繊細な空気のゆれ、アーティストたちの高揚感まで神業的なエンジニアリングで収録。ピアノの響きはどこまでも瑞々しく、歌声のふれあい/ずれあいはどこまでもこまやかに、すぐそこで歌っているかのような自然さで迫ってくるのがまた素晴らしい。 イギリスの現代具象画家ヴィットリアノが手がけたジャケットもコントラストが鮮やかで夏向きな綺麗さ。歌科の音大生が手に取る確率も多いイタリア系歌曲だけに、この飽くなき美的センスの追求ぶりがきっと奏功するのでは。 | ||
J.S.バッハ:さまざまな楽器による協奏曲集 Vol.3 ブランデンブルク協奏曲第4番 BWV.1049(*)/ オーボエ・ダモーレ協奏曲 BWV.1053(#)/ 3台のチェンバロと弦楽合奏のための協奏曲 BWV.1064(+)/ 序曲(管弦楽組曲第2番) BWV1067(**) |
パブロ・バレッティ(Vn;*) パトリック・ボージロー(Obダモーレ;#) ディルク・ベルナー、 セリーヌ・フリッシュ、 アンナ・フォンターナ(Cemb;+) ディアナ・バローニ(Fl−tr;**) カフェ・ツィマーマン (Ens.) | |
録音:2004年8月、アルスナル音楽堂、メッツ(東フランス)。ピリオド楽器使用。録音技師:ユーグ・デショー。編集・監修:アリーヌ・ブロンディオ。 ALPHAの看板、ラテン世界随一の古楽アンサンブル「カフェ・ツィマーマン」年に1度のバッハ名作集! 豪華ソリスト陣によるチェンバロ3台のほか、第3集も名演ぞろい。 セリーヌ・フリッシュのチェンバロ独奏が素晴らしい協奏曲BWV1052を含む第1集(ALPHA-013)、フランスで活躍する若い古楽弦楽器奏者たちの実力を思い知らせるブランデンブルク第3番を含む第2集(ALPHA-048)に続き、カフェ・ツィマーマンがALPHAから放つバッハ協奏曲集、待望の第3弾!人数を絞り込んだ極小編成で、サヴァールやクリスティらと共演してきたP.バレッティやC.フリッシュをはじめ全ての奏者がソリスト級の腕前・の文句なしの名演を、天才エンジニア・ユーグ・デショーの細やか・鮮やかな録音で楽しめる傑作ディスク...なのは前2作と同様。もはや説明不要の必聴・強力アイテムである。 今回の目玉は...といっても4曲とも目玉といえるのだが、まずは何といってもレオンハルト盤に続く日本でのALPHAベストセラーのひとつ「ゴルトベルク変奏曲&ドイツ歌曲」ALPHA-014での独奏者セリーヌ・フリッシュが、マッテゾンの名ソナタ集(ALPHA-035)にも参加している俊英ディルク・ベルナー、及びアンナ・フォンターナと共演した3台のチェンバロのための協奏曲だろう。三つの楽器の違い、センス抜群のタッチが入り乱れる様をじっくり堪能したい。他にもサヴァールの信望あつい超名手パブロ・バレッティ(Vn)の重音や“さりげない”速弾きに圧倒されるブランデンブルク協奏曲第4番、彼と同様アルゼンチン出身でALPHAにも録音の多いディアナ・バローニ(Fl)が活躍する管弦楽組曲第2番、前2集とは代わってアムステルダム・バロック管やBCJ、コンセール・ダストレなど幅広い活躍をみせているP.ボージローが独奏のBWV1053のオーボエ・ダモーレ協奏曲(BWV1055でなく、こちらをオーボエ・ダモーレで演奏しているのも珍しく貴重)と、今更ことわるのももどかしいくらい名演ぞろいである。 | ||
ベートーヴェン/ブロンドー編曲:弦楽四重奏によるピアノ・ソナタ第1番−第3番 ピエール・オーギュスト・ルイ・ブロンドー(18世紀末?-1863): 「ベートーヴェンのソナタにもとづく3つの協奏的四重奏曲」(1808/9出版) 〔原曲:ベートーヴェン「ピアノのための三つのソナタ」Op.2 (=ピアノ・ソナタ第1番・第2番・第3番)〕 アド・フォンテスSQ [アリス・ピエロ、エンリコ・パリッツィ(Vn) モニカ・エーアサム(Va) レト・キュオンツ(Vc)] | ||
ピリオド楽器使用。 原作の品格そのままに、鮮やかな変身をとげた傑作3作。同時代フランスにおけるベートーヴェン受容の状況を物語る興味深い編曲を、Alphaきっての俊英団体が美しく解釈。 企画力の高さを誇るAlphaレーベルから、ついにベートーヴェンの作品が初登場。しかしそこは何事も一筋縄ではいかないAlphaのこと、まずは編曲作品からの登場である。しかもこれがきわめて内容豊かな秀演に仕上げられているのが、何とも心憎いかぎり。 収録作品はベートーヴェン初期の瑞々しくも精緻な三つのピアノ・ソナタを、パリのアマチュア音楽愛好家たちのために同時代の作曲家ブロンドーが弦楽四重奏曲に編曲したもの。1809年頃に出版されたというから、やや意外にも既にこの時期のフランスで、ウィーン・ローカルめの作曲家ベートーヴェンがしかるべき名声を勝ち得ていたということになる。実際、プレイエルが作品18の弦楽四重奏曲集をパリで出版しており、アマチュア音楽家たちにはベートーヴェンも馴染み深い存在だったのだろう、そこで四重奏楽譜の需要をあてこんで企画された編曲なのだろうが、これがまた原曲の持ち味そのままに、綺麗に四つのパートにイディオムを振り分けて、エキサイティングでスリリングな四重奏に仕上げられている。決して単なる音符の移行ではないあたり、ちょっと驚かされるのでは。編曲者のブロンドーはその後かなり長生きして音楽辞典(1847)なども手がけた人だが、もとはメユールやバイヨといった革命期の大作曲家やヴァイオリニストに師事したという(道理でコンチェルタンテな四重奏の組み立て方がうまいわけだ)。 演奏は「革命前」のフランス器楽界の巨匠、「フランス交響楽の父」とうたわれたゴセックのチャーミングな四重奏曲集(ALPHA-025)で繊細をきわめるアンサンブルを聴かせてくれたアド・フォンテス四重奏団。ゴセック作品よりもずっとスケールの大きな音楽を扱って、かたときも緩むことなく極上の弓さばきを披露している。弱音部分の落ち着いた叙情、主題提示部の雄弁な歌い口などの闊達な演奏ぶりにワクワクさせられつつ、あたかもベートーヴェンが最初から四重奏編成を意図していたのでは?とさえ感じるような説得力にぐいぐい引き込まれること間違いなし。ピリオド楽器四重奏の面白さをいかんなく堪能できる仕上がりになっている。 ベートーヴェン・マニアはいわずもがな、ピアノ音楽ファン、編曲ファン、ピリオド楽器ファン...と多角的なファン層にアピールする要素を秘めた、ユニークなこの一作にご注目を。 | ||
リュリの管弦楽、ダングルベールのクラヴサン ジャン=アンリ・ダングルベール(1628-1691): クラヴサンのための組曲第1番 ト長調/ クラヴサンのための組曲第2番 ト短調/ 「カドミュス」〜序曲/ 「ロラン」〜妖精たちのリトルネロ/ 「ファエトン」〜シャコンヌ/ 「ラ・カルナヴァル」〜仮面行列の序曲/ 「アルミード」〜エール/ 「アティス」〜アティスの快き夢/ 「愛の勝利」〜アポロンのエール/ 「アルミード」〜パッサカーユ ジャン=バティスト・リュリ(1632-1687): 「カドミュス」〜序曲/ 「ロラン」〜妖精たちのリトルネロ/ 「ファエトン」〜小エールとシャコンヌ/ 「アルミード」〜2つのエール/ 「ラ・カルナヴァル」〜仮面行列の序曲/ 「アティス」〜アティスの快き夢/ 「ヴェヌス生誕のバレ」〜地獄の神のサラバンド/ 「愛の勝利」〜アポロンのエール/ 「アルミード」〜パッサカーユ ジャン=アンリ・ダングルベール: 同一主題による5つのフーガ |
セリーヌ・ フリッシュ(Cemb/Org) カフェ・ツィマーマン | |
ピリオド楽器使用。リュリ作品のクラヴサン編曲を、原曲と比較しながら楽しめる!
カフェ・ツィマーマン奏する傑作序曲や舞曲、大変奏曲の数々...“歌なし管弦楽もの”でリュリ入門にも最適の一作! ALPHAの好評企画『バッハ:さまざまな楽器による協奏曲』シリーズ3作(ALPHA-013、048、071)で名をあげた古楽集団カフェ・ツィマーマンは、フランスのバロック作品でも素晴らしい演奏を聴かせてくれる。その証左となるのが、現状での彼らの最新アルバムとなるこのリュリ作品集だ。このダブル・アルバム、フランス17世紀最大の作曲家リュリの管弦楽作品を、同じ曲の有名なクラヴサン(チェンバロ)編曲とあわせてプレゼンテーションし、その比較まで愉しませてくれるという充実した内容。リュリが世界的に有名になってゆくきっかけとなった彼の管弦楽作品(つまり、オペラの序曲と挿入舞曲)をまるまる1枚のディスクに組曲形式で集め、もう1枚(本来はこちらが1枚目で、管弦楽版は“ぜいたくなおまけ”といった感覚らしい)は中心メンバーのひとりセリーヌ・フリッシュ(こちらもALPHA-のベストセラー『バッハ:ゴルトベルク変奏曲』(ALPHA-014)で有名)が同じ作品群を、17世紀後半を代表するクラヴサン音楽家ダングルベールによってクラヴサン独奏用に編曲された版で演奏、ダングルベール自身による大掛かりなクラヴサン組曲も2編にわたり完全収録している。ルイ・クープランやシャンボニエールと並び17世紀のクラヴサン音楽界を代表するダングルベールの作品はルセの周到な全曲録音(DECCA)をはじめ数多いが、当盤でのフリッシュの瑞々しくも精緻な解釈(多声の弾き分けの巧さ! 確かなリズムをほんの少しだけ崩す装飾音の、なんと心地よいこと!)は既出の名演群と並べて全くひけをとらず、既にラテン系各誌が絶賛の嵐を浴びせている。編曲ものの比較検討の楽しみとあわせ、同作曲家の代表的アルバムとしての貫禄は十分だ。 一方、管弦楽版のほうはコントラバスなし弦12人(ルイ14世の「小さなヴァイオリン団」と同じ)にオーボエ2・バスーン1・トラヴェルソ3を加え、通奏低音にはフリッシュのクラヴサンと、かの俊英E.エグエスがさりげなく参加。ぼってりと荘重な響きも繊細なソロのかけあいもお手のもの、自発性あふれるアンサンブルがいかにもフランス古楽らしく、リュリの勿体ぶった格好良さがこれまた見事に描出されている。「オペラは長いし、歌がどうも・・・」とリュリを知らないまま来たクラシック・ファンにも是非おすすめの秀逸演奏なのだ。なお末尾には、ある意味知的路線の変奏曲といった感のあるフーガ5編を北仏ルーアンにあるオルガンで収録する周到ぶり。余興どころではない習熟度でオルガン音楽を堪能させてくれる。 | ||
ジョセフ・コスマ(1905-1969):プレヴェールの詩によるシャンソン集 バルバリーのオルガン/そして、それから/夜の喧騒/朝の食卓/すばらしい季節/鳥刺しの歌/ノックします/子供時代/ 愛し合う子供たち/パリース・アット・ナイト/タクシー運転手の悪夢/ダンス(ピアノ独奏)/朝食/心配な小鳥たち/ 絶望がベンチに腰掛ける/鉄の女/コルセットにおしおきだ/幕間劇「家庭にて」/家庭的な女/公現日/血まみれの唄/庭/ カプリチョーゾ(ピアノ独奏)/寓話/その子供を追いかけろ/書きつけ一葉/冬の子供たちのための唄う ジェルサンド・フロランス(S) アルノ・マルゾラティ(Br) マーカス・プライス(P) | ||
コスマ生誕100周年!シャンソンの超スタンダード「枯葉」を生んだ顔合わせによる、したたかで洒脱・エスプリただよう歌の数々。ル・ポエム・アルモニークの歌手マルゾラティ、なんて多才な芸術性...日本でいえば“昭和歌謡”? それともドイツ表現主義のキャバレー・ソング?芸術の秋の深まるころに、いわゆるフランス歌曲の王道(フォーレ、プーランク、デュパルク、ドビュッシー...)とはかなり趣きの違う、したたかで瀟洒なフランスの歌はいかが? 「枯葉」といえば、誰もが知っているシャンソンのスタンダード、その歌詞は『天上桟敷の人々』の脚本を書いたことでも知られる、20世紀フランス最大の詩人ジャック・プレヴェール。そして音楽は、ヒトラーの台頭にさいしてベルリンをのがれパリにやってきたハンガリー人作曲家のジョセフ・コスマ。切なさ吹きすさぶかの名曲を残したこの2人は、第2次大戦前後の不安な時代をつうじて数々のシャンソン=歌曲を生み出してきたのだった。ポイントはコスマが1930年前後にベルリンで活躍していたこと。そう、クルト・ヴァイルやハンス・アイスラーといった面々のキャバレー・ソングに魅了された世代なのだ。骨太の歌い口で人生の妙味をあざやかに抉り出すヴァイル=アイスラー系のドイツ表現主義者たちの歌の魅力を知る人には、ドイツ占領下の隣国フランスで生まれたこれらの歌曲にも魅力を感じていただけるにちがいない。洒脱で繊細なフランス歌曲とは一味ちがう仕上がりは、ちょっとひねくれたフランス文化好きにもアピールする内容。軽微な1927年製プレイエル・ピアノはうっすら重めに、魅力たっぷりキッチュなサウンドで響き、うさんくさい荘厳さをうっすら漂わせつつ、味わい深い詩の数々が歌い上げられてゆく。それにもかかわらず、プーランクやイベールに通じる洗練された面持ちが保たれて、あくまで高雅に洒落た音楽に仕上がっているのは、やはりフランス音楽の領域で生まれた作品ならでは、というところか。 演奏陣もちょっと曲者。現代音楽シーンで着実に活動範囲を広げているG.フロランスとともにこれら多彩な歌を仕上げてゆくバリトンは、来日以来めきめき注目度向上中の古楽集団ル・ポエム・アルモニークの主要メンバーであるアルノ・マルゾラティなのだ。伝承歌やらフランス古楽やら一筋縄ではいかない音楽ばかり歌ってきた人...どうりで上手いはずである。上記の通りピアノは“ピリオド楽器”、エンジニアはAlphaサウンドの立役者ユーグ・デショー。ALPHAならではの、隅々まで手を抜かない企画。 | ||
フランソワ・フランクール(1698-1787): ヴァイオリン・ソナタ3編およびエールさまざま 「ヴァイオリン独奏のための 低音伴奏つきソナタ集」(1732)より [ホ短調/イ長調/ニ短調]/ 歌劇「テルシとゼリー」(1726)、 「ピラムとティスベ」(1728)、 「スカンデルベルグ」(1735) より 9つのエール(アリア) |
ミラ・グロデアヌ(Vn) イザベル・デロシェ(S) アンサンブル・アウゾニア | |
ピリオド楽器使用。なぜか滅多に録音されない18世紀フランスの大御所作曲家、俊英奏者たちと実力派歌手によりALPHAから嬉しいリリース、珍しいオペラ抜粋を交えての、自由闊達なソナタの瑞々しさ! これほど古楽復興が盛んになった昨今、なぜか今だに録音の少ない18世紀の重要作曲家は何人かいるが(ナルディーニ、モンシニー…)、バロック末期のフランスで華々しい活躍をみせたフランソワ・フランクールもそんな重要人物のひとり。クライスラー世代の偽作群のあおりか、Calliopeのヴァイオリン・ソナタ、Cypresの管弦楽組曲のほか、重要な1枚物アルバムがこれまで見当たらなかった。そこに登場したこのALPHAからの新譜は、ヴァイオリン・ソナタの大作3曲にくわえ、なんと重要オペラ3作からの抜粋エール(アリア)まで収録しているという、まさに長年の渇をうるおして余りある充実作だ。 ルイ15世時代の「王の24のヴァイオリン楽団」の指揮者として1756年まで長く活躍したのち王立アカデミーの総監督となり、ルクレールと並ぶ稀代のヴァイオリン奏者としてフランス音楽界にゆるぎない地位を築いたフランクールは、1730年前後に発表した軽い内容のオペラ群がロングランを重ねるなど声楽方面でも際立った活躍をみせた。その名声は後年のクライスラーによる「フランクールの作法による」偽バロック風作品があることにも示されている。ここではかなり大規模な(うち1曲は多楽章の)ヴァイオリン・ソナタ3篇で、ルクレールよりもフランス的な感覚を残したイタリア流儀のすばらしい器楽の作風が堪能できる。また曲間にうまく配された(いくつかの曲はソナタの途中に挿入され、18世紀のサロン演奏会を想起させる凝りよう!)アリアの数々はフランス随一の機微あふれる仕上がりに悲愴さと滑稽さが入り混じり、他では聴けない独特の味わいにあふれている。 ヘレヴェッヘやクリスティらフランス古楽界の大物たちと共演を重ねる名ソプラノのI.デロシェの自由自在な歌い口もさることながら、ルーマニア出身でS.クイケンらに師事したグロデアヌ(Vn)の闊達かつ細やかなヴァイオリン独奏の見事さたるや筆舌に尽くしがたい上手さ!他の器楽陣も若手ばかりだが、ALPHAの常にならい演奏クオリティはおそろしく高い。昨今ALPHAでの活躍がめだつ俊英技師モイノの自然録音も美しい、バロック好き必聴の素晴らしい1枚だ。 | ||
17世紀の「前衛音楽」 〜ミケランジェロ・ロッシの鍵盤作品 ミケランジェロ・ロッシ(1601/02-56): 「オルガンまたはチェンバロのための トッカータとコルレンテ集」(1657) ルイージ・ロッシ: パッサカーユ(ボーアン写本より) ベルナルド・ストラーチェ:チャコーナ |
イェルク=アンドレアス・ ベッチャー(Cemb) | |
使用楽器:イタリアン・モデル、G.B.ジュスティ1681年製作楽器のコピー。 新時代の実力派ベッチャーが細やかに、狡猾に彫り上げ天才技師デショーが鮮やかに収めた「バロック奇人の代表作」。 その鍵盤音楽史上における特異性と重要性にもかかわらず、体系的な録音の少ない初期バロックの大家ミケランジェロ・ロッシの周到な鍵盤作品集が突如、2セットほぼ同時に現れた。ひとつはNAXOSからイタリア鍵盤音楽の解釈では選曲・演奏とも定評のあるS.ヴァルトロの新作、もうひとつは我らがAlphaからの、この瑞々しくも内容豊かな名演だ。 フランスのシャンボニエールとほぼ同年に生まれたミケランジェロ・ロッシは、フレスコバルディとほぼ同時期に同じローマで活躍しつつも、作風はまるで違い、大胆をきわめる前衛的書法を随所に散りばめた先進的で不安定なトッカータなど独特の魅力に満ちている。18世紀にもマッテゾンが、20世紀初頭にもバルトークが彼に魅了されたその「いびつな」美しさに満ちた作品群に、シャンボニエール作品を多く含むボーアン写本などからの作品を交えて変幻自在に聴かせてくれるのがこのアルバム。 ベッチャーのアプローチは豪胆な作風を強調するというより、一聴したところ穏やかで静々とした面持ちのなかにさりげなく奇怪さを忍ばせた、いわば玄人好みの解釈になっている。気品あふれつつ、どこか猥雑さが滲み出ずにはすまない「ローマの前衛音楽」らしき感覚に酔いしれたい。イタリア式モデルのチェンバロが発する、立ち上がりのよい粒の揃った音を細やかなタッチで並べてゆくベッチャーの至芸。Alphaお馴染みの良音会場ノートルダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂で、AlphaきってのエンジニアH.デショーが繊細さの極致を発揮して収録したサウンドは、その自然さといい、音楽が立ちあらわれる瞬間の機微といい、もはや神業の域にあるといえる。 | ||
シラノ・ド・ベルジュラックと17世紀音楽(全25曲) デュフォー、カプスベルガー(以上リュート曲)、 サント・コロンブ師、デュビュイソン、マレ(以上ヴィオール曲)、 オルティス、プレイフォード(以上アンサンブル曲)/他の作品 +シラノ・ド・ベルジュラック「日月両世界旅行記」からの朗読 バンジャマン・ペロー(リュート/テオルボ) フロランス・ボルトン(ヴィオール) バンジャマン・ラザール(語り) | ||
流麗に読み上げられてゆく風狂なテクストと、ひっそり繊細な音楽との呼吸があまりに美しい傑作。 エドモン・ド・ロスタンの小説やジェラール・ドパルデュー主演の映画で有名な「鼻男」シラノ・ド・ベルジュラックは、17世紀フランスで活躍した小説家。たくましい想像力で書き上げられた代表作「日月両世界旅行記」(岩波文庫の訳書が発売中)を、稀代の古典劇俳優バンジャマン・ラザールが要所ごと抑揚ゆたかな17世紀発音で朗読、サント・コロンブ師やデュビュイソンなどのフランスものからプレイフォードやカプスベルガーなど諸外国の音楽までを、仏古楽シーンの最先端で活躍するB.ペローとF.ボルトンが、あるときはごく静謐に、あるときはごく雄弁に、次々と織り上げて行く。時に即興をおりまぜ、要所ごとの効果音も彼らが奏で、オーセンティックな朗読の夕べを演出。 MUSICA NUMERIS 出身のエンジニア、アリーヌ・ブロンディオによる教会でのワン・ポイント録音は息をのむほど美しいナチュラルさ。朗読内容の理解を抜きにしてもひたすらエキサイティングな「音の競演」は、まさしくAlpha ならではのエンターテイニングな快作。 | ||
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第4番 ト長調/ ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調「皇帝」 |
アルテュール・ スホーンデルヴルト(Fp;*) アンサンブル・クリストフォリ [コルラード・ボルシ(第1Vn) ヴィルベルト・ ハーゼルゼット(トラヴェルソ) ぺーター・フランケンベルク(Ob) エリック・ホープリチ(Cl) マールテン・ファン・デル・ケルク (ティンパニ)他] | |
ピリオド楽器使用。使用楽器:J.フリッツ製作、1810年頃(*)。 第1、第2ヴァイオリン各1本?総勢20人の「フル・オーケストラ」? この編成にして可能な細やかな表現、この編成とは思えぬ「破壊力」。初演時のオーケストラを再現した、前代未聞の「皇帝」&第4番。 エマール&アーノンクール、アファナーシェフ&スーダン...と毎年のように話題盤が登場する「皇帝」だが、まさか2005年にAlphaが同曲の話題盤を提供しようなどと、誰が考えただろう。この演奏内容に賛同するか頑なに否を唱えるかはともかく、尋常ではないアプローチであることだけは確か。しかもAlphaの企画だけに、ちゃんと確固たる論拠にもとづく解釈なのである。 独奏は同レーベルで「舞曲としてのショパンのピアノ曲」(ALPHA-040)など数枚のアルバムを制作しているオランダきってのフォルテピアノ奏者、A.スホーンデルヴルト。彼のアプローチが単なる「ピリオド楽器でのベートーヴェン協奏曲」と大きく異なるのは、オーケストラの編成がきわめて小さいこと。しかし昨今はやりの「室内楽編成への編曲」ともまた違う。総勢20人のオーケストラの内訳は、なんと「完全2管編成、弦楽器は6名」という前代未聞の編成なのだ! しかもヴィオラとチェロ各2に対し、ヴァイオリンは第1、第2とも1本ずつ。あまりに異例の編成ながら、原文解説によればこれが「皇帝」初演時の編成なのだという。初演会場となったロプコヴィッツ邸の広間の大きさ、その時の来客数から備品である椅子の数まで調べあげ、そこから逆算すると「演奏陣は独奏者を含め21人程度」となるのだそうである。そして当時はこれが何ら不足とはみなされなかったらしい(当時チェルニーも「ピアノ(当時は音も小さいフォルテピアノ)を独奏にとる協奏曲は小さな会場でこそ美しいが、広い劇場ではあまり効果的に響かない」と難色を示したとのこと)。 演奏のユニークさにすんなり溶け込みたい方は「第4番」から、演奏のユニークさにショックを受けたい方は「皇帝」から聴きはじめて頂きたい。「第4番」の静々とした開始部や弦の参入を聴けば、19世紀初頭のピアノ協奏曲がいかに室内楽的なものであったかがよく理解できる。そこから白熱の終楽章へ向けて徐々に盛り上がりをみせるさまは見事なもの。かたや「皇帝」は、総勢20人とは思えぬ冒頭のトゥッティから心をつかまれ、むしろヴァイオリンが独奏者なのではと聴き紛うほど第1ヴァイオリンが魂のこもった音を響かせる。スホーンデルヴルトも負けじと驚くべき力強さで応じるが、これは楽器の制約や特徴を知り尽くしていればこそ。冒頭楽章第2主題の独奏部など静かな箇所とのコントラストも素晴らしい。ティンパニ(18世紀オーケストラやオーケストラ・リベラ・クラシカで活躍する名手ファン・デル・ファルク)とのかけひきもうまく、最終楽章まで始終興奮させられる。 この快演(怪演)が素晴らしい仕上がりをみせた背景として、伴奏オーケストラが何気なく超絶名手ばかりで構成されていることも見逃せない。トラヴェルソにはW.ハーゼルゼット、クラリネットにはホープリッチ、コントラバスにデヴィッド・シンクレア、ティンパニは上述の通り...と「ソリスト級、というかソリストそのもの」の面子が何人も加わっているのだ。その演奏内容の素晴らしさに加え、現在スホーンデルヴルトが勝ち得ている信用のほども覗わせて興味深い。 | ||
ヴィオラ・ダ・ガンバのための作品集 C.P.E.バッハ(1714-1788): ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガート鍵盤のためのソナタ ト短調 Wq.88 / ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ〔第1番 ハ長調 Wq.136 /第2番 ニ長調 Wq.137 〕 カール・フリードリヒ・アーベル(1723-1787):無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバのためのアダージョと後奏曲 フリーデリケ・ホイマン(ガンバ) ディルク・ベルナー(Fp;*) ガエターノ・ナシッロ(バロックVc) | ||
使用楽器:クリストフォリ=フェリーニ1730年作によるコピー(*)。 優美で切ない楽想。たおやかなヴィオラ・ダ・ガンバの響きと典雅なクリストフォリ式フォルテピアノが織りなす美しいソナタ群にアーベルの無伴奏ガンバ作品をくわえた異色盤。 大バッハの次男C.P.E.バッハは、複雑な和声を縦横無尽にあやつって独特の憂愁ただよう繊細な音楽を書く人だが、そうした作風にもっとも端的に合致した楽器がヴィオラ・ダ・ガンバなのではないだろうか? そんなことを感じる堂々たる音楽世界を作り上げているこのソナタ集、ソリストは初期のル・ポエム・アルモニークやスティルス・ファンタスティクスでの活躍、あるいはDHMのガンバ奏者ヒッレ・パールとのタッグなど人知れず着実なキャリア形成をしてきたフリーデリケ・ホイマン。かなり大舞台を踏んできた人なのだが、ソロ盤での登場はかなり珍しいだけに要チェックの注目盤である。 大バッハやヘンデルが亡くなる1750年代からハイドン・モーツァルトが活躍する18世紀後半にかけて、意外にもこの時代の柔和なロココ音楽の感性にしっくりくる音色ゆえか、フランスやイタリアではほぼ絶滅状態だったヴィオラ・ダ・ガンバもドイツやイギリスでは細々と、しかし根強い人気をもって愛されていた。とくに、トラヴェルソを愛好したことで知られるフリードリヒ大王の宮廷ではシャフラートやJ.G.グラウン、そしてC.P.E.バッハらの作曲家が、こぞって素晴らしいソナタを書いている(ACCORDに残されたヴェンツィンガーの名盤以来、CAPRICCIOやNCAなどに名盤多数)。 C.P.E.バッハの三作は、うち2作が通奏低音伴奏、一作が父バッハ流儀のオブリガート鍵盤つき短調ソナタで、疾風怒濤期ならではの不安定な楽想がガンバの美音とともにあれこれ楽しめる作り。ここではホイマンのたおやかで美しい弓さばきに対し、最初期のフォルテピアノであるクリストフォリの楽器をモデルにした銘器で、Alphaではマッテゾンの傑作ソナタ集で活躍をみせたドイツの気鋭奏者ベルナーが小気味の好い伴奏を聴かせてくれている。面白いのは、通奏低音つきソナタにおいてはバロック・チェロが参加している点。新楽器が旧楽器の伴奏をするわけで、音色の微妙な違い(Alphaの秀逸なエンジニアリングがこういうところで生きてくる)のなか、よく聴き分けてみるとこれまた楽しい。 そんな中、C.P.E.バッハの遠い弟クリスティアン・バッハと親交の深かったアーベルの無伴奏作品が良いタイミングで間に入っている。ここでのホイマンの深い呼吸、いかんなき音楽性の発露はため息もの。まさしく、旋律的ガンバを聴くならやはり前古典派ものか...と思い知らされる美しさである。 その聴きやすさ、音楽内容の深さ、外装の美しさゆえ、ヴィオラ・ダ・ガンバってどんな音?という方にもまずおすすめしたい一作だ。 | ||
J.S.バッハ(1685-1750): 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ Vol.1 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番 BWV.1001/ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番 BWV.1002/ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 BWV.1004 エレーヌ・シュミット(バロックVn) | ||
使用楽器:カミッロ・カミッリ製作のオリジナル楽器、18世紀最初頭。ついにALPHAがこの金字塔的名作をリリース――名手シュミットが「静かに・壮大に」織りあげる、無伴奏フーガ、無伴奏シャコンヌ...まずは1枚で二つの重要楽章が聴ける「上巻」から。 続々リリースされるALPHAの強力ラインナップの中でも、編成は最小ながら話題性は一番大きいであろうタイトルが到着。これまでバッハの通奏低音つきソナタ(ALPHA-008)の他、17世紀ヴィーンで活躍したアルベルティーニ(ALPHA-028)やヘンデルの同時代人カルボネッリ(ALPHA-046)といった珍しい作曲家を鮮やかな弓捌きで紹介してきたエレーヌ・シュミットが、豊富な古楽経験のもと満を持して臨んだ金字塔的傑作集「無伴奏」。おそらくは「上巻」となる1枚アイテムながら、たった一本のヴァイオリンで長大なフーガが奏されるソナタ第1番と、有名な「シャコンヌ」を含むパルティータ第2番が両方とも含まれている。渾身の、というよりむしろバロック修辞法を踏まえた、おちついた「語り」のような静謐なシュミットの解釈をじっと聴いていると、いつの間にか、おそろしく緻密なバッハ語法のカテドラルが眼前に現れる思い。何と静かで、何と素晴らしい「無伴奏」だろう。ALPHAきっての天才技師ユーグ・デショーの繊細をきわめる自然録音が、教会内陣の空気をゆらすガット弦の響きを美しく伝える。 | ||
ジャン=マリー・ルクレール(1697-1764):ヴァイオリンのための作品集 トリオによる序曲 イ長調 Op.13 No.3 / ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集第3集 Op.5 より 〔第7番 イ短調/第6番 ハ短調「トンボー」/第4番 変ロ長調〕/ ヴァイオリン協奏曲 ト短調 Op.10 No.6 パトリック・コーエン=アケニヌ(Vn) アンサンブル・レ・フォリー・フランセーズ | ||
|ピリオド楽器使用。名手パトリック・コーエン=アケニヌ、確固たるその音楽性! フランスを代表するヴェテラン中のヴェテランが、フランス・バロック最大の名手が残した色とりどりの様式を描き分ける! エルヴェ・ニケのコンセール・スピリチュエルを中心に、ユーゴ・レーヌのサンフォニー・デュ・マレ、クリストフ・ルセのレ・タラン・リリーク、ウィリアム・クリスティのレザール・フロリサン・・・とフランスを代表する古楽オーケストラのコンサートマスター席を飛び回り、エンリーコ・ガッティとも緊密なタッグを組みながら、1990年代-21世紀初頭のラテン系古楽界に絶大な信頼を勝ち得てきたパトリック・コーエン=アケニヌ。手堅いテクニックに裏づけられた柔軟な音楽性を誇りながら、ソリストとして前面に出るよりは声楽家とのコラボレーション(ALPHAで制作したジャケ・ド・ラ・ゲル(ALPHA-006)やベルニエ(ALPHA-058)のカンタータ集もその一環)やアンサンブリスト・コンサートマスターとしての活躍がめだった彼が、自身のアンサンブル「レ・フォリー・フランセーズ」とともにルクレールのソロ作品集をリリース! フランス後期バロック〜初期古典派時代を代表する多芸な作曲家ルクレール(1697-1764)が手がけたさまざまな楽曲形式の作品が、中期から後期にわたり長調・短調ともにうまく集められており、演奏のクオリティとあいまって、1枚でルクレールの魅力をあますところなく楽しむならこれ!という心強いアルバムに仕上がっている。この魅力尽きせぬ作曲家の至芸を楽しめるアルバムがまた一作加わったことを喜びたい。 収録作品の中心を占めるのは、初期〜後期にわたり4集を出版した「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集」のうち、中期の傑作である第3集からの3曲。コーエン=アケニヌ独特の、手堅い音作りのうちに楽曲構造の本質がしっとり息づくような演奏で、短調作品の切なさと叙情、長調作品の薫り高さがふわりと伝わってくる。通奏低音勢も若手ながら芸も細かく、いちいち快い。冒頭のトリオ版序曲(オペラ「スキュレーとグラウコス」で使われた序曲の編曲)では一糸乱れぬ息の合ったアンサンブルが美しく、最後の協奏曲(こちらは極小編成ではなく、3/3/3/2/1の立派な室内オーケストラ!)での縦横無尽・自由自在な音楽の広がりはアルバムを締めくくるにふさわしい鮮やかな印象を残してくれる。聴きたい作品だけを抜粋してもよし、通して聴いてもよし、MUSICA NUMERIS出身のマニュエル・モイノによる秀逸なエンジニアリングやジャケットの美しさも含め、文句なしに名盤と呼びうる傑作録音。 | ||
ボッケリーニ:チェロのためのソナタと協奏曲 チェロ協奏曲 イ長調 G.475/ チェロと通奏低音のための ソナタ第7番 変ロ長調 G.565/ チェロと通奏低音のためのソナタ ハ長調 G.17/ チェロ協奏曲 ト長調 G.480/ チェロと通奏低音のためのソナタ第6番 イ長調 G.4 |
ブリュノ・コクセ(バロックVc) アンサンブル・ レ・バッス・レユニ [エマニュエル・ジャック (バロックVc/テナーVn) マチュラン・マタレル (バロックVc/テナーVn) リチャード・マイロン(Cb) ルカ・グリエルミ(Cemb) ハビエル・ディアス=ラトル(G)] | |
ピリオド楽器使用。ボッケリーニ歿後200周年にALPHAがおくる問題作。「低音弦だけで伴奏される協奏曲」再現の試み?まで含む、作品の本質を鮮やかに解き明かしてゆくコクセの自在なる大胆解釈。 フランス初のチェロの名手バリエールのソナタ群を集めたあの衝撃的なALPHAデビューアルバム(ALPHA-015)以来、1曲ごとに楽器を替えて録音したバッハ「無伴奏チェロ組曲」(ALPHA-029)、周到なリサーチのもと最初期の低音弦アンサンブルを再現したフレスコバルディのカンツォーナ集(ALPHA-053)・・・と、出すアルバムごとに既存の録音史を覆してきた若きバロック・チェロ奏者ブリュノ・コクセ。楽器の選択や演奏技術史に明るい彼のこと、いつかボッケリーニを手がけるとは思っていたら、この記念すべき歿後200周年にやはりやってくれた――それも意外なほどの演奏内容・プログラム構成の充実度で! 今回はこれまでのアルバムとは異なり、コクセ自身は全曲を通じてバロック・チェロだけを用い、バス・ド・ヴィオロンやチェロ・ピッコロなどへの持ち替えはなし。馴染みの楽器製作者シャルル・リシェが、ボッケリーニ作品の演奏に要求される桁外れの対応力をみたすべく作り上げた「ボッケリーニ・モデル」の素晴らしいバロック・チェロは、常人離れしたコクセの演奏技巧をみごと受け止め、作品にひそむ細やかなニュアンスの変化をきれいに伝えてくれる(今やビルスマだけがボッケリーニのスペシャリストではないのだ)。 しかしこのアルバムの意義はその演奏水準の高さだけではない。ボッケリーニやクレメンティが自作のソロ・ソナタを協奏曲に発展させたり、協奏曲をソナタを直したりしていたことは有名だが、ここでコクセはその実例にならい、ボッケリーニの既存の協奏曲2曲を、チェロ・ソナタを演奏する編成、つまり低音弦だけのアンサンブルで弾けるように翻案し、編成をほとんど拡大することなく同一の面子でソナタと協奏曲の両方を演奏してみせているのだ!基本的にはボッケリーニ自身がソナタを作るときと同じように、冒頭のリピエーノを省いて最初のリトルネッロまでの部分をA、リトルネッロを省略して楽章末尾までをB、というように2部形式に編み変えてソロ部分を弾いているわけだが(作曲者自身による実例もここでは聴ける――グリュッツマッハー編曲で知られる変ロ長調協奏曲と同内容の、G.565のソナタがそれだ)、さらに面白いのは、通奏低音だけでなく、リピエーノ・ヴァイオリンのパートをテナー・ヴァイオリン1本に移し変えて伴奏にあてていること。比較的よく演奏・録音されているG.480の協奏曲で、スリリングな演奏効果にふれていただきたい。 協奏曲以外のソナタでは、低音弦+バロックギターの伴奏が的確な効果をあげている。ヴェテラン勢ぞろいの通奏低音も格別だ。ビルスマやビオンディらによる一連の室内楽録音と肩を並べうる、ボッケリーニ録音史上に残るべき好企画、ぜひご自身の耳でこの魅力を感じ取って欲しい快作。 | ||
12-13世紀の北フランス、 トルヴェール(吟遊詩人)の歌の数々 森の夜鶯が、さえずるのを聞くと/ 愛神が、またもや私を打ち負かし/ 愛神の甘美なる調べは/ 美しく甘美な、愛するわが恋人/ 愛ゆえの憤怒、狂気、絶望が、もし/ 歌を詠もうぞ、それが我が望みゆえ/ やってしまおう、夫が騒ぎ立てるなら/ 愛神についての不平を聞かせようか/ 愛神は、守護者と組み合って戦う/ 愛の傷とわが痛みが、 恋焦がれ嬉しげな歌を歌わせる/ 野に生きる夜鶯、夜となく昼となく/ 苦しみを歌わねばならぬのだから/ 寒さにも、 厳しい冬にも負けず愛の歌を/ 美しきヨランは、彼女の部屋にいて/ わが婦人を喜ばすため、ひとつ/ 天上の婦人よ、あなたの甘き心は/ 五月は来たりぬ、美しき季節よ |
ディアボルス・イン・ムジカ アントワーヌ・ ゲベル(ディレクター) | |
フランス最高の中世音楽集団が世に問う、新しい代表盤!晴朗さの中に切なさが漂う、ただ美しい中世詩人の歌あまりの見事さに、リリース直後から賞を続々獲得中! ALPHA のベストセラーの一つ、デュファイのミサ『私の顔が蒼ざめているのは』(ALPHA-051)のリリースから1年余り――アンサンブル・ジル・バンショワと並ぶフランス最高の中世音楽集団ディアボルス・イン・ムジカが世に問う待望の新譜は、中世音楽の追う道中の王道・トルヴェール(北フランスの吟遊詩人)たちの繊細美麗な歌を集めたアルバムだ。これほど古いジャンルにもかかわらず比較的作例も多く研究も進んでいる分野だけに、彼らフランス随一のグループの本格的な解釈と本場の味わいあふれる演奏で聴けるようになるのは実に素晴らしいこと――そのトラックの数々たるや、まさしく自家薬籠中といった堂々とした自然さに貫かれているのだ。 クレティアン・ド・トロワによる聖杯物語のみならず、ナヴァル王ティボー・ド・シャンパーニュ、コノン・ド・ベテューヌといった名高い吟遊詩人(=貴族)たちの傑作が居並ぶプログラムのなか、明快でわかりやすい旋律線のなかにほんのり切なさの漂う歌をディアボルスの面々ならではの、まっすぐ伸びながら色気を漂わせる美声が歌い上げ、ヴィエル(フィドル)や簡素な中世ハープの素朴にして美しくたおやかな音色がそこに絡む。素直な音楽作りのなかで折々に人の情念のうねりが表面化する、聴き手を惹きつけて離さない魅力的な演奏解釈ゆえか、はじめからかけても、途中のトラックを選んでも、つい「もう1曲」と聴き進めてしまう。 彼らと長い間タッグを組んできた録音技師ジャン=マルク・ラネの入念なマイクセッティングとポストプロダクションによって、すぐそこで演奏されているかのような生々しさ(録音会場となった教会のひやりとした空気まで再現されるかのよう)が体現されているのも、このアルバムの魅力のひとつだろう。その素晴らしさは、2005年末のヨーロッパ・リリース以来、早くも続々与えられているレビュー賞の数々も証明しているとおりだ。 | ||
J.S.バッハ(1685-1750): 平均律クラヴィーア曲集 第1巻 24の前奏曲とフーガ(全曲)/ 前奏曲3曲の異版 [ハ長調 BWV.846/変ホ長調 BWV.853/ 嬰ヘ長調 BWV.858] |
アンドレイ・ヴィエル(P) | |
使用楽器:スタインウェイ。いかにも知的な語り口が醸し出す「静」の音楽、楽器の振動をそのまま伝える自然録音。 ご存知・フランス屈指の古楽レーベルであるALPHAが、突如バッハの「平均律」を、なんとスタインウェイ・ピアノによる演奏でリリース。演奏はルーマニア出身の知性あふれる俊英、アンドレイ・ヴィエル。harmonia mundi france からリリースされていた「ゴルトベルク変奏曲」などでご存じの方もおられるだろう。ピアニストとしては「幻の名手」であるカルロ・ゼッキの教唆を受けたのちモスクワ音楽院でレフ・ナウモフに師事、その活動の多くはルーマニア国内のみだったが、ALPHAが目をつけただけあって、インテリジェンス漂うごく落ち着いた語り口から滲み出るユニークな「静」の音楽はなんとも不思議な魅力に満ちており、24曲、長年にわたってじっくり聴き究めるに値する奥深さを感じさせる。直接音を大事にしたH.デショーの録音も秀逸そのもの。 このアルバムはさらに嬉しいことに、全24曲のうち3曲の「異版」を同時収録。微妙な違いを聴き比べながらバッハの意図に思いをめぐらすことも楽しい。ヴィエル自身が執筆している解説文でも異版をめぐる考察が語られ、鑑賞の知的奥行きをさらに深めてくれる。 | ||
ALPHA-088 廃盤 |
クリストファー・シンプソン(1606頃-1669): ヴァイオル・コンソート作品集(全16曲) |
ソフィー・ワティヨン (ディスカント・ヴァイオル/ バス・ヴァイオル)他 |
F.X.リヒター&モーツァルト:弦楽四重奏作品集 フランツ・クサヴァー・リヒター(1709-1789): 弦楽四重奏曲集 Op.5 より[ハ長調 Op.5 No.1/変ロ長調 Op.5 No.2 /イ長調 Op.5 No.3 〕 モーツァルト(1756-1791): 弦楽四重奏のためのアダージョとフーガ(バッハ「平均律クラヴィーア曲集」第2巻 BWV.878 & 877からの編曲)〔ホ長調 K.405 No.3/ニ短調 K.405 No.4 〕/ 二度カノン ハ長調 K.562c (K.anh.191) リンコントロSQ [パブロ・バレッティ、アマンディーヌ・ベイエ(Vn) パトリシア・ガニョン(Va) ペトル・スカルカ(Vc)] | ||
ピリオド楽器使用。「カフェ・ツィマーマン」の精鋭メンバーが鮮やかに絡み合う。最初期の通奏低音なし四重奏曲は聴き所満載、モーツァルトによるバッハ編曲は古楽器演奏の少ない秘曲!
ALPHAのバッハ協奏曲集などで闊達きわまるソロを聴かせたり、マッテゾンの『誠実なるヴィルトゥオーゾ』全曲盤(ALPHA-035)で呼吸ぴったりのアンサンブルを展開したり――そんな独奏者としても力量あふれる精鋭古楽集団カフェ・ツィマーマンのトップメンバーたちが弦楽四重奏団を結成すると、初期古典派の作品がこんなにもエキサイティングに聴けてしまうのか!と驚かされる新譜が登場――知る人ぞ知るハイドン以前の弦楽四重奏曲の傑作、F.X.リヒターの『作品5』から3曲と、モーツァルトの隠れ名作「アダージョとフーガ」K.405から2曲などからなるアルバムだ。 古典派通ならご存知の通り、F.X.リヒターはJ.スタミツ(シュターミッツ)やホルツバウアーと共に初期マンハイム楽派を代表する作曲家。だがラモーの後任をスタミツが勤めたり、コンセール・スピリチュエルで何度も作品が演奏されたり、とマンハイム楽派とフランスの繋がりは強く、リヒターも後年ストラスブールの楽長になっている。1768年頃、つまり弦楽四重奏曲が世に現れて間もない頃の「作品5」といえば、各パートの自発性を尊重しつつ和声的な調和もとれた過渡期ならではの聴き所満載な傑作曲集だが、単独の録音こそあれ3曲も体系的に聴ける機会はなかった――集めてみて大正解、意外にも長大な楽章が多く、ましてや現代最高の名古楽奏者たちの丁々発止なアンサンブルで聴けば、うっすら切ない初期古典派独特の叙情も美しく響き、作品の美と奥深さを余すところなく堪能できる。こうして新たな名曲を知れるのは何とも贅沢な喜びだ。 これら3曲に挟まれるかたちで収録されているのは、バッハの「平均律」のフーガをモーツァルトが弦楽四重奏のために編曲した異色作。これも意外と名演に恵まれなかった秘曲(ピリオド楽器の録音も初めて?)だけに、ALPHAの自然録音による秀逸なピリオド楽器演奏で聴けるのは感涙ものだ。 | ||
J.S.バッハ(1685-1750): 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ Vol.2 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番 BWV.1003/ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 BWV.1006/ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 BWV.1005 エレーヌ・シュミット(バロックVn) | ||
使用楽器:カミッロ・カミッリ製作のオリジナル楽器、18世紀最初頭。静謐にしてひたすら滋味深いサウンド、独特の修辞解釈によるたしかな音楽運びで注目をさらったエレーヌ・シュミットのバッハ無伴奏、下巻リリースにより全曲完成。有名なガヴォットを含む変ホ長調パルティータ、長大なフーガを含む二つのソナタを収録。 上巻(ALPHA-082)は『レコード芸術』誌2006年2月号で特選となるなど日本でも各方面で大好評。今回は堅固なソナタ2曲に、プレリュードとガヴォットが一般にも有名な変ホ長調のパルティータBWV1006 を収録。折々にかなり遅いテンポで「語りほぐす」ように弾き(2曲のソナタにそれぞれ含まれるフーガは演奏時間が10 分前後に及ぶ)、楽章単位でなく組曲単位でメリハリのきいた呼吸をとりながら、これら傑作の隠れた構造美をそっと明らかにしてゆく解釈は、前作同様ひたすら驚くばかりの奥深さと緻密さに満ちている。 ALPHA最高の技師ユーグ・デショーによる驚異的に自然なエンジニアリングも素晴らしく、それゆえ微妙な「間」や演奏弦の違いでポリフォニー声部を明確にしたりするシュミットの入念な解釈が逐一確かめられる嬉しさ! 解説も前作と同じく、シュミット自身とバッハ研究の大御所ヴォルニーが執筆。前作からの期待を裏切らないばかりか、あらためて前作とあわせ聴き深めたくなること必至の傑作アルバム、代理店も「自信を持ってお奨めします」と太鼓判を押している。 | ||
M=A.シャルパンティエ(1643-1704): 四旬節の瞑想 H.380-389(10篇のプティ・モテ集)/ なんと美味く、なんと筆舌尽くしがたき馳走よ H.270/ 言葉は肉となり H.267/ おお、愛よ、善よ、慈しみよ H.253/復活祭のためのプローズ H.13 他、ニコラ・ド・グリニー(1672-1703)、 ニコラ・ルベーグ(1631-1702)によるオルガン独奏曲(4曲) |
フレデリク・デザンクロ(Org)指揮 アンサンブル・ピエール・ロベール [マルセル・ベークマン、 ロバート・ゲチェル、 ロッベルト・ミュース(独唱) フロランス・ボルトン(Vg) バンジャマン・ペロー(テオルボ) アレクサンドル・サル(Fg)] | |
きわめて抑制された編成で、静謐にうつろいゆく悲哀の美…「エレミア哀歌」にも通じる情感! シャルパンティエの繊細を知り尽くした、ヴェルサイユ・バロック音楽センターの大御所の新名盤! フランス古楽にかけては他の追従を許さぬALPHAから、フランス・バロック最大の作曲家のひとりシャルパンティエの新譜。演奏内容たるや、ただもう「美しい…」と溜息がこぼれるばかり。 「四旬節」とは復活祭(2006年は4月16日)に先立ち、十字架上で死して埋葬されたキリストの死と人類の罪への悔悛に想いを馳せるべし、という節制の期間。最後の3日間(聖週間)にエレミア哀歌による「ルソン・ド・テネブル」が歌われる古楽ファンお馴染みの時期。彼の「ルソン」こそ録音多数あれど、10連作プティ・モテ集「四旬節の瞑想」は滅多に録音されない秘曲で(片鱗はニケのGlossa版などで聴けた)、本格的な全曲録音はおそらく初めて。これが“偉大なる世紀”の声楽作品を手がければ必ず名盤を生むデザンクロの解釈で聴けるとは。 CDをスタートさせてすぐ、オルガンの美音とともに鬼才技師H.デショーが収めた哀しくも美しい教会内陣の空気の震えが聞こえ出した時点で期待感は高まる。あとは微妙な和声の推移のなか、ベークマン、ゲチェル、ミューズのお馴染み三人が、ひたすら繊細な静謐感を保ちつつ清らかさのなかに一筋の色香をただよわせ、美声をゆっくりと、そして緻密に絡み合わせて行く。オルガン独奏の清々しさと相俟って、何と好い音楽に出会ったかと感涙しきりの傑作盤。 | ||
コーエン=アケニヌ〜小編成楽曲としてのアプローチによるモーツァルト セレナード第6番 ハ長調 K.239「セレナータ・ノットゥルナ」/ ディヴェルティメント第15番 変ホ長調 K.287「ロドロンの夜会 II 」/ セレナード第13番 ト長調 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 パトリック・コーエン=アケニヌ(Vn)指揮 アンサンブル「レ・フォリー・フランセーズ」 | ||
ピリオド楽器使用。「アイネ・クライネ〜」リリースラッシュの本命、ALPHA からの超・充実名演登場! 誰もが知っている3傑作(K.287 はピリオド楽器初録音?)、解釈も音楽性も比類なき仕上がり!! もしや主宰者が嫌いなのでは? とさえ思われるくらいモーツァルトを発売してこなかったALPHAから、歴 史的録音(ALPHA-800)、リヒター作とのカップリング(ALPHA-089)と堰を切ったように連発されはじめたモーツァルト、その大本命がついに登場! 最近作のルクレール作品集(ALPHA-083)が爆発的人気を呼んでいるフランスの大御所、コーエン=アケニヌ率いるレ・フォリー・フランセーズが、引き締まった小編成で聴かせる喜遊曲集。「アイネ・クライネ〜」と「ロドロンの夜会II」K.287は各パート一人の室内楽編成、「セレナータ・ノットゥルナ」はソリスト4人+ティンパニ+小編成弦楽オーケストラ。「セレナータ・ノットゥルナ」では「アンサンブルによるカデンツァ」が書き下ろされ(これがまた絶品!)、各ソリストがみせる暴れすぎないオトナな遊び心がなんとも妖艶。「アイネ・クライネ〜」ではその路線がさらに追求され、まさに高雅なる夜会といった艶やかさのなか、緩急あざやかでコントラスト豊かな音楽が描き上げられて行く。NHK-FM の番組テーマ曲などでおなじみの大作ディヴェルティメントK.287は、これほどの有名曲なのにピリオド楽器録音はおそらくこれが初めて。腕前確かな名手たちが各パート一人づつ、の、これほど見事な録音によってピリオド楽器演奏の先鞭が切られるとは、なんとめでたい話。1パート1人の弦楽器奏者はもちろんのこと、2人のナチュラルホルン奏者も立派すぎるほど立派な吹きっぷりで、その吹奏の困難さを知らない人も、そのニュアンスの妙味に必ずや魅了されるはず。「Nachtmusik…」の原題のもとジャケットにフラゴナールの名高い逢引画「かんぬき」が使われているのも納得の、優雅にして少しあやうげな「フランス式オトナの夜会」、まず外せない重要盤。 | ||
J.S.バッハ: 平均律クラヴィーア曲集第2巻 (24のプレリュードとフーガ;全曲) |
アンドレイ・ヴィエル(P) | |
人気浸透中の『第1巻』に続き、早くも『第2巻』が。さらなる深みと妙味、透明な美と玄妙なリズム感、現代ピアノと現代思想、ユニークな“旧約”解釈。 ここ10年ほどはフランスに居を移して活躍しているルーマニアの現代派ピアニスト、アンドレイ・ヴィエルは、ルーマニア20世紀を代表する作曲家のひとりアレクセイ・ヴィエルの息子だ。2005年末、Alphaとしては初の試みともいえる「現代楽器(スタインウェイ・ピアノ)によるバッハ」として『平均律クラヴィーア曲集』第1巻のアルバムを発表、大胆なテンポ設定や同一曲の別トラック収録、自ら書き下ろした哲学的な解説文などといった注目要素満載で同レーベルのラインナップに新風をもたらしてくれたわけだが、ここに早くも『第2巻』が登場! 今回は“別ヴァージョン”がないにもかかわらず、全体でCD3枚にわたる異例の長大さ。このあたりからもヴィエルの非凡ぶりが窺えようというものだ――繰り返しのあるところはまず必ず繰り返す(前半も後半も)のもそうだが、前回の『第1巻』同様、遅くするときはおそろしく遅く引き伸ばして、それでもまったく音楽が間延びしない(静かな緊張感にドキドキしながら聴いてしまう)あたりはぜひ実際に聴き極めてひただきたいところ。作品の充実度で言えば『第2巻』のほうが上だろうから、『第1巻』でヴィエルの世界にハマった方々はもちろん、新しいファンもむしろこちらから聴いた方がヴィエルの周到さを端的に実感できるかも。 3枚用の分厚いパッケージにはヴェネツィア派初期の巨匠アントネッロ・ダ・メッシーナが描いた青衣が美しく映え、作品内容の深さと重みを際立たせてくれる。 | ||
見える笛、見えない笛 〜フランス初期印象派音楽をピリオド楽器で クロード・ドビュッシー(1862-1918): 六つの古代碑銘(*)/パンの笛(*/#)/ 髪の毛(+/*)/半羊神(**/*)/ナイアードたちの墓(+/*)/ シュランクス(#) アンドレ・カプレ(1878-1925): 小さなワルツ(*/#)/夢(*/#)/ ほら、見えない笛が(**/*)/聴け、わが心(+/*) アルベール・ルーセル(1869-1937): パンの歌(*/#)/夜鶯、いとしいおまえ(**/#)/ 天よ、大気よ、風よ(**/#) カミーユ・サン=サーンス(1835-1921): 見えない笛(**/*/#)/ほら!(二重唱) ガブリエル・ピエルネ(1863-1937):三つの小唄(+/*) バンジャマン・ゴダール(1849-95):ほら!(**/*) |
アルテュール・スホーンデルヴルト(P;*) ジル・ド・タルエ(Fl;#) サンドリーヌ・ピオ(S;+) エルヴェ・ラミ(T;**) | |
使用楽器:エラール(*)/ベーム式(#)。これを聴かずして、ドビュッシーは語れない!? 作曲当時のフルートとフランス製ピアノで印象派の色彩感を描き出す、しかも独唱はサンドリーヌ・ピオ。 「ああ無情(レ・ミゼラブル)」の文豪ユゴーの詩に「目には見えない笛」という一節のある詩があって、これに19世紀後半の作曲家たちが過剰反応、無数のフランス歌曲が生まれた。本盤はそんなユゴー原詩の歌曲群を出発点に、19世紀後半ようやくフランスに膾炙しはじめたベーム式キィ付フルートと、1907年製エラール・ピアノを用いて、フルートを交えた19世紀後半〜初期印象派時代のフランス音楽を集めた好企画盤だ。プログラムの核になっているのはドビュッシーの「六つの古代碑銘」、何しろ全体をまとめるピアニストは「プレイエル・ピアノによる舞曲としてのショパン作品」や「試演時編成による『皇帝』」などで話題を呼んだ俊英フォルテピアノ奏者スホーンデルヴルト、彼が独特のピリオド的解釈でドビュッシーを、しかもエラールで弾くというからたまらない。さらに無伴奏フルートの超名曲「シュランクス」が世紀末式のベーム式フルートで聴けるなんて…フランス音楽ファン垂涎のカプレやルーセルによるフルートを伴う作品群も、もちろんこうした旧式フルートで、繊細な音色の移ろいそのままに甦るのだ。印象派音楽の真の色彩感を知りたければ、これはもう必聴ではないか。 それだけにとどまらない。歌のトラックに目を向けてみれば、レザール・フロリサンの合唱にいた頃も今は昔、いかにも個性的な歌い口でフランス歌手勢の最先端をゆくサンドリーヌ・ピオ(!!)が歌曲の半分を担当していたり。ただでさえ聴く機会のないピエルネや「ジョスラン」の作者ゴダールなどの歌曲の収録もただただ嬉しい限り。サロン音楽会仕立てのプログラムで、世紀末〜印象派音楽の「ほんとうの姿」を隅々まで愉しめる傑作盤なのだった。 | ||
エリック・ル・サージュ〜シューマン:ピアノ作品集 蝶々Op.2/ダヴィッド同盟舞曲集Op.6/ 6つのインテルメッツォOp.4 |
エリック・ル・サージュ(P) | |
録音:2005年8月、ラ・ショー=ド=フォン、スイス|使用楽器:スタインウェイ。フランスの薫り高きレ・ヴァン・フランセのピアニストが、突如Alpha に登場。RCAの2枚組に続くシュ-マン、見過ごされがちな初期の3傑作が、こんなに美しく蘇る! 2006年に入り、秀逸“古楽”レーベルというイメージの殻を脱するかのような動きをみせつつあるAlphaから、なんと今度はエリック・ル・サージュが登場! エマニュエル・パユやポール・メイエらの管楽五重奏団レ・ヴァン・フランセ来日公演でエスプリ漂うピアニズムを披露した彼が弾くのは、かつてRCA で見事な2枚組も制作している得意のシューマン。Alpha に登場するからにはピアノもエラールかプレイエルか、と思いきや堂々モダンのスタインウェイ・グランド。だが曲目がいかにもAlpha らしい。初期の重要作中では見過ごされがちな?「ダヴィッド同盟舞曲集」を中心に、隠れファンの多そうな「蝶々」、滅多に録音の出ないインルメッツォOp.4の全曲をあわせ、解説によれば「仏・独・伊、と3ヵ国語それぞれのタイトルによる初期作品集」に仕立てている。あの長大な「謝肉祭」に先立つ性格的小品集であり、シューマンの芸術家自意識の萌芽がみられる作品集として非常に重要な「ダヴィッド同盟〜」が、後に妻となる芸術的理解者クララ・ヴィークとのかかわりの中で生まれた2作品集の間に配されることで、作品の意義がよりわかりやすく伝わるという細かな配慮にも、このレーベルならではの一貫性が垣間見える。ヴェテラン技師J=M.レネの周到で自然なエンジニアリングにより、このピアニストならではの隅々までエスプリただようタッチの味わいが、まるでそこで弾かれているかのように伝わってくるのも嬉しいところ。2006年、歿後150周年の半ばを飾る秀逸なピアノ・アルバム。 | ||
アントニア・ベンボ、太陽王時代のイタリア人女性作曲家 アントニア・ベンボ(1640頃-1710頃): イタリア語カンタータ「クリツィア、太陽に恋した女」/アリア「お願い、どうか私を憐れんで」/ アリア「そむけて頂きたい、バジリスクのような眼差しを」/アリア「私の苦しみが、愛の法律ゆえならば」/ アリア「ありがたいことに、何もぼくひとりが」/聖母の嘆き「全能の父から生まれたる、唯一の子が」/ アリア「裏切り者の性根だな」/アリア「素早く過ぎるのが時間というもので」/アリア「麗しき海の精」/ フランス語によるエール「ああ、離れているのは何と辛い」/アリア「もうたくさんだ!」 ロベール・ド・ヴィゼー(1655-1732/33):テオルボ独奏のための小品〔プレリュードとシルヴァン/トンボー〕 ジュゼッペ・マリア・ヤッキーニ(1667-1727):チェロと通奏低音のためのソナタ エリザベート・ジャケ・ド・ラ・ゲル(1665-1729):シャコンヌ(クラヴサン独奏のための) コンヴォーチェ・ケルン [マリア・ヨナス(S) ベルンハルト・ヘントリヒ(Vc) ステファン・ラート(キタローネ/テオルボ) マルクス・メルクル(Cemb)] | ||
ピリオド楽器使用。イタリア趣味とフランス様式のせめぎあい、ルイ14世時代、フランスで活躍を続けた知られざるイタリア女性、たおやかなバロック情緒! ご存知の通り、ルイ14世時代のフランス音楽界はリュリの専横もあって“フランス古典様式 "と呼ばれる独特のスタイル(シャルパンティエやカンプラ、リュリ、デュモンなどのそれ)が支配的だったわけだが、実は世紀中旬にローマ教皇庁から来た宰相マザラン(マザリーノ)が、かなりの数のイタリア人音楽家を引き連れてきてオペラなどのイタリア最新流行音楽をもたらしていた。アントニア・ベンボはその次世代に属する“フランスのイタリア人作曲家 "で、ヴェネツィアに生まれ、夫の暴力に耐えかねて(おそらくは撥弦楽器の巨匠コルベッタの計らいで)フランス宮廷に逃げてきた人。活動期はリュリの生前と歿後にまたがっているが、イタリア語を歌詞にしつつも作品はどれもフランス古典様式の好みをかなり積極的に受け入れている感じ。イタリア女性作曲家といえばバルバラ・ストロッツィが有名だが、彼女の作品にもストロッツィ調のパッションが渦めいていて、編成・規模とも小さなスケールのアリアの数々はなかなかの聴き応え。あわせて収録されたイタリアとフランスの器楽小品群が、バロック中〜後期ならではの「雰囲気」をさらに盛り上げる(ド・ヴィゼーのテオルボ作品はかなり秀逸!)。意外に見過ごされがちな「フランスの中の本場物的イタリア」という世界を垣間見せてくれる、Alphaらしい興味深い企画! | ||
旅行手帖のように〜 シャルル・テシエと1600年前後のヨーロッパ音楽 |
ル・ポエム・アルモニーク | |
シューベルト:冬の旅 | ハンス=イェルク・マンメル(T) アルテュール・ スホーンデルヴルト(Fp) | |
パリよ、パリのみぞ素晴しけれ〜ノートルダム楽派の音楽 1170-1240 3声のオルガヌム「わたしたちは神を祝福する」(ベネディカムス・ドミノ)/ 4声のコンドゥクトゥス「人間をあわれむ神」(デウス・ミゼルトゥス)/ 2声のコンドゥクトゥス「我らの心を高めよ」(スルスム・コルダ)/ 3声のオルガヌム「彼は天から下りぬ」(デシェンディト・デ・セリス)/ 4声のコンドゥクトゥス「傾きかかった現世」(ムンドゥス・ヴェルジェンス)/ 単声のコンドゥクトゥス「むかし、ヘラクレスの偉業が」(オリム・スドル・ヘルクリス)/ 3声のコンドゥクトゥス「まことの花の姿を借りて」(ヴェリ・フロリス・スブ・フィグラ)/ 3声のコンドゥクトゥス「神は自然を秩序だてた」(ナトゥラス・デウス・レグリス)/ 3声のコンドゥクトゥス「おお、マリア、処女なる名誉の花」(オ・マリア・ヴィルジネイ) ディアボルス・イン・ムジカ(中世声楽集団) | ||
あまりにも堂に入った、まったく完璧なア・カペラ! ディアボルスの実力を完膚なきまでに印象づける、あらゆる既存名盤をしのぎうる秀逸すぎるアルバム! デュファイの名作ミサ「わたしの顔が蒼ざめているのは」がフランス随一のディスクレビュー誌「DIAPASON」にて「2004年最高のアルバム」に輝いただけでなく、出すアルバムは軒並み高い評価ばかりを得ているフランス最高の中世音楽アンサンブル、ディアボルス・イン・ムジカ。彼らがこれまでALPHAでノートルダム楽派もののアルバムを制作していなかったのは意外といえば意外なわけだが(1998年に Studio SM で制作したものがあったが長らく廃盤のまま)、結果的に“待望の1枚 "となったこのディアボルス初のノートルダム楽派作品集、待っただけのことはある恐ろしいまでに素晴しい一作に仕上がっているから嬉しい限り! 収録曲はほんの2〜4分の比較的小規模な作品から10分以上の大作までさまざま。ノートルダム楽派独特の長ーく引き伸ばされたメリスマは、肉感ある温もりと整然性が不思議に併存するこのアンサンブルの各員ならではの美声によって、あまりにも官能的に、あまりにも厳然たる魅力で響きわたる! 時間の感覚を狂わされるような、あのノートルダム楽派作品ならではの不思議な音響感覚をぞんぶんに楽しみたければ、まず何をおいてもこのアルバムを勧めたい! と強く思うこと必至の傑作なのである(フランスでもリリースはつい最近なのに、もう「ル・モンド」紙の音楽雑誌が早々に他をさしおいて最高賞「CHOC!」を捧げたほど)! 半ば専属の技師J-M.レネの周到な録音で、きわめて自然な人声ア・カペラの魅力が存分に味わえる。 | ||
今週は神秘的に〜仏17世紀初頭、ルイ13世時代のエール・ド・クールとパロディ宗教歌曲集 P.フィリップス:信仰とは何か? / ムリニエ:死の床にありて ゲドロン:パリの小さな橋の上/主はわが炎/ダンスのステップを教わりたいなら/ さあカロンよ、地獄の渡し守よ/祝福あれ、神よ、わが魂 ボエセー:おお、現世の幸せなど/奇怪な絵を描く画家はまっぴら/ わが命の炎はどこへ/流れ出よ、血の涙/流れ出よ、血の涙 ガストルディ:おまえを愛する奴は死ぬぞ/ああ、幸せな夜が来た マルコ・オルヴァ(B)指揮アンサンブル・ファエンツァ マッシモ・モスカルド、エリック・ベロク(リュート、バロックG/他) ロバート・ゲチェル(CT)他 | ||
フランス古楽は ALPHA ということを再認識させられる強烈に充実した企画盤が登場! 撥弦の美音と説得力あふれる歌声が、古えの息吹きを息づかせる。 フランス17世紀、“リュリ以前 "、といえば400年近く昔だから、世の人々も音楽家もおどろくほどキリスト教的意識にしばられて生きていた。そんなわけでこのアルバム、ゲドロンとボエセーというエール・ド・クールの巨匠ふたりの作品を中心に、宗教的エールを交えつつ、意外な瞬間に朗読まで織り交ぜて、有機的な連関をもったプログラムに仕立てあげている。神への畏怖までオーセンティックに説得力をもって響いてくる迫真ぶりを演出しきってみせた総指揮者は“歌いながら(&弾きながら)語る "のパイオニア的存在マルコ・オルヴァ! 語りほぐしてゆくような地声そのままの歌い口でカッチーニ解釈に新境地を聴かせた、あの「カッチーニの庭園」(ALPHA-043)をはるかに凌ぐ、母語で歌う者ならではの説得力がここにある! リュート伴奏のコアな古楽ものが好きなユーザーにはたまらない味わいだ。 オルヴァのしっかりした哲学に共鳴するかのごとく、ドミニク・ヴィスやヴァンサン・デュメストルらの信頼も厚いエリック・ベロク&マッシモ・モスカルドという“歌の伴奏を知り尽くした "ピリオド撥弦楽器の超絶名手が名を連ねている。オルヴァ以外の歌い手も、ALPHAの常連でヴェルサイユ・バロック音楽センター期待の星であるカウンターテナーのロバート・ゲチェルが堂々クレジットされていたり、よどみなく表現力ゆたかなゲチェルの歌が、何と見事にプログラムのダイナミズムを受け止めていることか! ALPHAでフランス古楽を…というときの、ル・ポエム・アルモニーク以外の面子の層の厚さをいやがおうにも実感する、強烈な充実アルバム! | ||
フランス世紀末における東洋趣味 〜マスネ、フランクの協奏的作品集 セザール・フランク(1822-90): 交響的変奏曲/交響詩「レ・ジン(魔神たち)」 ジュール・マスネ(1845-1924): ピアノ協奏曲 変ロ長調(1900) |
イディル・ビレット(P) アラン・パリス指揮 ビルケントso. | |
ALPHAにしては意外な?と思いきや、周到な企画はいかにもALPHA。フランス世紀末の東洋趣味をみごとに解釈、トルコきっての名手たちの面目躍如! 「ALPHAからイディル・ビレット?」と、レーベルからのリリースinfoを最初に見た時、国内代理店も頭をひねったという1枚。しかしよく見てみれば、これはまさにピエール・ロティの時代の、いかにもフランス人たちが東洋好きだった頃の芸術音楽作品にひそむ、時として意外な東洋的側面をえぐりだすALPHAならではの企画盤だった。独奏者は、あのNAXOSでのショパン全集で名を広めたトルコ随一の実力派! ここに18カ国からの俊英を集めてアンカラで結成されたビルケントso.が対峙し、丁々発止と鮮烈な対話をくり広げてみせる。 演奏時間ではディスクの半分を占めるマスネのピアノ協奏曲は、かつてチッコリーニ独奏のEMI盤で愛聴されていた方もおられるのでは。いい意味でマスネらしい、旋律美や展開の面白さと構築感が相半ばする聴きごたえある充実作で、ビレットならではのゴツゴツと不思議な持ち味あるピアニズムが意外にもハマって、緩急みごとな伸縮をみせるオーケストラの妙技とあいまって、つい引き込まれてしまう! 一方フランクの「レ・ジン」や交響的変奏曲も、わりとおとなしい冒頭部に油断していると徐々に音楽のメが詰まってきて、いつしか真剣に聴いていたり。クセになるサウンドだ。 ALPHAユーザーの古楽ファンも、原文解説に掲載されたユーゴーの「レ・ジン」の“菱形 "などを目にすれば、意外な側面からロマン派方面の芸術に興味が湧くのでは…などとも思う、ALPHAらしい充実企画、ぜひ広く聴かれてほしい! | ||
デュロゾワール、幻のヴィルトゥオーゾ=作曲家 〜ヴァイオリンとピアノのための作品全集 リュシアン・デュロゾワール(1878〜1955): ピアノとヴァイオリンのためのソナタ(1921) 青い雛(1927)/夢(1925)/夜想曲(1950)/伝説(1923) 五つの水彩画(1920)/もの哀しき歌(1950) 聖母マリアへの祈り(1949)/リュシアン・デュロゾワールの肉声、 1950年(詩「ブルターニュ」朗読) |
ジュヌヴィエーヴ・ロランソー(Vn) ロレーヌ・ド・ラチュルド(P) | |
新生Alphaの面目躍如、フランス人さえ知らなかったマレシャルの盟友、カプレの弟子たる隠遁芸術家!ガラス細工か銀細工か、繊細きわまるフランス音楽。 2005年、パリのタランディエという出版社が「大戦中の二人の音楽家」という題のもと、あのフランス随一の名手モーリス・マレシャルと、それまで全く知られていなかったリュシアン・デュロゾワールなるヴァイオリニストの2人について扱った本を刊行した。聞けばこのデュロゾワールなる人物、第一次大戦前まではブラームスやゲーゼ(!)のヴァイオリン協奏曲をパリ初演したり、かと思えばドイツに渡ってヨアヒムに弟子入りしたり、独仏をまたにかけた活躍を誇った名手だったという。しかしドイツ語圏に明るかったのが災いして大戦中にヴィルトゥオーゾとしての躍進を阻まれ、演奏家としての活動ができなくなってしまい忘却の縁へと追いやられた…だが音楽への情熱やみがたく、トゥルヌミル門下で対位法の勉強をはじめ、従軍中もカプレにこっそり伝書鳩小屋で音楽理論の課題をみてもらうなど、人知れず作曲家として研鑽を積んでいた。だが世に理解されるつもりもなく、全く作品を発表しなかったから、こうして再発見されるにいたるまで誰もその音楽を知らなかった。して、その内容は?! その美しさたるや言葉を失うほど、まさにAlphaの面目躍如なのである!無調的空間のなか行方も知れずたゆたう、ヴァイオリンの細くしなやかな音の、なんと美しく響くこと! 小品でのサティめいたあざとさ、長大なソナタでの繊細なピアノ・パートの音の連なり…素朴派画家アンリ・ルソーの世界にも通じそうな、ドビュッシーも顔負けの詩情をたたえた、ほんとうに美しい音世界がここにある。構築感、音色、互いに無頓着そうで実はきわめて緊密に結びついたアンサンブル…演奏そのものも全く文句なし。フランス音楽好きなら、これを聴き逃しては一生の損! | ||
チェコ国民楽派のオルガンの巨匠〜ヨセフ・クリチカ(1855-1937): 聖ヴェンツェスラスのコラールによる演奏会用幻想曲/演奏会用幻想曲 嬰ヘ短調/ ハルモニウムのための「伝説」(オルガン編曲:M.エステレ=ブラン)/演奏会用幻想曲 ハ短調 ミシェル・エステレ=ブラン(Org) | ||
使用楽器:パリ、聖ジョゼフ=デ=ナシオン教会のシュトルツ・オルガン。これも意外な?チェコ国民楽派の知られざる名匠「リスト・オルガン作品集」に続くALPHAのオルガン盤。ピリオド楽器と優秀録音で知る、鮮やかな音楽世界! 品番100以降めだって増えてきたALPHAの近代音楽盤だが、企画性の高さが群を抜いているのが、相変わらずこのレーベルらしいところ。チェコ国民楽派のオルガン作品というとかなり異色のようにも思えるが、考えてみれば古楽アルバムならフランス盤で南米音楽が出ようが、イギリス盤でイタリア音楽が出ようが珍しくはないのだから、周到な企画と同時代の楽器を準備してALPHAがこうしたアルバムを世に問うのもあながち不自然ではないのでは。 さて、クリチカはドヴォルザークやスメタナより20年ほど年下、ヤナーチェクやフィビヒとほぼ同世代のチェコ人作曲家。ヤナーチェクと同じく異才スクヘルスキーの教えを受けた作風は時としてかなり大胆、リスト後期やブルックナーを思わせる意外な和声展開とリズム構成がじつに魅力的な作風だ(時に民謡旋律をあしらいながら、フィビヒめいた美を感じさせることも)。 奏者エステレ=ブランはリテーズとコシュローに師事した生粋のフランス楽派ながら、昔からクリチカの音楽にふかく惚れ込み、楽譜校訂も手がけたという。今回使われたパリのオルガンも、実はプラハ・ルドルフィヌムにあったロマンティック楽器と非常に近い形なのだそうで、演奏の確かさ・細やかさとともに演奏者の入れ込みようがひしひしと伝わってくる仕上がりになっている。温もりと逞しさが相半ばする歴史的楽器の美音は、的確な音栓操作で何倍にも味わいを増すかのよう! ちなみにジャケット絵画はミュシャのチェコ時代の歴史画。フランスとチェコ、案外相性が良いのかも? | ||
ディエゴ・オルティス(1756-1791): ナポリの晩課 〜「第1曲集」(1565)より/ 「麗しの聖母マリアのための晩課」(1565) |
マルコ・メンコボーニ指揮 アンサンブル・ カンタール・ロンターノ | |
ピリオド楽器使用。マルコ・メンコボーニ、突如Alphaに現る! 周到なDSD録音で、きわめてヴィヴィッドに空間に刻み付けられてゆく音楽は、なんとあのヴィオラ・ダ・ガンバ変奏曲の天才、オルティスの、きわめて珍しい教会音楽作品! E Lucevan le Stelle レーベル主宰者でチェンバロ奏者、音楽祭主宰者にして古楽学者、そのうえ指揮者までつとめる“現代イタリアのルネサンス人 "マルコ・メンコボーニが、なんとAlphaレーベルの新譜にメイン・ミュージシャンとして登場! しかも演目はなんと「変奏論」の作者、これまでサヴァール御代の名演群をはじめ殆ど器楽作品しか聴けなかったスペインの巨匠ディエゴ・オルティスの、きわめて貴重な教会音楽の大作というからたまらない。 当時のナポリ宮廷のために作曲したという「晩課」には、4声から7声までヴァリエーション豊かな編成による、厳格対位法芸術の爛熟期を象徴するような聴き応えあるモテットの連続!ディスクをかけたとたん、いともみずみずしく力強い古楽合唱が空間いっぱいに広がる。四つの合唱+古楽金管群+ガンバ群と六つの演奏体が、歌い交わし、戦い合い、協和しあうポリフォニーの饗宴!ちなみに今回はSACDハイブリッド、ラルペッジャータの「ラ・タランテッラ」以来のAlpha版DSDで、みずみずしい音の洪水に心ゆくまで身をうずめていただきたいもの! | ||
ALPHA-109 廃盤 |
ヨーハン・ハインリヒ・シュメルツァー(1622頃-80): (特記なしはヴァイオリン&通奏低音) ソナタ イ短調/チャコーナ イ長調/ソナタ 変ロ長調/チェンバロ独奏のためのトッカータ(W.エプナー作曲)/ ソナタ ニ長調/無伴奏ヴァイオリンのためのジグ「胡椒のミル」/ ソナティナ(ソナチネ) ト短調/テオルボ独奏のための第2ソナタ/ソナタ ハ短調 エレーヌ・シュミット(バロックVn) ヤン・クリゴフスキー(Vc) シュテファン・ラート(テオルボ) イェルク=アンドレアス・ベッティヒャー(クラヴィオルガヌム) | |
シューマン:ピアノのための作品集2 〜クララのために・その2 ソナタと即興 ローベルト・シューマン(1810-1856): ピアノ・ソナタ第1番 嬰ヘ短調 Op.11「大ソナタ」/ 幻想曲 ハ長調 Op.17/ クララ・ヴィークのロマンスによる即興曲集 Op.5 |
エリック・ルサージュ(P) | |
名手ル・サージュによる第2弾。 古楽メインの秀逸レーベルAlphaから、エリック・ル・サージュが「モダーンのスタインウェイで」いきなりシューマンのピアノ作品全集をリリースしはじめたのが2006年初夏。あれから一年と少し経って、ようやく第2弾がお目見え。今回も、本当に稀少な秘曲がひとつ。まだ10代前半だったクララ・ヴィークに献呈されたピアノ曲「ロマンス」作品3に対する返歌として、その主題を用いて変奏曲仕立ての即興曲集に仕上げられた「作品5」まで、ル・サージュの確たるピアニズムで聴けるとは! やがてはジャン=ギァン・ケラスやクリストフ・コワンを交えての室内楽、さらには管弦楽「つきの」協奏曲群まで登場する予定…と聴き捨てならない情報も入っている本シリーズ、すでにして注目度絶大! #当初、ピアノ・ソナタ第3番が含まれているとしておりましたが、レーベルの案内ミスで、上記曲目(その代わりに幻想曲Op.17)が正しい物です。 | ||
ヨーハン・バプティスト・シュトゥック、 通称バティスタン(1680-1751): カンタータ「待ちきれなくて」 マシッティ:トリオ・ソナタ第11番 バティスタン:カンタータ「嫉妬深いマルス」 デュヴァル: ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ 「エラクリートとデモクリート」 バティスタン: カンタータ「エラクリートとデモクリート」 |
アンサンブル・リュネジアン ジャン=フランソワ・ ノヴェリ、 アルノー・マルゾラティ(歌) | |
ピリオド楽器使用。イタリア生まれのオーストリー系作曲家、パリでひたすら人気を博す! ル・ポエム・アルモニークの名歌手ふたりを交え、あざやかな腕前を披露する古楽奏者たち ベルトラン・キュイエの粒立ちよいクラヴサンの上で、交錯するイタリアとフランスの様式美! Alpha待望のフランスもの、それも18世紀前半のカンタータ作家として外せない存在なのに録音がほとんどなかったバティスタンの作品集とあっては、もう注目するほかはない。しかも歌い手はル・ポエム・アルモニークの中低音を支えるターユ(高音テノール)のノヴェリにバ・ターユ(Br)のマルゾラティとは嬉しい限り。とくにマルゾラティは古楽のみならずコスマのシャンソンまでこなす多芸な才人、性格的な表現はもうお手のもの! ヴァイオリンを操る女性奏者ふたりも無名と思いきやえらくウマく、どんどん曲に釣り込まれる。久方ぶりのAlphaフランス・バロックもの、これは必聴!! バティスタンは本名をシュトゥックというオーストリー系の人で、生まれたのはイタリア、トスカーナの港町リヴォルノ。まずはチェロ奏者としてナポリで活躍、アルビノーニのオペラに加筆するなどイタリアの音楽界にどっぷり染まったあと、太陽王ルイ14世の治世末期にパリへと移住。フォルクレ(子)の擁護者として知られるオルレアン公フィリップの肝煎りでカンタータ集を出版したりフランス語オペラを上演したり、時にはイタリアに戻ってオペラを書いたり、またチェロ奏者としてもパリの聴衆を魅了した。本盤収録のカンタータも、フランス様式にイタリア風の風采が折々入り混じる注目作。クレランボーやカンプラとは一味違った面白さがある(ミンコフスキのカンタータ集に入っている1曲では、魅力は片鱗だけしか見えてなかったのか!と納得)。タイアップされているのは同じくイタリア出身のマシッティ、ないしフランス生粋ながら親イタリア的なる音楽家デュヴァルのヴァイオリン・ソナタ(これがまた極上トラックの連続)、まさに両様式の交錯をしっかり楽しめる。 | ||
フランスの無伴奏合唱と温故知新 ジャン=イヴ・ダニエル=ルシュル(1908-2002): 七つの雅歌〜12声部の無伴奏混声合唱のための オリヴィエ・メシアン(1908-92): 五つのルシャン(返歌) 〜12声部の無伴奏混声合唱のための アンドレ・ジョリヴェ(1905-74): 婚礼の歌〜12声部の声楽オーケストラのための |
セクェンツァ 9.3 (声楽アンサンブル) | |
シャガールの油彩をあしらった美麗ジャケットのなかに、第二次大戦後のパリで活躍した3巨匠の教会音楽を集めているのだが、現代音楽的とっつきにくさとはまず無縁、誰が聴いても魅了されずにはおれない清らかなア・カペラ合唱の連続。いってみれば“モダーンデザインの教会にかけられた、現代最先端のデザイナーの手がけた美しいステンドグラス "といった感じだろうか。 20世紀初頭〜中盤のフランスといえば、ロマン派以来の調性音楽とは違う、中世音楽や民謡などの“旋法 "をうまく使った音楽が流行していた頃。ここに収められているのも、クラスターとかセルの連続とかノイズとかいったキツい要素はなく、確かに20世紀の合唱曲ならではの書法もあれこれ盛り込まれているが(たとえばオノマトペの多用、ダイナミックなヴォカリーズなど)、どれもあくまで“美に奉仕する "という目的で使われている。もうひとつのポイントは「12声」。どの曲も12人の歌い手をどう組み合わせ、どう絡ませるか、という点が追求され、ジョリヴェ作品にいたっては「12声の声楽オーケストラのための」と、明らかに音響面を意識して書かれている。演奏陣は、フランスの ACCORD や Sychiphe などでエスケシュやJ.アランの名盤を続出してきた、現代ものを幅広くこなすフランスの超・精鋭集団。“人の声という楽器 "で織りなされる絶妙のサウンドを愉しむ方向で、広く親しんでいただきたい。 | ||
ミヒャエル・プレトリウス(1685-1750):オルガン作品集 おお、うるわしき三位一体の光/太陽が昇り、地の果てに沈むまで/高貴なる父に栄光あれ/ 我らみな、唯一なる神を信ず/おとめの胎は膨らんで/いざ我が魂は主を讃えん/ 我らが主キリスト、ヨルダン川に来り/朝には歌であなたを讃え/聖なるいのち/我らが神は堅き砦 ジャン=シャルル・アブリゼル(Org) | ||
使用楽器:タンガーミュンデ聖シュテファン教会、1624年製シェラー・オルガン。「シンタグマ・ムジクム」や「テレプシコーレ」でおなじみ楽器博士プレトリウスの、オルガン曲。名手アブリゼルの柔軟にして繊細な語り口のうまみは、ちょっとまねできない。きわめて自然でやさしい響きの録音エンジニアリングが、これまた強烈に心地よい!! 理論書『シンタグマ・ムジクム』の著者で、百花繚乱のルネサンス舞曲集『テレプシコーレ』の大成者ミヒャエル・プレトリウスのオルガン曲とは、これまた珍しい。しかし考えてみれば楽器博士の彼のこと、当時の超有名楽器たるオルガンにさわらないはずがない。実は大学生のあいだに教会オルガニストになってしまい、そのまま音楽好きが昂じて学業半ばに大学を後にし、ブラウンシュヴァイク伯つきのオルガニストとしてキャリアを歩み出したという経歴の持ち主だったそうから、オルガン音楽にも一家言あって当然。ところが当時はオルガニストには即興の腕前ばかりが問われた時代。プレトリウスも合奏用に4列の楽譜で曲を出版、「オルガニストならここから演奏するか、演奏譜に写しなおして弾きなさい」と書き添えているだけだそうだ。そんな環境から、ストラスブールの巨匠アブリゼルがみごとオルガン作品として再構築したトラックの数々を聴けば、この天才がイタリア系の新芸術だけでなく、いかに北方ドイツのいかめしくも美しい伝統に通暁していたかが如実にわかるはず。古楽ファンには、ちょっとした発見だろう。 | ||
ALPHA-116 廃盤 |
あなたには何度でも挨拶しよう 〜デュファイの世俗シャンソンさまざま〜 |
ディアボルス・イン・ムジカ (中世声楽アンサンブル) |
17世紀、バロック期の南仏のノエル ナタリス・コルダ(1610-63):ノエル(計5曲) ニコラ・サボリ(1614-75):ノエル(計8曲) ダンドリュー(1682-1738): オルガン独奏のためのノエル 「アダムはかわいそうな男だった」 フランソワ・ペザン: ノエル「この家に集う者たちよ」 |
ブリュノ・ボヌール(T) ジャン=リュク・ タンビ(テオルボ/他) ラ・カメラ・ デッレ・ラクリメ | |
ピリオド楽器使用。民俗調まじりの古楽歌唱で『オーヴェルニュの歌』を歌い上げた異才ボヌールが、 故郷の古い音楽をあでやかに歌い上げる。簡素な伴奏編成がたおやかに鳴りかわす中、なんと玄妙なこの声の響き。 カントルーブ編曲版で知られる曲がまじって折々に聴き手を「お?」と思わせる『古楽歌手がうたう「オーヴェルニュの歌」』(ALPHA-519)の仕掛け人であり、ル・ポエム・アルモニークのユニークな声楽セクションを長く支えたオーヴェルニュ地方出身の古楽歌手、ブリュノ・ボヌール。彼がリーダーをつとめる伝統音楽寄り古楽集団ラ・カメラ・デッレ・ラクリメが、帰ってきた! 名づけて「バロック期の南フランスのノエル」。ノエルというのは英国におけるキャロルと同じく、中世以来フランスで歌われてきたクリスマスの歌。実は16〜17世紀に黄金時代ともいうべき人気を誇り、バロック期フランスの作曲家も結構さまざまなノエルを書いているようで、通奏低音つき独唱のもの、オルガン独奏(有名なダンドリューの曲集から)、器楽合奏のみ、かわいらしい合唱もの……と本盤だけでも多種多様な「クリスマス気分」が詰め込まれている。パランポロンと鳴るテオルボ、しっとり艶やかな和音を重ねるオルガンとヴィオラ・ダ・ガンバをバックに、南国的さわやかさと艶やかさの入り混じるラテン風の歌声であざやかな統一感をつくってゆくブリュノ・ボヌール。聴けば必ずハマること間違いなし。 | ||
J.S.バッハ(1685-1750): 世俗カンタータ BWV30a 「牧場に踊れ、愛しきヴィーデラウ」/ 世俗カンタータ BWV207 「鳴り交わし争う弦もひとつに相和し」 |
グスタフ・レオンハルト指揮 カフェ・ツィマーマン オリヴィエ・シュネーベリ 合唱指揮 ヴェルサイユ・バロック 音楽センター青少年cho. モニカ・フリマー(S) ロビン・ブレイズ(CT) マルクス・シェファー(T) ステファン・ マクレオー(B) | |
ピリオド楽器使用。現代古楽界最大の巨匠、実に2年ぶりの新譜はなんとカフェ・ツィマーマンとの共演!ひさびさの指揮活動復帰は、まさに吹っ切れたような痛快さ。いとも豪奢なバッハここに。よく見れば歌手陣も充実、合唱はなんとヴェルサイユ・バロック音楽センターの超・名門! 「カフェ・ツィマーマンのバッハ」といえば、2005年に協奏曲集第3弾が出たあと、2006年の新譜はC.P.E.バッハ、その後が無かった…と思っていたら、いきなり金管やティンパニに合唱まで加え、バッハで望む限りほぼ最大編成な世俗カンタータを突如リリース。いきなり「ブランデンブルク協奏曲第1番」の第3楽章の合唱&金管打楽器付き編曲版で始まるBWV207、貴族への表敬のため教会カンタータから転用された、ピリオド楽器木管の重なり合いが美しいBWV30a、と大作2曲。なんたる充実ぶりだろう!しかもこれ、一部ではすでに話題になっていたとおり「巨匠レオンハルトの指揮者復帰アルバム」でもある。ちょっと前まで「プロとしては指揮はしない」というような発言もあったのに、なんと嬉しいことだろう。しかも「今をときめく」カフェ・ツィマーマンと、フランスきっての名門ヴェルサイユ・バロック音楽センター合唱団を指揮するなんて、まさに夢の共演! 巨匠は音楽家たちを締め上げることなく、自発性ゆたかに歌わせ弾かせているが、その結果できあがる音楽はきわめて豊穣、かつ確かに『レオンハルト指揮』だという、過去のアルバムとのある種の一貫性がしっかと息づいている。独唱もロビン・ブレイズにマルクス・シェファーをはじめ、まさに豪奢。豊穣なバッハ世界をじっくり味わえる超・注目盤。 | ||
リストの音楽と19世紀のピアノ 〜1846年製プレイエル・ピアノによる独奏作品集 リスト: 「詩的で宗教的な調べ」〜葬送/ 「超絶技巧練習曲集」より [第3番「風景」/第4番「マゼッパ」/ ショパン「ポーランド語歌曲集」からの編曲 [春/ちいさな指輪/バッカナール]/ 巡礼の年第2年「イタリア」より [婚礼/物思いに沈む人]/ 愛の夢第2番「狂おしき死」/ 愛の夢第3番「おお愛よ、かくも長く」 パトリック・シェデール:即興演奏 |
パトリック・シェデール(Fp) | |
限界ギリギリまで可能性を試され、新境地をかいまみせるプレイエル1846年製ピアノ。19世紀当時の聴衆を驚かせたのと同じ斬新さとショックが、ここにある強烈至極のセンスで暴れまわる十指、このフォルテピアノ奏者は只者ではない。 プレイエルといえば、19世紀初頭にパリで創業してほどなくショパンが激賞したことで知られるフォルテピアノ・メーカー。今回の録音はショパンもまだ在命中の1846年、つまりリストが技巧派ピアニストとして英名をはせていた頃作られたプレイエル・ピアノで彼のさまざまな作品を弾き、現代ピアノの場合とはまた違った、19世紀当時のままの響きを蘇らせてくれる。今のピアノほど強烈な音の得られない、音の立ち上がり方も違う当時のピアノでリストの難曲群を弾くのは至難のワザのはず。しかしどうだろう、謎のフォルテピアノ奏者パトリック・シェデールときたら、プレイエル1846年製楽器の限界ぎりぎりまでフォルティシモを鳴らし、かと思えば絶美のピアニシモもお手のもの、急速なパッセージでは色彩感豊かなタッチで超絶的に細かい音符をきれいに連ね、この楽器の可能性を最大限アグレッシヴに引き出し、リストの演奏にビビった当時の聴衆もかくや、というショックを我々に与えてくれる。期待感を十二分に上回るこの名演に、ぜひ驚かされて頂きたい。 | ||
ローベルト・シューマン(1810-56): ピアノ曲・室内楽作品集3 オーボエとピアノのための3つのロマンス Op.94 クラリネットとピアノのための幻想小品集 Op.73 ホルンとピアノのためのアダージョとアレグロ Op.70 ヴィオラとピアノのための「おとぎの絵本」Op.113 ヴィオラ、クラリネットとピアノのための 「おとぎ話」Op.132 チェロとピアノのための民謡風の5つの小品 Op.102 ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ニ短調 Op.121 ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ短調 Op.105 ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ短調(遺作) |
エリック・ル・サージュ(P) ジャン=ギァン・ケラス(Vc) アントワーヌ・タムスティ(Va) ゴルダン・ニコリッチ(Vn) ブルーノ・シュナイダー(Hr) ポール・メイエ(Ob) フランソワ・ルルー(Ob) | |
早くも第3弾、しかも豪華すぎるメンバー。バッハ無伴奏が超絶好調のケラスといい、レ・ヴァン・フランセの重要メンバーといい…ルツェルン祝祭管のシュナイダーやタムスティにも注目、艶やか・細やかな室内楽。 人気シリーズ第3弾は「ピアノ曲&室内楽作品集」なるシリーズ名にたがわぬ室内楽ものの第1集。フランス最前線の名手ル・サージュに、今回はレ・ヴァン・フランセのオーボエ奏者ルルーとクラリネット奏者メイエが、まさしくブルゴーニュワインのような薫り高さとしなやかさで興を沿えるかと思いきや、バッハ無伴奏で有無を言わせぬ名演を聴かせたジャン=ギアン・ケラスが手堅くも高雅なサウンドを響かせ、「巨匠まみれ楽団」ルツェルン祝祭管でソロをつとめるシュナイダーが、唖然とするほどのテクニックでホルンをフルートか何かのように柔軟に吹きこなす。かと思えば鬼才ヴィオラ奏者タムスティも縦横無尽に暴れまわり、周到精緻なル・サージュのピアノは明確な知性でもって一貫性を打ち出してくる。これだけでも贅沢そのものなのに、CD2にはヴァイオリン・ソナタが3曲全部入っている気前よさ。昨今名を上げつつあるニコリッチが Alpha 創設以来の強烈ロマンティック路線で(ル・サージュの知的路線とみごとマッチしているから不思議)、心をえぐるようなシューマン像を浮き彫りにする、極上そのものの盤。 | ||
ベートーヴェン(1770-1827): ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.57 / ピアノ協奏曲第6番 ニ長調 Op.61a (ヴァイオリン協奏曲のピアノ協奏曲版) |
アルテュール・ スホーンデルヴルト(Fp) Ens.クリストフォリ | |
ピリオド楽器使用。使用楽器:ヴァルター1800年/フリッツ1810年頃。弦楽器はたった7本(ヴァイオリンも1本ずつ)しかし完全2管編成? あの「皇帝&第4番」に続く、ロプコヴィツ邸試演時の響きを再現した異色の名演、再びあのヴァイオリン協奏曲の編曲版が名曲として鑑賞できるとは。 シュタイアーやインマゼールと並んで新しいことを次々とやってのける、いまヨーロッパで最もアツいフォルテピアノ奏者の一人スホーンデルヴルトが、またまたやってくれた。2005年リリース時には爆発的ヒットとなった「試演時編成による『皇帝&第4番』」(ALPHA-079)に続く協奏曲シリーズ、第2弾。前回と同じく「楽聖中期の“傑作の森 "の管弦楽曲の試演に使われたロプコヴィツ邸の大広間、客席含め実際にイスを並べてみたら、完全2管編成のほか弦楽器奏者は7人しか入れなかった」という検証結果にもとづき、弦が1・1・2・2・1の対抗配置、しかし管楽器は完全2管編成、もちろんティンパニ入り…という、室内楽編曲とも通常のピリオド楽団ともまったく違う編成で、おもわぬ演奏効果を再現してみせた異色の名録音。これもひとえに精鋭古楽奏者たちの演奏が、信じがたいレヴェルの音楽性にあるがゆえ(このことは、前回のアルバムでもずいぶん賞賛の的になった)。「当該の大広間の広さではどうしても客席がオケに近くなるため、小編成にもかかわらず聴覚体験はより強烈になったはず」との推察どおり、事実上ソリストとなる第1ヴァイオリンの濃やかな表現が精鋭ソリスト管楽陣とからみ、すばらしいアンサンブルを紡ぎ出して行く。いきなり強烈な冒頭の ハ短調協奏曲もさることながら、圧巻はやはりヴァイオリン協奏曲からの編曲版たる「第6番」ベートーヴェンはロンドンからの新作ピアノ協奏曲委嘱に急いで対応するため、ヴァイオリン独奏パートに殆ど手を加えずこれをピアノ用に引き写したわけで、現代ピアノだと「もてあまし感」ばかり際立って全く存在意義が理解できなかった「ピアノ版」だが、フォルテピアノと小編成による本盤の演奏を聴けば「ああ、そうか」とがぜん納得の連続。いやいや、ピアノ協奏曲の名品をひとつ聴き逃していたと愕然。 | ||
ジェミニアーニ:チェロと通奏低音のためのソナタ集 チェロと通奏低音のための 六つのソナタ Op.5(1746年パリ刊)/ ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ イ短調Op.1-11 (テノール・ド・ヴィオロンによる演奏/ 1740年パリ刊)/ タンドルマン(優美に) (チェンバロ独奏/1743年ロンドン刊)/ タンドルマン(優美に) (M.マタレルによるヴァイオリン、 チェロと通奏低音のための三重奏版) |
レ・バッス・レユニ [ブリュノ・コクセ (バロック・チェロ/ テノール・ド・ヴィオロン) ルーカ・ピアンカ(テオルボ) ベルトラン・ド・キュイエ (Cemb) マチュラン・マタレル (バロック・Vc) リチャード・マイロン (3弦コントラバス) | |
ピリオド楽器使用。やっと会えたバロック・チェロのスーパーヴィルトゥオーゾ、ブリュノ・コクセ久々の新譜。ヘンデルと同時代の英国で、超絶技巧ヴァイオリン奏者として名をはせたジェミニアーニ。数少ないチェロ作品のうまみを掘り起こす、痛快なまでのテクニック、艶やかなガットの深み。 フランス古楽界のさまざまな一流アンサンブルで揉まれた百戦練磨のバロック・チェロの天才、ブリュノ・コクセ率いるスーパー低音集団レ・バッス・レユニが、待望の新譜をリリース。今回のお題はジェミニアーニ。ボッケリーニと同郷、ルッカ生まれのヴァイオリニストで、まずはヘンデルとほぼ同じ頃のロンドンで、常人およばぬ超絶技巧で名をあげた人。しかし同時に作曲家としても人気で、彼の器楽作品の楽譜はアマチュア演奏家たちに飛ぶように売れ、ヘンデル作品の楽譜と売れ行きを二分していたとか。資料によれば、他の作曲家の数十倍は売れたそうだ。しかしその後、ちょうどイタリア器楽の人気が盛り上がっていた頃のパリでさらに名声をあげたことは、どのくらい知られているのだろう。ともあれ、本盤に全曲収録されている『作品5』のチェロ・ソナタ集は、昔からバロック・チェロ奏者がほぼ必ず録音してきたマスト的王道レパートリーだが、そこはやはりコクセ、超絶技巧をものともせぬ、ひたすら流暢でスピーディな展開もさることながら、それを露ほども誇っているふうでないノーブルな仕上げ方、シャルル・リシェの銘器の低音を力強く響かせ、またその高音美をさらりと艶やかに愉しませる高雅さは、「イタリア人ジェミニアーニ」ではなく「パリで愛好されたソナタ」の側面を掘り下げた感が。並居る競合盤をかるーく凌駕してみせる余裕ぶりに、脱帽せずにはおれない。例によって録音はナチュラルそのもの、チェンバロ独奏曲の併録も嬉しく、そのロココ風アレンジなど、テノール・ド・ヴィオロンを使ったトラックも聴き逃せない。さすがはAlpha、と唸る逸品。 | ||
シューマン:ピアノ曲・室内楽作品集 Vol.4 フモレスケ Op.20/ピアノ・ソナタ第1番 Op.11/ 色とりどりの小品 Op.99/交響的練習曲 Op.13 |
エリック・ル・サージュ(P) | |
話題の大好評全集第4弾。CD2枚に重要曲目を四つ収録、まさに大盤振る舞いの充実内容、ごくサラリと、緻密さとスケール感に貫かれた世界をつくりあげてしまうル・サージュに脱帽! 第1弾(ALPHA-098)、第2弾(ALPHA-110グランド・ソナタOp.14、幻想曲Op.17)・第3弾(ALPHA-121・シリーズ初の室内楽集)に続く第4弾は、『交響的練習曲』と『ソナタ1番』というふたつの大作を収めているうえ、初期と後期の隠れ名曲たる「フモレスケ」と「色とりどりの小品」まで収録。「知」と「情」をスリリングなバランス感覚で使い分けるル・サージュのピアニズムにかかるや、どの曲も軽妙そうでよく考え抜かれた、あるいは深く歌ったかと思うとさらりとかわす、とらえどころのないピアニズムに、聴き手の集中力をぐいっと引っぱり続ける。「フモレスケ」の怪しい魅力、「色とりどりの」の弾き分けかたとドラマづくりもさることながら、さらり気負わずスケール感と細やかさを同時に体現してしまうソナタ、緻密さの上に圧倒的な構築感で迫る『交響的練習曲』の音響世界にはもう、言葉もない。 | ||
デュロゾワール:弦楽四重奏曲全集 弦楽四重奏曲第1番(1920)/ 弦楽四重奏曲第2番(1922)/ 弦楽四重奏曲第3番(1934) |
ディオティマSQ | |
フランス人さえ知らなかった。Alphaが発掘、日本でも大きな話題となったフランス近代の知られざる天才デュロゾワール、またもや作品集が登場(すでに仏各誌は大絶賛)!ひたすらに美しく、ユニークな音響世界はなお健在。ノン・ヴィブラートめの極上演奏で! 2006年末、作曲家の親族の執筆で刊行されたリュシアン・デュロゾワールの評伝は、フランス往年の大チェリストM.マレシャルとふたり軍服姿で写ったポートレート写真を表紙に掲げ、ヴァイオリニストから作曲に転じて以来、かたくなに自作品の公表を拒んできた「幻の作曲家」のいたことを世に知らせてくれた。その直後にAlphaからリリースされたデュロゾワールのヴァイオリン作品集は、ラヴェルやカプレ、イベールらと同時代を生きたこの知られざる作曲家が、基本的に誰にも似ていない、しかしいかにもフランス近代らしい「繊細な美しさ」のあふれかえるような作風で、忘れがたい傑作ばかりを残していたことを、まざまざと印象づけてくれたもの。日本でも発売されるや『レコ芸』特選などきわめて高く評価されたこの傑作盤(ALPHA-105)につづき、Alpha はまたもやデュロゾワールの知られざる名品を発掘してくれた。三つの弦楽四重奏曲、もちろん世界初録音。 デュロゾワールは19世紀最後の数年間にパリで頭角をあらわし、R.シュトラウスやブラームス、ゲーゼらの協奏曲をパリ初演するなどドイツ音楽の紹介につとめ、逆にフォーレのソナタのウィーン初演を果たすなどフランス音楽の普及にも寄与した。しかし第1次大戦で独・墺が敵国となると、こうした活動ぶりが逆に災いし、戦後は諸々の妨害の末、演奏活動停止に追い込まれてしまう。そこで彼は人知れず作曲家となり、無理解な世間には、作品をいっさい公表しない――そんな余生を送った。 作曲家としての最初期から最盛期にあたる充実した時代にうみだされた3作の四重奏曲は、大オルガニストのトゥルヌミルに対位法を師事し、戦友カプレ(ご存知、ドビュッシーの秘書だった作曲家)に作曲のノウハウを学んだデュロゾワールの作風を端的にしめし、旋法や非・調性など20世紀初頭のフランスらしい語法を彼なりに咀嚼したユニークな音楽は、あまりのうつくしさに息を呑むばかり!あるいは「第3番」など、息をもつかせぬリズムと休符の交錯が否応なしに聴き手をひきつけずにはおかぬほど――こうした作品美に逐一気づかされるのも、近年急速に名をあげつつあるフランスの気鋭、ディオティマSQのクールな演奏あればこそ!ノン・ヴィブラートめの精妙な弦はえもいわれぬ美をたたえ、音楽の求心力は決して冷酷非情に堕さない、絶妙の“さじかげん "が、Alphaの自然派録音とあいまって音楽を幾倍にも美しくしている。フランス批評誌のみならず、日本でもデュロゾワール人気再燃の期待大! | ||
バッハの愛した二つの楽器 〜ヴァイオリンとオルガン、翻案と編曲〜 シンフォニア BWV29(カンタータ第29番より) 編曲:マルセル・デュプレ(1876-1971)/ ヴァイオリンとオブリガート鍵盤のための ソナタ ト長調BWV1019a/ 前奏曲 ホ長調〜無伴奏ヴァイオリンのための パルティータ第3番 BWV1006より/ オルガン独奏のための協奏曲 ニ短調BWV596 〜ヴィヴァルディの協奏曲 Op.3-11より編曲/ 無伴奏vn.ソナタ第1番 ト短調BWV1001/ 前奏曲とフーガ ニ短調BWV539/ シンフォニア BWV146(カンタータ第146番より) 編曲:マルセル・デュプレ(1886-1971) |
ラファエル・オレグ(Vn) ヴァンサン・デュボワ(Org) | |
古楽レーベルAlphaは一味違う。ひさびさのバッハものは、20世紀へのオマージュ?世紀末式フレンチ・オルガンの妙音、それと重なりあうノン・ヴィブラートめの弦音の清らかさ。名手オレグの面目躍如、バッハ語法の“秘法 "をあざやかにあぶり出す充実企画。 目のさめるような美しさのヴァイオリンと清らか&アクセントの効いたオルガンで綴るこのアルバムは、オルガン音楽家でもあった大学者シュヴァイツァー(ノーベル平和賞)が若い頃に言い放った「バッハの音楽は、基本的にすべてヴァイオリンかオルガンのための書き方になっている」という大胆な言明が出発点にある。何しろこれら二つの楽器、バッハ自身がすばらしい弾き手であったことでも有名。そこで彼がヴァイオリン曲をオルガンに編曲したものや、いかにもオルガンらしい壮大なフーガ書法が展開する無伴奏ヴァイオリン作品をとりあげ、両楽器を交互に、時には二つ一緒に奏でていくと、バッハ語法にひそむヴァイオリン的orオルガン的なものが鮮やかに浮かび上がる…という仕組み。そして本盤、実はヴィエルの『平均律』同様、またしてもピリオド楽器演奏ではない。どうやらテーマは「20世紀初頭のセンスで」ということらしく、冒頭と末尾を名匠デュプレ(1886-1971)のオルガン独奏編曲で飾り、すべてをシンフォニック式オルガンと現代ヴァイオリンで(レーベル主宰者J=P.コンベ氏いわく「ピッチ440のバッハなんだ」)弾いている。そしてヴァイオリンはなんと名匠ラファエル・オレグ。そういえば近代もので目ざましい名演を続けてきた彼、バッハ録音はこれが初めてだが、おそろしく堂に入ったノン・ヴィブラートめの弾き方はじつに精妙、言葉を失うほど美しく。対するオルガンはたった2年でアンジェ音楽院を卒業、その後もO.ラトリとM.ブヴァールという二大巨匠に師事した天才児V.デュボワ。若手とは思えない圧巻の説得力で(とくにレジスター選択のナチュラルさは圧巻)オレグとまったく対等に渡りあう頼もしさ企画の趣旨など考えずとも、魅了されること必至の1枚。 | ||
フランス17世紀、牧歌趣味と音楽〜牧歌物語『アストレ』とエール・ド・クール ロベール・バラール(1570頃-1650):村のブランル/作者不詳:愛の神は弓を収めて立ち去り バラール:リュートのアントレ1/アントワーヌ・ボエセー(1587-1643):私は惨めではないか 朗読「もしあなたがお聞きになれば」/エチエンヌ・ムリニエ(1587-1643):ついにイラスはとらえられ エヌモン「老」ゴーチエ(1575-1651):シャコンヌ/朗読「しかしながら食卓はかたづけられ」 ジャン・ボワイエ(1600以前-1648):彼女の比類なき美しさは/ルネ・ムザンジョー(?-1638):プレリュード ボエセー:私の苦しみを甘く煽るもの/バラール:リュートのアントレ3 ジョアシャン・チボー・ド・クールヴィル(17世紀):思い悩むからといって/朗読「殿方よ、どうかお聞き頂きたい」 ルイ・ド・リゴー(17世紀前半):苦しみ疲れて/朗読「それではコリラスよ」 ド・リゴー:私の羊飼いになりたいというのか/ジャン=アンリ・ダングルベール(1635-91):プレリュード ニコラ・ル・ヴァヴァスール(1580頃-1658頃):彼女は私の心を変えた/バラール:クーラント ボエセー:それが本当なら/朗読「私をお守りくださるからには」 ボワイエ:あなた以外の誰かを愛するくらいなら/ギヨーム・ミシェル(?):デュルフェはリニョン川を自慢する 朗読「なぜなら以前は」/フランソワ・デュフォー(?〜1682以前):サラバンド/ムリニエ:持ち上げる波よ ボエセー:どれほどの恋人たちが/ボワイエ:私はクピドー、幼な神/朗読「カリドンよ、夕食のあとに」 ジュアン・シャルダヴォワーヌ(1538〜1580頃):私はいつまでも生きるのか/愛の神よ百度 ル・ヴァヴァスール:時は来た、断ち切ろう/ニコラ・シュヴァリエ(?):サラバンド ムリニエ:もし言い伝え通りに/ピエール・ゲドロン(1565頃-1620):我らの五感に与えよう マルコ・オルヴァ(リュート弾き語り) Ens.ファエンツァ | ||
ピリオド楽器使用。「ル・ポエム・アルモニーク」の鬼才歌手、フランス語の地声で「語りながら歌う」マルコ・オルヴァ。17世紀のベストセラー牧歌物語の筋書きを宮廷音楽(エール・ド・クール)でたどる、本格的なのに生々しい響きはまさに、魔術のよう。 イタリア人マルコ・ビズリーが、イタリア初期バロックの「歌いながら語る」スタイルの理想的な体現者であるとすれば、ル・ポエム・アルモニーク出身のフランス人歌手マルコ・オルヴァは、フランス宮廷音楽が民俗音楽からだんだん芸術音楽になってゆく過程の「語りなのか、歌なのか」といったスタイルをごく自然にこなせてしまう、稀代のユニーク古楽歌手。その歌声ははなしことば、そのままの地声。自分でリュートやガンバも弾いてしまう達人ぶりで、まさに17世紀の音楽家を地でゆく天才だが、今度の最新盤は「当時のベストセラー小説を音楽で再現する」というもの。17世紀の宮廷人たちは、古典古代の羊飼いたちのような牧歌的な生活に憧れ、恋物語や絵画の舞台にはことごとく若い羊飼いの男女が登場したものだが、フランスで特に人気だったのが、オノレ・デュルフェという作家の田園恋物語『アストレ』。デュルフェ自身、バイフの「詩と音楽のアカデミー」や宮廷作曲家ゲドロンと近しくつきあい、当該の小説にも歌や舞踏の場面が数々登場するが、ここではデュルフェが想起したであろう曲を丹念に拾いながら、同時代の音楽とあわせて絶妙のプログラムが組まれ、ごく一部に小説本体の朗読を盛り込みつつ、ドラマティックに、エール・ド・クール(宮廷歌曲)の旨味を堪能させる。リュート、テオルボ、バロックギター等の妙音が、ほんのり色気を漂わせた、魔術のような低い歌声とからみあう、美しさ。折々ソプラノ歌手も健康的な艶やかで興を沿え、流し聴きにしていても飽きるどころか、ついつい最後まで止まらない。 | ||
ハイドンの弦楽三重奏曲 〜バリトン三重奏曲を原曲として〜 ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809): 三重奏曲 ト長調 Hob.XI-80/ 三重奏曲 ニ長調 Hob.XI-85/ 三重奏曲 ニ長調 Hob.XI-14/ 三重奏曲 ニ長調 Hob.XI-97「誕生日」/ 三重奏曲 ト長調 Hob.XI-59/ 三重奏曲 ロ短調 Hob.XI-96/ アダージョ ニ長調 |
アンサンブル・リンコントロ (ピリオド楽器使用) [パブロ・バレッティ(Vn) パトリシア・ガニョン(Va) ペトル・スカルカ(Vc)] | |
カフェ・ツィマーマンの首席奏者たちによる精鋭室内楽集団で、ハイドンの面白さを堪能18世紀当時から親しまれていた「ハイドンのバリトン・トリオの編曲版」をさりげなくスムース、愉悦あふれるピリオド楽器演奏で。隅々まで磨き抜かれた解釈が光る ハイドンの君主エステルハージ侯爵ニコラウスは無類のバリトン愛好家。かくてハイドンは君主の愉しみのため、ヴィオラ、チェロ、バリトンという編成の三重奏曲を実に100曲ばかりも残している。これらは1760〜70年代、ハイドンも30代くらいの最も精力的な時期に書かれているせいか、とにかくヴィヴィッドかつ精緻な名曲だらけなのが嬉しいが、そもそもバリトンという楽器が18世紀当時でもそれほど広く演奏されていたわけではなかったため、音楽愛好家たちはこれらのトリオのバリトン・パートを、フルートやヴァイオリンで代用したヴァージョンで愉しんでいた。Alphaの名楽団、カフェ・ツィマーマンの首席奏者たちがさらりとやってくれたのは、トリオを6曲、比較的有名な7楽章構成の大規模作も、短調Op.も収録ハイドンの初期作というのは、曲想もさることながら「誰にでも感じ取れる曲構成の面白さ」に魅力があるわけで、そのエッセンスを「たった3本の弦楽器」という絞り込まれた編成で堪能できるというのは嬉しい限り弦楽四重奏だと、ときどき追いきれなくなるポリフォニーの綾も、3人ぶんならしっかりついていける、しかも3人の奏者が、みんな自分の楽器を知り尽くした古楽界きっての名手なのから...Alphaだけに録音もナチュラルで秀逸、気心の知れたアンサンブル、3人それぞれにはっきり際立った音色で、「弦楽四重奏曲以前」のハイドン世界をじっくり味わえる。 | ||
ローベルト・シューマン(1810-56): ノヴェレッテ集 Op.21/四つの行進曲 Op.76/ ピアノ・ソナタ第2番 Op.22/夜の小品集 Op.23/ 三つの幻想小品 Op.111/暁の歌 Op.133 |
エリック・ル・サージュ (P;スタインウェイ) | |
大好評シリーズ、本年はやくも第5弾へ。現状ではシリーズ最高のまとまり具合、大曲2つ+小編4つ、初期から晩年まで幅広い選曲。希少な「ノヴェレッテ集」が目玉作!シューマンのピアニズムと、ル・サージュの感性を味わうなら、このアルバムが最適!! 前作が「交響的練習曲」、「ソナタ第1番」、「フモレスケ」、「色とりどりの小品」と大規模な重要作が四つ居並ぶ編成だったのに対し、今回は大作がふたつ(「ノヴェレッテ集」と「ソナタ第2番」)に比較的小規模な小品集が4つという組み合わせ、作曲年代も初期〜中期〜晩年、とバランスよく取り集めていて、この2枚組アルバムひとつでシューマンのピアニズムの変遷を概観できるつくりなのが嬉しいところ。ル・サージュの解釈はシリーズを追うごとに求心力のようなものが増しているようで、大作でも掌編でも、ひきつけられずにはおれない。ドイツ勢が思い入れたっぷり深みにはまってゆきそうな「夜の小品集」(1839)などでは、ル・サージュ特有の“絶妙な距離感での客観性 "がぴたりと決まり、曲の美質をきれいなプロポーションであざやかに描き出してみたり。ひとつひとつの小品の解釈を珠玉のごとく磨き上げながら、「ノヴェレッテ集」では八つの、作品111の「幻想小曲集」では三つの、というように、収録曲数を見すえて組曲としての構成感をうまく打ち出してゆく手腕も、こうした適度な客観性なくしては体現できない、ル・サージュの全曲録音の意義はまさにこの点にあると言っても過言ではないだろう。そしてアルバムの白眉はもちろん、名盤あまたの「ソナタ第2番」。これまでのソナタ同様、大作特有の迫力とスケール感が精緻な作品把握とまったく矛盾しない、完璧にして圧倒的な技巧を武器に、伸縮自在の細やかな音楽を歌いつぐ…すぐそこにある実在感、シューマン演奏史の“いま "が紡がれてゆく興奮が、ここに詰まっている。 | ||
フランス初期ロマン派の歌曲王〜ベランジェ傑作集 ピエール=ジャン・ド・ベランジェ(1780-1857): なにもかも小さい(老人政治)/錬金術師/婚礼の夜/ わが習慣/悪魔の死/教皇はイスラム教徒/ もはやリゼットではなく/醜さと美しさ/ わたしの埋葬/老上等兵/底辺の人々/年寄り浮浪者/ 1階から6階まで/すてきな婆さま/我らの地球 |
アルノー・マルゾラティ(Br) イヴ・レヒシュタイナー (ハルモニウム) フレディ・ エシェルベルジェ(P;*) | |
使用楽器:プレイエル1845年製(*)。フランス歌曲のミッシング・リング、19世紀初頭の「うた」の世界をきれいに暴くはル・ポエム・アルモニークの名歌手マルゾラティ、そしてAlphaが誇る多芸鍵盤奏者ふたり。ユーモアと皮肉、ベルカントめいた旋律美。これはちょっとクセになる。 なぜか19世紀初頭のフランス語圏の(確かに歌われていたはずの)小規模声楽曲は、さっぱり録音が見当たらない。オペラの時代だからだろうか? たまにあるのはケルビーニやらスポンティーニやらマイアベーアやら、外国から来たオペラ作曲家の作品ばかり。下手をすると、バロック時代のカンタータのあと、ベルリオーズあたりの歌曲まで、フランス語の歌なんてまるでなかったかのような印象さえ与えかねない音盤社会。そこへすばらしい一石を投じてくれたのは、またしてもAlpha。パガニーニと同じ1780年生まれの知られざる「フランスの歌曲王」ベランジェをクローズアップ、小市民文化華やかなりし19世紀を彷彿させるハルモニウム(小学校オルガン・・・ヨーロッパでは19世紀に流行した)、および1845年のプレイエル・ピアノで伴奏。ベランジェという人は革命期のパリを暮らした人で、その時代の、人間の猜疑心や苦労を肌で知っている市民階級を顧客に、シャンソン(世俗歌曲)の作曲でとほうもない人気を博した詩人=作曲家。歌詞はウィットと皮肉たっぷりのユーモアに富み(曲のタイトルから、なんとなくおわかりだろう)、有節形式を頑迷に守っての作品群は、どれも絶妙にメロディアス。ちくり社会風刺の針をしのばせた、人間的な温もりある詩を、古典派〜ベルカント風に近代シャンソンみたいなテイストを含ませた、愛らしくも聴き応えある音楽に乗せて来る。小市民文化華やかなりし時代にもてはやされたのもよくわかる、ディケンズやバルザックの音楽版・といった軽妙さ。有節形式なのにリフレインがあまりに旨味たっぷりで、つい聴き進めてしまう。主役はル・ポエム・アルモニークの大黒柱のひとり、変幻自在の名古楽歌手マルゾラティ。 中世以来の伝統歌だろうとコスマのシャンソンだろうと軽やかに歌いこなしてしまうこの才人、まさにベランジェの“味 "を伝えるにはうってつけ、老若男女の喜怒哀楽をニュアンスたっぷりに歌いあげてゆく・・・伴奏者2人は各々Alphaで水際立った活躍をみせる、多芸なる古楽鍵盤奏者たち。静かにBGMにしても独特の雰囲気が醸し出されるのは、ハルモニウムとプレイエルpの、古雅でなつかしい響きあればこそ。 | ||
レオシュ・ヤナーチェク(1854-1928): 弦楽四重奏曲第2番「内緒の手紙」 (新校訂版/通常の弦楽四重奏による演奏)/ 弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」/ 弦楽四重奏曲第2番「内緒の手紙」 (新校訂版・2挺のヴァイオリン、 ヴィオラ・ダモーレとチェロのための オリジナル版による演奏) |
ディオティマSQ ガース・ノックス (ヴィオラ・ダモーレ) | |
なんと、ヤナーチェク自身はヴィオラ・ダモーレを想定していた。複雑怪奇な難曲「内緒の手紙」の作品像をきれいに洗い直す、ベーレンライター新校訂版による初録音。現代最先端のクール&エモーショナルな四重奏団と、組んだのはなんと「あの鬼才」。 鬼才ガース・ノックスがゲストで、現代フランスを代表する今まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進中のカルテット、ディオティマ四重奏団がお送りする、ヤナーチェクの弦楽四重奏曲2曲の求心力あふれる新解釈。注目すべきは「第2番」。楽譜出版社ベーレンライターのプラハ支部が近年刊行したばかりの新校訂版は、その編集にディオティマ四重奏団自身も携わり、なんとヴィオラのかわりにヴィオラ・ダモーレを使用するようになっているとか。というのもこの曲、ヤナーチェク自身は当初、ヴィオラ・ダモーレ使用を前提に作曲しており、初演団体であるモラヴィア四重奏団の試演を聴いたあと、初演直前になってヴィオラ用に変更したという経緯がある(曲が38歳年下の恋人に宛てた“内緒の手紙 "、つまり恋の音楽ゆえ“愛のヴィオラ "を使いたがったのだとか)。しかも本盤で嬉しいのは、この新校訂版をヴィオラ版、ヴィオラ・ダモーレ版両方で演奏してみせていること。ディオティマ四重奏団の引き締まった演奏は、ただでさえ鮮烈きわまる出来なのだが(曲が始まったとたん、その場が何か全然違う。といったような、タダモノならぬ感じに包まれる。ヴィオラ・ダモーレの妙音もさることながら、あざやかに分離して聴こえる4つの楽器の美しさ)、「第2番」は新校訂版でテンポ解釈などがかなり変わっており、そのせいで強烈に新鮮、かつ理路整然とした演奏となっていて。虐げられた女性の一生を描いた「第1番」(こちらも新校訂版使用)も、普遍的な“苦しむ人間 "の感覚を雄弁に語ってやまず、それが総体として曲にただよう民俗性・と何ら矛盾しないのは驚くばかり。Alphaきっての名技師H.デショーならではの離れ業的自然派録音も、彼らの精妙解釈を余さず伝えるのに一役買っているようだ。理路整然、かつみずみずしい、歴代の名演群にもかるく匹敵するこの1枚に注目。 | ||
シューマン:ピアノ曲・室内楽作品集 6 クライスレリアーナ Op.16/四つのフーガ Op.72/ 幻想小曲集 Op.12/ アンダンテと変奏〜2台のピアノ、 2面のチェロとホルンのための(*)/ カノン形式の六つの練習曲 Op.56 (原曲:足鍵盤付ピアノのための/ ドビュッシー編曲による2台ピアノ版;#)/ 六つの即興曲「東方絵画」Op.66/森の情景 Op.82 |
エリック・ル・サージュ (P;スタインウェイ) ブルーノ・シュナイダー (Hr;*) フランソワ・サルク、 ヴィクトル・ジュリアン= ラフェリエル(Vc;*) フランク・ブラレイ(P;*/#) | |
クープラン:クラヴサン曲集第1・2巻より 『クラヴサン曲集第1巻』(1713)より [第1組曲(英国の貴婦人/森の精たち/ラ・マノン/ サン=ジェルマン=アン=レーの愉しみ 他全19曲)/ 第5組曲(ラ・ダンジェリューズ(危険な女)/ ラ・バディヌ/ラ・フロール/波、他全14曲)]/ 『クラヴサン曲集第2巻』(1717)より [第6組曲(刈入れをする人々/神秘のバリケード/ 羊飼いたち/羽虫、他全8曲)/ 第7組曲(メヌトゥー/ミューズ生まれる/ 裾飾り/シャゼー、他全7曲)/ 第8組曲(女性画家/上流詩人/ 風変わり/パサカーユ、他全10曲)]/ 『クラヴサン奏法』(1713)より [プレリュード第3・5・6・7番] |
フレデリク・アース(Cemb) | |
古楽大国ベルギーが21世紀に誇る、まごうことなき名匠アースがAlphaにソロ登場。満を持してのクープラン体系録音、新時代のフランス語圏人として新たな地平を拓く――ひたすら明晰にして繊細。どこまでも高貴。21世紀の、新たな金字塔的録音ここに誕生。 『フランソワ・クープラン(…)誰もが敬意をもってその名を発音し、その響きにはそれにふさわしい威光が感じられる。しかしどうだろう、その敬意なり威光なりというのは実のところ(…)ごくあいまいな「文化的風景」を構成する細部のような存在になっている(…)クープランの名には“お金持ちの気晴らし "というレッテルが強力な接着剤で貼り付けられ、“雅びで俗っぽい音楽 "というファイルにしまわれたまま...』(演奏者の解説文より抜粋) スコット・ロスがSTILに、ケネス・ギルバートがharmonia mundiに、オリヴィエ・ボーモンがERATOに、ブランディーヌ・ヴェルレがASTREEに残した全集も今は昔。クープランのクラヴサン(=チェンバロ)作品総体という貴重な音楽遺産と、新世代のフランス語圏人たちが今こそ新たに対峙すべき時ではないだろうか? そんな今、フランス随一の古楽レーベルであるAlphaが、画期的な体系的録音をスタートさせた。自らライナーノートまで執筆、長年にわたる綿密なアプローチを経て、飛びぬけた霊感あふれる解釈でこれら無数の傑作群に望むのは、ベルギー古楽界の誇る現代の名匠フレデリク・アース。インマゼールやヘレヴェッヘ、サバールらのそばで着実に腕を磨いた「新進気鋭」時代も今は昔、21世紀に入ってからの彼はみるみる風格をつけてきて、アンサンブル・オーゾニア(ALPHA-076)の共同主宰者として活躍しながら、驚くほど豊穣・広大なクラヴサン独奏の小宇宙をつちかってきた。なんといってもこの録音、ほんとうに瑞々しく、肩に力の入ったところがまるでない。エムシュ1751年製ピリオド楽器の豊穣な響きも美しく、かつてのスコット・ロスのような端正さ・明晰さを打ち出しながらも、えもいわれぬタイミングで弾き崩す、まさにフランス語圏人特有の繊細なエスプリが隅々まで徹底して打ち出されている。古楽鍵盤界における新たな金字塔的体系録音の登場と言えるだろう。まさにAlphaの面目躍如。 | ||
バッハ:さまざまな楽器による協奏曲 4 ヴァイオリン協奏曲 イ短調BWV1041(*)/ 2台のチェンバロと弦楽合奏のための 協奏曲 ハ長調BWV1061(#)/ 三重協奏曲 イ短調BWV1044(+)/ ブランデンブルク協奏曲第2番 ニ長調BWV1047(**) |
カフェ・ツィマーマン (ピリオド楽器使用) パブロ・バレッティ (Vn;*/+/**) セリーヌ・フリッシュ (Cemb;#/+) ディルク・ベルナー (Cemb;#) ディアナ・バローニ (フラウト・トラヴェルソ;+) ミヒャエル・フォルム (リコーダー;**) | |
マルク=アントワーヌ・シャルパンティエ(1643-1704): 王の子なる方のための進言 H.166/ マグダラのマリア、ひとり洞穴で涙にくれ H.373/ 逝ける者のための懇願 H.328/ 鹿が、谷間で水を求めるように H.174/ おお、清らかにして神々しき犠牲 H.248/ 王太子の病より癒えたるを感謝する H.326 ルイ・マルシャン(1669-1732):4つのオルガン曲 [リード管によるフーガ/フォン・ドルグ/ 中音域にティエルス管/フーガ] |
フレデリク・デザンクロ (Org/指揮) アンサンブル・ピエール・ロベール (ピリオド楽器使用) | |
マッテイス(1660-1715頃): ヴァイオリンと通奏低音のための小品集 [組曲 イ短調/組曲 ハ短調/組曲 ホ短調/ 組曲 イ短調/組曲 ニ短調/組曲 ト長調] ジョン・バニスター(1625-79): チェンバロ独奏曲2編[ガヴォット/ジグ] |
エレーヌ・シュミット (バロックVn) イェルク・アンドレアス・ ベッティヒャー (Cemb/Org) ガエータノ・ナシッロ (バロックVc) エリック・ベロク (バロックギター/テオルボ) | |
ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764): 歌劇「ザイス」(1749) 〜[序曲/および12曲のエールと舞曲]/ 歌劇「ゾロアストル」(1748/1756) 〜14曲のエールと舞曲/ 歌劇「ダルダニュス」(1739)〜シャコンヌ 器楽合奏全容:2vn・2va・vc・cb・ft・ob・fg・perc |
フレデリク・アース (Cemb/指揮) Ens.オーゾニア(ピリオド楽器使用) ウジェニー・ワルニエ(S) アルノー・リシャール(B) ミラ・グロデアヌ (Vn・コンサートマスター) | |
マルティヌー(1890-1959): 弦楽三重奏曲 H.136(*)/室内音楽第1番「夜ごとの祝祭」H.376/ ピアノ四重奏曲 H.287/弦楽五重奏曲 H.164 モード・ロヴェット、サスキア・ルティエク(Vn) カリーヌ・ルティエク、オディール・オーボワン(Va) ロマン・ガリウー、フロラン・オディベール(Vc) ジュリアン・エルヴェ(Cl) サンドリーヌ・シャトロン(Hp) フレデリク・ラガルド(P) | ||
(*)は世界初録音。楽譜・録音監修:アリー・アルブレック。現代フランスの最前線で活躍する室内楽奏者たちが結集、世界的なマルティヌー研究家(“H "番号の生みの親)の監修でじっくり作り上げられた「知られざるマルティヌー」、世界初録音をDVDドキュメント(字幕:英独チェコ仏/NTSC)付で! チェコの作曲家マルティヌーがパリ時代に書いた「弦楽三重奏曲」は、長いあいだ記録しか残されておらず、楽譜は消失したものと思われていた。しかし2005年、偶然にもコペンハーゲンのデンマーク王立図書館に、1978年に競売の末収蔵された楽譜のなかにこの曲が含まれていたことが判明、チェコのマルティヌー協会所属の研究家エヴァ・ヴェリチカがこれを発見した。 | ||
シューマン:ピアノ曲・室内楽作品集7 〜子供のためのアルバム&連弾作品さまざま〜 小さな子供と大きな子供のための4手による 12の小品 Op.85(*)/ 舞踏会の情景 Op.109(#)/子供の舞踏会 Op.130(#)/ 子供のためのアルバム Op.68(独奏) |
エリック・ル・サージュ (P;スタインウェイ) ドゥニ・パスカル(P;#) フランク・ブラレイ(P;*) | |
C.P.E.バッハ:フルートのための協奏曲集 Vol.2 フルート協奏曲 ト短調 Wq.166/ フルート協奏曲 ニ長調 Wq.13/ フルート協奏曲 イ長調 Wq.168 |
アレクシス・コセンコ(Ft; クヴァンツ1745年モデル) アルテ・デイ・スオナトーリ (ピリオド楽器使用) | |
ショパン:バラード(全4曲)と夜想曲 〜プレイエル・ピアノで聴くショパン2 自由と革命、夜と個人〜 前奏曲第25番 嬰ハ短調Op.45/ バラード第1番 ト短調Op.23/ 夜想曲第3番 ト長調Op.9-3/ バラード第3番 変イ長調Op.47/ 夜想曲第1番 変ロ短調Op.9-1/ バラード第2番 ヘ長調Op.38/ 夜想曲第2番 変ホ長調Op.9-2/ バラード第4番 ヘ短調Op.52/ 夜想曲第20番 嬰ハ短調(遺作) |
アルテュール・スホーンデルヴルト (P;プレイエル1836年製作) | |
少年バッハの音楽と、心の師匠たち ヨハン・アダム・ラインケン(1645-1722): トッカータ ト長調 ディートリヒ・ブクステフーデ(1637-1707): 組曲 ハ長調 BuxWV226 ヨハン・カスパー・ケルル(1623-1693):組曲 ヘ長調 ヨハン・ヤーコプ・フローベルガー(1616-1667): 「1649年の曲集」より [第2トッカータ ニ短調/第2組曲 ニ短調] J.S.バッハ(1685-1750): トッカータ[ホ短調 BWV914/ト短調 BWV915]/ カプリッチョ「最愛の兄の別れに寄す」BWV992 |
セリーヌ・フリッシュ(Cemb) | |
「17世紀人としてのバッハ」の姿を、ありありと示す。さすがは秀逸古楽レーベルAlpha。「ゴールトベルク変奏曲」の決定的名演が今なお注目されつづける天才フリッシュがあらためて世に問うた、あまりにもうつくしく充実したチェンバロ・アルバム、ここに登場...! | ||
デュフリ:クラヴサンのための作品集 ジャック・デュフリ(1715-89): ラ・フォルクレ(ロンドー;+)/ メデー(快活に;+)/アルマンド ハ長調(*)/ クーラント「ラ・ブコン」(*)/ロンドー(*)/ ラ・ミレッティーナ(*)/ ラ・ポトゥアン(ロンドー:中庸の速さで;**)/ シャコンヌ(+)/アルマンド ニ長調(*)/クーラント(*)/ ラ・ヴァンロー(*)/ レ・グラース(たおやかに;+)/ ラ・ド・ベロンブル(快活に;+)/ ラ・フェリクス(高貴に;#) 第1曲集(1744)(*)、第2曲集(1748)(#)、 第3曲集(1756)(+)、第4曲集(1768)(**) |
エリザベート・ ジョワイエ(Cemb) | |
チェンバロ好きが必ずたどりつく「末期バロック〜初期古典派」、その最重要人物デュフリ!レオンハルト御大はじめ、数多くの演奏家と聴衆に愛されてきたこの作曲家の至芸を「インヴェンションとシンフォニア」で画期的境地をみせた名手ジョワイエが、鮮やかに料理! | ||
仏18世紀、荒唐無稽のバロックとロココ〜コミック協奏曲とコミック・カンタータの世界 ミシェル・コレット(1707-1795):コミック協奏曲 〔第5番「女はなんて厄介」/第24番「ユロン族の行進」〕 マラン・マレ(1656-1728):ソナタ「パリ、聖ジュヌヴィエーヴ=デュ=モン教会の鐘」 ピエール・ド・ラ・ギャルド(1717-1792頃):カンタータ「ソナタとは?」 フィリップ・クルボワ(1705-1730頃活躍):カンタータ「ドン・キホーテ」 ニコラ・ラコ・ド・グランヴァル(1676-1753):カンタータ「エフェソスの未亡人」 カフェ・ツィマーマン ドミニク・ヴィス(CT) | ||
ピリオド楽器使用。あの鬼才歌手ヴィスが、「バッハ:さまざまな楽器による協奏曲」シリーズのカフェ・ツィマーマンとまさかのコラボレーション! ユニークきわまる演目を、たっぷり面白く、鮮烈明快に…! | ||
J.S.バッハ(1685-1750): オルガン独奏のための6つのトリオ・ソナタ [変ホ長調 BWV525/ハ短調 BWV526/イ短調 BWV527/ ホ短調 BWV528/ハ長調 BWV529/ト長調 BWV530] |
バンジャマン・アラール(Org) | |
秀逸古楽レーベルAlphaから出てくるバッハ盤には、常に発見と感動がある――。フランスを中心に、ここ最近のヨーロッパ古楽界を揺るがし続ける異才鍵盤奏者、アラールがついにAlphaに登場! 堂々たるバッハ解釈は、オールド・ファンにも響くはず! | ||
サマニエゴ、17世紀アラゴンの名匠〜スペイン・バロック、めくるめくビリャンシコの世界 ホセフ・ルイス・サマニエゴ(1653-1670頃活躍): 降誕祭のハカラ「ようはサラダである」/エル・ピラルの聖母に捧ぐビリャンシコ「風の妖女」/ 楽師たちのトッカータ/降誕祭のビリャンシコ「ベツレヘムは燃えているか」/ サクラメントのビリャンシコ「やさしき糧、神のパン」/ エル・ピラルの聖母に捧ぐビリャンシコ「大気は金で身を輝かせ」/ 待降節に捧ぐビリャンシコ「愛に浴せば、愛に恵まれる」/ エル・ピラルの聖母に捧ぐビリャンシコ「よく通る声が大気に響きわたる」/ アッシジの聖フランチェスコに捧ぐビリャンシコ「もう無理、溺れてしまう」/ 待降節に捧ぐビリャンシコ「めでたし、海の星」 ルイス・アントニオ・ゴンザレス(Cemb)指揮アンサンブル「閣下の楽師たち」 | ||
ピリオド楽器使用。これぞ「スペイン・バロックのクリスマス」、ピリオド楽器ならではのエキサイティングな響き満載、民衆的な雰囲気たっぷり、しかも演奏は超一流、二重合唱、バロック金管、たおやかなガット弦、セクシーな歌声。 | ||
シューマン:ピアノ曲・室内楽作品集8 演奏会用アレグロ Op.8/ ウィーンの謝肉祭の道化 Op.25/ 四つのピアノ小品 Op.32/ 子供のためのソナタ3編 Op.118a-c/ パガニーニの奇想曲による練習曲 Op.32/ パガニーニの奇想曲による演奏会用練習曲 Op.10 |
エリック・ル・サージュ(P) | |
なにかと見落とされがちな重要作を集めた、全集録音ならではの嬉しい選曲。技巧に頼らず、曲の深みをそっと垣間見せる。ル・サージュの絶妙解釈、冴えわたる。 | ||
ベートーヴェン(1770-1827): ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15/ ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19 |
アルテュール・ スホーンデルヴルト(Fp) Ens.クリストフォリ | |
ピリオド楽器使用。使用楽器:ヴァルター・モデル。これで堂々「全集」が完成。第1・第2ヴァイオリンを各1人に絞った問題のシリーズは、協奏曲芸術の誕生の秘密へ...ベートーヴェン最初期、ヴァルター・タイプのフォルテピアノと「オーケストラ」の均衡とは? | ||
女吟遊詩人たち〜女声でうたう北フランスの中世音楽 傷ついた女、安らげない女 作者不詳:ああ...ああ...どうしよう / リシャール・ド・フルニヴァル:もう二度と恋はしない 作者不詳:ああ、なんたる不運か/人は、恋が素敵なことのように言うが ジャン・ド・レスキュレル:やさしい恋人、わたしを癒して下さい 作者不詳:マルゴ、マルゴ、恋の作法とはひどいもの あなただけじゃないの! エティエンヌ・ド・モー:わたしの夫は嫉妬深すぎて 作者不詳:まっぴら、ひとりで森を通るなんて/神よ!わたしの恋路はひどいものだった/耐えて下さい、わが夫 祈る気持ちで アントワーヌ・ゲルベによる同曲にもとづくエスタンピーつき:神よ、どうすれば脈ありかわかるだろうか ジャン・ド・レスキュレル:恋する方、私はあなたに悪いことをしたね/あなたに慎ましくお仕えするということは 作者不詳:おとめの花 / ジャン・ド・レスキュレル:恋人よ、わたしが恋ゆえに死んでもいいと 希望、そして気高き愛へ 作者不詳:いつでもイェスについて歌い、その教えに学ぶべき/あのおやさしいかたが、わたしを虜にする アントワーヌ・ゲルベによる同曲にもとづくエスタンピつき: わたしは歌おう、はげしい恋心で/わたしのなかに輝く太陽、それはわたしの喜び/ 作者不詳:恋人よ、恋人よ――こんなに長く、わたしを異国に追いやったままか ディアボルス・イン・ムジカ(中世声楽集団) | ||
フランス最高の中世音楽集団が艶やかに歌いあげる吟遊詩人の歌...男たちの歌に女心の行間を読み、虚空に放つ、その不思議な響き。 | ||
J.S.バッハ:鍵盤練習曲集第1巻(1731) パルティータ [第1番 変ロ長調 BWV825/第2番 ハ短調 BWV826/ 第3番 イ短調 BWV827/第4番 ニ長調 BWV828/ 第5番 ト長調 BWV829/第6番 ホ短調 BWV830] |
バンジャマン・アラール (Cemb) | |
風格たっぷり。全瞬間、ニュアンスに満ちている。じっくり味わう、バッハの真髄。 | ||
シューマン(1810-1856): ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.63/ ピアノ三重奏曲第2番 ヘ長調 Op.80/ ピアノ三重奏曲第3番 ト短調 Op.110/ ピアノ三重奏のための幻想小曲集 Op.88/ カノン形式の六つの小品 Op.56 〜クラリネット、チェロ、ピアノによる三重奏版 (テオドール・キルヒナー(1823-1890)編曲) |
エリック・ル・サージュ(P;*) ゴルダン・ニコリッチ(Vn) クリストフ・コワン(Vc) ポール・メイエ(Cl) | |
使用楽器:スタインウェイ 32500、1875頃。Alphaレーベルきっての人気シリーズ。明敏なる俊英ル・サージュ、シリーズ2枚目の室内楽作品集はなんと「19世紀の楽器」で。しかも共演者はまたしてもスーパースターたち。ガット弦と古雅なピアノの、絶妙な交錯。 | ||
J.S.バッハ(1685-1750): ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1023(ヴィオラ・ダ・ガンバ版)/ ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ ト長調 BWV1027/トッカータ ハ短調 BWV911(*)/ ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ ニ長調 BWV1028/ ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ ト短調 BWV1029 リュシル・ブーランジェ(ヴィオラ・ダ・ガンバ;ティールケ・モデル;*以外) アルノー・ド・パスクアル(Cemb;J-H.ジルバーマン・モデル) | ||
久々、Alphaのバッハ。このレーベルが連れてくる未知の演奏家はいつだって名手ばかり...今度のガンバ奏者とチェンバロ奏者は、どちらも5歳からピリオド楽器を弾いてきた本物のピリオド楽器奏者。たおやかで雄弁、精妙解釈も銘器の美も、自然派録音で際立つ。 | ||
フォーレ(1845-1924): 13の舟歌 Op.26〜Op.116(1881-1921) |
デルフィーヌ・バルダン(P) | |
音楽史上、最も詩情あふれる繊細な作風を誇った作曲家のひとり、フォーレによるピアノ芸術の最も大きな部分を「夜想曲」群と二分する、13曲もの玄妙な作例。フランス作品に定評のあるAlphaから出てくるだけあって、忘れられない絶美の名演。 | ||
D.スカルラッティ(1685-1757): ソナタ〔ハ長調 K.420/ヘ短調 K.462/ハ長調 K.132/イ長調 K.65〕 アントニオ・ソレル(1729-1783):ファンダンゴ D.スカルラッティ:ソナタ〔ト長調 K.144/ニ長調 K.119/ト短調 K.426/ハ短調 K.115/ ホ長調 K.206/嬰ヘ短調 K.25/変ホ長調 K.475/ト短調 K.30〕 ベルトラン・キュイエ(Cemb) | ||
使用楽器:;イタリア式1段鍵盤。チェンバロ芸術、ここに極まる――クラヴィコードの名手ジョスリーヌ・キュイエの息子で新世代の名手ベルトラン・キュイエは突っ走るだけが脳じゃない、この天性のセンスあればこそ、Alpha最初のスカルラッティ盤の演奏家に選ばれた。 | ||
シューマン:ピアノ曲・室内楽作品集 Vol.10 ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44/ ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op.47 |
エリック・ル・サージュ(P;*) ゴルダン・ニコリッチ、 樫本大進(Vn) リズ・ベルトー(Va) フランソワ・サルク(Vc) | |
使用楽器:1875年製スタインウェイ(*)。シューマンを記念する年に傑作盤が続々登場するル・サージュの好評シリーズ、シューマン室内楽の目玉ともいうべき2曲の共演陣には俊英ニコリッチ、来日直後のF.サルク、そして話題の日本人奏者も。 | ||
J.S.バッハ:さまざまな楽器のための協奏曲 Vol.5 序曲(管弦楽組曲)第3番 ニ長調 BWV1068 / チェンバロ協奏曲 ヘ短調 BWV1056 / ブランデンブルク協奏曲第6番 変ロ長調 BWV1051 / 3台のチェンバロのための協奏曲 ニ短調 BWV1063 |
カフェ・ツィマーマン | |
ピリオド楽器使用。 | ||
シューマン:ピアノ曲・室内楽作品集 Vol.11(最終巻) アベック変奏曲 Op.1/ トッカータOp.7/子供の情景 Op.15/ ベートーヴェンの主題による変奏曲 WoO.31 (ローベルト・ミュンスター校訂)/ 謝肉祭 Op.9/3つのロマンスOp.28/ アラベスクOp.18/ アルバムのページ(20の小品集)Op.124/ 花の曲 Op.19/7つのフゲッタOp.126/ 主題と変奏 WoO.24(シューマン最後の作品) |
エリック・ル・サージュ (P;スタインウェイ) | |
J.S.バッハ: ミサ・ブレヴィス〔BWV.233/BWV.236〕/ モテット 「おおイエス・キリスト、わが命の光」BWV.118 |
ラファエル・ピション指揮 Ens.ピグマリオン ユジェニー・ワルニエ(S) テリー・ヴァイ(CT) エミリアーノ・ ゴンザレス=トロ(T) クリスティアン・イムラー(B) | |
ピリオド楽器使用。 | ||
フランソワ・クープラン(1660-1733):クラヴサン曲集第3・4巻より 「クラヴサン曲集第3巻」(1722)より 〔第14組曲(恋する夜啼鶯/七月(*)/シテール島の鐘/他)/第15組曲(摂政夫人/ドードー鳥/ミュゼット(*)/他)/ 第16組曲(比類ない恩寵/ウェスタの巫女達/大雑把な女/他)/第17組曲(フォルクレ/レティヴィル(*)/他)〕/ 「クラヴサン曲集第4巻」(1730)より 〔第22組曲(戦利品/うなぎ/手品/他)/第24組曲(大旦那たち/若旦那たち/美しきおしゃべり女/他)/ 第26組曲(病み上がりの女/きつい女/無言劇/他)/第27組曲(絶妙な女/機知/他)〕 フレデリク・アース(Cemb;#) パウラ・エルダス(第2Cemb;*) | ||
使用楽器:パリのエムシュ1751年オリジナル(#)。古楽大国ベルギーの「いま」を代表する、フランス語圏きっての俊才がフランス随一の誇り高き秀逸レーベル、Alphaとともに世に問う「新時代のクープラン」。フランス鍵盤楽派の“粋 "たる4曲集の後半2集、謎めいたユニークさは「バロックのサティ」。 | ||
ラモー(1683-1764)/ルートヴィヒ・クリスティアン・ヘッセ(1716-1772)編曲: オペラ=バレ「恋の神に驚かされて」(1748/57-58) モニク・ザネッティ(S) シュテファン・マクロード(Br) Ens.ドゥ・ヴィオール・エガル [ジョナサン・ダンフォード、シルヴィア・アブラモヴィチ(ヴィオール) ピエール・トロスリエ(Cemb)] | ||
ピリオド楽器使用。ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)の典雅さと多彩な表現力は、変幻自在のバレエ音楽さえふたつの楽器べからく描きあげてしまう。本場フランスの古楽界を牽引する超・実力派ダンフォード、豪華メンバー、そしてAlpha。雅びでスリリングな1時間をどうぞ。 | ||
モーツァルト(1756-1791): 鍵盤とヴァイオリンのためのソナタ 〔変ホ長調 KV380/変ロ長調 KV454〕 ベートーヴェン(1770-1827): ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ長調 Op.12 |
エレーヌ・シュミット(Vn;*) レミ・カルディナル(Fp;#) | |
使用楽器:ガリアーノ、1760年代頃(*)/ヴァルター・モデル(#)。古楽先進国フランスが誇るバロック・ヴァイオリン奏者シュミットの新境地、ついに結実。気鋭鍵盤奏者との対話も絶妙 | ||
ダヴィデ王が歌うとき〜旧約聖書の「詩編」と17世紀ドイツ北方の巨匠たち ディートリヒ・ブクステフーデ(1637-1707):主は言われた BuxWV17(ラテン語詩編第109編)/哀悼の句 BuxWV76 ザムエル・シャイト(1584-1654):コルネットによるカンツォン ヨハン・フィリップ・フェルチュ(1652-1732):深い淵の底から(ドイツ語詩編第130編) ユリウス・ヨハン・ヴァイラント(1605 頃-1663):全地よ、神に向かって喜びの叫びをあげよ(ドイツ語詩編第66編) マティアス・ベックマン(1616-1674):4声(と通奏低音)のためのソナタ ニコラウス・ブルーンス(1665-1697): 前奏曲とフーガ ホ短調/全地よ、主に向かって喜びの叫びをあげよ(ドイツ語詩編第100編) クリストフ・ベルンハルト(1628-1692):深い淵の底から(ドイツ語詩編第130編) ヨハン・ゾンマー(1570頃-1627): 主よ、至高のかたよ(ドイツ語詩編第8編)/4声(と通奏低音)のための器楽シャンソン ジャン・チュベリー(コルネット)指揮Ens.ラ・フェニーチェ ハンス=イェルク・マンメル(T) ダーフィト・ファン・バウヴェル(Org) | ||
ピリオド楽器使用。バッハに強く感化を与えたブクステフーデ、その世界を育んだ先人たち、そして...聖書のなかでもとりわけ音楽化されることの多い「詩編」をテーマに、生のままの17世紀へ。筋の通った古楽もの企画、その演奏内容の飛びぬけたセンスではやはり、Alphaが一番。! | ||
J.S.バッハ(1685-1750): 鍵盤練習曲集第2巻〜2段鍵盤チェンバロのための イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971 / フランス序曲 ロ短調 BWV831 |
バンジャマン・ アラール(Cemb) | |
「古楽先進国随一のレーベル」Alphaのバッハ盤は、これまで外れたことがない。ましてや、いま最もアツいチェンバロ奏者の傑作録音となれば最初の1音から桁外れの風格。落ち着いた風情からゆっくり描きあげられる、途方もないスケール感。 | ||
バッハ:さまざまな楽器による協奏曲 VI 管弦楽組曲第4番 ニ長調 BWV1069/チェンバロ協奏曲 イ長調 BWV1055/ ブランデンブルク協奏曲第1番 ヘ長調 BWV1046/ 4台のチェンバロと弦楽合奏のための協奏曲 ニ短調 BWV1065 カフェ・ツィマーマン [パブロ・バレッティ(Vn/ヴィオリーノ・ピッコロ) エマニュエル・ラポルト、ヤス・モイシオ(Ob) ハンネス・ルクス(ナチュラルTp) トーマス・ミュラー、ラウル・ディアス(ナチュラルHr) セリーヌ・フリッシュ、ディルク・べルナー、コンスタンス・ベルナー、アンナ・フォンターナ(Cemb)] | ||
ピリオド楽器使用。Alphaレーベルで最も注目されているシリーズ、ついに完結。ブランデンブルク協奏曲からついに収録された「第1番」では、スイスの多忙な仕事人トーマス・ミュラーと、英国でも大活躍の名匠R.ディアスがホルンを。打楽器入りの最大編成第4組曲、4台チェンバロ協奏曲まで。 | ||
ルイス・デ・ブリセーニョ(1626年前後に活躍):スペイン風ギターのための舞曲と歌さまざま ビラーノ「子爵殿の馬は」/パサカーリェ「妻をちゃんと躾けておれば」/ 作者不詳:クリスマスのハカラ「御降誕を祝いに」/フランスのトノ「おお!恋は狂おし」/ トノ・ウマーノ「泣け、泣くがいい、わが両の目よ」/エスパニョレータ(*)/ ロマンセ:ルイス氏が、彼のギターや歌を侮った者たちに歌った歌/ 作者不詳:ビリャンシコ「違う、おれは違うんだ」 トノ・ウマーノ「ああ、なんとひどい」(フランシスコ・ベルヘス作曲)/サラバンダ「さあサラバンダだ」(*)/ 器楽4題(*)〜[パサカーイェ/ガイタス(作者不詳)/戦の踊り/カナリオ]/ビリャンシコ/ スペインのエール「小舟はいま岸辺にあって」/フォリア「山の乙女よ、あなたの目は」(バタイユ編)/ セギディーリャ「おしえてくれ、なぜ泣いているのか」【(*)は器楽のみのトラック】 ヴァンサン・デュメストル(バロックG)指揮ル・ポエム・アルモニーク クレール・ルフィリアトル(S) イザベル・ドリュエ(Ms) ミラ・グロデアヌ(Vn) リュカ・ペレ(バス・ガンバ) トル=ハラルト・ヨンセン、マッシモ・モスカルド(バロックG) マリー・ブルニシアン(Hp) トマ・ド・ピエルフュ(Cb) ジョエル・グラール(Perc) | ||
ピリオド楽器使用。ル・ポエム・アルモニーク今度はスペイン。エール・ド・クール全盛期、パリの人々を驚かせたスペイン風バロック・ギターと、情熱の歌。艶やかなバロック・ダンスのリズムで、最強メンバーが今回も「数段上手」な響きを息づかせる。 | ||
苦悩と悦楽〜17世紀ローマ楽派の世界 作曲者不詳(おそらくL.ロッシ):5人の歌い手のためのカンタータ「悔悟する罪人」 マッツォッキ:3声のアリア「悔悟し、神に向きなおる者」 / マリーニ:パッサカーリョ(パッサカリア) カリッシミ:6人の歌い手のためのオラトリオ「イェフタ」 ルイス・アントニオ・ゴンサレス(Cemb)指揮 アンサンブル「閣下の楽師たち」〔ロス・ムシコス・デ・ス・アルテサ〕 | ||
「バロック」とはまさに、この時代のローマの芸術のこと。17世紀の粋、声と楽器による官能の瞬間、続々! | ||
マルカントワーヌ・シャルパンティエ(1643-1704): オフェルトリウム(奉献唱)H.514 /アンティフォナ(交唱)H.532 /サンフォニー(合奏曲)H.529 / 教区教会儀式のための序曲 H.536 /詩編第110編に続くアンティフォナ(交唱)H.516 /アンティフォナ(交唱)H.526 / 幾多の殉教者のためのモテ(教会声楽曲)H.361 (*) /聖週間の祭壇のための序曲 H.523 〜城壁での行列に寄せて/ 教区教会の儀式のための序曲 H.537 /まだ手をつけられていない捧げ物 H.522 /教会のための序曲 H.524 / バス独唱による第1ルソン・ド・テネブルと序章 H.120〜122(聖水・木・金曜日のための;*) アレクシス・コセンコ(Fl−tr/リコーダー)指揮Ens.アルテ・デイ・スオナトーリ シュテファン・マクロード(バス=ターユ独唱) | ||
(*)印は独唱入り、他は歌手抜きの器楽合奏曲。ピリオド楽器使用。巨匠リュリが必死で妨害せずにおれなかったフランス・バロック最大の巨匠のひとり、シャルパンティエの偉業を「歌なし」で味わえる前半部は、きわめて貴重な珠玉の小品揃い。後半はBCJ定期などでもおなじみ、多忙をきわめる名古楽歌手の、静謐な歌い口が絶美。 | ||
J.S.バッハ(1685-1750):ミサ・ブレヴィス ロ短調 (1733年、ザクセン選帝侯フリードリヒ=アウグスト2世に献呈/後の「ミサ曲 ロ短調」) ユジェニー・ワルニエ、アンナ・ラインホルト(S) カルロス・メーナ(CT) エミリアーノ・ゴンサレス・トロ(T) コンスタンティン・ヴォルフ(B) ラファエル・ピション指揮Ens.ピグマリオン | ||
ピリオド楽器使用。「音楽の父」畢生の大作、「ミサ曲 ロ短調」のおおもとの形、つまり、バッハが最初に着想した形は、このような「長大なミサ・ブレヴィス」だった。 | ||
ヴィヴァルディ(1678-1741):ドレスデン宮廷のための協奏曲さまざま Vol.1 ヴァイオリン協奏曲〔ヘ長調 RV569 /ヘ長調 RV568 /ニ長調 RV562「聖ロレンツォの祝日のために」/ ヘ長調 RV571 /ヘ長調 RV574 /ヘ長調 RV568 〜緩徐楽章「アダージョ」の別ヴァージョン〕 ゼフィラ・ヴァロヴァー(Vn) アンネケ・スコット、ジョゼフ・ウォルターズ(Hr) アンナ・スタール、マルクス・ミュラー(Ob) アレクシス・コセンコ指揮Ens.レザンバサデュール | ||
ピリオド楽器使用。世界随一の宮廷楽団ドレスデンの凄腕奏者たちを想定して、協奏曲の達人が多彩な音色をいかんなく駆使?最 新研究が明かすホルンや低音楽器の謎、エキサイティングなピリオド楽器演奏にフィードバック。 | ||
英国の幻想、ドイツの幻想〜北海両岸のバロック・ヴァイオリン音楽など 作曲者不詳:ソナタと組曲(ウプサラ大学図書館の写本より)/ソナタ〔第21番/第27番〕(ダーラムD2写本より)/ ダフネ(ユトレヒト・カンプハイゼン写本より)/ 何が一日でも/好機はわが仇敵(「マンチェスター・リラ・ヴァイオル・ブック」より) ヘンリー・バトラー(?-1652):ソナタ〔ト短調/ト長調〕/アリア ホ短調 ウィリアム・ヤング(?-1662):ソナタ ニ長調 / ディートリヒ・ベッカー(1623-1679):ソナタ ニ短調 ハインリヒ・シャイデマン(1595-1663):マスカラーダと変奏曲/クーラントと変奏曲 ジェンキンズ(1592-1678):アリア イ長調/クーラント イ短調 / ヴィルヘルム・ブラート(1530-1660):コラール ディートリヒ・シュテフケン(?-1673):前奏曲/アッレマンダ(アルマンド) ジェローム・ヴァン・ワールベーク(Vn) Ens. ラ・サント・フォリー・ファンタスティーク | ||
(P) 2012 (C) 2013 。ピリオド楽器使用。17世紀の音楽シーンは、想像以上に国際交流がさかんだった。ドイツ北方と英国のつながりを「弦楽器」をテーマに解きあかす玄妙企画。演奏陣はさりげなく欧州新世代の超・注目株揃い。 | ||
ヘンリー・パーセル(1659-1695): 喇叭をあたりに響かせろ/ああ!恋をするのは何と喜ばしいこと/おお孤独よ、わたしは喜んでおまえを選ぼう/ アルマンド ニ短調/まだ、わたしは願いをかけている/あえて懸念の種を探すことはない/ クーラントとホーンパイプ ニ短調/音楽はつかのま/薔薇よりも芳わしく/新しいグラウンド ホ短調/ 自然の声とはこういうものだ/薔薇を満たした揺籠で/ホーンパイプ ホ短調/ あなたは天におられ、何でもおできになると伺った/ああ、わたしたちは何と幸せなのだろう/ 嘆きの歌〜ああ、泣かせておいて、いつまでも/或るグラウンド ニ短調/ロンド ニ短調/ ヴァイオルをかき鳴らせ、リュートをつま弾け/プレリュード イ短調/ただいたずらに、恋の笛は/ 夕暮れどきの讃歌〜今や太陽は、その輝きに覆いをかけ 「使用楽譜典拠」◆『英国のオルフェウスOrpheus Britanicus』(1698/1702) ◆『音楽の祝宴 The Banquet of Musick』(1688) ◆『精選曲集:チェンバロ、またはスピネットのための手習い A choice Collection of Lessons for the Harpsichord or Spinett』(1705頃) ◆『聖なる音楽さまざま Harmonia Sacra』(1714) レイナウト・ファン・メヘレン(T) ニコラ・アクテン(Br/ヴァージナル/バロックHp)指揮スケルツィ・ムジカーリ | ||
ピリオド楽器使用。その偉大さと普遍性は、意外に伝わりにくいパーセル声楽の魅力を、完成度の高いアルバムひとつでストレートに痛感させる。古楽大国ベルギーに集う異才たちとAlphaが手を携えあい、こだわり強く仕上げたパーセル盤は、まさに極上。 | ||
ヴィヴァルディ(1678-1741): 合奏協奏曲 ニ短調 Op.3 No.11 RV565/合奏協奏曲 ヘ長調 Op.3 No.7 RV567/合奏協奏曲 イ短調 Op.3 No.8 RV567/ ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.3 No.9 RV230/チェロ協奏曲 ト短調 RV414/合奏協奏曲 ロ短調 Op.3 No.10 RV580/ ヴァイオリン、チェロ、弦楽合奏と通奏低音のための協奏曲 ヘ長調「プロテーオ、または逆さまの世界」RV544 パブロ・バレッティ(Vn) カフェ・ツィマーマン ダヴィド・プランティエ、 ラウロ・ロペス=フェレイラ、ニコラス・ロビンスン(Vn) ペトル・スカルカ(Vc) | ||
ピリオド楽器使用。「バッハ:さまざまな楽器による協奏曲」シリーズ好評のカフェ・ツィマーマン、満を持してのヴィヴァルディ。超王道の傑作集からの作品と、チェロも大活躍の単独曲2曲...ということは、続編も?! 濃密な音楽性、極上、極上。 | ||
ベートーヴェン(1770-1827):ピアノ・ソナタ集 〔第14番 嬰ハ短調 Op.27 No.2「月光」/ 第21番 変ホ長調 Op.53「ヴァルトシュタイン」/ 第17番 ニ短調 Op.31 No.2「テンペスト」〕 |
アレクセイ・リュビモフ(Fp) | |
ピリオド楽器使用。使用楽器:クリストファー・クラーク、2011年製作(モデル:エラール(パリ)、1802年製作)。20世紀ロシア・ピアニズムの行き着いた先に、最先端のピリオド楽器研究があった。現代最高峰の異才アレクセイ・リュビモフが、Alphaの「知」と「洗練」にたどりついた瞬間。比類ない自然派録音を背景に、選び抜かれた「“月光 "の年のエラール」で紡ぎ出される、至高の銘解釈。 | ||
カプスベルガー(1580-1651): 「リュートのための奏法譜集第1巻」〜8つのトッカータ(*) /ぼくのアヴリッラ/わたしはもはや虫の息 カッチーニ(1551-1618):わたしは天から月を落とす者/うるわしのアマリッリ/苦しみと痛みのあいだで モンテヴェルディ(1567-1643):この憂いを帯びたまなざしで(独唱による恋文) メールラ(1595-1665):聖なる唱歌 〜子守歌に乗せて ストロッツィ(1619-1677):カンタータ「恋するエラクリート」 トーマス・ダンフォード(アーチリュート) アンナ・レノルド(Ms;*以外) | ||
Alphaレーベルが、10年以上ぶりに真正面からカプスベルガーとイタリア古楽に向き合った。ダウランド盤でも成功をおさめたフランス古楽界のサラブレッドT.ダンフォード、この玄妙なカプスベルガーの音世界には、しずかに心を預ける価値がある。 | ||
ハイドン(1732-1809): ソナタ〔ヘ長調 Hob.XVI: 23 /変ホ長調 Hob.XVI: 28 /ハ長調 Hob.XVI: 48 〕/ アダージョ ヘ長調 Hob.XVII: 9 /アンダンテと変奏 ヘ短調 Hob.XVII: 6 ボビー・ミッチェル(Fp;) | ||
使用楽器:シュタイン・モデル、18世紀末製オリジナル(修復:クリス・マーネ)。各ソナタの後に、演奏者による即興演奏付き。フォルテピアノ系の録音にも適性抜群の Alpha 、新たに世に問う名手は「ブルージュの覇者」。作曲家生前のウィーンで造られたオリジナルの銘器をあざやかに弾きこなし、ハイドンがいかに面白い音作りをしていたかを端的に伝える逸品。曲間の即興演奏も雰囲気満点。 | ||
トバイアス・ヒューム(1569-1645): 始まりの曲(サセックス夫人のお楽しみ)/或るアルメイン(ケインズ夫人のお楽しみ)/ユーモラスなパヴァン/ ヒューム大尉のガリアード/或るジグ/よき再会あれ/音楽熱(クリストファ・ハットン卿なら)/或る兵士の決意/ 或る兵士のガリアード/これほど悲しいことがあろうか/やさしく触って/かるく触って/はやく、ちくりとやって/ ちくり、ちくり/ペンブルック伯のガリアード/ああ、憐れな者ども/やさしきエア(アランデル伯のお気に入り)/ 音楽と素敵な喧噪(ハットン夫人のお楽しみ)/不注意なユーモア/謹聴! 謹聴!/ガンバ弾きの心意気(ドウィス公の お気に入り)/わが婦人はかわいらしいものをお持ちで/恋の別れ/まちがえた、あの音は変えようか/この余興は グイード・バレストラッチ(各種リラ・ヴァイオル) ブリュノ・コクセ (ディスカント・ガンバ/リラ・ヴァイオル) レ・バッス・レユニ | ||
ピリオド楽器使用。才人コクセには、やっぱりこのレーベルがよく似合う。名手バレストラッチとともに、豪奢な英国低弦世界へ! | ||
フランス・ルネサンスのノエルさまざま〜降誕節、名匠たちのシャンソンとともに ジャン・ムートン(1459-1522)、クレマン・ジャヌカン(1485-1558)、クローダン・セルミジ(1495-1562)、 ロワゼ・ピエトン(1530年代活躍)、ジャック・アルカデルト(1507-1568)、クロード・グディメル(1514/20-1572)、 ギヨーム・コストレ(1530-1606)、ウスタシュ・デュ・コロワ(1549-1609) ドミニク・ヴィス(CT) クレマン・ジャヌカン・アンサンブル(古楽声楽集団&ピリオド楽器使用) | ||
クリスティに続いてヴィスの一党も本格的にAlphaへ。自家薬籠中の演目。 | ||
J.S.バッハ:7つのモテット集 主に向かって新しい歌を歌え BWV225 /聖霊は、弱い私たちを助けて下さる BWV226 / 恐れるな、わたしはあなたと共にいる BWV228 /来て下さい、イエス、来て下さい BWV229 / わたしはあなたを見捨てはしない BWVAnh.159 /イエス、わが喜び BWV227 /主を讃美せよ、すべての国よ BWV230 ファビオ・ボニッツォーニ指揮カペラ・クラコヴィエンシス | ||
ピリオド楽器使用。名匠ボニッツォーニ、満を持してバッハの大作へ、しかも「テ・デウム」盤でも活躍した精鋭合唱陣と。 | ||
ベートーヴェン:変奏と幻想 創作主題による32の変奏 ハ短調 WoO.80 /ピアノ・ソナタ第19番 ト短調 Op.49 No.1 / ピアノのための幻想曲 Op.77 /ピアノ・ソナタ第20番 ト長調 Op.49 No.2 / 「エロイカ」の主題による序奏、創作主題による15の変奏とフーガ Op.35 オリガ・パシチェンコ(Fp) | ||
使用楽器:ポール・マクナルティ製作〔モデル:ヨハン・フリッツ(ウィーン)、1810年頃製作〕。リュビモフ門下の「ロシア・ピアニズムピリオド楽器系」、なお泰然自若の名演で、楽聖の来し方に迫る。 | ||
ショスタコーヴィチ: ピアノ、トランペットと弦楽合奏のための協奏曲(ピアノ協奏曲第1番) Op.35 (*) / ピアノ協奏曲第2番 Op.102 (#) /2台のピアノのための小協奏曲 Op.94 (+) /2台のピアノのためのタランテラ(+) アンナ・ヴィニツカヤ(P) トビアス・ヴィルナー(Tp;*) クレメラータ・バルティカ オメール・メイア・ヴェルバー指揮(#) ドレスデン・シュターツカペレ管楽セクション(#) イヴァン・ルーディン(+) | ||
話題すぎる面子が勢ぞろい。クレメラータ&ロシア・ピアニズム&俊才指揮者。 | ||
モーツァルト:フルート四重奏曲全集 〔第1番 ニ長調 KV285 (*) /第2番 ト長調 KV285a (*) /第3番 ハ長調 KV285b (#) /第4番 イ長調 KV298 (#)〕 ジュリエット・ユレル(Fl) ヴォーチェSQ [セシル・ルービン(Vn;*) サラ・ダヤン(Vn;#) ギヨーム・ベッケル(Va) リディア・シェリー(Vc)] | ||
静かに世代交代が進むフルートの世界。ロッテルダム・フィルの世界的名手+気鋭SQで、フランスの粋を。 | ||
バルトーク(1881-1945): ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz.112, BB117 (1938) (*) / 管弦楽のための協奏曲 Sz.116, BB123 (1944) テディ・パパヴラミ(Vn;*) エマニュエル・クリヴィヌ指揮ルクセンブルクpo. | ||
フランスの高雅さが、バルトークに独特の風采を――東と西の思いがけぬ交錯パパヴラミの弦も冴えわたる。 | ||
ヤナーチェク:シンフォニエッタ Op.60 (1926) ドヴォルジャーク: 交響曲第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」(1893) |
ヨス・ファン・インマゼール指揮 アニマ・エテルナ・ブリュッヘ | |
ピリオド楽器使用。白熱する「ロマン派→近代のピリオド系」、まさかこんな組み合わせでチェコを攻めるとは、注目。 | ||
グリーグ、ヴォルフ、R.シュトラウス、バッケル=グロンダール:歌曲集
マリ・エリクスモーエン(S) アルフォンス・スマン(P) | ||
録音:エクサン=プロヴァンス音楽祭、おそらくライヴ。 アーノンクールやヤーコプスとオペラで共演しているノルウェー出身のソプラノ、エリクスモーエンの同音楽祭デビュー・リサイタル。 | ||
ペーテル・エートヴェシュ(1944-): 3つの新しい協奏曲 ヴァイオリン協奏曲第2番「 DoReMi 」(2012) (*) / チェロ合奏協奏曲(2010-11) (#) / スピーキング・ドラムズ(2012-13) (+) |
五嶋みどり(Vn;*) ジャン=ギアン・ケラス(Vc;#) マルティン・ グルービンガー(Perc;+) ペーテル・エートヴェシュ指揮 フランス放送po. | |
いま聴くべき作曲家=指揮者を、驚くべき演奏陣で!その顔ぶれこそ、聴きき深めたくなる作品への信頼の証し。 | ||
ベルチャSQ + メネセス ヴェーベルン:弦楽四重奏のための緩徐楽章/弦楽四重奏のための5つの楽章 ベルク:叙情組曲 / シェーンベルク:浄夜(弦楽六重奏のための初演版)(*) ベルチャSQ [コリーナ・ベルチャ、アクセル・シャハー(Vn) クシシュトフ・ホジェウスキ(Va) アントワーヌ・ルデルラン(Vc)] ニコラ・ボーヌ(Va:*) アントニオ・メネセス(Vc;*) | ||
現代最前線の正統派カルテットも Alpha 参入。しかもチェロに巨匠メネセスを迎え、初演版「浄夜」まで。 | ||
橋をかけてゆく〜祖国から、向こう側へ アイスラー/ギヨーム・ド・シャシ―編曲:ハリウッド歌曲集(ハリウッド・ソングブック)より 〔小さなラジオに/亡命者の風景/春/その町は天使にちなんで名づけられ/1942年の食糧庫/カリフォルニアの秋〕 プロコフィエフ/ギヨーム・ド・シャシ―編曲: ピアノ協奏曲第2番 より/ヴァイオリン協奏曲第1番 より/ピアノ・ソナタ第6番「戦争ソナタ」より ギヨーム・ド・シャシー(P) ローラン・ナウリ(B−Br) トマ・サヴィ(Cl) アルノー・キュイジニエ(Cb) | ||
ドイツと、ソ連と。祖国を離れた作曲家たちは、異国で何を思ったか? 1964年生まれのジャズ・ピアニスト、ド・シャシ―によるメロウな編曲で、ジャンル間にも橋を。 | ||
パトリツィア・コパチンスカヤ、TAKE TWO 〜ヴァイオリンと二人で ディック:「バッタと蟻」バーレスク風導入曲(音楽への前奏) サンチェス=チョン:オヴァークロッカーズ1・2・3・4・5 / ソテロ:4つの光の断片 ヴィヴィエ:ヴァイオリンとクラリネットのための小品 / ツィカン:声がつきまとう何か ホリガー:春の踊り(不安定)/トレプフリ=ムージヒ/小さな何か / ケージ:メロディ第4番 ミヨー:遊び(快活に) / マルティヌー:休符あり(アレグレット) ファリャ:ホタ〜ポロ〜子守歌 / バッハ:シャコンヌ / ビーバー:描写的ソナタ ジャンベルティ:かっこうの調べ / ギボンズ:ファンタジア第4番 マショー:バラード「その美しさは、他の誰をも」 / ウィンチェスター・トロープス集:アレルヤ唱 パトリツィア・コパチンスカヤ(Vn) レート・ビエーリ(Cl/Vn/オカリナ) ロランス・ドレフュス(Vg) パブロ・マルケス(G) アントニー・ロマニュク(Cemb/イピアノ) マティアス・ヴュルシュ(ダルブッカ) エルネスト・エストレリャ(Vo) | ||
ピリオド楽器でも現代曲でも、彼女ならではの音楽で世界を塗り替えてきたコパチンスカヤ、 Alpha 電撃参入。 | ||
修道士ヴァイヒライン『音楽の祝宴』、および17世紀ドイツ語圏の器楽作品さまざま ヴァイヒライン:ソナタ〔第3番 イ短調/第11番 ロ短調/第9番 ニ短調/第6番 ヘ長調/第2番 ト短調〕 クーナウ:ソナタ6番 変ロ長調〜チャッコーナ(2台のチェンバロ用編曲版) ベーム:カプリッチョ ニ長調 / バッヘルベル:チャッコーナ ニ短調(2台のチェンバロ用編曲版) ケルル:チャッコーナ ハ長調(2台のチェンバロ用編曲版) / ムファット:パッサカリア ト短調 ソフィー・ジェント、トゥオモ・スニ(Vn) オリヴィエ・フォルタン(Cemb/Org)指揮アンサンブル・マスク スキップ・センペ(Cemb/2台チェンバロ曲) | ||
ピリオド楽器使用。修道士ロマヌス、ヴァイオリンを弾く。オーストリア後期バロックの豊饒さを実感、Alphaらしい「発見の喜び」。 | ||
エール・ド・クールの「心」〜16世紀末、フランス宮廷歌曲の誕生 ボーリュー:ああ、何をすればよいのか / カルーベル:ブルターニュのパスピエ(器楽合奏)/スパニョレット ボワイエ:どうしよう?何と言おう? / 作曲者不詳:ほらよ、あんたも残念な婆さんだな ゲドロン:酷い苦しみでやつれても/本当にうんざり/優しい矢で傷つけた美しい人よ ル・ブラン:さあ!リュートよ、悲しい調べで/船頭たちは晴れの日が大好き/何が救ってくれるのか、この苦痛を カイエタン:ぼくの気持ちを見ておくれ / ロレンツィーニ:ファンタジア(器楽合奏) コストレ:死の苦しみの方がまだましだ / ル・ロワ:ああ、なんという喜び/恋の炎を ヴァンサン・デュメストル(テオルボ/バロックG)総指揮 ル・ポエム・アルモニーク クレール・ルフィリアトル(S)他 | ||
ピリオド楽器使用。Alpha と言えばル・ポエム・アルモニーク、彼らと言えばエール・ド・クール!大本命歌手続々、待望すぎる新録。 | ||
フランス近代歌曲、三者三様の洗練 アーン:ネール(水の精)/ぶどう摘みの3日間/東屋で憩っていると/ リラの茂みに夜啼鶯/クロリスに/リュデ/テュンダリス/フォロエ/フュリス/春 デュパルク:悲しき小歌/ミニョンのロマンス/フィディレ/戦時下の国で/旅へのお誘い ショーソン:7つの歌曲 Op.2 /実にやさしい小歌/リラの花さくとき ヴェロニク・ジャンス(S) スーザン・マノフ(P) | ||
今、この人ほど多芸な名歌手がいるだろうか。ピオーやプティボンとも違う「深み」、フランスの粋ここに。 | ||
シューベルトと19世紀の室内演奏会〜シューベルト(1797-1828): セレナーデ(第1稿) D920 /小川のそばで D853 /糸を紡ぐグレートヒェンD118 /夜 D983c /個性的な行進曲 D886-2 / 若い尼僧 D828 /ピアノ五重奏曲 イ長調「ます」D667 /森での夜の歌 D913(四重唱とホルン四重奏のための)/ ガニュメデD544 /あなたはわたしを愛していない D756 /アンダンテ〜ピアノ三重奏曲第2番 D929より/ まなざしの魔法 D902-1 /欺かれた裏切り者 D902-2 /妻をめとるには D902-3 / ハンガリー風ディヴェルティスマンD818 /幻想曲 ヘ短調 D940 /さすらい人 D489 /夜と夢 D827 / テューレの王様 D367 /羊飼いの娘は草原に D513 /きみは憩い D776 /シルヴィアに D891 / ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト短調 D408 /死と乙女 D531 /伝書鳩 D965 /岩の上の羊飼い D965 / ゴンドラ漕ぎ D809 /こびと D771 /アレグロ〜「人生の嵐」D947より/海は穏やか D216 / アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D821(チェロ・ピッコロとフォルテピアノによる)/楽に寄す D547 ヨス・ファン・インマゼール(Fp) ソ・イェリ(S) マリアンネ・ベアーテ・シェラン(Ms) トーマス・バウアー(Br) バイエルンの森シューベルティアーデ四重唱団 クレール・シュヴァリエ(Fp/連弾) アニマ・エテルナ・ブリュッヘ [ミドリ・ザイラー(Vn) マルティーナ・フォルニ(Va) ステーファノ・ヴェジェッティ(Vc) ベルターネ・ルイス・モリーナ(Cb) リサ・シクリャヴェル(Cl) アンネケ・スコット、マルティン・ミュルナー、 ヘレン・マクドゥガール、イェルク・シュルテス(ナチュラルHr)] | ||
ピリオド楽器使用。 インマゼール70歳記念、充実の4枚組。気の置けない名手仲間と、フォルテピアノ芸術の粋を。 | ||
ヤナーチェク: 野鴨 JW IV.18 (1885) /我々の樺の樹 JW IV.22 (1893) / 娘オルガの死に寄せる悲歌 JW IV.30 (1903-1904) / ピアノ・ソナタ「1905年10月1日」JW VIII.19 (1905-1906)(室内楽編曲版)/ ハルファル先生 JW IV.33 (1906) /オオカミの尻尾 JW IV.39 (1916) /さまよえる狂人 JW IV.43 (1922) / ピアノと室内楽のための小協奏曲 JW VII.11 (1925) /わらべうた JW V.17 (1926) ラインベルト・デ・レーウ指揮アンサンブル・オクサリス(器楽合奏) コレギウム・ヴォカーレ・ヘント(cho.) トーマス・ディールチェンス(P) | ||
ヘレヴェッヘ率いる精鋭集団は、単体でも活躍中。思わぬ共演陣と、絶美&多彩なヤナーチェク像を。 | ||
バリエール:チェロと通奏低音のためのソナタ集 Vol.2(パルドゥシュ・ドゥ・ ヴィオルのためのソナタ、クラヴサンのための小品を含む)〜フランス史上初のチェロの凄腕奏者! ソナタ〔ヘ短調 Op.2 No.2 (1735) /ヘ長調 Op.1 No.5 (1733) /ト長調 Op.5 No.4 (1740) / ホ短調 Op.1 No.3 (1733) /ト長調 Op.3 No.6 (1739) / ハ長調 Op.4 No.6 (1740) /ヘ短調 Op.5 No.6 (1740) 〕/ ラ・ブコン(1740) /ラ・トリボレ(1740) ブリュノ・コクセ(各種バロックVc) レ・バッス・レユニ [ベルトラン・キュイエ(Cemb) エマニュエル・ジャック(Vc/通奏低音) リチャード・マイロン(Cb)] グイード・バレストラッチ(パルドゥシュ・ド・ヴィオール〔高音域ガンバ〕) | ||
ピリオド楽器使用。 Vol.1: ALPHA-015(2015年11月現在、レーベル品切)。Alpha初期のブレイクスルー的銘盤に、驚異の続編!この録音も、魔術的技師との絶好プロジェクト。 | ||
J.S.バッハ: 平均律クラヴィーア曲集第1巻 全曲 |
セリーヌ・フリッシュ(Cemb) | |
「ゴルトベルク」やカフェ・ツィマーマンでの成功以来、満を持してのバッハ王道、これは聴き逃せない。 | ||
エルヴェ・ニケ〜ヴィヴァルディ: 独唱、二重合唱、トランペット、オーボエ、弦楽合奏と通奏低音のための グローリア ニ長調 RV 589 / 合唱、弦楽合奏と通奏低音のための 詩編第122 (121)編「わたしは喜んだ」RV 607 / 二重合唱、弦楽合奏と通奏低音のためのマニフィカト RV 610a / 独唱、二重合唱、弦楽合奏と通奏低音のための 詩編第148 (147)編「イェルサレムを讃えよ」RV 609 エルヴェ・ニケ指揮ル・コンセール・スピリチュエル | ||
ピリオド楽器使用。紆余曲折?の末、エルヴェ・ニケが大本命名曲を Alpha レーベルから。ナチュラル金管、二重合唱。 | ||
ブラームス:チェロ・ソナタ全集 〔第1番 ホ短調 Op.38 /第2番 ヘ長調 Op.99 〕 |
マリー=エリーザベト・ ヘッカー(Vc) マルティン・ヘルムヒェン(P) | |
欧州でのソリスト室内楽の最前線をゆく名手たち。曲者ふたり、愛の結実がみせるロマン派室内楽の粋。 | ||
ネルソン・ゲルナー〜ショパン: ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 Op.44 /子守歌 Op.57 / 舟唄 Op.60 /24の前奏曲集 Op.28 |
ネルソン・ゲルナー(P) | |
絶美のドビュッシー奏者、ショパンの粋の中核へ。 | ||
フランス近代管弦楽の誕生〜ベルリオーズからプーランクまで ベルリオーズ:幻想交響曲/序曲「ローマの謝肉祭」 ドビュッシー:交響詩「海」/管弦楽のための「映像」/牧神の午後への前奏曲 ラヴェル:ボレロ/亡き王女のためのパヴァーヌ/左手のためのピアノ協奏曲/スペイン狂詩曲/ ラ・ヴァルス/マ・メール・ロワ(作曲者自身による管弦楽版)/ ムソルグスキー/ラヴェル編曲:組曲「展覧会の絵」(管弦楽編曲版) プーランク:2台のピアノと管弦楽のための協奏曲/フランス組曲/田園のコンセール ヨス・ファン・インマゼール(Cemb/|使用楽器:エラール、1896年)指揮 アニマ・エテルナ・ブリュッヘ カテジナ・フロボコヴァー(Cemb) クレール・シュヴァリエ(P|使用楽器:エラール、1905年製) | ||
ピリオド楽器使用。既出音源のセット化。管弦楽語法に新機軸をもたらした近代の大家たちが本当にイメージしていた響きとは? | ||
ショスタコーヴィチ(1906-1975):弦楽四重奏曲全集〔第1番−第15番〕
ダネルSQ [マルク・ダネル、ジル・ミレ(Vn) トニー・ネイス(Va) ギー・ダネル(Vc)] | ||
録音:2001年-2005年、ミュンへン、バイエルン放送との共同制作。初出・旧品番: Fuga Libera (Belgium → France), FUG-512〔発売:2005年/廃盤〕。仏 Diapason 誌「ディアパゾン・ドール」、仏 Le Monde De La Musique誌「ショック!」、英 Classical Today「10ポイント(満点)」獲得盤。 ダネル四重奏団1991年ブリュッセルで創設、1993年のショスタコーヴィチ国際コンクールで第1位に輝き、来日も多数。 | ||
ベートーヴェン/リスト編曲: 交響曲第9番 ニ短調「合唱」(ピアノ独奏版/1865年初出) ユーリー・マルティノフ(P|使用楽器:ブリュートナー、1867年製オリジナル) | ||
シリーズついに完結(他8曲は ZIG ZAG からの発売)。リストのピアニズムと作品設計を「当時の響き」で蘇らせる快挙、究極はやはり「第九」に。 | ||
フォーレ:ピアノを伴う室内楽全集 チェロとピアノのためのソナタ〔第1番 Op.109 /第2番 Op.117 〕/悲歌(エレジー) Op.24 / セレナーデ Op.98 /蝶々 Op.77 /子守歌 Op.16 /ピアノ三重奏曲 Op.120(クラリネットを用いた初期構想版)/ ピアノ四重奏曲〔第1番 Op.15 /第2番 Op.45 〕/ピアノ五重奏曲〔第1番 Op.89 /第2番 Op.119 /ドリー Op.56 / マスクとベルガマスク Op.112 /バイロイトの追憶(カドリーユの形式によるワーグナー幻想曲)/幻想曲 Op.79 / 課題小品/シシリエンヌ(「ペレアスとメリザンド」より) Op.78〔2種|Fl&P、Vc&P〕 / ピアノ三重奏曲 Op.120(決定稿)/夢のあとに/ヴァイオリン・ソナタ〔第1番 Op.13 /第2番 Op.108 〕/ 子守歌 Op.16 /初見試奏曲/ロマンス Op.28 /アンダンテ Op.75 エリック・ル・サージュ(P) フランソワ・サルク(Vc) ポール・メイエ(Cl) 樫本大進(Vn) リズ・ベルトー(Va) エベーヌSQ アレクサンドル・タロー(P連弾) ピエール・コロンベ(Vn) ラファエル・メルラン(Vc) エマニュエル・パユ(Fl) | ||
絶大な評判をとった全曲録音、BOX化。 | ||
チェンバロとピアノでバッハを〔バッハとフェルレの作品をほぼ交互に収録〕 エドゥアール・フェルレ(1971-): JE ME SOUVIENWS / APARTÉ / ENTRE ÉCORCE / APRÈS VOUS / PHÉNIX / ERBARME DICH / JE ME SOUVIENS PLUS / MAGNETIC TANGO J.S.バッハ:パルティータ第1番 BWV.825 〜ジーグ(2種)/平均律クラヴィーア曲集〜 BWV.855 より/ ソナタ ニ短調 より/フランス組曲4番〜アルマンド/ ゴルドベルグ変奏曲 BWV.988 より/無伴奏チェロ組曲第1番 より/マタイ受難曲 BWV.244 より ヴィオレーヌ・コシャール(Cemb) エドゥワール・フェルレ(P) | ||
『フランス出身のジャズピア二スト、エドワール・フェルレ。クラシック・演劇・映像・朗読とジャンルにとらわれず、いい意味で期待を裏切る彼の独創性はとどまるところを知りません。そのフェルレがバロック楽器のチェンバロ奏者ヴィオレーヌ・コシャールと出会い、熱いセッションを交わした本アルバム。』 | ||
サティ&ストラヴィンスキー、100年前のピアノ ストラヴィンスキー/作曲者編曲: ピアノ協奏曲「ダンバートン・オークス」(2台のピアノのための版)/ 2台のピアノのための協奏曲 サティ/ジョン・ケージ編曲:プラトンの対話録に基づく管弦楽のための 演劇「ソクラテス」(2台のピアノのための編曲版) サティ/ダリユス・ミヨー編曲: 「本日休演」のための幕間音楽「シネマ」(ピアノ連弾版/プリペアド・ピアノによる) アレクセイ・リュビモフ、スラヴァ・ポプルーギン(P) | ||
使用楽器:プレイエル(パリ)、1920年製/ガヴォー(パリ)、1906年製/ベヒシュタイン(ベルリン)、1909年製(プリペア:アレクセイ・リュビモフ)。ロシア屈指の異才リュビモフが歴史的ピアノを弾いたストラヴィンスキー。ゾクゾクするほど桁違いな最上質。 | ||
ブラームス:中後期ピアノ作品集 J.S.バッハ/ブラームス編曲:シャコンヌ(左手のための) ブラームス:8つのピアノ小品 Op.76 /2つのラプソディ Op.79 /幻想曲(7つのピアノ小品) Op.116 アンナ・ヴィニツカヤ(P) | ||
ヴィニツカヤ、 Alpha での待望ソロ盤は何とブラームス作品美との相性の良さ、片手シャコンヌも絶好調。 | ||
ヴィトルト・ルトスワフスキ(1913-1994): 管弦楽のための協奏曲(1950) / 小組曲(1954) /交響曲第4番(1988/92) |
クシシュトフ・ウルバンスキ指揮 北ドイツ放送so. | |
躍進めざましいウルバンスキの若々しくも精緻なタクトあればこそ、ルトスワフスキの魅力は鮮明に伝わる。 | ||
ラロ(1823-1892):協奏曲全集&協奏的作品集 スペイン交響曲 Op.21 (*) /ギター Op.28 (#) /ノルウェー幻想曲(**) /ロマンス・セレナーデ(**) / バレエ幻想曲(**) /「ナムーナ」〜序奏とスケルツォ(**) /ヴァイオリン協奏曲 第1番 ヘ長調 Op.20 (#) / チェロ協奏曲 ニ短調(##) /ロシア協奏曲 Op.29 (+) /ピアノ協奏曲 ヘ短調(++) ジャン=ジャック・カントロフ指揮ベルギー王立リエージュpo. ロレンツォ・ガット(Vn;*) キム・ウヒョン(Vn;#) エレナ・ブクシャ(Vn;+) ヴラディスラヴァ・ルチェンコ(Vn;**) オリ・エプスタイン(Vc;##) ナタナエル・グアン(P;++) | ||
圧巻の「スペイン交響曲」、名手名匠の至芸凝縮。 | ||
キルケニーへ続く道〜 ピリオド楽器とアイルランド音楽〔17世紀-18世紀のゲール歌曲と舞曲〕 作曲者不詳:オロ・モー・ア・モイリン〜ゴローム/太鼓手/サガース・シェイマス・オフィン/バロウの海岸/ わたしは赤子を横たえ、ねかしつける/オニールはバラックの丘へと馬を走らせる〜ペットリー第94番 〜アイルランドのエア(「ヒベルニア〔アイルランド〕の諸芸神」第72曲)/目のみえない者たちの王/ 抜け目ない若者/キルケニーへと続く道〜羽毛飛ばし水車のある川〜マニー・ムスク ターロック・オカロラン(1670-1738): アリック・バーク卿/エドワード・コーコラン/ジェイムズ・ビター〜リクスンの奥方/ アーサー・シェーン卿〜アーウィン大佐〜ラッシーズ大佐〜妻はご機嫌ななめ/ ジョン・ピーコック(1756-1817):寝取られ男が出てきたのは / トマス・コンラン(1645-1668頃):セリア・コナロン ウィリアム・コンラン(17世紀初頭-中頃活動):モリー・ニック・アルパン〔モリー・マカルパン〕 デイヴィッド・マーフィ(17世紀初頭活動):郷士マヨウ ジェイムズ・オズワルド(1711-1769):客間に来るなり、彼女は夢中で〜子猫の願い フランソワ・ラザレヴィチ(Fl/バグパイプ)指揮 レ・ミュジシャン・デュ・サン・ジュリアン [ロバート・ゲチェル(T) デイヴィッド・グリーンバーグ(Vn) リュシル・ブーランジェ(Gamb) ブリュノ・エルストフェル(テオルボ) ビル・テイラー(ゲールHp) マリー・ブルジニアン(Hp)] | ||
ピリオド楽器使用。異才バグパイプ奏者=トラヴェルソ吹き、躍進す。その感性、アイルランドに向かないわけがない。絶品。 | ||
フランス・バロックからロココへ〜カンタン&ギユマン:四重奏編成によるソナタと協奏曲 ジャン=バティスト・カンタン(1690-1750頃):4声部による協奏曲 Op.12 〜ラルゴ /四重奏ソナタ Op.15 No.3 / 4声部によるソナタ Op.8 /三重奏ソナタ Op.10 No.5 ルイ・ガブリエル・ギユマン(1705-1770):四重奏によるソナタ〔第1巻〜第3曲/第2巻〜第4曲〕 アンサンブル・ネヴァーマインド[アンナ・ベソン(Flーtr) ルイ・クレアック(Vn) ロバン・ファロ(Gamb) ジャン・ロンド(Cemb)] | ||
ピリオド楽器使用。18世紀、イタリア音楽を越え、フランス音楽はなんてスタイリッシュに。若手4人、圧巻の室内楽編成。 | ||
J.S.バッハ(1685-1750):6つのトリオ・ソナタ〜5曲(リコーダー編曲版) 〔第5番 ハ長調 BWV.529 (*) /第4番 ホ短調 BWV.528 (#) /第1番 変ホ長調 BWV.525 (*) / 第3番 ニ短調 BWV.527 (#) /第6番 ト長調 BWV.530 (*) 〕 ヤン・ファン・ヘッケ(リコーダー) ジョアンナ・マルヴィル(Cemb;*/Fp;#) | ||
若さほとばしる、正確なフレージングでバッハ を再発見。 | ||
ドヴォルジャーク(1841-1904): ピアノを伴う室内楽作品全集 Vol.1 〜ピアノ三重奏曲集 Vol.1 〔第3番 ヘ短調 Op.65 /第4番 ホ短調 Op.90 「ドゥムキー」〕 ブッシュ三重奏団[マテュー・ファン・ベリエン(Vn) オリ・オプステイン(Vc) オムリ・オプステイン(P)] | ||
若き俊才たちによるドヴォルジャークのピアノ付き室内楽曲シリーズ発動。 | ||
ネルソン・ゲルナー〜ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第29番 変ホ長調 Op.109「ハンマークラヴィーア」/6つのバガテル Op.126 ネルソン・ゲルナー(P) | ||
世界の注目を集めるアルゼンチンの異才、なんとベートーヴェン後期、雄大さと「ちいさきもの」の世界。 | ||
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集 〔第9番 イ長調 Op.47「クロイツェル」/第4番 イ短調 Op.23 /第2番 イ長調 Op.12 No.2 〕 ロレンツォ・ガット(Vn) ジュリアン・リベール(P) | ||
モダーン楽器使用。ピリオド・アプローチ寄りの協奏曲録音も痛快だった隠れ異才ガット+ピリス門下の俊才。 | ||
モーツァルト:歌劇「後宮からの逃走」
ジェイン・アーチボルド(S;コンスタンツェ) ノルマン・ラインハルト(T;ベルモント) ミッシャ・シェロミャンスキー(B;オスミン) ジェレミー・ロレール指揮 ル・セルクル・ド・ラルモニーo.、アンサンブル・エデス (cho.) | ||
ピリオド楽器使用。欧州歌劇界、着実に新時代。飛ぶ鳥を落とす勢いのロレール「後宮」に目をつけたAlphaレーベルの慧眼。 | ||
アレッサンドリーニ&カヴェー〜モーツァルト:ピアノ協奏曲集 〔第13番 ハ長調 K.415 /第5番 ニ長調 K.175 /第25番 ハ長調 K.503〕 オリヴィエ・カヴェー(P) リナルド・アレッサンドリーニ指揮ディヴェルティメント室内合奏団 | ||
(C) 2016 。モダーン楽器使用。イタリア古楽界の大御所アレッサンドリーニ、まさかの!1CD「現代ピアノで古楽派に挑む」チッコリーニ門下の異才と。 | ||
「むかし、むかし…」 〜 フランス・ロマン派作曲家たちの童話にもとづく歌による、架空の室内オペラ シャルル・シルヴェール(1868-1949):「眠れる森の美女」(1901) 〜どんな不思議が オッフェンバック(1819-1880):「青ひげ公」(1866) 〜無垢な天使は ローラン・ド・リレ(1828-1915):「親指小僧」(1868) 〜恋?恋ってなあに? ニコラ・イズアール(1775-1818):「灰かぶり姫〔サンドリヨン〕」(1810) 〜まあ、なんて嬉しい ショーソン(1855-1899):ピアノ四重奏曲 Op.30 (1897) 〜ラン〔遅く〕 ロッシーニ(1792-1868):「アルジェのイタリア女」(1813) 〜酷い運命! ポーリーヌ・ヴィアルド(1821-1910):「灰かぶり姫」(1904) 〜あなたに希望を フレデリク・トゥルムーシュ(1850-1909):「聖ヴァランタン祭」(1895) 〜恋の火遊び! デオダ・ド・セヴラック(1872-1921):ペパーミント・ガット(1907) ジュール・マスネ(1842-1912):「灰かぶり姫」(1895) 〜目の前に現れたあなた フロラン・シュミット(1870-1958):「偶然の連続」Op.96 (1943) 〜導入曲 オッフェンバック:「月世界旅行」(1875) 〜あたしは心配/「鼓手隊長の娘」(1879) 〜私の顔を/ 「月世界旅行」(1875) 〜神様!いまの感覚は何? ガストン・セルペット(1846-1904):「電話交換手」(1896) 〜彼を愛してたの ジョディ・ドヴォ(S) ラファエル・マング(Ms) ジャルディーニ四重奏団[ピエール・フーシェンヌレ(Vn) ダグマール・オンドラーチェク(Va) ポーリーヌ・ビュエ(Vc) ダヴィド・ヴィオリ(P)] | ||
小規模レーベルの良心 Alpha の洒脱盤、19世紀フランス・ロマン派の絶妙さが伝わる美麗逸品。 | ||
モーツァルト: 弦楽四重奏曲〔第16番 変ホ長調 K.428 /第19番 ハ長調 K.465 〕/ ディヴェルティメント ニ長調 K.136 ヴァン・カイックSQ | ||
モダーン楽器使用。続々と新世代が登場するカルテット界、Alphaの目のつけどころに感服。モダーン楽器で、このモーツァルト。 | ||
フォルクレ父子とクラヴサン〜ルイ14世の時代から18世紀へ アントワーヌ・フォルクレ(1699-1782):小節線のないプレリュード アントワーヌ・フォルクレ/ジャン=バティスト・フォルクレ(1679-1745)編曲: 第1組曲 ニ短調/第5組曲 ハ短調 ジャック・デュフリ(1715-1789):フォルクレ フランソワ・クープラン(1668-1733):ラ・スュペルブ〔壮麗〕、またはフォルクレ ジュスタン・テイラー [Justin Taylor] (Cemb) | ||
(C) 2016 。使用楽器:アントニー・シデイ〔モデル:リュッケルス&エムシュ拡張〕。2015年ブルージュ国際古楽コンクールの話題をさらったフランスの異才、堂々と自国作品を弾く。フランス人だが「姓は英語読みで」とのこと。 | ||
ベルチャSQ + フェルナー:ブラームス:弦楽四重奏曲全集、ピアノ五重奏曲 弦楽四重奏曲〔第1番 ハ短調 Op.51 No.1 /第2番 イ短調 Op.51 No.2 /第3番 変ロ長調 Op.67 〕/ ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34 ベルチャSQ ティル・フェルナー(P) | ||
(C) 2016 。 | ||
蛇と炎〜クレオパトラとディドーネ、女たちの絶望とバロック・オペラ パーセル:「ディドとエネアス」〜序曲とアリア/「妖精の女王」〜シャコンヌ グラウプナー「ディド、カルタゴの女王」〜アリア(4曲) / ロック:「テンペスト」〜合奏曲(2曲) サルトリオ:「エジプトのジューリオ・チェーザレ」〜アリア(2曲) カストロヴィッラーリ:「クレオパトラ」〜アリア / ヘンデル:「エジプトのジューリオ・チェーザレ」〜アリア ハッセ:「捨てられたディドーネ」〜アリア/「マルカントニオとクレオパトラ」〜アリア カステッロ:「先進様式によるコンチェルタンテ形式のソナタ集」〜4声の第15ソナタ カヴァッリ:「ディドーネ」〜アリア / L.ロッシ:パッサカリア(「ボーアン写本」(1660年頃)より) アンナ・プロハスカ(S) ジョヴァンニ・アントニーニ指揮イル・ジャルディーノ・アルモニコ | ||
(C) 2016 。ピリオド楽器使用。DGではプロモ映像でも暴れまわった名歌手、Alphaに!1CDさりげなく注目作曲家続々、バックは何と"イル・ジャル"! | ||
バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲) 第1番 ヘ長調 BWV1046 (ALPHA-181) /第2番 ヘ長調 BWV1047 (ALPHA-137) /第3番 ト長調 BWV1048 (ALPHA-048) / 第4番 ト長調 BWV1049 (ALPHA-071) /第5番 ニ長調 BWV1050 (ALPHA-013) /第6番 変ロ長調 BWV1051 (ALPHA-168) パブロ・バレッティ(Vn) セリーヌ・フリッシュ(Cemb)指揮カフェ・ツィマーマン [ハンネス・ルクス(Tp) トビアス・ミュラー(Hr) ミヒャエル・フォルム(BFl) ディアーナ・バローニ(Fl−tr) グイード・バレストラッチ(Vg) ディルク・ベルナー、アンナ・フォンターナ(Cemb)他] | ||
ピリオド楽器使用。既出アイテムからブランデンブルクのみ抽出。 | ||
ブリュノ・コクセ〜J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 BWV.1007-1012 全曲
ブリュノ・コクセ(Vc) | ||
録音:2001年10月2日-7日、パリ。旧品番:ALPHA-029 〔廃盤〕。使用楽器: Ch.リシェ、2000年製作〔モデル:ガスパロ・ダ・サロ、1600年頃製作〕(Suites Nos.1, 5) / Ch.リシェ、2001年製作〔モデル:ピエトロ・グァルネリ、1734年製作〕(Suites Nos.2, 4) / Ch.リシェ、1996年製作〔モデル:アントーニオ・ストラディヴァリ、1700年製作〕(Suite No.3) / Ch.リシェ、1992年製作〔モデル:アントーニオ&ジローラモ・アマティ、1600年製作〕(Suite No.6) 。 仏 ル・モンド・ドゥ・ラ・ミュジーク誌「ショック [Choc] 」、 仏 ディアパソン誌「音叉五本」、 仏 クラシカ=レペルトワール誌「9」点(10点満点)、各獲得盤。 | ||
J.S.バッハ(1685-1750): モテット「正義は萎え衰えて」 (クーナウ作曲/バッハ編曲)/ ミサ・ブレヴィス ト短調 BWV235/ ミサ・ブレヴィス イ長調 BWV234 |
アンサンブル・ピグマリオン | |
ピリオド楽器使用。"Alpha Collection" 。旧品番:ALPHA-130。 | ||
セリーヌ・フリッシュ〜J.S.バッハ: ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 / ゴルトベルク変奏曲の最初の8音のバスによる14のカノン BWV.1087 (*) / ゴルトベルク変奏曲の変奏30のクオドリベットに使用された2つのドイツ民謡(#) セリーヌ・フリッシュ(Cemb) ドミニク・ヴィス(CT;#) パブロ・ヴァレッティ指揮カフェ・ツィマーマン(*/#) | ||
録音:2000年。旧品番:ALPHA-014 〔廃盤〕。 仏 ル・モンド・ドゥ・ラ・ミュジーク誌「ショック [Choc] 」、 仏 ディアパソン誌「黄金音叉〔ディアパソン・ドール〕」、各獲得盤。風になびく金髪のごときクラヴサン。フランスの女流奏者フリッシュによるゴルトベルク変奏曲と、それにちなんだ珍しい作品のカップリング。 | ||
C.P.E.バッハ:フルート協奏曲全集 Vol.1 フルート協奏曲 ト長調 Wq.169 / フルート協奏曲 変ロ長調 Wq.167 / フルート協奏曲 ニ短調 Wq.22 |
アレクシス・コセンコ (フラウト・トラヴェルソ) アルテ・デイ・スオナトーリ | |
ピリオド楽器使用。"Alpha Collection" 。旧品番:ALPHA-093 。 | ||
愛は妙なり〜エリザベス朝時代のシターン or リュート・コンソート集 ジョンスン:緑なす野のウェイクフィールド / コーサイン:ドリア旋法のプレリュード ホルボーン:デクレヴィ(我は決せり) / 作曲者不詳:キャリノウ / パーソンズ:ド−レ−ミ−ファ−ソ−ラ ロビンスン:鐘の音で12通り / ブル:アイルランドのトイ / ジョンスン:セレンジャーのロンド 作者不詳:グリーン・スリーヴス(緑の袖) / ホルボーン:スペロウ(できれば...) ジョンスン:ふさぎの虫 / ダウランド:ラクリメ(涙) / ダニエル:パッシミージャー・ガリアード モーリー:ガリアルダ / 作者不詳:或るトイ / ジョンスン:トレンチモア ギボンズ:イン・ノミネ第12番「喚声」 / 作者不詳(ラワラン写本):麦畑 コブラリオ:グレイの旅籠・最初の1編 / 作者不詳:愛は妙なり 作者不詳(ストラロッチ写本):カナリア / 作者不詳:レ−ミ−ラの上で ル・ポエム・アルモニーク [ヴァンサン・デュメストル、マッシモ・モスカルド、エリック・ベロク、 バンジャマン・ペロー、ジャン=リュック・タンビ(リュート/シターン)] ピエール・アンタイ(ヴァージナル) | ||
ピリオド楽器使用。"Alpha Collection" 。旧品番:ALPHA-081 。 | ||
モンテヴェルディ(1567-1643):マドリガーレ「今や天も地も、そして風さえも押し黙り」/ ニンファの嘆き/タンクレーディとクロリンダの戦い マルコ・マラッツォーリ(1602?-1662):ファルファの市場 ヴァンサン・デュメストル(テオルボ)指揮ル・ポエム・アルモニーク | ||
ピリオド楽器使用。"Alpha Collection" 。旧品番:ALPHA-172 。 | ||
このジグは誰のもの?〜 ジョン・プレイフォード(1623-1686)出版:「英国式舞踏指南」(1651)から 誰のものでないジグ−レイン氏-の気まぐれ/スティンゴ/処女王エリザベス/会釈するジョー/ダフネ/ポールの出まかせ/ ルパート侯のマーチ−マスコ/羊飼いの休日/あの人の歌はどんなふう/イベリア式・羽目の外し方/すすけたモリス/ ベティに健康を/マスク第6番/冬の寒さを追っ払おう−物乞いの少年/グラウンドによるディヴィジョン/やましぎ/ ワローンの野/からいばり−アルジェ/無題/野営地のヘイ/スコットランド舞曲/人の権利もろもろ レ・ウィッチズ [オディール・エドゥアール(Vn) クレール・ミション(リコーダー/Fl-tr/Fl) パスカル・ボケ(リュート/ルネサンスG;*) シルヴィー・モケ(バス・ヴィオール) フレディ・エシェルベジェ(オクターヴCemb/シタール)] | ||
録音:2001年10月、サン・レミ教会、ポワトー=シャラント地方、フランス。ピリオド楽器使用。"Alpha Collection" 。旧品番:ALPHA-502 。 | ||
スターバト・マーテル〜聖母の七つの苦悩の祭礼のためのナポリ音楽 グレゴリオ聖歌:スターバト・マーテル(詠唱) 作曲者不詳(ナポリ):タランテラ/3声のスターバト・マーテル(1715) フランチェスコ・ドゥランテ(1684-1755):協奏曲第4番ホ短調 オスティーニュ写本(聖歌) / ペルゴレージ:スターバト・マーテル パトリツィア・ボヴィ(S) ピノ・デ・ヴィットーリオ(T) ベルナルト・アリエッタ(B) オリヴィエ・シュネーベリ指揮 ル・ポエム・アルモニーク、レ・パージェ&レ・シャント・ド・ラ・シャペル、 ヴェルサイユ・バロック・センター聖歌隊 | ||
録音:2000年。"Alpha Collection" 。旧品番:ALPHA-009 。ソロと合唱が織り成す癒しのハーモニー。聖と俗が交錯する18世紀ナポリの宗教音楽集。 | ||
ラモー:クラヴサンのための作品集〜1724年と1728年、二つの重要曲集 クラヴサンのための第2曲集(1724) 〔鳥のさえずり/リゴドン/タンブラン/やさしい嘆き/つむじ風/一つ目巨人/他〕/ クラヴサンのための新しい曲集(1728) 〔三本の手で/勝ち誇る女/未開地の人々/めんどり/エンハーモニック/エジプトの女/他〕 ブランディーヌ・ランヌー(Cemb) | ||
初出・前出・旧品番: ZIG ZAG, ZZT-010301 (4CDs) からの抜粋。バッハ録音でも絶賛された実力派ランヌーの出世作、最も大事な部分2枚がAlphaから新装版で復活。 | ||
ジュゼッペ・ヴァレンティーニ(1681-1753):合奏協奏曲 Op.7 より 〔第1曲 イ短調(4つのヴァイオリンのための)/第7曲 ト長調/ 第2曲 ニ短調/第3曲 ニ短調/第1曲 イ長調/第10番 イ短調〕 キアラ・バンキーニ(Vn)指揮アンサンブル 415 [オリヴィア・チェントゥリオーニ、オディール・エドゥアール、ダヴィド・プランティエール、 ステファニー・プフィステル(Vn) ダヴィド・クルヴォワジェ(Va) ヘンドリケ・テル・ブルッヘ(Vc)] | ||
"Alpha Collection" 。原盤・旧品番: Zig-Zag Territoires, ZZT-020801, ZZT-2020801 。ヴァレンティーニはコレッリの影響を受けたローマ楽派のコンポーザー・ヴァイオリニスト。高いポジションの用い方に独創性を発揮した興味深い作品を収録。 | ||
ヴィヴァルディ:協奏曲集「調和の霊感」より 協奏曲〔第1番 ニ長調 RV 549 /第4番 ホ短調 RV 550 /第7番 ヘ長調 RV 567 /第10番 ロ短調 RV 580 〕/ 3つのヴァイオリンのための協奏曲 ヘ長調 RV 551 / 4つのヴァイオリンのための協奏曲 変ロ長調 RV 553 キアラ・バンキーニ(Vn)指揮アンサンブル 415 | ||
"Alpha Collection" 。原盤・旧品番: Zig-Zag Territoires, ZZT-070902 。 ヴェネツィアのピエタ養育院の女生徒楽団のために書かれた作品から12曲をまとめた「調和の霊感」の中から4つのヴァイオリンを中心とした作品を収録。端正な演奏、繊細な表情付けで上品に聴かせるバンキーニ。軽妙なリズム感、緻密な構成、音楽の流れはシンプルでありながら説得力を感じさせる演奏。 | ||
ヴィヴァルディ: 協奏曲集「四季」Op.8 Nos.1-4 /ヴァイオリン協奏曲〔 RV 578a / RV 372 / RV 390 〕 アマンディーヌ・ベイエ(バロックVn)指揮グリ・インコグニティ | ||
録音:2008年1月14日-18日、レ・グリース・アルマンド、パリ。"Alpha Collection" 。原盤・旧品番: Zig-Zag Territoires, ZZT-080803 。 フランスの女流バロック・ヴァイオリニスト、アマンディーヌ・ベイエが遂に「四季」を録音したと話題を呼んだもの。ヴィヴァルディの代名詞でもある有名人気曲「四季」は、それぞれの楽章にソネットが付いており、鳥、犬の声、雷鳴、などの具体的描写を取り込み、多くの聴き手の心を掴む楽曲。それだけに数多くの名演奏、名録音を残しているこの作品を、ベイエはどうアプローチしているのか興味をそそられる。個性を強調するだけの過激な解釈だけではなく、計算された意外性と多様性を見事に表現。随所にちりばめられたベイエ流のエッセンスが心地よい刺激となっている。この名曲にスマートに切れ込む明晰さとテクニックを兼ね備えた好演がまた一つ生まれた。 | ||
ヴィヴァルディ:チェロと通奏低音のための知られざるソナタ集 〔イ短調(1740;パリ刊)/変ロ長調(シェーンボルン伯図書館蔵、手稿)/ イ短調(ナポリ音楽院図書館蔵、手稿)/ホ短調(ナポリ国立図書館蔵、手稿)/ ホ短調(パリ国立図書館蔵、手稿)/ト短調(シェーンボルン伯図書館蔵、手稿)/ 変ホ長調(ナポリ音楽院図書館蔵、手稿)〕 ブリュノ・コセ(Vc) レ・パス・レユニ [ブランディーヌ・ランヌー(Cemb/Org) パスカル・モンテイエ(テオルボ/G) リチャード・マイロン(Cb/ヴィオローネ)] | ||
録音:1998年。ピリオド楽器使用。"Alpha Collection" 。旧品番:ALPHA-004 。 当盤初出の数年前に発見された3曲を含む「赤毛の司祭」のチェロ・ソナタ集。哀愁を帯びた短調の作品を中心とした選曲。名手コセの雄弁なチェロはもちろん、チェンバロとオルガン、テオルボとギターを使い分けた通奏低音も魅力。 | ||
チャールズ・エイヴィソン(1709-1700):7声による12の合奏協奏曲集 (D.スカルラッティのチェンバロ練習曲に基づく) (1744)(抜粋) 〔第6番 ニ長調/第5番 ニ短調/第11番 ト長調/第3番 ニ短調/第9番 ハ長調/第12番 ニ長調〕 パオロ・ヴァレッティ(Vn)指揮カフェ・ツィンマーマン [アマンディーヌ・ベイエ(Vn) パトリシア・ガニョン(Va) ペトル・スカルカ(Vc) セリーヌ・フリッシュ(Cemb)] | ||
録音:2002年9月、ノートルダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂、パリ、フランス。ピリオド楽器使用。"Alpha Collection" 。旧品番:ALPHA-031。 | ||
バッハと中低音弦〜J.S.バッハ(1685-1750): コラール〔来たれ、異教徒の救い主よ BWV.659 /いと高き天にはただ神のみぞ BWV.711 / ああ、我らと留まり給え BWV.649 /目ざめよ、と呼ぶ声聞こえ」 BWV.645 〕/ チェロと鍵盤楽器のためのソナタ〔ト長調 BWV.1027 /ニ長調 BWV.1028 /ト短調 BWV.1029 〕/ オルガンのためのトリオ〔 BWV.528a / BWV.583 〕 ブリュノ・コクセ〔コセ〕(ヴィオラ・バッテラ/各種Vc) ベルトラン・キュイエ(Cemb/Org) リチャード・マイロン(Cb) | ||
録音:2007年4月2日-6日、パンピニー、スイス。ピリオド楽器使用。"Alpha Collection" 。旧品番:ALPHA-139。 | ||
Pescodd time 〜バード、ブル、フィリップス:鍵盤のための作品集 ウィリアム・バード(1542-1623): ファンタジア MB 46 /女王のアルマン(アルメイン)/パヴァーン MB 16a /ガリアード MB 16b / 3つのフランス流コラント(クーラント)/グラウンド MB 9 /「エンドウ豆の季節/狩りはお終い」/ モンティグル女卿のパヴァーン/ファンタジア MB 62 /パヴァーン MB 23a ジョン・ブル(1562/63-1628):イン・ノミネ MB 9 /王の狩猟 ピーター・フィリップス(1560頃-1628):パヴァーナ「ドロローザ」/ガリアルダ「ドロローザ」 ベルトラン・キュイエ(Cemb| 使用楽器:ユモー(フランス)製作〔モデル:アンドレアス・リュッケルス、フレミッシュ二段〕/ ヴァージナル|使用楽器:スコヴロネック製作、フレミッシュ・スタイル〕) | ||
録音:2005年2月、ノートルダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂、パリ、フランス。ピリオド楽器使用。"Alpha Collection" 。旧品番:ALPHA-086。 | ||
フィレンツェ1616年、失われた恋の歌〜カッチーニとドメニコ・ベッリの時代、声楽小品3編 クラウディオ・サラチーニ(1586-1649):ああ死のう、もう死のう ジューリオ・カッチーニ(1551-1618): 日がな一日、わたしは泣く/空の星とて、これほどには/インテルメディオ「チェファロの略奪」 ドメニコ・ベッリ(?-1627/活躍期:1610年代):音楽劇「悲しみにくれるオルフェオ」 ル・ポエム・アルモニーク | ||
録音:2007年9月、ノートルダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂、パリ、フランス。ピリオド楽器使用。"Alpha Collection" 。旧品番:ALPHA-120。 | ||
アントワーヌ・フォルクレ:クラヴサン曲集 組曲〔第5番/第2番/第1番/第3番/第4番〕 |
ブランディーヌ・ ランヌー(Cemb) | |
録音:2007年11月。使用楽器:アントニー・シデイ、1988年製作〔モデル:アンドレアス・リュッケルス、1636年製作&アンリ・エムシュ、1763年大改造〕。 "Alpha Collection" 。原盤・旧品番: Zig-Zag Territoires, ZZT-080301 。 | ||
デンマークの王様〜17世紀初頭、バロック前夜の北欧宮廷音楽 ヒューム:ホルシュタイン公のお愉しみ/ホルシュタイン公のアルメイン / シャイト:パドゥヴァン/アラマンダ シンプソン:「ほっそり可愛いロビン」によるリチェルカール/ヴォルト / ブライヤー:クーラント ロビンソン:スペインのパヴァン/或るトイ/或る単旋律聖歌 / ペーザセン:我らが父は天界に/なんと甘美な二の腕 ローレンツ:我らが父は天界に / ショップ:題名のない作品 / フィールダンク:カンツォネッタ メルカー:パドゥヴァーナ / ボルフグレーフィンク:ガイヤルド メイナード:或るパヴァーン / ジストゥー:パドゥヴァーナとガイヤール レ・ウィッチズ | ||
録音:2008年7月、フレゼリクスボー城、ヒレレズ、デンマーク。"Alpha Collection" 。旧品番:ALPHA-163。 ピリオド楽器使用。素材感あふれるピリオド楽器の交錯が気持ちいいプログラムはデンマーク・英国・ドイツと入り乱れ、「知る愉しみ」も気持ちよく刺激してくれる。 | ||
ヴィヴァルディ:チェロと通奏低音のためのソナタ集 〔変ロ長調 RV.46, Op.14 No.6 /イ短調 RV.43, Op.14 No.3 /ト短調 RV.42 /ヘ長調 RV.41, Op.14 No.2 / 変ホ長調 RV.39 /ホ短調 RV.40, Op.14 No.5 〕/プレリュード RV.38 マルコ・チェッカート(Vc) アカデミア・オットボーニ [フランチェスコ・ロマーノ(バロックG/リュート) アンナ・フォンターナ(Org/Cemb) レベッカ・フェルリ(バロック・Vc/通奏低音) マッテオ・コティコーニ(Cb)] | ||
録音:2013年5月8日-12日、サン・フランチェスコ教会、コーリ、イタリア。ピリオド楽器使用。 "Alpha Collection" 。原盤・旧品番: Zig-Zag Territoires, ZZT-338 。 誰よりも早く、チェロという楽器をポピュラーな独奏楽器にした人物のひとりが、ヴィヴァルディだった。アマンディーヌ・ベイエやキアラ・バンキーニらと活躍をみせてきた俊才チェッカートがいま信頼のおける凄腕通奏低音奏者たちととも に鮮やかに解き明かす「低音のヴィヴァルディ」の世界。 | ||
ダウランドのリュート、ダウランドの歌〜リュート独奏曲とリュート・ソングさまざま ジョン・ダウランド(1563-1626): プレルディウム/ほら、もう一度!と恋神も誘っている(STTB)/好機よ、わが仇敵よ/デンマーク王のガリアード/ 好きなひとが泣いていた(TB)/流れよ、わが涙(SB)/ダウランドは変わらず、憂いは変わらず/ 悲しみよ、留まれ(SB)/憂愁のガリアード/彼女は許してくれるだろうか(STTB)/或る夢/ラクリメ(涙)/ 落ちるがいい、水晶のごとき涙よ(STTB)/かえるのガリアード/もう、ああ、もう行かなくては(STTB) トーマス・ダンフォード(リュート) ルビー・ヒューグズ(S) レイナウト・ファン・メヘレン、ポール・アグニュー(T) アラン・ビュエ(B) | ||
録音:2012年7月11日-12日、 Églises évangéliques luthériennes de l'Ascension, パリ、フランス/ 2012年8月21日-22日、スタジオ4、フラジェ、ベルギー。 特記なしはリュート独奏。"Alpha Collection" 。旧品番:ALPHA-187。 フランス古楽界の大御所ガンバ奏者を父に持つ俊才、ついに世に問うソロ・アルバム。Alpha レーベル初の単体ダウランド盤を飾るにふさわしい名歌手たちのしなやかな歌唱が折々興を添える。 | ||
Venezia Stravagantissima ヴェネツィア、いとすさまじ〜16世紀のバレット、カンツォネッタ、マドリガーレ アントニオ・インチェルト(1584-1602頃活躍):パヴァーン「葬列」 ジョルジオ・マイネリオ(1535-1582): 当世風のパッセ・メッツォ/テデースカとサルタレッロ/古風なパッセ・メッツォ/ パガニーナのパッセ・メッツォとサルタレッロ/イギリス風バッロとサルタレッロ ジョゼフェ・グァミ(1540-1611):8声のカンツォネッタ第24番 オラーツィオ・ヴェッキ(1550-1605): 5声のテデースカ「百合と薔薇の暁が」/5声のサルタレッロ、イル・ヴィッキ「みな音楽を奏で、楽しもう」/ ハンガリー風バッロ/「素敵な時間を過ごしているなと」〜フィナーレ(*) ジョヴァンニ・ピッキ(1600-1625頃活躍):ポーランド風バッロ フロリアーノ・カナーレ(1550-1603):8声のカンツォーナ「ラ・バルツァーナ」 ピエートロ・ラッピ(1575-1630):8声のカンツォン第18番「黒人の女」 ガスパロ・ザネッティ(1626-1645頃活躍):カラヴァッツォ子爵のイントラーダ ジョヴァンニ・ガブリエーリ(1553/56?-1612):カンツォン第2番 ギユメット・ロランス(Vo;*) スキップ・センペ指揮 カプリッチョ・ストラヴァガンテ・ルネサンスo. | ||
録音:2001年11月、パリ。 "Alpha Collection" 。旧品番:ALPHA-049。 センペ率いる、驚嘆すべきルネサンス・オーケストラの至芸、活き活きと甦る鮮烈な16世紀ヴェネツィアの風情。 | ||
ヘンリー・パーセル(1659-95):歌劇「ダイドーとアエーネアス」
ジモーネ・ケルメス(S;ダイドー) ディミトリス・ティリアコス(T;アエーネアス) デボラ・ヨーク(S;ベリンダ)/他 テオドール・クルレンツィス指揮アンサンブル・ムジカエテルナ、 ニュー・シベリアン・シンガーズ(ノヴォシビルスク国立アカデミー歌劇場室内cho.) | ||
旧品番: ALPHA-140〔廃盤、入手不能〕。 | ||
RESOUND BEETHOVEN 〜ベートーヴェン:交響曲集 〔第1番 ハ長調 Op.35 /第2番 ニ長調 Op.36 〕 |
マルティン・ハーゼルベック指揮 ウィーン・アカデミーo. | |
ピリオド楽器使用。ますます充実のAlpha 、好評のピアノ協奏曲集の後「初演時編成」での交響曲を、あのハーゼルベックが。 | ||
リスト:さまざまな管弦楽作品〜ヴァイマール宮廷楽団の響きを求めて シューベルト作品の管弦楽編曲 騎士の行進曲(2つの性格的な行進曲 D.888より)/葬送行進曲(6つの大行進曲 D.819 より)/ ハンガリー風行進曲(ハンガリー風ディヴェルティスマン D.818 より)/ ピアノと管弦楽のための「さすらい人幻想曲」D.760 リスト自身による作品 2つの葬送頌歌 S.112〔死者たち/夜〕/風にはためく王の旗〜十字架讃歌 S.185 (*) マルティン・ハーゼルベック指揮ウィーン・アカデミーo. ゴットリープ・ヴァリシュ(Fp|使用楽器:J.B.シュトライヒャー、1851年製オリジナル) | ||
ピリオド楽器使用。(*)は世界初録音。NCAでの名企画に、なんとAlphaでさらなる続編が。管弦楽家リストを、当時の楽器・奏法・音響環境で。 | ||
RESOUND 〜ベートーヴェン Vol.3 ベートーヴェン:劇付随音楽「エグモント」Op.84 〔CD1:ドイツ語原語版(*) /CD2:英語訳版(#) 〕/ 序曲「献堂式」Op.124(CD1, CD2 共におそらく同一録音を収録) ベルナルダ・ボブロ(S;*/#) ヘルベルト・フェッティンガー(語り;*) ジョン・マルコヴィッチ(語り;#) マルティン・ハーゼルベック指揮ウィーン・アカデミーo. | ||
ピリオド楽器使用。 | ||
RESOUND 〜ベートーヴェン Vol.2 ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92 /ウェリントンの勝利(戦争交響曲) Op.91 プレイエル/トルセク編曲:メルツェルの自動トランペットと管弦楽のための「祝典行進曲」 デュセック/トルセク編曲: メルツェルの自動トランペットと管弦楽のための「ブラウンシュヴァイク行進曲」 マルティン・ハーゼルベック指揮ウィーン・アカデミーo. | ||
ピリオド楽器使用。会場まで徹底検証、「初演の響き」を再現できるのはウィーンのハーゼルベックだけ!徹底したピリオド楽器演奏。 | ||
宮廷の階段に〜フランスの古いロマンスとコプラント 狼や狐が騒いでた/ルノー王/ベルネットは起きる/いとしい人は ロレーヌを通っていると/若い娘が/ルイ王の娘/8月31日に 宮廷の階段に/青ざめよ/美少女よ/王は太鼓を叩かせる 娘は持ってる、冠9つ/マンドリンの哀歌/サルミリョーク |
ル・ポエム・アルモニーク ヴァンサン・デュメストル (テオルボ、G、シトール) | |
15−19世紀の資料をもとに、フランスの古い民謡や伝承歌を、中世ダンス風、ルネサンス・シャンソン風、バロック・エール風、ユーロ・トラッド風と多彩なアレンジで聴かせるプログラム。 | ||
マリアの名には〜聖母マリアのカンティガ集 アルフォンソ10世「賢王」(1221-1284)編纂: 「聖母マリアのカンティガ集」 [カンティガ第37番「驚くべき奇蹟の数々」/ カンティガ第200番「わたしは聖母マリアを称えた、 そして今また称え、これからも称えるだろう」/ 器楽演奏「かように彼らは称えた」/ カンティガ第329番「罰せられて然るべし、 マリアの祭壇から盗む者」/ カンティガ第340番&第412番 「栄光に満ちたる童貞マリア」/ カンティガ第1番「今日より、わたしは 誉むべきマリアのために歌いたい」/ カンティガ第260番 「言うがいい、トロバドールよ」/ 器楽演奏「すべての聖人たち」/ カンティガ第111番「我々を護りたもう 処女聖母に、どんな時も尽くしなさい」/ 器楽演奏「そうはできまい」/ カンティガ第70番「マリアの名には 五つの文字あり、それ以上には何もなし」/ 前口上「トロバドールたるものは」 |
ヨハンネット・ゾーメル(歌) アンサンブル・アンテケーラ | |
録音:2001年12月、パリ、ノートルダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂。 「エルレバッハ作品集」で名歌唱をきかせたオランダの歌手、ゾーメル。今度は中世スペインの吟遊詩人もので見事な歌をきかせてくれる。 もはや説明不要ではないかとさえ思われるほど有名なアルフォンソ賢王の「聖母マリアのカンティガ集」だが、ひときわ繊細な感じに仕上がっているのが嬉しい。 共演はオランダの演奏者を中心としたアンサンブル・アンティケーラ。アンサンブル名はスペインの同名の都市からとられている。寂漠とした北スペインの野を彷彿させるような素朴な楽器の音、 そして中世の知識人のこまやかな心の動きを映し出すような、さびれて哀しげな“詩人の言葉”ガリシア方言の響き――梅雨の季節へ向け、雨が多いというガリシア地方に思いを馳せるのにも恰好な1枚。 | ||
ラ・タランテッラ〜タランチュラの毒を清める方法 タランテッラ「ラ・カルピネーゼ」/ 子守唄「猫がザンポーニャを爪弾けば」/ ナポリ風タランテッラ(ヒポドリア旋法による)/ ル・パッサリエリュ(カラスムギのタランテッラ)/ 物乞いたちの悲哀/ピッジーカ「お月さん、お月さんよ」/ ああ美しきかな、人生よ/ガルガーノのタランテッラ/ わたしのピッジーカレッラ(タランテラ風ピッジーカ)/ 恋人たちの沈黙/カラブリアのタランテッラ/ タランテッラによる子守唄「夢見てねむれ、わが花の君」/ イタリアのタランテッラ/ タランテッラ「ええ体つきの別嬪さんよ」/ ピッジーカ・ウッチ/ 葬送の哀歌「あわれなアントヌッチオ」/ タランチュラの解毒剤 |
マルコ・ビズリー、 ルチッラ・ガレアッツィ(歌) アルフィオ・ アンティーコ(Perc) エドゥアルド・エグエス(テオルボ) クリスティーナ・プルハル (バッテンテ・ギター他) ラルペッジャータ | |
ナポリ人と英国人の間に生まれた鬼才歌手マルコ・ビズリーが、新しいイタリア・カンツォーネの旗手のひとりルチッラ・ガレアッツィの共演をえて、気鋭のソリストたちを集めた器楽集団ラルペッジャータとつくりあげた異色の超絶名盤「ラ・タランテッラ」。リリースされて以来、また先日の「東京の夏 音楽祭」でのマルコ・ビズリー&アッコルドーネのライヴ以来、日に日に着実にファンを増やしつつある「アルファの白いシリーズ」きっての好評盤で、CD/SACDハイブリッド仕様盤もリリースされる。 繊細かつ玄妙に響くビズリーの倍音ゆたかな声はもちろんのこと、ルチッラの声の野趣あふれる“かすれ”も、エドゥアルド・エグエスやクリスティーナ・プルハルらのあざやかな撥弦も、エディン・カラマーゾフ(ALPHA-056)のアタックも、羊飼い出身の打楽器奏者アルフィオ・アンティーコが自在にあやつる打楽器の羊皮のうねりも、そしてメンバー全員が醸し出す“阿吽の呼吸”も...このプロジェクトの魅力あふれる要素のすみずみまで、あますところなくオーディオ・ルームに再現されるはず。 | ||
ポワチエ伯の歌 〜吟遊詩人、アキテーヌ公ギヨーム9世 友よ、いまちょうどよい歌を作るから/ 友よ、わたしはこれまで 数多くの憐れな人を見てきたのだ/ フィドルの間奏/ 私は知りたい、この歌がはたして、 色鮮やかに描けているのか/ 友よ、わたしは動揺をかくせない/ なにしろ、私たちは新しい花が 咲くのを見たのであるから/ 喜びにあふれ、わたしは新たな恋に向かう/ 本当の無為について歌おう/ 風が吹くまえ、雪や雨がくるまえ、 ひとつ小さな歌を作ろう/ 新たな季節が訪れた、 樹々は芽吹いて鳥たちは歌うよ/ 眠りの中で歌を作ろう、 夜明けまで馬を走らせながら/ いまはそういう気分だから、 哀しい歌を歌おうと思う/フィドルの後奏 |
ブリス・デュイジ (歌/フィドル) | |
録音:録音:2002年5月、ノートルダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂、パリ。 12世紀。今のフランス南西部には、ボルドーを中心地とした広大なアキテーヌ公国の領土があった。この国を治めていたアキテーヌ公ギヨーム9世(将来のイギリス王リチャード獅子心王の祖父)は、 君主でありながら政治はおざなり、むしろ数知れぬ婦人たちとの色事で名を馳せ、さらには文語であるラテン語ではないオキシタン口語で自ら編んだ恋の歌によって、フランス文化史に不朽の名を残している。 人呼んで「最初の吟遊詩人」。オキシタン地方出身の演奏者、ブシル・デュイジは、歌い手と演奏者が分業となった後期の吟遊詩人音楽とは一線を画すかのように、 初期の吟遊詩人がしばしば行ったように自ら楽器を手にとって、それもリュートではなく、なんとフィドル(ヴィエル)を弓奏しながら歌っている! ラテン的な丸く男性的な歌声が、 のびやかに孤独な恋心をうたいあげ、フィドルの音も、木製の共鳴箱の揺れや弓の擦れる音まで鮮明に再現され、生音感たっぷり。 | ||
ラ・ベッラ・ネーヴァ〜アッコルドーネと、イタリア初期バロックの世界へ! | ||
ダニエル・ブレル(1950-):憂愁の道は四つ 冷たい太陽/夜と月/パレード/哀しい歌/ 四つの道(2面のヴィオラ・ダ・ガンバのための)/ すべりゆく小舟ひとつ(バンドネオン独奏のための)/ 小さなワルツ/筆致/ 星たちのなかの眼 (無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバのための)/ こだま/永遠の青春/オマージュ/ひと目で/ かもめ(バンドネオンとテオルボのための)/ 一皮むけば/子守唄 |
ル・ポエム・アルモニーク (ピリオド楽器使用) | |
心の底から愛する人 〜地中海周辺地域のユダヤ音楽 最愛の人、私を忘れてしまったの? (歌詞:12世紀スペイン/音楽:モロッコ、ユダヤ)/ ナニ・ナニ/ わたしは奴隷になった(トルコ風ロマンス)/ ねむれ、愛する息子(イベリア・ユダヤの子守唄)/ かの気高き娘をたたえよ (歌詞:12世紀スペイン/音楽:トルコ)/ ヤ・シャディル・エル・カン [アラブ/エジプト/モロッコ/イスラエル]/ 高く、高く、月はあり[スペイン/トルコ]/ 心の底から愛する人[サフィド/モロッコ]/ モッシェ=モーゼ(エジプト)/ 愛する人よ、扉を開けて(歌詞:スペイン/ 音楽:アルジェリア=アンダルシア)/ 私は浅黒く、美しいの(イスラエル)/ ようこそ、愛する人(歌詞:スペイン/ 音楽:アルジェリア=アンダルシア)/ どのようにしてそれを知ったか(エジプト) |
ニマ・ベン・ダヴィド(低音ヴィオール) メイラフ・ベン・ダヴィド=ハレル (歌/打楽器/シフォニ) ヤイル・ハレル(歌/タール/打楽器) ミシェル・クロード(打楽器) | |
古楽レパートリーでの異様なまでの表現力の源泉?ルーツ・ミュージックさえヴィオール(ガンバ)で弾きこなす。ベン・ダヴィド。ヒュームでの快演の謎をとく鍵がここに! フランスを中心に活躍するヴィオール奏者ニマ・ベン・ダヴィドは名前が示すとおりユダヤ系の古楽奏者のようだが、「ヘブライ語、アラブ語、ラディノ(イベリア・ユダヤ)語、イディッシュ(中欧ユダヤ)語、フランス語、英語といったさまざまな言語が自然に話されていた」という共通のルーツを持つユダヤ系ミュージシャンたちとともに、彼女が自らの楽器ヴィオールを手に作り上げたエスニックなアルバムがこれ。クラシック/古楽と他のさまざまなジャンルの重なり合うところを微妙についてくるAlphaの「白いシリーズ」らしく、中近東風のサウンドを基調にしながらもニマ・ベン・ダヴィドのきわめて求心力のあるヴィオール演奏が綺麗にまざりあっている。そう、タッド・ガーフィンクル録音によるあの「ブエノス・アイレス・マドリガル」(M063A)でヴィオールのコンソートがバンドネオンと聴き違えるほど自然にタンゴの世界に溶け込んだように、この楽器は(然るべき奏者の手にかかれば)ジャンルを超えてさまざまな音楽世界を表現することができるようだ。返し弓のクッという幽かな音が近東の打楽器の微妙なビートと交錯するあたりなど、弓奏弦楽器がもとは民族楽器であったことを思い起こさせハッとさせられたりする。 このアルバムで特筆すべきところはもうひとつ。Alphaサウンドの立役者である俊英エンジニアのユーグ・デショーによる録音が、あまりにも自然に、擦ったり緩急をつけて揺らしたり優しく叩いたりする楽器の生音と、静謐な空気の振動を(あるいは温度や湿度の変化までも?)収めきっているところだ。優秀録音レーベルAlphaとしても屈指の秀逸なサウンド、ぜひお手元のプレイヤーで実感して頂きたい。 | ||
アル・インプロヴィゾ〜16人の即興変奏曲! 家が欲しいな(サルデーニャの伝承曲による)/ ラ・フォリアによる即興/チャッコーナ(カッツァーティ)/ ロマネスカ(サンチャゴ・デ・ムルシア)/ ベルガマスカ「トゥルルル」/ D上のフォリア=パッサカーリャ/ チャッコーナ(シャコンヌ)による即興/ ロマネスカによる子守唄(ラツィオ地方の伝承曲による)/ チャッコーナ(ベルターリ)/ そよ風がため息つけば(フレスコバルディ作)/ トッカータ(ロンバルディ)/ 即興演奏「カプスベルガー」/ フォリアス(ファルコニエーロ)/ スペインの小娘たち(デ・リビリャス)/ 全音階的パッサカーリョによる歌唱(ポッツィ) |
クリスティーナ・ プルハル(ハープ)総指揮 マルコ・ビズリー、 ルチッラ・ガレアッツィ(歌) ブリュノ・コクセ(Vc) エディン・カラマーゾフ(コラシオーネ) エドゥアルド・エグエス(G) ドロン・シャーウィン(コルネット) リチャード・マイロン(Cb) ジャンルイージ・トロヴェージ(Cl) | |
コクセ、エグエスにカラマゾフ、さらに「タランテッラ」のビズリーとガレアッツィ、そして伊ジャズの巨匠... 超絶技巧の即興が丁々発止と交わされる異色の快演! まずはクレジットされている演奏者に注目していただきたい。バリエールでの超絶名演もさることながら(ALPHA-015)五つの楽器を使い分けて素晴らしいバッハ無伴奏組曲全集(ALPHA-029)をつくりあげた気鋭チェロ奏者ブリュノ・コクセ、ブリテンのギター作品とバッハの組曲BWV1004を熱情ゆたかにリュートで弾いてしまったエディン・カラマーゾフ(ALPHA-056)、エスペリオンXXやコンチェルト・パラティーノで華々しく超絶技巧を魅せつけてきたコルネットの天才奏者ドロン・シャーウィン、随所で活躍をみせるフランスきってのバロック最低弦奏者リチャード・マイロン、そして“いわずもがな”MAレコーディングスのバッハで有名なエドゥアルド・エグエス・・・次々とカリスマ的奏者の名があがって目移りがするほど。さらに「ラ・タランテッラ」(ALPHA-503/ALPHASA-503)で有名な鬼才歌手マルコ・ビズリーと民謡歌手ガレアッツィも参加する豪華ぶりに、伊ジャズ・シーンを彩る“知る人ぞ知る”忘れがたい古参クラリネット奏者ジャンルイジ・トロヴェージとジャンルを越えた名匠をむかえ、抜群のセンスを誇る奏者16人が輪になって、ルネサンス=バロックの有名な旋律などをもとに即興変奏大会をくりひろげてしまった大胆不敵な企画が、このアルバムに結実したのである! それぞれのソロの息をもつかせぬテクニシャンぶり(とくにコクセのチェロ、プルハルのハープ、未知の新人?スクプリクのヴァイオリンなどは聴きほれずにおれない!)はもちろん、全体にシャコンヌやフォリアなど有名な和声進行が多く、スムースに彼らの名技に酔える仕組みになっている。開けて試聴されるなり店内演奏されるなり、とにかく一度このスーパープレイの連続にふれてみてほしい!天才技師ユーグ・デショーの鮮烈な録音によって採音された至高の15トラック、病み付きになること間違いなしの名演の連続だ。ましてALPHAのファンであれば、虜にならないはずはない... | ||
愛のよろこび 〜フランスの古い恋歌と小唄 馬どもを水飲み場につれてゆく途中/ ジャン・プティは踊る/ラ・ルイソン/ 裏切りの尼僧/ペロネルを見たかい/ 無敵のマールブロウ、その死と埋葬/ 恋わずらい/ ブレー(ベリー地方伝承/ショパン編)/ 白い雌鹿/兄弟三人あったとさ/ ああ、もう聞いてよママ ミシェル・コレット:タンブラン 歌を聴きたい人はいるかね ラ・フュルステンベール マルティーニ:愛のよろこび |
ル・ポエム・アルモニーク アルテュール・スホーンデルヴルト (タンジェントP) | |
上野・国立西洋美術館にて3夜のライヴ。ヒット作「宮廷の階段に」につづく口承音楽第2弾・Alpha創立以来の看板アンサンブル、ル・ポエム・アルモニークの最新アルバムがここに登場。 日本でも国立西洋美術館で開催された「ジョルジュ・ド・ラ・トゥール展」にからめた企画コンサートを行った(全夜満席となったそうだ)彼らが、「オーヴェルニュの歌」やポピュラー名作「愛のよろこび」、「きらきら星変奏曲」などの原曲となった古い口承旋律の数々を民衆音楽・家庭音楽のスタイルで流麗・鮮やかに演奏、そのルーツに迫った1作。 親しみやすさとハーディガーディやバグパイプの新鮮なサウンドゆえに今だ好評のシリーズ前作「宮廷の階段に」(ALPHA-500)と似た仕上がりながら、手錬のクラシック・ファンも“お!”と唸らせること間違いなしの好企画。 | ||
ミルテの花 〜中世アンダルシアの音楽をピリオド楽器と民俗楽器で (中東におけるアンダルシアのメロディ) ナワ・アタール序曲/ミルテの庭/ 快楽の歩み/ガゼルの仔に恋をして/柳腰/かくも長き夜/ 私から離れて/鋭い剣/リトゥルネロ/流しの歌手/ガゼルの腕 酔い/黒い瞳/小モロッコ |
ミシェル・クロード(打楽器) アンサンブル・アロマート [フレディ・エシェルベルジェ (Cemb/小Org) フランソワーズ・エノク (フィドル/ヴィオラ・ダ・ガンバ) エリザベート・ザイツ(プサルテリウム) Isabelle Duval, flûtes. Jean-Baptiste Frugier, violon. Jean-Lou Descamps, vièle à archet & violon alto. Julien Blanchard, contrebasse. Michèle Claude, zarb, daff, reqq, darbouka, castagnettes, bendir, tambour de basque, tambourello, grelots.] Massimo Moscardo, guitare baroque & archiluth. Mazyar Izadpanah, ney iranien. Mael Guezel, daff & zarb. | |
録音:2004年10月、ノートルダム病院礼拝堂、ボン・セクール、パリ。「アル・インプロヴィゾ」のアラブ=アンダルシア版?複雑なリズムの中世音楽を古楽器で。この美しさはAlphaきっての名グループのメンバーばかりだからこそ。 16人の器楽奏者と2人の歌い手が即興の腕を競うAlpha白シリーズ随一の名作「アル・インプロヴィゾ」(ALPHA-512)は今だに目ざましい売れ行きを誇るが、そのアラブ風味版といった感もあるのがこのアルバム。13世紀頃の、アラブ支配下にあったスペインに焦点をあてつつ、楽器はスピネットやフィドル、ベーム式フルートなど西洋クラシック=バロックのもので固めた、東洋と西洋の要素が入り混じるアルバムだ。7/4、17/8など入り組んだ面白いリズムを混濁感まったく無しにさばけているのは、アンサンブルの中心にいるのがル・ポエム・アルモニークの来日メンバーでもあった超絶的打楽器奏者ミシェル・クロードだからこそ。2005年の来日公演では圧巻の叩き込みと色彩感で聴衆を興奮の渦に巻き込んでいたが、ここでは東洋と西洋の多種多様な民俗打楽器を整然と打ち鳴らし、膜や木材がゆれる細かなニュアンスをAlphaならではのナチュラル録音がうっとりするほど綺麗に収めきっている。そう、誰しも耳を疑うほどの録音の秀逸さも本盤の特徴だ。コントラバスのピアニシモ、プサルテリウムの減衰音、ザルブを打つ平手の角度の変化…といった繊細きわまるサウンドが逐一はっきりと聴き分けられ、それが各楽曲を何倍にも魅力的にしてくれる。初秋の涼しさにそっと寄り添う、忘れがたい一作だ。 | ||
コルヌミューズ、中央フランスのバグパイプ 〜羊飼いの踊り、狼の踊り 「狼たちが騒いでた」による組曲/気をもむ恋人たち/ 五旬節の、とある日に/酒場のテーブルで/ ねえ、美しいひと/セキレイが一羽/ある晴れた朝/ 我が家の裏に/そしてまたある日/狼に気をつけろ/ ひとつ見てこよう/ノヴィッシマ/ル・ミシウネリ/ナダレ/ 生ける者たちと地獄の者たちの対話/ どこかでお会いしましたな/クレを伴うブーレー/ おいらは5スーしか持ってない/ラジャソーヌ/ やあ、フランソワーズ/ル・カルチエのポルカ/ 狼どもを連れてくよ/川をわたる時/父の家にいた頃に/ シャド・ボフォールのブーレー/パラ・ル・ル/ 狼どもを連れ去れ/狼の口/狼の尾/狼の牙/ 羊飼いの娘、わが愛しき娘/ある羊飼いの娘がいて/ ブスカテルの大結婚行進曲/ オーベルニュの「狼たちが騒いでた」/ M.ティシエの「狼たちが騒いでた」/ プレリュード/ラショーのブーレー/ トレクのブーレー/ポルカ・ピケ3様 |
フランソワ・ラザレヴィチ (コルヌミューズ [フレンチ・バグパイプ]) レ・ミュジシャン・ド・サン・ジュリアン | |
素朴で粗暴、うっすら淋しいバグパイプの響きが趣き深いハーディガーディやヴァイオリンと入り混じる。ちょっとクセになる、Alpha式の“オーヴェルニュの歌” 今回は「ちゃんと知りたい」方も多いであろうバグパイプ音楽を、フランス奏者のソロでお届け。もちろんAlphaの企画ゆえ、名曲メドレーなどではない。ユーゴ・レーヌによるリュリ・オペラなど古楽シーンでも大いに活躍している名奏者が、フランス中南部のオーヴェルニュ地方に焦点をあて、伝統的な旋律をコントラスト鮮やかに吹きまくる。手練のフォーク・ヴァイオリンやハーディガーディなども加わりながら、時に雑多にもなりがちなワールド系アルバムとは全く異質の、Alphaならではのアルバム制作スタイルにかなった一貫性ある1作となっているのだ。録音が良いせいか、野趣あふれるバグパイプの音にこれほど繊細・多彩な要素が詰まっていたのか!と驚かされるはず。単調さとは無縁、うすら郷愁を感じさせる美しい旋律の数々が、一味違った“南”の感覚を演出してくれる。一枚上手の夏アルバムというわけだ。 カントルーブの『オーヴェルニュの歌』に結実してゆくこの地方の伝統音楽遺産にはバッハやクープランも愛した舞曲ブーレーも含まれ、畢竟このアルバムにもブーレーが全面的にフィーチャーされている。この楽曲形態の生々しいルーツに民族楽器で触れられる、という点で古楽ファンにも嬉しい一作――タンゴ系アイテムのユーザー層にも“一味違うヨーロッパ風味”とアピールできる内容だ。 | ||
薔薇を結婚させましょう 〜オスマン・トルコ帝国におけるフランス音楽 美しき女庭師/薔薇を結婚させましょう/ 詩編第2編(オランダ語版/ トルコ=アゼルバイャン語版)/おれの情婦/ 高貴なる女/詩編第2編(フランス語版)/ラ・ルイソン/ ブルターニュのアンドロ(「ユスキュダル」風に)/ 羊たちを水飲み場に連れてゆくと/ワ・ハビビ/ さらば、憐れな謝肉祭殿/詩編第42編/詩編第65編/ 彼女は通りを散歩していた/高く、高く、月は高く/ 詩編第24編/それは暗い夜だった/私は両家の若い娘で/ 詩編第92編/もしも私が誰かの許婚なら/ そは五月、そよ風に花が揺らいで/ 野に咲くクロッカス、夏の終わりに |
アンサンブル・レ・ファナムルーズ | |
ヨーロッパ最東端としてのトルコ? フランス文化を積極的に取り入れた「文明開化」の16-17世紀、ヴィオールとフィドル、古楽歌唱が織りなす繊細な音世界。 ヨーロッパ流の古楽が、意外なことにトルコにも伝わっていた。しかも予想されるようなエキゾチズムは過剰に盛り込まれず、「西洋文明」を積極的に模倣した非常に繊細なつくり。ヴィオールとフィドル、そして完全な民俗歌唱ではない古楽の作法を上手に残した歌い口で、古楽と中近東音楽のどちらともとれる、絶妙の中間点/境界線上を突いたあざやかな音楽が描き出されてゆくのが、このALPHAの新譜。レーベル主宰者J=P.コンベが惚れ込んで制作した企画だけに、演奏内容はもちろんジャケット写真のキマり具合、エンジニアリングの繊細さ(中世歌唱の録音に長けたJ=M.ラネが起用されている)...と隅々まで手を抜かない作り込み。 今回のテーマは「オスマントルコで演奏されていたフランス音楽」。高校世界史で習うとおり近世のトルコはフランスとの関係が強く、オスマン帝国内でもフランス人だけは(江戸時代のオランダ人のように)保護されていたわけだが、それを裏づけるかのように今日のトルコ伝統音楽には時折フランス出自のレパートリーが残っているとのこと。そこからスタートして16〜17世紀のオスマン帝国時代に演奏されていたとおぼしきフランス音楽を選び出し、ヴィオール2ないしフィドル2、さらにインドの擦弦楽器ディルルバを加えた伴奏編成と女声3人によって、どこかヴィオール・コンソートを伴ったマドリガーレのようでも、あるいは西洋楽器による民俗音楽のようでもある不思議な魅力をたたえた音楽世界が連ねられてゆく。弦楽器の思い切った弓の返しのノイズや繊細をきわめる弦音、またモーダルな歌声が不思議な和声で重なってゆくその玄妙さ、古楽好きなら必ずやクセになるはず!中には古い詩編や、ル・ポエム・アルモニークの名盤「愛の喜び」に収録されているフランスの古謡といった思いがけない作品まで出てくるのも意外で面白い。 上述のとおり、中世音楽のプロによるエンジニアリングは空気感と楽音の妙味をうまくとらえた自然な仕上がり。またロビン・デイヴィスによるジャケット写真も、枯れ枝の筋一本一本まで陰影鮮やかに捉えたシリーズ屈指の美しさ。 | ||
歯車のように 〜超絶的シングルリードの饗宴! アレクサンドロス・マルケアス:歯車のように ルイ・スクラヴィス:期待/ダンス ジョエル・メラ:出会い アラン・ベルロー:ちいさな炎いくつも リオネル・ボール:あいまいな女たち ファビアン・レヴィ:ドゥルフ ルイ・スクラヴィス:分離 ヤセン・ヴォデニチャロフ/ルイ・スクラヴィス: 黄金のしずく 即興演奏:東風(リゲティの「バガテル第3番」を 固執旋律に据えた即興) ルイ・スクラヴィス/キャチュオール・アバネラ水の花 ルイ・スクラヴィス:その民なりの幼き日 アレクサンドロス・マルケアス:後日談 |
ルイ・スクラヴィス(Cl/Sax) キャチュオール・アバネラ (サクソフォン四重奏団) | |
日本中にファン増殖中、“あの”スーパーアンサンブル待望の新譜、ゲストにはなんと鬼才中の鬼才、ルイ・スクラヴィス登場。クラシックの概念内ではとても到達し得ない(!)超絶技巧と伸縮自在のブロウに宿る、その恐ろしき音楽性が、魔術的サックスに絡む、絡む! | ||
古楽歌手によるオーヴェルニュの歌 〜マシフ・サントラルの伝統歌さまざま ラ・モルト〜死せる女/セ・カント〜小鳥がうたう、また歌う おいらは5スーしか持ってない/心地よい木立ちに夜啼鶯 薔薇よ咲き誇れ/ラ・ヨエット〜ヨエットに会いに行く ラ・ムラリャド〜汚れた顔の娘さん パストゥレル・デライ・ライオ〜対岸の女羊飼い ライオ・デ・ロージョ〜おまえを殺す、この赤い水 兵隊少女/ル・ルシニョル〜夜啼鶯 セ・カント〜小鳥がうたう、また歌う(別ヴァージョン) 森を抜けて行こうとすると/タ・リン・タ・ルン〜露が落ちてきた ラ・モルト〜死せる女(別ヴァージョン) ラ・カティ〜きれいな歌を聴きたいかい さらば、愛らしきイザボーよ!/ル・スダール〜或る兵士の歌 |
アンサンブル 「ラ・カメラ・デッレ・ラクリメ」 ブリュノ・ボヌール(T) ジャン=リュク・タンビ (リュート/マンドーラ) カラン・トゥレー(Perc) パトリツィア・ボーヴィ(S) アルノー・メティヴィエ (アコーディオン) | |
ル・ポエム・アルモニークの名歌手ボヌールが自らの出自・オーヴェルニュ山間部に立ち返る…よどみない古楽歌唱の描く、あまりに美しい山の歌。 ナポリとヴェネツィアをまたにかけた初期バロックの名匠イル・ファーゾロの作品集(ALPHA-023)で、ル・ポエム・アルモニークの一員として朗々たおやかな民俗風歌唱を聴かせてくれたブリュノ・ボヌールは、他にも昨今Zig-Zagで大活躍中の中世音楽集団ミクロロゴスにいたこともある気鋭の古楽歌手。そして同時に、カントルーブの名作で知られるオーヴェルニュ地方の生まれでもある(母親も民俗音楽歌手だそうだ)。ここではそんなボヌールがこれまでの古楽キャリアを活かした伸びやか&清らかな歌い口で、自分の出身地に伝わる伝統歌を、まったく新鮮な解釈で聴かせてくれる。 オーヴェルニュの伝統歌は元来ア・カペラの単声で歌われるが、それゆえ自由な伴奏解釈も可能・・・とは演奏者J=L.タンビの言葉。そこでボヌールがとった選択がリュート伴奏を中心とした古楽アプローチなのが嬉しいところで、リュートソングやエール・ド・クールなどを聴きなれた聴きなれた耳にはすんなり馴染むトラックばかり。いや馴染むどころか、伸びやかな歌い口に魅了されずにはおれない!折々に加わるアコーディオンや多様な打楽器群も、ムードそのままに民族情緒をそっと添えてくれる。 「愛の喜び」(ALPHA-513)や「タランテッラ」(ALPHA-503)などAlphaの白シリーズに毎回魅了されている方へは文句なく“必聴"とお薦めできるし、ボチェッリやラッセル・ワトソンなどが好みのライトユーザーも引き込まれそうなアルバム。 | ||
クレルモンの受難物語 〜南フランス、紀元1000年の恐怖と希望〜 クレルモン=フェラン図書館 (南仏オーヴェルニュ地方)所蔵 『受難物語』(写本 No.189)より |
ブリス・デュイジ (歌/ヴィエル=中世フィドル) | |
中世南フランスをさまよう虚無僧か、琵琶法師か、はたまた“音の魔術師 "なのか。現代の吟遊詩人ブリス・デュイジ、またしても中世フィドル片手にうたいる。イエスの生涯を滔々、たおやかに。易々と時を越えてしまう、虚空に漂うニュアンスの妙。 楽譜もなく口伝えで残ってきた音楽と、芸術音楽の“あわい "を、即興演奏というキィワードを介して探ってゆく。というのがAlphaの“白 "シリーズのテーマ。つまり、古楽と伝統音楽のコラボレーション。 即興演奏+古楽、といったラインでお届けするのは、ストイックにヴィエル(中世フィドル=ヴァイオリンの先祖)一本だけの弾き語り。現代フランスきっての中世音楽集団ディアボルス・イン・ムジカにもしばしばゲスト出演しているシーン最高峰の腕利きフィドル奏者、ブリス・デュイジによるソロ・アルバムである。同じスタイルで数年前に「最古の吟遊詩人」ポワティエ伯ギヨーム・ダキテーヌの歌の数々を鮮やかに聴かせてくれた彼が、今度はCD1枚、全15トラックにわたってまるまる1作の中世歌を披露してくれるという次第。とりあげられたのは「クレルモンの受難物語」と呼ばれる、クレルモン=フェラン(ボルヴィックの水で知られる南仏山岳地帯オーヴェルニュ地方の中心都市)の図書館に伝わる10世紀末〜11世紀初頭頃の写本。イエス・キリストの受難物語をたどる内容で、何より物語が有名なだけに(いわずもがな、バッハの『マタイ』『ヨハネ』両受難曲と同じ筋)、歌が南仏ポワトゥーの方言であろうと、基本的に同一メロディの変奏だろうと、つい引き込まれずにはおれない。デュイジの歌い方がとにかくニュアンス豊かでドラマティック。時に高く裏声ぎりぎりまで艶やかな地声をはりあげ時にそっと静かに低く声を落とし、ユダの裏切りを、イエスを糾弾する民衆を、十字架のまわりの出来事を、そして救世主の死を、復活を、うたいあげ、うたいおおせる...歌声ひとつだけ、伴奏は中世フィドル1本だけ。なのに、なんと劇的・ドラマティックでニュアンス豊かな音楽がつづくのだろう。簡素さゆえ、うたわれる内容に引き込まれずにおれない。紀元1000年に終末が来る。と怯えつつ、来るべき神の国に希望を馳せた中世人の心情も自ずと知れる、不思議な時間旅行体験をもたらす稀有の音響体験がここにある。 | ||
中世フランス、聖なる芸術から宮廷の愛へ 〜サン=マルティアル楽派と、南仏の吟遊詩人 ひとたび世界が誘惑を知ると(*) けがされえぬマリア(*) わたしは正気を欠いた人のようだった(#) 百合は花ざかり(*) 彼女の過ちのあったがゆえに(*) 森は、楡の林は、緑に燃えて(#) この日、天上の国は歓喜する(*) 何の不思議があるだろう、 わたしが誰よりうまく歌うとて(#) (ベルナール・ヴァンタドゥール) 天は聖なるしずくを滴らせ(*) この御誕生を祝うべく(*) わたしは見た、ヒバリが羽ばたき(#) 真実の陽の輝きが(*) 今のわたしに、太陽の輝きなど見えはしない(#) わたしは見た(#) (フィドル独奏、ベルナール・ヴァンタドゥール版) サン・マルティアル修道院の歌(ラテン語;*) 吟遊詩人の歌(南仏語;#) |
アンサンブル・ベアトゥス (中世声楽集団) | |
ナポリの風、16世紀 〜ヴィラネスカとマスケラータ ジョヴァンニ・ダ・ノーラ(生歿年不詳、16世紀): 「ヴィラネスカさまざま」(1545)〜7曲 ヨハネス・デ・コロニア(生歿年不詳、16世紀): 「村の歌(ヴィラネスカ)さまざま、 ナポリ仕立て」(1537)〜2曲 ダルツァ: 「リュートのための第4曲集」(1508)〜2曲 …その他 ラッスス、マイネリオ、トマーゾ・ディ・マイオ、 ボルローノ・ダ・ミラノ、バルベッタによる ヴィラネスカとマスケラータを収録 全22曲 |
アンサンブル・スォナーレ・ カンターレ(ピリオド楽器使用) ジャン・ガイヤール(笛/総指揮) ミシェル・クロード(Perc)他 | |
素朴でオーガニックな「むずかしくないルネサンス南国音楽」。 夏にぴったりの、エモーショナルかつ開放的な南国古楽サウンドをお届けする。Alphaでおなじみのさまざまなアンサンブルで活躍する気鋭古楽アーティストたちが結集、南国ナポリの雰囲気を堪能させるイージー・ルネサンスの響き。ルネサンスの世俗音楽でも、歌声パートひとつだけのフロットラと並んで「わかりやすい」のが、ヴィラネスカとかヴィラネッラと呼ばれるタイプの重唱曲。ターン・タ・タ・ター・ター、という単純かつキャッチーなリズムを繰り返しなんてことない歌詞もけっこう繰り返しながら、3声のきれいなハーモニーを連ねてゆくという気軽な音楽。このストレートに感覚を揺さぶる感じはまさにトマトやアンチョヴィ、ニンニクや唐辛子、ウイキョウやミントの効いた南イタリア料理のよう。ちなみにルネサンス通には、ヴィラネスカはわりとメジャーなジャンルの一つ。輸入盤にはそこそこ競合盤もあるが、これを手がけるグループはみんな個性の立った連中ばかりで、何枚あっても“味 "がカブらないのが不思議なところ。しかし本盤ときたら、演奏陣がフランス=ラテン系面子のせいか、エモーショナルなわくわく感がちょっと群を抜き、タリア演奏陣のそれをも凌ぐ開放感。のびやか民俗的な男声もセクシーなら、Alphaならではの秀逸録音が拾ってくる太鼓の響き、元気に鳴りわたるコルネット、撥弦のうねり…とピリオド楽器サウンドもこれまた絶妙「われらはロマびと」、「ご婦人、ガリアルダを教わりたくば」、「愛しきひと、どうしてそんなに怒ってばかり」などヴィラネスカの定番名曲は一通り入っており、入門盤としてもOK、ヴィラネスカ好きにも比較の愉しみたっぷり猥雑系の歌詞がこれまた夏っぽいデ・コロニアやノーラの最初期ヴィラネスカのほか、恋歌的派生ジャンルのマスケラータ、巨匠ラッススの作例まで、上機嫌必至の22トラック。 | ||
アプンツェル地方の古い歌 〜スイスの民謡を、ピリオド楽器と民俗楽器で〜 フルットのベットルヴェフ/ アッペンツェル地方の踊り/スイスの踊り/ 若い伯爵殿の歌/ カッコウの小さな歌(オルガン独奏)/ ドゥルスリとベーベリ/ショティッシュ/ ハイナー・ゼービスの婚礼の踊り/ エメンタール地方の婚礼の踊り/ グッギスベルクの歌/ ベルガマスカ(オルテンシュタイン写本、1671)/ ランツ(牛飼いの笛歌)に乗せて/スイスの軍人/ アプンツェル地方の踊り/死の舞踏/ さあ、野営地に戻ろう/ショティッシュ II/ モンフェルリーネ |
アンサンブル・アルプバロック (ピリオド楽器使用) イヴ・レヒシュタイナー (室内Org; アッペンツェル地方、1811年製) オディール・エドゥアール(Vn) ギスレーヌ・ヴェルクリ、 ナンドー・ブリュッガー(歌) ニキータ・プフィステル (ダルシマー) アンリ=シャルル・カジェ (Perc) | |
のんびり気楽に、時々しっとり。Alpha“白シリーズ "が送る新企画は、即興演奏とオルガンの達人レヒシュタイナーが自らのルーツに立ち返る、ユニーク三昧のスイス音楽。ワインの空き瓶で作った打楽器など、なごみサウンドの正体もこれまた面白い...。 口伝えで残されてきた伝統音楽と、芸術音楽の間にあるものを探る、ユニークな企画が次々と登場するAlphaの“白シリーズ "。2008年リリースの最新アルバムは、意外にもフランス語圏を離れた「ドイツ語圏スイス」の古い音楽がテーマ。スイス出身の気鋭チェンバロ=オルガン奏者イヴ・レヒシュタイナーが、自らのルーツに立ち返り、昔から作曲家たちを魅了してやまなかった長閑なスイス伝統音楽の世界と大真面目に(?)取り組んだアルバム。 ポルカバンドやアルペンホルンなどの千年一日土産物屋的サウンドとはまるで無縁、アンサンブル・レ・ウィッチズのオディール・エドゥアールが弾くバロック・ヴァイオリンに、ほんのりエキゾチズム漂うダルシマー(弦を叩いて音を出す民俗楽器)、しっとりアンティーク風のすてきな室内オルガンの音色が、この国独特ののどかでなつかしい響きの真相をあざやかに解き明かして行く。しかし白眉はなんといっても各種打楽器。 スイスの民俗打楽器奏者はスプーンでも箒でもすぐに本格的な打楽器にしてしまうそうだが、ここでも空き瓶を並べて音階を「叩き出し」たり、ビヨンビヨンと口琴を弾いたりと、想像力を心地よく刺激する妙音がいたるところに。不思議体験に魅了されて頂きたい。 | ||
フランダースのすてきな古楽 「シュザンヌ・ファン・ソルトの鍵盤音楽帳」 (1599 ロンドン)による復元楽曲 シャンパーニュのブランデー/ プレリュード/XXI(題名不詳)/ 「私を修道女にしないで」のアルマンド/ フランスのガイヤルド/ 詩編第80番「神よ、聞き入れたまえ」/ 詩編第130番「おお神よ、心から」/ 褐色の少女のアルマンド/ 詩編第42番「追われた牡鹿のように」/ 新しいパヴァーヌ/ 詩編第9番「神よ、心の底からあなたを求めて」/ シュザンヌはある日/大工のアルマンド/ 詩編第23番「主はわが牧人」/ロレーヌのアルマンド/ ブラバントの輪舞、またはブラント |
アンサンブル・レ・ウィッチズ [オディール・エドゥアール(Vn) クレール・ミション (各種リコーダー/打楽器) シルヴィー・モケ(バス・ガンバ) パスカル・ボケ(リュート他) フレディ・エシェルベルジェ (Org/シターン他)] | |
ピリオド楽器使用。当時のポピュラー音楽の鍵盤編曲であるこのヴァージナル曲集から、さらりと自然に“オリジナル "を復元してみせるのは、これまでもヒットを飛ばしてきた“あの団体 "。 ベルギーのフランダース地方は話されている言葉も事実上オランダ語にほかならず、昔からカトリック優勢ながら、オランダ独立戦争以前はプロテスタントの人も少なからずいたようで、ここではそんな時代の音楽を、歌なし・のルネサンス器楽集団であざやかに解釈して行く。各種リコーダーのしんみり素朴なサウンド、今回も民俗的で雰囲気満点なバロック・ヴァイオリン、軽妙至極の小オルガン、たおやかな打楽器がそっと空気を震わせて...と、英国ルネサンス世俗音楽に似ているけど少し違う、しっとりキレイ・鮮烈なピリオド楽器サウンドは Alpha 随一の自然派録音で映える。古い北方絵画を眺めながら聴けば、しばしタイムトリップ気分になること必至。 | ||
バルカン幻想 エキ/ドスパート/シルト/ダンス25/グロズデナ/ダイチェヴォ/ヴァルナ/ハッシ/ プレリュード/グラオフスコ/マナキ/オイザク・マネ/レレ・ネド/ドラガニナタ/ズレトスコ ミシェル・クロード(各種打楽器) Ens.アロマート イザベル・デュヴァル(各種Fl) ジャン=バティスト・フリュジエ(Vn) エリーザベト・ザイツ(プサルテリウム) ジャン=ルー・デカン、フランソワーズ・エノック(中世フィドル/ヴィオラ・ダ・ガンバ) ジャン・ブランシャール(Cb) フレディ・エシェルベルジェ(オルガネット) | ||
「ミルテの庭」(2006)、「月の光さす」(2008)につづく、古楽と民俗音楽のはざま、西洋と東洋のはざまをゆくアンサンブル・アロマート第3の冒険は、はるか東と南の交わるところ、バルカン半島が舞台――土臭さと洗練のはざま、これは絶妙に美しい。 | ||
近代作曲家たちとフランス民謡〜フランス中南部の歌、ショパンからカントルーブまで こんばんは、栗毛色のかわいいお嬢さん(伝承曲)〜ジャネート、どこに羊たちを(ラヴェル)/ いこう、陽気な牛たちよ(ティエルソ)/ねえママ、恋神があたしを苦しめてるの(伝承曲)/ ブーレ(ショパン)〜ブーレ(ルメーグル)〜羊飼いの娘と狩人(シャブリエ)〜羊飼いの娘と狩人(伝承曲)/ あの緑なす草原に(シャブリエ)/アングラールの行進曲(伝承曲)/カッコウとヒバリは(ティエルソ)/ 朗読:風吹きすさぶ馬車道で(アンリ・プラ作詩)/月の光に、女たちよ(オーギュスタ・オルメース)/ ノアン組曲(伝承曲):アンダンティーノ〜オロール・サンドのブーレー〜平野を抜けて、山々を超え/ わたしの恋人は遠くに行ってしまった(ビゼー)/ 胡桃を手にしていたあいだは〜森に行こう、おちびさん(伝承曲)〜胡桃を手にしていたあいだは(エマニュエル)/ ブーズに住んでいる男たちは(エマニュエル)/『巡礼の年』より パストラーレ(リスト)/ 走れ犬、はしれ。(カントルーブ)/あなたの優美な立ち姿を眺め(ヴィアルド=ガルシア)/ ヴィラジョワーズ〜ブーレー(ルメーグル)〜古い小唄(ヴィアルド=ガルシア)/ オーヴェルニュの子守唄(カントルーブ)/ アントワーヌ・シャブリエのブーレー(伝承曲)〜どこへ連れてって見張ろうか(カントルーブ) レ・ミュジシャン・デュ・サン・ジュリアン フランソワーズ・ティラール(P) アンヌ=リズ・フォワ(ヴィエラルー) バジル・ブレモー(Vn) フランソワーズ・マセ(歌) フランソワ・ラザレヴィチ(Fl/各種バグパイプ/歌) | ||
ピリオド楽器使用。使用ピアノ:エラール、19世紀中盤製。バグパイプやヴァイオリンの「高雅な素朴さ」に、今回はエラール・ピアノが自然に加わる。フランス民謡はいつしかフランス歌曲へ、そしてまた民謡へ。魔術的美質はAlphaならでは。 | ||
船が来た! 風の歌、海の歌、潮の歌〜英国諸島の伝統歌をピリオド楽器で 人魚の歌/舟は絶望的/舟は旅立つ/バーバリ海岸は高し/ボウインの流れ/モリスンのジグ(*)/ 海草を引いて/ほっそりした乙女ふたり/アイルランドの岸/船を失うということ/ 水夫のジャケット/釣れるのはウナギばかり(*)/海の魚は/ジェイムズ船長(*)/ うるわしのスーザン/メイガン船長(*)/水夫淑女(*)/アレン・ドゥイン(茶髪のアレン)/ ディニー・ディラニー(*)/キティ・メイジニーズ(*)/未踏の島/グリーンランドの鯨狩り(*)/ いきがる水夫/昆布を採りながら(*)/ドゥニーンの岸壁 〔(*)は器楽のみのトラック〕 クアドリーガ・コンソート | ||
ピリオド楽器使用。民俗音楽テイストが古楽サウンドと交わるAlphaの「白シリーズ」、『このジグは誰のもの?』(ALPHA-502)以来の英国もの。うっすらケルト風味の海風を感じる、船乗りの笛の音、弦の音、乾いた太鼓とノスタルジックな歌声。“異国人だからこそ "の本物! | ||
ナポリのことなら いくらでも語れる〜故郷に帰ってきたアッコルドーネ 聖人たちのバッロ / アンドレーア・ファルコニエーリ(1585-1656):愛しい美しき薔薇 伝承歌:牢屋にぶちこめ、パン職人どもを(*) /チチェレネッラ「ひよこまめの君」 モリーニ/詩:ヌンツィアンテ・パガーノ(1683-1756):窓辺の夜曲 / 作者不詳:つめたい仕打ち グイード・モリーニ(1959-):タランテラ・タパネッラ(田舎風タランテラ)(*) モリーニ/詩:フランチェスコ・メロージオ(1609-1670):マッサニエッロの嘆き(*) アドリアーノ・ヴィッラールト(1490-1562):怠け者の年増女たち(*) ガエータノ・ラティッラ(1711-1788):おまえが好きでたまらない ガエータノ・ラマ(1866-1950)/ベッペ・ガンベッタ編曲:モンテマラーノの聖母に捧ぐ歌 ヴィンチェンツォ・ヴァレンテ(1855-1921):あの古き良き日々 ルーチオ・ダッラ(1943-2012):カルーゾ「小さな丘」 ガエータノ・ラマ/ベッペ・ガンベッタ編曲:レジネッラ「女王さま気取り」 ジュゼッペ・チョッフィ(1901-1976)/ベッペ・ガンベッタ編曲:マッツァとペッツァとピッツォ ピーノ・ダニエーレ(1955-):ナプール「ナポリは...」 / ディアーナ、わが星(*) マルコ・ビズリー(歌) Ens.アッコルドーネ [グイード・モリーニ(Cemb/P) ロセッラ・クローチェ、エリーザ・チッテリオ(Vn) フランチェスコ・ガッリジオーニ(Vc) ステーファノ・ロッコ(アーチリュート/バロックG) ファビオ・アックルソ(リュート) フランコ・パヴァン(テオルボ) マウロ・ドゥランテ(Perc)] | ||
ピリオド楽器&一部モダーン楽器使用。あの「声の魔術師」、ナポリ生まれのマルコ・ビズリーと異才チェンバロ奏者グイード・モリーニの本格ジャンル越境型バロック・バンド「アッコルドーネ」が、ついにAlphaに帰ってきた。古都ナポリの伝承歌と古楽こそ、彼らの心の故郷。スタイリッシュで情熱的なあの境地、再び。 | ||
新たなるヒスパニア カスティーリャ兄弟:一番ふつうのラ・バンバ / フアン・コルナゴ(1400-1474):世界地図を見てみたんだが 作曲者不詳:スオラ写本(17世紀)〜マリサパロス / サンティアゴ・デ・ムルシア(1682-1735):クンベ 作曲者不詳(16世紀):ハエンのモーロ娘三人 / サポテコ族伝統歌:巨人たちの踊り フアン・デ・アンチエタ(1462-1523):愛をこめて、お母さん / 作曲者不詳/キート・ガト編曲:ハカラ ラファエル・アントニオ・カステリャノス(1765-1791):さあハカラだ、みんな サンティアゴ・デ・ムルシア:ありえないことばかり / 旅楽師の歌:泣き虫な彼女 ミステコ族の歌:七面鳥の調べ / ウアステコ族の歌:ラ・ペテネラ/味わい深きもの メキシコ伝統歌:雄牛の調べ / 旅楽師の歌:栗毛のむすめ アンドレア・デ・カルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)総指揮 Ens.マーレ・ノストルム [ノラ・タッブシュ(歌) キント・ガート(バロックギター/ビウエラ/打楽器) ホズエ・メレンデス・ペラエス(木管コルネット/ハラナス/歌) リンコルン・アルマダ(アルパ) アンナマリア・ジェンティーレ(ヴィオラ・ダ・ガンバ/ヴィオローネ)] | ||
ピリオド楽器使用。スペインから新大陸へと渡った人々が根づかせていった古い音楽の系譜を、古楽側といまのラテン音楽シーン、両面からたどる。ピリオド楽器のオーガニックな音色と、ラテン的情熱。 | ||
ゴールウェイで、素敵なこと〜魔女たちのアイルランド音楽 彼女は起き上がり、わたしを招き入れた/とある紳士がまとめたラグ(アイルランドのラグ)/ギャラウェイ公の嘆き/ アリック・バーク卿/メアリ・オニール/冷たい大地の上に/ベッラミラ/モリーは貧乏人(モリー・オヘイルピン)/ リメリックの嘆き/お前を愛したことがある/リメリックは包囲された/顧問官マクダノーの嘆き/ ジェニーの気まぐれ、しわくちゃ小僧をもみくちゃに/ライトの少年たち/ ジョニー・コック、お前のビーバー:グラウンドによるスコットランドの調べ/ 王様のホーンパイプ、ニューカッスル/ハミルトンのお嬢様/吾輩の手で(おまえの手を貸してくれ) アンサンブル・レ・ウィッチズ [クレール・ミション(各種笛/太鼓) オディール・エドゥアール(Vn) フレディ・エシェルベルジェ(Cemb/竪型Cemb/シターン) ショバン・アームストロング(中世式アイリッシュHp) パスカル・ボケ(リュート/バロックG) シルヴィ・モケ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)] | ||
ピリオド楽器使用。民俗音楽と古楽の融合、「このジグは誰のもの?」の感動ふたたび。バロック・ヴァイオリン奏法が、ピリオド楽器ハープの音色が、数百年を超え「いま」に伝わるアイリッシュ・ミュージックの粋を、鮮明に。小説家ナンシー・ヒューストンの寄稿も。 | ||
アッコルドーネとイタリア17世紀の独唱モテット〜歌い手ひとり、神との対話 ボニファチオ・グラツィアーニ(1604-1664):めでたし、海の星 アレッサンドロ・グランディ(1586-1630):ああ、ありがたきヒエロニムス様 イグナツィオ・ドナーティ(1570-1638):歌え、神に ビアージョ・マリーニ(1587-1663):3声部のソナタ「離れよ、傷ついた心よ」 クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643):喜びにわきあがれ、町中の者たちよ ジュゼッペ・ジャンベルティ(1600-1662):いとも思慮深きおとめ グランディ:歌を捧げてまいります、神に / ジョヴァンニ・パオロ・チーマ(1570-1622):3声部のソナタ ジョヴァンニ・フェリーチェ・サンチェス(1600-1679):聖母は立てり、悲しみにくれて[スターバト・マーテル] ドナーティ:神よ、あなたに希望をかけましょう ジョヴァンニ・パオロ・カプリオーリ(1580頃-1627頃):ごきげんよう、皇后さま[サルヴェ・レジーナ] ジョヴァンニ・バッティスタ・フォンターナ(1571-1630):第7ソナタ ケルビーノ・ブザッティ(?-1644):蘇えられた、よき羊飼いが モンテヴェルディ:ごきげんよう、皇后さま[サルヴェ・レジーナ] マルコ・ビズリー(歌) グイード・モリーニ(Cemb/Org)指揮 アンサンブル・アッコルドーネ | ||
ピリオド楽器使用。越境系古楽の旗手アッコルドーネ、そのルーツでもある「歌い手ひとり」のイタリア・バロック最盛期の至芸は、最小限の演奏編成で驚くほどの広がりをみせる。声の魔術師ビズリー、異才モリーニ、変幻自在の17世紀。 | ||
グイード・モリーニ(1959-)/マルコ・ビズリー台本:オペラ「溶解と凝固」
マルコ・ビズリー(歌) エリーザ・チッテリオ、ロセッラ・クローチェ(Vn) ジョヴァンニ・マラルディ(Va) マルコ・フレッツァート(Vc) ヴァンニ・モレット(Cb) フランコ・パヴァン(テオルボ) アッコルドーネ | ||
これは久々の快挙。「バロック様式による新作オペラ」を、イタリアの異才集団アッコルドーネが手がける。一座のブレーン足る鍵盤奏者=作曲家=アレンジャーのグイード・モリーニが綴る音楽のテーマは「錬金術」。極上の18世紀バロック風、声の魔術師ビズリー絶好調。 | ||
フォーレ(1845-1924): ロマンスOp.69/チェロとピアノのためのソナタ第1番 Op.109/エレジーOp.24/ チェロとピアノのためのソナタ第2番 Op.117/セレナーデOp.98/蝶々 Op.77/子守唄 Op.16/ ピアノ三重奏曲 Op.120(フォーレの当初の構想にあわせ、ヴァイオリン・パートをクラリネットで演奏) フランソワ・サルク(Vc) ポール・メイエ(Cl) エリック・ル・サージュ(P) | ||
好評のシューマン・シリーズに続いて、フランス最前線の異才ル・サージュが動いた――新たに手がけはじめたのは、なんと嬉しいことに、フォーレの室内楽曲のシリーズ!精妙に伸縮する情熱と洒脱とが、絶妙の共演者を得て、いや増しに深まるとき。秋の大本命! | ||
フォーレ(1845-1924):ピアノ四重奏曲集〔第1番 ハ短調 Op.15 /第2番 ト短調 Op.45 〕
エリック・ル・サージュ(P) 樫本大進(Vn) リズ・ベルトー(Va) フランソワ・サルク(Vc) | ||
異才ル・サージュが好評のシューマン全集に続いて世に問うのは、同じフランスの近代を代表する大家フォーレの室内楽、好評のチェロ曲集に続き、全員ソリスト編成で最重要作2曲が早くも登場。精妙と躍動の絶妙なバランス、そして弦には樫本大進が。 | ||
ガブリエル・フォーレ(1845-1924):ピアノを含む室内楽作品集 Vol.3 ピアノ五重奏曲〔第1番 Op.89 (1905) /第2番 Op.115 (1922) 〕 エリック・ル・サージュ(P) エベーヌSQ [ピエール・コロンベ(Vn1) ガブリエル・ル・マガデュール(Vn2) マテュー・エルツォグ(Va) ラファエル・メルラン(Vc)] | ||
樫本大進参加の好評・ピアノ四重奏曲集に続いて「高雅なるフランス」と「気鋭のフランス」を1枚で双方強く印象づける五重奏曲集が。フォーレ晩期の充実と深まりを印象づけてくれる共演者は、なんとエベーヌ四重奏団。 | ||
フォーレ(1845-1924):ピアノを伴う室内楽作品集 Vol.4 ピアノ連弾のための作品〔ドリー Op.56 /マスクとベルガマスク Op.112 /バイロイトの追憶〕/ フルートとピアノのための幻想曲 Op.79 (*) /フルートとピアノのための課題小品(*) / シシリエンヌ Op.78〜フルートとピアノによる(*) /ピアノ三重奏曲 Op.120 (#) / 夢のあと〜チェロとピアノによる (+) /シシリエンヌ Op.78 〜チェロとピアノによる(+) エリック・ル・サージュ(P) アレクサンドル・タロー(P) エマニュエル・パユ(Fl;*) フランソワ・サルク(Vc;+) ピエール・コロンベ(Vn;#) ラファエル・メルラン(Vc;#) | ||
好評シリーズ第4弾は、アレクサンドル・タローが連弾パートナー。フォーレ演奏史に残るであろう「ドリー」他の連弾作品もさることながら、パユのフルートやサルクのチェロまで。晩期の傑作トリオの収録も嬉しい。 | ||
フォーレ:ピアノを伴う室内楽全集 Vol.5 〜ヴァイオリンとピアノのための作品全集(完結編) ヴァイオリンとピアノのためのソナタ〔第1番 イ長調 Op.13 /第2番 ホ短調 Op.108 〕/ 子守歌 Op.16 /初見視奏のための小品/ロマンス Op.28 /アンダンテ Op.75 樫本大進(Vn) エリック・ル・サージュ(P) | ||
フランス最前線をゆくル・サージュが、シューマン全曲録音に続き敢行したフォーレ室内楽全集、好評シリーズ最終巻を飾るは、BPO首席としているます注目を集める樫本大進!初期の大傑作、晩期の第2ソナタ、そして小品4編、解き明かされる粋の真髄。 | ||
シュポア(1784-1859):クラリネット協奏曲集 〔第1番 ハ長調 Op.26 /第2番 変ロ長調 Op.57 / 第3番 ヘ短調 WoO.19 /第4番 ホ短調 WoO.20 〕 |
ポール・メイエ(Cl)指揮 ローザンヌ室内o. | |
初期ロマン派の隠れ重要レパートリー、ついに全曲録音セットが「あの名手」の名演で。シューベルトやウェーバーと同じ時代、これ以上うつくしく微妙な陰影を出せた作曲家がいただろうか。シュポアを知るうえでも貴重なリリース。 | ||
セルゲイ・カスパロフ〜我がピアノとの探訪 ラモー(1683-1764):前奏曲 イ短調 ラモー/レオポルド・ゴドフスキー(1870-1938)編曲:メヌエット/サラバンド/リゴードン リュリ(1632-1687):アルマンド/クーラント リュリ/レオポルド・ゴドフスキー編曲:サラバンド/ジグ ジャン=バティスト・レイエ(1680-1730)/レオポルド・ゴドフスキー編曲:ジグ ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757):ソナタ ロ短調 K.87 /ソナタ ホ長調 K.162 ドメニコ・スカルラッティ/カール・タウジヒ(1841-1871)編曲:パストラーレ/カプリッチョ J.S.バッハ(1685-1750):組曲 イ短調 BWV818a J.S.バッハ/ラフマニノフ(1873-1943)編曲: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 変ホ長調 BWV.1006 より〔前奏曲/ガヴォット/ジグ〕 セルゲイ・カスプロフ(P) | ||
思わぬ現代楽器での好企画。古楽の復興と超絶技巧はロマン派時代末期、思わぬ相性をみせていた。チェンバロ復活前夜の誠実なる凄腕たちは過去の巨匠に何を感じたのか? リュビモフ門下の異才とともに、エキサイティングな歴史探訪へ。 | ||
ベートーヴェン(1770-1827):後期ピアノ・ソナタ集 〔第30番 ホ長調 Op.109 /第31番 変イ長調 Op.110 /第32番 ハ短調 Op.111 〕 エリック・ル・サージュ(P) | ||
シューマン→フォーレと「かゆいところ」を突いてきたエリック・ル・サージュが、今度はベートーヴェンに、それも最後のソナタから。ファン必聴! | ||
シェイクスピアの「テンペスト」〜 マシュー・ロックの劇音楽を中心に、17世紀と現代とのあいだで ロック:劇音楽「テンペスト」より / パーセル:アンセム Z.15, 24, 36 /讃歌 Z.135 ドラーギ:劇音楽「テンペスト」〜不思議な精霊たちの踊り / マルタン:アリエルの歌(「テンペスト」による) エルサン:堕ちる星 / ハート:劇音楽「テンペスト」〜ドリンダの歌 / ペクー:空想上の連祷のために シモン=ピエール・ベスティオン指揮アンサンブル・ラ・タンペート シャンタル・サントン=ジェフリ(S) リュシル・リシャルド(Ms) ブリュノ・ル・ルヴリュール(CT) ユ・シャオ(T) リザンドロ・アバディ(B) | ||
ピリオド楽器使用。21世紀型のシェイクスピアは、古楽を大前提として「いま」との距離感で遊ぶ物。侮りがたい最前線ドラマ。 | ||
ハイドン(1732-1809):交響曲全集 Vol.1 〔第39番 ト短調 Hob.I: 39 /第49番 ヘ短調 Hob.I: 49「受難」/第1番 ニ長調 Hob.I: 1 〕 グルック(1714-1787):ドン・ジュアン、または石像の宴〜無言舞踏劇(1761年初稿版) ジョヴァンニ・アントニーニ(Fl−tr)指揮イル・ジャルディーノ・アルモニコ | ||
ピリオド楽器使用。イル・ジャルディーノ・アルモニコとアントニーニがスタートさせたハイドン交響曲全曲プロジェクト、ついに始動。第1弾のテーマは「ラ・パッショーネ」。躍動感あふれるドラマ、情熱と受難のコントラスト、ハイドンの語り口を、精鋭集団が周到に。 | ||
ハイドン:交響曲全集2「哲学者」〜ハイドン2032プロジェクト Vol.2 ハイドン:交響曲〔第46番 変ロ長調/第22番 変ホ長調「哲学者」/第47番 ト長調〕 W.F.バッハ:交響曲 ヘ長調「不協和音」 イル・ジャルディーノ・アルモニコ | ||
ピリオド楽器使用。スタイリッシュに、克明に。「本物」は仕事を裏切らない。イル・ジャルの「全集」第2弾、テーマ設定も憎い名演。 | ||
Haydn 2032 Volume 3: Solo e pensoso 〜ハイドン: 交響曲〔第42番 ニ長調/第64番 イ長調/第4番 ニ長調〕/ 「無人島」序曲/アリア「孤独に、物思いにふけり」 Hob. XXIVb: 20 フランチェスカ・アスプロモンテ(S) ジョヴァンニ・アントニーニ指揮イル・ジャルディーノ・アルモニコ | ||
ジャン・バティスト・リュリ(1632-87):「カドミュスとエルミオーヌ」(1673) フィリップ・キノーの台本による序幕付き全5幕の叙情悲劇 楽譜総監修:マルタン・フロドロー 演出:バンジャマン・ラザール バレエ振付:グードルン・シュカムレッツ 音楽総指揮:ヴァンサン・デュメストル ル・ポエム・アルモニーク(ピリオド楽器使用) クレール・ルフィリアトル(S;エルミオーヌ) アンドレ・モルシュ(Br;カドミュス) アルノー・マルゾラティ(Bs-Br;アルバス、パン) ジャン=フランソワ・ロンバール(T;乳母/田園の神) イザベル・ドリュエ(S;慈愛/メリッス) | ||
光源はすべて、ろうそくだけ!“作曲当時に忠実 "なアプローチがたどりついた、この薪能にも似た圧倒的な演出効果。当然ながら「ピリオド楽器&17世紀発音」。ル・ポエム・アルモニーク圧巻のプロジェクト、文句なしのNTSC仕様でついに日本上陸! 「ル・ポエム・アルモニークが、誰も録音したことのない“史上最初のフランス語正歌劇 "を手がけるらしい」という話題がもちあがってから程なく、2008年1月、パリで数夜にわたり『カドミュスとエルミオーヌ』が上演された。演奏を担当したのは上述の通り、Alphaの看板アンサンブルであるル・ポエム・アルモニーク。太陽王ルイ14世を讃えるプロローグまで省略なし、すべて17世紀流儀の舞台演出を手がけたのは、ラシーヌやモリエールなどフランス古典劇にめっぽう強い知性派バンジャマン・ラザール。使用楽器や演奏法が当たり前のように17世紀流儀なら、フランス語の発音も衣装も17世紀そのまま、さらに大道具まで17世紀スタイル...と、ヘンデルやヴィヴァルディなどのバロックものでさえ “現代的演出 "で豪華さの失われてしまったオペラ企画が世界的に増えつつある昨今、ここまで本格的に「当時のまま」を貫いた舞台はなんとも異色で珍しいところ。しかし何よりきわめつけは、照明まで17世紀流儀をつらぬき「ろうそくの炎」だけで舞台を照らしたという徹底ぶり。そしてその名演が、DVDに収録されてしまったという事実だろう! | ||
ジョン・ブロウ(1649-1708):歌劇「ヴィーナスとアドニス」(序幕と全3幕)/ 聖セシリアのためのオード「歌を始めよ」/フランス第3放送によるメイキング ベルトラン・キュイエ(Cemb)指揮レ・ミュジシャン・デュ・パラディ セリーヌ・シェーン(S;ヴィーナス) マルク・モイヨン(Br;アドニス) グレゴワール・オーギュスタン(ボーイS;クピドン) カーン歌劇場少年cho. | ||
ピリオド楽器使用。ろうそく照明がバロック・オペラの表現と不可分であったことをありありと立証する、リュリ「カドミュスとエルミオーヌ」に続くAlphaレーベルのDVDは、息をのむ美しさ。パーセルの師匠ブロウの劇世界を、艶やかすぎる女主人公、精妙な古楽バンドとともに、奇跡の夜を! | ||
クリスティ&レザール・フロリサン〜ラモー(1683-1764): 英雄牧歌劇「ダフニスとエグレー」(1753) /舞踏音楽劇「オシリスの誕生、またはパミーユの祭典」(1754) レイナウト・ファン・メヘレン(T;ダフニス) エロディ・フォナール(S;エグレー) マガリ・レジェ(S;パミリ) アルノー・リシャール(Br;大祭司)他 ウィリアム・クリスティ指揮レザール・フロリサン | ||
ウィリアム・クリスティついに Alphaへ、しかもいきなりDVDで舞踏込みの本格プロジェクトを。歌手陣には今をときめくマガリ・レジェやファン・メヘレンら凄腕揃い、ピリオド楽器奏者もヴェテラン揃いカーン歌劇場とヴェルサイユ・バロック音楽センターの協力で、クオリティ重視の「ラモー新章」へ。 | ||
パーセル:歌劇「ダイドーとイニーアス」
ヴィヴィカ・ジュノー(S;ダイドー) ヘンク・ネーフェン(T;イニーアス) マルク・モワイヨン(A;魔女/水夫) アナ・キンタンス(S;ベリンダ) ヴァンサン・デュメストル指揮ル・ポエム・アルモニーク、アクサンテュス(cho.) | ||
ピリオド楽器使用。Alphaの看板グループの新たなDVDはV.ジュノーらとの息を飲む傑作。 | ||
ジャン=バティスト・リュリ(1632-1687):コメディ=バレ「町人貴族」(3幕)(1670)
クリストフ・コワン指揮リモージュ・バロック・アンサンブル団員 ドゥニ・ポダリデス(演出) 伊藤郁女〔かおり〕(舞踏振付) マルタン・フロドロー(映像監督) 出演:パスカル・レネリク、エメリーヌ・バヤール、マノン・コンベ、ベネディクト・ジルベール、 ジュリアン・カンパニ、レスリー・ムニュ、アレクサンドル・シュタイゲール、ティボー・ヴァンソン | ||
ピリオド楽器使用。字幕:なし | PAL | リージョン: ALL 。ル・ポエム・アルモニーク版から11年、なんとコワンが町人貴族新正統派演出を。比類ない高水準。 # PAL 仕様のため国内の通常映像機器では再生出来ず、パソコン等での再生保証もございません。 | ||
オネゲル:歌劇「火刑台上のジャンヌ・ダルク」
マリヨン・コティヤール(ジャンヌ) グザヴィエ・ガレー(修道士ドミニク) ヤン・ビュロン、マリア・イノホザ、マルタ・アルマハノ、アウデ・エクストレモ/他 マルク・スーストロ指揮スペイン国立カタルーニャ・バルセロナso.、 リーダーカメラcho.、マドリガルcho.、カタルーニャ・ヴィヴァルディ少年少女cho. | ||
フランスから世界へ。いま最も注目を集める映画女優は舞台でも超一流。歌劇界随一の名匠と、絶美の舞台を。 | ||
ジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエ(1689-1755): 「ドン・キホーテ、公爵夫人に招かれて」(初演:1748年、パリ王立音楽アカデミー劇場) シャンタル・サントン・ジェフェリ、フランソワ=ニコラ・ジュスロ、 マルク・ラボネット、コリンヌ・ベニジオ、ジル・ベニジオ、ヴィルジル・アンセリ/他 エルヴェ・ニケ指揮ル・コンセール・スピリチュエル | ||
ピリオド楽器使用。鬼才エルヴェ・ニケ大絶賛の傑作バロックオペラ、再録音(初回:NAXOS)。深い音楽愛をもって、痛快パフォーマンスが映像化。 | ||
パリのモーツァルト〜歴史的録音 1938-1951 協奏交響曲 変ロ長調 K.Anh.1-9 K.297b(オーボエ、クラリネット、バスーン、ホルンと管弦楽のための) ピエール・ピエルロ(Ob) ピエール・ルフェビュール(Cl) モーリス・アラール(バソン[Fg]) ジャン・ドヴェミ(Hr) フェルナン・ウーブラドゥ指揮フェルナン・ウーブラドゥ室内o. [初出:VSM SL143-146 /マトリックス:2LA4560-2LA4566 /録音:1946年] ピアノと管楽器のための五重奏曲 変ホ長調 K.452(ピアノ、オーボエ、クラリネット、バスーン、ホルンのための) ピエール・ピエルロ(Ob) ユリス・ドレクリューズ(Cl) モーリス・アラール(バソン[Fg]) ジャン・ドヴェミ(Hr) イヴ・グリモー(P) [初出:Classic C 2 017-C 2 019 /マトリックス:6454 6455 /録音:1948年] オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314 271b ピエール・ピエルロ(Ob) アルトゥール・ゴールトシュミット指揮 コンセール・ラムルーo. [初出:Pathé PDT 263-264 /マトリックス:CPTX977-21 CPTX978-21 /録音:1951年、シャンゼリゼ劇場、パリ] フランス語による歌曲「暗く淋しい森の中で」K.308(*)/歌曲「クローエに」K.524(#) イレーネ・ヨアヒム(S) ルートヴィヒ・ベルクマン(P) [初出:Grammophone DA 4 917 #1 (*) & DA 4 917 (#) / マトリックス:OLA2634 (*) & OLA2633 (#) /録音:1938年] 歌曲「ひめごと」K.518 イレーネ・ヨアヒム(S)ジャン・ジェルマン(P) [初出:BAM (Et Fine Fleur et Alvarez) 49 /マトリックス:PART4785-1 /録音:1947年] | ||
まさにマニア垂涎必至。Radio France所蔵のPathéやVSM、仏Grammophone盤などから意外にも復刻の少ないフランス管楽器録音が、厳しい音源チェックを経てここにCD化! これまで古楽メインの斬新な新録音でユニークな存在性を確立してきたAlphaが、RADIO FRANCE所蔵の貴重な歴史的音源を秀逸な復刻技術で再現する「 Pecheurs de perle 」シリーズをスタートさせた。第一弾は「生誕250周年に湧くモーツァルト」だが、フランス文化に並々ならぬ誇りを抱くAlphaだけにテーマは「彼のパリ時代」。そして収録音源は78回転盤(SP)時代末期にPathéやVSM(仏ビクター)などで録音された、P.ピエルロ(Ob)やM.アラール(Bn)といった、他の追従を許さぬフランス派管楽器奏者たちの名演! ERATOやMUSIDISCの高価な仏盤を愛好されてきた方々にはとくに朗報中の朗報。 若きピエルロの軽くなめらかな吹き口がピアニシモの妙まで隈なく聴こえ、ドゥヴェミのフレンチホルンは勇壮さもカンティレーナも思いのまま、さらに人気コミック「のだめカンタービレ」にまで言及され、昨今ますます話題のバソン(仏流ファゴット)が、巨匠アラールの流麗優美な吹奏で聴ける嬉しさ! モイーズやミュールの復刻、プーランクやミヨーらフランス近代作品の復刻は数あれど、ピエルロやアラールらのモーツァルトは意外にも復刻が少なく、あるいはこれが初出音源かもしれないとのこと。よしんば初出でないにせよ、何しろエンジニアリングの仕上がりに厳しいAlphaが世に問う復刻だけに、玄人筋にはぜひ音質の鮮やかさをご自身の耳で確かめていただきたいところ。R.カサドシュやM.メイエを思わせる端麗なピアノ、オーケストラの古雅な軽快さもたまらない。大御所デゾルミエールとの共演でも知られる、大ヴァイオリニストの孫娘イレーネ・ヨアヒム(祖父がハンガリー=ドイツ系のため「ヨアヒム」とされることが多いが、フランス語読みをすればイレーヌ・ジョアシャン)による歌曲を3曲も併録している点にも「フランス人ならではのドイツ音楽観」が感じられる。歴史的録音盤の通念を覆す、あまりに美麗なデジパック・・・ゆえに代理店が「知的女性層にもお奨め」とする異色アイテム。 | ||
フィリップ・ゴベール(ゴーベール;1879-1941): 歴史的録音集 1907-1936 ・作曲家ゴベール・ 四つの交響的絵画「町の門札さまざま」(1933-34)(*)/ 三つの交響的絵画「海の歌」(1929)(#) ・フルート奏者ゴベール・ J.S.バッハ:バディネリ BWV1067(+) ゴベール: 平原での夕べ(1914)(**)/マドリガル(1908)(##) ・指揮者ゴベール・ ウェーバー:「魔弾の射手」序曲(++) サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」(***) デュパルク:間奏曲「星空に」(###) ラヴェル:ラ・ヴァルス(+++) ゴベールの肉声(1938年の祝辞)(****) |
フィリップ・ゴベール (Fl;+/**/++/##)指揮 (*/#/++/***/###/+++) パリ音楽院o.(*)、 交響楽団 (パリ音楽院o.?)(#/+++)、 交響楽団(++/***/###) アンリ・メルケル(Vn;***) | |
録音:1936年(*)/1930年(1994年、VAIよりCD復刻あり)(#)/1919年3月3日、パリ(+/**)/1919年パリ(##)/1931年2月13日(++)/1930年4月4日(***)/1929年4月12日(###)/1927年5月7日(+++)/1938年、パリで創始された或る歌劇祭に際してのゴベールの演説(****)。 初出:Gramophone DB5002-3 マトリックス:2LA1132, 2LA1134〜1136(*)/Columbia LFX45,46 マトリックス:LX1317, 1319, 1324(#)/Gramophone W365 マトリックス:039155(+)/Gramophone W365 マトリックス:039154(**)/Gramophone W303 マトリックス:039152(##)/Columbia LFX173 マトリックス:LX1497〜WLX1496(++)/Columbia LFX44 マトリックス:LX1325〜26(***)/Columbia D15 193 マトリックス:LX987(###)/Columbia D12 502(80 回転盤) マトリックス:WLX52, LX53〜55(+++)/ESP299(フランス放送制作)(****)。企画力だけでなく、ジャケットまで美麗。古楽ばかりか、2006年はヒストリカル録音盤でも通念をくつがえす制作姿勢をみせるAlpha。今度はゴベールに着目する慧眼ぶり、自作自演と王道名曲で、ヴォルフやモントゥーらと19世紀をつなぐ、偉大な指揮者としての横顔にも迫る。 大きなヒットとなったフランス78回転盤音源集「巴里のモオツアルト」(ALPHAM-800)に続き、Alphaの歴史的録音シリーズ第2弾が登場。燻し銀の文字ジャケットでもマニア垂涎なアーティスト写真でもない、洗練度抜群のDigipackアートワークで高まる期待を破らない秀逸復刻・充実内容。前作の「フランスの偉大な管」のラインに乗ってか、第2弾は20世紀初頭の偉大なフランス人指揮者フィリップ・ゴベールに光をあて、1907年から36年までに録音された歴史的音源を用い、自作自演を交えつつ「フルート奏者」「指揮者」そして「作曲家」としての素顔に迫る。国内代理店曰く「担当の拙いリサーチでは、コロンヌ指揮の音源まで体系的に復刻される当世、ヴォルフやコッポラ、モントゥーなどと比してゴベールの再評価は意外と進んでいないように見受けられた(Malibranから1枚あるくらいだろうか・・・真相やいかに?)から、少なくとも、モーツァルト盤で見られたAlphaの秀逸な復刻技術による今回の一作が貴重なリリースであることだけは間違いない」とのこと。そもそも室内楽ならともかく、ゴベールのオーケストラ作品が聴ける機会自体もめったにあるものではない。それが自作自演で聴ける(初復刻らしき音源?もあり)のから、フランス音楽ファンにとってはたまらない。印象派的・新古典派的作風をみせる管弦楽曲とあわせ、ゴベール自身の独奏で聴く(ひそかなファンも多い)フルート作品もマニア垂涎。さらには本人の肉声トラックもあるほか、「ラ・ヴァルス」や「魔弾の射手」序曲、アンリ・メルケル独奏(!)という豪華さが泣けるサン=サーンス「死の舞踏」など、有名曲でゴベールの指揮美学がじっくり聴き究められるのも嬉しい限り。AndanteやMalibranでおなじみの「ダフニスとクロエ」組曲やM.ロン、I.フリードマンらとの協奏曲以外にも、こんな録音が眠っていたのか!と驚かされるはず...秋にはフランス音楽がよく似合う。待望のリリース、ぜひご注目頂きたい。 | ||
アルチュール・オネゲル(1892-1955):自作自演集 1929-1947 管弦楽のための断章第1番「パシフィック231」H,53(1923) (*) 管弦楽のための断章第2番「ラグビー」H.67(1928)(#) [アルチュール・オネゲル指揮大so./初出:Odéon 170 111 (*)/ 170 112 (#) / マトリックス:XXP 7038-39 (*) 7040-41 (#) /録音:1929年、パリ音楽院ホール] 交響曲第3番「典礼風」H.186(1945/46) [アルチュール・オネゲル指揮so./初出:DECCA GAG15004〜007(78回転盤) マトリックス:FO 1792-99/録音:1947年(1949年フランス音盤大賞受賞)] 低声のための四つの小唄 H,184より(1940/45; 管弦楽伴奏版) 黒く、強烈な眠りが我が人生におそいかかる(詩:ポール・ヴェルレーヌ)/ 花に囲まれたミュルシーの後ろに(詩:ウィリアム・アゲ) 詩編第130編(1946/ 管弦楽伴奏版; 1947) [マドレーヌ・マルティネッティ(A) アルチュール・オネゲル指揮o./ 初出:Columbia LFX 741 /マトリックス:OCLX 2522-1 2523-1 / 録音:不詳、1947年以降] アポリネールの『アルコール』による歌曲集 H.12より(1915/17) (1.乾杯。/6.鐘/5.さらば/4.曲芸師たち) [ドロレス・デ・シルベラ(A) アルチュール・オネゲル(P;プレイエル) 初出:Columbia D12060 /マトリックス:L 1601 1602 /録音:1947年] 『詩編』より3編 H.144(1940/41) (テオドール・ド・ベズとクレマン・マロのフランス語訳による) 低声のための四つの小唄 H,184より(1940/45; ピアノ伴奏版) (黒く、強烈な眠りが我が人生におそいかかる(詩:ポール・ヴェルレーヌ)/ 大地が、水という水を飲んで(詩:ピエール・ド・ロンサール)) [エリエット・シェンネベルク(A) アルチュール・オネゲル(P) 初出:Columbia LFX 690 /マトリックス:CLX2448-1 2449-1/録音:1946年] 「秋」〜アポリネールの『アルコール』による歌曲集 H.12より(1915/17) 小さな人魚の三つの小唄 H.63より(1926) (アンデルセンの『小さな人魚』にもとづくルネ・モラの詩による) (人魚たちの小唄/人魚の子守唄) [クレール・クロワザ(Ms) アルチュール・オネゲル(P/プレイエル) 初出:Columbia D13082 /マトリックス:L1294 1295/ 録音:1932年(1928年との説もあり)] | ||
Alphaレーベルならではのヒストリカル・シリーズに、久々の新タイトルが登場。今度はオネゲル自作自演。クロワザら当代随一の歌い手たちの名唱を自らピアノ伴奏した歌曲も収録されているが、注目すべきは作曲されてからほとんど間をおかず録音された傑作「パシフィック231」と「ラグビー」、そしてフランス音盤グランプリを受賞したDecca音源の「典礼風」交響曲など、圧倒的な力強さで訴えかけてくる管弦楽作品の数々。1920年代の音源とは俄かに信じがたいクリアな復刻で聴ける冒頭2曲も、40年代録音の「典礼風」も、指揮者オネゲルのみごとな統制力に驚きを禁じ得ない。Music & Arts やDutton, Marston の復刻盤をお持ちの方なら、このAlphaとフランス放送の共同制作による丁寧な復刻がどういった方向性のものなのか聴き比べる愉しみもあり。 | ||
フランス革命とと音楽〜1789年、サンキュロットと王党派 アンフィグリ(器楽合奏による即興演奏)〜バスティーユ襲撃/自分はほんとうに目ざめているのか/ 囚人たちの解放/冬の讃歌/執政官は恩知らず/放埓の歌/人権宣言/王族だった家族のなりゆきと帰還/新しい歌/ フランス国民に対するルイ16世の不平と、その不平のパロディ/罰せられた裏切り/ラ・ギヨティーヌ(ギロチンの歌)/ 聞きなさい、この暮らしも終わりだ/ルイ・カペーの死/デュシェーヌ親父のとてつもない怒り/愛国的アンフィグリ/ 4リーヴル分のパンしかない/フランソワ・ジョゼフ・ゴセック(1734-1829):至高なるものへの讃歌/ ロベスピエールの尻尾/自由万歳/ジョゼフ・ルジェ・ド・リル(1760-1836):ラ・マルセイエーズ〜マルセイエーズ反歌 アンサンブル・レ・リュネジアン [ジャン=フランソワ・ノヴェリ(T) アルノー・マルゾラティ(Br) ユーグ・プリマール、 アルノー・ルデュ(T) ステファニー・ポレ(Vn) メラニー・フラオ―(フラジョレット/Fg) ミシェル・ゴダール(セルパン) セリーヌ・フリッシュ(Cemb) イヴ・レヒシュタイナー(P/Org) ジョエル・グラール(各種Perc) | ||
ピリオド楽器使用。 | ||
ALPHA-811 (6CD) 廃盤 |
バッハ:さまざまな楽器による協奏曲シリーズ全巻 BOX ALPHA-013, 048, 071, 137, 168, 181 のセット カフェ・ツィマーマン | |
シューマン:ピアノ独奏作品全集 蝶々 Op.2 /6つのインテルメッツォ Op.4 /ダーヴィト同盟舞曲集 Op.6 /ピアノ・ソナタ第3番 Op.14 / クララ・ヴィークの主題による即興曲 Op.5 /幻想曲 ハ長調 Op.17 /フモレスケ Op.20 /ピアノ・ソナタ第1番 Op.11 / 色とりどりの小品 Op.99/交響的練習曲 Op.13 /ノヴェレッテ Op.21 /4つの行進曲 Op.76 /ピアノ・ソナタ第2番 Op.22 / 4つの夜曲 Op.23 /幻想小曲集 Op.111 /暁の歌 Op.133 /幻想小曲集 Op.12 /クライスレリアーナ Op.16 /4つのフーガ Op.72 / 子供のためのアルバム Op.68 /アレグロ Op.8 /ウィーンの謝肉祭の道化 Op.26 /4つのピアノ小品 Op.32 / 子供のための3つのソナタ Op.118 /アベッグ変奏曲 Op.1 /子供の情景 Op.15 /謝肉祭 Op.9 /3つのロマンス Op.28 / パガニーニの奇想曲による大練習曲集 Op.3 /パガニーニの奇想曲による演奏会用大練習曲集 Op.10 /アラベスク Op.18 / トッカータ Op.7 /アルバムの綴り Op.124 /花の曲 Op.19 /フゲッタ形式による七つのピアノ曲 Op.126 / 天使の主題による変奏曲(幽霊変奏曲)WoO.24 /ベートーヴェンの主題による変奏曲/森の情景 Op.82 エリック・ル・サージュ(P) | ||
使用楽器:スタインウェイ D 。単売のセット化。 | ||
ALPHA-815 (5CD) 廃盤 |
最後に刻んでいったもの〜レオンハルト晩年のAlphaレーベルへの録音全集 ・レオンハルト、ボルドー聖十字架大修道院教会のオルガンを弾く (ALPHA-017) ・レオンハルトが奏でる、イタリアとフランスの響き (ALPHA-026) ・イタリア音楽の遺産〜イギリスとドイツの鍵盤楽曲集 (LPHA-042) ・ウィリアム・バード:鍵盤のための作品集 (ALPHA-073) ・J.S.バッハ:いとも豪奢なる世俗カンタータ2 (ALPHA-118) グスタフ・レオンハルト(Cemb/Org/クラヴィチェンバロ/指揮) | |
その生き方が「古楽復興」だった。思いは若い世代に受け継がれ、彼は伝説になった。偉大な古楽鍵盤奏者=指揮者グスタフ・レオンハルト(1928-2012)が、生涯最後に深く愛したレーベル、Alphaの録音をすべて結集。 | ||
ヨーハン・クーナウ(1660-1722)/J.S.バッハ編曲:モテット「正義は萎えおとろえて」 J.S.バッハ(1685-1750):ミサ・ブレヴィス〔ト短調 BWV235 /イ長調 BWV234 /ヘ長調 BWV233 /ト長調 BWV236 〕/ モテット「おおイエス・キリスト、わが人生の光」BWV118 /ミサ・ブレヴィス ロ短調 BWV232(ミサ曲 ロ短調初期稿) ラファエル・ピション指揮Ens.ピグマリオン | ||
ピリオド楽器使用。単売のセット化。 | ||
ル・ポエム・アルモニーク「オスティナート」〜フランス発・まわりのバロックに恋して クラウディオ・モンテヴェルディ、ルイ・デ・ブリセーニョ、フランチェスコ・マネッリ、 ジョン・ジョンスン、トーマス・ロビンスンの声楽曲・室内楽曲(全16曲) ヴァンサン・デュメストル(リュート)指揮ル・ポエム・アルモニーク | ||
ピリオド楽器使用。既出音源からのコンピレーション。「小資本レーベルの革命」といわれたフランスAlphaの躍進は、この国の古楽シーンの刷新と切っても切り離せない。創設時から看板アーティストとして名盤を生んできたル・ポエム・アルモニークは、すでに古楽ファンにもおなじみのカリスマ的集団。イタリア、スペイン、英国のレパートリーを抜粋・再収録したアルバム、新時代古楽への一歩にぴったりの逸品。 | ||
ラルペッジャータ Alpha 録音全集〜17世紀イタリアから、20世紀へ... CD1 (Alpha-012)ジローラモ・カプスベルガー作品集 / CD2 (Alpha-021)ステーファノ・ランディ作品集 CD3-4 (Alpha-065)カヴァリエーリ:オラトリオ「魂と肉の劇」 / CD5 (Alpha-503)ラ・タランテラ CD6 (Alpha-512)アル・インプロヴィゾ〜鬼才たちが織りなすルネサンス&バロック即興変奏曲集 クリスティーナ・プルハル(バロックHp/テオルボ) Ens. ラルペッジャータ マルコ・ビズリー、ドミニク・ヴィス、ヨハネット・ゾメル、ハンス・イェルク・マンメル、ルチッラ・ガレアッツィ(Vo) ミシェル・クロード、アルフィオ・アンティーコ(Perc) ドロン・シャーウィン(コルネット) ブリュノ・コクセ、酒井淳(Vc) エドアルド・エグエス(バロックG) エディン・カラマゾーフ(アーチリュート) ヴェロニカ・スクプリク(Vn)他 | ||
ピリオド楽器使用。今や、カリスマ的古楽歌手ジャルスキーとの共演でもすっかり有名。その圧倒的な出世作となったアッコルドーネのマルコ・ビズリーをゲストに迎えての「ラ・タランテラ」をはじめ、伝説的レーベルAlpha にこの異才集団が刻んだ足跡のすべてが BOXに。 | ||
J.S.バッハ(1685-1750):平均律クラヴィーア曲集 全曲 BWV846-893
フレデリク・デザンクロ(Org) | ||
原盤・前出(当店推測): TRITON (FRANCE), TRI-331102, TRI-331104〔録音:1998年頃、2000年頃、各2CDs〕。使用楽器:デン・ハーグ旧教教会(ハレルス1726年)、リヨン聖ヴァンサン教会(フライターク&オーベルタン1994年)、サンテティエンヌ・ド・バイゴリ教会(フランス/ R. マレール1999年)、ザルトボンメル聖マールテン教会(オランダ/フェルホフスタート1723年)。ピリオド楽器演奏がすっかり定着したいま、古楽先進国フランスきっての名手がバッハ畢生の2大鍵盤曲集のすべてを、バッハの楽器=オルガンでじっくり世に問う意義。端正、ふかく味わいある音色、4種の楽器それぞれの個性も艶やかな名演。 | ||
ALPHA-820 (3CD) 廃盤 |
ベートーヴェン(1770-1827):ピアノ協奏曲全集 〔第1番 ハ長調 Op.15 /第2番 変ロ長調 Op.19 / 第3番 ハ短調 Op.37 /第6番 ニ長調 Op.61a / 第4番 ト長調 Op.58 /第5番 変ホ長調 Op.73 〕 |
アルテュール・ スホーンデルヴルト(Fp) アンサンブル・クリストフォリ |
アレクシス・コセンコ〜C.P.E.バッハ(1714-1788): トリオ・ソナタ集〔ト長調 Wq.150, H.574 /ホ短調 Wq.124, H.551 /ト長調 Wq.144, H.568 / イ長調 Wq.146, H.570 /変ロ長調 Wq.77, H.513 /ニ長調 Wq.151, H.575 〕/ フルート協奏曲集〔ト長調 Wq.169, H.445 (*) /変ロ長調 Wq.167, H.435 (*) /ニ短調 Wq.22, H.425 (*) / ト短調 Wq.166, H.431 (#) /ニ長調 Wq.13, H.416 (#) /イ長調 Wq.168, H.438 (#) 〕 アレクシス・コセンコ(各種Fl−tr) Ens.レザンバサドゥール(*, #以外)、アルテ・デイ・スオナトーリ(*/#) | ||
録音:2014年3月4日-6日、コペンハーゲン(無印) /2005年7月28日-30日(*)、2008年4月30日-5月4日、ポーランド(*/#) 。無印は新録音。旧品番: ALPHA-093 〔廃盤〕(*), ALPHA-146 (#)。ピリオド楽器使用。大バッハの次男C.P.E.バッハの生誕300周年に寄せて BOX 化 + 新録音1。ますます勢いづく、フランス古楽界きっての国際派トラヴェルソ奏者コセンコの秀逸録音。ポーランド古楽界の突き抜けたクオリティを示した銘団体との協奏曲録音と、新録音の室内楽。 | ||
ル・ポエム・アルモニークのフランス 「宮廷の階段に〜フランスの古い恋歌と哀歌」(ALPHA-500) / 「愛の喜び〜フランスの古い恋歌と小唄」(ALPHA-513) / 「ダニエル・ブレル:憂愁への道は四つ」(ALPHA-509) ヴァンサン・デュメストル(テオルボ他) ル・ポエム・アルモニーク クレール・ルフィリアトル(S) アルテュール・スホーンデルヴルト(タンジェントP) | ||
ピリオド楽器使用。既出盤のセット化。「ル・ポエム・アルモニークといえば」の名盤ふたつに同じく「白ジャケ系」での異色盤。フランスの高雅さ、古楽の素朴な静謐美をたっぷり味わえる充実。 | ||
ALPHA-905 (3CD) 廃盤 |
ダンスのステップを教わりたいなら 〜ル・ポエム・アルモニークがおくる リュリ以前のフランス音楽の世界 ピエール・ゲドロン(1565頃-1620頃)、 アントワーヌ・ボエセー(1587-1643)、 エティエンヌ・ムリニエ(1599-1676)、 他によるエール・ド・クールとバレー |
ヴァンサン・デュメストル (ディレクション/リュート) ル・ポエム・アルモニーク |
太陽王ルイ14世の王室礼拝堂〜「偉大なる世紀」の巨匠たち シャルパンティエ:テ・デウム/神よお救い下さい / ドラランド:ミゼレーレ デュモン:雅歌/2声のプティ・モテ / クープラン、ダンドリュー、マルシャン、ルベーグのオルガン小品(5曲) ラ・フェニーチェ ル・ポエム・アルモニーク/他 アンリ・ルドロワ(CT) ミシェル・ブヴァール、 フレデリク・デザンクロ、ジャン=バティスト・ロバン、フランソワ・エスピナス(Org) | ||
ピリオド楽器使用。既出音源からのコンピレーション。フランスおよびフランス語圏ベルギーの最先端をゆく古楽奏者たちが、シャルパンティエ「テ・デウム」をはじめ、高雅かつ心癒されるフランス・バロック教会音楽を艶やかに。折々オルガン独奏をはさみ、王たちの響きを。 | ||
フランス王室の響き〜宮廷の愉しみ、劇場の愉しみ リュリ:序曲「プシュケー」「カルナヴァル」/「町人貴族」トルコの行進/ 「アマディス」「ファエトン」シャコンヌ/「アルミード」パサカーユ/他 クープラン:「神秘の障壁」/他、クラヴサン小品4曲 / シャルパンティエ、カンプラ:小歌曲 / マレ:スペインのフォリア カフェ・ツィマーマン カプリッチョ・ストラヴァガンテ リチェルカール・コンソート フレデリク・ハース(Cemb) ソフィー・ワティヨン(Vg) | ||
ピリオド楽器使用。既出音源からのコンピレーション。これぞフランス・バロックなオーケストラ作品を中心に、Alpha と Ricercar からの厳選音源でたどるピリオド楽器サウンド。ガンバやチェンバロの独奏トラックも充実。とくに、バロック・オペラ通以外にはなかなか接する機会のない「フランス・バロックのルーツ」リュリ作品の本格解釈を手軽に味わえるのが嬉しい1枚。 | ||
ルイ=ニコラ・クレランボー(1676-1749):女声3声のためのミゼレーレ フランソワ・クープラン(1667-1733):第1のルソン/第2のルソン/第3のルソン ヴァンサン・デュメストル(テオルボ)総指揮ル・ポエム・アルモニーク ハスナー・ベンナニ、イザベル・ドリュエ、クレール・ルフィリアトル(独唱) シルヴィア・アブラモヴィチ(Vg) フレデリク・リヴォアル(Cemb/Org) | ||
ピリオド楽器使用。Alphaといえば、このしなやかなフランス古楽集団。待ちに待った静謐系フランス・バロックの至宝、ついに。 | ||
ヴェルサイユ宮殿の大噴水〜ルイ王朝と歌い手たちの文化 シャルパンティエ:「テ・デウム」〜前奏曲・二つの楽章 リュリ:「ファエトン」〜シャコンヌ/「アルミード」〜パサカーユ/「プシュケー」〜序曲/ 「町人貴族」より〔トルコ人の儀式への行進/エール〕/「アマディス」〜シャコンヌ ロワイエ:「ピュリュス」〜エール / ルクレール:「シラとグロキュス」〜序曲・第5幕第2〜3場 カンプラ:「タンクレード」〜第4幕第1場・第5幕第1場 ラモー:「ダルダニュス」〜序曲・シャコンヌ・タンブラン・全員の合唱 ヴァンサン・デュメストル指揮ル・ポエム・アルモニーク カフェ・ツィマーマン スキップ・センペ指揮カプリッチョ・ストラヴァガンテ マイクル・グリーンバーグ指揮レザンファン・ダポロン セバスティアン・エラン指揮Ens.レ・ヌヴォー・カラクテール オリヴィエ・シュネーベリ指揮Ens.レ・タン・プレザン&レ・シャントル・エ・パージュ ラファエル・ピション指揮Ens.ピグマリオン(すべてピリオド楽器使用) | ||
ジャン=マリー・ルクレール(1697-1764): 叙情悲劇「シラとグロキュス」(序幕と全5幕) (初演:1746年、パリ王立音楽アカデミー劇場〔通称「オペラ座」〕) エメーケ・バラート、マロリーヌ・ミュテル(S) アンデシュ・J.ダーリン(T) セバスティアン・デラン指揮レ・ヌヴォー・キャラクテール | ||
ピリオド楽器使用。やはりフランス勢の最前線でこそ。ヴェルサイユ最新録音、精鋭続々。 | ||
太陽王ルイ14世、その豪奢な宮廷音楽〜私室の調べ、礼拝堂の響き CD1(ALPHA-952):リュリとシャルパンティエの「テ・デウム」 [ヴァンサン・デュメストル指揮ル・ポエム・アルモニーク、カペラ・クラコヴィエンシス] CD2(ALPHA-069):デュモン:王室礼拝堂のためのグラン・モテ集 [フレデリク・デザンクロ(Org)指揮Ens.ピエール・ロベール] CD3(ALPHA-016):ヴェルサイユ魔法の島[スキップ・センペ指揮カプリッチョ・ストラヴァガンテ] | ||
ルイ15世に捧ぐテ・デウム〜アンリ・マダン(1698-1748): 神よ、わたしたちはあなたを讃える(テ・デウム)/主よ、わたしたちはあなたを慕う(ディリガム・テ) ダニエル・キュイエ指揮 Ens.ストラディヴァリア、レ・クリ・ド・パリ(cho.) | ||
壮観な管弦楽、イタリア・オペラ的な流麗さと堅固さ。ルイ15世期の最も長大にわたるテ・デウム、名手陣と。 | ||
ラモー:歌劇「ダルダニュス」(序幕付 全5幕の叙情悲劇)(1739)
ベルナール・リクテル、ガエル・アルケズ、ブノワ・アルヌー、 ジョアン・フェルナンデシュ、アラン・ビュエ、サビーヌ・ドヴィエイル/他 ラファエル・ピション指揮アンサンブル・ピグマリオン(ピリオド楽器使用) | ||
(P) 2012 。旧品番:ALPHA-951 〔国内&当店未案内〕。Eratoやharmonia mundiでも絶好調、躍進の新世代フランス古楽界のドゥダメル的俊才、決定的名演を。 |