PANDORA’S BOX
PASSION & CONCENTRATION
RARE MOTH
RITARDANDO
ROP(REFINED
      OPERA PERFORMANCES)


1CD−R¥2520(税抜¥2400)




PANDORA'S BOX
ベートーヴェン:交響曲第1番&第6番 テレサ・ツィリス=ガラ(S)
ジャネット・ベイカー(Ms)
ジョージ・シャーリー(T)
テオ・アダム(B)
オットー・クレンペラー指揮
ニュー・フィルハーモニアo.&cho.
ベートーヴェン:交響曲第2番&第5番
ベートーヴェン:交響曲第3番
ベートーヴェン:交響曲第4番&第8番
ベートーヴェン:交響曲第7番&第9番
 録音:1970年。この時実に85才だった巨匠最後のベートーヴェン・チクルス。世紀の名指揮者が到達した芸術の極致と言える名演だ。まるで手足のように見事にコントロールされたNPOのアンサンブルには正に驚嘆。クレンペラーのベートーヴェン演奏の結論がここにはある。音質はモノラルながらまずまず、
モーツァルト:交響曲第29番
チャイコフスキー:交響曲第6番
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
BPO
モーツァルト:交響曲第39番
ブラームス:交響曲第1番
ベートーヴェン:交響曲第4番
ムソルグスキー:展覧会の絵
 録音:1988年5月。カラヤン晩年のかなり有名なライヴで、お聞きになった方も多いのではないだろうか。アンチ・カラヤンというクラシック・ファンも多いが、彼が亡くなって改めて振り返ってみるとその存在の大きさに愕然とさせられる。そして、この演奏を聞けば、やはりカラヤンも正に巨匠 であったと痛感させられる。何度も彼が繰り返し取り上げたこれら作品は、その完成度において他の追随を許さない。やはり彼の死によって一つの時代は終わったのだ。音質良好。
チャイコフスキー:交響曲第4番&第6番(*) ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
VPO
 録音:1985年8月15日&1984年8月27日(*)、ザルツブルグ。カラヤンの十八番であるチャイコだが、VPO&ライヴということで聞き応えがある。音質良好。
シューマン:ピアノ協奏曲(*)、交響曲第4番 クリスティアン・ツィマーマン(P;*)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
VPO
 録音:1984年8月28日(*)&1988年8月15日、ザルツブルグ。これまたカラヤンの十八番であるシューマンの4番と、彼としては珍しい方に入るピアノ協奏曲。DGへの録音同様、年齢を感じさせない所はさすが。音質良好。
ブラームス:交響曲第1番、ドイツ・レクイエム(*) サラ・レーゼ(S;*)
フランツ・グルントヘーバー(B;*)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
BPO
ウィーン楽友教会cho.(*)
 録音:1987年2月1日ベルリン&1988年8月28日、ザルツブルグ。ブラームスの作品中、カラヤンが最も得意としていた2曲を収録。最晩年まで繰り返し取り上げたこれら2曲の、カラヤンの結論がある。音質良好。
ヴィヴァルディ:四季(1984年8月27日)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(1981年8月16日)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(1981年8月15日)
アンネ・ゾフィー・ムター(Vn)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
VPO
 全てザルツブルグ。ライヴ。ヴィヴァルディは、古楽器演奏が主流になった今日では考えられないようなスケールの大きさが魅力。ある意味、このスタイルの演奏での最終結論だろう。ブラームスとチャイコフスキーはまさに正統派。音質まず良好。
マーラー:交響曲第1番(1993年1月10日) ニーナ・ラウティオ(S;*)
クリスタ・ルードヴィヒ(Ms;*)
ロリン・マゼール指揮VPO
マーラー:交響曲第2番(*)(1993年7月24日)
モーツァルト:交響曲第40番
マーラー:交響曲第5番(1991年12月1日)
 マーラーの第2番のみザルツブルグ、後はウィーンでのライヴ。1980年代にマーラーの交響曲全集を完成したマゼールだが、ここでの演奏は時間的にもそれより長くなり、彼の円熟を感じさせる。さらに演奏に全く破綻した所がないのが彼らしく、演奏終了後の聴衆の反応が全てを物語っていると言えるだろう。ちなみに彼の最近のモーツァルトというのもかなり珍しいのではないか。音質良好。
ブラームス:交響曲第2番ニ長調 Op.73(*)
マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」(+)
ジル・ゴメス(S;+)
アルフリーダ・ホジソン(A;+)
サイモン・ラトル指揮
フィルハーモニアo.&cho.(+)
 録音:1980年8月10日、ロンドン(*)/1981年9月1日、エジンバラ(+)。音質良好。
マーラー:交響曲第6番イ短調 サイモン・ラトル指揮
BPO
 録音:1987年9月14日、ベルリン。バーミンガム市so.と同曲をレコーディングする2年前、カラヤン時代のBPOを指揮したライヴ。音質良好。
マーラー:
 交響曲第7番ホ短調「夜の歌」 (*)
 交響曲第8番変ホ長調「千人の交響曲」 (+)
シルヴィア・グリーンバーグ、
ロバータ・アレクサンダー、
アンジェラ・マリア・ブラージ(S;+)
ジェシー・ノーマン、
クリスタ・ルートヴィヒ(A;+)
ヴェルナー・ホルヴェーク(T;+)
ベルント・ヴァイクル(Br;+)
クルト・リドル(B;+)
ロリン・マゼール指揮VPO
ウィーン国立歌劇場cho.(+)
ウィーン楽友協会cho.(+)
テルツ少年cho.(+)
 録音:1984年9月30日、ウィーン (*)、1986年8月4日、ザルツブルク (+)。音質良好。マゼールはVPOを指揮してマーラー:交響曲全集を完成させた唯一の指揮者だが、 当時のマゼールのスタジオ録音には彼ならではの鋭さ、大胆さが前面に出ていないため、世評は高くない。しかし、当盤でのライヴ演奏がそのような不満を一気に吹き飛ばす。
マーラー:交響曲第3番ニ短調 マルガレータ・ヒンターマイア(A)
ズービン・メータ指揮VPO
ウィーン国立歌劇場cho.
ウィーン少年cho.
 録音:1987年4月26日、ウィーン。音質良好。「復活」の奇跡的名演で知られるメータとVPOのコンビによる第3番。
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68
ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」組曲
ロリン・マゼール指揮
VPO
 録音:1985年3月3日、ウィーン。音質良好。
ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調 Op.95「新世界より」
R・シュトラウス:交響詩「死と変容」
ロリン・マゼール指揮
VPO
 録音:1981年7月29日、ザルツブルク。音質良好。
モーツァルト:
 交響曲第29番イ長調 K.201(*)/第38番ニ長調 K.504「プラハ」(+)
ロリン・マゼール指揮
VPO
 録音:1985年3月3日、ウィーン(*) 1981年7月29日、ザルツブルク(+)。音質良好。
マーラー:交響曲第9番 レナード・バーンスタイン指揮
BPO
 録音:1979年10月4日、ベルリン。某メジャー・レーベルから既出の物であるが、そこではかなりの修正が掛けられており、 伝説的ライヴの生々しさを削ぐ要因として当時の放送を聞いたファンからは非難される要因となっていた。今回は当日の完全無修正ライヴであり、 その崩壊寸前という趣で繰り広げられるの美の極致をまざまざと伝えている。音質良好。
スメタナ:連作交響詩「我が祖国」(全曲) ラファエル・クーベリック指揮チェコpo.
 録音:1991年11月。既出ながら音質向上。正にクーベリック最晩年の演奏であり、演奏の完成度は「プラハの春」の時の同コンビによる物をはるかに越えている。この曲のファンなら必ずや愛聴盤になるであろう名演だ。
ベートーヴェン:
 交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」(*)
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(S;**)
アンナ・レイノルズ(A;**)
ヴェルナー・ホルヴェーグ(T;**)
ヴァルター・ベリー(B;**)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
BPO
ウィーン楽友教会cho.(**)
ベートーヴェン:
 交響曲第4番 変ロ長調Op.60(#)
 交響曲第7番 イ長調Op.92(#)
ベートーヴェン:
 交響曲第6番 ヘ長調Op.68[田園」(+)
 交響曲第5番 ハ短調Op.67「運命」(+)
ベートーヴェン:
 交響曲第9番 ニ短調Op.125[合唱」(**)
 録音:1970年6月9日(+)/1970年6月10日(*)/1970年6月11日(#)/1970年6月14日(**)、楽友協会大ホール、ウィーン。
 この年、ベートーヴェン生誕200年記念として、ウィーン芸術週間に招かれたカラヤン&BPOが行った交響曲全曲チクルスよりの音源。残念なことに第1番、第2番、第8番の録音が欠けているが(追記:その後 KAPELLMEISTER から、第2番&第8番[KMS-101]が発売された。また、2008年3月に、このチクルスで同時に演奏された序曲2曲も、KAPELLMEISTERからアナウンスされた[KMS-200]。)、一分の隙もない緊張感に満ちたその演奏は全盛期の当コンビならでは。音質も当時としては良好。
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番(*)
シベリウス:
 交響曲第5番 変ホ長調/「クオレマ」〜鶴のいる風景
シューラ・チェルカスキー(P;*)
サイモン・ラトル指揮
バーミンガム市so.
 録音:1983年9月3日、エジンバラ。ラトル最初期のライヴ。サン=サーンスは彼のレパートリーとしては比較的珍しいが、この時期にセシル・ウーセとの録音を残している。 チェルカスキーとの共演は非常に珍しく、貴重。シベリウスはお得意だが、この頃から、彼の作品の本質に迫る演奏は現在と変っていないことを改めて認識させられる。音質良好。
ラヴェル:ピアノ協奏曲(*)
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲Op.56a
ブリテン:青少年のための管弦楽入門
シベリウス:交響曲第2番 ニ長調Op.43
シャン=フィリップ・コラール(P;*)
サイモン・ラトル指揮
バーミンガム市so.(*)、PO
 録音:1984年6月18日、オールドバラ音楽祭(*)/1985年3月。こちらもラトル若き日のライヴ。性格のこれだけ違う4曲を見事に振り分けているのはさすがはラトル。 コラールとの共演もこれまた珍しい。音質良好。
ブラームス:交響曲全集
 [交響曲第1番 ハ短調Op.68/交響曲第2番 ニ長調Op.73(*)/
  交響曲第3番 ヘ長調Op.90/交響曲第4番 ホ短調Op.98(*)]
レナード・バーンスタイン指揮
イスラエルpo./BSO(*)
 録音:1974年、エルサレム/1972年、タングルウッド(*)。バーンスタインによるNYPとの1960年代前半&VPOとの1981年/1982年の2つのブラームス交響曲全集の間を埋めるライヴの登場。 VPO盤は彼の円熟味が随所に感じられる演奏であるもののややおとなしく、今回の2つのオケとの共演を組み合わせた演奏は熱演が期待できる。 音質的には、ヒス・ノイズや散発ノイズがやや多めで、音の分離が今ひとつであり、全体的にはまずまずだとの事。
シューベルト:交響曲第3番 ニ長調D.200(*)
モーツァルト:
 交響曲第41番 ハ長調K.551「ジュピター」(#)
ラファエル・クーベリック指揮
BRSO(*)、VPO(#)
 録音:1971年6月20日(*)/1971年8月13日(#)。
 最大の聴きものはクーベリック=ウィーン・フィルという夢の組合せによる「ジュピター」。これほど壮麗で優美なモーツァルトは滅多に聴けない。 またシューベルトの3番はクーベリックの得意中の得意で、この曲の魅力を見事に引き出している。
 録音後30年余りを経たことによるテープ・ヒス等ノイズはあるが、音質的にはまずまず。
ラヴェル:
 「マ・メール・ロワ」全曲(*)/「ラ・ヴァルス」(*)
ベルク:歌劇「ルル」からの交響的小品〜4曲
サイモン・ラトル指揮
VPO
 録音:1999年2月21日、ウィーン(*)/2000年12月3日、ウィーン(#)。
 ラトル=ウィーン・フィルとしては、レアなレパートリーを集めた一枚。この名門オケを前に自己の解釈を徹底し、見事にコントロールしているラトルの力量には驚嘆するしかない。 このコンビでは当分レコーディングされそうもないレパートリーだけに、興味をそそられよう。音質良好。
マーラー:交響曲「大地の歌」 クリスタ・ルートヴィッヒ(A)
ルドヴィク・スピース(T)
ホルスト・
 ラウベンタール(T)
ヘルベルト・フォン・
 カラヤン指揮
BPO
 録音:1970年12月14日〜15日、ベルリン。以前ARKADIAから出ていた物と思われる。
 DG盤の3年前のライブで、カラヤンによる「大地の歌」の数少ない貴重な記録。この演奏では2人のテノール歌手が起用されており、カラヤンのこの作品に対する慎重な取り組みと熱意が窺い知れる。 演奏は期待通り極上の名演。ルートヴィッヒら歌手陣もそれによく応えており、DG盤を大きく上回る迫真のマーラーとなった。
 テープ・ヒスはやや気になるものの音質はまずまず良好。
ドビュッシー:
 交響詩「海」/牧神の午後への前奏曲
ラヴェル:ボレロ
ヘルベルト・フォン・
 カラヤン指揮
BPO
 録音:1985年8月28日、ザルツブルグ。
 この3曲だけで一晩のプログラムといういかにも晩年のカラヤンらしい選曲。コンサートにかける巨匠の意気込みとオケのテンションの高さは大変なもので、同年12月のDGへのスタジオ録音とは、 かなり趣を異にする演奏となっている。カラヤンもやはりライヴの達人ということを実感させてくれる演奏。音質良好。
ブラームス:ドイツ・レクイエムOp.45 レッラ・クベッリ(S)
フランツ・
 グルントへーパー(Bs)
ヘルベルト・フォン・
 カラヤン指揮
BPO、ウィーン楽友協会cho.
 録音:1987年9月26日、ベルリン。
 数多く残されているカラヤンのドイツ・レクイエムの中でも最も壮麗かつ劇的な演奏といってよい、名演中の名演。この曲はカラヤンのレパートリーの中でも格別の位置を占めており、 再三にわたってプログラムにのせられてきたが、この演奏の素晴らしさは言語を絶しており、ファン必聴。音質も良好。
シューベルト:
 交響曲第8番 ロ短調D.759「未完成」(*)
ブラームス:
 ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調Op.102(#)/
 交響曲第1番 ハ短調Op.68(+)
R.シュトラウス:4つの最後の歌(**)
アンネ=ゾフィー・
 ムター(Vn;#)
アントニオ・
 メネセス(Vc;#)
アンナ・
 トモワ=シントウ(S;**)
ヘルベルト・フォン・
 カラヤン指揮
BPO
 録音:1983年12月31日、ベルリン(*)/1983年2月19日、ベルリン(#)/1983年2月19日、ベルリン(+)/1980年12月30日、ベルリン(**)。
 カラヤンのライブとしては、「二重協奏曲」と「4つの最後の歌」が珍しいレパートリー。「二重協奏曲」はDGへのレコーディングの直後のライブで、独奏者との息が見事に合った白熱の名演。 また「4つの最後の歌」は、同じ独唱者とのレコーディングの5年前のもので、より瑞々しい歌が聴ける。他の2曲もカラヤン=BPOならではの説得力にあふれた名演。
 音質まずまず良好だが、「未完成」の冒頭にノイズが入るのが残念。
バーンスタイン:
 独奏フルートと室内オーケストラのための「ハリル」(*)/
 交響曲第1番「エレミア」(#)
ウォルフガング・シュルツ(Fl)
クリスタ・ルートヴィヒ(Ms)
レナード・バーンスタイン指揮
VPO
 録音:1988年9月8日、ルツェルン(*)/1967年8月22日、ザルツブルク。ステレオ。初出音源。
 バーンスタインがウィーン・フィルを振って自作を演奏した貴重なライヴ。最円熟期にあったバーンスタインの指揮ぶりは充実の極みで見事なものだが、 ウィーン・フィルの熱演ぶりは巨匠に対する深い敬愛の念を感じさせ、実に感動的。
 音質良好。
ベルリオーズ:幻想交響曲 クラウディオ・アバド指揮
LSO
 録音:1983年9月1日、ロンドン。ステレオ。初出音源。
 アバドのロンドン時代の充実ぶりは凄まじく、今でも語り草になっているが、この幻想交響曲も期待に違わぬ名演。長大な第3楽章も全く弛緩を感じさせない緊張感にあふれた演奏ぶりで、 第4,5楽章の炸裂するパワーには度肝を抜かれる。
 音質良好。
ドビュッシー:夜想曲
ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調Op.88
クラウディオ・アバド指揮
LSO
 録音:1985年8月4日、ザルツブルク。ステレオ。初出音源。
 抜群の才能と卓越したセンスの良さで早くから注目を集めてきたアバドだが、コンサート分野でその実力が幅広く支持されるようになったのは1980年代にロンドン響のポストを得てからといってもよいだろう。 その意味でこの時代はアバドのエネルギーが炸裂していた時期で、明晰さ、バランスの良さに加えて、凄まじいばかりの白熱ぶりが大きな特徴。2曲とも必聴の名演。
 音質良好。
モーツァルト:交響曲第29番 イ長調 K.201
マーラー:交響曲第1番 ニ長調「巨人」
クラウディオ・アバド指揮
VPO
 録音:1991年2月17日、ウィーン。ステレオ。初出音源。
 この1991年にアバドはウィーン国立歌劇場のポストを離れ、以後ベルリン・フィルに専念することとなる。当時の覇気に満ちた音楽作りには実に堂々たるもので、アバドが真に円熟期に入ったことを実感させてくれる。 モーツァルトの肉声の充実ぶりとマーラーのスケールの大きな構成はアバドならでは。2曲ともにアバド&ウィーン・フィルのレコーディングはこれまで発売されておらず、興味は尽きない。
プロコフィエフ:組曲「キージェ中尉」
ピアノ協奏曲第1番 変ニ長調Op.10
チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調Op.36
アンドレイ・ガブリーロフ(P;*)
クラウディオ・アバド指揮
BPO
 録音:1991年2月9日、ベルリン。ステレオ。初出音源。
 ライヴで燃えるアバドの真骨頂ともいうべきチャイコフスキー。明晰でバランスの見事な演奏ぶりだが、作品に没入していく魂の高揚は凄まじいほどで、オーケストラの能力をフルに引き出している。 現在のところアバド&ベルリン・フィルのチャイコフスキー「第4番」はレコーディングされておらず、ファン待望のライヴといってよい。他の2曲も味わい深い名演。
 この頃の録音としてはヒス・ノイズが多めなのは残念だが、音そのものはしっかり収録されており、演奏の良さはよくわかる。
ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
マーラー:歌曲集「子供の不思議な角笛」
ルチア・ポップ(S)
トム・クラウゼ(Br)
ジョゼッペ・シノーポリ指揮
BPO
 録音:1982年9月11日。ステレオ。初出音源。
 シノーポリが亡くなって2年あまり。50代半ばの早すぎる死は痛恨の極み。底知れぬ熱い情熱と鋭い分析力、複雑怪奇と明快さが混在する何とも個性的な指揮をした彼は、出来不出来の差は激しかったが、 はまったときの素晴らしさは格別だった。 ベルリン・フィルとの当ライヴはシノーポリの良さが見事に発揮されており、ファン必聴の名演。
 音質良好。
シェーンベルク:チェロ協奏曲 ニ長調
 (G.M.モン:チェンバロ協奏曲の編曲)(*)
シューマン:交響曲第2番 ハ長調Op.61
ゲッツ・トイチュ(Vc;*)
ジョゼッペ・シノーポリ指揮
BPO
 録音:1983年1月14日、ベルリン。ステレオ。初出音源。
 50代半ばでの早過ぎる死から2年あまり経過し、忘れられかけている印象もあるシノーポリだが、この人の個性の強烈さは同世代ではピカイチ。十八番のシューマンをベルリン・フィルと共演したこのライヴは、 作品への徹底した傾倒と、徹底した分析が見事に融合し、実に聴き応えのある名演となっている。「音楽は主観的でなければならない」というシノーポリの言葉が思い出される。
 音質良好。
モーツァルト:レクイエム 二短調 K.626 ルート・ツィーザク(S)
リンダ・フィニー(A)
デオン・ヴァン・デル・ワルト(T)
ポール・プリシュカ(B)
ロリン・マゼール指揮
バイエルン放送so.&cho.
 録音:1993年3月12日、アウグスブルク。ステレオ。初出音源。
 鋭利で冷徹な印象すら与える演奏だが内面への深い踏み込みは強烈で、モーツァルトの慟哭と諦観が随所に聴かれる内容にあふれた名演。後半に入ってからも弛緩を感じさせることなくテンションを維持していくあたりマゼールの至芸といってよいだろう。
 音質は良好の部類。
モーツァルト:
 フリーメイソンのための葬送音楽 K.477/
 ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595/
 レクイエム 二短調 K.626/
 アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
アンドラーシュ・シフ(P)
アンジェラ・マリア・ブラージ(S)
マルヤーナ・リボヴシェク(A)
ウーヴェ・ハイルマン(T)
ローベルト・ホル(B)
ニコラウス・アーノンクール指揮
VPO、
アルノルト・シェーンベルクcho.
 録音:1991年2月3日、ザルツブルク。ステレオ。初出音源。
 モーツァルト・イヤーの1991年にアーノンクールがウィーン・フィルを振ったライヴ。レクイエムはホスティアスまでが演奏されており、その後すぐアヴェ・ヴェルム・コルプスに続く。 今日アーノンクールの音楽は幅広い支持を受けるようになったが、この頃から彼の作品への鋭い切り込みは遺憾なく発揮されており、作品の本質を突いた見事な解釈を聴かせてくれる。 随所に出現するドキッとするような美しさも実に印象的。
 音質良好。
ニューイヤー・コンサート 1984
 「こうもり」序曲/アンネン・ポルカ/北海の絵/
 明るく元気に/アルラーライ/「詩人と農夫」序曲/
 燃える恋/休暇旅行/愛の歌/おどけたポルカ/
 「騎士パズマン」〜チャルダーシュ/アンネン・ポルカ/
 ウィーン気質/狩り/美しく青きドナウ/ラデツキー行進曲
ロリン・マゼール指揮
VPO
 録音:1984年1月1日、ウィーン。ステレオ。初出音源。
 幻のニューイヤー・コンサートがついに登場。今日では毎年ライヴ盤が発売されるニューイヤー・コンサートだが、1984年から1986年の3年間は未発売で、ファンにとっては「空白の3年間」となっていた。 有名曲からマイナーな作品まで、マゼール&ウィーン・フィルのパワーが全開した名演揃い。
 音質まずまず良好の部類。
ニューイヤー・コンサート 1985
 「ジプシー男爵」序曲/おしゃべりする女たち/
 テープは切られた/我が人生は愛と喜び/束の間/
 序曲「ローマの謝肉祭」/素敵な感じ/新ピツィカート・ポルカ/
 ジプシー・ギャロップ/騎手/トランス・アクティオン/女性賛美/
 チック・タック・ポルカ/フランツ・ヨーゼフ皇帝行進曲/
 山賊のギャロップ/美しく青きドナウ/ラデツキー行進曲
ロリン・マゼール指揮
VPO
 録音:1985年1月1日、ウィーン。ステレオ。初出音源。
 上記1984年同様、幻のニューイヤー・コンサートの発売。黄金時代のかがやきを十分に残していた当時のウィーン・フィルによる極上のサウンドと、覇気に満ちたマゼールの豪快な指揮ぶりは実に魅力的。
 音質まずまず良好の部類。
ニューイヤー・コンサート 1986
 「くるまば草」序曲/町と田舎/私たちは平気/
 「美しきガラテア」序曲/とんぼ/オーストリアの村つばめ/
 おしゃべりなかわいい口/恋と踊りのときめき/芸術家の生活/
 エジプト行進曲/浮気心/ハンガリー万歳/
 美しく青きドナウ/ラデツキー行進曲
ロリン・マゼール指揮
VPO
 録音:1986年1月1日、ウィーン。ステレオ。初出音源。
 ボスコフスキーからマゼールに引き継がれたニューイヤー・コンサートはこの年が最期で、翌1987年からはスター指揮者が次々に招かれる現在のスタイルとなった。同年ウィーンを離れる事になるマゼールだが 演奏の充実振りは見事で、ウィーン・フィルのサウンドの素晴らしさもこの頃ならでは
 音質まずまず良好の部類。
モーツァルト:
 セレナード第6番 ニ長調K.239「セレナータ・ノットゥルナ」/
 ピアノ協奏曲第24番 ハ短調K.491/
 交響曲第36番 ハ長調K.425「リンツ」
アンドレ・プレヴィン(P)指揮
VPO
 録音:1978年1月28日、ザルツブルク。ステレオ。初出音源。
 プレヴィンとウィーン・フィルの相性の良さは抜群で、このオーケストラを最も美しく鳴り響かせる指揮者と言っても過言ではないだろう。ベーム存命中の時代にオール・モーツァルト・ プログラムでこれだけの演奏を成し遂げてしまうプレヴィンの才能は圧倒的。さらに特筆すべきはプレヴィンのピアノ・ソロで、これは大変な聴き物だ。
 音質まずまず良好の部類。
ハイドン:ミサ曲第10番 変ロ長調「テレジア・ミサ」 ジュディス・ブレゲン(S)
ロザリンド・エライアス(A)
デイヴィッド・レンドル(T)
ローベルト・ホル(B)
レナード・バーンスタイン指揮
VPO、ウィーン・ジュネスcho.
 録音:1979年5月27日、ウィーン。ステレオ。初出音源。
 この「テレジア・ミサ」はハイドンの作品中でも地味な存在だが、その完成度は高く魅力にあふれている。ハイドンの作品に深い愛着を持ちしばしば演奏していたバーンスタインと、 ウィーン・フィルという最高のコンビがこの作品に新たな生命を与えており、感銘の深さは圧倒的。
 多少の不備はあるが、音質まずまず良好の部類。
モーツァルト:
 交響曲第31番 ニ長調K.297「パリ」(*)
 交響曲第38番 ニ長調K.504「プラハ」(#)
ハイドン:交響曲第100番 ト長調「軍隊」(+)
クラウディオ・アバド指揮
VPO
 録音:1991年2月13日、ウィーン(*)/1988年1月26日、ザルツブルク(#)/1992年8月7日、ザルツブルク(+)。ステレオ。初出音源。(#)は意外にもアバドの初音盤レパートリーで、 ファン待望の演奏となる。また、他の2曲もアバド&ウィーン・フィルと言う顔合わせては初音盤。
 ハイドンやモーツァルトはアバドの広大なレパートリーの中であまり話題になることはないが、格調の高さと完成度の高さは抜群。ウィーン・フィルのすばらしいサウンドがこの演奏の価値を更に高めている。
 音質まずまず良好の部類。
モーツァルト:
 交響曲第33番 変ロ長調K.319/
 モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」K.165(*)/
 交響曲第36番 ハ長調K.425「リンツ」
バーバラ・ボニー(S;*)
クラウディオ・アバド指揮
VPO
 録音:1993年1月23日、ザルツブルク。ステレオ。初出音源。第33番はアバドの初音盤レパートリー。また、他の2曲もアバド&ウィーン・フィルと言う顔合わせては初音盤。
 ここで演奏されている2曲の交響曲は言わずと知れたカルロス・クライバーの十八番。カルロスの草書に対して、クラウディオは楷書を連想させる格調の高さと綿密な設計で見事なモーツァルトを聴かせてくれる。
 音質まずまず良好の部類。
シューベルト:交響曲第9番 ハ長調D.944「グレイト」 クラウディオ・アバド指揮
VPO
 録音:1991年8月11日、ザルツブルク。ステレオ。初出音源。
 アバドによるシューベルトの交響曲と言えばヨーロッパ室内管との全集(DG)が思い浮かぶが、佳演の割に話題にならないのは残念だ。ここでの「グレイト」もとびきりの名演で、作品の隅々にまで光を当て、 新鮮な響きを随所に聴かせてくれる。内声の充実振りとバランスの良さ、節度ある美しい歌いぶりはアバドの真骨頂といってもよいだろう。
 音質まずまず良好の部類。
ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」 クラウディオ・アバド指揮
VPO
 録音:1990年9月16日、リンツ。ステレオ。初出音源。
 この直後のDG盤も名演だったが、こちらはライヴだけにより自然な息づかいが印象的。細部にいたるまで緻密な設計と読みの深さが貫徹されたアバドならではの名演で、バランスの良さは格別。 聞けば聴くほど味わいの増す名演と言って良い。
 音質まずまず良好の部類。
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調Op.26(*)
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調Op.74「悲愴」
エフゲニー・キーシン(P;*)
クラウディオ・アバド指揮
BPO
 録音:1993年8月28日、ザルツブルク。ステレオ。初出音源。
 この「悲愴」の完成度には度肝を抜かれる。ベルリン・フィルの驚異的な能力をフルに引き出しており、自然体の極みとも言うべき絶好調のアバドが聴かれる。彼の良さはなかなか言葉では表現しにくいが、 知情意が見事にバランスし、強烈なエネルギーを放出するこの名演は、アバドの魅力そのものといってよいだろう。
 音質まずまず良好の部類。
マーラー:交響曲第10番 嬰へ短調 サイモン・ラトル指揮
バーミンガム市so.
 録音:1992年8月1日、ザルツブルク。ステレオ。初出音源。このコンビは当曲を録音しておらず、ファン待望のリリース。
 ラトル&バーミンガム市響は指揮者とオーケストラの理想像であり、その絶大な信頼関係は一時代を築いたと言っても過言ではない。このマーラーでもラトルの深い読みがオーケストラの隅々にまで浸透し、 極めて完成度の高い名演となっている。
 音質まずまず良好の部類。
モーツァルト:交響曲第40番 ト短調K.550
シューベルト:交響曲第8番 ロ短調D.759「未完成」
ニコラウス・アーノンクール指揮
VPO
 録音:1991年5月9日、ウィーン。ステレオ。初出音源。
 アーノンクールの強烈な個性と真摯な音楽性は今日では希有の存在。この2曲の交響曲においても作品の内側に鋭く迫る意欲の凄まじさが全体を貫き、驚くほどの緊張感となって聞き手を圧倒する。 ウィーン・フィルもアーノンクールの棒によく付いて行っており、見事な演奏を聞かせている。
 音質まずまず良好の部類。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調K.488(*)
ベートーヴェン:交響曲第4番 変ロ長調Op.60
マレイ・ペライア(P;*)
ニコラウス・アーノンクール指揮
VPO
 録音:1989年1月28日、ウィーン。ザルツブルク。初出音源。
 モーツァルトはびっくりするほど優美で典雅な演奏で、アーノンクールの表現の幅広さに驚かされる。ベートーヴェンは極めてダイナミックな指揮ぶりで。終楽章のスピード感はカルロス・クライバーをしのぐほど。 アーノンクールならではの劇的表現の凄まじさに圧倒される。
 音質まずまず良好の部類。
R.シュトラウス:
 楽劇「サロメ」〜ヨカナーンよ、お前は口づけを
          許さなかったね(*)
シェーンベルク:交響詩「ペレアスとメリザンド」
シェリル・ステューダー(S;*)
ジュゼッペ・シノーポリ指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
 録音:1991年8月3日、ザルツブルク。ステレオ。初出音源。
 シノーポリの貴重な遺産がまたひとつリリースされる。手兵のシュターツカペレ・ドレスデンを振り、R.シュトラウスとシェーンベルクを取り上げた彼ならではのプログラムで、 作品への傾倒ぶりが実によくわかる。シノーポリの才能の凄まじさを痛感させられる名演。
 音質まずまず良好の部類。
マーラー:交響曲第6番 イ短調「悲劇的」 ジュゼッペ・シノーポリ指揮
BPO
 録音:1986年9月19日、ベルリン。ステレオ。初出音源。
 シノーポリがもっとも得意としたマーラーの交響曲。それもオケがベルリン・フィルという夢のような組み合わせ。作品の持つ複雑な諸相を見事に統合し、 抜群の説得力を持った音楽に仕上げて行くシノーポリの手腕の確かさには驚かされる。
 音質まずまず良好の部類。
バルトーク:ピアノ協奏曲第3番(*)
シューマン:交響曲第2番 ハ長調Op.61
オッリ・ムストネン(P;*)
フランツ・ウェルザー=メスト指揮
LPO
 録音:1993年8月12日、ザルツブルク。ステレオ。初出音源。
 カラヤン以来50数年ぶりに登場したオーストリア生まれの国際的な指揮者ウェルザー=メストへの評価は着々と高まっている。瑞々しい音楽性と大曲に真正面から挑んで行く正攻法の表現は彼の最大の魅力で、 今後巨匠への道をひた走って行くことは間違い無い。ここでの2曲の指揮ぶりも説得力十分で、実に見事と言う他はない。
 音質まずまず良好の部類。
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より
 [第1幕への前奏曲/第3幕への前奏曲]
R.シュトラウス:4つの最後の歌(*)
マーラー:「子供の不思議な角笛」より(*)
R.シュトラウス:交響詩「死と変容」Op.24
マーガレット・ブライス(S;*)
クラウディオ・アバド指揮
シカゴso.
 録音:1981年10月1日、シカゴ。ステレオ。初出音源。
 アバドは1982-1985年の間シカゴ響の主席客演指揮者をつとめたが、今回のライヴはその直前のもの。ショルティのもとで黄金時代を迎えていたシカゴ響を相手に、 抒情的で精緻な音楽を追求していくアバドの指揮ぶりは実に見事で、マーガレット・ブライスの独唱も大変な聴きもの。
 音質まずまず良好の部類。
ウェーベルン:大オーケストラのための6つの小品Op.6
モーツァルト:
 アリア「神よ、わたしの心を」 K.418(*)/
 歌劇「ルチオ・シルラ」
  〜行ってください、急いでください、
    いとしい方の危険を思い描くと(*)
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」(#)
エディタ・グルベローヴァ(S;*)
クラウディオ・アバド指揮
LSO
 録音:1983年7月31日(#以外)/1983年8月12日(#)、以上ザルツブルク。ステレオ。初出音源。
 アバドの長いキャリアの中でも充実度の高さで一時代を築いたロンドン響在任期のライヴ。得意のウェーベルンの確信に満ちた指揮ぶりにまずは感服させられるが、「展覧会の絵」の素晴らしさは格別。 精緻で知的な表現だが、豊かな抒情性をたたえており、気迫の凄まじさも併せもっている。またモーツァルトにおけるグルベローヴァの見事な歌唱も特筆に値する。
 音質まずまず良好の部類。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調Op.18(*)
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調Op.98(#)
リーリャ・ジルベルシュテイン(P)
クラウディオ・アバド指揮
BPO
 録音:1991年11月30日、ベルリン(*)/1991年8月29日、ザルツブルク(#)。ステレオ。初出音源。
 2曲とも同時期のDG盤があり高い評価を得ているが、今回のものは一発録りのライヴだけに緊張感の凄まじさと投げれの良さは格別。 カラヤンのスタイルを色濃く残している時期のベルリン・フィルを相手にアバド流を貫き、見事な成果を収めた記念すべき名演。
 音質まずまず良好の部類。
ストラヴィンスキー:詩篇交響曲(*)
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調(#)
ロリン・マゼール指揮
バイエルン放送so.&cho.
 録音:1993年3月12日、アウグスブルク(*)/1993年3月6日、ミュンヘン(#)。ステレオ。初出音源。
 ブルックナーの強烈なインパクトにまずは圧倒される。既存のイメージとは隔絶したマゼール独自の解釈が全曲を貫いて確固たる世界を構築しており、 とりわけ30分を優に越えるテンポで悠然と進められるアダージョの凄まじさは驚異的。ストラヴィンスキーの鋭角的で色彩感にあふれた演奏ぶりも大変な聴きもの。
 音質まずまず良好の部類
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番 ハ長調K.467(*)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調Op.37(#)
ルドルフ・ゼルキン(P;*)
アルフレード・ブレンデル(P;#)
クラウディオ・アバド指揮
VPO
 録音:1983年6月30日、ウィーン(*)/1981年8月23日、ザルツブルク(#)。共にステレオ。初出音源。
 アバド&ウィーン・フィルが2人の名ピアニストを迎えた実に豪華なコンチェルト。アバドとゼルキンはこの前年ロンドン響とこの曲を録音しているがオケがウィーン・フィルに変り、 ライヴの緊張感と熱気が加わった結果、感銘の深さは飛躍的にアップしている。アバドとブレンデルのベートーヴェンは、現在のところこのコンビによる録音は発売されておらず極めて貴重なもの。 演奏の素晴らしさも特筆に値する。
 音質はまずまず良好の部類。
R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」Op.20
マーラー:交響曲第1番 ニ長調「巨人」
ジュゼッペ・シノーポリ指揮
VPO
 録音:1992年3月。ステレオ。初出音源。
 名門ウィーン・フィルを相手にこうきロマン派の名曲2曲という、シノーポリの最高傑作の一つと言っても過言ではない確信の名演。彼の深い洞察力と強い表現意欲がオケを引っ張っており、 抜群の充実振りで聴かせてくれる。ファン待望のライヴの登場。
 音質はまずまず良好の部類。
ベートーヴェン:ミサ・ソレムニスOp.123 ユリア・ヴァラディ(S)
マルガレータ・ヒンターマイアー(A)
ペーター・シュライアー(T)
ディートリッヒ・
 フィッシャー=ディースカウ(Br)
ニコラウス・アーノンクール指揮
ハーグ・レジデンティo.
アルノルト・シェーンベルクcho.
 録音:1988年6月16日、フェルトキルヒ。ステレオ。初出音源。
 ホーエネムスのシューベルティアーデのライヴ。昨今急速に高い支持を集めるようになったアーノンクールだが、その独自のスタイルは早い時期から確立されており、やっと時代が彼に追いついたという感じがする。 当曲はこの4年後のヨーロッパ室内管とのザルツブルグでの演奏が発売されているが、豪華な独唱陣を揃えた今回の演奏は、荘厳さと表現の深さが圧巻。
 音質はまずまず良好の部類。
モーツァルト:
 交響曲第32番 ト長調K.318/
 クラリネット協奏曲 イ長調K.622(*)/
 ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調K.216(#)
ペーター・シュミードル(Cl;*)
ギドン・クレーメル(Vn;#)
ニコラウス・アーノンクール指揮
VPO
 録音:1986年1月28日、ザルツブルク(#以外)/1984年12月9日、ウィーン(#)。ステレオ。初出音源。
 アーノンクールのモーツァルトは作品の内在するエネルギーを見事に引き出し、生命力に富んだ音楽を聴かせてくれる。このウィーン・フィルとの共演もオーケストラの美点を100%生かしながらも、 指揮者の個性はしっかりと刻印されており、実に味わい深い演奏となっている。なお、クレーメルとの(#)は、アーノンクールのウィーン・フィルデビューとなったコンサートのライヴで、歴史的に見ても重要だ。
 音質はまずまず良好の部類。
マゼール&クリーヴランド管の1975年「英雄」、初出
 ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
ロリン・マゼール指揮
クリーヴランドo.
 録音:1975年9月8日、ライヴ。ステレオ、初出音源。
 軽いディジタル・ノイズが散見されるが、それをふっ飛ばすような名演!
PASSION & CONCENTRATION
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ヴァレリー・ゲルギエフ指揮
BPO
 録音:1995年5月。近年最も注目すべき指揮者の一人ゲルギエフ。交響曲録音が少ないのは、日本のクラシック・ファンにとっては残念な所だが、 そんなところにBPOとのショスタコが登場。うねる音楽が感動を呼び起こす。曲目的にはキーロフでの録音が出ているから、フィリップスからこのコンビで同曲が出る可能性はあまりない。 残念ながら第1楽章の14分19秒付近で音切れ、第4楽章の7分16秒付近で音の揺れあり。
PACO-1002
廃盤
マーラー:交響曲第6番 ジョン・バルビローリ指揮
BPO
 録音:1966年1月13日。モノラル。遂にバルビローリ&BPOによる同曲の登場。このコンビのマーラーとしては第9番がよく知られるが、 今回の6番も、巨人の歩みのような第1楽章、官能的な響きが充満するアンダンテ、恐ろしいくらいの集中力によるフィナーレと、期待に違わぬ出来。ファンは黙ってゲットだろう。
PACO-1003/4
(2CD)
廃盤
マーラー:交響曲第2番 マリア・シュターダー(S)
ジャネット・ベイカー(Ms)
ジョン・バルビローリ指揮
BPO、
ベルリン
 聖ヘドヴィッヒ教会cho.
 録音:1966年録音。バルビローリとベルリン・フィルによる第2番。バルビローリの同曲にはSDRとのライヴ(JOY→EMI)もあったが、 今度はオケがオケだけに彼自身の入れ込みも相当のようで、非常に雄大な第1楽章、スケルツォでの金管の咆哮、そして最終楽章の28分15秒過ぎでの彼自身の唸り声等々、正に充実。 モノラル録音がやはり少々残念という所か。
PACO-1005
廃盤
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲(*)
ヘンデル:ソナタ ヘ長調(+)
ヨハンナ・マルツィ(Vn)
オットー・
 クレンペラー指揮
ハーグpo.(*)
エディト・ピヒト=
 アクセンフェルト(Cemb;+)
 録音:1950年代。甘美で感傷的なマルツィと、構造堅牢なクレンペラーがぶつかりあった恐怖のライヴ。ピヒト=アクセンフェルトとの共演というのも珍しい。 残念ながら傷の多い録音。
ベートーヴェン:交響曲第4番 エーリヒ・クライバー指揮
ACO
 録音:1950年。ベートーヴェンの交響曲全集の録音を残さず、ライヴ盤でも揃わない父クライバーの、初出にあたる第4番。息子カルロスの得意の曲でもあるが、 その手本になったといっても過言ではない(いや、まちがいないであろう)ハイ・スピードな演奏。4楽章などはやはり父ならではの風格や威厳といったものが感じられ、 それゆえカルロス・ファンにも一聴お勧め。録音状態は、アセテート盤からの復刻と思われ、年相応か。
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
 (マルケヴィチによる管弦楽改訂版)
レオニード・コーガン(Vn)
イーゴリ・マルケヴィチ指揮
シュターツカペレ・ベルリン
 録音:1960年3月3日、ベルリン国立歌劇場、モノラル。録音は少なくないが協奏曲の録音に関しては指揮者に恵まれなかったコーガン。ここではマルケヴィチの伴奏を得て縦横無尽に弾きまくる。
マーラー:交響曲第1番 ハンス・ロスバウト指揮
BPO
 録音:1955年10月、モノラル。現代音楽に強かったロスバウトはマーラーの音楽も重視していた。熱狂的でない過激さと言うのもこの人ならではだが、第3楽章の不気味さは格別。 残念ながら終結近くに大きなノイズあり。
モーツァルト:交響曲第40番
ブラームス:交響曲第2番
オットー・クレンペラー指揮
RIASso.
 録音:1957年5月。モノラルだが録音状態は極上とのこと。RIASso.は現ベルリン・ドイツso.の旧称。1957年はクレンペラーがEMIでメジャー・レパートリーの録音を開始した時期にあたる。強靭な造形は彼ならでは。クレンペラーの最高演奏の一つと言えるだろう。 しかし、ブラームスの第2楽章冒頭がわずかに欠けているのが実に惜しい。
バッハ:
 チェロとピアノのためのソナタ BWV.1028/
 チェロとピアノのためのソナタ BWV.1029
ピエール・フルニエ(Vc)
ローター・ブロダック(P)
 録音:1958年、ベルリン、スタジオ録音、モノラル。「チェロの貴公子」というニックネームに反してフルニエは激しい表現も多い。 作品としても濃密なこの曲を真摯に熱っぽく語り尽くす。音質良好
フルトヴェングラー:
 ピアノと管弦楽のための交響的協奏曲
エドヴィン・フィッシャー(P)
ウィルヘルム・
 フルトヴェングラー指揮
BPO
 録音:1939年1月19日。以前PILZ盤で出ていたもの。フルトヴェングラーの作品のなかでも暗さでは一、二を争う名作。 豪華なソリストを迎え、状況、音楽、そして苦悩を描いた本作は巨匠魂の叫びである。
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 アルトゥール・
 ルービンシュタイン(P)
アンドレ・クリュイタンス指揮
トリノ放送so.
 録音:1962年5月、モノラル。CETRAなどから発売され、南欧風なブラームスとして比較的よく知られている音源だが、音質が改善されている。
モーツァルト:レクイエム ラスキン(S) コプレフ(A)
ヘフリガー(T) ポール(B)
ジョージ・セル指揮
クリーヴランドo.&cho.
 録音:1968年5月9日、モノラル。清潔で厳しいモーツァルトで名高い巨匠セル。ここでは作曲家最晩年の生のドラマとして凄絶な演奏を展開。 「怒りの日」、「ラクリモサ」の凄さは筆舌に尽くしがたい。独唱陣は多分ジュディス・ラスキン、エルンスト・ヘフリガー等であろう。
PACO-1014

(2CD)
ベートーヴェン:
 ピアノ協奏曲第3番(*)/交響曲第3番「英雄」
ゲザ・アンダ(P;*)
フェレンツ・フリッチャイ指揮
RIASso.
 録音:1959年1月、モノラル。「英雄」冒頭の和音が若干欠けている。フルトヴェングラー張りのドラマティックでスケールの大きな演奏。
PACO-1015

(2CD)
R・シュトラウス:歌劇「エレクトラ」 イングリッド・
 シュティーガー(エレクトラ)
マルタ・メードル
(クリテムネストラ)
マリオン・リッペルト
(クリソテミス)
ヴォルフガング・
 ヴィントガッセン(エギスト)
ウィリアム・ウィルダーマン
(オレスト)
カルロス・クライバー指揮
シュトゥットガルト
 国立歌劇場
 録音:1971年7月、シュトゥットガルト国立歌劇場新演出上演。モノラル。これまでで最も若い頃のクライバーを聴くことができる貴重な初出音源。
ブラームス:交響曲第4番 アンドレ・クリュイタンス指揮
フランス国立放送so.
 録音:1958年2月18日、ジェノヴァ。モノラル。何とクリュイタンスのブラームスの交響曲が!!! 彼のブラームスといえば、 ルービンシュタインとのピアノ協奏曲第2番のライヴ(これもかなりレアで、いまは入手できない)しか無かっただけに、非常に嬉しい登場。ベートーヴェン等ドイツ音楽も得意とした彼だけに期待大。 ただ、もしかして演奏地はジュネーヴではないだろうか?
ブラームス:交響曲第4番
バーバー:管弦楽のためのエッセイ(*)
ジョージ・セル指揮NYP
 録音:1944年12月24日&1950年(*)。これは珍しいセルとNYPの録音が登場! 2曲とも初出と思われ、バーバーは多分初レパートリーであろう。セル・ファンならぜひゲットしたい珍品だ。
プロコフィエフ:スキタイ組曲
ブラームス:交響曲第2番
セルジュ・チェリビダッケ指揮
シュレシュヴィッヒ・
 ホルシュタイン祝祭o.
 録音:1987年8月29日。残念ながらかなり音質の悪いモノラル録音。バーンスタインの映像作品でも知られる同音楽祭で開かれた、 指揮者&オーケストラ講習会でのライヴ。チェリらしく猛特訓を施し、この演奏と相成った。彼の怒号も飛び交い、非常に熱い演奏スタイルとなっている。
ベートーヴェン:交響曲第7番 オットー・クレンペラー指揮
BPO
 録音:1954年10月17日。インフォによると「車椅子で登場した巨匠を聴衆は不安げに見守りました。数々の故障を不屈の精神力で乗り切った巨匠は、 体ではなく鋭い眼光によって冒頭の和音を指示し、恐ろしい轟音、構築的な音楽で押し切りました。」とある(伝記からの引用にも思えるが未確認)。 クレンペラーがフルトヴェングラーが没する一月前のベルリンフィルに客演したライヴ。全く異なる価値観の名演で終結も慌てず騒がず。堂々たるもの。音質は多少難ありだが、かなりレアな音源であり、 大注目の盤と言えよう。
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」 オットー・クレンペラー指揮
ケルン放送so.
 録音:1956年。インフォによると「これも凄い! クレンペラーの実演に触れた人は、その巨体と動かない指揮ぶり、眼光の鋭さを口にしますが、厳しい音楽、緊張の途切れないリズム感は人間業とは思えません。」とある。 音質は多少難ありだが、かなりレアな音源であり、PACO-1019同様に大注目盤。
PACO-1021
廃盤
モーツァルト:交響曲第33番
ブラームス:交響曲第2番
カルロス・クライバー指揮CSO
 録音:1983年7月2日、モノラル。音質に限界があるながらも、その強弱の付け方はさすがクライバーと思わせる。CSOとは2度目(結局最期の共演となった)の客演時で、 そのコンビもばっちり、ブラームスの第2番が激情的音楽であることを我々に知らしめる。
PACO-1022

(2CD)
マーラー:交響曲第7番 ハインツ・レーグナー指揮
ベルリン放送so.
 録音:1993年2月、モノラル。ケーゲルの助手も務めたレーグナー。彼のマーラーはこれまで第3番と第6番しかなかったが、今回第7番が登場。 残念ながら音の揺れが多発するモノラル録音とのこと。
PACO-1023
廃盤
マーラー:交響曲第6番 ジョージ・セル指揮
クリーヴランドo.
 録音:1967年、モノラル録音。セルの十八番の一つ。規律正しくガチガチな演奏を想像しがちだが、変化に富んだ構成で一気に聞かせる。同時期のCBS(SONY)盤もあるが、 今回のほうが心持ち焦燥感があるとのこと。
リムスキー=コルサコフ:交響詩「シェヘラザード」 セルジュ・チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.
 録音:1984年4月15日、モノラル録音。初出。音はこもりがちながら、情熱的な指揮とその雄大なテンポによる華麗な音色が聞き物。
モーツァルト:
 ピアノ協奏曲第14番/ピアノ協奏曲第24番(*)
フリードリヒ・グルダ(P)
ハンス・ロスバウト指揮
南西ドイツ放送so.
イーゴリ・
 マルケヴィッチ指揮
RIASso.(*)
 録音:1950年代、モノラル。3人の奇才の奏でるモーツァルトの登場。 モーツァルトには定評があるグルダと、一見危険な二人の名指揮者。ドライな響きにはぞっとするが、グルダは泰然自若。こういうモーツァルトは一般向けとはいえないが、それだけに面白い。
ヨハン・シュトラウス・ファミリー名作集
 美しく青きドナウ/皇帝円舞曲/「こうもり」序曲/
 エジプト行進曲/ピツィカート・ポルカ/アンネン・ポルカ/
 トリッチ・トラッチ・ポルカ/ラデツキー行進曲
セルジュ・
 チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.
 録音:1984年、多分モノラル録音。録音年が正しければ初出と思われる。もちろん彼のことゆえ通常の演奏ではない。代理店によれば「堂々、チェリのシュトラウス!! スケール極大。 無気味なまでも内容を詰め込んでしまうチェリビダッケ・マジックによる秘密の世界。作品たちは、本来こう言う演奏を欲していたのではないか? 初心者は近寄るべからずの名盤!!」とのこと。
モーツァルト:
 ヴァイオリン・ソナタ第43番 ヘ長調K.547
シューベルト:ソナチネ第3番 ト短調D.408
プーランク:ヴァイオリン・ソナタ
       (ガルシア・ロルカの思い出に)
ローラ・ボベスコ(Vn)
ジャック・ジャンティ(P)
 録音:1964年/1960年/1961年、ベルリンでの放送録音。多分モノラル。日本で根強い人気を誇るボベスコの珍しい録音が登場。全曲彼女の初レパートリー曲となると思われ、 彼女のファンならぜひゲットしたい。伴奏が、後年まで演奏上のパートナー(この頃は旦那?)だったジャンティと言うのも心強い。
RARE MOTH
 「究極のマニアを自任される、コアなファンの皆さんのためのレーベルです。1940年代から現代に至る膨大な音源の中から、強烈なインパクトを持った名演を順次発表いたします」と代理店。
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱」 マリ・アンヌ・ヘガンデル(S)
アーグソン(A)
(アルフレーダ・ホジソン?)
ロバート・ティア(T)
グゥイン・ハウエル(B)
クラウス・テンシュテット指揮
 LPO、同cho.
 録音:1985年9月13日、ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン。当盤発売後にBBCからマスターよりの復刻が成された(BBCL-4131)
 何と遂にテンシュテットの「第9」が!! テンシュテット・ファンのみならずクラシック・ファンならぜひ聴いて見たい演奏の登場だ。代理店によると「これはまさに壮絶の一語に尽きる超絶の大名演です。冒頭から異様な緊張感がみなぎり、最後まで一気に聴かせます。神秘的な奥深さと劇的なエネルギーが融合した、破格の名演が繰り広げられています。必聴の1枚」とのこと。
 残念ながら「音質はヒス・ノイズがやや耳につき、散発的なノイズや音揺れもありますが、この名演を味わうには支障のない程度です」とのことなので、どちらかと言えばマニア向け。ただ、『テンシュテットの第9』というインパクトの前には、音質の悪さなど、さして問題では無かろう。
RM-401/2S

(2CD)
ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調Op.15(*)
ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調「運命」
アルフレッド・ブレンデル(P;*)
クラウス・テンシュテット指揮LPO
 録音:1990年8月30日、ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン。プロムス・ライヴ。当盤発売後に、ブラームス以外の2曲はBBCからマスターよりの復刻が成された(BBCL-4158)
 インディペンデント誌に「意表を突くオリジナリティ。私たちはこの交響曲を知っていたと思っていたのだが、実はそうではなかったのだ」という評が載ったといういわく付きのライヴで、テンシュテット晩年の気迫に圧倒される。残念ながら音質的にはヒス・ノイズが気になり、ブラームスの協奏曲の第2楽章には数ヶ所左チャンネルにジリジリと言うノイズがあるとのこと。ただ、録音そのものはとても生々しく、当日の雰囲気を良く伝えているらしい。
RM-403/4S

(2CD)
マーラー:交響曲第3番 ニ短調 クリスタ・ルードヴィヒ(Ms)
レナード・バーンスタイン指揮NYP
ニューヨーク・コラール・アーティスツ
ブルックリン少年cho.
 録音:1987年、ニューヨーク。DG盤と同じ顔ぶれだが別録音。ライヴならではという情熱に溢れた演奏で、アンサンブルの乱れも気にならないほどらしい。 音質はあまり良く無く、ヒス・ノイズが気になる上、1楽章では音飛びが2ヶ所あり、6楽章前半は全体よりも鮮明さを欠くとのこと。
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調Op.73
ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」
セルジュ・チェリビダッケ指揮
シュレスビヒ・
 ホルシュタイン音楽祭o.
 録音:1987年8月21日、ベルリン。チェリビダッケは1987年と1988年にシュレスビヒ・ホルシュタイン音楽祭に登場、国際青少年オーケストラ・アカデミーを指揮し、 その締めくくりとして同オケを率い演奏旅行を行った。今回の2曲はその際のライヴ。音質的には、少々ヒス・ノイズはあるもののバランス良好。 ただ、「マ・メール・ロワ」にはプチ・プチ・ノイズが散発的に混入とのこと。
RM-406/7S

(2CD)
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 セルジュ・
 チェリビダッケ指揮ミュンヘンpo.
 録音:1987年9月27日、聖フローリアン教会。場所が場所だけにチェリも入魂。極端に遅くないテンポとも相まって、白熱らしい。 音質的には残響が過多で強音部では混濁する上、客席ノイズも気になるが、ダイナミック・レンジは広めで最強音の歪みも少なく、雰囲気は良く伝わってくるようだ。 なお、教会での録音ということもあってか、終演後には拍手はないとのこと。
RM-408/9S

(2CD)
マーラー:交響曲第2番 ハ短調「復活」 バーバラ・ヘンドリックス(S)
ジェシー・ノーマン(S)
レナード・バーンスタイン指揮NYP
ウェストミンスターcho.
 録音:1984年、ニューヨーク。DG盤より3年前のライヴ。かなり早めのテンポで進められ、テンションは高く、ライヴゆえの演奏ミスもあるが、「復活」の頂点の一つを極めたといっても過言ではない演奏ではないか、という。 テープ・ヒス、音揺れ、散発ノイズがあり、音質は問題があるが、生々しさは格別で、あたかも会場に居るかの様。当レーベルの第3番(RM-403/4S)よりは良いとのこと。
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱」 ジェーン・イーグレン(S)
キャスリン・クールマン(Ms)
アンソニー・ロルフ=ジョンソン(T)
ジョン・トムリンソン(B)
クラウス・テンシュテット指揮
 LPO、同cho.、
ブライトン祝祭cho.
 録音:1991年8月31日、ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン。何と遂にテンシュテットの2つめの「第9」が!!  1つ目のRM-400Sよりも、殊に第4楽章で内面的に深められた演奏とのこと。 音質的には前記盤よりも良く、惜しむらくは所々微かにゴーストが混入する、という所らしい。
RM-411/2M

(2CD)
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 ハンス・クナッパーツブッシュ指揮VPO
 録音:1961年10月29日、ムジークフェラインザール、ウィーン。モノラル録音。 これまで何度も再発され、現在はGOLDEN MELODRAM盤で出ている当演奏だが、クナの5種類ある同曲演奏の中でもVPOとの共演という事でその価値は高い。 晩年のクナのスタイルが良く出た演奏だが、今回は音質的に既出盤を大きく上まわっているとの事で、ヒス・ノイズ等の雑音はあるものの非常に鮮明な音だという。
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
VPO
 録音:1989年4月23日、ムジークフェラインザール、ウィーン。何とカラヤン生涯最後の演奏会ライヴが登場。 代理店によると、アダージョの崇高な美しさが格別とのことで、音質的にはヒス、プチ・ノイズ、少々の音揺れがあるが、ホールの響きは良く捉えられており、鑑賞に大きな支障はないとのこと。
RM-414/5M

(2CD)
クレンペラー・ラスト・コンサート
 ベートーヴェン:「シュテファン王」序曲Op.117/
          ピアノ協奏曲第4番 ト長調Op.58(*)
 ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調Op.90
ダニエル・アドニ(P)
オットー・クレンペラー指揮NPO
 録音:1971年5月26日、ロンドン。モノラル。何とクレンペラーのラスト・コンサートの全曲目が登場。この時86才だったクレンペラーだが、音楽的には全く衰えを見せていない。 アドニ、ニュー・フィルハーモニア共、クレンペラーの音楽と一体化しており、その雄大で精緻な音楽は正に彼のみがなしえたものと言っても過言ではなかろう。 彼が最後に到達した境地を聴くことのできる貴重な記録である。 音質的には30年前のものということもあり、ヒス・ノイズや歪み等難点は多いが、記録された音楽から与えられる感銘は全てを忘れさせる程。
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調Op.90
ヴォルフ:イタリアのセレナード(*)
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
BPO
 録音:1950年11月/1952年9月28日〜29日(*)、ベルリン。モノラル。 以前CHACONNEのCHCD-1005やキングの国内盤で出ていたブラームスと、DISQUE REFRAINのDR-920029で出ていたヴォルフのカップリング。 2曲とも現在入手困難であり、久々の復活。代理店によると、これまでとは全く異なる音源を使用しているとのことで、音質的にも期待大。
RM-417/8M

(2CD)
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 オットー・クレンペラー指揮PO
 録音:1964年2月2日、ロンドン。モノラル。初出。彼のブル8は1970年のスタジオ録音が有名だが、ここではその6年前のライヴが聴ける。 スタジオ録音では終楽章の大幅なカットと非常にゆっくりとしたテンポのためかなり独特の演奏となっていたが、今回は終楽章のカットもなく、この年代のクレンペラーならではの緊張感とスケールが素晴らしい。 音質的にはヒス・ノイズが多めで、散発的なノイズもあるが、演奏の醍醐味は十分味わえる。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調Op.37(*)
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
ゲザ・アンダ(P;*)
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
ケルン放送so.
 録音:1962年5月14日、ケルン(*)/1963年5月10日、ケルン。モノラル。 2曲とも既出。ベートーヴェンはキングの国内盤(2種)で、ブラームスは同じくキングの国内盤やDisque RefrainのDR-910006-2で出ていたものだが、両曲とも現在入手困難。 RM-416M同様、これまでとは異なる音源使用で、特にベートーヴェンはかなり鮮明な音になっているとの事。
RM-420/1S

(2CD)
ベートーヴェン:「エグモント」序曲
モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調K.551「ジュピター」
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」
オイゲン・ヨッフム指揮VPO
 録音:1982年3月11日、ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン。ヨッフムとVPOの共演はコンサート、レコード共に少なく大変貴重。 晩年オケにあまり恵まれなかったヨッフムだが、ここでは名門フィルとの共演ということもあってか、伸びやかで、かつ堂々とした演奏を繰り広げている。
 ステレオ録音ではあるが、ヒス・ノイズ、音揺れがあり状態は今ひとつ。散発ノイズもあり、「英雄」の第2楽章以降、数ヶ所で回転ムラがあるのは惜しい。
マーラー:交響曲第4番 ト長調
モーツァルト:モテット「エクスルターテ・イウビラーテ」K.165
マリア・シュターダー(S)
オットー・クレンペラー指揮ACO
 録音:1955年11月10日。クレンペラーのマーラー4番はスタジオ録音以外にも3種があるが、今回は既出盤を大きく上まわる名演。まさに自然体のクレンペラーがそこにはあり、他の演奏で感じられるある種のよそよそしさは全く見られない。シュターダーの同曲は、同時期にワルターとのライヴが残されている。モーツァルトも古典的性格を生かした端正な名演。
 音質的には1950年代のイン・ホール録音だけに今ひとつ。マーラー第1楽章の始めには2ヶ所の短い欠落もある。
RM-423/4S

(2CD)
R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」Op.35(*)
シベリウス:交響曲第2番 ニ長調Op.43(#)
セルジュ・チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.
メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」序曲(+)
シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調Op.82(**)
 録音:1991年4月28日(*/#)/1992年4月16日(+)/1992年11月8日(**)、ミュンへン。チェリビダッケが1996年8月14日に亡くなって5年、追悼盤ともいえる初出音源の登場。  特に(*/#)はミュンヘンpo.との録音が無かった曲目で、ファン待望。また、シベリウスの2曲は特にスケール雄大で圧倒される。  音質的には、(*)はヒス・ノイズがやや多めで音揺れや「ガサガサ」というノイズも混入、(#)は音抜けはあまり良く無いが重厚、(+)はまず良好ながら腕時計のノイズらしき微かな音が混入、(**)はまず良好、と言った具合。
RM-426/7S

(2CD)
ベートーヴェン:交響曲第4番 変ロ長調Op.60(*)
シューベルト:交響曲第8番 ロアン調D.759「未完成」(#)
ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調Op.68「田園」(#)
ブリギッテ・ファスベンダー(Ms;**)
セルジュ・チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.
RM-428/9S

(2CD)
エック:序曲「忘れられたロマンツェのための音楽」(+)
マーラー:歌曲集「亡き児をしのぶ歌」(**)
シューベルト:交響曲第9番 ハ長調D.944「グレイト」
 録音:1995年3月17日ミュンヘン(*)/1993年4月(#)/1983年6月30日ミュンヘン(+/**)。 上記RM-423/4/5同様、初出音源。
 (*)はEMI盤の2日前の演奏。(#)は極端なスロー・テンポで貫かれたチェリ独自の美の極致。 (+/**)は1980年代前半の演奏ということで珍しく、特にエックとマーラーは貴重。シューベルトも最晩年のスタイルよりこちらを選ぶ人もいるかと思われるほどの名演。
 音質的には、テープ・ヒス、散発、会場其々のノイズがあるが、チェリビダッケのサウンドはきっちり捉えられている。
グルック:歌劇「アウリスのイフィゲニア」序曲(*)
ハイドン:交響曲第85番 変ロ長調「王妃」(#)
マーラー:歌曲集「亡き児をしのぶ歌」(+)
ブリギッテ・ファスベンダー(Ms;+)
クラウス・テンシュテット指揮
ハンブルクNDRso.
 録音:1981年4月20日(*)/1982年7月21日(#)/1981年11月18日(+)。 テンシュテットの珍しいレパートリーを集めた初出音源集。古典的な美しさと格調高さが大変素晴らしい。マーラーは上記チェリビダッケ盤との比較もおすすめ。
 (*)は音質良好、残りの2曲はテープ・ヒス、散発ノイズがあるが、テンシュテットのサウンドはきっちり捉えられている。
スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲
ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調Op.88
ヤナーチェク:シンフォニエッタ
クラウス・テンシュテット指揮LPO
 録音:1991年4月2日、ロンドン。チェコの作品ばかり3曲と言う、テンシュテットとしてはかなり珍しい曲目。 特に彼によるスメタナの作品はこれまでに1曲もなく、極めて貴重。後の2曲もLPOとは初の共演であり、現時点では1990年代唯一の演奏となる。 遅めのテンポで進むテンシュテット晩年の格調高さと暖かさが演奏を雄大かつ素晴らしい物にしていると言えよう。
 この年代の録音としてはかなりテープ・ヒスが耳につくのが惜しい。
RM-432/3S

(2CD)
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 ギュンター・ヴァント指揮
バンベルクso.
 録音:1999年。テープ・ヒスがやや気になり、3楽章の途中にテープのつなぎ目と思われるノイズが入る。
RM-434/5S

(2CD)
ショスタコーヴィチ:
 交響曲第6番 ロ短調Op.54/
 交響曲第7番 ハ長調Op.60「レニングラード」(*)
レナード・バーンスタイン指揮
NYP/CSO(*)
 録音:1986年、ニューヨーク/1988年6月、シカゴ(*)。ステレオ。第6番は同年にVPOと、第7番も同年にCSOと(今回とは別演奏)それぞれDGに録音しているが、今回のライヴは両曲とも熱気溢れる名演。
 音質的にヒス、音揺れ、散発ノイズはあるが、演奏の充実振りはよくわかる。
シューマン:交響曲第1番 変ロ長調Op.38「春」
ストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」
レナード・バーンスタイン指揮NYP
 録音:1984年、ニューヨーク。ステレオ。「春」で揃えたライヴ。スケールの大きさ、作品への共感度はさすがの演奏。
 上記同様、音質的にヒス、音揺れ、散発ノイズはあるが、演奏の充実振りは十二分に伝わる。
RM-437/8S

(2CD)
バッハ:ミサ曲 ロ短調BWV.232 バーバラ・ボニー(S)
C.ヴルコップ(A)
B.シュライアー(T)
A.シャリンガー(B)他
セルジュ・チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.
マインツ大学バッハcho.
 録音:1990年11月18日、ミュンヘン。初出。
 チェリビダッケ美学の極致ともいえる「ロ短調ミサ曲」。もちろん現代主流の古楽器演奏からは全くかけ離れたものだが、内容の豊かさは特筆物。歌手陣も好調。
 音質はステレオながら少々問題あり。ただ、鑑賞には十分堪えうる。
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調Op.68(*)
オットー・クレンペラー指揮
ケルン放送so.
 録音:1954年2月8日/1955年10月17日。モノラル。確か初出。
 この頃のクレンペラーは晩年とは異なるアプローチを見せることが多いが、ここでも古典的スタイルかつ格調高さが特筆できる。特に英雄は早めのテンポで聴かせる名演。
 「英雄」は元々ディスクへの記録らしくスクラッチ・ノイズがあるが音質は比較的鮮明。ブラームスはテープイ・ヒスが耳につき、高音の伸びが今ひとつ。
ベートーヴェン:
 交響曲第2番 ニ長調Op.36/交響曲第4番 変ロ長調Op.60(*)
オットー・クレンペラー指揮ACO
 録音:1956年5月2日/1956年5月9日(*)。モノラル。確か初出。
 気迫に満ち、格調高いクレンペラー絶好調の名演。
 テープ・ヒスや散発ノイズはあるが音自体は比較的良く収録されている。
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.61 ユーディ・メニューイン(Vn)
オットー・クレンペラー指揮NPO
 録音:1966年1月30日、ロンドン。モノラル。初出。
 EMIへのスタジオ録音の直後に行われたライヴ。メニューインはこの年代とは思えないほどの絶好調。 ある意味彼のベストといっても差し支えないかもしれない。クレンペラーは言うまでもなく彼ならではの雄大なスケールで迫る。
 テープ・ヒスや散発ノイズはあるが音自体は比較的良く収録されている。
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 カール・シューリヒト指揮
フランス国立放送o.
 録音:1963年9月11日、ブザンソン音楽祭。モノラル。 世評の高いシューリヒトのブルックナーの中でも、この7番は戦前から録音のある彼の得意曲ながら、意外と録音には恵まれず、決定打には欠けていた印象がある。今回はその決定盤ともいえそうな演奏の登場。 同時期の録音としては1964年のハーグpo.とのコンサート・ホール盤があるが、これはオケが今ひとつなのと録音機材の貧弱さから晩年の彼の芸術が十分に伝わってくるとは言いがたい面がある。 今回の演奏は、枯淡の境地に達した彼の指示をオケが十分に理解しており、彼ならではの名演と言える。 音質的にはこのレーベルの標準的な物で、鑑賞には支障無し。
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱」 アグネス・ギーベル(S)
マルガ・ヘフゲン(A)
ラグナル・ウルフング(T)
エドゥアルド・
 ウォルリッツ(B)
カール・シューリヒト指揮
フランス国立放送o.、同cho.
 録音:1965年6月15日、パリ。一部ステレオ。
 シューリヒト最晩年の「第9」。演奏は凄絶の一語で、有無を言わせぬ圧倒的な内容をもっている。他のどの指揮者とも大きく異なった個性味にあふれた名演で、 特に第4楽章はシューリヒトならではの冴えたきらめきに満ちている。
 音質については、前半の2楽章はステレオ録音で、後半はモノラル録音。第2楽章終わりにごく短い音の欠落があるほか、第4楽章に著しく録音レベルが低下してしまう個所が4カ所ほどある(それぞれ20〜30秒)が、 これらのマイナス点を差し引いても尚かつ、余りある程の値打ちを秘めた名演と言っても過言ではないだろう。
チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調Op.36 カール・ベーム指揮
VPO
 録音:1970年代前半、ウィーン。ステレオ。
 定期演奏会のライブで、70年代のベームらしく熱気にあふれた名演が聴ける。クライマックスでのエネルギーの爆発ぶりは、まさに手に汗にぎるという趣きで、ウィーン・フィルならではの素晴らしさ。
 ステレオ録音だが、経年の変化のためか、やや不安定なところがあり、テープ・ヒスも少し気になる。
チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調Op.36 セルジュ・チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.
 録音:1988年9月18日、ミュンヘン。ステレオ。
 第5や第6に比べると、ミュンヘン時代のチェリビダッケがこの曲をとり上げた機会はあまり多くないようで、録音もほとんど残されていない。 これはイン・ホール録音のようだが、想像以上に状態はよく、チェリのサウンドがしっかり把えられている。
 細部に至るまで徹底的に練り上げられた、チェリならではの美学に貫かれた演奏と言える。
ハイドン:交響曲第100番 ト長調「軍隊」
モーツァルト:交響曲第38番 ニ長調K.504「プラハ」(*)
カール・シューリヒト指揮
シュトゥットガルトRSO
 録音:1960年代/1965年(*)、モノラル。
 晩年のシューリヒトがハイドンとモーツァルトを振った実に貴重な録音。「軍隊」のチャーミングな演奏はシューリヒトの面目躍如。 また「プラハ」はシューリヒトのベストの1つといってよいくらいの名演で、パリ・オペラ座盤(コンサート・ホール)、VPO盤(EMI)を上回る。
テープ・ヒス、ノイズの混入はあるものの、当時としてはまずまずの音質。
RM-448/9S

(2CD)
イギリス国歌
ベートーヴェン:「エグモント」序曲Op.48
マーラー:さすらう若人の歌(*)
ベートーヴェン:交響曲第3番 ホ長調Op.55「英雄」
トマス・ハンプソン(Br;*)
クラウス・テンシュテット指揮
LPO
 録音:1991年9月26日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン。ステレオ。当盤発売後に、「エグモント」のみBBCからマスターよりの復刻が成された(BBCL-4158)
 1991年シーズンの開幕コンサート。イギリス国歌に続いてテンシュテット得意のレパートリーが演奏される。彼のベートーヴェンやマーラーは、その内容の深さにおいて格別の存在であり、正に不滅の輝きを放つ。「英雄」は同時期の演奏がCD化(EMI)されたが、今回のものはこの日の完全ライヴ。
 テープ・ヒスがやや気になるが、まずまずの音質。
RM-450/1S

(2CD)
マーラー:交響曲第6番 イ短調 クラウス・テンシュテット指揮
NYP
 1985年、ニューヨーク。ステレオ。
 作品を完全に手の内に入れた巨匠ならではの名演。 ワルター、バルビローリ、見とロブーロス、バーンシュタインといった歴代の指揮者たちによってマーラーの本質を知り尽くしたニューヨーク・フィルの熱演も見事。 これは、テンシュテットの6番のベストと言えるのではなかろうか。
 音質はやや不安定なところもあるが、演奏の素晴らしさはよくわかる。
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調Op.83 クリフォード・カーゾン(P)
ハンス・
 クナッパーツブッシュ指揮
VPO
 録音:1955年7月26日、ザルツブルク。
 正真正銘の世界初出ライブ。クナ最後のザルツブルクの出演の貴重な記録。オール・ブラームス・プログラムで当日演奏された他の2曲(悲劇的序曲、交響曲第3番)はORFEOからすでに発売されている。 カーゾンの鬼気迫るようなピアノと、それをしっかり受け止めるクナ=VPOの豪快な演奏は、かつて出てた、同じ組合せによるスタジオ録音(1957年DECCA)を大きく上回る名演。
 テープ・ヒスのほか、大きめのノイズが散発的に混入している点が誠に残念だが、演奏の素晴らしさはよく伝わってくる。
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調Op.90(*)
モーツァルト:歌劇「魔笛」K.620序曲(#)
ワーグナー:楽劇「パルシファル」第1幕への
         前奏曲(リハーサル)($)
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
VPO(*)
バイエルン国立歌劇場o.(#)
ミュンヘンpo.($)
 録音:1950年代後半、ウィーン(*)/1950年代、ミュンヘン(#)/1962年、ミュンヘン($)。
 ブラームスはクナとしては8種類目の録音。ゴールデン・メロドラマから発売されているものと同じ演奏の可能性があるが、 未確認。演奏はクナ=BPOの魅力がフルに発揮された破格の名演で、他の録音では聴けない独特の表現が随所にちりばめられており、存在感抜群。テープ・ヒスがやや耳につくものの十分に聴ける音質。
 他の2曲は、ファンの度肝を抜く初出音源。「魔笛」はクナの十八番で、晩年までしばしば振っていたにもかかわらず、まったく知られていなかったレパートリー。録音はあまり良くないが、価値は絶大。
 また「パルシファル」のリハーサルは、おそらくレコーディングのためのもので、クナの肉声が生々しく収録されている。これもまた凄まじいドキュメントだ。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調Op.37 アルトゥーロ・ベネデッティ・
 ミケランジェリ(P)
セルジュ・チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.
 録音:1981年3月12日、ミュンヘン。
 全盛期のミケランジェロとチェリビダッケ=ミュンヘン・フィルという夢の組合せによる奇跡的な名演。あまりに圧倒的な演奏で、何と表現してよいのかわからない程の素晴らしさ。
 イン・ホールかつ、モノラルという条件ながら、十分演奏を堪能できる。
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱」 ヒルデ・ギューデン(S)
エリザベート・ヘンゲン(Ms)
エーリッヒ・マイクート(T)
ゴットロープ・フリック(Bs)
プルーノ・ワルター指揮
VPO、
ウィーン国立歌劇場cho.
 録音:1955年11月13日、ウィーン。
 ウィーン国立歌劇場の再建を記念して、同劇場で行われたコンサートのライブ。ワルターの第9番は、従来のそれほど高く評価されていないが、 この演奏は格別。第1楽章の再現部の迫力など想像を絶するものがあり、第3楽章の流麗な美しさもワルターの特徴がフルに発揮されて見事さらに第4楽章の壮麗さは格別で、まとまりの良さも特筆に値する。 終演後に延々と続く熱狂的な拍手は、ワルターのウィーンでの人気ぶりがいかなるものかを実感させてくれる。
 音質はテープ・ヒス、音ゆれ、散発ノイズ等、問題含みだが、この名演を味わうことは十分可能だ。
 なお、この演奏はだいぶ前に一度だけイタリアのレーベルから発売されたことがあるが、音質的には今回の方が優れている。
RM-456/7S

(2CD)
ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」(*)
R.シュトラウス:4つの歌(#)
ジェシー・ノーマン(S)
セルジュ・チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.
 録音:1989年6月23日、ミュンヘン(*)/1992年11月14日、ミュヘン(#)
 ブルックナーは77才を目前にした、サマー・フェスティヴァルでのライブ。8か月前のEMI盤と比べて、全体で2分弱演奏時間が長くなっており、最晩年のスタイルに移行する経過が実感される。 終楽章のコーダは、チェリ独特の世界が展開しており、いつ聴いても実に感動的。数あるチェリの「ロマンティック」の中でも最上の演奏のひとつ。
 イン・ホール録音の為やや録音状態が不安定で、テープ・ヒスも気になるが、チェリのサウンドはよく把えてられている。
 一見、水と油という印象を与えるチェリビダッケとジェシー・ノーマンだが、ここでは見事に決まった名演を展開している。極限まで落とされたテンポで、 立派に歌い切ってしまうところがノーマンの凄さだ。それにしても何という豊の美の世界だろう。空前絶後の名演ばかり。
 イン・ホール録音だが、テープ・ヒスを除けばかなり良好な音質。
RM-458/9S

(2CD)
マーラー:交響曲第3番 ニ短調 ルクレツィア・ウエスト(A)
ジョン・バルビローリ指揮
BPO、聖ヘドヴィッヒ教会cho.
 録音:1967年、ベルリン。ステレオ。
 バルビローリのマーラーはベルリンでも大好評で、第9番が楽員のたっての願いでレコーディングされた(EMI)のは有名。しかし残念なことに他の曲は録音されることなく、ベルリン・フィルとの名演の数々は今日でも幻となっている。この演奏はかつて、イタリア盤で発売されていたものと同一の可能性があるが、音質はまずまずで壮大かつ情熱的なバルビローリならではの名演をじっくり堪能することができる。
マーラー:交響曲第6番 イ短調 ジョン・バルビローリ指揮
NPO
 録音:1967年8月16日、ロイヤル・アルバートホール、ロンドン。モノラル。
 プロムスでのライブで、同時期のスタジオ録音とは全くといってよいほどの趣の異なる演奏が展開されている。テンポはこちらの方がかなり目立って速く、異様な熱気に包まれた凄絶な名演。
 モノラル録音の上に、散発ノイズ、ヒス・ノイズも多く、音質には問題がありだが、稀代のマーラー指揮者バルビローリの圧倒的な表現力に唸らされるファン必聴の音源。
モーツァルト:セレナード第7番 ニ長調K.250「ハフナー」 ハンス・カラフス(Vn)
カール・シューリヒト指揮
シュトゥットガルトRSO
 録音:1962年12月19日、シュトゥットガルト。モノラル。
 以前LP時代にイタリアのレーベルから発売されていた名演の復活。シューリヒトの名解釈ぶりはここでも冴えわたっており、若き日のモーツァルトの名作に輝かしい生命力を吹き込んでいる。
 音質も当時のものとしては良好で、LPをしのぐ水準。
オルフ:カンタータ「カルミナ・ブラーナ」 アーリーン・オージェ(S)
ルイ・ドゥヴォ(T)
ペーター・ビンダー(Br)
クラウス・テンシュテット指揮
NDRso、同cho.、
RIAS室内cho.、
ハンブルク少年cho.
 録音:1980年、ハンブルク。モノラル。何とテンシュテットのカルミナ!
 モノラルである上に、録音状況も良好とは言えず、音質的には問題の多い当盤だが、演奏内容は圧倒的。巨大なエネルギーの爆発、生々しいまでの官能性、 深い締観などカルミナ・ブラーナの様々な要素が見事に融合し、聴衆を把えて離さない。巨匠テンシュテットの本領が実に良く発揮された名演で、すべてのカルミナ・ブラーナの頂点に立つ演奏といっても過言ではない。
ベートーヴェン:
 交響曲第4番 変ロ長調Op.60/
 交響曲第5番 ハ短調Op.67「運命」
オットー・クレンペラー指揮
ケルン放送so.
 1966年3月17日、ケルン。
 ステレオ録音だが、テープ・ヒス、散発ノイズ等問題は多々ある。しかしながら演奏は相当なもので、内容の点だけでいえばBRSOとの1969年盤(EMI)といい勝負。
 晩年のクレンペラー特有のスケールの大きさと、格調の高さに圧倒される名演。
マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調 クラウス・テンシュテット指揮
LPO
 録音:1984年7月26日、ロンドン。ステレオ。初出。
 テンシュテットのLPO在任は、病のため短期間に終わってしまったが、このライヴは着任の翌年のもの。 同時期の演奏としてはGNPやRE! DISCOVER、HALLOO等から同年4月の演奏が出ており、そちらも名演として知られているが、今回も元気な頃のテンシュテットらしく、表現も実に見事に決めている上、 終演後の拍手も凄まじく、会場の熱狂ぶりがよく伝わる。テープヒス、散発ノイズはあるものの、音質は比較的良好。
チャイコフスキー:
 交響曲第6番 ロ短調Op.74「悲愴」
セルジュ・チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.
 録音:1992年11月14日、ミュンヘン。ステレオ。
 同時期のEMI盤(この日と16日の演奏からの取られた物)とは別音源で、この日のコンサートの無修正のライヴ。 チェリの「悲愴」は、彼の広いレパートリーの中でも格別の位置を占めており、その完成度の高さと説得力の強さは抜群。 この日のライヴは、中でも最高の出来で、とくに後半の2つの楽章が素晴らしい。インホール録音でテープヒスと散発ノイズはあるものの、音質としては良好でチェリのサウンドが見事に捉えられている。
RM-466/7S

(2CD)
マーラー:交響曲第7番 ホ短調「夜の歌」 レナード・バーンスタイン指揮
NYP
 録音:1985年、ニューヨーク。ステレオ。
 同時期に録音された、DG盤とは別録音で、一晩のコンサートの完全なライヴ。演奏は晩年のバーンスタインらしく、極めて多彩なもので、表現の振幅の大きさと巨大なスケールに圧倒される。 マーラーをレパートリーの中心に置き、生涯をかけて極めていった巨匠バーンスタインの代表作とも言える名演。テープヒス、散発ノイズはあるものの、全体としては聴き易い。
ベートーヴェン:
 交響曲第9番 ニ短調Op.125「合唱」
マリア・シュターダー(S)
グレース・ホフマン(Ms)
ヴァルデマール・クメント(T)
ハンス・ホッター(B)
オットー・クレンペラー指揮
ケルン放送so.&cho.、
ハンブルクNDRcho.
 録音:1958年1月6日、ケルン。モノラル。多分初出。
 クレンペラーの「第9」は、数多く残されているが、ドイツのオーケストラを指揮したものはこの録音だけで、実に貴重な音源。演奏も極めて充実しており、 前年のフィルハーモニア管とのスタジオ録音やライヴをしのぐ出来。シュターダーをはじめとする歌手陣も見事で、クレンペラーの「第9」のベストと言っても過言ではない。テープヒスはあるものの、当時のものとしては音質良好。
シューベルト:
 交響曲第8番 ロ短調D.759「未完成」
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調Op.88
カール・シューリヒト指揮
フランス国立放送o.
 録音:1959年3月24日、パリ。モノラル。
 晩年のシューリヒトは、しばしばフランスのオーケストラに客演し、数多くの名演を残した。とくにフランス国立放送管とは関係が深く、ここでも息のぴったりあった見事な演奏を繰り広げている。 シューベルト、ブラームスともに優れたスタジオ録音があるが、今回のものはライヴならではの思い切りの良さがプラスに作用し、説得力にあふれた名演となっている。
 「未完成」は、以前LP時代にエラートから発売されていたものと同一演奏だが、別音源を使用している。テープヒスはあるものの、聴き易い音質。またブラームスは、 以前にイタリアのレーベルから発売されたことがあるが、久しく入手浮華になっていたもので、こちらも無論別音源。テープヒスはあるものの、音質的にはまずまず。
バッハ:
 管弦楽組曲2番 ロ短調BWV.1067(*)/
 管弦楽組曲3番 ニ長調BWV.1068(*)
ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調Op.36(#)
カール・シューリヒト指揮
スイス・ロマンドo.
 録音:1955年12月21日(*)/1957年、ジュネーヴ(#)。モノラル。初出。
 シューリヒトは同時代の名指揮者たちの多くとは異なり、バッハの作品を比較的熱心に演奏した。管弦楽組曲の第2、3番はスタジオ録音も残されているが、 今回はライヴだけにより生き生きとした表現が印象的で、確信にみちた堂々たる名演が展開されている。音質はまずまずといったところだが、演奏の素晴らしさはよく伝わってくる。 ベートーヴェンの2番は、シューリヒト得意のレパートリーで、SPを含めて3種のスタジオ録音とベルリン放響とのライヴが知られているが、今回の演奏は期待に逢わぬ見事なもので、ファン必聴の名演。
 テープ・ヒス、散発ノイズ、若干の音ゆれなどがあるが、演奏の良さはよくわかる。
RM-471/2M

(2CD)
ニュー・イヤー・コンサート 1954 クレメンス・クラウス指揮
VPO
 録音:1954年1月1日、楽友協会大ホール、ウィーン。モノラル。初出。
 古き良き時代のニュー・イヤー・コンサートの全曲目を収録している。この日の演奏はクラウスにとって最後のニュー・イヤー・登場となった。演奏はいうまでもない程の素晴らしさで、DECCAのスタジオ録音とは一味も二味も違う乗りに乗った名演がくり広げられている。
 録音は50年近く前のもので古さは否めないが、当日の熱狂的な盛り上がりは、よく伝わってくる。
RM-473/4S

(2CD)
バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)
 [第1番(*)/第2番(#)/第3番(#)/
  第4番(*)/第5番(*)/第6番(#)]
カール・リヒター指揮
ボストンso.
 録音:1974年8月20日(*)/1974年8月30日(#)。ステレオ。初出。
 1974年のバークシャー・フェスティヴァルでのライヴ。バッハ演奏の権威として今なお絶大な師事を集めているカール・リヒターがボストン響を振った貴重な音源。 徹底した正攻法のアプローチだが、音楽が実に豊かに立派で、ソロを受け持つトップ奏者たちの名技も聴きもの。
 テープ・ヒス等、若干の問題はあるが、当時のものとしては十分に満足できる音質。
ベートーヴェン:
 交響曲第4番 変ロ長調Op.60(*)/交響曲第8番 ヘ長調Op.93
オットー・クレンペラー指揮
ケルン放送so.
 録音:1954年10月25日(*)/1955年5月28日。モノラル。
 1950年代のクレンペラーによる貴重なライヴ。しばしば客演して息のあったところを見せたケルン放送響との演奏で、晩年のスロー・テンポとは異なる早めのテンポ、 そしてスタイリッシュかつ古典的な表現で聴かせる。音質まずまず。
シューマン:
 交響曲第2番 ハ長調Op.61/チェロ協奏曲 イ短調Op.129(#)
ハインリッヒ・シフ(Vc;#)
セルジュ・チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.
 録音:1982年10月28日(*)/1985年2月23日(#)、ミュンヘン。ステレオ?。
 ミュンヘン時代初期のエネルギッシュなチェリビダッケが聴ける、ファン待望のライヴ。テンポもそれほど遅くなく、チェリの精緻な表現を心ゆくまで堪能できる。 特にチェロ協奏曲は、半年ほどのブランクの後ミュンヘンにカムバックした時の演奏で、凄まじい緊張感にあふれた格別の名演。 イン・ホール録音のため音質には不満が残るが、演奏の素晴らしさは伝わってくる。
ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」Op.9(*)
R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」Op.20(*)
シューベルト:交響曲第8番 ロ短調D.759「未完成」(#)
セルジュ・チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.
 録音:1989年6月29日(*)/1989年6月30日(#)、ルーアン。ステレオ?。
 「ルーアン夏の芸術祭」ライヴ。3曲とも晩年のチェリビダッケが良く取り上げた十八番で、完成度の高さには驚嘆させられる。マイクには入りにくいチェリの芸術の片鱗が伺える素晴らしい演奏。 イン・ホール録音のため不備が多いものの、音質は比較的鮮明。
RM-478/9S

(2CD)
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 セルジュ・チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.
 録音:1991年4月12日、ケルン。ステレオ
 ドイツ国内への演奏旅行時のライヴ。EMI盤の2年前の録音ということもあってか、最晩年のスタイルながら覇気は十分。 好みが別れる彼のブルックナーだが、このような絶好調のときの演奏には、やはり感銘を受けざるをえない。イン・ホール録音のため不備は多いが、演奏の特質は良く伝わってくる。
RM-480/1S

(2CD)
モーツァルト:交響曲第29番 イ長調K.201(*)
シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調Op.82(*)
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調Op.74「悲愴」(#)
レナード・バーンスタイン指揮
ボストンso.
 録音:1988年3月14日(*)/1986年7月26日(#)。ステレオ。
 晩年のバーンスタインが、縁の深かったボストン響に客演した際のライヴで、巨匠十八番の作品が並ぶ。強烈な個性に彩られた演奏ということもあって好みは別れるだろうが、 その真摯さは正に彼ならではの物であり、このような演奏はなかなか聴けるものではない。音質まずまず。
ブルックナー:交響曲第4番 クラウス・テンシュテット指揮
ボストンso.
 録音:1982年。ステレオ。
 1970年代始めに西側に移ったテンシュテットが最初に見いだされ、世界的スターダムに押し上げられたのはボストン響との共演が切掛けだった。 テンシュテットによる同曲は、BPOとのEMI盤(1981年)、LPOとのライヴ(1984年)に続き3つめとなるが、ここでの演奏は、彼とオケとの信頼関係の間に築き上げられた極めて完成度の高い名演。 アメリカのオーケストラから、ここまでドイツ的音色をひきだす彼の力量には、改めて感服せざるをえない。 音質良好。
ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調Op.88 クラウス・テンシュテット指揮
フィラデルフィアo.
 録音:1989年3月。ステレオ。
 テンシュテットの手にかかると圧倒的なスケールと深みを兼ね備えた壮絶な音楽に返信する「イギリス」。彼による同曲には、フィンランド放送響(1978年)、BPO(1980年)、LPO(1991年)と3つのライヴが既に存在するが、 今回は音質も含めベストと思われる演奏の登場となった。オケも彼の棒によく応え、重厚なサウンドを聴かせる。若干のノイズは混入するものの、音質まずまず良好。
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調Op.95「新世界より」 クラウス・テンシュテット指揮
ボストンso.
 録音:1987年1月17日。ステレオ。
 この曲もテンシュテット得意のもの。BPOとの2種の録音がこれまで出ていたが(1980年EMI/1984年ライヴ)、 今回のボストン響との共演は、オーケストラとの関係が一層緊密であるためか、説得力の強い名演となっている。 異次元に引き込まれるかのような独特の雰囲気を持った第2楽章と、壮絶な気迫かつ圧倒的な燃え上がりが聴ける第4楽章がことに印象的。オケの熱演も特筆すべき物。 若干のノイズは混入するものの、音質まずまず良好。
R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」Op.35 ジュレス・エスキン(Vc)
バートン・ファイン(Va)
クラウス・テンシュテット指揮
ボストンso.
 録音:1982年3月。ステレオ。
 「ドン・キホーテ」はテンシュテット初レパートリーとなる物。何ともシリアスな演奏だが、テンシュテットらしく実にユニークな表現が随所にに聞かれる。表現の豊かさと表現の幅広さは相当な物で、 全ての音に意味を込め、生命を吹き込んでいく彼の力量に驚嘆させられる。 若干のノイズは混入するものの、音質まずまず良好。
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」 クラウス・テンシュテット指揮
ボストンso.
 録音:1977年7月30日。ステレオ。
 北ドイツ放響(1979年)、VPO(1982年)、LPO(1991年)に続く4つ目のテンシュテットによるエロイカだが、年代的には最も若い時のものとなり、50才代前半の颯爽とした彼の演奏が聞ける。 比較的早めのテンポが取られているが、表現の深さと密度の濃さは大変な物で、晩年のものと比べても全く遜色が無い。オーケストラの純ドイツ風サウンドも彼の特訓の成果であろう。音質良好。
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調Op.98 クラウス・テンシュテット指揮
ボストンso.
 録音:1974年12月14日。ステレオ。THE THREE ZERO CLASSICSからADB-0001として出ている物。
 テンシュテットのアメリカ・デビュー時の演奏。この時の演奏は空前の成功を収め、彼は一気に世界の桧舞台へ躍り出ることとなった。演奏の方は期待に違わず、 初共演とは思えないほどオーケストラとの息がぴったりとあっており、彼の尋常成らざる力量をまざまざと見せつける演奏となっている。テンシュテット一世一代の名演といっても過言ではない。音質良好。
プロコフィエフ:交響曲第5番 変ロ長調Op.100 クラウス・テンシュテット指揮
デトロイトso.
 録音:1978年。ステレオ。
 テンシュットの偉大な才能を再認識させられる演奏。他の誰とも異なるユニークな演奏ながら説得力は抜群で、この名曲の魅力を実に雄弁な語り口で聴かせてくれる。オーケストラも熱演。音質良好。
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 クラウス・テンシュテット指揮
LPO
 録音:1984年5月10日。ステレオ。LPO からマスター復刻盤 (LPO-0030) が発売されている。
 巨匠と手兵による待望のブル7。表現の多彩さとスケールの大きさが見事に融合し、格別の名演となっている。クライマックスの雄大な築き方と壮絶な迫力はテンシュテットの真骨頂で、豊かな歌心も実に魅力的。
 若干のノイズ混入と、テープ・ヒスが大きめの点がやや気になるが、音質は比較的鮮明。マスター復刻の LPO 盤よりノイズは多いが、音質的には当盤の方が迫力があると言う意見が多い。
ブラームス:ドイツ・レクイエム ルチア・ポップ(S)
トマス・アレン(Br)
クラウス・テンシュテット指揮
LPO、&cho.
 録音:1984年8月26日、ロンドン。ステレオ。
 1984年のプロムスでのライヴ。同時期のEMIへのスタジオ録音とはかなり趣を異にしており、正にライヴならではのテンシュテットが味わえる格別の一枚と言える。 この日の演奏は空前の成功を収め、テンシュテットとロンドン・フィルの数多くの名演の中でも格段に優れたものと評された。 深い精神性に貫かれた密度の高い緊張感が全体を支配しており、強烈な磁力を思わせる求心力の高い演奏。 オーケストラ、コーラスも大熱演で、また独唱陣の素晴らしさも大変のもの。 若干のノイズ混入と、テープ・ヒスが大きめの点がやや気になるが、音質は比較的鮮明。
オルフ:カンタータ「カルミナ・ブラーナ」 ワスレー(S)
イングランド(T)
ダレス(Br)
クラウス・テンシュテット指揮
トロントso.、同cho.
 録音:1979年12月13日。ステレオ。なお、録音日は1979年2月13日の誤植らしい。
 テンシュテットにしか成し得ない壮絶で圧倒的なカルミナ。作品が内包する様々な要素を究極の形で音にしたと言う趣の演奏で、感銘の深さは比例無きもの。北ドイツ放響との演奏(RM-462M;モノラル録音) と比べると共演陣がやや落ちるのは否めないが、録音は今回の方がかなり聞きやすく、テンシュテットならでは表現がよくわかる。テープ・ヒスやノイズの混入等気になる点は多々あるが、まずまず鮮明な音質。
ブラームス:
 交響曲第3番 ヘ長調Op.90/悲劇的序曲Op.81
クラウス・テンシュテット指揮
LPO
 録音:1983年4月7日、ロンドン。ステレオ。交響曲はTHE THREE ZERO CLASSICSからTH-014として出ている演奏と同一の可能性がある。「悲劇的序曲」は今回テンシュテットの初レパートリーとなるもの。
 純ドイツ風の実に重厚なブラームス。テンポは中庸ながら重心が低く、正に濃厚な名演が展開される。この演奏が1980年代のものであることを考えると驚きの解釈で、 ライヴにおけるテンシュテットの凄味を感じることのできる一枚と言える。テープ・ヒスやノイズの混入はあるが、音質はしっかりしており、演奏の素晴らしさを実によく伝えている。
ベートーヴェン:
 交響曲第1番 ハ長調Op.21(*)/交響曲第7番 イ長調Op.92(#)
クラウス・テンシュテット指揮
LPO
 録音:1989年12月14日、ロンドン(*)/1989年11月21日、ロンドン(#)。ステレオ。 (*)はNAVIKIESEからNAV-4010として出ているもの。当盤発売後に、BBCからマスターよりの復刻が成された(BBCL-4158)。(#)は当盤が初登場で、翌日の演奏がBBCからCD化されている(BBC BBCL-4167)
 ほぼ同時期のライヴながら演奏のスタイルは大きく異なっており、それぞれの作品に対するテンシュテットのアプローチの違いが実によくわかる大変興味深い一枚。第1番は作品の持つ古典的様式をしっかりと前面に打ち出して、格調高い名演に仕上げている。ドイツ風の重厚さと細部の綿密な表現が融合した、テンシュテットらしい演奏。第7番は全体に早めのテンポが採られており、エネルギッシュな表現が随所に聞かれる。ティンパニの思い切った表現が特に印象的な壮絶なフォルティッシモには驚くばかりで、 特に後半の2楽章の圧倒的迫力は想像を絶する。音質は、第1番は良好なもの。一方の第7番はイン・ホール録音で、ヒス・ノイズが多めではあるものの、鮮明な音で演奏の様子はよく伝わる。
モーツァルト:レクイエムK.626 マリア・ヴェヌーティ(S)
(ウルスラ?)・
  クンツ(A)
ウーヴェ・ハイルマン(T)
ペーター・リカ(B)
セルジュ・チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.&cho.
 録音:1987年4月16日、ミュンヘン。ステレオ。
 チェリ美学に貫かれた究極の名演。正に奇跡としか表現しえない絶妙な音楽が展開している。他のどの指揮者とも異なる極めて個性的な演奏でありながら、圧倒的説得力で聞き手を呪縛するかのような壮絶な名演。 イン・ホール録音のため、様々な問題があるが、音質は聞きやすく演奏の良さはよくわかる。なお、以前ARTISTSからFED-039として出ていた演奏と同じ可能性もある。
ヒンデミット:交響曲「画家マチス」
プロコフィエフ:バレエ「ロメオとジュリエット」抜粋
セルジュ・チェリビダッケ指揮
LSO
 録音:1978年。ステレオ。
 チェリお得意の2曲だが、この年の物は今回が初登場と思われる。この演奏もオーケストラの機能をフルに生かした何とも聞き応えのある名演。当時のチェリの気迫あふれる指揮振りが実によくわかる。 ヒス・ノイズ、散発ノイズはあるが、比較的聴きやすい音質。
バッハ:管弦楽組曲第2番 ロ短調BWV.1067(*)
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調Op.47(#)
インゴルフ・トゥルバン(Vn;*)
セルジュ・チェリビダッケ指揮
ミュンヘンpo.
 録音:1984年1月22日(*)/1986年4月8日(#)。ステレオ。
 チェリビダッケにとっては非常に珍しいレパートリーで、戦後の一時期を除いてはほとんど演奏していなかったもの。チェリ・ファンは必聴の2曲と言えるだろう。精緻かつ心にしみ入る表現がさすがはチェリと思わせる。トゥルバンはゲルハルト・ヘッツェル等に教えを受け、チェリに見いだされた人で、この当時はミュンヘンpo.のコンサート・マスター就任当初ではないかと思われる。
 イン・ホール録音のため、問題はあるが、比較的聞きやすい。
モーツァルト:
 交響曲第40番 ト短調K.550/
 交響曲第41番 ハ長調K.551「ジュピター」
ヨーゼフ・クリップス指揮
ACO
 録音:1972年。ステレオ。
 希代のモーツァルト指揮者、クリップス最晩年のライヴ。このコンビによるPHILIPSへの同時期のスタジオ録音は、今日でも高い評価を得ているが、 ここでの演奏はライヴだけに生き生きとした表情付けがより際だっており、極上の名演にしあがっている。 テープ・ヒス、散発ノイズ、音揺れ等気になる点はあるが、演奏の素晴らしさはよく伝わる。
ベートーヴェン:
 ピアノ協奏曲第3番 ハ短調Op.37(*)/
 交響曲第6番 ヘ長調Op.68「田園」(#)
クラウディオ・アラウ(P;*)
カール・シューリヒト指揮
フランス国立放送o.
 録音:1957年3月24日(*)/1964年1月20日(#)、パリ。モノラル。
 シューリヒト最晩年の「田園」がまさに圧巻。「枯淡の境地」という言葉がこれほどぴったりくる演奏も珍しく、シューリヒトの魅力ここに極まれリと言う趣。 協奏曲もアラウの重厚なピアノをしっかりサポートした、シューリヒトらしい辛口の名演。 テープ・ヒス、散発ノイズはあるが、演奏の素晴らしさはよく伝わる。なお、ピアノ協奏曲は以前MELODRAM等から、1959年同月同日のこのコンビによる演奏が出ているので、同一演奏の可能性もある。 「田園」は1960年代以降の演奏は確かこれが初登場。
ベートーヴェン:
 「コリオラン」序曲/ピアノ協奏曲第4番 ト長調Op.58(*)
ウィルヘルム・バックハウス(P;*)
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
VPO
 録音:1954年1月17日、ウィーン。様々なレーベルから発売されているもの。ただ、このカップリングで1CDというのは今回が初めてではないかと思われる (GOLDEN MELODRAMの3CDセットに両曲とも収められてはいるが/GM-4.0040)。
 このコンビでの「ピアノ協奏曲第4番」は他に1962年のライヴもあるが、この演奏は、しばしば共演していたこの2人の「相性の悪さ」が発揮された怪演。よい意味での遊び心に満ちており、 聞き手をぐいぐいと引っ張っていく所はさすが。また、最初の「コリオラン」はクナならではの壮絶な演奏で、VPOの響きの濃厚さが聞き物。
 録音状態はさすがに古く、ノイズの混入など気になる部分もあるが、演奏の素晴らしさはよく伝わる。